山梨県議会 2023-02-01
令和5年2月定例会(第2号) 本文
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┃ │山│清│市│ │大│鷹│乙│渡│猪│ │卯│宮│飯│ ┃
┃ │田│水│川│ │久│野│黒│辺│股│ │月│本│島│ ┃
┃ │ │喜│ │ │保│ │ │ │ │ │ │ │ │ ┃
┃ │七│美│正│ │俊│一│泰│淳│尚│ │政│秀│ │ ┃
┃ │穂│男│末│ │雄│雄│樹│也│彦│ │人│憲│修│ ┃
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┃ │藤│古│流│ │長│桐│臼│杉│向│ │佐│ │ │ ┃
┃ │本│屋│石│ │澤│原│井│原│山│ │野│ │ │ ┃
┃ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ┃
┃ │好│雅│恭│ │ │正│友│清│憲│ │弘│ │ │ ┃
┃ │彦│夫│史│ │健│仁│基│仁│稔│ │仁│ │ │ ┃
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┃ │ │ │笠│ │ │ │ ┃
┃ │ │ │井│ 一 問 一 答 用 │ │ │ ┃
┃ │ │ │ │ 質 問 演 壇 │ │ │ ┃
┃ │ │ │辰│ ┌──┬───┬──┐ │ │ │ ┃
┃ │ │ │生│ │ │ │ │ │ │ │ ┃
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┃ │ 演 壇 │ ┌──┐ ┃
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┃└──────┘ │ │議 長 席│ │ └──────┘┃
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2
◯議長(
久保田松幸君)次に、日程第二、知事提出議案第一号議案ないし第四十五号議案を一括して議題といたします。
これより、上程議案に対する質疑とあわせ、日程第三の県政一般についての代表質問を行います。
この際申し上げます。
今定例会においては、本会議への出席に当たって、原則としてマスクを着用することとしておりますが、質問・答弁で登壇する際や、飛沫感染防止対策を行っている場所での発言は、非着用も可としておりますので、御了承願います。
発言の通告により、杉山肇君に四十分の発言を許します。杉山肇君。
(杉山 肇君登壇)(拍手)
3
◯杉山 肇君 自民党誠心会を代表し、今定例議会に提出されました案件並びに県政一般について質問いたします。
まず、先月六日に、トルコ南部からシリア北部にかけて発生した大地震により、五万人以上のとうとい命が失われました。亡くなられた方々に、心より哀悼の意を表します。また、今なお厳しい状況におられる皆様に、お見舞いを申し上げますとともに、両国の一日も早い復興を願っております。
さて、先般行われた山梨県知事選挙では、長崎知事が再選を果たされました。知事は「豊かさ共創社会やまなし」を目指すとの公約を掲げ、選挙期間中、多くの県民の生の声を聞かれたと思います。将来を見据え、真に豊かな山梨を築くという知事の目標は、我々県議会議員の目標でもあります。二期目の県政運営に大いに期待しております。
私は、三十年ほど前、県内初の骨髄移植のドナーとなりました。かねてより他者を思いやる気持ちが大切であると考えていた私は、骨髄移植に当事者としてかかわる経験を通じ、他者を思いやる気持ちをもって行う社会的活動が、いかに重要で、そして大きな貢献となるかを身をもって知り、この経験が、その後の私の活動の原点となりました。
現在は山梨県骨髄バンクを推進する会の会長を務めており、一人でも多くの方にドナー登録をしていただけるよう活動を続けたいと思っております。
論語の中には、次のような一説があります。「子路、政を問う。子曰わく、之に先んじ之を労う。益を請う。曰わく、倦むこと無かれ。」これは、政治にとって大切なことは、率先して働き、人を思いやることである。そして、そのことを一心不乱に実行し続けることであるという意味です。この言葉は、私の政治姿勢をあらわすとともに、知事の政治姿勢にも通じるものを感じております。
私は、感染症や物価高騰などの影響を受ける県民や事業者への配慮を忘れず、明るい未来のため、知事とともに粘り強く取り組み続けることをお誓い申し上げ、以下質問に入ります。
初めに、新型コロナウイルス感染症対応の検証・記録業務を踏まえた対応についてであります。
新型コロナウイルス発生以来、我々は、想定を上回る感染拡大に何度も見舞われました。コロナ禍においては、知事もゼロからのスタートであったと述べているように、国も地方公共団体も、前例に乏しい状況を前に試行錯誤を重ね、県民の生命や生活を守るべく未曾有の国難に立ち向かってきました。
本県では、長崎知事の強いリーダーシップのもと、早い時期から感染拡大防止と経済活動の両立を目標に掲げ、令和二年六月にやまなしグリーン・ゾーン認証制度を創設しました。この制度は全国に拡大し、全ての都道府県で同様の制度が導入されることになり、先駆的な取り組み「やまなしモデル」として各方面から高い評価を得ております。また、コロナ病床と宿泊療養施設の確保数は全国でトップになるなど、本県は手探りながらも、コロナ対策に全力で取り組み、的確に対応されてきたことを高く評価したいと思います。
このような中、コロナ対策の過程で得られた知見・経験が未整理であり、速やかな記録化を第三者による客観的な評価を得ながら進めるため、新型コロナウイルス感染症対応の検証・記録業務を行ったと認識しています。今回の取り組みは、有識者からも、このような大規模な検証作業は見たことがなく、歴史的な資料として非常に重要なものになった。山梨県のみならず、我が国全体の危機管理体制の向上に大いに資するものと評価がされています。
一方、五月八日から、政府は新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを現在の二類相当から季節性インフルエンザなどと同じ五類へ移行する方針を決定しました。これに伴い、コロナ政策は大きな転換点を迎えることになりますが、過去の歴史を振り返りますと、人類を脅かす感染症のパンデミックは繰り返し発生しており、今後も未知なる感染症に見舞われるおそれは大きくあります。
先般、県では、本検証・記録業務の報告書を公表しましたが、その提言を踏まえ、どのような対応を図っているのか伺います。
次に、災害医療体制の充実についてであります。
南海トラフ地震や首都直下型地震、さらには富士山噴火など、いつ起こるかわからない大規模災害に対しては、日ごろからの備えが大切です。特に災害時における医療提供体制の確保は、県民の命に直結する大変重要な課題であります。
このため、県では県立中央病院を初め、各地域の主要な病院を災害拠点病院等に指定し、これまで耐震化や衛星携帯電話の整備などを進めてきました。また、富士・東部地域においても、令和二年度、新たに都留市立病院が災害拠点病院に指定され、今後、地域における災害時の医療提供体制の一層の充実が期待されるところであります。
一方、大規模災害時には短時間に多くの負傷者が発生することから、一人でも多くの命を救うためには、施設面の整備に加え、災害医療に精通した人材を育成していくことが、極めて重要です。災害時には、発災から四十八時間以内の急性期に医療救護活動を開始することや、避難所などにおいて適切な医療を継続的に提供していくことが死亡や後遺症などの人的被害の軽減につながると言われております。
このため、本県においても発災直後から被災地に駆けつけて医療活動を行うDMATや、県の保健医療救護対策本部に入って活動する災害医療コーディネーターなどの養成を進めていると承知しています。県民の命を守るためには、今後とも県内で活躍できる人材を育成し、多岐にわたる災害医療のニーズに対応できるよう備えることが肝要であります。
加えて、大規模災害時には、他県からの応援を必要とする事態も十分に想定されており、他県から派遣された医療従事者と共に円滑な医療活動を行える体制づくりに向けて、県内医療関係者の災害対応力や支援の受け入れ体制をあらかじめ強化しておくことも必要であります。
そこで、県では災害医療体制の充実に向けてどのように取り組んでいるのか、御所見を伺います。
次に、認知症対策についてであります。
県の調査によると、令和四年四月一日現在、県内の認知症高齢者は約二万八千人であり、六十五歳以上の高齢者の一一・二%を占めております。今後、高齢化の進展に伴い、認知症高齢者はますます増加するものと予測されます。認知症は誰もがなり得るものであり、家族や知人がなることなども含め、多くの人にとって身近な問題であります。
私は、認知症になっても住みなれた地域でニーズに応じた支援を受けながら、安心して暮らし続けることができる環境づくりが必要であると考えています。
このため、まずは認知症に関する正しい知識と理解を持ち、地域や職域において、認知症の方やその家族に対して声かけし、悩みを聞いたり見守るなどの支援を行う認知症サポーターの養成・確保が重要であります。また、かかりつけ医やスーパー、薬局など、身近な事業所にも認知症について正しく理解してもらい、御協力いただくことも欠かせません。
これらの関係者が連携して認知症の早期発見・早期治療につなげ、さらには見守っていく仕組みをつくることが肝要であります。
私は、十五年ほど前に、認知症サポーター養成講座の講師を務めることができるキャラバン・メイトの資格を取得しました。この資格を生かし、地元の都留市を中心に、できる範囲での活動を現在も続けています。こうした私たち一人一人の地道な取り組みが地域全体での支援につながり、認知症の方や家族が安心して暮らせる地域づくりにつながるものと信じています。
そこで、認知症の方やその家族が地域で安心して生活していくため、県ではどのように取り組んでいるのか伺います。
次に、山地災害対策についてであります。
近年、地球温暖化の影響に伴う台風の大型化や線状降水帯の発生に伴う記録的な大雨により、全国各地で洪水や土砂災害が頻発化・激甚化し、人家や交通機関が被害を受けるなど、住民の生活や社会経済活動に重大な影響を与えています。
昨年九月には、台風十五号が静岡県東部を襲い、豪雨に伴う山地災害の影響から、静岡市清水区の六万三千世帯が断水となり、復旧までに二週間程度の時間を要しました。また、山間部においては送電用の鉄塔が倒壊し、静岡県内で最大十二万戸が停電する被害が発生したことは記憶に新しいところです。
本県の状況を見ますと、四方を高い山々に囲まれ、地形が急峻で地質が脆弱である上、集落の近くまで山地が迫っている地域が多く存在することから、山地災害のリスクが高く、ひとたび大型台風や線状降水帯による豪雨に見舞われた場合、より深刻な被害が発生するのではないかと危惧しております。
山地災害から住民の生命・財産を守るためには、県土の強靱化をより一層進めていくべきであるとの思いを新たにしたところであります。県において設置を進めている治山ダムは、下流域への急激な土砂の流出を抑制する機能を有しており、今後も積極的に整備を進めていくことが必要であります。
一方、治山事業の効果を一層高めていくためには、地域の実情に精通した地元市町村と協働で対策を進めていくとともに、地域住民の方々に対し山地災害に関する知識の普及啓発を図ることも大切であると考えます。
そこで、山地災害の防止に向けた県の取り組みについて伺います。
次に、生活環境保全のための新たな規制についてであります。
本県は、緑豊かな大地と、爽やかで澄んだ空気、平成の名水百選に選ばれた十日市場・夏狩湧水群を初め清らかで豊富な水など、豊かな自然に恵まれております。これら自然に育まれた良好な生活環境を守り、後世に引き継いでいくことは、今を生きる我々の使命であると考えます。私は、環境にかかわる仕事に携わってきたこともあり、本県の環境を守りぬこうとする今後の取り組みに大いに期待をしております。
