福井県議会 2020-07-03
令和2年長期ビジョンに関する特別委員会 本文 2020-07-03
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長期ビジョンに関する
特別委員会 本文 2020-07-03 文書 前へ 次へ
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◯田中(敏)
委員長 2
◯知 事 3
◯地域戦略部長 4
◯田中(敏)
委員長 5
◯大森委員 6
◯知 事 7
◯大森委員 8
◯知 事 9
◯大森委員 10
◯交流文化部長 11
◯大森委員 12
◯知 事 13
◯大森委員 14
◯知 事 15
◯大森委員 16
◯辻委員 17
◯知 事 18
◯辻委員 19
◯地域戦略部長 20
◯辻委員 21
◯地域戦略部長 22
◯辻委員 23
◯知 事 24
◯辻委員 25
◯知 事 26
◯辻委員 27
◯佐藤委員 28
◯地域戦略部長 29
◯知 事 30
◯佐藤委員 31
◯知 事 32
◯西本(恵)
委員 33
◯知 事 34
◯細川委員 35
◯知 事 36
◯細川委員 37
◯田中(敏)
委員長 38
◯田中(敏)
委員長 39
◯仲倉委員 40
◯知 事 41
◯仲倉委員 42
◯知 事 43
◯仲倉委員 44
◯知 事 45
◯仲倉委員 46
◯田中(敏)
委員長 47
◯田中(敏)
委員長 48
◯田中(敏)
委員長 49 ◯斉藤
委員 50
◯田中(敏)
委員長 51
◯田中(敏)
委員長 52
◯田中(敏)
委員長 53
◯田中(敏)
委員長 54
◯田中(敏)
委員長 55
◯田中(敏)
委員長 ↑ リストの先頭へ ↓ 最初の
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ヒット) 1
◯田中(敏)
委員長 ただいまから、福井県
長期ビジョンに関する
特別委員会を開会する。
委員の席はただいま着席のとおりとするので了承願う。
次に、傍聴される方に申し上げる。先にお知らせした留意事項を守って傍聴を願う。
本日の
委員会は、新型コロナウイルス感染症対策として、座席にアクリル板を設置し、また、マイクは1人ずつ設置しているので
発言の際はスイッチをお願いする。
また、換気のため1時間をめどに休憩をとる予定としている。
なお、マイボトル等による水分補給については、
委員会開催中は遠慮いただき、休憩中にお願いする。
これより審査に入る。
今回、当
委員会に付託された第58号議案「福井県
長期ビジョンの策定について」、第59号議案「第二期ふくい創生・人口減少対策戦略の策定について」、また、当
委員会に付議されている、福井県
長期ビジョンの策定に関すること、ふくい創生・人口減少対策戦略の策定に関することを議題とする。
なお、説明者については、あらかじめ私のほうで決定し出席を求めておいた。今回、当
委員会に議案が付託されていることから知事に出席を求めている。
委員には座席表を配付しているので、そちらで了承願う。
また、進行について、
発言は質問、答弁ともに起立して行っていただくとともに、
発言は簡潔にお願いする。
それでは、理事者より議案の説明を求める。なお、特に報告すべき事項等があれば併せて報告願う。
2
◯知 事 議案については提案理由等により説明しているので、よろしく審議を賜るようお願い申し上げる。
3
◯地域戦略部長 私から、福井県
長期ビジョン及び第2期ふくい創生・人口減少対策戦略について、今議会の議論、パブリックコメントなどを踏まえて、一部追加修正を行った箇所があるので、その主な変更点について説明をする。
お配りの
長期ビジョンの本冊である、資料の3-2を御覧願う。
9ページ、「世界の潮流と環境の変化」の第2段落の後段になるが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、「新たな国際分業体制の確立や、『分散型国家』への転換が求められている」。このことを追記をさせていただいた。
続いて37ページ、第3段落目の中段に、「わが国全体の持続的な発展のためにも」というところがある。これも新型コロナウイルスに関連して、わが国の「国土構造を転換し、『日本海国土軸』の形成による『新次元の分散型国土』の創出が不可欠である」こと。それから、その下第4段落目であるが、「『働く場所を選ばない』生活スタイルの可能性が拡がり、三大都市圏からほど良い距離に位置し、独自性を保ちながら利便性が高く、『幸福度日本一』の良質な社会環境を誇る本県の良さが改めて認識された」ということを追加している。
続いて、43ページをお願いする。
こちらのほうは、パブリックコメントでいただいた意見を踏まえた修正であるが、目指す姿の中の「誰もが主役のふくい」、それの方向性の第1番目の項目である「ふくい発『健康文化』を創出」、後段の「また、」以下である。「介護が必要となっても、障がいがあっても、県民が支え合い、誰もが安心して暮らせる社会を築く」と。これがもともとなくて元気な高齢者だけの記述のように見えたということで、これを追加させていただいたところである。
最後に、215ページである。
実行プランのほうについては、今議会での指摘を受けて、将来構想の目指す姿及び将来イメージと実行プランの中の分野ごとの18の政策との関係を
一覧表で整理をさせていただいたところである。
主な変更点については以上である。
4
◯田中(敏)
委員長 説明は終わった。各
委員より
発言を願う。
5
◯大森委員 県会自民党の大森哲男である。会派を代表して、
長期ビジョン及びふくい創生・人口減少対策戦略について質問と提言を行う。
杉本知事は約1年前、知事就任後の初の6月定例会開会日の6月28日に、「令和という新しい時代には地方への新たな人の流れをつくることが最も重要。今後想定される大きな環境変化に立ち向かい、県政をさらに発展させていかなければならない。県民の皆さんと将来ビジョンを共有しながら県政を進めていく」と述べられた。
我が会派としても本格的な人口減少時代を迎え、地域経済の先行きも見通しにくい今日であるからこそ、単なる明るい未来像だけではなく、今後起こり得る問題点も踏まえた持続可能な将来像が必要であると申し上げてきた。様々な議論を経て
長期ビジョンの最終案が提出されるに至ったこと、大変感慨深いものがある。
杉本知事を初め策定に携わった職員、関係各位の御尽力に敬意を表する。
そもそもビジョンとは何かについては諸説あるが、国や自治体、民間企業等においても、ビジョンと名のつくものが多くつくられている。一般的には、目指すべき将来像や望ましい未来と解釈されており、今のまま推移したらどうなるのかという単純な予測と比較してそのギャップを埋めるための手段として政策や施策があると理解されている。
また、自治体における
長期ビジョンは、いわゆる総合計画として、地域社会として何を優先するかを明確にし、個別分野の計画をコントロールする羅針盤のようなものであるとも言える。
いずれにしても、令和という新しい時代における本県の
長期ビジョンが形になったわけである。まずは、本県の目指すべき将来像や総合計画としての
長期ビジョンの出来栄えについて、知事自身の評価を伺う。
6
◯知 事
長期ビジョンの策定については、まずは県民の皆さんとその将来的なビジョンを共有するということが一番大切だということで、各議会においても申し上げてきたところである。そのために一番最初には市町別、分野別、年代別とかいろんな形で県民の皆さんのお話を伺ったり、さらには県民アンケートをとらせていただく、こういう形をとって、5,000人を超える県民の皆さんの意見を承らせていただいたところである。
また、県議会の皆様方の意見であるとか、推進懇話会、有識者の皆様方からもお話を伺って、今回の案にあるように、例えば「ふくいらしさ」を追求するとか、また、「誰もが主役」といった考え方であるとか、「飛躍するふくい」、こういった三つの姿というものをお示しをさせていただいている。
さらには「基盤」、「交流」、「くらし」、「産業」といったそれぞれの方面の長期的なプロジェクトをお示しをして、それを進めることで、例えば基盤でいえば、日本海側の国土軸の中心に位置するとか、千年文化を磨き上げた交流を進めていくとか、それから「くらし」でいえば、これは子どもも、それから大人になっても、年をとっても全ての世代が安心して暮らせるような、また、その具体例としてWAKASAリフレッシュエリアを挙げたり、また、ものづくりから価値づくりのほうに産業がシフトしていくとか、農林水産業を成長産業にする、そういった形で六つの将来イメージ、こういうものも示させていただいたところであって、そういう意味では、内容的にも県民の皆さんとビジョンについて共有できる内容になったと思っている。
