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  1. 福井県議会 2022-06-20
    令和4年第422回定例会(第3号 一般質問) 本文 2022-06-20


    取得元: 福井県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-12
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいタブが開きます) 令和4年第422回定例会(第3号 一般質問) 本文 2022-06-20 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ窓表示 ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者一覧に移動 全 175 発言 / ヒット 0 発言 表示発言切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示 すべて選択 すべて解除 1 ◯議長大森哲男君) 2 ◯議長大森哲男君) 3 ◯議長大森哲男君) 4 ◯9番(田中三津彦君) 5 ◯議長大森哲男君) 6 ◯知事杉本達治君) 7 ◯議長大森哲男君) 8 ◯総務部長鷲頭美央君) 9 ◯議長大森哲男君) 10 ◯安全環境部長野路博之君) 11 ◯議長大森哲男君) 12 ◯健康福祉部長服部和恵君) 13 ◯議長大森哲男君) 14 ◯土木部長高橋伸輔君) 15 ◯議長大森哲男君) 16 ◯9番(田中三津彦君) 17 ◯議長大森哲男君) 18 ◯10番(山本 建君) 19 ◯議長大森哲男君) 20 ◯知事杉本達治君) 21 ◯議長大森哲男君) 22 ◯交流文化部長西川 聡君) 23 ◯議長大森哲男君) 24 ◯10番(山本 建君) 25 ◯議長大森哲男君) 26 ◯知事杉本達治君) 27 ◯議長大森哲男君) 28 ◯交流文化部長西川 聡君) 29 ◯議長大森哲男君) 30 ◯10番(山本 建君) 31 ◯議長大森哲男君) 32 ◯安全環境部長野路博之君) 33 ◯議長大森哲男君) 34 ◯10番(山本 建君) 35 ◯議長大森哲男君) 36 ◯農林水産部長児玉康英君) 37 ◯議長大森哲男君) 38 ◯10番(山本 建君) 39 ◯議長大森哲男君) 40 ◯安全環境部長野路博之君) 41 ◯議長大森哲男君) 42 ◯10番(山本 建君) 43 ◯議長大森哲男君) 44 ◯議長大森哲男君) 45 ◯20番(島田欽一君) 46 ◯議長大森哲男君) 47 ◯知事杉本達治君) 48 ◯議長大森哲男君) 49 ◯交流文化部長西川 聡君) 50 ◯議長大森哲男君) 51 ◯安全環境部長野路博之君) 52 ◯議長大森哲男君) 53 ◯産業労働部長(伊万里全生君) 54 ◯議長大森哲男君) 55 ◯土木部長高橋伸輔君) 56 ◯議長大森哲男君) 57 ◯20番(島田欽一君) 58 ◯議長大森哲男君) 59 ◯24番(田中宏典君) 60 ◯議長大森哲男君) 61 ◯知事杉本達治君) 62 ◯議長大森哲男君) 63 ◯副知事(櫻本 宏君) 64 ◯議長大森哲男君) 65 ◯地域戦略部長(吉川幸文君) 66 ◯議長大森哲男君) 67 ◯24番(田中宏典君) 68 ◯議長大森哲男君) 69 ◯知事杉本達治君) 70 ◯議長大森哲男君) 71 ◯地域戦略部長(吉川幸文君) 72 ◯議長大森哲男君) 73 ◯安全環境部長野路博之君) 74 ◯議長大森哲男君) 75 ◯24番(田中宏典君) 76 ◯議長大森哲男君) 77 ◯知事杉本達治君) 78 ◯24番(田中宏典君) 79 ◯議長大森哲男君) 80 ◯議長大森哲男君) 81 ◯28番(佐藤正雄君) 82 ◯議長大森哲男君) 83 ◯知事杉本達治君) 84 ◯議長大森哲男君) 85 ◯地域戦略部長(吉川幸文君) 86 ◯議長大森哲男君) 87 ◯交流文化部長西川 聡君) 88 ◯議長大森哲男君) 89 ◯健康福祉部長服部和恵君) 90 ◯議長大森哲男君) 91 ◯産業労働部長(伊万里全生君) 92 ◯議長大森哲男君) 93 ◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 94 ◯議長大森哲男君) 95 ◯28番(佐藤正雄君) 96 ◯議長大森哲男君) 97 ◯知事杉本達治君) 98 ◯議長大森哲男君) 99 ◯交流文化部長西川 聡君) 100 ◯議長大森哲男君) 101 ◯健康福祉部長服部和恵君) 102 ◯議長大森哲男君) 103 ◯1番(野田哲生君) 104 ◯議長大森哲男君) 105 ◯知事杉本達治君) 106 ◯議長大森哲男君) 107 ◯交流文化部長西川 聡君) 108 ◯議長大森哲男君) 109 ◯健康福祉部長服部和恵君) 110 ◯議長大森哲男君) 111 ◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 112 ◯議長大森哲男君) 113 ◯1番(野田哲生君) 114 ◯議長大森哲男君) 115 ◯知事杉本達治君) 116 ◯議長大森哲男君) 117 ◯地域戦略部長(吉川幸文君) 118 ◯議長大森哲男君) 119 ◯土木部長高橋伸輔君) 120 ◯議長大森哲男君) 121 ◯1番(野田哲生君) 122 ◯議長大森哲男君) 123 ◯副議長(小堀友廣君) 124 ◯6番(北川博規君) 125 ◯副議長(小堀友廣君) 126 ◯知事杉本達治君) 127 ◯副議長(小堀友廣君) 128 ◯健康福祉部長服部和恵君) 129 ◯副議長(小堀友廣君) 130 ◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 131 ◯副議長(小堀友廣君) 132 ◯6番(北川博規君) 133 ◯副議長(小堀友廣君) 134 ◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 135 ◯副議長(小堀友廣君) 136 ◯8番(兼井 大君) 137 ◯副議長(小堀友廣君) 138 ◯知事杉本達治君) 139 ◯副議長(小堀友廣君) 140 ◯総務部長鷲頭美央君) 141 ◯副議長(小堀友廣君) 142 ◯地域戦略部長(吉川幸文君) 143 ◯副議長(小堀友廣君) 144 ◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 145 ◯副議長(小堀友廣君) 146 ◯8番(兼井 大君) 147 ◯副議長(小堀友廣君) 148 ◯地域戦略部長(吉川幸文君) 149 ◯副議長(小堀友廣君) 150 ◯8番(兼井 大君) 151 ◯副議長(小堀友廣君) 152 ◯知事杉本達治君) 153 ◯副議長(小堀友廣君) 154 ◯3番(松崎雄城君) 155 ◯副議長(小堀友廣君) 156 ◯地域戦略部長(吉川幸文君) 157 ◯副議長(小堀友廣君) 158 ◯3番(松崎雄城君) 159 ◯副議長(小堀友廣君) 160 ◯知事杉本達治君) 161 ◯副議長(小堀友廣君) 162 ◯副知事(中村保博君) 163 ◯副議長(小堀友廣君) 164 ◯交流文化部長西川 聡君) 165 ◯副議長(小堀友廣君) 166 ◯3番(松崎雄城君) 167 ◯副議長(小堀友廣君) 168 ◯知事杉本達治君) 169 ◯副議長(小堀友廣君) 170 ◯地域戦略部長(吉川幸文君) 171 ◯副議長(小堀友廣君) 172 ◯健康福祉部長服部和恵君) 173 ◯副議長(小堀友廣君) 174 ◯副議長(小堀友廣君) 175 ◯副議長(小堀友廣君) ↑ リストの先頭へ ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長大森哲男君) これより、本日の会議を開きます。                ━━━━━━━━━━━━━━━ 2 ◯議長大森哲男君) 本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりと定め、直ちに議事に入ります。                ━━━━━━━━━━━━━━━   第1 第50号議案から第60号議案まで(11件)及び報告第1号から報告第21号まで(21件) 3 ◯議長大森哲男君) 日程第1を議題といたします。  これより、15日の本会議に引き続き、各議案に対する質疑及び県政全般にわたる質問に入ります。  よって発言は、お手元に配付いたしました発言順序のとおりに願います。  田中三津彦君。  なお、田中三津彦君より資料を使用したい旨の申出があり、これを許可いたしましたので御了承願います。      〔田中三津彦君登壇〕 4 ◯9番(田中三津彦君) おはようございます。自民党福井県議会の田中三津彦でございます。トップバッターは初めてということで、若干緊張しておりますが、よろしくお願いします。  まず、県立大学恐竜学部(仮称)の開設に向けてを伺います。  令和7年4月に開設され、翌年には勝山キャンパスでの教育が始まる県立大学恐竜学部は奥越で初めての大学施設となり、地元勝山市では大きな期待と歓迎の声が上がっております。市議会の3月定例会でも複数の議員が、学生の受入れに万全を期すよう市に求めたのに対し、水上市長は学生のための住環境整備を強化するとともに、1年時から2年時に進級する際の引っ越しや部屋を借りる際の支援策を検討する旨、表明しました。また、市は今年度当初予算でキャンパスへのアクセス道路整備、キャンパス用地となる恐竜博物館第3駐車場の代替駐車場の整備に向けた予算を計上するなど、ハード・ソフト両面で万全を期す考えです。  一方、新たな学部での教育研究、学生の卒業後の進路などを考えれば、県立大学や恐竜博物館などとの十分な調整も必要です。  そこでまず、ここまでの勝山市、県立大学、恐竜博物館などとの調整等の状況を伺いますとともに、今後の事業進捗に向けた当面の課題等について知事に伺います。  この際、令和7年4月の学部開設と同年度中の勝山キャンパス完成を万全にするとともに、就学環境や生活環境について学生ファーストの視点で整備し、学生が安心して勉学、研究に専念できるようにすることが何より重要です。新たに着任された鷲頭総務部長にも、学生ファーストで地元勝山市や県立大学、恐竜博物館などとの調整、連携をさらに深めていっていただきたいと思います。また、必要な支援も万全にお願いをいたします。  なお、お聞きするところによりますと、ゴールデンウイークにはお子さんと早速恐竜博物館へ行かれたそうですが、大変混雑していたと聞いております。ぜひ通常の週末にも勝山市を回ってみていただきたい。恐竜博物館だけでない、長尾山公園内一帯、ホワイトザウルス、平泉寺、あるいは私の近所にある旧木下家など、市全体がジオパークに認定されているすばらしい環境を満喫していただくとともに、抜群においしいおろしそばやソースカツ丼という福井グルメのほか、昔ながらの中華そば、お寿司などの海鮮メニュー、空揚げやカツカレー、ハンバーグなどの洋食に至るまで、市民が県内随一と自負する、レベルの高いお店でぜひ食事をしていただきたい。心身ともにリフレッシュできること間違いなしだと思います。  かなり脱線してしまいましたので、話を戻しますが、ほかに類を見ない恐竜学部の開設とそこで学ぶ学生の受入れ環境の整備などについて、鷲頭部長に、所掌部長としての意気込みをお伺いいたします。  次に、市町の防災体制についてです。
     総務省はこの春、自衛隊の災害派遣制度に対する市町村の理解が不十分という調査報告を公表しました。報道によりますと、都道府県知事を通じて派遣を要請したことがある被災市町村のうち、3割以上が難しさを感じたと言っています。制度の理解不十分のために要請が遅れてしまえば、被災者の捜索、救助などに重大な影響が出るおそれがあります。  では、具体的に何が難しいのか。災害派遣3要件の解釈だといいます。自衛隊は緊急性、公共性、非代替性の3要件を満たした場合に派遣される仕組みになっていますが、市町村ではこの要件に合致しているかという検討が難しく、時間がかかるようです。また、都道府県を通じて要請する仕組みについても手続が難しいという意見があったそうです。  そこで、県内市町の自衛隊の災害派遣制度に対する理解状況について、県は把握できているでしょうか。できていなければ速やかに現況を把握することが必要です。また、理解が十分でなければ対策を講じるべきです。併せて所見を伺います。  総務省は、災害派遣への理解が十分でないのは市町村の防災職員が定期的に異動し、災害対応の経験が少ないことが大きな要因で、研修、会議等によって理解向上を図る必要性を指摘しています。県内市町の防災職員の実情について、私は令和2年2月定例会で指摘し、その際、知事も、「市町の単位では大きな災害がいつも起きているわけではない。自分が職員でいる間に起きたことがないという方も多い」と、県の防災職員のほうが経験やスキルの面で優れていることを認めた上で、県の職員と市町の職員との人事交流を導入して、市町の防災対応力の強化に努めていくと答弁されました。具体的には、消防職員と事務方の職員各1名を2年ローテーションで回していくことによって、10年で20名を育てるペースで行うということでした。また、併せて市町の防災職員向けの研修を行うなど、県と市町の防災職員が顔の見える関係を築いていくとも答弁されました。  今回の国の指摘に先んじてこのような議論ができていたこと、これは非常にありがたいことだと思います。しかし、最近の災害が起きる頻度、その大きさを見ていますと、今のペースで大丈夫かなという危惧もあります。勝山市も同様の危機感があるようで、自衛隊を定年退官する地元出身の方を防災担当の職員として任用する方向で、自衛隊福井地方協力本部などと調整をしています。  任用に当たっては、任用、配置に要する経費の2分の1を国が毎年特別交付税措置してくれる、地域防災マネージャー制度を活用すると聞いております。私はこの制度を、令和2年2月定例会で紹介いたしましたが、その際、理事者からは、市町の防災体制強化に非常に有効であり、制度の活用を働きかけていきたいという答弁をいただきました。しかし、県内市町でこの制度を利用して退職した自衛官を採用しているのは、当時も今もあわら市の1名のみです。県の危機対策防災課には、防災対策の課長をはじめ複数の自衛隊出身者がおり、嶺南振興局に野路危機対策幹がいることを思えば、やはり物足りない印象です。  ちなみに、全国で見ますと、昨年の4月1日現在、593名の退職自衛官が自治体の防災職員として勤務していて、その7割以上、424名が地域防災マネージャーの資格を有しています。  そこで、地域防災マネージャー制度について、改めて県内市町に周知するとともに、勝山市のように有資格者を採用して防災体制を強化するよう促すなど、より強く市町の背中を押してはどうでしょう。  また、自衛隊福井地方協力本部など、退職自衛官の再就職に関する業務を行っている部署に協力を依頼するなど、連携を強化すべきではないでしょうか、併せて伺います。  次に、このお配りした資料を御覧ください。(資料掲示)話ががらっと変わりますが、これは県内への移住・定住を促そうと、県がこの春制作したポスターを描いた記事です。福井の子育て、暮らし、魅力をPRする5種類のポスターなんですが、「都会が嫉妬する県」というのをコンセプトにして、「遊び」、「仕事」、「子育て」、「住まい」、「暮らし」を切り口としていて、非常にキャッチコピーも面白くて、私はいいなと思っているんです。昨年12月定例会で私が作ってお示しした、「東京人よ、福井のすごさを知れ!」ほどではないかもしれませんが、二度見するようなインパクトは確かにあります。  ただ、残念なのは、このポスターの掲示場所がアオッサとか、東京や大阪などの「福井暮らすはたらくサポートセンター」など、県の施設内に限られているというふうにお聞きしたことです。それだと福井を知っている人とか、福井に興味がある、あるいは福井に移住してみようかなと考えているような人の目にしか入らないわけです。ですから、そういったことを私、白嵜首都圏統括監に指摘しましたら、今は、企業などを回られるときもこのポスターを持ち込んでいただいているそうですし、首都圏で行っておられるイベント会場などでもこのポスターを掲示したりしてくれているそうです。  私も先日、上野駅構内で行われた県の観光キャンペーンに直接足を運んでポスターが貼ってあるのを拝見いたしました。いいなと思います。ただ、やはりそれでも、見る機会が限られるかなと思って、やはり東京駅とか新宿、横浜のような大きなターミナル駅、その構内の通路に5枚セットを何セットもつなげてばっと一定期間貼っておく、あるいは新聞ですね、都会の新聞にこの5種類のポスターを5日連続で1、2、3、4、5と掲載して広告するというようなことをやって、福井を知らない、興味がない人の目を引くような努力が必要かなと思うんです。  知事は12月定例会で、この新聞広告については大変なお金がかかるとおっしゃいました。私もそれは分かります。しかし、そのときも申し上げたように、百年に一度のビッグチャンスですから、けちっていてはいけません。百年に一度の大勝負に出るんだという覚悟を改めてお願いしたいと思います。  都会のターミナル駅への掲示、大型ビジョンでのスポット広告、全国紙への広告掲載とか、このポスターを不特定多数の方により積極的にアピールして県の認知度向上を図るとともに、福井は面白そうだと、より積極的にアピールして観光などにも効果を波及させてはどうかと思いますが、知事の所見を伺います。  最後に、国土強靭化に関連して伺います。  県の公共施設等総合管理計画の中間見直し版によりますと、県が管理する公共施設、インフラ施設の維持管理に要する経費は単純更新ですと年間506億円かかりますが、長寿命化対策を講じると年間348億円と、158億円圧縮できます。  ただ、2月定例会でも申し上げたんですが、県が公共施設やインフラ施設の維持管理、更新に現在充てている予算は年間282億円で、圧縮したとしても66億円不足する計算です。理事者は、長寿命化に資する施設に優先的に予算措置しつつ、長期的には施設の保有量を減らしていくんだと言いますが、いわゆる箱物はともかく、橋、道路、トンネルのようなインフラ施設は簡単には減らせません。  一方で、老朽化は確実に進行します。橋の場合、昨年3月現在で県が管理するものは2,358ありましたが、建設後50年以上たったものが43%、20年後には77%が50年以上になります。  また、中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故を受け、管理者には5年に一度の点検が義務づけられ、平成26年度から30年度の間に県が実施した1巡目の点検では、機能に支障が生じるおそれがあり早期に措置を講ずべき状態にある、いわゆる第III段階の橋が259ありました。県は一生懸命やっていただいて、240以上の修繕は終わったそうですが、まだ一部未完だと伺っています。また、令和元年度から既に2巡目の点検が始まっていますが、ここでも第III段階の橋が出ているということです。  そこで、県の点検で第III段階と判定された橋について、最新の修繕状況を伺います。  国によりますと、全国的には1巡目の点検で第III段階以上の措置が必要な橋の43%もがまだ対策されていないということですから、それと比べれば県は非常によくやってくれていると思います。ただ、身近にまだ修繕中のものがありますとやはり心配です。以前もここで紹介した小舟渡橋、来年で100歳になる県が管理する最古の橋ですが、これも第III段階の判定を受け、平成30年度から今年度の5か年計画で修繕工事が進められています。奥越土木事務所にお聞きしますと、予定どおり今年度中に工事を終えて、長期間続いた車両の通行禁止も解除になるということです。しかし、昨年から行われているトラス部の工事が順調なのか、見た目では非常に分かりにくく、来年の今頃、本当に不自由なく通行できるのか、地域の住民からも不安の声が聞こえてきます。架橋当時から橋を利用し、九頭竜川で泳ぎ、河原で遊ぶなど、地域住民の日常に小舟渡橋は大きな存在でしたが、5年という歳月は人と橋の関係にも微妙な変化を生じさせた感じを受けます。  そこで、老朽インフラの象徴といえる小舟渡橋の修繕の進捗状況を伺いますとともに、修繕完了後、県民へのインフラ施設長寿命化のPRを兼ねて、小舟渡橋架橋100年というような行事を行って、改めて橋の魅力、県の長寿命化施策をPRしてみるというのもどうでしょうか、併せて伺います。  ところで、厚生労働省によりますと、全国の基幹的な水道管のうち、それぞれの地点で想定される最大規模の地震に耐えられる割合を示す耐震適合率は、令和2年度末時点で40.7%だそうです。国は国土強靭化計画で、令和10年度末までにこれを60%にすると定め、そのために財政や技術的な支援を進めると報道されています。  では、県の現状ですが、同じく令和2年度末時点で43.5%と、国の数値を若干上回っていますが、60%は遠いという印象です。大きな地震が起きると必ず求められるのが水の確保、水道復旧というのが第一です。理事者にお聞きしましたところ、県内の水道事業者は、逐次水道管の耐震化を進めていてくれているわけですが、同時に耐震化が遅れている簡易水道事業の統合を進めているため、結果として耐震適合率が伸び悩んでいるといいます。県が直接事業を行っているわけではありませんが、法律で県に水道事業者等の広域的な連携の推進役というような責務を規定されておりますし、水道基盤強化計画等を定めることが規定されています。  であれば、国が定めた目標の達成に向け、実効性ある計画などを県が策定するとか、水道事業者をリードしていくことが必要ではないでしょうか。現状の評価とともに所見を伺います。  以上、よろしくお願いします。 5 ◯議長大森哲男君) 知事杉本君。      〔知事杉本達治君登壇〕 6 ◯知事杉本達治君) 田中三津彦議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、恐竜学部に関する関係機関との調整状況及び今後の事業進捗に向けた当面の課題について、お答えを申し上げます。  県立大学の恐竜学部につきましては、今年度から開設の準備に入っているというところでございます。具体的に言いますと、新学部等の建設に向けた基本設計ですとか周辺環境の整備ですとか、カリキュラム編成とか、例えば教員の選考、こういったようなことについて、恐竜博物館、それから勝山市などとも連携をして今相談を始めているところでございます。  今後につきましては、やはり特色ある教育というのを実施していく必要があるということでございまして、例えば恐竜博物館の研究員が教授になって教えていくとか、それからまた、機械などの設備を一緒に使っていく、こういうような話とか、発掘とかいろんな調査も現場でやってもらう、こういった恐竜博物館との連携も重要だと思っておりますし、また、学生さんが住むところ、例えばアパートなども少ないと聞いておりますので、こういったものを誘致してくるとか、空き家を改修するとか、家賃補助してみるとか、こういったようなことも考えなければいけないと思います。さらには、学生さん向けに授業の時間に合わせてバスを運行するとか、アルバイト先を探すとか、こういった生活の支援も重要だと思っております。  こういったいろんな課題もありますので、恐竜博物館や勝山市ともよく十分に連携をさせていただいて、オンリーワンとか、ナンバーワンと言われる学部に仕上げていけるように、令和7年度を目指して準備を進めていきたいと考えているところでございます。  続きまして、都会人への積極的なアピールによる県の認知度向上と、観光などへの効果の波及についてお答えを申し上げます。  今、御紹介いただきました「スーパーがスーパー」というのは、例えば黄色いタグがついているような高級なカニがスーパーで売られているなんていうことは、都会ではないわけでございますし、また、「保活、不要」というのは、福井県では努力しながら待機児童ゼロを続けている、こういったことを一言で言い表すようなポスターに仕上がっているわけでございます。  これは、大事な肝は、ぱっと見ても福井県とすぐに分からない、何だこれと思ってよく読んでみると福井県だったのかと、こういうふうに分かる仕掛けになっていまして、やはり最初から福井県というと、福井県の宣伝なんだなというふうに読む側にどうしても印象が残ってしまいますので、そうでない形でどうしたらいいだろうかということを職員が自ら考えて、提案してやっていただいています。  以前も、例えば60歳まで、夫婦でここで生活しないと3,600万円損するんですよというような、そういうナッジ理論を使ってPRするとか、こういうこともやっていましたが、それの第二弾ということになるわけでございます。  私自身もこのポスターの件については、7月に放映されますけれども、BSの番組で御紹介もさせていただきましたし、今お話もいただきましたが、県外の事務所を中心に、例えば企業訪問のときとか、福井県ゆかりのお店へ営業をかけて貼ってもらったりというような努力をしております。  また、北陸新幹線に向けて今、例えば主要な駅とか、それから、羽田空港とか、高速道路のサービスエリア、こういうようないろんなところでも展示会をやったりとか、あとは出向宣伝もさせていただいております。  こういったことをこれからどんどん強化をしていく。ちょうど福井県が露出をしていきますので、こういったことも話題として提供していくことは大事だと思いますし、やはりいちほまれで思いましたが、少しお金を頂いて昨年度PRをさせていただきました。そうした結果、県外で1.8倍いちほまれが売れるというような、こういう効果もあるわけですので、必要なときにはポイントを絞って、PRにもお金もかける、それから、ふく育県というような、すぐにいいというところもあるわけですので、こういったことも併せて積極的に県外に打ち出していきたいと考えているところでございます。  それから、自衛隊の災害派遣に対する市町の理解状況について、詳細は安全環境部長からお答え申し上げますが、私はやはり災害対策は、大事なことは経験と連携だというふうに思っております。そういうこともありまして、今も御紹介いただきましたが、市町との人の交流、そうすることで経験を積む、また、知っている人と人脈ができるということはすぐに教えてもらえる体制にもなる、これはとっても大事だというふうに思っております。  例えば昨日、能登半島で地震が起きました。私はすぐに馳知事に御連絡をして、その前に石川県のヘリがどうなっているか、今、定期点検中だと確認しました。県のヘリがどうなっているかを確認して動けるということでしたので、知事に御連絡をして、上から見るのがいいですよ、いつでも言ってください、こういうお話をしたら、すぐにまた連絡があって、ヘリを出してください、こういうこともできたわけです。自衛隊派遣でも、こういったことが同じような状況にもなるわけで、各市や町が分からなければ、県がいろいろと助言しながらやっていくことも大事だと思っております。  詳細については担当部長より御答弁申し上げます。 7 ◯議長大森哲男君) 総務部長鷲頭君。      〔総務部長鷲頭美央君登壇〕 8 ◯総務部長鷲頭美央君) 私からは1点、恐竜学部の開設と学生の受入れ環境の整備への意気込みについてお答えを申し上げます。  ハード面では、現在新学部棟の基本設計に係るプロポーザルを進めておりまして、夏頃には基本設計に着手できる見込みでございます。併せてソフト面では、来年度の認可申請に向けまして、カリキュラムの編成と教員選考を進めているところでございます。  また、学生の受入れ環境の整備につきましては、議員御指摘のとおり、学生ファーストの観点が重要であるというふうに考えているところでございます。勝山市が様々な支援策の実施を検討しておりますので、県としても着実な実施に向け、しっかりとフォローしてまいりたいというふうに考えてございます。  私自身、先日、新学部棟の整備予定地を視察させていただきまして、恐竜博物館とも意見交換を行ったところでございます。  今後とも現場に足を運びながら、関係機関との密接な連携を図りまして、令和7年4月の新学部開設に向けて、スケジュールに遅れのないよう、取り組んでまいりたいというふうに考えております。 9 ◯議長大森哲男君) 安全環境部長野路君。      〔安全環境部長野路博之君登壇〕 10 ◯安全環境部長野路博之君) 私からは市町の防災体制について2点、お答えいたします。  自衛隊の災害派遣制度に対する市町の理解状況、また対策ということでございます。  県では、これまで市町職員を対象としました研修におきまして、自衛隊の派遣制度の概要を説明しておりまして、その際には、特に派遣基準──先ほどおっしゃった、緊急性、公共性、非代替性──の解釈に対する質疑はございませんでした。しかし、派遣要件につきまして、市町が共通の理解を持つということは重要であると考えておりまして、今後の研修の中で、他県のケースなども含めて様々な実例を紹介し、3要件の理解を深めていきたいと考えてございます。  また、実際の災害時には、先ほどお話がありましたように、市町に県職員を派遣して自衛隊派遣要請のアドバイスを行うなど、実情に合わせまして適時的確な派遣要請に努めていきたいと考えております。  続きまして、地域防災マネージャー制度の活用促進につきましてお答え申し上げます。  市町におきましては、消防吏員との人事交流、警察、消防OBを危機管理部門に配置するということを既にやっておりますけれども、これに加えて地域防災マネージャーなど、防災の専門性を有する人材を確保するということは防災体制の強化に有効であると考えております。  地域防災マネージャー制度については、これまでも県から市町に周知しておりますし、自衛隊の福井地方協力本部におかれては、昨年度から各市町を直接訪問し、制度の説明を行っているというふうに聞いてございます。  今後は市町職員を対象としました県の研修におきまして、福井地方協力本部から制度の説明、導入事例の紹介を行うなど、自衛隊との連携を強めまして、地域に対して地域防災マネージャーの活用を働きかけてまいりたいと考えております。 11 ◯議長大森哲男君) 健康福祉部長服部君。      〔健康福祉部長服部和恵君登壇〕 12 ◯健康福祉部長服部和恵君) 私からは1点、国土強靭化計画における水道施設の耐震化目標の達成についてお答えを申し上げます。  水道施設の耐震化は、水道事業者である市町が住民に応分の負担を求め、事業計画に基づき国の交付金の活用をしながら進めております。令和2年度末の本県の基幹管路の耐震適合率は43.5%でございますが、これは全国16位となっております。  県では、市町が採択要件を満たせるよう、水道料金の適正化、事業の統合化などにつきまして助言するとともに、要望額確保のため、国に対し採択基準の緩和や交付率引上げを要望しております。  今後、人口減等によりまして水需要が減少する中、水の安定供給を継続する必要があり、水道事業者の経営基盤の強化が求められております。このため県では、基盤強化に有効な手段の一つである水道事業の広域化を市町とともに検討しており、その状況も踏まえながら耐震化に取り組めるよう、水道の基盤強化を図ってまいりたいと考えております。 13 ◯議長大森哲男君) 土木部長高橋君。      