これまでも県は、数々の施策を講じてきましたが、近年、県内外で土砂や廃棄物の大量堆積により、良好な生活環境に悪影響を及ぼす事案が発生したことを受け、これらに対する規制のあり方を検討するための会議を、昨年の二月に立ち上げました。検討会議には、各種業界の代表者や環境問題の有識者に加え、本県の良質な環境を基盤とする農業や観光業の従事者といった県民の代表者が参加し、幅広い観点から検討が進められ、先般、取りまとめが行われたと承知しております。
私は、県民の生活環境を脅かすような土砂や廃棄物の大量堆積、ましてや有価物と偽って廃棄物を受け入れ、それを放置するなどということは決して許されることではなく、不適正な行為を未然に防止し、生活環境に支障を及ぼしているような状況を迅速に改善させるための規制を設けることは必要と考えます。
一方で、新たな規制を設けた場合の事業活動への影響に配慮した対応もあわせて考えていく必要があります。
そこで、検討会議において取りまとめた内容と、それを踏まえて今後どのように対応していくのか伺います。
次に、豊かさを支える産業人材の育成についてであります。
現在、感染症の流行や原油・原材料価格の高騰、円安といった先行きの見えない事象に見舞われておりますが、本県の明るい未来に向け、さまざまな課題を克服しつつ地域経済の活性化を図り、持続可能で、これまでより一段高いレベルでの成長軌道に乗せるべきときが来ています。地域経済を支えるのは言うまでもなく、企業とそこに働く人であり、働く人のリスキリングを通じ企業の生産性や収益の向上を図っていく必要があります。
県では昨年、労使の関係者や教育機関などから構成される豊かさ共創会議を設置し、成長と分配の好循環を生み出す豊かさ共創基盤構築プロジェクトを始動させています。そして今後、能力開発を担う各種機関などと連携して働き手のリスキリングを支援する基盤、キャリアアップ・ユニバーシティの整備を進めていくものと承知しております。この取り組みは国に先んじたものであり、知事の先見性を高く評価するところであります。
現在、県内には、医療機器や水素・燃料電池関連の成長産業が増加しており、また、全ての産業でAIやIOTを生かしたDX推進が求められています。これら産業を支える人材のスキルや能力の向上を今こそ強力に支援していく必要があると考えます。
一方、県内には、機械電子産業や観光産業などで活躍する即戦力となる優秀な人材を輩出している県立産業技術短期大学校があり、就職者の約九割が県内企業の雇用へとつながるなど、産業界から高い評価を得ています。
また、県立大学が実施しているPENTAS、さらに、山梨大学が水素・燃料電池や医療機器関連産業に貢献する人材養成講座を展開するなど、産業人材の育成に資するさまざまな取り組みが行われています。
私は、このようなさまざまな学びの場をブラッシュアップしつつ、これからの本県の産業展開に必要な人材を確保するための新たなリスキリングの機会を幅広く提供していくべきではないかと考えます。
そこで、県は今後、県内企業の成長・発展、さらには地域経済の活性化に資する産業人材の育成をどのようにして図っていくのか、御所見を伺います。
次に、ジュエリーのブランド価値向上への取り組みについてであります。
本県は、古くから水晶の産地であったことから水晶加工が始まり、培われた技術は明治時代に入ってから、宝飾産業へと大きく発展しました。現在でも、優れた技術を持った国内屈指のジュエリー産地であり、企画・デザインから加工・流通までのサプライチェーンを構成する事業者が揃う、ジュエリー産業の集積地として世界でも稀有の場所であります。
山梨県が世界にも冠たるジュエリー産地であることは、宝飾業界においてはよく知られておりますが、こと消費者においては、国内外ともに十分に伝わっていないのが現状であり、非常に残念に感じているところであります。
本県の重要な産業であるジュエリー産業がその極めて高い技術とともに今後も継承され、発展していくためには、国内はもとより、アジアや中東などの富裕層の取り込みを視野に入れつつ、海外への販路を拡大していくことが必要と考えます。
また、ビジネスのあり方として、国内外の主要ブランドへ製品を供給するだけではなく、ジュエリーに自社の標章を冠して直接販売していける存在へと脱皮していくことが重要であり、そのためには、ジュエリー産地山梨として知名度を高めるとともに、そのブランド価値をさらに向上させていくことが不可欠であると考えます。
一昨年には、国内外の宝飾業者が集まる国内最大級の国際展示会、ジャパンジュエリーフェア二〇二一が本県で開催され、三日間で六千人もの来場者があったと承知しておりますが、この成功は、ジュエリー産地山梨を国内外に発信するきっかけとなったのではないかと思います。
本年四月には、これを端緒として、販路開拓や産地振興を目指した本県独自の国際展示会が開催されると伺っており、国内外から多くのバイヤーが訪れることが期待されます。その方々に本県のジュエリー製品を手に取ってもらい、品質の高さを体感していただくことは、海外の販売チャネルに直接つなげる絶好の機会だと考えます。
そこで、県は、ジュエリー産地山梨としての知名度及びブランド価値向上に向け、この機会をどのように活用していくのか、御所見を伺います。
次に、本格的な回復を迎えるこれからの観光振興についてであります。
コロナ禍となり三年余りとなりますが、年末年始には県内各地の観光地が大勢の人で賑わいを見せるとともに、外国人観光客の姿も多く見かけるようになり、コロナ前の活況がようやく戻ってきたことを実感しております。過日、観光庁から発表された宿泊旅行統計によると、令和四年十一月の県内延べ宿泊者数は、コロナ禍前の令和元年十一月を初めて上回る約七十二万一千人となっております。このような順調な回復は、十月から開始した全国旅行支援や教育旅行の誘致促進など、県が実施している旅行喚起策による効果が大きいものと評価するものであります。
インバウンド観光についても、昨年十月から政府の水際対策が緩和され、同統計では、本県の昨年十二月の宿泊者数は、アジア地域の旅行者を中心にコロナ禍前の五割まで回復してきているとのことであります。
また、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを変更する政府の方針は、順調な回復傾向にある観光関連産業にとっては追い風となる一方で、観光地間の競争の激化も想定されるところであります。こうした地域間競争に打ち勝ち、本県への来訪を促すためには、他地域との差別化を図る必要があると考えております。本県では、グリーン・ゾーン認証制度により、安全・安心な観光地としての評価を飛躍的に向上させ、選ばれる観光地としての地位を確立してきました。
また、こうした評価に加え、本県の豊かな自然環境に着目して、私の地元の都留市も含め県内各地にグランピング施設や大規模キャンプ場が造成されるなど、民間資本の県内参入も進んでおり、アウトドア分野における本県のプレゼンスが高まっております。私は観光回復のチャンス到来の今こそ、コロナ禍で得た経験を価値あるものとし、積極的に観光施策を展開すべきと考えます。
そこで、県では、本格的な回復を迎えるこれからの観光振興について、どのように取り組んでいくのか、御所見を伺います。
次に、農作物の鳥獣害対策についてであります。
本県の農地の多くは、野生鳥獣が生息する森林に近い中山間地域に位置しており、猿やイノシシ、鹿などによる農作物への被害が深刻な問題となっております。県では、野生鳥獣による農作物被害の軽減に向け、市町村などと連携し、管理捕獲や侵入防止柵の整備を計画的に進めていると承知しております。
こうした取り組みにより、野生鳥獣による農作物の令和三年度の被害額は一億三千七百万円と、五年前と比べ二千八百万円、率にして一七%減少しておりますが、依然として一億円を超える高い水準にあります。
私の地元の都留市では高齢の農家も多く、近隣にお裾分けをすることも楽しみの一つとして、農作業に励んでいる方もいらっしゃいます。丹精込めて育てた野菜が鹿に食い荒らされて全滅してしまったなどの話をたびたび耳にすることから、被害の減少が実感できない農家も多いのではないかと思います。野生鳥獣による被害は、経済的な損失だけではなく、営農意欲の減退、ひいては耕作放棄地の増加につながり、農村ならではの美しい景観までもが失われるのではないかと考えます。
さらに、地域農業やコミュニティーの維持が困難になることも危惧され、被害額以上に、農山村地域に深刻な影響を与えています。野生鳥獣対策は、個々の農家での取り組みには限界があることから、地域ぐるみで総合的かつ広域的に被害軽減に取り組んでいく必要があると思います。また、これまで行われている対策に加え、新たな技術や県内外で行われている効果の高い取り組みの導入など、対策の一層の強化が重要と考えます。
そこで、農作物の鳥獣被害をさらに軽減するため、県では今後どのように取り組んでいくのか伺います。
次に、都留市内の幹線道路についてであります。
国道百三十九号は、富士吉田市から都留市を経由し大月市に至る唯一の幹線道路であり、沿線地域の経済活動や人的交流を支える重要な路線であります。また、有事の際には、緊急輸送道路としての機能確保も求められています。しかしながら、都留市中心市街地では、慢性的な渋滞が発生しており、この渋滞を避けるため、多くの車が、国道百三十九号と平行して走る中央道富士吉田線の側道を抜け道として利用しています。しかし、この側道は狭隘であることから、交通量の増加は沿線に住む方々の生活環境に悪影響を生じさせています。
私は、現道の拡幅が困難である国道百三十九号の渋滞を緩和し、さらに側道沿線の住民の安全・安心な生活環境を改善するためにも、本側道の整備が必要であると考えますが、県では、国道百三十九号の渋滞対策についてどのようにお考えか伺います。
また、県道高畑谷村停車場線は、県道大幡初狩線とともに、都留市と大月市初狩地区を結ぶ最短ルートとして、通勤・通学など両地域間の生活道路となっています。一方、令和元年台風十九号により国道二十号の法雲寺橋が被災した際には、国中地域と大月市街地を結ぶ迂回路として機能するなど、広域的な交流も支える重要な幹線道路でもあります。
令和二年三月には宝バイパスが開通し、都留市中心部から大月市や国中地域への移動時間が大幅に短縮されたことにより、今後さらに多くの利用が見込まれることから、広域道路ネットワークとしての機能強化が必要と考えます。しかしながら、都留市立病院入り口から中央道までの間や、両県道が接続する大幡付近では、道路の幅員が狭く、大型車のすれ違いが困難であり、歩道もないことから、歩行者は狭い路肩を身の危険を感じながら通行するなど、安全性の確保を望む声を耳にしております。特に宝小学校の通学路となる大幡付近については、児童の安全な通学環境の確保は急務であると考えております。
そこで、県道高畑谷村停車場線の整備状況と今後の取り組みについて伺います。
次に、県立高校における一人一台端末の活用についてであります。
誰もがスマートフォンを所持し、家電製品にAIやインターネットが組み込まれた生活が当たり前となっている子供たちにとって、ICTやAIは大変身近な存在になっています。情報通信技術が急速に発達するなど、社会環境が大きく変化する時代を生きていく子供たちには、これらを不自由なく使うことができる素地を、子供のころから養うことが必要であります。
県立高校では、本年度、BYODの導入により一人一台端末の学習環境が実現し、端末を初めとするICT機器や高速ネットワーク環境を活用した新しい授業スタイルなどの学びの変化に期待する声を保護者などから聞いております。これまで県では、これからの時代を生きる子供たちにとって、パソコンなどの端末は、鉛筆やノートと並ぶ必須ツールであり、情報活用能力を初め、社会を生き抜く力を育み、子供たちの可能性を広げるために必要不可欠なものであると生徒や保護者に説明していますが、BYODによる端末を生徒はどのように使っているのか関心があるところです。
実際に私たちの身の回りにおいても、仕事や日常生活など社会のあらゆる場面でさまざまなICT機器が活用されており、子供たちが社会に出る前に活用できる力を育んでいくことは、学校教育の責務であると考えます。