さらにこれを具体化していかなくてはいけない。そういう中で、実行プランというものを示させていただいて、この中で五つの分野18の政策を掲げて、
KPIもつけて、それで確認ができるような形で推進をしていこうというふうにお示しをさせていただいているところである。そういう意味では、今回のビジョンについては、策定プロセスについても、内容についても全国に誇れる内容になったというふうに自負をしているところである。
7
◯大森委員 1年間いろんなことがあった中で苦労があったかと思う。
まず、
長期ビジョンは県議会はもとより、プレーヤーである県民の皆様と広く共有されることで初めて実効性が発揮されるものである。誰かがどこかで決めたものという受け止め方では、膨大な時間と労力をかけて策定した
長期ビジョンも単なる絵に描いた餅──画餅として形骸化し、数年後には県庁職員だけがその存在を知っているということになりかねない。県ではビジョン策定の段階から県民を巻き込むため、市町別や分野別、世代別の意見交換会、ワークショップ等を開催してきているが、一方で、こうした場に参加できなかった方も多いと思われる。
そこで、今後、このビジョンを広く周知するとともに、県、市町、企業、各種団体、また、プレーヤーである多くの県民の皆様とともに、実現を目指すものとなるよう、機運の醸成が必要になると考えるが、そのための具体的な手段について、知事の所見をお伺いする。
8
◯知 事 おっしゃるとおり、このビジョンを具体的に進めていかなければ忘れ去られるということになるわけであって、これをまずしっかりと県民の皆さんに分かっていただく、知っていただくということが大事だと思っている。そういう意味では、例えばSNSもあるし、県の広報誌もある。それからテレビなんかもあるしメディア、新聞紙上も含めていろんな形で県民の皆さんに知っていただく、さらには冊子を具体的につくっていこうということも考えている。
また、今回、ビジョンであるので、この先具体的にどうなっていくのか、こういうことを県民の皆さんと一緒に具体化について考えていくこともさらに必要だろうというふうに思っているので、こういったことを、企業さんとか団体とか学校とか出前講座でやらせていただいたり、また、若い方とか、いろんな形で県民の皆さんと「FUKUI未来トーク」というような形で、何度もそのビジョンをさらに具体化する、そういうことを一緒に考えていく、こういうプロセスも踏みたいというふうに思っている。
さらには、今回の懇話会で有識者の方にいろいろ議論いただいた。こういう方々にも今後とも意見を承っていく、そういうこともあるし、さらにはプレイヤーを増やさなくてはいけないので、これは企業さん、団体さん、市や町、こういったところも同じ考え方を共有した計画を持っていただいたり、仕事の進め方をしていただく。こういうことも、プレーヤーが一緒になって考えたり進めていく、こういう体制にして福井県全体、「チームふくい」としてこのビジョンの実現に力を尽くしていきたいと考えている。
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◯大森委員 確かに、私もこのビジョンの概要版を各企業や団体へ行くときは持って歩いて説明している。いろんな意見も伺う。
次に、福井らしさ、地理的優位性に関してお伺いする。
我が会派では、これまで
長期ビジョンについては、総花的ではなく政策の重点化を図る必要がある。ある程度リスクを覚悟し、思い切った発想で本県の強みを伸ばしていくことがビジョンの独自性や「とんがり」につながると提言してきた。
これに対し、さきの代表質問では知事から、日本海側の中心に位置する地政学上の優位性や、千年を超える歴史・文化、幸福度日本一といった福井の強さを生かしていくとの答弁があった。
さらに、新型コロナウイルス関係の修正として、2040年の将来像に、三大都市圏からほど良い距離にあって、独自性を保ちながら利便性が高く、「幸福度日本一」の良質な社会環境を改めて認識する機会になったとの文言が追記されている。まさにこうした部分が本県の特徴であり強みであると思うし、福井県民のための将来ビジョンではあるが、県外や海外に向けて積極的にアピールすべき部分でもある。
例えば、北陸新幹線が全面開通すれば小浜-京都間が19分で結ばれることとなるということはまだ県外の人に驚きをもって受け止められている。中部縦貫道路の全面開通についても十分に認識されているとは言えない。しかし、こうした事実が余り県外に知られていないということは、逆に伸びしろがあるということでもある。折りしも新型コロナウイルスの影響により都市部の脆弱性が露呈したことで、田園回帰が進む可能性もあり、本県にとってはUIターンや企業誘致につなげる絶好の機会でもある。
そこで、県外の方にも選ばれる福井県となるため、本県の地理的優位性等を特に三大都市圏に積極的にアピールし、定住人口や交流人口等の拡大につなげていくべきと考えているが、所見を伺う。
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◯交流文化部長 指摘のとおり、地理的優位性がさらに高まることを生かし、三大都市圏とつながる各県境フロンティアへの定住、交流を拡大していきたいと考えている。
具体的には、北陸新幹線により、信越、関東、さらには東北への時間・距離が大きく短縮する福井坂井地域などにおいては、まずは教育旅行などによる交流を深め、さらに、県都のまちづくりや未来産業の育成を実現することにより人や企業の誘致を図っていきたいと考えている。
また、中部縦貫道、冠山峠道路などの開通により、中京からの玄関口となる奥越、丹南地域は、名古屋駅や中部国際空港への直結、こういったものを生かし、観光交流を拡大するとともに、夢ある農林水産業や伝統と革新のものづくりに引かれる若者などの移住・定住を促進していきたいと考えている。
また、北陸新幹線の全線開業によって、関西からの旅行先から通勤・通学圏へと転換する嶺南地域においては、CO2フリーであり、スマートで健康的、文化的な「くらしの先進地」WAKASAリフレッシュエリアとして週末居住やテレワークを含め、多様な暮らしのモデル地域を目指す、こういったことで頑張っていきたいとも考えている。
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◯大森委員 中京圏とのつながりもやっぱり大事にしていっていただきたいと思う。
長期ビジョンが展望する2040年に向けて克服すべき最大の課題が、自然減対策であると考える。先月5日に厚生労働省が発表した2019年の全国の合計特殊出生率は1.36であり、2007年以来12年ぶりの低水準となった。本県の合計特殊出生率は1.56であり、前年から0.1ポイント下がっている。新型コロナウイルスの感染拡大によって、中長期的に雇用環境の悪化や可処分所得の低下が想定され、家計の負担が増大することから、合計特殊出生率のさらなる低下が懸念されている。
新型コロナの影響で、不妊治療を受ける人が4月から激減したとの報道もある。これまで我が会派としても思い切った財政支援策も含めて、出生率の回復の起爆剤となるような目玉となる施策や対策を、
長期ビジョン、人口減少対策戦略に位置づけるべきと提言してきた。
これを受けて、「子だくさんふくいプロジェクト」による第2子からの支援拡大に加え、今回、3人目からの出産・育児への新たな支援など第3子以降の応援強化、民間企業や店舗等の特典、サービスの拡充による子育て機運の醸成、社員の子育てを支援する企業への支援、屋内の遊び場など子育て環境の整備の促進といった政策提案が追加されている。
これらの政策によって、自然減の傾向に歯止めをかけ、目標とする2040年の合計特殊出生率2.07を達成できると考えているのか、知事の所見をお伺いする。
12
◯知 事
委員指摘のとおり、合計特殊出生率の向上がなければ人口は安定しない。そういう中で、まずは皆さんが求めている希望出生率である1.8、さらには定常化する2.07という出生率を目指していかなければいけない。そういう状況にある。実際にはなかなか難しくて、これはライフスタイルも変わって、やはり福井県で見ても、出生率が「2」を超えていた最後というのは1989年になるが、統計を見てもその頃は結婚しない方はほとんどいなかった。今は男性で2割、女性でも1割、こういった状況になっている中で、「2」に上げていくのは非常に難しいというふうに思っている。
