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  1. 福井県議会 2020-02-26
    令和2年第410回定例会(第3号 一般質問) 本文 2020-02-26


    取得元: 福井県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-12
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいタブが開きます) 令和2年第410回定例会(第3号 一般質問) 本文 2020-02-26 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ窓表示 ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者一覧に移動 全 171 発言 / ヒット 0 発言 表示発言切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示 すべて選択 すべて解除 1 ◯議長田中宏典君) 2 ◯議長田中宏典君) 3 ◯議長田中宏典君) 4 ◯13番(力野 豊君) 5 ◯議長田中宏典君) 6 ◯知事杉本達治君) 7 ◯議長田中宏典君) 8 ◯交流文化部長(白嵜 淳君) 9 ◯議長田中宏典君) 10 ◯13番(力野 豊君) 11 ◯議長田中宏典君) 12 ◯知事杉本達治君) 13 ◯議長田中宏典君) 14 ◯土木部長大槻英治君) 15 ◯議長田中宏典君) 16 ◯13番(力野 豊君) 17 ◯議長田中宏典君) 18 ◯知事杉本達治君) 19 ◯議長田中宏典君) 20 ◯地域戦略部長前田洋一君) 21 ◯議長田中宏典君) 22 ◯13番(力野 豊君) 23 ◯議長田中宏典君) 24 ◯副知事中村保博君) 25 ◯議長田中宏典君) 26 ◯13番(力野 豊君) 27 ◯議長田中宏典君) 28 ◯4番(山本 建君) 29 ◯議長田中宏典君) 30 ◯知事杉本達治君) 31 ◯議長田中宏典君) 32 ◯地域戦略部長前田洋一君) 33 ◯議長田中宏典君) 34 ◯4番(山本 建君) 35 ◯議長田中宏典君) 36 ◯知事杉本達治君) 37 ◯議長田中宏典君) 38 ◯健康福祉部長窪田裕行君) 39 ◯議長田中宏典君) 40 ◯教育委員会教育長豊北欽一君) 41 ◯議長田中宏典君) 42 ◯4番(山本 建君) 43 ◯議長田中宏典君) 44 ◯6番(細川かをり君) 45 ◯議長田中宏典君) 46 ◯知事杉本達治君) 47 ◯議長田中宏典君) 48 ◯総務部長(近松茂弘君) 49 ◯議長田中宏典君) 50 ◯地域戦略部長前田洋一君) 51 ◯議長田中宏典君) 52 ◯健康福祉部長窪田裕行君) 53 ◯議長田中宏典君) 54 ◯土木部長大槻英治君) 55 ◯議長田中宏典君) 56 ◯教育委員会教育長豊北欽一君) 57 ◯議長田中宏典君) 58 ◯3番(松崎雄城君) 59 ◯議長田中宏典君) 60 ◯知事杉本達治君) 61 ◯議長田中宏典君) 62 ◯交流文化部長(白嵜 淳君) 63 ◯議長田中宏典君) 64 ◯3番(松崎雄城君) 65 ◯議長田中宏典君) 66 ◯知事杉本達治君) 67 ◯議長田中宏典君) 68 ◯地域戦略部長前田洋一君) 69 ◯議長田中宏典君) 70 ◯健康福祉部長窪田裕行君) 71 ◯議長田中宏典君) 72 ◯教育委員会教育長豊北欽一君) 73 ◯議長田中宏典君) 74 ◯3番(松崎雄城君) 75 ◯議長田中宏典君) 76 ◯地域戦略部長前田洋一君) 77 ◯議長田中宏典君) 78 ◯教育委員会教育長豊北欽一君) 79 ◯議長田中宏典君) 80 ◯3番(松崎雄城君) 81 ◯議長田中宏典君) 82 ◯教育委員会教育長豊北欽一君) 83 ◯議長田中宏典君) 84 ◯3番(松崎雄城君) 85 ◯議長田中宏典君) 86 ◯教育委員会教育長豊北欽一君) 87 ◯議長田中宏典君) 88 ◯議長田中宏典君) 89 ◯1番(野田哲生君) 90 ◯議長田中宏典君) 91 ◯知事杉本達治君) 92 ◯議長田中宏典君) 93 ◯交流文化部長(白嵜 淳君) 94 ◯議長田中宏典君) 95 ◯1番(野田哲生君) 96 ◯議長田中宏典君) 97 ◯知事杉本達治君) 98 ◯議長田中宏典君) 99 ◯産業労働部長(国久敏弘君) 100 ◯議長田中宏典君) 101 ◯1番(野田哲生君) 102 ◯議長田中宏典君) 103 ◯地域戦略部長前田洋一君) 104 ◯議長田中宏典君) 105 ◯産業労働部長(国久敏弘君) 106 ◯議長田中宏典君) 107 ◯1番(野田哲生君) 108 ◯議長田中宏典君) 109 ◯28番(佐藤正雄君) 110 ◯議長田中宏典君) 111 ◯知事杉本達治君) 112 ◯議長田中宏典君) 113 ◯総務部長(近松茂弘君) 114 ◯議長田中宏典君) 115 ◯交流文化部長(白嵜 淳君) 116 ◯議長田中宏典君) 117 ◯安全環境部長(清水英男君) 118 ◯議長田中宏典君) 119 ◯土木部長大槻英治君) 120 ◯議長田中宏典君) 121 ◯28番(佐藤正雄君) 122 ◯議長田中宏典君) 123 ◯知事杉本達治君) 124 ◯議長田中宏典君) 125 ◯安全環境部長(清水英男君) 126 ◯議長田中宏典君) 127 ◯議長田中宏典君) 128 ◯19番(鈴木宏治君) 129 ◯議長田中宏典君) 130 ◯知事杉本達治君) 131 ◯議長田中宏典君) 132 ◯健康福祉部長窪田裕行君) 133 ◯議長田中宏典君) 134 ◯19番(鈴木宏治君) 135 ◯議長田中宏典君) 136 ◯知事杉本達治君) 137 ◯議長田中宏典君) 138 ◯健康福祉部長窪田裕行君) 139 ◯議長田中宏典君) 140 ◯19番(鈴木宏治君) 141 ◯議長田中宏典君) 142 ◯22番(畑 孝幸君) 143 ◯議長田中宏典君) 144 ◯知事杉本達治君) 145 ◯議長田中宏典君) 146 ◯総務部長(近松茂弘君) 147 ◯議長田中宏典君) 148 ◯地域戦略部長前田洋一君) 149 ◯議長田中宏典君) 150 ◯交流文化部長(白嵜 淳君) 151 ◯議長田中宏典君) 152 ◯産業労働部長(国久敏弘君) 153 ◯議長田中宏典君) 154 ◯土木部長大槻英治君) 155 ◯議長田中宏典君) 156 ◯22番(畑 孝幸君) 157 ◯議長田中宏典君) 158 ◯11番(田中三津彦君) 159 ◯議長田中宏典君) 160 ◯知事杉本達治君) 161 ◯議長田中宏典君) 162 ◯安全環境部長(清水英男君) 163 ◯議長田中宏典君) 164 ◯農林水産部長(森川峰幸君) 165 ◯議長田中宏典君) 166 ◯土木部長大槻英治君) 167 ◯議長田中宏典君) 168 ◯教育委員会教育長豊北欽一君) 169 ◯議長田中宏典君) 170 ◯議長田中宏典君) 171 ◯議長田中宏典君) ↑ リストの先頭へ ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長田中宏典君) これより、本日の会議を開きます。                ━━━━━━━━━━━━━━━ 2 ◯議長田中宏典君) 本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりと定め、直ちに議事に入ります。                ━━━━━━━━━━━━━━━   第1 第1号議案から第49号議案まで(49件)及び第98号議案から第124号議案まで(27件)     並びに報告第39号から報告第41号まで(3件) 3 ◯議長田中宏典君) 日程第1を議題といたします。  これより、21日の本会議に引き続き、各議案に対する質疑及び県政全般にわたる質問に入ります。  よって、発言は、お手元に配付いたしました発言順序のとおりに願います。  力野君。     〔力野 豊君登壇〕 4 ◯13番(力野 豊君) 県会自民党の力野でございます。一般質問初日、しかもトップバッターの時間を頂戴いたしました。県政の諸課題について質問と提言をさせていただきます。知事初め、理事者には前向きで誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。  さて、新型肺炎のコロナウイルスでありますが、国内では感染が広がり終息の兆しがいまだ見えません。県内では感染の報告はございませんが、健康福祉部初め全部局が一丸となって、予防対策並びに感染が広がらないような対策をしっかりお願いしたいと思います。けさほど、昨日開かれました感染症警戒本部会議の資料もいただきましたけれども、とにかく県内では拡散させないという思いでしっかりと取り扱っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは質問に入らせていただきます。  初めに、新幹線開業を見据えた観光政策について伺います。  敦賀から県庁に通う高速道路を走っていきますと、新幹線のルート上では高架橋の現場やトンネルの出口、入口の工事が日に日に変わっていく様子がうかがえます。敦賀市の駅舎は地形上の制約で地上高が日本一高い新幹線駅になるため、超大型のクレーンが林立しており、かつて見たことのないような景色になっております。車両基地の整備もあり、市内は何となくにぎわっているように感じますが、これは特需であり肝心の新幹線開業後の受け皿となる政策はいまだ具体的にはなっていないと思っております。  新幹線工事も佳境になり、いよいよ3年後の敦賀開業に向けてカウントダウンであり、観光客受け入れの準備もまさに待ったなしという状況かと思います。県においても、ふくい観光ビジョンや新幹線開業プランなど新しい計画を策定され、恐竜博物館や一乗谷朝倉氏遺跡資料館のリニューアルなど具体的な大型プロジェクトも進められております。嶺南においても、この3月には三方五湖の山頂公園がリニューアルオープンするなど、ハード整備も進んでおります。ただ、こうした観光地への誘客を図るためには各地の魅力発信と同時に、当然のことではありますが何よりも二次交通の充実が求められるわけであります。とりわけ、終着駅となる敦賀駅から嶺南地域全体への誘客が本県の大きな課題であろうと思います。  そこでまず、嶺南地域のバスやレンタカー、タクシーなど二次交通の充実について、今後何をどう進めるのか、その中で中心となるJR小浜線のさらなる充実に向けて、増便や高速化、ソフト面やサービス面の向上をどう進めるのか伺います。  また、昨年運行された「くろまつ号」は大変好評でありました。今後の運行計画についてもあわせて知事の所見を伺います。  嶺南地域の交通施策の充実に向けては、嶺南地域公共交通網形成計画の案が今議会に示されました。計画案では三つの柱、「日常の移動手段としての公共交通の利便性向上」、「観光周遊に利用できる公共交通の確保」、「公共交通を中心としたまちづくりやライフスタイルの定着」が示され、それぞれごとに計画終了期間である令和6年度における目標値も定められております。この計画をしっかり実行に移し、嶺南地域の公共交通の充実を進めてほしいと思います。さて、これらの事業を実施していく上で財源の問題がありますが、同計画では嶺南快速鉄道基金の活用が示されました。しかし、県内全体の二次交通や並行在来線運営など他の事業財源とのバランス、整合性から、財源は基金に特定されるものではないと思います。
     県はこの基金を今後どのように活用されていくのか、知事に伺います。  嶺南地域の観光文化行政について伺います。敦賀開業まであと3年となる中、今議会において恐竜博物館の機能強化について93.9億円の予算規模、経済波及効果などが示されました。北陸新幹線の終着駅となる敦賀を初め、嶺南地域にも開業効果を行き渡らせるためにも、ぜひ、嶺南地域における観光、文化施設の整備について検討してほしいと思います。  昨年9月議会の一般質問において、嶺南における県立の観光拠点や文化交流施設の整備についてお尋ねしたところ、知事からは「今後必要となる観光施設等の整備について、嶺南の市や町とよく相談をしながら検討を進めていく」といった前向きな御答弁をいただきましたが、このことについて今回のふくい観光ビジョン及び新年度予算にどう具体化されたのか伺います。 5 ◯議長田中宏典君) 知事杉本君。     〔知事杉本達治君登壇〕 6 ◯知事杉本達治君) 力野議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、観光行政について、嶺南地域の二次交通の充実、小浜線の充実についての御質問にお答えを申し上げます。  北陸新幹線の敦賀開業の効果を嶺南地域全体に及ぼすという意味で、現在嶺南地域の公共交通網形成計画の策定を進めているところでございまして、その中で嶺南地域の二次交通についてもうたわれているところでございます。具体的に申し上げますと、例えば、今スマホなどで検索サイトがございますけれども、こういうところにバスの接続の時間とかバスの運行表、こういったものを一定の様式に従って発信をすることでグーグルとかいろんなところにも掲載されるわけでございまして、そういったことを行っていくということですとか、また主要な観光地、駅との間を結ぶような観光バスの設置ですとか、EVとかサイクリング自転車をシェアするような、シェアEV、シェアサイクル、こういったことも駅周辺で行っていくというようなことも書かれているところでございまして、こういったことを事業者さんとか、さらには市や町とともにこれからも進めていこうというふうに考えているところでございます。  また、小浜線の充実につきましては、既に来月から、例えば通勤・通学時間帯の増便、それから小浜と敦賀駅の間の運行時間を短くするといったことを始めさせていただきます。さらなる増便ですとか、さらには運行時間を短縮していくことですとか、それからまた運休がどうしても起きやすいのが小浜線でございますので、そういったことを減らすための方策、基盤の整備などについてもJRですとか沿線の市や町とともによく研究、検討もさせていただきたいと思っているところでございます。  さらに御指摘のございました「くろまつ号」、観光列車につきましても来年度におきましても運行の計画を予算案の中で盛らせていただいておりますし、さらには嶺北から小浜線のほうに来ていただくようなモニタリングのツアーなども検討しております。そうすることで観光列車を常態的に置けるような、そういったこともこれから考えていきたいというふうに思っております。  続きまして、嶺南快速鉄道基金の活用についてお答えを申し上げます。  嶺南快速鉄道の基金につきましては、もともと嶺南快速鉄道というのは嶺南地域から関西にできるだけ早く行けるようにしようということと、それから嶺南地域の地域交通の利便性を高めようということでつくられた基金でございます。そういう意味から言いますと、新幹線の小浜-京都ルートが認められた、そういうような中においても、やはり一つには地域交通の利便性を高めていくという目的はまだございますし、さらには新幹線の駅舎周りとか、いろんな形で新幹線の利便性を上げるための方策に活用していくということは大切なことだろうというふうに考えているところでございます。そういう意味で、新幹線の敦賀開業、また、それから先の大阪への開業に向けて、地域交通の利便性向上策にそのお金を使っていくということを検討しているところでございます。  今回の嶺南地域の公共交通網形成計画の中でも、例えば観光列車ですとか、またICカードが使えるようにしてほしいというような要望も非常に強かったというところでございます。また、観光も含めて駅からの広域のバスの運行、こういったことの要請も強いわけでございまして、嶺南全域に効果がもたらされるような、そういったことに使っていきたいと考えているところでございます。  また、令和2年度におきましては、小浜線の利用促進に向けて観光列車の運行のほか、先ほども申し上げましたけれども嶺北地域からモニターツアーが来て小浜線がさらに使われるような、そういったことの企画もしてまいりたいと考えているところでございます。  その他については、担当より御答弁申し上げます。 7 ◯議長田中宏典君) 交流文化部長白嵜君。 8 ◯交流文化部長(白嵜 淳君) 私からは1点、嶺南地域における観光施設などの整備について、ふくい観光ビジョン及び新年度予算にどう具体化されたのかというお尋ねについてお答えさせていただきます。  ふくい観光ビジョンでは、嶺南において磨き上げを行う代表的な観光拠点として、敦賀港周辺や三方五湖周辺、若狭湾沿岸を挙げさせていただいております。新年度予算では、三方五湖周辺でのサイクリングルート整備に向けた検討会議の開催でありますとか、赤礁崎オートキャンプ場の施設改修などの予算を計上しているところでございます。  また、周遊・滞在型観光推進事業におきましては、道の駅若狭おばまのレストラン整備、物販機能の拡充でありますとか、高浜漁港にレストランや市場を備えた6次産業施設整備、若狭町の熊川エリアと美浜町の新庄エリアを中心とするトレイルコースのPR、こういった市町事業への支援なども計上しているところでございます。また、新たな観光拠点の整備につきましても、引き続き嶺南の市町と相談しながら検討を進めていきたいと考えております。 9 ◯議長田中宏典君) 力野君。 10 ◯13番(力野 豊君) 2番目にお伺いしました基金の件でありますけれども、嶺南全体の観光振興の中に基金の活用は当然であります。それはもうそのとおりでありますけれども、また、一般財源についてもこの中でうたわれる事業にしっかりと確保していただきたいと、そういうふうに思っております。今の御答弁は、基金はこういうふうに使うんだということをいただきましたけれども、一般財源についてもしっかりと投入していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、災害対策と公共事業について伺います。  台風の被害が続いていますが、県内の水害対策として河川整備の推進が急務であろうかと思います。地域住民の安全・安心のため、また本当に住みよい福井県とするためには、少しでも早く事業を進めることが重要であります。  既に事業化された計画河川整備の前倒しを行うとともに、特に地域防災力の充実の観点から地元企業に発注し地元企業を育てなければならないと思いますが、所見を伺います。  また、敦賀土木事務所、小浜土木事務所は、今年度で原子力制圧道路は完成となります。事務所予算は制圧道路を除けば半減することになります。近年制圧道路の予算が大きい分、他の公共事業は抑えられてきたようでございますが、来年度以降、極端に総予算が減らないか危惧しております。  当該土木事務所の建設業者の体制の維持に向けて、両事務所の予算の確保が必要ではないかと思いますが所見を伺います。  また、鉄道や道路の整備とあわせ、海運、物流も大変重要であります。  県の重要港湾である敦賀港では昭和38年に港湾計画を策定し、これまでに3度の改定を行っていますが、物流産業の人手不足によるモーダルシフトの進展で、内貿貨物の増加、クルーズ船の誘致、RORO船航路の開設、バイオマス発電所稼働に伴う大量の燃料チップの輸入など現状と計画の乖離が大きくなってきております。さらに、太平洋側港湾での災害が発生した場合のバックアップ機能の確保や、IT技術を活用したターミナルの高度化、インバウンド需要の増加など新たな港湾利用への対応が求められるとともに、リードタイムの問題や港における人手不足といった課題もあります。  このため、県では現在、敦賀港の施設規模や配置など長期的な利用方針を定め、港湾機能の強化や荷役の効率化に向けて港湾計画の改定に取り組んでおられます。この計画については私も大変期待をしておりますが、ソフト面の充実がなくてはハードの整備も効果が半減するのではないでしょうか。敦賀港が真の日本海の重要港湾となるためには、「仏つくって魂入れず」ではありませんが、ハード整備とあわせてソフト事業の充実も必要ではないかと思います。そのためには、港湾機能の拡大に向けた特区のような敦賀港拡大路線を見据えた大胆な改正も必要と考えます。  福井県の玄関口となる敦賀港について、港湾計画の改定に当たり、どういった将来展望を描いておられるのか伺います。  また、人手不足などさまざまな課題がある中で、その将来像に向けてハード・ソフト両面でどう事業に取り組んでいく予定なのか、知事の所見を伺います。 11 ◯議長田中宏典君) 知事杉本君。 12 ◯知事杉本達治君) 私からは敦賀港の港湾計画の改定に当たりまして、将来の展望と、それからどのように取り組んでいくのかといった点について、お答えを申し上げます。  敦賀港の港湾計画の改定に当たりましては、一つにはやはりハードの整備を着実に実施していこうということで、例えば鞠山南地区の岸壁の整備を行いますので、その後ろ側の後背地のところの整備をしっかりと行っていく。それからまた、埠頭の再編を行いまして、より効率的に船を回せるような体制にもしていく必要があると考えているところでございます。また、貨物の管理の仕方をできるだけ効率的に物事を管理できるような、例えば次世代のユニットロードシステムを導入するとか、こういったことの検討も進めてまいりまして、世界でも最高水準の荷役の効率化を図っていこうというふうに考えているわけでございます。  その上でソフト面のことについて、非常に重要だというふうに思っております。ちょうど今は人手不足の観点から、陸運から海運のほうにシフトしていくというような時期になっておりまして、そういうことと、やはり危機管理の面から、太平洋側の港湾から日本海側のほうに荷物が移ってくる、こういういい時期に来ておりますので、そういったときに投資もしやすい環境になっていくということでございます。  そういう意味で、先ほど申し上げたハード、それから荷役の効率化、省力化を図っていきながら、貨物の増、それから働きやすい環境、両面を進めていきたいというふうに考えているところでございますし、また、昨年開港120周年のときの意見交換会の中で、若い人がもっと港湾に関心を持ってもらう必要があるというような御意見もございました。そういうことで若い方に港湾を見ていただけるような機会をつくっていくということも考えていきたいと思っておりまして、そういう意味で、ハードとソフトの両面から、この敦賀港がさらに活用されるように進めてまいりたいと考えているところでございます。 13 ◯議長田中宏典君) 土木部長大槻君。 14 ◯土木部長大槻英治君) 私からは2点。まず事業化された河川整備の前倒し、それから地域防災力充実の観点からの地元企業の発注、育成についてのお尋ねでございます。  事業化しております県管理河川の整備につきましては、国の社会資本整備総合交付金等に加えまして、防災・減災、国土強靭化のための3カ年緊急対策等によりましてスピードアップを図っているところでございます。具体的には、福井市の底喰川などの整備を進めているほか、令和元年の補正予算を活用して敦賀市の井の口川でありますとか勝山市の大蓮寺川などにおいて、河道の拡幅でありますとか放水路の整備を加速する予定としております。また、地域の安全・安心を担う地元企業の育成については、地元の企業に加点される地域防災力維持型の落札方式を活用いたしますとともに、受注機会の確保のために分離分割発注に努めていく、このように考えております。  次に、敦賀土木事務所、小浜土木事務所管内の建設業界の体制維持に向け、両事務所の予算確保が必要との御指摘でございます。  嶺南地域の公共事業につきましては、制圧道路並びに河内川ダムなどの大型事業が完成いたしますけれども、これらの事業を除いて令和元年度の6月補正の予算と比較いたしますと、令和2年度の当初予算は約3億円の増額という形になっております。具体的に推進する事業としては、敦賀駅東線の道路整備、それから敦賀市笙の川、井の口川の河川改修、それから小浜市西津橋、大手橋の架けかえなどがありまして、早期の完成を目指して必要な事業費を確保してまいります。またそのほか、国による国道8号敦賀防災でありますとか、高速道路会社による舞鶴若狭自動車道の4車線化に向けた事業が進められているところでございますので、こういった事業に対して県内の建設事業者が活躍できるように国などに働きかけてまいりたいと考えております。 15 ◯議長田中宏典君) 力野君。 16 ◯13番(力野 豊君) ありがとうございます。特に河川の予算についてはしっかりと確保していただきたいと思います。  次に、人口減対策について伺います。  新年度予算ではさまざまな新規事業が盛り込まれていますが、福井県の将来の維持発展に向けては人口減対策が一丁目一番地の課題であり、何よりも重要ではないかと思います。先月末に総務省が公表した人口移動報告によりますと、東京一極集中がさらに加速、本県の転出増加率は最大となっており、特に社会減対策は待ったなしの状況でございます。平成31年3月の本県へのUターン率は32.1%と過去最高を記録しており、平成27年度以降5年連続で上昇しているとのことでございますが、嶺北や一部の市に集中しているのではないでしょうか。  嶺南地域のUターン率は、嶺北と比較してどういう状況にあるのか伺うとともに、今後、社会減対策について具体的に何をどう進めていくのか、またどういった目標を掲げているのか伺います。  知事は、嶺南地域をWAKASAリフレッシュエリアと銘打ち、関西地域に近い絶好のロケーションを生かして移住、定住を進める、観光客をふやす、ボランティアなどの関係人口をふやすことに力を入れていくとのお考えを聞いております。今回お示しいただきました長期ビジョンにも、「関西との近接性を生かしてまちづくりや産業のプレイヤーを呼び込み、嶺南で文化的・健康的に生活できるエリアを形成します」との記載があります。  今後、WAKASAリフレッシュエリア構想をどう具体化していくのか、知事に伺います。 17 ◯議長田中宏典君) 知事杉本君。 18 ◯知事杉本達治君) 私からはWAKASAリフレッシュエリアの御質問についてお答えを申し上げます。  長期ビジョンの中でも明らかになっておりますけれども、北陸新幹線が敦賀から大阪まで開業いたしますと小浜と京都の間は19分で結ばれるということで、関西の方々が移り住んでくる地域として若狭が選ばれるのではないかということで、そういった地域をつくろうということがWAKASAリフレッシュエリアの基本的な考え方でございます。  言葉にも、WAKASAというところはローマ字で書かせていただいていますけれども、ここのところは、一つは若狭地方というと敦賀が抜けるのかということになりますけれども、それはそうではなくて若狭湾全体の地域ということを指しているという意味と、もう一つ、若いという「若さ」、こういったものも含めておりまして、そういう意味では元気なスマートな地域にするというような意味のWAKASAリフレッシュエリアということで命名もさせていただいているところでございます。  そういう中で、やはり関西の方に多く移り住んでいただく、またはリフレッシュするということは毎週来ていただくとか時々来ていただく、微住とか週末居住も含めたリフレッシュする時間をつくってもらう。もちろん毎日リフレッシュということもあるわけですけれども、そのために魅力的な地域をつくっていかなければいけない。そういう意味では、一つには若狭地域にある、例えば自然ですとか食ですとか人、こういったものをさらに磨きをかけていく。観光地は三方五湖中心のところもまた非常に魅力的なところですので、こういったことを磨いていくということもあると思います。  さらには、やはりエネルギー利用をよりスマートにしていく、例えばCO2フリーのエネルギーを使ってVPPを進めてエネルギーの価格も安くしていくようなことを考える。またはIoTをできるだけ使った住宅をつくっていく、そういった住宅の団地もつくっていく、こういったようなことを進めて魅力的な地域にしていくということもあります。また、古民家などを使って微住したりとか移住していただくような仕掛けもやっていく。そういう全体で非常に若狭に住んでみたくなるような──敦賀を含めて住みたくなるような地域に変えていきたいと考えているところでございます。 19 ◯議長田中宏典君) 地域戦略部長前田君。 20 ◯地域戦略部長前田洋一君) 私から、嶺南地域のUターン率は嶺北と比較してどうかということ、県の社会減対策について、どういう目標を掲げて具体的にどう進めていくのかといったお尋ねでございます。  地域別のUターン率でございますが、これについては全体を把握しておりますが統計的に地域ごとは出せないということでございまして、参考に申し上げますと平成31年のUターン者数、全体830人でございますが、そのうち嶺南の企業に就職した方が75人、全体の約9%ということでございます。これは嶺北、嶺南の人口割合、嶺南の場合18%になりますので、それに比べると少ないという状況でございます。その要因といたしましては、嶺南地域の高校生の県外進学率が嶺北6割に比べて8割と高いと、そういった状況があろうかと思います。  このため第2期の人口減少対策戦略におきましては、2024年を目標年次に社会増を図りたいということを目指しまして、本県で学ぶということで県内進学を選ぶ若者をふやすということ、そして市町と一体となって若者を呼び戻すUIターン戦略を強化していきたいというふうに考えてございます。具体的には、県立大学の水産増養殖学科の開設でありますとか、オープンキャンパスの充実等によりまして県内大学への進学促進を行う。さらには、新設したいと考えております京都事務所の開設などによりまして、本県学生が多く進学している関西エリアのUIターン強化を進める。さらには、嶺南Eコースト計画の中でも、農林水産業でありますとか企業誘致による新産業創出を図っていきたいというふうに考えてございます。 21 ◯議長田中宏典君) 力野君。 22 ◯13番(力野 豊君) ちょっと時間がないので、再質問は控えさせていただきます。  次に、農業振興について1点伺います。  農業経営の環境は厳しい状況が続いており、中山間地域の農地のみならず平地であっても離農者がふえる中で農地を守り営農を続けるのが困難な状況と聞き及んでいます。離農者がふえて、用水路や排水路の管理が頑張っている農家の負担になってもいます。さらに小規模の農家では、高齢化によりあと数年したら、子どももやってくれないのでその後は耕作放棄地になっても仕方がないというようなありさまでございます。  「農は国の基」、知事も同じ「農は福井の基」といつもおっしゃっており、農業振興について大変御理解をいただいていると感謝しております。敦賀では、経営体育成基盤整備事業が平成30年に事業採択され、本年度着工、令和2年度は本格的に予算も計上されており、今後数年で農地は大型化、効率よく営農できるようになることと喜んでおりますが、しかし新しく担い手になる営農組織は初めての経験であり、営農計画や投資の規模、タイミング、人手の確保、採算ベースがどこにあるのかといったさまざまな不安が多くあります。地域の担い手となる営農組織と行政の間に意識の違いなどがあっては本来の事業効果も得られません。  地域振興の観点からも行政と地域が密接に取り組む必要があると思いますが、今後、県はどのように取り組んでいかれるのか、営農指導方針も含めてお尋ねいたします。事業化された際の事業採択に御尽力いただきました中村副知事に御所見を伺います。 23 ◯議長田中宏典君) 副知事中村君。  答弁は簡潔にお願いいたします。 24 ◯副知事中村保博君) 当時、私が事業を見させていただきましたという関係でお答えをさせていただきます。  非常に地区の方の熱い熱意が感じられまして、国に強い採択を求めたという記憶がございます。今議員もおっしゃったような農業における不都合を少しでもよくするためにということで大規模化、集落営農ということで進んでおります。こういうのは関係者がいっぱいおりますので、なかなかスタートダッシュというわけにいきませんけれども、今、ちゃんとゴールの絵姿が描かれている状態になっていると思いますので、市町、JA含めて一丸となって進めさせていただきたいと思っております。  特に、おっしゃったように営農組織については、法人化というのは全く未知の世界でございますので、我々としましても設立の当初のときから、それから現在においても積極的にその役員会等にも二州の農業の担当者が出席をさせていただいて意思疎通を図っているところでございますし、中小企業診断士だとか社会保険労務士、法人でございますからこういう方々のアドバイスを受けながら、しっかりとした法人運営ができるように、基盤を固めるように──10月には園芸カレッジで学んだ方もここに入られると聞いておりますので、そういうあらゆる面から支援をさせていただきたいと考えております。 25 ◯議長田中宏典君) 力野君。 26 ◯13番(力野 豊君) 敦賀のこの営農組織以外にも、県内ほかにも多くの組織が生まれたばかりというか、まだそんなに時間はたっておりません。