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  1. 福井県議会 2016-12-06
    平成28年第394回定例会(第4号 一般質問) 本文 2016-12-06


    取得元: 福井県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-12
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいタブが開きます) 平成28年第394回定例会(第4号 一般質問) 本文 2016-12-06 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ窓表示 ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者一覧に移動 全 126 発言 / ヒット 0 発言 表示発言切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示 すべて選択 すべて解除 1 ◯議長松井拓夫君) 2 ◯議長松井拓夫君) 3 ◯議長松井拓夫君) 4 ◯28番(山本正雄君) 5 ◯議長松井拓夫君) 6 ◯知事西川一誠君) 7 ◯議長松井拓夫君) 8 ◯産業労働部長片山富士夫君) 9 ◯議長松井拓夫君) 10 ◯農林水産部長中村保博君) 11 ◯議長松井拓夫君) 12 ◯教育委員会教育長森近悦治君) 13 ◯議長松井拓夫君) 14 ◯28番(山本正雄君) 15 ◯議長松井拓夫君) 16 ◯農林水産部長中村保博君) 17 ◯議長松井拓夫君) 18 ◯22番(田中宏典君) 19 ◯議長松井拓夫君) 20 ◯知事西川一誠君) 21 ◯議長松井拓夫君) 22 ◯副知事(藤田 穣君) 23 ◯議長松井拓夫君) 24 ◯総合政策部長山田賢一君) 25 ◯議長松井拓夫君) 26 ◯安全環境部長清水英男君) 27 ◯議長松井拓夫君) 28 ◯土木部長(辻 義則君) 29 ◯議長松井拓夫君) 30 ◯22番(田中宏典君) 31 ◯議長松井拓夫君) 32 ◯安全環境部長清水英男君) 33 ◯議長松井拓夫君) 34 ◯8番(西本恵一君) 35 ◯議長松井拓夫君) 36 ◯知事西川一誠君) 37 ◯議長松井拓夫君) 38 ◯総合政策部長山田賢一君) 39 ◯議長松井拓夫君) 40 ◯産業労働部長片山富士夫君) 41 ◯議長松井拓夫君) 42 ◯農林水産部長中村保博君) 43 ◯議長松井拓夫君) 44 ◯土木部長(辻 義則君) 45 ◯議長松井拓夫君) 46 ◯8番(西本恵一君) 47 ◯議長松井拓夫君) 48 ◯土木部長(辻 義則君) 49 ◯議長松井拓夫君) 50 ◯8番(西本恵一君) 51 ◯議長松井拓夫君) 52 ◯副議長(畑 孝幸君) 53 ◯1番(井ノ部航太君) 54 ◯副議長(畑 孝幸君) 55 ◯知事西川一誠君) 56 ◯副議長(畑 孝幸君) 57 ◯産業労働部長片山富士夫君) 58 ◯副議長(畑 孝幸君) 59 ◯観光営業部長(佐々木康男君) 60 ◯副議長(畑 孝幸君) 61 ◯教育委員会教育長森近悦治君) 62 ◯副議長(畑 孝幸君) 63 ◯1番(井ノ部航太君) 64 ◯副議長(畑 孝幸君) 65 ◯産業労働部長片山富士夫君) 66 ◯副議長(畑 孝幸君) 67 ◯1番(井ノ部航太君) 68 ◯副議長(畑 孝幸君) 69 ◯20番(大久保 衞君) 70 ◯副議長(畑 孝幸君) 71 ◯知事西川一誠君) 72 ◯副議長(畑 孝幸君) 73 ◯観光営業部長(佐々木康男君) 74 ◯副議長(畑 孝幸君) 75 ◯農林水産部長中村保博君) 76 ◯副議長(畑 孝幸君) 77 ◯土木部長(辻 義則君) 78 ◯副議長(畑 孝幸君) 79 ◯教育委員会教育長森近悦治君) 80 ◯副議長(畑 孝幸君) 81 ◯警察本部長(猪原誠司君) 82 ◯副議長(畑 孝幸君) 83 ◯23番(大森哲男君) 84 ◯副議長(畑 孝幸君) 85 ◯知事西川一誠君) 86 ◯副議長(畑 孝幸君) 87 ◯安全環境部長清水英男君) 88 ◯副議長(畑 孝幸君) 89 ◯産業労働部長片山富士夫君) 90 ◯副議長(畑 孝幸君) 91 ◯観光営業部長(佐々木康男君) 92 ◯副議長(畑 孝幸君) 93 ◯教育委員会教育長森近悦治君) 94 ◯副議長(畑 孝幸君) 95 ◯議長松井拓夫君) 96 ◯4番(力野 豊君) 97 ◯議長松井拓夫君) 98 ◯知事西川一誠君) 99 ◯議長松井拓夫君) 100 ◯副知事(藤田 穣君) 101 ◯議長松井拓夫君) 102 ◯安全環境部長清水英男君) 103 ◯議長松井拓夫君) 104 ◯4番(力野 豊君) 105 ◯議長松井拓夫君) 106 ◯知事西川一誠君) 107 ◯議長松井拓夫君) 108 ◯29番(野田富久君) 109 ◯議長松井拓夫君) 110 ◯知事西川一誠君) 111 ◯議長松井拓夫君) 112 ◯総合政策部長山田賢一君) 113 ◯議長松井拓夫君) 114 ◯安全環境部長清水英男君) 115 ◯議長松井拓夫君) 116 ◯産業労働部長片山富士夫君) 117 ◯議長松井拓夫君) 118 ◯観光営業部長(佐々木康男君) 119 ◯議長松井拓夫君) 120 ◯教育委員会教育長森近悦治君) 121 ◯議長松井拓夫君) 122 ◯議長松井拓夫君) 123 ◯議長松井拓夫君) 124 ◯議長松井拓夫君) 125 ◯議長松井拓夫君) 126 ◯議長松井拓夫君) ↑ リストの先頭へ ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長松井拓夫君) これより、本日の会議を開きます。                ━━━━━━━━━━━━━━━ 2 ◯議長松井拓夫君) 本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりと定め、直ちに議事に入ります。                ━━━━━━━━━━━━━━━   第1 第71号議案から第85号議案まで(15件)及び報告第34号から報告第38号まで(5件) 3 ◯議長松井拓夫君) まず、日程第1を議題といたします。  これより、5日の本会議に引き続き、各議案に対する質疑及び県政全般にわたる質問に入ります。  よって、発言は、お手元に配付いたしました発言順序のとおりに願います。  山本正雄君。  なお、山本正雄君より資料の使用とあわせ、議場へ配付をしたい旨の申し出があり、これを許可いたしましたので、御了承願います。  また、資料につきましては、お手元に配付してありますので、御了承願います。     〔山本正雄君登壇〕 4 ◯28番(山本正雄君) 皆さん、おはようございます。民進・みらいの山本正雄です。大きく三つの質問と提言をしますので、よろしくお願いします。  さて、世界情勢は混沌としてきました。まずは、イギリスのEU離脱の衝撃、予想外のトランプ氏の大統領当選と米中大国の自国第一主義の懸念、アジアでは中国、韓国、北朝鮮、フィリピンの動き、そして日本の自衛隊の海外派遣、それに福井県議会も変化の年です。対話への協調、平和への道が、ナショナリズムの台頭により戦争への道につながっていかないかが最も心配であります。そうさせないためにも、まずはアジアから友好の輪を広げ、相互理解を深めなければなりません。  そこで、質問の第一は、これからの日中友好について伺います。  11月6日から11日まで中国湖南省、長沙市で開かれた第15回日中友好交流会議に、酒井哲夫会長や田中敏幸県議とともに参加してきました。日中合わせて141人が参加しました。開会挨拶では、中国側の協会は、元国務委員の唐家セン会長が、日本側は前中国大使の丹羽宇一朗会長が挨拶されました。お二人とも厳しい国際情勢を踏まえ、友好なくして平和なしと、民間、地方同士の友好を深めようと強調していました。2日目は分散会で福井県は第3分科会に参加し、鯖江友好協会の田中県議が鯖江市の交流事例や中国でのEM菌普及の話、さらには竹下清団長の平和維持の大切さの話がありました。  特に、私が印象に残ったのは丹羽会長の話で、米中、日中とも経済大国3カ国それぞれが、ステイタス、体面を維持しながら、課題一つ一つを具体的に取り組むことの重要性を指摘したことです。その指摘は、彼の著書にも書かれていますが、近年アメリカにおけるアジアの比重が非常に高まっていること。国際教育協会のデータで、2014年から15年の留学生を国別で見ますと──皆さんに配付した資料のとおりです──1位は30万人の中国で全留学生の3分の1を占め、10年前のほぼ5倍、2位はインドの13万人、3位は韓国の6万人、日本は最低のたった1万9,000人であります。  これとは逆に、アメリカは、15年の米中会談でオバマ大統領は、中国語教師を2倍にし、20年までに中国語を学ぶ学生を100万にふやす方針を示し、一昨年までに中国への留学生10万人派遣を達成しました。  日本が世界で生き残るためには、留学生の増大が必須課題であり、日本政府は何ら政策的な手を打ってない深刻な問題であります。日本人は、人口減少、少子化対策、地球温暖化対策、原発汚染対策など、見たくないことから目を背けることなく、解決していく政治を目指さなければならないと述べています。全く同感であります。  丹羽さんの指摘のように、日本からアメリカへの余りにも少ない留学生、この大きな差について知事の感想を伺うとともに、福井県独自での県内大学の留学生対策と県内大学生の海外留学生増加対策の進め方について、知事の対策を伺います。
     今回の視察で、皆さんに分けた写真の観光名所、張家界の広大さ、中国の国立森林公園の安全な道路や7.5キロのロープウエイの完成度の高さと観光客の多さに驚きました。福井県の国定公園整備や今回の三方の年縞施設整備も関係しますが、大型インフラ整備は、国の全面的支援でやる必要があります。もう一つの驚きは、国家重要インフラ整備の早さです。私ども、名古屋から浦東空港へ、そこから長沙空港でおりて会議へ、会議終了後、張家界までは高速道路で快走。政治体制が全く異なり、社会主義体制でインフラ整備を早め、その上に資本主義経済が成り立ち、GDPは世界2位、14億人の胃袋、内需の大きさと進学率、留学率の高さ、10年後にはアメリカをも追い抜くでしょう。一部、大変粗雑さもありますが、考えさせられます。  丹羽さんの著書では、日本が生きる道は三つ。一つは技術、中小企業の技術者、第二は観光で世界から信頼される観光条件の整備、三つ目は農業分野で科学技術の結晶で世界一の農業国になること。この三つに共通している日本の将来を決定する唯一の王道が教育だと指摘しています。  しかし、その教育も、世界で、OECD先進国34カ国で日本が高等教育に使っているお金は最低クラス、4年制大学進学率は、皆さんに配付した表にも出ていますように、世界平均で62%ですが、日本はたったの51%。韓国は70%、アメリカは72%、オーストラリアは90%に上っています。GDPに占める教育全体の公的支出は、最低の3.5%で34位の最下位。日本の貧富の差による進学差別も是正すべきであり、教育を充実させ国の未来を形づくることの重要性を丹羽氏は何回も指摘しています。  丹羽さんの見解に感動したので、大変参考になると思い、長々と説明しました。日本での少人数学級の増加、高校授業料の無償化など、少し進んだところもありますが、大学進学率や海外留学生の停滞など、他国に比べ進んでいないところが多いわけです。  そこで、日本の教育のおくれている現状についての知事の見解を伺うとともに、知事は次世代に向けた日本の人材育成をどのように進めていこうと考えているのか見解を伺います。  このような状況の中で、来年は日中国交回復45周年を迎えます。福井県と浙江省は20年余り友好姉妹省県でもありますし、3年前の訪中から青少年交流などを進めてまいりました。今回も知事を先頭に相互訪問や記念行事を持つように検討したらと考えますが、知事の見解と見通しを伺います。  さて、最後に上海事務所を訪問して、所長から説明を受けました。福井県の進出企業の伸び率、収益率なども大きな話題でした。上海事務所を中心とした福井県の経済支援活動、特にどのように販売網をつくり、収益を上げていくのか、上海事務所の実績と課題を伺います。  また、今は中国でもインターネット販売の時代です。福井県が県産品、伝統工芸品のホームページをつくり、インターネット上で総合的なポータルサイトを立ち上げ、市場を拡大していくことを提案します。これまでの取り組みと今後の課題を伺います。  質問の第二は、教育行政についてであります。  知事の提案理由の説明で、今年度の全国学力・学習状況調査の結果が9月に発表され、小中学生が調査導入時から全教科で連続全国トップクラスになっていることを評価しています。その上に、明らかになった課題に対応するため、指導のポイントをわかりやすくまとめて手引きをつくり、今月の県独自の学力調査に生かしていくと、知事が事細かに述べていますが、一般的に教育方法は教育の専門家に任せたらどうかと思います。  しかし、行政のトップが熱心な取り組みでありますので、対応も早いと思います。この明らかになった課題の内容とこれからの指導見通しを伺います。  教育行政の2点目は、公立で県内唯一の中高一貫校である高志中高一貫校の特色について伺います。  ここでは、ふるさと学習プログラム、キャリア形成のプログラム、課題探求プログラムを柱として、高志学など独自の授業を取り入れています。開校2年目となり、部活動も運動部、文化部で13もあり、中体連にも参加しています。  私は、県議会の視察で中学校の授業を、福井教育フォーラムの折に高校の授業を参観させていただきました。高志高校1年の英語は、日本の留学生が減少しているので文科省が留学を進めている事業の一つでもあり、それに関した「Let's think about going abroad 飛び立て!留学ジャパン」の文章を読んで留学を考えさせるものでした。両方参観して驚いたのは、オールイングリッシュの授業でした。また、これからは世界で活躍するため、留学やホームステイを促進して身につく英会話や英語力が求められます。  そこで、英会話を含めた英語力の育成方針と中学校3年終了時と高校卒業時の達成目標を伺います。  また、これまでの暗記中心の大学受験勉強と大学に入ってしまったら勉強しない日本の大学の現状では、激変する企業や研究において世界に通じないとの反省から、文部省もようやく重い腰を上げ、間もなく大学入試も思考力、判断力、表現力を問う入試に変わることになりました。  そこで、高志高校も含めた福井県の今後の大学入試対策について、県教育委員会の指導方針と具体的な対応策を伺います。  教育行政3点目は、地方創生に果たす大学の役割について伺います。  山本幸三地方創生大臣は、11月2日に開催された日経新聞の地方創生フォーラムの中で、東京への一極集中がますます加速している。東京から地方への人の流れを確実にするためには、進学や就職時に若者に地方へ目を向けてもらうことが重要だ。政府は、全国の大学や自治体のインターンシップ情報をまとめた地方創生インターンシップポータルサイトを開設し、地元大学への進学や地元企業への就職を促進する。自治体においては、奨学金返済支援体制も構築されつつある。地域創生の実現には、産官学、金、労、言、士の協力が不可欠だ。大学は、その中の地(知)の拠点として、人材育成、地域活性化の原動力になってほしいと述べています。  これが、福井県ではなかなか見えてきません。今まで私が長年要望してきた中で、わずかな入学定員の増加や大学連携センターは進みましたが、2,200名という少ない定員に対する定員枠の拡大、あらゆる県内企業に対応するため、ない学部の新設などは進んでいません。  そこで、地方創生大臣の言う地方創生に果たす大学の役割を踏まえた、福井県の大学の役割の現状と課題について伺います。  次に、大学生の奨学給付金について伺います。  山本地方創生大臣は、自治体においては奨学金返済支援体制も構築されつつある。地方創生とは、若者が高所得と安定した雇用を得ることが大事だと、大変楽観的に述べています。これまでの政府の規制緩和などにより、勤労者の約4割もの方々が非正規社員で生活保護者世帯並みの低い所得、ひとり親家庭の増加と低所得の中での教育費の増大の中で、大臣は、自治体においては、奨学金返済支援体制も構築されつつあるなどと述べています。  しかし、私どもの政権時代につくり上げた高校生の授業料無償化制度のように国がしっかりと教育費をつけて、国家として進学率を上げるためにも、給付型奨学金制度にすべきと考えます。  そこで、大臣が言う県独自の、あるいは市町の奨学金返済支援制度の県内構築状況について、知事の見解を伺います。  最後に、農業問題について伺います。  先日、11月11日には福井県農業委員大会に参加し、11月20日には坂井北部丘陵の果樹や畑作物を視察してきました。管理され、しっかり育っている果樹や畑作もあれば耕作放棄地も多くあり、残念な思いもありました。  さて、今回の改正農業委員会法の施行により、農地利用の適正化の推進が農業委員会の重点必須業務として位置づけられました。そこで、担い手が安心して農業に取り組むため、畑作地帯における戦略作物への支援についてという要望がありました。人手不足や園芸作物の価格の低迷などにより、県内畑作地帯での農地の遊休化が拡大し、福井県有数の畑作地、三国や芦原においても遊休地が拡大し、その対策として大豆やソバの作付が行われていますが、これらの価格は再生産可能なものとはなっていません。  まずは、県内及び坂井北部丘陵地での耕作放棄地の現状を伺うとともに、これまでの対策と今後の課題を伺います。(資料提示)  これが北部丘陵の耕作放棄地の図です。赤が原野化されたところです。緑は機械を入れれば耕作が可能なところです。黄色は大型機械を入れないととても耕作地にはなれません。一番進んだ畑作地で、パイロット事業など、多くの投資をしてきた県内有数の畑作地帯においても、これだけ耕作放棄地が拡大しているという状況です。これは大変大きな課題だと思っております。  また、耕作地全体としては、特に皆さんに分けた表にもありますが、敦賀市が25%、高浜町も36%と極めて高い耕作放棄率の市町もある中、水田フル活用の戦略作物については、水田活用の直接支払いが行われておりますが、同様の支払い内容を丘陵地にも措置してほしいとの要望が耕作者から出ています。  そこで、県としての見解を伺うとともに、県としても国へ強く要望すべきと考えますが、知事の見解を伺います。  知事と農林水産部長との政策合意では、今年度の目標で「九頭竜川地域農と水振興ビジョン」でコシヒカリの生産をパイプライン通水エリアの全域で行いますとありましたが、累計で4,500ヘクタールの目標は達成したのかを伺うとともに、今年度の通水エリアの米の品質は向上したのか、販売価格の動向はどのような傾向にあったのか伺います。  以上、大きく3点の質問をしましたが、明快な答弁をお願いして質問を終わらせていただきます。 5 ◯議長松井拓夫君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 6 ◯知事西川一誠君) 山本正雄議員の一般質問にお答えをいたします。  まず、これからの日中友好であります。  この問題に関連いたしまして、日本から米国への留学生が少ない、県独自で県内大学の留学生対策、また増加対策を進めるにはどうしたらいいかとの冒頭の御質問です。  国際化が進む世界経済において、語学力やコミュニケーション能力を身につけ、国際的に活躍できる人材を育成することは、アメリカに限らず大事なことであります。日本は、世界的にも古い一貫した歴史を持った国でありまして、日本語をもって大抵のことは、情報処理なども済んでしまうという、そういう恵まれた条件で生活していますので、海外というものについて、ともすればおろそかになっていることがあると思います。  このため、県内大学においては留学生対策を強めており、福井大学がこの春、全ての学生に留学を勧める国際地域学部を開いております。一方、県立大学では、国際担当部局を強化し、これまでの海外の12の大学に加えまして、10月にアメリカ・フィンドレー大学と協定を締結しております。また、福井工業大学は、東南アジアへの留学拠点としてバンコク事務所を開設しております。  本県独自の対策といたしましては、福井県アジア人材の基金──これは県が出資しておりますが、海外留学支援奨学金を設け、平成27年度には長期留学の29人に貸与、支給をするなど、留学促進を図っております。  いずれにしても、留学というような言葉がもう古い言葉になるように、そういう時代を早くつくる必要があると、このように思っております。  次に、この日本の教育の問題でありますが、国際的な環境の中で人材をどう育て、学力をどう上げていくかという御質問です。  OECD学力到達度調査や先日発表がありました国際数学・理科動向調査の結果では、日本の子供たちは幸い高い学力を持っているという結果が出ています。大学進学率については、外国では社会人になって大学生になる方が非常に多いわけでありまして、日本は終身雇用とかいろいろな条件があったり、高校を卒業して大学に入るのがほとんどだというようなこともございまして、一般的な条件は異なっておりますが、大学で学ぶという割合をもっともっと高める必要があると思います。  また、教育投資でありますが、この金額はGDPに対する割合は世界的に低いんですが、しかし大学生1人当たりの年間支出という計算をしますと、あるいは小中学校の児童生徒1人当たりの先生の数は、主要先進国に相並ぶ高い水準であるということは事実であります。  教育においては、先生というか教員の役割が何よりも大切でありまして、教員の指導力を高める必要が第一であります。また、国の責任として、少人数学級の編成、発達障害児への対応など、地方、地域に配慮した教員の配置拡充を進める必要がございます。  県としては、子供が国際的な幅広い考えを持てるよう、高校生100人の海外派遣、長期留学の支援、遠隔システムによる外国との交流、また、ふるさとを英語で紹介する活動などを進めておりまして、国際的に活躍できる人材をさらに強化してまいりたいと考えます。  次に、本来の日中友好の御質問でありますが、来年の日中国交回復45周年に当たり、浙江省と相互訪問、記念行事を持つように検討してはどうかとの御質問です。  中国との交流については、友好提携協定を締結している浙江省を中心に、技術研修員の受け入れ、中国語研修生の派遣、経済団体による交流などを進めております。私自身も2年前には、県議会日中友好議員連盟の皆さんと友好提携20周年の機会に浙江省を訪問しております。その場で中学生の相互の派遣について合意をいたしました。また、昨年は5月でありましたが、全国の日中観光文化交流団の一員として北京を訪問し、本県の観光PRなども行っております。浙江省からこの機にいろいろな議論がありまして、100名の高校生が来県をしております。  来年度は、国交回復45周年に当たるということで、日中友好協会において記念事業を行うと聞いており、国や日中友好協会の動きを見て対応してまいりたいと考えます。  次に、教育行政の中で、地方創生担当大臣のおっしゃっておられる地方創生に果たす大学の役割を踏まえた福井県の大学の課題を解決すべきではないかとの御質問です。  地方創生には、次のような三つのこと、地域の自立を支える地方自治体が健全であること、それから地域の立場で論じるメディアの存在が必要であること、そしてグローバルな視点で多様な教育研究を行い、文化の拠点となります大学の存在が欠かせないことがあるかと思います。  福井県では、全ての県内大学で、地域の風土や企業を学び、その課題解決のノウハウを身につける「ふくい地域創生士」の認定制度を全国に先駆けてつくりました。地域に根差した人材育成や定着を進めています。  進学をきっかけとする地方からの若者流出に歯どめをかけるには、大学の東京一極集中を是正するとともに、地方大学の定員をふやすなど、学生の確保が急務であると思っておりまして、こうした傾向が今は非常に強くなっているわけであります。このため、全国知事会──先月末に開かれたのでありますが──において、各県知事からは、東京23区内の大学、学部の新増設を抑制すべきであると、また、授業料の軽減などを行う地方大学に対する特別財政措置について、国に対し、共同して要請をしているのであります。  また、この問題に関連し、市町のいわゆる奨学金返還支援制度の県内全体の構築といいますか、これについてどう考えるかとの御質問です。  福井県では、今年度から、県内大学等の卒業生が県内において建設業や薬剤師など、人材不足の業種や職種に就業された場合に、奨学金の返還を応援する制度を始めています。30名の募集をいたしましたが、現在20名の応募があります。なお、同様の事業は全国でも約20の県が始めております。  県内の市町においては、敦賀市、大野市、越前市がその町に在住をされることを要件に、返還を免除する独自の奨学金制度を持っております。また、新しくこの制度を検討している市や町もあります。  現在、国において給付型の奨学金の検討が進められておりますが、8月に13県のふるさと知事ネットワークとして、山本大臣に地方で学ぶ学生に優先給付する仕組みなどを提言しており、そうした検討もぜひ必要であると考えています。  次に、農業問題であります。  コシヒカリの生産をパイプライン通水エリアで行い、累計4,500ヘクタールを目指した政策合意は達成したのか、また、九頭竜川パイプラインによって、米の品質や販売価格によい影響を与えているかとの御質問です。  この4月から、長年の事業でございました九頭竜パイプライが皆さんの努力によって全面通水し完成をしたわけであります。きれいで冷たい水を使って夜間かんがいを実施しておりますが、その結果、コシヒカリの品質は、夏の暑さにより米が白濁することがなく、1等米比率は97.3%と県全体の平均より2.8%よくなっています。また、食味についてでありますが、たんぱく含有量の低さというのが問題なんですが、それは5.5%でありまして、県平均よりも0.3%よろしいということで、おいしいお米となっています。  お値段でありますけれども、通常の県産コシヒカリが10キロ当たり4,000円でありますが、パイプライン水を用いて栽培した米は5,000円で販売されています。さらに、クリムソンクローバーを土壌にすき込んで肥料したお米は5,500円、さらに農薬を減らし自然にはさ場で天日干ししたものは1万円ということで、高価格で販売しているという結果が出ております。  その他については、関係部長から答弁します。 7 ◯議長松井拓夫君) 産業労働部長片山君。     〔産業労働部長片山富士夫君登壇〕 8 ◯産業労働部長片山富士夫君) 私からは、日中友好について2問お答えいたします。  まず、上海事務所を中心とした県の経済支援活動、特にどのように販売網をつくり上げ、収益を上げていくのか、上海事務所の実績と課題についてでございます。  中国におきましては、経済発展に伴います人件費の高騰等により、製造拠点の進出が一段落する一方で、内需が拡大しており、上海事務所におきましても、近年、販路開拓に重点を置き、県内企業を支援しているところでございます。具体的には、中国国内の市場情報の収集、提供のほか、進出企業のニーズに合った現地取引先を紹介することによりまして、過去5年間で106件の販路開拓を応援しております。また、昨年度は、11件の販売製造拠点の開設を応援しておりまして、その投資額は約10億円となっております。  今後は、県内企業から問い合わせのある衣料品や化粧品などについて、中国国内における新たな取引先を開拓し、県内企業の事業拡大を支援していきたいと考えております。  次に、福井県が県産品、伝統工芸品などについてインターネット上で総合的なポータルサイトを開設することの御提案でございます。  これまでの取り組みと今後の課題でございますが、現在、国の電子商取引に関する市場調査によりますと、日本から中国へのネット通販による販売額は、平成27年の約8,000億円から平成31年には約2兆3,000億円に拡大すると見込まれております。県産品の販売方法として有効な手段の一つであると考えております。既に多くの日本企業に加え、一部の県におきまして天猫──天の猫と書きます──や京東──京都の京に東と書きます──などの中国国内の大手通販サイトを活用し、販売を行っているところでございます。  県では、上海事務所やジェトロを活用いたしまして、海外ネット通販の効果と課題等について、県内企業への情報提供を行っているところでございますが、先に中国の通販サイトに出店した他の県の事例を聞きますと、認知度の向上でございますとか、あるいは出店者の募集が課題であるということです。こうしたことも参考にしながら、今後の対応について検討していきたいと考えております。 9 ◯議長松井拓夫君) 農林水産部長中村君。     〔農林水産部長中村保博君登壇〕 10 ◯農林水産部長中村保博君) 私から、農業問題について2問お答えをいたします。  県内及び坂井北部丘陵地での耕作放棄地の状況、それとこれまでの対策と今後ということでございます。  農林業センサス、平成27年が最新データでございますが、本県の耕作放棄地は1,974ヘクタール、平成22年──5年前より236ヘクタール増加をしております。ただ、耕作放棄地の割合につきましては、全国において4番目に低いという状態にはなっております。また、同じく平成27年の坂井北部丘陵地の耕作放棄地は79ヘクタールで、これも5年間で2ヘクタールを一応減少させております。いろいろせめぎ合いをしているような状況でございます。  県では、耕作放棄地の解消や発生防止を図るため、これまで農地中間管理事業を利用しました農地の集積だとか、集約化を図ってまいりましたし、認定農業者やJAの広域の作業受託組織をつくりまして、これで農作業を請け負い、応援するというような仕組みを進めております。さらに、多面的機能支払制度とか、中山間地域の直接支払制度を活用して、農地保全するという対策を行ってまいりました。  今後、これらの対策に加えまして、高齢化等によりまして農業従事者が減少して農地が出てくるということが考えられますが、園芸カレッジだとかには新規就農者がおりますので、新規就農者に対するその農地のあっせんを進めまして、新たな耕作放棄地の発生を抑制していこうと考えております。  次に、水田フル活用の戦略作物と同様の直接支払いを丘陵地でも措置してほしいという要望に対する、県の見解と今後の対応ということでございます。  この坂井北部丘陵地におきましては、栽培に手間をかけずに農地を活用できる作物として、ソバを120ヘクタール、大麦を20ヘクタール作付をしております。県では、耕作放棄地の発生防止のためには、ソバや大豆の作付というのを積極的に進めているわけでございますが、畑地の場合は、御指摘のとおり水田における生産に比べまして国の支援が低い、少ないということから、必然的に生産者の収益が低くなっているという状況でございます。  このため、県といたしましても、畑地に作付するソバとか大麦という戦略作物、これに対する支援を強化するよう、国に対して働きかけてまいりたいと考えております。 11 ◯議長松井拓夫君) 教育委員会教育長森近君。     〔教育委員会教育長森近悦治君登壇〕 12 ◯教育委員会教育長森近悦治君) 私から、教育行政について3点お答えいたします。  まず、全国学力・学習状況調査で明らかになった課題、これからの指導の見通しについてでございます。  全国学調におきましては、今年度も福井の小中学生は全ての科目でトップクラスとなっているところでございまして、課題といたしましては、国語では、文章だけでなく図や表などの資料を読み取り、複数の条件に従って記述する問題、また算数や数学では、答えを求めるだけでなくてその過程を論理的に説明するという問題の正答率が低いという状況でございました。  本県では、文部科学省の公表を待つことなく、調査実施後、速やかに独自分析を行い、7月には課題を克服するための「指導改善の手引き」を全小中学校に配布し、授業改善に生かしているところでございます。  今後は、県独自の学力調査において、この結果で見た課題というのがどれだけ改善しているかという状況を把握していくということにしたり、また、学力面で効果を上げている学校のすぐれた指導方法や教材を県が集約いたしまして、全小中学校で活用するなど、教員の指導力向上や授業改善をさらに進めて、学力の向上につなげていきたいというふうに思っております。  次に、高志中高での英語力の育成方針、また、中学3年、また高校卒業時の達成目標についての御質問でございます。  高志中学、高校では、6年間を通しまして、福井の企業や地域のことなど、ふるさと福井について学ぶ、また、さらには日本、世界のことについても学んで、そうしたことを英語でコミュニケーションができる語学力と国際感覚を養うことによりまして、社会をリードできる人材を育成していきたいというふうに考えております。  そのため、高志中学校では、中学3年において英検準2級以上、高校卒業時には2級以上を全員が取得することを目標としておりまして、さらに準1級にチャレンジすることも奨励をいたしております。また、英語の時間を週1時間多く設けまして、5時間のうち3時間はALTが授業に加わり、全ての授業をほぼオールイングリッシュで行っているところでございます。また、朝の学習時間には、NHKラジオ講座による学習やタブレットを用いた英語でのプレゼンテーションなど、こうしたことを行いまして、2年生では既に20名が英検準2級を取得している状況でございます。  続きまして、高志高校を含め、県の今後の大学入試対策について、指導方針、具体的な対応策についての御質問でございます。  文部科学省は、現中学2年生が大学受験をする平成32年度から、現行の大学入試センター試験にかえまして、思考力や表現力をはかる記述式の問題、また英語のスピーキングテストを含む新テストを行う方針でございます。  これに対応するため、県では、これまでの基礎、基本を身につける教育というのは重要でございますが、それに加えまして思考力や表現力、みずから考え行動する力を身につけるためのグループでの討論をするディベートや、実験、考察をまとめ発表する課題研究等のアクティブ・ラーニング、これを推進しておりまして、既に各校では教科ごとの授業改善を進めているところでございます。  また、英語につきましては、授業での英語によるプレゼンやディベートを行うとともに、英検等の受験料の補助、また高校入試での英検の活用により、子供たちの意欲を高め、話す力を伸ばしていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 13 ◯議長松井拓夫君) 山本正雄君。  山本正雄君に申し上げます。発言時間が残り少なくなっておりますので、発言は簡潔にお願いいたします。
