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  1. 福井県議会 2011-06-29
    平成23年第370回定例会(第4号 一般質問) 本文 2011-06-29


    取得元: 福井県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-12
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいタブが開きます) 平成23年第370回定例会(第4号 一般質問) 本文 2011-06-29 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ 別窓表示 ダウンロード 表ズレ修正 表示形式の切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者一覧に移動 全 92 発言 / ヒット 0 発言 表示発言の切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示 すべて選択 すべて解除 1 ◯議長(田中敏幸君) 2 ◯議長(田中敏幸君) 3 ◯議長(田中敏幸君) 4 ◯議長(田中敏幸君) 5 ◯29番(野田富久君) 6 ◯議長(田中敏幸君) 7 ◯知事(西川一誠君) 8 ◯議長(田中敏幸君) 9 ◯政策幹(森近悦治君) 10 ◯議長(田中敏幸君) 11 ◯総合政策部長(東村健治君) 12 ◯議長(田中敏幸君) 13 ◯安全環境部長(石塚博英君) 14 ◯議長(田中敏幸君) 15 ◯健康福祉部長(小林正明君) 16 ◯議長(田中敏幸君) 17 ◯教育長(広部正紘君) 18 ◯議長(田中敏幸君) 19 ◯29番(野田富久君) 20 ◯議長(田中敏幸君) 21 ◯知事(西川一誠君) 22 ◯議長(田中敏幸君) 23 ◯総合政策部長(東村健治君) 24 ◯議長(田中敏幸君) 25 ◯7番(佐藤正雄君) 26 ◯議長(田中敏幸君) 27 ◯知事(西川一誠君) 28 ◯議長(田中敏幸君) 29 ◯安全環境部長(石塚博英君) 30 ◯議長(田中敏幸君) 31 ◯教育長(広部正紘君) 32 ◯議長(田中敏幸君) 33 ◯7番(佐藤正雄君) 34 ◯議長(田中敏幸君) 35 ◯知事(西川一誠君) 36 ◯議長(田中敏幸君) 37 ◯教育長(広部正紘君) 38 ◯議長(田中敏幸君) 39 ◯7番(佐藤正雄君) 40 ◯議長(田中敏幸君) 41 ◯知事(西川一誠君) 42 ◯議長(田中敏幸君) 43 ◯9番(玉村和夫君) 44 ◯議長(田中敏幸君) 45 ◯知事(西川一誠君) 46 ◯議長(田中敏幸君) 47 ◯農林水産部長(山田義彦君) 48 ◯議長(田中敏幸君) 49 ◯土木部長(西山幸治君) 50 ◯議長(田中敏幸君) 51 ◯警察本部長(尾崎 徹君) 52 ◯議長(田中敏幸君) 53 ◯副議長(吉田伊三郎君) 54 ◯17番(糀谷好晃君) 55 ◯副議長(吉田伊三郎君) 56 ◯知事(西川一誠君) 57 ◯副議長(吉田伊三郎君) 58 ◯総務部長(林 雅則君) 59 ◯副議長(吉田伊三郎君) 60 ◯総合政策部長(東村健治君) 61 ◯副議長(吉田伊三郎君) 62 ◯産業労働部長(蓮井智哉君) 63 ◯副議長(吉田伊三郎君) 64 ◯土木部長(西山幸治君) 65 ◯副議長(吉田伊三郎君) 66 ◯28番(山本正雄君) 67 ◯副議長(吉田伊三郎君) 68 ◯知事(西川一誠君) 69 ◯副議長(吉田伊三郎君) 70 ◯政策幹(森近悦治君) 71 ◯副議長(吉田伊三郎君) 72 ◯安全環境部長(石塚博英君) 73 ◯副議長(吉田伊三郎君) 74 ◯産業労働部長(蓮井智哉君) 75 ◯副議長(吉田伊三郎君) 76 ◯教育長(広部正紘君) 77 ◯副議長(吉田伊三郎君) 78 ◯副議長(吉田伊三郎君) 79 ◯副議長(吉田伊三郎君) 80 ◯副議長(吉田伊三郎君) 81 ◯知事(西川一誠君) 82 ◯副議長(吉田伊三郎君) 83 ◯副議長(吉田伊三郎君) 84 ◯副議長(吉田伊三郎君) 85 ◯副議長(吉田伊三郎君) 86 ◯7番(佐藤正雄君) 87 ◯副議長(吉田伊三郎君) 88 ◯副議長(吉田伊三郎君) 89 ◯副議長(吉田伊三郎君) 90 ◯副議長(吉田伊三郎君) 91 ◯副議長(吉田伊三郎君) 92 ◯副議長(吉田伊三郎君) ↑ リストの先頭へ ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(田中敏幸君) これより、本日の会議を開きます。              ─────────────────── 2 ◯議長(田中敏幸君) まず、書記から諸般の報告をさせます。      〔書 記 報 告〕                                  政 推 第221号                                  平成23年6月28日   福井県議会議長     田 中 敏 幸  様                                福井県知事 西川 一誠                  追加議案の送付について   第370回定例福井県議会に提出する追加議案を別添のとおり送付します。        (別 添)  第54号議案 福井県県税条例等の一部改正について              ───────────────────     欠 席 届       仲 倉 典 克 議員 所用のため       谷 口 忠 応 議員 所用のため              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3 ◯議長(田中敏幸君) 本日の議事日程はお手元に配付いたしましたとおりと定め、直ちに議事に入ります。              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     第1 第37号議案から第53号議案まで(17件)及び報告第3号から報告第14号まで(12件) 4 ◯議長(田中敏幸君) 日程第1を議題といたします。  これより、28日の本会議に引き続き、各議案に対する質疑及び県政全般にわたる質問に入ります。  よって、発言は、お手元に配付の発言順序のとおりに願います。  野田君。     〔野田富久君登壇〕 5 ◯29番(野田富久君) おはようございます。民主・みらいの野田富久です。  東日本大震災と原発事故で被災されました皆様にお見舞いを申し上げますとともに、亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表します。また、被災現場で4カ月近く昼夜を問わず復旧作業や原発で身を挺しての収束作業に取り組んでおられます皆さん方の御労苦に心から敬意を表したいと思います。  さて、質問と提言を行います。まず原発関係です。  福島第一原発事故を受け、一昨日の福島県議会で、自民党県議の質問に答えて、佐藤福島県知事は、福島第一原発事故は、収拾の兆しさえ見えず、原発の安全神話を根底から覆されたとして、原子力に依存しない社会を目指すべきだという思いを持つに至ったとの報道がありました。また、二井山口県知事は、中国電力の上関原発計画で、公有水面埋め立てを認めないとの方針を表明されたとのことであります。  さて、西川知事はこの事故を受けて、大震災当日にいち早く災害救援支援のためのDMAT4チームや県警広域緊急救助隊などを派遣し、翌日には原発災害対策として、現地へ環境モニタリングの支援を行う一方、県内の3原発事業者への安全対策に万全を期すよう要請もされました。国に対しては、経産省に情報開示や原因究明、防災対策や耐震安全性など緊急要請を行い、文科省には「もんじゅ」の安全確保の要請、さらに4月19日には海江田経済産業大臣に対して、安全基準の設定などを要請されてきました。この間の知事が的確なる対応と事故の課題を提言されたことを私は高く評価いたします。  ところで、菅直人首相は5月6日夜、緊急記者会見を行い、中部電力に対して、浜岡原発のすべての原子炉を停止するよう要請したと発表されました。6月18日、今度は海江田経産大臣が、浜岡以外の原発の再稼働に向けて、安全宣言を行いました。これを受けて、経産省の原子力安全・保安院の黒木審議官が21日の午後来県され、これに満田副知事が対応されました。黒木審議官は、IAEAに提出しました政府の見解と各地の原発の安全対策を妥当と評価した内容の説明を行い、原発の再稼働を要請したとのことであります。その後、我が県議会においても、県内の原発の運転継続や再開をすることに、安全上支障はないとの断定的な報告を行いましたが、各議員から厳しい指摘を受けたのであります。  その後、海江田経産大臣はなおも原発立地県へ協力要請を求めて各県に出かけるとの表明を行いましたが、果たして大臣は西川知事が投げかけましたボールをしっかりと受けとめた上でのことでしょうか。知事はこうした国の今日の姿勢について、どのように受けとめておられるのかお伺いします。  さて、原発事故ですが、6月6日に至って、原子力安全・保安院は、福島第一原発の事故原因は津波ではなく、地震から始まったことを初めて公表いたしました。さかのぼること、5月15日東京電力は、1号機では津波より前に地震の揺れで圧力容器や配管に損傷があったことを公表いたしました。保安院は、地震から3時間後、津波から2時間後の午後6時ごろに圧力容器内の水位が低下し、加熱した燃料棒は壊れ始め、その一部は格納容器へ漏れたことを公表したのであります。そして、少しのおくれが最終的なメルトダウンにつながったのであります。わずか507ガルの地震の一撃で、ECCSの高圧注水管が破損し、冷やすことができず、最悪の事態に至ったのであります。  今、国や電力事業者は津波対策で外部電源確保の手だてを行い、安全を強調しております。ここで認識しておきたいことは、津波の前に耐震構造が地震により決定的なダメージを受けたという認識に立って、耐震での安全対策を講じなければならないということであります。  本県の原発は2008年、原発の耐震設計審査指針の改訂を受けて、各電力事業者は施設での耐震安全評価の見直しを行いました。例えば、美浜原発は基準地震動の最大加速度を405ガルから600ガルに、「もんじゅ」は直近に活断層が存在することを認め、6.8マグニチュードの地震の可能性を認めました。  しかし、神戸大学の石橋克彦名誉教授は、活断層が認識できないところでも、マグニチュード7級レベルの地震は起こり得ること、1891年の濃尾地震や、1995年の阪神大震災のように、隣接の活断層が連動していることも指摘しております。また、敦賀半島において、1586年の天正の大地震、1662年の寛文の大地震など、古文書から地震災害の史実が明らかとなっております。  今回のIAEAの調査報告書では、地震に対して、過去の文献やあらゆる要素を考慮して、対策を立てるべきだと厳しく指摘しております。  敦賀半島は、以前から地震学者が指摘しておりますように、浦底断層や野坂断層、和布から干飯崎沖の断層、甲楽城断層から柳ヶ瀬断層から、さらに関ヶ原断層へと同時活動する可能性は極めて強い断層として評価し直し、その対応を行うことが必要不可欠であります。この認識に立って、知事の見解と対応について伺います。  本県が重視しております原子炉の老朽化が事故に与えた影響については、原子力安全・保安院は、これまでの緊急安全対策で、本県内の原発の安全基準は満たしているといたしました。老朽化している敦賀、美浜、高浜の各原発について、保安院の認識は、高経年化の劣化事象はないと断定しております。重ねて申し上げますが、福島第一原発は同様の稼働年数を経過し、配管などの破損から事故が始まったのであります。  また保安院は、大きな津波が襲来する切迫感はない。停止要請を行う必要はないと結論づけ、継続運転や運転再開をすることは安全上支障はないと報告書をまとめ、本県に再稼働を求めたのであります。知事は、こうした高経年化の保安院の報告書をどのように認識しておられるのかお伺いします。  次に、使用済み核燃料の現況と対応について伺います。  今回の福島第一原発事故で、使用済み燃料の存在が大きくクローズアップされました。使用済みであっても、崩壊熱を発し、また放射線を発生さすことが想像を超えて莫大なものでありました。では、日本原電敦賀原発はどうでしょうか。1号機のプールの深さが約11メートル、地震としては現在想定している最大800ガルの揺れの強さで調べると、1号機の貯蔵プールにある約1,000トンの水のうち、約50トンがあふれ出し、水位は約60センチ下がる計算であります。現在の貯蔵状況で、仮に冷却水の循環がとまった場合、1号機が通常通水しておりますから30度の温度は、わずか3日間には100度に達すると事業説明者が説明しております。この間に復旧作業やほかの系統からの注水を求めなければなりません。  同様に「もんじゅ」ではどうか。原子力機構の話では、「もんじゅ」の燃料はステンレスで覆われており、ナトリウムとは反応しない。また、ナトリウムの沸点は880度と高く、保管している使用済み燃料は長期間冷やされているため、崩壊熱でナトリウムが蒸発することは考えにくいとのことです。津波など水が外部から侵入したときは、燃料棒のみならず、ナトリウムと反応しても水素爆発を起こすという可能性は否定できないのであります。また、冷却水がオーバーフローして、一方でプールにクラックが発生するなど、複合的な事態が生じた場合、福島原発の二の舞であります。  県内の多くの原発の多くは、使用済み燃料のプール貯蔵能力が30%とも言われており、早いものではここ3年ないし4年で満杯と言われております。この使用済み燃料の原子炉建屋内の保管の現状と今後の見通し、対策をどのように認識しておられるかお伺いいたします。  ところで、関西電力は、切羽詰まった使用済み燃料の保管実態を抱えながらも、残念ながら今日になっても中間貯蔵施設を持ち得ておりません。東電と日本原電は、一緒になってようやく青森県に用地を確保し、全国で初めての中間貯蔵施設の工事に着手したばかりであります。使用済み燃料は、再処理かワンスルーか不透明なのが実態であり、場合によっては孫の世代はおろか、子々孫々まで保管・管理しなければなりません。そこには、場合によっては高レベル廃棄物も便乗されるかもしれません。無論、いずれもプルトニウムやセシウムなどの崩壊熱は徐々に減退することとはいえ、延々続き、厳しい管理下のもとに置かれることとなります。  我が県議会で、一部の議員から県内招致の提言もありましたが、これに知事はきっぱりと拒否してこられました。ところが驚くことに、福島原発事故後に及んで、県内の自治体の首長が中間貯蔵に関心を示されたとの一部報道がありました。私は申し上げたい。使用済み核燃料や高レベル廃棄物も、もし安全であればどうぞ電力消費地である関西の都市部にお持ち帰りいただき、何十年か一時保管されてはいかがか。知事は使用済み核燃料の中間貯蔵施設を県内に設置する考えを持ち得ていないことを再三表明してこられましたが、このことにいささかの揺るぎがないのかどうか、念のために伺います。  高速増殖原型炉「もんじゅ」について伺います。  1968年に始まった高速増殖炉計画は、1980年代前半実用化としておりましたが、その後5年ごとの改定で、実用化年度と見通しは毎年遠のいていき、2005年の改定に至っては、2050年に実用化するとの計画となりました。この間、「もんじゅ」には9,000億円以上の税金がつぎ込まれ、停止中にも年間二百数十億円もの電気代など管理費が使われております。今日までこの高速増殖炉開発につぎ込まれた総費用は約2兆円と言われております。  また、「もんじゅ」のトラブルはお手の物でございまして、昨年8月、容器内で落下事故が発生し、約17億5,000万円の費用を費やし、先日やっと回収し、今後はその調査に入ります。この「もんじゅ」とあわせ、核燃料サイクルでは再処理工場の建設が進められております。青森県六ヶ所村の再処理工場は、相次ぐトラブルで、これまた延期に次ぐ延期で、完成は2013年以降となりました。ちなみに当初の建設費用は7,600億円だったものが、2011年2月現在では2兆1,930億円と3倍近くに膨れ上がっております。  夢の原子炉「もんじゅ」は、実は夢の遠のく原子炉なのであり、核燃料サイクルは4兆数千億円を要しても、いまだ実現の見通しすら立っていないのであります。膨大な費用がかかり非常に危険で技術的にも難しく、現に世界各地では細管損傷やナトリウム火災など事故が相次いだために、アメリカでもイギリス、ドイツ、フランス、先進諸国はすべて開発を中止いたしましたが、これは至極当然のことであります。特に「もんじゅ」はナトリウムを使うことで、配管が複雑、肉厚が1.2ミリと薄いため、配管の構造は地震に弱いという弱点があります。それがよりによって、敦賀半島の活断層群の上に建設されているのであります。  何のサインか知りませんが、海江田経産大臣は、一連の商業炉は安全宣言を出し、再稼働を求めておりますが、「もんじゅ」は再稼働を求める原発の対象外と発言しております。こうした「もんじゅ」について、知事はどのような認識を持っておられるのか見解を伺います。  次に、まちづくりについて伺います。  まず、この議会で知事が示しました都市間連携のプロジェクトについての、その真意と取り組みについてであります。昨年10月の記者会見以降、知事は市町のまちづくりに強い関心を示され、今後、県としても関係市との協議に含みを持たせておりました。そして、今議会、西川知事は提案理由説明の中で、県都のデザイン戦略について、福井市と各都市とを再設計するデザイン戦略の論議に着手します。構造的な問題を抱える各都市の改造について意見交換の場を設けますと表明されました。  本来、都市計画、まちづくりは、市町の主要な行政的な課題であります。市町の取り組みは遅々として進まないとの認識で、知事として手を差し伸べられるのか、あるいはもっと積極的にかかわり、突っ込んだ提言や支援策を打ち出されるのか、これらの真意とあわせ、知事が指摘します抱える構造的な問題への解決、糸口についての所見を伺います。  ところで、福井駅西口再開発事業が停滞してもう七、八年になりましょうか。再開発のキーテナントをまずはホテルとしたものの、採算見通しから断念、次に市民福祉会館の移転計画は、コンセプトのずれなどから撤回、次に、現在のNHK招致は不調見通しと、打ち出される計画がころころと変わり、進展なく今日に至っております。一体福井駅西口再開発はどうなっているんでしょうか。県の認識と今後の進展見通しについての見識を伺います。  次に、相互乗り入れとこれを見越した田原町駅周辺整備について伺います。  去る6月14日に開催されました事業検討会議では、初期投資の沿線7市町の負担割合の調整が進んでおらず、平成11年度の事業着手には難しい状況と説明され、相互乗り入れの第一段階として、平成13年度実施を目標としておりました福鉄による田原町駅から新田塚駅までの乗り入れもおくれる可能性が出てきたとのことであります。相互乗り入れについて、県が主体となって引き続き沿線市町の合意形成を進め、一日も早い実現をしていただきたいと期待するものでありますが、ここで今後の見通しと課題について伺います。  さて、この相互乗り入れが実現すると、乗客も増加することは間違いなく予想され、田原町駅周辺は現在以上に結節点としての機能が高まると考えられます。そこで、相互乗り入れの実現時期が間に合うよう、田原町駅の改修と合わせ、結節点の駅にふさわしい、駅周辺の整備を行うべきではないかと思います。田原町駅に隣接しますフェニックスプラザや最近改修されました体育館やアリーナがあります。また、駅周辺には大学や高校が密集し、美術館や商店街もあります。田原町駅はえちぜん鉄道及び福井鉄道沿線から乗客が集まる広域結節点としての機能を有するものであります。田原町駅周辺の整備について、積極的に福井市に支援をすべきと考えますが、県の認識を伺います。  最後に、時間は余りありませんが、福井国体・全国障害者スポーツ大会への取り組みについて、箇条的に質問します。  福井運動公園などの施設整備計画の取り組みについて、まず伺います。  県営体育館は雨漏りも床の傷みもひどく、かなり進んでおります。プールでは飛び込みプールなどの傷みもひどく、陸上競技場やスタジアムが主要な基準に合わないなど、施設総体として見直しを余儀なくされております。また、以前から指摘しておりますように、教育研究所の老朽化やIT対応設備など、今後の教育研究施設として大きな課題があります。青少年センターのオープンスペースも5月の連休以外、ほとんど人影を見ることはありません。この際、個別対応の見直しではなく、教育研究所や青少年センター、少年運動公園の屋内休憩所などの移転も含めた、総合的な検討を行い、国体に備えることが必要かと考えますが、所見を伺います。  ことし初めて、知的障害者と身体障害者はそれぞれハンディを持った人たちが一になり、県障害者水泳大会を行いました。そこには選手は言うに及ばず、スポンサーの方々、ライオンズクラブのボランティア、介添人など、サポーターが一堂に会して支援したのであります。私は各ハンディを持った知的障害者や身体障害者の組織の連携と支援が改めて必要だということを感じました。また、利用施設については、健康の森はうってつけではないかというふうに考えます。いずれにせよ、今回予算計上もされましたが、全国障害者スポーツ大会の推進体制と、今後の行程見通しについて伺います。  加えて補足しておきますが、全国障害者スポーツ大会を契機として、ふくい健康の森に簡易宿泊施設を建設し、滞在型の健康づくりの拠点にしてはどうかと提案しますが、所見を求めて質問を終わりたいと思います。  御清聴ありがとうございました。 6 ◯議長(田中敏幸君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 7 ◯知事(西川一誠君) 野田議員の一般質問にお答えいたします。  まず、福島原発事故を受けての対応であります。  原子力安全・保安院、そして海江田大臣のいろいろな対応があるわけでありますが、知事はこうした国の姿勢についてどのように受けとめ、どのように対応していくのかということでございます。  福井県としては、今回の福島事故のようなことを絶対に起こさせないための安全対策について、必要な項目や緊急、応急といったスケジュールの区分をした上で、こうした考え方について、再三国に伝えているところであります。しかし、これまで国が示した対策は、本県のこれまでの要請に対する回答にはなっていない状況であります。  また、原子力安全・保安院、原子力安全委員会の一体的な責任ある姿勢が今もって十分見えてこず、国としての前進させる意欲が見られない状況であります。現状では、立地地域の十分な理解を得ることはできず、国はこれらの点についておくれることなく、もっともっと真摯に取り組む必要があると考えており、本県の要請に対し、ぜひとも的確に答えていただきたいと考えます。  