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平成26年予算特別委員会 本文 2014-09-30
平成26年予算特別委員会 概要 2014-09-30

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  1. 福井県議会 2014-09-30
    平成26年予算特別委員会 本文 2014-09-30


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    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいタブが開きます) 平成26年予算特別委員会 本文 2014-09-30 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ窓表示 ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者一覧に移動 全 276 発言 / ヒット 0 発言 表示発言切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示 すべて選択 すべて解除 1 ◯中川委員長 2 ◯知  事 3 ◯中川委員長 4 ◯中川委員長 5 ◯山本(正)委員 6 ◯知  事 7 ◯山本(正)委員 8 ◯政策幹 9 ◯山本(正)委員 10 ◯知  事 11 ◯山本(正)委員 12 ◯政策幹 13 ◯教育長 14 ◯山本(正)委員 15 ◯山本(正)委員 16 ◯産業労働部長 17 ◯山本(正)委員 18 ◯知  事 19 ◯中川委員長 20 ◯山本(正)委員 21 ◯中川委員長 22 ◯佐藤委員 23 ◯総合政策部長 24 ◯佐藤委員 25 ◯知  事 26 ◯佐藤委員 27 ◯総合政策部長 28 ◯佐藤委員 29 ◯総合政策部長 30 ◯佐藤委員 31 ◯総合政策部長 32 ◯佐藤委員 33 ◯総合政策部長 34 ◯佐藤委員 35 ◯総合政策部長 36 ◯佐藤委員 37 ◯総合政策部長 38 ◯佐藤委員 39 ◯総合政策部長 40 ◯佐藤委員 41 ◯総合政策部長 42 ◯佐藤委員 43 ◯総合政策部長 44 ◯佐藤委員 45 ◯総合政策部長 46 ◯佐藤委員 47 ◯佐藤委員 48 ◯安全環境部長 49 ◯佐藤委員 50 ◯安全環境部長 51 ◯佐藤委員 52 ◯知  事 53 ◯佐藤委員 54 ◯安全環境部長 55 ◯佐藤委員 56 ◯安全環境部長 57 ◯佐藤委員 58 ◯危機対策監 59 ◯佐藤委員 60 ◯危機対策監 61 ◯佐藤委員 62 ◯危機対策監 63 ◯佐藤委員 64 ◯危機対策監 65 ◯佐藤委員 66 ◯佐藤委員 67 ◯健康福祉部長 68 ◯中川委員長 69 ◯佐藤委員 70 ◯中川委員長 71 ◯中川委員長 72 ◯石川委員 73 ◯知  事 74 ◯石川委員 75 ◯警察本部長 76 ◯石川委員 77 ◯知  事 78 ◯石川委員 79 ◯警察本部長 80 ◯石川委員 81 ◯知  事 82 ◯石川委員 83 ◯土木部長 84 ◯石川委員 85 ◯知  事 86 ◯石川委員 87 ◯警察本部長 88 ◯石川委員 89 ◯知  事 90 ◯石川委員 91 ◯石川委員 92 ◯土木部長 93 ◯石川委員 94 ◯土木部長 95 ◯石川委員 96 ◯知  事 97 ◯石川委員 98 ◯土木部長 99 ◯石川委員 100 ◯土木部長 101 ◯石川委員 102 ◯土木部長 103 ◯石川委員 104 ◯知  事 105 ◯石川委員 106 ◯中川委員長 107 ◯石川委員 108 ◯土木部長 109 ◯石川委員 110 ◯知  事 111 ◯石川委員 112 ◯石川委員 113 ◯健康福祉部長 114 ◯石川委員 115 ◯健康福祉部長 116 ◯石川委員 117 ◯健康福祉部長 118 ◯石川委員 119 ◯石川委員 120 ◯警察本部長 121 ◯石川委員 122 ◯土木部長 123 ◯石川委員 124 ◯知  事 125 ◯石川委員 126 ◯土木部長 127 ◯石川委員 128 ◯石川委員 129 ◯総合政策部長 130 ◯石川委員 131 ◯中川委員長 132 ◯田中(敏)副委員長 133 ◯中井委員 134 ◯知  事 135 ◯中井委員 136 ◯教育長 137 ◯中井委員 138 ◯教育長 139 ◯中井委員 140 ◯知  事 141 ◯中井委員 142 ◯教育長 143 ◯中井委員 144 ◯中井委員 145 ◯知  事 146 ◯中井委員 147 ◯知  事 148 ◯中井委員 149 ◯安全環境部長 150 ◯中井委員 151 ◯教育長 152 ◯中井委員 153 ◯田中(敏)副委員長 154 ◯西本委員 155 ◯産業労働部長 156 ◯西本委員 157 ◯西本委員 158 ◯土木部長 159 ◯西本委員 160 ◯危機対策監 161 ◯西本委員 162 ◯知  事 163 ◯西本委員 164 ◯観光営業部長 165 ◯西本委員 166 ◯総合政策部長 167 ◯西本委員 168 ◯西本委員 169 ◯健康福祉部長 170 ◯西本委員 171 ◯健康福祉部長 172 ◯西本委員 173 ◯健康福祉部長 174 ◯西本委員 175 ◯健康福祉部長 176 ◯西本委員 177 ◯西本委員 178 ◯知  事 179 ◯西本委員 180 ◯田中(敏)副委員長 181 ◯田中(敏)副委員長 182 ◯畑委員 183 ◯土木部長 184 ◯畑委員 185 ◯観光営業部長 186 ◯畑委員 187 ◯観光営業部長 188 ◯畑委員 189 ◯土木部長 190 ◯畑委員 191 ◯土木部長 192 ◯畑委員 193 ◯土木部長 194 ◯畑委員 195 ◯畑委員 196 ◯農林水産部長 197 ◯畑委員 198 ◯農林水産部長 199 ◯畑委員 200 ◯農林水産部長 201 ◯畑委員 202 ◯農林水産部長 203 ◯畑委員 204 ◯畑委員 205 ◯危機対策監 206 ◯田中(敏)副委員長 207 ◯中川委員長 208 ◯中川委員長 209 ◯糀谷委員 210 ◯知  事 211 ◯糀谷委員 212 ◯安全環境部長 213 ◯糀谷委員 214 ◯総合政策部長 215 ◯糀谷委員 216 ◯総合政策部長 217 ◯糀谷委員 218 ◯総合政策部長 219 ◯糀谷委員 220 ◯総合政策部長 221 ◯糀谷委員 222 ◯総合政策部長 223 ◯糀谷委員 224 ◯総合政策部長 225 ◯糀谷委員 226 ◯総合政策部長 227 ◯糀谷委員 228 ◯総合政策部長 229 ◯糀谷委員 230 ◯副知事 231 ◯糀谷委員 232 ◯総合政策部長 233 ◯糀谷委員 234 ◯総合政策部長 235 ◯糀谷委員 236 ◯知  事 237 ◯糀谷委員 238 ◯知  事 239 ◯糀谷委員 240 ◯中川委員長 241 ◯田中(敏)委員 242 ◯産業労働部長 243 ◯田中(敏)委員 244 ◯農林水産部長 245 ◯田中(敏)委員 246 ◯知  事 247 ◯田中(敏)委員 248 ◯農林水産部長 249 ◯田中(敏)委員 250 ◯知  事 251 ◯田中(敏)委員 252 ◯農林水産部長 253 ◯田中(敏)委員 254 ◯農林水産部長 255 ◯田中(敏)委員 256 ◯土木部長 257 ◯田中(敏)委員 258 ◯田中(敏)委員 259 ◯知  事 260 ◯田中(敏)委員 261 ◯田中(敏)委員 262 ◯安全環境部長 263 ◯田中(敏)委員 264 ◯教育長 265 ◯田中(敏)委員 266 ◯田中(敏)委員 267 ◯産業労働部長 268 ◯田中(敏)委員 269 ◯知  事 270 ◯田中(敏)委員 271 ◯知  事 272 ◯田中(敏)委員 273 ◯田中(敏)委員 274 ◯知  事 275 ◯田中(敏)委員 276 ◯中川委員長 ↑ リストの先頭へ ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯中川委員長  ただいまより、予算特別委員会を開会する。  本日の傍聴人は10名である。傍聴の方々は、さきにお知らせした留意事項を守って傍聴願う。  これより、付託議案及び本委員会の付議事件である「県財政の運営及び県政上重要な案件について」の審査に入る。  まず、付託議案である第64号議案 平成26年度福井県一般会計補正予算(第1号)について、知事より議案の説明を求める。  知事西川君。 2 ◯知  事  今回の予算案については、提案理由などにより説明を申し上げているところであるので、よろしく審議を賜るようお願いする。 3 ◯中川委員長  本件については、予算特別委員会要綱の規定に基づき、去る9月19日の本会議において付託を受けた後、直ちに議長を通じて各常任委員会に対し、部局別質疑・調査を依頼しておいたところ、お手元に配付のとおり報告があったので了承願う。  それでは、総括質疑に入る。  この際、申し上げる。質疑の順序及び時間については、お手元に配付のとおり理事会で決定しているので、発言者はこの順序により持ち時間の範囲内において発言願う。  山本正雄委員。              「人口減少対策」         山本 正雄 委員 4 ◯中川委員長  なお、山本委員よりパネルの使用について申し出があり、許可している。 5 ◯山本(正)委員  皆さん、おはよう。民主・みらいの山本正雄である。予算委員会のトップバッターとなった。よろしくお願いしたいと思う。  木曽の御嶽山が噴火をし、死者12名など多くの犠牲を出したニュースが連日流されている。心からお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思う。  また、昨日は臨時国会も招集された。議論を大いにやっていただきたいと思っている。
     さて、質問の第一は、福井県最大の課題である人口減少対策と若者の県外流出対策について伺う。  最大の問題は、福井県から出ていく人口の社会減少が続いていることで、毎年3,000人前後のペースで減少が続いている。しかも、この図にあるように、若者の減少が続いているわけである(パネル掲示)。人口問題研究所が昨年公表した将来人口推計によると、本県の6年後の人口は76万人、年平均5,000人ずつ減る。2040年には何と63万人となって、年平均6,700人が減少するという。福井県の将来にとって深刻な問題である。  Uターンしない理由は、「志望する企業がない」「福井の企業を知らない」とのことで、県の対策本部は東京大学社会科学研究所と連携して、人口流出について共同調査や女性からの聞き取り調査をするとのことである。  一般質問で短期的にできるもの、また、長期的にできるものと分けて提案し、学校での進路指導の見直しやテキストづくり、さらには、対策本部の方向性を伺った。短期的にできる対策のかなめは、若者の就職先の確保が第一であり、若者に魅力ある県内の企業の育成、または企業誘致が必要である。この二つについて、県の取り組み、成果と今後の見通しを伺う。 6 ◯知  事  人口問題に関連して、若者に魅力ある県内企業の育成、企業誘致の成果であるが、特に企業の育成については、医療、あるいは自動車先端部材など、成長分野が見込まれる新しい製品の販路開拓を応援している。平成25年度の数字を申し上げると、医療用器具で約75億円前後、炭素繊維材料で約12億円、EV用モーター、高性能電池材料などで130億円、全体として約400億円超の規模であって、平成22年に比べると262億円から413億円に上昇しているということである。  一方、企業誘致であるが、これまで省エネ機器の関係の日本電産テクノモーター、あるいは薬品の小林化工などが新増設を行っている。また、ICT企業の誘致も控えていて、最近では文字通訳するサービスのアイセック・ジャパンなどの新しい分野も出ている。  いずれにしても、これからは若者を引きつける魅力ある──単に雇用数が確保できるということではなくて──職種、そういう職場をふやしていく必要があるので、メーカーだけではなく、企画開発、デザイン、国際部門など本社機能の一部の誘致、あるいは伝統工芸品の職人塾などの技能の人材の誘致、ITの企業化などの環境を強化していきたいと思う。 7 ◯山本(正)委員  まず、県内企業の育成については、今あったように、医療とか先端分野を中心にということである。さらに、誘致についても力を入れていくということであるが、Uターン、あるいは県内の大学生が就職するためには、就職先が何といっても重要であって、これを大いに対策本部でも力を入れていっていただきたいと思う。  もう一つは、県内大学の魅力アップと定員枠の拡大によって、福井県から県外進学者数を減らすこと、あわせて、Uターン・Iターン率を引き上げることである。県内5大学の入学者大体2,200名、これに対して、約半数しか福井県から入っていないわけである。  この表のとおりであって、今年度は2,200名(パネル掲示)。県内比率は49%という状況である。このあたりをしっかり押さえていただいて、県内の高校生が県内の大学にたくさん入れるようにして、就職も県内にできるという、そういうきちっとした指導がないと、ただ受験の偏差値だけで大学を決めたりしていくと大変大きな課題を後に残すということになる。そのあたりもきちんと精査をした上でやっていただきたいと思う。  そこで、まずは魅力ある大学づくり、入学枠の拡大、法学部や文学部などない学部の新設、そういう中で福井大学の地域教育科学部のゼロ免課程の廃止問題も含めて、以前から知事にお願いしてきたが、県内5大学の方向性が十分見えていない。これまでの県の働きかけと成果を伺いたいと思う。 8 ◯政策幹  大学の問題だけれども、人口減少が進む中で、これまで大学とは県内学生の枠の拡大などについて協議を行ってきて、大学間の競争など厳しい時代を迎えていて、各大学は学生をどう確保するか、また、就職動向はどうかなどを含めて、さまざま検討するべき時期に来ていると思っている。今月に開催した学長懇談会でも、県からは、大学みずからが、生き残りをかけてみずからの特徴を生かした人材育成の方向を明確にした上で、教育内容、また、体制の見直しを進めるべきと申し上げたところである。また、国に対しては、大都市の大学機能を地方に分散させることが必要であるとして、都市大学の地方移転を要請しているところである。  福井大学の国から60名の削減を求められている地域科学課程であるが、これについては現在、グローバル化する地域企業等で活躍する人材を養成するという新しい学部を設置するという方向で、定員を維持するという形で文部科学省と大学が協議を進めており、県としてもそれを応援していきたいと思っている。  県では、これまで仁愛大学の学部新設の財政支援、また、県立大学の海洋生物資源学部の設置などを行ってきているところであるが、県内大学の学部開設、入学枠の拡大について、今後も経営状況、また、就職の動向なども見ながら支援、指導していきたいと考えている。 9 ◯山本(正)委員  大学連携リーグとか学長会議とかいうところでお願いをしていると、少しは進展があるとか、あるいは、福井大学のゼロ免課程についても一緒に協力している。いいわけであるが、極端に言うと、福井県の一番大きな若者を残すかどうか、定員枠をどうするか、魅力ある学部をどうするかということであるので、知事みずからも学長さんと直接お会いして、福井県の実情を言って、その上で拡大なり新学部の創設なり依頼をしていただきたいと思うが、知事、いかがか。 10 ◯知  事  各大学との連携リーグというか、学長と私が直接お会いしてやる組織というのは全国的には余りないと思う。問題は、各大学がどれくらい危機意識を持って果敢に取り組むかというところにかかっているので、さらに各大学の経営委員会等いろんな評価する委員会などもあるので、そういう中にも県庁の職員が入っていろんな議論をしているので、そういう動きをさらに強めていきたいと考えている。 11 ◯山本(正)委員  職員たちが頑張っているのはわかるが、やはりトップセールスではないが、学長と知事がきちんと話し合いをして、心情をきちんと訴えるということも必要でないのかなと思う。できるだけそういう方向でお願いしたいと思う。  さて、17歳以下の子供の貧困率は最悪の16.3%の記事が出ている。非正規労働者の増加で所得が減っているとの悲しいニュースを厚生労働省が7月15日に公表した。OECD加盟34カ国中、9番目に高い数値であった。中でもひとり親世帯貧困率は54.6%と、加盟国34カ国の中で最低水準になっているわけである。理由は、日本の女性の賃金が低く、ひとり親の大半は母子家庭世帯になっているからである。ここまでくると現金給付型の給付、あるいはまた、奨学金が必要になると思う。  そのような中で、県は高校生奨学資金を今議会に上程しているわけである。県は勉強やスポーツに頑張る高校生を支援するため、年収350万円以下の低所得世帯を対象に、1年間で21万6,000円、3年間給付、定員20名ということで、学校推薦や面接で選ぶというようになっている。時宜を得た政策で、貧困家庭の中学生が高校へ入る希望と、そしてまた、将来の夢実現に大きな期待を寄せるものと思う。  隣の石川県や大阪府も導入しているようであるが、20人の根拠を伺うとともに、この奨学資金制度は高校生対象であるが、今後、大学生にも対象を広げれば、先ほどの県内大学進学者枠拡大にもつながるので、大学生への適用、または、大学生を対象とした制度の創設を検討できないか伺う。 12 ◯政策幹  奨学金の制度を大学にもという話であるが、県内大学に対する経済的支援については、日本学生支援機構の奨学金があって、現在これは全体の約3割に当たる3,200人余りの学生が、月額4万5,000円から6万4,000円の額の貸与を受けている。これについて、さらに無利子の方の奨学金の枠拡大を検討されていると。  また、県の各大学では、経済的理由等による授業料減免制度を設けていて、平成25年度の実績で約700人に対して3億円弱が減免されている状況である。さらに一部の大学では、スポーツや学業成績優秀者に対する独自の給付型の奨学金制度も設けられているところである。  日本学生支援機構の奨学金は、無利子の貸与であると所得が900万円、それから有利子であると1,200万円という状況で、県職員でも普通に借りられる状況であって、今、各大学の減免措置も所得制限がある。申込者は今、県内では全員これらを受けられる状況にあるというふうなことである。  また、大学生は、高校生と違ってアルバイト等で自助努力も可能であるということであって、経済的理由による給付型の奨学金の制度創設というのは、今のところ考えていない。 13 ◯教育長  高校生の対象者の考え方について加えて答える。  まず、奨学金の創設については、一つは本県出身の企業家の方から、高校生を対象としたそういった奨学金を設けたらということで、多額の資金協力があった。そして、検討の段階で少し家計が厳しい家庭の皆さんの意見を聞いたところ、やはり「将来子供に借金をさせたくないので、高校時代は貸付を希望せずに給付型奨学金の創設を望む」というお声もあったので、今回、こういったものを提案しているところである。  その対象の考え方は、先ほども話していただいたが、高校入学者のうち、まず親の年収が約350万円未満であることが一つ、それから、中学校での成績が平均以上であることが二つ、そして、三つ目にスポーツや文化などである程度顕著な成績をおさめているという、こういったところで判断しようということで、そういった要件を満たす者として我々として判断しているのは、約100名程度がそういう対象になってくる。この中から、中学校から推薦をいただいた20名を選考するということである。  特に、財源を税金ではなく、こういった企業家からの多額の寄附金をもとに、さらに皆さんからの寄附、あるいはふるさと納税といったものを取り込んでいくということを考えているので、こういった貴重な財源を有効に生かして長く続けられる制度ということで、余り対象を広げずに、やはり意欲的に福井で頑張る高校生に対して1学年20名でスタートして、さらに募金活動を積極的に行う中で、できる限り今後、制度の充実を検討したいと考えている。 14 ◯山本(正)委員  説明も長いのでだんだん時間がなくなってしまったわけである。いずれにしても、福井県内の高校生が大学のほうへスムーズに進学ができる、そういうことを十分配慮して、入りやすくしていただくということでお願いしたい。  高校生対象も、今、教育長が言ったように趣旨はよくわかるので、できるだけ対象も広げていっていただけるとありがたいかなと、こんなふうに思っている。         「日中友好と福井の経済」 15 ◯山本(正)委員  日中友好と県内企業の参加状況についてである。残り3分しかないので、端的にお願いする。  国家間の情勢が大変厳しい中、地方同士の友好を深めるために、私ども日中友好議員連盟と県日中友好協会が協力して、田中団長を中心として8名の団をつくって、8月末に5日間北京や浙江省へ行ってきた。いろいろ見てきたり、政治的な心配もあったりするわけであるが、その中でも浙江省の一つの富陽市というところにある福井の企業を見てきた。非常に労働力も安定していて、しかも社員も265名──カーテンの会社であったが、15億円余りの利益を上げているということで大変成功した例だと思う。  県内もそういったいろんな失敗や成功の企業があると思うが、最近の進出状況、あるいはまた、政治問題の影響などについてどのように把握して助言しているのか。また、2年前に設置した上海事務所のビジネス支援センターの成果と課題についても伺いたいと思う。端的に答えていただきたいと思う。 16 ◯産業労働部長  中国については、平成23年11月に上海のサポートセンターをつくっているが、それ以降で約30件増設されている。全体で約170の製造あるいは販売の拠点がある。うち、上海のサポートセンターは20拠点を応援して、その20拠点の売り上げが大体30億円ぐらいになっているということである。最近の相談状況を見ると、特に政治問題に関するものはないというふうに聞いている。  課題であるが、より大きな販路拡大につなげるということが重要であるので、現地の大手のアパレルメーカーなどに売り込みを強化している。東南アジアの関心も高まっているが、マーケットとして中国というのは大事だという企業も多いので、引き続き支援をしていきたいと考えている。 17 ◯山本(正)委員  私ども、今回の訪問で日本大使館へ行ってきた。本当に大使を初め、公使、たくさんの人に出迎えていただき、大変な厚遇を得た。特に感心したのは、福井県出身の外務省の職員2人を同席させて、いろいろ事情なんかも説明をしていただいた。  こういう中で、大使も地方同士の交流は実にありがたいということで大変おほめもいただいたところであるが、知事も日中関係、大変厳しい中、浙江省との友好提携行事も積極的に進めていただいた。そういったことから考えて、現在の知事の中国に対する認識と見解をお伺いしたいと思う。 18 ◯知  事  ことしの2月に浙江省との友好提携20周年ということである。日中関係、いろいろ停滞の状況があるが、自治体としては、こうした関係を途絶えさせてはいけないということで、浙江省を訪問し、省長との間で青少年交流、観光交流の強化について合意をした。  また、8月に行かれたということであるが、経済界も9月にはそういう訪問、また11月には浙江省からお見えになるということであるので、引き続き、議会、市町、民間交流団体と協力しながら、まず、地域レベルでの交流を図っていきたいと考える。 19 ◯中川委員長  山本正雄委員に申し上げるが、時間が終了しているので了承願う。 20 ◯山本(正)委員  以上で、質問を終わらせていただく。特に人口減少対策には力を入れていっていただきたいと思う。                               ~以  上~ 21 ◯中川委員長  以上で、山本正雄委員の質疑は終了した。  佐藤委員。         「新幹線建設と在来線3セク化について」    佐藤 正雄委員 22 ◯佐藤委員  日本共産党の佐藤正雄である。  昨日から臨時国会が始まって、安倍総理が所信表明演説を行ったけれども、7月1日に閣議決定を強行した集団的自衛権行使容認についての説明が一言もない。消費税増税で苦しむ国民、中小業者に対するそういう実態に対して心を寄せる言葉も一言もないという状況であった。  今、私たち、町を歩けば、アベノミクスというが、そういう効果は余り感じない。実際、消費税増税と物価高、年金は毎年削減ということで、「1食減らした」とか、あるいは「次の年金支給日までお金がもたないので近所の人に借りている」とか、「年金が毎年減らされているのに負担がふえているのは本当につらい」と、こういう声のほうが多いのである。  このようなときに、県民に財政負担を強いる新幹線建設と北陸本線の第三セクター化というのは大きな問題だと思う。東村総合政策部長は本会議で私に新幹線計画への理解を求められたわけであるが、新幹線建設と北陸本線の第三セクター化には県民の過半数が反対しているのである。だから、民主主義を大事にしたい私としては、現状の計画のまま、つまり建設費の負担、そして北陸本線は県に押しつけるというスキームのままでは賛成するわけにはいかないのである。  そこで尋ねるが、おおよそ新幹線の建設と北陸本線の第三セクター化で福井県と沿線の市町の負担、これは大体幾らになるというふうにお見込みであるか。 23 ◯総合政策部長  今、お尋ねの金沢-敦賀間の総事業費は1兆1,600億円であって、本県の負担対象事業が約7,800億円。このうち本県負担額にJR貸付料というのが充当されるので、それを考慮すると1,800億円。国費と貸付料を差し引くわけである。それから交付税措置後の実質負担というのが約800億円である。現在新規着工区間の貸付料の活用も検討されているから、さらに軽減が見込まれる。佐藤委員が言う試算の中では、この800億円を約2,660億円と試算されて、1世帯当たり97万円という試算でアンケートのときにチラシをお配りになっていたということであるので、ちょっとほかの予断が入っているのではないかと私は感じている。  市町の建設負担金については、駅設置4市の負担金がある。この負担率は県負担額の10分の1であって、4市で約50億円の負担を見込んでいる。これも県負担と同様、起債を借りるので、40年以上で平準化して返すということになるわけである。  第三セクター化に伴う県、市町の負担としては、出資やJRからの駅舎、それから、線路を初めとする鉄道資産などの初期投資がある。今後、旅客流動調査など必要な調査を順次実施して、富山県、石川県などの先行事例も参考にしながら、並行在来線対策協議会において検討を進めていきたいと考えている。現在、開業3年前を目途に策定する計画案の中で明らかにしたいと思っているので、現段階で出資総額、初期投資額及び県と市町の負担割合については、まだ明らかにできていない。 24 ◯佐藤委員  現在、明らかにできないということで、非常に県民に対しては、総合政策部長はいろいろ数字に対して意見がおありのようであるが、県庁自身トータルが大体これぐらいになるということも示せていないではないか。非常に計画自体が無責任だと思う。  知事に1点尋ねる。知事も福井県は副知事、知事と長いのであるが、そういう総事業にかかるトータルの事業費が幾らになるかということも議会に示さないで事業を進めたことは、これまであるか。 25 ◯知  事  今、新幹線の全体の事業費、あるいは負担区分については説明を申し上げたところであるし、並行在来線については先行の石川県や富山県のいろんな数字もあるから、そういうものをもとに福井県としてより詳細な計算をすると、こういうことである。 26 ◯佐藤委員  結局、ないのである。だから、結局県民に対しては、後出しじゃんけんなのである。そんなことないと言っても、実際総合政策部長が答弁したではないか。詳細は説明できないと言ったではないか。 27 ◯総合政策部長  それでは、富山県、石川県の並行在来線三セク化に伴う県と市町の額をざっと申し上げると、富山県の第三セクターの資本金は総額40億円である。そのうち県が25億円、市町村が11億円、民間が4億円を出資している。一方、石川県は総額20億円であり、県が14億円、市町が4億円、民間が2億円を出資している。  JRからの鉄道資産の取得費などの初期投資については、富山県が185億円、石川県が80億円から85億円というふうになっていて、両県とも県による補助で賄っている。