〔土木部長高橋伸輔君登壇〕 14 ◯土木部長高橋伸輔君) 私からは2点、お答えをさせていただきます。  まず、1点目ですが、健全度IIIと診断されました橋の修繕状況についてお答えいたします。  平成30年度までに行いました1巡目点検において健全度III、いわゆる早期に措置が必要な段階と言われるものですが、これと診断された259橋につきましては、令和3年度末時点で234橋が修繕を完了し、21橋が修繕工事などに着手しておりまして、残る4橋につきましても今年度中に着手予定となっております。  また、令和元年度から令和5年度まで行う予定の2巡目点検でございますけれども、こちらにつきましては1,353橋、全体の約6割になりますが、こちらのほうが点検が完了しておりまして、令和3年度末現在で新たに劣化が進んでいるところもありますので194橋が健全度IIIということで診断をされております。  これらの橋梁につきましては、45橋が修繕を完了しまして、21橋で修繕工事に着手しておりまして、引き続き国土強靭化の予算も活用しながら計画的に修繕に取り組んでまいりたいと思っております。  それからもう一点、小舟渡橋の修繕状況と架橋100年行事についてお答えを申し上げます。  大正12年、1923年に架設されました小舟渡橋につきましては、令和元年度から工区を分けまして橋桁の補修、それからトラスの塗り替えなどの修繕工事を計画的に実施しているところでございまして、今年度中の完了を目指して今、行っているところでございます。  県ではこれまでも、長寿命化の事業については様々な形でPRさせていただいておりますけれども、御提案の小舟渡橋の架橋100年記念イベントにつきましては、地元の勝山市、それから永平寺町、地元住民の方とよく御相談をさせていただきながら意向を確認し、検討してまいりたいというふうに考えております。 15 ◯議長大森哲男君) 田中三津彦君。 16 ◯9番(田中三津彦君) ありがとうございます。本当によく聞こえて、なおかつ非常に前向きな御答弁をありがとうございました。  以上で終わります。 17 ◯議長大森哲男君) 以上で、田中三津彦君の質問は終了いたしました。  山本建君。      〔山本 建君登壇〕 18 ◯10番(山本 建君) 自民党福井県議会の山本建です。3年前の6月議会において、人生初の一般質問をさせていただいてから、早いものでいよいよ最終年度となりました。初心を忘れることなく、県民目線で質問と提言をさせていただきます。  まず初めに、アリーナの整備とサンドーム福井の活性化について伺います。  現在、福井市東公園を候補地として、5,000席程度の規模でスポーツ、文化、コンベンション等、多様な利用に対応できる民設民営の施設としてアリーナの整備の検討がなされており、北陸新幹線開業後のさらなる交流人口の拡大と地域経済発展のための拠点として、大きな期待を背負っているものと考えております。  一方で、丹南地域にあるサンドーム福井もコロナ禍の落ち着きに伴い、4月と5月はジャニーズのグループ、6月は「ゆず」や、昨日は「back number(バックナンバー)」のコンサートが開催され、鯖江駅を中心に、周辺地域に多くの方々が集い、にぎわいを見せております。  アーティストのコンサートのみならず、企業の展示会や各種式典など多様に活用されており、8月以降も人気アーティストのコンサートが予定されているなど、周辺地域の交流人口に大きく寄与されており、今後のさらなる利活用が求められておりますが、アリーナの整備が具体化し、報道でも取り上げられるようになってからは、周辺地域の方々から、アリーナができたらサンドームは利用が減ってしまうとの心配の声も聞こえてくるようになりましたので、周辺地域の皆様に安心していただけるよう、現在のアリーナ整備の検討において、サンドーム福井とアリーナの利活用のすみ分けについて県としてどのように認識しているのか、お伺いします。  現在、鯖江市と並行在来線会社の株式会社ハピラインでは、鯖江駅の東側の整備について検討がなされており、鯖江駅のサンドーム福井、福井駅のアリーナの双方の活性化は並行在来線の利活用向上にもつながると考えられます。  アリーナの整備、運営方針に併せて利活用策についても検討が進められていくと思いますが、先ほど申しましたとおり、サンドーム福井の利活用についても、周辺地域への交流人口に大きな効果と期待がありますので、アリーナの検討に並行してサンドーム福井についても、今後のさらなる活性化に向けた検討を進めていくことも重要なことではないかと考えますが、知事の所見をお伺いします。 19 ◯議長大森哲男君) 知事杉本君。      〔知事杉本達治君登壇〕 20 ◯知事杉本達治君) 山本建議員の一般質問にお答えを申し上げます。  私から、サンドーム福井の今後のさらなる活性化についてお答えを申し上げます。  丹南地域は繊維ですとか眼鏡、伝統工芸、これらが非常に集積している、とてもものづくりに特化した地域だと思っております。そういう意味では、サンドームのアリーナですとかものづくりキャンパス、こういったところが、産業面ですとかデザイン面の振興で大変大きな役割を果たしている、地域にも根づいた施設だなというふうに考えているところでございます。  その上で、やはりドームは1万人収容できるとか、それから、高さ40メートルのドームで、さらには観客席は可動型ということで、コンサートもそうですし、いろんなスポーツや文化のイベント、大学の卒業式であるとか、いろんなコンベンションですね、こういった大型のコンベンションも開けるということで、様々な幅広い用途で活用いただいているというところでございます。  さらに、御指摘もありましたけれども、そうすることで周辺への影響というのもとても大きなものがあるわけでございまして、お客様が来てそこでお金を落としていく、そういうような役割も果たしておりますので、これからもこうした地域での利用、それから広域での、多くのお客様を集めてそこでお金を落としていくような仕組み、こういったことを含めて、十分に御活用いただけるようなPRも含めて、行っていきたいと考えているところでございます。 21 ◯議長大森哲男君) 交流文化部長西川君。      〔交流文化部長西川 聡君登壇〕 22 ◯交流文化部長西川 聡君) 私からサンドーム福井とアリーナの利活用のすみ分けについてお答えを申し上げます。  経済界が専門家に依頼しまして実施いたしましたFS調査におきましては、アリーナの適正な規模につきまして、5,000人から7,500人であればサンドーム福井や金沢市の本多の森ホールなど、北陸圏内における他施設との競合は少ないとされております。
     これを基に今回経済界が示しましたアリーナの検討状況の中では、収容規模につきましては5,000人程度、機能につきましては、先ほど知事からもありましたけれども、スポーツやコンベンション、あるいは地域での利活用が示されたところでありまして、御指摘の1万人規模のコンサートを主としますサンドーム福井とのすみ分けにつきましては可能と認識しております。 23 ◯議長大森哲男君) 山本建君。 24 ◯10番(山本 建君) 施設の規模が約5,000と1万ということですみ分けは可能ということですけれども、先ほど申しましたとおり、これからぜひとも並行在来線等の活用も含めまして、アリーナとサンドーム、双方が活性化するような取組をよろしくお願いいたします。  次に、総合型地域スポーツクラブにおける県有施設の利用についてお伺いします。  公立中学校の休日の運動部活動の地域移行について現在、議論、検討が進められておりますが、その受皿とされているのが各地域の総合型地域スポーツクラブです。  総合型スポーツクラブは、未就学児から小中学生、高校生、さらには一般まで、幅広い年齢層のスポーツや文化活動の活動を担っていただいております。  今後、運動部のみならず文化部も含めて、地域の子どもたちの部活動の対応をお願いすることになるであろう各地のスポーツクラブの活動が活発になることが、部活動も含めた県内のスポーツ、文化活動のさらなる活性化につながるものと考えております。  しかしながら、関係者の方々から聞こえてくる声は、活動場所の確保が難しいとのことであり、市町の施設の空き時間の隙間を埋めながら何とか教室を開いている現状とのことであります。私の地元の鯖江市の総合型地域スポーツクラブの各教室の活動場所を見ても、全て鯖江市や越前町の公共施設であり、同じ施設で様々な競技の教室が行われております。さらには、市町の施設の老朽化によって、今後は活動場所のさらなる縮小も危惧されております。  地域のスポーツクラブの活性化のためにも必要な活動場所を確保したいとの思いで、昨年度に関係者と某県立学校に相談に伺ったこともあります。趣旨を説明し、前向きに検討して回答しますと言われたまま、一向に音沙汰ないままで、現場では貸し出す気は全くないように感じられます。面談の中で、セキュリティーが機械警備で難しいなど課題を言われましたが、それは各市町の小中学校も同じで、高校だけではないだろうとも思います。  今後の県内のスポーツ、文化活動を担っていただく各地域の総合型地域スポーツクラブの活性化のために、県立学校をはじめ、各県有施設を積極的に活用すべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。  スポーツに関連して、活動場所もそうですが、競技によっては他県に比べて環境整備がなされていないとの声も聞こえてきます。  一例ですけれども、例えば水泳を例に取ってみると、安全で衛生的な競技用の室内の50メートルプールが本県にはなく、整備を求める声もあると聞いております。各市町の小中学校のプールに関しても、授業で使っている学校も少なくなっていることから、水泳部の数も減少していると聞いており、環境整備が競技の衰退につながっているのではと考えてしまいます。  室内プールの整備となると多額の投資になりますので、競技だけでの整備になると費用対効果が厳しいと思いますが、各学校ごとのプールの維持管理を集約して、学校教育の授業と連携させるなど、県と各市町で工夫しながら検討だけでも進めたらと思いますが、水泳だけでなく他の競技も含めて、県内の各スポーツ施設の現状と課題、今後の方針についてお伺いします。 25 ◯議長大森哲男君) 知事杉本君。      〔知事杉本達治君登壇〕 26 ◯知事杉本達治君) 私から、総合型地域スポーツクラブ活性化のための、県立学校をはじめとした県有施設の積極的な活用についてお答えを申し上げます。  おっしゃられたような総合型の地域スポーツクラブ、これがいろいろ県営施設の中で、今まで利用を想定しておりましたのが、例えば県営体育館ですとか武道館とか、こういったスポーツ専用の施設のところを想定しながらこれまでも、例えばイベントなどが開かれないような期間とか、平日、こういったところでできるだけ使っていただけるように開放させていただいてきたところでございます。  また、スポーツクラブの実際の活動も、今もお話もありましたけれども、小中学校とか公民館とか、できるだけ近くで使えるところがあるといいなというお話で、中心的にはそちらを使われているということでございますけれども、御指摘のように、やはりスポーツ少年団などの活動が活発なところは、県立高校が近くにあれば、その体育館も使わせてよと、こういうようなこともお話が出てきているというところでございます。  そういう中で、県立学校におきましても、また、そのほかの県立施設でも活用できるような場所があれば、例えば授業とか部活とか、独自に使う必要があるときがありますので、こういったところは避けながら、空いている時間帯、時期、こういったようなときには、できるだけ県立学校なども使っていただけるように、今後開放を進めてまいりたいと考えております。 27 ◯議長大森哲男君) 交流文化部長西川君。      〔交流文化部長西川 聡君登壇〕 28 ◯交流文化部長西川 聡君) 私からスポーツ施設の現状と課題、今後の方針についてお答え申し上げます。  スポーツ施設におきましても、ほかの公共施設同様に、適切な管理で長寿命化を図りながら利活用促進につなげていくことが大切な課題でございますが、福井運動公園をはじめとしまして県が所有するスポーツ施設については、利用状況に応じた必要な改修、修繕に努めておりまして、今後も施設利用者や競技団体の声を聞きながら施設の維持管理を行ってまいります。  また、市のスポーツ施設につきましては、福井しあわせ元気国体に向け会場となった施設を、県も支援しながら必要な改修を行いましたが、維持管理につきましては、市町において工夫いただきながら適切に行っていただきたいと考えております。  なお、御指摘のありました市町の水泳プールにつきましては、例えば坂井市では丸岡B&G海洋センタープールを、越前市では武生中央公園温水プールを利用して授業を行うなど、設備の老朽化、あるいは財源確保等の面で維持管理が難しいという課題がある中で、地域のニーズに応えられるような工夫がなされていると伺っているところでございます。 29 ◯議長大森哲男君) 山本建君。 30 ◯10番(山本 建君) ありがとうございます。  次に進ませていただきます。  次に、昨年の12月議会で制定されました、福井県自転車の安全で適正な利用に関する条例について、いよいよ来週の7月1日から施行されますので、県民に対するお知らせも兼ねて質問させていただきます。  本条例では、自転車事故において全国的に高額賠償の事例が増えてきていることや、自転車利用における県民の安心・安全、全ての自転車利用に対して自転車の保険等の加入の義務化や、ヘルメット着用、自転車の定期的な点検整備が定められております。  昨年12月議会で、条例施行までにどのように県民に周知していくのかをお伺いし、県の広報番組やチラシの作成、学校やPTA、各損害保険協会、高齢者の交通安全教室等を通じた御案内など、幅広く周知すると答弁いただき、私も様々な場面で条例についての広報を目にしましたので、幅広く周知されているものと感じております。  自転車は子どもから高齢の方、または外国人の方まで幅広く利用されている車両であることから、周知漏れがないよう、条例施行前のみならず施行後も周知を続けることが必要と考えます。  そこで、条例施行に向けて外国人を雇用する事業者に対してどのように周知を行ったのかをお伺いするとともに、全体的な県民への周知の状況、条例施行後の対応方針について所見をお伺いします。 31 ◯議長大森哲男君) 安全環境部長野路君。      〔安全環境部長野路博之君登壇〕 32 ◯安全環境部長野路博之君) 私から、外国人を雇用する事業者に対する自転車条例の周知、また、全体的な県民への周知の状況と今後の対応方針について、お答えを申し上げます。  外国人を雇用する事業者の方に対しましては、実習生の受入れ企業を支援する管理団体がございますので、この管理団体に依頼いたしまして条例の内容を周知いたしております。また、国際交流関係団体のSNSなどを通じまして、外国人労働者の方にも直接周知を図っております。今後、外国人の方を多く雇用している企業を個別に訪れまして、さらに周知に努めてまいりたいと考えてございます。  県民に対しましては、テレビ、ラジオの広報番組で呼びかけますとともに、駅の駐輪場などでの啓発活動などの機会を通じまして、広く条例の広報に努めてまいりました。条例の施行後もテレビ、新聞での広報を行いますとともに、運転免許の更新時の講習でありますとか、高齢者の方に対する交通安全教室、また、学校におけます通学指導、事業者に対する広報など、引き続き幅広い周知に努めてまいりたいと考えてございます。 33 ◯議長大森哲男君) 山本建君。 34 ◯10番(山本 建君) 先ほど申しましたけれども、自転車の条例、もう本当、来週から始まりますので、しっかりと県民の皆様方の安心・安全のためによろしくお願いいたします。  次に、有機農業の普及促進についてお伺いします。  国は、持続可能な食料システムの構築に向け、中長期的な観点から調達、生産、加工、流通、消費の各段階の取組とカーボンニュートラル等の環境負荷軽減のイノベーションを推進する、みどりの食料システム戦略を昨年5月に策定し、本年5月にみどりの食料システム法が成立しました。みどりの食料システム戦略は、要約すると、2050年までに農林水産業のCO2排出量の実質ゼロ化、化学農薬の使用量半減、化学肥料の使用量3割減、有機農業を全農地の25%まで拡大という目標を掲げています。  今後は、国が示す基本方針に基づき、市町と都道府県が共同で具体的な取組内容を盛り込む基本計画を作成し、国の支援を得ながら進めていく流れとなります。具体的な内容は国の方針を受けての対応になるかと思いますが、なかなか普及が進んでこなかった有機農業に実際に取り組んでいらっしゃる方々にとっては、大きなチャンスと捉えられております。これまで県は、国のガイドラインに基づき、恐竜とスイセンのロゴマークで福井県特別栽培農産物という認証制度を運用し有機農業に取り組まれておりますが、今回の法制化を契機にさらなる有機農業の普及促進に取り組んでいくことになります。国の方針が示され次第、具体的な計画を検討していくことになりますが、その際にはこれまで県内で有機農業に取り組んでこられた方々の意見に耳を傾け、情報やノウハウを意見交換しながら進めていっていただけたらと思います。  そこで、県のこれまでの有機農業の普及に向けた取組についての課題と、今後の有機農業の普及促進に向けてどのように考えているのか、所見をお伺いします。 35 ◯議長大森哲男君) 農林水産部長児玉君。      〔農林水産部長児玉康英君登壇〕 36 ◯農林水産部長児玉康英君) 私からは1点、有機農業の普及に向けましたこれまでの取組と今後の普及促進についてお答えいたします。  現在県内では、約200の経営体が約700ヘクタールで有機農業を含む無農薬、無化学肥料栽培に取り組まれていますが、高い栽培技術が必要であります。また、労働負担の増や収量の減に見合った高い価格での販路の確保、こちらが課題になっております。  これに対しまして、県ではこれまで特別栽培農産物認証制度による差別化、また、環境保全型農業直接支払交付金──これは令和3年度で、国、県、市町合わせまして約5,200万円の給付であります。このほか、有機栽培用の肥料の開発、また、除草機の導入、こういったことの支援等によりまして支援を行ってまいりました。  有機農業につきましては、環境との調和、消費者の多様化したニーズへの対応として重要であります。国は、戦略等に基づきましてこの秋に基本方針を策定するため、県としましては、これを踏まえて環境負荷低減を目指す基本計画を策定する中で、現場の農業者の方々の声をしっかりとお聞きしながら、将来の目指す姿とその推進方策を検討してまいります。 37 ◯議長大森哲男君) 山本建君。 38 ◯10番(山本 建君) 私も昨年から家庭菜園レベルですけれども、園芸を始めまして、園芸カレッジで受講された方々と一緒にいろいろ御指導いただきながらやっているんですけれども、園芸カレッジでやられた方は結構詳しいんですけれども、虫がつくのでちょっと有機農法の人に相談したら、ちょっと土に栄養をやり過ぎとか、肥料を動物系から植物系に変えるとか、いろいろ有機は特別なノウハウも必要ですので、そういうところも含めてしっかり取り組んでいただきたいと思います。  最後に、再生可能エネルギーの導入目標についてお伺いします。  代表質問でもありましたが、地球温暖化対策推進法の改正により、再生可能エネルギーの導入目標を環境基本計画等に記載することが都道府県及び中核市以上の自治体に対しては義務化、その他の自治体に関しても努力義務化されました。  本県も今年度中に目標を定めるということになっており、これまでも県が率先して再生可能エネルギーの導入を進めていくべきと提言させていただいておりました。  現在、福井県としては初めて、県有施設におけるPPAを活用した太陽光発電設備導入事業において、坂井合同庁舎、福井県こども療育センター、福井県工業技術センター、福井県立図書館の四つの県有施設で、導入に向けた企画提案の募集がされております。  PPA事業は、行政の初期投資を抑えた再生可能エネルギーの導入のみならず、県内企業の産業育成にもつながるものと考えております。この県の取組を契機に、県内の事業者に実績をつけていただき、市町や民間にも波及していっていただきたいと思っております。  本事業への参加表明は本日6月20日で締め切られますが、今回の、県有施設におけるPPAを活用した太陽光発電設備導入事業の対象施設の選定理由と募集状況について、お伺いします。  また、本県の再生可能エネルギーの導入目標を定め、実際に導入を促進していくには県だけではなく、県内各市町とも連携してオール福井で取り組んでいく必要があると思います。福井市以外は努力義務となっており、環境基本計画等への記載についての強制はできませんが、本県の再生可能エネルギーの導入目標の設定や目標達成に向けて、県内各市町とどのように連携をして取り組んでいく方針なのか、所見をお伺いします。 39 ◯議長大森哲男君) 安全環境部長野路君。      〔安全環境部長野路博之君登壇〕 40 ◯安全環境部長野路博之君) 私からは再生可能エネルギーの導入に関しまして2点、お答え申し上げます。  まず1点目、PPAを活用した太陽光発電設備導入事業の対象施設の選定理由、また、応募状況についてでございます。  PPA制度の活用に当たりましては、一つは最長20年の長期の電力契約が求められているということ、また、広い発電スペースが確保できまして、消費電力量の多い施設のほうが導入効果が高いということがございます。このため、今回まず、比較的新しい施設で屋根の面積が広く、消費電力量が多い四つの施設を選定したところでございます。  お話にもございましたように、本日まで企画提案での参加企業を募集しているというところでございますけれども、事前に公表いたしますと、このコンペの実施に影響が出てくる懸念というものもございますので、具体的な応募数というのは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、現在、複数の企業から応募に向けた問合せを受けているというところでございます。  続きまして、再生可能エネルギーの導入の目標達成に向けまして、県内の各市町とどのように連携していくのかという御質問でございます。  再生可能エネルギーの導入に当たりましては、県の率先的な行動とともに、市町の積極的な取組が重要と考えてございます。このため昨年11月には、環境省の職員を招きまして、市町に対して、地球温暖化対策に係る地方公共団体実行計画の内容ですとか、国の支援制度に関する説明会を行ったところです。また、従来から市町とともに、再エネを地域づくりにつなげます、再エネ活用地域振興プロジェクトを進めております。これにつきましては小水力発電ということで、昨年度はおおい町で運転が開始されておりまして、今年度は池田町で建設が計画されているところであります。  今年度は五つの市町が温暖化対策実行計画を改定する予定でございまして、県から市町に対して必要な情報提供でありますとか助言を行い、市町とともに再エネ導入拡大に取り組んでいきたいと考えてございます。 41 ◯議長大森哲男君) 山本建君。 42 ◯10番(山本 建君) この、義務と努力義務という日本語が、なかなか難しいと思うんですけども、努力義務でも義務は義務なので、各市町も県と連携して率先的にこの再生可能エネルギー導入目標、盛り込む、盛り込まないじゃなくて、しっかり取り組んでいただいて、福井県全体がきちんとカーボンニュートラルに貢献できる県になって、既に原子力等で大きく貢献しておりますけれども、さらなる取組をお願いしたいと思います。  それと、ちょっと時間もないので、再質問じゃなくて意見だけさせていただきたいと思いますけれども、先ほど知事から、総合型地域スポーツクラブの活動場所確保という点で、県立学校を、授業とか学校活動に影響のない範囲で貸し出していただけるということでしたので、こちらに関しましてはしっかり、各学校に周知だけではなくて、各地域のスポーツクラブにも、そういうふうなお知らせというか御案内をしていただけたらと思いますのでよろしくお願いいたします。  あと、スポーツのプールの質問で、別にプールの話ではないんですけれども、ちょっと聞き方を間違ったかもしれないんですけれども、水泳を例に取らせていただいたんですけれども、この競技に関してはそういう正式な大会をする施設が、県にはちょっと不足しているということでしたので、野球とかサッカーとか、そういうメジャーなところはしっかり整備されていますけれども、やはりいろんなスポーツ施設で、本当に今の現状で全ての競技が賄えるかというところを再度、他の競技も含めてしっかり、競技ごとに各競技団体とも相談していただきながら、財政的な問題があると思いますけれども、相談に乗ってあげていただきたいと思いますので、そういうことを要望させていただきまして質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 43 ◯議長大森哲男君) 以上で、山本建君の質問は終了いたしました。  ここで休憩いたします。   午前11時00分 休 憩                ━━━━━━━━━━━━━━━   午前11時05分 再 開                 会議に出席した議員(32名)    1番  野  田  哲  生          19番  西  本  正  俊    2番  渡  辺  大  輔          20番  島  田  欽  一    3番  松  崎  雄  城          21番  宮  本     俊    4番  山  浦  光一郎           22番  小  寺  惣  吉    5番  細  川  かをり           23番  大  森  哲  男    6番  北  川  博  規          24番  田  中  宏  典    7番  西  本  恵  一          25番  畑     孝  幸    8番  兼  井     大          26番  欠        員    9番  田  中  三津彦           27番  欠        員    10番  山  本     建          28番  佐  藤  正  雄    11番  清  水  智  信          29番  斉  藤  新  緑    12番  長  田  光  広          30番  田  中  敏  幸    13番  力  野     豊          31番  鈴  木  宏  紀    14番  小  堀  友  廣          32番  仲  倉  典  克    15番  欠        員          33番  松  田  泰  典    16番  欠        員          34番  山  岸  猛  夫    17番  西  畑  知佐代           35番  関     孝  治    18番  鈴  木  宏  治          37番  山  本  文  雄                ━━━━━━━━━━━━━━━                 会議に欠席した議員(1名)    36番  山  本  芳  男
