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  1. 福井県議会 2017-09-13
    平成29年第398回定例会(第3号 一般質問) 本文 2017-09-13


    取得元: 福井県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-12
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいタブが開きます) 平成29年第398回定例会(第3号 一般質問) 本文 2017-09-13 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ窓表示 ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者一覧に移動 全 95 発言 / ヒット 0 発言 表示発言切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示 すべて選択 すべて解除 1 ◯議長松田泰典君) 2 ◯議長松田泰典君) 3 ◯議長松田泰典君) 4 ◯議長松田泰典君) 5 ◯8番(西本恵一君) 6 ◯議長松田泰典君) 7 ◯知事西川一誠君) 8 ◯議長松田泰典君) 9 ◯健康福祉部長池田禎孝君) 10 ◯議長松田泰典君) 11 ◯教育委員会教育長東村健治君) 12 ◯議長松田泰典君) 13 ◯13番(清水智信君) 14 ◯議長松田泰典君) 15 ◯知事西川一誠君) 16 ◯議長松田泰典君) 17 ◯産業労働部長安倍暢宏君) 18 ◯議長松田泰典君) 19 ◯教育委員会教育長東村健治君) 20 ◯議長松田泰典君) 21 ◯17番(笹岡一彦君) 22 ◯議長松田泰典君) 23 ◯知事西川一誠君) 24 ◯議長松田泰典君) 25 ◯総合政策部長豊北欽一君) 26 ◯議長松田泰典君) 27 ◯安全環境部長清水英男君) 28 ◯議長松田泰典君) 29 ◯10番(中井玲子君) 30 ◯議長松田泰典君) 31 ◯知事西川一誠君) 32 ◯議長松田泰典君) 33 ◯総合政策部長豊北欽一君) 34 ◯議長松田泰典君) 35 ◯健康福祉部長池田禎孝君) 36 ◯議長松田泰典君) 37 ◯土木部長(辻 義則君) 38 ◯議長松田泰典君) 39 ◯副議長大森哲男君) 40 ◯1番(井ノ部航太君) 41 ◯副議長大森哲男君) 42 ◯知事西川一誠君) 43 ◯副議長大森哲男君) 44 ◯産業労働部長安倍暢宏君) 45 ◯副議長大森哲男君) 46 ◯観光営業部長(江端誠一郎君) 47 ◯副議長大森哲男君) 48 ◯11番(西畑知佐代君) 49 ◯副議長大森哲男君) 50 ◯知事西川一誠君) 51 ◯副議長大森哲男君) 52 ◯健康福祉部長池田禎孝君) 53 ◯副議長大森哲男君) 54 ◯教育委員会教育長東村健治君) 55 ◯副議長大森哲男君) 56 ◯11番(西畑知佐代君) 57 ◯副議長大森哲男君) 58 ◯健康福祉部長池田禎孝君) 59 ◯副議長大森哲男君) 60 ◯副議長大森哲男君) 61 ◯15番(宮本 俊君) 62 ◯副議長大森哲男君) 63 ◯知事西川一誠君) 64 ◯副議長大森哲男君) 65 ◯産業労働部長安倍暢宏君) 66 ◯副議長大森哲男君) 67 ◯教育委員会教育長東村健治君) 68 ◯副議長大森哲男君) 69 ◯14番(力野 豊君) 70 ◯副議長大森哲男君) 71 ◯知事西川一誠君) 72 ◯副議長大森哲男君) 73 ◯安全環境部長清水英男君) 74 ◯副議長大森哲男君) 75 ◯産業労働部長安倍暢宏君) 76 ◯副議長大森哲男君) 77 ◯観光営業部長(江端誠一郎君) 78 ◯副議長大森哲男君) 79 ◯教育委員会教育長東村健治君) 80 ◯副議長大森哲男君) 81 ◯3番(長田光広君) 82 ◯副議長大森哲男君) 83 ◯知事西川一誠君) 84 ◯副議長大森哲男君) 85 ◯政策幹(中村保博君) 86 ◯副議長大森哲男君) 87 ◯産業労働部長安倍暢宏君) 88 ◯副議長大森哲男君) 89 ◯教育委員会教育長東村健治君) 90 ◯副議長大森哲男君) 91 ◯副議長大森哲男君) 92 ◯副議長大森哲男君) 93 ◯副議長大森哲男君) 94 ◯副議長大森哲男君) 95 ◯副議長大森哲男君) ↑ リストの先頭へ ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長松田泰典君) これより、本日の会議を開きます。                ─────────────── 2 ◯議長松田泰典君) まず、書記から諸般の報告をさせます。      〔書 記 報 告〕     欠 席 届       酒 井 智 吉 農林水産部長 病気のため                ━━━━━━━━━━━━━━━ 3 ◯議長松田泰典君) 本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりと定め、直ちに議事に入ります。                ━━━━━━━━━━━━━━━   第1 第49号議案から第57号議案まで(9件)及び報告第14号から報告第20号まで(7件) 4 ◯議長松田泰典君) 日程第1を議題といたします。  これより、8日の本会議に引き続き、各議案に対する質疑及び県政全般にわたる質問に入ります。  よって、発言は、お手元に配付いたしました発言順序のとおりに願います。  西本恵一君。     〔西本恵一君登壇〕 5 ◯8番(西本恵一君) おはようございます。公明党の西本恵一でございます。先日は、東洋大学の桐生選手がインカレ(日本学生陸上競技対校選手権大会)で100メートル10秒の壁を破り、9秒98という大記録を打ち立てました。全国に大きな感動を与えました。特に、この福井の地で、県営陸上競技場で達成されたこと、県民の一人として誇りに思うものでございます。  それでは、感動が広がるような答弁を、私も願いまして、質問に移ります。  まず、高齢者、障害者、子育て世帯、低額所得者など、さまざまな理由で住宅を確保することが困難な方を住宅確保要配慮者といいますが、その方々の支援についてお伺いいたします。  高齢化が進む中、家賃滞納や孤独死、事故、騒音などの不安を理由とする家主からの入居拒否や、また、連帯保証人がいないとか、家賃債務保証を断られるなど、住宅が確保できない要配慮者が今後増加すると見込まれております。一方で、空き家、空き室は増加傾向にあり、15年後には3件に1件が空き家になると言われております。  そこで、国ではこれまでに住宅確保要配慮者の居住安定確保に向け、賃貸住宅の一定の質を保った供給を図るために、空き家などのリフォームに対して支援する住宅確保要配慮者安心居住推進事業を進めてまいりました。さらに、住宅改修補助を受ける条件と引きかえに、家主が住宅確保要配慮者の入居を拒むことができない民間住宅活用型住宅セーフティネット整備推進事業も進めてきており、既にこの双方とも本県で実施しているものであります。
     これに対し、本年4月に住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律が公布され、これまでの住宅改修補助だけではなく、入居者負担の軽減や居住支援活動等への支援が加わった新たな住宅セーフティネット制度が来月25日に施行される予定となっております。  そこでまず、これまで実施をしてきた住宅確保に対する二つの事業の支援策の成果と、実際どれだけの方が入居に利用されたのかを伺うとともに、何が課題となっているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  さて、新たな住宅セーフティネット制度は、これまでの制度より支援の幅が拡大されており、例えば、住宅改修への支援では、これまで上限100万円で、国単独で3分の1だったものから、国と地方公共団体が両方で行えば3分の2まで補助できる制度が加わります。特筆すべきなのは、政令月収15万8,000円以下の低額入居者へ経済的支援として、最大4万円家賃を低くする補助制度が設けられたことであります。この新たな制度では、地方自治体に法律施行とともに、供給促進計画を策定することを求めております。また、居住支援法人の手続の検討、家賃保証や改修補助などの補助制度の検討も必要になってまいります。ぜひ、困っている方々を支援するため、10月の法律施行から間を置かず、賃貸住宅の供給促進計画の策定や新たな支援制度の導入を進めるよう望みますが、どのように推進されていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  さて、住宅確保要配慮者の民間住宅への円滑な入居の促進を図るため、県や各市町と不動産関係団体、居住支援団体が連携して、居住支援協議会を設立することとしておりますが、既に福井県におきましても昨年3月に設置をしております。住まいは生活の基盤であります。住まいがなければ福祉にも就労にもつながりません。さらに、住まいという箱物を提供するだけではなく、一人一人の生活を支援するという視点も必要とされます。  そこで、福祉部局との連携を深くし、住宅を確保するとともに、見守り活動や相談活動と一体的に支援する仕組みをこの居住支援協議会を基軸にして構築していく必要があります。特に、70歳代以上の単身高齢者が住宅を探すといった、そういった要望もありますが、引っ越しや金銭問題など、一人の高齢者だけでは交渉することが困難である場合が少なくありません。一緒に探してくれる人がいたり、高齢者の思いを受けとめるコーディネーターがいることで居住促進につながっている事例が少なくありません。例えば、京都市居住支援協議会では、住まいと生活支援モデル事業を実施し、不動産事業所による低価格の住まいと社会福祉法人による週2回の見守りサービスを一体的に提供しています。岡山県居住支援協議会では、NPO法人と市町村との間で相互連携を図り、住宅確保要配慮者にワンストップで情報提供ができる仕組みの構築を進めております。  このように、社会福祉法人やNPO法人と連携しながら、住まい確保とともに高齢者や子育て世帯、ひとり親世帯を見守ることが可能であります。住宅確保要配慮者に対して、住宅確保だけではなく、福祉とあわせて包括的に支援する活動に対し、国は10分の10で1,000万円まで補助をいたします。  そこで、本県における居住支援協議会のこれまでの活動実績についてお伺いするとともに、私の今回の質問の大きな趣旨はここにあるのですが、ぜひとも福祉と組み合わせて複合的に動き、住宅確保要配慮者に寄り添った効果的な支援ができるように要望いたしますが、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、介護行政についてお伺いいたします。  要支援者に対する介護予防給付である訪問介護、通所介護は、今年度までに全ての市町村が介護予防・日常生活総合支援事業に移行しましたが、厚生労働省の発表では、昨年度、全国の介護予防の利用者が約6万人減少となり、全体の伸び率が鈍化したとしております。その理由が要支援1、2のサービスが介護保険から切り離され、市町村事業に移行したことが要因と分析をしております。地元新聞では、市町に移行してから、介護予防・日常生活支援事業実施に苦慮している市町が県内に5市町あるとの報道がありました。  具体的には、要支援を引き受けない事業所が出てくる、業務量が増加する、要支援者へのサービスが困難になるなどの課題が考えられますが、介護予防・日常生活支援総合事業の市町への移行による課題について、県はどのように認識しているのか、さらに困っている市町をどのように支援し、介護予防制度の実効性を高めるのか、あわせて知事の御所見をお伺いいたします。  本年5月26日に、改正介護保険関連法が成立いたしました。そこでは、地域共生社会を目指し、高齢者施策である地域包括ケアシステムの構築だけではなく、生活困窮者に対する生活困窮者自立支援制度など、さまざまに困窮している全世代、全対象型地域包括支援体制を構築し、その人のニーズに応じた適切な支援が受けられる地域づくりを進め、地域の課題を自身のこととして丸ごと受けとめる、いわゆる我が事・まるごと事業を推進するとしております。つまり、高齢、障害、児童の分野ごとの相談体制では対応が困難なケース、例えば、世帯の中で課題が複雑化しているケース、制度のはざまにあるケース、支援を必要とする人がみずから相談に行く力がなく地域の中で孤立しているケースなど、確実に支援につなげる包括的な体制づくりを行うこととし、介護保険と福祉、両方の制度に新たな共生サービスを位置づけるものであります。  この共生サービスの提供には、現場で適切な対応を行うため、行政の福祉部門や事業者において、幅広い知識を有し、コミュニケーション能力に長けたリーダーや相談員の育成、さらには、相談体制の整備が求められるものであります。こういった体制づくり、人材づくりをどのように進めていくのか、御所見をお伺いいたします。  また、今後増加が見込まれる、慢性期の医療、介護ニーズに対応するために、現行の介護療養病床にかわり、医療と生活の場を一体的に提供する介護医療院が新設をされますが、本県においてどのような形になるのか、御所見お伺いいたします。  次に、介護人材のキャリアアップと介護人材の確保についてお伺いいたします。  2年前の12月議会で、潜在介護職の再就職支援や介護職の養成、定着支援に取り組む必要性について質問いたしました。そのときの答弁では、介護福祉士のような資格を持ちながら、介護職としては就業していない方が県内に約4,600名おり、潜在的な人材を就業に結びつけるため、離職の際に、県の福祉人材センターへの登録を求める制度を有効に活用したいと述べられておりました。  一方で、3月に発表された2016年度の介護福祉士国家試験の合格者が福井県内は320人で、2015年度の661人に比べて半数以下に落ち込んでおり、介護人材の確保に赤信号がともっております。今回から実務経験者を対象とした受験資格に450時間の研修が追加され、受験者が激減したことが主な原因と言われておりますが、人手不足が進む中、介護人材をどのように育成し確保していくのか、潜在介護職の登録制度など再就職の取り組みを含め、知事の御所見をお伺いします。  次に、介護人材の離職防止とともに、すぐれた人材を育てるには、介護人材のキャリアアップを後押しすることが大切であります。何年働いても給料が低く、離職率が高いといったネガティブなイメージがありますが、離職の多くの原因は事業所のマネジメントに問題があると指摘をされております。計画的なOJTが必要であり、特に現場を預かるサービス提供責任者の職務遂行能力次第で職場が変わると言われております。そのために、サービス提供責任者の業務内容を明確化するとともに、職業能力を担保できる職階をつくるなど、能力や経験に応じた処遇、昇進を体系的に定めたキャリアアップ制度の導入や職場でのコミュニケーション能力の向上を図るための取り組みが必要となってまいります。  そこで、管理者向けの職員定着セミナーの研修やキャリアアップ制度の確立など、県において支援を行うことを提案いたしますが、知事の御所見をお伺いいたします。  また、介護職の就労環境として職業病ともいえるのが腰痛であります。人を持ち上げたり、支えたり、身体面で過度な負担が多く、また、事故を起こさないよう、注意をしながら介助をするため、精神的ストレスがかかっております。この要因で介護職を離れていくケースがあります。そこで、介護職員の身体的負担の軽減だけでなく、業務の効率化を図るため、介護ロボットの導入を支援し、職員の離職防止とサービスの質の向上へとつなげてはと考えます。先進的に介護ロボットを導入している事業所は職場環境がよくなり、人材確保効果が高いとされております。  まずは利用者と職員双方に優しいノーリフティングケアを推進する研修を展開するとともに、介護ロボット導入に補助制度を設けることを提案いたしますが、知事の御所見をお伺いいたします。  最後の質問でございますが、青少年の相談体制の強化についてお伺いいたします。  学校でのいじめによって、子供たちが深刻な事態に追い込まれるケースが後を絶ちません。いじめによる悲劇を未然に防ぐには、子供からのSOSをいかに早くキャッチし、適切に対処するかが大切になってまいります。現在、いじめなど青少年の相談について、主に電話による受付で対応しておりますが、最近の若年層のコミュニケーションは音声通話よりもLINEなどのSNSの活用が圧倒的に多く、LINEを使った相談には10代の青少年が気軽に参加できる効果が期待されております。また、LINE上でどのようないじめを受けたかについて、写真などを送信すれば、簡単に知らせることもできます。文部科学省においても、SNSを活用した相談体制の構築が強く求められているとしており、いじめの早期発見や抑制効果につながるとしております。10代の若者がLINEなどSNSを利用する時間は音声電話の約20倍に上るというデータがあります。  そのため、既存の電話中心の相談に加え、10代に身近なLINEなどを用いて相談を受ける窓口を開設するよう提案をいたしますが、御所見をお伺いいたします。  以上、幾つかの提言と質問をさせていただき、私の一般質問を終わります。  御清聴、ありがとうございました。 6 ◯議長松田泰典君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 7 ◯知事西川一誠君) 西本恵一議員の一般質問にお答えをいたします。  まず、住宅確保要配慮者への支援についてであります。  これまで実行しておる住宅確保に関する支援策の成果、そして、実際どれだけの人たちが入居に利用されたのか、そして課題は何かとの御質問であります。  高齢者や低所得者など、住宅を確保するため、民間賃貸住宅の所有者にバリアフリーなどの改修工事費用の一部を国が直接に補助する、民間住宅活用型住宅セーフティネット整備推進事業──ちょっと長い名前でありますが、この事業について、福井県内ではこの3年間──平成24年から平成26年度までに212戸の住宅が改修、整備をなされています。また、一昨年といいましょうか、平成27年度から平成28年度までには、入居者要件を住宅確保要配慮者に限定をした住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業というのも実施されておりまして、これは条件が厳しいこともあって、県内での整備実績は今のところないわけであります。  それで、今申し上げました、これまでに整備された民間賃貸住宅212戸のうち、実際まだ入居されていない住宅が17戸残っています。特に立地条件のよい福井市の中心部においてなお13戸入居されていません。住宅確保要配慮者の実際の需要といいますか、ニーズを把握し、情報提供などを行い、必要な人には入っていただくような、そういう努力をしてまいりたいと考えます。  次に、賃貸住宅の供給促進計画の策定、10月の法施行からでありますが、間を置かず新たな支援制度の導入を進めるよう望むが、いかがかという御質問です。  新たな住宅セーフティネット制度でありますが、これは、主に大都市圏を対象、念頭に置いた制度というふうに見られておりますが、例えば、東京ではこの新しい制度ですが、公営住宅の応募倍率が23倍というふうに非常に高いわけでありまして、希望しても入居できない状況があります。公営住宅を補完するものとして、民間の賃貸住宅の空き家を公営住宅的に活用しようという制度であります。  一方、福井県内の様子でありますが、県と市町の公営住宅のうち、全体の12%、980戸が入居されていません。いわゆる空き公営住宅の状況でありまして、入居は原則可能でありますことから、大都市とはやや状況が異なるかと思います。供給促進計画の策定でありますとか、支援策については、公営住宅に入居希望の意向や居住の実態、また、民間賃貸住宅の登録やニーズなどを把握し、他県のいろんな様子などを見ながら、実態に合った応援をしてまいりたいと考えます。  それから、こうした問題について、居住支援協議会の場において、いろいろとこういう実績、あるいは協議をするわけでありますが、この複合的な動きといいますか、福祉と住宅、居住を組み合わせた複合的な動きについて、こういう配慮者に寄り添った効果的なバックアップができるよう、要望するがいかがかとの御質問です。  以上申し上げました制度が幾つか今変わってきておりますが、これまでの問題に関連して、福井県では、平成28年3月に、福井県、17の市町、宅地建物取引業協会など不動産関係の四つの団体、それから社会福祉協議会で構成されます、福井県居住支援協議会を設置し、高齢者など、住宅確保要配慮者について、入居を拒まない住宅情報をホームページで提供しております。  新たな住宅セーフティネットの開始を受け、民生委員が地域見守り活動などを行う中で援助を必要とする方々の情報を市町や関係機関に伝えるなど、活動を実施していくわけでありますが、相談マニュアルを作成するなど、住宅確保要配慮者の方が安心して暮らせるよう、こうした場を通じて引き続き支援してまいります。  次に、介護行政についてのお尋ねでございます。  人手不足が進む中、介護人材を今後さらに育成したり、どのように確保していくのか。また、潜在的に、実際仕事をなさっておられない人たちの登録制度など、再就職も含めてどのように考えるかとの御質問です。  福井県の介護職員数は現在1万1,000人おられるわけでありまして、要介護認定者当たりの介護職員数の割合は全国第8位であります。人員基準を満たしている状況にありますが、将来の人材確保に備える必要が、またあるわけであります。  今年度から始まっております潜在介護福祉士の登録については、本県の登録はまだ数人にとどまっておりまして──4人という数字でありますが、今後介護事業所に対し直接依頼するなど、登録者の増加を目指してまいります。  人材確保のためには、県では、介護福祉士国家試験の受験に必要な研修費用の貸し付け、これは26名行っております。それから、事業所に対する代替職員の人件費助成、これは30事業所で52名行っているわけであります。今後より多くの人が利用できるよう、対象人員や要件などの拡充について検討します。  そのほか、県では、勤労意欲のある女性、高齢者に対する研修費用の助成、これは18名、それから、外国人留学生を受け入れた養成校への助成、これは二つの学校、15人を行っております。さらに、今年度から、地域の高齢者が介護施設へ短時間就労を行う制度をスタートしておりまして、これは13施設で行っております。さまざまな施策を通して、幅広く人材の確保に努めてまいります。  次に、介護事業所の管理者向けの職員定着支援セミナーの研修やキャリアアップ制度の確立など、県において支援を行う必要があるのではないかとの御提案です。  県では、介護事業所における離職防止を支援するため、職員のいわゆるキャリアパス──いろんな経歴を管理するということでありますが、キャリアパスの作成や賃金体系の整備、労務管理等に対する管理者向けセミナーを開いており、平成28年度は295名の方が参加しています。また、個別の事業所の人材育成や定着に対する問題把握と助言を行うため、専門相談員2名による訪問指導を実施しており、これまで3年間で県内ほぼ全ての事業所、598カ所を訪問しております。  これらの支援により、今年度新たに設けられた昇給──給料のアップです──に連動するキャリアアップ制度を要件とする処遇改善加算を取得している県内事業所の割合は、ことし8月現在で約7割となっています。これは全国平均64%であり、約4ポイント上回っておりますが、この割合をさらに高めていくということのため、事業所に対し継続的に支援と、また、さまざまな指導といいますか、そういうことを進めてまいりたいと考えます。  その他については、関係部長から答弁いたします。 8 ◯議長松田泰典君) 健康福祉部長池田君。     〔健康福祉部長池田禎孝君登壇〕 9 ◯健康福祉部長池田禎孝君) 私からは4点、介護行政についてお答えいたします。  まず1点目、介護予防・日常生活支援総合事業の市町への移行による課題、それから、市町への支援の内容についてでございます。  この介護予防・日常生活支援総合事業につきましては、地域住民が主体となって掃除や洗濯などの生活支援を行うタイプでございます。いわゆる住民主体型のサービスというふうに言っております。これはこれからニーズがふえていくものでございまして、現在県内では2市が行っているところでございます。  この住民主体型のサービスに対応するためには、市町において担い手となる住民やボランティアを確保することが大事でございます。このため、県におきましては、これまで市町に対して県内外の先進事例をまず紹介してまいりました。さらに10月からは、市町が配置するコーディネーターに対する研修会も開催し、専門家からのアドバイス、それから、意見交換などを行いまして、担い手確保の先導役として養成してまいりたいというふうに考えております。  2点目でございます。  共生型サービスに関しまして、体制づくり、人材づくりをどのように進めるかというお尋ねでございます。  現在の障害者総合支援法におきましては、介護保険が優先されるような原則がございます。65歳を超えますと、介護保険施設に移るため、なれ親しんだ障害福祉事業所の利用が難しくなっている状況がございます。このため、両方の制度をつなぐものとして共生型のサービスが創設されております。これは平成30年4月から開始される予定でございますが、具体的な内容はまだ国において検討中でございます。  今回の制度の実施に当たりましては、運用する市町の体制づくりでありますとか、介護のケアマネジャー、それから障害の相談支援専門員、そちらの両方の情報共有が必要となっております。  今後、国の制度設計の内容を確認しながら、両者の研修会を開催するなど、制度が円滑に運用できるよう、しっかり準備を進めてまいりたいというふうに考えております。  3点目、介護療養病床にかわる介護医療院への対応でございます。  この介護医療院でございますが、従来の介護施設に医師が常駐されるような病院と介護施設の中間のようなタイプの施設でございます。この4月から創設されることとなっております。  県におきましては、ことし5月にこの介護療養病床を持つ病院を対象に意向調査を行っておりますが、この制度については6年間の経過措置が設けられております。それから、現段階では、このことに関しまして具体的な介護報酬が示されてございません。そうしたことから、ほとんどの事業者は「未定」というふうに回答をいただいておるところでございます。  この介護医療院に関する具体的な介護報酬につきましては、来年1月ごろに示される見込みでございまして、この報酬の点数でありますとか、国の支援策、こういったものが示され次第、情報を提供するとともに、本県としての具体的な支援策も検討してまいりたいというふうに考えております。  4点目でございます。  介護につきまして、介護ロボットの導入に関する御質問でございます。  県では、これまで介護事業所の職員を対象としまして、スライディングボードを活用しました持ち上げない介護等をテーマとした研修を実施しております。昨年度は338名の方が受講しておりまして、今年度も8月から同じような研修を開催しております。あわせて、研修に参加できない事業所もございますので、そちらに対しては訪問による指導も行っているところでございます。  また、介護ロボットでございますが、国の交付金がございまして、そちらを活用して、県内では11の事業所が装着型のタイプを導入しているところでございます。  今後、これらの事業所からその効果をよく聞いた上で、さらなるニーズを把握しまして、また県の支援策について検討してまいりたいというふうに考えております。 10 ◯議長松田泰典君) 教育委員会教育長東村君。     〔教育委員会教育長東村健治君登壇〕 11 ◯教育委員会教育長東村健治君) 青少年の相談体制の強化について、10代に身近なLINEなどを用いて相談を受ける窓口を開設するようにとの御提案でございます。  不登校であるとか、いじめなどに対応する本県の電話相談でございますが、平成18年度から24時間体制で実施しております。平成28年度の相談件数は2,016件でございまして、5年前に比べ約2.5倍となっております。  近年、LINEなどのSNSは、子供たちのコミュニケーションツールとして急速に普及しておりまして、今後、文部科学省はSNSになじんだ子供たちから早期にいじめなどを発見する相談事業の調査研究を打ち出しております。しかしながら、短い文によるやりとりの中で相談内容を把握すること、あるいはなりすましへどう対応するかなど、課題も少なくないことから、県としては今後、国の動向等を見ながら、SNSなどを活用した相談窓口の開設について慎重に検討してまいりたいと考えております。 12 ◯議長松田泰典君) 清水君。  なお、清水君より資料を使用したい旨の申し出があり、これを許可いたしましたので、御了承願います。     〔清水智信君登壇〕 13 ◯13番(清水智信君) 皆さん、おはようございます。県会自民党の清水智信です。通告に従いまして、早速一般質問に入らせていただきたいと思います。  まずは、スポーツ大会、コンベンション誘致についてお伺いいたします。  先月8月4日に高校生県議会が開かれ、高校生たちの若い屈託のない御意見をたくさんいただきました。福井は遊ぶところ集まる場所がない、にぎわいがなく楽しくない。PRも下手で何にしても遊び心がないというような意見もあり、若い子たちのこうした思いを少しでも聞いてあげたいと思います。確かに福井県は住みやすく、子育てしやすい幸福度日本一と言われる誇れる県です。しかし、幸福度ランキング文化の部は42位、魅力度ランキングは41位、県民の実感が全くない日本一だというような声もあり、こうした足りない部分や若者からすると楽しくない県をどう変えていくのか。こうした現状で、若者の県外流出、人口減少が進む中、地域活力の向上、そして、楽しみや魅力あるまちづくりに交流人口の拡大が必要不可欠であり、その一つの手段として福井県への観光客誘致やコンベンション誘致が重要だと感じます。  福井県は、山や海など自然が多くあり、福井国体を控え、これまで約175億円もかけ施設整備をしていることですし、スポーツツーリズム、スポーツイベントの観戦や参加、スポーツを通じた旅行、スポーツ合宿にはうってつけと考えます。  スポーツツーリズムにつきましては、昨年の12月議会において、県がリーダーシップを発揮し、スポーツ団体、観光団体、旅行団体、経済界や大学等、産学官が一体となり部局を超えたスポーツ文化コミッションの設立を提言させていただきました。  理事者からは、市町やスポーツ団体、観光団体、旅行団体などの連携が必要と考えており、他県の例や関係者の意見を伺いながら推進体制の研究をしていくという御答弁をいただきましたが、あれから9カ月がたち、現状はどういった研究がなされたのかお伺いいたします。  福井県では、来年いよいよ福井国体が開催、全国に目を向けても、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが、前年にはラグビーワールドカップが12都市で開催され、交流人口の拡大やインバウンド、経済波及効果が期待されています。