次に、同じく原子力発電所の関係で、活断層を総合的に評価し、改めて原発立地地域の地震の再評価などを行うことが必要不可欠ではないかとの御質問です。  この問題については、平成18年9月に改訂をされました国の耐震設計審査指針に基づき、現在、国による耐震安全性の再評価の審議が進められております。まず、「もんじゅ」については、この方法により平成22年3月に国のチェックが終了いたしているところであります。また、商業炉の13基については、幾つかの段階がありますが、活断層及び地震そのものの揺れの評価、これが一つであります。もう一つは、主要機器の耐震安全性の評価、この二つはチェックは終了しましたが、三つ目の付随する機器や津波の評価は行われていない段階であります。  さらに加えて、今回の福島の事故を受けて、今のお話に加えて、新たに国はこの6月6日に各電力事業者に指示を行い、福島の地震を受けて、福島で発生した地震に対し、見逃している断層がないかどうかを各原発立地地域で調査を行うと、そうした上で、8月末までに評価結果を報告するよう求めているところであります。  この結果をもとに、現在チェックしている耐震安全性の再評価に加えまして反映をさせ、県内の発電所を含め、早期にこの評価を完了させる予定ということであります。県としては残っている再評価や調査が早期に完了し、耐震安全性の向上に努めていくことが重要と考えます。  次に、高経年化が今回の事故に与えた影響がいろいろ考えられるということであると、そして、知事としてこうした高経年化の保安院の報告をどのように認識しているかということであります。  6月21日に県議会また県に対し、国から高経年化による劣化事象が事故の発生及び拡大の起因になったことはないとの説明があったわけであります。しかし、いろいろな情報、報道等においては、1号機の配管の一部破損の情報や、3号機での高圧注水系統からの蒸気漏れがあったのではないかというような動きもありまして、指摘されていることに対しての説明はなされていないところであります。  また、今回の事故は総体としていずれも運転開始後30年を経過した高経年化プラントで発生しており、中でも40年を超えた1号機では、炉心の損傷に至る時間が短かったという状況がございます。こうしたことから、県としては高経年化が事故にどのように影響したかを国が十分に検証する必要があると申し入れているところであります。  次に、原子力発電所の使用済み燃料の中間貯蔵施設をどこに置くかという議論でありますが、県内に設置する考えを持っていないということを何度も表明しているが、この考えに変わりがないのかということでありますが、使用済み燃料の中間貯蔵施設については、関西電力が現在まで県外での立地に向けて努力していると聞いており、まず、その方向で取り組むべきとの考えに何ら変わりはないところであります。  次に、「もんじゅ」の問題であります。経産大臣はいろいろ発言しておられるということを受け、こうした「もんじゅ」について知事はどのような認識を持っているのかということであります。  「もんじゅ」は、核燃料サイクル政策の根幹をなす施設として、我が国の将来のエネルギー政策を左右する重要なプロジェクトとして現在まで位置づけられてきております。昨年5月に運転を再開いたしましたが、御承知のように昨年8月に原子炉容器内で炉内中継装置が落下をし、この6月24日にその引き抜き作業が行われたところであります。今後、国においてこの引き抜かれた装置について、詳細にチェックをし、原子炉容器内等への影響がなかったかを評価する必要があります。また、すべての電源が喪失した場合のナトリウムの態様、あるいは挙動など、「もんじゅ」固有の課題の有無についても再検証されることが必要であります。よって、現時点では「もんじゅ」の運転継続について議論する段階ではないと、このように考えます。  次に、まちづくりについてであります。  まちづくりは、市町の主要政策課題ではあるものの取り組みが進んでいない、特に福井市などの例を出されての御質問でございますが、県としてどのようにバックアップしていくのか、突っ込んだ提言、支援策を考えているのかとの御質問です。  北陸新幹線の金沢開業、あるいは舞鶴若狭自動車道の全線開通を控えまして、各県内のまちにおいて大きな転換期を迎えるわけであります。また、戦災あるいは震災から60年以上が経過し、それぞれの都市自体がリニューアル、改造の時期にあるのは事実であります。県都福井市や県内各都市は、これらの変化をもとに、新しいまちの状況、方向づけを決定していく必要が今あるわけであります。まちづくりは行政だけでなく、住民の理解・協力が大事であり、まず県都福井市において行政、住民が広く議論する意見交換の場を設け、戦災、震災から復興し、全国のモデルとなったまちづくりの歴史を振り返り、今後の課題とビジョンを共有することを考えておるわけであります。  いずれにしても、まちづくりは市や町が主体となって行うべきものでありまして、我々は市を積極的に応援したいと思いますが、福井市にもっと頑張ってもらわなければならない部分がございます。いずれにしても、こうした事業をきっかけに、福井市を初め、各都市がみずから考える意識が広がり、動きの弱い市や町については、それがよりレベルが高くなるよう活発化するよう我々として積極的に応援をしてまいりたいと思います。  その他については、関係部長から御答弁します。 8 ◯議長(田中敏幸君) 政策幹森近君。     〔政策幹森近悦治君登壇〕 9 ◯政策幹(森近悦治君) 私からは、まちづくりにつきまして、福井駅西口再開発の現状について、県の認識と今後の進展についてのお尋ねでございます。  西口再開発につきましては、福井市では昨年末から再開発事業の再構築に向けまして事業の採算性、また事業パートナーの見通しなど課題について整理を行っておるところでございます。しかしながら、現在まで大きな進展は見られないと、私ども認識をいたしております。西口再開発事業は、駅周辺活性化のため重要なプロジェクトであり、県としても応援をしていくというふうな気持ちに変わりはございませんが、今後50年の県都のデザインにふさわしい駅西口のあり方について、まずは福井市がスピード感と責任を持ってこの事業全体を調整する必要があるというふうに考えております。 10 ◯議長(田中敏幸君) 総合政策部長東村君。     〔総合政策部長東村健治君登壇〕 11 ◯総合政策部長(東村健治君) まちづくりについて2点お答えいたします。  1点目は、田原町駅における相互乗り入れの今後の見通しと課題についてのお尋ねです。  相互乗り入れは、既存の鉄道を有効利用し、利便性を向上させることで利用者の増加が期待できる効果的な事業であるとの考えは、関係者間の共通の認識です。しかし、福井市は相互乗り入れの意義は十分認識しているものの、えちぜん鉄道の新幹線高架を利用した福井駅部乗り入れの方向が決まらないまま、相互乗り入れの実施を判断することは難しいと主張しており、関係者間でどれだけ費用を負担するかについて協議が進んでいません。  県としては、公共交通を生かしたまちづくりの観点からも、新幹線高架乗り入れと切り離して、相互乗り入れの実施について、福井市など関係者とさらに協議・調整を行い、早期の事業化に努めてまいります。  次に、田原町駅周辺の整備について積極的に福井市を支援すべきとの御意見です。  田原町駅は、えちぜん鉄道及び福井鉄道を利用して、1日当たり約2,000人が乗りおりする重要な駅であり、周辺にはフェニックスプラザ、市営体育館、学校などが集積する地域拠点です。福井市においては、県が実施した相互乗り入れの概略設計調査に合わせ、田原町駅周辺整備の検討を行っております。また、地域拠点機能と交通結節機能の連携を高める観点から、人が集える広場、地域に開かれた駅舎、車の送迎スペースや駐輪場の確保などについて検討を加え、整理をしております。県としては、相互乗り入れの実施にあわせ、市の進める公共交通を生かしたまちづくりを応援できるよう相談しながら進めてまいります。 12 ◯議長(田中敏幸君) 安全環境部長石塚君。     〔安全環境部長石塚博英君登壇〕 13 ◯安全環境部長(石塚博英君) 私からは、原発に関しまして、使用済み燃料の保管の現状と、今後の見通し、対策についてはどのように意識しているかというお尋ねにお答え申し上げます。  「ふげん」、「もんじゅ」を除きます県内の13基での使用済み燃料保管状況は、ことしの3月末現在でございますが、管理することができます容量、これが約1万1,500体ございますけれども、この管理容量に対しまして、約8,100体の保管状況となっております。県内の発電所で保管しております使用済み燃料は、六ヶ所再処理工場に搬出することとしているわけでございますけれども、今後、発電所から搬出されないとした場合には、2010年代の後半には逼迫する状況になると想定されるところでございます。  使用済みの燃料対策につきましては、核燃料サイクル政策上の重要な課題でございまして、福井県域にとどまらず、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の確保とともに、国家的見地から解決されるべきものと認識をいたしております。 14 ◯議長(田中敏幸君) 健康福祉部長小林君。     〔健康福祉部長小林正明君登壇〕 15 ◯健康福祉部長(小林正明君) 私から、全国障害者スポーツ大会について2点お答えをさせていただきます。  大会の推進体制と行程の見通しについてでございます。  全国障害者スポーツ大会は、国民体育大会福井県準備委員会に設置されます施設整備、競技運営等の各検討会に障害者スポーツ関係者も参加して準備を進めているところでございます。来年度、平成24年度には準備委員会内に設置いたします全国障害者スポーツ大会検討会で基本方針の策定や会場地の選定などを行っていきます。さらに、平成27年度には準備委員会を改組しまして、国民体育大会・全国障害者スポーツ大会実行委員会に移行する予定でございまして、その中で競技や式典運営のための本格的な準備を行っていく予定でございます。大会に参加する競技者の育成のため、今年度からまず選手層の薄い団体競技を中心に、体験教室の開催、あるいはスポーツサークルへの支援などを行ってまいります。また、競技力の向上のために、上級者向けのレベルアップ講習会や、スポーツ指導者の養成のための講習会も開催していく予定でございます。  次に、この大会を契機といたしまして、ふくい健康の森に簡易宿泊施設など建設して、滞在型の健康づくりの拠点にしてはどうかという御提案でございます。  全国障害者スポーツ大会の会場地は、国体で準備する会場が基本として選定するということになっております。その上で、障害のある方が競技を行うためにバリアフリーの状況、あるいは宿泊地の移動なども配慮して最終的に選定をしていくということでございます。具体的には、先ほど申し上げました平成24年度の全国障害者スポーツ大会検討会で、他県の事例や競技団体の意見も聞きながら、選定方針や具体的な会場地について協議をしていくということでございます。  御提案の健康の森についても、この検討会の中で会場候補地の一つとして検討をしていきたいと、なお、健康の森については、現在、県民の健康・生きがいづくりの日帰りの拠点として年間約42万人の方に御利用いただいております。この機会に改めてさらなる活用策についても検討を進めていきたいと考えております。 16 ◯議長(田中敏幸君) 教育長広部君。     〔教育長広部正紘君登壇〕 17 ◯教育長(広部正紘君) 運動公園の機能と施設の検討についてお答えを申し上げます。  ふくい運動公園につきましては、国体開催だけでなく、国体後の県民の利用も勘案して検討していくこととしておりまして、今回の6月補正予算に施設の現況など基礎データを収集するための調査費を計上させていただいたところでございます。また、少年運動公園の調査も行いまして、屋内休憩所もあわせて検討をしてまいります。  教育研究所、青少年センターにつきましては、非常に老朽化をしております。運動公園全体と密接に関連してまいりますことから、施設そのものを今後どうするか、こういったことも検討していきたいと考えております。特に、教育研究所につきましては、今年度教員の資質のさらなる向上を目指して、福井大学教職大学院との連携による教職員研修の新たな仕組み等につきましても検討することとしておりまして、そうした検討内容も踏まえていきたいと考えております。 18 ◯議長(田中敏幸君) 野田君。 19 ◯29番(野田富久君) 2点、1点目は知事に伺います。  中間貯蔵の件でちょっと耳にぴゅっとひっかかったんですが、まずは県外で関西電力に努力していただいてという、まずはということは、それがだめな場合は、県内誘致ってあるのかどうなのか、断固としてないのか、これが1点。
     それから2点目は、田原町関係の駅舎の部分です。これは駅舎は事業者含めまして、交通関係、会社も含めてそうですが、つくってきて、お互い協力し合ってやるものですが、特にあそこの場所というのは、フェニックスプラザも体育館もアリーナも含めてですが、駐車場がほとんどない。公共交通大いに利用してもらおうということになれば、やはりあの駅舎はただ建てるんではなくして、構造的に立体的なプラザとして利用しやすくして、学生も、駐車しなくても大いに利便性がよくなるという観点から、県みずからがやはりもっと主体的な主導権を持ちながら取り組んでいただく、このことを求めたいと思うんですが、このことについての見解も求めたいと思います。 20 ◯議長(田中敏幸君) 知事西川君。 21 ◯知事(西川一誠君) これは従来の考え方を申し上げたところでありまして、これは電力会社がお考えになる基本的な事柄でありますので、そういう方向で取り組んでいただきたいという趣旨でありました。 22 ◯議長(田中敏幸君) 総合政策部長東村君。 23 ◯総合政策部長(東村健治君) 田原町の駅につきましては、福井市で実施いたしました田原町駅周辺整備の中で、線路のアールのとり方ですね、どのように田原町駅へ入っていくか等々を十分検討されているようですので、今、議員御指摘のあった点も含めまして、今後検討してまいりたいと考えております。 24 ◯議長(田中敏幸君) 佐藤君。     〔佐藤正雄君登壇〕 25 ◯7番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。少し長いお休みをいただいておりましたが、再び復帰いたしまして、県民の声の代弁者として大いに知事初め理事者の皆さんに提言をしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。  まず、福島原発事故で安全神話が崩壊した原子力行政について質問します。  私自身も救援物資の輸送と、がれき処理のボランティアで福島県を訪ねました。相馬市、南相馬市、飯舘村、新地町などを訪ね、津波被害のすさまじさとともに、原発の過酷事故でふるさとを奪われ、家族がばらばらにされた苦悩を伺いました。飯舘村の女性からは、私たちはここに戻ってくることができるのですかと聞かれまして、返す言葉がありませんでした。  南相馬市の自営業者の方からは、家族4人で暮らし、商売をしていた。原発事故で立ち退かざるをえなくなり商売はできない。自分は、知り合いの方の2階に間借り、高校生の娘は高校を転校して1人で下宿、妻ともう1人の子供は神奈川の親戚へ、家族がばらばらになりましたとお話になりました。  また、南相馬市や浪江町では避難所に福島県がヨウ素剤を届けたけれども、箱で届けられて服用の指示がなく、そのまま置かれて、住民の方々の甲状腺被曝を防ぐことができなかったということもお聞きをいたしました。  今、これらの多数の方々がふるさとに戻ることができない、家族の生活や営業を取り戻すことができない、また被曝して将来の発がんの恐怖を味わっています。このような状態を放置したままでの国や原子力安全・保安院の安全宣言は許されないと、強い憤りを覚えます。  6月21日の原子力安全・保安院による福井県と福井県議会への説明は、科学的な説得力に欠き、多くの議員からも厳しい批判が出されました。何より問題なのは、地震によっても各安全機能は正常に動作していたと断定し、老朽化についても、事故の発生及び拡大の起因になったことはないとし、さらに浜岡原発の停止要請との関係でも、福井県の周辺海域にはプレート境界は存在しておらず、浜岡原発で想定されるような大きな津波が襲来する切迫性はないと決めつけ、結論として、福井県内の原子力発電所等の運転継続や運転再開することは安全上支障ないと述べていることです。  これらは、第1に、今回の東日本大震災において、福島原発並びに女川原発が受けた地震による損傷を全く評価していないこと、第2に、機器・配管などの損傷の分析もされていないのに、老朽化の影響はないと決めつけていること、第3に、若狭の歴史的巨大地震や大津波の記録などの検証が行われていないこと、第4に、原発直下や近傍の活断層の存在が明らかであり、中越地震での柏崎刈羽原発や、今回の大震災での女川原発での2,000ガルの地震動記録を無視していることなど、科学的な議論と検証に耐えられない、極めて雑な説明でした。  このような非科学的な断定は許されません。経済産業大臣が浜岡以外は運転しても大丈夫だと述べた、その政治的な思惑に追従した官僚による説明でしかありません。こんな調子で、全国の原発は安全ですよということにされたら、新たな安全神話の誕生となるではありませんか。  日本共産党の志位和夫委員長は23日、首相官邸で枝野官房長官と会談し、定期点検などで停止中の原発について、政府が「安全宣言」を行って地元自治体に再稼働を要請したことを強く批判し、首相あてに要請の撤回を求める申し入れを行いました。枝野氏は「一般社会の常識で考えても、地元の知事が絶対反対と言っているものを再稼働させることはできない」と答え、地元自治体の同意が得られなければ、原発の再稼働は不可能との認識を示しました。  西川知事の態度を応援する言質を官房長官からとったわけで、知事には揺るがず県民の安全最優先に頑張っていただきたいと思います。  さて、原発で過酷事故が起こったときは、航空機事故や炭鉱事故などほかのどのような事故とも比較にならない空間的、時間的、社会的に巨大な、異質な危険を人間にもたらすものだということを私たちは思い知ったわけです。人類の英知をもってしても、なお制御できない原発事故、このような技術が果たして私たちと共存し続けることができるのでしょうか。  私はこれまでも、福井県民の安全がより脅かされる原発増設や、「もんじゅ」の運転再開、プルサーマル計画、老朽化原発の運転延長などに反対し、巨大地震、津波に備えて既存原発についての安全総点検を議会の内外で求めてまいりました。しかし、今回の福島事故を見れば猶予はありません。日本共産党は政府に5年ないし10年で原発から撤退するプログラムを策定するよう提言を発表し、政府にも申し入れを行いました。  世界でもドイツ、スイス、イタリアなどで原発からの撤退の動きが始まっています。福島県では原発に頼らない県づくりの計画が始まりました。大阪府知事、滋賀県知事、大阪市長など福井の原発の電気を使用している地域で、原発からの撤退を望む発言や行動が強まっています。福井県内でも、小浜市議会で全会一致で期限を決めて原発からの撤退を求める意見書が採択されました。越前市議会でも同様の動きがあると報道されています。坂井市長も、原発に頼らない社会の必要性を述べています。  このように、世界の流れ、日本の流れが、福島原発事故を通じて大きく変わってきています。福島と並び原発集中地の福井県こそ、福島原発事故の教訓を酌み尽くし、県民の命と安全、財産を守る地方自治体の使命を発揮すべきときであります。福井県の原発群を期限を定めてゼロにしていくことを決断されるように、知事、理事者並びに議員の皆さんに呼びかけるものです。  こういう立場から、何点か知事に質問をいたします。  一つは、今回の福島原発事故を受けて、なお民主党政権は原発はやめない。絶対安全の原発をつくる、浜岡以外の原発は安全だなどと原発推進に固執し、世界から失笑を買い、国民からは総スカンです。  朝日新聞の世論調査では、「原子力発電を段階的に減らして将来はやめること」に74%が賛成。NHKの世論調査では「減らすべきだ」が47%、「すべて廃止すべきだ」が18%。日本世論調査会の調査では廃炉が82%、現状維持は14%。国民の多数が原発からの撤退を求めています。  知事は、今回の事故を受けてなお、巨大地震や津波が繰り返し襲来する日本で、絶対安全の原発が可能であり、原発推進を続けるべきだとお考えですか。それとも、日本は原子力中心のエネルギー政策を見直すことが必要だとお考えですか。今こそ、県民の命と県土の安全を最優先に考えれば、期限を定めて原発からの撤退を決断すべきだと考えますが、知事の所見をお尋ねをいたします。  2点目は、今回の福島原発事故、また女川原発の被災を受けて、安全設計審査指針、耐震設計審査指針の見直しが行われますが、国はこれをどのような内容にし、どのようなスケジュールで進めるべきか、知事の所見をお尋ねします。  3点目は、福井県の原子力発電の受益地域である大阪、滋賀、京都を初めとする自治体から、原発見直しの声が上がっています。これは、平たくいえば、福井に迷惑施設の原発というだけではなくて、福島事故をみれば、20キロ、30キロ、40キロと被害が及ぶのであり、「私たち関西の人間にとっても危険な迷惑施設だ」ということがわかったからです。私は、関西地域で原発に頼らないエネルギー開発を大いに進め、福井の原発を頼ることをやめていただいたらいいと思います。エネルギーも地域での自給を考えていく時代です。また、福井県としても再生可能エネルギーの研究・開発・普及を大いに進めるべきです。いずれにしても、消費者に歓迎されない商売、消費者が嫌がる商品ではうまくいきません。  知事は、この間の関西地域の巨大な変化をどう受けとめますか。また、福井県の原子力行政への影響をどう考えますか、お尋ねをいたします。  4点目は、原子力防災についてです。  今、これまで原子力災害を考えてこなかった各自治体でも、原子力防災計画の準備が始まっています。この計画を自治体関係者や住民が考える上でも、県内各自治体単位で、今回の事故と住民避難など対応の課題について、福井県が主催をして、原子力安全・保安院や専門家などによる住民説明会を開催すべきではありませんか。  また、各自治体が原子力防災に関するヨウ素剤や線量計などの必要資機材を準備するに当たり、国に財政措置を要求するとともに、当面は県単独の補助制度をつくり応援すべきではありませんか、お尋ねをいたします。  大きな二つ目は、教育行政について質問します。  まず、教育振興基本計画案についてです。  今回の基本計画案の策定は、余りに拙速であることを指摘しないわけにはいきません。ほかの県では、検討委員会が設けられ、県民に開いた形で行われています。