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平成27年予算決算特別委員会 本文 2015-09-30
平成27年予算決算特別委員会 概要 2015-09-30

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  1. 福井県議会 2015-09-30
    平成27年予算決算特別委員会 本文 2015-09-30


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    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいタブが開きます) 平成27年予算決算特別委員会 本文 2015-09-30 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ窓表示 ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者一覧に移動 全 248 発言 / ヒット 0 発言 表示発言切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示 すべて選択 すべて解除 1 ◯田中(敏)委員長 2 ◯知  事 3 ◯田中(敏)委員長 4 ◯中井委員 5 ◯知  事 6 ◯中井委員 7 ◯産業労働部長 8 ◯中井委員 9 ◯産業労働部長 10 ◯中井委員 11 ◯産業労働部長 12 ◯中井委員 13 ◯産業労働部長 14 ◯中井委員 15 ◯中井委員 16 ◯知  事 17 ◯中井委員 18 ◯観光営業部長 19 ◯中井委員 20 ◯知  事 21 ◯中井委員 22 ◯中井委員 23 ◯危機対策監 24 ◯中井委員 25 ◯危機対策監 26 ◯中井委員 27 ◯産業労働部長 28 ◯田中(敏)委員長 29 ◯中井委員 30 ◯田中(敏)委員長 31 ◯井ノ部委員 32 ◯産業労働部長 33 ◯井ノ部委員 34 ◯産業労働部長 35 ◯井ノ部委員 36 ◯産業労働部長 37 ◯井ノ部委員 38 ◯産業労働部長 39 ◯井ノ部委員 40 ◯産業労働部長 41 ◯井ノ部委員 42 ◯産業労働部長 43 ◯井ノ部委員 44 ◯産業労働部長 45 ◯井ノ部委員 46 ◯知  事 47 ◯井ノ部委員 48 ◯観光営業部長 49 ◯井ノ部委員 50 ◯観光営業部長 51 ◯井ノ部委員 52 ◯観光営業部長 53 ◯井ノ部委員 54 ◯観光営業部長 55 ◯井ノ部委員 56 ◯知  事 57 ◯井ノ部委員 58 ◯井ノ部委員 59 ◯知  事 60 ◯田中(敏)委員長 61 ◯石川委員 62 ◯土木部長 63 ◯石川委員 64 ◯土木部長 65 ◯石川委員 66 ◯土木部長 67 ◯石川委員 68 ◯土木部長 69 ◯石川委員 70 ◯知  事 71 ◯石川委員 72 ◯土木部長 73 ◯石川委員 74 ◯土木部長 75 ◯石川委員 76 ◯知  事 77 ◯石川委員 78 ◯土木部長 79 ◯石川委員 80 ◯土木部長 81 ◯石川委員 82 ◯土木部長 83 ◯石川委員 84 ◯知  事 85 ◯石川委員 86 ◯石川委員 87 ◯杉本副知事 88 ◯石川委員 89 ◯杉本副知事 90 ◯石川委員 91 ◯杉本副知事 92 ◯石川委員 93 ◯知  事 94 ◯石川委員 95 ◯杉本副知事 96 ◯石川委員 97 ◯杉本副知事 98 ◯石川委員 99 ◯杉本副知事 100 ◯石川委員 101 ◯健康福祉部長 102 ◯石川委員 103 ◯健康福祉部長 104 ◯石川委員 105 ◯杉本副知事 106 ◯石川委員 107 ◯知  事 108 ◯石川委員 109 ◯田中(敏)委員長 110 ◯松井副委員長 111 ◯田村委員 112 ◯ふるさと県民局長 113 ◯田村委員 114 ◯教育長 115 ◯田村委員 116 ◯教育長 117 ◯田村委員 118 ◯知  事 119 ◯田村委員 120 ◯田村委員 121 ◯警察本部長 122 ◯田村委員 123 ◯警察本部長 124 ◯田村委員 125 ◯警察本部長 126 ◯田村委員 127 ◯警察本部長 128 ◯田村委員 129 ◯警察本部長 130 ◯田村委員 131 ◯警察本部長 132 ◯田村委員 133 ◯杉本副知事 134 ◯田村委員 135 ◯田村委員 136 ◯健康福祉部長 137 ◯田村委員 138 ◯健康福祉部長 139 ◯田村委員 140 ◯知  事 141 ◯田村委員 142 ◯松井副委員長 143 ◯西本(恵)委員 144 ◯警察本部長 145 ◯西本(恵)委員 146 ◯教育長 147 ◯西本(恵)委員 148 ◯警察本部長 149 ◯西本(恵)委員 150 ◯警察本部長 151 ◯西本(恵)委員 152 ◯警察本部長 153 ◯西本(恵)委員 154 ◯土木部長 155 ◯西本(恵)委員 156 ◯西本(恵)委員 157 ◯土木部長 158 ◯西本(恵)委員 159 ◯観光営業部長 160 ◯西本(恵)委員 161 ◯知  事 162 ◯西本(恵)委員 163 ◯総合政策部長 164 ◯西本(恵)委員 165 ◯総合政策部長 166 ◯西本(恵)委員 167 ◯新幹線政策監 168 ◯西本(恵)委員 169 ◯新幹線政策監 170 ◯西本(恵)委員 171 ◯土木部長 172 ◯西本(恵)委員 173 ◯土木部長 174 ◯西本(恵)委員 175 ◯知  事 176 ◯西本(恵)委員 177 ◯総合政策部長 178 ◯西本(恵)委員 179 ◯総合政策部長 180 ◯西本(恵)委員 181 ◯総合政策部長 182 ◯西本(恵)委員 183 ◯総合政策部長 184 ◯西本(恵)委員 185 ◯総合政策部長 186 ◯松井副委員長 187 ◯宮本委員 188 ◯産業労働部長 189 ◯宮本委員 190 ◯ふるさと県民局長 191 ◯宮本委員 192 ◯安全環境部長 193 ◯宮本委員 194 ◯総合政策部長 195 ◯宮本委員 196 ◯ふるさと県民局長 197 ◯宮本委員 198 ◯知  事 199 ◯宮本委員 200 ◯宮本委員 201 ◯土木部長 202 ◯宮本委員 203 ◯土木部長 204 ◯宮本委員 205 ◯宮本委員 206 ◯松井副委員長 207 ◯観光営業部長 208 ◯松井副委員長 209 ◯田中(敏)委員長 210 ◯山本(正)委員 211 ◯知  事 212 ◯山本(正)委員 213 ◯教育長 214 ◯山本(正)委員 215 ◯産業労働部長 216 ◯山本(正)委員 217 ◯山本(正)委員 218 ◯総合政策部長 219 ◯山本(正)委員 220 ◯観光営業部長 221 ◯山本(正)委員 222 ◯観光営業部長 223 ◯山本(正)委員 224 ◯山本(正)委員 225 ◯土木部長 226 ◯田中(敏)委員長 227 ◯山本(正)委員 228 ◯土木部長 229 ◯山本(正)委員 230 ◯田中(敏)委員長 231 ◯斉藤委員 232 ◯知  事 233 ◯斉藤委員 234 ◯教育長 235 ◯斉藤委員 236 ◯教育長 237 ◯斉藤委員 238 ◯杉本副知事 239 ◯斉藤委員 240 ◯教育長 241 ◯斉藤委員 242 ◯農林水産部長 243 ◯斉藤委員 244 ◯知  事 245 ◯斉藤委員 246 ◯知  事 247 ◯斉藤委員 248 ◯田中(敏)委員長 ↑ リストの先頭へ ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯田中(敏)委員長  ただいまより、予算決算特別委員会を開会する。  本日の傍聴人は11名である。傍聴人の方々は、さきにお知らせした留意事項を守って傍聴願う。  これより、付託議案及び本委員会の付託事件である県財政の運営及び県政上の重要な案件についての総括審査に入る。  まず、付託議案である第63号議案、平成27年度福井県一般会計補正予算(第2号)について、知事より説明を求める。 2 ◯知  事  予算案については、提案理由などにより説明をしているので、よろしく審議を賜るようにお願いする。 3 ◯田中(敏)委員長  説明は終了した。  本件については、予算決算特別委員会要綱の規定に基づき、去る9月16日の本会議において付託を受けた後、各分科会において部局別審査を行った結果、お手元に配付のとおり報告があったので、了承願う。  これより、質疑を行う。  この際、申し上げる。  質疑の順序及び時間については、お手元に配付のとおり、理事会で決定しているので、発言者はこの順序により持ち時間の範囲内において発言願う。  中井委員。  なお、中井委員より資料を使用したい旨の申し出があったので、これを許可した。          「アンテナショップについて」       中井 玲子 委員 4 ◯中井委員  おはよう。自民党県政会、中井玲子である。  先日の産業常任委員会の冒頭で、次のようなあいさつをさせていただいた。「開会に先立って委員長として申し上げる。私たち県議会議員は、県民の皆様の信頼と期待をいただいて、代表として今の立場がある。大事な血税である予算の執行等について、県民にとって最善なものであるかを十分に考えながら活発に議論していただきたいと思う」と。私は、県民目線に立って考えるということはとても重要だと思っている。そして、委員からの率直な意見や質問、そして、理事者側の答弁と、とても活発に議論が行われた。まず、その中でも特に議論のあった東京のアンテナショップについて、特に我が会派の代表質問や一般質問、また、先日の産業常任委員会においても議論のあった「食の國 福井館」について伺う。  産業常任委員会における産業労働部長及び商業振興金融課長の説明により、東京オリンピックを控え、不動産需要の高まりなどを背景に、適当な物件が見つかっていないということ、また、南青山291については、20年間の定期建物賃貸借契約を締結していることなど、臨機応変な対応はなかなか難しい状況にあることは理解した。とはいえ、他県のアンテナショップは大通りに面している、あるいは飲食店が併設しているなど、銀座という多くの人々が集まる場所で大いに各県のさまざまな産品のアピールをしている。福井県のアンテナショップはどのような役割を担うものと考えているのか、改めて知事の所見を伺う。
    5 ◯知  事  アンテナショップとはいろんな定義があるので、どれがアンテナショップでどれがそうでないのかという問題があるが、まず、南青山291であるが、これは平成14年にオープンをしてちょうど13年目に当たるかと思う。このころはまだ全国に五、六カ所しかなかった時代である。工芸品や観光情報を含め、幅広く情報提供を行うと同時に、現在もそうであるが、展示ホールを備えている。それから、福井県には東京でオフィスを設けることが困難な中小企業が多いので、低廉でそのようなオフィスの貸し付けをずっと続けている。それから、首都圏の買い手すなわちバイヤーとの商談会の開催など、ビジネス支援を行うというような、他の県にはほとんどない新しい立派な機能を、古くから持っている施設である。  それから、5年後の平成20年には、グラスギャラリーというのを眼鏡協会とほとんど折半でつくった。今はもう眼鏡協会のみで経営が可能であるので、独立して、これも青山のところにあるが、福井の眼鏡のいわゆるアンテナショップとして、販売を行っているという施設になっている。そして、先般2年前にオープンした銀座店については主に食べ物に特化し、首都圏のマーケットに事業展開をするという、一種フロンティアの役割を持っているわけである。  これからも首都圏の消費や流行の動向はかなり目まぐるしく変動するし、どういう場所がどうだというような動きもどんどん変わっていくと思う。今、申し上げたように全般的な一つの店だけではあらゆるものを解決することはできないので、県産品の販路の拡大や、福井の眼鏡などのブランド、食べ物、あるいは、さまざまな県産品をいかに売り、発信できるかということを、その役割や機能について絶えず検討し、結果を出すということが重要かと思う。 6 ◯中井委員  私も、アンテナショップの役割は、まず福井県のことをよく知ってもらうという広報の前線基地であるという側面、また、福井の名産品のマーケティングに直接作用する物販基地としての側面などがあると思う。  それでは、まず、銀座館と南青山291のビジネスプランとビジョンについて伺う。  今議会において、産業労働部長から、PR拠点としての今後のあり方などについて答弁をいただいたが、これまで行ってきた費用対効果の分析、首都圏での他県に負けない情報発信力の検討とは、具体的にどのような分析、検討を行い、それによってどのような方針を打ち出そうと考えているのか、伺う。 7 ◯産業労働部長  費用対効果の分析に当たっては、県が支払う家賃、委託料などの経費に対する来店者数や売り上げにより効果を測っている。ほかの県のアンテナショップと比較を行いやすい「食の國 福井館」については、来館者数、売り上げを県が負担する費用で割ると、銀座エリアにおけるアンテナショップ19店舗の中では大体真ん中くらいの位置づけである。今年度も来館者数が4割、売り上げが2割伸びている状況である。  また、「食の國 福井館」開設以来、市町や民間事業者とのイベントを開催することによって、全国の新聞やテレビに約250回取り上げられており、情報発信の役割を果たしている。他県に負けないよう、さらに情報発信力を強化するために、新しい手法の検討も必要だと考えている。  また、魅力ある商品を消費者に提供していくこととあわせて、移転先としてふさわしい物件が見つかった段階では移転の準備や手続を行っていきたいと思っている。 8 ◯中井委員  移転先にふさわしい物件が見つかった段階で、チャンスを捉えて次の飛躍に向けて移転の準備や手続を行っていくとのことであるが、それでは、具体的にはどういう通りや場所を考えているのか、現在の不動産物件の情報収集体制はどうなっているのか、不動産会社からの情報を聞くだけの待ちの姿勢になっていないのか伺う。 9 ◯産業労働部長  新しい候補地については、県議会での指摘も踏まえて、昨年以降、東京の金融機関などに対し、アンテナショップにふさわしい物件の紹介を依頼してきた。今後も金融機関や不動産会社からの情報に加えて、福井県出身者や福井県ゆかりの企業の協力を得るなど、情報収集を継続していきたいと考えている。  その上で、現在は、都道府県のアンテナショップが日本橋、銀座かいわいに集積しているが、首都圏の消費、流行の変化は著しい状況であり、これらに加え、そのほかにも話題性のあるエリアというのがあると考えているので、それも含めて検討していきたいと思っている。 10 ◯中井委員  いろいろと検討していただきたいと思うが、契約期間等、先方との交渉が必要な案件もあるとのことであるが、現在、「食の國 福井館」に係る契約期間や途中解約の条件交渉はどのような進展を見せているのか、伺う。 11 ◯産業労働部長  現在、「食の國 福井館」を所有する不動産管理会社からは、本県に対して、契約更新をする意向があるかどうかといった照会がきている。今後、銀座館を継続させるための契約更新の手続を開始していきたいと思っている。移転の際は、いつでも円滑に手続が進むよう、できるだけ有利な条件となるように交渉していきたいと思っている。 12 ◯中井委員  わかった。契約の関係がある程度解決し、移転先にふさわしい物件がもし見つかったとして、その法外な賃料負担が生じては、幾らいい場所だとしても費用対効果を考えるとマイナスになる場合もあるのではないか。賃料、売り上げ、福井県のイメージアップ等、総合的なシミュレーションが重要だと思う。  さて、今の時代、インターネットでこれだけさまざまな情報の収集や商品の購入ができることを考えると、国内、国外に向けたインターネットでの売り込みという、ソフト面での販路拡大も県の大きな役割だと思う。南青山291及び「食の國 福井館」のオンラインショップの充実強化について所見を伺う。 13 ◯産業労働部長  本県のアンテナショップであるが、平成20年度にオンラインショップを開設しており、約120品目を掲載している。年間売上額は約200万円である。アンテナショップのオンラインショップで購入された方が次に購入する際には、個々の事業者のオンラインショップで購入するという傾向があると考えている。個々の事業者への橋渡しやオンラインショップをまだ開設していない事業者の補完の役割を果たしている。  また、本県では、店舗売りやオンラインショップ以外にも、南青山291では百貨店における催事への出店や首都圏企業との直接取引の支援を行っている。昨年度は、直接取引の支援では4,100万円の商談の成果があったが、このようなことを一体で幅広く県産品の販路拡大を行っていきたいと思う。 14 ◯中井委員  今、いろいろ部長の話を聞いて、福井県のアンテナショップが頑張っていることはとてもよくわかる。ぜひとも福井ブランドというか、地域の産品を知らしめ、来館者やオンラインショップを見た方に福井はとてもいいなと、ぜひ一度行ってみたいと思わせるような、そういうショップにしていただきたいと思っている。引き続き、ぜひ全力で頑張っていただきたいと思う。         「大河ドラマ誘致について」 15 ◯中井委員  それでは、次に、大河ドラマの誘致について伺う。  大河ドラマ誘致については、これまでに私を初め、いろいろな方々がぜひとも大河ドラマの誘致に乗り出すべきだとの提案を行ってきた。昨年、12月議会において、私からは朝倉氏遺跡保存協会による署名活動を紹介したが、ほかにもこれまでお市の方を中心とした戦国武将たち、松平春嶽、由利公正、横井小楠の幕末の志士などが提案されてきたかと思う。石川、富山に負けない福井の発信戦略として、NHK大河ドラマの誘致はぜひとも実現すべきである。  ブランドイメージは非常に大事である。愛知県なら織田信長、仙台なら伊達政宗、高知県なら坂本竜馬など、歴史的な偉人というのは一つのブランドといえる。6月議会の予算決算特別委員会で、大森委員や笹岡委員の質問に対して、知事は、2018年が明治維新から150年の記念の年であるため、明治維新にかかわった人物が主人公にふさわしいとの考えを表明され、その候補については、例えば、由利公正やその時代の人物たちが挙げられるのではないかというふうに思っていると答弁された。そして、さらに、福井市や国内関係者とも共同して、NHK等への積極的な働きかけや誘致推進協議会の組織が必要なこと、6月に発足した私たち県議会議員連盟とも相談をしながら、ドラマの実現に向けて努力していきたいとの答弁を受け、心強く思っていたところであった。私は、その議員連盟の事務局長を担当しているが、その後2カ月以上がたっても主人公の絞り込み等に関する知事との話し合いの場はなく、誘致推進協議会等、さまざまな団体の代表等による組織の設立、その場でのいろんな協議や議論、そして、決定といった段階まではいまだ至っていないのが現実である。  県は今回、大河ドラマの主人公について、なぜ幕末のみを捉えるのか、戦国、江戸期など、幅広く偉人について調べ上げた上で決めるべきではないのかと考えるが、知事の所見を伺う。 16 ◯知  事  いわゆるNHKの大河ドラマの誘致であるが、これまで何年間かは、さまざまなレベルで働きかけをしたり、いろんな情報収集をしたり、NHKの方々がどのように考えておられるか、また、関係のいろんな作家や歴史家の話なども聞いているわけであるが、直接的には昨年秋に、観光営業部長をリーダーに、大河ドラマの誘致準備チームを庁内に設置して、大河ドラマの実現に向けた条件や環境などについてNHK関係者等からいろいろ聞いているところである。中世から近世にかけての福井のさまざまな人物について、その功績やエピソードなどもその間で検討しているところである。  福井県は、幸い他の県と違って、あらゆる時代にそれにふさわしい人たちをたくさん輩出しており、大河ドラマは50回以上になるが、大抵のドラマでそれなりに登場しているような県である。したがって、中世から明治維新にかけて多くの歴史上の人物がいるが、ちょうど3年後の平成30年は明治維新150年という記念の年であり、多くの都道府県や人物が、深くかかわったという時代であるし、節目であるので、近代日本の幕あけに活躍した本県の偉人たちを我々県民がまず十分知り、いろんな活動もして、全国に発信するチャンスかなというふうに思う。  このため、この時代の先人たちの功績やエピソードについて、イベントなどを通して県内外に強く発信するとともに、こうした歴史上の人物を主人公とする大河ドラマを誘致したいと考えている。もちろんヒストリアや知恵泉など、長期間に及ばないものも含めいろんな番組があり、一方で民間の放送会社の天皇の料理番のような非常に人気を博した番組も最近出ているということで、各放送会社のさまざまな事業展開、ドラマのやり方があるから一概にはいえないが、いずれにしてもこういう機を捉えて、さらなる県民の誇りとなるいろいろな人物を考え出して誘致をする、そして、福井県のブランドを向上させるという方向が重要かと思う。 17 ◯中井委員  なぜこのような話をするかというと、由利公正を初めとした幕末の偉人の何たるかを国民はもちろんのこと、県民も余り知らないのではないのかなという疑問を持ったからである。  県民はどの程度、本県出身の幕末の偉人たちの功績を理解しているのか、これは我々県民が郷土の歴史をどれだけ理解し、郷土の偉人をどんなに誇りに思っているのかということにもつながっていくのだと考える。私たち議員連盟は発足後、誘致していくための勉強会として、先月、NHKのチーフプロデューサーの方から話を聞いた。その中で、主人公となる人物は、県民から愛される人物であることが大事だということがよくわかった。県は、県民から愛される人物の調査を行っているのかどうか伺う。 18 ◯観光営業部長  今回の大河ドラマの誘致に当たっては、指摘のような一般県民を対象とした調査を実際、実施したわけではないが、これまで歴史上の偉人の中には既に小説などになっている方もおられる。また、地域の住民が中心となって検証会や保存活動などを行い、例えば、生誕祭や墓前祭の実施、あるいは、勉強会、ゆかりの地同士の交流会など、自主的な活動も行っている。主人公等を考える上で、こうした活動等の把握には努めてきた。 19 ◯中井委員  議員連盟としては、県民に対して、福井の偉人についてのアンケートを始めた。ある議員からは、そのことが話題に上がり、こういう方がいらっしゃったのだという、また新たな気づきもあったようで、県民の興味、関心の高まりに大いにつながっているのだという話を聞く。これは福井の偉人について、県民の方によく理解していただくためにとてもよい機会になっていると思う。このアンケートは、決して人気投票のように順位づけをするものではなく、県民の方に改めて福井の偉人について考えてもらい、また、いろいろな方が福井にはいらっしゃったことなど、正しい理解をしていただきたい。また、そういうことで県民の方々の意識が高まれば、これはきっと大河ドラマ誘致に対しても皆様の思いや熱意が私たちと一緒に盛り上がることにつながると思ってのことである。  県民の中でもさまざまな考え方や思いがあるが、知事も答弁の中で条件として挙げた、全国的な知名度、50回放送ができるエピソード、現代人が共感できるメッセージ性、そして、国内数カ所での実績を満たす人物の決定につなげるために、福井県が一丸となって誘致活動に取り組むべきだと考える。県や県議会、また、県民がばらばらな方向を見ていたのでは力は分散されてしまう。  また、聞いた話であるが、篤姫に関しては、地元の方々は全く知らず、NHKのほうからぜひ篤姫を取り上げたいという白羽の矢が立って、県民の方々は改めて篤姫の存在を知り、その後の観光客の盛り上がりなどもあり、自分たちの地元にはこんなにすばらしい方がいらっしゃったのだと知り、そこで誇りとしてこれからも篤姫を大事に考えていこうということにつながったそうである。NHKのほうからそんなふうに福井県に対してぜひこの方を取り上げたいという話がくるかもしれない。また、私たち福井県が一丸となって、ぜひこの方で頑張っていこうと、そういう思いを福井県からNHKに届けることが大事だと思っている。  そのためには、皆さんの思いはさまざまだと思うが、やはり意思統一をして、最終的には一丸となってNHKのほうにアピールしていくことが大事だと考えている。まだ遅くない。今こそ県民、誘致議員連盟、県、市町が一体となり、目指す方向を一致させてそのベクトルを合わせて福井県全体が一つの方向に向いてこそ、福井県の魅力は最大限に発揮できると思う。  まずは、7月の予算決算特別委員会で答弁いただいたとおり、誘致推進協議会を通じた積極的な活動が重要だと考える。協議会設立に向けた現在の取り組み状況と今後の誘致活動の方向性について伺う。 20 ◯知  事  大河ドラマの誘致のやり方であるが、大河ドラマは今、おっしゃったように、本県の知名度向上、また、誘客拡大につながるなど、波及効果が全県に及ぶものであり、あるいはまた、及ぶようなドラマでないといけない。例えば、幕末にしても、福井市のみならず、例えば、小浜や敦賀、あるいは、大野など、いろいろな地域に影響のあるような番組が望ましく理想であると思う。  それで、この秋には、福井市を初めとする各市町や経済団体、観光団体等が参加する大河ドラマ誘致推進協議会を設立すべきだと考えており、現在、各団体と意見交換を行っている。  県としては、由利公正を中心に本県ゆかりの人物が登場する大河ドラマが望ましいと考えているが、県議会の意見もさまざまあるようである。その意見も十分いただきながら、最終的にはこの協議会において、この人でいこうかという方向を決めたいと思う。  今後、協議会が中心となって、NHK等への要請活動を行うと同時に、それぞれの構成団体、また、その団体の中にもいろんな団体が入っているのが全国の例でもあるので、それらの団体を中心に、主人公や関係人物の功績、魅力の普及など、いろいろな機運醸成を行うこと自体が重要であるので、そういう進め方をしていきたいと考える。 21 ◯中井委員  本当に福井県にとっては、偉人はたくさんいるが、その絞り込みに関しては、さまざまな立場、また、さまざまな意見があると思う。そのような中で今、答弁いただいたように、県の思いも出していただきながら、また、私たち県議会議員の思い、そして、市町の思い、いろんな関係団体の代表者の方の意見もいただきながら、その推進協議会で十分に議論し、決定をした上で、福井県としてはぜひここで頑張っていきたいと、一つになって目指すことが大事だと思っているので、どうぞよろしくお願いする。         「防災について」 22 ◯中井委員  次に、防災について伺う。9月の本会議の一般質問で、福井空港の防災拠点化と産業化について伺ったが、それは、県としての大きな防災インフラ、産業インフラの話であった。地域防災計画は、大きな防災拠点の話もあれば、学校における防災教育や自主防災組織の整備という項目など、実に多岐にわたっている。  こうした計画に基づいて、さまざまな資機材が配備、備蓄されているわけであるが、今度は、学校、保育園、幼稚園、各家庭が行ういわば草の根の防災についての取り組みについて考えたいと思う。  皆さんはてぬてぬ坊主を知っているか。てぬてぬ坊主は手ぬぐいとタオルでつくるハンドメイドの防災頭巾である。これは子育て中の母親が考案したもので、県内各地の防災イベントや公民館、一部の小学校、幼稚園、保育園などで紹介されている。  では、まず、現物を見ていただきたいと思う(資料提示)。これが防災頭巾である。こんな形である。この後ろには名前が書いてあるので、どの子かなということがわかってもらえると思う。緊急時には防災頭巾として頭にかぶる。畳んだままであるとこのままで枕や座布団にも使ってもらえる。かぶらないときは非常袋としても使用できる。そして、この中に何が入っているかというと、広げると、中にはこのような風呂敷やアルミシートである。これは実際、災害に遭った方が1枚羽織るだけでもすごく暖かさを感じて、とても重宝したという話を聞いた。また、この中には子供の着がえなども入っている。そして、こういうものもお菓子箱などいろいろなところに入っていると思うが、実際にぬれたところに座るとき、これを1枚敷いて座るとぬれないという利点がある。また、風呂敷もいろいろな結び方によっては袋にもなるし、とても重宝するものである。