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  1. 福井県議会 2013-09-25
    平成25年第379回定例会(第3号 一般質問) 本文 2013-09-25


    取得元: 福井県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-12
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいタブが開きます) 平成25年第379回定例会(第3号 一般質問) 本文 2013-09-25 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ窓表示 ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者一覧に移動 全 114 発言 / ヒット 0 発言 表示発言切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示 すべて選択 すべて解除 1 ◯議長笹岡一彦君) 2 ◯議長笹岡一彦君) 3 ◯議長笹岡一彦君) 4 ◯10番(田中宏典君) 5 ◯議長笹岡一彦君) 6 ◯知事西川一誠君) 7 ◯議長笹岡一彦君) 8 ◯安全環境部長櫻本 宏君) 9 ◯議長笹岡一彦君) 10 ◯健康福祉部長田端浩之君) 11 ◯議長笹岡一彦君) 12 ◯3番(中井玲子君) 13 ◯議長笹岡一彦君) 14 ◯知事西川一誠君) 15 ◯議長笹岡一彦君) 16 ◯健康福祉部長田端浩之君) 17 ◯議長笹岡一彦君) 18 ◯教育長(林 雅則君) 19 ◯議長笹岡一彦君) 20 ◯1番(西畑知佐代君) 21 ◯議長笹岡一彦君) 22 ◯知事西川一誠君) 23 ◯議長笹岡一彦君) 24 ◯政策幹森近悦治君) 25 ◯議長笹岡一彦君) 26 ◯健康福祉部長田端浩之君) 27 ◯議長笹岡一彦君) 28 ◯教育長(林 雅則君) 29 ◯議長笹岡一彦君) 30 ◯警察本部長(野村 護君) 31 ◯議長笹岡一彦君) 32 ◯24番(吉田伊三郎君) 33 ◯議長笹岡一彦君) 34 ◯知事西川一誠君) 35 ◯議長笹岡一彦君) 36 ◯安全環境部長櫻本 宏君) 37 ◯議長笹岡一彦君) 38 ◯健康福祉部長田端浩之君) 39 ◯議長笹岡一彦君) 40 ◯観光営業部長伊藤惠造君) 41 ◯議長笹岡一彦君) 42 ◯農林水産部長(中村保博君) 43 ◯議長笹岡一彦君) 44 ◯土木部長(幸道隆治君) 45 ◯議長笹岡一彦君) 46 ◯24番(吉田伊三郎君) 47 ◯議長笹岡一彦君) 48 ◯24番(吉田伊三郎君) 49 ◯議長笹岡一彦君) 50 ◯副議長(田村康夫君) 51 ◯31番(斉藤新緑君) 52 ◯副議長(田村康夫君) 53 ◯知事西川一誠君) 54 ◯副議長(田村康夫君) 55 ◯安全環境部長櫻本 宏君) 56 ◯副議長(田村康夫君) 57 ◯産業労働部長(山田賢一君) 58 ◯副議長(田村康夫君) 59 ◯農林水産部長(中村保博君) 60 ◯副議長(田村康夫君) 61 ◯土木部長(幸道隆治君) 62 ◯副議長(田村康夫君) 63 ◯教育長(林 雅則君) 64 ◯副議長(田村康夫君) 65 ◯29番(野田富久君) 66 ◯副議長(田村康夫君) 67 ◯知事西川一誠君) 68 ◯副議長(田村康夫君) 69 ◯政策幹森近悦治君) 70 ◯副議長(田村康夫君) 71 ◯総合政策部長(東村健治君) 72 ◯副議長(田村康夫君) 73 ◯観光営業部長伊藤惠造君) 74 ◯副議長(田村康夫君) 75 ◯土木部長(幸道隆治君) 76 ◯副議長(田村康夫君) 77 ◯教育長(林 雅則君) 78 ◯副議長(田村康夫君) 79 ◯29番(野田富久君) 80 ◯副議長(田村康夫君) 81 ◯議長笹岡一彦君) 82 ◯22番(大久保 衞君) 83 ◯議長笹岡一彦君) 84 ◯知事西川一誠君) 85 ◯議長笹岡一彦君) 86 ◯健康福祉部長田端浩之君) 87 ◯議長笹岡一彦君) 88 ◯土木部長(幸道隆治君) 89 ◯議長笹岡一彦君) 90 ◯警察本部長(野村 護君) 91 ◯議長笹岡一彦君) 92 ◯9番(西本正俊君) 93 ◯議長笹岡一彦君) 94 ◯知事西川一誠君) 95 ◯議長笹岡一彦君) 96 ◯副知事(石塚博英君) 97 ◯議長笹岡一彦君) 98 ◯総合政策部長(東村健治君) 99 ◯議長笹岡一彦君) 100 ◯安全環境部長櫻本 宏君) 101 ◯議長笹岡一彦君) 102 ◯土木部長(幸道隆治君) 103 ◯議長笹岡一彦君) 104 ◯18番(糀谷好晃君) 105 ◯議長笹岡一彦君) 106 ◯知事西川一誠君) 107 ◯議長笹岡一彦君) 108 ◯健康福祉部長田端浩之君) 109 ◯議長笹岡一彦君) 110 ◯土木部長(幸道隆治君) 111 ◯議長笹岡一彦君) 112 ◯教育長(林 雅則君) 113 ◯議長笹岡一彦君) 114 ◯議長笹岡一彦君) ↑ リストの先頭へ ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長笹岡一彦君) これより、本日の会議を開きます。              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2 ◯議長笹岡一彦君) 本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりと定め、直ちに議事に入ります。              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   第1 第61号議案から第72号議案まで(12件)及び報告第12号から報告第21号まで(10件) 3 ◯議長笹岡一彦君) 日程第1を議題といたします。  これより、20日の本会議に引き続き、各議案に対する質疑及び県政全般にわたる質問に入ります。  よって、発言は、お手元に配付いたしました発言順序のとおりといたします。  田中宏典君。     〔田中宏典君登壇〕 4 ◯10番(田中宏典君) おはようございます。自民党県政会の田中宏典でございます。  質問に入ります前に、先週の台風18号による大雨の被害等によりましてお亡くなりになられた方、また被害に遭われた方々に、心からお悔やみとお見舞いを申し上げるところでございます。  それでは、事前の通告に従いまして一般質問をさせていただきます。  第1点目は、エネルギー政策についてであります。  昨年、野田総理の政治判断により、地元おおい町の御理解をいただき、国内で唯一稼働していた大飯発電所3号機が今月2日、4号機が15日に定期検査に入りました。昨年7月、特別な監視体制のもとで大飯3・4号機が稼働し、約1年2カ月。関西地方への電力の安定供給に寄与してまいりました。その間、政権交代、国会のねじれ解消が実現し、県内ではなかなか実感が沸いてきませんが、国民生活が少しずつではありますが安定してきているようにも感じます。この安定、上昇志向がなければ2020年の東京オリンピック招致も実現しなかったのではないかと考えてしまいます。  現在見直しが進められているエネルギー基本計画は、国民生活、企業活動の根幹をなすエネルギー政策について2030年を目標とした中長期的な方針を示すものであります。特に、2011年3月の東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故というかつて経験したことのない災害、事故後のエネルギー政策の方向性を示すものであり、今後の日本にとって極めて重要な意味があります。  前政権では、専門家や事業者による実現の可能性の検証を行うことなくエネルギー政策が決定されてまいりました。特に突然の原子力発電所稼働停止という判断は、莫大な国富の流出や企業のコスト負担の増加といった事態を招き、その影響は非常に大きくいまだに続いております。一方で、アメリカにおけるシェールガス開発や日本近海における海洋資源開発等、資源確保に向けた動きの加速が安全保障上の新たな課題として顕在化してきております。エネルギー計画の見直しについては、成長戦略の実現や世界情勢を踏まえたエネルギーセキュリティの確保、そして地球温暖化対策との整合性を図りながら早急に検討を進めなければならないと考えております。  知事は提案理由の中で、菅内閣官房長官に対し、国のエネルギー政策の基本的な方針を早急に明らかにするとともに、核燃料サイクル政策、使用済み燃料の中間貯蔵と最終処分、原発の廃炉と安全炉の新設などの課題について国の考えを示し、政府が確信を持って国民を説得するよう改めて求めたと述べられました。毎日の報道を見ておりますと、少しずつではありますが進んでいるようにも感じます。しかしながら、まだまだ先が見通せない状況にもあり、このような状態が2年近く続いてきています。  原子力発電所を守るために歯を食いしばって頑張ってきた地元企業にも、運転停止による影響が資金繰りや雇用面で顕著になってまいりました。これまで国策である原子力発電を推進し、国民生活の安定のため幾多の苦難を乗り越え、まちぐるみで協力をしてきた立地自治体にとって、国の責任や覚悟が示されないまま現在の状況が続くのであれば、住民生活はもちろんのこと、今後のまちづくりや来年度の予算編成にも影響が出てくることも懸念されます。  県も同様であり、早期に国の責任、姿勢が明確に示されないのであれば、福井県としても今後の原子力政策に対するスタンス、対応について再考することも必要ではないでしょうか。知事の所見を伺います。
     日本原子力研究開発機構の改革につきましては、先月8日、文部科学省が改革の基本的方向を取りまとめました。この改革の成否は、日本のエネルギー政策、さらに本県のエネルギー研究開発拠点化計画等にとりましても大きな影響を与えるものであります。「もんじゅ」や敦賀本部の位置づけや組織のあり方などに課題があるように思います。そして、この方向性を受けて原子力機構がいかに検討し対応していくのかが重要であると考えております。  日本原子力研究開発機構の改革の方向性とその対応について、知事の所見をお伺いいたします。  第2点目に、原子力規制のあり方についてお伺いをいたします。  大飯発電所敷地内の破砕帯については、今月5日の規制委員会が活断層ではないとの認識を示しました。今月17日に規制委員会が開催され、大飯3・4号機の安全審査が再開されました。一方、敦賀発電所敷地内の破砕帯につきましては、事業者が7月11日に追加報告書を提出し、7月16日に異議申し立てを行って、既に約2カ月が経過しております。この間、規制委員会は報告書の内容確認の会合を1回開催したのみであり、今後のスケジュールも示されていない状況にあります。  先日、東京で開催された国内外の専門家による敦賀発電所敷地内の破砕帯に関する調査結果のレビューに参加してまいりましたが、全く素人の私でも十分に理解ができ、評価に値する内容ではなかったかと思っております。5月22日に開催された規制委員会において耐震設計上考慮する活断層と判断されましたが、今後の新たな知見が得られた場合、必要があればこれを見直すこともあり得るが、その際には追加調査等によって後期更新世以降の活動を否定する客観的データをそろえること等が必要であるとも結論づけられております。  このようなことから、原子力規制委員会は敦賀発電所敷地内の破砕帯についても速やかに再評価に入らなければならないと考えますが、日本原電が行った追加調査の結果と規制委員会の対応について、知事の所見をお伺いいたします。  去る8月19日、自民党の原子力規制プロジェクトチームと環境部会は、福島第一原発事故により失墜した原子力規制行政に対する国民の信頼と信任を取り戻すため、速やかに原子力規制委員会設置法による原子力安全基盤機構の廃止と規制庁への完全統合に着手するよう菅官房長官に緊急申し入れを行いました。原子力規制委員会、規制庁の拡充については、これまで福井県が規制委員会を監視する組織の設置とあわせて要望してきたことであり、歓迎すべきことであると思いますが、今後の展望とあり方について、知事の御所見をお伺いいたします。  また、原子力発電所の安全・安心で安定した国民生活を確保していくために、最終的には規制組織と推進組織が互いを補完しながら原子力政策全体のシステムを進化させる必要があると考えます。このことにつきまして知事の所見を伺います。  第3点目、原子力防災対策についてお伺いいたします。  原子力防災対策については、ことし6月5日に国の原子力災害対策指針が改定され、安定ヨウ素剤の事前配布についての方針が示されました。しかし、国の指針等は配布の現場である地方の声を十分に聞いておらず、具体的な配布の条件の記載が不十分であります。このような状況で地元の市町にその実施を求められても、対応が困難と言わざるを得ません。  具体的には、数千人にもなる原発5キロ圏内の住民全てについて、転入、転出などの異動がある中でヨウ素剤を住民にどのように配布し、どのように保管してもらうのか。ヨウ素剤は医薬品であり、副作用が出た場合にはどうするのか。医師不足が深刻化している中で、どのようにヨウ素剤配布のための問診を行うのかといったさまざまな課題が浮き彫りとなっております。  現在、立地市町は順次、防災計画を策定しておりますが、ヨウ素剤の事前配布について、県は立地市町と十分に協議し、配布の条件の明確化などを国に強く求めていってもらいたいと考えております。県は、原発5キロ圏内における安定ヨウ素剤の事前配布について、市町との協議を含め今後どのように進めていかれるのか、お伺いをいたします。  避難計画につきましては、各市町の避難先自治体が決定され、現在、避難施設などの調整に入っているとのことでありますが、避難経路につきましては定まっておらず、先日の台風18号の際にも県が管理する道路で雨量や崩土などで30路線が全面通行どめとなり、現在も3路線が全面通行どめとなっております。嶺南地域、そして福井県や滋賀県へ通じる交通網の脆弱さが露見したと思っております。  先日、原子力災害のみの想定でなく、大雨や大雪、地震などの複合災害が発生した場合でも十分に対応できるよう舞鶴若狭自動車道の4車線化や災害に強い道路整備をしていただけないかということで、高浜町の区長連合会長のほうからも御要請をいただきました。舞鶴若狭自動車道の4車線化や嶺南地域や県境における災害に強い道路整備について、知事の御所見をお伺いいたします。  最後に4点目でありますが、台風18号の被害対策等につきましてお伺いをいたします。  今回の台風18号の影響で、土石流によりお一人の方がお亡くなりになりました。また、住宅や道路、河川などの物的被害も大きく、地域医療機関の中核であり災害拠点病院でもある公立小浜病院も冠水したとのことであります。幸い被害は少なかったようですが、災害時の医療提供体制の充実の必要性を痛感いたしました。  国では、平成23年の東日本大震災以降、災害医療等のあり方に関する検討会で災害医療体制のあり方を検討し、これに基づき、平成24年3月に厚生労働省が基本的方針を示しております。災害拠点病院の強化、ライフラインの確保や通信網の整備、中長期における医療提供体制など、東日本大震災を教訓とした災害時医療提供体制の充実強化は、今回の台風18号もそうですが、いつ発生するかわからない大規模災害に対し喫緊の課題でもあります。  東日本大震災以降、県では災害時の医療提供体制の充実にどのように取り組まれてきたのか、また、今回提案されている9月補正予算に計上されている災害時医療対策ではこのような成果が期待されるのか、あわせてお伺いをいたします。  また、今回の大雨の影響により、県内の河川のみならず近隣の河川からも相当量の漂着物が本県の海岸に漂着すると想定されます。海岸漂着物の処理につきましては、9月補正予算に海岸漂着物対策基金の増額が盛り込まれております。海岸清掃ボランティアと協力して海岸への漂着物の回収、処理を進めるための措置であります。  今回の大雨による海岸漂着物の処理について、現有の予算で対応可能かどうか。不足した場合、さらなる対応が必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。  今回の大雨では、16日に全国で初めて福井県で大雨特別警報が発表されました。この特別警報の発表は、地元自治体の素早い初動と円滑な住民避難に一定の効果があったという意見もあるようでありますが、市町村に義務づけられている特別警報の住民への伝達を一部自治体が伝達していなかったということもあったようで、課題も残しております。  気象庁は、今回初めて発表した大雨特別警報の効果を検証するため自治体から聞き取り調査を実施するとしています。本県も対象になっているようでありますが、今回初めて発表された大雨特別警報の運用と今後の課題について、御所見をお伺いいたします。  以上、一般質問を終わります。明快な答弁をお願いいたします。 5 ◯議長笹岡一彦君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 6 ◯知事西川一誠君) 田中議員の一般質問にお答えをいたします。  まず、エネルギー、原子力政策についてであります。  エネルギー政策について、早期に国の姿勢が明確に示されないのであれば今後の県のスタンスあるいは対応、これを再考すべきではないかとの御質問です。  エネルギー、原子力政策につきましては、国に対してこれまで厳しく主張をし、また必要な要請を震災後続けているところであります。立地県の立場から厳しく要求をしてきた結果、例えば総合資源エネルギー調査会におけるこれまでの議論などを見ますと、国においては、原子力政策に対する基本的な方向性については私どもの考えと大きく違うものではないかとも思いますし、徐々に方向性を示してきているように思っております。  しかし住民の安全と地域の将来のためには、国は早急にエネルギー政策における原子力発電の位置づけを明確にする必要があり、県としては、これまでの姿勢を堅持しながら国に対し課題ごとに強く働きかけて方向性を出してまいりたい、このように考えております。  次に、日本原子力研究開発機構の改革の方向性とその対応についてどうかという御質問であります。  「もんじゅ」につきましては、これまで運転再開などの節目、節目において、文部科学大臣、また経済産業大臣と知事の三者による「もんじゅ関連協議会」において、その位置づけや安全確保の実施状況等を確認してきているところであります。こうした中、本日でありますが、文部科学省の作業部会において、国際的な連携のもとで高速増殖炉の研究開発と放射性廃棄物の低毒化、低量化研究を着実に進めるための「もんじゅ」研究計画(案)が公表されることになっているわけであります。  しかし一方、この計画を実行する原子力機構自体の組織の問題があるわけでありまして、ともかく高い目標をしっかり掲げて、それに基づいて組織としてのモラルを向上しなければ安全管理はあり得ないわけであります。現場を重視し、プラントの安全確保を大前提として、国際的なプロジェクトの推進主体としてふさわしいメンバー、組織、人員体制を整えなければ、具体的な成果達成はおぼつかないと考えます。  また、国の文部科学省においても、みずからが責任を持って「もんじゅ」の研究開発の成果を上げることが重要でありまして、文部科学省及び敦賀原子力事務所──これは出先機関になりますが──の体制などをより一層強化する必要があると思います。これについては、さらに今後協議する必要があると思っております。  次に、原子力規制委員会、それから規制庁の今後の組織のあり方についての御質問です。  原子力規制委員会は、国の組織の一つであるわけでありますが、これまでの一連の対応を見ておりますと、原子力を安全かつ有効に活用するという姿勢が必ずしも十分見えないところであります。独立性の立場を十分生かし切れないところがありまして、事業者との議論も不足がちであり、ひとり孤立している状況がうかがえます。そういうことでありますので、そのため安全審査などについての時間の観念がなく、非効率的な運営を行っているように見受けられ、組織としての仕事の進め方や計画性、人材や専門能力、実行力に課題があると考えます。  政府は現在、原子力安全基盤機構──JNESと言われておりますが、この機構を規制委員会に統合するための検討を進めておりますが、人員を強化するに当たりましては、むしろ規制委員会の組織とは別に地震や活断層を調査、評価する専門機関が必要でありますし、また規制委員会を監視、評価する機関を新たに設置することのほうが重要であると考えます。そうした趣旨から、8月末に菅官房長官に対し、委員会が所期の責任を果たしているか政府として検証し、改善すべきであることを強く要請しているところであります。  同じく原子力規制のあり方につきまして、原子力発電所の安全・安心を確保するため、最終的には規制組織と推進組織が互いに補いながら原子力政策全体のシステムを進化させるべきではないかとの御提言であります。  福島事故から2年半が経過しましたが、国のエネルギー政策の方向性が十分定まらず、原子力発電の位置づけが曖昧なままであります。こうした状況が長引きますと、国内の経済あるいは雇用に大きな影響を与えることのみならず、原子力発電所の安全技術や人材の先細り、また何といっても安全自体にも影響が生ずるわけであります。  このため、まずは国がエネルギー政策における原子力の位置づけを早急に明らかにする必要があります。また現在、国においては原子力委員会という組織がありますが、十分機能せず、原子力政策のいわば司令塔がない状況にあります。したがって、原子力を今後どのように進めるかという体制をぜひとも再構築することが重要であります。  国の今後の資源エネルギー調査会の議論が進むことなどにより、いわゆるおっしゃるような規制と推進についてのバランスや方向性が定まってくるものと考えており、これが早急にでき上がることを要請してまいりたいと考えます。  次に、原子力とも関連いたしますが、道路などの防災上の整備であります。  舞鶴若狭自動車道の4車線化や、嶺南地域あるいは福井県と隣県の県境における災害に強い道路整備を進めるべきではないかという御提言です。  舞鶴若狭自動車道につきましては、来年夏までの全線開通を最優先に中日本高速道路株式会社に要請しているところでありますが、これをさらに4車線化にするということについては、来年の全線開通後の交通量を見た上で、また災害時における交通機能の確保も重要でありますので、こういうものを加えながら検討を求めてまいりたいと考えます。  また、現在行っております既存の国の直轄事業でありますが、現在、滋賀県に抜ける国道161号の拡幅工事を進めているところでありますし、また京都府との県境の27号線の青葉トンネルや、国道8号の敦賀湾の東側といいますか、赤崎バイパスなどの整備について国に対し要請をしております。  それから県管理道路についてでありますが、新たに今年度から国道162号──小浜から名田庄、南川沿道でありますが──の拡幅工事、また、おおい町から名田庄に向かいます坂本高浜線の南側半分の2期工事に着手してまいりたいと考えます。  次に、台風18号に係る被害対策の中で、関連いたしまして、大震災以降、災害時の医療供給体制の充実がどのように進められているか。また、今回お願いしております9月補正予算に計上している対策はどのような成果が上がるのかとの御質問です。  東日本大震災では、中長期的な救護活動などに対する病院の機能などが課題とされております。県では、今回の補正予算を含め約36億円の事業により平成23年度から災害時医療体制の整備に努めております。その中で、県内8つの災害拠点病院がありますけれども、これについては全国に先駆けまして耐震化を平成24年度に完了いたしました。さらに今回の補正予算により、浸水被害が想定されます嶺南の高浜病院などの自家発電設備の整備や、県内2カ所目の広域搬送拠点となる若狭ヘリポートへの医療資機材の整備を進めることになっております。  また、災害派遣の医療チームについては、全国トップクラスの20チームを整備するとともに、災害直後からの中長期まで対応できる医療体制も整うことになります。  今後とも、ハード面のみならず研修や訓練などソフト面も含め、大規模災害に備えた体制を構築してまいりたいと考えます。  その他につきましては、関係部長から御答弁します。 7 ◯議長笹岡一彦君) 安全環境部長櫻本君。     〔安全環境部長櫻本 宏君登壇〕 8 ◯安全環境部長櫻本 宏君) 私のほうからは3点お答え申し上げます。  まず、敦賀発電所敷地内の破砕帯に関して、事業者の追加調査の結果と規制委員会の対応についての御質問でございます。  日本原電におきましては、7月11日に規制委員会に提出した追加報告書の中で、掘削範囲の拡大あるいは火山灰の詳細な分析などを行いまして、3月15日の中間報告書に比べ、より詳細な内容を示すことができたとしております。これらの調査結果は、国内外の専門家による外部レビュー組織が技術的に検討を行い、その評価結果を妥当としているところでございます。  一方、規制委員会は、この報告書の内容確認について8月30日に1回会合を開催したのみでございまして、今後のスケジュールも示していない、そういう状況にございます。  県としては、規制委員会におきまして追加報告書の審議を早急に行い、適切な判断を行う必要があると考えております。また、地震や活断層の問題につきましては独立した専門機関で対応する必要があると考えておりまして、このための新たな政府機関を設置するよう国に強く要請しているところでございます。  続きまして、台風18号に関する被害対策等で、今回の大雨による海岸漂着物の処理について予算が対応可能か、さらなる対応が必要ではないかという御質問でございます。  今回の台風18号では、データをとり始めました平成21年度以降最大となる約3万立米の漂着物が嶺南地域の海岸を中心に漂着しております。これまで小浜漁港海岸において優先的に除去を進めておりまして、約3,000立米の回収を完了したところでございます。このほか、敦賀市の松島海岸、美浜町の久々子海岸、小浜市の勢浜、おおい町の長井浜、高浜町の高浜海岸などの地点で漂着を確認しているところでございますので、今後、市町と連携し早急に回収してまいりたいと考えております。  なお、この予算につきましては国交省の災害関連事業で対応することにしておりますけれども、これが適用されない部分については、県の漂着物対策基金を財源として回収することとしてございます。漂着量が過去最大となることから、基金事業については、処理完了のためには9月補正後の予算に加え、さらなる追加補正が必要と考えております。  続きまして、今回の大雨特別警報の運用と今後の課題についてでございます。  今回の台風では、特別警報の発表を受け、全市町に対して防災行政無線による一斉ファクスにより通知をしまして、電話により到達確認を行うとともに、直ちに住民に周知するよう市町に要請をしたところでございます。県内では、全ての市町で特別警報を住民にしましたけれども、その手段については、嶺南地域では全て防災行政無線等を用いましたけれども、嶺北地域の一部の地域ではホームページの掲載等にとどまっておりました。  一方、気象庁においては、特別警報の発表の範囲を県単位で判断したことから、警報をそのまま特別警報とするという運用をしたため、本来警報の基準に該当しない嶺北の市町も対象になるという課題もございました。県としては、今後、気象庁に対し、これらについて検証し必要な見直しを行うよう求めてまいります。  なお、県としても、特別警報が発表された場合には、あらゆる手段によりまして住民への周知を徹底するよう改めて市町を指導してまいりたいと考えております。 9 ◯議長笹岡一彦君) 健康福祉部長田端君。     〔健康福祉部長田端浩之君登壇〕 10 ◯健康福祉部長田端浩之君) 私のほうからは、原子力防災対策に関しまして、安定ヨウ素剤の事前配布についてどのように進めていく予定であるかというお尋ねでございます。  これまで関係市町とは防災計画の改定、対象住民の範囲や説明会の開催方法などにつきまして協議しておりまして、例えば安定ヨウ素剤の受領、保管につきまして、説明会に家族全員が出席し受領、保管しなければならないといった受領、保管に関する住民負担や、これを管理します住民台帳と連動いたしましたシステムの整備などが課題として出されているところでございます。また、医師会や薬剤師会との協議では、ヨウ素アレルギーの確認や乳幼児の丸薬服用の適否などの課題が指摘されているところでございます。  このため県におきましては、先月、原子力規制庁に対しまして、世帯代表者への配布の可否、丸薬の服用が困難な乳幼児への対応などの配布時における具体的な手順、副作用発生時の責任の所在や救済方法などにつきまして明確に示すよう求めたところでございます。  これらの課題への対応については、現時点におきまして回答を得られておりませんが、今後、国の回答を待ちまして、関係市町とさらなる協議を重ね、安定ヨウ素剤の事前配布に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 11 ◯議長笹岡一彦君) 中井君。     〔中井玲子君登壇〕 12 ◯3番(中井玲子君) おはようございます。自民党県政会、中井玲子でございます。  質問に入らせていただきます前に、台風18号の災害でお亡くなりになりました方に心からお悔やみ申し上げますとともに、被害に遭われました方々に心からお見舞い申し上げ、一日も早い心の回復、復興をお祈り申し上げます。  最初に、ふくい南青山291について伺います。  6月議会の場で、コダイムラサキのことを紹介させていただきました。きょうのコサージュも、その女性の方がコダイムラサキで染めてつくったものです。6月議会では、その方の作品が福井県の工芸品の一つとしてふくい南青山291に出展されていることもお話ししましたが、その作品をごらんになった東京のバイヤーがこの8月に福井のギャラリーへ来られたそうです。バイヤーの方は価値のある珍しいものを探していたようで、興味深そうにじっくりごらんになりながら、大変手が込んだ作品だととても気に入っていただいたようです。そして、何か一緒に仕事ができないだろうかという話になったことを、その女性の方はとてもうれしそうに話していました。  