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令和3年予算決算特別委員会 概要 2021-03-12
令和3年予算決算特別委員会 本文 2021-03-12

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  1. 福井県議会 2021-03-12
    令和3年予算決算特別委員会 本文 2021-03-12


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    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいタブが開きます) 令和3年予算決算特別委員会 本文 2021-03-12 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ窓表示 ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者一覧に移動 全 192 発言 / ヒット 0 発言 表示発言切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示 すべて選択 すべて解除 1 ◯笹岡委員長 2 ◯宮本委員 3 ◯知  事 4 ◯宮本委員 5 ◯土木部長 6 ◯宮本委員 7 ◯土木部長 8 ◯宮本委員 9 ◯宮本委員 10 ◯安全環境部長 11 ◯宮本委員 12 ◯知  事 13 ◯宮本委員 14 ◯宮本委員 15 ◯地域戦略部長 16 ◯宮本委員 17 ◯地域戦略部長 18 ◯宮本委員 19 ◯笹岡委員長 20 ◯西畑委員 21 ◯知  事 22 ◯西畑委員 23 ◯地域戦略部長 24 ◯西畑委員 25 ◯健康福祉部長 26 ◯西畑委員 27 ◯西畑委員 28 ◯土木部長 29 ◯西畑委員 30 ◯西畑委員 31 ◯知  事 32 ◯西畑委員 33 ◯知  事 34 ◯松田委員長 35 ◯鈴木宏紀委員 36 ◯安全環境部長 37 ◯鈴木宏紀委員 38 ◯安全環境部長 39 ◯鈴木宏紀委員 40 ◯安全環境部長 41 ◯鈴木宏紀委員 42 ◯知  事 43 ◯鈴木宏紀委員 44 ◯知  事 45 ◯鈴木宏紀委員 46 ◯知  事 47 ◯鈴木宏紀委員 48 ◯鈴木宏紀委員 49 ◯知  事 50 ◯鈴木宏紀委員 51 ◯松田委員長 52 ◯松田委員長 53 ◯大森委員 54 ◯知  事 55 ◯大森委員 56 ◯知  事 57 ◯大森委員 58 ◯地域戦略部長 59 ◯大森委員 60 ◯大森委員 61 ◯教育長 62 ◯大森委員 63 ◯教育長 64 ◯大森委員 65 ◯健康福祉部長 66 ◯大森委員 67 ◯教育長 68 ◯産業労働部長 69 ◯大森委員 70 ◯健康福祉部長 71 ◯大森委員 72 ◯健康福祉部長 73 ◯大森委員 74 ◯健康福祉部長 75 ◯大森委員 76 ◯大森委員 77 ◯産業労働部長 78 ◯大森委員 79 ◯土木部長 80 ◯大森委員 81 ◯産業労働部長 82 ◯大森委員 83 ◯産業労働部長 84 ◯大森委員 85 ◯松田委員長 86 ◯笹岡委員長 87 ◯辻委員 88 ◯土木部長 89 ◯辻委員 90 ◯知  事 91 ◯辻委員 92 ◯健康福祉部長 93 ◯辻委員 94 ◯健康福祉部長 95 ◯辻委員 96 ◯健康福祉部長 97 ◯辻委員 98 ◯健康福祉部長 99 ◯辻委員 100 ◯地域戦略部長 101 ◯辻委員 102 ◯地域戦略部長 103 ◯辻委員 104 ◯地域戦略部長 105 ◯辻委員 106 ◯地域戦略部長 107 ◯辻委員 108 ◯地域戦略部長 109 ◯辻委員 110 ◯知  事 111 ◯辻委員 112 ◯知  事 113 ◯辻委員 114 ◯知  事 115 ◯辻委員 116 ◯知  事 117 ◯辻委員 118 ◯知  事 119 ◯辻委員 120 ◯危機対策監 121 ◯辻委員 122 ◯危機対策監 123 ◯辻委員 124 ◯危機対策監 125 ◯辻委員 126 ◯危機対策監 127 ◯辻委員 128 ◯危機対策監 129 ◯辻委員 130 ◯危機対策監 131 ◯辻委員 132 ◯危機対策監 133 ◯辻委員 134 ◯危機対策監 135 ◯辻委員 136 ◯危機対策監 137 ◯辻委員 138 ◯危機対策監 139 ◯安全環境部長 140 ◯辻委員 141 ◯危機対策監 142 ◯辻委員 143 ◯危機対策監 144 ◯辻委員 145 ◯危機対策監 146 ◯辻委員 147 ◯危機対策監 148 ◯辻委員 149 ◯危機対策監 150 ◯笹岡委員長 151 ◯辻委員 152 ◯知  事 153 ◯辻委員 154 ◯笹岡委員長 155 ◯仲倉委員 156 ◯知  事 157 ◯仲倉委員 158 ◯知  事 159 ◯仲倉委員 160 ◯知  事 161 ◯仲倉委員 162 ◯知  事 163 ◯仲倉委員 164 ◯知  事 165 ◯仲倉委員 166 ◯知  事 167 ◯仲倉委員 168 ◯知  事 169 ◯仲倉委員 170 ◯知  事 171 ◯仲倉委員 172 ◯知  事 173 ◯仲倉委員 174 ◯教育長 175 ◯仲倉委員 176 ◯教育長 177 ◯仲倉委員 178 ◯教育長 179 ◯仲倉委員 180 ◯知  事 181 ◯仲倉委員 182 ◯農林水産部長 183 ◯仲倉委員 184 ◯農林水産部長 185 ◯仲倉委員 186 ◯知  事 187 ◯仲倉委員 188 ◯笹岡委員長 189 ◯佐藤委員 190 ◯笹岡委員長 191 ◯笹岡委員長 192 ◯笹岡委員長 ↑ リストの先頭へ ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯笹岡委員長  ただいまより、予算決算特別委員会を開会する。  本日の委員会は、新型コロナウイルス感染症対策として、通常の休憩に加え、換気のための休憩をおおよそ1時間をめどにとる予定をしているので了承いただきたい。  また、マイボトル等による水分補給については、委員会中は遠慮いただき、休憩中にお願いをする。  次に、パソコン等の使用についてであるが、議会運営要綱の規定により、パソコン等を使用する委員は審議の妨げにならないよう、節度を持って適切に使用願う。  併せて同規定により、説明者及び説明補助者にはパソコンやスマートフォン等の使用が認められていないので、留意願う。  次に、傍聴される方に申し上げる。  委員会中の私語は慎んでいただき、また、スマートフォン等の電源を切るなど、さきにお知らせした留意事項をしっかりと守って傍聴願う。  これより、昨日に引き続き、総括審査に入る。  なお、付託議案については、お手元に配付のとおりであるので、質疑を行う。  本日の発言順序はお手元に配付のとおりとし、発言者はこの順序により持ち時間の範囲内において発言願う。  これより、宮本委員の質疑を行う。  宮本委員。         「大雪対策について」             宮本 俊 委員 2 ◯宮本委員  県会自民党の宮本である。最近の議会、または、情勢を見てみると、福井県の長期的な重要な課題が、キャスチングボートとまでは言わないまでも、国が大きな関与をしているなというようなイメージを持つ。新幹線、財源を含めたコロナ対策、それから大雪、そして原子力発電所、こういったものが国の意向によって大きく変わっていくという状況になっているが、そういうことも背景にあって、私も今回の質問については、国に対してこう言うべきじゃないかと、こう提言すべきじゃないかというようなことが多く入っているので、そういった背景を理解いただき、答弁いただきたいと思っている。  まず、1つ目が大雪対策である。  天気もよくなってきて、雪が目の前から消えていくと、大雪の話というのは忘れ去られてしまう部分がある。私もこの段階において質問することに対して、もういいかなと思ってしまう部分もあるが、ただ、このもういいかなというのが、また3年後同じことを繰り返すということになると思うので、あのときのつらさ、あのときの福井県の憂いを胸に、また気合を入れて質問したいと思っている。  今回の1月7日から10日の大雪についてということであるが、まずは、私の地元の越前市のほうでは、それほど大きな被害もなく幸いであったなと思っているのであるが、そういった意味も込めて、今回についてはもっと大きな話というか、生活道路云々とかよりも、もっと大きな仕組みの話とか、そういうことをしたいと思っている。今回の大雪の被害の流れということであるが、1月7日から10日の雪に対して、1月25日、国、NEXCOの対応の発表があった。この中でちゅうちょなく同時通行止めというようなキーワードが出てきたわけである。それを受けて1月26日、議会のほうでは全協をやって、その対応についていろいろな意見が出たということである。こういった対応の意見とか、またいわゆる協議が生かされたかどうかというのが1月29日の大雪の、実際には被害が出るような大雪じゃなかった──、それに至るまでの過程がどうかという話なのである。この1月29日の大雪に関する情報の伝達などに対する経緯ということなのであるが、まず初めに、1月27日、通行止めの可能性があるということで、第一報がNEXCOからあったと。それに対して1月28日、2時半からなのであるが、大雪に関する連絡調整会議、これはもともとは対策本部なのであるが、解散した後なので連絡調整会議という名称でやられたと思う。それから1月28日の8時には、NEXCOより通行止めの可能性があるということでプレスリリースがあった。そして1月29日、実際に通行止めがあったわけであるが、早朝4時55分、NEXCOから県へ通行止めを実施したいという話があった。それから5時半には、土木部長が知事に対して、通行止めの実施があるそうである、という報告をした。NEXCOからは、5時45分にツイッターで、そして5時55分、もう5分前であるがホームページにてリリースがあり、実際には6時に通行止めが行われたということである。  特筆すべきは、1月28日に、「29日に大雪があり、通行止めをしそうだ」ということで、知事も出席の下、連絡調整会議が行われているのである。知事はここで、基本としては1ライン残してお互い助け合っていくことだと思っていると。1ラインというのは2ラインのうちの1ラインという意味である。国道なのか、北陸自動車道なのかということであるが、住民の皆さんが生活に困らないようにすることを最優先に考えてほしいと、大雪になることが強まる場合には議論させていただいて、何とか1系統の縦のラインを生かせる方法を考えさせていただきたいというふうに言っておられた。28日の段階で、我々議会の26日の全協の意向も含めて、こういった発言をいただいたということについては評価をしたいと思っている。
     確かにこのときに通行止めをしなかったらどうなるかという仮定は、いわゆるシュレーディンガーの猫ではないが、なかなか確定していないので分からないということで、想定の話になるかもしれないが、これらの経緯を踏まえて、1月29日の、こういった県の対応についてどう評価するか、知事の所見を伺いたいと思う。  また、28日の連絡調整会議の中で、1ラインは残すという要望が、かえって1ラインだから止めていいんじゃない、というような安易な決定を招いたのではないかなというふうに思っているわけである。北陸道の通行止めにより、武生インターから国道8号までの間、この路線で非常に大渋滞を起こしたということを考えると、1ラインであろうが安易に通行止めをしない、という姿勢が大事だったんじゃないかなというふうにも思われるのであるが、どうか。 3 ◯知  事  今年はいろんな形で大雪があった。また、降るというような状況、情報があったということで、いろんなことが重なったところである。  1月29日の北陸道の事前通行止めについては、事前に通行止めをするという確定的な意味で十分に周知がされていなくて、しかも大雪警報も出ていない中でああいうふうな形の通行止めにしたものであるから、流入車両が全然制限されないままに、それが全部国道8号に降りていくということになって、結果として国道8号が大混乱になったわけである。この後、私はすぐにNEXCO中日本の宮池社長に電話をして、今後すぐに改善してくれと申し上げている。  今のお話の中で、1ラインは残してくれということが結果的によくなかったんじゃないかという話もある。話には経過があって、「大きな雪が降る、そうすると両方とも止めなくちゃいけないかもしれない」、こういう話があったものであるから、「それでも一つ一つを空けながらやっていかないと物事は流れていきませんね」ということで、1ラインは残してくれというふうに申し上げたわけであって、決していつでも1ライン止めていいよと、そういうつもりもないし、そんな話の流れではないので、そこだけは申し上げさせていただく。  いずれにしても、ドライバーの方々の命もかかっているので、本当に想定もしないような大雪が降った場合には、今回の1月7日から10日の例を見ても、そのまま通し続けることがかえって大きな社会的な問題を引き起こすことはあるわけで、そういう意味では事前の通行止めということもあり得ると思っている。  ただ、そのときの運用の仕方、これは我々にとってとても大きな社会的影響があるので、これについてはこれまでも言ってきたが、今後とも決して安易に両方とも止めるということがないように、これからも常に、国、NEXCOに対しても申し上げていきたいと考えている。 4 ◯宮本委員  そういうお気持ちであったということであれば、気持ちは一緒であるということになるわけであるが、やっぱりキーとなるところは、本当にこの通行止めの判断をするときに、NEXCOなりが、下の道の状況で、どういうことが起こるかということが人ごとになっているというか。要するに北陸自動車道で事故が起こらなかったらそれで丸。言葉は悪いが、下で何が起ころうが知ったこっちゃないよというような判断がなされるのであれば、これはもう本当に何とかしなきゃならない話であるし、今回のことでいろいろと我々の要望なんかも届いた部分もあるかもしれないが、そういったことも含めて、今の議論の中で進めたいと思う。  いわゆる渋滞の経済損失ってどんなものよという話であるが、実は国交省が出している試算であるが、年間で38.1億人時間、38.1億人の方が1時間なのか、要するに人掛ける時間である。これだけの時間が損失している。そして、その経済価値はどれだけだ、ということについては12兆円だと言われている。これは単純な割り算であるが、12兆円割る38.1億人というと、1人当たり1時間渋滞に巻き込まれると3,149円損失するということである。これが1,000台なら314万9,000円である。これが時間で2時間、3時間。台数が2,000台、3,000台になると、600万円、900万円、1,200万円と経済損失になっているわけである。福井県のこの地域において、これだけの経済損失を発生させるという認識をNEXCOはお持ちなのかな、というのが先ほどの危惧である。  それで、実は、2月3日、13時から、国交省の第5回冬期道路交通確保対策検討委員会というのがあったようである。東京の偉い学者さんなりが集まって、こういった検討会をやっているが、この議事録にあるのだが、議事要旨の一番初め、「通行止めは空振りをおそれず、ちゅうちょなく実施すべきである」と書いてある。それ以後のことで、何とかして設備の増強とか体制の確保によって交通を確保する、という議論が全く入っていない。これで本当に交通確保対策検討委員会なのかと。何かあったらすぐ止めて危なくないようにしよう、そうじゃないとリスクマネジメントできないよねというような中身である。そういったことで考えると、今回の一連の要望、県からもしていると思うし、議会としても意見書を出しているという中で、もちろん現在のNEXCOの北陸の担当者の方とか国交省の担当者の方については、ある程度、下にも影響を与えるな、ということを理解されていると思うのである。だからこそであるが、私自身は通行止めの決定の際には、地域交通ネットワークの管理者、これは知事になると思うが、一番いいのは、同意を得るという形なのである。ただこれは責任問題上、あっちはあっちで知事がこう言ったから、通したから、事故になったという言い方をすると思うので、なかなか難しいと思う。ただ、せめて通行止めの決定に当たっては、地域交通ネットワークの管理責任者と協議するとか、地域交通ネットワークの影響を十分に考慮してこれを行うということを、彼らの中に明文化したものとして手順に盛り込んでもらう、というところまでいっていただけないかなというふうに思っている。  というのは、先ほど言ったように、今の担当の方はそれなりに理解をいただけるかもしれない。これが3年後の新しい管理者の方、NEXCOの社長とか、国交省の担当の方が、3年後、4年後か分からないが、また大雪のときに同じことを繰り返すんじゃないか。地域のことを本当に考えてくれるか、下道のことを考えてくれるかというのが非常に心配だ、だからこそ明文化したものを出していただきたい、ということでお願いをできたらと思っているが、所見を伺う。 5 ◯土木部長  通行止めの判断については、道路管理者または交通管理者において行われるものであるが、安易に通行止めが行われると、本県の経済社会活動に大変大きな影響があるので、県管理道路や市町村道を含めた道路全体のネットワークを考慮した的確な運用が行われるよう、その方策等について、国やNEXCO等の関係者に県のほうもしっかりと意見を申して、協議をしていきたいと考えている。 6 ◯宮本委員  方向性は同じであるが、より踏み込んだということで、先ほど言ったように、今言って、はい、分かったとNEXCOや国交省が言っても、担当者が変わった4年後、5年後に、同じことが、そう思っていただけるかどうか分からないので、こういうものに明確に基準を入れてもらえば、そういうことで考慮せざるを得なくなるであろうという話なので、ぜひそこまで踏み込んだ形で要望していただきたいというふうに思っている。  実は、緊急事態のリスクの算定というのは、一般的にはこれはイロハのイであるが、発生の可能性掛ける結果の重大性と言われている。これは通告していないが、別に答弁要らないので説明だけする。そうすると、発生の可能性というのは通行止めにすればゼロになるのである。そうすると、ゼロ掛ける何があっても、ゼロなのである。これはリスクマネジャーが一番やる安易な手なのである。例えばこれは簡単である。自動車事故が怖いから自動車に乗らない、原発が怖いから原発稼働しない、これは発生の可能性がゼロになる。であるが、本来的には、リスクマネジメントというのは発生の可能性掛ける結果の重大性なので、結果の重大性ってどうなんだという努力が今、NEXCOに全く見られない。それはどういうことかというと、発生の可能性というのは、例えば30キロで走れば、事故を起こしても誰も死なないよねという話。それから発生の可能性をゼロにするんじゃなくて、例えば除雪をしっかりやって、スリップを起こさない、スタックを起こさないようにするとかということをやれば発生の可能性は減るのである。この掛け算で考えなきゃならないところを、一番安易な、発生の可能性をゼロにする通行止めということに流れているような気がするので、そこをやっぱりきちんと見ていただきたいというふうに思っている。  それから、実は今回のことでも、本当に1時間ごとぐらいに、可能性があると速報があって、時間はだんだんずれていったというのが2月17日の経験である。そのときに、どんどんどんどん、先に言っておけばいいんだということで、情報が入ってくると、要するに狼少年がごとく、通行止めの可能性が発表されているが、実際には行われなかったということが絶対多くなってくる。これはこういった状況の中でよくある話であるが、実際に即して、道路を利用される方が本当に通行止めになるかどうかということも含めて判断できるように、もともとは彼らの判断というのは天気予報から来ているわけであるので、いわゆる通行止めの可能性もパーセンテージで出してくれないか。20%なのか、80%なのかで全然違う。実際、関越なんかで、もう既に、「予報があるけれども、可能性しか出していないので大丈夫でしょう」、と入ってくるとか、そういった話もあるようなので、そういったことも含めて、利用者に、より判断しやすい情報提供をするようお願いしてほしいと思うが、いかがか。 7 ◯土木部長  大雪時には、やはり大事なのは、広域迂回とか出控えによって県内への交通流入量を抑制するために、できるだけ早い段階で通行止めの可能性を、広く繰り返し呼びかけるということが極めて重要ではないかと思っている。現時点においては、降雪予測に技術的な限界があると思っているし、通行止めにおいては、道路の路面の状況とか、降雪予測、また交通の状況等、様々な要因を考えながら現場で判断するということもあるので、通行止めの可能性については、確率的な予想を現段階で行うことはちょっと難しいと考えている。  今後、運用を重ねていく中で、通行止めの判断の信頼性を高めていただくというようなことが極めて重要だと思うので、そういったことを関係機関のほうに強く求めていきたいと考えている。 8 ◯宮本委員  様々なデータを総合的に判断してやるから難しいとおっしゃっているのであろうが、実際は、現場にいて、これはもうやらないといけないぞ、と思うときもあれば、ちょっと予防で出しておけよ、という話もあるはずなのである。それをみんなに分かるようにしていただきたいというだけの話なので、やるかやらないかだけの話だと思うし、そういった方向性で、安心できる、分かりやすい情報提供をしていただきたいと。雪も降らないのに通行止めで降りてくることもなければ、大雪で入っていくこともないように、実際に即した情報提供をしていただきたいという意図であるので。パーセンテージがいいのかどうか分からない。可能性大、中、小でもいいかもしれない。そういったことをお願いしていただくことによって、より精緻な管理が行われるし、我々に対する先ほど言った300万円、600万円、900万円という損失もなくなってくると思うので、どうぞよろしくお願いする。         「温室効果ガス(CO2)排出削減対策について」 9 ◯宮本委員  それで、2番目の話をする。温室効果ガス対策ということであるが、申し訳ないが、時間もないかもしれないので、1問飛ばして、大きな話をさせていただきたいと思う。  この温暖化対策、国ではカーボンニュートラルというのか、福井県ではゼロカーボンという言い方をしているが、首相は、昨年11月22日にG20のサミットで2050年までに温室効果ガスを実質ゼロにするということである。事前の衆議院の内閣発足後の所信表明演説でも同様なアピールをしている。さきの国会において、首相の施政方針演説では、2035年、新車販売の全てを電動車にするということである。こういった背景もあってか、福井県のほうがむしろ先にいったということもあると思うが、長期ビジョンの施策15-4で、2050年にCO2排出量を実質ゼロにすることを目指して、再生可能エネルギーの導入を進めるということである。このことについて、前回、時間のない中でお話ししてしまった。これは国がやることを協力するという話であろうか、それとも福井県としてやるのか、という話だったのであるが、確認ということも含めて、令和4年度、県の環境基本計画の改定時期に合わせて、福井県としても長期ビジョンでも言っているので、ゼロカーボンに向けた中期的、5年ぐらいだと思うが、中期的な目標というのか、CO2削減の目標を持たざるを得なくなると。県内における理論値であれば、排出量実績の算定というのか、これをしていかなければならないというふうに思うが、福井県としての取組のパフォーマンスをどう測定するかという話であるが、どういうふうにお考えであろうか。 10 ◯安全環境部長  国は、今の国会に地球温暖化対策推進法の改正案を提出しており、今年11月に開催予定であるCOP26に向けて、2050年のゼロカーボンを念頭に、温室効果ガスの削減目標の見直しであるとか、地方自治体への再エネ導入目標の設定などの検討を、今進めているところと承知している。  県としては、こうした国の動向を注視しながら、来年度から調査を始めて、令和4年度に策定する次の環境基本計画の中で、2030年度の温室効果ガス削減目標について、見直しの検討を行っていく必要があると考えているところである。 11 ◯宮本委員  福井県としても、このゼロカーボンに向けて、そういった計画を立ててアクションプランを検討していくという形には、なっていかざるを得ないというふうになっている。  温室効果ガス排出実質ゼロというので、再生可能エネルギーなどの技術開発とか、先ほど申した電気自動車の導入とか、今回私は議論しないが原子力発電所の稼働とか、こういったことがないと、生活の変化だけでやっていくというのは、もう無理だと思っている。先ほど言ったような再エネ、EV、原子力発電所、こういったブレークスルーと言われるものがないと、私は不可能だと思っている。  現在、福井でも11か所の風力発電所の計画があるということであって、昨日もそういった計画の内容についての議論もあった。  