    14 ◯28番(山本正雄君) わかりました。  それでは、農林水産部に1件だけお願いします。  先ほどの耕作放棄地の問題ですが、センサスは5年に一度。現地へ行くと半分以上が耕作放棄地のようになって絶対つくられていないんですね。福井県全体で、総合的な水田全体での畑作物と園芸作物との調整を図らないと商売にならないと、畑作だけでやっていく人がどんどん減ってしまう。こういう状態ですので、全体計画をきちんとつくっていただきたいと思います。 15 ◯議長松井拓夫君) 農林水産部長中村君。 16 ◯農林水産部長中村保博君) 園芸につきましては、坂井北部丘陵地を中心に、それから嶺南はまた異なった方針を立てておりますし、我々の農業関係の基本計画の中で、一応基本的な5年間の計画は立ててございます。ただ、年を追うごとに状況は変わってございますので、それも随時見直しをさせていただこうと思っております。 17 ◯議長松井拓夫君) 田中宏典君。     〔田中宏典君登壇〕 18 ◯22番(田中宏典君) 県会自民党、田中宏典でございます。事前の通告に従いまして、この本会議場でのことし最後の一般質問をさせていただきたいというふうに思っております。  質問の1点目は、エネルギー政策についてであります。  初めに、「もんじゅ」についてお伺いをいたします。  11月30日、政府は廃炉を前提に見直す高速増殖炉「もんじゅ」にかわる高速炉の方向性を議論する高速炉開発会議の第3回会合を開き、2017年に初頭から開発方針の工程表策定を始めるとした骨子案を示しました。作業部会を新設し、2018年をめどに工程表をまとめ、今後約10年間で取り組む課題などを具体化させるとしています。  会議においては、「もんじゅ」は再稼働しなくても、既存施設の活用でほぼ同様の技術的知見が得られると確認しております。国は、我が県に引き続き高速炉の研究開発の中核になるよう求めており、「もんじゅ」は廃炉の場合にもこれまでの成果を生かすために活用手段を探る。これで年内にも正式決定される廃炉後の高速炉開発の方向性がほぼ固まったと言えるのではないかと考えております。  骨子案では、「もんじゅ」などで得られた人材を活用しつつ、高い安全性と経済性の同時達成を目標に掲げ、フランスの高速炉実証炉「アストリッド」や高速実験炉「常陽」などを活用し、国際協力と国内の研究開発が相乗効果を生み出す体制を構築するとしております。  11月25日に開催された「もんじゅ関連協議会」で知事発言された、「もんじゅ」の運営、安全管理体制の確保について言及がなかったことも含め、知事の御所見をお伺いいたします。  政府は、年内に原子力関係閣僚会議を開き、「もんじゅ」の扱いとあわせ、高速炉の開発方針を正式決定するとしています。また、12月2日には、「政府は、「もんじゅ」の廃炉に向け、県内に研究用原子炉を新設する方向で調整に入った。「もんじゅ」のある敦賀市内を念頭に、設置場所を今後選定する。月内に開く関係閣僚会議で計画の概要を提示し、「もんじゅ」の廃炉も最終決定する」というような報道もなされております。  11月25日に開催された「もんじゅ関連協議会」での、高速炉研究開発の中核、人材育成の拠点、エネルギー研究開発拠点化計画を福井県とともに進めたいということを伺うと、これまでの国のかかわり方が大きく変化しているようには考えられません。「もんじゅ」の廃炉や新しい高速炉研究開発の受け入れを前提として話し合っていかなければ、話が前に進まないような気もいたします。拠点化計画の推進にもつながっていないのではないかというふうにも思います。  「もんじゅ」の扱いや新たな高速炉の研究開発について、知事はどのようなスケジュール感でおられるのか、今後、年末までに、どのように国に対し働きかけをしていかれるのか、改めて御所見をお伺いいたします。  昨日の深夜でありましたが、県内波のある番組の再放送で「もんじゅ」について議論をしておられ、思わず見入ってしまいました。敦賀市の皆さんの気持ちを少しはかいま見られたような気もいたしております。  また、先日の代表質問、答弁におきましては、本県の求めた事柄や、特に地元敦賀市の提案をしっかり受けとめながら、全体として、政府として、こういった事業をいかに具体化するのかの方策をお聞きする局面であると発言されております。  県議会において、このことについて十分に理解をして、国に対し意見を述べていく必要があると考えておりますので、福井県が求めた事柄、また敦賀市の提案がどのようなものであるのか、具体的にお示しをいただきたいと思います。  次に、1市町1エネおこしプロジェクトについてお伺いをいたします。  このプロジェクトは、県が平成24年から実施しており、地球温暖化防止とエネルギー供給力強化の両方に資するエネルギー源の多角化を、地域の活性化、町おこしにも役立てるために、1市町1エネおこしを目標に掲げ、県内各地域の特色を生かした再生可能エネルギー事業を推進しております。市町や事業者など、さまざまな主体の参画により、県内全ての市町で、できるだけ多くの再生可能エネルギー事業を定着させることを目指しております。一般家庭におきましては、太陽光発電の導入を促進するということで、地球温暖化防止活動を推進しております。  再生可能エネルギーは、基幹電源とはなり得ませんが、地球温暖化防止対策のPRや地域の活性化、町おこしには十分役立つものと考えております。地域主導型再生可能エネルギー等事業化促進事業──1市町1エネおこし事業でありますが、この事業について、各市町における導入状況など、現状と課題、今後の方針について所見をお伺いいたします。  ことしの2月に関西環境フォーラムが主催いたしました、地球温暖化対策シンポジウムに参加いたしてきました。シンポジウムでは、横須賀市やトヨタ自動車など、公的な機関や企業がそれぞれの取り組みについて紹介されておりましたが、私が一番注目をいたしましたのは、長崎県五島列島の椛島沖で進められておりました国内最大規模の洋上風力発電の実証実験の報告で、その中でも余った電力で水素をつくり、二酸化炭素を排出しないエネルギーとして活用する取り組みでございました。余った電力と言いますと聞こえはいいのでありますが、実は発電能力は一般家庭およそ1,800世帯分を賄える2メガワットに上るものの、送電線の容量が小さく、電力が余る状態となって、その電力を使って水から水素をつくるというもので、洋上風力発電のメンテナンスに使う船舶の燃料を水素、燃料電池に転換し、動力機関をモーターに変更して活用するというもので、風力発電とあわせて燃料電池船の実証実験についても報告をされておりました。  その後、資源エネルギー庁と環境省に出向きまして、燃料電池船の可能性について調査をいたしてまいりました。十分に漁船に転用していくことができるのではないかというふうに私は考えております。また、火力発電で得た電源で水素をつくるのでは本末転倒であり、風力や太陽光などの再生可能エネルギーのサイクルの中で完結させることが理想であるとも考えております。  私の地元、おおい町、高浜町には、それぞれ関西電力が設置いたしました500キロワットの太陽光発電所があります。また、漁業を町の重要な産業として位置づけている町でもありますが、燃油の高騰や魚価の低迷など、漁業を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。燃料電池船の技術が漁船に転用できれば、大きな効果も得られるというふうに考えております。  環境省の委託事業にエントリーをして、再生可能エネルギーから水素、燃料電池、漁船へと活用していく実証実験に取り組んではどうかと提案をいたします。知事の御所見を伺います。  質問の2点目は、交通インフラのネットワーク化についてお伺いをいたします。  少子高齢化が急速に進む我が国にとって、社会保障や子育ての支援など、ソフト面での人口減少対策は喫緊の課題でありますが、東京など都市部への人口集中による人口の偏在だけではなく、一つの町の中でも人口構造だけではなく人口が偏在し、まちの形が大きく変わってきている町も少なくありません。  代表質問でも新幹線駅の周辺のみならず、その他の地域のまちづくりの重要性について言及をいたしました。それぞれの地域のまちづくりを進めることも重要でありますが、在来線の駅をおりてからの二次交通が十分でないことや、今後、限界集落と呼ばれる地域がふえてくること、住宅地、新たな観光地、観光資源など、それぞれの地域を結ぶ鉄道や道路など、人の動きを十分把握、検討しながら、交通インフラの再整備を計画的に進めていくことも重要な課題であると考えております。  そのような観点から、在来線の駅からの二次交通の現状と課題をどのように捉えておられるのか、また、今後の対応について御所見をお伺いいたします。  集落と集落を結ぶ道路や市町を結ぶ道路についても再検討が必要と考えますが、維持管理面も含め現状と課題をどのように捉えておられるのか、また、今後の対応について御所見を伺います。  住民生活にとって、物の流れについても重要な要素であると思います。先日の参議院予算委員会におきましても、ある議員が、新幹線ネットワークを活用した貨物輸送について提案をされておりました。新幹線は人を運ぶものという固定観念のあった私にとっては、なるほどと考えさせられる国会でのやりとりでありました。人の流れは鉄路、物の流れは道路で形成されるというふうに私は考えておりますが、もう一つの重要な要素は航路であります。  県内には福井港、敦賀港の2カ所の拠点港と、先般、整備事業の再開を決定いただきました内浦港を合わせ、三つの貿易港がございます。それぞれの港での輸出入などを、より活発にしていくためには、港湾施設の整備だけではなく、周辺地域からの流れをよくしていくという取り組みが必要であるのではないかと考えております。  物流の拠点となる県内港湾施設への高速道路等からのアクセス、利便性の向上についても進めていく必要があると考えますが、それぞれの現状と課題、今後の対応について御所見をお伺いいたします。  北陸新幹線敦賀以西ルートの検討も自治体沿線のヒアリングも終了し、いよいよ大詰めを迎えております。我が県が主張する北陸新幹線、小浜京都ルートの早期整備のためにも、そして財源をしっかり確保していくためにも、ルートの決定後、速やかに財源の議論とあわせ次の整備新幹線の議論を進めていく必要があると考えております。  今このような議論をするべきではないのかもしれませんが、一般論として、将来的な新幹線の全国のネットワーク化の必要性について、知事がどのようにお考えになっているのか、御所見を伺いたいと思います。  質問の3点目は、地方創生についてであります。  10月30日、高浜町、おおい町の御協力をいただきまして、高浜町において石破茂前地方創生担当大臣をお招きし、「若狭地域における地方創生に向けた取り組み」と題し、御講演をいただきました。会場には、高浜町、おおい町の住民を初め、敦賀市長、若狭町長、京都府の舞鶴市長、南丹市長にも出席をいただき、盛大に開催することができました。県嶺南振興局からも多くの職員の皆さんに参加していただき、改めて御礼を申し上げたいと思います。  講演では、日本の抱えている課題、高齢化や人口減少問題を解決していくために、今、地方創生に取り組むことの意義や必要性、東京一極集中の是正、広域連携の必要性など、高浜町から敦賀市までのそれぞれの市町の観光資源等を例示しながら、具体的な示唆をたくさんいただけたというふうに思っております。  新聞報道では、新幹線のルートに言及したように書かれておりましたが、実際の内容は、参加していただいた住民の皆さんからも、「すごくわかりやすかった」、「地方創生で自分たちに何ができるのだろうか」、「何かしなくては」、「もっとたくさんの人に聞いてほしかった」、「自分の仕事を再検証しなくては」というような声をたくさんいただきました。地方創生は、行政だけではやく、国民一人一人が意識を持って取り組んでいかなければならない課題であると御示唆をいただいたのではないかと考えております。  藤田副知事にもそのときの様子をDVDでごらんいただきましたが、福井県の地方創生、人口減少対策の現状と課題、今後いかに進めていくのか、人口減少対策推進本部の本部長でもあります副知事の御所見を伺いたいと思います。  県外の大学等に進学した若者のUターン就職状況は、この10年、25%前後で推移をしております。平成28年3月のデータを見ますと、少し増加し、およそ2,700人が大学や短大を卒業し、約29%の若者がこの福井県に帰ってきてくれています。  しかしながら、福井県の地方創生を実現していくためには、あらゆる政策を講じ、この数字を上げていく努力が必要であります。また、産業構造や立地する業種などでのミスマッチや就労先そのものの減少で、Uターンをしたい学生が希望する働く場所が少ないという課題もあり、地域によって格差が生じている現状であると思います。  特に、若者流出が顕著な嶺南地域における地方創生、人口減少対策の現状と課題について所見をお伺いいたします。  地方創生戦略については、市町村や都道府県の地域間競争をしているだけでは、真の地方創生や人口減少対策につながらないというふうに考えます。それぞれの地域を理解し合い、役割分担をしながら、お互いがウィン・ウィンの関係にならなければ、東京一極集中の是正にはなりませんし、一過性のものに終わってしまう可能性もあります。県内市町や他府県、周辺市町村との連携、府県間の連携が必要であると、これまで一般質問や予算特別委員会の質問等で繰り返し提言をさせていただいております。  また、ことしの4月以降、広域連携による地方創生を実現していく必要があると考えまして、高浜町とおおい町、そして大飯郡に隣接する4市──小浜市、舞鶴市、綾部市、南丹市──嶺南振興局、そして京都府のほうに提案をさせていただいて、地方創生の新型交付金に対応すべく話し合いを始めていただきました。これまで、民間の関係性は深いものの、行政的なつながりが希薄な地域間の連携だけに、進め方が大変難しいというふうに考えておりますが、嶺南振興局においても、ことし6月からかかわっていただいて進めていただいております。  京都府北部地域の3市──舞鶴市、綾部市、南丹市との連携については、今どのようになっているのか、現状と課題について所見をお伺いいたします。  以上で、壇上からの一般質問とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。 19 ◯議長松井拓夫君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 20 ◯知事西川一誠君) 田中宏典議員の一般質問にお答えをいたします。  まず、エネルギー政策についてであります。  11月30日の高速炉開発会議において、「もんじゅ」の運営、安全管理体制の確保について言及がなかったことを含め、この問題についての考え方はどうかということであります。  先月30日に開かれました高速炉開発会議においては、国のほうからは、オールジャパン体制で今後の高速炉開発を進めるとの方針案などが示されております。その一方で、「もんじゅ」の安全のための運営体制の検討については、不明といいますか、ないがしろの状態にあります。  県としては、「もんじゅ」を引き続き運転する場合であっても、国が言っているような廃炉という議論がある場合でも、ナトリウムを扱う「もんじゅ」を安全に管理する体制を整備していくことは不可欠と考えます。このため、国に対し、責任を持って「もんじゅ」の安全、そして運営体制の整備を行うよう、繰り返し強く求めており、国においては具体的な方策を示すべきと考えます。  次に、「もんじゅ」の扱いや新たな高速炉の研究開発についてのスケジュール感、また、今後、年末までにどのようにして国に働きかけていくのかとの御質問です。  国は、「もんじゅ」の取り扱い方針について、高速炉開発の方針とあわせて、年内に原子力閣僚会議において決定するとしており、先月30日の高速炉開発会議では、高速炉開発の方針の骨子案が示されています。  これに先立ち、25日に開かれました「もんじゅ関連協議会」においては、国から、「もんじゅ」を含む周辺地域について、引き続き今後の高速炉開発の中核や人材育成の拠点としての役割を果たしていただきたい、国として引き続きエネルギー研究開発拠点計画を県とともに進めていきたいとの考えが示されましたが、なお抽象的なレベルにとどまっています。したがって、この問題の解決がこれから必要ということになります。  次に、「もんじゅ関連協議会」において、福井県が求めた事柄、また敦賀市からの提案など、どのようなものがあるのかとの御質問です。  福井県としては、「もんじゅ関連協議会」において、一つは、今後の高速炉開発において「もんじゅ」をどのように位置づけ、活用するのかそのやり方、それから、国が責任を持って「もんじゅ」の運営体制の整備を進めるその仕方、また、福井県敦賀市においてどのような研究開発や人材育成を行っていくのかその体制などについて、具体的な方策を示すよう求めております。  また、敦賀市においては、近隣の六つの市町とともに進めている「ハーモニアスポリス構想」の一環として、今後、成長が期待される水素エネルギーを活用した産業づくりを目指すとしているわけでありまして、この要望も反映する必要があると考えています。  次に、交通インフラのネットワーク化についてであります。  在来線駅からの二次交通の現状と課題をどう捉えているか、今後と対応はどうかということであります。  例えば、福井駅では、今年3月の西口ターミナルの開業や福井鉄道等の延伸によりまして、二次交通の結節が強化されています。他の在来線駅の状況については、主要駅において路線バス等が接続はしていますが、全体として利用者がこの10年間で3割程度減っておりまして、路線の廃止や減便の議論があるわけであります。  また、市町が路線バスの代替として運行しております、いわゆるコミュニティバスや乗り合いタクシーなどについても、市町の負担が大きくなっており、県ではこれらの維持に支援を行うほか、「高速交通開通アクション・プログラム」に基づき、地域の公共交通の充実を応援する必要があると考えております。また、集落などでは、予約型のデマンドバスに加えまして、自家用車での送迎、交通空白地有償輸送の導入などにより、高齢者の移動手段に努める必要があります。また、県外客の移動につきましては、コミュニティバスの土日利用、観光地への特急バスの運行、ICカードの導入など、周遊性を高める方策を市や町、交通事業者とともに検討してまいります。  次に、交通インフラの関係で、将来的な新幹線の全国ネットワーク化の必要性について、どう考えるかとの御質問です。  新幹線網の全国ネットワーク化は、国土の均衡ある発展や災害に対する国土づくりなどに役立つものでありますが、一方で、この投資効果や営業主体であるJR等の収支採算性、また安定的な整備財源等の確保が必要でありまして、それなしでは新幹線に対する国民の支持や信頼は得られないというのは、過去の歴史からもわかるわけであります。  敦賀以西のルートの決定に当たりましては、今我々がかち取ろうとしている整備新幹線と基本計画路線は切り離して考えなければなりません。今はまず、整備新幹線を一日も早く完成させることが重要であり、北陸中京新幹線など基本計画路線や関西国際空港への延伸などは、次の段階の議論であると考えます。  小浜ルート、また大阪までの決定は、なお予断を許さないとの考えのもと、引き続き県議会、市町、経済界とともに、県内一丸となって全力を挙げてまいる考えであります。  その他については、関係部長が答弁します。 21 ◯議長松井拓夫君) 副知事藤田君。     〔副知事藤田 穣君登壇〕 22 ◯副知事(藤田 穣君) 私へは、地方創生について2点御質問を頂戴しております。  1点目は、福井県の地方創生、人口減少対策の現状と課題、また今後いかに進めていくのかというお尋ねであります。  人口減少対策の現状につきましては、昨年6月のUターンセンター開設以来、社会人のU・Iターンが年間で100人程度伸びており、今年度も目標である年間500人を超える見込みでありまして、学生につきましても今年4月のUターン率は約29%となり、過去10年で最高となってございます。一方、課題としては、女性の県外進学の増加やUターン率の低下などが挙げられるところであります。  こうした課題に対応するため、まず、女性活躍推進企業の認証や女性プラス1雇用企業への支援など、女性が働きやすい環境づくりを進めております。また、庁内におきまして、人口減少対策の本部会議を本年度これまで3回開催しておりますが、その中で、「幸福ふくい魅力プロモーション」など新たな施策の検討も進め、国の交付金等も活用しながら、9月補正に25の事業を盛り込ませていただいたところでございます。  オリンピックを控え、地方から東京圏への人口流出は、いまだとどまっておりません。毎年10万人を地方に戻すことを目標に掲げる国の総合戦略の着実な実行を求めつつ、県としても引き続き市町や大学、経済界などと力を合わせ、成果を上げていきたいと考えております。  2点目は、嶺南地域における地方創生、人口減少対策の現状と課題についてのお尋ねであります。  嶺南地域は、関西に近く、高校卒業後、進学する学生の8割以上が大阪や京都の大学などへ入学し、そのうちUターンして地元の企業等に就職する割合は2割未満と低くなっているのが現状でございます。  こうした状況の改善を目指し、若狭さとうみハイウェイの開通による高速交通を生かした企業誘致の強化を図っております。開通した平成26年からことしの11月までの企業立地件数は16件、新規雇用予定数は約570人となっておりまして、市町の産業団地整備とあわせ、働く場の確保に努めているところでございます。  また、嶺南は農業、水産業などの1次産業や観光のポテンシャルが高い地域でありまして、ミディトマトやイチゴなどの大規模施設園芸の産地化が進められるとともに、水産加工施設による地魚の加工、販売も始まっていることは御案内のとおりかと存じます。こうした可能性も生かしつつ、北陸新幹線の敦賀開業、さらには敦賀以西の延伸に向けて、「高速交通アクション・プログラム」に掲げるプロジェクトを市町とともに進めることにも意を用いながら、嶺南地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 23 ◯議長松井拓夫君) 総合政策部長山田君。     〔総合政策部長山田賢一君登壇〕 24 ◯総合政策部長山田賢一君) 嶺南振興局において進めております京都府北部地域の3市との連携についての現状と課題についてお答え申し上げます。  新幹線の開業によりまして、東西の人流──人の流れの結節点となります敦賀、そして嶺南一帯、さらには周辺エリアに、より多くの人や投資を呼び込むためには、県境を越えた市町の広域連携が重要となります。京都府北部との連携もその一環でございまして、現在、嶺南振興局と京都府の広域振興局が橋渡し役となりまして、地方創生の広域連携事業の採択に向けまして、6市町の間で情報交換を進めております。その中で、例えば日本遺産エリアとして一緒にPRできないかといったアイデアも出されておりますが、施策を具体化するためには、さらに協議を継続して、議論を深めていく必要があるだろうと考えております。  県としましても、こうした協議を積極的に促進したいと考えております。来年からは、滋賀、京都と福井の3府県で、鉄道遺産を生かした周遊ルートの営業なども共同で進めてまいります。こうした観光分野に加えまして、港湾の利活用によります物流機能の強化ですとか、農業、水産業の振興、移住、定住者の増加や2地域居住の促進などのテーマにつきましても、引き続き広域連携の可能性を検討してまいりたいと考えております。 25 ◯議長松井拓夫君) 安全環境部長清水君。     〔安全環境部長清水英男君登壇〕 26 ◯安全環境部長清水英男君) 私のほうからは、再生可能エネルギー関係の御質問について2点お答えを申し上げます。  まず、1点目でございます。  再生可能エネルギーの各市町における導入状況、現状と課題、今後の方針について伺うということでございます。  県では、平成24年度から1市町1エネおこし事業に取り組んでおります。エネルギーの地産地消、地域おこし、また防災力の強化という観点から、再生可能エネルギーの導入を進めているところでございます。これまで、17市町全てが地元の地域協議会などにおいて導入検討に着手をしております。  主なものといたしましては、大野市の間伐材を利用した木質バイオマス発電、それから敦賀市の廃油を利用したバイオディーゼル発電、それから小浜市の雪氷熱を利用して農産加工品を保存してそれを売っていくというような取り組みとか、あるいは、あわら市において温泉旅館への木質バイオマスボイラーの導入というようなところで、現在10市町で事業化が行われているところでございます。  一方、採算性などの課題から、対象とするエネルギー分野を再検討しているというような事例もございます。このため、県といたしましては、引き続き、市町に対して、新たに事業化が可能な分野を提案するとか、今後は、いわゆる電気だけでなく熱利用も含めて、全ての市町で再生可能エネルギー事業が定着するよう、積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。  2点目でございます。  再生可能エネルギーから水素、燃料電池、漁船へと活用していく実証実験に取り組んではどうかという御質問でございます。  国は、平成26年6月に水素・燃料電池戦略ロードマップというものを策定しております。この中では、燃料電池の利用を自動車だけでなく船舶にも拡大をしていくということがうたわれております。