また、私は、この三年あまりの新型コロナウイルス感染症の影響により、子供たちが人と交流する場面や、社会とのかかわりを通じて体験をする場面など、さまざまな学びの機会が減ったのではないかと心配しており、ICT機器を活用することで、わざわざ遠くまで出かけなくても可能となる、幅広い人々との交流や体験活動を積極的に行っていただきたいと思います。
そこで、現在、一人一台端末が実際に県立高校でどのように活用されているのか、また今後、県ではどのように活用を促進していくのか伺います。
最後に、本県におけるストーカー事案の現状と対策についてであります。
ストーカー規制法は、つきまとい行為を受けていた女性が殺害される痛ましい事件の発生をきっかけに平成十二年に施行され、その後、生活に密接する通信機器の発達など、社会情勢の変化を受けて、規制対象行為の内容が拡充されてきました。
令和三年の法改正では、相手の承諾を得ずにGPS機器を取りつけたり、位置情報を取得する行為も規制対象になったものと承知しています。
ストーカー事案の加害者は、一方的な私的感情から被害者に対してつきまとうなどの迷惑行為を繰り返し、時として重大な事件をも引き起こしてしまいます。
本年一月に福岡市博多区で発生したストーカー殺人事件では、被害女性が執拗なストーカー行為を受けた末、多くの人が行き交う駅前の路上で殺害されました。この残忍な犯行は連日大きく報道され、記憶にも新しいところであります。報道によりますと、被害者は、元交際相手からストーカー被害に遭っていることを警察に相談し、警察では、緊急通報装置の貸出しや勤務先周辺の警戒を行うとともに、加害者に対しては、被害者に近づかないよう禁止命令を発していたとのことであります。
一方、県内に目を向けますと、重大な事件には至っていないものの、昨年七月と十二月、女性の車にGPS機器を取りつけた男性が摘発されたとの報道がありました。また、報じられた以外にも、多くのストーカー事案の発生があると伺っております。出勤時や帰宅時に待ち伏せされたり、自宅や勤務先に押しかけられることは、誰しも大きな不安や恐怖を感じるはずで、ストーカー行為は極めて悪質かつ卑劣なものと言えます。
このようなストーカー事案の被害を防止するためには、まず、被害者自身が早いうちに警察や家族などに相談することが大切であると考えます。その上で、さまざまな被害防止対策が講じられることにより、安全と平穏な生活の確保につながっていくものと思いますが、状況によっては、被害者が生活の変化を受け入れざるを得ないなど、警察の対応や対策にも困難が伴うものと思います。
そこで、本県におけるストーカー事案の現状と、重大な事案に発展させないために県警察が取り組んでいる対策について伺います。
以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
4
◯議長(
久保田松幸君)杉山肇君の質疑・質問が終わりました。
これより、当局の答弁を求めます。知事、
長崎幸太郎君。
(知事
長崎幸太郎君登壇)
5
◯知事(
長崎幸太郎君)杉山議員の御質問にお答え申し上げます。
ただいまは、自民党誠心会を代表され、県政各般にわたり御質問をいただきました。私の今後の県政運営に対しまして、大いなる御期待をお寄せいただくとともに、明るい未来のため、私とともに粘り強く取り組みを続けていただけるとの大変力強いお言葉を賜り、心強く感じているところであります。
杉山議員におかれましては、引用されました論語の一説のとおり、常に思いやりの心を持って、精力的に活動されており、その政治姿勢に深く敬意を表する次第であります。
私も県民の皆様に豊かさという実感を本格的にお届けするべく、さらなる県政の前進に向けまして、引き続き全力で取り組んでまいることをお誓いし、以下、答弁に入ります。
初めに、新型コロナウイルス感染症対応の検証・記録業務を踏まえた対応についてです。
今後の感染症対応能力の強化に向けましては、感染症対策センターを中心に、平時から有事への即応体制を構築し、それを維持していくことが重要となります。そのためには、人材の確保・育成、医療資機材の整備、備蓄などに加え、これまでのコロナ対応で得られました知見を有効に生かしていく必要があります。
このため、本県では、コロナ対応の経過を詳細かつ正確に記録するとともに、第三者の視点による中立的な検証を加えた上で、将来の感染症対応に活用できる情報資産として後世に残すことといたしました。
検証・記録業務報告書の作成過程におきましては、現に感染症対応に従事した実務者はもとより、私も長時間にわたる取材を受けてまいりました。この取材の成果は、本報告書において良質かつ具体的な提言に結びついており、そのうち速やかな対応が必要なものにつきましては、既に実行に移しております。
例えば、甲府市との連携を一層強化するため、甲府市長に県総合対策本部の副本部長に御就任をいただき、緊密な情報共有を図るとともに、県と一体となった対策を速やかに行う体制を構築しております。
また、不足が指摘される感染症専門医につきましても、本県が山梨大学に設置している寄附講座において、国立国際医療研究センターから感染症専門医一名を招聘し、本県における感染症専門医を二名に増加したところであります。
その他の提言につきましても、極めて有益な内容となっておりますが、実行までにはより精緻な検討を要することから、関係する方々からの御意見も伺いながら、事業の詳細を固め、順次取り組みを進めてまいります。
本報告書は、当初の狙いどおり、客観的な視点から深い考察と的確な論評が加えられた、まさに後世に引き継がれるべき情報資産であると考えております。
この検証の成果を最大限生かしながら、今後、未知なる感染症が発生した場合にも、迅速かつ的確に対応し、県民の皆様の命と健康を守り抜くことができる、感染症に対して強靱な社会を構築してまいります。
次に、災害医療体制の充実についてです。
災害発生時に防ぎ得る死を減らすためには、迅速かつ適切な医療救護活動が行えるよう、平時から体制を整備しておくことが重要であります。
このため、被災地にいち早く駆けつけて救命医療を行うDMATについて、これまで十三病院に三十四チームを整備してきたところです。
また、混乱時にも必要とされる医療を的確に提供できるよう情報収集や分析を行い、DMATの派遣を初めとする総合調整機能を担う医師十七名を養成しております。
さらに、避難所における医療救護活動を継続的に行うため、県医師会や県看護協会などと連携をし、医療救護班を編成することとしております。
一方で、これらの体制を災害時に十分機能させることも重要となっていまいります。
このため、毎年DMATと地元医療機関などによるトリアージや医療救護所訓練を実施しております。
また、来年度は中部ブロック九県のDMATや県内医療機関とともに、大規模地震の発生を想定した多くの傷病者の救護訓練や災害拠点病院における患者の受入れ訓練などを行うこととしております。
訓練を通じて課題を明らかにし、解決に向けて関係者と協議を重ねる中で、災害医療体制の強化を図ってまいります。
次に、生活環境保全のための新たな規制についてです。
土砂や廃棄物などの不適正な取り扱いによる生活環境への悪影響を防止するため、昨年二月に有識者会議を設置し、規制のあり方について議論を重ねてまいりました。
委員からは、現行法令の適用環境を直ちに判断することが難しいなど、問題化が懸念される対象を整理した上で、移動や保管行為を早期に把握し、実効性のある指導を行える制度が必要との指摘がありました。
具体的には、県内外で重大事案化した土砂や汚泥を処理した堆肥原料などに加え、幹線道路沿いや町なかで、廃品などの資源物を多量に保管する行為を対象に、隙間のない規制を講じるべきとされたところであります。
こうした議論を踏まえる中で、土砂に関しましては、本年施行される盛土規制法により、必要な措置が可能となることから、現在、同法に基づく、規制区域の指定に向けた準備を進めているところであります。
今後は、法制度の周知を行うとともに、市町村や地域住民との連携・協力を図り、不法盛土の早期把握・監視を行うなど、盛土造成行為の適正化に努めてまいります。
一方、廃棄物などに関しましては、有識者会議での意見を参考に、保管場所の届出や指導に必要な行政権限に関する規定を盛り込んだ新たな条例を制定することとし、本年中を目途に議会にお諮りしてまいります。
また、議員御指摘のとおり、規制により適正な事業活動への支障が生じないよう、あわせて必要な支援について検討を進めてまいります。
次に、豊かさを支える産業人材の育成についてです。
山梨県が目指す豊かさ共創社会は、全体の豊かさが個人の豊かさに還元され、個人の豊かさが全体の幸福へと、大きく実を結ぶ社会であります。
その実現に向けまして、既に労使・教育機関・行政からなる豊かさ共創会議において、働く人に豊かさが行き渡る方法について議論を進めております。
働き手と企業が共に豊かさを実感するためには、企業の成長を支える生産力と創造力を生み出す働き手のスキルアップの推進が重要となっていまいります。
また、現下の物価上昇に対応した労働者の賃上げは、避けて通れない社会的喫緊の社会的課題ですが、一方で、中小企業が多数を占める本県におきましては、多くの企業が厳しい経営環境にあります。
そこで、賃上げ原資の確保と企業の成長を共に実現するための労働者のスキルアップは、欠かすことのできない条件となります。
このため、その道しるべとなる構想を速やかに策定し、関係者の協力のもと、拠点となるキャリアアップ・ユニバーシティを、来年度中を目途に設置いたします。
ここでは、企業の成長を促すDXリテラシーを横軸に、働き手のニーズに合った専門性を縦軸に履修プログラムを開発し、先進的・先端的な学びを提供します。
また、履修手続のオンライン化を図るとともに、さまざまなスキルアップの機会をサイト上で一覧表示することなどによりまして学びの機会の一元化を図ります。
この一環として、産業技術短期大学校では、現場に近い強みを生かして、実践的な講座や実技訓練、企業のオーダーメイド型訓練を強化していきます。
また、今後の産業を支える医療機器や水素・燃料電池といった成長分野につきましても、山梨大学に設置する養成講座の充実を図り、技術系人材の育成に努めます。
加えて、県立大学やポリテクセンター山梨など既存のスキルアップの場を最大限活用し、受講者に最適な履修プログラムを提供してまいります。
並行して、全ての働き手がスキルアップに対し前向きに向き合えるよう、豊かな学びの土壌づくりにつきましても、豊かさ共創会議で検討してまいります。
こうした取り組みによりまして、働く人と企業が共に豊かさを実感できる仕組みの構築を進め、豊かさ共創社会の実現に向けて力強く前進してまいります。
最後に、本格的な回復を迎えるこれからの観光振興についてです。
新型コロナウイルス感染拡大により深刻な影響を受けた本県の観光は、感染状況の落ち着きとともに回復に向け大きく動き出しています。
この間、県では、観光需要の喚起のほか、宿泊施設の感染症対策やリニューアルへの支援などポストコロナを見据えた施策に取り組んでまいりました。
特に、グリーン・ゾーン認証制度の導入は本県宿泊施設の評価を全国的に高め、他地域との差別化に大きく貢献したものと考えています。
この結果、令和二年、三年の観光消費額単価は、コロナ前の元年度を上回り、この傾向の定着を図るべく観光産業の収益性向上をさらに進めてまいります。
また、本県観光を不断に前進させていく上では、新たな視点による施策にも積極果敢に挑戦していくことが必要です。
このため、さまざまな主体との連携も取り入れながら、本県を訪れる理由の多様化や観光の高付加価値化の加速など、意欲的な施策を投入してまいります。
さらに、これら施策の展開に当たりましては、関係者の御意見や市場動向の把握に努め、PDCAサイクルをしっかりと回し、常に最適化を図ってまいります。
こうした取り組みを通じ、観光によりもたらされる収益と雇用の確保や地域の魅力向上との好循環を創出し、観光産業の安定的な成長につなげてまいります。
以上をもちまして、私の答弁といたします。
