富山県議会 2024-02-20
令和6年県土整備農林水産委員会 開催日: 2024-02-20
(3) 報告事項
津田農林水産部長
・令和5年度
サンドボックス予算の執行実績及び
予算(案)への反映状況について
伴市場戦略推進課長
・「第3期『富富富』生産・販売・PR戦略」につ
いて
本江管理課長
・令和5年度
サンドボックス予算の執行実績及び
予算(案)への反映状況について
横田都市計画課長
・令和5年度
サンドボックス予算の執行実績及び
予算(案)への反映状況について
川上道路課長
・令和5年度
道路除雪状況について
資料配付のみ
農林水産企画課
・令和6年
能登半島地震に係る
農林水産関係の被害
状況について
農業経営課
・「とやま農業未来
カレッジ」の
研修体制強化の概
要について
建設技術企画課
・令和6年
能登半島地震による
公共土木施設の被害
状況について
建築住宅課
・令和6年
能登半島地震による
宅地液状化災害を受
けた勉強会について
道路課
・
県道富山立山公園線富立大橋4
車線化工事の完成
について
電気課
・
地熱資源開発にかかる調査について
(4) 質疑・応答
菅沢委員
・
能登半島地震による被害からの復旧・復興につい
て
寺口委員
・富富富の生産戦略について
・GXの推進について
・園芸振興について
川島委員
・
能登半島地震における
農業施設被害について
・
液状化被害について
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安達委員長 報告事項に関する質疑及び
所管行政一般についての質問に入ります。
質疑、質問はありませんか。
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菅沢委員 通常は、期数の若い委員から順に質問しておりますが、今日は委員長に御配慮いただき、まずは私から、
能登半島地震に関連する質問をさせていただきますが、質問に入る前に、1月1日の
能登半島地震により、能登を中心にたくさんの方が亡くなられたことに、心から哀悼の意を表します。また、甚大な被害を受けられた多くの住民の皆さんの、生活となりわいの再建に向けた毎日の必死の取組に、心から敬意を申し上げます。
氷見の現場や市役所等をいつも訪ねておりますが、県の職員の方もたくさん支援に来ていらっしゃいます。
自治体関係の皆さん、消防や警察の皆さん、そして、たくさんのボランティアの皆さんに、心から感謝を申し上げます。私ももう1か月半ほど氷見の現場を中心にしながら、毎日大変つらい思いと被災者の皆さんに寄り添う気持ちで、本当にあっと言う間の1か月強でありました。
能登半島地震に関する県議会の論議は、この
常任委員会が初めてではないかと思いますけれども、緊張感を持ってお尋ねをし、論議をしてまいりたいと思います。
まず、被災の状況についてです。今回の震度5強の強震では、地震の周波に特徴があり、被害の甚大化につながったとされており、液状化による被害が多発しております。そうしたことも含めて、何か所で、どのような被害があったのか、地域的な被害の特徴も踏まえて、この災害の留意点をお尋ねします。
被害総額の見通しについても、明らかになるんでしょうか。また、土木、農林それぞれの所管で被災箇所の調査測量を実施され、
災害査定を受ける準備が進んでいるようですが、今後の復旧・復興への動きがどうなるのか、
建設技術企画課長、
農林水産企画課長に、また、住みよい
まちづくり班長には民間の住宅を中心にお尋ねしたいと思います。
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山田建設技術企画課長 今般の
能登半島地震におきましては、県内で初めて震度5強が観測され、いわゆる
公共土木施設におきましても、委員御指摘のように、強い揺れと液状化が要因と思われる被害が発生しております。
国土交通省所管の
公共土木施設におきましては、
土木部資料の55ページから57ページにも記載させていただいておりますが、1月31日時点で、県が管理している施設で114か所、市町村が管理されている施設──これは8市に及んでおりますけれども、206か所、合計で320か所の被害を国に報告しております。
こうした被害は、富山市より西側の地域で多い傾向が見られ、一部数字を申し上げますと、氷見市で75か所、高岡市で76か所、射水市で69か所、小矢部市で53か所となっております。この4市で、先ほど申し上げた320か所のうち約85%を占めているという状況でございます。
特徴としましては、強い揺れによるものと想定される道路の崩壊や、舗装の段差、クラック、そして河川堤防や護岸の損傷など、また、液状化によるものと想定される砂や水の噴出、ボックスカルバートの隆起などの被害が見て取れます。
今後の復旧に向けまして、まず経費につきましては、土木部、
農林水産部など合わせまして、約110億円を1月補正として専決させていただいておりますとともに、約19億円を2月補正予算として、今般提案させていただいております。
また、お尋ねのありました
被害総額は、
災害査定により定まっていくことから、現時点ではお示しすることができませんが、
土木部関係の
災害査定は先週から始まっております。今後、この査定を順次実施し、確保させていただいております予算により、発注準備が整ったところから順次復旧工事を着実に進めてまいりたいと考えております。
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伊藤農林水産企画課長 農林水産関係における
被害状況につきましては、特に氷見市をはじめ、県西部の地盤が軟弱と言われている地域を中心に、甚大な被害が発生したものと認識しております。
2月13日時点の被害について、別紙の資料で48ページから52ページに書かせていただいておりますが、具体的には、氷見市の
パイプラインをはじめとする水路等の段ずれ、
カントリーエレベーターなど
農業用共同利用施設の基礎や配管のずれなどの損傷、氷見漁港や
新湊漁港等における道路の段差、岸壁・護岸の傾倒、漁船・漁具の破損、山林関係では林道の路肩崩壊など、合計2,331か所の被災があったものと捉えております。
こういった甚大な被害があり、
農林水産事業者の事業活動にも多大な影響を及ぼしているものと考えております。
氷見市、射水市等の水路のずれや、圃場の一部、それから
集落排水周辺施設の砂の吹き上げ、新湊の漁港の
臨港道路の段差、岸壁の傾倒等、また、氷見市の
木材加工施設内の
地盤沈下等による損傷などは、いろいろな考え方もございますが、液状化による被害が該当するのではないかと想定しております。
こういった被害に対し、県では1月12日に専決させていただいた1月補正、それから2月6日に専決させていただいた2月補正──これは国の支援策、一部は県の
上乗せ補助も含みますが、この予算等により、被災した
公共インフラ復旧支援、例えば農地・
農業用施設、
漁港施設等の
応急復旧工事、氷見市水路の
被害把握調査、県営漁港の測量・設計などの経費、また、
カントリーエレベーター等の
共同利用施設の修繕、農業施設・機械等の再建・修繕に対する支援、漁船や漁具の復旧に対する支援、
木材加工流通施設等の復旧に対する支援に要する費用を確保し、順次できるところから対応を実施してまいります。
さらに、今回上程を予定しております2月補正の先議分におきましては、
農業用施設水路の
国営施設復旧工事の県負担分、また、緊急の
通水調査支援に要する費用等を確保しまして、今後着実に対策を講じていくこととしております。
例えば
農業水利施設関係では、目視調査など一定の調査を終えておりますが、今後さらに、通水による調査を行い、
農業水利施設の損壊の状況をより詳細に調べていくこととしております。
また、山間部の融雪が進むことにより、山腹・林道の被害も新たに判明するものと想定されておりまして、
被害状況の全容と
被害総額の把握には、まだしばらく時間を要するものと考えております。