このようなスポーツ大会はコンベンションの一部であります。  コンベンションとは、古くから伝わっている風習や風俗、人が多く集まる大会、そして、会議や国際的な会議などと定義されており、会議、大会、展示会は狭義的な狭い範囲のコンベンション、これらにスポーツ大会、イベント、興行、祭りやフェスティバル、文化行事やコンサートなどを加えたものが広い範囲の広義のコンベンションと定義されています。  そこで、福井県のスポーツ大会誘致支援の現状を見ますと、福井観光コンベンションビューローのコンベンション開催助成金においては、スポーツ大会等の広義のコンベンションは助成対象にはほぼならず、スポーツ保健課の各種大会補助金が対象で、全国大会規模の誘致で30万円、ブロック大会で10万円の支援となっています。しかし、この補助金の対象は体育協会に加盟している団体のみとなっており、その他のスポーツ大会は全く支援がないのが実情であります。  福井県のスポーツ推進計画には、大規模、国際大会の開催やプロスポーツ、企業スポーツの振興、リーグ戦などの大会誘致と書かれておりますが、過去5年間をさかのぼってみても、国際大会規模の誘致は東アジアハンドボール選手権の1件のみとなっており、これは本当に誘致する気があるのかなと感じますし、福井はこの辺の見るスポーツ、特に本物を見るということが非常に弱いと感じます。  スポーツ大会やコンベンション誘致で地域活性化や情報発信、交流人口の拡大を図っている他県を見ますと、佐賀県では、スポーツイベント開催支援補助金で国内スポーツイベントや大学生のスポーツイベントで最大250万円の補助、国際大会においては700万円となっております。広義のコンベンションの誘致に力を入れている新潟県では、市町と県と併用し最大1,200万円の補助となっています。(資料提示)県によっていろいろ事情がありますので、ここまでしてくれとは言いませんが、まちのにぎわいや遊ぶところ、商業的娯楽が少ない福井ですし、先月、桐生選手が9.98を出した非常に縁起のいい場所でもあります。  スポーツイベントや文化イベントにより、県民の楽しみや幸福度向上、まちのにぎわいや交流人口の拡大のためにも、スポーツイベントなどの広義のコンベンション誘致にも積極的に取り組むべきと考えますが、所見をお伺いいたします。  狭義のコンベンション、国際会議や展示会、いわゆるMICEの誘致に関しても、1,000人規模のMICE誘致で経済波及効果が約1.6億円と言われている中、先ほどの福井コンベンション開催助成金では、全国規模のMICE誘致で最大50万円、海外MICEでも最大150万円、さらにそのうち2分の1は市町負担であり、先ほどの新潟県と比べると、主催者は一体どちらで開催したくなるでしょうか。  確かに県は、平成31年度に宇宙技術及び科学の国際シンポジウム、ISTSの誘致に成功しましたが、これは職員の方々の熱意とストーリー、福井である必然性によるもので、本当にすばらしいこととは思いますが、このISTSの誘致は産業労働部が所管、そしてコンベンション誘致は観光営業部、スポーツ大会は教育委員会と、一体どこが先導を切りコンベンション誘致を進めていくのか。誘致に関してさまざまな課題が山積の中、やはり部局を越えた取り組みが必要であると考えます。  さらに、福井観光コンベンションビューローに対し、県から人的支援も、運営支援もない状況であるので、総合的な支援をし、部局を越えたオール福井でコンベンション誘致に取り組むべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。  次に、「いちほまれ」についてお伺いします。  4月19日に福井県の新たなブランド米の名前が「いちほまれ」と決定、先月24日には都内にてロゴマーク発表会が行われ、福井市出身の道端アンジェリカ氏も登場し、会場を盛り上げ、いよいよ来年度の本格販売に向けて動き出したなと感じております。しかし、全国のブランド米ブームで、各県がPR合戦をしてきた中、この「いちほまれ」は最後の登場になるかと思います。しかも今までの福井の米の販路は、ほとんど関西を中心にしておりましたが、今回の「いちほまれ」は関東、東京等の巨大消費地をターゲットにしております。福井県は昔から宣伝下手だと言われ続けてきましたし、先ほどの高校生からも遊び心がないと言われてきました。名前が非常に地味だとの声も聞こえるこの「いちほまれ」をどうやって全国にPRし、ブランド化していくかは非常に重要なことだと思います。  今年度は試験販売ということで、東京であと1回イベントをし、来年度に本格的な力を入れてPRしていくとのことですが、来年度どのように、どれくらいの予算をかけ、この「いちほまれ」を全国にPRし、日本一の誉れ高きお米にしていくのか、知事の所見をお伺いいたします。  私はこの「いちほまれ」、一番誉れ高き米と聞いたとき、アスリートという文字が頭に入ってきました。アスリートはおのれの体一つで一番の誉れ高き金メダルであったり、チャンピオンを目指しています。お米は体の資本で、健康的なアスリートのイメージにぴったりですし、この「いちほまれ」のロゴマークを見たときに、これは金メダルかなというふうに思いました。  以前、女子サッカー日本代表キャプテンの澤穂希さんに「いちほまれ」のイメージキャラクターになってもらったら、インパクトもあるしPRになるなと思い動いていたのですが、いろいろ条件が合わず断念いたしました。しかし、まだ可能性はあると思いますので、ぜひ引き続き交渉していただきたいと思います。  ただ、来年度どういったPRをするのか、イメージキャラクターをつくるのか、つくらないのか、まだわかりませんが、そういった本流の宣伝広告とは別に、いろいろな方々を巻き込んで応援してもらうことも必要ではないかと考えます。例えば、オリンピックメダリストや何かしらのチャンピオンたちに声をかけ、「いちほまれ」を食べている風景を撮影したり、「いちほまれ」を食べた感想を集め、冊子をつくったりするのもおもしろいのではないかと考えます。  ぜひさまざまな競技のアスリートを集め、余り予算をかけずに「いちほまれ」アスリート応援隊をつくってみてはどうかと考えますが、所見をお伺いします。  次に、人口減少対策についてお伺いします。  企業誘致を進め、雇用の増加を図ることは、人口減少対策としても重要な政策であります。これまでも県議会において質問がなされており、県では、福井北インターチェンジ周辺に限定して、物流拠点などとして、土地利用ができるよう、市街化区域への編入を検討することとしているとの答弁がされています。
     一方、福井市は、平成27年3月に策定した、企業立地戦略において、地方分権改革による農地転用許可の権限移譲や地方創生特区など、国の規制改革の動きに対応して、福井インターチェンジ及び福井北ジャンクション・インターチェンジの周辺において、産業を誘導する地区を設定していくとしています。  お隣の石川県では、小松、美川、金沢西、金沢東などの周辺は市街化区域となっており、本県でも福井北インター周辺に限らず、高速道路のインターチェンジ周辺を物流や製造拠点として土地利用ができるようにすべきと考えます。  県として、市町に対し、産業団地の場所や規模などの具体的な開発計画を早急に作成するよう強く求めていくべきと考えますが、県の取り組みの現状についてお伺いします。  政府は、7月25日に農地転用の規制緩和に向けた農地法などの政令改正について閣議決定を行いました。新聞報道によると、高速道路のインターチェンジ周辺など、事業環境にすぐれた立地場所で農地転用の規制を緩和し、商業施設や物流拠点の新設を促すための改正とのことであります。  農村地域工業等導入促進法や企業立地促進法の改正により、支援の対象となる業種についても広く産業全般が対象とされております。  今回の改正をきっかけとして、高速道路のインターチェンジ周辺において、円滑に農地転用を進め、有効な土地利用を図っていくべきと考えますが、今後の方針についてお伺いいたします。  最後に、共生社会実現に向けてお伺いします。  国において、平成28年度に障害者差別解消法が施行され、積極的に障害者の差別解消を推進しています。福井県でも、来年開催される国体・障スポ大会において、障害の有無にかかわらず、ともにスポーツのすばらしさや可能性を共有できるよう、全国で初めて両大会の融合を推進しています。  このような中、国体・障スポ大会の終了後も、この融合の理念をさらに継承、発展させ、全ての県民が障害の有無によって分け隔てられることなく共生する社会を実現するため、福井県共生社会条例(仮称)の来年度の施行に向け、現在動いていることと思います。  この条例の「共生社会実現に向けた政策の推進」の中で、5 教育、スポーツ、芸術、文化活動の振興、7 安全・安心な生活の確保、「県民への意識啓発、交流の推進等」の中では、障害者と障害者でないものとの交流の推進と書かれております。相模原市の障害者施設の殺傷事件から1年がたち、障害を持たれている方の御家族の7割近くが事件後、障害者を取り巻く環境が悪化したというアンケート調査も新聞報道等であり、共生社会実現に向け、しっかりと県民への意識啓発、交流を図っていかなければならないと感じます。  私はスペシャルオリンピックスに少しかかわらせていただいていますが、スペシャルオリンピックスとは、知的障害のある人たちにさまざまなスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会を年間を通じて提供し、参加したアスリートが健康を増進し、勇気を奮い、喜びを感じ、家族やほかのアスリート、そして、地域の人々と才能や技能、そして、友情を分かち合う機会をつくる団体で、現在、日本の理事長は有森裕子氏がされております。  先日、母校である北陸高校のサッカー部とスペシャルオリンピックス福井の子供たちの合同練習会の場をつくっていただきました。北陸高校サッカー部は全国大会にも出場する強豪校でありますが、練習後、監督からは大変有意義な時間であり生徒たちにとって何物にもかえられない多くの学びがありましたと言っていただき、11月にもまた機会をつくっていただくことになりました。私も練習風景を見ていて、障害の有無にかかわらず、子供たちが一生懸命一つのボールを追いかけ、お互い笑い合い、練習している姿を見て、胸にくるものがありました。障害の有無にかかわらず、スポーツでも何でも一緒に何か一つのことを共有することは、多くの学びがあり、教育の面においても、共生社会の実現のためにも非常に大事なことだと感じます。  しかし、こういう交流の場は、私立高校等においては少しずつふえてきているのですが、公立高校の子供たちにおいてはなかなか機会がないのが現状ではあります。ぜひ条例を機に、公立高校等でも部活動やその他の活動を通じ、障害者の方たちと触れ合い、交流する場をつくるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。  また、福井しあわせ元気大会の開催に合わせ、競技会場や宿泊施設等のバリアフリー化を進めていることと思いますが、それ以外にもまだまだバリアフリー化が必要な場所が多々あると思います。例えば、福井方面からあわら湯のまち駅に車椅子利用の方が乗ると下車できないというような現状もあります。  こうした中、共生社会実現のためには、手話、点字等の意思疎通手段の普及の充実や先ほどのような段差解消などの移動環境の整備、雇用機会の確保と就業環境の向上など、官民問わず総合的なバリアフリー化を推進する必要があります。  ぜひ共生社会実現のため、県が先導を切り、市町や民間が実施する総合的なバリアフリー化への支援をすべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。  以上、一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。 14 ◯議長松田泰典君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 15 ◯知事西川一誠君) 清水議員の一般質問にお答えいたします。  まず、スポーツ大会、コンベンション誘致についてであります。  スポーツ文化コミッションの設立など、スポーツツーリズム推進体制の研究の現状はどうかということであります。  現在、国体のプレ大会として、各競技種目の全国規模や北信越大会など、県、市町、競技団体等が連携して誘致をしており、本年度は県内14の市町で36種目の大会が開かれることになっております。これらは、例えば、先日のインカレといいますか、日本学生陸上競技対校選手権大会における男子100メートルでの新記録などに見られるように、県民に希望と活力を与え、スポーツを通した地域活性化と福井の名を全国にアピールできるすばらしいイベントであると考えます。  スポーツツーリズムの推進体制としては、全国では5県で県レベルの組織が設けられておりますが、全国的に事例数が少なく、また、本県におけるコンベンションの誘致支援体制のいろんな関係の整備も必要な状況であります。  まずは、来年の国体・障スポの成功に向け、県、市町、競技団体はもとより、県民が一丸となって全力を傾ける必要があると考えていますが、この成果をもとに、これらの大会について得られたさまざまな結果、施設や設備が充実をしておりますし、受け入れの人的体制も整ってきておりますし、また、競技の運営方法もなれてくるだろうということでありますので、そういうものを受けまして、スポーツツーリズムの推進体制についてスポーツコンベンションにつながるよう、努力してまいりたいと考えております。  また、清水議員にはぜひとも旗振り役をしていただきたいとこのように思っております。  次に、スポーツイベントなどの広義のコンベンション誘致に積極的に取り組むべきではないかとの御質問であります。また、総合的な支援をし、部局を越えたオール福井で積極的なコンベンション誘致に取り組むべきではないかとの御質問であります。  コンベンション誘致については、これまで福井市の観光コンベンションビューローが中心になってきている歴史があります。これに加えまして、県としても政策的な観点から伝統工芸品の全国大会やISTS──さっきおっしゃった宇宙技術科学国際シンポジウムでありますが、誘致を行っております。  北陸3県のコンベンションビューローを比較しますと、本県では助成額が低い、これは市の助成額の大もとが低いのでなかなか上がらないということもあるのですが、これは全体として上げなあかんと思いますし、誘致活動にかかわる人員が少ないなど、誘致に向けた営業力が弱い状況かと思います。したがって、国体・障スポを契機に、スポーツイベントや文化イベント等の誘致に努めるとともに、新幹線敦賀開業に向け、福井市と組織のあり方や誘致活動などについて積極的な協議を進め、県全体としてパワーを上げて、コンベンション誘致体制の強化を図ってまいりたいと、このように考えます。  それから、「いちほまれ」についての御質問であります。  来年度どのように、どれくらいの予算をかけて全国にPRをし、日本一の誉れ高い米にしていくのかとの御提言です。  「いちほまれ」については、数日前でありますが、11日にまず小浜市を皮切りに収穫式をスタートさせております。名称やロゴの発表会など、あらゆる機会を捉えて、コシヒカリの正統の後継種である、また、おいしいお米の決定版であると、こういうことをベースに情報発信を積極的に行います。来年度は、生産量をふやし、首都圏はもとより、関西や中京圏にも販売先を拡大してまいります。  PRについては、今年度の試験販売における米穀店や消費者の声を分析し、県とJAで組織する「ふくいブランド米推進協議会」において、十分議論をし、県議会の皆様にもいろいろアイデアを賜りながら、日本一おいしいお米は「いちほまれ」だと言われるように頑張ってまいります。  次に、さまざまな競技のアスリートを集め、「いちほまれ」アスリート応援隊をつくってはどうかとの御提言です。  「いちほまれ」のブランド化を進めるためには、例えば、ブランド化戦略の策定に当たりましては、食の専門家や料理人、お米の卸販売店、出版関係者等に参画いただいたように、さまざまな分野の皆さんの応援や協力を得ることが大事だと思います。  アスリート関係ではさまざま、いろいろ関係の方にお話もいただいているところでありまして、感謝を申し上げます。アスリート関係では、先日の日本学生陸上競技対校選手権大会においては、100メートル走で日本人初めてとなる9秒台を記録した桐生選手に対し「いちほまれ」を贈呈したところであり、これをきっかけに桐生選手も「いちほまれ」の応援団になってくれることも期待しております。  今後とも、アスリートを初めとする幅広い分野の人たちから応援をしてもらえるような仕組みづくりを行い、特にJAとの関係が重要でありますので、JAが力を入れるべく覚悟して販売をしたいという、そういう状況でありますので、御一緒に進めてまいりたいと思います。この点についても清水議員には大いに、また旗振り役をしていただければ幸いであります。  次に、共生社会に向けての御質問であります。  県が先導を切り、市町や民間が実施する総合的なバリアフリー化への支援をすべきではないかとの御質問です。  県では、平成8年に福祉のまちづくり条例を制定し、施設のバリアフリー化を推進しております。これまでに約13億円をかけ、公共、民間施設、約200施設について自動ドアや障害者用トイレ等の整備、支援を行っております。今年度は、国体・障スポ開催に向け、宿泊施設の段差の解消や客室整備等も応援しております。また、施設のバリアフリー化の状況をわかりやすく表示する表示証交付制度を平成24年度につくりまして、現在まで約500の施設に交付をしております。  このようなハード面に加え、手話通訳、要約筆記者の養成など、ソフト面の対策も進めており、平成26年度末の約400名から、これまで600名の養成を行った結果、今年度末には全体として1,000名のこうした専門の方の数になる予定であります。  新たな条例においても、移動環境の整備促進等の項目を盛り込むこととしており、この条例を広く県民に知っていただく、また、商業施設や公共交通機関の駅など、障害者の利用が多い民間施設のバリアフリー化への支援についても積極的に検討してまいります。  その他については、関係部長から答弁します。 16 ◯議長松田泰典君) 産業労働部長安倍君。     〔産業労働部長安倍暢宏君登壇〕 17 ◯産業労働部長安倍暢宏君) 私からは企業誘致について2点お答えいたします。  まず、市町に対し、産業団地の場所や規模などの具体的な開発計画を早急に作成するよう強く求めていくべきではないかとのお尋ねについてでございます。  これまで、福井市や永平寺町に対し、福井北インター周辺を物流拠点などに利用できるよう、産業団地としての計画の具体化を求めてきたところでありますが、両市町からは、民間主導の個々の開発による企業の集積を図りたいとの意向が示されております。現在、両市町とも個別の開発案件に対応しているところではありますが、インター周辺は企業の集積に適した土地でもありまして、今後も計画の具体化を強く求めたいと考えております。  また、福井北インター周辺のほかにも、企業立地の受け皿となる産業用地の確保は重要であることから、県では、北陸3県で唯一市町に対する補助制度を設け、福井市を含め、市町における産業団地の整備を督促しているところであります。  昨年4月に美浜町が若狭美浜インター産業団地の分譲を始めたほか、敦賀市が来年度、大野市が平成32年度の分譲開始を目指して用地取得や造成工事などを進めておりまして、引き続き全ての市町を対象に整備を支援してまいります。  次に、高速道路のインターチェンジ周辺におきまして、円滑に農地転用を進め、有効な土地利用を図っていくべきではないかとのお尋ねでございます。  県におきましては、企業立地促進法の改正法であります地域未来投資促進法に基づきまして、市町の意見を聞いて基本計画を策定しておりまして、その中において、福井北などのインターチェンジ周辺を重点的に投資を促進する区域として位置づけております。今後市町におきまして、農地転用を含む土地利用の調整に関する事項を定めた計画を策定した上で、個別の事業が中止されず確実に実施される見込みがある場合などに限って、従来は厳しく制限されていた農地転用が例外的に認められることとなっております。  県といたしましては、今後、企業が提出する個別の事業の計画を審査し、必要に応じて農地転用に係る手続を進め、企業の活発な設備投資を促していきたいというふうに考えております。 18 ◯議長松田泰典君) 教育委員会教育長東村君。     〔教育委員会教育長東村健治君登壇〕 19 ◯教育委員会教育長東村健治君) 北陸高校のサッカー部の活動を例に挙げられながらの、公立高校におきましても部活動を初め、さまざまな活動の中で障害者の方々と触れ合い、交流する場をつくるべきとの御提言でございます。  県立高校におきましても、特別支援学校の交流であるとか、障害者施設におけるボランティア活動を行ってきておりまして、高校生にとっては障害を正しく理解し、ともに助け合い、支え合って生きることの大切さを学ぶ貴重な機会となっております。  本県におきましては、平成23年の障害者基本法の改正を契機として、さらに相互理解が深まるよう、高校における交流を促進してまいりました。例えば、福井農林高校と盲学校とのゴールボールという競技がございますが、この交流試合でありますとか、若狭高校と嶺南西特別支援学校とのへしこづくりなど、スポーツや実習などの活動を複数回、または、継続して実施することにより交流を深めております。  今後は、福井しあわせ元気大会や東京パラリンピックに向けまして、スポーツを通した触れ合いの機会をふやすとともに、文化芸術などの分野におきましても、障害のある方々との交流を充実させてまいります。 20 ◯議長松田泰典君) 笹岡君。  なお、笹岡君より資料の使用とあわせて、議場へ配付をしたい旨の申し出があり、これを許可いたしましたので、御了承願います。  また、資料につきましては、お手元に配付してありますので、御了承願います。     〔笹岡一彦君登壇〕 21 ◯17番(笹岡一彦君) 笹岡一彦でございます。先週、新たな福井県営陸上競技場でインカレ(日本学生陸上競技対校選手権大会)の男子100メートル決勝において、桐生祥秀選手が日本人初の9秒台をマークいたしました。まさに日本国民が待ちに待った歴史的大記録達成の瞬間でありました。この大偉業は、福井県民にとっても記念すべき出来事であり、来年の国体に向け、なおかつ県営陸上競技場を日本陸上の聖地として長く、深く記すために、ぜひとも当地に桐生祥秀選手の名と9秒98の記録、年月日等を刻んだ記念のモニュメントを立てるのが相当だと提案いたします。いろいろ要望も出ているようですが、知事に正式な答弁をお聞きします。また、しつらえるとするならば、どのような形で考えているのか伺います。  次に、新幹線について伺います。  知事は、7月25日の定例記者会見で、フリーゲージトレインの導入が困難な場合、不都合が生じる。利便性をさらに確保するため、違う手段を準備しないといけないと並行在来線への特急乗り入れなども含めて検討を急ぐ意向を示されました。北陸新幹線の利便性向上に関する与党検討委員長の山本拓衆議院議員も、利便性向上のために国土交通省に責任ある対応を求める。フリーゲージにかわる対策の議論を加速させたいと言及しています。同様に8月2日に石川県議会の加賀地区、能登地区の両開発促進協議会が国土交通省の鉄道局に合同要請した際に、石川県選出の佐々木はじめ衆議院議員が敦賀開業後の在来特急の乗り入れを藤井鉄道局長に直接要望したとのことであります。  こうした中、逆に国土交通省は、7月14日に開かれた専門委員会でも、フリーゲージ開発の存廃の結論を出さず、そのまま来年度予算の概算要求にフリーゲージ開発費10億円計上し、判断を1年以上も先送りしてしまいました。我々も国の結論をこれ以上待てず、県内だけでなく、関係する府県とともに議論を展開し、こちらから具体案を出して国に迫る段階に入ってきたのではないでしょうか。  2月と6月の定例県議会の一般質問で私からも提言させていただいたように、大阪開業までの敦賀までの乗りかえの利便性は、本県だけでなく石川県や富山県の共通の問題であり、関西方面からの来客で支えられてきた観光客の足や県民の利便性を確保できるか否かは北陸3県が共有する課題であり共通の危機でもあります。  知事は、国土交通省に対して、具体的にどのように違う手段を求めていくつもりなのか、また、このための議論をどのような方向性で進めたいのか、そして、北陸3県などで連携して取り組んでいく用意はないのか、お伺いいたします。  8月30日の北國新聞にこのような新聞記事が掲載されました。(資料提示)これは、加賀市が北陸新幹線の最速列車「かがやき」を全便加賀温泉駅に停車させるために、商工会議所や観光協会などと官民連携で東京2023加賀プロジェクトを立ち上げたことをアピールするもので、お隣の小松市に負けぬよう、先手を打って魅力発信や機運盛り上げをするのが狙いのようですが、本県の芦原温泉駅との戦いも視野に入っているはずであります。  富山県の高岡市は、今なお通常型「かがやき」の停車はゼロで、申しわけ程度に臨時便が1日1往復するだけであります。加賀市や小松市では第二の高岡になるなを合い言葉に、昨年末から「かがやき」の停車をJR西日本に陳情したり、激しい綱引きが繰り広げられております。  (資料提示)このお手元にある資料をごらんいただきたいと思いますが、これも昨年12月に国土交通省が想定として通常型の「かがやき」の停車駅を金沢以西では、金沢、加賀温泉、福井、敦賀と公表したのが契機と思われ、これを見ると小松のほか、本県の芦原温泉、南越、小浜などは各駅停車の「はくたか」しか停車しない形となっています。駅と駅の距離、1日の乗車客数など、さまざまな要素を勘案して、最終的にはJRが決めることでありますけれども、仮に芦原温泉に「はくたか」しかとまらないということになると、あわら市だけでなく、東尋坊や丸岡城を擁する坂井市の観光入り込み客数や市民の利便性にも大きな悪影響が出るものと思われます。同様に、南越にとっても、新幹線効果が奪われてしまうことになりかねません。  私も昨年度の新幹線特別委員会において、「かがやき」の停車についても、県が県内沿線市とともに早急に取り組むべきと強く要望いたしました。しかしながら、本県ではいまだに目立った動きが見られず、完全に立ちおくれているのではないかと危惧しております。今からでも遅くはない。例えば、東海道新幹線で東京発毎時33分のひかり号が、名古屋からは岐阜羽島、米原、京都、新大阪と各駅にとまるのと同じように、敦賀開業時には、北陸新幹線も1時間に1本は上りも下りも金沢から各駅停車にすることを小松以西の各沿線市町と共同提案するとか、それぞれの駅のニーズに合わせて特定の時間帯に「かがやき」の停車を要望するとか、石川県と合同の要請運動することも大変有効だと考えます。  この通常型「かがやき」の県内停車への取り組みについて、県はどのように考えているのか伺います。  北陸新幹線の小浜京都ルートが正式に決定したことにより、嶺南6市町でつくる嶺南広域行政組合の琵琶湖若狭湾快速鉄道、いわゆるリゾート新線の建設促進運動が中止となりました。リゾート新線実現のために積み上げられた約81億円にも上る基金が今宙に浮いた状態であります。  81億円の内訳は、県が50億円、市町が31億円で、そのうち小浜市が14億円、若狭町が8億円、敦賀市、美浜町、おおい町、高浜町はそれぞれ2億円となっているようです。県の拠出した約50億円は全県民の血税で賄われてきたことを鑑み、県議会での議論を踏まえて慎重に決定することになると思われます。しかし、先日、高浜町が拠出した2億円の返還を求めない意思を表明するなど、今後市町からさまざまな意見が出てくることも予測され、議論百出して混乱しないうちに、県として早目に方針を打ち出す必要があると考えます。  12月にある嶺南広域行政組合の定例会で、基金の方針を決定する予定だと聞いておりますが、県の現在の検討状況を教えてください。  9月8日早朝、北陸新幹線のあわら市細呂木地区の柿原トンネル工事現場で、土砂崩落が発生し、トンネル上部にある市営柿原グラウンドが直径15メートルにわたって陥没いたしました。内部には作業員5名がいましたが、幸い事前に避難して無事でした。崩落が起きた市営グラウンドは日ごろから少年野球やソフトボールを楽しむ人など、大人から子供まで広く利用されており、そういう人たちが巻き添えになっていたらと思うと不安になります。私も現場に行きまして、強くそう感じました。  県として再発防止に向けて、鉄道・運輸機構等に対してどのように対応したのか、伺います。  その土砂崩落の前日、御当地、細呂木地区において、新幹線工事で排出される土砂運搬の諸問題について、地元細呂木区長会と鉄道・運輸機構、県、あわら市、六つのJVによる協議会が開催されました。私も今日まで微力ながら、新幹線の諸問題について、地元と機構、県、市との間を調整したり、難航する用地買収の対象者にも直接説得を重ねて、移転、解決に結びつけるなど、行政と住民との間を取り持つために腐心してきた経緯があり、地区に招かれて出席いたしました。  私が6月議会で求めた県道のメンテナンスなど誠心誠意対応してほしいという要望に対して、県は、地元の意向を聞きながら、道路補修など必要な措置を講じていくと答弁しました。しかしながら、この会議では、地元から県に対して1日最大150台もの10トントラックがこれから3年間もの長期間にわたって往来する県道を、工事終了後に全面舗装してほしいという地元からの要望に対して、県からは明確な答えは返ってこず、区長は不信感をあらわすなど、信頼関係が揺らぎ始めています。その上、翌朝の柿原トンネル崩落事故が重なり、このままでは積み上げてきた相互信頼関係も壊れてしまうのではないかと危惧しております。そうならないように、しっかりした計画を立てた誠意ある対応が求められております。  新幹線工事後の県道補修については、当然のごとく鉄道・運輸機構の事業費、つまり、国などから予算を支出するものだと思いますが、その点について、県と機構との協議がどのようになっているか伺います。  また、県道の補修については、工事終了後に速やかに実行できるような予算計画が必要ですが、その点どうなっているのか。そして、傷みの程度によって補修レベルを決定する明確な基準も必要ですが、その点も県民が納得するような用意があるのか、伺います。  次に、北朝鮮ミサイル防災について伺います。  8月10日の北朝鮮のグアム島周辺への弾道ミサイル発射計画の公表を受け、防衛省は、その通過線上にある島根、広島、愛媛、高知の4県に地対空誘導弾パトリオット部隊、いわゆるPAC-3を事前配備し、日本海海上にあるイージス艦と組み合わせた迎撃態勢をとりました。しかしながら、8月29日午前5時58分、北朝鮮から発射された弾道ミサイルの方向は北東方面で、我が国の北海道襟裳岬上空を通過し、約2,700キロメートル飛行した後、6時12分に襟裳岬の1,200キロメートル東方海上に落下いたしました。我が国は迎撃措置をとらず、ただ、全国瞬時警報システムJアラートが12道県で、その他の地方ではテレビ等が避難を呼びかけるだけでした。  