その中でも福井県は、これまで3人っ子政策を進めてきた。合計特殊出生率は福井県ぐらいの規模の県であると、どうしても統計のとり方の特徴として、少し数字が変わると大きく変動する年があって、そういう意味で安定的に見るために5年の移動平均で見ても、出生率は、この5年間でその前の5年に比べて1.58から1.63に徐々に、しっかりと改善してきている。こういう状況であるので、こういった傾向をさらに加速していかなくてはならないと思っている。
具体的には、まず一つは、人のライフスタイル全体の問題もあるので、これについては国全体としてしっかりとこれを進めていただく必要がある。だから、国に対しても強くいろんな形で要請をしていく。
その上で、福井県としては、これまでの3人っ子政策から2人目にシフトしていくということで、子だくさんプロジェクトを進めていくし、また、3人目からクーポンを配るとか、それから、企業も一緒になってお子さん連れの家族にいろんなサービスをする。この考え方は議会で指摘をいただいた。子どもが増えることでお金がかかる、そのことのマイナスを少しでも減らすのではなくて、いることでもっと人生がプラスになるような、そういう考え方で進めていくべきだという指摘を踏まえて考えさせていただいている。
そういう意味では、議会の皆様方の意見等も承りながら、非常に難しい課題であるが、出生率2.07を目指して福井県として進んでいきたいと考えているところである。
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◯大森委員 大変難しい課題である。子どもと一緒に暮らす幸せというものをみんなが感じられるような、そういう文化の醸成というか、そういうことも大切だと思う。ぜひとも頑張っていただきたいと思う。
次に、県都のまちづくりについてお伺いする。
知事は、代表質問で、北陸新幹線の福井・敦賀開業を見据えた短期的な対策と、大阪までの延伸を見据えた中長期的な対策を二つの分科会で検討していくと答弁されている。
代表質問において、知事が答弁された町の中のにぎわいづくり、福井城址の在り方、あるいは新しく得られたコロナ禍後のアフターコロナの生活をどう生かすのかといった、どれも重要な論点であり、当然
長期ビジョンと整合性を図りながら議論していく必要があると考える。
そこで、今回策定する
長期ビジョンと「県都にぎわい創生協議会」で議論される内容との関係性をどのように整理して議論していくのか、知事の所見を伺う。
14
◯知 事
長期ビジョンの中で100年に一度のチャンスを生かしてまちづくりをしていくということの大きな推進力として、この県都にぎわい創生協議会を生かしていきたいと考えている。
長期ビジョンの中でも、例えば「ふくいエンタメ計画」ということを書かせていただいている。エンタメ計画というのは「ワクワクドキドキ」できるような町なかにしていこうということで、これには、やはり経済界、みんなでお金を使って楽しくしていこうということになるわけである。そういう意味では、今年は残念ながら中止になったが、町なかでのワンパークフェスティバルなどもある。何とか実現できないかということで今検討いただいているアスリートナイトゲームズ、こういったことであるとか、ほかの市や町のところへ行くと、町なかがフェスの会場になるような、そういうことで人を呼び込む、そういう仕掛けをやっているところも多くある。こういったことを経済界とともに一つには実現していく。
また、福井の町なかは古い歴史もあるわけである。例えば、ここには福井城址もあるし、さらには北の庄城の跡、私は福井に来る前は、北の庄で柴田勝家とかお市の方が亡くなったということは知っていたが、こんなに福井駅の近くに北の庄城があったということは正直言って知らなかった。そういうことを一つ発信できるだけでも多くのお客さんを呼び込める。そういう意味では千年文化の継承発展プロジェクトという中にも書かせていただいている。こういった文化が薫るまち歩きということを一つの観光の材料にしていくことは大事だと思っている。
また、アフターコロナの話で、職場に縛られない生活の仕方、生活から職場を考える、そういうような時代になってくる。こういうことを生かして、例えば、便利のいい場所に起業してもらうとか、また、例えばシェアオフィスをつくったりコワーキングスペースをつくったり、会社に行くと普通は同じ集団の人がそこにいるが、違う会社とか、違う考えの人が一つの職場で意見交換するようなことができるような社会になってきているので、こういったことも町なかで実現できるように経済界、また、福井市とともに検討を進めていきたいと考えている。
15
◯大森委員 大変前向きなお話を頂いた。私もぜひ地元の議員としても携わっていきたいと思う。
16
◯辻委員 民主・みらいとしてであるが、時間も限られているので絞って、かつ重ならないようにしながら進めていきたいと思う。
この
長期ビジョンの将来像の中で、世界が目指す「福井モデル」の確立こそが福井県が果たすべき役割という認識が示されている。日本の中での幸福度日本一の福井というのは県民にも理解されているが、世界が目指すモデル確立というのは、県民にとっては初めて聞くに等しい状況である。
私としてはぜひ目指していただきたいと思うが、ここは、総務省勤務で全国を見てきた杉本知事の中で、福井の現状と潜在力、可能性を見て十分に目指せるというふうに考えているのか、単にスローガンで言っているのか、その辺をしっかりとお聞かせをいただきたいと思う。知事の思い、決意を伺う。
17
◯知 事 「福井モデル」というものを、これからこのビジョンをもとにつくっていこうと考えているところである。絵空事ということではなくて、まさに福井にはポテンシャルがあるというふうに認識をしている。
例えば学力・体力日本一、これはもちろん勉強を一生懸命頑張っているということはあるが、もとにあるのは、福井県の場合は三世代同居があって小さいお子さんのうちから家庭の中で教育がしっかりとできていて、勉強に向かう気持ちが出来上がっている、そういうことから、学力がここまで上がってきているということはいろんな形で皆様方からも説明を頂いているところであって、そのとおりだと思っている。
また、女性がしっかりと活躍をしていただいている、外に働きにも行っていただいて、しかも正社員として働いていただいている。こういったことをさらに今後は管理職にしていけるような場面をつくっていければ、さらに発展していけるというふうに考えている。
それから、雇用についてもこのコロナ禍で非常に下がっている。その中でも全国で一番の有効求人倍率を今でも維持している状況になっているわけであって、そうした雇う力、こういったものも福井にあるわけで、これは幸福度日本一の今の福井をつくっているなと、これは事実に基づいてこういう基盤ができているんだというふうに考えているところである。
その上で、アフターコロナの時代においても、もう一つの強み、今80万弱の人口であるが、この規模というのも一つの強みなのかなと思っている。今回のコロナ禍でも、例えばマスクの購入券の配布、これも、余りにも規模が大きいとマスクの数がそろわなかったのであるが、それをそろえることができた。また、在宅授業もやらせていただいたが、すぐに対応ができたのは、DVDの機械を何台集められるかが最後勝負になったのであるが、これも県内駆けずり回って集めることができた。そういった規模というのも、非常にモデルをつくりやすい一つのメリットなんじゃないかと考えているところである。
その上で、日本海国土軸の真ん中に場所があるし、また敦賀港は、これは中京にも関西にも、そしてアジアにも開かれている。こういう地の利というのもあるというふうに思っている。こういったものを生かしながら、子育て、教育、さらに福祉の面も、既にある地域包括ケアをさらに次世代型に変えていく、こういったこともやりながら、さらにものづくりから価値づくりのほうに変えていき産業も振興させていくことで「福井モデル」というものを全国、それから、世界に発信できると考えているところである。
18
◯辻委員 知事の強い思いが伝わってきたので、そうした豊かな、そして、世界に誇れるモデルをぜひつくっていただきたいというふうに思う。
