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  1. 富山県議会 2024-06-01
    令和6年6月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                      午前10時00分開会 瘧師委員長 皆さん、おはようございます。  ただいまから、6月定例会予算特別委員会を開会いたします。  本委員会の運営に関し、理事会で決定した事項は既にお配りしてありますが、ここで特に質問者に申し上げます。  持ち時間は答弁を含めて60分ということになっております。その具体的な取扱いについては、理事会確認事項として、既に皆様方にお配りしている資料のとおりでありますので、留意の上、質問されますよう、改めてお願いいたします。  また、答弁者におかれましては、簡潔な答弁に留意され、円滑な委員会運営に御協力いただきますようお願いいたします。  なお、委員席につきましては、ただいま御着席のとおりにしたいと思いますので、御了承願います。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        藤井大輔委員の質疑及び答弁 2 瘧師委員長 藤井委員。あなたの持ち時間は60分であります。 3 藤井委員 おはようございます。藤井大輔です。  本定例会の予算特別委員会の口火を切らせていただきます。  早速ですが、まずは宅地液状化の復旧支援について2問お尋ねいたします。  17日の本会議に追加提案された宅地液状化等復旧支援事業ですが、今回の宅地液状化の支援は工事費の上限が1,200万円、補助上限が766万6,000円の規模で、平成28年の熊本地震の宅地液状化支援を上回るものとなっています。また、国の特別交付税の措置率も8割となっており、地方負担も比較的軽減されているという状況、これも新田知事はじめ、担当部局の皆さんのこれまでの国への要望活動が実ったものと評価いたします。  一方、これまでの支援として、県独自の120万円上限の被災住宅の耐震改修支援、あと国の宅地液状化防止事業、いわゆる面的な液状化対策というものがありましたが、なかなかこういった事業が使いにくいという声、先日火爪議員も指摘されておりましたけれども、私のところにもそういった声が届いております。ですから、今回の宅地液状化等復旧支援事業、大いに期待しております。  しかし、先日の新聞報道によりますと、庭や倉庫などの地面は対象経費にならないということでした。そうなると、例えば同じ敷地内にある住宅建屋に隣接したカーポートの地盤改良とかというのは対象になるんだろうかとか、既に復旧完了していたり、住宅耐震改修支援で申請済みの工事はそもそも対象になるのかとか、いろいろ疑問が湧くわけです。  せっかくの支援も被災者に使っていただかなければ意味がないと思いますので、今回の支援で対象とならない経費の具体的な事例を教えていただきたいと思います。金谷土木部長にお聞きいたします。 4 金谷土木部長 去る17日、追加提案いたしました宅地液状化等復旧支援事業では、今回の地震により液状化被害を受けました宅地に対します原形復旧を基本とした工事、それから再度災害防止のための地盤改良工事、それからジャッキアップなど住宅建屋の基礎の沈下または傾斜の修復を対象としているものでございます。
     お尋ねがありました、既に被災した宅地の復旧を終えた工事も、罹災証明などを確認して対象とする予定であります。このほか住宅を耐震化いたします被災住宅耐震改修支援事業、耐震改修支援事業で申請済みの工事については、基礎から上の家屋の部分が基本でありますけども、そこの部分と、今回お示ししましたのは基本、基礎から下の地盤の部分になりまして、これを分けることで宅地液状化等復旧支援事業の活用も可能になると考えております。  それから、今ほど提案しております宅地液状化等復旧支援事業の補助対象としている被災宅地は、土地利用の状況から宅地として一般的、一体的な利用が認められる範囲ということで見込んでおりまして、現在熊本県など先行事例を参考にQ&Aを作成中でございまして、お尋ねがありました住宅に隣接しましたカーポートの対応などにつきましては、被災状況、あるいは利用状況が様々でありまして、Q&Aを参考に個別具体に判断していくことになると考えております。 5 藤井委員 ありがとうございます。  確かに申請しようとしても、これ、本当に対象になるのかということは非常に難しいことだと思いますので、ぜひQ&Aのお示しも速やかにお願いしたいと思っております。ありがとうございます。  委員長、ここで資料の掲示と配付の許可をお願いたします。 6 瘧師委員長 はい。許可いたします。 7 藤井委員 この液状化対策ですが、先日14日の知事の定例記者会見においても、知事から、支援メニューが多岐にわたることを前提に、分かりやすい形で伝えることが大切、伝え方を磨いていきたいと回答をされておりました。  資料の2ページ目を御覧いただければと思います。  こちらが熊本県の宅地復旧の手引きの一部になります。ここでは、公共事業と復興基金による支援の違いというのが、同じ液状化の被害の復旧パターンでも違うよということが示されております。  本県でもこれまでたくさんの支援制度を設けてきました。実施主体となる基礎自治体や宅地所有者が混乱しないように、県が主体となって速やかにこのような手引きを作成すべきと考えます。  今後の対応と申請受付のスケジュールについて、新田知事にお伺いいたします。 8 新田知事 住宅の復旧を進めるに当たって、例えば被災住宅が全壊した場合、宅地液状化等復旧支援事業やこれまで予算化した制度を活用しますと、最大で約1,600万円の支援を受けることができます。これ実は先般14日発表したときより増えましたが、昨日義援金の第2次配分が決まったので、最大で今は1,600万円ということになります。  多岐にわたる支援をより分かりやすい形で伝えることが大切だと考えておりまして、現在、今回の地震により住宅が損傷した所有者等に向けたパンフレットを、市町村ともキャッチボールをしながら作成をしているところです。  パンフレットでは、被害の状況に応じて受けられる各種支援制度、必要な申請書類や申請時のポイントなどを整理して、Q&Aも含めて分かりやすく示し、円滑な申請につなげたいと考えており、完成次第、速やかに公表したいと考えます。もちろん県でも、それから市町村でも公表されます。  また、委員御質問の宅地液状化等復旧支援事業の申請受付のスケジュールですが、これは各市とも7月上旬をめどに準備が進められていると聞いております。  県としても、市町村での受付が円滑に行われるように、各種規定の整備を行っているところで、今後担当者向けの説明会など必要な準備を進めてまいります。  県としては、さきに予算化いただいた住宅耐震化促進事業、120万円ですね。今議会に提案しております自宅再建利子助成事業、最大300万円ですね。それから宅地液状化等復旧支援事業、さらに被災者生活再建支援金など、様々な支援策を見える化し、被災者の皆様に分かりやすく伝えることができるように市町村としっかりとスクラムを組んで取り組んでまいります。 9 藤井委員 ありがとうございます。改めて新田知事の液状化対策への御尽力、感謝申し上げます。復旧復興までまだまだ時間がかかりますが、引き続きよろしくお願いいたします。  次に、富山県の強みを生かした産業政策について6問お尋ねしたいと思います。  まずは「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアム、通称くすりコンソについてお尋ねします。  このくすりコンソは、国の地方大学・地域産業創生交付金事業に採択され、平成30年から総額22.2億円の補助金を受けております。  資料の3ページ、御覧いただければと思います。  こちらが年度ごとの実績額と国の交付金の額になります。国費支援が終了した令和5年からは、もう自立したプロジェクトとして、こちらのくすりコンソを自走することとなっておりまして、現在財源確保のため、企業版ふるさと納税等での寄附の呼びかけもされております。  私もくすりコンソのメールマガジン『KTT通信』というのを読んでいるんですけれども、ちょうど6月14日のメルマガでふるさと納税の記事も配信されておりました。くすりコンソ関係者の皆さんの財源確保への涙ぐましい努力を感じたところであります。  自走後の財源確保の状況、そして今年度のくすりコンソの取組状況について、有賀厚生部長にお伺いいたします。 10 有賀厚生部長 くすりコンソーシアム事業は、令和4年度で地方大学・地域産業創生交付金による支援が終了し、令和5年度からはデジタル田園都市国家構想交付金の活用、そして富山大学、富山県立大学、県薬業連合会からの御負担のほか、ワクワクとやま応援寄附金や企業版ふるさと納税による寄附金を財源に充当して事業を進めています。  くすりコンソでは、昨年度より、これまで構築した研究開発支援のスキームを基盤に、将来的に実用化が見込まれる新しいテーマを県内大学等から募集、採択して、県内医薬品業界での実用化に向けて、医薬品開発や上市(じょうし)経験者、弁護士、弁理士など、知財関係の専門家などによる伴走支援を行っているところです。  また、富山大学附属病院の臨床研究開発推進センターを拠点としデジタル技術を活用した臨床試験の体制整備や、富山県立大学と県内製薬企業が連携して、医薬品の生産工程におけるDXを活用した技術改良に関する研究も進められているところです。  さらに今後は、これらの研究の取組や成果をはじめ、くすりコンソの活動につきまして、ホームページ、SNS、今御紹介いただきましたメールマガジン、こういったものを活用していきながら製薬関係者、大学、メディア等に対してより分かりやすい情報発信に取り組んでいくこととしております。  本県医薬品産業のさらなる振興に向けて、引き続き産学官連携でコンソーシアム事業を推進してまいります。 11 藤井委員 すみません、自走した後の令和5年、令和6年というのは予算どうなっているんでしょうか。 12 有賀厚生部長 自走した後、現在のということですかね。 13 藤井委員 はい。そうですね。 14 有賀厚生部長 現在については、今御紹介したとおりでございまして、個人のふるさと納税であるとか、企業版ふるさと納税といったところ、そういったものを活用して、それを予算として使っております。 15 藤井委員 ありがとうございます。  私の調べによると、今年度の当初予算で2.3億円ぐらいの予算となっておりまして、こちらを見ていただくと、やはり令和4年の6億4,000万円余りから見てもかなり少なくなっているなという印象があります。  くすりコンソは富山県の医薬品産業の振興、専門人材育成のために重要な取組だと認識しておりますので、財源不足で中途半端な活動になってしまわないかという懸念があります。そのようなことがないよう、ぜひまた、お願いをしたいと思っております。  次に、くすりの富山を支える人材の育成、確保についてお伺いします。  今年度から富山大学の薬学部に地域枠が創設されまして、現在10名の学生が学んでおります。また、全国の薬学部、理工系学部対象にネクスト・ファーマ・エンジニア養成コースのプログラムを設けたり、県内製薬企業向けに若手研究者研究開発力強化プロジェクト等を行ったり、いろいろ工夫されたメニューを提供しておられますが、まだまだ薬剤師不足や専門人材不足の解消には至っていないなという状況でございます。県としてこれらの事業効果をどう評価されているのでしょうか。  ちなみに、昨年度、医薬品研究開発支援プロジェクトに参画されていた企業にちょっとヒアリングしたところ、創薬モダリティーとか技術研究への支援は大変ありがたく、有益ですよという声がありました。さらにプロジェクトの垣根を越えて、若手研究者同士のネットワークみたいなものがつくられれば、モチベーション向上とか地域定着に効果があるんではないかとの指摘もありましたので、お伝えをしておきます。  改めて今後、県内に就職する薬剤師や創薬等の若手研究者を増やすためにどのように取り組むのか、有賀厚生部長にお尋ねします。 16 有賀厚生部長 富山大学薬学部では、地域枠創設を機に地域創生型カリキュラムを設定いたしまして、県内製薬企業に勤務する薬学部同窓生によるキャリア紹介や、県内製薬企業でのインターンシップ等を実施しておりまして、製薬企業が求める薬剤師の役割や富山の製薬企業の魅力について理解が促進されるものと私どもは期待しております。  また、ネクスト・ファーマ・エンジニア養成コースですが、こちら全国の薬学部、理工系学部の大学3年生以上を対象に創薬、製剤、バイオ医薬、和漢薬など充実した専門講座や県内製薬企業の若手社員との交流をオンラインで実施するほか、今年度は新たに現地企業見学体験会を開催するなど、多彩なプログラムを提供しております。  実績として、昨年度ですけれども、全国37大学から83名が受講し、「富山県の医薬品産業の特色や研究環境への理解が深まった」、「医薬品の品質の管理や評価方法について学べたことで、品質管理という職種に興味を持った」といったような様々な感想をいただいておりまして、製薬企業における研究開発や品質保証、製造管理に携わる魅力等が伝わってきているものと考えております。  また、企業の若手研究者の育成のため、新たに45歳未満の研究者を代表者とする研究を支援するとともに、その成果を企業や大学に向けて広く発信する報告会を開催する予定でございます。  今後とも大学、くすりコンソ、薬業界が相互に連携して、県内医薬品産業を担う薬剤師や若手研究者の育成に取り組んでまいります。 17 藤井委員 ありがとうございます。  また地道な取組、継続をお願いいたします。  次に、本議会でも人口減少社会の対応について多くの議員から質問がありました。  私は仮に人口が60万人になったとしても豊かな富山県をつくるといった、人口減少社会に適応していく視点というのがとても重要なのではないかと考えています。そのためにも最新テクノロジーを活用し、劇的に生産性、効率性を高めていく必要があります。  ここで資料の4ページを御覧いただければと思います。  皆さん、IOWN(アイオン)という言葉を聞いたことありますか。歌手ではありません。IOWNの構想とは、光技術などを使って豊かな社会をつくるためのネットワーク基盤構想となっております。こちらの資料のように低遅延、大容量化、電力効率が飛躍的に向上する技術とされています。  でも、こういう話、以前も何か聞いた覚えありますよね。5Gがまさにそうだったと思っています。2020年頃の5G導入期にも、超高速・大容量通信、低遅延、多数同時接続のメリットがうたわれていて、世界が変わると期待されていました。結局導入から4年たちましたけれども、その変化、恩恵は、私自身はあまり感じておりません。富山県でもローカル5Gの実証実験がなされましたが、県としてその成果をどう評価されていますでしょうか。  私は、なぜ5Gがうまくいかなかったのかということの反省をしっかり行って、次の技術革新の推進に生かすことが大事だと思っています。IOWNや生成AI導入に意欲的なベンチャー企業、そして県内企業を県としてどのように応援していくのか、山室商工労働部長にお尋ねします。 18 山室商工労働部長 委員御指摘のとおり、人口減少社会において生成AIやIOWNなどの最新テクノロジーの活用は、DXを促進し、生産性の向上や業務プロセスの効率化を図るため極めて重要なツールでございます。  これまでDX推進の一環としてローカル5Gの導入支援に取り組んでまいりましたが、高額な初期投資やランニングコスト、導入効果の不透明さといった課題がございました。今年度も引き続き導入経費の支援を行うとともに、新たにローカル5G導入企業の視察ツアーを実施しまして、導入効果の理解を深めてまいりたいと考えております。  ローカル5Gの経験を踏まえまして、県内中小企業のデジタル化支援策としましては、IoTやAIを活用した県内企業の成功事例を紹介する動画配信や、ChatGPTなどのデジタルツール体験講座を開催しまして、DX推進の重要性と効果の理解を醸成してまいりたいと考えております。さらに、中小企業トランスフォーメーション補助金によるDX、GX支援や、相談窓口での伴走支援プログラムを実施してまいります。  今後とも、意欲的なベンチャーや企業の新技術導入が効果的に進むように努めまして、人口減少下にあっても本県の持続的な成長と県民のウェルビーイング向上につながるよう、着実に取り組んでまいりたいと存じます。 19 藤井委員 ありがとうございます。  山室部長さんと、先週火曜日にSCOP TOYAMAで開催された企業向けセミナーで、富山県出身のAI企業の経営者の小倉朗さんのお話を伺って、生成AIやDXの技術革新もさらに進んでいくなと私も確信したんですが、その後山室部長とも、小倉さんを交えて意見交換をさせてもらって、富山県の産業振興とか企業誘致、他県の二番煎じじゃなくて、バイオ医薬品やアルミ産業など富山県に産業集積している強みをどう生かすかということが大事なんじゃないかという話になったと記憶しております。  ちなみに、生成AIとバイオ医薬品の産業は非常に相性がよいと言われていまして、あるアメリカの創薬メーカーは生成AIの活用で従来の7倍の処理能力で新薬が開発できると言っておりまして、創薬分野に革命が起こるんだという主張があります。  ただ一方、御存じかと思いますが、生成AIの普及にはもう一個、別の観点がありまして、それが電力量になります。  次の資料5ページ、御覧ください。  生成AIを含むAIのデータセンターの影響が大きいとされていますが、いわゆる日本の電力需要グラフというのは2030年に向けて増加していくんですね。右下の図、見ていただくと、家庭用の電力量は節電等によって下がっていくとされているんですけども、産業用の需要電力が上がると想定されています。  これは世界でも同様で、生成AIが普及すると、何と世界の電力消費量が2026年までにドイツ1国分増えるのではないかという予測もあります。ちなみに、先ほどもあったChatGPTを1回たたくと、グーグル検索よりも10倍電力を消費するというようなデータもあります。  つまり私が言いたいのは、バイオ産業とかアルミ産業とかバイオ医薬品とか富山県の強みを生かした分野は、もう生成AIとかデータセンターとセットでやっていかなければいけなくなってくるんじゃないか。そうするとこれらの企業は物すごい電力を消費していくわけです。つまり富山県の産業振興には電力量の安定供給、そして電力の安さが欠かせないと思っています。  これは富山県の歴史をひもといてみても、かつて明治時代に水力発電で豊富な電力量を持ち、日本海屈指の工業地帯に発展させてきた歴史と重なっていると思います。  ただ、今北陸電力さんは、全国でも最も安い電力会社ではなくなりました。総務省の2023年の家計調査では、北陸が全国で最も電気料金が高いエリアとなっています。  資料6ページ、御覧いただければと思います。  こちら先日の北陸電力の決算説明会の資料です。  右のグラフをじっくり見ていただいて読み解くと、今後の電力供給量の維持は志賀原発の再稼働が前提になっていることが見てとれます。再稼働できない場合、今後の産業用の電力需要の増加に対応できるのかが懸念されます。  最近半導体の工場誘致で元気な九州エリアは、九州電力の安さと安定供給、水資源の豊富さで企業誘致を猛烈にアピールしているところですが、他県に後れを取らないように、今後の電力消費量の増加を見込んだ上で、富山県として産業振興、企業誘致をスピード感を持った対応が必要だというふうに感じております。  本県の今後のエネルギー施策にどう反映していくのか、こちらは新田知事にお伺いしたいと思っております。 20 新田知事 御指摘のとおり、AIやデータセンターなどの活用と併せて、富山の強みを生かした産業振興や企業誘致を推進していくためには、安定した電力供給、そしてそれが低廉な料金であることは大切な要素です。  エネルギー政策においては、経済産業省でもS+3E、すなわちエネルギーの安定供給、エナジーセキュリティー、経済効率性、エコノミカルエフィシェンシーに加えて、その大前提となる安全性がセーフティー、そして環境適合性、エンバイロメントを同時に実現することが不可欠と言われています。  現在国において、このS+3Eの方針に基づき、エネルギー基本計画の見直しが進められています。生成AIの普及などに伴う電力需要についても分析が行われ、2033年度には、日本全体で約4%程度の増加が予測される一方で、私どものこの北陸地方の電力需要量は2024年度からほぼ横ばいとの見通しが示されています。  県としては、今後も国の議論動向を注視しながら、北陸電力さんをはじめ電力供給事業者と緊密に連携して、AI時代に対応した電力供給体制を整える必要があると考えます。  そのためにも、昨年3月に策定した富山県カーボンニュートラル戦略に基づいて、県内の豊富な水資源を最大限活用した再生可能エネルギーの導入拡大や省エネルギー化などを迅速に進め、富山の強みを生かした産業振興や企業誘致につなげていきたいと考えています。 21 藤井委員 富山県の歴史をひもといても、やはりこの電力というところが非常に重要になってくると思います。今月末には北陸電力の株主総会も行われるということなので、私も注視していきたいと思います。ありがとうございます。  次に、6月5日から6日に実施されたキックオフイベント、SUSHI collection TOYAMAを踏まえた今後のブランディング戦略についてお伺いいたします。  県外の食のインフルエンサー20名が来県されたと聞いております。どんな方が参加されたのでしょうか。そしてその道のプロからの、体験後評価はどうだったのでしょうか。5月に公募をしておりました民間PR人材のその後の進捗も含めて、今後どのように取り組んでいかれるのか、川津知事政策局長にお伺いいたします。 22 川津知事政策局長 本県のすしブランディングを浸透するためには、まずは情報感度が高く、トレンドに敏感な食に関心が高い層への浸透が重要なため、この層に大きな影響を与えるメディア関係者やクリエイター、飲食業界関係者などのインフルエンサー20名の参加の下、6月5日、6日の両日、高岡、氷見、射水、富山市におきましてSUSHI collection TOYAMAを開催いたしました。  現時点におきましては、評価でありますが、日本ガストロノミー協会の会長からは「富山の地形の独自性を実感でき、富山のすしのおいしい理由が腹落ちした」、また、食の専門誌の編集者からは「船に乗り、間近でシロエビ漁を実感することで富山湾の食の魅力を実感した」、また、旅行情報サイト責任者からは「地元食材を生かしたバリエーションに富むすし、合わせる酒や器など、富山の総合力の高さを実感した」など、高い評価をいただいております。  参加者の方々には、今後関係の深いメディアや雑誌、SNS、さらには口コミにより、本県のすしをはじめとした情報を発信いただくことにしております。  その際、より話題性の高い発信をいただくためには、旬の情報の継続的な提供が必要であり、そのためには情報の提供のみならず、良好な関係も構築しながら、それぞれのニーズに応じた、言ってみればオーダーメードの情報の提供も重要であると考えております。  現在、ブランディングやPRを担います民間人材の選考を行っておりますが、その外部人材には多様な関係者との要の役割を担ってもらい、ニーズや意見を引き出して、すしブランディング、本県の認知度の向上につながる仕掛けにつなげたいと考えております。  また、今後こうした県外での評価を県のウェブサイトやSNS等で県民の皆様に広く届けることによりまして、県民のシビックプライドの高まり、ひいては県民のすしの認知度の向上にもつなげていきたいと考えております。 23 藤井委員 ありがとうございます。  今回のSUSHI collection TOYAMAに参加されたお一人に私の友人がいまして、この方は料理の鉄人の番組の仕掛け人の方だったんですが、その方が、「正直、北海道や石川、東京というのがすしってイメージがあって、富山はすしのイメージはあまりなかったけれども、逆にすし自慢のほかの地域が、いや、富山よりうちのほうがうまいでしょうみたいな感じで張り合ってくれるような、そういう企画を仕掛けたら全国的に盛り上がっていくんじゃないの。」というアイデアもおっしゃられていました。こういったインフルエンサーの方の面白いアイデア、仕掛けを参考に、どんどん思い切った仕掛けをしていただければと思います。  ありがとうございます。  次に、遼寧省との交流についてお伺いします。  4月に遼寧省のカク(おおざとに赤)鵬書記が来県されたことをはじめ、5月の本県からの訪問団派遣では、経済、観光、人的など幅広い分野での覚書の締結、そして富山─大連便の運航再開など多くの成果があったと思っております。  私も訪問団の末席に入れていただき、日中友好のためにこの喉を使ってまいりました。よい経験をさせていただいたことを感謝申し上げます。  今回の歓待は、遼寧省の富山県に対する期待の高さが示されたものだと思いまして、その期待に応えるためにも過去の踏襲にとどまらない新たな交流のやり方が必要と考えます。  今後の相互交流の拡大、そして大連便の運行維持など、これまで以上に関係を強めていく必要があると思いますが、具体的にどのように取り組まれるのか、新田知事の御所見をお伺いいたします。 24 新田知事 先月私が団長を務め、中国を訪問した遼寧省との友好県省締結40周年記念友好訪問団ですが、遼寧省の書記や省長から大変熱のこもった、本当文字どおり熱烈歓迎を受け、県と遼寧省だけではなく、幅広い分野で計4つの覚書を交わすこともできました。  また、大連便についても中国南方航空へ要請を行い、6月26日から、もうじきですね、週2便で運行再開の運びとなるなど大変実りのある訪問でした。藤井議員にも本当にその一翼を担っていただいたことを感謝します。  今後、両県省をつなぐ交流のかけ橋の一つである、この富山─大連便の利用促進のために、県内企業や経済団体等への働きかけに加えまして、北陸新幹線の沿線地域での、この運行再開の周知を図ることにしています。  と言いますのも、日本からの大連便というのは、そう多くは飛んでいませんで、富山のほかは大体大都市です。なので、このエリアでは富山から大連に行こうという、そのような周知も大切なことだと思っています。  また、遼寧省からの誘客促進に向けて、今回の補正予算案に、現地旅行会社を招き、県内観光地を視察していただくとともに、現地での観光PRイベントを実施する経費も計上しています。こうした取組を積み重ね、運行維持につなげていきたいと考えます。