こうした一連の我が国の防衛体制を総括すれば、イージス艦搭載の海上配備型迎撃ミサイルSM3は、ロフテッド軌道で高く打ち上げられたものを高度1,000キロメートル以上の大気圏外で打ち落とすものであり、今回のように低い角度で発射されたものには全く対応できないことも判明いたしましたし、PAC-3も事前に落下地点周辺に配備しなければ迎撃が不可能ということもわかりました。つまり、予告もなく、予定外のコースを低く飛んでくるミサイルには対応できないということであります。小野寺防衛相は、我が国に向けて飛来のおそれがないと判断し迎撃しなかったと述べましたが、本当は迎撃できなかったのであり、無理に迎撃して失敗するのを恐れたのではないでしょうか。いずれにせよ、我が国のミサイル迎撃態勢には完全な穴があります。  このような状況下の我が国で、ミサイル攻撃のターゲットを考えると、候補地として人口が密集し政治経済の中心である首都圏、もしくは、一気にエネルギーを奪うと同時に、大規模な放射性災害のダメージを与えられる原子力施設が有力であることは想像するにかたくありません。  翻って、本県の立場でこれを見るとき、日本海に面し、稼働中のものも含め最多15基の原発立地を擁する本県は、ミサイルのターゲットとしての危険性が最も高い地域の一つと思われます。しかし、PAC-3は全国に38カ所配備されていますが、本県はおろか北陸3県にもいまだ1基も配備されておりません。最寄りでは滋賀県高島市の饗庭に配備されておりますが、高浜や大飯、美浜や敦賀からも優に40キロ以上離れており、PAC-3の迎撃可能半径20キロから30キロを考えると全くその外にあり、役に立たないことがわかります。これを配慮するとき、本県の嶺南地域には、最低1基は必要であり、その上、今回発射されたミサイルを分析すると、太平洋上に落下する直前の行程で三つの弾頭に分かれているようであり、こうした複数弾頭に対応するには、本県に複数のPAC-3の配備が求められます。  知事は、7月18日にも防衛大臣に自衛隊基地の配備など、自衛隊配備を陳情されましたし、今回も国が原子力の立地地域の不安に対してどのような対応を考えているのか、明らかにするよう要請したいと述べられておりますが、単に自衛隊の配備だけでなく、PAC-3の常時配備が必要不可欠であります。しかも、PAC-3を配備すれば、当然それを扱うために、自衛隊の基地も隊員配備も同時に行われることになります。  本県として、今回を契機に嶺南地方へのPAC-3の常時配備を国に強く求めるべきだと考えますが、知事の所見を伺います。  総務省の発表によれば、今回のJアラートを利用した弾道ミサイル発射情報の伝達において、9道県、24市町で、防災行政無線が音声が流れなかったり、メールの送信ができなかったりといったトラブルが多々発生したとのことでした。機器の設定ミスなどが原因と見られており、現在消防庁や市町が原因を調査しているようであります。  本県は、Jアラートは昨年11月の訓練で正常に稼働するのを確認したと胸を張るとともに、今年度の国民保護訓練でミサイルを想定し、情報伝達や被害状況の把握など初動対応を確認すると、初のミサイル想定訓練を実施する意向を表明しました。  しかしながら、最近のサイバー攻撃や太陽フレアなど、情報伝達システムを狂わせる要素は非常に多く、常に機器の状態を確かめるとともに、機器取り扱いにもなれておくことが肝要であります。また、一部の地域だけでなく、県下一斉に訓練を行い、全市町の情報伝達システムをチェックするとともに、一人でも多くの県民が経験できるようなものでなくてはなりません。しかも、ミサイルが本県方面に発射された場合、七、八分で到達すると推測されますが、防衛省が発射を察知するのに二、三分はかかるため、その分を差し引くと避難時間は約4分間と推定され、たった4分間で可能なことだけに絞り込む必要があり、当然、会議をする間もなく、大幅な移動もできませんから、形式的なものは一切省かなければなりません。  そのような実効性の高い、現実に県民が経験則として使える全県的なミサイル避難訓練が必要だと思いますが、県はどのように考えているのか、お答えください。  また、今回、避難を呼びかけられたが、ミサイルに耐えられるような施設はなく、どこに行けばいいのかと戸惑いの声が県民からも多くあがりました。テレビでも地下か頑丈な建物の中に避難してくださいと繰り返し呼びかけていましたが、ほとんどの福井県民にとって、そんな建物近くにないということになるでしょう。また、障害者や高齢者など、自宅を離れられない方も相当数いらっしゃいます。  本県では、国民保護法に基づく避難施設を幾つ指定しており、その中でミサイル攻撃に対応できる頑丈な建物や地下施設は一体幾つあるのか。また、万一の事態に備えて、自宅や学校、職場や屋外でも県民がとれる現実的避難のあり方を示し、県民の犠牲を最小限にするためのミサイル避難マニュアルの作成やその指導教育も必要だと思いますが、県の考えを伺います。  9月2日に、大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号が敦賀港に初めて寄港いたしました。北朝鮮のミサイル発射の直後であっただけに、クルーや乗客たちも不安が拭えなかったのではないでしょうか。8月29日に別のクルーズ船で石川県入りした京都府の山田知事は、谷本石川県知事と会談し、北朝鮮のミサイル発射を嫌い、日本海クルーズ客は乗客が減っていると指摘され、両知事ともに今後の需要に大きな懸念を示されたとのことでした。本県にとっても、10月と来年4月に「ダイヤモンド・プリンセス」が再び敦賀に寄港予定となっていますが、何らかの影響も考えられます。  一方で、7月4日に発射された北朝鮮ミサイルは、我が国の排他的経済水域内に着水しましたが、同じEEZ内にある大和堆で漁をしている本県の底びき網漁船や今後、解禁を迎える越前がに漁船にとっては大きな脅威となっております。そして、同時に、6月ごろからこの大和堆には、北朝鮮らしき漁船が多数違法操業を続けており、本県の漁船が漁場に入れず引き返す事態が頻発しております。この北朝鮮のミサイルと違法操業は国家的、組織的コンビネーションプレイとも見られ、本県としても国と連携して、漁業者の安全と生活を守り、本県水産業を維持しなければなりません。  知事会や漁業団体の要請を受け、海上保安庁も努力をしているようですが、こうした北朝鮮によるミサイル発射や違法操業が日本海クルーズや本県漁業に与える影響を県はどう考え、国や関係機関に対して今後どのような対策を求めていくのか、お答えください。  以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。
     ありがとうございました。 22 ◯議長松田泰典君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 23 ◯知事西川一誠君) 笹岡議員の一般質問にお答えいたします。  まず、桐生選手の日本人初の9秒台の記録について、県営陸上競技場に記念のモニュメントなどを立てるのがよいのではないかとの御提案であります。  国民が期待しておりました、陸上男子100メートルでの新記録──9秒98という大記録がここ福井の地において誕生したことはまことに喜ばしいことであります。当日、私も県営陸上競技場で競技を見ておりましたが、記録達成の皆さんの喜びを分かち合うことができたと思っております。また、表彰式では、桐生選手に本県の新ブランド米「いちほまれ」を贈呈させていただいたところであります。  県営陸上競技場は、福井国体・障スポに向け、大規模な改修も行い、競技環境が整ったわけであります。今回のインターカレッジ(日本学生陸上競技対校選手権大会)は福井国体のプレ大会を兼ねて関係者が誘致した大会であります。今回の大記録の樹立は国体などに向けて大きな弾みになるものと考えています。  県としても、桐生選手が大記録を樹立したことをたたえ、県営陸上競技場を舞台にした、その偉業を後代に伝える記念モニュメント等を本県陸上競技の今後の発展につながるよう、福井県陸上競技協会と協力しながら設置してまいりたいと考えます。  次に、フリーゲージトレインの開発おくれの対策についてであります。  フリーゲージトレインの導入が困難な場合、県民の利便性を確保するために、国交省に対しどのような手段を求めていくのか。また、どのような方向性で進めていくのか、関係県との連携はどうかとの御質問であります。  フリーゲージトレインについては、平成24年6月の認可の際、敦賀駅において乗りかえ利便性向上策として導入が計画されていましたが、現在、北陸への導入の見通しは立っていないわけであります。フリーゲージトレインが導入されず、敦賀駅で乗りかえる場合、石川県や富山県とは異なりまして、福井県にとって関西方面との時間短縮効果が余り感じられないということになり、また、新幹線の建設財源の影響などを考慮しますと、特急の乗り入れ、この問題については一定区間とすることが有効かというふうに思っております。  県としては、与党検討委員会において国交省やJR西日本がフリーゲージトレイン導入の採否を──導入するかどうかということです、これを早期に明らかにしていただくとともに、委員会において議論されることとなっている特急乗り入れについては今言ったような見地から、県民益が十分最大限に確保されるよう、検討を要請したいと考えております。  次に、北朝鮮の弾道ミサイルの関係で、PAC-3の早期配備について、自衛隊の配備のみならず、嶺南地方へのPAC-3の常時配備を国に求めるべきではないか、との御質問です。  弾道ミサイルの問題は、国家の安全保障、国防に関する大事な事項であり、国は、国民、自治体などに対し、国際情勢、その対応状況など、わかりやすく知らせるとともに、適宜、適切な指示が必要であります。  まず、国みずからが防衛、防御以前の外交努力などさまざまな対応が要るということが大前提でありますが、その上で原子力発電所の防御については基本的にどのような考え方をするのか、国において、また、どのような機能や装備がこれについて必要なのかを明らかにすべきであり、このことを国に対してしかるべく要請してまいりたいと考えます。  その他については、関係部長から答弁いたします。 24 ◯議長松田泰典君) 総合政策部長豊北君。     〔総合政策部長豊北欽一君登壇〕 25 ◯総合政策部長豊北欽一君) 私からは5点お答えさせていただきます。  まず、通常型「かがやき」の県内駅への停車についてのお尋ねでございます。  新幹線の運行ダイヤは、開業の約3カ月前に決定されますが、これまでJRは停車駅をふやすと、「かがやき」の速達性の意味をなくすと言っております。開業当初から臨時便「かがやき」が上り下り1便停車しております新高岡駅では、市を中心に経済団体や市民が一体となって利用促進運動を展開するなど、定期便の停車化を目指しておりますが、実現は厳しい状況であります。  金沢以西の全ての駅への「かがやき」停車につきましては、東京から本県、あるいは北陸から関西や中京方面への速達性が損なわれるという課題がございます。「かがやき」の県内駅への停車につきましては、加賀温泉駅など他の停車駅の動向を見ながら、利用頻度の高い時間帯に絞って「かがやき」の停車を求めるなど、実現に向けて沿線市町とともに検討してまいりたいと考えております。  現在、芦原温泉駅のサンダーバードの停車本数が加賀温泉駅よりも4本少ないことから、まずは停車本数をふやしていくことが必要かと考えております。  次に、リゾート新線基金の現在の県の検討状況についてのお尋ねでございます。  嶺南6市町では、基金の活用策について、12月にも広域行政組合において方向性を決定する予定でありまして、現在、副市長、副町長レベルで協議が進められております。6月に開催されました若狭湾エリアの地域構想に関する副市長、副町長との意見交換会の場でも、小浜線における快速列車の運行や観光基盤の整備など、北陸新幹線の開業効果を嶺南各地域に波及させるための取り組みに対して基金を活用してほしいとの意見も出されております。  県としては、6市町の意見を伺った上で基金の活用について検討を行い、議会とも協議しながら結論を得てまいりたいと考えております。  3点目は、北陸新幹線の柿原トンネルの土砂崩落事故に関し、再発防止に向けた県の対応についてのお尋ねでございます。  今回の事故は多くの地域住民が利用する市のグラウンドで発生したものであります。幸い人的被害はなかったものの、大惨事となりかねない重大な事故であり、まことに遺憾であります。このため、県としても事故現場を確認するとともに、鉄道・運輸機構に対し厳重に注意し、県内全ての工事箇所について安全確認を行うこと、次に、早急に原因を究明した上で工事を進めること、また、地元、区への説明をしっかりと行うこと、また、原因や今後の対策を県に報告することを申し入れました。  これを受けまして、機構は昨日記者会見を行い、点検の結果、柿原トンネルを除く着工済みの18工区について安全を確認したとの報告がありました。また、柿原トンネル工事につきましては、学識経験者で構成するトンネル施工技術委員会が17日に現地調査を行い、早急に原因究明を進めるとの考えも明らかにしております。今週、鉄道・運輸機構の理事長が来られますので、知事から工事の安全に万全を期すよう再度申し入れます。  最後は、新幹線工事後の県道補修について、県と機構の協議がどのようになっているのか。あわせて、県道の補修について、実施できるような予算措置が必要であるとともに、傷みの程度により、部分補修、全面舗装という明確な基準も必要だが、どのように住民の信頼に応える考えなのかという質問につきまして、一括してお答えさせていただきます。  県では、工事着手前に鉄道・運輸機構とともに路面状態などを確認し、工事用車両の運行台数の制限などについて協議しておりますが、県道は工事用以外の車両も通行することから、工事後の補修費の負担を全て機構に求めることは難しいわけでございます。  県では、日常のパトロールで、県道の損傷状況を確認し、局所的なひび割れ等が生じた場合は部分舗装、損傷区間のひび割れ面積が40%以上となった場合などは全面舗装を行うという基準に基づき、予算を確保し、通行に支障がないよう補修を実施してきております。  県としては、地元の意見を十分にお聞きしながら、機構と役割分担しながら必要な補修を適切に行ってまいりたいと考えております。 26 ◯議長松田泰典君) 安全環境部長清水君。     〔安全環境部長清水英男君登壇〕 27 ◯安全環境部長清水英男君) 私からは、ミサイル関係3点についてお答え申し上げます。  まず1点目でございます。  県民が経験則として使える全県的なミサイル避難訓練が必要ではないかというお尋ねでございます。  弾道ミサイルの件につきましては、先月29日、ミサイルの発射、通過した際には、北海道など一部の地域において、Jアラートの情報が十分伝わらなかったとか、あるいは避難行動が住民に十分理解されていなかったというようなことが報道等でされております。こういった課題についても県としてしっかりまず検証していく必要があるというふうに考えているところでございます。  県では、これまで爆破テロなど武力攻撃に準ずる事態を想定して、国民保護訓練を実施してまいりましたが、今年度は初めて武力攻撃事態の一つでございます、弾道ミサイルを想定した訓練を実施していきたいというふうに考えているところでございます。  訓練では、まず情報伝達や被害状況の把握など、初動対応の確認を行うとともに、県民がミサイル発射時に自分の身を守るためにどのような行動をとるのか、理解することも重要でございますので、住民参加の訓練についても、今後国や市町などと協議をしてまいりたいというふうに考えております。訓練は一度だけではなく継続して実施していくことが重要でございますので、今後も訓練を重ねていくことでより熟度を高めていきたいというふうに考えているところでございます。  2点目でございます。  ミサイル関係で、避難施設、国民保護法で幾つ指定しているのかと、頑丈な施設、あるいは地下施設は幾つあるのか、ミサイル関係のマニュアルの作成も必要ではないかというお尋ねでございます。  県の国民保護計画では──これはミサイル攻撃だけではございませんが、テロなどの事態にも備えて、学校や公民館など847の施設を避難施設に指定をいたしております。その中で、国が頑丈な建物であるとしているコンクリートづくりの施設は676ございます。そのうち、地下への避難が可能な施設は一つございます。なお、国は、避難施設として指定されているかどうかにかかわらず、近くの頑丈な建物や地下に避難するということを呼びかけているところでございます。  また、国は、ミサイル発射時に頑丈な建物に避難するほか、近くに建物がない場合は物陰に身を隠す、あるいは地面に伏せる、屋内では窓から離れる、窓のない部屋に移動するなど、住民がとるべき行動というものを示しているところでございます。  県としては、市町と協力し、ホームページや広報誌、住民への出前講座、さまざまな機会を捉えて、住民がとるべき行動について県民の理解というものを促進してまいりたいと考えているところでございます。  3点目でございます。  ミサイル発射、あるいは違法操業が、クルーズ、あるいは本県漁業に与える影響をどう考え、国、関係機関に対してどのような対策を求めていくのかというお尋ねでございます。  北朝鮮によるミサイル発射に伴うクルーズ船や漁船への影響について問い合わせをいたしております。各機関からは特に影響はないというふうに聞いております。今後もミサイル発射の可能性があることから、引き続き状況の把握に努めていきたいというふうに考えているところでございます。  違法操業につきましては、水産庁及び海上保安庁が漁業者団体からの要請を受け、6月下旬以降、集中取り締まりを実施しております。しかしながら、本県甘エビ漁の水揚げ高は昨年より1,400万円、約2割減少をしているというような状況でございます。  ミサイルや違法操業の問題は国の安全保障、外交に関する事項でございます。国が責任を持って対応すべき事項でございます。県としては県民の安全・安心の確保と合わせて、観光や漁業などの経済活動に影響がないよう、しかるべく国の関係省庁に対し、迅速かつ正確な情報提供及び取り締まりの強化を要請してまいりたいと考えているところでございます。 28 ◯議長松田泰典君) 中井君。     〔中井玲子君登壇〕 29 ◯10番(中井玲子君) 中井玲子でございます。  まず、若者の交流促進について伺います。  先月4日に、高校生が県議会議員役、私たち県議会議員が理事者役になって行われた高校生県議会、高校生県議からは、理事者役の県議に対し、観光やまちづくり、教育、幸福度日本一など、多岐にわたる県政の重要課題についてそれぞれ具体的な提案がありました。私が答弁を担当しました高校生グループからは、北陸新幹線開業に向けた福井駅周辺のまちづくりなどについての提案がありました。また、どの高校生も素直な思いをストレートに提案されていたことが若者らしく、改めて活力ある福井となるためには、若者の元気が必要であることを感じました。今回、若者の交流活動に焦点を当てた質問と提案を何点かさせていただきたいと思います。  私は、これまでも何度か地域の活性化という観点で、地域活動などにおける若者の活躍について質問で取り上げてきました。昨年の9月定例会一般質問においては、若者の郷土愛を醸成し、地域のきずなを深める取り組みとして、知事から若者チャレンジ応援プロジェクトにおける地域活動への参加状況について答弁がありました。  若者チャレンジ応援プロジェクトでは、「ふくい若者チャレンジクラブ」を通して、活動する若者への支援を行っており、「ふくい若者チャレンジクラブ」では、現在1,000人近くもの若者が活動を行っているそうです。たくさんの若者が地域での活動を行っていることをうれしく思う反面、その活動の状況や盛り上がりが一般の方々には余り見えていないようにも思います。  平成23年度に全国に先駆けてスタートしてから5年以上が経過しましたが、「ふくい若者チャレンジクラブ」について、これまでの活動に対する評価と今後の展望について知事に伺います。  次に、若者のうち、特に大学生の交流について伺います。  県では、昨年の6月に初めて本格的な合同大学祭ふくい学生祭を芝政ワールドで開催しました。第1回目となる昨年の学生祭は、県内の5大学、1短大から集まった約90名の実行委員会メンバーが70回を超える打ち合わせや3回の合宿を重ね、団結を強化しつくり上げました。ウオーターアスロンや人気アーティストのライブなどのほか、各大学、短大のサークル紹介や、約80名の学生が県内27の企業の中から紹介する企業をみずから取材し60秒でプレゼンするコンテストもメーンイベントとして開催されました。大学の枠を越えた学生間交流を促進し、学生が県内企業を知り、かかわる機会を創出するという目的に沿った内容であったといえるのではないでしょうか。  昨年、ふくい学生祭を開催したことにより、どのような成果があったのか、具体的には、県内大学生にどのような影響や効果をもたらしたと考えているのか、伺います。  ことしも、現在、第2回の開催に向けて、実行委員会では、各大学サークルとの調整やふくいジョブカフェと協力し、学生と県内企業の若手職員との交流会の企画、運営を行っており、プレイベントが今月30日に芝政ワールドで、本祭が来月28日に福井駅前ハピテラスで開催されるとのことです。案内のチラシを拝見しますと、非常に魅力的な内容となっており、たくさんの大学生や短大生に参加してほしいと感じました。また、今後もこのような活動が継続し、県内大学生の活動の活性化につながっていってほしいと思います。  ふくい学生祭を今後どのように進展させていこうとしているのか、知事の所見を伺います。  先月下旬に、東京の大学に通う学生団体代表の方々と意見交換する機会がありました。意見交換をした学生さんは、大学に通っているというだけではなく、活動の内容が私の想像をはるかに超えていました。何人かのプロフィールを紹介しますと、慶応大学3年生、海外インターンを運営する学生団体の代表。大学2年次に同団体で新規事業統括としてITベンチャーと共同して、海外インターンシッププログラムを作成し、インターンシップサイトで人気ランキング1位を取得。その他コンサルティングファームでの長期インターンの経験があり、大学3年次はベンチャーで1,000人の学生と150名の社会人を集客し、OB訪問イベントを開催したり、ベンチャーキャピタルでベンチャー企業への投資案件のサポートなどをしています。現在は、大学院の進学準備を行いながら、夢の実現に向けて、投資や資産運用などのビジネスを学んでいるそうです。  明治大学4年生、1社の経営者であるほか、6社の社外取締役、顧問、執行役員を行う。学生団体四つの代表でもある。大学2年次にアップル社長へ衆議院会館にてアップルウオッチの販売戦略をして以来、ビジネスの世界に足を踏み入れる。そのときそのときのステータスを生かし、学生を武器に学生ネットワークを構築、ビジネスに結びつけているそうです。  このほか、日本大学や日本体育大学などの学生さんたちにもお会いしましたが、将来、教育関係の仕事につきたいとの希望を持っており、私も教育県、福井県の現状をお話ししました。どの学生さんたちも大学生でありながら、ビジネスやイベント企画に携わっているようでした。大学の枠を越えて、企画や交流活動をしており、それが大事な情報交換の場になっているようです。それぞれに将来への目標を立てていたり、さまざまな分野への意欲が旺盛でした。中には、幾つかの大手企業の経営者から既に直接就職の誘いを受けている学生さんもいるようですが、大学院に進んで学ぶ中で、もう少し時間をかけて就職先を決めたいと考えているそうです。  ふくい学生祭では、県内において大学の枠を越えた交流が生まれたと思いますが、それをさらに県内だけでなく、このような都市部で活躍している大学生との交流にまで広げることは考えられないでしょうか。これらの大学生と交流を持つことは、県内の大学生にとっては、大手企業とのかかわりや海外での活動といった話は非常に刺激になるでしょうし、都市部の大学生にとっても、福井県のことを知り、愛着を持ってもらうきっかけになると思います。また、発信力のある学生さんたちなので、交流をきっかけとして福井県のことを発信してもらえることも考えられます。  ふくい学生祭などの際に、起業などを行う活躍している都市部の大学生との交流の場を設けてはどうかと考えますが、知事の所見を伺います。  県内外にこだわらず、就職後も続く同世代のよい人間関係を大学時代に築いてもらいたいと思います。  若者の交流促進の新たな取り組みとして、今年度から、東京や大阪などの都市部の大学生などが夏期休暇などを利用し、県内で田舎暮らしを満喫する「ふくいでワーキングホリデー」がスタートしました。総務省が昨年度始めた事業で、昨年度は北海道や福島県など8道県に500人余りが参加しており、今年度の実施場所の一つに福井県が選ばれたものです。新聞報道によると、8、9月の2週間から1カ月程度、県内の観光地や旅館で働きながら現地の人と交流しており、30人程度が参加されているそうです。若者定住支援課はこのワーキングホリデーを通して、将来の移住に気持ちを向けるきっかけになればと期待しているとのことです。今も実際に県内に滞在して活動されている方々もいるわけですが、福井に来られた大学生の方々が実際どのような感想を持たれているのか、また、受け入れ側の観光地や旅館の方はどう思われているのか伺います。  「ふくいでワーキングホリデー」とは別に、夏期休暇や春期休暇の約1カ月間、県内大学生に県内企業の社長の右腕として、商品開発や企画立案などの仕事を経験してもらう、「経営参画インターンシップ」という事業も今年度から実施されています。こちらには、現在、県内7企業に13人が参加しているとのことです。  受け入れ企業を見ますと、嶺北の企業のみとなっているようですが、受け入れ企業はどのように選定したのか伺うとともに、この事業の狙い、特に「ふくいでワーキングホリデー」との違いを伺います。  また、これらの事業で、福井に来ている県外大学生と県内大学生との交流はあるのでしょうか。もしないのであれば、せっかくの機会ですので、交流の場を設けてはどうかと考えますが、所見を伺います。  次に、再犯防止に向けた取り組みについて伺います。  法務省によると、平成26年に刑務所を出た人が2年以内に再び入所した割合は18.5%、また、再犯者率は平成27年度において48%に上り、年々上昇しています。安全で安心して暮らせる社会を構築する上で、犯罪や非行の繰り返しを防ぐ再犯防止が大きな課題となっていると思います。  このような状況を踏まえ、再犯の防止等に関する施策に関し、基本理念を定め、国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、再犯の防止等に関する施策の基本となる事項を定めた再犯の防止等の推進に関する法律が昨年12月14日に施行されました。この法律に基づき、国は再犯防止に向けた教育や、職業訓練の充実、職業や住居の確保などについて推進計画を策定しなければならないことになっております。本年2月から再犯防止対策推進会議及び再犯防止推進計画等検討会を開催、議論し、今年度中の策定を目指しています。また、都道府県及び市町村も国の再犯防止推進計画を勘案して、地方再犯防止推進計画を定めるよう、努めなければならないことが法律に規定されており、鳥取県など既に策定に向けた検討会が開催されている都道府県もあるようです。  福井県としても、地方再犯防止推進計画の策定を検討するべきと考えますが、知事の所見を伺います。  犯罪や非行をした人たちは再び地域社会に戻ってきます。これらの人たちが再犯や再非行に至らないためには仕事につくこと、住む場所があること、温かく見守ってくれる人の存在、この三つが重要です。国の統計によりますと、保護観察終了者のうち、無職者の再犯率は高く、有職者の約3倍となっていること、また、刑務所に戻った再入所者の約7割は再犯時に無職であることから、再犯防止のためには就労支援が極めて重要といえます。県保護司会連合会の山下会長からお聞きした話です。犯罪歴のある青年が思うように仕事が見つからず、相談する人もなく、所持金も底をつき、途方に暮れていたところ、更生保護サポートセンターの看板を見て助けを求めてきたそうです。居合わせた保護司さんや山下会長の対応により、うまく就職につながったそうですが、青年は更生保護サポートセンターの看板を見つけていなかったら、就職できずに僕はまた犯罪を犯していたと思います。御恩は忘れませんと言っていたとのこと。就労支援がとても大切だと感じたエピソードでした。  出所者の雇用促進を図るために、国においては、就労職場定着奨励金や就労継続奨励金など、協力雇用企業に対する支援制度が設けられておりますが、県においても平成29、30年度の県発注工事の入札参加資格審査から、協力雇用企業について優遇措置が設けられるよう見直しがされました。この見直しにより優遇措置を受けた建設事業者があったのか伺います。  就労支援に関しては、入札参加資格審査における協力雇用企業の優遇のほか、地方再犯防止推進計画の策定に先駆け、さまざまな取り組みを行っている都道府県があります。例えば、広島県は、保護観察終了後の無職少年を対象に、短期の就労体験事業を実施するNPO法人の取り組みを財政的に支援しています。兵庫県は、兵庫県再犯防止対策関係機関連絡会議を県が事務局となって開催しています。奈良県では、全都道府県で初めて保護観察対象者を県臨時職員として雇用、社会復帰促進就労支援シンポジウム、社会復帰促進就労支援懇談会の開催や協力雇用企業で就労中の保護観察対象者が仕事上必要な資格を取得する費用の助成など、手厚い対策を行っています。  再犯の防止等に関する施策については、国の役割が大きいところですが、再犯の防止等に関する法律においても、地方公共団体には地域の実情に応じた施策を策定、実施する責務があることが規定されており、都道府県レベルでもさまざまな対策ができるのではないでしょうか。  福井県においてももっと県が主導して、就労支援策などの再犯防止対策に取り組んでいくべきと考えますが、所見を伺います。  国でなされている刑務所や少年院などの矯正施設での矯正教育や保護観察所での指導監督や支援、釈放後一定の期間行われる更生緊急保護は、受刑を終えて相当の年数がたった人や保護観察が終わった人に対しては支援が及びません。このような人を支援するため、日ごろから犯罪者や非行少年の立ち直りを支援している県保護司会連合会、県更生保護協会、県更生保護女性会などの更生保護団体が中心となって、行政や社会福祉協議会、地域生活定着支援センターなどと連携した犯罪者等の再犯を防止するためのネットワークを年度内には設立する運びと聞いております。犯罪の繰り返しをとめるためには、地域社会において必要な支援を受けられるようにすることが重要です。ネットワークが構築、活用されることで、就労の確保や住居の確保などの地域の問題を踏まえ、立ち直りに向けた息の長い支援を行うことができるのではないかと考えます。県としてこのネットワークの設立及び活動に協力、支援してはどうかと考えますが、所見を伺います。  例えば、ネットワークの運営費に対する助成や事務局の場所を提供するといった支援も考えられるのではないでしょうか。  国が東京オリンピックに向けて再犯防止を目標に取り組みを行っているように、福井県においても、来年の福井しあわせ元気国体・障スポや5年半後の平成34年度末に予定されている北陸新幹線の敦賀開業を前にして、再犯のない安全な県をさらに目指していくべきだと考えます。  以上、私からの質問と提案を終わらせていただきます。 30 ◯議長松田泰典君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 31 ◯知事西川一誠君) 中井議員の一般質問にお答えいたします。  まず、若者の交流促進についてであります。  「ふくい若者チャレンジクラブ」のこれまでの活動に対する評価、今後の展望についてどのように考えるかとの御質問です。  平成23年度につくりました若者チャレンジクラブ、183名からスタートしたわけでありますが、福井を元気にする活動に興味を持っておられる若者が活動できる重要な場となっています。結成してから6年を経過し、現在では当時から比べますと5倍以上の約1,000名の若者が参加しております。一例を挙げますと、活動としては、おみこしの担ぎ手が不足している福井市のじじぐれ祭りへの参加でありますとか、こうした地域の祭りの応援、また、若狭地域で山で駆除をしたシカの皮を有効活用する商品づくりなど、県内各地でさまざまな活動を展開しておられます。  このチャレンジクラブの事業を通して、若者同士が出会ったり、他の若者グループの活動に参加するといった動きも見られ、横のつながりが着実に広がっております。  また、福井県がこうした若者支援の先進的なモデル事業として広めておりますので、これが岩手県とか、栃木県でも同じようなタイプの事業がスタートするなど、他県への影響、広がりも見せております。これからも、登録者をふやしていくため、若者チャレンジクラブメンバーと県内の若者──これは公募するのですが──によるワークショップ、具体例としては、足羽山山頂の茶屋を使った活性化の検討などを開きまして、若者による地域の応援活動の交流と継続、さらなる拡大を図ってまいります。  次に、別のテーマになりますが、再犯防止対策についてであります。  地方の再犯防止推進計画の策定を検討すべきではないかということで、さまざま事例を挙げて御質問いただきました。  本県の刑法犯認知件数は平成25年が5,285件でありましたが、現在といいますか、平成28年度は3,645件、これは全国第4位の──少ない方からですが、となっており、人口1,000人当たりの件数も平成25年には全国11位でありましたが、昨年は9位と改善し、犯罪の少ない県となっております。そして、今御質問いただきました、再犯者数も、平成27年が628人、平成28年は495人、いずれも全国第4位の──少ない方から4位ということであります。  この再犯防止推進法では、国のみならず、地方公共団体においても、次のような仕事──国の再犯防止推進計画を考えながら、地方再犯防止推進計画を定めるよう努めなければならないとされています。国においては、この再犯防止推進計画の策定に向けて、ことしに入って2月に、関係省庁の局長級で構成する第1回の推進委員会が開かれた後、検討が具体的に進められています。国からは、今年内にこの国の推進計画を策定する予定であると伺っており、我々としては今後その内容を十分確認をし、本県の推進計画の策定について検討してまいりたいと考えます。  その他については、関係部長から答弁いたします。