しかし、福井県ではそのような委員会はつくられず、教育文化ふくい創造会議の提言に基づきまとめられました。今後の福井県の教育にかかわる重要な内容が一方的に策定され、県議会の意見やパブリックコメントで形だけ意見は聞くという手法で定められることは重大な問題です。  また、内容上も重大な問題があります。小規模校では切磋琢磨が困難として学校再編を進めようとしています。今回の予算案でも、公立小中学校適正規模化支援事業として、合同授業の開催など、基本計画の内容がなし崩し的に進められようとしていることは許されません。そこで、策定時期を急がず、今回の議会、パブコメの意見を踏まえつつ、さらに県民参加の検討委員会を立ち上げて、せめて年度内での策定にするなど、慎重に進めることを提案します。見解をお尋ねをいたします。  次に、環境エネルギー教育についてです。  昨年11月のエネルギー研究開発拠点化推進会議では、文部科学省が原子力・エネルギーに関する教育の支援として、福井県下の児童・生徒、教員を対象とした原子力などのエネルギー環境教育に関する取り組みを支援する財政措置が示されました。また、平成21年11月から昨年10月までの実施状況として、行政として敦賀工業、若狭東、大野東高校において原子力・エネルギーの授業を実施、小・中の教員を対象に研修、教職員、生徒を対象とした「もんじゅ」の施設の見学、原子力・エネルギー教育に関する教材の整備を実施している。電力事業者としては、平成21年度に2万2,000部の教材を提供して、150回の出前授業を行っている。平成22年度には、2万4,000部の教材を提供して、120回の出前授業を行っている。藤島、高志、武生高校では高校生の実験・発表を支援など得々と報告されております。福島原発事故を受け、このような一方的な原発の安全宣伝を子供に注入していくようなやり方はやめるべきではありませんか。事、原子力関連の教育については、今回の事故を受けて、従来の電力事業者本位の教育研修は直ちに中止すること、仮に講師を呼ぶ場合は、電力事業者に偏らずに、県内外で原発の危険性を指摘してきた専門家や運動団体の方の話も聞かせて、教育現場で公正さを保つようにするべきではありませんか、お尋ねをいたします。  3点目は、学校耐震化についてです。  小・中学校の耐震化では、100%は池田町と高浜町だけで、全体では71%にとどまっています。福井市は69%です。今回の東日本大震災、この間の全国各地の大地震を見ても、子供たちの安全の確保、そして地域住民の避難所の安全の確保を急がなくてはなりません。県の補助実績は、104棟、1億6,000万円で、実に1棟当たり150万円ほどにしかすぎません。県の補助率、補助額を抜本的に引き上げ、子供の安全・安心、地域の避難所の耐震安全性確保に全力を挙げるべきではありませんか、お尋ねをいたします。  また、小・中学校の耐震化、県立高校の耐震化、それぞれいつまでに100%にするのですか、お答えください。  あわせて、県議会が2月議会で予算措置した特別支援学校へのクーラーの設置について、今ももう暑い毎日が続いておりますけれども、ことしも猛暑という予想でございますが、対応状況をお尋ねをいたします。  最後に、学級編制について質問します。  民主党政権の政策のダッチロールは国民生活の各方面に混乱と不安を与えております。とりわけ子供の政策にそのような混乱を持ち込むことは大変な問題です。しかし、学級編制問題で、小学1年だけ35人学級となりました。予算の都合で2年生は来年40人学級に戻るということになるわけです。大体1年生、2年生は学校になれていく、集団生活にもなじんでいくということで、従来からクラスがえとか担任の変更は極力避けられてきたと思います。しかし、今のままでは、福井市で9校、鯖江市で3校など全県で21校で学級数が減少し、現場と子供に混乱が持ち込まれます。これは国の責任ではありますが、県として独自の教員増などの対応で、小学1年生から2年生に進級する際のかかる混乱を回避し、子供の成長と教育に責任を果たすべきではありませんか。以上お尋ねをして、質問を終わります。 26 ◯議長(田中敏幸君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 27 ◯知事(西川一誠君) 佐藤議員の一般質問にお答えします。  まず、原子力行政であります。  安全を最優先に考えれば、期限を定めて原子力発電から撤退を決断すべきではないかとの御質問であります。  今回の福島原発事故の影響の大きさから、国内や海外ではドイツあるいはイタリアなどで、既存原発の運転停止でありますとか、あるいは新規原子力発電所の建設を中止するという、いわゆる脱原発の動きがあることは承知をいたしております。一方、石油あるいは天然ガスなどエネルギー資源が乏しい我が国は、自然エネルギーについての国土条件、また地熱発電なども立地条件などさまざまな制約がありながらの議論になっているかと思います。このため、原子力発電は将来にわたるエネルギー確保と産業政策や地球環境保護のため重要と認識しており、現実を直視しながら冷静に今回の問題を考える必要があると考えます。  エネルギー政策は、国家の基本政策であり、その変更等については慎重な議論が必要でありますが、今回の事故を機に、自然エネルギー、新エネルギーの普及など、エネルギーの多角化も重要であると考えます。  次に、原子力行政の中で、安全設計審査指針及び耐震設計審査指針の見直しが行われるが、国はこれをどのような内容にし、またどのようなスケジュール、手法で進めるべきかについての所見であります。  福島第一原子力発電所の事故を受け、国の原子力安全委員会は、6月16日に、原子力発電所の安全基準であります安全設計審査指針、これはシビアアクシデント対策などを含めた議論が行われます。それから、耐震設計審査指針、これは海溝型あるいは活断層の地震などを再評価する項目などが入ると思います。こうした審査指針等抜本的な見直しに着手をしたところであります。  この見直しに当たりましては、原子力安全委員会の専門部会において、地震や津波の基本的な評価や、今回の福島事故で明らかになった長期の原子力発電所の外部電源装置に対する備えと、万が一の非常用電源の確保などについて、平成24年3月までに、まず主な論点、基本的な問題の整理を行うことにしております。  しかし、具体的な指針の見直しの時期については、いまだ示されていないことから、県としては、この見直しが早期に行うとともに、スケジュールを明らかにしていただく必要があると思います。県としては、こうした動きはありますけれども、その結果をただ待つことなく、既存の原子力発電所の安全向上に反映できる福井県として考えられる施策については、直ちに実行すべきであると考えております。  それから、同じく原子力行政の中で、関西地域のいろいろな自治体から、原発の見直しの声が上がっており、こうした関西地域のさまざまな動きをどう受けとめるか、また福井県の原子力政策への影響をどのように考えているのかということであります。関西2府4県で生活している約2,000万人の消費者といいますか、消費に対する電力の通常でございますと約55%は、福井県の若狭嶺南地域の原子力発電所から長年にわたって供給をしているところであります。原発立地地域からのこうした一刻も途絶えることのない電力供給が、これまで40年余にわたってなされていることによりまして、関西の発展、また生活や生産などの維持がなされてきているわけでありまして、電力消費の住民、企業の皆さんがさまざまな恩恵を享受できていることを、まず十分認識をしていただく必要があると考えます。  原子力発電所の安全に対し、住民に不安がある中で、福井県及び立地市町は安全確保と住民理解のため、さまざまな対応を厳しく行ってきているところでありまして、電力消費地の皆さんにはこうした立地地域の努力についても、なおなお十分理解をしていただく必要があると、このように考えております。  その他については、関係部長から答弁します。 28 ◯議長(田中敏幸君) 安全環境部長石塚君。     〔安全環境部長石塚博英君登壇〕 29 ◯安全環境部長(石塚博英君) 私のほうからは2点お答えをさせていただきたいと思います。  まず、原子力行政につきまして、県内の各自治体単位で、今回の福島の事故と住民避難などの課題につきまして、原子力安全・保安院などによる説明会を要請すべきと考えるがどうかというお尋ねでございます。  県は、3月17日に国へ行いました緊急要請におきまして、福島第一原子力発電所事故について、国みずから県民、国民に対する迅速・正確な情報公開を行うよう要請をしたところでございます。これを受けまして、原子力安全・保安院は、県内の各自治体の求めに応じまして、事故の対応でありますとか課題につきまして、市町の首長、市町議会、住民等に対する説明を行っており、今後も要請があれば積極的に対応する意向であるというふうに聞いております。  県では、防災機関や市町に参加いただきました原子力防災計画の検討委員会や住民避難部会におきまして、原子力安全・保安院や文部科学省の参加を得まして、今回の福島第一原子力発電所事故におけます対応や課題について説明を求めているところでございます。  今後、国において原子力防災対策についての見直しが進められまして、住民避難等につきまして、新たな対策でありますとか、課題が明らかになっていく過程におきまして、引き続き、県内自治体に必要な説明を行うよう求めていきたいというふうに考えております。  次に、原子力防災に関しますヨウ素剤でありますとか線量計などの必要な資機材を準備するに当たり、国に財政措置を要求しますとともに、当面は県単独の補助制度をつくり応援すべきではないかというお尋ねでございます。  これまでヨウ素剤や線量計など原子力防災対策に必要な資機材につきましては、県がすべて整備といいますか、購入をいたしまして、ヨウ素剤は二州・若狭健康福祉センターで備蓄しますとともに、線量計などの資機材はEPZ範囲内の市町に貸与しているというところでございます。しかし、今回の福島第一原子力発電所事故では、避難対象となる地域が広範囲に及んでいるという事実がございまして、国においてEPZの見直しが検討されているところでございます。  県としましては、このEPZの範囲が広がるということでありますれば、国に対し、EPZなどの必要な見直しと、国が講じるべき対策について要請をしているところでございまして、今後、防災計画の見直しの中で、必要となる資機材の整備手法について検討していきたいと考えております。 30 ◯議長(田中敏幸君) 教育長広部君。     〔教育長広部正紘君登壇〕 31 ◯教育長(広部正紘君) 教育委員会関係、6問の御質問をいただきました。  まず、教育振興基本計画について、県民参加の検討委員会を立ち上げて、年度内までかけて策定すべきではと、こういった御質問でございます。  福井県教育振興基本計画でございますが、福井県民の将来ビジョンであるとか、三次にわたります教育・文化ふくい創造会議を基本として策定をいたすものでございます。将来ビジョンの策定についてはもちろんでありますが、教育・文化創造会議の議論におきましても、県内外の教育関係者や有識者などからなります会議を十数回にわたり開催をいたしまして、また授業の視察であるとか、校長・中堅教員との意見交換、あるいは教員の多忙化や学級編制についての教員の意識調査などを行っておりまして、本計画案はこれらの内容を十分反映したものになっていると考えます。  特に、創造会議の運営に当たりましては、基本計画も視野に入れながら議論を進めていただいた、こういった経緯もございまして、本計画の策定のために、改めて検討委員会を開くといった必要はないと考えております。  なお、本計画の策定に当たりましては、議員各位からいただきますいろいろな意見であるとか、県民パブリックコメントで寄せられました提案等の内容を十分に検討、さらに反映をいたしまして、よりよい計画となりますよう努めてまいります。  次に、環境エネルギー教育、特に原子力教育について、一方的な原発の安全宣伝を子供に注入していくそういったやり方はやめるべき、こういった御質問でございます。  原子力関係の教育につきましては、例えば、中学校の学習指導要領の理科におきましては、人間は、水力・火力・原子力などからエネルギーを得ていること、さらに放射線の性質と利用にも触れることと定められております。また、これに沿った教科書におきましては、原子力発電の長所、短所がバランスよく併記されておりまして、学校では、これに沿って教えているわけでございます。  ちなみに、長所といたしましての記述では、少量の燃料で莫大なエネルギーを得ることができる。それから、短所としまして、放射線は人体や作物などに大量に当たると危険なので、常に厳しく監視する必要がある、こういった中身でございます。同時に、水力発電、火力発電についても、それぞれ仕組み、それから長所、短所を教えておりまして、一方的な原発の安全宣伝ということで、子供たちに原子力教育を教えているわけではございませんので、こういった観点からも今後エネルギー教育を推進していきたいと考えております。  次に、子供の安全・安心のために、小・中学校の耐震化、全力を挙げるべきという御質問でございます。  今回の東日本大震災におきましては、耐震化されていた学校施設が児童・生徒等の命を守っただけでなく、地域住民の応急避難場所としても機能しておりまして、その安全性を確保することは極めて重要であると考えております。県におきましては、平成20年度に行われました中国四川大地震後の国庫補助率の大幅かさ上げ、これは2分の1から3分の1になったわけでございますが、これに合わせまして県の小・中学校耐震化促進事業における補助率を引き上げるとともに、1棟当たりの補助上限額を撤廃することによりまして、市町の耐震化工事を積極的に支援をしてまいりました。  本年の3月に、国は国庫補助率のかさ上げ措置を平成27年度まで5年間延長しましたことから、県といたしましても、小・中学校耐震化促進事業により、引き続き支援しようとするものでありまして、現在、市町に対し、早期に小・中学校の耐震化を完了するよう改めて要請をしているところでございます。  ちなみに、平成22年度の小・中学校耐震化率全国平均で申しますと、19位でございます。それから、高等学校は全国で16位という位置にいるわけでございます。  次に、小・中学校の耐震化、県立高校の耐震化、それぞれいつまでに100%にするのかという御質問でございます。  福井県建築物耐震改修促進計画というのがあるわけでございますが、平成27年度末での耐震化率を、県立学校については100%、それから小・中学校を含む災害時の拠点となる建築物については90%とすることが目標とされております。今回の東日本大震災を受けまして、先月文部科学省は、平成27年度までのできるだけ早い時期に、学校施設の耐震化を完了する目標を示したところでございます。このため、県立学校施設につきましては、平成27年度までに耐震化を完了するよう計画的に耐震化を進めるとともに、小・中学校の施設につきましても、個々の市町に対し、耐震化計画の聞き取りを実施しておりまして、学校施設の耐震化が早期に完了するように、さらに要請をしてまいりたいと思います。  次に、2月議会で予算措置をしていただきました特別支援学校へのクーラーの設置についてのその準備状況でございます。  特別支援学校へのクーラーの設置につきましては、本年2月に国の交付金を活用して、7校140教室への導入を予算化をしていただきました。工事の実施に際しては、クーラーの設置数が非常に多く、また学校ごとに受変電設備や配線の設計内容が異なる、こういったことから、さらには設置箇所がすべて普通教室であるために、平日の工事が非常に難しい、こういったことなどから、設計から設置までには相当の期間を要することになります。現在、学校ごとの実施設計を終えまして、工事入札手続を進めているところでございます。特別支援学校で学ぶ児童・生徒の活動状況であるとか、健康状態を十分に配慮して、極力設置工事期間の短縮を図るよう努めていきたいと考えております。  次に、小学校1年生の35人学級につきまして、今年度から国が35人学級を推進しているわけでございますが、これに関しまして、来年2年生はどうするのかと、こういった御質問でございます。小学校1・2年生は、安定した集団生活が送れるようクラスがえのない同じ学級編制であるべき、これは私ども県の各小・中学校、教育界、いずれもそういった考え方でございます。小学校の2年生以降の学級編制基準につきましては、現在国においても、この6月から検討が始まっております。2年生、来年35人学級が実現しなかったらどうかということじゃなくて、是が非でも国において35人学級、2年生もこれに続いてやっていただきたいと、こういったことを強くいろんな機会、また全国の都道府県教育委員会連絡会とも連携しながら、働きかけてまいりたいと思います。 32 ◯議長(田中敏幸君) 佐藤君。 33 ◯7番(佐藤正雄君) 知事と教育長にお尋ねします。  知事は、エネルギーの問題では原発はどうしても必要なんだと、冷静に議論することが必要なんだというお考えなんですが、確かに冷静に議論することも必要なんですが、この福島の事故を見て、やはり多くの国民の実際意識は変わっているし、現場、福島県自身ももう原発に頼らないそういう県にしようということで変わってきている。その背景には、やはり大きな被害があるわけですね。ですから、そういう被害が起こり得るんだということがわかった以上、CO2対策のために必要だとか、そういう議論ではなくて、もう一歩抜け出す認識が必要ではないかというふうに思うんです。  そこでお尋ねをしたいんですが、今、国がそういういろんな耐震等の指針の見直しをやっているわけですが、知事は暫定的にそういうものを示してほしいということをおっしゃっていますね。国の見直しには一定何年かかかると、正式には何年かかると。暫定的なのはもっと早く出してもらって、その暫定的なもので福井県の原発を再稼働を認めようということであるとすると、これは逆に言うと、しっかりした安全が確保されていないまま、再稼働を認めることになるんじゃないかと、こういう懸念も生まれるわけですね。その点はどうかということが1点。  もう一つはですね、福島原発事故というのは、まだ終わっていないんですね。いまだに放射能汚染水が漏れ続けている、いろんな問題が解決されていない。だから、いざ事故が起こったときに、まだ解決する能力がないということなんですよ。せめて、これはこの事故が収束される、解決される、そういうことがないと、当然、再稼働のサインは出せないということにもなるのかなと思いますが、その辺2点ですね、知事に再質問をいたします。  それから、教育長ですが、学習指導要領を持ち出していろいろおっしゃいました。学習指導要領はそうなのかもしれないけれども、福井県教育委員会はこういうことを書いてるんですよ。平成23年度、環境・エネルギー教育支援事業実施要領、何て書いてあるかと。物品の購入や施設の見学については、すべて原子力教育につながる内容である必要がありますと、原子力教育を行わない学校の備品、原子力関連施設を含まない施設見学会はだめです、予算つけませんって書いてるんですよ。こんないいかげんなことをやっておって、教育指導要領では満遍なくエネルギーのバランスだと言っていても、これは違うでしょう。この2点、知事と教育長に再質問いたします。 34 ◯議長(田中敏幸君) 知事西川君。 35 ◯知事(西川一誠君) 今回、点検中の原子力発電所の再起動についてでありますけれども、いろいろな課題がありますが、まず、点検中の原子力発電所を再起動するに当たって、現状ですべての津波、地震の原因、知見というんですか、それが判明しないわけでありますので、現状でわかっているものを、まずその中へ反映をさせるという意味で、暫定的と言っているわけであります。そして、その後、一定の期間が必要かと思いますが、新しい知見あるいは問題点があれば、点検中のものに対してそれを入れ込んでいくという、そういう大きな方向が必要だろうとまず言っております。  それから、こうした短期の問題のほかに、中期的にここ1年あるいは2年にかけて、ぜひなすべきことがあるわけです。これについても国に要請をしております。そして、より長期の課題についても、三つ目の項目として要請をしており、こういうものを全体として実行することによって、福井県において、ああした福島県のような事故を起こさせないと、そして原子力の安全性について、さらに徹底をさせると、こういう方針を国に提示をしていただきたいと、それの答えをいただきたいと、このように申し入れておると、こういうことであります。 36 ◯議長(田中敏幸君) 教育長広部君。 37 ◯教育長(広部正紘君) ただいまおっしゃったのは、文部科学省の原子力・エネルギー教育支援事業についてのことをおっしゃっているんだと思うわけでございますが、これは文部科学省の100%の事業である以上、何でも使えるというものじゃございません。しかし、この結果ですね、佐藤議員、報告書等をお読みいただいたんじゃないかなと思います。小・中学校、高等学校、いろんな報告書をつくっておりますが、この報告書を見ていただきますと、まさに多彩であって、エネルギー全般にわたって、いろんな各学校ごとに子供たちに自由に研究をさせたり、実験をさせたり、学校ぐるみでやっている例もございます。そういった面では非常にすぐれた研究事業成果、取り組み成果があっているんじゃないかと思います。じっくりとごらんいただけたらと思います。 38 ◯議長(田中敏幸君) 佐藤君。 39 ◯7番(佐藤正雄君) ちょっと答えが中途半端ですので、要するに、不完全なままで、暫定というのは、結果的には不完全になるんじゃないかと。なぜ不完全になるかといえば二つ、要するにちゃんと国の基準が確定されないという点で不完全だと、もう一つは、もし事故が起こったときには、おさめることができないんです、まだ。おさめることができない危険性があるものを動かすということになると、不完全になるんじゃないかという点で、もうちょっと明確に答えていただきたいというように思います。