この横側の袋には、こういうマスクなど小さい小物も入れることができる。こちら側には、軍手があって、軍手の中にも何かのときに役立つ袋を入れられ、また、ちょっとしたけがのためには傷バンも入れられる。こういうふうな発想は女性ならではのものかなというふうに思う。このざくざくざっくりと縫ってあるのは、とっさのときにこのしつけ糸を全部とると手ぬぐいとタオルである。この手ぬぐいも割けば結んでひもにもなる。ロープというほど強いものではないが、ひもになる。ここが大事なところである。こんなふうに緊急連絡先も書いてあれば、何かのときにその方のことがわかるので、安心につながると思う。  こうした防災頭巾は、災害時に身を守る資機材として大変有効なものと考えるが、所見を伺う。 23 ◯危機対策監  災害の発生時においては、最も大切なことは、一人一人が自分の身は自分で守るということである。このため日ごろから災害に備え、身を守るための防災用品を身近なところに準備しておくことは重要なことである。こうした防災用品の一つとして、今、委員のほうから紹介いただいた防災頭巾等の活用については、子供や家庭の防災への意識、関心を引き出す上で有効であるというふうに考えている。 24 ◯中井委員  共感、賛同していただいてありがとう。  ほかの都道府県の小学校などでは、一人に一つの防災頭巾が椅子の背もたれカバーとして備えつけられているという話も聞いた。おかげさまで福井県のほうは、震度5以上の地震が少ないので、これまで防災頭巾というものは学校、また、幼稚園、保育園などにも常備という形では見たことがない。でも、これからはやはりいつ何が起こるかわからないので、今言われたように自分の身は自分で守るため、できるだけのことはしていくべきなのではないかというふうに思う。  自主防災組織の組織率が9割以上と防災に対する意識が高い福井県において、子供たちの安心と安全のために、この防災頭巾等を、子供を初めとする県民への防災、減災の取り組み、また、母の力、女性の力による防災草の根運動として、県民へ浸透させてはどうかと思うが、所見を伺う。 25 ◯危機対策監  県内の小中学校、高校では、子供たちを対象に、災害にあったときの心構えなどを指導するとともに、毎年、避難訓練を実施している。また、女性、母親の視点に立った地域でのきめ細やかな防災活動は重要である。女性消防団や女性防火クラブというのが県内にあって、ひとり暮らしの高齢者宅や、幼稚園、保育園などの訪問啓発、また、防災訓練での女性による消火、放水訓練、また、AEDの講習会など、地域での防災活動を積極的に行っているところである。  特に、本県では、全国的に消防団員数が減少傾向にある中、この5年間で女性消防団員が倍増して、女性による防災活動が広がりを見せているところである。  また、防災頭巾等の防災用品については、県及び市町が実施している防災訓練において、展示や体験コーナーを設け、広く普及に努めている。  県としては、今後とも市町や消防と協力して、こうした元気な女性の活躍や地域の自主防災組織などによるさまざまな防災活動がさらに活発化し、充実するよう、応援していきたいというふうに考えている。 26 ◯中井委員  県内の小学校や幼稚園、保育園にこのてぬてぬ坊主のような防災頭巾を導入するのみならず、福井県から日本全国へ、そして、世界へ発信してはいかがか。まさに時代は変わる福井からである。  知事は、マニフェストにおいて、女性の元気が福井の元気という政策を掲げている。子育てを頑張るのも元気、会社で働くのも元気、女性の元気にはいろいろあると思われる。知事は以前、自分の能力を生かして頑張る女性を応援することや、子育て等と両立しながら活躍できる職場づくりが大事であると述べられていた。先ほどのてぬてぬ坊主はある女性が考案したものであるが、まさに子育てをしながら自分の能力や趣味を生かした仕事についた元気のある女性である。女性の元気が福井の元気を体現するこの女性のように、自分の能力や趣味を生かして創業を考える方がふえている。  日本政策金融公庫によると、全国では平成26年度の創業数は2万6,010件、前年度比114%、うち女性は5,070件、前年度比110%だそうである。民間金融機関や自己資金による創業などを含めればさらに数はふえると思われるが、女性の創業について、本県の最近の状況を伺う。 27 ◯産業労働部長  民間の調査機関によると、福井県は、人口10万人当たりの女性社長数が全国で1位である。また、従業員や管理職、役員の中で、女性が3割以上を占める企業の割合が全国トップクラスとなっており、女性活躍の先進県といえると思う。  女性の創業であるが、日本政策金融公庫の融資の状況、それから、県の創業支援補助金の申請状況、国の創業補助金の福井県内での採択状況を見ると、およそ2割が女性の社長による申請である。  中身であるが、美容や宅配などのサービス業のほか、地場野菜や地酒などの食材を使った町屋風カフェや県産そばの製造、販売など、福井の特徴を生かしたものが含まれている。 28 ◯田中(敏)委員長  中井委員、残り時間わずかである。 29 ◯中井委員  今、女性が頑張っている福井県だなということを大いに感じた。今、若い女性たちもどんどん自分の夢をかなえようと、とても頑張っている。ぜひ県や産業支援機関、地域の金融機関が一体となって、創業者の夢を応援してくれるように望む。  以上である。どうもありがとう。                               ~以  上~ 30 ◯田中(敏)委員長  以上で、中井委員の質疑を終了した。  井ノ部委員。         「アンテナショップ運営について」     井ノ部 航太 委員 31 ◯井ノ部委員  皆さん、おはよう。希望ふくいの井ノ部航太である。時間も限られているので、早速、質問に入る。  まずは、アンテナショップ事業であるが、9月補正の予算案が本定例会に上程されている。この中で、ふくい南青山291、「食の國 福井館」管理委託者選定事業367万3,000円というものがあるが、これに関連して、アンテナショップ事業のあり方について伺う。
     ふくい南青山291では、平成23年10月1日付のアサツーディ・ケイとの変更契約において、アサツー側が店舗売り上げの3%を県に納付するということになっている。また、「食の國 福井館」では、平成25年2月1日付の契約によると、売り上げが2億円を超えた年度は2%の同じく納付金をいただくことになっている。この契約の内容を見ると、若干違和感を覚えるわけである。というのも、県が家賃も、そして、委託費用として、年間9,000万円強の運営費も出している割には、少し納付条件が甘いのではないかなというように感じるわけである。昨年度は、ふくい南青山291関連の歳出が1億9,492万円、歳入が1億2,355万円となっており、そのうち納付金は232万円にすぎないわけである。  このように一般的にオーナーがいて、運営事業をどこかに委託をする場合、このような売上高に対するパーセント設定というのはなかなかないように聞くことがある。これについては、県内外の不動産業者や、または、飲食店関係の経営者など、いろんな方にヒアリングをしてみたが、幾つか問題があるようである。例えば、売り上げに対して納付金のパーセント設定をすると、赤字でも、黒字でもまず納付金が発生してしまう。これは受託側には非常に厳しい条件になるといえる。次に、利益を上げるというのが本来の経営の趣旨ではあるが、その利益を上げることへのモチベーションが希薄になる。売り上げが上がっていれば別に利益はどうでもいいということである。特に、本契約では年間9,000万円ほど運営委託料が設定されていることもこの意識に影響を与えているのではないかという危惧があるわけである。次に、売り上げに追われ過ぎ、売り上げだけを追いかけていくと、事業規模の拡大や、または、立地というところばかりに目を向けることになり、本当に大切な、お客様に対するサービスなど顧客満足というものがおざなりになる傾向があるわけである。民間事業者であれば、当然売り上げを追及していくということはあるが、それ以上に、利益を残すということに皆が懸命になっているわけである。企業は適正な利益を上げて納税をするという、社会的な使命があるということもあるが、利益を上げるためには、やはり恒常的なコスト削減のみならず、従業員のモチベーション向上など、提供する商品やサービスの質を高めるための経営努力に、皆、日々、本当に努力をしているわけである。そのために常に学び続けて、社会的使命を全うしようとしているわけである。  私は、アンテナショップの経営というものも全く同じではないかなというふうに思うわけである。事業主体者として家賃を払っているのは福井県であるし、オーナーとして経営にしっかり関与して、県民から預かっている大切な税金から支出されている県の負担金が少しでも減るようにやはり努力をしていかなければならないというふうに思う。  そこで伺うが、定例会などで経営状況の確認などをしていると思うが、まず、年間何回、そのような会議を持っているのか。また、県はどのように、人件費や広告宣伝費、仕入れ代など、細部にわたる決算項目について報告を受け把握をしているのかということについて伺う。 32 ◯産業労働部長  アンテナショップの運営状況であるが、まず、売り上げについては、日次で報告をいただくようにしている。加えて、月に1度、受託事業者の責任者、店舗スタッフ、県の担当者が集まる連絡会を設けている。報告を受けた上で、課題やそれに対する対応策の検討を行い、改善を続けるよう努めている。また、委託事業に係る人件費や広告宣伝費、それから、光熱水費などの管理費などの経費については、年に1度委託料の支払時に報告を受け、確認を行っている。 33 ◯井ノ部委員  日次で売り上げの報告をいただくことは大切なことである。経営者の方に聞くと、やはり日次決算は非常に大切であるとのことである。まず、年の目標があって、それに対して月間の目標があって日次に落とし込む。これは大切であり、それをやっているということは当たり前かなと思うが、ただ、今の答弁では、その把握が売り上げだけにとどまっているようである。いわゆる決算報告は、年に1度受けるとのことであり、月間、または、日次、週次といったところでのさまざまな動きというものが把握できないように思うが、その点についてはどのように考えるのか、伺う。 34 ◯産業労働部長  まず、売り上げ動向については、店での消費動向や、首都圏の客に、我々が出しているものが合っているのか、合っていないかという判断において、一つの重要な指標として見ている。  また、経費の部分は決算のときに重要であるので確認をしている。収支の部分も別途、事業者から報告を受けているので、全体としてしっかりと回るように心がけている。 35 ◯井ノ部委員  心がけるだけでなくて、ぜひ実践をしていただきたいと思う。日々の積み重ねというものがやはり結果を残すと思うので、よろしくお願いする。  本来は、契約書があって契約条件があるわけだが、その契約条件は、今、言われたような運営状況を見て設定すべきである。委託金額も同様である。両店舗の売り上げから人件費や販売管理費など必要経費を把握し、収益性と採算性を分析し、その上で、委託費やまたはその売り上げ納付金というものを、話し合いの上で決定していくというのが通常の例かと思う。だから、ほかの県の先例に合わせてという類いのものではないわけである。  今回、また契約更新の年度が迫っているが、これまでの委託金額の積算根拠、また、売り上げ納付金の3%あるいは2%というパーセントの設定の根拠を示していただきたいと思う。 36 ◯産業労働部長  まず、南青山の委託金額であるが、県内企業に貸し出すビジネスサポートセンターや展示ホールの維持管理を含めて、人件費や管理費などの必要経費の中で、ショップの売り上げだけでは賄い切れない部分を過去の実績をもとに算出して計上している。  また、売り上げ納付金であるが、売り上げが1億円を超えた場合に、店舗売り上げの3%の額を納付することとしている。銀座については、県が運営に要する経費を負担していないことから、売り上げが南青山と違って2億円を超えた場合に店舗売り上げの2%を納付することにしている。  両館の売り上げ納付金の考え方であるが、アンテナショップを運営することで生まれる利益を運営事業者と県がおおむね折半で得ることのできる水準として算定をして、決めたということである。 37 ◯井ノ部委員  今の答弁では、2%あるいは、3%というものが年間の売り上げ予測に基づいて、その利益の折半になるような形で設定をしているということである。他県のさまざまな先行事例を見ると、隣の石川では売り上げ納付金は5%になっている。それに比べても低いわけであるが、今の答弁では、それはいわゆる利益ベースの考え方だと言われた。  それでは伺うが、先ほど冒頭に少し触れたが、民間での一般的な利益ベースでの売り上げ納付金の考え方であるが、契約書のほうで、それを明示することはできないのか。別に売り上げをかませるのではなく、月次決算などの中でそのような収支性をきちんと共有し、利益ベースでパーセント設定をすることはできないのか。 38 ◯産業労働部長  売り上げ納付金については、先ほど申したとおり、これまで利益を運営事業者と県でおおむね折半することを前提に算定をして契約をしていた。今回、また新しく公募をすることになるが、売り上げの3%の利益還元をというのは、応募の最低条件として考えている。しかし今、井ノ部委員から提案があったように、例えば、より正確に実際に生じた収益の半分を納付するという方法など、県にとってもメリットがあり、また、同時に運営事業者のやる気も引き出せるような提案があれば、選考の際に、選考ポイントとしてしっかり検討していきたいと思う。 39 ◯井ノ部委員  ぜひそのように柔軟な対応をお願いする。  次に進んでいく。  このアンテナショップであるが、先ほど中井委員からも指摘があったが、PR拠点でもある。売り上げ自体も2014年度の報告を聞いていると、順調に伸びているとのことであり、昨年度で売り上げが2億8,000万円、そして、来場者が34万人ということである。一方で、お客様からは場所がわかりづらいなど、立地条件の問題点の指摘なども多くいただき、それについては、県議会でもずっと継続して問題点として議論をし、県のほうにも指摘をしている。先ほどの答弁によると、常に見直しはかけているということである。  来年はまた新しい事業者を選定していくという大切な年になるわけである。今、二つの施設を合わせて県負担の1,000円当たりの売り上げが2,900円、来客数は3.6名という数字である。これについてはぜひ改善に努めていただくようお願いをしたいと思う。  一方で、来場者数や、売上高という評価の指標のほかにも、アンテナショップとしてはさらに大切なことが二つあると私は思っていて、一つは情報発信である。県のブランド力を高める広報マンとしての機能と、もう一つは、県内企業の商品の販路を拡大させる営業マンとしての機能もあるわけである。  そこで伺う。関係各位の尽力によって、PRイベントなどを通して、メディアにかなり多く取り上げられている。先ほど250回と言われたが、新聞、テレビ、ラジオなどいろいろあるが、どのようなメディアにどのくらい取り上げられたのかということ、それから、それをいわゆる広告費換算すると概算でどのくらいなのか、伺う。 40 ◯産業労働部長  「食の國 福井館」開館の平成25年度以降、本年8月までのメディア掲載について、テレビは、例えば、本県が主体となって企画した各県のアンテナショップが集合するアンテナショップフェスティバルというものが、全国の4局に取り上げられるなど、合計44件取り上げられている。新聞であるが、北陸新幹線開業に合わせて販売した北陸3県飲み比べセットの紹介や一押し商品の紹介など、149件取り上げられている。そのほか、ラジオや雑誌、フリーペーパーなど57件取り上げられており、テレビ、新聞を含めて合計250件、広告費の単価で換算すると、約2億5,000万円の効果が出ていると考えている。 41 ◯井ノ部委員  年間で広告費に換算して2億5,000万円メディアに取り上げられているということは、非常に大きなPR効果ではないかと思う。年間9,000万円の委託費と、月間200万円であるから、約1億円強の家賃を払って二つの館を運営しているわけであるが、それに対しての効果としては非常に大きいかなというふうに思っている。  しかし、一方で、まだやはり足りないのである。東京に住んでいる方からは、福井に関連した情報を受け取る機会が本当に少ないと聞いている。2億5,000万円という大きな数字ではあるが、やはり全国放送などでは、本当に一瞬の世界である。そういった意味で、もちろん県の限られた財政の中で、トヨタ自動車のように大々的に広告をすることはできないので、機会を捉えて地道に情報発信をしていくしかないわけである。  その場合に、ただ、情報発信をすれば何でも取り上げられるというわけでもないから、ニュース性や話題性を高めて、少しでもメディアに取り上げていただけるような、ネタづくりを戦略的に行う必要があるというふうに考えている。  そこで、伺うが、両館におけるメディアリレーションすなわちメディアとのいろいろな折衝を行う体制や、取り上げられた情報について分析、評価をする仕組みについて伺う。  また、このプロセスに県がどのように関与しているかあわせて伺う。 42 ◯産業労働部長  メディアへの働きかけであるが、委託事業者が広告代理店であるといったこともあって、在京メディアに対するアンテナショップのイベント情報の提供や取材の提案を積極的に行っている。  例えば、発酵食品のブームの中で、本県のへしこに関連したイベントを行って、それをメディアに売り込むなど、話題性や季節性を考慮して、今、何が取り上げられるのかを考えて、ベストのタイミングで情報提供できるように活動をしている。  この広報活動を実現するために、年度初めに運営事業者から事業実施の計画の提出を受けて協議を行っている。また、毎月開催される県との連絡会において、打ち合わせを行い、評価と改善に努めている。 43 ◯井ノ部委員  先ほどの広告費換算の効果が、昨年度2億5,000万円という数字は、数字としては評価したいのであるが、今、県として発信された情報に対して、分析を加えて課題があるとすればどのような点であるか、伺う。 44 ◯産業労働部長  広告のところでもさらに回数や露出の部分で努力していかなければいけないということもあるし、話題の提供の面でいくと、私どもの扱っている商品について、さらにレベルアップをして、取り上げてもらえるような商品として磨き上げていく、このあたりは今後、地道にやっていかなければいけない点だと思っている。 45 ◯井ノ部委員  メディアから情報を受け取る一般の生活者の方は、アンテナショップの情報発信なのか、それ以外の情報発信なのか、別に区別をしているわけではないので、ぜひ、他部局とも連携をしながら東京のPR拠点の最前線としてより戦略的に取り組んでいただきたいと思う。  それに合わせてであるが、知事が提案理由において、首都圏でのプロモーションなど、本県の魅力を強力に発信するとおっしゃっているわけである。アンテナショップは、今、言ったように、首都圏における本当に最前線の福井の情報発信のための重要な拠点である。この二つのアンテナショップを活用して、今後、どのようにこの発信機能を強化し、ブランド力向上につなげていこうと考えているのか、知事に伺う。 46 ◯知  事  東京首都圏での展開であるが、福井県のブランド力をいかに発揮していくかについては、絶えず研究と実行が必要である。本県としては、指摘もあったが、南青山291では早くからあのような形での店舗展開をして事業を進めている。そして、銀座店があり、それぞれ特徴が違うのでその拠点性を生かす。それから、もう一つは、グラスギャラリー291であるが、これは眼鏡協会と県が折半で始めたものである。ようやく眼鏡協会の事業も独立をし、これも青山で1億4,000万円余の売り上げを上げるようになったわけである。こうした首都圏での一般的な拠点、そして、食を中心とした銀座店、それから、眼鏡や伝統工芸、そして、福井のゆかりの飲食店も20店なり、30店なりふえているので、他のプロジェクトや催しなどにも力を入れ、いろんなものを組み合わせながら、総合的に福井県の情報の発信を強化していくという作戦をとっていきたいと考える。         「大河ドラマ誘致について」 47 ◯井ノ部委員  それでは、次に大河ドラマの関連の質問に移る。  知事は、6月議会の答弁から、由利公正を主人公とした大河ドラマの誘致を行うことを表明されている。県内各地の観光地でも福井に由利公正ありというのぼりが立てられ、または、11月22日だったと思うが、県と明治大学が連携して、そういう幕末の福井の偉人に関する講座も開かれるというように聞いている。  大河ドラマの放映は言うまでもないことであるが、全国に対する福井県のPR、誘客拡大には絶大な効果があるということで、積極的に誘致活動を展開することには本当に大賛成である。  河北新報の報道によると、2013年の大河ドラマは八重の桜であったが、福島県会津若松市の観光客が前年より100万人ふえて395万9,000人に達し、過去最多になったとのことである。このように、大河ドラマは非常に絶大な地域活性の効果があるわけであるが、それだけに誘致合戦の様相を呈していて、現状でも数多くの自治体が時間をかけて誘致活動を行っていると聞いている。  そこで、現在、全国でどのくらいの数の誘致活動が行われているのか、把握している部分で結構であるが、示していただきたい。 48 ◯観光営業部長  私どもの調査では、現在31の都道府県で誘致活動が行われている。それらの誘致活動における主人公については、複数県にまたがって誘致している例もあり、25人というふうに把握している。時代別に見ると、鎌倉時代以前が2人、あるいは、戦国、江戸期が16人、幕末、明治期で7人である。江戸期とは江戸の中期までである。また、その誘致団体は、市町や、商工会議所、観光連盟等が中心になっているものが大半である。 49 ◯井ノ部委員  47都道府県のうち31というのはものすごい数字で、競合が本当に激しいと思うが、誘致活動というのはさまざまな形で行われていくのだと思っている。  先日、NHKの屋敷プロデューサーの講演の中で、誘致活動とテーマの採用というものは直接的な因果関係はないというようにおっしゃっているわけであるが、やはり一人でも多くの方にこのドラマを見ていただきたい、楽しんでいただきたいというようなところからは、やはり県内外の多くの人々に我々の福井県の誘致活動に加わっていただく必要があると考えている。  知事の提案理由の中、そして、先ほどの答弁にもあったが、誘致に当たってこの秋に協議会を設置するということである。これが恐らく、県民運動の主体となる重要なエンジンになると思うが、さらに広く県民を巻き込んでいくにはどうしたらいいのか。官製の運動体ではおのずと限界が出てくるわけである。  一方で、このところ、一乗谷を舞台にしたソフトバンクのCMなど、さまざまな映画やコマーシャルで、福井県が舞台となった製作物が非常に多くつくられており、たくさんのボランティアや市民の方がその製作に参加をしているということがある。  そこで、これから新たに協議会を立ち上げていく中で、このような市民ボランティアの方にも参加を呼びかけていくようなことがさらなる広がりを生むと考えているのであるが、所見を伺う。 50 ◯観光営業部長  幕末、明治期の人物を主人公とした大河ドラマの誘致に関しては、新たに福井市内の住民などによる勉強会が立ち上がるなど、新たな自主的な動きも出てきている。今度、立ち上げようとしているこの誘致協議会においては、NHKへの誘致活動を行うほか、こうした民間の動きと共同し、主人公などの知名度の向上、あるいは、ドラマ誘致に向けた機運の醸成等の活動を行っていきたいと考えている。  こうした運動を盛り上げていくためには、このような県民や各種団体の協力、参加が必要かと思っている。今、話にあったような映画経験者等などの参画というのもよいのではないかと思うので、呼びかけていきたいと思う。 51 ◯井ノ部委員  さて、知事は2018年、つまり明治維新150周年というタイミングでドラマを誘致したいということを表明されている。この時期について、適切なのかということについて少し考えていきたいのであるが、大河ドラマの制作スケジュールを少し調べてみた。来年の2016年1月10日から放映をされる真田丸の製作発表は、昨年2014年の5月12日であった。そこから順次、キャスティングが発表され、クランクインはことしの9月1日、今月の1日だったわけである。これを2018年の放送を目指す我が県のケースに当てはめていくと、2016年のゴールデンウイーク明けには製作発表をしなければいけないということになるわけである。そうなると、テーマ決定さらに製作発表するまでに残されている時間はもう1年もないということである。大河ドラマ50週分のストーリーをつくらなければいけないばかりか、全国の視聴者に支持される内容でなくてはならないわけであるから、シナリオの選定や構想には多くの時間を要するというふうに思うわけであるが、果たして、福井を舞台とした2018年の大河ドラマが実現するものなのか。私は、一見すると極めて厳しいような気がしてならないのである。  もちろんNHKサイドと水面下で手が握られているとか、ある程度の前向きな感触をつかんでいるのであれば実現可能かと思うが、その点について、NHKとはいつからどのような方々と接触を持ってきたのか、また、それにより県はどのような感触を持っているのか、率直に示していただきたいと思う。 52 ◯観光営業部長  先ほど知事からも話があったように、昨年10月に私をリーダーとする誘致の準備チームを設け、私以下、職員がドラマの担当プロデューサーなど、関係者から情報収集をし、あるいは、要望等も行ってきた。  また、知事はこれまで、今回に限らず、NHKに対しては、本県を舞台とする大河ドラマの誘致活動を行ってきた。特に6月からは、知事が、会長を初め県に携わる関係者に、明治期の本県の偉人、由利公正などを中心に、福井を舞台にした大河ドラマの実現をいろいろ要望もしてきている。NHKの関係者からは、この実現の可能性についての言及はないが、幕末の福井藩の果たした役割の大きさや、由利公正を初めとする本県の偉人の功績については高い評価を得ているところである。 53 ◯井ノ部委員  いずれにしても、1年を切ってのタイミングであるので、ぜひ実現をしていただきたいと思うが、先ほどの47都道府県中31が誘致合戦を繰り広げている中で、本県がいかにしてほかの誘致事業体、または、テーマと差別化していくのかということが本当に大切であると思っている。引き続き努力、尽力いただきたいと思う。  次は、テーマについてであるが、雄藩である福井藩が明治維新に重要な役割を果たしたことは、歴史的な事実であり、今の答弁にもあったが、NHKのほうからも高く評価をしていただいているということである。ただ、幕藩体制を刷新したという視点からは、やはり明治維新というと、プレイヤーとしては、それこそ坂本竜馬や、西郷隆盛、高杉晋作、吉田松陰といった、本当にきら星のごとく広く国民に知られていて、または、愛されている人物がたくさんいるわけである。そういう人物と比べると、残念ながら、由利公正は、まだ人気度がそこまであるとはいえないように感じられるわけである。そういう現状にあって、この明治維新150周年という大切な節目に、由利公正を主人公にして大河ドラマの誘致を目指すことが本当に適切なのか、所見を伺う。 54 ◯観光営業部長  これまで幕末、明治期の人物などを紹介しながら、時代考証家や歴史家にもいろいろ意見を伺っているが、先ほど言ったように、幕末福井藩の果たした役割の大きさや、春嶽を初めとする数多くの本県の偉人の功績については高い評価を得ている。また、こうした話をする中で、由利公正については、坂本竜馬などとの交流もあり、さまざまなエピソードがあること、あるいは、国家の基本方針の策定に携わり、新政府の財政基盤をつくったことなど、ちょっとした隠れた大物ではないかというような評価もいただいている。  また、これまで倒幕派や佐幕派など、既に複数回にわたり大河ドラマでも取り上げられているが、福井藩は、独自の路線を歩んでおり、新たな視点で幕末、明治を描けるようなものになるのではないかという意見もいただいている。