     御紹介のありました長崎県では、民間企業、それから大学が中心となりまして、平成26年度から2年間、環境省の実証事業として、燃料電池を漁船に活用するということを目的に試験航行を行っております。  その結果、燃料電池の漁船への活用については、幾つか課題もあるということが示されているところでございます。一般の船への活用と違いまして、漁船の場合、どうしても馬力が必要だということもございまして、建造費用がまず高額である。お聞きをしますと、やっぱり通常の重油船の2倍から3倍かかる。それから、航行時間が短い。これは長崎県で航行時間を伸ばしたんですけれども、それでも通常の重油船の8分の1から4分の1ぐらいというのが今の現状でございます。それから、燃料電池の小型化、それから塩害による劣化防止というものも必要だということで、そういう幾つかのコストとか技術面についての課題が指摘はされております。  県といたしましては、まず、この中で一番肝の技術であります燃料電池、これの研究開発の情報をいろいろ最新のものもこれから把握してまいりたいというふうに思っております。それから、同様の試験を東京海洋大学が行っております。これは、どちらかというと漁船というよりも観光船への導入を目指しているものでございます。こちらの実用化の研究の情報収集をしっかり行いたい。さらには、こういう燃料電池等の専門家への意見聴取も行うなど、漁船への活用の可能性について、今後しっかり調査、研究をしてまいりたいというふうに考えております。 27 ◯議長松井拓夫君) 土木部長辻君。     〔土木部長辻 義則君登壇〕 28 ◯土木部長(辻 義則君) 私からは、交通インフラのネットワーク化につきまして2点お答えします。  まず、道路整備について、集落と集落を結ぶ道路や市町を結ぶ道路についても再検討が必要と考えるが、維持管理も含め現状と課題、今後の対応はとの御質問でございます。  道路整備につきましては、5年ごとに道路交通情勢調査を行いまして、県内全域で自動車や歩行者、自転車の交通量を把握するなど、社会情勢の変化も考慮しながら道路整備を進めております。例えば、県内の道路網の骨格となる高規格幹線道路、また新幹線駅へアクセスする道路、また県境道路や観光地へアクセスする道路、また産業振興など地域の発展につながる道路、大雨や雪などの災害に強い道路、通学路の安全確保などを重点的に推進してきております。  今後も引き続き、車や人の動きを十分に把握し、市町の意見も聞きながら、これらの道路整備を進めますとともに、道路施設の長寿命化や日常の維持管理を適切に実施してまいりたいと考えております。  次に、県内の港湾施設への高速道路等からのアクセス、利便性の向上について、現状と課題、今後の対応はとの御質問でございます。  高速道路から港湾へのアクセス道路は、大型トレーラーなどが集中することから、利便性や安全性の向上を図ることが重要であると考えております。敦賀港から敦賀インターチェンジまでのアクセス道路としては、臨港道路と国道8号バイパスがあります。このうち、8号バイパスには2車線の区間がありますことから、今後の交通量の増加や混雑状況を見ながら、4車線化を国に対して強く要望してまいります。  また、福井港から丸岡インターチェンジまでのアクセス道路としては、県道丸岡川西線などがあります。この区間には、線形の不良な箇所や渋滞箇所があることから、福井港丸岡インター連絡道路の整備を今一生懸命やっているところでございます。  また、内浦港から国道27号までのアクセス道路としては、県道音海中津海線や舞鶴野原港高浜線があります。現在、バイパスや線形改良の事業を行っているところでございます。  引き続き、高速道路等から港湾へのアクセス道路の利便性や安全性の向上に努めてまいりたいと考えております。 29 ◯議長松井拓夫君) 田中宏典君。 30 ◯22番(田中宏典君) 私ども、抽象的な質問が大変多かったので、また改めて常任委員会等々で質問してまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  1点だけ。燃料電池船の実証実験のことで、私の考えていることをもう少しお話しさせていただきたいんですが、五島列島でやられているのは、あくまでも洋上風力発電のメンテナンスのためにそういった船をつくられて、ついでに実証実験をされたというような状況で、その船の魚が入るべき水槽に水素ボンベが全て並べてあったというような現状もございましたので、水素、燃料電池の小型化であるとか、今、部長のほうが言われたような課題というものを解決していくためには、確実に実証実験の対象になり得るのかなというふうに思いますし、実証実験自体、国からの10分の10の委託料でできるわけですから、そういったことに取り組んでいただくこととも必要かなと思います。また、東京海洋大学が進めておられるのは、どちらかといえば国交省所管の事業なのかなというふうにも思いますので、ぜひ環境省のほうとそういった協議というものをやっていただければありがたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 31 ◯議長松井拓夫君) 安全環境部長清水君。 32 ◯安全環境部長清水英男君) また、いろいろ情報を収集させていただいて、検討してまいりたいと思います。 33 ◯議長松井拓夫君) 西本恵一君。  なお、西本恵一君より資料を使用したい旨の申し出があり、これを許可いたしましたので、御了承願います。     〔西本恵一君登壇〕 34 ◯8番(西本恵一君) 公明党の西本恵一でございます。今回の一般質問は、全部県民から寄せられた相談をもとに構成をしておりますので、順次質問してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。  最初に、えちぜん鉄道高架化についてお伺いをいたします。  京福電鉄事故での廃線危機を乗り越えて、平成15年にえちぜん鉄道として復活して以来、高架化は地元の念願でございました。東西交通の円滑化はもとより、県立病院が二つの県道踏切の直近にあるため、1分1秒を争う救急車が踏切に遮られ、人命に及ぶこともあることから、早期の実現が望まれておりました。その高架化の工事も、11月に入ってから松本通り、清川踏切上部の高架桁がかけられるなど、順調に進捗しているように見受けられます。  また、駅舎についてでございますが、昨年12月18日に発表された福井駅のデザイン、(資料提示)これがパースでございますが、2階建てで、外観の東側を全面ガラス張り、天井や壁の内装には福井県産材をふんだんに使い、和風でモダンな県都の東側の玄関口にふさわしい駅にするとなっております。また、1階にはインフォメーションセンターやカフェ、待合室などがあり、京福バスチケットセンターも入り、エレベーターはもちろんエスカレーターも整備するとなっております。  そこでお伺いをいたします。  既に福井駅舎の詳細設計はでき上がっていると思いますが、昨年発表されたこの内容から変わった点はあるのでしょうか、また、駅舎外観の色合いはどのようになるのか。さらに、いつから建設工事が着手され、完成時期はいつごろになるのかをお伺いをいたします。  次に、高架化により、新福井駅と福井口駅の2カ所が新しい2階建ての駅舎になりますが、この二つの駅に共通する課題があります。それは、ホームの屋根であります。2階建てになるため、平面に比べまして、雨風も当然ながら冬の時期には雪が入り込む度合いが高くなり、ホームで乗客が傘を持って待つというようなことは避けなければなりません。  私もしばしば福井口駅でえちぜん鉄道に乗車をするのでありますが、現在の仮のホームでさえ、三国芦原線と勝山永平寺線を乗りかえする乗客でいっぱいになることがあり、また、時々遠足で利用する保育園児や幼稚園児であふれ返る光景を見かけます。  したがって、線路上も含めたホームの屋根である上屋を全覆いする必要性があると思います。ただし、壊される前の古い駅舎のホーム屋根以上に拡張する面積部分については、国の支援が得られないため、負担が必要になってまいりますが、乗客の安全のためにも上屋屋根はホームを全部覆う形で行っていただきたいと思います。御所見をお伺いするとともに、両駅のパースについていつ示されるのか、工事計画とあわせてお伺いをいたします。  なお、えちぜん鉄道高架化事業による開発地区の単線区間残地の活用をどうするのか、また、高架化下の利用について、地元と協議することなどを含めてどのように考えられているのか、御所見をお伺いいたします。  話が変わりますが、昨年度、鉄道エネルギー有効活用調査事業として、電車がブレーキをかけた際に発生する回生電力を蓄電し、駅舎照明や電気自動車によるカーシェアリングなどに供給するための調査事業を行っております。具体的には、車両がブレーキをかけると発生する回生電力を駅に設置した蓄電池にためて、駅前にとまったEVに送るもので、車両が発電所になり、駅から電気を送電するというものであります。  EVは、勝山駅と福大前西福井駅にそれぞれ数台設置したようでありますが、この実験から得られた成果と今後の見通しについて御所見をお伺いいたします。  次に、県営住宅についてお伺いをいたします。  県営住宅において単身の高齢者などの名義人が死亡したまま、家財道具等が片づけられず、長期にわたり放置され、家賃が未収になるという状況が全国で発生をしております。高齢化が急速に進んでおり、本県の県営住宅においても高齢単身世帯の割合はふえるのではないかと思われ、今後このようなケースが頻繁に発生してくることが考えられます。国土交通省はこの夏、ひとり暮らしの入居者の死亡時に公営住宅に残された家財道具をどのように移動、保管、処理しているかについて、全国の都道府県、市町村を対象にアンケート調査を行っております。  そこで、福井県及び市町における調査結果についてお伺いをするとともに、このように高齢単身死亡により長期に放置された部屋が、これまで県営住宅にあったかどうかをお伺いいたします。  高齢単身死亡の住宅の返還を促進し、1戸でも多くの住宅を供給することは、県民の貴重な財産である県営住宅を有効に活用するという観点からも、極めて重要であります。このようなケースでは、相続人への請求や撤去を要求するのだろうと思いますが、例えば、大阪府では昨年、単身死亡等住宅の明け渡し対応マニュアル整備いたしましたが、本県ではどのように部屋の明け渡しを進めていくのでありますでしょうか。  その手順についてお伺いをするとともに、今後に備えて、本県も単身死亡等住宅の明け渡し対応マニュアルを作成してはと思いますが、御所見をお伺いいたします。  次に、県営住宅入居時に障害を患っている人の手続についてお伺いいたします。  障害を持っていらっしゃる方々は、日常生活に支障がない旨の書類を提出させられるとお伺いいたしました。このような書類を求めることは、申請者にとって事務的にも心理的にも負担になると思われますが、障害者の方が日常生活に支障ない旨の書類を提出する必要性について御所見をお伺いいたします。  ところで、福井県営住宅条例の第17条では、迷惑行為の禁止として、「入居者は、県営住宅の周辺の環境を乱し、または他に迷惑を及ぼす行為をしてはならない」となっており、同第27条において、明け渡しの請求として、「入居者が、県営住宅または共同施設の使用に関し、県営住宅に入居している者の共同の利益に著しく反する行為をし、かつ、その行為の中止等を求める知事の指示に従わなかったとき、この規定による明渡しの請求を受けた入居者は、速やかに、県営住宅を明け渡さなければならない」となっております。  現在、県内のある市の公営住宅で、近隣住民に暴言や罵声を浴びせ、大変に迷惑をかけている、入居者による被害が発生をしておりますが、それを住民が長年行政に訴えてまいりましたが、実効的な対処がなかったため、近隣住民が本当に長期間大変な苦痛を強いられ、特にお子さんをお持ちの御家庭では、恐怖のためお子さんが一人で外出できないといった状況が現在も続いております。  先日、強い要望を役所の担当部署に行った結果、ようやく解決に向けた動きが出てまいりましたが、明け渡し請求の正当性が認められるためには、当該迷惑行為が社会通念上の受忍限度を超えていることを明らかにしなければならず、こうした指標や基準を実務レベルで持っていないと、法的措置を視野に入れた明け渡し請求まで踏み込めないというのが実情であります。そこで、住宅の明け渡しを求める迷惑行為について定義し、県として行うべき防止措置について明らかにするとともに、迷惑行為が発生した場合の是正指導や警告など、明け渡し請求に至る各手続を定めることが必要だと考えます。  そこで、県営住宅における迷惑行為による明け渡し請求の実績についてお伺いをするとともに、迷惑行為の防止と解消に向け、統一的に適切な対応が図れるよう、県営住宅迷惑行為指導要綱をつくってはいかがと思いますが、御所見をお伺いいたします。  続いて、若者の就職支援についてお伺いをいたします。  原則として39歳までの若い人を対象として、専門のアドバイザーが就職活動を支援するふくいジョブカフェは、本年9月末までの利用者数が30万9,000人、2万人強の方が就職することができ、多大な功績を残してきたと感じております。平成16年度にこのふくいジョブカフェが設置されてからことしで12年になりますが、まずは、これまでこのジョブカフェが果たしてきたその役割とその評価について、知事の御所見をお伺いいたします。  最近の雇用情勢改善に伴う失業率の低下により、ジョブカフェの来所者数は、平成25年の1万2,246人から平成27年、昨年は8,562人と約3分の2となり、減少傾向にあります。特に、24歳以下の年代にその傾向が顕著にあらわれておりますが、このように来所者数が減少することは、失業者が減少していると見ることができ、大変に喜ばしいことだと思います。しかしながら、雇用情勢はいつ変化するかわかりませんので、支援の手は決して緩めてはならないと思います。  若者や学生の県内企業定着を促進するためには、ジョブカフェの果たす役割は大きく、ふるさと移住、定住支援、Uターン就職の促進との連携の強化を図りながら、今まで以上に若者の就職支援を行っていくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  このジョブカフェの大きな課題として、大学1年、2年生の時期から、県内企業を知る機会を設け、県内企業に対する知識を深め、職業意識の醸成を図るということを挙げておられます。また、3年以内の早期離職者が大学卒業で3割を超える現状もあります。もし、ミスマッチがあるのであれば、それを防ぐための処置として、大学年次の早い時期からさまざまな業界の就業環境を学ぶ機会を設けるなどして、適性をはかることが求められますが、そこでお伺いいたします。  大学1、2年生の県内企業への就職促進の取り組みについて伺うとともに、大学卒業者の雇用のミスマッチにかかわる要因とその解消策について、所見をお伺いいたします。  教育委員会の資料によれば、毎年約50名の高校生が薬学系の大学に進学をしております。ところが、福井県内大学には薬学部はありません。つまり、全員が県外に進学しております。薬学部は、修学年数が4年から6年になり、高額な学費が必要となっております。先日、新聞報道で紹介をされておりましたが、県薬剤師会によりますと、2014年末時点の人口10万人当たりの薬剤師数は、全国平均170人に対し、福井県は140.5人と、担い手不足が顕著となっており、ほとんど福井に戻ってくる学生はいないとの見解が示されておりました。  そこで、薬剤師の6割が女性であることから、若い女性の流出を防ぐためにも、福井県立大学に薬学部を設置してはいかがでしょうか。地方の大学の定員をふやすという観点からも、学部をふやすという観点が必要かと思います。知事の御所見をお伺いいたします。  最後に、災害協定及び事前災害対応について伺います。  6月議会で私が提案をさせていただいた災害時支援物資の配送、仕分けに関する協定の見直しに早急に対応され、心から感謝を申し上げます。  災害からの復興まちづくりの主体は、当該地域の住民にほかなりません。災害が発生すると、その直後から住民のさまざまな相談に迅速に対応していくために、法律、登記、測量、税務、不動産評価、設計の多くの専門知識が必要になってまいります。そこで、弁護士、税理士、社会保険労務士など、士のつく職業の皆さんがつくっている専門家士業連絡会がありますが、神奈川県や長野県では、大規模災害後のさまざまな住民支援について、連絡会と災害協定を締結しております。  本県でも、士業等団体友好協議会がありますが、災害時の復興、復旧を迅速に進めていくために、災害協定を締結されることを提案をいたしますが、知事の御所見をお伺いいたします。  最後の質問になりますが、明後年、2018年は福井地震から70年となります。内閣府の災害教訓の継承に関する専門調査会報告書には、先人の復興の努力が記されております。中でも、市街地火災による被害を受けた6市町──福井市、森田、松岡、丸岡、春江、金津町では、街路整備と土地区画整理事業による都市復興を行うこととなり、事業完了に約20年の時を費やすこととなりました。  ところが、法務局には一筆の土地の地積測量図はおろか、街区の座標値もない状況であります。再び福井地震のような災害が発生したときには、大きな混乱と復旧、復興に障害が生じることは間違いがないと思います。このような事態を防止するためには、地籍調査を行い、土地境界を明確にすることが必要になります。万一の災害の場合でも、境界の復元がスムーズに行われ、復旧、復興活動も迅速に行うことが可能になります。しかしながら、地籍調査は、土地の一筆一筆の細部まで調査が必要になるので費用と時間がかかり、さらに市街地などの都市部においては土地の数や所有者数が多いことから、なかなか進まないのが現状であります。  そこで、まず、官民境界を先行して調査してはどうかと提案をいたします。いわゆる、道路と民間とか川と民間とか、そういった官民境界が明らかになるだけでも、土地に関する測量作業や手続が容易になるほか、防災マップの作成など市民生活に密接に関係することにも大きく役に立てることができます。  近年は、人工衛星からの電波を利用したGNSS測量の普及や測量機器の性能の向上により、より高精度な測量の実施が可能となっております。特に、車両にGPSアンテナ、レーザースキャナー、カメラなどの機器を搭載し、走行しながら道路周辺の3次元空間位置データと周囲の映像を高精度で効率的に取得できる移動体計測システムをモバイルマッピングシステムと言いますが、これを利用して調査を行えば、かなり低コストで地籍調査が行えるようであります。  基本的に市街地が対象となりますが、こうした官民境界調査を促進するために、国土交通省が経費を全額負担して都市部官民境界基本調査事業を行っております。災害への備えとして、県内の各市町の地籍調査を進めるため、この事業を活用して地籍調査を推進してはどうかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  以上でございます。知事、理事者の皆様方の前向きな御答弁を期待しまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 35 ◯議長松井拓夫君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 36 ◯知事西川一誠君) 西本恵一議員の一般質問にお答えをいたします。  まず、えちぜん鉄道の高架化に関連いたしまして、福井の駅舎の詳細設計について、また色合いなどについて、さらに、いつから建設工事が着手され、完成はいつかという御質問です。  福井駅舎のデザインにつきましては、えちぜん鉄道福井駅舎デザイン等検討委員会において議論をし、昨年、外観、ホームのイメージ、配置する施設などについて公表しております。現在、この内容に沿って駅舎建設工事を進めています。また、外観の色合いについては、内装に県産材の杉材を使用することから、木質の空間と調和のとれたライトブラウンといいますか、茶色系がふさわしいとの提案を委員会からいただいております。  福井駅舎の建設については、10月から着手をし、現在、内装に使用する木材などの資材調達を進めています。今年度末には高架橋工事が完成いたしますので、引き続き上屋などの工事に着手をし、平成29年度末に完成をする予定であります。  次に、若者の就職支援につきまして、ジョブカフェが果たしてきた役割と評価をどう考えるかという御質問です。  ジョブカフェは、平成16年に、若年無業者、フリーターの就業を促進するため、県として福井商工会議所内に設置をしました。これまで12年間余りにわたり2万人の若者を県内就職につなげるなど、大きな役割を果たしてきております。なお、近年、数年の様子を見ますと、就職者、あるいは来所者とも減少傾向に至っているわけであります。  また、このジョブカフェについては、平成21年度から新卒学生に対する県内企業への就職支援を強化しております。一つは、企業の採用力向上と学生の職場定着のための企業の人事担当者向けのセミナー、これが1,600社の参加を得ております。それから、大学3年生を対象にしたインターンシップ、これは延べ650社の企業が参加し実施しております。県内企業の労働力確保と大学生等の県内企業との定着に貢献していると、このように考えます。  次に、このジョブカフェでありますが、学生の県内企業定着を促進するため、今まで以上に若者の就職支援を多方面にわたって行うべきではないかとの御提言です。  ジョブカフェでは、学生の県内企業定着を促進するため、県内においては、経営者が直接学生と対話するセミナー、それから県内大学と一体となった企業の紹介、県外においては、東京など4カ所で行う合同企業説明会におけるカウンセリング窓口の設置などの支援を行っています。  また、福井県では、労働局や経済団体とともに合同就職面接会を年3回行い、その結果、今年3月の県内大学卒業生の就職率は前年並みの48%を確保し、また県外大学生のUターン就職率は前年に比べ3ポイントふえた29%と、調査開始した平成14年以来、最も高い割合であります。  これからは、新たに学生自体にジョブカフェの運営の一部に参画をしていただき、みずからが企画する県内企業との交流会を開いていただくなど、県内企業の魅力を知る機会を学生などを通してもっとふやすということで、さらなる定着につなげてまいります。  さらに、県立大学に薬学部を設置してはどうかという御提案であります。  薬剤師が県内で不足しておりますが、これはU・Iターン者への奨学金返還支援制度を設けているほか、薬剤師を志す高校生、その者の数をふやすといいますか、そういうセミナーの開催や未就業の薬剤師の再就職などを支援しているわけであります。  そうした中、県立大学への薬学部の設置については、専門教員がかなり必要でありますし、薬用植物園の整備など、大学の経営としてさまざまな課題を解決しなければなりません。  他県の様子を見ますと、卒業生の多くは大企業や病院が集まる都市部に就職してしまうという傾向が残念ながらありまして、学部設置が必ずしも、その県などの人口減とか、あるいは薬剤師確保につながらないといううらみがあるわけであります。定員を満たせず、学部規模を縮小する動きなどがありますので、なおなお大学として十分検討をしなければならない、こういう状況であることを御理解願いたいと思います。  次に、災害協定への問題でありますが、災害時の復旧、復興を図るため、福井県士業等団体友好協議会との協定を締結してはどうかという御提案です。  福井県では、地域防災計画に基づき、災害発生後、被災者の生活再建支援のため、国、県、市町の行政機関による租税の減免、住宅確保など、生活全般にわたる相談窓口を開いております。被災者のニーズに対応するため、生活再建を迅速に進めるためにも、行政機関に加えまして、弁護士、税理士など、民間のいわゆる専門家を含めた支援体制を充実することが重要であり、今後、専門家も参加する相談体制について、それぞれの団体の御意見なども十分聞きながら、検討してまいりたいと考えます。  その他については、関係部長から答弁します。 37 ◯議長松井拓夫君) 総合政策部長山田君。     〔総合政策部長山田賢一君登壇〕 38 ◯総合政策部長山田賢一君) えちぜん鉄道に関連して2点お答え申し上げます。  開発地区の単線区間残地の活用、高架下の利用についてどのように考えているのかということでございます。  えちぜん鉄道の高架化によりまして、新たに利用可能な土地が生じるわけでございますが、この土地につきましては、えちぜん鉄道が、まず、配電設備など鉄道運行に必要な業務施設のために使うことになります。それがどこにどれぐらい必要かということを、現在特定している最中でございます。地元自治会からは、収納庫の設置ですとか、あるいは除雪した雪の置き場などとして使えないかというふうな要望を、福井市のほうに寄せていただいているというふうに承知しております。  今後、市やえちぜん鉄道など、関係機関と協議の場を持ちまして、有効な土地活用ができるように検討してまいります。  次に、鉄道エネルギー有効活用調査事業の実験から得られた成果と今後の見通しでございます。  この事業、環境省の国庫10分の10の事業でございますが、えちぜん鉄道の勝山駅と福大前西福井駅におきまして、電車がブレーキをかけたときのエネルギーを電気として回収、蓄電できる回生電力量の測定と、電気自動車を使ったカーシェアリングの需要調査を行いました。  調査の結果、回収可能な回生電力の量は、1駅1日当たり約90キロワット、これはフル充電で280キロメートル走れます電気自動車、大体3台分に相当する量でございます。また、駅でのカーシェアリングの利用は、福大前西福井駅で3カ月間に大体27回あったということでございます。この回生電力を駅施設などで実際に活用するためには、やはり量が十分ではございませんので、太陽光発電などと組み合わせまして、さらに大きな電力を得る必要がございます。  今後、今回の調査結果を参考にいたしまして、鉄道事業者における事業化を検討することになるというふうに考えております。 39 ◯議長松井拓夫君) 産業労働部長片山君。     〔産業労働部長片山富士夫君登壇〕 40 ◯産業労働部長片山富士夫君) 私からは、若者の就職支援につきまして1問お答えいたします。  大学1、2年生の県内企業への就職促進の取り組み、並びに大学卒業者の雇用のミスマッチにかかわる要因と解消策についての御質問でございます。  ことし10月に厚生労働省が発表いたしました新規学卒者の離職状況では、本県の就職後3年以内の離職率は、大卒で36.2%となっておりまして、全国平均よりも約4%高い状況にございます。離職の理由について、ジョブカフェが昨年12月からことし1月にかけまして実施した調査では、夜勤等の勤務条件が厳しかったというものが最も多く、次いで上司や先輩との人間関係、仕事が自分に合わなかったなどが続いております。  このようなミスマッチを防ぐため、ジョブカフェでは、学生が早い時期から県内企業を知る機会をふやすため、先輩社会人との意見交換会や大学1、2年生向けのプレインターンシップ事業を実施しております。このほか、企業の人事担当者が人材定着、育成のための人事評価制度を学ぶセミナーでありますとか、新入社員同士が職場の悩みを話し合う交流会を行っており、若者の県内企業就職と早期離職の防止に努めているところでございます。
    41 ◯議長松井拓夫君) 農林水産部長中村君。     〔農林水産部長中村保博君登壇〕 42 ◯農林水産部長中村保博君) 私からは1点、災害協定及び事前災害対応につきまして、災害への備えとして、都市部官民境界基本調査事業を活用して市街地の官民境界調査を行うなど、市町の地籍調査を推進してはどうかという御質問でございます。  地籍調査、市町が実施主体になるわけですが、官民であれ、民民はなおさらのことなんですが、住民間のトラブルへの対応ということに多大な時間と職員の配置も含めた労力を費やすとか、実際、調査に多額な経費もかかるということから、なかなか進んでいないというのが実情でございます。  ただ、御指摘がありましたように、災害に備えるという観点からは、この地籍がはっきりしているということは非常に意義がありますので、今後、都市部の地籍調査を行う場合には、まず国が行う都市部官民境界基本調査──これは1カ所当たり3,000万円ぐらいの予算でやっているようでございます、これを活用することとか、現在、山林境界を所有権がわからないということで明らかにするために、簡易なGPSで境界を明確にしていくというやり方を推奨しておりますので、そういう活用を含めて市町に働きかけてまいりたいと考えております。 43 ◯議長松井拓夫君) 土木部長辻君。     〔土木部長辻 義則君登壇〕 44 ◯土木部長(辻 義則君) 私からは、5点お答えします。  まず、えちぜん鉄道の高架化についてでございます。  新福井駅と福井口駅の上屋屋根は、ホームを全部覆う形で行ってはどうか、両駅のパース図についていつ示されるのか、工事計画はとの御質問でございます。  高架上の駅舎となる新福井駅と福井口駅のホームにつきましては、鉄道事業者と協議し、ホームの全てに上屋を設置するとともに、風よけや転落防止のため、ホームや駅の外側に壁を設けることによりまして、乗客の安全を確保していきたいというふうに考えております。  特に、福井口駅につきましては、乗りかえ客が多く、島式ホームに上屋の支柱を設置しますと混雑時の移動に支障となるため、線路とホームを全体的に覆う上屋を設置することとしております。このうち、もともとあった駅舎上屋の範囲を超えて設置する部分につきましては、鉄道事業者が負担することになっています。  なお、来月には、両駅舎につきまして立面図などを用いまして地元住民に説明したいと考えております。駅舎工事は、平成29年度末には完成の予定でございます。  続きまして、県営住宅について4点お答えします。  公営住宅のひとり暮らしの入居者死亡時における家財道具の移動等に係る調査について、県及び市町の調査結果、高齢単身者死亡により長期に放置された部屋が、これまで県営住宅であったのかとの御質問でございます。  今回の国の調査は、公営住宅の単身入居者死亡時に相続人が判明しない場合の残置物放置事例を調査したものでございます。県営住宅では事例がなく、5市町におきまして5件の事例が発生しております。これらの事例につきまして、相続人がいる場合は、相続人から残置物処分に関する同意書を取得して、また相続人がいない場合は、相続財産管理人の選任の手続を経まして、市町が家財道具を処分しており、現在放置されている部屋はございません。また、県営住宅におきましては、高齢単身死亡により長期に放置された部屋はございません。  次に、高齢単身死亡時にどのように部屋の明け渡しを進めていくのか、その手順、また、本県も明け渡し対応マニュアルを作成してはどうかとの御質問でございます。  県では、単身入居者が死亡した場合、相続人に対しまして家財道具を整理し、原状回復した上で部屋を明け渡すことを求めております。県営住宅における対応マニュアルは作成してございませんが、単身入居者の死亡後、速やかに相続人に明け渡しを求めており、対応が長期にわたった事例はございません。  現在、国が、残置された家財道具の処分の指針を示すことを検討しておりまして、対応マニュアルの作成の必要性については、他県の状況も見ながら検討してまいりたいと考えております。  次に、入居時の手続におきまして、障害者の方が日常生活に支障ない旨の書類を提出する必要性についての御質問でございます。  常時の介護が必要な障害者の方は、単身で入居しますと食事、入浴、掃除などの日常生活を送ることが困難であるため、入居できないこととなっております。ただし、デイサービスなどの介護の支援により安定した日常生活を送ることができるようであれば、優先的に入居できるように配慮しているところでございます。このことから、入居受付時に、日常生活に不安がある単身入居者が安定した生活を送ることができるかを確認するため、日常生活に支障ない旨の書類の提出を求めているところでございます。  次に、県営住宅における迷惑行為による明け渡し請求の実績、また、統一的に適切な対応が図れるよう、県営住宅迷惑行為指導要綱をつくってはどうかとの御質問でございます。  これまでに、県営住宅におきまして、床や壁をたたく、蹴るなどによる騒音、振動や他の入居者に対する暴力、暴言などの迷惑行為により明け渡し請求にまで至った事例はございません。入居者の方からの迷惑行為に関する相談につきましては、県と指定管理者が関係者の住宅を訪問しまして、状況等を確認した上で、迷惑行為の改善に向けた調整を行いまして、問題の解決を図った事例はございます。迷惑の感じ方は人や状況によってさまざまでありまして、また、明け渡し請求は、個人の生活を脅かしかねないため、慎重に行うべきであるというふうに考えております。  是正指導や警告など、明け渡し請求を含む手続を定める要綱の作成につきましては、現状を十分に把握し、検討してまいりたいというふうに考えております。 45 ◯議長松井拓夫君) 西本恵一君。  西本恵一君に申し上げます。残り時間は少なくなっていますので、簡潔にお願いいたします。 46 ◯8番(西本恵一君) 一つの要望と一つの質問をさせていただきます。  まず、薬学部の設置でございますけれども、私も、薬剤師、余りに足りないものだから、薬局の方から紹介してほしいと言われたこともございまして、福井県が医薬分業余り進んでなかったんですけど、ここ10年ぐらいで随分進んでまいりまして、小さい病院でも隣には薬局が設置されているとか、また大手ドラッグストアチェーンもかなり進出をしておりまして、そこでも調剤薬局という形で薬剤師が不足しているということを訴えているようでございます。  今後、高齢者の増加も見込まれて、医療費も増加して、また薬を使われる方も多くなってくると見込まれますので、先ほど言った若者の県内就職もこれからやっぱり考えていくべきだと思いますので、薬剤師の確保について、ぜひ御検討を願いたいと思います。これは要望でございます。  二つ目が、先ほど言いましたえちぜん鉄道のホームの上を覆うということにつきまして、以前の駅のホーム屋根よりも拡張した分の面積、これについては国が支援をしていただけないということで、私は、県がその部分を負担するというふうに認識をしておりますけれども、これについてお伺いします。 47 ◯議長松井拓夫君) 土木部長辻君。 48 ◯土木部長(辻 義則君) 上屋につきましては、もともとあった部分が国の補助対象になっておりまして、最低限必要というところまでは国のほうで補助しますけども、後は事業者の努力でということで、えちぜん鉄道が負担することになったというふうに聞いております。 