    40 ◯議長(田中敏幸君) 知事西川君。 41 ◯知事(西川一誠君) 暫定的なというのは、点検中のものを再稼働するために、どういうことがなされなければならないか、こういうことを申し上げているわけです。より長期的な課題、それから、さらに中期的な課題もありますが、そういうものについても解明をして、それを実行に移すと、こういう三つの段階によって対応をすべきではないかという提案をしているということです。 42 ◯議長(田中敏幸君) 玉村君。     〔玉村和夫君登壇〕 43 ◯9番(玉村和夫君) 午前中のしんがりを務めさせていただきます民主・みらいの玉村和夫でございます。御紹介をいただいております「県民のいのちとくらしを守る」政治ということで、何点か質問と提言をさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。  東日本大震災を契機として、自然に対して現代の科学や政治の無力さ、自然環境や健康を犠牲にして豊かさや便利さを享受してきたことへの反省を迫られ、改めていのちとくらしを守るための政治の役割、問われているというふうに思います。さらには、多くの借金や1,000年単位で放射能を出し続ける核廃棄物や環境汚染物質などの後始末を後の世代に先送りしたまま、今の生活を継続し続けるのか、私は今省エネや節電だけでなく、エネルギー政策や私たちの暮らしのあり方の大転換が迫られているなというふうに感じています。  そこで、幾つか質問をします。  まず、河川改修、ダム事業についてでありますが、我が国のダムを中心とした治水対策は、戦後から高度成長期に飛躍的に高められ、これまで900基近くの治水を目的としたダムが建設されてきました。しかし、平成9年の河川法の改正による多自然型川づくり、平成14年扇千景国土交通大臣当時の、今後ダムによる治水は行わず、新規計画は中止するとの閣議決定、国会答弁、平成21年、政権交代による民主党政権のダムに頼らない治水への政策転換など、政府の対応からもわかるように、ダムは少なからず、その上流、下流、両方の地域の文化や環境破壊をし、生態系を崩し、川を汚染する、そして一度壊した地域や自然は戻らないとの考えのもと、平成7年には405を数えた事業中、あるいは計画中のダムは減り続け、平成21年には143にまで減少しております。平成8年以降、中止されたダム事業は105に上っています。今後は治水安全上、ほかに全く方法がないなど、よほどの必要性がなければ、新規のダムが計画されることはないというふうに思います。  足羽川ダム事業につきましては、1967年、昭和42年の予備調査から始めて、実に44年がたちました。この間に、移転対象の5集落では、若者は移転流出し、人口は半減、高齢化率は71%にまでなってしまいました。豪雨災害の後、平成18年10月に改めて国、県、まちが必要性を認めて、基本協定が締結され、推移をしてきましたが、社会環境の変化や経済状況、ダム事業の変遷を考えると、なかなか事業実施までにはハードルが高く、またかなりの時間を要するものと思われますが、国に対し、早急に結論を出すことを働きかけることが重要であると考えます。  特に、銀行からの移転費用借り入れの際、利子補給を受けるために必要となる水没予定地等証明書については、現在発行停止となっており、既に発行を受けた住民と未発行の住民の間で格差が生じています。証明書の発行を受け、銀行からの借り入れを受けた住民も、その返済のめどが立たず、不安な日々を送っています。また、そこで生活する県民の命と暮らしを守るという過疎集落対策の観点から、現在の移動販売やコミュニティバスを充実させていくことも重要であるというふうに考えます。県としてもこれに対する支援の必要性を検討していただきたいというふうに思います。  そこで伺いますが、水没予定地と証明書の早期発行や、移転費用借り入れに対する補償を国に対して求めていく必要があるというふうに思いますが、県の認識を伺います。  次に、吉野瀬川ダム等の河川の改修について伺います。  吉野瀬川ダムにつきましては、平成22年、国土交通大臣から知事に対して、ダム事業の検証に係る検討を実施するよう要請があり、これを受けて、県では国が定めたダム検証に係る検討に関する再評価実施要領細目に沿って、4回の検討会を開催をし、流域懇談会や学識経験者の意見聴取、パブリックコメントなどを実施をされ、全国の87の補助ダムの中でも、費用対効果が2番目に高く必要ということで、この6月に現行計画どおり継続するとの県の方針を決定をし、国に報告したところであります。東日本大震災以来、安全・安心をより追求することは当然ながら、こうした公共事業の計画や安全対策の甘さ、ずさんさが露呈をし、委員会や検討会、専門家と言われる方たちの信頼が失われています。  そこで質問ですが、今回の大震災の被害やその後の対応が検討会でどのように議論をされたのか、その経過と特に議論となった内容についてお答えを願います。  6月に開催した我が会派の今期第2回の県政課題検討会では、ダム河川改修事業を取り上げ、担当の説明を受けるとともに、危険箇所など現地の視察などを実施したところであります。その際、資料の中の計画流量配分図で、ダム下流での支流の流入量が、ダムがある場合とない場合で大きく違い、毎秒55トンもの開きがあることがわかりますが、その理由を説明していただきたいというふうに思います。  検討会の際、国が定めた細目に従って、堤防のかさ上げや遊水池などの検討をされたようでありますが、いずれもダムに比べコストがかかるとのことであります。しかし、これはダム本体工事だけで、移転やつけかえ道路など附帯する部分が入っていません。一方は用地の買収等も入っております。同じ条件で比較対照し、さらに今日までの経過を差し引いた残額も提示しながら検討すべきというふうに思いますが、見解を伺います。  また、ダムと下流のショートカットを合わせて70年対応となっていますが、71年目があすあるかもわかりません。さらに、ダム建設が決まっても、完成までの数年間は、相変わらず危険にさらされております。また、過去の被害を見ると本流の越水や破堤でなく、本流の水位の上昇によって支流からの流入がとまったり、支流に逆流することによる浸水でした。ショートカット以外の計画はないと聞いていますが、堤防の弱い部分の補強改良や、支流の農業用水などを含む総合的な対策が必要と考えますが、県の認識と対応を伺います。  原子力発電やその集中立地に対する考え方が見直されている今、安全でクリーンな水力発電を官民ともに考えるよい機会であると思います。ダムを建設するに当たって、使用の見込めない工業用水を削除するなど無駄なものを省くことはよかったというふうに思いますが、この際、どうせつくるならさまざまな利活用を考えるべきと思います。ダム湖底を利用した低温倉庫や避難所の整備、あるいは、今ほどの水力発電など多目的な利用も考えられますが、所見を伺います。  次に、原子力発電と防災対策について伺います。  私の生まれ育った越前市は、敦賀半島から近いところで10キロメートル、市役所を含む市中心部まで20キロメートル、ほとんど市全域が30キロメートルの範囲に入ってしまう位置にあります。嶺南の方には申しわけないことですが、今まで原子力発電には余り関心がなく、ほとんど話題になることはありませんでしたが、福島原発の事故以来、多くの方からあんな危ないものとは思わなかった、絶対とめてほしい。原発が30%の電気を起こしているなら、うちでは30%の電気を節約をしてがまんするので、ぜひとめてほしいと言われています。日本の原発は安全で、しかもまさかのときも何重もの安全対策がとってある、原子力発電は過渡的エネルギーであるというふうな説明も受けてまいりましたが、信頼がいとも簡単に崩れ去ってしまいました。  東電の事故当時の調査データによると、2号機では燃料棒の揺れが想定の16.5ミリより倍以上大きく33.2ミリあったようでありまして、核分裂をとめるための制御棒の挿入可能な限界40ミリに近く、しかも、このシステムは制御棒を下から押し上げる方式のため、もっと早く電源を失っていたら、とめる、冷やす、閉じ込める、このまず1番目、核分裂さえとまらなかった可能性があったようであります。  さらにECCSのうちの高圧炉心スプレー、低圧炉心スプレーなどの原子炉をとめた後の冷却機能は電源がないと動かせないのに対し、蒸気凝縮系機能と言われるものは、電源がなくても蒸気を循環をさせながら、熱交換器によって水に戻し、再び原子炉に注水するという冷却システムで、注水により炉心を冷やしながら、さらに炉内の圧力も下げる機能があるとされるものであります。緊急時のいわば最後のとりでが東電、保安院、安全委員会とも使うことはなく、安全上問題なしとの結論で削除されていたようであります。こうして見てくると、まだまだ欠陥や問題があるのではとの不安や疑いはぬぐい切れません。  本県の原発も私たちの会派で緊急配備の状況を視察しましたが、短期間のうちによくやられたなと思うものの、本当の応急処置で電源車やポンプ車が数百メートル離れた高台に設置をされており、その装置そのものは安全だが、緊急時に原子炉の近くまで移動して本当に機能するのかどうか疑問でありました。今後の運転については、よほどの念入りな安全確認がなされない限り、県民の理解は得られないというふうに思います。  また、核の廃棄物など、始末を後世に先送りをしながら、さらに原発に頼っていくのか、経済や雇用も確保をしながら、徐々にソフトランディングしていく卒原発へとかじを切っていくのか、県民的な議論が必要と思います。  かつて私たちは、大事なことはみんなで決めようのスローガンのもと、県民投票条例の設置に向けた直接請求や署名運動をしたことがありますが、議会軽視とか議会制民主主義の否定になるとの理由で実現をいたしませんでした。圧倒的な支持を得て、3選を果たされた西川知事のマニフェスト、新々元気宣言も、一つ一つすべてが支持されたわけではないというふうに思います。また、議員各位も公約などを掲げて当選をされてこられたわけでありますけれども、全面支持をされ、全権を委任されてはいません。少なくとも私はそう思っています。謙虚に虚心坦懐に県民の意見や特に将来を背負ってもらう若者の意見や議論を期待しますが、原発の今後の対応、及び条例化などを含め、今後の原子力政策の方向性などに関する県民の意見を幅広く聞く制度の創設について、知事の所見を伺います。  福島原発事故の放射性物質放出、拡散を踏まえ、県の地域防災計画の見直しに当たっては、本県での原子力防災指針に定められた防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲、EPZの見直しや拡大、平常時における緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム、いわゆるSPEEDIからの情報提供、あるいは避難ルートや避難所整備の検討、ヨウ素剤、数年前には今立町や武生市が独自に配備をしたことがありますが、もっと効果的なものがあれば、なおよいというふうに思いますが、ヨウ素剤の配備など必要と考えます。  こうした観点から、地域防災計画について、総合的な検討を早急に進めることが必要と考えますが、知事の認識と所見を伺います。  今回東日本では、さまざまな被害・災害が複合的に起こりましたが、専門家が少なく、またネットワークされておらず、対応が後手に回ってしまいました。  そこで、警察本部長に伺いますが、警察学校では今回のような災害に対して、どのような教育や訓練が行われているのか御紹介ください。  さらに、今後自治体や各地域、企業や職場に防災の知識を持った人を配置し、日ごろから備えておくことが必要と考えます。これを機に防災に関する専門職の資格制度を設けるとか、高校や大学に学科や学部を設けるなど、災害や防災対策の重要性、企業経営のリスクマネジメントなどを教える時間を設け、危機管理や防災の専門家を育てていくことを提案したいというふうに思いますが、知事の所見を伺います。  大きな三つ目、農業・食糧について質問をします。  最近、スズメを余り見かけません。カラスは物すごくふえていますが、スズメは極端に減っています。スズメは唯一直接米を食べる鳥で、農薬、特に除草剤の入った米は食べないのだという説があります。また、今、田んぼは中干しの時期ですが、かわいそうにオタマジャクシが干上がって、白い腹を上にして死んでいます。カラスやサギのえさになっているわけでありますけれども、オタマジャクシの成長したカエルは唯一カメムシをえさにするそうであります。また、有機栽培、無農薬の田んぼには、頼みもしないのにカモがやってきて、雑草の芽を食べています。何千年も続いた米づくりを大きく変えたこの50年、農薬と機械化で省力化できましたが、体内に蓄積された農薬の人体への影響は、スズメに聞くか、数世代先にしかわからないというふうに思います。何か自然の循環や営みをわざわざ壊して、余計なこと、遠回りをしているのではと心配になります。このままでは農業も人間も将来は暗いなと思うきょうこのごろであります。県の進めているエコ農業では、まだまだ甘いというふうに感じます。もっと大胆な発想、思い切った施策がないと、若者にも展望の持てるものにはならないというふうに思います。  そこで質問をしますが、従来、有機栽培や特別栽培米など扱っていた食の安全安心課が統廃合された経緯と、本県のエコ農業の現状と将来の展望について、県の見解と決意を伺います。  以上、多岐にわたり、またやや奇抜な提案もありますが、理事者の前向きな答弁をお願いをして、壇上での質問を終わります。ありがとうございました。 44 ◯議長(田中敏幸君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 45 ◯知事(西川一誠君) 玉村議員の一般質問にお答えいたします。  まず、原子力行政であります。  経済や雇用も確保しながら、徐々にソフトランディングしていく、原発から離脱するといいますか、そういう方向についての県民的な議論が必要と思うが、今後の原発の対応について、どのように考えるかということです。  今回、福島原発の影響の大きさから、国内また外国、海外、ドイツ、イタリアなど、既存原発の運転停止や新規原発建設の中止の動きがあることは承知をしております。原子力発電所は、将来にわたるエネルギー確保、また産業政策や環境保護のため、資源が乏しい我が国にとって重要と考えており、冷静にこの問題に対処すべきだと思います。  しかしながら、今回の福島原発の事故は我々立地地域の住民や自治体の原子力に対するさまざまな思い、これまでの地道な努力を無にしただけではなく、依然としてまだ収束を見ていないということで、両面からさまざまな不安を強めているというのも実際でありまして、県民、国民の原発に対する信頼を大きく損ねているわけであります。  福井県はこれまで原子力政策において全国をリードしてきたわけでありますが、今後は自然エネルギーや新エネルギーの普及など、エネルギーの多角化についても積極的に進めていくことが重要だと考えております。  次に、今回の原子力発電所の関係で、原子力政策の方向性など県民の意見を幅広く聞く制度の創設などを考えてはどうかということであります。  福島原発の事故を受けまして国の原子力委員会は、4月5日に今後の原子力政策のあり方について、福島原発事故の原因等についての検証や、国民各層の意見などを踏まえて検討を始めているわけであります。県内の原子力課題については、年4回開いております県原子力環境安全管理協議会において説明をし、立地及び周辺市や町の代表者、商工・農林水産業、労働団体などさまざまな立場の人々から意見をお聞きしております。  今後の県の原子力安全行政に当たっては、こうした場を活用するとともに、何と言っても県民の代表であります県議会の活発な御議論が重要であります。そして、地元市町の意見を十分お聞きし、安全・安心の確保を最優先に取り組んでいく方向が重要かと考えます。  次に、地域防災計画につきまして、総合的な検討を早急に進めることが必要ではないかとの御指摘であります。  福井県におきましては、国に先駆けまして、原子力防災計画の見直しに着手をいたし、先月12日に防災機関や防災専門家等による原子力防災計画の検討委員会を設けました。そして、今月21日には、関係の市や町も参加した住民避難部会を開き、地震等との複合災害等の対応も含めたさまざまな課題について検討を始めているわけであります。今後さらに県内各市や町との連絡会議を開き意見交換を行うとともに、部会で示された意見を参考に、国において検討されている防災指針の見直しと並行しながら、県の原子力防災計画に反映をしてまいりたいと考えます。  また、防災計画の中でも、特に直ちに取り組むべき課題があるわけでありまして、福井県独自に進める対策として、例えば衛星携帯電話など通信網の強化、それからモニタリングポストの増設と放射線監視の強化、海上保安庁・自衛隊との救援体制の整備、それから、バックアップオフサイトセンターの整備、防災避難制圧道路の強化の検討など、防災計画の見直しよりも先行しながら、原子力災害に対する初動体制ができるよう迅速に行ってまいりたいと考えます。  次に、原子力発電の行政に関連いたしまして、高等学校や大学において災害や防災対策の重要性、あるいは企業経営のリスクマネジメントを教える時間を設けて、専門家、危機管理や防災の専門家を育てていくことを提案したいということであります。高等学校の学習指導要領では、例えば家庭科では住生活、住まいですね、住生活と健康・安全等について扱っております。また、工業の専門科目、例えば社会基盤工学では、防災についての学習を進めております。  そこで、県内においては敦賀工業高校が学校が設定する科目として、原子力エネルギー安全工学という科目があります。そこでは、被曝による人体の影響や、過去の原子力発電所の事故事例などを学んでいるわけであります。さらに、ことしから第2種の放射線取扱主任者の資格取得を目指すコースもあるわけであります。他の高等学校においても、総合的な学習の時間等において、防災に関する学習を取り入れ、生徒の防災知識と意識を高めるとともに、防災を専門とする分野を持つ大学への進学へとつなげていると、こういうことであります。  また、福井大学、また大学院、また福井工業大学においても防災環境に関する教育研究が行われておりまして、卒業生が防災等に関するコンサル業務を行うような企業などにも就職をしている状況にございまして、さらにこうした分野の拡大を進めてまいりたいと、このように思っております。  その他については、関係部長からお答えします。 46 ◯議長(田中敏幸君) 農林水産部長山田君。     〔農林水産部長山田義彦君登壇〕 47 ◯農林水産部長(山田義彦君) 有機栽培や特別栽培米などを扱っていた所管課の統廃合の経緯と、本県のエコ農業の現状と将来の展望についてのお尋ねにお答えをさせていただきます。  福井米の食味や品質の向上とあわせまして、有機栽培また特別栽培などのエコ農業を総合的に推進いたしますために、5月17日の機構改革におきまして、水田農業経営課内に福井米ブランド化推進室を設置をいたしました。これまで食の安全安心課が担っておりましたエコ農業に関します業務を、このブランド化推進室に統合いたしまして、エコ農業の推進と生産振興を一体的に進めることができるように、体制の強化を図ったところでございます。  エコ農業の現状でございますが、平成22年度におけます有機栽培米の面積59ヘクタール、また特別栽培米でございますと848ヘクタール、また水稲のエコファーマーの認定面積が1万1,062ヘクタールとなっているところでございます。今後、11月までに施肥、肥料や雑草対策など有機栽培に関しますマニュアルなども作成をいたしまして、研修会などを通じて農業者に周知を図るなどいたしまして、平成25年度までに有機栽培米を90ヘクタール、また特別栽培米を1,285ヘクタールにそれぞれ現在の1.5倍に拡大してまいりたいと考えております。また、全国に先駆けまして、すべての稲作農家のエコファーマー化を進めまして、平成26年度までに認定面積を2万5,000ヘクタールに拡大してまいりたいと考えております。 48 ◯議長(田中敏幸君) 土木部長西山君。     〔土木部長西山幸治君登壇〕 49 ◯土木部長(西山幸治君) 私のほうからは、河川改修、ダム事業につきまして6点お答えを申し上げます。  まず初めに、足羽川ダムに関連しまして、水没予定地等証明書の早期発行や、移転費借り入れに対する補償を国に対して求めていく必要があるのではないかというお尋ねでございます。  平成18年10月に、国・県・池田町で、基本協定が締結され、足羽川ダム事業の実施が確実な状況となり、補償基準の提示を目前に控えた平成20年11月より、移転補償の対象となる方の生活再建を円滑に進めるため、銀行からの借り入れや利子補給事業に必要な水没予定地等証明書を国が発行していたわけでございます。しかしながら、平成21年10月以降、足羽川ダムは用地買収等の新たな段階に入ることができなくなり、ダム事業を実施するとの検証結果なしには、新たな水没予定地等証明書が発行できない状況となってございます。  県といたしましては、水没関係住民の不安を解消するとともに、流域住民の安全確保を早期に実現するため、国の責任においてダム事業を継続して実施するという結論を一日でも早く出すことが必要であると考えております。  続きまして、吉野瀬川ダムに関連いたしまして、ダム検証におきまして、今回の大震災の被害やその後の対応が検討会などでどのように議論されたのか、内容について伺うということでございます。  5月29日に開催をいたしました吉野瀬川ダム検証県・市検討会におきまして、関係市の市長からは、東日本大震災を受けて、県民・市民の不安を解消するためには、改めて治水安全度を高めるダム事業の重要性を強く感じたとの御意見をちょうだいしたところでございます。  また、6月9日に開催をいたしました福井県公共事業等評価委員会におきまして、東日本大震災を受けて、ダムの耐震設計について御質問がございました。設計震度法による耐震設計に加え、近傍で考えられる最大級の地震動による解析を行うことや、東日本大震災の被害報告の中では、吉野瀬川ダムと同じ形式である重力式コンクリートダムに大きな被災がないことなどを説明をいたしました。  次に、ダム下流での支流の流入量が、ダムがある場合とない場合で毎秒55トンもの開きがあるが、その理由をとの御質問でございます。  流量配分図は河川の基準点における計画規模の洪水の流量を示しておりまして、吉野瀬川の流量配分図は、ダムがない場合の本川のピーク流量と、ダムがある場合の本川のピーク流量を示してございます。  支川の流量はダムの有無で変わるものではございませんが、ダム下流の本川のピーク流量は、ダムがある場合とない場合で、その発生する時刻が異なり、その時々の支川からの流入量、つまり本川へ影響する流量も異なってまいります。  例えば、吉野瀬川支川の大虫川の例をとりますと、ダムがない場合、吉野瀬川本川のピーク時に流入する大虫川の流量は、67立方メートル毎秒でございますが、ダムがある場合には、吉野瀬川本川では、約1時間前にピークを迎えることになり、このときの大虫川からの流入量は101立方メートル毎秒でございます。このように支川の流入量がダムの有無で異なるように見えるのは、このような本川ピーク時の発生時刻が異なることによる支川の流量の影響の違いにより生じるものでございます。  次に、検証におきまして、ダムは本体工事費だけを考慮し、一方では用地買収も入っている、同じ条件で比較対照し、さらに残額も提示して検討すべきとの御質問でございます。  国が定めましたダム事業の検証に係る実施要領に基づき、河川整備計画において想定しております目標と同程度の目標を達成することを基本に、複数の治水対策案を立案し、安全度、コスト、実現性、持続性、柔軟性、地域社会への影響、環境への影響の七つの評価軸で評価することとされております。また、評価に当たりましては、現状における施設の整備状況や、事業の進捗状況等を原点といたしまして、実施中の事業については残事業費を基本とするとされております。  