こうしたら必ず実現できるという方策はないかと思うが、明治維新150年の平成30年に向けて、この時期の人物を主人公にした、あるいは、本県を舞台にしたドラマの誘致を進めていきたいと思う。他県にもこの平成30年に明治期の人物を主人公にという動きもある。 55 ◯井ノ部委員  非常に力強い答弁であったし、私も由利公正先生は大変尊敬しているので、ぜひ2018年に実現するように頑張りたいというふうに思っている。  ただ、今まで議論をしてきた中で、本当に3年後の大河ドラマ誘致というものにこだわる必要があるのか。明治維新150周年にこだわらなくても、我が県としては、これから2022年度末に北陸新幹線がくるわけである。だから、この延伸する2023年に誘致活動の焦点を合わせて、8年間じっくり腰を据えて県民にも理解を求め、そして、全国的な人気も喚起しながら取り組んでいくということも考えられるのではないかと思うが、それについての所見を伺う。 56 ◯知  事  いわゆるNHKの大河ドラマについては、ドラマそのものがどういうドラマかということがあるが、これはNHKが決めることであって、いかにうまくその決定に話が合うかということ、また、タイミングも我々が決めてやるならばもちろんやりやすいのであるが、それも全て決まっているわけではない。あらゆることが想定されるので、そういう中で、実現に向けて努力したいということである。  しかし、いずれにしても平成30年は明治維新150年の記念の年であるので、まずはこの機を生かして大河ドラマを誘致しようというものである。こうした活動を行うことによって、近代日本の幕あけにおける多くの人物の功績などを県民自体ももっと知ることになるであろうし、全国にも発信できるであろうということである。これから誘致推進協議会をつくって、誘致活動を強化するとともに、知名度向上や機運醸成を図り、皆さんとともにドラマの実現に向けて努力していきたいと考える。 57 ◯井ノ部委員  ぜひ、そのような方向で県民一丸となって誘致を進められるように尽力をお願いする。         「北陸新幹線と関連する諸問題について」 58 ◯井ノ部委員  それでは、最後であるが、北陸新幹線と関連する諸問題について伺う。  先日の新幹線対策特別委員会で示された論点の中に、新幹線開業後のサンダーバードとしらさぎの取り扱いについてのものがあった。自民党の稲田政調会長が敦賀開業後にサンダーバードとしらさぎが福井駅まで乗り入れることも検討すべきだという発言をされたという新聞報道があったが、それに加えて、国土交通省が地元等の意向を踏まえ、関係者の協議を促進するとしている。本来の整備新幹線のスキームからすると、新幹線と競合する優等列車については原則廃止という中で、もしこれが実現すると、福井市近隣のみならず、新幹線の通らない鯖江、武生の駅の利用者を初めとした県民の利便性がある程度は確保されるということから歓迎されるべきことであると思う。  そして、全国的に見ると、新幹線と並行して、並行在来線内を走る特急列車が決してないわけではない。特殊なケースなのかもしれないが、全く廃止されているわけではなく、例えば、新潟から信越本線を走って、えちごトキめき鉄道の直江津・新井間に乗り入れる特急しらゆき、それから、しなの鉄道でも、これは快速であるが、小諸を起点として篠ノ井、長野に乗り入れる快速列車、それから、肥薩おれんじ鉄道でも出水を起点として新八代、熊本に乗り入れる快速列車が設定をされている。このように、原則廃止ではあるが、地域事情によっては乗り入れというものがあるわけである。県民の声としても、新幹線ができた後も、特急を残してほしい、または、新快速で福井から大阪、名古屋をつないでほしいという声があるわけであるが、そのようなことについて、ぜひ力強く積極的に国やJRと交渉していただきたいと思うが、所見を伺う。 59 ◯知  事  敦賀開業後、福井駅や南越駅からの乗客は新幹線に乗車後すぐ敦賀駅で乗りかえることになるため、特急を福井駅まで走らせてほしいという県民の声があることは承知している。  一方、国土交通省は、整備スキーム上、特急の運行は困難との見解であり、JR西日本は特急と新幹線が乗客を取り合うため、特急の乗り入れは難しいとしている。国土交通省は、地元等の意向を踏まえ、関係者の協議を促進するとの方針を示していることから、今後、考えを十分確認しながら対応していきたいと考える。
                                  ~以  上~ 60 ◯田中(敏)委員長  以上で、井ノ部委員の質疑を終了した。  石川委員。         「二級河川笙の川について」        石川 与三吉 委員 61 ◯石川委員  自民党県政会の石川である。いつも11時過ぎぐらいになるので、また石川かと思われるだろうと思うが、なるべくスムーズに進めたいと思うので、理事者のほうも協力のほどよろしくお願いをする。  通告のとおり質問をするので、理事者には明快な答弁を求める。  川は穏やかな日和のときは心も安らぐが、しかし、今回の台風18号による茨城県の鬼怒川の氾濫、宮城県の堤防決壊など、大災害が全国至るところで発生し、多くの家屋の流出、水没、倒壊などの被害をもたらした。行方不明になられた方々、また、犠牲になられた方々に心からお見舞いとお悔やみを申し上げる。  それでは、質問に入る。  平成25年12月13日に笙の川について質問をしたが、再度質問する。  平成7年4月から笙の川の四季を撮影してある。ここにあるので、後ほどまたごらんいただければ結構かと思う。平成10年9月22日、台風7号による水位が2メートル91センチ、平成16年9月30日は水位が2メートル9センチ、さらに今回の平成25年9月16日の台風による大洪水は3メートル63センチ、氾濫圏水域より1メートル31センチ以上上昇し、それぞれ堤防決壊寸前まで水位が迫ったことになる。  このように、年ごとに笙の川の水位が高くなり、危険性が増しているのは近年の気候変動による雨の降り方が原因なのか、それとも、笙の川の堆積土によるものか、あるいは、笙の川上流の黒河川、助高川、木の芽川の3河川が合流するために、水位が想像以上に高くなるのかということである。この質問に対して、そのときの県の答えは、笙の川及び上流河川については、現在まで33基の砂防堰堤を設置してきており、今年度は、木の芽川支流の滝ヶ谷川について新たな堰堤の整備を着手しているとのことであった。砂防堰堤は、台風18号により、小浜市などで発生したような土石流を防ぐため、そういう河川については優先的に整備をしており、笙の川上流についても、このような箇所があることから、引き続き堰堤などを整備することとしており、下流の堆砂抑制にも一定の効果が上がると思っているとのことであった。笙の川下流の堆砂、洪水を防ぐため、新たな堰堤の整備とともに、開設堰堤の堆積土の除去や河川のしゅんせつなどの対策を合わせて行う必要があるということである。しかし、以来、砂防堰堤は1カ所もやっていない。そういうことであるが、今回、県が笙の川の改修工事について予算化をされたことについて、地元の一人として心から感謝する。  それでは、本題に移る。  2級河川笙の川については、敦賀市民の長年の念願であった笙の川広域河川改修事業、防災安全交付金を財源に全体事業費が39億円、事業期間は平成27年から平成42年の16年間について、平成27年6月補正予算として、要求内容は測量設計一式、事業費3,200万円計上された。大変喜ばしいことであるが、これらについて間違いないか伺う。 62 ◯土木部長  石川委員指摘の測量調査の内容で結構である。 63 ◯石川委員  今後は、測量や設計調査によって進められることであるが、平成27年8月3日に敦賀市役所において、平成27年度二級河川笙の川の整備促進期成同盟会が開催された。会の中では、いよいよ笙の川の調査並びに工事をするようなことになり、毎年のことのように大雨により川が洪水し、堤防越水ぎりぎりに迫っていたので少し安心したが、ただ、心配なのは、工事着工までの間、また、工事中の間に氾濫が迫ったときにはどのような対策を講じられるのかというような質問があったので、このことについて伺う。 64 ◯土木部長  今月の関東・東北豪雨における鬼怒川の水害に見られたように、河川が氾濫すると、住民が逃げおくれて、建物等に取り残されることがあるので、氾濫のおそれがある場合には、早目に避難していただくことが重要であると考えている。このため、県においては、笙の川について、雨量や河川の水位情報、それから、河川のカメラの映像などの情報を常時、ホームページなどで提供しており、また、大雨時には、洪水予報などを行っているところである。  また、敦賀市においても、ハザードマップの配布、水防訓練等の実施により、住民の皆さんへの周知や日ごろからの備えの徹底を図っているところである。今後も県としては、大雨により河川の水位が上昇する際には、敦賀市が水防活動や避難勧告等を適切に行うように、洪水予報など防災情報を速やかに提供していく。 65 ◯石川委員  さらに伺うのは、今申し上げたように、笙の川には、常に堆積土がたまり続けている状態であるので、これらの対策も考えながら、工事を進めるようにとの要望についてである。計画から最終工事期間が16年間とされているが、この間、洪水や堆積土の問題についてはどのように処理をされるかについての質問があったので、工事中の安全性について再度伺う。 66 ◯土木部長  河川の土砂については、出水時に上流から土砂が運搬されてきて、川と川の合流点や、海の潮位が影響するような河口部など、水の流れが弱まるような箇所に堆積する傾向にあって、笙の川においても同じような状況である。県においては、昭和30年以降、笙の川の上流域で33基の砂防堰堤を整備して、土砂の流出を抑制するとともに、過去10年間に合計で約4万立方メートルの堆積土砂を除去してきて、河川断面の確保に努めてきているところである。今後とも、毎年着実に河川のしゅんせつなどを行い出水に備えていく。 67 ◯石川委員  ここで関連があるので、別の質問を挟む。  敦賀港第2埠頭の工事については、漁業組合の理解のもと協議が終了したとのことであるが、これは敦賀港湾事務所長の努力のたまものであると敬意を表する。このことが敦賀港鞠山第2埠頭の工事発注の決め手になったのではないかと思う。  同じように、笙の川の調査工事期間中に幾つか考えられることは、初めに周辺の住民の意見、用地買収の課題、交通に関する問題、敦賀河川漁業協同組合との関連、いさざ漁業者との関係、敦賀市漁業協同組合との関係、これらの課題には十分考慮の上、進行すべきであると思うが、いかがか。 68 ◯土木部長  笙の川の河川改修工事であるが、笙の川は敦賀市街地を流れているため、川幅を広げるには多くの家屋移転を伴うことから、川底を掘り下げて、河川断面を広げることによって、水を流れやすくしていくということを主な工事内容にしている。今回の工事においても、川底の掘り下げに伴って、七つの橋の補強や、かけかえが必要であるが、この橋のかけかえなどについても効果の高いものから順次、対策を行っていく。  これらの工事の実施において、用地の取得や、橋の通行規制が必要になる場合には、敦賀市とともに地域の理解と協力が得られるように努めていく。  また、工事の実施の際にはイサザやアユなど魚類への影響にも配慮しながら工事を進めていくこととしており、今後、学識経験者の意見を参考にしながら、敦賀市及び農林水産部と協力して、漁業関係者等の調整も図っていく。         「岡山松陵線について」 69 ◯石川委員  次に、岡山松陵線について質問する。  その前に、7月26日、東浦地区国道8号整備促進とバイパス建設早期実現総決起大会が開催された。県は、承知されていると思うが、その直後の8月6日に国道8号並びに8号バイパスの地元ニーズの把握のため、期成同盟会とのヒアリングを開催した。出席者は国土交通省近畿地方整備局道路河川課、福井河川国道事務所長並びに市の関係者である。  それでは、岡山松陵線について質問をする。  私は、平成22年6月15日、予算特別委員会で岡山松陵線について質問をした。そのとき私の質問の終わりに知事は、「今、石川委員からのしんみりとした話はこういう場で初めて伺った。普通はそんなに聞いていないので、今、聞いて意味は理解した。現地の住民の皆さんの理解も進んでいるということで、恐らく質問をしているのだろうと推察するので、いろいろな調査を含めて、今後の対応について検討していきたい」という答弁であった。知事、覚えているか、間違いはないか、伺う。 70 ◯知  事  今、言われたので思い出した。 71 ◯石川委員  中身はどうでもいいのである。その内容は、一般県道松島若葉線と国道27号交差点より南に進行する旧27号に通じる県道についてである。その距離620メートルが手つかずのまま、20年間も放置されてきた。このようなことでは敦賀市の道路整備計画の意味が成り立たないということで、早期に着手するよう、知事に強く求めた。その後、県は実施計画に着手した。その計画期間は平成24年度から平成30年度、全体事業費23億7,000万円とした。この内容に間違いないか、伺う。 72 ◯土木部長  都市計画道路岡山松陵線については、敦賀市岡山町の国道27号から粟野地区を経由して松島町に至る延長5,790メートルの環状の道路である。県においては、そのうち、延長2,658メートルについて約36億円をかけて、昭和45年度から平成17年度にかけて、順次整備を進めてきたところである。  平成24年度からは、石川委員指摘の最後の残っている区間である市野々町1丁目から若葉町2丁目の延長620メートルの区間を事業費23億7,000万円で整備に着手しており、これまでに約5億5,000万円をかけて、約2,800平方メートルの用地の取得、14件の建物補償を行ってきたところである。今後、残り18億2,000万円をかけて、約6,100平方メートルの用地の取得、11件の建物の補償、延長620メートルの道路の工事を行う予定としている。 73 ◯石川委員  ところで去る8月3日午前10時より、敦賀市役所において、平成27年度都市計画道路岡山松陵線整備促進期成同盟会が開催された。同盟会における説明に対し、会員より今のままの進行状況では、到底、期間内に、すなわち平成30年までには完成できないのではないかというような質問があった。県はこの内容を把握されていると思うが、このことについてどのように考えるか、所見を伺う。 74 ◯土木部長  8月3日に開催された同盟会において、今年度の事業内容について説明をして、地元から、石川委員指摘の意見が出たことは把握をしている。岡山松陵線の整備については、事業初年度の平成24年度に公図を調査したところ、事業地の約3割の範囲に地籍混乱地があることがわかり、その地図の訂正に約1年を要した。また、今後、大型工場の補償も控えていることから、今年度の予算規模が今後も続けば、当初予定したとおりの事業完了は厳しい状況である。岡山松陵線は、舞鶴若狭自動車道の敦賀南スマートインターチェンジから敦賀市中心部への重要なアクセス道路にもなることから、石川委員のお力添えもいただいて、用地の取得や予算確保について一緒になって進めていきたいと思っている。 75 ◯石川委員  少しこっちへ振ってきたように思うが。平成27年度の予算は、用地買収費として約6,000万円が計上されている。20年間放置されていた道路が現在のような進行状況にあることに対して、この程度の予算では、地域住民からは到底、納得できないという声が上がってきている。そこで、これらの声に対する知事の所見を伺う。 76 ◯知  事  平成27年度の国の都市計画街路事業の予算額は、前年に比べると4%減の1,340億円の総額であるため、全国的に国からの内示額が厳しい状況であって、本県においても、残念ながら、要望額2億円に対して3割程度の内示である。県としては、事業の着実な推進を図るため、国に来年度予算の必要額の確保を強く要望していく。用地取得の状況や予算の取り具合といろいろあるが、ある程度の期間を要するので、残念ながら事業費の浮き沈みはあると思うが、国に強く要望し、極力、予算を確保し、計画どおり実現できるよう、一緒に努力していきたいと思う。 77 ◯石川委員  さらに、工事区間620メートルのうち、若葉町の住宅部分のみが工事中で、残りの北側部分は、現在、未着工の状態である。この区間には大型工場があるため、移転費用や補償金等に相当な費用が必要と思われる。  そこで、念のために伺う。  土木部長から報告があったが、平成24年度に実施計画を立てた全体事業費23億7,000万円分の中に、これらは含まれているのか、もちろん含まれていると思うが、改めて伺う。 78 ◯土木部長  全体事業費23億7,000万円には、大型工場の移転補償費も含まれている。 79 ◯石川委員  予算がついているということで安心した。県は、この事業を短期間に計画したわけは、20年間放置されてきたため、一日も早く完成させないと、敦賀市民に申しわけないと判断されたのか、それとも、交通量がふえたためなのか、伺う。 80 ◯土木部長  これまでのほかの事業箇所における整備の実績から測量設計に1年、住宅密集地や大型の補償があることから、用地の補償に5年程度、工事に2年、合計で8年程度かかると想定していたが、石川委員がいつも言われている地元の熱意や、道路の重要性などを考慮して、整備期間7年を見込んだものである。 81 ◯石川委員  何を答弁しているかわからないが、舞鶴若狭自動車道が開通し、さらに敦賀南スマートインターが完成することを考慮してのことであるか、再度、伺う。 82 ◯土木部長  先ほども申し上げたが、そういう道路の重要性なども考慮して、できるだけ早く完成させたいということである。 83 ◯石川委員  それについても、先ほどから質問しているように、現在の予算のつけ方や工事の進め方では平成30年度の完成は無理な工期と思われる。ただし、地元住民としてはそのような心の余裕はない。もっと早く完成できるのか、知事の所見を伺う。 84 ◯知  事  これからルート上に大型工場の補償も控えているので、当初予定したとおりの事業完了は厳しいかもしれない。県としては1年でも早く完成できるよう、国に必要な予算の確保を求めていく。また、これから国の補正予算等があれば、こういうものを積極的に国に要望して、極力スケジュールの短縮について努力していきたいと思う。 85 ◯石川委員  毎度毎度無理ばかり言っているが、知事のほうから急いで頑張るということであるので、きょうは素直に地元へ戻り、いろいろな会議において、その旨を十分伝えていくので、どうかきょうのその答弁を忘れないように、よろしくお願いして、次に移る。         「LNG施設誘致について」 86 ◯石川委員  それでは、LNG施設誘致について伺う。  県は、2013年2月にLNGインフラ整備研究会を設立した。メンバーは、西川知事、関西電力、北陸電力、大阪ガス、県内経済界の代表者、理事者である。これまで4回の会合を開き、昨年7月には、LNG受け入れ基地に関し、海上に浮体式の施設を整備する可能性を検討していくことを確認し、実証的な設備の誘致に対する財政支援を国に求めている。このため、国土交通省船舶産業課は、あくまで安全確保の手法を検討するもので、導入するかどうかは事業者の判断として、導入を促す施策は考えていないという。このことについて、知事はどのように考えているのか、伺う。 87 ◯杉本副知事  石川委員指摘のとおり、LNGの受け入れ基地については、研究会で方向性を示して、日本で初めての浮体式の基地になるため、今年度と来年度で国土交通省のほうで予算をとって、荒天時の安全性の確認や法規制等について検討を行っているところである。  県としては、このLNGのインフラについては、基本的には事業者が整備を行っていくということで考えており、そういう意味ではこの調査の結果を踏まえ、採算性を事業者のほうで判断し進めていただくということだと思う。また、国のほうでも今後、そのようなインフラの整備をどのようにしていくのかの支援について検討がなされていくように、我々としても考えていきたいというふうに思っている。 88 ◯石川委員  次に、整備構想は進展と定め、一方、研究会が検討するガスのパイプラインは本県を含む北陸と関西、中京圏を結ぶ考えである。日本海側は2016年に新潟県の糸魚川市、富山市が供給開始の予定であり、太平洋側は、関西、中京から滋賀県彦根まで延びている。知事は、災害リスクに備えるため、日本海側にエネルギーの国土軸をつくることが重要と再三訴え、広域的なパイプラインの整備構想を早期に策定するよう、国に求めてきた。そこで国はどのように考えているのか、これは知事あるいは副知事に伺う。 89 ◯杉本副知事  もちろん本県としても、国土の強靭化という観点から、日本海側から太平洋に引くパイプラインが重要だということを訴えている。このようなことも踏まえて、昨年4月に国のほうのエネルギー基本計画が閣議決定されたが、その中で国内のエネルギーインフラの強靭化について明記されており、パイプラインについては、まず、LNGの受け入れ基地の整備、もしくは、機能の強化や太平洋側への日本海側からのパイプラインの整備について検討を進めていくというふうに書かれている。その上で、現在、総合資源エネルギー調査会のガスシステム検討小委員会の中で、その支援方法等についても検討がされているというふうに聞いており、こういったものの状況や推移を見ていきたいというふうに思っている。 90 ◯石川委員  質問をする前に答弁しているようにも聞こえる。ただ、資源エネルギー庁のガス市場整備課は、パイプラインは、周辺に需要がないと事業者は設置しないため、災害対応の観点からも、本当に福井県に整備が必要なのかと検証しないといけないという慎重姿勢だということである。知事の考えはわかるが、LNGパイプランは十分検討しないと、今後、大きな危険な問題につながるのではないかと考えるが、これも知事か副知事か、再度伺う。 91 ◯杉本副知事  言われるとおりで、今のところ、経済性だけでくると日本海側では富山まであって、そこから先がきていないという状況であるので、国としても一つは、そういう中で国土の強靭化の観点から、民間任せでは済まないところをどういうふうに進めていくのかということを、これから検討していくのだろうと思う。また、国は先ほど申し上げたが、ガスシステム検討小委員会の中で、国全体としてのパイプラインの整備の方針を定めるということで、一つはそれを見ていきたいと思っている。 92 ◯石川委員  福井県は、今、LNGパイプラインや化石燃料発電所の誘致を進めようとして努力されている。ただ、時代の変化としてもちろんのことだろうと思うが、新基準に基づいて、原子力に対することにもう少し福井県は力を入れるべきではないかと私は思う。原子力発電は、半世紀にわたり原子力産業の発展とともに福井県の経済を支えてきたといっても過言ではない。今こそ福井県は、福井県のためにも原子力産業に恩返しをするべきではないかと考えるが、所見を伺う。 93 ◯知  事  我が国のエネルギー事情を考えると、エネルギーの全体的な供給の安定を支えるという原子力の役割は引き続き重要である。また、将来に向けた原子力技術の継承や人材の育成など、本県が国の原子力政策に果たす役割も重要である。県としては、市町と一体となって、原子力発電所の安全を確保することは大事である。国が責任を持つとともに、地元雇用、地域経済の対応などについて国や事業所の責任ある回答を求め、県民益の確保に努めていく。国のエネルギー基本計画の中でのいろいろな位置づけや表現もそういうことになっていると思うが、政府がなおなおこのことについてはっきりした意思表示をすることが重要だと思っている。  再稼働の問題も、こうした考え方に立って、県民の信頼が得られるよう、十分相談の上、判断をしていきたいと考えている。
            「人口減対策について」 94 ◯石川委員  最後になるが、人口減対策について伺う。  同じことを何度も聞くようであるが、我慢していただきたい。  人口減について伺う。  このたび福井県は、ふくい創生・人口減対策戦略素案概要をまとめた。わが会派の代表質問で納得できる質問をしたが、今度は私的な質問になる。福井県は、杉本副知事を本部長として人口減対策に乗り出し、県議会も人口減少対策特別委員会を設置し、県の施策に積極的に応援をする体制を整えている。この対策について、福井県として出足は速やかに整ったように思う。そこで、本部長である杉本副知事に、この課題に対する現状と決意を伺う。 95 ◯杉本副知事  人口減少問題というのは、それぞれの皆さんの人生に非常に大きくかかわる問題だというふうに思うので、行政としてのかかわり方も大変難しいし、結果がすぐに目に見える形になってこないという点でも、行政的な課題としては大変難しい問題であるというふうに思っている。ただ、福井県としては、非常に早い段階から、もう10年近く前からこの問題には正面からチャレンジをしており、例えば、3人っ子応援プロジェクトや、それから、結婚のことには行政が口を出すということはなかなか難しい状況であったが、数年前から、例えば、迷惑ありがたというような言葉も使いながら、結婚支援などにも取り組んでおり、これが今、全国にだんだん広がっているのかなと思っている。  一方で、そういった結果として、平成16年度は出生率が1.45だったものが大体1.6ぐらいまでは上がってきているということはあるが、一方で、県内においても、全国よりは若いが、やはり結婚の時期がおくれてきていること、それから、子供を産む年齢が上がっていることは本県でも同じである。それから、全国的に景気回復を受けて、都会における就職率が非常に高まっており、そのためにUターンが減り、人口が流出するという問題は大きいというふうに考えている。そういう中で、県としてどうするのかというと、やはり福井のよさというものを生かす必要があると思う。一つのよさは、例えば、福井県では5歳までの子供を育てるときに、その祖父母が近くにいて、何らかの手伝いをしてくれるという環境が9割あるということである。これは全国的に見ても非常に強い部分だと思う。それから、雇用環境についても案内のとおり、有効求人倍率も非常に高い。このような状況でもあるので、そのよさをぜひ生かしながら、このように難しい問題ではあるが取り組んでいきたい。特にこの話は、県だけというよりもまず国が国土政策として人口問題をどう考えるのかというのが重要であるし、市や町も一生懸命取り組んでいただく。それから、行政だけではなく、やはり企業や家庭、また、いろいろな施設も含めて取り組む必要がある。ぜひとも県議会の皆様方も含めて協力いただきながら、県民一致してこの問題に取り組んでいければというふうに思っているところである。 96 ◯石川委員  報道では、婚活も大事、県内盛況とうたわれているが、人口減対策と言葉では簡単に言うが、他県であろうと、福井県であろうと、この課題ほど難しい課題はないと思う。重ねて所見を伺う。 97 ◯杉本副知事  冒頭にも申し上げたが、この問題は本当にそれぞれの方の人生の全体の問題でもあるので、非常に難しいということである。よく人口減対策に特効薬はあるのかとか、非常に力強くいろんなことを進め、日本で初めての新しいことを進めるというような話もある。先ほど申し上げた、福井のよさというところがあるので、それを生かしていくということに十分力を入れていく。一方で、初めてのこととか、福井でしかできないことというのはなかなか見つけられないところがあるので、福井らしいところも生かしながら、一方で他県でやっている先進的な事例があって、それがよければ、それは決して二番煎じだからといって手をこまねいて見ているのではなくて、まねするということもあるかもしれないが、ありとあらゆる手段を使いながら進めていきたいというふうに思っている。 98 ◯石川委員  最近では、福井県はもとより国や全国的にも職場での女性の地位向上、管理職の登用が進められているが、一方、女性は、出産という大事なことがある。出産、育児など、子育て世代の働く女性に対する支援について伺う。  8月28日、参議院本会議において、女性活躍推進法が成立した。これとは別に、私が思うには、女性が結婚したら子供を産み育て、子離れしたところで能力と資格のある女性の地位を高く評価する方向の施策を考えるべきではないかと思う。個人差のあることは、十分承知しながら、思いやりのある施策が大事だと思う。このことについては、相当思い切った施策の行動にでないと、何年かかっても思うような成果を上げることができないと思うのであるが、また、杉本副知事になるが、意見などを伺う。 