そこで、ふくい南青山291に展示されていることがきっかけとなり福井県の生産者と首都圏の企業等との取引につながった事例は、これまでどのくらいあるのか伺います。  先日の会派の代表質問でも触れていましたが、ふくい南青山291については、店舗での販売による売り上げアップの実現にのみ注目が集まっているように感じられます。しかし、アンテナショップの機能はそれだけではありません。福井県内の企業と首都圏の企業との取引をつなぐ役割を担っています。  県内企業の首都圏での販路拡大のため、ふくい南青山291が持つ首都圏の企業とのマッチング機能を強化していく必要があると考えますが、所見を伺います。  次に、予防医学について伺います。  今月10日、厚生労働省は、平成24年度に病気やけがの治療で全国の医療関係に支払われた医療費が概算で38兆4,000億円となり、10年連続で過去最高を更新したと発表しました。前年度に比べて6,000億円ふえて、1人当たりの医療費が30万円を突破しています。厚生労働省によると、高齢者の増加や高度医療の普及で治療費がかさんだのが要因とのことです。  福井県内を見てみると、昨年度、医療機関に支払われた医療費は2,442億円に上り、前年度と比べて19億円増加しました。特に気になるのは、75歳以上の1人当たりの医療費が約89万2,000円であり、平均の約3倍にも上っていることです。  このことについてある医師にお話を伺ったところ、高齢化が進むにつれて特に心房細動による患者の増加がふえているとのことでした。心房細動により、加齢が進むとともに不整脈が起こりやすくなる。高齢者に多く見られるのが特徴であります。平成17年に定期検診で見つかった心房細動の患者は約70万人でありますが、その15年後には100万人を突破するのではないかと考えられています。  健康長寿の福井県として、健康寿命の延伸は大事な課題です。自立して元気に生活できる健康寿命が延びれば、医療費を抑えることにもつながります。今後ますますふえていくと言われる心房細動について、現在、県内にどれだけの患者がいると把握しているのか伺うとともに、その予防のためにはどのようなことを必要と考えているのか、伺います。  元巨人軍監督の長島茂雄氏は、心房細動により脳の血栓が詰まったことが原因で心原性脳塞栓症という病気になりました。長島氏はリハビリで回復されましたが、最悪の場合は寝たきりになってしまうこともあり、そうなると医療費が1カ月に70万円ぐらいかかります。患者さんのつらさはもちろんのこと、その御家族の精神的、経済的な負担はとても大きいと思います。  心房細動による不整脈は、突然死の原因となるものもあり、早期発見が重要であることは言うまでもありません。長島氏は現在、携帯型心電計を使用されて再発予防に努めているとのことです。携帯型心電計で日常生活のいろいろな場面で心電図検査が可能になったことは、不整脈の早期発見につながります。大事に至らなければ回復も早く、健康を取り戻すこともできます。  予防医学の観点から、携帯型心電計を活用することは大変重要であると考えますが、所見を伺います。  さて、7月1日、観光バスの運転手が三重県亀山市の東名阪自動車道を走行中に気を失い、運転手の異変に気づいた乗客3人が連係プレーでバスをとめて大惨事を未然に防いだというニュースがありました。皆さんも記憶に新しいと思いますが、運転手の方は病死でした。  また7月4日には、宮城県蔵王町の東北自動車道でも運転中に病気で意識を失いハンドル操作ができなくなり、異変に気づいた乗客がブレーキを踏んで停車させたという事故がありました。亡くなられた運転手は、持病や薬の服用もなく、健康診断では異常がありませんでした。司法解剖の結果、心臓に血液が十分に行き渡らなくなる虚欠性心疾患だったということです。  さらに同日、栃木県那須塩原市の東北自動車道でもバスの運転手が突然死した事故もありました。  こういった事故を受けて、7月5日、国土交通省は、事業者に対して健康状態の確認等、安全管理を徹底するよう通達を出しています。こういった国の指導もあり、業者の中には具体的な取り組みを実践するところも出てきました。先日、新聞でも取り上げられていましたが、福井県内のあるバス会社では、従業員の健康状態を確認するため全国に先駆けて携帯型心電計を導入したとのことです。大事なお客様の命を預かる立場として、予想もできない運転手の体調の変化を事前に少しでも気づくことができればと導入を決めたとのことであり、出発時や休憩時には症状がなくても定期的に使用して健康状態の管理等に努めているとのことです。  こういった事業者の積極的な動きが一部に見られますが、今後、県民の健康管理に対する意識を高めるためにも県として携帯型心電計の普及に努める必要があると考えます。所見を伺います。ぜひ県としても積極的な取り組みをお願いいたします。  幼保小の連携についてです。  始まりは幼児期から、この原点が人格形成の第一歩です。昨年度の平成24年11月20日に福井県生活学習館に福井県幼児教育支援センターが開設され10カ月間が経過いたしました。保育所と幼稚園、さらに小学校をつなぐ役割を担い、保育士、幼稚園、小学校教諭の資質向上のための研修会を開催し、また家庭での親の育児力を上げるための支援を実施しています。配置されている幼児教育アドバイザーが保育所や幼稚園を見学して現場での子供たちの様子や保育者の子供とのかかわり方を見られた上で話し合いの場を持っていることは、大変意義のあることです。  同じ年齢でも子供たち一人一人の姿は違います。また、保育所と幼稚園の違いも感じることと思います。保育所、幼稚園、小学校が連携して幼児期から学童期に子供たちの成長をつなげていくことは大切でありますが、それぞれの立場を理解し合った上での連携が必要であります。そのための研修会に保育士、幼稚園、小学校教諭の先生たち皆さんが参加してともに学び合っていることは、指導力の向上につながっていることと確信しています。  福井県型18年教育のスタート期に当たる幼児期においては、規則正しい生活習慣や規範意識を育むため自然な形で小学校へとつなげていくことがとても大切ですが、幼保小連携を進める上でどのような課題があると考えているのか、伺います。  家族形態が3世代同居のころと比べ、核家族がふえてから家庭教育力の低下が叫ばれるようになっています。本来、家庭でしつけられるべきことが保育所や幼稚園任せになっているということです。幼児教育において、家庭での親によるしつけが何よりも大切であることは言うまでもありません。家庭における幼児教育力のレベルアップを図るため、幼児教育支援センターでは親を対象にどのような家庭教育講座を開催しているのか。その参加状況も含め、伺います。  また、子供に対する幼児期の教育を充実させるためには保育所や幼稚園と家庭との連携をさらに強めることが必要不可欠だと考えますが、今後の取り組みを伺います。
     最後に、音楽教育について伺います。  平成23年度から県内の一部の小中高校において、県内の音楽家によるバイオリンやビオラ等の弦楽の演奏指導が行われています。クラブ活動内での指導とのことですが、子供たちの感性を育てるためには大変すばらしい試みではないでしょうか。このような小中高校における県内音楽家による楽器演奏指導の成果をどのように認識しているのか伺うとともに、こういった活動を県内全域に広げていくべきだと考えますが、所見を伺います。  御清聴ありがとうございました。 13 ◯議長笹岡一彦君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 14 ◯知事西川一誠君) 中井議員の一般質問にお答えをいたします。  まず、幼稚園、保育園、そして小学校の連携についてでありまして、規則正しい生活習慣、規範意識を育て小学校へつなげていくことが重要ではないかという御質問です。  福井型の18年教育を進める上で、幼稚園、保育園を単に小学校へ入る前の教育だとは考えないで、極めて重要な時期の教育と考える必要があるわけであります。  保育所、幼稚園の指導者や家庭での適切な幼児教育を支援するため、教育委員会においては昨年11月に幼児教育支援センターを設けたところであります。このセンターでありますが、ここでは保育士と幼稚園教諭とがともに学び相互に研さんする機会を与えるということで、幼児教育講座を積極的に開くことがあります。それから、幼児の感性を伸ばすために、加古里子先生の指導も得ながら絵本教育、それから由紀さおりさんなどの御指導も得て童謡、唱歌の普及、それから子供同士が伝承遊びや主に木でできたグッド・トイの活用などを今進めているところであります。  また、福井市、坂井市、大野市、鯖江市、敦賀市の5つの小学校区において、幼児教育と小学校の円滑な接続を図るカリキュラムづくりを支援し、実践的な連携を進めております。  さらに、幼児の保護者、祖父母などの家庭での教育を高めていくことが課題でございまして、今後、一日保育体験や親力向上プログラムの作成などの政策に一層力を入れてまいりたいと考えます。  次に、産業問題でアンテナショップであります。  南青山291の今後の使い方についての御質問でございます。  具体的なコサージュを例に取り上げられて御質問いただいたところでありますが、ふくい南青山291は、店舗での販売だけではなくて、首都圏の百貨店や専門店に福井の企業や商品を具体的に紹介するなど継続的な取引支援も行っております。こうした支援によりまして、24年度でありますが、地酒あるいは福井の水産物などの食品について約5,400万円、17件の継続取引が発生しました。工芸品では、南青山291での展示や販売がきっかけとなりまして百貨店や専門店との取引も始まっております。その上に、独自のショールームを設けたり、あるいは単独店舗を開いた福井の企業の例もございます。  これから継続取引で最も重要なことは商品自体の魅力を高めることでありまして、そのためには291のスタッフなどが福井県に来てもらって、バイヤーが求める商品づくり、アドバイスをより一層強化してまいります。また、県内企業が291で展示会などを行う場合にも多くのバイヤーの来訪を働きかけるなど、これまで以上にマッチング支援を強化してまいりたいと考えます。  それから、健康の問題であります。  予防医学に関連いたしまして、県内の心臓といいますか、心房細動の患者はどれだけか。予防はどう考えているかとの御質問です。  いわゆる心房細動の本県の患者数に関する統計はないのでありますが、平成23年度の患者調査によりますと、心房細動が原因の一つであると考えられる心疾患あるいは脳血管疾患の県内における推計の患者数は、約2,600人程度ではないかと考えます。なお、日本脳卒中協会が、ちょっと時代はさかのぼって平成17年にいろんな調査をやっておりまして、心房細動の患者数が増加傾向にあると。17年では70万人ぐらいの患者数がいるのじゃないかという計算をしております。  国における健康づくりの基本指針であります健康日本21(第二次)の計画でありますが、心房細動を含む心疾患、脳血管疾患などの循環器疾患の予防には、高血圧、脂質──脂肪分の異常症、それから喫煙、糖尿病の4つの危険因子があるので、この管理が重要だとしております。  福井県としては、ことし3月につくりました元気な福井の健康づくり応援計画に基づきまして、高血圧等の生活習慣病の発症リスクを早期に発見いたしまして重症化を予防するため、特定健診や特定保健指導の未受診者に対する個別の受診勧奨を行うなど、受診率の向上を図っているところでございます。  その他については、関係部長からお答えします。 15 ◯議長笹岡一彦君) 健康福祉部長田端君。     〔健康福祉部長田端浩之君登壇〕 16 ◯健康福祉部長田端浩之君) 予防医学につきまして、予防医学の観点から携帯型心電計を活用することは大変重要。また、県民の健康管理に対する意識を高めるためにも県として携帯型心電計の普及に努める必要があるのではないかというお尋ねでございます。  心臓病の健康管理を図るため、自分で簡単に心電図測定ができる携帯型心電計が開発され、既に市販されているところでございます。また、携帯型心電計で自分の心電図を測定し、電話回線でデータを送信し、測定結果が心電図になって本人に届けられるというシステムも開発されているといった状況でございます。  この携帯型心電計につきましては、医師の指示に基づき経過観察のための診療用として活用するほかにも、スポーツや業務活動に当たって事前の健康チェックのために使用し、心臓病の突発的な発症を防ぐという予防のための使い方も考えられるわけでございます。県内におきましても、議員から御紹介いただきましたバス事業者が従業員の健康状態の確認のために活用している例もございます。県外においては、マラソン大会時の事前の健康チェックに使用している例もあると聞いているところでございます。  県といたしましては、まずは活用例等の情報収集を行いまして、メリット、デメリットについてまずは研究してまいりたいと考えております。  以上でございます。 17 ◯議長笹岡一彦君) 教育長林君。     〔教育長林 雅則君登壇〕 18 ◯教育長(林 雅則君) 私からは、幼児教育と音楽教育について2点お答えいたします。  まず幼児教育につきまして、特に家庭教育講座の開催状況と、そして保育所、幼稚園と家庭との連携をさらに強めることが必要で、その取り組みについてのお尋ねでございます。  先ほど知事からも、さらなる家庭教育力の向上のための施策の強化が必要であるということを申し上げましたが、まずその現状を申し上げますと、幼児教育支援センターにおきましては、保育所、幼稚園、公民館などに出向きまして、これまでに62回にわたる家庭教育講座を開催しております。その結果として、保護者のほかにも祖父母──おじいちゃん、おばあちゃんも含めて約1,700人の方に御参加をいただきまして、これも先ほどお話が出ましたが、加古里子先生の親子で読んでほしい本ということで、ほのぼのとした優しいだるまちゃんシリーズとか、こういったものを紹介する。あるいは鬼遊びといったような伝承遊び。これは親子で一緒に工夫した遊び方ができますので、そういった指導を行っております。  そして、こうした家庭教育講座を通じて幼児との接し方を知るということも必要ですが、それ以上に日常の子供の生活の様子を体験することが大切であるということで、これまでに県内の52園で約3,500人の方に御参加をいただく一日保育体験というものも実施してきております。この体験を済まされた方々からは、子供がおうちでお茶わんを並べたり、あるいは保護者が意識して子供を褒めるようになったということで、家庭教育が少し進んだというような話もいただいています。  そうした中で、今後はこういった一日保育体験あるいは保護者会などで、特に幼児の教育に関する御家庭での悩みとか不安となっているような事例をいろいろといただいておりますので、こういったことについて特に、例えば幼児の食事でありますとか睡眠、また身支度とか着がえといった、そういったそれぞれのテーマごとに不安を解消するような場面を設定したようなワークシートづくりを今進めておりますので、こういったものに基づいて、さらに家庭教育講座、あるいは保育園、幼稚園との連携の中で、これも先ほど出てまいりましたが親力向上プログラムといったもので、そういった指導をさらに強化してまいりたいと考えております。  もう1点、音楽教育についてお答えします。  県内で音楽家による楽器演奏を行っていますが、その成果、そしてまたこれを県内全体に広げていくということについてのお尋ねでございます。  まず、本県では平成14年から、本県出身の小松長生さんといったような著名な演奏家を学校に招きまして芸術、音楽に触れる機会を設けておりまして、県内では特に吹奏楽とか合唱については全国コンクールなどで好成績をおさめるなど、学校での音楽活動が積極的に展開されております。  しかし一方で、なかなか触れる機会の少ないようなバイオリン等の弦楽器について、もう少し普及をしようということで、これは平成23年度からでございますが、特に福井市内の社北小学校あるいは越前町の朝日中学校など意欲的に活動する小中学校において弦楽器を貸与し、特に県内のそういった専門の指導者を招いて子供たちが演奏技術を磨いてきております。その結果として、この夏には社北小学校では弦楽クラブが福井のJR駅あるいは福井市の美術館などでミニコンサートを開くまでのレベルに成長しております。  また本年度からは、社北小学校の子が次につながる社中学校、あるいは嶺南の雲浜小学校でもこういった活動を広げまして、週1回程度、県内のすぐれた演奏家から演奏技術を学ぶ機会を設け、ことし12月には福祉施設などでも訪問演奏を行うこととしております。  それとあわせまして、より早い時期から楽器だけでなく童謡などの音楽に親しむことが大切であるということで、大変忙しい音楽活動の時間を割いて、知事から御紹介があった由紀さおりさんに県内の保育所、幼稚園で子供たちに直接童謡を歌ってもらう機会を設けておりまして、ことしも12月には嶺南地域で開催をしたいというふうに考えております。 19 ◯議長笹岡一彦君) 西畑君。     〔西畑知佐代君登壇〕 20 ◯1番(西畑知佐代君) 民主・みらいの西畑でございます。  質問を行うに先立ち、一言申し上げます。去る9月16日の台風でお亡くなりになられた方に心から御冥福を申し上げますとともに、被災されました若狭を初めとする皆様には心からお見舞いを申し上げます。  では質問に入らせていただきます。  初めに、スポーツ教育と福井国体についてお尋ねします。  9月8日、ブエノスアイレスで開催された国際オリンピック委員会総会において、2020年の東京オリンピック・パラリンピックが開催と決定されました。開催されるのは今から7年後、中学1、2年生の子供たちが二十を迎える年です。子供たちは、この決定を自分の将来と重ね合わせて受けとめたようです。オリンピックに出られるように今からテニスを始めようとか、外国の人がきっといっぱい来るので通訳などのボランティアをしたいとか、かかわり方はさまざまでありますが、子供たちが夢を語るのはとてもうれしく、頼もしく感じました。  そして、その2年前、2018年には福井しあわせ元気国体が開催されます。福井国体は、オリンピックを目指す国内有数の選手たちが数多く出場する例年以上にハイレベルの大会になることが予想されます。各都道府県とも、オリンピックに向けて競技力強化を図る競技団体と連携し、選手育成に力を入れると考えられます。県内のトップ選手たちには、地元開催の国体で実力を遺憾なく発揮し、オリンピック出場へと自分の夢をかなえてほしいと思います。  トップ選手といえば、バドミントンの山口茜選手の活躍は目覚ましいものがあります。世界ランキング上位の並みいる強敵を倒し、ヨネックスオープンジャパンを史上最年少で制した快挙は、本人の努力、実力とともに、それをバックアップする指導体制にあるものと敬意を表します。  そこでお尋ねします。子供たちの夢を実現し、地元選手のオリンピック出場へとつながるような福井国体となることを目指し、より一層選手の育成を強化してほしいと思いますが、知事の御所見を伺います。  さて、本年度を初年度として2023年度までを計画期間とする県のスポーツ推進計画が策定されました。計画では、トップアスリートの養成のほか、学校体育の充実、運動部活動の充実などが盛り込まれ施策が体系化されたものとなっております。本県の子供たちの体力、運動能力は全国一というトップレベルにあります。一方で、生活様式等の変化により日常生活の中で実際に体を動かす場面が減少し、全国的に子供たちの体力、運動能力は低下傾向にある中、本県の子供たちにおいてもそれは例外でないと思います。  かつては、子供は毎日暗くなるまで外で遊んだものです。ボール遊び、鬼ごっこなどをしていた空き地や公園では子供たちの笑い声が聞こえていたものです。しかしながら、今どきはなかなかそのようなことができなくなったこともあり、積極的に運動する子とそうでない子との二極化がはっきりとわかるようになってきました。小さい子供は体を動かすことが大好きです。幼児期から小学校低学年にかけて遊びの中から体を動かすことの楽しさや達成感を体験させ、継続的に行うことが大事だと思います。  また、少子化や運動しない子供の増加によって運動部活動の入部者が減っていると聞いています。部員不足で部の存続ができなかったり、大会に参加ができないなどという事態が起こっているとも耳にします。指導者の体罰問題などで親の考え方も変化しています。  スポーツの楽しさを経験させる幼児期から小学校低学年での指導、入部者が減少傾向にある部活動の活性化、あるいは各世代での1県民1スポーツの浸透など、スポーツ人口の裾野を広げるための施策を充実してほしいと思いますが、御所見を伺います。  自分ではプレーはしないけれどもスポーツを見たり応援したりするのは好きという人は多いのではないでしょうか。そして、国体にも何かかかわっていたいと思っている人は結構いらっしゃるのではないかと思います。国体の成功は、県民がいろいろな形で積極的に参加することによって実現する、そういうものだと思います。ボランティアなどの形で国体を支える一員になることが必要です。地元の選手が活躍すると同時に、県民の関心を高めるような工夫が必要だと思います。指導者や関係者としてだけでなく、運営ボランティアやおもてなしのボランティアなど、子供から高齢者まで幅広く応援団をふやしていくことが重要だと思いますが、御所見を伺います。  次に、ネット上の犯罪やトラブルについてお尋ねします。  内閣府から9月7日に発表された子供の安全に関する世論調査結果によりますと、18歳未満の子供がスマートフォンを利用することについて、71.9%の大人が不安を感じているとのことです。さらに、その不安の内容はどのようなものかとの質問に対しては、インターネット上のウェブサイトやアプリを利用することにより他者とのトラブルや犯罪被害に巻き込まれるおそれが高くなることを挙げた人が72.4%と最も多く、次いで、インターネット上で子供に悪影響を与える情報を閲覧するおそれが高くなることを挙げた人が69%となっております。  この無料通信アプリをめぐっては、子供同士のいじめやトラブルなども懸念されております。他県では、悪口や中傷が過熱して暴行事件に発展した事例もあるといった報道もされております。本県においても、教育現場において過度な利用やトラブルに発展しないかを危惧する声もあります。県内では、そのような事例はないのでしょうね。  子供たちを犯罪やトラブルから守るのは我々大人の責任であり、社会全体、とりわけ子供の親がしっかりと自分の子供を守るためのしつけや教育を行うことが非常に重要であることは言うまでもありません。子供が正しくスマートフォンや携帯電話を使うためには、ゲームをするような感覚だけで使用させるのではなく、例えば部活が遅くなるからといった連絡に限るなど、家庭の中で使用目的をはっきりさせてルールをつくっておくことが大事だと考えます。  そうした各家庭における教育の必要性が大前提とはなりますが、これだけ社会不安がある中にあって、学校などの教育機関における啓発や教育が必要になってきていると思います。人間形成の時期であり、いろいろな人間関係を経験し始めている多感な時期です。性的な興味を抱く年ごろでもあります。  こうした子供たちが陥りやすいインターネット上のトラブルや犯罪などを未然に防ぐために、学校現場における指導が重要になってきていると思います。学校において、中高生のスマホ等の使用状況については、把握したり、安易なネット利用がもたらす危険性についての教育を進めてほしいと思いますが、御所見を伺います。  さて、警察署のまとめによりますと、無料通信アプリのIDをネット掲示板などに公開したことが原因で、わいせつ事件の被害に遭った18歳未満の子供がことし上半期だけで117人に上ったとのことです。昨年は1年間で36人でしたので、急増していることが明らかです。子供が食事をおごってもらうなどの目的で安易に掲示板に書き込み、大人がそれに対して連絡をするというケースがふえているとの情報があります。子供に対する指導をしっかりした上で、子供を犯罪に巻き込んでいる大人たちに対しては厳格な取り締まりが必要だと考えます。  ネットを利用した子供を狙った犯罪防止のための警察による啓発や取り締まり活動が一層重要になってきていると思いますが、こうした犯罪の発生状況を伺うとともに、防止対策、取り締まり活動をどのように推進しているのか、警察本部長に伺います。  次に、福井の食と食べきり運動についてお尋ねします。  食に関しては、県は多種多様な政策を実施しています。大きくは観光と絡めた県外への販路拡大やPR、県内における地産地消、健幸美食、食べきり運動など県民向けのものです。今回は、このうち幾つかについてお尋ねしたいと思います。  まず、県外への販路拡大です。  県は、ふくい南青山291と「食の國 福井館」において、11月から県内鮮魚店や農家と客をネットで結ぶ対面販売を始めるとのことです。この4月に、店内で食事ができることを売りの一つにした「食の國 福井館」をオープンさせたのに続くサービスの充実策です。東京にひしめく各県のアンテナショップにはない魅力や利便性を発揮してほしいと思います。  このシステムは、映像を通して野菜や魚を確認するというだけにとどまらず、東京にいながら福井の農場や漁港でたった今収穫したり水揚げしようとしている様子を映像で見ることも可能なのかなと思っております。農業者や漁業者の顔が伝わり、福井の豊かな農地や漁業など里山里海にも関心を持ってもらえるシステムではないかと、大きな期待を持っております。  そこで、首都圏の2つのアンテナショップにおける食材のネットの対面販売の狙いを伺うとともに、このシステムの利用の仕方の工夫を含め、食を通して福井の里山里海のよさを発信するアンテナショップにしてほしいと思いますが、今後の展開について所見を伺います。  ことしの夏に東京駅で開催した「ニッポンおいしいフェア 食の國 福井」も積極的なチャレンジであったと思います。恐竜展も同時に開催しながら8月のほぼ1カ月間、東京駅構内外の各店において福井の食を提供したことは、福井のよさのPRになったものと思います。  そこで、「ニッポンおいしいフェア 食の國 福井」に参加し、福井の食を提供した店主の声や利用客の反響はどのようなものであったのか。また、恐竜で福井に目を向けると同時に、北陸新幹線開業後も食のイベントを継続して実施、拡大することにより食を通じて福井への親近感を高めてほしいと思いますが、御所見を伺います。  さて、県民向けの食の政策についてです。  県は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を予防するため、低塩分で低カロリーな料理を普及させることにより、食塩や肉、魚、そして野菜の摂取量を改善したバランスのよい食生活を推進してきました。健康に配慮したヘルシーメニューを提供する健康づくり応援の店の募集も開始してからこれまで約10年、最近では、家庭でも野菜を多く使った料理をふやすために食生活改善推進連絡協議会の協力を得て家庭で調理できるレシピを作成し、ホームページで紹介したり地域の料理教室やスーパー等での試食会を通して普及啓発をしています。  昨年度は、ふくい味の週間にあわせて、幸福度日本一である福井県食材を使用し、低カロリー、低塩分で野菜を多くとったヘルシーなメニューを「ふくい健幸美食」として認定しました。県民の健康を高めていくため食を改善していくことは、とても重要なことだと思います。県産食材を使った「ふくい健幸美食」については、より一層事業の充実をしてほしいと思いますが、今後の展開について御所見を伺います。  県民向けには、おいしいふくい食べきり運動も始められています。家庭やレストランでおいしい食材を無駄なく食べ切りましょうという運動です。この運動については、県民への浸透を広げるため、今年度から県連合婦人会との協力、連携を強めています。婦人会では寸劇をつくりました。劇では、お母さんが食べ残しを生ごみとしてごみ袋に入れ、その重そうなごみ袋を苦労しながら捨てるという、それが紹介されます。そしてまた、何とか食べ残しを減らそうとしたお母さんは、子供が残した肉じゃがを使って次の日の食事でコロッケをつくります。好き嫌いで食べ残していたニンジンもコロッケの具にまぜられて、子供は気づかずにすっかり食べ切ります。最後には食べきり運動のキャラクター「のっこさん」も登場させています。劇を見た子供たちは、食べ残しをするとごみがふえてお母さんが大変だったと思ったと感想を言っています。  家庭から出される燃やせるごみのうち約半分が生ごみです。しかし、その生ごみの4分の1は、実はまだ食べることができた食べ残しなのです。これって無駄ではないかな。お金を出して買って精根込めてつくったものがごみ。ごみを燃やすと出てくるのはCO2。CO2は環境を破壊する原因にもなります。環境にも優しく、お財布にも優しく、食べ切れる量のバランスよい食事を摂取することは、とても大事なことです。  おいしいふくい食べきり運動については、民間団体などとうまく協力し、楽しく県民に広めてほしいと思いますが、今後どのような展開を考えているのか御所見を伺います。  最後に、生活困窮者の就労、自立支援についてお尋ねします。  現在、生活保護の受給者は約215万人を超えているとされています。非正規雇用労働者も増加し、生活困窮に至るリスクの高い層もふえています。生活保護受給が子世代へと続く貧困の連鎖も大きな問題となっています。学校関係者から聞くところによりますと、親の就業が一定でなかったり低賃金ながら深夜にまで及ぶような家庭の子供は、朝起きれなかったり遅刻することが多い傾向があるのではないかとのことです。母子家庭などは、その傾向が強くなってしまいがちです。  今回の9月補正において生活困窮者の後押しのための予算案が示されておりますが、県内の生活困窮者の数、年齢層や生活困窮の要因など、現状や特徴について伺います。  こうした方の就労や自立を支援するため、自立促進支援センター(仮称)を設置するとのことですが、ハローワークや県の他機関とも連携して被支援者にきめ細やかな支援をしていただくためのセンターの体制や運営方式、また、どのような対策を行っていくのか、御所見を伺います。  これで私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 21 ◯議長笹岡一彦君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 22 ◯知事西川一誠君) 西畑議員の一般質問にお答えいたします。  まず、スポーツ教育と福井国体であります。  子供たちの夢を実現し、地元選手のオリンピック出場へとつながる福井国体を目指し、選手強化を図るべきではないかとの御質問です。  福井国体に向けた選手育成につきましては、これからの活躍が期待される中学、高校の強化校や強化選手を認定いたしまして、またオリンピックメダリストを育てたスーパーアドバイザー、今年4月から26名、66回にわたり若い選手たちに直接実戦指導を行っております。その結果として、バドミントンを初めホッケー、体操などにおいて全国高校総体での優勝といった好成績に結びついております。特に山口茜選手は、先週末でありましたかヨネックスオープンジャパンで見事優勝され、県内の子供たちに大きな夢と希望を与えてくれていると思います。  これからは継続的に選手指導を行う優秀な指導者の県内への招聘を進めるほか、冬の季節は練習しにくうございますので、冬季における競技力向上として、全国の強豪チームが集まる雪の少ない温暖な地域への県外遠征の支援などにも力を入れてまいりたいと考えます。  また、若い選手が伸び伸び練習できる環境を整えるため、県営体育館の改築を急ぎ、また市町の国体競技会場整備を支援するとともに、競技力向上に必要となるさまざまな、最近はいろんな備品があるわけでありますので、そういう備品の整備などの応援も進めまして、国体のみならず東京オリンピックを目指すような選手もたくさん育ててまいりたいと考えます。  次に、福井の食についての御質問です。  首都圏での2つのアンテナショップにおける食材のネット販売の狙いについての御質問です。  対面販売の事業でありますが、一つはアンテナショップ、特に4月にオープンした銀座店の認知度向上を図ることがあります。もう一つは、東京でありますと福井のおいしい鮮魚、これが直接購入が難しいわけでありますので、消費者が直接あるいは東京で福井のゆかりのレストランなどがこれを購入できるように、入手できるようにして、新しい販売ルートをつくり出すことを狙っております。いずれにしても、食材を観光と結びつけまして福井への誘客をさらに図りたいという狙いもあるわけであります。  この販売でありますが、ネット回線によるテレビ電話で生産者や鮮魚店の店員が銀座店などの来店者に商品を見せながら直接会話をして、この食材の特徴や料理方法なども伝え、求めがあればさばき方というのでしょうか、処理方法──こういうことを行うなど、一般消費者のファン、愛好者の拡大と新たな直接取引を始める料理店の開拓に努めてまいります。今年度は週2回の開催を予定しておりますが、状況によっては開催頻度をふやして県内の事業者の参加の拡大にもつなげてまいりたいと考えます。  同じく先般、東京での「ニッポンおいしいフェア 食の國 福井」における食を提供してくれたお店の声、あるいは利用客の反応はどうか。また今後、福井への親近感をどうやって高めていくかとの御質問です。  今回のフェアは、8月2日から27日間、37の店舗において9種類の県産食材──越のルビーとか吉川なすなどがありますが、これを使用した特別メニューを提供していただきました。この際、このフェアを主催してくれましたJR東日本の関連会社である鉄道会館が福井県の観光情報や食材を紹介するパンフレット1万5,000部も配布してもらっております。新聞やテレビでもこのフェアの様子とか恐竜が東京にあらわれたとか、そういう情報なども取り上げられておりますので、福井の食の魅力をそれなりに十分発信できたものと思います。  フェアに参加した飲食店の方の意見でありますが、福井の食材の品質が高いと評判がよかったという意見があります。また、フェア終了後も継続して福井の食べ物を使いたいという声もありますなど高い評価をいただいておりますが、一方では食材の品質に多少ばらつきがあると。甘いトマトもあるがそうでないのもあったとか、そういうのがありまして、意見もあるわけであります。  今後とも、こうした意見を十分参考にして、大都市圏の一流ホテル、レストランなどで県産食材を提供するフェア、また百貨店での物産展、観光PRをあわせた取り組みを継続的にやりまして、食と観光を結びつけた福井の魅力を発信し、誘客につなげてまいりたいと考えます。  次に、福井の食と食べきり運動についてであります。