また、両県において、開業後の投資、乗り継ぎに係る利用者の負担軽減とか、運賃値上げ抑制のための財源を確保するための経営安定基金というのを設けており、富山県では総額65億円のうち県が30億円、市町が30億円、民間が5億円を拠出している。石川県は約30億円ということで、県と市町が2分の1、初期投資については交付税措置もあるし、十分な財源措置が講じられているところである。 28 ◯佐藤委員  今、言ったように、富山県とか先行事例があるわけであるから、大体このぐらいの負担がかかるということは県民に示していくべきだというように思う。  それで、この数字自体、7,800億円という数字は随分前から聞いている数字である。だから、それ以降消費税が8%であるし、私も反対しているが、今のままいくと来年には10%ということになるから、こういう公共事業費も全部5%アップで計算してこないといけないということになる。今の総合政策部長の説明よりもその分がふえてくるということも指摘をしておきたいというように思う。  それで、一般質問でも取り上げたのであるが、フリーゲージトレインができるまでの間、金沢-大阪、そして、金沢-名古屋間のサンダーバード、あるいは「しらさぎ」の存続を求めたわけであるが、なかなかいいお返事をいただけなかった。そこで尋ねるが、現在、福井駅から大阪方面にサンダーバードに乗車するお客さんで、そのお客さんがおりる駅の割合──どこどこの駅で大体2割とか5割とか、それはどうなっているのか。大阪駅から金沢方面のサンダーバードでは、同じような質問であるが、おりる割合はどうなっているか。ちょっと端的にお答えいただきたい。 29 ◯総合政策部長  サンダーバードに係る乗客数とか、それぞれの降車駅の割合というのは公表されていない。国土交通省が平成24年度旅客地域流動調査というのを行っていて、これによると、福井県からJRで大阪府へ出かけた人は1日当たり1,500人、京都府は1日当たり約1,200人である。また、大阪府、京都府から福井県を訪れた人はほぼ同数が戻ってみえているということである。これはわかりにくいかと思うので、皆さんサンダーバードをもし利用されているということであれば、サンダーバード1便当たり約100人程度が乗車されているということである。 30 ◯佐藤委員  今、言ったように活発に利用されているが、実は、石川県が今回の新幹線開業に即して独自の調査をやられている。多分知っていると思うが、やられている。その結果を見ると、石川県では全列車の乗客数が6万7,000人と、普通列車が4万7,000人、特急列車が2万人である。特急列車2万人のうち、要するに、福井県方面へ行く人は9,500人、福井県方面に行った人で大阪へ行く人は4,400人、米原方面は2,100人ということで、要するに、サンダーバードなり、「しらさぎ」を利用して福井県内を通過していくという方は、やっぱり相当の人数おられるわけである。この人たちは福井県を通過してどこへ行くかといえば、京都、大阪、あるいは、名古屋ということになると思う。だから、これだけたくさんのお客さんが利用しているのが現行のサンダーバードであり、しらさぎである。  今、部長が言われたように、福井県民も利用しているということなのである。だから、これらの皆さんのお客様の利便が、料金が高くなるし、一旦敦賀駅で乗りかえなければいけない。利便性が悪くなるようではいけないということを、重ねて私はいつも申し上げているのである。だから、これは国とJRの責任であるので、ちゃんと国とJRに求めて、利用者の国民に迷惑をかけたらいかんと、とにかく暫定的に特急列車の運行を求めるということはどうしてできないのか。 31 ◯総合政策部長  並行在来線については、JRとの経営分離というものが新幹線の着工5条件の一つになっているので、福井・石川両県及び沿線市町がこれについては同意をしているということである。在来線区間はこれから切り離されて、第三セクターが運営する区間について特急列車を走らせるということは、既にこの条件の中で我々は約束しているので、これについてはできないということである。 32 ◯佐藤委員  これの責任はどこにあるかということをもう一回問いたい。これは、実際は福井県庁に責任があるわけではないのである。だから、これはやっぱり国とJRに責任があるのである。条件は条件なのであるが、切り離すのが条件であるが、それは何も第三セクターをやめなくてもできるわけである。要するに、第三セクターで引き受けながら特急を運転してもらえればいいわけである。要するに、前も言ったように、例えば、JR貨物にしてもそうであるし、使っているわけである。残念ながら廃止になったけれども、寝台特急を走らせるなら、それだってそうなるわけである。在来線は走るわけである。だから、そういう発想できちんとお客さんの立場に立つ、利用者の立場に立つ。何かJRの経営の立場じゃなくて、きっちりと利用者の立場に立って物を申すべきだと思うが、その辺はどうか。 33 ◯総合政策部長  寝台特急の話があったが、そういう企画的な分野で寝台特急とか走っていただくのはありかと思うが、そもそも今回、切り離して第三セクター化することによるメリットというのが、特急が走らない空き時間を通勤、通学の快速電車とかを我々の手で、第三セクターの手で走らせることができるというのが大きなメリットである。そういう活用をしていきたいと考えている。
    34 ◯佐藤委員  今、申し上げたように、ちょっと議論が平行線であるが、やはりこのまま続けていけば、こういう事態になったら、必ずそれはお客さんからクレームが出る。クレームはJRに向かって福井県庁には向かわないだろうけれども、やはりそういうことではいけないと、これは再度申し上げておきたいと思う。  それで、こういう問題はいろいろある。まだまだ県民の皆さんにもフリーゲージトレインのこととか知られていない。それから、第三セクター化を含めた財政負担のこともなかなか知られていないという問題があると思うが、石川県は今度アンケート調査をやるらしい。石川県は人口減少、新幹線問題とか含めたアンケート調査をやるということで、9月17日の新聞に報道があったが、やはりこういう重大な問題であるから、福井県としても、きちんと県民の意向──どういうものを望んでいるのか、あるいは、望んでいないのかを含めてアンケートをとる必要があると思う。東村総合政策部長は、市民の会がとられたアンケートについていろいろデータが不正確だということを指摘されているが、これは県民の負担の額が50万円に下がれば賛成がどっとふえるとかいう単純な問題ではもちろんないと思うのである。だから、やはりきっちりと県としてそう言うのであれば、責任を持った調査をやるべきである。石川県もやるわけであるから、西川知事、福井県もぜひやってほしい。 35 ◯総合政策部長  新幹線の問題については、県議会で十分議論いただいており、また、県議会の議員方と相談しながら考えていきたいと考えている。 36 ◯佐藤委員  そんな都合のいいときだけ県議会と相談していると、そんなことを言ったらだめである。やっぱり積極的に県民の声をリサーチするということがどうしてできないのか、知事。 37 ◯総合政策部長  全く拒否しているわけではない。皆様、議員方と相談して考えていきたいと思う。 38 ◯佐藤委員  是非よろしくお願いする。それで、来年春、いよいよ3月に金沢開業ということになるが、金沢-福井間の特急列車が3本できるというようにJRが発表している。これについて福井県としての活用策、運行時間帯などを尋ねる。 39 ◯総合政策部長  この3本の特急列車については、県でもこれまでJR西日本に対して、北陸新幹線金沢開業時にビジネス等の用務で首都圏に滞在する時間がふえるよう、金沢駅において早朝とか深夜の新幹線に接続できる列車の増便を要望してきたところであって、先日、発表があった3本の福井-金沢間の特急列車増便は、こうした要望に基づくものだというふうに認識している。具体的な運行時間はまだ決まっていないが、より便利なダイヤ編成になるよう、今後もJR西日本に要望していきたいと考える。 40 ◯佐藤委員  JRにしてみれば、これはどんどん福井県のお客さんを金沢へという発想が当然ある。当然そういうことになってくると思うのである。今、ビジネス用務と言ったけれども、ビジネス用務はもちろんであるが、より福井県民が、福井市民が金沢へアクセスが一層便利になるということになってくると思う。ずっと議会でも議論されているが、いろんな福井県の、福井市内の商業問題、あるいは、人口減少問題ということを考えると、どんどんそうなってくると、新幹線の効果のときにストロー効果に気をつけなきゃいけないということがよく言われている。福井まで新幹線は来ていないのだけれども、こういう形で事実上、福井-金沢シャトルみたいなことをどんどんやられると、ストロー効果が出てくるのではないか。 41 ◯総合政策部長  ストロー効果については我々としてはまだ十分検討していないので、今後検討していきたいと思う。 42 ◯佐藤委員  来年の3月のことである。だから、やはりこれはしっかり対応というか、便利になる面と、福井の商店とかいろんなそういう方にとってマイナスになる面と両方を見ていかないと、よっしゃ、よっしゃということだけでは済まないというように思う。  それで、ダイヤ改正が毎年行われる。多分、新幹線開業に合わせてダイヤ改正が行われるわけであるが、このときに、いわゆる普通列車──現行の金沢─福井間とかの普通列車、これが削減にならないようにはきちんと要望しているのか。 43 ◯総合政策部長  我々の並行在来線になるところではなくて、現行のことか。現行のことについては減便にならないよう要望している。 44 ◯佐藤委員  富山県、石川県でも心配が起こっているのは、シャトル新幹線を走らせるわけである。そうすると、その区間の並行在来線について当然お客さんが吸い取られるというのを、富山県、石川県なんかでも心配が出ているわけである。だから、福井の場合は新幹線──まだ福井駅は開業していないが、同じようなことで、普通列車のお客さんが減って普通列車が減便になるということだけは避けなければいけないので、お願いもしたいというふうに思っている。  それから、同じくJRが発表した新幹線の運行計画を見ると、いわゆる県が宣伝している最速で東京へ接続するというのは1日10本しかないのである。そうすると、実際に数十本走ると思うが、福井県なり、石川県なりが宣伝してきた、東京へ早く行けるという効果がたった1日10本しかないところは、どのように評価されているのか。 45 ◯総合政策部長  金沢駅と東京駅が今、最速の「かがやき」が10往復ということの指摘だと思うが、1日10本というとほぼ1時間に1本ということであって、今、我々が東京へ米原回りで行っている本数と比べても、それほど遜色はないのかなと思っている。 46 ◯佐藤委員  だから、実際に新幹線が来て、何十本か新幹線は列車としては来るが、行政が宣伝しているような効果はさほどない。今と変わらないのであれば、今の新幹線は要らないじゃないか。要するに、今、福井駅から乗って、あるいは武生駅から乗っていくのと、1日1便ぐらいでさほど変わらないというのであれば、効果がないわけであるから、やはり実際、金沢開業の1日10本の新幹線、最速タイプが1日10本どまりだというようなこともよく見ておかないと、実際、県民に対しては大きく宣伝していたけれども、さほど効果は大きくないということになりかねないのではないかということは指摘をしておきたいというように思う。         「原子力行政について」 47 ◯佐藤委員  原子力の問題で質問するが、原発の稼働で発生する使用済み核燃料や再処理の後の高レベル放射性廃棄物に関して、日本学術会議が「再稼働を判断する際に、新たに発生する高レベル放射性廃棄物を暫定的に保管する施設を電力会社の責任で確保しなさい。そのことを必要条件にすべきだ」とする報告書をまとめた。このことについて知事の見解を尋ねる。 48 ◯安全環境部長  佐藤委員指摘の日本学術会議の提言であるが、これはわかりやすくいうと、例えば、県内の関西電力の原子力発電所で発生した使用済み燃料を一旦青森の六ヶ所村に持っていって、そこで再処理を行う。その再処理の結果生じたガラス固化体──いわゆる高レベル放射性廃棄物を、また関西電力の消費地の管内、近畿圏に持っていって、関西電力の責任で当面──日本学術会議の提言によると30年ということであるが、どこか地上に30年保管をしておいて、その間に最終的に地下に埋めるのか、あるいは、どうするのかという方針を決める、このような提言であると理解している。  このことについては、昨年度、経済産業省の総合資源エネルギー調査会の放射性廃棄物ワーキンググループというものがあって、こういった学術会議の提言についても十分検討をされた。その結果として、やはりほとんどの欧米諸国が、基本的には現在地層処分というものを方針として持っている。そういう欧米の動向からも見ても、今、ここで例えば30年とか、あるいは一定の期間将来の方針を固めずに暫定保管だということが、果たして今の我々の生きている世代が果たすべき役割としてどうなのかということから、ここは何かがあった場合にさかのぼると、そういうオプションは持つのだけれども、基本は地層処分をしていく方針であるべきじゃないかという方針を立てたわけである。  こういうことで、県としては、こういった方針を立てたということであれば、国がその体制を強化して最終処分という道筋を着実につけるように進めるということが重要ではないかというふうに考えている。 49 ◯佐藤委員  あわせて、この報告書をまとめた責任者の方は、こういう課題が積まれたまま再稼働して、そういう廃棄物がどんどんふえていくということは避けるべきでないかということを、まとめるに当たって指摘しているわけである。だから、なかなか技術的にも非常に困難な課題がある。きのうも「ふげん」の再処理の問題が報道されていたが、そういうのも含めてこのような課題があるということで、あわせてそういう再稼働問題と絡めて日本学術会議の責任者の方は発言をされている。これについてはどういう見解であるか。 50 ◯安全環境部長  佐藤委員指摘の御発言もあったわけであるが、その一方で、この検討委員会の委員長、今田東京大学名誉教授であるが、こういった暫定保管を電力会社が行うということを、例えば、再稼働の条件にするということについては、現実的な問題としてはなかなか悩ましい問題だと、検討委員会の委員長自身もそういうことを言われていることも事実である。 51 ◯佐藤委員  悩ましいから再稼働しないほうが当面いいということになるわけである。それで、一般質問でもちょっと聞いたが、知事に尋ねるが、今、再稼働に当たっての規制基準、これをクリアすれば政府は再稼働を認めるというのを小渕経済産業大臣も言っているわけであるが、知事は、そもそも欧米に比べて日本の基準が劣っているのかいないのか、その辺はどのように認識しているのか。 52 ◯知  事  新規制基準については「国際原子力機関や諸外国の規制基準を参考にしながら、我が国の自然条件の厳しさ等も考えて、地震や津波への対策の強化やシビアアクシデントの対策の導入を図った上で、世界最高水準の基準となるよう策定したもの」というのが政府の基本的な考え方である。  新規制基準は、福島事故の教訓、また、日本特有の地震などの自然条件に対する考慮、IAEAとの国際基準をもとに、これまでの知見を十分反映したものであると考えており、事業者は新規制基準に基づいて発電所の安全向上対策を進めていくべきと考える。 53 ◯佐藤委員  基準そのものが、ちょっと一般質問でも言ったけれども、いろいろなコアキャッチャーとかを含めて、もし万が一、福島のようなメルトダウンを起こすような事象が起こっても、事故が起こっても、例えば日本の原発はそれを防ぐという装置が標準装備されていない。そういうことで非常にまだまだ不十分だという指摘があるが、そういうのを知事はどのように考えているか。 54 ◯安全環境部長  佐藤委員指摘のような、例えば、欧米でコアキャッチャーがあるというような設計であるが、現実に今設計段階ではそういうことはあるが、動いている発電所で、例えば、コアキャッチャーというものが備えられているかというと、そうではない。ただ、さまざまな対策というのは確かにあるにしろ、現実にそのような議論に対して、一つ一つの設備が整っているかどうかと、そういうようなことではなくて、あくまでプラント全体として、炉心損傷が起こったときに、どのように対処できるか、いわゆる性能要求をしているということで、安全性は保たれているのだということである。それは、田中原子力規制委員委員長が国会等でもそのように答弁されているということであって、私どももそのように理解しているところである。 55 ◯佐藤委員  だから、全く福島原発の事故を考慮していない答弁だと言わざるを得ない。先ほど地震、津波の対策と言ったが、それもやってきているというのが、国会でのこれまでの従来の原子力安全・保安院を含めた答弁であった。だけど、実際にはああいう事故を起こしてしまった。その反省の上に立って新基準をつくったけれども、まだまだ諸外国に比べれば不十分な基準のまま再稼働を認めようとしているというのを一番国民が心配しているのである。実際、今回のような御嶽山の噴火もあったが、やっぱり火山の問題はどうなのかというのも、今川内原発ではテーマになってきている。やはりそういうことを含めれば、非常に不十分だと言わざるを得ないと思う。  それで、実際に原子力規制委員会の審査の次は、福井県の場合は独自に原子力安全専門委員会というのを開くことになる。  ちょっと1点お尋ねしたい。安全環境部長も読んでおられると思うが、こういう「ENERGY for the FUTURE」という雑誌があって、これは原子力専門というか、PR雑誌なのであるが、ことしの春の号に、今、福井工業大学の教授をされているが、前の原子力安全対策課長の来馬さんと委員長の中川さんとかが対談されている。この対談の中で、それはそれぞれのお立場だからいいのであるが、民間の方はお立場だからいいのであるが、中川委員長自身もさきの大飯発電所についての福井地裁の判決を中身がない判決だというように、かなり厳しい口調で理解しがたいということで、かなり厳しく批判されているわけである。これは、要するに、こういうことが公になっている雑誌で、県の原子力安全専門委員会の委員長の立場におられる方が、最初からこういう形で福井地裁判決を批判するということになってくると、この後議論をされても、最初からそんな色めがねで見ているのかということになってしまうという懸念が出てくると思う。その辺はいかがか。 56 ◯安全環境部長  今後の再稼働のさまざまな判断に当たって、当然、県の原子力安全専門委員会の審議の中で、県民の立場に立った観点でさまざまに議論していくことになろうと思う。中川委員長におかれては、これまでもそういう委員長としてのお立場で公平、公正に判断なされているところであって、これからの運営に当たっても、そのような立場で臨まれるものと考えている。 57 ◯佐藤委員  多くの国民の共感を呼んでいる福井地裁判決を、内心はともかく、公のこういう文章になるところで正面から「中身がない」などと批判する人は不適切である。そのことは申し上げておきたいと思う。  それから、もう一点尋ねるが、さきの原子力防災訓練とそのシミュレーションによれば、福島原発事故級の事故が高浜原発で起こったときに、避難計画の実行によって住民総数のうち何%を避難先まで避難させることができるか。また、何%の住民を被曝することなく避難させることができるかという、おおよその推計を伺う。また、今回の訓練のいわゆる総括文書、いろんな評価はいつごろ発表されるのかということを尋ねる。 58 ◯危機対策監  まず、原子力災害時においては、何%の住民を避難させるかというふうな問題ではなくて、避難対象となる全ての住民を安全かつ迅速に避難させるということが重要である。国が定める原子力災害対策指針では、放射性物質放出前の全面緊急事態の段階で、PAZ─5キロ圏については避難を実施し、UPZ圏─5キロから30キロ圏については全域で屋内退避を実施する。その後、UPZ圏については放射線量が毎時500マイクロシーベルト──IAEA基準の1,000マイクロシーベルトの半分を超える地域を数時間内に特定して、1日以内に避難を実行するということになっている。先般の訓練においてもこうした想定をしており、万が一の事故の際にも、こうした考えをもとに対応していくということである。  それから、訓練の総括であるが、防災訓練においては、一般災害、原子力を問わず、これまでも参加機関による課題の検証、それから、参加住民や防災関係者へのアンケートにより明らかになった課題等について記録として取りまとめており、次の訓練に反映させ充実を図ってきたところである。今回の訓練においても、訓練終了後、県、関係市町、国、自衛隊、海上保安庁、警察、消防により訓練の課題について検証した。また、参加住民や防災関係者に対するアンケートも実施している。これらの結果について今後取りまとめをして、次回の訓練に生かして内容の充実に努めていきたいというふうに考えている。 59 ◯佐藤委員  全住民を安全に避難させるのは当たり前。それはそのとおりである。だけど、実際に、例えば、私が避難所で聞いた地区の方は小浜市の松永地区というところの方であったが、車で避難所まで避難する。別に全住民が対象になったわけではない。だから、やはり実際に全住民が一斉に車で、何百台の車が動き出せば、こういうことも可能なのかという疑問があるが、これはマスコミも書かれているし、県議会の委員会でも質問、議論があったというふうに報道されているが、当然ではないか。だから、本当に実効性があるのかどうということが問われているので、あえてこういう質問をしているわけである。だから、それならそれにふさわしい訓練をどうするのかということを尋ねたいのと、取りまとめた文書はいつ発表されるのか。 60 ◯危機対策監  まず、訓練については、今回は30キロ圏に範囲を広げて初めての訓練ということで、段階的避難の手順──スクリーニング、安定ヨウ素剤の配布、それで避難というふうな手順を大きく確認するというふうな確認の訓練をした。  今後は、いろいろと情報伝達であるとか、それから安定ヨウ素剤の配布であるとか、スクリーニングであるとか、そういう個別の訓練というものを、今の住民の検証結果をもとに充実をさせていかなければいけないというふうに考えている。  それから、先ほどの取りまとめについては、今現在、アンケートの結果等を集計しているので、できるだけ早い時期に取りまとめたいというふうに考えている。 61 ◯佐藤委員  発表されるのか──公表。 62 ◯危機対策監  これまでは、特に内部で集計しているので積極的な発表ということはしていないが、求めがあればお見せすることはできると思う。 63 ◯佐藤委員  何かおかしな答弁である。これだけ参加者、県会議員、そして、マスコミの方からも厳しい検証があるのである。ちゃんと公表して、それも検証してもらわないといけない。ちゃんと公表してくださいよ。 64 ◯危機対策監  取りまとめ文書の公表については、検討させていただきたいと思う。 65 ◯佐藤委員  それを強く求めておく。         「福祉行政について」 66 ◯佐藤委員  最後の質問であるが、これも議会で繰り返しお願いしていることであるが、子供さんの医療費無料化制度の拡充ということでお尋ねをしていきたい。  現在、償還払いである。そこで、市町が実際、外部機関に支払っている事務的経費の総額は幾らなのか。これが現物給付というか、窓口無料化ということになれば、外部機関に支払うそういう費用が幾らぐらいに変わるのかというのを尋ねる。実際多くの県が現物給付に踏み出しているけれども、群馬県は県として行っている。この群馬県の制度は群馬県自身がどう評価しているのか、そして、福井県は群馬県の医療費無料化制度をどう見ているのか、この点を尋ねる。 67 ◯健康福祉部長  最初の質問の事務費の問題については、医療機関とか、国民健康保険連合会に支払っている名寄せ等の事務費ということで、平成25年度の実績でいくと1億2,000万円かかっている。これが窓口無料化になったときの手数料はどうなるかというのは、単価等が、今やったことがなく持ち合わせていないので試算はしていない。けれども、佐藤委員指摘のとおり、これについては窓口無料化にすることによって国民健康保険の国庫負担金の減額措置があるので、そういった額に見合うような経営効果があるかどうかというのは、ちょっと私のほうは難しいのではないかなと今は考えている。  それから、群馬県さんがやられているということで、群馬県がどういう評価をされているか私は承知していない。現在、窓口無料化23都県、また、本県と同じ償還払い10道県、あと併用をやっているのが14府県という現状ではある。本県としては、現在、医療無料化については、先ほど申したような国庫の減額調整があるという意味でも、市町としてはいろいろとまだ慎重な意見もあるが、我々としては、まずそういった減額調整の廃止を知事会として強く求めていきたいと思っている。 68 ◯中川委員長  佐藤委員に申し上げる。発言時間を相当超過しているので…… 69 ◯佐藤委員  時間が来たので終わるが、今答弁をいただいたように、今でも事務費が1億2,000万円かかっている。国保のペナルティーは約8,000万円である。だから窓口を無料化したほうが財政的にもいいのだということが今の答弁で浮き彫りになったので、ぜひよろしくお願いする。                               ~以  上~ 70 ◯中川委員長  以上で、佐藤委員の質疑は終了した。  石川委員。         「敦賀市粟野交番所について」       石川与三吉 委員 71 ◯中川委員長  石川委員よりパネルを使用したい旨の申し出があり、許可している。