    32 ◯議長松田泰典君) 総合政策部長豊北君。     〔総合政策部長豊北欽一君登壇〕 33 ◯総合政策部長豊北欽一君) 私からは、若者の交流促進について6点お答えさせていただきます。  まず、ふくい学生祭の開催により、県内大学生にどのような影響や効果をもたらしたと考えているのか。あわせて、ふくい学生祭を今後どのように進展させていこうとしているのかとのお尋ねについて、一括してお答えさせていただきます。  県内大学生の4分の1に当たります、約3,000人の学生を集めた初めての合同大学祭は、県内大学生が実行委員会を結成し、さまざまな企業の支援を受けながら、自分たちで企画、運営したものであります。学生がみずからの力で福井を盛り上げるイベントをやり遂げた場となり、本県への愛着を深める機会となったと考えます。  また、学生祭の中で行われました、福井県の企業を60秒で紹介する「ギュッと60」によりまして、企業とのつながりが生まれ、学生と企業との交流会に発展しました。その交流会も学生が企画し、42の県内企業と県外も含め約200人の学生が参加いたしました。さらに、実行委員会メンバーの卒業生の約8割が県内企業に就職するなど、県内定着につながっております。  今後も企画、実行力のある大学生が育ち、ふくい学生祭が学生の祭典として根づくことを期待するとともに、福井をフィールドに活躍する若者の増加を促し、大学生の県内定着に結びつけてまいりたいと考えております。  次に、ふくい学生祭などの際に、起業等を行い活躍している都市部の大学生との交流の場を設けてはどうかとのお尋ねでございます。  他県大学生との交流につきましては、ふくい学生祭を企画するに当たり、先進事例として京都学生祭典を視察し、京都の大学生から学生祭開催のノウハウを聞いております。また、ことし7月には、全国各地で頑張る学生団体やサークル等が集い、それぞれの特色ある社会活動を発表し、表彰する、学生団体総選挙といった交流会がありますが、そこに出席し、約200名の参加者と意見交換を行いました。  御提案のような大学生という立場を積極的に活用してビジネスやイベント企画に活躍している都市部の学生との交流は、本県における若者活躍の新たなフィールドを探る上でも参考になると考えており、企画を担当する学生実行委員に都市部の学生との交流も提案してまいりたいと考えております。  次に、「ふくいでワーキングホリデー」で福井に来た大学生がどのような感想を持っているのか、また、受け入れ側はどう思っているのかとの御質問でございます。  「ふくいでワーキングホリデー」には、この夏に県外の大学生を中心に29名の若者が参加しております。参加者は、福井での滞在が初めての方ばかりでありまして、企業訪問ツアーに参加して、多くのすぐれた企業が福井にあることがわかったとか、新たなふるさとができたのでまた訪問したいとの声が寄せられており、旅行では味わえない福井の豊かな暮らしを実感していただいたようでございます。  また、受け入れ側の企業は、意欲ある学生の働きぶりを高く評価しておりますし、また、農作業体験や祭りのボランティアなどとして参加者を受け入れた地域からも、学生との交流が新たな活力につながっていると好評いただいております。  参加者には、都市部に戻った後にも継続的に福井県の企業情報や観光情報など、本県の魅力的な情報を提供していくこととしておりまして、体験に裏打ちされた福井ファンをふやし、将来の本県への移住などのきっかけづくりとしてまいりたいと考えております。  次に、「経営参画インターンシップ」の受け入れ企業はどのように選定したのか、また、事業の狙い、「ふくいでワーキングホリデー」との違いについてのお尋ねでございます。  「経営参画インターンシップ」の受け入れ企業につきましては、学生と社長が直接議論できる比較的小規模な企業であり、かつ新たな事業展開を検討中で、学生の発想に期待している企業ということで、県内経済界の意見を参考に選定しております。なお、夏休みに続きまして、春休みにも嶺南地域に拡大して受け入れを行う予定でございます。  また、両事業の違いといたしましては、ワーキングホリデーは福井暮らしそのものを体験していただくことを通して、福井県への愛着を持っていただくことを目的としております。これに対しまして、この「経営参画インターンシップ事業」は、企業の中に一定期間入り込み、経営課題の解決に向けて社長、社員と一緒に汗をかきながら取り組むことで、受け入れ企業とのつながりを継続的に持っていただき、将来的な県内企業への就職、移住のきっかけとなることを期待しております。  最後の6点目は、「ふくいでワーキングホリデー」や「経営参画インターンシップ」、この両事業で福井に来ている県外大学生と県内の大学生との交流があるのか、ないのであれば、交流の場を設けてはどうかとの御質問でございます。  「経営参画インターンシップ」及びワーキングホリデーは都市部の学生に福井県内企業での就業体験や地域での福井暮らしを体験していただくことにより、将来の移住へのきっかけづくりとすることを目的としており、あらかじめ県内大学生との交流を予定しているわけではございません。そうした中にあっても、「経営参画インターンシップ」の参加学生13名につきましては、県内学生を案内役として県内観光地を見て回ったほか、ふくい学生祭実行委員会の定例会にも参加していただき、都市部の大学祭の状況を聞くなど、約30名の県内学生との交流も行われました。  ワーキングホリデーの参加学生につきましては、現在のところ、県内大学生との交流といった場は設けておりませんが、今後どのような交流を行っていけば将来の移住につながるのか、また、交流に参加する県内大学生が本県のよさを改めて認識し、地域を大切にすることにつながるのか、そういったことも念頭に置きながら検討してまいりたいと考えております。 34 ◯議長松田泰典君) 健康福祉部長池田君。     〔健康福祉部長池田禎孝君登壇〕 35 ◯健康福祉部長池田禎孝君) 私から2点、再犯防止対策についてお答え申し上げます。  まず1点目、もっと県が主導して就労支援策などの再犯防止対策に取り組むべきとの御質問でございます。  国におきましては、出所者の雇用促進を図るため、就労・職場定着奨励金、就労継続奨励金など、協力雇用企業に対する支援制度を設けております。  また、県におきましては、福井保護観察所と協力しまして、企業の人事担当者等を対象とした人権研修会を実施し、こうした国の制度を紹介するなど、社会復帰への理解と協力を求めております。現在、保護観察所に登録された協力雇用企業数は114社になっております。  また、7月の再犯防止啓発月間におきましては、出所者の立ち直りを地域で支える機運を醸成するため、福井駅前などで街頭啓発を実施しているところでございます。さらに、地域生活定着支援センターにおきまして、相談員が高齢出所者に対しまして施設への入所等のあっせんを行っているところでございます。  今後、さらに協力雇用企業や雇用者の増加に努めるとともに、国の再犯防止推進計画の内容を確認しながら、さらなる再犯防止対策について検討を進めてまいりたいというふうに考えております。  2点目でございます。  犯罪者等の再犯を防止するためのネットワークの設立及び活動に協力、支援してはどうかとの御質問でございます。  現在、県の保護司会連合会を中心に、県を初め、国、保護観察所、県の社会福祉協議会、更生保護関係団体が参加しまして、出所者の社会復帰を支援するネットワーク組織の立ち上げ準備を進めております。現在、構成団体や事業内容などについて検討しておるところでございます。このネットワークに関しまして、今後、国において都道府県でのネットワーク組織に関する枠組みでありますとか、具体的な支援内容を検討することとしておりまして、その内容を確認するとともに、他県の状況を見ながら、先ほどの関係機関と十分協議を行ってまいりたいというふうに考えております。 36 ◯議長松田泰典君) 土木部長辻君。     〔土木部長辻 義則君登壇〕 37 ◯土木部長(辻 義則君) 私からは、再犯防止対策について1点お答えします。  県発注工事の入札参加資格の見直しにより、優遇措置を受けた建設事業者があったのかとの御質問です。  平成29、30年度の県発注工事の入札に参加することができる資格審査から、保護観察中の者を雇用したことのある建設業者について、A等級、B等級などの格付をする評価点に新たに1%の加点をすることとしました。このような措置をとっているのは本県を含めて17府県ございます。今回、1,375の業者から申請がありましたが、保護観察中の者を雇用したことによる加点を申請した業者はありませんでした。 38 ◯議長松田泰典君) ここで、休憩いたします。   午後0時12分 休 憩                ━━━━━━━━━━━━━━━   午後1時20分 再 開                 会議に出席した議員(34名)    1番  井ノ部   航  太          20番  畑     孝  幸    2番  辻     一  憲          21番  大久保      衞    3番  長  田  光  広          22番  田  中  宏  典    4番  小  堀  友  廣          23番  鈴  木  宏  紀    5番  島  田  欽  一          24番  松  井  拓  夫    6番  小  寺  惣  吉          25番  田  中  敏  幸    8番  西  本  恵  一          26番  中  川  平  一    9番  細  川  かをり           27番  欠        員    10番  中  井  玲  子          28番  山  本  正  雄    11番  西  畑  知佐代           29番  野  田  富  久    12番  西  本  正  俊          30番  山  岸  猛  夫    13番  清  水  智  信          31番  田  村  康  夫    14番  力  野     豊          32番  斉  藤  新  緑    15番  宮  本     俊          33番  仲  倉  典  克    16番  大  森  哲  男          34番  石  川  与三吉    17番  笹  岡  一  彦          35番  関     孝  治    18番  佐  藤  正  雄          36番  山  本  芳  男    19番  糀  谷  好  晃                ━━━━━━━━━━━━━━━                 会議に欠席した議員(2名)    7番  松  田  泰  典          37番  山  本  文  雄                ━━━━━━━━━━━━━━━ 39 ◯副議長大森哲男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  井ノ部君。     〔井ノ部航太君登壇〕 40 ◯1番(井ノ部航太君) 希望ふくいの井ノ部航太です。通告に従いまして、質問をさせていただきます。  まず、第2恐竜博物館についてです。  9月議会に先立ち、観光営業部より、新たな恐竜博物館の基本的な考え方についてという資料が示され説明を受けました。これにより、現在の恐竜博物館の地域経済への効果、新たな恐竜博物館の位置づけ、立地場所の考え方、規模について、現在の県の考え方について知ることができました。第2恐竜博物館の整備が果たして県民福祉の向上につながるのか、また、将来にわたり県民にきっちり説明できる行政ニーズが存在するのか、しっかり議論をすることが必要だと考えていますので、内容はともかくとして、議会にその材料が提供されたことは歓迎いたします。  しかし、行政が現場に足を運び、関係者と議論して、徹底的に考え抜くところからしか真実は見えてくることはありません。基本構想とは、何より先に現場のニーズを行政みずからが酌み取ってつくるものではないでしょうか。決して調査費をかけないとできないものではないはずです。残念ながらその努力がなされた結果の資料とは思えないものでした。したがって、現状では90億円もの投資をする価値のあるものなのか、判断できない私がいます。  そこで、この場で一つ一つ検証させていただきたいと思います。  まず、そもそもの話として、第2恐竜博物館を建設しなくてはならない根拠はどうなっているのでしょうか。県民益向上にどのように結びついていくのでしょうか。  現在の恐竜博物館は、関係各位の御尽力によって、年間90万人の集客がある一大集客施設へと成長してまいりました。そのうち9割が県外のお客様ということで、観光誘客に大きな貢献をしていることは間違いありません。ゴールデンウイークや夏休みの多客期においては、施設内がお客様でごった返す様子について、多くの方が目にし、耳にしている状況であると思います。  また、学術的な面でも、これまでに4,000点を超える恐竜化石を発掘し、そのうち新種は7種のうち5種発見、平成29年2月には、恐竜化石産地として初めて国の天然記念物に指定されるという成果を上げられました。さらに、国内の恐竜研究の重要拠点として、国内外での共同研究、調査による知の交流にも業績を上げてこられています。  その結果、カナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館、中国の自貢恐竜博物館と並ぶ世界三大恐竜博物館と称されるに至ったわけであります。このことは福井県にとって言うまでもなく大きな栄誉であり、その地位をより強化し、学術的に国内外に貢献することはもとより、その成果により多くの方に触れていただくための機能充実、施設の拡大を指向することは時代の要請かもしれません。  しかし、県が血税を財源として整備することについては、やはり納税者たる県民の御理解が欠かせません。恐竜博物館が世界三大博物館という高い評価を維持することが県民益にどう還元されるのか、そこをしっかり踏まえた基本構想が立てられるべきです。  現在、国際的にも高い評価を得ている恐竜博物館ですが、その機能強化が県民益にとってどのような好影響があると考えているのか、知事の御所見を伺います。  県民益のわかりやすい一つの指標として、地域での経済波及効果があげられると思います。経済波及効果を知ることは、お客様のニーズ、動向を捉えるマーケティング活動の一環であるとともに、17年間の長きにわたり運営してきた中で、催事や展示計画など、毎年の事業計画を立てる上でも欠かせない経営情報であります。県はこれまでもさまざまに分析し、当然、そのノウハウを蓄積して、毎年の施策に反映してきたものと理解しております。  示された資料に基づくと、勝山市経済への波及効果として、平成11年の開館前と比較し、平成28年には観光消費額が8%、2億5,000万円の増加、その結果33億円になったという数字があります。これが多いと見るか、少ないと見るかの評価はさまざまだと思いますが、私には年間90万人集まる施設が立地している割には観光消費額の伸びは物足りなく感じられます。実際、恐竜博物館が90万人の集客施設であるにもかかわらず、勝山市では宿泊施設や飲食業が活況を呈しているという話は限定的であります。  恐竜博物館が勝山市に与えている経済効果について、県はどのように評価しているか、また、課題についてどう考えているか、今後の展望を含めての所見を伺います。  また、同じ資料をひもといていくと、県は現在の恐竜博物館に来館した方による観光消費額を平成28年に95億円と推計をしていらっしゃいます。さきの勝山市調査による33億円を見ても、その差は62億円あるわけです。もちろん勝山市の観光消費額の全てが恐竜博物館によるものではないので、さらに開きがあることは自明の論理であります。これは、現状では恐竜博物館を訪れた人々が勝山市内で食事をしたり、宿泊をしたりと回遊をしていないさまを如実にあらわしているといえるのではないでしょうか。  しかし、勝山市以外での観光消費62億円以上は一体どこで使われているのか。市内、県内、県外でどのように使われているのか、その実態についてどのように把握し、分析しているのか、県の所見を伺います。  次に、県が行った産業連関表による試算によると、来館者による消費支出は17年間で746億円、それによる生産誘発効果は910億円程度、雇用創出効果は1万950人程度という数字があげられております。これはあくまで試算であり、実態を把握、検証して初めて効果があるものであると考えられます。この点について、これまで勝山市当局、商工関係団体、観光関係団体と成果を共有し、課題や今後の目標などの議論は行われてきたのでしょうか。それとも、あくまで机上の空論としての数字でしかないのでしょうか。このことについて伺うとともに、具体的にどのような業種に波及効果があったのか、所見を伺います。  恐竜は言うまでもなく福井県の誇る一大ブランドであり、県公式恐竜ブランド「Juratic」や、国体のキャラクター「はぴりゅう」を初めとして、県民にも親しまれている存在であります。恐竜博物館が地域ブランド力向上に貢献していることはもちろん推測することはできますが、今回具体的な数字も示されましたので、そのことについて伺っていきます。  県の資料には、毎年の広告宣伝効果が平均1.8億円掛ける17年で30億円あったという言及があります。これはいささか乱暴な数字の出し方ではないでしょうか。開館当時と昨年の世間の関心には、集客から見ても大きな差があることは当然であり、また、そもそも広告費の支出を伴わないパブリシティ活動が毎年同量のメディア掲載の結果を生むとは到底考えることはできません。  まず、この平均とされる広告宣伝効果はどのような意味なのか。30億円とした根拠とともに伺います。また、直近の平成28年度にどのような媒体で取り上げられ、広告換算するとどうだったのか、首都圏でのPR実績などについて、イベントや媒体でどのようなものが行われたのかもあわせて伺います。  恐竜博物館の認知度はこの5年間で18%から35%になったというデータも示されています。広告業界では、認知度向上がブランド力向上と単純に関連づけることはできないとされています。商品もそうですが、認知度が向上して訪問意向につなげていく施策こそ評価されるべき点であり、訪問意向率がどのように向上しているかを知る必要があります。  認知度の上昇を訪問意向向上につなげる施策としてどのように実施してきたのか、これまでの取り組みについて伺うとともに、今後の展望についても伺います。  さて、恐竜博物館は世界三大博物館という評価を得ています。このことをインバウンド誘客の向上につなげない手はありません。例えば、訪日外国人観光客のうち、台湾や香港の方のリピート率は非常に高く、主要観光地を一通り巡った人々は次のターゲットを探しており、SNSなどで活発に日本の知られざる観光地の情報交換がなされているようです。自治体側でもその動きを捉えて誘客活動を行ったり、台湾と日本の鉄道事業者が友好提携を行い、相互に観光PRを行ったり、フリー乗車券を共通化して送客するなど、さまざまな取り組みがなされています。  現在、恐竜博物館に外国人観光客がどの程度訪れているか伺うとともに、誘致PR活動を今後どのように強化していくのか、県の所見を伺います。  次に、学術面の機能強化について伺います。  県の資料では、県立大学との連携強化がうたわれております。世界に誇る恐竜王国である福井を特色ある恐竜学の一大拠点とすることは大変意義深いことです。  そこで、国内外の研究者が恐竜博物館に求めるニーズはどこにあるのか。また、世界トップレベルの恐竜学研究、情報発信センターになるという目標を達成するためには、新たにどのような機能が求められているのか、県の所見を伺います。  次に、立地についてですが、現在の恐竜博物館に近接するべきという考え方は合理性はあると評価できます。しかし、現在でも道路渋滞や駐車場のキャパオーバーが深刻な中で、150万人の集客施設を整備して、道路交通インフラ、公共交通ネットワークで賄い切れるとは思いません。県の資料でも、地元市町が用地の無償提供、新たな駐車場、周辺道路などの交通アクセスの整備を行うことが比較検討の前提であるという言及があります。これらについて、現在の恐竜博物館へのアクセス上のボトルネックはどこだという把握をしているか伺うとともに、その改善に向けた展望について県の所見を伺います。  最後に、第2恐竜博物館がエデュテイメント施設として構想され、エンターテインメント性を加えた施設を指向していることについて触れたいと思います。  私はこれまで全国に整備された行政によるエンターテインメント施設の失敗例を多く見てまいりました。そこで、よほどの努力と創意工夫を行わない限り、所期の目的を達成することは困難だと捉えています。エンターテインメント施設を行政が整備すると失敗する理由は、立地場所の選定や施設の内容が恣意的であり、マーケティングに基づいた事業計画、立案がなされないことがある点、行政が経営に関与する場合、規則や予算に縛られ、運営の自由裁量が少なく、動きの早いエンターテインメントの動向についていけないという点が挙げられます。そういう点でもエンターテインメント性を持つ第2恐竜博物館を本当に県が整備すべきものなのか疑問を持ち続けています。そういった意味で2月に凍結された調査予算は、立地場所や市場ニーズをマーケティングの視点で調査をすることや、地域への経済波及効果の向上策や民間事業者が参入しやすい形態について研究するために使われるべきものであります。凍結の解除については、予算決算特別委員会での決議が必要となるわけですが、第2恐竜博物館の建設ありきでそのロジックを構築するための調査が行われることのないよう、改めて警鐘を鳴らさせていただき、委員会、予算決算特別委員会においてさらなる議論を深めるためにも、担当部局の真摯な取り組みをお願い申し上げます。  次に、アンテナショップでの情報発信強化機能について伺います。  福井しあわせ元気国体・元気大会の開催や「いちほまれ」の本格的市場投入を来年に、そして、5年後には北陸新幹線敦賀開業や大野油坂道路の全線開通を控え、福井の存在をPRする好機が到来しています。私はこれまでも東京における二つのアンテナショップ、ふくい南青山291や「食の國 福井館」は県産品の販売により売り上げを上げることも重要でありますけれども、立地を生かして高い情報発信機能及び情報収集機能を得ることが最大の目的であると指摘してまいりました。そのためにも多くの方に店舗を利用していただき、福井に対する理解促進と訪問意欲を高めていただくとともに、各メディアとの情報交流の拠点として捉えることが必要です。その視点を踏まえて、質問と提言をさせていただきます。  まず、両店舗は平成27年度に過去最高の売上高3億2,523万円、来館者43万334名という実績を上げられました。前年度の3月、北陸新幹線金沢開業を迎え、北陸に首都圏の関心が集まったことによる効果をアンテナショップへの誘客につなげたことによるものと評価をさせていただきます。しかし、その効果は持続せず、昨年度、平成28年度の売り上げは2億9,167万円、対前年比で89.7%、来館者38万2,776名、同じく88.9%と10%以上の大きな落ち込みとなりました。平成28年度は開業効果が薄れることは当初より想定されていることであり、メディアでの露出、催事の強化などが行われ、平成27年度の勢いを持続できなかったことは残念であります。なお、平成28年度からは、それまでのADKより博報堂に委託事業者が変更になっています。そのことが売り上げの落ち込みに影響していなかったのか、引き継ぎがうまくなされなかったのかなどと考えざるを得ないような結果だったとも見てとれます。  改めて平成28年度の売上高、来客者数の評価、落ち込んだ要因について所見を伺うとともに、今年度の政策合意で設定した目標3億4,000万円の売上高達成に対する強化点、特記すべき取り組みと現時点での進捗について伺います。