今後とも市町村や関係団体、国とも十分に連携いたしまして、災害の全容の早期把握と復旧・復興に向けて、着実に取り組んでまいります。
なお、
農林水産関係にかかる国の
災害査定につきまして、
被害状況の調査が比較的進んでいる県営、市営の漁港では、3月18日に第1回の査定を行い、5月頃までに5回程度実施する計画となっております。
その他、農地・
農業用施設、林道・治山関係におきましては、できれば5月頃までに調査を終え、おおむね6月頃から査定を実施していただけるよう見込みを立てているところです。
6 米澤住みよい
まちづくり班長 県内の住宅被害につきましては、2月14日現在で全壊が156件、半壊が461件、一部破損が8,873件、未分類が549件で、合計1万39件となっております。
その中で、市町村からの情報や報道などによると、氷見市の間島地区、栄町地区、
北大町地区などのほか、富山市、高岡市、射水市などにおいて、噴砂、
地中埋設物の浮き上がり、道路と敷地との段差など、液状化によるものと思われる被害が発生しております。
こうしたことから、発災翌日の1月2日に、委員にも御同行いただきましたが、新田知事が氷見市の被災現場を林市長とともに確認しております。
また、液状化による被害からの復旧のため、知事から国へ要望を行い、1月20日には
松村防災担当大臣、堂故国土交通副大臣へ、1月24日には
斉藤国土交大臣へ、被災の実情を踏まえた技術的、
財政的支援を求める要望書を提出しております。
これを受け、
国土交通省からは、国・県・市町村による勉強会の提案をいただき、去る1月30日に第1回の勉強会を開催しております。
お配りしております
土木部資料58ページに資料がございますが、1月30日の第1回勉強会では、
国土交通省の
大臣官房参事官から説明を受け、国等の制度や過去に液状化の被害を受けた全国の事例等について情報を共有したところです。
また、明日21日には第2回勉強会を開催し、熊本市からお越しいただくこととしており、引き続き国とも連携しながら、市町村とともに
液状化対策に取り組んでまいりたいと考えております。
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菅沢委員 具体的な説明をいただき、甚大な被害の実態が鮮明になってきたと思います。
私は、今回の災害では液状化による被害の多発があると思っておりますので、今ほど報告がいろいろありましたが、詳細について質問、論議をしてまいりたいと思います。
さて、この甚大な被害から、どう的確、適切、迅速に復旧復興を図るかということが大きなテーマであります。
公共インフラの復旧について、氷見の断水が深刻な状況でしたが、氷見の水道局、それを支援する県下の自治体の皆さんの奮闘ぶりは非常に目覚ましいものがあり、復旧も早く進みました。
そのほか、道路では、氷見の
土木事務所管内だけで、舗装の段差、クラック、擁壁変状や沈下など19件の被害がありました。道路の
災害査定は、第1次が既に2月14日から始まっており、第2次査定は3月だそうです。大変な業務で、県内の各
土木関係の皆さんも
氷見土木事務所に支援にいらっしゃっているようで、非常に御苦労に感じます。
このような業務が、土木部、
農林水産部を挙げて進められることによって、いち早い復旧・復興を期待いたしますと同時に、被害の総額はまだ定かにはなっていないようですが、土木部、農林部から、分かりましたらまたお話をいただきたいと思います。
さらに、住宅について、氷見では2月18日時点で全壊が142件、大規模半壊が36件、
中規模半壊が48件、半壊が223件、合わせていわゆる半壊が307件となっております。さらに、準半壊が536件、一部損壊が2,462戸でありまして、先ほどの御報告は2月14日の時点の集約のようですが、毎日のように件数が増えております。
応急危険度判定は大体1週間以内に行われておりますが、赤の、危険とされたものが450戸近くあり、いわゆる罹災証明の全壊半壊と基準は違いますが、氷見における全壊・半壊・一部損壊は今後さらに増えていくように思います。
氷見市における罹災証明の申請は、2月18日の時点で5,865件、
証明書発行済みが3,400件で、これも私は6,000件を超えて7,000件ぐらいになるのではないかと心配しております。
このような甚大な被害の中での復旧復興、そして、暮らしの再建については、地域住民の皆さんの御苦労は本当に大変なものがございます。私も単なる同情ではなく、具体的にどう支援が行われるのか、何が必要なのか、真剣に考え、論議もさせていただきたいと思っております。
以上を踏まえ、各論で2点お尋ねします。1つは港湾関係についてです。富山新港では、
ガントリークレーン2号機が脱線して修復に相当な年月と費用がかかるほか、
臨港道路──これは港湾道路ですが、現在不通になっております。これらを含めて、港湾機能に重大な障害が出ているということですが、その辺りについて、いかがでしょうか。
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木本港湾課長 今ほど委員からお話のあったとおり、港湾施設について、富山県としては伏木富山港、魚津港を管理しておりますが、実際の
被害状況につきましては、やはり震源地に近い伏木港が一番被害を受けており、その次に富山新港が被害を受けております。
特に新港の
国際物流ターミナル、
コンテナ等の取扱いをしておる岸壁がございますけれども、そこにある
ガントリークレーンの海側の車輪が今回の震災で脱輪いたしました。この脱輪によって、本体への影響が多分にあるのではないかと心配しておりましたが、荷役業者、
荷役メーカーに確認したところ、塑性変形までは至っていないということでした。要は、脱輪さえ戻れば、本体の変形は戻るだろうという調査結果が出ましたことから、今週19日から、レールに脱輪した車輪を戻す作業を行っている最中でございます。まず脱輪を戻し、
ガントリークレーンの走行装置に異常がないかを含めて、今後調査をしていくということになろうかと思っております。
ただ、脱輪によって、
ガントリークレーンの
ブレーキ等の装置が破損しておりますので、早急に新しいものに作り替える必要があることを踏まえると、
ガントリークレーンの復旧自体は、まだ時間がかかると考えております。
また、伏木港の通行止めの件につきましては、小矢部川の左岸側に
臨港道路がありまして、ここに伏木港大橋と伏木港陸橋という橋が2つございます。この橋の取付け部の擁壁が今回の地震により傾き、道路へハの字の形に開いたような形になっており、造り替えなければいけないということで、先ほどからありましたとおり、まずは
災害査定を受け、早急に工事のほうに取りかかっていきたいと考えております。
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菅沢委員 ガントリークレーン1号機でしたね、1号機の
復旧見通しと
被害総額はどれぐらいになるのでしょうか。
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木本港湾課長 ガントリークレーンの
復旧見通しについては、
ブレーキ装置だけで製作に約半年ほどかかると聞いており、現状、調べ切れていない走行装置もございますけれども、やはり半年程度はかかるのではないかと考えております。
また、被害の総額については、現在、査定に向けて懸命に見積りを取っている最中ですが、港湾において
災害査定を受ける分だけで、全体で50億円程度になるかと思っております。
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菅沢委員 富山県の産業基盤の中核を占める港湾、伏木富山港が甚大な被害を受けていますので、しっかり復旧をしていかなければならないと思います。非常に大きな損害額で、港湾機能の根幹に関わりますので、これはぜひ頑張っていきましょう。
次に、
農業用排水路の被害の多発について、氷見市内の国営・
県営幹線用水路──例えば国営は
上庄幹線用水路、
中央幹線用水路、
南条幹線用水路の3本、それに附帯県営がついてまいりますが、甚大な被害が出ております。