その他につきまして、担当の部長からお答え申し上げます。
6
◯議長(
久保田松幸君)福祉保健部長、
成島春仁君。
(福祉保健部長
成島春仁君登壇)
7
◯福祉保健部長(
成島春仁君)杉山議員の認知症対策についての御質問にお答えします。
認知症の方が地域で安心して暮らしていくためには、地域の方が認知症について理解を深め、適切に見守り、支援できる環境づくりが重要となります。
このため県では、認知症の症状や接し方などを掲載した冊子を、多くの方の目に触れるよう金融機関や図書館などに毎年配布し、普及啓発を図っております。
また、市町村とともに、企業や学校などで認知症サポーター養成講座を開催し、これまで約十二万人の方にサポーターになっていただいております。
さらに、認知症の方に声かけなどを行う認知症サポート事業所も、診療所やスーパーマーケット、薬局を初めとした幅広い事業者に協力を仰ぎ、現在は約千事業所まで拡大しております。
議員御指摘のとおり、認知症の方やその家族の方が住みなれた地域で、ニーズに応じた支援を受けるためには、かかりつけ医や認知症サポーター、サポート事業所などが連携していくことが重要となります。
このため、県が養成したコーディネーターが中心となって、支援者をつなぐチームオレンジの整備を進めており、現在、五市町で九チームが活動しております。
今後も、好事例を紹介し、この活動を全県に波及するとともに、認知症の方や家族の集いの場である認知症カフェの設置を促進するなど、市町村と連携しながら取り組みを進めてまいります。
以上でございます。
8
◯議長(
久保田松幸君)林政部長、
入倉博文君。
(林政部長
入倉博文君登壇)
9
◯林政部長(
入倉博文君)杉山議員の山地災害対策についての御質問にお答えをいたします。
山地災害から県民の暮らしを守るためには、災害発生時の早期復旧はもとより、災害の原因となる山崩れや土石流の危険を予測し、事前の防災・減災対策を着実に進めることが重要でございます。
このため県では、集落に近接し、土砂流出のおそれのある渓流や山の斜面を山地災害危険地区に指定し、緊急度の高い地区から優先して、治山ダムの設置や崩壊地の復旧を行うこととしております。
これまで計画的に整備を進めてきたことによりまして、昨年度末時点の実績は、対策を講じた地区が二千三百六十九、着手率は全国平均を一八ポイント上回る六八%となっております。
一方で、地域の実情に応じたきめ細かな対策が講じられるよう、市町村と合同で山地災害防止のパトロールを実施し、整備が必要な箇所を把握した上で事業計画に反映しております。
あわせまして、市町村が行う小規模な崩壊の復旧や流木の抑制対策に対し、経費を助成するとともに技術的な助言を行い、多様化する災害の防止に向け市町村と一体となって取り組んでいるところです。
こうした対策に加え、県ホームページの掲載や注意看板の設置により、危険地区情報を周知するとともに県政出張講座を開催するなど県民の防災意識の向上に努めております。
今後も、ハード・ソフトの両面から山地災害対策に取り組み、地域における安全・安心を確保してまいります。
以上でございます。
10
◯議長(
久保田松幸君)産業労働部長、
山本盛次君。
(産業労働部長
山本盛次君登壇)
11
◯産業労働部長(
山本盛次君)杉山議員のジュエリーのブランド価値向上への取り組みについての御質問にお答えします。
本年四月、山梨の優れたジュエリー製品が集結する国際展示会として、山梨ジュエリーフェア二〇二三が開催されます。
これを山梨ジュエリーの価値を発信する絶好の機会へと昇華させ、山梨が比類なき産地であることを多くの来場者に深く印象づけることが重要であります。
そこで、この機会にVIPバイヤーを対象とする工房ツアーを開催し、質の高い多様な製品や高度な加工ニーズへの対応力を訴求してまいります。
さらに、製品開発のためのマーケティングの機会ともなるよう専門誌への広告掲載やSNS動画の配信により、多くのバイヤーの来場を促してまいります。
こうした取り組みを通じ、認知度やブランド価値の一層の向上を図り、国内外の取引拠点としての産地山梨の実現へとつなげてまいります。
以上でございます。
12
◯議長(
久保田松幸君)農政部長、
大久保雅直君。
(農政部長
大久保雅直君登壇)
13
◯農政部長(
大久保雅直君)杉山議員の農作物の鳥獣害対策についての御質問にお答えいたします。
農作物の鳥獣害対策は、地域ぐるみで総合的・広域的な取り組みを行うとともに、新たな技術の導入やより効果的な対策を行っていくことが重要です。
このため県では、鳥獣害防止対策集落リーダーを中心に、地域住民や市町村、猟友会が一体となった取り組みを進めております。
また、野生鳥獣のすみかとなる荒廃農地の解消や侵入防止策の設置、わなによる捕獲など、総合的な取り組みを支援しております。
さらに、専門家の助言を受けながら、隣接する市町村や地域が連携して、効率的に捕獲や追い払い活動ができるよう広域的な対策を強化してまいります。
また、赤外線センサーにより、鹿の群れをまとめて捕獲できるわななど新たな技術の導入を支援していきます。
あわせて、ドローンを活用した音声による追い払いや、地域住民による狩猟者のわなの管理など、他県で成果が報告されている取り組みも広く普及し、鳥獣被害の軽減を図ってまいります。
以上でございます。
14
◯議長(
久保田松幸君)県土整備部長、
飯野照久君。
(県土整備部長
飯野照久君登壇)
15
◯県土整備部長(
飯野照久君)杉山議員の都留市内の幹線道路についての御質問にお答えいたします。
都留市内を走る国道百三十九号は、バイパス整備後も市街地においては、依然として現道の交通量が多く慢性的な渋滞が発生しております。
このため、県では昨年度、国及び関係自治体と課題解消に向けた勉強会を立ち上げるとともに交通量調査を行い、国道百三十九号の渋滞を避けた車両が中央道の側道に流入している状況を確認したところです。
渋滞対策には、中央道の側道を利用して、バイパス機能の強化を図ることが有効であると考えられることから、引き続き、この勉強会において整備方針の検討を行ってまいります。
また、県道高畑谷村停車場線は、県道大幡初狩線を経由して国道二十号と接続し、都留市中心部と国中地域を結ぶ重要な幹線道路であります。
これまで、大儀山金井トンネルや新院辺橋を含む全長三・四キロメートルの宝バイパスの整備が完了し、歩行者の安全や円滑な通行の確保が図られています。
議員御指摘の都留市立病院入口から中央道までの狭隘区間につきましては、現在、現道拡幅や歩道整備のための用地取得を進めているところであります。
また、大幡地区では、道路に平行して流れる大幡川の河川改修計画とも整合を図りながら、歩道整備や交差点改良を実施していく予定であります。
今後も引き続き、地元の皆様の御協力をいただきながら、都留市内の道路ネットワーク整備を進めてまいります。
以上であります。
16
◯議長(
久保田松幸君)教育長、
手島俊樹君。
(教育長
手島俊樹君登壇)
17
◯教育長(
手島俊樹君)杉山議員の県立高校における一人一台端末の活用についての御質問にお答えします。
これからの時代を生きていく子供たちにとって、日ごろから端末などのICTを活用していくことは極めて重要であり、県立高校では、本年度からBYODによる一人一台端末の活用が始まったところです。
この一人一台端末は、朝の予定確認を初め、授業、部活動、家庭学習などさまざまな場面で活用されていますが、特に授業では、端末を用いた新たな学びが見られるようになってきております。
例えば、科学の授業では、グループごとの実験データをグラフや画像で可視化して多角的に考察し、また、地理の授業では、複数の資料から統計地図を作成して、地理情報の利活用を図る学習が行われております。
さらに、家庭科など実技を伴う授業では、あらかじめ教員が作成した解説動画を見ながら作業を行い、必要に応じて繰り返し再生して確認するなど、それぞれの生徒のペースに応じた学習が行われています。
議員御指摘の人との交流の面では、県内企業の専門家による授業や海外の学校との交流などをオンラインで行う場面がふえており、高度な知見や異なる文化、多様な考えに触れる機会が創出されております。
一人一台端末につきましては、今後も積極的に用いて活用の幅を広げていくとともに、課題解決型の学習など、探究的な学びでも主体的に使いこなせるよう、教育活動の一層の進化を目指してまいります。
以上でございます。
18
◯議長(
久保田松幸君)警察本部長、
伊藤隆行君。
(警察本部長
伊藤隆行君登壇)
19
◯警察本部長(
伊藤隆行君)杉山議員の本県におけるストーカー事案の現状と対策についての御質問にお答えいたします。
令和四年中の県内におけるストーカー事案の認知件数は、前年比四十四件増の百六十四件となっております。
議員御指摘のとおり、ストーカー事案は、加害者の一方的な感情から、重大な犯行に及ぶおそれがあるという特徴がございます。
したがって、警察本部での一元的な対応のもと、警告や禁止命令、事件検挙により、加害者の行為防止を図る一方、被害者の生命・身体の保護を最優先に取り組んでおります。
そのため、被害者への助言や指導に加え、緊急通報装置の貸出しや、一一〇番通報システムに、被害者の電話番号を事前に登録しておき、即座に駆けつける体制も構築しております。
また、特に住宅や勤務先への押しかけや待ち伏せの危険性がある場合には、被害者に一時的な避難、通勤方法の変更、家族の介入について助言し、生活環境の変化に理解が得られるようにも努めているところでございます。
県警察では、ストーカー事案を万が一にも重大な事態に発展させることのないよう、今後も危険性の判断と、被害者保護を慎重かつ的確に行い、被害防止に努めてまいります。
以上でございます。
20
◯議長(
久保田松幸君)当局の答弁が終わりました。
杉山肇君に申し上げます。残り時間はありません。
これをもって、杉山肇君の代表質問を打ち切ります。
暫時休憩いたします。
午後二時十一分休憩
───────────────────────────────────────
午後二時三十分再開議
21
◯議長(
久保田松幸君)休憩前に引き続き会議を開きます。
日程第二及び日程第三の議事を継続いたします。
発言の通告により、古屋雅夫君に四十分の発言を許します。古屋雅夫君。
(古屋雅夫君登壇)(拍手)
22
◯古屋雅夫君 未来やまなしの古屋雅夫です。
未来やまなしの立場から、今定例会に提出されました案件並びに県政一般について質問をいたします。
私は副議長の任に就いておりますが、過去にもこうした例があり、代表質問をさせていただくこととなりました。
今期最後の代表質問の場において、再選を果たされた長崎知事の選挙公約を中心に質問を行います。
質問に先立ち、まずもって三年にわたり、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、医療従事者の皆様を初め、エッセンシャルワーカーの皆様、行政関係者等の皆様が、昼夜をわかたず、献身的な御努力を続けられておられることに、衷心より感謝を申し上げます。ありがとうございます。
第八波も落ち着きの兆しを見せておりますが、予断を許さない状況にあり、我々県民も関係者の皆様と力を合わせて、感染拡大防止に引き続き努めてまいる決意であります。
さて、さきの知事選におかれまして、再選を果たされました長崎知事に心からお祝いを申し上げます。
まことにおめでとうございます。
引き続き公平公正な県政運営に努めていただきたいと思っております。
私は、知事が夢と挑戦に満ちた令和の雄藩を目指すと訴えられたことが強く印象に残っております。
私は、この言葉に、知事の山梨を全国を牽引する県に導くという決意と、山梨はその可能性を十分に持っているという確信を感じました。
私は政治信条に正心誠意を掲げ、日々活動しております。
住民の声を聞く中で感じるのは、将来に夢や希望を描けない若者がふえているのではないか、また、社会から疎外感を感じている人がふえているのではないかという懸念です。
その背景には、雇用環境の多様化、物価上昇に追いつかない賃金、社会保障の持続可能性への不安、また、家族関係の変化、地域のつながりの希薄化などがあり、さらには、長引くコロナ禍も大いに影響を与えていると感じています。