99 ◯杉本副知事  おっしゃるように、子供ができるだけふえてくるような社会をつくるときには、やはり安心して子供を産み育てられるような、もしくは、女性の方は、職場復帰もでき、自己実現もできるというような社会にしていかなければ、幾ら旗を振っても、なかなか子供がふえてくるという状況にはならないし、幸せな社会になっていかないので、大事なことはそういう社会にしていくことだろうというふうに思っている。  その上で、やはり子供というのは、生まれたらすぐに職場復帰できるようにどんどん預けてもらえばいい、県としてはそういう環境をつくればいいということではなく、やはり子供のことも考えて、まずは少なくとも1歳までは何とか家庭で過ごし、お父さん、お母さんに育てていただけるような環境をつくりたいということでこれまでも政策を進めてきている。今後とも、できるだけ預けるということよりは、家の中で親の愛情で育てられる環境を目指していきたいというふうに思っている。 100 ◯石川委員  ところで、若者対策として、政策にうたわれているが、地元で働くことのできる職場づくりが第一である。さらに、出会いの場づくり、婚活も大事であるが、公務員でも、一般の会社員でも残業や深夜までの作業が続けば、出会いが難しくなることも考えられる。地元で若者が生活できる環境づくり、再度、申すが、結婚し、安心して子供を出産してもらう環境づくりと生活の支援が大事ではないかと思うが所見を伺う。 101 ◯健康福祉部長  先ほど杉本副知事のほうから申し上げたように、小さいうちはできるだけ家庭で育てようといったような方々に対しての支援ということであるが、本県では、これまでも子供の医療費の無料化、また、すみずみ子育てサポートということで、在宅で育児をされている方がちょっと急用があったときに、子供を一時預けるといった一時預かり利用料などの助成といったような形で、家庭において安心して子育てができる経済的な支援も行ってきたところである。  国においても少子化対策でいろいろと政策の議論がなされているところであるし、今後、そういった議論も見ながら検討し、どのような支援が可能なのか、検討していきたいというふうに考えている。 102 ◯石川委員  産前産後の育児手当が支給されていることになっているが、ただしそれは公務員並びに社会的に認められている企業のみである。それも短い期間で、わずかな手当である。それぐらいの手当では到底安心した生活もできなければ、子育てもできない。何度も言うが、女性が子育て中働かなくても生活できる生活の支援が問題である。このような施策を大事にしながら考えなければならないと思うが、再度所見を伺う。 103 ◯健康福祉部長  生活の支援ということであれば、子供1人当たりということでの児童手当という制度もあるが、一人1万円か1万5,000円という中で、例えばそれを、年齢を3歳までに限って1万円上乗せしようとすると、全体で年間21億円ぐらいの費用が余計にかかってくるといったようなこともあって、そういった経済対策を考える上では、どうしてもそういった財源をどうするかということも検討していかざるを得ないという状況になる。そういった面では、北欧など諸外国においても、育児を家庭でするための手当というような制度もあるが、それは高福祉、高負担という国である。そのような面ではやはり国においても税制も含めて国政レベルでの議論もしていただきながら、その中で我々としてもどういったことができるかということを検討していきたいというふうに考えている。 104 ◯石川委員  健康福祉部長から丁寧な答弁をいただいているが、1万円、2万円というけちな数字は出さないほうがいい。人口を増加させるには、何といっても若い夫婦に子供を産んでもらうことである。そして、子育てをしやすい生活環境を作ることが人口減対策の原点ではないかと思うが、再度所見を伺う。 105 ◯杉本副知事  やはりできることであれば家庭で、お父さん、お母さんの手で子供を育てていただくのが一番いいということである。今、3歳まで1万円上乗せの21億円でまだ小さいという話であったが、例えば、今、主な子育ての制度としては、育児休業中の手当というのがあるが、これも、例えば、今までは、基本的に1歳までであるが、それを2歳までに延ばそうとすると、県下では大体1年延ばすだけで100億円ぐらいの経費がかかる。100億円を何も行政だけでもつわけではないのであるが、これをどのように企業に分担するとか、国や県がどうするというようなことをきちんと制度化しなければ、やはり大きな改正はすぐにできるわけではないというふうにはまず思っている。  それから、もう一つあるのは、やはり子育てを女性任せにするわけではないにしても、家庭だけにお願いすると、よく言われるのはやはり女性としての自分の自己実現の問題や、それから、育児だけに閉じこもると気分的に非常に重いものを感じてしまうという問題もあるので、それは、よく家庭の中の事情なども見ながら進める必要があると思う。また、一番いいことは、そのような金銭的な面や家庭の事情などを含めた環境の中で、自分たちができるだけ、いろいろな選択肢をもって選べるという状況をつくることだと思うので、企業や国にも働きかけを行いながら、できるだけ県民として豊かな生活ができ、子供達もいい環境で育てられるような素地をつくっていきたいというふうに思っている。 106 ◯石川委員  もう終わりにするが、人口減対策というのは一番難しい大変な課題だと思うが、きょうは重ねて質問したが、それぞれの立場で丁寧に答弁をいただいたので、私なりに納得したが、さらに実行に移すように全力を挙げていただきたいということである。  ところで、全国で65歳以上の高齢者が現在、3,384万人いる。加えて、さらに元気な高齢者が健康で長生きできるような施策にも考慮すべきではないかと思うが、知事の所見を伺う。 107 ◯知  事  3年後に国体もあるが、何といっても一つの仕事を終えて、これから新しい仕事をしようするなど、次の人生についていろんな考え方を持った、いわゆる熟年の方がいると思うが、福井県が、そういう人たちがより健康で、生きがいを持った生活ができる代表的な県になれるように、さまざまな工夫や作戦などを考えて進めることは非常にやりがいのある分野だと考えている。 108 ◯石川委員  難しい、聞きにくい質問に丁寧に答弁をいただいたことに心から感謝を申し上げて、終わる。ありがとう。 109 ◯田中(敏)委員長  以上で、石川委員の質疑を終了した。  ここで休憩する。再開は予定どおり午後1時10分とする。                               ~休  憩~ 110 ◯松井副委員長  休憩前に引き続き、委員会を開く。  質疑を続行する。  田村委員。  なお、田村委員より、資料を使用したい旨申し出があり、これを許可したので、了承願う。         「教育行政について(人口減少に係る)」   田村 康夫 委員 111 ◯田村委員  自民党県政会、田村康夫である。重複する質問もたくさんあるが、いつもどおり身近な質問をさせていただくので、淡々と答弁していただけたらと思う。  最初に、教育行政、人口減少に係るというふうに書かせていただいた。いよいよふくい創生戦略ということで、国に提出するが、今回の特別委員会でもいろいろな意見が出た。非常に奥の深い問題だなというふうに改めて思ったのであるが、前回の議会でも私自身、人口減少に至った最たる原因、世の中の歯車が狂ってきた原因は核家族ではないかと言った。地域や家庭において、子を産み、育てることのすばらしさを今の若い人たちが学んでいないということだと思う。我々の世代では当たり前だった、祖父母との同居によって、親だけでなく、祖父母や地域の人たちから、子をなすことのすばらしさを学んできたのではないかというふうに思う。  今議会の一般質問で、小堀委員が、地域の空き家通りを指して考察を述べられた。親は一生懸命に子を育てて、よい大学に入れて大変喜んでいる。そして、よい会社に入り、田舎には帰らず、親は寂しく一人ずつ他界して、空き家になっている。親の家を守れとか、先祖を大切に思えという教育はどこかへいってしまった。戦後教育の間違いなのか、反省の時代がやってきたというふうに言われたように思って同感をしたわけである。私ごとであるが、私は、弟と二人兄弟である。母親が障害を患って、非常に不自由な人生であったが、3年前に他界した。その母親から私は長男であるが、小学校のときから、あなたは長男の育て方、弟は次男の育て方というふうに育てられ、大学へ行かせてもらったが、家に帰らないといけないという思いしかなかったのである。そういうふうに育てられたのだと思う。ただ、それがいいのかについて、いろいろな議論はあると思う。私自身は、長男が家を継ぎ、女の子しか生まれなかったら長女が家を継ぐ。そして、やはり兄弟仲よくし、親を思い親孝行をする、先祖を思う、これが本当だというふうに思うのである。ただ、こんな話をすると、「おまえ、そんな古臭いぞと、何を言っているのだ」と言われる。ただ、その根本がなければ、家庭が崩壊し、地域が崩壊して、お墓は放置され、どうなるのだろうと思う。いや、子供の人生だから、子供の好きなようにするのがよいのだとよく言われるのであるが、それで本当にいいのだろうかと非常にいろいろ思う。  余談であったが、根本的に少子化、人口減少問題の一丁目一番地というのはやはり未婚・晩婚だというふうに私は思う。家庭教育や家庭環境が壊れている中、今日の現状において、その解決の一翼を担うのはやはり学校教育、特に道徳教育しかないというふうに考えるのである。少し話が変わるが、現在の女性活躍推進課、当時の男女参画・県民活動課が、このようなハンドブックを作成されて、小学校、高校、地域、各用意されているようである。男女共同参画を推進する課であるので、当然なのであるが、女に生まれても、男に生まれても、一人の個人としてお互いを尊重し、一人一人が個性豊かに生きることができる男女共同参画社会にしようという趣旨がわかりやすく記載をされているのであるが、このハンドブックは全ての学校に配布し、啓発しているのか、伺う。 112 ◯ふるさと県民局長  今、質問のあったハンドブックであるが、平成11年度の男女共同参画社会基本法の制定を受けて、平成12年度から県内全ての高校1年生に配布している。平成17年度から小学校5年生の子供たちにも配布をしているところである。 113 ◯田村委員  中を読んでいくと、これは高校生向けのものであるが、結婚している人も、していない人も、子供のいる人も、いない人もというくだりがある。異論がある方もおられると思うが、私は、みんな自由だから結婚してもしなくてもいいよというように読めてしまうのであるが、これでは人口減少対策をいかに頑張ろうとしても、これからを担う子供たちには伝わらないのではないかというふうに思う。  中学校や高校では、結婚についてほとんど教えていないようにも感じる。例えば、中学校の家庭科の教科書では、将来の夢の項目の中で、結婚して充実した仕事について子供を育てるとの記述や、高等学校の家庭科教科書にも、結婚が大切なこと、幸せなことという記述がなく、「結婚によって異なった環境で育った者同士が夫婦として共同生活を始める」という記述しかないのである。先ほど言ったが、家庭が壊れている中で、教育の中でいろいろ対応してほしいというのもおかしな話かもしれないが、純真な小中学校のときに、一つ一つの文字がやはり心に入っていって、将来につながるのではないかなと思うのであるが、県内の小中学校において、子供を産み育てることのすばらしさを道徳の授業等で取り上げているのか、改めて伺う。 114 ◯教育長  県内の小中学校での取り組みであるが、道徳の時間では、ふるさとの福井の先人の生き方、そして、人と人とのかかわりを通じて子供たちの豊かな心を育むということを中心に、我々は力を入れて授業を行っているところである。  また、命を大切にし、男女が助け合うこと、それから、家族を愛し、家族の一員としての役割を果たすことの大切さを学んでいるということである。  そのほか、中学校では、保健体育や学級活動で男女の違い、それから、お互いに協力することの大切さを学ぶ。また、家庭科のほうでは、保育園などに出向いて、園児と触れ合ったり、抱いたりするという体験をして、子育ての楽しさや、いろいろな大変さも含めて勉強するというふうなことになっている。子供たちが結婚や子育てを直接理解するということではなく、成長に合わせてそういうことを徐々に理解していくというような授業の仕方をしている。 115 ◯田村委員  結婚して子供を産み育てるということは、人間として自然な行動だと思うのである。もちろん子供を産むことが全てではないということも理解しているし、子供たちが偏った考えになってはいけないことも理解はしているが、それでもやはり子は宝であり、子はかすがいといわれるように、子孫を残す努力というのは最初に向かうべきことだと私は思うのである。学校教育の中で、人生の中では結婚が大切なことであり、幸福へつながる生き方であることを適切に教えることが大変重要であると私は思うのである。そして、具体的に家庭科や総合的な学習時間の中で授業として取り扱うこと、また、適切な副読本の作成も大変重要であると思うが、現在、使用している道徳の副読本における結婚や子供を育てること等の記載状況や今後の方針について伺う。 116 ◯教育長  子供たちの道徳の時間には、主に、国が作成した「私たちの道徳」という補助教材を使っている。その中には、赤ちゃんが誕生したときの感動として、お母さんの思いや言葉がいろいろ書いてある。また、家族がともに暮らすことの幸せ、男女の協力、異性についての理解などの記載がなされているところであって、それらを学ぶ中で結婚や子育てについて考えることにもつながっていくのではないかというふうに思っている。  また、総合的な学習の時間の中においても、現在、保育士や助産師の方をキャリア教育の一環として招き、いろいろな話を聞くという形で子育ての大切さなどを学んでいるので、このようなことをさらに強化していきたいと考えている。それから、高校ではこれから、ライフプラン学習をするということになっているので、今後の話ではあるが、その前段階として、中学校の家庭科の中でも家庭を持つことや子育てのよさなどを、将来の生活として考える機会をふやしていきたいと思っている。 117 ◯田村委員  高校生のライフプラン学習も言っていただいた。改めて言うまでもないが、人口が減少すれば経済も縮小し、社会保障、年金、さまざまな社会制度が崩壊してしまう。結婚は個人にとっても一大事であるが、社会全体にとっても一大事である。九州大学の大学院の佐藤准教授も未婚の重大性に鑑みて、「学」というのを提唱されている。また、明治大学の諸富教授は、現在のキャリア教育では、職業生活面が偏重されがちで、キャリア教育の両輪の一つである家庭生活での幸福を実現するためということで、中学、高校でのキャリア教育の一部として、発達段階に応じた育プログラムの実践を言われている。また、エッセイストの吉永さんという方は、結婚とは二人の男女が長い時間をかけて描いた、この世に残すたった一つの物語であるというふうに発信している。ある県庁の職員で独身の方がおられて、なぜ結婚しないのかと聞くと、両親の仲が悪く結婚そのものに魅力を感じていないのだという。これも幼いときの単純な刷り込みだと思う。それは別としても、小中学校のときから、このような学というようなことを、一生懸命植えつけることは非常に大事なことだというふうに思う。  結婚は大切なこと、幸せなことであるということを、県が教育の中でどこよりも力を入れて県内自治体を引っ張っていくべきと私は考える。結婚や子育てに関する道徳教育や幼児教育でも全国のモデルになることを期待したいと考えるが、福井県総合教育会議を主催する知事として、いかに取り組むのか、所見を伺う。 118 ◯知  事  子供たちには、結婚や育児について実感が十分伴わないので、そのような内容の教育や道徳教育はなかなか難しいのかと思うが、それぞれ小中学校、高校の成長に応じて継続した学習を実行するような、かなり気を使った教育が大事だと思う。  小中学校においては、男女の理解や命の大切さ、高校ではライフプランに関する教育などを行い、また、幼児教育の中では、父親にも保育体験をしてもらうなど、いろいろなことを行うわけである。今、結婚について話を聞いていたが、道徳にしても国語にしても、恋愛についてほとんど論じられていないのである。その点で何かもっとよい方法を工夫するべきであると思う。それから、今、言われたように、少なくとも両親よりも自分たちの生活が少しでもよくなるようにという意欲を持って人生を送るということは、最小限のことであるが、そういうことを目指すべきであると思う。 119 ◯田村委員  結婚し家庭を持つということを、学校の中で教育していくことは非常に難しいというふうに思う。いろいろな場面で、なぜ結婚しないのとかという話をすると、給料が少ないからとか、働くところがないからということで、けんかになってしまう。給料が少ないからお互い支え合って人生を送っていくのではないかとも思うのである。しかし、よく言われる話であるが、やはり親が子供を叱れない、しつけができない。これも偏った考え方である、何を言っているのだと言われるかもしれない。私の母親は、何々ちゃんという呼び方は、他人からの呼び方であり、自分の子供は呼び捨てにするようにと言っていた。これはばかなことを言っていると言われるかもしれないが、やはりそれだけ威厳を持ち、責任を持って子供のことを育ててきたからそういうことを言われたのだろうと思う。これが正しいか正しくないかは別として、いろいろな面で家庭が壊れている中で、これからの世の中を担う子供を育てていく上において、行政としても力添えをいただきたいと思う。         「県民の安全安心について」 120 ◯田村委員  それでは、話は変わるが、県民の安全安心ということで、最初に、繁華街の片町の治安について伺う。これは私のライフスタイルではないのであるが、しばらく質問していないと思うので伺う。いまだにキャッチといわれる黒服の呼び込みの方が立っている。最近でも外国人の客引きなども横行しているようであるし、女性の呼び込みも多く、パトカーが通り過ぎると路地に隠れるのであるが、また出没を繰り返すだけである。この繁華街の治安については、多くの県民の目がある。一般車両はもとより、営業車両も多々通行しているので、多くの意見をいただく中で、一時期は片町に交番をということで3万人を超える署名も出された。交番を設置することは別として、いまだにペンギン族と言われる呼び込みがいる。先日、私はびっくりしたのであるが、車で真ん中を走ってくると、平気でど真ん中に立っており、車がよけなければならない。これは私だけではなく、みな言われるが、我が物顔で立っているので、クラクションを鳴らすのは怖い。そういうことは日常茶飯事である。警察の方がどこまで見張りをし、対応しているのかわからないのであるが、罰則等々も科せられるはずだが、どのような罰則があるのか、現在までの検挙状況を含めてまず伺う。 121 ◯警察本部長  片町地区において、通行人に声かけ等を行っている者が存在していることは承知している。その行為が一定の条件を満たした場合には、例えば、風営適正化法や福井県迷惑防止条例などの法令に抵触することになる。具体的には、風営適正法については、風俗営業を営む者が当該営業に関して客引きをすること等に適用されて、罰則は6カ月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金となる。また、福井県迷惑防止条例については、例えば、公共の場所において、公衆に対し異性による接待をして、酒類を伴う飲食の提供をさせるために客引きすることなどに適用されて、罰則は50万円以下の罰金または拘留もしくは科料ということになる。  そして、片町地区における客引き行為に関する事案の検挙状況については、平成22年から26年までの5年間で、風営適正化法違反では4件、10名を検挙しているところである。本年は、8月末現在で検挙した事例はない。 122 ◯田村委員  どれだけ検挙したらいいのかは別として、現在も非常に見苦しい者もよく見かけるので、また、いろいろな形で取り締まってほしいと思う。覆面パトカーなどの巡回はどのように流れているのかわからないが、私は以前、前任の本部長だったと思うが、本部長一人で歩くと危ないので、私服で後ろからおつきの人をつけて、知らない顔して歩いてみてくださいと言ったこともあるが、片町は経済のバロメーターであり、楽しく飲むところであるので、また、気を配っていただきたいと思う。  一方、片町では駐車違反も非常に横行しているように思う。一般道は、標識があり、違反したら輪どめやレッカー移動になることはわかっているので、駐車違反する人はある意味自業自得である。しかしながら、話は変わって、民間の敷地やお店の駐車場への不法駐車も後を絶たず、いろいろな相談を受ける。ある方は、月極駐車場に契約しているが、帰ってきたらほかの人の車が駐車場にとまっており、駐車できない。非常に憤慨し、やはり車となると、どうしても警察になるため、警察に電話する。また、あるオーナーの人は、自宅の隣の土地を月極駐車場として貸しているのであるが、その横に居酒屋ができ、居酒屋の客が平気で駐車する。非常に憤慨し、これも多くの方が警察に電話するのであるが、これは民事の話だからと取り合ってくれない。どうしたらいいのか誰か教えてほしい。ナンバープレートから照会し、弁護士を立てて相談せよということになると一般の人は泣き寝入りせざるをえない。このような話をよく聞くのであるが、このような不法侵入ではないような不法駐車に対してどんな対応を行っているのか、伺う。 123 ◯警察本部長  田村委員指摘のとおり、民間の敷地への駐車等については、基本的には民事上の事案になるので、警察が対応するということについてはどうしても限界がある。ただ、そのような中で、このような不法駐車については、例えば、盗難車の可能性などもあると考えられるので、犯罪捜査の観点で、警察官が現場に赴いて対応しているところである。  例えば、具体的には、福井市の片町地区においては、本年は8月末現在でこのような不法駐車に関する110番通報を21件受理しているが、その全ての通報について、警察官が現場に赴いて、当該車両を確認し、そして、持ち主の方に対しては、この駐車により困っている人がいるということなどを教示しているところである。 124 ◯田村委員  不法駐車している車について警察にレッカー移動を頼むと、費用は頼んだ本人に請求すると言われる。これもおかしいので、警察が窓口になって、レッカー移動し、違法にとめた人に請求するという方法ならば、レッカーサービス会社ももうかり、不法駐車した本人は、やはり二度とそういうことがないように、確認しながら駐車するようになるので、そういうことはできないのかなと思う。県民のいろいろな形の要望に対して、これからもぜひ優しく指南をし、また親身になって対応していただきたいとお願いしておく。  また、片町は、一方通行が非常に多く、初めて来られた方は非常にわかりにくい地域であると思う。本通りは夜になると一方通行になる。そのほか、細い道路も一方通行だらけで、私もしょっちゅう行くわけでないが、一方通行を逆走してくる車がたくさんある。最近は標識がわからないのか、あるいは、見ないのかと非常に疑問に思う。繁華街だけでないが、訪れた方が迷わないように、矢印を書くなど、表示に何か工夫が必要かと思う。あるいは、一方通行を削減する方法はないのか、伺う。 125 ◯警察本部長  まず、片町における一方通行規制についてお答えする。  片町は商店や飲食店が集中しており、狭隘な道路を昼は商店等への荷物搬送のために多くの車両が通行するし、また、夜は多くの歩行者が行きかう中、タクシー等の車両が通行するという現状であるので、交通の安全と円滑を図るために、一方通行規制は必要であるというふうに考えている。  その表示については、一方通行路の入口、出口及び区間内の必要な箇所に道路標識を設置し、そしてまた、さらに片町本通りの北口には、大型電光道路標識を設置するなど、ドライバーの方がより交通規制を認識できるように努めているところである。  また、道路標識等の汚損や破損についても随時点検を行うなど、管理の徹底を図っているところである。