上庄幹線用水路等は数十か所被災し、そのうちの2割ほどしか復旧に至っておらず、今後の見通しも明確にならないということで、大変な危機感を持っています。
氷見だけではないと思いますが、排水施設などの損壊や不具合も含め、春の稲作への影響も危惧されております。管理者の皆さんは大変な御努力をいただいておりますが、被災の状況について、稲作への影響も含めてお尋ねします。
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津田農林水産部長 農業用施設の
被害状況は、氷見が一番多く、1,842か所、
うちパイプラインや水路については、2月13日時点で1,215か所となっております。
氷見市におかれましては、
生活インフラの復旧等に対応する必要があり、春の作付までの期間が短いことから、農林水産省、県、富山県土地改良事業団体連合会、
民間コンサルタント会社等で構成する
調査チームを1月15日に発足し、1月末までに総延長約1,000キロの目視点検を完了させたところです。
そして、現在、
パイプラインに実際に水を入れて
不可視部分の破損箇所の特定と、見つかった破損箇所の補修を行っております。2月16日時点で、1,200人の国・県職員等が調査に参加しておりますが、進捗については、私どもが把握している数字では、全延長の5割に至っていないという状況でございます。
この調査補修につきましては、一度に水を通すと、圧がかかり過ぎて管が破損するおそれがあり、区間を区切って慎重に進めているため、時間を要しております。そのため、関係者の皆さんが、稲作に間に合うのか大変心配されているという気持ちは本当によく分かりますし、県としても、今回作付できないことが離農につながって、最悪の場合は
耕作放棄地になることを大変恐れているところでございます。
こうしたことから、現在、
関係者一同、作付に間に合うよう全力で取り組んでおります。例えば国営事業で造成されました施設につきましては、国が事業主体となって
直轄災害復旧事業で実施しております。これは管径も大きく、施工業者の範囲や資材調達が全国規模となりますので、直轄で実施していただければ、早期復旧に大変有効だと考えております。
また、県営事業で造成した施設は土地改良区へ譲渡していることから、災害復旧の事業主体は氷見市となりますが、県としても設計書の作成などを含め、技術的な支援を行っております。今年の営農活動に支障が出ないよう、国や氷見市をはじめとする関係団体と協力して、取り組んでまいりたいと考えております。
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菅沢委員 御努力に敬意を表しながら、復旧に向けての一層の促進を期待したいと思います。
ただ、農地、
農業水利施設では深刻な状況も多い中で、査定箇所が多いために査定の開始が6月頃になると聞いております。さらには氷見市、射水市、富山市を中心に、圃場等の被災の状況が今後上がってくることも考えられますので、本当に大変な事態を迎えているとつくづく思っております。
これらの被害の中には、いわゆる液状化の影響を受けた箇所も相当あるようです。
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津田農林水産部長 私の説明が悪く、申し訳ございません。本格復旧は査定後になりますが、今現在、補修もしながら仮復旧ということで、作付に間に合うように努力しているということでございます。説明が不足しておりました。
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菅沢委員 それはよく分かっておりますので、よろしくお願いします。
次に、私の今日の話のもう一つの中心、液状化の対策についてお尋ねします。今回の
能登半島地震では、県内あちこち、特に氷見市や高岡市などで、液状化による被害が多発しております。先ほどの
山田建設技術企画課長、
伊藤農林水産企画課長、米澤住みよい
まちづくり班長の報告の中でも触れていただきました。
住宅は共振と液状化の影響による陥没や、水や砂が噴き出すなどの影響で、傾いたり破壊されるといった事態が多発しております。
さらに、
公共インフラでも噴水・噴砂のほか、道路の側溝・歩道・縁石も破壊されております。
河川の堤防も、氷見の上庄川の堤防を見てまいりましたが、波打ったように破損している状況を見ると、築堤のときに砂地で造られ、液状化の影響があったのではないかと。漁港も、防波堤や岸壁などは液状化に伴う流動という現象が起きているのではないかという指摘もあります。
このように、液状化が背景にあるのではないかという様々な被害の実態があるわけですが、部長はどのように見ておられますか。
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市井土木部長 今回の
能登半島地震で、液状化によるものと思われる被害が、県管理の道路施設では、委員御指摘の土砂や水の噴出、舗装の沈下などが8か所、港湾施設では、先ほど港湾課長が言及した
臨港道路や野積場などにおける砂や水の噴出、舗装の沈下などが27か所で発生しているところでございます。
公共土木施設以外でも、氷見市、高岡市などで宅地での被害が多数発生し、県民生活に大きな影響を及ぼしており、
液状化被害の深刻さを改めて認識したところです。
一方、県内の
公共土木施設の耐震化としましては、過去の地震を教訓として、緊急輸送道路の橋梁について、平成17年から、阪神淡路大震災クラスの地震でも落橋、倒壊しないよう、落橋防止システムの装置や橋脚の補強を進め、さらに平成30年からは、損傷が限定的となるよう支承部の補強など、耐震性能の向上を図る取組を進めております。
また、災害時の防災拠点となる港湾施設では、新湊・伏木・富山・魚津の4地区において、大規模地震発生時に緊急物資等の輸送に対応できる耐震強化岸壁の整備を進めており、また同様に、
農林水産部所管ではございますが漁港につきましても、氷見漁港と宮崎漁港において、耐震強化岸壁の整備を進めているところです。
さらに、下水道施設では、小矢部川流域下水道や神通川左岸流域下水道など、幹線管渠などにおいて、マンホール可とう性継ぎ手の設置などを進めているところでございます。
今回の地震では、こうした対策がとられた施設の被害は確認されておらず、これまでの耐震化の取組は一定の効果があったものと考えております。
県といたしましては、災害復旧工事の推進はもとより、引き続き公共施設の耐震化の取組を進め、県土の強靱化に努めてまいります。
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菅沢委員 部長、すみません。道路の被害は何か所と言われましたか。
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市井土木部長 県管理道路の施設では、土砂や水の噴出、舗装の沈下などが8か所です。被災した箇所はもっと多いのですが、液状化と思われる現象を確認したところを8か所と申しました。
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菅沢委員 道路8か所、港湾27か所と説明がありましたが、液状化がどこで起きているのかを、もう少ししっかりと調査して把握すべきではないかと思います。復旧復興において、大きな問題をはらんでおりますので。
私は、氷見の土木事務所でお伺いした道路19か所、河川6か所、漁港その他も含めた災害の現状を見て、ほとんどは液状化に関係しているのではないかと思っております。道路では段差、クラック、擁壁の変状、沈下等、河川では堤防や護岸の損壊等があります。漁港でもそういったものが生じています。
私は、これらの液状化の災害が、どこで、どういった場所で起きているのかということを、心配しております。例えば、氷見で言いますと、海浜・海岸に近い県道薮田下田子線沿いは、もともと道路のそばまで海だった場所でありまして、海側は砂地で、若干の土盛りをしたかもしれませんが、広範な液状化により家屋が損壊、倒壊、半壊しております。