吉野瀬川ダム及び放水路事業については、現在実施中の事業であることから、今回の検証の検討に当たりましては、附帯する工事も含めまして、その残事業費を用いてその他の治水対策案と比較を行ったわけでございます。  公共事業等評価委員会におきましては、全体事業費で算出した費用対効果を御審議をしていただいているところでございます。  次に、堤防の弱い部分の補強改良や、支流の農業用水などを含む総合的な対策が必要と考えるがとの御質問でございます。  吉野瀬川は過去にはんらんし、甚大な被害をもたらしたこともあり、近年も避難勧告が発令されるなど、洪水に対する対策が急務となっております。ダム及び放水路が完成をいたしますと、吉野瀬川の水位が下がることになりまして、治水安全度が大幅に向上いたしますとともに、御指摘のような浸水被害も軽減するものと考えられます。  堤防につきましては、福井豪雨を経た平成16年に堤防等の緊急点検、その後は定期的なパトロールによりまして、異常のないことを確認しておりますが、漏水等の弱点が発見されれば、速やかに補強を行う等の対策を行ってまいります。  また、洪水時の河川への負荷を軽減するため、流域内の総合的な対策は重要であると考えておりまして、森林や農地、住宅地等でそれぞれにおきまして貯留浸透機能を保全し、あるいは高めるための方策を、広く関係方面に協力を求めてまいりたいと考えております。  次に、ダム湖底を利用した低温倉庫や避難所の整備など、多目的な利用も考えられるがとの御質問でございます。  ダムの利活用につきましては、ダム湖周辺や湖面などでさまざまな事例が見られます。ダム湖周辺の利用としては、全国的にキャンプ場や公園等親水性の高い施設の整備が行われておりまして、県内でも九頭竜ダム湖畔等に整備がなされております。また、湖面の利用での例といたしましては、岐阜県にございます阿木川ダムで住民による野菜の水耕栽培などが行われておりまして、これは貯水池の水質保全にも役立っているわけでございます。ダム湖の利活用につきましては、事業主体や管理面等課題もございますが、地域にふさわしい利活用について検討してまいりたいと考えております。 50 ◯議長(田中敏幸君) 警察本部長尾崎君。     〔警察本部長尾崎 徹君登壇〕 51 ◯警察本部長(尾崎 徹君) 警察学校で今回のような災害に対して、どのような教育や訓練が行われているのかについてお答えいたします。  警察学校では、災害発生時における警察活動について、さまざまな教育・訓練を実施しております。まず、採用時には、交番で勤務する地域警察官として災害現場で活動する際に必要となる法令、基本的な活動要領などを教育しております。災害の発生を想定し、深夜帯における非常招集訓練も実施しております。また、本県独自の取り組みとして、原子力発電の専門家から放射性物質や原子力発電所の構造等に関する講義を受けさせております。  また、県警察では、今回の震災で被災した3県に、本日まで42回、延べ516人の警察職員を派遣してきましたが、警察学校において、帰県した警察官による現地での活動で得られた貴重な体験の発表を聴講させ、警察官として必要な奉仕の精神などを学ばせております。  次に、採用後、数年が経過した警察官を対象とした専門的な課程では、具体的な発生現場を想定し、災害情報の集約、交通規制、避難措置、装備資機材の使用方法などに関するより実践的な知識・技能を習得させております。  なお、県警察といたしましては、東日本大震災を通じて得た反省や教訓を、このような教育訓練などにも反映させ、今後の災害発生時における警察活動に生かしてまいりたいと考えております。 52 ◯議長(田中敏幸君) ここで、休憩いたします。   午後0時02分 休 憩              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   午後1時03分 再 開                 会議に出席した議員(32名)    1番  西  畑  知佐代           20番  大久保      衞    2番  細  川  かをり           21番  松  井  拓  夫    3番  島  田  欽  一          22番  笹  岡  一  彦    4番  小  寺  惣  吉          23番  谷  出  晴  彦    5番  田  中  宏  典          24番  吉  田  伊三郎    7番  佐  藤  正  雄          26番  斉  藤  新  緑    8番  西  本  正  俊          27番  石  橋  壮一郎    9番  玉  村  和  夫          28番  山  本  正  雄
       10番  大  森  哲  男          29番  野  田  富  久    11番  笠  松  泰  夫          30番  中  川  平  一    12番  鈴  木  宏  紀          31番  山  岸  猛  夫    14番  田  村  康  夫          32番  前  田  康  博    16番  山  田  庄  司          33番  石  川  与三吉    17番  糀  谷  好  晃          34番  屋  敷     勇    18番  鈴  木  宏  治          35番  関     孝  治    19番  松  田  泰  典          36番  山  本  芳  男              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                 会議に欠席した議員(5名)    6番  田  中  敏  幸          25番  小  泉  剛  康    13番  仲  倉  典  克          37番  山  本  文  雄    15番  谷  口  忠  応              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 53 ◯副議長(吉田伊三郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  糀谷君。     〔糀谷好晃君登壇〕 54 ◯17番(糀谷好晃君) 民主・みらいの糀谷でございます。県政上の課題3点について質問と提言をさせていただきます。  まず最初は、地域主権3法成立に伴う国と地方のあり方についてであります。  私たちは3月11日の東日本大震災には、改めて自然の厳しさを思い知らされました。思えば、人類が歩んできた道のりは、自然との対峙であり、そして適応の歴史でありました。国が遭遇する極限事象にはしばしば価値観の変革を迫られます。太平洋戦争におけるこの国の敗北が民主主義国家への方向転換を示したごとく、このたびの惨禍が日本再生の契機となることを願わずにはおれません。今こそ政治は国民に根拠のある希望と未来世代につながる復興政策を示し、実行のために邁進しなければなりません。また、国難とも言うべきこの時期、硬直したこの国の制度疲労の是正に向けて、内向きの中央集権から分権体制への移行を確実に展開すべきであります。  折しも、昨年の通常国会に提出されながら、長時間を費やしてようやく地域主権改革の関連3法が成立し、公布されたのはこの5月でありました。内容は国と地方の協議の場設置法、国が法令で自治体の仕事を縛る義務づけ、枠づけを見直す一括法などを含んでおります。法案審議では、地域主権と国民主権や国家主権との関係があいまいだとする自民党の主張を受け入れて、条文から地域主権という言葉が削除されました。政権与党が改革の1丁目1番地としてきた地域主権というフレーズがねじれ国会の中で法案成立のために名を捨てて実をとった形とメディアは報じたところであります。  そのことはともかく、それでも私はこの3法の成立に画期的な意義を認めたいと思います。まず、最大の目玉は、国と地方の協議の場ができたことであります。早くから、全国知事会などが法制化を強く求めてきたことであり、全国知事会など地方六団体の代表が自治にかかわる政策を幅広く企画段階から話し合い、政府と自治体が法案づくりの共同作業をするという場が位置づけられたわけであります。これまでは、子ども手当のように、自治体が窓口を担う政策であっても、頭から国が決めてきたケースが多くありました。それだけに、自治体側には国と地方の対等な関係の一歩だとの期待感が広がって当然であります。差し当たって、東日本大震災の復興策や社会保障と税制の一体改革など大いに議論していただきたいと願います。  ここで、本県に目を転じた場合、かねてより東京一極集中を廃し、地方の活力があってこそ、国の持続的な反映があるという確かな思想のもとに、新しいふるさと観を主張されてきた西川知事にこそ、日本海側にも国土軸を構築すべきという持論や、本県を初め地方に依存しているエネルギー政策などについて、必要とあれば、国と地方の協議の場などを通して、堂々と論陣を張っていただきたいと願うものであります。知事の覚悟と所見を伺います。  あわせて、いま一つの具体策としては、法律で自治体の仕事のやり方を縛る、いわゆる義務づけ、枠づけの廃止への道が開かれたことであります。数多くの関連法が改正されたところでありますが、例えば、道路構造の技術的基準や、公営住宅の入居基準などを自治体が条例で定められることになったわけであり、地域の実情に合わせて裁量権を得た県として、いかように対応していくのか、課題も含めてお伺いをいたします。  さらに、地方分権を語る場合、古くて新しいテーマは、権限の移譲に加えて、財源の確保という問題であります。従来のひもつき補助金を廃止して、地方が自由に使える一括交付金も一部での適用が始まったとされておりますが、本県における実情と、今後の方向性について伺います。  ただ、国の出先機関の原則廃止は先送りされておりますし、義務づけ、枠づけ見直しについても、第二次一括法案は今後の予定となっております。いずれにしても、これからは自治体側の実力と覚悟が問われるところであります。せっかくの法案が仏つくって魂入れずになっては、この国にいつまでたっても地域主権が根づくはずなどありません。もちろん、条例審議などを担う地方議会の役割も比例して重くなることを、私たちも肝に銘じなければなりません。そのためにも、住民の声や、ニーズを的確に反映する議会改革などを進めることが求められるゆえんであります。  次は、エネルギー研究開発拠点化計画の変容について伺います。  今回の福島第一原子力発電所の事故は、今さら申すまでもなく、本県の原子力行政にも深刻な影響を与えております。福島の事故が起きる前の2月定例県議会において、知事は提案理由説明の中で、エネルギー研究開発拠点化計画について、国を初め、電力3事業者、大学、産業界などと一体となって、レベルやスケールを上げて推進している。そして、重点施策として、国際原子力人材育成センターを4月に開設することを挙げ、さらに、平成23年度に完成予定の福井大学国際原子力工学研究所の敦賀キャンパスや、平成24年度に運用開始の日本原電の原子力安全研修施設なども十分に使って、国際的な人材育成と研究開発のための我が国最大の拠点とすることを目指すと明言されていたのであります。  平成17年7月にスタート以来、これまでの拠点化計画の中で具体的な成果として挙げられたものとして、この3月に治療を開始した県立病院の陽子線がん治療があります。これこそ、敦賀市内の若狭湾エネルギー研究センターで培ってきた精度の高い照射技術を目に見える形で活用できた代表的な事例であると思いますが、このほかにも成果事例があるのか、また成果があらわれ始めている分野は何なのか、その概況を伺うとともに、今後の課題と見通しを伺います。  そして、2月議会を終えてほどなく起きたのが東日本大震災であり、原発事故でありました。私たち会派の代表質問において、この拠点化計画は、原子力が日本の基幹エネルギーとして君臨し続けるという認識が前提なのだから、事故がいまだ収束のめどが立たず、原子力の将来性が極めて不透明という中、当然ながらこの計画も修正を免れ得ないということを提起し、拠点化計画の今後についてただしたところであります。  知事はまず、今回の福島での事故を受け、特に地域住民の安全・安心の確保と、過度の原子力依存を改めるエネルギー源の多角化に関する研究開発を現場で実行していくことが重要であること、そして、その具体策として、実務者検討会を設け、原子力防災・危機管理機能の向上と新エネルギー・自然エネルギーの普及について議論を重ねると答弁をされたのであります。  以下、今回、変容を余儀なくされるこの拠点化計画について議論を深めたいと考えます。  最初に、5月31日にスタートした実務者検討会についてでありますが、この検討会のもとに専門分野ごとに作業部会を設けて議論を深めるということでありますが、このワーキンググループなどでは、できるだけ現場の実務担当者や地元関係者の生の声を反映すべきと考えますが、知事の所見を伺います。  また既に第1回目は終わっているようでありますけれども、この検討会における議論の方向性を伺うとともに、提言でありますが、福井ならではの、例えば繊維技術による、より進化した被曝防止服の開発とか、原発事故の際に内部状況を調査できるロボットなどの遠隔操作開発などは、大変有効な挑戦だと考えますが、知事の所見を伺います。  さて、拠点化計画の重点施策のうち気がかりなのは、国際原子力人材育成センターであります。この4月に若狭湾エネルギー研究センター内に設立したばかりでありますが、福島の事故の影響で原発の研修プログラムの見直しを迫られていると聞きます。国内外の研修生等の受け入れ総合窓口と、本県を国際的な原子力人材育成の拠点にするというのが、当初の計画だったはずでありますが、現状認識とどのような見直しを図っていくのかを伺います。  さて、今、敦賀駅前の西側では、福井大学附属国際原子力工学研究所の建物が平成23年度中の完成を目指して工事が進められております。福井大学は、5月下旬、福島県へ原子力工学や救急医療などの研究者でつくる調査団を派遣し、原発事故の防災、危機管理を研究する必要性を痛感したと言います。事実、福井大学は同研究所に原子力防災・危機管理の学科を新設し、原発の耐震・耐津波、危機管理などの研究を進めることを明らかにしております。また、医学部では、緊急被曝医療に対応できる医師や看護師の養成にも力を入れるとしております。これらはタイムリーな対応であり、福島事故後の地元大学によるこれらの動きについて、知事の認識と所見を伺います。  ところで、西川知事は今回の未曾有の原子力災害に直面し、過度の原発依存は改めるべきとの決意の中で、福井県として中長期的な展望を見据えて、多様なエネルギーを研究しつつ、当面は原発の安全性を高めるために、最大限の努力を続けていくことを繰り返されております。政府も原発増設計画の見直しや、再生可能なエネルギーを基幹エネルギーの一つに位置づける方針を打ち出そうとしております。ただ、原子力か再生エネルギーかという二者択一という論点は極めて短絡的であり、それぞれに光と影があります。いずれにしても、焦眉の課題は一日も早い事故収束によって、科学的な知見をしっかりと検証することに尽きると思います。これこそ、県民、国民の安心に少しでもつながることを信じて、新たな転機を迎えた拠点化計画についての質問を終わります。  最後の質問は、日本海側拠点港選定に向けてであります。  当時の前原国土交通相が打ち出した港湾の選択と集中方針に基づく日本海側拠点港の選定作業が国において7月下旬に公募を受け付けて、10月ごろ選定を終えるとされております。その間、8月中には応募者によるプレゼンテーションが行われるとのことであります。国交省は既に2月、候補地を北海道の稚内港から九州の長崎港まで、日本海側の主な26港に絞り込んでおりますが、もちろん敦賀港もその一つであります。当初は3月中にも公募する予定であったのが、大震災の影響で延期を余儀なくされて、今に及んでいるわけであります。  候補26港のうち、新潟、伏木富山、下関、北九州、博多の5港は国際拠点港湾に位置づけられており、重要港湾である敦賀などほかの21港よりは一般的には格上とされているのであります。事実、新潟港を初め伏木富山港などが、これまで着々と港湾機能の強化を図ってきており、昨年10月に多目的国際ターミナルが稼働した敦賀港ではありますが、各種ハード施設などの彼我の差は歴然としていることを認めざるを得ません。  ただ、昨年平成22年の敦賀港のコンテナ取扱量は1万5,319TEUと前年比92%もの増であり、これは北陸3県と新潟県の主要5港のうちで、増加率では最大であったというニュースは確かに朗報であります。しかし、ほかの4港、新潟、伏木富山、直江津は前年比2割、金沢も約6割伸ばしており、取り扱いの絶対量ではまだまだ後塵を拝しているところであります。  ここでまず、敦賀港の昨年のコンテナ取り扱いの好調さについて、その要因をどのように認識するのか、また、今後取扱量をさらに増加させるためには、県内企業の利用拡大を図る仕組みが必要と考えますが、所見を伺います。  一方、今回の拠点港選定に当たっては、港の格やコンテナ取扱量は加味するが、必要条件ではないとする関係者の見解や、また検討委員会の中では、コンテナ船やRORO船などの船の種類や、港の機能ごとに拠点港を設けてはという声もあります。つまり、すぐれた将来構想を打ち出すことができれば、選定される可能性があるはずであります。  また、ここに来て大震災を踏まえて、港の防災機能や太平洋側の港が地震や津波で壊滅した場合の代替機能についての評価基準が追加されました。敦賀港の場合、耐震性などこれらの課題を果たしてクリアできているのか、認識を伺います。  昨年秋の国際ターミナルの本格供用以降、冬季に波浪による荷役障害が時たま生じていると聞いております。その実態と円滑な運航確保のために必要とされる鞠山防波堤の整備対策の方向性についてお伺いをいたします。  いずれにしても、敦賀港こそというセールスポイントについては、日本海側港湾の中で、関西・中京という2大都市圏から最も近いという交通ネットワーク上の優位性が最大のアピール点であることは、注目の一致するところでありますが、そのほか港本来が持つべき物流と人流の両面における敦賀港の利点を強調すべきであります。  まず、物流の拠点としての敦賀港については、内貿そして外貿両面から見た現状と、中国航路の再開がままならない、そのような状況の中でその課題は何か伺いたいというふうに思います。  また、人流の拠点として、例えば、人気のある北海道へのフェリー航路の定着などを含めた敦賀港のアピール点は何なのか、伺いたいと思います。  また一方では、拠点港選定に当たっては、国交省が民間企業の視点による港湾経営を打ち出した経緯があり、民営化というキーワードが注目をされております。これについては、県と敦賀市の行政が51%、民間が49%という出資比率による敦賀港国際ターミナル株式会社が平成21年11月に発足しておりますが、約1年半経過した現時点における民の視点を生かしたこの株式会社の活動など、その動向についてお伺いをいたします。  いずれにしても、敦賀港の日本海側拠点港獲得への挑戦は、福井県民の将来ビジョンに掲げられた福井の地理的優位性と歴史的特性を生かしたアジアとの交流拡大、付言すれば成長著しいアジアに対面し、アジアのセンターラインとなるポテンシャルたる日本海国土軸構想にとっても、その礎となる大きな目標であります。まさに福井県にとっては、さきの質問、エネルギー研究開発拠点化計画の推進ともども、敦賀、嶺南という枠を超えた県政上の重要課題であり、国への重点提案であることを改めて確認をさせていただきながら、すべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。 55 ◯副議長(吉田伊三郎君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 56 ◯知事(西川一誠君) 糀谷議員の一般質問にお答えいたします。  まず、日本海側に国土軸を構築すべきではないか、またエネルギー政策などについて、国と地方のいろんな新しい方向性を地方からしっかり主張すべきではないかとの御提言でございます。  東日本大震災をきっかけに、人口や産業が太平洋側の都市に集中する我が国の国土構造の課題が露呈をされました。このような国土の脆弱性を改善するため、新幹線や高速道路の整備など、日本海側国土軸の整備を強く訴え、知事会、ブロック知事会などでの賛同も得てきているところでございます。また、単一のエネルギー源に頼ることの課題も明らかになっており、国内最大の原発立地地域である本県としても、嶺南西部でのメガソーラー整備の準備も進めており、拠点化計画の中でもエネルギー多角化の研究に着手をいたしたところでございます。  ふるさと知事ネットワーク等においても、産業や人口、エネルギーの分散を図る政策を議論し、例えば、企業や人口分散のための税制の提案などを行ってまいりたいと考えます。このような地方からの提案が全国共通のテーマとなり、国との議論が必要となる際には、国と地方の協議の場、あるいは全国知事会などを活用するなど、国民に広く問題提起がなされるように努力してまいりたいと考えます。  次に、エネルギー研究開発拠点化計画についてであります。  この計画の成果事例あるいは成果があらわれ始めている分野の様子を御質問されました。あわせて今後の課題についてもお尋ねをいただきました。  拠点化計画は、安全・安心の確保、それから研究開発機能の強化、人材の育成交流、それから産業の創出・育成を4本柱として、さまざまな政策を進めております。  安全・安心につきましては、県立病院に陽子線がん治療センターを開くとともに、嶺南医療振興財団における奨学金制度により、ことしは3名のお医者さんが研修医として巣立つなど、地域医療の充実が図られてきております。また、人材育成ですが、7月に福井県国際原子力人材育成センターを開いたほか、福井大学附属国際原子力工学研究所、また原子力安全研修施設の整備が進められており、人材育成の拠点形成を進めております。拠点化計画では、電子線やレーザーを活用する産業支援施設の整備が予定されていることから、原子力技術等を用いた新たな事業化を推進するとともに、集積する研究開発機能を活用した企業誘致に取り組み、産業の創出育成をより一層充実したいと考えます。  次に、この拠点化計画の中で、第1回目の実務者の検討を行ったということで、その方向性、例えばロボットを遠隔操作あるいは被曝防御服の開発など、どのような分野について挑戦をしていくのかとの御質問であります。  福島県の災害現場では、事故の収束に向けて、作業員の安全を確保するための防護服や、建物モニタリングのためのロボット、高レベル汚染水処理施設への導入などが行われておりますが、国産技術が十分導入されていないなどさまざまな課題も認識をされています。