    126 ◯田村委員  話は変わるが、最近、路側帯の白線とともに、青い線を引くなど工夫されている道路を地元でも目にするのであるが、調べてみると道路交通法の改正によって、自転車は原則車道というルールになったということで、自転車用に青線が表示されているようである。これは意外にドライバーの目につく表示であり、私はいいなと思うのであるが、こうした工夫は事故や違反を削減することもできるため、警察においても表示方法等々、検討いただきたいと思うが、現在の状況や今後の動向について伺う。 127 ◯警察本部長  田村委員指摘のとおり、県警察においても、路面をカラー舗装したり、それから、通行区分を明確にしたりするということは、事故や違反の削減に大変有効であるというふうに認識しており、これまでも道路管理者と連携しながら、歩行者や自転車の安全確保のため、路側帯や自転車専用通行帯のカラー舗装を推進しているところである。  そして、さらに、一時停止規制を行っている場所に例えばゼブラ表示を施して、交通規制をより明確にするなど、法定外表示を活用した交通安全対策にも取り組んでいるところであって、その効果を検証しながら有効なものについて積極的に整備していきたいと考えている。 128 ◯田村委員  ぜひ検討いただいて、交通安全にも寄与していただきたいというふうに思う。  次に、大森委員の一般質問にもあったが、今の時代は防犯カメラの設置というのは大変重要だと私も思うのである。県民の安全安心を確保する上では、必要不可欠なものであることは言うまでもないが、先日の一般質問においては、警察本部長から、民間や自治体の設置箇所、また台数の報告はあったが、犯罪抑止や犯罪捜査には欠かせないものだと私は思う。現在の捜査手法は証拠前提である中、捜査段階で間違いなくこれは被疑者であると、犯人であるというにもかかわらず、やはり決定的な証拠が捉えられないということで、涙をのんだり、非常に時間がかかったりすることもある。これは犯人が野放しになっているということでもあり、それ自体大変怖い話でもある。また、求刑しても、証拠の面で裁判に勝てないという話も聞く。それだけにやはり防犯カメラは重要であると言われるのであるが、この防犯カメラの犯罪抑止は無論、取り締まり等における必要性を改めて伺う。 129 ◯警察本部長  犯罪の取り締まり等における防犯カメラの必要性についてお答えする。  一般質問での大森委員からの質問でもお答えしたように、犯罪捜査において、防犯カメラの画像は、例えば、犯人の特定、それから、犯行の立証など、さまざまな場面で有効に活用しているので、大変重要であるというふうに考えている。 130 ◯田村委員  数年前、県内一の繁華街である片町では、治安向上のためということで、地元商店街や自治会で、片町の本通りに防犯カメラ9台を設置した。その当時は、1台40万円と聞いているので全部で360万円であるが、これは商店街が補助金等を使いながらいろいろ工面をして設置をしたわけである。県警察もカメラの運用等々にかかわり、いろいろな犯罪捜査等々で、これを使用しているとも聞いているが、私はやはり防犯カメラの設置は警察の仕事だというふうに思う。通学路を始め、繁華街、駅、公共施設などでは、特に、防犯カメラが犯罪抑止にもなるし、このように必要がある地域においては、県警察が積極的に防犯カメラを設置するべきだと思う。これは、借りてきたのであるが(資料提示)、これがメモリーである。このように非常に小さくなっているが、これが4つのカメラがセットで20万円である。数年前と比べると半分である。各都道府県で犯罪の発生率によって、予算がどうであるということも聞くが、犯罪が起こってからでは遅いわけで、もちろん犯人検挙に非常に役立つだけではなく、犯罪抑止の面も含めて非常に大切だと思うが、所見を伺う。 131 ◯警察本部長  まず、街頭防犯カメラについては、現在のところ、安全安心まちづくりの一環として、例えば、自治体やその他の機関による設置が行われているところであって、現在、警察にはそのカメラの設置場所や映像の管理等についての助言が主として求められているので、まず、これらに対応しているところである。  ただ、田村委員指摘のように、特に犯罪の抑止力を発揮する必要があるような地域等についての街頭防犯カメラの設置については、これは客観的、具体的な犯罪の発生状況などを踏まえて、県警察においても必要に応じて検討していきたいと考えている。 132 ◯田村委員  ぜひとも警察として、この必要性を訴えて、予算要求していただきたいと思うが、最終的にはやはり県のほうでの予算づけになると思う。日本一安全な県、住みたい県になれば、移住、定住に結びつくと思うので、県としてやはりそういった方向の貴重な予算づけは必要だと思うが、県の考えを伺う。 133 ◯杉本副知事  幸福度日本一の福井県であって、委員が言われるように、できるだけ安全安心に過ごしていただけるような方策については今後とも考えていきたいと思う。 134 ◯田村委員  よろしくお願いする。         「介護保険制度について」 135 ◯田村委員  それでは、もう時間がないので、最後に、介護保険制度について一つか二つ伺う。  高齢化の中、介護という響きが非常に身近に感じているのは当たり前であるが、先ほども言ったが、3年近く前に私の母も亡くなったが、在宅でもう20年以上見ていた。入浴等々も大変であり、私どもの体力等も立ちいかず、介護認定申請をしたところ、すぐに要介護5の認定をされ、介護ベッドも入れて見ていたのであるが1年で亡くなってしまった。介護に当たっているヘルパーの方々には本当に感謝しかない。55歳の私の年代には、両親の介護に当たっている友人も非常に多いのであるが、話を聞くと、とても自宅介護できるような状況ではないが、施設がいっぱいで入所がかなわないとのことである。まずは、本県の待機者ゼロの現状と課題を伺う。 136 ◯健康福祉部長  平成27年、今年度の4月1日現在での数字でいくと、特別養護老人ホームの入所申込者は3,150名いる。そのうちひとり暮らしで認知症の方、あるいは、要介護度が非常に高いといったような理由で、真に入所が必要とされている方は499人いた。こうした方々に入所していただくために、今年度中に、特別養護老人ホーム、あるいは、サービス付の高齢者住宅等を全体で入所系として515床整備する計画である。  入所に当たっては、県と県の老人福祉施設協議会とが協議して定めた入所指針がある。要介護度の重さだけでなく、介護に当たる家族の方がいるかどうかという問題もあるし、家族の方がどうしても仕事があり、介護ができないというような就労の問題、また認知症の状況や在宅サービスの利用状況がどれくらいあるかというようなことを総合的に評価をして判定をしている。真に入所が必要な方の約3分の2は大体半年以内には入所されており、長くても1年以内にはほとんどの方が入所しているという状況である。高齢化がますます進む中であり、要介護認定者は今後もますますふえていく。在宅サービスと施設サービスのバランスをとることも必要であるが、必要な介護施設の整備については、計画的に進めていく必要があると思っている。 137 ◯田村委員  介護認定と入所該当者との相違があるようにも感じているが、本年4月の介護保険制度改正で、特別養護老人ホームの新規入所者が原則、要介護3以上に限定をされた。そこで、要介護度だけで判断すると、本来、入所されるべき大変な状況の方々が入れない状況もあるのではないかと思うが、その辺について伺う。 138 ◯健康福祉部長  そのような真に入所が必要な方が入所できるようにということで、先ほど申した、特別養護老人ホームの入所指針に基づいて総合的に評価しているわけである。平成27年4月1日現在の特別養護老人ホームの入所者は4,970人いるが、その9割の方は要介護度3以上であるが、一方で、要介護度が1、2の方であっても、先ほど述べたように単身であるとか、また、認知症の症状があるといったような理由で、在宅介護が困難な方も、1割の430名いる。  また、介護者が病気になるなど、急な対応が必要となる場合もある。そういった場合には、入所までの間を、各市町の地域包括支援センターが特別養護老人ホームの中にもあるが、ショートステイという形でつなぐというようなきめ細かい対応もしているところである。  今後も、真に入所が必要な方が確実に入所できるように各施設への指導をしていきたいと思っている。 139 ◯田村委員  いずれにしても、できるだけ住みなれた地域で暮らすという目標と介護保険財政、施設運営、介護職員の方々のモチベーションの維持といったものはどれも大変重要である。うまくバランスをとって進めてほしいと思う。  また、介護保険を初めとした高齢者の施策は、できる限り在宅がいいのか、認知症の場合はどうするのかなど、それぞれ密接に絡み合い、正解というものはなかなか見つからないと思う。知事はマニフェストにおいて在宅の強化、介護待機者ゼロ、認知症予防、治療日本一などの高齢者施策を掲げているが、なかなか難しい課題であり、今後どう対処していくのか、改めて知事の覚悟を伺う。 140 ◯知  事  まず介護施設については、要介護度が重度な方やひとり暮らしの方など、在宅介護が困難な方のために、在宅介護とのバランスを考慮しながら、計画的に整備していくことを基本にしている。  それから、原点に立つと、まずは高齢者の方々が健康でいることが大事であり、健康づくり、社会活動への参加を積極的に応援する。  それから、これからはバランス上在宅ケアが重要であるので、4年間に7割増加と成績を上げている坂井地区のモデルを全県展開し、医療と介護のバランスをうまくとっていくという福井の方式を強化していく。それから、その中で特に認知症の問題があるが、他県に先駆けて全市町で認知症検診を実施し、早期検診、早期治療を進めており、サポーターも養成しているので、このような認知症支援体制を強化していきたいと思う。 141 ◯田村委員  高齢者というのは、我々の先達である。先達を敬い、子を育み、他人に博愛の心で接し、勤勉で誠実に生きる等々、我々日本人が最も大事にし、脈々と受け継がれていくべき心であると感じている。  先達を敬い、子を育む、そんな福井県であることを願って、私の質問を終えたいと思う。ありがとう。                               ~以  上~ 142 ◯松井副委員長  以上で、田村委員の質疑を終了した。  西本恵一委員。  なお、西本恵一委員より資料を使用したい旨申し出があり、これを許可したので了承願う。         「公安行政について」            西本 恵一 委員 143 ◯西本(恵)委員  公明党の西本である。  まず、公安行政、県民の安全安心について伺う。  改正道路交通法が平成25年12月から一部施行され、自転車の路側帯通行は左側に限られた。また、違反した場合の罰則は懲役3カ月以下、また、罰則5万円以下となった。また、本年6月からは14項目の違反に対して安全運転講習の受講が義務づけられたが、そこでまず、平成25年の道路交通法改正以来、違反により罰則対象となった人について、違反別の人数を伺う。 144 ◯警察本部長  違反別の人数についての質問にお答えする。  まず、検挙によらず、指導警告を行って、指導警告票を交付した者は、本年8月末現在で2,170人である。その内訳は、無灯火で692人、信号無視で81人、一時不停止で40人、二人乗りで427人、歩道路側帯通行、または、並進で364人、そして、その他傘差し、イヤホン、携帯電話使用などで566人となっている。  そして、次に検挙措置をとった者であるが、同じく本年8月末現在で7人である。その内訳は、ブレーキのない自転車を運転した制動装置不良自転車運転で1人、そして、安全不確認や前方不注意などにより、交通事故を起こした安全運転義務違反で6人となっている。 145 ◯西本(恵)委員  さて、福井市内のある中学校であるが、自転車走行に関して、学校側に近いほうの路側帯を通るように指導をしていた。つまり、道路の右側に学校がある場合は右側通行をするよう指導しているわけである。ただし、この中学校については、先月、私が校長先生に問い合わせたこともあって、9月から左側通行に変えたそうであるが、このような指導がされていたことについて、教育長は知っているか。  また、福井市内のほとんどの中学校がこのような形で指導されているという話も聞いているが、実態はどうであるか。  また、他の市町についていかがか。きょうの昼のNHKのニュースで鯖江市が中学生に対して左側通行を徹底したという報道が流れているようであり、私がこれを通告したからそうなったかどうか知らないが、このように、学校に近い側を通行するよう指導している理由を重ねて伺う。 146 ◯教育長  中学校の通学路であるが、これについては、市町の教育委員会が策定した通学路交通安全プログラムに基づいて、学校と保護者が協議の上、交通量、また道路幅等を考えて定めているところである。また、安全対策については、学校関係者、警察署、道路管理者の三者が合同で現地を見回り、安全点検などを行っているという現状である。  県内の中学校においては、全75校中、65校で自転車通学が実施されている。全生徒のうちの大体約52%が自転車で通学しているという状況である。福井市では2校、その他のところでは7市町の7校で右側通行を指導している。その理由を調べると、道路の片側に河川に転落するおそれがあるため右側を通る、また、近くに小学校があり、自転車が左側を通ると逆に小学校の集団登校と衝突するおそれがあるため右側を通るというケースが多いということである。  ただ、これも保護者といろいろ相談して、右側を通っていたというのが現状であり、今回、道路交通法が改正されたということで、右側を通行して、自転車を引いていくというのが一番安全で、それが正しいのだと思うが、いろいろな理由があって、現状で合わせて9校ではそのような状況にあるということである。今後、市町、教育委員会、警察署関係、道路関係者ともいろいろ相談をして、安全な通学路の確保と交通ルールの徹底を図っていきたい。西本恵一委員が言われるように、当該校については、左側にもきちんと余裕があるということで、今、左側通行について徹底し、変えているという状況である。 147 ◯西本(恵)委員  今ほどの教育長の話を聞いていると、非常に危険なところについては、左側ではなく右側を通行してほしいという場合もあるそうである。私もそのほうがいいのではないかと思うが、道路交通法は左側を通行するようにということになっている。先ほども田村委員の話もあったように、例えば、グリーンベルトを引いて、自転車制御通行帯というのを設定し、例外的に、そこについては右側通行も可能というようなことはできないのか。 148 ◯警察本部長  基本的に一般的なルールは左側通行ということになるが、これは本当に個別具体的な道路の事情を見ていかなければならないと思うが、例えば、本来通行すべき左側のほうで工事が行われており、そこを迂回しなければいけないというような事情がある場合などは、法律で想定をしている。一般的なことはこの場では答えづらいのであるが、具体的な現場を見た上で検討することになると思う。 149 ◯西本(恵)委員  パネルを用意してきたのであるが(資料提示)、これは右側通行をしている自転車であるが、これは実は私が相談した学校の一昨日の写真である。徹底をしていても、やはりどうしても右側を通ってしまう。見ていると、半分が右側通行している。もっと言うと、半分とは自転車に乗っている子だけであり、もう一つは、歩いている子と一緒に自転車に乗っていく子がいるのである。片方が歩き片方が自転車に乗っている場合はほとんどが右側通行である。こういったケースも五、六件あった。これも同じような形で同じような場所で自転車通行しているが、やはり右側通行である。このような状況で、例えば、事故に遭った場合、自転車運転者によっては5,000万円から6,000万円請求される場合もある。保険や罰則という意味では不利になると思うが、このような場合、生徒が検挙されるというようなことはないのか、伺う。 150 ◯警察本部長  自転車運転者の交通違反への対応については、その違反が原因で、例えば、歩行者や通行車両に具体的な危険を生じさせたなど、悪質、危険な違反と認められる場合には、検挙措置を講じることになる。ただ、警察としては、自転車運転者にまず、交通ルールをしっかりと周知することが重要であるというふうに考えており、基本的には自転車運転者に対する指導警告を中心に対応しているところである。  西本恵一委員の質問のように、右側通行の自転車運転者が自動車、または、歩行者と事故に遭った場合等については、これはやはり個別の事案ごとにその事故の原因や、不注意の程度、事案の軽重などを勘案して対応するということになると思う。  仮に、自転車側の違反が悪質で危険であると認められる場合には、法令の規定に従って検挙措置を講じるということにもなるとは思うが、先ほど説明したとおり、平成25年12月の改正以来、右側通行での検挙事例はない。 151 ◯西本(恵)委員  恐らくほかの学校でも左側通行と徹底されても右側通行をしている生徒たちもいると思う。教育長にお願いであるが、児童や生徒の安全を守るために、65校あると言われたが、ぜひ、全学校に対して、もう一度、左側通行ということで徹底をしたほうがいいのではないかと思う。先ほど言ったようにイレギュラーなところもあると思うので、学校ごとに個別によく相談していただきたいと思う。  続いて、歩車分離方式の信号がある場合、自転車というのは車両として認識をされるが、歩車分離式の信号で、歩行者用に信号に従うのか、あるいは、車用の信号に従うのか、伺う。 152 ◯警察本部長  歩車分離式の信号については、まず、自転車が原則どおり車道の左側の端に寄って通行している場合には、車両用の信号に従っていただくことになる。  他方、例えば、一部には公安委員会の交通規制によって、自転車が通行可能となっている歩道があるが、その歩道を自転車が通行している場合には、歩行者用の信号機に従っていただくということになる。 153 ◯西本(恵)委員  実はこれについては、全国的に都道府県によってきちんと定められておらず、何かばらばらであるという話も聞いている。私の住んでいる志比口交差点であるが、こちらは違った点で問いたいところである。ここの信号は、歩車分離式であるが、どう考えてもやはり歩行者用信号に従ったほうがいいのである。ここは歩道通行可能というところであるので、それでいいのだと思うが、私は、このようなことは、先ほども言ったが、やはり違反罰則などいろいろなことに直結してくるものであるから、そういう意味では統一して見解をいただいたほうがいいと思う。  実は、この写真であるが(資料提示)、歩行者がここをずっと歩いているが、見通しが非常に悪いのである。ここから自転車がスピードを出して曲がってくると、ここのところが見えないのである。通常、車であるとカーブミラーや、一旦停止など、いろいろな策がとれる。ここは通学路で、特に子供が歩くのだが、そこに自転車もぼんと来てぶつかりそうになった。非常に危険なので、何か注意表示、もしくは、歩行者用や自転車用のカーブミラーは聞いたことがないが、そのようなものが設置できないかと、住民の方二、三人から問い合わせをいただいている。これは県道と県道の交差点であるため、土木部への質問になるかと思うが、そういったことは可能か。 154 ◯土木部長  一般的に道路管理者が設置するカーブミラーについては、見通しの悪い山間部のカーブ付近や、信号整備をされていない交差点に設置することとしており、安全な速度での通行を前提としている歩道上には自転車や歩行者専用のカーブミラーは設置していない。道路交通法によって、自転車は原則として車道を通行しなければならないとされており、公安委員会で指定された区間に限り、自転車は歩道を通行することができるとなっている。西本恵一委員も指摘した箇所については、この区間に指定されているということであるが、自転車が通行可能な歩道であっても、歩道は歩行者優先であるので、自転車は歩道の状況に応じた安全な速度で通行していただきたいと考えている。 155 ◯西本(恵)委員  そういう答えになるのだろうと思うが、ただ、どちらにしても危険な交差点であることには違いないので、私も地元で、自治会連合会のほうで費用を出していただいて、注意喚起のための看板等を設置できないかぜひ検討してくださいという話をしたので、もし地元で歩道上にこのような看板を設置した場合に、ぜひ了承願いたいと思うので、よろしくお願いしたいと思う。         「地域公共交通と福井駅周辺の課題について」 156 ◯西本(恵)委員  続いて、地域公共交通と福井駅周辺の課題について伺う。まず、福井駅西口について伺う。  福井鉄道が駅前に延伸して、バスターミナルが整備される。鉄道やバスなど、公共交通機関への乗りかえが円滑になるよう、西口広場にサインの設置が必要だと思うが、所見を伺う。 157 ◯土木部長  福井駅の西口駅前広場においては、来年3月までに路線バスのターミナルとして6カ所の乗り場を整備するとともに、福井鉄道の停車場を設置することとしている。これに伴って、JR福井駅のコンコース西口の正面のほか、西口の屋根付き広場及び福井鉄道の停車場付近の合計3カ所において、西口広場全体の案内図や各バス停の行き先を表示した案内看板を福井市が設置することとしている。
    158 ◯西本(恵)委員  福井駅をおりた県外客が公共交通機関を利用して観光できるよう、福井鉄道に乗ればここに行けるとか、えちぜん鉄道に乗ればここに行けるなど、一目でわかる公共交通機関の観光案内版を設置してはと思うが、所見を伺う。 159 ◯観光営業部長  現在、JR福井駅のコンコースの柱に観光案内版を設置している。主要観光地のほかに、高速道路や主要国道、あるいは、JR線、えちぜん鉄道、福井鉄道なども記載されているが、具体的なアクセス手段や方法までは記載されていない。なお、観光地へのアクセス方法については、現在、駅構内にある福井市の観光案内所で問い合わせに応じているという状況である。  今後、観光客の交通利便性を高めるために、主要駅等から観光地へのアクセスに関しては、観光情報マップへ記載する、あるいは、手軽なアクセスハンドブックを作成するということも検討したいと思う。  また、主要駅と観光地を結ぶ路線バスや観光タクシーなどを利用した2次交通アクセスの充実、あるいは、インターネットで検索しやすいバスの路線やダイヤなどの情報発信の強化など、公共交通機関を利用した観光を推進していきたいと考えている。 160 ◯西本(恵)委員  あすから北陸デスティネーションキャンペーンが開催される。全国から観光客を呼び込み、福井県を広くPRする絶好のチャンスである。代表質問の答弁では、ことしの3月から7月の県内主要観光地の入込数は前年同期比26%増とのことであるが、まだまだ満足できる数字だとは思わない。石川、富山は空前の観光ブームに沸いており、関東、東北から大勢の観光客が集まっている。本県では、観光資源や2次交通アクセス等を充実し、誘客に取り組んでいるが、さらなる拡大を図るにはこれまでターゲットにしてこなかった新しいエリアの拡大等、思い切った戦略、次の展開がなければ、石川、富山との差は開く一方である。県外からの誘客をさらに拡大するための課題をどのように認識し、そのための戦略、次の展開をどのように考え、石川、富山にどう対抗していくのか、知事の所見を伺う。 161 ◯知  事  指摘のデスティネーションキャンペーンはJR6社と北陸3県が共同で実施するプロジェクトであり、現在では、国内最大の観光キャンペーンになっている。これに乗って、そしてまた、福井独特なことを行うことによって、金沢開業によって時短効果の生じた東北地方、また、北陸には割となじみの薄い四国や九州地方など、高速道路などももちろん必要であるが、新たなエリアからの誘客にもつなげる。  全国からの誘客拡大には、今後とも3県連携で進めるぐらいのパワーでやらないとなかなか遠くからは来られないため、北陸全体の観光プロモーションを進めたいと思う。  また、金沢開業後、来年は北海道新幹線の開業等いろいろあるので、観光プロモーションをさらに拡大するためには、福井県としても今年3月に策定した観光新戦略を着実に実行する。特に、幸い本県には、他の2県にはない福井独特の観光資源があるわけで、新しいツーリズムなどを推進し、観光拠点のさらなるレベルアップ、周辺の観光資源をしっかりと組み合わせて、観光客が利用しやすいような、ものを見て、食べて、また、楽しめる、そういう組み合わせをつくり上げて、新しい観光客の開拓やリピーターの拡大を図っていく。 162 ◯西本(恵)委員  続いて、福井駅の恐竜モニュメントについて伺う。デスティネーションキャンペーンが終わって再配置をするということで、県は福井市から二つの提案を受けていると思う。一つ目が現在の場所、もう一つが屋根付き広場の西側に整備するいこいの広場であると思う。福井市としては、もし現在設置されている場所を利用する場合には、工事があるため、二、三カ月間、一旦、別の場所に移動する必要があると言っている。また、屋根付き広場の西側に整備する場合には、福井駅におりたときに、屋根付き広場が影になり、それによっていこいの広場にある恐竜がなかなか見えにくいというところもある。私は、現在の場所がいいような気もするのであるが、これについて知事の所見を伺う。 163 ◯総合政策部長  恐竜モニュメントの現在の場所であるが、ちょうど駅舎の恐竜壁画を背景にして、写真を撮るようなスポットになっている。ちょうどあしたからはライトアップも予定しており、モニュメントと壁画を一体的に見ることができるような場所であると思っている。  一方で、いこいの広場のほうも、西口の再開発ビルや屋根付き広場があり、それから、バスや路面電車の利用者が多く集まるエリアであり、それぞれ特徴があるかと思う。  県としては、駅から出たときにぱっと見える様子や、あるいは、人が集まるところから特に県外のお客様にどのように福井を印象づけられるかという観点、さらに費用が無駄にならないように、有効に利用できるかという観点から十分検討し、福井市と協議をしていきたいと思う。現在の場所がいいという西本恵一委員の意見は承っておく。 164 ◯西本(恵)委員  いつまでに決定される予定であるか。 165 ◯総合政策部長  今の場所を借り受けて使う予定は、1月半ばぐらいまでということである。工事のこともあるので、なるべく早く決めていきたいと思う。 166 ◯西本(恵)委員  続いて、福井駅の東駐車場について、新幹線の埋蔵文化財の調査のために使えなくなるということであるが、いつから使えなくなるのか伺う。 167 ◯新幹線政策監  福井駅の東口のJRの駐車場については、来年度当初から埋蔵文化財の発掘調査に着手する予定であるが、それに向け、矢板設置や表土剥ぎなどの準備工事に約3カ月程度かかると言われており、現在の予定では、年末年始の休み明けから東口駐車場が利用できなくなると聞いている。 168 ◯西本(恵)委員  福井駅東口というのは、特に土曜日、日曜日、祝日には、アオッサ地下駐車場や隣接する民間の駐車場も含めて満車状態となっている。この東口駐車場の130台分がなくなるということは本当に困るわけであるが、平日、土日祝日に分けて1日どれくらいの駐車台数があるか。また、無料である20分以内に入って出ていく台数も、もしわかるようであれば教えていただきたいと思う。 169 ◯新幹線政策監  東口の駐車場は約160台ある。ことし6月から8月までの3カ月間の平均で見ると、1日当たり1,460台ほどとめられており、要は9回転ほどしているということである。その利用の内訳であるが、20分以内は無料であるが、そういった利用が3分の2を占めており、3分の1は有料で利用されているというふうに聞いている。 170 ◯西本(恵)委員  JRが今、代替駐車場を探しているということであるが、県としては西口地下駐車場の利用も促していきたいと考えているということが、全員協議会の説明にあった。  この西口地下駐車場であるが、30分間駐車無料サービスが廃止された。廃止が決まる前、中心市街地への来街者の減少が懸念され、県都まちづくりの機運にも大きな影響を与えるのではないかと指摘をされていた。  そこで、30分間駐車無料廃止前と廃止後の西口地下駐車場の駐車台数や売り上げの推移について伺うとともに、駅前商店街への来街者への影響について所見を伺う。 171 ◯土木部長  福井駅西口地下駐車場においては、平成26年4月に営業時間の拡大やJR特急利用に伴う駐車料金の割引とあわせて、入庫から30分間の駐車料金を無料から100円に改定したところである。利用台数については、料金改定前の平成25年度は、年間約24万台、1日当たりに直すと657台であって、改定後の平成26年度は約20万4,000台、1日当たりに直すと559台ということで、前の年と比較して約15%の減となっている。  料金収入については、改定前の平成25年度は約8,500万円であり、改定後の平成26年度は約9,000万円と前年度と比較して6%の増となっている。なお、北陸新幹線金沢開業後の平成27年度、今年度であるが、8月末現在で、前年同期と比較して、利用台数として約2%の増、料金収入で約9%の増となっている。  また、福井駅前の来街者数については、まちづくり福井株式会社が実施している、福井駅西口の歩行者通行量調査によると、調査開始の平成12年以降、福井駅周辺の工事等により減少傾向が続いているが、平成26年7月の通行量の減少幅は前年に対して8%ということであり、駐車場無料化廃止前の平成25年7月の減少幅15%と比べて大きくはなっていない状況である。 172 ◯西本(恵)委員  30分未満の利用台数は、その廃止前は年間7万台ということである。私は、さっと来てさっと帰るという方々がやはりたくさんいたと思うので、商店街への影響はあるのではないかと思う。今ほども新幹線政策監の話もあったが、東口駐車場においても、利用者の3分の2が20分間で出てくるということであるので、これがなくなるということは本当につらいのである。少し寄ってさっと帰るということで、できれば近隣で代替駐車場を探しているのだと思うが、私も東口の辺りに住んでいるが、この近隣ではまず難しいだろうと思う。そういった意味で言うと、もう一度、西口地下駐車場について、30分間無料というふうにしてはいかがかと思うが、所見を伺う。 173 ◯土木部長  福井駅西口地下駐車場の料金改定については、平成25年12月議会において条例改正をし、平成26年4月から行ったものである。その改正の趣旨であるが、JR福井駅利用者に対する利便性の向上を図るため、具体的に述べると、JRの特急列車の始発や最終電車の乗降に間に合うように、それまでの営業時間を午前7時から午後11時までとしていたものを、午前5時から翌日の午前0時30分までに拡大したことによって、人件費や電気代といったコストがふえることから、最初の30分間の駐車を無料から有料化したものである。ことし3月に北陸新幹線が金沢まで開業して、平成27年4月以降の当駐車場の利用者は増加傾向にあって、料金についても、改定後まだ1年半しか経過していないというところもあるので、今後の利用状況や収支の状況を見ていく必要があると考えている。 174 ◯西本(恵)委員  しゃくし定規に答えるのではなく、東口駐車場がなくなるわけであるから、状況を考えてほしいのである。高架ができ、その下が使えるようになるときまでの期間は随分長期間に及ぶわけである。入って20分以内で出ていく人は、3分の2というと、1日1,000台である。中心市街地へどんどん人を寄せていくということをいろいろ考えたときに、やはりそのような方々の足を考えなければならないと思う。ぜひ知事の所見を伺う。 175 ◯知  事  いろいろ検討してみるが、結果はどうかわからない。 176 ◯西本(恵)委員  本当にぶっきらぼうな返事であった。県民のための施策であるから、条例を制定して1年半だというような形で切り捨ててしまわずに、ぜひ県民の足のことを考えてお願いしたいと思う。  続いて、大名町交差点の短絡線について、時間短縮といったメリットがあるようであるが、整備について現状を伺う。 177 ◯総合政策部長  短絡線については、現在、福井鉄道において、軌道や道路の現況調査を行っている。それに基づいて、具体的な工法や工程を検討する予定である。  