49 ◯議長松井拓夫君) 西本恵一君。 50 ◯8番(西本恵一君) それについては、もう一度確認していただきたいんですが、えちぜん鉄道も非常に厳しい財政の中でやっておりますので、この部分については県が負担をするというふうに、私は認識をしております。ぜひとも、県のほうで補助をしてあげていただきたいなと思いますので、お願いしたいと思います。 51 ◯議長松井拓夫君) ここで、休憩をいたします。   午後0時02分 休 憩                ━━━━━━━━━━━━━━━   午後1時00分 再 開                 会議に出席した議員(33名)    1番  井ノ部   航  太          19番  糀  谷  好  晃    2番  辻     一  憲          20番  大久保      衞    3番  清  水  智  信          21番  松  田  泰  典    4番  力  野     豊          22番  田  中  宏  典    5番  宮  本     俊          23番  大  森  哲  男    6番  島  田  欽  一          24番  石  川  与三吉    8番  西  本  恵  一          26番  田  中  敏  幸    9番  細  川  かをり           27番  欠        員    10番  西  畑  知佐代           28番  山  本  正  雄    11番  鈴  木  宏  紀          29番  野  田  富  久    12番  長  田  光  広          30番  山  本  芳  男    13番  小  堀  友  廣          31番  田  村  康  夫    14番  小  寺  惣  吉          33番  仲  倉  典  克    15番  畑     孝  幸          34番  山  本  文  雄    16番  中  井  玲  子          35番  中  川  平  一    17番  佐  藤  正  雄          36番  山  岸  猛  夫    18番  西  本  正  俊          37番  関     孝  治                ━━━━━━━━━━━━━━━                 会議に欠席した議員(3名)    7番  松  井  拓  夫          32番  斉  藤  新  緑    25番  笹  岡  一  彦                ━━━━━━━━━━━━━━━ 52 ◯副議長(畑 孝幸君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  井ノ部君。  なお、井ノ部君より資料の使用とあわせ、議場へ配付をしたい旨の申し出があり、これを許可いたしましたので、御了承願います。  また、資料につきましては、お手元に配付してありますので、御了承願います。     〔井ノ部航太君登壇〕 53 ◯1番(井ノ部航太君) 希望ふくいの井ノ部航太です。通告に従って質問をさせていただきます。  9月の予算決算特別委員会では、新しいビジネス形態の一つであるシェアリングエコノミーを地域課題に生かすべきだという提言をさせていただきました。続いて、この議会では、政府の成長戦略の中核ともいえる人工知能時代への対応について取り上げたいと思います。  ことしは、あらゆるところで人工知能──AIが取り上げられる年になりました。政府は、IoT、ビッグデータ、AI、ロボットなどの技術により、第4次産業革命が進展し、それに伴い産業構造や就業構造が劇的に変わる可能性があるという認識を持っています。内閣府は、5月24日に第5期科学技術基本計画に基づく科学技術イノベーション総合戦略2016を公表しましたが、この中では、AIのキーワードが30回以上も使われるなど、人工知能が政府の政策において重要な位置づけであることを示していますし、総務省や経済産業省も調査研究及び情報発信に余念がありません。報道でも、人工知能の普及によってなくなる職業ランキングや東大受験に挑戦するAI搭載ロボット──東ロボくんの話題が取り上げられてきました。  第4次産業革命の規模は、インターネットにより世界にもたらされた価値の5倍から10倍にもなるという途方もないものであり、政府がこの分野でグローバルスタンダードをとりにいく強い姿勢も感じます。新産業創出ももちろんですが、少子高齢化で産業力が低下すると言われてきた我が国にとって、AIやIoT技術の進化は労働力不足を補う処方せんでもあるからです。  第1次産業革命は機械化、第2次産業革命は大量生産、第3次産業革命は自動化によってもたらされました。これからの第4次産業革命は、自律化がキーワードであると言われます。わかりやすく言えば、第1次産業革命では、一つずつ人が手でつくっていたものが機械になり、第2次産業革命で、大量の機械で大量の製品をつくれるようになり、第3次産業革命では、指示を与えれば機械が自動的に動いて勝手につくるようになり、これからの第4次産業革命では、その都度指示を与えなくても機械が自分で考えて動くようになっていきます。第3、第4の産業革命は、わかりやすく言えば、インターネットなどの情報通信革命とも言えるもので、アイデアと実行力さえあれば地方企業が世界に飛躍することのできるチャンスを秘めていますが、その一方で産業構造の大きな変化には痛みも伴います。あらかじめ予見されるものに対しては、県民生活を守るためにも十分な対応策を講じる必要があります。  そこで、福井県が直面するピンチとチャンスについて、それぞれ質問してまいります。  それでは、まずピンチについてですが、2030年ごろに人工知能やロボットなどによる雇用の代替が進んでいくという予測があります。野村総合研究所は、オックスフォード大学との研究の成果として、昨年12月2日に、国内601種類の職業について、それぞれ人工知能やロボットなどで代替される確率を試算し、10年から20年後に日本の労働人口の約49%がついている職業において、それらに代替することが可能との推計結果を発表しました。  これを福井県に当てはめると、平成28年10月の就業者が42万3,000人ですので、21万2,000人の方が影響を受ける可能性があるということになります。2人に1人となると、県民にとって一大事だと思うのですが、いかがでしょうか。  人工知能時代の到来により、就業構造に変化が起こることは間違いありません。例えば、野村総研では、人工知能やロボットなどによる代替可能性が高い100種の職業を公表しています。また、経済産業省は、ことし4月に公表した新産業構造ビジョンの中間整理において、職業別の従業者数の変化について触れています。  政府や民間機関によって徐々に未来が明らかにされてきているように感じますけれども、これらを受けて、県内就業者のためにも、県内の就業構造がどのように変化するのか、実態について調査研究をし、課題を整理するべきと考えますが、今後の取り組みについての所見を伺います。  就業構造の変化に対応できない地域には失業者があふれ返り、職を求めて人口が流出するということの起こらないよう、近い将来のことですので、万全の備えをしなくてはなりません。この問題に対応するために、経済界、労働界、行政などによる研究会をつくり、中長期的な視野に立った知見を備え、合意形成を図るための準備を行う必要があると考えますが、このことについての所見を伺います。  次に、人工知能時代の到来によるチャンスについてお伺いします。  我が県でも、経済産業省によって、地域におけるIoTプロジェクト創出のための取り組みとして、福井県IoT推進ラボが認定されました。認定に続いて、9月補正ではものづくり企業のスマート化促進事業250万円、そしてこの12月補正で繊維産業IoT化基盤整備事業1,600万円が上げられております。特に、福井県IoT推進ラボは、各種団体とともに進めていくものであり、活動に期待をしております。  福井県IoT推進ラボについて、KPIとして、平成32年度中にIoTの導入やウェアラブルについて研究する事業所を150社確保、2番目として、ウェアラブル機器、関連アプリなどの関連商品を合計100件開発とあります。成果指標を持つことはもちろん大切でございますが、このIoTの推進には幾つもの課題があり、それを乗り越えていかなくてはなりません。  まず、一つ目の課題は、広範囲にわたる技術を網羅しなくてはならないという点です。IoTを実装していくためには、アプリケーションの開発からデータ通信、それとサーバ、ネットワーク、データセンターなど、さまざまな技術が必要になります。しかし、これらの広範囲の技術を扱える人材を採用するには困難をきわめます。また、この課題に対して、IoT推進ラボとして対応し、システム、通信機能、サーバ、データベースなど、参加企業に共通のプラットホームを構成していくのか、それともおのおのの参加企業の手にゆだねるのか。  IoTの導入に不可欠な実装段階における課題について、県はどのようなことを想定し、対応することを考えているのか、所見を伺います。  また、導入後の課題はデータ分析に関する人材の確保です。IoTが生み出す大量のデータを使って故障の予兆や機械の自律的な動きを実現する高度な分析スキルを持った人材は、現在ではほとんど存在をしていません。また、数少ない人材は、市場でも価値が高騰しており、採用することが非常に困難だと言われています。しかも、各社の競争の源泉となる秘密情報を分析することから、人材の共通化もできません。  KPIを達成するためには、導入企業は人材の確保や養成をしなくてはなりませんが、現状の取り組みと課題について、所見をお伺いします。また、今後、県はどのようにそれら企業を支援していくのかお伺いいたします。  次に、IoTが進展すると、データセンターの容量が足りなくなると言われており、新規開設の動きが見られています。また、総務省では、IoTの進展に加えて首都直下型地震への対策の観点から、現在首都圏に集中しているデータセンターの地域分散化、活性化を促進する政策を推進しており、地域データセンター整備助成金、それとデータセンター地域分散化促進税制導入という二つの政策を行っております。  データセンターの誘致は、地域の雇用をふやすだけではなく、ノウハウを地域に蓄積するという点でも大きな意味を持ち、積極的に取り組むべきものですが、県内における、これらデータセンターの立地状況と誘致の取り組みについての現状及び今後の方針をお伺いします。  さて、人工知能時代の到来は求められる人間像にも影響を及ぼします。文部科学省では、次期の学習指導要領改訂を行う目的として、人工知能が飛躍的に進化する社会変化に対するものというように説明をしています。これは、四季の織りなす美しさに感動するみずみずしい感性や人のお役に立ちたいという貢献意識、そして協調性、他者と協力しながら目標を達成する力など、私たち人間にしか持ち得ない強みがたくさん挙げられますが、これからの学校教育は、これら人間の強みを伸ばすことを主眼とし、個々の頭の中に知識を詰め込む教育から、社会生活を営むに欠かせない物の見方、考え方を養う教育に、より重点を移していくことになります。いわば、人工知能時代の進展によって、私たちが人間らしさを取り戻すという望ましい姿に近づいていくと言えるかもしれません。  人工知能時代の到来により、福井県でも社会構造の変化が予想されますが、そのときに備えて、どのような教育を行っていく必要があると考えているか、所見をお伺いいたします。  また、現在定められている教育に関する大綱は平成31年までのものですが、文科省が問題提起をする詰め込み型教育からの転換など、人工知能が飛躍的に進化する社会変化に対応するため、現在の教育に関する大綱を強化、改善していく考えはあるのか伺います。  情報通信技術の進化により、私たちの生活や娯楽の隅々まで、その恩恵が行き届いている時代です。福井にいながらにして、世界とつながり、情報を得て、物を買うことができる。また、福井にいながらにして、世界を相手にビジネスをするチャンスを得ることのできる時代です。人工知能時代の到来は、地方においては地域課題の解決や新産業創出の可能性をもたらす好機だと言えますが、福井県はぜひ、国の成長戦略を先取りして、強い意思で第4次産業革命のトップランナーを目指していただきたい。そのことが、若者の流出から来る地域の閉塞感を打破し、世界中の知恵が集積し、人、物、金が世界中と行き交う福井をつくることにつながります。  これからの人工知能時代において、新産業創出の支援など、福井県の経済戦略はどうあるべきか、知事の所見を伺います。  続いて、大河ドラマについての質問に移らせていただきます。  11月21日に観光営業部より、大河ドラマのこれまでの誘致活動と今後の活動方針についてという資料が示されました。このことについて、幾つか質問をさせていただきます。  まず、約1年間の誘致活動の結果は残念なものになりましたが、この間の関係各位の御尽力には敬意を表させていただきます。その上で、今後もふるさとに対する愛着と誇りを高め、また歴史を生かしたまちづくりにつなげるために誘致活動は継続をするということですので、活動の評価と反省を正確に行い、今後に生かしていただきたいと考えています。  さて、そもそも幕末における福井藩とは、佐幕、倒幕のどちらからも支持される公議政体論、すなわち中庸を掲げた象徴的な存在であったと言えます。激動する幕末の政治情勢にあって、改革の必要性は十分認識をしながらも、長州藩の主張する急進的な改革は志向しないという松平春嶽公の思想があったからにほかありません。公議政体論のもとに、橋本左内、由利公正、そして横井小楠といった俊英が、きら星のごとく集まったことは必然だったと言えます。  そして、彼らが日々新しい政体を模索した結果、由利公正による「議事之体大意」が誕生し、明治新政府の施政方針である五箇条の御誓文へと昇華したのであります。「広く会議を興し、万機公論に決すべし」という理念は、今なお、我が国日本の国体の基盤となるものであり、近代日本民主主義の原点が福井から生まれたことは間違いなく、大変誇れることであります。  これまで、明治維新は長州藩や薩摩藩の視点で描かれることがほとんどであり、当時行われた急進的な変革にロマンを抱く国民が多くいることは事実です。明治維新150周年の大河ドラマとして「西郷どん」が制作されることも、そのあらわれでしょう。  しかし、この時期の福井藩は中庸をベースとした高度な政治技法を備えていたとされ、振れ幅の多い昨今の日本の政治が学ぶべきところも多くあるのではないでしょうか。佐幕や倒幕ではない勢力が確固たる存在感を持っていたということや、時代の荒波の中で思想的に突き詰めていった結果、近代民主主義の理念が産み落とされたのが、この福井であるという事実も、もっと広く国民に知らされるべきことであります。  由利公正を中心とした大河ドラマの誘致に当たって、由利公正及び福井藩を取り上げてもらうに当たり、最大のセールスポイントは何だったのか。それは、ほかの誘致運動と差別化できるポイントであったのかという評価も含めて、所見をお伺いいたします。  私は、昨年9月30日の予算決算特別委員会において、広く県内外の人々に誘致運動に参加してもらう必要性や官製の運動体ではおのずと限界があることを指摘いたしました。それに対する観光営業部長の答弁は、「新たに福井市内の住民などによる勉強会が立ち上がるなど、新たな自主的な動きも出てきている。今後立ち上げる誘致推進協議会では、NHKへの要請活動を行うほか、こうした民間の動きと共動し、主人公などの知名度向上、あるいはドラマ誘致に向けた機運醸成などの活動を行ってまいりたいと考えている」というものであり、県民に広く誘致運動に参画してもらう仕組みづくりに意欲を示されました。
     しかし、一連の総括を見る限り、本当に広く県民を巻き込んだ運動であったというように評価することは難しいのではないでしょうか。また、誘致以前から活動してきた市民歴史団体との連携も不十分ではなかったでしょうか。これまで地道に手弁当で、福井の歴史の研究を重ね、成果を発表してきた各種市民歴史団体や個人が持っている資産を活用し切れなかったことは、もったいないの一言に尽きます。そして、今後の誘致活動の方針にもこのことに言及がないのは、いささか残念であります。  県内に、既に存在している知の蓄積とネットワークを活用していくという県の姿勢は、県民を広く巻き込む運動へとつながり、ひいては県民文化の向上や振興にもつながるのではないかと考えます。それは、本議会に提案されている「幕末明治福井150年博(仮称)」にも言えることであると、私は考えています。  この点について、今後、誘致協議会のあり方も含めて見直しを図るべきと考えますが、いかがでしょうか。「幕末明治福井150年博」の開催に対する考え方とともに所見を伺います。  2018年、我が国が明治維新150周年を迎えるに当たり、政府は10月7日、記念事業を実施すると発表しました。日本の近代化の歩みを次世代に伝えるため、政府主催の式典や各種事業の実施を検討するというものです。菅官房長官は、「明治150年は我が国にとって一つの大きな節目。明治の精神に学ぶ、日本の強みを再認識することは極めて重要だ」と述べました。既に先行して、鹿児島や山口、佐賀、京都などで150周年事業に取り組むことが発表されております。  幕末において、北陸3県を比べれば、福井ほど歴史上で活躍した地域はほかにありません。また、福井藩は、公議政体派の雄としても認められているところであります。まさに、福井の地に光を当て、差別化を行うこともできるチャンスだとは思いませんでしょうか。県民の郷土への誇りを高める機会として、子供たちに向けてはふるさと教育の一環として、「幕末明治福井150年博」を有効に活用していただきたいと思います。  さて、2018年は、国を筆頭に全国で150周年事業が開催されることが予想されます。明治維新は、全国規模で歴史が動いたために、連携の動きも各地で見られます。例えば、京都市では大政奉還150周年プロジェクトとして、幕末維新に京都で活躍した先人たちとゆかりを持つ16都市に参画を呼びかけ、相互に交流、連携を図る事業に取り組むことにしています。「幕末明治福井150年博」も同様、県内の開催にとどめるのではなく、積極的に他都道府県と連携することで、全国に福井を発信できる絶好の機会になるものと考えます。  福井藩は、公議政体思想の中心地であることから、全国にそのことを広くPRする目的で、福井県が先頭に立って公議政体派の偉人を輩出した地域との連携をすることも考えられますが、本県での開催に当たり、他都道府県との連携をどう図っていく考えなのか、知事の所見を伺います。  以上、知事初め理事者各位におかれましては、誠実な御答弁をお願い申し上げまして、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 54 ◯副議長(畑 孝幸君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 55 ◯知事西川一誠君) 井ノ部議員の一般質問にお答えをいたします。  まず、人工知能時代をどうチャンスとして生かしていくかとの考えのもとでありますが、県内の就業構造がどのように変化し、これを課題としてどう解決していくのか。また、その変化に対応して、経済界や労働界、行政による研究会などをつくって合意形成を図っていくべきではないかとの御提言であります。  国が今年4月に公表した新産業構造ビジョンの中間整理によりますと、人工知能やロボットが導入されますと、製造や建設現場、あるいは商業スーパーのレジなど、ロボットに置きかわる職種がかなりあるとされており、特に製造業や建設業の従事者の割合が全国よりも高い福井県においては、これらの業界への影響が生じることが考えられます。したがって、そういうこと考えますと、これからの我々の公務といいますか、そういうものにもさまざま影響します。どのように展開していくのか、また、さらには企業誘致などの考え方にも影響を与えてくると思います。  一方、国の報告では、IT技術の研究、開発や、人が直接行う必要がある介護、医療分野など、代替が困難な職種も当然あるという考えであります。  県といたしましても、人工知能、ロボット等は変化が早い技術分野でありますので、その動向を産業支援センターなどにおいて研究するとともに、最先端分野の知見の確保を絶えず行うシステムの構築が大事であるかと思っております。経済団体や労働者団体、学識経験者などの意見を聞きながら、こうした分野の知識、技術の習得など、さまざまな対策について検討してまいりたいと考えます。  次に、この人工知能時代において、新しい産業の創出の支援など、経済戦略をどう考えるかとの御質問であります。  人工知能、ロボット、IoTの利活用により、産業や雇用における構造変化が予測されますが、これは少子高齢化に伴う労働力不足の解消にもつながるものであり、イノベーションを促進し、福井県の産業の競争力向上をさせるチャンスにもなるかと思います。このため、県においては、平成27年4月に改定をしました経済新戦略に基づいて、IoTを活用した工場のスマート化やウェアラブル機器の開発も進めることとしており、繊維産業の効率化に向けたIoT導入の研究や、産総研、NEDO等と協力をし、例えば、運転者の身体状況をセンサーで計測するカーシート用素材の開発などを進めています。  今後、小売業、観光など、サービス産業においても、IoTを使った在庫管理の効率化や人工知能の多様化による多言語対応などが考えられ、サービスの質を高めるこうした研究を行ってまいりたいと考えます。  次に、大河ドラマ誘致活動の振り返りといいますか、このことについて、由利公正を中心として福井藩を取り上げるという要請をした最大のセールスポイントは何であったか、また、これから、それは他の誘致活動との差別化にどうつながっていくのかとの御質問であります。  由利公正につきましては、殖産興業を実践し、藩財政を立て直したほか、太政官札の発行により新政府の基盤づくりにも貢献した人物であり、庶民を豊かにすることで国を豊かにすることを目指したということでありますので、政治と経済の融合とか、あるいは庶民と政治家の関係など、新しい観点を持っておったかと思います。こうした生き方や先見性、志は、今日の地方創生にもつながるものでありまして、こういう点をPRしてまいりました。  また、福井藩は、春嶽公のもと、国内の融和を図りながら、諸藩、庶民の代表を集めた会議を開き、公明正大な民主的な政治を目指し動いていたということでありますので、民主政治、こういうものの基本を築いていたかと思います。こうした理想は、五箇条の御誓文の起草、「民撰議院設立建白」の動きとなって、明治以降の近代国家の発展に影響を与えたものと考えております。  こうした動きは、これまでの大河ドラマでは取り上げられていないタイプのものでありまして、いわば新しい歴史の見方、人物の評価でありますので、こうした事柄をどのように、さらに打ち出していくか、さまざまな方法というのを工夫していく必要があると、このように考えております。  その他については、関係部長から答弁します。 56 ◯副議長(畑 孝幸君) 産業労働部長片山君。     〔産業労働部長片山富士夫君登壇〕 57 ◯産業労働部長片山富士夫君) 私からは、人工知能時代のピンチとチャンスについて3問お答えをいたします。  まず、人材の確保や共通プラットホームの構築等、IoTの導入に不可欠な実装段階における課題について、県はどのようなことを想定し、対応するのかという御質問でございます。  県内の中小企業にIoTを導入するに当たり、共通のシステムやサーバなどのプラットホームを構築することは、規模や業種、導入機器が異なるため開発に膨大な時間がかかることや、既に導入している生産システムとの整合性などの問題があると専門家から聞いております。そのため、個別企業が、システム事業者と共同して、自社の規模や生産工程に見合った機器、ソフトウェアを導入することが適当であると考えておりますが、これにつきましても、費用面、セキュリティの確保などの課題があると考えております。  こうした課題に対しましては、福井県IoT推進ラボが中心となりまして、国のものづくり補助金や、人材育成の観点も含めまして専門家派遣制度など、こういったものを活用いたしまして支援するほか、セミナーの開催を通じまして積極的な情報提供を行って対応していきたいと考えております。  次に、福井県IoT推進ラボのKPIを達成するためには、導入企業は人材の確保や養成が必要であるが、現状の取り組みと課題、今後の支援についてという御質問でございます。  企業がIoTを導入した後、これらの機器を適切に運用するためには、自社の設備に精通した技術者やデータを分析できる人材が必要となりますことから、まずは企業において人材を育成、確保することが重要でございます。  このため、県では、中小企業やシステム事業者、県内大学などの関係機関とともにプロジェクトチームを設置いたしまして、実際の製造現場をモデルにした実証プランを作成することによりまして、その運用に必要な人員数や技術水準を研修することとしております。  今後、プロジェクトチームの検証結果を、業界団体等を通じまして、IoTの導入を検討する企業に普及していきたいと考えております。  次に、県内におけるデータセンターの立地状況と誘致の取り組みについて、現状及び今後の方針についての御質問でございます。  データセンターの誘致につきましては、県企業立地推進戦略本部におきまして、若者や女性に魅力のあるIT関連企業の一つとして位置づけまして、大手企業や情報通信事業者などを訪問し、BCP──事業継続計画の観点などから、本県への立地を働きかけているところでございます。  立地状況といたしましては、日本ユニシス株式会社が平成22年に小浜市においてデータセンターの進出を決定し、平成24年4月から操業しているところでございます。データセンターは、本社と近接し、管理がしやすい首都圏周辺への立地傾向が続いております。現在63%、約3分の2が首都圏にあるということでございますが、災害時のバックアップの役割、あるいは安価で安定した電力が重要であることから、引き続き、本県の低い災害リスクや安い電気料金、全国トップクラスの優遇制度などをPRし、誘致につなげていきたいと考えております。 58 ◯副議長(畑 孝幸君) 観光営業部長佐々木君。     〔観光営業部長佐々木康男君登壇〕 59 ◯観光営業部長(佐々木康男君) 私からは、大河ドラマ誘致活動の振り返りに関して2問お答え申し上げます。  各種市民歴史団体との連携など、今後、誘致協議会のあり方も含めて見直しを図るべき、あるいは「幕末明治福井150年博」の開催に関する考え方はとの御質問でございます。  これまでの誘致活動におきましては、例えば、福井市内の歴史団体や公民館などが、講演会や勉強会、イベントなどを自主的に行っており、機運醸成などの一翼を担っていただいていると考えております。県内には数多くの歴史団体があり、これらの団体とともに誘致活動を活発化していくことは重要であります。講演会などを開催する場合には、パンフレットやDVDの提供、講師を派遣するなど、連携を強化してまいりたいと考えております。  また、「幕末明治福井150年博」につきましても、福井駅周辺でのメーンイベントのほか、県や市町の博物館における特別展や関連イベントを県全域において開催したいと考えており、各地の歴史団体とともに盛り上げてまいりたいと考えています。  次に、150年博の開催に当たり、他都道府県との連携をどう図っていくかとの御質問でございます。  幕末明治の本県の先人は、例えば、松平春嶽と薩摩の島津斉彬や土佐の山内容堂、橋本左内と西郷隆盛、由利公正と坂本龍馬などのように、当時の著名な人物に影響を与えております。また、橋本左内の弟で日本赤十字病院の初代院長となった橋本綱常、養蚕や紡績など繊維産業の発展に貢献した佐々木長淳、帝国大学初代総長として実学を取り入れた渡辺洪基など、多くの先人が全国で活躍しています。  150年博の内容につきましては、今後、準備委員会等において検討することとなりますが、関係する他都道府県と連携し、例えば、博物館などからこうした先人の関係資料を借り受け展示するなど、その功績や生き方をわかりやすく紹介してまいります。また、本県と各県の先人のつながりを通して、ふるさとの歴史や先人の生き方を学び、将来について語り合う子どもサミットの開催なども検討してまいります。 60 ◯副議長(畑 孝幸君) 教育委員会教育長森近君。     〔教育委員会教育長森近悦治君登壇〕 61 ◯教育委員会教育長森近悦治君) 私からは、人工知能時代について2点お答えいたします。  人工知能時代の到来によりまして、社会構造の変化が予測されるが、そのときに備えて、どのような教育を行っていくかという質問でございます。  人工知能が飛躍的に発達した場合でも、社会の問題を把握し解決の道筋をつけていくのは人であり、社会や産業の構造が変化する中、基礎、基本となる知識の習得、これも重要でございます。それに加え、それを活用する力を身につけることが、より一層重要となるというふうに考えています。  このため、県では、時事問題を活用した討論型の授業や観光授業など、みずから地域の課題を見つけ解決を提案する学習、さらには、高校生が多様な関係の方々と対話をして課題の解決を目指すプロジェクト型の学習などを進めているところでございます。  さらに、地域人材、また企業と連携した提案型の体験学習、また、高校生の企業訪問の機会の拡充など、子供たちが社会にかかわり、そして参加していくための施策を新たに始めておりまして、こうした人とのつながりやふるさとへの思いを大切にした教育を進めてまいりたいというふうに思っております。  続きまして、人工知能が飛躍的に進化する社会変化に対応するため、現在の教育に関する大綱の強化、改善の考えはあるのかという御質問でございます。  教育大綱、そしてこれを受けて策定した計画では、変化が激しく複雑化する社会の中で、子供たちが知識を活用し、仲間と協働して答えのない課題に挑戦する力を身につけることを重視した施策を盛り込んでいるところでございます。  具体的には、経済界などの第一線で活躍する本県ゆかりの方々による授業、また新聞などを活用した時事学習、また課題解決型の学習の研究、実践など、子供たちが幅広い視野を持ち、みずから考える力を伸ばす施策を進めているところでございます。  現時点で大綱や計画を改訂する予定はございませんが、例えば、小学校における英語教科化など、効果的な施策を国に先行して進めたり、また高校生の長期海外留学の支援制度の創設など、これは計画には記載してございませんが、新たな施策も始めているところでございまして、今後とも必要な政策については速やかに実施してまいりたいというふうに思っております。 62 ◯副議長(畑 孝幸君) 井ノ部君。  井ノ部君に申し上げます。発言時間が残り少なくなっておりますので、発言は簡潔に願います。 63 ◯1番(井ノ部航太君) 産業労働部長にお伺いいたします。  このIoTの実装にはかなりのコストがかかるということでありますけども、一つ一つの企業の実態によって搭載すべき機能はもちろん異なりますが、それでもなお、ハードルが高いのではないかと、私は受けとめています。