     また、平成28年度からの契約では、私が2015年9月の予算決算特別委員会で指摘をしたとおり、納付金を売上高に対する歩合から利益をベースとした歩合へと改め、業者にお願いしていると把握をしております。この県に対する納付金について、過去3年間の推移はどうなっているのか伺います。  次に、福井県のアンテナとしての機能、情報発信について伺います。  冒頭に指摘したとおり、現在福井の存在をPRする好機が到来しています。両店舗を拠点として、首都圏でのPR機能をより一層強化しなくてはなりません。まず、その現状について伺います。今年度も福井しあわせ元気国体・元気大会、幸福度日本一、「いちほまれ」、恐竜、白山開山1300年、明治維新150年などなど、県が力を入れて広報している事業がございます。  これらをもって福井を対外的にPRし、ブランド力を向上させる取り組みの中で、ふくい南青山291、「食の國 福井館」ではどのような役割を持って事業展開をしているのか、具体的な取り組みとその成果について伺います。  その中で、県では今年度より幸福度日本一という県の特色をより多くの方々にPRするために、首都圏ではラジオ日本で「しあわせになるラジオ」の放送をスタートさせました。パーソナリティには、福井での英会話講師の経験もあるパトリック・ハーランさんを迎え、これまで福井にゆかりのある清水国明さん、高橋愛さん、津田寛治さん、道端アンジェリカさん、大和田獏さんなどにゲストに来ていただき、福井愛あふれる放送をしていただいています。この番組はラジオ日本のホームページでも聞けるだけでなく、読売新聞でも取り上げられるなど、メディアミックス効果も上げていると聞いております。  首都圏での情報発信という点では、アンテナショップと「しあわせになるラジオ」は共通の目的を持つため、二つの事業は連携してしかるべきと考えます。一つの例として、提供クレジットを福井県とするのではなく、ふくい南青山291や「食の國 福井館」として、ラジオ広告を流すなどの工夫もできるのですが、このような事業連携について、現状の取り組みと今後の展開について県の所見を伺います。  続いて、情報収集機能についてですが、情報過多時代において、東京の消費者の趣向は日々変化が見られると聞いております。日々の売り上げ管理を行う中で、両店舗でどのような消費動向が見られるか、また、首都圏のお客さんにとって、現在売り出している商品が合っているのか、合っていないのかということが把握できる現場でのマーケティング情報を得ることが大きな意義を持つと考えられます。その成果をもってどのように政策立案や県内の事業者さんにフィードバックをしているのか、また、今後の取り組みについて伺います。  最後に、かつて知事は、「グラスギャラリー291」の事例に触れながら、拠点性を生かして、伝統工芸品や食を初めとして、総合的に福井県の情報発信を強化するという方針を示されました。この方針に基づく活動により、成果は少しずつ上げつつあるものと理解をしておりますけれども、福井県に大きなチャンスが到来しようとしている現在、ぜひもう一歩踏み込んでいただき、幸福度日本一という唯一無二の地域ブランド持つ福井県をPRする拠点としてアンテナショップを位置づけ、より機能強化をしていただきたいと考えております。  改めてアンテナショップを活用して、今後どのように情報発信を強化し、本県のブランド力向上につなげていくのか、知事の所見を伺います。  以上で、私の質問と提言を終わります。  御清聴ありがとうございました。 41 ◯副議長大森哲男君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 42 ◯知事西川一誠君) 井ノ部議員の一般質問にお答えいたします。  第2恐竜博物館に関する御質問でございます。  恐竜博物館の機能強化することが、県民益にとってどのようなよい影響があると考えるのかとの御質問であります。  恐竜博物館は、恐竜という夢と想像力、あるいは生命、あるいは環境といったさまざまな新しい課題に関連したテーマによる世界トップレベルの博物館であり、ここでしか体験のできないオンリーワンといいますか、そういう施設であります。しかも、次世代を担う子供たちや、そして、家族連れに人気の施設という性格を持っています。  類似の施設は日本には全くないという施設でありまして、将来ともしばらくはないだろうというふうに思っていますけれども、こういう新しいタイプの観光、あるいは教育的な施設、そのほかの機能も持っておりますが、こういうものをさらに充実することは大事かなと、このように思っているところであります。  また、ブランド、観光面において、全国に浸透してきた恐竜王国福井をさらに発信をし、認知度を向上させ、他のあわら温泉、東尋坊、永平寺など、県内各地の観光施設を結ぶ滞在型観光を推進し、観光消費額拡大や雇用創出など、地域経済の活性化に結びつける必要があると、このように思っております。  なお、若干付言しますと、恐竜博物館は、今のままではせっかくのすぐれた施設が──さらに十二分発展するポテンシャルはあると思いますが、これを次の発展につなげさせるためには新しい投資と政策をこれに加えていくことが必要だと、このように思うわけであります。そうしなければ、現在の恐竜博物館も十分な機能をさらに発揮できないであろうと、このように考えており、このことができることによって県民益につながるのではないかと、このように思います。  そして、恐竜は、実質断トツのブランドでありまして、他の石川、富山、それぞれの地域にそれぞれ得意の分野がありますが、そうしたものに打ち勝つためにも必要ではないかと、このように私は思っております。かつ中部縦貫道、新幹線の延伸など、これから5年、あるいは10年前後において、交通ネットワークが大きく広がるわけでありまして、これを考えますと、恐竜、こうしたものを中心に他の県内のまだ十分にそれぞれ開発が可能な観光施設などともネットワークを組んで、こういうところにもしかるべき投資をして、充実を図って、福井県全体として誘客の総量、または質の向上を図るということが極めて重要な時期に差しかかっていると、このように考えているところであります。こうした意味から、国内外に誇れる博物館を機能強化し、県民の自信や誇り、ふるさとへの愛着といいますか、こういうことにも将来的にはつなげていける施設にぜひしなければならないだろうと、このように思っております。  それから、この恐竜博物館に関連いたしまして、国内外の研究者が博物館に求めるニーズというのはどういうものであるか。また、世界トップレベルの学術研究情報発信センターになり得るのかと、こういうことについてどういう考え方をしているかということであります。  国内外の研究者からは、恐竜博物館に対し、東アジアを中心とする恐竜学についての情報発信や最先端の発掘技術の提供、若手研究者の発掘現場での研究、育成等に関するニーズが極めて高いと理解しております。こうしたことを受け、最近の例を申し上げましても、九州の長崎や、あるいは天草市などでの恐竜の発掘共同調査を行い、従来とは全く異なる地層から日本の恐竜の歯の化石などを発見するなどの成果に結びつけているわけであります。  また、恐竜学の研究者の育成を図ってきている県立大学では、さまざまな充実についても県議会で御理解を願っているところでありますが、今月から5カ年計画で、恐竜博物館と共同で、中国科学院からの御要請、提案を受けて、中国内モンゴル自治区等での調査に着手しているところであります。  今後、世界トップレベルの恐竜学研究情報発信センターとして機能を発揮するためには、県立大学と連携しながら、国内外での研究発掘や助言、指導を強化し、最先端の研究成果を発信していくとともに、恐竜学を専攻する学生等の研修機会を充実させることが必要と考えます。  それから、恐竜博物館に外国人観光客はどの程度訪れているのか。今後どのようにPRするのかとの御質問です。  福井県では外国人観光客を恐竜博物館に誘致するため、英語、中国語、韓国語等の観光マップや恐竜博物館のパンフレット、ホームページを作成し、また、台湾での観光商談会や旅行会社への訪問、国内でのランドオペレーターへの営業を行っております。  これまで博物館の受付で確認している外国人の入館者は、平成27年度は8,000人程度でありましたが、平成28年度は1万人を超え、今年度も5カ月間で6,000人を超えているということで増加傾向にあります。外国の子供たちにも恐竜博物館に来てもらえるよう、現在、台湾、香港からの旅行誘客等の誘致を進めており、商談会、訪問営業の中で他の観光資源と組み合わせてPRをし、誘客につなげてまいりたいと思います。  それから、恐竜博物館の周辺の問題でありますが、アクセス上のボトルネックがさまざま懸念されているけれども、その改善に向けた展望についてであります。  恐竜博物館へは来館者の4分の3が自家用車やレンタカーを利用しており、公園内のアクセス道路が1本しかないことや、駐車場が必ずしも十分でないため、繁忙期には駐車場に入りきらず、渋滞となっております。そのため、勝山市が平成26年度から駐車場を690台分拡充しております。また、繁忙期には、県と市が共同し、パークアンドバスライドを強化するとともに、渋滞の状況をフェイスブック等で情報提供しております。さらに、えちぜん鉄道が恐竜博物館とのセット券を販売し、この3年間で利用者が1万人から2万人に倍増したほか、昨年度からは地元バス会社が勝山駅から博物館への直行バスを運行し、公共交通機関のサービス向上と渋滞緩和に貢献しております。  渋滞を抜本的に解消するためには、新たな道路の整備やパークアンドバスライドを含めた2次交通の充実など、多様なアクセスを確保する必要があると考えており、勝山市と、引き続き、勝山市自身のまちの整備、あるいは道の駅などいろんな事業を今お考えでありますので、そういうものと連携し、協議をしてまいりたいと、このように考えております。  次に、アンテナショップの情報発信機能の向上につきまして、東京で、このようなアンテナショップについてどのように情報発信を強化し、ブランドの向上につなげていくのかとの御質問です。  アンテナショップでは、委託先である広告代理店のネットワークを生かし、首都圏のテレビ局などに対し情報発信を働きかけております。その結果、昨年度のPR実績は、テレビ番組における紹介など──計算できるものだけの話になりますが、広告額に換算して2億4,000万円程度に相当し、今年度は8月末現在、昨年1年分に迫る約2億3,000万円程度になっているものと推計をしております。  今後、さらにメディアの活用に力を入れるとともに、例えば、「いちほまれ」を実際食べていただくなど、体験可能な情報発信拠点であることを生かした活動を行ってまいります。  これに加えまして、御紹介がございましたように、「グラスギャラリー291」、また、本県の食品や工芸の販売店、ふくいゆかりの飲食店などと協力して、旬の食材を利用した話題づくりなど、総合的に情報発信し、本県のブランド力の向上を図ってまいりたいと考えます。  その他については、関係部長から答弁します。 43 ◯副議長大森哲男君) 産業労働部長安倍君。     〔産業労働部長安倍暢宏君登壇〕 44 ◯産業労働部長安倍暢宏君) 私からは、アンテナショップにつきまして5点お答えいたします。  まず、平成28年度の売上高、来客数の評価、それから、下落した要因、そして、今年度の強化点についてのお尋ねでございます。  平成28年度のアンテナショップの売り上げ、そして来客数につきましては、前年度である平成27年度に実施いたしました、ふるさと割商品券事業、これがなくなったことや、あるいは北陸新幹線金沢開業の効果が薄れたことが影響して減少したものであるというふうに考えております。  今年度でございますが、首都圏のマスコミへの売り込みを強化し、来店客の増加を目指すほか、百貨店や高級スーパーを中心に新たな催事を開催し、新しい取引先を開拓するとともに、大手金融機関などの社員食堂におきましても福井フェアなどを実施しているところでございます。8月末現在の売上額と来客数でございますけれども、それぞれ対前年同月比で、売上額が17%の増加、そして、来客数が10%の増加となっております。年間の売り上げ目標の3億4,000万円の達成に向けて、計画どおり進んでいる現状でございます。  続きまして、委託事業者からの納付金の過去3年の推移でございます。  平成27年度以前は、南青山291の店舗売り上げの3%が県に納められることとされておりまして、平成26年度に232万円、平成27年度が227万円、県に納付されております。平成28年度でございますけれども、運営事業者が変更したことに伴いまして、利益の2分の1が県に納められることとされましたけれども、店舗やホームページの改修費など、開店に要する経費が主な原因となりまして、収支としては赤字となったため納付は生じてございません。  続きまして、福井を対外的にPRして、ブランド力を向上させる取り組みの中におけるアンテナショップの役割についてのお尋ねでございます。  アンテナショップにおきましては、福井のブランド力向上に向けまして、本県の強みを発信するイベントなどを随時開催しておりまして、例えば、昨年の7月には明治維新150年のPRイベント、そして、ことしの6月には白山開山1300周年のイベント、そして、ことしの8月には、店舗内のフェアとして、恐竜王国in南青山というものを実施しております。8月のフェアでは、3週間で対前年比7割増の約7,000人が来館しまして、売り上げも前の年に比べて2.4倍となっております。福井の恐竜を体感いただきまして、今後の誘客にもつながるものというふうに考えております。  今後も福井しあわせ元気国体のPRのほか、「いちほまれ」の試食イベントを開催するなど、本県のブランド力を高めていきたいというふうに思っております。  続きまして、「しあわせになるラジオ」との連携についてのお尋ねでございます。  「しあわせになるラジオ」につきましては、今年度から毎月1回、これまで合計5回が放送されておりまして、初回の放送におきまして南青山291が紹介されております。今後も番組の中でアンテナショップにおけるお勧めの特産品やイベント情報といったものを紹介してまいりたいと思います。  これに加えまして、県が出展支援を行っている東京でのスーパーマーケットトレードショー、あるいはギフトショーにコーナーを設置するなどいたしまして、アンテナショップの魅力を積極的に伝えていきたいというふうに思っております。  5番目、現場で得たマーケティング情報の生かし方でございますけれども、アンテナショップにおきましては、首都圏における県産品の販路開拓を支援するため、納入業者に対しまして、商品の売れ筋や評価について定期的に情報を提供しております。  具体的には、素材のよさや製法のこだわりなどをアピールするラッピング、それから、少人数の世帯向けの商品の小型化など、首都圏の消費者のニーズに合った商品改良を促しているところであります。  また、県として、アンテナショップにおいて得られたこれらの情報につきましては、県内企業への指導、助言に活用すべく、産業支援機関とも共有しておりまして、引き続き広く県内における商品の開発や販路拡大の支援につなげていきたいと思っております。  また、委託事業者に任せ切りにせず、職員も現場に立って直接情報を得るなどして今後の施策に役立てていきたいと考えております。 45 ◯副議長大森哲男君) 観光営業部長江端君。     〔観光営業部長江端誠一郎君登壇〕 46 ◯観光営業部長(江端誠一郎君) 私からは、第2恐竜博物館について5点お答えいたします。  博物館が勝山市に与える経済効果についてどのように評価しているか。課題についてどう考えているか。また、勝山市以外で観光消費62億円以上はどこで使われているのかとのお尋ねであります。一括してお答えさせていただきます。  恐竜博物館の観光消費額について、平成28年度で試算してみますと過去最高の95億円となりました。これは、県の観光統計の消費単価を用いて、来館者が東尋坊やあわら温泉など、他の観光地を含む県内で消費した総額を推計したものでございまして、広く経済効果が及んでいるものと考えております。  これに対しまして、勝山市が公表しております平成28年の観光消費額33億円は、市が調査をいたしました市内の観光事業者の売り上げの総額でございます。ここ数年増加しておりますけれども、このように県とは調査の手法、算出方法が異なるものでございます。  今後は、博物館と他の観光地等を結びつけた周遊、滞在型観光の推進により、地域への経済効果をさらに波及させていくことや、勝山市、地元経済界等が一体となって、これまで以上に博物館を生かしたまちづくりを進めていくことが課題と考えております。  次に、博物館の地域経済への効果について、これまで勝山市商工関係団体等と成果を共有し、課題、目標などの議論は行われてきたのか。具体的にどのような業種に波及効果があったのかとのお尋ねであります。  今回の産業連関表による試算は、滋賀県立琵琶湖博物館、三重県立博物館などの経済波及効果をはかる際に用いられるなど、一般的な手法により県で行いました。恐竜博物館の来館者による県内での観光消費は、宿泊施設や観光体験施設の稼働率の上昇、タクシー、レンタカーの利用増、飲食店や土産物などの製造業の売り上げ増等を誘発するとともに、それに伴う雇用を創出しております。新たな恐竜博物館の経済波及効果について、今後、検討していく際には、地元勝山市等とも相談をしながら、情報を共有してまいりたいというふうに考えております。  次に、恐竜の平均の広告宣伝効果の意味と30億円とした根拠、平成28年度はどのような媒体で取り上げられ、広告換算するとどうだったか、首都圏でのPR実績はどうだったか、とのお尋ねであります。  資料でお示ししました広告宣伝効果30億円は、観光営業部を設置いたしました平成21年度から8年間において、恐竜博物館がテレビや雑誌、新聞等で取り上げられました実績を毎年広告換算しまして、その年平均額1.8億円から算出したものであります。  平成28年度は、恐竜博物館の研究員が出演し、ティラノサウルスの進化の謎を探る情報番組が放送されたほか、国内で初めて恐竜時代の哺乳類の骨格化石が発見されたニュースが大きく報じられるなど、32の媒体で取り上げられ、2億円程度の広告宣伝効果がございました。  また、首都圏において、東京上野駅、埼玉大宮駅で恐竜をデザインした大型フラッグを掲出いたしましたほか、東京丸の内の商業施設で、恐竜全身骨格の展示イベント、恐竜をテーマにした駅弁の東京駅での販売等を行いまして、多くのビジネスマン、観光客にPRいたしたところであります。  最後に、恐竜博物館の認知度の上昇を訪問意向向上につなげる施策をどのように実施してきたのか、これまでの取り組みと今後の展望はとのお尋ねであります。  県外から恐竜博物館への来館者を拡大するため、これまで博物館所有の骨格化石等を展示する恐竜展などを大都市圏の大型商業施設等で開催してきました。こうしたイベントは、来場者も多く好評で、恐竜王国福井を強くアピールし、来県意欲にもつながっているものと考えております。  また、県や観光連盟の職員が観光商談会に参加し、旅行会社に対して旅行商品の造成を直接営業するとともに、あわら温泉等に対し、宿泊と入館料のセットプランの設定等も働きかけております。  今後とも、恐竜展などの県外でのプロモーションを強化するとともに、旅行会社へのツアー造成の継続的な働きかけや魅力的な商品開発を行い、来館者の拡大を図ってまいりたいと考えております。 47 ◯副議長大森哲男君) 西畑君。     〔西畑知佐代君登壇〕 48 ◯11番(西畑知佐代君) 民進・みらいの西畑知佐代です。  まず、子供のいじめについてお尋ねします。  子供同士のいじめ、学校のいじめだったり、地域だったり。夏休み明けに子供の自殺が急増する問題に対する支援の広がり、毎日のようにニュースから流れてくる子供たちの悲鳴、春休み、5月の連休、そして夏休み、楽しいはずの休みに子供たちは何を考え、何を悩んでいるのでしょうか。  私はこんな話を耳にします。友達からいじめられる。余り自分から話しかけられない子は一人でいると澄ましていると思われていじめの対象になる。前に出過ぎる子はだんだん仲間外れになる。自分でどうしようもないことが起こってくる。1学期はとても仲よかったのに、2学期になった途端話してくれなくなった。どうしてだろう。私ひとりぼっち。学校へ行けなくなった子、こんな話なかなかお父さん、お母さんには言えない。どうしたらいいのだろう。電話で相談したいけど、どこに電話したらいいかわからないし。  先生や大人からのいじめ。話を聞いてくれない、無視される、こんなことが続くと自分ではどうしていいかわからなくなってしまいます。私たちの話、何も聞いてくれない。先生と遊びたい、なのに先生はいつも忙しい、忙しい。こんなことを言っている間はまだいいのだけど、少し大きくなると、悩んでいることを聞いてほしいことができてもゆっくり話ししてくれない。子供たちはどこかで話ししたいのに。  ある高校生は、先日、中学校へ行ったそうです。「こんにちは。」先生に挨拶したのに知らん顔。ほかの子とは話しているのに。私、中学校のときに何か悪いことしたかな。私は嫌いなのかな。もう中学へ行っちゃいけないのかな。こんなことを考えてしまう子もいます。  ほかにもいじめの対応や原因はさまざまだと思いますが、福井県において、学校のいじめの件数はどれくらいあるのか。そのうち仲間外れや無視をされる件数はどれくらいあるのか、伺います。  いじめを受けた子供たちは、学校の先生や家族など、身の回りの人に相談することが多いと思いますが、中には、先ほどのように、自分の周りの誰にも相談できない子供も多いのではないでしょうか。相談したいけれど否定されるようなことを言われたり、干渉されたりすると困るから、身近な人には話しづらい。このようなことが不安で一人で抱え込んでしまう子供も多いのではないかと思います。  文部科学省では、一人で悩んでいる子供たちがより利用しやすいよう、平成28年度から24時間子供SOSダイヤルの通話料を無料にしております。いじめを受けた児童生徒で、誰にも相談していない件数はどのくらいあるのか。また、無料の24時間電話相談に寄せられるいじめの相談はどれくらいあるのか伺います。また、どんな相談が多いか、そして、それをどのように解決していっているのかもあわせて伺います。  いじめなどで悩んでいる子供の力になる専門のスタッフにスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーがいらっしゃいます。スクールカウンセラーは悩んでいる生徒の心のケア、すなわち、子供や保護者の話を聞いて本音を引き出しながら心の問題を整理するのを手伝い、スクールソーシャルワーカーは悩んでいる生徒の福祉面の環境を支えるサポート、すなわち、子供や保護者の話を聞いて状況を整理しながら、場合によっては経済的な状況のことも踏まえた上で、福祉の制度で利用できるものを一緒に考えるのが仕事であります。  本県において、スクールカウンセラーは全ての公立小中学校に配置され、スクールソーシャルワーカーについても、近年人数が充実されているようですが、今後、どの程度配置の充実を図っていくのか、お伺いいたします。  国の中央教育審議会の答申においては、これら専門スタッフの協力を得ることが重要であり、教育委員会がその活動方針等を策定し、学校の教職員に対して周知することが重要である一方で、子供たちの指導に当たっては、あくまでも教員が連携、協働して取り組むことが重要であり、いじめや問題行動、また、家庭環境などの問題をこれらの専門スタッフに任せっ切りにするようでは問題をうまく解決できないということも言われております。  スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーと教職員の連携、協働を図り、組織的に問題解決を図るため、どのような取り組みを行っているのかをお伺いします。  県では、平成25年に制定されたいじめ防止対策推進法に基づき、平成26年3月に福井県いじめ防止基本方針を策定し、いじめの防止や早期発見、いじめを見つけたときの対応など、それぞれの段階に応じた学校や教育委員会の役割、責務について、いじめ防止対策の基本的な方向を定め、いじめの解消を図ってこられました。基本方針にもあるとおり、いじめの解消については、先ほど例に挙げたような誰にも相談できないケースを減らすなど、できるだけ早くいじめられている子の声を聞き取って、早期解決を図ることが重要です。  これまで、早期発見、早期解決のため、具体的にどのような対策を行い、その結果どの程度いじめの解消が図られたのか、お尋ねいたします。  次に、生活困窮世帯の子供たちについて伺います。  先月、厚生労働省が公表した速報値によると、全国の児童相談所が対応した子供虐待の件数は12万件を超えて過去最多、本県においても平成27年度の353件から平成28年度は510件、1.44倍に増加しています。前年度と比較すると、本県の増加率は全国平均の1.19倍と比べてかなり高くなっていますが、その要因についてお伺いいたします。  児童相談所で扱う児童虐待の相談件数が年々増加していることに対し、児童相談所の相談体制を充実していく必要があります。児童福祉司等の増員については、昨年12月議会において請願がなされているほか、先般改正された児童福祉法においても児童福祉司の配置などについて体制強化を図ることとされています。子供たちが抱える問題の背景にある家庭環境や社会環境に対しては、社会福祉等に関して専門的な知識や技術を持つ人材の増員がぜひとも必要です。  今後、児童相談所における相談体制の強化をどのように図っていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  また、厚生労働省では、親元で育てられない子供のうち、就学前の75%以上が里親の元で暮らせるようにするとともに、戸籍上、養父母の実子となる特別養子縁組を5年間で倍増させるとの数値目標を決めたということです。親元を離れて暮らす子供の里親委託率が全国で17.5%という現状からすると簡単ではないと思いますが、取り組みが進むことを期待いたします。  生活が苦しいほど子供はひとりぼっちになってしまうものです。バブル崩壊後の景気低迷長期化、社会格差が広がる中で、実質所得は下がり、非正規雇用がふえ、全国の生活保護受給者は世帯数では平成28年度は163万7,000世帯で過去最高となり、人数では同じく平成28年度で214万5,000人となっています。  生活困窮者を対象に、生活保護に至る前の段階で自立支援を行おうと、民主党政権下で検討されてきた対策が生活困窮者自立支援法として平成25年に成立し、平成27年4月から施行されました。生活困窮者の自立と尊厳の確保、生活困窮者支援を通じた地域づくりを目指して全国で支援事業が始まりました。役割分担としては各市が実施主体となり、町は県が担当、自立相談支援、就労準備支援、学習支援などに取り組んでおり、本県でも町は県の健康福祉センターが実施、市部は9市のうち福井市、小浜市、鯖江市の3市が直営で実施、6市が社会福祉法人等に事業を委託して実施しているということです。  平成27年9月議会で一度質問させていただいておりますが、生活困窮者自立支援法の施行に先立ち、厚労省では全国でモデル事業を実施しており、モデル事業に熱心に取り組んだ新潟県、沖縄県を視察させていただきました。新潟県では、相談事業の委託先の一つ、新潟県労働福祉協議会において、来所したから相談に乗るという待ちの姿勢ではなく、情報を収集し、生活困窮者にこちらから伺って相談したり、一緒に福祉の機関にも出向いていますと、寄り添う姿勢を大切にしていたこと、また、沖縄県の「グッジョブセンターおきなわ」は、県南部の那覇市に相談コーナー、ハローワーク、女性向け、事業主窓口があり、生活から就職までをワンストップでサポートするほど充実していたのが印象的でした。  本県においては、2年前のモデル事業において相談実績がゼロだった町もありましたが、制度が始まって2年が経過した現在、本県でも制度の周知が図られてきていると思います。一方で、相談件数のみならず、どのような支援が必要かを相談者と一緒に考え、具体的な自立支援プランを作成し、寄り添いながら自立に向けた継続的な支援を行うことも大事ではないかと考えます。  本県における生活困窮者の相談件数、そのうち自立支援プランを作成した件数を伺うとともに、それぞれの実績に対する評価について伺います。  ひきこもり、リストラによる精神的ショックで精神的な患いがある方などの場合、時間どおりに起床したり自宅を出ることや、人とのコミュニケーションをとることが難しく、このように直ちに就労が難しい方については、まず生活習慣確立のための指導、地域活動への参加等、日常・社会生活自立のための就労準備支援を通して段階的にステップアップしていくことが必要です。  生活困窮者の抱えるさまざまな課題に対応できるよう、支援員のノウハウの獲得、蓄積、また、就労体験を受け入れる事業所の拡充などが必要ですが、現状と方策について伺います。
     貧困の連鎖を防止するために、生活困窮世帯やひとり親家庭の子供に対する学習支援が重要です。越前市が学習支援事業を委託している児童養護施設で話を伺ったことがありますが、個々の子供の状況に合わせ学校の空き教室、公民館で学習支援したり、家まで出向くなど、子供と向き合い寄り添いながら丁寧な取り組みを行っていました。今年度で更新を迎える福井県ひとり親家庭自立支援計画において学習支援の充実を盛り込むなどしていただき、ぜひとも参加者や回数の増加につなげていただきたいと考えます。  生活困窮世帯やひとり親家庭の子供に対する学習支援について、対象者や回数などをふやしていくための取り組みについて伺います。  低所得層の子供はそうでない子に比べ、成長に欠かせないたんぱく質や鉄の摂取量が少ないなど栄養面の格差があり、栄養格差の解消は給食頼みとも言われています。  子供の食の支援では、民間団体が安く食事を出す「子ども食堂」が各地でふえております。県内においても、新聞で紹介された敦賀市の「こども食堂青空」のほか、あわら市の「こども食堂まる」など、実施主体はいろいろですが、市内の農家や魚店などが食材を無償提供したり、一般のお客さんが弁当を購入するときに価格に上乗せして払ってもらった分を弁当代に充てるなど、地域の方々の善意により活動が続けられています。通ううちに、子供たちも一緒に調理したり、食事だけでなく、工作や宿題も一緒にするなど、自分の居場所を見つけて明るくなった子供もいるということです。  「子ども食堂」などの支援が地域において継続されるためには、社会全体で子供たちを見守る意識を醸成することが必要ですが、どのような意識を醸成していくべきか、知事の御所見をお伺いいたします。  以上で、私の質問を終わります。 49 ◯副議長大森哲男君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 50 ◯知事西川一誠君) 西畑議員の一般質問にお答えいたします。  生活困窮世帯の子供たちについて、児童相談所の相談体制の強化をどのように図っていくのかとの御質問です。  全ての児童が健やかに育つためには、児童虐待の発生、予防など自立支援を図ることが大事であります。昨年6月、児童福祉法が改正され、児童相談所の体制強化を行うことが示されております。  これを受けまして、福井県では、今年度、児童相談所──これは総合福祉相談所、それから、敦賀児童相談所がありますけども──の児童福祉司を3人増員し17名にし、また、児童心理司を2名増員し9人配置の体制にし、子供や父母などの悩みや不安について話し合い、解決のために助言するなど、細やかな支援を行う体制になっております。  今後さらに、できるだけ早期に相談に応じたり、万が一発生したいろんな事案の場合にも事態が比較的初期の段階で解決が図られるよう、児童相談所に直接つながる3桁ダイヤル「189」──いちはやくという番号でありますが──の周知を徹底するとともに、国の配置基準に基づき、児童福祉司、児童心理司の配置を計画的に進めてまいりたいと、このように考えております。  次に、生活困窮世帯やひとり親家庭の子供たちに対する学習支援について、対象者や支援の実態など、これをふやしていく必要があるのではないかとの御質問です。  福井県では、平成25年度からひとり親家庭──約7,500世帯の家庭がありますが──の小中学生を対象とした学習教室を開いており、昨年度、平成28年度は六つの会場で延べ1,465人が利用しております。また、これに加えまして、平成27年度からは生活困窮世帯の児童を対象とした学習教室も開始しており、平成28年度は32会場で延べ3,450人が利用しています。これらの教室は、これまでも回数の増加や曜日時間の見直しを行うなど内容を強化しており、利用者も毎年増加しているのであります。  一方、家族による送迎が難しいとか、高校生についても支援を行ってほしいなどの希望もいただいていることから、今後は、市町と協力し、より身近な場所での会場設定や、対象学年の拡大など、さらに利用しやすい教室となるよう具体的に検討してまいります。  次に、「子ども食堂」といわれるようなものなどの支援、こういうタイプの事業が継続されるためには、社会全体でどうした考え方が広がるのが望ましいのかとの御質問です。  御質問のいわゆる「子ども食堂」は、平成27年度には2カ所ありましたが、現在では9カ所にふえておりまして、それぞれの食堂と呼ばれる場所で、子供たちが地域の人たちと一緒になって食事などを行っているわけであります。  食の提供を含めた子供たちのいわゆる居場所づくりは、若者や高齢者にもふえております、いわゆる孤食というんでしょうか、一人きりの食事を防ぐ上でも、地域の支え合い活動の一つとして大事なものであると考えております。  今後、こうした問題については学校給食の充実とか、あるいはやむを得ず孤食、孤立している子供たちに対し関係団体が力を合わせ、さまざまな場を利用して食事、おやつ、生活指導、学習支援など、継続してこれを粘り強くみんなで進められるような体制をさらに進めてまいるように努力してまいりたいと考えます。  その他については、関係部長が答弁します。 51 ◯副議長大森哲男君) 健康福祉部長池田君。     〔健康福祉部長池田禎孝君登壇〕 52 ◯健康福祉部長池田禎孝君) 私からは生活困窮世帯の子供たちについて3点お答えいたします。  まず、児童相談所が対応した児童虐待の件数、それから、本県の増加率についての御質問でございます。  平成28年度の本県におけます児童虐待の相談対応件数でございますが、510件でございまして、前年に比べ、157件増加しております。しかしながら、児童1,000人当たりの件数を見ますと3.6件となっておりまして、全国平均の5.6件と比べて少ない状況もございます。  この増加の要因でございますが、被害の深刻化を防ぐため、疑わしい案件も含めまして通告するよう、県警との連絡体制を強化したことによりまして、県警からの通報件数が増加したことによります。もう一つは、市町とともに広報誌やイベントなどを通して、児童虐待防止の啓発を行いまして、これまで気づかれなかったケースが通報されるようになってきたことが挙げられます。こうした虐待の早期対応に努めてきた結果ではないかと考えているところでございます。  続きまして、本県における生活困窮者の相談件数、それから、自立支援プランを作成した件数についての御質問でございます。  まず、相談件数でございますが、県全体の相談件数は、平成27年度が747件、それから、平成28年度が725件とほぼ横ばいの状況となっております。