ここで私、問題提起をしたいということであるが、各地区、各県、各市町もそうかもしれない。自治体を含め、再エネを一生懸命やろう、電動自動車しっかり入れようという動きはもちろんあると思うし、それは先ほど言った重要なブレークスルーにはなり得ると思うが、現在、再生可能エネルギーによる電力供給というのは、これはFITで売電されることが多くて、その場合、電力生産地の自治体における温室効果ガスの削減の換算にカウントされないということである。いわゆる原子力発電のCO2の削減のときにあった。これは福井県で原子力発電してCO2を削減していても、消費地が関西だから、関西でカウントされて、福井県ではカウントされないという問題があったということである。それと同様のことがこの再エネでも起きてしまうということである。  あと、一般質問でもあったと思うが、電気自動車においては、化石燃料に代替された電力というのは家庭で充電されるということであるので、電気自動車分とそれ以外の、エコキュートなのかもしれないし、床暖房なのかもしれないが、色分けができないから効果が見えにくい、また、算定できないということである。福井県としてもいろんな支援策を講じて、再エネとか電気自動車とやっても、福井県のCO2削減の効果が見えてこない、またカウントされないという状況である。これではインセンティブは働きにくい。やる気が起きないというか、ほぼ生活の改善だけでゼロカーボン、またはカーボンニュートラルをやっていかないといけない。これはやりがいがないとまでは言わないが、大きな意味で、我々がやっていることが日本全体のCO2削減に貢献できているという広い心があるならいいが、やっぱりお金も使ってやる以上、福井県でどれだけ下がったのだというカウントに、再エネは入らない、原子力は入らない、EVは入らない、これはよろしくないというふうに思っている。  ということで、電気自動車の削減効果が、または再エネのこともであるが、こういった見えにくい現状というのはどういうふうに感じているか。カウントされないという状況を知事はどういうふうに考えているかということである。自治体単独においてどれだけ削減寄与しているかという換算方法を変更すべきだと、国へ要請していくことも必要であると思うので、所見を伺う。  それで私は、本丸は再エネと、それからEVも大事なのであるが、この要請が多分実現すると思う。なぜならば、原子力発電所によるCO2削減というのは立地県しか言わない。だから声としては小さいのであるが、この再エネ、EVの話は47都道府県みんな言うと思う。だから、これは多分実現して換算方法にカウントされると思うが、この要請が実現していく過程で、原子力発電における温暖化ガス削減効果について福井県がどれほど寄与しているかということをしっかり訴えられるような方式になる。再エネの計算方法をそのまま当てはめれば、多分福井県の原子力発電所におけるCO2削減というのはおのずと出てくると思うので、本丸としてはここが大事だと思っているし、最終的にそこを目指して今のCO2の換算方法というものの変更を訴えていただきたいと思っているが、どうお考えであろうか。 12 ◯知  事  CO2の2050年のカーボンフリーに向けての削減目標の設定の仕方というのは、今指摘いただいたように、地域で見たときに、いろんな形で立地に努力をしているのに、その効果が全く反映されないということは大変おかしいだろうと考えている。  そういうことで、例えば今指摘もあったが、原子力発電について、例えば平成30年で考えても、県内で発電された原子力の発電量は、県内で消費する量の4倍になるわけである。これが関西で消費をされている。福井県にとっては、それはほんの一部、嶺南で使われた分しかカウントされないということになるわけであるし、EVのこともそうであるし、今県内でこれからつくられようとしている風力発電についても同じようにカウントされない。こういう問題については、昨年2月に小泉大臣にお会いしたことがあったので、そのときにも申し上げた。原子力発電を私たちがやっている。そのことがカウントされないということでは立地地域というのは努力が報われないのであると、だからそこのところを考えていただかないと先に進まない、というお話も申し上げたところである。こういったことは、おっしゃられるようにEVとか風力発電のような再エネの場合は全国的な課題であるので、全国知事会でも取り上げており、自治体がこういった目標を持つ。そういうときに実情がちゃんと反映できるような形のガイドラインをつくってほしいというふうにも申し上げている。我々これからも申し上げていくし、福井県がCO2フリーにどれだけ貢献しているかということも、さらにPRしていきたいというふうに考えている。 13 ◯宮本委員  同じ気持ちでよかったということであるが、これ、政府も言っているようなキーワードの中で、実質的なカーボンニュートラルと言っている。要するにこれは、出してもいいが相殺するものを何か持ってゼロにしようという話の中では、必ずゼロという数字自体が非常に難しい数字なので、排出圏取引なんかの話が長い間で絶対出てくると思われる。それだけの財産を福井県が持っているという認識を持っていただいて、その財産を認識していただくということが必要かなというふうに思うので、ぜひともそういう方向性でよろしくお願いする。         「並行在来線会社について」 14 ◯宮本委員  続いて、並行在来線についてのお話をしたいと思う。  今回の議会で並行在来線の開業に向けたスケジュールの見直しについて説明があった。令和3年1月、経営計画の決定を令和3年10月ということで9か月後に延期すると。それから、令和3年7月の本格会社移行を令和4年7月ということで1年後にするということである。これは1年延びたからということでやむなしという対応だと思う。それで出てきているのが、この並行在来線会社において、最大で年間6億2,000万円の損失が出るということである。これに対して1月19日、国交省の方針として、鉄道・運輸機構からの並行在来線会社に対する出資ということで検討したい、ということで今協議をしているということであるが、国として支援の意向があるということに対しては一定の評価はあるが、非常に口が悪くて申し訳ないが、こういったことで支援するのは当然のことであって、黙って6億円キャッシュで持ってこいと言ってもいいような話だというふうに思っているわけである。評価しながらも、その後の協議が難しくなってくるのであれば、我々としてのきちんとした交渉をしなければならないというふうに思っている。  まず、1年間延期されることによって赤字が6億円できるという中で、それを補填する形での支援をするということで、こうやって短期的な支援に対して長期的な資金の固定化というか、経営に関する関与という意味では非常に違和感がある。実際問題、一番いいのは補助金としてもらって1年で消えてなくなるというのがベターだというふうに思っているが、新聞報道の中では1月28日に出資の課題を整理した上で受入れを判断するとしたと、年度内に結論をまとめると。さきの3月3日の総務教育常任委員会の中では、3月2日の国交省などとの協議で、メリット、デメリットの洗い上げがなされたということである。  ということで、出資の課題の整理、受入れ判断についての協議は、今どういう状況であるのかということ、分かる範囲で教えていただきたい。  それで、単純に増資ということで出資を願うということになると、普通株によって増資を了承するというようなことじゃないように、しっかりとした交渉の中、この会社というのは、残念ながら利益が出るような会社ではないということであるので、例えば優先株で受け取ってもらう。優先株で受け取ってもらうのであれば経営権というのは発生しない。優先というのは、いわゆる経済上の所有権というか、経済上の利益を得るための優先権なので、経済上の利益がなければ優先権を持っても意味がないので優先株で出すとか。それから、例えば2年たったら放棄してもらうとか、それから、または普通株で出すとしても経営権のない形で出す。こういったことは、国との関係がある中で難しいとおっしゃるかもしれないが、基本的には発行体が決めればいい話なのである。その条件を出して、それで応じてくれということも含めて交渉していくというか、経営権を排除しながら経済的利益だけを得るというようなことが必要だというふうに思っているが、こういったことについて、戦略を練って対応いただきたいというふうに思っているが、所見を伺う。 15 ◯地域戦略部長  国のほうから、鉄道・運輸機構からの出資という提案があったわけである。これについては、今ほども指摘があったように、機構が株主ということになるので、経営に関与するということになるという問題、さらには計画策定などの出資をするための手続が必要になるということで、当初想定していなかった手続が増えるという事務負担の問題もある。あとは、会社としての資金繰りの関係で、資金が必要になる時期と出資のタイミングといった問題も出てくるかというふうに思っており、こういった課題については、連絡調整会議においても、今提案があった権利を制限する株式、こういった割当てが必要じゃないか、将来的な出資の取扱いをどうするんだと、こういった投げかけをしている。あと、職員の負担軽減に対してどうするか、さらにはいろんな手続の期間をどのようにして短縮できるのかと、そういった話を国のほうに投げかけをしており、今、協議をしている最中である。  県としては、納得できる条件で受け入れるということになるように協議を進めて、年度内にはある程度方向性が固められたらと思っている。 16 ◯宮本委員  方向性というのは分かった。この3月の結果として、並行在来線会社に対して普通株で相当分受け取ってもらった。経営権の何%はあっちが持っている。それで、あっちはいろんなことを言ってくるかもしれない、とならないように、私もフォローするので頑張っていただきたいと思っている。  最後に、並行在来線の社員の採用ということであるが、今の段階で66名いて、令和3年度中に34名採用して100名という体制でスタートするということであったが、それが1年延びたということで、令和3年度中に半分の17名を採用して、令和4年度中に17名で、開業までに100名ということである。既に在籍している66名プラス令和3年度中に採用の17名の方というのは、開業前の在籍期間というのが1年延びているわけである。こういった1年延びたということを利用して、在籍社員の方への教育プログラムの変更とか、追加項目の有無について所見を伺う。  また、通常の運転管理や保線業務のみならず、並行在来線を観光資源とするための教育、言い換えると、沿線の観光名所に対して非常によく御存じであるとか、ホスピタリティと言われているもてなしの心、こういったものを醸成する教育も加えていただきたい。というのは、今は2年間である教育が、これだけゴムのチューブであると、3年になるとびよーんと伸びるわけである。そうすると、その分の細さ、太さというか、幅は小さくなる。だから、それでびよーんと伸ばすのじゃなくて、1年分のゴムを足していただきたいという考え方である。こういったことでホスピタリティを増す。それで、福井の並行在来線の社員さんは親切で、お勧め観光スポットなんかもよく知っていて、非常に助かったわ、というものが口コミでいい観光資源になると思われる。だからこの1年を、2年でやることを3年にしただけじゃなくて、せっかくであるから、そういったものに使っていただきたいというふうに思っているが、所見を伺う。 17 ◯地域戦略部長  並行在来線のプロパー職員の教育プログラムであるが、鉄道事業会社であるから、安全第一ということがまず基本になるが、今回開業が1年延期になったということで、今採用した職員については、実際JRの現場のほうで駅業務の研修に当たっている。それがおおむね2年間、それが終わると、車掌業務の研修といったプログラムになっているが、確かに1年遅れたことによって、よりステップアップした車掌業務の研修の受講者というのが増えることになるわけであって、こういった研修を充実するようにJRとも協議をしていきたいと考えている。  さらに指摘のあった並行在来線会社として、いわゆるおもてなし、サービスをいかに利用者の方に高めていくかと、これも重要な観点である。提案のあった沿線の観光地を学ぶといった教育プログラム、実際採用した社員は高卒者がほとんどである。そういった社員にこういったことを学んでもらうというのは非常に重要である。えちぜん鉄道のほうではアテンダントをつけたサービスをやっている。さらに、先行する並行在来線会社は観光事業にも力を入れておられるので、そういったところを一つの事例研修としておもてなしをアップしていく、そういったものはぜひ取り入れていきたいと考えている。 18 ◯宮本委員  いろいろとお話ししたが、方向性は大体同じであろう、ともに頑張っていこう、ということで質問を終わらせていただく。                               ~以  上~ 19 ◯笹岡委員長  以上で、宮本委員の質疑は終了した。  次に、西畑委員の質疑を行う。  西畑委員。         「女性活躍社会の推進について」      西畑 知佐代 委員 20 ◯西畑委員  民主・みらいの西畑である。時間があまりないので、早速始めさせていただく。  まず、初めに女性活躍社会の推進についてお伺いする。  東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は、2月12日、女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる、など女性蔑視発言の責任をとり、辞意を表明。紆余曲折はあったが、組織委員会は2月18日、理事会などを開き、橋本聖子氏を新会長に選出した。候補者選定委員会が求める新会長の資質である国際的な知名度や国際感覚、組織運営の調整力など、5項目の観点からスピードスケートと自転車で夏、冬計7回のオリンピックに出場し、東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当大臣であった橋本氏が選ばれたことは、一定の評価ができると思っている。  しかし、今回これだけの騒動になったのは、男女平等を掲げている日本社会の現状に多くの国民が疑問を持ち、男女平等化を進めることが国の発展のための課題であると感じたからではないであろうか。私の周りでも、あの人は女性的だとか、女性なのにすごいと言われることが今でもあると耳にする。五輪のホスト国である日本、そこの組織委員会の発言であり、日本はまだまだ男女平等に対する理解が遅れていると世界に発信してしまったことは、大変悲しく残念な思いでならない。  この点において、まずは本県において長期ビジョンで示している、男女が性別に関係なく多様な活躍ができる真の男女共生社会の実現は進んでいると言えるのか、知事の所見を伺う。 21 ◯知  事  委員指摘のとおり、女性ももちろんであるし、また高齢者とか、障がい者など、いろんな方が自分の能力に見合って活躍ができる、やりたいことができる、そういう社会にしていくというのはとても大事だと思う。特に女性の皆さんが輝ける社会に、一日も早く、さらに近づけるようにしていく必要があると考えている。  福井県では、女性の就業率とか、結婚しても女性が働ける共働き率、これが日本一だと言われて、それもある意味自慢もするわけである。そういう社会環境そのものが悪いわけではないと思うが、一方で女性の管理職の比率であるとか、それから、女性のゆとりの時間の比率、これは全国で見たらワーストのほうになるわけである。そういう意味では、女性は頑張らないといけない、もしくは女性がやらなくちゃいけないことはたくさんある、こういう社会に今なっているというふうに思う。そういう中で、できるだけ女性に活躍いただけるようにということで、女性がわくわくチャレンジできるような応援を、特に女性向けにさせていただいたり、また、チャレンジしている女性、もしくはそういう女性を応援する企業を表彰するような制度とか、家の中でも家事の分担が進むようにということで、男性も家事をするような「共家事」の推奨もさせていただいている。  つい先日であるが、お茶の水女子大学と名古屋大学、両方で准教授をやられている佐々木成江先生、この方は福井県出身であるが、お話を聞かせていただいた。本当にすばらしいお話を聞かせていただいたが、女性が活躍したほうが経済成長も早いとか、それから女性ができないとか言っているのは、女性の意識を変えたりとか、もしくは女性ができないんじゃなくてマイノリティだからできない、30%を超えるとマイノリティはマイノリティでなくなって無視できなくなる、社会が変わると言っていた。だから女性がいないのではなくて、何ができるかではなくて、まず率を上げる。率を上げることで、できることがどんどん増えていく。そういうお話を聞いて大変感銘を受けた。  私が知事になるとき、県庁の女性の管理職比率は12.2%であった。これが今、2年たって15.9%までいっている。少しでも早くと思って3年後ぐらいを見ているが、20%にまず引き上げて、さらにそれを引き上げていきたいと考えている。  また、女性がものを決めていくということで、県の審議会の委員、これも私が来たときは3割ぐらいであったが、来年度には40%を超えるように進めさせていただいている。  いずれにしても、女性も男性もであるが、自分がやりたいと思えば、能力があればそれにチャレンジができる社会をつくることがとても大事だと思っているので、これからもその方向で進めていきたいと考えている。 22 ◯西畑委員  日本スポーツ界は、競技団体などの役員の女性参加が遅れ、2019年にスポーツ庁が策定した競技団体の運営指針、ガバナンスコートで女性理事を40%以上登用するように定めた。パワーハラスメントや助成金の不適切流用などの不祥事が多発し、女性理事の積極登用も進んでいない状況となっている。また、経団連は、近くまとめる独自の成長戦略において、企業の管理職に占める女性比率を40%超とする比率目標を挙げた。達成期間は2030年をめどとし、会員企業に積極的な女性登用を促すとのことである。働く場においては、真に女性が活躍するためには仕事と家庭の両立にとどまらず、物事を決定し、責任ある立場で職責を担う管理職を増やすことが重要であると考える。県内企業における女性管理職への積極的登用をさらに促進していただきたいと思うし、本県の女性管理職の現状と課題、今後の対応についての所見を伺うとともに、まだまだ女性が、会社で課長、係長になるシステムに乗るということとか、海外への派遣となると、なかなか女性も手を挙げられないのが実情である。家庭で子どもはどうするの、老人がいるのに老老介護は誰がするの、などとの話になっている。たとえこれは夫婦間で決定したとしても、世間とか、他人が口出しをしていることがまだまだ福井では多いのではないかと思われる。すると、どうしても女性のほうが折れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないのが実情である。こういった世の中を変えていくには、何を一番にしたらいいのかということも併せて伺わせていただく。 23 ◯地域戦略部長  まず、女性管理職の現状であるが、管理職割合は国調ベースで、ちょっと古いが平成27年のデータで、福井県は13.64%。全国平均が16%なので、先ほど知事の話にもあったが、どちらかというとワーストのほうに入るという現状である。名実ともに女性活躍県となるためには、やはり職場において、女性の活躍しやすい環境づくりをするというのは非常に重要かと思っている。  昨年、一昨年とアンケートしたものがあって、女性管理職の生まれにくい理由ということで、要因としてまず1つ、女性管理職登用に向けた企業側の計画、または目標というものが定められているかということに対しては、実際計画をつくっているのは1割程度ということであった。また、女性自身が管理職になりたがらないというような実情もあって、これは2年前の調査になるが、管理職として活躍したいかという問いに対しては、約1割の女性がそうだとおっしゃっているが、不安だとおっしゃっている方も4割ほどいらっしゃるというのが現状である。このため県においては、来年度であるが、企業の、特に経営層トップの意識改革を進めていきたいと思っており、個別の企業向けコンサルティングを行って、管理職登用のための制度をつくっていただく。それをモデル的につくっていただいて、つくっていただいた会社の経営者の方と、ほかの経営者の方の勉強会をするとかというようなやり方をしていきたいと思っているし、さらには、お茶の水女子大学と連携しているので、管理職候補の女性を対象とした育成プログラムをどういうものにするか、その構築を行っていきたいと思っている。  さらに、お尋ねのあった家庭の問題とか地域の問題、これもまた非常に重要かと思う。家庭の問題で言うと、男性の家事、育児の参画ということが重要かと思っており、「共家事」ということでやっている。  地域の問題、これはまさに男女共同参画のいろんな活動を地域レベルで行っていただいている。非常にベーシックな活動であるが、こういったものを地道に続ける、さらには先ほど知事も申し上げたが、女性の活躍のベースを広げていくといったことをやることによって、いわゆる女性が活躍する地域社会というものをつくっていきたいと考えている。 24 ◯西畑委員  次は、多様な性のLGBTについて1問伺わせていただく。  新聞報道などによると、ジェンダーとか、それから偏見とかというのがまだまだ非常にたくさんあると言われている。親が単身赴任中というと、まずは父親を想像する。女性が単身赴任するわけがないと思っている人のほうが多いということである。7割近くぐらいはいるそうである。介護しながら働くのは難しいと思うというのも、6割ぐらいは女性だと思ってしまう。別に男性がしてもいいんじゃないかなと思っても、女性がしているんだと思っている人のほうが非常に多いということである。特に男女で大きな意識の差があったのがLGBTである。この人たちはきっと一部の職業にしか就けないんじゃないかというような考えが非常に多いと聞いている。何だかちょっと戸惑いを感じるという人も非常に多くある。多様な性やLGBTの理解促進、こういうものの普及啓発について、県ではどのように取り組んでいかれるのか、お伺いする。 25 ◯健康福祉部長  LGBTの問題は大変重要な問題だと思っている。この問題は、平成16年に戸籍上の性別を変更できる法律ができて、これが施行されたというところが一つきっかけになって、社会全体でこのLGBTというのを主要な人権の問題として捉える動きがぐっと高まってきたと考えている。そこから15年間たっているが、特に教育の分野で、学校での教育指導というのが熱心に行われてきたと感じており、若年層では、大人に比べてLGBTへの理解というのはかなり進んでいると考えている。私もしばらく学校にいたが、子どもたちの考えと我々大人の考えは全然違う、ベースが違うなというふうに感じた。今ほど紹介いただいたアンケートも一般の成人の方が対象だというふうに伺っているが、男女の差も、子どもたちの中であまり考え方に差がないと感じている。  一方、現在社会の中核を担っている中高年層、大人の世代に関しては、LGBTに関する正しい知識を学ぶ機会というのがそもそもないということがある。その表れとして一例申し上げると、人権センターがこういった研修とか教材とか用意してお待ちしているが、最近、企業とか公民館とか、研修の問合せが増えている。特に、最近入ってきた若手社員と中堅幹部社員との意識の差が、ギャップが大きいということで、これがもとになって研修をやりたいというようなお申出もいただいているわけである。近く、人権センターも研修のメニューを少し見直したいと思っており、中高年とか企業の中堅層、それから幹部社員層、こういったところを対象にした講座とか教材をつくろうと、それから、先進的に取り組みいただいている企業の紹介なんかも進めていこうということで、特に大人の世代のLGBTの理解促進に取り組んでいきたいと思っている。