それについて、6月から、このIoT推進ラボ、助成というか認定がされまして活動しておりますが、今、団体で参加をしていただいている構成企業さんの声というのは、そういうハードルが高いなとか、これを進めていくのはなかなか難しいなとか、または前向きなのか、そういった生の声がもし届いていれば、お伺いさせていただきたい。 64 ◯副議長(畑 孝幸君) 産業労働部長片山君。 65 ◯産業労働部長片山富士夫君) IoT推進ラボの会員につきましては、いずれも昨年、あるいは一昨年から興味を持って研究を続けている企業ばかりでございます。  例えば、機械、いわゆる工業組合の青年部でございますとか、あるいは次世代農業の研究会でございますとか、関心は非常に高うございますが、実際に導入するに当たって、専門家からの話も聞いております。そうしますと、ハードルと申しますか、知識面、あるいは費用面、高いなということが課題となっておりまして、そうした課題を、推進ラボで、専門家の派遣とかそういうものを受けまして、急激に進んでおりますので、余り時間はないのですが、ただ、少しずつ、一歩ずつ着実に進めていきたいというふうに考えておりますし、県のほうでも、先ほど議員も言われました二つの事業を通じまして、企業の啓発等を進めていきたいというふうに考えております。 66 ◯副議長(畑 孝幸君) 井ノ部君。 67 ◯1番(井ノ部航太君) 非常に関心高く前向きな取り組みは、ぜひ応援していただきたいと思いますが、やはり、それには実践の場がないといけないし、それには先行企業といいますか、先端企業を積極的に福井県に誘致するような、そういう誘致戦略も含めて、ぜひ今後取り組んでいただきたいと思いますので、これは要望とさせていただきます。 68 ◯副議長(畑 孝幸君) 大久保君。     〔大久保 衞君登壇〕 69 ◯20番(大久保 衞君) 県会自民党の大久保でございます。久々の登場でございまして、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  きのう、同僚議員の長田議員も香港、シンガポールの食文化提案会について御質問をされました。私も、これは近い将来、産業、そして観光誘客、大事な要素があるということもありまして、若干かぶる部分もあるかと思いますが、よろしく答弁を求めたいと思います。  11月14日と15日にかけて、香港、シンガポールにおいて福井の食文化提案会が開催をされました。私も県内の農漁業団体、経済団体、観光団体の関係者とともに、福井県議会、観光振興議員連盟の一員として、今回の食文化提案会に参加をいたしてまいりました。香港会場の「シェラトン香港ホテル&タワーズ」、シンガポール会場の「グラウンドハイアットシンガポール」ともに、現地レストラン、食品輸入卸業者、旅行会社等の関係者150名近くに福井の食材を使った料理、日本酒が振る舞われ、食文化や工芸品を活用した福井県への観光誘客を行いました。特に、両会場ともに、開花亭の料理長によるズワイガニの実演の振る舞いは大盛況でありました。また、食文化提案会にあわせて開催をされた商談会では、越前漆器、越前焼、越前打刃物などの工芸品や眼鏡などに来場者の関心は深く、大変興味を持たれたようであります。  今回の香港、シンガポール訪問では、知事は現地関係者との意見交換や香港貿易発展局との協議、シンガポール日本国大使館との懇談、現地レストランへのトップセールス、現地スーパーの売り場視察など、精力的に本県のPRを行ってまいりました。  そこで伺います。  今回の香港、シンガポール訪問において、本県の農林水産物や工芸品へのレストラン関係者、現地バイヤー等の反応はどうだったのか、福井県の魅力を十分にPRできたのか、知事の率直な感想をお聞きいたします。  さて、訪れた香港は、農林水産省の輸出統計によりますと、過去11年間にわたり日本の農林水産物、食品の最大輸出先であり、輸出額は、2015年度実績で前年比33.5%の増、1,794億円となっております。今後も成長が大いに見込まれると考えます。また、アジアで見ても、輸出総額7,452億円のうち5,475億円で、全体の73.5%を占めております。この数字でわかるように、アジアは今後最大の力を入れていくべきマーケットであると認識をいたしております。  加えて、今回の食文化提案会の会場で感じたことは、現地の人にとって日本食は安全・安心。まさに、この安心・安全が日本ブランドであると痛感をいたしたところであります。福井県の食についても同様であり、安心・安全でおいしい福井県の農林水産物は、多少高価であっても販路拡大が見込めるニーズがある、このように私は感じた次第であります。  そこで伺います。  アジアでの本県農林水産物の販路開拓について、今回の訪問で得られた成果、見つかった課題、それを伺うとともに、今後どのように展開をしていくのか、知事の見解を伺います。  これまでの議会において、本県食材のアジア諸国への輸出額を、現在の4億円から、平成30年度には8億円に拡大したいとの答弁がありました。しかし、当然ながら輸出する物が必要であり、しっかり、アジア諸国のニーズに合ったものを安定供給ができるかどうか、これが大きな問題であると思います。  そこで伺います。  アジア諸国のニーズを踏まえた本県農林水産物の安定供給、物流への取り組み方針について、所見を伺います。  さて、観光面で申しますと、これまた香港の話になりますが、香港は日本ファンが非常に多うございます。2015年度実施の訪日外国人旅行者消費動向調査によりますと、香港の5人に1人はこれまでに10回以上訪問しているというデータがあります。また、2015年度は香港から日本へ152万人を超える旅行者が訪れております。これも前年比65%増とのことでありまして、人口の5分の1というデータであります。現在では、本年は180万人を超えるであろうと推測がされています。このように、誘客拡大の面でも、香港を含めたアジア圏は大きな可能性を持った国々であることがわかります。残念ながら、福井への観光客はそのうち1%にも届かないのであります。  そこで伺います。  本県への誘客拡大の観点から、今回の香港、シンガポール訪問を通じて得られた成果、課題、そして今後の展開について所見を伺います。  さて、海外における県産品の販路拡大や誘客拡大という観点から、昨年のミラノ万博についてお伺いをいたします。  御存じのとおり、昨年5月から10月まで、食をテーマにして開催されたミラノ万博、本県も10月24日から27日までの間、「禅(ZEN)と精進料理の福井」をテーマに出展をいたしました。折しも、平成25年12月に日本の和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界から注目を浴びた時期とも重なり、福井の食を通して福井の魅力を世界に発信していく絶好の機会でありました。本県のブースでは、伝統工芸品の実演や永平寺の僧侶による座禅や精進料理の実演など、期間中、約1万8,000人の世界の方々が来場し、福井の魅力に触れ、大いに福井をPRしたところであります。  現在、このミラノ万博から1年余り経過をいたしました。このミラノ万博を一大イベントだけで終わらせてしまっては、町内の祭りと一緒であります。ミラノ万博で得られた成果を生かし、今後の展開につなげていく、このことが最も大事なイベントであったというふうに思います。  そこで伺います。  ミラノ万博から1年たった今、ヨーロッパでの本県の魅力発信、誘客拡大について、これまでの取り組み経過を伺うとともに、今後どのように展開をしていくのかお伺いをいたします。  2点目は、定時制の昼間制移行についてお伺いをいたします。  御存じのように、定時制・通信制高校の生徒は、各自固有の問題を抱えて入学をしています。定時制・通信制高校の使命は、そういう生徒一人一人を、きめ細かく指導をして卒業に導くことにあります。そのためには、教員全員が連携し、情報交換をしながら、生徒を理解し、生徒のために何ができるかを常に考えていく必要があります。  来年度より、道守高校以外の県立高校定時制の夜間部が募集を停止し、鯖江、敦賀、若狭の3校において昼間部の募集が新たに開始されます。夜間部が昼間部に完全に移行するまでの3年間、昼間部と夜間部の両方が設置されることとなりますが、その3年間の移行期間が問題であります。  私は、県の定通教育振興会の副会長として、鯖江高校の定時制の教育振興会の会長の立場から、該当する定時制の教職員とよく意見交換をいたします。午前に登校する生徒から夜間に登校する生徒の両方の生徒を受け入れることになるので、授業時間数の増加、教員の勤務形態の複雑化、設備、施設等の不足などの問題を抱えて四苦八苦している状況にあります。この問題の出発点になるのは、昼間部と夜間部の両方の生徒を今までのようにきめ細やかに指導することが困難になるということであります。これまで夜間部の生徒に行ってきたものと同じ質の指導を、同じ数の教員で昼間部生徒に対して行おうとしたら、指導体制が薄まって不十分になるおそれがあるからであります。  そこで、これから3年間の移行期間に生じる可能性のある問題について、教育委員会のお考えをお聞きいたします。  定時制には、多様な学習歴を持つ生徒たちが在籍をしております。個々の生徒に応じた学習指導を行うため、習熟度別学習、チームティーチング、個別指導等を実施しています。生徒指導や進路指導においても、個々の生徒に応じた個別指導が必要であります。特に、夜間部と昼間部が3年間併設される定時制高校では、全生徒を丁寧にきめ細やかに指導できるのかという問題が生じてまいります。生徒が在校するのは午前10時ごろから午後9時過ぎまでとなり、11時間ほどの勤務時間になるのであります。一人の教員では手に負えません。対処できないのであります。また、全日制の授業のかけ持ちをしている教員もいますので、現状の職員数で対応すると、複数の勤務時間帯を組み合わせた複雑な勤務形態にならざるを得ず、生徒の指導の妨げになります。  これらの問題を解消するためには、教員数の増加がぜひ必要だと考えますが、同じことが養護教員にも言えます。病気やけがの対応だけでなく、生徒の心の健康を支え、不登校になるのを未然に防ぐという保健室の役割はさらに重要になっております。生徒の心身の健康をしっかりと指導管理できるように、全ての学校での常勤の養護教諭の配置を毎年お願いしておりますが、特に昼間部と夜間部が3年間併設される定時制高校につきましては、昼間部、夜間部全生徒の指導ができるように、常勤の養護教諭の増員を求めるものであります。  そこで伺います。  定時制の昼間制移行に伴い、養護教諭も含めた教員数の増など、生徒への指導体制についてどう対応されるのか、所見を伺います。  現在においても、全日制と定時制が併設されている高校では、施設の使用に関して時間的制約があります。十分な指導時間が確保できない、適切な時間割編成ができないという課題があります。そして、このことは、今後、昼間部と夜間部が3年間併設される定時制高校においては、さらに深刻な問題になります。昼間部の生徒が在校する日中は、体育館、家庭科室、理科室、コンピューター室等の施設を全日制と共有することが、さらに困難になるのであります。  また、昼間部がもともとある高校では、夜間部からの移行により生徒が増加し、新たな普通教室が必要になってきます。また、定時制や通信制の多くの学校では普通教室の冷房化が進んでおりますが、普通教室に冷房が設置されていない学校が一部あります。夜間部では、夜ということもありまして何とかしのげてまいります。しかし、昼間部へ移行すると冷房施設の設置が急務というふうに考えます。
     普通教室や特別教室の不足など、昼間制移行に伴う施設面における課題について、教育委員会の認識と対応をお尋ねいたします。  質問の3点目は、最近とみにふえております電動車椅子の事故等について、お伺いをいたしておきます。  ここ最近、高齢者の自動車事故が大変ふえております。死亡事故もここのところ福井県でも毎日のように起こっていた。これも大事であり、交通を妨げる大きな要因でありますし、対応をしていかなければいけない。それもあわせまして、私からは、最近利用がふえてきた高齢者や障害者の方が利用する電動車椅子について質問をいたします。  街中で電動車椅子を結構見かけるようになりました。電動車椅子は、歩行が困難な高齢者や障害者などにとって大変有効な移動手段の一つであり、生活必需品として定着をしつつあり、今後ますますふえると予想がされます。しかしながら、日常生活の中で普及してきている反面、電動車椅子がかかわる交通事故も増加しているのも事実であり、近年の社会問題の一つとして取り上げられております。  警察庁の交通事故統計を見ますと、平成27年度の電動車椅子による交通事故の発生件数は179件、交通事故により7人の電動車椅子の利用者が亡くなっております。道路交通法によりますと、自転車は軽車両として位置づけをされておりますが、電動車椅子の利用者は歩行者として扱われているのであります。したがって、電動車椅子同士の事故であったり、電動車椅子と歩行者の接触などによる事故は、警察の発表する交通事故統計にはカウントされていないのであり、179件をはるかに超える多くの事故が日本中では発生していると言わざるを得ません。本県においても、ことし8月に電動車椅子に乗った高齢者がはねられ、死亡した事故が発生をいたしております。  そこで伺います。  福井県における電動車椅子に係る交通事故の現状と課題、そして事故防止のための対策についてお伺いをいたします。  電動車椅子は、先ほども触れましたように道路交通法上は歩行者であるということから、道路の通行に対しましては、歩道がある道路では歩道を通らなければなりません。歩道がない道路では、その路側帯を通行するのであります。私も歩道のない道路で電動車椅子が車道を通行している場面を何度も目にいたしております。自動車のドライバーは、細心の注意を払い運転をしなければなりません。現実、全ての道路に歩道があるわけでもありません。歩道がない場合、利用者は路側帯や車道の右側を通行することになりますが、これは自動車と非常に近い距離を通行するのであります。交通事故のふえる要因は、こういうことにも端を発しているのであります。電動車椅子の利用者にとっては、歩道を通行したほうがその安全性は高いと考えますが、歩道の幅がきっちりあればよろしいのですが、歩道での電動車椅子と歩行者との接触、あるいは歩道がない道路でのこの道路の幅に問題が起こってまいります。  そこで伺います。  道路整備事業や交通安全事業などで歩道を設置したり、歩道を拡幅されていますが、本県の歩道整備の実情と考え方、所見をお伺いいたしたいと思います。  最後に、電動車椅子が歩行者として扱われ、電動車椅子に係る事故全てが統計上、把握されていない現状は、やはり課題があると言わざるを得ません。ぜひ、警察庁に道路交通関係法令の改正などによる改善を働きかけていただくよう、要望いたします。弱者救済、これを常に唱えておりますが、こういうことであります。電動車椅子は、何もことし発売されたわけではありません。これが歩行者として扱われる。皆さんの考えをお聞きもいたしたいし、今後の方針について適切に対応していただきたい。要望を申し上げまして、今回の質問にさせていただきます。  ありがとうございました。 70 ◯副議長(畑 孝幸君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 71 ◯知事西川一誠君) 大久保議員の一般質問にお答えをいたします。  まず、香港、シンガポール食文化提案会についての御質問であります。  今回の香港、シンガポールの提案会において、本県の農林水産物、工芸品への関係者の反応はどうであったか、また、福井県の魅力を十分PRできたのかとの御質問であります。  このたび、大久保議員を初め観光議員連盟の皆様には、さまざまな働きかけをいただき、お礼申し上げます。また、経済、観光、農業の各団体とも一体となってPRをできたことが、大きな成果につながっていると考えております。  さて、今回の提案会において、現地のレストラン、あるいはバイヤーからは、次のような評価を受けております。特に越前がにを中心とした水産物の福井フェアを開催してほしい、あるいは、例えば、とみつ金時がスイーツに加工しやすい、そばの冷凍生麺はレストランで使いやすい、それから、越前漆器について興味があり、特に赤色と金色が金持ちとか健康をシンボルするんだという、そういうような評価を得ております。  本県産品の輸出拡大に向け、大きな手応えがあったと思っており、食品輸入業者やレストランへの積極的な販売促進活動を行い、県内事業者との取引を拡大させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  次に、一方で今回の香港、シンガポール訪問における観光誘客の成果はどうかという御質問であります。  今回の訪問では、参加した現地の旅行会社11社やメディア25団体に対し、永平寺や越前がになど、本県の魅力についてのPRを行い、関心を持ってもらったところであります。また、著名な料理評論家であります蔡瀾という方がいらっしゃるんですが、こうした方から専門的なお話を聞きまして、福井の食や観光の魅力発信、食通ツアーの実施に協力いただくことになったほか、海外教育旅行を推進している香港の団体に対して本県を売り込んでいただき、数年内にこれを実施したいとの回答を得ております。  さらに、現地旅行会社への営業を通し、このエリアにおいても「ZEN」が大きな訴える力を持つことが確認できました。今後、現地の旅行博への出展等により、このブランドを発信し、本県の具体的な誘客拡大につなげてまいります。  次に、アジアでの本県農林水産物の販路開拓について、今回得られた成果、見つかった課題はどのようなことか、どう展開していくのかとの御質問です。  今回の現地活動では、食品輸入業者2社と輸出拡大に向けた連携協定を結んでおります。本県食材の輸出ルートが、まずは確保できたと考えております。また、日本食レストラン2店舗において、来年1月から本県食材を使用した福井フェアの開催を決定しております。  提案会と同時に開きました商談会では、日本酒や越前がに等の引き合いが強く、商談件数は合わせて200件を超えておりますが、そのうち、これから数カ月以内に大体70件余りの成約が見込まれるというふうに今のところは予想しております。  福井の知名度を定着させるため、日本の四季に応じたレストランフェアの回数を増加させるとともに、現地バイヤーの県内視察による県内生産者との結びつきを強化してまいります。さらに、最新の情報を現地で収集するためのネットワークづくりや、安全・安心な県産農産物をPRするためのグローバルGAPやハサップ認証の取得を進めることにより、輸出の拡大につなげてまいります。 72 ◯副議長(畑 孝幸君) 観光営業部長佐々木君。     〔観光営業部長佐々木康男君登壇〕 73 ◯観光営業部長(佐々木康男君) 私からは、ミラノ万博から1年経過した今、本県の魅力発信、誘客拡大についての取り組みの経過、今後の展開についての御質問でございます。  昨年のミラノ万博におきましては、本県は、「禅(ZEN)と精進料理の福井」をテーマに出展し、また観光交流会や商談会も開催いたし、大変好評を得ました。  観光関係につきましては、ミラノ万博以来、博覧会でつながりのできました旅行事業者やジャーナリストなどに対し、定期的に観光や食の情報を提供してきております。この5月にはイタリアのテレビ局が座禅や紙すき、そば打ちなどの体験取材に訪れ、6月から2カ月間にわたりテレビ放映がされております。また、先月末にはイタリアのフードジャーナリストが来県し、越前がにや精進料理、伝統工芸などの取材を行い、この年度内には雑誌や新聞において紹介される予定であります。  さらに、今後は本県の「ZEN」ブランドの発信を強化していくとともに、訪日旅行を取り扱う国内旅行社などを招聘するなどし、欧州からの観光商品の造成を働きかけるなど、観光誘客につなげてまいりたいと考えております。 74 ◯副議長(畑 孝幸君) 農林水産部長中村君。     〔農林水産部長中村保博君登壇〕 75 ◯農林水産部長中村保博君) 私からは1点お答えをいたします。  香港、シンガポールの食文化提案会につきまして、アジアの諸国のニーズを踏まえた本県農林水産物の安定供給、物流への取り組み方針でございます。  今回の食文化提案会におきまして食材として提供したものとしては、越のルビー、それから里芋、とみつのカンショのサツマイモ、そばなどでございます。これらについて、特に越のルビーについては、大規模施設園芸で今、生産が非常に多くなっておりますし、里芋、サツマイモ、ソバなどにつきましては、集落園芸により生産の拡大を進めております。これは今後も拡大をしていくということでございます。  また、現地のスーパーへ行きますとお魚売り場やお寿司のほうでは7割ぐらいサーモンが並んでいたかと思いますが、この人気のありましたサーモンにつきましては、今トラウトサーモンを養殖する生けすを毎年ふやしておりますし、敦賀の水産加工施設において、使いやすいフィレなどにして安定供給できる体制がもう整っております。  今後は、連携協定を締結いたしました食品輸入業者2社の物流ルートを通じまして、本県のトップブランドであります越前がにを初めとしましたこれらの食材につきまして、輸出の拡大を積極的に図ってまいりたいと考えております。 76 ◯副議長(畑 孝幸君) 土木部長辻君。     〔土木部長辻 義則君登壇〕 77 ◯土木部長(辻 義則君) 私からは1点お答えします。  電動車椅子の事故に関連しまして、道路整備事業や交通安全事業などで歩道を設置、拡幅しているが、歩道整備の考え方はとの御質問でございます。  歩道につきましては、自動車交通量や歩行者通行量、学校や公共施設の立地状況などを考慮して設置しているところでございます。また、交通量の少ない田園地域や集落付近で歩行者の安全性向上を図る必要のある区間におきましては、経済性や除雪などの維持管理を考慮しまして、歩道を設けずに路肩を1.5メートル以上に拡幅している場合もございます。  電動車椅子利用者を含めた歩行者の利便性を確保するため、通学路などの歩道整備に加えまして、狭い歩道の拡幅や段差解消など、バリアフリー化に努め、より安全で安心な歩行者空間を確保してまいりたいと考えております。 78 ◯副議長(畑 孝幸君) 教育委員会教育長森近君。     〔教育委員会教育長森近悦治君登壇〕 79 ◯教育委員会教育長森近悦治君) 定時制の昼間制移行について、2点お答えいたします。  昼間制移行に伴いまして、養護教諭も含めた教員数の増など、生徒への指導体制については、どうなるのかという御質問でございます。  夜間定時制の昼間制移行につきましては、円滑に移行できるよう、これまで始業時間や時間割、また教員の勤務体制や施設、設備などの対応につきまして、各学校と丁寧に検討を進めまして、昼間制の概要を決定したところでございます。そして、8月からは志望する生徒や保護者、中学校の教員に対しまして各学校2回ずつの説明会を実施して、丁寧に対応しているところでございます。  教員につきましては、議員おっしゃったとおり移行期間の3年間は昼間、夜間が併設されるということでございまして、この間の生徒の学習指導、また進路指導、さらには不登校経験者などへの相談体制とか個別指導をしっかり進めるために、教員の早出、遅出などの勤務時間帯の見直し、また養護教諭を含めた教員の増員など、各校の実情にあわせて適正に対応していくという方針でございます。  続きまして、普通教室、特別教室など、施設面における課題についての認識と対応についてでございます。  施設面については、これまでにコンピューター室などの実習室、また教室の増設、冷房の設置、情報機器の整備などについて学校現場と検討を重ねまして、今対応を協議しているところでございます。  平成29年度につきましては、現在の施設で対応が可能でございますけれども、平成30年度以降につきましては、昼間部の生徒の増加に伴う使用教室の不足などに対応するため、今後、必要な改修、改善を進めることとしておりまして、生徒の学習環境の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。 80 ◯副議長(畑 孝幸君) 警察本部長猪原君。     〔警察本部長猪原誠司君登壇〕 81 ◯警察本部長(猪原誠司君) 私からは、電動車椅子の事故の実態等についてお答えをいたします。  議員御指摘のとおり、電動車椅子は道路交通法上、歩行者として位置づけられておりまして、これは電動車椅子があくまで身体の障害により歩行が困難な方の歩行を助ける道具であるという点に注目したものでありまして、例えば、スピードを時速6キロメートル以下しか出せないことですとか、ほかの歩行者にけがをさせるような突起物がないことなど、歩行者と同列に取り扱うための必要な規制をした上で、電動車椅子は歩道などをほかの歩行者と同様に通行することができることとなっております。  しかしながら、議員御指摘の電動車椅子の事故防止の重要性を踏まえまして、電動車椅子に係る死亡事故等の必要な実態把握にしっかりと努めてまいりたいと思います。  交通事故の現状につきましては、電動車椅子に係るものでございますが、平成24年から平成28年11月末までの過去5年間に計6件の人身事故が発生し、そのうち死亡事故は、議員御指摘のとおり、本年8月11日に永平寺町北島地籍の町道において普通乗用車との衝突事故1件が発生しております。  また、課題といたしましては、電動車椅子は利用者の方々にとって便利な移動手段ですが、いかに交通事故に遭わずに安全に利用していただけるかが重要であると考えております。したがいまして、県警察では、電動車椅子利用者の方々に対しまして、体験型交通安全教室における安全な利用方法の指導や、街頭における保護誘導活動を行っております。  一方、自動車等の運転者の方々に対しましては、運転者講習等において交通弱者に対する思いやり運転について指導しております。このほか、電動車椅子利用者の交差点横断を妨害するなどの違反を中心に交通指導取り締まりを徹底し、電動車椅子に係る交通事故防止に万全を期してまいる所存であります。 82 ◯副議長(畑 孝幸君) 大森君。     〔大森哲男君登壇〕 83 ◯23番(大森哲男君) 県会自民党、大森哲男であります。通告に従いまして、県政一般に対する質問をさせていただきたいと思います。  この順番になりますと、随分重複する質問が多くなってきますが、ニュアンスは若干違いますので、ひとつ真摯な御回答をお願いしたいと思います。  まず最初に、大河ドラマ誘致についてお伺いいたしたいと思います。  大河ドラマ誘致に至らなかった理由、私もいろいろ考えてみましたんですが、福井が、それを通じて何を発信したいかということが、NHKや県民にうまく伝わっていなかったことが大きな要因でないかと思います。  主人公になる得る幕末の偉人は、由利公正氏以外にも松平春嶽公、橋本左内先生もいらっしゃいます。  松平春嶽公は、勝海舟や坂本龍馬とも親密な交流があり、幕末の四賢候の一人として、うたわれていらっしゃいます。春嶽の考え方は、先ほど井ノ部議員もおっしゃいましたが、公議政体論ということで、民主的な方法によって血を流さずに一つの政府をつくっていこうということでございました。そのため、大きな尽力をし、平和的な大政奉還へと大きく動いたというふうに私は思います。しかしながら、会津藩や慶喜公などとの関係もあり、維新以後は歴史の表舞台にあらわれることは少なくなっていった。  橋本左内氏は、春嶽公の右腕として藩政改革を行い、西郷隆盛が激賞するなどの才能を持っていらっしゃいました。しかし、身分を問わない有能な人材による政府体制への改革や富国強兵策を精力的に説いたことなどから、その動きを恐れる大老、井伊直弼によって、若くして安政の大獄で処刑されてしまいました。  由利公正氏は、国家財政を立て直し、欧米の列強諸国と対等につき合える日本の経済基盤をつくる等、明治新政府においても大活躍し、廃藩置県後の東京府の初代知事としても手腕を振るっており、私も、福井が幕末維新をテーマにするなら、主人公にふさわしい人物だと思います。  本県が大河ドラマを通じて訴えたかったのは、薩長土肥を中心として、武力による倒幕を掲げる勢力が大勢を占める中、福井は、無血に近い形で平和的、民主的に維新を達成するという大きな目的に向かって、一丸となって動いたということではなかったのでしょうか。先日、由利公正を主人公とすることに余り積極的でなかった人に、そのような思いを話しますと、なるほどと納得されましたし、平和的に、民主的に解決しようという考え方は、福井の教養人に脈々と受け継がれて、軍部の暴走をとめた岡田啓介氏や松尾伝蔵氏などにもつながるものだと思います。しかし、そのような思いが、NHKだけでなく議会も含めて県民に十分に届いたとは言えないのではないかというふうに私は思います。  「幕末明治福井150年博」は、大河ドラマの誘致のためでないということだが、「幕末明治福井150年博」をやりたいのであれば、開催に至る経緯及び150年博を通じて何を発信していくのかを明確にすべきであると思います。「幕末明治福井150年博」開催に至る経緯及び150年博を通じて県民に訴えたいポイントは何か、知事にお伺いしたいと思います。  今後は、150年博と並行して大河ドラマ誘致を進めていくことになろうかと思いますが、先日開かれた大河ドラマ誘致推進協議会では、戦国や幕末明治に活躍した先人が主人公となり、福井県の先人が数多く登場するドラマを目指すという方針が示されました。戦国時代では、朝倉義景や柴田勝家、お市の方など、幕末維新では、由利公正氏や橋本左内先生、新しい時代を切り開いた人物が候補として挙げられています。その理由として、大河ドラマは、近年、戦国と幕末明治の先人がほぼ各年で主人公となっていることや、福井県には戦国と幕末明治において全国的に活躍した知名度の高い先人が多く、主人公候補を中心に県内各地で活躍した先人を登場させることで、ストーリーに幅を持たせることができること等が説明されています。  しかし、福井県が発信したいポイントが明確に伝わらなかったことが、誘致に至らなかった原因の一つであるならば、大河ドラマを通じて、主人公とともに今の時代に心に残るストーリーを明確に示し、県民一体となった誘致活動にすべきではないと考えますが、大河ドラマ誘致に至らなかった原因をどう分析し、どのように誘致活動、誘致戦略の見直しを行っていくのか、お伺いしたいと思います。  次に、人口減少対策についてお伺いします。  先日、高志中学校の授業を見学する機会がございました。高志中学校は、中高一貫教育であることから、中学校の学習内容に高校の授業を関連づけて行うほか、高校入試のための受検対策に費やす時間を活用し、中学3年生で高校での学習に着手するとのことでありました。数学と英語の授業を見せてもらいましたが、授業内容は非常におもしろく、子供を持つ親としては、このような環境で子供を学ばせたいものだと感じました。  高志中学校は人気も非常に高く、90名の定員に対し、初年度は出願者数546名と倍率6.06倍、昨年は316名の出願があり、倍率は3.51倍ということでございました。中学受験が必要な学校は、私立の福井中学校、北陸中学校、国立福井大学附属中学校もございます。親としては、よりよい教育を受けさせたいというのが人情で、学習塾の周辺には、今送り迎えの小学生の親がたくさん並んでいます。  一方で、スポーツ少年団や習い事をしていた子供たちが受験のためにやめていくケースも多く、私もお手伝いをしていますサッカーやバスケットボールのチームからも嘆きの声が聞こえてくるのが、今の現実であります。  県内で中学校を受験する児童の人数及び割合を伺うとともに、受験者の居住区域の分析についてお伺いしたいと思います。  授業を見ていて思ったことは、この子供たちは高度な教育を受け、県外の大学へ進学していくんだろうと、しかし、この中から何人の子供が福井へ戻ってくるのだろうかという疑問であります。  