     民間団体と協力し、どのように広めていくかとの御質問です。  平成18年度から全国に先駆けて実施してまいりましたおいしいふくい食べきり運動については、これまで食べきり運動の協力店が921店舗、食べきり家庭応援店が143店舗と拡大がなされております。地域と一体となった活動が進められておりまして、この成果については、高等学校の家庭科の教科書に平成25年度から取り上げられている例があります。  しかし、昨年11月に実施しましたアンケート結果によりますと、これについての県民の認知度はまだ4割と十分ではないわけでありますので、今年度から県の連合婦人会の皆さんと協力、連携し、地域におけるさまざまなイベントや文化祭などにおいて食べきり運動のPRを積極的に展開してまいりたいと考えます。  今後は、子供や若い主婦層を対象に、県生活衛生同業組合の加盟店の飲食店と連携して食材を無駄なく使い切る料理講習会、保育園、幼稚園での婦人会による食べきり寸劇、給食食べきり運動といった新たな活動を実施いたしたいと思いますし、またホテルなどのパーティなどでメニューを直接選べないようなものがあるわけでありますが、そういうところで余り食べないようなメニューが提供されないように、そういうこともいろいろ協議して進めてまいりたい、このように考えております。  その他については、関係部長から御答弁します。 23 ◯議長笹岡一彦君) 政策幹森近君。     〔政策幹森近悦治君登壇〕 24 ◯政策幹森近悦治君) 福井国体につきまして、指導者や関係者だけでなく子供から高齢者まで幅広い応援団をふやすべきでないかというお尋ねでございます。  福井しあわせ元気国体は、県民にスポーツをする、見る、支えるの立場から積極的に参加いただき、県民がつくり楽しむ大会にしていきたいというふうに考えております。  国体の実施に当たりましては、総合開会式、閉会式、また各競技会の運営、そして駅や観光地での観光案内、また手話や要約筆記などのさまざまな活動にボランティアとして多くの生徒さんとか児童の参加、また一般の県民の方にも協力いただくということが不可欠でございます。  この福井国体では、こうしたボランティアの活動とあわせまして、1県民1スポーツということでやっていく。また、おもてなしや花いっぱい運動を初め県民運動を推進するといったことで、県民総参加により国体を盛り上げていきたいというふうに考えております。また、国体後の県民の一人一人のスポーツの振興、また健康増進にもつなげていきたいというふうに考えております。  今後、ボランティア、また県民運動の具体的な進め方につきましては、市町、また関係団体とも協議しながら、多くの県民がそれぞれの形で主体的に御参加いただけるように努力してまいりたいというふうに考えております。 25 ◯議長笹岡一彦君) 健康福祉部長田端君。     〔健康福祉部長田端浩之君登壇〕 26 ◯健康福祉部長田端浩之君) 私からは3点お答えします。  まず福井の食につきまして、昨年から始めたふくい健幸美食について、事業の充実をすべき、今後の展開について伺うという御質問でございます。  ふくい健幸美食につきましては、昨年度から取り組みを始めまして、昨年度は32の飲食店のメニューを認証したところでございます。  本年度は、さらに本県は1世帯当たりの総菜の消費金額が日本一であることから、スーパー等におきましても健康に配慮した総菜が提供されますよう、塩分を控えた煮物や衣を減らした揚げ物をふくい健幸美食として認証し、普及を進めていきたいということを考えております。11月のふくいの味の週間から認証したメニュー等の提供を行う予定でございまして、現在、54の飲食店と24の総菜事業者から応募がございます。さらに、家庭でも簡単にバランスのよい食事を調理できますようレシピ集を作成し、普及していきたいということを考えております。  国におきましては、本年6月から日本人の長寿を支える健康な食事として、定食や弁当、総菜を認証する基準等の検討を始めたわけでございますが、県におきましては、それに先駆けて実施しているわけでございます。  このふくい健幸美食の取り組みを通じまして県民の食生活を改善し、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の発症を予防してまいりたいと考えております。  続きまして、生活困窮者の就労、自立支援についてのお尋ねでございます。  まず、県内の生活困窮者の数及び現状、特徴等についてのお尋ねでございます。  生活困窮者の数につきましては、平成24年度の福祉事務所での生活困窮の相談数で見ますと1,463人ございました。このうち保護開始は589人ということでございます。なお、相談数を前年度と比較しますと、全国が横ばいの状況でございましたが、本県では約15%伸びているといった状況でございました。  本県の特徴といたしましては、生活相談に至った要因が失業または収入減あるいは預貯金の減少等で経済的要因が全体の約6割、また嶺南地域での相談数の増加、あるいは生活保護受給世帯の高校進学率の低下といった状況が見られております。  また、年齢や健康状態から就労可能な相談者では、アルバイトで生活が不安定なケース、1年以上無職のケース、面接で何度も断られて自信を喪失したケースなどで、年齢的には30歳代から50歳代までの割合が多いといった状況でございました。  続きまして、ハローワークや県関係機関とも連携し、きめ細やかな支援をするための自立促進支援センターの体制や運営方式、どのような対策を行うかというお尋ねでございます。  このセンターにつきましては、福井市内と敦賀市内に設置し、県内各福祉事務所からの紹介により生活困窮の相談に応ずるとともに、就労に向けた支援を行ってまいりたいということを予定してございます。このセンターでは、本人の状態に応じた包括的な相談支援を実施するため、ハローワークや法テラス、産業技術専門学院などとネットワークを構築いたしまして支援チームを組んで、各個人の状況に合わせた面接訓練や就労体験を通して就労による自立に向けた支援を行ってまいります。  また、生活困窮家庭の子供の学力向上や進学支援をするため、その家庭の小中学生に対しましては、教員OBを中心として学習教室を開催していきたいということを考えております。  なお、この事業につきましては、当初から事業効果を発揮する必要がございますため、十分なノウハウを持った組織に運営を委託してまいりたいということを考えているところでございます。  以上でございます。 27 ◯議長笹岡一彦君) 教育長林君。     〔教育長林 雅則君登壇〕 28 ◯教育長(林 雅則君) 2点お答えいたします。  1点目は、スポーツ教育につきまして、幼児期から小学校低学年の指導、また部活動の活性化、そして1県民1スポーツの浸透といった施策についてでございます。  御承知のように、本県の子供たちは体力日本一でありまして、スポーツ少年団の活動でも全国上位の活発な活動を行っております。こうした子供たちが大人になってもスポーツを続けていくためには、小学校低学年までにスポーツ嫌いにさせないことが大切であります。このために、小学校低学年に例えば音楽に合わせた運動を取り入れ、楽しく運動できる工夫をしております。また今後は、放課後に鬼ごっこあるいはゴム跳びといったような伝承遊びも指導して、一日に1時間以上体を動かす運動を進めてまいりたいと考えております。  一方で、運動部活動につきましては、福井国体に向けた重点的な競技力向上を進めております学校がありますが、また一方では指導者が不足する学校がございますので、こういったところに対しましては、外部指導者の派遣などによりまして部活動の活性化にも力を入れてまいりたいと考えております。  また、各世代のスポーツ振興につきましては、県民スポーツ祭を年間通じて実施しておりますが、こんな中で親子体験会あるいは冬季にもできるような室内のスティックリングといったような競技、こういったものを取り入れております。そして、子育て世代、働き盛りの世代とスポーツ、なかなか日ごろ取り組めないような方々を対象に、例えば保育士とか企業担当者など職場や地域でスポーツを指導できるようなリーダーとなる方を養成するようなことを中心的に行いまして、県民への運動習慣の定着を図ってまいりたいと考えております。  次に2点目として、中高生のスマホ等の使用状況、そして、こういったネット利用についての教育についての問題でございますが、まず、ことし7月に県内県立高校全ての高校生を対象に調査を行いました。そこでは、スマートフォンまたは携帯電話を持っているという者が全生徒のうち98%ございます。特に平日でも2時間以上、いわゆるインターネット等を使用しているという生徒が約40%いる状況にございます。  こうした状況を踏まえまして、生徒のスマートフォン等の適正な利用に関した指導が課題であるということで、まず一つは、県内の全高校でスマートフォンの利用等を始めます1年生を対象に、ネット上の何げないやりとりが犯罪につながっている事例などを取り上げまして、利用に当たっての指導を行っております。そして、ことしの夏は教職員を対象に、スマートフォンの機能、あるいは今申し上げた生徒の利用状況、さらにはネット上でのやりとりがいじめにつながっていることなどに関する研修を行いましたので、今後2学期を通じて日常の生徒指導にも生かしてまいります。  そして、こうしたスマートフォンの利用は、まず何よりも生徒自身の意識を高めることが重要でありますので、今後は一つのルールづくりとして、夜11時以降はお互いにスマートフォンを使わないなどといった、そういうルールをつくることを学校を挙げて指導しますほか、まずネットに費やす時間を読書でありますとか校外活動に向けるための方策についても、これは教員が家庭などの協力をいただいて指導してまいりたいというふうに考えております。 29 ◯議長笹岡一彦君) 警察本部長野村君。     〔警察本部長野村 護君登壇〕 30 ◯警察本部長(野村 護君) インターネット上の犯罪の発生状況と防止対策、取り締まり活動についてお答えいたします。  インターネットを利用するなどのサイバー犯罪の発生状況につきまして、県警察では、本年8月末までに16件を検挙しており、昨年同期に比べまして5件の増加となっております。そのうち青少年が被害者あるいは被疑者となったものにつきましては、無料通信アプリを利用した児童ポルノ法違反、ヤフーメールに対する不正アクセス禁止法違反など10件であります。  このようなサイバー犯罪の防止対策としましては、まず利用者自身がルールを理解しマナーを向上させること、セキュリティ対策を施すことなど自主的な対策を講ずることが必要であります。  そこで県警察では、最新の専門的な研修を受け、サイバー犯罪に精通した警察官であるサイバー犯罪アドバイザーを各警察署に配置し、学校、事業者などの関係機関と連携しつつ、県民各層に対し、各種行事、非行防止教室等の機会を捉え、サイバー犯罪の現状、サイバー空間におけるマナーの向上、被害防止のためのセキュリティ対策、フィルタリングの導入の推進などの広報啓発活動を推進しているところであります。  また取り締まりにつきましては、警察本部生活環境課サイバー犯罪対策室にサイバー犯罪特別捜査班を新設したほか、サイバー犯罪アドバイザーによるサイバーパトロールなどの体制を強化しているところであり、今後とも広報啓発活動と事件検挙の推進によりサイバー空間における県民の安全・安心を確保してまいります。 31 ◯議長笹岡一彦君) 吉田君。     〔吉田伊三郎君登壇〕 32 ◯24番(吉田伊三郎君) 実は1週間前まで議長をさせていただいておりまして、本来でございますと退任してこういうような一般質問をするのがどうかというように思いましたが、今回、この際でないと言えないことがございまして、ぜひ御理解を賜りたいというように思っております。(拍手)ありがとうございます。  最初に、土砂の災害で美浜町丹生の竹本さんがお亡くなりになりました。改めてお見舞いを申し上げます。  数十年に一度の大雨特別警報が今回発令をされました。小浜市、そして若狭町が今回の大きな大雨に見舞われまして、それぞれ被害の状況も違いますが、住民にとっては非常に大きい災害であったというように認識をいたしております。400ミリ前後といいますと、若狭町におきましては平成11年にも400ミリを超した災害がございまして、私が生まれてからこのような災害は4回か5回ございます。  そういう中で、今回は15日の夕方6時ぐらいから非常に雨足が強くなりました。そして16日早朝の3時ごろにはピークに達していただろうというように思っているわけでございます。そして朝早く起きまして、かっぱにヘルメット、長靴をつけて家の前に出ましたところ、あちらこちらで道路等に冠水があった次第でございます。当然、刻一刻と湖の高さが増してまいります。経験で私どもは認知をいたしておりますが、経験のない方は、このぐらいの雨でどのぐらいの三方湖の水量が上がっていくかということは全くわかりません。最大で2メーター20まで上がったというようにお聞きをいたしましたのは、ちょうど17日に東京に知事と同様に要請にお伺いをしたときもレインボーラインが土砂崩れをしておりまして、道路は冠水をして通れませんから私もレインボーラインの途中まで車で送らせて、あと長靴で歩いて、そしてまた反対側からお迎えに来ていただいて実は汽車に乗せていただいた次第であるわけでございますが、その間に、今度は同じく県道の遊子─小川間というのが土砂崩れで、最初は歩いて渡れるという状況であったわけでございますが、数時間後には──数時間といいますか、一旦タイヤローダーが歩くためにざっとさらっていきました。そしてタイヤローダーが帰って2時間後に上からまた土砂が取っただけ落ちるというような状況というのが災害であるわけでございます。  今回の災害に関しましては、県御当局はもとより出先の土木事務所等の職員が不眠不休で改修に御尽力賜りましたことは大変感謝をいたしておりますし、知事みずからも現場を御視察いただきましたし、また一昨日は議長を初め何人かの県会の先生方も現場を視察いただきました。感謝をいたします。  そこで、今回の災害は今回だけに実は起こったわけではなくて、今も申しましたとおり、平成11年にもお盆のときにこのような豪雨が来たわけでございます。ちょうど常神半島は、民宿の観光客がピーク時には5,000人は入れるというぐらいの大きい観光地でございますが、当時の11年には300台から400台のお客さんの車があったままお帰りになれないという状況になりました。お客さんは一旦、船などで安全なところにお運びをしてお帰りになりましたが、自動車は持っていけません。その後1週間ぐらいに、建設用の大型重機を乗せるような大きい鉄製の台船がございます。その台船に20台ずつぐらい車を乗せて、そして違う港へ運んで、そこから車を各自宅へ持って帰っていただく。このようなことをした覚えがございまして、そういう意味では、今回の湖の増水は決して今回だけではないわけでございます。  そして、今回の湖の中で特に私が申し上げたいのは、今、浦見川という排水路がございます。これは御承知の方もございますが、ちょうど1662年、寛文2年と思っておりますが、このときに滋賀県の高島郡を震源としたマグニチュード7.2ぐらいの大きい地震がございました。そして、浦見川はそれから後につくったものですが、もともとの河口が大体3メーターぐらい隆起をしたわけでございます。そしてまた集落の中には2メーターぐらい沈没をしたという集落もございまして、大変な被害をこうむったわけでございますが、当時の小浜藩の藩主、修理大夫忠直というようにお伺いしておりますが、この方が三方郡の奉行、行方久兵衛正成という奉行、当時44歳であったわけでございますが、彼に命じまして、何とか湖の水を少なくしないと水田が湖岸から2キロぐらい上まで水が来ておるので大変なことになるというような命令を下したというようにお聞きをしておりますが、当時、大阪の商人が、私が工事をただでしてあげましょうと。そのかわり工事をして浮き上がってきた田んぼ──約130ヘクタールが水没したんですが──半分を私にいただけるのなら私が工事しようと。こういう発案をされたというようにお聞きしております。昔のことですから、そういうことはたびたびあったというようにお聞きしています。  しかし小浜藩は、やはり何としてもこの130町歩は地元の農民の方に返さなければならないという形で、浦見川を抜く決断をしまして、早速、行方久兵衛が小浜から馬に乗りまして三方五湖までたどり着くのに、朝出て夕方にたどり着いたというように本では記載されております。丸2年、大変な難工事でございましたが、延べの人夫は22万5,000人、そしてその人夫が使ったお米は大体3,500俵、お金に直しますと1,659両というように記されておりますが、今はそれが唯一、三方五湖の観光地の名称の浦見川という形で、船で通る細い水路でございますが、幅員が10メーター、深さが3メーターぐらいの水路でございます。  通常は、三方五湖には大きい川というのははす川という川1本で、余りほかに大きい川がございません。はす川から流れる水は浦見川を通って日本海に流れる。これは通常のあれでございまして、こういう豪雨以外は何の障害もないわけでございますが、以前、その時分にはたびたび雨の災害がございまして、浦見川も当時は今ほどは深くなかったのかもわかりませんが、浦見川だけでは対応ができないので新たに日本海に通じる、呼び方は嵯峨隧道(さがずいどう)というのですが、嵯峨隧道をつくろうという形で、地元の方の大変な御尽力を賜りました。  ところが、実際に国の認可が出ませんし、あるいは県の金もない時分でございますから、これまた大津の商人、笹屋弥七様が自分のお金でトンネルを掘って日本海に出そうという形でトンネル工事に着手をしたのですが、昔の技術ですからすぐに──1年するとばさっと落ち、下が水ですからまた落ちという形で、これが完成するまでに百何十年間かかったぐらい、何人もの方がかわってこれを完成したというようにお聞きしているわけでございます。  当初は、そこに水門をつけるということじゃなくて、湖水側のいろんな産品を日本海側の漁師のところに持っていって、そこで使ってもらおうと。特に冬の間わら細工で、大敷網で魚が伝わってくる道網という網は太いロープが要ります。このロープを冬中、農家の方が編んで、船に積んで苦労しながらトンネルをくぐって日向湖へ行って、日向のいろんな漁師に売ったりというような流通の目的の水路であったわけでございます。  ところが、時たま日本海の潮位が高くなってまいりますと一気に塩水が湖に入ってきます。そうすると周辺の水田は3日間ぐらいで真っ赤になって、ひどいときには枯死するわけです。そういう状況になってから、これは何としても水門をつくらないとだめだという形で、今度は水門の工事にいろいろと御陳情いただいたわけでございますが、昭和7年ごろには当時の県会議員としては河村仁右衛門という方がございました。そして添田敬一郎という代議士がおりまして、この人を通じて国のほうに何回となく陳情をした。当時の福井県知事は大達茂雄さんというようにお伺いしております。この改修事業にも4万5,000人の人が携わったというようにお伺いをしております。  当然、私がまだ子供のころには、私の集落から毎日おじいさんが嵯峨隧道まで直線に直して2キロぐらいのところを苦労しながら、水門番という形で毎日通っていたのを記憶いたしておるわけでございます。(「本論は」と呼ぶ者あり)──まだ時間ございますので。  そこで、この平成11年のとき、その水門をあけるあけないで大議論になりました。結果的に今、日向湖は昔の日向湖と違って、新しい養殖業者あるいは釣り堀業者等が来ておりまして、なかなか被害が出るわけでございます。当時、私も三方の議会におりましたが、基本的には1,300万の被害のお金を出して水門をあけて、水が引くのを早くした覚えがあるわけでございます。  今ほど関議員さんのほうから早く本題を言えということでございますから。  そこで、嵯峨トンネルをあけるあけないは、福井県、今の若狭町、美浜町、そして近隣の漁協、それに水害予防組合という6者で毎年1回総会を開いて、この協議書でいいかという協議を検討しているわけでございます。湖の水位がこれだけになると水門を何センチあけるというようなことが細かく協定書にあるわけでございますが、今回そのような協定書があるにもかかわらず、嵯峨隧道が本当にその協議をされたのかどうかということを第一にお伺いをしたいわけでございます。  そして、今後、嵯峨隧道の管理責任はどこにあるのか。町の長は出ますが、あの湖は二級河川ですから県の管理下になっております。最終的に嵯峨隧道の協定書を見直す必要性があるのかどうかということがございますし、仮に嵯峨隧道が昔と違って日向湖に流しづらいという状況になった場合は、11年のときに住民が嘆願書を出して県にお願いしました新たな放水トンネル、これは同じ若狭町から若狭町の中に出します。放水トンネルについては現在どのような検討や調整がされているのかどうか。さらには今後また水害を受けて、県としては、このトンネルにつきます方針を進めるのか、あるいはそのままでいるのかということもお聞きをしたいと思います。  4点目は、今、常神半島の住民が孤立をいたしております。この半島の孤立の復旧の見通しについてもお伺いをしたいと思います。  そしてまた、高齢者や乳幼児等の健康管理に対しましてはどのような対策をしているのかもお伺いをいたします。  同じく、孤立をしておりますが人だけしか歩けません。物資は全く船でしか到達しないのです。食べるものは船で十分でございますが、一番厄介なのはガソリンなんです。軽油、灯油はタンクローリーを台船に乗せて持っていけますが、ガソリンはタンクローリーに乗せて持っていくにしてもその限度の量が規制されていましてなかなか持っていけないということでございまして、住民は全くガソリンがないと4サイクルの船外機は使えません。ガソリンもないということは船も動かせないという形で、緊急に要請をして、やっときのうかおとついごろにある一定の量を持っていったというようにお聞きしていますが、今後ガソリンの搬入等については、県としてどのような対策をしていただくのかどうかということをお伺いいたします。  そして7点目には、今、常神半島は観光で生きているようなものでございますが、秋の観光がとまってまいりますと生活的に大変不安になります。この観光確保についてもどのような対策を持っているのか。  さらに、レインボーラインの開通についてもどのような見通しなのか。  そして最後になりますが、今回も湖辺の水田はまだ稲を残したまま刈り取ってない、刈れない水田が多くございます。そのような水田は今回の出た大きな土砂などで高くしていただくのが一つの方法かと思いますが、これについて農林部等ではどのようなお考えがあるのかというのをお聞きをしたいわけでございます。  いずれにせよ、自然災害は忘れたころにやってくるということでございますが、今回の災害を教訓にして、このような災害は二度と起こしてはならないという思いで頑張っていただきたいというように思っております。  なお、数字やらいろんな歴史背景は「西田村誌」という本から拝借いたしました。これは最終的に勝山・平泉寺の平泉澄先生が編集をされて、私の家にも10日ばかり滞在をされて編集されたことを覚えておりまして、その本から引用をさせていただきましたので、よろしくお願いいたします。  ありがとうございます。 33 ◯議長笹岡一彦君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 34 ◯知事西川一誠君) 吉田議員の一般質問にお答えをいたします。  三方五湖の水害についてでありまして、お見舞い申し上げます。  特に三方五湖の水位をどのように、特に水害の場合に調節するかということで、数百年にわたるいろいろな歴史と、そして対応について御紹介もありましたところであります。  そこで、その中で水月湖──三方湖から水月湖に水が行くわけですが、水月湖の水位を調整するための放水トンネルについてどのように考えるかということであります。放水トンネルは、水月湖から直接北側、峠を越えて外洋に出すという考え方になると思います。その問題についてどう考えるかという御質問です。  三方五湖の治水対策については、一つの案としては、水月湖から今申し上げました北側の外洋であります世久見湾への放水を行うということが考えられるわけでありまして、現在、国交省を初めとする関係機関との協議を実務的に行っております。しかしこの協議の中では、水月湖の水を直接外洋へ放流する際の自然環境への影響がどうなるか、あるいは漁業への影響がどうなるのかという問題について懸案になっております。  さらに、ことし水月湖で地質学的な年代測定の世界標準となった年縞、これが発見されたといいますか、評価されたということでありますので、これがどういうふうに保全されるかとか乱れないかとかいう問題もございまして、慎重に見きわめる必要があるのではないかと思います。  そこで改めて、この問題について学識経験者も含めた調査検討委員会を改めて設置をし、さらに詳細な調査、分析と判断を行った上で、もちろん関係町のお考えもあると思いますが、治水対策としてどういう方法が一番ベストなのかという決定をしてまいりたいと、このように思っております。  それから、常神半島の住民の交通状態が土砂崩れで直接道路を使えないという状態にあるわけでありますが、ルートの確保あるいは対策、道路復旧、本体の工事はどのような予定かということでございます。  常神半島、県道常神三方線の通行どめに関するルートの確保のため、まず18日から、世久見港から小川港までグラスボートにより1日4往復、海上約30分の時間を要しますが住民を搬送をしております。また24日からは、このグラスボートに加えまして小浜水産高校の実習船あおば、また水産試験場の調査船若潮丸により、輸送人員が多くなる朝夕の通勤通学の時間、2回加えて住民を搬送しているところであります。  また一方、通勤や通学路の絶対的な交通手段の確保のために、崩落現場の上側の山側になりますが、手前の遊子と崩落現場をまたいで小川というところに対して、歩いて大体20分ぐらいかかると思いますが、延長670メーター、幅2メーターから細いところでは60センチぐらいかと思いますが、その道路を開削し、23日から通行を可能にしております。  ですから、海上と道路の絶対的な交通は一応そこで確保しておるということであります。  次に車道の応急復旧が必要でございますので、現在、斜面がまだ動いておる状況にありますので、崩れた土による二次被害の危険も伴いますので、今度は海側に延長140メーター、幅6メーターの仮設鉄橋といいますか仮設橋を設置することとし、工事に着手しているわけですが、工期は約1カ月を予定しております。  そして、さらに斜面そのものの復旧については、土砂の動きの測定を今しておりまして、そういう動きの状況を見ながら仮設工事とあわせて速やかに土砂の除去と砂防事業を行ってまいりたい、このように考えております。  その他については、関係部長から御答弁します。 35 ◯議長笹岡一彦君) 安全環境部長櫻本君。     〔安全環境部長櫻本 宏君登壇〕 36 ◯安全環境部長櫻本 宏君) 私のほうからは1点、三方五湖の水害の件で、常神半島への安定的なガソリン運搬のめどは立っているのかという御質問でございます。  先日、23日に実施いたしました常神半島の小川地区などへのガソリン運搬でございますが、若狭町から県に対して1,000リットル分について緊急に運搬してほしいという、そういう要請がございましたことから、危険物取扱者の資格を有する県職員1名と敦賀美方消防組合職員3名が若狭町職員に同行いたしまして運搬を実施したところでございます。  今回の措置は特別にまとまった量を運搬したものでございまして、今後でございますが、若狭町内の民間ガソリン販売業者が専用の携行缶──20リットル入りでございますが、これによりまして必要な数量を定期的に船で運搬し、安定供給することとしているところでございます。 37 ◯議長笹岡一彦君) 健康福祉部長田端君。     〔健康福祉部長田端浩之君登壇〕 38 ◯健康福祉部長田端浩之君) 常神半島の3集落におけます高齢の方や乳幼児等の健康管理への対応についてのお尋ねでございます。  常神半島の3集落につきましては、被災直後の18日、19日の2日間にわたりまして県及び若狭町の保健師が全戸訪問を行いまして、高齢の方を初めとした要支援者の有無や必要な支援の内容につきまして聞き取り調査を行ったところでございます。また、19日には地元の医師が3集落での巡回診療をあわせて行ったところでございます。