それから、先ほど申し上げました上庄川の堤防もそうですが、上庄川や余川川の沿線など、元は河道だったり、河川敷だった可能性がある場所で液状化による建物の損壊等が多発しております。
公共インフラ、例えば、水道や下水道管等の浮上も液状化による影響と言われております。
それから見ますと、部長のこの御報告は非常に現場の現状把握としてはいかがなものかなと思って聞きましたが、部長、どうなんですか、そこら辺は。
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市井土木部長 液状化につきましては、砂層がどれだけの厚みがあるのか、さらにその層がどの深さにあるのかといった状況、また、土地の地下水位の高さを踏まえ、確実に説明ができるものに絞って報告をさせていただいておりますので、実際に液状化が真に起こったものは、委員御指摘のとおり、私が申し上げた数よりも多いと思っております。
ただ、議会での御報告にあたっては、私どもが確実に言えるもので報告させていただいたことを御理解いただきたいと思っております。
災害の復旧については、この液状化を踏まえた形で、当然考えております。
公共土木施設の
災害査定を受けるに当たり、本省の
国土交通省から防災課にも来ていただいて、液状化のような要因で被害が発生している現場も回っていただき、どのような工法で復旧したらいいのかを相談しております。
災害査定の現場におきましても、被災のメカニズムを各土木の職員が説明した上で、液状化の対策が必要な復旧であれば、その提案をいたしますし、査定の内容もそれに沿った形になると考えております。私どもも復旧工法について十分検討をいたしますし、査定の中においても議論をしてまいりたいと思っております。
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菅沢委員 液状化による被害が多発しているのではないかと思われるので、現状についてお尋ねしているわけです。その認識について、土木部の把握がちょっと甘いと言うとなんだけれども、不十分ではないですか。
現状、どういうところで液状化が発生しているかというと、氷見では海浜に近いところのほか、田畑や田畑を埋め立てた住宅であるとか、上庄川や余川川の川沿いの低地や、三角州のようなところであったり、元は旧河道や河川敷であったところで液状化が多発していると申し上げたわけです。
例えば番屋街の広大な駐車場も、噴砂・噴水がひどく、亀裂なども生じて、災害当初、しばらく通行不能となりました。知事にも重点災害の現場として視察をいただいたところです。
先ほど、液状化が発生する場所について、現地の見分からいろいろ申し上げましたが、
山田建設技術企画課長、液状化がどのような地盤や場所で、なぜ発生するのか、あなたの知見も含めてお尋ねします。
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山田建設技術企画課長 液状化に関しまして、
国土交通省北陸地方整備局では、平成23年の東日本大震災を契機として、平成25年10月に液状化しやすさマップを公益社団法人地盤工学会北陸支部と共同で作成し、公表されております。
このマップを読み解いてまいりますと、今、委員に御紹介いただいたことを順番に言うようですが、まず、1点目には、過去に河川であったところや、最近盛土造成されたところ、こういった地形的な特徴をまず把握して、液状化しやすい地形か、またはしにくいのか。
それから2点目としましては、これまでに行われたボーリング調査のデータなどから、部長も申しましたが、砂層があるのか、厚さが1メートル以上あるのか、またその砂が緩くたまっているのか、閉め固まっているのかといった状況。それから地下水がどこまであるのか。
そして、3点目としましては、過去に液状化した履歴があるか。
こういった3つの情報を重ね合わせるとともに、地盤工学会の専門家の方々の知見なども組み合わせて、危険度を5段階で色分けして、分かりやすく示されたものが公表されております。
また併せて、このマップを見ておりますと、危険度が高いとされているところは、先ほど委員がおっしゃられた、砂質土が緩く堆積しているところ、地下水が高いところ、具体的には、海の近く、大きな川の沿岸であったところ、元川であったところや現在も川のそばにあるようなところ、埋立地、こういったところが実際に過去の地震において
液状化被害が発生しているとされております。
富山県のエリアもこの液状化しやすさマップが公表されており、例えば、今回被害の大きかった氷見市の北大町や栄町地区、それから高岡市の伏木や吉久地区、それから射水市の海王町地区などを見てみますと、やはり危険度が高い赤色やピンク色で示された地区と、まさに一致しております。
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菅沢委員 山田課長のお話のとおり、液状化しやすさマップという貴重な資料が平成25年に公表されております。先ほどから被害の報告があった地域の
公共インフラや住宅、土木・農林関係の施設の
被害状況と、液状しやすさマップを突き合せてみれば、一致する場所では住宅の被災状況も大変大きなものがあり、氷見だけでも全壊・半壊で400件近くになっているわけです。そういう現状を見ますと、部長のおっしゃった道路や港湾など様々な施設における液状化による被害についての現状認識、捉え方は極めて問題があると思います。
極めて不十分と、それは認めるんですね、部長。今後しっかりとした調査が必要ですよね。
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市井土木部長 今後、調査は必要だと思います。この数につきましては、まだ正確な調査は終わっていませんが、一帯で発生した可能性は否めないと思っております。
私も、氷見土木におりまして、実際に池田浜の埋立てですとか、旧薮田下田子線の160号、さらに山側の道路から順に海側に幹線道路が移ってきた過程──委員御紹介のとおり砂浜を埋め立てて造られた道路だということは、把握しております。
そのため、液状化の被害の箇所数は、先ほど1桁の数で申し上げましたけれども、増えてくると思っております。
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菅沢委員 先ほど、液状化が起きやすい条件、場所について、山田課長から、地盤が砂質であること、地下水が高いこと──これは、砂粒子の間が地下水で満たされており、飽和状態であること、また、砂の粒子が緩い状態で堆積しているということ、こういった条件下で液状化が発生すると整理できるのではないかと思っております。
こうした自然条件、地盤条件が揃っている氷見の薮田下田子線沿線の上庄川から北の、町名で言いますと北大町の池田町や加納町、栄町の北側の新道、間島、そして灘浦の姿地区で、まさに今回、住宅被害が集中しております。こうした液状化による甚大な住宅被害について、しっかり現状認識をしていただきたい。
羽咋市や津幡町では、建物の
応急危険度判定に続いて、宅地の危険度判定の作業が進んでおりますが、氷見市や県にお尋ねしますと、そのような取組の予定はないとのことなのです。私はしっかりと液状化による住宅被災の状況を押さえていただきたいと考えておりますので、
大西建築住宅課長の見解をお伺いいたします。
また、液状化による傾斜、沈下などで一定程度被害が出た家屋・建物が非常に多い中、今後復旧工事や
液状化対策が必要となりますが、どのような工法があるのか、工事に伴う費用はどれぐらいになるのか、地域住民は大きな関心があります。
工法については、ジャッキアップ工法による傾斜の修復や、弱い地盤へのセメント系の固定材の投入方法なども示されておりますが、こうした技術的な工法と、それに伴う財政的な問題等については、これからの被災者の生活再建や復旧復興の要となる問題でありますが、
大西建築住宅課長はどのような見解をお持ちでしょうか。