     また、県と遼寧省の間の交流以外でも、5月には遼寧省人民代表大会代表団が来県され、書道展などを通じて県議会と交流を深め、市町村レベルでも黒部市と遼寧省の大連市が友好提携に向けた交流を始めています。新たな芽が出てきていると思います。  さらに次世代に向けた取組として、9月と11月に本県と遼寧省の大学生が相互に訪問を計画しておりまして、これは初の試みですが、ホームステイを実施し、現地での生活体験を通じてさらなる相互理解の促進を図ろうということです。  今後も一層深み、そして広がりのある交流に努めて、両県省の40年にわたる協力関係をさらに強化していきたいと考えております。 25 藤井委員 ありがとうございます。  私も遼寧省に行って、ちょっと屋台のほうにも少し行かせてもらって現地の方とお話をしてみて、「フーシャンというところから来たんだよ」と言ったら「フーシーシャン」と言われまして、富山と富士山は漢字がほぼ一緒なので、「フーシーシャンはよく知っているけど、フーシャンは知らない」と言われたりもしておりました。  そういう意味では、まだまだ遼寧省側に対しての、省民というか、中国側に対してのプロモーションも必要なんじゃないかなと感じた次第でございます。  どうぞ今後もよろしくお願いいたします。  続いて、若い世代の声を県政に反映する取組についてお聞きしたいと思います。  資料の7ページを御覧いただければと思います。  こちら、令和5年の富山県議会議員選挙の各世代別の人口と投票率になります。青い部分が投票率、そして白い部分も含めたところが世代別人口ということになっております。  ちょっと有権者数とは異なってはいるんですけど、ざっくり見ていただければ、当然ながら、若い世代がいかに人口も少なく投票率も低いかということが分かるわけであります。そして、18歳から40、39歳ぐらいまでは軒並みもう40%を下回っているわけで、全国的な傾向ではあるんですが、この若い世代の投票率を高めないと、なかなか今後の県政運営は難しいのではないかと思っております。  次に、8ページ目を御覧いただければと思います。  こちら、デンマークと日本の年齢別の投票率の比較になります。デンマークの若い世代、18歳から39歳ぐらいまでは投票率70%を超えております。  デンマークというのは、非常に投票率が高い国であるということは理解していたんですが、その背景には選挙小屋、駅とか広場に政党のブースがあって、フランクに民間と対話ができるとか、あと民主主義フェスティバル、まるで音楽フェスのように盛り上がる政治イベントがあるとか、若い世代が政治を身近に感じる機会を数多く用意されているようなんです。  富山県議会でも令和3年から、高校生を対象とした主権者教育の出前授業を、私立高校で4校、県立高校で3校実施して、延べ2,000人以上の高校生と対話をしてきました。さらに今年度は、新たな高校生主体のイベントも計画しております。  資料9ページ、御覧いただければと思います。  このイベント、これまで主権者教育を実施した私立高校4校の生徒、約20名が中心となって、先ほどのデンマークの高校生とのオンライン交流を通じて、若者の声をどう県政に反映していくのかを考えるイベントということを企画しております。あくまで本年度トライアルということでありますが、既に参加した高校生からは、他校との同世代の交流が新鮮であるとか、身近な気づきから課題を見つける過程を学べたなどの声がありました。  高校生の本音を引き出し、県政に反映していくことを県議会としても目指していきたいと思っています。  若い世代の声を県政に反映するためにも、この世代の投票率が低い要因をどう分析し、今後どのように対応していくのか、田中地方創生局長にお伺いします。 26 田中地方創生局長 若者の投票率が低い要因とのことですけれども、投票率に関しましては、選挙の争点や関心の高さなど、様々な事情が総合的に影響するため、要因を一概に申し上げることは難しいところですが、明るい選挙推進協会が実施いたしました令和3年の衆議院議員総選挙における全国意識調査では、20代までの棄権の理由として、「仕事や用事があったから」や、「選挙にあまり関心がなかったから」などがほかの世代よりも多く挙げられているところです。このため、投票しやすい環境の整備や主権者教育の取組が重要と考えております。  この投票環境の整備につきましては、投票所を設置する市町村選挙管理委員会におきまして、これまでも商業施設での期日前投票所の設置でございますとか、巡回バスでの投票所への移動支援などに努めていると承知しております。  また、本年執行予定でございます富山県知事選挙におきまして、高等学校等への期日前投票所の設置を検討されているところもあると伺っておりまして、県においても必要な経費を予算措置しているところです。  また、主権者教育に関しましては、県の選挙管理委員会及び市町村の選挙管理委員会におきまして、高校生への出前授業や大学でのワークショップを実施しておりますほか、総務省の調査によると、子供の頃に親の投票について行った方のほうが、ついていったことのない方に比べて、大人になったときに投票する割合が高いということもございまして、知事選挙の機会も捉えて親子連れでの投票を促すなど、親子向けの啓発も実施していくと伺っております。  引き続き、県及び市町村の選挙管理委員会とさらなる連携の下、より投票しやすい環境の整備や主権者教育の充実など、工夫を凝らし取り組んでいただきたいと考えております。 27 藤井委員 ありがとうございます。  私たちも高校生と実際主権者教育をやってみて、実施前と実施後では、投票に行きたいとか、政治に関心を持つというのがやはり10ポイントから20ポイント上がるんですよね。直接的に働きかけていくこと、特に18歳から20歳ぐらい、この方々に呼びかけていくことの重要性、そして親子で投票というのも大事だと思っておりますので、また引き続きよろしくお願いいたします。  次に、6月6日に実施された第2回人口未来構想本部会議ですが、こちら、エビデンスやデータに基づく政策立案をという発言が委員からあったと聞いております。いよいよ我が会派が重要要望でも求めてまいりました、若者を対象とした本格的な総合調査を実施すべきタイミングではないでしょうか。  私は2月議会でも、若者の県外流出、そして県内に戻ってくる環流の要因を捉えるため、10年以上追跡し続けるトラッキング調査を産官学で実施してはどうか、と当時の横田副知事に御提案しました。それを受けてなのかもしれませんが、先般サンドボックス予算でも追跡型調査についての手法研究事業として200万円計上されているところであります。  この若者向けの総合調査について、改めて佐藤副知事の御所見をお伺いいたします。 28 佐藤副知事 今、御指摘ございましたとおり、人口減少対策、これから総合的かつ効果的な施策を進めていかなければいけないわけですが、その際に人口に関する様々なデータを分析して活用していくこと、エビデンスに基づいた政策立案を行っていくことは極めて重要であると考えております。  これまで若者の就職意識を把握するためには、Uターン調査など定量的なアンケート調査などは実施をしてきておりますけれども、やはり若者の考え方というのも時代に合わせて変化をしていく中で、そうした若者の今思っていること、また将来に向けてどう考えているかといったような意識の把握は、アンケート調査だけではなかなか難しいところもありますので、委員御指摘のとおり継続的、定性的に捉えるような、例えばトラッキング調査というものも非常に有効であると考えております。  先般の御提案も踏まえまして、今御紹介をいただきましたが、今年度知事政策局においてサンドボックス予算を活用したいと思っております。具体的には、県内企業の御協力も得ながら、県の大阪事務所のほうで新たに構築をする予定ですが、関西圏の若者コミュニティーというものを活用したいと思っておりまして、そのコミュニティーに参加してくださる学生さんを対象に年2回程度、インタビュー調査というものを試験的に実施してみようと思っております。  ただ、若者の方が富山県で就職する、あるいは富山県では就職しないといった選択をするに当たって、それがどういう要因からその決断に至ったのかということを探るためには、このインタビュー調査によって、例えば本人のそれまでの生きざまの把握などもしなければならず、個人のプライバシーに深く関わるような質問も行う必要がありますので、具体的な質問項目ですとか、インタビュー手法そのもの、それから、そこから得た情報に関してどのように分析をしていくかといったようなことも、やはりいろいろと検討しなければいけないということで、まさに産官学連携で調査手法についての知見を深めていく必要があると考えております。  今年度初めての取組でもありますので、まずはこのような形で、スモールスタートで試行を繰り返しながら、若者の声に耳を傾けていきたいと思いますが、トラッキング調査はどうしても時間もかかりますので、スピーディーな施策立案というのには少しマイナスの面もあります。トラッキング調査とこれまでの手法などもうまく組み合わせることも必要だと思いますので、そのあたりを引き続き研究しながら取り組んでいきたいと考えております。 29 藤井委員 ありがとうございます。  私も20年前に「R25」という雑誌を創刊したときには、1か月半で200人の25歳ぐらいの若者の人たちと徹底的にデプスインタビューというのをやって、インタビューを繰り返し繰り返しやっていくって形です。でも、やはりそこの中で共通して分かってくることがあると思うので、このインタビュー調査というのは私も非常に興味ありますので、ぜひよろしくお願いします。  ちなみに、私の息子のことで恐縮なんですが、東京で小中学校へ通わせたんですけど、大学で富山に来まして、そのまま今年、富山で就職しました。  ちょっと珍しいタイプだと思うんですけど、富山のよさって何って息子に聞いてみたら、自分の車を所有して自由に出かけられるようになってから、初めて富山のよさが分かったと言っていまして、やはり移動の自由というのが若者の将来選択に与える影響の大きさを感じまして、そう意味では、高校生とかは公共交通機関を利用してとか、すごく移動が難しい。このあたりの自由さをもっと体験できるようにしたら、若者のキャリアは変わっていくのではないかということも仮説として思いましたので、お伝えしておきます。  次に、我が会派では先般、県立高校再編をテーマとしたタウンミーティングを6回実施しまして、中学生、高校生を含む約180名と対話をしたところです。世代とか肩書とかを超えて、多世代で行うフラットな議論の場は、我々大人にとっても非常に新しい発見がありました。  また、高校生向け出前授業でも、100億円あったら富山県の未来のためにどう使うのというようなテーマをグループで討議し、発表してもらっているんですが、これも高校生がどんな不満を、不安を感じているのか考察するのが毎回とても面白く、勉強になっております。  今度7月に発行する県議会の新しい議会だよりである「TOYAMAジャーナル」でもそういった特集を行おうと思っておりますので、ぜひ御覧いただければと思います。  富山県でも、これまで若い世代を対象とした事業は数多く行われてきておりますが、大人とのフラットな意見交流の場というのは意外と少なかったりするのではないかと感じています。  現在進められている新たな人口ビジョンの策定に際しても、こういった観点に基づいて若い世代の声を捉えるような工夫、取組が必要だと考えますが、新田知事の御所見をお伺いしたいと思います。 30 新田知事 富山県では人口減少、あるいはそこから生ずる課題に真正面から対処するために、富山県人口未来構想本部を設置し、そこで議論を進めています。また、県議会をはじめ多くの皆様からの御意見もいただきながら取組を進めていくことにしています。  人口減少対策は20年、30年というスパンで考える必要があることから、委員おっしゃるように、将来を担う若い世代の皆さんの声を捉えていく、そして取組に反映させることが重要だと。同感であります。  このため、まずは今年度の高校生とやま県議会、これは主権者教育の一環でもあり、続けておりますが、幾つかの委員会に分かており、その中で「子育て、人口減少」をテーマの一つに取り上げてもらい、高校生議員に意見を発表していただこうと考えております。  また、もう少し年齢が上になりますが、富山県青年議会というのも連綿と続けております。ここでも参加する議員に、県政の最重要課題として人口減少問題を説明し、あくまでテーマ決めはその参加者に委ねられていますが、そのテーマの一つにしてもらえないかなと、そして議論を深めてもらえないかと考えているところです。  さらに県内の大学生や若い商工業者、農業者をはじめ、できるだけ多くの若い世代の意見をお聞きできるように、そこにおいて委員のおっしゃるフラットにというしつらえに留意していきたいと考えています。  その上で、富山県人口未来構想本部においては、エビデンスやデータを提示しながら議論を進め、具体的な課題と対策、新たな人口ビジョンである「富山県人口未来構想」を若い世代を含む県民の皆様と共有していきたいと考えます。  また、人口問題からちょっと離れますが、これまでも、とやまワカモノ・サミットを毎年開催しておりまして、このような場で若い世代の声を聞くように努めてまいりましたが、引き続き若い世代の皆さんと問題意識、あるいは将来像を共有しながら、将来への希望を持ってもらえるよう取り組んでまいります。 31 藤井委員 ありがとうございます。  我が会派の教育PTにおいては、あだ名で呼び合おうと。肩書は言わずにあだ名で呼び合おうと。私も大ちゃんとか、澤ちゃんとかというような感じでやっておりましたけれども、県の公式なものではなかなかできにくいかもしれませんけど、そういった取組がやはり中高生が発言しやすい環境につながったんじゃないかなと思っていますので、またぜひ取組をよろしくお願いいたします。  次に、資料10ページを御覧いただければと思います。  令和7年度に向け、南砺平高校の全国生徒募集が正式に決定され、地域みらい留学のイベント参加等のPR活動が開始されました。  こちら、全国募集用のパンフレットになっております。全国募集、この地域みらい留学は100校以上他県の参加校があって、その中から富山県では唯一この南砺平高校があるわけですけれども、それでもやはりほかの100校に比べても引けを取らない魅力が南砺平高校にありますよ、ということが、地域みらい留学の運営側の方からも直接私に声が届いておりました。  現時点で実際の進捗状況、そして反応というのはどんなものなんでしょうか。県教委と南砺市の役割や連携の状況を踏まえて、廣島教育長にお伺いしたいと思います。 32 廣島教育長 まず、今までの経緯等も含めて御紹介をさせていただければと思います。  南砺平高校の全国募集につきましては、主に受入れ体制の整備とPR活動、こういう取り組むべき課題に向けて取り組んできたということです。  まず、受入れ体制の整備に関しましては、地元関係者などから成ります「全国生徒募集準備会」を設立されました南砺市と連携して、検討を進めてまいりました。県外生徒の宿泊施設の確保が問題であったわけですが、南砺市や地域の御協力により、下宿先3軒が確保されるなど、受入れ態勢が整ったことから、令和7年度からの全国募集を決定したところです。現在南砺市では、県外生徒の方を支えるコーディネーターの配置に向け、準備を進めておられます。また、県教育委員会のほうでも学校施設の環境改善として、生徒寮のエアコン整備を進めているところでございます。  そしてPR活動ということですが、全国募集に当たりまして、やはり中学生や保護者の方に南砺平高校とその地域の魅力、これを御理解いただき、興味を持ってもらうということが重要になります。このため県教育委員会、南砺平高校、南砺市が密接に連携してPR活動、具体的には、これも3者で連携してつくったものを地域みらい留学のサイトに掲載していただいているところでございます。  このほか地域・教育魅力化プラットフォームが主催します地域みらい留学オンライン説明会、こちらに、トータルで8回、既に2回参加しておりますが、これからも6回ほど出させていただければと思っております。  また、ホームページを活用した情報発信などにも取り組んでおりまして、これまでに学校行事に関する質問、また寮や下宿での生活環境、最寄りの駅、交通関係とか、そういったような質問が寄せられている状況でございます。  引き続き、この後は東京とか大阪で、今度はリアルの合同説明会も予定されております。また、オープンハイスクールなどに取り組みまして、3者連携の上、全国募集の円滑な実施に努めてまいりたいと考えております。 33 藤井委員 ありがとうございます。  私が運営側のほうからちょっとお聞きしたときには、大体二、三名の方が非常に強い興味を示されているようなことを聞いていまして、初回でそういった反応がある学校は意外と少ないようで、そういう意味でも南砺平高校はもっと、実際にリアルで、東京と大阪で説明会を行ったりすると、また興味を持ってくれる生徒の数が増えていくのではないかなと今思っているところです。  南砺市の職員の皆さんもすごく熱っぽくプレゼンをされておられまして、そういう意味では、シビックプライドも含めて、地域にとってやはり高校と地域の活性、両方を担っていく好事例になっていければなと思っているところであります。  続きまして、昨年我が会派、教育PTの視察で茨城県の教育委員会を訪れております。少子化をはじめ学校教育を取り巻く環境や社会の変化に対応するということで、公立の中高一貫校の設置、そして民間校長の公募等の改革が進んでいるのがこの茨城県であります。  廣島教育長も就任後の北日本新聞さんのインタビューで、新しい選択肢をつくる観点から、中高一貫校の導入に前向きな意向を示されておられました。  多様化する教育ニーズに富山県も応えるためには、公立中高一貫校の設置、そして県立学校における民間出身の校長登用など先駆的な取組、そういった導入も検討をしていっていただきたいと思っていますが、その導入可能性について、廣島教育長の御所見をお伺いしたいと思います。 34 廣島教育長 中高一貫校につきましては、これまでも県外の先進的な学校の視察も、私どもも一緒にしまして、検討してきております。  また、御案内のとおり、昨年度議論されました県立高校教育振興検討会議、こちらの提言では、生徒の選択肢やリーダー育成などの観点から設置に積極的な御意見と、市町村立中学校への影響を懸念する意見、この両論を併記したという状況でございます。  人口減少の進行、また技術革新やグローバル化の進展、社会が変化している中で、将来を見据えて多様化する教育ニーズに応えていく必要があると。  これを踏まえますと、先ほど御紹介いただきましたが、私としても、将来の県立高校の姿を検討する中で、子供たちに新しい選択肢をつくるという観点から、中高一貫校について市町村の教育委員会の皆さんなど関係機関と協議しながら、設置の可能性を探るということも必要だろうと考えております。  民間出身の校長先生の登用でございますが、全国的に見ると、一部の府県において、例えばITですとか国際系ですとか、特色のある、またそれを打ち出したいとする学校で、高い専門性や豊富な経験に基づくリーダーシップを発揮いただくということを期待して、公募をされているものと認識しています。  こうした中には、お聞きしますと、例えば教育関連企業出身の民間人の方を登用することによって、ネットワークを生かした大学との連携が進んだというような成果があったとしている学校もございます。一方では、もう既に公募を停止してしまった自治体もあると聞いております。  この民間出身者の校長登用につきましては、子供にとってどんな効果があるのか、そうした視点も持って効果、また課題について勉強、研究していく必要があるものと思っております。 35 藤井委員 ありがとうございます。  民間校長に関しては、茨城県ではインドの御出身の、国籍は日本になられましたけど、プラニク・ヨゲンドラさん、よぎさんと言われる方が、土浦第一高校附属中学校の校長先生にも就いておられているということで、このよぎさんという方の本がありまして、それも今ちょうど読んでいるところでありますけれども、いろんな多面的な視点から、インドと日本の教育の違いも含めて、多文化共生だけではなく、日本人がもっと世界に羽ばたくためにどうすればいいかという観点から、このよぎさんという方はやられているわけなんですけど、こういう方を校長先生に、県教育の中で探そうと思ってもなかなか難しいわけでありまして、当然問題もいろいろあるとは思いますが、民間校長の登用に富山県もぜひチャレンジできるような環境をつくっていくことはできないだろうかということは、私自身もちょっとまた勉強をしていきたいと思っていますが、改めて廣島教育長に、民間校長登用の課題をお聞きしてもよろしいでしょうか。 36 廣島教育長 今、宿題をいただいて、どういったことが想像できるのかなということを考えて、今までのこの人事体系をどうするかとか、こちら側の管理の問題もあろうかと思います。処遇の問題もあろうかと思います。そして、何人の方も言われた、適切な人がおられるかというようなことをどう判断するかということがそもそもなのかなと思います。  いろいろ考えてみなければならないことがあるんだろうなということ、そしてそれが先ほど申しました、子供たちにとってどういうメリットがあるのかというところがまずポイントだろうと思いますので、そういったところで考えさせていただければと思います。 37 藤井委員 ありがとうございます。  最後に、1人1台端末の更新についてお伺いしたいと思います。  GIGAスクール構想ということで、コロナ禍であります令和2年度から令和5年度にかけて、小学校から高校まで1人1台端末や通信ネットワーク環境の整備がなされました。  私たち県議会においても、この端末が整備されたのもその時期、別にその補助金とは関係ないんですけども、整備されているわけで、この1人1台端末によって、随分と教育分野でも効率性が上がったとも聞いておりますが、こういったネットワーク環境等の整備、早い自治体では2024年から端末の更新時期に入っていくと聞いております。  全国的には導入後、故障やバッテリーの劣化、ネットワークの遅延や不具合などの課題があるということでしたが、富山県の状況をどう認識されているのでしょうか。  また、高校については今回の更新費用、国の補助金等は特段用意されていない、予定されていないと聞いております。今後の自治体の負担、そして更新スケジュールがどうなるのか、廣島教育長にお伺いしたいと思います。 38 廣島教育長 県内では、令和2年度から5年度にかけて、御紹介ありましたとおり、国の補助金もしくは交付金、こちらを活用して、児童生徒用の1人1台端末と学校のネットワーク環境の整備を行ってまいりました。  御案内のとおり、導入から期間が経過し、経年劣化によるバッテリー駆動時間の減少が見られますとともに、特に中から大規模校においてネットワークの帯域確保に課題、要はつながりにくくなるといったような課題のある学校も出てきているという状況でございます。  このため、まず小中学校分になるわけですが、これはさきの2月補正予算で国の補助金を活用して県に基金をつくりました。県と市町村で構成します協議会で検討を進めて、端末等の共同調達、規模のメリットを出すということだと思いますが、共同調達することが補助の要件になっております。  このため現在、今年度からの5年間で更新する次期端末の仕様、またネットワークの環境整備について、県と市町村で協議会を設け、協議を進めているところでございます。  一方、課題の県立高校でございます。令和7年度には新入生向けの端末の更新が必要になってくると考えております。更新には多額の費用を要しますが、御紹介がありましたとおり、国の支援制度がない状況でございます。  重要要望などで国に対し、必要な財源措置の要望にも、先日、八嶋委員長とともに東京のほうに行ってまいりましたが、国からは高校の1人1台端末については渋い回答で、支援は厳しいというようなことも言及があったところでございます。  さらに全国の状況を見ますと、端末整備を保護者の負担により行う団体が増加傾向にありまして、多分今年度には過半数以上がそういう団体になるというような形で、今後もその保護者負担へのシフトが進むというような見込みもあると思います。  こうした状況を踏まえますと、本県においても更新費用の保護者負担への移行、これについて早急に検討を進めていく必要があると考えているところでございます。 39 藤井委員 世帯所得を問わず、学習環境をしっかり保っていただきたいと思います。  終わります。 40 瘧師委員長 藤井委員の質疑は以上で終了しました。        澤崎豊議員の質問及び答弁
    41 瘧師委員長 澤崎委員。あなたの持ち時間は60分であります。 42 澤崎委員 おはようございます。おはようございますって、もう11時でありますので、ちょっと小腹が空いたかなという時間帯になりました。  私の歯の治療も、今日を数えて400日となりました。インプラントの大工事中でありまして、あと100日ぐらいかかりますので、500日間にわたる闘いに大分ゴールが見えてきたということでございます。  それでは、地域振興等について、海業についてまずお聞きしたいと思っております。  水産庁によりますと、海業とは海や漁村の地域資源の価値や魅力を活用する事業であって、国内外からの多様なニーズに応えることにより、地域のにぎわいであるとか、あるいは所得、雇用を生み出すことが期待されているものを言う、ということらしいです。ここは水産庁が言っておりますので。  先日の一般質問の中で、私と同様に歯で苦しんでおられる八嶋議員が海の道、海路の活用をと、そんな提案をされて、観光航路などもまさしく私は海業の一つだろうなと聞いておったところであります。  魚津の浜を見ますと、水揚げや漁業者の減少に伴い、あの米騒動を起こした勢いであるとか、昭和の遠洋漁業、北洋漁業に向かう船団を見てきた者といたしましては、今の漁村、いわゆる浜、漁港の活気は大変寂しい感があるところであります。  折しも6月7日には、小泉元環境相、そして石破元自民党幹事長が岸田総理に対して、「海の地方創生」としての海業の推進を提言されたところであります。岸田総理からは、骨太の方針に明記するとの発言もあったそうでありますので、漁村の反転攻勢がこれから期待されるところであります。  富山県の漁港は、沿岸延長96キロに、ほぼ等間隔に16港が点在し、漁船も利用している魚津港や、あるいは伏木富山港も含めると18港あります。富山県こそ浜のトップランナーになるべく要素を持っていると思っております。  これまでも漁港、漁村、漁場の整備を総合的かつ計画的に富山県は推進してこられましたが、人口減少期を迎えた時代のまさしく今が転換期であります。  そこで詳細につきましては、後ほど私の同僚の寺口委員からあろうかと思っておりますけれども、「海業の推進に取り組む地区」に魚津市が決定したことを踏まえて、この海業についての受け止め、そして横展開に対する見解を、新田知事からお聞きしたいと思います。 43 新田知事 国では、海や漁村の地域資源の価値や魅力を活用して、地域のにぎわいの創出や所得と雇用を生み出すことが期待される海業の取組を積極的に推進することとしておられまして、先般の骨太方針案にも「海業の振興等を進める」と記されています。  こうした中で本年3月には、国が取組を積極的に支援する地区として、魚津市の経田漁港が選定されました。事業主体の魚津漁協では、今回の選定を機に、新たな取組として、漁業者の安定的な収益確保につながるガゴメコンブやイワガキの養殖事業をはじめ、クルージングや漁業体験メニューのブラッシュアップ、しんきろうロード沿いの開催イベントと連携した海業施設のさらなる利用拡大などを進める予定と理解しております。  本県の漁港では、新鮮でおいしい富山湾の幸が水揚げされておりまして、消費者ニーズがモノ消費からコト消費へと変化する中で、販売、飲食ということに加えまして、海洋レジャーを楽しむ機会をつくり出し、交流促進を図ることは、本県の「関係人口1,000万」の実現や「寿司といえば、富山」の認知度向上にも資するものと考えています。  県では、今年度策定予定の水産業振興計画において、海業の振興を新たな施策として盛り込む予定としておりまして、今後この計画に基づき、魚津漁協をはじめ県内の海業の取組がさらに発展するよう、漁業関係団体をはじめ多様な関係団体とも連携して取り組みたいと考えています。 44 澤崎委員 ありがとうございます。  海業の振興について、しっかりと進めていきたいとも思っておりますけども、新田知事も魚津に何度もお越しになられていると思いますけれども、沿岸部もやはり人口減少の波に飲まれているということで、空き家であるとか、空地であるとか、そういった課題が、インフラの課題が大変多くありますので、またそのあたりも部局横断的にお願いをしたいなと思っておるところであります。  続きまして、魚津水族館の建て替えについては、何度も何度も繰り返し質問をしておりますけれども、今まさにその時期に差しかかっているのではないかと思っております。  そして、今ほど質問した海業の推進の計画の中にも、協力体制として魚津水族館が入っておりまして、この海業の推進、振興には欠かせない重要なピースの一つであると思っております。  2つの事例を紹介させてください。  1つ目は、今年3月に老朽化が原因で閉園した静岡県沼津市の水族館、あわしまマリンパークであります。もともとアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台にもなった聖地でもあります。そんな魅力もあったことから、この水族館を惜しむ声が大変たくさんあって、それに押されて新しいオーナーさんが出てきて、この7月に新体制でリニューアルオープンというような格好であると報道されております。  もう1個は、愛媛の高校再編計画の中で廃校の危機となった愛媛県立長浜高校であります。先ほどの藤井委員の南砺平高校も全国募集をするということで、これから頑張っていかないかんなと思っておりますけれども、この長浜高校、部活動の中に水族館部をつくって、全国から志願者が殺到したと。全校生徒の半数が学芸員となり、地域活性の根源となっていると聞いております。  この2つの事例とも、老朽化により閉園した水族館を、長浜高校の場合は水族館を学校内に復活させて水族館部を立ち上げたものですけれども、この2つの事例は、水族館は人を惹きつける魅力を有しているということの証左じゃないでしょうかと思っております。さらには地域を活性化するエンジン、原動力にもなるのではないでしょうか。特に若い世代に突き刺さる可能性が高い施設であると、この2つの事例からも考えるところであります。  そこで、現在の魚津水族館は昭和56年に建設され、既に40年が経過し、設備等の老朽化が著しいことから、新水族館の建設が望まれております。