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  1. 山梨県議会 2019-02-01
    平成31年2月定例会(第4号) 本文


    取得元: 山梨県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-11
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいタブが開きます) 平成31年2月定例会(第4号) 本文 2019-03-06 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ窓表示 ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者一覧に移動 全 98 発言 / ヒット 0 発言 表示発言切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示 すべて選択 すべて解除 1 ◯議長河西敏郎君) 2 ◯石井脩徳君 3 ◯議長河西敏郎君) 4 ◯知事長崎幸太郎君) 5 ◯議長河西敏郎君) 6 ◯県土整備部長垣下禎裕君) 7 ◯議長河西敏郎君) 8 ◯教育長(市川 満君) 9 ◯議長河西敏郎君) 10 ◯議長河西敏郎君) 11 ◯副議長安本美紀君) 12 ◯望月利樹君 13 ◯副議長安本美紀君) 14 ◯福祉保健部長小島 徹君) 15 ◯副議長安本美紀君) 16 ◯望月利樹君 17 ◯副議長安本美紀君) 18 ◯防災局長若林一紀君) 19 ◯副議長安本美紀君) 20 ◯望月利樹君 21 ◯副議長安本美紀君) 22 ◯防災局長若林一紀君) 23 ◯副議長安本美紀君) 24 ◯望月利樹君 25 ◯副議長安本美紀君) 26 ◯福祉保健部長小島 徹君) 27 ◯副議長安本美紀君) 28 ◯望月利樹君 29 ◯副議長安本美紀君) 30 ◯福祉保健部長小島 徹君) 31 ◯副議長安本美紀君) 32 ◯望月利樹君 33 ◯副議長安本美紀君) 34 ◯知事長崎幸太郎君) 35 ◯副議長安本美紀君) 36 ◯望月利樹君 37 ◯副議長安本美紀君) 38 ◯福祉保健部長小島 徹君) 39 ◯副議長安本美紀君) 40 ◯望月利樹君 41 ◯副議長安本美紀君) 42 ◯福祉保健部長小島 徹君) 43 ◯副議長安本美紀君) 44 ◯望月利樹君 45 ◯副議長安本美紀君) 46 ◯福祉保健部長小島 徹君) 47 ◯副議長安本美紀君) 48 ◯望月利樹君 49 ◯副議長安本美紀君) 50 ◯県土整備部長垣下禎裕君) 51 ◯副議長安本美紀君) 52 ◯望月利樹君 53 ◯副議長安本美紀君) 54 ◯知事長崎幸太郎君) 55 ◯副議長安本美紀君) 56 ◯望月利樹君 57 ◯副議長安本美紀君) 58 ◯県土整備部長垣下禎裕君) 59 ◯副議長安本美紀君) 60 ◯望月利樹君 61 ◯副議長安本美紀君) 62 ◯知事長崎幸太郎君) 63 ◯副議長安本美紀君) 64 ◯望月利樹君 65 ◯副議長安本美紀君) 66 ◯知事長崎幸太郎君) 67 ◯副議長安本美紀君) 68 ◯望月利樹君 69 ◯副議長安本美紀君) 70 ◯知事長崎幸太郎君) 71 ◯副議長安本美紀君) 72 ◯望月利樹君 73 ◯副議長安本美紀君) 74 ◯教育長(市川 満君) 75 ◯副議長安本美紀君) 76 ◯望月利樹君 77 ◯副議長安本美紀君) 78 ◯教育長(市川 満君) 79 ◯副議長安本美紀君) 80 ◯望月利樹君 81 ◯副議長安本美紀君) 82 ◯教育長(市川 満君) 83 ◯副議長安本美紀君) 84 ◯望月利樹君 85 ◯副議長安本美紀君) 86 ◯副議長安本美紀君) 87 ◯議長河西敏郎君) 88 ◯遠藤 浩君 89 ◯議長河西敏郎君) 90 ◯知事長崎幸太郎君) 91 ◯議長河西敏郎君) 92 ◯農政部長(三井孝夫君) 93 ◯議長河西敏郎君) 94 ◯県土整備部長垣下禎裕君) 95 ◯議長河西敏郎君) 96 ◯教育長(市川 満君) 97 ◯議長河西敏郎君) 98 ◯議長河西敏郎君) ↑ リストの先頭へ ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長河西敏郎君)これより本日の会議を開きます。  直ちに日程に入ります。  日程第一、知事提出議案、第一号議案ないし第六十二号議案を一括して議題といたします。  これより、上程議案に対する質疑とあわせ、日程第二の県政一般についての質問を行います。  この際申し上げます。再質問及び関連質問における答弁は、自席において行うことといたします。  発言の通告により、石井脩徳君に二十分の発言を許します。石井脩徳君。        (石井脩徳君登壇)(拍手) 2 ◯石井脩徳君 私は、自民党誠心会の立場から、今定例会に提出されました案件並びに県政一般について質問いたします。  まず、質問に先立ちまして、この一月に行われた知事選挙において当選し、第六十二代山梨県知事に就任されました長崎知事に、心からお祝いを申し上げます。  多くの県民が、本県の状況を停滞と捉え、山梨を前進させるという知事の思いに共感した結果であると受けとめています。  長崎知事は衆議院議員時代におかれましても、地域に密着した課題に積極的に取り組んでいただいたことを私は存じています。  そのときと同じように、山梨のため、今まで培ってきた経験や豊富な人脈を生かし、知事の仕事に御尽力されれば、必ずや豊かな山梨が実現できるものと確信しています。  長崎知事には、県民の大きな期待に、一つ一つ丁寧に応えていただけるものと御期待申し上げ、以下質問に入ります。  初めに、医師確保対策について伺います。  平成二十九年に厚生労働省が公表した平成二十八年医師・歯科医師・薬剤師調査によると、本県の医療施設に従事する医師数は、人口十万人当たりで二百三十一・八人と、二年前の調査時より九・四人増加しているものの、全国平均の二百四十・一人を八・三人下回っている状況にあります。  また、県内の四医療圏で比較すると、中北地域は二百九十一・二人と、全国平均を上回っているのに対し、峡東、峡南、富士・東部の三地域はいずれも、全国平均を大きく下回っています。特に私の地元である富士・東部地域は百四十三・四人と、中北地域と比べるとおおむね半数程度であり、医師の地域偏在が生じています。  さらに、平成十六年に県内に二十四施設あった分娩可能な医療機関が、現在は十六施設にまで減少してしまった背景には、深刻な産科医不足があり、このような診療科による偏在も、大きな課題であります。  このような中、平成二十年から分娩可能な医療機関がなかった東部地域において、この二月より都留市立病院が分娩を再開したことは、東部地域の住民にとって朗報であるとともに、医師不足解消へ向け一歩前進したと評価できます。ぜひとも、この東部地域の分娩体制が維持されることを願うばかりです。  しかし、一方で上野原市立病院では常勤医師が不足し、外科的な手術など診療体制を確保するのに苦慮していると聞いております。  知事も、公約で医療の充実に言及されていますが、県民がどの地域に住んでいても、安全・安心に暮らしていくためには、適切な医療が受けられる体制の構築が必要であり、このためには医師の確保は不可欠であると考えます。
     そこで、県では医師の確保に向け、どのように取り組んでいるのか、また、今後どのような取り組みを行っていくのか伺います。  次に、山村地域の防災・減災対策について伺います。  近年、記録的な集中豪雨により、局地的かつ激甚な災害が全国各地で起こっており、気象庁の発表では、猛烈な雨とされる一時間降水量八十ミリメートル以上の平均年間発生回数は、昭和五十一年からの十年間と平成二十年からの十年間を比較すると、約一・六倍に増加しています。  とりわけ昨年は、台風、集中豪雨、地震など自然災害が頻発したことから、急峻な山々に囲まれ、集落が山間地に多く点在している本県においては、備えを万全にすることがこれまで以上に求められています。  私の地元、上野原市は起伏が激しく、平坦地が少ないという地形的な制約により、集落の近くまで山地が迫っています。  昨年九月の台風二十四号では、豪雨と暴風により、多くの箇所で山地崩壊や土砂流出が発生し、市道棚頭線や和見線といった生活道路が通行どめとなるなど、山村地域の住民生活に大きな支障が生じました。  私は、台風のたび、こうした市内の現場をくまなく視察し、行政機関等に対し、一日も早い復旧を要請してきたところであり、県では、迅速な復旧に努力されていることは承知しています。  しかしながら、上野原市を初め本県は、全国を上回る高齢化が進行しており、山村地域で生活する住民が、迅速な避難行動に移ることが困難となっていることから、こうした地域の住民の安全・安心の確保には、市町村と連携し、山地災害のおそれのある危険箇所の周知や、現地の状況に応じた治山対策をきめ細かく講ずるなど、事前の対策に取り組んでいくことが極めて重要であると考えます。  そこで、山村地域における防災・減災対策について、どのように取り組んでいるのか伺います。  次に、上野原市内の下川砂防堰堤の整備について伺います。  一昨年の九州北部豪雨では、土砂とともに大量の流木が流下し、流木対策の必要性が再確認されました。  また、昨年の西日本豪雨では、直近十年間の年平均件数の二倍以上となる二千五百件を超える土砂災害が発生し、我が国の物流網や経済活動に甚大な被害を及ぼしました。  二年連続で発生した大規模な土砂災害を他山の石として、本県においても、土砂災害対策を強化していく必要があると考えます。  私の地元、上野原市においても、千足地区に通じる市道の斜面が、土砂崩落により通行どめになっていたため、住民十六世帯三十九人が孤立する中で、その後の台風二十四号への対応は困難をきわめました。  山間地域での避難経路確保について、改めてその重要性を認識したところであります。  上野原市棡原の下川では、既に砂防堰堤が一基整備されていますが、対策としては十分でないとして、平成二十三年に下流域の一部が土砂災害特別警戒区域に指定されました。  その区域内には人家のほか、地域の避難場所や、緊急輸送道路である県道上野原丹波山線が含まれており、地元地区の安全・安心確保はもとより、広域的な避難経路確保のため、砂防堰堤が計画され、事業が進められています。  つきましては、下川砂防堰堤工事の進捗状況と完成までの見通しについて伺います。  次に、小中学校における防災教育について伺います。  急速に進む地球温暖化の影響もあり、近年では全国各地で、豪雨や大雪による災害が頻繁に発生しているとともに、東日本大震災以降、毎年のように大規模な地震に見舞われている状況が続いております。  災害はいつ発生してもおかしくないという心構えを常に持つことが重要であり、学校教育においても、子供たちが、災害時にみずからの命を守る行動をとることができるようにする教育を充実させていく必要があると考えます。  つきましては、小中学校では実際の災害に備え、どのような授業や取り組みが行われているのか伺います。  また、西日本豪雨で甚大な被害を受けた広島県では、小中学校の教諭が災害からの教訓を生かし、児童生徒に防災教育を行うため、新たな教材を作成する予定であるという報道を耳にしました。  