                   ━━━━━━━━━━━━━━━ 44 ◯議長大森哲男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  島田君。      〔島田欽一君登壇〕 45 ◯20番(島田欽一君) 自民党福井県議会の島田欽一でございます。通告に従って質問をさせていただきます。久々の質問ですので、皆さんによく聞こえるように質問をしたいと思います。  まず最初に、海岸漂着物への対策について伺います。  近年、海洋ごみ、特にプラスチックごみが増加しており、世界中の海には毎年約800万トン、東京スカイツリー222基分のプラスチックごみが流れ込んでいるとされています。プラスチックは自然に分解されることはほとんどなく、海の中で砕けて小さな破片となり、それを魚が餌と間違えて食べるなど、海の生き物に悪影響を与えて生態系を壊す可能性がある、大きな社会問題であります。  本県の海岸においても、毎年多くのごみが漂着し、景観、観光、漁業等に大きな影響を及ぼしており、県はこうした海岸ごみを消滅するため、令和4年3月に、福井県海岸漂着物対策推進計画を改定し、県、市町、県民、民間団体など、互いに連携してごみの削減を推進していくとされたところであります。  この計画を見ると、平成28年度以降、年間500トンを超えるごみが越前、若狭の海岸に漂着しているとのことで、このごみの回収、処分については沿岸市町の大きな負担となっているのが現状であり、県から市町への支援や国の補助金にも限りがあると伺っています。実情は市町によって若干異なりますが、海水浴シーズン前に沿岸市町から清掃を業者へ発注する以外は、主に沿岸住民によるボランティア作業となっており、住民の大きな負担になっております。  近年、海岸を拝見するとそのごみの多さに言葉を失います。冬は天候の影響により回収が困難とのことですが、そもそもごみの回収作業や頻度が、ごみの発生量に追いついていないのではないかと感じています。せっかく計画を改定したのであれば、実効性のある計画となるよう、市町への支援額を増やすなど、さらに強力に沿岸市町の回収、処分業務に対し支援すべきではないか、知事の所見を伺います。  今年3月には県外の海岸で何千本という注射器が漂着したと聞いております。包装用の袋にはロシア語と見られる表記があり、回収には県、市町職員がパトロールに当たったと伺っております。注射器自体とても危険であり、感染症のリスクもあることから、見つけた場合は触らずに県の機関や市町役場に連絡してほしいと呼びかけているとのことですが、海水浴客など、はだしで海岸を歩いたり、小さな子どもが何も知らずに触ったりすることが予想されます。  これから海水浴シーズンを迎えるに当たり、漂着した注射器についてはしっかりと回収されているのか伺うとともに、海水浴客に対する安全をいかに確保するのか、県の所見を伺います。  また、海岸漂着物の大きな原因として、海外由来と陸域由来があり、海外からの漂着物を減らすためには国際的な呼びかけが必要であり、県としては国に対し、引き続き対策を図るよう、要望してほしいと思います。  一方、陸域由来として河川ごみの海への流入が挙げられます。昨年県が実施した調査では、漂着ごみの分類としてはプラスチック類が最も多く、ペットボトルのキャップやペットボトルには日本語表記のものも含まれているとのことで、陸域由来のごみも一定数存在しているという結果でありました。  日常生活で発生したごみ、ポイ捨てといった意図的なごみなど様々であると思いますが、海岸に流れ着くごみの多くは、河川から海に流れ出たものと考えられます。日常的に海岸ごみを見ていると、沿岸住民に比べると内陸地域に住んでいる人は海岸ごみを身近な問題として認識する機会が少ないのではないかと感じています。  県では、ふくい海ごみゼロチャレンジと銘打って、河川清掃を呼びかけていますが、この取組の現状を伺うとともに、県下全域に浸透すべきと考えますが、県の考えを伺います。  内陸地域である隣県の岐阜県では、海洋ごみ対策として、散乱しているごみの分布状況や清掃活動をホームページ上で見える化することで、県民の清掃活動への意識醸成を図っています。ホームページの名前は、「クリーンアップぎふ~海まで届け清流!~」であり、清掃活動に参加した人数、拾われたごみの数、活動状況や位置などがリアルタイムで表示されています。海に面していない岐阜県においても、海洋ごみを減らすために様々な取組をしているようであります。  県の計画では、河川上流域に位置する岐阜県や滋賀県との連携に努めていくとしていますが、今後具体的にどのような連携をしていくのか、県の考えを伺います。  海に流れ着くごみを減らすことに加え、企業や家庭から発生するごみ、特にプラスチックごみの排出を減らす取組も併せて必要だと思います。県では、プラスチックごみの削減、リサイクルの持続可能な回収、再生利用の推進のため、ふくいプラスチックスマートキャンペーンを実施しております。  そこで、このキャンペーンの取組状況を伺うとともに、プラスチックごみの削減に向け、今後具体的にどのように進めていくのか、県の考えをお伺いします。  次に、大河ドラマや映画を通した観光誘客について伺います。  先月11日、北陸新幹線開業の年である2024年のNHK大河ドラマが、本県にゆかりのある紫式部を主人公とする「光る君へ」に決まりました。紫式部は越前守に任命された父、藤原為時とともに京から越前国の国府に移り、1年余りを暮らしたとされています。紫式部が生涯でただ一度都を離れて暮らした場所が越前国であり、越前国での生活の様子は紫式部日記に書かれているほか、越前国を詠んだ歌も残されています。  今回の決定は、県外の多くの人に福井県を訪問していただき、紫式部ゆかりの地をはじめとした県内観光地のよさを知っていただく絶好のチャンスであると考えます。越前市もこの大河ドラマの観光誘客効果について大変期待しており、先日、庁内に部局横断の紫式部プロジェクトチームが設置されたところです。プロジェクトチームは企画、観光、文化、広報部門など計10人で構成され、JRなどが2024年に実施する北陸デスティネーションキャンペーンに向けた商品やサービスの開発など、紫式部を核とした地域の魅力発信や観光誘客に民間と一体で取り組んでいるところです。  2024年の大河ドラマ放送に向けて、本県とドラマのつながりを発信するなど、北陸新幹線開業に向けた本県の魅力発信や観光誘客にどのようにつなげていくのか、知事の所見を伺います。  また、4月に映画撮影がクランクアップした「おしょりん」については、県内各地において撮影が行われました。越前町でも行われました。行政関係者、経済界、地元関係者、ボランティアなどがロケの激励や応援に駆けつけ、大いに盛り上がり、来年秋に全国150近くの映画館で上映されると伺っており、撮影に協力した市町や地元の期待は大きなものがあると聞いております。  このように、北陸新幹線開業を控え、メディアによる本県の露出が続きますが、今後ロケ地誘致や映画公開に向けて、県内各地において新しい観光、地域資源の発掘や発信、地域活性化、観光誘客拡大につながることを期待しております。  そこで、大河ドラマや映画の主要な舞台となる越前市や鯖江市だけでなく、その効果をいかにして県下に幅広く浸透させるのか、県の考えとその具体策を伺います。  また、映画「おしょりん」については、制作側の関係者から制作資金を工面するのに大変苦労したと伺っております。PR経費なども含め、総制作費は2億円で、2月には映画「おしょりん」制作運営委員会が発足され、協力企業なども募られました。県内市町もかなりの額を応援したと聞いております。  県においても、映画等の県内ロケにかかる経費などを補助する制度がありますが、そもそも県の支援は、映画ロケ誘致に他県との競争に勝ち抜けるような効果的なものなのか、また、映画界の相場にふさわしい支援なのか、県の考えを伺います。  富山県では2011年に県がロケ誘致の専門窓口、富山県ロケーションオフィスを設置、これまで映画を含め映像動画など、約400件を支援しています。北陸新幹線の金沢延伸を控えた2014年度は前年度の倍以上の約70件を支援したとのことで、職員2人とコンシェルジュ2人の4人体制で情報収集から作品のPRまでを一貫して行い、ロケ隊への随行だけでなく、制作スタッフと同様に交通整理や撮影補助など、現場でのロケ対応も実施しています。年に一度開かれるロケ誘致促進会議には、市町村などに加え県警や教育委員会なども参加し、県全体が連携したサポート体制で円滑な撮影を後押ししています。  県内では福井市、勝山市、敦賀市、小浜市、越前市、越前町の6市町でフィルムコミッションを設立しており、このたび「福井県フィルムコミッション」を設け、県内ロケ誘致に向けた体制を整えています。  そこで、このたび「福井県フィルムコミッション」を設立した狙いを伺うとともに、北陸新幹線開業を間近に控え、ロケ誘致拡大に向けて県は市町や関係機関とどのように連携し、誘致活動を実施していくのか、伺います。  次に、瓦屋根の安全対策、越前瓦の利用促進について伺います。  国土交通省は令和元年、千葉県房総半島を襲った台風で住宅の屋根瓦に大きな被害が発生したことを受け、屋根ふき材に対する強風対策として、「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」に準拠した建築基準法の告示基準を改正したところです。  改正された基準によると、令和4年1月以降に建築物を新築、増改築する場合には、原則として全ての瓦を緊結することが義務化されています。消防庁の情報によりますと、房総半島の台風では全壊が約450棟、半壊・一部損壊が約9万棟にも及び、また、屋根被害家屋の約8割は瓦屋根であるという調査結果もありました。顕著な強風被害が見られた地域では多くの住宅で瓦が飛ばされ、すぐには復旧、修復工事が図れず、ブルーシートのかかった屋根の光景がテレビで報じられたのを記憶しています。  近年、温暖化の影響から台風が大型化しており、被害も甚大化しており、本県においても房総半島と同様な規模の台風がやって来れば、同様な被害が起きることも考えられます。瓦屋根の耐風診断や改修工事に対する国の補助制度もあり、県内においても一部経費を支援している自治体もあるようですが、本県においても早急に対策や対応が必要ではないかと考えます。  また、県有施設について、瓦屋根の施設は決して多いわけではないと思いますが、福井県立若狭歴史博物館や福井県陶芸館など、文化施設などで瓦屋根が採用されていると聞いています。  先日、若狭歴史博物館を視察して、瓦屋根の状況を確認したところ、大きなずれや目立った劣化などなく、専門業者による定期検査も実施しており、現時点で瓦の落下等による被害はないとのことでした。ただ、若狭歴史博物館は昭和57年建築であり、建築後相当経過しています。不特定多数の方が利用している施設であり、規模の大きな台風や地震が起きて、利用客や周辺に危険が及ばないか、注意しなければならないと感じたところであります。  今回の基準改正を受け、県内の住宅や施設内の建築物全般における瓦屋根の安全確保に向けた県の対応状況について、伺います。  瓦に関連して、私の地元である越前町では地域ブランドとして登録されている越前瓦があり、福井県の伝統的な住宅に用いられてきた瓦であり、上質な粘土と独自の焼成方法で寒さに強く、丈夫で長持ちすることに定評があります。しかし現在、越前瓦業界の状況は他産地の瓦の流入や新生屋根材の台頭により、生産、出荷量とも年々減少にあり、新型コロナウイルスの影響も大きく、往時に比べ大きく減少している状況です。  日本の代表的な瓦の一つである石州瓦の産地である島根県では、コロナ禍で影響を受けている業界の販売促進のため、石州瓦を使用した住宅の新築、リフォームに対する助成金があるほか、新たな製品開発や異分野参入の取組を支援しています。また、小松瓦の産地である小松市では、屋根工事に係る瓦の材料に対する助成金があり、安田瓦の産地である新潟県阿賀野市では、屋根工事に使用した瓦の価格に応じた助成金があります。  本県においても、県産材を活用したふくいの住まい支援事業において、越前瓦を使用した場合の補助制度がありますが、工事費を含んだ助成になっており、越前瓦の業界としては、県に対し補助金の拡充を要望していると聞いています。  そこで、これまでの越前瓦利用促進に向けた県の支援状況を伺うとともに、新型コロナウイルスの影響を受けた越前瓦産業の振興や支援という観点から、販売促進につながるさらなる施策が必要と考えますが、県の考えを伺います。  以上で私の質問を終わります。理事者におかれましては誠意ある御答弁をよろしくお願い申し上げます。 46 ◯議長大森哲男君) 知事杉本君。      〔知事杉本達治君登壇〕 47 ◯知事杉本達治君) 島田議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、市や町の海岸漂着物回収、処分に対する支援についてお答えを申し上げます。  本県におきましては例年、冬に北西の季節風が吹いて、それで国外を含めて漂着物が海岸に流れ着くということが多くて、結果として、春先から海水浴のシーズンの間に、住民の皆さんですとか、県外を含めたボランティアの皆さんに回収をしていただくというのが例年のパターンになっているところでございます。  このために、今年の3月に海岸の漂着物対策の基本計画の見直しを行っておりまして、各地域の回収の日程というのを事前にあらかじめ調べておきまして、年度の当初から計画的に回収してそれを処分する、そういった方法などを定めてきているということでございます。  補助金が多額に必要になるということでございますので、国に対しましても、年度の初めにできるだけ補助金の交付決定をいただくようにということで要請を強めているところでございまして、昨年度、年度当初で4,500万円の市や町に対する補助金決定いただいておりましたが、今年度は既に6,000万円の補助金の確保をしているところでございまして、おおむねこの段階で年間を見通した補助額についての確保ができているかなと思っております。  ただ、いろんなことが考えられますので、これからも市や町と連携を密にいたしまして、予算がさらに必要であれば国に対して追加の補助金の要請も行いながら、さらに海岸への漂着物対策に万全を期してまいりたいと考えているところでございます。  続きまして、大河ドラマとのつながりを発信することなどで、北陸新幹線開業に向けた本県の魅力発信、観光誘客をするべきではないかという御質問についてお答えを申し上げます。  2024年の大河ドラマ、これはちょうど北陸新幹線が開業する年ということでございます。これが本県ゆかりの紫式部、「光る君へ」ということで決定いただいたことは大変ありがたいというふうに思っております。決定されてすぐに、NHKのほうに参りまして、紫式部が京都以外で唯一過ごしたこの越前の国府のところをできるだけ取り上げていただくようにということの要請もさせていただいております。  さらに、先日私も、歴史の分野では大変高名なというか人気の高い、例えば歴史のコミックですとか歴史本とか、さらには、例えば「偉人・素顔の履歴書」というのがBS11でやられていますけれども、加来耕三先生──大変人気の作家さんですけれども、直接お会いしてお話を聞き、アドバイスを頂いたところでございます。  先生とお話ししていて、ああ、確かにそうだなと思いましたのは、紫式部をどうやって売り込むかというようなお話ももちろん聞かせていただきましたけれども、例えば来年の「どうする家康」、これは家康にとっては次男が結城秀康ということですので、ここからどんどん手がけていかないといけないというようなアドバイスも頂きました。そういうことから、例えばBSだったらできるだけ協力するよというようなお話もありましたので、この結城秀康を主人公にしたようなドラマですとか、こういった結城秀康のお話を家康に絡めて売り込んでいく、NHKさんだけじゃなくて、ほかのいろんな形でテレビの媒体なども使ったり、それから歴史や旅行の雑誌に売り込んでいくことも大事ではないかというようなアドバイスも頂いていますので、まず、そこから手がけまして、それからいよいよ「光る君へ」ということになるわけですけれども、これにつきましても福井県独自でドラマ仕立てにしてみるとか、それからまた、例えばキャストが決まるとかロケに入りましたとか、いろんな場面があると思いますので、そういったときを見ながらPRを強化することも行う、そういうことで「どうする家康」から「光る君へ」にかけて、ずっと続けて福井県が目立つように発信をしていく、そして、新幹線の開業効果を高めていきたいと考えているところでございます。  そのほかにつきましては担当より御答弁を申し上げます。 48 ◯議長大森哲男君) 交流文化部長西川君。      〔交流文化部長西川 聡君登壇〕 49 ◯交流文化部長西川 聡君) 私からは3点、まず、大河ドラマの舞台となります主要市町だけでなく、県下に観光誘客効果を浸透させるための具体策についてお答え申し上げます。  大河ドラマや映画は全国に本県の魅力を伝えることができる有効な手段でございまして、「光る君へ」や「おしょりん」も積極的に活用していきたいと考えております。  例えば「光る君へ」では、京から越前への下向や帰京の足取りの紹介、式部が食したであろう地元の食材や利用したであろうと思われる越前和紙などの伝統工芸品を通じまして、平安時代から今もなお続く福井の魅力を発信いたしますとともに、関連する現代の福井が誇る食や技術なども併せてPRいたしまして、越前市はもとより、県内全域での誘客につなげていきたいと、このように考えてございます。  また、映画「おしょりん」につきましては、映画公開に向けて制作されておりますPR映像や広告媒体を、県や市町のイベントなど様々な機会を捉えまして活用いたしまして、県内に幅広く理解、浸透させるとともに、県外に向けましても本県の魅力を発信してまいりたい、このように考えてございます。  次に、県の映画補助制度、これは他県に比べて効果的か、映画界の相場にふさわしい支援なのかという御質問にお答え申し上げます。  県内での映画、ドラマのロケにつきましては、魅力発信や知名度向上に加えまして、セットなどの設営費、スタッフなどの宿泊代、交通費などが県内で賄われることによりまして経済効果もございますので、地域の活性化に大いにつながるものと考えてございます。  本県の支援制度につきましては、今年4月から、従来の全国50館以上で公開される発信効果の高い映画という制度に加えまして、県内でスタッフが300泊以上する経済効果の高いものに対しましても対象を拡大いたしまして、最大1,000万円を補助することといたしたところでございます。これは他県に比べまして補助額、補助率、両方におきまして全国でも上位となっております。映画の制作費は作品により様々ではございますけれども、こうした優位性のある補助金があることで、映画界には強くアピールできると考えておりまして、ロケの誘致に生かしてまいりたいと考えております。  次に、フィルムコミッションの設立の狙い、市町や関係機関と連携した誘致活動の実施についてお答え申し上げます。  北陸新幹線福井・敦賀開業による首都圏からのアクセスの向上を絶好の機会と捉えまして、映画やドラマのロケ誘致を拡大していくために、「福井県フィルムコミッション」を設立いたしました。映像制作者からの本県への問合せ窓口を一本化することによりまして、お問合せに対し、県全域からロケの候補地を御提示申し上げることとか、撮影許可の支援などをいたします。こうしたワンストップで制作者の求めに幅広く対応することが可能となりますので、関係者の間で本県が選ばれるロケ地となるように活動していきたいと考えております。  また、ジャパン・フィルムコミッションにも加盟いたしまして、映像関係者とのパイプづくり、他県の先進事例などの情報収集などにも努めますとともに、市町とも、得られた情報を共有いたしまして勉強会を開催するなど、連携して誘致活動を強化してまいりたい、このように考えております。 50 ◯議長大森哲男君) 安全環境部長野路君。      〔安全環境部長野路博之君登壇〕 51 ◯安全環境部長野路博之君) 私からは海岸漂着物について4点、お答え申し上げます。  まず、漂着した注射器の回収の状況と海水浴客に対する安全確保についてでございます。  今年の2月下旬以降、海外からと考えられる注射器の漂着が続いておりまして、これまでに漂着した注射器につきましては、県と沿岸の市町がパトロールを行っておりまして、見つかる限り全てを回収しております。回収した注射器は5月末の時点でございますけれども、約9,500本となっておりまして、県がまとめまして専門業者によって処分するということになってございます。  また、海水浴シーズンを控えた今月、海水浴場の管理者に対しまして、注射器を発見した場合には触らないようにという注意を呼びかける看板の設置の要請をしたところでございます。  今後とも市町とともに海岸のパトロールを行いまして、注射器の早期発見、回収に努めまして、海水浴客の安全を確保してまいりたいと考えてございます。  続きまして、ふくい海ごみゼロチャレンジの取組状況及び県下全域への浸透についてでございます。  ふくい海ごみゼロチャレンジは、昨年度から九頭竜川流域からスタートしてございまして、今年度は4月以降、九頭竜川、足羽川の流域の五つの市町で約1,100人が参加して河川敷の清掃を行ったところでございます。  また、海岸部におきましては、スポーツごみ拾いという、スポーツの要素を取り入れた清掃イベントを美浜町、若狭町で開催してございまして、約200人が参加したところであります。7月には、福井市におきまして、散歩しながらごみ拾いを行うというクリーンウオーキングを開催したいと考えてございます。  徐々に活動に対する理解が広がってきたところであると考えておりまして、今後ともできるだけ多くの方が海ごみゼロチャレンジに参加いただけますよう、市町と協力して啓発に努めていきたいと考えております。  次に、河川上流域に位置する岐阜県、滋賀県との連携についてでございます。  岐阜県は九頭竜川、滋賀県は北川の上流に位置し、流域の住民の方は多くないものの、登山ですとかキャンプの利用なども想定されておりますことから、河川へのごみの流出防止を両県にも呼びかけていきたいと考えております。  また、滋賀県、岐阜県からは本県に海釣りに来られる方も多くいらっしゃいます。釣り人のマナーについても、両県と一緒になって協力して啓発に努めていきたいと考えております。  一方で、両県は内陸県でありますけれども、大きな河川ですとか湖を有していますので、お互いにその取組の状況、またその情報を共有いたしまして、ごみの排出抑制、不法投棄の防止を図っていきたいと考えております。  最後に、プラスチックスマートキャンペーンの取組状況、今後の進め方についてでございます。  県ではプラスチックスマートキャンペーンといたしまして、一つはマイボトル運動、もう一つはポイ捨て防止運動を柱として展開しております。マイボトル運動といたしましては88の企業、団体がサポーターの登録をしていただいておりまして、従業員の方、取引先に対してマイボトルの携帯を推奨しているというところでございます。また、189の運輸事業者の方がポイ捨てゼロ宣言を行っていただいておりまして、社有車にゼロ宣言のステッカーを貼って車からのポイ捨て防止に努めているところでございます。  今後とも運動の参加者を増やしまして、広く県民にプラスチックごみの削減を呼びかけていきたいと考えております。  また、一般廃棄物を回収、処分する役割は市町にありますので、市町の連携も重要であると考えてございます。今年度、県と市町がプラスチックごみ削減の新たな方策を検討する会議を設けておりまして、市町と連携してプラスチックごみの削減に、さらに積極的に取り組んでいきたいと考えてございます。 52 ◯議長大森哲男君) 産業労働部長伊万里君。      〔産業労働部長伊万里全生君登壇〕 53 ◯産業労働部長(伊万里全生君) 私からは1点、越前瓦利用促進に向けた支援状況とさらなる販売促進についてお答えを申し上げます。  県では、県産品である建築資材を利用促進するため、住宅の新築や増改築の際に、県産の木材と併せて越前瓦を導入いただく場合に上乗せの補助をしてございます。実績としましては、昨年度は30件、制度を創設しました平成26年度から数えますと累計で375件の御活用をいただいております。  また、新幹線の開業を見据えまして、昨年度から新たに補助制度を設けてございます。県外からのお客様が訪れるレストランといったところの内装や外装、あるいはインテリアに越前瓦や伝統工芸品を活用いただく場合に補助をする、そういう制度を設けてございます。  さらに、県の工業技術センターでは、新たな需要開拓に向けた商品開発や技術開発を支援しておりまして、例えば越前瓦を繊維状に編み込んだ新しいデザインの外装材、こういった商品の開発を支援してございます。  こうした新しい外装材は、今では飲食店など様々な施設で利用され始めておりまして、県としましては、こうした技術支援や先ほど申し上げた補助制度を通じて、越前瓦のさらなる利用促進につなげてまいりたいと考えております。 54 ◯議長大森哲男君) 土木部長高橋君。      〔土木部長高橋伸輔君登壇〕 55 ◯土木部長高橋伸輔君) 私から、瓦屋根の安全確保に向けた県の対応状況について御説明いたします。  瓦屋根の安全対策につきましては、本年1月から全ての瓦を屋根に留め付けることが義務づけされました。これを受けまして、県では、新築の建物につきましては確認申請の際に基準の適合を指導することをしておりまして、既存の建物につきましては瓦屋根の安全性の確認方法などの問合せ、それから個別の御相談に応じているところでございます。  また、国の補助制度のお話がございましたけれども、こちらにつきましては強風による災害の発生が大きい地区という要件がございまして、県内では2市が対象となってございます。このうち、1市であります敦賀市さんでは、今年度から補助事業を開始しているという形になっております。
     また、補助制度の中ではこれとは別に、市町が地域防災計画に避難路沿いなど対策を取るべきエリアを定めていただきますと、補助制度の対象となるということになっておりますので、県といたしましては、市町の動向を見ながら必要な支援策等を検討してまいりたいというふうに思っております。  また、若狭歴史博物館などの公共施設につきましては、各施設管理者が瓦屋根などの劣化状況、それから、取付け状況などを定期的に点検しており、安全性の確認をしておりますので、引き続き適切に対応してまいりたいというふうに思っております。 56 ◯議長大森哲男君) 島田君。 57 ◯20番(島田欽一君) 前向きな答弁どうもありがとうございました。瓦産業も、コロナ禍の前と今とでは枚数も金額も約半分ぐらいになっているよというように聞いております。そういう意味でいろいろと販売促進にお力を頂けたらありがたいなと、そんなふうに思います。  そしてまた、海洋ごみの件なんですけれども、やはり海が荒れるとすぐ海岸にごみがたまる、そんな状態なもので、幾らごみをとってもまたすぐなるというようなそんな感じで、町もまたそういう処理にいろいろと経費がかかるもので、御支援のほどよろしくお願い申し上げます。  以上で、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。 58 ◯議長大森哲男君) 以上で、島田君の質問は終了いたしました。  田中宏典君。      〔田中宏典君登壇〕 59 ◯24番(田中宏典君) 自民党福井県議会の田中宏典でございます。事前の通告に従いまして、質問と提言をさせていただきます。  初めに、原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議についてお伺いをいたします。  6月3日、福井県・原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議が開催され、将来像の実現に向けた基本方針と取組が取りまとめられ、6月10日、経済産業省のホームページに掲載をされました。これで、原子力発電所の40年超運転の議論については、2年以上議論してきたと思いますけれども、一区切りがついたような感じがしております。そして、40年超運転の議論に際し、新増設・リプレースを含めて原子力発電の将来像の明示を求めてまいりました私にとって、原子力の終えんを迎えたような気持ちにもなっております。  昨年2月12日の梶山経産大臣との懇談の中で知事は、「立地地域をはじめ核燃料サイクルに関わる地域が、国策のツケを押し付けられることはあってはならないと考えており、これは原子力に関係する全ての自治体が同じ思いを持っていると思う。核燃料サイクルに関わる全ての地域が安心して原子力政策に協力できるよう、国が責任を持って原子力サイクルが回るよう、具体的な対応をしていただきたい」とおっしゃっていただきました。  それに対し、梶山大臣からは、「40年超を進めていくに当たって、運転終了後も見越して地域社会の在り方も含めて立地地域の目指すべき方向を、国として強い思いを持って真剣に検討していく」との発言があり、知事からは、「これから取りまとめられるエネルギー基本計画の中で、核燃料サイクルを含めて原子力発電の将来像を明確にしていただきたい。また、立地地域の将来の姿や支援策について、国の考えを示していただきたい」と発言がございました。  昨年2月の定例会一般質問で、核燃料サイクルを含めた原子力発電の将来像、立地地域の将来の姿を示すよう求めたことに対し、知事からは、「国から立地地域の将来像を議論する場を創設する方針が示され、立地地域の将来像を議論する場を早期に設置すること、さらには、より具体的な内容となることなどを意見を出しました。県として、その内容を確認していきたい」との答弁をいただいております。  6月10日に発表された、将来像の実現に向けた基本方針の取組を拝見して、4月15日の総務教育常任委員会で発言させていただいたことも加味されておらず、とても寂しく思いました。将来の光があまり見えないとの感想も持ちました。嶺南の将来の中心は水素ということはよく分かりましたが、原子力発電所はどうなっていくのか、全く分からない内容であり、外側のことばかり議論し核心部分には触れない、これまでどおりの会議になってしまったと私は思っております。  今回取りまとめられた、将来像の実現に向けた基本方針と取組に対する評価と今後の対応について、知事の御所見を伺います。  また、知事は会議の中で、「今こそスタートを切らないと次のステップに進めない」と発言されております。マスコミの取材にもそう答えていらっしゃいますけれども、次のステップとは一体何なのか。発言の真意についてお伺いをいたします。  共創会議では、知事のほか立地市町の首長も出席し、意見を述べておられます。その中でもおおい町長は、原子力政策やサイクル政策に言及され、懸念を示されております。知事は「この共創会議の大前提は持続して原子力発電、そういったものの立地地域が成り立っていくその主なポイントとしては、安全性を最優先に考えながら、原子力産業がどういうふうになっていくのかということを明示することだと思う。そういう意味では、国の原子力についての長期的な展望がどのような方向に行くのか、その規模感、道筋、こういったことを第一に明確にしていただくことが必要だと思っております」とも発言をしていらっしゃいますが、取りまとめられたこの計画の中には、原子力発電という記載が全く見当たりません。原子力発電がどのようになっていくのか、全く見えないといっても過言ではありません。現下の制度では、カーボンニュートラルの目標年次である2050年に稼働している可能性がある原子炉は大飯3・4号機だけであります。しかもその3年後には運転開始から60年を迎え、今、県内にある原子炉が全て廃炉となります。  地域の将来像の項目に、「原子力産業の持続的な発展を目指す」とありますが、そして、その考え方として、「原子力の集積という強みを持続し、研究開発や人材育成により、原子力産業の持続的な発展を目指す」とあり、将来像の実現に向けた国等の取組のページには、「カーボンニュートラルの実現に向けて研究開発や人材育成を実施するとともに、地元企業の積極的な参画を得て、安全最優先の原則の下、原子力を持続的に活用する」とも記載されています。  ここに記載されている「原子力産業」、「持続的に活用する原子力」とは一体何を示しているのか、また、その事業規模はどれほどのものなのか、所見をお伺いいたします。  また、今回示された基本方針や取組が実現することで地域経済や雇用が20年、30年後まで維持できるのでしょうか。立地市町住民が安全に、そして、安心して暮らしていけるのでしょうか、知事の御所見を伺います。  また、この計画の中には原子力の電力を活用して、水素を生産、貯蔵することも国等の取組に掲載されています。今夏や冬の電力需要が逼迫すると言われている状況の中で、原子力発電で生み出された電気を電気エネルギーとして使わずに水素に転換することは本末転倒であると思います。水素を生産するに当たっては、効率のよい熱エネルギーを活用して水素を製造したほうが有益であると私は考えます。  SMRなど試験研究炉や水素製造の実証プラントを造るのであれば、例えば廃炉となりました大飯1・2号機等をリプレースする形で高温ガス炉の実証炉を誘致し、その熱源を活用して水素を製造することを検討されてはどうかと考えますが、櫻本副知事の所見をお伺いいたします。 60 ◯議長大森哲男君) 知事杉本君。      〔知事杉本達治君登壇〕 61 ◯知事杉本達治君) 田中宏典議員の一般質問にお答えを申し上げます。  私から、共創会議の基本方針と取組に対する評価と今後の対応、さらには次のステップという発言の真意についてお答えを申し上げます。  まず、共創会議の基本方針と取組の中におきましては、嶺南地域全体の経済規模を維持し、さらに発展させていくという方向性が示されたと考えているところでございます。これは県議会の御意見等も踏まえて、それまで維持するとされていた案を、発展させるということも含めて記述がされたというふうに認識をいたしているところでございます。具体的な取組といたしましても、例えば高速炉の研究開発の中核的拠点化を図るなど、原子力産業の発展を図るということ、それから、原子力リサイクルビジネスについては県からも強く求めてまいりましたけれども、国のリーディングプロジェクト化をするといったことについても記述がされております。  さらには、今は原子力発電由来の電源を使った水素のことについてもお触れいただきましたけれども、水素を原子力発電からつくって、さらにつくった水素を今度は発電に使う実証プラントも造るということですので、これは今後の水素発電という方向に向けての一つの実証実験にはなっていくというふうには考えているわけではございますし、さらには万博に対して、嶺南地域から水素を供給するといったこと、さらにはデータセンターの拠点化、そのほかのいろいろなビジネスについてもマッチングも行うといったようなことで、いろんな項目、さらには規模感というものも出てきているというふうに考えているところでございます。  