整備に当たっては、複線から単線に入るという非常に例の少ないものであるし、大名町交差点は非常に交通量の多い場所であるということで、車や歩行者の方の安全確保をどうするかという課題もあるし、また、交差点の下には下水道管など地下の埋設物がいろいろあるため、その移設についても検討する必要があるということで、その辺を十分に検討していきたいと考えている。 178 ◯西本(恵)委員  続いて、ICカードシステムの導入について伺う。  県内の公共交通機関を利用する乗客の利便性のため、県が考えていると思うが、SuicaのようなICカードシステムの早期導入が必要であると考える。  また、その導入に当たっては、複数の公共交通機関で同じものが利用できることが望ましいと思う。現在、福井市ではまちづくり株式会社がスマイルバスで利用できる、ICOUSAカードを発行しているが、県内の公共交通機関におけるICカードシステムの導入の見通しについて伺うともに、県内公共交通機関において共通利用できるよう、ICカードを統一すべきと考えるが、知事の所見を伺う。 179 ◯総合政策部長  交通系のICカードの導入であるが、本県では、今月の18日から西日本JRバスの小浜駅から近江今津駅まで、全国で利用可能なICカードが使えるようになったということである。国のほうでは、東京オリンピックまでに、全ての都道府県で利用できるような交通系ICカードを導入するという目標も持っているようである。ICカード導入ということになると、初期投資や維持費など、財政的費用的な面が非常に大きな課題になるため、これについては事業者を含め、関係者と協議しながら検討していきたいと考えている。 180 ◯西本(恵)委員  時間がないので、聞きたい点のみを抜粋して伺うが、えちぜん鉄道と福井鉄道福武線相互乗り入れについて伺う。  実は、平成25年2月に開催された第6回の検討会議のときの資料が、私が見た最新のものである。これである(資料提示)。これ以降の資料を見ていないが、黄色い線が相互乗り入れであるが、時間帯によって異なる。これによれば、15時から19時の間は、相互乗り入れ便が福井駅前に入ることになっている。また、この時間帯のみ越前武生駅に相互乗り入れを行うとなっている。恐らくここから大分変更があるかと思うが、変更点について伺う。 181 ◯総合政策部長  今、示していただいたように、当初は、9時から15時の間は、鷲塚針原駅から浅水駅までの相互乗り入れということであったが、現在は、その時間帯も含めて越前武生駅まで運行できないか、相互乗り入れができないかということで、そのような形でのダイヤを今、事業者のほうで調整をしているという状況である。 182 ◯西本(恵)委員  これは15時から19時まで、福井駅前まで乗り入れるというふうな図になっている。ただ、聞くところによると、福井駅前までの相互乗り入れについては、福井駅までは入れないということであるが、現状の検討の内容について伺う。 183 ◯総合政策部長  駅までの乗り入れも含めて検討しているところである。 184 ◯西本(恵)委員  この相互乗り入れの一番の課題というのは定時制の確保である。この定時制の確保について、例えば、軌道区間の右折車の対応や、電停の改良、それから、PTPSつまり電車優先信号の設置を行うということである。私が工事の状況を見ていると、もう全部終わったのかなという思いもあるが、この整備の進捗と、さらに、この対策によって確実に定時制の確保が得られるのかどうか、所見を伺う。 185 ◯総合政策部長  定時制の確保に関して申し上げる。これを確保するために、昨年度、フェニックス通りにおいて、今言われたPTPSを6カ所、それから、右折車両分離方式の信号を3カ所設けて、既に運用を開始している。あと、乗り降りをスムーズにするために、平成25年度からホームの拡幅も始めており、今年度は木田四ツ辻駅の改良を予定している。今現在であるが、軌道区間内における遅延が平均2.4分あったものが1.2分に短縮されているということで、一定の効果を上げつつあるということで、さらにそれを進めていくことになると思う。                               ~以  上~ 186 ◯松井副委員長  以上で、西本恵一委員の質疑を終了した。  宮本委員。         「ふくい創生・人口減少対策戦略について」  宮本  俊 委員 187 ◯宮本委員  自民党県政会の宮本である。予算決算特別委員会ということで、質問というよりも提言の部分も多いわけであるが、にこやかに答弁いただいて、積極的な関与をお願いしたいと思う。  まず、最初に、ふくい創生・人口減少対策戦略について伺う。  まず、この戦略の構成というか、考え方をちょっと整理したいと思うが、この戦略の名称からいって、ふくい創生・人口減少対策の戦略であるということだと思うが、ふくい創生というのは経済の活性化であるということである。それから、人口減少対策というのは、自然減と社会減の歯どめを目指すということである。これは国の制度設計も同じであって、国では経済的なものとしてはGDPの1.5%から2%の維持、それから、人口としては1億人の維持というようなところだと思う。これにこの戦略の構成しているものを当てはめると、先ほど言ったふくい創生の部分、経済の活性化ということでは、ポイントとなるところは、大きな目標としての県民所得を平成31年度に1人当たり340万円ということである。これは経済新戦略からも引用されているようであるが、ちなみに平成24年が280万円であった。  もう一つの柱となるところが人口減少対策ということで、自然増減については、合計特殊出生率を全国トップレベルに、トップレベルとは何ぞやということなのであるが、全国10位以内ぐらいということで、これを維持していくとしている。平成26年で1.55だったが、ここから少しレベルダウンしてしまって、全国14位であったということである。  それから、人口減少については、二つの構成要素があって、もう一つは社会増減であるということで、平成31年にU・Iターン人口を550人としている。  今回、事前に経済新戦略があったからだと思うが、この戦略で余り注目を浴びていない、ふくい創生の部分にスポットを当ててみたいと思う。  平成24年に県民所得が280万円であったのを、340万円にするということである。これは電卓ではできないのであるが、複利計算で考えると、年率で3.96%の5年間の安定成長ということである。平成24年の数字であるから、7年間としても2.81%ということになる。これを5年間きちんと安定して、継続して、達成できる数字であるということなのであるが、これの背景となる経済成長率であるが、日本経済研究センター、これはJCERといって、日経のグループ会社であり、私もよくフォローしているのであるが、2016年から20年の成長予想で実質0.9%、それから、消費者物価指数で1.0%、合計して、5年間で名目として1.9%の成長率とのことである。三菱総研であるが、ここが同じく名目成長率で1.9%ということである。大体コンセンサスが実質成長率1%、インフレ率1%で、名目成長率2%かなと思う。先ほどの5年間の複利で見て3.96%とか、2.8%という県民所得の目標の伸び率と比べると、経済成長のコンセンサスが大分低いのであるが、このような経済成長の中で、非常に高い県民所得の伸びを計画しているということであるが、この実現可能性について、当時どのように思われたのかということをまず伺いたい。 188 ◯産業労働部長  まず見直し後の経済新戦略の考え方を少し説明させていただく。  経済新戦略、平成32年までであるが、本県において、国が成長戦略に掲げる2%の成長目標を実現し、県内の全体の総生産を3兆9,600億円に、そして総生産の中の所得のところであるが、県民所得を2兆6,200億円に拡大するということを目指している。これを平成32年の推計人口76万人で割って、1人当たりの県民所得を340万円にすることと算出している。  この経済成長を実現するために、経済新戦略において、主要12のプロジェクトをつくっているが、企業誘致であるとか、新規創業などを通じて、平成32年には政策効果として3,400億円分の県内総生産を創出することを目指している。  国においては、先日、実質2%、名目3%ほどの計算だと思うが、この経済成長によって、国内総生産を600兆円に増加させるという目標が新たに示されたところである。国の経済対策と一体となって県の政策を進めることによって、この目標を実現できるように努力していく。 189 ◯宮本委員  わかった。できるといいなという感じなのであるが、我々としても頑張っていかなければならない話である。ここはちょっと通告にもあげていないので、議論してもらえたらというか、考えてもらえたらと思うが、経済新戦略の中であげているアクションプランがあり、それから、ふくい創生の中でもアクションプランをあげている。同じ目標に対して2系列のアクションプランが並んでいるということなのだが、これについて私はちょっと違和感があるので、検討いただけたらと思う。それで、今回はふくい創生・人口減少対策戦略についての議論なので、そちらのほうのアクションプラン、KPIが並んでいるところについて述べると、幾つか見ると、宇宙分野に参入する県内企業などの数、50社、団体とか、炭素繊維を活用した橋梁補強技術開発事業参加企業数25社とか、これらの部分でいうと、非常に最新性はあるが、マーケットが小さいと思う。  それから、もう一つの傾向というのが、園芸カレッジ受講者数150人とか、観光講座受講者数150人とか、いわゆる知事も意識されているアウトカム指標ではなくて、風が吹けばおけ屋がもうかるというか、多分、受講する人がふえれば園芸に従事する人がふえて、その人たちが頑張ってくれて、幾らかわからないが、園芸収入もふえるだろうという話だと思う。このような二つの傾向の中で、県民所得340万円という目標が達成できるのか。いわゆる大きなマーケットにどうやって参入していくかということも含めて考えていくべきと思うのであるが、それについて所見を伺いたい。 190 ◯ふるさと県民局長  まず、戦略の構成のことを質問いただいたので、宮本委員が言われるのは、基本戦略の4のローカル産業、グローバル観光革命のところだと思う。この冒頭に書かせていただいているが、この戦略は、福井経済新戦略、ふくいの農業基本計画、福井県観光新戦略に基づいて進めていくということで、数値目標として今、産業労働部長から説明があった経済新戦略の目標を採用している。  戦略に掲載している施策に関しては、今、申し上げた各計画の中から、国の交付金の対象となるような先駆性の高い事業、例えば、オープンイノベーションの推進機構による技術開発と事業化の促進、それから、収益性の高い園芸の導入、それから、観光アカデミーの開設などを選んで記載していて、県民所得全体について申し上げると、これらの施策だけではなくて、三つの計画や戦略に掲げる施策を着実に進めることによって、全体として目標達成を目指していきたい。 191 ◯宮本委員  わかった。それぞれの中で、それぞれの責任分野をどうとるのかという話もあると思うが、その分野で進めていただきたい。これは5年間の計画であるので、我々としてもその動向を見ていかなければならないと思っている。  先ほど述べたように、ちょっと先端であるが、小さい市場であるとか、アウトカム指標ではないという話の中で、私は、この中で、県内全域に大きなインパクトがあると思っているのが、廃炉ビジネスである。
     現段階で、発注前の環境整備ということでの目標になると思うが、廃炉工事発注計画の策定3社、これは電力会社が策定すると思うが、それから、廃炉業務の評価を依頼する県内企業数15社ということをKPIとしてあげている。まず、福井県における廃炉ビジネスの市場規模について、先行する東海原発やふげんの話もあるが、どれくらいと見ているのか、教えてもらいたい。 192 ◯安全環境部長  原子力発電所の廃炉の事業費であるが、これは国の公表した資料によるが、いわゆる50万キロワット級の小型炉で360から490億円、それから、80万キロワット級の中型炉になると440から620億円。それから、110万キロワット級の大型炉であると570から770億円ということで、ある程度、幅があって示されている。こうした中で、本県において、本年3月に廃炉とすることが決定された美浜1・2号機、敦賀1号機、これらはいわゆる小型炉の範疇になろうかと思うが、現在、事業者が、廃止措置計画の策定を進めており、正式にはその中で具体的な事業費が今後示される。現時点ではまだ正確にはわからないのであるが、大体、小型炉の範囲で1基当たり、そういう想定をしてもらえればいいと思う。  また、これは直接の事業費であるが、例えば、県内企業で、さまざまな技術開発をした製品が今後本格化する国内外の廃炉に活用されることになれば、また新たな生産額もふえることになろうかと思う。  そして、指摘のあった、先行する東海なり、ふげんの例であるが、これは、軽水炉と違って、例えば、東海であるとガス炉ということになっている。廃炉事業費は約885億円と公表されている。それから、敦賀市の原子力機構のふげんであるが、これも新型転換炉という、特殊な炉であって、約747億円ということで、軽水炉よりかなり大きいが廃炉の事業費ではそういう数字が公表されている。 193 ◯宮本委員  廃炉ビジネスというのは、これは一気に出てくる話ではなく、期間が長くなるので、年当たりにするとそれほど大きくないということではあるのかもしれないが、ざっくりいっても、1基当たり四、五百億円ぐらいから、3基分で1,500億円、プラスアルファということになると、福井県にとってはかなり大きなマーケットであるなという認識を持つので、ぜひともこれがしっかりと県内企業におりるような形を尽力いただきたいと思っている。これは先ほど340万円の数字を伺ったときに、個別のいわゆるアクションプランというか、KPIであげたものの積み上げではないとのことなので、聞いてもわかるのかなと思うが、県民所得が340万円を目指して達成できたとすると、今の廃炉ビジネスから、どれくらい所得に反映されるのか。要するに、廃炉ビジネスがうまくいくと、県民の年間所得がどれくらいふえるのかという感覚について、もしあれば伺いたい。 194 ◯総合政策部長  今、言われたように、先ほどの所得の目標というのはマクロ目標であるので、個別の事業を積み上げられるものではないというのは承知のことと思うが、廃炉ビジネスは、将来、福井県の経済にとって重要な産業になるとは思うが、少なくともこの目標の期間、5年後の時点では県内経済の中で一定のウエートを占める段階にはまだないと思っている。むしろ、県民所得という観点からはこれまで福井県の経済を支えてきた発電事業をしっかり考えることが重要であるというふうに思う。 195 ◯宮本委員  わかった。残念ながら340万円の目標を達成できたとしても、廃炉ビジネスの話は入ってこないという話である。早期にこういったものが出るような働きかけも大切だと思うので、そこは要望しておきたい。  それで、もう一つの柱ということで、今回、議会のそれぞれの局面、特別委員会の中で話が出ている合計特殊出生率について、先ほど言ったように、この戦略の中では、全国トップレベル、全国10位以内という設定の中で、県としては、実数として人口何人という数字を出していない。これは個人の話であるとか、日本全体の影響を受けるということが大きいということで、消極的な意見をいただいている。ただ、この戦略の中で、先ほど言ったように、片や、ふくい創生の部分については、国がこう見ているので、それが達成されると340万円であるというような形で出しているということである。それならば人口の計画も国の計画がこうであるから、それに準拠してこれだけの数字であるといって出してもいいのではないかなと思う。同じ計画の中での整合性の問題として、片や、難しいが、実数としてこれを目指していく。でも、片や、数字は出さずに、日本全国のことが影響されるからということで、不整合を起こしているなというイメージも持つ。それは寄せ集めだからと言われればそうなのかもしれないが、ただ、人口においても、しっかりとした実数の明示というのは、あったほうがいいのではないかと思うのである。  今回の議会を通して、その実数的な人口の目標というか、ビジョンの提示をなぜこれだけこだわっていたかということであるが、皆さんも実感されているように、今回、県民運動化をしっかりしていかなければならないという話である。そのときに、33並んでいるKPIがどうかなんていうのは県民の一人一人の方はよくわからないのである。かつ17できて13できなかったらそれは丸なのかバツなのかよくわからない。そういったところから考えると、人口について目指しているところはここであり、今、ここでうまくいっているとか、いっていないとか、ここに到達するために皆さんも危機感を持って頑張っていただきたいという話ができると思う。  それと、もう一つは、今80万人の人口が2040年に、例えば、目標を70万人とすると、10万人減るのか、減るところが目標かというような違和感が県民の中に出てくると思う。それによって、危機感が増長されるといった思いもある。このような意味でも、マイナス目標というのも変であるが、ある程度の数字を出して、これに向かって皆さんも危機感を持っていただいて、県としても一生懸命頑張ってみる。それぞれの毎年の結果はこうであるというものを出すべきではないかと思うが、知事の所見を伺う。 196 ◯ふるさと県民局長  今の質問であるが、まず、入り口として、経済の目標と人口の目標というように同じ目標という言葉を使っているところで若干混乱が始まるわけであるが、経済の目標と人口の目標というのは、性質がもともと異なっていると思っている。人口は、具体的に数えることができるような現実の存在であって、経済の規模というのは、付加価値とか、生産効率とか、投入とか、産出とかいうようなもので計算に基づいて求めることしかできないものなのだと思う。このため、経済の目標については、設備投資の促進とか、消費の喚起というような政策によって、ある程度誘導することも可能であるし、そういう目標を設定して、政策効果自体を引き上げていくというような側面があるというものなのだろうと思う。  一方、人口については、結婚であるとか、出産というような県民の一人一人の希望という現実に即した取り扱いが不可欠であって、政府においてもこういうことが理解されているのだろうと思うが、経済の目標は2%の成長というようなことを設定しているのに対して、人口については、目標というようなことは言わずに、2040年に出生率が2.07にまで上がれば、2060年に1億人程度が確保されるというような配慮した述べ方になっていると。  県としても、2040年の人口見通しとして、社会保障・人口問題研究所の推計に63万人というものがあるので、そこにできるだけ上乗せしていくように努力をしていきたいと思っている。 197 ◯宮本委員  わかった。細かい話になるが、国でもサブ目標で1億人と出しているのであれば、本県もサブ目標で70万人と出したらいいじゃないかと思うが、今後検討いただきたいということと、それから、県民運動化という意味での話で、シンボライズした目標となるものはどうか。知事は、県民運動として、こういった数字を挙げることの効果についてはやはり否定的であるのか、考えを伺いたい。 198 ◯知  事  いろいろ考えてみるが、なかなかこれもうまくいくのかどうか。 199 ◯宮本委員  わかった。やはり人口の問題は大切であるので、実数としてのフォローはしっかりしていかなければならないとは思っている。         「北陸新幹線南越駅(仮称)アクセス道路ついて」 200 ◯宮本委員  続いて、これは一般質問の確認ということもあって、北陸新幹線南越駅のアクセス道路について伺う。まず、一般質問のときに、周辺整備に対する知事への姿勢を伺って、丹南エリアは1,500年の歴史がある和紙、または、歴史、文化の素材が多く集まっている場所であり、そういった効果が県全体に波及されるよう、県として支援していくと、非常にありがたい力強い答弁をいただいた。  具体的な話として、そのときに東西の道路については積極的であるが、南北のアクセス道路についてはどうなのかという話をしたときに、知事の見解を伺っていなかった。知事はこの南北のアクセス道路についてはどのように思っているのか。まちづくりは支援するけれど、道づくりは知らないということでもないだろうと思うのであるが、どう思っているのか伺いたい。 201 ◯土木部長  北陸新幹線南越駅のアクセス道路についてであるが、南越駅と主要幹線道路である国道8号を結ぶ東西の道路については、県としても駅へのアクセス機能を果たす道路として重要であると考えている。  一方、お示しいただいた南越駅と県道武生インター線を結ぶ南北の道路については、主に今立、池田方面から南越駅への最短ルートとなるものの、将来の交通需要や、武生インター付近で交差点ができるので、交差点の形状の検討であるとか、それから、北陸自動車道から南越駅への利用形態の検討が必要であると考えている。 202 ◯宮本委員  一般質問の答弁で、確かに利用形態、将来の交通事情、インター付近の交差点形状というような話を伺った。これは調整が必要であるとのことであるが、何を調整するのかよくわからない。利用形態というのは、車で通行するという話だと思うし、交通需要は確かに重要であるが、これは別に調整するものでなくて、予測してどうかと見るものだと思うし、交差点形状というのは、今の新幹線の高架化もそうであるが、やると決めてから、さあ、どうしようと決めるものだと思うが、具体的に、三つのことを検討する、調整するというのは、どういったことを進めていくのか教えてもらいたい。 203 ◯土木部長  南北のアクセス道路については、先ほども答弁したように、今立、池田方面から南越駅へアクセスする経路の一つとして考えられる。その整備に当たっては、南越駅やその周辺施設の利用の見込み、それから、将来の交通需要を勘案して、南北のアクセス道路のルートであるとか、道路の幅員などについての検討が必要である。また、この南北のアクセス道路を、例えば武生インターと直接つなぐというような観点から、県道武生インター線に一旦出るということをなくして、武生インターと直接接続する場合には、北陸自動車道から南越駅へどのくらい利用するのかという見込みであるとか、それから、高速道路を利用している方が、現在は県道武生インター線から一回右折か左折して、インターへ入っていくわけであるが、この南北アクセス道路を経由すると2回交差点を曲がって入るということで、少し利便性が悪くなるのではないかという懸念もあるので、そういった利便性をどのように確保していくかということで、道路と道路の接続の形状であるとか、それから、県道武生インター線と最後、交差させるとぶつかってしまうということで、交差点をつくるということになるが、その交差点をどのような位置に設けるかといった検討も必要である。  これらの検討について、今、越前市と検討を進めており、その後の道路の整備についても越前市と県の役割分担について調整を行っていく。 204 ◯宮本委員  今、伺うと、要するに地元需要という意味での南北のアクセスラインという見方をされているのかなと思うが、一般質問のときにも述べたように、大きな目標というか、もくろみというか、駅の近くの道の駅というのは非常に集客能力がある。そのような中で、インターからおりた人にぜひとも南越駅の駅前広場に来ていただきたいという発想がある。そのために、一旦国道へ出て、それから南下して、またそのアクセス道路で駅へ入ってくるというのは違和感があるということが発端にあって、もちろん地元需要がどうかということも大切であるが、やはりまちおこし的な発想からいって、南越駅の駅前がどれほどにぎわうのか、インターでおりた人はどの程度来るかということについては、しっかりと判断して、やってもらいたいというのが本当の思いである。  それから、やはり越前市の個別の問題になるが、いろいろな自治体がそれぞれの財政需要を抱えている。特に越前市の場合は、体育館や庁舎をつくらなければならない。また、新駅が出てくるというような中で、財政が非常に逼迫しているような状況もあるので、そういったことも含めて、積極的な支援をお願いしたいというのが地元の思いであるので、どうかひとつよろしくお願いする。         「愛着県民について」 205 ◯宮本委員  それでは、次に、もう時間もないので、ポイントだけ伺いたい。ふくい創生・人口減少対策戦略の中でも挙げられている「愛着県民」という言葉であるが、この動きに対して、知事も話していたが、観光で来るような方も考えれば、もっとたくさんいるということである。実際、県外からの入込数というのは年間470万人ぐらいあるということであるので、まず、要望として、ぜひともこの方たちをターゲットにしてもらいたい。  こういった方々には、しっかりとした個人情報を得てもらいたい。楽天という会社があるが、あの会社の強みは、顧客をたくさん持っているというのももちろんあるが、顧客情報をしっかり集めて、買い物の履歴であるとか、または、アンケートなどで、顧客情報を集めて、かゆいところに手が届くいろんな情報提供がなされるわけである。そうすると、自分が好きなことを相手に知られている、逆に言うと、楽天は知っていて、ふと思うと、自分の興味があるところのPRというか、セールスのメールが入っているというようなことをできると思っている。そういった顧客情報をきちんと集めれば、利用方法というのは幾らでもある。県外のお客様に対しても、旅行好きの方には、秋のいい季節に福井の観光の情報とお土産物屋で使えるクーポンブックをお渡しするとか、食に興味がある人には、食材情報とともに、福井県内で使える商品券を送付するとか、音楽好きな人には、ハーモニーホールのチケットを割引券とともに送ることで、福井に来てもらう個別の営業活動ができると思う。要は、福井県は自分のことをしっかり考えてくれているなという雰囲気を醸し出し、福井県との距離が近いことを演出することが大事である。こういった顧客情報をもとにしたPR活動というものをしっかりすべきだと思っているのであるが、所見を伺って終わりとする。 206 ◯松井副委員長  答弁は簡潔にお願いする。時間が超過している。 207 ◯観光営業部長  楽天に限らず、インターネットのビジネスはそういう強みがあるということは承知している。愛着県民に対して、移住・定住に関する情報に加えて、季節ごとの特産品のお知らせとか、そういうものを通して常時その方とコミュニケーションがとれるということが大事だと思っている。当然、それぞれの方のニーズや志向などに配慮した情報もお伝えしていきたい。  また、一方でアンケートなども行った上で、田舎志向とか、U・Iターンの希望など、大きな傾向もつかんで、愛着県民の内容を拡大、具体化していく政策づくりにも生かしていきたい。 208 ◯松井副委員長  以上で、宮本委員の質疑を終了した。  ここで休憩する。午後3時10分に再開する。                               ~休  憩~ 209 ◯田中(敏)委員長  休憩前に引き続き、委員会を開く。  質疑を続行する。  山本正雄委員。  なお、山本正雄委員より、資料の使用とあわせ配付したい旨の申し出があり、これを許可したので了承願う。         「教育大綱のあり方について」        山本 正雄 委員 210 ◯山本(正)委員  民主・みらいの山本正雄である。地方から政治を変える、地方再生、県民生活を守る、そういう立場から質問をさせていただく。  質問の第1は、教育行政、教育大綱のあり方について伺う。  今回、提案された教育大綱の理念には、これまでの18年教育やていねいな教育について触れてはいるが、総括的に見ると、方針1には、夢や希望を実現する突破力の教育、方針2は、グローバル社会で話せる外国語教育、方針3は、ふくい創生教育、方針4は社会参加教育がうたわれ、あとはそれを支える学校づくりや、あるいは、その体制づくりである。  他府県の例を見ると、皆さんに配付した資料であるが(資料提示)、これは神奈川県の例であるが、大体、1番には命を大切にする心を育む教育、生きる力を育み、学び、高め合う学校教育の推進、そして、そのあとが環境づくりとなっている県がほとんどである。つくられている県は、私がインターネットで調べた上では三、四県しかないが、大体そのような感じである。  総務教育常任委員会においても、方針の第1に、教育を高める人格の形成、あるいは、知徳体の徳育が不可欠であるとのいろんな意見もあった。私も共感するところがあった。