こうしたときこそ、県民が将来への不安を感じることなく日々安心して暮らしていける基盤を整え、あわせて県民の生活が潤い、豊かなものとなるよう、地域経済の力強い成長に向けて果敢に挑戦していく、こうした県政運営が求められているものと思います。
今後四年間の長崎知事の手腕に大いに期待するとともに、私も残り少ない任期ではありますが、県民が夢や希望を抱き、安心して生活できる山梨を築くため、ともに歩みを進めてまいることをお誓いし、以下質問に入ります。
初めに、
公約実現に向けた財政確保についてであります。
知事は二期目の公約として、ふるさとの強靱化と開の国プロジェクトにおける十九の約束を掲げました。
公約の実現に向けては、その内容もさることながら、裏づけとなる財源の確保についても十分な論議を行う必要があると考えております。
知事は、一期目の公約である中部横断自動車道の県費負担の大幅な削減を実現し、この財源をさまざまな施策に活用してこられました。
二十五人学級を小学校四年生まで拡充できるのも、こうした財源確保の努力の結果であり、長崎知事だからこそ実現できるものと評価をいたします。
私は、誰も取り残されない社会の実現、これは政治や行政が果たすべき責務だと考えております。
後ほど質問させていただく項目もありますが、公約の中には、少人数教育の推進や困難からの脱却・再調整への支援、地域経済の収益力の向上、医療や高齢者福祉など、県民生活に深く根差す取り組みも数多く掲げられております。
一方で、本県は厳しい財政状況に置かれています。
県が抱える借金である県債の残高は九千億円を超えており、来年度の当初予算においても財源不足が発生し、主要三基金からの取崩しは七十億円に上っております。
私は、新たな施策を実施するに当たり、国の動向などに左右されない安定的な自主財源の確保が必要であると考えます。
山紫水明の地、この山梨の地域資源を生かすことが極めて重要であります。
その一つの方法が、県有地を初めとする県有資産の有効活用・高度活用です。
さきの十二月臨時議会において、甲府地方裁判所の判決を受けた控訴の是非が議題となりましたが、私たち未来やまなしは、熟慮の末、附帯決議を付した上で賛成をいたしました。
こうした自主財源の拡充に向けた道を徹底的に追求すべきだと考えます。
安定した財源の確保は、公約の実現には不可欠であると考えますが、今後の財源確保に向けた方針を伺います。
次に、新たな新型インフルエンザ等対策行動計画の策定についてであります。
令和二年三月に、本県で新型コロナウイルス感染症が初めて確認されてから三年が経過しました。この間、新型コロナウイルスは、感染力の強い新たな変異株が出現するたびに、感染拡大の波を繰り返しています。
本県では、その都度対応を検討し、県や市町村、医療関係などの関係者が一丸となって、幾多の難局を乗り越えてきましたが、関係者の皆様方におかれましては、これまでのコロナ対応に当たって相当御苦労され、また、混乱もあったかと存じます。
感染力が強く蔓延のおそれのある感染症が到来する可能性については、従前から指摘されてきたところであり、県は、これに備えるため、平成二十四年度に新型インフルエンザ等対策行動計画を策定しておりました。
本来であれば、この行動計画に基づいて対応することにより、円滑に対応できるはずでしたが、現実はそうはなりませんでした。
特に初動対応について、医療機関や市町村等の関係機関との調整の難しさなどから、この計画を十分に活用できなかったと聞いております。
また、県は昨年度、県CDCを設立し、未知なる感染症に備えるマニュアルとしての行動計画の策定を、その設立の目的の一つに掲げていましたが、現状これまでのコロナ対応に追われ、いまだ行動計画の策定に手がついてない状況にあります。
新型コロナウイルスは、本年五月に季節性インフルエンザと同じ五類に移行しますが、今後、新たな感染症によりパンデミックが引き起こされることを考えれば、これに備えた対応は喫緊の課題であります。
長崎知事は二期目に向けた公約の中で、新興感染症にも慌てずに対応できるアクションプランを策定することを掲げましたが、私も今回のコロナ対応の反省を生かし、新たな新型インフルエンザ等対策行動計画を早急に策定し、実行していくことが重要であると考えます。
そこで、県は新たな行動計画の策定と実行に当たって、今後、どのように取り組んでいくのか伺います。
次に、僻地における医療提供体制の整備についてであります。
本県では、山間地など、いわゆる僻地のうち、一定の数の住民の方々が暮らしているものの、容易に医療機関を利用することのできない無医地区が五市町に七地区あり、それに準じた医療の確保が必要な準無医地区が九市町村に十四地区存在しています。これらの地区などにおいては、市町村による診療所の運営のほか、拠点病院による医師の派遣や定期的な巡回診療による献身的な医療が提供されています。
私の地元の峡東地域でも、病院に勤務する医師を中心に、地域の診療所や周辺の多職種と連携しながら、地域医療に大変熱心に取り組んでいるチームがあると承知しており、改めて感謝を申し上げる次第です。
しかしながら、僻地に暮らす住民が、他の地域に暮らす住民と同じように医療を受けられているかというと、現状の体制からすると、心もとなく思うところであります。
甲府市を中心とした中北医療圏では、おおむね医師や看護師などの豊富な医療資源を背景に、充実した医療が提供されており、その他の地域においても、中心部には病院などがあり、必要なときに医療へアクセスすることは難しくありません。
私は、現状、僻地における医療の提供が、必ずしも十分ではないという地域格差の状況や高齢化の進展などを勘案すると、ますます医療へのアクセスが困難になっていく住民がふえていくのではないかと、大いに懸念をしているところです。
医療資源に限りがあることは十分に承知をしておりますが、全ての県民が誰一人取り残されないよう身近な地域で医療を受けられ、住み慣れた場所で安心して暮らしていける環境の整備を進めていくことが必要であると考えます。
そこで、僻地における医療提供体制の整備について、県は、どのように取り組んでいくのか伺います。
次に、介護待機者ゼロ社会の実現についてであります。
県では、介護が必要な方が、必要なときに速やかに施設へ入居できるよう、介護待機者ゼロ社会の実現を掲げ、約千八百人の介護待機者を、令和八年度末までにゼロにすることを目指し、さまざまな取り組みを進めています。
これにより、高齢者の方が安心して生活を送ることができるとともに、働き盛りの世代の方が、親の介護の不安を抱えずに、介護離職することなく、働くことができる環境づくりにもつながり、知事の掲げる誰一人取り残さない施策の一環として、私は大いに期待をしております。
介護待機者ゼロ社会を実現するためには、計画的に施設整備を進めていく必要があり、そのためには市町村と連携し、令和六年度から八年度を計画期間とする健康長寿やまなしプランへ、八年度末までの整備数を盛り込むことが重要です。
一方、施設整備だけでは、介護待機者ゼロは実現できません。
介護事業所において、実際に、介護サービスを提供する介護職員の確保・定着が不可欠であります。
しかしながら、介護労働安定センター山梨支部が実施した、令和三年度介護労働実態調査によると、六割を超える介護事業所が、職員の不足を感じております。
また、離職者のうち採用から一年未満の者の割合が三割を超えるなど、介護事業所にとって、人材の定着が大きな課題であります。
こうしたことから、介護待機者ゼロ社会を実現するため、施設整備を進めたとしても十分に介護人材が確保できるか大変懸念をしております。
介護待機者ゼロ社会の実現には、施設整備と介護人材の確保・定着促進という二つの大きな課題に取り組む必要があります。
そこで、県では、介護待機者ゼロ社会の実現に向けて、今後、どのような方針で取り組んでいくのか伺います。
次に妊娠・出産に向けた支援の充実についてであります。
本年四月のこども家庭庁の発足を前に、国では異次元の少子化体策について、具体策の取りまとめが行われております。
少子化の進行は著しく、国の公表によると、令和三年に生まれた子供の数は、全国で八十一万千六百二十二人と、過去最少を更新しました。
本県の令和三年の出生数も四千九百六十人と、調査開始以来、初めて五千人を下回り、深刻化する少子化に歯どめがかからない状況です。
少子化の主な原因は、未婚化や晩婚化、出生率の低下とされていますが、さらに、その背景には、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む要因があると考えます。
私は、雇用環境も含め、多様化する子育ての家庭ニーズに的確に応え、若い世代が将来にわたる展望を描ける環境をつくること、さらには妊娠や出産、子供や子育てに温かい社会をつくることが大切であると考えます。
こうした中、昨年四月、これまで保険適用外であった体外受精や顕微受精など、特定不妊治療の保険適用が開始されました。
一方、先進的な不妊治療を受けられる医療機関が身近にないことや働きながら安心して治療を受けることのできる環境の整備などは、引き続き課題であると認識しています。
また、妊娠や出産が現実には思いどおりにならないという悩みを聞く中で、不妊治療に関する環境整備とあわせ、妊娠や出産に関する正しい知識の発信や将来に向けたライフデザインへの支援の必要性は、これまで以上に高まっているのではないでしょうか。
子供は社会の宝であり、山梨の未来をつくり出す原動力であります。
妊娠や出産を希望する人が、その希望がかなえられるよう、支援の充実を図ることが必要だと考えますが、県の御所見を伺います。
次に、貧困の連鎖を防止するための学習支援についてであります。
日ごとに春の暖かさを感じるようになる中、大学入試が佳境を迎えており、受験生の皆様には、これまでの努力を十分発揮し、悔いの残らないよう、自分の力を出し切れるよう願っています。
令和五年度大学入試共通テストの志願者数は、大学入試センターによると、約五十一万人で、前年度より約一万八千人減少し、大学入試センター試験時代から含めると、少子化の流れの中、五年連続の減少となっています。
私がここで着目したいことは、少子化の進展状況ではなく、家庭の経済状況により進学を諦める生徒がいるのではないかということです。
国の全国調査では、生活保護世帯の大学等への進学率は、近年増加にあるものの、全世帯の進学率約七五%と比較すると低く、約四〇%となっています。
また、生活保護世帯の子供は、一般世帯の子供と比べて、自宅で勉強することのできる場所、自分専用の机がない割合が高く、家庭における学習環境に差があることも明らかとなっています。
もちろん、子供にとって大学に進学することが全てではありませんが、学びたいことがあるにもかかわらず、経済的理由で進学を諦めることは残念でなりません。
子供の教育にかけられる時間と費用は、家庭の経済状況によって大きく異なることは事実であり、進学を諦めることは、一般世帯の子供との教育格差が拡大し、結果として就職への影響も懸念されるとの指摘もあります。
私は、誰もが居場所と出番があること、これが社会の基本であると考えております。
貧困の影響で、本来、その子供が社会に貢献できる場を変えてしまうことは、避けなければならず、現在、支援が必要とされる食料や就労、居住の確保に取り組むことはもちろんのこと、貧困が次世代に連鎖しないようにすることが、何よりも重要だと考えます。
そのためには、全ての子供が将来に向けて夢や希望を実現できるよう、家庭の経済状況にかかわらず、学習できる環境をつくることが必要だと考えます。
そこで、県では貧困の連鎖の防止に向け、どのように学習支援に取り組むのか、御所見を伺います。
次に、家庭における創エネの推進についてであります。
先月公表された、昨年十一月分の甲府市消費者物価指数によると、私たちの生活に欠かすことのできないエネルギーについては、電気代が二六%上昇と、前年同月比で最も上昇しており、この冬の厳しい寒さもあって、家計への影響は大変深刻な状況にあります。