また、御指摘のとおり、国の原子力の今後、将来をどうしていくのか、国は2050年カーボンニュートラルに向けて、必要な量を持続的に活用するというだけで、どういう道筋でやっていくのか、どのような量をやっていくのかは示されていないわけでございますので、こういったことを明確化させることは大変重要だというふうに認識をいたしておりますし、この点については優先的に取り組んでいかなければいけないということも考えているところでございます。ただ、現実に今、今日現在も廃炉が進んでいるわけでございまして、そうした現実に対して嶺南地域の経済、産業をどうしていくのか、こういったことも考えなければいけない、後手に回ってはいけないということもあるわけでございます。そうしたことを踏まえまして、今回はこうした提案があったわけですから、当然これまでどおり、今後の原子力の方向性はどうするのかといったことの明確化を強く求めつつも、今までの原子力産業を発展させていく、さらには産業の複線化、こういったような方向性が出ているわけですから、新しいステップと捉えてそれに進んでいく必要があるのではないかということで、国に対して原子力政策の明確化を強く求めつつ、産業の複線化という新しいステップに進んでいくべきということを申し上げたところでございます。  さらに今後につきましては、財政的な面で、これまで既存の制度を優先的に使っていくというようなことではなくて、新しい財源の措置も国としても検討するということも言っております。これらを求めていくということも大切だと思いますし、さらには事業が進んでいきますと新しい課題が出てくる、もしくは足りないことが出てくる、こういったことがありますので、これからも引き続き開かれます共創会議において、私も出席をさせていただきますので、常に状況を見ながら新しいこと、それから、見直すべきこと、こういった点についての発言もさせていただいて、より実効性のあるプロジェクトとして成立をさせていきたいと考えているところでございます。  そのほかにつきましては担当より御答弁を申し上げます。 62 ◯議長大森哲男君) 副知事櫻本君。      〔副知事櫻本 宏君登壇〕 63 ◯副知事(櫻本 宏君) 私から、高温ガス炉を誘致して水素製造をすることを検討してはどうかとのお尋ねにお答えをいたします。  共創会議において示されました、原子力由来の電気を活用した水素製造の実証事業につきまして、国は、原子力の電気を常時活用するものではなく、実証的、実験的に活用するとしているところでございます。また、この水素製造プラントの整備につきましては今後、再生可能エネルギーなど原子力以外のCO2フリーの電気の活用をはじめ、整備を行う場所や設備の内容、スケジュールなどについて、事業推進ワーキンググループにおいて検討を進めていく予定でございます。  なお、国は、本年4月に設置をいたしました、原子力小委員会の革新炉ワーキンググループにおいて、SMRや高速炉、高温ガス炉など様々な革新炉の開発方針について検討を開始したところでございます。  議員御指摘の高温ガス炉につきましては、県としては今後こうした革新炉の開発方針に係る国の検討状況を注視していきたいと考えているところでございます。 64 ◯議長大森哲男君) 地域戦略部長吉川君。      〔地域戦略部長吉川幸文君登壇〕 65 ◯地域戦略部長(吉川幸文君) 私からは2点、お答えをいたします。  まず1点目、「原子力産業」、「持続的に活用する原子力」の示す内容とその事業規模についてお答えをいたします。  「原子力産業」、「持続的に活用する原子力」という記載につきまして、国は現在、嶺南地域に存在している原子力に関連する産業及び原子力発電所を示しているというふうにしております。また、この事業規模につきましては、国は共創会議におけます原子力の将来像の実現に向けた基本方針と取組の中で、原子力に関連のある産業としまして電気・ガス・熱供給・水道業、これで一つの業種、それと建設業、学術研究、専門・技術サービスの4業種を挙げておりまして、これを数字で表しますと、事業者数は約1万5,000人、付加価値額は約1,600億円となっております。  2点目でございます。20年、30年後の地域経済や雇用と立地市町住民の暮らしについて、お答えをいたします。  共創会議の基本方針と取組におきまして、国はまず嶺南地域の経済規模を維持、発展させる方針を示しております。これは、国が責任を持って立地地域の経済規模を継続的に拡大していくという方針を示したものであり、全国立地地域の先駆けとなる新しい考え方が示されたものであると考えてございます。  個別の取組につきましては、水素の製造、発電プラントの整備、データセンターの拠点形成など、国の成長産業として今後の発展が活躍されるものが多数示されております。昨今におきましては、産業技術の進歩が速く、他の地域に先んじて一日も早くスタートし、先行した利益を確保すること、取組を進めて他の産業にも波及させることが将来大きな効果を地域にもたらせるものというふうに確信をしております。 66 ◯議長大森哲男君) 田中宏典君。 67 ◯24番(田中宏典君) よく分かりました。今、吉川部長からお答えを頂いた、現在の産業というところで約1万5,000人、1,600億円余りの経済規模を維持、発展させるということでありますが、先ほど申し上げましたが、原子力発電所は2050年、あと三十数年余りで全て止まる状況の中で、これを20年、30年維持して、その後も発展させるということだと思いますけれども、そういった方針が明確に決まらない中でそういったことをやっていく、今、共創会議で取りまとめられたことで、そのことについて反対をしているわけではありませんが、やはりそれをいつまでに国にきちっと示させるのか、といいますのも、やはり東日本大震災の後、原子力発電所が全て止まった後、その技術者なり研究者というものが大変多く国内から国外へ流出したり、他産業へ流出をしていったりしながら何とか10年間この原子力を持ちこたえてきています。  これから先もこういったことが明確に示されないのであれば、この先、原子力発電所の安全すら私は守れないと思っております。その中でこれを維持すると言われても、この人口減少の中でなかなか難しい。だから、いち早くそういったことを示していただいて、そういった人口流出なり技術者の流出というものが極力少なく済むような形でやっていきたいし、20年、30年、原子力発電所を維持するために一定規模の人数は必要なわけですね。新産業を複線化して、さらにそっちに新たな人員を割くということになれば、そういった方の人員も必要になってくるということになりますので、今よりも人口を増加させる必要があります。そのためにもしっかりとした政策というものを示していただくということを申し上げて、時間があれば少し再質問をさせていただきたいと思いますので、次の質問に移らせていただきます。  次に、原子力・エネルギー政策についてお伺いをいたします。  先日、原子力規制委員会の田中俊一前委員長のブルームバーグのインタビュー記事を目にしました。このインタビューの中で、テロ対策設備が未完成の原発でも再稼働を可能とするよう、与野党の一部が求めていることについて、政治家が今すべきことは原発の再稼働の必要性について国民の理解を得られるように努めることで、規制委員会への介入は大間違い、と述べられております。  ロシア軍によるウクライナの原発攻撃、占拠で特重施設の重要性が高まっており、同設備が未完成の原発の再稼働について、政治家が言うべきことではないと批判、むしろ、特重施設が設置された日本の原発なら「そうそう重大な事故にならないようになっている。だから動かしても大丈夫、動かしてください」というメッセージを出すべきだと話しています。  初期投資額の抑制や工期短縮などの利点から、最近注目を集める小型モジュール炉、SMRに関しても厳しい視線を送っております。SMRをめぐっては、政府がクリーンエネルギー戦略の中間整理で積極的な支援方針を掲げ、与野党や経済界からも期待の声が上がっています。出力10万キロワット級の小型モジュール炉であっても、求められる安全性は従来の大型原発と同じだと指摘、経済性が成り立たないことは中小型炉が長年実用化に至っていないことからも明らかで、「電力会社が全く見向きもしないと思う」と述べておられます。曖昧な政府に対しても、世論の反発を恐れ、原子力政策に関する政府の姿勢は依然曖昧だ、中長期のエネルギー政策の方針を示した昨年7月公表のエネルギー基本計画でも、可能な限り原発依存度を低減するとした半面、脱炭素社会の実現に向けた原子力は必要な規模を持続的に活用していくと併記されております。  一方、国土の狭い日本では太陽光パネルの設置場所が限られ、再エネ買取りに伴う巨額の国民負担もあると指摘、日本では原子力は「明確に活用すべきだと内心では思う。活用しないとやっていけない」が、選択するのは国民であり、「その判断をきちっと求めるのが政治の役割」であると強調されました。  環境問題やロシアのウクライナ侵攻を踏まえ、「エネルギーについてはもう一回考えないといけない、そういう問題提起を一国の総理は国民にしないといけない」と語ったというものでありました。  私も同様の思いをしておりますけれども、このインタビュー記事に関する知事の受け止め方について、所見を伺います。  5月13日、経済産業省はクリーンエネルギー戦略の中間整理を行い、発表いたしました。クリーンエネルギー戦略は、2020年10月の2050年カーボンニュートラル宣言、2021年4月の2030年度温室効果ガス排出量46%削減、さらに50%の高みに向け挑戦を続けるという目標の表明を踏まえ、日本は社会全体で脱炭素に向けた歩みを加速、これまで政府は二つの野心的な目標に向け、グリーン成長戦略、エネルギー基本計画、地球温暖化対策計画、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略を策定し、今後の進むべき方向性を示してまいりました。  他方で、これまでの計画だけでは需要サイドのエネルギー転換の道筋や経済社会、産業構造全体をクリーンエネルギー中心としたものへと転換していくために必要となる具体的な政策対応が必ずしも明らかではありませんでした。また、昨年来の議論の進捗により、脱炭素を契機として成長が期待される水素、アンモニアのように、新たな産業を創出、発展させていくための足元からの道筋がより明確になった分野も存在します。  このため、現在議論を進めているクリーンエネルギー戦略において、成長が期待される産業ごとの具体的な道筋、需要サイドのエネルギー転換、クリーンエネルギー中心の経済社会、産業構造の転換に向けた政策対応などについて整理をしております。  本年2月に発生したロシアのウクライナ侵略や電力需給逼迫の事態を受け、改めてエネルギーの安定供給確保があらゆる経済・社会活動の土台であり、エネルギー安全保障なしには脱炭素の取組もなし得ないことを再確認する必要があると考えております。  昨年閣議決定したエネルギー基本計画においては、ロシアの軍事的台頭も念頭に置きながら、日本のエネルギー政策の原則としてS+3Eのバランスを取りながら、あらゆる可能性を排除せず、使える技術は全て使う方針を示しています。  今回のクリーンエネルギー戦略においては、今回進めるエネルギー安全保障の確保とそれを前提とした脱炭素化に向けた取組について、今回のウクライナ侵略や電力需給逼迫をも踏まえた対応も整理するとしております。  グリーン成長戦略、エネルギー基本計画、地球温暖化対策計画、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略だけではエネルギー転換の道筋や経済社会、産業構造全体をクリーンエネルギー中心のもので転換していくためにも必要となる具体的な政策対応が必ずしも明らかではないと先ほども申し上げましたが、成長が期待される具体的な道筋、需要サイドのエネルギー転換、クリーンエネルギー中心の経済社会、産業構造の転換に向けた政策を具体的に示すものであり、我が県にとっても非常に重要な戦略であるというふうに考えます。その中で、原子力発電の必要性や革新炉の導入についても明記されることを期待しております。  このクリーンエネルギー戦略に関する知事の受け止め方について、所見をお伺いいたします。  提案理由で経済産業省に対し、将来の原子力の規模とその確保に向けた道筋をはじめ、原子力の様々な課題について次のエネルギー基本計画改定まで待つことなく検討を加速し、将来像を明確にするよう、要請してまいりました。また、国の原子力小委員会においても、核燃料サイクルの中長期的な方針の明確化や廃止の措置に対する国の関与の強化等について提言をしており、今後も様々な機会を捉え、原子力政策のさらなる明確化を強く求めていくとおっしゃいました。これまでも様々な機会を捉え、国に対し要請を行っていただいていることに対し、心から感謝を申し上げます。  しかしながら、国は先延ばしをするばかりで、私たちが期待するような結果が得られていないというふうに思います。半世紀にわたり国の原子力政策に協力し、すぐ近くで原子力発電所と向き合ってきた立地市町の地域経済や雇用、住民の暮らしは原子力発電所の存廃に直結しております。その政策が曖昧なままでは住民の不安がさらに高まることも予想されます。福井県の行財政運営を見ても、原子力発電に負うところがこれまで大きいと考えております。  私は日本のエネルギー安全保障の観点からも、核燃料サイクル政策を堅持し、新増設・リプレースにより安全性や効率性をさらに高め、日本の原子力発電所を守っていくことが必要であるというふうに考えます。そして、福井県はその一翼を担うべきであると考えております。  立地県の知事として、日本の原子力はどうあるべきなのか、福井県の原子力発電所をどうしていきたいのか、知事の御所見をお伺いいたします。 68 ◯議長大森哲男君) 知事杉本君。      〔知事杉本達治君登壇〕 69 ◯知事杉本達治君) 私から、日本の原子力はどうあるべきか、福井県の原子力発電所をどうしていくのかについてお答えを申し上げます。  資源の乏しい我が国、また、昨今のエネルギーにおける安全保障を考えますと、さらには地球温暖化対策、日本における電力の安定供給を並び立たせていく、そういうことを考えますと、多くの専門家の方も再生可能エネルギーだけでやっていくのは無理であると、やはり同じゼロエミッション電源としての原子力も重要な要素の一つであるというふうに言われておりまして、私も同じ考えでございます。  その上で、国の原子力に対する考え方が今のように曖昧なままであれば、まず事業者も投資にちゅうちょしてなかなか進まない、さらに優秀な人材というのも集まらない、結果として立地地域の安全が脅かされる、こういった連鎖も想定がされるわけでございます。やはり新しい技術を入れながら、原子力の安全性を常に向上させていく、こういったことが重要であると考えているわけでございまして、そのためにも国が原子力の将来像、そこへの道筋、こういったものを明らかにしていくという重要性は非常に大きいと考えているところでございます。  福井県におきましては、御案内のとおり、もう半世紀以上にわたって高い志を持って我が国の原子力政策に貢献をしてきているわけでございますし、本県が果たすべき役割というのも引き続き大きいと考えているところでございます。  今後も、安全の確保を大前提としながら、原子力発電所と共生をして、県民益を最大化するよう、努力をしていくことが重要だと認識をいたしているところでございます。  そのほか、田中前委員長のインタビュー記事に対する受け止めにつきましては、私も共感できるところ、それから、御自身のお考えだなと思うところはございます。県といたしましては国に対して、国民理解の促進であるとか、原子力の将来像を明確にするよう、引き続き求めていく必要があると考えますし、また、クリーンエネルギー戦略に対する受け止めにつきましては、戦略の策定に当たって、原子力を最大限活用するというのであれば、国が覚悟を持って長期的な展望を明示することが必要だと考えます。  詳細については、担当より御答弁を申し上げます。 70 ◯議長大森哲男君) 地域戦略部長吉川君。      〔地域戦略部長吉川幸文君登壇〕 71 ◯地域戦略部長(吉川幸文君) 私から、国のクリーンエネルギー戦略に関する受け止めについてお答えをいたします。  今回のクリーンエネルギー戦略は、議員もおっしゃいましたが、産業ごとの脱炭素化に向けた取組だけではなく、その大きな前提としまして、エネルギー安全保障の方向性を盛り込んでいるというところがポイントであるというふうに考えてございます。この方向性の中で原子力については、エネルギーの安全保障及び脱炭素の効果の高い電源とされ、最大限活用していくという方針が示されたものの、再稼働の推進というこれまでの政策を踏襲しております。  今月14日には基本政策分科会が開催されましたが、このクリーンエネルギー戦略が議題とされております。多くの委員の皆様からは、新増設・リプレースを含めた原子力政策のさらなる明確化を求める意見が多数出されたところでございました。知事もおっしゃいましたけれども、県としましては、原子力を最大限活用するのであれば、国が相当の覚悟を持って2050年におけます原子力の必要な規模、そして、そこに至る道筋など長期的な展望を明確に示すことが必要であるというふうに考えてございます。 72 ◯議長大森哲男君) 安全環境部長野路君。      〔安全環境部長野路博之君登壇〕 73 ◯安全環境部長野路博之君) 私からは、原子力規制委員会の田中前委員長のインタビュー記事に対する受け止めについて申し上げます。  御紹介いただきました記事、これはインターネットで出ているものでございまして、その記事を拝見いたしますと、田中前委員長は、再稼働の必要性について国民理解に努めること、昨今の情勢から、特重施設の重要性が高まっていること、また、原子力規制庁に活断層の専門家が必要であること、SMRの経済性は成り立たないこと、再生可能エネルギーを最大限増やすことは大事である一方、原子力を活用すべきであり、選択するのは国民であることなどについて言及されているというものでございます。  この記事につきましては、田中前委員長が日本原子力研究所に勤められて、その副理事長をやられていたということ、また、原子力規制委員会の初代の委員長を務められたということなど、様々な立場でのこれまでの経験に基づくお考えなのだと思ってございます。  こうした考えの中で、県といたしましては、国民理解の促進に努めることですとか、原子力の将来像を明確にし、責任ある政策を実行すること、こういったことについては国に対する重要要望について、県としても求めているというところでございます。 74 ◯議長大森哲男君) 田中宏典君。 75 ◯24番(田中宏典君) 私が田中前委員長の記事を御紹介しましたのは、専門家の中でもこういった思いを持っておられる、政治家がこういったことを積極的に取り組むべきであるというようなことをおっしゃっておりましたので、それを御紹介したくてやったことでありますので、それに従って私も国にはしっかりとそういったことを示していただきたいなと思っておりますので、県としてもしっかりと対応をお願いしたいというふうに思います。  一つだけ質問させていただくんですけれども、先ほど知事から、立地県の知事として日本の原子炉がこうあるべきだ、また、福井県の原子力発電所はこうしていくべきだというようなところで、日本の原子力はこうあるべき、国はこう対応すべきということで様々なことを言われました。できましたら国はその方向性というものをできるだけ早期に出していただきたいと思いますが、地元からしっかりどうしてくださいということを言わないと、なかなかその方向性になっていかないのではないかなと。これまでの国の対応を見ておりましても、立地の対応というところをしっかりとやっていく必要があるのかなと、具体的なことを求めていく必要があるのかなと私は思いますし、そのことについて再度お伺いをしたいと思います。  また、なぜ私が今このようなことを申し上げるかと申しますと、あと数年すると、高浜3・4号機の40年超運転の特別点検を開始する時期が参ります。そのときに、今回と同じような議論を再度やりたくないというのが私の本心であります。できることなら今年中、しっかりと国から方向性を取る、このクリーンエネルギー戦略の取りまとめが予定されているのが今年の年末の予定になっておりますので、そういったところでしっかりと書き込んでいただけるような努力を国に対してしていただけないかと思いますし、これから50年先、県としての明確な、原子力発電というものを今後どうしていくのか、福井県としてこの原子力発電とどう向き合うのかということを、お答えのできる範囲で結構ですのでお考えをお聞かせ願いたいと思います。 76 ◯議長大森哲男君) 知事杉本君。      〔知事杉本達治君登壇〕 77 ◯知事杉本達治君) 田中宏典議員の再質問にお答えを申し上げます。  今、議員から御指摘いただいたとおり、まさに国が原子力政策、将来像を曖昧にしている、その結果として、立地地域としてこれまで50年本当に国を支え、それから、発電をして、電気を送っている地域の経済発展を支えてきている、こういう我々が、これから独り取り残されるような状況になりかねない、そういうことを危惧をいたしております。そういうことから、私も常に国に対して、大臣にももちろんそうですし、様々な審議会ですとか、機会をつかまえて、2050年カーボンニュートラル、その言葉だけが躍っているわけです。現実にどういうふうにそれを実現するのか、専門家の方も言われておりますけれども、そういったものについて、国が一日も早く方向性を明示すべきだということを申し上げておりますし、これからも申し上げてまいりたいと考えているところでございます。 78 ◯24番(田中宏典君) ありがとうございました。 79 ◯議長大森哲男君) 以上で、田中宏典君の質問は終了いたしました。  ここで休憩いたします。
      午後0時25分 休 憩                ━━━━━━━━━━━━━━━   午後1時20分 再 開                 会議に出席した議員(31名)    1番  野  田  哲  生          19番  西  本  正  俊    2番  渡  辺  大  輔          20番  島  田  欽  一    3番  松  崎  雄  城          21番  宮  本     俊    4番  山  浦  光一郎           22番  小  寺  惣  吉    5番  細  川  かをり           23番  大  森  哲  男    6番  北  川  博  規          24番  田  中  宏  典    7番  西  本  恵  一          25番  畑     孝  幸    8番  兼  井     大          26番  欠        員    9番  田  中  三津彦           27番  欠        員    10番  山  本     建          28番  佐  藤  正  雄    11番  清  水  智  信          29番  斉  藤  新  緑    12番  長  田  光  広          30番  田  中  敏  幸    13番  力  野     豊          31番  鈴  木  宏  紀    14番  小  堀  友  廣          32番  仲  倉  典  克    15番  欠        員          33番  松  田  泰  典    16番  欠        員          34番  山  岸  猛  夫    17番  西  畑  知佐代           37番  山  本  文  雄    18番  鈴  木  宏  治                ━━━━━━━━━━━━━━━                 会議に欠席した議員(2名)    35番  関     孝  治          36番  山  本  芳  男                ━━━━━━━━━━━━━━━ 80 ◯議長大森哲男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  佐藤君。  なお、佐藤君より、資料を使用したい旨の申出があり、これを許可いたしましたので御了承願います。      〔佐藤正雄君登壇〕 81 ◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。  ロシアによるウクライナ侵略戦争がいまだ終結の兆しが見えず、犠牲が続いていることに世界中が悲しんでおります。しかし、この戦争について、民主主義と専制主義との対決などと、価値観の違いによる戦争との位置づけがあります。御承知のように、アメリカも今日までベトナムやイラクをはじめ、多くの国々に侵略戦争を起こしており、このような問題の立て方ではロシアを追い詰めることにはなりません。ロシアであれ、アメリカであれ、中国であれ、他国との関係で侵略行為を行った際の判断と批判の基準は、国連憲章と国際法におかなければ共通ルールの上での議論となりません。  ところで、私ども日本共産党は、来月7月に創立100周年を迎え、日本では一番老舗の政党であります。アメリカやイギリスには1世紀を超す歴史の政党がありますが、日本では日本共産党だけです。かつての日本軍国主義の侵略戦争、アメリカのベトナム戦争などへの侵略戦争、旧ソビエト時代のアフガニスタンなどへの侵略戦争など、どの国のものであれ、他国への侵略戦争には一貫して反対してきた政党です。今回のロシアのウクライナ侵略を、テレビ番組に出演した井上さとし参議院議員が厳しく批判したところ、ロシア大使館から面会要請が来ました。そこで、井上参議院議員がロシアのガルージン大使と面会し、他国の脅威を理由に武力を行使する権利はどの国にもないと、国連憲章に基づいて批判したら反論できませんでした。さらに、ロシア批判は外部勢力からの圧力だとの言いがかりに対しては、「日本共産党は旧ソ連、ロシア、アメリカ、中国など、どの国の侵略も許さない党の綱領と歴史を持っている」と言うとこれも反論できず、「本国に報告する」と答えたわけです。その後の展開はマスコミでも報道されましたが、ロシアへの入国禁止措置は政党の党首では自民党の岸田首相と日本共産党の志位和夫委員長の2人だけが対象となったのです。愚かな決定ですが、よほど面と向かった批判がこたえたのでしょう。  このように、ロシアは国連憲章に基づく正論には反論できないのです。ところが今、このロシアの戦争に乗じて国内の政党政治家が、軍事費、防衛予算の倍化と他国への攻撃能力の保有、核兵器共有を声高に主張し、競い合う状況が生まれています。これではプーチン大統領を批判しながら、プーチン大統領のような軍拡と他国への攻撃、核兵器での脅しを日本もやろうではないかという危険な道につながりかねません。アメリカ、中国に次ぐ世界第3位の軍事大国を目指すことは、逆に周辺国との間に新たな軍拡競争と緊張をもたらしかねません。とりわけこのような形での軍事的緊張の高まりは、原発集中立地の福井県と県民にとって大きな脅威となりかねません。  振り返れば、日本の原子力発電所は、戦後間もなくの福井震災の後の大地震の平穏期に多くが建設されました。また、戦後の憲法9条による戦争はしないという憲法の下に造られてきました。  しかし、阪神大震災以後は地震の活動期に入ったとされ、新潟や東北での巨大地震などにより、柏崎刈羽原発が損傷し、あるいは福島原発は破壊され、福島県では当該地域社会が崩壊したままの状況も続いています。  さらに、戦争をしないという憲法9条を投げ捨て、大軍拡と戦争をする国になれば、核燃料と使用済核燃料が大量に存在する原発立地地域はその存立が脅かされる危険があります。  知事は、原発への軍事攻撃も想定した自衛隊配備を国に求めています。先日の代表質問では、原発防衛のための実効性のある部隊の配備、重層的な防御態勢の構築など、有事の際の原子力発電所の安全確保を国に求めていくとの答弁でした。  しかし、さきに述べたように、日本の原発建設が平和憲法の下で大量に建設されたことを踏まえれば、まず知事として国に求めるべきは憲法9条擁護の立場の外交であり、他国の指揮系統まで壊滅を狙う他国攻撃論などではなく、軍事的緊張激化を避けるよう求めることではありませんか、知事の見解をお尋ねをいたします。  また、知事は6月3日の福井県・原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議において、「原子力政策のさらなる明確化については継続して議論していくという次元ではない。国が覚悟を決めて将来どうするのか、新増設・リプレースも含めて2050年の姿をどう明確にするのか、小さな階段を上がるのではなく、状況を変えるような決断を」とかなり踏み込んだ発言をされました。私はかつての西川知事が当時の民主党政権の幹部に、ぼやっとしているなと叱咤した、福島原発事故後初めての大飯原発再稼働に向けた鬼気迫るシーンを思い出しました。  そこで、お尋ねをいたします。これは知事として新増設・リプレースを計画化せよと政府に厳しく迫ったものと理解していいのか、また、その明確化の時期はいつ頃までにと求めるのか、お尋ねをいたします。  第二に、アベノミクス失政での円安と物価高騰、福井県の産業と県民の暮らしを守る施策について質問いたします。  福井商工会議所が4月に行った調査によれば、円安、原材料高などの影響がある企業が57.7%、コロナの影響が43.7%、人材確保の課題があるという企業が49.3%となっています。企業物価指数も急激な上昇です。企業からは円安によるコスト高と原油価格の上昇でダブルパンチ、仕入部材の長納期化・価格高騰、輸出に係る海上輸送費の高騰、これらのコスト上昇は現在の円安でも全く補えない、建設計画の中止や延期の案件が出始めているなどの状況がアンケートでは出されております。  実際、この1年のコストの上昇分に対する価格転嫁について、全くできていないという企業が27.3%、1~2割程度できているという企業が37.8%、つまり65%がほとんど転嫁できていないという状況です。価格転嫁の満足度は、満足している企業はわずか10%です。では、なぜ価格転嫁できないのか。取引先顧客が値上げ受入れが困難だという企業が50.3%、取引を断られる、あるいは価格交渉できないという企業が20.1%です。  さらに、消費税が現在非課税とされている零細業者が課税される、あるいは取引から排除されていく懸念がある消費税インボイス問題が追い打ちをかけます。業界団体の全国調査では、二、三割の零細業者が廃業に追い込まれるのではないかとの報道もあります。  先日、福井県シルバー人材センター連合でお話をお聞きいたしました。「シルバー人材センターの県内会員は8,000名、平均の収入は月3万5,000円から4万円、とても消費税10%は取れない。非常に影響が大きい。センターは公益法人なので蓄えもない。発注者への負担はできないし、契約解除にもなりかねない」などと苦悩をお話しされておりました。  このような状況に鑑みれば、思い切った経済対策が必要です。世界では昨日現在、90もの国々で消費税など付加価値税の引下げを行っております。