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大西建築住宅課長 宅地の危険度判定のお話がございましたが、これまで土木部では、1月1日の地震後、1月4日から住宅の危険度判定を始めております。危険度判定とは、余震等による二次災害の発生防止を目的として、通行される方などに余震で倒壊する可能性があることを事前に分かっていただくため、住宅の場合、危ないものは赤色というように住宅の前に貼っていくもので、1月4日から1月11日までの間、高岡市、氷見市に県職員を延べ50名派遣して、早期の判定を実施したところであります。
宅地の危険度判定につきましても、これは実は考え方としては同じでありまして、宅地につきましても地震発生後速やかに実施するというのは、住宅と同じです。発災後、2か月弱経過しておりますので、委員から実態把握が弱いのではないかというお話もございましたが、各市町村におきまして、危険な宅地、液状化が起こった宅地を一定程度把握されているのではないかと理解をしております。宅地の危険度判定の目的そのものからしましても、これから実施というよりも、もっと詳細な形での調査というほうが効果的ではないかと、思っております。
また、お尋ねのありました技術工法の費用については、熊本地震のときに、平成29年3月に
国土交通省、熊本県、熊本市で作られた被災宅地災害復旧技術マニュアルがございまして、液状化により、宅地地盤が被害を受けた場合の建物傾斜、沈下復旧工法として4つの工法と、建築面積が50平米から70平米、総2階建てを想定したこれらの工事費用が掲載されております。
家屋の被害が著しい場合は、既存建物を解体、除却して建て替えする際の建物基礎の補強工事が例として示されております。新聞報道にありました石川県の内灘の側方流動など、液状化はいろんな形がございますので、建物基礎の補強工事は例として示されている2つの工法に限られるわけではありませんが、熊本市のマニュアルでは代表的な2つの例を掲載されているものです。
1つは口径が小さい杭を打つ小口径杭工法で、この工法は小口径の鋼管杭を基礎直下の液状化層を通り抜けた非液状化層、いわゆる支持層と言われる深いところまで配置するというもので、工事費は500万円から800万円程度と記載されております。
もう1つが表層改良工法で、建物の基礎範囲を含め、広い範囲を全面的に改良するもので、工事費は80万円から150万円程度となっております。
また、家屋に傾斜、沈下はあっても構造耐力上著しい支障がない場合には、現地で既存住宅の傾斜を修復する工法が2つ示されております。
まず既存住宅の下に注入する注入工法は、基礎の下に薬液などを注入しまして、注入・膨張圧により躯体を持ち上げるというもので、これは工事費が300万円から600万円程度です。
また、ジャッキアップ工法は、基礎が大きく傾いたときに、土台から上を持ち上げて水平に調整するもので、これは工事費は150万円から200万円程度と示されております。
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菅沢委員 建築住宅課からの私に対する報告では、液状化による住宅被災について、まだ正式に数を押さえることができていないということでしたね。しかし、今度の住宅被災が発生している箇所を見れば、海沿いの地域であったり、上庄川等の河川の右岸・左岸、河口部、そして姿地区のような中小河川の土砂が堆積した三角州といった地域に住宅被災が集中しておるでしょう。専門家は、これはほとんど液状化による被災だと。また、町から離れた農村部に行っても、田んぼを埋め立てた敷地に建っている住宅、沼地を埋め立てた敷地に建っている住宅、これは分家の次男坊の家に多いのですが、氷見のあちこちにあり、液状化による建物の損壊が発生しているんです。
先ほど液状化マップの話もありましたが、液状化に関する調査研究が始められたのは1963年の新潟地震がきっかけであり、新潟地震以来、日本の土木工学、地盤工学が発展してきた中で、県の今の答弁はあまりにも不十分だと私は思っているんです。液状化による住宅被害について、しっかりと押さえる必要性があると思います。羽咋市では宅地の危険度調査を始めており、富山県も今からでもしっかりやるべきじゃないかと思うわけです。
同時に、今ほど課長から、液状化による傾斜、沈下などの一定程度影響が出た家屋の改修についてお話があったように、いろいろな工法があるということをもっと地域住民に知らせてほしいと思います。
ただ、問題は、損壊した住宅の修理費に充てられる生活再建支援金は、全壊で上限300万円なんですよね。宅地の対策までとても手が回りません。ここに、たくさんの被災住民の一番の悩みと問題があるわけです。この問題についてどう思われますか。
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大西建築住宅課長 委員から御紹介がありました国の生活再建支援制度は、全壊の場合300万円が上限となっております。また、県単独でも半壊について支援制度を設け、全壊だけではなく、半壊の方々も支援していく制度になっております。
委員が今おっしゃられた、お金が足りないのではないかということについて、先ほど申しました小口径杭工法など、強固な地盤を造るという再建、建て替えをする場合はどうしても不足することもございます。
そのため、これまで新田知事を先頭に、防災大臣に対して財政支援など、いろいろな要望も行ってきているところです。引き続き県を挙げて、一丸となって、様々な支援に取り組むとともに、要望もしていきたいと思っております。
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菅沢委員 氷見市などの液状化への対策として、先ほどは工法にもに触れていただきましたが、部長は土木の専門家でもいらっしゃいますので、もう少し明確にお聞きしたい。液状化の原因としては、例えば地下水位が高いことが指摘をされておりますが、氷見市では、薮田下田子線の海岸線で甚大な被害が発生している地域において、井戸を掘って水抜きをし、地下水位を下げる工法を市長自ら提案して、住民に説明しておりますよね。どれぐらいの距離、規模のものかはまだ明確になっておりませんが、ある専門家は、この方法は地盤の不同沈下及び地下水位が低下した状態を常時維持する必要があることから、別の課題が生じると指摘しており、これが唯一万全ではないということも含め、地域住民にも、ぜひ技術的な観点での御教授もいただきたいと思います。
また、もともと、地盤の液状化が生ずることを前提に、液状化に対して十分な強度を有する耐震構造を求められておりますが、地域の住宅はほとんどそういう現状にない中で、今後どうしていったらいいのかも含めて、お尋ねしたいと思います。
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市井土木部長 氷見市をはじめ県内の各地で、一定程度の面的な広がりを持って液状化の被害が発生したことを踏まえ、県では市町村とともに、国に対し、財政的な支援や技術的な支援を要望してきたところです。
これに対し、
国土交通省からは、国の交付金事業である宅地液状化防止事業の活用についての提案と、その検討に向けた国・県・市町村による勉強会の提案があったところです。
先月30日に開催された第1回の勉強会では、将来における地震に対して、地盤の液状化による被害の発生を抑制するための対策として、地下水位低下工法と格子状地中壁工法等の3つの工法が紹介されたところです。
まず、地下水位低下工法につきましては、住宅地や道路部分の地下水位の高さを強制的に低下させて、地表下の数メートルを非液状化層とすることにより、
液状化被害を抑制する工法でございます。平成28年の熊本地震により被災した熊本市など、導入事例は多くあります。
次に、格子状地中壁工法につきましては、道路と宅地の境界部分等に格子状の連続壁を造成し、地盤の変形を抑える工法です。平成23年の東日本大震災で被災した千葉県浦安市で導入されております。