     保健師の巡回の結果、特に緊急な対応が必要な方はいらっしゃいませんでしたが、在宅で介護や医療を受けている方など定期的な状況確認の必要な方が7名確認されました。また、3集落には乳幼児が14名いらっしゃいます。このうち今後健診等が予定されている乳幼児につきましては、交通手段の状況により受診が困難な場合には家庭訪問で対応する予定でございます。  今後は、これらの方への継続的支援と住民の健康管理のため週2回、県と若狭町の保健師による各集落への巡回相談と在宅の要介護の方等への家庭訪問を実施するとともに、急病等の緊急時など万が一のときには、地元医師が往診を行うなどの対応をとってまいります。 39 ◯議長笹岡一彦君) 観光営業部長伊藤君。     〔観光営業部長伊藤惠造君登壇〕 40 ◯観光営業部長伊藤惠造君) 常神半島の民宿等の予約の状況と今後の観光客確保に向けての対策の御質問でございます。  常神半島の常神、神子、小川の3地区におきましては、9月16日から9月末までの間、約1,600人の方の宿泊予約があったとお聞きしております。現時点ではかなりのキャンセルがあったというぐあいにお聞きをしておるところでございます。  このため県におきましては、観光客の皆様方に不安なく本県を訪れていただくことができますように、ふくいドットコムにおきまして交通状況でありますとかイベント状況を発信していますほか、全国の旅行会社に対して災害の復旧と県内観光地の現状に関しての情報提供と誘客の呼びかけを行ったところでございます。  現在、世久見港から小川港まで就航しております定期船は、宿泊客の皆さんも利用していただくことは可能でございますけれども、まずは通勤や通学など住民の生活の足の確保を優先したいとの地元の御意向だというぐあいにお聞きしております。  今後、観光客の確保に向けましては、宿泊客の皆様方が受け入れ可能となる海側の迂回道路の開通にあわせまして、若狭町や地元の観光協会とともに常神半島の魅力などの情報発信を行いまして、観光客の回復に全力で取り組んでまいりたいと考えております。 41 ◯議長笹岡一彦君) 農林水産部長中村君。     〔農林水産部長中村保博君登壇〕 42 ◯農林水産部長(中村保博君) 私からは3点お答えをいたします。  まず、水月湖、日向湖を結ぶ嵯峨隧道の水門開閉に関する協議についてでございます。  御質問にもありましたが、平成11年の洪水時に嵯峨隧道の水門をあけました。放流先の日向湖で淡水混入、それから水質の悪化により蓄養されていたブリだとかトラフグなどが死に、また残った魚にも悪臭がついて売れないなどの被害が発生したところでございます。  このこともありまして、洪水時の水門操作管理につきましては行政、漁協、それから三方湖辺の水害予防組合で締結しました協定書がございます。これに加えまして、平成10年からは新たに申し合わせ事項というのを確認をし合うということで、毎年、関係者が協議を行った上でこの水門管理をやっております。  今回のケースでございますが、16日の若狭町災害対策本部設置時から若狭町、美浜町、それから嶺南振興局が水門開閉に関する協議を始めました。夕刻になりまして、若狭町から開門を要請しないこととするという意向が示されまして、美浜町もこの意向を了承するということでございまして、その結果として開門はしておりません。そういう経緯でございます。  次に、嵯峨隧道の管理責任者と、それから協定を今後見直しするかと。その県の認識でございます。  嵯峨隧道は、昭和53年の天井崩落を受け、県が土地改良事業で改修したものでございます。農地以外にも国道とか県道がこの受益範囲に含まれるものでありまして、公益性が高いということで、管理は若狭町が行っております。  今回のケースを受けまして、協定の見直しについてでございますが、まず今回の災害の検証を行い、検証結果を踏まえまして、関係者による協議の場を設けて議論をすることとしております。  次に、湖辺の水田、今、水がたまったり土砂が埋もれている水田への対応についての御質問でございます。  湖辺に面して多くの水田が広がっております。その中には、水田魚道など自然再生、環境に配慮した米づくりを行っているような田んぼもあれば、災害時に一時的に水をためる貯水池機能を持つ田んぼなど、さまざまにございます。今現状を見まして、地域からもいろいろ出ていますように、例えばその土砂を使って水田のかさ上げをするというような意向もあるようでございますが、そういうようなことで地元合意が形成されれば、県としては用水路整備や区画整理などの計画づくりに必要な支援をいたしますし、いずれにしましてもまだ水が引いてない田んぼもあるようですが、いずれ刈り取った米に関しては他の米との区分をしっかりするということで、影響を最小限にとどめる。さらには、その被害に関して十分に調査をさせていただいて適切に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 43 ◯議長笹岡一彦君) 土木部長幸道君。     〔土木部長幸道隆治君登壇〕 44 ◯土木部長(幸道隆治君) 私のほうからは、レインボーラインの開通の見通しについてという御質問についてお答えいたします。  レインボーライン、三方五湖有料道路でございますが、今回の大雨で土砂の崩壊が山頂公園から東の日向側で大規模なものが1カ所、それから小規模なものが2カ所、それから西の海山側では大規模なものが1カ所、小規模なものが1カ所、計5カ所、崩壊が発生いたしました。  小規模な崩壊箇所3カ所につきましては、今週中に片側通行を可能にいたします。それから東側の大規模な崩壊につきましては、今後詳細な調査を行いまして適切な工法を選定の上、一日も早い開通を目指すところでございます。また西側の大規模な崩壊1カ所につきましては、延長約80メートル、高さ約30メートルののり面崩壊でございます。不安定土砂の撤去及びのり面保護を行い、10月中に片側通行を可能にしまして海山から山頂公園までの片方向での営業を再開したいと考えております。 45 ◯議長笹岡一彦君) 吉田君。 46 ◯24番(吉田伊三郎君) 今、特別扱いでガソリンをドラム缶10本、2,000リッターを持っていかれたということでございますが、今後は各ガソリンスタンドのお店任せで携行缶を運ぶという形でございますが、携行缶は1回に20リッター入りを10缶しか運べないというようにお伺いしております。3集落で10缶というと1集落3缶でございまして、これが何日かたってまた足りないときにはこのような方法でお願いをしたいと思いますが、要望にしておきます。  さらには、今、仮設道路が六百何十メーター、広いところは1メーター50ございます。狭いところが60センチ。これが問題なのです。せめてそれにキャタピラーの小型運搬車が行けば物資は運べるわけなんです。少し曲がれば小型運搬車も行けるような道路が可能だと思うのですが、今は昔のある道を利用した状況ですから狭いところは60センチの階段というような形になっておるのかと。  これも御検討いただきたいと思いますし、最後の船の輸送でございますが、これは直通に直しますと30分で行けますが、今は常神発6時の船が食見に着くのが7時30分、1時間30分かかるわけなんです。それで小浜水産の船が御支援に来ていただいたと思いますので、この辺もぜひ御検討賜りたいと思います。  以上でございます。 47 ◯議長笹岡一彦君) 答弁は求めますか。 48 ◯24番(吉田伊三郎君) 要りません。 49 ◯議長笹岡一彦君) ここで、休憩いたします。   午後0時20分 休 憩              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   午後1時20分 再 開                 会議に出席した議員(32名)    1番  西  畑  知佐代            21番  松  田  泰  典    2番  細  川  かをり            22番  大久保      衞    3番  中  井  玲  子           23番  松  井  拓  夫    4番  小  寺  惣  吉           24番  吉  田  伊三郎    5番  畑     孝  幸           25番  田  中  敏  幸    7番  佐  藤  正  雄           26番  欠        員    8番  欠        員           27番  石  橋  壮一郎    9番  西  本  正  俊           28番  山  本  正  雄    10番  田  中  宏  典           29番  野  田  富  久    11番  大  森  哲  男           30番  中  川  平  一    12番  島  田  欽  一           31番  斉  藤  新  緑    13番  笠  松  泰  夫           32番  関     孝  治    14番  仲  倉  典  克           33番  山  岸  猛  夫    15番  欠        員           34番  前  田  康  博    17番  玉  村  和  夫           35番  石  川  与三吉    18番  糀  谷  好  晃           36番  山  本  芳  男    19番  田  村  康  夫           37番  山  本  文  雄    20番  鈴  木  宏  紀              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 会議に欠席した議員(2名)    6番  笹  岡  一  彦           16番  山  田  庄  司              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 50 ◯副議長(田村康夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  斉藤君。     〔斉藤新緑君登壇〕 51 ◯31番(斉藤新緑君) 自民党県政会、斉藤新緑でございます。  道行く人に、議長済んだら一般質問はしたらあかんのかとか、たまにはきついの一発やれというふうなお話を聞いていたわけでございますが、本日いよいよ地元の区長さん方が傍聴においでになるということで、何やらこのタイミングで来ていただきますと、あいつは寝ているのではないか、サボっているのではないかという監視団が地元から来たような感覚でございまして、いささか緊張しているわけでございますが、余り若くもないのできつい一発はできませんけれども、今次初めての一般質問、3年ぶりにさせていただきたいと思っておりまして、マイルドにいきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  すばらしい秋の気候になりまして、「肩に来て 人懐かしや赤蜻蛉」という雰囲気でございます。「春はただ 花のひとえに咲くばかり もののあはれは秋ぞまされる」、世に言う春秋の争いを制するような秋の天候が続いているわけでございまして、大空を飛び舞うトンビを見ておりましたら、「夕焼け空がまっかっか とんびがくるりと輪をかいた ホーイノホイ」、東京の空を眺めるような三橋美智也の歌を、盆踊りを思い出したようなところがありますけれども、あの当時が東京オリンピックがあったころかなというふうなことを率直に思ったところでありまして、あの時代、あの原風景を思い出しながら、あのころはどんなことを考えていたのかな、こんな時代が来ることを思っていたのだろうか、果たしてあの時代と今の時代とどちらが幸せなのかというふうなことを思っておりましたら、急にトンビが宇宙の怪獣キングギドラに見えてまいりまして、何やら昨今の暴走する資本主義といいますか、競争原理一辺倒のグローバル社会の中でのハゲタカファンドが何か地域を狙って獲物を探して来ているように見え始めまして、非常に国の形や地方の固有の文化を食い散らされてしまうのではないか、こんな不安を感じるわけであります。  バスに乗りおくれるな。飛び乗るバスはまさにTPPでありますけれども、行き先不明のミステリーツアーに参加するようなところがありまして、どこへ連れ去られるのか、その先に本当に幸せがあるのかどうか。こんなことも非常に心配であります。  インディアンの言葉に「最後の木を切り倒したとき、人はやっと気づくだろう、お金は食べられなかったということを」というのがあります。これまで先進国ではGDP、GTPなどによるいわゆる生産の量、消費の量、科学技術の進歩、こうしたものをまさに豊かさの度合いとした指標として見てきたわけでありますが、その豊かさがふえればふえるほど自然環境が悪化し、世界を根元のところで支えてきた生態系が破壊をし、文化やコミュニティが壊れ、そして人間関係が希薄化する。こういったことが実態として起きているわけでありまして、これからは、そういった面では人々が幸せになるための条件をどれほど備えているか、環境面では人と生態系の関係が持続可能かどうか、こういった視点が必要、新しい物差しが必要ではないかと思うわけでありまして、それがもう一つの発展ということでありまして、今言うグローバリゼーションに対するローカリゼーション、キングギドラに対するモスラ、スローフード、スローライフの地域循環型社会の構築ではないかというふうに思っているところであります。  さてことしは、8月28日、あの有名な演説、公民権運動の指導者でありましたマーチン・ルーサー・キングが「私には夢がある」というふうに訴えたワシントン大行進から50周年を迎えた年でありました。最近、政治に理想がない、哲学がない、夢がないというふうなことを言われています。地方自治の現場では、なかなか対症療法的なものに追われることも多いわけでありますが、改めて知事が「I have a dream」というふうな演説をするとすれば、どのような点を今お訴えをしたいのか、まずお聞きをしたいと思います。  次いで、今日の米ソ冷戦崩壊後に急速にはびこった新自由主義に基づくグローバリゼーションについて、知事はどのように思われているのか。問題意識をお持ちなのか、認識されているのか。グローバリズムというのは、そもそも人間を幸せにするシステムなのかどうか。そういった点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。  世界中がグローバル化に乗って走る中で、さまざまなものが長距離を移動し、食べ物も例外ではなくなりました。グローバルな農業は膨大な無駄によって支えられていまして、アメリカは90万トンの牛肉を輸出し、ほぼ同じ量の牛肉を輸入する。オーストラリアの小麦がヨーロッパに輸入され、ヨーロッパの小麦をオーストラリアに輸出する。ノルウェーでとれた魚が中国へ輸入され、骨を取ったものがノルウェーに再輸入される。イギリスからタイへ輸出されたエビが皮をむかれてイギリスへ戻る。アメリカでとれたマグロが日本で調理されアメリカに戻る。深刻化するエネルギー問題、環境問題をよそに、自由貿易の名のもとに行われています。  フードマイレージとは、相手国からの食料輸入量に輸送距離を掛け合わせて算出され、この値が大きいほど環境負荷が大きいことになりますが、日本は国別でも国民1人当たりでも断トツの1位となっています。流通にかかる距離、時間の拡大は、輸送に伴う使用エネルギーの増大は言うまでもなく、農産物の腐敗を防ぐための保冷施設等の使用や農薬や保存料の使用を必然化し、安全性の問題にも直結いたします。食料の生産者から消費者に至るまでの距離が長くなればなるほど生産者がより巨大化し単一栽培がふえ、多様性を本質とする自然の生態系を破壊します。遠く1万マイルも離れたところから化石燃料を使って運ばれるもののほうが近辺でとれるものより安いという本来あり得ないことが起こるのは、長距離作物の値段を人為的に下げるなど多くの無理があるからです。  農業を巨大化、合理化して大量に食べ物をつくり出さねば世界中が飢えるなどというのは、現代における最大の誤った神話のようなもので、現実は、より小さな土地で、より少ない水と化石燃料で大規模よりも大きな生産を上げると言われておりまして、小規模、伝統的農業の破壊は最も深刻な危機と言えるのではないでしょうか。  全体像、ビッグピクチャーをしっかり見詰め、その上で私は幸福の経済学とも言うべき地域の自給型、循環型のローカリズムの旗をしっかり打ち立てるべきだと思いますが、知事はどのようにお考えかお聞きをします。  次に、9月補正に計上されています県産鮮魚、野菜の首都圏販路開拓事業についてお聞きします。  アンテナショップを通じて福井のおいしい魚を新鮮な状態で首都圏に販売する全国のアンテナショップでも初めての取り組みと聞いています。鮮魚の場合、鮮度の関係、足が速いなどでアンテナショップでは取り扱えなかったものを、新しい仕組みを用いて直接自宅や飲食店に送ることで解消しようとするものでありまして、意欲的な取り組みと評価できます。  とりわけ三国の場合、アマエビや越前がに、ノドグロなど福井を代表する食材を提供することができるわけでありまして、漁業者や生産者が直接商品の魅力アップをすることも効果的と考えますが、どのような県内企業がこの事業に参加して販売することを想定しているのか。また、この事業でどのような効果を期待しているのか、お伺いします。  さらに、この事業で県産の野菜販売も考えているとのことでありますが、福井のブランド力を上げ、農産物の生産量をふやし、売り上げをふやしていくためにも、6次産業化に取り組む生産者がふえていくことが期待されます。6次産業化に取り組む生産者に対して、生産振興から商品開発、販路開拓まで含めて一貫して支援を行うべきと考えますが、県としてどのような支援をしていくのかお聞きします。  知事は、高浜町における大規模園芸をモデルとし、県内全域に周年型大規模園芸を拡大する方針を出しています。私の地元である坂井北部丘陵地や三里浜砂丘地は、もともと県下有数の園芸産地でありまして、売上高も年々伸びていますが、将来展望がはっきり伝わっておりません。今後、丘陵地、砂丘地における農業をどのように振興していくのか、県の将来展望をお聞きします。  あわせて、県はこの秋から三里浜グリーンベルトの修繕に乗り出すというふうにしておられまして、地元としても非常に大きな期待をしているわけでありますが、これを単なる土木事業の公園整備としてではなく、砂丘地の農業や地域の振興にもつながるよう構想内容の豊富化を求めますが、今後の手順を含めて所見をお伺いします。  また最近、私の身近で畜産農家の顔とも言うべき人たちが相次いで廃業しておりまして、今後もふえ続ける話を耳にします。そして誰もいなくなったというような空気に包まれるわけでありまして、輸入飼料の高騰やTPPなどの背景もあると思われますが、福井県の畜産農家の現状と課題、対応についてお伺いします。  また、過去に福井の地鶏、越前地鶏が開発されておりましたけれども、既に生産者はいなくなっています。こうしたかつての地鶏ブームもありましたけれども、流行に左右されるものではなくて地域の農業を支える重要な資源として認識されるべきものであります。この際、地域のローカルフードとしての福井の地鶏プロジェクトを再スタートさせるなど、畜産品のブランド化を図るべきと考えますが、今後の畜産振興の展望をお聞きします。  NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の影響もあってか、ロケ地ではこの7、8月に前年比約23倍の観光客が訪れたというニュースもあります。海女さんは、地域の水産業だけでなく観光も支える地域の総合職だと言えます。高齢化する海女さん後継者育成など、何回も申し上げてきたところでありますが、具体化されておりません。福井の海女さんの高い技術を後世に継承するとともに、観光にも生かすべきと考えますが、所見をお伺いします。  次に、福井県環境基本計画改定案についてお聞きします。  今回の計画にも地球温暖化対策の推進が挙げられ、2007年に公表された国連の気候変動に関する政府間パネル──IPCC第4次評価報告書による温室効果ガス濃度の推移のグラフが掲載されています。IPCC第4次評価報告書は、世界の学者が地球温暖化が人為的なCO2排出によるものと認識した画期的な報告書で、この報告書により「不都合な真実」を書いたゴア副大統領とともにノーベル平和賞を受賞しました。実は私は、このIPCC第4次評価報告を受け、地球温暖化をとめるために福井県としても早急に行動すべきと、いち早くこの場で訴えたことがあります。  しかしその後、IPCCの中心的な役割を果たしてきた科学者同士のEメールが暴露され、IPCC報告書がデータ捏造によるものだということが判明し、科学史上最大のスキャンダルとも言うべきクライメートゲート事件が発覚しました。気温が上昇しているのは都市部でのヒートアイランド現象であり、地球全体としてはほぼ温暖化しておらず、データを改ざんして気温上昇を捏造したとか、温暖化が水温を上昇させるからCO2が排出させられるのであってCO2が排出されるから地球温暖化になるのではない。科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説を信じない。今後、地球は活動が弱まっており寒冷化に向かうなど、いろんな本や情報が相次いでいます。日本国内では余りクライメートゲート事件について報じられず、相変わらず地球温暖化CO2犯人説のまま環境問題が推移していますが、結局のところ科学者間で一致した見解にはなっていないようにも思われます。  こうしたIPCCの報告とそれらに対する批判や見解について、福井県としてどのような見解をお持ちなのか、お聞かせ願います。  また、今回の新たな環境基本計画をまとめるに当たって、前回計画から何を総括し、どういう理念に基づいてどういった点をポイントにしたのか、お伺いをいたします。  最後に、教育行政についてお伺いします。  先日、小学生のバレーボールの指導者がこんなことを嘆いていました。子供たちにもっと集中しろ、反省しろと言っているのですが、全く反応がなくてぽかんとした表情なのでおかしいと思っていたら、そもそも集中とか反省という言葉の意味を知らなかったということでありました。まずはその言葉の意味から確認して注意をしなければならない、最近はこういう状況のようであります。  グローバル化に対応するためか、最近は小学生から英語を学ばせるようでありますが、それよりも子供のうち、長い歴史的発酵を経て民俗文化として確立された国民言語の意味を教え、情緒を養うことは重視すべきことだと思います。スポーツに勉強に小学生から忙しそうで、外で自由に遊んでいる子供をすっかり見なくなりました。ある調査によると、子供が一番したいことの1番は寝たい、欲しいものの1番はお金という結果だったといいますし、何でもあるが希望がないと書いた作家もいましたが、子供のうちにもっと日本の四季の美しさを享受し、生きることの喜びや感受性を豊かにすべきことがもっとあるだろうと思います。  「月々に月見る月は多けれど 月見る月はこの月の月」といった先日の中秋の名月を拝むことができましたが、なぜ三日月と呼ぶのか、満月は十五夜なのか、月をカレンダーがわりに生活していた旧暦を知らなければ月をめでる風流文化はわからないと思います。時間の流れが常に一定で、春夏秋冬、生きとし生けるもの全てに均質に流れているものと思い込んでいるうちは、風雅な時間を味わい尽くすことはできないでしょう。1年は365日、1日24時間、1時間60分、明治6年に改暦されて物理的時間のしもべになって百数十年。太陰太陽暦伝来から明治改暦まではざっと1300年。日本の古典、俳句、季語、ことわざなど多くが改暦前のもので、「草木も眠る丑三つ時」であったり、「お八つ」であるという時刻も、そのうちわからなくなります。言葉とは1国または1民族が過去、現在、未来に共通して物の考え方や意思疎通を図る約束事であり、だから国語と言うのだと思います。  その面で、私は何より旧暦をきちんと教えることをもっと重視すべきと考えますが、知事はどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。  全国学力テストが公表されて以来、福井県は教育日本一と言われていますが、そうなれば今度はその都道府県ランキングを維持しようと無理が生じてくるように思えてなりません。テクニカルというか、マニフェストの数値目標みたいなものを目指し、ノルマが課せられることになれば、教員もつまらなければ子供もつまらない学校になっていくでしょう。中高一貫教育についても、小学生に受験を意識させるようなことになることを極めて危惧するものです。  先日、総務教育常任委員会の視察で秋田県に行きました。福井県と同様に教育県として有名でありますが、その資料の中に「あきたのそこぢから」という秋田県で培われた、あるいは育まれてきた教員の授業に取り組む姿勢を文書化した冊子がありました。私はそれを見たとき、東北の宮沢賢治や、あるいは山形の山びこ学級、無着成恭の詩の授業を思い浮かべるもので、何かほのぼのとした愛を感じたわけでありまして、私は、テストの点数や受験のための勉強ではなく、感動を味わい、自分で学ぶ楽しさを教えることを最優先すべきだと思っています。  何よりランキングを競うような教育にならぬよう、教育が子供の顔より人事考課の評価者の顔を見て仕事をすることがないように強く求めておきたいと思いますが、所見をお聞きします。  以上を申し上げて、質問を終わります。 52 ◯副議長(田村康夫君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕
    53 ◯知事西川一誠君) 斉藤議員の一般質問にお答えをいたします。  まず、政治姿勢であります。  地方自治の現場では、どうしても日々のことに追われがちだ。しかし、「I have a dream」と演説するとしたらどのような点、将来のいろんな考え方をどう思うかという趣旨の御質問であります。  県議会を初め県民の皆さんの努力によって、福井県はこれまで全国に誇れる暮らしの質といいましょうか、豊かさを実現することができているわけであります。こうしたすぐれた福井の位置づけをさらにもう一段、本当の意味で高めまして、福井に暮らす子供たちが何といっても将来に夢と希望が持てるようなふるさとづくりを行うことが、我々世代の一番大事な使命ではないかと考えます。  私の最大の夢は、私自身の夢ということはさておきまして、子供たちが夢を持って語れる、そして実現に向かって積極的にチャレンジしてもらえるということが私の夢であります。議員にちょっと調子を合わせますと、英語でいいますと「Girls and boys have their own dreams for the future. It's my dream.」という感じになるかと思います。  幸い福井県は、進取の気性に富み、新しい時代を切り開いてきた例えば幕末でありますと由利公正、明治に入りまして岡倉天心、白川先生、あるいは南部陽一郎博士など数多くの偉人、先人に恵まれています。その人生や業績から数多くのことを学べる環境にあると思います。子供たちが学んだり遊んだり楽しみや喜びを知り、ふるさと福井に生まれてよかったという誇りを持ってもらえる、こういう地域といいましょうか、子供たちを育てたいと思っております。県議会や県民の皆さんと夢を共有し、ともに力を合わせて実現してまいりたいと考えます。  次に、グローバリズムの問題であります。果たして人間は幸せになれるかという問題意識からの御質問だと思います。  地域や国境を越えた接触、交流については、有史以来、我々は繰り返し遭遇し、またこの問題を論じてきた歴史があります。近くは明治、あるいは第二次大戦前夜、あるいは戦後、成長期、それぞれ言葉は違いますが、いずれもグローバリズムの問題を論じ、どう対処してきたかという側面があると思います。  しかし同時に、そういう中で互いに日本人あるいは特に地方の我々としては、互いに助け合いながらともに幸せになるというそういう思想がなければ、何ゆえもってグローバリズムに対応するのかということになると思います。  現在の政治を眺めますと、経済合理主義の観点から、大都市や大企業をうまくすれば、そこからいろいろなメリットや利益が地方とか中小企業などにだんだん落ちていくのではないかという、そういう発想が無意識あるいは多少意識的にもなされるような状況でありまして、こうなりますと我々としてはどうしても自信や誇り、地域の多様性を守りながら日本の国土全体を豊かにしなければならないというローカリズム、ふるさと主義というのを主張もしておりますが、これからますますこういうことを提唱しなければならないのではないかと、このように思います。現在の暮らしに対する満足感など人々が獲得する幸福だけではなく、一人一人が自立しながら将来への希望に通じる新しい行動を地方からいかに生み出していくかということが大切だと思います。  本県としては、グローバルというのは現にある事実でありますが、ふるさとという考え方のバランスをとりながらこの問題を絶えず議論し、県民の県益といいますか、幸福度向上に努めてまいりたいと考えます。  次に、農林水産行政についてでありますが、幸せとの関係もあるわけでありますが、地域の自給型、循環型のローカリズム型の農業を打ち立ててはどうかということであります。  幸せ度が高い福井県だということですが、その基盤には、農業や水産業あるいは林業などが身近にある地域だからこそこういうことが可能であると私は思っております。いろんな調査をしますと、福井県ではスーパーやコンビニや八百屋さん、あるいはお魚屋さんでいろいろ買い物をいたしますが、実際お口に入れていただいているものは、その2割が地元でもらったり、あるいはお父さん、お母さんからいただいたり、近所で分け合ったりすると、2割はそういうお裾分け文化の生産物でありまして、これは市場に出ていないものであります。こういう割合の高い県は,全国的にもそうないかもしれません。また、年間販売額3,000万円を超える農産物直売所、ファーマーズマーケットが25カ所に及ぶなど、地産地消の活動が活発であります。  一方で、非常に現実的な話に戻りますが、地場農産物の品目、時期が限られることから、耐候性、オールシーズンのハウスの整備というのも重要でありますし、また坂井北部丘陵地などにおいて企業による園芸の参入を進めまして、地場産品の生産と出荷期間の調整と生産額の拡大を目指すことも必要であります。  これからも地産地消をベースに、食べきり運動、あるいは家庭や学校での食育強化、それから化学肥料や農薬を極力抑える農業技術による稲作農家のエコファーマー化を全国に先んじて進めまして、本県独自の環境に配慮したふるさと型の農業を推進してまいりたいと考えます。  これに関連いたしまして、6次産業化に取り組む生産者に対し、生産から商品開発、販路開拓まで一貫した支援が要るのではないかという御提言であります。  県内には6次産業化に取り組む生産者が──いろんな調査あるのですが、100団体余りあります。これらの多くは商品の開発力や販路開拓力が必ずしも十分ではありませんので、売り上げの拡大が停滞するという課題があるわけです。  このため県としては、加工品製造の施設や販売施設等の設備に対する応援、また商品開発や販売に関する専門家のアドバイスなどを受けられるセミナーなどを行ってきております。これからは、商業者との協同を図る観点から、県内食品企業とのマッチング商談会や共同の商品開発等に向けた勉強会等を行い、商品力強化や販路拡大を図ってまいります。  さらに、6次産業化に取り組む生産者によるネットワーク組織をつくりまして、イベント会場等での一体となった販売活動や消費者へのPRを行うなど、生産から販路拡大まで一貫した支援を強化してまいりたいと考えます。  具体的に、坂井北部丘陵地あるいは三里浜砂丘地における農業をどのように振興していくのかとの将来展望の御質問であります。  現状を申し上げますと、坂井北部丘陵地と三里浜砂丘地の合計の園芸算出額は、一定の計算をしますと現在約43億円の生産額であります。これは県全体の園芸の約3割を占めている中心地帯です。このうちで坂井北部丘陵でありますが、ここは耐雪型ハウスによる周年栽培、一年中の栽培、メロンやナシなどに対する甘さを光センサーで選別する機械、あるいはキャベツやニンジンなどの露地栽培の生産を行う企業や農業法人の参入によりまして農業生産額が毎年1億円ずつ増加をしており、さきの43億円のうち35億円が坂井丘陵ということになります。今後は、加工部門を誘致することによって食料産業基盤の産地の形成を目指します。  一方、三里浜でありますが、砂丘地の特性を生かしたラッキョウ、大根等の野菜を生産しており、毎年8億円程度の生産額であります。  今後、九頭竜川パイプライン化で用水不足が解消されます。安定した生産が可能となりますので、地域外からの新規就農者の募集、省力機械、ハウスの導入などを進めまして、この地域ではメロン、高糖度のミディトマト、ブドウなどの生産を拡大し、高品質のフルーツ産地として育成を目指してまいりたいと考えます。  農林水産業に関連いたしまして、今度は海のお話になりますが、福井の海女さん、あまちゃんでありますが、高い技術を後世に承継するとともに、観光にも生かすことが重要ではないかということです。  海女による水産業は、素潜りでアワビ、サザエ等の貝類や海草などを採取する古来から続く伝統的な漁業でありまして、現在、県内では約70名の海女さんがおられます。しかし近年、藻場の消滅による資源減少、従事者の減少あるいは高齢化など、さまざまな課題に直面しております。  このような背景のもと、今回、海女漁が行われている関係県の間で、海女さんたちの文化的価値といいますか、あるいは活力といいますか、こういうものを見直し、観光誘客にも役立てようという動きがございまして、13県のふるさとネットワークの議論もございましたのですが、10月に輪島で開かれる海女サミットに福井県も参加するということになっております。  今後、海女漁を存続させるためには、里地里海湖振興などとも深く関連いたしますし、具体的な種苗放流や岩盤の清掃などによる藻場の保全を行いまして資源増殖を図るとともに、地元市町や観光協会とも共動して福井の海女さんを観光資源の上でも応援といいますか、頑張っていただけるように努めてまいりたいと考えます。  次に、教育行政であります。  旧暦──古いこよみ──古いといいますか、新暦に対する旧暦でありますが、旧暦をきちんと教えることをもっと重視すべきではないかという御提言であります。  グローバルの時代でございますので、ますます西洋歴でありますとか、あるいは世界的なスタンダードで物を考えがちでありますが、一方で自分たちの生まれ育った日本、ふるさとというものについて、より生活に即したいろんな基準、物の考え方というのをますます役立てることが重要であります。このため福井県では、ふるさとの先人や日本の歴史、古典などを学ぶ学習を重視し、ふるさとへの誇りとグローバルな視野を持った人材の育成に努めております。そして、こども歴史文化館なども活用をしているところであります。  いわゆる旧暦でありますが、小学校6年や中学校においては旧暦の月の名前、睦月とか如月などの名前や、立春、啓蟄などの二十四節気、丑三つ時とか七つ立ちとか古い時刻の学習などもやっております。今後さらに旧暦の季語を用いた俳句──俳句は全部旧暦でありますし、歴史的仮名遣いでつくるわけでありますので、そうした俳句、百人一首、漢詩、漢文などを通じて、日本人が何を感じ、言葉でどう表現してきたかなどを学ぶことにも力を入れてまいりたいと思っております。  こういうものは単なる形式ではなくて、この形式を使うことによってまともな思考ができるはずだということになると思います。  また、伝統的な行事や祭礼等は旧暦のものが多く、学校教育においてこの意味を十分理解すると同時に、先生方にもわかってもらわんといかんものですから、両方で教育の充実をしてまいりたいと思います。  その他については、関係部長から御答弁します。 54 ◯副議長(田村康夫君) 安全環境部長櫻本君。     〔安全環境部長櫻本 宏君登壇〕 55 ◯安全環境部長櫻本 宏君) 私のほうからは県環境基本計画について2問お答え申し上げます。  まずIPCCの報告とそれらに対する批判や見解について、県の見解についてのお尋ねでございます。  地球温暖化に関する研究成果の収集、整理を行います国連気候変動に関する政府間パネル──IPCCのこれまで4次にわたる評価報告書は、各国において温暖化対策の科学的根拠として活用されてきたところでございます。しかし、2001年の第3次報告書に関してデータ捏造の疑いが指摘されたクライメートゲート事件や、2007年の第4次報告書にデータ誤りが発見されたことを受けまして、2010年に国連は第三者に内容の検証を要請したところでございます。  その結果、要約方法など一部改善が勧告されましたが、内容自体については問題ないとされたことから、地球温暖化の大部分は温室効果ガスの排出に起因しているという可能性が高いという点については、議員御指摘のように一部にさまざまな御意見があるのも事実でございますが、世界の大方の科学者の間での共通理解になっている状況にあると考えております。  なお、IPCCの第5次報告書につきましても、その一部が今週27日にも公表される予定でございますので、県としてはその内容を十分把握し、温暖化対策の推進に生かしてまいりたいと考えております。  次に、新たな環境基本計画をまとめるに当たって、現計画に何を総括し、どういう理念に基づいてどのような点をポイントにしたのかというお尋ねでございます。  現行の県環境基本計画の進捗状況につきましては、自然環境保全や環境教育の分野につきましては、さきのSATOYAMA国際会議の開催など一定の成果が上がっているものと思っておりますが、地球温暖化対策あるいは循環社会推進の分野は進捗におくれが見られるものと考えております。  このため新たな計画におきましては、再生可能エネルギーのさらなる活用や省エネ対策、自動車に頼り過ぎない環境負荷の少ない交通対策、生ごみなどのごみの減量化とリサイクルの一層の推進に重点を置いてまいります。また、自然環境保全と環境教育の分野につきましては、さらなるレベルアップを図り、全国に誇れるものとするため、里山里海湖研究所の設立や教員の環境教育力の充実などを推進してまいりたいと考えております。  新たな環境基本計画の策定に当たりましては、福井の環境を県民みんなの手で守り育てるという現計画の理念を引き継ぎ、世界へアピールできるレベルへと高めてまいりたいと考えております。 56 ◯副議長(田村康夫君) 産業労働部長山田君。     〔産業労働部長山田賢一君登壇〕 57 ◯産業労働部長(山田賢一君) 私からは、県産鮮魚、野菜の首都圏販路開拓事業につきまして、どのような県内企業が参加し販売する予定か、この事業によりどのような効果を期待しているかということについてお答え申し上げます。  このネットによります対面販売の事業の効果でございますが、福井のアンテナショップの認知度向上、入手するのが難しい福井の鮮魚等を東京の消費者あるいは飲食店が入手できるように新たな販売ルートを開拓すること、旬の食によります福井への誘客といったものを狙いとしております。こうした具体的な成果を確認しながら運用の改善、改良を行って進めていきたいと考えております。  現段階では、魚の仲卸業者、里芋、とみつ金時などの農産物の生産者の方々が参加する予定でございます。漁業者あるいは生産者みずからが消費者に直接顔を見ながら対話をしながら魅力を伝えるということは、販売促進に大変大きな効果があると考えております。現在、県内の漁業者の方にもいろいろ参加を呼びかけておりますので、ぜひともお力添えをいただければというふうに考えます。 58 ◯副議長(田村康夫君) 農林水産部長中村君。     〔農林水産部長中村保博君登壇〕 59 ◯農林水産部長(中村保博君) 私からは2点お答えをいたします。  本県の畜産農家の現状と課題、対応でございます。  畜産経営につきましては、輸入飼料の高騰などにより厳しい状況にあります。農家戸数は108戸と10年前の3分の2に減少しておりますし、高齢化も進んでおります。  この飼料高騰への対応につきましては、輸入飼料に比べて約4割ほど安い県産飼料用米の利用を進めておりまして、あわせて粉砕機の、餌にする機械の導入も支援しているところでございます。今後もこの利用拡大を進めてまいります。  また40歳代、若い経営者や後継者のいる、意欲的に取り組んでいらっしゃる畜産農家に関しましては、家畜の購入、それから牛舎や堆肥などのハード整備に助成をいたしまして、畜産農家の経営が安定するよう努めてまいります。  次に、畜産物のブランド化を図るべきであると。今後の畜産振興の展望はどうかというお尋ねでございます。  本県の畜産物の主力は若狭牛とふくいポークでありますが、その振興に向けましては、うま味と肉質の向上で他産地にまさり、それによりまして販売力強化につなげてまいりたいと考えております。若狭牛につきましては、うま味成分が溶け込むオレイン酸を含んだワンランク上の若狭牛の研究を進めておりまして、来年度には先行的に販売を開始したいと考えております。ふくいポークにつきましても、学校給食を中心に利用をふやしますとともに、今後、品種のかけ合わせ研究をいたしまして新しいポークを開発してまいりたいと思います。  地鶏は、以前確かになくなった経緯がございますので、その辺を検証いたしまして、消費者の志向に合わせた、また生産コストなども考えた上で畜産試験場において、まずはいろいろな実証的研究を行ってまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 60 ◯副議長(田村康夫君) 土木部長幸道君。     〔土木部長幸道隆治君登壇〕 61 ◯土木部長(幸道隆治君) 私のほうは、三里浜グリーンベルトにつきまして砂丘地の農業や地域の振興にもつながるよう構想内容の豊富化を求めるという質問にお答えいたします。  三里浜緩衝緑地につきましては、これまで松くい虫対策を中心に維持管理を行ってきましたが、被害が減少したため、特に目立つところ、園路とか出入り口などに重点を置き維持管理を行っているところでございます。また、道の駅みくに周辺をモデル地区といたしまして、周辺施設とか緑地間の行き来をよくするための園路整備、また三里浜ラッキョウ畑が眺望できる場所を設ける予定であります。  地元特産物の販売、自然を生かした活動を推進していくことは大事と考えておりまして、10月には三里浜砂丘地のラッキョウ畑を散策するウオーキング大会など、県下有数の園芸産地のPRにもつながるイベントや道の駅などを活用した連携を地域にも働きかけていく考えでございます。 62 ◯副議長(田村康夫君) 教育長林君。     〔教育長林 雅則君登壇〕 63 ◯教育長(林 雅則君) 教育行政につきまして、ランキングを競うような教育にならないように、また教員が子供の顔を見て仕事をするようにという御指摘、御提言でございます。  本県の教育水準が現在のようにありますのは、一つは昭和26年から約60年間継続をしてまいりました本県独自の学力テスト、これは比較考慮するものではなくて自分たちの確認をするものですが、これとあわせて、子供たちに対してしっかり宿題を準備し、翌日丁寧に指導してきた教員の熱心な努力によるものと思っております。あわせて、おじいちゃん、おばあちゃんを含めた御家族の教育に対する高い関心が学校教育を支えてきたものと思っております。  そういったことについては、これは外から来られた方がよく見えるようでございまして、本年も他県から本県の教育を学びにこられている6人の教員、また、年間約1,400人の方が訪れている教育視察からそういった評価をいただいているところでございます。  御指摘のありましたように、決して全国学力テストの点数や順位を保つための特別な対策を講じるということではなく、御指摘の点を心して、これからも教員自身が常にたくさんのことを学び、子供たちにわかりやすい授業となるように不断の努力を続けることによりまして、本県の教育が子供たちによってよりよいものとなるよう引き続き全力を尽くしてまいります。 64 ◯副議長(田村康夫君) 野田君。     〔野田富久君登壇〕 65 ◯29番(野田富久君) 民主・みらいの野田富久です。  提言と質問を行うに先立ち、先ほど吉田議員からも被害状況の一端が御報告ありましたが、去る16日の台風18号で亡くなられた方に御冥福を、被災されました若狭初め皆様にはお見舞いを申し上げたいと思います。  さて、7年後のオリンピック・パラリンピック開催が東京と決まりました。これに多くの国民が夢や希望を持ち、社会も明るいムードになればと思います。  ただ、さきの代表質問で知事が述べられましたように、私も期待とあわせ懸念材料があると思います。知事は、首都道路や鉄道などの社会資本整備が東京に一極集中するのではないか、地方に効果が波及するよう、ふるさと知事ネットワークなど各県知事とともに国に働きかけると述べました。  安倍政権は消費税増税を固めたようですが、一方で、復興特別法人税の1年繰り上げ撤廃や法人税減税、都市部での法人経済特区の導入も打ち出すなど企業優遇をし、結果としてはなおも厳しい財政が予見されます。そこへ東京オリンピック・パラリンピック開催に総理みずからが旗振りをした経緯もあり、社会基盤再整備で東京へ一極集中が進むのではないかと危惧します。  今後、安倍政権の野放図な財政出動が想定され、本来、国は極めて厳しい財政規律が求められるべきですが、そのツケは国民と地方に向けられるのではないか。地方経済を支える地方財政ではないかと推測いたします。  知事には、この認識についてどのような所感を持たれるのか、お伺いいたします。  本県にとって厳しい状況に置かれるのではないかという2つ目の疑義です。  7年後の東京オリンピック・パラリンピックの開催で、海外から日本を訪れる観光客は今日の2倍、2,000万人を超えるとも言われております。国内外の北陸路への誘客ルートは、金沢開業予定の北陸新幹線があります。石川県は金沢開業に向けた観光戦略大詰めを迎え、オリンピック決定で新たな戦略に見直ししていくでしょう。  北陸新幹線金沢開業、東京オリンピック・パラリンピック開催に対して、本県として国内外観光客の誘客についてどのような取り組みを行い、最大限の県益や効果をもたらしていくのか。そのためには何を準備されるのか、所見を伺いたいと思います。  東京オリンピック・パラリンピック開催の2年前に開催されます本県の国体、全国障害者スポーツ大会は、国体、プレオリンピック、オリンピックのホップ・ステップ・ジャンプのホップとなります。いやが上にも福井国体は注目されます。さきに知事は代表質問に答え、国体成功へ向けての決意を述べられました。今日まで自治体や競技団体など関係者の御努力、準備をいただいておりますが、東京オリンピック・パラリンピックの決定を受けて、新たな取り組みや選手強化の体制を考えておられるのかどうか、お聞きしたいと思います。  あわせて、県は今年度から障害者スポーツ大会の運営企画も健康福祉部から総務部、新国体推進課に移し、一体的準備体制に入りましたが、指導者の方からお話を聞くと選手育成やボランティアによるサポーター面がややおくれているのではないかとの声を聞きます。この大会に向けた選手育成、サポーターなどの現状認識と今後の対策について所見を伺います。  西川知事は、今なお原子力は引き続き重要な基幹電源であると言ってはばからず、その基軸で原発行政を進めておられます。しかし世界のエネルギー事情はどうでしょう。フランス、中国、韓国は確かに原発中心のエネルギー確保に邁進しておりますが、一方では原発からの脱却、エネルギー戦略の見直しをしている国があります。アメリカ、ドイツなどであります。アメリカでは、スリーマイル島原発事故以来34年間、原発は一度も建設されず、最近になって初めて建設認可がおりたところです。他方、ことしになって事業者は既に4基の原発の廃炉を決めました。これはシェールガスの影響に加え、安全運転のための規制強化などで原発のコスト高によるものであります。試算によれば原発のコストは天然ガスの2倍近くとのことであります。  アメリカでは近い将来、エネルギーのほとんどを国内のシェールガス、石油や天然ガスで補うことが可能と見られております。この見通しには、日本と異なり核燃料はワンスルー方式を採用し再処理問題がないこととあわせ、電力の自由化が背景にあります。  日本でも大きな流れの変化が出てまいりました。LNG市場の変化、2017年にはアメリカからシェールガスの輸入が始まる一方、国内の天然ガスとしてメタンハイドレートを2020年代には生産できる可能性が高まってきたのであります。廃炉研究処理経費や賠償問題に加え、世界で最も厳しいと誇る安全対策基準を打ち出すことで、原発コストの負担はさらに増大し、そのツケは国の負担と国民の電気料金値上げに回されます。  どうでしょう。県政では、再稼働、廃炉問題、使用済み燃料、何よりも安全性と防災体制など重要な課題についてしっかりと論議を深めなければなりません。今回私は、基幹電源を標榜する知事に経済性、資源の切り口から伺います。  知事には、原子力は引き続き重要な基幹電源であるとの認識を今後とも持たれ、原子力行政を進めていかれるのか。なぜそう言えるのかという根拠も含めて所見を伺います。  安倍総理がIOCの総会で2020年オリンピック・パラリンピックの東京招致のプレゼンテーションを行ったことに触れます。プレゼンテーションでは、「状況はコントロールされている、健康については今も将来も全く問題ない、完全に問題のないものにするために抜本的解決に向けたプログラムを私が責任を持って決定し、既に着手している」と述べられました。  残念ながら知事の公言とは裏腹に、実はコントロールしているのは情報であり、福島原発の現状といえばコントロールどころか制御不能に陥っており、放射能汚染水問題、メルトダウンした燃料棒、圧力容器の全体すらわからず、それゆえ根本的対策すらとられず、ただただ場当たり的に外から冷却するのみで、抑圧への見通しは立っていないのであります。現に東電の技術顧問からコントロールできていないとの言質もありました。昨日は、アメリカ原子力規制委員会のグレゴリー・ヤツコ前委員長が日本外国特派員協会で記者会見し、福島原発の汚染水問題について、汚染水は制御不能と述べております。  西川知事は、安倍総理のプレゼンテーションの発言をどのように評価しておられるのか、お聞きします。  次に、情報通信技術──ICT、ソーシャル・ネットワーキング・サービス──SNSの現状と課題、活用について伺います。  時代が情報化社会と言われて久しく、今日ではICTは既にあらゆる分野において欠くことのできない社会的なインフラであり、今なお急速な進歩を遂げております。  ところで、県は平成13年2月に福井県I推進アクションプランを策定し、情報化プロジェクトに取り組むとして、平成17年度で満了となり、その後、u-ふくい推進指針を策定、今後の本県のICT施策の進むべき方向性を示したとされております。この指針の実施期間は平成22年度までの5年間でありました。その後、今日に至るまで成果や課題は明らかにすることなく、新たな計画も指針も持ち得ておりません。  今日の情報社会の中で、行政サービスと行財政改革を推進するためには新たな情報システムの導入や新たな情報プラン策定など積極的かつ総合的なICTへの取り組みをすべきと提言いたしますが、所見を伺います。  さて、国内のパソコンOSの多くがアメリカ・マイクロソフト社の基本ソフトwindows XPを使用しております。実はこのXPのサポート期限が来年の4月9日に切れて、修正ソフトやサポートが受けられないなどのセキュリティの危険性が指摘されております。リース方式の福井市などでは計画的に更新し、敦賀市では情報管理課の職員が更新しているようであります。長野県では数年前から計画的に更新しているとのことであります。県庁の場合、パソコンが4,000台以上あると言われておりますが、windows XPについて現状と今後の対策をお伺いいたします。  インターネット、さらにフェイスブックなどのSNSの活用策について伺います。
     今日では、どの自治体でもウエブにホームページを立ち上げ、情報発信を行っております。行政情報を得るにはとても便利であります。ただ、ホームページだけでは、利用者の限定やみずから検索しなければ情報の入手ができないなどマイナス面もあります。他方、今日ではSNSは手軽で、いつでもどこでも操作し利用できます。東日本大震災では、インターネットやソーシャルメディアが活躍いたしました。携帯電話は通信不能となり全く役に立ちませんでしたが、一方、ツイッターやフェイスブックなど、災害情報や安否情報を入手でき有効でありました。その後、SNSサービスを活用する自治体が飛躍的にふえております。  経済産業省の調べによりますと、6月末現在でツイッターのアカウントを持つ自治体は557に上り、災害時の5倍となったとのことであります。日経新聞の調べでは、6月末のフェイスブックの公式アカウントを持つ自治体が90を超えたとのことであります。一方、福井県のホームページを見ましたところ、ツイッターアカウントを8つ、フェイスブックアカウントを14枠持っているようでありますが、観光や教育にやや偏っており、肝心の災害情報は見当たりません。  県民や観光客などが災害時等にICT、特にSNSを活用して情報を迅速かつ手軽に入手できるようにすべきだと考えますが、現状と今後の取り組みについて伺います。  特にICTやSNSの活用は、教育分野において機能性、応用性などその意義ははかり知れません。教育現場におけるICT化を推進するために学校内の環境整備が必要だと考えます。校内LAN整備や超高速インターネット接続などハード面もあわせ、ソフト面での充実は欠かせません。加えて、タブレットの配備は、子供たちが主体的に検索したりして新たな学びを創造する意義あるコンテンツであります。時には世界の子供たちとコミュニケーションを行い、未知の世界に入っていくことも可能であります。  このような情報通信技術の活用について、本県の教育現場はどのような実態にあり、今後どのように活用、導入されていかれるのか、伺います。  ただ残念なことに、LINEなどのSNSは子供たちの人間形成に大きな影を落とし、また反社会的な言動や犯罪を引き起こしております。特に青少年を中心にネット社会の負の側面が大きくクローズアップされ、連日のようにマスコミで報道されております。  厚生労働省研究班の中高生対象の全国調査によれば、ネットに浸っている時間が5時間を超える生徒が中学生で9%、高校生では14.4%にも上ることが公表されました。そして、病的な使用に陥っている中高生は8.1%に達するとのことであります。青少年がスマートフォンを携帯しLINEなどを操る姿を、病的で、麻薬やアルコール依存症に酷似していると言われております。人間形成に極めて悪影響を与えております。  近年、出会い系サイトなどによる反社会的な事件が発生し、学校ではLINEやメールなどによる悪質ないじめなどへと発展している実態が明らかになっております。本県の場合、SNS依存症やいじめ、さらに出会い系サイトに端を発する問題など、教育現場での実態をどの程度把握、認識しておられるのか。ネット危機の実態や対応を伺いますとともに、今後どのような対策をとっていかれるのか伺います。  さて、今議会、福井港における港湾費が計上されました。その額は、港湾修理事業1億7,875万円、福井港に関する国直轄沿岸保全事業負担金5,020万円で、そのうち起債額は1億4,300万円です。担当課からの資料によると、この10年間、福井港の改修事業費は、直轄事業費総額103億2,300万円、県事業総額62億7,800万円、トータルで165億円をつぎ込み、うちしゅんせつ費が34億4,500万円とのことであります。  かつて船が座礁したとき、その後のしゅんせつ工事をして、どぶに金ではなく海に税金を捨てるようなものと県民の声を聞いたことがあります。この福井港には、その特性上、常に土砂がたまりやすいなど港湾の地形に課題があるのではないかと思います。抜本的に港湾の調査を行い、今後の整備、改修のあり方を検討すべきと考えますが、所見を伺います。  同様に、今議会上程しておりますクルーズ客船誘致事業に542万円が計上されております。事業目的は、クルーズ客船の誘致のため船社、代理店、旅行会社に対し敦賀港と福井港及びその周辺の魅力的な観光コースの売り込みを実施と記されております。  実は、国交省が23年11月に日本海側拠点港を選定したことは記憶に新しく、本県は敦賀港が国際フェリー・RORO船の選定を受けたのであります。その他の拠点港では、外航の定点クルーズに博多、長崎の2港が、外航の背後観光地クルーズには小樽・伏木富山・舞鶴の港ブロックと、金沢港、境港の計3カ所が選定されました。  石川県が行った国際クルーズ観光拠点基盤整備調査によると、金沢港を拠点とした観光資源は兼六園を初めとする金沢市内が8つのテーマ、さらに千里浜、輪島の朝市、和倉、立山黒部アルペン、岐阜の白川郷、加賀温泉郷、小松、能美市、そして福井県の越前海岸であります。特にミシュラン・グリーンガイドの評価ですと、兼六園、白川郷、立山黒部が三つ星で、金沢21世紀美術館、金沢市が二つ星です。石川県は、こうした観光資源を売りにクルーズ誘客を行い、ことし金沢港には18隻が寄港する予定であり、今後は年間20隻、上陸者1万6,000人を見込んでおります。  アジア最大級の外航クルーズ客船ボイジャー・オブ・ザ・シーズが富山伏木港に入港した際、海外の乗客約2,700人は40台の観光バスで北陸をめぐり、日本人のもてなしの心に触れたとの報道もありました。新潟県では、北東アジア交流特区を仮申請し、訪日観光ビザなどの規制緩和などに取り組もうとしております。  県は、今回の9月補正案で招致事業を打ち出されましたが、こうした他県の取り組みと日本海沿岸の拠点指定や観光資源を考えたとき、「福井も敦賀も」ではアブ蜂取らずになりかねず、果たして十分な成果が見通せるか疑問であります。