また、韓国に次いで訪日者の多い台湾からの誘客促進を図るため、台湾へ
観光ミッションを派遣するほか、在京の
外国旅行会社、
外国公館関係者などを対象に
観光セミナーを開催し、国外に向けて本県の魅力を積極的に情報発信することとしております。今後とも、
県内観光団体とともに
外国人客の
誘客対策を推進していく所存であります。
なお、
観光連盟に
観光振興の
アドバイザーグループを置き、中長期的な
観光振興施策などについて、指導、助言をいただきながら、多様なニーズを踏まえた
観光業界の
活性化を図ることといたしております。
次に、
交通等インフラ整備の推進であります。
能登空港につきましては、先ほども述べましたが、運輸省の来年度
概算要求に待望の
本格着工予算が盛り込まれ、建設に向け大きな前進を見たところでありますが、今後は、来年度
国家予算の獲得に向け、さらに気持ちを引き締め、
空港建設促進議員連盟や
地元期成同盟会とともに、全力を尽くしてまいる所存であります。また、
能登空港の
早期実現のかぎとなる
用地取得については、今年度中を目途に
地元地権者の皆様方の御理解が得られるよう努めているところであります。
北陸新幹線につきましては、去る七月、政府・
与党整備新幹線検討委員会が設置され、今後、
新規着工区間の
優先順位を決定するため、
収支採算性などの検討が行われることとなっておりますが、県としては、長野−上越間が優先的に着工されるよう、今後とも最大限の努力をしてまいる所存であります。
小松空港につきましては、当面の最
重要課題である香港との定期便の開設につきまして、まさに正念場を迎えております。県としては
地元小松市や
国際化推進議員連盟とともに防衛庁に理解と協力を求め、また運輸省及び香港側に対しても定期便の
早期実現に向けた
航空交渉の
早期開催を引き続き粘り強く要請するとともに、さらなる需要の掘り起こしにも努めることといたしております。
一方、国内線は、来る十一月に仙台便の
通年運航が十一年ぶりに再開されるなど、着実に路線の充実が図られているところであります。
道路網の整備につきましては、
能越自動車道の七尾
氷見道路において、先月末にルートの発表がなされましたが、早期に
整備計画が決定されるよう、引き続き国に働きかけてまいります。
このほか、
加賀地域におきましては、この七月に工事着手した
四十九院トンネルを初め、
小松インター八里線や
南加賀道路など、
金沢地域におきましては、
金沢外環状道路・
海側幹線、
東部環状道路など、
能登地域では、
鵜川バイパスが八月に開通したほか、
能越自動車道の
田鶴浜道路、
珠洲道路などについて引き続き事業の進捗を図ることといたしております。
新県庁舎の整備につきましては、先月末までに
基本設計を完了し、引き続き、
実施設計作業に着手したところであります。今後とも県議会並びに県民の皆様の御意見をいただきながら、後世に悔いを残さないよう取り組んでまいる所存であります。
電源立地につきましては、基本的には
地域振興に有効な政策の一つであると理解しておりますが、
原子力発電所の立地につきましては、引き続き、住民の合意を最大限に尊重し、慎重に対応してまいりたいと考えております。
第六は、心豊かで創造力のある
人づくりであります。
本県において、
夏休み明けに高校生がみずから命を絶つという痛ましい事件が発生をしたことは、まことに残念であります。
これまでも、あらゆる機会を通じて命のとうとさ、心の触れ合いを重視した
取り組みを進めておりますが、このようなことが再び起こらないよう今後とも一層努力してまいりたいと考えております。
また、神戸市の児童殺害事件も社会に大きな衝撃を衝撃を与えており、家庭や地域社会全体で子供と触れ合い話し合う機会を重視するとともに、子供たちをたくましく感性豊かにはぐくんでいく機運を醸成していくことが強く求められております。
今般、市町村、
各種団体、個人等それぞれの立場で御協力をいただき、私も参加して子どもと話そう石川キャンペーンを実施することといたしております。