5月末に開きました福井県の第1回のこの実務者検討会では、福井の強みを生かしていくべきであるとの意見も多く、繊維技術を活用した防御服の機能向上や、原子力発電所の現場におけるロボット技術の検証、訓練等が提案されております。さらに幅広い分野の専門家や、県内企業等からの情報を積極的に集め、これらの実現可能性について、福島の経験も踏まえながら検討を進め、地元住民の安全・安心や、地域産業の振興につながる研究開発をより早く具体化してまいりたいと考えます。  次に、同じく拠点化計画の中で、国内外の研修生等の受け入れ総合窓口、また本県を国際的な原子力人材育成の拠点とするというねらいであるけれども、現状はどのように今なっているかとの御質問です。  拠点化計画では、国内外の研修生等の受け入れの総合窓口として、この4月に国際原子力人材育成センターを開くとともに、福井大学国際原子力工学研究所あるいは原子力安全研修施設の整備を進めています。今回の福島の事故を受けまして、原子力発電の導入に慎重な国がある一方で、ベトナムなど原子力発電の導入を継続する国もあり、日本での人材育成に対する需要も引き続きあると聞いております。  現在、センターでは、福島の事故の知見や教訓を生かした研修プログラムの見直しを行うとともに、この秋からはベトナム、カザフスタンなどアジア10カ国の原子力行政官、技術者のリーダーを受け入れることを目指して、国関係機関と現在調整をしている状況にあります。40年以上のプラント運転の経験、教訓を持っております原子力先進地として、アジアを初め世界の原子力発電の安全技術の向上に貢献してまいりたいと考えます。  次に、この拠点化計画との関連で、福島事故以後の地元大学の動きについての現状であります。  拠点化計画に取り組んでいます福井大学国際原子力工学研究所については、大学がいろいろ地元と我々と議論をしながら、福島県に調査団を派遣してはどうかということになりまして、調査団を派遣されました。そして、今回の事故を踏まえまして、新たに原子力防災危機管理部門を設置することとしております。原子力プラントのシビアアクシデントに関する体系的な研究、教育体制の整備について検討しておられます。  また、福大の医学部では、平成21年度から緊急被曝医療に強い救急総合医養成コースを設け、専門医の養成を行ってきております。さらに、今回の福島の事故を受けまして、緊急被曝医療に対応できる看護師の養成にも力を入れていくこととしております。  福井大学のこうした取り組みは、福井県における原子力の研究開発や、人材育成、さらには被曝医療体制を充実していくという上で、非常に意義があり、重要であると感じており、県としても国に対し、必要な支援をさらに強く要請してまいりたいと考えます。  次に、大きく別の課題でありますが、日本海側拠点港の選定に向けての御質問でございます。  敦賀港の昨年来のコンテナ取り扱いの好調さについて、その背景をどう認識しているのか。また、今後この取り扱いを増加させるために、県内企業の利用拡大をどう図る仕組みをつくっていくのかとの御質問であります。  平成23年度、本年5月末のコンテナ貨物取り扱い量は8,715TEU、前年度比2倍近い96%増になっておりまして、4,273TEU増となっており、昨年に引き続き好調を維持しております。その要因は、旺盛なアジア地域の需要を受けまして、液晶ガラスの輸出ですね、それから車のエアバック原糸──もととなる糸でありますが──の大口貨物が伸びていることに加えまして、昨年7月から就航しております敦賀・釜山間を直接結ぶRORO船のスピードと到着時間の正確さが利用者ニーズに適合したためと考えられます。来月には、航路の拡充と貨物集荷を目的に、県内の大口荷主や物流事業者、経済団体などをメンバーとした官民連携のチームを発足させまして、例えば方向としては、中国航路の再開、それから韓国航路の拡充を船会社に働きかけるとともに、県内企業の敦賀港へのシフトを促進し、敦賀港の利用率、これが今、12.5%にとどまっておりますので、まだまだ拡大の可能性がありますので、この引き上げを目指してまいります。  次に、この港湾の関係で、港の防災機能や、あるいは太平洋側の港が壊滅した場合の代替機能について、今回評価基準が選定に当たって加えられたわけですが、この敦賀港の場合、こうした課題をしっかりクリアしているのかということであります。  国は、日本海側拠点港の募集に当たりましては、太平洋側港湾の代替機能の確保を図りまして、災害に強い物流ネットワークをつくり、防災機能の確保を図ることを求めております。我が敦賀港は太平洋側港湾が大規模災害に見舞われた際には、関西中京圏にも近く、アクセスもよいわけでありますので、すぐれた物流の代替機能を有していると考えています。また、北陸自動車道に加えまして、平成26年には舞鶴若狭自動車道が全線開通する見込みでありますので、一層高い物流ネットワーク機能を発揮することが考えられます。さらに、敦賀港は、昨年10月に完成しました17ヘクタール余りの多目的国際ターミナル、また耐震性がすぐれた岸壁も有しているなど、災害時の緊急物資輸送拠点としても十分かなった港湾でありますので、これらの優位性を強くアピールしてまいりたいと、このように考えております。  その他については、関係部長から答弁します。 57 ◯副議長(吉田伊三郎君) 総務部長林君。     〔総務部長林 雅則君登壇〕 58 ◯総務部長(林 雅則君) 私からは地域主権3法に関連しまして、一括交付金の本県におきます実情と今後の方向性についてお答えをさせていただきます。  地域自主戦略交付金、いわゆる一括交付金でございますが、従来、省庁ごとに毎年の配分額、あるいは箇所づけが決められておりましたひもつき補助金と言われる制度につきまして、地方がみずからの判断で対象事業、あるいは実施箇所が決定できるよう今年度から創設されたものでございます。今年度は初年度でありまして、公共事業全体でいいますと、約3割ぐらいが対象事業になっておりまして、本県への今年度の内示額は約71億円でございますが、一括交付金の対象となりました、例えば国土交通省所管の道路修繕でありますとか、消雪施設の補助事業、あるいは農林水産省所管の農地防災でありますとか農道整備などの事業につきましては、省庁の枠にとらわれずに事業費を独自に配分して事業を実施することができることとなりました。  具体的には、今年度は昨年度から工事を進めておりまして、延長して整備の必要な歩道でありますとか、消雪施設などが継続事業として全体の約8割を占めておりますが、この6月補正におきましては、これまで国の予算配分がなく実施ができなかったような海岸の浸食対策などについては、これは県の自主的な判断で予算措置を行っています。来年度以降につきましては、一括交付金の趣旨をさらに生かしまして、継続事業の終了に合わせて本県としてより必要性の高い事業に重点を置いた事業への配分に努めてまいりたいと考えております。 59 ◯副議長(吉田伊三郎君) 総合政策部長東村君。     〔総合政策部長東村健治君登壇〕 60 ◯総合政策部長(東村健治君) 私のほうから2点お答えいたします。  1点目は、地域主権3法が成立し、義務づけ、枠づけの廃止の道が開かれたが、裁量権を得た県としてどのように対応するのかというお尋ねです。  さきの地域主権一括法の改正によりまして、地方に協議や計画策定の義務を課したり、施設面積などの基準を定める義務づけ、枠づけに係る条項が41の法律で廃止されました。義務づけの廃止につきましては、例えば、地域防災計画変更におきまして、大臣への事前協議が廃止され、計画策定期間が4ないし5カ月程度短縮されるため、県民への周知や改正された計画に基づく訓練の実施が、これまでより迅速に実施できることとなります。  一方、住民生活に密接にかかわる福祉施設の面積基準などにつきましては、条例には委任されましたが、国の基準に実質的に従わなければならない従うべき基準とされているものも多く、自治体の自由度の拡大に必ずしもつながっていない状況です。地方の政策の独自性が少しでも発揮できるように、特に従うべき基準につきましては、真に必要な場合に限定すべきことを全国の自治体とも連携して国へ求めてまいります。  次に、エネルギー研究開発拠点化計画の実務者検討会の部会などでは、現場の生の声を反映すべきとの御意見であります。国・県・大学・研究機関・事業者などで5月末に設置いたしました実務者検討会では、原子力防災、危機管理機能の向上、新エネルギー・自然エネルギーの普及について検討を開始しており、地域産業の振興につなげていくという視点も入れながら、研究開発の方向性を詰めていきたいと考えております。  なお、検討会の下に、防災やエネルギーなどの分野別にワーキンググループを組織していきたいと考えており、この中で、その分野の専門家にもアドバイザーとして積極的に参画してもらうとともに、企業など地元関係者の意見も聴取しながら検討を進めたいと考えております。 61 ◯副議長(吉田伊三郎君) 産業労働部長蓮井君。     〔産業労働部長蓮井智哉君登壇〕 62 ◯産業労働部長(蓮井智哉君) 私からは2点、敦賀港のポートセールス関連の御質問にお答え申し上げます。  まず1点目でございますが、敦賀港の内貿・外貿両面から見た現状と、中国航路の再開についての課題でございます。  平成22年度、敦賀港の総貨物取扱量でございますが、こちらは1,371万トンということでございまして、本州の日本海側の港の中では、新潟港に次いで第2位ということでございます。このうち、フェリーなどを利用しました内貿の貨物が1,057万トンで約8割を占めておりまして、あと火力発電所用の石炭でございますとか、あと近年取り扱いが増加しているコンテナ貨物など外貿の貨物が合わせて314万トンということで、残り2割を占めているわけでございます。  このような成長著しいアジアの活力を取り入れていくためにも、コンテナの貨物取扱量はさらにふやすことが必要と考えてございますが、そのためには、県内企業のニーズが非常に高い中国航路の再開が必要でございまして、現在、県内や近隣県の貨物情報を日本や中国の船社、船会社でございますが、これ5社に提示しているところでございます。  しかしながら、船会社サイドからは、安定運行に必要な大口荷主の確保というのが今求められているところでございまして、先ほど知事も答弁しました官民連携のチームなども含めまして、近隣県を含めた大手企業等への営業を強化するとともに、来月にも上海の船会社を訪問いたしまして、協議を進め、できるだけ早い時期での中国航路の再開を目指してまいりたいと考えております。  それから、二つ目でございますけれども、敦賀港国際ターミナル株式会社でございますが、民の視点を生かしたこの株式会社の活動などについての御質問でございます。  敦賀港国際ターミナル株式会社におきましては、大手物流事業者から派遣を受けた職員の方の人的なつながりでございますとか、その経験を生かして、県内と滋賀県の企業などを中心に、これまで延べ750社余りに対しまして、民間企業ならではの迅速かつ柔軟なポートセールスを行ってきたところでございます。平成22年のコンテナ貨物取扱量は先ほど来ありますように、前年に比べほぼ倍増したわけでございますし、利用企業数も平成21年の242社から平成22年の267社ということで増加したわけでございますけれども、これも敦賀港国際ターミナルの活動によるところが大きいと認識をしてございます。  その中には、テクノポート福井の古河スカイでございますとか、滋賀県のヤンマーなども含まれておりまして、さらに来月2日からでございますけれども、田中化学研究所、電池の正極材をテクノポートでやってますけれども、この田中化学研究所も今後利用を開始するということでございまして、このような新規荷主の開拓にも力を入れているところでございます。  引き続き、県と敦賀港国際ターミナルが一体となりまして、県内の小口荷主向けに拡充をいたしましたインセンティブがございますが、こういったものをPRしながら、荷主への経堂営業を強化し、敦賀港の取り扱い貨物用の増加を図ってまいります。 63 ◯副議長(吉田伊三郎君) 土木部長西山君。
        〔土木部長西山幸治君登壇〕 64 ◯土木部長(西山幸治君) 私のほうから、日本海側拠点港選定に向けまして、2点お答えを申し上げます。  まず、冬季波浪による荷役障害の実態と、鞠山防波堤の整備対策の方向性についてでございます。  平成22年10月12日に、鞠山南地区の新ターミナルが本格供用開始いたしまして、それ以降、波浪による荷役の中断または中止は、これまでに5回発生してございます。これに対しまして、船の揺動を抑える効果のある防舷材の設置や、鞠山防波堤の延伸によって湾内の静穏度を高めることにより、荷役障害の発生の抑制と船舶の安定運行を図ってまいる方針でございます。  鞠山防波堤の残り200メートルの整備につきましては、国の直轄事業により実施することとしておりまして、平成26年度までに整備を行う予定と聞いております。  続きまして、人流の拠点として敦賀港のアピール点は何かという御質問でございます。  敦賀港と北海道を結ぶフェリー航路は、関西・中京から東北・北海道に行く旅行者など平成22年実績で約7万2,000人と多くの方に御利用いただいております。また、昨年度に敦賀港を発着したクルーズが、クルーズ・オブ・ザ・イヤー2010の優秀賞を受賞するなど、関西・中京からの集客が見込める港でもございます。  さらに、平成26年度には舞鶴若狭自動車道が全線開通し、県内観光地はもとより京都や大阪などへのアクセスがよくなります。加えまして、若狭湾岸ハイウェイ観光プロジェクトによりまして、敦賀港の観光拠点としての魅力を高めていき、国内外からの新たな誘客を進めてまいります。これらのアピール点を生かすことにより、クルーズ船の誘致や国際フェリーの新規就航にも努めてまいりたいと考えております。 65 ◯副議長(吉田伊三郎君) 山本正雄君。     〔山本正雄君登壇〕 66 ◯28番(山本正雄君) 民主・みらいの山本正雄です。一般質問の最後となりました。重なるところもありますが、よろしくお願いをいたします。  さて、3.11のときは、地方統一選挙直前でございました。日々深刻になっていく映像を見ながら、日本一原発を抱えた福井県の今後は一体どうしていけばいいのか、逆風と原発に対する県民不安の増大を肌で感じながらの戦いでありました。私はこれまで原発の安全性については、県議会でも一番多く取り上げ、しかも厳しく追及してきた一人だったと思っておりますが、私も日本の技術をある程度信頼していただけに、今回は無念きわまりないものがありました。そこで、当選後は会派活動の中では、緊急対策がとられたすべての県内原発を視察し、県議会活動の福島県議会調査や陸前高田市のボランティア活動調査にも参加してまいりました。  そこで、質問の第1は、私も東日本大震災と原発の事故についてであります。会派の代表質問ではその大半を使い、原発対応を柱に総合的にさせていただきましたので、ここでは絞って別の視点から伺いたいと思います。  「夢ならず大き津波の襲ひきて泣き叫ぶもの波のまにまに」、「原発を制御不能の東電の右往左往の醜態あはれ」などの歌を3.11から12日間つづり続けた俳人長谷川櫂さんが出版した「震災歌集」を読みました。その前書きにはこうあります。  「今回の未曾有の天災と原発事故という人災は、日本という国のあり方の変革を迫るだろう。その中でもっとも改めなければならないのは政治と経済のシステムである。この歌集に出てくるのは菅内閣と東京電力だが、どちらもその象徴にすぎない。決して立派とは言えない首相が何代も続くのは、間接民主制という政治家を選び出すシステムそのものが既に老朽化してしまっているのではないか。温暖化など地球という星の存亡が問われながら、電気やガソリンを市場原理のみに任せて湯水のように使ってよいのか。震災後、切実に日本人一人一人に意識と生活を問い直すことになるだろう。もし、この問題を棚上げしたまま、もとのまま復旧されたのであれば、私たちは今回の地震や原発事故から何もなかったことになる。それは今回の大災害で、無残な多くの死を無駄にすることになる」と述べています。  被災者の方々には心からお見舞い申し上げますとともに、私もこの基本的な考えが3.11天災・人災の最大の教訓だと考えます。今回の原発事故は世界のエネルギー政策のターニングポイントになると思いますし、電気やガソリンを使い放題使ってきた文明に対する猛反省を促しているものと考えます。  知事は提案理由の中で、福井県ではこのような事故は絶対起こさせないという強い決意で防災体制の見直し、県民の安全確保に全力を挙げる覚悟と、日本海側の国土軸形成についても述べており、私も同じ覚悟であります。しかし、日本一原発集中県としての3.11を踏まえた改めるべき政治と経済システムについては触れられていないように見えます。これからの本県の原子力政策のあり方、すなわちどうすれば県民の安全確保が全うできるのかを具体的方策と、エネルギー消費に関する県民生活のあり方について、知事の見解を伺います。  さて、先日、田村康夫議員の呼びかけた勉強会に参加させていただきました。その中で、千葉科学大学の高松洋先生は、今回の事故の根底にある原因は、絶対安全を関係者が信じ込んでいたこと、日本の製造技術は世界一で絶対安全であるという意識、これは事業者だけでなく、大学研究機関、関連する学会でもしかりである。平成20年、21年に原子力安全基盤機構(JNES)から、津波に対する確率論的安全評価(PSA)が出たときも、さらに国会で津波による危険性が指摘されたときも、その上、国会の委員会で過去の津波の大きさを指摘されたときも、東北の他の原発はそれなりの津波対策をとってきたので、今回難を逃れましたが、東電は規制があっても、この絶対安全神話に染まり、体系的な対応をとることがありませんでした。国の規制側も同様であったと言っています。このように原発推進の行政機関の中に原子力規制当局がある矛盾、これでは厳しい安全規制はできず、今回のような大変な事故につながってしまったわけです。  そこで、私どもの会派では、6月9日に民主党本部や関係省庁への要請の中で、原子力安全規制の強化について、経済産業省から分離独立した第三者機関をつくるべきと要請をしてきました。政府はその方向で検討を始めたようですが、知事は安全確保について、県独自の厳しい対応もとってきましたが、国の規制体制に対する認識と今後の方向性を伺います。  さて、今回の大震災で、石巻市立大川小学校は、最大の犠牲者を出してしまいました。全校児童108名のうち7割が死亡、行方不明となり、教師11名のうち9人は死亡、1人が行方不明となったものです。避難失敗の原因は警報が出てから教師たちが相談していたこと、その結果、橋のたもとに避難し、そこへ津波が襲い、すべてを飲み込まれてしまい、列の後ろの数人は向きを変えて裏山に駆け上り助かったとのことであります。  成功例としては、前もって学校が避難訓練道路を決めておき、毎年、避難訓練をしていた学校、また避難経路が遠回りになるので、校長や市会議員が働きかけて実現した専用の避難階段を通り、短時間で避難でき助かった例もあります。  福井県においては、ほとんどの学校が毎年福井地震前後の6月ごろの避難訓練をしていますが、若狭湾、敦賀湾を初め低地の学校もあるわけで、津波、地震、原発対応など、日ごろの訓練が大事だと思います。これまでの避難訓練の実態はどうか、また今回の東日本大震災に対応した複数の避難経路の点検など、今後の学校における避難訓練についての対応策を伺います。  今回の大震災では、自治体の定めた指定避難所のうち、約100カ所以上が津波に襲われ、浸水被害に遭ったとのこと。想定外の大津波とはいえ、かけ込んだ避難所で津波に飲まれた犠牲者が多数いるとの現地説明も受けました。そこで、全国的に沿岸部の見直しが必要となってきています。県として既に津波避難マニュアルを市町に働きかけ、さらには実践的な津波避難訓練を行うための研修会を開催したとのことでありますが、訓練するにしても、津波の浸水想定図やハザードマップが必要だと思います。従来の想定を超す地震、津波に対応した避難計画の策定とあわせて、住民にとっては避難所や経路の安全性をマップなどで確認したいのは当然であります。津波の浸水想定図やハザードマップの作成など、これまでの対応状況はどうか、また今後の対応について伺います。  福井県原発の最大の問題は活断層の評価であります。日本のひずみ集中帯と多くの活断層地帯にある福井県の原発、この検証なくして稼働は考えられません。知事はこれまでの震災の際にも、県原子力安全専門委員会を通して、国や事業者に対して活断層についての検証を求めてきたと思いますが、国からの具体的な回答内容と進捗状況を伺います。  質問の第2は、教育行政についてであります。  初めに、今回提案された福井県教育振興基本計画についてですが、今後パブリックコメントや県議会の意見を踏まえ、県教育委員会で決定していくとのことでした。国の基本計画は、平成20年7月閣議決定され、今後10年間を通して目指すべき教育の姿、教育立国の実現に取り組むものとして重要なものであります。昨年4月現在で策定済みの都道府県や政令指定都市が37、今後新たな策定が福井県など28団体となっています。計画を見せていただき、気づいたことについて伺います。  東日本大震災と原発事故については、質問の冒頭に触れましたように、有史以来の大災害で、日本人の価値観、道徳観、文明観も変えるところまで来ています。「計画策定の趣旨」のところで、学校のコミュニティの役割を再認識したと少し触れていますが、施策の展開の中には触れられていません。教育改革を取り巻く状況の中に、東日本大震災と原発事故も追加し、施策の展開の中においても、それに対応した、まずは学校施設を避難所として機能させる安全・安心のとりでとして、さらに助け合いやボランティア活動、防災訓練の重要性などについても対応すべきだと思いますが、教育長の見解を伺います。  さて、教職員の児童・生徒の触れ合い時間の確保については、学校現場から多くの声をいただき、理解ある議員さんからもたびたび取り上げられてきました。多忙化対策については、第2次教育・文化ふくい創造会議において議論され、平成20年から実行に移されてきましたが、いまだに学校からの帰りは夜の9時、10時がざらで、自分の子供の面倒が見られなくて、年とった祖父母や近くの親戚、保育所などに預けたりしてやりくりをしています。  これまで多忙化対策を実施して、生徒との触れ合い時間はふえたのか。進まない課題、問題点があれば、その実態と今後の解決策を伺います。今回の基本計画の中でこそ見通しを持った対応が必要と思いますが、教育長の認識を伺います。  さて、既に他県において策定された計画には、実施後3年あるいは5年の段階で計画の見直しを明記しているものもありますが、本計画にはそれがないように思います。ここ数年、教育を取り巻く社会の動向が大きく変化していることを思えば、今後、本県の教育においても施策を再考せざるを得ない状況が生まれてくるかもしれません。