    26 ◯西畑委員  これは本当に、我々の子どもから下の世代と我々団塊の世代、上の世代とのギャップが本当に多くあるので、しっかり取り組んでいただきたいと思っている。         「河川の整備について」 27 ◯西畑委員  次に、高齢者のことをちょっと聞きたかったのであるが、その前に河川の整備について1問だけさせていただく。  私の地元に磯部川という県管理の河川がある。昨年度も質問させていただいたが、あまりいい返事をいただいていないので、今回またもう一回、毎年しようかなと思っているくらい、どうして磯部川ばかり言うんだろうと思うかも分からないが、進捗状況を見てからすると言っていたのではなかなか先に進めないので、もう一度お尋ねする。  今は、記録的な豪雨や豪雪などが本当に頻繁にあると思っている。上流のほうで被害をなくすためにも、河川整備というのは非常に大事だと思っている。磯部川の第2期工事の計画策定というのはもうできているのであろうか。そして、1時間に何ミリの雨が降るとこれをしなければいけないというように思っているとか。まだこれならいいんじゃないかと思ってしまうのは、非常に困っているし、地球温暖化の中、国道8号までの田んぼに水がつくとかというのがあるので、工事はいつ頃着手予定であるか、それをお聞きしたくて、この問題を一つ入れさせていただいた。 28 ◯土木部長  磯部川についての熱い要望をいただいた。磯部川については、委員御存じのとおり、ボトルネックとなっていたJR橋梁付近までの改修が平成30年度までに完了したということである。また、この改修によって、河川の断面積が相当広くなったということで、流下能力が相当よくなった。具体的に言うと、JRの橋梁付近で大雨が降っても、2メートル程度の水位低下効果が現れてきている。また家屋等も周辺に密集しているが、そういった大雨においても、現時点では浸水被害の低減が図られているというように、非常に効果が現れてきている。  委員指摘の河川整備計画で残り530メートル計画に位置付けているが、これについては、治水安全度の低い河川が県内にまだまだ多くあって、磯部川よりもまだまだ危ないという河川が実はたくさんあるので、そういったところの河川の整備進捗状況を見ながら、決して磯部川を忘れているわけではないので、しっかりと整備計画に着手できるように頑張りたいと思っている。  そこで、我々とすると、引き続き現状のしゅんせつ等がある場合に、河川の流下を阻害するので、そういったところの適切な維持管理にしっかりと努めるとともに、今後は、昨年国交省のほうで示された流域治水といって、我々河川管理者もそうであるが、流域のいろいろな方々が力を合わせていろんな対策をやっていこうということで、例えば坂井市と関係者が連携して、水田貯留──田んぼダムである、そういったことをやるなどの方法も一つあるかと思うので、さらなる治水安全向上に向けて関係者と取り組んでいきたいと思っている。 29 ◯西畑委員  忘れてしまっているんじゃないかなと思って、忘れた頃には言わないといけないかなと思って出させていただいた。よろしくお願いする。         「高齢者福祉行政について」 30 ◯西畑委員  それでは、高齢者福祉行政についてお願いする。  老人福祉法及び介護保険法の規定に基づき、2021年から2023年の3年間を計画期間とする老人福祉事業の実施に必要な事項及び介護保険の円滑な実施を支援するために必要な事項や介護サービスの見積り、見込量などを定めた第8期福井県老人福祉計画及び介護保険事業支援計画案が示された。  高齢化というと、福井県は本当に平均寿命も長い長寿県である。でも、長寿県なのに元気生活率というのも非常に高く、65歳から74歳までが97.6%で全国3位に元気。75歳から79歳までの高齢者も92.7%までが、これもまた全国3位となるほどの、要介護1以上を受けていない人がそれぐらいいる元気県である。  そこで、この現計画を総括して、次はどうするのかということを伺いたい。それから、その基本計画には、みんなで支え合う社会の実現に向けてという項目があると思う。地域住民、団体、企業による地域社会への参加と協働を通じ、制度、分野ごとの縦割りや支える側、支えられる側という従来の関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が地域の課題を我が事、自分ごととして受け止め、地域の多様な課題を地域で包括的に解決していくというのが地域共生社会の実現である。そのために、全世代間の支え合いによる、福井県独自の次世代型の包括システムを構築するとあるが、次世代の地域包括システムの内容とその目指すべき姿についてもお伺いする。 31 ◯知  事  今、新しい計画について、皆様方に諮らせていただいているところである。今の計画では、基本的にはお年寄りの皆さんが住み慣れた地域で安心していろんなサービスが受けられるということで地域包括ケアを受けているところであって、特に福井県の場合は、例えば高齢者の身体機能、介護とか医療といったところで維持、向上させていこうということで、坂井型モデルと言っているが、在宅で医療と介護が連携しながらやっている。こういうことを全県に展開しているということがある。  それからまた、全国初であるが、全ての市や町でフレイル予防のプログラムを実施している。これを、次の計画ではさらに一歩進めて、例えばふくい型のフレイル予防プログラムとか、それから今もお話しいただいたが、少しでも社会に返していくような形の次世代型の地域包括ケアシステムを導入していきたい。  具体的には、東京大学と一緒にやっているが、例えばお年寄りは、あるときから急に介護とかを受ける立場になるのではなくて、だんだん足が弱くなってきているけれど手は動くといえば、手作業はやってあげるとか、もしくは、昔やっていた木工細工であれば少しはできる、2時間だったらできるとか、こういうところを活用していただくとか。それから高齢者の方、在宅でとか、身近なところでフレイルチェックができるような、ふくい型のフレイル予防プログラム、こういうことを進めていく。それから、地域の方々にも応援していただいて、買物へ行くのをちょっと手伝ってもらうとかということを地域でやっていく。一つはこういうような形を狙っているし、新しい観点としては、多重介護ということがあるが、こうした在宅介護の皆さんに対しても、社会として何とか下支えをしていくこともやっていけないかということで、新しいタイプの地域包括ケアを目指していきたいと考えているところである。 32 ◯西畑委員  私の家にも母が98歳までいたので、今回、我が家でみとりをさせてもらった。病院にも入れない、介護施設にも風呂しか入れない。あとはずっとうちでみとりをやっていた。これは本当によかったなと、私は思っているので、そういうところもしっかり入れて、計画を策定していただきたいと思う。よろしくお願いする。                               ~以  上~ 33 ◯知  事  以上で、西畑委員の質疑は終了した。   ここで休憩し、換気を行う。再開は11時10分とする。                       午前11時6分  ~休  憩~                       午前11時11分  ~再  開~ 34 ◯松田委員長  休憩前に引き続き、委員会を開く。  質疑を続行する。  これより鈴木宏紀委員の質疑を行う。  なお、委員より、資料を使用したい旨の申出があり、これを許可したので了承願う。  鈴木宏紀委員。         「原子力政策について」           鈴木 宏紀 委員 35 ◯鈴木宏紀委員  県会自民党の鈴木宏紀である。今日は原子力政策についてお伺いするので、緊張感を持ってしっかりと質問と提言をさせていただきたいと思う。  今議会、40年超の再稼働をめぐって、一般質問において、立地の小堀委員がいろいろと提言をされた。立地の経済状況を憂いて、そして、これまで原子力政策にしっかりと協力してきた、そういった自負を持たれた上で、地元として再稼働の同意をした、これをしっかりと踏まえた上で、知事には再稼働の判断をお願いしたいという趣旨の質問があった。これは極めて大変重い内容だったと私は受け止めている。昨日、これに賛同する力野委員の発言もあった。  ただ一方で、一般質問では、同じく立地の田中宏典委員が、40年超の再稼働に当たっては、やはり高浜1・2号機、これまで10年間近く稼働を停止しているわけであるので、その安全性について、専門的な知見を持って質問と提言をされ、なおかつ最近の国の原子力政策をめぐる言動、例えば田中宏典委員いわく、今年の衆議院予算委員会で、菅総理の、「原子力に関しては依存度を可能な限り低減し、現時点では原発の新増設、それからリプレースは考えていない」こういった発言を踏まえて、長期40年運転を認めた後、当然稼働から60年たった原子炉については運転が止まるわけであるので、その先を見据えた立地地域の持続的発展に向けた道筋が明らかにはっきりと見えないというような趣旨の発言をされ、彼の言葉を借りれば、それがしっかりと見えるまでは踏みとどまる、というような旨の発言をしておられた。これはこれで重いものがあろうかと思う。  私はこれまで、原子力に関する政策については、あくまで事業主体である国が責任を持って進める。それに対して福井県が協力をしていく。地元が同意をする。そして県としては、原子力の安全三原則に沿って進めるかどうかを判断するというふうに進めてきたと認識している。そういった意味では、私は永平寺町で嶺北の議員でもあるので、ある程度皆さんの主体性に賛同してここまで来たわけであるが、今回、質問に立たせていただいて、私の個人的な意見を述べさせていただく。現在、我が国のエネルギー政策というのは、梶山経産大臣が常々発言されておられるように、まさに岐路に立たされていると思う。であれば、私どもの福井県の原子力政策も、今まさに岐路に立たされているわけであるので、私はこの原子力の問題について正面から立ち向かって、自分なりの意見を持って質問と提言をさせていただこうと思う。  まず知事が、40年超の原発の再稼働に当たって、中間貯蔵施設の県外立地の候補地を示す、これが大前提になると発言された。このことについては、私は当初、極めて重いというか、高いハードルを事業者に課したなというふうには感じていた。その後、知事がいろいろと判断をされたわけであるが、これはあくまでも知事自身が政治判断を下されたわけであるので、そのハードルをクリアしたか、クリアしなかったかについては、これまた知事自身がしっかりと判断をされるものと受け止めているし、私はそれ以上でもそれ以下でもないと受け止めている。  ただし、昨日の委員会において、その知事の言動に対して批判的な意見もあった。県民に誤解を与えたとか、それから、詭弁であるという意見もあった。これについては、知事自身がしっかりとお受け止めいただければと思う。  私は、原子力政策、特にこの40年超の再稼働に当たっては、これは小堀委員の意向も踏まえ、むやみに判断を先延ばしするものでもないと思うので、県の原子力行政の三原則である、まずは安全性の確認、それから、地域の住民の皆さんの理解と同意、そして、3つ目が地域の恒常的福祉の実現、これに沿って質問と提言をさせていただきたいと思う。  まず、安全性の確認について伺っていきたいと思う。  40年超の再稼働に当たっては、これまで県の原子力安全専門委員会で10回以上にわたって議論、審議がなされてきたと認識をしている。今月4日にも、原子力安全専門委員会が開催され、その場において、安全性については一定の評価をするということであったと認識している。この後は、委員会が現地視察をされ、そしてその後、取りまとめに向けた議論が交わされ、そして、最終的には安全に関する報告書が県にあがってくるものと認識しているが、スケジュール感があればお伺いする。 36 ◯安全環境部長  今ほど委員からお話があったように、県の原子力安全専門委員会は、これまで高浜1・2号機、美浜3号機について、安全性向上対策、これを、審議を重ねてきたところであって、今月4日にはこれまでの議論の内容の整理を行ったところである。  その委員会の終了後、鞍谷委員長は、安全性は向上しているという見解を示すとともに、今後については、各委員の意見を踏まえた上で現場確認を行い、報告書をまとめるという考え方を示された。これはプラントの安全性に関わることであるので、今後の委員会の持ち方については、我々事務局としても、委員長ともよく相談しながら対応していきたいと考えている。 37 ◯鈴木宏紀委員  特段、今、スケジュール感があるわけではないというふうに認識をした。安全確認については、スケジュール感を持ってやるものではないと思うので、そのとおりでいいとは思う。ただ、先ほどから申し上げているように、やみくもに審査を先延ばしして、再稼働の判断を先へ先へずらしていくことは避けていただきたいと思う。  逆に、昨日ちょっと気になる発言があったが、公明党の西本委員が6月9日の点に触れた。高浜1・2号機の特重施設の設置期限を迎えるのが6月9日である。それに合わせるような発言があったので気にはなったが、これも含めて、スケジュール感は持たないでやっていただきたいと思う。持たないから遅くしろとか早くしろとかいうことではない。全くそれとは切り離して、安全審査をしっかりやっていただきたいということである。それに関しては要望にとどめておくが、よろしくお願い申し上げる。  それから、次に行く。  地域住民の理解と同意についてである。  これも美浜町と高浜町の両議会、それから両町長も同意をしているところである。また、県民理解に向けても、今月4日に国と電力事業者が福井市において、40年超原発の再稼働に関しての説明会を開催されたところであるし、今月31日には敦賀市で同じような説明会が開催されると聞いている。こういった原子力政策に係る問題については、今回の40年超の再稼働の問題だけではなく、今後も、今までのように電力事業者任せではなくて、国が主体性を持って、しっかりと継続的に理解を得られるまで粘り強く説明会を開催していくことが極めて重要だと思うが、その点について認識をお聞かせ願う。 38 ◯安全環境部長  これまでも国、事業者に対して原子力発電の重要性、必要性などを県民、国民に丁寧に説明するようにということは繰り返し求めており、今月4日の説明会も、こうした県の要請に国が応じて開催したものと承知している。  県としても、21日であるが、敦賀市において説明会を開催して、経済産業省からエネルギー政策をしっかり説明していただこうと考えている。  委員おっしゃるように、原子力の理解活動は、これで十分ということはないので、引き続き電力消費地も含めて、説明会の開催、そのほかいろんな媒体も含めて、しっかりと国や事業者が説明していくように求めていきたいと考えている。 39 ◯鈴木宏紀委員  こうした説明会を開催すると、大体原子力政策に反対される方が多く来られるかと思う。でも、それはそれでそういった方の意見もしっかりと受け止めることが重要だと思うので、今後も引き続き粘り強く説明会を開催していただきたいと思う。  その次、地域の恒久的福祉を実現することに関して伺っていく。  この恒久的福祉を実現するためには、今さら私が申し上げるまでもなく、まずは国策であるので、国が原子力の将来の明確なビジョンをしっかりと示していただく。そして、それを踏まえた上で、立地地域の持続的な発展に向けた道しるべというか、道のりを示していただき、様々な地域振興策が示されるべきである。そもそも最近の国の原子力政策を見ていると、どうも不透明、分かりにくいような気がする。これは私だけでなくて、普通の国民の方も県民の方もそう思っているのではないかと思う。  そこで、まず国の原子力のバックエンドに関わることについて伺っていく。  使用済み核燃料については、国は全量再処理をして全量再利用するという核燃料サイクルを今まで保持してきた。ただ、2016年に敦賀市にある「もんじゅ」が廃炉となった。核燃料サイクルの中核を担っていくであろうと思われた施設が廃炉になったわけであるので、その時点で核燃料サイクルというのは不透明感が漂ってきた。これは誰もが承知しているところである。  それもあってか、2018年に閣議決定された第5次のエネルギー計画において、核燃料サイクルは、戦略的柔軟性を持って中長期的に対応すると記されていた。いかにも霞ヶ関らしい文書というか、これは核燃料サイクルを進めていくともとれるし、場合によってはやめるというふうにもとれる文言である。極めてあやふやな表現だと思う。  ただ、昨年の12月に電気事業連合会が、新しいプルサーマル計画を発表された。その中では、取りあえず2030年までに、稼働している国内の原発のうち12基まではプルサーマルを実施すると書かれていたようである。将来的には稼働している国内の原発全てにプルサーマルを採用するというふうなことであったかと思う。これは大きな一歩を踏み出したと私は感じている。一方で、今、日本国内にもう既に使用済核燃料が2万トン近くもあると言われている。こうしたことを踏まえると、果たして時間軸で考えたときに、この使用済核燃料をプルサーマル計画だけで、しかも国は今後原子力発電については可能な限り依存度を低減するという方針であるから、どんどん原子力が廃炉になっていくような状況で、この使用済燃料を全てプルサーマルで回していけるかというのはやっぱりしっかりと検証していかなければならない大きな課題だと思う。  また、一方で、昨日田中敏幸委員が小型高速炉について言及をされた。これについても使用済燃料を使うことができるので、こうしたことも将来的には可能性があるのかもしれないが、それにしても、10年以上先のことであるので、まだまだ不透明な部分があろうかと思う。  県はこうした国のバックエンド対策について、どのように認識し、またどのように評価しているのかをお聞かせ願う。 40 ◯安全環境部長  現行エネルギー基本計画のお話があったが、その中でも国は核燃料サイクルの推進、これを原子力政策の基本的な方針としているところであって、昨年11月の国会でも同様に質疑もあったが、それに対して梶山経済産業大臣が、使用済MOX燃料も含めて使用済燃料を再処理するという考え方を示しているところである。  委員おっしゃるように、核燃料サイクルについては、これに関わる全ての地域が安心して原子力発電に協力できるよう、このサイクルがうまく回っていくために、国が責任を持って具体的な対応を進めていく必要があると考えているし、これを我々としても求めているところである。 41 ◯鈴木宏紀委員  本当はこれも深く議論したいのであるが、あまり時間がないので、次に進めていく。  次、福島第一原発事故の後の我が国の原子力政策の動向についてお伺いしたいと思う。  福島第一原発事故を踏まえて、2012年に原子炉等規制法が改正され、原発の運転は原則40年、条件を満たせば1回に限り20年、運転を延長してもいいというふうに改定をされた。その後、2014年に我が国のエネルギー政策の羅針盤ともいえる第4次のエネルギー基本計画が閣議決定され、この中で、原子力については重要なベースロード電源と位置づけて、2030年のエネルギーミックス、電源構成比率は、原子力については20%から22%を目指すとしっかりと明記されている。その後、2018年にも第5次のエネルギー基本計画が策定され、これも第4次のエネルギー基本計画を踏襲した形で、2030年には原子力の電源構成比率は20から22%となっているところである。  ただ、現実を見てみると、2018年の実際ベースで原子力発電の電源構成比率というのは約6%ということをお聞きした。2019年、2020年については、確かな数字は持ち合わせていないが、大体、現時点で20から22%原子力の電源比率を構成しようと思うと、今ある原子炉、2基建設中であるが、それを含めて35基のうち、大体8割から9割の25基から30基が動かないと、20%から22%は到底おぼつかないと言われている。そういったことを考えると、福島第一原発事故の後、再稼働に至ったのは9基であるから、これが全て稼働したとしても6%から7%程度ということで、さほど変わっていないのではないかと思う。2018年、第5次のエネルギー基本計画の20から22%とした数値からは、今では遠くかけ離れている状況である。  こうした中、昨年の10月13日、第6次のエネルギー基本計画の策定に向けた総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会、知事もメンバーであるので出席されていたと思うが、その分科会に出席した梶山経済産業大臣が冒頭の挨拶で、私が先ほど申し上げたように、我が国のエネルギー政策は岐路に立たされていると発言をされ、後日、現段階では、原子力に対する国民の皆さんの理解を得る、そういう時期である、と。したがって、向こう10年程度は原子力発電所のリプレースは、新増設はない、と明言をされたと認識している。  その時点で、ああ、リプレースはないのかな、というふうに私自身感じていたが、ただ、同じ10月26日に、御存じのとおり菅首相が、初めての所信表明で、2050年、カーボンニュートラルを実現する、と宣言をされ、そこに向けた具体的な方針として、再生可能エネルギーは可能な限り拡大していくが、原子力政策についても安全最優先で進めていくというふうに明言をされた。  そこで少し、どういうことなのかなと、ちょっとよく分からなくなったのであるが、その2日後の10月28日、加藤官房長官が記者会見の席で、現政府としては原子力発電所の新増設もリプレースも考えていない、というような発言をされた。ああ、やっぱりないんだなとそういうふうに私は感じていたが、ところが、昨年12月末に、菅首相の2050年のカーボンニュートラルの実現を踏まえて、経済産業省が中心となってグリーン成長戦略、これは今議会で話が出ているが、これが策定され、そして、それを政府が発表した。この中では、原子力というのは、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け確立された技術と位置づけているのである。既存の原発については、安全最優先で再稼働を進めると同時に、昨日の田中敏幸委員の話にもあったように、SMR、いわゆる次世代型の極めて安全性の高い小型原子炉についても開発を進めると、しっかりと明記されているのである。またこれで私は分からなくなったのであるが、ああ、これで、やっぱり新しい原子炉も開発を進めるのかな、というふうには感じていた。今年に入って、菅首相が、先ほど申し上げたように衆議院の予算委員会で、野党の質問ではあるが、その答弁において、原子力については可能な限り依存度を低減する。なおかつ、現政府としては、原子力発電所の新増設やリプレースは考えていない、こういうふうにしっかりと答弁をされたわけである。こういった最近の国の一連の言動とか動向を見ていると、県民の皆さん、国民の皆さんも原子力政策がどこに向かっているのかというのは分かりにくいと思う。下手すると、この言葉の節々だけをとっていくと、原子力発電所についてはもうリプレースはないんだから、いわゆるフェードアウトしていく、自然になくなっていくんだろうなというふうに感じ取っている方が多いと思う。ただし、今までの国の言動をしっかりひもといていくと、私なりに解釈しているのは、今ある既存の原発については、安全第一優先でしっかりと再稼働を進めていく。なおかつ条件を満たした原子炉については、40年超の再稼働を進めていく。そして、その上で発電から60年たった原子炉については順次運転をやめていく。と同時に、現時点、ここが言葉のあやである。将来的とは言っていない。現時点で原子力発電所の新増設もリプレースも考えていない。ただし、これからの開発動向によっては、小型原子炉など、次世代型の安全性の高い原子炉を将来的には設置する可能性もあり得る、そういうふうに私はひもといたのである。でもこれは、それでも分かりにくい。書いて頭の中に入れてやっと分かったけれども、40年超の運転について、果たしてどれだけの県民の皆さんが理解するのであろうかというような思いを持った。  そこで、この際知事にお伺いするが、この我が国の原子力政策、一体どこに向かおうとしているのか、知事の認識をお伺いする。 42 ◯知  事  今、鈴木宏紀委員から大変見識の高い議論を伺わせていただいた。正直申し上げて、私も国の原子力政策がどちらに向かおうとしているのかがはっきりしないということを大変感じているところである。  一つだけ、最近の動きとして申し上げれば、今、委員も挙げていただいたが、国としては原子力発電の比率をできる限り下げていくという方向性だけがこれまで示されていたが、一方で、昨年の12月の資源エネルギー調査会の基本政策分科会の中では、原子力の位置付けとして、2050年において確立した脱炭素電源として安全性を大前提に一定規模の活用を目指すということが明記されている。ということは、これまでは減らすという方向性だけを言っていたが、2050年のカーボンフリーの時代になっても一定規模は要るのだということは示されたのかなと思う。  その上で、先日の25日であるが、原子力小委員会が開かれて、ここでは本当に多くの委員が、一定程度の原子力を維持していかないといけないと、おっしゃっておられた。そういう意味では、有識者の中でも、考え方としては方向があるのかなと感じたところである。  同じ25日の回は私は出られなかったが、意見書は提出をさせていただいていて、ここの中で私が申し上げているのは、国として原子力の考え方がまだ漠然としていると。まさに鈴木宏紀委員がおっしゃったような気持ちも、私も共有をしているので、そうした漠然とした考え方しか国が持っていない段階では、事業者の安全の投資に対する意欲というのもなえて下がってしまうし、また原子力人材、こういうことをやっていこうと志す若者が現れない。結果として立地地域の安全が脅かされる。安全が最優先であるはずの原子力発電が、安全が脅かされるような状態になる。こういうことは絶対にあってはならないということを私は申し上げているところである。そういう意味で、これから、今後もであるが、発電の立地地域だけではなくて、核燃料サイクル、原子力発電全体で立地地域の皆さんが安心して、国策である原子力に協力ができるように、国として明確な方向性、さらには今も言っていただいたが、発電が終わった後、立地地域の状況がどうなるのか、こういったことについて、国は早く明確な答えを示していくべきだと私は考えているし、そう申し上げているし、さらにこれからも申し上げていきたいと思っている。 43 ◯鈴木宏紀委員  思いは多分、我々委員も理事者の皆さんも共有化されていると思う。ただ、そこに行き着くまでの過程が多少は違うような気はするが。  知事のお話のとおり、私もそういう思いがある。昨日、田中宏典委員に聞いたら、私ども県議会も、福島第一原発事故の後、国に対する原子力政策についての意見書というのを16回提出してきている。にもかかわらず、今、議論していたように、国の原子力政策の方向性というのは、国にしてみれば明確にしているというふうにおっしゃるかもしれないが、受け取る我々側から見れば、いろんな含みのある言葉が多過ぎて、その裏にも何かがあるような気がして、なかなか見えてこないわけである。であれば、先ほど申し上げたように、今現在、福井県の原子力行政というのは岐路に立たされているわけであるので、今回のこの40年超原発の再稼働を判断するに当たり、40年超の運転が終わった後の立地市町の将来像も、今この時期にしっかりと国に明示していただくようにこれから要望していかなければと思うし、今までも要望してきたので、今回は要望ではなくて、しっかりと言質とか、例えば今年の夏に策定される予定になっている第6次のエネルギー基本計画の中において、原子力政策の明確な方向性、これはもちろんであるが、これまで原子力政策に協力したわけであるから、それを踏まえた福井県のしっかりとした位置付けを明確にしていただき、なおかつ原発の運転が終わった後、立地の市町が持続的に発展していけるような道しるべ、道のりを明記していただく、そこまでは、今回の再稼働の判断は慎重に判断をすべきと私は考えるが、知事の意見をお聞かせ願う。 44 ◯知  事  今、鈴木宏紀委員の、第6次のエネルギー基本計画の中にしっかりと書き込んでもらって、その上で判断をしていく、という考えを、一つの考えであろうということで承ったところである。  現実には私も、いろいろと原子力政策が前に進んでいないことに対してじくじたる思いを持ちながらやらせていただいている。その理由としては、原子力の課題というのは様々ある。もちろんすぐに全て解決してほしいという思いを持っているが、この50年、福井県はそうした志を持ちながら、耐えながらも、なかなか進まないことについていろんなことを申し上げながら、ただ志を持って支えてきた、こういう状況にあるわけであって、現実の問題として、全てのことを一度に解決できるかどうかといえば、なかなか難しいというのは実感としては持っているところである。そういう中で、私としては、国に対して、安全最優先というのをまず、これはもう第一に申し上げている。その上で、核燃料サイクルを含めて中長期的な原子力政策の方向性、それから立地地域の将来像に対する考え方をより具体的な形で、先ほど第6次のエネルギー基本計画という話をされたが、いずれにしても、より具体的な形で、我々が今出しているいろんな宿題、課題について、国が結論を出して、こちらに伝えてくるようにということで、資源エネルギー調査会でもそうであるし、大臣とお話をさせていただいたときも常々申し上げているところである。今、国からの答えを待っている、そういう状況である。