クルーズ客船誘致事業は、敦賀港を軸に置き、若狭や三方五湖、近江、勝山の恐竜など観光資源をしっかりと位置づけ、取り組むことを提案いたします。  事業内容を調べ、効果的な事業とすべきと思いますが、所見を伺います。  以上をもって私の質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。 66 ◯副議長(田村康夫君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 67 ◯知事西川一誠君) 野田議員の一般質問にお答えをいたします。  まず、オリンピックの期待と課題であります。  財政上の問題があるわけですが、地方財政あるいは地方経済、どのような影響、またこれへの対応はどうかということであります。  東京オリンピックの効果については、日本再出発という観点からも、東京だけに集中するのではなくて日本の全国に効果が及ぶことが大事であります。新幹線や高速道路など国土強靱化の観点から必要となる地方の社会基盤整備の推進などは、こうした中に含まれるべきものであります。  現在、我が国の経済は明るい兆しが見られますが、経済対策の具体的効果は一部の大企業や大都市にとどまり、地方経済が活力を取り戻すには十分至っておりません。そのため、国、地方が協力し、地域の投資、雇用、消費を積極的に拡大する必要があります。  地方が安定的な財政運営のもとで経済、財政の活性化の諸施策を実施するためには、基盤となる一般財源などの確保が重要でありまして、全国知事会などを通して、この財源問題にも対応してまいりたいと考えます。  次に、原子力発電所に関連する御質問であります。  原子力は引き続き重要な基幹電源であるという認識について、なぜそう考えるのかということであります。  現在、原子力発電所の停止部分を火力発電所のフル稼働によって賄っているわけでありますが、これに伴う約4兆円近くの国富が海外に1年間そのまま流出をしている状況であります。また、日本は、原油あるいはLNGなどさまざまありますが、中東など政情不安定な地域にほとんどを依存しておるわけでありまして、これは日本経済、また日本の基盤全体の不安定要因になっているわけであります。こうした状況が今後も続きますと、電気料金のさらなる値上げ、これも家庭料金のいろんな問題にも強く響いてくると思います。企業の海外流出、雇用喪失などが生じまして、国民生活の安定や産業の発展、国家の安全保障にも影響が出ると思います。  代替電源の具体的な見通しのない現状においては、原子力発電は引き続き重要な基幹電源と考えられ、今後こうした問題全般については総合資源エネルギー調査会において、その位置づけ等について多方面の議論が進められ、ぜひとも結論が出されるべきものと思います。  県としては、今後とも日本のエネルギー源のバランスをとっていく、しっかりとるのだということ。また、それぞれ原子力も含めましてさまざま課題があるわけでありますので、日本の科学技術力を結集して、この問題がどこまで解決できるか、また世界的な貢献がどう果たせるか、こういう観点から結論を出し、こうしたことをもとに政府が確信を持って国民にいろんな情報を示し、必要なことは説得していくという、こういうことを強く求めてまいりたいと思います。  国際オリンピックのプレゼンテーションの中で、福島の原子力発電所のコントロールがなされているというような発言をどう考えるかということであります。  福島第一原子力発電所の現状の説明では、汚染水の影響は港湾内にとどまっており、外洋については基準濃度をはるかに下回り、継続的な上昇傾向も認められない状況とされておりますが、その一方で、汚染水の港湾内への流出や敷地内タンクからの漏えい等のトラブルについて対応が急務になっている状況にあると思います。  総理大臣の総会での発言につきましては、その内容を詳細に承知しているわけではありませんが、国においては福島第一原発の現状や収束に向けまして、国の取り組みについて日本といいますか、国民に向けてもっといろんな情報をはっきり示し、理解を得るという努力が必要だと思いますし、これは我々、こういう総会以前から申し上げているところであります。  次に、港湾の整備とクルーズ客船の招致であります。  日本海側のさまざまな港を例にとられまして、敦賀、福井と重点を置かないのではなくて、重点化をしてプロジェクトを進めるべきではないかという御趣旨の質問でございました。  各地の観光地を客船でめぐるクルーズ旅行については、団塊の世代などが時間に余裕のある旅として需要がふえていることが見えます。海外客船の国内寄港も相次いでいるなど、ことしは第二のクルーズ元年と呼ばれております。平成21年には16万7,000人でありましたが、24年には21万7,000人と増加をしているようです。  県としては、今年度からコンテナ貨物などの物流はもとより、人流の一層の拡大による港のにぎわい、また観光需要をふやすということを目的に国内外のクルーズ客船や代理店への営業訪問を強化しております。  その中で、敦賀港については、現在日本に訪れている全ての海外の大型クルーズ船の客船の入港は何の問題もないところでありますし、また京都や滋賀など近隣府県を含めて、もちろんこれは福井県の観光でもありますが、福井県の観光など広域観光も見込めるという点で高い評価を受けておりますので、このため港を起点とした具体的な観光ルートなどを提案しながら、本県の港や観光地に興味を示してくれるクルーズ船や代理店に対する営業を強化してまいりたいと考えます。  その他については、関係部長から御答弁します。 68 ◯副議長(田村康夫君) 政策幹森近君。     〔政策幹森近悦治君登壇〕 69 ◯政策幹森近悦治君) 私からは2点お答えいたします。  まず国体につきまして、東京オリンピック・パラリンピックの決定を受け、新たな取り組み、選手強化の体制についてのお尋ねでございます。  東京オリンピックの開催決定により、福井国体、また障害者スポーツ大会の開催機運も非常に盛り上がるものと期待をしているところでございます。地元選手の育成につきましては、現在、福井国体に向けてオリンピックメダリストなどを育てたスーパーアドバイザー26名がホッケーや体操などの実戦的な指導を行っているところでございまして、全国高校総体などでも優勝など大きな成果を上げているところでございます。こうしたスーパーアドバイザーなどの指導者体制をさらに強化し、国体のみならずオリンピックにも出場する選手を育ててまいりたいと考えております。  また、県民のスポーツへの関心が高まるこういう機会を捉えまして、地元選手を育てる、また応援する、そうした環境づくり、また仕組みづくりというものをつくっていく。また、日常生活の中でスポーツの習慣化などを推進してまいりたいというふうに考えております。  次に、全国障害者スポーツ大会に向けて、選手育成、サポートなどの取り組みについて現状の認識、今後の対策へのお尋ねでございます。  平成30年の全国障害者スポーツ大会に向けまして全13競技の出場を目指しておりまして、個人競技につきましては選手のレベルアップを進める。また団体競技については、まずは選手、チームの育成を図るということから始めております。特に団体競技につきましては、今年度から特別支援学校を中心にチームづくりを行いまして、体育の授業や部活動などで重点的に実施をしていく。また、卒業生も交えた活動も始めているところでございます。  また、選手のサポートの中心となる手話通訳などのボランティアの養成についてでございますが、現在までに251名の方が登録されております。大会運営に必要な約500名を目指しておりまして、養成講座の拡大、また市町の養成事業の支援、こういうようなことを行いまして、ことし新たに136名が受講いただいているところでございます。  今後、県外チームとの練習試合、また全国レベルの指導者を招いたスポーツ教室、こうしたものを開催しながら競技力の向上を進めるとともに、市町の方とか障害者団体の方と協力しながらボランティアなどサポート体制を強めてまいりたいというふうに考えております。 70 ◯副議長(田村康夫君) 総合政策部長東村君。     〔総合政策部長東村健治君登壇〕 71 ◯総合政策部長(東村健治君) IT、SNSの現状、それから課題と活用について3点お答えいたします。  1点目は、新たな情報システムの導入や情報化プランの策定など、積極的かつ総合的なICTへの取り組みをすべきとの御提言でございます。  県では一昨年、福井情報スーパーハイウェイの伝達速度を速め、情報量をふやす更新をいたしました。より多くの県内医療機関が遠隔診断を利用できるようにするとともに、防災面における放送事業者への河川動画の配信効率等を高めたところでございます。またケーブルテレビに対する補助を行いまして、県民の高速インターネットの環境の整備を進めてまいりました。  一方、庁内情報システムにつきましては、昨年度、クラウドコンピューティングを活用したサーバ統合環境基盤を整備いたしまして、サーバを順次集約することにより維持運営経費の削減を図っております。さらに、新たなICT施策としまして、公共データの民間利活用を市町と共同して推進することといたしまして、今回の9月補正予算案において提案しているところでございます。  なお、マイナンバー制度につきましては、国の動きにおくれることなく適切に対応していきたいと考えております。  続きまして、県庁にはパソコンが約4,000台あるけれども、windows XPについて現状と今後の対応、対策についてのお尋ねでございます。  平成25年4月時点で行政情報端末は3,860台配備してございます。そのうちwindows XP端末は3,345台となっております。windows XPのサポート切れに伴います危険性は十分承知しておりまして、7月から端末更新作業を開始し、8月末時点で563台の更新が完了しております。年度内に全て更新が完了するよう計画的に作業を進めているところでございます。  3点目は、災害時等にICT、特にSNSを活用して情報を迅速かつ手軽に入手できるようにすべきというお尋ねでございます。  県では現在、気象警報や避難情報等の災害情報をメールマガジンやホームページで随時県民に伝達することができます災害情報インターネットシステムを整備しております。メールマガジンにつきましては、現在約1万5,000人の方に登録をいただいているところでございます。また、県内全市町におきましてエリアメールを導入しており、災害時において観光客を含む一時滞在者等に対し情報伝達ができる体制となっております。  ツイッターでありますとかフェイスブック等のSNSにつきましては、誤った情報が拡散され、混乱を生じさせる危険性が指摘されておりますが、一方、大勢の利用者に対しリアルタイムで情報配信が可能であるとのメリットがございます。災害情報の迅速な情報発信手段としてのツイッター等のSNSの活用につきましては、配信内容や配信時期等を整理した上で、導入に向け積極的に検討してまいりたいと考えております。 72 ◯副議長(田村康夫君) 観光営業部長伊藤君。     〔観光営業部長伊藤惠造君登壇〕 73 ◯観光営業部長伊藤惠造君) 北陸新幹線金沢開業、東京オリンピックの開催に対して、本県としての国内外の観光誘客をどうしていくのか。今から何を準備するのかとのお尋ねでございます。  現在、北陸新幹線の金沢開業に向けまして、野外恐竜博物館などの整備や、あるいはあわら温泉街、敦賀・金ケ崎地区など観光地の魅力づくりを市町とともに進めていますほか、歴史、文化、食など福井ならではの観光素材の磨き上げを行っているところでございます。あわせまして、首都圏や北陸新幹線沿線におきまして、恐竜と食を中心といたしました福井県の魅力のPRにも努めておりまして、今後これらの取り組みを一層拡大しまして継続的なものとしていくことが重要であると考えております。  さらに、東京オリンピック開催時には北陸新幹線を利用した観光客の増加も大いに期待できますことから、外国人観光客の誘致に向けた広域観光ルートの開発、おもてなし等受け入れ体制の向上に努めますとともに、福井国体開催後の施設を活用しました外国チームの合宿誘致などもあわせて検討していきたいと考えております。 74 ◯副議長(田村康夫君) 土木部長幸道君。     〔土木部長幸道隆治君登壇〕 75 ◯土木部長(幸道隆治君) 私のほうからは、港湾整備につきまして、福井港の今後の整備、改修のあり方についてお答えいたします。  一般に港湾でございますが、河川交通を起点に発展してきたため河口付近に位置している場合が多く、こうした港は福井港に限らずしゅんせつを行うことが不可欠でございまして、金沢港とか新潟港でも毎年しゅんせつを行っているところでございます。  福井港は、九頭竜川の流出土砂により、昭和53年の供用開始以来しゅんせつ工事を行ってきましたが、航路内の土砂の堆積は年々進んでいる状況であります。このため昨年度、学識経験者を含めた福井港航路堆砂対策検討会を3回開催いたしまして、土砂堆積の軽減対策の検討を行ったところでございます。この中では、福井港周辺の砂の動きを分析し、中央航路への土砂の流入を軽減するため北防波堤を延伸する対策案を本年3月に取りまとめたところであります。現在、関係者と協議を進めております。今後、地元関係者の理解を得ながら早期に工事に着手し、中央航路の安全性の確保に努めてまいります。 76 ◯副議長(田村康夫君) 教育長林君。     〔教育長林 雅則君登壇〕 77 ◯教育長(林 雅則君) 私からは、ICT、SNS関係のことについて2点お答えします。  1点目は、本県の教育現場においてこういった情報通信技術の活用の実態がどうなっているか。また、今後の活用の方法についてのお尋ねでございます。  これまでのICT教育というものにつきましては、どちらかというと授業を変えるというよりは授業を効率的に進めるという観点から、例えば写真とか文字の拡大が容易にできるデジタル教科書の活用、また1年間の植物の成長を短時間で映像で学習できるような教材の利用などが中心に進められてきております。あわせて、小中高の公立高校におけるICT機器の導入状況は、ことし3月の調査を見ますと、デジタル教科書は約60%の学校で導入されておりまして、これは全国で1番であります。またあわせて、それを映し出す電子黒板が大体76%の学校で導入されております。それからパソコンの台数については、まだタブレット型というのは少ないのですが、35人学級1クラス当たりでいうと約6台ということで、全国平均を上回っているような状況にあります。  ただ、これからさらに広くICT教育を普及していくためには、まずは全ての教員がこれから普及してまいりますタブレット端末を含めたICT機器を授業の中で戸惑うことなく十分に使いこなせるということが重要でありますので、基本的な機器操作研修を今年度重点的に実施したいと考えております。あわせて、必要となる機器の導入、あるいは校舎内の情報通信環境の整備を検討してまいります。  ただ、教育におけるICT化について、機器整備も必要でありますが、何よりも大事なことはICTを使ってどのように授業を変えていくかという内容でございますので、例えば既に先進的に一部の大学等で進めているICTを用いて自宅学習をした上で授業では演習とか討議を行うといった新しい授業のあり方、いわゆる反転授業と言っていますが、こういったもの。さらには教材のあり方なども研究を進めてまいりたいと考えております。  それからもう1点、子供たちのSNSの依存状況、それから、そういったことに対する対応についてでございますが、まず一つは、ことし7月に高校生全員に対して調査を行いまして、スマートフォン、携帯電話を持っている者が98%いますし、平日、学校帰ってからが中心でしょうが、2時間以上そういったネットを使っているような生徒が40%いるという状況がございます。また、サイバー犯罪などの現状について、これは専門家の方からお聞きしますと、例えば不正アクセス犯罪あるいは危険なサイトへの接続の未然防止といったものについては、まずはやはりフィルタリングというのが一番有効であるということでございますが、ただLINEなどコミュニティサイトの利用の適正化についてはこういったことが難しいので、生徒たちのネット利用に対する意識を高める方策が最も重要だということふうな指摘をいただいております。  このために、既に県内の全高校で、まず新入学生──1年生に対して、ネット上の何げないやりとりが犯罪につながるといったようなそういった事例も取り上げて具体的に利用に当たっての指導を行っておりますし、今後は生徒の過度なネット利用を抑止して、ネットから例えば読書であるとか校外活動とかさまざまなものに目を向けるような指導を行いますと同時に、学校挙げて、これは一人だけでは難しいものですから仲間一緒に、例えば夜11時以降はそういったLINEを使わないようにするといったような、そういうルールづくりを家庭の皆さんの御協力もいただきながら指導を強化してまいりたいというふうに考えております。 78 ◯副議長(田村康夫君) 質問時間少しありますけれども、もう持ち時間も迫っていますので、簡潔にお願いします。 79 ◯29番(野田富久君) 1分ほどしかございませんから指摘と要望だけ申し上げます。  まず知事、例の基幹電源であるという話ですが、資金が海外に4兆円流れている、こんな話があるのですが、東京電力のあの問題は10兆円ですよ。4兆円流れているという話がありますが10兆円ですよ、既に出ている話。そうしたことも含めて、またエネルギー戦略、安全保障の問題でもそうです。LNGや、それからシェールガス含め、そうです。また愛知県沖ではメタンハイドレートも出てきております。こういうことも含めながら将来を見越して考えていただきたいのが1点。  2点目に、IT関係に関して言えば、ホームページを見たのですけれども海外用に英語で書いてある。あの掲示は極めて古くて。ただあります──眼鏡産業です、スイセンがあります、カニがおいしいです、そんなものじゃ海外の人は関心を持たないと思います。このあたりのことについてもお願いしたい。  最後に1点、公共施設におけるWi-Fiをもう少し設定することに協力いただいて、県外の方を含めて、海外の人も含めて利用できるような対応というのはぜひやってほしいということを申し上げて、終わりたいと思います。 80 ◯副議長(田村康夫君) 要望ですね。  ここで、休憩いたします。   午後2時47分 休 憩              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   午後3時00分 再 開                 会議に出席した議員(34名)    1番  西  畑  知佐代            20番  鈴  木  宏  紀    2番  細  川  かをり            21番  松  田  泰  典    3番  中  井  玲  子           22番  大久保      衞    4番  小  寺  惣  吉           23番  松  井  拓  夫    5番  畑     孝  幸           24番  吉  田  伊三郎    6番  笹  岡  一  彦           25番  田  中  敏  幸    7番  佐  藤  正  雄           26番  欠        員    8番  欠        員           27番  石  橋  壮一郎    9番  西  本  正  俊           28番  山  本  正  雄
       10番  田  中  宏  典           29番  野  田  富  久    11番  大  森  哲  男           30番  中  川  平  一    12番  島  田  欽  一           31番  斉  藤  新  緑    13番  笠  松  泰  夫           32番  関     孝  治    14番  仲  倉  典  克           33番  山  岸  猛  夫    15番  欠        員           34番  前  田  康  博    16番  山  田  庄  司           35番  石  川  与三吉    17番  玉  村  和  夫           36番  山  本  芳  男    18番  糀  谷  好  晃           37番  山  本  文  雄    19番  田  村  康  夫              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 81 ◯議長笹岡一彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  大久保君。     〔大久保 衞君登壇〕 82 ◯22番(大久保 衞君) 自民党県政会の大久保でございます。通告に従い、質問と提言をさせていただきます。本日は、もうあと私を含めて3人でございますので、よろしくおつき合いをいただきます。  質問の1点目は、橋梁工事の現況についてであります。  先般、7月2日に、25年4月時点の全国における道路橋の長寿命化に関する取り組み状況について報道発表がございました。それによると、全国の県及び市町村管理の15メーター以上の橋梁は約14万4,000橋ございます。そのうち修繕が必要とされる橋梁は6万9,000カ所とのことであります。既に修繕等が終わっているものが約1万あります。残り5万8,000カ所はこれからということになります。  修繕が必要な橋梁に対する工事の実施率は、全国で15%にとどまっております。南海トラフ巨大地震などの危険性がいろいろなところで言われる中、早急な対応が必要となっています。県内の橋梁における長寿命化対策の進捗状況、課題の有無、今後の見通しについて伺います。  折しも自民、公明両党は、さきの通常国会に防災・減災等に資する国土強靱化基本法案を提出しております。これは自然災害による被害を最小限に食いとめるために国が組織的、計画的に取り組むことを定め、インフラ整備への取り組みも盛り込んだものとなっております。自民党は10年で200兆円の投入を目指していることなどもクローズアップをされたところであります。法案は残念ながら継続審議扱いとなってしまいましたが、安倍首相も国土強靱化の重要性を理解されているようであり、今後、国土強靱化の流れは加速していくのではないかと考えるのであります。  本県としても、こうした流れに乗って県土の強靱化を進めるべきであると考えます。しかしながら、人口減少社会を迎え、新たな道路や橋梁をどんどんつくっていく時代ではありません。もちろん住民に真に必要なインフラ整備はこれからも継続してしていく必要がありますが、高度成長期に整備した道路や橋梁が今後一気に寿命を迎えてくる中、これから重要になってくるのはインフラの維持に重点を置いた政策ではないでしょうか。  インフラ整備の主体であり、地域防災の一翼を担う建設業者を見ますと、1999年度には全国で60万社あった建設許可業者数は2012年度には47万社に減少をいたしております。建設サービス従事者も100万人以上少なくなりましたし、完全に人手不足状態に陥っていますが、人手を確保するため建設企業が賃金を引き上げれば会社の利益を確保できないという悪循環に陥っています。  そこで、国土強靱化に向け、道路や橋梁等について新規整備から点検や事前補修、耐震化などにより力点を置いた予算を編成し、あわせて地元建設業者の維持、地域防災力の向上を図っていくような政策の転換も今後考えていく必要があるというふうに考えます。社会インフラの維持、強化に重点を置いた政策について、知事の所見を伺います。  質問の2点目は、空き家及び無縁墓であります。  総務庁が8月に発表した人口動態調査によりますと、2013年3月末時点の日本人の総人口は1億2,639万人で、4年連続で減少したとのことであります。少し寂しい限りであります。しっかり現実を受けとめ、行政としてこれに対応していかなければなりません。  特に地方では、人口減少、高齢化が加速し、限界集落などさまざまな問題も表面化してきています。そのうち空き家の問題については、県議会でもこれまでいろいろと取り上げられてまいりました。6年前に私が初めて一般質問の中で申し上げたのも、この空き家対策でありました。  県も国も対策が若干一歩踏み出したようであります。県内の空き家の現状と課題、今後の対策について伺います。  今後さらに人口が減っていくと、心配な問題があります。それは集落のお墓の管理であります。最近、新聞でも全国で増加する無縁墓の問題を見かけるようになりました。県内の状況も心配されるところであります。県内の無縁墓について、現状をまずお伺いをいたします。  墓地には、その管理主体によって村落共同型墓地、寺院境内型墓地、民間霊園型墓地、そして公営墓地があるということであります。そのうち維持管理の問題が必要とされるのは村落共同型墓地、いわゆる集落のお墓であります。核家族や少子化、未婚率の増加などの影響から都市部においてお墓の管理の問題はあるようですが、やはり深刻なのは田舎の集落のお墓であります。集落の人口が減少し、子供世代も都会に移り住み、次第に集落のお墓の管理が行き届かなくなり、雑草で墓石がほとんど見えなくなっているものや墓石が無残に崩れ落ちているものなど、見るだけでも心が痛むのであります。  先祖代々延々と継がれてきた集落のお墓が我々の世代で管理されなくなるのは、本当に我々として責任を痛感をいたしておるところであります。集落にぼろぼろの空き家がふえ、住民の集落の将来に対する不安をかき立て、若い世代の里離れを進めることにもなりかねません。お墓についても同じことが言えます。きちんと管理されていくことが集落住民の安心、集落の存続に向けた一助となるものと考えます。  お墓は、撤去するだけでも、地域にもよりますが1平米当たり約10万円ぐらいかかります。2.3平米のお墓であれば数十万円の費用が必要になります。これを人口の少ない集落で拠出するのは不可能であります。今後、集落の維持や空き家、無縁墓などの問題はますます深刻になってくると考えます。それに伴い、かつては市町村の役割だった集落対策に本県が乗り出しているように、無縁墓の対策についても県が検討を始めるべきではないでしょうか。  現在、県では墓地、埋葬等に関する法律に基づき管理型の行政が行われていますが、これからは支援型の行政も必要であると思います。今後、集落墓地の管理状況の調査や対策の必要性について検討を進めるべきと考えますが、所見を伺います。  質問の3点目は、若干、野田議員とも重なる部分がございます。観光行政についてであります。  最近、新聞で気になる記事を読みました。日本有数の温泉街、静岡県の熱海市では、富士山の世界遺産登録を絶好の機会と捉え外国人客を呼び込もうとしたところ、地元の旅館やホテルの反応が鈍く、言葉や習慣が違う外国人客は面倒だといったような旅館側の声もあるようであります。全盛期の半分に落ち込んだとはいえ、熱海の宿泊者数は年間270万にも達し、国内客でそこそこ採算が成り立つということでしょうか。こうしたことは熱海だけに限らず日本全体に言えるのだと思います。1億2,000万人もの裕福な人口に支えられた市場が国内にあるのです。言葉や習慣も気にすることなく、トラブルも外国人に比べかなり少ないのも事実であります。  しかし社会が急速にグローバル化し、海外への渡航が日常的になった今日、こうした国内市場に頼った観光は海外市場に淘汰されるものと考えられます。世界各国の外国人訪問者数のランキングを申し上げます。最も外国人客が多いのはフランスで8,302万人であります。続いて第2位がアメリカ6,697万人、3位が中国で5,773万人となっています。日本はフランスの約10分の1、836万人。お隣韓国でも1,114万人を記録しているのであります。  県内の外国人観光客の入り込み状況、外国人を受け入れるための課題について、現状を伺います。  旅サイトじゃらんの2013年の旅行者1万5,000人が回答した調査では、福井は地元ならではのおいしい食べ物が多かったという項目で68%の回答を集め、全国5位でありました。しかし一方、地元の人のホスピタリティを感じたという項目では43位。現地でよい観光情報を入手できた、45位だったそうであります。このあたりが本県の観光にとって大きな課題であるようであります。  アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏は、永平寺の熱心な信者で、出家も考えたことがあるということだそうであります。本県にも外国人が訪問したいと言える本物の観光地があるのです。外国人も含めた情報発信は今後の本県の観光を左右するものと思います。外国人客を含めた本県の観光振興について、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。  観光庁ができてもう十数年たちますが、一向にこれの活躍が目に見えておりません。さらに結果もついてきていないというのが現実であります。  最後に、これは西畑議員とも、それから野田議員とも重なります、いわゆるネット犯罪の問題で、私の場合は若干細かく申し上げたいと思います。  サクラサイトという被害状況について伺います。先般、6月の新聞に、芸能人とメール詐欺という記事が掲載されておりました。昨年6月までの約2年4カ月で全国で約37万の人が被害に遭い、被害総額は約116億円にも上るとのこと。この事件では9人が逮捕されております。  手口を詳しく見てみますと、AKB48の元メンバー前田敦子さんのマネージャーに成り済ました男から、前田さんが悩んでいるので相談に乗ってほしい──こんなものあるわけがないのです──謝礼を500万支払うなどとメールが送られてきたようであります。普通に考えれば、前田敦子さんが見ず知らずの一般の人に悩みを相談などするはずがありません。すぐにこれはおかしいと気づくのが普通であります。しかしこれが熱心なファンなどに送られた場合、舞い上がってしまい、冷静な判断ができなくなるとマネージャー役にメールを返信する。今度は前田さん本人役から、連絡をくれてうれしい、ありがとうなどとメールが送られてくる。サクラサイトでのメールのやりとりに引きずり込まれるようですが、このメールの利用料は1回500円とのことであります。当然1回で終わるわけもなく、何十万円、何百万円のも利用料が請求されることになります。  