高志中学校では、ふるさと福井への理解を進めることなどを目的に、高志学を設定しているということでございます。高志中学校で行われている高志学の具体的な内容とその狙いについて、お伺いしたいと思います。  福井県の人口減少対策は成果を上げているものも多くございます。平成27年の合計特殊出生率は、1.63という過去20年で2番目に高い数値となりました。全国の順位も四つ上がって10位、出生率も9年ぶりに増加となりました。地域コミュニティも充実していて、地域、学校、家庭の連携もよく、子供たちの学力も高い、これは本当に評価したい一面だと思います。  しかし、平均学力が高いだけに、皆同じような学校、大学を目指してしまうのではないか、本当にこれでよいのだろうかという疑問も感じています。スポーツはもとより、いろいろな分野で活躍するためには、高校を卒業する18歳までには明確な目標を見つけて、その目標に向かって進んでいく人材を育てるべき。このままでは、みんな同じようなステレオタイプの子供になってしまうのではないかと危惧する一面もございます。  高志中学校のような最先端の教育も必要でありますが、教科学習よりも他の分野に興味を持つ子供も出てくる。そのような子供の適性を伸ばし、才能を見抜き、選択の幅を広げていくことも重要であると思います。その面から言いますと、春江工業や小浜水産など職業系高校が少なくなっていく現実は、大変問題だと考えますが、県立高校再編計画の中で、職業系高校の充実についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。  また、近年、職業系高校から大学に進学する生徒もふえている。しかし、文系へ進む子がいたり、大学で学ぶ内容が高校で学んだことと連続性がないため、高校で学んだ技術がリセットされてしまう。技術は、積み上げて伸ばしていくことが大事であり、高校と大学の連続性を持たせていく意識を持っていただきたい。  人口減少対策の一つ目の関門は、18歳大学進学時の流出防止であります。この流出を抑えるため、大学の多様化を真剣に考えてほしい。  全国の大学は、生き残りをかけてさまざまな取り組みを行っています。県内でも、福井工業大学は、従来から工学部に加え、文系の学生や女子生徒にとっても魅力的な文理融合型領域を含む、環境情報学部とスポーツ健康科学部を併設し、工科系総合大学となりました。国立大学であります福井大学にも新しい国際地域学部が設置され、新しい学部は地域の創生を狙い、グローバル化する社会の発展に寄与できる人材の育成を目指しており、入学時から徹底した英語教育を行うということであります。国際化の波にさらされている企業や学生のニーズにマッチした学部であり、卒業生は県内の企業で活躍してくれるだろうと期待しております。  では、県立大学はどうでしょうか。外側から見ていると、世の中のニーズや多様化への対応ができているのか、世の中でどういう人材が必要とされているのか認識しているのだろうかと考えてしまいます。  以前から、学生に魅力ある学部、学科の設置を要望しています。18歳人口が減少する中、県立大学が果たすべき役割について知事の考えを伺うとともに、学生に魅力ある大学となるために、どのような取り組みを行っているのかお伺いしたいと思います。  二つ目の関門は、大学卒業時に就職で福井に残ってもらう、もしくは福井に戻ってもらうことであります。福井労働局の発表している有効求職者数の推移を見ますと、2年前の平成26年10月は1万1,476人でございました。ことし10月は、これが1万378人となり、1,101人減っています。その内訳は、正社員の求職者数が942人減、非正規社員が159人の減であり、正社員を求める人が大きく減っているのであります。結果として、本県の有効求人倍率は全国2位をキープしていますが、東京など大都市圏に比べると給与や雇用条件面などに差があるため、求職者が県外へ流出している結果になっております。  有効求人倍率が高いということは、求人を出しても人が集まりにくいということにほかならず、企業誘致面ではマイナスになります。県外企業と話しますと、工場を福井でつくっても、本当に従業員は集められるんですかと必ず聞かれます。人がいないから企業が誘致できず、企業が育たないし、仕事がないから人が戻ってこないという、ひょっとすると悪循環になっていく可能性がございます。  県は、有効求人倍率が高い理由をどう分析しているのか、また、人手不足に対応するためにどのような施策を講じているのか、お伺いします。  福井県は、今後どうやって御飯を食べていくのか。以前の繊維産業のような大きな雇用の柱が必要でありますが、県は、これから何を柱としていくのか示すことが必要ではないでしょうか。繊維産業は、川上から川下までさまざまな業種が存在し、多くの雇用を生みました。しかし、今は、その技術はどんどん海外へ流出してしまって、雇用の受け皿ではなくなってしまいました。サービス業や介護産業などが増加し、人手が足りずに苦労していますが、雇用の柱になるまで、それを育てるインフラも整っていません。  先日、片山善博慶應義塾大学教授の講演を聞く機会がございました。その中で、鳥取県知事時代の話があり、ある製品──これはランジェリーですが、その産業が鳥取県にあるようですが、1万5,000円で売られているものが鳥取県の下請けメーカーから出荷されるときは800円なんだ。びっくりした。その価格をいかに高めていくかに苦労したということでございました。同じ問題が福井県にもございます。柱となる企業や産業を育てていくために、県が、シンクタンクをつくるなどの意気込みを持って、ブランディングやマーケティングやデザイニングを進めることが大変重要ではないかと思います。神奈川県では、社会的ニーズが高く今後大きな成長が見込まれる再生医療等の製品や革新的な医療品の実用化と人材育成を目的に、かながわクリニカルリサーチ戦略研究センターを設置しています。  今、商店街も小売店も苦しんでいます。インターネットや通信販売の発展もあり、本当に売り上げが伸びないということです。地方の商店は、思った以上に疲弊しています。歴史のある小売店のチェーンでも子供に店を継がせないという話が耳に入ってくる状況であります。若者は、どういうチャネルで物を買っているのかの分析も必要であります。北陸新幹線やハピリンの開業効果も落ちついてきた現状を考えると、大きな視点での戦略が必要だと思います。  超高齢化社会の到来など、環境が激変する中、今後県が実行する戦略、政策を部局の枠を超えて研究し、県民に示すべきと考えるが、知事の具体的な所見をお伺いしたいと思います。  次に、年縞の研究展示施設について議論を振り返りたいと思います。
     予算議案の審査は、予算決算特別委員会及び分科会で行うこととなりました。常任委員会での議論が大変難しくなりました。我々も、常任委員会のあり方や議論の仕方が変わっていかなければなりませんが、常任委員会はじっくり議論を深めていく場であり、その常任委員会の場で県が持っている正確な情報を出すとともに、正確な答弁をしてもらわないと議論になりません。そして、予算決算特別委員会でも一貫した情報や答弁にならないと、常任委員会で適当としたことが、予算決算特別委員会で反対の結論を出したかのようになってしまいます。  前回の常任委員会では、年縞研究展示施設を活用して観光振興を図るため、エリア全体の将来展望、全体計画が必要で、これを示すよう求めましたが、県からは、「現時点では具体的にでき上がったものはない。エリア全体で今後どのように活用していくのか、若狭町とも相談しながら検討していく」との答弁がありました。そして、今後についての全体ビジョンを示してもらい、議論をした上で対応していくということでございました。また、年縞が世界的に貴重なものであるならば、天然記念物指定をとったほうが、国が予算を計上して、あるいは国の補助金を獲得していくべきではないかということをただしたのに対して、「年縞の価値については文化庁にも理解してもらっているが、この施設は文化財保護の視点だけではなく、観光にも活用するため、文化庁の予算の獲得については難しい面があると思う」との答弁でありました。  将来ビジョンや収支計画も出さないまま大きな施設計画を進めていくという考え方──天然記念物指定についても、地元合意がとれないということがわかっているのに隠しているのではないかと詮索してしまう。県と議会、これは両輪の歯車だとおっしゃいます。都合の悪いことを言ってもらえない、これは議会軽視と思われても仕方がないと思います。大きな事業になればなるほど、さまざまな利害関係者がいて、いろいろな声が出てきます。間に入る県や町も調整が大変です。しかし、それを調整するのが行政の役割であり、最初から全てを出してくれれば、我々も一緒になって地元に理解を求めるための活動もできます。予算化するときには地元の根回しを終えておくことは、原則であります。  地元の同意を得られない中、天然記念物指定について今後どのように取り組んでいくのか、県の方針をお伺いします。  見せ方を工夫しないと人が来ない施設になってしまうため、エリア全体の将来展望、全体計画を示した上で議論を行うこと、国体までに間に合わせる意味があるのかという、9月議会における年縞研究展示施設の議論を踏まえて、施設及び周辺の県、町有施設の総合的な管理運営について、町との協議状況をお伺いします。  いずれにしても、年縞に学術的な価値があることは事実でございます。この施設が今後とも嶺南地域の活性化につながるように、そういう施設にするために、ぜひとも実りある展望、計画になっていくべきと考えております。  どうも御清聴ありがとうございます。 84 ◯副議長(畑 孝幸君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 85 ◯知事西川一誠君) 大森議員の一般質問にお答えをいたします。  まず、「幕末明治福井150周年博」開催に至る経緯、及びこれを通して県民の皆さんに訴えたい分野はどういうことかとの御質問です。  幕末明治の福井においては、春嶽公、橋本左内、由利公正らのほか、梅田雲浜、あるいは内山良休兄弟等、さまざまな人たちがいらっしゃいますし、また、余り知られていないような方でも、天然痘予防のために命がけで日本に種痘を広めた笠原白翁、それから春嶽公にも影響を与え、封建時代にあっても近代的な個人主義の精神の先駆ともいえる歌人橘曙覧、あるいは警察制度を創設した村田氏寿、あるいはお雇い外国人として福井での人材育成に寄与し、幕末明治の福井藩の様子、光景の記録を残してくれたエリオット・グリフィスなど、近代日本やふるさと発展に貢献した数多くの人たちがおられます。  これまでも近代日本の幕開けに活躍した先人を検証し、講演会や展示会を開いております。150年博は、明治150年を機に先人の功績や生き方、考え方について県民の関心と理解をさらに深め、ふるさとに対する自信、誇りを高めるとともに、人づくり、まちづくりにつなげていくために開くものであります。  また、本県の先人たちは当時の著名な人物に多くの影響を与えており、他の関係都道府県と連携し、関係資料の交換、展示を行うなど、また福井県の学校教育の場でも積極的に彼らを紹介するというようなことで、効果的にこの事業を進めてまいりたいと考えます。  次に、人口減少対策の中で、18歳人口が減少する中、県立大学が果たすべき役割について、魅力ある大学をどのようにつくっていくかとの御質問です。  県立大学は、先ほど申し上げましたように県民共有の財産であり、地方自治にとって大きな資産であります。これまでも開かれた大学として、最先端の研究成果を県内で学び、卒業後は地域で活躍する若者を育てるための特色ある教育を実行してまいりました。こうした考えは、県立大学が10月に発表したオープンユニバーシティ構想の中でも明らかにされており、進士学長は、福井の元気を支える大学を目指したいと述べています。  今年度は、入学者全てが福井県の自然、歴史、文化を直接体験するオリエンテーションに参加をしたほか、県内各分野のトップからの経済的な講義や永平寺の座禅体験などが行われております。  また、本年度から推薦入試の地元枠を101名に拡大したところ、過去最多の181名の志願があり、昨年度より25名多い111人が合格するなど、若者の県内定着を促進しているところであります。  次に、今後実行するこうした超高齢化時代を迎えての戦略、政策を、部局の枠を超えて研究し、県民の皆さんにも理解していただく必要があるのではないかとの質問です。  これからの超高齢化社会について、政府は成長戦略の中で、先ほども御質問をいただきましたAI、IoT、ビッグデータの活用などを合わせ、医療、健康分野を、医薬品、精密機器等の製造業、農業や食品産業、さらに観光、サービス業等への視野が広がる新しい成長市場としていく方針を示しています。  福井県では、既に3年前から医療産業の研究会を設置するなど、企業の参入を促しており、今回の補正予算においても、国の予算を活用し、人の健康状態がわかる衣服の開発などを進めることの予算を御提示しているところであります。  今後、有識者や研究者、民間企業等からの情報収集に努め、可能性のあるものについては人や企業の誘致に着手するなど、本県における、特に医療や健康産業などの成長分野の規模拡大を図ってまいります。 86 ◯副議長(畑 孝幸君) 安全環境部長清水君。     〔安全環境部長清水英男君登壇〕 87 ◯安全環境部長清水英男君) 私のほうからは、年縞関係2点について御回答させていただきます。  天然記念物の指定について、今後どのように取り組んでいくのかということでございます。  天然記念物の指定につきましては、若狭町と以前から協議を進めてきておりますが、三方五湖一帯が既に文化財保護法に基づく名勝に指定されており、天然記念物については規制を伴うことから、若狭町は指定の意向を持っていないというところでございます。  しかしながら、水月湖年縞が天然記念物に指定された場合、例えば湖底のしゅんせつなど、年縞の形成に影響を及ぼすような行為は規制されるわけでございますが、影響のない行為まで規制されるものではないというものでございます。  文化庁は、天然記念物の保護には地域の関心と協力が欠かせないとしております。町におきまして、年縞そのものの価値、それから年縞を保全し後世に伝えていく重要性について、地元に十分御説明をいただいて、指定に向けての合意形成を図っていくこということが重要であろうというように考えているところでございます。  県といたしましても、この立命館大学との共同研究により、年縞そのものの価値をさらに高めていくという努力もさせていただきますし、若狭町に天然記念物指定の意向ということがございますれば、積極的に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。  それから、年縞展示施設の周辺の県、町有施設の総合的な管理について、町との協議状況はどうかという御質問でございます。  年縞研究展示施設を整備する周辺一帯には、道の駅、里山里海湖研究所、若狭三方縄文博物館があり、近隣施設と連携しつつ誘客を図っていく必要があるというふうに考えております。具体的には、年縞研究展示施設と縄文博物館で共同のエントランスの広場を整備するとか、あるいは県内外での共同のPRを行うとか、利用券の共通化の検討を行うというようなことにより、効果的な誘客を図っていく。あるいは、利用施設において人的な連携を図り、総合的な管理運営を行っていきたいというふうに考えておりまして、町とも今協議をしているところでございます。  このほか、スマートインターチェンジの利用状況や年縞展示施設開館後の両施設の入館者数の状況などを見きわめた上で、今後の縄文ロマンパーク一帯の誘客の方策のあり方につきまして、若狭町と引き続き協議をしていきたいというふうに思っているところでございます。 88 ◯副議長(畑 孝幸君) 産業労働部長片山君。     〔産業労働部長片山富士夫君登壇〕 89 ◯産業労働部長片山富士夫君) 私からは1点、人口減少対策についてお答えいたします。  有効求人倍率が高い理由をどのように分析しているのか、また、人手不足に対応するためにどのような施策を講じるのかというお尋ねでございます。  本県の有効求人倍率が高い背景には、技術力の高い県内企業が高い雇用意欲を維持している一方で、県内企業は、材料、部品製造等の企業が多く知名度が低いため、その魅力が十分に理解されずに、就職先として選ばれていないということが挙げられるかと思います。  まさに、議員がおっしゃるように、大学卒業時に福井に残ってもらう、あるいは戻ってもらうことが大事でございまして、県では、インターンシップによる県内産業への理解の促進、あるいは福井の企業の高い技術力を紹介する「実は福井の技」を県内高校2年生の早いうちから配布するなど、企業のPRに努めているところでございます。  また、就職支援協定を締結いたしました立命館大学ほか4大学におきまして、県内企業の情報を提供する業界研究セミナーを学内で実施しております。さらに、今年度から、新たに建設、情報サービスなど人手不足の業種に就職する県外大学生等の奨学金返還の支援を行いますほか、今後、若者や女性のU・Iターンをふやすため、企業の出張説明会を東京、大阪で実施することといたしております。 90 ◯副議長(畑 孝幸君) 観光営業部長佐々木君。     〔観光営業部長佐々木康男君登壇〕 91 ◯観光営業部長(佐々木康男君) 私からは、大河ドラマ誘致について1点、誘致に至らなかった原因をどう分析し、どのように誘致戦略の見直しを行っていくかとの御質問でございます。  NHKからは、由利公正の功績のみならず、先見性や高い志などについて理解と関心を深めていただきましたが、ドラマに厚みを持たせる資料の提供であるとか、全国的な知名度の向上が必要と考えています。  今後、視聴者を引きつける史実やエピソードなどを掘り起こし、NHKに提供するとともに、民間放送や出版社などへも歴史番組や小説などで取り上げてもらえるよう働きかけるなど、主人公の知名度向上などを図ってまいりたいと考えています。  また、主人公につきましては、由利公正や橋本左内など、幕末明治期に新しい時代を切り開いた人物や、朝倉義景や柴田勝家、お市の方など、動乱の戦国時代に輝いた人物とし、福井県ゆかりの先人が数多く登場するドラマの実現を目指してまいりたいと考えています。  東京オリンピック、新幹線金沢開業などの大きな節目を捉え、県議会の皆様を初め市町や民間団体などと力を合わせ、粘り強く活動してまいりたいと思います。  よろしくお願いします。 92 ◯副議長(畑 孝幸君) 教育委員会教育長森近君。     〔教育委員会教育長森近悦治君登壇〕 93 ◯教育委員会教育長森近悦治君) 人口減少対策について3点お答えいたします。  まず、県内で中学校受験をする児童の人数及び割合を伺うとともに、受験者の居住地域の分布についての御質問でございます。  平成27年度の県内の小学校6年生7,331名のうち、国立、県立、私立中学校を受験いたしましたのは、延べで645名でございまして、一部の児童は複数の学校を受験しているということでございます。  県立高志中学校における受験者の地域別の割合は、福井、吉田地区が約60%でございます。坂井、丹南地区がそれぞれ15%、嶺南地区が4%、奥越地区が3%でございまして、県外からの受験者が2%という状況でございます。  高志中学校は、子供たちがみずからの能力、個性に応じて学力等を効果的に伸ばし、多様な教育の選択肢をふやすために、平成27年度、県立で初めて中高一貫校として開校したところでございます。ここでは福井市を中心として県下全域からの受験がされているということでございまして、受験倍率は、1年目は最初ということで6倍でございましたが、2年目は約3.5倍ということになっておりまして、都会のような加熱した状況にはないというふうに考えているところでございます。  次に、高志中学校で行われている高志学の具体的内容、狙いについての御質問でございます。  高志学では、毎週2時間、福井の産業、歴史、文化について探求活動を行い、ふるさと福井に対する誇りとグローバルな視野を持って、新しい分野にチャレンジ、また社会を変革していく力を育成することを目的としているところでございます。  生徒たちは、県内各地の博物館、または伝統産業産地に出向いて福井を知る活動や、企業経営者等を迎えて産業の現状、また企業戦略を聞く授業を通して、福井の現在、また未来を考える経験を重ねているところでございます。生徒からは、ふるさと福井で世界を相手に働きたい、グローバルな仕事を手がける会社を起業したいという声も上がっているところでございます。  また、福井の産業をリードする県内企業で職場体験も実施しておりまして、地元産業のすぐれた技や県内企業で働くことの魅力に触れて、福井で働く意識も高めているところでございまして、今後、さらなる探求活動、そしてまた海外への発信などについても進めてまいりたいというふうに思っております。  続きまして、県立高校再編計画の中で、職業教育の充実についてどう考えるのかということでございます。  これまでの再編では、今後の福井県の産業を支える人材を育成し、部活動も含めて活気のある総合産業高校を設置しておりまして、県立高校の職業系学科の定員の割合というのは、再編前と比べましてほぼ同様の水準にあるというふうなことでございます。  再編の際には、大型レーザー加工機や大規模経営に対応できる栽培システムなど、最新の設備の導入とともに、企業の生産現場での実習など、社会で実際に役立つ実践的な学習を進めているところでございます。  また、企業が求める資格の取得を応援するため、福井フューチャーマイスター制度を昨年度から開始いたしまして、観光選手権の銀賞、難関の電気主任者、情報技術者の合格など、生徒の意欲高めながら、即戦力となる人材を育てているというところでございます。  今後の再編におきましても、地域の特性や産業のニーズを十分考慮いたしますとともに、中学、高校でのキャリア教育において、生徒の職業に対する意識高めまして、将来の地域に貢献する人材を育成できるよう、充実を図ってまいりたいというふうに考えております。 94 ◯副議長(畑 孝幸君) ここで、休憩いたします。   午後2時52分 休 憩                ━━━━━━━━━━━━━━━   午後3時20分 再 開                 会議に出席した議員(34名)    1番  井ノ部   航  太          19番  糀  谷  好  晃    2番  辻     一  憲          20番  大久保      衞    3番  清  水  智  信          21番  松  田  泰  典    4番  力  野     豊          22番  田  中  宏  典    5番  宮  本     俊          23番  大  森  哲  男    6番  島  田  欽  一          24番  石  川  与三吉    7番  松  井  拓  夫          26番  田  中  敏  幸    8番  西  本  恵  一          27番  欠        員    9番  細  川  かをり           28番  山  本  正  雄    10番  西  畑  知佐代           29番  野  田  富  久    11番  鈴  木  宏  紀          30番  山  本  芳  男    12番  長  田  光  広          31番  田  村  康  夫    13番  小  堀  友  廣          33番  仲  倉  典  克    14番  小  寺  惣  吉          34番  山  本  文  雄    15番  畑     孝  幸          35番  中  川  平  一    16番  中  井  玲  子          36番  山  岸  猛  夫    17番  佐  藤  正  雄          37番  関     孝  治    18番  西  本  正  俊                ━━━━━━━━━━━━━━━                 会議に欠席した議員(2名)    25番  笹  岡  一  彦          32番  斉  藤  新  緑                ━━━━━━━━━━━━━━━ 95 ◯議長松井拓夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  力野君。     〔力野 豊君登壇〕 96 ◯4番(力野 豊君) 県会自民党の力野でございます。一般質問も、私を含めてあと2人ということで、大変お疲れですけれども、よろしくお願いいたします。それと、会派代表質問、あるいは一般質問と重なるところもあるかと思いますけれども、敦賀市在住の議員として、私なりの視点で質問させていただきます。  平成23年3月、東電、福島発電所に起きた事故に際して、原子力安全・保安院は、原子力を推進する前提での規制しかできていなかったとの批判を受け、原子力の安全確保に関する規制の一元化を図る、独立性の高い機関として、平成24年9月に原子力規制委員会が設置されました。  その後、「もんじゅ」を運営する原子力機構は、新規制基準の対応において、機器の点検漏れ等の新たな指摘を受け、平成25年5月には規制委員会から、事実上の運転停止命令ともいえる運転再開準備の停止を含む保安措置命令を受けました。平成26年12月に措置命令に対する報告書を提出しましたが、その後の保安検査でも規定違反と指摘がされたことから、規制委員会は、平成27年11月に、機構には運転管理の素質がないとして、新たな運営主体を探すように文科大臣に対して勧告、その際、「もんじゅ」の出力運転を安全に行う能力を有する者を具体的に特定することが困難であるならば、「もんじゅ」という原子炉施設のあり方を抜本的に見直すこととの指摘がありました。規制委員会が指摘する保安規制こそ、原子炉の安全審査のかなめであり、その審査は切れ目なく行わなければなりません。  文科省は、平成28年5月に「もんじゅ」の運営主体が備えるべき要件を示すとともに、8月に機構が保安措置命令への対応結果報告書を改めて提出しました。機構が報告書を提出した際の議事録によると、規制庁は、報告書の内容を確認した上で説明を求めるなど、必要な対応を行うと発言しています。ところが、3カ月以上たった現在も何の対応も行われておりません。  11月4日の安管協で、規制庁の地域原子力規制総括調整官に、なぜ報告書の内容を評価しないのか質問いたしました。答弁は、「もんじゅ」は今後の方向性を検討している。この状況で評価してもしようがないとのことでした。この答弁は到底納得できるものではなく、それを受けて、この会議の議長を務められる藤田副知事には、規制庁に持ち帰り正式に答弁するようにと促していただきました。  規制庁とのこの一連のやりとりを協議会の場でお聞きになった藤田副知事の所見を伺います。