    45 ◯鈴木宏紀委員  今の状況については理解をした。今、お話にもあったように、国の原子力政策において、一つ道筋が決まっているのは、原子力発電については可能な限り依存度を低減する、これは間違いないことである。でも、この言葉の重みというか、文言というのは物すごく重いと思う。というのも、原子力政策自体、主体性がないような気がする。福島第一原発事故の前は、原子力政策そのものが、国の政策が主体性を持って進んでいた。今回、既存の原子力は、2050年のカーボンニュートラルを踏まえて稼働させていくとは言っているが、再生可能エネルギーとか、水素とか、アンモニアとか、それからCO2吸収を前提とした火力発電、いわゆるCO2が発生しない電源であるが、これを可能な限り増やしていく。それで増やした結果、どうしても賄えない分だけを原子力で補っていくというような文言でもある。そうすると、知事も小委員会におられるので知っていると思うが、グリーン成長エネルギー戦略の中にも、2050年に再生可能エネルギーを最大限60%までやろう、10%については水素とアンモニアでやろうと書いている。残りの30%はCO2吸収を前提とした火力と原子力であると。原子力発電以外は、火力についてもCO2吸収を前提とした火力であるから今の火力とは違うもので、ほかのエネルギーについては全て拡大方向なのである。可能な限り拡大していこうとしている。ただし、原子力も既存の原発は使っていくが、この新しい分野でのエネルギーをどんどん増やしていった結果、残ったところを原発で補っていこうというような考え方が、国の可能な限り原発の依存度を低減していくという裏にあるのだと思う。知事からもお話があったが、そうすると原子力政策自体が主体性を失ってしまい、そこに皆さんが不安を感じて、これから原子炉を安全に運転していくための人材とか、それから、立地の地域はやっぱり不安に思うわけである。例えば2050年のカーボンニュートラルに向け、原子力を既存の原子力であるといえども活用するという国の方針が示されるのであれば何%程度──、要するにほかのエネルギーに左右されて、国の文言どおり受け取ると、例えばほかのエネルギーで全て満たされた場合には原発は要らないわけである。ゼロである。ゼロもあり得るし、ひょっとして再生可能エネルギーがうまく進まなかったときに、原子力発電所にはもうちょっと頑張ってもらわないといけないよね、というほうに方向転換になる可能性もあるわけである。それにこれから福井県は振り回されるのである。だから私は明確な原子力政策のビジョンというのは、原子力政策自体に主体性を持たせて、国がこれから議論してほしいということなのである。そういうことを今度の第6次のエネルギー基本計画の中で、知事も基本政策分科会のメンバーであるので、しっかりと訴えていただきたいと思うし、そうしたことを今までも議会で何回も意見書を出してきたが、ほとんど反映されていなかったということを踏まえると、今回は独自のエネルギー基本計画の中で、今、私が申し上げたようなこともしっかりと踏まえた上で、それも文言として出てくるようなことを、知事にはがんばっていただきたいし、担保を取った上で、これから国の原子力政策に協力していくという、福井県のこれまで原子力政策に協力してきた立地県として、毅然とした対応でこれから原子力政策、反対するわけではない、国の原子力政策に沿って協力していくわけであるから。そういう態度はこの時期に、知事が新しくなられたわけであるので、もう一度原点に戻って、しっかりと福井県における原子力政策の在り方というのを国に対して明らかにしていただくように求めていくべきである。ただ、知事からお話があったように、いろんなことがあるので、原子力政策のシナリオとしても、さっき言ったようにゼロという可能性も全くないわけではない。それから場合によっては、ある程度増える可能性もある。2030年、2050年の原子力政策の複数のシナリオを想定して、その想定したシナリオを踏まえた上で、福井県の位置づけ、そして、立地市町の運転が終わった後の持続的な発展に向けた振興策、こうしたものをしっかりと明記していただきたいと思う。急には全て解決できないという話があったので、知事は、原子力小委員会にも出席されている。そこでいろんな議論がされておられるのだと思う。なおかつ昨日の知事の発言にもあったが、今後、そういった原子力発電所の運転が終わった後の地域振興についても話し合うような場、検討するような場を設けることを、今話し合っているという話もあった。国と電力事業者と、それから県と立地の市町が、継続的にいろんなシナリオの変化に応じて、なおかつ地元の意見もしっかりと踏まえた上で、いろんなシナリオに応じた道筋をつくっていく。そのつくったものは必ず国策として反映される。そういったことをしっかりと担保する。担保するのが今、極めて重要な時期だと思う。その担保の仕方、一つの方策として、第6次のエネルギー基本計画。これは閣議決定される重要な政策であるので、この計画の中にしっかりと盛り込んでいただく。もしくは、明記されないのであれば、担保されるようなところまではしっかりと知事には踏ん張っていただきたいという意味で申し上げたところである。知事、今度のエネルギー基本計画の中で、最後まで踏み込んで明記することがなかなか難しいのであれば、最低限、これからの原子力政策の振り幅がこれだけ大きいわけであるから、その振り幅に応じた複数のシナリオを用意して、そのシナリオに沿って国と県と市町が検討して、それがしっかりと国策に反映できる、そういった約束がとられる、言質をとれるまでは、再稼働の判断は慎重に判断していただきたいと思うが、どうであろうか。 46 ◯知  事  今、本当に原子力の方向性があやふやで振り幅が大きい、立地地域がそれに振り回されている、というお話を聞かせていただいて、私も大きく、全くそのとおりだというふうに思っている。その中で今回の40年超運転の話をどういうふうに解決していくのか、そういう点について、これからまた、議会の今後の議論も伺いながら、我々としても最終的には判断していかなければならないと思っている。  先ほど申し上げたが、2050年においても一定の比率を維持するということを国が言っていて、しかも有識者と言われる方のほとんどに近いぐらい多くの方が、原子力は2050年においても必要だと。やはり最近においてもそうであるが、冬場においても再生可能エネルギーだけでは足りないときが来る、安定しない場合がある。こういうようなことも含めて、皆さんおっしゃられていた。そういうことを踏まえれば、原子力というのは当然必要なものだろうと思うが、それぞれに立地の地域は、住民もいて、生活も抱えてやっているわけであるので、今までは、これだけ地域振興のためにお金を使うから、交付金を出すからとか、こういう話であったが、今、言われたように、その後しっかりとコミュニケーションをとりながら、状況の変化も見ながら、立地地域の将来像がどうなっていくのかといったことを、常に状況に応じて、必要な改定も行えるような形で進められるように、これからもしっかり国に求めて、それで納得ができる状況になって、皆さんとともにいろいろ判断をしていく、そういうことだろうと考えている。 47 ◯鈴木宏紀委員  知事のおっしゃることは理解する。今申し上げたことはあくまでも私の個人的な思いでお話をさせていただいたし、意見も述べさせていただいた。この後我が会派は、40年超の再稼働に向けて、議論をどうしていくのかという方向性については、これから合意形成が図られ、今日の総括で仲倉幹事長がいろいろと話をされるのだと思う。今、個人的な意見を述べさせていただいたが、立地の皆さんの意見もあるので、しっかりとそれを踏まえて、それに沿って私は行動したいと思っているので、そこは誤解のないようによろしくお願いする。         「1月の大雪について」 48 ◯鈴木宏紀委員  原子力政策にほぼ45分をつぎ込んだので、本来であれば大雪対策、9問から10問を用意して、これも物すごく自分の思い入れがあるものであるから、しっかりと提言し、国からの返答もしっかりもらうようにというふうに思っていたが、3分の1ぐらいは、宮本委員が私の思いを言ってくれたのかなと。しかも理路整然と言っていたので、ここについては小川部長には大変申し訳ないが、大事な部分だけお聞きしておく。確認の意味である。決して部長とか、知事を責めるつもりはない。  今回、この大雪を踏まえた報告というのが、1月26日、全員協議会が開かれて、国、NEXCOの報告書、それから、県から報告書があがってきた。今回、北陸自動車道、国道8号、それから中縦が大規模交通障害に至ったその大きな要因として、イの一番に、国道と高速道路との同時通行止めで事前に合意していた。しかし、運行方法等について検討がなされていなかった。これが今回の大規模交通障害に至った一番の原因であると明記されていた。これを見て私は大変驚いたのである。当然である。それまでは、北陸自動車道は片道2車線あるから、大雪時においても、片道1車線だけでも何とか残せるようにというふうに議論をしてきたと思っている。にもかかわらず、今回の大雪において、国やNEXCOは、交通障害の一番の原因となったのは交通規制そのものの在り方にあったとすることに物すごい違和感があった。これは、知事も土木部長もそうであるが、我々は去年の12月議会も、一生懸命北陸道を止めないようにしよう、いろんな知恵を働かせてやろう、冬期道路情報連絡室についても機能も強化させた、大丈夫であるねと、いろんな議員が質問して、答弁が返ってきて。その答弁は、国もNEXCOも、通常の除雪能力を、人員も機材も2倍にしたと。だから、短時間の通行止め、いわゆる事故はあるかもしれないが、今回3年前のような大雪があったとしても継続して除雪はできる、というように答弁されているのである。なのに、1月26日に国のあの報告書を見て、私はびっくり仰天というか──、そう思って当然だと思う。聞きたいのは、同時通行止めで事前に合意していたということを県は認識していたのかどうか、ちょっとここをお聞かせ願う。 49 ◯知  事  もともとは3年前の大雪の際、通行止めは基本的にしない、どちらかの交通は確保するということで合意されて、運用されてきたと認識をしている。それが、昨年12月に、先に関越道で大変な滞留が生じた。あの経験を踏まえて、国のほうは、12月30日ぐらいだったと思うが、大雪が福井県でも降るというようなことを言われて、実際に大分降ったが、あのときに向けて、必要があるときにはタイミングを逃さずに予防的通行止め、それから集中除雪、こういったことをちゅうちょなく行うんだという話をされた。そのことを国とNEXCOの間で発信されたことを、多分合意と言っているのだろうと思う。事実としてそういうような考え方を言われていること自体、我々は知ってはいたが、そういうことを言われるたびに、先ほども紹介いただいたけれども、私どもは、同時通行止めというのは、あるかないかといえばあるかもしれないが、それにしても1ラインだけでも必ず残してほしいということを常に言い続けてきたし、これについては今も同じ考えであるので、これからも何とかして1つのラインでも残していただいて、福井県の社会経済活動を守っていただきたいと訴えていきたいと思う。 50 ◯鈴木宏紀委員  申し訳ないが、ほかの質問は割愛させていただく。  ただ、最後に、部長にも知事にもお願いしておくが、今回、北陸道、国道8号、中縦も含めてあのようになったが、これから除雪をどうするか検討するに当たっては、やみくもに国とかNEXCOと対峙することは避けなければならないと思う。向こうには向こうの言い分もあれば、立場があろうかと思う。それも十分理解した上で、最後は県民益、そして県民の皆さんが納得できるような除雪の在り方、予防的通行止めの在り方をしっかりと検討していただきたいと、そこだけ要望して質問を終わらせていただく。                               ~以  上~ 51 ◯松田委員長  以上で、鈴木宏紀委員の質疑は終了した。   ここで休憩する。再開は午後1時とする。                       午後0時1分  ~休  憩~                       午後1時0分  ~再  開~ 52 ◯松田委員長  休憩前に引き続き、委員会を開く。  質疑を続行する。  これより大森委員の質疑を行う。  大森委員。     「若狭(嶺南地域)の夢ある未来に向けてについて」   大森 哲男 委員 53 ◯大森委員  県会自民党の大森である。昨日から密度の濃い、また緊張した議論が続いている。先ほどの鈴木宏紀委員が相当突っ込まれたので、私もあまり質問する必要がなくなったのかなと思うわけであるが、私の視点でまず、若狭、嶺南地域の夢ある未来に向けてについて、伺いたいと思う。  これから30年後、若狭はどうなっているのであろうか。若狭の人口はどれくらいになっているのであろうか。新幹線はちゃんと大阪までつながっているであろうか。観光地には国内外から観光客があふれているのであろうか。皆さんはどのような絵を描いているのであろうか。我々の使命は、県民はもちろんのこと、若狭の人々が明るい希望を持って生きていけるものにしなければならない。若狭の未来のため、私たちが決めなければいけない大事な岐路に来ていると私も思うし、知事にとっても特に難しい問題であるということは私も十分認識しているつもりである。私たち、非立地、嶺北の人間は、今までは立地の方、準立地の方、それぞれその方が本当にせっぱ詰まった問題の中で今まで議論をして、我々はどちらかというと深い発言を控えてきたわけであるが、この際我々もこのことに対して真剣に議論していくべきと考える。  先般、国は、中身のない手形を県に渡した。知事は、一定の回答があったと納得されたとのことであるが、表書きには何と書いているのであろうか。具体的なことは書かれていないのではないだろうか。では、何と書いてほしいのか。新幹線のことなのか、道路のことなのか、港のことなのか、新しい産業のことなのか。県のリーダーである知事はどのような絵を描くのか、描いてほしいのか、今まさに、真剣に議論すべき時間が来ていると思う。福井県のリーダー、立地地域のリーダーとして、若狭の将来にどのような夢を描いていくのか、知事の所見を伺いたいと思う。 54 ◯知  事  若狭、嶺南地域の将来像についてであるけれども、こうして福井で暮らさせていただいていてつくづく思うのは、言葉を一つとっても、福井県全体に柔らかい言葉を使うなと思うけれども、特に嶺南へ行くと、ほっとする優しい響きがあると思うし、三方五湖や若狭湾をはじめとして、とても風光明媚というか自然豊か、水もおいしい、また歴史や文化も、古いお寺もあって歴史もある、それから、御食国と言われる食もある、とてもすばらしいと思う。そこにこれから新幹線が、まずは敦賀、その後、新大阪までつながる。それから敦賀の港も、これは確実にこれから大きくしていかなくてはいけないし、必ずなると思う。そういう意味では、ポテンシャルが非常に高い地域だろうというふうに思っている。これを具体的に、本当に豊かな社会に変えていかなくてはいけないと思う。今回の長期ビジョンの中でも、WAKASAリフレッシュエリアというふうに書かせていただいていたり、また嶺南Eコーストの計画を、具体的に、こう進めていくとも書かせていただいている。  WAKASAリフレッシュエリアというのは、人がそこで生活をする、例えば仕事が、今テレワークがあって、半農半X、農業をやりながら、半分の時間を別の仕事もやりながら生活するとか。あと、生活の仕方も、例えばスマートエリアみたいにハイセンスな生活ができる、こういうようなことの可能性に満ちていて、もう都会にも近いわけだから、できるのだろうと思っている。そういう意味では、高速交通網とか物流のネットワークをつくる、それから、エネルギーなんかの産業も伸ばしていく、農林水産業もスマート化するスマートタウンをつくる、いろんな形で若狭地域のポテンシャルをさらに具体的に高めていきたいと思っている。 55 ◯大森委員  私は、1970年、人類の進歩と調和をテーマにされた祭典、万博のとき16歳であった。高校1年の私は、夏休み、京都に進学した友人の見識で、夢と希望を持って、福井県の誇りとして、美浜第1号から送られた原子力の火がそのパビリオンをともしているということで、夢と希望を持ってパビリオン巡りをしたことを覚えている。  3.11の東日本大震災により原子力の安全基準の問題、2050年カーボンニュートラル、いわゆる脱炭素社会の実現、アメリカのバイデン政権によるパリ協定への復帰、近年の大雪による電力需要の逼迫、我々を取り巻く環境は、刻一刻と変わってきている。原子力は、我が福井県の地域振興に大きく寄与した。最も貢献したのは若狭の人々である。では今、国の電力行政を支えた立地地域に何ができるのか。現在の40年超運転の原子力再稼働を認めるかどうかという議論は大事なことである。一方で、運転終了後の若狭の姿がどのようになっているのか、私にも、それぞれみんなにも見えてこない、これが現実ではないかと思う。明確にならない国の方針、国の役割は一体何なのか。エネルギー政策については、改めて国の責務をしっかりと認識してもらうべきである。国に対して、まさに今、原子力の方向性や立地地域の将来の姿を具体的に求めるべきであると考えるが、知事に所見をお伺いする。 56 ◯知  事  原子力政策の方向性や地域の振興については、先月の12日に梶山大臣とお話をさせていただいて、将来に向けて原子力・エネルギー政策の在り方をしっかりと議論をするとか、将来の立地地域の目指すべき方向性を真剣に検討するというお考えを伺った。梶山大臣は、特に、お住まいが東海原発に非常に近いということもあって、その立地地域の状況をよく理解しておられて、将来像をしっかりと見定めなければいけない、例えば、産業を複線化するとか、新産業を創出していくのだと、こういったことも言及をされていたところである。  午前中も議論があったけれども、第6次エネルギー基本計画を策定をしているところである。私もその分科会に参加させていただいているけれども、事あるごとに、まず国としての原子力政策の方向性、長期的な在り方、こういったものを明確にすること。それから立地地域が将来どうなっていくのか。60年過ぎた後の立地地域の将来像を議論する場を早く明確にするようにということを、これまでも申し上げているけれども、これからも申し上げながら、原子力政策の方向性を明確にしてもらえるように努めていきたいと考えている。 57 ◯大森委員  3.11以来、それ以前もである、私も民間人であったときから、いわゆる自民党のタウンミーティングであったり、そういうところにも参加させていただいて、立地の皆さん、この福井県の立場というものをずっと主張してきたのであるが、なかなか明確な、具体的な、その都度はっきりしたものがなかった。この辺が、我々も不安に思うことであるし、県民も本当に不安に思っていることだと思う。ぜひそういうことを踏まえて、この際にいろんな議論をしていただきたいと思う。  昨年3月、嶺南Eコースト計画が策定された。若狭地区の産業構造は、約50年前の商業用原子炉としての発送電以来、原子力に依存したものになってしまった。計画では、便利で災害にも強く、環境にも優しいスマートエリアを創出するとあるが、嶺南Eコースト計画をベースとして、40年超原発の議論を踏まえた地域振興に寄与する発展的なものへと具現化していくべきではないかと私は思っているし、全国の立地地域が羨むような、とんがった若狭の実現に向け、嶺南Eコースト計画を実のあるものとするために、計画の独自性をさらに高め、より発展的なスケールの大きいものとして推進していくべきではないかと考えるが、所見をお伺いしたいと思う。 58 ◯地域戦略部長  嶺南Eコースト計画については、原子力や再生可能エネルギーなどを活用した地域経済の活性化やまちづくりを推進するために、エネルギー利用の最適化やICTを活用したスマートエリアの推進、こういった独自の施策を進めることにしているわけである。  北陸新幹線が大阪まで延伸すれば、嶺南地域は、京都と小浜間が19分ということであって、関西の大都市と一番近い日本海側のエリアになるということである。こうしたことから、計画を推進していく中において、新たにワーケーションやテレワークなど、二地域居住や週末居住につながるような施策も取り入れていく。そして、スマートで新しいライフスタイルを提供できるWAKASAリフレッシュエリアの構想の実現につなげていきたいと考えている。 59 ◯大森委員  今部長から報告があったけれども、では、これからどのような道筋で、そのことを実現していくのか。日本国政府、原子力事業者を含むそれぞれの事業者、ここでやっている若狭の事業者の皆さん、大学、研究機関、県、議会、立地地域の皆さんが合意し、そして一体となって知恵を出し合い、県民の総意として若狭の魅力ある、夢のあるものにつくり上げていかなければならないと思う。それは、県だけでできるものではない。事業者も汗をかかなければいけないし、ここで住んでいる人たち、自治体、それから大学、みんなの総意として、新たな嶺南Eコースト計画に具体化していくためには、ここら辺の協力がぜひとも必要だと思う。我々議会も、ここで一定の結論を出す、ここで決めていくことについては責任を持たねばならないと思うので、ぜひとも前向きなものにしていくように、よろしくお願いしたいと思う。         「発達障がい者の就労の課題について」 60 ◯大森委員  それでは次に、発達障がい者の就労の課題についてお伺いする。  現在、発達障がい者の雇用状況を伺うと、その者が有する本当の能力を活用しているとは、とても思えない。実際に大学や大学院を修了した者が発達障がい者であるということで、満足な就職につながらないケースが少なくないということである。  少し古くなるが、2017年の全国LD親の会、教育から就業への移行実態報告書によると、回答があった629名のうち、約57%が専門学校・専攻科卒、短大・高専卒、大卒及び大学院卒となっている。