このほか、老朽化が著しい小松高等学校について改築に係る整備構想を策定するとともに、田鶴浜高等学校に地域医療を支える人材の育成を目的として、平成十二年度から五年一貫の看護婦養成のための専攻科を開設することとし、具体的なカリキュラムの編成などについて調査することといたしました。
なお、埋蔵文化財センターにつきましては、平成十年四月のオープンを目途に建設を進めておりますが、発掘調査関係業務を一元化し、調査体制のより一層の充実強化を図るため、同センターを財団化することとしております。
全国生涯学習フェスティバルの平成十四年の本県開催は、先月文部省から内定をいただいたところであり、また、平成十二年秋に開催が予定されている第十三回全国スポーツ・レクリエーション祭につきましても、本年度内に基本構想を取りまとめることといたしております。
子供たちの夢をはぐくむ楽しい学習の場づくりでありますが、ふれあい昆虫館については来年七月の開館、新いしかわ動物園については平成十一年秋の開園を目指し、事業の進捗を図っているところであります。また、のとじま臨海公園におきましても、ラッコ館を海の自然生態館に増設することといたしました。
第七は、個性と魅力にあふれた文化のくにづくりであります。
オーケストラ・アンサンブル金沢は昭和六十三年の創設以来、国内のみならず、世界に向け文化の発信を行い、本県の
音楽文化の向上とイメージアップに貢献してまいりました。来年度十周年を迎えるに当たり、今回石川のイメージを織り込んだ記念曲を公募により制作することといたしました。
また、日本とフランスの文化交流の拠点であるパリ日本文化会館においても、九谷焼など
伝統工芸品を展示することとしており、本県の魅力を発信することといたしております。
金沢城址公園整備につきましては、平成十三年開催の全国都市緑化いしかわフェアの主会場としての利用も念頭に整備を進めておりますが、今般、フェア開催の記念碑及び金沢城址公園のシンボルとなる菱櫓の復元を図ることとし、概略設計、石垣の調査などを行うことといたしました。
第八は、安全、安心で快適な日本のふるさとづくりであります。
防災対策につきましては、阪神・淡路大震災を教訓として見直しされた石川県地域防災計画に基づきその充実を図っておりますが、地震発生時の防災拠点や避難施設としての役割を担う十施設の耐震補強工事の
実施設計をすることといたしました。また、昨年度から調査を実施している森本−富樫断層帯については、引き続き地形地質調査等を行うことといたしております。
次に、県民のボランティア活動に対する支援についてであります。
今後、予想される県民のボランティア活動に対するさまざまなニーズに対し、きめ細かく柔軟に対応するため、新たに財団法人石川県県民ボランティアセンターを設立することとし、さらに同法人内に流出油災害に寄せられた義援金に県費五億円を加え、十億円余の県民ボランティア基金を創設することといたしました。この基金の運用益を活用して、災害、環境はもとより、各分野のボランティア活動を幅広く支援することといたしております。
なお、今回の流出油災害を踏まえ、さきの阪神・淡路大震災を機に始まった防災ボランティアを考えるシンポジウムが、来年一月、全国から多数の関係者を集め、開催されることとなりました。
交通安全対策でありますが、本県の交通事故の発生状況は依然として増加傾向にあり、憂慮すべき状況にあります。特に、高齢者、若年層による事故や交差点事故、夜間の事故が多く発生していることから、交通事故の発生状況を踏まえた交通安全施設の整備や交通安全思想の啓蒙、普及に努めていくこととしております。
都市の活力を創出する
基盤整備といたしましては、空洞化の著しい市街地の
活性化を図るため、街路を中心とした複合的な事業を展開する都市ルネッサンス石川・都心軸整備事業を引き続き進めることとしたほか、質の高い
まちづくりを推進するため、財団法人いしかわ
まちづくりセンターを設立し、市町村や組合が行う区画整理事業などの
まちづくりに適切な知識、情報を提供していきたいと考えております。