岸田政権は拒否し続ける冷たい姿勢です。福井県としても消費税の引下げと、県内でも2万事業者に影響が出る来年の消費税インボイス導入の中止を求めるべきです。  今回の予算案では、中小企業や農林水産業など様々な業種への支援を打ち出していますが、高齢者の雇用を守る政策がありません。シルバー人材センターは高齢者の雇用を守るとともに、地域社会にも貢献しており、なくてはならない存在であります。  県は地域課題解決に資する事業への助成を行っていますが、こうした制度を活用して、県として新たに補助を行うなど、シルバー人材センターへの何らかの支援が必要と考えますが、見解をお尋ねをいたします。  また、さきの商工会議所のアンケート結果に見られるように、人材の確保と県外流出対策に産業界は危機感を抱いています。その対策にはどの県も苦労し、様々な取組を進めています。お隣の滋賀県では県立の高専を立ち上げる計画が進められています。  県内の県立高校でも、農業分野の専門の教員が少ない、教員の養成をしてこなかったツケが回ってきているとの声があります。地域住民に人気の鳥の薫製なども学内で作れなくなるなどのこともあるようです。現場の先生方の間では、これはと思う生徒を農業系の大学の学部──県立大学ですとか、農業系の大学の学部に進学をさせて、福井で農業系の教員にさせようという取組など努力も始まっているとお聞きをいたしました。  そこで、お尋ねをいたします。滋賀県での県立高専計画について、県はどのように見ているのか、また、福井県としては人口減少が進む中での学校の新設は難しくても、県立高校に専攻科を設けて人材育成を行うことが考えられますが、県内産業を支える人材育成の具体的な戦略をお尋ねをいたします。  また、福井県農業の将来の持続可能性を考えても、農業系教員の系統的採用及び農業などの実習を支える実習助手の計画的採用を行うべきであり、採用計画の公表が遅いことによる人材流出を防ぐためにも、早く採用計画を示すべきではありませんか、併せてお答えください。  さて、今猛烈な物価高騰の下で、岸田政権は年金引下げを強行いたしました。福井市内を歩いておりましても、生活の不安と年金引下げへの怒りの声をお聞きいたします。アメリカ、ドイツ、イギリス、オーストラリア、フランス、カナダなど、各国では年金を引き上げている中で異常な対応です。  資料もお示ししていますように、この間、後期高齢者医療保険料は導入時の5万5,000円余から7万4,000円余に年間2万円近く高くなっています。介護保険料は導入時の県平均3万7,000円余から7万4,000円余と、年間3万7,000円余も高くなっています。  ところで、特別障がい者手当について、県内ではわずか654人しか受給していない実態が健康福祉部の資料で分かりました。これは、要介護認定で4と5の方が約1万人ぐらいおられることを踏まえると極端に少なく、制度が知られていない実態があるのではないでしょうか。この制度は二十歳以上で、施設とか病院に長期入所、入院されている方でない場合はかなり広く対象となり、月額2万7,300円、年間32万7,600円の手当であり、老老介護など在宅介護やヤングケアラーなどで御苦労されている方々には、大きな支援となる可能性があります。  そこで提案をいたします。まず、この制度の周知が不十分であろう状況を鑑み、まずは長期入院、入所されていない、例えば要介護3以上の方などに、制度の対象になるかもしれませんという御案内を厚生労働省のチェックシートなどとともにお届けすることをやるべきではないか、県のお考えをお尋ねをいたします。  さて、社会福祉協議会が扱っている生活福祉資金の返済が始まりますが、これは前代未聞の取組となると思います。お手元に資料も配っておりますけれども、大変な人数と大変な額の返済をこれから求めるということになるわけであります。私はこれまでも、同じコロナでの減収対策といいながら、事業者には持続化給付金の渡し切りで、個人には貸付けで返済を求める制度は問題ではないかと指摘をしてきました。  そこで、県として生活福祉資金の貸付状況についての現状認識と、今後の大規模な返済を求める業務についての、相談業務を含めた体制構築についての計画をお尋ねをいたします。  次に、県都グランドデザイン、福井市東公園でのアリーナ建設について質問いたします。  アリーナ建設については、現況の資材費高騰による事業計画の見通しが立てにくく、戦略を立て直す状況です。知事は計画実現のために協力を惜しまないという姿勢のようです。もともと八戸での40億円ぐらいの事業を参考に、このぐらいなら民間でやったほうが公共事業でやるよりも安くできるのではないかとの発想でありました。  そこでお尋ねをいたします。知事が考える協力の在り方ですが、県と福井市がそれぞれ、建設に関わる部分と運営に関わる部分について、どの程度の内容と財政規模の協力を想定しているのか、お尋ねをいたします。  第三に、ハピラインふくいについて質問いたします。  この間、県の担当者にも来ていただいて、市民団体が学習会を開催し、私も参加してきました。参加された皆さんからは、北陸3県内には相互の切符販売など利便性を確保してほしい、これまでどおりJRの切符も買えるようにしてほしい、障がい者割引などは継続してほしい、えちぜん鉄道のようにアテンダントを配置してほしいなどなど、新しい第三セクター鉄道が現在のJRよりもサービスが後退しないように求める声が多く出されました。  このような県民の期待と不安にどう応えるのか、お尋ねをいたします。  また、新しい駅の新設や現在の駅舎のバリアフリー化などについては、ハピラインふくい開業後の工事になるとのことであります。しかし、新幹線開業に伴う効果を最大限に生かすというなら、極力同時に新駅の設置や駅舎の改修なども終えてスタートすることが望ましいことは論を待ちません。  JR西日本との難しい交渉はあるのでしょうが、例えばJR西日本に発注する手だてはないのかなど、粘り強く交渉すべきではありませんか、お尋ねをいたします。  最後に、成年年齢引下げについて質問いたします。  県教委の説明資料によれば、成人となった生徒は親権──親の権利ですね──に服することがなくなるため、当該生徒の父母は学校教育法上の保護者に該当しない、生徒が退学などに関し、校長の許可を得る際、保護者の関与を求めるか否かについては各高等学校、または教育委員会などが定める学則などの定めによるとあります。  一方、生徒指導、進路指導では、父母の協力を得られるように誓約書記入の依頼も考えられるとしています。これは教育委員会として大変悩ましい問題だと思いますが、誓約書を取ったとしても何ら法的拘束力はなく、生徒や保護者に二重基準を示すようなことは不適切ではありませんか。実際に誓約書を準備している学校、あるいは誓約書を求めた学校の有無も含めて見解をお尋ねをいたします。 82 ◯議長大森哲男君) 知事杉本君。      〔知事杉本達治君登壇〕 83 ◯知事杉本達治君) 佐藤議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、戦争か平和かの観点につきまして、憲法9条擁護の立場の外交や軍事的緊張激化を避けることを国に求めることについて、お答えを申し上げます。  御指摘いただきましたようなロシアからのウクライナへの侵攻、また、最近は北朝鮮もミサイルの発射を繰り返している、こういう状況の中で、国民の命を守る、さらには豊かな国土をいかにして武力攻撃から守っていくのか、こういったことが国の大きな責務であると考えているところでございます。  国に対しましては、武力攻撃を未然に防ぐためにまずは外交ルートを通じてあらゆる手段を尽くす、これが第一であると考えているところでございます。その上で、国家安全保障の観点から、我が国に対する万が一の事態を想定しながら備えを万全にすることが求められていると考えているところでございます。  福井県といたしましてはこれまでも、県民の安全・安心の向上の観点から、大規模な災害ですとかテロに対して迅速な対処が可能となるように、自衛隊の嶺南地域への展開基盤の確保ですとか、部隊の配備を求めてきたところでございます。  さらに、今回の事態を受けまして、重ねて有事の際に原子力発電所が安全に守られるのかと、その安全の確保につきまして、法律面で、平時と有事の間がシームレスでつなぎ目なくつながって安全の確保ができているのか、また、防御態勢が重層的になっているか、こういったことについて検証するように、国に対して求めたというところでございます。  続きまして、原子力発電所の新増設・リプレースの計画化についてお答えを申し上げます。  新増設・リプレースにつきましては、2050年のカーボンニュートラルを目指しまして、多くの有識者の方、専門家の方が国の審議会などでもその必要性を述べているということでございまして、国が考え方を明確にすべきだと考えております。  立地地域におきましても、こういった国の原子力の将来像が曖昧な状況のままでは、何といっても事業者による安全への投資というものがおろそかになりますし、また、原子力を志す人材が育たない、さらには集まらないということになりまして、結果として立地地域の安全が脅かされる、そういう状況になりかねないわけでございます。  このため、共創会議における私の発言は、福井県として新増設・リプレースの計画化を求めたものではございませんで、国が必要な量を持続的に活用すると言っている、その原子力の将来像について、議論を続けるというような言い方でいつまでも曖昧にしているのではなくて、早期に国として明確な方向性を示すべきだという趣旨を申し上げたものでございます。  そのほかにつきましては担当より御答弁申し上げます。 84 ◯議長大森哲男君) 地域戦略部長吉川君。      〔地域戦略部長吉川幸文君登壇〕 85 ◯地域戦略部長(吉川幸文君) 私からは2点、県民鉄道ハピラインについてお答えをいたします。  まず1点目は、県民の期待と不安にどう応えるかについてお答えをいたします。  並行在来線につきましては、地域に密着した県民鉄道としまして、安全・安定運行を確保し、利便性の高い輸送サービスを提供することがその使命であるというふうに考えております。そのため、増便や快速列車の運行、パターンダイヤ化──これは例えば毎時30分発など、こういった利便性の高いダイヤを編成するとともに、JR線やIRいしかわ鉄道との切符の相互販売など、関係機関と実施に向けた具体的な協議を進めてまいります。  また、障がい者割引制度や駅員等による乗降補助など、利用される方々の立場になりまして考え、全ての県民の皆様にとって利用しやすい環境を整えていく、こういうことに邁進してまいりたいと思います。  次に、並行在来線における新駅の設置や駅舎の改修についてお答えをいたします。  新駅整備やバリアフリー化を含む駅舎改修につきましては、JRは並行在来線会社が実施主体となって取り組むものであり、加えて現状、特急など運行本数が多い状況においては、施工に伴います危険も多いため困難であるというふうにしております。しかしながら、議員おっしゃる通り、新駅設置は新規利用者を獲得するためには大変有効な手段であることから、武生-王子保間に計画しております新駅につきまして、JRと交渉を重ねました。この結果、先行県におきましては開業後に行っております詳細設計が、開業前に着手可能となりました。これによりまして、当初の想定より1年早く工事着手ができる見込みでございます。  さらに、JRに対しましては、並行在来線会社に譲渡する資産等の事前の修繕の徹底を求めました。この結果、昨年8月、先行県を上回る水準の事前の修繕について合意を得ることができたところでありまして、今後も着実にその修繕が履行されるよう、確認してまいります。 86 ◯議長大森哲男君) 交流文化部長西川君。      〔交流文化部長西川 聡君登壇〕 87 ◯交流文化部長西川 聡君) 私からは、アリーナへの協力の在り方についてお答えを申し上げます。  アリーナにつきましては今月7日の県都にぎわい創生会議におきまして、経済界から事業候補地、あるいは利活用の想定などの民設民営を基本としました検討状況を説明いただきました。この中で、整備費等の方針につきましては、夏頃をめどに精査していくとの報告をいただいております。アリーナはスポーツ振興はもちろん、県都のにぎわい創出につながる重要なプロジェクトの一つでございまして、県としましても具体的な整備方針を伺った上で、仙台市、あるいは八戸市での民間主体の整備、運営への支援例を参考にいたしまして十分に検討を進めてまいりたいと考えております。 88 ◯議長大森哲男君) 健康福祉部長服部君。      〔健康福祉部長服部和恵君登壇〕 89 ◯健康福祉部長服部和恵君) 私からは2点、お答えを申し上げます。  まず最初に、特別障がい者手当の周知につきましてのお答えでございます。
     特別障がい者手当は精神、または身体に著しく重度の障がいがあるため、日常生活において常時特別な介護を必要とする在宅の20歳以上の方に支給されるものでございます。手当の認定につきましては、国の示す障がい程度の認定基準により医師の診断書で判断されるため、障害者手帳の有無にかかわらず、介護保険の要介護認定を受けている方でも支給の対象となる場合がございます。県では現在、障害者手帳を交付した方へのハンドブックの配付や、ホームページや広報誌などでお知らせしており、さらに今後、介護保険の認定窓口である市町と協力し、要介護認定を受けている方への周知を進めてまいりたいと考えております。  2点目は、生活福祉資金貸付状況の現状認識と体制構築についての御質問でございます。  3月から5月までの緊急小口資金及び総合支援資金における1か月当たりの貸付件数は、前年度が各200件程度であったのに対し、本年度は各100件程度でありますが、今後も物価高騰の影響があることから、一定の利用される方が見込まれております。  生活福祉資金全体での貸付件数は、令和4年5月末時点で約1万1,500件あり、うち8,000件は令和5年1月から償還開始となり、以降は毎月150件程度が段階的に償還開始となります。  償還業務においては、償還免除に関する業務の比重が多いため、県社会福祉協議会では担当職員3名に加えまして、令和4年4月から10月にかけまして7名のスタッフを増員し、以降は業務の繁閑に応じた体制を取りたいと考えております。  今後、借りた方に身近な市町の社会福祉協議会でも相談支援を行うこととするなど、相談体制をさらに拡充してまいりたいと考えております。 90 ◯議長大森哲男君) 産業労働部長伊万里君。      〔産業労働部長伊万里全生君登壇〕 91 ◯産業労働部長(伊万里全生君) 私からは1点、シルバー人材センターへの何らかの支援が必要ではないかとのお尋ねに対してお答えを申し上げます。  高齢者の方々が生きがいを持って活躍するには就業機会の確保が必要であることから、シルバー人材センターの役割というものは、御指摘のとおり重要なものであると認識してございます。  そのため県では、県シルバー人材センター連合が実施しています、市や町のシルバー人材センターにおける仕事の開拓ですとか、会員向けの講習会の開催、こうした事業に対して補助を行うとともに、県の事業もシルバー人材センターに発注しておりまして、昨年度は110件、金額にして約2,800万円の県の事業をシルバー人材センターに発注させていただいているところでございます。  さらに今年度は、高齢者の方々の就業意欲を喚起するセミナーですとか、就職面接会などを県シルバー人材センター連合と共同で開催することとしておりまして、引き続き、国並びに市、町とも連携しまして、様々な形でシルバー人材センターを支援していきたいと考えてございます。 92 ◯議長大森哲男君) 教育委員会教育長豊北君。      〔教育委員会教育長豊北欽一君登壇〕 93 ◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 私から3点、お答えいたします。  まず、県立高専や高校の専攻科の設置など、県内産業を支える人材育成の具体的な戦略についてのお尋ねでございます。  滋賀県には国立の高等専門学校がないことから、県立での設置を計画していると承知しております。福井県には国立の高等専門学校があり、企業が求める人材育成の要求に対応しているところでございます。専攻科については、全国の工業高校526校のうち工業系の専攻科は10校程度ございます。また、定員は10名程度と少数であり、最近は希望が少なく、閉科する学校もございます。  現在、県全体の高校生の就職状況を見ますと、求人倍率がここ数年三、四倍と高く、また、県立の就職率もほぼ100%でございます。県内の経済界からは高卒での即戦力を求められておりまして、専攻科の設置につきましては、生徒のニーズ等も踏まえまして十分な検討が必要であると考えております。  いずれにせよ、職業系高校の教育レベルを高めることが重要でありまして、高度な資格の取得やデジタル教育の推進、企業での実習、さらには教職員の企業等派遣による指導力向上など、県内産業を支える人材を育成してまいります。  2点目は、農業系教員等の系統的、計画的採用についてのお尋ねでございます。  農業の教諭の採用試験におきましては、他県と同様、農業一括で採用をしております。受験生のほとんどは農業系や生物環境系の学部を卒業しておりまして、採用後に各分野の研さんを積ませることで幅広く担当できる教員の育成を目指しております。  実習助手の採用試験におきましては高校生の応募を想定しておりまして、教諭の採用試験と同時期の7月に行うことは、高校生の就職解禁日前であるため、考えておりません。  昨年度、公表時期を1か月早くいたしましたが、今後につきましても早目の公表、実施に努めてまいりたいと考えております。  最後に、成年年齢引下げにおける保護者協力の誓約書についてのお尋ねでございます。  成年年齢に達した生徒に係る在学中の手続等につきましては、令和元年、そして2年に文科省から示されておりまして、生徒指導や進路指導に関することについて、父母等の協力を依頼する誓約書を求めることなどが例示されているところでございます。このことは既に各学校に通知しておりますが、県立高校では誓約書を求めている学校はございません。  今後も引き続き、生徒が成年年齢に達しているか否かにかかわらず、生徒指導及び進路指導について父母等の協力が得られるよう、日頃から理解を得ることが重要であると考えております。 94 ◯議長大森哲男君) 佐藤君。 95 ◯28番(佐藤正雄君) 再質問いたします。  まず、知事ですけれども、先ほど午前中の御答弁にあったし、私の答弁にもあったんですが、原子力産業をちゃんとやっていかないと人材育成できないし、安全も確保できないと、こういう展開なんですけれども、しかし、福島原発事故まではどんどん日本に原発を造ろうということで、言わば原子力ルネッサンスですかね、そういうことでどんどん進めてきてあの事故が起こったんですよ。しかも、福島はああいうことになりましたけれども、御承知のように、女川も危なかったし、東海も危なかったわけですね。ですから、原子力産業をどんと進めていけば安全になるんだという認識がやはり、そもそも違うのではないかというのを思うんですが、その辺を1点、確認させていただきます。  それから、アリーナですけれども、御答弁を聞いていて、ちょっと具体的には何も答弁はなかったと思うんですが、要するに私が聞きたかったのは、例えば県や市が具体的に、どういうところまで責任を持つんだと、内容と事業費ですね、その辺を考えておかないと、8月に事業費が出ましたと、9月議会ではもうこれで決まるんだから何とかしてくださいということを言われても、議会も困ると思うんです。  もう一つ確認したいのは、誰が責任を取るんですかと。民設民営と強調されていますので、じゃあ、最終的には民間の経済界のトップの方が責任を取るんですということになるのか、それとも杉本知事が取るということになるのか、その辺の考え方ですね、そこはどのように整理されているのかということをお尋ねをいたします。  最後ですけれども、健康福祉部長ですが、障がい者の手当、周知していくということなんですが、さっき私、わざわざ介護保険とか、いろいろ資料を出しましたのは、国の制度というのは取るときはやむなく取るんですよ、年金から強制的に天引きなんですよ。ああもこうもないです。困ると言われても、天引きですから、介護保険料でも後期医療保険料でも、取っていくんです。ところがそういう手当というのは、申請主義ですから申請ですよ。なかなか制度が知られていないと申請もできないという方もたくさんいらっしゃる、そういう意味で積極的にお知らせをして、申請を促してくださいという趣旨で質問しましたので、今の御時世に合った、そういう積極的な広報等、申請を促すという点でもう一度、御答弁をお願いしたいと思います。  以上です。 96 ◯議長大森哲男君) 知事杉本君。      〔知事杉本達治君登壇〕 97 ◯知事杉本達治君) 佐藤議員の再質問にお答えを申し上げます。  福島原子力発電所の事故の前と後で大きな課題としては、原子力事業者の原子力に対する姿勢、これが非常に大きかったということとともに、国としても規制委員会を設けて規制を強化して、不断の監視を続けているという状況でございますので、大きく違っていると考えているところでございます。 98 ◯議長大森哲男君) 交流文化部長西川君。      〔交流文化部長西川 聡君登壇〕 99 ◯交流文化部長西川 聡君) アリーナの再質問についてお答えをいたします。  県と市が具体的にどこまで責任を持つのか、あるいは失敗をした場合にどのように、誰が責任を取るのかというお問合せだったと思います。  我々も入りまして今、経済界とそういう打合せをしてございますけれども、失敗しないように今後の方針をしっかり今、議論しておるところでございまして、精いっぱいそういうことのないようにいい議論をしてまいりたいと、県や市の支援についてもその中で決めてまいりたいと思っておりますので、今の段階ではちょっと申し上げにくいと思います。 100 ◯議長大森哲男君) 健康福祉部長服部君。      〔健康福祉部長服部和恵君登壇〕 101 ◯健康福祉部長服部和恵君) 手当の申請につきまして、積極的に周知するということについてお答えを申し上げます。  今回の特別障がい者手当ですと、特に要介護の方の場合はどうしても認知症などを患っているというような方も多いと思いますので、保護者の方、あるいは御家族の方も含めまして、しっかりとこういう手当がありますので対象になるかもしれませんよということを伝えるような形を取りたいと思います。  また、ガイドブックを渡して、見てください、だけではなかなか見られないようなこともあると思いますので、それが該当しそうな方には何ページのどこにあることもちゃんと見ておくというようなこともお伝えするようにして、きめ細かにお知らせをするようにしていきたいと思っております。 102 ◯議長大森哲男君) 以上で、佐藤君の質問は終了いたします。  野田君。      〔野田哲生君登壇〕 103 ◯1番(野田哲生君) 民主・みらいの野田哲生です。  多様性を認め合う共生社会について、二つの内容をお聞きいたします。  まず、パートナーシップ宣誓制度についてです。  日本で最初に導入したのは2015年に渋谷区、世田谷区で始まりました。現在制度を導入している自治体は6月時点で218を超えております。全国を見ると、県内全ての市町で導入されているのは8府県、反対に一つの市町も導入されていない県は10県となり、残念ながら福井県もその中に含まれています。人口が少ない県に限って制度導入が遅れているわけではなく、市町や県が制度を必要としている人の立場に立ち、人権を尊重し、共生社会をつくっていこうとする政策実行性の差だと感じます。  福井県内でパートナーシップ宣誓制度の議論が進んでいるのは越前市であります。越前市は今後、制度導入の効果を検証し、しっかりとした制度をつくっていくと、山田市長も考えを示しております。  そこで、パートナーシップ宣誓制度の県内市町の検討状況を伺うとともに、越前市をはじめ検討を始めている県内市町と県は、具体的な協議を進めているのかをお伺いいたします。  福井県は長期ビジョンに多様な価値観を認め合う共生社会の実現を掲げており、そして、昨年度は内閣府のSDGs未来都市に選定され、「次世代に選ばれるしあわせ先進モデルふくいの実現」のテーマが見事認められました。先週には東京都議会でパートナーシップ制度の導入が可決され、今年11月から東京都が加わると、日本人口のカバー率は約63%となります。今年度に入って制定された自治体も60を超えている中、福井県もSDGs未来都市モデルとして積極的にその存在を認め、人権を守るべきではないでしょうか。  性的マイノリティであるというだけで幼少期から様々な苦労や苦悩を抱えている方がいて、当事者が声を上げられずに表面化しにくい、生活しづらい社会が未来都市としてふさわしくないことは、誰もが共通の認識を持つはずです。  現在の社会情勢において、性的マイノリティの存在や課題が認知されている中、福井県がパートナーシップ宣誓制度の導入を検討していくことについて、知事の認識を伺います。  パートナーシップ宣誓制度の内容については自治体ごとに特徴があり、行政サービスの内容も違います。先行している自治体では既に内容の見直しを行いながら、より幅広い行政サービスの提供を続けております。対象者をどうするか、あるいは事実婚も制度を利用できるかなど、いろんな行政サービスを受けられるかどうかが重要となります。しかし、これからは県単位でパートナーシップ宣誓制度を導入することにより、県内市町が賛同すれば同じ制度を利用できることができるため、県単位での導入が期待されております。  現在福井県ではパートナーシップ宣誓制度を導入している市町がない中、対象となる方が、例えば県内で引っ越しをしても同じ行政サービスを受けられるように、制度や手続の枠組みづくりを県が先導的に進めていく必要があると考えますが、所見を伺います、  次に、2点目は中学校の校則について伺います。  生徒指導の基本書となる生徒指導提要の改訂を進めている文科省の協議者会議が、今年3月下旬に改訂版の試案を公表しました。その内容は、児童の権利に関する条約で定められた四つの原則を理解していくことの重要性が明記されております。  一つ目は、児童生徒に対しいかなる差別もしない、二つ目は、児童生徒にとって最もよいことを第一に考える、三つ目は児童生徒の命や生存、発達が保証されること、最後は、児童生徒は自由に自分の意見を表明する権利を持っていることであります。  福井県も教育大綱、教育振興基本計画により、個性を伸ばしていく引き出す教育、また、教員が全てを教え込むのでなく、子どもたちが知的好奇心や探究心を持って学びを自ら進める楽しむ教育を第一に掲げており、協議者会議の4原則とは合致する教育方針となっております。  しかし、教育振興基本計画の改定から2年が経過しておりますけども、先日、まだそのレベルかと残念に感じることがございました。中学校3年生のグループと話をしていたときに、コロナが大変だけど学校は楽しいですかと私が聞きましたところ、部活、勉強、あるいはコロナに対する不満ではなくて、どこにも明記されていない校則へのストレス、あるいは不満を口にしておりました。書いてある校則は守るけども、先生によって違いのある暗黙のルールに対しては、生徒たちは理解に苦しみ、戸惑っておりました。  例えばタイツはいいけどもレギンスは駄目──これは足の裏で引っかけるタイプですね、これは駄目です。寒いからといって靴下2枚履きは駄目。髪型でいえば、皆さんは知らないと思いますけれども、女子の、これは簡単にできるんですが、くるりんぱという髪型、そういったものが駄目だと。あるいは男性のツーブロック──後ろを見渡すと、例えば兼井議員、これはツーブロックです──これは駄目です。でも、今日散髪してきた山本建議員、これはツーブロックじゃございませんのでオーケーです。この違いが生徒たちはよく分からない。あるいは冬は教室が寒くてもセーラー服の上のセーターやカーディガンを着ては駄目、こういったことが学校の中で起きている、これらは理由を聞けば、生徒たち自身が髪型の清潔感や格好よさ、授業が終わって部活開始ぎりぎりで素早い着替えをしたい、あるいは授業中の体温管理など、自主的に考えて行動していることばかりでした。この自主性を打ち消すことは4原則を踏まえた指導提要、県の教育振興基本計画の方針とそごが生じているのではないでしょうか。先生方が業務多忙という中、校則として明記されていない服装や髪型の指導に躍起になる時間を少しでも省いて、負担を減らしてほしいと望むばかりです。  まず、現在の公立中学校の校則や暗黙のルールに対する県教委の認識を伺うとともに、早期に、生徒たちの自主性を尊重する公立中学校の改革が必要だと思いますが、今後、引き出す教育、楽しむ教育の充実をどのように推し進めていくのか、伺います。  県内でも自主的に生徒会やPTAが主体となり、中学校の校則改定について生徒と議論している公立中学校も何校かあるようです。さらに昨年度は、県立高校の5校が参加して、生徒自ら学校のルールの存在意義を検証し見直していくという、ルールメイカー育成プロジェクトが実施されるなど、県立高校では少しずつ引き出す教育が動き出している部分もあります。  そこでまず、県立高校で行ったルールメイカー育成プロジェクトの成果と課題を伺います。  昨年6月、文科省から出された通知によれば、校則を自分のものと捉え自主的に守るよう、指導を行っていくことが重要と記載されています。校則の見直しは最終的には校長権限ではありますが、県教委として実態調査や見直しに向けた学校への周知、校則をなぜ見直したか公表していくなど、各学校と連携して取り組んでいくべきだと考えます。  公立中学校の生徒全員に、現在の校則に対し生徒がどう感じ、どこを見直したいのか、実態調査を行うとともに、その結果に基づき、生徒たちが主体的に校則の見直しができるプログラムを進めるべきだと考えますが、御所見を伺います。  関東から3年前に福井県へ移住してきた中学生の保護者が、福井の先生たちのレベルの高さ、授業、補習といった学力向上への熱意は全国に誇れるものだと感激している一方で、理由なき校則で、自由な発想と伸び伸びした学校生活が送れないのは、福井の教育がかえってマイナスに思われてしまうと心配されていました。それでも福井に来て、人の優しさ、排他的でなく心から受け入れてくれる県民性は申し分なく、非常に生活しやすい県だと力説もされております。  福井県が子どもたちの多様性を互いに認め合い、生き生きと学校生活を送れ、さらに小中学校の学力が全国トップクラスの県であれば、人口減少対策の取組としても、福井県への移住を考える契機ともなります。  このように、全国に誇れる学力と校則を自分たちでつくっていくルールメイカー育成プロジェクトを県内公立中学校にも浸透し、日本一幸福な子育て県の大きな柱として福井県への移住を強くPRすべきだと考えますが、御所見を伺います。 104 ◯議長大森哲男君) 知事杉本君。      〔知事杉本達治君登壇〕 105 ◯知事杉本達治君) 野田議員の一般質問にお答えを申し上げます。  私からは、県におけるパートナーシップ制度の導入の検討についてお答えを申し上げます。  私もこの春でしたけれども、パートナーシップ制度を要望される当事者の方とお話合いをさせていただきました。いろんな状況を伺っていてつくづく感じましたのは、例えばですけれども、賃貸住宅を借りるというようなときの契約のときとか、また、病院に面会に行くとき、家族じゃないと駄目だとかというようなお話の中で、行政サービスだけじゃなくて民間のサービスも同様に、異性同士のカップルであると容易に認められるようないろんなサービスが受けられない、こういう状況があるというようなお話でございました。そういった意味では、これを何とかしていかなくちゃいけないなというふうに感じたところでございます。  また、パートナーシップ制度を導入するということをもし進めていけば、社会における性的マイノリティの方々の存在であったり、それからお考えとか、こういったものが理解が深まっていくということにもつながるなというふうに感じているところでございます。  一方で、この制度を導入するということになりますと、一つにはどういう具体的なサービスにしていくのかというようなことを考えるですとか、また、職員の研修も必要になりますし、また、県民の皆さんをはじめ、どういうふうに周知していくのか、こういった課題もあるわけでございます。そういう意味では、これから先行しているほかの県ですとか県内の市や町──おっしゃるように、越前市では積極的な検討が行われているというふうにも伺っております。そういった市や町とのお話合いもさせていただきながら、さらには当事者の皆さん、支援団体の皆さん、こういった方々のお話も十分に伺いながら、制度については調査、研究をしてまいりたいと考えているところでございます。  そのほかにつきましては担当から御答弁申し上げます。 106 ◯議長大森哲男君) 交流文化部長西川君。      〔交流文化部長西川 聡君登壇〕 107 ◯交流文化部長西川 聡君) 私からは、日本一幸福な子育て県として福井県への移住を強くPRすることについて、お答えを申し上げます。  教育現場におきましては、引き出す教育、楽しむ教育を柱といたしまして、子どもが主役の学校づくりを実践しておりまして、その中で生徒が主体となって校則の見直しを行うなど、通いたくなる学校づくりを進めております。  今回、議員より御提案いただきました、ルールメイカー育成プロジェクトにつきましては、令和3年度に県立高校5校において実施いたしました事業でございますので、今後、その内容や成果について教育委員会と十分相談いたしました上で、移住者に向けて効果的なPRができる方法を考えてまいりたい、このように考えております。 108 ◯議長大森哲男君) 健康福祉部長服部君。      〔健康福祉部長服部和恵君登壇〕 109 ◯健康福祉部長服部和恵君) 私からは2点、お答えを申し上げます。  まず最初に、県内各市町のパートナーシップ制度の検討状況と市町との協議状況についてお答えを申し上げます。  本県内では現在、越前市と勝山市が年度内の導入に向けて検討を進めておられます。県は、これらの市との間で随時情報交換を行っているところでございます。また、鯖江市は今後検討に取りかかるというふうに聞いております。  県では、先月に県内の市町とパートナーシップ制度の勉強会を始めたところであり、制度の概要や意義、提供する行政サービスなどについて研修を行ったところでございます。今後さらに、学識経験者等を招く機会を設けることとしておりまして、各市町とともに理解を深めてまいりたいと考えております。  2点目に、県内のパートナーシップ制度や手続の枠組みづくりについて、県が先導的に進めていく必要があるのではないかという御質問についてお答えさせていただきます。  市町には、例えば公営住宅の入居でありますとか保育所の入所の申込み、こういった住民に身近な行政サービスが多く、パートナーシップ制度導入に当たっては、性的マイノリティの方々にこれらのサービスを提供することとなる市町の考え方を尊重することが重要であるというふうに考えております。  また、近年、家族の形態が多様化する中、市町ではほかにも取り組むべき人権課題があり、また、性の多様性に対する住民の理解や感情も様々であるため、全ての市町が同じ枠組みや同じ手続で制度を検討したり、市町に一律に制度の導入を促すということは難しいと考えております。  県では、市町がそれぞれの実情に合わせて検討できるように、今後も学識経験者や法律の専門家、支援団体などを招いた勉強会を開催しまして、制度の理解を深めてもらうとともに、必要な情報を提供していきたいというふうに考えております。 110 ◯議長大森哲男君) 教育委員会教育長豊北君。      〔教育委員会教育長豊北欽一君登壇〕