私も一般質問において、また常任委員会でも指摘したが、方針1の突破力は、生徒が難関大学を突破するために県が志望大学別支援や、あるいは新学科の新設、さらには土曜特別講座や退職教職員を動員しての進学指導と読み取れるわけであるが、本当に第1の方針がそれでいいのかということである。福井県の教育大綱において、方針1には、小中学校の共通の方針がなくて、これまでは、誰にでも行き届いた教育、学力・体力日本一の方向性をやってきたが、これとはそぐわない気がする。  方針の順番も教育の目的に当たる方針3や4が先にきていて、その手段たる進学突破力や外国語教育が後のほうにきたほうがまだ理屈に合う気もする。教育の目標たる人格形成や徳育を方針に盛り込むこととあわせて、順番もきちんと修正すべきだと思う。神奈川県の例のように、大綱を一度つくったものをこうして赤線で修正し、いろんな意見も入れている。このように対応すべきと思うが、知事の見解を伺う。 211 ◯知  事  教育大綱の基本理念においては、これまでのていねいな教育、きたえる教育を基本に、それぞれの得意分野を伸ばし、夢や希望に向かって挑戦をするという、そして、ふるさとへの誇りと愛着を持ちながら、グローバルに活躍することができる教育を推進することにしている。  この基本理念を実現するために、10の項目の方針を定め、いずれも重要であるので、教育基本法や現教育振興基本計画に合わせ、知徳体の順に整理をしているものである。  学力の点では、進学、進路指導体制の強化や、習熟度別学習の促進、小中学校を通し、一人一人の目標を実現する突破力を身につける教育を推進することとしている。  次に、人格形成や徳育においては、本県の歴史や先人の生き方から学ぶ道徳教育、地域の伝統行事や自然を体験するふるさと教育、みずからの将来を考えるライフプラン学習などを充実することとしている。さらに、福井しあわせ元気国体に向けた競技力向上を進めるとともに、国体をきっかけにスポーツ振興による県民の健康、体力づくりも重視していきたいと考える。 212 ◯山本(正)委員  文部科学省から出ている大綱の策定というのがあるが、その中にも、大綱の定義というところがあって、「教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策について、その目標や施策の根本となる方針を定める」となっている。したがって、手段的な英語教育や受験といったことを決めるものではない。これは具体的に教育振興計画等の中で触れるべきだと思っている。  また、最近、地方創生などと言われるが、大分県の教育大綱等を見ても、あくまでもそれぞれの県の学生、若者が県外に流出するのをやめる。東京一極集中をやめるための教育施策、大綱になっているので、ぜひともこの意見を取り入れていただいて、修正するなり、あるいはまた、今後、方針を定めるときに、いろんな方の意見も聞きながら、参考に進めてもらいたいと思うが、見解があったら伺う。 213 ◯教育長  教育大綱については、今、12県で策定されているが、そのうち、委員が言われたが、8県は知徳体の順番になっている。また、我々がやっている基本計画自体もそのようなことで、どれがということでなく、知徳体それぞれのバランスをよくするということで、この10項目の方針というのは、バランスよく仕事をすることで、きちんと全体によくするということである。それは基本理念のところで述べているように、一人一人の力を伸ばす、ていねいな教育、それから、きたえる教育をきちんとやっていこうというのが基本にあって、それを進める上でこの5年間はこういうことを中心にやろうということで、大学入試ばかりを考えているわけではない。  方針1は学力について書いているが、これについても小中高、それぞれに今まで平均力が非常に高い中で、個人がいろんな力を伸ばせるように一人一人に向かって次のステップに向けて突破力をつけていこうという方針を書いている。これがいい、これが悪いということでなくて、今、述べられたように、ふるさと教育や、福井に帰ってくる愛着というものも重要なので、それは方針3や4、それから、生涯学習のほうでも記載するなど、今後教育振興基本計画をつくる中でもそのようなことを配慮しながら進めていきたい。 214 ◯山本(正)委員  先ほど申し上げたが、やはり教育の根本精神を先に書いて、その後で手段たるものを書くべきである。これは先ほど、教育長が答えたようにほかの県も8県あるのであるから、そういう方向で検討していただきたい。  それから、今、福井県の人口減少対策で一番問題になっているのは、東京一極集中で若者が出て行ってしまい、帰ってこないことである。そのため、難関教育の突破力だけでいってしまうと、逆行するのではないかという心配があるから申し上げている。地方創生の方向とも関連して、十分考え直してもらいたいということを申し上げて、次に進みたい。  次に、教育に関連して、青少年に夢のある宇宙開発事業について伺う。  6月補正予算で979万円計上した事業がいよいよ動き始めた。知事は、提案理由の中で「県内外の企業の技術を結集し、超小型人工衛星の打ち上げについて、県内のものづくり企業の参加を促すために、ふくい宇宙産業創出研究会を立ち上げる」と述べている。それを9月24日に立ち上げて、繊維や眼鏡など、県内企業21社や大学、銀行、行政関係者が参加して開催されたとのことである。  勝木一雄ディレクターからは、県独自の技術力を生かしながら、宇宙産業の製品や材料について調査研究を進めていくとのあいさつがあり、講演した宇宙航空研究開発機構の山田雄二さんは、県民衛星プロジェクトについて目標を明確にして、共有することが大事だと指摘をされている。ものづくりの得意な本県にとって、有益であると同時に、福井県の青少年の夢実現にとっても、大変いいものと考えている。  9月24日に立ち上げた研究会の役割を伺うとともに、講師からの指摘、県民衛星プロジェクトの目標の明確化についての見解と、今後の見通しを伺う。  また、あわせて、福井から宇宙産業という夢を子供たちに持ってもらうためにも、県民衛星プロジェクトに対して、子供たちの関心を高めることが大事だと思う。パンフレットの配布、インターネットによるPR、イベントの開催など、関心を持たせる対応策が必要だと思うが、この二つをあわせて伺う。 215 ◯産業労働部長  ふくい宇宙産業創出研究会であるが、県内21企業と大学、金融機関、産業支援機関など57名が参加のもと、今月24日に設立した。この研究会では、宇宙関連産業における製品、部材ニーズや有望視される技術開発分野などの情報の共有化を図ることによって、会員企業が有する強みを最大限活用した県民衛星の製造を進める役割を担っている。  県民衛星プロジェクトであるが、県内ものづくり企業やシステムの開発企業の力を結集し、人工衛星を打ち上げることを通して、各企業の宇宙関連機器の開発、改良に必要なノウハウの蓄積、衛星データを利用した新たなサービスの創出などを目標としている。  今後であるが、年内を目途に衛星の組み立てや打ち上げ実績のある県外企業や関係機関の参加を得たいと思っている。これらを通じて県民衛星プロジェクトを進めていきたい。  あわせて、子供たちへの教育などの観点からの対応である。  県においては、県内の子供たちにとって夢のあるプロジェクトとなるよう、その活動内容などを宇宙科学への関心を持たせるサイエンス教育の題材にするなど、PRに努めたいと考えている。  具体的には、今後のプロジェクトの進捗に合わせて、その内容をわかりやすく伝える資料や、打ち上げた後であるが、衛星が県内各地を撮影した映像資料を作成し、社会や理科の授業の教材として利用すること、また、学校において、衛星関連企業によるものづくり講座を開催するほか、県児童科学館などの教育関連施設の展示やイベントなどにおいても、将来、活用していけるように検討していきたい。 216 ◯山本(正)委員  大変前向きな回答であって、よかったと思う。ぜひ、青少年の夢を育てるようなきめ細かい展開をお願いしたい。         「県都問題 福井駅西口再開発」
    217 ◯山本(正)委員  質問の第2は、県都問題、福井駅西口再開発についてである。  全体像が日々はっきりしてきた。福井駅西口整備には、県として屋根付き広場を初めとして、相当額支援もしているが、今後の西口広場や再開発ビル、屋根付き広場などの県としての活用策について伺いたい。 218 ◯総合政策部長  福井駅の西口というのは、県都の玄関口であるし、広域交通の結節点、にぎわいづくりの拠点ということで、福井市の整備に対して応援をしてきた。また、恐竜モニュメントの設置、それから、駅舎に恐竜壁画を描いて、明日からライトアップをするということで、誘客につながるような駅周辺のにぎわいづくりも応援している。  完成後であるが、例えば、ドームシアターで恐竜等の映像を流すとか、市町と連携して屋根付き広場でイベントを行うとか、そのような形でイベント、祭り等々の誘客プロモーションを一緒に行っていきたいと考えている。 219 ◯山本(正)委員  これで駅前が相当大きく、歴史的に変わるということであり、福井市もさまざまな要望を県に出している。今のようなことを前向きに協力してもらい、福井県もある程度示していただきたいと思っている。  その一つとして、西口広場は、県都の顔として恐竜ゾーンとなっているが、由利公正、あるいは、松平春嶽、橋本左内の幕末維新の三傑は全国にも誇れると思っている。今回、9月補正予算においても、幕末明治150年福井の偉人発信プロジェクト事業を計上し、本県出身の偉人の功績等を県内外に発信するとしているが、これもあわせて県外から来た人に目に見える形で効果的にPRをしてもらいたい。  そのために、県都の玄関となる福井駅西口広場において、この幕末維新三傑像を設置してほしいと以前も質問したことがあるが、見解を伺う。 220 ◯観光営業部長  提案の三傑像であるが、現在、由利公正像は、由利公正広場と内堀公園に2体、松平春嶽像は、福井神社と福井市立郷土歴史博物館に2体、橋本左内像は、左内公園と福井市郷土歴史博物館に2体と、幾つか点在して設置されている。このような中で、西口広場に新たな像を設置することについては、既にあるものとの関連性やどういうものをどこにつくるとよいかということを十分検討する必要があると思っている。  まずは、この町なかに点在するこういった像を生かす、あるいは、その周辺を整備する、または、このたび新たにオープンするグリフィス記念館などを、物語性を持ってつないで、モデルルートをつくるなどして、福井の歴史を楽しく学んでいただけるような町なか観光を福井市と一緒に進めていきたい。 221 ◯山本(正)委員  三傑像は、先ほどの議論の中にもあったが、福井、また、その周辺部の人物等々、全国的にも歴史的にも誇れると思っているので、福井市と検討するということであるが、県庁線も今度整備されるということもあるし、福井市の公園の中もあるかと思うし、ばらばらに点在しているのではなかなか偉大さ、あるいは、関連性をつかむことはできにくいと思うので、さらなる検討をお願いしたい。  次に、観光物産館について伺う。  県都デザイン戦略第3の柱にも、食文化の拠点がうたわれている。福井市は、再開発ビルの中に、福井市観光物産館をつくり、その愛称も7月に「福福館」と決まって、県内17市町の特産品や郷土料理も並べるとのことである。皆さんにも配付してある資料が福福館のイメージ図である。(資料提示)  これからまだまだ変わっていくかと思うが、このようなものを中心にしながら、あわせて福井県としての物産館的な意味も含めてやってはどうか。特に福井市からも重要要望事項として県に出されているので、そういった意味で福井県としての役割もきちんと果たしていくべきだと思うが、構想や見解を伺いたい。 222 ◯観光営業部長  西口再開発ビルに開設される福井市の観光物産館、福福館については、県全体の観光スポットや食の魅力なども発信できる施設とするために、県内の物産の販売であるとか、飲食の提供を行うほか、17市町のPRコーナーやイベントホールなどを設けることになっている。県としても、より魅力の高い施設になるよう、これまでも福井市や指定管理者に対して、特産品や観光情報の収集、発信方法など、さまざまな面で助言を行ってきている。  今後とも、県都の玄関口の物産館として魅力あるものにするため、福井市などとも連携してそういうものにしていきたい。 223 ◯山本(正)委員  福井市であると、県内17市町を総合的にということはなかなか大変だと思う。今、相談しながらやってきているということであるので、今回は、全面的な支援で、県としてここへ行けば観光もある、県内の食べ物もあるというような形のものをぜひこの中につくってもらいたい。         「土木行政と行革」 224 ◯山本(正)委員  第3は、土木行政、足羽川の毛矢の繰舟と沈下橋について伺う。  県都デザイン戦略の中には、足羽川の再生、水辺と桜並木を生かした親水空間の形成がある。船着き場の整備や浜町に福井市が復元するグリフィス記念館も姿をあらわしてきた。川辺は福井市が整備し、散歩道も文化的な雰囲気になって、朝晩、散策する人も多くなっている。そこへ、最近では九十九橋の上流に毛矢の繰舟があらわれたわけである。7月末から10月25日のうち20日間再現し、私も満月の晩に行ったのであるが、ちょうど中止になっていて残念な思いをした。福井の歴史や文化を知ってもらう事業で、タイムスリップ的な感じもしてよかったと思う。  「いいイベントだけれども寂しい。船着き場から桜堤に何かにぎわいづくりは」との地元の声もある。現在までの実績とにぎわいづくりについて見解を伺いたい。 225 ◯土木部長  毛矢の繰舟については、開催初日、8月7日になるが、この日に語り部による歴史解説や園児たちの繰舟体験による渡り初め式を行うなど、これまでに約570名の方々に参加をいただいている。参加者からは、船から魚が見えるほど川がきれいだとか、風が気持ちよくて楽しかったなどの声が聞かれていて、好評を得ていると考えている。  さらに、繰舟の夜間航行については、先日の中秋の名月に合わせて実施する予定であったが、あいにく水位が高くて実施できなかったため、来月オープンするグリフィス記念館のライトアップであるとか、愛宕坂灯の回廊と合わせた夜間航行の実施を検討しているところである。  このほかに、船着き場を活用したイベントとしては、春にはお花見Eボート、それから、秋にはカヌー体験を開催するなど、利活用の推進に努めているところであり、今後も足羽川のにぎわいづくりに取り組んでいく。 226 ◯田中(敏)委員長  山本正雄委員、残り時間わずかであるので、簡潔に願う。 227 ◯山本(正)委員  あと二つだけお聞きする。  ジョギング好きなので、足羽川上流を走っていったが、板垣橋のところへ行ったら、ちょうど沈下橋があって、そこで配付した写真にあるように、沈下橋の上に大きな材木が上流から流れてきて、それをつり上げているところであった。さらに奥のほう、人物より奥を見てもらっても、まだたくさんの材木がある。これまでにも野田委員やいろいろな方が質問をしたり、見直すべきだと申し上げているが、上流にこれだけの障害物が流れてくるということは、もうそろそろ根本的な見直しが必要と思うが、知事の考えを伺いたい。 228 ◯土木部長  足羽川の沈下橋については、足羽川の利活用策の一つとして、平成21年11月に1,900万円で設置したものである。また、維持管理費は、毎年100万円程度になっている。  沈下橋は毎年4月から11月までの間、水位の状況を見て、安全に通行できると判断できるときに開放しており、開放の日数は年間平均で約150日である。利用者は、休日には1日平均約380名であり、周辺でもアユの稚魚放流など、いろいろな行事もあり、地域住民に定着していると考えている。  引き続き安全に十分配慮しながら、流木やごみを職員で撤去するなど、維持管理費の縮減も図りつつ、足羽川のにぎわいにつなげていく。 229 ◯山本(正)委員  根本的見直しが必要だと思う。                               ~以  上~ 230 ◯田中(敏)委員長  以上で、山本正雄委員の質疑は終了した。  斉藤委員。              「教育政策について」       斉藤 新緑 委員 231 ◯斉藤委員  自民党県政会の斉藤新緑である。  「春はただ花のひとえに咲くばかりもののあわれは秋ぞまされる」春の花よりも秋のもののあわれのほうが勝つという、世にいう春秋の争いの終止符を打つような、秋に軍配を上げるような歌である。文字どおり、もののあわれを感じるすばらしい、日本人に生まれてよかったという秋空であって、格調高くすがすがしく今次議会の初めての質問をしようと思ったが、あいにく私の最愛なる義理の兄が急死して、昨晩まで葬儀等でかかわっていて、去年よりまた寂しいぞ秋の暮れということである。通告もタイトルのみで、私の頭もまとまっていないが、配慮いただきたいと思っている。  今回、特に質問しようと思ったのは、ほかでもなく、今、山本正雄委員も述べられたが、福井新聞か、教育大綱の記事が出た。トップタイトルが小学校五、六年生からの英語教科化を前倒しするというものであって、その記事に基づくと、大綱は4月施行の改正地方教育行政法で策定が義務づけられている。教育委員会の意見や9月定例会の議論も踏まえ、10月に策定することになっているが、議会は10月6日までで、10月に策定するということになると、本当に県議会の議論をきちんと踏まえてもらい、新聞記事にもなっているが、それらを含めて貴重な意見や重要であると思ったものは、修正いただけるのかどうか、その点をまず知事に伺う。 232 ◯知  事  議会のいろんな意見を聞いて、最終的な案をつくろうという方針になっている。 233 ◯斉藤委員  それでは、ぜひ議論を含めて大綱に反映していただいて、また、多くの議論をいただきたいと思う。  昨今、特に教育行政を含めて、英語教育という問題、私もちょっと思い出すと、亡くなられた平泉渉先生がうちへ遊びに来られたときに、本箱を見て「君、読んでいるね」と言って帰ったときがあった。その翌日、秘書の方が「先生はこんなものお読みにならないでしょうが、お持ちしろと言われたので持ってきた」というのが、実は、平泉渉先生と渡部昇一さんの「英語教育大論争」という本であって、一つのどういうふうにするかというきっかけのようなものになったと思っている。  まず、時間もないので、今回の小学校からの英語教育について、三つまとめて伺うが、なぜ、五、六年生の英語教科化を国に先行して実施するのか、小学校からの英語教育はなぜ必要なのか、従来の英語教育のどこがだめなのか、これをお聞きする。 234 ◯教育長  三つということで、一つは、なぜ国に先行して英語を教科化するのかということである。  急速に国際化が進む中で、将来子供たちが社会で活躍するためには、今以上に英語を使っていくことが必要になってくる。また、国の今度の大学入試制度改革においても、スピーキングがこれから取り入れられるということであって、そのためにも子供たちのために早期にやっていくことも重要である。英語を身につけさせるためには、日々重ねて、毎日のように勉強する、聞いたりすることが力をつけていくことになるので、早く始めることによって子供の負担を減らしていく。そして、習得をさせていくことが大切ではないかということである。  本県でも、昨年から勝山市でモデル事業として英語の時間数をふやして始めている。三つの小学校で始めたのであるが、今年度は父兄の皆さんがぜひ全校でやってほしいということで、勝山市の全小学校がそのような形で英語の学習を早く始めるということになっている。そのような状況が一つあるのである。  それから、なぜ小学校からかというのは、英語の発音、イントネーションを身につけるには、早い段階でそういうものを聞いてしゃべるということがいいのではないかということがある。それと、中学生はちょっと恥じらいを持つようになって、突然、英語をしゃべり出すと少し元気がないところがあって、やはり小学校から始めたほうがいいのではないかという考え方もある。  それから、日本語としての国語を中心にして、あわせて英語という異なる言語を学ぶことによって、早々の学習でいろいろ理解が進むという、文部科学省の考え方が示されている。また、中国、韓国、台湾等のアジア諸国では、もう10年以上、小学校3年生から英語を始めている。日本はそれより随分下がってしまっているが、そういう力がついてきているという状況もある。  その中で、福井県では、特に都会と違って、英語を習うのに民間の塾に行くよりも、学校で教えてほしいという要望もあって、県としてはぜひ英語を早目に勉強してもらうのがいいのではないかという考え方である。  それと、もう一つ、英語力の状況についての質問であるが、高校生でいうと、大学入試センター試験においては、リスニング、筆記テストは全国トップクラスである。ただ、全国と同様に、話すなどの実際に使える能力というのに少し課題があるのではないかということである。  現状は、平成26年度で、中学3年生で英検3級程度の割合が全国で34.7%に対して、福井県は38.4%と少し5%ぐらい高くなっている。それから、高校3年生の英検準2級程度の割合が全国31.9%に対して、福井県は35.8%で、いずれも全国平均より高くなっていて、話す力をつけることによってさらに伸ばせるのではないかと思っている。国はこの目標を平成29年度に50%、それから、東京オリンピックの平成32年度には60%にするという目標を掲げているが、本県としては、それに向けてできるだけ割合を高めてきたいと考えている。 235 ◯斉藤委員  実は、最近の産業力会議や教育のさまざまな会議、英語の会議で、一番発言権を持っている方は、グローバル企業の代表みたいな方々が多い。特に楽天の三木谷さんとか、日本の経団連も含めて、外資系が最近非常に強くなってきた。そういった面で、英語を話すということと英語の教育というのは、一つは植民地化政策としての英語があって、今の英語がうまい国というのは、かつてのイギリスの植民地であったところが多くて、その結果、英語が普及しているということが一つの大きな要因としてある。  小学校の英語教育ということをもう一回確認したいのであるが、私は、小学校からの英語教育には反対なのである。最近、英語教育者や言語学者がこのような会議に参加されなくて、どんどん従来のやり方から抜本的に変えたり、丸かバツかというような傾向が強くなっている。保守というのは本来、これまでのあり方について変えることについて慎重なものを保守といったのであるが、最近は右から左に大きくぶれるものであるから、私もなかなかついていけないところがあるのだが、根本の問題として、小学校から英語を学ぶことと中学校から従来学んできたことの差はあるのか。 236 ◯教育長  日本ではまだ実施していないので、それを実証することはできないが、先ほど申し上げたように、アジアの各国で10年前から小学校3年生からも英語を始めているところについては、日本よりかなり上の順位にいるという状況がある。 237 ◯斉藤委員  それは日本で始めてないのは公立だけであって、私立の小学校等では、最近、受験の生徒を募集するのに、当然、小学校から英語教育をやっている。そういう比較において、中学校から始めた子供と小学校から始めた子供には大差はなく、むしろ小学校から始めた子供に英語嫌いが始まっているというような声を聞くわけである。当初、中学1年生あたりには確かに差があるけども、2年生、3年生になって、小学校から頑張った結果、極端な差はないということが言われている。  それから、英語教育で話せるということが特に強調されているが、先ほど来言っているように、英語教育の改革は随分されてきて、前々から文法中心ではなくて、話せる英語ということを言われてきて、実はもう1980年代、90年代から、スピーチ中心の、コミュニケーション中心の英語教育に変わってきている。その結果、どういうことが起きているかというと、日中韓のTOEFLのテスト等を見ても、話すとか、文法とか、全て日本は最下位になっている。これを世代別に見ると、日本は世代の高いほうが、点数がいい。なぜかというと、昔からの読み書きを徹底している人間のほうがしっかりできている。今、話すことを中心とした結果、アブ蜂取らずというか、そういった面では今の文法ができない英語教育が逆に若者の点数をどんどん下げているという実態があるということである。したがって、英語教育者は、コミュニケーション中心、スピーチ中心の英語から早く脱却しろということを言っているわけである。  時間がないので、とうとうと語るが、例えば、ピアノが弾けないのは音楽の授業が悪かったからだとは誰も言わない。国体に出られないのは体育の先生が悪かったからとか、甲子園に出られないのは体育の授業が悪かったからとは誰も言わない。ところが、英語だけは、英語教育を6年やってきたのにしゃべれない、これは英語教育が悪いのだということを百家争鳴のごとく言われ始めてきたわけである。  ただ、これもアメリカの国務省、外交官や政府の役人が職務上学ぶ必要のある外国語の習得の難易度で区分をすると、日本語やアラビア語というのはいわゆるフランス語やドイツ語を学ぶより2倍必要だ、非常に難しいということである。それは文字どおり、文化の違いであったり、言語の系統の違いであるというように言われている。  したがって、日本人が英語を学ぶというのは至難の業であるということであり、その結果、この日本の英語問題というのはさほど難しいものではない。つまり、6年間ぐらいで英語がしゃべれるわけがないということをはっきりと認識すべきである。小さいころから学んで母語のようになれば、シャワーのように聞いていれば何とかなるという話ではなくて、母語というのは文字どおり母親の膝の上で育って、黙っていても何千時間も聞くわけであって、つまり小中の1,000時間余りの時間ではこの母語に対応するようなものにはならない。さらに、母語は自分で文章の組み立てを自然に学ぶが、外国語はそういうわけにはいかないのであり、小学校からの英語教育については、特にそういった面が指摘されている。  それから、もう一つ、英語と国語という関係からすると、単にしゃべる道具というのではなくて、価値観が違うのであって、日本語の特徴はまさに思いやりというか、相手に気配りをするというものがあるが、英語については、自分を主張するというか、唯我独尊のような風潮がある。そういった面では、小学校の段階で、日本語もよくわからない子供に両方の価値観を教えて、気配りの日本型の子供を育てるのか、逆に、主張型、アピール型の子供を育てるのかという、二つの価値感が混乱してよくないということが言われている。そういった面においても、小学校からの英語教育というのは慎重に考えなければならない。したがって、国よりもさらに前倒ししてまで福井県が英語教科化をやろうということについては、私は改めてほしいと思っている。  フランス語に最近の言葉として「タタミゼ」という言葉があるようである。このタタミゼというのはどういうことかというと、フランスでは柔道が結構盛んであって、日本かぶれした人間という言葉として、日本的だという意味で使われるようである。つまり、日本語を学んだものとか、勉強したものとか、日本で経験を積んだ人間は、自己主張が控え目になって優しくなる。これが日本語の持つ大きな意味だということである。  英語では、私というのはあくまでも「I」が中心であるが、日本語は相手から見て私がどういう立場かによって、自分を表現する際に「お父さん」と言ってみたり、目下の者に対する表現なのか、尊敬語でしゃべるのか、そういったさまざまな配慮がある。みんなの関係の中での自分なのだという位置づけがされる。日本語を知ってしまった外国人あるいは留学生は、タタミゼという文字どおり、思いやりや、気配りや、譲り合いといったことを学ぶ。だからこそ、日本語というのは重要な役割を持っているのである。  英語をどんどんやるということになると、日本語のほうが英語よりランクが下の言語になる。いい大学へ行く人が英語をぺらぺらにしゃべる。これからは英語の時代であるということになってくると、日本語をどんどん追いやって、英語をどんどん取り入れて、日本語よりも英語を学ぶようになり、日本にいて日本語をしゃべれるのは当たり前だという感覚になるのだろうという指摘がある。それはまさに日本国民が米英より、白人より下に見られるということと変わりがないということである。  