次に、SDGsのことであるが、2040年に福井県が目指す姿として、SDGs「誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会」の理念に沿いながら、三つの姿を目指すとしている。そして、その実行プランの中では、政策とSDGsの関係性がしっかりと整理されているところである。ここまでSDGsのことを表現しているビジョンは全国でも余りないのではないかなと思うが、このSDGsの理念の具現化、そして共生社会の実現、ここはぜひ目指してもらいたいと思うが、その取組について伺う。
19
◯地域戦略部長 SDGsについては、県の計画として初めて理念や政策の中に盛り込んだということである。それに関連する計画であるとか具体的な事業についてもここで記載した内容について十分意識しながら推進をしていきたいと考えている。
また、県内の市町であるとか企業、団体、NPOなど様々な主体にこのSDGsの理念を広げていく、活動を拡大していくということも非常に重要である。そこで、県や、今ほど申し上げた団体の方々が参加する「福井県SDGsパートナーシップ会議」というものを創設したいと思っている。そこで、先進事例や導入効果の紹介、セミナーの開催など様々な活動を行っていって活動の輪を広げていくということを進めたいと思っている。
共生社会の実現に向けては、多文化共生プランを策定して、外国人が暮らしやすく働きやすい環境づくりを進めるといったほか、障がい者の就労支援、そのほか、地域や企業における女性リーダーの育成など、性別や障がいの有無、国籍等にかかわらず、多様な人材がさらに活躍できる、そういった施策を拡充していきたいと考えている。
20
◯辻委員 SDGsの力強い推進と、そして共生社会の実現についても、部長の答弁をお聞きして、多様な人たちがこの福井県で過ごせるような福井県をぜひつくっていただきたいと思った。
先ほど知事の答弁の中にも触れていたが、コロナ禍において様々な影響があったわけで、その中で検査、医療、福祉、経済と雇用確保、子育て、教育、これらがやはり大きな影響を受けながら、一方で県民の安全・安心のためにはこのあたりが一番のベースなんだなということを多くの方々が感じたのではないであろうか。
第2波、第3波だけではなくて、世界的には10年間隔で大規模な感染症が発生しているが、これらに対応しながら、県民の安全・安心を守っていくためのそれこそ中長期的な取組が必要である。県民が再認識した県民の安全・安心の重要性と対応について、
長期ビジョンにはどう反映させているのか伺う。
21
◯地域戦略部長 今回の新型コロナウイルスの感染拡大であるが、医療・福祉、経済・雇用、教育などの様々な分野において、県民の生活に大きな影響を与えているわけである。
提案しているビジョン案においても、その中で、例えば医療・福祉分野であると、検査・医療体制の充実、予防策の徹底など感染症対策の強化ということを記入している。
また、経済・雇用分野においては、経営の多角化やBCP策定など、危機に強い企業経営への転換、教育分野では、オンライン授業の活用による教育環境の充実、こういったものを記載しており、今後、感染症発生に対応するための必要な施策を盛り込んでいるところである。
これらを積極的に進めて、危機に強い安全・安心な社会実現を目指していきたいと考えている。
22
◯辻委員 答弁の中身は分かるが、やはり
長期ビジョンの本冊のほうには、そこまでの書きぶりがしっかり大きく入っているとは思えないので、今後の見直しを求めたいと思う。
次に、活力人口100万人の達成についてである。
定住人口については、先ほど大森
委員の質疑の中でいろいろと出てきた。交流人口、さらには新しい概念である「関係人口」、これらを組み合わせながら100万人を目指していくということで、代表質問の中でも知事がしっかり目指していくという力強い答弁があった。
一方で、関係人口については、少し新しい概念、取組ということもあるが、関係をつなぎながら、大切にしながら交流を深めていくというようなものだと思うが、ここが数値目標として求められていくと厳しいところもあるんじゃないかなと思う。そうしたことも配慮しながら、推進はしていくがバランスよくやっていただく必要があるのではないかということは指摘しておきたいと思う。
そして、数字にとらわれることは本当はよくないが、しかし、目標として掲げる以上は数値的達成状況の把握、検証、政策的な見直しは必要であると思う。その手法はどのように進めていくのか。
23
◯知 事 「活力人口」という言葉そのものも新しい言葉であるが、考え方の基本は、もちろん定住人口だというふうに思っている。人は1人いれば、その1人でも活動量があり、人の数と活動量で社会の活力というのは、大きく言うと図れるのではないか。そういう考え方が基本にあって、やはり基本は定住人口、それから、金額に換算しやすい交流人口、さらには関係人口というのも実は非常に大事だと思っている。
一つには、例えば河和田のアートキャンプとか、それから、竹田のTキャンプに来る学生さん、この学生さんはホテルとかに泊まらないので、現実には何人来たかは数えられていない。であるが、この人たちは毎年百何十人かが2ヵ月近く来てくれている。その人たちの活動量は物すごく大きいわけである。
例えばふるさと納税、昨年、県内で市町合わせて33億円あった。住民税に換算すると、住民税は県民1人当たり10万円弱ぐらいであるので、これだけでも3万5,000人とかの力を発揮してくれるわけである。後は、例えば「ようこそ先輩」みたいな形で来てくださる大きな企業の経営者の方が学校で子どもに話をしてくれる。これは子どもたちに大きな影響を与えるわけであって、関係人口というのは非常に重要だと思っている。
そういう意味では、2月議会で大きなスローガンが必要だというようなことを指摘いただいて、この活力人口100万人と示させていただいた。毎年細かい数字で検証していくというものではないと思っているが、ただ荒唐無稽ではなくて、交流人口も、例えばインバウンドだったら8人に1人で定住人口だとか、国のいろんな計算の式もある。こういったものを使ったりとか、今申し上げたふるさと納税の額とか、それなりに換算も可能であるので、こういったものを見ながら、最終的に2040年にはまさに活力人口が100万人になるようにしていきたいと考えている。
24
◯辻委員 100万人を目指すということで力強い答弁である。
昔、グリーンツーリズムの活動をやったり、あるいは、都市と農村の交流を深めるとか、様々な活動を自分でやってきたが、振り返ってみると、それが関係人口を広げていく活動の一つだったんだなと思う。今知事が熱弁をされた関係人口の重要性というのは大変よく分かるので、ぜひそこは力強く進めていただきたいと思う。
プランの修正の部分については先ほど大森
委員の話と重なるので、省かせていただく。
最後であるが、
長期ビジョンに関する将来構想の見直しに対して、知事の所見を伺いたいと思うが、これは実行プランについては5年ごとに作成、それから、ふくい創生・人口減少対策プランも5年ごとに改定していくということになっている。このビジョンについては定期的に改定していくというものではないとは思うが、しかし、今回のコロナ感染症拡大のような無視できないような大きな変化、生活様式や社会の在り方の変化に伴って、20年後のビジョンそのものを見直す必要ももしかしたら出てくるかもしれない。そうしたことも含めて、
長期ビジョンの将来構想の見直しに対する知事の考えをお聞かせいただきたい。
25
◯知 事 新型コロナウイルス感染症、今分かる範囲で十分に将来のことを想像しながら書かせていただいている。そういう意味では、例えば、リスク分散型の国土形成というのは、そういう大きな方向に向かうだろうと思っているし、働き方の改革というのが、職場と住むところの関係というのが大きく変わるだろうということも書かせていただいている。ただ大きく申し上げると、これから交通基盤が整備されてくる中で、福井県の立ち位置のところに、大きく言うと人が集まりやすい構造に変わってきているのかなと考えていて、そういう意味では、これまで考えてきたことを大きく変える必要があるというふうには、今回の案の策定の段階でも最終的には考えた、そういう状況である。
そういうこともあって、これは
長期ビジョンであるので、県民の皆さんと将来の姿について大きく共有するということであるので、頻繁に変えていくというようなものではないと考えている。とはいえ、また大きな災害が起きたりとか、社会構造が変わるようなことというのは時々あり得るので、そういう意味では必要なときには県議会の皆様方と協議もさせていただきながら考えていきたいと思っている。