富山湾の魅力の情報発信や水生生物の研究や教育、そして観光コンテンツとして、新水族館の建設を、県が今こそ強力にバックアップすべきと考えますが、田中雅敏地方創生局長に御所見をお伺いします。 45 田中地方創生局長 魚津水族館について御質問いただきましたけれども、魚津水族館は、県内で唯一の水生生物を常設展示する魚津市立の博物館として、富山湾の環境に合わせた展示でありましたり、世界各地から集めた珍しい魚の展示など、工夫を凝らした内容で県内外の観光客の方に親しまれていると認識しております。最近では富山湾のホタルイカの企画展、また飼育員によるSNSでの情報発信などにも取り組まれていると存じ上げております。  博物館教室といった教育活動や、沿岸生物調査など調査研究も実施されて、富山湾の水産資源や自然を学べる施設となっていると感じております。  この水族館に対する魚津市民の方々の愛着というものは深く、市が誇る地域資源となっていること、また市立の施設として、市が水族館と併せまして近接するミラージュランドや海の駅「蜃気楼」、埋没林博物館など、地域が誇る資源を生かして魅力あるまちづくりなどを進めておられることも踏まえますと、その改修や更新を含めた魚津水族館の在り方については、まずは市が検討されるものと認識しております。  県はこれまで、水族館創立100周年を記念したリニューアルや、魚津市制70周年事業の一環での水族館を含む市内エクスカーション等への支援を行うとともに、来館者の多い夏休み期間中に富山湾の魅力を紹介するパネル展示を行いますなど、水族館と連携した情報発信にも取り組んできているところでございます。  御指摘のとおり、魚津水族館は、水産研究や教育、観光など様々な観点から地域に対して貢献している貴重な施設だと認識しております。今後、魚津市の考えや要望も伺いまして、引き続き水族館の魅力向上や情報発信など連携、協力していきたいと考えております。 46 澤崎委員 ありがとうございます。しっかり魚津市のほうからも、要望を出していただいて、また知恵を絞っていきたいなと思っております。  先日、谷村議員が県の未利用地活用推進について質問された際に、南里経営管理部長から、官民連携を推進する「とやま地域プラットフォーム」の御説明がありました。そして具体例として、昨年新川こども施設整備等の事業説明をした、このプラットフォームのセミナーにおいて、61社もの方が参加されていたとのことでありました。  私は県内においてもPPP、あるいはPFIという官民連携の機運が醸成されつつあるなと期待しながら答弁をお聞きしておりました。  そこで、この項最後の質問となります。  新川こども施設の開館に向けての事業スケジュールの確認を踏まえながらの質問であります。新川こども施設整備の事業者応募スケジュールでは、この9月に落札者の決定となっています。応札者がいないなどの事態とならないよう、現在御対応いただいているものと思っておりますが、多くの事業者が入札に参加することで公平で公正な競争が行われるわけであります。  そんなことこそが、官民の力を総動員した、エンジンが1足す1は2ではなくて3にでもなるような、そういったものとなって新川こども施設をつくり上げるんだろうと私は信じております。  県で初めてのPFI手法を導入する新川こども施設について、整備に向けた現在の進捗状況と、現段階で入札を検討している事業者や興味関心を持つ事業者の具体的な数について、地方創生局長にお伺いします。 47 田中地方創生局長 新川こども施設整備・運営事業につきましては、本年2月議会で予算案及び債務負担行為をお認めいただきまして、3月25日に総合評価一般競争入札の公告を行ったところでございます。その後、入札説明書で定めたスケジュールに沿いまして、入札説明会の開催でありましたり、質問の受付、回答、参加資格の確認、個別対話の実施など、各手続を公平性、透明性を確保しながら進めているところでございます。  今御質問いただきました本事業への入札参加を検討している、あるいは興味関心を示している事業者の数というのは、募集手続中の現時点において公表することは、事業者に予断を与えることとなる懸念もありますことから差し控えさせていただきますが、落札者の決定後、速やかに公表したいと考えております。  本事業は、まさに御指摘のとおり、県としての初めてのPFI事業であるとともに、「こどもまんなか共生社会」の実現に欠かせない事業と考えておりまして、子育て世代や地域の期待も大変大きいものと認識しております。確実な事業化に向けまして、まずは9月に落札者を決定できるよう、引き続き丁寧に手続を進めてまいりたいと考えております。 48 澤崎委員 ありがとうございます。  9月を楽しみにしておりますので、どうかよろしくお願いいたします。  続いて教育の充実についての質問であります。  冒頭に、小泉純一郎元首相が演説で引用した、長岡藩の米百俵の故事を紹介したいと思います。その意味は、100俵の米も食えばたちまちなくなるが、教育に充てればあしたの1万、そして100万俵になる、であります。平たく言うと、教育には惜しむことなくお金を使い、稼げる民をつくりましょうということなんだろうと思います。表現にはそれぞれ異論反論もあると思いますが、私には大変腑に落ちる故事であります。人づくりの大切さは今も昔も人づくりであります。  新田知事に1問、そして教育長に5問お伺いいたします。  まずは、地域振興でもお聞きいたしました新川こども施設の整備目的の一丁目一番地、これは非認知能力の形成や運動能力の向上等であります。このことについてお聞きします。  ここで言う子供とは、幼児から小学生であります。ただ、私は1年生と6年生が同列で対象というのはなかなか難しいことなんだろうとは思っておりますけれども、いずれにしてもこの施設の開館予定が令和9年8月、子供たちは日々成長していくわけでありまして、この施設の開館を、子供たちの成長が待ってくれるわけではありません。  繰り返しになります。特にちっちゃい頃の成長というのは早いものであります。まだ3年も先であることから、開館を待つことなく、非認知能力や運動能力の形成や向上に県としてはしっかりと取り組むことが大事であろうかと思います。できることを、そしてちゅうちょすることなく、ぜひ取り入れていただきたいと思います。この3年が空白の時間とならないような取組が必要であると考えます。  新川こども施設の整備目的の一つとして、要求水準書案では県内の子供の非認知能力や運動能力の形成や向上を図るものとされていますが、現在県ではこの目的に対してどのような取組をなされているのか、具体的な事例等について廣島教育長にお伺いします。 49 廣島教育長 子供の非認知能力や運動能力の形成ということで、今どういうようなことに取り組んでいるか、それぞれについて3つほどずつ、ちょっと御紹介をさせていただければと思います。  まず、非認知能力の向上に関しましては、県教育委員会では、非認知能力をはじめとする幼児教育の質の向上を図るため、平成31年の4月に県幼児教育センターを設置しております。  センターにおきましては、まず1つ目になりますが、幼児教育施設を訪問し、保育士などを対象に、子供の非認知能力の育成につながる指導などについて学ぶ研修を実施しております。2番目になりますが、幼児が身につけた非認知能力を切れ目なく小学校につなぐため、保育士と小学校教諭が合同で学ぶ講義、演習も行っています。3つ目になりますが、遊びの中で友達と協力し合うことなどで非認知能力が育まれていく子供の様子、またそのための指導の留意点や工夫点を示した小冊子、「『わくわく・きときと』接続ガイド」というものとなりますが、こちらを配布するなどの取組を行っているところでございます。  また、運動能力の向上についても3つほど御紹介させていただきますと、健康的な生活習慣の定着とスポーツへの多様な関わりを目的としまして、保護者や親子を対象とした運動遊びの普及・啓発講習会の開催、「とやまっ子ワクワク運動体験応援事業」と称しておりますが、そういったものを開始し、また2つ目として多様な運動遊びを経験できる幼児対象の運動教室等への技術指導者の派遣のサポート、また、3つ目には幼稚園教諭、保育士などの運動指導方法の向上を目的とした研修会への支援などを行っているところでございます。 50 澤崎委員 ありがとうございました。  そういった知見をぜひこども施設をつくるときには組み込んでいただけるようにお願いをしたいと思っております。  ちょっと中高一貫教育校についてお伺いしたいなと思っておりまして、先ほども藤井委員からも同じような質問がありました。ということは、やはりそういうニーズは高まっているんだろうなと私は思うわけであります。  日本の教育制度は言うまでもなく小中高大ということで、6、3、3、4の課程でありまして、富山県で育った私にとっては違和感なく、疑問なくそんなことを受け入れておりまして、それがよしとしておりました。しかし、時にはつなぎ目のないシームレスな取組というのも我が県では必要になってくるんだろうと思っております。  県立高校教育振興検討会議では引き続き検討する必要があると、先ほどの教育長の答弁でも、その旨の趣旨のお話はされているわけでありますし、県教育委員会でも、令和3年から5年にかけて福井県と茨城県のほうへ視察を重ねているということもお聞きしております。  しかしながら、やはり中学卒業予定者が加速度的に減少する中、教育環境の激変と併せて、この機会にやはり思い切って多様な学びの学校の一つを、そろそろ具体的な検討に入ってはどうかなと。まさしく今が整備に向けてのタイミングであろうかと思っております。  そこで中高一貫校については、多くの議員が質問してきていますし、しかしながら、いまだに中高一貫校が実現していない。富山県ならではの背景みたいなものや、あるいは課題等は逐次言われたわけでありますけれども、私は、それは乗り越えられるような課題なんだろうと思っております。  これまで視察されてきた経緯も含めて、実現の可能性について、廣島教育長のこの中高一貫校の導入に対する思いの丈を述べていただければと思います。よろしくお願いします。 51 廣島教育長 今ほど委員からもございましたが、中高一貫校につきましては、これまでも何度も、前回の令和2年度の高校再編統合の際にも検討されていた、それ以前にもあったと認識しております。昨年度も県立高校教育振興検討会議で検討されました。  その提言といたしまして──また御紹介ということになりますが──生徒の選択肢を広げることや社会を変革するリーダーの育成という観点からは、設置に積極的な意見があったと。一方で、市町村立中学校の学級編制等への影響を理由とした慎重な意見が併記されました。その結果、市町村教育委員会を含めた関係機関と協議しながら引き続き検討する必要がある、とされたところでございます。  これまで御紹介いただいたとおり、私どもも視察等々を重ねてきておりますが、その中でもやはり、ふるさとへの誇りやグローバルな視点、チャレンジ精神を高める、また幅広い年齢の生徒間の交流が促進されるという、子供にとってよい効果が確認される一方で、小学生が今後6年間の進学の方向性をどうやって判断するのかということ、また中学校から在籍する生徒と高校から入学する生徒、そういった例の場合ですと、授業の進度に差が生じるといった課題、こういったことが様々出てきたということでございます。中高一貫校がこれまで実現しなかった背景には、こうした一定程度の慎重な意見や課題があったと思っております。  ただ、私としては、先ほども申し上げましたが、将来の県立高校の姿を検討する中で、子供たちの新しい選択肢──可能性を引き出すということにつながろうかと思いますけども──これをつくる観点があってもよいのではないかということも申してきたところでございます。  今後、市町村教育委員会など関係機関と協議しながら、実現の可能性を探る、そういったことに向けて丁寧に検討を重ねていくことが必要であると考えております。 52 澤崎委員 各市町村委員会の学級編制の影響というのは、これは生徒数が減っているということで今の学校が維持できない可能性があるからということで、そういう理解でよろしいんでしょうか。 53 廣島教育長 今委員おっしゃられたこともあろうかと思いますし、どういう生徒がそちらの学校に行くかということで、バランスだったり、いろいろな要素があるんだろうと。そういった点が市町村教育委員会さんの危惧されるところではないかなと感じます。 54 澤崎委員 全国で、中高一貫校がない県が今2県ということであります。そのような課題は、全国どこにでも私は見られると思っておりますので、それをやはりドラスティックに変えていく覚悟みたいなものを持って、頭の体操をしながら、バックキャスティングみたいな形でこういうイメージだということをしっかり持って突き進んでいただければと思っております。  教育長、ありがとうございました。  次に、国際バカロレアについてお伺いしたいと思います。  新田知事は4年前の知事選挙において、県内教育機関の国際バカロレア認定取得支援などを公約の一つにしていらっしゃいました。  実は、当時は、私はさっぱり分かりませんで、国際バカロレアについての知識も知見もなくて、流して聞いておりました。しかしながら、会派の視察を繰り返し、さいたま市立大宮国際中等教育学校、あるいは高知県立高知国際中学校・国際高等学校など先進地視察を通して、その必要性を今は強く感じているところです。  特に埼玉の市立の大宮国際中等教育学校においては、バス路線の活性化、バス会社の人間ではないんだけど、高校生なんだけど、本当に上手にバス路線はどうすれば活性化するか、あるいは傘、雨傘ですね、アンブレラの傘、その傘の必要性なんかも自由な発想の中で研究されておりました。気象庁のほうに行って雨の確率でどうやとかこうやとかということで、これがまさしくバカロレア教育の一つの成果なのかなということを、私は埼玉の大宮国際中等教育学校で学んでまいりました。  もう一つは、またこれは大変レアなケースなのかもしれませんけれども、県内の生徒、といっても高校生でありますけれども、海外留学をした際に、IB資格があれば留学先での大学受験資格があるということを知って、その当時、自分は持っていなくて受験の資格はなかったというようなことをお聞きいたしました。そもそも県内には認定校がありませんので、富山県の子が留学した際には、そういったIB資格はないので、大学受験はできないということであります。  海外志向の子供はこれからどんどん増えてくると思います。また、出て行ってもらわなければいけないと私も思っておりますけれども、門戸を開放する意味においても、国際バカロレアの導入はやはり期待するところであります。  そこで、今現在でも国際バカロレアを本県に導入するんだというお考えに変わりはないのか、知事に御所見をお伺いいたします。 55 新田知事 4年前の知事選に際して示した八十八の具体策の一つとして、「国際バカロレア認定取得の支援など、英語・グローバル教育の推進」を掲げました。  知事就任後、私が主宰する総合教育会議で第2期富山県教育大綱を策定し、「子供の可能性を引き出し、才能や個性を伸ばす教育の推進」との基本方針の中で、「グローバル社会で活躍できる人材の育成」を方向性の一つとしました。  昨年度、県立高校教育振興検討会議においても、国際バカロレア認定校などの国際教育プログラムの導入について、議論をされたところです。4月にまとめられた提言では、グローバル人材の育成や生徒の選択肢拡大につながる反面、英語人材の確保などの課題も指摘され、今後、グローバル化に対応した国際教育プログラムも参考にして、普通科などでの高い英会話力の育成、探究活動に取り組むことができる学科などの充実、新設を検討することが望ましい、と言われています。  私としては、国際化が進展し、日本人の海外進出、外国人の来日の双方がより進んでいる現状において、子供たちにはこれまで以上にグローバルな視点が大切になると考えています。このため、「英語・グローバル教育の推進」に対する思いは4年前と変わっていないと、ここで申し上げておきます。  今年度の総合教育会議では、新しいタイプの学校、学科についても議論することになります。2月の会議では、教育委員会に対し、国際バカロレアのほかにも英国発祥のケンブリッジ・パスウェイといった国際教育プログラムについても検討するよう、求めております。  今後とも私の考えを伝えながら、議論を深めていきたいと考えます。 56 澤崎委員 グローバルな視点で、ローカルで活動するということは、新田知事はみじんの揺るぎもないということが確認できました。どうもありがとうございました。  同じような質問なんですけれども、教育長にお伺いします。  今ほど知事から答弁があったとおり、いろいろ検討されて研究をしているということでありますし、中高一貫校と同様に教育委員会においても視察を繰り返しておられると。2校ですかね、勉強しに行っておられると聞いております。  ちょっと紹介したいのは、我が会派で現地視察をしました、高知県の香美市立大宮小学校、バカロレアPYPのほうの認定校になるわけでありますけれども、香美市というのは本当に山ん中なんです。どうやってこの英語人材をキャッチしてきたのかという、本当に不思議な町であります。香美市というのはアンパンマンの里なわけであります。  そこでいろいろお聞きしてまいりました。本当に中山間地の、高知で言うところの僻地とまで言いませんけれども、そういうところの中でやられたんです。  教育委員会の担当者の言葉がやはり胸に刺さりました。生きる力ではなく、こういう人口減少だからこそ、子供たちにはそこで生き抜ける力をつけてあげたいんだと言い放たれて、国際バカロレアにかける気概みたいなものを私はそこの担当者、女性の担当者でありましたけれども、本当に感じました。  教室内を見ても、やはりそんな多くはないんです、田舎の小学校でありますので。だけれども、教員の方は本当に生き生きと働いておられました。働き方改革ってこういうところではあまり問題ならんのかなと思うぐらい、生き生きと働いておられましたし、子供たちも、もう本当に目がはつらつとして、我々5人で行ったわけですけれども、会う人、会う人に、こんにちは、こんにちはと、本当に生き生きとしておりました。  したがって、私は、学校にいるだけでも、国際バカロレアはいいなと。単純なわけでありまして、これはいいなと思った次第です。  そこで国際バカロレアの導入について、教育長も知事とともに方向性を同じくして、導入についてこれまでの先進地視察を通して精査した上で、導入における最大のネックはどういうふうに捉えておられるのか、また導入に向けたスケジュールを具体的に立てればいいのではないかなと私は思いますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 57 廣島教育長 まず、昨年度の振興検討会議での内容、また視察での状況などについて、ちょっと御紹介をさせていただきたいと思いますが、国際バカロレアにつきましては、昨年度の県立高校教育振興検討会議の中で4月にまとめられました提言では、グローバルな視点を持ち、多様な人々と協働し、課題の発見、問題を解決していく機会となり、国内外への進路の多様化に途を開くというメリットがある一方で、教師と生徒双方に高い外国語能力が求められる、また、高度な指導ができる教員の確保が難しい、カリキュラム開発などに時間がかかる、などの課題が示されています。  私どもの職員が国際バカロレアを導入した高校のこれまでの視察において聞き取ってきたところ、1つには外国人講師と複数の有資格教員の確保がなかなか難しい、2つ目に、高校の場合ですが、国内の大学の一般受験を想定した教育内容とは異なるため、国内大学への進学の面では留意が必要であろう、3つ目として、教員養成のため継続的な研修受講や年会費などの負担が大きいと。こういったことが視察で分かった課題でございます。  先ほど申し上げたもの等を含めまして、こうした諸課題が導入に当たってのネックと申しますか、今後検討していかなければならない事項だと考えているところでございます。  今ほど新田知事からございました英国発祥のケンブリッジ・パスウェイといった国際教育プログラムの導入も含めまして、今後、総合教育会議で議論を進めることにしております。スケジュール等々については、その議論のスケジュールを踏まえて考えていくことになろうかと思います。 58 澤崎委員 ありがとうございます。  全部が全部もう国際バカロレアにというわけではなくて、やはり1つはつくるということなんだろうと。先ほどの中高一貫校もそうですけれども、いろんなタイプの学びの場をつくるということが、私は大切なんだろうと。  課題はありますよ、人材の確保。これはどこの学校に行ったときも、それは私たちも指摘されておりますけども、やはりそれを乗り越えていく先に、明るい希望が見えるんだろうと私は思っております。  次に、同じように夜間中学について教育長にお伺いをしたいと思います。  夜間中学の開設のために、アンケート調査に取り組んでおられると聞いております。昨年、石川県の夜間中学の開設準備担当室のほうにお伺いをして、会派で視察をしたわけでありますが、担当者の苦労話なんかもいろいろ聞いてまいりました。
     アンケート調査からは、そんなに回答率も高くなくて、いや、これニーズあるんかな、どうかな、なんて言って一瞬逡巡をしたらしいわけでありますけれども、実際に開設の準備に走ってみますと、夜間中学の必要性を強く思うようになったというお話でありました。  そこで、文部科学省もその設置を強く促進しているわけでありまして、開設、設置に向けての拠点づくり、利便性のよい立地場所の検討など、実際、具体的にスピード感を持って早急に取り組むべきと考えますが、教育長の御所見を伺います。 59 廣島教育長 県教育委員会といたしましては、義務教育を修了していない方や、不登校などにより十分な教育を受けられないまま中学校を卒業した方のほか、外国籍の方など、様々な背景を抱える方々の中で、学び直しを希望される方が一定程度おられるのではないかとの認識に基づき、夜間中学校の設置に向けて検討を進めることとしております。  こうした一定程度存在していると考えられます学び直しの具体的なニーズを確認するため、まずは夜間中学の制度について広く県民の方々にも知っていただくこと、そして、夜間中学への就学を希望する方に加えまして、その身近な方や支援されている方に対しても、夜間中学で学びたい理由、また年齢、使用されている言語などを質問項目としたアンケートを実施することといたしました。  このアンケートにつきましては、先月の27日から来月の26日まで2か月間を期間として、市町村教育委員会に加えまして、外国籍の方や不登校の児童生徒を支援いただいています機関、団体の方にも協力いただいて、実施をしているところでございます。  このアンケート結果を取りまとめた上で、年度内には市町村教育委員会、また関係機関、団体等で組織します検討協議会を立ち上げまして、今後の進め方などを協議、検討していく予定としております。  また、お話のありました石川県など、先行して夜間中学の開校を実施、もしくは実施する予定の団体への視察、調査なども行いまして、準備に必要な情報収集も図っていきたいと考えております。  御指摘の、開設の立地場所など、具体的な検討は、その後に順次進めていこうという見込みでおります。 60 澤崎委員 ありがとうございます。  この夜間中学のヒアリングに行ったときに、実は県外のほうにもいろいろ、夜間中学をつくるためのセミナーに参加の呼びかけをしていたらしいんです。そのときに富山県がお越しにならなかったというようなこともちょっと聞いたものですから、とにかくスピード感を持って取り組んでいただければいいかなと思っております。  次に、この項、教育の充実については最後の質問となります。ここが一番私、今日の質問の肝だと実は思っております。  県の教育委員会では、先月の27日から高校の将来像を話し合うワークショップを始められて、そこでの内容は、地域の声として大事な意見をお聞きするものであります。しかしながら、やはり議論百出、多事争論とならないようにすることも大事だと思います。  この再編に向けた議論を、子供たちは興味深く見たり聞いたりしていると思います。現に今いる子供たちが混乱しないようにこの話をまとめていくのは、教育長の富山県教育にかける揺るぎない信念、そして責任であろうと思っております。  教育長には、高校の再編にとらわれることなく、小学生の頃には誰しもが未来に向けての夢、あるいは希望を持つ土台をしっかりと育むことができるような、そして高校を卒業する際にはその夢や希望が確固たる志になるような、そんな一連の流れの中で富山県教育を引っ張っていただきたいと思っております。「ふるさと」の歌に「志を果たしていつの日か帰らん」やはりここが、私は原点なのかなと思っております。  そこで、そんなにもう時間のない中で、急速に子供たちが減ることを踏まえると、スピード感を上げていかなければならない。「巧遅は拙速にしかず」ではありませんけれども、今後の議論の進め方については、我が会派の代表質問においても問うたように、冷徹なデータに基づいた議論、提言をして、それを示して、時代を見据えた議論の必要性を問うていくべきと考えますが、令和の教育刷新──これはキャッチコピーにはなりませんかな。令和の教育刷新に向けた教育長の断固たる所見をお伺いいたします。 61 廣島教育長 これまでのワークショップでの検討の概要をまず御説明させていただきますと、この県立高校の検討の在り方については、広い視点から検討することが重要であるということで、今回ワークショップを設け、義務教育の視点からは市町村の教育長さんや中学校長さん、また、高校生活や卒業後の進学、就職の視点から保護者の方や経済界の代表の方に参加いただいております。  このワークショップですが、今後開催予定の、どなたでも参加できる意見交換会などで御意見を頂く際の参考ともなるよう、県立高校の目指す姿など一定のテーマごとに論点を整理しながら、議論いただいていくこととしています。  教育委員会としては、まずは多くの御意見をお聞きすることが大切だろうと考えております。1回目のワークショップでは、中学校や大学などの連携強化を望む声など、高校再編にとらわれない意見も多く出たところです。  一方、数多くの意見、貴重な御意見を取りまとめ、委員御指摘のとおり、小学校から高校、大学までの教育を通して、子供たちが夢や希望、また志を持って成長できるよう──可能性をどんどん引き出していくということだと思いますけれども──いわゆる一つの教育信念に基づいた方向性を示していく、こういったことも必要だろうと。そのためにはデータを活用し、将来を見据えて検討を進めることが大切だろうと思います。  今後、総合教育会議においては、ワークショップや意見交換でいただいた御意見も踏まえまして、またそれに加えまして、令和20年度までの中学校予定者数が現在と比べ3割も減少すること、これも考慮し、将来における学校の規模やその数、教育内容等について、定量的なデータ、または中高生のアンケート結果の分析などに基づいて、検討を進めていきたいと考えております。 62 澤崎委員 ありがとうございます。  何というんですかね。私も参加された方からいろいろヒアリング、あるいは感想等も聞いております。  ぜひお願いをしたいのは、ちょっと表現は悪いんですけれども、ガス抜きとかというふうなことで、内容が見えてこないというような意見も、正直なところ私の元に届いております。そんなことは決してないんだと、話はしておりますけれども、そういう懸念を持たれないような、まとめ方をお願いしたいと思います。  教育長、何か御所見あれば。 63 廣島教育長 今ほど申し上げました、数多くの貴重な御意見をいただいております。ただ、その中から一定の方向性を示していくという作業が待っているわけですけども、そこにおきましては、委員会でもございましたが、どういった将来を見据えて、どういった形があるべきなのかということ、そこにつきまして、子供たちにとってどういう形がいいのかということを基本に置いて、考えていきたいと思っております。 64 澤崎委員 それぞれの学区で4回開催すると思っているんですけれども、中間報告みたいなものはどこかの時点でおやりになるおつもりはありますか。 65 廣島教育長 4回というのは、ワークショップと意見交換会ということと御理解いたします。この後、総合教育会議も開催してまいりますが、当然、総合教育会議はワークショップ、意見交換会のまとまった意見、それをベースに方向性を決めていく会議でございますので、その会議の都度、開催したワークショップ、意見交換会で出た意見は、どういった形になるか分かりませんが、集約した形でお示しして議論のベースとしていただくということになろうと思っております。 66 澤崎委員 ありがとうございます。  結局4学区でおやりになられています。しかしながら、富山県の教育は1県でありますので、その辺の学区ごとの調整みたいなものは、今回のワークショップ等ではどういったつくりになっていますかね。