    111 ◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 私から3点、お答えいたします。  まず、公立中学校の校則に対する県教委の認識及び引き出す教育、楽しむ教育の充実についてのお尋ねでございます。  各中学校では校則の運用について、指導する教員によって差が出ないよう、共通理解の下、指導に当たっております。生徒が自ら学校生活をよりよく改善することは望ましい姿であり、校則も一つの教材として、自主的、主体的に話し合っていくよう周知しております。  県では昨年10月に、「あなたが主役の学校づくり」をテーマに、子ども同士による意見交換会を開催いたしました。県内9校から20名が参加いたしました。なぜこの校則があるのか考えたい、あるいは互いの違いを認め合える意識づくりが大切など、活発に意見が交わされました。今年度も子どもミーティングを計画しております。  今後は校則にとどまらず、学校祭などの学校行事や地域でのふるさと学習など、子どもたちが自らつくり上げていく活動を通し、毎日が楽しく、通いたくなる学校づくりを進めてまいります。  2点目は、県立高校で行ったルールメイカー育成プロジェクトの成果と課題についてのお尋ねでございます。  令和3年度に、県内5校が経済産業省の未来の教室事業の一つであります、ルールメイカー育成プロジェクトに参加し、意見や立場が異なる相手と合意点を見出す力などを育んでまいりました。生徒が中心となり、PTAや同窓生などと協働して校則の課題を考え、改正案を作成して実行した学校もございます。生徒からは、自分の意見を押しつけず、いろいろな人の意見を聞きながら考えられるようになったという意見があるなど、生徒が関心を高めながら、主体的に進めてきております。  今年度は校則以外にもテーマを広げ、新規2校を含む5校で、ルールについて考えるワークショップを開催します。また、若狭高校では、学校運営会議に生徒が参加する取組も始まっております。  今後は校則に限らず、生徒が主体的に学校運営に関わる活動を県全体に広げてまいりたいと考えております。  3点目は、公立中学校の校則に関する実態調査と、生徒が主体的に校則の見直しを行うプログラムについてのお尋ねでございます。  校則の見直しにつきましては、学校独自で生徒や保護者、教員に実態調査のためのアンケートを行い、その結果を基に、生徒会を中心に話し合いながら進めております。令和3年度県教育課程実施状況等調査では、校則を生徒が主体となって見直したと回答した中学校が7割ございました。ある学校では、生徒中心のプロジェクトチームを立ち上げ、アンケート調査や校則の見直し案作成などに取り組み、制服を自由に選択できるようにするなどしております。ほかにも髪型や靴下などの校則の見直しを進めることで、生徒は自分自身の判断や責任が増えることを自覚し、校則の大切さを再認識しております。  今後も学校には、生徒中心に校則について考える機会を設け、生徒が校則を自分のものとして捉え、自主的に守っていく指導を行うよう、周知してまいります。 112 ◯議長大森哲男君) 野田君。 113 ◯1番(野田哲生君) 御答弁ありがとうございました。パートナーシップ宣誓制度、私もちょっと探したんですけれども、県のどこの計画にも記載がないのかなと思います。福井県全体、認識が全国に比べると遅れているということは事実としてあるかなと思っております。今後、遅れた分、ぜひ取り戻す気持ちで全国でトップレベルの行政サービスが受けられる県となるように、あと、民間のそういった住宅などとも連携できるような制度にしていただきたいと要望しておきます。  では、次の質問に入らせていただきます。  福井駅周辺のまちづくりについて伺います。  最初に、福井駅西口市街地再開発支援事業について伺います。  現在、福井駅西口の三角エリアでは、長期ビジョン実行プランに掲げられた百年に一度のまちづくりのメインコンセプトでもある、新幹線ゲートウェイ開発プロジェクトの中心となるA街区の再開発ビルの建設工事が進められております。現在は、くい工事が終了し、タワークレーンによる低層階部分の鉄骨骨組みの工事を行っております。  さて、この大型再開発事業は、これまでの紆余曲折もあり、全体事業費は既存建物のアスベスト除去、あるいはコロナ対応換気工事などの影響で、当初の377億円から30億円の増額、工期についてもコロナの影響で地権者協議が遅れ、新幹線開業の1年遅れとともに、2024年春の完成を目指していることについて、議会へ最後に説明があったのが令和3年2月であります。  そして、A街区西側ではB街区の再開発事業が計画されており、昨年度、県からの支援として、権利変換計画作成や補償費に対する約2億円の補助を行い、3月に権利変換計画の認可を出しております。さらに、南通り地区については地盤調査に対し補助をして、昨年の秋時点では、新幹線開業時に一部オープンして、2026年春に全面オープンするという計画になっておりました。  A街区工事は今後高さが増すにつれ進捗が見えてくるというふうに思いますが、新幹線開業が1年9か月後と迫っており、開業までにどこまで完成するのか、県民にはほとんど伝わっておりません。また、開業当初までにB街区や南通りの再開発事業がどの段階まで進むのか、どんな店が入るのか、ある程度明確に公表していくことで、投資を考えているテナント、あるいはリノベーション事業のタイミングを誘発できるのではないでしょうか。  先週金曜日には、南通り再開発組合の設立許可が県から下りたと新聞報道がされたところではございますが、県はこれら三つのエリアの再開発事業の現在の進捗状況、完成がそれぞれいつ頃を目標にしていると聞いているのか、今後のスケジュールを伺います。  また、A街区再開発事業については、新幹線開業当初にどの部分を供用開始できるのか、併せて伺います。  次に、私が福井の活性化を考えるグループと実施した独自のまちなかアンケートで、福井駅周辺に来ている来街者の意向調査の結果を踏まえて質問させていただきます。  この調査を実施した日が4月17日の日曜日、この日はちょうどハピテラスで若狭牛フェスのイベントが開催されていました。午後の3時間で約700人に配布をしまして、QRコードでグーグルフォームに回答していただきました。回答数は126名でありました。サンプル数、少し少ないですが、男女比はほぼ半数ずつ、年齢層も10代が2割、40代が3割、残りはほぼ均等な割合となって、選択数が多い回答についてはある程度信頼性が持てると考えております。ちなみにこの日は日曜日ということで、駅前に来た目的についてはショッピングとイベントで8割以上という結果でございます。  そして、これから福井駅周辺に必要なものを上位三つまでの複数選択式で選んでいただきました。選択肢は百貨店、ラウンドワンのような屋内娯楽施設、屋外スポーツ空間、福井のおいしいものが買える市場、福井のおいしいものが食べられるフードホール、カフェや喫茶、居酒屋やレストラン、ファストフード、おしゃれなベンチ、恐竜モニュメントや恐竜の仕掛け、アパレルやブライダルの店、アリーナ施設、都市型マンション、学習スペース、あるいはその他などとしました。  多い回答順でいえば、百貨店が約半数の48%、ラウンドワンのような屋内娯楽施設、そして、おいしいものが買える市場がほぼ同数で33%、約3人に1人が答えられております。カフェ、喫茶が26%で約4人に1人、アパレル、ブライダルの店が21%で約5人に1人と続いております。  これらのデータから、福井駅周辺には生活用品以外のショッピングを求めている人が多いと分かります。さらに、10代から30代は屋内娯楽施設やカフェ、喫茶、そして、ファストフードなどの割合が高くて、駅前周辺で楽しく長く滞在したい思いが伝わってきます。このアンケート結果に基づけば、現在うわさが飛び交っている西武福井店はどうなるのか、あるいは屋内娯楽施設の構想については県民が期待しているものであることが分かります。  そこで、にぎわいの核となる西武福井店、あるいは旧西武新館の行方について、本日までに知事が把握している事項について伺います。  さらに、データを見ると、都市型マンションを選択した人は全体の2.4%、つまり126人で3人しか選択していないことになります。私も最近よく耳にするのが、駅前にマンションばかり造る構想があるが、本当に住んでくれる人に売れるのか、あるいはマンションでにぎわいが生まれるのかという不安であります。デベロッパーは売り切る自信があるから投資をするものであり、行政が関与する立場にはありません。しかし、にぎわいを求める駅前周辺の多くが居住空間となれば、そこに住む住民からすれば、夜は閑静な街でなければ生活ができません。  私が経験した話になりますが、市役所時代に担当した駅前電車通りの夜間工事の騒音に対して、眠れないと夜中に何度も呼び出され、苦情処理に走り回りました。昼の搬入車や来街者に迷惑をかけないように夜間工事で商店街と合意をしていたわけですが、お叱りを受けたときは、住んでいる方の日常生活の権利というものを目の当たりにいたしました。  楽しみをつくるという街のにぎわいの裏側には、夜のストリートミュージシャンとか、酔っ払いの大声とか、若者の笑い声なども含まれてしまうと思います。つまり、将来的に都市型居住の生活と街のにぎわいが共存できるのかが非常に不安であります。  県都グランドデザインの素案には「くらしをつくる」として、ゲートウエーである駅西口エリアも含めた居住環境をつくっていくことを目標としておりますが、エリアの中でもゾーニングをして、「たのしみをつくる」エリアと「くらしをつくる」エリアをゾーン分けすべきだと考えますが、県都にぎわい創生協議会委員である県としての所見を伺います。  最後に、福井駅前大通りのほこみちづくりの道路整備について伺います。  福井駅前にはハピリン内以外はファストフード店がほとんどなくなりました。アンケートでも10代はファストフード店、全年齢でもカフェ、喫茶を求める方が多いことが分かりました。滞在型のニーズがある一方で、現状はゆっくり話をする居場所が少ないという裏づけだと感じます。  このほこみちづくりは、歩行者の利便増進を目的とし、道路を再配分するという整備をしていく予定ですが、先週まで実施していた、放送会館前のキッチンカーと飲食スペースの社会実験の検証も踏まえた道路整備となることを期待しております。  そこで、このほこみちづくりの道路再配分計画の断面などの概要、完成までの整備スケジュールについて伺うとともに、滞在できる空間としてのどのような利用を期待して整備を進めていくのか、所見を伺います。 114 ◯議長大森哲男君) 知事杉本君。      〔知事杉本達治君登壇〕 115 ◯知事杉本達治君) 私から、西武福井店や旧西武新館の今後の行方についてお答えを申し上げます。  まず、西武福井店につきましては、これは申し上げるまでもなく、もうだるまや時代から福井県民に長く親しまれた、県内唯一の百貨店でございますし、また、何といっても駅前の周辺地域で一番にぎわいをつくる核となっている、そういうキーとなるような店舗だというふうに考えているところでございます。  現在、この西武福井店につきましては、外資系の3社が応募されていて、ただ、決定時期がいつになるかということは分かっていないというふうに聞いているところでございます。  いずれにいたしましても、とにかく西武福井店に残ってもらうというためには、まず業績を上げていただくことだというふうに考えておりまして、そういう意味では店舗における集客のイベント──今年も恐竜のイベントなどもやっていただいたりもしておりますけれども、そういったことなどを通じて、何とか西武福井店が残れるように、我々としても応援もしていきたいというふうに考えているところでございます。  また、旧西武の新館の場所でございますけれども、これにつきましても様々な動きがあるというふうに伺っているところでございます。これについては基本的に民間が主導してどうしていくのかということを決めていくということにはなるわけでございますけれども、今、御紹介いただきましたような、屋内遊戯施設になるのかどうか、いろんな形でにぎわいをつくる、こういうことはとても大切なことだろうというふうに考えております。そういう意味では、先般お認めいただいている県の県都まちなか再生ファンド、この事業なども活用しながら、何とか街の中ににぎわいができる、そういう空間を、西武百貨店と連携するような形も含めて、いろんな形も含めて応援ができればというふうに考えているところでございまして、いずれにしても、県としても福井駅前のにぎわいづくりに力を発揮していきたいと考えているところでございます。 116 ◯議長大森哲男君) 地域戦略部長吉川君。      〔地域戦略部長吉川幸文君登壇〕 117 ◯地域戦略部長(吉川幸文君) 私からは1点、県都グランドデザインのゾーニングについてお答えをいたします。  今回の県都グランドデザイン骨子案では、「くらしをつくる」という観点から、様々な世代が街なかに暮らし、その魅力ある食や買い物を楽しむことにより、新たなコミュニティやにぎわいを生むことを目指しております。  福井駅前では現在、ホテル、マンション、オフィス、商業施設などが一体となった再開発ビルの整備が進められておりまして、利便性が高く、様々な楽しみ方が可能なこのエリアを暮らしの場として選ぶ方も多いと思われます。  特定のエリア内におきまして、「たのしみをつくる」と「くらしをつくる」という機能を明確に分けることはなかなか難しいかなとは思いますが、今後再開発エリア、新栄地区、浜町かいわい、福井城址周辺など、エリアごとのその特色を生かしまして、どのようなコンセプトでまとめてまちづくりを進めていくのがよいのか、経済界、福井市とともに検討を進めてまいりたいという考えでございます。 118 ◯議長大森哲男君) 土木部長高橋君。      〔土木部長高橋伸輔君登壇〕 119 ◯土木部長高橋伸輔君) 私から2点、お答えをさせていただきます。  まず1点目、福井駅西口市街地再開発支援事業の進捗状況と完成時期についてお答えをいたします。  まず、A街区でございますけれども、再開発組合において5月からホテル棟の鉄骨組立てを開始しておりまして、現在、3階の床の高さ、大体地上から約8メートルのところまで組み上がっている状況でございます。全体の完成は令和6年5月を目指しておりまして、そのうちホテル及び1階の商業施設につきましては、令和5年度末の新幹線開業までに営業を開始する予定と再開発組合から聞いております。  次に、B街区でございますが、再開発組合において5月末に解体工事を発注いたしまして、7月から解体作業に着手予定でございます。こちらにつきましても、今後、埋蔵文化財調査を行いますが、その結果にもよると思いますけれども、新幹線開業までの完成を目指すと聞いております。  また、南通り地区につきましては、県が今月16日に再開発組合設立の認可を行ったところでございまして、令和6年春から令和8年春にかけて、段階的に完成を目指すと聞いております。  次に、中央大通りの再配分計画の概要についてお答えを申し上げます。  県では、中央大通りがにぎわいの感じられる道路となるよう、令和4年3月に歩行者利便増進道路、いわゆるほこみちに指定しておりまして、新幹線開業に合わせ、令和6年3月までの完成を目指して歩道部分の整備を進めておるところでございます。  中央大通りにつきましては車道の交通量も多く、地下駐車場の出入口など移設が困難な施設もございまして、車道の幅員も変更せずに、現在は歩道幅員約8.25メートルございますが、このうち4.25メートルをにぎわいを創出する空間として活用できるよう、ブロックで舗装ですとか、それから、いろんなキッチンカーなどの電源設備等を整備する予定でございます。この空間の利活用につきましては、カフェ、キッチンカー、テーブル、ベンチなどを配置し、利用者がゆっくり滞在できるようなスペースを想定しておりますけれども、具体的な内容につきましては社会実験の結果を踏まえまして、福井市などの関係機関と協議をして決めていきたいと考えております。 120 ◯議長大森哲男君) 野田君。 121 ◯1番(野田哲生君) 再開発事業、ちょっとゾーニングが難しいという話がございましたが、やはり福井の場合ですと、制度上、マンション建設が最善の制度になっているということは理解できるんですが、やはりその制度だけ詰め込むと、まちづくりが乱開発になって、将来にわたって取り返しのつかないことになる可能性もあるので、ぜひとも数年先を見た計画ではなくて、将来の福井をつくるために行政が駅周辺の顔づくりに誘導できるように、時間をかけてでもいいので慎重に考えていただきたいということを要望に代えて、私からの質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 122 ◯議長大森哲男君) 以上で、野田君の質問は終了いたしました。  ここで休憩いたします。   午後2時41分 休 憩                ━━━━━━━━━━━━━━━   午後2時55分 再 開                 会議に出席した議員(30名)    1番  野  田  哲  生          18番  鈴  木  宏  治    2番  渡  辺  大  輔          19番  西  本  正  俊    3番  松  崎  雄  城          20番  島  田  欽  一    4番  山  浦  光一郎           21番  宮  本     俊    5番  細  川  かをり           22番  小  寺  惣  吉    6番  北  川  博  規          24番  田  中  宏  典    7番  西  本  恵  一          25番  畑     孝  幸    8番  兼  井     大          26番  欠        員    9番  田  中  三津彦           27番  欠        員    10番  山  本     建          28番  佐  藤  正  雄    11番  清  水  智  信          29番  斉  藤  新  緑    12番  長  田  光  広          30番  田  中  敏  幸    13番  力  野     豊          31番  鈴  木  宏  紀    14番  小  堀  友  廣          32番  仲  倉  典  克    15番  欠        員          33番  松  田  泰  典    16番  欠        員          34番  山  岸  猛  夫    17番  西  畑  知佐代           37番  山  本  文  雄                ━━━━━━━━━━━━━━━                 会議に欠席した議員(3名)    23番  大  森  哲  男          36番  山  本  芳  男    35番  関     孝  治                ━━━━━━━━━━━━━━━ 123 ◯副議長(小堀友廣君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  北川君。  なお、北川君より資料を使用したい旨の申出があり、これを許可いたしましたので御了承願います。      〔北川博規君登壇〕 124 ◯6番(北川博規君) 民主・みらいの北川博規です。発言通告書に従って、質問と提言を行います。  まず、コロナ特例貸付金返済における困窮者への支援について伺います。  先ほどの佐藤議員の部分と重複する部分がありますけれども、新型コロナウイルス感染拡大の影響で困窮した人たちに対して国が生活資金を貸し付ける、生活福祉資金の特例貸付の返済開始が来年に迫っています。その中で、返済が困難になる利用者の増加が懸念されています。  特例貸付については私も昨年の2月議会で取り上げ、利用へのアウトリーチの必要性と償還免除とならない世帯への支援の必要性を訴えました。その時点ではコロナがやがて収束するだろうといった認識、ましてやロシアのウクライナ侵攻は全く予想だにしておりませんでした。  現在の物価高騰や、原材料費の入手ができず職場が閉鎖となったままの状況はコロナ禍に追い打ちをかけ、県民の生活を脅かしていると言っても過言ではございません。
     福祉資金の内容についてはもう割愛しますけれども、全国社協によりますと、4月2日現在、緊急小口資金は153万件、総合支援資金は167万件の貸出し、それが決定している、総額1兆3,726億円に膨らんでいるということでもあります。もちろん非課税の世帯への返還免除はあるわけですけれども、その条件は大変厳しいものでもございます。  共同通信は、全国調査によると4月末時点で返済が難しく、自己破産や債務整理の手続をした利用者が少なくとも5,000人いると報じています。資料3にあるように、本県においても3月末時点で緊急小口資金融資は5,418件、総合貸付が5,862件となっているだけに、今後返済時期を迎え、精神的にも追い詰められている方も少なくないものと考えます。  そのような方に対して生活を立て直す支援や精神的なサポートなど、何らかの支援が必要であると考えますが、現状の分析と今後の対応について、知事の所見を伺います。  続いて、医療的ケア児者のコロナ対応について伺います。  医療的ケア児者の保護者にとって、重篤化につながりかねない、コロナ感染症をはじめとする感染症への不安は大きなものがあります。今、医療現場、特に保健所の業務が逼迫しているのを感じるだけに、医療的ケア児の保護者の声が小さくなっているのも感じます。しかし、命という点から考えれば、何よりも優先すべき事柄であるのも事実です。特に、保健所、かかりつけ医、陽性者・接触者サポートセンター、受診・相談センターと、対応に当たる機関が多岐にわたる中で、ぶれのない対応が求められるように思います。  現在、コロナ感染症は軽症が大半となっている中ではありますが、医療的ケア児の家族にとっては陽性になること自体が命に関わる大問題でもあります。国の事務連絡では、医療的ケア児等の受入れ体制の調整や入院時の保護者の付添い、相談支援など、考え方が示されていますが、これらを踏まえ、県は明確な対応指針を示し、保護者、医療機関等に周知する必要があると考えます。  そこで、医療的ケア児がコロナ陽性となった場合の対応指針を知事に伺います。  また、これまでの事務連絡においても、かかりつけの医療機関、かかりつけ医という言葉が多く記載され、それらとの連絡、連携の重要性が記されています。医療的ケア児の医療体制において、かかりつけ医の存在は大きなものであり、思いは一体であるのを感じるだけに、陽性時には、確実にかかりつけ医と直接連絡が取れる体制が重要であり、自治体は医療機関等の関係機関との調整や必要なサービスの提供について、積極的に関与する必要があります。  現に、陽性となり、嘔吐する我が子の姿にかかりつけ医との連絡がうまく取れず、長時間不安な思いを強いられ、後になってかかりつけ医から、どうして連絡しなかったんだと、してくれればといった言葉を耳にしたという方もおられました。  二度と同様の事態を招かないためにも、医療的ケア児の保護者、医療機関、かかりつけ医療機関、そして、かかりつけ医の皆さんに対して、再度文面での連絡体制の周知徹底を強く要望しますが、所見を伺います。  次に、2月議会でも取り上げましたが、教員の時間外勤務の時間について伺います。  県は、令和3年度には教員の時間外勤務時間が80時間を超える教員をゼロにするという目標を掲げ、取り組んできたわけです。その年度が終わりました。聞き取りの中で伺った直近の調査結果では、令和4年4月の月80時間以上の超過勤務者は、小学校では13人で0.4%、中学校では65人で3.6%、高志中を含む県立高校では33人で2.2%、特別支援学校においてはゼロとのことでありますが、2月議会で示された1月の集計結果に比べると、増加している状況です。2月議会で教育長は、「超過勤務の理由もコロナによる休校措置に伴う緊急対応であったと聞いている」、「やむを得ない緊急の事態を除き、目標はおおむね達成できると考えている」との答弁でした。  今回の人数増に対しての所見を伺います。特に、やむを得ない緊急の事態を除き、目標はおおむね達成できるとしていたものが達成できなかった理由はどこにあるのか、伺います。  また、2月議会の総務教育常任委員会において、その数値の信頼度を伺いました。教育長からは、「報告として上がってきた数値を信頼することが原則である」との回答でした。教育行政のトップとして各市町の報告を信頼するのは当然のことであります。その状況が正しいものであれば、本県の教育現場はまさに全国に誇ることのできるものであります。ただ、前議会でも伺ってきましたが、その調査や報告の内容について、その正確性についてはいろいろな声があったのも事実です。  気がかりなのは、勤務時間調査や把握が公正になされているかという点です。資料1、2に示したように、内田良教授を中心とする名古屋大学チームのアンケート調査によると、教員の勤務時間調査において、管理職や教育委員会等から何らかの調整を求められた教員が17%となっています。その報告書の中に、内田良教授の、「調査が正しくなされていないとするならば、改革以前の問題である」との言葉がありました。私も全く同感であります。  また、資料として示してはいませんが、各報道機関が教育現場の姿を取り上げています。特に、朝日新聞の「いま、先生は」という特集記事には、北陸地方のある公立小学校の先生の実態として、管理職から、「書き換えておいたから」といった言葉が投げかけられ、それに対して、「ありがとうございました」と言葉を返す女性教師の釈然としない思いや、悔しさが記されていました。その記事に対しての反響は大きく、現場教師からもいろんな声があったのも事実です。  本県での報告において、そのような実態はなかったのか、また、これらの記事の確認後、現場や市町の教育委員会に対して調査を行ったのか、どのような指示や注意喚起をされたのか、伺います。  また、アンケート調査によると、自主的に時間の過少申告を行っている教員の存在もあるわけです。県はその現実を認識しているのか、認識しているのであればその理由はどこにあると考えているのか、伺います。  令和4年度はスタートしているわけですが、年度の開始時点で現場と意思統一された目標は大変重要になります。今後の取組について、2月議会での答弁は現状を維持するということでしたが、今回の報告集計を通して、今後の取組をどのように見直していくのか、また、目標値をどのように設定し、どのような姿勢で臨むのか、改めて伺います。  