26
◯辻委員 このビジョンに描かれている目指す方向性については、私ども会派としても賛成である。しかしながら、状況に合わせて必要な大きな判断や修正は必要であるので、その辺をしっかりやっていただくことをお願いして、会派としての質疑とする。
27
◯佐藤委員 日本共産党の佐藤正雄である。
私の一般質問への答弁で、知事は、ある意味地方にとってのチャンスの時期にビジョンがないままに物事を進めていくのか、また、新幹線を含めて100年に一度の基盤整備のチャンスを迎えているときだと、できるだけ早期に
長期ビジョンを策定して、福井県内のまちづくりや観光の磨き上げ、こういったものを進めていきたいと答弁された。
また、原子力については、安全第一、最優先ということは明記させていただいている。その上で発電所内、それから避難のときの感染リスクということがあるのであれば、これについては個別に十分対応していくと答弁された。
そこで、再質問のような形でお尋ねをする。
コロナを踏まえた地方への労働拠点の移転などの話と、従前の新幹線など高速交通整備の話が並行してあるわけである。しかし、例えば、事業所の地方移転やテレワーク推進と、ビジネス利用を前提とした需要予測上の高速網整備というのは、これは単純に考えると矛盾してくるわけである。当初予定していた新幹線整備効果などは得られなくなるのではないか、この点をお尋ねをする。
また、原発についても安全最優先ということであるが、2040年までのビジョンであるので、2040年まで老朽化原発稼働を認める、そういうビジョンなのかということである。これは問題ではないかということをお尋ねをする。
28
◯地域戦略部長 最初の新幹線に関連した質問について答弁をさせていただく。
新型コロナウイルスの感染拡大を契機とした働き方の変化、こういったことによって、
委員指摘のように、確かにテレワークなどの進行によって地方に住みながら働く需要が高まる。新幹線の利用で言えばマイナスの方向に働くという指摘かと思うが、こういった一方で、微住であるとかワーケーションといった都市部に住みながら地方で過ごすというか、そういった新しい滞在や交流の形ということも拡大、定着していくであろうと考えている。
特に、北陸新幹線の大阪開業によって、小浜-京都間が19分で結ばれるということである。立地環境も飛躍的に改善するということであるので、新幹線の整備効果ということでいえば、むしろ高まるのではないかと思っている。
また、北陸新幹線であるが、大規模災害時における東海道新幹線の代替機能を果たすということなど、東京一極集中の是正であるとか、国土強靭化に資する国家的な重要なプロジェクトであるので、一日も早く大阪まで全線整備することが何より重要だと思っている。
29
◯知 事 新幹線との関係でいうと、まだ大きく見通せる状況ではないが、これまではどちらかというと、出張に新幹線を使っていた。これは、やはり幾らリモートワークといっても、月に1回か2回、時々は東京や大阪へ行ったりする必要があろうと思われる。そういった出張が逆に通勤で使われるとか、いろんな形もあるということもあって、これについては大きく変わるものではないと考えている。
それから、原子力については、
長期ビジョンの中では高経年化した原子力発電の稼働という個別課題について書いているわけではなくて、これについては原子力発電の安全確保に努めるとか、また、原子力発電と共存する、そういう嶺南Eコースト計画、こういったものについて将来の構想として掲げさせていただいているところである。
いずれにしても、本県においては、廃炉、それから高経年化、40年超運転の問題、さらには使用済み燃料の県外への搬出、核燃料サイクル、こういった多くの課題があるわけであり、こういった内容については実行プランの中でこれからもしっかりと安全最優先でやっていくということを書かせていただいているところである。
30
◯佐藤委員 先ほど辻
委員の答弁で、コロナがあってリスク分散型が進んでいくという話であった。しかし、リスク分散型を進めながら高速交通網を整備して100万人という数値を掲げる。あるいはもともとの県の計画でも、新幹線によって交流人口は1.5倍以上に増えると、こういう計画なわけである。だから、リスクは分散するが逆にリスクを呼び込むとこういうことにもなるわけで、その辺は県民にとっても分かりにくい点があるのではないかと思う。ただ、ここはきちんと整理をしないといけないのではないかということをもう一遍知事にお尋ねをする。
それから、併せて知事にお尋ねするが、原子力発電の問題は、20年後というのは御承知のように、全て40年超の原発になるわけである。もちろん60年を超えた原発もたくさん出てきているが、だから、どちらにしても、今後20年の間に全部の老朽化原発再稼働を認めるのかどうか、そういうことが問われてくるわけで、そういう焦眉の課題に対してどう立ち向かうかということが必要になってくると思う。
振り返ってみると、阪神淡路大震災で大きく日本の価値観が変わって、個人の住宅にも公的な支援をしようということで変わった。東日本大震災では、原発政策はこのままでいいのかということで変わったと思う。今回、コロナでもやはりいろんな価値観とか考え方が大きく変わることは間違いないと思う。だから、そういうところを踏まえて、今の2点について、もう一度知事にお尋ねする。
31
◯知 事 まず、リスク分散の話であるが、今の話の中のリスク、大きく言うと二つあって、分散型国家を求められているというのは、これは東京とか稠密なところの人が集まり過ぎることのリスクの大きさ、このおかげで東京も危ないし、東京からコロナウイルスが全国にだんだん増えていくというような状況をどうするかという意味のリスク分散と、一方で、人が地方から出勤という形で行ったり来たりもあると思うが、そういった形で人が移動することのリスクの分散のところについては、これは今の新しい生活様式もあるし、医療を改善していくことで回避していく。そういった方法で考えていくんだろうと思う。大きな方向としては、やはり稠密都市をどう分けるかという方向で社会が動くのだろうと思っている。
それから、原子力の課題については、これは大きな
長期ビジョンの中ではなくて、個別の課題として、おっしゃられるように、高経年化の問題もあると思うし、まさに先ほど申し上げた使用済み燃料をどうしていくのか、こういったことも含めて、県としても個別の課題としてしっかりと安全最優先でやらせていただきたいと考えている。
32
◯西本(恵)
委員 公明党の西本である。質問は1点だけである。
先月上旬、多くの企業の経営者の方々にいろんな声を聞いてきた。その感想としては、まさにコロナが社会構造を一気に変えているなということを実感をしているところである。最近のはやり言葉でいう「ゲームチェンジ」という言葉である。大きな変化があったから大きく変えていくチャンスがある。そのチャンスをものにできたところが今後日本を担っていくのだなという思いをしている。
知事も述べているように、太平洋側密集によるリスクとともに巨大地震のリスクもあって、今後企業活動を維持していくためには、そのリスクを回避するために日本海側に分散シフトすることが求められており、その備えができなかった企業は淘汰される、そういう思いもしている。若い人たちも、そういったことから将来に対し考え方の転換を求められているのではないかと思っている。
さて、今般策定された
長期ビジョン案と人口減少対策戦略案は大変良いものに仕上がっていると評価をしている。しかし、コロナによって社会構造の基軸に大きなずれが生じている今、将来の姿が変化しその変化も加速化をしている。地球がコロナによって大きく揺さぶられており、グローバル化による世界から日本への影響は全く想像ができない状況である。
一方で、もしかするとこれまで不可能だと思っていたことが可能になり、ひたむきな挑戦が時代を変え大きな成果を生むかもしれない、そういうような歴史的転換にいるような気がする。その視点から見ると、この
長期ビジョン案の将来像、分野によってはどうしてもセピア色に映ってきてしまう部分もある。だからといって、現時点において何か具体的に加筆修正ができるかというと、それも困難であり、それには時間が必要となる。