そこは全然関連性はないんだよということではないと思うので、どういうふうに御配慮されるのか、それをまとめるのはやはり総合教育会議ということでよろしいですか。 67 廣島教育長 ワークショップ、意見交換会は、学区ごとでそれぞれの意見を出していただいているということでございます。学区ごとに特色のある学科の配置等々を一つの視野に入れていくことも選択肢だと思います。それをまとめるのが総合教育会議と理解しております。 68 澤崎委員 ありがとうございました。  それでは、最後の項として、持続可能な地域づくりについて3問伺いたいと思います。  まずは建設発生土の状況等について伺います。  令和3年7月に発生した熱海土石流災害は忘れることのできない土砂災害の一つでありました。被害が拡大した要因として、建設残土による違法な盛土がありました。この災害の後、盛土規制の大幅な強化へと発展したわけでありますが、また最近になって、千葉県多古町において、建設残土と見られる土砂が4年前から運び込まれ、高さ30メートルを超える山のような状態に積み上がっているとの報道があったばかりです。  これは民間業者による悪質な事例ではありますが、県内では仮置場や土質改良プラントにおいて、建設残土は建設発生土として受入れをされていますが、その保管管理状況はどうなっているのか、そしてその建設発生土を再生資源として利用促進することが重要であると私は考えますが、再生資源としての利活用状況についてどうなっているのか、金谷土木部長にお伺いします。 69 金谷土木部長 県では、将来、建設発生土を活用するため、民間が運営する公共残土置場、いわゆるストックヤードに搬入、あるいは搬出しているところでありまして、このストックヤードの管理、それから運営状況につきましては、毎年、現地確認実施要領に基づきまして、県の職員が立会いの上、土砂管理の状況やその管理体制等について現地確認を行っております。  具体的には、土砂の搬入、搬出の量、盛土の高さや形状などの土砂管理のほか、管理人の常駐状況、柵などの不法投棄対策や施錠の状況など、管理体制について確認、それから指導を行っております。昨年度、全38か所で現地確認を実施した結果、おおむね適正に管理されているという状況であります。  ストックヤードの建設発生土につきましては、現在、県道宇奈月大沢野線の道路改良工事の盛土材など、公共工事に活用しておりますほか、平成10年からは砂利採取跡地の埋め戻し材として、また平成30年からは宅地や駐車場の造成など民間工事にも活用されている状況でございます。  直近では、令和5年までの3か年平均の利用状況でありますが、その前の令和2年までの3か年に比べまして約1.9倍のボリュームの、約18万6,000立米の利用が図られている状況にあります。  今後も、工事間の利用を促進する、国が運営しております「建設発生土の官民有効利用マッチングシステム」を通じ、官民一体となった相互利用に努めますとともに、建設発生土が適切に管理されるよう努めてまいります。 70 澤崎委員 ありがとうございました。  では、富山空港についてお伺いいたします。  先般、さきの会派代表質問で中川会長が、富山空港の稼ぐ力をどう伸ばしていくのかという、その取組についてお尋ねいたしました。  あわせて私のほうからも、空港を拠点とした地方創生を目指すべきであると考え、特に我が会派が提案している「富山ゲートウェイ構想」──あまり耳になじまないものでありますけれども──における肝である、飛騨高山との連携の重要性について、お尋ねします。  田中達也交通政策局長に所見をお伺いいたします。 71 田中交通政策局長 今ほど委員から御質問のありました、飛騨高山の入り口を富山から、ですか、これが「富山ゲートウェイ構想」ということで、この「富山ゲートウェイ構想」については、さきの2月定例会において御提案があったところでありまして、承知しております。  また、富山空港についてのお尋ねでしたが、富山空港は国内線、国際線ともに複数の路線を有するほか、富山市内中心部からのアクセスがよいこと。また、飛騨高山から近い位置にあることなど、高いポテンシャルがあると認識しております。  県としましては、代表質問でもお答えしましたけど、混合型コンセッション導入によりまして、官民連携でのさらなる相乗効果が期待できると考えております。富山空港が持つポテンシャルが最大限生かされるよう、しっかり取り組んでまいります。 72 澤崎委員 ありがとうございました。  今週の月曜日、東洋経済の「住みよさランキング」が発表されています。全国のトップは熊本県人吉市、前回1位の石川県の野々市市は14位になっておりました。富山県での1位は、実は魚津市なんですね。全国で11位。ちなみに、2位は委員長の砺波市であります。おめでとうございます。社会減が止まっていない状況とどう相関関係があるかよく分かりませんけれども、そんな発表がありました。  最後の質問であります。県土の7割を占める中山間地域の取組についてお伺いいたします。  先般の宮本議員の一般質問においても、田中地方創生局長から中山間地域の事業の説明がるるあったところでありますけれども、これまでも2拠点居住の促進であるとか、地域おこし協力隊であるとか、いろいろ総合的な取組が行われておりますけれども、残念ながら人口減少になかなか歯止めがかかっていないということでございます。  山が荒れれば、平野部も荒れる。そして、海も荒れるということであります。中山間地域に住む人が番人とは言いませんけれども、やはりそこを見て守るということも大切なんだろうと思っております。  先日も佐藤副知事が述べられた「にぎやかな過疎」、これも私は一つのコンセプトなのかなと思っております。この内容については、まだ分かりませんけれども、この豊かな自然、文化、伝統、営みを守るためには、前例にとらわれることなく、何でもやるべきであります。  そこで、中山間地域には、高齢化が進み、集落の存続が厳しい状況の消滅可能性都市があるのが現状であり、存続に向け前例を打破して部局横断的な、総合的な取組が重要であると考えます。地方創生局長の所見をお伺いいたします。 73 田中地方創生局長 県では、富山県中山間地域創生総合戦略を策定いたしまして、中山間地域における持続可能な地域社会の形成に向け、地域住民が主体となった地域コミュニティーの再生、地域の強みや魅力を生かした地域経済の活性化、生活に必要不可欠なサービスの確保に、部局横断で総合的に取り組んでいるところでございます。  特に地域の維持、活性化につきましては、住民目線による住民が主体となった取組というのが重要でございまして、県では、話合いの促進や地域運営組織の体制強化、地域づくりの試行的なチャレンジなどに対して積極的に支援しているところであり、特産品や観光資源など地域の特性を生かした取組が県内各地で広がりを見せていると認識しております。  例えば魚津市の片貝地域でありますれば、県のチャレンジ支援事業を活用しまして、旧小学校校舎を宿泊体験施設に改装したコミュニティーセンターを拠点に、地元野菜を使った食事の提供、体験プログラムの実施などに取り組んでおられまして、地域のにぎわい、活性化につながっていると聞いております。  一方で、中山間地域では、御指摘ありましたように、人口減少、高齢化の一層の進展によりまして、地域活動の担い手となる人材の育成確保が急務となっております。田園回帰やデジタル活用の進展など時代の潮流を捉えまして、地域おこし協力隊など外部人材のさらなる活用や二拠点居住など、関係人口の創出に取り組むことも重要であると考えております。  今後とも県の関係部局はもちろんのこと、市町村、関係団体とさらに連携、協力いたしまして、中山間地域における持続可能でにぎわいのある地域社会の形成に資する施策を、展開してまいりたいと考えております。 74 澤崎委員 今御紹介のあった片貝地区というのは、私の出身の場所でありますので、状況はよく分かっております。一度また状況視察等をしていただければと思います。  ありがとうございました。 75 瘧師委員長 澤崎委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  午後の会議は1時に開会いたします。                      午後0時01分休憩                      午後1時00分開議        井加田まり議員の質問及び答弁 76 山崎副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  井加田委員。あなたの持ち時間は60分であります。 77 井加田委員 午後の部を始めさせていただきます。  立憲民主党議員会の井加田でございます。  子供たちは1人1台端末で苦労していますけど、子供だから飲み込みは早いんですよね。今日は、デジタルサイネージを使わせていただこうということで資料を準備したんですけど、不慣れでちょっと戸惑うかもしれませんので、まず冒頭に御容赦いただきたいなと思っています。  また、PRするほどじゃないのですけれども、身長が足りんものですから、足台にも乗せていただいておりまして、ちょっともたつくかもしれませんけれども、よろしくお願いしたいと思います。  今日は大きく3つの質問を準備させていただきました。  まず1問目に、少子化対策と子育て環境の整備についてということで、くくらせていただきました。  一般質問でもいろいろ議論がございました。その議論に入る前の前提として、もう一回、少子化の現状というものをちょっと私なりに整理をしてみました。  厚生労働省が6月5日に公表しました2023年の人口動態統計ですね。1人の女性が一生のうちに産む子供の数の指標となる合計特殊出生率は平均1.20でございます。統計を取り始めて以降最も低く、そして富山県は1.35ということで、数値的には15位となっています。富山県も含めて全ての都道府県で昨年より低くなっているという現状であります。ですから、これは一地方の問題ではなくて、少子化、人口減少というのは人口動態ですので、日本全体の課題と言えるかと思います。  ちょっと合計特殊出生率に注目して見てみましたけれども、東京が初めて1を切って0.99ということです。ちなみに、沖縄が1.6ということで、1.5を上回っている県は沖縄県のみです。もう少し見てみますと、1.5に近い北信越の4県を見てみますと、15位が富山と申し上げました、1.35。16位が石川県の1.34。そして、長野県も1.34、16位でございます。  僅かに違いますけれども、ここで北陸の福井県がランキングでは6位で、1.5に近い1.46ということで、福井のほうは、そういう意味では合計特殊出生率もかなり保っているという傾向がずっとあると思っています。  福井の状況もまた後ほど申し上げたいと思いますけど、合計出生率だけを見てみますと、1を切った東京、今いろいろ東京一極集中で、地方から人が一極集中していくということもさらに課題になっていますけど、出生率が1を切ったということは、東京にどれだけ人口が集まっても出生数が増えないんじゃないかなと、こんなふうに思います。  やはり地方にしっかり生活の基盤を置いて、地方で働いて地方で子育てをして、そしてまた次の人材を育てていく、こういう連綿とした持続可能な営みということ、やはり改めてそこに着目をして、人口減少の特効薬というのは、動態ですから、そうそうないわけで、そういうことをやっぱり地道に積み上げていくことが非常に大事なんじゃないかなと、改めて思いました。  ちなみに、富山県の昨年の出生数は5,512人です。その前よりは510人減っています。一方で、死亡数は1万5,093人ということで若干増えています。ですから、自然減は9,581人ということで、1万人近い方が自然減ということですので、人口が100万人を切るのは当たり前だと思います。いろいろ話題のありました婚姻件数については3,276組ということで、これは昨年よりも220組減少をしております。  これだけの数字ではありますけれど、富山県の人口動態でも死亡数が出生数を上回る状態が今後続くと思われます。ですから、富山県の人口減少も進みます。また、合計特殊出生率、今は15位ということですけど、1.35、当面低いまま、さらに推移をすれば、若年人口が急激に減少すると言われております2030年代には、さらに人口減少が進むということも想定をされるわけであります。  また、富山県の場合は、こうした人口動態の自然減とともに若い女性が男性を上回る勢いで県外流出をしているという傾向が続いておりまして、当面は若い女性の社会減をどう減らしていくのかということが議論の大きな問題の一つになっているのではないかなと、このように理解をしております。  そうした中で、子育て支援・少子化対策基本計画の策定に向けて今、検討が進められているわけですけれども、特効薬はないのですが、ああしろ、こうしろ、こうしたらという議論は大いにしていくべきだと思いますけれども、私はやっぱり、富山県は女性が生き生きと活躍できる県であって、女性にしっかり期待が寄せられている、というイメージが本当は大事ではないかなと思います。  まずは暮らしやすさ、そして働きやすさを実感できるような、それこそ地道な努力の積み重ねが必要ではないかなと、思うわけでございます。  そこで3問、子育て支援・少子化対策基本計画に絡んでの質問ですけれども、少子化の要因は、それこそ経済的不安定さや、仕事と子育ての両立の難しさなど、様々な要因が複雑に絡み合っていると言えるわけですけれども、特に性別役割分担意識や思い込み、いわゆるアンコンシャス・バイアスの解消への取組をやはり一層推進する必要があるんじゃないかなと思います。  そして、また管理職への女性の登用の推進や意思決定の場への女性の登用など、女性をはじめ若い世代が富山県で働きたいなと思える雇用環境の整備を地道に、それこそ地道に取り組んでいくべき、このように考えるわけですけれども、川津知事政策局長に所見をお伺いいたします。 78 川津知事政策局長 人口移動調査によりますと、今ほど委員からもありましたが、20代前半の若者の社会減は、令和5年におきましては、日本人に限りますと男性の353人に比べて女性は641人と多く、近年この傾向が続いております。  若い女性の社会減が続く要因は、様々ではありますが、委員からも御指摘がありましたように、富山県で働きたいと思える環境が女性をはじめとした若い世代に伝わっていないということが、一つの要因であると考えております。  このため昨年度、経済界や民間企業の皆さんとの取組を抜本的に強化いたしました。そして今年度は、来月29日に、経営者を対象に「地元企業がとるべき今後の人事、組織戦略」と題するセミナーを開催するとともに、9月にはワークショップを開催いたしまして、経営者側の意識に働きかけてまいります。  また、伴走支援型のコンサルタントを派遣いたしますし、働き方改革や女性活躍に取り組む企業への補助制度を通じて、意欲のある企業の女性登用などの取組を後押ししていくこととしております。  また、県内企業の魅力を進学前の中高生に届ける必要もありますので、中高生と県内で働く女性との交流会を開催しておりますが、今年度はその回数を3回に拡大いたしまして、中高生に県内での就職やキャリア形成について多様な選択肢があることへの気づきを促すとともに、グローバルに活躍できる場があるということもPRしていきたいと考えております。  さらにアンコンシャス・バイアス、無意識の思い込みにつきましても、女性の社会減の要因になっておりますことから、特設サイトにおきまして企業の職域拡大などの事例を紹介するなど、県民お一人お一人の気づきを促していくということにしております。  今後とも経済界、民間企業の皆様とも連携しまして、若者や女性に選ばれる富山県、企業を目指してまいりたいと考えております。 79 井加田委員 どうもありがとうございました。
     それこそ様々な場面を捉えて、もし若い方にそういうメッセージが伝わっていないとしたら、やっぱりそれは大人の責任でもありますので、そういう関係性もやっぱり努力して地域でもつくっていく必要があるんじゃないかなということも、私は思っております。  それでは、次に県職員の女性管理職比率についてお伺いをしたいと思いますけれども、私、令和3年2月定例会の予算特別委員会で質問いたしましたら、来年、令和7年4月までには、女性管理職比率については25%を目標としていくとの知事答弁をいただいております。  その後、令和7年度以降に向けては、私は民間に先んじて、最低でも職員数割合程度には引き上げていく目標を立てるなど、一歩踏み込んだ目標を掲げて、県が自ら積極的に責任ある立場への女性職員の登用を進めていくべきではないかと考えているものであります。  現状と今後の取組方針について、女性で活躍しておられます南里経営管理部長にお答えをいただきたいと思います。 80 南里経営管理部長 現在、今年4月時点の知事部局の女性管理職は98名、管理職に占める割合は20.2%と、全国でも高い水準となっております。県では、委員御紹介のとおり、女性管理職の割合を令和7年4月までに25%以上とする目標を設定しているところでございます。職員の女性割合が現在約36%であることも踏まえながら、次期計画の策定に向けて適切な目標値を検討してまいります。  県の施策方針の決定プロセスへ男女が共に参画することは、多様な価値観が県政に反映され、県民のウェルビーイングの向上に資すると確信しております。  これに当たってハードルがあれば、それを取り除くことが重要だと考えております。私自身も経営管理部長を拝命いたしましたときに、各方面に挨拶回りをした際に「女性には大変なポストだね」、「女性だから苦労するね」と言われたこともございました。何でなんでしょうか。これは、もしかしたら女性だから経験値が不足していると思われたのではないんでしょうか。そうだとすれば、女性職員も幅広い分野で経験を積めるよう配意していきたいと思っております。  柔軟で多様な働き方、男性の育児参加促進、県庁内保育所の提供などの環境整備はもとより、女性職員のニーズを踏まえたスキルアップ等のための研修や、女性職員も幅広い分野で経験を積める人事配置を心がけるなど、意欲と能力のある職員が育成、登用される、誰もが働きやすい魅力的な職場環境づくりを推進してまいります。  県庁が率先して働きやすい職場環境づくりを推進することは、県内民間企業の取組、ひいては富山県内で働きたいという女性の増加につながると思います。今後とも、全ての意欲と能力のある職員が活躍できる職場環境づくりに取り組んでまいります。 81 井加田委員 私からすれば、非常に理想的な答弁をいただきまして、ありがとうございます。  確かに、管理職比率だけにこだわるわけじゃないんですけど、男女比率に近づける、そういうことで、私は数値目標が先にありきだとは思っていません。やっぱりいろんな家庭環境がある中で、アンコンシャス・バイアスの中で、個別の事例で悩む人がおられるわけで、そういった意味でも県がそういうことを払拭した形で、女性が意思決定の場に数多く参画できるような体制で推進していただくということは、県内民間企業の取組にもつながりますし、民間企業でも本当に先駆けていろいろ様々な取組をされている好事例もあるわけで、そういったことも少し参考にしながら、やっぱり県内で働きたいという女性が増えることにつながっていくんじゃないかなと思いますし、ぜひ地道に取組を進めていただきたいと思っています。  先ほどの統計に少し戻りますけれども、昨年の県内出生数が6,000人を割って過去最少ということでございます。また、少子化傾向の結果として、今年4月1日時点では県の人口も100万人を切ったという現状にあります。  この数字だけを見れば、少子化対策は本当にそういう意味では待ったなしだなと思いますが、そうした中で今、新たな少子化対策基本計画について進めておられるわけですけれども、令和7年度からの5か年の計画とお聞きしております。  それこそ県の少子化対策の重要な計画となるんじゃないかなと期待もしておりますが、やはり今日の議論でも、新たな基本計画づくりに向けて、いろいろな試みをしておられると思うんですけれども、当事者である若い女性の声にも十分耳を傾けていただく。決して上から目線にならないように、これまで以上に実効性のある計画に結びつけていただくことを、私は期待しているわけでございます。  それこそ政策で一気に変わるということがあればよろしいんですけども、やっぱり地道にそこをしっかり切り替えていくという作業は大事かなと思います。  策定に向けてどのように進めていかれるのか、ここは知事にお伺いをしたいと思います。 82 新田知事 委員御指摘のように、本県の出生数、婚姻数はいずれも過去最少を更新しておりまして、少子化の歯止めがかからず、そのスピードは加速し、深刻さを増している状態だと認識をしております。  こういったことの背景には、若者を取り巻く経済、雇用情勢の変化、あるいは仕事と子育ての両立への負担感、また結婚に対する価値観の変化、出会いの場の減少など、様々な要因が絡み合っていると考えております。  そして、令和7年度から11年度にかけての5年間の基本計画をこれから立案していくわけですけども、その目標としては、まず、若い男女の視点に立って、委員おっしゃるとおり、多様な価値観、考え方を前提として、希望する人が結婚、出産、子育ての将来展望を描ける環境をつくること。次に、希望するキャリアを諦めることなく──キャリアを希望される方は諦めることなく、仕事と家庭を両立させながら、希望と意欲に応じて社会で活躍できる環境をつくること。そして、全ての子供、若者が将来にわたってウェルビーイングを高めながら学んだり、また生活をしたりすることができる「こどもまんなか社会」を推進すること。大きくこの3つのことを目標にして、基本計画の策定に取り組んでいきたいと考えております。  今後、この基本計画策定に係る県民会議などでの議論も踏まえまして、子供や若者、子育て中の方など、広く県民の皆様の御意見をお聞きすることにしています。  現在、富山県人口未来構想本部において、人口問題に係るデータや問題意識を提示しながら議論を進めています。部局の壁を越えた新たな施策を生み出して、少子化対策に全力で取り組んでまいります。 83 井加田委員 知事、ありがとうございました。  それこそ特効薬がないと申し上げましたけれども、様々な事象で検討を重ねていただいていると思いますが、一番冒頭にお聞きした伝統的なアンコンシャス・バイアスというのは、その際、やはり本当に障壁になるような事態があると思うんですね。ぜひその辺は、若い方も参画した議論の中で乗り越えていただいて、十分結果として、上から目線ではなくて、やっぱり実効性のあるものに落ち着いていく、そういう計画づくりというのを要望しておきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。  それでは、2項目めの質問に移らせていただきます。  副委員長、資料を提示させていただきたいのですが。 84 山崎副委員長 許可します。 85 井加田委員 これは県の乳幼児医療費助成事業の県の補助額の推移です。私、これはほとんど例年のように資料を頂いているんですけど、平成20年度から今年度までの補助の現状ということで、数字で見るよりも図のほうが分かりやすいなということで提示させていただきました。  まず、一番下の青の線がありますね。これは乳幼児医療費、いわゆるゼロ歳児の医療費の補助額の推移です。そして、真ん中の黄色い折れ線グラフは、乳幼児医療費に未就学児の入院費に関わる支援額をプラスした金額であります。そして、一番上のグラフは、さらに未就学児の通院費を加えた金額の推移、このように見ていただければいいと思います。  令和4年度から、いわゆる通院対象が3歳から未就学児に拡充したことで、現在、令和6年度の予算は5億4,400万円まで補助額が増えていますよと、その内訳はこうですよと見ていただいていいと思いますけど、左側の軸は、1億、2億、3億、4億、5億、6億と、億単位で金額が計上してありますので、そのように見ていただければと思っています。  こうした県の現状がありまして、通院に対して3か年、県が補助を増やしたことで、一番上の総額が5億円強ですかね。そういう状況になっております。  それで、この補助額の推移は、少子化に伴って若干減少しつつある中で、コロナ禍の影響もあって、要するにその年々でいろいろ医療にかかる、かからないもありますから、実績ですので、将来予測に使えるかどうか分からないんですけど、これまでの推移から見まして、今後の県の補助対象を段階的に、例えば小学校まで上げる、中学校まで、あるいは高校まで引き上げた場合に、補助額はどの程度変化するのかをぜひお伺いしたいということで、松井こども家庭支援監にお願いをしたいと思います。 86 松井こども家庭支援監 まず、現在の本県の状況ですけど、委員からもグラフを使って御説明ありましたが、入院、通院ともに未就学児までを助成対象としております。それから、令和4年度に通院の対象年齢の引上げ、3歳児から6歳児、未就学児まで引上げをしたところでありますが、近年対象年齢の引上げをしている県が増えている状況でございます。  それから、お尋ねの対象年齢を引き上げた場合の県補助額については、市町村から前年度の実績データを依頼しまして、そのデータを元に来年度の見込額を積算する必要があるものと考えております。  このため、今後、市町村と子供の医療費について協議を重ねていく中で、そうした前年度実績データを市町村に依頼することになるものと考えており、今のところお示しできるものはないことを御理解願います。 87 井加田委員 引き続きお願いします。  単純に計算しても5億円強ですから、3歳ずつ引き上げていくと、このペースでいけば、未就学児から小学校6年まで単純に引き上げたらさらに5億円ぐらいかな。それから中学校では3年間だから、その半分かな。それから高校も3年ですから、半分かなと。これは勝手な数字でありますけれども、かなり大きい額ではありますけれども、実現不可能な額ではないなと、私はひそかに思っております。  先ほどおっしゃっていただいたとおり、全国的にも乳幼児医療費助成の対象年齢を各県では引き上げております。それは、過去の国保に関するペナルティーを国が廃止したことで、各県も県の助成を広げてきているという状況にあるわけです。  それで、5年前の水準で入院と通院とも小学校3年生までだった福井県、先ほど申し上げた福井県ですけど、現在は入院も通院も中学校3年生まで拡充をしておられます。そして、また高校生までの補助については、入院について補助を拡充している県が3年前の実績で4県だったんですね。それから、通院の拡充は3県ということでしたけれど、現在入院まで拡充している県は10県になりました。それから、通院については9県ということで、かなりのスピードで、各県では県の助成対象を拡充してきております。  そうすると、私はやはり全国状況から見ましても、本県の立ち位置は遅れているのではないかなと、こんなふうに思えてなりません。本県の県補助の拡充の現状については、松井支援監はどのように評価をしておられるのでしょうか。 88 松井こども家庭支援監 先ほども申し上げましたが、本県の状況は現在のところ、入院、通院ともに未就学児までを助成対象としております。  他県の状況についても委員から御紹介ありましたが、本県同様の未就学児までを助成対象としているのは、本県を除いて入院で15団体、通院で19団体となっております。それから、小学生まで助成対象としているのは、入院のほうが5団体、通院のほうが8団体というような状況でございます。  また、ほかの県の動きをいろいろ調べておりますが、令和4年度から5年度までに拡充した県が7団体あります。それから、令和5年度から6年度にまで拡充したのが9団体ありまして、先ほども申し上げましたが、こういった引上げをしている県が少しずつ増えているような状況でございますので、本県としても、また市町村とともに──未就学児については、県と市町村とが2分の1ずつ助成していますので、また市町村のほうとよく話合いしてまいりたいと思っております。 89 井加田委員 支援監、ありがとうございました。  各県の状況というのも把握しておられると思いますが、今、市町村ということでお話がありましたけれども、私が最初にこの問題を取り上げたときは、各市町村から県に対して、それこそ多くの市町村から県の支援を拡充してほしいという、重要要望として上がっている状況がございました。  それをきっかけに「ワンチームとやま」連携推進本部会議の中で、同一テーマということで取り組まれたわけですけれども、そのときはペナルティーの問題があって、いわゆる未就学児までは拡充をされたんですけど、その後ほかの県ではかなり積極的に進められているんですけど、それ以降も段階的にも拡充する動きがないなと私は見ておりました。  