この難局に各家庭においては、エネルギー消費を減らすため、小まめな節電や省エネ性能の高い機器への入れ替えなど、無理のない範囲で省エネを行うことなどにより、日々の生活の防衛を図ろうとしています。
私は、こうした取り組みに加え、中長期的な視野に立って、電気代の高騰の影響を受けにくいエネルギー構造への転換、すなわち各家庭がエネルギーをみずからつくり、消費する創エネの取り組みを推進していくことが重要であると考えます。
また、地球温暖化への対応が喫緊の課題となる中、国は再生エネルギーについて二〇五〇年における主力電源として位置づけ、このうち太陽光発電については、二〇三〇年までに二倍程度まで増加させることとしています。
しかしながら、本県では、一昨年、太陽光発電の適正な設置及び維持管理に関する条例を制定し、県土の多くを占める森林への設置を厳しく規制したため、住宅等の屋根に設置する屋根置き太陽光発電の重要度が、より一層増しております。
エネルギー価格の高騰が続く、こうしたときこそ、各家庭が主体となって取り組むことができる屋根置き太陽光発電を導入していくことが大変重要であり、県も強力に導入を後押していく必要があると、私は考えています。
そこで、住宅への屋根置き太陽光発電の導入による家庭における創エネの推進について、どのように取り組んでいくのか、県の御所見を伺います。
次に、県内中小企業における賃金の向上についてであります。
厚生労働省が、先月発表した毎月の勤労統計調査の速報値によると、昨年の賃金の伸びは物価上昇に追いつかず、基本給や残業代などの現金給与総額に物価変動を反映させた実質賃金は、前年比〇・九%減になりました。
長引くコロナ禍やロシアのウクライナ侵攻、円安などの影響により、電気やガス、食料品といった多くの消費財の価格が上昇し、県民生活を圧迫しています。
また、企業活動においても、物価上昇が原材料費などの生産コストを押し上げ、中小企業では、製品などへの価格転嫁が追いつかず、厳しい経営環境に陥っており、社員に分配する賃金の原資を確保できずにいます。
こうした中、ことしの春闘では、労使双方のトップが賃上げを実現する方向性で一致しており、物価上昇を超える上げ幅の達成が期待されているところであります。
政府においても、これを後押しするため、設備投資等を行い、賃上げをした中小企業に対する補助金の補助率や上限額の引上げなどの支援策を講じるとともに、賃上げの動きを中小企業にまで浸透させるため、経済界や労働団体で構成する政労使会議の開催を検討していると聞いております。
賃金を向上させるためには、企業の生産性を高め、賃上げの原資である利益をふやしていくことが必要であります。そして、企業の生産性と収益の向上には、働き手がスキルを高め、企業の成長に貢献していくことが極めて重要であります。
県では、昨年五月、労使の関係者や教育機関などで構成する豊かさ共創会議を立ち上げ、企業の成長と賃上げの好循環を実現していくため、働き手のスキルアップを支える基盤づくりに取り組んでいると承知をしております。
私は、この大きな取り組みが実を結び、企業と働き手のエンゲージメントが高まり、賃金の伸び悩みが永続的に解消されることを期待しております。
そこで、県では、企業を支える働き手の賃金向上に向けて、どのように取り組んでいくのか、御所見を伺います。
次に、地域ごとの観光振興についてであります。
これまで長崎知事は、超感染症社会実現を目指し、グリーン・ゾーン構想を掲げ、安全・安心な観光地づくりに邁進されてきました。
また、観光スタイルも、これまでの薄利多売型の観光から脱却を目指し、歴史や文化、スポーツ、アウトドアなどの地域資源も観光資源として活用するなど、観光客の滞在時間の延伸やリピーターの増加を促すことで、観光産業の付加価値化に取り組んでこられたと承知をしております。
先日発表された令和四年十二月の観光庁の宿泊旅行統計では、全国旅行支援などの需要喚起の施策の効果もあり、コロナ禍前の令和元年十二月を上回る宿泊者数を記録し、順調に本県の観光客の来訪が進んでいることが明らかとなりました。
こうして順調に観光客数が回復してきている本県でありますが、地域別に見ると観光客の来訪にばらつきがあり、入り込み数が少ない地域への誘客を進めることにより、県全体にくまなくにぎわいがもたらされ、本県観光の飛躍的な発展につながるものと考えております。
私の地元である峡東地域においては、令和元年六月に、山梨市を含む四都県十二市町村に広がる甲武信エリアがユネスコエコパークとして登録されました。
また、令和四年七月には、峡東地域の果樹農業が世界農業遺産に認定されました。
本県が宣言しているワイン県と農業遺産とのマッチング、また甲武信ヶ岳、大菩薩など自然環境に恵まれたユネスコエコパークの活用など、山岳観光を初めとする、この地域の観光振興は可能性に満ちあふれています。
しかしながら、峡東地域は、その可能性を十分に観光に生かし切れておらず、まだまだ伸び代があるのではないかと私は考えています。
知事は公約の中で、伝統的な観光地たる昇仙峡や湯村温泉のリバイバル、伝統的な温泉地である石和温泉に加え、甲武信ユネスコエコパークや世界農業遺産に認定された峡東地域など、地域ごとの観光振興を積極的に推進することとしています。
既に、南アルプス地域につきましては、令和四年度に南アルプス観光振興室を設置し、推進体制の強化を図るとともに、県と地域とが一体となった取り組みが進められており、そうした施策がさらに他の地域に及んでいくものと期待をしております。
そこで、県では地域ごとの観光振興に、今後どのように取り組んでいくのか、御所見を伺います。
次に、県土の強靱化対策についてであります。
近年は、自然災害が頻発・激甚化しており、本県では、昨年六月の丹波山における降雨による国道四百十一号の落石や八月には北杜市においてレーダーによる解析で時間雨量が百二十ミリという豪雨により、県道北杜富士見線で大規模な土砂崩落が発生するなど、長期間にわたる通行どめ等により、住民生活に大きな影響が出たところです。
四方を山々に囲まれ、急峻な地形や脆弱な地質が広く分布する山梨県は、他県とつながる交通網が限られているため、災害時の交通途絶により陸の孤島となるリスクを抱えています。
また、私の地元、峡東地域を流れる笛吹川などでは、幾度となく甚大な水害をもたらした歴史もあり、本県では、一たび氾濫をすると深刻な被害のおそれのある急流河川が数多く存在することから、水害や土砂災害のリスクも非常に高い状況にあります。
さらに、高度成長期以降に整備されたインフラ施設の老朽化が進行しており、その機能を保つには、修繕等を適切に行うことが重要であります。
こうした多岐にわたる課題に対し、県では信頼性の高い道路ネットワークの整備や流域治水対策、さらにはインフラメンテナンスなど、災害から県民の生活・財産を守るための災害対策に鋭意取り組まれていることと承知をしており、大変心強く感じております。
そこで、まず、県土の強靱化対策につきまして、具体的にどのように取り組んでいくのか伺います。
また、去る十二月県議会で議決された補正予算では、国の防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を中心とした公共事業費が、総額二百三十六億円余追加計上されたところであり、来年度の予算とあわせ、自然災害に屈することのない安心・安全な県土づくりがさらに進むことを期待しております。
そこで、災害に対して強靱な県土づくりを着実に進めるには、国の動向を踏まえつつ、確実な予算確保が必要と考えますが、県の御所見を伺います。
次に、国道百四十号・西関東連絡道路の整備についてであります。
北関東からの玄関口となる西関東連絡道路は、古くは秩父往還と呼ばれ、甲斐の国、山梨県と武蔵の国、埼玉県を結ぶ生活の道として、また山梨県から三峯神社や秩父霊場へ向かう信仰の道として長い歴史を刻んできました。
日本三大峠の一つに挙げられる、埼玉県との境に位置する雁坂峠は、開かずの国道とも言われ、自動車での通行が不可能でありましたが、平成十四年四月に雁坂トンネル有料道路が開通し、山梨・埼玉県民の長年の悲願であった峠越えした両県の交流が可能となりました。
この道路は、開通以降も継続して整備が続けられており、埼玉県側では皆野寄居バイパスや皆野秩父バイパスが開通し、現在も大滝トンネルの掘削工事が行われていると承知をしております。
山梨県側でも、甲府市桜井から山梨市岩手までの、いわゆる甲府山梨道路や牧丘バイパス、登坂車線を設置した三富道路などの整備が進められてきました。
これらの整備により、国道百四十号沿線の市街地で見られた渋滞が解消されるとともに、地元山梨市から北関東までの所要時間も大幅に短縮するなど、大変、効果を発揮しております。
私も何度かこの道路を利用しておりますが、非常に快適で、定時性や速達性も確保されており、改めて規格の高い道路の必要性を実感しているところです。
しかしながら、埼玉県側の県境付近では、依然狭隘でカーブが連続する区間が続き、交通の難所となっています。
また、山梨市三富川浦地区から広瀬地区には、降雨時に通行規制となる区間があり、道路利用者の利便性と安全性の確保が課題となっております。
さらに、登坂車線が終了する三富川浦の円川橋付近から広瀬ダムまでの区間は、急勾配が続き、大型車の円滑な通行も課題となっており、高規格化道路としての機能強化が望まれています。
昨年三月には、西関東連絡道路沿線の四市で構成する西関東連絡道路期成同盟会からも、この区間を規格の高い道路として整備するよう、長崎知事宛てに要望書を提出されたと承知をしております。
そこで、山梨と埼玉を結ぶ百四十号西関東連絡道路の整備について、県の御所見を伺います。
次に、子供の体力向上についてであります。
体力は人間の活動の源であり、健康の保持増進や意欲、気力といった精神面の充実に大きくかかわっており、生きる上で重要な要素であります。
しかしながら、現在、子供たちの体力が運動の機会の減少や生活習慣の変化などにより低下し、運動する子とそうでない子の二極化傾向も続いていると聞いており、このままでは、将来的に国民全体の体力低下につながり、社会全体の活力や文化を支える力が失われることにつながりかねないと危惧をしております。
こうした中、本年度の全国体力・運動能力、運動習慣等の調査の結果が、昨年十二月に国から公表されました。
これによると、本県の小学校五年生と中学校二年生の体力の合計点において、中学生は全国平均を上回っているものの、昨年度の本県の平均値よりも下回り、小学生も全国平均値及び昨年度の本県の平均値を下回っている状況が続いています。
これは、テレビやスマートフォン、ゲーム機等による映像の視聴時間が増加したことなどにより、運動の機会が減少したことが要因の一つと考えられ、運動の機会を確保することは、とても重要であると再認識したところであります。
また、運動が好きな子供も、苦手な子供も、勝ち負けにこだわらず、体を動かすことの楽しさや喜びを味わわせることが重要であり、教師が運動の機会を確保し、楽しさや喜びを体感させるという学校の役割は、とても大きいと考えております。
このため、子供たちが日中の大半を過ごす学校では、体育の授業や昼休みなどにおいて、学校の実情に応じ創意工夫を凝らした体力づくりの取り組みを、明確な目標を持って進めることが大切です。
しかし、この三年間は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、学校における体育の授業や休み時間などで体を動かす活動が抑制的にならざるを得なかったことは、非常に残念でありました。
最近では、世の中全体が徐々にコロナ禍前に戻る動きが出始めており、学校における体育の授業や休み時間などで、子供たちが運動する機会も元に戻っていくことを期待しております。
そこで、県では、子供の体力向上に向けて、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
最後に、富士急行との訴訟に係る控訴についてであります。
山中湖畔県有地をめぐる富士急行株式会社との訴訟は、第一審において、同社と県の間で賃料算定に関する合意があったことが認定され、同社の主張する賃料は、地方自治法第二百三十七条第二項で要求される適正な対価であるものとして、県が全面敗訴する結果となりました。