    72 ◯石川委員  県会きってのお二方の質問が先にあったので、少しびびる気がするけれども、一生懸命やらせていただく。  自民党県政会の石川である。通告に従って質問する。明快な答弁を求める。  その前に、8月以降の豪雨により全国至るところで大災害が発生した。また、御嶽山の噴火により、死亡者や心肺停止の方々が多くおられる。広島では、多くの犠牲者、また、災害から1カ月ぶりに発見された方々、家屋の崩壊等に見舞われた方々に、心からお悔やみとお見舞いを申し上げたい。  それでは、質問に入る。  まず、初めに敦賀市粟野交番について質問をする。  人口減の進んでいる福井県は、8月に杉本副知事を本部長とする人口減少対策推進本部を設置した。ところで、この人口減の時代において、敦賀市粟野地区においては、平成9年より世帯数及び人口ともに増加しているのである。敦賀市粟野地区は24の行政区からなっており、敦賀市の調査によると、その世帯数と人口であるが、平成9年、世帯数は6,822世帯、人口は2万786人。平成17年には、世帯数は7,993世帯、人口は2万2,057人。平成26年には、世帯数は8,951世帯、人口は2万3,061人。このように他地区では人口減が続いているにもかかわらず、粟野地区は17年間で世帯数も人口も増加しているのである。平成26年3月末現在である。  さらに、この3月末現在より7月1日までの92日間で、世帯数が9,015世帯、人口が2万3,116人。約3カ月で世帯数が64世帯、人口が55人増加したのである。このままでいくと、さらに5年後──平成31年になると、予想世帯数は9,532世帯、人口は2万3,637人。10年後の平成36年になると、予想世帯数は1万151世帯、人口は2万4,277人と推定されるのである。(パネル掲示)これが粟野地区の世帯数である。人口はこのように伸びている。  このままでいくと、粟野地区は人口世帯数増の特別地域になるのではないかと思うが、知事の所見を尋ねる。 73 ◯知  事  今、中学校区ごとに言われたのかと思うが、平成17年の国勢調査から平成22年の国勢調査で人口がふえている、そうした地区は県下で14地区あるという調査が出ており、粟野地区もそのうちの一つかと思う。将来ずっとそのとおりになるかというのはまた別の話かと思うが、できるだけ元気の出る地域であってほしいと思っている。 74 ◯石川委員  次に尋ねるのは、平成26年6月30日──6月定例会における土木警察常任委員会において、交番施設の現状について警察本部から説明がなされている。  福井県下には43の交番、93の駐在所があり、その整備については現在の建築基準法に改正される昭和56年以前に建設された交番所を中心に、老朽度や狭隘性、その他治安情勢等を踏まえて進めている。敦賀警察署粟野交番は昭和57年に建設された交番である。昭和56年以前に建設された交番が、今年度建てかえる3交番を含めて17交番残っている現状であることから、現時点では粟野交番の速やかな建てかえは予定されていないということである。現在地が狭隘なため交番の移設を必要と考えている。請願書が提出された要望のあった場所については、敷地面積、道路環境などの点でも有望な施設候補地の一つとして検討を進めていくということである。  また、当面の改善策として、現在の粟野交番の駐車場が狭く、地域住民が立ち寄りにくいということから、植栽の植え込みに切り込みを入れることにより、駐車可能台数を5台から7台に拡充するということである。駐車場をわかりやすくするためにもライン引きを予定するということである。  以上のような説明があったが、間違いないか尋ねる。 75 ◯警察本部長  警察本部としての考え方は、今、石川委員が言われたとおりである。 76 ◯石川委員  現在、昭和56年以前の交番について建てかえを進めるということであるが、粟野交番は昭和57年に建設されたものである。しかも、敷地が狭隘なこともあり駐車場も少ないため、地区住民が交番に立ち寄ろうとしても、いろんな困難なことが多々ある現状である。同地区は敦賀市民の3分の1の住民が生活しているところであり、しかも、人口は年々増加している現状である。先ほども説明したとおりである。そこで、住民の安全・安心のために、一日も早い粟野交番の建てかえが必要と考えているが、いかがか。  現在の粟野交番の写真を見せる。(パネル掲示)これが西側から見た粟野交番。桜の木の下の陰になっている。これが東側から見た粟野交番所である。これが前方。2万人以上の町にふさわしい交番所と知事は思われるか。ブロックで囲まれ、日が差さないというようなところである。知事、この写真を見ていかにひどいものだと思わないか。 77 ◯知  事  なかなか趣のある伝統的な交番だと思う。これからどうするかというのはまた議論が必要だと思う。 78 ◯石川委員  趣のあるというような答弁が返ってくるとは思わなかった。古いものには趣がある。  警察本部によると、交番の建築基準法は公安委員会の条例ではないかと思う。先ほど警察本部から出された説明によると、現在、建築基準法に基づいて、交番所や駐在所を建てかえるというような説明であったが、建築基準法は、年月や強度、コンクリート、鉄筋の風化、または、使用する人の安全を守るため、また年月の過ぎた特定の建物に耐震構造という一定の地震に耐える安全面を確保する義務がある。すなわち建築基準法であると思う。ここで尋ねるが、いかがか。どなたかから答えをいただけるか。 79 ◯警察本部長  先ほど石川委員が紹介いただいたように、昭和56年の基準以前に建てられた交番が、まだ17残っているということであるが、こうした交番も警察本部としては必ずしも古い順番に建てかえているわけではないので、個々の老朽度や耐震性の問題を踏まえて、その都度緊急性を判断して建てかえているところである。  また、粟野交番についても、これらの交番と同様に老朽化が進んでいるし、また、狭隘な土地であると認識しているところである。また、先ほど石川委員からあったように、粟野交番の建てかえについては、粟野地区2万3,000人の住民の方々の安全・安心を守る拠点ということもあって、6月議会で採択された請願においても、一日も早い粟野交番の移転建てかえを願う地域住民の皆さんの思いということも十分承知しているところである。  また、国道27号若葉交差点から以南の都市計画道路岡山松陵線の道路整備が完成すれば、粟野交番管内の中央を新たな主要幹線が縦断することになって、人、物の流れが大きく変化する。また、これに伴って当然治安情勢にも影響があることは、十分認識している。こうしたことから、警察本部としては、こうした道路整備に伴う環境や情勢の変化におくれることなく交番の整備を行っていきたいというふうに考えている。 80 ◯石川委員  警察本部長は、私の質問することがまだ終わらぬ先に言ってしまったように思う。余り急がないでほしい。粟野交番の建てかえを速やかに進めるというのは、人口増や世帯増、交通の変化、地域住民と交番員との交流の場、お年寄りや子供たち、相談ごとのある人が気楽に立ち寄って、どなたでも談話ができるような交番が今日の時代にふさわしいというように思うが、ここで知事に再度尋ねる。 81 ◯知  事  地元の皆さんからいろんな現状とか御要請は、私よく聞いているので、そうしたことを踏まえて検討していくということかと思う。 82 ◯石川委員  平成26年7月20日、舞鶴若狭自動車道全線開通により嶺南、嶺北が一体化された。さらに、遅くても1年半後には敦賀市長谷にスマートインターが完成する予定である。また、20年間放置されていた都市計画道路岡山松陵線は、西川知事の英断により、平成24年に工事が着手された。工事は現在進行中であるが、この道路が完成すると、敦賀半島先端の原子力発電所より通じる県道141号と接続することになる。さらに、粟野地区中心部を走る夢街道とも接続すると他県の車両が増加し、敦賀市西側の重要道路として活用されることになると思うが、知事に、どのように思われるか再度尋ねる。 83 ◯土木部長  舞鶴若狭自動車道開通ということで、国道27号と舞鶴若狭自動車道のインターチェンジを、新たに敦賀市が敦賀南スマートインターチェンジというのをつくっていて、そのルート沿いを行こうと思うと、クランク状態で市道を通ったり県道を通ったりという状態になっている。  岡山松陵線を今、平成24年に全体事業費24億円、うち用地補償費19億円、約8割を占めるが、これの事業に着手しており、測量、設計を終えて、現在、物件補償を含めた用地取得に努めているところである。現在、地権者32人のうち7人と契約して、物件7件の補償と用地約1,700平方メートル、20%の取得をしている。ことしの予算で用地だけの人、用地補償費の人があって、大型物件を除くと31人のうち約半分の契約ができるという予算で進めている。岡山松陵線ができた後、舞鶴若狭自動車道敦賀南スマートインターチェンジに行こうと思うと、今クランク状態になっている。県道山櫛林線と県道津内櫛林線が180メートルあいていて、それをつなぐとほぼ一直線で国道27号に舞鶴若狭自動車道インターチェンジとつながるということで、それもまた岡山松陵線の進捗に合わせて今後検討が必要と考えている。 84 ◯石川委員  丁寧な答弁をいただいた。ありがとう。平成26年版福井県勢要覧に、一目でわかる福井のよさ、平成25年10月1日の人口と世帯数がある。その中に福井県で人口3万人前後、世帯数1万前後の3市の統計数が出ている。その敦賀市粟野地区も3市に近い統計数である。その3市の中には、1市には交番が1、駐在所が5、2市目が交番1、駐在所4、3市目が交番2、駐在所4ということになっている。なぜか敦賀市粟野地区は、交番1、駐在所ゼロと、その現状の数字を見ても大きな差があるように思う。知事、こういうことになっているが、いかがか。 85 ◯知  事  今、道路の話や、あるいは粟野地区の人口増加集中というのがあった。全体的に当該地域の課題だと思う。十分御要請も聞いているので、検討しながら適切な結果を出していきたいと、このように考えている。 86 ◯石川委員  もっと早くそういうことを出してくれるとよろしいのであるが、少し遅いように思う。これはわずか100日足らずでこれだけ人口がふえる。ここにもその書類がある(パネル掲示)。交番、こういうように子供たちと接触するような、こういうところが大事である。だから、こんな真っ暗の交番には子供も年寄りも寄らない。こんなもの駐車場3台を5台ふやしてもどうということないのである。誰も入らない。私も近くに行くのは気持ち悪いから遠く離れて写した。こういうことである。  先ほどの答弁では、福井県はただ単に交番の年数や狭隘性だけで考えているようであるが、そのような考え方は余りにも単純過ぎるように思われる。粟野地区はもとより、現在の予定地域は環境が整っているいい場所である。警察本部長の言われたとおりである。ただ単に年数が1年や2年がどうであっても、時代の変化に合わせた対策が必要ではないかと思うが、いかがか。嫌であろうけれども、再度、知事、答えていただきたい。 87 ◯警察本部長  先ほど答弁申し上げたとおり、必ずしも古いだけということは考えていない。現に古い順番ではない。その辺は先ほど申した、治安情勢、緊急性その他の情勢を考慮して建てかえを進めているということであるので、理解を願う。 88 ◯石川委員  交番の1カ所の工事費が、約3,500万円ほどの経費がかかるということである。しかし、粟野地区は特別な地域だと思う。それぐらいの予算を費やしてでもよいのではないかと思うが、知事、答えは出ないか。 89 ◯知  事  石川委員の要請も伺っているし、そして、交番、あるいは、いろんなそういう施設については、警察本部が全体のそれぞれの地域の治安状況等を考えながら進めていただいているわけである。我々の考えも伝えて、結論を出していただくという、こういうことかと思うので、理解をいただいたほうがよろしいのじゃないかと思うが。 90 ◯石川委員  それで納得した。         「一般県道敦賀柳ヶ瀬線について」 91 ◯石川委員  次に、一般県道敦賀柳ヶ瀬線について尋ねる。  私は、平成7年9月定例会で、県道敦賀柳ヶ瀬線に係る一般質問をさせていただいた。県道敦賀柳ヶ瀬線は国道8号から分岐し、滋賀県境まで約5.2キロメートルの道路である。その間、柳ヶ瀬トンネルの長さ1.4キロメートルが滋賀県境に含まれており、その10分の4は滋賀県の管理ということである。ところで、柳ヶ瀬トンネルの2車線化については、平成8年3月15日に開催された本会議で陳情第11号として採択されている。18年が経過している。県の方向性が見えていない。さらに、一般県道敦賀柳ヶ瀬線の全線整備についても同様である。いかがか。間違いないか、答えを願う。 92 ◯土木部長  県道敦賀柳ヶ瀬線であるが、国道8号、敦賀市麻生口から国道365号、滋賀県長浜市余呉町までを結ぶ延長約5.2キロの生活道路である。トンネルを除いておおむね2車線で改良済みである。県境部の柳ヶ瀬トンネルは延長1.4キロメートルあって、うち福井県分は約0.8キロメートル、滋賀県分は0.6キロメートルと、その中は1車線であって、現在、信号による交互通行としている。1日当たりの交通量であるが、平成11年が1,100台、平成17年には950台、平成22年には900台。そのうち、余呉湖の北に住む人が約3分の2の600台ぐらい、敦賀市から滋賀県へ向かう人が300台ということで、長浜市余呉町北部から敦賀市への通勤、買い物の人が多くを占めているということである。  県道敦賀柳ヶ瀬線の整備については、舞鶴若狭自動車道の開通とか、国道161号愛発の改良とか、それから滋賀県の塩津浜の改良とか、いろんな改良をやっていて、今後の交通量の推移を勘案して検討していきたいというふうに考えている。 93 ◯石川委員  柳ヶ瀬トンネルの2車線化についてであるが、トンネルは今言うように旧国鉄のトンネルを利用した片側一車線で通行しているところである。信号機による片側通行のため、待ち時間が長時間となり大変不便な状況である。そのため、柳ヶ瀬トンネルの2車線化の必要について陳情をしている。現在の敦賀柳ヶ瀬線の現状を写真で見せる(パネル掲示)。これは敦賀からの柳ヶ瀬トンネルの入り口である。明治14年開通している。古さにしては日本一かもしれない。これが滋賀県側のトンネルである。こんな状態で県道が陳情採択されてから18年が過ぎている。いかがか。 94 ◯土木部長  トンネルについては、明治にできた古いトンネルで1車線ということで、信号処理しているという状況である。ただ、供用を開始しているトンネルとしては日本で2番目に古いトンネルということで、非常に大事な構造物でもあるという認識もある。 95 ◯石川委員  知事はどこまで認識されていたか。 96 ◯知  事  一度も見たことがないので、見たいと思う。 97 ◯石川委員  さらに伺う。  敦賀柳ヶ瀬線に沿った集落は、冬期間になると平野部より3倍以上の積雪に見舞われ、大変苦労している。そのため、融雪装置の必要性を訴えた。しかし、施設は現在一部しか整備されていない。当時の土木部長は本会議の答弁で、「冬期間の交通確保については従来から機械除雪により実施していたところである。今年度も急坂部や人家連檐区域など、必要な箇所について融雪装置を設置する」というような答弁であった。これは18年前の答弁である。間違いないか答えていただきたい。 98 ◯土木部長  間違いなくそういった答弁をしている。 99 ◯石川委員  しかし、現状というと、機械による除雪は完璧なものではない。昨年12月末に刀根地区から急遽除雪の要望があり、私は早速、嶺南振興局に連絡して対応していただいた。融雪工事も一部のみで、全面融雪はほど遠いものである。早急に全面融雪を進めていただきたい。こうした現状を踏まえて、知事はどのように考えられるか伺う。 100 ◯土木部長  県道敦賀柳ヶ瀬線の融雪の件であるが、県内の消雪施設については、排雪が困難である人家連檐部、それから、車がスリップしやすい急な坂のところ、交通量の多い交差点、踏切前後の道路、橋梁部、あるいは緊急医療機関周辺道路ということで重点的に整備を進めてきた。  お尋ねの敦賀柳ヶ瀬線であるが、平成7年度から11年度にかけ、約1億2,000万円をかけて、国道8号との取りつけ部である急な坂がある敦賀市麻生口の約300メートル、それから、人家連檐している敦賀市刀根が約900メートルあるが、そこの1,260メートルの消雪施設を設置してきたところである。残りは、旧北陸線の線路を道路にしたということで、勾配が2.2から2.5%という非常に緩い勾配であって、人家もないということで、機械除雪により冬期間の交通を確保していくということで対応したいというふうに考えている。 101 ◯石川委員  さらに伺う。  敦賀柳ヶ瀬線は急カーブが多く、運転しても危機感を感じるが、その急カーブのうち1カ所は整備されたが、2カ所目のカーブは落石を防止するための金網を張っている。先日もこのカーブを曲がり切れない車がガードに接触して炎上している。一般県道敦賀柳ヶ瀬線は重要な生活道路であり、旧国道8号が渋滞した場合、そしてまた、万が一通行どめになった場合は、滋賀県側へ通じる唯一の迂回路であり重要な道路である。今後の計画についてさらに知事と申し上げたいところであるが、腰が上がらないので土木部長に尋ねる。 102 ◯土木部長  県道敦賀柳ヶ瀬線の改良について、1車線の柳ヶ瀬トンネルを除く区間は2車線の改良を終えているが、局所的に悪いところがあれば、カーブ等については対処したいと思う。  全体的な県道の話として、滋賀県につながる道路網としての考えであるが、開通した舞鶴若狭自動車道、それから、国が滋賀県側で進めている国道8号の塩津バイパス、ちょうど余呉湖と琵琶湖の間のところを改良しているところであるが、また、新疋田の近くの狭いトンネル、国道161号の愛発除雪拡幅、それから、滋賀県の椿坂山麓の改良もした。そういった全体の流れの中で交通量の推移を見ながら、滋賀県と協議しながら整備のあり方について考えていきたいというふうに思っている。 103 ◯石川委員  滋賀県側は完璧に2車線になっているし、融雪工事も完全にできている。福井県に入る途端にそういうことになっている。18年前から訴え続けている。だから、危険な道路である。絶対にそういう答弁だけでは地元は納得できないと思うので、しっかりと計画を立ててほしい。18年前である。大した時間ではないが、相当なものである。  念のために申し上げるが、敦賀半島の災害制圧道路は発注済み、着工の段階である。長年の念願がかなって、地域住民は大いに喜んでいるが、国道476号はいまだ工事中であり、早期完成を求めるものである。さらに敦賀半島周遊道路も、国道476号も、敦賀柳ヶ瀬線と同様、平成8年3月15日に陳情9号、10号、11号で採択されている。先ほどから何回も申すように18年が過ぎている。一日も早く全面整備完成に向けて全力で取り組んでいただきたいと思うが、再度、これは知事に答えを願いたいと思う。 104 ◯知  事  いろんな道路について話があったが、先ほどの県境の道路については、できれば冬、雪が降っているところでどんな状態なのか1回見たいと思う。そのほかについては、今鋭意進めているところであるので、理解願いたいと思う。 105 ◯石川委員  嫌なことを申すが、気にさわったら勘弁してください。私が感じるのは、なぜか敦賀市は県の考え方では少しかげんをしているように思ってならない。知事、間違いないか。敦賀市はかげんをされているのか。 106 ◯中川委員長  かげんとはどういう意味か。 107 ◯石川委員  かげんというのは、ほかのところはどんどん進めるが、敦賀市は何で進まないのだと、こういうことを申し上げている。委員長、口を出さないでほしい。 108 ◯土木部長  決してそんなことはなく、県としては必要な道路、それから地元の要望も真摯に受けとめて、必要な道路整備を進めているところである。 109 ◯石川委員  知事、せっかく手を挙げたのであるから、何か言ってほしい。
    110 ◯知  事  これから敦賀市は福井県の交通の結節点になるところである。新幹線もそうであるし、舞鶴若狭自動車道もそうであるし、港湾の整備、あらゆるものが敦賀市に向かっているように思うので、理解を願いたいと思う。 111 ◯石川委員  これ以上やり合いすると後がやりにくくなるので、この辺でおく。  次は、話題を変える。         「動物愛護センター建設について」 112 ◯石川委員  動物愛護センターについて尋ねる。  9月20日から7日間、動物愛護週間が終わった。平成25年10月3日、委員会で動物愛護センター建設について質問をした。その後、建設に係る請願が全会一致で採択され、今年に入って少しばかり建設の調査費がついたが、その現状について伺う。 113 ◯健康福祉部長  本県内に六つの健康福祉センターがあって、動物愛護管理の施策についても一生懸命進めていて、収容動物の返還、譲渡等に一定の成果は上げてきていると認識している。今後、さらにこういった本県の動物愛護管理を進めていくためには、その基本となる飼い主の方の一層の適正飼養というか、みとりまでしっかり飼い育てるということが重要であって、そういったこともあって、今年度、先ほど調査費と言っていただいた「動物の適正飼養等推進に係る研究会」を6月に設置して、本県にふさわしい動物愛護センターのあり方、また、関連する必要な施策について、他県の視察調査なんかも行いながら検討を進めているところである。  この研究会はこれまで2回開催しているが、研究会の中では、先ほど申した適正飼養を進めるためにはやっぱり拠点となる施設の役割は大きいだろうという意見もあって、このセンターのあり方についてもさらに議論を深めているところである。 114 ◯石川委員  説明はいただいたが、何か飛び飛びのように思う。  まず、計画は現在どのあたりまで進んでいるのか尋ねる。二つ目に建設の計画は立っているのか。三つ目に建設はどこの市町を考えているのか。次に、計画が立っているなら早期に着工できるのか。また、完成の見込みは何年ごろになるのか尋ねる。 115 ◯健康福祉部長  今、委員から質問いただいたような点をこれから詰めていかなければいけないというふうに考えており、整備に当たっては、単独設置とするのか、保健所なんかと併設にするのかといったことや、機能分担ですね。ほかの県では殺処分するセンターもあるし、それはやらないというセンターもある。それが今、石川委員指摘の設置場所について、これはアクセス面などもいろいろあるので、県民の利便性も含めてどこがいいかということについては、これから検討していかなければいけないというふうに考えているし、また、運営については、県直営なのか、委託でいくのかといったこともある。石川委員から紹介いただいている愛護団体もあって、県内各地に愛護団体の方もいる。また、獣医師会もある。そういった連携を組まなければいけない方々との意見も、これから先十分に聞いていかなければいけないと思っている。  そういった点について課題をクリアにしていく中で、建設に向けての意思決定というものを進めていって、それができて整備計画がはっきりしていけば、今後のスケジュール、オープンの見込み等についても見通しが立ってくるのではないかなというような現状である。 116 ◯石川委員  丁寧な答弁だとお聞きする人もおるかもわからないが、私は少しばかりのんびりしているのではないかなと思う。  福井県は平成19年3月に動物愛護センターを建てようという計画が立っている。それは動物愛護管理法が一部変わっているが、47都道府県中、今現在、広島県が昨年完成した。岐阜県は今工事中である。残り3県、全国で3県。この施設に手をつけていないのが3県である。47都道府県で3県の中の1県に福井県が入っているのである。恐竜博もいいのである。化石は300年、1000年置いても腐らない。猫や犬はあした死ぬかもわからぬ。そういう動物のおかげで子供たちや年寄りが元気になる。そしてまた、NPO法人が路上に放置された犬、猫を始末して環境の面でも十分役立っている。私は大事な仕事だと思うので、もう少し真剣に取り組んでいただきたい。要するに、47都道府県で3県しか残っていないのである。こんなの恥ずかしくないか。生活満足度日本一、何をしても日本一、前、前、前へ行くのが福井県である。これぐらいのことはやったらどうか。 117 ◯健康福祉部長  今、石川委員指摘のとおり、全国を見るとセンターのほうの整備が進んでいるところである。動物愛護管理法の改正に基づいて、そういった拠点の整備という指針が国から出ているので、整備するという方針は、これは持っていかなければならないと思っている。  先ほど申したような課題をしっかりとクリアしていって、整備計画をはっきりしていくといった上で、先ほど石川委員が質問になった、いつオープンするかというようなことについては、はっきりしてくるのではないかなと思っている。さらに、そういった課題のクリアのための検討を深めさせていただきたいと思っているので、よろしくお願いする。 118 ◯石川委員  もうそれ以上、触れない。         「国道8号バイパスについて」 119 ◯石川委員  次に、国道8号バイパスについて質問する。  ことし3月13日、委員会で敦賀港に沿って走る国道8号、さらに接続する道路改修について何点か質問した。本日はその後の進行状況について尋ねる。  さらに、東浦地区区長会より──7月8日に県議会で請願を採択された県道その他の防災道路。まず、防災避難道に係る信号機の接続について何カ所着手しているか尋ねる。 120 ◯警察本部長  防災避難道路の関係である。昨年12月に完成した一般県道五幡新保停車場線と一般国道8号との交差点については、交差点付近が部分的な供用であるため、現在のところは信号機設置までの必要がないというふうに判断して、一時停止の交通規制等を実施し、交通安全を確保しているところである。信号機につきまして、今後、道路整備の状況等を踏まえて、信号機設置の必要性について判断していきたいと考えている。 121 ◯石川委員  警察本部長は信号機を質問したら答弁しないといけない。この道路は整備全体を──後でまた申すが、県と地元との大きな約束がある。だから申し上げている。申しわけないが、ちょっとこの信号については警察本部長の答弁は少し遠慮していただきたいなというふうに思う。申しわけない。  次に、田結-元比田間13キロメートルの国道8号バイパスについて、県は関係機関にどのように働きかけているのか、現状について尋ねる。 122 ◯土木部長  田結-元比田間の国道8号の整備についてであるが、これについてはことし7月17日に国土交通省の近畿地方整備局長と知事の会議の折に、災害時等の確実な交通確保のために早期の事業着手を要望している。昨年の台風18号のとき、杉津で土砂崩れ等があって、そこで通行どめがあったということも踏まえて要望している。また、8月6日であるが、県が事務局を務める福井県道路協会として、会長である敦賀の河瀬市長から国土交通省に対して事業化の要望を行っているところである。この道路は、今庄-敦賀間の8号、北陸自動車道、国道476号と3本があるうちの特に大事な重要幹線であるので、今後ともさまざまな機会を捉えて、国土交通省に対して早期事業化を強く求めていきたいと思っている。 123 ◯石川委員  きょうの土木部長の答弁は少し前進したように思う。これらの関係する道路については、私は先ほどから申しているけども、平成7年から質問により訴え続けて、陳情や請願も何度も採択されている。何年かたったら1カ所か2カ所ぐらいは完成していてもいいじゃないかなと思うが、知事、これについてはお答え願えるか。 124 ◯知  事  道路については、幹線道路ももちろんあるが、地域にかかわる道路、また、幹線道路と地域道路に準じるような道路、それぞれ優劣関係があるので、県下全体、そうしたことを考えながら道路網の整備を進めていきたいと、このように考える。 125 ◯石川委員  何度もそんなことを言っているが、このことは何度も質問してきた。平成16年福井の豪雨によって足羽川が決壊した。足羽川には堆積土がたまり、その65万立方メートルを敦賀港第一埠頭に埋め立てとして活用した。運搬は国道8号を活用したものである。私は役員と2度にわたり会議をした。会議の内容は、11部落があり、国道に面しているので、非常に道路面が悪く、道路や信号の設置、また、五幡新保停車場線についても県と約束している。10年が過ぎている。特に、五幡新保停車場線については3年以内に完成するという約束をいただいている。現在一部しかできていないけれども、このことについて知事はどういうように思われるか。 126 ◯土木部長  国道8号にからむ県道五幡新保停車場線改修の件、3年以内という要望であるが、当時の足羽川激特事業の土砂を敦賀港に捨てるという中で、「当面は土地改良区域内の整備を優先し、当区間の3年以内の完成を期すると同時に、交通不能区間についても並行して建設費のコスト縮減策や、整備効果などの調査検討を行い、引き続き事業着手を目指す」ということで回答している。  今の五幡新保停車線の山にぶつかる部分、そこまでについては、国道8号の交差点がちょっと遅くなったが、そこについてはもう改良が終わった。その後、国道476号と結ぶその上のほうの区間については、今後、今の田結-元比田間の国道8号のバイパス計画もあるので、そういった交差点がどうなるかといった計画の整合性もある。そういった点も考慮に入れながら考えていきたいというふうに思っている。 127 ◯石川委員  敦賀港は、やはり土砂の処分には適しておったと思う。しかし、今現在、東側地区の赤崎の海岸を整備している。そこの堆積、それも埋め立ては普通のきれいな砂を運ばないといけないのであるが、それも三国から堆積土を運んでいる。泥臭いにおいがするといっている。だから、そういうことはやはり経費の問題もあるし、いろいろ考えることであろうが、いずれは海の底に入るから後はきれいな土で仕上げるのだろうと思うが、何も敦賀港は足羽川の堆積土の埋め場ではない。やってもいい。しかし、仕事を完璧に進めてもらいたいのである。  それは国道であるから走ればいい。しかし、区民が国道に出るときに信号がない。危険である。そして、いつも言うが、1年に二、三回の事故がある。3時間、4時間、大雪のときは13時間も停滞したのである。とんでもないのである。だから、五幡新保停車場線を何としてでも早く仕上げてほしいということを申し上げているのである。敦賀港に運ぶときに、今の土木部長ではないので、これはいいのであるが、ともかく3年以内に五幡新保停車場線を完成させるということで皆さんが納得してやったのである。取りつけ道路には必ず信号をつけなさいということでやったのである。だから、警察本部長に申し上げるが、これは警察本部長が余り答弁しないほうがいいということを申し上げている。  だから、私は何としてでも、いつまでにどこをどう仕上げるんだということをこれから県は計画を立てていただいて、しっかりと私は計画を見直しながらやってもらいたい。ともかく住民が安心できるようにしてやってもらいたい。この国道8号一本が生活道路なのである。これが一旦渋滞したら、どうにもならないのである。そこらを考えてもらいたい。救急車が間に合わないようなこともある。毎日不安に過ごしているのだということである。