ですから、今年度4月の「ワンチームとやま」連携推進本部会議で、また再度、乳幼児医療費助成の拡充について協議していくというお話を聞いているわけですけども、これはやっぱり市町村の要望が非常に強いと思いまして、市町村や県民のほうにも早く拡充方針を示していただく必要があるんじゃないかなと思います。  県が大きな財政負担を決断することで、市町村では地域の実情に応じたきめ細やかな、新たな子育て支援策に取り組むことができるのではないでしょうか。  新たなといいますか、きめ細やかなということになりますけれども、県と市が同じような事業ということじゃなくて、県は医療費の根幹を支える。そして、例えば産前産後ケアのきめ細やかな、いわゆる入所ケアとか訪問看護とかヘルパー派遣とか、そういう具体的に妊産婦さんに近いところは市町村事業で、例えば乳児の一時預かりとか、市町村でも様々工夫を重ねていらっしゃいますので、そうしたことに振り向けていけることになるんじゃないかなという期待も込めて、やはり県の拡充を考えていかれる時期じゃないかなと思うわけで、県の「ワンチームとやま」連携推進本部会議での方針決定の時期と今後のスケジュール感についてお伺いしたいと思います。 90 松井こども家庭支援監 この子供医療費の助成については、今委員もおっしゃられたように、今年度の「ワンチームとやま」連携推進本部会議における連携推進項目の一つであります「こども・子育て施策の連携強化」の中で、令和7年度に向けて見直しできるよう、協議を進めていくこととしたところでございます。今後、市町村の御意見をお聞きしながら、県としての見直し方針を整理したいと考えております。  それから、お尋ねがありました、その方針決定時期でございますが、現在未定であります。令和7年度の予算編成時期も考慮しながら進めてまいりたいと考えており、今後開催される本部会議やワーキンググループの会議の中で検討していくこととしております。 91 井加田委員 支援監、ありがとうございました。  この質問の項目の最後に、知事にお伺いをいたします。  今ほどもいろいろお伺いしていたわけですけれども、出生率が過去最低を更新する中で、施策についても県と市が連携して進める子育て環境の整備というのは、やはりきめ細やかな整備も含めて、待ったなしではないかなと思います。助けを待っている妊産婦さん、そういう手を待っている方も、たくさんいらっしゃると思います。  全国的にも県の支援の拡充が図られてきていることも事実でございます。本県においても、やはり子供医療費助成後進県と言われないように、それこそ前例にとらわれないで、入院、通院に関わらず、18歳までの無料化支援を県制度として決断されてはいかがでしょうかということを、私は言いたいと思います。知事の答弁をお願いいたします。 92 新田知事 今テーマの子供医療費に限らず、県と市町村が子供、子育てに関する課題を共有し、そして包括的な支援策を話し合って、市町村と連携した様々なこども・子育て支援施策を実現していくことが、結果的に県全体の子育て環境の向上につながると考えています。  この考えに基づいて「ワンチームとやま」連携推進本部会議で協議してまいりましたが、市町村と新たに連携する事業として、子育て応援ポイント制度の創設、また第3子以降の保育料の完全無償化など10の事業を実施することとしていまして、さらに来年度へ向けて、子供医療費の助成や切れ目ない子育て支援などについての協議を今続けているところです。  お尋ねの子供医療費助成の見直しですが、今後さらに市町村と協議を重ねて検討することにしておりまして、仮に県の制度を拡充することとなる場合には、各市町村の財政負担の軽減にとどまらず、市町村において地域の実情に応じたこども・子育て施策を新たに展開していただくなど、県と市町村のこども・子育て施策のベストミックスが実現するように、協議をしていきたいと考えております。  希望する誰もが安心して子供を産み育てることができ、また子育ての喜びを実感できる「子育て環境日本一」、これを掲げておりますが、そうした環境の下で、子供たちが地域の人々や社会全体に支えられて、健やかにウェルビーイングを高めながら成長していく「こどもまんなか社会」を実現したいという思いを常に持ち続けています。  今後も市町村と共に、あらゆるこども・子育て施策を強力に推進していきたいと考えています。 93 井加田委員 子供の医療費というのは、福祉の中では非常にウエートの高いものだなと思っております。様々な施策の中で、市町村との連携というのは、やはり県が根幹的な制度を支えて、市町村は住民の皆さんに身近な制度をきめ細やかに推進していくというのが、望ましい姿じゃないかなと思いますが、今の答弁だと、県と市町村と連携して同じように進めていくよともまた聞こえてきますので、その辺は、私は医療費というのは非常にそういう意味では大事だなという思いで申し上げております。  ぜひそういう観点で、市町村とのいわゆる連携というものの表し方だと思いますし、福井の事例を申し上げましたけれども、県がそこに力を入れるということで、市町村が独自の施策を展開できて、福井はやっぱり出生率もかなりキープしている県だとも思っています。同じ北陸ですけれど、子育てしやすいというイメージが定着しているなと思っていまして、私はぜひ富山県も、簡単に選ばれる県とは、なかなか言えないものですから、やっぱり子育てに優しい、女性が働きやすい県だということを理解してもらえるような取組が大事かなということを、改めて申し上げておきたいと思います。よろしくお願いします。  次の資料を提示させていただければと思います。 94 山崎副委員長 許可します。 95 井加田委員 次、2ページ目をお願いします。  2問目は、診療報酬改定に伴う医療従事者の処遇改善について、ということでお伺いをいたします。  今提示させていただいたのは、厚生労働省のホームページから引用してきた内容です。この6月から改定されました診療報酬には、いわゆる特例的なベースアップ評価料というのが新設されまして、そのイメージ図を出しました。  医療従事者の賃上げ措置として、診療報酬の改定でベースアップ評価料が新設をされて、初診料とか入院基本料とかが引き上げられたという経過がございます。  利用料の引上げというのは、今は置いておきますけれども、要するにこれは公定価格の改定でありまして、全ての保険医療機関を対象としております。ですから、評価料というのは県立中央病院の職員の処遇改善についても適用される、このように理解をしております。  これは、物価高の影響とか30年ぶりの高水準となる賃上げ状況などを反映して、厚生労働省が目標とする、保険医療機関に勤務する全ての職員を対象に、図の左下にあるように、令和6年度にプラス2.5%、令和7年度に2%相当の賃上げを実施していくための特例措置と位置づけられております。  令和6年度では、そのうち2.3%の賃上げ財源措置が実施されたと言われています。ですから、単なる引上げではなくて、ベースアップ評価料の収入の全額を対象職員の賃上げに使うということが前提になっております。それがこの図です。ほかの費用に充てることはできません。必ず基本給、または特殊勤務手当の月額手当として、全て賃上げに使うということが基本になっているということは、これは御理解をいただきたいと思います。  それで、県立中央病院においては、厚生労働省東海北陸厚生局への「ベースアップ評価料に係る届出書」、長いですけど、いわゆる賃金改善計画書なるものが既に提出をされておりまして、6月1日から適用されることになります。これは全保険医療機関がそのように対応しております。  6月17日に一般質問で岡崎議員からもお伺いしたんですけれども、この評価料の扱いをめぐっては、本年秋の人事委員会勧告を踏まえて適切に対応するという答弁でありましたけれども、この性格上、6月1日から実施されるべき改善ということでありますので、再度確認をいたしたいということで取り上げさせていただきました。  人事委員会勧告は、特定職種に配慮して出される性格のものではないので、勧告の基礎資料となる民間給与実態調査は4月に支払われる給与を基準としています。したがって、民間病院などで6月から実施される評価料に基づく賃上げについては、この調査結果には反映されないという課題があります。  そしてまた、報酬改定の特例措置である評価料の趣旨については、医療従事者全体に一律的に支給される賃上げであって、厚生労働省の政策に従えば、秋の人事委員会勧告とこれは切り離して考える、切り離して進めるべきではないかなと思います。ここは南里経営管理部長の見解をお伺いしたいと思います。 96 南里経営管理部長 令和6年度診療報酬改定では、ご紹介のとおり、病院等に勤務する医療従事者の人材確保や賃上げに向けた特例的な対応としてベースアップ評価料が新設され、今月1日から適用されております。  このベースアップ評価料は、令和6年度及び7年度の2年間での賃上げを計画する場合に算定できるものでありまして、民間医療機関においても、ベースアップ評価料を適用し、2年間での賃上げを実施する動きが進むのではないかと期待しております。民間企業の賃上げが進めば当然、来年度人事委員会勧告に適切に反映されることになると考えております。  もとより、中央病院において良質な医療を提供していくためには、医療現場の人材確保が喫緊の課題であると考えております。中央病院の医療提供体制に必要な人員の確保に向けて、今般の診療報酬改定の趣旨を尊重し、本年秋の人事委員会勧告の内容を踏まえて、医療従事者の勤務環境や処遇改善に積極的に取り組んでまいります。 97 井加田委員 改善していきますというふうに聞こえたわけですけど、改めて、こだわるわけじゃありませんけれども、もう一つちょっと資料をお見せしたいと思っています。  私も助産師として24年間現場で働いてまいりましたので、三交代の苛酷な勤務の中で、それこそ日勤終わって帰って寝る間もなく深夜に出たりとか、本当に不健康な生活をしていまして、途中、やっぱり倒れたこともあります。  ですから、それくらいのハードな仕事の状況と、実はコロナ禍でお聞きすると、やはり慢性的な人員不足とか業務量の多さに、今本当に現場は疲弊しているなということをつくづく考えるわけですね。  それで、今掲示したのは、公立病院で組織しています自治労衛生医療評議会が調査をしている結果でございます。ちょっと細かいんですけども、図の左側は職種、一番上が助産師、2番目が看護師、それから看護補助者ということで、職種別で、現在の職場を辞めたいと思っているという回答の多さがランキングで出ております。右側の辞めたいと思う理由が、やっぱり「業務が多忙」が最も多いわけで、次いで「人員不足」、そして「賃金に不満」という3点セットですね。こういうふうに出ております。  次の図では、医療従事者の80%近くが離職を検討している状況は、2022年、23年、24年と表示しておりますけど、コロナ禍でも多いなと思っていたんですけど、実はコロナ禍以降も病院の現状は、あまりそういう意味では体制は変わっていないので、むしろなんか燃え尽きているんじゃないかなと思うよ、ぐらいの数字になっていまして、非常にこれはショッキングでした。それこそ現役時代を思い出して、現場で苦しんでいることが手に取るようで、本当にショッキングに思っています。  何を言いたいかというと、全体的な処遇改善とか働き方改革とか、現場でもいろいろ休みが取れるような工夫とかに取り組んでいらっしゃるんですけど、やっぱり辞めていく人が多いと、離職する人が現実に多いということで欠員も続いていて、辞めるとその方の夜勤の分をさらにカバーすることになるので、実は、現場は非常に悩んでいるなということがよく理解できます。  こうした処遇の改善とともに賃金改善も見越して、診療報酬改定に盛り込まれたと理解しておりまして、県内で言えば、県立中央病院で働いていらっしゃる、県立中央病院というのは地域のリーダー的な病院ですし、病院で働いている医療職、医療従事者の皆さんの賃金とか労働条件というのは、県内の民間病院や公的病院、公立病院などは非常に参考としていらっしゃる、そういう水準です。  ですから、今回のこの診療報酬改定に盛り込まれましたベースアップ評価料への対応については、県内の医療従事者の方々は大変注目されているという現状にあります。  6月から改定ということで、これは県内のいわゆる人材確保、それから辞めてほかのほうへ行ってしまわれるような人材流出の防止が、今本当に問われている、喫緊の課題ではないかなと思っています。  賃上げの実施に期待をしている病院職員、医療従事者のモチベーションをこれ以上低下させないように、やはり一つの改善策として、県が率先して賃上げを行うべきと考えますが、制度の問題で、適切に、ということでございますので、それを加味して再度答弁いただければと思います。 98 南里経営管理部長 この資料掲示にあります、自治労さんの衛生医療評議会の調査は、非常に大変な現場の御苦労というのを感じるものでございます。  県立中央病院におきましても、様々な処遇改善、職員の声を聞きながら、いろいろ試行もしながら──働き方、勤務体系の試行もしながら──取り組んでおりまして、処遇改善というのは、全体的には取り組んでまいりたいと思っております。  中央病院に勤務する職員をはじめ県職員の給与水準は、地方公務員法の趣旨を踏まえて、毎年秋に実施される人事委員会勧告を尊重し、勧告に基づいて決定しているものでございます。ということでして、今現在、全国の状況も聞いておりますけれども、独立法人化していない病院については、同様に、全て人事院勧告を受けて対応を検討していくという状況でございます。  県といたしましては、今年6月以降の民間の賃上げ状況は来年度の民間企業実態調査に反映されて、来年度の人事委員会勧告の内容に適切に反映されるものと認識しております。県としては、この人事委員会勧告の内容を見極めつつ、今般の診療報酬改定の趣旨を踏まえた処遇改善の実現に向けて、適切に対応してまいります。 99 井加田委員 ありがとうございました。  何度も申し上げますけれども、制度自体は民間の賃上げの流れを促す、そしてまた県全体の医療従事者の処遇改善や働きやすい職場環境づくりにつながる賃上げだと思っておりますので、特例的な対応でもあり、今年度に反映すべき分も含めて、いわゆる適切な、とおっしゃいましたか、それが反映できる改正になりますように、適切に対応をしていただくようにということを求めておきたいと思います。  3項目めの質問にまいります。  まず初めに、午前中も議論がございました、新たな県単独による液状化対策についてでございます。  被害を受けた宅地の所有者などで準半壊以上、また、液状化による相当の被害が認められる場合は一部損壊も対象とお聞きしています。  こうした新たな支援の拡充については、大変評価をしているところでございますけれども、午前中、藤井委員からも、具体的事例について質問がございました。今後Q&Aで分かりやすく示されると答弁がございましたけれども、被害を受けた住宅は、それこそその規模に関わらず、何らかの対策が必要でございます。  被災状況の個別判断に当たっては、これは国の特別交付税措置もあることですから、市町村とも調整をし、被害を受けた方々に支援が幅広く行き渡るように取り組んでいただきたい、このように思っております。改めて知事にお伺いをいたします。 100 新田知事 先月31日ですけども、国の復旧・復興本部において、液状化に係る地方単独事業に対して、措置率80%の特別交付税による財政支援が決定されました。  これを受けて県としては、今回示された国の措置を速やかに活用して、新たに「宅地液状化等復旧支援事業」を創設いたしました。そして、市町村と連携して、液状化被害を受けた宅地の復旧や地盤改良、また、住宅の基礎の傾斜修復などを行う予算案を、先日追加提案させていただいたところです。
     支援の対象ですが、液状化による住宅被害の程度を、全半壊を含む準半壊以上としており、さらに相応の被害が認められる場合には、一部損壊についても対象となる場合があるとしています。  現時点で県が想定しているケースとしては、さきに実施している「被災住宅耐震改修支援事業」の各市町村の一部損壊の運用も参考にして、例えば、「液状化被害により、宅地などにひび割れが発生したもの」、また「柱や壁、床などに100分の1以上の傾きが生じたもの」、また「家全体が大きく沈み込んだケース」など、各被災市の状況が様々であることを踏まえまして、今後それぞれ協議しながら決定をしていきます。その辺はきめ細かにやるつもりでおります。  県としては、宅地の液状化被害に対し、真に支援が必要な方々に幅広く支援が行き渡るように、市町村と個別具体のケースについて確認し合いながら進める予定です。  引き続き被災市とも連携して、被災者の生活再建を後押ししてまいります。 101 井加田委員 ありがとうございます。  それでは、次にまいります。  今日も暑いですけど、6月とはいえ、本当に連日暑い日が続いております。本格的な梅雨はこれからかなという感じですけれども、能登半島地震から半年、氷見市などでは今も道路陥没が発生しているとお聞きしております。  昨年の線状降水帯による被害を思い浮かべてちょっと心配なわけですけども、梅雨時期の豪雨や夏場の季節を迎えるに当たりまして、県民の生活を守る公共インフラにおいて、さらなる被害の増加が懸念をされるところでございます。また、河川の堤防の状況にも不安が募ります。  今後の災害に備えて必要な点検の実施や巡回、そして住民への迅速な情報提供、被害発生時の対応、必要な予算の確保など、万全な体制で対応していただきたいと考えるものですが、今後どのように対応されるのか、土木部長にお伺いをいたします。 102 金谷土木部長 能登半島地震により被害がありました箇所については、順次工事の発注をし、復旧を進めている現状であります。  道路におきましては、御指摘ございましたとおり、氷見市などで路面の陥没被害が相次いで発生しておりますことから、その復旧経費などとしまして、本6月議会に追加の補正予算案、約7億円を上程したところでございます。引き続き、定期的な道路のパトロールを通じまして、路面異常の早期発見と必要な修繕の実施に努めてまいります。  一方、河川につきましては、今年度、応急的な対応でこれからの時期を迎えます箇所を重要水防箇所に加えまして、大雨時には特に留意することとしておりまして、災害に備える体制を取っているところでございます。  また、ダムでは、昨年6月、7月に緊急放流を実施いたしました白岩川ダム、それから和田川ダムにおきまして、出水期の期間、利水に影響のない範囲でダム貯水位をあらかじめ低下させ、治水調節に用います治水容量を確保する試行を本日から行いまして、洪水に備えることとしております。  住民への情報提供につきましては、これまで河川の水位、あるいはカメラの画像をホームページで公開してきております。本日から、さらに新たにダムの貯水位や放流量などを公開したところでございます。  また、あらかじめ登録していただいた方に河川の水位やダムの貯水位が基準値を超えた場合にメールでお知らせするサービスも併せて開始したところでありまして、迅速な情報提供に取り組みまして、国や市町村などと連携し、水災害に備えてまいります。 103 井加田委員 どうもありがとうございます。  事前のアナウンスも含めて、ぜひ丁寧に進めていただければと思います。  梅雨時の水害もそうですけれども、この今回の地震を体験いたしまして、本当に日頃から避難を検討しておかなきゃいけないなということ、必要性を、私は強く感じております。また、地域では自主防災組織単位で日頃から学習とか訓練を実施して備えておくことも、命を守ることにつながるんじゃないかなとも考えております。  沿岸部において、例えば津波避難の検討に当たっては、これは市町村とも連携をされて、県の公共施設や目安となりやすい道路などに海抜表示を設置し、備えておくことが非常に有効ではないかと考えるものでございますけれども、国道8号を通っていますと、各海抜表示がよく分かります。そうしたことも避難行動には補助になるのではないかと思いますが、危機管理局長に御所見をお伺いします。 104 武隈危機管理局長 災害から命を守るためには、委員御指摘のとおり、日頃から自らの避難行動を考え、検討しておくことが必要であり、海抜表示を設置し、備えておくことは有効な方法の一つと考えております。  このため全ての沿岸市町において、施設や電柱などへの海抜表示の設置に取り組んでおられますし、また県におきましても一部の国道や主要地方道など、県内83か所の道路標識に海抜表示を設置しております。  なお、今回の質問を受けまして、海に近い県有施設42施設につきまして状況を調べましたところ、黒部市、魚津市などの施設の所在する市で、県立学校に設置したところが5校ございました。ただ、残る37施設については、設置されておりませんでした。県としては、今後、こうした未設置施設への設置につきまして、市町村や施設管理者等と話し合ってまいりたいと考えております。 105 井加田委員 ぜひ取り組んでいただきたいと思います。  最後の質問であります。  震災後の地域コミュニティーの維持に向けて、各地域で行事とか地域コミュニティーの再生に取り組む動きがあるとお聞きしております。地域の行事やコミュニティー施設の復旧に対して、県としても市町村と連携して支援すべきと考えるものですが、知事にお伺いをいたします。 106 新田知事 能登半島地震で被災した地域における、お祭りなどの行事、あるいはコミュニティー施設の復旧を支援することは、地域づくりの基盤となる地域コミュニティーの維持に向けて大変重要だと考えております。  地域のコミュニティーに対しては、日頃から各市町村において様々な手だてが講じられていると理解をしております。その中では、一般財団法人自治総合センターによる助成事業なども活用しておられると理解しております。 107 山崎副委員長 井加田委員の持ち時間は終了しましたので、簡潔に願います。 108 新田知事 はい。人口減少が進む中で、地域コミュニティーの維持は大変重要な課題だと考えております。  今後も市町村からの要望に加えて、県と市町村の役割分担や地域の実情なども踏まえて、市町村と綿密に連携を図りながら、必要な支援には取り組んでいきたいと考えます。 109 井加田委員 終わります。 110 山崎副委員長 井加田委員の質疑は以上で終了しました。        寺口智之委員の質疑及び答弁 111 山崎副委員長 寺口委員。あなたの持ち時間は60分であります。 112 寺口委員 皆さん、こんにちは。自由民主党富山県議員会の寺口智之であります。眠くなりがちな午後のお時間になりますが、お疲れのことと思いますが、お付き合いのほどよろしくお願いをいたします。  議員にならせていただきまして1年たちました。議会も一回りしたところでありますが、慣れたのかと言われれば、まだまだであります。私も口から心臓が飛び出そうなほど緊張もしておりますが、頑張って質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  今日は夏至ということで、昼間の時間が一番長い時間であります。ちょっとまだ天気のほうがあれなので、あまり実感もないところですが、あと10日もしますと7月、震災から半年がたつというような状況であります。  この半年間、皆様はどういった印象を持ちでしょうか。あっという間だったような、いやいや、本当に長い時間だったような、いろんな感想がおありかなと思います。  先週の日曜日、6月16日でありますが、輪島市の輪島マリンタウンにて、輪島商工会議所青年部さんが主催する「わじフェス」というイベントがございましたので、富山県商工会議所青年部の一員として私もお手伝いに行ってまいりました。  このイベントは、輪島の皆様に少し笑顔を届けようということで、特にお子様たちに、食べ物を振る舞ったり、おもちゃを渡したり、少しチャリティーイベント的な要素があるところでして、我々は魚津のかまぼこを持って行って、ぶっかけうどんを450食ほど振る舞ってきました。子供たちの笑顔が久しぶりに見られて本当によかったかなと思いましたが、御承知のとおり、輪島マリンタウンの隣には、朝市の焼失した場所がそのままに残っております。車の燃えたところに七十何番という数字が書かれた、その数字がそのままに残って、まだまだ何も手のつけられていない、こういった状況の中で、今回富山県においても、まだまだ復興途中の場所が多くございます。  氷見であったり、伏木であったり、新湊であったり、富山市の蓮町であったり、今回当局の皆様が、義援金の分配も昨日ニュースに出ておりましたが、6月の補正予算61億5,600万円、大きなお金でございますが、こういった補正の予算がお困りの皆様に正しく届くように、我々も目を光らせながら、またしっかりと取り組んでまいりたいという思いでありますということで、質問に入らせていただきたいと思います。  まずは教育を取り巻く諸課題についてということで、4問お伺いをいたします。  1点目は、全国中学校体育大会のことであります。  日本中学校体育連盟が6月8日付で、3年後の令和9年、2027年度以降、ハンドボールや水泳、相撲など9つの競技の大会を開催しないことを発表いたしました。少子化への対応や教員の負担軽減の観点から見直しを決めたといった報道であります。  部活動設置率が20%未満という競技を対象にしたということでありますが、縮小となってしまった競技におきましては、選手が活躍する舞台がなくなるということなどが懸念され、中学生の競技への選択肢が狭まることにつながると考えられます。  今ほど輪島に行ってきたお話をしたんですけれども、小学校2年生のお子さんとお話しして、その子がグローブを持っていて、「野球が好きなのか。野球頑張れよ」と言ったら、「今練習する場所がないんだよね。グラウンドには仮設住宅が建っているんですよね」と。そういった厳しい状況もある。我々大人が、子供たちに対してはしっかりとした準備をしている、そういったことは非常に大事なことなのかなと実感をしたことでありました。  少し話がそれてしまったようなところもありますが、こういった競技がなくなることによる選手への影響について、どのように考え、どう対応していこうとお考えなのか、廣島教育長の御所見を伺います。 113 廣島教育長 今委員からございましたとおり、全国中学校体育大会、いわゆる全中というものですが、令和9年度から9競技を取りやめ、大会の規模を縮小するという報道については、承知しております。  ちょっと報道ベースの情報しかないところもあるわけなんですが、日本中体連が、加盟校数に対して活動実績のある部の設置割合を示す部活動設置率が、20%未満の競技、これは原則として主催する全国大会を実施しないという結論に至ったということでございます。  日本中体連におかれましては、これまで主催する全国大会の在り方を議論するプロジェクト委員会というもの、これは令和2年3月から立ち上げられていたということですが、そこで、少子化への対応や教員の皆さんの負担軽減の観点から協議を重ねられてきて、この結果に至ったということでございます。  おっしゃるとおり、全中を目指してこられた生徒さんたちにとっては、これまでの練習の成果を発揮する場が減るということですので、目標の喪失、やりがいの低下といった影響が考えられます。  最近ちょっと情報を見ておりますと、競技団体が代替大会を検討していると。また、文部科学省では、日本中体連に対して競技団体との丁寧な議論を求めているという情報もいただいております。  県教育委員会としては、当面の間、しばらくはこの動きを見て、今後の動向を注視していかなくてはいけないのかなと考えておるところでございます。 114 寺口委員 ありがとうございます。  19日に報道がございまして、9つ廃止しますといった競技のうちの6つの競技におきまして、代替大会の検討がなされているという報道がありまして、少し安心といいますか、このままちゃんと代替大会をしっかりやっていただける方向になるようにと思った次第でありますけれども、やはり富山県のお家芸というわけでもないですけれども、特にハンドボールなどは氷見市において非常に力を入れておりますし、朝乃山に代表されるようなお相撲も青年会議所を中心にしっかりと取り組まれているようなところがあって、全国大会で優勝するようなお子様が報道で出たりしているところもあります。  このままなくなってしまうということがないように、連盟の動きを、また県としても意思を疎通させていただきながら、注視し、もしそういうのが廃止になってしまうとしたら、県として何かできないかということをまたしっかりと考えていただくようにお願いを申し上げさせていただきまして、次の質問にまいりたいと思います。  2点目には、高校生の卒業後のことになります。  