本県においても、地域の特性に即し、実際の災害を想定した防災教育の取り組みを積極的に行うことが必要であると考えます。  そこで、県では、防災教育の推進に向け、どのように取り組んでいくのか、あわせて伺います。  次に、企業の働き方改革への支援について伺います。  昨年六月、働き方改革関連法が成立し、本年四月から、時間外労働に上限規制が導入されたり、年次有給休暇の付与が義務づけられたりするなど、関連法の順次施行により、企業は働き方改革に本格的に取り組まなければなりません。  私の地元には、こうした国の動きに先立ち、いち早く働き方改革に取り組んでいる企業があります。上野原市にある株式会社エノモトでは、長時間労働の改善に向けた取り組みを五年前から実施しています。終業時間に音楽を流し、時間内に業務を終わらせる習慣を定着させるとともに、有給休暇の一時間単位での取得や未消化分の永年積み立て制度を導入するなど、従業員のワーク・ライフ・バランス実現に向けた取り組みを進めています。  このような取り組みは、仕事に対する社員の意識やモチベーションを高め、業務効率の向上にプラスの効果を生み出すことから、収益の拡大、ひいては企業の成長・発展に大きな効果をもたらすものであると思います。  しかし、このような先進的な企業がある一方、県内には「効果を期待できない」「必要性を感じない」といった理由から、取り組みにちゅうちょしている企業もあると聞いています。  県内企業の人手不足が深刻化する中で、企業が働き方改革を推進し、多様な働き方のできる環境を整備することは、企業のイメージアップとなり、優秀な人材の確保と定着につながることから、私は働き方改革への取り組みは、待ったなしの状況であると思います。  県内企業における働き方改革を推進することで、本県経済の活性化につなげていくためにも、県として、企業の働き方改革への支援が必要であると思いますが、御所見を伺います。  最後に、中央自動車道上野原以東の渋滞対策について伺います。  中央自動車道は、昭和五十七年の全線開通以来、本県と首都圏や中京圏とを連絡し、物流や観光など、本県の経済活動を支えてきました。  現在、県内では中部横断自動車道が、また、首都圏では圏央道の整備が着々と進められていますが、高速道路ネットワークが拡大していくことで、今後、高速道路の利用がより高まってくるものと考えています。  こうした中、中央道の渋滞解消は、ますます重要なものとなります。東京から放射方向の高速道路のうち唯一、中央道だけが六車線ではなく、渋滞が多発する要因の一つとなっています。  これまで部分的に上野原から大月間については六車線化されましたが、現状でも休日には、朝は下り線の相模湖付近、午後から夜にかけては上り線の小仏トンネル付近を先頭に、激しい渋滞が発生しており、時には長さが四十キロメートルを超えてしまう状況であります。  山梨は、豊かな自然や世界遺産富士山があり、首都圏からも近いことから、大勢の方々が訪れており、観光が重要な産業となっています。  このような中、中央道の渋滞は、観光面において大きなダメージとなるだけでなく、物流や産業などの経済活動に支障を来しているとともに、大規模災害時の避難や救援の妨げになるのではとの懸念があります。  これまで県が国や関係機関へ働きかけを行い、高速道路会社により渋滞対策が実施されていますが、特に、山梨から東京方面へ帰る際、観光の楽しい思いも半減させてしまう、上野原から小仏トンネルまでの長時間続く激しい渋滞は、一日も早く解消する必要があると強く感じております。  そこで、小仏トンネル付近の渋滞対策の進捗状況と県の取り組みについて伺います。  以上で質問を終わらせていただきますが、締めくくりに当たりまして、一言御礼の言葉を述べさせていただきます。  私は、このたび、今任期を最後として、県議会議員を引退することを決意いたしました。  昭和六十二年、上野原町議会議員に当選し、平成十九年から山梨県議会議員として、合わせて三十年余り、地元、上野原市民、小菅、丹波山村民、さらには県民の声に耳を傾け、住みよい地域づくりに邁進してまいりました。  議員当選以来、何事にも是々非々で、公平、公正、誠実行動を政治信条として取り組んでまいりました。私が多少なりとも県政発展のために貢献できたとすれば、県議会議員各位、歴代知事、執行部、行政委員の皆様、私を支えてくださった全ての皆様方の御指導と御助言のたまものでありまして、心から感謝を申し上げます。  「人生が与えてくれる最高の宝物は、なんといっても、する価値のある仕事に打ち込めること」、アメリカ合衆国第二十六代大統領、セオドア・ルーズベルトの言葉です。  私の議員人生は、本当に価値のある仕事に打ち込めた宝物と言える時間だったという気持ちであります。  今後は、立場はかわりますが、今までの経験を生かし、地域に貢献したいと考えています。  本県には、魅力的な資源に加え、リニア中央新幹線の開業など大きな可能性があります。これらを最大限に生かすことができれば、必ずや、県民が夢や希望を実現できる山梨に生まれ変わるものと信じています。  皆様方におかれましては、県政発展のため、今後ますます御活躍されますことを祈念いたしますとともに、心から御礼を申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。 3 ◯議長河西敏郎君)石井脩徳君の質疑・質問が終わりました。  これより当局の答弁を求めます。知事、長崎幸太郎君。        (知事 長崎幸太郎君登壇) 4 ◯知事長崎幸太郎君)石井議員の御質問にお答えを申し上げます。  ただいまは、私の政治活動への高い御評価とともに、今後の県政運営への御期待と激励のお言葉をいただき、深く感謝申し上げます。  石井議員におかれましては、県議会議員として三期十二年、さらには議長もお務めになり、県政の発展に御尽力を賜りました。  また、これまで晴れの日も雨の日も、一貫して石井先生とともに歩ませていただいたことに心より感謝を申し上げます。  深甚なる敬意を表しますとともに、今後とも御健勝で御活躍されますよう、心より祈念申し上げます。  私も、石井先生の御期待に応えられますように、豊かな山梨の実現に向けて、県政運営に全力で取り組んでまいりますので、今後とも引き続き御指導、御協力を賜りますよう、お願いを申し上げます。  初めに、医師確保対策についての御質問にお答えいたします。  各地域におきまして、安心して医療を受けられる体制を構築するためには、医師の総数確保と、地域偏在の是正が必要であります。  このため、県では、医師修学資金の貸与などを通じ、県内医師の確保を進めるとともに、医師不足の病院に研修医などができるだけ多く配置されるよう、山梨大学との連携のもと、地域医療支援センターを設置し、地域医療への意識と関心を高めるためのセミナーの開催や、地域の病院と中核病院とローテーションで勤務する専門研修プログラムの運営などに取り組んでいるところであります。  加えて、今後は、医療法の改正により新たに規定された医師確保計画を明年度中に策定し、この計画に基づいた取り組みを進めてまいります。  計画では、年齢ごとの受診率や昼夜人口の変化などを踏まえた医師不足地域を設定することとされており、都道府県は、これらの地域で医師の偏在を是正していくことになります。  本県では、県が勤務先を指定できる平成二十七年度以降に医師修学資金を貸与した医師を対象に、医師不足地域への配置を進めてまいりたいと考えております。  こうした新たな取り組みも加えるとともに、今後は、地元自治体や山梨大学などの医師養成機関、医療施設、医師会などと緊密に連携し、例えば複数の医療機関が機能を分担し合うことなどについても視野に入れながら、医師の確保、偏在の是正に努めてまいります。  次に、山村地域の防災・減災対策についてであります。  県では、集落に近接し、土砂流出のおそれのある渓流など三千四百八十九地域を山地災害危険地区に指定し、緊急度の高い地区から順次、治山ダムの設置を行うなどの対策を行うほか、市町村が行う小規模な事業に対し助成するなど、きめ細かな山地災害対策の実施を心がけております。  こうした取り組みにより、これまで二千三百四地区について対策を講じたところであり、整備率は、全国平均を約二〇ポイント上回る六六%となっております。  上野原市及び北都留郡におきましても、二百四十八地区において、渓流への治山ダムの設置にあわせ、流出するおそれのある倒木の除去などを実施しております。  また、昨年七月の西日本豪雨災害を踏まえ、渓流内の土砂の堆積状況や、山腹の亀裂などの緊急点検を行ったところであり、新たに対策が必要となった二十四地区について、平成三十二年度までに集中的に防災対策を実施いたします。  さらに、こうした対策に加え、県道上野原あきる野線など山村地域の産業基盤や生活環境を支えている道路、あるいは農地等の防災対策もあわせて実施いたします。  また、地域住民の防災意識を高めるため、危険箇所への注意喚起標識の設置や、危険地区のパトロールを市町村と連携して行うなど、ハード・ソフトの両面から、山村地域の防災・減災対策に鋭意取り組んでまいります。  次に、企業の働き方改革への支援についてであります。  議員御指摘のとおり、県内企業における働き方改革を進めることは、労働力の確保が課題となる中で、個々の事情に応じた働き方ができるようになり、働く方の意欲や能力の発揮、また、企業の人材確保にもつながる重要な取り組みと考えております。  しかしながら、経営者からは、働き方改革の効果が期待できない、人手不足で余裕がない、給料に影響するため従業員の理解が得られないといった切実な悩みの声も、他方において寄せられております。  こうしたことから、県では、働く方の仕事と生活の調和や、働く方と企業の双方の視点に立って支援を行う必要があると考え、働き方改革アドバイザーが企業を訪問し、その直面している課題の聞き取りや、各企業の実情に応じた改革プランの提案を行ってまいりました。  加えて、経営者や人事担当者の意識改革を図るためのセミナーを開催、あるいは、社会保険労務士等の専門家を派遣し、指導・助言を行っているところであります。  今後は、御紹介のあった株式会社エノモトさんのような先進的な取り組みを行っている県内企業の事例や、働き方改革アドバイザーが蓄積したノウハウ、あるいは、知見を普及に役立てる方策を講じ、また、意欲的に取り組む企業を表彰するなど、県内における働き方改革に取り組む企業の拡大に努めてまいります。  最後に、中央自動車道上野原以東の渋滞対策についてであります。  上り線の小仏トンネル付近におきましては、圏央道に接続するまでの五キロメートルにわたり、新たなトンネル整備などの車線を追加する渋滞対策事業が、平成二十七年から高速道路会社により進められております。  この事業につきましては、急峻な地形条件のもとでの工事となることから、綿密な調査設計などに時間を要しておりましたが、昨年三月の工事用道路の建設着手に続き、九月からは、トンネル整備などに必要となる用地の取得も始まっております。  小仏トンネル付近の渋滞解消により、損なわれている山梨県の魅力が最大限引き出されることから、県内外に広く周知するなど、事業推進に協力するとともに、沿線五都市からなる中央自動車道渋滞対策促進協議会や経済団体と連携し、国土交通省や高速道路会社に対して、早期完成を働きかけてまいります。  