これは、全国的にも最も低い件数となっております。この要因は、それぞれの県の経済状況でありますとか、家庭環境等の違いなどもあるのではないかというふうに考えているところでございます。  また、プランでございますが、これは長期の支援が必要な相談者に対しまして、県の健康福祉センター、それから、市の福祉事務所が自立までのプランを作成し、継続的に対応しているところでございまして、この作成件数は平成27年度が172件、それから、平成28年度が245件とふえているところでございます。  また、相談を受けて就労に結びついた件数がございまして、こちらが平成27年度が116件、それから、平成28年度が165件と増加しており、この割合は全国の中でも高い状況にあるというふうになっております。  最後でございますが、支援員のノウハウの獲得、蓄積、それから、就労体験を受け入れる事業所の拡充などについての御質問でございます。  県では、これまで県及び市の支援員──これは42名いらっしゃいますけども──に対しまして、相談対応についての研修を実施しております。今年度は支援員間の相談の事例なんかの情報共有も行っております。今後、支援員のノウハウを高めるため、ひきこもりの方に対します支援方法の研修内容も加えてまいりたいというふうに考えております。  また、就労体験の受け入れ先となる事業所につきましては、県が社会福祉法人に働きかけてきた結果、平成27年度では13事業所でございましたが、現在は25事業所に増加しております。この事業所でございますが、全国では約1,000ございまして、本県の25事業所は人口比で全国トップというふうな状況もあります。ただ、地域的な偏在も見られますことから、引き続き受け入れ事業所の拡充に努めてまいりたいというふうに考えております。 53 ◯副議長大森哲男君) 教育委員会教育長東村君。     〔教育委員会教育長東村健治君登壇〕 54 ◯教育委員会教育長東村健治君) いじめについて御質問いただきまして、5点お答えいたします。  学校のいじめの件数はどのくらいか、そのうち仲間外れや無視をされる件数はというお尋ねでございます。  国が公表しております調査結果、平成27年度でございますが、これによりますと、いじめの認知件数は小学校で472件、中学校で262件、高等学校で121件、特別支援学校で5件の計860件となっております。いじめ認知件数は、平成25年以来、約850件前後で横ばい状況ということでございます。  「仲間外れ、集団によって無視をされる」そういう区分がございますが、小学校では88件、中学校で47件、高等学校16件、それぞれ中学校では2番目、小学校と高等学校では3番目にこれが多い。ちなみに、冷やかしとか、からかい、悪口とか、脅し文句、嫌なことを言われるというのが一番多くなっている次第でございます。  2点目でございますが、いじめを受けた児童生徒で誰にも相談していない件数はどれくらいなのか。また、無料の24時間電話相談に寄せられているいじめの相談件数はどのくらいか。また、どのような相談が多いのか、どのように解決したのかという問いでございます。  いじめを受けた小中高等学校の児童生徒のうち、担任等の教員や保護者、家族に相談をしている児童生徒がほとんどでございます。しかしながら、本県では41件──約5%に当たりますが──の児童生徒がいじめが認知された時点におきまして「誰にも相談していなかった」と回答しております。これらの児童生徒は定期的な面談であるとか、アンケート調査、日々の生活ノートなどのやりとりによって、いじめの認知に至りましたが、認知後は担任を中心に早急に対応しております。  次に、24時間電話相談に入ってきますいじめの相談件数でございますが、平成26年度は65件、平成27年度は43件、平成28年度は33件と若干減少傾向にございます。学校では、学校いじめ防止基本方針に基づき、いじめを早期に発見できる体制づくりに取り組んでおります。県におきましても、市町教育長会議とか、校長の研修を通しまして、教員が児童生徒の細かな変化を見逃さないように指導しているところでございます。  また、どのような相談が多いかという点でございますけれども、例えば、小学生の本人から学級で悪口を言われている、無視をされているというような相談が転送電話に入ってまいりまして、相談員のほうから──総合教育研究所の先生でございますけども、教員が学校に出向いて、当該児童についての校長、教頭、担任、スクールカウンセラーの集まった会議を開きまして──ケース会議と呼んでおりますけれども、その後、保護者同士で話し合う機会を持たせるということで解消につながったというような事例がございます。  続きまして、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーについて、今後どの程度配置の充実を図っていくのか。組織的な問題解決を図るため、どのような取り組みを行っているのかとのお尋ねにつきましてあわせてお答えいたします。  本県は、スクールカウンセラーを平成13年度から配置しておりまして、今年度は全公立小中学校及び県立定時制高校に計85名を配置しております。スクールソーシャルワーカーは平成21年度から配置しており、今年度は23名を配置してございます。  本県におけます平成28年度のカウンセラーが行った相談は2万8,431件、前年比4,035件ふえております。スクールソーシャルワーカーが行った支援は490件で、前年比21件ふえております。それぞれ増員したことによりまして、高まるニーズに応えてきているということでございます。  また、県では、教育相談のリーダー役を育成するため、昨年度から30歳代、40歳代の中堅教員約800人を対象にカウンセリング担当者養成研修を実施しております。  今後も各学校が外部人材等との連携を図りながら、チームとして対応できる体制づくりに努めてまいります。  いじめの早期発見、早期解決のため、どのような対策を行い、どの程度解消が図られたのかというお尋ねでございます。  学校におきましては、児童生徒につきまして、担任が生活ノートなどで交友関係や悩みを把握し、個人面談を基本とした教育相談を行っております。また、アンケート調査を定期的かつ継続的に実施し、児童生徒が相談しやすい体制を整え、いじめが発生した場合には学年やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを含めた支援チームで対応しております。  県では、管理職に対しまして、アンケート調査の対象を児童生徒にとどまらず、保護者や教員にも広げ、全ての大人が連携してささいな変化も見逃さず、早期発見に努めるよう、研修を行っております。また、中堅教員などには、教育相談に関する研修──先ほども申し上げましたけれども、今800人養成しておりますが、早期解決に向けた事例研究等を行う機会を設けております。  なお、平成27年度のいじめの認知件数860件の解消につきましては、期間に長短はございますけれども、全ての事案について解消しております。  以上でございます。 55 ◯副議長大森哲男君) 西畑君。 56 ◯11番(西畑知佐代君) いじめについては本当にありがとうございます。でも、本当はゼロというのが一番ありがたいというのか、これからの子供たちのことですので、やはり心のケアを最終的には本当にお願いしたいと思いますので、今後ともそれはひとつよろしくお願いいたします。  それから、もう一つ、2年前に生活困窮者の質問をしたときに、モデル事業をしたときに相談実績がゼロという町もありましたということをちょっとお伺いしていたのですけれども、こういうときには、まず待っているだけじゃなしにこちらから誰かが出ていって、何かありませんかとかいうことをしていただきながら、生活困窮者というのは黙っている人が特に多いと思いますので、そういうのもこれから少しでも、これもゼロになることはきっとないと思いますけれども、でも、できるだけこの幸せな福井県においてゼロに近くなるようにしていただきたいと思いますので、これも要望でございますけど、よろしくお願いいたします。回答ありましたらですけれども、急に言ってもどうかなと思いましたので、これはわからないのではないかなと思いまして、済みません、いいですか。 57 ◯副議長大森哲男君) 健康福祉部長池田君。     〔健康福祉部長池田禎孝君登壇〕 58 ◯健康福祉部長池田禎孝君) 支援員の対応でございますが、他県でいい事例もございますので、そういうのは支援員間で情報共有しながら、しっかり対応していきたいというふうに思っております。 59 ◯副議長大森哲男君) ここで、休憩いたします。   午後2時37分 休 憩                ━━━━━━━━━━━━━━━   午後3時00分 再 開                 会議に出席した議員(35名)    1番  井ノ部   航  太          20番  畑     孝  幸    2番  辻     一  憲          21番  大久保      衞    3番  長  田  光  広          22番  田  中  宏  典    4番  小  堀  友  廣          23番  鈴  木  宏  紀    5番  島  田  欽  一          24番  松  井  拓  夫    6番  小  寺  惣  吉          25番  田  中  敏  幸    8番  西  本  恵  一          26番  中  川  平  一    9番  細  川  かをり           27番  欠        員    10番  中  井  玲  子          28番  山  本  正  雄    11番  西  畑  知佐代           29番  野  田  富  久    12番  西  本  正  俊          30番  山  岸  猛  夫    13番  清  水  智  信          31番  田  村  康  夫    14番  力  野     豊          32番  斉  藤  新  緑    15番  宮  本     俊          33番  仲  倉  典  克    16番  大  森  哲  男          34番  石  川  与三吉    17番  笹  岡  一  彦          35番  関     孝  治    18番  佐  藤  正  雄          36番  山  本  芳  男    19番  糀  谷  好  晃          37番  山  本  文  雄                ━━━━━━━━━━━━━━━                 会議に欠席した議員(1名)    7番  松  田  泰  典                ━━━━━━━━━━━━━━━ 60 ◯副議長大森哲男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  宮本君。     〔宮本 俊君登壇〕 61 ◯15番(宮本 俊君) 皆様こんにちは。県会自民党の宮本でございます。暑かった夏も過ぎまして、過ごしやすい気候となってまいりました。いよいよ仕事がはかどる季節でございます。今回も県政の重要課題につきまして、理事者各位の前向きな答弁を期待しつつ質問に入らせていただきます。  まずは、今議会の予算案にも計上されております、IoT・AIの普及についてであります。  この点は過去の質問や委員会で私も取り上げてきたテーマでありますけれども、昨年、元経済財政政策担当大臣の竹中平蔵氏の講演を聞く機会を得ました。氏によれば、2017年の経済につきまして、この2017年は乱気流と偏西風の二つの風に見舞われることになるということでした。乱気流とはトランプ政権の動向であったり、統計自体が信じられないと言われている中国経済の減速、EUでの動きなど、全く予測ができない状況であること、そして、偏西風、つまり長期間にわたり安定して変化していく状況として、AIを駆使したIoTの技術開発によってなされる第4次産業革命、インダストリー4.0、これをあげておりました。この偏西風は単に技術の進展で世の中が便利になるというレベルのものではなく、人が生きていく上での文化や哲学にまで影響を与えるものになると言及していらっしゃいます。  この件について、県産業政策課では本年3月、県内企業のIoT導入の一助にということで、「県内製造業企業のIoT導入モデルプラン」を作成して、IoT導入の促進に尽力されているということです。  この資料の中で興味深いのは、冒頭の部分で県内製造業企業300社に対して実施されたIoT導入に対するアンケート結果であります。まず、回答数が90社と約3割にとどまっていること、また、90社の回答を見てもIoTの導入に「興味がない」と、そういった回答の企業が23.3%にも上ることや、関心はあるとするも内容を理解していないなど、世の中が変わるという転換点においてそのテーマに無頓着過ぎるのではという印象さえ持ちます。  これらの状況を背景に県では過去、数度にわたり県内企業向けセミナーや、前述のような調査を行っていますが、その一連の事業の成果としてどのような意識改革がなされたのか、そしてこれら事業により製造業のIoTやAIの技術導入がなされたかどうかについて所見を伺います。私は実際の技術導入に予算を投入する前に、もっとその基本的な概念の普及に資源を割くべきだとも考えていますが、あわせて所見を伺います。  県では、後に言及いたします県内企業の人手不足への対策として、このIoTの推進による業務の効率化による省人化──これは人を省くという意味──をあげていますが、喫緊の課題である人手不足に対して即効性がないという問題点は代表質問のとおりですが、もう少し高い視点にて鳥瞰すると大きなテーマが内在しているように感じています。  経済は好況期と停滞期を繰り返すサイクルで推移しています。この景気循環において現在の人手不足は東京オリンピックや災害復興、大手企業による好調な生産活動を背景とした特異的、一時的なものであり、永続するものではないと仮定するならば、IoTの普及が進み、人手をかけずに生産活動が行えるようになった、こういったタイミングで景気の後退期となれば雇用が確保できない状況に拍車をかけるという展開となります。  また、ワーク・ライフ・バランスの維持といえば聞こえはいいですが、要は仕事がなくなるということです。仕事がなくなれば収入は減り県民税は減収となり財政は逼迫します。企業からの法人税は効率化による増益により上昇するとは思えますが、県民の可処分所得という観点からは大きな影響を与えるものになると考えられます。この点は甚だワイドショー的な観点ですが、IoTによる省力化と個人の収入と税収の確保のバランスが非常に重要な課題となってきます。政府によるベーシックインカムの支給というわけのわからない政策を打ち出す評論家の方もいらっしゃるようでございますけれども、知事はこのバランスについてどのように対処すべきか所見を伺います。  続いては、さきにも触れた、現在の人手不足対策に関する質問です。通常有効求人倍率の上昇は賃金の上昇と深い相関関係があると考えられます。しかし、現状の人手不足が賃金に反映される、つまり、給料が上がってきているという実感はなさそうです。実際、県の統計による平成29年6月の現金給与総額は44万円弱と一年前に比べ1.1%の増にとどまっています。過去1年の動きを見てもその伸び率はプラスとマイナスの領域を行き来するのみでトレンドとしては横ばいの状況であります。もちろん有効求人倍率の上昇が賃金上昇に影響を与えるには1年ほどのタイムラグがあるとの指摘もあり、その相関関係に関する報告書も種々の調査機関から出されているようであります。
     県は現在の人手不足の割には給料が上がらないという現状に関し、その理由をどのように分析されるのか、また、今後の見通しについてはどのように考えていらっしゃるのか、所見を伺います。  IoTの推進が現状の人手不足対策として有効ではないという持論は先に述べたとおりですが、即効性のある手段はないかという点で議論を進めたいと思います。  まず、第1点はU・Iターン推進として県外労働者の移住を捉え、中小企業への労働力誘導を含め、その道のプロである人材派遣会社との連携にてインセンティブを創設するという点です。  大手製造業が多く拠点とする越前市においては、全国的に人材募集と派遣を行う企業が多数存在しております。地元の労働市場を圧迫させないという自治体と受け入れ企業の意向もあり、彼ら人材派遣業者は可能な限り県外からの労働者を派遣しようと尽力しています。しかし、残念ながら都市部と比べ雪国のイメージがある福井県で働くことへの希望というのは低調であるということです。このため、例えばある企業では、人材派遣会社とタイアップにて福井県で働くなら受け入れ企業として15万円、派遣会社にて10万円をそれぞれ負担して支度金に充て採用を行っているということでした。それも企業としてなかなか満足のいく数が募集はできないということですけれども、それでもこれらの金銭的補助により何百人という数の県外人材が福井で働き始めているのは事実です。越前市、鯖江市が最近、人口がふえている事実はここにもその理由があると考えています。都市部と福井の賃金格差はインセンティブ程度では埋まらないとの御指摘もあると思いますが、これらインセンティブはいわゆるお金目当ての労働者にとっては1円でも高いほうがいいわけです。  2015年の観光庁の試算では宿泊観光客25人で居住者1人、1年分の消費支出を行うということです。言いかえれば、県外労働者が1年、福井県で働いていただければ25人分の観光宿泊者に等しいということになります。  過去の観光誘客を推進する事業ではピークで観光客1人当たり3,000円のインセンティブを出しており、そうであれば25人分、7万5,000円は出しても論理上は妥当だということになります。住民となり福井で働き始めた方は観光客と違い県民税を納めていただけます。このことからも観光誘客以上のインセンティブを与えることは理にかなっていると考えます。人材派遣会社を経由しての移住労働者向けインセンティブの創設について所見を伺います。  また、人材派遣業者がその気になっていただくと考えられるインセンティブは支度金など一時金だけではありません。最近の若年労働者は外に出て遊ぶということもさることながら、ゲームや音楽など家にいる時間を楽しむ傾向があるとの話を伺いました。反面、人材派遣会社は民間のアパートなどとの契約により、派遣労働者への住居を提供しており、この負担は大きいとのことでした。  派遣労働者の快適な住環境の提供のため、家賃への補助制度を派遣会社向けに創設することや、家族での移住を目指し、既存の県民とのバランスは考慮しながらも県営住宅の提供を行うことも一考に値するのではと考えますが、所見を伺います。  いずれにしましても、日本全国を市場とした人材派遣会社は労働力確保のプロだと考えます。まずは緊密にコミュニケーションをとり、人材派遣企業がどんな支援を受けたら県内企業への労働者誘導に競争力が持てるか、また、候補者の志向はどんなものでどういう施策により福井へ来たくなるかをしっかり協議することが必要だと考えますが、所見を伺います。  また、派遣企業が開催する説明会には、福井Uターンセンターの担当者などが赴き、福井へ来てほしいという熱い思いを伝えることも必要だと考えますが、あわせて所見を伺います。  最後は、今議会でも、さきの議会でも議論がされております、高校入試にかかわる英語教育に関する質問です。この議論の発端は平成26年12月22日の中央教育審議会の総会にて真に使える英語を身につけるため、単に受け身で「聞く」「読む」のみならず「話す」「書く」を含めた4技能を総合的に育成・評価することが重要であるとし、大学入学希望者学力評価テスト──仮称ですが、このテストにおいては4技能を総合的に評価できる問題の出題や民間の資格・検定試験の活用を行うという答申に端を発していると理解しています。その後、否定的な意見が相次ぐ中、本年7月13日の同審議会の答申においては、平成32年度以降、共通テストの英語試験を実施しない。英語の入学者選抜に認定試験を活用するというA案と、共通テストの英語試験については、制度の大幅な変更による受験者、高校、大学への影響を考慮し、平成35年度までは実施し、各大学の判断で共通テストと認定試験のいずれか、または双方を選択利用することを可能とするというB案の2案を示していた英語の4技能評価において、最終的にはB案で決着いたしました。では、平成35年以降はどうするのかという疑問が湧くわけですが、その点については言及がありませんでした。  このような背景の中、授業の内容を変えもせず、手続上の議論に終始し、育成、強化の成果測定が内部にて不可能だから外部に、また、同様な理由で大学入試において英検など外部の認定された認定試験を活用するなら高校入試でも英検をという短絡的な解決法が今回の議論、言いかえるなら、議会からの酷評の中核をなすものだと考えています。育成、強化の問題とその達成度の評価、この問題を一緒くたにせず、分けて考える必要があるのではないでしょうか。  まず、私は国が言うように話す、書く能力は英語がコミュニケーションの道具である以上、重要だと考えます。そして、それが弱く、強化が必要ならば、授業を変える必要があります。  そこで、この新しい授業プログラムが多忙化をきわめる教員に上乗せ的負荷となってしまうなら、現行の文法や読む力の育成・強化に割かれた資源を話す、書く能力のために再配分することも必要だと考えています。この授業プログラムの再構成について県はどのように考えているか所見を伺います。私は今後計画されている学習指導要領の変更に先駆け行っていくテーマだと考えております。  今回の議論のもう一つの論点は高校入試において受験者の習熟度の評価を外部に委ねるという点にあります。内部で評価する仕組みの構築は限界がある、または、他県にてそれを試みた例が失敗しているとの話も伺いました。だからといって評価を外部の英検に丸投げすることにも大きな違和感があります。  改めて、今後、技能評価を現行の高校入試制度に乗せ、県独自の内部制度にて行うことはできないのか所見を伺います。その場合にはあくまで前述の変更された教育カリキュラムに準拠して評価を行うべきだと考えます。簡単に言えば教えてもいないことは評価もするなということです。入試というタイミングで一時に大量の受験者を試験できないのであれば、期間を設けその中で受験していただければいいですし、問題の漏えいを危惧するなら問題数をふやせばいいだけだと思っています。  国が将来的に大学入試に外部認定試験を利用する意向があるというのであれば、その対応は高校における英語教育の中で対応していけばいいと考えております。その対応についても英語の能力が高ければ英検も合格するはずだとの前提で、殊さら英検対策の手練手管に注力するのではなく、英検が求める英語力のエッセンスは理解しながらも、それをしっかり授業の中に取り入れ、外部の予備校などに行かなくても入試に対応できるという体制の構築が必要だと考えています。4技能全てにすぐれた優秀な方が多い福井の英語教員であればそれが可能なのではないでしょうか。  これら外部認定試験のための、こういった対応のための教育は中学では行わず、高校教育に委ねることについて所見を伺います。  以上で壇上よりの質問を終えます。  御清聴ありがとうございました。 62 ◯副議長大森哲男君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 63 ◯知事西川一誠君) 宮本議員の一般質問にお答えいたします。  まず、IoT、AIの普及についてであります。  IoTなどの導入によって、人手をかけずに生産活動が行われるということになりますと、景気後退の局面に、雇用が確保できない、仕事がなくなる、あるいは県民の可処分所得に大きな影響を与える、あるいは税収の確保とのバランスはどうなるか、このような問題についてのバランスについての御質問でございました。  少子高齢化の進展により、生産年齢人口は、残念でありますが確実に減少傾向が見込まれます。多くの企業にとりまして、省力化と収益の確保を同時に進めることは避けて通れない課題かと思います。  IoTやAIの活用により、例えば、製造工程の自動化を進め人を少なくする、省人化を図るとともに、商品企画、営業部門などを強化する。あるいは熟練技能者の作業を、工程のデータ化、可視化により、経験の乏しい者にも担うことが可能となり、中長期的には就業構造の転換を伴いつつも、より労働生産性の向上につながり、新しい産業雇用の創出にもつながると、こういう考え方かと思います。  また、個人の収入と税収の確保につきましては、国のいわゆる「未来投資戦略2017」において、企業収益を継続的に賃上げにつなげて、労働分配率を上昇させることにより、総雇用所得を増加させていくとしており、今後の政府の動きを見ながらさらに研究してまいりたいと考えます。  次に、人手不足について、人手不足の割には給料が上がらないという現状に対し、その背景、理由、どのように分析するか、今後の見通しについてどのように考えているのかとの御質問です。  有効求人倍率が大きく上昇する中、賃金全体が大きく伸びていない要因については、企業の立場でいいますと、景気が下向きになった場合に容易に賃金を下げられないことから、景気が上向いても賃上げに慎重になるという傾向は一般的にあるようであります。そのほか、さまざまな、いろんな理由がありまして、どれが絶対だというようなことにはなっていないのでありますが、いずれにしても、今後の賃金見通しについての確定的なことは言えませんが、賃金上昇のためには、賃金を稼ぐ力を高めることが重要であり、県といたしましては、生産性の向上や新たな需要を生み出すイノベーションの促進などの政策を実施し、かつ企業において賃金を労働者のために確保すると、こういうことが重要かと思います。  その他については、関係部長から答弁します。 64 ◯副議長大森哲男君) 産業労働部長安倍君。     〔産業労働部長安倍暢宏君登壇〕 65 ◯産業労働部長安倍暢宏君) 私からは4点お答えします。  まず、IoT、AIの普及につきまして、県内企業向けのセミナーを踏まえた上でどのような意識改革がなされたのか、そして、基本的な概念の普及に資源を割くべきではないかとのお尋ねでございます。  県におきましては、御指摘いただいたアンケートでございますけど、こちら昨年の10月に実施してございます。それ以降、有識者や国の担当者などを講師に迎えまして、IoTの活用事例や導入手法を学ぶセミナーをこれまで5回開催しておりまして、合計約350名の方々に参加をいただいております。セミナーの参加者からは、IoT導入の目的や具体的な効果を把握できた、あるいは予想より少ない費用で導入できることがわかったなどの感想が多く寄せられております。  このうち、IoTに意欲のある製造業5社につきましては、専門家からなるチームを派遣しておりまして、各社とも専門家のアドバイスに基づいて、センサーを用いた工程の見える化、あるいは受発注業務のシステム化など、業務改善に取り組んでいるところであります。このほか、小売サービス、あるいは農業に至るまでIoT導入に向けた動きがございます。このように中小企業のIoTに関する取り組みの段階というのはさまざまでございまして、県といたしましては、実践的なワークショップを通じた啓発、これを引き続き続けるとともに、新たにIoT導入経費の助成制度を創設しまして、具体的に生産性向上に取り組む中小企業を支援していきたいというふうに考えております。  続きまして、人手不足対策について、人材派遣会社を経由しての移住労働者向けのインセンティブの創設、そして、かなり密接に関連すると思われますので、家賃への補助制度、こちらを一括してお答えいたします。  人材派遣会社を通じて、県外から労働者を確保するには、本県が幸福度日本一の評価を得た住みやすい県であるということをPRするとともに、受け入れ企業におきまして、他県の企業に負けない賃金を支払うということが基本であると考えております。  また、県外からの労働者に対する家賃などのインセンティブにつきまして、人材派遣会社を経由した場合には、人手不足対策としての支援の効果、これらの会社を利用する大企業など一部の企業にとどまることも考えられまして、慎重な検討を要するものと考えております。  県営住宅につきましては、低額所得者向けに整備をしておりまして、派遣労働者も基準を満たせば利用は可能でございますが、それとは別に、既に県や市町におきましては、空き家の購入や引っ越し費用への補助、あるいは奨励金など、移住に向けた支援をさまざま実施しているところであります。まずは人材派遣会社に対しましても、これらの制度の活用を促していきたいというふうに考えております。  続きまして、人材派遣会社とどのように協力をしていくか、あるいは福井Uターンセンターの担当者が赴いて、熱い思いを伝えることも必要ではないかというお尋ねでございます。  派遣労働者でございますけれども、基本的に有期雇用を前提としておりまして、長期的に県内に定着していただけるか、課題は残りますけれども、短期的であっても人手を確保したいという企業にとりまして、人材派遣会社を活用するということは有効ではないかと認識しております。その上で、県といたしまして、人材派遣会社と連携していく上でより重要なことは、県外からの派遣労働者をどう県内に定着していただけるか、あるいはこれにつなげていくかということではないかと考えております。このような観点から、県としては、県内企業の人材確保のため、例えば、人材派遣会社が県外で行う説明会の際に、福井で暮らすことのメリットや行政の支援内容の情報を提供するなど、これらの取り組みを通じまして、本県への移住促進を図っていきたいと思っております。 66 ◯副議長大森哲男君) 教育委員会教育長東村君。     〔教育委員会教育長東村健治君登壇〕 67 ◯教育委員会教育長東村健治君) 高校入試における英語につきまして3点御質問いただきました。  まず、話す、書く能力のために再配分することも必要である、新しい授業プログラムの再構成についてどのように考えているのかというお尋ねでございます。  県では文法を学んで、英文和訳するというスタイルの授業だけでは英語を使う力が身につかないという考えのもと、自分の気持ちや考えなどを英語を用いて表現し、話す力や書く力の育成を目指した授業改善を行っているところでございます。ALTを全中学校・高校に配置して、授業内外で生徒が英語を使う環境を整備している点、それから、NHKと連携して、福井を英語で紹介する教材を作成して、授業で活用するなど、英語を話すことや英語を書くことを重視したカリキュラムによって指導しております。  中学生、高校生ともに国が英検等によって測定した結果によりますと、本県は全国トップクラスを維持しておりまして、使える英語力の育成に成果が得られていると考えております。引き続き実用的な英語力を一層高める授業改善を進めてまいりたいと考えております。  続きまして、技能評価──英語の技能評価でございますが──を現行の高校入試制度に乗せ、県独自の制度で行うことはできないのかとのお尋ねでございます。  高校入試におきまして、「話す」力の評価というのは長年の懸案でございました。今回、外部検定試験を導入して、生徒の意識をより高いレベルに向け、「話す」力を伸ばしたいと考えております。