工法の選定は、委員御指摘のとおり、液状化の被害の状況、地形や土の性状等を調査の上、慎重に行われる必要があります。市町村が事業を導入される際にあっては、その地域に適した工法が選定されるよう、十分調査の上、地域の皆様に御説明する必要がございます。勉強会も開催しておりますので、市町村とともに知見を深めてまいりたいと思っております。
具体的には、現地で地下水位を下げることは可能かどうか、また、民地の境界においても地中壁等を施工するスペースがあるかなど、様々な条件がございます。こうしたことにつきましては、国が平成26年に公表している市街地
液状化対策推進ガイダンスにも、砂の層の深さや厚さといったいろんな条件が記載されています。これらを勉強会においても学びながら、地域の皆さんに十分説明した上で事業に取り組む必要があると思っております。
こうした事業につきましては、何よりも地域にお住まいの皆様が、思いを一つにして対策を取るという思いに至っていただかないと、前に進まない事業でございますので、説明が十分尽くされるよう、私どもも市と一緒に取り組んでまいります。
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菅沢委員 液状化対策の基本的な方策について、勉強会などで今後さらに掘り下げていきたいというお話はよく分かりました。
例えば、半壊の住宅があり、大工さんに相談したところ、住宅を床で上げて移動させ、液状化している宅地に瓦礫などを入れて地盤を固め、そこへまた引き家して住宅を再建する工法があるが、1,200万円かかると言われたそうです。生活再建支援金は、全壊でも最高300万円で、半壊の場合は100万円にもならないのに、そんなことができるのかと。住宅の補修も行政でやる場合は最高限度額77万数千円です。ですから、工法などについて、今後さらに勉強会での研究が進み、方策が練り上げられることを期待しますが、実際に現場で住宅再建が可能かというと、支援策の立ち遅れが非常に問題なわけです。
そこで、最後の質問は、熊本地震で創設された復興基金の例などがよく議論されておりますが、具体的な基金などの造成による支援策を、今後もっと積極的に議論すべきではないでしょうか。これは急がれますよ。いかがでしょうか。
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市井土木部長 委員御指摘のとおり、地元市町村からは、公共事業による面的な液状対策もございますが、個人での対応が必要な場合も想定されることから、その対応も御要望いただいておるところであり、行政で支援できることが少しでもないか検討しておるところでございます。
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菅沢委員 私は、震災からの復興再生の過程を今後踏んでいく中で、液状化による
公共インフラと住宅の被災対策は、本当に要の問題ではないかと思っております。
そういう意味では、専門家による技術的な検討と知見が大事になります。また、地域住民に大きな金銭的負担が生じますので、それに対する支援が必要です。私どもとしては、生活再建支援金の全壊で上限300万円では不十分であり、これを倍増していただきたい。
さらには、能登地方と富山県で国の復興支援の金額に格差が出ておりますので、そうした格差の解消を強く求めます。
熊本のような復興基金の造成により、被災住民に特別の交付、補助をしていくことも含め、ぜひ勉強会の中でそういう方策も含めて御検討をいただきたいと思います。このように要請しまして、質問を終わります。長時間になりましたことをお許しください。
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安達委員長 質疑質問の途中でございますが、委員長から申し上げます。
土木部の金谷次長が所用のため退席されますので、御了承いただきたいと思います。
また、ここで暫時休憩をいたしたいと思っています。休憩時間は7分間といたします。
〔休 憩〕
35
安達委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑、質問はありませんか。
36 寺口委員 最初に、令和6年
能登半島地震におきまして被害を受けられた皆様に、私からもお見舞いを申し上げます。
また、各部局の皆様におかれましては、
被害状況の把握に始まり、補正予算の専決処分や2月の補正予算の作成、また、ボランティア等々にご尽力をいただいている点に関しまして、感謝申し上げたいと思います。
今ほど、震災に関する御質問がありましたし、また後ほど先輩議員からも質問があると思いますので、私からは農業に関しまして3問、質問をさせていただきたいと思います。
まず、1問目としまして、富富富の生産戦略についてお伺いします。2月5日に開催されました、第2回「富富富」戦略推進会議におきまして、第3期「富富富」生産・販売・PR戦略案が協議され、了承されたと伺いました。その戦略案の中で、令和6年度から令和10年度までの5年間において、富富富の栽培面積を1万ヘクタール、生産量を5万トンとする数値目標が示されたわけでありますが、これは令和5年度に比べ、面積で約6倍、生産量で約6.5倍と、かなりの増大目標だと思われます。
先日、生産者の方々と意見交換をする場がありまして、令和6年度に関しては、令和5年の大不作を受け、できるものなら生産を増やしたいという声が多く、増産体制への動きはおおむね歓迎するということでございます。
一方で、一部の生産者の方からは、コシヒカリに代えてわざわざ富富富を生産するメリットをあまり感じないといった声も聞かれますが、この富富富の生産の目標値を現在の約6倍まで持っていく方策について伺いたいと思います。
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伴市場戦略推進課長 富富富の生産拡大につきましては、昨年は猛暑の影響で、なかなか厳しい営農環境だったということです。また、集荷団体である全農とやまとも連携し、現在、富富富の需要が非常に高まっていることを、昨年早期に生産者の皆様にお示しし、普及活動を進めてまいりました。その結果、生産者の数が798経営体と非常に増えてきたという状況でございます。
こうした機運の高まり、あるいは需要の高まりを、今後の生産拡大にしっかりとつなげていくことが重要と考えております。そのため、生産拡大の方策といたしましては、まず、生産者の皆さんが懸念しておられる収量安定化について、JAや県農林振興センターを中心に、栽培の指導をしっかりやっていくということ、次に、収穫時期がコシヒカリと重なる部分もございますので、直播等による作期分散、あるいはJA等の乾燥調製施設の受入体制づくりをしっかりとしていくということ、そして、種子の安定供給をしっかりと行いながら、栽培に取り組みやすい環境を整えていきたいと考えております。
また、富富富の開発コンセプトについては、高温に強いことや、草丈が短く倒伏しにくいこと、あるいは肥料や農薬の削減による低コスト化、環境負荷の低減といった生産のメリットを、地域協議会を通じて生産者にしっかりとアピールしていきたいと思います。
それと同時に、販売PRもしっかりと行っていきたいと考えておりまして、例えば生産推進大会やホームページ、SNSを活用しながら、飲食店フェアなどの中食・外食向けの需要拡大の取組や、購入された方々を対象としたキャンペーン、あるいは消費者の皆さんに参加していただくレシピコンテスト、また、生産者も一人の消費者でありますので、実需者や消費者だけでなく、生産者に向けてもPRして、しっかりと富富富の生産拡大を進めてまいりたいと考えております。
38 寺口委員 今ほど、生産対策と販売・PR対策の2つの点で御説明をいただきました。生産対策で収量の安定化のお話がございましたが、生産者の方は少し収量が落ちると認識していらっしゃいます。コストの面や作りやすさにおいては、ぜひやってみたい、挑戦してみたいという声もある中で、栽培技術に関しては、まだまだ不安感が拭えていないという部分におきまして、やはり安定感が今後の研究の課題といいますか、研究の余地が非常にあるのかなと思います。