以上をもちまして、私の答弁といたします。その他につきましては、担当の部長からお答え申し上げます。 5 ◯議長河西敏郎君)県土整備部長、垣下禎裕君。        (県土整備部長 垣下禎裕君登壇) 6 ◯県土整備部長垣下禎裕君)石井議員の上野原市内、下川砂防堰堤の整備についての御質問にお答えいたします。  下川砂防堰堤は、石井議員の御指導をいただく中で、地域の安心・安全の確保や、災害時の避難路の確保のため、土石流とともに流木も捕捉する機能を有した透過型砂防堰堤として計画しているものでございます。  昨年末までに、必要な用地が確保できたことから、先月上旬に工事用道路及び砂防堰堤の工事に着手したところでございますが、現地の地形が大変急峻であることから、工事用道路の整備に秋口まで要し、その後、本体工事に取りかかるということになりますので、本体の完成は平成三十三年度となる見込みとなっております。  引き続き、目標年度での完成を目指し、工事の確実な進捗に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 7 ◯議長河西敏郎君)教育長、市川満君。        (教育長 市川 満君登壇) 8 ◯教育長(市川 満君)石井議員の小中学校における防災教育についての御質問にお答えをいたします。  小中学校におきましては、災害時における主体性や判断力を養うため、従来の避難訓練に加えて、実際の災害を想定した予告なしの訓練を実施するなど、実践的な取り組みを行っております。  また、保護者や地域の方々とともに、地図上で災害発生時の危険箇所や避難場所を確認するなど、学校と地域が連携した防災の授業も行われております。  次に、県の取り組みについてでございますが、本県において懸念される災害や、災害時にとるべき行動等を内容とするテキストとDVDを本年度、全ての小中学校に配付しておりまして、今後、こうした資料の積極的な活用を促すことにより、本県の実態に即した実効性のある防災教育を一層推進してまいります。  以上でございます。 9 ◯議長河西敏郎君)当局の答弁が終わりました。
     石井脩徳君に申し上げます。残り時間がありません。  これより、石井脩徳君の一般質問に対する関連質問に入ります。  この際申し上げます。関連質問についてはその冒頭に、関連する事項を具体的に発言願います。  関連質問はありませんか。        (「なし」と呼ぶ者あり) 10 ◯議長河西敏郎君)関連質問を打ち切ります。  これをもって、石井脩徳君の一般質問を打ち切ります。  暫時休憩いたします。                                          午後一時三十三分休憩       ───────────────────────────────────────                                          午後一時四十九分再開議 11 ◯副議長安本美紀君)休憩前に引き続き会議を開きます。  日程第一及び日程第二の議事を継続いたします。  この際申し上げます。一問一答により質問を行う議員は、一問一答用質問演壇において行ってください。  また、この答弁については、最初の答弁のみ演壇で行い、それ以降は自席で行うことといたします。  発言の通告により、望月利樹君に二十分の発言を許します。望月利樹君。        (望月利樹君登壇)(拍手) 12 ◯望月利樹君 早速、質問に入ります。  まず初めに、救急医療体制の充実について伺います。  チームやまなしでは、増加する救急需要への対応について調査するため、佐賀県の救急医療体制を視察しました。これは「99さがネット」と呼ばれ、行政と現場がタッグを組んで救急医療の改善に取り組む仕組みです。  救急搬送時間の短縮や適正医療機関への搬送を目指すため、ICTを活用した情報システムを導入しています。全救急車五十台にタブレット端末を配備し、病院の受け入れ態勢がリアルタイムでわかる、いわゆる情報の見える化をすることによって、搬送時間の短縮が図られています。また、クラウドの利用により、年間四千万円のコストダウンを実現しました。蓄積したさまざまなデータを、交通事故の多い道路の改善など、医療分野だけでなく、さまざまな施策の検討に活用するとのことです。  本県においても、やまなし医療ネットという仕組みがあることは承知しておりますが、現在どのように活用しているのか、御所見をお伺いします。 13 ◯副議長安本美紀君)福祉保健部長、小島徹君。        (福祉保健部長 小島 徹君登壇) 14 ◯福祉保健部長小島 徹君)ただいまの御質問にお答えをいたします。  本県の救急医療情報システム「やまなし医療ネット」では、地域の救急医療機関が、その日の受け入れ可能な診療科目とベッドの空き状況、手術の可否を登録し、救急隊員が現場で確認できる仕組みとなっております。  このため、各消防本部が救急搬送要請を受けた際は、患者の病状を見きわめながら、このシステムを利用して適切な受け入れ病院を選定し、速やかな搬送を行うことが可能であり、平成三十年中における消防機関のシステムの利用実績は二万三千四百四十二件に上り、有効に活用されております。  以上でございます。 15 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇) 16 ◯望月利樹君 システムの利用が二万三千四百四十二件ということですが、私の持っているデータ、本県の平成二十九年の出動件数は、四万五百八十六件であり、一日平均百十一件、半分しか使っていないですね。これは五年前と比較して、およそ一割近く増加していまして、昭和三十九年の統計開始以降、右肩上がりとなっています。  また、救急搬送された人のおよそ半数が、実際に入院は必要のない軽傷であったということも、明らかになっています。  どの病院に行けばよいかわからない。交通手段がないといった理由で、救急車を呼ぶ人もいるようです。  救える命を確実に救うためには、緊急度に応じた救急車の適正利用に取り組むことが重要です。  先進的な事例として、東京都や埼玉県など七都府県では、急な病気やけがをした際、救急車を呼ぶか迷った際の相談窓口として、シャープ七一一九というのを設置しています。  これは、救急相談センターへつながる電話番号であり、相談医療チームが二十四時間対応してくれています。  そこで、救急車の適正利用を図るため、県では、どのように取り組んでいるのか伺います。 17 ◯副議長安本美紀君)防災局長、若林一紀君。 18 ◯防災局長若林一紀君)ただいまの御質問にお答えいたします。  救急医療を必要としている方に適切な治療を提供していくためには、県民の皆様に対し、適正な受診を促し、救急車の適正利用を図っていくことが重要であります。  このため、県では、ホームページや広報番組、地域のケーブルテレビ、さらには消防本部による街頭キャンペーンなど、さまざまな媒体、機会を活用し、県民の皆様方への意識啓発を図っております。  また、昨年度は、やまなし医療ネットの機能を拡充し、傷病者御自身が救急車を呼ぶべきか迷ったときに、その必要性を判断できる機能を整備したところでありまして、こうしたシステムの積極的な利用も周知する中で、今後も救急車の適正利用を働きかけてまいります。  以上でございます。 19 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇) 20 ◯望月利樹君 増加する救急出動件数の対応とあわせ、搬送時間の短縮も大きなテーマとなっています。  搬送時間を一秒でも短くし、一人でも多くの命を救うためには、救急搬送を行う消防機関と受け入れ側の医療機関が、おのおの課題や問題点を抽出し、改善に向けた対応策を協議・検討することが重要だと考えます。  そこで、県では、救急搬送時間の短縮にどのように取り組んでいるのか伺います。 21 ◯副議長安本美紀君)防災局長、若林一紀君。 22 ◯防災局長若林一紀君)ただいまの御質問にお答えいたします。  県では、消防機関や医療機関で構成する山梨県メディカルコントロール協議会におきまして、搬送先の医療機関の選定方法など、傷病者の搬送及び受け入れに関する基準を策定しまして、迅速かつ適切に治療を受けることができる体制を整えております。  協議会では、課題や問題点を抽出する中で、基準の検証を行っており、本年度は、症状ごとの病院選定手順を見直すとともに、病院間の搬送を適正に行うガイドラインを策定するなど、救急搬送時間の短縮に努めております。  この結果、本県の搬送時間は全国平均を下回る状況となっており、今後も、時間との勝負を念頭に、不断の見直しを行うことにより、救急搬送時間の短縮につなげてまいります。  以上でございます。 23 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇) 24 ◯望月利樹君 救急医療は時間との勝負であると、現場で働く医師から聞いたことがあります。救急医療体制の向上に向けて、今後もたゆまぬ努力を続けてほしいと思います。  次に移ります。動物殺処分ゼロに向けた取り組みについて伺います。  環境省が公表している。全国の犬・猫の殺処分数の推移によると、平成二十九年度の犬・猫の殺処分数は、十年前に比べ、およそ一四%まで減少し、四万三千頭ほどになりました。動物愛護センターに引き取られた犬・猫の数に占める殺処分の割合も、八八・九%から四三%と半減しています。  しかし、いまだ年間四万頭を超える動物の命が、殺処分という形で失われているのが現状です。  また、殺処分される猫のおよそ七割は、離乳していない幼齢の猫であり、そのほとんどが屋外にいる野良猫から生まれた子猫です。  県では、山梨県動物愛護管理推進計画に基づき、犬・猫の引き取り数と殺処分数を減少させる取り組みを行っています。  こうした中、昨年度の私の質問に対する答弁では、猫の飼い主に対して、県が作成した適正飼育ステッカー「猫との約束」を配付し、室内飼育、不妊去勢手術の実施などを徹底する取り組みを始めたということでした。  そこでまず、本県における現在の犬・猫の殺処分の状況は、どのようになっているのか伺います。 25 ◯副議長安本美紀君)福祉保健部長、小島徹君。 26 ◯福祉保健部長小島 徹君)ただいまの御質問にお答えをいたします。  県では、動物愛護管理推進計画に基づき、飼っている動物がその命を終えるまで適切に飼育することの啓発や、譲渡の推進など、殺処分数を減らす対策を継続して実施してまいりました。  その結果、昨年度の犬や猫の引き取り数は千三百三頭と、計画策定前である平成二十四年度の二千三百六十八頭から半減しており、また、殺処分数も五百八十一頭と、平成二十四年度の千六百六十九頭のおよそ三分の一となるなど、大幅に減少しております。  また、殺処分数のうち、およそ九割の五百三十六頭が猫であり、そのほとんどが、譲渡の難しい離乳前の子猫となっております。  以上でございます。 27 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇) 28 ◯望月利樹君 以前の質問に対する答弁では、地域住民、ボランティア、行政等関係者が連携し、犬猫の適正飼育の推進を図ることにより、殺処分数の減少に努めるという答弁でした。  しかし、いまだ殺処分を行わざるを得ない状況であり、一層の取り組みが求められます。  