高校入試の中で、英語の面接を課すとしますと、仮に1人10分といたしましても、面接だけで約3日間必要になります。現行の入試スケジュールの中では困難だと思っております。また、生徒の待ち時間、試験中の待ち時間とか、試験後の拘束時間の負担、あるいは試験問題の漏えいなどの課題もございます。入試とは別の日程で、県独自のスピーキングテストを導入することにつきましては、問題の漏えいの対策として、例えば、大量の問題からランダムに選択して出題する方法が考えられますけれども、この大量の問題、かつ、均質な問題を作成するということが非常な課題でございます。大学入試におきまして、民間試験の導入が決まった中、ノウハウや実績にすぐれた英検を活用することが適当であると考えております。  最後に、外部認定試験のための教育、対応は中学校では行わず、高校教育に委ねてはどうかという御提言でございます。  英検等の問題を分析いたしますと、文法知識であるとか、英文を和訳できるかどうかの能力を問うのではなく、実際の生活場面に即した英語表現を使う力、自分自身の考えを英語で話したり、書いたりする力など、いわゆる使える英語力を測定する問題が主流になってきております。  県では、こうした能力を育てるために、小学生を対象に買い物などの場面を設定した中でALTとの会話を楽しむ活動、中学生がふるさと福井を英語で紹介する学習、高校生100人の海外派遣など、子供たちの発達段階に合わせた体験的な学習を充実しております。国際感覚や表現力を身につける教育を推進しているところでございます。英語は小さいころから少しずつ積み上げて習得していくものでございますので、こうした小中高一貫した使える英語力の育成が本県の英語教育の特色でございまして、今回の高校入試への英検導入を機に、小中で積み上げてきた英語力を高校につなぎ、さらに伸ばしてまいりたいと考えております。 68 ◯副議長大森哲男君) 力野君。     〔力野 豊君登壇〕 69 ◯14番(力野 豊君) 県会自民党の力野です。  初めに原子力政策について伺います。  会派の代表質問でも原子力政策については触れておりますが、私なりの視点で伺いたいと思います。  福井県が直面する原子力政策に関する課題は多岐にわたり、喫緊には大飯3・4号機の再稼働の同意判断、「もんじゅ」の廃炉計画承認とあり、高浜1・2号機及び美浜3号機の40年超運転、その次には敦賀2号機の再稼働、使用済み燃料の中間貯蔵、美浜1・2号機及び敦賀1号機の廃炉など、立地県の首長としてそれぞれ重要な局面を迎えており、県民の安全と安心を担保しながら、さらに地域の経済と地域振興を見きわめながら知事判断をされることになると思います。  福井県は約半世紀の長きにわたり国策である原子力政策に協力をしてきました。電力消費地はその恩恵を受け日本の経済発展に寄与し、雇用と関連産業が発展した立地地域もその恩恵を受けてきました。財政面でも交付金という形で福井県全体にくまなく行き届き、県全体の福祉向上に大きく寄与してきたのも事実であります。  しかし、福島事故を受け原子力エネルギー利用に関する国民理解が進まず、立地地域のそれとはかなり温度差があります。これは県内でも立地とそれ以外の地域で少し差があるように、政策的には不人気、つまり最大公約数的政策ではなくなってしまったということだと思います。しかし、避けては通れない大事な議論だと思ってございます。  私は原子力発電所の立地地域選出の議員として、その誇りを持って次の質問をいたします。  大飯3・4号機については、今月8日におおい町議会が再稼働に同意し、議会からの報告を受けた中塚町長は、今後確認すべきことを確認し、しかるべき時期に町としての判断を示したいとの見解を示しました。  知事は、提案理由説明において地元おおい町の考えや県原子力安全専門委員会の審議状況、今県議会の意見をもとに、県民に信頼を得られる判断をしていくと述べられましたが、知事自身、再稼働の必要性についてどう考えているのか、そして、県議会に対してどのような議論を期待されているのでしょうか。また、知事みずからが発電所を視察し、安全対策工事や事業者の取り組みを確認する考えはございませんか、お伺いいたします。  次に「もんじゅ」について伺います。  廃炉に伴う県や市との廃炉協定はいまだに結ばれておりませんが、林文部科学大臣は廃炉計画の認可申請を事業者、原子力機構から規制庁に8月中に提出とも発言されました。知事は、まずは廃炉工程や地域振興策を見きわめて機構と廃炉協定を結ぶとしたことは、全くそのとおりだと思います。  一方、県と敦賀市、美浜町が8月に行った「もんじゅ」の廃止措置に関する要請には地域振興策の充実がございます。短期的に確約を取りつける内容と中長期的な時間軸の内容が混在しており、国と細部の詰めを進めていただきたいと思います。中には事業によっては福井県以外の自治体も地元負担が発生する案件も含まれており、精査するにはかなりの時間が必要になってくると懸念されます。時間だけが長引くことは一番大事な安全な廃炉の工程にも影響し、また冷え込んだ地元経済の建て直しにも影響してきます。  知事提案理由説明で政府の来年度概算要求は本県の要請を踏まえた内容となったと伺いましたが、「もんじゅ」の廃炉方針が決まった以上、安全・安心の確保を最優先に地元の経済的地域振興策を短期的に何点かに絞って求め、その後は「もんじゅ関連協議会」の場でしっかりと詰める確約を取りつけていただくことも必要と考えますが、知事の御所見を伺います。また、機構との廃炉に関する協定の締結の時期と内容についてあわせてお伺いします。  知事は使用済み燃料の県外搬出を前提に、国と電力事業者で中間貯蔵施設の建設候補地の選定をするように求めています。一方では、燃料プールに使用済み燃料がたまっており、再稼働をしてもその先が読めません。崩壊熱が下がった使用済み燃料は乾式キャスクに移し、乾式貯蔵施設で再処理までの間保管するほうがプールで管理するよりもはるかに安全であり、実際、乾式貯蔵施設を視察してきましたが、キャスクに直接触れることもできますし、電源の確保も、冷却水の管理も必要なく、合理的で安全だと感じました。原子力政策を進めるには消費地にも供給地と応分の受益者負担を求めることは至極当然であります。しかし、現実は原子力発電所の立地地域以外ではその理解を得られるような状況にいまだ至っていないのも事実のようです。  茨城県の東海村では、発電所サイトに乾式貯蔵施設を建設、既に貯蔵しています。あくまで県外に搬出することが大前提ではありますが、県外に受け入れ地が見つからない場合に、条件によっては発電所サイトに乾式貯蔵施設の議論もあるのかと私は思います。今のところ県外立地はどこまで検討が進んでいると把握しているのですか、現在の状況と今後の展望をお尋ねいたします。  原子力政策については、国民への理解促進が肝要と国に求めていますが、一方で、県民への理解活動は十分でしょうか。今までは原子力政策の理解促進は主に立地と準立地に限られた広報でありました。全原協では国に対して学校教育や地域における学習の場を通じて原子力利用に対する理解促進に取り組むように要請しています。県下一円にきめ細かな広報の必要性を議会でも求めてきましたが、今後県は県民への理解活動にどのように取り組むのか、具体的な方策についてお尋ねいたします。  エネルギー基本計画の見直しに当たり、資源エネルギー調査会の委員である西川知事は、基本政策分科会で、原子力発電所の新増設の必要性について論及されたことには大いに賛同いたします。2030年の一時点だけで捉えるのではなく、40年超の運転や安全炉への転換といった議論が必要とのことであります。「もんじゅ」廃炉を受けた地域振興策として、地元敦賀市議会でも建設中の敦賀3・4号機設置認可を求める声もあります。また、美浜町も1・2号機のリプレースを念頭に置いているように聞こえてきます。  今後もエネルギー調査会に出席されると思いますが、多くの課題を抱える本県の知事として、長期的な展望に立った核燃料サイクルの確立と国策に協力してきた本県及び立地地域の発展につながるエネルギー基本計画を国に強く求めていただきたいと思います。  エネルギー基本計画について知事の御所見をお伺いします。  次に、嶺南地域の振興について質問と提言をさせていただきます。  平成34年度末の北陸新幹線福井県延伸は、本県発展の大きなチャンスと捉えることができます。また、金沢-敦賀間の開業で四つの駅ができる本県は、首都圏のみならず関東甲信地方から多くの来客が見込まれ、それぞれ17市町では「高速交通開通アクション・プログラム」に合わせて準備を進めています。しかし、終点となる敦賀以西についてはルートこそ決定しましたが、開業までにはかなりの年月がかかり、嶺南では新幹線効果がどれだけあらわれるか懸念されます。開業効果を最大化するには、観光産業にとどまらず、企業誘致や定住人口増など経済的に発展することを強く意識し、敦賀開業時に未開通地域となる嶺南地域の二次交通の充実が重要な施策になってきます。  敦賀開業時に新幹線駅から遠隔となる敦賀以西の地域に人や経済を誘導していくため、どのように取り組んでいくのか知事の所見を伺います。  また、小浜線の観光列車運行については、小堀議員も提言してきました。JRとの協議の開始など進展はあるのか、現状と今後の展望についてお伺いいたします。  9月2日に海外クルーズ客船「ダイヤモンド・プリンセス」が敦賀港に初寄港したことは大きく報道され、皆様もごらんになったことと思います。私も入港から出港まで市内の状況も合わせ見てきましたが、世界最大級の客船はその大きさと乗客の多さに驚きました。長年の誘致活動が実った成果であり、県を初め関係者の努力に感謝したいと思います。あわせて今後も、他のクルーズ船も含めて敦賀港への寄港がふえることを切望しております。  寄港時、市内では敦賀まつりの初日で、日本のお祭りを楽しまれた乗客も多く見かけました。また、港でも「ダイヤモンド・プリンセス」を見学に来られた市民にまじって、県外からの観光客もかなり多く見られ、市内は大変にぎわっておりました。オプショナルツアーも県内5コース、大型バス21台で約800人が県内の観光地を楽しまれたと聞いております。  今回多くの御苦労もあったと思いますが、「ダイヤモンド・プリンセス」寄港による経済効果も含めた総括とクルーズ船誘致の今後の展望をお尋ねいたします。  今回の寄港による市内の敦賀港周辺のにぎわいに触れ、先の2月議会でも提案しましたが、金ヶ崎岸壁へのクルーズ船誘致の必要性を再確認できました。金ヶ崎緑地を中心としたベイエリアは、金ヶ崎周辺整備計画の策定に向けた協議が進められており、乗船客から見ても、また、船の見学者から見ても港の魅力を感じていただくにはますます最適な場所となっていきます。  先の答弁では3万トン級以上のクルーズ船が金ヶ崎岸壁に寄港するには、しゅんせつはもとより、岸壁や防舷材、係船柱等の整備が必要であるため、鞠山北、南への誘導を進めていきたいとのことでした。クルーズ船寄港による経済効果や船の見学、あるいはクルーズ船が停泊する港の雰囲気などの魅力による誘客効果を合わせて考えれば、湾内のしゅんせつや岸壁の補強など投資をしても長期的には費用対効果は見合うのではないでしょうか。  「ダイヤモンド・プリンセス」は無理でも、他のクルーズ船の金ヶ崎岸壁への誘致を強化すべきと考えますが、県の御所見を伺います。  人口減少対策は県下一円の課題でありますが、特に嶺南地域は大きな産業基盤が少なく、福井市を中心にした嶺北地域と比べ人口減少率が高く、原子力産業関連の移住者が県外に流れ、消費人口はさらに落ち込んでいるものといえます。北陸新幹線敦賀開業や若狭さとうみハイウェイ開通後のさらなる経済波及効果にも期待はされますが、観光PRや観光地のブラッシュアップとあわせ、企業誘致などにも引き続き注力していかなければなりません。嶺南地域には交通上のさまざまな課題があり、二次交通の充実などが必要になります。  一方で、新幹線ルート決定を受け、琵琶湖若狭湾快速鉄道整備の促進運動を中止したことから、県及び嶺南6市町でこれまで積み立てた基金の活用策の検討が進められております。先日の高浜町議会においても理事者より高浜町の2億円の返金は求めず、基金を嶺南全体の事業に活用したいとの方針が示されました。嶺南地域のために積み立てた所期の目的からすれば、当初の理念に基づき活用されるべきであります。  嶺南6市町から県への重要要望にもあるように、琵琶湖若狭湾快速鉄道建設に係る基金の活用については嶺南地域の連携施策に活用されることが本来の活用と考えますが、知事の御所見を伺います。  最後に1点、長きにわたり県立小浜水産高校の遠洋漁業実習船であった雲竜丸についてお尋ねいたします。  雲竜丸は、かつて多くの実習生を乗せて太平洋でのマグロ漁業実習に活躍してきました。遠くはハワイ諸島まで航海し、多くの卒業生に思い出と自信と知識を与えてくれ、本県水産漁業の発展に大変大きく寄与してきたところであります。近年の高校再編に伴い、伝統ある小浜水産高校は若狭高校に統合され閉校となり、雲竜丸についても現在は体験乗船や船内見学に使われるだけになりました。  船は車の車検のように5年に一度大きなお金をかけて船検を受けなければなりませんが、船体も古くなり、その費用対効果はなくなったのではないでしょうか。大変残念ではありますが、廃船も含めて検討する必要があると感じます。当局の御所見をお伺いいたします。  以上で、私の一般質問を終わります。  ありがとうございました。 70 ◯副議長大森哲男君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 71 ◯知事西川一誠君) 力野議員の一般質問にお答えいたします。  まず、原子力政策についてであります。  大飯3・4号機の再稼働の必要性、今後いろんな議論、どのような確認方法をしていくのかとの御質問であります。  大飯3・4号機については、原子力規制委員会の安全審査が全て終了し、現場での安全性向上対策の工事も先月末に完了しており、今後、地元おおい町のお考えや県原子力安全専門委員会の審議状況、県議会でのさまざまな御意見をもとに、県民に信頼を得られる判断をしていくということを基本にしたいと思います。  県議会においては、国の安全審査や事業者の安全対策の実施状況、あるいは私どもが事業者等に要請している事項などについて御議論をいただき、議会としての御意見を県民にお示し願うことを期待するものであります。
     県としても、今後国の安全審査や工事の安全対策の内容について、原子力専門委員会の技術的な審議や現地の確認も含め、プラントの安全性が確保されているかどうかを確認してまいりたいと考えます。  次に、「もんじゅ」についてであります。  経済的地域振興策を短期的に何点か絞って求め、その後は「もんじゅ関連協議会」の場でしっかりと他の課題を詰める約束を取りつけるというような考え方も必要ではないかとの御指摘であります。  「もんじゅ」の廃止措置に伴う地域振興策については、試験研究炉の調査、検討の経費、若狭湾エネルギー研究センターと理化学研究所との共同研究への支援に加えまして、当面の経済対策として、敦賀市が考えておられる産業振興策への支援が来年度の概算要求レベルで反映されているところであります。  今回、具体化になお至らない項目の中には、事柄の性質上、御指摘のように広域的、また、長期に及ぶものがあるわけでありまして、これらについては、国の具体的な対応方針や今後のスケジュールを可能な限りお示し願うことが必要であります。  いずれにしても、今回要請をしております地域振興については、早期に実現可能なものからおくれることなく着実に進めることが重要であり、「もんじゅ関連協議会」の場において、国がしっかりと説明していくよう求めてまいりたいと考えます。  次に、使用済み燃料の中間貯蔵施設の県外立地について、どこまで検討が進んでいると把握しているのか、現状の認識と展望についての御質問です。  福井県は、原子力発電は引き受けてまいりましたが、使用済み燃料の貯蔵を引き受ける義務はなく、これまで一貫して使用済み燃料の中間貯蔵は県外に立地するよう、国や事業所に求めてきております。関西電力は、県外での中間貯蔵施設について、2020年ごろの計画地点の確定、2030年ごろの操業開始を計画しているわけであります。  福井県は、この7月に世耕経済産業大臣に対し、この問題に対し、単に事業者を指導、監督する立場にとどまらず、前面に立って具体的な対策を求めるよう、要請をしておるところであります。また、関西電力に対しましては、今月4日、国と早急に協議を進め、具体的な方策をさらに明らかにするよう求めているところであります。  今後、県といたしましては、中間貯蔵施設の県外立地に対する国や関西電力の対応をしっかり確認してまいりたいと考えます。  さらに、原子力政策に関し、エネルギー基本計画について、その内容をどのように考えるのかとの御質問です。  我が福井県には、再稼働の問題や廃炉、40年を超える運転、核燃料サイクルなど、原子力にかかわるさまざまな課題が相互に関連しながら、同時的に進行し、また、全国に先駆けて起きており、国はこれらの課題について全体性を持って明確な方向性を出していただく必要があります。  今回のエネルギー基本計画の見直しに当たりましては、国が原子力を今後も活用しようという決意であるならば、単に2030年の一時点だけで捉えるのではなく、もっと長期的なスパンでこうした原子力の課題を責任を持ってどのように考えるのかを議論を行うべきであります。  また、今後国が原子力を活用していくためには、それを支える人材育成の問題を国が確信を持って進めていただく必要があります。福井県では、国際的な研究開発、人材育成の拠点を形成するため、エネルギー研究開発拠点化計画を進めており、計画の見直しに当たりましては、国が人材育成や技術開発のための基盤整備のあり方について方針を明確にすべきであると考えます。  次に、もう一つのテーマの御質問でありますが、嶺南地域の振興について、新幹線の敦賀開業時に、新幹線駅より向こう側といいますか、遠隔となる敦賀以西の地域に人や経済をどのように誘導していくのか、どのように取り組んでいくのかとの御質問であります。  敦賀の開業時に終着駅となります敦賀は、東西の人流の結節点となり、小浜京都ルートが既に決定したことにより、将来的に嶺南は、京阪神や関東との交流拡大によるさらなる発展が期待されます。敦賀から嶺南全体の人の流れを太くするため、小浜線の高速化や新幹線との乗りかえ利便性の向上など、国やJRに強く要請してまいります。また、水産業、園芸の研究拠点、あるいは三方五湖周辺のさまざまな地域振興、年縞研究展示施設の整備を進めるとともに、小浜の伝統的な建物などを生かしたまちづくりを支援するなど、地域の魅力を高めてまいる必要があります。また、他の地域からのさまざまな人やもの、あるいは施設などの誘導などということも重要なテーマになってくると思います。  現在、大阪開業に向けた若狭湾エリアの新たな地域構想を検討中であり、嶺南の市町や団体からのお話としては、海、湖を生かしたスポーツリゾートエリアであるとか、健康の里、あるいは大学誘致などの意見も出ております。今後、飛躍的に向上する立地条件を最大限に生かせるよう、敦賀開業時から大阪開業までの間もできるものから速やかに進め、また、将来大阪まで開業したときにどうなるかなどがありますので、多重的にさまざまな政策をしっかり捉えながら、人や情報の行き来を活発化してまいりたいと考えます。  次に、嶺南地域の振興に関連いたしまして、敦賀港「ダイヤモンド・プリンセス」号の寄港による経済効果も含めた全体の総括といいましょうか、まとめ、それから、クルーズ船、今後の誘致の展望はどうかとの御質問です。  「ダイヤモンド・プリンセス」の初寄港は、本県のクルーズ交流の幕あけを告げるとともに、オーストラリアやアメリカの乗客を中心とした約3,800名の方が寄港したわけでありまして、ちょうど敦賀祭まつりの見物を初めとした市内観光、三方五湖、永平寺など、本県の深い歴史や伝統文化を味わっていただいたと思います。  経済効果については、今回の寄港に伴い実施したアンケートによりますと、いろんなものを召し上がっていただいたり、土産品の購入など、約4,000万円程度と見込まれております。また、港やその周辺のにぎわいや乗客によるSNSを利用した情報発信など、敦賀及び福井県の認知度も高まっていくと考えます。  今後、本年10月と、また来年になりますが4月の再寄港に向け、今回評価を得た県民による温かいおもてなしの経験を生かし、受け入れ体制の充実にさらに努め、新規、継続の寄港につなげてまいると同時に、敦賀港、また、周辺地域の市と協力した事業についても進めてまいりたいと考えます。  それから、琵琶湖若狭湾快速鉄道建設に係る基金、かつてのリゾートラインの基金活用について、嶺南地域でうまく活用できないのかという御質問です。  琵琶湖若狭湾快速鉄道のための積立基金については、嶺南各市町からは、北陸新幹線敦賀開業等に向け、二次交通の充実やまちづくりなど、嶺南地域の活性化に資する事業に活用してほしいとの要望が出されております。具体的には、JR小浜線の高速化や風や雨の対策のための施設整備のほか、敦賀から各市町を結ぶ高速バスの運行などの意見も伺っております。  新幹線整備に係る敦賀以西の福井県や地元負担が多額となっておる事情もありますけども、新幹線によって新たに生まれてくる大きな人の流れを嶺南地域の活力につなげていくことが重要であります。まずは基金の活用について、嶺南の各市町の意見なども伺った上で県として検討を行い、議会とも協議しながら結論を得てまいりたいと考えております。  その他については、関係部長から答弁します。 72 ◯副議長大森哲男君) 安全環境部長清水君。     〔安全環境部長清水英男君登壇〕 73 ◯安全環境部長清水英男君) 私からは、原子力政策について2点お答えを申し上げます。  まず1点目でございます。  「もんじゅ」について、廃炉に関する協定の締結時期と内容について伺うという御質問でございます。  「もんじゅ」の廃炉協定につきましては、敦賀1号機や美浜1・2号機、先例がございます。これと同様に原子力機構が原子力規制委員会に廃止措置を申請する前に締結する必要があるというふうに考えております。  また、協定の締結に当たっては、まず、国が「もんじゅ関連協議会」において、原子力機構の廃止措置の実施体制や中長期的な地域振興策について具体的な説明を行い、地元の理解を得た上で進めるべきだと考えているところでございます。  なお、協定の内容につきましては、放射性廃棄物の拡散、漏えい防止に係る安全対策、大気や土壌の汚染防止に係る環境保全対策、地域振興対策など、これまでの例を参考に、今後原子力機構と協議をしてまいります。  続きまして、原子力の広報関係でございます。県民への理解活動についてどのように取り組むのか、具体的な方策について伺うというものでございます。  県の原子力広報といたしましては、四半期ごとに情報誌「あっとほうむ」という名称を使っておりますが、これを発行し、立地や周辺地域において全戸配布するほか、県下全域の公民館、図書館等にも配置をいたしております。また、ことしの夏からは新たに鯖江市においてもこの情報誌の町内回覧を開始をしているところでございます。さらに、嶺北地域におきましても、講演会の開催、あるいは発電所等を見学する学校に対してバス代を補助するなど、広く県民が原子力の情報に触れる環境を整えてきているところでございます。さらに、これまでも、県の広報誌のほか、新聞、テレビ、ラジオといったさまざまな広報媒体を通じ、県民に幅広く説明をしてきているところではございます。今後とも、より多くの県民の方々に原子力を知っていただけるよう、いろんな取り組みを進めてまいりたいと考えております。 74 ◯副議長大森哲男君) 産業労働部長安倍君。     〔産業労働部長安倍暢宏君登壇〕 75 ◯産業労働部長安倍暢宏君) 私からは1点、嶺南地域の振興についてお答えいたします。  クルーズ船の金ヶ崎岸壁の誘致を強化すべきではないかというお尋ねでございます。  クルーズ船の誘致につきましては、昨年1年間で船会社や旅行会社などに対し、60回以上の営業訪問を伺うとともに、運航責任者などの県内招聘や海外で行われる展示会への出展、そして、クルーズ船社が企画する会議などにも積極的に参加をしておりまして、さまざまな機会を通じた誘致活動を行っております。  金ヶ崎岸壁は、緑地や観光資源である人道の港ムゼウム、そして、赤レンガ倉庫などにも近く、市街地までのアクセスも良好である一方、日本に寄港するクルーズ船が近年大型化が進んでおりまして、そういった中で本港地区の大きさに制約があり、また、さらなる港湾のインフラ整備が必要であるというところでございます。  現在、敦賀市におきまして、港湾遺産や鉄道遺産を活用した金ヶ崎周辺施設の整備の検討が進められているところであり、まずは敦賀港が歴史や文化など、魅力あふれる港であることにつきまして、国内外の船会社に強くアピールしまして、小型でも特色のあるさまざまなクルーズ船の誘致を進めてまいりたいと思います。 76 ◯副議長大森哲男君) 観光営業部長江端君。  この際、申し上げます。答弁は簡潔にお願い申し上げます。     〔観光営業部長江端誠一郎君登壇〕 77 ◯観光営業部長(江端誠一郎君) 私からは1点、小浜線の観光列車運行の現状と今後の展望についてお答えいたします。  観光列車の運行に当たりましては、地元自治体の熱意や受け入れ体制の充実が大切であります。まずは乗る運動などの日々の小浜線の利用拡大を図るとともに、沿線観光地の磨き上げを行いながら、地元市町と関係団体と共同して、JRに対し積極的に働きかけを行う必要があります。  県では、本年5月にJR西日本との会合で本社幹部に、また6月には、金沢支社長及び新設された福井支店長に直接要望を行っており、現在、福井支店等と実務者レベルで話し合いを進めております。  また、若狭湾観光連盟などが中心となってJRに要請し、昨年12月に実現しました関西からの貸し切り旅行列車の運行が好評であったことから、本年度もその継続について関係者と協議を進めております。こうした積み重ねにより、JRに対して観光列車の運行をアピールしていきたいと考えております。 78 ◯副議長大森哲男君) 教育委員会教育長東村君。     〔教育委員会教育長東村健治君登壇〕 79 ◯教育委員会教育長東村健治君) 雲龍丸についてのお尋ねでございます。  雲龍丸につきましては、平成28年度から児童生徒を対象にした自然観察であるとか、海洋公開調査などの体験航海、あるいは船内見学会を実施しております。体験航海などでは、海から見るふるさと福井の景色であるとか、いろんな発見、興味、乗船することによる実体験も得られるなど、貴重な活動が行われております。  しかしながら、船体につきましては、平成7年の建造から22年以上が経過しまして、また、来年度には定期検査が必要なため多額の費用が見込まれるということでございますので、新年度予算の中で検討してまいりたいと考えております。 80 ◯副議長大森哲男君) 長田君。     〔長田光広君登壇〕 81 ◯3番(長田光広君) 県会自民党、長田です。本日もこうして質問に立たせていただけることを関係する全ての皆様へ心より感謝を申し上げます。皆様、大変お疲れとは存じますが、本日の千秋楽でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  さて、酒井部長の御回復を祈りつつでありますけども、まず農林水産行政について伺います。  現在、本県では農業を利益の上がる産業へステップアップさせること、さらに、自然環境やふるさと文化を支える基盤を守ることを基本として、来年度までを目標にふくいの農業基本計画に基づく施策を進めているところであります。このため農地の集積や複合経営、市場性の高い品目の生産による収益性の向上、嶺南地域を中心とした大規模園芸施設の整備など、園芸産地の形成などが進められています。昨年度の本県の農地集約率は76%、新たに四つのメガファームが組織されるとともに、担い手への農地の集積が進み、計画に定めた来年度の目標である80%の集積率の達成も見えてきました。  また、大規模園芸施設については、先日、美浜町の農業生産法人が運営する大規模園芸施設が開所しました。LED照明を用い、年間を通じてミディトマト越のルビーを安定して生産できるよう、全自動で栽培環境を管理するとともに、ハウス内の状況をスマートフォンで確認でき、データを蓄積し、栽培計画に反映するとのことであります。これまで、大規模園芸施設は12カ所で整備され、今年度は新たに小浜市と若狭町の2カ所の整備が予定されています。販売量についても、平成27年度の270トンから来年は1,000トン近くまでふえる見込みであり、ぜひ、越のルビーや青ネギ「若狭幸福(しあわせ)ネギ」などブランド化を図りながら、収益性の高い作物の栽培を進めていただきたいと存じます。  嶺南は雪が少なく、電源立地地域に対する電気代の補助など、ハウス栽培のメリットがあり、大規模園芸施設の整備が進んでいますが、嶺北ではどうでしょうか。  坂井丘陵において企業的園芸は進められていますが、嶺北地域における園芸生産の現状と課題、なぜ、嶺南地域と比べて大規模園芸施設の整備が進まないのか、所見をお伺いいたします。  例えば、嶺南地域における進出企業に対する8年間の運営費補助、電気代の軽減措置のように、嶺北地域においても大規模園芸施設の整備が進むよう、運営面での助成制度の創設などを検討してはどうかと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。  次に、子供たちが緑や県産材に親しめる環境づくりについてお伺いいたします。  総合グリーンセンターは、県民の皆さんに緑豊かな自然環境の中で、緑を愛し、緑を生活の中に広げる知識、技術の普及、さらに林業に関する試験研究を行うため、昭和55年に開設されました。平成4年には、緑や文化、教育、体験ゾーンとしてグリーンパークが完成し、緑に関する総合的な施設として整備されました。今年度は、地方創生拠点整備交付金を活用し、林業研修館を改修し、林業・木材産業の人材育成のための研修を充実、林産物の流通、販売促進の拠点となる相談窓口の開設など、機能強化が進められているところであります。  また、これまでも花の展示温室──通称タマネギハウスでは、2万個の電球を用いた夜間のライトアップを実施しており、今月17日には音楽ライブやワークショップと絡めたイベントを行うなど、大人から子供まで楽しめる施設として、特に家族連れなどに人気を博し、無料で楽しめる欠かせないスポットとして県民にも広く認知されているところであります。  そこで、総合グリーンセンターについて、年間利用者数はどの程度か、世代、性別ごとの利用状況はどうなっているのか、今後、どのような層を対象に魅力向上を進めていくのか、所見をお伺いいたします。  また、来年の福井しあわせ元気国体・障スポに向け、競技会場や沿道、町並みを花で彩る花いっぱい活動が進められています。バラやコスモスなど地域や学校でも育てやすい13種類の「はぴねすフラワー」が選ばれ、グリーンセンターも協力して花育てガイドが作成されています。自宅で花などを育てるガーデニングは、おしゃれでスタイリッシュな空間をつくる趣味として、近年、男女を問わず若者の間で流行というよりも一つの確固たる楽しみとして根づきつつあります。共働きが多く忙しい福井の女性であっても、働きながら少しの時間を活用できる余暇の楽しみとして、ガーデニングなどの園芸は格好の素材ではないでしょうか。