アフターコロナ時代を迎えるであろう数年後に向け、大きな成長の芽を見つけて、福井の位置を大きく変えるための強気の戦略が必要ではないか。特にこの一、二年間、福井の未来を変えるために何をするかが重要になってくる。したがって、アフターコロナを見据え、福井県を大きく確実に変えるための
長期ビジョンに衣替えさせるチームをつくり、集中的に財源を投資しながら様々な手を打つべきではないかと考える。
例えばスーパーシティ構想であるが、個人情報保護に課題があると言われているが、間違いなく未来はその方向に向かっている。いち早く取り組み、多くの企業や人材が福井に来ていただけるような環境をつくれないかと思うのである。
また、太平洋側のリスク回避のためのサプライチェーンの拠点化、水陸物流の拠点化、再生可能エネルギーの拠点化など、大きなチャンスを迎えているのかもしれない。
そこで、知事にお伺いする。
長期ビジョン案は現時点としては認めるとしても、これをたたき台、出発点として、アフターコロナに向け、さらに2年後ぐらいをめどにより進化したビジョン策定に取り組むべきではないかと考えるが、所見をお伺いをする。
33
◯知 事 ビジョンセミナーを8回させていただいたが、西本
委員にはほとんど出席いただいて、様々な指摘も頂いた。
今おっしゃられた新型コロナウイルス感染症、アフターコロナの状況が今は分からない、分かり切らないところは我々も十分認識をしているところである。2年後に社会がどう変わっているのか、その2年後からさらに20年後を見通したときはどうなっているのか、これについてははっきり申し上げて必ずしも明瞭でないところはたくさんあると思っている。
ただ、先ほども少し申し上げたが、今回のコロナ禍というのが今大きく見えている社会構造の変化というような中で考えると、いずれかといえば、福井が今まさに
長期ビジョンでやろうとしている方向性に沿っていくとか、前倒ししていくとか、さらに先にいく、こういうような方向に動いていく可能性が高いというふうに思っているところである。
そういう意味で、これから我々はこの
長期ビジョンをもとに直近の目先の話としても、例えば子どもが出て行くのをどうしていくかといったときに、大学を分散すべきだとか、それから、企業を分散するときにどうしたらいいかというときに、法人税の在り方を考えていったらいいんじゃないかとか、こういった方向性を提示をしていこうと思っている。こういうことをすることがまさにアフターコロナ、もしくはその20年後のこの
長期ビジョンに沿った福井県を目指す上でも、十分プラスになっていくんじゃないかと思っているところである。
そういうことで、今サプライチェーンの国内回帰、これも今回の予算でも県内にサプライチェーン、できるだけ福井に必要なものは福井でできるようにしていくということも盛り込ませていただいているが、個別のいろんな長期計画とか、それから予算とか施策、こういったものも実行プランの中の大きな政策も含めて、絡めながら20年後にこのアフターコロナ、2年後に見通せる福井の姿というのをさらに前に進めていくというのは大きくいえば可能なのかなと思っている。
ただ一方で、おっしゃられた大きな災害、首都直下地震とか南海トラフ地震、このときは日本経済はどうなるのか、日本の社会はどうなるのか、こういったことは今から見通せるわけでもないので、そういった大きな社会構造の変化、こういったことがあったような場合には、また議会の皆様方とも相談しながら検討していきたいと思っている。
34
◯細川委員 細川である。
長期ビジョン、当初予想よりも非常に時間、手間をかけて、でも、担当者の方はにこやかに前向きにつくっていただいたこと、本当に心より感謝する。
中身を見て、私は国づくりは人づくりと思っているところであるので、特に教育のジャンルのところに、ただ点数を取るというだけではなくて、地域を支える人材を育成するんだというようなことであるとか、それから、変化の多い社会であるから、学び直し、リカレント教育なんかもきちんと明記されているところ、非常にうれしく、高く評価して拝見させていただいたところである。
1点だけであるが、実は私も西本
委員や辻
委員のように、大きな社会変化に対して柔軟に見直しをかけていくというようなことは大事だというようなことで質問させていただこうと思ったのであるが、重複したので追加的に伺う。
大きなリスクに関しては、分散型で国全体のBCP的な考え方でいくんだということと、必要なときに考えていきたいということを知事がおっしゃっていたが、ただ、南海トラフ地震とか、首都直下とかいうのはあちらではもう来るんだということで想定して考えているし、あるいは、風水害は大分手だてができてきてはいるが、今回の感染症にしても、あるいは今後、もしかしたら通貨危機というのが来るかもしれない、そういう圏域を超えるようなリスク、大きなリスクというものに関して、起きてから考えるというとどうしても手探りのような感じがする。
もし来たらどうするか、あるいは福井で、福井の地震の断層だって見えているわけでもないのでどうなるか分からない。もし福井地震のようなことが起きたらどうなるだろうという、ある程度想定できるようなことというのはせめて初動をどうするかぐらいは前もって研究、検討されておいたほうがいいのではないかなと、今、答弁を聞きながら感じていたので、そのあたり、全く起きてからというよりは、考えてほしいなと思うが、知事いかがか。
35
◯知 事 細川
委員の指摘のとおり、危機管理というのはやはり最初動のところが一番重要であるので、最初動が遅れないためにはそれに対する備えを基本的に、何が起きてもできるようにしておくということは大切だと十分認識をしている。
そういう意味では、今回のコロナ禍に際しても、まずは我々が一番気にしたのは、秘書課でもし誰かが感染すると全員、誰も出てこれないような状況になるといけないということを意識をしており、引き続き今も知事と副知事の職場を分けて、今日は感染リスクは高くない状況であるのでこうして同席しているが、基本的にそういったことをまず第一に考えさせていただいている。
また、市や町といろんな形で連携を強めておくということは非常に重要だというふうに認識している。県は、基本的に市や町で何かが起きてできないときにバックアップしていく体制でいるが、そうでないときに、やはり市や町が自分で自立してやっていただかなくちゃいけない状況にもなる可能性があるわけであって、そういう意味では人の部分も今回から交流を始めて、県庁で持っているノウハウを市や町の職員にも分散していく、こういうこともやらせていただいている。
そのほか、BCPの観点は、各企業さんにも計画の策定も含めて進めているが、今の指摘のとおり、県としても様々な事象があるので、全てに網羅的にできるかどうかは分からないが、一つ一つ念頭に置きながら、何かあったときに事前に少しでも準備できるように、これからも備えをしていきたいと考えている。
36
◯細川委員 よろしくお願いする。知事出身の岐阜県は、最近、地震などが起きているし、助けにいかなきゃいけないような立場にもなる可能性だってあるかもしれない。本当に先が読めなくなってくるので、このあたりも余り決め決めというよりは柔軟にやっていただきたいなということを要望して終わる。
以上である。
37
◯田中(敏)
委員長 ここで、換気のため休憩する。
~休 憩~
38
◯田中(敏)
委員長 休憩前に引き続き、
委員会を開く。
39
◯仲倉委員 県会自民党の仲倉典克である。最後の質問者となったのでしばらくよろしくお願いしたいと思う。
今回、新型コロナウイルス感染症がもたらした影響を踏まえて、多少の点を確認しておきたいというふうに思っているが、今日の報道によると、アメリカでは1日5万人の感染、また、昨日、東京都では107名、感染が発表された。世界中で1,000万人を超える感染者が出ている中で、このコロナの存在というものが我々の生活環境、あるいは我々の価値観、そしてまた、社会のあるべき姿、いろいろなものを考えさせられた、そういうコロナの存在でなかったかというふうに思っているが、そんな中にあって、この
長期ビジョンの策定、1年間にわたって職員の皆さんも頑張っていただいて、こういったビジョンというのは目玉をいっぱいつくってぽんとやると手落ちがあったり、網羅できていないところに批判が出たり、また、いろいろな形でいろいろなお話を聞き過ぎると総花的になってしまって、結局インパクトがないものになってしまう。このビジョンのつくり方というのは非常に難しいところであるが、このまとめられた概要版にしても冊子にしても、よくここまでまとめられたなと一定の評価をするものである。