平成二十九年一月、ボランティア団体が中心となり、地元自治会などの協力を得て、県庁にあらわれる二十九頭の猫を保護し、不妊去勢手術を行って、もとの場所に戻す、いわゆるTNRを行い、そのうち十一頭は新しい飼い主に引き取られました。この県庁猫に対する取り組みは全国的に報道されました。  報道の効果も相まってか、県庁猫と記念写真を撮るために、わざわざ他県から山梨県庁周辺に足を運んでくれる観光客もいます。  現在、残りの猫は地域猫として、周辺住民の管理のもと穏やかに生活しており、新たな子猫も生まれていないようです。  このように、飼い主のいない猫にTNRを施し、その世代の寿命まで地域で見守ることにより、殺処分せず個体数を徐々に減らしていけることが、今回の県庁猫の活動で実証されつつあります。  この活動は、殺処分数の減少に向けて、大変効果的な先進事例となりました。今後、さらに波及させていくべきだと考えます。  そこで、地域猫活動を進めるに当たり、どのような課題があるのか伺います。 29 ◯副議長安本美紀君)福祉保健部長、小島徹君。 30 ◯福祉保健部長小島 徹君)ただいまの御質問にお答えをいたします。  昨年度、県政モニターに対しまして実施したアンケート結果によりますと、「地域猫活動を知っている」との回答は一六%、また「いい活動なので進んで協力したい」との回答は一〇%にとどまっておりました。  地域猫活動を進めていくためには、まずは住民の御理解と御協力が不可欠でありますので、県民の皆様に対し、その有効性や具体的な活動の流れなどについて、一層の周知を図っていくことが必要であると考えております。  また、この活動は、地域が主体となって進める必要があることに加え、感染症対策や不妊去勢の実施など、動物への医療も必要でありますことから、市町村や獣医師会、さらには地域住民の活動を支援する動物ボランティアとの連携強化も課題であると考えております。  以上でございます。 31 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇) 32 ◯望月利樹君 答弁のとおり、依然として課題は山積みです。殺処分ゼロを達成するためには、ボランティアや地域住民の方々の理解と協力を得ながら取り組むことが不可欠です。  また、譲渡などを行っている動物愛護センターを昨年度、教育厚生委員会で視察しました。人と動物との共生を進めていくために、重要な役割を担っていると感じました。  動物との共生という観点の先進事例としては、神戸市で昨年施行された神戸市・人と猫の共生に関する条例に基づく取り組みがあげられます。  神戸市では、獣医師を初めNPOや地域団体などが市と連携して、野良猫の繁殖抑制を計画的かつ効果的に行っており、こうした取り組みを本県にも導入すべきだと考えます。  そこで、今後の殺処分ゼロに向けたさらなる取り組みについて、県の所見を伺います。 33 ◯副議長安本美紀君)知事、長崎幸太郎君。 34 ◯知事長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、殺処分を減少させるためには、現在、殺処分数の多くを占めている、飼い主のいない猫から生まれる子猫を減らしていく対策が重要であります。  このため、地域猫活動について、具体的な取り組み方法などを掲載した猫の適正飼育のガイドラインやリーフレットを用いて、動物愛護デーなどのイベントや講習会など、あらゆる機会を通じて周知を図ってまいります。  また、この活動を地域住民が主体となって積極的に取り組めるよう、各地域におきまして、県の動物愛護指導センター、市町村、関係団体等の連携を強化し、住民をサポートできる体制の構築を進めてまいります。 35 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇)
    36 ◯望月利樹君 広域自治体である県が、しっかりと指導して、取り組んでほしいと思います。  次に行きます。子供の貧困対策について伺います。  現在の日本経済は、高度成長期後半のいざなぎ景気で記録した五十七カ月を上回る長い回復局面が続いていると言われています。一方で、所得格差は広がり、多くの人が、好景気であることを実感できない状況だと考えます。  さらに、子育て世帯の貧困に関する統計に目を向ければ、社会構造のゆがみが浮き彫りになります。  OECDによると、就労しているひとり親世帯の子供の貧困率は、およそ五六%で、先進国で最悪です。また厚生労働省によると、ひとり親世帯の大半は母子家庭であり、ここ四半世紀で、およそ五割もふえています。  このような中、昨年度の県の実態調査によると、本県の子供の相対的貧困率は一〇・六%であり、およそ十人に一人の子供が貧困状態にあります。  また、ある民間団体が、県内の二百二十二の保育施設を対象に実施したアンケートでは、回答を得た施設長のうち、およそ四分の一が「貧困と思われる園児が在園している」と答えました。戦後ではありませんよ。  貧困は、問題や実態がつかみにくく、その見えにくさこそが、問題解決に向けた大きな障害だと言われており、こうした調査結果を踏まえ、きめ細かな対応が求められます。  そこで県では、これまで子供の貧困対策にどのように取り組んできたのか伺います。 37 ◯副議長安本美紀君)福祉保健部長、小島徹君。 38 ◯福祉保健部長小島 徹君)ただいまの御質問にお答えをいたします。  県では昨年度、子供の貧困に関する全県的な実態調査を実施いたしましたが、その結果から、公的な支援制度が十分認知されていないことや、支援制度や地域の状況を熟知し、適切な支援機関につなげる人材が、不足していることなどが明らかになりました。  このため、昨年七月に、さまざまな支援制度をわかりやすく説明したリーフレットを約十四万部作成し、小中高校生や幼稚園、保育所に通うお子さんのいる全ての家庭に配付するとともに、新たに、家庭とさまざまな支援機関をつなぐ地域コーディネーターを五十二名養成し、全市町村に配置いたしました。  この地域コーディネーターを中心として、市町村ごとに民生委員・児童委員や学校、民間団体、そして行政とがネットワークを構築することで、地域の実情や各家庭のニーズに応じた多様な支援ができるよう、取り組んでいるところでございます。  以上であります。 39 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇) 40 ◯望月利樹君 支援制度を周知するために県が作成したリーフレットを拝見しました。各市町村の相談窓口が一本化され、制度についても、わかりやすく説明されているとの印象を受けました。  しかし、リーフレットの配付だけで終わりにせず、支援を必要とする子供や、その家族にこの制度が役立てることが重要です。  今後、さらに制度の周知を図るために、どのように取り組んでいくのか伺います。 41 ◯副議長安本美紀君)福祉保健部長、小島徹君。 42 ◯福祉保健部長小島 徹君)ただいまの御質問にお答えいたします。  昨年作成したリーフレットは「経済的な支援が欲しい」「子供を預けて働きたい」といった具体的な相談内容ごとに、さまざまな支援制度や相談窓口をわかりやすく説明するものとなっており、これを県のホームページにも掲載いたしますとともに、さまざまな研修会や会議などの場で、広く制度の周知を図っているところでございます。  また、地域コーディネーターにつきましても、明年度は、教育関係者を対象に養成研修を実施することとしており、地域のネットワークの一層の充実を図る中で、制度等に関する情報発信をさらに進め、支援を必要とする子供や保護者の方々が、十分に制度を活用いただけますよう、取り組んでまいります。  以上でございます。 43 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇) 44 ◯望月利樹君 こうした行政の取り組みの一方で、民間団体やNPO法人等が、学習支援や食事提供など、独自の支援を行っています。  貧困世帯のニーズに沿ったきめ細やかな支援を行うためには、切れ目ない活動を続けることが重要です。  そこで、県は、市町村と民間団体等との連携について、どのような支援をしていくのか伺います。 45 ◯副議長安本美紀君)福祉保健部長、小島徹君。 46 ◯福祉保健部長小島 徹君)ただいまの御質問にお答えいたします。  県では昨年九月、どのような民間団体が、子供の貧困対策に携わっているのか。また、どのような活動を行っているのかにつきまして調査を行い、十月に開催した市町村の福祉と教育の担当者で構成いたします子どもの貧困対策推進連絡会議におきまして、全ての市町村と調査結果の共有を図りました。  また十一月には、子ども食堂や学習支援に取り組む県民や学生、そして多くの市町村の職員に御参加をいただき、子供が安心して過ごせる居場所づくりなどにつきまして意見交換する場を設け、連携に向けた機運の醸成を図ったところでございます。  今後は、こうした取り組みに加え、市町村や関係団体等に対する助言などを通じまして、地域のネットワークづくりを支援してまいります。  以上でございます。 47 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇) 48 ◯望月利樹君 「子どもの貧困の社会的損失推計」、日本財団のものですが、子供の貧困状態をこのまま放置すると、一学年の子供に対する国の経済的損失は、およそ二・九兆円になると言われています。  地域民間団体と協働しながら、子供の貧困対策について先進的な支援の仕組みを山梨から発信していってほしいと思います。  次に移ります。サイクル王国やまなし実現について伺います。  前回、自転車活用推進法への対応について質問し、そのときの答弁では、総合的な施策が全県で展開できるよう、特色ある山梨県版の計画を策定するとのことでした。  そこで、まず本県における自転車活用推進計画の現在の策定状況について伺います。 49 ◯副議長安本美紀君)県土整備部長、垣下禎裕君。 50 ◯県土整備部長垣下禎裕君)ただいまの御質問にお答えいたします。  山梨県自転車活用推進計画の策定に当たりましては、観光を初め、まちづくりや交通安全、健康増進など、幅広い分野の専門家で構成いたします計画策定委員会を昨年十月に設置したところでございます。  現在、自転車を取り巻く県の現状や諸課題を整理し、施策の方向性につきまして議論を進めているところであり、今後は、民間など関係団体からも御意見を伺いながら議論を深めてまいり、本年夏ごろの計画公表を目指していきたいと考えております。 51 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇) 52 ◯望月利樹君 夏の計画公表ということで、楽しみにしています。  次に、山梨サイクルネット構想の全県展開について伺います。  富士北麓地域では、自転車施策の先駆けとして山梨サイクルネット構想を展開し、走行環境の向上や受け入れ環境の充実に向けて取り組んでいます。  隣接する峡南地域には、南アルプスの山々に抱かれた豊かな自然が残っています。富士川の流れに沿った国道五十二号は静岡県とつながり、主要道路の沿線には、温泉や歴史文化が薫る地域資源が数多く点在しています。