こうしたインターネットを利用した詐欺などは次々と新手のやり方が登場し、対策とのイタチごっこになるのですが、被害額を少しでも減らすためには詐欺の手法を広く住民に周知をし、ひっかからないように根気よく注意を呼びかけていく必要があると考えます。  県内のこのサクラサイトによる被害の状況、対策についてお伺いをし、一般質問を終わります。  ありがとうございました。 83 ◯議長笹岡一彦君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 84 ◯知事西川一誠君) 大久保議員の一般質問にお答えをいたします。  まず、地震に耐える耐震橋の現況であります。  社会インフラの維持強化に重点を置いた政策について、どのように進めていくかとの御質問です。  福井県の社会インフラ政策の方向としては、新幹線、高速道路などのプロジェクトは本県の立地条件を向上させ、地方、都市がともに発展していく上で不可欠であります。こういう事業を一日も早く完成しなければならないわけであります。  一方、河川改修や道路防災などの防災、減災対策、トンネルや橋梁などの老朽化対策は、災害から県民生活を守るため、また経済的なロスが生じないという意味からも重要と考えるものであります。  25年度は、当初予算と24年度追加補正予算を合わせて維持補修については対前年度比で約180%を確保したわけであります。全体の公共事業費予算におけるウエートを5割からもう1割上げて6割に重点化をいたしているところでございます。そういう意味で対策の強化を図っており、全国的にも非常に高い比率になっていると考えております。  次に、観光行政についてであります。  県内の外国人観光客の入り込み状況、また受け入れるための課題についての問題であります。  観光庁の宿泊旅行統計によりますと、ことし1月から6月まで本県に宿泊した外国人は1万3,230人でありまして、前年同期に比べまして9.5%の増加となっています。国別では、台湾からの観光客が前年と比べほぼ倍増、5,040人。特に台湾からは、嶺南地方を中心に高校生などを受け入れる体験型の教育旅行や大手旅行社のツアー造成による来客がふえております。  外国人観光客の受け入れに当たりましては、国ごとのニーズが違いますので、満足を向上させることが重要であります。特に台湾等の場合には春夏秋冬等の四季がはっきりしないということで、スキーやもみじで有名な寺社を見てもらったり、食べ物や体験に対する本物志向が強い香港の観光客については新鮮な海の幸や座禅の体験コースなど、ニーズに沿った観光コースの造成などを進めていく必要がございます。  また誘客拡大のためには、石川県を初めとする近隣府県との連携が重要であります。海外での観光商談会への共同参加や海外旅行者の共同受け入れ等を実施し、広域観光コースの造成や宣伝を行ってまいりたいと思います。  いずれにしても、他府県と比べますと外国人観光客が少ないわけでありまして、潜在需要度は非常に高いわけでありますので、積極的に福井県への来訪の政策を進めてまいりたいと思います。  同じく観光行政で、情報発信が重要であるけれども、今後、観光振興の面からどのように情報発信をしていくのかとの御質問です。  福井県には、永平寺や一乗谷朝倉氏遺跡などの歴史、文化資源、また越前がになどの食、里地里山などの豊かな自然、それからトップブランドであります恐竜など十分競争力がある観光資源がございますが、まだまだ認知度が低いところもあります。  このため国内に向けては、昨年10月にドットコムをリニューアルし、動画による本県の魅力や旬の食の情報の発信を強化したほか、スマートフォンのGPS機能を活用し、観光情報が手軽に入手できるようにしたところであります。海外については、例えば石川県と一緒になりまして台湾の旅行雑誌社のメディア招聘、また永平寺や東尋坊などの観光旅行地の魅力発信に努めております。  今後、地元市町や観光事業者と一体となりまして観光地の魅力を高め、海外の旅行会社との商談会や北陸デスティネーションキャンペーン等を通じて情報発信を強化し、外国、また国内も含めまして誘客の拡大を図ってまいりたいと思います。  その他については、関係部長から御答弁いたします。 85 ◯議長笹岡一彦君) 健康福祉部長田端君。     〔健康福祉部長田端浩之君登壇〕 86 ◯健康福祉部長田端浩之君) 無縁墓につきまして2点お答えいたします。  まず県内の無縁墓の現状でございます。  県内の実質的な無縁墓につきましては、相当数あると認識してございます。ただ、その現状につきましては、墓地、埋葬等に関する法律の事務を所管しております各市町に確認いたしましたが、明確な数は把握していないといった状況でございます。  なお、正式に無縁墓かどうかを判断するには、墓地、埋葬等に関する法律施行規則、これがございます。これに基づき、官報への掲載と立て看板の1年間の設置を行いまして縁故者がいないことを確認することが必要であるということでございます。なお、公共工事、区画整理等で改葬が必要となり、ただいま申し上げましたこの手続により無縁墓と確認された数は、平成23年度で1基、24年度はゼロという状況でございます。  続きまして、集落墓地の管理状況の調査や対策の必要性について検討を進めるべきではというお尋ねでございます。  平成24年度末の現在、県内におけます墓地の数は1,961カ所ございます。そのうち約半数が地方公共団体あるいは宗教法人あるいは個人により設置され、それ以外につきましてはほとんどが地縁団体等により管理されている、いわゆる集落墓地でございます。集落墓地の管理は、やはり一義的には地元自治会、集落がしっかりと管理していただくことが基本となりますが、議員御指摘のように、今後、少子化や未婚者の増加により無縁墓が増加することが懸念されるわけでございます。  今後、県外におけます他自治体の取り組み状況を調査するとともに、無縁墓になりにくい仕組みづくりなどについて市町との情報交換の場を設けていきたいということを考えてございます。  以上でございます。 87 ◯議長笹岡一彦君) 土木部長幸道君。     〔土木部長幸道隆治君登壇〕 88 ◯土木部長(幸道隆治君) 私のほうからは2点お答えいたします。  まず耐震橋の現況につきまして、県内の橋梁におけます長寿命化対策の進捗状況、課題の有無、今後の見通しについての御質問にお答えいたします。  国土交通省によりますと、15メートル以上の橋梁を対象とした長寿命化修繕計画の策定率は、全国平均87%に対しまして、県と市町合わせて本県は90%でございます。計画策定につきましては、県と14市町で既に終えておりまして、坂井市など残る3市町は今年度中に策定が終わる予定でございます。また修繕が必要な橋梁は県816橋、市町283橋で、県合計1,099橋あり、そのうち修繕実施済みの橋梁は県が146橋、18%、市町が28橋、10%で、県合計として174橋、16%であり、全国平均15%を上回ってございます。  今年度は、24年度の追加補正予算と25年度当初を合わせまして県は新保橋など35橋、市町は14橋の予防保全対策を実施することとしておりまして、これからも点検を密にいたしまして予防的に補修を行いまして、計画的な維持管理対策を実施してまいります。  なお、今後対策を進める上で職員の専門知識がますます求められますことから、県と市町が一体となりまして研修等を適宜行い、職員の意識と技術力の向上を図っていく予定でございます。  それからもう1点でございますが、空き家についてでございます。県内の空き家の現状と課題、今後の対策についての御質問にお答えいたします。  昨年度実施しました調査では、一戸建て住宅の空き家は県内に約1万戸ございます。まずは所有者におきまして適正管理を行うことが必要でございます。その上で、既存ストックの有効活用の観点から空き家の活用、保存を図ることが重要と考えます。  適正管理につきましては、空き家所有者の責任を明確にしまして維持管理の努力義務を課し、倒壊等の危険性がある空き家の除却命令ができる条例の制定を市町に促しまして、これまで7市町が制定しました。他の市町においても条例制定の検討が進められております。  空き家の活用促進につきましては、空き家情報バンクでこれまで約1,000件を登録しまして、約600件が成約につながっております。今年度からは、空き家の傷みぐあい等を診断しまして結果を提供する住宅診断制度の運用を始めております。購入を検討している方の不安を解消し、流通を促進してまいる考えでございます。また、良質な古民家等がまちづくりに活用されるような支援を行っておりまして、現在、勝山市では平泉寺の土蔵を体験宿泊施設に、若狭町では熊川宿の町家を体験交流施設に活用する事業を進めているところでございます。 89 ◯議長笹岡一彦君) 警察本部長野村君。     〔警察本部長野村 護君登壇〕 90 ◯警察本部長(野村 護君) 県内におけるインターネットを利用した、いわゆるサクラサイトによる被害の状況と対策についてお答えいたします。  まず、これまでに本県警察には、いわゆるサクラサイトに係る被害の届け出はございません。また、議員御指摘の本年6月に警視庁が検挙しました詐欺事件に関しましては、本県警察はその捜査に関与しておりませんので詳細は不明ではございますが、福井県内に同事件の被害者がいることは確認されておりません。  いずれにせよ県警察といたしましては、この種事案に係る対策については、県消費生活センターなど関係機関と連携して県民に対して注意喚起を促すなどの広報啓発活動を推進するとともに、被害を認知した場合には、速やかに捜査を遂げ検挙していく所存でございます。 91 ◯議長笹岡一彦君) 西本君。     〔西本正俊君登壇〕 92 ◯9番(西本正俊君) 民主・みらい、西本正俊でございます。ただいまより発言通告書に従いまして一般質問させていただきますので、よろしくお願いをいたします。  今回の台風18号では、道路や河川、農作物、民家など広範囲にわたって甚大な被害が出ております。また、海岸に大量の漂着物が流れ着くなど、県内に大きな爪跡を残しました。そして時間がたつにつれ、その被害が明らかになり、ふえ続けているように思います。この台風によりお亡くなりになられた方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。  議長にも一昨日、災害現場を視察していただきました。ありがとうございました。また、西川知事も過日、小浜市と若狭町の災害現場の視察をいただきました。感謝申し上げます。どうか引き続き全庁体制で、被災者の支援を初め一日も早い災害復旧に向け、さらに取り組みの強化を求めるものであります。  このたび、県の内外より多くの民間ボランティアの皆さんと県内市町の職員の皆さんに土砂撤去など重労働に汗を流していただいております。この先に不安いっぱいの市民には大変ありがたく、小浜市民の一人として心より感謝申し上げます。  小浜市では、15日夜半から16日朝にかけて激しい雨が続き、24時間雨量が観測史上最大となる384ミリを記録し、気象庁が運用以来初めてとなる大雨特別警報が発表され、小浜市全域に避難勧告が出されました。裏山が崩壊し、土石流と流木にのみ込まれ、23日現在で住宅2棟が全壊。南川にかかる重要な生活道路の橋が増水により流失。また大雨により住宅が水没し住宅街が孤立するなど、小浜市だけでも床上浸水39棟、床下浸水147棟の被害が出ました。  台風18号による災害の深刻さを県としてどのように見ているのか。全体被害額、復旧予算規模、そして復旧時期の見通しについて伺います。  あわせて、激甚災害指定が国において検討されていると聞き及びますが、指定の見通しについても伺います。  土石流による被害が発生した小浜市忠野と美浜町丹生は、県が指定する土砂災害特別警戒区域からは外れていたとのことでありますが、雨の降り方によっては特別警戒区域外でも災害の危険が高まり、住民の命が危険にさらされることになりかねません。今後、特別警戒区域以外の山際の住民への啓発方法と安全対策の見通しについて伺います。  小浜市を流れる北川と南川は、長時間にわたり氾濫危険水位を超え、いつ水が堤防を超えてくるかわからない状況にありました。大半の小浜市民は浸水を覚悟しながら避難準備に追われ、不安な一夜を過ごしたことと思います。特に県立大学小浜キャンパス眼下の江古川集落の皆さんは、平成16年、23年、そしてことしと9年間で3度も浸水に見舞われ、今回は43世帯中26世帯が床上浸水、7世帯が床下浸水し、大切な家財が泥水に浸かるという極めてお気の毒な状況となっております。
     西川知事も現地を視察され見ていただいたとおり、並走する江古川の水位と市道の高さはほぼ同じで、大雨のたびに北川に吐き切れない行き場がなくなった川の水が氾濫して道路や集落に流れ込み、国富平野全体が水に浸るのであります。よって、江古川の抜本的な改修が必要です。江古川区や常に浸水の危険性にさらされている地域の皆さんの雨と水に対する不安はいかようか。大雨が降るたびに枕を高くして眠ることができない。このような状況を何としても早急に解消しなければなりません。  速やかに対策工法を決定し、一日も早く改修を行うことこそが江古川区など浸水の危険にさらされている地域の皆さんの安らぎを取り戻す唯一の方法であります。これができるのは行政機関だけであり、行政の支援が必要です。浸水危険地域の対策と江古川河川改修の見通しについて伺います。  次に、小浜市で発生しました竜巻災害についてお尋ねいたします。  8月23日午後4時過ぎ、小浜市で竜巻が発生。一瞬耳を疑いました。まさか小浜で竜巻が起こった。幸い人的被害はなかったものの、屋根や窓ガラスが壊れる被害が約90戸、停電、約190戸、被害の範囲は、幅で平均約50メートル、距離は約1キロで帯状に分布しておりました。  県では、小浜市で発生した竜巻被害に対してどのような対応策を考えているのか、伺います。  近年、国内でも最高気温が40度を超える観測地点があらわれ、亜熱帯化が進んでいるためなのか、ゲリラ豪雨や竜巻といった日本ではこれまでになかった局地的に大きな被害をもたらすタイプの自然災害が多発しております。自然災害の被災者に対する支援制度としては、被災者生活再建支援法というものがあり、住宅が全壊した世帯などに対して最大300万円が支給されます。しかし適用対象は10世帯以上の住宅が全壊した市町村などとなっており、同じ自然災害によって生じた被害でも居住する市町村によって支援のあるところ、ないところの差が出る事態が発生しております。  今後、増加が予想される竜巻やゲリラ豪雨のような局地的な自然災害に対応するためには、行政区を単位として対象要件を定める現行法の改正が必要であると考えます。県としても被災者生活再建支援法の改正に向けて国に働きかけていく必要があると思いますが、所見を伺います。  次に、事前復興について伺います。  南海トラフ巨大地震については、現時点での地震研究において30年以内に87%の確率で起こる可能性があると言われており、想定されるマグニチュードは9で、東日本大震災と同クラス。南海トラフ地震のみならず、いつ何どき大災害が福井県を襲うかわかりません。もしこの巨大地震が発生した場合、県内でも相当の被害が想定されているものと思います。  先般、「災害大国あすへの備え」という新聞記事を目にしました。全国47都道府県のうち7都府県が大地震や津波災害に備えて本格復興までの施策メニューをあらかじめ計画としてまとめたり、職員の行動手順を手引きに定めたりしているというもので、ほかにも3つの県が計画策定の準備をしているといいます。こうした準備に対し、記事では「事前復興」という言葉が使われていました。首都直下地震や南海トラフ巨大地震が懸念される中、阪神大震災、東日本大震災を経て、事前復興という考え方が広がっているとのこと。災害前に事前復興の備えを行った自治体とそうでない自治体では、復興の時間や内容が格段に違ってくるものと考えます。また、住民を巻き込んで事前復興を議論することで災害に対する県民意識の向上にもつながります。  福井県として、事前復興に相当する計画を策定する必要性についての認識を伺います。  次に、嶺南経済対策について伺ってまいります。  全国の原発で唯一稼働しておりました大飯原発3・4号機は、定期検査のため今月運転停止をいたしました。これにより県内の全ての原発が再び運転停止したことになります。嶺南地域では、原発の運転停止により経済・雇用情勢は、機械器具メンテナンス業、さらには小売、飲食業、宿泊業等において売り上げが大きく減少しており、依然厳しい状況が続いております。  こうした背景のもと、県は、1つに嶺南消費喚起キャンペーン事業、2つには嶺南企業人材スキルアップ支援事業、3つに産業団地整備事業補助金の嶺南地域経済振興3点セットを、さらには大規模園芸施設整備を支援するなどとした補正予算案を9月県議会に提案しており、今打てる手を打っているものと評価できます。  しかし、長引く原発の運転停止により、将来の嶺南地域の経済再生と雇用の確保に対する不安は大きいものがあります。これを解消していくためには、原発に過度に依存しない産業構造への移行が不可欠であり、これに向けて地元に定着する成長性の高い企業の誘致が必要であると考えます。嶺南における企業誘致に関して、これまでの県の取り組みとその成果について伺います。  私は、3・11以後、新エネルギー成長分野での重厚長大的な製造業の嶺南地域への誘致を県に求めてきましたが、残念なことに嶺南地域には企業を誘致する前提となる産業用地が残り少なくなってきていると聞きます。県としての嶺南地域における産業用地確保の考え方と今後の見通しについて伺います。  このたび6年ぶりとなる副知事2人体制により、石塚博英氏が嶺南地域の経済・雇用対策と企業誘致を特命とする副知事に選任されたことは、嶺南地域にとり極めて心強いことであり、歓迎を申し上げたいと思います。早速、就任直後に嶺南各地を歩かれたとのことでありますが、歩かれての率直な感想をお聞かせいただきたいと思います。  次に、今後の嶺南におけるエネルギー拠点のあり方について伺います。  県は、平成17年にエネルギー研究開発拠点化計画を策定し、嶺南地域における原子力を中心としたエネルギーの総合的な研究開発拠点整備を目指しております。そして、今年度の推進方針には重点強化分野として嶺南地域の産業・雇用対策を掲げ、企業誘致、新産業を加速、再生可能エネルギーの普及、利用促進とともに、エネルギー多様化への対応としてLNGインフラの整備と大規模太陽光発電の整備を推進することとしています。東京電力福島第一発電所の事故以降、原子力発電への依存度は小さくなることはあっても大きくなることはないと考えられ、エネルギーの多様化は我が国において最重要課題であるという意味において、その取り組みは評価できると考えております。  しかしながら、LNGは今後調達コストを引き下げていくという課題や国際的な政治リスクがつきまとい、太陽光発電についても経済性の課題が多く、嶺南地域が電力供給地としての責任を果たしつつ、喫緊の課題である地域経済の回復プロセスを展望する場合、現実問題として甚だ心もとないというのも実感であります。  そこで、現在環境負荷が少なく発電効率も高いとして注目されている次世代型石炭ガス化複合発電所の立地など多方面からの原子力の代替エネルギーとしてふさわしい方法を検討し、拠点化計画に盛り込むことも必要であると考えますが、これまでの検討内容について所見を伺います。  最後に、IAEAと福井県の覚書の締結について伺います。  今議会の提案理由で、知事は来月、国際原子力機関──IAEAの天野事務局長と原子力発電や放射線利用の分野において覚書を締結すること発表され、報道でも大きく扱われたところであります。  IAEAは、世界の原子力の平和利用を推進する組織として1957年に設立。世界159カ国、国連の8割以上もの国が加盟する国際機関であります。チェルノブイリや福島などの原発事故への対応を初め、国際的な原子力安全の強化において指導的な役割を果たしているほか、途上国のエネルギー政策の企画、決定や原子力発電の導入に対する支援も行っております。また、原子力発電以外の分野でも工業、農業、医療などの放射線利用技術の研究や人材育成にも取り組み、過去にはノーベル平和賞も受賞しており、原子力の世界で最も権威、信頼がある機関であることは誰もが認めるところであります。  こうした国際機関と福井県のような小さな地方自治体が、しかもその最高責任者と対等な立場で協力関係を結べるということは極めて画期的で、原子力の平和利用での本県の取り組みが世界に認められたという点で大変名誉なことだと考えております。来月7日に原子力の人材育成や研究開発の分野でIAEAとの協力関係を結ぶとのことでありますが、覚書締結に至ったこれまでの経緯と、この覚書を締結することで拠点化計画の取り組みについて今後どのような展開が期待されるのか、伺います。  以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 93 ◯議長笹岡一彦君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 94 ◯知事西川一誠君) 西本議員の一般質問にお答えをいたします。  まず、台風18号災害についてであります。  今回の全体の被害見込み額、予算規模、復旧時期等の見通し、また激甚災害指定の見通しであります。  今回の台風被害につきましては、多方面に及んでおり、現在詳細調査を急いでおります。これらの被害に対応するための復旧予算についても、現在精査、算定をしている最中であります。復旧時期については、1カ月後には若狭町遊子地区の仮設橋を完成をさせる目途を持っており、その他の復旧工事についても速やかな完成に努めてまいります。  国の激甚災害の指定でありますが、現在、県において被害の取りまとめを行っており、今後、国土交通省の各所管省庁において精査した上で、全体として内閣府が決定をすることになると思います。いろんな種類の激甚災害がありますので、どれに指定されるかというのは、規模の大きさが決まらないと決まらないということであります。  また、台風18号による住宅等の全壊被害を受けた世帯に対する被災者生活再建支援制度、これは全壊でありますと300万円の支援金があるわけでありますが、今回の台風18号で被災した市町を含む関係府県が京都、埼玉、福井と複数生じましたので、人口5万人未満の町であれば条件が本当は10世帯要るのですが、複数の都道府県になりますと2世帯以上であれば対象になるということになりますので、このため小浜市の全壊2世帯、それから美浜町の全壊3世帯について適用することとし、本日付で決定をすることにいたしました。  次に、嶺南地域における経済対策でありますが、まず企業誘致について、これまでの成果であります。  企業誘致については、23年度に大都市から企業移転、企業集積を強力に推進するために副知事をトップとする福井県の企業立地推進戦略本部を設けました。新エネ、省エネ関連企業や研究開発などを重点に、毎年1,000社を訪問する活動を強化してまいりました。特に嶺南地域は、電気料金が低廉であること、舞若道の開通による京阪神、中京などとのアクセスが向上すること、敦賀港の利用などアピールすべき材料がふえておりますので、全国展開したいろんな企業についての投資を働きかけてきたところであります。  このような誘致活動の結果でありますが、嶺南地域の立地件数は23年からこれまでに日本電産テクノモータ、高槻電器工業、日本ゼオンなど16件、投資総額260億円、新規雇用者発生数は約330人ということになっております。  同じく嶺南地域における新たな産業立地用の土地の確保についてであります。  嶺南地域の産業団地は現在6カ所ありますが、総面積がもう10ヘクタールを切っておりまして、そのうち5カ所は2ヘクタール未満ということでありますので、団地の面積も小さいわけでありますので、どうしても5ヘクタール程度の用地を必要とする企業が出てきておるわけであります。  このため県としては、今年度から産業団地整備事業補助金の補助率をかさ上げする、補助率をアップするとともに、この6月議会において市町村への無利子貸し付けを行う産業団地整備基金を創設しました。これは企業が立地するまでの借入金の利子負担がなくなるわけであります。5ヘクタールを超える規模の産業団地の整備を促進することにしました。  この制度を活用して、具体的な場所を大体めどをつけて仕事をしないといかんわけでありますので、美浜町において舞若道の美浜インターチェンジ付近の山上地区で、敦賀市は敦賀新港付近の田結、鞠山地区で調査に着手し、それぞれ約10ヘクタールを想定することになりますので20ヘクタールを予定しております。そうなりますと、大体数社の大きな企業が立地しますと300億円程度の投資、あるいは300人程度の雇用が生まれると、このように思っております。  嶺南では、これら以外にも産業団地の整備を検討中の市町があるわけでありますので、今後、市町と連携をしながら、さらなる団地整備と企業誘致を強力に進めてまいりたいと考えます。  次に、IAEAと福井県の覚書締結についてであります。その締結に至った経緯と拠点化計画の今後の展望であります。  23年4月に発足しました原子力人材育成センターでは、IAEAの国際標準的な研修がぜひとも必要と考え、昨年秋に現地にもいろんな連絡あるいは職員などが参りまして協議を開始しました。本年3月には、IAEAの専門家を招いたアジア原子力人材育成会議を開催し、7月には共同でアジアの原子力関係行政官を対象とした原子力なども行っております。  福井県におけるこれらの支援実績はIAEAからも高く評価され、今回、天野事務局長と私のほうで覚書を締結する運びになりました。この締結によりまして、原子力人材育成機能に対する本県の信頼性が格段に向上し、原子力の政策決定に直接携わることになる東南アジアでの上級行政官を対象とした研修が行われることになります。また中東諸国からの研修生の拡大もできるわけであります。また、IAEAと連携して陽子線がん治療や放射線監視に係る研究者の受け入れや国際会議などを行いまして、本県の技術レベルと国際貢献の向上を図ってまいります。  そして県としては、さらに国において今回の覚書締結の意義を理解していただき、本来国が行うべき国際的な人材育成の一翼を担うプロジェクトとして国も関与するような形でやることが大事でありますので、積極的な協力、支援を国に対しても働きかけてまいりたい、このように考えます。  その他については、関係部長から答弁します。 95 ◯議長笹岡一彦君) 副知事石塚君。     〔副知事石塚博英君登壇〕 96 ◯副知事(石塚博英君) 嶺南経済対策につきまして、嶺南各地を歩いた率直な感想ということでお尋ねをいただきました。  就任以来、嶺南地域に出向きまして、市町や経済界に加えまして、原発の長期運転停止により売り上げが減少しております機械器具保守業や宿泊業、さらには小売業等の経営者から直接、経営状況あるいは今後の見通しなどを伺ったところでございます。これらの経営者の方々からは、何といっても原発再稼働など先行きの見通しが不透明なことが一番困ると。また、原発からの受注や消費の落ち込みがさらに今後も続くとなると経営が非常に苦しくなるという声が聞かれたところでございまして、厳しい状況であるというふうに感じたというところでございます。  このため、議員からもお話ございましたが、今回の補正予算におきまして、消費の落ち込みを全てカバーするほどの規模ではございませんけれども、嶺南の域外からの誘客を喚起し消費を拡大するキャンペーン、あるいは機械器具保守業の従業員向けのスキルアップ支援、これを行うこととしたところでございます。  また市町でございますが、中長期的な対策としまして、原発だけに依存しない産業基盤の柱となりますよう製造業などの誘致に非常に積極的でございまして、県としても市町の産業団地の整備への支援に力を入れていかなくてはならないというふうに考えたところでございます。  今後とも、現地の意見を伺いまして、現状を把握しながらスピード感を持って必要な対策を推し進めてまいりたい、このように思っております。 97 ◯議長笹岡一彦君) 総合政策部長東村君。     〔総合政策部長東村健治君登壇〕 98 ◯総合政策部長(東村健治君) 次世代型石炭ガス化複合発電など原子力の代替エネルギーの検討内容についてのお尋ねでございます。  福島の事故後、原子力発電にかわる新たな電源確保の展望が見えない中で、原子力はなお重要な基幹電源であると認識しております。しかしながら、過度の原子力依存を課題と捉えまして、拠点化計画では、エネルギーの多元化への対応としてLNG関連インフラや大規模太陽光発電設備の整備のほか、美浜町の小水力発電や高浜町のバイオマス発電について検討を行っております。  大幅な発電効率の改善とCO2排出量の低減効果が期待されます石炭ガス化火力発電につきましては、国内外でその経済性、耐久性等の実証実験が進められております。県内の事業者におきまして現段階で導入計画はないと聞いておりますが、今後とも技術動向について情報収集に努めてまいりたいと考えております。  一方で、LNGインフラ施設は、工業用ガスの製造や冷凍倉庫などの関連産業の立地が見込まれ、新たな雇用や地域経済波及効果が期待できることから、引き続き県内への誘致を進めていきたいと考えております。 99 ◯議長笹岡一彦君) 安全環境部長櫻本君。     〔安全環境部長櫻本 宏君登壇〕 100 ◯安全環境部長櫻本 宏君) 私からは3点お答え申し上げます。  まず、小浜市で発生した台風被害についての県の対応についてでございます。  8月23日夕方に発生した竜巻の後、県では直ちに嶺南振興局の職員2名を派遣して現地調査を行いました。そして、小浜土木事務所及び林業水産部の職員9名が県道の支障物や倒れた街路樹の撤去、あるいは小浜漁港における倒木の処理、船舶の被害の確認などの応急対策を行ったところでございます。  今回の竜巻被害におきましては、小浜市内の特定地域で発生しておりますので、これまで竜巻被害の発生しました茨城県あるいは栃木県の例を参考に、小浜市とも協議いたしまして、市において住宅再建に対する補助制度や利子補給制度を新たに創設するなどの支援を行っているところでございます。  次に、県として被災者生活再建支援法の改正を国に働きかけていく必要があるということについての所見でございます。  