一方、高校卒業後の進路と現在の状況を見ると、高卒では83%、専門学校・専攻科卒、短大卒、大卒及び大学院卒では67%が就労、残りは在宅となっている。大学院でシステムエンジニアの資格を取ったが、プレゼンや営業など必要なコミュニケーション能力が低く、結局、就職できなかったという事例もお聞きしたし、大学で一級建築士を取得したが、建築関係の仕事に就職できなかった事例もある。本県は、小規模事業所の占める割合が高く、雇用できる人数も限られていることから、特定分野に突出した能力を持つ学生より、営業や技術面でも平均的な力を持ち、こなせる生徒、学生を雇用せざるを得ないのが現場の声である。中・高の教育課程の中で、本人の将来の生き抜く力を身につけさせるために、どのようなスキルを身につければよいのか、議論が薄いように感じている。高校卒業後に就職を希望する生徒に対しては、発達障がい等の本人が気がかりなことに関して、助言や指導を行っていると聞いているが、進学を希望する普通科の生徒に対しては、自分の特性に気づく機会を確保していないのではないかと。現在の生徒に対するキャリア教育では、本人が希望する職種への助言・指導は行っているが、本人が向いている職業、向いていない職業への助言・指導は行っていない。ただ目の前の成績だけで進路を選択しているため、大学卒業後、現実とのギャップを受け入れられない学生が増えているのではないか。  そこで、大学進学を目指す普通科の生徒へのキャリア教育について、どのような助言・指導を行っているのか、お伺いしたいと思う。 61 ◯教育長  普通科高校においては、発達障がいの有無にかかわらず、各教科や総合的な探求の時間、ホームルームにおいてキャリア教育を行っている。  1年生では、産業や職業についての理解を深めるため、外部講師による講演や職場見学を行うとともに、進路希望を踏まえた科目選択等の指導も行っている。2年生ではインターンシップや大学見学により、進路に関する情報の提供と相談の機会を設け、3年次の進路実現に向けた学習につなげている。  県では、今年度から第一線で活躍する社会人によるキャリア教育セミナーを開催しているし、次年度からは地元経済界の協力を得て、ふくいの産業に関するオンライン講座をスタートさせるなど、自分の興味や職種への適性及び職業観・勤労観の育成に努めていく。 62 ◯大森委員  これらの問題は、本人が一人で悩む問題ではなく、親、学校の先生は当然のこと、地域や就職の受皿となる企業が一体となって解決すべき問題であるのではないかと思っている。  義務教育直前には就学前の健康診断を受けることになっている。学力や体力といった身体の健康だけでなく、心とそれからそういう精神的な発達の具合を診断する必要もあると思う。イギリスでは、僅か11歳で大学に進学するか、進学しないか、適性を決める試験もあると聞く。そこまで言わないまでも、例えば、子育てファイルふくいっ子を活用し、社会適応力がどれだけ備わっているのか、あらかじめ児童生徒、保護者や先生に気づかせる機会を持つべきと考える。親や先生と一緒に就労教育を進め、基本的なコミュニケーション能力の適性を見極め、できることで勝負するのか、やりたいことで勝負するのか、できるだけ早い時期に、本人のライフデザインを考えるべきであると思う。  そこで、義務教育課程の早い段階において、全ての児童生徒に対して、自分自身の適性に気づかせるための検査・指導を実施してはどうか。また、保護者の理解を深める配慮も併せて必要と考えるが、所見をお伺いする。 63 ◯教育長  小学校では、早い段階で保護者や教員が児童の特性に気づき、対応していくことが重要であって、保育園との引継ぎや校内での実態把握を丁寧に行っている。その上で、支援等が必要な児童については、発達検査をしたり、個別支援計画を作成したりして、個別に支援を行っている。  小学校低学年対象に行う検査については、読み書きなどの特化したものはあるが、職業適性を測ることはない。また、年齢が上がるにつれて、障がいの状況が変わることもあって、検査の実施は考えていない。  小学校低学年の段階では、自分の得意・不得意や円滑なコミュニケーションの方法など、自己理解を深めたり、自己肯定感を高めたりしながら、将来の社会自立に向けて生きる力を高める指導を行っている。また、その指導内容については、保護者とも共通理解を図っている。 64 ◯大森委員  私も中学校のPTA会長をしたときに、中学生に夢講座というのをやって、親が90分間、時間をもらって、なぜその仕事に就くようになったか、私も話をしたことがある。それぞれ親が、自分の子どもにはなかなか語れないことを中学校1年生の段階で話をしていただいて、先生にも好評であって、今も附属中学校では続いているということである。  本県の場合、発達障がい者が安心して能力を発揮できる職場が本当に少ないと言われている。ただ、A型の職場とかそういうものはいっぱいあるのである。ただ法定雇用率を上げるだけの方針で、発達障がい者自身が自立していくだけの収入が確保できないということ。人並みの収入が確保できる正規雇用を望むのは当然であるが、しかしながら、現状としては、発達障がい者自身が会社に就職してから発達障がい者であることを隠しつつ、与えられた業務に取り組むものの、どうしても適性に合わないことから仕事がうまくいかず、人間関係にも支障が生じて離職してしまう。これをクローズド就労と言うらしいのである。満足した就職ができず、結局のところ、A型事業所といった施設に入ることになる。  A型事業所に入った本人は、満足した収入を得ることができず、大学院まで助成を受けていた数百万円の奨学金が重い負債となり、卒業後も返済のめどが立たずといった、そういう状況の不幸がたくさんある。A型事業所から一般企業へのキャリアアップを促進するため、例えば助成制度などの方策が必要と考えるが、こういったことに対する所見を伺いたいと思う。 65 ◯健康福祉部長  今ほどのA型事業所というのは、まさに一般企業への就職を目指すための施設であるので、そういったことを促進していくことは大変大切なことだと思っている。発達障がいのある方も含めて、一般企業への就労を進めるためには、まず本人への支援、それから雇用していただく企業への支援、それからA型事業所そのものへの支援と、3つの支援の形態があろうと思う。まず、本人に対しては、障害者就業・生活支援センターがあるが、これは障がいの程度によるけれど、それこそ日常生活の挨拶からスタートするような指導を個別に進めていきながら、本人の特性に応じた企業をマッチングしていくということで、一般企業への就労支援というものを行っている。  さらに、企業に対しては、障がい者を試行的に雇用すると、国からトライアル雇用助成金、それから、継続して雇用されると特定求職者雇用開発助成金というものもあるが、こういった支援が企業のほうにはなされている。さらに、A型事業所に対しても、一般就労への移行実績に応じて加算金が出るという制度がある。  今回、お話もいただいているが、一般企業への就労を進めるために、さらに支援が必要かどうかということについては、現在の状況を、今後調査なども行いながら検討していきたいと思う。 66 ◯大森委員  こういう制度は、本来の制度の姿どおりにA型へ行ってしまうと、なかなかそこから一般就労に結びついていないというのが現実ではないかと思う。それでいろんなものをこうやってメニューとして挙げて、実態や数字が出てくればありがたいのだけれども、それが出てこないのであれば、また工夫していただきたいと思う。コミュニケーションが苦手で、社会から身を遠ざけるひきこもりの子の中には、特定の分野において特別な才能を持つ子どもがいる。アインシュタインもそうだったし、また、研究者の何割かはそういう人たちがなっているが、その人たちは特別に、自分の特性を見抜いて、研究者として歩ませるような親と大変な努力があったと思うのだが、一般の親であったり、一般の民間事業者では、そういった特別な能力を有する者をまず見つけられない。  そして、こういう人たちをトレーニングする、こういったことを研究する機関もあってはどうかなと思う。プログラミングとかは、コミュニケーション能力がなくてもできるし、また一人きりでもできる仕事である。  そこで、公的機関である学校と民間事業者において、企業ニーズを踏まえた、より実効性のある職業教育を実施、助成することで就労に結びつけるべきと考えるが、所見をお伺いする。また、産業技術専門学院のカリキュラムを充実するとともに、高学歴で高い知的能力を有する発達障がい者の特性を生かせる業務開発、それを可能とする環境開発を推奨してはどうかと思うが、これも併せて伺いたいと思う。 67 ◯教育長  高校では、担任が進路指導部や学校に配置されている産業人材コーディネーターと連携して、企業訪問による求人の開拓や個々の生徒への面接指導など、丁寧な進路支援を行っている。  また、通級指導で、職業適性やソーシャルスキルトレーニングなどの指導を行ったり、夏季休業中に3日ないし5日間設定している企業実習では、就労をサポートする学校ジョブコーチが同行して体験を積ませたりするなど、進路実現に向けた個別の支援を行っている。  所管は異なるが、就労継続支援A型事業所では、利用者との面談や作業場面での観察を通じて、本人の課題や強み、一般就労に向けた意向等を把握し、利用者に合った一般企業とのマッチングを進めていると聞いている。 68 ◯産業労働部長  福井産業技術専門学院についてお答えをする。  学院においては、ITやコミュニケーションスキルなど個々の障がいの特性に応じた指導を行えるよう、発達障がいを含む精神障がい者を対象とした訓練科を開設しているところである。来年度は、この訓練科を増設し、定員を2倍にする。また企業等に委託し、より実践的なスキルを身につける訓練を行い、さらに個人の適性に合った就業につながる支援を行うこととしている。  また、障がい者全体の就職率をさらに高めるため、企業を訪問し、障がいに応じた業務を特定、集約するなどの助言を行う雇用促進支援員を3名から4名に増員することとしている。  障がい者に対する訓練の充実、企業への働きかけの強化によって、障がい者が個人の能力を発揮できる職場環境づくりをさらに促進していきたいと考えている。 69 ◯大森委員  発達障がい者は、就学期において、その他の生徒や学生に比べて、アルバイトやボランティアなど様々な経験が圧倒的に不足していると言われている。就労後も、ほとんど単純作業に従事し、多様な学習、技術習得や社会的経験を得る機会が少ない。高校や大学在学中に、アルバイトなどを通じて自尊感情を高め、自己承認を得る機会が必要であるが、そこで、発達障がい者が社会に接する機会を創出するため、人材バンクの設置や土日を利用したアルバイトのあっせんなどを行ってはどうか、こんなことも含めて、いわゆる苦手をなくしていくということをやってはどうか、と思うが、いかがだろうか、健康福祉部長にお伺いする。 70 ◯健康福祉部長  発達障がいの方、大きく分けて3つに大別されると一般的に言われている。私もたくさんのそういうタイプの方と接してきたけれども、一人として同じタイプの人はいらっしゃらないのである。したがって、仕事をあっせんするに当たっても、お一人お一人に適した、寄り添ったあっせんといったことが必要になってくる。このため、発達障がい児者支援センターというのがあるけれども、こちらのほうでは、本人の特性を十分に把握させていただいて、アルバイトであろうと一般就労であろうと、例えば企業の面接にも同行させていただくなど、一人一人に寄り添った支援を行っているという状況である。  企業に対しても、こういった障がいの特性であるとか、本人との接し方とか、仕事の伝え方などを学ぶ研修をやっていて、障がい者を受け入れやすい環境をつくりたいということでやっているのだが、なかなかこれが広まっていかないので、まずこれを広めていくことも大切かと思っている。  提案の人材バンクについては、これまで障がい者の方を受け入れられた企業、それから理解のある企業の方の情報というのが、発達障がい児者支援センターのほうに蓄積としてあるので、事実上、人材バンク的なものにはなっていると思うのだが、これを公開して広めていくことが適当かどうかとか、そういったことも含めて議論が必要かと思うけれども、しっかりと発達障がい者の皆さんのために活用していきたいと思っている。
    71 ◯大森委員  私も工場経営者として、何人もこういった子どもを預かってきたし、また、中途採用で中間管理職要員みたいなことで書くと、随分学歴のある方が面接にお見えになる。そして、なぜうちの会社にこんな学歴のある子がと思って、よくよく観察してみると、部下を与えてみたりすると、やはりうまくいかない。親御さんもその辺のところがなかなか理解していなくて、うちの息子は何か知らないけど辞めてしまうんだと。そういうふうに思われて、本人と相談して診察をしてもらうと、やっぱり障害があるというようなことになる。  だから私は、発達障がい者が社会に適応できる能力、技術、資格を準備できる環境をもっとつくって、特殊な能力とスキル、そして資格を持って仕事できるようなことをやっていただけたらなと思う。  発達障がい者が、高校や大学在学中など、社会に出る前に、社会に適応した能力、技術、資格を身につけるためのセミナー、またそういった講座なりを活用していただけたらどうかということを思っているが、所見を伺いたいと思う。 72 ◯健康福祉部長  発達障がいの方、先ほども少し触れたけれど、一くくりにできない。本当に多様でそれぞれの方の特性に応じたサポートが重要ということもあって、現状では、例えば集団で指導申し上げるようなセミナー形式のものは行われていないし、あえて言えば、向いていないということはあろうかと思う。その代わりに、先ほど申し上げた発達障がい児者支援センターにおいて、本人の特性に応じた技能を身につけるための研修などをしているというのが現状であるけれども、セミナーの実施については、コロナ禍の中で、一般の方でもオンラインでやるという提案だったが、そういったことがだんだんと広まってきたし、みんな慣れてきたという中で、こういった方々がオンラインで個別に自宅などで参加できるような共通のテーマがあるかどうかということについては、研究する値打ちがあると思っているので、勉強させていただいて、必要に応じて開催も考えていきたいと思う。 73 ◯大森委員  今、オンラインでマッチングをやると、発達障がい者は、直接面接するより、逆にいろいろ能力を出せるんじゃないかな、そんな思いもあるので、ぜひともそこのところを研究して、いい方法を考えていただけたらと思う。知的障がいのない、いわゆる発達障がい者特有の課題は多岐にわたる。本県に定住する可能性の高い彼らの能力を生かして、立派に納税者として育てることは、県にとっても有益になると思う。何度も申し上げたが、親や先生、企業が一緒になって議論しながら、発達障がい者の個性を社会全体として認め、彼らが持つ能力を十分に発揮できる社会人として育て上げるのが社会全体の使命であると思う。企業が一般人と遜色ない給料を払い、地元福井の雇用につなげていくことが重要であると思う。これまでの提言を発達障がい者の「福井型就労モデル」として、ぜひとも前向きに検討、構築していただきたいと思うが、所見をお伺いしたいと思う。 74 ◯健康福祉部長  本県における発達障がい者の皆さんへの支援の様子を鑑みると、先ほども紹介いただいたが、まず、子育てファイルふくいっ子を活用して、幼児期から高校まで一貫して支援を行うという体制をつくって、特に発達障がいのある方を社会に送り出すための支援が、このファイルを中心に、教育の現場で、全国的にも先進的な取組が行われてきているというのが現状である。  ファイルをつくる際には、福祉部局も教育部局と一緒につくったのだが、制度の立ち上げから8年になる。教育現場でも様々なノウハウが蓄積されているけれども、その運用に当たって福祉の関わりが少し弱かったということは反省点としてある。せっかく蓄積されているそのノウハウを我々も共有して、発達障がい者の支援というのを一歩先へ進めていかなければいけないと考えている。  このため、近くそのノウハウを福祉とか教育とかで共有できる体制を福祉が中心となってつくって、教育、労働、福祉の専門家の意見なども伺いながら、これからの発達障がい児者を含めて、新しい就労の在り方というのを少し検討していきたいと思っている。これが福井型就労モデルとおっしゃるようなものになればいいなということで、取組を始めていきたいと思っている。 75 ◯大森委員  本当に今、部長から力強いお言葉を頂いた。発達障がい者の方々というのは、ある意味で純粋だから、そして能力があるので、引き籠もってしまうと。それがどんどん年を取っていくと、悩んだ上、犯罪につながるケースが随分あるのである。親はどんどん年を取っていくわけだから、社会問題としても今、取り組み出して、50代のそういう発達障がい者の皆さんも結構増えている。ぜひそういう方も含めて、家の中から出て、仕事が持てるような、そんなことに取り組んでいただきたいと思う。         「福井県都の再生について」 76 ◯大森委員  次に、福井県の再生についてお伺いしたいと思う。  100年に一度のチャンスとなる北陸新幹線福井・敦賀開業について、昨年12月、当初予定よりも1年遅れることが判明した。2024年春となったJR福井駅西口、通称「三角地帯」、福井駅前電車通り北地区A街区再開発事業についても新型コロナウイルスの影響や、解体工事に伴うアスベスト除去や、くいの撤去が想像以上に難航したこと等が判明し、全体スケジュールも1年余り延びるということになった。  本当に今、コロナで大変な時期に、またこのことが二重になって、商売が大変な時期の中で、もうもたないというような悲鳴が出てきている。今、おもてなしのインフラであるいろんな業種が少なくなっている。例えば、看板屋さんがもう駄目だわと、コンパニオンクラブがもう廃業すると、そういうことを幾つも聞くにつけ、どうしたらいいのかと。地元の人間としては、本当につらい思いを毎日のようにしているわけであるが、地元商店街にとって、また、いろんな業種にとっても、本当に死活問題であるということ。これから迎える大交流時代を前に、そのインフラ自身が、新幹線は来たけれど、ホテルはできたけれども、何もなかったというようなことになるのではないかという危機感すら持っている。福井駅周辺の商店街の現状について、県はどのように認識しているのか、伺いたいと思う。 77 ◯産業労働部長  福井駅周辺には7つの商店街があるけれども、5年前と比較して、店舗数が約60、組合会員数が約20減少している。また、売上げの減少や設備の老朽化など様々な課題を抱えている状況である。さらに新型コロナウイルス感染症や再開発事業、そして大雪の影響などもあり、さらに厳しい状況にあると認識していて、県としては、店舗の改装だとか消費喚起等を強力に現在進めているところである。 78 ◯大森委員  実際、駅前の再開発事業の現況はどうだろうかと。都市部でも再開発事業は本当にたくさんやっているけれども、いわゆる大都市部でやっているものは、どれも歩行者ファースト、客ファーストとして、工程に合わせて通行止め区間を最小限にし、地元商店街の影響をできるだけ最小限にしている。しかし、福井の場合はどうだろうか。私は、工事業者ファーストに感じてほかならない。そのことが、県民が、福井駅前に行きにくい、遠くなったイメージがある、そんなことにつながっているのではないかと思う。  そこで、再開発工事の一日でも早い完成を求めるとともに、工事期間中の回遊性のある歩行空間の確保、工事工程に合わせた通行止め区間の最小限化、歩行者に不便を感じさせないように、事業者に対して協力を求めていただきたいと思うが、所見をお伺いする。 79 ◯土木部長  駅前の再開発は、県都のにぎわい拠点となる施設であるので、県としては、再開発組合に対して、現在、解体工事中であるが、中央大通り、これは県道福井停車場線であるが、一部を施工ヤードとして占用させることで、早期完成を福井市とともに強く働きかけているところである。  再開発組合は、解体工事に伴ってガードマンの配置や案内看板の設置を行っていて、歩行者には不便を一部おかけしているが、なるべくそういったことを配慮している。また、都市部での工事ということで、にぎわいを創出するということも必要である。そういったことから、工事の仮囲いの看板があるけれど、そういったものにイラストや写真等のラッピングを施すことによって、歩行者の回遊性を高める工夫も計画しているとお聞きしている。  県としては、歩行者の利便性が少しでも向上できるよう工事の状況、例えば、解体工事が終わると、次に新築工事に入っていくけれども、そういった段階で中央大通りに新たな仮の歩道を設置することができないか、そういった検討について再開発組合に求めているところである。 80 ◯大森委員  もう中央通り、歩道はなくなってしまった。車でしか通れないという状況。ぜひとも歩行空間として、一回歩いてみてほしいと思うのである。西武へ行こうと思っても、本当に家から500メートルは遠くなった感じが意識的にあるので、ぜひともである。  それから、駐車場の入り口の問題もある。駐車場の問題は西本恵一委員がされたので、重複するのでやめるけれども、ぜひとも入り口の確保であるとか、そういうことは配慮いただけたらと思う。  さらに、西武福井店新館が、オープンから21年の歳月を経て、先月28日に閉館した。昨日、本館がリニューアルオープンで、大野店長を基に開店したけれども、あの広い新館がなくなってしまうとどうなるのだろうと。我々、あれができたときは本当に喜んだのだけれども、駅前商店街もすごい苦労して回廊をつくったり、商店街と一緒に私も汗をかいて、あれができたのであるが、今思うと、20年かかると先のことは分からないなと思う。若者が、ますます駅前を離れるのが加速するのではないかと懸念の声も聞かれる。先日訪れた飲食店は、新型コロナの感染症対策を徹底しているものの、お客はほとんどいない。閑散としている雰囲気だけであった。このままでは本当に2024年春の北陸新幹線開業までに店がもたないなと。ここがもたないだけならいいのである。町がもたないと、そんな思いで、私は非常に心配になった。  新幹線開業までの間、福井駅周辺、飲食店や小売業などにおける県民や県内外の観光客の受入態勢について、どのように進めていこうと考えているのか、所見を伺いたいと思う。 81 ◯産業労働部長  委員おっしゃられたように、現在、福井駅周辺のにぎわいの低下が見られることから、商店街、ショッピングセンターなどでイベントを応援するショッピング・エイドであるとか、ふく割を実施して、消費喚起による飲食業、小売業者の売上回復を下支えしているところである。今後、北陸新幹線が開業すると、福井駅周辺は、まさに福井県の第一印象を決めるゲートウェイとなると考えている。このため、県としては、福井市や経済界、そして地元の業者の方々等と連携して、それにふさわしい場所となるよう、案内の充実や個店の魅力アップ、観光客をおもてなしするおもてなしのレベルアップを図っていくことが重要であると考えている。  特に小売店等に対する店舗改装や土産品開発への補助金等を、来年度においても継続支援するほか、福井市と連携したイベント等による中心市街地のにぎわいづくり、スマホアプリを活用したまちなかの案内機能の強化など、新幹線開業に向けた準備を着実に進めていきたいと考えている。 82 ◯大森委員  本当に、今、先も見ないといけない、しかし、足元を見ないと歩けない。今がもって、1年後、2年後があるんだと思う。今、店舗が空いているのである。これが空いているから入ってくれといったって、なかなか難しい。当然、客足は減っているし、来てくれというのがむちゃなのだけれども、そこでもやっぱりにぎわいをつくっていかないといけない。売上げを上げなきゃいけない。それが、1年また増えるということになると、そこで持続的に、何とか助ける方法はないかなと、そんなことを思っている。どういう方法があるか分からないが、新規出店者へのさらなる支援が必要かと思うけれども、その辺、部長、いかがか。 83 ◯産業労働部長  委員おっしゃるとおり、商店街の活力を高めるためには、空き店舗対策は非常に重要であると考えていて、空き店舗の改修、そして店舗誘致に活用できる市町への補助制度を充実して、今回の予算案にも計上させていただいているところである。  これまで福井市からの申請がなく、それが非常に残念なところであるけれども、福井駅周辺は、県民の生活・経済活動の中心であるだけではなく、県都の玄関口でもある非常に重要なエリアであると考えていて、今後、福井市においても、ぜひこの補助制度を積極的に活用していただきたいと考えている。そして、福井駅周辺が魅力的なエリアになるよう、強く福井市に働きかけていきたいと考えている。 84 ◯大森委員  時間が来たので、この辺でやめるけれども、本当に、福井市と県がうまく足並みをそろえて一緒にやってほしい。私も市議会へ行って議論できるようになりたいと、そんな思いすらする今の福井市議会の議論の状況である。今、協議会もできているそうであるので、ぜひ県の力を借りて、県都の玄関を何とか維持するよう頑張っていくので、どうかよろしくお願いする。                               ~以  上~ 85 ◯松田委員長  以上で、大森委員の質疑は終了した。  ここで休憩する。再開は2時10分とする。                       午後1時50分  ~休  憩~                       午後2時10分  ~再  開~ 86 ◯笹岡委員長  休憩前に引き続き、委員会を開く。  質疑を続行する。  辻委員の質疑を行う。  辻委員。         「県政全般について」             辻 一憲 委員 87 ◯辻委員  民主・みらいの辻である。今議会、我が会派は予算、それから北陸新幹線、大雪や新型コロナ、原子力行政、医薬品事故、保育、教育など、いろんなテーマに取り組んできた。また、本委員会では、教育行政について北川議員が、また、女性活躍社会については西畑会長が質問したので、そのほかについて総括的に質問を進めていく。  まず、大雪対策について伺う。  大雪により、北陸道と国道8号が通行止め、生活や経済に大きな影響があり、3年前の再来となった。今後、この大雪はラニーニャ現象や地球温暖化を背景に数年置きに発生するという指摘もあり、代表質問では企業や行政のBCPに大雪災害を位置づけたり、行政が外出自粛要請を呼びかける仕組みをつくるなど、大雪災害に対応できる社会づくりを提言しつつ、いろいろと議論してきた。  土木警察常任委員会の質問、傍聴をしていた。議員側からは、かなり厳しい指摘、質問があり、また、それに対して土木部長は、かなり熱弁を振るっていた。部長が強調していたのは3点と思っていて、重大な大雪の場合には、国やNEXCOには通行止め回避を働きかけつつ、1つ目、広域的迂回により流入車両を減らす。2つ目、通行止めで集中除雪を行いながら経済への重大な影響を防ぐため、緊急的な車両は通行を許可する。3つ目、効率的な除雪のためには外出控えが重要ということだった。  同時通行止めはさせないというのは、我々も同じ考えであるので、そこは頑張っていただきたいのだけれども、昨日、今日の答弁でもあったけれども、その通行止めで集中除雪を行いながら緊急的な車両は通行を許可するという、この考え方について説明を求めたいと思うのだが、県庁内や関係機関でどの程度まで、この考え方は共有されているのか。また、その対象となる車両、医療だとか、あるいは食料、あるいは製造、燃料等々、をどう考えているのだろうか。 88 ◯土木部長  通行止めの際には除雪車が先導し、救急車等の緊急車両や食料、燃料等の生活必需品を運搬する車両を通行させ、きちっとした物流を確保するということについて、県のほうから国のほうに提案をしてきた。  そのようなこともあって、2月17日に国土交通省の委員会の取りまとめ素案には、同時通行止めを行った際には、梯団除雪隊の直後、梯団除雪隊というのは、高速道路において、片側を除雪トラックが二、三台並行して一気に除雪をしていくという独特の除雪隊だけれども、そういったものの直後を追尾させることによって物流等の途絶も回避するといったことが、この取りまとめの中に盛り込まれたところである。  今後、委員指摘の緊急的に通行させる車両については、現在、安全環境部とも連携しながら、具体的な提案をこれから行おうと思っていて、それについては、国や高速道路会社等と協議をして、対策に反映させていきたいと考えている。 89 ◯辻委員  土木部長が強調していたもう1点、外出控えが重要という、この認識は一緒なのだけれども、では、それをどのようにスムーズにやっていくのかというのがポイントだと思う。我々としては、代表質問では、大雪時に具体的に、マイカー自粛、テレワーク実施要請を行う、客観的条件をあらかじめ設定して周知させて、それを実行するというのを提案したわけであるけれども、このことについて、一方で、経済や福祉面での影響をどう抑えながら、外出控えの成果を上げられるかということだと思う。これについて、知事の考え方、課題、方針を伺う。 90 ◯知  事  今回の大雪に際しては、事前に大雪の発表があったので、県民に向けて、テレワークの実施であるとか、それから不要不急の外出の自粛というようなことも求めさせていただいたところである。  ちょうど3連休に入ったということもあるけれども、結果としても、今から当時の人の動きを見てみると、もともと連休中はコロナの影響もあって、ちょっと低くもなっているけれども、その前後と比べても、昨年の同じ時期の同じ週末と比較してみると、コロナの影響はあったとしても、3分の1から2分の1ぐらいに人出が減っている。相当出控えをしていただいたと思っている。  それから12日の火曜日になって平日に戻ったけれども、この段階でも、場所によるけれども、1割から3割ぐらい人出は減っているという状況にあった。そういう意味では、県民の皆さんには理解をいただいた。また企業を含めて、無理して出勤しないと、もしくはテレワークしようというようなことも一部聞いていただけた。その結果として除雪もそれなりにスムーズに進んで、幹線道路も、それから町なかの生活道路もそれなりにできたのかなと思っている。今後も、大雪が確実になってくるその度合いに応じて、県民に向けて、いろんな形で、チャンネルを通じて呼びかけていくことが大事だと思っている。 91 ◯辻委員  いろんな議論があったので、課題もたくさんあったと思うけれども、それをしっかり受け止めていただいて、6月議会に検証をまとめてお出しをいただくということかと思うので、それまでの間に関係機関としっかりと詰めていただいて、最善のものを提出いただければというふうに思う。  では、2つ目である。新型コロナウイルス対策について伺う。  ワクチン接種が県内でも進んでいる。勝山総合病院での先行接種について、職員431人の1回目の接種が終了した。2回目の接種が、たしか本日から開始ということだと思うけれども、勝山総合病院の2回目の接種はいつ終了予定か。接種の進め方や方法、ワクチンの安全性、副反応などについて、現時点の状況とか、得られた知見を伺う。 92 ◯健康福祉部長  福井勝山総合病院の1回目は2月19日に始まって、3月1日に終わった。2回目については、今日始まって、3月26日までに終える予定である。ここまで接種を終了した方々について、副反応の症状等は出ていない。接種の状況や課題については、福井勝山総合病院と県、医療機関で共有しているけれども、その中では予診──あらかじめお医者さんが診断する、これについてもいろいろ課題があるように聞いていたが、スムーズに終えることができている。それから、接種後15分以上の経過観察、これも距離を十分に保ちながら滞ることなくできたというふうに聞いている。さらに、不安が寄せられていたワクチンの希釈、それから、それを注射器に充填して接種するまでの流れについても、特段、普通の医療行為と違いがなくて、困難なことはなかったというふうに伺っている。  今、福井勝山総合病院においては、ほかの病院の看護師さんとかお医者さんの視察を接種に合わせて受け入れておられるし、ワクチンの取扱いの解説動画をつくっていただいていて、これを、今後接種を行う医療機関と共有して、県民の皆さんが安心して接種いただける体制をつくっていきたいと思っている。 93 ◯辻委員  続いて、県が担当する医療従事者向けの優先接種について伺う。  これは5日にスタートしたということだと思うけれども、月内で県内の医療従事者の19%、約6,000人への2回の接種を予定しているということで、残りは大半が4月に確保ということかと思うが、厚生常任委員会では、高齢者向けのワクチン接種について、このワクチン搬入量が少ない状況の中で、全市町で一斉にスタートするのか、絞るのか、その辺り検討しているということであった。  高齢者向けワクチン接種に関する課題、現時点での方針、それから、医療従事者向け優先接種と高齢者向け接種が並行するのではないかという可能性と、もしその場合には課題が何なのか伺う。 94 ◯健康福祉部長  高齢者向けワクチンについては、今のところ国から当面4月までの供給量について示されているが、その後の供給量について明らかになっていないという状況である。  そのほかに、市町においては、接種施設までの交通手段をどうするかとか、基礎疾患に対するワクチン接種の可否の判断について、今いろいろと検討が進められていて、我々も相談受けているので、一緒になって検討しているという状況である。  それから、医療従事者向けの接種については、今ほど紹介いただいたように、3月5日から県立病院皮切りに開始されているわけであるが、国からは今のところ5月前半には医療従事者の全量を供給したいということが届いているだけで、4月がどうなるかというのは、まだはっきりしていない。ということで、今指摘があったように、私どもとしては高齢者の接種は4月12日から全市町一斉にスタートしたいと準備を進めつつあるので、それと並行するということになる。したがって、接種に参加いただくお医者さんの確保、基本的に2回接種を終わったお医者さん、看護師さんに接種に出ていただきたいと考えていて、そういうことでいろいろとやりくりが大変になってくる。  国のワクチン供給スケジュールは小出しに、いろいろと出るたびに変わってくるということで、我々県も市町も臨機応変に対応していかなければいけない、せざるを得ないので、医師会、看護協会とも相談しながら、市町をしっかりとバックアップして進めていきたいと思う。 95 ◯辻委員  そのあたりの混乱がないようにぜひお願いしたいと思うが、知り合いのかかりつけ医の医者から聞いたのだが、まだワクチン接種について連絡がないということなのであるけども、そういった連絡というのはどういうふうに進んでいくのか。 96 ◯健康福祉部長  今の質問は高齢者とか一般の方の接種のことだと思うけれども、この接種については、供給量がはっきりしないと、何月何日にどこでやるかということがはっきりしてこないので、現段階では、まだ個別のお医者さんに、スケジュールについては連絡できる状況では──どういうふうにするかなど、一般論については既にいろいろとお話ししているが、スケジュールが決まっていないので、負担をおかけしていると考えている。 97 ◯辻委員  もう一つ伺いたいのは、かかりつけ医のお医者さんからすると、そこはコロナ検査をやってくださっているところなのであるが、検査をしているんだけれども、まだ自分はワクチン接種ができていない、遅れているという状況で。高齢者のワクチン接種がスタートする前に、かかりつけ医で、少なくとも検査をやっている医療機関はワクチン接種ができるようなスケジュールを組むのか。 98 ◯健康福祉部長  基本的に、まず一番優先しているのは、コロナの患者さんを受け入れている病院である。その次に、コロナの検査等をしていただいているお医者さんも優先的にやっていきながら、実際に一般の方、高齢者の方への接種に赴かれるお医者さん、看護師さんについては、ワクチンの接種を終えた方に行っていただけるようにということで、なかなか難しいやりくりなのであるが、それを今、市町と一緒に検討を進めて、準備しているという状況である。
    99 ◯辻委員  ワクチンが、いつ、どのぐらい届くのかというのが分からない状況の中で、大変な舵取りをされていると思うのだが、しっかりとやっていただくようお願いをする。  続いて、北陸新幹線並行在来線について伺う。  北陸新幹線建設事業費として、本県の建設負担分として419億円が予算に計上されているが、このうち、いろいろ問題となった増嵩について、本県が負担することになった分としていくら計上されているのか。 100 ◯地域戦略部長  当初予算に計上させていただいている建設負担金419億円であるが、これは今年度の本県分の事業費2,519億円、その貸付料が50%充当されると見込んだ上で、残りの3分の1を負担するということで算出をしている。  お尋ねの増嵩分の負担分であるが、419億円のうち、約90億円というふうに見込んでいる。ただ、貸付料の割合が実績によって変動してくるので、確定的な数字ではないということである。 101 ◯辻委員  90億円という見込みということで、今度、その地方負担額が本県分、多分171億円、その中で、実質的な負担分が80億円ということだったと思うが、分かりやすい聞き方をすると、この差額の分については、いつ、どう戻ってくるのか、説明願う。 102 ◯地域戦略部長  171億円については、実際の県が負担する金額になるので、これ自体は工事の進捗に合わせて、お金として負担をしていくことになる。  実質80億円というのは、171億円を負担する際に地方債を発行する。その償還に合わせて交付税措置があるので、それに合わせて交付税措置分が返ってくるというか、その差引きが実際、80億円の実負担になるということになる。 103 ◯辻委員  議会としては、実質負担が80億円だということだと思うが、それはさらなる縮減を努力してほしいということを言っているわけで、縮減された場合には、その数字がちゃんと分かるようにはなっているのか。 104 ◯地域戦略部長  そこについては、事業費の連絡会議もやっている。実際、縮減するようにお願いしているので、実際の金額については、今後調整になるが、分かるように求めていきたいと思っている。 105 ◯辻委員  次に、今年度の予算で、並行在来線の新駅設置に向けた調査が進んだと思うが、ほぼその結果が出ているんだろうと思うので、その内容と地元市の考え方だとか、あるいは新駅設置の見通しについて教えてほしい。 106 ◯地域戦略部長  今年度、3市において行っていただいており、候補地と見込まれる鉄道の利用者の推計、さらには候補地となるところの駅の規模や機能を調査して、終盤になっているということである。例えば、越前市の例で言うと、武生商工高校付近を候補地とするというようなことで、1日当たり約300人くらいの乗車が見込まれるのではないかと。駅の規模については、しっかり駅をつくった場合と簡易な形で駅をつくった場合と、複数案を出して検討しているというような状況である。  この調査結果を基に、来年度であるが、その施設の規模から維持管理費を出して、最終的な費用対効果というのを見ていきたいと思っている。さらに、地域住民の意向も確認をするということで、その後については、3市ともいろいろと連携しながら、収支改善の効果のあるところについては、開業後速やかに設計、工事に着手できるように進めていきたいと考えている。 107 ◯辻委員  分かった。  越前市の場合、今、新駅が検討されている場所というのは、武生駅と王子保駅の間ぐらいだ。近くに武生工業高校があって、それと武生商業高校との統合、その結果によって、武生商業高校に通っていた子どもたちは、今度は武生工業高校のほうに行くということになる中で、県の高校の再編と絡んでくる話なので、県のほうでも最大限支援してほしいというのが越前市の要望だと思うが、それについてはいかがか。 108 ◯地域戦略部長  新駅の設置については、先進のケースにおいても、国の補助金を活用しながら、そこに市と県とで折半をして支援するというようなことで進めているところもある。  今後については、具体的に市とも十分相談をして進めていきたいと考えている。 109 ◯辻委員  最大限の支援をお願いしたいと思う。  では、次に原子力行政について伺いたいと思う。  10年前の昨日になるが、東日本大震災が発生をして、当時、私は出張で滋賀県に行っていたのだが、テレビを見て、町が津波に飲み込まれる状況を見て愕然とした。そして、福島第一原発の事故も起こった。私はその頃、子ども向けの体験活動を行っていたが、その仲間が東北のほうにもたくさんいて、いろんな状況を聞きながら支援活動をやってきた。5月には、宮城県のほうに災害ボランティアで2回現地に入ったし、その後は福島の子どもたちの保養キャンプということで、夏には受け入れて、その後ずっとそういった活動を続けている。  また、福島から福井に自主避難されてきた方々に寄り添うようなネットワークにも参加して活動してきた。そういった中で、東北には数十回、足を運ばせていただいて、いろんなことをやっている。そうした意味で、県議になった後も、災害だとか、あるいはエネルギーや原子力政策には、自分自身、問題意識を持ちながらやってきている。  さて、40年超原発再稼働についての質問である。  まず、立地地域の方々のこれまでの様々な取組、それから事業者や従事者、また原子力に関わる様々な方々、あるいは知事をはじめ理事者の皆さん、これまでの様々な努力には敬意を表したいと思う。  12月議会の我が会派の代表質問に対し、中間貯蔵施設の計画地点の提示は全ての条件に先んじると知事は答弁した。これが議員の皆さんから指摘がある、自分でハードルを上げておいてという部分だと思うが、今議会の一般質問で野田委員が指摘したとおり、多くの福井県民は、その知事の発言を聞いて、やはり毅然とした姿勢には納得せざるを得ず、また多くの県民は、計画地点の提示がない限り40年超原発の再稼働の議論には入らないんだろうというふうに受け止めていたと思う。しかし、知事は2月12日の四者面談を受けて、計画地点の提示について一定の回答があったとする評価、発言を繰り返されている。代表質問の再質問でも、その知事の答弁に対して、私はそうは思えないという意見をお伝えした。厚生常任委員会では、多くの委員から厳しい指摘が相次いだし、昨日も今日もいろんな議論がある。渡辺委員も安全環境部長と議論をしたが、一定の回答があったとする知事の評価、方針転換には納得できていない状況である。  これまでの質疑を受けて、我が会派の中でも協議したが、計画地点の提示について、一定の回答があったとする知事の評価は理解できないというものである。  なぜ理解できないのか。計画地点として具体的な名前が唯一挙がったむつ市であるが、13日に、即座に、あり得ないというコメントを発表し、計画自体がないとまで言っている。この状況では、計画地点の提示について一定の回答があったという知事の理屈は根拠を失っていると言わざるを得ない。計画地点の提示について一定の回答があった、全ての条件に先んじるという発言と整合性がとれているという知事の評価について、十分な理解が得られていない状況である。昨日、今日といろんな答弁をお聞きしているが、会派総括質疑としては再度、聞かせていただきたいと思う。知事の認識を伺う。 110 ◯知  事  中間貯蔵施設の計画地点の提示の件について、これは何度か説明させていただいているとおり、これまでの経過があるわけであって、もともと2020年頃までに計画地点を確定するという関西電力の計画に対して、動きがないので、2017年の時点でどうするんだという話になって、関西電力が確定に先立って、計画地点の提示を2018年までにするという話があった。それが2018年の段階で延期になって、2年たって昨年末を迎えたというところである。私が申し上げているのは、40年超運転と、それから中間貯蔵施設の議論が時期的につながってきたこともあったので、新しい課題の議論に入る前に、今まで話をされてきた計画地点の提示について先に結論を欲しいということで話をしてきた。  これに対して、2月12日に、関西電力から、話としては間接的な言い方でもあったが、電事連として中間貯蔵施設の検討を始めたいという考え方に対して、積極的に参画したいということで、一定程度の地点の回答があり、なおかつ今度は今まで全く示されていなかった確定の期限を述べ、それに対しての覚悟の部分も言った。また国としても、これまで主体的なお話はなかったが、政策当事者として、地点の確定に向けて最大限尽力していくというお話もあったので、私は、地点についての一定の回答があったということで、次の40年超運転の議論に入るということについて、私は認めていこうということを申し上げた。  いずれにしても、中間貯蔵の問題というのは、2023年末と言っているが、これに向けて大変困難があると思う。当然のことながら、中間貯蔵施設の立地地域にも当然いろんな課題があるので、こういったことを国も解決していかなければいけない。それから関西電力も、電力事業者全体がそれを解決しながら、2023年末の確定に向けて努力をする。県としては、そうした国や電力事業者がこれから進めていくことについて、確実に実現されるよう、絶えず取組を確認していきたいと考えている。 111 ◯辻委員  地点についての一定程度の回答があった、ここについてやはり納得、理解できない。なぜならば、計画地点の提示ということを求めてきていて、その根拠として、むつ市あるいはあらゆる方策をとるという、ここを上げているんだろうと思うのだが、むつ市が反発しているということは、この根拠がまず崩れている。それから、あらゆる方策をとる、ここの部分については何ら具体性がない状況で。努力はしているんだとは思う。しかし、これは具体性がないということで崩れているのであれば、この計画地点の提示があったって、これ自体が崩れているというのが我々の認識であり、多くの県民が思うところだと考えるが、いかがか。 112 ◯知  事  ずっと申し上げているが、計画地点の確定というのが、今おっしゃられているような、ここと決まったということになろうかと思う。もともと4年前から、提示というのは、確定する前に、ここを考えながらこれから議論を進めていく、そういう提示をすることが、今回の一つの結論として求められていたということであるので、そういう意味では、一定程度の回答があったと考えている。 113 ◯辻委員  提示と確定という言葉の違いはあったとしても、提示であったとしても、結局、むつ市と、あらゆるところというのが崩れているという認識はないのか。 114 ◯知  事  私は、提示と確定の間には努力というのがあるんだと思う。当然のことながら、最初から物事が決まっていくのであれば、既に最初から結論が出されて、ここであるという話があると思う。それが2015年に関西電力が計画地点を確定したいと、2020年の5年遡って前に言っていたわけだが、それができてこなかった。それをずっとここまで来て、今回提示、一定の回答として出してきた。これから不退転の決意というか、そういった形で関西電力、国が確定に向けての努力をしていただく。確実にそれを確定していただく必要があると私は考えている。 115 ◯辻委員  知事や理事者の皆さん、それから事業者の皆さんの努力は認める。本当に頑張っていただいているんだろうと思う。しかし、今の説明では納得できない、理解できないということも申し上げたいと思う。  折り合いがついていない、根拠を失っているのに、県民に、今のような理解されない理屈で推し進めるという政治手法は、これはちょっと危ういなということを感じざるを得ない。こういった声は委員の中からもあるし、県民の皆さんからもある。この危惧について、知事はどう受け止めるのか。 116 ◯知  事  指摘は指摘として承らせていただいて、私としては、今後とも中間貯蔵施設の確定に向けて、国や関西電力が努力をしていくんだと思う。こういったことにしっかりと、こちらのほうからも必要なことを申し上げていきたい、そういうふうに思っている。 117 ◯辻委員  一つ心配しているのは、原子力政策についてだけなのか、あるいはこのことも含めて、今後、同じようなことが起こっていくのじゃないかという、そういった不安、危惧もある。だから、そこは十分に留意をして、改めて、慎重な行動、発言を今後お願いしたいと思う。  知事は、野田委員の一般質問の答弁から一転して、使用済核燃料中間貯蔵施設の県外立地問題と40年超原発再稼働とは別々の問題とし、田中宏典委員への答弁で、切り離して検討する考えを示した。その後、報道機関には「ごちゃごちゃになっていた」と指摘しているが、多くのみんなが思っているのは、ごちゃごちゃにしたのは知事だという指摘である。これはいろんなところで聞かれる。  ところで、県内原発の各サイトの使用済核燃料保管プールは、あと数年で満杯という状況だと思うが、実態として切離しが難しく、切離しが難しいからこそ知事は本来、別々の話をセットにしたのではないのか。また、県民もそう受け止めたのではないか。県内の各事業所の保管プールは、それぞれあと何年で満杯になるのか。本来、別々の話を一緒にした、そのときの知事の考え、意図を改めて伺う。 118 ◯知  事  保管プールがいっぱいになる年数については、事業者や国によると、全ての原子力発電所が稼働するという前提に立つと、関西電力では5年から9年、それから日本原電の敦賀発電所においては9年程度というふうに伺っている。  私が申し上げていたのは、中間貯蔵の問題と40年超運転、この議論が近接をしていたので、そういう意味では、議論の大きな流れの中で、計画地点の提示を、新しい議論に入る前提だという言い方をしたが、そういうふうに申し上げていた。決して使用済燃料のプールの保管量を念頭に置いていたわけではない。 119 ◯辻委員  話を広域避難のほうに移していきたいと思う。  私は、議員となった6年前から、特に原子力防災、広域避難に関して県内外を調査し、議会で取り組んできた。広域避難は計画を立てるだけではなくて、常に訓練、改善、計画への反映、そして県民への周知というのを続けていかなくてはならないと思う。代表質問では、美浜地域の広域避難について質問した。美浜原発の場合、30キロ圏内の住民が福井県民では約22万7,000人ということで、滋賀県、岐阜県の住民も含めると約28万人という大きな規模になる。  