     「もんじゅ」の管理体制が甘いということは、トラブルが発生すれば、地元に危険が及ぶ可能性があるということだと思います。機構は、新規制基準の対応に保安体制の改善を初め、長い時間と労力を集中し、ようやく報告書をまとめたにもかかわらず、何の対応もしないということは、どういうことなのでしょうか。規制庁は、安全を判断する機関のはずですが、まるで、今後廃炉になるかどうかわからない「もんじゅ」については、審査をするつもりがないと言わんばかりの態度に思えます。  地元を無視した規制庁の審査方針に怒りを覚えたのは、私だけではないと思います。改めて、これまでの「もんじゅ」に関する動きを振り返ってみると、規制委員会は、自分たちの存在意義を「もんじゅ」を廃炉に追い込むことで示せると、廃炉を目標にしたのではないかと思わざるを得ません。規制委員会、規制庁は、安全審査の機関であって、国のエネルギー政策にまで言及した勧告はまさに行き過ぎであると思います。  「もんじゅ」の保安措置命令への対応結果報告書に係る評価がいまだに行われていないことについて、安全審査に問題はないのか、規制庁の対応に知事はどのように考えているのか伺います。  あわせて、「もんじゅ」のあり方にまで言及した規制委員会の勧告は行き過ぎだと思いますが、知事の所見を伺います。  新聞報道では、成果がない「もんじゅ」の廃炉は当然という論調が多いようですが、一方で、ジャーナリストの櫻井よしこさんや在り方検討会座長の有馬朗人さんほか、多くの専門家も、高速増殖炉継続で核燃料サイクルの技術継承を行うことで日本の国益を守れと、「もんじゅ」の必要性について発言されています。  また、「もんじゅ」の再稼働には最低5,400億円が必要とされており、これが不経済だとし、高速炉の研究開発については、フランスの「アストリッド」との共同研究を行えば十分だという声もございます。  しかし、東京大学大学院教授の岡本孝司氏は、そもそも「もんじゅ」と「アストリッド」では目的やシステムが全く異なると指摘しています。「もんじゅ」は、発電しながらプルトニウム燃料を生産します。「アストリッド」では、発電ではなく高レベル放射性廃棄物処分のための設備だというのです。加えて、フランスがタンク式と呼ばれる高速炉を開発してきたのに対し、地震国日本では、全ての原子力関連の施設に特別の対策を必要とするため、ループ型と呼ばれる独自の型を開発してきました。  また、「アストリッド」計画への日本の参画は、研究資金の提供が柱となりますが、フランス政府は「アストリッド」開発経費を5,700億円と試算し、日本には半額を負担するように求めるとのことです。  しかし、将来フランスの技術が完成したとしても、異なる性格の技術を導入できるはずがありませんし、人材や技術はフランスに蓄積されるばかりであります。これこそ、まさに無駄なお金がフランスに流れるだけではないでしょうか。今、「もんじゅ」を廃炉にすれば、技術は確実に途絶えてしまいます。  一方、「もんじゅ」の再稼働のために使われる5,400億円は、今後十数年にわたって管理や研究のために国内で使われる資金であり、その資金は国内で還流し、技術や人材は日本に蓄積されていきます。長期的視点で考えれば、「もんじゅ」を活用し、必要な技術、研究を行うべきと考えます。  技術的にも資金的にも国内で高速炉開発を続けるほうが国益にかなうことを、「もんじゅ」についての関連協議会の場で強く訴えるべきと思いますが、県の所見を伺います。  知事は、先月25日、「もんじゅ」関連の協議会で世耕大臣、松野大臣に対し、地元はこれまで国策に協力してきたにもかかわらず、「もんじゅ」廃炉の議論が地元抜きに論じられることに対し、知事としての思いを述べられたと思います。また、28日には、全国知事会議に出席された際、安倍首相との懇談の場で「もんじゅ」を含む原子力政策の明確な方針を国民に示すように求めたとの報道がありました。知事は、地元抜きに進む「もんじゅ」議論に大変憂慮し、立地の安全を最優先に、県民益、国益を考え発言されていることに大変心強くも思っております。  私たち立地、準立地の県議で構成された福井県電源立地議員協議会も、県内の立地、準立地自治体8市町の首長らとの意見交換会を先月1日に行い、その後28日には経済産業省井原大臣政務官、文部科学省水落副大臣に、また29日には自民党エネルギー政策合同会議西村康稔衆議院議員に核燃料サイクル政策に関する要請書を届けて、長年にわたり国策に協力してきた立地の意向を酌み取ることなど要請してまいりました。その中でも水落副大臣は、「福井県と協議しながら詰めていく」、「廃炉ありきではない」とも述べられました。  先月25日に開催された「もんじゅ関連協議会」や国との協議の手応えと、今後の対応、進め方を知事にお尋ねいたします。  政府は、核燃料サイクルを推進すると言っていますが、「もんじゅ」の見直しが行われる中では、この核燃料サイクルの歯車も狂い、当然、再処理工場などがある青森県にも影響が出てきます。先月16日に、県内の立地4市町と、使用済み燃料の再処理など核燃料サイクル関連の施設のある青森県の4市町村の首長が東京に集まり、意見交換会を開催し、25日には、核燃料サイクル政策等に関する要請書を提出しています。こうして関係市町村は広域で一致して、国へ攻勢をかけています。  県は、核燃料サイクルのあり方等について、青森県と情報交換等を行っているのか伺います。  また、県レベルでは、「もんじゅ」に関する協議や要請については、本県単独で行うにとどまっておりますが、青森県と共働して要望等を行うべきと考えますが、所見を伺います。  高速炉開発会議の第3回会合が先月30日に開かれました。同日、報告に訪れた文科省、板倉周一郎大臣官房審議官に藤田副知事は、「「もんじゅ」がどのように位置づけられ、活用されるか明確にすることが必要」と述べられ、板倉審議官は、「「もんじゅ」を再稼働せずに高速炉を開発する技術について今後の方針の骨子案を検討した」と説明、その上で、「再稼働か、代替策で対応するか、現時点で何らの結論を出したものではない」とし、「結論を出す年末に向けて地元の意見を十分に聞く」と答えたようであります。これに藤田副知事は、「もんじゅ」活用の具体化を求め、「「もんじゅ」の取り扱い方針と並行、あるいは先行して運営体制の整備の方向性を明らかにしてほしい」と述べられたように報道されています。  私は、高速炉開発会議の中身に矛盾を感じてなりません。廃炉なのか、再稼働して成果を検証し、実証炉開発につなげていくのか。そもそも、「もんじゅ」の今回の問題は、保守管理、保安規定の不備から規制委員会が勧告を出したことに始まり、廃炉ありきの議論になっています。まず、保安措置命令に対する報告書の評価を先行して行い、安全に管理できる能力を確認すれば、再稼働し、技術的知見、成果を積み重ねることで、国のエネルギー基本計画に沿っての高速炉開発が見えてくるはずであります。  県として、このことを明確に国に求め、抽象的な表現を繰り返すのではなく、はっきりとした県の考えを発信するべきと考えます。今回の板倉審議官の報告を受けた知事の考えを改めて伺います。  現在、世界では430を超える原子力発電所が稼働し、さらに100基の原子力発電所が計画も含め建設される予定だそうであります。新興国を含め、世界が原子力発電にシフトしていく中、日本は世界一と言われる厳しい規制があるにもかかわらず、原子力発電は見直す風潮が強く感じられます。  資源が限られている我が国では、原子力発電を縮小すれば、発電は輸入による化石燃料に頼らざるを得ません。既に、東日本大震災以降、燃料の輸入が増加し、電気代は上がり、国富の流出が続いています。長い目で見れば、いずれベースとなるエネルギーは変化し、過去にまきから石炭へ、また石炭から石油、原子力へ、やがて原子力もなくなるかもしれませんが、現状では、この先50年100年は原子力発電が必要だと考えます。  今の日本は、エネルギーを94%も他国からの輸入に頼るリスクと原子力発電所のリスク、地球温暖化による環境激変のリスク、電気代が高どまりすることによる経済的リスク、これらのリスクをどのように国民が甘受できるかではないでしょうか。  さらに、再生可能エネルギーの固定価格買取制度がスタートして4年が経過し、各地に太陽光発電のためのパネルが並んでいます。太陽光発電パネルを設置した方に聞くと、太陽光発電は、投資額に対して7%から8%の利回りがあり、マンションを建て、全ての部屋が埋まったとしても3%から5%程度の利回りしか得られないものと比べると、郊外や山の中でもできる非常に優良な投資だそうです。  しかし、電気料金の請求書、領収書を見てもらうとわかりますが、賦課金として国民が買い取り料金を負担しております。我が家では約10%程度が電気料金に上乗せされております。地球温暖化対策として再生可能エネルギーの推進は必要ですが、燃料の輸入が必要な火力発電所等の割合がふえ、電気料金が既に上がっている中、さらに電気料金に上乗せされ、国民の負担が増している状況かと考えられます。  電気料金の上昇を抑えるため、固定価格買取制度の見直しが必要ではないかと考えますが、県の所見を伺います。  続いて、大河ドラマについてお伺いいたします。  昨年7月に大河ドラマ誘致議員連盟がつくられ、主人公を誰にするか絞り込みのため、9月からアンケートを実施しました。しかし、アンケート実施前に東京事務所へ伺うと、既に由利公正の大きなポスターが張ってあり、私は県が由利公正をターゲットとして動いていることを知りました。議会もいろいろ動いている中、県は由利公正公に決めていて、ポスターまで張っているという状況でありました。昨年9月議会の予算決算特別委員会において、関議員が質問に立たれ、「議会は大河ドラマ誘致議員連盟をつくったが、つくって要らないのか、それとも気に入らないのか」とただしたところ、知事は、「議会として、自由にいろいろ考えていただければ結構だと思う」と答弁されました。私は、そのときから大河ドラマ誘致について議会と理事者側がかみ合わなくなり、歯車が狂ったのではないかと感じています。  知事がリスペクトする、本県ゆかりの由利公正公が起草に参加したとされる五箇条の御誓文、第1条に、「広く会議を興し万機公論に決すべし」とあります。理事者と議会側がともに議論し、協力して、大河ドラマ誘致を進めていくことが大切ではなかったかと思います。  これまで、大河ドラマ誘致の目標時期を、国体開催の年で明治維新150年となる平成30年としていましたが、国体は半月程度のイベントでしかありません。1年を通じて50回放送され、成功すれば福井のイメージが一気にアップする大河ドラマを放送する時期として最も適切なのは、国体の年ではなく、新幹線が県内開業する平成35年3月ではないでしょうか。そもそもの目的は、福井のイメージアップをさせることによる観光客の継続的な獲得のはずであります。新幹線開業効果との相乗効果を期待したいところだと思います。  先日の大河ドラマ誘致推進協議会では、主人公や目標時期を定めないとされましたが、北陸新幹線県内開業の1年前に開始し、観光客の増加につなげるのが、本当の姿だと考えます。北陸新幹線金沢開業当時を振り返ると、NHKの連続テレビ小説では、石川県輪島を舞台とした「まれ」が放送されました。さらに、さまざまなテレビ番組や雑誌には、連日近江町市場を初めとした観光地が紹介されるなど、メディアは北陸、金沢一色でありました。ものにはタイミングがあり、北陸新幹線敦賀開業と一緒に魅力ある福井をPRすれば、テレビや雑誌などはどんどん取り上げてくれるのではないかと思います。さきの誘致活動の総括をして、県全体一丸となって仕切り直してはどうでしょうか。  北陸新幹線開業時期を目指して、大河ドラマ誘致を行っていくべきではないかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。  これで一般質問を終わります。  ありがとうございます。 97 ◯議長松井拓夫君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 98 ◯知事西川一誠君) 力野議員の一般質問にお答えをいたします。   まず、エネルギー政策についてであります。  「もんじゅ」の措置命令への対応結果報告書に係る評価が行われていないことについて、規制庁の対応をどう考えるかということであります。  原子力規制委員会は、通常の保安検査においていまだ違反等があることから、原子力機構が今年8月に提出しております措置命令に対する報告書を確認する段階にはないとしております。しかしながら、報告書にまとめられた保守管理の改善策等は、「もんじゅ」が動く動かないにかかわらず、安全確保のために必要な重要な事柄であり、報告書をそのままにすることは、原子力の安全規制を担う機関として無責任な対応と考えます。  県としては、現場の安全確保が何よりも重要であり、報告書に対し、規制委員会が責任を持って速やかに確認、評価を行う必要があると考えています。  次に、「もんじゅ」のあり方にまで言及した規制委員会の勧告は、やり過ぎではないかとの御指摘であります。  規制委員会は、昨年11月の勧告において、原子力機構にかわる運営主体を特定するよう求めておりますが、安全の前提となる基準も策定されておらず、何をもって能力を有すと認められるかが曖昧であります。また、規制委員会は、国の原子力政策の方向性について、関係省庁としっかり意思疎通を図り、安全面から原子力行政を担う一員として、その役目を果たす必要があります。  県としては、「もんじゅ」を引き続き運転をする場合であっても、あるいは仮に国が言うような廃炉を検討する場合であっても、ナトリウムを扱う「もんじゅ」を安全に保守管理する体制が不可欠であり、現場の安全管理主体、あるいは監視体制を強化する必要があると考えています。  次に、技術的にも資金的にも国内で高速炉開発を続けるほうが国益にかなうことを訴えるべきではないかとの御提言であります。  先月30日の国の高速炉開発会議においては、「もんじゅ」の再開によって得られる知見は、茨城の「常陽」や日仏「アストリッド」協力等の代替策によって獲得できるとの見解を示しています。しかしながら、フランスの「アストリッド」任せにして、国内に十分な研究開発の基盤がなかりせば、対等な国際協力は進まないと考えます。  このため、先月25日の「もんじゅ関連協議会」において、「もんじゅ」の活用を含めて、国内の技術蓄積や人材確保のための体制整備を検討するよう強く求めているところであります。  「もんじゅ」について、近々の協議会や国との協議の手応えといいますか、反応、今後の対応をどう考えるかとの御質問です。  先月25日の「もんじゅ関連協議会」において、国は、次のようなことでありますが、「もんじゅ」を含むその周辺地域については、引き続き、今後の高速炉研究開発の中核、人材育成の拠点として役割を果たしていく、また、国としても引き続き、エネルギー研究開発拠点化計画を県とともに進めるとの考えを示しています。  しかしながら、双方の大臣からのお話は抽象的なレベルにとどまっていることから、福井県としては、先ほど申し上げました「もんじゅ」の運営、安全確保対策の整備をどう進めるのか、それからエネルギー研究開発拠点化計画に対する協力について、どう具体化するのかなどを求めているところであります。今は、政府が本県の求めている事柄や地元敦賀市の提案をしっかり受けとめ、いかに具体化するかの方策を国からお聞きする局面であります。  次に、「もんじゅ」につきまして、安全に管理できる能力を確認すれば動かし、はっきりとした県の考えを国に求めるべきではないか、今回来られた審議官の報告をどう考えるのかということであります。  「もんじゅ」については、保守管理不備などさまざまな課題が指摘されておりますけれども、原子力機構によるこうした管理運営の不手際といいますか、こういう問題と、我が国のエネルギーの安全保障のための科学的、技術的なさまざまな課題とは、別の事柄として考え、そうした上で全体を考えるべきだと思います。  現在、高速炉の研究開発の議論が行われておりますけれども、県としては、エネルギーの根幹に触れる議論に十分なっておらず、いわば生煮えの状態のまま、政治的な判断だけで結論が出されるのではないかと危惧をするものでありまして、国は、「もんじゅ」の取り扱いについて、机上の議論ではなく、いやしくも現場離れにならないよう、県民や国民の目に見える形で具体的な議論を行い、これから、「もんじゅ」の位置づけや役割を明確にし、地元が納得できる結果を示す必要があると考えます。  次に、NHKドラマの誘致についてであります。  例えば、新幹線開業を目指して、ドラマ誘致を行っていくべきではないかとの御提言であります。  大河ドラマの実現に向けましては、NHKのいろいろな御都合もありますので、継続して、もちろん協議会、また各団体がそれぞれの持ち味を生かして、誘致活動を行っていくことが重要かと思います。  このため、これまでの機運醸成活動に加えまして、NHKには、ドラマに厚みができるように、視聴者を引きつけるさまざまな歴史的な事実やエピソードを掘り起こし、あるいはドラマ化をさまざまな形でしておくというようなことが大事だと思います。また、提供も重要であります。また、全国的な知名度や関心を高めるため、民間放送や出版社等でも働きかけ、歴史番組や小説等でも取り上げてもらえるような工夫、働きかけも重要であります。  この大河ドラマの誘致は容易なことではないわけでありますが、東京オリンピック、あるいは新幹線敦賀開業など、大きな節目がございますので、県議会の皆様を初め、市や町、民間団体と力を合わせて、幅広く継続的に粘り強く活動してまいりたいと考えます。 99 ◯議長松井拓夫君) 副知事藤田君。     〔副知事藤田 穣君登壇〕 100 ◯副知事(藤田 穣君) 私へは、原子力環境安全管理協議会における規制庁の一連のやりとりについての所見はというお尋ねを頂戴いたしました。  去る11月4日の原子力環境安全管理協議会における力野議員の御指摘、すなわち措置命令解除に向け機構が提出した報告書をしっかりと評価せよという趣旨の御発言は、地元の声としてまことに適時、的確なものと感じたところでございます。にもかかわらず、規制庁の現地の総括調整官による説明は、極めて不十分なものであったと言わざるを得ないものでございました。  このため、あの場での議長役を仰せつかっていた私からも調整官に対して、地元からの切なる意見としてしっかりと受けとめて、持ち帰った上で、規制庁として改めて真摯に対応するよう申し上げたところでございます。  いずれにいたしましても、次回の協議会において、原子力機構が提出した報告書の扱いに対する規制庁の考えを、誠実かつ丁寧に示すよう、引き続き求めているところでございます。  以上でございます。 101 ◯議長松井拓夫君) 安全環境部長清水君。     〔安全環境部長清水英男君登壇〕 102 ◯安全環境部長清水英男君) 私のほうからは、青森県との連携のお話、そして固定価格買取制度についての御質問にお答えをいたします。  まず、核燃料サイクルのあり方について、青森県と情報交換を行っているのか。青森県と共働して協議、要望等を行っていくべきではないかという御質問でございます。  核燃料サイクルにつきましては、原子力政策の根幹でございまして、再処理、あるいはプルサーマルといった問題は、サイト内に使用済み燃料を保管する立地地域共通の課題でございます。このために、これまでも立地の13道県で構成する原子力発電関係団体協議会、これにおいて、核燃料サイクルのあり方について、福井県が事務局を持っているということもございまして、青森県とも十分情報交換を行っているところでございます。  先月11日には、青森県も参加いたしまして、協議会として国に対して、核燃料サイクルの位置づけ等に関し、その状況を含め継続的な理解活動に取り組み、国民の信頼確保に努めるよう要請を行ったところでございます。  今後とも、青森県としっかり情報交換を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。  それから、固定価格買取制度の見直しが必要だと考えるがどうかという御質問でございます。  平成24年7月にスタートいたしました固定価格買取制度、いわゆるFITでございます、この制度におきましては、平成28年度の買い取り費用が約2.3兆円に達しているところでございます。平均的な御家庭で、毎月大体675円の賦課金が徴収されるということで、国民負担が年々増加しているところでございます。  このため、国は、再生可能エネルギーの導入拡大とあわせて、国民負担を軽減するという観点から、太陽光発電の新規認定の厳格化、あるいは大規模な太陽光発電については、あらかじめ買い取りの価格を設定するのではなくて、入札により設定する方法を導入する、来年度からこういうことの制度を見直すということにしているところでございます。  さらに、太陽光発電と風力発電につきましては、今後技術開発などを進めることにより、その整備費用というものを低減させ、2030年度までにFITを利用しなくても事業化が可能となることを目指しているところでございます。  エネルギーは、我々の日々の生活に直接かかわる非常に重要な問題でございます。FIT制度につきましては、国民に過度な負担とならないよう、国が適切に制度を運用していく必要があると、こんなふうに考えているところでございます。 103 ◯議長松井拓夫君) 力野君。  力野君に申し上げます。発言時間が残り少なくなっておりますので、簡潔にお願いします。 104 ◯4番(力野 豊君) 「もんじゅ」についてでありますけれど、福井県に「もんじゅ」を誘致してから三十数年たつわけでありますけれども、やっぱり、これは今このまま撤退ということになりますと、使用済み核燃料の問題もあり、国は本当に無責任に設置したということになってしまいます。そういう議論になってしまいます。しっかりと県がまた引き続き方向性を出していただきたい、そのように思いますので、西川知事、よろしくお願いいたしたいと思います。  もし発言があれば、いただきたいと思います。 105 ◯議長松井拓夫君) 知事西川君。 106 ◯知事西川一誠君) 十分趣旨を賜りまして、対応してまいりたいと考えます。 107 ◯議長松井拓夫君) 野田君。  なお、野田君より資料の使用とあわせ、議場へ配付したい旨の申し出があり、これを許可いたしましたので、御了承願います。  また、資料につきましては、お手元に配付してありますので、御了承願います。     〔野田富久君登壇〕 108 ◯29番(野田富久君) 民進・みらいの野田富久です。通告による提言と質問を行います。  平成28年最後の一般質問になりましたけれども、最後までの御協力、ひとつよろしくお願いいたします。  まず、「もんじゅ」について伺います。  先月25日に行われた「もんじゅ関連協議会」において、知事は、県での高速増殖炉の中核拠点とすることについて、具体的な方策を示すよう求めてきたとのことであります。知事は、「もんじゅ」になおも高速炉研究拠点としての役割を担わせようとするものですか。高速増殖炉ではなく高速炉研究は減容化を研究の主目的としておりますが、国際的には実績も実証もなく、安全性については全く未知数の事業であります。  さらに問題なのは、研究と称し、使用済み燃料や高レベル放射性廃棄物などが県内に持ち込まれることであります。減容化が行われたとしても、その高レベル廃棄物の処理、処分の計画も見通しは全くありません。これでは、県内に保管、堆積されることになりかねません。また、「もんじゅ」の経費は、今日まで1兆円以上を使い、今後再稼働するにしても最低5,400億円はかかるとの積算であります。知事は、これ以上の経費を国民負担させるのですか。また、プルトニウムは、今国内には48トン近く、原爆6,000発以上、こうしたものがあり、国際的な非難も受けております。  実は、各メディアが行った世論調査では、「もんじゅ」再稼働について70%前後の反対があり、福井新聞社が4月に行った県民世論調査でも、「もんじゅ」の役割見直しが42.1%、すぐに廃炉が29.1%と、この二つを合わせると71.2%にまで及んでおります。驚くことに、去る3日、続いてきょうも、各メディアが一斉に、政府は「もんじゅ」を廃炉とし、地元からの原子力研究の拠点化と人材育成確保の要望を受けて、福井に新研究炉を検討するとの報道がありました。  世論、経費、廃棄物処理の未計画などの観点から、「もんじゅ」の活用や研究炉の県内新設は見直すべきと考えますが、知事の所見を伺います。  ところで、日本原子力研究開発機構は、「もんじゅ」を廃炉にするには約30年かかるとしております。これは、全く現実性のない「もんじゅ」廃炉の解体工程であります。  1次系冷却水に用いられる、半減期は2万年と言われておりますプルトニウムなど、放射性物質を含むナトリウムが、炉の中には約760トンあるということは判明しております。先ほど知事も指摘しておりますように、ナトリウムの課題であります。廃炉になった場合、ナトリウムを抜き取らないと解体は進まない、これが事実であります。実は、メルトダウンで溶けた核燃料デブリと同様に、いまだナトリウムを抜き取る技術、工法も、ましてや処分方法も決まっておらず、ゆえに、廃炉を決めても解体作業は進展しないのであります。  また、「もんじゅ」で使われた約21トンもの使用済みMOX燃料の行き場はどうなるでしょうか。現状では、受け取り手もなく、国内では処理できないのであります。  この汚染ナトリウム、MOX使用済み核燃料の処分については、県はどのような認識をし、対応されるのか伺います。  10月上旬、敦賀市は、「もんじゅ」の廃炉を前提に抜本的見直しを進めていることに関連し、国に対して再生可能エネルギー分野の研究機関の設置を求めていることが報道されました。敦賀市は、基幹産業と位置づけていた原子力分野の行先が不透明な中、水素を初め多様なエネルギーの供給都市としての地域活性を探り、新たな地域振興策を打ち出したもので、私もこれを強く支持いたします。  敦賀市での再生可能エネルギーなどによる地域振興への取り組みについての評価と支援について、県の所見を伺います。
     次に、恐竜王国福井の拡充について伺います。  25万人収容を想定した恐竜博物館は、今や年間100万人の入館者です。私たちも強く求めてまいりました第2恐竜博物館の整備について、知事から提案説明理由で、基本構想・計画策定委員会を設置し、検討を進めているとの説明がありました。この整備検討でのポイントは、今の恐竜博物館の入館実績を踏まえ、どの程度の入館者を見据えて事業規模を進め、アミューズメント性も確保すべくPFIの導入などを行うのか、場所はどこに設置し、いつオープンを目指すのかであります。  これらの概要を伺うとともに、今後の整備見通しについて伺います。  さて、以前、私は福井県立大学の附属機関である恐竜科学研究所を格上げして大学院にすることを提言いたしましたが、改めて訴えます。  先日、勝山市北谷町で発掘された5種類の新恐竜化石群と調査地が国の天然記念物に指定されました。北谷の恐竜渓谷は、白山国立公園に位置し、白山ユネスコエコパークのエリアにあって、「恐竜渓谷ふくい勝山ジオパーク」として認定されております。また、日本の地質百選選定委員会による地質学的に見た日本の貴重な自然資源であるとして、地質百選にも選ばれました。現在、国内外における恐竜や古生物学、地質学、地球科学への関心は高く、注目されつつあります。  そこで、他県の事例を見てみます。兵庫県立大学では、コウノトリの野生復帰に関する研究及び山陰海岸ジオパークの展開に関する研究を行っておりましたが、平成26年度から新たな大学院として地域資源マネジメント研究科を開設いたしました。岡山理科大学が取り組んでおります、モンゴルのゴビ砂漠で実施しております恐竜化石の発掘調査を通じた恐竜研究の国際的な拠点形成のプロジェクトが、文科省の研究支援事業に選ばれ、今後5年間財政的な支援を受けることとなりました。同大学の柳沢学長は、2017年度中にも学内に恐竜学博物館(仮称)を開設し、恐竜の理大と呼ばれることを目指したいと抱負を述べております。  実は、恐竜など古生物学に関する研究は、本来、生物学と地質学の学際的分野であります。しかし、日本の多くの大学では、古生物学を行っているところは究めて少なく、研究者は少ないようであります。  ところが、恐竜王国福井には、研究には余りあるコンテンツがあります。そして、世界的な研究機関や大学との連携や協力関係があります。恐竜王国福井にふさわしい大学の研究機関、そして博物館、さらにアミューズメント性を持った第2恐竜博物館の3点セットが整備されてこそ、世界に冠たる恐竜王国福井が名実ともに君臨できると思うのであります。  改めて、私は県立大学生物資源学部に附属機関ではなく、大学院の設置を求めるものでありますが、知事の博学ある見識と今後の対応をお伺いします。  奥越に関連して伺います。  さきに六呂師高原スキー体験施設の整備事業に関する全体計画が示されました。この整備は、総額約5億円近い設備投資を行い、指定管理者に委託する計画であります。収支見通しについて、スキー体験利用者は、平成28年度は5,000人規模であるが、平成32年度には3倍の1万6,000人とし、年度収支は、平成28年度は610億円の赤字を平成32年度には20万円の赤字にまで減らすとの計画であります。  代表質問で、部長は、利用対象者を初心者、初級者、ファミリー層をターゲットとし、利用者誘客確保のため、関西への広告、宣伝、あるいは中部縦貫自動車道の開通、延長による利用者増などで収支見通しを示しました。  実は、六呂師高原では民間によるリフトや宿泊施設などの経営を行ってきたものの、経営難から順次撤退し、平成24年にはスキー場の営業は終えたのであります。人口減少、若者のスキー離れの実態があります。今日、奥越にはスキージャム、雁が原、九頭竜のスキー場が、南越には今庄365スキー場があるものの、ジャム以外は利用者も少なく、近隣のスキー場などでも厳しい運営難にあります。  お手元に配付しました資料を見てください。昨日清水議員が紹介した六甲山のスノーパークともう一つは神鍋スキー場であります。阪急・阪神電鉄グループが経営します神戸市の六甲山スノーパークは、かつてのスキー場から雪レジャー施設にリニューアルしました。企業を挙げての企画、宣伝、資本力と京阪神を後背地とする利便性があったにもかかわらず、激減していた利用者を、このリニューアルをすることで、ようやく11万人台までの回復にこぎつけました。  また、京阪神のスキーのメッカ、神鍋高原スキー場においても、スキー運営からスポーツや森林、レジャーなどフルシーズンの多面的運営に転換し、スポーツ、ツーリズムを推進しております。今では、生徒、学生の合宿や社員、団体の研修利用として、フルシーズン、1日数十台のバスが行き来するようになりました。  新潟県の妙高高原では、ホテルの経営主体で一大イルミネーションを運営し、隣接のスキー場やゴルフ、あるいはテニス場などのスポーツ施設などと一体的な運営で、集客を図っております。  さきの代表質問で、六呂師高原スキー場施設の整備事業について、県会自民党は参考事例を出して計画の精査を求め、我が会派も投資効果に疑問を投げかけ、全体計画と誘客戦略を求めております。  このスキー場は面積、地形からスノーボードはできない片肺スキー場であり、平成29年度企画しておりますペアリフトの建設については、二重投資の側面があります。これを見合わせ、改めて県は大野市や民間交えた中での総合計画を策定することを提言いたしますが、所見を求めます。  次に、人工衛星打ち上げとドローン活用の可能性について伺います。  県は、宇宙関連産業参入促進事業として、平成27年度より研究開発や啓発活動の取り組みを始めました。この事業の目的は、超小型人工衛星の製作や利活用の技術開発を進め、データを活用し、ビジネスモデルを検討していくとしております。そして、「ふくい宇宙産業創出研究会」が設立、平成31年度打ち上げを目標としております。残念ながら、打ち上げ企画が先行して、利用方法、データ活用のあり方については、これからの検討課題としております。目的なくして事業ありきであります。  そもそも、地方行政が人工衛星の打ち上げに主導的な役割を担うことが妥当、効果的かどうかも検討を要します。少なくとも、利用目的と目標年次も含めた可能性などを明らかにし、県民や議会も共有することが求められます。ここに、事業概要、とりわけデータ活用などの県益と今後の事業展開について伺います。  今、世界ではドローン革命と言われ、中国、そしてアメリカなどではドローンの利用が実証され、多様な取り組みが行われております。国内では、ドローンの第一人者、福井県出身で福井大学出身──私も同級生でありますが、野波健蔵千葉大学の特別教授は、大学内にベンチャー企業を興すなど、ビジネスへの応用や社会的活用などの普及に取り組んでおられます。  昨今、国内での官民挙げての取り組みが急速に進み、行政においては、広島県と今治市とのしまなみ街道の橋梁の保守点検、秋田県仙北市の森林の育成調査や野生動物調査、旭川市は農業活用など、民間との連携や支援が本格的に始まっております。一方では、確かに、首相官邸の屋上への落下事件を初め、各地での墜落事故が相次いで発生し、政府は航空法を改正して安全規制対策に乗り出しました。  いずれにせよ、ドローンの行政活用は、観光情報、防災、森林の地質調査などの農林水産、監視や保守点検、災害情報、土木など、極めて多岐にわたり、利用目的の多様性、経費節減、効率化など、行政サービスの向上につながります。  そこで、行政サービスで利活用できるドローンの開発や民間企業の育成、参入などに、行政として取り組むことを提案いたしますが所見を伺います。  最後に、高校入試の諸課題について伺います。  県教育委員会は10月25日、突如、現在の中学2年生が受験する18年度高校入試から、数学と英語の入試を2問程度、15点ないし25点──%ですね、同時に難易度が異なる二つの問題を用意し、学校が問題を選択するという新たな入学試験制度の導入をすると発表しました。これは、今日まで行われていた公立高校の入試、統一テスト方式を大きく変更するものであります。そもそも、子供は等しく教育を受ける権利があるとして、中学校までは公教育を学校指導要領のもとで推進しております。義務教育の習得度をベースに県立の高校入試を行うのが原点であるにもかかわらず、難易度の異なる入試問題を出そうというのであります。  各中学校の現場では、生徒の数学、英語の授業に差異、混乱が生じはしないか。中学校教育の二極化や高校の差別化になりはしないか、これが懸念されるところであります。こうしたことは全国の公立高校では導入されていないと私は認識しております。  この数学、英語の選択入試、試験について、教育委員会が狙いとするところについて伺うとともに、中学校現場での数学、英語授業に混乱が起きはしないか、学校の差別化につながらないか見識を伺います。  私は、9月議会で、18年度から導入する予定の高校入試に英検の検定試験を加算配分することについて、学校の体制、保護者、生徒の受け入れ準備や周知などからして、時期尚早ではないかとただしました。これに教育長からは、「教育基本計画に基づき、来年の入試から英検を活用することを、市町の教育委員会、中高の校長会で協議している。異論がなく、英検の級に応じて外枠加算を検討している。県内の私立高校では外部検定試験の導入は行われていない」との答弁がありました。そして、9月議会が終わると、英語、数学の問題選択制とあわせ、外部試験の実用英語検定試験で2級取得者には15点、準2級には10点、3級には5点を、外枠加算とすることを明らかにしました。  英語塾などに通える子供とそうでない子供がいると思いますが、通えない子供たちに対しては、果たして学校での十分な英語教育環境が整っているでしょうか。所得の格差がそのまま入試結果に結びつくことになりはしないか懸念されます。高校入試総合500点満点に外枠加算の導入により、英語偏重の入試試験となります。所得の格差が教育の格差を生じ、その子供たちの将来にはさらなる貧困の格差を増長し、負のスパイラルをもたらすのではないでしょうか。  ところで、英語検定2級は高校2年レベルの語学水準と言われております。これを高校入試の習得基準として評価し、15点の加算をしようとするものであります。これは、中学の学力水準を評価する高校入試の根幹にかかわる問題ではないでしょうか。  