その中にあって、特にコロナ禍において、そしてまた、アフターコロナ、ウイズコロナ、いろいろな言われ方をしているが、今、東京都が1,400万の人口になったということである。コロナにおいて地方分散というものが叫ばれる中で、恐らく分散というものが進んでいくんだろうと思っているし、また、国外の産業というものも日本へ帰ってくる、そういう動きというものも加速化されるんだろうというふうに思っている。
そういう中にあって、今、この地方分散の人口の動向のうねりが起こったときに、福井県として果たしてそういった人たちの受皿になるべく、地域づくり、受皿というものがしっかりと整っていくのだろうか。そしてまた、そういうものを進めるためには何が必要なのかということを真剣に考えていかなきゃならない。他県にない個性というものもやっぱり大事になってくるであろうし、そしてまた、福井に住んで、安心感を与える医療や福祉、介護、いろいろなものもしっかりと伴っていかなきゃ、そういった受皿になるべく、福井県としてのステータスというものがつくられていかなきゃいけないんだろうと思っている。
今、海外でもフランスのパリなんかは、パリ首都圏在住の17%に当たる120万人が既にコロナを機に地方へ移っていったという事例も出てきているわけであって、そういった中でこのビジョンを見ると、当然UターンやIターン、新ふくい人、もういろいろな形で人口をここに定着させる、あるいは関係人口を増やしていく、いろいろな取組がここには込められているが、このコロナを機に日本の骨格が変わるというこの時期に、福井県がこの日本の人口の、そしてまたうねりの中での受皿となるべく、自治体としてこれからやっていくために相当な覚悟を持って、そしてまた、しっかりとしたビジョンと、そして、全体に対してのモデルをしっかりと示していくべきだと思うが、その点についていかがお考えか、知事の所見を伺う。
40
◯知 事 おっしゃられるように、今回のコロナ禍というのは、東京に住んでいる人が東京に住んでいていいのかという思いを持ちつつある。それからもう一つは、働き方として毎日そこに通わなくてはいけないというのが、どうしても東京から離れられない大きな理由であったが、そうでなくても仕事ができるというスタイルをつくってきた。そういう意味で、一つには可能性が広がったとともに、また実際の行動に結びつく、そういう素地ができたというふうに感じている。
そこに、さらに福井県の場合は新幹線ができたり、中部縦貫道、それから敦賀の港を整備していく、こういうことで人を集めていく素地もできるし、また、既に子育てについては、日本で一番、行政が一人一人に手厚く財源を充てていたりとか、また、学力・体力日本一に加えてさらには個性を伸ばすとか、それからまた学びを楽しむような、そういう教育もこれからしていく。こういう中で人を集めていく、そういった素地をさらに広げていきたいと思っている。
具体的に、これまでも地域おこし協力隊として福井県に多く入っていただいている。こういう方々は町なかというよりは、どちらかというと田舎、地域の中に入っていきたがる。現実に、これまでに100人以上の方が来られていて7割近くの方が県内に残ってくださっている。
また、新しい取組としては、いっときそこに住んでみる、観光でもなければ定住でもない「微住」ということであるとか、また、南越前町であると、「流動創生」というような、地域の行事とか農作業に参加するような人がいたり、また、河和田とか伝統工芸の産地も、その産地が一体となって人集めをするような産地合同説明会をやったりとか、また、美浜町では古民家を改修して、やっぱり古民家といういいものにみんなは引かれる、そういう素地があるわけであって、そこにお試し移住してみる。こういう取組が次々と起きている。これを県としても一生懸命応援しながら、都会から人が来る、そういう流れにしていきたいと考えている。
41
◯仲倉委員 都市と地方の連携、あるいは地方の中で中山間と都市との連携、いろいろな形で、そういった人のうねりというものをつくっていく。そういう先導的な役割を福井県が担っていく、そういうところを目指すべきなんだろうと思っている。
今東京在住の、特に若者を中心としてコロナを機に地方への移住を望む声が多く出ているという、内閣府の統計も出ているわけであるが、その中にあって、一番は長野県に住みたいというところもあるが、関東であれ関西であれ、福井県がそういった受皿になるべく、個性というものをしっかりと出していく、そういう必要性の中で、地産地消というものを、これは企業のサプライチェーンの見直しだけではなく、やはり我々の生活そのものも、サプライチェーンというものももう一度原点に返って考えてみる、そういうきっかけをつくっていかなきゃいけないんだろうと思っている。
福井県にはすばらしいものがある。すばらしいものを福井県民が知らないということもよく言われるが、そういうことも含めて、我々の生活、そしてまた、世界の憂いの中でこういった日本、そしてまた福井県、これからどのような形になっていくのかとても想像し得ない世界になっていくのであろうが、そういったところを踏まえて、
長期ビジョンと照らし合わせながらやっていかなきゃいけないんだろうと思っている。
1点だけ。私のライフワークでやっているスポーツ、文化の点について一つ伺いたいのであるが、今この
長期ビジョンでも文化、スポーツによるエンタメふくいの実現というものがうたわれている。
このコロナで最もと言っても過言ではないほどこのスポーツ、文化界への影響というのが計り知れないほど大きかったということは知事も承知していると思うが、3月に設立した福井県スポーツまちづくり推進機構の活動もなかなか思いどおりにいかない、そういう状況もある。やはりスポーツ、文化というのは小さな福井県にとってはこれからのまちづくりを大きく前進させる起爆剤になり得る役割を果たしていくものと私は確信をしており、コロナでこういったものが全部沈んじゃったことになると、福井県の一つの可能性というものを潰してしまうんじゃないかということも思っているわけであって、これからこのスポーツ、文化の福井県にとっての役割の重要性に鑑みて、特に
長期ビジョンでも触れられているそういった思いをどのように具体化していくのか、知事の所見を伺いたいと思う。
42
◯知 事 地域社会が活力を持っていく上では、先ほども活力人口のところで申し上げたが、人数の上に、やはり一人一人の活動量、活動量はもちろん人としての移動量というのもあるが、心の熱さというか、そういうものはとても大事だというふうに考えている。そういう意味では「ワクワクドキドキ」というのは非常に重要だと思っており、最近の例で申し上げると、「ふくいdeお泊りキャンペーン」というのをやらせていただいた。県内でお泊まりする、今まで余りなかったと思う。特に温泉に行って2万円も3万円もお金を払って泊まるということはなかったと思うが、今回県民の皆さんが県内でもぜひ行ってみたいということで物すごく応募をいただいて、さらに何とかこの先も続けていきたい、こういうふうに考えるようになったわけである。
そうした観光もそうであるが、やはりスポーツと文化、これはとても大事だというふうに思っている。特にプロスポーツが、今年はプロ野球も開幕が非常に遅れて今も無観客でやっている。Jリーグもそういう状況にあるわけであるが、こういう中で、新しい動きも出てきている。
例えばスポーツで、野球の福井ワイルドラプターズはユーチューブで中継を始めて、主催者側がそれにいろんなコメントも載せてやっていく。プロ野球を見ていても、今までは歓声ばかり聞こえてきていたのであるが、それが、打球がバットに当たる瞬間とか、ホームランが座席のところにぼんと当たる、「ぼん」という音まで聞こえてくるという新しい楽しみ方、こういうものも知ることができたし、さらに言うと、もう一つの取組としては、そこに声援が届くようにするとか、投げ銭するとか、こういうシステムまで出てきているわけであって、そういう意味では、無観客でやっているから給料はなかなか厳しい状況になっていくかもしれないが、一方で、福井県民の方はなかなか現場までスポーツの応援に行けないときも、そういったユーチューブで流してもらってみんなで声援を送ったり、投げ銭したりと、こういったことが可能な状況ができてきたわけであるので、そういう意味では応援の仕方について広がったわけで、我々としてもこういったことを何とか県内のプロスポーツが育っていく、または、アマチュアでも最高のレベルの活躍にみんなが応援できるような体制、こういったものを我々としてもしっかりと支援をしていきたいと思うし、文化の面でも、今まではホールの中でみんなが音楽を聴く、もちろん臨場感は非常に重要であるので今後とも大事にしていく。アフターコロナはしっかりと文化の応援もさせていただくが、ただ、例えば屋内のものを屋外にするとか、また、町なかで歩きながら、お店の中に、まだ名前も知れないがいい絵を描かれるような若手の作家の絵を飾って、欲しいという人がいれば売って差し上げるとか、こういうような新しく文化を楽しむ、そういう素地もこれからはできてくるというふうに考えているところである。