現在の被災者生活再建支援法では、同一の自然災害で住宅被害が発生した場合、全壊被害が10世帯以上の市町村には適用されますが、隣接市町でそれ未満であれば適用されないといった不均衡が生じております。このため県では、一部地域が同法の適用対象となるような自然災害が発生した場合には全ての被災区域が支援の対象となるよう見直すことについて、これまで全国知事会を通じて国に要請したところでございます。今後も引き続き、全国知事会などと協力して国に対し制度の見直しを強く要望してまいります。  次に、事前復興について、県として事前復興に相当する計画を策定する必要についての認識でございます。  事前復興計画は、地震などにより市街地が被災した場合に備えまして、都市の再構築あるいは被災者の速やかな生活再建を図るという観点から、あらかじめまちの復興に向けたさまざまな道筋を定めようとするものでございます。これまで実際に策定いたしました7つの都府県の例を見ますと、被災状況の把握、分析、無秩序な建築行為を防ぐための建築制限、土地区画整理事業や市街地再開発事業の実施などについて、迅速なまちづくりに向けた行動の手順などを定めているものでございます。  本県におきましても地震等の災害被害に備えるため、こうした他府県の例を参考にしながら今後の対応について研究、検討してまいりたいと考えております。 101 ◯議長笹岡一彦君) 土木部長幸道君。     〔土木部長幸道隆治君登壇〕 102 ◯土木部長(幸道隆治君) 私のほうからは、台風18号災害について2点お答えいたします。  まず、特別警戒区域外の山際の住民に対する啓発方法と安全対策の見通しについての御質問でございます。  今回、土石流被害が発生しました小浜市忠野地区、美浜町丹生地区につきましては、土砂災害警戒区域に指定しておりまして、その中の山際部分を特別警戒区域にしてございます。特別警戒区域も警戒区域も土砂災害のおそれがあるため、県内の全市町で危険箇所や避難場所等を記載したハザードマップを区域内の住民に配布するとともに、11市町におきまして県と市町による住民参加の共同の土砂災害避難訓練を実施してきております。  今回の災害を受け、危険箇所の追跡調査を行い、その結果を住民に周知するとともに、まだ土砂災害の避難訓練を実施していない福井市とか坂井市とか敦賀市など6市町については、早急に訓練を実施する必要があると考えます。  もう1問、浸水危険地域全体の対策と江古川河川改修の見通しについてでございます。  江古川の治水対策としましては、国土交通省に対し、北川の河床掘削の強力な推進を要望しているほか、江古川につきましては、しゅんせつ、伐木の実施により河川断面を確保するとともに、堤防を兼ねた市道を約2メートルかさ上げすることなどについて、小浜市及び地元と十分協議していく予定でございます。  また、浸水危険地域への一般的な対策としましては、これらの地域に新たな住宅を建てないようにすることが大事でございまして、過去の浸水の実績図を作成し、公表してございます。さらに、宅地開発などの際に不動産業者など申請者に対し、浸水の危険性について市町とともに十分に周知徹底すると。そこに水がつくというのを周知徹底するということを、今後ソフト対策としてやっていく所存でございます。 103 ◯議長笹岡一彦君) 糀谷君。     〔糀谷好晃君登壇〕 104 ◯18番(糀谷好晃君) 民主・みらいの糀谷好晃です。提言も交えて質問させていただきます。  今回の台風18号、とりわけ嶺南の小浜市、若狭町、美浜町などにおいて大きな爪跡を残しました。ただいまは西本議員、そしてまた午前中は吉田議員のほうから大変生々しい臨場感あふれるお話を聞かせていただきました。県民の一人として、また嶺南の一員として大変心痛に思っています。  さて敦賀市なんですけれども、幸いといいますか、今言われたようなことほどの被害は、実害はありませんでしたけれども、しかし市中部を流れる大きな川がまさに浸水ぎりぎりのところまで参りまして、夜も眠れない。そしてまた、早朝から避難をした人もたくさんおったわけでありますので、地元の一人として一言申し上げたいと思います。  ちなみに、敦賀市は24時間雨量は215ミリ、これは観測史上最大値でありました。ただ小浜市は、これも観測史上384ミリということでございますから、今回いかに小浜市が甚大な被害をこうむったかという証左でもあります。  ところで、敦賀市の市街地を貫流する笙の川も急激に増水し、氾濫危険水域を優に超しまして堤防の高さに約40センチまで迫る場所も出るなど氾濫寸前の状況に陥りました。笙の川は、敦賀市池河内を源に、五位川あるいは黒河川などと合流し、市中心部を通って敦賀湾に注ぐ延長18.3キロの二級河川であります。実は笙の川は1998年、台風7号による降水時、呉竹地点において観測史上最高水位を記録しており、一昨年の2011年5月にも氾濫危険水域に迫ったことは記憶に新しいところであります。今回も含めて、これまで間一髪で災害を免れたことは、まさに僥幸であったと思われます。  ところで、早くから笙の川の整備促進を求める声は根強くありました。例年、敦賀市は県への重点要望事項の一つとして位置づけております。地元では、笙の川整備促進協議会が設立され、市民と行政が一体となり早期の整備を目指してきたところであり、また周辺住民による笙の川を愛する会は環境美化運動などにも汗をかいております。それだけに、今回の事態は流域住民を中心に不安が一層募り、早期の事業採択を求める声が増幅をしております。  というのも、念願しておりました笙の川水系河川整備計画についてでありますが、曲折の末ようやく2009年1月に国土交通省の同意を得られ、早期の事業が可能となっている背景がそこにあるからであります。この計画では、笙の川河口から木の芽川合流点までの1.5キロは50年に一度の大雨に対応するために河床掘削や矢板の補強など、また木の芽川合流点から黒河川合流点の1.8キロは30年に一度の大雨に対応するため築堤や護岸設置をするという内容であります。  一方、敦賀市内では笙の川のさらに西側の市街地を走る井の口川も今回、上流にて山から大量の土砂が流入し、市内の河川で最も土砂流入量が多く、早急な除去が求められております。この井の口川については、整備計画が2005年に承認をされ、現在、改修事業が逐次進められているところであります。  どうして笙の川の河川整備がこれまで遅々として進まず俎上に上がってこないのか。新規事業採択へ向けての課題は何なのか。そして今後の見通しについて明快なお答えをいただきたいと思います。  また近年は、県においても笙の川水系のしゅんせつにそれなりに取り組んでいることは私どもも承知しているところでありますが、少なくとも、当面はこのしゅんせつ工事をより拡充することによって流下能力の確保につなげることが必要と思いますが、県の現状認識と所見を伺います。  次に、2つ目の大きなテーマは、地域医療の将来像と県の責任の重要性について触れます。  今回、社会保障制度改革国民会議で今までにない大きな改革の方向性が示されました。それは、地域の実情に合った、いわば御当地医療をつくる。そのために都道府県の権限と責任を大きくし、そのための財源も国が確保する。そんな内容であります。つまり地域ごとの医療、介護のデザインを都道府県が中心になって担うことであります。押し寄せる高齢化のピークの中に住民の医療、介護のニーズをにらんで病院や介護施設を整備し、スムーズに連携させていく。そうした将来ビジョンが今こそ地方に求められているわけであります。  国のこれまでの医療政策は、全国一律の方式に依拠してまいりました。そもそも地方と都市では高齢者数や人口密度、また医療機関や医師数など、いろいろと理由は違います。将来ビジョンを構築するためには、都道府県がより大きな責務を負うのは自然な流れと言えます。  持続可能な社会保障制度をどう築くのか。この大きな命題にこの国はずっと呻吟、うめき苦しんでまいりました。急速な少子・高齢化で医療、介護、年金の給付費が増大し、国の借金が膨らみ続けています。社会保障の自然増が毎年1兆円以上ふえる以上、現役世代の負担で高齢者を支える現行の社会保障の原則は、もはや制度を維持できないのは明白であります。  社会保障制度改革国民会議が、負担を支払い能力のある高齢者を含めた全世代型に転換するよう提言するなど、まず医療、介護を中心に国民に痛みを伴うさまざまなメニューが並んでおります。高齢者を横並びに対応するのではなく、負担のあり方を年齢別から能力別に切りかえるとしております。高齢者を全て弱者として捉えるのではなく、相応の負担を求めようとするものであります。  予定どおりの消費税アップが既定路線とされている中、社会保障でも負担増が続くのでは何のための消費増税なのかという反発も聞こえてきそうでありますが、まずこの負担増について、地方の立場から知事としての基本的所見を伺います。  次に、最終報告では、超高齢化社会にふさわしい医療提供体制の実現に向け、構造改革の必要性を強調。これまでの病院完結型から、地域全体で治し生活を支える地域完結型の医療への転換を提示しております。日本は、病床数は多いが役割分担が不明確なため、高機能な病院に状態が落ちついた患者が入院し続け、医療費の無駄遣いや救急患者を受け入れられないなどの弊害が生じております。そのため病院、病床の機能再編を進め、発症直後の急性期治療を終えた高齢者に適したリハビリや早期の在宅復帰を支援する機能を充実し、在宅医療、介護、住まいや自立した生活の支援まで切れ目なくつながる体制を構築しようという動きであります。  都道府県は、各病院からの報告を受け、地域の事情や特性に見合ったビジョンの策定を迫られております。しかし、このような病院ごとの機能、役割の分担の明確化は決して生易しいものではありません。県内でも公営だけではなく民間経営による病院がかなり多く、行政側が旗を振っても機能再編への道のりは決して平坦ではありません。ほかにも、これまではベッド数の規制などが主な内容であったのが、より専門性の高い医療の中身に立ち入り、企画、調整する仕事は担えるのか、地元医師会といかに向き合っていくのか。市町と違って住民と直接接点が少ない県が、地域の複雑な事情を踏まえた調整が果たしてできるのか。
     これら懸念材料の中で、県はこの再編計画実現のためにいかに取り組んでいくのか、所見を伺います。  さて、国では地域医療や介護のための基金を設けていますが、今触れた病院機能の集約や転換などに必要な費用を補助するとしております。このような投資的経費は、診療報酬で賄うのは難しく、補助金という直接的な手法でつくられた制度だと思われますが、地方としていかに有効に使うかが問われております。  県の9月補正予算案においても、地域医療再生基金の積み増しとして9.5億円が計上されております。平成21年度から既に造成している基金は75.6億円、平成27年度までに終了する事業とは聞いておりますけれども、地域医療再生基金のこれまでの主な事業実績とその成果、また今後の方針について伺います。  次に、今回のプログラム法案における介護保険の見直しが実現した場合、介護サービスを利用する高齢者にどのような影響が出るのでしょうか。今回最も影響が大きいとされるのは、要支援を保険サービスから切り離し、市町村に委ねることであります。その背景には、ふえ続ける介護費用の総額を押さえ込むことにあり、効率化と重点化のため、より重い要介護者に給付を集中させようという方針であります。要支援の人は、要介護を防ぐための予防給付から外されます。予防給付には運動機能訓練や訪問介護など全国一律のサービスがあります。厚労省は、地域の実情に見合った形にすればコストを削減できるともくろんでいるわけであります。  そもそも2006年4月の改正介護法で最も注目されたのが、介護予防という用語でありました。認知症などを除く軽度者の7割を新予防給付に移行し、報酬は定額制とされたのであります。介護予防を目的とした地域支援事業を創設し、介護保険の中から要支援、要介護になるおそれのある二次予防事業対象者について、専門職とも連携しながら、例えば現場に合った効果的な転倒骨折予防教室や栄養指導などが行われてきたところであります。  介護予防にかかわるこれまでの県内の地域支援事業の実施状況について、その効果と課題など総括を伺います。  次に、市町村は、介護事業者のほかNPOやボランティア、民間企業などの協力を得て事業を立案するとされておりますが、果たしてどうでしょうか。まず、NPOやボランティアが育っている地域とそうでない地域があり、そもそもその量や質に差が出るのは相違ありません。そもそもプロが担ってきた介護予防という分野を財政や組織力の弱いNPOなどが担えるかという疑問など、市町村の力量に差がある中で、地域間格差が生じるおそれが多分にあります。  県内全市町が地域支援事業を立案し、円滑に実行する際に、地域間格差が生じることのないよう県はどのように対応していくのか、伺います。  さて、厚労省の調査では、1回の訪問介護時間を短くして利用者数をふやしたり、特養などスケールメリットのきく大規模施設を運営したりしている事業者は、比較的経営が安定している傾向にあるといいます。一方、介護事業所には小規模なところが多く、経営上の効率は決してよくありません。運営の難しさが介護労働者の巷間伝えられる低賃金の一因にもなっていると考えられます。仕事の厳しさの割には低賃金という実態が、介護業界の離職率の高さにもつながっています。  厚労省は、本年5月、2012年9月時点の常勤介護職員の平均月給が27万5,700円であり、非常勤が13万9,000円だったとする調査結果を明らかにしております。一方、県内の全産業平均賃金は33万6,000円であり、常勤介護職員よりも6万円も高いのが現状であります。他業種より低水準とされる介護職員の給与引き上げのため、厚労省は2012年度の介護報酬改定で待遇改善加算制度を創設しておりますが、この制度の今後の見通しについて伺いたいと思います。  次に、認知症の人が住みなれた地域で暮らせる社会を目指し、敦賀市は厚生労働省のモデル事業、認知症初期集中支援チームを市内の地域包括支援センターに配置し、本人や家族のサポートに乗り出しております。これは、厚労省が今年度から進める全国14自治体のモデル地域の一つに選ばれたわけであります。認知症対応といえば、早くから若狭町が広範な町民を巻き込んだ先駆的な取り組みを続けていることで知られておりますし、最近では福井市内などで認知症カフェなどがふえつつあると聞いております。県は県内における認知症患者数などの実態をどのように把握し、いかなる取り組みをしているのか。現状認識と今後の方向性について伺います。  ここで、介護全体の話の中で、私見を交えて見詰め直したいことがあります。  古くから日本社会は人々と地域との強いつながりの中で成り立ってきました。それが時代の変遷とともに社会環境が激変し、身近な家族関係を初めとして社会とのきずなが薄くなってきたのは周知のとおりであります。このような背景を受けて、介護保険は2000年度に始まった新しい制度ですが、急速な少子・高齢化が進む中、今、新たな対応が迫られているのであります。  介護費用は、2013年度予算で9.4兆円と発足年度の2.6倍に膨らんでおります。制度の持続可能性を向上させるためには、利用者の応分の負担を求めるなど現実的な見直しが欠かせないことは明白です。この負担増については、政治も前に踏み出す決断が求められております。つまり社会保障の話は、行き着くところはお金の話に帰着してしまいます。まず収入がないと、特別養護老人ホームやグループホームなどは容易に入れません。身近な例ですが、国民年金だけではなかなか満足な医療、介護を受けられないというのも現状であります。  しかし、金に始まり金で終わるとすれば実に情けない話でありまして、本来それを補うのが家族であり、また地域の力であったはずですが、これらのきずなが希薄になっていることはさきに触れたとおりであります。それだけに、日本人が本能的に持つ家族愛や隣人愛という心の原点に回帰し、高齢者を家族、社会、そして行政で包括的に見守る体制を構築することこそ国が求める地域包括ケアシステムの実践につながると思われます。  翻れば、これを全国どこよりも先駆けて具現化しているのは我が福井県であると私は信じます。これまで連綿として築かれながらも忘れかけている心を呼び戻す。つまり、この国の美風を再喚起することこそ今の本県に必要ではないかと思います。  認知症や介護は、あすは我が身の世界かもしれません。決して他人事ではなく、また社会保障制度に全面的に頼り切れる話でもありません。より身近な地域の問題として捉えることができる気質や地域力がまだまだこの県民や県にはあるはずと信じます。本県は、人口は微減していますが、一方では出生率はふえつつあり、また1世帯平均で2.88人と全国最多であります。3世帯同居率や、持ち家比率とその延べ面積も全国高位であります。  もはや地域の医療、福祉は国任せでは成り立ちません。例えば国民健康保険の県への移管問題など、まさにこれからの課題ではありますが、県は将来像を描き、責任を持つ体制ができるとすれば、その意味は大きいと思われます。世界一の高齢日本にあって、健康長寿県でもある本県が幸福度日本一という評価を確かなものにするためにも、医療・福祉版地方分権の実を上げるべきであり、県の役割は重大と考えますが、知事の所見を伺います。  最後に、提言も含めて伺います。  学校教育の中で、これまでも地域社会とのつながりを強くする方策はいろいろととられているという認識はありますが、福祉分野とのかかわりは一体どうなのか。医療や介護なども含めた社会保障関連の学習、例えば施設見学や高齢者との交流などを取り入れていくような視点も大事ではないでしょうか。学力、体力で全国トップクラスを続ける本県の子供たちが高齢者や社会的に弱い人たちへのいたわり、思いやりを自然な形で幼心に植えつけてくれれば、まさに三拍子そろうわけであり、この県の将来にも明るい展望が開けてまいります。また、中高学年では、人材不足が指摘されがちな看護師や、あるいは介護業界への就職志望等にも資することができると考えます。  教育現場の中での福祉分野とのかかわりについて、現状と今後の方向性について教育長の所見を伺って終わりにします。ありがとうございます。 105 ◯議長笹岡一彦君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 106 ◯知事西川一誠君) 糀谷議員の一般質問にお答えをいたします。  地域医療の将来像と県の責任であります。  消費税の引き上げ等の議論の中で、こうした税の負担、一方で社会保障制度の充実についてどのように考えるかとの御質問です。  社会保障制度の持続可能性を高めて、その機能がより高度に発揮されるためには、安定的な財源を確保すると同時に、さらには世代間のバランスや能力に応じた負担の仕組みを整備することが重要であります。  このため、若い世代だけに負担を求めるのではなく、一律に横並びの負担となっている高齢者につきましても、健康づくりでありますとか、病院や診療所の医療サービスの考え方の改善、また介護予防などとの政策を進めながら、負担能力に応じ貢献していただくことが一つの方向性と考えます。また、社会保障制度を支える若い世代に安心感と納得感が得られるよう、子育て支援など将来に夢と希望を抱くことのできる給付の分野についても積極的に進めていくことが重要であると思います。  地域医療に関連いたしまして、地域包括ケアシステムを実践していくために医療・福祉版の福井的な地方分権を実行すべきではないかということであります。  福井県は、介護施設の整備率が全国最上位でありまして、全国に先駆けて本当に入所が必要な方のための介護の待機者は実質ゼロを達成していると思います。そこで、さらに高齢者が住みなれた地域で暮らし続けたいという希望をかなえるためには、いろんな工夫が要るわけであります。  そこで、東京大学との共同研究、これはジェロントロジーの一環でありますが、総合長寿学の一環でありますが、坂井地区において、さまざま検討を加えた後、昨年10月から先進的な在宅ケア体制のモデルづくりを進めております。このモデルをさらにレベルアップするためには、これまで別々の在宅の医療と介護サービスの提供を総合化することに加えまして、新たに高齢者の日常生活を支えるサービスもこれと一体化し、そのためにはたくさんのいろんな専門家やボランティアが必要でありますので、そうした必要なボランティアや関係者を養成する仕組みづくりも進めてまいりたいと考えます。そして今後、今、これは坂井地区でやっておりますが、これを県内全市町に拡大し、本県が持つ、御指摘がございました地域社会あるいは御家庭での強みといいますか、つながりの力を生かした本県独自の地域包括ケアシステムをつくり出すことによりまして、高齢化社会の課題を我が福井県として全国に先駆けて解決しようという挑戦をしてまいりたいと考えるものであります。 107 ◯議長笹岡一彦君) 健康福祉部長田端君。     〔健康福祉部長田端浩之君登壇〕 108 ◯健康福祉部長田端浩之君) 私のほうからは、地域医療の将来像と県の責任につきまして6点お答えします。  まず、県は病床機能の再編計画実現のためどのように取り組んでいくかというお尋ねでございます。  今回の国の社会保障国民会議の報告書では、増加する高齢患者に対応いたしまして、急性期に偏った病床を回復期、慢性期病床に転換し、さらに早期に在宅に移行させるため在宅医療を充実することが必要であるといったことを示しているわけでございます。ただ、地域に合った医療提供体制を構築するには、やはり県に十分な財源と権限を付与するなど実効性のある手段を具体的に国は示すべきでございます。今後、国は地域医療のさらなる充実を図るため、例えば坂井地区で進めている先進的な在宅ケアシステムなど医療と介護を一体で提供する仕組みづくりや医師の偏在是正について、国レベルの実効性のある施策の実施が強く望まれるところでございます。  国は、平成26年度中に再編計画のガイドラインを示すこととしておりますが、スケジュールありきではなく、やはり国が具体的な方針を示すことが先決でございます。  続きまして、地域再生基金の事業実績とその成果等についてのお伺いでございます。  平成22年度から基金を活用しまして、医師確保、救急医療充実、災害時医療体制の強化など地域医療の課題を解決するための事業を実施してきたわけでございます。まず医師確保につきましては、修学資金による医学生の確保のほか、福井大学への寄附講座、あるいは救急医、家庭医などの専門医の養成コースによりまして、医師不足の医療機関に、今年度の例で申し上げますと15人の医師を派遣しております。また救急医療体制の充実につきましては、総合周産期母子医療センターの整備、あるいはこども急患センター、精神科救急情報センターを設置してまいりました。また、がん対策といたしましても、がん医療センターや検診車等の整備を進めるとともに、今回提案してございますが、東日本大震災の教訓を踏まえた災害時医療体制の整備等に取り組んでいるところでございます。  これらの事業によりまして、地域医療の充実が図られてきておりまして、引き続き、例えば坂井地区の在宅ケアモデルのレベルアップとか災害時医療体制の強化等に努めてまいりたいと考えております。  続きまして、介護予防にかかわるこれまでの県内の地域支援事業の実施状況につきましてのお尋ねでございます。  市町で実施しております介護予防事業につきましては、平成24年度におきまして3,635人が参加しております。参加者数は年々増加しておりますが、事業対象者の約14%と──全国平均は約8%ということでございますが──全国で5位ということでございますが、依然として低い水準にございます。このため市町においては、身近な場所での実施、あるいは保健師の戸別訪問等による参加促進、県におきましても県内外の先進的な事業例を紹介するなど、介護予防事業の充実を図っているところでございます。なお、事業に参加した人の約8割が健康を維持、改善しているというアンケート結果が示されているところでございます。  続きまして、県内全市町が地域支援事業を立案し円滑に実行する際に、地域間格差が生じることのないよう県はどのように対処するかというお尋ねでございます。  比較的状態の軽い、いわゆる要支援者に対する介護保険給付を市町村の地域支援事業へ移行することは、今回、国民会議の提言に盛り込まれておりますが、サービスの質の低下や地域格差につながるおそれがございます。国は3年間の移行期間を設け、住民ボランティアの育成などサービスの新たな担い手の体制整備の状況に応じ、段階的に移行させる考えを示しているわけでございます。  県では、坂井地区において、医療、介護に加え新たに高齢者の日常生活を支えるサービスも一体で提供し、必要な担い手も養成する仕組みづくりを進めているところでございます。今後、その取り組みを県内全市町に展開するとともに、国に対しては、市町村の体制が整った段階での移行が可能となるよう十分な移行期間の確保を求めてまいります。  続きまして、厚労省は2012年度の介護報酬改定で処遇改善加算制度を創設したが、この制度の今後の見通しについてのお尋ねでございます。  この介護職員処遇改善加算制度によりまして、県内では交付金創設前と比べまして約1万6,000円の改善効果を上げております。国は、この加算について前回報酬改定の際に、次期報酬改定の平成27年度以降は加算ではなく基本報酬において適切に評価を行うということを示しております。  県では、この加算が基本報酬に組み入れられた場合も改善効果が維持されるよう、現在作成を進めております性別、年齢、勤続年数ごとの介護職員の平均賃金の指標を活用するなどによりまして、実地監査の際に賃金の状況を確認し、必要に応じて指導してまいりたいと考えております。  最後になりましたが、県内における認知症患者数などの実態、現状認識と今後の方向性ということでございます。  本県の認知症高齢者数は、平成25年4月の時点で約2万6,000人、要介護認定者に占める割合は約7割で、全国──約6割でございますが──よりも高くなってございます。  認知症につきましては、早期発見と早期治療が重要でございまして、現在、鯖江市、越前市、越前町の3市町におきまして本県独自の認知症検診モデル事業を実施しており、来年度からは他の市町に拡大していきたいと考えております。また県では、かかりつけ医や介護職員の認知症に関する知識と技術の向上、認知症対応サービスの充実、地域での認知症に対する普及、啓発などを行っているところでございます。  今後、認知症高齢者ができる限り住みなれた地域で暮らし続けられますよう、例えば認知症サポーターの養成など地域全体で支える体制づくりを進めてまいります。  以上でございます。 109 ◯議長笹岡一彦君) 土木部長幸道君。     〔土木部長幸道隆治君登壇〕 110 ◯土木部長(幸道隆治君) 私のほうからは、笙の川水系の整備促進についてというお尋ねにつきまして、笙の川の新規事業採択へ向けての課題、見通し、それから、笙の川水系のしゅんせつ工事をより拡充し流下能力を確保してはどうかというお尋ねについてお答えいたします。  笙の川につきましては、昭和4年に現在の位置に新たに開削してつけかえまして、おおむね10年に1回の大雨に対して安全な計画となっております。その後、流域の市街化が進行してきたことから、50年に1回の大雨に対して安全となるよう、木の芽川合流点より下流において現在1秒間に550トン流れるものを950トン流れるように河道の掘削、三島橋の橋梁のつけかえなどの、それから河道の掘削に伴います補強を行うこととしております。  しかし、事業着手に当たりましては、漁業関係者などとの調整が必要であること、それから、井の口川の治水安全度が笙の川より低いため、現在は井の口川の整備を優先して行っているところであります。  笙の川の治水対策につきましては、ここ5年間で約1万3,000立米をしゅんせつするなど、改修に着手するまでの間、引き続き、しゅんせつ工事や護岸の補修など適正な維持管理を行いまして、流下能力の確保をしてまいります。  以上です。 111 ◯議長笹岡一彦君) 教育長林君。     〔教育長林 雅則君登壇〕 112 ◯教育長(林 雅則君) 教育現場の中での福祉分野とのかかわりについての現状と今後の方向性についてお答えいたします。  福祉に関する教育につきましては、社会保障のあり方などを含めまして、小中学校では総合学習の時間を活用しまして、また高校では家庭科あるいは公民の授業で学習しておりますが、何よりもみずから介護や医療の現場を体験することが大切でございます。  このため小中学校では、例えば妊婦や乳幼児との交流、あるいは高齢者福祉施設の訪問を行いまして、いたわりや思いやりの心を育てております。さらに高校では、将来の進路選択も視野に入れて看護や介護の職場体験に参加して、食事あるいは被服着脱の介助等の体験を通して、福祉の仕事のやりがいに気づくきっかけをつくっております。  また専門的な分野では、奥越明成高校の福祉に関する学科では、就職に直結します訪問介護2級の資格を全員に取得させるとともに、介護福祉士の国家試験受験資格を得るために3年間で56日の実習を行っておりまして、高い専門性を身につけさせております。  今後は、地域における介護人材の育成などが求められておりますので、今進めております学校再編の中では、福祉や看護関係の大学への進学を目指すコースの設定も検討しております。さらに、授業以外にも福祉分野でのボランティア活動、こういったことについても積極的に参加する学校活動を充実させてまいりたいと考えております。              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 113 ◯議長笹岡一彦君) 以上で、本日の議事日程は全部終了いたしました。  明26日は午前10時より開議することとし、議事日程は当日お知らせいたしますから、御了承願います。              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 114 ◯議長笹岡一彦君) 本日は、以上で散会いたします。                               午後4時38分 散 会 発言が指定されていません。 Copyright © Fukui Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...