県内には普通科や職業科、様々な学校があるわけでありますが、卒業後の進路としまして、就職や進学といったところで、特に今回、県外の高等教育機関に進学する場合を考えるならば、人口減少や働き手の確保という観点においては、そういった県外に出た学生たちに将来ぜひとも富山県に戻ってきていただきたいという思い、これは皆さん同意していただくことかなと思いますが、現状は戻らない学生のほうが多いような印象であります。  私の学年で言いますと、20年ほど前になりますけれども、私の高校の同級生は今、どう数えてみても半分以上は県外で生活しておるという状況が見えております。  1つ、ある高等学校で去年の12月に取られたアンケートがありますが、卒業後どこに住みたいのかという問いがありました。高校2年生122人の返答のうち、卒業後も同じく地元に住みたいと答えた生徒が実に4.6%しかいなかったという結果があるということであります。  122人中、五、六人の生徒しか、地元に戻ってそこで働きたいという思いがなかったということで、大変ゆゆしき事態なのかなと考えております。皆さん、外に出て行こうという思いが今あるというのが、見えたのかなと思います。  出ること自体が悪いということではなく、出た後に戻る、先日瘧師議員の質問でUターン政策のところで、いろいろとございましたが、地元に戻るUターンの議論というのは非常に大事なのかなと、すぐにでも取り組まなきゃいけないのかなと認識をしております。  近年、ふるさと教育に力を入れるといったことや、コミュニティースクール、学校運営協議会でございますね、そういったところの導入が進んできて、地元へ目を向けようという動き、これは非常に重要な施策でもあると。地元に帰るという選択肢になってくれればありがたいのですが、まだまだそれではちょっと足りていないのかなというのが私の実感であります。  地元の企業を知ろうということで、いろいろインターンとかもありますが、やはりそれを見て重要なものづくり、優秀な会社だなということが分かったとしても、いざ大都市の大企業と比べたりするとちょっと見劣りするとか、そういった部分で、わざわざ帰ってこなくてもそこで就職しようという結論になってしまうのかなというのが、実感としてあります。  先ほど藤井委員の、ちょっと今まで私の考えにはなかったすばらしい考え方だなというのもあったんですけれども、車での移動の視点ですね。これもそこに藤井委員がいたから、この家があったからというのは、やはり一つ大きな要因なのかなとも思ったりしてしまうわけであります。  地元に帰ってきたら車1台買ってあげっちゃという親がいるのはやはり現実であったりするわけで、ただ、そういったメリットを生かしていくという視点もまた大事なのかなと思っておりました。  進学等で地元を離れてしまった、そういった方たちが再度地元に戻るためには、例えば中高生でいるうちに特別な授業、特別な体験とか、地元がいいということをより強く、成功体験として肯定されるような、そういった取組が必要なのかなと思ったりしております。  例えば、自分の興味のある会社で高校の先輩がそこで頑張っている、その人がいるから行こうだったり、いい会社、いい高校、いい人生があるということ以上の強烈な体験、血の通った地元体験ということが必要なのではないだろうかと考えますが、いかがでしょうか。  高等教育機関に進学した学生が戻るための方策について、廣島教育長に御所見を伺います。 115 廣島教育長 お答えいたします。  県教育委員会では、本県の中高生が将来進学や就職等で一旦本県を離れたとしても、富山に戻って豊かな人生を送りたいという具体的なイメージを持てるよう、キャリア教育やふるさと教育に取り組んでいます。  少し紹介させていただきますと、まず中学校ですが、各中学校におきましては、県内の企業を見学の際や、地域の社会人、またその母校の卒業生から話を聞くという「働く人に学ぶ会」、「先輩に学ぶ会」など、地域の人々との関わりを通して、自らの生き方を考える機会というものが一つございます。  このほか、社会科ですとか総合的な学習の時間などを活用しまして、地域の特色の調査、また地域の一員として自分が地域を支えるために何ができるか、そんなことを考えてもらうような授業というものも行っております。  県立高校におきましては、令和元年度から、「社会へ羽ばたく『17歳の挑戦』」ということで、地元の企業の理解を深めた上で進路選択ができるよう、企業での体験活動等を実施しています。訪問先では、やはり体験活動だけでなく、同じ高校の出身の先輩方、大学卒業後、富山に戻って活躍されている方、こうした方々と懇談して、富山で働く魅力を知る機会ということになっているかと思います。  また、高校では進路指導、進路学習等においても、先輩から進路選択の理由や動機、就職後の経験談を聞く座談会を開催して、地元の企業を身近に捉え、地元就職について考えるという機会をつくるということが大切なんだろうと思います。  今後、本県で育ち、学ぶ中高生の方々が、授業や課外活動におきまして、地域の人々、そして魅力ある先輩方とつながりを持って、ふるさとを知る有益な体験、こんなことの機会を増やし、将来の富山での豊かな人生設計を視野に入れた、主体的な進路選択ができる取組の充実を図ってまいりたいと考えます。 116 寺口委員 ありがとうございます。  様々なお取組もいただいているなというところではございますが、移住・定住と違ってUターンになると、例えば高校の校長先生とかとお話をしていても、進学された学生がその後どうなったか追跡していなかったり、県としてもUターンでどれくらい戻ってこられたかということはなかなか把握していない、それはすみません、教育委員会さんの所管とはまた違うとは思うんですけれども、せっかく18歳までここで学んだ方たちが、地元を知っている方たちが、さらにまた帰ってきて力を発揮していただくための取組を、中高生のときからまたしっかりと取り組んでいただき、さらに離れた後も地元への思いを、ホームページ等もつくっていただいて、非常にいい取組だなと思っておりますので、時間のかかることも含めてしっかりと取り組んでいただくようにお願いをしたいと思います。  3点目に行きます。外国人のことでございますが、外国の方や外国にルーツがある学生ということであります。  近年、富山県の人口が減少しておるわけですけれども、外国の方は増加傾向にあるということが本議会においても触れられてきておりますが、そういった外国人や外国にルーツのある方のお子さんたちの日本語教育が課題になっているということを耳にいたします。  県立高校教育振興検討会議で取りまとめられた提言の中におきまして、「特別入学枠の検討を進める必要がある」といったことがございました。これもとても大切なことでありますが、そもそも言葉が通じない、書けない、学べない、そういったことで学校に通いづらかったり、そのまま不登校になったりするというような声があります。  学校に行けない、行かないという選択をしてしまうと、将来働こうと思ってもなかなかうまくいかず、仮に働けたとしても長続きしない、そういったことの要因になってしまいがちであり、社会にとっては非常に大きなマイナスになることが懸念されます。入学前、入学後までも支援体制を整備していく必要があると考えます。  民間で居場所づくりや日本語教室を開いているという報告もありますが、海外の方が増加していくと多国籍化も進んでいく、そういった中においては、民間だけでは限界があると考えます。外国人や外国にルーツがある児童生徒への支援体制の構築がこれからは必要になってくると考えますが、現状の取組と今後に向けた御所見を廣島教育長に伺います。 117 廣島教育長 近年増加傾向にございます外国人児童生徒に対する教育に関しまして、個別の状況に応じた指導が行われるよう、日本語指導が必要な児童生徒が多く在籍する学校に日本語指導担当教員を、今年は昨年度より2名増員いたしまして、現在トータル32名配置しています。配置校からは、「基礎的な日本語や生活習慣が身につき、コミュニケーションが取れるようになっている」などの成果の報告をいただいています。  この日本語指導教員につきましては、その指導力を向上してもらうために、外国人生徒への指導や支援等に関する実践講座というのを毎年3回行っているところでございます。  このほかですが、県単独の措置といたしまして、外国人相談員というもの、これは昨年度比で24校増の県内129校に配置しまして、外国人児童生徒及び保護者への教育相談などに当たっていただいております。  これに加えまして、令和4年度からでございますが、県内3市の小学校3校をモデルに指定いたしまして、外国人児童生徒教育コーディネーターというものも置かせていただいて、この方には、当該学校の指導体制などの整備に当たっていただきますほか、近隣の学校への相談や助言等にも当たっていただいていると、こういうような取組を今やっております。  今後ということでございますが、外国人児童生徒に対する人的支援の充実、これはやはり市町村のほうから非常に強い要望をいただいております。  今ほど申しました外国人児童生徒支援のための定数措置の充実、これについては、引き続き国に働きかけてまいりますとともに、指導教員や外国人相談員、この方々に対する研修等もさらに充実しまして、対応力を高めていきたいと考えております。 118 寺口委員 ありがとうございます。  ちょっとばらつきはあると思いますけれども、本当に海外の方がこれから増加するに当たり、対応をしっかりと取り組んでいってください。どうぞよろしくお願いします。  4点目にまいります。県立高校の魅力ある学科、コースの在り方についてであります。  様々な声を聞くということで、新田知事、ありがとうございます、教育委員会が実施された「地域の教育を考えるワークショップ」、現在4学区において各1回開催をしていただきました。今後も合わせて全部で3回開くという予定と聞いておりますが、こういったワークショップで出された御意見を総合教育会議で取りまとめていくという流れかなと思いますが、どのように取りまとめていかれるのかということを伺いたいと思います。  先日、自民党の政調会という会合がございました。新川地域の市議会議員の方である政務調査委員さんから、福祉や看護の学科やコースを新たに新設してほしいという声がありました。これは長年要望しているところもあるということなのでありますけれども、ワークショップなどにおいて、こういった意見はこれからも出ることが想定される中でありますが、これは地域の重要な要望なわけであります。  こういった学科やコースの設置は、人口減少という中、縮小していかなければいけない前提の中において、非常にハードルの高いことかなというのは理解もできますが、ただ、「こどもまんなか」の視点にも立ちながら、将来地域にとって何が必要なのかということは、またしっかりと別視点で考えていただきたいと思うわけであります。  魅力ある教育課程の実現、これをかなえるためにどのように進めていかれるのか、新田知事に御所見を伺います。 119 新田知事 県立学校の学科、コースの在り方については、昨年度、県立高校教育振興検討会議で議論を重ねられて、4月にまとめられた提言では、「一定の通学時間内にある高校から多様な選択ができるよう、様々な学科構成や規模の学校をバランスよく配置することが望ましい」とされています。  委員御指摘の福祉科あるいは看護科も含めて、学科ごとに見直しの方向性が示されています。今年度はこの提言を踏まえて、総合教育会議でさらに検討を進めることにしています。
     今後の議論に当たっては、地域の様々な声をお聞きすることが重要であるということで、どなたでも参加できる、お子さんたちも参加できます意見交換会、これに加えて、新たに市町村の教育長さんなどにも御参加いただき議論いただく「ワークショップ」を、議会のアドバイスもあり、学区ごとに開催することにし、今1ラウンド目が終わったところであります。  今後開催する2回目、2ラウンド目では、各学区の特色を踏まえて、地域に必要な学科、コースなどについて、さらに議論を深めていただくことにしています。8月に予定している学区ごとの意見交換会では、ワークショップでの意見なども整理をした上でお示しをし、幅広い方々から意見をいただきたいと考えています。  これらに続きまして開催予定の総合教育会議では、こうした地域の声に加えて有識者の御意見も伺いながら、「県立高校の目指す姿」、「学科、コースの見直し」、「様々なタイプの学校、学科」などの観点について、より魅力のある県立高校となるように、「こどもまんなか」の視点で議論を進めます。  なお、議論の中で直ちに取り組めるものが出てくれば、スピード感を持って対応することも大切だと考えています。 120 寺口委員 ありがとうございます。  8月に「地域の教育を考える意見交換会」を予定され、どなたでも参加できるということですが、日程等はもう決まっていらっしゃいますか。 121 新田知事 近々発表はできると思います。 122 寺口委員 ぜひとも、より多くの思いのある学生さんや保護者が参加できるように、そして地域の声が取りまとめられるような機会になりますように、お願いをします。  この学科やコースの在り方の「魅力ある」というのは、本当に理想なわけでありますが、バカロレアだったり、そういった新しい考えも取り込まなければいけない。本当にどこを取っても、血が出る改革になってしまうなと思うので、非常に大変なことは重々承知なんですけれども、先ほど来申しました、未来のためにしっかりとした取組をぜひともお願いをいたします。  次に、安心・安全なまちづくりについて、ドローンの活用について伺います。  昨年、2023年4月に岸田首相を狙った襲撃事件が発生しました。また、それより前には安倍元首相の事件だったり、富山では2018年6月に富山市で交番の襲撃事件が発生するなど、現場展開に危険が伴うような事件が相次いだことを受けまして、この4月に全国初の取組といたしまして、ドローンパトロール隊が設置されました。パトロールを通じた様々な場面での活躍が期待されます。  全国初の設置とのことでありますが、その設置された背景と現在の活動状況、そして今後期待される効果につきまして、石井警察本部長にお尋ねします。 123 石井警察本部長 ドローンパトロール隊については、先ほど委員が御指摘されたような事案であるとか、あるいは昨年の長野における猟銃使用殺人事件、あるいは県内における行方不明事案の多発などの情勢を踏まえまして、初動警察活動のさらなる強化を図るため、本年4月1日、全国初の取組として、機動警ら隊のパトカーにドローンを積載してパトロール活動を行う部隊として発足したところであります。  ドローンパトロール隊には、ドローンの操縦に係る国家資格を取得した警察官9名とドローン3機を配置し、6月17日の時点で、行方不明者の捜索、水難事故や熊の目撃現場における状況把握、火災現場の実況見分、交通監視活動など計39回のドローン飛行活動を行っております。  ドローンは空から現場の状況を俯瞰することで、行方不明者の捜索や事故事件の現場で効果的、効率的に対処することができます。また、銃器使用事案など凶悪犯人に立ち向かう際や、あるいは災害が発生した場合などに犯人との間合いを確保したり、高台に避難して警察官の安全を確保しながら現場の状況を把握することが可能となると考えております。  今後も、ドローンによる積極的な活動を推進し、操縦技術のレベルアップを図りながら、例えば多数の来客があるイベントや祭礼の会場での危険箇所や交通流の把握、上空からの撮影による事件事故及び災害現場の状況の配信や提供など、多角的な活用により、県民の安全・安心につながる運用を図ってまいります。 124 寺口委員 ありがとうございます。  2か月半余りの間で39回出動されたということで、結構出ているんだなという実感もありますけれども、ドローンは今3機で運用中だということでありますが、必要に応じて今できることというのはどんどん広がっていくのかなという印象も受ける中で、今後少し増やしていかれる、増やしていかれたいというような思いというのはおありなんでしょうか。お願いします。 125 石井警察本部長 活動実績を踏まえながらということになると思いますけれども、できれば増やしていきたいとは考えておりまして、現在国に対しても、県警察の機能強化に向けた施設等整備の推進の一つとして、ドローンの増強配備について要望を行っているところでございまして、この間も重要要望として、八嶋教育警務委員長をはじめ要望していただいたところです。引き続き、活用実績や効果を踏まえて増強についても検討してまいりたいと考えております。 126 寺口委員 ありがとうございます。  プライバシーの課題とか、少しそういったところの障害もあるのかなと思いますけれども、国のほうでの予算の動きも少し見えつつあるのかなとも思いますので、充実した、そして安全が確保されるような取組ということで、ぜひともお願いをいたします。  大項目の3つ目にまいりたいと思います。  環境施策についてお伺いをいたします。  6月は、農林水産省においては食育月間として定められております。「食べることは生きることであり、健康な体と心を育むことにつながります。栄養バランスや食品ロス削減などについて正しい知識を身につけましょう」と、ポスターにキャッチコピーもございますが、食育推進全国大会が大阪で開催もされました。全国各地で食育をテーマとした多くの取組やイベントが、6月には実施されております。  その中の一つに食品ロスの削減ということがございますが、令和2年4月に富山県において食品ロス削減推進計画を策定、これは令和11年までの10年の計画ということで聞いておりますが、今年度は中間年であり、改正予定と聞いております。  これまでの取組を検証し、今後必要な取組について計画に反映させていくことが必要と考えますが、本県の食品ロス削減に向けたこれまでの取組状況と、富山県食品ロス削減推進計画を今後どのように見直していかれるのか、津田農林水産部長にお伺いいたします。 127 津田農林水産部長 本県では、令和2年4月に10年間を計画期間とした富山県食品ロス削減推進計画を全国に先駆けて策定し、県民総参加の運動として食品ロスの削減に取り組んでおります。  具体的には、家庭での手つかず食品や外食産業での食べ残しを削減するため、「使いきり・食べきり3015運動」の推進や、食品流通段階での納品、販売に由来します食品ロスをフードチェーン全体で削減するため、いわゆる3分の1ルールなどの商慣習の見直し、手前取りと言われる、期限間近の食品の優先購入の推進、それから未利用食品の有効活用に向けましたフードバンク、フードドライブ活動への支援などに取り組んでおります。  その結果、県政世論調査では、食品ロスの取組を行っている人の割合は、令和2年度は80.9%だったものが、昨年度88.6%ということで増加しているものの、昨年度に実施しました食品ロス・食品廃棄物等実態調査では、消費者の期限間近商品の購入などに対する理解促進、商慣習の見直しの取組が不十分であること、特定の世代で食品ロスの発生頻度が高いといった課題もございます。  県では、今年度に食品ロス削減推進計画の中間見直しを行うこととしておりますが、見直しに当たりましては、食品ロス・食品廃棄物等実態調査のほか、国が今年度中に示す予定の新たな「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」を踏まえ、富山県食品ロス・食品廃棄物削減推進県民会議、これは今年度3回開催を予定しております。そこで十分御議論いただき、計画策定を進めてまいります。 128 寺口委員 ありがとうございます。  食品ロス、ちょっとぐらい残してもというような思いや、食べ過ぎたら太るからというような思いの中で簡単にやってしまうところが、大きなごみを生んだり、非常にロスの多いことであります。我々も物を大事にするというところも含めまして、食品ロス問題にしっかりと取り組んでいかなきゃいけないのかなと考えております。  次にまいります。  地域活性化についてということで、6問お伺いをいたします。  まず、海業の推進についてということで、先ほど澤崎委員からも質問がございましたところと少し重複する部分におきまして、端折っていただければ大変ありがたいところでございますが、進めさせていただきます。  水産庁が定める「海業の推進に取り組む地区」として、これは5年間でおおむね500件の認定を目指しておるということでありますが、令和5年に魚津市が認定を受けました。これは全国で54地域の中の一つであります。  北陸では福井の高浜漁港と、魚津市の経田漁港の2か所ということになりますが、以前から氷見や水橋地区、それから黒部市の石田漁港などでも海業の推進というものは進めておりまして、少しずつ、富山におきまして、この海業の推進が進んでおるという状況は、非常にいいことだなと思っております。  地区ごとに少しずつやっておるこの海業の推進、これを富山湾全域にわたって推進されていくような横展開というのを、今後ぜひとも期待をしたいと考えておりますが、県としての支援も必要だなと感じておるところであります。  魚津の取組におきましては、協議会を設立しまして、新たな事業にチャレンジをしながら、連携体制を確立すべく体制整備を進めておるというところでありますが、今後は事務局だったり、アドバイザーというようなマンパワーが不足してくるという懸念がちょっと今、話の中で出てきているということであります。  県として、ここを積極的に関わっていただいて、この海業のスタートがしっかりと軌道に乗るような取組に力を入れていっていただきたいと考えます。  海業の推進、多様な連携が必要なときに、マンパワーは非常に重要なところであります。県としてどのような仕組みをつくっていかれるのか、支援をしていかれるのか、津田農林水産部長にお伺いをします。 129 津田農林水産部長 富山湾の沿岸地域は、新鮮でおいしい魚介類をはじめ、風光明媚な漁港や漁村の景色など、海業推進のための潜在的なポテンシャルが高いことから、魚津ももちろんでございますが、県内の他の漁港においても、例えば魚津の近くでいっても、黒部漁港の「魚の駅生地」、それから石田漁港のフィッシャリーナ、それから水橋漁港の釣り桟橋や水橋食堂「漁夫」など、様々な取組が展開されております。今回の選定を契機として、これらの取組がブラッシュアップされ、より活性化することを期待しております。  このため、県では今年度、水産業振興計画に海業の施策を盛り込むとともに、漁港や漁村地域における海業を活用したビジョンを策定する「とやま海業BASE推進事業」を実施することとしております。  現在、関係市町や漁協に事業実施の意向確認を順次進めておりますが、今後本事業の実施を通して、海業推進に伴う、ただいま委員からもマンパワーの不足など御指摘いただきましたけれど、様々な課題の把握、そして、そうした課題を踏まえた効果的な施策の検討を行うこととしております。その上で、富山湾の沿岸全域で海業の取組がさらに進展するよう支援してまいります。 130 寺口委員 ありがとうございます。  今議会におきましても、例えば農業の側面におきましては、6次産業化のチャレンジ支援事業だったり、農村MROの取組だったりしても、そこにおいては割と人が出てくるような印象があるんですね。地域おこし協力隊の方が加わるというパターンも当然ございますけれども、事務局をしっかり置いて進めておるというような、それがなかなかこの海業においては見えていないという感覚があります。  それぞれの地域、共同体で頑張りましょうと言っても、やはりそれを取りまとめたり、強力に進めるプロフェッショナル人材みたいな人が必要なのかなと思いますので、ぜひともそういったところの協力体制の確立を、水産業におきましても検討いただくようにお願いしたいと思います。  次にまいります。  魚津水族館の件でございます。  これも先ほど澤崎委員からもありましたが、ちょっと違う角度から考えてみたいと思いますが、水族博物館であります。富山湾の水産資源や自然を学べる、県東部の教育、観光の重要な施設であります。  午前中の質問にありましたが、老朽化が大きな問題になっておるということで、田中局長は大切な施設と認識しているということ、大変ありがたい御答弁もいただきましたが、もう一歩さらに進めていただきたい。  魚津市からの連携の要望というのは、通年出ております。施設の更新は、計画では魚津市としては令和15年を目途としておるわけでありますが、本当に老朽化が大きな課題になっております。  水産研究所や栽培漁業センターなどと連携して、例えば地元の小学生や市民らが触れ合い、交流しながら栽培漁業をはじめとする富山県の水産業の取組、それに理解を深める場としての施設としてのリニューアル、そういったことを実施していただければどうかなと考えます。  富山県の西部におきましては、氷見に栽培漁業センターがあります。それを中心に、つくり育てる漁業をコンセプトにした、水産業の振興だけでなく、教育や産業観光の取組が進められております。  魚津水族館のあるべき姿においては、魚津市が関係者と話を進めると思いますが、ぜひともそこに、綿密な県としての関わり、県としての協議をいただきながら、魚津の水族博物館として、ぜひ主体的に関わっていただいて、県民の水産業への理解の場となるような施設への更新、そういったことを求めていきたいと思います。津田農林水産部長の御所見を伺います。 131 津田農林水産部長 魚津水族館では、「県のさかな」でありますブリ、シロエビ、ホタルイカの企画展示をはじめ、子供のためのワークショップ等の参加型イベントの開催、沿岸海域の生物調査等も実施されており、富山湾の水産資源や自然に関する情報の発信元となっております。  また、県と水族館ではこれまでにも共同で、リュウグウノツカイ等の希少な深海魚に関するシンポジウムを開催したほか、水産研究所で研究しているアカムツや、栽培漁業センターで生産しておりますクルマエビ種苗を提供し、栽培漁業に関する情報を含めて展示してもらうなど、本県水産業に関する情報発信にも連携して取り組んできたところでございます。  委員御指摘のとおり、氷見の県栽培漁業センターでは、栽培漁業を楽しく学ぶ場として多くの来場者があり、氷見市漁業文化交流センターでも、大型の越中式定置網や漁船、漁具などが展示され、漁業を学べる施設となっております。  魚津水族館のコンセプトや施設の改修更新につきましては、まずは市が検討されるものと認識しておりますが、このような方向を志向される、目指されるのであれば、例えば栽培漁業や定置網の仕組みなどを学べるコンテンツの制作支援や、ホタルイカ等のなじみのある水産生物に関する水産研究所研究員による解説を行うなど、連携、協力をしてまいりたいと考えております。 132 寺口委員 ありがとうございます。  連携、協力、ぜひともお願いをいたしたいと思います。  次に、祭りを通した地域の活性化について2問お伺いいたします。  今回の補正予算におきまして、「祭りを活用したインバウンド需要創出事業」としまして、必要経費として7,500万円盛り込まれております。これは県内の祭りを一覧表示した多言語対応サイトの開設や、また有料特別観覧席の設置などにより収益化を目指すということを伺っております。  先日、小矢部市で開催されました津沢夜高あんどん祭では、有料の特別観覧席の設置がなされたとも聞いております。魚津市で8月に開催されるたてもん祭りでも、有料観覧席を設けることや体験メニューを通じた祭りの収益化に取り組むということを聞いております。  そのほかにも、おわら風の盆において有料の特別観覧席を設置する予定など、運営費を賄う収入源の確保をして、伝統行事の保存・継承を支援する狙いで、そのような取組をしていただくということでありますが、この祭りの継承に向けた収益化、これは本当に大事なことだなと考えております。これをどのように取り組んでいかれるのか、津沢夜高あんどん祭の成果、結果も含めまして、田中雅敏地方創生局長に伺います。 133 田中地方創生局長 県内各地で継承されている多彩な祭りは、地域の活性化におきましても、また観光コンテンツといたしましても非常に魅力的なものと認識しております。その活用に当たっては、祭りが保存・継承されていくことが非常に重要でありまして、そのためには収益化による財源確保も有効な手段の一つと考えております。  まさに御紹介のありましたとおり、県では観光庁の採択を受けた「祭りを活用したインバウンド需要創出事業」、これにおきまして、特別観覧席の設置や参加体験ツアーの造成、販売、多言語に対応したブランディングサイトの制作やお土産品の開発、販売などにも取り組むことといたしております。  先般開催された小矢部市の津沢夜高あんどん祭では、本事業の第一弾として、地域の食材を使用したお食事と地酒を楽しみながら、あんどんのぶつかり合いが見られる有料特別観覧席や、あんどんの一部を再利用し、あんどんアートが作れるワークショップを実施いたしましたところ、参加者の皆さんから非常に好評だったと聞いております。  8月のたてもん祭りにおきましては、迫力あるたてもんの曳き回しを間近で見られる特別観覧席の設置や、「じゃんとこい魚津まつり」として併せて開催されます「UO!JAZZ(うおじゃず)」や海上花火大会との連携も検討しております。  