控訴及び予算に係る議案を審議するためのさきの臨時県議会においては、控訴することについて、新たな訴訟手数料として二千八百万円余が必要であり、控訴審における勝算がなければ無駄な費用となってしまうという疑問を呈する議員もおり、活発な議論がなされたところです。
私は、山中湖畔県有地の開発による地価の上昇は、裁判所が認定したような富士急行株式会社の努力のみによるものではなく、県も莫大な県費を投じて、別荘地、観光地としての魅力向上に寄与していると評価されるべきだと考えております。
また、ここで控訴を諦めれば、不公平が容認され、これまでこの問題に投じてきた時間と費用が完全に無駄なものとなるばかりではなく、県民に還元されるべきであった利益を取り戻す可能性を放棄することを、強く危惧しました。
反訴提起の際に批判が集まった高額とも言える訴訟代理人への着手金は、今回は県の努力でゼロとすること、あわせて、新たな県の負担を伴うことなく三名の訴訟復代理人を追加し、訴訟追行体制を強化することも評価し、私は県が本件について控訴することに賛成をいたしました。
ただ、単なる賛成だけではなく、あくまでも具体的な経済的利益を確保し、県民利益を最大化することが第一であることを確認し、必要に応じて従前の主張に固執することなく、訴訟方針の見直しの検討を求めることを、我が会派の中で決め、総務委員会において私から提案をし、附帯決議として可決されたところであります。
県では、昨年十二月二十八日に控訴状の提出を行い、その後、控訴の理由を記した控訴理由書を提出したものと承知をしております。
そこで、控訴に当たり、県の正当性を認めてもらうため、どのような主張を展開しているのか、また附帯決議の趣旨にのっとり新たに主張している内容があるのか伺います。
以上、私の代表質問は終わります。御清聴ありがとうございました。
23
◯議長(
久保田松幸君)古屋雅夫君の質疑・質問が終わりました。
これより当局の答弁を求めます。知事、
長崎幸太郎君。
(知事
長崎幸太郎君登壇)
24
◯知事(
長崎幸太郎君)古屋議員の御質問にお答え申し上げます。
ただいまは、未来やまなしを代表され、県政各般にわたり御質問をいただきました。
私のこれからの県政運営に大きな御期待をいただくとともに、県民が夢や希望を抱いて安心して生活できる山梨を築くため、ともに歩みを進めていただけるとのお言葉をいただきました。
古屋議員におかれましては、住民の声に丁寧に耳を傾け、誰も取り残されない社会の実現に向け、日々精力的に活動しておられますことに、敬意を表する次第であります。
私も引き続き、県民目線の県政運営によりまして、令和の雄藩を目指し、今後の四年間粉骨砕身に取り組んでまいりますことをお誓いし、以下答弁に入ります。
初めに、
公約実現に向けた財源確保についてです。
公約に掲げた各種政策を実行に移していくためには、財源確保は避けて通れない課題であります。
個々の施策の内容や事業規模につきましては、現在、新たな総合計画と並行して議論を進めており、これを踏まえ、具体的な財源についても検討を行ってまいります。
この際の基本的な考え方としては、まずは国の補助金や有利な地方債を最大限活用し、県負担を抑制すること、そして、県負担が増加する場合であっても、安定的な財政運営ができるよう一般財源を確保すること、この二点が重要となります。
議員御指摘の地域資源を生かした自主財源の確保は、税収や寄附金、財産収入など使途を限定されない財源を拡充する点で極めて重要と考えます。
税収面では、企業の成長分野への進出に向けた支援や企業誘致、農業や観光業など各種産業の高付加価値化を進めることによりまして、税源涵養を図ってまいります。
また、企業からの資金獲得については、企業版ふるさと納税を通じて本県と連携をすることで、企業にとって社会貢献をPRできるだけではなく、寄附事業の実施が事業環境の整備につながるというメリットを感じていただけるように力を入れて取り組んでまいります。
県民全体の財産であり、県土の三割を占める県有地につきましては、県有林に係る新規貸付ルールのあり方を検討するなど、恒常的な収益を上げる仕組みを構築してまいります。
このほか、ふるさと納税について、市町村の理解を得ながら、地域資源を活用した魅力的な返礼品を開発し、増収を図っていくとともに、水力発電能力の向上やP2Gシステムの国内外への展開を通じて企業局の収益力を強化するなど、さらなる財源確保に努めてまいります。
次に、新たな新型インフルエンザ等対策行動計画の策定についてです。
本県の新型コロナ対応は、初期段階において医療提供体制や衛生物資が不足している状況であり、ほぼゼロからのスタートとなりました。
この要因としては、県は平成二十四年度に新型インフルエンザ等対策行動計画を策定しておりましたが、感染者が出た場合、医療機関にどう振り分けるのかなど、具体的な運用が示されていないこと、マスクなどの確保に言及していたものの、備蓄量の記載がないことなど、「何が起こったら、どのように行動するのか」について記載されておらず、まさに机上の空論ともいうべきものであり、実際の対応に当たって、実質的な使い物になるものではありませんでした。
そこで、来年度、新型コロナ対応の検証を踏まえまして、次なる感染症危機にも円滑に対応できるような新たな行動計画を策定することといたします。
新たな計画のポイントとしては、大きく三点あります。
一点目は、平時から県と医療機関が感染症発生蔓延時の対応について協定を締結し、その履行を確保する措置を講ずること、二点目に、確保病床数や衛生物資の備蓄量などの数値目標を定め、各医療機関との協定内容を踏まえ、発生段階に応じた具体的な運用を明確化すること、三点目に、県庁内の対応として、平時から必要な応援職員をあらかじめリスト化するとともに、感染症対応能力の強化に向けた職員研修を実施することなどの方策を盛り込むことにより、実効性を高めてまいります。
さらに、計画の運用に当たっては、この新たな行動計画に沿った大規模な訓練を医療機関や市町村とともに定期的に実施し、その結果を踏まえ随時見直すことにより、有事の際に使える行動計画としてまいります。
次に、介護待機者ゼロ社会の実現についてです。
まず、施設整備につきましては、入所が必要な方が住みなれた地域で安心して暮らしていけるよう、市町村と連携して地域密着型特養の整備を促進してまいります。
あわせて、既存の施設や人材を生かせるショートステイの特養への転換や、有料老人ホームなどの特定施設入居者生活介護の指定も進めることとします。
こうした方針によりまして、市町村と調整を図りながら、必要な整備数を次期健康長寿やまなしプランに盛り込み、着実に施設整備を図ってまいります。
次に、介護人材の確保定着については、昨年度創設をした事業所の認定評価制度を通じ、人材育成や職場環境の改善に向けた優れた取り組みの普及に努めております。
また、介護職務経験があり再就職を目指す方や他業種から転職しようとする方への準備金の貸し付けにより、潜在的な人材の掘り起こしも行っています。
さらに、来年度は、新たに介護事業所や養成校と連携をしながら、多くの県民が集うイベントにおいて、介護のやりがいや魅力について広く発信をし、幅広い層に向けて介護現場への参入を促してまいります。
加えて、来年度開設する介護福祉総合支援センターでは、介護現場革新会議を設置し、業務の効率化につながる取り組みを進めていきます。
具体的には、介護ロボットやICTの導入、柔軟な勤務形態で就業できる介護助手の活用などについて、関係者とともに効果的な対応策を検討し、全県に普及していくこととしております。
こうした取り組みを全力で推進し、令和八年度末を目途に、介護離職やヤングケアラーの解消にもつながる、介護待機ゼロ社会の実現を目指してまいります。
次に、貧困の連鎖を防止するための学習支援についてです。
県内における生活保護世帯の子供の大学進学率は約三三%と、一般世帯の半分にも届かず、子供が自分の夢を諦め将来の選択肢を狭めている可能性があります。
このため、経済的な理由により大学進学を諦めざるを得ない子供たちを支援することとし、できることからすぐさま取り組むことといたしました。
具体的には、生活保護世帯の中学二年生から高校三年生までを対象に、学習塾に通えるよう一人当たり年間三十万円を上限に受講料や教材費を助成し、進学を後押しするモデル事業を新たに実施します。
貧困の連鎖の防止に向け、子供が夢を決して諦めることのない環境をつくり、いかなる境遇や経済状況であっても、将来への希望を最大限かなえられる山梨を目指してまいります。
次に、県内中小企業における賃金の向上についてです。
現在、世界的な物価高騰の中、県内企業の大部分を占める中小企業においても、価格転嫁の必要に迫られております。
また、事業活動を取り巻く環境は不透明かつ大きく変化するただ中にあり、多くの企業が業務効率化や生産性向上といった課題に直面をしています。
さらに、県内産業界では、人手不足が深刻化するとともに、DXやGX推進の担い手や先端産業を支える高度専門人材の育成ニーズが高まっています。
こうした状況において、企業の成長と賃上げの好循環を実現するためには、企業と働き手が共益関係を構築し、能力開発を行っていくことが極めて重要です。
このため、県では、豊かさ共創会議の検討を踏まえ、働き手のスキルアップを賃上げにつなげていく仕組みづくりに取り組んでいます。
この取り組みの第一弾といたしまして、最低賃金を引き上げる企業を対象に、人材育成や設備投資を支援する賃金アップ環境改善事業費補助金を創設いたしました。
国の賃上げ支援制度と連動をさせ、上乗せと対象拡大を行うことで、中小企業が多い本県において、賃上げを図る企業の取り組みを力強く支援をしてまいります。
今後、第二弾として、賃上げコストを賄うに足る企業収益を確保し、一層の努力により得られた収益をさらなる賃上げ原資として働き手に分配するという考え方に賛同する企業からなる組織を立ち上げ、一層の機運醸成を図ってまいります。
また、さまざまな研修や教育のサービスをワンストップで提供するキャリアアップ・ユニバーシティを、来年度中に設置できるよう準備を進めてまいります。
こうした環境整備により、時代の変化に対応した産業人材の継続的なスキルアップを支え、生産性向上を通じて、賃金引上げと企業の収益確保を相互に達成する仕組みを確立してまいります。
なお、世界的にインフレが進行する現状において、適正な価格転嫁は中小企業の利益の確保とともに、賃上げの原資としても重要であり、全県的な機運醸成などの取り組みについても検討してまいります。
次に、県土の強靱化対策についてです。
災害時における交通の途絶や急流河川の氾濫といった多くのリスクを抱える本県では、交通の強靱化や水害対策など、県土の強靱化が喫緊の課題であります。
交通の強靱化では、災害時に幹線道路が通行不能となった場合に備え、広域迂回路となる代替路線において、バイパス整備や脆弱箇所の防災対策などを行っております。
具体的には、本年度、新山梨環状道路東部区間の一・六キロメートルや国道三百号中之倉バイパスの一・八キロメートルの供用を開始するなど、着実に道路ネットワークの整備を進めているところです。
水害対策におきましては、間門川排水機場の稼働を開始するとともに、流域の関係者が協力して行う取り組みとして横川の流域治水対策アクションプランを策定するなど、鋭意、水害に対する安全度の向上を図っております。
次に、強靱な県土づくりの推進に向けた予算の確保についてです。
県では、社会基盤整備を計画的に実施するため、令和七年度までの六年間で四千六百億円の想定事業量をお示しし、これまでに計画を上回る約六四%の事業量を確保しております。
中長期的な公共投資の見通しを示すことは、災害時の復旧を担う地域のソフトインフラである建設産業の安定的な経営や担い手の確保に資するものと考えております。
今後も引き続き、計画的に県土の強靱化を推進するため、国の五か年加速化対策や有利な地方債を最大限活用し、必要な予算の確保に努めてまいります。
最後に、富士急行との訴訟に係る控訴についてです。