まさにサイクリングに適した地域であり、国内屈指のロングライドイベントである南アルプスロングライドの開催などを通じ、多くのサイクリストが訪れ始めています。  その一方で、走行環境や受け入れ環境の整備は、いまだ十分整っていない状況です。  さて、中部横断自動車道は、平成三十一年度に全線開通する予定です。それにより、主要道路である国道五十二号の交通量は、減少することが予想されます。これをピンチと捉えずにチャンスと捉え、自転車の走行環境を整備し、多くのサイクリストを受け入れることで、地域活性化が図れるのではないかと考えます。  現在、道の駅「富士川」では、民間と協力して、家族で楽しめるレンタサイクル事業を実施し、山梨県のサイクリングの拠点となることを目指しています。また、自転車関連のイベントが年間を通じて開催されるなど、自転車熱は高まりつつあります。  富士北麓地域で展開している山梨サイクルネット構想を、全県に展開することができれば、サイクル王国やまなしの実現が可能であると思いますが、県の御所見を伺います。 53 ◯副議長安本美紀君)知事、長崎幸太郎君。 54 ◯知事長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答えいたします。  富士北麓地域は、富士山や富士五湖など多くの観光資源を有し、自転車での周遊観光に適した地域であることから、平成二十八年にやまなしサイクルネット構想を策定し、さまざまな自転車施策を展開してきたところであります。  本県では、雄大な風景や変化に富んだ地形などを生かした自転車イベントが、県内各地で開催されており、また東京オリンピックにおきましては、自転車ロードレースのコースにもなることから、自転車利用環境の整備を行い、地域活性化につなげていきたいと考えております。  御提案の峡南地区へのサイクリストの受け入れは、大変興味深いものであります。今後は、富士北麓地域での取り組みも検証しながら、身延線の活用などとあわせて、地域の特色を生かした山梨県自転車活用推進計画を策定し、サイクル王国やまなしの実現を目指してまいりたいと考えております。  以上です。 55 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇) 56 ◯望月利樹君 身延線の活用、サイクルトレインの提案などもさせていただきました。ぜひ期待しております。  次に、道の駅「富士川」への中部横断自動車道からの立ち寄り促進について伺います。  道の駅「富士川」は、交通アクセスがよく、広い駐車スペースもあるため、イベント会場として広く活用されるなど、開業以来、順調に利用者が増加しています。周辺地域のランドマークとして、また観光の拠点としての役割が高まっています。  しかし、まことに残念ながら、静岡へ向かう上り線から道の駅へは、直接アクセスができません。道の駅へ入るためには一旦、高速道路をおりなければならず、このため、料金が割高となることから、潜在的な来訪者を逃していると、懸念の声が上がっています。  このような状況の中、国では、ETC2・0というシステムを利用して、対象となる道の駅に立ち寄るために高速道路から一時退出する場合には、連続走行と同じ料金が適用されるという実験を始めました。一定の時間内であれば、高速道路をおりても、通過した料金と同じにするというものです。  そこで、この実験の概要と、実験を先行している他の道の駅の利用状況について伺います。 57 ◯副議長安本美紀君)県土整備部長、垣下禎裕君。 58 ◯県土整備部長垣下禎裕君)ただいまの御質問にお答えいたします。  この実験は、高速道路の休憩施設不足を解消し、良好な運転環境の実現などを目的に、休憩施設の間隔が、おおむね二十五キロメートル以上離れている空白区間を減らすため、国土交通省におきまして、昨年度から開始されているものでございまして、現在、全国二十カ所で実施中でございます。  実験の内容は、ETC2・0の搭載車を対象に、高速道路をおりて、道の駅に立ち寄り後、一時間以内に同じインターチェンジから目的地方向へ向かえば、高速道路をおりずに利用した場合と同じ料金に調整するものでございます。  先行して実施されている三カ所の実験地におきます利用者のアンケート調査結果では、トイレや食事、さらにはガソリンスタンド等、高速道路の休憩施設としての利用に加えまして、道の駅の魅力であります特産品等の購入も多く見られることが、明らかとなっているところでございます。 59 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇) 60 ◯望月利樹君 このような方法で、増穂インターチェンジからの一時退出が可能となれば、道の駅「富士川」のさらなる利用促進につながると考えます。  そこで、ETC2・0利用での高速道路一時退出の道の駅「富士川」への追加実施の可能性について、県の所見を伺います。 61 ◯副議長安本美紀君)知事、長崎幸太郎君。 62 ◯知事長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答えいたします。  有料道路区間では、静岡方面への最後の休憩施設として、道の駅「富士川」が高速道路から利用可能となれば、良好な運転環境の提供につながりますので、その必要性は高いものと考えております。  一方、高速道路におけるETC2・0の利用率は、まだ高くなく、また、この実験は開始したばかりで、検証の数も少ないため、今後、国土交通省にて、利用状況の検証が順次行われていくものと考えております。  この実験は、大規模な設備を必要とせず、短時間での運用開始が可能であることに加え、明年度には、静岡方面全線開通による交通量の増加も期待されることから、道の駅「富士川」への導入の実現性について、検討してまいりたいと考えております。  以上です。 63 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇) 64 ◯望月利樹君 進展に向けて、大いに期待しています。  次に、国道三百号中之倉バイパスの整備について伺います。  中部横断自動車道の山梨─静岡間の開通を間近に控え、接続するアクセス道路の整備の重要性について、私はこれまで繰り返し質問をしてきました。  中でも重要なのは、峡南地域と富士北麓地域とを結ぶ主要な幹線道路の国道三百号です。  特に下部温泉郷から本栖湖までの区間は、「甲州いろは坂」と呼ばれ、紅葉の季節には、日光のいろは坂にも負けない景色が、観光客の目を楽しませてくれます。  県のこれまでの答弁では、大型車の通行に支障となっている古関地区側の区間を優先的に整備するとのことでした。  それを受けて、私は昨年夏に、下部地区の方々とともに工事現場を視察させていただきました。道路やトンネルの工事なども順調に進んでおり、これまでの地域の願いが実現しつつあることを実感しています。  その一方で、旧道となる現在の国道三百号の今後の活用策には、課題が残ります。  開通後は、通行量の減少が予想されます。しかし、これを逆手にとれば、現在の国道三百号からは、雄大で美しい景観をゆったり楽しむことが可能となり、また、近年ブームとなっている、標高差を利用したヒルクライムなどのサイクルルートとしての活用などが期待できるなど、新たな可能性が広がります。  そこで、現在事業中の工区が完成した後の現道の国道三百号の活用について、県の御所見を伺います。 65 ◯副議長安本美紀君)知事、長崎幸太郎君。 66 ◯知事長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答えいたします。
     国道三百号中之倉バイパスの古関側工区につきましては、二〇二二年度の完成を目指し、現在、トンネル工事などを進めております。  完成後には、幹線道路の機能がバイパスに移ることから、現道の約一・七キロメートルを身延町に管理移管する予定でありますが、県といたしましても、町や地域の声を聞きながら、景観を生かした現道の活用策について、支援を申し上げてまいります。  以上です。 67 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇) 68 ◯望月利樹君 富士北麓から下部温泉、身延山を経て、峡南全域と南アルプス方面へつなげる観光ルートの確立は、私が以前から思い描いてきたものであり、国道三百号の整備は必要不可欠です。  中部横断自動車道の開通効果を最大限発揮するためには、本栖湖側の区間の整備を早急に進め、全線でスムーズな通行を確保する必要があります。  また、この道路の整備は、防災対策や物流の効率化、そして何よりも、観光振興による地域活性化のために大変重要です。  そこで、本栖湖までの残る区間の整備の見通しについて御所見を伺います。 69 ◯副議長安本美紀君)知事、長崎幸太郎君。 70 ◯知事長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答えいたします。  国道三百号は、富士北麓地域と峡南地域とを結び、中部横断道にもアクセスすることで、広域周遊観光ルートを形成する幹線道路でありますが、本栖湖までの残る区間にも、急カーブで見通しが悪い箇所などが残されております。この区間は、標高差が三百メートルを超えるなど、大変厳しい地形条件であるため、抜本的な改良には、莫大な時間と費用を要しますが、中部横断道開通後の交通状況などを踏まえ、円滑な通行を確保するための効果的、効率的な整備方針を検討してまいります。  以上です。 71 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇) 72 ◯望月利樹君 最後に、峡南地域の新設高校の開校に向けた取り組みについて伺います。  峡南地域にある増穂商業高校、市川高校及び峡南高校の三校は再編整備され、県内初の単位制総合制高校として、来年四月に開校します。  私は、昨年十二月に行われた起工式に出席し、改めて、三校が培ってきた伝統や思いに触れ、新設高校がその精神を確実に受け継いでいくことの重要性を強く感じたところです。  さて、新設高校の概要などについては、一昨年及び昨年八月に、説明会が開かれたとのことです。  しかし、伝統ある三校の教育課程や特色が、どのように受け継がれていくのかなど、いまだ不安を抱いている生徒や保護者の声があると聞いています。  そこで、まず、新設高校の教育課程の特色について伺います。 73 ◯副議長安本美紀君)教育長、市川満君。 74 ◯教育長(市川 満君)ただいまの御質問にお答えをいたします。  これまで三校は、普通科や職業科として、教育や人材育成に大きな役割を果たしてきました。こうしたことから、新設高校におきましても、普通科、商業科、工業科を独立して設置する総合制高校とすることで、三校の伝統をしっかりと継承することとしながら、さらなる発展を期して、全ての学科を単位制とすることとしております。  教育課程の特色といたしましては、例えば郷土愛を育むために、地域の歴史文化や地場産業など、地域の理解を深める学習が行えるよう、学科の枠を超えた新たな科目を設定することとしております。こうした学習を通して、お互いの個性を認め合うことができるなどの教育効果が期待できると考えております。  