市町村や地域の皆様の御理解と御協力をいただき、それぞれの祭りならではの魅力、これを活用しながら、この事業を通じて運営や文化財の修復など、祭りの保存・継承に必要な財源確保につなげられる収益化のノウハウを積み重ねて、県内の他の祭りに生かせるよう取り組んでまいりたいと考えております。 134 寺口委員 力強い答弁ありがとうございます。  祭りには、本当にそれぞれの性格といいますか、性質といいますか、積み重ねられた歴史だったり、地元で力を発揮していらっしゃるキーマンのような方々がおいでだと思います。それこそ一筋縄ではいかない世界だと思う中で、このように多彩な取組をしていただいていることを非常にありがたく感じながら、ぜひとも継続されるような、継続していけるような方策を、また考えていただきたいなと思います。  この地域の貴重な資源であります祭り、伝統行事の深刻な担い手不足に関しましてでございますが、どの祭りでも例外なく、継続に苦心しておる姿というのが見えてまいります。  神事だったり、古くからの慣習、内向的なその地域の性質というものが邪魔しているというところは否めないところでありますが、今後は外から人を呼び込み、楽しく祭りに参加するような取組、そういうのができれば本当にいいことだなと思います。それが地域の祭りにとって有効な継続手段の一助になると考えております。  八嶋議員からの獅子舞のお話もございましたが、そういったお祭りの保存・継承に向けた担い手の確保に向けて、地域を超えて広く祭りに参加するような祭り応援団みたいな組織、こういったものが今後必要であるのではなかろうかと考えます。県として、そのような組織を支援してはどうかと考えますが、廣島教育長に伺います。 135 廣島教育長 魚津のたてもんなど曳山行事、また全国屈指の伝承数を誇ります獅子舞など、多彩で魅力ある祭りが数多く受け継がれておりますが、議員御案内のとおり、こうした貴重な地域の資源である伝統行事の保存・継承におきまして、近年の人口減少、また少子化、それに伴う担い手不足というものが課題でございます。  県の文化財保存活用大綱におきましては、「文化財の保存・活用を担う人材の育成」、これを基本方針の一つと掲げております。  これまでも国、県指定の無形民俗文化財の保存会による伝承教室の開催、専門家を招いた唄や囃子の講習会の開催など、主に伝承者の養成といった観点から、地域の伝統行事への支援というものを行っております。  一方、議員が言われた参加者の確保ということでございますが、議員御案内のとおり、魚津のたてもん祭りの曳き手ボランティアでございます「たてもん協力隊」の募集、こうした取組が保存会で行われていると。  このほか、城端曳山祭では今年、県外の大学生の方が参加され、そして石動曳山祭では外国人技能実習生の参加といったようなこと、また互いに祭りの担い手を補い合う青年会の活動といったような情報も、頂いているところでございます。こうした、地域を越えてボランティア的にその祭りへの参加者不足に対応する自主的な活動というのが広がっていると思っています。  祭りなどの文化財、これは地域の歴史、文化、風土によって育まれたものということで、地域固有の部分があろうかと思います。一方で、地域の活性化や観光の振興にもつながる資源でございまして、こうした祭りの保存・継承につきましては、実際に担う保存会、そして保存会を支え地域活性化に取り組まれる市町村など、関係の方々の御意見も伺っていくことが必要だろうと。伝統行事を支える団体のネットワークづくりというのが一つ必要なのかなと思います。  県としては、そういったネットワークづくり等に可能な支援はどんなものがあるか、また検討してまいります。 136 寺口委員 ありがとうございます。  ネットワークの支援は非常に重要なんだろうなと思っております。  今ほど青年会の御紹介、御案内もいただきましたけれども、その方たちが例えば七尾市の石崎奉燈祭に参加されたというようなニュースが報道されておりましたけれども、そういった方たちにしたって、例えばその交通費がかかるだったりとか、祭りに参加するにはどのような手続をすればいいのか、ぜひ、県全体で考えて取り組んでいっていただきたいという思いであります。  教育長が前におられた生活環境文化部のほうでは、例えば海ごみのボランティアのごみ拾いの情報を広く流して、県下一円の参加する人に御案内を流しているというような取組があると思いますし、草刈りにおきましては、実際の補助金というのもあったりするわけですけれども、そういったことも参考にしながら、祭り全体を情報として、参加するような取組、ネットワークを構築していただければと思っております。ぜひともよろしくお願いします。  続きまして、湾岸道路の件であります。  魚津生地入善線バイパス事業ということで令和2年からスタートしておりますが、これが15年間の事業、つまり令和17年の完成という計画と聞いております。地元では渋滞緩和のために一刻も早い完成への期待がなされており、本当にできるだけ早急な整備に取り組んでいただきたいと考えております。  現在詳細設計がなされ、用地交渉のお話だと魚津側で認識をしておるわけですが、一定の時間がかかるというのは理解ができるにしましても、まだまだあと11年かかるのかという声も大きく聞かれます。  どうにかして早く、少しでも早くできないかというところが地元からの声でございますが、現在の状況、それから今後の計画について、金谷土木部長にお伺いいたします。 137 金谷土木部長 片貝川の最下流で計画をして整備を進めております、県道魚津生地入善線のバイパス整備、橋の整備でございますけれども、橋梁のアプローチ部分のうち、魚津市側につきましては、これまで道路の詳細設計や用地の測量から、物件調査、補償費の算定までを終えておりまして、地元や地権者に対して随時、事業の内容を説明しております。今年度から順次、用地買収や物件補償を進めていくということにしております。  また、対岸の黒部市側につきましては、昨年度に引き続き道路の構造を見直す修正設計を実施しておりますほか、おおしまパークゴルフ場の移設補償では、黒部市との協定に基づきまして、今年度から用地買収や造成工事に向けた準備を進めておるところでございます。  一方、片貝川に架かります橋梁本体の部分でございますけども、昨年度までに橋の詳細設計が完了しておりまして、今後、工事着手に向け、施工計画の検討や河川管理者との協議を進めてまいります。  事業の状況としましては、昨年度橋梁の右岸側の軟弱地盤への対応として道路予備設計を修正して以降、おおむね順調に進めておりまして、今後、橋梁アプローチ部分と橋梁の本体部分を一部同時並行して進めるなど工程を工夫しまして、工期の短縮、それから事業の推進に努めてまいります。 138 寺口委員 ありがとうございます。  工期短縮をぜひ図っていただきたいところでもございます。  1点だけ、住民への説明というところも、新川土木センターさんを中心に進めていらっしゃることは理解をしておるつもりですけれども、今年の2月に一度その住民説明会があった後、この後どうなっとるやろうか、今何もないけど、みたいなことが私の耳に聞こえてまいっております。  丁寧な地元への説明、それから時間がかかることをいかに進めるかは、どれだけそこで交渉を図れるか、コミュニケーションを取れるかなんじゃなかろうかなという部分もございますので、しっかりと地元の方とのお話、意思疎通を図っていただきながら、早く進むように御努力のほうをお願い申し上げます。  最後に、北アルプス横断道路についてお伺いをいたします。  改めての説明となりますが、これまで幾度となく先輩議員らが議会において質問をさせてきていただいておりますこの構想、平成の初めの頃からある構想でありまして、北アルプス横断道路構想推進会議を設立してから、平成30年に富山県の総合計画におきまして長期構想に位置づけられるとともに、令和3年6月に策定した富山県新広域道路交通計画において、構想道路と位置づけられたと認識をしております。
     さらに、上田英俊衆議院議員が昨年2月に国会の予算委員会におきまして初めてこの構想についての質問をなされ、昨年11月には長野県選出の務台俊介衆議院議員の御紹介により、総勢30名ほどの首長や議員が長野県の阿部守一知事を訪ね要望書を提出、また今年の2月には10名の議員にて長野県建設部の新田恭士部長と意見交換会をしてまいりました。  新田知事もさきの議会の答弁におきまして、毎年5月には事務レベルで情報共有を図っていること、それから、また阿部知事にお会いした際には意見交換をしたいと考えておると、そういった答弁をなされていましたが、その後進捗はいかがでしょうか。  この横断道路構想への取組の現状と今後の見込みにつきまして、今年5月にどういった情報共有がなされたのかということも御説明いただけることがございましたら、そういった部分を織り交ぜまして御所見をお伺いいたします。 139 新田知事 北アルプス横断道路が実現すれば、長野県だけではなくて首都圏とのアクセスが向上し、物流の効率化、産業の活性化、観光振興などに寄与する、大きな夢のある構想だと考えております。  本県では、富山県新広域道路交通計画において構想路線と位置づけているところです。ちょっとおさらいですけども。  この構想の実現には、まずは長野県の広域道路交通計画に位置づけられること、その上で、両県を結ぶこの横断道路の必要性について、国レベルでコンセンサスを得る必要があると思います。このために本県と長野県の双方で機運を高め合い、観光や産業をはじめ幅広い分野で連携を強化していくことが大切だと考えています。今年2月には、長野県と富山県議会の有志の方々が意見交換を行ったと伺っております。  能登半島地震への対応もありまして、ちょっと言い訳っぽくなりますが、阿倍さんとはまだ北アルプス横断道路構想について議論する機会が得られていません。ただ、事務レベルでは、昨年に引き続き、5月に長野県の道路部局と意見交換を実施し、北アルプス横断道路構想の内容やこれまでの経緯、課題などについて情報共有を行っています。  県としては、引き続き北アルプス横断道路構想推進会議と連携、協力し、本県と長野県、また両県の市町村間における交流が深まるよう、国土交通省、長野県関係市町村とも意見交換しながら、夢のある構想の実現に向けて取り組んでまいりたいと思います。 140 寺口委員 ありがとうございます。  知事は、この長野県との連携の重要性というところを十分に認識いただいておるという思いで、大変ありがたく思うんですけれども、まさに震災の対応でずっと事後にされておった、そこは本当に理解するところでございますが、まさにこの震災を経て、災害時の対応という観点からもこの道路交通網の整備は非常に重要なことと、今、認識をされるべきであると思っております。  もちろん今まで重要だと思っていた物流、観光産業、そしてさらにこの災害時避難、復旧復興という観点、これらにおきましては、本当にこの北アルプス横断道路がまさに重要な道路と位置づけられるべきであろうということで、ぜひとも長野県側と意見をすり合わせて、現実に向けたさらなる一歩を踏み出していただくようにお願いをさせていただきたいと思います。  少し時間もありますので、最後にもう一度、知事の思いを聞かせていただきまして、質問を閉じたいと思います。ぜひともこの思いをお願いいたします。 141 新田知事 令和2年能登半島地震を経験した今、寺口委員おっしゃるように、この構想にまた新たな役目も発生したのかと思っております。それもしっかりと踏まえながら、できるだけ早く阿部さんともそんな話をできる日が来ればと思っています。 142 山崎副委員長 寺口委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                      午後3時02分休憩                      午後3時15分開議        奥野詠子議員の質問及び答弁 143 瘧師委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  奥野委員。あなたの持ち時間は60分であります。 144 奥野委員 お疲れさまです。  まずは、動物管理センターの整備及び機能強化について伺います。  老朽化が進んでいる本県の動物管理センターについては、昨年7月から「動物管理センターあり方検討会」が開催され、今年2月に報告書がまとめられました。動物愛護管理行政は、近年、個体管理や、処分から共生へとかじが切られ、名称も全国的に「管理センター」から「愛護センター」へと変更されています。  「動物管理センターのあり方検討に関する報告書」を受け、今年度は民間活力導入可能性調査が実施されていますが、施設整備や機能の見直しに伴い、どのようなコンセプトを掲げるのか、また社会情勢を踏まえた本県における動物行政の役割について、厚生部長に伺います。 145 有賀厚生部長 近年の動物愛護思想の高まりにより、全国的にも殺処分頭数は大きく減少しており、動物管理センターに求められる役割も保護管理から犬猫の譲渡事業や飼い主への適正飼養の周知など、動物愛護へと変化しているということは御紹介いただいたとおりでございます。  こうした状況を踏まえまして、本年2月に公表いたしました「富山県動物管理センターのあり方検討に関する報告書」において、新たな動物管理センターが、人と動物の共生を推進する拠点施設として求められる役割や機能を5つの柱に分け、必要な取組や施設設備について整理いたしました。  具体的には、第1に「動物の命をつなぐ」、すなわち収容機能を拡充し、適正譲渡を推進すること。第2に「人と動物の共生に向けた情報発信」、動物愛護教育を実施し、適正飼養、普及啓発を強化すること。第3に「ボランティアの育成・活性化」、第4に「ペットの災害対策」、第5に「動物取扱業や飼養者等への指導・監督」の5つを柱としたコンセプトとなっております。  そして、新たな動物管理センターがこれらの役割や機能を果たす施設となるためには、動物愛護思想の普及啓発を推進することが重要であると考えており、譲渡動物と触れ合う場を確保し、社会科見学等にも対応できるようにするなど、動物愛護に関する機能が充実した施設となるように努めてまいります。 146 奥野委員 本県でもこの動物管理センターは、もともとは野犬処分センターとして開設された経緯があります。いまだに殺処分施設のイメージが強い方もいらっしゃいます。  今回の整備に当たりまして、今ほど部長から御紹介いただいたような、こういう共生を目指した触れ合い施設として誕生させるためにも、これまでの近寄りがたいイメージを刷新し、やはり人と動物が豊かに共生する地域の象徴となるような施設を目指していただきたいと思います。そのために質問を続けていきたいと思います。  動物愛護管理行政の内容は、今も少し柱として御紹介いただきましたけれども、細かくは動物の保護や引取り、保護期間を過ぎた犬猫の飼育管理や譲渡、殺処分、また愛護イベントの実施、飼い方の指導・相談、それから迷子の返還や苦情対応、さらには動物取扱業者の登録・監視、犬の登録や鑑札、注射済み票の交付と多岐にわたっています。  本県では、富山市を除く範囲を、現在の動物管理センターを拠点に厚生センターの本所、支所合わせて8か所で分担しています。富山市は中核市ですので、富山市保健所が行っています。  あり方検討会では、これらの業務の集約化による効率化や飼育管理の質向上について議論がありましたが、報告書には詳細な業務分担の見直しや富山市保健所との業務集約化については、記載がされませんでした。  私は県と市が協力をして、動物行政を一体的に進めていくべきと考えています。  特に保護動物は、保護された厚生センターの本所、もしくは支所で大体1週間程度を過ごし、その間に飼い主が見つからなければ、動物管理センターへ移送、そこでけがや病気の治療であったり、順化、順化とは譲渡に向けて人に慣れさせたり、しつけし直すということになりますが、こういうことをして譲渡につなげていくことになります。富山市は保健所でこの一連のことを行っているということです。  現在、保護から大体1週間程度、それからまたそれ以降と2段階に分けて、県内10か所で保護・飼育施設が設けられていますが、厚生センターの犬舎も老朽化していまして、エアコンどころか窓がないところもあります。猫のスペースも著しく不足をしています。実際、受入れ環境としては適切ではないとして、ほとんど活用せずに、ボランティアが引き受けている場合もあると聞いています。  動物管理センターの整備で、この保護飼育スペースを集約すれば、厚生センターの本所や支所のスペースを再整備する必要はなくなりますし、世話をする人員も減らすことができます。  さらに富山市と連携をし、富山市保健所も合わせて業務を集約化できれば、このコンパクトな富山県ですから、ともすれば、二重行政とも取られかねないような業務を解消して、全ての県民に質の高いサービスが提供できるだけでなく、財政的にも大きなメリットが生じると考えますが、知事に所見を伺います。 147 新田知事 動物愛護管理業務については、まず1番として犬の抑留、狂犬病発生時の対応。2番として、犬猫の引取り、譲渡、負傷動物の収容など。3番として、動物取扱業の登録、指導、勧告命令。4番として、生活環境の保全に係る指導、勧告命令などがあって、県と保健所設置市である富山市が、法令や条例に基づき、それぞれの所管区域で業務を行っているところです。  これらの業務を集約化することについて、富山市にも参画していただいた「動物管理センターあり方検討会」においては、保護動物の譲渡や「ふれあい教室」などの普及啓発イベントなど、動物愛護に関する事業については、人と動物の共生する社会の実現に向けて富山市とも密に連携をし、関係団体や県民の皆様と一体になって動物愛護の推進を図ることが重要であることから、可能な限り富山市保健所と連携し、協働で取り組んでいくこととなっています。  一方で、動物の保護・引取り、苦情処理などの動物保護管理業務は、窓口の減少により、身近なところに窓口がなかなかないという近接性の低下を招き、動物の保護やかみつき事件事故などの緊急性の高い業務への対応が難しくなることも予想されることから、住民に身近な場所で行うことが望ましいという指摘もありました。  富山市とどのように業務集約化するか、調整をしているところでありまして、この協議が整えば適切に対応したいと考えています。 148 奥野委員 私もこの富山市との連携については、藤井富山市長であったり、富山市の古西保健部長ともお話をしているところであります。  特に富山市との業務集約化といいますのは、確かに何を集約化するかというところがポイントだと思います。ただし、私も今申し上げましたとおり、結局このコンパクトな富山県において、それこそ中核市の自治事務となっているものであっても、本当にこの立地も含めてばらばらにやるのが適当なのかどうか。現状についてどう考えていらっしゃるのか、改めて知事の御意見を伺いたいと思います。 149 新田知事 先ほど言いましたように、この仕事はかなり重なるところがというか、基本的に重なっているわけですから、県のセンターと富山市保健所とかなりのことは集約できるのではないかと思っています。そういう方向で富山市とも今、調整を進めているところです。 150 奥野委員 ありがとうございます。  今の御答弁からいくと、イベントだけではなくて、その他の例えば私が今ほど御紹介をした保護であったり、こういうところについても集約化をし、このセンターの整備についても一緒に行っていく方向で調整をしていると受け取ってよろしいでしょうか。 151 新田知事 はい。その方向だということで。 152 奥野委員 ありがとうございます。  県と富山市が組織の垣根を越えて、こういう箱を必要とするような恒常的業務で集約化を目指していくということは、多分初めてのケースなのではないかと思います。これは新田知事と藤井市長、いろんなところで意見交換ができる間柄だからこそ実現した、そういう快挙なんだと思っています。  内閣府は今月3日、PPP/PFI推進アクションプランを改定し、県と市の類似施設や共通業務の統合、それから自治体間の連携による業務の効率化や補完を推進するために、新たな枠組みである分野横断型・広域型PPP/PFIを発表しました。先日内閣府の担当者から私も直接、説明を受けてきたところです。  県と市の連携が今調整中ということでしたけれども、この後、この枠組みを活用して整備を進めることができたとしたら、この枠組みを活用した全国初のモデルになる可能性もあります。  国はこれまで様々な分野で業務の広域化や都道府県と市町村間の業務集約、また連携強化を促してきましたが、特に都道府県と市町村の業務集約化については、建設費や運営費の財政的負担、また役所間の文化や立場の違いなどから、調整に相当な労力がかかる割に、国からの財政的な支援、インセンティブがないために議論が進んでこなかったというのが現実だと思います。  内閣府の担当の方には、県と市それぞれにメリットが生じるように、予算的なインセンティブを設けてほしいと強く要望したところです。感触は、かなり前向きな回答をいただきました。  ぜひ、分野横断型・広域型PPP/PFIを活用した第1号モデルとなるように取組を加速させ、藤井市長や国会議員と連携をして国へも支援を働きかけるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 153 新田知事 その前に現状をちょっと説明しますが、新たな動物管理センターについては、現在、民間活力導入可能性調査を行っています。利用者の利便性の確保や敷地の活性化の観点から、敷地内への収益施設の誘導の可能性のほか、また隣接する常願寺川公園でPark-PFIをしようということになっておりますが、そことの連携可能性も含めて幅広に検討しております。その調査結果を基に、最適な事業方式を選定することになります。  委員から御紹介がありました分野横断型・広域型のPPP/PFIについてですが、一層の歳出の効率化、不足する自治体職員の補完、民間事業者の参入促進などの観点から促進することとされており、国のほうでメリット、課題、対応策を整理した手引や今後の推進施策など詳細を検討されていると聞いております。  この手引が出ましたら、今おっしゃったように、国会の先生とも連携をして、さらなる情報収集に努めまして、ある意味では先進的なモデルを目指して対応してまいりたいと思います。  この件も含めて、私はこれまで官民連携ということを強く言ってまいりましたが、また官官で連携していくこと、こんなケースもつくっていければと考えております。 154 奥野委員 ぜひお願いしたいと思います。今ほど知事からも御説明いただきましたけれども、現在も民間活力導入可能性調査を行っているわけでありまして、そこにプラスして、何だか我が県がこれから取り組もうとしているのにまさに合致するような、新しいメニューが誕生したということでありますので、これはもちろん今の調査の延長線上に重ねてインセンティブを設けてもらい、利用しやすいような、そういう制度を使っていってはどうかという意味でありますので、御理解をいただきたいと思います。  特に今回は今の仕組み、この動物管理センターの整備の項目の中で触れましたけど、コンパクトな本県では、動物管理センターに限らず、様々な分野で市町村との公共施設の集約化というのが期待できるのではないかと思っています。  ですので、国の新しい仕組みを活用して、投資効果を最大化するということは県民にとっても大きなプラスになりますので、ぜひひとつ大きな成功例をつくっていただきたいなという思いであります。  さて、他県のセンターでは、動物愛護やペット防災の拠点にとどまらず、興味深い取組をしています。  幾つか動物愛護センターを視察した中でも印象に残ったのが長野県です。長野県動物愛護センター、通称ハローアニマルは、動物との触れ合い事業として、福祉分野や教育分野と連携した動物介在活動に力を入れています。  例えば、保護された犬の中から職員犬として仕事をしている子がいます。職員犬は適性──その子の性格なども含めて──ごとに、この子は子供向け、この子は高齢者向けなどと担当が決められ、学校や福祉施設への訪問活動、また教育活動の一環としてセンターを訪れる児童生徒の受入れの際に活躍しています。余談ですが、この職員犬たちは写真入りの名刺をつくってもらっていました。  また、ハローアニマルは週に1度、不登校児童生徒の受入れも行っており、動物のお世話や施設のお手伝いを通して、ゆっくりと社会とのつながりや他者との関わりを構築し直す場として活用をされていました。20年前にハローアニマルを居場所として利用した子供が、今は飼育ボランティアとして関わってくれているんだというエピソードも御紹介をいただいて、とてもこれは心に残っています。  本県でも新たなセンターにおいて、福祉分野や教育分野と連携をし、県民福祉の向上に役立てるべきと考えます。特に不登校児童生徒の受入れは、本県でも実施すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 155 新田知事 今ほど委員から紹介ありましたハローアニマル、また長野県の阿部知事に伺うことが増えたわけでありますけども、動物との触れ合いを通した「動物介在活動」は、高齢者の情緒の安定や不登校の児童生徒への癒やし、居場所の提供に効果を上げているということで、福祉や教育の向上に意義のある活動の一つであると認識しています。  県内においても複数のボランティア団体が動物に必要な訓練を行った上で、介護施設や障害者支援施設などを訪問し、動物介在活動を行っているほか、動物管理センターにおいても、ボランティア団体と一緒に学校へ出向いて、「ふれあい出前教室」というものを実施しています。  そこで、動物介在活動を行うためには、活動を担当するスタッフに対し、不登校の児童生徒などに適切に接することができるよう研修を行うとともに、活動の対象について理解していただけるよう、受入れ環境を整備する必要があります。  また、活動に適した動物の確保ですが、本県の場合は、多分長野県に比べたら、保護頭数が少ないことになっていると思います。動物管理センターが単独で行うことは難しいかもしれませんので、県内のボランティア団体などとの連携も必要かと考えます。  動物介在活動が県内に広がるように、新しいセンターにおいて県の獣医師会、ボランティア団体、教育福祉の関係機関等と連携をしながら取り組んでいければと考えます。 156 奥野委員 ちなみに、私もこの長野県のハローアニマルで伺ったところ、こういう職員犬として働いた子たちは、要は一定年数働いた後、譲渡に出されると、余生は穏やかに過ごしてもらうと、こういうような循環になっているということも聞いています。  本県では、確かに保護頭数自体が少ないですので、それこそこれは適性を見極めながらということでありますが、新しいセンターでこういう事業が展開できれば、それは県民にとっても大きなプラスになると思います。  また、これからの行政施策というのは所管に関わらず、多分野と連携することで、今回の場合は、新しい動物管理センターと、例えば福祉であったり教育であったりということで連携することで、やはり足し算から掛け算の効果を狙うという効果もあるんだと思います。大変期待をしています。  次に、他県の動物愛護センターでは、今ほど知事の御答弁の中にもありました、獣医師会であったり、NPOと協力しているケースが増えてきています。  厚生環境委員会で視察をした京都動物愛護センターでは、獣医師会と連携をして、動物感染症の検疫事業や保護動物の不妊・去勢手術、また夜間救急診療など、動物医療の充実が図られていました。  現在県内の夜間診療は、県獣医師会に所属をする動物病院が当番制で担っていますが、獣医師以外に動物看護師や事務職員も出勤しなくてはならないということで、限られた病院で回しているために負担が大きいと聞いています。  県獣医師会は、豚熱や鳥インフルエンザ、狂犬病の予防など公衆衛生分野も大きく担っておりますし、安定した運営基盤と施設の確保は急務だと考えています。このセンターの整備に合わせて、他県のように県獣医師会に施設に入ってもらうということも検討すべきと思います。  さらに民間のNPOやボランティア団体も、犬猫の譲渡会やしつけ相談など、広く県民ニーズに応えていますし、今ほど知事からの御答弁もいただいたように、いろいろな活動の幅を増やして広げていくためには、より密接な関係を築いていく必要があると思います。  獣医師会やNPOとの連携を強化し、センターで提供するサービスの拡充や質の向上を図ることは、県民のウェルビーイング向上にもつながると考えますが、厚生部長の所見を伺います。 157 有賀厚生部長 まず、動物夜間診療ですけれども、本県では県獣医師会に所属する動物病院が当番制で実施してくださっているほか、独自に夜間診療を実施していらっしゃる動物病院もございます。  新たな動物管理センターに夜間診療所そのものを設置するということに関しては、県獣医師会のほうからは、担当する開業獣医師が日中の勤務を終えた後にセンターまで移動する必要があるということで、やはり、ちょっとそれは負担が大きいというような意見はいただいております。なので、今の時点で新たなセンターに整備するということを言うのはちょっと難しいのかなとは思っております。  また、保護動物の不妊・去勢手術については、「動物の命をつなぐ」という観点から、譲受け側の経済的負担を軽減することで一頭でも多くの保護動物に譲渡先が見つかるようにするということでは、必要な設備だと思います。その整備を検討しているところであります。  ペット防災の拠点についてですが、災害発生時に求められる動物救護対策として、負傷動物の救護については、被災地に近い動物病院を中心としつつ、獣医師会と連携した対応が想定されます。  放浪動物の保護、収容については、厚生センターや愛護団体等とも連携した対応が想定されます。  また、飼い主からの一時預かりについては、獣医師会や愛護団体、動物取扱い事業者など、民間主体の対応が想定されます。  県といたしましては、新たなセンターが関係機関や団体と役割分担しながら、拠点の機能としてその機能を果たすことができるように、今後整備を進めていく中で関係者と協議の上、必要な機能を整理してまいります。 158 奥野委員 ぜひいろんなケースを想定して検討を進めていただきたいと思います。  この夜間診療一つにしても、今の業態も負担が大きいところもあるし、本当に1か所に全部集約をして、ほかを全部やめるとなると、これもまた負担が大きい部分が出てくるのは当然のことでありまして、ただ先ほど申し上げたような獣医師や動物看護師や事務職員まで全部フルセットで用意しないと、ここには協力できないよと言っている方もいらっしゃるので、例えば自分の体一つで、ほかの会計処理とか、そういうのはその日の夜にやらなくていいよみたいな話が出てくると、それだったら、ちょっと自分のところ一つではなかなか協力できないけど、やる幅が出てくるのかなとか、そういう方もいらっしゃるやに聞いております。検討していただきたいと思います。  余談ですけれども、こういう獣医師会やNPO等との連携、今申し上げた範囲以外でも、例えば京都動物愛護センターでは、愛称は動物愛ランド・京都になっていて、動物愛ランドの愛は漢字の愛を充てるというようなかわいらしい名称を使っておりますけど、ここは犬と猫のキャラクターを採用して、子供向けの教材に活用されています。  また、そのキャラクターのLINEスタンプを販売していて、その収益は動物愛護センターの事業費に充てられている、こういう取組もされています。ちなみに、私もそのスタンプを購入して愛用しています。  本県でも県民の皆さんに親しみを持って気軽に、ちょっとしたことで協力できるよって、こういうような取組、仕組みづくりも大切だと思いますので、そういうところもまた民間の皆さんといろいろ協議をしていただければと思います。  次に、ペット防災について伺います。  国のガイドラインでは、ペットは飼い主の責任で一緒に避難することとされています。これは飼い主が避難をちゅうちょして逃げ遅れることや、置いてきたペットをまた迎えに行って、2次被害に遭うという危険を避けるだけでなく、野犬や野猫を生まないための措置でもあります。  元日の能登半島地震の際には、富山市においてペットを連れてきた避難者を受け入れないといったケースや、逆に受け入れた避難所では、職員がほかの避難者からクレームを受けるというようなケースもありました。