もう答えは要らないが、もっと真剣に取り組んでいただきたい。  国道は国のものだというのではなくて、これは滋賀県に走っているのではない。石川県に走っているのではない。福井県の一番重要な場所に走っている。だから、福井県が腰を上げなかったら何もできないのである。  そういうことも考えながら本腰を入れて、この国道8号に関連する道路、そしてもちろん住民の通り抜け道路で行き来することも大事であるから、そのとき警察本部長は思い切って予算をつけてほしい。道路が曲がっているからつけないというのはない。今、悪い道路でも国道に出るために必要だということを言っている。それが10年たってもまだ何もできていない。五幡新保停車場線の交差点が一部できただけである。これでは敦賀市が何かかげんされているのかなというように思うので、申し上げている。このことについての答弁は結構である。気持ちだけを訴えて少し楽になったかなと思うが、こんなことでは私一人だけのものであるから、敦賀市民のためにもどうかひとつお願いを申し上げておく。         「アクアトムについて」 128 ◯石川委員  それでは、少し時間が残っているので、その他の時間をかりて、質問をする。後の人も質問をされるかと思う。全く違う質問になろうかと思うが、許しを願いたい。  日本原子力研究開発機構の敦賀本部は、敦賀市神楽2丁目にあるアクアトムをしばらく休館していたが、このたび、同本部より福井県と敦賀市に譲与されることになった。今後の活用については、若狭湾エネルギー研究センターの研究室が狭くなったため、また、研究者の通勤の不便さを考えると、アクアトムに移動するようにしたいというような気持ちがあるのではないかというように聞いている。しかし、それとは別に、今までアクアトムには1日に相当な子供たちが立ち寄ったのである。ところが、全く休館の時代であるから、今は寂しい思いをしている。  ところで、恐竜王国の福井県が、このたび美浜町に恐竜博物館の分室を計画しているが、この際、敦賀市のアクアトムにも恐竜王国福井の一部を移してはどうかというふうに思う。敦賀市の子供たちのためにも、敦賀市の活性化のためにも動く恐竜の模型を四、五台設置してはどうかと思うが、知事いかがか。 129 ◯総合政策部長  今の指摘のアクアトムについては、原子力の広報関係、原子力の理解を促進する施設であって、無償で譲渡いただけるべく交渉しているところである。その内容としては、やはり所期の目的から大きく逸脱しないということが一つあるので、恐竜の大きさの程度にもよるが、1階ロビーのあたり、それがメインとなるようなものになるか、ちょっと厳しいのかなというふうに考えている。 130 ◯石川委員  日本原子力研究開発機構は、やはり子供たちの夢を生かそうということでこのすばらしい施設をつくったのである。今度は県と敦賀市に譲ることになったのであるから、やはりそこは考えていただいて、敦賀市も嶺南の大事な一角である。  委員会で質問したことがあるが、何で7カ所の売り上げや誘客を発表しながら、この敦賀市の発表ができないのかと大変残念に思った。名前を挙げないが、答弁をする方には少し気の毒であるが、まさかこの場でこんな質問が出てくるとは思わなかった。ともかく、敦賀市もやはりすばらしい場所である。嶺南の大事な場所である。先ほど知事は、港にも金をかけている、道路にも金をかけているといって、今度は赤レンガ倉庫には大変な予算をつけていただいている。これも11億円かかるのを9億円、知事の力でつけていただいたということは聞いている。これはもう大変喜ばしいことであるが、しかしながら、嶺南の一角──嶺南、嶺南と言いながら名前ばかりである。先ほど言ったように、舞鶴若狭自動車道ができても敦賀ジャンクションじゃなくて、あれは要するにジャンプションである。もう敦賀は行き通りである。そんなことでは黙っておられない。  何とか、せめて今度の施設にもそういうような──一部を敦賀駅前にも立派なものをつけるし、美浜にも行く。何もないのは敦賀である。何もないない敦賀でないように、ひとつよろしくお願いをして、少し行ったり来たりになったけれども、下手な質問を終わる。ありがとう。 131 ◯中川委員長  以上で石川委員の質疑は終了した。  ここで休憩する。再開は午後1時とする。                               ~休  憩~ 132 ◯田中(敏)副委員長  それでは、休憩前に引き続き、委員会を開く。  質疑を続行する。  中井委員。         「ふるさと文学について」          中井 玲子 委員 133 ◯中井委員  自民党県政会の中井玲子である。質問させていただく。  最初に、文学に関して数点質問させていただく。  先日、福井県立図書館の貸出冊数が、人口比に対する割合で2年連続全国1位という結果が報道された。確認すると、この10年間連続して来館者数、貸出冊数も常に全国1~2位を占めているということである。大変すばらしいことだと思う。  福井県立図書館は平成15年2月に現在地に新築、移転し、解放感のある空間構成が特色で、来館者に安らぎと潤いを与える緑の中の庭園図書館として県民に親しまれている。平成17年4月には、白川文字学の部屋が開設され、現在は生前に白川先生が使われていた書斎机や遺愛品が展示されている。  私は以前、県立図書館運営懇話会の一員としてかかわらせていただいたことがある。県立図書館の活用方法など、ざっくばらんに話し合う雰囲気の中で、委員としてさまざまな意見を出させていただいた。  当時は県立図書館で貸し出された本は、返却も県立図書館で直接行う必要があった。福井市外から離れた市町村からは、わざわざ返却のために県立図書館まで出てこなければならなかったわけであるが、今では当然のように、各市町の図書館での返却が可能になった。また、子供たちに向けた読み聞かせの実施や、県民の方が利用しやすいように特集コーナーを設けるなど、新しい試みがどんどん展開されている。こういった施設の充実、そして、職員や司書の方々の意欲的な取り組み、サービスの向上が今回の成果につながったのではないか。  県は、県立図書館の利用率が高い理由をどう認識しているのか。また、県民一人一人の読書に対する意識を高め、読書活動のさらなる定着につなげるため、今後、どのように取り組むつもりなのか、知事の所見を伺う。 134 ◯知  事  県立図書館であるが、福井市内、また、小浜市にある。平成15年からの数字を申し上げるが、人口当たりの貸出冊数は全国第1位である。  その要因であるが、蔵書数が約120万冊である。人口比で第3位と充実しているし、その3分の1がワンフロアの開架となっている。また、子供たちの本が全体の1割以上あり、貸出冊数も全体の約3割を占めているということである。  インターネットによる本の予約ができ、平成18年からは最寄の市町の図書館で貸し出し、または、返却ができることなどが理由として挙げられるかと思う。  最近は、世界遺産登録に合わせた和食関連図書などの話題図書の情報提供や、国立国会図書館のデジタル化資料を利用できるサービスなどを始めている。  今後、来年2月の福井市内の本館の文学館の開設に合わせ、文書館、白川文字学の室の充実なども行い、より多くの県民の利用につながるサービス向上に努めていきたいと考える。 135 ◯中井委員  県立図書館の貸出冊数は全国1位であるが、子供の読書活動については全国的に見て低調というデータもある。平成25年度の全国学力・学習状況調査によれば、1カ月に1度も本を読んだことのない子供の割合──いわゆる不読率は、小学生が8.4%、中学生が32.2%、そして、高校生が本年度の県教育委員会の調査によると、41.1%に上るとのことである。  単に子供たちに本を読むように言っても、興味関心がなければ読書習慣にはつながらない。そこで、子供たちの一番身近にある学校図書館を活用してはどうか。国語だけでなく、数学や社会、理科などほかの教科における学校図書館の利用や、休み時間など、子供たちが自然と集まり、お気に入りの本を互いに勧めるなど、読書サロンのような雰囲気づくりも重要だと思う。  子供たちの読書への関心を高める第一歩として、学校図書館の利用を促進する仕組みを検討すべきと考えるが、所見を伺う。 136 ◯教育長  今、お話しの子供の読書についてである。学校図書館の利用をちょっと見ると、小学校であると大体平均すると月に4冊、ということは週に1冊ぐらいは読んでもらっているが、中学生になるとそれが月に1冊、高校生はもう少し少ないというデータがある。そんな中で、本県の各学校では、これは従来からであるが、夏休みの課題図書の提示、あるいは、学校内でも読書コンクール等を実施しているし、あわせて学校図書館の図書を利用した朝読書タイムといったものをほとんどの学校でやっていて、そういった形で子供たちの読書への関心を高めていっている。  また、一部の学校であるが、教室の前の廊下に書棚を設けて自由に貸し出してみたりとか、学級で読んだ本を順番に回していくという読書リレーといったような工夫をしているところもある。  そういう中で、学校図書館については、朝読書の関係もあり、登校してすぐに図書館に来る子も多くなっているが、今後さらに教員みずからが選んで、子供たちに読んでほしい本リストを学級に掲示する。また、理科や社会といった授業の中で関心を持つようなことについて、もっと知りたいことがわかる本といったものを紹介しながら、できるだけ学校図書館に子供たちが足を運ぶようにしていきたいと思う。
     そして、高校生は、これは先生方から言うこともあるが、まずは生徒が互いに読んだ本の中から友達に本を紹介して、その中で最近は人気のあるチャンプ本を選ぶというビブリオバトルというのもある。こういった方法も取り入れながら、子供たちが学校図書館にできるだけ多く足を運んで本を読む機会をつくっていきたいと考えている。 137 ◯中井委員  こうした図書館の業務を担うため、学校には司書教諭が配置されている。実際は司書教諭の資格を持った教員が担当しているようであるが、担当教科の授業とかけ持ちとなり、図書館の業務が片手間となっているのではないかと考える。  6月の通常国会において学校図書館法が改正され、学校図書館の利用促進のため、学校図書室の職務に専任で携わる学校司書を配置することが努力義務として規定されている。来年4月1日から施行されるようであるが、こういった専任の職員の配置も必要ではないか。学校図書館の充実のため、司書教諭だけでなく、学校図書館業務の専任となる学校司書の配置を検討してはいかがか。所見を伺う。 138 ◯教育長  今お話しの学校司書であるが、まず一つ、教員がいわゆる図書館司書とは違うが、司書教諭という資格を全体の約1割がとっているので、こういった教員を中心に小中学校では、他の教員や図書委員といった子供たちと一緒に学校図書館の貸し出しとか、返却といった活動を行って、その司書の業務というものも理解しながら読書への関心が高まる工夫をしている。  そういった中で、教員以外で専任のいわゆる学校司書という配置については、お話しのように、国は学校図書館法を改正して、来年度からはそういった配置を積極的に支援するということで、概算要求の中でもこういった学校司書の増員等を提案しているところである。そういったことを踏まえて、本県としても、一つは教員の司書教諭の資格というのをもう少しふやしていきたいと思うし、あわせて、現在は福井市や敦賀市など一部の市町ではこういった学校司書の配置等が進んでいるが、こういったものがまだまだ十分に進んでいない市町に対しては、国の支援制度なども活用しながら、小中学校における学校司書等の配置を強く働きかけながら、学校図書館の充実を図っていきたいと思っている。  なお、県立の高校については、ほぼ学校司書の役割を果たすような実習助手であるとか、こういった者が配置されているような状況である。 139 ◯中井委員  読書活動を推進することは、県民の文学への関心を高めることにつながる。県は県立図書館に併設して、本県ゆかりの作家らの資料を展示する「福井ふるさと文学館」を設置する予定である。現在、来年2月のオープンに向けて施設整備や資料収集などが進められていると思われる。  ふるさと文学館では、これまで県立図書館が収集していた文学資料の収集を強化するとともに、これまでのふるさと文学コーナーなどの資料展示を充実していくとのことである。ふるさと文学館の特徴を伺うとともに、来年2月のオープンに向け、県民の文学への関心をどのように高めていくのか、知事の所見を伺う。 140 ◯知  事  文学については、多くの人が親しみを持って日本のことや我がふるさとの文化や風土、生活がわかる読み物である。福井県は多くの芥川賞や直木賞作家などが育った県である。文学館の整備を通して、ふるさとへの誇りや愛着心が高まるとよいと思う。  この文学館であるが、単なる作家の直筆原稿など文学に関する展示のみならず、映像、音声などにより、福井で生まれ育った作家の実像、作品の背景となる状況も感じとれるような特色が出せるように工夫する。このため、作品からイメージする作家像ではなく、直木賞受賞でにこにこ談笑する水上勉さんや、ふだんの執筆姿の高見順さんの映像など貴重な資料収集を進め、親しみを持って作家や作品に触れる文学館を目指す。  また、開館に向けて、ことしの夏には、本県出身の桂美人さんの若者向けサロンの開催、また、11月には福井に疎開をされた平岩弓枝さんが福井の思い出を語る講演会を予定している。来年2月の開館のときには、津村節子さんの対談や企画展示を行い、多くの人たちに文学の関心を持ってもらうように努めたいと考える。 141 ◯中井委員  先日、第27回小説すばる新人賞を受賞された本県出身の中村理聖さんとお話しする機会があった。彼女は現在、県外在住ということであるが、会社に勤めながら、今回応募された作品を少しずつ書きためていたとのことである。そして、この受賞は周りの方々の応援や支えがあったからこそだと感謝の気持ちを口にされていた。これからのさまざまな経験を一つ一つ積み重ね大事にしていきたいと、とても謙虚な姿勢が感じられ、受賞された作品には本県の県民性のよさがあらわれていることだろうと、今から出版が楽しみであり、彼女のこれからの成長をぜひ応援したいと思う。  県は中村さんのような文学を志す才能ある若者を積極的に支援するとともに、ふるさと文学館が単なる展示施設ではなく、こういった若者が交流する場として機能するよう整備すべきと考えるが、所見を伺う。 142 ◯教育長  今、若い人のそういう文学活動の支援ということであるが、従来から本県では、小説とか詩とか短歌、こういった県民の文学作品を集めながら応援するという民間の団体がいるので、こういったところと連携している。あわせて県としても、これは津村先生のゆかりであるが、「ふくい風花随筆文学賞」といったものを通じながら、高校生などを初めとする若い人の意欲的な創作活動というものを応援してきている。  そういう中で、これからは、ふるさと文学館といったところがそういった民間の団体の方とも連携しながらであるが、県内の文学創作活動の拠点という機能も担うことが必要だと考えている。そのために、これはまだ開設前ではあるが、本年度から既にいろんな活動をしている。先ほど知事からも桂美人さんの話があったが、現役の若手の作家と高校生が意見交換をする文学サロンの開催、あるいは、県内で既にいろんな文学活動、文芸活動をされている作家の方に高校に出向いていただいて出前創作講座というものを実施しており、こういった形で若い人たちの文学創作活動の関心を高めているところである。  そして、開設後は、今度は少しシリーズであるが、大手出版社で長年雑誌編集に携わっているような方々にもお越しいただいて、創作の基礎から実作までを通して指導していただくような「文学創作塾」といったものを開設する。あるいは、作家へのステップとなるような、先ほど紹介いただいたような雑誌とか文芸誌に、高校生等のすぐれた作品を発表できるような場が設けられないかといったようなことなども考えながら、将来、今紹介いただいた中村さんのような、次につながる作家を育てられる、そういった支援を充実していきたいと考えている。 143 ◯中井委員  さまざまな事業展開していただいて、とてもうれしく思う。大変期待している。         「青少年育成について」 144 ◯中井委員  それでは、次に青少年の健全な育成について質問させていただく。  私は、青少年育成福井市民会議円山支部長をさせていただいて5年目に入った。青少年健全育成活動を地域全体で取り組んでいくための課題として感じていることは、地域住民一人一人の意識が大事であることをいかに感じてもらうかである。そして、青少年の育成には、家庭、学校、地域社会、全ての人々による県民総ぐるみの運動が何よりも望まれる。  私の地区では、子育て支援や週5日制の導入とともにスタートした土曜日の子供たちの受け皿となるコミュニティスクールなど、地域の方の子供たちへの意識が高いということはすばらしいことと感じているが、それでも次世代へつないでいくことを考えたとき、若い世代がどれだけ地域に溶け込んでくれるのか未知数の状況である。地域社会のきずなが希薄になったといわれ、地域で子供を守り育てていくことに地域の温度差も感じている。  青少年をめぐる昨今の状況は、いじめ、不登校、ひきこもり、ニート、少年犯罪の深刻化などさまざまな問題が発生しているが、青少年を取り巻く現状、課題をどのように認識しているのか、知事の所見を伺う。 145 ◯知  事  福井県の青少年を取り巻く現状であるが、不登校、少年犯罪の件数としては年々減少傾向にあり、いじめ、ニートなどについても全国平均より低い水準になっている。しかし、一方で、スマートフォンの有料通話アプリなどがきっかけとなっていじめや犯罪が発生するなど、新たな課題も出ているところである。  福井県と県警察では、共同で2年ごとに策定し改訂をしている「安全・安心ふくい」──今は充実プランという内容になっているのに基づき、保護者などに対するインターネット、スマートフォンの適切な利用の啓発、学校における非行防止教室の開催などの対策を進めている。青少年育成県民会議を初めとする育成団体などと協力し、青少年をめぐるさまざまな課題を具体的に一つ一つ取り上げて解決に当たっていきたいと考えている。 146 ◯中井委員  1966年5月に、国において「青少年育成国民会議」が設立された。子供たちの非行がどんどんふえ、世の中が荒れ始めたころ、政府が国民の総力を結集した青少年健全育成のための運動を提唱し、国民運動を推進するために設立されたと聞いている。そして、本県でも都道府県レベルでの活動を推進する青少年育成福井県民会議、市町村民会議が立ち上がってきた。  青少年育成国民会議は2009年8月末に財政難のため解散したが、現在は、青少年育成福井県民会議が、県、市町、県内17の市町民会議と連携しながら効果的な運動の推進を図っている。  国民会議の存在がなくなった現在、青少年育成福井県民会議が柱となって、次の時代を担う青少年の健全育成運動の一層の充実を図り、一般県民に浸透していく事業を展開していくべきと考える。そこで、青少年育成福井県民会議の役割と活動の現状について知事の所見を伺う。 147 ◯知  事  青少年育成福井県民会議は、会長は山崎幸雄福井テレビ会長であるが、昭和41年につくられて、青少年市町民会議、ボーイスカウト、ガールスカウトなどさまざまな青少年育成団体、企業、個人が参加している。多くの県民の力を集めて、国や県の青少年対策と一体となった育成運動の中核団体である。そして、昨年1月に、財団法人である福井県青少年育成一灯基金──ここは4億円余りの基金を持っておられるわけであるが、一灯基金と統合して、同年4月に公益財団法人に移行している。財務体質を強化し、互いに募金をしたり、そういうことで中身を充実しようということである。また、会員も増加傾向にあるわけである。  県民会議は、毎年度その時々の課題の検討を深めるために研究大会を夏に行い、広く県民の啓発を目的とする県民大会を秋11月に実施するわけである。  また、子供の見守り活動を行うキャンペーンとして、「地域のおじさん、おばさん運動」といった地域活動を展開している。これからも県民会議と連携し、健全育成に努めていきたいと考える。 148 ◯中井委員  「大人が変われば子供も変わる」。これは青少年育成福井県民会議のホームページのトップに掲載されている言葉であるが、今こそ実践しなければならない時代である。  私は、子供の世界は大人の世界が鏡のように反映されると強く感じている。うそをついてはいけない、人をいじめてはだめなど、子供たちに教えなければならないことは数多く挙げられる。  しかしながら、私たち大人の社会に目を向けると、代表質問でも触れていたが、振り込め詐欺など新手の特殊詐欺が横行し、高校生など若者が被害者ではなく加害者として犯罪にかかわるケースが急増しており、また、職場内での陰険ないじめで自殺する人までいるなど、子供たちの模範となるべき大人がこのような現実の中で、子供たちへの健全育成が果たして実現でき得るのか、大変懸念されるところである。まずは大人が襟を正すべきとの子供たちの声が聞こえてきそうである。青少年の健全育成の本質は、模範となるべき大人自身に対する教育にあると考えるが、子供を育て支えるための家庭や地域への働きかけについて県の取り組みを伺う。 149 ◯安全環境部長  青少年育成福井県民会議であるが、今指摘のとおり、親や大人が姿勢を正してモラルの向上、あるいは地域の教育力を高めていくということが特に重要だという考え方に基づいて、例えば、子供たちのお手本になるよう、大人自身がよいことをみずから率先して行動する。あるいは、近所の子供さんたちに大人自身が積極的に挨拶など声をかけようではないかといったことを内容とする、中井委員指摘のとおり、「大人が変われば子供も変わる」という運動を山崎会長以下団結してやっているところである。  一方、県としても、家庭、あるいは地域の教育力の向上を目的とした講座を開催するグループとか団体などを財政支援するため、「大人への応援講座」という事業を、この県民会議に委託して実施しているところである。  さらに、学校関係であるが、中学校、あるいは高等学校では、PTAと連携して、家庭や地域での子供たちの健全育成に関する研修会を実施する、あるいは、課題を抱えた家庭に対して、スクールソーシャルワーカーが年間延べ3,000回を超える家庭訪問を行うといったように、家庭への支援についても努めているところである。 150 ◯中井委員  最近では、子供たちが遊びを通しての自然体験や社会体験などの機会が少なくなり、テレビゲームやインターネットなどの仮想体験のもと、限度を超えた子供のいじめなどが現実の問題として起こっている。子供一人一人が、社会の一員として自分の果たすべき役割を自覚しながら望ましい人間関係づくりを行うためには、社会体験、自然体験など、子供たちが生の体験として感じ、人とのコミュニケーション能力や人とのかかわりを持ち、人への関心を高めることが大変重要である。  そのような中、国においては、土曜日の教育活動を推進している。本県でも本年度から若狭町の五つの小学校において導入しているとのことであるが、土曜授業を実施するに当たっては、単なる英語や算数といった正規の授業の補習的なものであってはいけないと思う。家庭、学校、地域の三者が連携し役割分担しながら、地域における多様な学習や体験活動の機会の充実などに取り組むことが、子供たちの健全な育成につながる。本年度から、県教育委員会においてモデル的に取り組む土曜授業について、その内容と今後の方針を伺う。 151 ◯教育長  土曜日の授業のことであるが、今、お話しをいただいたように、国が進めようとしている土曜教育活動については二つのタイプがある。一つは、大分県豊後高田市が有名であるが、地域の方が中心になって子供たちに体験とか教育支援を行うという、これが一つである。それからもう一つが、これは新しく今国が進めようとしているが、学校が教員以外の講師等を招いて正規の授業として実施していこうというものがある。  その中で、前者のタイプのものについては、県内でも、例えば、大手電子機器メーカーの方、技術者の方に来ていただいて、子供たちにロボットづくり講座ということで、そういう指導をしていただいているとか、あるいは、親子でカヌー体験を行うといった形、こんなものが県内各地域で広く活動が行われているところである。  一方で、学校で行うものとして、若狭町でことしモデル的に行っている土曜授業については、例えば、里山里海湖研究所でことしいろんな研究をしていただいているので、そこの研究員が講師となって、研究成果に基づく三方五湖の環境学習を行う、あるいは、自衛隊の東日本大震災での活動といったものを聞きながら防災教育を行うといったことなど、日ごろの授業ではなかなか伝えられない、そういったものを外部の指導者から専門的な経験とか知識を学ぶ機会として設けている。  今後は、この若狭町でのモデル授業の成果を検証しながら、県内各地域で進められている土曜日の教育支援活動に今度は学校がどのようにかかわっていくべきか、こういったことも考えながら、さらに地域、家庭との連携をした子供たちの健全育成につながるような、こういった土曜日の教育活動を進めていきたいと考えている。 152 ◯中井委員  先ほど例に挙げた私の地区で、平成14年度教育改革が行われて週5日制になったときに、地域の受け皿として学校では学べない体験教室ということでのコミュニティ・スクールをスタートさせた。そこには、たくさんの子供たちがやってきて、いろんな体験を楽しんでくれたわけであるが、そこで一つ気がついたことは、子供たちを学校にいろんな体験ができるよと出かけさせ、親御さんはその余った時間をどのように過ごしているのかなと。  平日は大変なお仕事がおありなので、土曜日の休息時間もとても大事だと思ったが、ここで地域が一生懸命頑張れば頑張るほど、子供たち自身はどんどん地域の中に入ってきたが、大人の人たち、親世代はそこでつながりが切れてしまうことを感じた。それまで、土曜日の保育もできるだけおうちで見てあげてくださいねと言っていたものも、保育園に子供を預け、そして小学校に子供を預け、そして親御さんたちは自分たちの時間を楽しむ。決してそれがいけないというわけではないが、これはちょっと違った課題が出てきてしまったなと思った。  そんなとき話し合って次に取り組んだことは、親子で参加していただくという方法を考えた。できるだけ親子で参加していただくことが、地域の中に親世代の方々も溶け込んでもらうことだと、そういうふうにどんどん親御さんにも声かけをして参加してもらうようにした。親御さんも、学校で見る子供の姿、それから地域の中に入って地域の人とかかわり合う、触れ合う子供の姿を見て、ふだんとは違った子供たちの姿を感じ取ってくれたようである。これから土曜日の時間を使っていくときに、子供たちだけの体験ではなく、ぜひそこには親世代もかかわれるような、そういうふうな手だてもまた考えていただけたらありがたく思う。要望ということで、どうぞよろしくお願いする。どうもありがとう。                               ~以  上~ 153 ◯田中(敏)副委員長  以上で、中井委員の質疑は終了した。  西本委員。         「求人と求職のミスマッチの解消について」 西本 正俊 委員 154 ◯西本委員  西本である。ただいまから発言通告書に基づいて、一般質問での特に舞鶴若狭自動車道、それから高齢化社会への対応、これらについてもう少し深めさせていただくことができればというふうに思うので、よろしくお願いする。  まず、この質問に入るまでに一つ尋ねたい点がある。いわゆる求人と求職のミスマッチ解消、これについて尋ねたいわけである。  小浜市内に井上工業という会社があって、今月25日までに事業を停止して自己破産申請の準備に入ったとマスコミにより報じられている。負債額は約33億円と見られて、県内で行き詰まりが発覚した企業の負債額として、ことし最大となるようである。ピーク時の売上高は約46億円、従業員はパートを含めて少なくとも150人はいるだろうと言われている。従業員にとってはまさに寝耳に水であって、少なからず小浜市とその周辺自治体経済への影響が、私はあるのだろうと考えている。  今議会でも女性の働き方について議論がされているところであるが、井上工業のあるパートの女性は、「勤務シフトに融通がきき、子供がいる人には働きやすかった。今から仕事を探せと言われてもすぐには見つからない」というふうに新聞報道に書いてあった。また、不安があるのは40代、50代である。昔から40代、50代の再就職はなかなか難しい、いわゆるつぶしがきかないという年代である。