県のほうでその支援であるとか、本当に今何に困っているのか、まだまだこれからしっかりと営農指導も含めてやっていただきたいと思いますので、その件について引き続き御尽力をよろしくお願いしたいと思います。  その他でもう1問ございましたけれども、時間が超過しますので割愛させていただき、次の機会にまた質問させていただきます。どうもありがとうございました。 27 ◯議長田中宏典君) 以上で、力野君の質問は終了いたしました。  山本建君。     〔山本 建君登壇〕 28 ◯4番(山本 建君) おはようございます。県会自民党の山本建でございます。早速ですが、発言通告書に従い質問と御提言をさせていただきます。理事者各位におかれましては、前向きな御答弁をお願い申し上げます。  まず初めに、並行在来線の特急存続または同等の利便性確保についてお伺いします。  北陸新幹線福井・敦賀開業がいよいよ3年後に迫ってまいりました。今定例会に示されている令和2年度当初予算案において重点配分された開業対策に心血を注ぐとともに、令和5年春の確実な開業を実現させなければなりません。そのためにも、さまざまな課題を一つ一つ解決していく必要があります。  今回示された福井県並行在来線経営計画の検討項目や「FIRST291~北陸新幹線開業プラン~」案でも取り上げていますが、並行在来線の利便性確保は重要な課題です。特に、特急存続問題に関しては、これまでもさまざま質問させていただいておりますので、改めて確認をさせていただきたいと思います。  特急存続もしくはそれと同等のフリーゲージトレインにかわる利便性の確保については、国に求め続けていただいていると思いますが、来年の今ごろには並行在来線の経営計画が決定する予定となっております。9月定例会の総務教育常任委員会で、特急を走らせる・走らせないを決断するリミットはいつごろを考えているのかと質問させていただいたところ、経営計画策定後に並行在来線の事業者が開業までかけて詳細な計画を立てていく中で十分対応できると考えると回答されております。私もその回答を受け、開業ぎりぎりまで訴え続けていけるものと考えておりました。  しかしながら、今回示された福井県並行在来線経営計画の検討項目によると、「現在の在来線は特急列車を念頭にしたダイヤ編成であるため普通列車の運行は制約を受けている。開業後は現行の特急運行時間帯にも普通列車を運行することが可能となり、通勤や通学など需要に応じたダイヤ編成が可能になる」とのことであり、この時間帯の利便性を向上する施策として利用者にとって利用しやすくわかりやすいダイヤに改めるとなっております。  本線区間の普通列車は主に通勤・通学に利用されていることから、その利便性を高めることで三セク後の利用者を確保し、そしてふやしていくことが経営を安定させるに当たりとても重要なことだと私も認識しております。何が言いたいかと申しますと、このように現行の特急列車中心のダイヤから普通列車中心のダイヤ編成を想定する経営計画を策定した後で、開業直前に特急列車を盛り込むのは現実的に厳しいのではないかということです。  私も特急の存続ありきで発言しているわけではなく、大阪までの全線開業までの間に特急が存続することで、これまでどおりの利便性が保たれることが望ましいと考えておりますが、この特急存続問題を開業ギリギリまで引きずることになりますと、開業直前でだめだった場合に代替策が検討できなくなるおそれがあることから、結論を出す期限を決めてしっかりと国に要望し、仮にだめだった場合は代替策の実現に向けて取り組むことが必要だと考えますが、この特急の存続問題について結論を出すリミットをいつまでと考えているのか、知事の所見をお伺いします。  また、同じく9月定例会の総務教育常任委員会で、私は仮に特急が走らなくなったときには、特急は走らないが同等にこういう利便性確保策を講じたということを経営計画に盛り込んでもらいたいとお願いをし、その点を十分踏まえて経営計画をつくっていきたいと回答をいただいております。そうしたことも踏まえますと、特急存続と同等のフリーゲージトレインにかわる利便性確保策について国に要望するにしても、複数の案を検討しておく必要があります。最終的にだめだった、残念だ、で何もないのは最悪の結果となり、そのようなことがないようにしなければなりません。  特急存続と同等の利便性確保策の代替案について、県として検討はなされているのか、お伺いいたします。 29 ◯議長田中宏典君) 知事杉本君。     〔知事杉本達治君登壇〕 30 ◯知事杉本達治君) 山本議員の一般質問にお答えを申し上げます。  私からは、並行在来線の特急存続問題の結論を出すリミットについてお答えを申し上げます。  特急の存続につきましては、現在、私も含めて、国、それからJR西日本に対して何とか存続していただけるように、例えば一日のうちある時間帯だけでも存続することはできないかということも含めて具体的な提案をいろいろさせていただいています。ただ、一つ一つに、やはり何といっても大阪あたりのダイヤが過密であって、新しい特急は通しにくいとかいろんなことを言われておりまして、まだ結論が出ない、そういう状況にあるわけでございます。  今のところ特急存続についてのリミットを明確に定めているという状況ではございませんけれども、今御指摘もいただきましたように、例えば運行計画を立てるとか、それからまた収入が減ってくるという問題もございますので、経営にも影響を与えるということでございます。  そういった意味では、運行計画だけではなくて、来年の今ぐらい、1月ぐらいに経営計画を立てていくというような場面が来ますので、やはりその前に大まかな方向を決めているということが必要なのではないかと思っているところでございます。そういう意味では、特急存続問題の大まかな方向性については年内を目途に、国やJRと十分話し合いをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。 31 ◯議長田中宏典君) 地域戦略部長前田君。 32 ◯地域戦略部長前田洋一君) 私から、特急存続と同等の利便性確保策の代替案について、県として検討はされているのかというお尋ねでございます。  現在、どのような形態であれば特急が残せるか、今ほど知事も答弁させていただきましたけれども、そういった協議をさせていただいているところでございまして、実現しなかった場合の代替策について具体的な検討を行っているわけではないという状況でございます。  御指摘ありましたように、並行在来線の運行ということも係ってくるわけでございまして、並行在来線の経営計画の中で、項目としては敦賀駅発着の特急にいかにアクセスをするかというのが非常に重要な事項でございます。特急といかに接続を短時間にするか、さらには快速化によって移動時間を短縮する、そういったことも含めて並行在来線の運営計画の中でしっかりと進めていきたい、そのように考えてございます。 33 ◯議長田中宏典君) 山本建君。 34 ◯4番(山本 建君) 私も決して、特急を諦めたというわけでこういう質問をさせていただいているわけではなくて、今ほども知事から年内目途というふうに御答弁いただきましたので、ラストスパートをかけていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、子育て政策についてお伺いいたします。  福井県長期ビジョン素案の中で、「将来を担う子どもたちが生まれ、育ちやすい「日本一の出会い・子育て応援社会」をつくります」と目標が示されております。知事も提案理由の中で、名実ともに日本一の子育て支援を実施すると言われております。
     県は、3人目以降、就学前までの子どもの保育料や一時預かり、病児保育などの利用料を無償化する3人っ子応援プロジェクトの2人目以降の拡充や家庭で育児をしている世帯への手当創設など、新たに「子だくさんふくいプロジェクト」を打ち出すなど子育て政策についてしっかりと取り組む姿勢が示されております。しかしながら、子育て支援を現実的に拡充していくにはさまざまな現場の状況を改善していく必要があります。  県の子育て調査によりますと、理想の子どもの数より実際に持ちたい子どもの数が減ってしまう理由の一番は経済的負担となっていることからも、子どもを安心して育てられるよう経済的負担を和らげていくことが求められておりますし、希望すれば出産後も安心して働ける環境が求められていると思います。そのためには、子どもをしっかりと預かってくれる保育施設の役割が重要でありますが、現実は保育士不足による待機児童の問題があります。  県は、今回示された福井県子ども・子育て支援計画案の中で、保育所等の受け皿整備として待機児童ゼロを目標にしております。現在の県内の待機児童数は、平成31年4月1日時点で10名ですが、実際の現状はこうです。子どもを保育園に預けている方が2人目を出産、職場に復帰しようと思い保育園の申請をするが、ゼロ歳児の受け入れは定員が限られており、上の子と違う保育園しか選択肢がないことにより、兄弟が別々の保育園に通っている事例がふえております。兄弟が別々の保育園になってしまうと、朝2カ所に送っていき帰りに2カ所に迎えに行く、そして行事が重なってしまったらどうなるのだろうと保護者の負担と不安の声が聞こえてきます。このように兄弟が異なる保育園に通わざるを得なく苦労されているケースは、待機児童には当てはまりません。いわゆる隠れ待機児童です。日本一を目指すのであれば、このような隠れ待機児童も解消できるだけの保育士を確保することを目標に掲げ、計画を策定するべきと考えます。国の定義する待機児童の解消だけでは目標値が低過ぎると言わざるを得ません。  そこで、福井県子ども・子育て支援計画案の目標に掲げる保育所等の待機児童ゼロの待機児童の範囲を広げて、隠れ待機児童もゼロと目標を高めるべきと考えますが、所見をお伺いします。  待機児童解消には、保育環境の整備を進める一方で、希望する御家庭について家庭での育児を進めることも有効と思います。家庭で育児をすることを希望していても、経済的な問題から仕事を始めることもあるかもしれません。経済的な問題をクリアして家庭で育児をできる環境を整えることも重要です。  今回、新たに創設する家庭で育児をされている世帯への手当の狙いと事業の概要、期待する効果についてお伺いします。  また、この福井県子ども・子育て支援計画の中で、小学生の居場所づくりとして放課後子どもクラブの受け皿整備を支援すると記載されておりますが、校区によっては小学校から児童が徒歩で行ける範囲内に放課後児童クラブの場所を確保することが困難、学校も児童数がふえて空き教室がないとのことで定員増や新たに設置することができず、利用できない児童がいるという話も伺います。市町としては、できる範囲で運営いただいているかと思いますが、場所がないと言っても場所はできてきません。その場合はつくるしかないのが現状です。  そこで、放課後子どもクラブの充足状況について現状を伺うとともに、今後の整備目標を伺います。  また、市町が小学校や公民館等を増築して放課後子どもクラブの場所を確保する場合や近隣に新設する場合の支援策についても、お伺いします。  先日、我が会派の1期生で、保育所等における保育士不足を解消するために県が昨年10月に設置した保育人材センターを視察させていただきました。保育人材センターでは経験豊富なコーディネーターの方を中心に潜在保育士等への就職マッチング、保育士就職相談会、現役保育士の離職未然防止など保育士不足解消に懸命に努力をされておりました。しかしながら、まだ設置後間もないということもあり、また、保育人材センターの存在がまだまだ認知されていないことと、保育士不足は今始まったことではなく以前からの問題で容易にすぐ結果につながることではない難しい課題ということもあり、新たな取り組みを手探りしながら努力されている印象を受けました。  平成31年4月1日時点の県内の保育士登録者数は1万1,574名で、実際に保育所に勤務されている方は5,215名であることから、単純計算で6,359名の潜在保育士がいることになります。これらの潜在保育士の方々が保育の現場復帰を望み、保育施設で欠員が出れば保育人材センターに電話をすればすぐに保育士が来てくれるというくらいに発展をしていってほしいと願っています。  そこで、令和2年度予算案で保育人材センターの運営費を増額していただいておりますが、来年度の保育人材センターの事業計画の中でKPIなどどのような目標設定をされているのか伺うとともに、その目標に向けてどのように事業を進めていくのか、お伺いします。  潜在保育士の方々は、保育士の資格を持ちつつも他業種で就業をされておられます。保育士の離職理由に給料が安い、業務量が多い、現職保育士の改善希望では給与・賞与が多数を占めています。国主導の処遇改善加算などにより保育士の給与は改善していると言われておりますが、介護職や全産業と比較すると低額になっております。一概に言えませんが、このような状況の中で、給与は下がるけれども今の仕事をやめて保育士に戻って来てほしいと言っても厳しいと思います。  他県の事例を調べてみますと、東京都が国の補助額に、使途を経営に携わる法人の役員を除く人件費に限定する補助金を独自に上乗せして保育士の処遇改善を行っておりますが、福井県としても全額支給を条件とする独自のベースアップ手当を導入し、保育士に支給することで給与改善につながるのではないかと考えますが、所見をお伺いします。  子育て応援の方法として、出産祝い金制度も各自治体でさまざまな取り組みがされております。我が会派の山本文雄議員もこれまでさまざまな場で同様の御提言をされており、私も同じ思いで事例を調査してみました。全てを網羅することはできませんでしたが、全国各地で多くの自治体が金額はさまざまですが独自に支給をされており、県内でも永平寺町が支給されています。この出産祝い金の支給は、私が調べたところ市町自治体の制度として事例はふえてきておりますが、都道府県単位の自治体では事例が見受けられません。この制度を都道府県として初めて導入することができれば、日本一の子育て先進県として他県と差別化できるのではないかと考えます。  さすがに限られた財源の中で第1子から全てというわけにもいかないと思いますので、第3子や第4子以降の多子家庭に他県にまねできない規模の出産祝い金を支給するなど、もう一人頑張ってみようと一歩を踏み出してもらえるようなインパクトある取り組みにチャレンジすることも必要ではないかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 35 ◯議長田中宏典君) 知事杉本君。 36 ◯知事杉本達治君) 私からは、多子世帯に他県にまねできない規模の出産祝い金を支給してはどうかということについてお答えを申し上げます。  まず、今御質問の中にもありましたけれども、出産祝い金という形で新しくお子さんが生まれた御家庭にお金を差し上げるというのは、都道府県で今実際にやられているところはないという状況でございますし、また県内では七つの市や町で実施がされているというところでございます。これについて、過去において出産祝い金を出していた市や町でやめたところもありまして、お話を聞きますと、どうしてもその費用対効果といいますか──10万円とか20万円差し上げたからといって、現実にそれで子どもがたくさん生まれたのかどうかといったことの検証ができないという、実際の効果のところがわからないというようなことで、やはり費用対効果ということ、コストの面を考えてやめられたというようなお話などを伺っているところでございます。  それに対して、本県におきましては御案内のとおり、これまでも3人っ子プロジェクトということで、例えば3人目のお子さんの保育料の無償化ですとか一時預かりとか、さらには病児保育、病後児保育、不妊治療なども手当てを非常に厚くしてきております。そういった中で、結果としてそれを始める前の平成17年度と、それから最近の平成30年度で比べますと、その間合計特殊出生率は1.50から1.67に拡大しているとか、また、その間で、1年間の生まれているお子さんの数というのが約2割減っているんです。そんな中でも第3子以降は全然減っていない、横ばいになっているということは、3人目以降を産み育てるという方は減っていない状況にあるわけでございます。そういう意味で今回、特に2人目のところがなかなかネックになってきているということも明らかになりましたので、その3人っ子政策を2人目に拡大するということを施策化させていただいたところでございます。  これとともに、まだまだ所得制限厳しいですけれども、在宅で子育てをしていただく方にも手当をお支払いするということもやらせていただきまして、そうしますと、メニューとかいろんなことの手厚さ、1人当たりに使っているお金の額とかいろいろ見てみますと、まだ全国の当初予算の状況がはっきりしてないところはございますので明言はできませんけれども、やはりほぼ日本一ではないかなというふうに思っているところでございます。  一方でやはり多子世帯に限って、例えば第3子に限って出産祝い金を差し上げる、それも目が覚めるような出産祝い金ということで、例えば1,000万円差し上げる。こうしますと今1,100人ぐらい生まれています。110億円毎年一般財源が必要になる。今回の私どもの「子だくさんふくいプロジェクト」は3.8億円でこれを実行していこうということで、それでも日本一になるだろうというようなことでやらせていただいています。例えば100万円でやっても、11億という額は毎年出し続ける一般財源としては非常に大きな事業になりますので、そういう意味ではまず今回の「子だくさんふくいプロジェクト」をやらせていただいて、その効果を見ながら、さらに次の議論もさせていただきたいと考えているところでございます。 37 ◯議長田中宏典君) 健康福祉部長窪田君。 38 ◯健康福祉部長窪田裕行君) 私からは4点、お答えをいたします。  まず、待機児童ゼロの範囲を広げて、いわゆる隠れ待機児童とおっしゃいました、これをゼロとする目標に高めるべきではないかという御質問でございます。  厚生労働省の待機児童数調査では、保育所にあきがあっても保護者の方が特定の園を希望して入所を断った場合、それから保護者の方が就職活動を中断しているような場合、これを待機児童から除外をいたしておりまして、いわゆるこれが潜在的待機児童というふうに言われております。御指摘がありました御兄弟が別々の園に入所するようなケースというのは、この潜在的待機児童としても統計上にはあらわれてこないわけでございますが、保育所の入所に関する仕事をしております市町では、そういった本当に申しわけない事情にある御家庭のことはよくよく把握しておりまして、待機児童をなくすために一人でも多く入所できるように調整する中でどうしても生じてしまった、こういうケースにつきましては、生じないようにすることはもちろんでございますけれども、できるだけ早く解消するようにということで努力をしていただいているところでございます。  県といたしましても、それを応援していかなくてはいけませんので、各市町において、より保護者の希望に沿った対応ができるように、施設整備を行う市町への支援とか、保育士確保について取り組んでまいりまして、待機児童ゼロをしっかりと実現してまいりたいというふうに思っております。  次に、家庭で育児をする世帯への手当の狙いと事業の概要、期待する効果ということで御質問いただきました。  育児休業の期間につきましては、実際に取得できているのは1年未満というのが大半といいますか多いわけでございますけれども、昨年実施しました県の調査では、2歳近くまでは家庭での子育てを希望するとおっしゃる方が多かったわけでございます。また、今年度、子ども・子育て支援計画を策定するに当たりまして、やはり子どもが小さいうちは家庭で子育てをすること、その大切さを強調していくべきではないかというような御意見を、県議会を含め各方面からいただいたという事情がございます。  これまで本県の子育て支援策というのは、保育所などに子どもを預ける世帯への支援というのが中心でございましたけれども、今後は家庭で子育てをする、そこへの支援策につきましても重点をおきまして、保育料無償化を第2子へ拡大するのとあわせまして、第2子以降の低年齢児を家庭で子育てする、そういう世帯を対象に、在宅育児応援手当というものを創設しようという予定でございます。これによりまして、子どもが小さいうちは親子で過ごす時間を多く持とうと、それから安心して子育てできる環境を支援していくと、そういう環境をつくっていきたいと考えておりますし、また、市町からは低年齢児の保育所等への入所の希望がこれによって少し抑えられるのではないかというような期待も寄せられているというところでございます。  次に、来年度の保育人材センターの目標、それからその目標に向けてどういうふうにやっていくのかというお尋ねをいただきました。  保育人材センターでは、潜在保育士の方、今6,000人以上いらっしゃるという御指摘もございましたけれども、この方々に保育現場へ戻って活躍していただけるように、保育情報誌の発行とかダイレクトメールの送付などによりまして積極的に就労を働きかけるとともに、就職相談、それからマッチングということを行っております。例えば、久しぶりの保育現場へ戻るということで、非常に不安をお持ちの方もいらっしゃいます。躊躇される方もいらっしゃいますので、そういう方には実際に保育園へ行って体験してもらうというお手伝いをしたり、昨今の保育事情、いろいろ変わっておりますので、そういったことについて具体的な事例をお示して御紹介するというようなことをやっておりまして、個々の状況それぞれ違いますけれども、保育現場の経験が豊富なコーディネーターが2人おりますので、丁寧に対応しているというのが現状でございます。  この子ども・子育て支援計画案では、こういう積極的な情報提供とか、一人一人の状況に応じた応援を行うということによりまして、2024年度末、計画期間でございますけれども、ここまでに保育人材センターによる保育士の就労者数の目標を150人としておるところでございます。  次に、保育士の給与改善のために、福井県独自のベースアップ手当を導入してはどうかという御提案をいただきました。  本県の保育士の平均賃金は、平成30年で21万8,000円となっております。平成25年度、26年度に実施されました保育所職員処遇改善交付金、それから平成27年度から導入されました処遇改善加算によりまして、平成24年と比べますと6年間で約2万4,000円上昇しておりまして、徐々に改善はされてきているということでございます。県としましては、引き続き処遇改善加算を取得するように施設に働きかけるということもやっていきたいと思いますし、何よりも国に対してこの制度をもう少し底上げするべきではないかということで、処遇改善について要望を強めていきたいというふうに思っております。  また、御紹介いただきました東京都の取り組みでございますけれども、これは待機児童が3,690人生じている、入所申込者に対する割合としては1.2%ほどでございまして、福井県の水準から比べると30倍以上の水準にある、いわゆる深刻な状況を踏まえてこういう制度を持っているということでございまして、東京都以外ではこういう取り組みをやっているところは今のところはないということでございます。  私どもといたしましては保育士確保対策というのを、まず本県の現状をしっかり踏まえて、保育現場の皆様、それから市町の意見もしっかりいただきながら、最も効果的な方法を検討して進めていきたいと、このように考えております。 39 ◯議長田中宏典君) 教育委員会教育長豊北君。 40 ◯教育委員会教育長豊北欽一君) 私からは放課後子どもクラブの現在の充足状況と今後の整備目標、また増築、新設する場合の支援策についてお答え申し上げます。  放課後子どもクラブは現在387カ所ありまして、そのうち登録制であります放課後児童クラブについては251カ所ございます。定員1万1,236人に対しまして1万1,105人の児童が入所しております。放課後児童クラブにつきましては、令和6年度には1万1,254人のニーズが見込まれておりますが、それに対しまして1万1,978人分の受け皿を整備する計画となっております。今年度は坂井市において新設を行いましたし、また令和2年度については福井市など県内4カ所において改修や備品整備を行う予定であります。  放課後子どもクラブの増築や新設に係る経費につきましては、国・県・市町3分の1ずつの費用負担で行われておりまして、県としては今後も放課後子どもクラブの拡充について支援を行ってまいりたいと考えております。 41 ◯議長田中宏典君) 山本建君。 42 ◯4番(山本 建君) 今ほどいろいろ御答弁いただきまして、先ほど来の兄弟が別々の保育園というところも、やっぱり突き詰めると待機児童、そもそも入れないというのが一番大変ですけれども、やっぱり子育ての負担をなくすというのが日本一をうたう以上は大事ですので、いきなりは無理でも5年間の計画の中では高めな設定というものを一度御検討いただきたいと思いますし、いろいろ議員活動をさせていただく中でも子育てに対する不満、不安の声は結構大きく聞こえてきますので、その辺をお願いさせていただきまして、ちょっと時間を残しておりますけれども、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 43 ◯議長田中宏典君) 以上で、山本建君の質問は終了いたしました。  細川君。  なお、細川君より資料を使用したい旨の申し出があり、これを許可いたしましたので御了承願います。     〔細川かをり君登壇〕 44 ◯6番(細川かをり君) 細川かをりです。  観光客の受け入れ環境のレベルアップに関する提言を一つさせていただきます。  海の事故、水の事故を防止するという海水浴場などの危険防止や公衆衛生は、海を観光資源とする者にとって大変重要な事柄です。きちんと規制され安心して遊べるところは家族連れなど良質、健全な観光客がふえ、規制の緩いところには規制漏れした危険性の高い、他人に迷惑をかけかねない客がふえます。事故も不衛生なこともふえる。海を抱える自治体は、それぞれに事故防止などの条例を定めているところですが、ボートやサーフボード、もり、水中銃と、次々に新しい水の遊具や機材がふえています。また近年では、海辺でも分煙が進んでいます。  海水浴場に関する条例を調べますと、安全の条例を定め、適宜改正を行い時代の状況に沿ったルールに常に進化させている自治体が幾つもあります。例えば、神奈川県の海水浴場に関する条例を御紹介しますと、昭和の時代に条例を定め、「3年経過ごとに条例の施行状況について検討を加え、必要な措置を講ずるものとする」として、平成22年の全部改正も含め、実に17回もの改正をしています。遊泳者保護のための禁止行為をふやし、喫煙などの公衆衛生に関する項目もある。必要に応じた立ち入り検査や行政処分なども明記されています。  翻って福井の条例は、残念ながら公衆衛生面に関しての項目はほぼないに等しい現状。さらに、海水浴場の設置は、福井県では県公安委員会への届け出のみであるのに対し、神奈川県では届け出た上で知事の許可が必要です。中身を精査し、公衆衛生などの環境のレベルアップを意図すればそうなるでしょう。  福井も、まずは公衆衛生の観点から、海水浴場の禁煙・分煙のルールづくりを進めてはどうでしょうか。  また、観光客が来る人気の海水浴場となるには、衛生面などだけではなくてビーチでの遊び方にルールがあり、ある程度秩序が保たれていることが必要だと思います。迷惑になる遊び方、危険行為に関しては動画の拡散でたちどころに評判が落ちます。実際、台風で遊泳禁止が出ているにもかかわらず、大勢が波遊びをしている県内ビーチの動画も見ました。しかし、その現実的な規制はというと、場所によっては管理を任された地元が高齢化しマンパワー不足、地元住民、観光協会などが頭を痛めているといった話も聞こえます。  県の現状認識を伺うとともに、地元自治体や関係者、関係機関と地域の実情を踏まえて意見交換を行い、運営管理のあり方を示し、観光客の受け入れ環境のレベルアップを図るべきと考えますが、御所見を伺います。  ちなみに、県内では高浜町の海水浴場が、ブルーフラッグなどの取り組みなどで独自に秩序あるルールで運営されており、健全な客層に人気のある状況だと聞いています。今、スマホなどで簡単に行き先情報が口コミで広まります。よくも悪くもです。新幹線開業の機会に、福井の海のいいイメージが広まってほしいと願っての質問でした。  次に、ICTの教育環境及び人材育成について伺います。  10ギガの校内LANを整備する国の補正予算が成立しました。今議会、県立高校などではこの予算が計上されているところですが、国の予算がついたGIGAスクール構想は市町管轄の小中学校も対象です。この場合、「国は2分の1補助、あとは10分の3地方交付税、10分の2は市町村負担」、「1校当たり最大3,000万円」、「この補助は今年度だけ」と聞いています。  県内小中学校は、ことしの補正予算もしくは次年度当初予算においてこれらに対応できているのか、現状を伺います。  同様に、令和2年度には、小学校5年生から中学校1年生の児童生徒を想定して、1人1台4.5万円の、タブレット型コンピュータなどを行き渡らせる文科省予算もついてきているとのことです。また、令和5年度までに段階的に整備を進め、小学校1年生から中学校3年生まで全ての児童生徒に1人1台のコンピュータを配備する計画だそうですが、3人に1台分は既に普通交付税措置されており、「残り3分の2の台数は国が支援する」、「3人に1台分の整備計画がない自治体は国の補助は受けられない」、「新学習指導要領の総則において学習の基盤となる資質能力の一つは情報活用能力である」とされています。  将来、全国学力調査をコンピュータで行うことも検討事項とされていると耳に入ってきていますが、県内の公立小中学校、高校のICT教育環境は、今後どう整備されていくのか見通しを伺います。  また、私立学校でのICT教育環境整備の状況と今後の見通しについてもお伺いします。  さて、前述の学習指導要領総則に記述された情報活用能力の育成を念頭に、新たに小学校プログラミング教育が令和2年度から必修化されることはマスコミなどでも報道されているところです。そして、高等学校における情報科も科目構成が変わり、センター試験にかわり実施される大学入学共通テストに情報科のテスト実施科目への導入が検討されているようです。  また、昨今の社会における情報化社会への変化は大きく、Society5.0と言われるようなAI技術の活用も含めた高度情報化社会に向けた人材育成が急務と言われております。あるモバイルメッセンジャーコミュニケーションアプリの大手株式会社のプログラム開発の人は、「年に数個以上の資格をとらなくてはならないスピードだ」とおっしゃっていました。そして、福井県からも会社誘致に来たけれど、誘致の材料としてのポイントである福井県内の人材のIT技術は、聞く限りでは最新のものではなかった。当然、企業誘致も想定外。特に、大学卒よりも高卒の技術者が欲しいのだが、そこの人材が薄いとのこと。寂しい話です。  本県では情報科を担当する教員採用を2020年度初めて実施し、ようやく1名の合格者を発表したと承知しております。  前述のとおり今後大学入試の共通テストに情報科のテストも入ってくる見通しもあり、その際には学校のICT環境の整備やさらなる情報科教員の採用を進め、授業の充実などが急務と考えますが、福井県内の高校の情報教育の現状と今後の見通しを伺います。  さらに福井県庁は、SNSのうち2番目と3番目にユーザーが多いツイッターとフェイスブックを使っていますが、最も県民にユーザーの多いLINEのアカウントを持っていません。進んでいる自治体は、LINEで住民票をとることができたりAIを使った窓口対応をしたりしています。  LINE社に聞いたところ、「うちへ県庁のIT担当の職員を一人、出向で1ヶ月よこしてくれたら、自治体システムの猛特訓をして県庁のICTレベルを一気に引き上げるよ」とおっしゃっていましたが、専門職員のスキルアップは喫緊の課題かと思います。また、先ほど学校へのパソコンやタブレットが1人1台必要になると御紹介しましたが、これもパソコンやタブレットの最新の知識がなければ、高価でスペックの低い在庫処分ものを高額で買わされる、俗に言う「ぼられる」可能性もあると忠告も受けました。  教育目標や教育方法と照らし合わせながら学校現場の今後の活用と市場動向、そして最新システム技術などを把握した上で機器導入計画と教育実施計画を立てていく必要があると考えます。  少なくともパソコン、タブレットのスペックを見分けられる体制、担当職員のスキルは備えられているのか、御所見を伺います。  女性活躍推進について伺います。  6年余り前の一般質問で、「人口減少問題は出生率だけ話題にしていては全く問題にならない。仮に出生率が2.1まで上がったとしても人口が安定するのは60年後。