第九は、農林水産業の振興についてであります。
本年度の水稲につきましては、例年にない相次ぐ台風の襲来等により生育への影響が懸念されましたが、石川米品質向上七・八・九運動や農家の適切な栽培管理により、ほぼ平年並みの作柄が見込まれます。将来の本県農業を担う若い農業者の育成を図るため、新規就農を希望する青年等を対象として、農業の実践的教育を実施する就農準備校を十月に開校いたします。
また、農業、農村における
リサイクルを促進し、環境保全型農業を推進することが必要と考えており、新たに生ごみ等の有機物の肥料化についても調査、検討することといたしました。
中山間地域の
活性化につきましては、石川らしい特色を持った中山間地域対策を推進するため、この七月に基本方針を策定したところであります。この方針を具現化するため、都市及び中山間地域の住民等からなる協議会を新たに設置し、
活性化策に対して協力、提言を得ることといたしております。
このほか、輪島市三井町の健康の森の整備につきましては、自然に親しみ、気軽に滞在できるログハウスなど、
能登地域におけるグリーンツーリズムの拠点となる施設の整備などを進めます。
また、この二十五日に、我が国で初めて経済協力開発機構と県が共同して、農村アメニティ国際シンポジウムを開催いたします。古きよき
伝統文化や美しい景観が残されている本県農村をアピールするとともに、農村アメニティの重要性について訴えていくことといたしております。
なお、金沢競馬におきましては、ファン
サービスの一環として平成十年四月より電話投票を実施する予定であります。
以上が今回の
補正予算の大要でありまして、一般会計補正総額は二百七億七千百万円余、現計予算と合わせて六千五十四億二千六百万円余となったものであります。
これらの財源といたしましては、地方交付税四十五億円、国庫支出金六十二億二千百万円余、県債六十四億五千百万円、諸収入十七億七千四百万円余などを充てております。
また、今回計上いたしました債務負担行為の主なものは、道路建設費、高等学校整備費などにかかるものであり、新たに行う債務負担の限度額は四十億八千四百万円であります。
特別会計につきましては、土地取得、公営競馬などの四会計及び一事業会計で、総額十億四千三百万円余を補正いたしております。
次に、その他の諸議案のうち主なものについて御説明申し上げます。
議案第七号は、職員の退職後に不祥事が発覚した場合の退職手当の一時差止制度の新設、期末・勤勉手当の一時差止、不支給制度の新設等を行おうとするものであります。
議案第八号は、空港整備法に基づき、
能登空港を石川県が設置及び管理することについて関係
地方公共団体と協議しようとするものであります。
議案第九号ほか五件の請負契約の締結は、新いしかわ動物園整備工事などに係る請負契約の締結に関するものであります。
ところで、
地方分権の
取り組みについてでありますが、
地方分権推進委員会の第二次勧告後、早々に市町村長及び市町村議会議長との懇談会を開催し、
地方分権を進める上での課題等について率直な意見交換を行ったところであります。また、来月三十一日、本県が幹事県である
地方分権で生活を変える自治体連合と共催で、
地方分権全国シンポジウムを
地方分権推進委員会の諸井委員長をお招きして開催するとともに、県内各ブロックごとに
地方分権を考える集いを実施するなど広く県民の皆様と議論を深め、真に生活者の視点に立った
地方分権の推進に県・市町村一体となって努めてまいりたいと考えております。
なお、この十二日、政府主催の全国都道府県知事会議において、橋本首相より早期に
地方分権推進計画を策定する意向が示され、期待をしているところであります。
また、行財政改革につきましては、第二次勧告にも
地方公共団体の行政体制の整備、確立の重要性が提言されております。本県といたしましては、一昨年策定いたしました行財政改革大綱に基づき、事務事業の見直しや組織機構の簡素化、合理化を着実に進めるとともに、職員の資質向上、能力開発に積極的に取り組んでいるところであります。本年度県議会に設置されました行財政改革特別委員会の審議も踏まえながら、分権型社会の役割を担うにふさわしい行政体制の整備にさらに積極的に取り組んでまいる所存であります。