最後に、昨年度から具体的な動きが見られる本県の部活動の地域移行について、運動部を中心に伺います。  スポーツ庁で中学校の運動部活動の地域移行を検討してきた有識者会議は6月6日、スポーツ庁に、運動部活動の地域移行に関する検討会議提言を提出しました。この中では休日の運動部活動の地域移行の目標時期を、現段階の地域移行開始となる令和5年度から3年後の令和7年度末を目途とし、同期間を運動部活動の改革集中期間に位置づけ、自治体には、休日の運動部活動の地域移行に向けた具体的な取組やスケジュール等を定めた推進計画の策定を求めています。  また、受皿となる指導者の確保や活動場所、新たに発生する会費等の負担などの課題があり、先日の代表質問に対する答弁では、今後の地域移行に向けて調査、調整を行っていくとのことでありますが、モデル校の取組が既に進行している中、目標を持った取組は不可欠であると考えます。  同事業の進捗も踏まえ、改革集中期間とされている3年間の各年度の具体的な取組内容、そして、区切りとなる令和7年度末の目標について所見を伺います。  また、課題として一般に述べられているのは、指導者確保、活動場所、新たに発生する会費等の金銭的負担という点ですが、気がかりなのは、受皿となる総合型地域スポーツクラブなどの問題と指導者確保の問題です。  学生や生涯スポーツ人口が多く、スポーツ施設なども充実している大きな都市とは異なり、本県の場合には、受皿とその人的な資源という点では不安は大きなものがあります。理想的なのは総合型地域スポーツクラブなどですが、令和2年度に全国に3,594ある総合型は、高齢者や児童のスポーツ活動のプログラムが中心で、中学生の多種目に対応できるクラブは多くありません。  先ほど山本建議員の質問の中でも取り上げておられましたが、受皿となる本県の総合型地域スポーツクラブ、また、スポーツ少年団における受入れ体制の状況及び特に指導者の育成等について、今後の方針を伺います。  指導者の確保については、人材バンク等の取組も早急に進める必要があるのは言うまでもありませんが、引き続き教員が関わっていく部門も少なくないのは確かです。教員の職務と地域移行の中での活動をどのようにバランスよく進めていくのかが喫緊の課題でもあります。  スポーツ庁は、主に地方で指導者不足が予想され、競技経験のある住民や保護者らが資格を取得して指導できるよう、研修を充実させる、部活顧問を務めてきた中学教員も希望すれば兼職兼業の許可を得て従事できるとしていますが、指導を望む教員のための兼業兼職の環境整備は喫緊の課題でもあります。  教員の兼職兼業の検討状況及び今後の方針について伺います。  以上、よろしくお願いします。 125 ◯副議長(小堀友廣君) 知事杉本君。      〔知事杉本達治君登壇〕 126 ◯知事杉本達治君) 北川議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、コロナ特例貸付金返済に係る現状分析と今後の対応についてお答えを申し上げます。  福井県におけます貸付の利用者は、特に飲食店、建設業、サービス業の分野の方が多くなっておりまして、この三つで全体の4割を占めているところでございます。また、県内でこの5月末現在で借入れを行われている方々は1万1,500件でございまして、そのうちの8,000件が来年の1月から返済が始まるという状況でございます。  例えばですけれども、満額の200万円借入れをされている方におきましては、毎月1万5,000円程度を10年間返済し続けるということになるわけでございます。御指摘もいただきましたが、これに対しては、例えば所得がなくて住民税が非課税、こういう世帯に対しては返済が免除になるというような制度もあるわけでございまして、これにつきましては国では、全体の大体25%ぐらいがそれに当たるだろうというような見通しを示しております。本県でいえば大体3,000件程度ということになるわけでございます。  これにつきましては、県と市や町の社会福祉協議会で相談窓口を設けておりますし、また、福祉事務所などの身近な相談機関とも連携をいたしまして、就労、家計の改善、こういったことをお一人お一人の状況に合わせてしっかりと丁寧に支援をさせていただきまして、おっしゃっていただきましたような精神的な負担もできるだけ小さくしていけるように努めてまいりたいと考えているところでございます。  続きまして、医療的ケア児がコロナ陽性となった場合の対応の指針についてお答えを申し上げます。  医療的ケア児がコロナ感染をした場合につきましては、当初は国から入院措置をするようにという通知がございましたので、福井県でも同様の措置を行っていたというところでございます。ただ、オミクロン株になりまして、その特性から重症化しにくいということもございましたので、特に軽症、無症状の方については入院しない場合もあるということの連絡も頂いておりますので、福井県でも自宅で経過観察を行うということも出てきているところでございます。ただ、その場合も容体を日々確認をしながら、体調に変化があった場合にはすぐに入院ができるような体制は整えているということでございます。  感染が判明した際には、その医療機関で症状を確認しまして、入院が必要かどうか、こういったことをまず判断いたします。それで、家で経過観察ということになりました場合には、保健所、それから主治医も入れまして、例えば治療の方針ですとか緊急のときの連絡体制を構築するということ、それから入院調整の仕方も話合いを行っておりまして、適切な治療が受けられるような体制を敷いているということでございます。  これからも家族の皆さんにも安心していただけるように、まずは主治医との間で確実に連絡が取れるようにする、それは大事なことでございますし、また、保健所ですとか福祉サービスの事業所による相談の支援、それからかかりつけ医による治療が連携が取れるような体制を敷けるように再度、徹底をしていきたいというふうに考えているところでございます。  そのほかにつきましては担当より御答弁申し上げます。 127 ◯副議長(小堀友廣君) 健康福祉部長服部君。      〔健康福祉部長服部和恵君登壇〕 128 ◯健康福祉部長服部和恵君) 私からは1点、医療的ケア児の保護者、医療機関などに対する連絡体制の周知徹底についてお答えを申し上げます。  医療的ケア児は気候や周囲の環境の変化により体調が悪化しやすいといったことがあることから、医療的ケア児と関わりのある障がい福祉サービス事業所に対して、日頃から市町やかかりつけ医等関係機関と連携して、本人やその家族を支援するように指導しているところでございます。  陽性が判明した場合には、入院の必要性を判断する保健所において、医療的ケアの必要な方について、主治医に陽性を連絡し、治療内容や症状悪化の際の対応などを確認するよう、6月10日、保健所長会議で要請したところでございます。  今後も医療機関や主治医を含めた連絡体制を確実なものとし、医療的ケア児が適切な治療を受けられるよう、文書での周知も含めて徹底してまいりたいと考えております。 129 ◯副議長(小堀友廣君) 教育委員会教育長豊北君。      〔教育委員会教育長豊北欽一君登壇〕 130 ◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 私から7点、お答えいたします。  まず、この4月に教員の超過勤務月80時間以上ゼロの目標が達成できなかった理由についてのお尋ねでございます。  本年4月の月80時間以上の超過勤務者は、小中学校及び高等学校で111人おりました。主な理由としては、コロナ対応に係る報告書づくり、コロナに対応した修学旅行などの学校行事の準備、生徒指導上で課題のある児童生徒への丁寧な対応でございました。  次に、本県での勤務時間調査の報告において、校長や教育委員会が調整を求める実態はなかったのか、また、自主的に時間の過少申告を行っている教員の存在について、県はその現実を認識しているのかとのお尋ねでございます。一括して御答弁させていただきます。  名古屋大学の内田良教授を中心とするチームのアンケート調査は、全国の公立小中学校の教員約900人を対象にウェブ上で実施されたものであり、その中に本県からの回答があるか把握しておりません。本県ではこれまでも、学校に発出した文書や市町教育長会議等で、正確に記録するようお願いしており、正しく報告されているものと考えております。  次に、超過勤務の削減に向けた今後の取組についてお答えいたします。  県としましては、超過勤務が月80時間以上の教員ゼロを原則としつつ、県の給特法条例で勤務時間の上限として定めた月45時間以内、年360時間以内の教職員の割合を増やすことを目標と考えております。  本年度は超過勤務が月45時間以内、年360時間以内の教職員の割合を市町別、学校別に示して、さらなる業務改善をお願いしております。先日の市町教育長会議でも、夏休み期間を短縮し、週1回、平日の下校時間を1時間程度早めるといった取組や、定期考査の作問を複数校で分担するとか、水泳指導やプール清掃を外部委託するなどの業務改善等の工夫が紹介されました。今後も市町間での情報交換を続け、働き方改革を進めてまいります。  そして、部活動の地域移行についてですが、改革集中期間とされている3年間の各年度の具体的な取組内容と令和7年度末の目標についてということと、本県の総合型地域スポーツクラブ、スポーツ少年団における受入れ体制の状況及び指導者の育成等についてのお尋ねに対しまして、一括して答弁させていただきます。  休日の運動部活動の地域移行につきましては、指導者や活動場所の確保等の課題があり、市町によって状況や課題が異なります。今後、休日の部活動の現況調査や中学生等の意向調査、文部科学省の支援内容等を踏まえ、市町ごとに中体連や県、地域のスポーツ団体等も参加しながら、生徒の希望に沿う形で検討を進めてまいります。今後、改革集中期間において、指導者の確保や保護者の理解などの準備が整ったところから移行してまいります。  また、現在、部活動を指導している教員や外部指導者に対して、休日指導の意向も調査してまいりますが、その調査結果によっては総合型地域スポーツクラブなどの協力も必要と考えております。地域移行後の地域クラブと学校との連携の在り方を検討するとともに、中学生の特徴や部活動の教育的意義を理解した地域の指導者を育成するため、指導者の研修についても検討してまいります。  最後に、教員の兼職兼業の検討状況及び今後の方針についてのお尋ねでございます。  休日の部活動地域移行を推進していくためには、スポーツクラブや外部指導者が少ない福井県の現状を考えますと、平日指導を担当している教員の力を借りることが十分に想定されます。  教員の兼職兼業を許可する上で、適切な労働時間の管理が必要であります。当該教員の心身の健康が損なわれないようにすることや、本務に支障がないようにするためには、当該教員だけでなく、管理職がしっかりと労働時間を把握できるような仕組みづくりが重要であります。  兼職兼業を制度化するために、より具体的な運用方法について、国の指針や他県の動向を踏まえて、今後検討してまいります。 131 ◯副議長(小堀友廣君) 北川君。 132 ◯6番(北川博規君) 健康福祉部長からは、明確に文書での周知徹底を図っていただけるということで大変うれしく思いますし、多くの方がそれで安心を手に入れることができるかなと、大変ありがたいと思います。本当にかかりつけ医につなごうと思っても、いろんなところの受付の段階でシャットアウトされる、それを何とかなくしてほしい、直接話ができるようにしていただきたいというのが願いですので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  時間がありますので、少し再質問を交えてお話をさせていただきます。  先ほど教育長から、勤務時間のことについての御答弁をいただいて、以前から私もそれぞれの勤務時間をオープンにしていく、それが何よりも解決に近道だということもお話をしてきましたし、その方向に流れていく、進んでいくというのは大変うれしいことです。先ほど、まだ80時間を超える人数があるんだというお話を伺いましたけれども、それについても、私はゼロにすることがベストだとは思いません。たしか前回、常任委員会の中で教育長からは、必要があるときには80時間なんか言っていちゃ駄目なんだと、それを超えてでもやるべき時には時間をとって指導するし対応に当たるんだという発言をいただきました。それは同感ですし、すばらしい言葉だなと思っています。ですから、そういう意味では、ゼロは目指すんだけれどもそれに縛られない、ぜひそこをお願いしたいと思います。  そして、目標を新たに45時間を設定してということですから、ぜひその点もお願いしたい、ただ、そのお話の中で1点だけ、再質問させていただきます。  6月15日の朝刊に、福井市議会の一般質問の答弁の内容が記載されていまして、福井市教委が小学校の80時間超残業、小学校はゼロ%に減ったと明らかにしたという報道でございました。県内の3分の1の教職員を抱えている福井市であるだけに、いろいろな意味でその数値は複雑な意味を持ってきます。この数値についての教育長の認識、ぜひお伺いしたいと思いますけれども、この報道に関してはどうでしょう、ぜひお願いします。 133 ◯副議長(小堀友廣君) 教育委員会教育長豊北君。      〔教育委員会教育長豊北欽一君登壇〕 134 ◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 確かに福井市の議会の答弁でそういう新聞記事が出ていたのは承知しておりますが、毎月毎月、各市の状況を全部教育委員会に報告をいただいていますし、またその状況も市町にお返ししながら、常に市町教育長会議では働き方改革を議論してまいりますので、また今後とも十分、小中の状況を見極めてまいりたいと思っております。 135 ◯副議長(小堀友廣君) 以上で、北川君の質問は終了いたしました。  兼井君。      〔兼井 大君登壇〕 136 ◯8番(兼井 大君) 自民党福井県議会の兼井大です。質問通告に従い、3項目8点について質問と提案をさせていただきます。  最初に1項目め、子どもたちが創り手になる社会について6点、伺います。  新型コロナウイルス感染症の拡大により急速に学校のICT化が進み、GIGAスクール構想では全国の児童生徒へ1人1台の端末があっという間に整備されたというふうに感じております。今後は子どもたちの成長とともに、これまで以上にICTが使えて当然の社会へ変化、進化していくことの現れだと感じております。もちろんICT環境整備は手段であり、目的でないことは当然ですが、大交流化として新幹線、中部縦貫自動車道、舞鶴若狭自動車道など、百年に一度のチャンスを全力でつかもうと取り組んでいる福井県、私たちに例えると、移動手段を変えて社会を、福井県を変えることに挑戦しているのと同じようなことと感じております。手段が変われば目的もより高度となり、多様性、公平性、創造性、生きる力などへ変化、進化し、子どもたちの可能性も大きくなるのではないでしょうか。  そこで1点目、本年度中に策定するとしている(仮称)福井県学校教育DX推進計画について、将来の福井県がどのような社会であると想定し、策定されているのか、所見を伺います。  また、コロナ禍により、タブレット端末を活用し、自宅でのオンライン学習を体験した御家庭の方々から、オンライン学習の質の向上について御意見を聞く機会が増えました。  そこで2点目、自宅でのタブレット端末を活用したオンライン学習での課題と今後の対策について、お聞かせください。  次に、子どもたちが創り手となる社会に向けて、グローバル人材の育成が重要と言われております。県も昨年12月の総務教育常任委員会にて、英語力の向上に向けて、県内の中学3年生に対し、外部検定試験GTECの受験料を全額支援しており、今年度は76校、6,484名が受験されており、そこでは要点を捉えて聞く力や理由をつけて話す力に課題が見られたため、教員を対象に研修を行い、生徒の学習改善と教員の指導改善を図っていくと、教育長が説明をされておりました。英語力の目標に届いた生徒の割合が多い都道府県として、福井県が中学3年生、高校3年生ともに1位との報道を目にしております。  そこで、3点目に伺います。福井県の子どもたちの英語でのコミュニケーション力の現状と課題、今後の対策についてお聞かせください。  次に、英語でのコミュニケーション力の向上について話をしていると、以前はよく、都会で仕事をするから必要、地方ならあまり必要ではないのではなどに加えて、英語力が向上してしまうと、地元では希望する仕事、職種がないから都市部へ行ってしまうのを助長するだけじゃないかなというような声を耳にしました。しかし、現実はどうでしょうか。福井県内でも海外との取引を進められている企業はもちろん、県も支援を行っておりますし、さらにこのコロナ禍、テレワークの普及に伴い、海外との距離感も大きく変わってきているのが現実です。大交流化した後、福井の子どもたちが創り手となる社会、福井県内各市町でも、情報端末を活用して普通に海外とコミュニケーションが取られているのではないでしょうか。インバウンドのお客様、外国のお客様が多い観光地だけが英語でのコミュニケーション力が必要だということではなくなります。  そこで4点目、現在、高校生のお子さんを持つ方から頂いた意見を提案させていただきます。小学校から英語教育を実施しているからこそ、小学校や中学校の頃から、県内で英語を仕事で使っている卒業生に話をしていただくなど、英語でのコミュニケーションを子どもたちに身近に感じられる取組が必要ではないでしょうか、所見を伺います。  次に、人口移動の話題では、コロナ禍、東京への転入超過数最少や、一極集中鈍化などの文字をよく新聞等で目にします。さらに、福井県の人口移動は転入8,819人、転出1万915人、差引き2,096人転出超過ではあるが、直近でのピークの2019年、2,832人の転出超過からは2年連続で改善されていると以前、答弁を頂いたことがございます。  先日目にした新聞に、秋田県が昨年実施した、県内高校3年生、県内外の大学、短大、専門学校に通う学生、40歳未満の県内外社会人を対象としたアンケート結果が取り上げられておりました。それの結果としては、将来もしくは今後も秋田に住みたくない理由の35%が「希望する仕事、職業がない」でした。住みたいと思うために何が必要かの最多は、22%で「給与水準の向上」でした。高校3年生に、進学後も含む卒業後の就職希望先を県内、県外で決める理由を聞いたところ、「希望する仕事、職業、企業があるから」が最も多いとのことです。  これからグローバルな人材は地方にこそ必要な時代が来ると思っております。英語でのコミュニケーション力だけがグローバルではございません。グローバルな視点で様々な地域資源を磨き上げる能力を持つ人材が、今すぐにでも私たち福井県、地方には必要だと感じております。  つい最近、まちづくりに取り組まれている同世代の方とお話をさせていただく機会がありました。地元で長くイベントやまちづくりに取り組まれている方々、それと様々な経験、知識を身につけて地元にUIターンされた方々が、まさしくグローバルな夢を掲げて挑戦されていました。その方は、知事が短期移住、微住のときに意見交換された方です。このような方が今後増えるための取組の重要性をすごく再認識をいたしました。さらに、グローバルな人材の育成を大学だけが担う時代から、ICTの進歩により興味がある分野であれば子どもはいつでも学べる時代になっております。  そこで5点目、県も様々な取組を行われておりますが、賃金水準の向上による人口の社会減抑制などに係るとがった政策を打ち出すため、当事者である高校生や大学生等の若い方々へアンケートを実施してはどうでしょうか、所見を伺います。  さて、家庭の経済力や文化的環境によって生まれる学力差が、コロナ禍による困窮と一斉休校や様々な学校行事等の中止によって教育格差、自然体験、文化的体験の格差により、さらに大きくなると言われております。中学3年生や高校3年生の部活動最後の大会に参加できなかったことや、コロナ前のような修学旅行に行けなかったことなど、涙ながらに子どもから切ない思いを聞いた保護者の声を、皆様もお聞きしたことがあるのではないでしょうか。  もちろん子どもたちの適応能力は大人が考える以上にたくましく、新しい時代、社会の創り手として成長していくとは思いますが、コロナ禍により子どもたちが自分の力では変えることができない家庭環境の違いによる格差が大きくなっていると感じております。  そこで6点目、家庭で余っている未利用食品をイベント会場などで寄附してもらい、食品を必要としている人や子ども食堂、福祉施設などに寄附する福井県フードドライブ事業のような、企業や個人からの寄附と、生活困窮世帯の子どもたちの塾や習い事など機会の平等を連携させる仕組みを検討するべきではないでしょうか、知事の所見を伺います。  次に2項目め、地域別将来像について、奥越地域の観光の活性化についてお伺いします。  スキー場やダム湖、星空とアウトドア施設、恐竜博物館、平泉寺白山神社、「天空の城」越前大野城、里芋、勝山水菜など、本物の大自然を体験するエリアとして将来のイメージを描かれている奥越地域です。中部縦貫自動車道、県内全線開通後に向けて、勝山市も大野市も様々な新たな取組を準備し、進められております。  そこで、お伺いします。星野リゾートと県が協定を結んだ、県立恐竜博物館があるかつやま恐竜の森(長尾山総合公園)での滞在型リゾートホテルの整備、運営や、県と包括協定を結んだモンベルと連携し、アウトドアを活用した高原全体の活性化策や誘客の柱となる六呂師高原活性化構想の策定など、新しい視点の事業も動き出している奥越地域の活性化について、知事の所見を伺います。  最後に3項目め、その他として、効果的な広報についてお伺いいたします。  1期目の私ですが、これまでの議会のときに何度も県独自の動画を作ってというふうな言葉を耳にしてきました。確かにスマートフォンは幅広い世代の方々が持たれていますが、視聴回数や具体的な効果など、毎回気になっております。その県の動画を私もあまり目にしたことがないので、ターゲットとされているセグメントに入っていないのかなというふうにも思っているんですけれども、今日はちょっと質問として取り上げさせていただきます。
     例えば、そば、越前がれい、若狭ぐじ、甘えび、さかほまれ地酒の、新たな代表食材5品目のプロモーション動画、共生社会の実現を目指す活動の一環として高校生の協力をいただいて、はぴりゅうを活用した手話アニメ動画、本県の教員のやりがいや魅力を発信するPR動画、小中高校生対象のふるさとCMコンテスト、小学生対象のふるさとの福井魅力プレゼンテーション動画、いちほまれ誕生秘話の動画、関西圏の学生を対象に嶺南をPRするユーチューブ動画、県立高校の志望率低下対策として生徒会がタブレットを活用して作成するPR動画、横断歩道での一時停止ルールの周知動画など、様々な分野でそれぞれ作成されております。  そこで、伺います。今後の広報の手法として、細かいターゲティング、効果測定、ユーザーとの接点増加、事前に効果をシミュレーションできるなど、メリットが挙げられるウェブ広告を活用し、それぞれの目的を達成するため、県全体に戦略的、効果的な広報を検討すべきではないでしょうか、所見を伺います。 137 ◯副議長(小堀友廣君) 知事杉本君。      〔知事杉本達治君登壇〕 138 ◯知事杉本達治君) 兼井議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、企業や個人からの寄附と塾や習い事などの機会の平等を連携させる仕組みについて、お答えを申し上げます。  令和2年度に県で調査を行いまして、経済的な理由で子どもに与えることができないこととして、生活困窮世帯では塾ですとか習い事、こういったものを挙げる世帯の数が全体に比べて3倍程度ということで多くなっているところでございます。  このうち学習面の支援につきましては、学校の先生のOBの皆さんが学習の会などを設けて、県内で45か所、週に1回程度、そういった学習会などを設けていただいておりますけれども、一方で、習い事の支援というのはなかなか手が伸びていないと、こういう状況にあるわけでございます。実際には、例えばスポーツ少年団などに入りますと、月謝というか、ユニフォーム代とかいろんな月々のお金がかかるわけでして、そういう意味で習い事はなかなか生活困窮世帯ではさせてあげられないという方が増えているというところでございます。  今年度、こうした生活困窮世帯についてのシンポジウムを今、予定をいたしております。ここには経済界も参加いただくということでございますし、また、経済界の中ではこうした生活困窮世帯に支援をしたいというような声も聞かれるわけでございます。そういうことで、こうしたシンポジウムなども通しながら、市や町、経済界と連携してどんな支援ができるのか検討してまいりたいと考えているところでございます。  続きまして、奥越地域の観光による活性化についてお答えを申し上げます。  今、議員から御指摘をいただきましたように、奥越地域というのは本物の大自然というものもあります。それから、白山平泉寺ですとか越前大野城、こういった歴史的な遺産も多くあるわけでございまして、魅力あふれる観光地に磨き上げていく、そういう要素は多分にあると考えております。  また、これから中部縦貫道ができますと、中京のほうに向かって東の玄関口になるわけでございまして、それを目指して、恐竜渓谷かつやまですとか越前おおの荒島の郷、こういった道の駅などの支援もさせていただいているところでございます。  現在計画いたしております、かつやま恐竜の森、さらには六呂師高原の活性化、こういったことが実現できますと、本当に奥越地域はファミリー層にとても魅力的な地域になるなというふうに思っています。例えば恐竜博物館に来て、夜はその近くの長尾山のホテルに泊まる、こういうこともあると思います。翌日は今度、星空がとてもいっぱいの六呂師に行ってキャンプをする、家族連れにとっては最高の場所になるなというふうにも考えているわけでございます。そういう意味で、これから新幹線が来て、中部縦貫道が出来上がる、百年に一度、まさに奥越地域が変わるチャンスだというふうに思っておりますので、市や町とも十分に連携を強化しながらそのパワーアップというか、魅力を数段引き上げていきたいと考えているところでございます。  そのほかにつきましては担当より御答弁を申し上げます。 139 ◯副議長(小堀友廣君) 総務部長鷲頭君。      〔総務部長鷲頭美央君登壇〕 140 ◯総務部長鷲頭美央君) 私からは1点、広報戦略に関連いたしまして、ウェブ広告を活用した戦略的、効果的な広報についてお答えをいたします。  県では広報のDX化といたしまして、デジタル媒体での広報を積極的に進めていくこととしております。昨年度からは新たな広報手法といたしまして、県政動画のインストリーム広告、これは動画の再生前後や途中に表示される広告でございますが、こうした広告や県の広報誌につきましてはウェブ広告を開始したところでございます。この結果、インストリーム広告の閲覧者数は年間延べ約18万人になりました。また、広報誌のデジタルブックの閲覧者数につきましては約10倍に増加をしたというところでございます。こうしたことから、議員御指摘のウェブ広告は大変効果的であるというふうに認識してございます。  現在、県庁の全体の広報につきましては、庁内の政策参事が集まる会議におきまして、各部局が行う広報内容を一元的に把握をし、毎月広報事項の調整などを行っているところでございます。  今後、こうした場を通じまして、ウェブ広告の効果を全庁的に共有するとともに、積極的な活用を各部局に促してまいりたいというふうに考えてございます。 141 ◯副議長(小堀友廣君) 地域戦略部長吉川君。      〔地域戦略部長吉川幸文君登壇〕 142 ◯地域戦略部長(吉川幸文君) 私からは1点、賃金水準の向上による人口の社会減抑制などに係るとがった政策を打ち出すために、当事者である高校生や大学生等にアンケートを実施してはどうかという御質問にお答えをいたします。  県におきましては、現在でも高校生や大学生の意識調査を行っておりまして、これに加えまして、県外在住の若い世代の移住意向なども調査、分析し、その結果を政策に生かす取組を実施しているところでございます。これまでの調査、分析によりますと、県外に出られた方々は県内企業に対しまして、キャリアの形成が困難、高収入を得にくいというイメージをお持ちでして、また、全国や海外での仕事、希望する職種が県内企業では実現困難というふうに考えていることが分かったところでございます。  この結果を受けまして、県では成長が見込めます付加価値の高い企業ですとか、都市圏等と変わらない給与、待遇の企業を県外から誘致するということを強化しておるところでございます。また、海外営業など学生が興味を持つ職種のインターンシップを実施するなど、県内企業の魅力を体験する場も拡充しております。  今後も高校生や大学生の意識調査等を通しまして、若い世代の意見を反映しました政策形成に努め、でき得れば本県独自の先進的な政策を考えていきたいというふうに考えているところでございます。 143 ◯副議長(小堀友廣君) 教育委員会教育長豊北君。      〔教育委員会教育長豊北欽一君登壇〕 144 ◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 私から4点、お答えいたします。  まず、(仮称)福井県学校教育DX推進計画の策定についてのお尋ねでございます。  超スマート社会が到来する中、新型コロナウイルス感染症の拡大等により、不透明で変化が激しく、多様な価値観を有する時代になってきております。デジタル技術の進歩は速く、AIが飛躍的に進歩する一方で、人間の強みとして創造性や他者との協働等の力がますます重要になってきております。そのような中、デジタル教材を活用することにより、個別最適な学びを進め、さらに生徒同士が意見を出し合い、協働的に学べるよう、今、授業も進化してきております。  計画では、子どもたちが自ら課題を見つけながら探究心や創造性を伸ばしていけるよう、個性を最大限に引き出す教育や学びを自ら進んで楽しむ教育を目指してまいります。  次に、オンライン学習のお尋ねでございます。  県立高校では、オンライン学習については、新型コロナ感染症拡大防止のための臨時休業時や出席停止の生徒に対して学びの保障として行ってきております。当初オンライン上で映し出された黒板の文字が見づらいとか、オンライン上では先生とのコミュニケーションが取りづらいなどの課題があると聞いておりましたが、教員一人一人が日常の授業から工夫して行うことにより、質の向上が図られてきております。また、学習支援アプリを授業の復習だけではなく、反転学習で活用するなど、生徒が自ら学ぶことができる機会を増やしている学校もございます。  今後は生徒一人一人が個に応じた学習活動や課題に取り組むことができるよう、動画の活用や教材の充実に努めてまいります。  3点目は、英語でのコミュニケーション力の現状と課題、今後の対策についてのお尋ねでございます。  県ではALTを積極的に活用し、英語でのコミュニケーションの機会を充実させております。