さらに、この会社というのは、内職をかなり小浜市全域、あるいは小浜市の周辺自治体まで内職を出しており、金額的には1件1件はそう多くないかもしれないが、そのお金によって生計を立てておられる家庭もあるわけで、以上の点から地域経済の不安と影響は非常に小さいものではないと私は考えている。  一方、現在、産業労働部長の答弁であったか、県内は求人が堅調であって、人手不足、あるいはその懸念があるという企業は7割に達しているという答弁もあったが、そこで一番心配されるのが、先ほど申したように、求人と求職のミスマッチである。これまで以上にハローワークのきめ細かい求人開拓が求められるわけであるが、求人と求職のミスマッチの解消に向けて、県と市町、そしてハローワークが情報提供、連携をさらに強化をする必要があると思うが、今後の県の対応について伺いたいと思う。 155 ◯産業労働部長  井上工業の事業停止の一報を受けて、すぐに関係機関との情報交換を行っている。これから労働局と一緒に離職者の方の希望をお聞きするとともに、来週には地元市も含めた連絡会議をやって課題整理をしたいというふうに考えている。  嶺南地域の有効求人倍率は、直近8月が1.37倍ということで高い状況にあるし、求人もあるわけであるが、言われるように離職された方に合う仕事があるのかどうかという、そのマッチングが課題となる。今後、労働局などとも協力して、就職の相談会であるとか、企業との面接会であるとか、さらには職業訓練なども加える必要がある場合もあると思う。そうしたことで、それぞれの離職者の方の実情に合った雇用が確保できるように、県としても努力していきたいと考えている。 156 ◯西本委員  ありがとう。先ほど申したように、一義的にはハローワークが主体になるべきものであるが、こういう状況であるので、ひとつ連携を密にして情報交換をしっかりしていただきたいと思う。午前中の山本正雄委員の答弁の中で、知事は「質も大事である」というふうに言っていた。この観点もぜひ持っていただいて、対応を賜りたいと思うのでお願いする。         「舞鶴若狭自動車道(防災・観光)について」 157 ◯西本委員  それでは、舞鶴若狭自動車道に関連して、防災と観光の観点から質問させていただく。  舞鶴若狭自動車道が7月20日に全線開通した。私も、県議会へ来るときにこの道を利用させていただいている。最初は、この道を走っておられる方、お互い車で走っているので声は聞こえないが、楽しんで走っておられるな、喜んで走っておられるなと、そんな感じを走りながら感じているのである。ようやく嶺南、福井県が待望していた道路が全通したということで、本当にもう地域住民はもちろん、観光、物流、それぞれの方が私は喜んでおられるのだと思っている。その点からも、この完成に尽力いただいた全ての方に、改めてこの場で心より感謝申し上げたいと思う。  開通後の1週間の集計では、1日平均9,600台の利用があるというふうにデータをお聞きしている。これによって国道27号の渋滞も緩和されるなど、大きな開業効果だったと思っている。  では、全線開通から2カ月を経過しているが、現段階では1日あたりの平均交通量を尋ねるとともに、この質問の趣旨である国に対しての4車線化を求めていくにはどれくらいの交通量が必要と考えているのか伺う。 158 ◯土木部長  舞鶴若狭自動車の全線開通後、1カ月後のデータであるが、1カ月間の交通量調査にある。小浜インターチェンジから敦賀ジャンクションまでの1日平均交通量は9,100台となっている。  4車線化については、1日当たりの交通量が1万台を超えることが目安となっている。供用後の渋滞とか、事故の状況等も勘案して検討されるものと考えている。 159 ◯西本委員  今の土木部長の答弁で、1万台以上ということであるので、開通直後が9,600台、1カ月後9,100台であるので、もうあと少しかなという気がする。  それでは、県では8月に福井県広域避難計画要綱を改定して、広域避難ルートに全線開通した舞鶴若狭自動車道のルートを追加する。知っているように、舞鶴若狭自動車道は現在片側1車線であって、避難時に避難前方でもし事故が起きれば、瞬く間に大渋滞を引き起こしてしまって、避難そのものができなくなる危険性もあるわけである。知事の言われる「まずはプラント自体の安全確保と事故の制圧体制」が最も重要だと、私も思う。しかし、地域住民のことを考えると、迅速な事故後の住民避難も重要であると私は考える。  そこで、シビアアクシデント時の住民避難の想定において、舞鶴若狭自動車道を利用した場合の時間の短縮効果はどれくらいあるのか。さらには、4車線化した場合、さらにどれくらいの時間短縮効果があるのかをお聞きしたいが、こういうデータを持っておられるのかどうか──データというか、予測されているのかどうかわからないが、あったら答弁賜りたいと思う。 160 ◯危機対策監  30キロ圏内の全ての住民が30キロ圏外へ避難する所要時間を推計したシミュレーションでは、舞鶴若狭自動車道の全線開通に伴って、大飯発電所の事故を想定した場合において2時間40分、これを割合にすると約20%の時間短縮効果が見込まれた。今回のシミュレーションについては、平成26年7月20日現在の道路ルートを使用したものであって、4車線化された場合のシミュレーションというのは実施してみないと、今データがなくてわからないわけであるが、車線がふえ交通量がさらに確保できることから、避難時間の短縮効果は十分期待できるというふうに考えている。 161 ◯西本委員  4車線化した場合のシミュレーションはまだやっていない。当然かと思うが、しかし、現在よりは当然短縮される効果は見込めるということである。  舞鶴若狭自動車道の4車線化は、嶺南地域の産業、観光、そして防災、住民の安全・安心とあらゆる分野に大きく貢献をしてくれていると思う。そういう意味で、4車線化はどうしても実現させていかなければならないと、これは私だけではなくて、地域住民が、私は一致して望んでいるところだと思う。  そういった意味で、この4車線化の実現に向けて、私はやはりトップである知事の言葉なりというのは非常に重いし、国としても注目を当然されるところだと思うわけである。その4車線化の実現に向けた知事の思いをぜひ聞かせていただきたいと思う。
    162 ◯知  事  舞鶴若狭自動車道は当該地域の観光、産業振興に大きな貢献をするとともに、日本の東西軸を形成し、災害時のルートとなる重要な線である。開通後1カ月間の交通調査については、今いろいろ指摘もあったが、県内のみならず、県外からの誘客にも効果があらわれるなど、交通量は順調に推移している。  本県区間については、国土交通省などとさまざまな相談をしているが、1カ月後──これは終わったが、3カ月後、6カ月後、1年というのもあるが、需要を喚起しながら、交通量の推移、さまざまな課題などを調査しようというもくろみであるので、そういう中で4車線化の必要性を検討していきたいと、このように考える。 163 ◯西本委員  今、知事のほうから、需要を喚起して、3カ月後、6カ月後、1年後の台数が伸び、1万台を超えて、国に対して4車線化を求めていくという答弁をいただいたものというふうに理解させていただきたいと思う。  そこで、今、需要を喚起するために、やはり観光というのは忘れてはならないところであって、次に、舞鶴若狭自動車道の観光面で尋ねていきたいと思うわけである。  実は9月初旬であるが、私自身、観光地の実態状況調査というものをさせていただいた。小浜市の観光地組織の社長、そして、ホテルの社長にそれぞれお会いをさせていただいて、面談、調査をさせていただいた。  この中で、観光地の社長とホテルの社長の共通した認識、今回の舞鶴若狭自動車道の全線開通に伴う県の観光施策についての共通した認識が出ていて、例えば、「仕掛けが弱いのではないか」、「コマーシャルが足らない」、「官民一体の活動が弱い」、さらには、「6市町全体での売り込みがないのじゃないか、見えてこない」いうことである。そして、ホテルの社長がおっしゃっていた。「商談会を県がセットする。県はそこまでだ。それから先はどうぞ民間がやりなさいというふうにしか見えない。しかし、大事なのは、やっぱりその先も一緒に県がサポートしていただくことが、連携をしてやっていくことが必要ではないのか」ということを言っておられるわけである。  県は、「それは違う」、「あくまでも県はセットであって、あとは民間の努力である」と言うのか、そこがわからないけれども、それに関してぜひ県の所見をお伺いしたいところであるが、悪い点だけではない。実はよい点もあって、当然であるが、そこもちょっと紹介をさせていただこうと思う。  知事は、舞鶴若狭自動車道の全線開通のときに、最初にずっと言ってこられたのが、嶺南と嶺北の一体化、これはずっと言っていた。私も最初に言うのは、恐らく観光客をふやして福井県にたくさん来ていただくのだということを最初に言うのかと思ったら、そうではなくて、嶺南と嶺北の一体化ということをずっと最初に言っていた。私も、これは非常に印象に残っていて、忘れることはできないわけであるが、実際、全通後、現実のものとして嶺南と嶺北の一体化が顕著にあらわれているというふうに評価されている。嶺北から実際大勢の観光客に来ていただいて、私が調査したのは小浜市であるが、小浜市でたくさんの食事をしていただいている。日帰りであるが、食事をしていただいているということである。これは顕著に出ていて実感していると言っていた。それから、これまでも関西方面に限らず、中京方面の岐阜県、愛知県も、非常に観光客が多いと喜んでおられる。これはまさに福井県の観光戦略が当たっているのだというふうに評価をされている。  それから「モリモリ若狭路秋・冬キャンペーン」。これは非常に人気が高いと言っている。相当数出ていると、観光客も関係事業者も大変喜んでいる。観光客の増を実感している。このモリモリキャンペーンによって実感しているということである。「予算が途中で息切れしないように、さらに続けていただきたい」と、そこまで評価をされているというところである。これらについて、こうした観光振興に関する地元の声に対する県の所見というか、考えをお聞きしたいと思う。 164 ◯観光営業部長  舞鶴若狭自動車道全線開通に伴い、この7月から展開している「海湖と歴史の若狭路キャンペーン」においては、県、嶺南6市町、観光協会、商工会議所、商工会などが一体となって、県内外で約20回の出向宣伝を行ったほか、大阪や名古屋での観光商談会にも多くの地元の民間事業者が参加し、新たな旅行商品の造成に向けた売り込みを行った。  こうした結果、舞鶴若狭自動車道全線開通後から8月末までの嶺南の主要観光地の入り込み数は、前年同期に比べて25%増となったほか、広島県などから新たなバスツアーが催行されることになっている。  今後、嶺南で初めてとなる「若狭路恐竜展」、同時開催の嶺南6市町の「若狭路物産展」、規模を拡大して行う「秘仏の特別公開」など、NEXCOの広報誌なども使い、県内外に広くPRしていくこととしている。  また、観光施設やホテル等の事業者においては、観光相談会や出向宣伝等でみずからの魅力を明確にした売りをアピールするとともに、その後の継続的な営業にも取り組んでいただきたいと考えている。 165 ◯西本委員  全線開通後、私は1カ月半ぐらいで調査に行ってきたのであるが、県としても当然、局面、局面で、場面、場面で恐らく実態調査をされて、それを検証して次につなげていくというふうに思っているので、そのあたり、ぜひ実行してお願いしたいと思う。  時間の関係で少し飛ばさせていただくが、一般質問で、いわゆる南北軸というものの施策の必要性を訴えたところである。これまでどちらかというとなじみの薄かった奈良、和歌山、三重、四国、これらの地方からいかに観光客を引っ張ってくるかということは非常に大事である。観光営業部長の答弁では、滋賀、京都と連携してということであったが、もう少し深いところを聞きたいと思っていた。時間の関係で飛ばさせていただくが、そのあたりしっかりと今までなかったところ、なじみの薄かったところ、南北軸を使って──舞若道も南北軸であるし、京都縦貫道も南北軸であるので、これをしっかり使っていただいて、これまでと違うところからもぜひ誘客に努めていただきたいと思う。  次に、ネット社会に関して、SNS──ソーシャルネットワーキングサービスといわれる社会的ネットワークの活用が、これから観光行政のみならず、行政の情報発信には欠かすことのできないものというふうになっているわけである。県政の発信におけるSNSの活用の現状を伺うとともに、今後の活用方針、計画についてお伺いしたいと思う。 166 ◯総合政策部長  県においては、現在、フェイスブック及びツイッターの2種類のSNSを活用して、「はぴねす2018~福井しあわせ元気国体・大会~」、それから「ふくいブランド」、「「福井発コシヒカリ」全国キャラバン」など37項目で情報発信を行っており、うち10項目が今年度新たに加わったところである。  SNSには、発信した情報が広まりやすく、双方向で情報が共有できるなどの長所があって、例えば、若狭歴史博物館では、アンケートによると、SNSで情報を得た来館者がいたり、ふくい若者チャレンジクラブでは、フェイスブックを県内外との情報交換や交流のために活用しているというふうに聞いている。  他方、フェイスブックやツイッターには、いわゆる「炎上」とか「なりすまし」などのトラブルが発生するおそれがあるので、平成24年度に福井県ソーシャルメディア利用ガイドラインを策定して、安全な利活用に努めている。  今後とも、迅速かつ効果的な情報発信のため、各所属において安全に十分留意しながらSNSを活用していきたいと考えている。 167 ◯西本委員  私もフェイスブックを活用して情報発信をさせていただいたり、いろいろしている。1点だけ披露させていただくのであるが、「「福井発コシヒカリ」全国キャラバン」。これは小寺議員の一般質問にあったが、9月8日に始まっている。実はこれに関して、私の女性のフェイスブック友達からコメントが入って、この方の関東のフェイスブック友達が「キャラバン隊のフェイスブック発信を、とてもすばらしい、応援をする」と、とても力強い声援をいただいたということである。キャラバン隊のフェイスブックをシェアしてくださったということである。  また、この方は、ちなみに「知事が非常に食育と食に熱心でいてくださることを、非常にありがたい。よろしくお伝えいただきたい」と言っていたので、お伝えさせていただきたいと思う。  この点については、きのう「聖地福丼県売り出せ」──すばらしい事業が始まったのであるが、時間の関係で後ほど時間があったら少しお話をさせていただきたいと思う。         「高齢化社会への対応について」 168 ◯西本委員  次に、高齢化社会への対応について質問させていただく。  一般質問で私、特別養護老人ホームのことについて特に質問させていただいた。このことについては健康福祉部長から、「地域包括ケアサービスと特養のバランスをとりながら進めていく」という答弁であった。  厚生労働省のことしの3月のデータによると、特別養護老人ホームの入所申込者の状況は52万4,000人、そのうち入所の必要性が高い要介護4、5で在宅の入所申込者は8万7,000人ということである。また、その伸びは、平成21年度に比べて2万人もふえているということである。入所申込者の都道府県別の状況で、福井県は3,721人の申込者がいるとのデータがあるが、県内の在宅の入居申込者の数を把握しているのかどうか。さらには、県内の在宅の入所申込者の伸びはどのようになっているのか、まずは伺っていく。 169 ◯健康福祉部長  平成25年4月現在で、県内の特別養護老人ホームの入所申込者、要介護1から5までは、今指摘のとおり3,721人いる。このうち、今全国で8万7,000人と紹介されたが、要介護4と5の方で在宅で入所を申し込みされている方は、本県は524人であって、これは、平成21年度は400人ということで124人の増加となっている。今のは平成25年の数字であるが、直近の平成26年4月現在で言うと、入所申込者3,455人いて、このうち要介護4、5の方で在宅の方は454人ということで、1年で70人は減っているのかなという感じである。また、要介護4、5の認定者のうち、在宅の入所申し込みされている割合は、平成25年の数値に戻るが、全国では6.7%、在宅のケアを一層進めさせていただいている本県では5.3%の伸びで、若干全国に比べては低いなということで、さらに平成26年度では4.7%ということで、また少し下がっているという状況である。 170 ◯西本委員  2025年問題という言葉を耳にされたことがあると思う。団塊の世代といわれる1947年から49年生まれ、現在65歳前後の世代が約10年後に大挙して75歳を迎えるという問題である。2012年における後期高齢者は1,511万人、これが2025年には2,179万人、2050年には2,401万人まで膨らむと推計されている。全人口に占める割合も後期高齢者は26%、4人に1人まで上昇するという見通しが出ている。  75歳で前期と後期に線引きされるのは、これは意味があるということである。介護が必要な要介護の認定者は現在574万人。前期高齢者の認定率が4%に比べて、後期高齢者では29%となる。要介護の認定者数は、この十数年間で3倍近くになっているということである。  県内の後期高齢者の人口と要介護の認定者数、及びその推移と今後の見込みはどのようになっているのか伺う。あわせて、ひとり暮らし高齢者世帯の推移と今後の見込みはどのようになっているのか伺う。 171 ◯健康福祉部長  本県の75歳以上の高齢者人口であるが、平成26年7月現在で約11万3,000人。介護保険が始まった平成12年の7万3,000人に比べると、4万人の増加ということである。今後、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、平成37年では約14万3,000人、さらにピークとなる予想が平成42年で約14万9,000人、現在よりも3万人以上増加するという見込みになっている。  また、75歳以上の要介護の認定者は現在約3万5,000人。平成12年の1万5,000人に比べると大体倍増しているということである。認定者の割合がこのまま現在と変わらないという想定でいくと、平成37年では約4万6,000人、ピークの平成52年ぐらいになるだろうと考えるが、そのときでは5万4,000人ということで、現在より2万人程度増加するのかなと思っている。  あわせてお尋ねのひとり暮らしの高齢者の世帯であるが、平成12年では約1万5,000世帯というか、人というか、全世帯の5.7%。平成22年にはこれが約2万1,000世帯、7.8%に増加している。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、これが平成37年では3万2,000世帯に増加するといったことになっている。 172 ◯西本委員  今、皆さんがお聞きになったとおりである。データはそのように物語っており、福井県は特別養護老人ホームの整備率は全国2位というふうな答弁もあったが、私自身、実感しているのは、県内の特別養護老人ホームのベッドの数と入所申込者のニーズが合っていないのじゃないかなというふうに、私はそう感じている。今のデータをお聞きしていても、私は、この先本当に心配な数字が出ているというふうに思う。今後の要介護認定者の伸びを勘案すると、入所申込者のニーズに応えていけるのかとても心配である。  利用者目線で見ると、個室ユニットへ入所の場合、平均13万円から14万円の費用負担が生じているようである。国民年金のみで生計を立てておられる方々は個室ユニットへの入所は困難であり、多床室への入所希望者が多いのが現状であるというふうに聞いている。近年、個室ユニットの施設が増加しているが、従来型の多床室の施設整備について、県としてどのように考えているのか伺いたいと思う。 173 ◯健康福祉部長  国のほうでは、平成25年度から国の基準省令で特別養護老人ホームの居室定員は1人というふうになっているわけであるが、県においては条例で独自の基準を設けていて、地域の実情によって必要と認められる場合は、プライバシーへの配慮というのを条件に、4人部屋までの多床室は認めることとしている。こういった点で低所得者にも配慮した施設整備を進めているところである。  平成24年度からの第5期介護保険事業支援計画期間中であるが、特別養護老人ホームのベッドを426床整備したが、このうち多床室は52床である。現在、ベッド数は5,028床、このうち多床室は2,604床ということで、割合としては52%というような現状になっている。来年度から3年間の第6期の計画期間が始まるわけであるが、地域のニーズを踏まえて、引き続き多床室も含めた施設整備ということで進めていきたいというふうに考えている。 174 ◯西本委員  私としては、あらゆる施設を吸収していく必要があるのだろうというふうに思うのであるが、ただ一方で、ない袖は振れないということも私もわかっている。施設整備にどんどん税金を投入することによって、結果、介護保険料アップにつながって利用者の負担があがる。さらには市町の負担も大きくなる。これは事実であるので、ここも考えなければならないけれども、しかしながら、今後ますます特別養護老人ホームの入所申込者がふえていくものと私は考えている。  今後の特別養護老人ホームの整備について、県としてどのように認識されており、さらにはニーズもどのように吸収して対応していくのかという点について、お伺いしたいと思う。 175 ◯健康福祉部長  今後の整備方針は第6期の介護事業計画のほうで定めていくということであるが、まず、今回の計画の中では、やはり介護予防。まずは高齢者の方が要介護状態にならないようにということで、運動、栄養、社会参加といったものをキーワードにして、健康づくりや生きがいづくりに取り組むのが一つ。それと、医療や介護が必要になった場合でも、できる限り住みなれた自宅に住み続けたいという希望の方がいることも事実であるので、そういった面で、医療と介護の連携をして在宅サービスを充実させるといったことも一つの柱になってくるかなと思っている。  一方で、ひとり暮らしで重度の方、認知症の方など在宅での介護が困難な方というのは、当然絶対数としてはふえていくわけであるので、特別養護老人ホーム、あるいは、認知症の高齢者グループホームなど介護施設を引き続き、計画的に整備する必要があるというふうには考えている。  施設の整備については、これは西本委員指摘のとおり、在宅と施設のバランス上、現行の5期計画中では施設整備数700ちょっとあったが、そこまでの整備数に至るのはちょっと難しいのかなというふうに考えている。今後、団塊の世代が75歳以上になる平成37年というのを見据えて、地域ごとの整備状況といったようなものも配慮することも必要だろうと思うし、特別養護老人ホームに限らず、西本委員が言われた、地元のニーズに応じたほかの介護施設もある。そういった施設の整備についても、あわせて次期の6期計画の中で必要数を設定していきたいというふうに考えている。 176 ◯西本委員  来年度が始まると第6期、これは非常に注目させていただきたいと思う。先ほども申したとおり、福井県は特別養護老人ホームの整備率が全国で2位である。ただ、私がお聞きしているところでは、やっぱり待機者の数も相当いるようであるし、ぜひ、さらに実態把握に努めていただいて、利用者ニーズをしっかりと吸収していただくように、改めてお願いをしておきたいと思う。  いま、健康福祉部長が言ったように、そういうところに行かないでいいように、やはりふだんから自分も周りも気をつけることは大事である。そういった意味で、知事は一般質問の答弁の中で、「元気老人の方に子供たちの教育、文化活動、環境保全活動に携わっていただきたい」ということで、やっぱり家に閉じこもるのじゃなくて、外へ出ていって、人と交流して体を動かして頭を使う。これが私はこれからの時代に求められるのだろうというふうに思うが、その観点でぜひ進めていただきたいと思う。         「福丼県について」 177 ◯西本委員  もう一点、高齢者の点で質問する予定をしていたが、これはまた次に回させていただく。  きのうのことのものだから通告していなくて申しわけない。「聖地福丼県売り出せ」。私は、きのうニュース、新聞を読んで、非常にいいなと思った。もっと早くしてほしかったなと思った。これは福井県が主ではなくて、福井県も中に入ってやっているということなのか。福井県を丼の聖地「福丼県」として売り出す。「丼ツーリズム」、「ワール丼カップ」、いろんなことを考えているわけである。あと残り1分であるが、これについての概要と意気込みについて、どなたになるかわからないが、答弁をお願いできればと思うが、いかがか。 178 ◯知  事  これは民間の方の一員として、我々も参丼をしながらやろうという意味である。福井県は、コシヒカリがまずあって丼物のうまいところだというふうに思う。丼というのは、福井県だけしかそういう字にはならないそうである。だから、丼の聖地にしたいということであるので、民間と一緒になってこれを盛り上げていこう、そして、お米、食べ物、お魚、野菜等々、あるいは食器を、全体として盛り上げようというプロジェクトである。 179 ◯西本委員  時間が来たので終わるが、これは観光客誘致に非常に有効だと思っているし、先ほど言ったSNSを使ってどんどん情報発信をしていただいて、さらなる福井県の発展に寄与賜りたいと思う。                               ~以  上~ 180 ◯田中(敏)副委員長  以上で、西本委員の質疑は終了した。  畑委員。         「観光戦略について」           畑  孝幸 委員 181 ◯田中(敏)副委員長  なお、畑委員よりパネルの使用について申し出があるので、これを許可する。 182 ◯畑委員  自民党県政会の畑孝幸である。この9月議会も大分終盤に入って、福井県のいろいろな課題について、代表質問や一般質問、あるいは、委員会等で議論が展開されてきた。きのうから臨時国会も始まったが、増田ショックが尾を引いていて、やはり一番の課題というのは人口減少である。日本においても福井県においても人口減少が、これから地方創生だ、日本再生だという中での一番大きな議論になっているかと思う。経済が切っても切れないグローバル経済の中で、人材がいなかったら、やはり沈没してしまうのではないかというところに一番の危機感があるのではないかと思っているが、そのような中でも地方も競争の時代に入ってきた。私は団塊の世代であるが、高校入試や大学入試、それから、家内をもらうときも、それからまた、就職するときも全て、ずっと競争をしてきて、議員になるのにも大変な競争をしながらやってきたわけであるが、そのような時代が本当にいいのかどうかは別にして、やはり活性化しないとだめだ、元気を出さなければだめだということで、いろいろと知恵を絞っているわけである。  福井県は、今までずっとコシヒカリの里である農業県としてやってきた。それから、繊維、めがね、そしてまた、電子デバイス、あるいは、トランス、コンデンサーなど、物づくりの県でもあった。しかしながら、いまや製造業は賃金が安い国外に出て行ってしまい、今、一生懸命企業誘致をやっているが、いい企業がなかなか福井県に定着しないという。今あるのは小型モーターの日本電産や、あるいは村田製作所のような軽薄短小、つまり小さいものを製造するような会社である。  一つ数字があるが、20万9,000台、45万9,000台、6万1,000台、30万6,000台、5万9,000台、28万4,000台、これは何の数字かわかるか。これは日本を牽引している自動車産業の国内生産高と海外生産高の推移である。上位3社であるが、トヨタは国内で20万9,000台の車をつくっているが、海外で45万9,000台つくっている。日産は国内で6万1,000台、そして、海外では30万6,000台、ホンダは国内で5万9,000台、海外では28万4,000台という、これは1カ月間の数字である。きのう発表された自動車の生産台数であるが、このように、経済を牽引する製造業はみんな海外に移転してしまった。  そういう状況では、国も国力をつけるためには観光立国にしなければならないという形の中で今、国土交通省は外国人観光客が1,000万人を超えたということで、一生懸命やっている。それが今、経済性を持ってきているわけであるが、外国人観光客は日本へ何をしに来るかというと、ただ食べるだけではなく、買いに来ているのである。