日本語というのは世界に冠たる言語であって、米英にない、漢字の音訓読みを含めて、難しい言葉も漢字一つで意味が大体わかり、非常にすぐれている。日本語の強さがものづくりや創造性になっているのだということが指摘されている。日本語がまさに日本人の力であって、それをしっかりと押さえておかないと、単に国が示す英語教育に向けて、グローバル人材をつくるのだということでやっていくことが本当に正しいのか。これをしっかり改めていただきたいと思っている。  第一、GDPを中心とした話になれば、GDPの上位5カ国というのは、アメリカ、中国、日本、ドイツ、フランスであるが、これらは全部母語で話している国であって、英語が上手な国ならば、フィリピンとか、ケニアとか、そういった国がもっと上に上がってこなければならない。母語で学ぶことができるということがすごいわけであって、ものづくりに対してもひらめきとか、勘とか、そういうものが重要であるということである。  これは意外に感じるかもしれないが、日本人の創造性は非常に高い。2012年の春にアメリカのソフトウエア企業アドビ社が日米英仏独の5カ国の18歳以上の成人1,000人ずつ集めて5,000人に対して調査を行った結果、最も創造性の高い都市は東京であり、国は日本であるというような結果が出ており、エコノミストの国際技術革新でも、日本がここ数年トップを占めているとのことである。これは何かというと、まさに日本語の力のたまものであるということである。  それから、加えていうと、自然科学分野での日本人のノーベル賞受賞者はアメリカに次いで多い。それは、日本では明治以来、西洋の自然科学の概念を日本語に訳してきたおかげで、英語で思考する必要がなく、日本人が世界水準で思考する、世界一深く思考できるようになったからである。韓国の新聞で、韓国はなぜできないのだという話があったが、韓国は、各理学部を含めて英語教材を使用しており、韓国語で学ぶことができない。10冊読める本を1冊しか読めない。したがって、母語で勉強するほうがいいというようなことが指摘をされているわけである。  学校の先生もいらっしゃるので、余り英語教育論をやりたいわけではないが、今、日本の英語教育は大変な状況になっているということを痛切に感じた。上の大学であるが、この10年のうちに5割以上の授業を日本語ではなく英語で行うようにするという、スーパーグローバル大学というのがあって、2014年9月に37校が指定されたとのことである。世界大学ランキングトップ100を目指す大学、力のある世界レベルの教育研究を行う大学、タイプAとBがある。認定した大学には1校につき10年間で最大50億円が出るのである。年間5億円である。いわゆる補助金の配分についても、英語で行う授業の割合が重視されて、要は英語で行う授業が多ければ多くなるほど補助金が出るということで、まさに英語100%で教えようという構図になっているということである。  そして今、高校は外注の試験であるTOEFLとか、日本の教育大綱とは全く関係ないものを入れて、まさに日本が留学するためのアメリカ側の試験を国内に取り入れようという、根本的な大きな問題がある。そうした中で、高校では今、英語を教えるのには英語で話す。これを中学校に引き下げて、中学校でも英語の時間は英語で授業をする。そして、小学校の英語教科化ということになるのであるが、これも専門家や先生を連れてくるとなると、大変な問題があるが、英語学者から言うと、「英語の教科書を英語で教えていいなどという結果は何も出ていない。日本語で教えるほうがよほどいい」という指摘がたくさんあって、昨今のこの政策は本当にTOEFLという試験を知っている人たちがやっているのか。全くわかっていないというのが現状である。  今、述べたようなことが日本の英語教育としてどんどん進んでいるわけであるが、実は、今から150年前、日本が植民地になるか、近代化を目指していた時代があった。1870年代のことである。「これからの日本が世界に負けない国づくりをするには、英語を重視しなければならない。初等教育から学校では英語を使用する言語として、政府機関で用いられる言語も英語にすべきである」というのが、後に初代の文部大臣になる森有礼が言った英語公用化の話である。日本がおくれているのだから、ぜひ近代化の言葉として英語を公用化しようということで、外国人の言語学者に応援するよう要請したところ、ホイットニーなどのアメリカの英語学者は、「母語を捨て外国語による近代化を図った国で成功したものはほとんどない。英語を日本語の国語として採用すれば、まず新しい言葉を覚え、それから、学問をすることになってしまい、時間的に余裕のない大多数の人々が自主的に学問することが難しくなってしまう」と述べたとのことである。  1870年、80年代当時は、日本語で書かれた教科書が存在しなかった。西洋の学問を修めた日本人もおらず、ほとんどが外国人を呼んで勉強した。教科書も外国語だった。そのときに学んだ人が岡倉天心や内村鑑三や新島襄といった方々で、この方たちは先生も教科書も全て英語で、だから、「代表的日本人」や「茶の本」を書いて、すばらしかった。この当時を「英語名人世代」と言うそうである。その後、この人たちが頑張ってくれたおかげで日本語の翻訳を進めていって、土着化をさせていった。日本後を成長させていった。その結果、日本語の先生で日本語の教科書で勉強できるようになったようである。  しかし、それもまた明治半ばになってくると、極端に英語力が落ちてきたという批判が巻き起こった。このときに、夏目漱石が「確かに落ちてきた。しかし、これは健全なる日本が発展してきている証である」ということを明らかにしている。日本語で考え、日本語で勉強ができる。単に話をするだけのものではない。だから、今の教育も、スピーチ中心ではなくて、むしろしっかり読む、書くことができないと、ただべらべらしゃべるだけで、中身のないものになってしまうだろう。アブ蜂取らずになる。  楽天やユニクロやホンダなどは英語を社内公用語化しているし、英語特区は、日本語を全部排除して、週刊誌も全部英語でしかない場所をつくっている。  特に危機感を持っているのは、こうしたことの全てが日本語と英語との格差をつける。もちろん所得格差もどんどんついてくる。英語をしゃべれる人間が立派な人だということになってくる。しかし、国内的な格差ならまだいいけれども、言語のヒエラルキーがあって、ネイティブ、植民地化された国の第2言語、そして、第3に日本あたりが勉強する外国語である。だから、その社会では、絶対に日本は勝てない。白人支配の社会になる。  例えば、エスキモーという少数民族がいるが、ここにもエスキモー語があって、大人は子供のために、これからは英語の時代だといって英語を教えることになったということである。英語が話せるようになって経済的な成功を求めたのであろうが、エスキモーの村で何十チャンネルも衛星放送が見られるようになった結果、白人と白人文化に支配されることになってしまったとのことである。英語をしゃべる子供たちはアルコール中毒になり、夢も希望も自分の文化も失ってしまった。  私自身もそう思っていたが、私の周りでも日本語がなくなるなどということは誰も思っていない。それから、英語がこれから必要だということはみんなが思っていることである。しかし、100年後の日本がこうならないとは限らない。今のグローバル化の中、私はTPPを「亡国の最終兵器だ」といったこともあったが、TPPの中にも英語公用化は潜んでいる。入札制度の問題、地方自治体にも入札が入る。公務員もTOEFLの試験を受けなさい、英語の先生はもちろん受けなさい、教育がみなそういう状況に追いやられていく。グローバル化の時代というのは、英語をしゃべることではなくて、中身が問題なのであるが、英語を話すことが重視される方向にどんどん進んでいっているという現状がある。  今回、特に申し上げているのは、日本語がもののあわれをわかる心を持つということにつながり、日本語を大切にしようということであるが、言語学者の本を読むと、日本語を大事にするという教育の話は、行き着くところは英語教育をどこまでやるのかということである。先ほども言ったように、中高6年間あたりではぺらぺらな英語などというのは身につかない。そこをはっきりと押さえておくべきだ。あくまでも基礎を教えて、そこから学ぶべき人間はしっかり学んでもらうということをやるべきだということである。  日本語が倍々ゲームのように消えていっているそうである。実は、私も「名も知らぬ遠き島より流れ寄るヤシの実一つ」という、島崎藤村の詩のあの歌であるが、自分が歌詞を知っているところは漢字が読めたが、2番、3番になると漢字が読めない。読めても読み方が違う。意味も3分の1は間違っていた。英語は100年たっても昔の英語のままだけれど、日本は100年前の本は読めない。これは国語にとって大変なことである。「日本人が日本語を失えばとんでもないことになる。日本人を支えてきたのは日本語である。だから、高校卒業までにTOEFLで何点とるようにするというのであれば、高校卒業までにたけくらべを原文で読めるようにすべきである」というようなことをきっちり指摘する人がいる。  そして「何よりも、今、日本に生まれてきた若者は、恐らく日本に生まれてきた喜びを半分も知らないだろう。なぜならば、本当の日本語の深さ、喜び、味わい方を知らないからだ。だから、徹底して近代文学を読ませるべきだ。もちろん中学校からの英語でも、昔の人はみんなそれなりの権威のある本を英語で読んでいた。だから、勉強になったのだ。」というようなことをとうとうと指摘している。
     そういった点では小学校から教科化を前倒しするということではなくて、英語を覚えさせるなら百人一首を覚えさせたらどうか。私はこの間の十五夜の月を見て、月がちょっと雲に隠れていたのであるが、「秋風にたなびく雲の絶え間よりもれいづる月の影のさやけさ」という歌をふと口ずさむわけであるが、小学校のときに覚えた歌が、60歳になっても覚えていて、ふっと影から出てくる。この風の情けというか、風情というか、これがわからないと、やはり日本人に生まれてよかったということがわからない。最近、行政は、「心のケア」など、英語をそのまま翻訳もせずに使う。もちろんマウスやダブルクリックなど、コンピューターの話になればやむを得ないが、翻訳もせずに平気で日本語をどんどん壊しているというのが実態である。そういう面では、小学校からの英語教科化というのであれば、ぜひ福井県は日本語でということを強調していただきたい。  知事も杉本副知事も自治省出身であるが、最近は、人口減少対策、地方創生の話もそうであるが、教育大綱も国がつくれと言っている。地方創生も国がつくれと言っている。地方自治はどうなったのかなと思う。地方分権自治が生まれて、上下主従ではなく、協力対等な関係になったはずである。なぜ国から「おまえのところは人口がなくなるぞ」と言われて、都道府県から市町村からみんな一生懸命、よく似た方針を書いているのか。こんなことをさせられて、私は地方が侮辱されていると思うが、副知事、どうか。 238 ◯杉本副知事  大変、興味深いお話を聞かせていただき、感銘を受けた。恐らく今の議論の中心は、県が小学校の英語教育を2年前倒ししてやるのかどうかというところにあったかと思う。言われるように、英語そのもので日本の授業をやるのかとか、言葉の中に文化が、もしくは、考え方が潜んでいて、英語でいろいろやりとりをすれば、日本人的な部分のある部分が失われるということもあるのかなと思って聞かせていただいた。  ただ、一方で、文部科学省が言っているからやるということではなくて、日本全体の中で英語教育をどうするかということは、国全体としていろんな議論がなされている中で、一つの方向性として出されているし、先ほど教育長からも答弁があったが、試行的に勝山市でやってみたところ、少し早く英語になれさせる期間を設けたらどうかということについては、親御さんも含めて、この程度ならば、全部変えるということではないので、広く受け入れられたということもある。そのようなことからも、決して上位下達や国から言われてやっているということでもなく、福井県の教育会議の中でも必要性があって取り上げていることだと思うので、何とか理解いただければと思っている。 239 ◯斉藤委員  長々と話したが、理解してもらえなかったようである。  これは、ぜひ、修正をしていただきたい。英語を覚えるなら百人一首を覚えさせること、一つでも多くのいい文学を教えること、福井県の独自性を出すこと、英語で遊ぶなら花札や将棋やそういうものをきちっと学ばせるということ。日本語が世界で一番の言葉なんだということを自信、確信を持って子供たちに伝えないと、こんな英語、英語といったら、英語のほうが立派みたいではないか。  先ほどから言っているように、日本語が最も大きな力、創造の源なのである。そこが日本のプライドで、愛国心は上から降るのではない。愛国心というのは、まさに日本語を踏まえて、月を見ながら「本当に日本はいいな、この郷土に生まれてよかったな」と感じることが一番のポイントである。それをわからずに、何だか「人口減少社会において、グローバル社会に対応する人材で、英語を学ぶ」と、そんな人材は福井どころか、日本にもいないではないか。だから、矛盾が多いわけである。  私はこのグローバルスタンダード、あるいは、グローバリズムとは一体何かと考えると、これが進んでから、どんどん日本が壊れていっているような気がしてならない。簡単に言うと、日本の相撲取りがアメリカのプロレスのリングに上がって試合をするようなもので、勝てるわけがない。英語圏に入って、なぜ日本人が英語で勝負できるのか。そういったことをきちっとしておかないと、本当にこの国はどうなるのかと思うのである。  まず、日本語が滅びるなんて誰も思っていないが、水村美苗さんという言語学者、フランス語も話せば、どこででも講演するような人であるが、「英語教育というのは、日本の学校教育の中の必須項目としての英語はここまでという線をはっきり打ち立てる。学校教育を通じて、多くの人が英語を習得できればいいという前提を、まさに学校教育の場において完璧に否定する。それは、学校から英語教育をなくすのではなくて、国の責任として、全ての国民に英語を読む能力の最初の取っかかりを与える。これは幾ら強調しても強調し足りないぐらいだ」と指摘している。  これが国語言語学者などが、日本語を学べという中での学校の英語教育について申し上げているところである。教育長、いかがか。 240 ◯教育長  いろいろお話しいただいたが、我々も委員とそれほど考え方が違うわけではなくて、母国語である日本語を大事にするし、それを基本にいろんなことをやっていく。ふるさと教育にしても、道徳教育にしても、基本的には日本語をまず教えるということを否定しているわけではなくて、それはきちんとやっていく。我々も白川文字学をやる。それから、特に委員の言われた百人一首も学校で勉強してもらっている。また、幼児教育の中でもお子さんにお母さんが読み聞かせをしたり、読書をするなどしている。そういったことを、きちんと日本語でやっていくこと自体を否定しているわけではなく、それをさらに伸ばしていくということは基本にある。  外国語としての英語を国が進めているということもあるが、世の中がどんどん変わってきて、子供の立場になると、いずれ受験になり、社会に出て、普通の福井県内の企業にいても、英語を使わなければならない時代が来る。そのためには、福井県ではある程度きちんとした英語を学校で教えたい。それを小学校で早く始めるというのは、時間をたくさんとるということではなくて、早くなれさせて、きちんと勉強していくことによって、子供の負担も減らすことができる。先ほど勝山市の例を申し上げたが、親御さんもそう望む方が結構いらっしゃるので、それに応えていく。  英語ができたら偉いということではなくて、日本人なので日本語できちっとした人格形成をした上で、道具としての英語をどのように子供たちに身につけさせるか。そして、将来のために頑張ってもらえる教え方をする。そのためには、教師も、我々も協力するし、できるだけ楽しく、そして、きちんと、話せるだけではなくて、書く、読む、聞くというそれぞれの技能を習得してもらう。それを6年間では足りないということであるので、できるだけ早く、負担も軽くして、できるだけ行き着いてもらうということである。 241 ◯斉藤委員  先ほどからも言っているように、英語というのは、単なるツールの話ではない。スキルの話ではない。全てのものの考え方の基本になるわけである。森有礼が英語公用化を言ったときに、ちょうど福沢諭吉の弟子の自由民権運動の馬場辰猪さんという人物、英語がとてもできた人だったが、英語公用化論に反対をしている四つのポイントがある。「第1に英語学習には大変な時間がかかり、若者の時間の浪費につながりかねない。英語は日本語と言語学的に大変異なった言葉である。それゆえ、日本人の英語学者は非常に骨が折れ時間がかかる。なすべきこと、学ぶべきことの多い若者の時間が無駄に費やされるおそれがある。第2に英語を公用化すれば、国の重要問題を論じることができるのが一握りの特権階級に限られてしまう。英語学習は困難かつ多大な時間を要するため、英語に習熟できるのは、国民のごく一部の有閑階級に限られる。日々の生活に追われる大多数の一般庶民が英語に習熟することは非常にまれだろう。したがって、国の諸制度が英語で運営されたり、政治や経済に関する知的な議論が英語でなされるようになってしまえば、国民の大多数は天下国家の重要問題の論議から全く切り離されてしまう。近代的な国づくりに国民のごく一部しか頼れないことになる。これでは、国民全ての力を結集し、欧米列強に伍していく国づくりを行うことはできない。第3は英語の公用化が、社会を分断し、格差を固定化するという問題である。国の重要問題から庶民を切り離すことでなく、英語が話せるか否かが経済的格差につながり、豊かな国民と貧しい国民との間の断絶を生む可能性がある。果たしてそれが近代日本の目指す国家であろうか。第4の問題点は、英語を公用化すれば、国民の一体感は失われてしまうという懸念である。」これが明治時代に初代の文部大臣である森有礼が言った英語公用化論に対する反対論理である。  国から言われたからやるのではないと言うが、百家争鳴のルサンチマンがあふれたような、英語大偏重教育が進められていることについて、私は本当にこの国の根本、国の力、形が奪われていくという危機感でいっぱいである。  そのことを少しこの福井の地で思うが、知事、私は随分何回も質問の中で、このグローバリズムに勝とうとするなどということはしょせん無理だと述べてきた。グローバリズムに対するアンチグローバリズムの地域のローカリズム、あるいは、里山資本主義といったものをきちんと打ち出すべきだと訴えてきた。  ところが、農林水産部長、ここにいる部長のみなさんもそうであるが、国の事業が何があるのかとか、補助事業はどんなものがあるのかというのを先に考えるのであろうと思うし、それを役立てようとするのである。今、福井県の農政でも、植物工場や農地の集団化やメガファームや法人化が盛んに言われている。土地改良をして、小さな田んぼをいっぱい集めて、それをさらにメガファームにする。これは逆の立場からすると、ハゲタカ企業から見たらよだれをこぼすような事業ではないか。100人が1反ずつ田んぼを持っていたらどうしようもないが、一つの会社が100町も持っていたら、その会社さえ食えばいいのである。農林水産部長、そういうことがたまに心配にならないか。 242 ◯農林水産部長  メガファームは一つ経営が悪くなると、確かに100人の兼業農家が倒産したのと同じであるという危機感は私どもも常に持っている。そうであるので、集約化に関しては、いろいろな方策をとって、外部からの乗っ取りといったこととか、経営破綻を起こさないように、そのような施策を一方でとりながら進めているつもりである。 243 ◯斉藤委員  そういう答弁でいたし方ないと思うが、知事に前から言っているように、自立した地域をつくる上での基本骨格ができてないと思うが、知事、いかがか。前々から里山資本主義の話をさせてもらっているが、確固としたものができ上がっていないと思う。グローバリズムに対抗する地域ローカリズムをしっかり打ち立てて、自給的にみんなが誇りを持てる地域をつくるという基本的な部分を明確に打ち出すべきだと思うが、いかがか。 244 ◯知  事  私も少しだけ演説させていただくが、英語であるが、最近、文部科学省がいろいろ言ったり、ここであえて最近の世の中の傾向からこういう大綱をつくっているが、まさに知事になって以来ずっとそういうことを既に言っており、その前提に白川文字学、漢字、それから、今、百人一首の話があったが、それも福井県では小学生は必ず百人一首を覚えさせるようにしているし、中学校になったら、漢文をちゃんとしたものを全部記憶できるのだから、やるようにということを言っている。  それから、英語は、一つの言葉にすぎないわけで、これによって日本語によるもの以外に知識をさらにふやす手段を福井県の子供たちが持ったらいいわけで、その程度のことと考えれば十分だと思う。  それから、英語の教育は、普通の勉強と違って時間がかかるので、ある一定の年齢から少しずつ無理なく積み上げて、嫌にならないで、そして粘り強くやれば必ず成果が出るものであるから、そういう教え方をする。そのようなことを言う前に、先生がそれをできないといけないので、先生の教育をいろいろやらなければいけないということである。  それから、里山の話については、福井県のローカリズムも大事である。しかし、グローバルについては、これは利用せざるを得ないだろうと考える。農産物を売るにしても、日本だけで売っていても十分な成果が上がらないから、これを外国に売るには、やはり一定程度グローバルを利用する必要があると思う。そのときに、ちゃんとした英語のサイトを自分でつくれないのでは調子が悪いわけで、そのように役に立てるということで言語も考えたらいいのではないかなと考えている。 245 ◯斉藤委員  英語教育について、例えば、1番、日本語をなくして英語を公用語にする。2番、みんながしゃべれる英語にする。3番、特別の人間、エリートだけを指導するといった三つの選択肢から一つ選ぶ場合、恐らく教育長に聞くと2番と答えるだろうと思う。実は、並みにしゃべれるというのが植民地として都合がいいのである。複雑な英語はネイティブの白人がしゃべる。TPPにおける最大の非関税障壁は日本語である。日本語があるから逆に日本は守られてきた。日本人が単純に話す、聞くだけができるようになるのが一番都合がいい。複雑な英語までは勉強してほしくない。これが植民地政策である。  この英語教育を徹底して誰が得をすると思うか。チャーチルは言った。「イギリスにとって広大な領土を併合するよりも、はるかに永続的で実りの多い利益はベーシック英語を普及することだ。イギリスにとって、北海油田ではなく、真の財産は英語である。」これは、金銭的なメリットも相当あるということである。  英語は全体を支配するとあるが、英語の本がよく売れる。世界の出版物の売り上げの4分の1を超えている。特に、イギリスは出版業界の売り上げの半分を外国から得ている。そして、英語は世界中の人々が学ぶため、イギリスは世界中に英語教師を送り出す。普及語としての英語ならインドでもどこでもいいのであるが、ネイティブを選ぶ。だから、白人が圧倒的に有利になる。イギリスの英語教育産業は、教材を輸出したり、留学生を受け入れることによって、年間2兆円ほどの利益を上げている。アメリカ、イギリスは世界中にインターナショナルスクールを送り出すことでも収益を得られる。これが、約2兆円が3倍になろうとしている。アメリカの映画や音楽はDVDで1兆円、さらに、音楽の輸出だけで1兆7,000億円、イギリスは本と映画とテレビで約9,000億円、TOEFLは、「TOEFL利権」とまで言われる。  TOEFLを3回受けて、テストの点数が一番高いのがいい。英語受験者は3回受ける。学校の先生も英語教育のためにTOEFLの点数をとらなければならない。公務員試験でもTOEFLをやる。何百億円、何千億円のTOEFL利権がある。先ほど言った英語支配も含めてそうである。そうやって勉強しても英語支配圏の中ではヒエラルキーは上から3番目の層にしかなれない。このことをきっちりと押さえておかないと、この国は非常に危ないと思っている。だから、グローバリズムというのは、先ほど言ったように、この国を壊すものである。  私は、地域の農業、農村を守ったり、村や町を守るために議員になっている人間であって、グローバル企業を守るために出てきたわけではない。そういった面から、ぜひこのことは徹底してこれからも信条として訴えていくつもりである。  きょう、特に、最後に言いたいことは、私の好きな義理の兄が死んで、その兄が口癖にしていたのは、「百姓の長男坊」と「永遠の郷(とわのさと)」という言葉であった。これは、「永遠のふるさと」という意味である。私も百姓の長男坊ですぐわかる。私も17歳で父親が死んで、そのときは我が人生はここに定まりけりというような思いがあった。古い村が嫌いで、とっとと出ていこうと思ったが、母親を一人置いていくわけにもいかないと思って、ここにいなければならないという覚悟を決めて、住みたくないふるさとを住みたくなるふるさとにということで、青年団活動などに没頭した覚えがある。その経験を生かして、三人の娘であったが、長女には子供のときから、養子をとれ、養子をとれと繰り返し言って、何とか養子をもらえて、孫にも恵まれるようになった。今、家に縛られた百姓の長男坊が、きのうの葬式でもいっぱいいた。そんな話をしていた。みんな家とのつながりやふるさとのつながりや、勉強ができても大学に行かせてもらえない、高校にも行かせてもらえずにうちを継げということを強いられて、それに耐えて、理不尽な思いをしながらもふるさとを守ってきたわけである。  グローバル人材の育成を求めているのはグローバル企業である。グローバル企業というのは、無国籍であって、日本の国がどこへ行こうが関係がない。自分の利益だけを求めているだけだ。そんな人材派遣のために、福井県の教育をやっているわけではないだろう。今、まさに人口減少社会ということを言っているわけで、私は教育ということを考えた場合、本当にふるさとを守る教育は「おまえは長男坊だからうちに残れ」という、子供の頃からの言い聞かせであったり、「おまえがこのうちに残らなかったら、このうちは絶えてしまう」とか、「おまえらがこのふるさとで頑張らなければ誰がやるのだ」という、そういうところに意気込みを感じたり、生きがいを感じたり、男気を感じて、損得・利害ではなくて生きてきたのではないかなと思う。その結果、このふるさとは守られてきたのではないかということを痛切に思うわけである。  最後の質問にする。  国からの指示でつくる教育大綱であっても、グローバル人材育成のために、英語を国より先行して小学生に教えるのではなく、世界に冠たる日本語力で、永遠の郷福井を創造する教育大綱にしてほしいと思うが、知事いかがか。 246 ◯知  事  特に日本語の教育というのは極めて重要であり、これは当たり前のことであると同時に、これまでも進めている。さらにそれに加えて、福井の子供たちがこれから生きていくときに、何が重要な手段なのかということを考えて、教育をしていく。その前提として、先生たちにいろいろ考えてもらわないと、全てここに書くだけでは何の意味もないので、実効性が上がるように、そして今、委員がいろいろ述べられたような配慮をしたり、考えていかなければならない問題は、先生の意欲と能力にかかっているので、それをいかにうまくできるかということになると思う。 247 ◯斉藤委員  意のあるところをお酌み取りいただいて、教育改革大綱案が大幅に修正されて、本来の、先ほど言った世界に冠たる日本語力で永遠の郷福井を創造する、そういう教育大綱にしていただくことを強く求めて終わる。                               ~以  上~ 248 ◯田中(敏)委員長  以上で斉藤委員の質疑は終了した。  以上で、本日の日程は終了した。明10月1日は午前10時より委員会を開催する。本日はこれで予算決算特別委員会を散会する。                               ~以  上~                    予算決算特別委員会                      委員長  田 中 敏 幸 発言が指定されていません。 Copyright © Fukui Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...