着目すべきは20代から30代の女性の数だ。若い女性の数がかなり減り始めている地方が出てきており、2040年を過ぎて深刻な事態になる」と述べ、福井県の20代、30代女性の人口動態をお示ししました。1973年には約11万5,000人だったものが、40年後の2013年には9万1,000人余りと12%以上も減っていました。  そして、男女の賃金格差是正や女性の管理職比率向上などの女性政策に関して、そのときるる議論したわけですが、それから6年後のことし初めを見ると、20代、30代の女性はさらに1万1,000人以上減って7万9,771人、なかなか若い女性の減少に歯どめがかかりません。お配りした資料が示すように、福井県は若年女性がより多く転出する県です。福井の明るい未来は若い女性の流出対策にかかっています。  私は先月、若い女性が多く転入する東京都の、東京駅に隣接した大和証券の本社にお伺いし、女性活躍推進の取り組みを伺ってきました。まずは、「1902年創業以来、荒波は都度都度あったけれども、会社が生き残ってこられたのは時代に合わせた取り組みなどがあったからだ」とおっしゃいました。時代に合わせた取り組み、今まさに女性活躍推進こそがそれだと思います。  大和証券でもかつては教育しても女性の多くがやめており、退職理由は出産などのライフイベントがあるということが一番多かったそうです。しかしそれは会社にとって大きな損失であり、本人にとっても積み上げてきたキャリアを捨てるのはもったいないことだとの考えで、2005年に女性活躍の支援チームを発足させたそうです。まずその柱の一つが、仕事と育児の両立支援です。大きなライフイベントがあっても仕事が続けられるようにです。  大和証券のメニューを見ますと、第3子出産祝い金200万円もあれば、休暇をカレンダーで明示してサポート環境を整えたり、全国の保育所情報を集めるなどの保活サポートをしたり、ベビーシッターの年会費も会社が負担したりと至れり尽くせり、これならば安心して出産、子育てに立ち向かえます。会社は、どうしたら会社で活躍していただけるかを考えているとのスタンスで、女性の勤続年数が約2.5倍にふえたそうです。  福井県の女性活躍推進の施策は、現在、企業内での女性の仕事ぶり、活躍ぶりに焦点が当たっている印象ですが、事業所の仕事と育児の両立支援への取り組みこそ支援すべきだと思いますが、御所見を伺います。  企業の役員に占める女性の割合向上を目的に、2010年、「30%クラブ」がイギリスで創設されました。メンバーはCEO、会長、ボード議長といった企業のトップで、企業の役員に占める女性比率を3割に引き上げることが目標です。昨年5月には「30%クラブジャパン」が発足しました。東証1部上場の大型株100銘柄であるTOPIX100で、取締役会における女性割合を2030年までに30%にすることを目標にしています。  大和証券グループでは、会長、社長がメンバーで、グループの女性活躍支援のもう一つの大きな柱をキャリア支援と取り組まれています。それは優秀な人材の男女区別ない採用に始まり、育児休業などのライフイベントでキャリアが途切れないように、育児休業明けにもとのポジションに戻れることはもちろん休業中であっても昇級があり、専門スキル向上の研修受講も女性比率50%を目指したそうです。こうした取り組みで女性管理職が5倍になり、取締役も14名のうち3名が女性役員だそうです。さらに今後は、女性管理職が役員や部、室、店長などのもっと高いキャリアを目指すことのできる施策を実施するとのこと、こうした職場ならば女性は喜んで働くでしょう。  女性の働き方、熱意を醸し出すポイントは、「育児と介護、両立支援の制度をつくるだけでなく、その上でどうキャリアアップできるかの支援、どう管理職を目指すか、どういうスキル、自己研鑽の研修制度を設けるか」とのことです。こうした企業がふえる地域には、当然女性は集まります。  県でも、女性活躍推進施策の目的に女性のキャリア支援をしっかり位置づけ、さらに一段高い女性が活躍する企業環境づくりへの支援を、危機感持って進めていただくことを望みますが、御所見を伺います。  女性活躍についてもう1点、先ほどの情報教育でも述べましたが、今、最先端の会社であっても採用に関して大学卒業にこだわらない、むしろその人がどれだけの技術、資格を有しているかをポイントとするところがふえています。あるいは、他県では工業高校の女性比率も近年高くなってきています。しかしながら福井県は、まだ有名大学進学や職業系高校への進路指導において、性別や点数での区分けがきついとも感じています。  忙しい学校に勤めている教員が、世の中の激しい流れの変化に気づけなかったりもしますので、中学校の進路指導のあり方も時代に沿ったものになるよう進路指導者への情報支援や研修などをすべきと考えますが、御所見を伺います。  最後に、河川の治水安全度向上、流域の安全について伺います。  河川治水は、長い時間をかけて積み上げられ今日があります。例えば日野川や江端川ですと、おおむね50年に1回程度の確率で発生する降雨による洪水を安全に流下させることを目標に、河道拡幅、河床掘削、護岸工などの整備がなされてきています。河和田川、服部川、吉野瀬川ならば30年に一度程度発生の洪水に備えてです。しかしながら、近年の豪雨災害多発は、30年とか50年に一度という基準自体を揺るがしています。むしろ、この川は時間雨量何ミリにまで耐えられると言われたほうがピンと来るくらいです。  そこでまず、近年の河川整備の考え方、捉え方に変化はないか伺います。  私の身近での治水ですが、例えば鞍谷川は福井豪雨災害後の整備などもあり、おかげさまで今立エリアの河川整備も進捗を見せてきました。鞍谷川支流の服部川の河川整備も位置づけられ、とりあえずほっとしているところですが、最近、地域から相談を受けるのは、県管理河川や直轄河川に流れ込む普通河川や用水路、排水路、道路側溝といった、さらに細かい水路に関してのものがふえてきています。そんなとき、私はまずその水路を所管するのはどこであるのかを探り、そこへ相談をかけます。  降水量に追いつかない水路もありますし、用水路なのに生活排水が多く流れ込んでしまっていたり、その先の河川の流れがきつくて水が流下できずにあふれる、逆流まで起きていたりといったケースもあります。小さな水路であっても、水があふれて家屋を水浸しにするとなると、住民にとっては大問題です。河川、水路の管理は、県であったり市町であったり土地改良区であったりさまざまです。河川整備が下流から上流に進むほどに、今度は支流との合流の関係が出てきます。  河川、水路等の管理について、各河川管理者が連携してほしいと願いますが、現状、流域全体で治水安全に関してともに考えていける体制、状況にあるのか伺います。  さて、昨年は台風15号災害や19号災害で、これまでには想定できなかった風が吹いたり雨が降ったりしました。鉄塔が倒れたり屋根が飛んだりの被害の多さに目を奪われましたし、屋根瓦はいまだに供給が追いつかず、ブルーシートで覆ったままの被災家屋がまだ数多くあります。また、一気に雨が降り、新幹線が水につかる、あるいはダムの水の放流といった話にも驚きましたが、ダムだって計画規模を超えたらあふれざるを得ません。  これまで長い時間をかけて行ってきた治水インフラでは追いつかない、想定外の状況が起きているわけですが、だからといって治水想定を急に上げるのは困難です。  そうなると、今やるべきは地域の水害リスクや限界を周知し、自助努力を促すことと思います。フランスでは、過去100年を反映した水害マップを重要事項説明で説明しないと不動産取引ができません。アメリカもこのマップがないと水害保険に入れません。また、お隣の滋賀県では、流域治水の推進に関する条例をつくり、知事が氾濫原管理者となり川の管理、土地利用管理、建物管理、避難体制づくりの全てに横串を刺して管理しています。河川だけではなく下水道や農業用水など全ての浸水源をもとにハザードマップをつくり、不動産取引の重要事項説明に入れ、危ないところは新たに市街化区域に入れないという土地利用規制をされています。それで、命が危ないところには建物をつくらない、つくるならかさ上げをする、今ある建物を建てかえるなら県が補助金を出すという徹底ぶりです。  福井でも、こうした事前対応型のリスク管理を積極的にすべきと思いますが、県のお考えをお聞かせください。 45 ◯議長田中宏典君) 知事杉本君。     〔知事杉本達治君登壇〕 46 ◯知事杉本達治君) 細川議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、海水浴場の現状認識と観光客の受け入れ環境のレベルアップについての御質問にお答えを申し上げます。  県内の海水浴場におきましても、御指摘ありましたような危険な行為、例えば水上バイクで事故があったりとか、それから危険な行為があったりとか、さらには遊泳禁止のときに無謀にそこでいろんな活動をして水難事故に遭う、こういうことも発生しているところでございます。全国的には、今御指摘いただきましたように特に神奈川県の場合は危険行為のほかにも、例えば海の家などで騒音公害というか大騒ぎをする、こういったことがお客様を含めて非常に悪い影響があるというようなこともありまして、条例化も図られたというふうに伺っているところでございます。  本県におきましては、御指摘もいただきましたけれども高浜町で日本初のブルーフラッグの認証を得ているということで、若狭和田ビーチ中心に地域の皆さんも一緒になってルールづくりを進めてきている、条例化もやっている、こういったことも一つの先進事例としてあるわけでございます。それぞれの海水浴場につきましては、管理者がいて、そういう方々を中心に中の管理をしていただくということかと思いますけれども、今申し上げましたような先進事例もございますし、県内でいろいろ共有すべきような情報等もあるわけでございますので、県に来ていただいている海水浴の皆様方に安心・安全でよりよく楽しんでいただけるような状況をつくれるように、また県としてもいろいろ声かけ等してまいりたいと思っているというところでございます。
     二つ目に、女性活躍の施策は、事業所の仕事と育児の両立支援への取り組みこそ重要であるという点についての御質問にお答えを申し上げます。  まさに私も女性が活躍する、そしてまた子育てもできるようになる、こういったことのために仕事と育児の両立が非常に重要であるというふうに考えているところでございます。そういった考え方から、来年度におきましても、ライフプランを応援する企業さんを支援する事業を積極的に行っていこうと考えているところでございます。  具体的に申し上げますと、男性の育児休業の取得を促進するような企業ですとか、また、育児のための短時間勤務を例えば小学校3年生以上に拡大しているような企業さん、不妊治療を行う休暇を設けるような企業さん、こういったところへの助成金を支給するというようなことを来年度行いたいと考えているところでございます。  また、県でも率先垂範、まずは隗より始めよということもございますので、先日も若い職員に集まってもらいまして、男性の育児休業をどうやって取得促進するかといった検討も行わせていただいて、私もそこに出てまいりました。その中で、いろんな方法がございましたけれども、県庁職員についてはとにかく1カ月以上育児に関する休暇をとる、年休も含めていろいろ工夫をしながらですけれども育児の休暇を1カ月以上とれるようにしていこうということで、これから始めさせていただこうと考えているところでございます。現状がまだ100人ちょっとくらい、毎年男性で配偶者の方がお子さん生まれるときに5%程度の取得しかできておりませんので、それを大きく拡大をしていきたいと考えているところでございます。  また、先日お茶の水女子大学へ参りまして、今までもお茶大と若手の女性の管理職をつくっていこうということで「未来きらりプログラム」というものをつくらせていただきましたけれども、さらに一歩進めまして共同研究を進めようということで、女性の活躍ですとかゆとりをつくっていく、こういったことのアンケートですとかインタビュー、共同研究を行うことで政策提言をいただくことになっております。これに基づきまして、さらに女性が活躍しやすい、そういう社会になれるように県としても施策を進めてまいりたいと考えているところでございます。  その他につきましては、担当より御答弁を申し上げます。 47 ◯議長田中宏典君) 総務部長近松君。 48 ◯総務部長(近松茂弘君) 私からは、私立学校でのICT教育環境の整備の状況、それから今後の見通しについてお答えをさせていただきます。  各私立学校におきましては、これまでも国、それから県の補助金を活用いたしまして、校内LANでございますとかパソコン、タブレット端末など順次整備をしてきておりまして、授業でございますとか自宅学習に利用しているところでございます。今後も、校内ネットワークの高速化でございますとか、端末の増加といったICT教育環境の整備というのを進めていくと聞いてございますので、引き続き県といたしましても必要な支援を行ってまいりたいと考えておるものでございます。 49 ◯議長田中宏典君) 地域戦略部長前田君。 50 ◯地域戦略部長前田洋一君) 私から2点、お答えいたします。  まずICTの教育環境、人材育成に関連して、パソコンやタブレットのスペックを見分けられる体制、担当職員のスキルは備えられているのかとのお尋ねでございます。  ICTの調達に関しましては、機器やソフトウェアのスペックが十分かどうかの判断、価格が適正かどうかの判断、こういったものの見きわめが重要でございます。県では、平成20年度から全てのICTの調達に関連しまして、予算要求時に財政課と統計情報課──情報の担当課でございます──が、そして実際の調達前に会計局と統計情報課が内容を審査するというような体制をとっているところでございます。その中で、仕様が過大ではないか、公平な競争原理が働くかといった観点からチェックをしているところでございます。  こうしたシステム審査を行う統計情報課の担当職員でございますが、今12名おります。国などが行います専門的な研修にも積極的に受講させているところでございまして、最新の情報の習得というものに努めております。また、先ほど申し上げたシステム審査を通じてノウハウの蓄積にも努めておりまして、専門的なスキルを持った人材の育成を図っているというところでございます。  次に、女性活躍推進に関連して、その施策の目的に女性のキャリア支援をしっかり位置づけ、一段と高い女性が活躍する企業環境づくりの支援を進めるべきとのお尋ねでございます。  男女共同参画及び女性活躍社会の実現を目指す福井県の男女共同参画計画におきまして、女性のキャリアアップ支援を施策の主要な柱の一つとして位置づけているところでございます。これまでも、県内企業に対しまして女性の育成・登用等を進める「ふくい女性活躍推進企業」への登録を働きかけますとともに、企業における女性リーダー育成の研修を実施しております。その研修の受講者153名のうち41名が女性管理職等に昇格をしているというところでございます。  来年度からは、女性活躍推進企業の裾野を拡大したいと、特に100人から300人未満の企業というものの登録が少ないというような状況にございますので、こういった企業を主なターゲットにいたしまして、女性の管理職登用などの課題解決に向けた社労士などによるコンサルティングというものを実施していきたいと考えてございます。 51 ◯議長田中宏典君) 健康福祉部長窪田君。 52 ◯健康福祉部長窪田裕行君) 私からは、海水浴場の禁煙・分煙のルールをつくったらどうかという御提案をいただきましたので、それに対してお答えをいたします。  ことし4月1日から施行されます改正健康増進法によりまして飲食店、その他事業所については原則室内禁煙ということになりますけれども、海水浴場でよく見られる浜茶屋につきましては、多くは壁がないケースがほとんどでございますので、法律上は屋内禁煙というものが適用されないということになります。その一方で、できるだけ周囲に人がいない場所で喫煙をすること、それから屋外の喫煙所を出入り口付近を避けて設置すること、そういったことがいわゆる配慮義務として適用されるということになります。  現在県では、法施行までに海水浴場も含めました施設管理者や県民の皆さんが改正法の趣旨を十分に理解していただいて、必要な受動喫煙防止の措置がとられるように市町や関係団体と一緒に説明会を開催したり、ポスターの配布などによって周知を図っているところでございますけれども、これに加えて、海水浴場につきましてはシーズン前までに、市町など設置者がございますので、そちらに対して浜茶屋の禁煙化とか人通りが少ない場所への喫煙所の設置を検討するよう要請していこうと思っておりまして、それにあわせてルールづくりについての意見も伺いながら受動喫煙防止対策を進めてまいりたいと思います。 53 ◯議長田中宏典君) 土木部長大槻君。 54 ◯土木部長大槻英治君) 私からは、河川流域の安全性について3問、お答えいたします。  まず、近年の河川整備の考え方、捉え方に変化はないかとのお尋ねでございます。  県では、市街地部を流れる河川や家屋の浸水実績がある河川などを対象に、氾濫のおそれがある箇所について河川整備計画に位置づけをして、地点ごとに目標とする流量、いわゆる1秒当たりに何立米の水が流れるかという数値目標を定めて安全に流せるような事業を実施しておりまして、まずはこれらの事業を着実に進めていくことが重要だと考えております。  なお、近年記録的な豪雨によりまして災害が頻発しているという状況を踏まえて、国では昨年11月に設置した小委員会において、気候変動に伴う降雨量の増加等を踏まえた水害対策のあり方について検討を進めておるところでございます。本年夏ごろを目途に答申を取りまとめることとしていますので、県といたしましては、この検討状況を注視しながら県管理の河川整備についても可能なものから取り入れていきたいと考えております。  次に、河川、水路等の管理について、流域全体で治水安全に関してともに考えていける体制、状況にあるのかとのお尋ねでございます。  普通河川、用排水路、道路側溝等については、各施設を管理する市町、土地改良区、それから道路管理者等がそれぞれの施設で流す水の量というものを定めておりまして、それらの施設を接続する場合には、管理者間で協議、調整を行うということになります。県では、流域全体において洪水を安全に流せるように県管理河川の整備を進めているわけではありますけれども、普通河川など他の管理者の施設と接続する場合には協議を行いまして、必要に応じて水門の設置等の逆流対策でありますとか、調整池の設置などの流出抑制対策等の実施を求めているところでございます。  次に、事前対応型のリスク管理を積極的にすべきではないかとのお尋ねでございます。  県は、水害の事前対策について、国、県、市町で構成する河川の減災対策協議会という場を活用して議論を進めているところでございます。これまでにタイムラインの策定でありますとか洪水ハザードマップの更新、それから要配慮者利用施設に対する避難計画の作成支援等に取り組んできているところでございます。平成30年7月の西日本豪雨等を踏まえて、現在、県では全国でも先進的な取り組みである県管理河川全てについて水害リスク図等の策定を来年度までに行う予定としておりまして、令和3年度までに市町のハザードマップへの反映を図っていくという取り組みを進めております。  また、土地利用については、その地域の歴史的な発展の経緯等を踏まえたものでありますことから、なかなか一律の規制というのが難しい部分がございます。こういうことから県といたしましては、水害リスクへの注意喚起のために、不動産取引時に洪水時の浸水する深さ等のリスク情報を説明するように、事業者団体に対し協力を求めているところでございます。 55 ◯議長田中宏典君) 教育委員会教育長豊北君。 56 ◯教育委員会教育長豊北欽一君) 私から4点、お答えいたします。  まず、県内の小中学校は校内LANを整備する国の補正予算に対応できているのかとのお尋ねでございます。  高速大容量の校内LAN整備につきましては、文部科学省の説明会に出席するなどして得た情報を随時市町に提供するとともに、市町教育長会議において積極的に対応するよう求めてまいりました。現在、県内全ての市町において、国のGIGAスクール構想を踏まえ、1人1台端末環境を見据えた高速大容量の校内通信ネットワークを整備していくと聞いております。  次に、県内の公立小中学校、高校のICT教育環境は今後どのように整備されていくのかとのお尋ねでございます。  小中学校における1人1台環境の整備につきましては、例えば令和2年度に小学校5・6年生及び中学校1年生分といったように国からロードマップが示されておりまして、令和5年度までに整備することになっておりますが、県内全ての市町においても令和5年度までに全学年分を整備する考えであると聞いております。県立高校分につきましては、令和2年度の新入生から3クラスに1クラス分のタブレットを整備し、各学年が持ち上がりで活用し、令和4年度までに全学年3クラスに1クラス分を整備する予定でございます。1人1台環境の整備につきましては、導入後の活用状況を見きわめた上で検討してまいりたいと考えております。  次に、3点目は県内高校の情報教育の現状と今後の見通しについてのお尋ねでございます。  高校の情報の授業は、主に1年生で週2時間行っております。生徒は社会の情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を身につけるために、情報社会の課題や情報モラルについて理解を深めるとともに、情報機器等を適切に活用して情報を収集、表現、発信、伝達する方法を学んでおります。令和4年度から実施の新学習指導要領では「情報I」が新設され、全ての生徒がプログラミング等を学習する。また、大学入学共通テストにおいて、令和6年度から「情報I」の出題が検討されております。今後は、情報の授業で情報活用能力を育成し、タブレット等を活用しながら全ての教科で情報教育の充実を図ってまいりたいと考えております。  4点目、女性活躍推進に関してですが、中学校の進路指導のあり方も時代に沿ったものになるよう、進路指導者への情報支援や研修などをすべきではないかとのお尋ねでございます。  中学校では進路指導の一環として、生徒が職業の内容や必要な資格をまとめた「なるにはブックス」というものを使って調べ学習をしたり、地元の企業や地域等の協力をいただきながら、さまざまな仕事のおもしろさを実感する機会を設けております。また、「ようこそ先輩」等で、男性の多い職種の中で活躍している女性を講師として招き、性別に関係なく働けることを知るようにしております。今後は、中学校教員が高校の学習内容や高校卒業後の情報、また地元企業の情報等を把握することで生徒の進路指導に生かしていくとともに、引き続き生徒一人一人が夢や目標を持ち、自分らしい生き方を実現していく教育を推進してまいります。 57 ◯議長田中宏典君) 以上で、細川君の質問は終了いたしました。  松崎君。     〔松崎雄城君登壇〕 58 ◯3番(松崎雄城君) 県会自民党の松崎雄城でございます。午前中最後の質問になりますが、ぜひよろしくお願いいたします。早速ですけれども質問に入らせていただきたいと思います。  まず一つ目は、5Gに関する通信環境整備についてでございます。  近年、目まぐるしく進んでいく技術革新でございますが、通信技術におきましても、世界では次世代の高速通信規格5Gの商用サービスが始まりつつあります。つい最近、携帯電話などの通信環境が3G、LTE、4Gへと進化してきたと思いましたら、既に目の前まで5Gの時代が来ています。4Gと5Gの大きな違いは、例えば最大通信速度が5Gでは4Gの20倍の毎秒20ギガビットとなります。これは4Gでは、例えば2時間の映画のダウンロードに5分かかっていたものが5Gでは3秒で済むという計算になります。また、同時接続できる端末の数は100倍の1平方キロメートル当たり100万台を可能にし、データ送受信の遅延時間は10分の1で1ミリ秒を目指すと言われております。これによりあらゆる産業は姿を変える可能性を秘めております。  国では東京オリンピックまでに5Gの整備を進めるということであり、日本でも商用サービスが始まろうとしております。この技術は都会よりも地方にとってより重要なものだと考えております。5Gで可能になるSociety5.0は、自宅から交通手段、あらゆる施設などの予約までがネットを介して行える社会になるということです。しかも、それらの移動手段は自動運転が可能になると言われております。高齢化が深刻な地方において、免許返納などにより車を自分で運転しない、あるいはできない方がふえてくるなどの問題が上がる中で、これらの最先端の技術を享受できる社会の形成は、福井が目指す住みやすい福井の実現に向けて早急にその環境を整備しなければなりません。  しかしながら、こうした環境の整備は地方より都市部のほうが進んでいるというのも現実でございます。これに対し、県も県立学校におけるタブレット及びネットワーク環境整備事業として生徒にその環境を整備するということは非常に意味のあることだと考えております。また、県内の小中学校のほとんどでもその整備に向けて動いていると聞いております。  しかし、県全体の通信環境整備ということになりますと、まだかなり格差があるようです。つい先日、私の地元でも光回線を通してもらえないかという要望をお聞きしましたが、都市部と地方だけでなく、県内でも整備に差がございます。山間部はもちろんのこと一乗谷などの観光地でも、まだケーブルテレビ回線になっております。ケーブルテレビと光の大きな違いは、通信速度の最大値ももちろんそうですが、通信の品質が実際に使ってみると大きな違いになってくると考えております。つまり動画視聴やWi-Fiの接続といった部分でございます。  人口の多い少ないの違いから実質の通信速度ということになりますと、それほど差はないということでございますが、ユーチューブや各テレビ放送の動画アプリなどが台頭してきた現在、動画視聴など大容量のデータ使用を伴うことが多くなっており、その際に体感としてケーブルテレビのほうが遅いと思うことは多々ありますでしょうし、Wi-Fiによる無線接続が主流の今、ケーブルテレビは光より上りが遅いとお聞きしております。県内ではまだ1ギガの回線が整っていないエリアがあるにもかかわらず、進出企業からは10ギガの回線を要望されるという話も伺っております。設備が整っていなければすぐれた技術も使用することができず、サイエンス・フォー・ソサエティということにはなりません。  そこで、地域のネットワーク環境の整備に関して、知事の所見をお伺いします。  また、地域の人だけでなく地域外の人、特に外国人観光客が快適に旅行できる受け入れ環境を整え消費拡大を促すためには、キャッシュレス決済、免税対応、Wi-Fiの環境整備などが必要と考えますが、観光地でのWi-Fi整備について現在どの程度進んでいるのかお伺いするとともに、今後どのような支援を行うのかお伺いします。 59 ◯議長田中宏典君) 知事杉本君。     〔知事杉本達治君登壇〕 60 ◯知事杉本達治君) 松崎議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、地域のネットワーク環境の整備についてお答えを申し上げます。  もともと今の世代はブロードバンド時代と言われていたんですけれども、そういう意味では、福井県は平成23年にこのブロードバンド100%が実現しているということで、結構早い時期にそういった時代を迎えたところでございます。そういう中で、今も御指摘ありましたけれども、私もやっていますけれども例えばツイッターとかSNS、普通、多少パソコンで動画などを見ていても、最近は結構スムーズにいくといいますか、上りをちょっと制限しながら下りを速くするようなこともされているようで、そういうこともあって下りは速いんですけれども、私もツイッターなどをやっていて感じるのは、写真もちょっと時間がかかりますけれども、動画は非常に時間がかかるということを痛感いたします。  そういう意味では、これから多分若い方を中心にいろんな発信の仕方、特に動画を送るということが5年後には主流になるというふうに先日も伺いましたので、そういうことから言えば、いかに早く通信速度を速めていくか、県内の至るところでそういったことが実現できるようにしていかなければいけない、そう考えているところでございます。そういう意味では、光回線を全ての世帯に行き届くようにといったことを目指してやっていく必要があると思っております。  そういう意味では、NTTとか大きな事業者が光回線の敷設を進めておりまして、現実にかなりの進捗を見ているわけですけれども、それがなかなかいかないところにつきましては、現状ではケーブルテレビ会社がそういった高速大容量の配線もしております。こういったところも今、光回線に敷設がえをしているといったことが進んでいるところだと思います。ですので、こういったケーブルテレビの事業者さんに対してこれをさらに推進するように声かけもいたします。  一方で、国の補助事業も来年度で終わるというようなメニューになっておりますので、国に対してさらにこれを延長する、それから拡充する、こういったことをお願いしながら、少しでも早く県内全域で5Gのレベルのネットワーク環境が整うように努力をしてまいりたいと考えているところでございます。 61 ◯議長田中宏典君) 交流文化部長白嵜君。 62 ◯交流文化部長(白嵜 淳君) 私から1点、観光地のWi-Fi整備状況と今後の支援について、お答えをさせていただきます。  まず整備の状況についてですが、現在、東尋坊、恐竜博物館、一乗谷朝倉氏遺跡など、平成30年に20万人以上の入り込み客があった県内35の全ての観光地においてWi-Fiが設置されている、ただし一部では通信品質やシームレス化といった点で改善を要するところもあると認識をしております。今後、観光地付近の動画による検索でありますとか、撮影した動画のSNSへのアップ、地図アプリを使った次の観光地への交通手段の確認、こういった容量の重い通信が、特に外国人を初めとする観光客のWi-Fi環境に対するニーズというのは高まってくると考えております。  このため来年度は、観光地や駅の周辺など市町が指定する重点エリアにおきまして、御指摘のありましたWi-Fiに加えましてキャッシュレスとか免税対応、多言語対応などの整備を総合的に進めたいと考えておりまして、専門家の協力も得ながら県内観光事業者を個別に訪問しまして、Wi-Fiなどの必要性やメリットの説明、個々の状況に応じたアドバイスなどを行うとともに財政的な支援も行いまして、市町と協力して各エリアの特性に合わせた整備を進めていきたいと考えております。 63 ◯議長田中宏典君) 松崎君。 64 ◯3番(松崎雄城君) ありがとうございます。  若い方がこれからいろいろなネットを介した事業などを行っていくと思いますので、ぜひとも早期に整えていただきたいなと思います。  続いて2点目でございます。長期ビジョンについて質問させていただきます。  前回の質問時にも長期ビジョンについて聞かせていただきましたが、長期ビジョンというのは2040年を見据えてという計画でございまして、私も2040年と申しますと47歳になる年でございます。後ろの議員の方々で言いますと、長田議員や兼井議員の年というところでございます。20年後、私も人生の真ん中という年でございますので、今回もやはり補足程度──補足程度と言いながら少し難しい提案などもございますけれども、少しさせていただければと思います。  以前から、「とんがろう、とんがろう」と言っておりましたが、私はやはり子どもたちが地元で楽しめる仕掛けづくりというのがまだまだ少ないのかなと思っております。長期ビジョン特別委員会のほうで投資というお話が出ましたが、私は子どもへの投資というのが最も受け入れられて、意味のある投資だと考えております。  学力向上などには福井県はとても力を入れていると思っております。しかしながら、学力だけが子どもを伸ばす要因ではございません。学校生活の中で、周りの同級生、あるいは先輩、後輩とどのように過ごすのか。また、部活動で何を学ぶのか。課外活動でどう動くのか。あらゆることが彼らの力となります。そして、私が考えるのはもっと自分たちで企画し、また、自分たちで実行、そして反省して次に生かす、こういった力が必要になると考えております。これはつまりアクティブラーニングにつながっているとも思っております。  アクティブラーニングとは授業を受ける側が積極的、あるいは能動的に授業へ参加することを促すことで、これからの多様な社会の中でみずからが情報を選別、判断する能力を養っていくことです。これは授業以外の部分でもみずからが主体となってプランから実行まで行うことが社会への適応能力につながると考えています。  