第一審判決は、山中湖畔県有地の地価上昇に関して、これまで県が行ってきた富士スバルラインの整備や世界文化遺産登録を初め、その他県道など各種インフラの整備等を通じて寄与していることを全く評価していない点など、県として断じて容認できない内容であると考えております。
このため、控訴理由書においては、従来から県が主張する、県と富士急行株式会社との土地賃貸借契約が適正な対価でないことをもって違法無効であることについて説明の補充を行うとともに、判決のうち問題と思われる部分について反論することといたしました。
まず、訴訟審理の場において、原告、被告双方ともに全く主張もしてこなかった「継続賃料評価により賃貸借などの賃料増減の検討について合意」があったものとして、これを根拠に「継続賃料による鑑定評価が可能」と裁判所が認定したことについては、民事訴訟の根幹である弁論主義に反して違法であるということのみならず、そもそもそのような不合理な合意は事実として存在せず、そして、そのような合意が成立することはあり得ない旨を主張しております。
加えて、昭和四十二年契約の賃料算定を継続賃料評価で行うことは、不動産鑑定評価基準等の解釈を誤っていることなども指摘しております。
さらに、造成前の素地価格を基礎として賃料額を算定する合理性があるとする原判決に対しましては、造成後の現況における対象県有地の価値上昇分を賃料額に反映することが、当事者の合理的意思であったことを主張しております。
また、富士急行が投下したとされる造成費用などのコストは既に回収済みであり、かつ十分な利益を既に得ており、同社のリスクなるものは消滅していたとの県の主張に対して、同社のみがコストとリスクを負担すると認定をし、県の地価形成に対する貢献を全く評価しないことなどの誤りについて指摘をしております。
さらに、必要に応じて従前の主張に固執することなく、訴訟方針の見直しの検討を求めるとの附帯決議を踏まえまして、次の主張内容の追加を行っております。
第一に、仮に第一審判決が判示するように、同社との契約における賃料が継続賃料評価によって算定されたとしても、その中の差額配分法という評価手法においては現況を基礎とした算定がされるため、いずれにせよ、実際に合意された金額よりも大幅に高額となる結果、いかなる意味においても適正な対価とは言えないことを新たに主張しております。
第二に、平成二十九年度に更新した契約が仮に有効なものであると判断されたとしても、令和三年二月に賃料増額請求権を行使しているため、第一審判決が認定したような三億三千万円余の賃料額とはなり得ない旨も、予備的に主張することといたしました。
県としては、具体的な経済的利益を確保して県民利益を最大化することを第一に、控訴における手続を遂行し、県の主張が裁判所に理解されるよう全力を尽くしてまいります。
以上をもちまして、私の答弁といたします。
その他につきまして担当の部長等からお答え申し上げます。
25
◯議長(
久保田松幸君)福祉保健部長、
成島春仁君。
(福祉保健部長
成島春仁君登壇)
26
◯福祉保健部長(
成島春仁君)古屋議員の僻地における医療提供体制の整備についての御質問にお答えします。
県では、これまで誰一人取り残さない医療の実現に向けて、僻地医療の整備に鋭意取り組んでまいりました。
まず、自治医科大学卒業医師を僻地の医療機関に配置するとともに、拠点病院を四施設指定し、巡回診療や医療機器の整備などに支援をしてきたところであります。
本年度は、新たに二病院を拠点病院に指定し、医師派遣に要する経費を支援しております。
また、僻地医療の強化などに向けて、本年度から県が支援する中で、峡南地域や峡北地域において病院連携に向けた協議が進められております。
加えまして、去る十二月には、大月市が僻地医療拠点病院である市立中央病院の強化に向けて、山梨大学と包括的連携協定を締結いたしました。
これらの取り組みは、地元自治体による自主的な検討や運営が前提とはなりますが、大きな成果に結びつくよう、県も積極的に関与していきます。
また、医療資源が限られる中、僻地医療を確保していくため、オンライン技術やウエアラブル端末を活用し、住民の健康観察や治療の経過観察など、日常的に見守る体制づくりを進めてまいります。
以上でございます。
27
◯議長(
久保田松幸君)子育て支援局長、
小田切三男君。
(子育て支援局長
小田切三男君登壇)
28
◯子育て支援局長(
小田切三男君)古屋議員の妊娠・出産に向けた支援の充実についての御質問にお答えします。
安心して妊娠・出産ができる環境整備は極めて重要であり、これまで、その実現に向け着実に施策を進めてきたところです。
特に、不妊治療の心理的・経済的負担を軽減するため、相談体制を充実させるとともに、これまでは保険適用外であった体外受精や顕微受精への助成を行ってまいりました。
また、遠方への通院など諸般の負担を軽減するには、身近な地域で治療が受けられることが大切であり、県内の治療体制を拡充するため、受精卵を培養する専門人材である胚培養士の養成にも着手したところです。
不妊治療は、排卵状況による急な受診や通院回数の多さなど、治療の特性に加え、そのことを周囲が十分理解できていないことも大きな負担となっています。
県では、産業・労働・医療各分野の主要団体と協定を締結し、不妊治療への理解や先進的な企業の取り組み事例を共有するなど、治療を受けやすい職場づくりに努めてまいりました。
こうした中、本年度実施した調査では、保険適用が治療を後押しする一方で、妊娠に関する正しい知識を早期に知りたかったとの声や、保険適用外の治療への負担感なども明らかになっております。
このため、県では、子供を持ちたいと願う方に寄り添い、その希望をかなえられるよう、妊娠に向けたライフデザインの啓発や保険適用外の先進医療への助成など、さらなる支援策の検討を鋭意進めてまいります。
以上でございます。
29
◯議長(
久保田松幸君)環境・
エネルギー部長、村松稔君。
(環境・
エネルギー部長 村松 稔君登壇)
30
◯環境・
エネルギー部長(村松 稔君)古屋議員の家庭における創エネの推進についての御質問にお答えいたします。
屋根置き太陽光発電を活用した創エネは、エネルギー価格高騰への対応や非常時の電源確保など、暮らしの安心感の向上とあわせ、温暖化対策に資する取り組みとして大変重要です。
このため、現在策定中の新たな温暖化対策実行計画において、屋根置き太陽光発電を再エネ導入の柱と位置づけ、課題となっている初期投資の軽減策を講じながら、設置拡大を図っております。
まず、本年度開始した太陽光発電や蓄電池の共同購入事業については、一括発注のスケールメリットにより、二割程度の設置費用の軽減が図られ、八十一世帯で設置されることになりました。
現在、次回実施に向けた準備を進めており、四月中には来年度分の募集を開始する予定です。
また、昨年の十二月議会において、エネルギー価格高騰対策として、家庭の太陽光発電などの設置に補助する、再エネ設備導入支援事業に係る予算をお認めいただきました。
この事業は、共同購入事業との併用も可能としており、両事業をあわせて広く県民の皆様に周知し、積極的な活用を促してまいります。
こうした取り組みを着実に進めるとともに、今後も県民ニーズを的確に把握し、必要な支援策を講じながら、家庭における創エネを推進してまいります。
以上でございます。
31
◯議長(
久保田松幸君)観光文化部長、
赤岡重人君。
(観光文化部長
赤岡重人君登壇)
32
◯観光文化部長(
赤岡重人君)古屋議員の地域ごとの観光振興についての御質問にお答えいたします。
本県が目指す観光の高付加価値化を加速させるためには、地域ごとの観光振興を面的かつ戦略的に進めることが重要であります。
各地域に隠れている観光資源や人材をくまなく掘り起こし、磨き上げながら面的にネットワーク化することにより、本県観光の可能性を最大限に生かし切ることができるものと考えます。
このため県では、峡東地域におけるワインなどの美酒美食や伝統芸能を観光活用し、地域と一体となった観光振興に取り組んでいるところでございます。
また、本年度、南アルプス観光振興室を設置し、地域の観光開発を進めているほか、峡南地域において、ネクスト共創会議を立ち上げ、新たな観光施策の展開に着手しております。
今後、こうした取り組みをさらに充実させるため、各地域の特色や関係者の御意見を踏まえながら、効果的な推進体制や施策について検討してまいります。
このことにより、県全体で多様な来訪者を受け入れ、県内各地域ににぎわいを創出するとともに、本県観光の高付加価値化につなげてまいります。
以上でございます。
33
◯議長(
久保田松幸君)県土整備部長、
飯野照久君。
(県土整備部長
飯野照久君登壇)
34
◯県土整備部長(
飯野照久君)古屋議員の国道百四十号・西関東連絡道路の整備についての御質問にお答えいたします。
西関東連絡道路は、埼玉県の関越道から本県の新山梨環状道路を経由して中央道につながる地域高規格道路であるとともに、高速道路を補完し、広域道路ネットワークを形成する重要な路線であります。
また、首都直下型地震など大規模災害の発生により、中央道や国道二十号が被災した場合には、北関東を経由して首都圏につながる代替ルートになります。
これまで県境の雁坂トンネルを初め、埼玉県の皆野寄居バイパスや皆野秩父バイパス、また、山梨県側では甲府山梨道路や三富道路などの整備により、交通機能の強化が図られてきました。
しかしながら、議員御指摘の三富川浦地区から広瀬地区の間は、二車線が確保されているものの、急勾配が連続しカーブも多いことから、走行性の向上が求められています。
このため、本年度から道路計画の策定に向け、現道の規格や構造について詳細に評価を行うための調査に着手したところであります。
この道路の整備に当たりましては、路線全体で定時性や速達性といった高い走行サービスを確保する必要があることから、埼玉県と連携し整備水準を上げていくことが重要であります。
今後も引き続き、西関東連絡道路沿線の関係自治体や県議会の皆様の御支援をいただきながら、事業化に向け検討を進めてまいります。
以上でございます。
35
◯議長(
久保田松幸君)教育長、
手島俊樹君。
(教育長
手島俊樹君登壇)
36
◯教育長(
手島俊樹君)古屋議員の子供の体力向上についての御質問にお答えします。
本県の子供の体力は、新型コロナ感染症が拡大する前の令和元年度と比較すると、小中学生ともに急激に低下しており、全国的にも同様の傾向にあります。
この原因としましては、体育の授業や運動部活動において、呼気が激しくなる運動を控えるなど、コロナ禍における学校教育活動の制限により、子供の運動機会が減少していることが考えられます。
子供の体力低下は、心身ともに成長著しい時期において、健康の保持増進や学習意欲などに影響を及ぼすことから、大変憂慮すべきことであります。
このため、感染対策に配慮しながらも、段階的に学校での運動機会をふやし、運動強度を高めていくことが、子供の体力向上に向けて大事になると考えております。
具体的には、コロナ禍で制約されていた体育の授業や運動部活動などでの取り組み・運動強度を徐々に戻していくことについて、市町村に働きかけてまいります。
また、小学校の休み時間を活用して、年間を通して縄跳びなどの記録を他校と競う「目指せ!やまなしチャンピオン事業」において、中止していた種目を復活させ、より多くの児童の参加を促していきます。
こうした取り組みを通して、体を動かすことの楽しさを子供たちに改めて感じさせながら運動習慣の定着を図り、子供の体力向上を目指してまいります。
以上でございます。
37
◯議長(
久保田松幸君)当局の答弁が終わりました。
古屋雅夫君に申し上げます。
残り時間がありません。
これをもって、古屋雅夫君の代表質問を打ち切ります。
以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
来る三月六日、午後一時、会議を開き、代表質問及び一般質問を行います。
本日は、これをもって散会といたします。
午後三時四十二分散会
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