計画の途中段階に柔軟に見直しを行える余地を残しておくべきと思いますが、所見を伺います。  今回の学力テストは、東日本大震災があり、文科省は問題を配付するだけにとどめ、活用は自由となっていますが、福井県の対応を伺います。  質問の第3は、知事の政治姿勢と県都問題についてであります。野田議員さんとも重なりますが、よろしくお願いをします。  今回の予算に県都改造、県都のデザイン戦略事業として170万円が上程されています。説明では、次の50年を見据え、県都福井市と各都市を再設計するデザイン戦略の議論に着手し、戦後復興60年、構造的な問題を抱える各都市の改造について、次の世代に受け継ぐことのできる都市をどのようにつくり上げていくかについて意見交換の場を設けるとなっています。この説明からすると、大きな構想で、将来の都市改造・ハード整備にかかわるもので、都市計画のプロの分析やまちづくりの素案もなければ議論もできないように思います。全体構想を示して具体的に議論していくことが重要と思いますが、今後の進め方についての見解を伺います。  さて、私ども吉田純一福井工大教授を会長とする「福井城の復元をすすめる会」に所属しています。会員が約1,000名おり、「歴史の見える県都づくり」、そのシンボルとしての福井城の復元を進めています。そのためには、将来、県庁等を郊外に移転し、子孫に誇れる歴史的な県都づくりという大きな目標を掲げて運動をしてまいりました。その一部については、知事の理解もいただき、御廊下橋の完成や、天守跡の見学ができるようになりました。花見の時期には多くの人がこの福井城跡を見学に訪れるようになり、喜んでいます。しかし、見学者の多くは、なぜこのきれいなお堀や見事な石垣のある福井城址の中に、どうしてコンクリートのビルがあるのかと聞かれ、返答に窮します。新幹線が来るまでに、まずは議会前の巽櫓の復元を目指し、将来は福井城の完全復元を目指しています。  県都の経済界や議員各位の御協力を得ながら、歴史的なまちづくりは極めて条件のよい歴史まちづくり法の活用を県都福井市へ提案していますが、いま一歩のところにあります。こういうときに、知事の今回の提案であります。今回の50年の県都改造、県都デザインの中に、福井城復元や県庁移転もしっかりとデザインされるべきと考えますが、知事の認識と見解を伺います。  さて、私どもは、県都福井市の再開発について大いに期待もし、県議会としても議論を深めながら福井市の計画に協力もしてまいりました。しかし、最近のマスコミ報道によれば、福井市の福井駅西口再開発も相互乗り入れもおくれるばかりであります。一体県都の中心はどうなるのか、ますます衰退していくのではと心配がふえるばかりであります。しかも、北陸新幹線の金沢どまりについての県都福井市の悪い影響を読み取っておかなければなりません。今回、県の独自推計が出されましたので、それを見ますと、交流人口の入込数は、富山、石川に比べて大変限定的で、首都圏からは3%増のみ、観光客は8%増となっていますが、私が最も心配するのは、福井市中心街の空洞化であります。今でも福井市の女性方は金沢への買い物が多いというのに、金沢開業で金沢のにぎわいが一層勢いを増せば、さらに金沢もうでが多くなり、県都福井市と金沢との格差が拡大することを心配していますが、今回の調査ではその分析はしたのか。福井市の中心市街地への影響をどう分析し、どのように対応していくのか伺います。  50年先を見据えた県都改造については大賛成です。しかし、西口再開発や相互乗り入れがおくれるといった余りにも厳しい現状と、近い将来についての判断と決断、指導力も大事だと思います。これで新幹線は、国体に向けた準備や対応ができるのでしょうか。西口再開発や、相互乗り入れといった県都の重要課題がおくれていく原因は一体何なのか、県の指導力を大いに期待するところですが、知事の認識と見解を伺います。  以上、大きく3項目について質問させていただきました。明快な答弁を期待して終わらせていただきます。最後の最後までどうもありがとうございました。 67 ◯副議長(吉田伊三郎君) 知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 68 ◯知事(西川一誠君) 山本議員の一般質問にお答えします。  まず、東日本大震災と原発事故の対応であります。これからの本県の原子力政策のあり方、すなわち県民の安全確保の具体的方策、それからエネルギー消費に関する県民生活の方向についての御質問であります。  県といたしましては、原子力に係るさまざまな技術的な課題については、県の原子力安全専門委員会や、この4月に設置しました福島原発事故対応に係る安全対策検証委員会の審議を通し、厳正に確認します。また、技術職員の専門的な能力向上に努めるとともに、今後とも県独自の安全チェック体制の充実・強化を行い、原子力安全行政を進めてまいります。  一方、東日本大震災の影響から、全国規模での電力不足が懸念される中、電力供給地域といえども、県民一人一人がライフスタイルを見直し、主体的に節電など省エネルギーに努めることも必要と考えております。そこで、本県の自然条件や三世代同居、地域のつながりなどの生活スタイルの特色を生かしながら、県民運動として工夫し、消費電力を1割以上減らすことを目指すクールライフプロジェクトを展開し、無理をしないといいますか、楽しみながらといいましょうか、そうした上で、節電の実効を上げようということで、本県独自の新しいライフスタイルを全国にも広めてまいりたいと、このように考えます。  それから、今回の原子力事故に関連いたしまして、これまで県は県独自の厳しい対応もしてきたけれども、国の規制体制に対する認識がどのようなものであるかとのことであります。  6月7日に公表されましたIAEAの報告書において、国は、原子力安全規制に係る責任体制の明確化等を図るため、原子力安全・保安院を経済産業省から独立させ、原子力安全委員会や各省も含めまして、原子力安全規制行政の実施体制の見直しの検討に着手するとしております。  県としては、こうしたことも大事でございますが、保安院を独立させましても、それが形だけで終わるのでは意味がありませんし、強い権限を持たせ実行力を伴う組織にする必要があると考えます。  また、独立をいたしましても、適切な判断を行うに当たっては、発電所に近い現場に絶えずいるといいましょうか、そういうところでの判断と実行が極めて大事でありまして、現地組織がむしろそこが本部ぐらいの感じで、十分な効果を上げることができるよう権限の強化をする必要があると考えます。  それから、県都問題等であります。全体構想を示して具体的に議論していくことが重要と思うが、今後の進め方、それから福井城復元や県庁の移転などもデザインをしっかり進めるべきではないかとの御質問です。  県都福井市は、戦災・震災から60年余が経過し、都市自体がリニューアル、改造の時期にあります。また、西口再開発問題や、中央公園の県民会館の問題など大きな具体的な事業としても節目を迎えております。このため、中央公園、福井城址も含め、今後50年のスパンを考えた都市デザインの検討を始めなければならないと考えます。  まちづくりを進めるためには、行政のみならず、住民の理解、協力が不可欠でございます。そこでまず、行政と住民が広く議論できる意見交換の場を設け、戦災、震災から復興し、全国のモデルとなったまちづくりの歴史も振り返りながら、今後の課題、ビジョンをつくり出していくという作業を進めたいと思います。ですから、具体論と新しい広い全体性のある動きを両方つくり出していきながら、この問題を解決する必要があるだろうと思います。  こうした事業をきっかけに、県内各都市に自分たちで考える気持ちが広がり、住民の手によるまちづくりが活発化することを強く期待し、また協力、応援、また事業を進めると、こういうことを考えているところでございます。  その他については、関係部長から答弁します。 69 ◯副議長(吉田伊三郎君) 政策幹森近君。     〔政策幹森近悦治君登壇〕 70 ◯政策幹(森近悦治君) 私からは、県都問題につきまして、西口と相互乗り入れなど課題がおくれている原因は何か、また県の指導力を期待するといったお尋ねでございます。  これまで県は市と協力いたしまして、福井駅のJR高架化、また手寄地区の再開発、そして幸橋のかけかえとか、駅東西の広場などの整備を進めてきたところでございまして、今後そうした市との役割分担をする中で、なお一層強力に協力して仕事を進めていくことが大事であると考えています。  その中で、西口再開発につきましては、経済環境が厳しい中で、民間の参入が進まないといったような影響もあるかというふうに考えておりますけれども、この事業は福井駅周辺の活性化のため、重要なプロジェクトであり、県としても応援するという気持ちに変わりはございませんが、今後50年の県都のデザインにふさわしい駅西口のあり方も考え合わせて、まずは福井市がスピード感と責任を持って、現在の事業の全体の整理・調整を行っていく必要があるというふうに考えています。  また、相互乗り入れにつきましては、えち鉄の高架化との関係で、福井市では何を優先するかといった議論があるようでございますけれども、既存の鉄道を有効活用して、利便性を向上させることで、利用者の増加が期待できること、また、まちづくりの面でも非常に重要だといった点では、福井市を初め、関係者間の認識は一致しているというふうに考えておりまして、県といたしましては、こうした広域的な交通のネットワークの整備という観点から、積極的に支援を行い、早期の事業化に努めてまいりたいというふうに考えております。 71 ◯副議長(吉田伊三郎君) 安全環境部長石塚君。     〔安全環境部長石塚博英君登壇〕 72 ◯安全環境部長(石塚博英君) 私からは2点お答えをさせていただきます。  まず、津波の浸水想定図やハザードマップの作成などについての対応状況、また今後の対応について伺うということでございます。  東日本大震災では、津波に対します避難の重要性が改めて浮き彫りになりましたことから、県では直ちに着手すべき対応といたしまして、沿岸市町に対して、記載要領と浸水想定図を提供いたしまして、津波避難対応マニュアルの策定を働きかけたところでございます。  既にすべての沿岸市町では、マニュアルの策定を終えたところでございまして、内容としましては、避難対象地域や避難場所、避難路などの情報を盛り込んだものとなっております。県では、沿岸の住民の方々が津波発生時には迅速な避難行動をとることが重要と考えておりまして、今後ハザードマップの作成やマニュアルをもとにした避難訓練を行い、スケジュールを明らかにして、地域全体として実効性のある津波避難対策を推進するよう指導していくこととしております。  次に、原発に関しまして、活断層についての検証について国からの回答内容と進捗状況を伺うというお尋ねでございます。  平成18年9月、国の耐震指針が改訂されまして、発電所の耐震安全性の再評価が開始されましたことから、県では県原子力安全専門委員会に地質学と耐震工学の専門家を加えまして、活断層の評価や国の審査結果などについて、厳正に審議、確認をしているところでございます。  平成19年7月に発生いたしました新潟県中越沖地震の際には、国及び事業者に対し、中越沖地震での知見を耐震安全性に反映するよう強く要請するとともに、平成20年には本県の要請に基づき、国みずからが若狭湾内において海上音波探査を実施したところでございます。  今回の福島の地震を受けて、国は6月6日、各電力事業者に対し指示を行い、新たに見逃している断層がないかについて調査を行い、8月末までに評価結果を報告するよう求めているところでございます。県としては、これらの評価結果等については、今後、県原子力安全専門委員会で厳正に審議していくこととしております。 73 ◯副議長(吉田伊三郎君) 産業労働部長蓮井君。     〔産業労働部長蓮井智哉君登壇〕 74 ◯産業労働部長(蓮井智哉君) 北陸新幹線の金沢開業に伴う福井市の中心市街地の影響についての御質問でございます。  今回の北陸新幹線の金沢開業後の影響調査でございますが、鉄道や航空の利用者数の変化や交流人口の拡大につきまして、時間短縮による交通影響の分析を行ったものでございます。  金沢では、新幹線の開業に合わせまして、商業施設の出店が進んでいることもございまして、消費ですとか顧客を奪われるんじゃないかという懸念の声も一部にはございますことから、福井市の中心市街地への影響についても検討を進める必要があるというふうに認識をしております。  この検討に際してでございますけれども、福井市の中心市街地におきましては非常に厳しい状況の中で、駅前を訪れる主婦ですとか若者向けの店舗で売り上げを伸ばすといったような事例も見られるように、町なかを訪れる方々のニーズに対応した商業機能の充実が重要でございまして、これとあわせて金沢開業に伴う影響なども考慮しながら、県民へのアンケートでございますとか、フィールドワークなども行って、中心市街地の商業活性化策というものを具体化していきたいというふうに考えております。 75 ◯副議長(吉田伊三郎君) 教育長広部君。     〔教育長広部正紘君登壇〕 76 ◯教育長(広部正紘君) 教育委員会関係の御質問にお答えを申し上げます。  まず、今回の大震災に関しまして、今後の学校における避難訓練どうするのかという、こういった対応策についての御質問でございます。  各学校におきましては、主に地震や火災等の災害を想定したマニュアル、学校によっては「こんなときどうする」とかいろんな名前をつけておりますが、こういったものを必ず作成しておりまして、これに基づいた避難訓練などを年に一、二回実施をしております。震災後、中には独自に津波を想定した訓練を行っている学校もございます。特に今回の大震災後でございますが、4月早々に文部科学省のほうから安全管理の緊急点検依頼が来ております。これに沿いまして、この4月に津波や土砂崩れの予想される地域での避難する場所や経路の設定、あるいは登下校中の地震、津波発生時の避難の仕方についての児童・生徒への指導など、文部科学省が示しました9項目のチェックリストによる点検等を県内すべての学校で実施をしたところでございます。  県や市町による地域防災計画の見直し状況等も踏まえまして、各学校の危機管理マニュアル等の改定を進め、いざというときに児童・生徒の安全が守られるように指導していきたいと考えております。  次に、県教育振興基本計画の中に、この東日本大震災と原発事故も追加してはどうかとの御提言でございます。  今回の大震災によりまして、地域の中で学校が果たす役割の大きさというものが再認識されたと同時に、教職員や児童・生徒にも災害時の迅速な避難の大切さや助け合いの重要性、あるいは自制心や忍耐力、勇気、さらには連帯の心などの大切さが改めて認識されたものと考えております。  こうした中で、災害時の避難所として利用される学校施設の耐震化を優先実施するとともに、子供たちが災害時に自分の命を守るための防災学習、こういったことを徹底をしていかなければならないと思います。  また、助け合いにつきましては、被災児童・生徒の受け入れや募金・ボランティア活動を通して実践されているところでありますが、こうした活動もさらに充実していくべきと考えております。このほか、震災を契機として、さまざまな教育課題が提起されておりますが、このようなことにつきましても、さらに御意見などをいただきまして、本計画の中に具体的に盛り込んでいきたいと考えております。  それから、多忙化対策でございます。多忙を解消して子供たちと触れ合う時間をふやそうと、こういったことでございますが、教職員の多忙化の解消策といたしまして、これまで教材研究支援システムの充実や、教職員1人1台の校務用パソコンの配置、調査文書の見直しなどを進めてまいりました。教育課題は複雑化・多様化しているわけでございますが、教職員の多忙化というものは一朝一夕の解決は困難でございますが、これまでの対策は一定の効果はあったものと認識をしております。  引き続きまして、こうした対策を充実するとともに、教員の負担軽減につながる学校事務の共同実施を進めてまいりたいと思います。また、情報通信技術を活用した校務支援システムの導入も検討してまいります。さらに、学校内の会議等の見直しによります校務の効率化、あるいは校務分掌の調整など、学校マネジメント改革が非常に重要でありますことから、福井大学等と連携したマネジメント研修などによりまして、管理職等の意識改革を進めまして、教員が子供たちと向き合える学校づくりを推進してまいりたいと考えております。  次に、教育振興基本計画の途中段階で、柔軟に見直しを行える余地を残しておくべきということでございますが、本計画におきましては、計画期間を平成23年度から平成27年度までの5年間としておりまして、計画期間終了時には再度県民の皆さんから広く意見をいただいて、計画の見直しを行うことを前提に策定をいたすものでございます。  また、期間中に社会状況等の大きな変化が生じた場合や、国の教育に関する施策が大幅に変更された場合には、それらとの整合性を保つ必要がありますことから、見直しを検討していくことになるわけでございます。  最後に、全国学力テストについての御質問をいただきました。  全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストでございますが、今回の大震災の影響によりまして、ことしは従来のような全国比較のできる国による本格調査は見送られることになりました。この全国テストでございますが、これまで4回実施されましたが、問題も非常にすぐれておりまして、本県におきましては毎年詳細な独自分析を行いまして、児童・生徒の学習指導の充実につなげ、大きな効果を上げてきたと考えております。  国は9月下旬に希望する学校等へ問題を配付することといたしておりますが、全国との比較ができないことなどから、実施を見送る県がある一方で、石川県や高知県のように、積極的に県全体で実施し、集計分析を行うところも出てきております。本県におきましては、すべての市町教育委員会、学校が問題の配付を現在希望しております。現在、その実施の方法等について検討しているところでございます。 77 ◯副議長(吉田伊三郎君) 以上で、通告による質疑及び質問は終了いたしましたので、ほかにないものと認め、日程第1の各議案に対する質疑及び県政全般にわたる質問は終結いたしました。              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                 第2 請願、陳情について 78 ◯副議長(吉田伊三郎君) 次に、日程第2の請願、陳情についてをあわせて議題といたします。  この際、お諮りいたします。  会議規則第38条第1項、第91条第1項、及び第94条の規定により、日程第1のうち議案17件及び日程第2の請願1件、陳情3件をお手元に配付いたしました議案付託表及び請願・陳情文書表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 79 ◯副議長(吉田伊三郎君) 御異議なしと認めます。
     よって、そのように決定いたしました。              ───────────────────                   議 案 付 託 表                                    第370回定例会 ┌─────┬────────────────────────────┬──────┐ │議案番号 │        件          名        │付託委員会名│ ├─────┼────────────────────────────┼──────┤ │第37号議案│平成23年度福井県一般会計補正予算(第1号)       │ 予  算 │ │第38号議案│平成23年度福井県下水道事業特別会計補正予算(第1号)  │ 予  算 │ │第39号議案│平成23年度福井県病院事業会計補正予算(第1号)     │ 予  算 │ │第40号議案│平成23年度福井県臨海工業用地等造成事業会計補正予算   │ 予  算 │ │     │(第1号)                       │      │ │第41号議案│平成23年度福井県工業用水道事業会計補正予算(第1号)  │ 予  算 │ │第42号議案│平成23年度福井県水道用水供給事業会計補正予算(第1号) │ 予  算 │ │第43号議案│平成23年度福井県臨海下水道事業会計補正予算(第1号)  │ 予  算 │ │第44号議案│福井県核燃料税条例の制定について            │ 総務教育 │ │第45号議案│福井県職員の育児休業等に関する条例の一部改正について  │ 総務教育 │ │第46号議案│福井県高校生修学支援基金条例の一部改正について     │ 総務教育 │ │第47号議案│障害者自立支援法等の一部改正に伴う関係条例の整備に関する│ 厚  生 │ │     │条例の制定について                   │      │ │第48号議案│福井県港湾施設管理条例の一部改正について        │ 土木警察 │ │第49号議案│訴えの提起について                   │ 土木警察 │ │第50号議案│県有財産の取得について                 │ 総務教育 │ │第51号議案│敦賀市民間最終処分場抜本対策事業工事請負契約の変更につい│ 土木警察 │ │     │て                           │      │ │第52号議案│敦賀市民間最終処分場抜本対策事業工事請負契約の変更につい│ 土木警察 │ │     │て                           │      │ │第53号議案│基幹河川改修工事請負契約の変更について         │ 土木警察 │ └─────┴────────────────────────────┴──────┘              ───────────────────                第370回定例会請願・陳情文書表                 福  井  県  議  会                    目     次 (請願) ┌─────┬────────────────────────────┬──────┐ │請願第1号│教育基本法・学校教育法の改正、学習指導要領改訂に伴う教科│ 総務教育 │ │     │書採択制度の改善についての請願             │      │ │     │ 【屋敷 勇、大森哲男】                │      │ │     │ (請願項目)                     │      │ │     │  1 教育基本法等において改善された内容が、新しい教科│      │ │     │   