知事は、答弁で12月に感染症対策ガイドラインの見直しを行い、検温や受付場所の見直し、新たな県有施設の避難場所としての確保など、対策をとっているとか、あるいは外国人の居住者が多いとか、避難バスの確保や渋滞対策等も必要だということを述べられた。この答弁に関連して伺う。昨年8月の大飯原発の訓練では、感染症対策として、密を避けるための避難所のスペース確保、新たな避難所確保が大きな課題となり、9月議会では、その認識は既に知事が示されている。  美浜原発の広域避難に関し、感染症対策を踏まえると、現状決まっている避難所の施設の数もしくは面積について、何倍くらいの手当が必要と見込んでいるのか、また新たに確保できた県内外の施設数を伺う。 120 ◯危機対策監  美浜地域の広域避難に関する避難所だが、現在、全員の避難先として、県内併せて724の施設を確保している。この避難というのは、モニタリング結果に基づいて、放射線量が超過した小学校区単位ごとに避難先の使用状況を踏まえて、順次実施していることから、感染症対策においては、平常時よりは多くの避難先が必要になると思っている。  そういうことから、県としては、新たに県有施設として25施設を確保した。また、美浜地域の避難先となっていない市町と調整を図って、避難所約350施設を活用して、確保していくとことにしている。さらに県外においても、関西広域連合や国と調整し、避難所を確保していきたいと思っている。 121 ◯辻委員  次に、バスについてであるが、必要確保数、それから自家用車で避難する車両数、スクリーニングの設置地点、それぞれで除染、スクリーニングをする人数、それから福井県民約22万7,000人が広域避難を終えるのにかかる日数、見込みを伺う。 122 ◯危機対策監  まずバスであるが、278台必要と思っており、福井県バス協会との協定により十分確保している。自家用車であるが、7万2,000台と試算している。スクリーニングについては、県内外併せて31か所を候補地としており、モニタリングの結果や避難経路などに応じて必要な箇所を開設したいと思っている。避難時間については、先ほど申し上げたように、モニタリング結果に基づき、順次避難を行うので一概には言えないが、平成26年の避難時間シミュレーションの結果では、30キロ圏内の住民が県外に避難するまで最長で13時間40分と試算している。 123 ◯辻委員  まず、避難施設の件であるが、どういうふうな基準を設定しているのか。コロナ対策ということを考えた場合の基準である。 124 ◯危機対策監  今、コロナの避難ガイドラインを作成しているが、それに基づいて4平米という基準を県では示させていただいている。もちろん避難先というのは、体育館や公民館、学校の教場など様々な施設を利用しており、避難先の施設がオープンで準備をするか、またテント等を使って避難所の対策をしているので、一概に何倍ということで示しているわけではない。 125 ◯辻委員  ただ、やはり基準があって、その下で計画を立てるんだろうなと思うのだが、今の説明だと、根拠がないまま状況に合わせてとか、屋外でもとか、ちょっとあやふやさを感じるのだが、4平米というふうに伺った。それは多分、1人につき2メートル四方ということだと思うが、その間に通路を2メートル空けるとか、そういう基準があるのだと思う。それで考えると、多分、今までの施設、今までの計画と比べて2分の1とか3分の1ぐらいの収容人数になるんじゃないかと思うが、そういう意味での比較をするとどうか。 126 ◯危機対策監  避難先がそれぞれどのぐらいの平米数でやっているかというのは、市町ごとに異なっているので、厳密に何倍かということはこの場では申し上げられないと思っている。 127 ◯辻委員  そこのあたりが住民の皆さんに不安が広がっているところで、何かしら基準だとか、今まで計画していたのが、こういう方々が、こういう基準で、これだけ収容できる。しかし、コロナ対策をやれば、2倍か3倍ぐらいに必要になるのでこうだ、という、そういう根拠が、住民の皆さんに理解をしていただくためには必要だと思うが、そこの点についてはいかがか。 128 ◯危機対策監  努めて多くの避難所を今後も確保していきたいと思っている。 129 ◯辻委員  それから、県有施設を確保しているという言い方をされたが、私は越前市なので、越前市を例にとると、小浜市の方々が越前市に避難をしてくるのだが、県の施設というのは、例えば武生商業高校とか、武生高校だとかということだと思うがそこは既に避難先として指定されてしまっているので、ほかにどういう施設があるのか。 130 ◯危機対策監  県有施設としては、越前市だと南越特別支援学校、丹南総合公園体育館、ふくい農業ビジネスセンターなどを予定している。 131 ◯辻委員  小浜市の方で、越前市に避難するのは確か一万七、八千人ぐらいであるので、その方々がいて、今言った施設で足りるのか。 132 ◯危機対策監  不足した場合については、美浜が避難するときに使用しない施設がほかに350施設あるので、その350施設に、隣接の市町と調整しながら避難していただく。 133 ◯辻委員  数だけの話で、非常に分かりにくい状況なので、何かリストがあるのであれば示していただきたいと思うが、いかがか。 134 ◯危機対策監  事後、示させてもらいたいと思う。 135 ◯辻委員  もう一つ、小浜市と越前市の関係でいうと、小浜市の方々は越前市に避難されるんだろうと思うが、今度、美浜原発の30キロ圏内に越前市も入るので、越前市の方々は、坂井市だとか小松市、能美市のほうに避難するのだが、小浜市の方々というのは、越前市の方々が避難するところに入っていくのか。どうか。 136 ◯危機対策監  小浜市の方は今回の避難先は兵庫県になっている。越前市への避難はない。
    137 ◯辻委員  小浜市の避難先は、県内は越前市である。それで、県外に出るときは兵庫県だと思うが、そのあたりはどうなっているのか。今の話は全く理解できないが。 138 ◯危機対策監  小浜市は、高浜地域と大飯地域の避難のときには、確かに委員がおっしゃるように越前市のほうに避難する。今回の美浜の計画においては、小浜市は兵庫県のほうに避難することになっている。 139 ◯安全環境部長  今の答弁のとおりなのだが、若干補足させてもらうと、小浜市は美浜発電所の30キロ圏にも入っているが、大飯発電所の30キロ圏にも入っている。美浜発電所の場合だと、小浜市の方は、美浜発電所を超えて越前市のほうに避難することになるので、美浜発電所における避難においては県外にということになっている。 140 ◯辻委員  そこのところは、今、国が決めた計画とか、福井県の広域避難計画を見ながら、このリストでもって見ているが、やはり今のところは分かりにくかった点である。そこは分かるようにすべきであるし、そういうことで不安に思っている県民の方はいるので、改善をしてほしいと思うが、いかがか。 141 ◯危機対策監  県民の皆様に伝わるようにしていきたいと思う。 142 ◯辻委員  それと、先ほどちょっと聞き漏らしたので申し訳ないが、避難が完了するのにどのぐらいの時間がかかるか、もう一回、聞かせてほしい。 143 ◯危機対策監  平成26年の避難シミュレーションにおいて、最長13時間40分と試算している。 144 ◯辻委員  それは渋滞が発生するということを課題として挙げておきながら、それで何日目から避難できるのかとか、あるいはバスが本当にそこまでちゃんと整うのかとか、いろんなことをシミュレーションしてその日数なのか。どうしてもそうは思えないが。7万2,000台が動くのである。それから、バスの調達とか手当だとかいろんな問題はどうか。 145 ◯危機対策監  今のシミュレーションについては全く白紙的というか、PAZの方が一斉にスタートする、UPZの方が一斉に避難を開始するということでのシミュレーションである。そこは確かに、小学校区ごとのモニタリング結果に基づいて避難をしていくので、13時間40分というのはあくまでもそういう数値である。 146 ◯辻委員  そのシミュレーションでは、ちょっと話にならない。これは出し直したほうがいいのではないか。コロナということも含めると、バスの台数だとか、当然増えるのだろうし、スクリーニングの場所でもいろんなコロナ対策をやると時間は余計かかるだろうし、京都府では、京都府防災会議のほうでこういった避難時間のシミュレーションだとかを出しているが、これは平成25年で古いのだけれども、やはりもう一度、出し直すべきなのではないか。 147 ◯危機対策監  避難については、例えば警戒事態、施設敷地緊急事態、全面緊急事態というふうになっているが、その段階、段階でまずバスを確保する。そしてモニタリングの結果に基づいて避難先を決めるという手順で実施していくので、委員がおっしゃるように、今言った13時間40分よりは時間はかかると思うので、その内容については、再度検討していきたいと思う。 148 ◯辻委員  その検討というか、結果が出ない限りは住民の皆さんは不安だと思うので、早く出してもらったほうがいいと思う。  それから、あまり時間もないので一つだけ。共同通信のアンケートが2月下旬に報告された。それで、もう細かいことは申し上げないけれども、県内でも関係する12市町が、避難について不安を抱えている、課題があると答えているということであるが、それに対して県は、どうも住民避難については課題がないという答えをしたのかもしれないが、ちょっと認識のずれというか、温度差を感じる。いずれにしても市町が抱えている課題だとか、それに対してどういうふうに認識をしているのか伺う。 149 ◯危機対策監  今回、アンケートで回答した市町に確認したところ、一つは、支援者の方の避難における高齢化と民生委員の方の減少ということで、支援者を確保すること。もう一つは、個別計画の策定が課題と認識されているようである。これについては、今後、災害対策基本法が改正をされて、原子力災害においても市町による個別計画策定が努力義務となるので、県としては、市町が実施する説明会の講師の派遣や国の交付金を活用した財政支援などにより市町の取組を支援し、避難者の円滑な避難につなげていきたいと思っている。 150 ◯笹岡委員長  先ほど野路危機対策監から辻委員のリクエストに応えて避難所のリストを全部出すというようなことであったが、これは予算決算特別委員会の全委員に配付をさせてもらいたいと思う。 151 ◯辻委員  知事に伺いたいが、広域避難計画について、今までこうやって質問をしてきた。広域避難計画はこれで十分と言えるのだろうか。まずその認識だけ伺う。 152 ◯知  事  これについては、国のほうでもしっかりと吟味をしながらやってきていると思う。今の指摘の点で、特にコロナ禍なので、新しく動いているという状況もある。こういった点で、まだ足りていない部分があるのか、今伺っていて、全てはよく分かっていないけれども、いずれにしてもこういった避難の計画や実際の避難というのは100点満点はないので、日頃から常に必要なことは見直し、県民の皆さんにも安心していただけるような形にしていくという努力は必要だと思っている。 153 ◯辻委員  大飯原発、それから高浜原発についても今動いている。そうすると、広域避難計画はほぼ同じ課題を抱えているはずなので、早急な改善が必要ではないかと思っている。そこを国に対してきちっと求めてもらいたいと思うし、県も率先して汗をかいて、市町とともに改善に向けて進めていただきたいと思う。そのことについては、我々も議会で今後とも一生懸命取り組んでいきたいと思っている。  それから、代表質問でも、今後、知事が国だとか事業者に求めていくことということは答弁をいただいた。それは昨日も答弁をお聞きしているけれども、それについてはなお確認をする、詰める、求めていくということかというふうに思う。  知事をはじめ、理事者の皆さんの努力は敬意を表するし、それから県民を守る、県民の安全性、そこを第一に考えながら、慎重な対応、判断をお願いして、総括質疑を終える。                               ~以  上~ 154 ◯笹岡委員長  以上で、辻委員の質疑は終了した。  次に、仲倉委員の質疑を行う。  なお、委員より資料を使用したい旨の申出があり、これを許可したので了承願う。  仲倉委員。         「県政全般について」            仲倉 典克 委員 155 ◯仲倉委員  県会自民党の仲倉典克である。自民党の総括質疑を行いたいと思う。  その前に、昨日は東日本大震災から10年ということであった。10年前というと、私はちょうど県議会議員になって8年目だと思う。たしか任期4年の最終年度の3月であったと思って、映像を見て非常にびっくりしたのを今でも覚えているわけだが、その後、被災地へ3回ぐらい、私もお邪魔した。ボランティアにも参加させてもらった。行くたびにまちがきれいになっていく、そしてまた再生されていく、そういう姿を見て、私は日本というのはすごい国だなと実は思っていた。地域と地域それぞれの皆さん方が本当に頑張り、そしてよそから入ってきてボランティアで一生懸命やってもらっている皆さん方の力、そしてまたボランティアではないけれども、義援金という形で全国からたくさんの浄財が寄せられたし、そして被災地の方に手紙を書いたり、被災地のために国民一人一人が何かしてあげたい、そういう気持ちが復興というものを加速させていったんだろうと私は思っている。これから、もちろん災害がいつ、どこで起こり得るか分からない中で、国民一人一人がそういった気持ちを持ちながら、これから日本、そしてまた地域づくりというものを進めていかなければいけないだろうと、そんな気持ちを新たにして、質問に入っていきたいと思っている。  最初に、コロナ対策の中で、とりわけワクチン接種について伺いたいのだけれども、案内のとおり、福井県でも勝山総合病院でワクチン接種が始まった。これから高齢者、そしてまた一般の方々へと順次、接種が行われていくのだろうと思っている。  世界の中で、ワクチン争奪戦というようなことが言われる中で、政府は6月中にも国民全員分のワクチンを確保するという、そういうことが発表されたわけであるけれども、知事は、福井県民におおむね接種完了時期というものをいつぐらいというふうに捉えているのか、そしてまた危惧される課題というものをどのように整理されているのか、伺いたいと思う。 156 ◯知  事  ワクチン接種については、当初というか、私どもに課せられたのはワクチンが福井県にどんどん入ってくる。そういう中で、県民の皆さんに大変な混乱なく接種ができるのか、そういう対応をどのようにしていくのかという事前の準備のことは大変危惧されていた。今も、個別接種、集団接種、いろんな形を想定しながらやっている。現実の問題としては、正直申し上げると、国民に行き渡るだけのワクチンがいつ入ってくるか、これに大きく依存しているというふうに思っている。私どもは、順調に入ってきても、しっかりと短期間で接種していただける、もしくは安心して打っていただけるように、副反応の情報も含めて発信をさせていただく、相談窓口をつくっていく、こういったことをこれからもしっかりとやっていきたいと思っている。 157 ◯仲倉委員  今、話もあったように、やはり心配されるのは副反応だと思っている。その中で、国が副反応に対する正確な情報、そして知識というものを国民にしっかりと説明していく責任はあるんだろうと思っているけれども、いずれにしても、ある程度一定時期が来ると、都道府県ランキングというのが恐らく出てくると思う。福井県は接種率何%だ、全国何位だとか、出てくると思うが、やはり、コロナというものを封じ込めていく、そのために、今の状況の中では、一番有効な手段というのはワクチン接種だと思っているので、やはり県内接種率を高める取組というのはしっかりとやっていかなきゃいけない。そしてまた、福井県としてもしっかりと、国の広報とは別に独自の取組というものも必要だというふうに思っているが、その取組について伺いたいと思う。 158 ◯知  事  ワクチンの接種というのは、疫学的に見れば7割程度は皆さんが抗体を持つということが集団的に正しいというふうに言われているけれども、ただ現実には、皆さんが正確な情報を得ながら、自分の判断で接種をしていただくということが大切なんだろうと思っている。県としても国に、県民の皆さんに、副反応を含めてできるだけ早く発表してくれと言っているけれども、そういったものをオープンにする。それから専門的な相談をしたい、こういったことにもしっかりと応じられるようにする。こういったような体制を整えているし、整えていきたいと思っている。 159 ◯仲倉委員  先般、県内の新聞社のアンケートでも、半数ぐらいの人が接種を様子を見るというような、そんなアンケート結果も出てきているようであるから、そういったところへのしっかりとした説明責任、そしてまた迅速かつ丁寧な対応というものを求めていきたいと思っている。  次に、雪害対策について伺いたいと思う。  昨日も今日も、それぞれの委員のほうから雪害対策についての話があった。当然、国道8号と高速道路の同時通行止め、予防的通行止めというのである。今回初めて、こんな言葉が出てきた。恐らく福井県で流行語大賞になるんじゃないかというぐらい、びっくりするぐらいの言葉が出てきたが、いずれにしても幹線の麻痺というものが全国ネットに取り上げられて、そして、そういった映像が3年前と同様に、皆さんの目に留まるということは、雪国ながら雪に弱い福井県というイメージを知らしめてしまっているという、そういう現実もあるわけなのである。これから、幹線道路を止めない、そしてまた生活道路と幹線道路のいわゆる役割というものをしっかりとやっていく、またオペレーターの育成、いろんな観点からの議論もあったけれども、今日は、1点、そういったもろもろの課題を克服するための、雪対策についての一つの提案である。委員の皆様にも同じものを配付をさせていただいているが、実は福井県、南北には北陸自動車道、そして国道8号、そしてここに国道365号というのがある。皆さん、この地域のこの辺のことはあまりお分かりにならないのかもしれないけれども、実はここは、北国街道の非常に歴史がある、使用頻度も高い路線であって、この365号、南越前町の板取から滋賀県長浜市の余呉町までが、冬季間、11月の下旬から4月の下旬まで通行止めになっている。ここの路線はトンネル約2.6キロであるが、その掘削に向けた明かり部の事業というものを一昨年前から進めさせていただいているところで、このままのペースでいくと、恐らく10年近くかかるんじゃないかというような事業の進捗状況である。今、特に、国道8号と北陸自動車道、同時通行止めになって福井県が孤立するということを解消するために、県境の血流をしっかりと流していく、これは大事なポイントだと思っていて、今、県でも本当に頑張ってやっていただいているけれども、ここの事業の進捗を早められないのか。いかがか。 160 ◯知  事  おっしゃられるように、国道365号というのは、北陸道や国道8号が止まったからといって、そこに車が集中するというわけにはいかないけれども、本当に生活の最低限のものを運ぶとか、生活路線としても、もし大雪のときにそこが使えるようであれば、大きな役割を果たすというふうに考えている。  そういうこともあって、国道365号から476号、県境のほうに向かって、取りあえず今、1キロ部分について、橋梁を造ったり、用地買収等を行っているという状況である。まずはこれを急ぎながらやっていこうと思っている。その上で昨年7月に、滋賀県の三日月知事と懇談させていただいたときの一つの主要課題がこれである。県境を越えて向こう側に、しかもあちら側は基本的に県境まで整備が終わっているので、理解を頂かないと先が行けないということもあるので、ここのところをお話合いをさせていただいた。三日月知事も、事業化に向けて一緒に話し合ってやっていきましょうというお話であったので、これからそういった話合いもしながら、トンネルの部分をどういうふうにやっていくのか、事業の方式も含めて順次検討していきたいと思っている。 161 ◯仲倉委員  今、三日月知事と、そのような前向きな話を頂いたということも紹介頂いた。ここは用地交渉もかなり難しいところもあるけれども、また地元として精いっぱい協力もさせていただくので、よろしくお願いしたいと思う。  それでは、今議会最大のテーマと言うべきかどうか分からないけれども、原子力政策について伺っていきたいと思う。  今議会、知事の提案理由、そしてまた代表質問、一般質問、常任委員会、そしてまた昨日、今日の予算決算特別委員会と、この40年超運転のテーマがそれぞれの委員からあった。議論が迷走しているのはどこに原因があるのか。複雑な迷路の中に入っていって、出口が見えない、そしてまた迷路の経路も分からない、そんな中で立ち往生している、そんな現状が今なのではないかと私は思っている。そもそも中間貯蔵というものは、栗田県政から、そしてまた西川県政、そして杉本県政と一貫した同じ基本方針の下で、県外への立地ということを踏襲していったわけである。その中で、杉本知事は、この問題が解決されない限り、原子力政策そのものを一歩足りとも前へ進めないんだという、そういう強い意思を示したわけである。国や事業者の覚悟、それ以上に、私は杉本知事の、ある意味大きな覚悟を示したなと、実は一定の評価もしたわけである。それから、むつ市の共同利用案というものが国、事業者から示されて、それに対して、一歩前進した、評価したという言葉が出てきた。それから、中間貯蔵というものは、いわゆる40年超運転と違う事柄だという、そういう言葉が出てきた。そういった、知事が一つ一つの言葉を発するたびに、我々がそれを追いかけて、どこに照準を合わせて我々は議論すればいいのか、非常に戸惑いも感じたわけであった。  知事、もう今日は最後の議論の場所である。このまま、停滞したままで、この議会を終えるわけにはいかないと私も思っている。  まず、議会に議論を投げかける前に、この中間貯蔵に対して一定の回答があったと評価し、前提を満たしたと判断したことを撤回してほしい。 162 ◯知  事  関西電力が具体的な地点を初めて提示したことに対して、私は一定の回答と申し上げたものであって、地元の理解が得られていない状況で、確定に向けて具体的に物事が進んだと県が評価したと受け止められたのであれば、私の本意ではない。また、前提という強い言葉を用いたこともあって、40年超運転と中間貯蔵の地点確定が一つの問題として捉えられて、確定的な地点が提示されると期待された方もいると思っている。計画地点の提示と確定の違いについて説明が足りていなかったことは申し訳なく思っている。  中間貯蔵の問題は、再稼働の問題とは別にして、地元理解を大前提にして、核燃料サイクル政策の当事者である国が責任を持って主体的に解決すべき課題であると考えている。県としては、確実に実現されるよう、国や関西電力の取組状況を絶えず確認していきたいと思っている。 163 ◯仲倉委員  今、謝罪の言葉もあった。知事もいろいろ言葉を並べたけれども、撤回したということで私たちは理解すればよいか。 164 ◯知  事  地元理解が得られていないなどの課題もあるけれども、関西電力が国や電力事業者と連携して取り組んできた結果として報告されたものであって、前提という言葉を用いたことで混乱してしまったこともあるけれども、約束は履行されたというふうに考えている。 165 ◯仲倉委員  知事、非常に頭の回転はいいのだけれども、多弁過ぎる。何か分かりづらい。しかし、今、謝罪の言葉も頂いたので、私もどちらかというと人間も温厚なほうであるので、あまりこれ以上、言葉尻一つ一つの押し問答をして、槍を持って向かっていく、そういうことは避けたいというふうに思っている。  私は、福井県がむつ市の共同利用案というものを評価すればするほど、むつ市が反発するんだと思っている。やはりここは、国と事業者が責任を持ってやるんだと、そういうことで、あまり今のむつ市の案に対して評価をするということは、私は慎重になるべきだろうと思っている。評価をすることによって、またそれに対して評価しなきゃいけない。だから、逆の立場になってほしい。もしむつ市と福井県が逆の立場だったら、何だ、福井県、けしからんということを、むつ市民、そしてまた青森県民は思う。福井県対青森県の構図というものは避けなければいけない。そういう中で、この問題については、これから慎重に発言をしていただきたいと思う。登山で言うと、8合目ぐらいまで行って頂上の話をするのはいいが、1合目、2合目で頂上の話をしても、現実的な話ではない。  国が覚悟を持ったということも知事は評価をされているけれども、供給地を消費地が批判するという、そういういびつな構造が解消されない限り、私はこのエネルギー政策というものは育っていかないんだろうとかねがね申し上げてきた。今後、福井県は、原子力政策を進めるにしても、戻るにしても、大きな覚悟が必要だろうと私は思っている。  知事は、国の覚悟をどのように評価しているのか。また、議会に議論を投げかけたということは、知事自身も相当な覚悟をお持ちなんだろうと思っている。知事の覚悟とはどういうものなのか伺う。 