長期ビジョンの中にも大学生との交流や企業との交流などが書かれておりますが、もっと学生が主体に近いイベントなどがあってもいいと思っております。以前、秋の地区の体育祭のシーズンに、高校生が体育祭の運営に大人と携わっているのを見てとてもよいなと感じましたが、例えばワンパークフェスのようなイベントに生徒がもっとかかわっていける仕組みづくりをしていくことで、大人や地域とのかかわりがふえ、将来戻ってきて福井で自分の子どもを育てたいと思うきっかけづくりにもなると考えます。そして、教員だけでなく地域全体で子どもを育てるという意識づくりにもつながると考えています。  そこで、高校生主体のイベント、あるいは高校生の地域の行事への積極的な参加を促すなど、そういった施策があるのかお伺いします。  人口減少対策についてですが、福井県子ども・子育て支援計画を受け、今回の長期ビジョンの中にも「子だくさんふくいプロジェクト」という重点施策がございます。第3子から第2子までの支援の拡充など子育てしやすい環境をより整えるという面ではとてもよいと感じます。しかしながら、どうにも不安感があるというのは、以前にも少しお話が出たと記憶しておりますが、これらの施策が子育てによる負担を軽減していくということばかりが表に出ていることにあるのではないかと考えております。もちろんその結果、出産に前向きになるというプラスの面も多々あるというふうに思っております。  しかし、例えば3人以上の子育て家庭を対象に協賛店舗での割引サービスを実施するママ・ファースト運動のように、子どもを産むと経済的にとてもよいことがありますというプラスの面を増加させるような働きかけが必要ではないかと考えます。そういう意味では、先ほど山本建議員の話もございましたけれども、山本文雄議員がおっしゃられます子どもが生まれたらお祝い金を渡すという話ももちろんおもしろい話だと感じました。  そこで、先ほどの答弁の中にも在宅育児手当などという話がございましたけれども、お祝い金に限らず子どもを産むことによって経済的に応援するという政策は子ども・子育て支援計画に含まれているのかお伺いします。  そして、考えている目標値なども割と無難で、頑張れば達成できるのではないかというものが多かったりするのが原因ではないかというふうにも思っております。  これもいろいろなデータをもとに推計していって、人口置換水準まで戻して、またUIターン者もふやして何とか68万人という目標ももちろんわかりますし、むちゃくちゃな数字を目標にして批判されるわけにはいかないという行政の立場ももちろん理解しておりますけれども、もう少し全体的に高めの目標値を設定してみてはどうかと思います。具体的には、2040年には総人口70万人という設定ではいかがでしょうか、知事の所見をお伺いします。  また、結婚の段階におきましても応援事業を計画しておりますが、以前女性社員と語る機会がございまして、その際にお聞きしました話の中に、県内の婚活イベントなどでは同じ人が参加していて選択の幅が狭いというお話もお聞きしました。  県外の方などを対象に、UIターンを条件にイベントを開催するなど、より多くの方に婚活イベントに参加していただくことが必要となってくると考えますが、対策をお伺いします。 65 ◯議長田中宏典君) 知事杉本君。 66 ◯知事杉本達治君) 私からは、人口減少対策の高めの目標として、2040年に70万人の人口という設定をしてはどうかという御質問についてお答えを申し上げます。  今御指摘の中にありました、また後ほど担当から御答弁申し上げますけれども、やはり子育て支援で大切なことは、今回の2人目のお子さんから支援を強化するというようなことは、どちらかというと経済的負担があるものをその部分を少しでも減らそうというような形で物事を考えて進めようという、それは非常に重要なことだと、ハードルをちょっとでも下げるということが大切だということも考えておりますけれども、御指摘いただきましたようにママ・ファースト運動というのは、本来は子育てを楽しむということが大事ですけれども、もっと別の意味で幸せになれるようなことをつくっていくというような発想で、プラスに物事を転換していくことも大事だということを考えておりまして、ママ・ファースト運動もさせていただいておりますが、これからも政策の方向として一つ、子育てをすることで人生の上でもほかのところでももっと大きなものを得られる、こういうことを考えられるようなことを進めていきたいというふうに思っております。  その上で、70万人という具体的な目標設定についてでございますが、若干これもいろんな要素がございまして、簡単にはそうだというふうにお答えできないところもございますけれども、やはり子育て、もしくは出生率の問題というのは、まず国全体の問題である。特に社会増減の話は、どうしても景気がよくなってくると東京なり大阪には魅力的な職場がたくさんあって、東京の有効求人倍率が高くなってくると、いっぱい就職口がありますのでそちらに引っ張られていくというようなことがあります。これは統計的にも、景気がよくなると地方の人口が減って東京のほうに流れるということが出ておりますので、まず一つはやはり国策として、国の中の人口の配置をどうしていくのかということは、国が力強くやっていただく必要があるかなというふうに思っております。そういう意味で、福井県としても社会減をいかに社会増にするかということをまず取り組んでいくというふうに言わせていただいております。  さらに、出生率のところも国のほうが2030年に1.80、それから2040年に2.07というような考え方を示しておりまして、そうすることで2100年ぐらいには9,000万人の人口で定常化されるというような考え方を持っております。相当意欲的な目標だと思いますけれども、それに基づいても68万人ということでございまして、さらに2万人は68足す2ではないかということとは──そうなると出生率は3とか、もうちょっと高くしていくとかいうことが必要になってくるわけでございまして、そこのところはやはり現実的にものを見ていく必要はあるかなと考えているところでございます。  ただ、いずれにいたしましても、これは何人にするかというか、いかに早く定常化できる状況にしていくのか、社会が安全・安心で老後を迎えられる、もしくは幸せな人生が歩めるようにしていくのかということだと思いますので、この辺のところは、人が減ったときにどうやって社会の活力を維持するかということを含めて、人口減対策などもしっかりと立てながら今後とも前向きに実現させていただきたいと考えているところでございます。 67 ◯議長田中宏典君) 地域戦略部長前田君。 68 ◯地域戦略部長前田洋一君) 私から1点、婚活イベントに県外の人も含めてより多くの人に参加してもらうことが必要ではないかとのお尋ねでございます。  県では来年度から、全ての市町と一体となって結婚応援対策を進めていきたいというふうに思ってございます。県全域の独身者を対象としたイベントの開催でありますとか、これまで開催しております市町主催のイベントもございますが、市町相互間の情報共有を通じて、より広域から独身の方が集まるような働きかけをその中で行っていきたいと考えております。  若い世代の人口でございますけれども、25歳から39歳で見たときに、県内の場合には男性が3,000人多いというような状況になっていまして、一方関西圏で、特に京都、大阪では女性が多いという状況になっているということでございます。大阪事務所、さらには新設を予算要求してございますが京都事務所、こういった県外事務所でありますとか、関西での移住フェア、こういったところで婚活イベントなどのPRもして、県外にお住みで福井にUIターンしてもいいと思っていらっしゃる方の参加も働きかけていきたいというふうに思ってございます。  さらに、新たに導入するマッチングシステムにおきましても、県内の独身者だけでなくUIターンを希望される方が県外の事務所において申し込み、登録ができるような形にしたいというふうに思ってございまして、より多くの方に県の結婚支援に参加できるような、そういう体制をとっていきたいというふうに考えてございます。 69 ◯議長田中宏典君) 健康福祉部長窪田君。 70 ◯健康福祉部長窪田裕行君) 私から、経済的に応援する政策というのが、計画の中にどういうものがあるのかという──いわゆるディスカウント型より給付型というお考えだと思いますけれども、今年度策定予定のその計画の中に「子育て世帯への経済支援」という項目立てが一つありまして、その中に五つの政策を上げております。  この中で、「子だくさんふくいプロジェクト」、それから子ども医療費の助成、授業料等の経済負担軽減という、この三つについてはいわゆるディスカウント型でございます。本来保護者の方が負担すべき費用を軽減するというものでございますけれども、残り二つ、在宅育児への支援、それから子育て世帯の住まい等への支援、特に在宅育児への支援は新規でございまして、限られた財源の中でどういったものができるかを考えた中で一つ出てきたものでございますが、先ほど来の議論の中にもございますけれども、いわゆる給付型というのはディスカウント型と違って財源がかなり必要だということもありまして、今、ママ・ファースト運動として御紹介いただきました「すまいるFカード」というのは、今1万2,000世帯ほどの御家庭で使っていただいているということもございますし、いわゆる給付型と申し上げてよろしいでしょうか、そういったものをこれからも、計画は計画として絶えず考えながら、これからできるだけ限られた財源の中でありますが、実現するようなことを考えていきたいというふうに思っております。 71 ◯議長田中宏典君) 教育委員会教育長豊北君。 72 ◯教育委員会教育長豊北欽一君) 私からは高校生主体のイベント、あるいは高校生に地域の行事への積極的な参加を促すなどの施策があるのかとのお尋ねにお答え申し上げます。  高校生主体のイベント等としましては、若狭東高校で開発した薬膳ランチの地元カフェでの提供や、三国高校の生徒による三国祭の山曳き、おもてなしボランティアの実施、また、鯖江の高校生による全国高校生まちづくりサミット2019などの開催がございます。県立高校におきましては、これらの活動に限らず生徒が地域に出かけていき、授業や部活動で身につけました知識技能を活用し、地域の人々と協働し地域のにぎわいを生み出すための活動を行っております。  今後も、地域との連携を強化し、学習の成果の場として高校生主体のイベント、あるいは高校生に地域の行事への積極的な参加を促してまいります。
    73 ◯議長田中宏典君) 松崎君。 74 ◯3番(松崎雄城君) ありがとうございます。  人口減少の話をしましたが、以前ですと後ろから「おまえはどうなんだ」というお声もありましたけれども、私自身ももちろん頑張るといたしまして、これからも人口減少の問題にしっかり取り組んでいただきたいなと、私自身も取り組んでいきたいなと思いますので、またよろしくお願いいたします。  三つ目の質問でございます。公共施設の再利用についてお聞きします。  近年、少子化の問題に関しまして市町単位では多くの小中学校の統合などが進んできております。県立高校におきましても奥越明成高校や坂井高校、そして丹南地区の再編に際しまして鯖江高校や武生商業と武生工業の統合による武生商工高校の設置など、再編による多数の統合が見られます。  私の地元でも小浜水産高校と若狭高校、若狭東高校がそれぞれ統合、あるいは学科の再編などが行われたところでございます。多くの高等学校におきましては、統合してもそのまま校舎の設備などは使用されるためよいとは思うのですが、関連した施設の中には使われていない施設もございますし、あるいはこれからさらに少子化になった際にそういった空き施設が出てくることも考えられます。そういった施設をどのように再利用していくのかという課題がございます。  そこで、市立、あるいは町立の廃校を再利用するという市町へ支援してはどうかと思いますが、所見をお伺いします。  また、その課題の一つが元県立小浜水産高校の寮であった海幸寮でございます。小浜水産高校は平成25年に若狭高校と統合し、若狭高校の海洋科学科となりました。それに伴って、水産高校の校舎は海洋科学科の学生たちやスキューバダイビング部が使用するなどしていますが、海幸寮は現在ほとんど使われていないとお聞きしております。  そこで、地元の方から有効活用について一つの提案がございました。その提案は国が目指す地域共生社会の実現に沿ったものであり、生活の苦しい方々を対象に低価格での入居をしてもらうという話で、これからふえてくるであろう外国人実習生や、学科の増設が予定されております県立大学生、あるいはシングルマザーやひとり暮らしの高齢者の方々など、そこに入居する方々で支え合いながら自立した暮らしを行っていくというものでございます。実施主体として社会福祉法人を設立し、社会福祉施設の経営で得たノウハウを使って介護や生活支援を行い、施設にはコンシェルジュを置き住人への問題対応なども素早く行う準備もするということでございます。  この提案をしておられる方々は、行く行くはこれを施設のみでなく地域に広げていって地域全体での共生社会のモデルをつくろうと考えておられます。もちろんまだ構想段階でありますし、余り例のないことでございますので難しい部分も多々あるとは思いますが、これからの社会情勢を考え、こういった地域のためのすばらしい活動を考えておられる方々の提案を前向きに検討してこその福井県のチャレンジ、あるいはアクションだと考えております。  そこで、現在、元小浜水産高等学校の海幸寮の活用についてどのように考えているのか伺うとともに、提案のあった施設としての利用をすることが可能なのか、所見をお伺いします。  また、以前美浜町のレガッタの大会を見学させていただいた際に、県外から学生、一般を問わずボートを学びに来る方がふえているということをお聞きしました。しかしながらその方々の受け皿となる寮などが少ないので困っているということもあわせてお聞きしました。先ほどの若狭高校の海洋科学科などもそうですが、県外からスポーツや専門性の高い知識を学びに福井に来る高校生もいらっしゃいます。そういった方々に対しての受け皿の部分というのがまだ十分ではないと考えております。若狭高校寮も古い建物で部屋数も多くはありません。ぜひ県外からの高校生に福井は受け入れ環境が整っていると広めていただきたいと思っております。  そこで、現在県内の県立高校に、県外からの高校生がどの学校でどれぐらいいるのかお伺いします。  また、その受け入れ先となる寮がどれだけあり、部屋数は足りているのか、また例えば設備などはトイレの洋式化など生徒の受け入れに適しているのかお伺いします。  さらに、これからは県外からの高校生の獲得も重要だと考えておりますが、それに対する県の方針をお伺いします。 75 ◯議長田中宏典君) 地域戦略部長前田君。 76 ◯地域戦略部長前田洋一君) 私から1点、市立、町立の廃校を再利用する市町の支援を行ってはどうかとのお尋ねにお答えいたします。  県では、廃校舎を再利用して地域住民が寄り合い、つながり力を強化する活動拠点とするために、新ふるさと茶屋支援事業を行っておりまして、その改修のための整備でありますとか活動費に支援をしております。これまでの支援事例でございますが、小浜市の旧田烏小学校の校舎を活用しまして「さかなの学校うちとみKitchen」として整備しております。地域住民が水産物の加工品を関西方面に出荷されているということでございます。また、坂井市の旧竹田小学校のケースでございますと、農山村交流施設「ちくちくぼんぼん」という施設を運営されておりまして、地域外から来られた来訪者向けに、自然・農作業体験や地元産品を活用した料理、宿泊を提供されているということでございます。  今後も、少子化に伴う学校再編により廃校となる場合も想定されるわけでございまして、小中学校は地域のつながりの拠点という施設でございますので、地域活動の活性化、交流人口の増加につながるような市町の取り組みを応援していきたいと考えております。 77 ◯議長田中宏典君) 教育委員会教育長豊北君。 78 ◯教育委員会教育長豊北欽一君) 私から4点、お答えします。  まず、元小浜水産高等学校の海幸寮の活用についてのお尋ねでございます。  海幸寮は現在使用しておりませんが、若狭高校で今使用しております若竹寮が昭和44年に建築されたものであり、築50年を経過して老朽化が進んでおります。若狭高校としては、今後、県内外からの海洋科学科への入学者の推移などを見ながら、海幸寮を改修の上、寮として再活用する計画を持っておりまして、県としても支援してまいりたいと考えております。  次に、県立高校に県外からの高校生がどの学校で、どれぐらいいるのかとのお尋ねでございます。  昨年4月の県立高校全日制26校の入学生のうち、県外からの入学生は11校25名でありまして、約半数がスポーツや文化活動等で活躍した生徒を募集する特色選抜の合格者でございます。昨年はやや少なかったものの、例年40名程度が県外から入学しております。学校別では鯖江高校が5名と最も多く、美方高校が4名、丸岡高校と丹生高校が3名、ほかは大体1名ないし2名でございます。  3点目は、県外からの高校生の受け入れ先となる寮がどれだけあり、部屋数は足りているのか、また、トイレの洋式化など生徒の受け入れに適しているのかとのお尋ねでございます。  現在、県立学校の寮は九つあり、総定員数181人に対しまして入居生徒数は84人となっております。施設の老朽化などもありまして、入居率が高い寮と低い寮がございます。寮のトイレにつきましては、洋式トイレが全体の約2割であり、進んでいるとは言えません。まずは、今年度から3カ年かけて、普通教室のある教棟の生徒用トイレの洋式化を優先して進めていくことにしておりまして、寮のトイレの洋式化につきましては、入居状況を踏まえ順次整備するよう検討してまいりたいと考えております。  4点目は、県外からの高校生獲得に対する県の方針についてのお尋ねでございます。  県外からの生徒の募集につきましては、県外生が福井の高校で学び、生活することを通じて福井に愛着を持ち、将来福井への定住につながることが必要と考えております。県外の高校生に福井県に来てもらうためには、全国トップレベルの部活動や専門に特化した特色あるカリキュラム、また寮の完備など、全国に響くような学校の魅力づくりと効果的な発信が重要と考えております。 79 ◯議長田中宏典君) 松崎君。 80 ◯3番(松崎雄城君) ありがとうございます。  時間が大変余っておりますので、再質問させていただきたいと思います。  今ほど海幸寮のお話をいただきましたけれども、若竹寮が築50年なので、その補填としてという形で多分考えておられると思うんですけれども、これは現在計画の中で、いつ改修するであったりとか具体的な年数とかが決まっているんでしたら、それについてお伺いしたいなと思います。 81 ◯議長田中宏典君) 教育委員会教育長豊北君。 82 ◯教育委員会教育長豊北欽一君) 私も昨年、実際海幸寮を見に参りまして、現場を見てきておりますが、まだ高校からは具体的な計画は上がってきておりませんが、若干の改修なり、そしてまた舎監の確保とかそういった課題を抱えていると承知しております。 83 ◯議長田中宏典君) 松崎君。 84 ◯3番(松崎雄城君) あと、今ほど聞き取れなかったんですけれども、トイレの整備の部分が、現在寮のほうでは洋式が約2割、先に学校のほうのトイレの整備を3カ年かけて行うということですので、寮のトイレの整備についてはその後、3年以降になるという話なのか、それとも並行して行っていくということなのかお聞きしたいと思います。 85 ◯議長田中宏典君) 教育委員会教育長豊北君。 86 ◯教育委員会教育長豊北欽一君) 並行も含めて検討してまいりたいと思います。 87 ◯議長田中宏典君) 以上で、松崎君の質問は終了いたしました。  ここで休憩いたします。   午後0時14分 休 憩                ━━━━━━━━━━━━━━━   午後1時20分 再 開                 会議に出席した議員(35名)    1番  野  田  哲  生          20番  西  本  正  俊    2番  渡  辺  大  輔          21番  宮  本     俊    3番  松  崎  雄  城          22番  畑     孝  幸    4番  山  本     建          23番  鈴  木  宏  紀    5番  山  浦  光一郎           24番  大  森  哲  男    6番  細  川  かをり           25番  田  中  宏  典    7番  北  川  博  規          26番  仲  倉  典  克    8番  西  本  恵  一          27番  田  村  康  夫    9番  兼  井     大          28番  佐  藤  正  雄    10番  清  水  智  信          29番  笹  岡  一  彦    11番  田  中  三津彦           30番  斉  藤  新  緑    12番  長  田  光  広          31番  松  田  泰  典    13番  力  野     豊          32番  田  中  敏  幸    14番  小  堀  友  廣          33番  山  岸  猛  夫    15番  島  田  欽  一          34番  欠        員    17番  辻     一  憲          35番  関     孝  治    18番  西  畑  知佐代           36番  山  本  芳  男    19番  鈴  木  宏  治          37番  山  本  文  雄                ━━━━━━━━━━━━━━━                 会議に欠席した議員(1名)    16番  小  寺  惣  吉                ━━━━━━━━━━━━━━━ 88 ◯議長田中宏典君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  野田君。     〔野田哲生君登壇〕 89 ◯1番(野田哲生君) 民主・みらいの野田哲生です。  冒頭、政務活動費について申し上げます。2月18日付で、議長から政務活動費の使途の透明性確保に関する文書が全議員に配付されました。議員への政務活動費に対する県民の目は厳しく、不信感が増しております。県民に信頼していただけるよう、会派としてもこの事態を真摯に受けとめ協議を進めておりますが、私もみずから襟を正して議員活動に取り組むことを決意し、通告に従い質問に入ります。  今議会は私にとって初めての予算議会であります。理事者からは、新年度からの個別計画の策定や改定、事務事業の見直しによる一般財源36億円の削減、多岐にわたる新規予算などが提案されており、特に北陸新幹線開業への準備に多くの新規事業が盛り込まれております。その新年度予算の根拠となる「FIRST291~北陸新幹線開業プラン~」が令和6年度までの計画として示されました。この計画の趣旨は、これまでの高速交通開通アクションプランのハード整備中心だったものに加え、首都圏からの誘客と県内での受け入れ準備といったソフト対策を強化するものであります。  また、同じ計画期間でふくい観光ビジョンも策定案が示されました。この二つの計画ともあらゆる角度から戦略を立て、具体的な施設やフィールドも入れ込んでおり、時代の変化を見据えたオールラウンドのビジョンであると感じました。特に、これまでの観光戦略と違うのは、数値目標の最上段に観光消費額を上げている点であり、観光と地域経済の活性化を本気で結びつけようという姿勢が見られます。ただ、この二つの計画は策定期間が同じであり、それらのビジョンは観光客を誘客し福井でおもてなしをするという、そういう点では理念や趣旨も似通っており、違うのは対象となる誘客するエリアの設定だけではないかと感じました。  そこでまず、来年度予算の目玉となるこれら二つの計画のそれぞれの位置づけとすみ分けについて所見を伺います。  ふくい観光ビジョンの戦略ではまずは福井を選んでもらう、そしてFIRST291では福井のファンになってもらうための新たな取り組みが盛り込まれています。昨年11月15日の観光戦略検討会議では、この計画についてさまざまな議論がなされましたが、その中に「県民は観光が自分ごとになっていない」という意見がありました。そのことを裏づけるのは長期ビジョン策定に係る県民アンケートです。県外から多くの人が訪れることを期待するという選択肢を選んだ方は、これはほかの政策への期待に対し非常に少ないことがわかります。  ふくい観光ビジョンでは「県民oneアクション」として具体的行動が示され、また、FIRST291の取り組み方針では、県民一人一人の積極的な行動を推進していくとしておりますが、具体的な予算を見ると、県または4月に申請予定のDMOによる首都圏でのイベント、マスメディアや旅行会社へのPR予算の計上が目立ちます。これは県民からすれば、県が誘致してくれる観光客を待てばいいという意識にもなりかねません。我が事として考える意識が一層希薄になる懸念があります。  そこで、観光誘客に向けた福井ファンの県外拡大に向け、県民一人一人が北陸新幹線開業への意識を高め、他人事でなく積極的に参加していただけるよう、今回の新年度予算、そしてこれらのプランの中でどのように戦略を立てているのか、知事にお伺いします。  私も県会議員として県政報告、あるいは地域の方と話をする中で、県の観光政策を伝えることはできても、皆さんと一緒に観光客を呼び込み盛り上げていこうと訴える具体的な取り組みがありません。私も県外に出張に行ったとき、福井をPRできる媒体があればと感じることがあります。自治体職員は出張時に観光パンフレットを二、三種類持参して相手方に渡すというのが通例ではございますが、県民が出張に行ったときに観光パンフレットを持参してもらうというのは現実的ではありません。また、「県民oneアクション」の取り組み例として「地元の観光資源を知りその魅力を友人に紹介する」と書いてはありますが、なかなか行動には結びつきにくいと思います。  そこで提言ではございますが、県民にオリジナル名刺を、ネット受付を通して郵送配付してはいかがでしょうか。その名刺には自分の役職と名前を入れ、また、ふくいドットコム──これはホームページでございますけれども、そのQRコードも入れて、架空の部署や自分が好きな役職を入れたオリジナル名刺は、フェイス・トゥ・フェイスで自分の名刺と一緒に渡すことができ、会社の訪問先でなく県外の友人知人にも気軽に渡して話を盛り上げることができます。会った人の名前が入っている、そんな名刺はなかなか捨てることができません。さらに、自分が福井を売り込むために福井のよさを自発的に調査、研究することにもつながります。  そこでお尋ねしますが、オリジナル名刺は一例としても、今後、県民主役で実行できる具体的な観光誘客策を検討すべきと考えますが、所見を伺います。  次に、恐竜博物館の機能強化について伺います。  私も恐竜博物館を会派で視察し、特別展の営業や、専門職の方々が努力している実態を見て、本物の大切さを痛感させていただきました。その視点で恐竜関係予算を見ると、ドキドキ・ワクワクする恐竜電車、恐竜直通バスの仕立て、さらに恐竜ホテル改装支援、これは県外のお客様が家を出る前からワクワクする目的の一つにもなります。そこはぜひとも本物にこだわっていただき、リピーターをふやしていただきたいと願います。さらに、移動手段に北陸新幹線を含め恐竜電車を選んでもらうことで博物館周辺の渋滞緩和にもつながりますし、恐竜ホテルがふえていけば、次は違うホテルへ泊まろうとリピーターがふえる可能性もあります。  しかし一方で、勝山にはせっかく本物の恐竜王国が存在するにもかかわらず、県内各地に恐竜ランドマークを誘発する支援事業が計上されています。恐竜は県の目玉事業ではありますが、各市町の特色や観光地に影響を与えないか危惧してしまいます。  この恐竜モニュメントの県内各地への設置について、各市町との協議や合意形成は図られているのか伺うとともに、恐竜王国福井への誘致において、県内市町や南条サービスエリアに恐竜モニュメントを設置する目的と効果についてお伺いします。  今回、恐竜博物館の増築部に小卵を設ける新たなイメージが提示されましたが、まさにこの恐竜王国の拠点でこそランドマークにこだわってほしいと思います。小さな卵が割れて光の中から恐竜の赤ちゃんが出てくるような演出をすれば、インスタ映えも含めSNSでの発信による話題性はあると思います。恐竜博物館の機能強化とはいうものの、整備に係る費用は約94億円とかなりの大規模であります。県民を初めさまざまな方の意見を聞いて、持続して後世に残していくものをつくり上げていただきたいと思います。  そこで、今回示されたイメージを残しながらも、県民からいろいろな提案をいただくプロセスも必要かと思いますが、今後の詳細設計までにさまざまな意見を聞くタイミングは検討されているのかお伺いします。  代表質問の答弁では、恐竜博物館の地域経済波及効果を二次波及まで含んで360億円程度と想定しているとのことでありましたが、来館者数140万人で360億円と算定すると1日約1億円、単純に割り返せば地域経済波及に1人が約2万6,000円を貢献するという計算にもなります。地域経済波及を、数字の算定だけでなくしっかり目標達成に導くためにも、恐竜博物館に来ていただいたなら、ぜひとも福井に最低1泊は滞在してもらう誘導策が必要ではないでしょうか。  そのためにも、この機能強化をチャンスと捉え、県内に2日間は滞在してもらうためのパッケージ戦略が必要だと思います。県内への宿泊誘致も含め、どのように稼ぐ観光を推進していくのか、所見をお伺いします。 90 ◯議長田中宏典君) 知事杉本君。     〔知事杉本達治君登壇〕 91 ◯知事杉本達治君) 野田議員の一般質問にお答えを申し上げます。  私から、県民一人一人が北陸新幹線開業への意識を高め積極的に参加するよう、どのように戦略を立てているのかについて、お答えを申し上げます。  その前に一つ、後ほど詳細については御答弁申し上げますけれども、恐竜のモニュメントを県内のいろんなところにも配置していこうという意図のところは、おっしゃるとおりでブランドのイメージというのがあって、例えば「恐竜は勝山よね」と、こういう考え方ももちろんありまして、そのことは大事にしていかなければいけない。例えば、温泉街の真ん中に恐竜が何匹もいていいのかという議論もあるだろうというふうにも思います。永平寺にいていいのかとかですね。一方で、例えば福井駅前の動く恐竜のところも、私は苦労して福井市とお話をさせていただきました。新しいことをいろいろと始めるときにいろんな説得が必要ということもありますし、また一方で、来られる方にとって福井県は大きく見て恐竜王国だという思いを持って来られる部分もありますので、そういう両方の面を大事にしながら、必要なところには相手とお話し合いをさせていただいて、モニュメントなども設置することは必要かなと思ってこれから進めさせていただこうと思っているところでございます。  その上で、今度の新幹線にどのように立ち向かっていくのかということでございますけれども、まず、福井に対するファンの拡大ということで申し上げますと、今まではマスメディアを使ってPRというか、宣伝というのが主なやり方だったかというふうに思います。ただ、現実に今はもう若い人はテレビを見ない、それから新聞も読みませんし活字離れになっているわけでございまして、そういう中でいかに刺さる広報をしていくのかというのは重要なわけでございます。そういう意味では、県や市町だけではなくて、県民の皆さんにお手伝いをいただきながら福井県のPRを行っていく、そういう刺さるPRという手法を新たに戦略的なプロモーションとして行っていく必要があるかなと考えているところでございます。  そういう意味で、「FIRST291~北陸新幹線開業プラン~」におきましては、新年度において、まず一つはキャッチフレーズみたいなものもつくりますけれども、みんなに使っていただけるようなロゴを策定いたしまして、例えばいろんなパッケージにそれを刷り込んでいただくようなことでみんなに発信をしていただくとか。それから本年度、アイデアコンテストを実行いたしまして、いろんなアイデアが出てきました。県でやるものもございますけれども、その中には、例えば「ふくジェンヌ」という、福井県の女性の皆さんが女性目線で福井のよさとか食べ物とかを撮っていただいて、インスタなどに上げていただくようなことも行うとか、新しい福井の中の美、例えば美食とか美観とか美しい湯とか、こういったようなものをそれに感動した県民の皆さん、もしくは観光客の皆さんに発信をしていただくとか。さらには「ふくめし」。福井のおいしい食材、これをつくる段階から「こんなふうにできているのよ」というようなことをユーチューブなどでも発信していただく、こういうようなことを考えているところでございます。  さらに、いろんなほかの方法もあると思いますので、経済団体とかそれから学生の皆さん、こういった方々にもSNSの発信をしていただけるような仕掛けも考えていきたいというふうに思います。  また、議員の御指摘にもございましたけれども、DMOをつくっても民間の事業者の皆さんが待っている、そういう状況ではいけないのではないかというのは全く私も同感でございまして、DMOというのは、形としてそういうものをつくっていくということは県も主導してやっていきますけれども、実際にはそのDMOとともにやっていただくのは事業者の皆さんですので、ですから「新幹線が来たのにお金が降ってこないじゃないか」という人をつくるのではなくて、この機会に自分で投資をしたり、リスクをとってもっともうけていこうというような一つの旗印だったり調整役としてDMOを使っていただく、こういうようなことをやっていただく。そういう事業者の皆さんの意識も変えていただくような取り組みもあわせて行わせていただきまして、新幹線に向けて県民の皆さんが自分事として携わっていただけるような環境をつくってまいりたいと考えているところでございます。 92 ◯議長田中宏典君) 交流文化部長白嵜君。 93 ◯交流文化部長(白嵜 淳君) 私からは5点、答弁をさせていただきたいと思います。