議員各位の一層の御指導と御協力をお願いいたします。
以上をもちまして、私の説明を終わりますが、何とぞ慎重御審議の上、適切なる御決議あらんことをお願いをいたします。
さて、この際、私の県政に取り組む決意について一言述べさせていただきたいと存じます。
二十一世紀を間近に控えまして、我が国は本格的な少子・高齢化の進展や地球規模の環境問題など幾多の困難な課題に直面しております。さらに、戦後日本のあり方に大きな警鐘を鳴らす事件も多発し、戦後日本の
経済社会システムや行動規範を大幅に見直すべき歴史的な転換期を迎えております。一方、高度情報通信の発達などによって、世界は急速に一体化し、メガ・コンペティション時代に突入をしております。国際間の経済競争はいよいよ激しさを増しているほか、国境を越えて地域の個性や優位性を競う激しい地域間競争の波が押し寄せようとしています。
今こそ、
地方分権を強力に推し進め、
高齢者介護制度の充実や
バリアフリー社会の構築など超高齢化社会への対応、地球環境問題を見据えた
リサイクル型社会の構築、そして国境を越えた地域間競争に打ちかつ強靱な産業構造への改革、さらには国内外に強烈に個性や魅力をアピールできる
まちづくりなど、時代が要請する喫緊の諸課題の解決に向けて、先導的役割を果たすべきときであると考えております。
また、昨年秋、こうした時代の潮流に的確に対処し、本県の目指すべき二十一世紀の将来像を実現するための基本戦略として、個性、交流、安心のふるさとづくりを基本目標とする新長期構想を県民の皆様とともに取りまとめさせていただきました。そして、今年度をこの構想を実行に移す初年度として位置づけ、第一歩を踏み出しました。現在、その執行に全力を尽くしていますが、この構想を具現化していくには、まだ数多くの取り組むべき重要な課題が残されており、これからまさに正念場を迎えようとしているところであります。
平成六年三月、知事に就任して以来、私は、二十一世紀に向けて着実な歩みを進めなければならないこの重要な時期に県政を担当させていただいておりますことをしっかりと胸に刻みながら、百十八万県民の福祉の向上と県勢の発展のため、その職務に邁進をしてまいりました。この間、県政の執行に当たりましては、軸足を常に県民の立場に置きながら、県議会を初め、県民各界各層の幅広い参加のもと、開かれた県政を目指してまいったところであります。
私は、その基本姿勢を貫きながら、私を推薦してくださる多くの県民の皆様の御期待にこたえ、新しい世紀を県民のだれもが希望に満ちた気持ちで迎えられるよう、新世紀への橋渡し役として、先人が培った質の高い文化や産業技術、人材、さらには豊かな
自然環境など本県の優位性を生かしつつ、来るべき二十一世紀の石川県が心豊かで個性と活力にあふれる日本のリーディング県として飛躍することを目指して、決意を新たに粉骨砕身全力を傾注してまいりたいと思っております。
以上、提案理由の場をおかりしまして、私の決意を申し述べた次第であります。
よろしくお願いいたします。
○議長(
池田健君) 説明を終わります。
─────・──・─────
△休会
○議長(
池田健君) 次に、休会の件についてお諮りいたします。
議案調査のため明十八日は休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と言う者あり〕
○議長(
池田健君) 御異議なしと認めます。よって、以上のとおり休会することに決しました。
─────・──・─────
△閉議
○議長(
池田健君) これをもって本日の議事は終了いたしました。
次会は、九月十九日午前十時より会議を開きます。
これにて散会いたします。
午前十一時四十六分散会
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