このように、生徒が進学、就職など、それぞれの目的に応じて、みずから学べる単位制の総合制高校のメリットを十分生かした教育課程を編成してまいります。  以上でございます。 75 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇) 76 ◯望月利樹君 部活動のあり方について伺います。  部活動は、校風をあらわす大きな特色の一つです。  例えば、増穂商業高校はバレーボール部の強豪校であり、日本を代表して活躍する選手も輩出しています。市川高校の野球部は、ミラクル市川と呼ばれ、甲子園で野球ファンを魅了してきました。峡南高校の野球部は、かつて二度の甲子園出場を果たし、応援部は、スタイルを変えないその姿が、全国的にも有名です。  こうした部活動の伝統や実績は、新設高校にも受け継がれなければならない宝です。来月入学する学生は、在校途中で新設高校に移動して高校生活を送ります。その際、部活動も入学時と異なる環境で行うことになるため、その対応を心配する生徒や保護者もいるようです。  そこで、新設高校での部活動のあり方について、どのように考えているのか伺います。 77 ◯副議長安本美紀君)教育長、市川満君。 78 ◯教育長(市川 満君)ただいまの御質問にお答えをいたします。  部活動につきましては、現在、三校の教員等で構成する部会において、検討を進めているところでございます。ここでは、三校の実績を受け継ぐことを旨といたしまして、現在、活動している部につきましては、基本的に継続しつつ、新たな伝統を築いていけるよう検討しているところでございます。  したがいまして、本年四月に入学する生徒につきましては、一年次に入部した部活動を三年次まで継続できるものと考えております。  また、新設高校が開設いたします二〇二〇年四月以降の二年間は、増穂商業高校、市川高校、峡南高校及び新設高校の四校が併存することとなりますが、合同練習や合同チームでの試合参加などを通じまして、充実した部活動となるよう対応してまいります。  以上でございます。 79 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇) 80 ◯望月利樹君 最後に、新設高校の校名について伺います。  名は体をあらわすの言葉のとおり、校名は、その高校の魅力や活力を醸し出す重要な要素だと考えます。  再編整備されるそれぞれの高校の歴史と、それぞれの地域の思いを一つの力として結集し、未来に向けて、ともに歩みを進めていくためには、地域全体で末永く愛されるような校名となることが望まれます。  そこで、来年四月の開校に向け、今後どのような手順を踏まえて校名決定を行うのか伺います。 81 ◯副議長安本美紀君)教育長、市川満君。 82 ◯教育長(市川 満君)ただいまの御質問にお答えをいたします。  これまで三校は、それぞれ地域の皆様の御理解と御支援を得て、愛され、ともに歩んできたことから、新設高校につきましても、新たな伝統を築きながら、今まで以上に地域全体に愛され、多くの県民に親しまれるよう、これにふさわしい校名にしたいと考えております。  お尋ねの校名決定の手順につきましては、昨年の十二月から一月末まで、中学生や高校生を初め、広く県民の皆様を中心に校名を募集したところ、六千件を超える応募をいただき、現在、選考作業を進めているところでございます。  今後、県民の皆様にできるだけ早く、新設高校についての周知を図りたいことから、教育委員会での校名の選定を経て、本年六月議会において、条例の改正案としてお諮りしたいと考えております。  以上でございます。 83 ◯副議長安本美紀君)望月利樹君。        (望月利樹君登壇) 84 ◯望月利樹君 以上で終わります。 85 ◯副議長安本美紀君)これより、望月利樹君の一般質問に対する関連質問に入ります。  関連質問はありませんか。        (「なし」と呼ぶ者あり) 86 ◯副議長安本美紀君)関連質問を打ち切ります。  これをもって、望月利樹君の一般質問を打ち切ります。  暫時休憩いたします。                                          午後二時三十二分休憩       ───────────────────────────────────────                                          午後二時四十九分再開議 87 ◯議長河西敏郎君)休憩前に引き続き会議を開きます。  日程第一及び日程第二の議事を継続いたします。  発言の通告により、遠藤浩君に二十分の発言を許します。遠藤浩君。        (遠藤 浩君登壇)(拍手) 88 ◯遠藤 浩君 自民党誠心会の遠藤浩です。私の今期の集大成として、一般質問いたします。  質問に先立ち、さきの知事選において、多くの県民の皆様に御期待をいただき、第六十二代山梨県知事に御就任されました長崎幸太郎新知事に改めてお祝いを申し上げます。おめでとうございます。  議会における所信表明や答弁において、随所に積極県政をうかがえる発言には、県民の皆様にさらなる勇気と希望を引き出す第一歩だと、次代への転換点を感じました。  市川三郷の誇りとして応援をさせていただき、多くの皆様に力になってもらい、役割が果たせたことに感謝申し上げます。  御代がわり、本年は、元号がかわる歴史の転換点でもあり、これらに立ち会えることは喜ばしく思います。  約百六十年前、安政の大獄や桜田門外の変など、黒船来航以来の国政混乱に危機感を抱いて、安政から万延に改元されたと聞いています。  本県ゆかりの第十八代市川代官、森田岡太郎公と、市川三郷出身の典医、広瀬保庵も加わった万延元年の遣米使節の派遣から、我が国は急速に世界へ飛び立ち、明治の御代へと移り変わっていきました。  吉田松陰や小林虎三郎の師、佐久間象山は、空気に流されることなく、風を起こした人物として評価されていますが、今、まさに風を起こす好機だと思います。  リニア中央新幹線や中部横断自動車道というビッグプロジェクトが進行する一方で、人口減少、地域活力低下など山積する課題は多く、この歴史的な転換点に、新知事に対して県民の寄せる期待は大きく、私も、全力で地域の活力を導き出したいと思います。  地域の振興は県政発展の基礎。今後とも地域を盛り上げ、県政発展に取り組んでいくことをお誓い申し上げ、以下、質問をいたします。  初めに、健康寿命の延伸に向けた取り組みについてであります。  昨年十月末、俳優の平幹二朗さんが自宅の浴室で亡くなったというニュースを拝見しました。ヒートショックではないかと言われております。  冬季になると、全国的に、浴室などの温度差によって血圧が急激に変動し、それが心臓発作や脳梗塞などを引き起こすことで死に至る、いわゆるヒートショックによる死亡例が、特に高齢者を中心に多く、高齢者の死亡原因では、交通事故を上回ったと聞いております。  東京都健康長寿医療センター研究所が、全国の高齢者の入浴中に心肺停止状態に陥った事例を調査した結果、本県の高齢者一万人当たりの事故発生件数は、全国では、沖縄、北海道に続き三番目に低く、良好な結果となっております。  また、本県の平成二十九年における主要死因別死亡率は、一位が悪性新生物、二位は心疾患、三位は老衰となっております。全国平均では、老衰より脳血管疾患の死亡率が高くなっていますが、本県は、老衰による死亡率の方が高い特徴があります。  老衰とは、いわば自然死なので、天寿を全うされたということだと思います。  長寿に関しては、平成二十七年に厚生労働省が発表した平均寿命によると、本県では男性が八十・八五歳、女性は八十七・二二歳となっており、男性は初めて八十歳を超えるなど、寿命はますます伸びております。長い人生をいかに健康な状態で過ごすかは、医療費など社会保障費の削減の観点からも、大きな課題となっております。  こうした背景のもと、健康で活動的に暮らせる期間である健康寿命が、大きな関心を集めておりますが、本県は平成二十二年、二十五年、二十八年の三回の調査の平均値では、男女とも全国一位となり、非常に誇らしい状況となっております。  私は、この健康寿命日本一を本県の大きな魅力と位置づけ、今後もこうした状態を維持するとともに、さらなる健康寿命の延伸に向け、引き続き取り組みを推進していくべきだと考えます。  そこで、県民の健康寿命の延伸のため、これまでどのような取り組みを行ってきたのか、また、さらなる延伸に向け、どのように取り組んでいくのか伺います。  次に、峡南地域の魅力づくりによる観光振興についてであります。  山梨県と静岡県、長野県をつなぐ中部横断自動車道につきましては、来る三月十日に市川三郷町から身延町まで、南部町から静岡県までの間が開通することにより、本県から静岡県までの所要時間が、約三十分短縮されることとなります。  このことにより、本県からの物流や輸送が効率化、高速化されるだけでなく、東海地方や関西方面から人の流れが、さらに活発化するものと考えます。  平成二十九年の観光入込客統計調査によれば、本県を訪れる県外観光客は、全体の約六割が東京、神奈川を初めとする首都圏からの来訪者であり、静岡県など東海地方からの来訪者は、合わせても全体の二割に満たない状況にあります。  中部横断自動車道が全線開通すれば、東海地方や関西方面からのさらなる誘客促進が期待され、本県全体の観光振興に大きく寄与するものと考えます。  特に本県の玄関口となる峡南地域には、日蓮宗総本山である身延山久遠寺が位置するとともに、今なお多くの歴史ファンを引きつける戦国武将、武田信玄公のルーツである甲斐源氏発祥の地とも言われる、県内屈指の歴史ある地域で、和紙や印章など、本県を代表する伝統産業、南部の火祭りといった伝統行事が継承されております。  戦国時代ののろしがその歴史の始まりと言われる市川の花火は、夏に開催される神明の花火大会の来訪者が二十五万人を数えるまでの人気を博しております。  また、私も三回鑑賞しましたが、なかとみ現代工芸美術館で開催された身延町を出身とする木喰上人の企画展「生誕三百年 木喰展」の来場者は、同美術館で最多となる一万人を超え、さらに、滞在型観光の観点から経済効果も示された、アニメ「ゆるキャン△」の舞台となったスポットに、継続して多くのファンが訪れるなど、峡南地域には人々を引きつけるさまざまな魅力が数多く存在しています。  中部横断自動車道の整備が着々と進められ、全線開通が明年度に予定される中、歴史ある文化資源や自然景観などを活用した峡南地域の魅力づくりを着実に進め、地域の活性化に結びつけていく必要があると考えます。  そこで、峡南地域の魅力づくりによる観光振興について、県の御所見を伺います。  次に、県産材の安定供給に向けた体制整備についてであります。  本県の森林は、戦後から高度経済成長期にかけて造林された人工林の多くが、木材として利用可能な時期を迎え、峡南地域においても、杉やヒノキを主体に森林資源が充実し、積極的に利用していくことが求められています。