品種そのものを変えるわけではありませんが、栽培技術をもう少し改良、確立し、農家の方々に安心感を持って安定して作っていただけるような取組をしていただきたいと考えます。
また、販売戦略につきましては、コシヒカリを食べていらっしゃる方が多い中で、コシヒカリより富富富を買う価値、単純に「安くておいしい」ということをしっかりと追求する必要があると思います。
安さについては、コシヒカリと同等以上の価格帯という目標がございましたが、コシヒカリより富富富を食べるメリットがあることが大前提であり、おいしさの追求が大事になってくると思いますので、そこにしっかりとスポットを当てた戦略を作っていただきたいと考えております。
次に、富富富の増産に伴い、令和10年度には富富富とコシヒカリの栽培面積が同等になるよう目標を設定しているということで、コシヒカリは少しずつ減産することとなります。一方、コシヒカリの需要は依然として大きい中で、どのように同等まで持っていくと考えておられるのか、伺いたいと思います。
富富富が暑さに強いことで、急にスポットが当たっておりますが、コシヒカリの生産を減らすことには不安の声が聞かれます。作った分のコシヒカリはしっかり売れている中で、どのように進めていかれるのか、お伺いします。
39 雄川農産食品課長 富富富の令和10年度栽培面積の目標は、先ほど委員がおっしゃられたとおりであり、実需者や生産者からの富富富の大幅な生産拡大を期待する御意見や、本県産コシヒカリの一定の需要にも応えられるよう、富富富とコシヒカリの栽培面積が同等となる姿を目指すということで、戦略推進会議の中でおおむね了承されたところです。
このため、富富富につきましては、特に新規で生産される農業者への技術指導の徹底や、地域の特性に応じた栽培技術の確立を図りながら、生産拡大の加速化を進める一方で、コシヒカリについても5月15日を中心とした田植の確実な実施や、生育や気象条件に応じた追肥の実施など、高温障害を回避するための技術対策を徹底し、コシヒカリの需要にも応えていくこととしております。
県としては、富富富とコシヒカリの両品種がともに消費者から選ばれ、高品質で良食味な富山米として供給されるよう、関係機関・団体と連携した取組を進めてまいりたいと考えております。
40 寺口委員 もう一回だけ聞かせてください。食味の話で、私の印象かもしれませんが、「コシヒカリのほうがうまい」という農家さんが多いように思います。そうした神話にも似たような話がある中で、県としてどのように取り組んでいかれるのかについて、コシヒカリも富富富も、ということなのかもしれませんけれども、おいしさという部分のPRの仕方を伺いたいと思います。
41 雄川農産食品課長 食味につきましては、コシヒカリを食べ慣れているため好まれるということもあるかと思いますが、学校給食で富富富を提供するなど、子どもの頃からいろいろな味覚に慣れてもらう中で、特に子供や若い方たちを中心に、コシヒカリとはまた違う富富富の少しあっさりした風味について、好評な意見を聞いております。そのため、まずは幅広く食べていただくということが大切であり、そういった取組も併せて進めていく必要があると思っております。
42 寺口委員 給食での提供は非常に大事だと思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次に、富富富の栽培面積を拡大するための課題点といたしまして、刈取り時期がかぶっていることが上げられております。両品種で田植時期をどのように調整するのが望ましいかについて、今ほど雄川課長から、コシヒカリで5月15日を中心とした田植を徹底していくとお聞きましたが、大胆にコシヒカリの栽培時期を遅らせ、富富富を先に植え、コシヒカリを後に植えればいいという声も聞いております。しかし、実際は大分早い時期からコシヒカリの田植が始まっていると考えております。この作付時期の調整等をどのようにしていかれるのかを伺いたいと思います。
43 尾島農業技術課長 富富富はコシヒカリよりも成熟期が遅い品種であり、富富富とコシヒカリを同じ日に田植した場合、収穫期はコシヒカリよりも2日程度遅くなります。富富富とコシヒカリの両品種を作付されて、コシヒカリの面積が多い場合、コシヒカリの収穫乾燥調製に日数が長くかかることから、刈り遅れによる品質低下を防ぐために富富富の刈取りを先に行っていただくことが望ましいと考えております。富富富を先に刈り取るため、田植の時期は、富富富をコシヒカリよりも7日程度早く植えていただくことを基本としまして、作業計画を立てていただきたいと思っております。
一方で、近年の高温傾向の気象では、コシヒカリに限らず、他の品種でも作期が競合するような状況にございます。このため、経営体の判断により、直播栽培を組み合わせるほか、経営規模に応じ、富富富の田植がコシヒカリの前になる場合や後になる場合もあると承知しております。
引き続き、地域の共同乾燥調製施設等の利用の推進や、中生だけに偏らない品種構成の適正化、富富富の直播栽培技術の確立を図り、刈取り作業をスムーズに行っていただき、富富富の作付面積の拡大につながるよう、関係機関と連携をしながら進めてまいりたいと考えております。
44 寺口委員 乾燥調製施設の融通を利かせるということは非常に有意義なことだと思っております。JA管内で調製できるような取組も必要なのかなと思いますし、昨年の高温障害でコシヒカリが非常に厳しかった中、富富富は今から来年、再来年ぐらいが非常に大事な時期だと思っておりますので、生産者や消費者ともに受け入れられるような取組をしっかりと進めていただく必要があると思います。
富富富の生産体制を富山県としてどのように考えていくのか、もう少し強く打ち出していただく必要があると思いますし、曖昧な言い方になるかもしれませんが、莫大に増やすにはどのようにしていけばいいのかも考えていただきながら、しっかりと進めていただきたいと思っております。
次に、GX、グリーントランスフォーメーションについてです。国の、みどりの食料システム戦略におきまして、温室効果ガスであるメタンの排出の削減を推奨されております。メタンは温室効果が二酸化炭素、CO2に比べて25倍大きく、メタンの排出削減はとても大切なことであると言えます。
水稲の栽培で通常行われる中干し期間、それを今より7日間以上延長することにより、水稲におけるメタンの発生量は、CO2換算で年間大体1,400万トンのところ、3割軽減されるというデータが出ております。
生産者への、中干し期間の延長を推奨する通知や、温室効果ガスの排出を削減した分を国がクレジットとして買い上げるJ-クレジット認証制度を周知し、今後導入していくことも大切だと考えておりますが、その可能性に関して、県ではどのように考えていらっしゃるのか伺います。
45 尾島農業技術課長 国では、みどりの食料戦略におきまして、温室効果ガスの一つであるメタンの発生量を3割程度削減できるとして、水稲の中干し期間の7日間以上の延長を推奨技術としております。また、温室効果ガスの排出削減量、CO2吸収量をクレジットとして国が認証するJ-クレジット制度の活用を推進しております。
J-クレジット制度の仕組みは、農業者などがクレジットの創出者となり、民間企業がその削減効果をクレジットとして買い取る購入者となって売買契約が行われるもので、農業者にとって副収入となるメリットがある一方、登録や認証の申請手続が煩雑であることに加え、申請費用が発生いたします。
また、中干し期間の延長につきましては、メタンの発生抑制効果がある一方で、全国的な試験の結果では、穂数や籾数が少なくなり、収量の減少につながる事例が見られること、また、穂数の減少が一穂籾数の過剰を招き、高温時の品質低下につながることが懸念されること、水田の水持ちが悪くなるといった事態を招くおそれがあることなどから、高品質米の安定生産を推進している本県では、慎重に対応する必要があると考えております。