ALTにふるさとのよさや伝統文化について伝えるなど、自分の意見や考えを英語で表現する授業を行っております。児童生徒は英語でのコミュニケーションの楽しさを感じております。  また、本県独自に取り入れております外部検定試験GTECでは、要点を捉えて聞く力と理由をつけて話す力に課題があると指摘されました。その力を育成するために各学校では、児童生徒がより多く英語でやり取りすることを重視し、スピーチやディベートに取り組んでおります。  今後も引き続き、自分の意見や考えを重視したコミュニケーション主体の授業を推進してまいります。  最後は、英語でのコミュニケーションを子どもたちに身近に感じられる取組についてのお尋ねでございます。  グローバル化が進む中で、英語を使う職に就く子どもも増え、英語はますます身近になるものと考えられます。小中学校においてはキャリア教育に取り組んでおり、様々な職場での体験活動や、働く方に直接お話を聞く活動を行っております。  本県には英語教育地域人材バンクというものがございまして、現在133名が登録されております。そういったバンクに登録されている方で過去に外国で勤務経験のある方をはじめ、また、観光業とか商社など仕事で英語を使っている方々に、直接お話を聞いたり質問する場を設けまして、英語を習得しようとする学習意欲の向上につなげてまいりたいと考えております。 145 ◯副議長(小堀友廣君) 兼井君。 146 ◯8番(兼井 大君) それでは、再質問をさせていただきます。  先ほど御答弁いただきました、アンケートを取って当事者の声を聞いてということで、福井県もやっているということですが、結果もお伺いしても秋田県とひどく変わらないということで、どこも地方は同じような状況かなというのはすごく分かるんですけれども、だからこそなおさらそこから新しい取組を、もっともっととがった取組をするためにはアンケートの取り方も工夫して、じゃあ、アンケートじゃなくて、ほかの方法でそういう世代の方々の生の声、今の子どもたちの声を聞くというふうな工夫もしていただきたいというふうに思っておりますが、何かお考えがあればお聞かせください。 147 ◯副議長(小堀友廣君) 地域戦略部長吉川君。      〔地域戦略部長吉川幸文君登壇〕 148 ◯地域戦略部長(吉川幸文君) 確かに議員御指摘のとおり、秋田県とあまり変わらない結果でございまして、今御提案があったとおり、対象者ですとかどういう質問をするのかとか、もう少し質問、アンケートの内容を考えまして、その結果を、さらに先進的な政策を組めるよう生かしていきたいというふうに考えております。 149 ◯副議長(小堀友廣君) 兼井君。 150 ◯8番(兼井 大君) それでは二つ目の質問、最後の再質問をさせていただきます。  地域別の将来像ということで、奥越地域の観光の活性化ということで、長期ビジョンに描かれているよりもより一段階、具体的なイメージがわきやすい奥越地域の将来ビジョンというものが描かれてきたというふうに思っております。また、ほかの質問でもちょっと触れさせていただきましたが、自分たちの地域を自分たちで何とかしていこうというような意識を持たれている若い方々も増えてきました。そういう方々とお話をしていると、経験はないんだけれども、前向き、もしくはちょっと前のめり過ぎるぐらいの熱意で挑戦したいという気持ちを持つ方が非常に多いです。県庁内では、先ほど午前中の田中議員の質問にあったみたいに、ちょっととがったポスターを取り上げたりということで、知事が非常に若い方々の発想を取り込んで、上手にされているということを、私もいろんなところでお話をさせていただきますが、ぜひそういった心、気持ちを県庁内だけではなく、福井県全体に広めていただくようにすごく期待しているので、何かその点について感想がございましたら、お聞かせください。 151 ◯副議長(小堀友廣君) 知事杉本君。      〔知事杉本達治君登壇〕 152 ◯知事杉本達治君) 再質問にお答えをいたします。  御指摘のとおり、本当に地域をよくしたい、それからまた、元気にしていこう、新しい魅力的な展開をしたいというのは、私も最近県内を歩いていて、本当に多くの若い方だけじゃなくて、いろんな年齢層で感じているところでございまして、そういう意味で、今応援ディレクターを入れて県内を回ってもらっています。  一つは、とても若い方が活性化しているというところの効果も感じておりますし、また、そうした福井県を盛り上げようという人たちの声を聞きながら、組織全体を挙げて、さらにその方々の応援をする、そうすることでさらに盛り上がっていくというような、そういう県政を目指していきたいと考えております。 153 ◯副議長(小堀友廣君) 以上で、兼井君の質問は終了いたしました。  松崎君。      〔松崎雄城君登壇〕 154 ◯3番(松崎雄城君) 自民党福井県議会の松崎雄城でございます。1日目のトリを務めさせていただきます。この3年間で、この1日目か2日目のトリを務めることが非常に多いなという気がいたしまして、なぜかなと思いましたら、私、えとがとり年でございまして、鳥に縁があるなというふうに思います。大空を自由に飛ぶ鳥のように、本日も自由な発想を持って、質問と提案を行いたいと思います。  初めに、地方鉄道についてお伺いします。  JR西日本がローカル線に関する課題認識と情報開示として、1日2,000人未満の輸送密度の線区について収支率などを開示いたしました。その前には、ここ福井県においても越美北線や小浜線における減便などがあり、地方鉄道の在り方について福井県議会におきましても度々議論をしております。また、先日、小浜市議会の最大会派の方々とともに小浜線の利活用について、西本正俊県議会議員とともに意見交換を行いました。この地方鉄道の課題解決について非常に注目が集まっております。  北陸新幹線福井・敦賀開業に向けて、新幹線を降りた後の二次交通としても越美北線や小浜線は非常に重要な交通手段であり、ふだんは地域住民が生活に使う移動手段としても重要な意味を持っております。これらの課題解決について、県では県職員による電車での通勤を促すなど、ローカル線を使ってもらうための施策を打っております。  私からも前回の2月定例会において、公共交通料金をサブスクリプション化することをJRに求めてはどうかという提案をさせていただきました。その際に、当時の地域戦略部長から、交通機関の乗り放題と観光施設の入場券をセットにした周遊パスといったものを検討したいという答弁がございました。鉄道の切符と観光地の入場券、あるいは地域の名産品の割引券などをセットで売るなど、お得感がありながら、ある意味鉄道を使わざるを得ない状況をつくり出すということは、一つの戦略として必要と考えます。新型コロナウイルス禍におきましても、県内の宿泊割引と併せて、飲食店で使える割引チケットを配布するなど行いましたが、割引チケットをもらえるというお得感と併せて、そのチケットを使わないと何だか損をするという気分にもなり、それを使っていただくことで結果的に県内事業者の収益にもつながりました。  もちろんJR等の事業者の協力は条件となってまいりますが、ローカル線切符と県内飲食店や名産品の割引券をセット売りするなど、ローカル線を使ってもらいながらも県内消費を促す取組を増やしてはどうかと思いますが、所見をお伺いします。  また、現在様々なところで、電車に人を乗せるだけでない使い方というのが試されております。県内でもえちぜん鉄道において実施中でございますが、自転車を乗せるサイクルトレインや、ほかには新幹線で東北の訳あり野菜を直送し、駅で販売することなども行われております。  そこで、越美北線や小浜線におけるサイクルトレインとしての活用や、比較的乗員数の少ない時間帯の一般車両を一部貨物列車として利用するなど、人を乗せる以外の活用方法をJRと進めてはどうかと考えますが、所見をお伺いします。  また、駅のにぎわいづくりも重要であると考えます。小浜線の十村駅では、駅前において喫茶店を営業し、地域住民の集まる場として駅自体の活性化が図られているところでありますが、ローカル線駅にてにぎわいが創出されるよう、マルシェの開催や地域住民の憩いの場としての活用方法をJRと協働してはと考えますが、所見をお伺いします。 155 ◯副議長(小堀友廣君) 地域戦略部長吉川君。      〔地域戦略部長吉川幸文君登壇〕 156 ◯地域戦略部長(吉川幸文君) 私からは3点、お答えをいたします。  まず1点目、ローカル線を使ってもらいながら県内消費を促す取組についてお答えをいたします。  県におきましては、令和2年度と令和3年度、北陸本線から小浜線への直通列車を企画運行した際、三方五湖など観光地巡りや若狭ふぐ、若狭牛の食事をセットにしたツアーを催行したところ、販売後すぐに定員の80名に達しまして、参加者の皆様から大変好評を得たところでございます。また、小浜線や越美北線の利用者に対する、沿線イベントや買物に使用できる割引券の配布などもしておりまして、市町の取組を支援し、地域の消費拡大も同時に図っておるところでございます。  今後、観光型MaaSなど新たな取組も活用しながら、ローカル線切符と県内消費を促す仕組みをセットにした企画をさらに充実させ、鉄道利用の促進とともに沿線地域の発展にもつなげていきたいというふうに考えてございます。  2点目は、JRローカル線において、サイクルトレインや一般車両を一部貨物列車として利用する活用方法についてお答えをいたします。  サイクルトレインにつきましては、鉄道利用者を増やす有効な方策と考えておりまして、これまで市町やJRと調整を進めてまいりました。その結果、今年9月には、越美北線に自転車を持って乗車し、大野の町並みや一乗谷朝倉氏遺跡などを散策するツアーを実施いたします。  また、小浜線におきましても具体化はこれからですけれども、例えば片道は電車で移動し、片道は自転車で若狭湾ルートを巡るなど、ツアーを検討しているところでございます。  なお、一般車両を一部貨物列車として利用する貨客混載につきましては、新幹線のように短時間で長距離を移動する場合には大変有効で、先日、甘えびも東京に行きましたけれども、小浜線や越美北線におきまして同様な貨物運搬の需要があるかなど、改めて調査をしまして、課題を整理していきたいというふうに考えております。  3点目、ローカル線においてにぎわいが創出されるよう、JRと協働することについてお答えをいたします。  駅周辺のにぎわいづくりにつきましては、駅が単なる移動の発着地というだけの機能ではなく、鉄道を利用し、人が集まる目的地にもなりますことから、大変重要であるというふうに考えてございます。  小浜線におきましては、今年3月、上中駅にイベント等に活用できる共用スペースを設置するとともに、美浜駅におきましては、令和5年春の開業を目指して道の駅が進んでいるところでございます。また、越美北線におきましても、今年10月に一乗谷朝倉氏遺跡博物館がオープンするなど、駅周辺が充実をしてきておりまして、今後の利用拡大が期待されるところであると考えております。  また、昨年11月、越美北線の越前東郷駅周辺で行われました、雑貨やスイーツなどを販売するマルシェなどの事例を参考にしまして、さらに市町やJRとともに駅周辺のにぎわいづくりのイベント等の実施を検討してまいりたいというふうに現在考えているところでございます。 157 ◯副議長(小堀友廣君) 松崎君。 158 ◯3番(松崎雄城君) ありがとうございます。駅周辺のにぎわいというのは、今、私の一番地元の小浜駅ですと、いわゆるコンビニとかももうなくなって、テレビも撤去されたのかな、それで、もう何もないみたいな状態になっていますので、今高校生とかに聞きますと、かなり寂しい状況になっているというふうにお聞きしますので、ぜひそこら辺も何か考えていただけるとありがたいなというふうに思います。  では2点目、福井の魅力発信についてお聞きいたします。  観光とは光を見るもの、光を見るとは夢を見るもの、住んでいる場所にはない夢を見に人は動くという考えがあり、間近に迫っている北陸新幹線の福井・敦賀開業という百年に一度のチャンスを制するに当たっては、定石どおりのやり方とともに、奇抜で新たな発想も必要ではないかと思っておりますが、以前から申し上げているとおり、福井県の一番の課題はアピール力の低さにあると考えております。  先日、星野リゾートの星野代表も、何かアピールできるものが必要であるとおっしゃられておりましたが、ものは実はあるが、アピール力が足りていないのではないかと個人的には考えているところでございます。  平成27年3月の北陸新幹線金沢開業時には、首都圏の企業やグループが北陸への送客キャンペーンを本格化させ、北陸3県の観光地を紹介するCMを首都圏で放映したほか、顧客向け会報誌で特集を打ち出すなどの取組について新聞等で紹介され、JR東日本は首都圏で北陸の魅力を発信するCMをはじめ、ひがし茶屋街や立山連峰、東尋坊の映像が流れた後、特注の加賀友禅小紋を着た人気女優の杏さんが、「とっておきの日本が近くなる。ずっととっておきにしておきたかったからちょっと残念です」と語っておりました。さらに、富山、石川、福井の各県バージョンに内容を切り替え、3月の開業を全面にアピールするCMに一新しておりました。北陸新幹線の金沢開業に向かい、未開の地の一つとしてしか首都圏の人には映っていなかった北陸が多くの注目を浴びました。  先月、再びJR6社と地元自治体、経済・観光事業者等が協働で実施するデスティネーションキャンペーンの開催地が北陸3県に決定し、知事に対して開催決定通知書が手渡されました。開催期間は2024年10月から12月までの間、2015年以来9年ぶりの開催で、特に首都圏の誘客には大いに期待できるものがあります。しかしながら、期待しているのは当然富山、石川も同じであります。前回その時点では終着駅であった金沢開業ということで、石川県が大いににぎわったのは仕方ございませんが、今回は福井・敦賀開業であり、敦賀が終着駅となります。今月9日の毎日新聞の記事にはまちづくりの取組が遅れていることは否めず、受皿不足が心配であるというような内容が書かれておりました。  そこで、金沢という既存のブランド力の高さに負けず、どのような差別化を図り、今回は金沢ではなく、福井・敦賀だという終着駅効果をどう発揮するのか、知事にお伺いをします。  次に、ふくい観光ビジョンについてお聞きします。  令和元年末頃から広がりを見せ、いまだに先行きをどう判断すべきか分からない新型コロナウイルス感染拡大により、せっかくの北陸新幹線福井・敦賀開業のにぎわいが隠れてしまっては元も子もございません。令和元年度に策定し、令和2年度に一部追加したふくい観光ビジョンでは若干の記載がございますが、今後新型コロナウイルス感染拡大に対してどう対応し、ウィズコロナとして組み入れていくのか、疑問に感じるところです。  そこで、今年3月に開催されました、ふくい観光ビジョン推進懇話会では、今後の福井観光についてどのような検討がなされ、今後の方向性を見出していこうという意見が出されたのか、お伺いします。  また、そのふくい観光ビジョン推進懇話会の議事録の中に、ある委員から、「いい建物など、ハード整備、体験ものなどが着々と出来上がってきているが、これらに誘導するコンシェルジュとかコーディネーターみたいな機能がしっかりとした形で必要になると思っている。こういった機能は全国的にも少ないと思っているので、ここ福井県でまず一番に、コンシェルジュ等が自走できる仕組みをつくっていくことが大事ではないか。公務員的な方々がやるのではなく、紹介するというのがお金になるという仕組みづくり、地域の理解を高めていく取組づくりが必要である」という意見がございました。さらに先日、一般社団法人福井県物産協会の会長とお話をする機会がございまして、その会長がおっしゃるには、「首都圏などでは物産観光展が開催されており、その際に、観光ブースは必置とされているが、そこでは単に福井県の観光や物産の魅力を発信しているだけであり、現在はパンフレットによる説明を中心に協会員が対応しているが、せっかく福井のことに興味を持って大手百貨店にやってきている人たちに対し、観光宣伝隊がついでにやるようなやり方ではなく、また、地元の語り部とも違う、誘客促進に踏み込める営業的で専門的な人を設置してもらいたい」、「ふくい観光ビジョンでは、観光という大命題に対する物産の位置づけをどう考えているのか、もう少し方法論の一つとして物産で人を動かすような、物産と観光が融合するような取組を行ったほうがよいのではないか」と、熱くおっしゃられておりました。  そこで、ふくい観光ビジョン推進懇話会の委員だけでなく物産関係者も提案しておられます、都市圏の方々が新たに福井の魅力を発見し、福井へ行きたいと思わせるような営業を物産展や観光展で担い、物の動きと人の動きを融合した取組ができる、ほかにはない新たな福井オリジナルの「ふくい魅力発信コンシェルジュ」を育成し、派遣するような制度を、再来年に差し迫ってきた北陸新幹線福井・敦賀開業、その後の大阪万博、さらには北陸新幹線全線開通に向け創設してはどうかと考えますが、中村副知事の所見をお伺いします。 159 ◯副議長(小堀友廣君) 知事杉本君。      〔知事杉本達治君登壇〕 160 ◯知事杉本達治君) 松崎議員の一般質問にお答えを申し上げます。  私からは、北陸新幹線福井・敦賀開業の終着駅効果の発揮についてお答えを申し上げます。  御指摘のとおり、今回、北陸新幹線が開通をいたしますと、敦賀駅は当面終着駅になるわけでございます。この終着駅というのは、東京から見れば、ここで一旦降りて、少なくとも在来線に乗り換えるとかそういうことをしなければいけない、また、中京、関西から見ると、これから新幹線に乗って北陸へ行くというような、入り口にもなるわけでございます。その効果を最大限生かしていかなければいけないというふうに考えているわけでございます。単に乗り継がれるのでは終着駅というわけにはいかないわけでして、そういう意味では降りていただく、この仕掛けが大事だと考えております。
     そういう意味で今、まずは敦賀駅、ここのところで街のにぎわいをつくる、それから金ケ崎、気比神宮の辺り、こういったところも今まちづくりのプロジェクトを立ち上げて、県と市と経済界が一緒になって検討を進めております。  その中で、先日も私、金ケ崎のところにオーベルジュを造ろうとおっしゃっている社長さんとお話をさせていただいておりますけれども、とても世界的な建築家の方と話ができたので、日本一とその方はおっしゃっていましたけれども、日本一の宿泊施設を造って、周りにもそういった赤レンガ倉庫をしのぐようなすばらしいいろんな施設なんかも造りながら魅力を高めていきたいと、こんなお話も伺ったところでございます。さらに民間でも、つるがUMAMIグルメというようなことも検討いただいているということですので、新幹線の開業に向けて、どんどんお話が広がってきているなと感じているところでございます。  さらに言えば、これを嶺南地域全体で引っ張っていただく、降りていただく、魅力を高めていただくというのはとても大事だというふうに思っております。ソフトの面でいえば、この春ですけれども、JR西と、それから全国的ないろんな旅行会社さん、県も一緒になって新しい観光開発プロジェクトをつくっておりますけれども、この中でも東京出発でレインボーラインですとか明通寺、嶺南全体を回るようなツアーもつくっていただきましたら大変盛況だったということでございます。  さらには、今回、北陸新幹線が開通いたしますと、嶺南地域全体、全ての市町が一つになっていろんなイベントを1年間各地でやっていく、そういう嶺南誘客キャンペーンというのもやらせていただきますし、小浜線そのものがやはりサイクルトレインになったりとか、十村駅も行きましたけれども、喫茶店があって、そこでしか食べられないものが出てくるとか、おっしゃっていただいた各駅が、こういうような魅力をつくることで小浜線に乗り換えていただく、嶺南地域に二次交通も含めて広がっていただく、こういう仕掛けもしっかりと市や町と経済界、一緒になってつくっていきたいと考えているところでございます。 161 ◯副議長(小堀友廣君) 副知事中村君。      〔副知事中村保博君登壇〕 162 ◯副知事(中村保博君) 私からは、新たな福井オリジナルの魅力発信コンシェルジュを創造し、派遣するような制度をつくってはどうかという御提案でございます。  都市圏で実施しています観光の出向宣伝、それから物産展では、物産の事業者や県、市町の観光関係者に加えまして観光宣伝隊と、こういう組織が観光コンシェルジュとして参加をしております。本県への来県意欲を高めるべく、本県の魅力をその場で発信をしているわけでございます。この観光宣伝隊、大体20人程度で組織されているんですが、毎年プログラムを組みまして、研修を実施しているところでございます。  ただ、御質問の中にありましたように、物産協会の方も御存じだと思いますので、その上での質問だと思います。  それで、この新幹線開業に向けましては、さらなる知識と接客のレベルアップを図りまして、福井の観光物産を十分に発信できるコンシェルジュに育てていきたいと考えております。  御質問の中にもありましたが、観光と物産というのはこれはあくまで旅行者にしてみれば一体でございますので、例えば蘇洞門めぐりだけして帰るというのは、それは困るわけでございまして、やはり民宿に泊まっていただいて、若狭の塗り箸でおいしいお魚を食べていただいて、方言の一つ、二つを覚えて帰っていただいて、そして、お土産には小鯛の笹漬けでも持って帰ってもらうと。そしてなおかつ、福井県を離れるのではなく、隣の町へ行ってもらう。今、そういうような市町連携の観光のパワーアップを考えてございます。ですから、会場ではパワーアップしたコンシェルジュが福井へ誘いまして、あとは観光も物産も皆ブラッシュアップをしていただいていますので、新しいものがどんどん出来上がっておりますので、その最新情報を観光の窓口、物産の窓口、コンシェルジュ、この三位一体でネットワークを強化いたしまして、今、地元のおもてなしも強化しようとしておりますので、総合的に一つの力として結集して、一層の誘客を図ってまいりたいというふうに考えております。 163 ◯副議長(小堀友廣君) 交流文化部長西川君。      〔交流文化部長西川 聡君登壇〕 164 ◯交流文化部長西川 聡君) 私からは、今年3月のふくい観光ビジョンの検討内容と今後の方向性についてお答え申し上げます。  ふくい観光ビジョンにつきましては、新型コロナの広がりを踏まえまして、令和2年度に委員からも御指摘がありまして、その御意見を基に地域の魅力を再発見するマイクロツーリズムの推進ですとか、デジタルを活用しました安全・安心で快適な旅の提供など、四つの重点項目を追加で盛り込んだところでございます。  また、今年3月には委員からさらに、コロナ禍で再発見できた魅力を育てて高付加価値化すべきであるとか、地域のプレーヤーの横のつながりをつくって新たなお客様をつかまえていくといいといったような意見も頂きました。  これらの御意見を踏まえまして、県や観光連盟では、デジタルによるツアー提案やプレーヤーの商品開発支援、市町、JR、旅行会社とのタッグで新たな旅行商品を増やしていくなど、コロナ明けを見据えた誘客の仕掛けづくりを協力して進めておりまして、今後ともビジョン実現に向け、尽力してまいります。 165 ◯副議長(小堀友廣君) 松崎君。 166 ◯3番(松崎雄城君) ありがとうございます。世界一の施設、ぜひ造っていただきたいなと思いますし、中村副知事からは小浜の魅力発信をしていただいたようで、ありがとうございます。後ろからウナギはどうなんだという話が聞こえてきそうな感じでございましたけれども……。  次の最後の質問をさせていただきます。  子育て支援についてです。  福井県は、知事が日本一幸福な子育て県「ふく育県」であることを宣言し、新たな福井県のブランドとして全国に発信しております。県では、子だくさんプロジェクトとして、保育料無償化などの支援を第2子からに拡充することなどを行っておりますが、この拡充について、所得制限が厳しく、特に福井県は共働き県日本一をうたっており共働きを推奨しておきつつも、実は共働きをしていると世帯所得が増加し、この子育て支援の所得制限に引っかかるという事例を度々お聞きしております。もちろん財源の問題などもございますので、一様に所得制限の撤廃などは申し上げませんが、果たして人口減少の歯止め、出生率の増加にどれほどの効果をもたらしているのかというところが疑問でございました。しかし、令和4年度予算においてこの所得制限が緩和され、より多くの世帯が子育て支援を受けられるようになり、県民からの不満も減るのではないかと期待しております。  そこで、子だくさんプロジェクトの所得制限緩和によって子どもの何割が支援を受けられるようになるのか、また、それによる県内出生率などへの効果について、所得制限緩和前の効果の分析も含め、県の所見をお伺いします。  兵庫県明石市の政策が最近テレビでも話題となり、泉市長が国会に招集されるなどしております。明石市と福井県では周りに大きい経済圏があるかなど、立地状況や税収など、大きく違う部分があるため、全てを参考にできるわけではございませんが、人口が増え、子どもの数も増えているという部分には一定の好印象を持ちます。  「ふく育県」として負けていられないという思いがしてくるわけでありますが、兵庫県明石市のようにとはいかずとも、「ふく育県」としてもっと大胆な子育て政策が必要ではないかと考えますが、知事に所見をお伺いします。  また、幼稚園や保育園など、親ではないところでの子育ての充実ということも視野に入れて、保育士の給料の底上げを行うということなども考えられます。保育士などは比較的女性の割合が多い職場でございますが、女性への待遇がよい企業が増えることにより、より女性に住んでいただける県になれば、必然的に婚姻数や子どもの数が増えることにもつながります。  先日、新聞報道において、20代独身男性の約4割がデートの経験がないという記事がございました。いわゆる草食系男子が増えていることや、多様な生き方という考え方が進む中で、交際などに興味がない人が増えているということかもしれませんが、これは人口減少、少子化の日本、特にこの福井県においては、それだけ婚姻数なども減少するということにつながり、よくないデータではないかというふうに考えております。──私は経験済みでございます。  県では婚活サポートなども充実させる政策を打っておりますが、年間の成婚数はなかなか伸び悩んでいるというのが現状かと思います。さらに、進学などで県外に出た若い世代の中で、男性より女性のほうが帰ってくる割合が低いというお話もお聞きしました。そんな中において、女性が働きやすく、住みやすい県として広く周知され、多くの女性が帰ってくる、あるいは集まる県になり、女性が生き生きと輝いている姿を見ることで、男性も魅力を感じ、デートに誘いやすくなり、人口減少、少子化解消への一つの糸口になるのではと考えます。  そこで、女性が多い企業などに対し助成を図っていくなど、女性の働きやすさについて支援を拡充していくことについて、所見をお伺いします。 167 ◯副議長(小堀友廣君) 知事杉本君。      〔知事杉本達治君登壇〕 168 ◯知事杉本達治君) 私からは、「ふく育県」としてもっと大胆な子育て政策が必要ではないかという点についてお答えを申し上げます。  議員御指摘のとおり、私も明石市の政策については分かりやすさですとか力の入れ方、とても参考にさせていただいているところでございます。それもございまして、今年度予算では子育て支援の予算額を倍増もさせていただいております。結果的に今、福井県の子育て予算、子ども1人当たりの予算額は全国1位という状況になっているところでございます。  今後とも、県民の皆さんからニーズを伺いながら、さらなる子育て支援について検討もさせていただきますし、また、発信が大事だと思っております。やはり子育てで人を集める、移住をしてもらう、これもとても大事だと思いますので、そうした発信についても強化をしてまいりたいと思っておりまして、それによって名実ともに「ふく育県」、こういったものになってまいりたいと考えているところでございます。 169 ◯副議長(小堀友廣君) 地域戦略部長吉川君。      〔地域戦略部長吉川幸文君登壇〕 170 ◯地域戦略部長(吉川幸文君) 私から1点、女性の働きやすさに関する企業への支援拡充についてお答えをいたします。  県におきましては、女性が働きやすい職場づくりに取り組む企業を、ふくい女性活躍推進企業として登録を進めておりまして、現在308社が登録をされております。令和2年度からは、これら登録企業を対象にしまして、女性の採用、育成、登用などに積極的に取り組む企業を表彰しておりまして、これをロールモデルとして他企業へ、県内全体へ展開を図っております。  さらに、今年度からは新たに社会保険労務士をコンシェルジュとして配置し、企業を直接訪問して経営者等に柔軟な働き方や女性登用などを働きかけるなど、企業の女性活躍に関する取組をさらに推進しております。それとともに、登録企業に紹介する情報誌や動画を作成しまして、就職活動を控えた学生にアピールをしているところでございます。  これらの取組を通じまして、女性が働きやすく、魅力ある企業を県内にさらに増やしていきたいと考えております。 171 ◯副議長(小堀友廣君) 健康福祉部長服部君。  持ち時間を超過しておりますので、答弁は簡潔に願います。      〔健康福祉部長服部和恵君登壇〕 172 ◯健康福祉部長服部和恵君) 私からは、子だくさんプロジェクトの所得制限緩和により、対象となる子どもの割合と県内出生率への効果についてお答えを申し上げます。  ゼロから2歳児までの第2子の保育料無償化につきまして、年収360万円未満の世帯を対象としておりましたが、本年9月からは年収640万円未満の世帯に拡充する予定でございます。これにより、第2子の約55%に当たる2,000人強の子どもが新たに支援対象となり、第2子の約70%が保育料の無償化となる見込みでございます。  令和3年の出生数については、全国の傾向とは異なり、本県では20歳代の女性人口が減少したにもかかわらず、20歳代の母親の出生数は増加いたしました。これは、これまでの保育料無償化の所得制限緩和により、所得の低い若年層であっても安心して出産、育児ができるというイメージが定着しつつあることが一因ではないかと考えており、今年9月からのさらなる所得制限緩和が出生数、出生率の向上に寄与することを期待しております。 173 ◯副議長(小堀友廣君) 以上で、松崎君の質問は終了いたしました。                ━━━━━━━━━━━━━━━ 174 ◯副議長(小堀友廣君) 以上で、本日の議事日程は全部終了いたしました。  明21日は午前10時より会議を開くこととし、議事日程は当日お知らせいたしますので御了承願います。                ━━━━━━━━━━━━━━━ 175 ◯副議長(小堀友廣君) 本日は、以上で散会いたします。                               午後4時28分 散 会 発言が指定されていません。 Copyright © Fukui Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...