     まず一つ目が、新幹線開業プランとふくい観光ビジョンのそれぞれの位置づけとすみ分けについてのお尋ねでございます。  まず、ふくい観光ビジョンは、北陸新幹線開業や中部縦貫自動車道の県内全線開通、冠山峠の開通などを生かす県全体の観光振興の基本理念、あるいは政策の方向性を示すものであります。一方、新幹線の開業プランにつきましては、ふくい観光ビジョンの実行計画として位置づけまして、県、市町、関係団体、さらには県民の皆様と一体となって新幹線の開業効果を最大限発揮させるための具体的な事業であるとかスケジュールを示す実行計画という位置づけでございます。ただ、ビジョンとか理念、目標は当然共有をしておりますので、そういったところは一体的なものというふうに考えていただければというふうに思います。  次に、県民主役で実行できる具体的な観光誘客策を検討すべきと考えるがというお尋ねでございます。  今ほど知事からもお答えいたしました、県民一人一人に取り組んでいただけるような魅力の発信に加えまして、県民が主役となり実行する具体的な取り組みの誘発、支援策について、例えばおもてなしの取り組みを宣言、実践するグループや事業者を募りまして、そういった方々に新年度に策定を予定していますキャッチコピー、あるいはロゴを使ったグッズ、例えばバッジでありますとかステッカー、こういったものを提供して活動をしていただく。さらには、国のおもてなし規格認証という認証制度がございますが、こういったものの取得を推奨いたしまして、サービス品質の向上に取り組む事業者をふやしていくと、こういったところも支援していきたいと考えております。さらには、新幹線開業に向けまして、宿泊施設や飲食店などがみずからその周辺の観光地などを案内していただけるようなまちなか観光案内、こういったものも充実させていきたいというふうに考えております。  今後も引き続きまして、観光ビジョンに掲げました「県民oneアクション」の取り組みなどを促すような施策につきまして、市町とともに議論を重ねながら推進していきたいと考えております。  次に、恐竜モニュメントの県内各地への設置について各市町との協議や合意形成は図られているのか、また、それらの目的と効果についてのお尋ねでございます。  今ほど知事も御答弁させていただきましたけれども、少し具体的な部分としまして、まず、恐竜モニュメントの設置の事業の案につきましては、もともと勝山市や周辺市町と開催しているワーキンググループの市町から、こういった県内への回遊を促進するために恐竜モニュメントの設置を検討してはどうかというふうな意見が出てまいりました。それを踏まえて、機能強化に伴う新たな方策として位置づけをしたところでございます。  また、中京、関西からの玄関口である南条サービスエリアの恐竜モニュメントの設置につきましては、地元からも大変好評を得ておりますし、恐竜博物館のゲートウェイの一つと位置づけまして、来館者を迎えるモニュメントを設置したいというふうに考えております。当然ですけれども、恐竜モニュメントの設置に当たりましては、各市町とも設置場所を十分協議しながら、恐竜博物館が監修するリアルな──ここは絶対こだわっていきたいと思いますが、リアルな恐竜モニュメントを配置いたしまして、恐竜博物館へ向かう途中から非日常的な太古の世界への期待感を醸成する、そういったものをつくりまして、福井といえば恐竜というイメージづくりをさらに進めていきたいというふうに考えております。  続きまして、恐竜博物館の増改築部分につきまして、詳細設計までに意見を聞くタイミングは検討しているのかというお尋ねでございます。  恐竜博物館の機能強化につきまして、お示しした外観イメージや配置レイアウトなどにつきましては、県議会でありますとか市町、専門家などの方から、現博物館の意匠やデザインを最大限尊重すべきという意見を多くいただいております。そういった意見を踏まえまして今回取りまとめさせていただきました。これらをもとに、令和5年夏の開館を目指しまして来年度から基本設計、実施設計に着手していきたいと考えております。  なお、設計に当たりましては、県議会の皆様はもちろんワーキンググループを通じまして、専門家や若者を初め多くの県民の皆様からさまざまな意見を随時いただきながら、機能の配置や、またSNS映えするような演出、こういったものも準備も含めて具体化をしていきたいというふうに考えております。  次に、恐竜博物館の機能強化のチャンスを捉えて、県内に少なくとも2泊は滞在するようなパッケージ戦略が必要ではないか、また、どのように稼ぐ観光を推進していくのかというお尋ねでございます。  例えば、恐竜博物館を訪れるファミリー層に対しまして、六呂師高原や池田町ツリーピクニックアドベンチャー、こういった自然体験を提案するでありますとか、あるいはスキージャム勝山、芝政ワールドでのレジャー、こういったものを組み合わせまして、夕方まで県内で楽しみたいと思っていただけるような日中の周遊ルートを充実することで宿泊を促していく、そういったことも考えていきたいと思っております。また、恐竜ホテルの整備、ホテルの客室や共用スペースを恐竜仕様に改修するとか、あるいは恐竜列車や恐竜バスとホテル、さらに恐竜博物館をセットで販売する、恐竜が好きな方に宿泊を促すようなこういった事業も展開していきたいというふうに考えております。  ターゲットに合わせた観光資源の磨き上げや観光ルートを提案、発信していくことによりまして、県内での滞在時間の延長を図るとともに、稼ぐということの重要なコンテンツであります食の磨き上げ、こういったことも行いまして、稼ぐ観光を進めていきたいというふうに考えております。 94 ◯議長田中宏典君) 野田君。 95 ◯1番(野田哲生君) 今、稼ぐ観光のところで非常にうれしかったのはパックで商品化するというところで、やはり家を出る前からそういうパックを決めて出てくるというのは目的を達成するためにも非常に必要かなというふうに思っております。  それでは、次の質問に入りたいと思います。  福井県のアンテナショップ、ふくい南青山291と銀座の食の國福井館についてお聞きします。  株式会社東急ハンズに運営業務受託者が変わってから、先日この2店舗を視察し事業者の方にもいろいろお話を聞かせていただきました。いろんな努力の成果もあり、売り上げは伸びているということでございました。一方でこの議会において、この2店舗の今後の方向性の提案説明がありました。その方向性はここ数年間の議会での議論や、あり方検討委員会での意見を集約したものであると理解しております。アンテナショップの存在意義や役割については、これまで議会でもよく議論になったようですが、公金を投資している以上、県民に対し公共施設としての役割を明示し、アンテナショップという費用対効果をしっかり可視化して示すべきだと感じます。  販路拡大という名目で福井特産品の商社業務を何年にもわたって県が肩がわりするのは、ほかの中小企業や納税者からすれば異論が出ることになります。もし首都圏で福井の特産品を売り込むのであれば、アンテナショップで売り上げが伸びたという次元ではなくて、民間の卸会社あるいは百貨店の地下、ネットバイヤーへ商品の魅力を伝えて売り込んだほうがよほど売れると思います。さらに、県が持っている首都圏でのネットワークを生かして仲介していくことが本来の販路開拓であると思います。  今回の方針案では南青山は物販を取りやめ、食体験としてレストラン形式で転貸ししていく方向性が示されています。しかし、この大切な公共空間は、福井県のビジネス展開の支援の場であると定義されています。レストランが家賃収入増加のためだけに転貸しする形態をとるのであれば、それは一等地での不動産経営でしかありません。  そこで、ビジネス展開支援としてレストランをどのように運営し、それが福井に対してどのような効果をもたらすのか、所見を伺います。  また同様に、銀座日本橋エリアでの新店舗においては、どのような戦略で福井ファンをふやし、福井の観光、移住へつないでいくのか、知事にお尋ねします。  2月上旬の日経新聞に、「サードプレイス」という記事が掲載されておりました。サードプレイスとは、家族や会社以外に新たな人のつながりを持てる第3の場所でございます。例えば鳥取県立図書館には、サードプレイスとして中小企業経営者が集まり、書籍による市場動向を調べたり独自の生き残りをかけた情報収集をしたり、あるいは毎月の会合時には企業診断士や金融専門家が相談にも応じております。また、サードプレイスとしてのカフェや移動カートでの交流が契機となって、UターンやIターンをする若者を生み出しているという事例もありました。  この南青山や銀座のアンテナショップ内が、首都圏のサードプレイスとして福井出身の学生や企業人がいつでも好きなときに集まり、情報共有や交流という役割を果たし、結果としてIターン、Uターンをする若者がふえていけば一等地への投資を惜しむ理由はないと考えますが、現時点での所見を伺います。 96 ◯議長田中宏典君) 知事杉本君。 97 ◯知事杉本達治君) 私からは、銀座日本橋エリアでの新店舗における物販についての戦略についてお答えを申し上げます。  銀座日本橋エリアといいますのは、申し上げるまでもなく我が国随一の商業都市、商業街でございまして、多くの方がいらっしゃいますし、また全国のアンテナショップも軒を並べるような場所でございます。理由と言えば、やはりブランドイメージを確立するには一番いい場所ということで、皆さん同じようにここに集中されているのではないかというふうに考えているところでございます。  そういう中で今年度、ふくい南青山291、食の國福井館のほうに来られましたお客様にアンケートをとらせていただいております。そうしますと、そのアンケートをとらせていただいた皆さんの4割は初めて食の國に来られたというお客様でございまして、やはり第一印象をよく持っていただくということが大切であろうというふうに考えておりますので、一つには新しい銀座日本橋エリアでのお店は外観から目にとまるようなイメージを考えていきたいというふうに思っておりますし、また中身も、いろんなモノばかりではなくてコトの提供、提案もさせていただけるような、印象に残るもの、関心を高めてもらえるものにしてまいりたいと考えているところでございます。  具体的に申し上げますと、大きく分けまして物販のゾーンと、それから観光とか催事をするゾーンに分けていくのがいいのかなというふうに思っております。物販のゾーンは今も食の國にもございますけれども、物を売るということでございますが、ただそれだけではなくて例えば産地とか生産者、こういう方々のストーリーというものを一緒に売るというのが、やはり物を売るときにも印象に残すという意味では非常に重要だというふうに言われておりますので、そういったことも行いますし、またイートインのスペースも今では狭過ぎるというふうに言われておりますので、そこですぐに召し上がっていただけるようなスペースも確保していきたいというふうに思っております。  また、もう一つの観光催事ゾーンにつきましては、まずはそこの説明をしていただける人、コンシェルジュのような人を配置させていただいて、福井のことをよく御説明を聞いていただけるような体制にしていきたいというふうに思います。その上で、物販ゾーンで売られている物とコラボレーションいたしまして、例えば工芸品などをそこでつくってみる体験ができるとか、おろしそばを自分でつくってみるとか、こういうようなこともできる。物販とセットすることでさらに印象深くしていく、こういうようなことも考えてまいりたいというふうに思っているところでございます。  いずれにいたしましても、物が幾ら売れたか、それはもちろん一つの目安でございますけれども、その上で、こういうアンテナショップの大事なところは、なかなか福井に直接すぐ行けないような方、特に一見さんというか初めて来られる方が、いきなり福井というのが難しければ福井のお店に来ていただいて福井の雰囲気を味わっていただける、そういう環境ができるわけでございますので、そういうような深い気持ちがそこの中に入ってくると一見さんから今度常連さんになっていただいて、さらには福井に行ってみよう、移住してみよう、こういうようなことになっていくきっかけにもなるわけでございますので、そういったアンテナショップとしての役割を十分に果たせるようなものにしてまいりたいと考えているところでございます。 98 ◯議長田中宏典君) 産業労働部長国久君。 99 ◯産業労働部長(国久敏弘君) 私から2点、お答えいたします。  ビジネス展開支援としてのレストランをどのように運営し、どのような効果をもたらすというふうに考えるのか所見を伺うという点でございます。  検討委員会におきましては、南青山店の活用方針といたしまして、高級感のある都心の所在地というエリア特性を生かしまして、福井の上質な素材を使った食や伝統工芸の本物体験というコンセプトが提示されまして、最終的にレストランの充実という案に集約されたところでございます。  現在、県内事業者にスペースを転貸し、和食の飲食店が1店運営されておりますけれども、これを含めまして県内の飲食業を営みます企業様、あるいは県内出身の料理人等を対象に、食材や什器など県産品の使用等を条件に二、三事業者を広く公募する予定でございます。現在の事業者からは、越前がにや甘えびなどの本県の名物を味わった来店者が、後日「福井に泊まって食べて来たよ」という人も多くいるという声も聞いておりまして、今後、複数の飲食店が集積することによりましてその相乗効果が期待でき、さまざまな食の体験を通じて県内への誘客につなげてまいりたいと考えております。  次に、アンテナショップによりましてUIターンをする若者がふえれば、という点についてのお答えでございます。  アンテナショップのあり方の見直しに当たりましては、検討委員会におきましても、基本的な方向性としては東京と福井の交流拠点とすべきとの意見が多数出されました。こうした意見を踏まえまして、南青山のビジネス支援機能を強化し、これまでは利用を県内企業に限定していた貸しブースについて、オープンスペースを新たに設置して首都圏企業も使用可能としたいと考えております。これによりまして県内企業と首都圏企業との情報共有や交流が促進され、新たに設置するレストランの交流機能とも相まってビジネスチャンスや人脈が拡大する場とするとともに、起業を目指す若者等の利用を図りまして、将来の経営拠点として福井を選択することにもつなげてまいりたいと考えております。今後、高いポテンシャルを有します南青山の立地特性を最大限に生かしまして、ビジネス支援、交流機能を充実、強化してまいります。 100 ◯議長田中宏典君) 野田君。 101 ◯1番(野田哲生君) 南青山については、2階というか2フロアのところを見ましたけれども、やはり県内と県外が入れかわって使用しているという状況で、どういうふうに交流するのかというのはまた検討していただきたいなというふうに思っております。  それでは、最後の質問に入らせていただきます。女性活躍企業について伺います。  午前中も細川議員の質問にもございました。若者の首都圏一極集中の背景には女性の高学歴化があると言われております。4年制大学進学率は1975年には男性が41%、女性が12.7%であったものが、2018年には男性56.3%、女性50.1%と縮まっています。就職数も男女がほぼ拮抗しており、特に女性の多くはサービス業への就職を目指す傾向があり、このため集中度の高い首都圏で就職してしまう傾向があるようです。女性に就職先として福井を選んでいただくためには、女性が希望する就業場所の確保が重要です。  そこで、企業誘致や起業促進──こちらはなりわいを起こす起業ですね、起業促進などにおいて、女性が希望する業種をふやすための取り組みを進めていくべきと考えますが、御所見を伺います。  厚生労働省の取り組みで、女性の活躍推進に関して優良な企業を認定する制度、「えるぼし」認定という制度があります。女性が能力を発揮しやすい職場環境か、という観点から管理職比率あるいは労働環境、多様なキャリアコースなど五つの項目を評価して認定するものであり、学生が企業を選択する際の一つの目安になっております。二つ星以上の認定企業、これは全国で1,003企業ございますが、福井県は7企業にとどまっております。県外の大学に進学した女性が企業を選択する場合、県内企業のライバルは全国の企業となってしまうため、この認定の有無については学生の選択にも大きな影響を与えるのではないでしょうか。  県内企業で女性が活躍できる企業であることを全国に向け発信していくためにも、企業の指標であるこの認定制度の取得を県内企業に働きかけていくべきと考えますが、御所見を伺います。  また、福井県では、女性の育成や登用、働きやすい職場など、女性の活躍推進に積極的に取り組む企業を「ふくい女性活躍推進企業」として登録できる制度があります。登録すると合同企業説明会でPRされたり、日本政策金融公庫から低利融資を受けたりできるなどのメリットがあります。こちらには1月31日現在で265社が登録しています。  それらの企業が「ふくい女性活躍推進企業」という名前にふさわしい取り組みを継続し、さらにブラッシュアップしていくことを県として後押ししていく必要があると思いますが、この「ふくい女性活躍推進企業」への登録後のフォローアップの取り組みとその成果について伺います。 102 ◯議長田中宏典君) 地域戦略部長前田君。 103 ◯地域戦略部長前田洋一君) 私から2点、お答えいたします。  まず、全国の指標であります「えるぼし」認定の取得に向けて、県内企業に働きかけていくべきではないかとのお尋ねでございます。  県では、昨年6月に福井労働局と申し合わせを行いまして、県のほうで進めております「ふくい女性活躍推進企業」、そして国のほうで進めている「えるぼし」認定、これを連携して一緒に登録を呼びかけようということで進めているところでございます。県内企業が集まるイベント等を通してPRをしております。これらの結果、昨年の6月からことしの1月末までの7カ月の期間でございますが、女性活躍推進企業は18社登録がふえました。「えるぼし」認定の二つ星以上でございますが、2社増の7社と依然少ない現状でございますが、こういった状況でございます。こうした認証を受けますと、就職の際にホワイト企業というような印象を与えて、特に女子学生の関心というのは、そういったところに関心持って就職活動に当たるというところもありますので、県といたしましても国の「えるぼし」認定をふやしていくということで今後も積極的にPRしていきたいというふうに考えております。  次に、「ふくい女性活躍推進企業」の登録後のフォローアップの取り組みとその成果のお尋ねでございます。  女性の採用、育成、登用を積極的に進めるという意味で認証しております「ふくい女性活躍推進企業」でございますが、平成27年度に制度創設しまして、現在265社が登録しているところでございます。この推進企業に対しましては、すぐれた成果を上げた女性を表彰する「ふくいグッドジョブ女性表彰」というような顕彰制度も持っておりまして、働く女性の意欲向上と活躍を促進しているところでございます。  登録した企業のうちその半数においては、登録前に比べまして管理職、リーダーに占める女性の割合が増加しております。数で言いますと、1,762人いた管理職、女性リーダーが、2,131人と369人増加をしているということでございます。採用面でも、約25%の企業で女性の割合が増加をしたというようなことでございまして、一定の成果が上がっているのではないかと考えてございます。今後も「えるぼし」企業の登録とあわせて、福井県が進めております女性活躍推進企業の拡大に取り組んでいきたいと思っております。 104 ◯議長田中宏典君) 産業労働部長国久君。 105 ◯産業労働部長(国久敏弘君) 私からは、企業誘致や起業促進などで、女性が希望する業種の企業をふやす、そういう方策についてというお尋ねでございます。  地域におきまして女性の働く場をふやすことは、人口減少対策や女性の社会進出をふやす観点から重要でございまして、女性が働きやすい環境づくりを進めるため、今ほど御答弁しましたけれども「ふくい女性活躍推進企業」の登録を推進しているところでございます。  企業誘致につきましては、女性に人気の高い本社機能や管理部門の誘致を進めておりまして、近年は、都市部と同じ環境で働けるサテライトオフィスの立地を促進してございます。引き続き、東京でのセミナーの開催など誘致活動を実施してまいります。さらに、創業につきましても女性専用の相談窓口の設置のほか、先輩起業家の体験談を聞くセミナーやマーケティングなどを学ぶワークショップの開催を行っておりまして、女性の働く場の創出としまして女性みずからの創業を積極的に推進しているところでございます。 106 ◯議長田中宏典君) 野田君。 107 ◯1番(野田哲生君) 時間がなくなりましたので、福井県から各都市へ勉学に出た優秀な人たちが福井で活躍していただくためにも、できるだけ早期の県の取り組みをお願いして、私の質問を終わります。 108 ◯議長田中宏典君) 以上で、野田君の質問は終了いたしました。  佐藤君。     〔佐藤正雄君登壇〕 109 ◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。  知事や経済界からは、新幹線開業が百年に一度のチャンスなどの声が聞こえてきますが、五十年、百年に一度の大きな危機も迫っていることを考えなくてはなりません。  現在、猛威をふるっている新型コロナウイルスなどの感染症問題も、経済や観光など世界的交流人口の拡大の中でより爆発的感染の脅威が裏づけられました。また、地球温暖化、気候変動は、南極の温度が20度になるなどの異常や大規模な森林火災などが報道されていますが、日本各地でも豪雨や豪雪災害が頻発するなどの危機につながっています。  福井県独自の危機は何でしょうか。いろいろあるでしょうが、私は五つを挙げたいと思います。第一は、大阪-金沢間で準急ゆのくにの運転開始は1952年──昭和27年ですが、それ以来、関西-北陸間で寸断されたことのない鉄道が、3年後の新幹線開業により新幹線利用者も関西中京からの特急利用者も敦賀駅で全員乗りかえという、高速鉄道始まって以来の前代未聞の事態になるおそれであります。  第二は、県内各地で進められ、福井市などでもさらに大規模に行われようとしている小中学校の統廃合は地域の子育て拠点、防災拠点をなくしていく問題です。小中学校がなくなった地域では子どもはふえず、地域住民の学校運動会などを通じた交流機会の減少、日常的に管理されている災害時の避難所も失いかねません。  第三に、福井駅前でだるま屋1928年開業以来の歴史がある西武新館の閉鎖が決まり、本館も大丈夫かとの懸念が出ています。  第四に、ここ数年、また以後も新幹線など大型開発事業優先で膨らむ公共事業予算と借金財政の拡大です。  第五に、1955年原子力基本法が制定され、1957年に福井県原子力懇談会が設立されて以降、嶺南地域は原発銀座、原発のデパートと言われるほどに集中立地が進められました。今、本州で唯一原発の再稼働を認め、核のごみがたまり続けています。しかも、「もんじゅ」、「ふげん」、関電高浜原発で危険なより強い放射線を出すプルトニウムMOX使用済核燃料の集積場となりつつあります。  福井県庁、福井県議会はこれらの危機から目を背けずに、問題を先送りすることなく取り組まなくてはなりません。そこで必要なのはリスクの低減であります。私の提案は、順番に申し上げますと、第一に、新幹線開業時に敦賀駅での全員乗りかえを回避するのは、国の責任ある関与のもとに現行在来線特急の存続を実現することであります。  第二に、地域の子育て拠点、防災拠点でもある学校を守るには、市町だけに議論を任せるのではなく、人口の減少対策と地域の防災対策の観点から県としても何らかの考え方を示し、そのための財政支援など県の関与も検討すべきであります。  第三に、福井の地場の業者が残れないような福井駅前のまち壊しになりかねない巨大再開発は、福井の身の丈にあったものに見直すことです。  第四に、これ以上の財政悪化を食いとめ県民の暮らしを守るためには、現在の新幹線建設費の負担と並行在来線分離の政府与党合意のスキームの見直しを求めることが必要です。北陸新幹線のエリアで一番人口が少なく財政規模が小さい福井県が一番財政負担が重くなる仕組みの改善が必要です。できないのなら敦賀以西の新幹線計画は凍結すべきであります。  第五に、巨額の建設費や安全対策費用、行き場のない核のごみがたまり続ける原発、福島のような事故なら地域そのものが崩壊してしまう原発に未来がないことは明らかです。原発依存から脱却するプログラムをつくるべきです。  そこで、4点質問いたします。  第一に、長期ビジョンを策定し今後県政を進めていく上で、知事の考える県政のリスク要因と、そのリスクにどう対処するお考えかお答えください。  第二に、県民に不誠実な原子力行政についてです。高浜原発で使用済MOX燃料は全く行くあてもない中でプルサーマル発電が行われ、関電はMOX燃料の装荷を繰り返し、新たな燃料発注まで行いました。ダーティープルトニウムと呼ばれる危険な使用済MOX燃料をふやし続けていいのですか。このようなプルサーマルは中止を求めるべきではありませんか。  第三に、日本原電が敦賀2号機の規制委員会審査で行った悪質な地質データの改ざんについてです。日本原電は昨年も審査資料に1,100カ所以上の記載不備が指摘されています。今回は断層が活断層かどうかを判断する最重要資料にかかわる改ざんであり、許されません。知事の見解をお尋ねいたします。  第四に、財政問題です。福岡県で臨時財政対策債の返済資金を通常の予算として流用し、目的外の支出が781億円にもなっていると報道されました。総務省によると、臨時財政対策債の返済への積み立て不足は、18年度末で全国25の道府県に及ぶといいます。福井県ではこういう問題は起こっていないのかお尋ねをいたします。  さて、今議会には道路改良工事請負契約議案が2本出され、いずれも塩浜工業が参加するJVが受注し総額は24億円を超えます。御承知のように塩浜工業は原発立地の玄海町長の当選祝いに100万円を届けたことが明らかになり、玄海町長は不適切との批判を受け3カ月の給与返上を決めています。  12月議会まではこの議場におられた石川与三吉前県議は、政務活動費出張旅費の不正受給問題の責任をとり議員辞職されました。この政務活動費不正にかかわり、長期間にわたり40数回も偽りの出張の証拠である現場写真や現地担当者の名刺などを提供していたのが塩浜工業だと報道されております。いずれの事案も政治家サイドは責任をとりましたが、もう一方の塩浜工業サイドは事実関係も明らかにしないという、国民・県民に対して極めて不誠実な態度をとり続けております。社会的不正にかかわった疑いのあるこういう企業に24億円を超える契約をなぜするのか、と私のところにも敦賀市民の方から疑問の声が寄せられました。これらの議案に土木行政上の入札手続の瑕疵はないとの説明です。  玄海町長と石川前県議の事案について、塩浜工業サイドの行為及び説明責任を果たしていない現状について知事はどう考えるのですか。  また、契約議案について県民から出されている疑問の声にどう答えるのか、お尋ねをいたします。  次に、知事は提案理由説明の中で、「国際的なホテルブランドを展開するマリオット・インターナショナルが福井駅西口再開発ビルへの進出を決め、開業に向けたまちづくりも着実に進みつつあります。交流人口の受け皿となるだけでなく、同ホテルの高いレベルのサービスを通じて、本県のおもてなしの向上を期待しているところ」と述べられました。  今は破綻した経済の考え方にトリクルダウン、つまり大企業が栄えれば社員や国民に利益が回り経済的利益が滴り落ちてくるというのがありました。アメリカ資本主義での強烈な貧富の格差の拡大と矛盾の広がりがあり、これが今大統領選挙でも社会主義を掲げるサンダース氏の評判につながっていると報道されております。日本でも、大企業は空前の内部留保をため込みながら社員の給料が下がっている、これが現実です。福井県民を見ても10年間で世帯の年収は100万円も減っています。これが現実であります。  果たして知事が述べられた「交流人口の受け皿」、「おもてなしの向上」、「福井県が大きく変革するこのとき」などのフレーズは現実となるでしょうか、それともかつての映画「マトリックス」の世界になるのでしょうか。アメリカのホテルを誘致して、交流人口拡大で落ちるお金は一体どこに落ちるのでしょうか。福井の地域内で循環するお金となり福井市民を潤すのでしょうか。アメリカのホテルや巨大なタワーマンション、このような街のシステムが地域や住民主体のシステムとして持続可能なのでしょうか。  知事にお尋ねをいたします。福井県と福井市だけでも100億円もの税金投入となる福井駅西口再開発事業は、長年駅前で営業されてきた御商売の皆さんが引き続き御商売できる計画になるのですか。  また、福井市主体の再開発事業のはずですが、ホテル誘致の華々しい記者会見はホテル側を除けば、なぜ知事一人で行われたのですか、お尋ねをいたします。  次に、文化行政についてです。  福井市文化会館が来年3月末閉館、駅前再開発で福井まちなか文化施設「響きのホール」も廃止となります。福井市中心部で音楽や演劇、落語などさまざまな文化発表の場となってきた大小の舞台が一度に二つなくなる事態です。フェニックス・プラザで代替をというのが福井市の方針のようですが、フェニックス・プラザは今でも土日などかなり利用されて詰まっております。また、音響がよくないという課題も指摘されております。  また、福井市には演劇関係者らも稽古に利用しており文化、スポーツ両面で使用ニーズが高い福井市研修センターの廃止、これも来年3月末と先日発表されました。演劇関係者からは、アオッサやハピリンでも稽古はできるけれども本番の利用者が優先だと、いわゆるふだん使いの練習場がなくなる問題があるとの懸念をお聞きいたしました。県都中心部から相次いで施設がなくなる異常な状況です。県として、県都のさまざまな芸術文化の発表の場や練習の場が削減されていくことの問題をどう捉えているのでしょうか。  もともと県都であるにもかかわらず、文化芸術活動に利用できる数百席ほどの適当なホールの少なさが指摘されておりました。県民の文化の発表の場、鑑賞の場や練習の場を県都中心部から次々なくしながら、長期ビジョンといっても文化の貧困の拡大ではないでしょうか。新幹線や再開発という巨額の財政支出できらびやかな福井駅前ができるとしても、福井市民、福井県民の内部からあふれ出るワクワク感、ドキドキ感とはならない懸念があります。  文化・芸術活動の分野において、県民市民のソフト力が発揮できるハード面の確保、充実について県はどう考えているのですか。県都の問題として、福井市とも連携しての対応が必要ではありませんか、お尋ねをいたします。  次に、恐竜博物館についてです。  恐竜博物館が盛況の中で20周年となりますが、私も当時のオープニングセレモニーに参加させていただいた思い出があります。私は議員以前から個人的に今の県立歴史博物館で開催された恐竜展も見ましたし、上野の科学博物館や幕張などで開催された恐竜展などにも何度か足を運んでいましたので当初から期待をしておりました。恐竜への関心の高まりという鉱脈、そして実際に勝山市での恐竜化石の発掘という鉱脈がうまく合わさったのが、福井の恐竜博物館だと思います。全国では、勝山市以上に貴重な恐竜化石がまだまだ埋もれている地域も少なくないでしょう。しかし、実際に粘り強く発掘を続けて恐竜化石の産出と研究成果を積み上げたところが、福井県の研究者の皆さんと携わってこられた県幹部や職員の皆さんの偉いところだと思います。  さて、今議会には恐竜博物館機能強化事業なども提案されています。  当初からの理念を生かして、研究の充実とその成果を広く知らせていくことを大切にしていただきたい、そして、特に福井県の子どもたちには新しい料金設定では配慮していただいて、地元の博物館として何度でも手軽に見に来ることができるようにしていただきたいと思いますが、御見解をお尋ねいたします。