     富山市はこれらの事態を受けて、3月に避難所開設運営マニュアルを改訂し、ペットは一般避難者と分けてスペースを設けることと明記をされました。しかしながら、大型動物は受け入れないことというのも同時に明記をされました。はて、大型動物はどこに行くのでしょうか。  この大型動物は、ペットの同行の話なので、馬や牛や、こういう大型ではなくて、例えばゴールデンさんや、ハスキーさん、スタンダードプードルさんなど、大体1メートルぐらいを超えるものを大型の動物、大型のペットとみなしているという説明でした。  避難生活が長期化した場合、国や県はペットの災害物資を避難所に運び入れること、それから県獣医師会は、ペットのいる避難所を巡回することとされていますが、ペットがどこに避難しているのか分からない状況では対応ができません。  例えば緊急避難所として指定している最寄りの小中学校の扱いは現行どおりとして、現在3次避難所に指定している県立高校を避難が長期化をする際のペット連れのための指定に置き換えるとか、もしくは公共スポーツ施設等、芝生広場があるような場所は、ペット連れのための指定避難所にするなど、ペット防災について、これまで見落としてきた部分というのをもう一回洗い直して見直すべきと考えます。知事の所見を伺います。 159 新田知事 災害対策基本法では、避難所は市町村長が指定することとされています。なので、県ではこれまでもペット受入れ時のルールづくりや事前に準備しておく物品など、県の総合防災訓練などの機会を通じて、市町村に対する情報提供と技術的な助言に努めてまいりました。また、本年2月に市町村職員や動物愛護推進員などを対象とした、避難所のシミュレーション訓練を交えたペットの災害対策研修会も開催をいたしました。  ペット同伴避難所については、動物が居住区域に入って生活することから、衛生管理面で施設管理者との細かな協議が必要になりますが、現行の動物同行避難所等運営マニュアルには、ペット同伴避難所の運営方法について盛り込まれていないので、引き続き市町村からの相談に適切に対応してまいりたいと考えます。  また、市町村においてペット同伴避難所が確保された際には、市町村と連携して具体的なルールづくりやマニュアルの整備に伴走型で取り組んでいきたいと考えます。  今委員からいろいろなアイデアが出ました。あと他県で聞いた例ですが、日頃からペットセンターなどとお話合いをしておいて、例えば郊外のペットセンターですと大きな駐車場も大体あると。なので、そんなことも活用できるのではないかということ。あるいは、ペットホテルなど、そんなこともあるのではないかと思います。  それから、先ほど負傷動物の救護については、厚生部長から答弁しましたが、回診の拠点となる施設についても同様に、被災地に近い動物病院を中心としながら、獣医師会と連携して対応することが現実的であると考えます。  新たなセンターが関係機関や団体と役割分担しながら拠点機能を果たすことができるようにしていきたいと考えます。 160 奥野委員 先ほどもちょっと申し上げましたが、多分、市町村は市町村でいろいろと今回の地震を受けて、考えなくちゃなと思ってくれているんだと思うんですけど、今の富山市の見直しも例に挙げましたけれども、やはり全てを網羅はできないわけです。  特に富山市は、この緊急避難所で50か所、指定していますけど、ここにばらばらにみんな動物を連れてきて、ちょっとスペースを分けましょうと言っても、やはり大変ですし、先ほど私が申し上げたように、じゃ、物資を運び入れるとき、全県、どこが避難所になるのかよく分かりませんけれど、全て回れるのかや、獣医師会の巡回も全部できるのかという課題もあります。  さらに知事がおっしゃられた民間のいろんな施設とも協力関係を結んではどうかというのは、これは賛成です。いろんなパターンがあると思います。  ただ、大事なことは、結局相談を受けてから、じゃ、県で一緒に考えましょうかというよりも、今回の震災でもう既に課題が結構出てきているので、県から市町村に関して、どちらかといえばプッシュ型で、ここはどうなるかや、広域で考えるべきところはないかなど、こういうのをやっていただきたいわけです。  本県でも犬猫のペットの数というのは、犬猫だけで12歳以下の子供の数を大きく上回っていまして、既に10万頭を優に超えているというような状況にあります。なので、ここをちょっと後回し、放置しておくと、もし次、何かあったときに大混乱を引き起こすんじゃないかなと。  今回、富山市は、長く避難所を開設したところはありませんでしたので、さして大きな問題にはなりませんでしたが、やはり動物が苦手な方もいたりとかアレルギーがある方もいて、当然一緒の空間にはいられないよねというケースもあろうかと思いますので、やはり事前にルールを明確化していくことが重要だと思います。引き続き、協議をお願いします。  次の項目に移ります。  性暴力被害ワンストップ支援センターとやまの体制強化について伺います。  この通称ワンストップとやまは、議員提案で制定した富山県犯罪被害者等支援条例を元に平成30年3月に設置をしたもので、今年度7年目を迎えています。  議会で設置について議論していた当初は、被害実態を示す統計が不十分で、必要性についてなかなか理解が得られなかったと記憶をしています。しかし、設置後は予想を大きく上回る相談対応件数となり、昨年度は1,292件に上っています。  その内訳を見ますと、強制性交等被害の相談対応件数が258件と、前年比1.25倍。強制わいせつは377件で前年比9.6倍。さらに盗撮等は161件と23倍に急増しています。これはかなり深刻な事態だと受け止めています。  コロナ禍でも相談対応件数は増加傾向にありましたが、昨年度は急増していると見えます。相談内容と相談対応件数が急増した背景についてどのように分析をしているのか、生活環境文化部長に伺います。 161 竹内生活環境文化部長 令和5年度に性暴力被害ワンストップ支援センターとやまに相談のありました件数は、今ほど御質問にありましたように1,292件で、前年度の726件から566件増加しております。  このうち20歳未満の方の被害に係る相談が780件でございまして、前年度から479件増加しております。相談件数全体における割合が約60%で、前年度から増加した分でいえば、約85%を20歳未満の方の被害に係る相談が占めているという状況になっております。  この増加が著しかった20歳未満の方の被害相談をさらに年齢層別に見てみますと、7歳から12歳が379件、これが最多でございまして、以下16歳から17歳が161件、18歳から19歳が130件、13歳から15歳が104件、6歳以下が6件となりますけれども、15歳以下で63%を占めるということでございますので、20歳未満の中でもさらに比較的低いといいますか、若い年齢層に係る被害相談が目立つといった結果になっております。  年齢層と被害内容の関係で目立つものについて申し上げますと、7歳から12歳では強制わいせつが、16歳から17歳では盗撮等の相談件数が目立つ結果となっております。  また、被害者ではなく、実際に相談いただいた方、相談者の年齢を見ますと、30歳代、40歳代の方による相談件数が前年比でどちらも約4倍に増加しております。これは未成年者の保護者からの相談が増えているのではないかと考えているところでございます。  この相談件数が増加傾向にあることや、前年比で増加しました理由につきましては、専用ホームページの開設、SNS広報、巡回パネル展の開催等によりまして、センターの存在が認知されてきたこともあろうかと思います。  また、令和3年度よりSNS相談を導入しておりますが、こちらが利用しやすいということだと思いますけれども、前年の相談件数149件に比べまして、令和5年度は464件、これを利用いただいたということで、約3倍となるなど利用が進んでいます。  また、こういったことに加えまして、センターの存在等もありまして、性暴力被害に対する理解が進み、子供の性被害に気づいた保護者の皆さん等による相談が増えてきたことも理由としてあるのではないかと考えているところでございます。 162 奥野委員 センターの役割が大きくなってきているなと感じています。今ほど部長からも御紹介いただきましたが、この被害者を年齢別に見ると、20歳未満の件数が全体の約6割を占めているし、その中でもやはり若年層の急増が目立つということです。これをどうやってしっかりとケアしていくかというのが大変大きな課題だと思っています。  それで、内閣府の報告書や本県の調査を見ますと、性犯罪、性暴力の多くが顔見知りからの被害であり、10代の被害、今ほど特に我がセンターに寄せられている被害で多いのが10代ということですが、この場合は学校や部活動、また学習塾やアルバイト先での被害が多いと指摘をされています。これは先ほども申し上げましたが、内閣府の報告書等でも、こういうものが挙げられています。  中には、被害者も加害者も同じ学校の生徒だったというようなケースもあります。このときに学校からしたら、被害者も加害者も自分のところの生徒だと思うんでしょう、双方を守ろうと扱ったことによって、被害者側が、犯罪の被害を受けたのに学校の対応が適切ではなかったと言って訴えている、こういう声も聞いています。  性暴力は明らかな犯罪行為です。ですので、これはあえて確認しておきたいと思うんです。性犯罪の被害者並びに加害者の双方が児童生徒であった場合、学校や教育委員会はどのように対応しているのか、教育長に伺います。 163 廣島教育長 県教育委員会では、性暴力被害ワンストップ支援センターとやまが中心となって作成された「教職員向け性暴力被害対応マニュアル」を県内全学校に配布し、まずこのマニュアルを活用しております。  一つの初期対応ということですが、相談等を受けた教職員が1人で抱え込まず、早期にチームで対応すること。これが基本でございます。  その個々の対応ということですが、取りあえず被害者を把握した場合、被害を把握した場合には、スクールカウンセラー等と連携して相談支援体制を構築し、当該児童生徒の心のケアに努め、体のケアが必要な場合は保護者と相談の上、医療機関を勧めている。学校では、その当該児童生徒の状況を把握しながら、チームで見守りを続けますとともに、速やかに教育委員会と連携を図る、情報共有を図る。  その次に、被害児童生徒が自ら被害を打ち明けられない場合など、そうした場合は必要に応じて、性暴力被害ワンストップ支援センターとやまとも連携しまして、児童相談所や警察など関係機関につなぐことを検討していくという流れを一つの基本としています。  一方で、学校が加害児童を把握した場合でございますが、被害者の場合と同様、まずはスクールカウンセラーと連携してチームで対応する。それで当該児童生徒の心のケアに留意しつつ、本人の状況やその行為をした要因の理解に心がける。加えて再発防止のため、性に関するルールや知識を伝えたり、自分の行為を振り返らせるなどの指導を行い、見守りを続ける。その上で、教育委員会と情報を共有し、また必要に応じて警察など関係機関へ相談し、協力を得ながら対応する。  基本的にはこのそれぞれ2つの流れになっていると。委員から、同時にこれが2つ発生した場合ということのお話もございました。基本的には別々の対応、その上に校長がいるというようなことになるんだろうと思いますが、それはいろいろなケースが多分あるとは思いますが、基本的にはそれぞれについてケアをしていくというのが学校の立場であろうと考えます。 164 奥野委員 私は今の教育長の御説明の中に大きく疑問があります。それでいいのかと思っているところがあります。何かというと、加害者を把握した場合です。  まず、先ほども触れましたけれども、性暴力と言うと何となく丸く、言葉を包んだ形になりますけど、これは性犯罪です。ですので、今ほど、まずスクールカウンセラーへ。被害のあった子も同様ですけれども、スクールカウンセラーへ。どういう背景があるのかとか、状況がどうなのかというのを学校で、チームで把握するんだというお話であります。  種類もあると思うんですよ。その性犯罪の種類も。けれども、加害をした生徒が目の前にいるのに、まず学校の調査。本当だろうか。私はまず、警察じゃないのと思っています。  先ほども申し上げましたけど、被害者側から、加害者への対応は本当にそれでいいのという声があるわけですよね。それで、私はあと何でこういう対応になっているのかということなども調べていくと、学校から警察に連絡する場合、今ほど教育長からもありました。まずは学校で、チームで対応して、必要に応じて警察へということでした。必要に応じて。これの根拠は多分、「児童生徒健全育成連絡制度」というものにあるんだと思います。学校と警察で制定をしていて、その中に校長が警察との連携を認める事案については、警察に連絡する旨の運用と書かれています。内容は承知しています。  ただ、先ほど生活環境文化部長からもございましたけれども、特に昨年、相談対応件数が急増した盗撮被害なんかは、これは盗撮映像がSNS等で拡散をされるという2次被害が全国的に大きな問題になっています。  この拡散防止、拡散被害の防止というのは一刻を争うわけですよね。今みんなスマホを持っていますから、ピコっとやるだけで、もうどこにでも、どこに画像が、映像が流れちゃうか分からない。  私はこういう犯罪行為を認知したら、スクールカウンセラーと学校、チーム学校が事態をいろいろ詳細把握して、校長が判断する、実態把握について、校内調査と対応を検討するみたいな、こんな時間的余裕は本当にあるのかしらと思います。  そしてもう一つ、私がまず警察じゃないのと申し上げる根拠は刑事訴訟法です。犯罪を認知した公務員は告発義務が課せられています。  しかし、残念ながら、今の教育長の御答弁では、被害者の心情に寄り添うとか被害者のケアをするという意味では、それはいいかもしれないですけど、加害者が同じ学校にいた場合とか、加害者を見つけた場合、この対応はふさわしくないと思います。  やはりこれは、もしかしたらいじめも一緒なのかなと思っているんですけど、学校は現場で解決を図ろうとまず動く。プライバシーを理由に、情報の共有であったり、報告内容を限定して、迅速な措置が取られていない事例、これを私は聞いています。学校からの性犯罪に関する通報状況、これはどれぐらいあるのかということを警察本部長に伺いたいと思います。 165 石井警察本部長 学校からの、先ほど御指摘のあった「児童生徒健全育成連絡制度」に基づく情報共有というのは、日々各地で行っておりますので、全て把握しているわけではないんですけれども、令和5年に警察で検挙した児童生徒が被害者となる性犯罪、これは児童ポルノ法とか青少年健全育成条例違反等も含んでおりますけれども、55件ございますが、このうち学校からの連絡で警察が事案を把握したものについては3件と承知しております。ちなみに、学校からの通報以外では、被害を受けた児童生徒御本人からの通報が15件、保護者からの通報が11件となっております。 166 奥野委員 ありがとうございます。  当然、本人や保護者が、これはすぐ警察に届け出ないとと言って迅速な行動をされるのは当然のことだと思います。ただ一方で、時系列的に、同時に学校が把握しているケースもあると思うんですよね。  それで、別に本人から連絡する、学校から連絡する、別に両方あったっていいわけです。ですけど、学校からは3件しかないというのは、やはりこの事態の発生から鑑みると、著しく少ないのではないかと思います。本当にこの制度の趣旨や法律の趣旨、学校側や現場の教職員の方は理解しているのだろうかと疑問に思います。  やはり今ほど本部長からも御答弁いただきましたが、あとは先ほど私が御紹介したような盗撮被害とかも踏まえると、これは犯罪行為なので、速やかに通報すべきものでありますし、こういう性犯罪はそもそももう親告罪ではなくなりましたので、認知した瞬間から、知った人は責任が生じるわけです。  教育委員会と県警察には、今こういう状況にあるんだということを踏まえて、私はもっとこういう性犯罪の問題、児童生徒が関わっているような問題についてはアンテナを高く、そして知識をしっかりと身につけていただきたいと思います。  特に性犯罪については、もう何度も繰り返していますけど、動画の拡散等の2次被害も全国的に相次いでいると指摘をされていますので、学校だけで対応するのではなくて、学校で背景の把握とか言っていないで、初動から警察が積極的に介入すべきと考えます。警察本部長の所見を伺います。 167 石井警察本部長 刑法も改正されまして、不同意性交、不同意わいせつ、要件も広がりましたし、性的肢体等撮影の処罰法もできましたので、そういったところもあって相談が増えているというところもあるのかなとは思っております。  そういう意味で、警察としてもしっかりと被害者に寄り添う対応をしていきたいと思っておりますが、一般論として言えば、犯罪については、時間が経過するほど証拠が散逸して捜査が難航しますし、被害が拡大するおそれもありますので、学校における犯罪については、事件捜査の観点はもとより、被害を受けた児童生徒に対する支援の観点からも、警察へ早めに、早期通報していただくことが重要であると考えております。  特に委員も御指摘のとおり、最近はそういった性的な肢体とか姿の画像を撮って拡散するような事案もございます。我々はそういった事案に対応した経験もありますので、連絡をいただければ、連携してしっかり対応したいと思っております。  他方、性被害については、これはもう言うまでもないことですけれども、極めてセンシティブな問題であって、被害者の方が事件化を望まないという場合も多いですので、被害者や保護者の御意向を十分踏まえる、その上で対応することが極めて重要であると認識しております。被害者、保護者の御意向の確認や支援の在り方、捜査上の必要性などを考慮して、個別の事案ごとに適切に対応することが一番重要だなと思っています。  したがって、学校との連携につきましては、例えば個人情報の保護に配慮しなきゃいけないのは当然なんですけれども、適切な連携が図られた事例の共有、加害者と被害者双方が同じ学校の事例で適切に連携された例もありますので、こういった例を共有したりとかですね。あとちょっと気をつけたほうがいいなと思うのは、例えば監護者による性犯罪とか保護者の適切な対応が期待できない場合ですね。こういった場合にどう対応するかの検討など、事案ごとに適切な対応が取られるよう、ふだんから警察と学校で緊密に意思疎通を図ることが重要と考えております。  警察といたしましては、引き続き学校警察連絡協議会や校長会などの機会に犯罪認知時における警察への適切な通報について、情報共有や説明を行ってまいりたいと考えております。 168 奥野委員 今、本部長からも御答弁の中にありました。非常にデリケートな問題です。当然被害者の心情に配慮する必要があります。事件化したくないという方もいらっしゃると思います。  ただし、私はそれを判断するのが学校で、学校の先生なのかというところに疑問があるわけです。やはりそこは、私は最初に警察がこういう犯罪を認知したから、じゃ、被害者の意向は無視しますなんていうことはないと私は思うんですよね。  そこをしっかりと、第三者的な機関、加害者にも被害者にも直接的な関係がないようなところが冷静に対処する、判断するべきだと思いますので、ぜひとも学校現場にはこういう問題にどう対処すべきかというのを引き続き周知をお願いしたいと思いますし、その活動のサポートは、ぜひとも警察にお願いしたいと思っています。  これらの性暴力被害等を扱うワンストップとやまのほうにちょっと戻りますけれども、支援内容の中には同行支援というものがあります。  これは被害直後の医療機関や警察への付添いを行ったり、弁護士への相談や裁判のサポートを目的とするものです。同行支援の実施件数は、平成30年度は21件だったものが、昨年度は106件、5倍に増加しています。  これはワンストップとやまが周知をされて、先ほど部長からも御答弁ありましたけれども、いろんな人がつながれるようになったということもあろうかと思いますが、被害直後72時間以内の相談対応件数が増加しているためではないかと思っています。参考までに、初年度、72時間以内の相談対応というのは38件でしたが、昨年度は234件と大幅に増加をしています。  被害直後の支援は意義が大きい一方で、同行支援は被害者や関係機関の都合で動くことになりますので、一貫して対応できるように、常勤職員でなければ担当できません。また、被害者の面接もその性質上、資格を持っている常勤職員が担っているということです。  ワンストップとやまは、今ほどこの一連で触れましたように、相談対応件数が激増していて、大変な人手不足です。職員の増加が急務と考えますけれども、この業務、増加しているものを鑑みますと非常勤ではなくて常勤で増やす必要があると思います。生活環境文化部長の所見を伺います。 169 竹内生活環境文化部長 性暴力被害ワンストップ支援センターとやまでは、被害者やその保護者だけで医療機関、警察等へ行き、被害状況を説明することが困難な場合には今、委員から御紹介いただきましたけれども、職員が付添い、被害者に代わって事情を説明するなど同行支援を行っており、令和5年度の同行支援の件数は、これも御紹介いただきましたが、106件、前年度の93件から13件増加し、近年増加傾向にあります。  現在、同センターには常勤3名、非常勤5名の計8名の職員が在籍いたしておりまして、平日の日中は常勤3名、非常勤1名の4名体制で支援を行っております。また、夜間や休日などの時間帯は、時間外の電話相談対応を委託している事業者と連絡体制を取っておりますが、緊急の対応が必要な場合には、同センターの常勤職員が同行支援をしております。  センターへの相談のうち、被害に遭ってから72時間以内にされた相談の件数が令和5年度は234件と、前年度の139件に比べ95件増加するなど、相談までの経過時間が短くなる傾向にあり、これは医療機関等への早急な対応が求められるケースが増えております。  加えて、近年増加傾向にある同行支援業務は、他の業務に比べまして、その対応に必要な時間が長いということがありまして、従来より職員の負担が増える傾向にあるものと考えております。  今後、相談対応件数や相談内容、そしてそれらの変化といいますか、年次の傾向も踏まえまして、同センターの業務が円滑に実施できる体制について、同センターの運営委託先であります団体とも協議するなどし、検討してまいります。 170 奥野委員 協議でありますが、明らかに今、業務が過密化しています。速やかに常勤増加というのを検討願います。  最後に、県庁職員の地域貢献活動休暇の創設について伺います。  地域活動に係る特別休暇の創設につきましては、令和4年の11月定例会でも提案しました。その後、昨年12月に総務省が地方公務員の特別休暇として、この地域貢献活動休暇を創設できる旨の通知を発出しましたので、改めて伺います。  当時、こういう担い手不足が顕著な地域活動以外にも、例えば短期間、季節限定的な、農作業の手伝いとか、広く活用できる特別休暇の創設を求めました。その際は、特別休暇の給与分と、この地域貢献活動である報酬が二重取りになるのではないかといった懸念事項を整理したいという旨の答弁だったと思います。  その後、総務省から公に対する貢献性や休暇を取る妥当性が認められて、議会の審議を経て住民の理解を得ることを条件に創設していいよという一定の見解が出されました。  鳥取県では、既に懸念事項を整理して、この地域貢献活動休暇、ふるさと応援休暇を創設済み、昨年から運用しています。鳥取の場合は有償無償問わず、有償の場合は届出すればいいよと言われています。  速やかに本県でもこの特別休暇を創設すべきと思います。知事の所見を伺います。 171 瘧師委員長 時間がなくなっておりますので、簡潔にお願いします。 172 新田知事 「地域貢献活動休暇」については、奥野委員をはじめ、これまでも議会の場で提案をいただいておりまして、職員が社会貢献活動に参画しやすい環境づくりを検討してきました。12月の総務省通知も承知をしております。  県庁職員の地域活動などへの積極的な参加は、人口減少社会において持続可能な地域や社会づくりの一助となり、また県庁職員の人材育成の観点からも、それがまた公務にもいい影響があるというものだと認識しています。  人口未来構想本部では、「人口減少を抑制する対策」に加えて、人口減少下における地域コミュニティーの維持活性化など、「人口減少下においても社会を維持していくための対策」についても議論しますが、有給の特別休暇として地域貢献活動休暇を導入し、地域の担い手として活躍してもらうことを前提に、対象とする地域貢献活動や報酬の取扱いなどを具体的に整理し、県民や職員の理解と納得が得られる制度となるよう検討を進めたいと思います。 173 瘧師委員長 奥野委員の質疑は以上で終了しました。  以上をもって本日の日程は終了いたしました。  なお、6月25日の予算特別委員会は、午前10時から開会いたしますので、定刻までに御参集願います。  本日はこれをもって散会いたします。                      午後4時16分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...