なぜ中国や台湾や韓国の人たちは日本に買い物をしに来るかというと、やはり日本には、にせものではなく本物があるからである。そしてまた、日本にしか売っていないものを日本に買いに来るのである。例えば、日本茶、日本酒、洗顔料やパックなどの化粧品、そしてまた、セラミック包丁、魔法瓶の水筒、このようなものが売れ筋だというのである。そのような商品を日本の中で売り、そして、外国人観光客が来て、そこで日本へお金を落とし、それが経済性を持ってお金が回るという、そのような仕組みを国はつくろうとしているわけであるが、福井もやはりそういった面では、経済、観光を第3の柱にしなければならないのではないかと思っている。  おかげさまで、7月20日には舞鶴若狭自動車道が開通した。これには「若狭さとうみハイウエイ」という愛称をつけてもらったが、なかなか呼んでもらえない。やはり愛称をつけたならば、それがよく使われるようにしていただきたいと思うのであるが、そこに、観光客を呼ぶ中で、その人たちが福井県で飲食をしてお金を落とす、あるいは、買い物でお金を落とす、そして、泊まっていただいてお金を落としていくような仕組みをつくらなければならないと思う。  先日、仲倉議員と一緒に、福井の第2のアンテナショップである銀座の「食の國 福井館」へ行った。そこでようやく売り上げが1億円を超えたそうであるが、1億円を売り上げるのは大変なのである。1年365日しかないが、このような揚げや水ようかんや、あるいは、へしこや鯖寿し、そのような食を売ろうとすると、1日30万円売り上げないと1年間で1億円にならない。ウイークデーと土日で客層の違いを考え、そのような小さいものを、どのように品ぞろえを変えるかなど、いろいろな工夫をしながらようやく1億円の売り上げがあったわけである。そこで越前そばを食べながら、そんな苦労話を聞かせていただいた。しかし、このアンテナショップで、福井にはこういう食材があるのだ、いいものがあるのだといって、今度は観光客として福井へ来ていただかなければ本物にならないわけである。  そこで今度は、その人たちが、福井へ来る場合には、何で来るかという話になってくると思う。恐竜博物館にはおかげさまで、去年は70万人の観光客が来たが、中部縦貫自動車道も2年後には大野まで開通するという話の中で、その人たちは車で来るのである。新幹線で金沢まで来たとしても、やはり福井にはシャトルバスか何か違う方法で来るのではないかなと思っている。そうすると、その人たちが休むところ、つまりサービスエリアやパーキングエリアなどに福井の食材や観光産品などを売るコーナーをつくって販売しなければいけない。東京のアンテナショップまで持っていき、そしてネットで売るというのでは、やはり輸送費もかかるし大変な仕事であるが、お客さんに福井へ来ていただき、福井の食材や観光産品などを、サービスエリアやパーキングエリア、そしてまた、道の駅等で展示、販売すれば、バイヤーにとっても生産者にとっても一番メリットがあるのではないかと思っている。  そこでまず、福井県内にサービスエリアはどれだけあるのか。そして、隣の石川県、それから、富山県にはどれだけあるのか、また、休日と平日の利用者数を、福井県として把握しているのか伺う。 183 ◯土木部長  本県のサービスエリアは、北陸自動車道の南条サービスエリア1カ所である。平成25年度1日当たりの利用者数は、上り線、下り線合わせて平日約1万1,000人、休日約2万3,000人である。  それから、石川県にはサービスエリアが1カ所──尼御前サービスエリアであるが、富山県には2カ所──小矢部川サービスエリアと有磯海サービスエリアである。利用者数については、南条サービスエリアが石川県の尼御前サービスエリアを平日で約1,500人上回っており、休日では5,400人上回っている。それから、富山県の小矢部川サービスエリアと比較すると、南条サービスエリアが平日で約2,500人上回っており、休日では7,500人上回っている。有磯海サービスエリアと比較すると、南条サービスエリアが平日で2,500人、休日で約5,200人上回っているというNEXCO中日本のデータがある。 184 ◯畑委員  今の話だと、南条サービスエリアに非常にお客さんが来ているという実績があるが、そこで福井の特産品が販売されているのかどうか。そして、販売されているならば、販売状況をどのように認識し、今後はどのように販売拡大しようとしているのか、その計画はどうか。 185 ◯観光営業部長  県内ではサービスエリアが一つであるが、パーキングエリアが6カ所、合わせて7カ所ある。そのうち、商業施設については、敦賀の刀根パーキングエリアと小浜の加斗パーキングエリアにはそういう施設はないが、あとのエリアには全て食品を中心に地元産品等が販売されている。各施設ではエリアを特徴づける地元の特産品等が販売されていて、例えば、南条サービスエリアにおいては、焼き鯖寿しや羽二重餅、めがね、打刃物なども販売されている。ことし夏にオープンした三方五湖のパーキングエリアにおいては、へしこ、梅干、若狭の塗り箸などが販売されているほか、週末を中心にテント等での販売も行われているところである。  サービスエリア等での販売品目の拡大は、非常に重要だとは考えているが、新たな商品の取り扱いについては、既に扱っている商品との競合の有無や、あるいは、販売手数料などについて、既にサービスエリアに出店中のテナントと地元事業者が個別に協議する必要があると聞いている。こうした協議をスムーズに行えるよう、県においてもNEXCO中日本等に働きかけ、地元事業者を後押しして、特産品の販売を拡大していきたいと考えている。 186 ◯畑委員  話を聞いていると、福井県としては、NEXCO中日本と、今度そこで販売をしたいという人との仲立ちを一生懸命やろうとしているようだが、どうもハードルが高い感じがする。農協は「喜ね舎」をつくり、自分のところの農家でつくっているものを自由に販売して、トレーサビリティもつくり、顔も見える食品販売戦略をJAとしてはやっている。事業主体は変わるけれども、食で福井県を売り出そうと今やっているし、和食が無形文化財にも登録されているので、ぜひとも福井県の中にある道路の中で福井県が地元の食材をうまく提供できるように、そこには福井県の食材が本当にたくさん並ぶように、そして、いろんな人たちがうまく参入できるような仕組みをつくっていただきたいと思うが、その点はどうか。 187 ◯観光営業部長  NEXCOの子会社がそのようなことを扱っており、エリアで販売するのは各テナントが入っている。私どもも、今回の三方五湖のパーキングエリアにおいて、NEXCO中日本、あるいは、中にあるテナントに直に出向いて、その辺の扱いについて、一般客向けの通常の商品と、その地域を特徴づける特産品との兼ね合いについていろいろやりとりはしている。今後もまた、いろんな意見がある中で、NEXCO等にも話を持っていく予定であるが、今後、それについてはもっと努力する必要があると思っている。
    188 ◯畑委員  後ろからやじが飛んでいるように、手ぬるいというか、やはりその一言に尽きるのではないかと思う。もっと前向きに、全力を挙げて取り組んでほしいと思う。  少し話を変えるが、サービスエリアやパーキングエリアはNEXCOの範疇である。今度は、道の駅が高規格道路の際や観光地のそばにあるが、これについては福井県としてはどのように関与できるのか。 189 ◯土木部長  道の駅であるが、例えば、県が管理している道路には、国道と県道があるが、そこへ道の駅をつくる場合には、駐車場設備や道路情報施設は県が整備する。商業設備については地元の市町なりが整備して、その店に貸して営業している。  例えば、直轄の国道8号であれば、国が駐車場を整備するという形になっている。中部縦貫自動車道についてもまた直轄国道の事業であるから、国がそのような設備を整備する。道路管理者は道路に必要な駐車場や道路情報設備の整備をして、残りの商業施設は地元の市町等が整備し、計画は両方が考えて立てるということになるが、そういうことで進めていく。 190 ◯畑委員  道の駅であるが、これは平成5年に最初に整備されたようであるが、初めは全国で103の駅が登録されている。それから21年が経過した今では、全国で1,000を上回る道の駅が整備されている。この道の駅は、調べると、現在福井県には11カ所ある。そして、越前町の越前が平成26年11月、それから、若狭町の三方五湖が平成27年3月、それから、永平寺町の永平寺温泉が平成27年10月にオープンの予定となっており、全部で14になろうとしているのであるが、47都道府県で平均値をとると、21カ所である。そうすると、まだ福井県の道の駅は少ないと思う。平均値よりは少ないという中で、訪れる人が多いところや少ないところなど、その辺については何か調べているか。 191 ◯土木部長  まず、本県の道の駅は、今、畑委員が言われたように、現在11カ所ある。石川県23カ所、富山県14カ所ある。県関係の道の駅で3カ所、それから、一乗谷朝倉氏遺跡の水の駅を福井市が道の駅に登録するということで、四つふえて15カ所になる予定である。  本県の道の駅の利用者であるが、平成23年167万人、平成24年が178万人、平成25年が216万人とふえている。また、売上高等も平成23年が12億円、平成25年が13億円というふうにふえている。全国的な順位であるが、確かに箇所からいうと28位ということになっている。地形的に平野部が多いとか、岐阜など山の谷が多く、谷の連絡がないから多いなど、いろんな特性があり、また1カ所当たりの道路カバー率などいろんな比較があるが、箇所からいうと28位という現状である。 192 ◯畑委員  私の地元の近くに道の駅三国があるが、あそこはものすごく繁盛しており、たくさんのお客さんが来ている。しかし、ほかの道の駅を見てみると、今まで話があったように、平日行くとほとんどお客さんがいないところもある。例えば、和泉村の道の駅には、張子の恐竜があるが、できたときはとてもきれいだったトイレが、今はきれいに掃除をされていない。お客さんを迎えようという維持管理がうまくされず、つくるだけつくって置きっ放しというのでは、やはりリピーターは来ないし、お客さんもそこへ入ろうと思わない。だから、大野市は春先にシバザクラであぜ道をきれいに見えるようにしたところ、観光バスがかなり多くとまり休憩をしているのを見るが、そのような形で、地方自治体が整備した道の駅がうまく維持管理されなければ、やはりせっかく来たお客さんも、もう福井へは行かないでおこうという話にもなってしまうので、ぜひとも維持管理もしながら、道の駅をうまく活用していただきたい。やはり地元の産業や雇用を生み出す一つの大きな施設であるので、この道の駅の活性化に、ぜひとももう一度、取り組んでほしいと思っているところである。  それでは、その道の駅であるが、国土交通省では2015年度の概算要求において、全国の主要な一般道にある道の駅の機能を強化するための予算を計上している。内容は、道の駅に地元特産品を買える免税店や診療所を設け、観光や地域福祉の中核拠点とするほか、災害時の防災拠点として活用できるよう、一段の機能充実を進める等の整備を行うものだということである。観光、地方移住、地域活性化につなげる地域振興、地域福祉、防災など、6類型に分け、年内にも先進的な取り組みを行う全国数十カ所のモデル事業を選ぶとしている。選ばれたところは、その提案を具体化するための補助金を手厚く配分されると聞いているが、道の駅の機能を強化する2015年度の国の概算要求を受け、予算が国会に認められた場合、この事業に積極的に取り組んでいくべきと考えるが、県の所見を伺う。 193 ◯土木部長  道の駅の整備に当たっては、県、または、市町の両方の意向が重要なポイントになるが、地方創生拠点の形成という観点から、いろいろな機能を持った道の駅に対して支援していこうという国の概算要求である。  例えば、防災の道の駅や、地域福祉道の駅や、産業振興、それから、ふるさと納税の情報を提供する観光総合窓口など、国の概算要求の支援対象を見るといろいろなことが書かれており、各省庁にまたがっている。国から事業の詳細が示され、また新たな道の駅設置に向けた市町の計画についても具体化した時点で、県も市町とともにモデル事業に採択されるよう、積極的に手を挙げていきたいと考えている。 194 ◯畑委員  力いっぱい頑張ってほしい。お願いする。         「鳥獣害対策について」 195 ◯畑委員  それでは、2点目に鳥獣害対策について伺う。  ここにかわいらしい鹿の写真がある(パネル掲示)。ここにいるのであるが、この写真は、お墓が少しあるが、私の家の裏山である。昔、大安寺荘という施設があった、それよりも下のほうの、私たちの大安寺の地域にまで鹿がおりてきているのである。これは3年ほど前である。鹿の保護管理対策として、ニホンジカの福井県特定鳥獣保護管理計画や、あるいは、イノシシについては福井県特定鳥獣保護管理計画などが、福井県から平成22年、23年、それから、24年の10月と、相次いでこのような分厚い冊子で出ている。鹿はかわいらしいという人もいるが、森林を植林した人たちにとっては、本当にようやく書き入れどきというときに、表皮がはがされて大変な目に遭っているのである。  これは鹿被害が嶺北に拡大という新聞記事であるが、もう表土が出てきてしまっており、災害が起きるきっかけにもなるし、また、幹のところも皮が食われてしまうわけであるから、森林自体が枯れてしまう。嶺南は非常に被害が深刻であったが、嶺北はそれほど被害がなかったが、嶺北でも夜になると鹿の遠ぼえというか、鳴き声が聞こえるというところが出てきた。しかし、計画は保護管理計画となる。被害対策ではないのである。鹿については、目撃情報などを資料にしながら、大分、頭数管理などをしているようであるが、私がここで見たものは、何も報告をしていないので、この中には多分反映されていないと思う。というように、どこの地域でも、ふんを数えて何頭いるか頭数管理しており、目標は何千頭にするという管理計画があるが、被害を申告しない人もいるが、被害はずっと増え続けているのである。だから、これは撲滅するというようにしないとだめではないかと思っている。  このように、農地に侵入しないようになど、いろいろな対策について書かれた新聞記事がたくさんあるが、全て後手後手に回っており、イノシシが来たから電気柵をつくる、あるいは、捕獲しにいく、わなをかけるなどの形になっている。まず、鳥獣害の被害について、近年の被害面積や被害金額について伺う。 196 ◯農林水産部長  有害鳥獣による農作物の被害状況であるが、平成25年は271ヘクタールであり、こういう対策を始めたのが平成16年であるが、このときは大体約590ヘクタールほどあったので、そういう意味では、被害の把握状況としては半減をしている。  また、被害の大半を占めるのは、水稲被害であると考えていて、本年8月末時点では、昨年同期に比べて被害を受ける面積が約1割5分ほど減っているという状況である。金額については、この対策を始めた平成16年以降、大体1億円前後の被害ということで推移をしているが、平成25年は侵入防止柵の整備率が少し低い市町があって、そこでイノシシによる水稲被害が多かったということから、被害金額が約1億2,800万円ということになっている。 197 ◯畑委員  農林水産部長は被害が少なくなりつつあるという話であるが、これは全然減っていない。イノシシが入ってきたところは、全て、すでに耕作放棄地になっている。だから、被害が申告されていないだけで、ずっと耕作放棄地となっているのである。  先日、清水町へ行き、狩猟免許を持っている人と話をした。その人はもともと農家で狩猟免許を持っていなかったが、どうも田や山を荒らすので狩猟免許を取りに行った。そして、わななどを仕掛けなければならないということで仕掛けると、一遍に30頭入っているという。これはウリボウのように小さいものであるが、それを山へ埋めて捨てろということで、ユンボで穴を掘って埋めるらしい。そうするともう3日おきや、5日おきにまたとれるという。そうすると、そのおりの周りは、先日の御嶽山の噴火の後の泥水のようにくちゃくちゃとしたところで、そして、イノシシのふんがしてあり、においもすごくて、もうやはりそこへ携るのが嫌になると言っているのである。先日も、細川かをり議員の一般質問でもあったが、今度は埋めたところが下がっていったり、周りも何か寄りつくのが嫌だなということになり、大変であると言っていた。  それから、もう一つの問題は、ハクビシンとタッグを組むことである。ハクビシンは小さいから電気柵の下から入る、そうすると、その下を掘ってしまうのである。そうすると、今度はウリボウは鼻先が電気柵に当たらないので、その下を入っていく。そして、次に大きいイノシシが入っていく。それで田の中が荒らされてしまうというイタチごっこで大変であるという。  今は山内というあたりにいるが、今度は片粕から久喜津橋を渡って東安居へ行くという話をされていたが、やはり対策が必要である。調査をするのはいいが、もう少し実態を知ってほしい。職員が話さないと全然解決策は出てこないのであるから、現地へ行って話してほしい。何かみんな丸投げで、調査をしなさいと言っていてもだめであると思う。そのことについて見解があれば伺う。 198 ◯農林水産部長  先ほど来説明をさせていただいている数字は、いわゆる統計データとしての数字であって、今議会でもいろいろな先生方から話を聞き、それから、各市町の首長さんと話をしても、やはり鳥獣害被害の実態を事細かく話をいただいている。だから、農林水産部としては、この数字が全てだとはもちろん思ってはいないので、そういう意味で、これは行政だけではできない分野であるので、広く民間の力もかりて、抜本的な対策を立てていこうと考えている。 199 ◯畑委員  それはそれでやってほしいが、先ほども言ったが、今度はとった後の処分に嶺北でも大変困っている。以前にも私は一般質問でも、嶺南にそういう処理施設ができたのであるが、嶺北でもつくってほしいというお話をさせてもらった。それは各市町の意見も聞きながら、しばらく時間をくださいというような答弁であったが、嶺南の処理施設でも今、悲鳴を上げているのである。というのは、あそこに1日当たり何頭くるのかわからないが、あれは完全に焼却するのではないようであり、どうも残渣が残るようである。その残ったものを産業廃棄物のような形で、ある業者が請け負って、キロ7円か10円かでテクノポートの廃棄物処理センターへ持っていくのである。1回殺処分すると、殺したハンターや狩猟家など業者には、1頭7,000円くらい渡すのか。ほかの経費というのは、若狭町や美浜町が、その運営費を出すのかわからないが、その費用がどうもうまくいっていないように聞いているが、この現状については何かわかるか。 200 ◯農林水産部長  まず、若狭町の処理施設であるが、当初考えていた処理計画は年間大体5,000頭という予定である。平成25年度は約1.5倍の7,500頭の処理をするということで、処理コストという点から見ると、いわゆるロットがふえたので、一、二割削減ができているというのは、コストの問題である。それから、お話があった残渣については産業廃棄物であるので、適正に処理をせざるを得ない。だから、そのための経費は当然かかるが、例えば、今、猟友会の人が、1頭イノシシをしとめると1万4,000円支払いをしている。鹿の場合は1万7,000円で、県市でもって処分している。そのほか、焼却処理のコストと残渣処理のコストについては、当然当初から見込まれているものであって、これはほぼ計画の範囲内で対応できていると聞いている。 201 ◯畑委員  見込まれているかどうかではなく、それは自治体が負担をしているのだと思うが、その金額が張り過ぎて、市町はにっちもさっちもいかないのだという話を聞いているが、県としてそういうことは聞いているのか、いないのか。また、市や町から費用についてある程度面倒を見てほしいという話に乗るのか、乗らないのか、そのあたりの話が聞きたい。 202 ◯農林水産部長  処理施設を持っている若狭町からは、今、私がお話ししたような情報を得ているが、処理コストに関しては各市町でアロケーションして、処理頭数に合わせて負担をしているという状況である。県に対しての具体的ないわゆる支援に関する要望は、いずれの団体からも聞いていない。 203 ◯畑委員  まだ聞いていないということであれば、うまくいっていると理解しないで、今、財政も大変厳しい中で、みんな四苦八苦しているのである。だから、そこはネックになっていて、今度はもう狩猟をしない、また、違うところへ流れてしまうということもある。土に埋めるのも大変厳しい状況の中で、今、嶺北でも頭数はふえているのであるから、処分しなければいけないのである。処分するのに大変困っているわけであるから、そこに手を差し伸べてほしいと思う。この点についてはこれくらいにとどめておく。         「やさしい日本語について」 204 ◯畑委員  あと1分30秒しかないので、その他に移らせてもらうが、先日、西本委員から優しい日本語という話が出た。これについては、違うところで既に弘前大学の先生が始めたようであるが、これは大変大事なことだと思っている。  先日の原子力防災訓練の中でも地域住民にいろいろな情報の伝達がうまくいっていないという話があった。外国人も今、日本にはたくさんいるし、子供たちも災害の場合には迅速に避難しなければいけない。先日の御嶽山の噴火の時にも子供が登山をしているという状況の中で、レベル3など何か全然わからないような話をしていても、もう火山が噴火しそうだから、きょうは入ってはいけないよという言い方をしなければ、入山規制をしているのだという話がうまく伝わってこない。やはりそれは情報伝達の仕方が悪いからであり、優しい日本語を使って情報伝達をすれば、災害でもすぐに避難をすることができる。そのためにも、防災訓練のときから優しい日本語を使って情報伝達をしなければならないと思うが、そのような訓練をしないのか、そこをお聞きしたい。 205 ◯危機対策監  今、言われたように、災害時においては、避難勧告等の情報、つまり防災情報を迅速かつ確実に住民に伝達する必要があって、特に今言われた外国人、子供、障害のある方に正確にわかりやすい表現で情報を伝えることが重要だと考えている。このため、本年度の県の総合防災訓練は11月1日に勝山市で実施することにしているが、この訓練の中で、防災行政無線やエリアメールなどを用いて住民への避難勧告等の情報伝達訓練を行うことにしている。その際に、わかりやすい日本語を使って災害情報を正しく伝達するよう、勝山市とともにやっていきたいと思っている。今後とも、県や市町が実施する防災訓練においても、わかりやすく防災情報を伝えるという観点から、市町とともに取り組んでいきたいと考えている。 206 ◯田中(敏)副委員長  以上で畑委員の質疑は終了した。  ここで休憩する。午後3時に再開する。                               ~休  憩~ 207 ◯中川委員長  それでは、休憩前に引き続き、委員会を開く。  質疑を続行する。  糀谷委員。         「エネルギー研究開発拠点化計画について」 糀谷 好晃 委員 208 ◯中川委員長  なお、糀谷委員より資料の配付について申し出があり、これを許可し、あらかじめ配付している。 209 ◯糀谷委員  民主・みらいの糀谷である。  きょうは、旧アクアトムの利活用を中心に質問させていただくが、その前に、アクアトムの現所有者である日本原子力研究開発機構の「もんじゅ」の現状認識について、少しだけ触れさせていただく。  大量のいわゆる点検漏れにより、昨年5月、原子力規制委員会から事実上の運転禁止命令を受けている「もんじゅ」であるが、先週25日、機構側は9月末までの1年間であった集中改革期間の半年間延長を発表した。「もんじゅ」の運転再開準備の禁止命令解除に向けた改革が、当時の予定どおりには進んでいないという、この現状について、まず県の認識を伺う。 210 ◯知  事  「もんじゅ」の改革であるが、1年間の集中改革期間内に改革がなし遂げられていないところであって、来年3月まで半年間延長することになった。極めて残念であり、遺憾なことである。理事長を初め、不退転の覚悟を持って来年3月までの工程を明らかにし、責任を持って改革を進めることが重要である。  また、日本原子力研究開発機構、また、文部科学省を中心とした政府においては、「もんじゅ」が果たすべき使命をより明確にし、その研究開発の意義、工程、役割などを県民や国民にしっかりと説明をし、理解を深め、この問題を解決することが必要であると思っている。 211 ◯糀谷委員  私自身も6月議会の代表質問において、その時点で「もんじゅ」の研究計画の三本柱が発表されていたので、その辺のことについてはしっかりとやりとりをさせていただいたので、きょうはそれが本意でないので、進めさせていただく。  この発表を受けて、その説明のために同日、県庁を訪れた日本原子力研究開発機構の齋藤敦賀本部長らと対応されたのが安全環境部の櫻本部長であったと思うが、そのときの報道によると、5点の要請事項を伝えたとされている。五つあるから、とても時間がないから、そのうちの一つ、きょうの質問に関連する広報施設だったアクアトムの後継機能の検討と、核燃料サイクル技術の地元企業への移転については、確か2番目であったと思うが、しっかりと要請をされているようであるが、その具体的内容について伺う。 212 ◯安全環境部長  今、糀谷委員が指摘した点であるが、まず、これまでアクアトムが「もんじゅ」を含めた原子力エネルギーに対する地元理解を深める活動をしていたということである。今回、そのアクアトムを廃止するというのであれば、このような広報、あるいは、地元理解活動を今後、機構としてどのように考えるのかをはっきりしてほしいというのが一点である。  それから、日本原子力研究開発機構は、エネルギー研究開発拠点化計画などの中で、産学官の技術連携を進めていくと、ずっと言っていた。これを今回、アクアトムとの件に絡めて、日本原子力研究開発機構として今後、具体的にどのように考えているのかということを、今回「もんじゅ」の改革半年延長という報告を受けた際に、改めて私のほうから日本原子力研究開発機構に対し、考えをただしたということである。 213 ◯糀谷委員  アクアトムは平成13年6月に開館している。設置に当たっての趣旨目的をここでは確認したいと思う。オープンするまでのいきさつについて、もう一度、簡単におさらいをしたいと思う。 214 ◯総合政策部長  アクアトムは、平成10年度の第3次補正予算の福井地区における原子力科学理解増進という項目で、27億円の予算が計上されたものである。その後、原子力エネルギーと海をテーマとした理解促進と、青少年への科学や原子力研究開発などの興味や創造性の創出を目的とした施設として、平成13年6月に開館した。港町敦賀と原子力との共存を象徴し、中心市街地の活性化に寄与する施設として、非常に期待が高かった施設である。 215 ◯糀谷委員  今、お手元に配らせていただいた資料に写真が出ていると思う。アクアトムの概観図と位置図の2枚を出してある。この概観をごらんのとおり、地下1階で3階建ての鉄筋コンクリート造りで、展望台つきである。まず、このアクアトムの規模や中の内容など、そのあたりの概要について簡単に確認をしたいと思う。 216 ◯総合政策部長  アクアトムは、今紹介していただいたとおり、地上3階地下1階の施設である。球体の部分に展望室も備えている。この展望室は大体6階に相当する部分である。建築面積は1,768平方メートル、延べ床面積は4,548平方メートルで、1階にはギャラリーやエネルギーモニュメント、それから、2階には体験型の展示フロア、3階には科学教室やホールが設置され、地下1階は駐車場となっている。建設費は展示物や関連する広報施設を含めて約27億円である。なお、施設が立地する敷地2,485平方メートルあるが、これは敦賀市の所有となっている。 217 ◯糀谷委員  確か子供たちに大人気であったシーラカンスのロボットがあった。私も鮮明に覚えている。実に巧みに動いていたが、残念ながら途中で傷んでしまったようで、撤去されたことを記憶している。  このアクアトムは、2年前の平成24年3月末をもって展示施設としての運営を停止したわけであるが、この間約10年余の来館者数や、この間の運営状況について、県としてはどのような評価をされているのか伺う。 218 ◯総合政策部長  平成13年6月から平成24年3月まで10年10カ月間のアクアトムの来館実績は延べ約98万人である。来館者数は、開館当初の平成13年度が約13万3,000人と最も多く、次いで平成14年度の9万7,000人となっており、その後は年間8万人から7万人で推移していた。また、小中学生を対象に地球環境とエネルギーに関する学習支援も行うなど、教育面でも一定の役割を果たしており、県としては引き続き施設は活用されるべきと考えていた。 219 ◯糀谷委員  今、話があったように、年間約8万人から9万人が利用されていたということである。ちなみに、地図を見るとわかるように、この近辺は中心市街地の一番大事なところであるが、近くに市立博物館、その博物館に隣接して、みなとつるが山車会館というのがある。この2館の観光客というか、入り込み数を少し調べてみたら、残念ながら年間1万人に達していないのである。敦賀市の市立博物館と、みなとつるが山車会館の両方とも、一時は1万人を超えた時期もあったが、博物館は今はそういう状況である。旧大和田銀行という記念的な銀行の跡地であるから、敦賀市がこれの改修工事を行っており、平成27年度中にはリニューアルするが、その時点では間違いなく国の登録文化財に指定されると思う。そういうことで、これを一つの切り札にしようとしているわけであるが、今までの現状の中では、敦賀市においては、この種の博物館では、大体その程度の入館者しか集めていないという環境である。これが先ほども言われたように、アクアトムにおいては、延べ100万人近い利用者があったということは、一つの数字として頭の中に入れておきたいと思う。  ところで、運営停止に至った引き金は、平成24年1月、当時の政権与党であった民主党行政改革調査会からの指摘があったのだと認識しているが、その間の事実関係についてまず伺う。 220 ◯総合政策部長  指摘のように、アクアトムについては、平成24年1月に当時の民主党政権の行政改革調査会によるいわゆる事業仕分けによって、全国の原子力展示館の運営が見直しの対象となった。平成24年3月15日には、日本原子力研究開発機構が展示施設の見直しの対応方針として、平成24年度以降、産学連携を中心とする施設として活用することも含めて検討すると発表した。3月26日には当時の奥村副大臣がアクアトムを視察して、「産学官の連携を図り、地域にも貢献する施設として使っていただければありがたい」「まだ10年しかたっていない町の真ん中の施設だから、有効利用していただければありがたい」などの発言があった。その後、3月末をもって施設の運営が停止されている。 221 ◯糀谷委員  当時、事業仕分けというのは一つの大変大きな流れであった。事業仕分けについては、当然、功罪があったと思う。今は、私にとってはそれを議論する時間ではないので、その辺のことは歴史の検証に任せたいと思うが、この行政改革という視点からの指摘であったことは間違いない。その中で、見直し対象となった機構の業務、いわゆる機構に対しての指摘事項は、実はこのほかにも2点あったはずである。これは既に私たちの記憶にはない件もあるが、主に公益法人等への会費の支出について不明瞭なことがあったことに対する指摘が一つと、入札や契約のあり方等が一つの2点と、先ほどから話をしている展示館の運営も含めて、3点が当時の民主党の改革調査会からの指摘であったと思う。その辺のこともいま一度記憶を確認しながら、次に進めさせていただく。  この指摘を受けて、今、総合政策部長も言ったように、平成24年8月、日本原子力研究開発機構は展示施設に関する見直し方針を公表し、アクアトムについても一定期間──その当時は1年程度と聞いた記憶があるが、その一定期間で売却や移管などの調整がつかない場合には解体もあり得るということになった。結局、売却などできずに、昨年の暮れ、平成25年12月に文部科学省は解体やむなしと判断したようである。その後、文部科学省と日本原子力研究開発機構、そして、敦賀市に県も加わった4者間で活用策の協議に入ったと認識しているが、その後については交渉ごとであるから、いろいろなことがあったと思うが、その一連の経過について、概要で結構であるから少し触れていただきたい。