     さて、2022年4月1日より親の同意なしで単独で有効な契約ができる成年年齢が現在の20歳から18歳に引き下げられます。これは、18歳、19歳の若者が未成年者取消権の保護を外されるということが問題です。未成年者取消権は、未成年であることを証明するだけで──だまされたとか脅されたとか、そういうことを立証するまでもなく契約を取り消すことができるものであり、消費者被害を防止する防波堤です。だから悪質業者も18歳、19歳には手を出せないということにもなっているわけですね。この防波堤がなくなるわけですから、悪質業者などの大波が若者に襲いかかってくる懸念があります。  現在20歳を境に急増している問題が、賃貸アパート契約、フリーローンやサラ金、自動車関連や多様なマルチ商法、エステ契約などです。私自身も20代に同年代の皆さんから、ダイヤモンドとか調理器具などのマルチ商法など各種の被害相談に多く対応した記憶がありますが、今でも品は変わっても同様の被害が続いているんだろうというように思います。これらは金銭の被害、家庭問題はもちろん、友人関係の破壊など深刻な影響を人生に及ぼすだけに許しがたいものであります。  県もこれまで対応の検討や実施を進めてこられたと思います。  日弁連消費者問題対策委員会副委員長も務められた福井市の島田広弁護士は、「被害防止に関する消費者教育を一過性の啓発型に終わらせないために、継続的に消費者の知識や交渉力が向上していくような実践的な教育が必要。悪質商法への関心が低く自信過剰傾向の強い若者たちに学びのモチベーションを持たせるには、君も被害に遭うかもというアプローチよりも、身近なところから被害をなくすために君にもできることがあるよと、こういうアプローチでポジティブな気持ちで消費者問題を考えてもらうほうが効果が高い。被害者予備軍として若者を捉えるのではなくて、被害防止の担い手に」と消費者法ニュースで書かれておりました。  高校生、大学生など若者は多忙であります。日々の勉強や部活、友人関係、受験や就活。一方、目前の危機をクリアする若者になっていただきたいと思います。最近、沖縄県では88の県立高校のうち、30校134人の生徒が3万から6万円の仮想通貨への投資の勧誘を持ちかけられたことが、教育委員会の調査で明らかになりました。  福井県では高校での悪質商法の勧誘や被害などは本当にないのですか。福井県の若者を悪質業者から守るためには、高校生の保護者に対しパンフ配布と説明を行っているとのことですが、さらに一歩踏み込んだ継続的な実践的教育に県庁全体が連携して取り組むことが必要ではありませんか。見解をお尋ねいたします。 110 ◯議長田中宏典君) 知事杉本君。     〔知事杉本達治君登壇〕 111 ◯知事杉本達治君) 佐藤議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず最初に、今後県政を進めていく上で、私が考えるリスク要因とそれにどう対処するのかという御質問についてお答えを申し上げます。  冒頭、幾つかの今後のリスクについて議員から御説明をいただきました。その中で私は、特に北陸新幹線の全線の開通ですとか、また、福井駅の西口の再開発については、本県がこれから発展していく上で欠くべからざる事業であるというふうに考えております。逆にこういったことで得られるプラスの面をいかに伸ばし広げていくのか、こういうことに尽力してまいりたいと考えているところでございます。  その上で、私が考えますリスクの要因といたしましては、やはり一番大きいのはこれから人口が減少していく、結果として高齢化が進んで、また、地域を維持する力が弱くなっていく、経済活動にも影響があるのではないか、こういった点について対処していかなければいけないと考えているところでございます。方法論としては、るるこの議会でも御説明もさせていただいておりますが、人口減少対策の中で、一つにはUIターンを強化していくとか、また、子どもが生まれやすい、育てやすい環境をつくっていく、こういうことはまず基本的に必要なことだろうというふうに思っております。  また、地域を維持するという意味では、今非常に技術革新が進んでいるICTなどを使って、またはいろんな新しい機械やシステムもできてきているわけでございます。一つにはドローンを使って物を運ぶようにできてくるのではないかとか、それから永平寺町でも、もう取りかかっておりますけれども自動運転、こういったような技術もできるだけ早い段階から取り入れていく、これも大事だろうというふうに思っているところでございます。  もう一つ、人口が減ってくる中で、技術だけではなくて社会のシステムとして今までできなかったことを規制緩和も含めてできるようにする、もしくは経済原理だけではないうまいやり方がないか、こういうことを追求していくのも一つの方法だろうと思っているところでございます。  例えば貨客混載とか、今までバスは人しか乗せていなかったけれども、ほとんど人が乗っていなくて空気だけが乗っていたところに荷物を乗せる、こういう方法もありますし、また例えば宅急便であれば、どこまでも幾つかの会社が必ず自分で届けている、これでは経済原理からいって間に合わないわけでございまして、そういう方法ではなくてそれを1カ所に集めて物を運んでいくような方法はないのか。または、現実に食べ物を売って歩くような、そういう巡回型の販売をしているところもあるわけでして、そういった機会に何かプラスアルファのサービスをするような方法はないのか。また、ボランティアを有償で行うことで、例えば交通手段であればタクシーよりは安い、バスよりはちょっと高いけれどもと、こういうようなものの提供ができれば末永く、お年を召されてもいろんな仕事ができる、そういう環境を整備することにもつながるのではないか。  こういうことがございますので、今回も新しい予算の中でもこうした地域のチャレンジを応援できるように、もしくは、例えば企業さんが有償ボランティアを活用しながら地域の交通を守るような事業に対しても支援ができる予算も仕組ませていただいておりますし、また、新幹線、中部縦貫自動車道、さらには舞鶴若狭自動車道の4車線化を活用して交流人口を広げていく、こうすることで地域の活力を維持する、これを進めてまいりたいと考えているところでございます。  続きまして、日本原電が敦賀2号機の規制委員会審査で行った地質データの書きかえについてお答えを申し上げます。  この中身につきましては、規制委員会の審議の中でのお話でございますので、個別の中身について私からはコメントを差し控えさせていただきますけれども、一般論として申し上げれば、規制委員会の疑義に対しては、日本原電は元データを示して科学的に資料の書きかえの理由を明らかにして、しっかりと説明責任を果たしていただくべきものだというふうに考えているところでございます。  続きまして、マリオット・インターナショナル、このホテルの誘致の記者会見をなぜ私1人で行ったのか、福井市などが同席していなかったのではないか、こういう御質問についてお答えを申し上げます。  まず、マリオット・インターナショナルホテルを誘致した経過から申し上げますと、これは福井駅西口ということで誘致をしたわけではございませんで、いわゆる国際的な、高級なシティホテルと呼べるものが県下どこにもない、こういう状況でございましたので、こういったものを今回の新幹線の開通を機に誘致をしようということで、県下全域に対して誘致活動を行ってきたところでございます。現実に、私も就任いたしましてからマリオット・インターナショナルに参りまして誘致を行ったところでございます。その結果として今回、マリオット・インターナショナルから福井県に進出したいという報告がございましたので、そうであればということで共同で記者会見をさせていただいた。県が独自に行った誘致活動に対して答えていただいた企業があって、県民の皆さんからも非常に関心が高かったので今回一緒に記者会見をさせていただいたと、そういう経過でございます。一つ追加的に申し上げれば、その記者会見の場に福井市さん、それから再開発組合の方も同席はされていたというところでございます。  そうした中で今回お知らせをさせていただきましたけれども、事業主体は基本的に再開発組合でございまして、これからも福井駅の西口の再開発、特にA街区のところの事業については、再開発組合と福井市、さらにはほかにも関係者がいらっしゃいますので、こういう方々と連携もとりながら、また応援もさせていただいて進めさせていただきたいと考えているところでございます。  私からは以上でございますが、そのほかの御質問につきましては、担当から御答弁申し上げます。 112 ◯議長田中宏典君) 総務部長近松君。 113 ◯総務部長(近松茂弘君) お尋ねのうち、私からは臨時財政対策債の関係につきましてお答えをさせていただきます。  御質問の中で全国25の道府県で臨時財政対策債の積み立て不足が生じているということで、本県で積み立て不足が起こっていないのかという点の御質問についてでございます。  本県でございますけれども、臨時財政対策債につきましては、国の基準に基づきます返済のための積立額につきまして、県債管理基金に不足なく積み立てをしてございます。また、この基金につきましてはほかの予算へ流用ということもなく、適正に管理をしているというところでございます。県といたしましては、引き続き健全財政の維持に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 114 ◯議長田中宏典君) 交流文化部長白嵜君。 115 ◯交流文化部長(白嵜 淳君) 私からは、文化行政に関しまして2問、お答えをさせていただきます。  まず、文化芸術活動の分野において、県民、市民のソフト力が発揮できるハード面の確保、充実について所見を伺うとともに、福井市と連携した対応が必要と考えるがというお尋ねでございます。  まず、本県の劇場、音楽堂などの数につきましては、人口10万人当たり全国平均の約1.4施設に対して、本県は約2.7施設ありまして、全国でいいますと4位と多い状況でございます。福井市内におきましても、県の施設といたしまして県立音楽堂、アオッサにあります県民ホール、生活学習館の三つの県施設がございまして、こういった施設について、福井市の広報なども通じまして県施設の利用促進を図っていきたいというふうに考えております。一方、新年度から若者の文化活動を応援するための新規事業といたしまして、会場代の補助をしたいというふうに考えております。さらに、福井市と協力して、まちなかで音楽のミニコンサートを開催するなど県民の文化活動の発表の場の創出などに取り組んでいきたいと考えております。  次に、恐竜博物館の当初からの理念を生かして研究の充実とその成果を広く知らせることを大切にするとともに、県内の子どもへの料金設定について配慮してほしいなどのお尋ねでございます。  現在、恐竜博物館が世界三大恐竜博物館とまで数えられるようになりましたのは、ひとえに研究の成果でございます。恐竜博物館の機能強化に当たっては、その研究成果を生かした展示やサービスの充実により、キラーコンテンツとしての博物館の魅力を高めていきたいと考えております。世界に誇る恐竜化石研究、情報発信の拠点として今後も不断の努力を重ね、未来に続く博物館を目指していきたいというふうに考えております。  新しい料金設定につきましては、オールシーズン化に伴い見直していきたいと考えておりますが、今後リニューアルオープンに向けまして、子ども料金の設定でありますとか遠足などの学校利用、あるいは子ども会などの団体利用への割引、さらには周遊割引、さまざまな割引制度が考えられると思っております。こういったものを他の施設などの事例も研究しながら、県議会の御意見も伺い検討していきたいというふうに考えております。  私からは以上でございます。 116 ◯議長田中宏典君) 安全環境部長清水君。 117 ◯安全環境部長(清水英男君) 私からは2点、御答弁申し上げます。  まず1点目、原子力関係でございます。  使用済MOX燃料をふやし続けてよいのか、プルサーマルの中止を求めるべきではないのかという御質問でございます。  国は、エネルギー基本計画におきまして、核燃料サイクル施策としてプルサーマルを推進するというふうにしておりまして、発生する使用済MOX燃料の処理、処分については、「引き続き研究開発に取り組みつつ、検討を進める」というふうに明記しているところでございます。  本県といたしましては、先日取り出されました関西電力高浜3号機の使用済MOX燃料も含めまして、全ての使用済燃料について再処理するために県外に搬出されるものであるというふうに理解しているところでございます。このため、先月27日に国に対しまして、使用済MOX燃料の処理、処分について技術的な検討、さらには研究開発を加速し、その具体的な方策を明らかにするよう要請したところであり、今後ともしっかり国に物を申していきたいというふうに思っております。  続きまして、悪質商法関係でございます。  18歳、19歳の若者を守るために、一歩踏み込んだ継続的な実践的教育に県庁全体が連携して取り組むことが必要と考えるが所見を伺う、という御質問でございます。  県では昨年度、消費者教育推進計画というものを策定いたしております。この中で、「幼児から成人までの切れ目ない消費者教育の提供」というものをこの施策の大きな柱の一つと掲げております。特に、議員からお話がありましたように、成年年齢が引き下げられるということがございますので、これに対応した高校生に対する消費者教育を強化するということに取り組んでいるところでございます。具体的には、今年度から教育委員会等と連携をいたしまして、県内の全ての高校におきまして、契約に関する基本的な知識、あるいはクーリング・オフ制度などについて高校の実際の授業の中のグループ活動というようなところを活用させていただいて、実践的な研修教育というものに取り組んでいるところでございます。  また、高校生の保護者に対しましても、啓発パンフレットを配付し、若者が遭いやすい消費者トラブル防止のための知識を身につけていただくように呼びかけをいたしております。今後とも、成人直後の若者が消費者トラブルに巻き込まれないよう、関係部局と連携をして取り組みを進めていきたいと考えております。 118 ◯議長田中宏典君) 土木部長大槻君。 119 ◯土木部長大槻英治君) 私からは2点、まず、社会的不正事案と工事請負契約議案についてのお尋ねでございます。  不正事案にかかわった疑いのある塩浜工業が説明責任を果たしていない現状について、どう考えるのか。それから、この事業者と議会案件に係る契約を実施することについて、県民の疑問にどう答えるのかとのお尋ねでございます。  一般論として申し上げますと、新聞等で大きく報道されるなど社会的な関心が高い事柄につきましては、事業者みずからが責任ある対応をお考えいただき、実施していただくべきものだというふうに思っております。その上で、今回お諮りしています土木部の3本の新規の契約議案につきましては、施工実績や能力に加えまして工事の方法等にかかわります技術提案の内容を審査する総合評価の一般競争入札において落札者を決定したものであり、仮契約を締結したものでございます。議員御指摘の2本についても、これまでの入札、契約手続が適切に行われているというものでございます。  なお一般的には、入札後本契約に至るまでの間に落札者が法令違反等──具体的には役員が入札妨害でありますとか談合の容疑で逮捕、起訴されたり、代表役員が禁固刑相当以上の容疑によって逮捕、起訴等がされた場合になりますけれども、こういった場合に、いわゆる入札参加資格の制限でありますとか指名停止措置を受けるような事態に至った場合には、県は仮契約を解除する等の必要な対応をとるということになります。  次に、福井駅西口開発について1点、再開発事業が、長年駅前で営業してきた方が引き続き営業できる計画となっているのかとのお尋ねでございます。  福井駅西口における3地区の市街地再開発事業につきましては、土地や建物の権利者等が中心となって、民間の組合により進めているものでございます。一般的に再開発事業では、この再開発組合が設立されますと、土地、それから建物の権利者の方は全員組合員という形になりまして、その中で店舗等を営んでいる組合員は、希望する場合には現在の権利が新しい再開発ビルの権利に置きかえられて引き続き営業が可能となるということになっております。現在、北地区のA街区におきましては、再開発組合がこの組合員に対して営業継続の意向を確認しているというふうに聞いております。  また、土地建物の権利者ではない、店舗等を借りているいわゆる借家権者の方については基本的に再開発組合が営業補償等の金銭的な対応をするということになります。引き続き再開発ビルで営業を希望する借家権をお持ちの方については、現在の賃貸借契約関係にある貸主さんなどと協議をすることになるほか、例えば再開発ビル以外の周辺で営業を希望する借家権をお持ちの方は、営業補償等をもとに周辺の物件を探して営業を続けるということになろうかと思っております。 120 ◯議長田中宏典君) 佐藤君。 121 ◯28番(佐藤正雄君) 知事と安全環境部長に再質問しますが、企業のコンプライアンス、関西電力の問題は前議会でも取り上げましたし、新聞報道では3月半ばぐらいに第三者委員会の報告書が出されるというふうに報道されておりますが、関電のこういう不正なお金の還流問題、そして、今指摘もしましたけれども日本原電の規制委員会に対してデータを改ざんして提出するという問題、そして塩浜工業の今指摘した問題、こういう企業のコンプライアンスについて知事御自身はどう考えるのか。それはきちんと企業がみずから説明すべきだということはもちろんでしょうけれども、知事自身はどうお考えなのかという点を、1点確認をしたいというふうに思っています。  それからもう1点は新幹線の問題なんですが、これは杉本知事もこの地方負担のあり方、一番小さい福井県がなぜ一番大きな負担になるのかというようなことには、それでいいというお考えでは必ずしもないとは思うんですよね。ですからそこは国に対しても必要な改善を求めていくということが必要ではないかと思っているんです。  なぜこういうことを言うかといいますと、以前からこういうことは私の主張なんですが、先日お隣の京都市の市長選挙があった際に、自民党の京都の参議院議員の方が新幹線の負担は見直すと、京都の財政に大きな影響が出ないように見直しを求めるんだということで主張されたという報道がありました。ですからこれは、ある意味では党派を超えてできる問題なのかなと。  今の新幹線の過大な地方負担の見直しというのは、自民党の京都選出の参議院議員の方もそのように演説されたとお聞きしていますので、そういう点では、これは国に対してもいろんな角度から見直しを求めていかないと、このままのスキームで小浜、京都ということでいきますと、福井県の負担は前も指摘したように膨大な負担になりますので、そこは知事のお考えを確認したいというように思っています。  それから安全環境部長ですけれども、プルサーマル、MOX燃料、これはウラン燃料だとざっくりいえば冷えるまで15年、MOX燃料だと冷えるまで100年と俗に言われているわけですね。100年間検証したわけではないのでわかりませんけれども、熱量の計算だとそういうようになると。使用済燃料プールは大体鉄とかコンクリートですから、大体寿命はビルと同じ五、六十年ということなんですよ。ですから無責任に、冷えるのに100年もかかるような使用済MOX燃料をふやし続けていいのかということが問われるんですよ。  だから100年後どこか外へ持ち出してくれよという話を私は聞いているのではなくて、冷やすのに100年間も時間がかかり、そして使用済核燃料プールの寿命よりも長いような、そういう管理を続けなきゃいけないというようなものに対しては、これは国が云々ということを言われるのはもちろん当然ですけれども、そういうことはまずやめてくれということを国に対して言うべきではないか、関電に対して言うべきではないかということをお尋ねしたいというように思います。 122 ◯議長田中宏典君) 答弁時間がなくなりますので、簡潔にお願いします。  知事杉本君。 123 ◯知事杉本達治君) 御質問の2点について、お答えを申し上げます。  まず、前半のコンプライアンスの関係でございます。  関西電力にいたしましても、それから日本原電にしましても、これは電力ということで非常に公益的な事業を営まれているわけでございますし、また塩浜工業の名前が出ましたけれども、こちらについても税金が投入されている県の事業を請け負ってやられるわけでございますので、通常の企業に比べても高い説明責任、コンプライアンスが求められるというふうに思っておりますので、きちんとその辺は企業としてしっかりと社会的な正義を果たしていただく、これはお願いしたいと思っております。  それから新幹線の負担を改善すべきではないかということにつきましては、運用の面、例えば並行在来線の特急の存続等、いろんな形で私どももお願いをしております。着工の認可に向けて、新しく大阪までの開業に向けていろんなことを検討していただく必要があると思っておりますので、そういった形で申し上げますけれども、大きく負担の面についてはこれまでもいろんな沿線の自治体がやってきた知恵が結集している中でございますので、できるだけ国費とか、また事業者の貸付料をふやす形で我々としても安くしながらと思っておりますけれども、とにかく何とか大阪まで、これを全線で開通させていきたいと考えているところでございます。 124 ◯議長田中宏典君) 安全環境部長清水君。 125 ◯安全環境部長(清水英男君) 国のエネルギー基本計画の中でちゃんと検討を進めるというふうに言っておるのですから、早くその具体的な方策を明らかにするように要請しているということでございます。 126 ◯議長田中宏典君) 以上で、佐藤君の質問は終了いたしました。  ここで休憩いたします。   午後2時41分 休 憩                ━━━━━━━━━━━━━━━   午後2時55分 再 開                 会議に出席した議員(34名)    1番  野  田  哲  生          20番  西  本  正  俊    2番  渡  辺  大  輔          21番  宮  本     俊    3番  松  崎  雄  城          22番  畑     孝  幸    4番  山  本     建          23番  鈴  木  宏  紀    5番  山  浦  光一郎           24番  大  森  哲  男    6番  細  川  かをり           25番  田  中  宏  典    7番  北  川  博  規          26番  仲  倉  典  克    8番  西  本  恵  一          27番  田  村  康  夫    9番  兼  井     大          28番  佐  藤  正  雄    10番  清  水  智  信          29番  笹  岡  一  彦    11番  田  中  三津彦           30番  斉  藤  新  緑    12番  長  田  光  広          31番  松  田  泰  典    13番  力  野     豊          32番  田  中  敏  幸    14番  小  堀  友  廣          33番  山  岸  猛  夫    15番  島  田  欽  一          34番  欠        員    17番  辻     一  憲          35番  関     孝  治    18番  西  畑  知佐代           37番  山  本  文  雄    19番  鈴  木  宏  治                ━━━━━━━━━━━━━━━                 会議に欠席した議員(2名)    16番  小  寺  惣  吉          36番  山  本  芳  男                ━━━━━━━━━━━━━━━ 127 ◯議長田中宏典君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  鈴木宏治君。  なお、鈴木宏治君より資料を使用したい旨の申し出があり、これを許可いたしましたので御了承願います。     〔鈴木宏治君登壇〕 128 ◯19番(鈴木宏治君) 鈴木宏治です。前回、6月定例議会で幾つか質問しまして、きょうはその進捗状況の確認を含めて質問してまいります。子育てについて、障がい者やひきこもりについて、そして福井市の中核市移行についてであります。
     まずは、子育てについてです。  私には今2人の子どもがいますが、手がかかります。御飯は食べない、着がえもしない、ひたすら遊んでいます。ただ、この間も先輩議員に言われましたが、今は手間がかかるけれども、これからお金がかかるようになってくるよということであります。現代は子育てに非常にお金がかかります。学費、塾、そしておもちゃなんかも高いですよね。子どもは1人でいいや、2人でいいやとなるのもよくわかります。別に個人的な愚痴を言っているわけではなくて、政策としてはこのお金と手間を社会全体でどうやって受けとめられるようにしていくか、これに尽きるわけであります。  今回、提案されている予算の目玉の一つが「子だくさんふくいプロジェクト」です。2人目からは保育料を無償化する、在宅でも月1万円を支給するという、かなり画期的な内容だというふうに思っています。ところが、これを聞いた妻が私に一言言いました。「じゃあもう3人目つくらなくていいよね」と。これまでは、2人目までは大変だけれども3人目以降は楽になる、だから3人つくろうと思っていた夫婦も結構多かったわけなんですが、2人目からも優遇されますと、子どもを3人つくるインセンティブというのが非常に小さくなっていくんですね。2人目は優遇する、3人目はさらに優遇するというのが、世界的にも成功している少子化対策の考え方であります。  今回の長期ビジョンを書きかえてでも、3人目をさらに応援できるような施策を導入していくべきと考えますが、知事の考え方を伺います。  私がいつも頭を悩ますのは子どもの遊び場であります。土日が近づいて私の予定があいていると、せっかくだからどこかに連れていこうとネットを検索します。この間はイチゴ狩りとか、あと芝政とかに行きました。子どもたちが手と口をぐちゃぐちゃにしましてイチゴを食べているのを見ますと、連れてきてよかったなというふうに思うんですが、終わると、また次はどこに連れて行こうかとさらに悩むわけです。  今回提案されている子ども・子育て支援計画では、子どもの遊び場の充実を掲げています。これはとてもありがたいことであります。ただし、行政の縦割り意識というのがここにもあらわれているようでありまして、エンゼルランドのように健康福祉部で所管をしている遊び場については幾つも挙がっているのですが、例えば福井市の運動公園のように子どもの遊び場として非常に使いやすい施設でも、他の部が所管しているものは挙がっていません。民間施設も考慮されていません。  ほかの部の施設も子どもを遊ばせやすいように手を加えていく、情報発信についても分け隔てずにやる、そのような意識で進めるべきですが、これも考え方を伺います。  それから、前回の質問で、男性トイレの中におむつ交換スペースをつくってほしいということを訴えました。部長は、子ども・子育て支援計画の中で議論していきたいと答弁されたのですが、中に反映されておりません。心からがっかりしました。恐らく、多くの人には何だそれという程度のことなのでしょうが、実は今、子育て中の父親たちの間ではちょっとしたムーブメントにもなっています。(資料掲示)こちらは、トイレの中で、膝の上でおむつをかえようと奮闘しているお父さんの写真です。実はこの写真がきっかけとなって、ニューヨークでは男性トイレにおむつ交換スペースが義務化をされました。今、日本でも全国的に署名運動も進んでいます。  何も知らない人は、ショッピングセンターにはキッズルームがあるではないかというふうに言われることもあるんですが、あれは実はとても入りにくいんです。隣に授乳スペースとかがあって、大人の男には非常にアウェー感が強いんですね。近くから様子をうかがって行ったり来たりして誰もいなそうだと入ります。ただ、途中で女の人が入ってきたりすると、ごめんなさいとなぜか言ってしまいます。  男性トイレのおむつスペース、そんなにお金がかかるわけではないと思いますので、ぜひ推進していただきたいと、今回再度の答弁を求めます。  それから、少し話は変わりますが里親制度についてもお聞きいたします。  県は社会的養育推進計画をつくって、簡単に言えば親のいない子どもや何らかの理由で親と一緒に暮らせない子どもを、施設に預けるのではなくて里親に預けるようにしていこうという計画を立てています。(資料掲示)こちらは、この間、里親になった人とか、あるいは児童養護施設の子どもたちを集めたイベントをお手伝いしてきたものであります。こんな感じでやってまいりました。私も何度も子どもたちと接するようになって、何とかこの子たちにすてきな家庭を提供したいということも感じています。  計画の中でキーになるのがフォスタリング機関とされております。これは里親になりたい人を発掘して子どもたちとマッチングをしていくという役割です。知識も経験も要りますし、この機関が有効に機能するかどうかが里親制度の今後を左右するということになります。十分な質と量を持ったフォスタリング機関を設置すべきですし、当然それなりのお給料も保証しないといけません。  どのような規模のものをいつまでに設置するのか、予定をお聞きいたします。  ここまでで、子育てについての質問は一旦終了します。いろいろ文句を言いながらも、今、妻のおなかの中には3人目の子どももおります。私だけではなくて、私を含めた子育てに奮闘するお父さん、お母さんに向けた答弁ということでお願いしたいと思います。 129 ◯議長田中宏典君) 知事杉本君。     〔知事杉本達治君登壇〕 130 ◯知事杉本達治君) 鈴木議員の一般質問にお答え申し上げます。  まずは3人目のお子様、御懐妊ということで、おめでとうございます。  先ほど、3人目の子どものほうがもっと喜びが大きくなるような、そういう手厚い手当てがあればというお話でございました。  そういう意味で、福井県の3人っ子政策というのは非常に手厚くできておりまして、2人目のところはまだ所得制限がかなり厳しいですけれども、3人目のところは所得制限なしでやらせていただいておりますし、また、何よりやはりお子さんは──私は2人で終わっておりますので、3人子どもがいると、子どもの中のコミュニケーションの場が量的にも質的にも物すごく変わってきますので、そういう意味ではやはり3人目、本当におめでたいと思っております。これからも3人目以降、できるだけたくさん産んで育てられるような環境をつくってまいりたいと思っております。  その上で、今回どうして2人目のところの支援に乗り出しているかということについて少し申し上げさせていただきますと、県内でこれまで、先ほど来申し上げているように3人っ子政策を進め始めたのが平成18年からですので、平成17年と平成30年を比較いたしますと、全体ではその14年間で18.5%、年間で生まれる子どもの数が減ってきている、そういう中で、第3子以降については全く減っていない状況でございます。一方で第2子が23.5%減っている。そういう意味では、3人目にいく前の2人目のところで諦めているということが非常にふえてきているという状況がございます。  また、県民の皆さんにアンケートをとらせていただきまして、経済的な負担が大変で子どもがなかなか育てられないという方々に、1人目、2人目、3人目を伺いましたところ、やはり2人目のところが非常に負担感が大きいということもアンケートで出てまいりました。1人目のところは57.8%、2人目は67.8%、3人目は61.4%という結果でございまして、3人目よりも2人目のところで皆さん諦めてしまう、そういう実態がございましたので、今回そうしたいろんなところでの皆さんのお声も伺いながら、2人目に拡大をさせていただいたというところでございます。  