     この充実した森林資源を有効に活用し、林業を活性化していくためには、新たな県産材の需要先を確保するとともに、森林所有者や林業関係者の収益につながるよう、効率的な木材生産を進め、木材加工事業者などに安定的に供給していくことが、重要だと考えます。  こうした中、株式会社キーテックの大型合板工場の進出について、身延町が事業用地を紹介するなど、町と県が連携して誘致を働きかけた結果、間もなく供用開始となる中部横断自動車道の下部温泉早川インターチェンジに近く、輸送面などで条件が整っている身延町内に決定し、現在、整備が進められています。  この大型合板工場では、杉やカラマツなどの木材を年間十二万立方メートル使用する計画としていて、そのうち半分に当たる六万立方メートルについては、県産材の利用を見込んでいると聞いております。  また、合板は、木材を薄くかつらむきにし、張り合わせて製造することから、多少曲がっていたり、長さが短いなど、これまでチップ用として取り引きされていた原木が、高い価格で買い取られるとのことで、林業関係者は工場の早期の稼働を期待されています。  今後、これまで本県になかった大型の合板工場が稼働することは、新たな雇用の創出や、林業関係者などの所得向上につながるだけでなく、毎日、多くの原木や製品が、トラックで運搬されることとなるため、物流業への波及効果も見込まれるなど、地域経済の発展に大きく貢献するものと考えます。  そこで、新たな需要先となる大型の合板工場に、県産材を安定的に供給していく体制を整備することが重要であると考えますが、どのように取り組まれるのか伺います。  次に、峡南地域の特色ある農産物の振興についてであります。  中部横断自動車道は、来る三月十日に新たな区間が供用開始され、明年度には、双葉ジャンクションから静岡県まで全線開通が予定されております。  私は、多くの観光客が峡南地域を訪れることが期待されるこの機会を捉え、峡南地域の一層の活性化を図っていくべきであると考えております。  こうした中、私は、峡南地域の大切な地域資源の一つとして農産物を捉えております。  峡南地域では、ナスやスイートコーンの甘々娘、お茶などが産地化されております。  昨年、六月定例会で質問した、百年以上の長きにわたって栽培されてきた身延町のあけぼの大豆や、一メートルにもなる長さや、濃厚な味と香りが特徴的な市川三郷町のっぷいの大塚にんじん。一説には、小室山妙法寺で僧侶が広めたとも言われる、風味豊かな富士川町穂積地区のユズなど、その地域独特の農産物が、農家の皆様の努力と工夫により栽培されております。  一方、さきの新聞報道では、リスボンレモンとナツミカンより一回り小さいヒュウガナツをかけ合わせ、国が育成したレモンの新品種である璃の香の試験栽培が、峡南地域において始められるとのことであり、峡南地域の比較的温暖な気候を生かした、新たな特色ある農産物として、大きな期待を寄せているところであります。  私は、地域で育まれてきたあけぼの大豆や大塚にんじん、ユズなど、特色ある農産物の振興を図るとともに、レモンの璃の香など、新たな農産物の導入を進めていくことが、地域農業の活性化や発展に寄与するものと考えております。  そこで、県では、峡南地域における特色ある農産物の振興にどのように取り組んでいるのか伺います。  次に、芦川の河川改修についてであります。  芦川は、御坂山地の黒岩岳に源を発し、途中、多くの支流を集めながら、市川三郷町で笛吹川に合流していて、四季折々にその表情を変える自然豊かな清流であります。  上流には、名勝や奇勝が多く、夏にはイワナやヤマメ釣りで、秋には渓流と紅葉のコントラストの見事さに、多くの人が訪れ、その流れは、県内外の多くの人々に憩いとやすらぎを与えております。  また、下流の市川大門地区では、古来より芦川の清流を引き入れ、町なかに水路網をめぐらし、日常生活や製紙業を初めとした伝統産業などに利用するなど、水量の豊富な芦川は、古くより人々の生活に密接にかかわっています。  一方、芦川下流域は、河床勾配が急であることに加えて堤防区間であり、特に芦川と釜無川、笛吹川の三川が合流する三川落合は、治水上の難所であることから、明治四十年の水害を初めとして、たびたび甚大な洪水被害に見舞われ、水害に悩まされてきました。  また、近年においても、平成二十三年九月に襲来した台風十五号により、JR身延線鉄橋付近の堤防が約二百五十メートルにわたり浸食され、家屋の浸水を伴う被害が発生しました。  県では、この水害を契機に平成二十五年度より芦川の河川改修に着手し、現在、青洲橋付近より順次、護岸改修工事を進めていると承知しておりますが、平成二十九年の九州北部豪雨や昨年、西日本で発生した平成三十年七月豪雨災害を初めとした、一連の極めて深刻な水害に関する報道を目の当たりにすると、一刻も早い河川改修事業の完了が、地元の悲願でもあります。  そこで、現在、県が進めている芦川の河川改修のこれまでの進捗状況と今後の見通しについて伺います。  次に、県道笛吹市川三郷線の整備についてであります。  県道笛吹市川三郷線は、笛吹市南部と西八代地域を結ぶ幹線道路であり、沿線住民の日常生活や両地域の交流を支えるとともに、富士五湖から峡南方面へのアクセスにも有効な役割を担っている道路です。  また、この県道は一級河川芦川沿いに位置し、険しい山合いを縫うようにして走っていて、沿道には豊かな自然があふれ、四季折々の季節を感じられる芦川渓谷を眺めながらのドライブも楽しめるルートになっています。  しかし、現道には、すれ違いが困難な箇所や、急カーブが連続する箇所など、安全に通行するには不安な箇所が多く存在します。  これまで、笛吹市芦川町上芦川地内の諏訪橋かけかえや、市川三郷町三帳地内の防災対策など、危険箇所の解消が進み、以前に比べ大分、安全性の向上が図られてきましたが、まだ道路幅が狭く、すれ違いが困難な箇所が残されています。  このうち、甲府市との市町境で、現在整備中の市川三郷町下芦川地内は、家屋やカーブのため見通しが悪く、普通車同士のすれ違いも困難なほど、道路幅も狭いことから、交通事故の危険性を指摘されていましたが、橋梁や防災の工事が進められ、安全で快適な道路に変わりつつあり、早期の完成が待ち望まれています。  また、畑熊地内に残る未整備区間は、芦川渓谷で人気の川遊びスポットである反面、大雨の際には、落石や土砂流出などにより通行どめを余儀なくされるなど、防災面でも早急な対策が必要であり、安心・安全な通行の確保は沿線地域の願いでもあります。  そこで、県道笛吹市川三郷線の市川三郷町下芦川及び畑熊地内の道路整備について、現在の状況と今後の見通しを伺います。  次に、峡南地域の新設高校の開校に向けての準備状況についてであります。  私は、この一月に行われた県内初となる単位制総合制新設高校の起工式に出席し、これまでの三校の伝統や実績を振り返り、その重みを感じ、各高校がこれまで地域の活性化に果たしてきた役割や伝統を引き継ぎ、今まで以上に生徒の夢や希望に満ちた学校づくりをしていくことの重要性を改めて認識しました。  これまでも、新設高校の未来に期待し、学校の特色や教育課程、部活動など、開設に向けた取り組みについて質問し、私なりに、新設高校が魅力と活力にあふれる学校になるよう願ってきたところであります。  また、県教育委員会において、新設高校の概要などについて、説明会や広報でのPRなど、あらゆる機会を通じて丁寧に説明してきたことにより、地域の生徒や保護者、学校関係者など多くの方が、新設高校についての理解が深まり、期待に胸が躍るとのうれしい声を聞くようになりました。  私はこれまで、新しい高校が地域のまちづくりの核となるとともに、地域の資源を学校教育に生かし、次代のまちづくりを担う人材を育成する学校となるよう、訴えてまいりました。  少子化が進む中、今後、高校が地域と連携した取り組みを行うことを通じ、地域に貢献できる人材を育成することが大変重要になってくると考えます。  また、新設高校は、現在の市川高校の敷地と隣接地に建設されることから、通学する生徒は、現在の増穂商業高校や峡南高校に通学している生徒の範囲を考えると、より広範囲での通学が想定されるため、通学の利便性はどのように確保されるのかという点にも関心が高いとも聞きます。  生徒にとっては、安全で、かつ効率的な通学は、充実した学生生活を送る上で非常に重要であると考えています。  そこで、開校までいよいよ一年余りとなり、改めて、地域との連携のあり方及び通学の利便性の確保について、現在の状況を伺います。  最後に、新町前遺跡における埋蔵文化財の発掘調査についてであります。  現在の市川高校周辺地域は、甲府盆地の西部、芦川の氾濫原に当たり、これまで遺跡はないと言われておりましたが、今回、新設高校建設に先立ち行われた埋蔵文化財の発掘調査により、この地に、前代を生きる人々が遺した暮らしの跡が確認されました。  この地域の名称をもとに「新町前遺跡」と名づけられた遺跡からは、今から千年ほど前の平安時代の集落跡や、六百年ほど前の中世の水田跡などの遺構が見つかったと聞き及び、私も現地見学会に参加して、地域の方々と、いにしえの暮らしに思いをはせたところであります。  博物館で整然と展示されている出土品とは異なり、現地見学会では、煮炊きするためのかまどの跡や、そこで使われていたと思料されるかめ、皿など、当時の暮らしぶりが生々しく感じられ、感動すら覚えました。  中でも、当時、水害に見舞われても立ち上がり、なおもこの地で生活を営み続けた形跡があるとの発見は、古来よりこの地域の住民の力強さ、地域を愛する心の再発見とも言え、深く感銘を受けたところであります。  今回の新町前遺跡における埋蔵文化財発掘調査は、今後、体育館等の計画的な建設に伴い、二、三年かけて行い、その後、さらに精緻な調査研究を行う必要があると承知していますが、現時点で、どのような成果が得られているのか伺います。  また、今回の発掘調査での新たな発見は、郷土を愛する気持ちをより強くするものであり、私はこの思いを、より多くの方々、より多くの子供たちに伝えるべきと考えます。  そこで、県では今後どのような取り組みを行っていくのか伺います。  以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 89 ◯議長河西敏郎君)遠藤浩君の質疑・質問が終わりました。  これより当局の答弁を求めます。知事、長崎幸太郎君。        (知事 長崎幸太郎君登壇) 90 ◯知事長崎幸太郎君)遠藤議員の御質問にお答えを申し上げます。  ただいまは、我が国の歴史を振り返られ、現在が風を起こす好機との御認識を示されながら、私の県政運営への大きな期待とともに、今後も地域振興による県政発展に全力で取り組んでいくとの御自身の強い御決意をお示しいただきました。  私も、議員が示されました歴史的な転換点との認識を共有し、県政運営に積極果敢に取り組んでまいります。ともに私たちのふるさとの振興をなし遂げるべく、一層の御支援、御協力を賜りますよう、お願いを申し上げます。  初めに、健康寿命の延伸に向けた取り組みについてであります。  県では、保健・医療機関などで構成する健やか山梨21推進会議を中心に、医師会や栄養士会など、さまざまな団体と連携しながら、健康寿命の延伸に向けて、生活習慣の改善や疾病予防の取り組みを推進しております。  具体的には、減塩メニューの普及による食事の減塩化や、禁煙・分煙施設の認定による受動喫煙防止などに取り組むとともに、特定健診やがん検診の受診率向上、かかりつけ医と専門医との連携による慢性腎臓病の重症化予防、さらには糖尿病等の早期発見、早期治療のための医科と歯科の連携などを進めているところであります。  