    222 ◯総合政策部長  まず、県としては、27億円もの公費いわゆる国費を投じて十数年しかたっていない施設を多額の経費をかけて壊す、その経費は1億円とも言われているが、これでは国民や県民の理解は得られないということで、施設を有効に活用すべきという考え方から、4者で協議の場を設けることを提案した。3回にわたる協議では、4者がそれぞれ活用案を提示し、維持管理費を負担し合って存続させる方法を検討したが、建物の譲渡、所有方法、あるいは、活用面積、維持管理費の負担について意見が折り合わず、平成25年度内には結論が出なかった。その後、個別に協議を継続し、県からの無償譲渡の要請に対して、国から対応可能な部分があるという可能性が示されたことを受けて、9月に入って日本原子力研究開発機構から敦賀市と県が無償を条件に施設を譲り受け、エネルギー研究開発拠点化計画を推進するために活用する方向で合意に至ったところである。 223 ◯糀谷委員  今、総合政策部長も触れたと思うが、27億円という巨費を投じて、しかもまだ10年余りしかたっていない、この写真のとおり、大変堅牢な建物であり、仮に解体するとすれば1億円以上かかるような建物である。しかも、その解体費はどこから出るのかといったら当然、公費になる。そういうことになれば、常識としてまず、いわゆるもったいない論が感情的に想起されるところであって、私でも解体やむなしというような報道が出たときには、一般論ながら、何とかうまく使う道はないだろうかということを考えたことを今でも覚えている。  その流れの中で、きょうの質問をするわけであるが、ここへきて、今議会冒頭の知事の提案理由説明において、県はアクアトムについては機構から敦賀市と県が無償を条件に譲り受けることとし、新たに、国際原子力人材育成センターや原子力関連技術の産学官連携機関として、平成27年度にはその運用を開始したいとの方針を打ち出されたのである。まず、この構想の具体的な内容と、これによって何をもたらされるのか、期待される効果などについて伺いたいと思う。 224 ◯総合政策部長  現在、若狭湾エネルギー研究センターの中にある福井県国際原子力人材育成センターについては、アクアトムに入ることによって海外研修生の宿泊する駅前ホテルに近くなる。このことによって、海外研修生の交通アクセスの向上や、飲食店や観光施設が周辺にあることによる滞在の利便性等の向上が図られるのではないかということがメリットである。  また、放射線計測やレーザー技術など原子力関連技術を活用した産学官連携機関については、エネルギー研究開発拠点化計画の中で、県内外の企業や大学と一体となって研究開発を実施する機関を整備するということは既にうたわれているので、これをアクアトムに設置することによって、嶺南地域の産業の創出、育成につながることが期待できると考えている。 225 ◯糀谷委員  ところで、今、いわゆる使い道を考えていこうという中で、実際にこれを県と市が共有した場合、初期経費、あるいは年間の運営費などについては、恐らく誰もがわからないと思うので、どれくらいの見通しを持っているのか、総合政策部長に伺う。 226 ◯総合政策部長  まず、初期経費については、それぞれの入居者が入る部分については入居者が応分の負担をして改修を行って入居するということになる。年間の維持経費であるが、約2,000万円程度はかかると思っている。 227 ◯糀谷委員  その経費の分担等のことは、まさにこれからの交渉ごとであろうと思うが、このような中でこれまでの4者協議の流れを聞いたわけであるが、今回、日本原子力研究開発機構から福井県と敦賀市に対し無償譲渡するという方向性の中で、国の責務や文部科学省へ県として求めたい要望事項など、県の考えをしっかりと伺いたい。 228 ◯総合政策部長  年末年始に行った国、県、市および日本原子力研究開発機構の4者協議において、施設所有者には新たな負担が発生しないということを約束している。このことから文部科学省に対しては、施設の維持管理について、国がしっかりと支援するよう要請をしたところである。また、エネルギー基本計画において、「もんじゅ」は高レベル放射線廃棄物の減容・有害度の低減や核不拡散関連技術の向上のための国際的な研究拠点と位置づけられているので、エネルギーに関する国民各層の理解の増進が重要な項目として挙げられている。「もんじゅ」の新たな役割については、地元を初め国民の理解が得られるよう、積極的に広報活動を行うよう要請していく。 229 ◯糀谷委員  広報活動が私たちにも少しわかりにくいのである。過去に、先ほどの行政改革の中で原子力政策、特に「もんじゅ」に関しては、PRがだめだというある意味烙印を押されているが、しかし、私の持論かもしれないが、やはり原子力政策やエネルギー政策に関しては、当然のことながら、客観的に正しい科学的な数値等の説明による広報活動は、当然あってしかるべきだろうと思うわけである。  そういう中で今回のアクアトムをめぐって、PRがダメであるということは、今、言っている原子力政策やエネルギー政策に関する一般論の中で、単なる言葉の行き違いであったのかということを、しっかりと整理しておかなければならない。杉本副知事は、国のほうに要請をされていることが報道されているから、原子力PR云々の広報活動に関しては、もちろん「もんじゅ」と県や敦賀市など立場は違うと思うが、その区分について、突然で恐縮であるが、副知事の認識を伺う。 230 ◯副知事  今、指摘をいただいたように、昨年、年末近くに急に文部科学省と日本原子力研究開発機構のほうからアクアトムを廃止して壊すという話をいただいて、まさに素朴に、一つはあの建物がもったいないと思った。もう一つは文部科学省等の主張の基本は、とにかく事業仕分けがあり、会計検査院からも早く壊せと言われており、維持管理費がかかっているのだから、壊すといった以上早く壊せという話になったものであるから、私たちのほうでは、先ほど申し上げたように4者で話し合ってきた。  まず、基本は、この機能は何であったのか、その機能は要らないのかということである。その機能というのは、委員が言われるように、原子力「もんじゅ」の立地に関連して、原子力エネルギーのサイクルの問題や、それから、安全性の問題などを広く広報することであったはずで、それがあの施設が適切でないとしても、そのPRや、地元理解もしくは国民の理解を進めるということの必要性は何も変わっていないにもかかわらず、ただ、事業仕分けなので仕方がないとだけ言われるということは、地元としても非常に理解がしがたい。先ほども説明したが、もともと平成10年度に補正予算がついたときにも、原子力科学の理解増進や、原子力エネルギーと海をテーマにした理解促進などということが掲げられていたわけであるから、そういう意味では、あの建物がもしそういうことに使われないにしても、まだもったいないから使おうということが一つと、それから、あの形ではよくないにしても、そのようなPRや国民に対する理解増進という機能の必要性は何ら変わらないので、当然、そういうことについては、どういうところでどうするのかという次の機能のことは考えていただきたいということを、文部科学省等、国に対して、私のほうから強く申し上げたところである。 231 ◯糀谷委員  そういう中で、県は国や敦賀市との間の調整役に任じられているはずである。今後、全体の施設の利活用策を当事者間で策定していく段階に入っていくわけであるが、県が想定している運用開始に至るまでの課題と一連のタイムスケジュールについて伺う。 232 ◯総合政策部長  まず、敦賀市と具体的な所有や運営の方法、それから、経費負担等について早急にすり合わせを行いたいと思う。それから、無償譲渡の手続を進めていく。平成27年度の初めには、日本原子力研究開発機構から施設を譲り受け、入居する施設の目的に応じた改修や修繕工事等を行い、来年度内には運用を開始したいと考えている。 233 ◯糀谷委員  今は、県の思惑を言ったのだと思うが、一方では私は、敦賀市民として懸念材料を持っている。それは、地元敦賀市の動向の中で、やはりいろんな意見があることは事実であり、例えば、きのう閉会した敦賀市9月定例会では、敦賀市民が望む地域の活性化と直接的に結びつかない活用策では困るという質疑が強く出されたところである。その背景には、無償譲渡の場合、原子力関連施設として活用しなければならないとする縛りを強く意識しているということがあると感じているが、この原則論について、県の認識と見解をここでもう一度伺う。 234 ◯総合政策部長  アクアトムについては、当初の目的が原子力科学の理解増進であるので、国との協議ではこの目的を大きく変えないということが無償譲渡の一つの要件である。今回、提案している福井県国際原子力人材育成センターや、原子力の技術移転を行う産学官連携機関を設置することで、その要件にかなったものになると考えている。そのほか、ホールやギャラリーなどについては、中心市街地のにぎわいにつながるよう、弾力的な活用策について敦賀市と十分協議していきたいと考えている。 235 ◯糀谷委員  今、後段で言った弾力的な運用が敦賀市の願いであるから、調整役を任じるのであれば、やはり国と日本原子力研究開発機構に対して、それをしっかりと反映できるように要請していただきたいと思う。  ただ、敦賀市も、市長提案理由においては、エネルギー研究開発拠点化計画と国の原子力政策へ協力するという大義名分のもとで、無償で日本原子力研究開発機構から譲渡を受け、県と市で共同所有するなど、4者協議の中で、これまでなかなか歩み寄れなかった部分もあったが、歩み寄りが検討できる段階にまできているという認識に立っていると読める。敦賀市が市民にとって最善の結果を求めて今後の協議に臨んでいくという姿勢は当然である。私も敦賀市民であるから、当然、敦賀市はそうあってほしいと思っている。  一方、県も、県民に対して理解と納得を得る努力をしなければならないのは当然である。本県は、これまで原子力発電所の安全対策の強化をまず大前提にしながら、国が確信を持って国民に丁寧に説明をし、国民の理解と信頼のもとで、いわゆるエネルギー政策を実行することを知事はいつも強く求めてきたところである。今回の私の質問は、アクアトムの利活用に焦点を当ててきたが、少なくとも立地自治体として、ともに歩んできた県と敦賀市の間に今回のアクアトムの活用をめぐる中でそごがあっては、将来に禍根を残しかねないと思う。また、これは決して敦賀市と福井県の間だけの話ではない。これは何回も申し上げるが、当然、県民の理解が必要であるから、最後に知事の覚悟も含めた所見を伺う。 236 ◯知  事  要するに、いいかげんにものをつくって運営をしないように努めたいと思う。 237 ◯糀谷委員  もう少し時間があるので、もう一度、特に言いたいことを述べたい。敦賀市議会などで、これの有効活用に対していろいろと意見があるというのは、出しておいた地図を見ていただきたいと思う。  まず、敦賀駅から国道8号の白銀町、本町を通って、神楽町にアクアトムがある。このアクアトムから港のほうへ、北へ向けて行くと、先ほど申し上げた市立博物館などがあるわけで、この市立博物館近辺においては、県のふるさと創造プロジェクト事業──これは県の肝いりで、各市町に1億円を上限にして、しっかりとサポートしようという事業であるが、これを敦賀市は有効に活用して、博物館通りのにぎわい創出事業を実施している。これが平成24年度から3年計画で、ほとんど完成しかけていて、先ほど申し上げた市立博物館ともども、このあたり一帯が一つの大きな観光地になろうかと思うし、もちろん金ヶ崎のほうへ行けば、港を利用したジオラマ等を含めた赤れんが倉庫などの活用が、これからまさに一つの大きな目玉になっていくであろうと思う。  先ほどから出ていた、舞鶴若狭自動車道の開通で逆に敦賀を素通りしていくのではないかという意見の中で、いま一度の巻き返しがこのあたりの敦賀の中心市街地の活性化計画の中で出ているわけであるから、その中の駅から港へ通じる動線の一番中央部にあり、気比神宮と向かい合う、そういう一等地にあるわけであるから、この活用は、これは敦賀市民だけではなく、十分県益にかなう話だろうと思う。その視点で敦賀市の言い分をしっかりと認めながら、しっかりと国に物を申していただきたい。そして、交渉ごとであるから、本当になかなか大変だとは想像はするが、もったいないから簡単に壊すようなことはあってはならない。県の実務担当の皆さんを含めて、背景をしっかりと腹に入れながら、有効活用の面で県益にかなうよう、そして、後に禍根を残さないようにやっていていただきたいと思う。どうであるか。 238 ◯知  事  今後、敦賀市と十分な協議を行い、施設の活用については、エネルギー研究開発拠点化計画の推進とともに市街地の活性化に寄与するものとして、また、本日さまざまいただいた意見を参考に、十分なる活用ができるように努めていきたいと考える。 239 ◯糀谷委員  ありがとう。終わる。                               ~以  上~ 240 ◯中川委員長  以上で、糀谷委員の質疑は終了した。  田中敏幸委員。         「農林行政」               田中 敏幸 委員 241 ◯田中(敏)委員  自民党県政会の田中敏幸である。きょうは最後の質問となった。3年ぶりの質問であるので、よろしくお願い申し上げる。  3年間の中で政治も経済も本当にいろいろ変わったように思っている。特に政権交代もあった。今、アベノミクスということで、大胆な金融緩和が行われ、日銀が200兆円以上の国債を買って、市場にお金を出し、そして株価を支えているという状況である。そういう意味では大企業にとっては、今、非常に景気がいいという感覚で見ている。  しかし一方で、田舎の中小企業というのは非常に厳しく、アベノミクスも余り効果がないという状況を聞くことが多いのである。しかし、イベント会社などでは、とにかくことしはすごい数のイベントがある、そういう意味では地方も景気がいいのかなという話を聞く。何かいろいろなところから話を聞くと、さまざまな話があるものだから、地方の景気は本当はどうなのかなと思っており、これから12月にかけて消費税の再増税ということも議論されるわけであって、その中で福井県の今の景気の現状というのはどういうことになっているのか伺う。 242 ◯産業労働部長  県内の経済雇用情勢であるが、統計指標で見ると、まず、製造業全体の生産を示す鉱工業生産指数、これは平成22年を100としたものであるが、7月は111.4ということで、ことしの1月から比べると4.7ポイント上昇しており、全国の数字も上回っている。  それから、消費を見る大型小売店の販売額は、消費税導入前の駆け込みと導入後の反動をあわせて比較するために、ことしの1月から7月までの累計と前年の1月から7月までの累計を比較すると、2.8%の増ということであり、これも全国平均の伸びを上回っている。  雇用であるが、本日発表された8月の有効求人倍率は1.45と、1月から連続して全国3位の水準となっている。また、日銀の金沢支店も福井県を含む北陸の景気は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動の影響を受けつつも緩やかに回復しているとされている。  ただ一方で、田中委員が言われるように、商工会の連合会が主に小規模企業を対象に景況調査を行っているが、そのDIは7月から9月の数字が前回の4月から6月の数字よりも5.5ポイント悪化している。あるいは、経済団体などからも「規模や業種によって回復にばらつきがある」、あるいは「原材料高や燃料高などの影響による収益の悪化が心配」、あるいは「ガソリンが上がって生活が大変」という声もある。先行きに不安要素があるので、引き続き経済情勢を注視していく必要があるという考えである。 243 ◯田中(敏)委員  経済情勢については、円安の問題などがどのような形で波及するのかわからないが、いろいろ影響して変わっていくのだろうと思うので、注意深く支えていただきたいと思う。  そういう中で、自由民主党が地方創生、また、ローカルアベノミクスということで、これからいろいろな政策を出してくると思うが、積極的に取り組んで、この福井県の経済が落ちないように頑張っていただきたいと思う。  通告の農林行政について伺う。  福井豪雨災害から10年がたった。当時から知事には本当にお世話になって、河和田地区のほうも水害から大分脱却できたかとは思っている。ただ、このように見ると、あの当時の福井県の水害対策については、やはり時間が速かった、スピードが速かったと思っている。特に今、東北大震災を眺めると、初期体制が本当に遅過ぎるという感じがしているが、福井県の当時の動きについては評価するところである。  ちょうどその中で、農林の方では中山間総合事業というのに取り組んできた。そのような中で、ある人が、農地は自分の農地だが、農地法でがんじがらめで自分の家も建てられないというのが実態であり、自分の子供の家を建てようと思うとなかなか場所がないが、福井には土地があったので福井に出てしまったと言うのである。河和田地区においては、福井豪雨以降、人口減少が続いていて、本当に大変だなと思っており、高齢化がこれからどんどん進むのだろうと思う。  このような米余りの時代になって、戦後つくった農振法がいまだにがんじがらめに地域のものを縛るということになると、やはり相当の問題があると思う。若い者が中山間地域などで、用地が手に入らないと町へ出ていく。鯖江などでも一番東から一番西へ行ってしまうという状況である。そういう意味では、このように農地における状況が変わった中で、もう少し柔軟に運用できるような体制をつくるべきだと思うが、所見を伺う。 244 ◯農林水産部長  指摘の中山間地域は、生産条件が非常に不利なところが多くある。その中でもこのような地域においては、今まで、やはり懸命にお米をつくっているという方が大半である。ただ、昨今の状況もあって、可能ならばそういうところでは、自然豊かなところであるので、かえって里山ビジネスというものを展開して、人や物の交流を促進していくような拠点にすることができるのではないかと考えている。オーベルジュや都市型の市民農園や特用林産の施設など、いろいろなアイデアは出てきているわけであるが、いずれにせよ、指摘にもあったように、そのままでは耕作放棄地になってしまうおそれが強いところである。  農業振興地域の除外というのは、言われるとおり、農地法という法律があり、いろいろな規制があるわけで、例えば、自由に宅地化するということは難しいところではある。しかし、最近のこのような状況を考えると、農業振興地域の除外ということについては、市町の判断になるわけであるが、昨今の農業を取り巻く状況には、例えば、生産者の高齢化や後継者がいないという問題や、先ほどから話がある鳥獣害の問題などいろいろあるので、将来的に耕作放棄地とならないような判断で、ある部分では柔軟な対応がとれるのではないかと考えている。 245 ◯田中(敏)委員  突然質問が変わるので、食い違いがあるが、これからは市町村に権限があるということなので、ある意味では市町村の中で総合的な計画をつくり、道路も変わればいろいろなことができるので、そのときには従来のように縛らないで判断をしてほしいと思っている。  これから米価が下がる、今、下がってきたのであるが、そうすると必ず規模拡大ということになる。今回も農地中間管理機構という組織ができて農地を集積していくわけであるが、それに従って、だんだん規模が大きくなると、たくさんの人がはみ出るわけである。そういう意味では、規模を拡大し大きなものでやっていくと、そこに入っていける人数というのは少なくなっていくのであるから、農業従事者はこれからどんどん減っていくのだろうと思っている。これから65歳あるいは60歳で定年を迎え、年金をもらいながら、それほど大きなものではないがビジネス的に少しやろうということになったときに、私はそれを年金ファームと呼ぶのであるが、そういうところは多分オミットである。もともと用地がないので、ほとんど入れない。今まで農業というのは多様な農業を許容してきたわけである。やはり、そういう多様な農業を構築していくようなことに対して、例えば、福井県では集落営農が進んでいるが、これから高齢化社会がますます進むという意味では、そこは開放区であり、このくらいの人はみな受け入れるという形の農地利用ということも考えた仕組みをつくるべきだと思うが、所見を伺う。 246 ◯知  事  ただいま田中委員指摘の点は、大変重要なことだと思っている。現在、県内でも一部そのような動きが出始めており、福井市の旧清水町の三留地区や、あるいは、勝山市の寺尾地区、小浜市の加茂地区では、一方で40町歩規模の農地集積を行いつつあり、大規模な米づくり、また、トマト、里芋、ネギ等の野菜の生産を進めているわけあるが、一方で2畝から3畝程度の大きさの共同の家庭菜園や収穫体験の圃場などを設けて、高齢者の生きがいづくりや地域住民の交流を進めている集落営農組織ができ上がりつつある。  県としては、農地集積による米の生産コストの削減、集落園芸の導入による農家所得の向上を図ると同時に、並行して、地域のそういうことをやりたい方々が農業に携わる仕組みづくりが重要であると思う。このため、集落営農の規模拡大の際には、高齢者や女性たちが生き生きと野菜や花などを育てる場を設けるなどして、地域のコミュニケーションを深めながら集落全体の活性化が進むような方法を講じていきたいと考えている。 247 ◯田中(敏)委員  特にこれからの高齢化社会に向けては、基本的にいろいろな動きがあるのだろうと思う。若い人も含めて、できるだけ多様な方々が農業に参入できるようにお願いしたいと思う。  今、規模拡大、規模拡大というように数字を追っていくわけであるが、片方で、やはり農業の質の転化をして、それぞれの価格を上げていくということが大事である。私は昔、有機農業推進法をつくるときに一生懸命署名をした覚えがあるが、今、そういう動きが出てきているというのは、質の向上をしなければ、なかなか売れていかないということであると思う。そういう意味では、これまでと同じような農業政策では難しい部分もあり、高品質でニーズの高い農産物をつくる体制を強化していくことが大事であると思うが、正直に言って、この辺の動きについては、なかなか計画どおりにはいかない。先日も言ったように、こぬかというものをいろいろと使うのであるが、こぬかだけでもやはり集まらないという動きもあるので、いろいろ工夫していかなければならないと思うが、そういう意味での体制の強化をすべきだと思うが、今、どのように取り組んでいるのかについて伺う。 248 ◯農林水産部長  指摘のように、今、人口が減ったり、御飯離れなどが進んでいる中で、品質の高い米づくりがこれからますます重要になると考えている。そういう意味では、まず、お米に関していうと、本年度から、稲わらを10月中にすき込んで肥料にする、秋にすき込むのが一番肥料になるため、秋の田起こし運動ということで、今一度土づくりをきちんとやっていこうということを全県的に推進している。  話のあった農薬や化学肥料を5割カットした特別栽培米や、全く使わない有機栽培米など、いろいろなつくり方があるが、そういうこだわり米を、ことしは去年より1割ふやして3,300トンほど販売する予定である。このようなお米はやはり付加価値が高く、精米3キロ当たりが平均2,500円と、今、米の値段が少し落ちている中で、これは前年並みの高い価格で販売をされている。平成30年度までにこだわり米を4,000トンに拡大していこうと考えているし、九頭竜のパイプラインの夜間かんがいの米は非常においしいという評判であり、さらに、はさばによる自然乾燥など、いろんな特色をつけておいしい米づくりを進めて、有利販売につなげていきたいと思う。  野菜に関しては、越のルビーがミディトマトの中でやはり群を抜いているが、これについても、さらに糖度を高めるようないろいろな工夫を研究している。 249 ◯田中(敏)委員  秋起こしで秋すきという話があった。今までの化学肥料の田んぼというのは、4月あるいは3月に起こして、植えて、9月に取り入れるのであるから、かかる時間というのは6カ月であり、ある意味で手抜きをしていると思っている。それに比べると、秋起こしは長い時間がかかるので大変であると思うが、いろいろ技術的な工夫をしながら良質米をつくっていただきたいし、それがこれから一番大事なことであると思う。  ところで、農協の改革の話が全国自民党の幹事長会で出た。農協改革というのは大事であり、必要かもしれないが、本来は農政改革をすべきではないかと述べたことがある。