いずれにしましても、先ほど申し上げましたけれども単に負担感を減らすのではなくて、やはり3人目以降、お子さんを持っていればこんな大きな喜びがあるということを──物理的な部分もあるかもしれません、そういうものも含めて大きくできるようなことを今後とも考えながら、3人目、4人目、できるだけ子だくさんの福井県にできるように今後とも努力してまいりたいと考えているところでございます。 131 ◯議長田中宏典君) 健康福祉部長窪田君。 132 ◯健康福祉部長窪田裕行君) 私から3点、お答えをいたします。  まず、子どもを遊ばせやすいような子どもの遊び場について、福祉以外の施設についても手を加えていくとか情報発信をしていったらどうかという御提案でございます。  子どもの遊び場につきましては、この計画に先立ちまして昨年1月に実施しましたアンケート調査でも、子育て家庭から整備を希望する声というのがたくさん寄せられております。一方で、計画を策定する有識者の御意見とか、いろんなところで御意見を伺う中では、実は遊び場はたくさんあるにもかかわらず情報が発信されていないというような意見が数多く寄せられました。  この計画策定と並行いたしまして、県のほうで市町から遊び場となる施設を福祉関係以外も含めて網羅的に集めたところでございまして、今300カ所程度の情報が集まっております。これは近くホームページで公表できる予定でございます。これを広く、いろんな形で周知していくことによりまして、福祉以外の目的で設置されている施設につきましても、おのおのが子どもの遊び場としての意識を持って運営していただけるようになってくるのではないかと、そういうことも考えております。  さらに、県内に多数民間の施設もございますので、今は公的施設を集めましたけれども、民間の施設もこのリストの中に入って皆さんにお知らせできるような仕組みをつくりまして、もっと幅の広い子どもの遊び場の紹介というものをしていきたいというふうに考えております。  次に、男性トイレ内におむつ交換スペースを設置することについてどうだという御提案でございます。  今回の計画ですけれども、はっきり見えにくかったかもしれませんけれども、子ども連れ家庭に対する優待サービスの実施という中に、企業との共同によりキッズスペースを設置していくというのを掲げております。県では、もともと授乳室とかおむつがえスペース、今ほどの御紹介にもありましたがまちなかキッズルームというものを平成15年から設置を進めておりまして、現在383の公共施設、民間施設の中にこれがございます。ところが、これはホームページなどでも紹介しているんですが、今ほどの御紹介にもありましたように、そのほとんどが実は男性も利用可能なんですけれども入りにくい。それから、実際その場へ行っても入ってよいかどうかもわからないということがございました。  今回、この支援計画の策定を機に、おむつがえスペースのある男性トイレであるとか、それから今のまちなかキッズルームの中に男性も入れますよ、男性も使用可能ですよと、これは女性にもわかっていただかないといけませんので、そういう共通のサインをつくりまして掲示する。これは民間と一緒に協力してつくって、まず今あるものを男性も利用しやすくする。その上で、こういうサインがあるということをきっかけにして、新しく民間施設でも男性トイレの中におむつがえスペースをつくるという、そういう機運をつくっていきたいというふうに思っております。  次に里親関係で、フォスタリング機関、これをどのような規模でいつまでに設置するのかという御質問でございます。  フォスタリング機関の行う業務は里親の新規開拓、それから登録里親の方の研修、それから子どもと里親家庭のマッチング、それから委託後の里親家庭の支援など、本当に多岐にわたる業務がございます。児童相談所のマンパワーだけでは、これまで実施は困難であったわけでございますけれども、今後、児童相談所がフォスタリング機関の中核を担いながら、できるだけ乳児院とか児童養護施設とか里親会の皆様のお力を借りて、場合によっては委託する形で実施を進めていきたいと思っております。まずは、新年度は児童相談所に里親支援を専門に担当する児童福祉司を配置いたします。その職員が中心となって、各施設などと委託可能な業務の調整等を行いまして、1年から2年のうちにフォスタリング機関の開設というところにこぎつけたいと、このように考えております。 133 ◯議長田中宏典君) 鈴木宏治君。 134 ◯19番(鈴木宏治君) それでは、次は障がい者やひきこもりについてです。  今回の議会に、重度障がい者の福祉に関する請願というものが出されています。松田議員や渡辺議員とともに私も取り組んでまいりました。請願者は3組の御夫婦で、いずれもお子さんが重度障がいをお持ちの方です。内容を簡潔に申し上げますと、重度障がい者向けのグループホームをつくってほしい、そのために必要な医療との連携だとか、そういうことをしっかりやってほしいと、こういう内容であります。この請願を出しに来られるときに何人来られるのかと聞いたところ、お一人の方のみでした。署名しておられるのは3組の御夫婦、すなわち6人でありますから少ないなと思いましたら、重度障がいのお子さんを抱えていると、お父さんは働きに行っているとお母さんはその瞬間もお子さんを見ていないといけないということで、毎日の行動が非常に制約されるということも痛感いたしました。  今後、これは議会の中で議論されるということになるわけでありますけれども、ここでは、可決された場合にということですが、請願の内容を実現するためには、県としては例えば病院との連携であるとか、あるいは補助金という措置も必要になってくるのかなというふうに思うんですが、前向きに対応する思いはあるのかどうかということでお聞きしたいと思います。  次に、私自身が障がい者やひきこもりに深くかかわっている経験から、相談支援事業所の運営が危機に瀕しているということを前回申し上げました。改めて解説すると、相談支援事業所というのは、その障がい者がどのサービスを受けるのがいいか相談しながら決めていくという部署です。高齢者におけるケアマネに相当する、障がい者福祉の中で最も重要なポジションであります。これが、お金が回らなくて事業所の閉鎖が相次いでいるという状況です。他県では、これを是正するために県費を充てているところもあるということも申し上げました。そのとき部長からは、「そういう声をさまざまな事業所から聞いているので、相談支援事業所に対する実態調査を行います」ということで答弁をいただきました。  あれから半年たちましたので、実態調査の結果、あるいはそれを踏まえた県の対応についてお伺いしたいと思います。  次に、ひきこもりについてです。  原因も対処法もなかなか解明できない難しい課題ですが、近年ではアウトリーチ、すなわち相談に来るのを待っているだけではなくて、こちら側から家まで訪問するという仕組みが効果的だと言われていまして、国もそちらを重視する方向にどんどん変わってきております。  前回の一般質問への答弁で、「住民に身近な市や町が相談に応じられる体制、それと県が連携していくということが重要だ」と答えられました。今回の予算の中にも、ひきこもり対策推進事業が提案されています。ひきこもり家庭からの相談は、一義的に市や町が受けて、専門的なサポートが必要な場合、県がストックするチームを派遣すると、そんなイメージかなというふうに私は受けとめています。ただ、市や町、それに専門チームを指揮する中枢機能が、今のひきこもり支援センターのような貧弱な組織にあるとは、私にはとても思えません。  人数をふやすとか、あるいは専門でやっている法人に外部委託するということが効果的だと考えますけれども、今後の推進体制をお伺いいたします。  次に、これは障がい者福祉だけに限らず高齢者福祉、それから保育園にも言えることですが、これは午前中も議論に出ていましたけれども、職員の給料が大変安いですね。福井県ではいずれの業種も平均で20万円前半ぐらいというふうに聞いていますので、施設長とか資格を持った人はもうちょっと高いのでしょうが、多くの職員は月給20万円とか、あるいは十数万円で働いているというのが実態であります。  国は処遇改善加算という仕組みをつくって、福祉職員の給与を上げる努力もしています。いずれもおおむね月数万円のアップというふうに聞いておりますけれども、障がい者や高齢者福祉については、今年度から特定処遇改善加算という2階建ての仕組みをつくって、さらに努力もしているところであります。これを前回の委員会質疑で取り上げたところ、障がい者事業所でこの処遇改善加算を取っていないところが3割、高齢者事業所では1割、保育園は少し仕組みが違いますが十数パーセントとのことでありました。理由はそれぞれあるのですが、事務手続が難しくて本当に手間がかかって、ただでさえ人の少ない福祉事業所で書類を書ける人がいないというケースも大変多いと聞いています。  この事務手続の煩雑さを理由として加算を諦めるような事業者がゼロになるような、そんな仕組みをつくっていかないといけないと思っていますが、所見をお伺いいたします。  このテーマについての質問は以上になります。障がい者や引きこもりの本人や家族に少しでも希望が見えるよう、誠意を持った答弁をぜひお願いいたします。 135 ◯議長田中宏典君) 知事杉本君。 136 ◯知事杉本達治君) 私からは、重度障がい者向けのグループホームへの対応について御説明申し上げます。  まず、医療的ケアが必要な重度障がい者の方に向けたグループホームにつきましては、厚生労働省のほうで平成30年に新しい制度を設けていただいたというところでございます。これに基づきまして、本県におきましても各事業者に対して、こうしたグループホームの設置について働きかけをずっとしてきているところでございます。  一方で、まだ現実にはそういったものができていないということの背景といたしましては、事業者さんにお話を伺いますと、どうしても報酬に対して事業費がかかってしまって、大幅な赤字になるという採算の面と、それから看護師さん等の職員の確保が難しいということと、医療的ケアをしてもらえるような医療機関を探していくのが大変だというようなことで現状できていないというのが現実のところでございます。  一方で、やはりこうした医療的ケアが必要な方にも、また、御家族の方もそうですけれども、できるだけ安心して暮らしていただけるような環境を整えるということはとても大事だと考えているところでございまして、そういう意味では私どもといたしましても、こうした医療的ケアが必要な重度身体障がい者の方のグループホームをつくっていただけるように、まず一つは、やはり本筋である報酬基準の見直しを国に対して要請をしながら、さらには人材の確保ですとか、それからまた経費をどうしていくのか、さらには医療との連携、こういったことを今後とも県としてできることを検討してまいりたいと考えているところでございます。 137 ◯議長田中宏典君) 健康福祉部長窪田君。 138 ◯健康福祉部長窪田裕行君) 私から3点、お答えをいたします。  まず、相談支援事業所の実態調査がどうだったかということでございます。  実態調査をするということを申し上げたわけですけれども、その調査項目など、福井県相談支援専門員協会と協議を重ねた上で、この1月にその実態調査を実施させていただきました。この調査の結果、回答をいただいた51事業所でございますけれども、そのうちの約75%の事業所が赤字であると。本体法人があるものが多いんですが、そちらからの繰り入れを行って事業を継続しておられるという実態がわかったわけでございます。  これは、そもそも国の報酬単価の設定が、相談支援専門員1人当たり月40件対応できるという想定で組まれているんですけれども、実際の現場では報酬の対象とならない基本的な相談とか、医療機関や行政へ付き添っていくとか、それから会議とか事務手続とかそういったものに追われて、平均しますと月15件程度がやっとできるかできないかという状況でございまして、これが一番の要因であろうというふうに今の調査結果から思っております。  事業所からは、対応件数の実態に応じた報酬単価の設定とか、対応件数に左右されない固定報酬制度みたいな制度を設けるべきであろうという、いわゆる報酬体系の見直しを求める意見をたくさんいただいております。我々は調査しましたけれども、こういった実態を国がしっかりわかっているかどうかということもございますので、今後、報酬改定は令和3年度ということで伺っておりますけれども、そこに向けて国にしっかりこの実情を、我々の調査結果を伝えていくことによりまして、まず制度はできておりますので、待遇といいますか、そういったものをしっかり引き上げていく、こういう活動に取り組んでいきたいと思っております。  次に、ひきこもり支援センターの体制を強化すべきではないかということでございます。  県のひきこもり地域支援センターは現在職員2名、これは県職員1名とひきこもり支援コーディネーター1名ということでやっておりますけれども、4月から新たにコーディネーター1名を増員しまして専任職員3名で支援を行っていく体制に変えてまいります。この増員に加えまして、嶺南地域での支援を強化しようということで、職員が週2日程度、若狭健康福祉センターを拠点といたしまして、ひきこもりに関する相談対応でございますとか、ひきこもりの状態にある方が集まって、交流を通して社会参加につなげるフリースペースの運営、これは嶺南にまだございませんので、これをやっていくということを現在考えております。  次に、給与改善のため加算取得を諦める事業所をなくして、加算を受けていない事業所をゼロにするということを進めるべきではないかということでございます。  処遇改善加算につきましては、まず制度がわかりにくいということもございますし、加算の条件となるキャリアパスの導入というのが難しいという事業所もございます。今ほども御紹介いただきましたけれども、障がい福祉施設では26.7%がまだ取得していない、それから高齢者の介護事業所では9.8%がまだ取得できていない、それから保育では全ての事業所が取得はしているんですけれども、2階建て、3階建てになっておりますので、その最上位の加算に限定しますと12.8%が取得していないという状況にございます。  県といたしましては、毎年こういった法人を対象に加算制度などの説明会とかセミナーを繰り返しておりますし、この申請手続、それから制度内容について丁寧に説明を行いながら加算の取得を促しているわけでございますけれども、今、介護分野で事業所個別に社会保険労務士を派遣してアドバイスとか、場合によってはお手伝いとか、優良事例の紹介とかをやることによって、加算取得の増加の成果が上がってきておりますので、今後、こうした専門家派遣などの取り組みを障がいの分野とかほかの分野にも広げて、まずは全ての事業所が加算を取得できるように、それから、その加算も最上位の加算を取得できるようにということを後押ししていきたいと、そのように思っております。 139 ◯議長田中宏典君) 鈴木宏治君。 140 ◯19番(鈴木宏治君) ありがとうございます。  あと、本当は福井市の中核市移行についてお聞きするつもりでありましたが、時間がもうございませんので、きょうはこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。 141 ◯議長田中宏典君) 以上で、鈴木宏治君の質問は終了いたしました。  畑君。     〔畑 孝幸君登壇〕 142 ◯22番(畑 孝幸君) 県会自民党の畑孝幸でございます。  今議会に示されております長期ビジョンや人口減少対策戦略の素案に関連して質問をさせていただきます。  まず最初に、長期ビジョンについて伺います。  長期ビジョンにおける実行プランのコンセプトとして、「とんがろう、ふくい」が掲げられています。全国各地の自治体が人口減少、担い手不足などの将来への対策としてさまざまな地方創生対策を打ち出している中、福井という地方が突出した、とんがった魅力のある県に生まれ変わり、発信していくということは非常に大切であると思います。人口規模が小さな県でも全国の中で存在感のある地域となり、とんがった存在感のある企業や人材がどんどん生まれてくる、応援していくというイメージを感じさせるこのコンセプトは非常にわかりやすく、さまざまなことにチャレンジする勇気を県民に与えてくれると思っております。  また、その基盤として重要なことが安全・安心な社会を構築していくことであると思います。大変幸いなことに、幸福度日本一という冠が福井県にはありますので、安全・安心な社会の構築が、ひいては持続可能なまちづくりにつながっていくと思っております。  この長期ビジョンの実行プランを読んでまいりますと、「持続可能な次世代コミュニティ創出プロジェクト」が示されていますが、ここには、「人口の減少、高齢化集落の増加、集落機能の低下が懸念される中、少ない人員でも持続可能な地域運営を行うスマートタウンを実現するため、新たな技術や共助の仕組みなどを導入することにより次世代コミュニティを創出します」と書かれております。  どうも私にはピンと来ない印象です。このような対策で地域コミュニティは本当に守られ、持続可能なまちづくりになるのでしょうか。今までやってきた、昭和から平成の大合併を行ってきた結果が現在になっておるわけですし、今、技術革新の中で本当にこのような地域が出てくるのか、今の現実を直視すれば、地域の実情に合った内容にすべきだと思っております。  地域に係る政策を立案する上で、市や町との連携は不可欠であるとともに、県の強力なリーダーシップも求められます。一例を申し上げますとTPPがあります。TPPはアメリカが離脱する中で締結されました。海外から安い畜産物が大量に輸入されることになるため、酪農家は大変だろうなと思っている矢先にCSF、いわゆる豚熱が発生し、県内の養豚農家が廃業するという事態にまでなりました。また、加えて、福井の酪農家の方々は金沢の食肉流通センターで若狭牛を処理していますが、その食肉流通センターも赤字で存続が危ぶまれております。  私は議員になってから、限界集落のこと、鳥獣害対策のことについて、角度を変えながらたびたび質問をしてまいりました。嶺北に有害鳥獣を処理する施設を設置するよう求めた際には、「これはひとえに市町の業務であるので、市町がどこまで進めるかである。早急に市町が検討するものと考えている」と、突き放すように当時の農林水産部長は答弁しておりましたが、県が主導して速やかに対応していれば豚熱の拡大は抑えられたかもしれないと思うと、残念でなりません。  今回の予算案には、地域課題の解決を行うモデル地区の取り組みを支援する次世代コミュニティモデル事業が新たに盛り込まれていますが、あくまで市町や集落の自発的な取り組みに期待するような事業のようにも見受けられます。モデル地区の選定をどのように行うのかということもありますが、一義的に市町や地域任せのやり方ばかりを続けていくのでは、集落の活性化はなかなか前に進まないのではないかと思います。  そこで、集落機能の維持、活性化に関して、地域や市町任せにするばかりではなく、県がもっと前面に立って効果的な対策を講じていくという姿勢を示すことが必要であると考えますが、知事の所見を伺います。  また、地域のコミュニティ、集落機能の維持、活性化に関しては、各市町がみずから策定した集落活性化計画に基づき、近隣の集落同士が力を貸し合っておのおのの集落の除草や除雪を行うなどの施策を県が支援する、集落活性化支援事業が平成30年度から始まっており、来年度も今年度とほぼ同規模の約1億2,000万円が盛り込まれておりますが、これまで実施してきた集落活性化支援事業による取り組みによって集落機能の維持、活性化への効果がどの程度あらわれてきているのか、所見を伺います。  実行プランには基本的な考え方として、文化力を生かす県づくりを進めることが重要と示されています。北陸新幹線が3年後に福井、敦賀まで開通しても、観光客が福井駅を素通りしてしまうことは避けなければいけません。歴史や文化に関する観光資源としては、丹南地区にはナイフビレッジや和紙、越前陶芸村などの伝統工芸文化がありますし、福井市には、米国の日本庭園専門雑誌に2008年から2010年にかけて3年連続3位に選ばれている養浩館庭園や朝倉氏遺跡などの歴史的観光資源も多くあります。歴史、文化を土台とした県内各地のそれぞれのストーリーを魅力的に、かつわかりやすく紹介した観光資源として磨き上げていくことによって、県内に長く滞在、宿泊してもらえる周遊滞在型の観光客がふえることになるのだと考えます。  そこで質問ですが、一乗谷朝倉氏遺跡、平泉寺、大安禅寺などの福井の観光資源におけるストーリーについて、どのように磨き上げ、魅力的な発信、誘客を行っていくのか今後の戦略についての所見を伺います。  また、基本的な考え方としてもう一つ、デザイン思考が重要とも示されていますが、デザイン思考とは何なのか、また、それはどのような形で政策の効果としてあらわれてくるのか、具体例を示すなどして県民にわかりやすく説明していただきたいと思いますが、知事の所見を伺います。  次に、人口減少対策戦略について伺います。  福井県の人口は、2000年の82万9,000人をピークに減少し続けており、2040年には64万7,000人に減少すると推計されています。  そのような中で、大変気がかりなニュースが飛び込んできました。地方創生を国が主導し、福井県も第1期ふくい創生・人口減少対策戦略が終わろうとしているときに、福井県の転出超過数は前年の2,387人から3,336人へと増加しました。東京圏への転入については、高水準の教育や好待遇の求人を求める若者が吸い寄せられていると分析していますし、一方で、交通利便性の低い条件不利地域を抱えていたり、基幹産業が不振だったりするのが流出の要因とも言われております。この転出超過数の増加は何を意味するのでしょうか。今までやってきた対策が全く機能していなかったことを如実にあらわしているのではないでしょうか。  今議会に示された資料を見ましても、社会減の現状として東京圏への転出はとまらず、大阪など関西圏への流出も顕著になってきています。社会減がふえているということは、重ねて言いますが第1期の戦略がうまくいっていない、対策に手当てが少なかったといいますか、そういう思いをしております。今と同じような施策では、これからも結果が変わらないということになりはしないか危惧をしております。  今回の第2期人口減少対策戦略の素案作成に当たり、第1期戦略のどのような点を反省し、また、それを新たな戦略にどのように反映させているのか所見を伺います。  福井は小中学生の子どもの学力が日本一と言われておりますが、優秀な子どもたちが県外の大学に進学し、そしてそのまま都市部の大企業に就職してしまうなど、頭脳流出をしている現状になっていると感じております。優秀な人材を県内にとどめておく、または一度県外に進学してもUターンしてもらうための方策を具体化していかなければなりません。  石川県は、北陸先端科学技術大学院大学があり、主に産官学連携を初めとする高度な科学技術に関する研究開発を行う国立大学院大学として整備し、AIやあらゆるものがネットにつながるIoTなどの導入支援を行っていますし、先を見据えた新たな産業構造の強化、すなわち新産業の創出を生み出す取り組みをしております。  本県においては、「FAAふくいアカデミックアライアンス」における大学間連携などの取り組みは始まっておりますが、若者が魅力を感じるような先端技術の支援や新産業創出への支援は少ないように思います。大学内にとんがった魅力のある研究課程を設けていく必要があるのではないでしょうか。  県内大学においても、AIやロボットなど若者に魅力のある最先端科学技術分野などを取り扱う新たな研究課程を設けていく必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。  社会減対策として、若者にとって魅力的な産業や企業の創出、雇用の確保を行うことも重要です。先日の新聞報道で、東京大学の特任研究員の方が福井大学産学官連携本部の特命准教授に就任したというニュースを見ました。県内の宇宙産業における技術者の育成や宇宙ビジネスに参入する企業の発掘などに取り組まれるということですので、大いに期待できる話題です。  県においても、これまでさまざまな企業を誘致する取り組みを行ってきていますが、これまでどのような企業を誘致し福井の産業を強化してきたのか、現状をしっかりと検証した上で、今回見られるような県民衛星「すいせん」の開発、打ち上げなどの宇宙産業に代表されるような、今までにない魅力的な職業、新たな分野に取り組む企業の誘致やベンチャー企業などへの支援を強化していかなければならないと考えます。  そこで、若者にとって魅力のある産業を創出するため、今後どのような分野の企業を誘致しようと思っているのか、また、どのようにベンチャー企業の創業を支援していくのか所見をお伺いいたします。  次に、インフラ整備、社会基盤の整備についてお伺いいたします。  福井県長期ビジョンには、留意すべき重要な視点として、「2040年ごろには北陸新幹線やリニア中央新幹線が全線開業し、福井県の立地条件が飛躍的に向上していると考えられます」とありますが、もう一つ留意しておかなければならないポイントがあると思います。それは、新幹線では交流するための人を運ぶことはできますが、物流としての物を運ぶことはできないということです。さきの9月議会において、福井外環状道路などの地域高規格道路の20年後における整備水準について、どのような姿を目指していくのかと質問をさせていただきましたところ、「必要となる具体的な道路の車線数や規格、優先的に整備する区間を設定して、順次事業化を図っていきたい」との土木部長の答弁でした。
     県民活動や企業の成長を高める好循環を創出するために、地域高規格道路の果たす役割は重要であり、特に物流を支える重要な社会基盤として福井外環状道路などの地域高規格道路の明確な整備を長期ビジョンにおいて位置づけるべきであると考えますが、福井外環状道路の事業化の見通しについてお伺いいたます。  以上3項目、8点について質問いたしました。理事者の皆様には、明快なる前向きの答弁を期待し、質問といたします。御清聴ありがとうございました。 143 ◯議長田中宏典君) 知事杉本君。     〔知事杉本達治君登壇〕 144 ◯知事杉本達治君) 畑議員の一般質問にお答え申し上げます。  私から3点、お答え申し上げます。  まず、集落機能の維持、活性化に県がもっと前面に立って進めていく必要があるのではないかといった御質問についてお答えを申し上げます。  おっしゃられるとおり人口減少、結果として高齢化が進んで、それから地域の活力が失われていく、こういったようなことに対して地域全体、県全体で取り組んで解決を図っていくということが大変重要であろうというふうに考えております。そういったことから、御指摘いただきました次世代コミュニティモデル事業というのを、今回施策をつくりまして、取り組みを進めていこうと考えているところでございます。  ただ、この中身は、例えばICTを使って、「あしたこの時間にここに行きたい」とスマホに書き込むと、そこのところに、地域の「あした私あいているから」と言って車を出してくれる人が出てくる、こういうようなことを想定したりとか、また、何かの都合である地域に何かを運ぶ人がいると、食べ物とか郵便物とか宅急便とか、そういう人にほかのものも持っていっていただくとか、あとは有償ボランティアの方を活用するとか、そういったことを想定しておりますけれども、具体的にどういう事業にしていくかということは決して県が市や町や地域任せにしているのではなくて、現実のつくりから申し上げますと、私どものほうで種を見つけてきて、こういうことをおたくの市や町でもできるのではないですかと首長さん方に声かけをいたしまして、それを実際にやろうとしている事業者さんもいて、そういうのを県がコーディネートしながら事業に仕立て上げている。なおかつ使いやすいように、余り細々したことまでああしろこうしろとか言わないような形でやらせていただいているというところが実態でございまして、来年度どういう事業になるかは最終的には予算をお認めいただいてから決定することになりますけれども、そういう中でもできるだけ地域の皆さん、市や町の皆さん、そういったアイデアも生かしながら、なおかつ県としても積極的に関与して進めさせていただく、住み慣れたところに安心して暮らせるような社会にしていく、こういうことをやってまいりたいと思っております。  続きまして、デザイン思考とはどういうことなのかと、どのような形で政策の効果としてあらわれてくるのかということについてお答えを申し上げます。  正直申し上げると、私もデザイン思考ということそのものは、必ずしもどういうふうにしていくのかというのは明確に今わかっているわけではないというところはございます。ただ、私も政策のデザイン化とか、いろんなことを一つ一つ進めていくのに単に演繹的に、理論的に物事を積み上げるだけではなくて、もっとトータルで物事をデザインしながら事柄を進めていく必要があるなということは感じているわけでございます。  そういう意味ではデザインという意味が、多分ですけれども、いわゆるこういう服装なんかのデザイン、意匠と言うんですかね、意義の意に匠という字を書く意匠ですね、そういう意味とともに、やはり設計図の設計というような意味もあって、もっと全体像を見ながら考える、バランスも見ながら考えるとか、こういったようなこと、例えば人生をデザインするとか、社会をデザインするとか、こういったような一つの大きな意味のデザインというものを前提にした考え方なんだろうというふうに思っております。  そういう意味で、一応デザイン思考という考え方の定義としては、現場なりへ行って、こういうような課題がある、それをどう解決するかということのアイデアを出す。アイデアを出したら、それを単に行政が解決してしまうのではなくて、住民の皆さんと一緒になってそのアイデアに対して共感を呼びながら、次にみんなでそれを解決する方法を考えて進めていくというような手法をとっているということでございまして、例示として挙げさせていただいていますのは、佐賀県が交通事故を減らそうということでの取り組みとして、横断歩道を目立つようにしようということで青く塗る。横断歩道は白いんですけれども、そのあたりは青く塗って、そういうことでみんなでこれから横断歩道のところは気をつけようというような運動にしていって交通安全を守っていく、こういうようなことに広げていくというような趣旨でデザイン思考ということを掲げさせていただいています。  こういったことを含めて、政策をデザインするようなことを我々としては職員全体、もしくは市や町も進められるようにしてまいりたい。その方法論としては、職員に対して、例えばもちろん研修なども行いますし、またはOJTというか仕事を通じて、さらには庁議室での会議などでも物事を政策議論をする際に、私も積極的にこういったデザイン思考、もしくは政策デザインということを重点において進めさせていただきたいと考えているところでございます。  続きまして、人口減少対策戦略の中の第1期の戦略の反省点、それから新たな戦略にはその反省点をどう生かしたのかということについてお答えを申し上げます。  御指摘のとおり、結果として今福井県の社会減が2年連続して拡大しているという状況になっているわけでございます。一方で、例えば福井県の学生の新卒生のUIターン率は5年連続で伸びてきておりまして、その平成26年の段階では25%程度でしたけれども、それが平成31年には32%に上がってきているという状況でございますし、また、県の施策を使ったUIターン者もこの5年間で2倍になって719人になっている。そういう県は県として一生懸命努力をして成果を上げているんですけれども、トータルで見ると出ていかれる方はもっと多い、こういう状況にあるわけでございます。ここはやはりどうしても、先ほど申し上げましたけれども、国土政策、国策というのは全く無視できないというか大きな役割を果たすと思います。  例えば高校3年生のときの東京都の18歳人口というのは全国の8%ですけれども、それに対して大学1年生の数は25%というようなことが一つの証左ですけれども、こういった東京に人が集まる構造を変えていく必要があろうということで、例えば大学定員の東京圏における抑制、こういったことも今後とも提案してまいりたいと思いますし、また、前も私どもで提案をしていたのは、これはふるさと企業減税と言いましたが、法人税の税率を変えると。東京の税率を高くしてほかの地域を低くする。税率が高いと何が起きるかというと、もうかっている企業がそれだけ税金を払わなくてはいけなくなりますので地方展開が促進されるだろうと、こういうようなことも申し上げてきました。このことをするというかどうかはともかくとしても、やはり国策は非常に重要だという点についての御指摘もまず申し上げつつ、県としてはさらに東京圏からの移住促進の手当、こういったものを県独自でかさ上げもさせていただいています。  