現在、県の健康増進計画である健やか山梨21の中間評価を進めておりますが、目標項目の七割以上が計画策定時より改善している一方で、メタボリックシンドロームや子供の生活習慣、運動習慣、歯周病など、進捗がおくれている項目も見られ、今後は、これらの項目に重点的に取り組む必要があると考えております。  また、本県の健康寿命が長い背景として、地域の特性に合った保健活動等により、生活習慣病の発症予防が図られていることに加え、健康を自覚している県民が多いことや、人と人とのつながりが強いこと、高齢になっても、仕事や役割を持って生活していることなどが考えられます。  今後は、こうした強みを生かしながら、新たな健康づくりに取り組む市町村への支援や、県民の誰もが一つのスポーツに携わることの推進など、県民の生涯を通じた健康づくりを積極的に後押しすることにより、健康寿命のさらなる延伸を図ってまいります。  次に、峡南地域の魅力づくりによる観光振興についてであります。  峡南地域につきましては、地元五町、商工会、観光協会、県などからなる富士川地域歴史・文化ツーリズム推進会議によりまして、議員御指摘のとおり、身延山久遠寺などの歴史文化資源や温泉、自然景観などの地域資源、これらを活用し、地域の特性を生かした魅力ある地域づくりを進めております。  本年度は、食のブランド力向上のため、豊富な実績を持つ女子栄養大学と連携し、ユズなどの地元特産品を活用した商品開発や、宿泊施設を対象にした薬膳料理等の特色あるメニューづくりなどに取り組んでおり、今後は、判この手彫り体験など、地域の伝統産業の観光活用を図ってまいります。  また、今週末の中部横断自動車道の開通区間拡大に合わせ、NEXCO中日本との連携により、アニメに登場するスポットをめぐるスタンプラリーを実施いたします。  さらに、峡南の観光には身延線の活用が重要であると考えております。このため、海外から、インフルエンサーと呼ばれる情報発信力の高い方々を招き、実際に身延線の電車にも乗っていただきながら、峡南観光の魅力を世界に向けて強力にPRすることや、サイクリングやトレッキングなどによる観光の可能性についても追求してまいります。  中部横断自動車道の全線開通を間近に控え、県と地元関係団体が一体となって、また静岡県やNEXCO中日本、JR東海とも連携し、峡南地域が有するさまざまな地域資源を観光資源として活用し、さらなる魅力づくりを進めていくとともに、効果的な情報発信を行うことにより、なお一層、峡南地域の観光振興を図ってまいります。  次に、県産材の安定供給に向けた体制整備についてであります。  議員御指摘のとおり、新たな需要先となる合板工場へ、安定的に県産材を供給していく体制を整備することは、大変重要であると考えております。  県におきましては、工場が必要とする樹種や、受け入れる素材の規格などの情報を、森林組合や素材生産者に提供するとともに、関係する事業者の連携を働きかけるなど、体制づくりを進めてまいりました。  こうした取り組みによりまして、二つの企業グループが発足し、株式会社キーテックとの間で、合わせて年間六万立方メートルの県産材の供給に係る協定をこのほど締結したところであります。  また、県産材の効率的な生産を行い、工場へ安定的に供給していくため、人工林資源が充実している県内五地区を生産基盤強化区域に設定し、林道などの路網整備を重点的に実施するほか、素材生産者が高性能林業機械を導入する際に助成を行うなど、供給体制を整備しているところであります。  今後、県産材のさらなる安定供給に向け、こうした区域を順次設定するとともに、事業者間の連携強化を支援するなど、生産性を向上させることにより、森林所有者や林業関係者の収益の増加につなげ、林業の活性化を図ってまいりたいと考えております。  最後に、県道笛吹市川三郷線の整備についてであります。  県道笛吹市川三郷線は、地域の生活道路であるとともに、緊急輸送道路にも指定されている重要な幹線道路でもあるため、これまで、遠藤議員の御指導いただきながら、道路の防災事業や改良事業を実施し、安全性の向上に努めてまいったところであります。  この路線のうち、市川三郷町下芦川地区については、特に見通しが悪く、幅員も狭い約四百メートルの区間で、現在、道路拡幅を進めているところであり、本年秋の完成を目指し、鋭意取り組んでまいります。  また、畑熊地内については、落石や土石流出箇所を回避するため、約五百メートルのバイパス計画を検討しており、明年度早々にも説明会を開催し、地元の御意見を承りながら、より詳細な設計に着手する予定であります。  以上をもって、私の答弁といたします。その他につきましては、担当の部長からお答え申し上げます。 91 ◯議長河西敏郎君)農政部長、三井孝夫君。        (農政部長 三井孝夫君登壇) 92 ◯農政部長(三井孝夫君)遠藤議員の峡南地域の特色ある農産物の振興についての御質問にお答えいたします。  まず、峡南地域の特産であるあけぼの大豆につきましては、県では、その生産振興を図るため、集出荷や加工等を行う施設の整備を支援してきたところであり、現在、この施設では、町や生産者、JAなどで組織する協議会が、枝豆の共同選別、加工品の生産・開発などに取り組んでおります。  また、本年度は、地域で育まれた高い品質の農産物を保証する地理的表示保護制度(GI)を活用したあけぼの大豆のブランド化も支援しているところでございます。  次に、大塚にんじんやスイートコーンの甘々娘につきましては、地域の活性化に意欲的な女性グループによる、収穫やおいしい味が体験できるツアーの実施を支援しているところでございます。  また、販路の拡大を図るため、地元の方々と協働で開発いたしました焼き菓子などは、農産物直売所等で販売され、好評を得ております。  さらに、レモンの新品種璃の香につきましては、実が大きく、酸味がまろやかで、種子が少ないなどのすぐれた特徴を持っております。また、樹高が低く、病気にも強いため、高齢者の方でも栽培が容易であることから、峡南地域の新たな特産品として期待できるものと考えております。  このため、県では苗木百本を導入し、地元の農業者などと連携し、峡南地域の四町六地区におきまして、試験栽培を開始したところであります。  今後も、地域の特産農産物の生産や販売促進への支援、新たな作目の導入などを積極的に進め、峡南地域の農業のさらなる発展につなげてまいります。  以上でございます。 93 ◯議長河西敏郎君)県土整備部長、垣下禎裕君。        (県土整備部長、垣下禎裕君登壇) 94 ◯県土整備部長垣下禎裕君)遠藤議員の芦川の河川改修についての御質問にお答えいたします。  芦川につきましては、河川の流下能力を高めるために、河床の掘削や川幅の拡大等の河川改修を行うこととしておりまして、先行して整備を行う笛吹川合流付近からJR身延線までの約一・三キロメートルの区間につきまして、平成二十五年度から事業に着手しております。  これまで、下流より順次改修を進めており、本年度は護岸工事を実施しているところですが、今回の国の補正予算による追加工事として、河床の掘削も行うことにより、下流から約六百メートルの一連区間を当初の計画より前倒しして完成させることとしております。  なお、県では、芦川を国の施策である防災・減災、国土強靱化のための緊急対策の対象河川に位置づけておりまして、今後、川幅を拡大していく残りの七百メートルの区間については、平成三十二年度までの用地取得の完了を目指し、改修工事の早期完成に向けて、より一層、重点的に事業を実施していくこととしております。  今後とも、地域の皆様からの御協力を賜りながら、事業を着実に進め、早期に地域の安全・安心の確保ができるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 95 ◯議長河西敏郎君)教育長、市川満君。        (教育長 市川 満君登壇) 96 ◯教育長(市川 満君)遠藤議員の御質問にお答えをいたします。
     まず、峡南地域の新設高校の開校に向けての準備状況についてでございます。  学校は、地域の子供たちの多くが通う学びの場であるとともに、地域の未来を開く人材を育てる場でもあることから、議員も御指摘のとおり、学校を核として地域の人々とつながり、きずなを深めることは、学校のみならず、地域の未来のためにも重要なことであると考えております。  こうしたことから、新設高校は、地域との交流が円滑となるよう、交流可能なスペースを随所に設けるなど、工夫を凝らしたところであり、あわせて学園祭などの学校行事を地域の方々と協働して開催するなど、その施設を有効に活用できる取り組みも検討しているところでございます。  また、生徒が安心して通学できることは、充実した学校生活につながることから、再編によって、通学の利便性が大きく損なわれることがないよう、コミュニティバスを運行する近隣の自治体に働きかけ、路線や運行時間の変更など、具体的な検討をしていただいているところでございます。  明年度は、教育課程の編成や諸規程の整備など、詳細な検討を行うとともに、学校説明会を複数回開催し、中学生や保護者への周知を図るなど、万全の準備を行い、地域に愛される高校となるよう努めてまいります。  次に、新町前遺跡における埋蔵文化財の発掘調査についてでございます。  まず、現時点での成果につきましては、平安時代の調査面から、この時代の特徴をあらわす須恵器のかめや、五十軒の竪穴建物跡などを発見し、平安時代から生活を営み始めたことが確認され、また、河川の氾濫によると推察される砂れきの上の新たな建物跡の発見などから、水害後に集落を再建したことが確認されました。  また、中世の調査面からは、青磁や白磁などの土器が見つかるとともに、十五の水田跡と無数の足跡から、この地で稲作が行われていたことや、その水田跡を覆う約一メートルもの砂れきの層から、この時代にも大きな水害があったことなど、たび重なる苦難を乗り越えて、今に至っていることが明らかになったところでございます。  次に、今後の取り組みでございますが、引き続き現地見学会等の実施や、考古博物館でのこの地域の歴史や各年代の特徴をあらわす出土品の展示などを行うことに加え、こうした資料を授業等で積極的に活用するよう働きかけることといたしまして、より多くの県民の皆様、子供たちが、この地域の歴史への興味関心を高め、ひいては郷土への誇りや愛着を深めてもらうべく、意識の醸成を図ってまいります。  以上でございます。 97 ◯議長河西敏郎君)当局の答弁が終わりました。  遠藤浩君に申し上げます。残り時間がありません。  これより、遠藤浩君の一般質問に対する関連質問に入ります。  関連質問はありませんか。        (「なし」と呼ぶ者あり) 98 ◯議長河西敏郎君)関連質問を打ち切ります。  これをもって、遠藤浩君の一般質問を打ち切ります。  以上で、本日の日程は全部終了いたしました。  明三月七日午後一時、会議を開き、一般質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。                                          午後三時二十七分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Yamanashi Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...