166 ◯知  事  先月の12日に、国の保坂資源エネルギー庁長官が来て、国として、この計画地点の確定に向けて、これまではそれを見守るような形でおっしゃっておられたけれども、政策の当事者として、地元の理解を得ていくことに最善の力を尽くしていくという発言があった。また、その後の原子力小委員会の中でも、主体的に取り組んでいくということであったので、そういった覚悟は示されたというふうに思っている。  私どもも、決して中間貯蔵施設のところに物事を持っていけばいいと言っているわけではない。核燃料サイクル全体を回していくためには、国がさらに全ての発電をする場所、中間貯蔵、それから再処理する場所、こういったところに地元の理解を得ていく、そうしなければ全体が回っていかない。国全体でこうしたものを支えていかなければいけないことだと思っている。これまで栗田県政以降も、こういった中間貯蔵のお話をさせていただいている。国と事業者が、しっかりと立地地域の地元の理解を得ながら進めていくように、私どもとしてもしっかりとこれを見ながら、必要なものを申し上げていきたいと思っている。 167 ◯仲倉委員  平成27年だと思うが、新しい基準の中で、日本で初めて原発を動かす、それが高浜3号、4号だった。そのとき私は議長をしていた。当時、知事は副知事でおられた。あのとき、当時の副知事、今の知事とも私もいろいろな相談をさせていただいたが、あのときは、国の本気度というものを私もかなりひしと感じたわけである。当時、経産大臣は林幹雄先生であった。官房長官は、今の総理の菅長官であった。やはり最終的には乗り出してきた。私にもいろいろなチャンネルで、いろいろな相談もあった。あのときの状況を考えると、私はまだまだ官邸が原発に対してしっかりと足下から支えているという、そういう実感を得ていない。これから国の覚悟、当然、梶山経産大臣、一生懸命汗をかいていただいているんだろうと思うけれども、官邸を含めて、政府全体が原子力政策についてしっかりと覚悟を持ってやっているのかも、知事も見極めていただきたいし、私もそういう確認はぜひともさせていただきたいというふうに思っている。  そんな中、知事は、知事の提案理由から今日まで約1か月あったけれども、議会の議論の経緯を踏まえて、この40年超の再稼働に向けての判断をする材料というものがそろったとお思いになっているのか、率直な意見を伺う。 168 ◯知  事  今議会で、今ほどもあったけれども、再稼働と中間貯蔵の話だとか、立地地域の窮状というか現状、どれだけ風評に耐えながら頑張っているかといった状況だとか、それからまた将来の立地地域の姿、原子力政策の姿、こういったものについて活発な議論をいただいたと思っている。  これまでも、国や事業者に対して、私どものほうから様々な課題を投げかけている。その中で一定程度、少しずつお話をいただいているのが、安全対策の徹底だとか、関西電力の不祥事に対する業務改善、こういったことも、まだ少しずつだけれども進んでいる。あとは、県内の住民に対する地元の説明も少しずつ進められている。それが地元の理解に進んでいるんだろうというふうに思っている。ただ、まだ足りていないのが、先ほど委員にも指摘いただいたが、消費地もしくは全国における原子力の位置付け、必要性についての理解がまだまだ足りていないというふうに思う。また、原子力政策はどこに行こうとしているのか、中長期的な、そもそも残そうとしているのかどうか、こういったことも課題として投げかけていただいているし、さらには立地地域の将来像、こういったものが分かるようにしていかなければいけない。こういった点については宿題をいただいていると思うので、私どもからも国にも投げかけているけれども、国と事業者双方にさらに求めて、答えを待っていきたいと思っている。 169 ◯仲倉委員  今、お話しいただいたのは私も同感である。原子力の三原則、1つは安心・安全の確保、そしてまた地域住民の理解、そして地域福祉の向上、その3つの原則があるわけだけれども、我々も、安全対策について、規制庁の基準をクリアしたという、そういう説明も実はまだ受けていない。やはりこれから確認しなきゃいけないこともある。そしてまた、防災計画についても、しっかりと国から説明を受ける、また我々もそういった作業をしていかなきゃならない。  2つ目の立地住民の理解、これは美浜町、高浜町、両町長が苦渋の決断をして、町民を代表して意思を示されたということは、私はこれは非常に重いと思っている。もちろん、それぞれの町議会で決議をされたことも重く受け止めていかなければならないんだろうと思っている。  そして、3つ目の地域の恒久的福祉の問題があるけれども、これは今ほど知事のほうからもあったように、立地地域の将来がどうなっていくのか、中長期的にその地域のまちづくりがしっかりと進んでいくのか、そういったことをある程度、100%ではなくても、道筋だけはやはりしっかりと我々は見守っていかなきゃいけないんだろうと思っている。そういう中で、国と、立地地域と一緒に協議をして、これからのまちづくりについて考えていこうという検討の場所を国は設けると言いながら、いつまでに、どのような形で設けられるのか、そういったことも明確にはなっていない。  電源三法交付金の拡充や嶺南Eコースト計画の国の参画、そういったものも今、国に求めているわけであるけれども、そういったものは何か具体的な回答を得られているか。 170 ◯知  事  指摘をいただいた地域の振興の面で申し上げると、まず電源三法交付金については、これは国に対して私どもから申し上げており、これに対しては、国から今、40年超運転等が立地地域に与える影響等を踏まえて具体的に措置するというところまではお話を伺っている。また、嶺南Eコースト計画については、今年の4月から、現地に協働して各セクターがあるので、事務所をつくって、そこで推進していこうと考えている。こういった組織をつくる、そこに人を出してほしいということを申し上げて、今、調整をしているという状況である。 171 ◯仲倉委員  今、お話しいただいたように、少しずつそういった回答が国から出てきているということは、私も承知をしている。しかし、先ほどの知事のお話にもあったように、国にボールを投げてまだ返ってきていない、そういう事柄もたくさんあるわけである。我々議会が、今議会で右か左かというそういった結論を出せる状況にはないと思っている。したがって、もう一度、知事にボールを返させていただく。
     そして、今ほどやりとりをさせていただいたそれぞれの項目について、整理をされた段階で、もう一度、議会にお示しをいただきたい。我々議会は、365日議論をする用意はある。それが我々議会の役割だと思っている。いかがか。 172 ◯知  事  今、おっしゃっていただいたように、今議会でもいろいろと指摘をいただいている。私どもとしても、これまで既に国に対して要請もしくはこうしてほしいということを言ってきている。こうすべきだということを提言している。こういった内容について、私どもとしても、確認をさせていただこうと思っている。  その中の一つの大きなものとして、先ほど申し上げた地域の振興というのもあるけれども、今、40年超運転で一番大きな課題というのは、40年超というのは、40年を超えた後の運転ということとともに、60年で終わりというところへいくという状況に陥るわけであって、そういう意味では、立地地域の将来像というのがどういうふうに示されるのかが一番大きな課題だと思っている。この点について、今のところ国からは資源エネルギー調査会の中で、立地地域の将来像を議論する場をつくっていくという話だけはいただいているけれども、それをできるだけ早くすることがなければ、我々としては安心できるわけではないし、それから項目としても、例えば国がどういう支援をしていくのかとか、事業者がどんな形で共生をしていくのか、その在り方を行動計画の中に示していくんだという程度の内容でしか示されていない。これではとても立地地域として将来像が見えるような状況になっていないので、こういったものをもっと具体的に形にするように、国にも強く求めながら、そうしたことの答えがあったときには、また議会にもお話をさせていただいて、議論を進めていただければと考えている。 173 ◯仲倉委員  今回、この40年超運転という日本初の事例、全国が注目していると思う。したがって、我々は、今議会で結論を出す材料がそろっていない以上、今議会での判断というものを見送りさせていただき、そしてそろった段階で、しっかりとその課題に向き合い、丁寧なプロセスを歩ませていただきたいと思っている。よろしくお願いする。  それでは、次の話題に入る。  オリンピックもさることながら、我々、スポーツ関係者にとって、もう一つ、大きなイベントがある。それはインターハイ、高校総体である。この夏、福井県を中心に、全国から高校生が集まって大会が開かれるわけであって、コロナ禍にあって、なかなか準備というものも非常に難しい状況であるということは聞いている。例年と違う対応を余儀なくされることも懸念されるけれども、この準備状況について、教育長、お願いする。 174 ◯教育長  コロナ禍における開催に向けて、来場者の制限などによる会場内の密の回避とか、総合開会式の入場行進中止や競技大会の試合数を削減することなどによる開催規模の縮小、また参加者への2週間の健康観察やマスク着用、消毒の徹底など、コロナ対策の準備を進めているところである。また、県内で21校221人、高校生活動推進委員会メンバーというのがあり、県内各地のイベントに出向き、大会PRも行っているし、農業系高校では、総合開会式を彩る草花装飾を制作し、特別支援学校では選手、監督への記念品を制作するなど、高校生によるおもてなしの準備も今行われている。  今後、全国や本県において感染拡大した場合や、あるいは大会中に感染者が発生した場合など、感染対応も含めた開催案をまとめ、今月19日の県実行委員会総会に諮るとともに、コロナ禍における開催に向けた機運醸成を図っていく。 175 ◯仲倉委員  なかなかコロナ禍での大会ということ、しかも全国規模の大会が福井県を中心に行われるということは大変なことだと思うけれども、高校生にとっては、本当に記憶に残る、そういった大会にぜひともなっていただくように、ひとつ精いっぱいの努力をいただきたいなと思っている。  今回、議会に示されている当初予算の新規事業で、部活動地域移行研究事業、約350万円余りが計上されている。これは、教員の多忙化というものが背景にあって、部活動を地域でやっていこうという一つの方針が形になってきている事業だと思っているけれども、部活動、なかなか地域によって事情が違う。部活動によって、スポーツでも文化でもしっかりとやっていける地域はそれでいいけれども、我々の地元もそうだけれども、単独ではとてもチーム編成すらできない学校がある。そういったところは、やはりいくつかの学校が集まって一つのチームを編成する、そういう一つの受皿にこういう事業がなっていけばいいだろう。だから、地域によってそれぞれ状況が違うから、その地域によってどういうことを選択していくかということは変わってくるんだろうと思っているけれども、今年はモデル校がどのようになっているのか、部活動の種類と、あと次年度以降、どういうふうに進めていくのか伺う。 176 ◯教育長  地域部活動に係る国の研究事業については、令和3年度は全国47都道府県でそれぞれが運動部で2拠点、文化部で1拠点、実施される予定である。  本県のモデル校及び対象となる部活動については、昨年秋に実施した県内各市町への意向調査の結果を受け、関係市町と今、それぞれの地域の実態を踏まえながら、協議を進めているところである。令和4年度以降については、国の動向を注視しつつ、モデル校での実施研究による成果と課題を県全体で共有して、関係団体と連携を図りながら、令和5年度以降の段階的な地域移行に向けて準備を進めていきたいと思っている。 177 ◯仲倉委員  具体的なところは、学校側の状況もあるから、公表を差し控えるところもあるだろうけれども、いずれにしても、その地域にいい形で、こういったものが育っていくように期待をしたいと思うが、先ほど申し上げたとおり、この背景には教員の多忙化というところがあるんだろうと思っている。今、民間でも働き方改革というのを、特にコロナ禍もあって、進めている。例えば時差出勤とか、それぞれ雇用形態を柔軟にやっていこうという、そういう動きが民間、そしてまた役所なんかでもそういったことが進められているけれども、学校現場というのはあまりそういうことを聞いたことがない。例えば、部活動で忙しい先生が、部活動で残業になった場合、次の日の朝少しゆっくり学校に来れるとか、そういった弾力的な雇用形態というものを、学校現場に導入する時期なんじゃないかというふうに思っているけれども、そのようなことは検討されていないのか。 178 ◯教育長  昨年末から今年にかけて、県立中学校長会や県立校長会を開いて、実は、教員の多忙化解消の一つの方策として、部活動指導に従事する教員に対して、2限目から出てきていただくとか、場合によっては3限目から出てきていただくとか、遅出勤務を積極的に取り入れるよう要請している。今月中にもまた、各市町教育委員会や県立学校に再度通知する予定である。  部活動指導というのは、中学校教員中心に長時間勤務の大きな要因となっており、遅出勤務の積極的活用をはじめ、複数顧問の実施や外部人材の活用などの方法により、教員の多忙化解消につなげてまいりたいと考えている。 179 ◯仲倉委員  ぜひとも学校現場でもそういった雇用改善がなされるように、いろいろなことを考えていただきたいと思っている。  次に、今議会に、歯と口腔の健康づくり推進条例というものを議会の発議で出させていただいている。あまり議員のほうからそういった議論が少なかったように思うけれども、今、学校の現場とか歯医者さんもいらっしゃるし、いろいろな立場で歯と健康づくりについてやっていこうという中で、それぞれが役割分担していこうという、そういう趣旨でもって、こういった条例を議会発議で提案をさせていただいたところであるが、この条例に対する知事の所見、そしてまた、この条例に基づき、今後、施策の推進を具体的にどのように進めていかれるのか、伺いたいと思う。 180 ◯知  事  この条例は、ある意味で全国でも一番遅くなったというところであるが、もともと平成23年に歯科口腔保健の推進に関する法律ができるとともに、全国でこうした計画が次々とつくられていったという状況になる。ただ福井県は、それに相当先立つ平成10年の段階で、福井県生涯歯科保健計画というのを全国に先駆けてつくっていた。そういう意味では、今回の法律にあるような内容について、既に計画の中で実施をしてきていたということで、結果的に条例が出来上がるのが遅くなったのだと思っている。  ただ、8020とついこの間まで言っていたと思う。私が聞いたところでは、8020というのは平成になる直前のときは、80歳で歯の残りが平均、大体5本だった。それが今15本になっている。30年でそれだけ進んだというのだけれども、これの大きな理由は、だんだん増えたのではなくて、抜けっ放しで結局、80歳で歯がなくなっている人もたくさんいる中で、ほとんど残っている人が増えてきた。だから、8020が8015までは来ていると、こういう話を伺ったことがある。  今、人生100年時代になっているので、フレイル予防とよく言われるけれども、歯のフレイル予防、オーラルフレイルの予防というのは非常に重要な時期に来ていると認識をしている。そういう意味でも、これから新しい条例をつくっていただければ、県民の健康管理が十分進められると思っている。  具体的には、乳児・幼児期のときから虫歯の予防を保険者と連携して歯科診療で行っていく、歯科健診を進めていくということだとか、また生涯にわたる適切な口腔ケア、こういうものの普及を図ることを、この条例に基づいて、また新しいやり方も、歯科医師の皆様方とも相談しながら進めていって、人生100年時代に備えたいと思っている。 181 ◯仲倉委員  実は私、歯医者にかかったことがない。自慢になるかどうか分からないけれども。今の年に歯医者にかかったことがないというのは非常にありがたいなと思っている。  いずれにしても、条例を制定したからには、その条例の効果が出るように、またそれぞれの立場でぜひともよろしくお願いする。  もう一つ、条例の話をさせていただく。  林業政策について、平成29年に、みんなでつかおう「ふくいの木」促進条例、これもまた議員発議で提案をさせていただいて、条例の制定をさせていただいた。県内の森林に眠っている木材を活用して、利用の促進を図って、循環型社会をつくっていこうという趣旨であるけれども、条例制定以降の取組の効果、県産材の利用率がどのぐらい上がったのか、その辺について伺いたいと思う。 182 ◯農林水産部長  条例の施行を受けて、県では木材関係の団体とともに、「ふくいの木使ってもらい隊」という組織を結成して、主に住宅メーカーであるとか商業施設への木造、木質化の営業活動を実施しているところである。その結果、住宅の構造材での利用に加えて、最近だと公共施設で新築の小学校の建設であるとか、あるいは町営住宅、それから木づかい施設、そういった公共施設への利用も進んでいる。さらに、加工木材であるとか公共工事での利用も進み、現時点で、県産材の利用量については、条例が制定される前の平成28年では、17万8,000立方メートルであった。これが令和元年度で20万8,000立方メートルということで、3万立方メートル増加しているという状況にある。 183 ◯仲倉委員  条例制定後、効果が出た、利用率が上がったという報告を今受けたのだが、実は県産木材というものは、一挙に大きい量を確保するというのはなかなか難しい。というのは、木というのは生き物である。山から木を出してきて、そして乾燥させて、そしてまたそれを製材して商品にするまでにはかなり時間がかかる。だから、いろいろな工事があるだろうけれども、工事が発注されるときに、一気に大量の注文を受けられても供給ができないという、そういうものである。だから今、いろいろな事業の中でも、なかなか県産材が集まらないということで、本当は県産使用でやれる工事になかなか行き届かない、そういう事例も県内では出てきているようである。私、以前にもちょっと申し上げたのだが、県産材を使うという、そういう趣旨で徹底するのであれば、少し前もって、分離発注という言い方がいいのか分からないけれども、やはり設計の段階で、既にそういった県産木材がどのぐらいかかるのかということもしっかりと示していただいて、先行的に数を確保するような、そういった仕組みというものを何かつくれないかなと思っているが、そういうことをやっていただいている工事もある。これからそういった仕組みをつくれないだろうか。 184 ◯農林水産部長  分離発注については、県立南越特別支援学校とか年縞博物館、それから、えちぜん鉄道の福井駅舎などの例がある。今、指摘のように、県産材を使うとなると、切り出してから乾燥、それから加工と長時間かかる。住宅のように既製品ではないので、製材所の対応も時間がかかるということで、今の3つの事例の中でも1年近く木を準備するのにかかるといったような事例もある。そういったことで、分離発注というのは非常に有効な手段であると私も考えている。これからこういった方法について、3つの事例があるので、県庁内の関係部局に対しても周知をしていきたいと考えている。 185 ◯仲倉委員  ぜひともそういった仕組みを定着していただくようにお願いしたいと思う。  もう一つは、今、農林水産部長に一生懸命頑張っていただいているが、それぞれの部局にもいろんな事業がある。農林水産部が全部木材に関わるものに関わっているわけではないので、それぞれの部局で、それぞれの事業の中で木を使う事業というのがあると思う。だから、農林部が一つの思いを持って木を使ってほしいと号令をかけても、ほかの部局の事業でそれがしっかりと浸透していない場合が実は出てくる。これは市町も含めてであるけれども、全庁的に、皆さんのそれぞれの部局が同じ気持ちになっていただいてやらないと、こういった事業というものは進まないので、ぜひとも全庁的な取組、そして運動にしていただきたいと思う。最後に知事の総括的な所見を伺う。 186 ◯知  事  委員がおっしゃられるとおりで、木材の利用というのは、例えば子どもなんかが使うような施設に木材を入れると、子どもの気持ちがとても落ち着くというような効果が出るというふうにも言われているし、また木が山にたくさんあるわけで、これを活用しないと新しい木に植え替えられない。そうしていると、今度は山の機能そのものが落ちてくる。そういう意味では、木は切って使うというのが非常に重要だということで条例もつくっていただいていると考えている。  公共としては、使えるところにはどんどん使っていくというつもりでいるけれども、ただ、結果として県産材が使われないような発注の仕方とか、今、指摘もいただいた。また、我々としても、決して農林だけで考えているわけではないけれども、今指摘をいただいたので、そういった点はしっかりと踏まえて、これから県が発注するもの、市や町とか公共が使うもの、さらに民間も、商工会議所などともお話をしながら、また子どもの頃から木に親しむような習慣をつくること、こういうことを含めて、全庁的に県産材がさらに使えるようになって、福井の山が元気になるような政策を進めていきたいと思っている。 187 ◯仲倉委員  力強いお言葉を頂戴したので、これ以上は申し上げることはない。これで質問を終わらせていただく。                               ~以  上~ 188 ◯笹岡委員長  以上で、仲倉委員の質疑は終了した。  以上で、通告による質疑は全部終了したので、他にないものと認め、付託議案及び付議事件についての質疑は終結した。  これより、付託議案に対する討論に入る。  佐藤委員より反対討論の通告があるので、許可することにする。  佐藤委員。 189 ◯佐藤委員  日本共産党の佐藤正雄である。  第1号議案、令和3年度福井県一般会計予算は次の理由で反対である。  理由の第1は、福島原発事故から10年、いまだに深刻な被害が続いている中での原発推進であることである。  杉本知事の今議会での使用済核燃料中間貯蔵施設と40年超原発再稼働をめぐる説明は、多くの県議からも県民からも批判が出された。今、質疑もあったとおり、混乱させた責任は知事にあるということであるけれども、いずれにしても使用済核燃料をさらに増大させる問題先送りの無責任な原発推進県政の転換が必要である。ただ、杉本知事がおっしゃった、まだまだ消費理解が一番遅れている問題だとか、あるいは60年運転して、その後どうなるんだ、立地地域はどうしてくれるんだという問題だとか、これは非常に大事な点だと思うので、やはりまた議会に対してそういうのは説明いただきたいというように思う。  第2に、新幹線に419億円をはじめ、福井駅西口再開発9億円など大型公共事業推進、第183号議案、令和2年一般会計補正予算には足羽川ダムなどの予算が含まれており、反対である。  次に、第5号議案、令和3年度福井県国民健康保険特別会計予算についてであるが、これまでも繰り返し議会でも訴えてきたが、今でも国民健康保険税は高過ぎると。払えない世帯が多いわけである。そういう世帯には短期保険証、資格証明書が出されている。資格証明書では、一旦、窓口で10割負担である。事実上、医療を受けられないと、こういうことである。こういう家庭が福井県内に868世帯もある。また、数か月間しか有効期限がない短期保険証に至っては2,788世帯、合わせると3,600世帯を超える県民の命と健康が脅かされていると、こういう状況がある。国の言いなりではなく、財政支援を強化して、保険税の引下げを行うよう求める。  以上を申し上げて、反対討論とする。 190 ◯笹岡委員長  以上をもって、通告による討論は終了したので、他になきものと認め、討論は終結した。  これより採決に入る。  採決は、2回に分けて起立によって行う。  まず、第1号議案、第5号議案及び第138号議案の3件を原案のとおり決定することに賛成の方は起立願う。       〔起立多数〕 191 ◯笹岡委員長  起立多数である。よって、本件は原案のとおり決定した。  次に、第2号議案から第4号議案まで及び第6号議案から第20号議案までの18件並びに第139号議案から第156号議案までの18件、合計36件を原案のとおり決定することに賛成の方の方は起立願う。       〔起立全員〕 192 ◯笹岡委員長  起立全員である。よって、本件は原案のとおり決定した。  以上で、今回付託を受けた議案及び付議事件の審査は全て終了した。  委員長報告については、理事会に一任願う。  また、委員会記録の作成については、委員会条例の規定により私に一任願う。  以上をもって、予算決算特別委員会を閉会する。                               ~以  上~                    予算決算特別委員会                      委員長  笹 岡 一 彦 発言が指定されていません。 Copyright © Fukui Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...