また、関西圏からは学生さんが戻ってくるようにということの京都事務所の設置ですとか、それからまた創業者支援、移住して創業する方の支援も行わせていただく。また、県内の大学に新しい学科を、例えば20人、30人規模でつくれば、その4倍の新しい若い方が福井県に住んでいただけるわけですので、こういったことも繰り返しながら県内の人口減ということにできるだけ対処してまいりたいと考えているところでございます。 145 ◯議長田中宏典君) 残り7分ですので、答弁は簡潔に願います。  総務部長近松君。 146 ◯総務部長(近松茂弘君) 私からは、若者に魅力ある最先端の分野などを取り扱う新たな研究課程を設けたらどうかという点についてのお答えでございます。  県内大学におきまして、福井大学につきましては、県と覚書を締結しまして超小型衛星の製造技術に関します教育研究を開始してございます。また、福井工業大学におきましては、AI、ビックデータの共同研究を行います「AI&IoTセンター」を開設したというところでございます。また、県立大学につきましては、ことし4月に創設します創造農学科でドローンを活用して除草時期を判別するシステム開発を学ぶということをしてございます。  加えまして、「ふくいアカデミックアライアンス」につきましては、高校生に魅力のある教育の充実ということで議論しておりまして、県として必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えております。 147 ◯議長田中宏典君) 地域戦略部長前田君。 148 ◯地域戦略部長前田洋一君) 私から1点、長期ビジョンに関連しまして、集落機能の維持、活性化への効果が、集落活性化支援事業でどのぐらい上がっているのかというお尋ねでございます。  集落活性化事業でございますが、平成30年度から実施してございます。全17市町において集落の活性化の計画をつくっていただいて、その取り組みを支援するという方式でございます。  この結果、例えば福井市におきましては集落支援員の配置をされるといった取り組みもされておりますし、そのほか池田町と高浜町におきましては住民が運転するバスによる交通手段の確保、高浜町のほうでは休耕地を活用した薬草栽培などに取り組まれると、こういった事業に取り組まれておりまして、住民参加による集落維持に向けた体制がつくられる、あるいは地域における新たなビジネスを創出する、そういった動きが出ているということでございます。  集落の維持、活性化は、人口減少、高齢化の中で一朝一夕にできるものではございません。なかなか難しいものだと思ってございますが、こういった支援がきっかけとなって集落活性化の動きが出てくると、それが継続していくということが非常に大事だと思っておりますので、集落の課題を解決する仕組みづくりを応援するということを続けてまいりたいと思います。 149 ◯議長田中宏典君) 交流文化部長白嵜君。 150 ◯交流文化部長(白嵜 淳君) 私からは1点、一乗谷朝倉氏遺跡、平泉寺、大安禅寺などの観光資源のストーリーについて、どのように磨き上げ、発信・誘客を行っていくのか、今後の戦略についてのお尋ねでございます。  まず具体的な事例として、議員御指摘の一乗谷朝倉氏遺跡、平泉寺、大安禅寺については、今年度日本遺産に認定されたところでありまして、そのストーリーを生かすため、ガイドの講習でありますとか巡回パネル展などを開催したところでございます。また、来年度は構成文化財となっております大安禅寺など30カ所において英語、中国語対応の説明板を設置するなど、観光客の受け入れ体制を整備していきたいと考えております。また、丹南地域の伝統工芸産地につきましても、工房見学や体験プログラムの充実を図り、商品購入につながる産業観光を進めていくなど一つ一つ観光地の磨き上げを行うとともに、例えば、一乗谷では越前焼や越前漆器が数多く出土し、当時の暮らしを本県の伝統工芸産地が支えていたといった歴史がございます。また、大安禅寺では、寺を創建した福井藩が越前和紙を保護していた、こういったストーリーもございます。こういったものを積極的に紹介し、文化財と伝統工芸産地をつなぐ福井らしいストーリーを掘り起こし発信していくことで、周遊観光などを図っていきたいというふうに考えております。 151 ◯議長田中宏典君) 産業労働部長国久君。 152 ◯産業労働部長(国久敏弘君) 私からは、人口減少対策につきまして、どのような分野の企業誘致やベンチャー企業の創業によって若者に魅力ある企業誘致をするかということでございます。  県内大学に進学いたしました大学生等が県内において就職できますように、多様な業種の企業誘致を推進しております。特に若者等に人気の高い研究開発部門ですとか本社機能、IT関連の企業等の誘致に力を入れております。この結果、これまでに嶺南地域にモーターを製造する企業の研究部門が進出したほか、テクノポート福井での大型投資や本社機能の拡充、直近では鯖江市などを中心にIT企業などの進出につながっております。  ベンチャー企業についてでございますけれども、創業時の貸しオフィスの整備、創業後の新分野展開への助成、それから事業拡大時の投資家の助言によるビジネスプランの磨き上げなど、段階に応じた支援を行ってまいります。 153 ◯議長田中宏典君) 土木部長大槻君。 154 ◯土木部長大槻英治君) 私からはインフラ整備の関連で、福井外環状道路の事業化の見通しについてのお尋ねにお答えいたします。  福井外環状道路は、福井市街地の交通の分散により渋滞を解消し交通の円滑化を促進させるとともに、物流、それから産業などの経済活動を支援する重要な路線でございます。長期ビジョン素案におきましても、県土の骨格を形成する幹線道路ネットワークに不可欠な道路として本路線を位置づけているところでございます。  一方、中部縦貫自動車道、福井港丸岡インター連絡道路、それから国道416号白方-布施田バイパスなど、現在整備を進めている幹線道路を早期に完成させる必要があるというところでございますので、これら幹線道路の進捗とあわせて、今後国や沿線自治体などとともに優先して整備する区間、道路の規格などを具体的に検討してまいりたいと考えております。 155 ◯議長田中宏典君) 畑君。 156 ◯22番(畑 孝幸君) 今までの既存のことを早くマッチしていただいて、そして新しくそういったものを事業のほうへ乗せていただくように、重ねてお願いしまして質問を終わります。ありがとうございました。 157 ◯議長田中宏典君) 以上で、畑君の質問は終了しました。  田中三津彦君。  なお、田中三津彦君より、資料を使用したい旨の申し出があり、これを許可いたしましたので御了承願います。     〔田中三津彦君登壇〕 158 ◯11番(田中三津彦君) 県会自民党の田中三津彦でございます。本日9人目、最後でございますので、もう一踏ん張りよろしくお付き合いを願います。  まず、知事、先日は勝山左義長祭りにようこそお越しいただきました。ありがとうございます。あいにくの雨と新型コロナウイルスの影響で、例年より観光客は少なめでございましたけれども、勝山市民の左義長祭りに対する熱い思い、気持ちというものは十分感じていただけたのではないかと思っております。また来年以降もお時間がありましたら二度、三度と足を運んでいただければと思います。  それでは、質問に移らせていただきます。  長期ビジョンの素案が今回の議会には示されております。この案で本当に福井の未来地図が描けるのか、今定例会ではこれが重要なテーマになります。我が会派も、県民と夢や安心感を共有できる将来像が示されているのか、代表質問で知事の所見をお伺いいたしました。松田議員が指摘したとおり、新年度予算に盛り込まれた事業は全て長期ビジョンの実現につながるものでなければなりません。私はこの点を踏まえて質問させていただきます。  まず、実行プランの政策9-1「北陸新幹線など高速交通網の整備促進」に関連して、高規格道路に連接する、すなわちその道路をおりた後の道路の整備推進について伺います。  高規格道路の整備促進、具体的には中部縦貫自動車道大野油坂道路の開通と舞鶴若狭自動車道の4車線化は、百年に一度のビッグチャンスを生かしたまちづくりに不可欠です。県は2月補正予算と来年度当初予算で、合わせて138億5,000万円余りを計上して工事の進捗と用地取得を進めるということで、しっかり進めていただきたいと考えます。  しかし、楽しく面白い新時代のまちづくりを進めるのにそれだけで十分でしょうか。きれいで利用しやすい高規格道路ができても、そこをおりた後が問題です。連接する国道、県道、主要地方道などには幅員が足りないものや交通不能区間が残ったものもあり、それを解消しないことには現在生じている渋滞の拡大、新たな渋滞の発生など、県外観光客の観光地への移動や県内回遊の障害となるおそれもあります。また、高規格道路に連接する道路というのは地域住民の生活道路としても重要な役割を果たしているものが多く、安心・安全な暮らしの妨げとなるおそれもあります。県内市町も同様の問題認識を持ち、重要な道路の幅員拡幅や交通不能区間解消を県に要望しています。  そこで、高規格道路に連接する道路の整備を着実に推進するため、市町の具体的なニーズを踏まえつつ、整備目標年度を定めたロードマップのようなものが必要と考えますが、所見をお伺いいたします。  また、今回の予算案では一般県道等の整備のため、2月補正と令和2年度当初を合わせて184億円余りの予算が計上されていますが、県内市町の要望はどの程度反映、具体化されているのか伺います。  例えば勝山市の場合、長年にわたって国道157号の平泉寺大渡から大野市南新在家間の4車線化と、主要地方道篠尾勝山線の福井市美山町皿谷から勝山市鹿谷町北西俣間の交通不能区間解消を要望しています。前者はこの区間以外、勝山市側も大野市側も4車線化の整備ができていますが、九頭竜川にかかる下荒井橋、市境の下荒井トンネル等、手間とお金がかかる区間だけが取り残されているという状況です。しかし、国道157号は勝山、大野両市を結ぶ広域観光や産業、文化の交流、地域住民の生活を支える幹線道路となってきたことに加え、大野油坂道路が開通すれば首都圏、東海方面からの観光客が大野市でインターチェンジをおり観光を楽しんだ後、平泉寺や恐竜博物館に移動する重要かつほぼ唯一の幹線道路となります。現状でも1日1万台を超えるという交通量が大幅にふえれば、新たな渋滞区間が発生し、観光客にはもちろん両市の市民にも大変な不自由を強いることになりかねません。  後者の道路については、私は一乗谷、平泉寺などが日本遺産に認定された直後の6月定例会で、この二つを組み入れた日本遺産周遊観光推進のためにも交通不能区間を解消すべきだと提言させていただきました。JR東日本がCMで吉永小百合さんを起用して平泉寺を取り上げて以来、現地の観光客はふえ続けていますが、大野油坂道路が開通すればさらなる増加も期待され、日本遺産を周遊する方もふえると予想されます。勝山インターチェンジから鹿谷町北西俣の交通不能地点までは5分程度ということを考えれば、交通不能解消後の利便性は容易に想像できます。また、福井市美山町側の同道沿線地域と福井市街地の総合病院や商業施設との距離と、勝山市内の同施設との距離を比較すれば、勝山市側が圧倒的に近く短時間で行き来できるようになります。福井市側の沿線住民の皆さんの生活面の利便性は大きく向上しますし、救急搬送という点を考えれば勝山総合病院までが非常に近くなりますので、従来だったら助からなかったような命も助けられるようになるかもしれません。すなわち、命をつなぐ道路にもなり得るわけです。芦見川の氾濫や土砂崩れが起きたとしても、勝山市側に抜けられれば地域の孤立を防ぐことにもつながります。福井市側の住民の皆さんの暮らしの安心・安全に果たす役割は非常に大きいと言えます。  以上、2本の道路の整備推進は勝山市、大野市、福井市の方々、観光客の方々に大きな価値をもたらし、ひいては福井県の魅力向上にもつながると考えますが、知事の所見を伺います。  篠尾勝山線は平成5年に新規指定された主要地方道13路線の一つで、同年11月、勝山市、美山町の住民の署名とともに、未改良区間の早期整備と交通不能区間の解消を要望する請願書が笠羽県議、別田県議、今村県議、当時の議員の皆様の紹介で県議会に出され、12月定例会で採択された経緯もあります。よろしくお願いをしたいと思います。  次に、防災体制強化のための行政連携について伺います。  これは、実行プランの政策16-1「人と技術による地域防災力の向上」でうたわれており、知事は昨年9月、関係機関との連携体制構築を求める私の質問にも同趣旨の答弁をされました。消防や災害対応経験がある市町の職員と、県の危機対策・防災部局との人事交流を進めることが一つの柱で、県、市町の防災体制を強化するには有効な策と言えると思います。  ただ、県は防災の専門部署を持ち、退職自衛官3人を含む専任の職員を配置する等、充実した体制にありますが、市町の実情は厳しいものがあります。勝山市の場合も危機管理監はいますが他の職務を兼任し、スタッフも災害対応経験には乏しいということです。他の市町でも似たような状況ではないでしょうか。ちなみに、県内市町で元自衛官を防災担当職員として採用しているのはあわら市の1名のみです。2年前の大雪のとき、県と市町との調整や情報交換が必ずしも円滑にいかなかったということを私は当時、県、市町双方の対策本部の方からお聞きしましたが、こういう側面も影響したのではないかと考えます。人事交流するにも適切な要員がいなければ双方の防災力を向上させることは難しいと言えます。17市町全体をカバーするには人事交流だけでは時間もかかると思います。  このような状況で、県は人事交流をどのように始めて運用するのか伺います。  また、県と市町の防災対応能力をどれくらいの期間でどれくらいまで高めるのか、所見をお伺いします。  ところで、国は平成27年に地域防災マネージャーという制度を設け、自治体が該当する外部人材を採用、配置する際、それに要する経費を特別交付税措置しています。1自治体1人まで措置率0.5、上限340万円ということで、県もあわら市もこの制度を利用しています。その細部はお配りした、(資料掲示)この防衛省自衛隊の資料で確認いただくとしまして、地域防災マネージャーの要件は防災に関する研修を受講し、防災行政にかかわる一定程度の実務経験の両方を有する者、自衛官の場合は3佐以上、国家及び地方公務員は防災行政の実務経験5年以上を有する者で、本省課長補佐級以上となっております。  昨年9月末現在、全国の自治体には元自衛官が500人以上、防災担当職員として働いており、うち約350人が地域防災マネージャーの資格を持っています。県内の市町もこの制度を利用して元自衛官を採用、配置すれば、県の防災担当職員とよりスムーズに意思疎通できるようになり、防災体制は強化させられると考えます。その効果はもう一つのこの新聞をコピーした資料、(資料掲示)2枚組でありますが、こちらのほうにも具体的に書かれておりますので、また参考にしていただければと思います。ただ、あわら市以外の県内市町は元自衛官を採用しておらず、地域防災マネージャー制度も利用していません。小さな市町は、国が半分補助してくれるといっても負担は重いという印象があり、なかなか先に進めないという事情もあるようです。  そこで、市町が地域防災マネージャー制度を利用する場合、国の補助に加えて県が残りの半分、全体の4分の1を補助してはどうでしょう。市町の負担は4分の1にまで下がりハードルも下がります。県にとって新たな財政負担とはなりますが、県内の防災体制の迅速な強化が可能でメリットもあります。人事交流にかわる、あるいは補完する策になり得ると思いますが、いかがでしょうか。  次に、鳥獣害対策の推進について伺います。  実行プランの政策5-3「農山漁村の魅力創出、交流人口の拡大」でうたわれており、今回の予算で鳥獣害のない里づくり推進事業に6億6,700万円余りが計上されています。昨年12月定例会で「積極的な駆除を行う等、一歩踏み込んだ対策が急務」だと私は提言しましたが、知事は「民間事業者の力を使えるように委託を考える」など、鳥獣害対策を推進する旨の答弁をされました。  そこで、新たに今回実施する事業や拡充する事業等について具体的に説明いただくとともに、知事の思いを改めてお聞かせいただきたいと思います。  ただ、民間事業者への委託となりますと、本当にできるのかという疑問があります。12月定例会後、猟友会の関係の方々や勝山市民の方々にも伺いましたが、「いや、免許を持っていても生きた獣を確実に撃てる者は本当に少ない、猟友会の者でもなかなか撃てなくてクマの大量出没のときはすぐに人を手配できずに苦労したんや」、そういうようなことをおっしゃる方もいましたし、「知事の提案はありがたいけれども、本当にできる事業者はいるのか」というような疑問の声が支配的でした。中には、「田中議員が自衛隊に頼んで訓練がわりに山狩りして、駆除してもらったらどうや」というような笑えない冗談もありました。  そこで、民間事業者への委託について具体的なめどは立っているのか、お伺いします。  最後に、ブロック塀の安全対策について伺います。  実行プランの政策16-3「県民を守る犯罪・事故対策」でうたわれ、誰もが安心して暮らせる環境、基盤づくりのためブロック塀の安全対策を行うということで、今回の予算では475万円が計上され、通学路等の安全確保のため危険なブロック塀等の撤去、県産材を利用した塀の再設置に係る費用を補助するとなっています。大阪北部地震のときの事故のようなものを二度と起こさないというためにもすばらしい事業だと考えます。  ただ、実施となりますと、ブロック塀の所有者である事業所や住民の皆さんに危険性と事業の趣旨を理解してもらって撤去をしてもらうということが前提となりますが、具体的にはどのように進めるのでしょうか。危険なブロック塀等は全て把握されていて、それは所有者の方に理解されているのでしょうか。そうだとして、どうやって事業実施につなげるのか、制度運用のところまであわせてお伺いをしたいと思います。  また、今回の予算で通学路等の危険なブロック塀を全て撤去するのに十分なのでしょうか。足りないとすれば、来年度はどこまで安全化を進め、全てを安全化するまではどれくらいの費用と時間がかかるのかお伺いいたします。  ところで、昨年9月の定例会、学校等のブロック塀の安全対策を伺った際、教育長は「県内で調査対象となった168校のうち、46校が安全対策を完了していない。うち22校は今年度及び来年度以降に対策工事を行い、残る24校は内部点検で問題が見つかった場合、対策工事を行う」と答弁されました。その後どうなっているのでしょうか。  すなわち、22校の対策工事は予定どおり進んでいるのか、来年度以降というのはいつまでをめどとしているのか、残りの24校の内部点検は終了したのか、その結果はどうなっていて、対策工事が必要であれば実施時期をどのようにするのかなど、お伺いをします。  児童や生徒、そういった大事なお子さんたちの命にかかわる問題でもあり、詳しく説明をいただければと思います。  以上、大きく4点について質問させていただきました。よろしくお願いいたします。 159 ◯議長田中宏典君) 知事杉本君。     〔知事杉本達治君登壇〕 160 ◯知事杉本達治君) 田中三津彦議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、1点目は国道157号の4車線化と主要地方道篠尾勝山線の交通不能区間の解消についてお答えを申し上げます。  国道157号の勝山市長山町から大野市吉までの間は10.6キロございまして、このうち9.2キロにつきましては、御案内のとおり既に平成28年までに開通をしているところでございます。残されておりますのが、下荒井橋と下荒井トンネルのところということでございます。これについては恐竜博物館に来られたお客様を大野市に迎え入れるとか、大野と勝山の間の交通の行き来の中で非常に重要な路線であるということは十分認識をいたしておりまして、これから用地の調査を行って4車線化について検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。  もう一つ、篠尾勝山線の福井市皿谷町から勝山市の鹿谷のところの交通不能区間の関係でございますけれども、こちらについてはトンネルを含めて3.2キロをこれから整備をしなければいけないといったところでございます。これにつきましては、中部縦貫自動車道ですとか、また、国道158号のバイパスの整備を進めておりますので、これらを整備しながら、交通の状況をさらによく見ながら今後検討してまいりたいと考えているところでございます。  続きまして、防災体制の強化につきまして、市や町との人事交流をどのように始めて運用し、また、県と市町の防災対応能力がどのぐらい高まるのかといった御質問についてお答えを申し上げます。  防災部門の人事交流につきましては、私も直前に消防庁で国民保護防災部長をさせていただきました経験からも、県庁の中で災害対策の最初動のときに現場がどうなっているのか、正直言って私たち事務屋にはなかなか想像できないところがありますけれども、やはり消防の現場、それから救助の現場でやられていた方に、大体火事の現場はこうなっているとか土砂崩れのところはこうなっているとか、そういった土地勘も含めていろんな情報をもたらしていただくということは非常に重要だと思っております。  また、一方で、市や町の職員の方から見ると、市や町の単位で見ると大きな災害というのはいつも起きているわけではないと。自分が職員でいる間に起きたことがないという方も多いわけでございまして、そういう意味では県にいれば時々そういうことにめぐり会う。また、そういったスキルというか広域的な調整ということも身につくということで、非常に重要だと考えているところでございます。  今、仕組みといたしましては、まず来年度に入りまして、消防の職員──消防吏員の方を1名お借りしてまいります。それからもう一人は災害対策の事務方の方、これを県と市で相互に行き来をする、こういうことを2年続ける。2年ローテーションで回していくということで、来年一人ずつ、再来年一人ずつということでやらせていただきます。10年やれば20名の方が育ってくると、こういうようなペースで進めさせていただきたいと考えているところでございますし、また、そのほかにも市や町の職員向けの防災研修を一般的な防災担当の職員も含めて行ってまいりたいと。いずれにしても顔の見える関係というのは重要でございまして、そういう意味では一緒に仕事をすることも大切だと考えております。  続きまして、鳥獣害対策事業について、新たに実施する事業、拡充する事業についてのお尋ねでございます。  鳥獣害対策につきましては、今年度、CSF──豚熱、こういったこともございまして、大幅に拡充をさせていただいております。結果といたしまして、今年度は昨年に比べて、今現在ですけれどもイノシシについては1.8倍、それからシカについても6%増、サルについても約2割ふえて捕獲をしているという状況でございまして、これは新年度についても続けてまいりたいと考えております。その中で特にイノシシについては養豚場のある大野市とか越前市周辺、それからまた、シカにつきましては越前水仙があるようなところを中心に配置をしていく、そういうことを重点的にやっていきたいということで、民間事業者の委託はこれまでのやり方ではなかなかとれないような山奥のほうを中心にやってまいりたいと考えているところでございます。  また、これまでやってきた報奨金の上乗せ、これも新年度続けてまいりますけれども、さらに狩猟期間を3月中、2週間程度延ばしまして3月末まで狩猟期間も確保していくということを行ってまいりたいと思います。さらに、園芸カレッジや林業カレッジの研修生にも狩猟の免許を取得するための講習の経費を助成していこうというふうに考えておりまして、狩猟の免許取得も促進していきたいと思っているところでございます。  さらに、高齢化していて地域だけでなかなかこういった捕獲等の対策ができないというところは、市や町とも相談をいたしまして、複数の集落で、全体で守っていくようなことも進めさせていただいたり、また、サルの追い払いにも力を注いでまいりたいと思っておりまして、全体として今年度並みにはこういった捕獲対策を進めていきたいと考えているところでございます。 161 ◯議長田中宏典君) 安全環境部長清水君。 162 ◯安全環境部長(清水英男君) 私からは防災関係について1問、お答えを申し上げます。  県内の防災体制強化のため、市町が地域防災マネージャー制度を利用する場合、県が補助をしてはどうかという御質問でございます。  市町におきましては、消防吏員との人事交流を行ったり、あるいは退職自衛官、それから消防OBなど幅広い人材を危機管理部署に配置するなど、防災対応力の向上を図っているところでございます。また、今ほど知事の答弁にもございましたが、県では市町職員を対象といたしまして災害対策本部の運営、避難所の設置、住家の被害認定、外国人支援等に関する研修を毎年7回実施いたしております。約300名が参加するなど、職員の資質向上を図り防災体制を強化しているところでございます。  地域防災マネージャー制度につきましては、市町の負担に対して交付税措置がなされるというスキームでございまして、さらに上乗せして県から補助をするということは難しいかなというふうに思いますけれども、防災の専門性を有する人材を確保することは、市町の防災体制強化には非常に有効であるというふうに考えておりまして、市町に対してマネージャー制度の活用を積極的に働きかけてまいりたいと考えております。 163 ◯議長田中宏典君) 農林水産部長森川君。 164 ◯農林水産部長(森川峰幸君) 私からは、鳥獣駆除を民間事業者に委託することについて、具体的なめどが立っているのかとのお尋ねにお答えを申し上げます。
     県が事業主体となりまして捕獲を委託します指定管理鳥獣捕獲等事業につきましては、現在事業計画の詳細につきまして国と協議を進めているところでございます。事業の実施に当たりましては、新年度に入りましてから国の内示を受けて公募により事業者を募り、企画提案を審査する、いわゆるプロポーザル方式により委託業者を選定していくことになります。審査の内容につきましては、事業者の捕獲実績でありますとか捕獲に携わる捕獲従事者数、捕獲おりへの餌の設置や見回り等の体制、地域住民に対する安全確保の体制など、こういったものを評価し受託者を決定していくこととなります。  なお、他県では地元の猟友会や警備保障会社、それから地元建設会社、こういった民間業者が受託している事例がございます。公募に当たりましては、県ホームページ等を活用いたしまして広くお知らせをし、募集をしてまいりたいというふうに考えております。 165 ◯議長田中宏典君) 土木部長大槻君。 166 ◯土木部長大槻英治君) 私からは4問、まず高規格道路に接続する道路整備を着実に進めるため、整備目標年度等を定めたロードマップのようなものが必要ではないかとのお尋ねでございます。  高規格道路に接続する道路は観光地へのアクセス、産業の振興、地域間の連携などに資するものがございまして、さまざまな機能を生かすという意味でも地域の発展に重要な役割を果たしているものでございます。これら道路整備につきましては、市町からの要望を踏まえて事業を進めているところでございまして、具体的には中部縦貫自動車道に接続する勝山インター線、国道157号などを重点的に実施してきたところでございます。安定的な財源の確保が見通せないことがございます関係で、県全域において各路線の整備目標年度等を定めるロードマップの作成には多くの課題がございますけれども、他県での活用事例等を参考にしながら、どのようなものができるかということを検討してまいりたいと考えております。  次に、今回の予算案に市町の要望はどの程度反映、具体化されているのかとのお尋ねでございます。  道路整備につきましては、市町からの要望を踏まえた上で優先度を考慮しながら重点的な投資を行っているところであり、具体的には令和元年度の補正予算で、地域間連携を強化し地域の発展につながる国道158号境寺-計石バイパス、それから観光交流の拠点となる勝山市や大野市の道の駅、そして、令和2年度当初予算には、北陸新幹線と併走する仮称の新九頭竜橋を含む福井森田丸岡線、それから雪に強い道路を目指した国道158号等の雪崩対策などの予算を計上しております。市町の要望全てを直ちに具体化するということは困難であるため、社会情勢の変化等を的確に捉えた上で、選択と集中の観点から事業を実施してまいりたいと思っております。  それから、ブロック塀の安全対策に関連して2点。  まず、危険なブロック塀の撤去等を行うについてどのように進めるのか、ブロック塀の把握状況、所有者の理解はどの程度進んでいるのか、また、どのように事業実施につなげていくのかについてのお尋ねでございます。  通学路や避難路など道路沿いの危険なブロック塀等については、倒壊等により通行する方に危害を及ぼすことから所有者の責任において撤去、改修をしていただくことが必要となります。平成30年6月の大阪府北部地震において通学路沿いのブロック塀倒壊により児童が亡くなられたという事故を受けまして、県では、市町教育委員会と建築指導部局が合同で通学路の調査を実施して、安全性が確認できないブロック塀等729件を抽出したところでございます。この全てについて訪問を実施しまして、所有者に立ち会いいただいた6割については速やかな撤去、改修を直接要請したところでございます。また、残りの4割につきましても文書によって、点検と、それから必要な場合の撤去、改修を要請いたしました。  新たな補助制度の活用によりまして、ブロック塀等の撤去、改修について、まずはこの通学路沿いを優先することとして、県や市町の広報による周知のほか、市町から直接所有者に働きかけていただきたいと考えております。また、県は要請に応じて技術的な観点からの指導、助言を行ってまいりたいと考えております。  次に、予算475万円で、この通学路等の危険なブロック塀を全て撤去するのに十分か、来年度どの程度進められるのか、全てを安全化するまでの費用、時間についてのお尋ねでございます。  通学路や避難路沿いの危険なブロック塀等を改修、撤去するために独自の補助制度を設けている市町が二つございますが、これまでの利用実績は12件というところでございます。県としては、全県で促進していくために新たな補助制度を創設したということで、来年度の475万円については、市町からの要望をもとにブロック塀等の撤去が75件、県産材を利用した塀の再設置10件を見込んでいるところでございます。  なお、道路に面するブロック塀の安全対策は、まずは所有者が責任を持って実施していただく必要がある旨、県、それから市町の広報を通じて改めて周知していくとともに、児童の安全性を確保するために通学路沿いのブロック塀等の所有者に対しては、市町と連携して補助制度の活用を優先的に働きかけていくというふうに考えております。県としては、本年度の活用状況を見ながら、対策の促進に必要な制度の継続、拡充等を検討してまいりたいと考えております。 167 ◯議長田中宏典君) 教育委員会教育長豊北君。 168 ◯教育委員会教育長豊北欽一君) 私からは1点、学校等のブロック塀の安全対策の進捗状況についてのお尋ねにお答えします。  本県では、ブロック塀の安全対策が完了していない学校46校のうち22校については、今年度及び来年度以降に対策工事を実施することとなっております。このうち公立学校11校につきましては10校が工事を完了しており、残る1校につきましても早急に対応するよう市町教育委員会に要請しております。また、私立学校11校については7校が完了し、4校が来年度末に完了予定となっております。  なお、内部点検未実施の24校のうち8校は点検を完了しまして、安全を確認したところであります。残る内部点検未実施の16校につきましても、市町教育委員会に対し点検方法について提案するとともに、引き続き遅滞なく内部点検を進め、安全対策を講じるよう要請してまいります。 169 ◯議長田中宏典君) 以上で、田中三津彦君の質問は終了いたしました。                ━━━━━━━━━━━━━━━ 170 ◯議長田中宏典君) 以上で、本日の議事日程は全部終了いたしました。  明27日は、午前10時より会議を開くこととし、議事日程は当日お知らせいたしますから、御了承願います。                ━━━━━━━━━━━━━━━ 171 ◯議長田中宏典君) 本日は、以上で散会いたします。                               午後4時27分 散 会 発言が指定されていません。 Copyright © Fukui Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...