そういう意味では、今回のコロナ禍、今、非常に大きな影響を与えているので、そういった方々の仕事を続けるということをまず応援をしないといけないが、その次に向かって、私どもとしても強力に応援をしていく、支援をしていきたいと考えている。
43
◯仲倉委員 スポーツ、文化、こういった分野というのは非常に伸びしろがある、そしてまた、可能性が無限にある素材であるから、しっかりと位置づけながらやっていただきたいと思っている。
最後に、このコロナにより、最悪の場合は世界恐慌まで突き進んでしまうんじゃないかという、非常に悲観的な見方もあるわけである。いずれにしても世界中が変わってくる、国際協調の在り方も変わってくるのである。そしてまた、国の中の、先ほど申し上げたような国土計画というものも変わってくるのではないかと思っている。これから我々が想像し得ない社会に変貌を遂げていこうとする中で、2040年の姿、それを正確に反映していくというのは難しいところがあるんだろうと思う。
今日もそれぞれの
委員から指摘もあったように、やはりこれからいかなる事態が起こるか分からない。そういう中で、やはりこのビジョンというものもそれに合わせてある程度柔軟に見直して、そしてまた、それをまたさらに実行してみんなでやっていこうという、そういったところの認識と思いを、最後に知事に伺いたいと思う。
44
◯知 事
委員指摘のとおり、今回の
長期ビジョンの案は、現状においては新型コロナウイルス感染症の拡大ということも踏まえた上で策定をさせていただいているところである。そういう意味では、
長期ビジョンであるので、数値目標の計画をつくっているというのはちょっと性格が違っているので、大きくは将来像を県民の皆さんと共有をするものであって、いつも見直すということとは性格は違うというふうには思っているが、とはいえ、全く決めつけて、このとおり行くんだというふうに考えているわけではないので、やはり何が起きるか分からない、大きな地震は、地震としては想定しているが、どんな形でどういうふうに影響を及ぼすかも分からないし、感染症もコロナ以外のもっと大きなヤマが来る可能性もあるわけであるし、おっしゃられるような恐慌というようなことも起きてくる可能性もある。今とても想像できないようなことが起きるということは十分にあり得るわけである。
そうした現状において、この将来構想、策定している間に想定できないような大きな社会の構造の変化があった場合には、先ほど申し上げたが、議会の皆さんとも相談もさせていただくし、その上でやはり具体的にも将来構想そのものを必要に応じて見直していく、こういうことについても我々としては柔軟に対応していきたいと思っているところである。
45
◯仲倉委員 今、柔軟に対応していくという言葉も頂いた。私どもも議会として二元代表制の一翼を担う一つの存在として、これを議決するからにはそういった思いを附帯決議という形で皆さんに承認をいただきたいと思うが、お手元に案文を配付をさせていただきたい。
質問は、これで終了する。
46
◯田中(敏)
委員長 ただいま仲倉
委員より、第58号議案について附帯決議をつけてはどうかという提案があった。附帯決議を配付する。
〔附帯決議案配付〕
──────────────
第58号議案 福井県
長期ビジョンの策定についてに対する附帯決議(案)
福井県
長期ビジョンは、約20年後の2040年ごろを展望した本県の将来像であり、県行政に係る基本的な方向を総合的かつ体系的に定める計画として位置付けられるものである。
当
委員会では、昨年9月以降、
長期ビジョンの策定に向けて議論を重ねてきたところであるが、そのような中、中国武漢市に端を発した新型コロナウイルスの感染は、我が国を含め全世界に瞬く間に拡大し、人々の社会経済活動や価値観にまで大きな影響を及ぼすこととなった。
我が国においては、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言は5月25日に全国で解除されることとなったが、感染は完全には収束しておらず、世界における感染は依然として加速傾向にある。
今回提出された
長期ビジョンの最終案では、都市部への人口集中と過密が感染症リスクを拡大することや、国土政策の見直しの必要性、関連する施策等について触れているが、新しい生活様式の定着をはじめ、今回の感染拡大が、我が国や本県における社会経済活動に、将来に渡って具体的にどのような影響をもたらすのか、現時点で全て見通すのは難しい状況にある。
よって、県は、今後の社会経済情勢の変化を注視するとともに、適宜、
長期ビジョンについて検証と見直しを行い、政策・施策に反映するよう求める。
以上、附帯決議する。
令和2年7月3日
福井県
長期ビジョンに関する
特別委員会
──────────────
47
◯田中(敏)
委員長 附帯決議については、第58号議案の採決の後にお諮りする。
ほかに
発言はないか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
48
◯田中(敏)
委員長 ほかにないようであるので、質問は終了する。
〔斉藤
委員挙手、
委員長指名〕
49 ◯斉藤
委員 この
長期ビジョンの附帯決議ということであるが、本来、これは
長期ビジョンの
特別委員会であるから、附帯決議というのは本会議をもって決議をするというのが筋だというふうに思うが、その点はいかがか。
50
◯田中(敏)
委員長 この
委員会に議案が付託されているので、その採決に当たって、
委員会として附帯決議をつけることは可能である。そういうことで進めていく。
ほかにないか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
51
◯田中(敏)
委員長 これより付託議案に対する討論に入るのであるが、ただいまのところ通告はないので討論は終結する。
これより採決に入る。
採決は、2回に分けて起立によって行う。
それでは、まず、第58号議案「福井県
長期ビジョンの策定について」を原案のとおり決定することに賛成の方は、起立願う。
〔賛成者起立〕
52
◯田中(敏)
委員長 起立多数である。よって本件は原案のとおり決定した。
次に、仲倉
委員から提案のあった第58号議案に対する附帯決議についてお諮りする。
内容についてはお手元に配付してある案のとおりとし、そのとおり附帯決議として付することに賛成の方は起立願う。
〔賛成者起立〕
53
◯田中(敏)
委員長 起立全員である。よって、附帯決議をすることに決定した。
次に、第59号議案「第二期ふくい創生・人口減少対策戦略の策定について」を原案のとおり決定することに賛成の方は起立願う。
〔賛成者起立〕
54
◯田中(敏)
委員長 起立全員である。よって本件は原案のとおり決定した。
以上で、今回付託を受けた議案及び付議事件の審査は終了した。
本
委員会は昨年6月定例会において設置され、本県の
長期ビジョン及び人口減少対策戦略について審査を行ってきた。その間、定例会ごとに
委員会を開催し、また、それぞれの会派等で十分議論をしていただき今ほど議案を議決し、第58号議案については附帯決議を付した。今後、
長期ビジョン、人口減少対策戦略については常任
委員会等でその進捗等を十分議論していただきたい。
したがって、当
委員会に付議された事件の審査は本日をもって終了することとし、議長宛て最終報告書を提出したい。このことに賛成の方は起立願う。
〔賛成者起立〕
55
◯田中(敏)
委員長 起立全員である。よってそのようにする。
委員長報告及び審査報告書については私に一任願う。また、
委員会記録の作成については、
委員会条例第27条の規定により私に一任願う。
以上で、福井県
長期ビジョンに関する
特別委員会を閉会する。
~以 上~
福井県
長期ビジョンに関する
特別委員会
委員長 田中 敏幸
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