このことについて、教育委員会ではどのような認識と対応をされるのか所見を伺います。  また、外枠加算となれば、学校現場での対応も一層の過重がかかります。ただでさえ多忙化が問題とされている中、先生方に対応するだけの時間的余裕はあるでしょうか。英検の外枠加算導入による学校現場の負担について、教育委員会の認識をお伺いします。  ところで、この検定試験では、2級から5級までの試験会場は、本会場、準会場、中高校特別準会場と3種類あります。英語塾経営者の話によると、10人以上のようですが、一定規模の塾、スクールは、準会場の申請をすれば認められ、検定材料が事前に届けられるとのことであります。うがった見方ですが、県内中学校では学校団体での受験方式をとったとしても、塾、スクールに通う子供たちは、事前に検定の中身や傾向などを知ることも可能であります。塾としても、検定合格者がふえれば、その後の塾経営にとって決してマイナスにはなりません。  果たして、公正さを担保できるのか、こうした想定される事態にどのように対処されるか、教育委員会の見解を求めて質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。 109 ◯議長松井拓夫君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 110 ◯知事西川一誠君) 野田議員の一般質問にお答えをいたします。  まず、「もんじゅ」に対する認識、対応であります。  世の中の意見、経費、コスト、廃棄物処理の課題の観点から、「もんじゅ」の活用や研究炉の新設は見直すべきではないかとの御質問です。  国においては、原子力関係閣僚会議などにおいて、エネルギー基本計画に基づき核燃料サイクルを推進するとともに、高速炉の研究開発に取り組むとの方針を堅持するとしています。この方針に基づき、「もんじゅ関連協議会」の場において、一つは、「もんじゅ」を含む周辺地域については、引き続き、今後の高速炉研究開発の中核や人材育成の拠点としての役割を果たしていただきたい。もう一つは、国として引き続き、エネルギー研究開発拠点化計画を県とともに進めていきたいとの考えが、国から示されている状況であります。  次に、恐竜王国福井の問題でありますが、県立大学生物資源学部に附属機関の研究所ではなくて、恐竜研究に関する大学院が望ましいのではないかとの御提言です。  県立大学の恐竜学研究所については、これまでの教育、研究活動の成果を生かしながら、国や民間の資金を確保して、アジアの恐竜研究の中心的役割を担っています。本年6月、福井県で開きました日本古生物学会の総会において、県立大学の教員が化石標本をICTを活用して3次元化した成果発表を行ったところ、古生物とデジタルを融合させるものとして評価を得るなど、恐竜学研究所の高い研究水準が明らかになっています。  御提言の大学院の設置については、新たな教員確保や費用の捻出、それから卒業生の県内での就職先の確保責任といいますか、多くの課題があります。そして、大学院の前に学部という課題もちょっとありまして、この辺をいかにするかということで、十分な検討が必要と考えております。 111 ◯議長松井拓夫君) 総合政策部長山田君。     〔総合政策部長山田賢一君登壇〕 112 ◯総合政策部長山田賢一君) 敦賀市の再生可能エネルギーなどによります地域振興への取り組みについての評価と支援について、お答えを申し上げます。  敦賀市におきましては、近隣の6市町──南越前町、美浜町、滋賀県の長浜、高島、米原の3市と共同して、ハーモニアスポリス構想の研究、検討を進めております。その一つの柱としまして、広域的な水素社会の形成を目指しているということでございます。ことしと来年度の2年間で、可能性の調査を行うこととしておりまして、県内企業が保有します水素エネルギーの要素技術や関連産業などの調査を行い、具体的な事業計画を策定する予定でございます。  敦賀市としましては、今後も国の原子力政策に貢献していく一方で、周辺地域においてバランスのとれた産業構造をつくるため、将来成長することが期待される水素エネルギーに着目した産業づくりを目指すとの考え、構想とお聞きをしております。  エネルギー研究開発拠点化計画の推進方針におきましては、水素エネルギー利用の検討や再生可能エネルギーの導入など、エネルギーの多元化への対応を進めていくこととしておりまして、県といたしましても、敦賀市の構想の実現に向けて協力をしてまいりたいと考えております。 113 ◯議長松井拓夫君) 安全環境部長清水君。     〔安全環境部長清水英男君登壇〕 114 ◯安全環境部長清水英男君) 私のほうからは、「もんじゅ」について1問御回答いたします。  ナトリウム、あるいは使用済み燃料の処理、処分については、県はどのような認識をし、対応するのかという御質問でございます。  県といたしましては、使用済み燃料や廃棄物の処分は、基本的に県外で対応すべきものだというふうに思っております。  海外での事例を見てみますと、例えば、ナトリウムの処理、処分につきましては、塩化ナトリウムなど安定したものに処理した上で処理を行っているというような事例があるというふうに認識をいたしております。  また、「もんじゅ」の使用済み燃料の処分につきましては、原子炉等設置許可申請書において、原子力機構の再処理施設、または海外に委託して再処理をするということが明記されているものでございます。 115 ◯議長松井拓夫君) 産業労働部長片山君。     〔産業労働部長片山富士夫君登壇〕 116 ◯産業労働部長片山富士夫君) 私からは、ドローンの活用について2点お答えいたします。  まず、県民衛星の事業概要と特にデータの活用などの県益、今後の事業展開についての御質問です。  県民衛星プロジェクトは、県内企業により超小型人工衛星を開発し、高度なものづくり技術を活用した製造業の振興、それから衛星から得られる画像データを活用したビジネスの創出を目指すものであります。このプロジェクトを進めるため、平成27年9月、製造業やシステム企業等による研究会を設け、宇宙産業の動向や衛星データ利活用の研究等を行っております。本年5月からは、東京大学において、県内企業6社、延べ24名が組み立て、性能試験など、製造技術の習得を行っており、9月からは部材の研究開発に着手しております。これらを通じて得られた技術をもとに、来年度から製造に着手いたします。  データの利活用につきましては、例えば、砂防指定地の状況確認や農作物の生育状況の観測など、さまざまな観点から検討を行っており、今年度中に取りまとめを行います。  今後、ものづくり、ソフト開発、両面から、地方初の新たなビジネス創出につながるよう、福井工業大学など県内大学とも連携し、県民衛星を初めとする本県の宇宙産業への新たな展開を促進してまいります。  続きまして、行政サービスで利活用できるドローンの開発や民間企業の育成、参入など、行政としても取り組むべきではという御提言についてでございます。  ドローンの行政サービスでの利活用につきましては、土木インフラの点検や災害監視、農業分野への展開等が予想されているところでございます。  県では、機械メーカー等で組織いたします研究会において、災害調査用のドローンの活用方策を検討しているほか、電気事業連合会が美浜町に整備いたします原子力レスキューでは、ドローンを配備して情報を収集することとしております。  また、人工衛星からのデータの利活用を目指す県民衛星プロジェクトと連携し、例えば、衛星からの広域画像とドローンの局所画像を組み合わせまして、より精緻に作物の生育分布を把握するシステムの導入など、効果的な開発も期待できると考えております。  今後、オープンイノベーション推進機構におきまして、これら災害や農業分野を含めた幅広い分野での利活用の研究を進めていきたいと考えております。 117 ◯議長松井拓夫君) 観光営業部長佐々木君。     〔観光営業部長佐々木康男君登壇〕 118 ◯観光営業部長(佐々木康男君) 私からは、恐竜王国福井の拡充について2問お答え申し上げます。  まず、第2恐竜博物館整備の概要について伺うとともに、今後の整備見通しを伺うとの質問でございます。  第2恐竜博物館につきましては、基本構想・計画策定委員会をこれまで3回開催しておりまして、本館との役割分担や機能など、さまざまな課題について協議を進めているところであります。委員からは、現在の恐竜博物館の機能の拡充を基本に、例えば、最先端の研究成果をもとに、恐竜や恐竜が生きた時代を楽しく学べる施設にすべき、入門者から専門家までの幅広い好奇心に応え、想像力を高める展示や体験を設けるべきなど、専門的見地から御意見をいただいているところです。  第2恐竜博物館の整備につきましては、民間事業者の参画が重要であると考えており、その可能性を探る必要がございます。また、施設や展示の内容、官民の役割分担、管理運営法等につきましても議論し、基本構想計画につなげてまいりたいと考えております。  次に、六呂師スキー体験施設に関連して、ペアリフトの建設については見合わせ、改めて県は大野市と民間を交え、総合計画を策定すべきではないかとの御質問でございます。  六呂師高原につきましては、奥越の周遊観光の拠点として、通年型、滞在型の体験学習、スポーツエリアを目指すこととし、地元の要望も踏まえ、スキー体験施設を中核として整備し、奥越高原牧場、あるいは青少年自然の家など、既存の施設を拡充し、誘客拡大を図るものです。  こうした施設につきましては、観光に対する地元の考え方が非常に重要であると考えております。中部縦貫自動車道のこれからの活用方法、あるいは民間の投資の可能性などについても、中長期的に奥越全体の中で十分検討していかなければならないと考えています。 119 ◯議長松井拓夫君) 教育委員会教育長森近君。     〔教育委員会教育長森近悦治君登壇〕 120 ◯教育委員会教育長森近悦治君) 私からは、18年度高校入試変更について4点お答えをいたします。  まず、数学、英語の選択入試試験について教育委員会の狙い、また、中学校での授業に混乱が生じないか、学校の差別化につながらないかという御質問でございます。  高校入試につきましては、平成26年度入試から、自分の考えを論理的に説明するような思考力、判断力、表現力を問う問題をふやしてきているところでございます。その結果、特に数学、英語では点数のばらつきが大きく、低得点──得点の低い受験者では答案に空欄が多く、学校で勉強してきたことが十分発揮できていないという状況にございます。  生徒の学力には個人差があるため、入試で適切に評価するために、平成30年度高校入試から、数学と英語の6問中、一、二問を難易度の異なる選択問題とするものでございます。選択問題は、中学校の学習内容の範囲内でございまして、中学校では一人一人の学力を伸ばす丁寧な指導を行ってまいります。一方、高校のほうでは、難易度の異なる入試問題により、その学校が求める学力を適切に評価できると考えているところでございます。  なお、これまで中学校長会で説明してきておりますが、異論はなく、中学校の授業に混乱はないものと考えております。また、全国では、熊本県、長崎県、大阪府の3府県で数学、英語に難易度の異なる選択問題を導入しているところでございます。  次に、英検の入試活用について、所得格差が入試結果に結びつくことがないかといった懸念の御質問でございます。  英語は重要なコミュニケーションの道具でございます。また、国からセンター試験にかわる新しいテストにスピーキングテストを導入する方針が示されるなど、話す力が重視されているところでございます。そのため、現中学2年生の高校入試から英検を活用して、話す力を評価することにより、能力を伸ばしていきたいというふうに考えております。  県では、オールイングリッシュによる授業やALTの増員など、実践的な英語を話す機会をふやし、生徒の聞く力、話す力を伸ばしており、塾に通わなくても、中学校で授業を受けていれば英検3級程度の学力が身につくよう指導しているところでございます。  また、昨年度の県内中学生の2級合格者は12名、準2級は139名となっているところでございます。英語は、なれや使うことによってどんどん伸ばせるため、個人としてラジオ講座や海外研修等により、頑張った生徒に対して、その努力を評価していくことも重要でありますし、生徒の意欲をさらに高めていくことにつながっていくというふうに考えています。  また、今年度から、全ての中学3年生に対して英検等の受験料を補助するとともに、英検の受検機会を確保するため、中学校の行事日程や会場等を調整しており、英語の学習の場とチャレンジの機会を提供していきたいというふうに考えております。  次に、英検の学校現場の負担についてでございます。  中学校では、これまでも英語で話す機会をふやし、教師による英語のスピーキングテストを行っているところでございまして、生徒の話す力を評価しています。また、週1時間、ALTとの授業を行い、昼休みや放課後にはALTと話す機会、会話する時間を設けるなど、生徒の聞く力、話す力を伸ばす取り組みも行っているところでございます。  このような取り組みによりまして、文科省の調査では、福井県の中学3年生における英検3級相当以上の割合は全国上位でございまして、学校においては特別に英検のための準備をする必要はないというふうに考えています。  次に、英検試験の公正さは担保できるのかという御質問でございます。  高校入試への導入に向けまして、実施主体である日本英語検定協会と信頼性、公平性について、これまで協議をしてきております。具体的には、別日程の試験では別の問題が用意されていること、また、試験問題は開始直前まで開封できないこと、それから、全ての会場で試験時間を統一していること、スマートフォン等を預かって、外部との連絡を遮断すること、また、学校や塾などの会場につきましては、英検が審査し、条件を満たしている場合に限り許可していることなど、英検でも万全の体制を整えており、公正にやっていけるものと考えております。 121 ◯議長松井拓夫君) 以上で、通告による質疑及び質問は終了いたしましたので、ほかにないものと認め、日程第1の各議案に対する質疑及び県政全般にわたる質問は終結いたしました。                ━━━━━━━━━━━━━━━                   第2 請願について
    122 ◯議長松井拓夫君) 次に、日程第2の請願についてを、あわせて議題といたします。  この際、お諮りいたします。  会議規則第38条第1項の規定により、日程第1の議案15件をお手元に配付いたしました議案付託表のとおり、また、同規則第91条第1項の規定により、日程第2の請願5件をお手元に配付いたしました文書表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 123 ◯議長松井拓夫君) 御異議なしと認めます。   よって、そのように決定いたしました。                ───────────────                   議 案 付 託 表                                      第394回定例会 ┌──────┬─────────────────────────────┬──────┐ │ 議案番号 │       件            名        │付託委員会名│ ├──────┼─────────────────────────────┼──────┤ │第71号議案 │平成28年度福井県一般会計補正予算(第2号)        │ 予算決算 │ │第72号議案 │平成28年度福井県下水道事業特別会計補正予算(第2号)   │ 予算決算 │ │第73号議案 │平成28年度福井県病院事業会計補正予算(第1号)      │ 予算決算 │ │第74号議案 │平成28年度福井県臨海工業用地等造成事業会計補正予算(第1 │ 予算決算 │ │      │号)                           │      │ │第75号議案 │平成28年度福井県工業用水道事業会計補正予算(第1号)   │ 予算決算 │ │第76号議案 │平成28年度福井県水道用水供給事業会計補正予算(第1号)  │ 予算決算 │ │第77号議案 │平成28年度福井県臨海下水道事業会計補正予算(第1号)   │ 予算決算 │ │第78号議案 │福井県一般職の職員等の給与に関する条例等の一部改正につい │ 総務教育 │ │      │て                            │      │ │第79号議案 │福井県職員等の退職手当に関する条例および福井県企業職員の │ 総務教育 │ │      │給与の種類および基準に関する条例の一部改正について    │      │ │第80号議案 │福井県職員等の勤務時間、休暇等に関する条例等の一部改正に │ 総務教育 │ │      │ついて                          │      │ │第81号議案 │福井県港湾施設管理条例の一部改正について         │ 土木警察 │ │第82号議案 │福井県公安委員会等手数料徴収条例の一部改正について    │ 土木警察 │ │第83号議案 │指定管理者の指定について                 │ 土木警察 │ │第84号議案 │指定管理者の指定について                 │ 総務教育 │ │第85号議案 │平成29年度当せん金付証票の発売について          │ 総務教育 │ └──────┴─────────────────────────────┴──────┘                ───────────────                第394回定例会請願・陳情文書表                 福  井  県  議  会                    目     次 (請願) ┌──────┬─────────────────────────────┬──────┐ │ 受理番号 │        件          名         │付託委員会名│ │      │           【紹介議員】            │      │ ├──────┼─────────────────────────────┼──────┤ │請願第13号 │政府への農業者戸別所得補償制度の復活を求める意見書提出に │産    業│ │      │関する請願                        │      │ │      │ 【佐藤正雄】                      │      │ │      │(請願項目)                       │      │ │      │ 1 農業者戸別所得補償制度を復活させること       │      │ │請願第14号 │貧困・虐待のための対策に関する請願            │厚    生│ │      │ 【山本正雄、糀谷好晃、中井玲子、井ノ部航太】      │      │ │      │(請願項目)                       │      │ │      │ 1 子供食堂への助成や児童福祉司等の支援体制を充実する │      │ │      │  こと                         │      │ │請願第15号 │カウンセラー等の増員に関する請願             │ 総務教育 │ │      │ 【山本正雄、糀谷好晃、中井玲子、井ノ部航太】      │      │ │      │(請願項目)                       │      │ │      │ 1 スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーを │      │ │      │  増員すること                     │      │ │請願第16号 │多様な教育のための専門スタッフの配置拡充に関する請願   │ 総務教育 │ │      │ 【山本正雄、糀谷好晃、中井玲子、井ノ部航太】      │      │ │      │(請願項目)                       │      │ │      │ 1 多様な教育をきめ細やかに展開できるよう専門スタッフ │      │ │      │  の増配置を実現すること                │      │ │請願第17号 │食の安全体制づくりと養護教諭の複数配置に関する請願    │ 総務教育 │ │      │ 【山本正雄、糀谷好晃、中井玲子、井ノ部航太】      │      │ │      │(請願項目)                       │      │ │      │ 1 食の安全・安心のための体制づくりに努めること    │      │ │      │ 2 県独自で養護教諭の複数配置を実現すること      │      │ └──────┴─────────────────────────────┴──────┘                ─────────────── 請願第13号       政府への農業者戸別所得補償制度の復活を求める意見書提出に関する請願 1 趣   旨   米価が生産費を大きく下回る水準に下落し、多くの稲作農家が、これではつくり続けられないと  いう状況が生まれている。また、安い米の定着によって、生産者だけではなく、米の流通業者の経  営も立ち行かない状況になっている。   こうした中で政府は、農地を集積し、大規模化・効率化を図ろうとしているが、この低米価では、  規模を拡大した集落営農や法人ほど赤字が拡大し、経営危機に陥りかねない。   平成25年度までは、米、麦、大豆などの主要農産物の生産を行った販売農業者に対して、生産に  要する費用(全国平均)と販売価格(全国平均)との差額を基本に交付する農業者戸別所得補償制  度がとられ、多くの稲作農家の再生産と農村を支えていた。   平成26年度からは経営所得安定対策に切りかわり、米については10アール当たり7,500円の交付  金へと引き下げられ、稲作農家の離農が加速し、地域が一層疲弊している。しかも、この制度も平  成30年産米から廃止されようとしている。   これでは、稲作経営が成り立たないばかりか、水田が持つ多面的機能も喪失し、地域経済をます  ます困難にしてしまうことは明らかである。   今こそ、欧米では当たり前となっている、経営を下支えする政策を確立することが必要である。  そうした観点から、当面、生産費を償う農業者戸別所得補償制度を復活させて、国民の食糧と地域  経済、環境と国土を守ることを求める。   以上の趣旨から、地方自治法第99条に基づき、政府に対し、下記事項についての意見書を提出す  ることを請願する。                       記  農業者戸別所得補償制度を復活させること。 2 提 出 者   福井県農民連 会長 玉村正夫 3 紹介議員   佐藤正雄 4 受理年月日   平成28年11月21日                ─────────────── 請願第14号               貧困・虐待のための対策に関する請願
    1 要   旨   貧困や虐待など問題を抱えている子供たちが、心身ともに健やかに成長していくために、子供食  堂への助成や児童福祉司等の支援体制を充実するよう求める。 2 理   由   全国の児童相談所が2015年度に対応した児童虐待の件数は、児童虐待防止法施行前の1999年の  8.8倍となり、過去最多を更新している。しかし、児童福祉司の増加数はわずかであるため、職員  一人で多くの件数に対応しなければならなくなっている。   福井県においても、2015年度は353件の対応件数が報告され、ここ数年増加の一途をたどってい  るが、児童福祉司は15人、児童心理司は8人しかいない。また、福井県の18歳未満の子供がいる世  帯のうち、収入が生活保護費以下の割合は5.5%、いじめは2015年度で827件が報告されている。   子供たちが抱える問題の背景にある家庭環境や社会環境に対しては、社会福祉等に関して専門的  な知識や技術を持つ人材の増員が必要である。 3 提 出 者   福井の教育をよくするための県民連合    連合福井 会長 山岸克司    福井県PTA連合会 会長 橘英亜機    公益財団法人青少年育成福井県民会議 会長 山崎幸雄    一般社団法人福井県子ども会育成連合会 会長 山崎暢子    福井県退職教職員会 会長 奥本明義    福井県教職員組合 執行委員長 竹野亨 4 紹介議員   山本正雄、糀谷好晃、中井玲子、井ノ部航太 5 受理年月日   平成28年11月22日                ─────────────── 請願第15号               カウンセラー等の増員に関する請願 1 要   旨   いじめ及び不登校の防止や、早期発見、早期解決のために、スクールソーシャルワーカーやスク  ールカウンセラーをさらに増員するよう求める。 2 理   由   全国の児童相談所が2015年度に対応した児童虐待の件数は、児童虐待防止法施行前の1999年の  8.8倍となり、過去最多を更新している。しかし、児童福祉司の増加数はわずかであるため、職員  一人で多くの件数に対応しなければならなくなっている。   福井県においても、2015年度は353件の対応件数が報告され、ここ数年増加の一途をたどってい  るが、児童福祉司は15人、児童心理司は8人しかいない。また、福井県の18歳未満の子供がいる世  帯のうち、収入が生活保護費以下の割合は5.5%、いじめは2015年度で827件が報告されている。   子供たちが抱える問題の背景にある家庭環境や社会環境に対しては、社会福祉等に関して専門的  な知識や技術を持つ人材の増員が必要である。 3 提 出 者   福井の教育をよくするための県民連合    連合福井 会長 山岸克司    福井県PTA連合会 会長 橘英亜機    公益財団法人青少年育成福井県民会議 会長 山崎幸雄    一般社団法人福井県子ども会育成連合会 会長 山崎暢子    福井県退職教職員会 会長 奥本明義    福井県教職員組合 執行委員長 竹野亨 4 紹介議員   山本正雄、糀谷好晃、中井玲子、井ノ部航太 5 受理年月日   平成28年11月22日                ─────────────── 請願第16号          多様な教育のための専門スタッフの配置拡充に関する請願 1 要   旨   発達障害などへの支援を必要としている子供たちに対する授業や、小学校での英語の授業、遠隔  授業などにおけるICT活用に向け、多様な教育をきめ細やかに展開できるよう、専門スタッフの  増配置の実現を求める。 2 理   由   子供の数は減少しているにもかかわらず、特別な支援が必要な子供の数は増加傾向にあり、発達  障害の可能性のある小中学生は6.5%と推計されている。しかし、全員が特別支援学級や特別支援  学校に通うわけではなく、通常学級に在籍する場合も多くなっている。   福井県では、2015年度に普通学級に在籍し通級による指導を受けている子供たちは597人であっ  たが、通級担当の指導教員は29人であった。指導教員が一人で幾つかの学校を兼務することもあり、  きめ細かい指導が困難な状況にある。   また、近年、教育改革が急速に進み、ICTを活用した遠隔授業やサイエンス教育、福井県が国  に先駆けて実施を計画している小学校での英語の授業等、専門的な知識、技量を求められる場面が  多くなってきた。そのため、機器の調整を行い、ICT教育や遠隔授業をサポートするための専門  職員や、実験器具の準備や補助を行う支援員、英語の知識を有する専門スタッフの配置拡充が望ま  れる。 3 提 出 者   福井の教育をよくするための県民連合    連合福井 会長 山岸克司    福井県PTA連合会 会長 橘英亜機    公益財団法人青少年育成福井県民会議 会長 山崎幸雄    一般社団法人福井県子ども会育成連合会 会長 山崎暢子    福井県退職教職員会 会長 奥本明義    福井県教職員組合 執行委員長 竹野亨 4 紹介議員   山本正雄、糀谷好晃、中井玲子、井ノ部航太 5 受理年月日   平成28年11月22日                ─────────────── 請願第17号          食の安全体制づくりと養護教諭の複数配置に関する請願 1 要   旨   食の安全・安心のための体制づくりに努めるよう求める。また、子供たちの健康問題やアレルギ  ー疾患等に十分に対応し、健やかな成長をサポートしていけるよう、県独自で養護教諭の複数配置  を実現するよう求める。 2 理   由   2012年に他県で、給食により子供がアナフィラキシーと思われる呼吸困難を発症し、エピペンの  使用がおくれたこともあり、命を失うという痛ましい事故が発生した。その後も、各地でアナフィ  ラキシーショックの事例が報告されている。   文部科学省は、2007年から2013年の間で、小中学生のアナフィラキシー罹患率が3.5倍に増加し、  食物アレルギー罹患率も1.7倍に増加したことを公表している。   養護教諭は、子供たち一人一人の健康状態を把握し、体調の急激な変化に迅速に対応する専門職  として、極めて重要である。しかし、大規模校では保健室に1日30人以上の来室者があるなど、養  護教諭一人では十分な対応が難しいという実態もある。   国の基準によると、小学校では851人以上、中学校では801人以上で養護教諭が複数配置されるが、  子供たちに寄り添い、健康回復に向けて丁寧に対応するためにも、県独自の養護教諭の複数配置が
     望まれる。 3 提 出 者   福井の教育をよくするための県民連合    連合福井 会長 山岸克司    福井県PTA連合会 会長 橘英亜機    公益財団法人青少年育成福井県民会議 会長 山崎幸雄    一般社団法人福井県子ども会育成連合会 会長 山崎暢子    福井県退職教職員会 会長 奥本明義    福井県教職員組合 執行委員長 竹野亨 4 紹介議員   山本正雄、糀谷好晃、中井玲子、井ノ部航太 5 受理年月日   平成28年11月22日                ━━━━━━━━━━━━━━━ 124 ◯議長松井拓夫君) 以上で、本日の議事日程は全部終了いたしました。  この際、お諮りをいたします。  各委員会付託案件審査等のため、明7日から19日までは休会としたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 125 ◯議長松井拓夫君) 御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。  各委員会は、休会中十分審査され、来る20日に、その審査の経過及び結果について御報告願います。  来る20日は、午後2時より開議することとし、議事日程は当日お知らせしますから、御了承願います。                ━━━━━━━━━━━━━━━ 126 ◯議長松井拓夫君) 本日は、以上で散会いたします。                               午後4時31分 散  会 発言が指定されていません。 Copyright © Fukui Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...