農林水産省も食糧自給率を40%を50%にするといいながら全くできていないのであって、農林水産省を小さくして各地域の現場にもっと任せていくということが一番妥当ではないかと思っている。そういう意味で、福井県の農業政策を見ると、七、八年前から園芸というものに切りかえをして一定の成果を得ていると思っている。これから、今ほど述べたようなことも含めて、福井県の独自の農業政策というものを研究していかないと勝てないのではないかと思っているが、これをどう進めていくのか伺う。 250 ◯知  事  いわゆるJAとの関係で、福井県独自の農業政策をどう進めるのかという質問である。  福井県では、これまでもJAと一緒に、代表的なプロジェクトとしては五月半ばの適期田植え、食味による区分集荷をこの数年来進めており、高い一等米比率、特A評価という成果を得ている。今回のふくいの農業基本計画においても、今、紹介もあったが、五月半ばの田植えと呼応して、温度の高い10月のうちに秋の田起こしを全面的に進めていこうという運動、また、園芸生産額の拡大に向けた大規模園芸施設の整備、それから、県外から就農者を誘致拡大する園芸カレッジ、研修奨励金の創設、そして、中山間地域での特色ある農産物の育成、JAによる広域作業受託などの独自の政策を実行しているわけである。  こうした事業は、もちろんいろいろな人がやるわけであるが、どこで誰がどんなものをどのようにつくってどう売るのかという話は、やはり組織力があり、これまでのつながりや責任を持っているJAとの連携というのは、極めて重要であって、これは、JAがこれからどうなるかということとはまた別の話であると私は思う。今後とも、市町やJA等の力を結集しながらこうしたことを進めていく中で、また、JA自身が何をしたらよいのかという自らの改革の考えも出てくるはずであるので、相協力しながら進めるべきものと考えている。 251 ◯田中(敏)委員  農業というのは、いろいろな形の農業もあるので、福井県が豊かになるような農業政策をぜひ組み入れていただきたいなと思う。  次に、林業について伺う。  今、日本の山には49億立方メートルの樹木があり、年平均1億立方メートル増加している。日本の木材需要というのは7,000万立方メートルだそうであって、3,000万立方メートル余っており、輸入もあるのだから、結局もっと余っているということであり、米も100%自給であるが、林業も本当は100%自給できるということである。私は昔から、食料とエネルギーは国の根幹であり、それを支えてきたのは田舎だと申し上げてきた。エネルギーというのは、その時々に、原子力になったり、薪になったりといろいろ変わるのであるが、最初は薪であった。薪を燃やすということは一つのエネルギーであると思っている。今回、バイオマスの発電所ができたが、これから間伐材が出るという意味では、やはりバイオマスという方法も一つかなと思っており、各県に一つずつあってもよいと思っている。  そして、もう一つはやはり、本来は木材を使うということが大事であると思う。平成22年に公共建築物等における木材の利用促進に関する法律が制定され、第8条には「都道府県知事は、基本方針に即して、当該都道府県の区域内の公共建築物における木材の利用の促進に関する方針を定めることができる。」とされている。できるのであるから、福井県においても定めていると思うが、これらの内容と運用について伺う。 252 ◯農林水産部長  法律に基づいて、福井県でも平成23年4月に福井県木材利用基本方針を策定している。主な中身としては、県が整備をする低い階──余り高層のものは木材ではまだ少し無理であるので、低層の公共建築物の原則の木材化。それから、木材化が困難な場合での内装の木質化の推進。それから、公共土木工事などでの木材利用の推進。市町が整備する施設の木材化、木質化の促進。それから、民間の施設における木材利用の促進と、大体大きくはこの5項目であって、これに基づいてそれぞれ計画を立てて実行に移すということになっていて、ちなみに平成23年から25年までの3年間で県が整備した15の施設において木造化、あるいは内装木質化を進めているし、公共土木工事においては、治山ダムなどの型枠などにおいて約1万4,000立方メートルの木材を使っているということである。 253 ◯田中(敏)委員  法律の対象は、老人ホームやいろいろなところが含まれるが、市町村関係やそのような施設についても、今の指針でカバーすることになるのか。石川県や富山県などでは、全市町村においてこういう指針をつくっていると思うが、その点について、福井県についてはどうか。
    254 ◯農林水産部長  市町においても同様な基本指針をつくっているが、17団体のうち16団体はもう既にできており、もう残り一団体も来月中には策定する予定である。 255 ◯田中(敏)委員  そういう指針に従って低層階の建物については木材を使うという木造化をお願いしたい。  今から何年か前、私も木造化ということを申し上げたことがあり、特に、南越養護学校については私も一生懸命努力した。これをやろうという理解者がやはり県庁の中にいること、技術者がきちんといることが必要である。ただ、あのときも材がなかなかないので、時間をかけて葉がらしをして、地元の製材業者も参加していろいろな仕組みをつくって施工に入ったという状況であった。今、木造化は基本的に法律で定めて、指針で実行しようということであるから、よいことではあるが、専門知識を持っている技術者を配置しないと木造化の選択というのはなかなかできないと思うし、これから木造化を計画的に進めていく上でも、木造に関する技術者は大事であると思うが、その配置について伺う。 256 ◯土木部長  県有施設において県産材を生かした設計を行うには、県職員とつくるほうの民間設計者の両方の技術力向上が必要であると考えている。  まず、県職員であるが、平成22年度に木造化した「道の駅若狭おばま」、それから平成24年度に木質化した奥越特別支援学校などの事例を通して、木材の性質を理解した使用方法などの技術取得に努めている。杉はどこに使う、ヒノキはどこに使う、また、割れ目や反り目や木目などをどう向けるかなど、そのようないろいろな技術習得に努めている。  次に、民間技術者であるが、木材の専門知識を有する民間技術者の育成については、平成18年度から建築物に木材を活用するための技術講習会を年4回程度実施している。ことし4月までに建築技術者182名が受講している。建築士や建築大工、木材業、インテリアコーディネーターの方182名が受講している。今後とも、先進事例の収集などを行い、講習の充実を図るとともに、県職員も積極的に講習会に参加して技術の習得に努め、県有施設への県産材利用に適切に対応していきたいと考えている。 257 ◯田中(敏)委員  ヨーロッパあたりでは、木造でも非常に変わった建物ができたり、デザイン的にすばらしいものができているわけであって、木造というのはいろいろ変化もできる。そのようなおもしろいものをつくれたら木材がもっと使われるようになるのではないかと思うので、そういう意味でぜひお願いをしたいと思う。         「伝統産業の振興」 258 ◯田中(敏)委員  次に、伝統産業の振興であるが、昔から丹南地区には、越前漆器を初め五つの地場産業、いわゆる伝統産業が集積をしており、越前箪笥も新しく加入したということである。ことしから越前ものづくりの里プロジェクトというものが推進されており、協議会が発足した。一般質問でもいろいろと答弁があった内容で頑張っていただき、今、なかなか厳しい状況にある地場産業、伝統産業をぜひ支えていただきたいと思っている。  以前の産業政策を見ると、鯖江市にはデザインセンター、あるいはSSIDというデザインの講座があった。そしてまた、越前市には打刃物の研究センターがあった。この財政難とともに、いずれもその必要性がないとされ、なくなってしまったという経緯がある。私が市議会から県議会に上がったときに、やはり、福井県の産業というのは、奥は広いし幅広いしすごいなと思った。ワンストップサービスもお願いしたことがある。この伝統産業もいわゆる丹南地区に集約されているので、以前から言ってきたように、先ほどの協議会も発足したのである。それぞれ伝統産業は厳しい状況だけれども、その中に眠った技術というのは、古来からいいものがあって、それを生かしていくとまた産業になるということである。  越前漆器なども、縦ではなく横に切っていくと、例えば、木工なら木工屋さんにいい技術があって、それで頑張っているということもある。そういう意味では、もともとサンドームというのは産業技術拠点ということであったので、思い切ってこういう機会に分室化してはどうか。私は昔、ふくい産業支援センターなど県の施設を持ったときには、各市町村も少し人材を出して一緒になってそういうことをやろうと提案した。なかなか現実的には難しいけれども、デザインセンターもなくなったのだからそういうところで分室として一緒にやろうと思ったのであるが、そのような丹南地区における分所化について伺う。 259 ◯知  事  丹南地域のおける伝統産業については、主に三つの観点から仕事を進めている。  まず、商品開発であるが、専門家による商品企画やデザインなどの助言を年間30回程度行っている。それから、人材育成であるが、これまで越前焼の若手職人など8名に対し、日本全体の公募展への出展を支援しており、そのうち2名が既に入選し、今年度からは職人塾による担い手育成を行っている。経営支援については、ITやマーケティングの専門家を年間30企業程度派遣し、相談に乗っている。  そこで、現在、サンドームについて、産業振興という本来の機能を十分発揮しなければならない時期かと思っている。デザイナーのアドバイスを受けながら、管理棟を中心に構想づくりを行っているわけであるが、その中で伝統工芸品の販売拠点の整備、あるいは、産業支援センターの機能をこの場所に置いて、より機能を高めるにはどうしたらいいかということについて検討していきたいと考える。 260 ◯田中(敏)委員  検討して支えていただきたいと思う。ただ、物を売るのも基本的に大事なことである。先日、中道アートを実施したが、おかげさまできょうまで工芸の里構想というものを持って、例えばうるしの里会館、和紙の会館、和紙の里通りもきちんと整備をされて、それぞれの地域にやはり物を売る場所もある。どちらかといえばそちらのほうを重点的に生かしていただけるとありがたいと思っていて、そのあたりを十分に考えながら検討していただきたいと思う。         「環境行政」 261 ◯田中(敏)委員  次に、環境行政についてお伺いする。  私は、鯖江生ごみリサイクルネットワークという組織の会長をしている。EM菌ぼかしで700人くらい会員がいて20年続けてきたが、大したものだなと私は思っている。700人の会員で20年間とは、婦人会でもなかなか難しいような時代であるから、私はすばらしいことだと思う。  二、三日前であるが、EMセミナーを開催し、三河湾を浄化しているグループに話を伺った、三河湾というのは15年前はどんな海であったかというと、色は茶色く、下には油がたくさんあって大変だったそうである。ちょうど15年前から浄化を始めたが、3年くらいで少し成果が出始めて、6年ぐらいで現状のようになったということで、あの三河湾に流れる川には全部アユが上がってくるのである。先日も1メートルで20メートルぐらいのアユの大群が上がってくる。1メートルで20メートルであるからかなりあるが、稚アユが上がってくる。また、あそこの海にはスナメリという動物がいたが、海が汚いために基本的にはもう絶滅するところであったものが、今では、3,000頭以上いるということである。飯が食べられなければいないわけであるから、3,000頭いるということは、それだけ海が豊かになったということである。アサリもこのように座っているだけでとれてしまうという話をしていた。  そのような事例をもとに、東京都の日本橋の橋洗いというところで、週10トンのEM菌を8年間で4,000トンまいているそうである。そうすると、3年くらいでやはり魚がふえてスズキなどがたくさん集まってきたということは、東京都の中では周知のことである。先日、「ダーウィンが来た」という番組で東京湾の特集がされていたが、東京湾は再生しているということであった。信じられないということもあろうと思うが、私は以前にも予算特別委員会で淀川の話もしたが、現実にいろいろな報告を聞いていると、きちんとできれば成功するのだろうと思う。そこをきちんとするかしないかが問題だと思っている。先日、舞鶴若狭自動車道ができたが、野田委員が、あそこから三方五湖を見るとヒシが全面にあるという話をされたが、私もこれは本当に大変だなと正直に思った。例えば、小浜などでも今、アマモをたくさん植えているが、三重県などでは、用水にEM菌を流すとヘドロの上にアマモが生えるという例もある。この三方五湖や若狭の海をきれいにしなければならないという意味では、海の再生など、大事なところで使っていくべきではないかと思うのであるが、その点について所見を伺う。 262 ◯安全環境部長  田中委員には、本当に日ごろからのリサイクルを中心に、環境でさまざまな意見や提言を承っている。ありがとう。  指摘の今のEM菌の件であるが、まさに委員の指摘なども踏まえて、承知のとおり、これまで例えば、三方湖へ流れる旧今古川で実証実験を実施したり、あるいは、今指摘いただいた東京の日本橋川、あるいは三重県の阿瀬知川などのようなEM菌を活用した事例収集なども職員が直接出向いて行ってきた。確かに団体の皆さんが言うように、見た目に川がきれいになっている等々の改善効果もあるが、地元の自治体、千代田区や地元の市役所などの見解を聞くと、それがEM菌によるものなのか、あるいは、下水道等のいわゆる浄化によるものなのかということは、科学的にはまだよくわかっていないという説明を受けているのも事実である。そして、やはりこのEM菌による水質浄化の効果に科学的に定まった見解がないことで、環境省や農林水産省も今のところ、これを積極的に推進するというところまでは進んでいないのも現状かと思う。  こうした状況で、今のところ、全国的に自治体がこのEM菌を活用して大々的に広域的な湖沼や、田中委員が指摘したような海など、ある程度広がりのある海域や水域を浄化するという取組みはなかなかないのであるが、私どもとしては当面、やはり今は、EM菌の水質浄化の効果に関するさまざまな科学的知見を情報収集していく段階なのかなと思っているので、どうか理解を賜りたいと思う。 263 ◯田中(敏)委員  行政は、いつもそう言って逃げるのである。現実になっていても認めない。これが現実であり、わかっているから聞いているにもかかわらず認めないということは、やはり悲しいことである。本当に現実になっているのに、それを認めないのが権力というものである。ノーと言えばそれで済む、そこで終わるのである。しかし、実行したかしないかで変わる。海外などでは、多分全然違う。海外などでは、どんどん進めて、それにしたがってよくなるということがあり、日本のやり方というのはおかしいのではないかと私は思っている。ここでどうこう言わないが、いろいろな情報を集めていただきたい。福井県も若狭湾という大きなものを抱えているから、ここで海の再生をし、魚がたくさんふえるといいのではないかと思っているので、よろしくお願いする。  ちょうどEMセミナーがあって、プールでEM菌を活用している事例が紹介された。私もEM菌をまいているのであるが、普通ならば塩素をまいて、こすり、子供が重装備をしてたわしで洗わなければならないところ、EM菌をまくと、とろとろになって、それを水で流すと全部流れてしまい、防御も要らないということであって、いろいろな学校が取り組んできている。子供たちも、みんなが黙って聞いているから仕方ないからするのだろうと思うが、もっと簡単な方法があるのに、子供にそれをさせないというのはおかしいと思う。費用に関しては、今、プール清掃は、大体最初に塩素をまいてから始めるのであるが、例えば、塩素を1回まくと2万円くらいかかる。それを考えるとEM菌にかかる費用は大した金額ではないし、これによって環境学習というのもできると思う。ことしの3月に、ちょうど福井テレビが卒業式の取材に行くと、その学校の子供がEM菌がよかったと言ったらしいのである。どういう状況かというと、子どもの方から飛んできて言ったのだという話をしていたが、そういう意味では、学校のプール清掃などにもEM菌の活用をお願いしたいと思うが、所見を伺う。 264 ◯教育長  今、お話の小中学校のプール清掃におけるEM菌の活用であるが、約10年くらい前を見ると、鯖江市の神明小学校1校で実施をされていたが、今現在では、坂井市、永平寺町、越前町等、県内小中学校38校が使っているようであるので、田中委員の尽力がいろいろあり、教員相互の情報の共有化により広がった結果であると思う。  情報を聞くと、一つは汚れが早く落ちるといった効果があるということは報告を受けている。一方で、学校のプールであるから、やはり一定量のEM菌が必要であるということで、例えば、培養には30度くらいの保温が必要であるなど、やや時間や手間がかかるということについて、学校のほうでもいろいろ苦労しているというような話は聞いている。  そういう中で、今、お話にあったように、先般開催されたEM菌を活用するセミナーにも、我々の教育関係者も参加をしている。プール清掃や環境学習の実践事例等も勉強しているので、今後とも、県内、あるいは、全国の学校の活用実績等も把握をしながら、小中学校であるから、市町の教育委員会にも情報を提供しながら検討を進めていくように、我々もまた、いろいろ話をしていきたいと思う。 265 ◯田中(敏)委員  ぜひいろいろな検討をして、結果もいろいろ見ていただきたい。見てもらえば本当によくわかる話であるから、私は、知事にも全国いろいろ回っていただきたい。嶺南地域は今、原子力がこのような状況であるから、海の再生をしなければ大変であるという意味で、環境も観光も含めてやっていただきたいと思っている。         「環日本海時代の構築」 266 ◯田中(敏)委員  次の質問に移る。10年前に、敦賀3、4号機を増設するというときに私は、非常に慎重にやるべきだと申し上げた。そのときに、代わりにどうするのかというと、舞鶴若狭自動車道を早くつくって敦賀港を活性化させるべきであると申し上げたが、これは一つの仕組みである。  今回、舞鶴若狭自動車道ができて、その先の京都縦貫自動車道が来年の3月にできるということである。今、交通網が整備され、これから敦賀港をどうするかはわからないが、活性化させなければならないと思っている。以前から申し上げるように、福井県は日本海に向けたちょうど真ん中の県であって、そういう意味では、以前からある環日本海に打って出るような政策を、今、もう一度打ち上げていくべきではないかと思うが、所見を伺う。 267 ◯産業労働部長  現在、県では、経済新戦略に基づいて環日本海の諸国を含めたアジアへのビジネス拡大プロジェクトを進めている。特に敦賀港は韓国との定期航路を有しているので、アジアの物流拠点化というものを進めるためにポートセールスを精力的に行っている。最近の動きとしては、釜山に大規模な物流センターを置いて、そこから高速のRORO船で敦賀に入れて全国にデリバリーするという動きも出てきており、そのような企業への働きかけも行っている。また、台湾企業と共同してアジアに販路を開くという観点から、経済団体間の業務提携や、ミッション団の相互派遣なども行っているところである。円安ウォン高、中国の人件費が上がっていること、ASEAN諸国の急成長、ロシア沿海地方の投資拡大など、環日本海諸国をめぐるマーケットの状況もいろいろ変わっているため、そうしたところの需要を県内に取り込むような戦略を考えていきたい。 268 ◯田中(敏)委員  東アジアは、やはり非常に大事なところである。今、日中関係が厳しい状況であるが、先日も北京のほうに行くと、APECに向けて一生懸命努力をしている姿があった。首脳会談があって、何とか日中関係が正常化できるといいなと思っている。ちょうどリーマンショックの後の日本の経済というのは、中国の公共事業や経済成長、いわば、お金を出してどんどんやるというような経済対策に助けられてよみがえったということもあって、東アジアというのは、いろいろあってもこれから切っても切れないという状況ではないかと思っている。現実的にはいろいろあるが、そこは時間とともに良好な関係を保てるように願っている。  一方で、来年の3月には北陸新幹線が金沢開業になるが、そうなると、今度は東京から北陸が見えるのである。多分、福井県も見えるのだと思う。北陸というのが一つの中心になる。私は、以前から港を背景にして企業誘致をしたらどうかということを言ってきたが、福井港も敦賀港も同じであると思っている。知事はふるさと企業減税を提唱し、こちら側で何とか企業を誘致できないかということを言っているわけであって、私はそれも含めて、いわゆる東アジアに向けた港を背景にして企業誘致をするべきであると思っている。そういうことで、若い人たちに福井県に住んでいただく。先ほど話したように、いい企業が来るかどうかということはなかなか難しい問題であり、安い企業があるのかもしれない。しかし、そのような企業誘致の試みはするべきではないかと思うが所見を伺う。 269 ◯知  事  環日本海時代の構築に関連して、敦賀港などを背景とした企業誘致であるが、舞鶴若狭自動車道の全線開通によりアクセスが向上したこと、また、敦賀港と釜山港には定期航路があることなど、立地条件も悪くないわけである。敦賀港に隣接する敦賀市の田結地区や美浜町山上地区においては産業団地の整備を今、鋭意行っている。  企業誘致であるが、今年度は、新たに企業の役員クラスを対象に企業立地説明会を、11月の大阪を最初に、東京、名古屋において開催する予定である。この中で、嶺南地域の立地条件のよさを十分に説明し、敦賀港、また、新たな団地についても強く売り込んでいく。  また、現在釜山港に大規模な物流センターを設け、これを拠点に全国に配送している物販関連企業などがあり、本県の敦賀港の利用にも高い関心を持っているので、これらの企業に対しても誘致の働きかけに努めていきたいと思う。 270 ◯田中(敏)委員  人口減少ということであるので、ぜひこの企業誘致を実現していただきたいと思う。その中で、福井県では2,800人の学生が県外に行って700人しか帰ってこないということであれば、2,100人はそれぞれ中央で活躍しているのである。私も東京事務所へもよく行ったことがあるが、できるだけそういう方たちのネットワークをつくったほうがよいのではないかと言ったこともある。東京の者に聞くと、ふるさと納税のときには、職員がよくお願いに来るのだが、あとは来ないと言っていた。そういう福井県の出身の方々が、それぞれ企業の中堅、あるいは、もっといいところで活躍しているわけであるから、縁の社会ではないが、やはりそういう方々を生かして、多分東京からも関西からも福井県が見えてくるという今の交通体系の中で、もう少しそのネットワークのシステムをつくり上げて、福井県の活性化策、もちろん企業誘致や、東京や関西から見た福井県はどうだということを検討していくような形をとれないのかと思う。  確かにアドバイザーとして3人の方々にお願いをしたが、その方々というのは本当に偉い、もう実質の会長のような方々であるから、今、中堅で活躍しているような方々を福井県に近づけていくような形をとって、その中で企業誘致や、福井県をこれからどうするなどという話ができるような場をつくるべきではないかと思うが、所見を伺う。 271 ◯知  事  企業誘致に関連して、東京や大阪で活躍している、今、脂の乗り切った中堅の皆さんということかもしれないが、もちろん、企業アドバイザーなどの代表的な方にもお願いするが、今、おっしゃるように、そういうレベルの福井県民との連携をぜひとも密にして、福井県のことや、また、企業の誘致のこと、また、福井県のPRのことなど、さまざま議論するべき大事な時期であると思っている。  福井県になかなか人が戻ってくれないということは、解決しなければならないが、戻らないということは、東京や大阪にいるということであり、そういう人を利用しない手はないわけであるし、福井県としては、今はいろいろ我慢をしながら次に備えるという大事な局面もあるので、単にものを頼むということではなく、福井県のよさを十分売り込みながら草の根的に進めて次の飛躍に備えるという時期ではないかと思っている。そういうつもりで十分、福井県庁のみならず、一丸となって粘り強く物事を進めていきたいと思っている。 272 ◯田中(敏)委員  システム的なことも含めて考えて、ぜひ現実な方法をとっていただきたいと思う。福井県は何もかも日本一であるのに、若い人がみな出てしまうということは、他県から見ると不思議だなという話であるから、そういう意味では、出た人間も活躍できるようなことをぜひ考えていただきたいと思う。         「福井しあわせ元気国体」 273 ◯田中(敏)委員  最後になるが、福井国体についてである。  平成30年には福井しあわせ元気国体を開催することで、花いっぱい運動など、いろいろな県民運動があるのだろうと思っている。私は、ちょうど世界体操選手権のときに鯖江市にいて花いっぱい運動も進めた。それはそれとして、どうしてもきれいな町で開催しなければならないと思うのであるが、今、考えてみると、あの当時、鯖江を美しくして迎えるという目標があって、そのときに、項目ごとに分かれて市民がみんな立って一挙にごみの分別収集が進んだ。私は、これは世界体操の隠れた遺産であると思っているが、やはりこの福井国体でもこのような目標を一つ持つべきではないかと思う。もちろん天皇杯や皇后杯での競技力向上ということはあるが、その上で、もう少しそういう目標がないのかと思う。今、高齢化社会を迎えていくわけである。高齢化率は27.7%で、4人に1人が高齢者となるということであるし、先ほど質問があったが、介護保険等々のいろいろな課題もこれから多分出てくるのだろうと思う。  先日、委員会でも質問があったが、要は高齢者が元気で長生きができるよう、今から目標を立てて、平成29年に実施するというから、私は国体に向けて進めたほうがいいということを言った。国体にはもちろん、天皇杯や皇后杯でのスポーツ力、競技力の向上という目標もあるが、もう少し下に潜って、福井は本当にしあわせ元気国体だ、このままみんな元気でぴんぴんころりだという話が何かできないのかと思う。ふだん少しずつ進めてもなかなかできないので、せっかく国体開催でお金を使うのだから、少し余分に使ってでも高齢者の健康づくり活動のシステムをつくってしまい、その中でみんなが元気でいられるという仕組みが大事であると思う。  先日も偶然、ラポーゼ河和田で知っている人に会ったので、幾つだという話をしていたが、元気はいいのだけれど、とにかく時間を過ごすのが大変なのだと言っていた。本当なのである。多分、認知症になったりする人はみんなそうなのだと思う。やはりその辺を解決しないと、医療費もどんどんふえるということになる。日本の医療費は世界の中でも高いのである。ところが、医者に言わせると一人一人の医療費は低いのである。それが集まると大きいということは、よく病院に行くということだと思う。そういう意味で、福井県はこの元気国体に合わせて、本当に元気な場をつくっていくという目標を持つか、あるいは、県庁の中で考えて、このようにしようという目標を持った取り組みをしてはどうかと思うが、知事の所見を伺う。 274 ◯知  事  そのように進めたいと思う。 275 ◯田中(敏)委員  ぜひいい目標をつくって、県民が一つの目標に向かって、将来とも動けるようなシステムをつくっていただきたいと思う。  いろんな質問をさせていただいたが、ひとつよろしくお願いする。ありがとう。                               ~以  上~ 276 ◯中川委員長  以上で、田中敏幸委員の質疑は終了した。  以上で本日の日程は終了した。  明日1日は午前10時より委員会を開催する。  本日はこれで予算特別委員会を散会する。                               ~以  上~                    予算特別委員会                      委員長  中 川 平 一 発言が指定されていません。 Copyright © Fukui Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...