書内容に反映されているか、教科書の調査研究を行うこ│      │ │     │   と                        │      │ │     │  2 教科書の調査研究に基づき、最も適切と思われる教科│      │ │     │   書を採択すること                 │      │ └─────┴────────────────────────────┴──────┘ (陳情) ┌─────┬────────────────────────────┬──────┐ │受理番号 │        件          名        │付託委員会名│ ├─────┼────────────────────────────┼──────┤ │陳情第1号│安心・安全な地域社会づくりと農業の発展に向けた意見書提 │ 産  業 │ │     │出を求める陳情                     │      │ │     │ (陳情項目)                     │      │ │     │  1 県産農産物のブランド力強化対策         │      │ │     │  2 戸別所得補償制度の充実             │      │ │     │  3 TPPなど国際貿易交渉             │      │ │     │  4 鳥獣・病害虫による被害対策           │      │ │     │  5 農村・地域コミュニティを守る対策        │      │ │陳情第2号│原発事故を踏まえた安全対策に係る意見書提出を求める陳情 │ 厚  生 │ │     │ (陳情項目)                     │      │ │     │  1 原発事故防止の未然対策             │      │ │     │  2 災害時における補償対応             │      │ │     │  3 原発事故に対する適切な予算措置         │      │ │     │  4 災害時の迅速かつ適切な情報公開         │      │ │陳情第3号│敦賀半島における原子力発電所事故における避難道路整備  │ 土木警察 │ │     │を求める陳情                      │      │ │     │ (陳情項目)                     │      │ │     │  1 県道今庄杉津線の整備と災害時に北陸自動車道杉津 │      │ │     │   パーキングエリアから乗り入れが可能となるような整 │      │ │     │   備                        │      │ │     │  2 阿曽区からの避難道路として、北陸自動車道方面に │      │ │     │   抜ける樹園地農道について、避難道路として利用でき │      │ │     │   るような拡幅                   │      │ └─────┴────────────────────────────┴──────┘              ─────────────────── 請願第1号      教育基本法・学校教育法の改正、学習指導要領改訂に伴う教科書採択制度の      改善についての請願 1 要   旨   次の項目について実現されるよう、取り計らい願いたい。 (1)教育基本法、学校教育法の改正、学習指導要領の全面改訂と教科用図書検定調査審議会報告に   基づき、これら法令等において改善された内容が、新しい教科書内容に反映されているか、採択   の指標(観点)を定め、おのおのの教科書の調査研究を行うこと。 (2)おのおのの教科書の調査研究に基づき、教育基本法と学校教育法の目標及び学習指導要領の目   標等を達成する上で、最も適切と思われる教科書を採択すること。 2 理   由   教科用図書検定調査審議会は、「教科書の改善について(報告)」(平成20年12月25日)におい  て、「公正かつ適切な教科書採択」を提言し、これを受けた文部科学省は「教科書の改善について  (通知)」(20文科初第8075号)を発し、「教科書の採択に当たっては、教科書の装丁や見ばえを  重視するのではなく、内容を考慮した、十分な調査研究が必要であること」「教育基本法等の改正  や新しい学習指導要領の趣旨を踏まえた『教科書改善に当たっての基本的な方向性』を参考にし、  各採択権者の権限と責任のもと、十分な調査研究が行われ、適切な採択がなされることが必要であ  ること」と通知した。   さらに文部科学省は、義務教育諸学校教科用図書検定基準(平成21年3月4日告示)において、  教科書は「知・徳・体の調和がとれ、生涯にわたって自己実現を目指す自立した人間、公共の精神  をとうとび、国家・社会の形成に主体的に参画する国民及び我が国の伝統と文化を基盤として国際  社会を生きる日本人の育成を目指す教育基本法に示す教育の目標並びに学校教育法及び学習指導要  領に示す目標を達成するため」の教材であるとの性格づけを明確にした。   その上で、「教育基本法第1条の教育の目的及び同法第2条に掲げる教育の目標に一致している  こと。また、同法第5条第2項の義務教育の目的及び学校教育法第21条に掲げる義務教育の目標並  びに同法に定める各学校の目的及び教育の目標に一致していること」「学習指導要領の総則に示す
     教育の方針や各教科の目標に一致していること」など審査基準を明確にしている。   福井県議会におかれては、教育委員会に対して、本年行われる中学校用教科用図書の採択に際し  て、教育基本法の目的・目標や学習指導要領の目標等を達成するため、各教科書の内容を重視した  調査研究を行うとともに、おのおのの教科書がこれら法令等のどこに重点を置いた執筆編集をして  いるのか、教科書の特徴が明らかになる指標を設けて分析し、その上で教育基本法、学校教育法、  学習指導要領の目標を達成する上で最も適切な教科書を採択されるよう要望する。   特に、福井県においては、拉致被害者や家族、また、北朝鮮に拉致されたと思われる特定失踪者  の家族の方々がおられるので、中学校公民教科書採択に当たり、北朝鮮による日本人拉致問題の記  述がより詳細な教科書を選ぶよう各市町教育委員会に指導していただき、また、そのために調査委  員の調査に当たっても、「拉致問題の記述がより詳細であること」という観点からの調査をお願い  したい。さらに、中学校歴史教科書採択に当たり、歴史事実の記述がより正確に記載されている教  科書を選ぶよう各市町教育委員会に指導していただき、また、そのために調査委員の調査に当たっ  ても、「歴史事実の記述がより正確であること」という観点からの調査をお願いしたい。 3 提 出 者   日本会議福井 理事長 宮川 脩 4 紹介議員   屋敷 勇、大森 哲男 5 受理年月日   平成23年6月22日              ─────────────────── 陳情第1号      安心・安全な地域社会づくりと農業の発展に向けた意見書提出を求める陳情 1 要   旨   平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による大津波により住居や農地は壊滅的な被  害を受けた。さらに、震災によって発生した原発事故は、いまだに収束の見通しが立っておらず、  政府、東京電力の対応が不十分な中で農業者の経済的損失と精神的苦痛ははかり知れない。   全国でも最多の原子力発電所が立地する本県においても大きな不安を感じており、原発事故を起  こさない安全対策の徹底により、農業者が安心して農産物を生産できる環境と安全な食料を供給し  ていける態勢の重要性を再認識したところである。   こうした震災に端を発する環境変化は、市場原理のみによる効率化や競争力強化を求めてきた  我々の価値観を大きく変えるもので、農業・食糧政策を含めた発想の転換を示唆するものである。   また、地域社会では、高齢化の進展や耕作放棄地の増加、過疎化に伴う地域の疲弊などにより生  活に必要なライフラインの維持が難しく、暮らしに対する不安も増大している。   よって、本県の農業者が安心・安全に営農活動を維持し地域農業を発展していくため、下記事項  に係る意見書を貴議会にて採択の上、関係当局に対して要請いただくとともに、行政としての特段  の取り組みをお願いする。                       記 (1)県産農産物のブランド力強化対策   1) 福井米の評価向上を実現するため、食味検査に基づく区分集荷・販売に向けた施設整備に対    して強力に支援すること。   2) 近年の温暖化に耐性を持ち、消費者の嗜好にも合致するようなコシヒカリに続く全国に通じ    るブランド米の育成を進めること。   3) エコファーマーの本格実施を前に、一般消費者へのエコ農業に対する理解を進めるためのエ    コ農産物に対する消費拡大対策を県下全域で実施すること。 (2)戸別所得補償制度の充実   1) 我が国の主食である米の安定供給と水田の有効活用による自給率向上のためには、米の需給    調整は必要であり、非主食用途への転換支援や備蓄対応など政府の責任による継続した需給・    価格安定対策を行うこと。   2) 食料安全保障機能の発揮や自給率向上は、国内生産の維持・拡大を基本とした上で備蓄と輸    入の組み合わせにより実施されるべきものであり、その前提は、国内農地を有効活用し農業生    産を継続することにより、食糧自給力を維持することにある。     このように、農地を農地として活用し生産性の高い優良農地を維持・確保できるよう、農業    生産基盤の整備等ハード面での対策に万全を期すこと。 (3)TPPなど国際貿易交渉   1) 農産物の貿易ルールは、我が国の環境保全や食の安全・安心を損なう可能性のあるものは断    じて認めず、食料の安全保障を含む農業の多面的機能の発揮と食料・農業・農村基本計画で示    した食糧自給率の向上に資するものとすること。   2) 未曾有の大震災のもと、食糧自給率40%の我が国は可能な限り国内での食料生産を目指すべ    きであり、例外なき関税撤廃を原則とするTPP交渉への参加は国内農業の振興と両立できな    いものであり、直ちに参加に向けた検討を中止すべきである。 (4)鳥獣・病害虫による被害対策   1) 野生鳥獣から、農山村地域で暮らす人々の生活の安全を確保するとともに農業生産への影響    を及ぼさないよう、国・県・市町は継続した取り組みを進めること。     また、指導者や捕獲の後継者の育成、確保を計画的に実施すること。   2) 良質米の生産に対応して、水田に隣接する公共用地等のカメムシの防除に万全を期すこと。 (5)農村・地域コミュニティを守る対策    国においては国家戦略としての農業・農村政策を構築している中にあって、本県においても地   域戦略の最重要課題として、農業・農村政策の推進を図る必要がある。    特に、本県のような土地利用型農業を基幹とする農村地帯にあっては、農業を中心とする集落   機能の発揮は必要不可欠なもので、戸別所得補償制度とともに、地域振興に向けた農業政策と農   村政策の一体的な構築を進めること。 2 提 出 者   福井県農業協同組合中央会 会長 山田 俊臣 3 受理年月日   平成23年6月6日              ─────────────────── 陳情第2号          原発事故を踏まえた安全対策に係る意見書提出を求める陳情 1 要   旨   平成23年3月11日に発生した、我が国観測史上最大の東北地方太平洋沖地震は、津波被害により  広範な地域において多くの人命を失うとともに、家屋・農地に至るまで甚大な被害をもたらした。   また、この震災により発生した原子力発電所事故では、放射性物質が外部に漏えいし、農産物の  汚染など周辺環境に重大な被害を与え、国家経済が混乱している状況にある。農業者にとっても経  済的損失と精神的苦痛の限界を超えた中で、いまだに今後の将来展望を描くことはできないままに  いる。   全国最多の原子力発電所が立地している本県においては、農業者のみならず県民にとっても大き  な不安要素であり、電力事業者と国による再発防止は国家的至上課題である。   本県の農業者が安心・安全に営農活動を維持し地域農業を発展していくため、下記事項に係る意  見書を貴議会にて採択の上、関係当局に対して要請いただくとともに、行政としての特段の取り組  みをお願いする。                       記 (1)原発事故防止の未然対策    原子力発電所の安全確保については、いかなる自然災害に対しても対応を行えるようにするた   め、非常時を想定した訓練や安全基準の見直しなどハードとソフト両面から、最大限の未然防止   対策を講ずること。    また、今回の事態を踏まえ、現行の防災指針を抜本的に見直すことにより、今後講ずるべき対   策を明らかにし、その計画的な対策の実践を国に働きかけること。 (2)災害時における補償対応    今回の東京電力福島第一原発事故の一刻も早い収束と、それに伴う農業者が安心して生産活動   のできる環境整備に速やかに取り組むこと。
       事故の対応に当たっては、早急に損害を受けた農業関係者等にすべての損害に対する補償を明   確にすること。その中では、出荷停止や作付制限等により自粛した農作物のみならず、風評被害、   廃棄費用や手配済みの資材費用等間接的な被害についても補償の対象とすること。    また、水質・土壌など放射能汚染に伴う被害に対し、国の責任による農業再生産に向けた対策   を行うこと。 (3)原発事故に対する適切な予算措置    原発事故の被災地域の農業・農村の復興については、既存の農業関連予算に影響を与えること   なく確実な予算、税制措置をとるよう国に働きかけること。 (4)災害時の迅速かつ適切な情報公開について    原発事故後の気象状況や被害状況などのさまざまな事象について、原子力立地自治体や地域住   民に対する迅速かつ適切な情報公開を国や電力事業者へ求めること。    また、今回の事故検証と今後の安全性確保対策に向け、国・県が一体となって、電力事業者へ   の厳格な指導を行うこと。 2 提 出 者   福井県農業協同組合中央会 会長 山田 俊臣   福井県農政連 会長 山田 俊臣 3 受理年月日   平成23年6月6日              ─────────────────── 陳情第3       敦賀半島における原子力発電所事故における避難道路整備を求める陳情 1 要   旨   当地区は鞠山より元比田まで約15キロメートルの間に11集落が帯状に点在し、集落はリアス式海  岸と山に囲まれた細長い地域であり、その中に道路といえば、国道8号が一本縦断しているのが現  状である。また、正面海岸のわずか数キロメートル先には、日本原子力発電株式会社の敦賀発電所  1・2号機が立地し、当地区民は日夜原子炉建屋を見ながら生活をしている地域でもある。   さて、このたびの東日本大震災により発生した福島第一原子力発電所の事故により、当地区民は  原子力発電所に対して大きな不安を抱いている。特に、敦賀発電所1号機は事故を起こした福島第  一原子力発電所と同じ沸騰水型であるばかりか、敦賀半島には敦賀原子力発電所1・2号機同様、  高経年化した原子力発電所が多く立地している。もし万が一、敦賀半島に立地する原子力発電所に  おいて想定外の事象が発生した場合は、西浦地区はもちろんのこと、当地区もすぐに被害を受ける  こととなることから、避難道路の確保が急務である。   しかしながら、前述のとおり、現在、当地区から避難するには国道8号を利用するしかなく、原  子力発電所建屋を真横に見ながら避難することは事実上、不可能である。さらに、地震や津波の襲  来により、国道8号が通行できなくなる場合も想定される。このため、内陸方面に、北陸自動車道  や国道・県道につながる新たな避難道路が必要不可欠である。   当地区民の安心安全のため、事情を御理解の上、住民の総意として下記のとおり要望するので、  五幡区からの避難道路であり平成22年12月議会で請願を採択いただいた県道五幡新保停車場線とあ  わせ、その実現に特段の高配を賜るよう、ここに東浦地区区長会連名にて陳情する。                       記 (1)杉津区からの避難道路として、県道今庄杉津線の整備と、災害時に北陸自動車道杉津パーキン   グエリアから乗り入れが可能となるよう整備すること。 (2)阿曽区からの避難道路として、北陸自動車道方面に抜ける樹園地農道について避難道路として   利用できるよう拡幅すること。 2 提 出 者   敦賀市東浦地区区長会 会長 植本 太郎 3 受理年月日   平成23年6月17日              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━          第3 第54号議案 福井県県税条例等の一部改正について 80 ◯副議長(吉田伊三郎君) 次に、日程第3を議題といたします。  これより、知事から提案理由の説明を求めることにいたします。  知事西川君。     〔知事西川一誠君登壇〕 81 ◯知事(西川一誠君) ただいま追加上程されました第54号議案 福井県県税条例等の一部を改正する条例につきまして御説明申し上げます。  この条例は、今月22日、地方税法等の一部改正が成立したことに伴い、福井県県税条例を改正するものであります。改正条項の中には、不動産取得税の負担軽減措置など、今月30日に期限が到来するものもあることから、今回提案いたした次第であります。  なお、今回の改正の中には、個人住民税の寄附金控除の拡充につきまして、ふるさと納税の提唱県である本県が中心となって、他府県とともに国に対し提案・要望してきた改正内容が実現したものがございます。これにより、寄附される方の負担軽減が図られ、ふるさと納税の一層の普及が期待されるものであります。  以上、今回提案いたしました議案につきまして御説明申し上げました。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。 82 ◯副議長(吉田伊三郎君) これより、ただいま議題となっております本件に対する質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告者はありませんので、ないものと認め、本件に対する質疑は終結いたしました。              ─────────────────── 83 ◯副議長(吉田伊三郎君) お諮りいたします。  本県につきましては、会議規則第38条第3項の規定により委員会付託は省略したいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 84 ◯副議長(吉田伊三郎君) 御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。              ─────────────────── 85 ◯副議長(吉田伊三郎君) これより、本件に対する討論に入ります。  佐藤君より反対討論の通告がありますので、許可することにいたします。  佐藤君。     〔佐藤正雄君登壇〕 86 ◯7番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。  ただいま上程されました第54号議案 福井県県税条例等の一部改正については、今、知事から提案があったように、積極的な内容もあるわけですが、その内容の一部に問題がありますので、反対いたします。  一つは、納税者への罰則が強化され、過料が3万円から10万円に引き上げられる厳罰化が進められることです。今、福井県内でも自治体あるいは福井県と市町が共同でつくっている地方税滞納整理機構などによって実情と人権を無視した税務調査や滞納処分、差し押さえなど強権的な徴税が強められています。租税刑罰の大幅な強化はこうした乱暴な権力行使を一層助長、拡大するおそれがあります。  二つ目は、上場株式等の配当及び譲渡益に対する軽減税率の延長は、資産家・金持ち優遇であります。これはもともと自民党・公明党政権時代から批判が強く、廃止の方向が検討されていたものです。この条例案はその上場株式等の配当、譲渡益に対する優遇税制を2年間先取りし、延長するものであり反対です。今、東日本大震災の復興財源で、消費税増税などが云々されておりますが、国民生活課税を強化し、一部の大資産家の減税を続けるのでは、本末転倒であります。  以上、反対の理由を述べて討論とします。皆さんの御賛同をよろしくお願いいたします。 87 ◯副議長(吉田伊三郎君) 以上をもって通告による討論は終了いたしましたので、ほかにないものと認め、本件に対する討論は集結いたしました。              ─────────────────── 88 ◯副議長(吉田伊三郎君) これより、採決に入ります。  その方法は、起立によって行います。  日程第3第54号議案 福井県県税条例等の一部改正についてを原案のとおり決定することに賛成の方は、御起立願います。     〔賛成者起立〕 89 ◯副議長(吉田伊三郎君) 起立多数であります。  よって、本件は、原案のとおり可決されました。              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 90 ◯副議長(吉田伊三郎君) 以上で、本日の議事日程は全部終了いたしました。  この際、お諮りいたします。  各委員会付託案件審査等のため、明30日から7月13日までは休会にいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 91 ◯副議長(吉田伊三郎君) 御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。  各委員会は、休会中十分審査され、来る7月14日にその審査の経過及び結果について御報告願います。  来る7月14日は、午後2時より開議することとし、議事日程は当日お知らせいたしますから、御了承願います。              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 92 ◯副議長(吉田伊三郎君) 本日は、以上で散会いたします。                               午後2時31分 散 会 発言が指定されていません。 Copyright © Fukui Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...