また、親世代だけでなく、子供たちが楽しめる施設整備も大切であり、例えば、老朽化した建物を改修し、県産材に親しむ空間につくりかえることも考えられます。  県産材を活用した子供が楽しめる空間の整備やガーデニングの支援など、総合グリーンセンターの機能強化を考えてはどうかと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。  次に、「いちほまれ」を活用した交流拡大の戦略についてお伺いいたします。  先日、パッケージデザインとロゴの発表会が東京都内のホテルで開催され、今月にはいよいよ収穫が始まるなど、県内外に向けたプロモーションが本格化してまいります。初年度の生産量は600トンにとどまり、私の周りでも本当に「いちほまれ」を食べることができるのかどうかをちょっと不安に感じている人もいるようでありますが、まずは、県内での試食機会を持ち、県民に親しんでもらった上で、県外での積極的な売り込みにつなげていく必要があるとも考えます。  「いちほまれ」を生かした県全体の魅力アップ、例えば、試食機会の設定や観光誘客への活用など、全庁的な交流施策をどのように進めるのか、中村政策幹の意気込みをぜひお願いいたします。  次に、人手不足対策についてお伺いします。  今年7月の県内の有効求人倍率は2.11倍であり、3カ月連続で全国1位となりました。事務系の業種では有効求人倍率が0.61倍と1倍を割り込み、一方、接客サービスや建設、土木などの業種では5倍を超えるなど、人手不足が深刻化いたしております。  国勢調査における15歳以上人口に占める労働力人口の割合、いわゆる労働力率については、本県は62.4%、全国平均を2.4%上回る全国3位であります。また、共働き率についても58.6%と全国平均を10%以上上回る全国1位となっています。いわば、福井県民は、男女を問わず真面目にしっかりと働いているにもかかわらず、人手不足が進んでいるともいえます。  大変危機感を持っているところでありますが、県では、ここまで人手不足が深刻化した原因をどのように分析し、どう対策を進めていくのか、知事の所見をお伺いいたします。  人手不足改善のため、一つの鍵になるのは知識と経験、そして人脈を持つ高齢者の就労促進であります。本県の労働力人口全体に占める高齢者の割合は、昭和60年が7.4%、平成7年が10.2%、平成17年が10.4%と推移し、平成27年には14.2%となりました。直近の就業実態調査では、さらに16.2%まで上昇し、県内で働いている方のうち、6人に1人は高齢者という状況になっています。  全国平均の12.4%に比べても高い水準であります。既に本県では高齢者の就労がかなり進んでいるといえますが、さらに高齢者の就労を促すためには何が必要でしょうか。現在の65歳以上の方々は、戦後の高度成長を支え、定年退職後も年金の支給を受け、十分な蓄えを持っている世代といえます。かわいい孫の世話を焼きながら、悠々自適な生活を送ることができる方々が、無理のない範囲で働き、これまでの知識や経験をしっかり生かせるような活躍の場を提供していくことが考えられます。  高齢者の活躍が進んでいる業種、逆に活躍が進んでいない業種とその原因、さらに、今後県としてどのような対策を検討していくのか、知事の所見をお伺いいたします。  人手不足解消の一つの方法として、企業の効率性を高め、高い付加価値を持つ商品をつくることがあります。この点で私が期待しているのは、県民衛星プロジェクトであります。昨年8月に県内企業など11社が中心となる県民衛星技術研究組合が設立され、平成31年度の衛星打ち上げを目指して研究が進められており、本年7月には森林や河川の管理、公共工事の進捗状況の見える化など、衛星から得られるデータの利活用方策が取りまとめられました。もちろん、県民衛星そのものの利活用も重要なテーマではありますが、何より大事なことは、衛星の設計、製造や運用ソフトの開発など衛星の打ち上げを通じて県内企業に技術が蓄積され、中小、零細企業を初めとした県内企業の技術力の底上げにつなげていくことだと考えます。  県民衛星プロジェクトを生かし、技術研究組合に参加している企業だけでなく、県内企業全体にどのように効果を波及させていくのか、知事の所見をお伺いいたします。  衛星打ち上げとあわせ、再来年には宇宙技術及び科学の国際シンポジウムが本県で開催される予定であり、関連のイベントとあわせ、将来の福井、日本を担う子供たちに宇宙の魅力、技術の確かさを伝えられることを願います。  本県の輸出額について、8月に今年上半期の実績が公表され、前年同期比9.8%減の457億円となりました。特に、マレーシアやフィリピン向けでモーターに使う金属製の永久磁石などの輸出額が大きく減少しております。  一方、石川県の輸出額は前年比33.1%増の1,104億円として過去最高、富山県は7期ぶりの増加で前年比9.3%増の864億円となっています。輸出額そのものについては、外国への生産拠点の移転や特定企業の業績とも関連し、一喜一憂することではないとも考えますが、短期的な額の増減よりもむしろ継続的かつ恒久的に県内企業が海外も含めた市場で成長していくことを重視すべきではないでしょうか。県においては、輸出額だけにこだわらず、芯が通った政策を進めていただきたいと思っております。  県内企業の海外展開を進める平成23年度にふくい貿易促進機構が発足しました。今年度もジェトロと協力し、香港、シンガポールへの出展を実施していますが、食品分野に限定されています。ジェトロ福井との連携をさらに強化し、幅広い分野の中小、零細企業が実際に海外を訪問し、実態を見る機会をふやすような県の支援が必要だと思いますが、所見をお伺いいたします。  次に、教育行政についてお伺いいたします。  先月末に本年度の全国学力・学習状況調査の結果が公表されました。全国的に教え方の共有が進み、地域差はどんどん縮小していますが、本県の小学6年生、中学3年生は10年連続で全国トップクラスの成績をおさめました。もちろん、このテストの点数を上げることだけを目標にするのでは本末転倒ではありますが、しっかりとした基礎学力を身につけている本県の子供たちの努力、家庭におけるしつけや規則正しい生活習慣の徹底、学校現場における先生方の熱心な指導に心からの敬意を表したいと思います。やはり何事も続けることに大きな価値があります。先生方の世代交代もある中、10年間継続して好成績を続けたことは、これまで福井に受け継がれてきた教育の土台の確かさを証明するものとだと思っております。  全国学力・学習状況調査において、好成績を続けている要因と、県として今回の調査結果をどのように評価しているか、お伺いいたします。  一方で、これからの社会は変化が厳しく、先を読むこと自身が難しくなっています。学校で教えられた知識だけではなく、子供たち自身が知識を生かしてみずから考え判断すること、また、さまざまな人々とのつき合い方など、人間としての底力を鍛えていくことが何より大切であります。  しっかりとした学力を身につけることに加え、粘り強さや柔軟性、創造力など数字では示すことができない力をどのように育てていくのか、所見をお伺いいたします。  いよいよ来年から小学校、再来年から中学校において道徳の教科化が始まります。専門の先生がいるわけではなく、数値での評価もありません、特別の教科としての位置づけであります。これまで、本県では人とのつながりを重視し、お互いを尊重する心を育てるため、「心のノート」や「ふるさと福井の先人100人」など本県独自の教材を用い、郷土の先人の生き方から社会への貢献、他者との協働について学ぶ学習を進めてきたところであります。  本年3月には「ふるさと福井の先人100人」が書籍化されました。子供たちだけでなく、親世代もこのような本に触れることにより、家庭での会話もふえ、福井への誇りや愛着を育てることにつながるのではないでしょうか。  そんな中、先日、福井駅前の交番勤務の警察官の前で、覚醒剤に似た白い粉を落とし、パトカーが出動する様子が動画サイトに掲載されました。一生懸命に働く警察官を笑いものにするかのような心のあり方は言語道断であり、住民の安全を守るための努力を踏みにじるものだといえます。おもしろければいい、楽しければいいという風潮がありますが、人に迷惑をかけないこと、努力の大切さを知ることなどが何より大事ではないでしょうか。このためには、家庭や地域の果たす役割が第一となりますが、学校における道徳教育にも心から期待いたしたいところであります。  来年から始まる道徳の教科化において、本県の道徳教育はどのように変わり、自立の精神や他者への寛容さ、認め合う優しさなど、子供たちの人間形成に大切なことをどのように教えていくのか、所見をお伺いいたします。  また、代表質問の知事御答弁に、学生のころから障害との共生を経験することが大切との御見解がおありになりました。私自身、先週の土曜日、国体・障スポ開催一年前イベントで、車椅子バスケットボール体験交流会に参加させていただきました。また、以前、私から学校での育児体験についての質問させていただいたこともあります。人間力を高める意味でも、共生社会実現のためにも、何事も経験が大事であり、中学生を対象に障害との共生を実感できる障害者スポーツ体験、父性・母性を醸成する育児体験を全校で行うべきではないでしょうか。社会への理解を深める職場体験の実施状況とあわせて所見をお伺いいたします。  次に、先生の長時間勤務の改善についてお伺いいたします。  小学校における英語教科化や中学校における英検の対策など、教育のレベルを上げていくことが必要な一方で、先生の長時間勤務の改善も問題となっており、これも難しい課題であります。県では、昨年から出退勤時刻調査を始め、平日の中学校の先生の平均勤務時間は11時間22分、土曜日、日曜日でも部活動などのため2日に1回は休日出勤している状況でありました。県では、部活動における外部人材の活用の促進、部活休養日の設定や校務処理の効率化、教員研修の見直しなどを進めているとのことでありますが、特に忙しいのは中学校の先生とお伺いしていますので、市町の教育委員会とも十分に連携していただきたいと、そのように思います。  先生の長時間勤務について、昨年の出退勤時刻調査と比較した今年の改善状況、市町教育委員会との連携も含めた今後の対策について、お伺いいたします。  最後に、学校と家庭の信頼関係や地域社会とのつながりの強さ、教員の熱心さなど、これまで紡がれてきた福井の教育の伝統を生かし、今後、どう発展させていくのか、東村教育長の意気込みをお伺いさせていただきまして、私の質問を終わりたいと存じます。  本日もありがとうございます。よろしくお願いいたします。
    82 ◯副議長大森哲男君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 83 ◯知事西川一誠君) 長田議員の一般質問にお答えいたします。  まず、農林水産行政についてであります。  嶺北地域における園芸生産の現状と課題、それから、嶺南地域に比べて大規模園芸が余り進んでいないのはどういう背景なのだろうという御質問であります。  嶺北地域における園芸振興については、福井市など都市近郊ではトマト、ホウレンソウ、水田を利用したネギ、キャベツの生産拡大に努めており、大体平成25年度以降、産出額は5億円程度増加した地域となっております。また、坂井北部丘陵地や砂丘地では、スイカ、メロン、コカブ栽培の比較的小規模なハウス300棟、9ヘクタールの整備を支援しておるところであります。これらを含めて嶺北地区の産出額は県全体の約8割を担っており、125億円ということであります。ですので、嶺南地域は40億円ということになります。  今後さらに農家所得を増大させるために、水田においてネギ、キャベツ、ブロッコリー、タマネギの生産拡大を進める必要があります。  そこで、嶺北地域における大規模園芸については、これまで御指摘も一部ありましたが、コスト面から必要な整備が思うように進まなかったという事情が背景としてあるわけであります。そこで、次の御質問と関連いたしますが、嶺北地域においても大規模園芸整備が進むよう、運営の面での助成制度の創設が必要ではないかという御質問であります。  大規模園芸については、気候が温暖で電気代の助成のある電源立地地域等においては、トマトや青ネギ、イチゴの栽培等を12カ所で整備しており、今年度の販売額は8億円であります。これは嶺南地域が中心であります。それで、嶺北地域においても新たに大規模園芸施設でのトマト生産を拡大するため、園芸研究センターが主に夏場、4月から12月までの出荷なのですが、夏場を利用したような栽培技術について新たに研究を進めており、今年度中にはおおむね実用化の目途が着く予定であります。冬の暖房を余り使わないようにとか、いろいろな温室の中の雰囲気を変えていくとか、いろんなそういう技術がほぼできたわけであります。  そのために、嶺北地域においても、大規模園芸施設の早期導入が可能になりつつありますので、導入できるよう、JAと共同した販売対策や技術指導体制を整備してまいりたいと考えます。  次に、総合グリーンセンターについて、年間利用者数はどの程度か、いろいろ世代、性別ごとの利用状況、今後どのような人たちに利用してもらうのがよろしいのかという御提言を含めた御質問でございました。  総合グリーンセンターの利用者数は、年間を通したイベント開催や花卉、花に関する講座の新設、これは平成26年から、平成27年の温室のリニューアルにより、平成25年度には15万人でありましたが、昨年28年度は1.6倍の24万人の来所があるわけであります。利用状況については、多くを占める若い家連れに加えまして、ウオーキングを行う中高年、遠足の園児、児童などがふえており、さらに近年では花に興味を持たれる女性の利用も広がっております。  今後は、若い世代が新しく訪問できるよう、地元愛好家によるコンサート、カップル向けのイベントをふやすことを初め、いろんな世代が楽しめるイベントを年間スケジュールにして発信をし、親しめる憩いの場にしてまいりたいと考えます。  それから、この総合グリーンセンターについて、県産材を活用した子供が楽しめる空間の整備やガーデニング支援など、総合グリーンセンターの一層の機能強化を考えてはどうかとの御提言です。  総合グリーンセンターは芝生広場、遊具で遊ぶ若い家族連れ、あるいは木と花の触れ合いを求める県民などに広く利用されております。また、国体に向けた花いっぱい運動の拡大により、花づくり講座の相談会は盛況であり、内容もプランターによる花づくりから、季節に応じた庭づくりまで広がっております。  そこで、今年度は、木材、花卉、造園業界などの人材育成の拠点整備に着手しており、さらに今後は子供たちが木のおもちゃやクラフトづくりを通して、木と触れ合う場所をふやしてまいると同時に、著名なガーデンデザイナーや花の専門家等による一般県民向けの講座を開き、SNSなどを使って年間を通したイベント情報をさらに切れ目なく提供することにより、一層多くの県民が集う場所として、機能をさらに強化してまいりたいと考えます。  次に、もう一つのテーマといいますか、御質問でございます、人手不足対策についてであります。  人手不足が深刻化した原因は。どのような理由か。また、対策はいかがかということであります。  人手不足の原因につきましては、生産年齢人口の減少という、構造的な要因に加えまして、特に福井県では、既に共働きが浸透しており、女性や高齢者の就業率も高くなっているというのが一つありますし、電子部品・デバイス製造業などや情報通信など、技術力の高い企業が高い雇用を確保しているというふうなことも背景にあると考えられます。  そこで、県としては、若者の県内企業への就職を促す面接会や女性や高齢者が働きやすい職場環境のための社内制度導入の支援、IoT導入やものづくり改善インストラクター派遣、職業訓練による生産性向上など、労働力、人材の確保と同時に生産性を向上する応援、両面からさまざまな対策を講じていく必要があると考えております。  この問題に関連いたしまして、県民衛星プロジェクトを生かし、技術研究組合に参加している企業のみならず、県内企業全体にどのような科学技術、また、産業面での効果を波及させていくのかとの御質問であります。  県民衛星プロジェクトは、県内企業を主体とする技術研究組合が超小型の人工衛星を開発するものであります。平成31年度の打ち上げを予定しており、県としても、関係省庁やJAXAに働きかけを行っております。このプロジェクトを牽引役としながら、新素材、通信システムの開発など、宇宙産業の裾野が広がり、産業として福井県のパワーを広げられると思います。このため、県として、衛星の打ち上げとはまた別に、平成27年9月に福井宇宙産業創出研究会を設け、宇宙探査機で実績のある技術者を招いたセミナーや、高い効率の通信機器の試作、演習等を実施して応援しており、参加企業は始めたとき21社でありましたが、現在49社に拡大をしております。  これから研究会の参加企業をふやすとともに、繊維技術などを生かした宇宙服の開発、眼鏡技術を応用した部品の軽量化などの研究を行い、宇宙関連分野における新たなビジネスの創出につなげてまいります。  最後の御質問になりますが、教育行政に関連して、全国学力・学習調査について、好成績を続けている要因、また、今回の調査結果をどのように評価しているかとの御質問です。  これについては、何よりも子供たちの頑張りの成果であるとともに、先生、教員たちの熱心な指導、また、保護者や地域の理解、協力等のたまものであると考えます。加えまして、福井県は、昭和26年からずっと県独自に学力調査を続けており、授業改善につなげてきたことや、平成16年度からは、本県独自の少人数学級によるきめ細やかな指導など、丁寧な教育がよい成績の原因の一つであると考えます。また、習熟度別学習や「ふくい理数グランプリ」で知的好奇心を高める問題に挑戦するなど、「きたえる教育」により全ての子供の学力を伸ばしていくことなども全国トップクラスの結果につながっていると評価しております。そして、その大もとには、教育分野への積極的な投資を議会とともに実行していることが背景にあると思っております。  なお、本県には、昨年度全国から2,700名を超える教育の視察を受けており、平成23年度からは7年間で11の府県から52名の先生を県内の小中学校に受け入れております。また、本県からも三つの県に教員を派遣しており、ある一つの県ではその県の知事に対する教育の助言者などをやっておるわけであります。これらの県は、今回の学力テストで、全国では一番低いほうにあったのですが、全国平均並みに上がってこられたような県もありまして、福井の教育を全国に発信しているものとも考えております。  その他については、関係部長から答弁します。 84 ◯副議長大森哲男君) 政策幹中村君。     〔政策幹中村保博君登壇〕 85 ◯政策幹(中村保博君) 「いちほまれ」を生かした県全体の魅力アップ、試食だとか、観光誘客への活用など、全庁的な交流施策をどのように進めるのかという、私の意気込みをということで御質問いただきました。ありがとうございます。  「いちほまれ」いよいよでございます。これから数年かけて生産量をまず拡大させながら、日本一の品質、おいしさに見合う全国的なトップブランドとしての地位を確立させていかなくてはならないと考えておりますし、その力は十分あると思っております。これは、ひいては農家所得の向上に必ずやつなげるということでございます。  それはそれといたしまして、この力を各分野に活用することが重要であると考えております。まずやりたいことは、「いちほまれ」を中心とした、本県が誇るそのほかの特産物がございます。もちろんカニもありますし、フグもありますし、トマトもあれば、里芋もあると、こういうような福井が誇る特産物を活用した福井ならではの料理、食事、こういうメニューをつくりまして、これをちゃんと提供できるお店、それから、レストラン、こういうものをふやして、福井県全体の食のレベルアップを図りたい。その中心が「いちほまれ」ということでございます。これにより、農業と観光と産業、これをこれまで以上に結びつけていきたいと。観光のスタイルはいろいろあると思いますが、おいしい食事を目当てにした観光とか、それから、日本一の「いちほまれ」の田植えだとか、稲刈りの体験とお食事のところには必ず出てくる器、箸、漆器、これは全て伝統的工芸品で、その体験ができるような産地でございます。これをあわせた周遊観光と、ほかにもたくさんパターンはあるとは思うのですけれども、これらを進めることで、農業、産業、観光、これも一緒にさらに伸ばすことができるのではないかと考えております。  今後、県庁内はもちろんでございますが、市町、それから、さまざまな分野の団体、企業と共動いたしまして、食の福井としての魅力づくり、さらには国内外からの観光誘客、これを強化してまいりたいと考えております。 86 ◯副議長大森哲男君) 産業労働部長安倍君。     〔産業労働部長安倍暢宏君登壇〕 87 ◯産業労働部長安倍暢宏君) 私からは2点、人手不足対策についてお答えいたします。  まず、高齢者の活躍が進んでいる業種、そして、県としてどのような対策を検討していくのかというお尋ねでございます。  平成27年の国勢調査によれば、本県において高齢者の就業割合が高い業種は、卸売業、小売業、これが16.6%、農業、林業、これが15.4%、製造業が15.2%と続いております。逆に、情報通信業などは0.3%と低い数字となっております。  高齢者の方々に御活躍いただける機会をふやすには、多様な働き方を可能とする、いわゆる働き方改革を企業において進めていただくこと、そして、高齢者の方々に新たな技能を身につけていただくことが重要であると考えております。  県では、今般の補正予算案で提案しておりますセミナー、就職面接会のほかに、今後は、IT分野など、高齢者の方々の体力など、御事情に見合った職業訓練の充実と合わせまして、企業における高齢者の方々が働きやすい職場環境の整備に向けた施策について検討してまいりたいと思っております。  続きまして、ジェトロ福井との連携をさらに強化して、幅広い分野の中小企業が海外を実際に見る機会をふやすような支援が要るのではないかというお尋ねでございます。  本県においては、ジェトロ福井だけではなく、商工団体や農林水産団体も交えて、ふくい貿易促進機構のもとで相互に支援策や情報を共有して、県内企業の海外展開を支援しております。平成23年9月の発足以来、これまで7月末までに96件の拠点進出と244件の新規輸出を支援してきております。  また、県立大学主催の東南アジアなどへの視察のほか、ジェトロ、あるいはJICAが主催する、例えば、サービス産業の海外展開支援ミッションといったさまざまな業種や地域をテーマとするミッションなどの情報を広く県内企業に周知をしているところです。  今後もこのふくい貿易促進機構の枠組みを活用して、ジェトロ福井を初めとする構成機関とともに、県内企業の海外展開と現地状況の把握などについても支援をしていきたいと思っております。 88 ◯副議長大森哲男君) 教育委員会教育長東村君。     〔教育委員会教育長東村健治君登壇〕 89 ◯教育委員会教育長東村健治君) 教育行政につきまして、5点お答えさせていただきます。  まず、粘り強さや柔軟性、創造力など数字では示すことができない力をどのように育てていくのかとのお尋ねでございます。  最近、英語に話題が偏りがちでございますけれども、県では学力向上を支える土台といたしまして、体験や読書、それから、芸術、文化活動も重視して実行しております。体験活動では、地域の人々とかかわることを通しまして、子供もみずからが考え、そして、判断して、地域の課題に柔軟に対応できる力を養っております。読書活動では、子供が1冊家へ本を持って帰るとか、1冊新しい本を与えるようなことをやりまして、さまざまな人々の考えや生き方を学ぶことにより、幅広い知識や関心を高めております。芸術、文化活動、これは弦楽器であるとか、水墨画であるとか、いろんな活動をやっておりまして、本物の芸術文化に触れることにより、子供の感性や創造力を育てております。  また、子供たちが宿題や掃除、係の活動、部活動などを最後まで粘り強く確実にやり抜くことを大切にしておりまして、今年度の全国学力調査におきましても、物事をやり遂げる喜びを感じていると答えた子供が95%を超えております。今後も学力向上に加えまして、粘り強さや柔軟性、創造力など、人間力を高める教育も進めていきたいと考えております。  続きまして、道徳の教科化におきまして本県の道徳教育はどのように変わり、子供たちの人間形成に大切なことをどのように教えていくのかとのお尋ねでございます。  今回の道徳の教科化における主な変更点は、検定教科書が導入されるということ、それから、子供の成長の様子を認め、励ます評価を教師が行うということでございます。県では教科化に備えまして、今年度から全小中学校の道徳主任等を対象に、具体的な指導の工夫や評価の仕方を学ぶ研修会を開催し、教員の授業力向上を図っております。  今後は、資料の読み取り中心の授業から子供たちが議論する授業へ転換し、教科書のほかにも県や市町が作成する独自教材も活用しながら、ふるさとの先人の生き方から困難なことにも立ち向かう強い意志とか、他者との協働などを深く学べるようにしたいと考えております。  また、道徳の授業を積極的に公開して、保護者と一緒に考える機会をふやすことにより、道徳教育の一層の充実に努めてまいります。  障害との共生を実感できる障害者スポーツ体験、父性・母性を醸成する育児体験を全校で行うべきとの御提言と、社会への理解を深める職場体験の実施状況についてのお尋ねでございます。  中学校ではこれまで車椅子体験やアイマスク体験などを通しまして、障害者理解の教育を推進しております。さらに、障害者スポーツに対する理解を深めるために、県では二つの中学校で車椅子バスケットボール等の体験を始めております。  赤ちゃんであるとか、幼児と触れ合う育児体験を全ての中学校でも実施しておりまして、子供たちは親から子育ての楽しさや大変さ、親の願いなどを聞いて、命のたっとさを実感しているところでございます。  また、2日、あるいは3日の職場体験も全中学校において実施しておりまして、挨拶や時間を守ることの大切さ、働くことの意義などについて学んでおります。さまざまな体験活動は子供たちにとって社会の現実に触れ、理解を深める貴重な機会でございまして、これからも関係機関と連携しながら積極的に推進してまいります。  続きまして、先生の長時間勤務につきまして、昨年の出退勤時刻調査と比較したことしの改善状況、市町教育委員会との連携も含めた今後の対策についてのお尋ねでございます。  県では、市町の教育長会議や担当者会議など、さまざまな形で市町の教育委員会と情報交換する場を設けまして、連携して業務改善を進めております。  中学校におきましては、全県下で土日のいずれか1日と平日の1日の週2日間の部活動休養日の設定や複数の部活動を効率よく指導する体制の導入、それから、管理職による出退勤管理などを行っておりまして、ことし5月と昨年5月の勤務時間を比較しますと短くなっております。  市町の教育委員会におきましても、永平寺町では、学校閉庁日を設定したり、高浜町ではタイムカードを導入するなど、独自の方策を始めております。県としましては、中教審の緊急提言を受けた国の動向も見ながら、今後も市町教育委員会と連携して、進んだ事例の導入を図るなど、業務改善を推進してまいります。  福井の教育の伝統を生かし、今後どう発展させていくのか、教育長の意気込みをというお尋ねでございます。  本県は、私学や塾など多様な選択肢のある都会と異なりまして、スポーツや芸術、学習などさまざまな面で子供や保護者の期待に応える教育を学校の授業の中で工夫して行うということでございます。学力・体力全国トップクラスの評価をいただいておりまして、これは一重に地域、家庭、学校の互いの信頼感とつながりの強さ、教員の熱心さに支えられていると認識しております。  今後10年の間に多くの教員が退職する中で、若手とベテランがともに行う授業研究であるとか、地域や家庭と一体となった学校づくりなど、福井の教育のよさや文化をしっかり引き継ぎ、充実してまいりたいと考えます。  また、ふるさと教育、読書や古典音読、暗唱などの国語教育はもとより、英語検定の挑戦であるとか、習熟度別学習、資格取得を認定支援するキャリア教育など、生徒一人一人のニーズに応じた発展的な教育、全国トップクラスだからできる教育を全国に先駆けて実施してまいりたいと考えております。 90 ◯副議長大森哲男君) 以上で、本日の、通告による質疑及び質問は終了いたしました。                ━━━━━━━━━━━━━━━          第2 議員の派遣について(議員提出条例検討会議の視察)                ───────────────                   議員の派遣について                                   平成29年9月13日  次のとおり議員を派遣する。   議員提出条例検討会議の視察   (1)派遣の目的  学校教育における手話教育の現状等に関する調査を行い、福井県手話言語             条例(仮称)案の検討に資する。   (2)派 遣 地  福井市   (3)派遣期間   平成29年9月15日(金)   (4)派遣議員名  田村 康夫 議員  野田 富久 議員             鈴木 宏紀 議員  細川 かをり議員             宮本  俊 議員  力野  豊 議員             西本 恵一 議員  長田 光広 議員   (5)派遣の内容  学校教育における手話教育の現状等に関する調査                ─────────────── 91 ◯副議長大森哲男君) 次に、日程第2、議員の派遣についてを議題といたします。  お諮りいたします。  本件につきましては、会議規則第130条第1項の規定により、お手元に配付しました文書のとおり派遣したいと存じますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 92 ◯副議長大森哲男君) 異議なしと認めます。  よってそのように決定いたしました。  あわせてお諮りします。  ただいま決定されました議員派遣の内容に今後変更を要するときは、その取り扱いを議長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 93 ◯副議長大森哲男君) 異議なしと認めます。  よってそのように決定いたしました。                ━━━━━━━━━━━━━━━ 94 ◯副議長大森哲男君) 以上で、本日の議事日程は全部終了いたしました。  明14日は、午前10時より会議を開くこととし、議事日程は当日お知らせいたしますから、御了承願います。                ━━━━━━━━━━━━━━━ 95 ◯副議長大森哲男君) 本日は、以上で散会いたします。
                                  午後4時44分 散 会 発言が指定されていません。 Copyright © Fukui Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...