既に、J-クレジット制度に対するお問合せもございますので、農業者に対しては温室効果ガス削減とクレジット販売による副収入などの利点と併せまして、水稲の収量・品質低下の可能性の両面につきまして、農林振興センターを通じて周知に努めてまいります。
46 寺口委員 推進の大切さと、高温障害の部分、まさに両方で考える必要があると思いますが、農業者の方にしっかり選択の余地を持っていただけるように、取り組んでいただきたいと考えております。これからSDGsへの取り組みが大事になることも踏まえて、検討に値するような施策のPRをお願いいたします。
次に園芸振興についてです。稼げる!とやまの園芸産地支援事業の展開方法につきましては、水田フル活用における稼げる園芸産地づくりを進めていらっしゃいますが、先日の令和5年度富山県園芸振興推進協議会で、現在の園芸産地プランの策定数が184で、令和4年度の174と比べて10ほど増え、令和8年の目標が200とされていました。これは、園芸産地が順調に増えていると言えますし、JA魚津におきましても、新川大根が販売金額1億円を達成するなど、成果が現れてきていることが見て取れます。
しかし、少し伸び悩みも見えており、最近の燃料高騰分に関しましては、先日、補正予算を組んでいただいたということですが、燃料代や電気料金の高騰により、タマネギの乾燥施設等の利用料金が上昇したり、それ以外にも調製施設や保管施設など、稼働に関する費用が軒並み増大しているという現状におきましては、なかなかこれから新たに園芸に取り組んでいこうという生産意欲が上がらない現状も見て取れるという話もあります。
小さな支援では、再びのコスト上昇などへの対応はできないといった不安感から、生産転換に踏み切れない現状もありますが、今後どのように園芸を振興していかれるのか、計画を伺いたいと思います。
47 雄川農産食品課長 園芸作物の生産振興につきましては、先ほど委員からも御紹介のありましたとおり、市町村等が策定した184の稼げる園芸産地プランに基づき、その実現に向けた取組を進めているところであります。
今年度につきましては、県の重点推進品目であるタマネギやニンジンなどで作付面積が拡大したほか、国や県の事業を活用して施設整備を行ったチューリップの切り花で出荷量が500万本を超えたこと、また、若手生産者が育成をしております、御紹介のありましたJA魚津の大根でも販売金額が初めて1億円を超えるなど、成果が見られているところです。
一方で、御指摘のありましたとおり、電気料金等の高騰による施設利用料の負担増や、労働力不足、また果樹などでは昨年夏の高温、乾燥に伴う収穫量の減少などにより、生産意欲の維持が難しいという声も聞かれます。
このため、次年度につきましては、稼げる経営体のモデルとして、産地を牽引するリーディング経営体の育成、生産拡大・生産性向上に向けた機械、施設の導入支援、労働力確保体制の確立、また、ソフト面では、気象変動に応じた適切な栽培指導、JAの乾燥調製施設等への電気料金高騰分に対する助成など、生産者の課題に応じたハード、ソフト両面からの支援に取り組むこととしております。
また、生産者の意欲を高めるために、新たに
サンドボックス予算での新規事業といたしまして、本県の土地の個性、いわゆるテロワールを生かした野菜等のブランディングと販売PRに、産地とともに取り組むこととしております。
引き続き、園芸生産に取り組む生産者の収益が向上し、生産者の意欲が高まるよう、JAや市町村、農業団体等と連携し、園芸作物の生産振興を図ってまいりたいと考えております。
48 寺口委員 産地形成を進めることは重要だと考えておりますが、やはりその一方で、ぎりぎりの人手、コスト管理で、なかなか手が回らない現状があると思います。
今ほど、サンドボックス枠の御説明もございましたし、園芸導入マネジャーも設置され、進めていらっしゃるということもありますが、例えば個人の経営体でも頑張っていらっしゃる若手生産者や、葉物野菜など生産がまだまだ追いついていないところもあると思いますので、小さい経営体にもスポットが当たるようにしていただきたいと思います。
一方で、やはり伴走型と言いましても、成功するものもあれば、失敗するものもあると思います。当然、失敗を恐れていては駄目ですけれども、機械投資などはかなり大きな投資になりまので、途中で駄目になって無駄になったということがないよう、しっかりした伴走支援の在り方をつくっていただき、園芸振興が進むように取り組んでいただきたいと思います。
49 川島委員 私からも、
能登半島地震に際して、被災者の皆さんにお見舞い申し上げますとともに、連日緊張感を持って有事に対応されている、特にこの部局の皆さんに心より敬意と感謝を申し上げます。
震災からの復旧復興に向けては、できるだけ被災者の不安を解消し、希望と展望を持てるように進めていくことが、非常に大事だと思います。
そうした観点から、特に
農業水利施設の被害への対応、そして液状化の問題については、なかなか展望が持てないという状況でありますので、この点について聞いてまいりたいと思います。
加えて、昨日、自民党富山県連政務調査会として中央省庁、そして堂故国交副大臣、県選出の国会議員の皆さんに、富山県の震災被害対応について要望し、意見交換をしてまいりました。国交省、農水省の職員の方々も、技術者を派遣したり、目いっぱい応援していきますと、ぜひ何でも頼ってください、声を上げてくださいとおっしゃっていましたので、お伝えします。
あわせて、この1月1日から連日、奥能登など石川県の甚大な被害の状況が報道される一方で、氷見市の状況が矮小化といいましょうか、なかなか見えにくくなっている状況において、震源地は石川県能登地方ですが、これはもう北陸大震災なんだということ、ぜひ名称も変えていただきたいということを、国交副大臣に要請してきたところです。
地域によって、同じような被害を被っている中、そこに支援の格差があることはいかがなものかということを申し入れたところ、総務省からは、そういう声を自治体から上げていただかないと、なかなか国からは手を出せないところがあり、手前でできるんだと言ってやってしまうと国として支援ができない、という話もありましたので、ぜひそれも踏まえて、今後の復旧復興へ向けて、国の支援を県民のためにしっかり勝ち取っていくんだという緊張感で、一緒に取り組んでいただくことをお願いしたいと思います。
まず、1点目に
農業水利施設の被害についてです。氷見も回らせていただきましたが、高岡、小矢部など、特に呉西を中心とした地域では、2月後半には種を買って営農の準備に入るが、水が来るのかという声がたくさんあります。
一例を挙げますと、昨年の7月の豪雨災害で大きな被害が出た氷見のかんがい用水管、これは高岡市福岡町の五位ダムから水を取って氷見市の畑に水を送る管ですが、今月の中旬ぐらいから農林振興センター管内あげて、土地改良区の皆さんも加わり、100メートルずつ通水、破損の調査に入っておられると聞いております。
そういった普及に向けた取組が営農に間に合うのかが、農業者が一番心配なところでありまして、種も買って本当にやれるのか、営農に入ったときに破損して、また管から水が出るのではないかということが不安視されています。
そうした状況で、農業者に少しでも安心感を持っていただくためにも、
被害状況や復旧状況、そして
復旧見通しについて、お伺いしたいと思います。
〔「部長に聞いた一緒のことを課長に聞くのか、課長は
さっき部長が答弁したのに、同じことを、それでも答
弁するのか」と呼ぶ者あり〕
50 川島委員 じゃ、重なりますので、それはいいです。
51 松本農村整備課長 私のほうから少しお答えします。
52 川島委員 具体的なところも。
〔「そこ、お願いします」と呼ぶ者あり〕
53 松本農村整備課長 能登半島における農業の
被害状況につきましては、2月13日時点で農地の地割れ、水路の段ずれなどの被害が、8市2町1村で2,109か所報告されております。特に被害が大きかった氷見市におきましては、農林水産省、県、富山県土地改良事業団体連合会、民間コンサルタントにより構成される
調査チームを1月15日に発足いたしまして、1月中には目視点検等を実施し、全体の8割強の1,842か所で被害が確認されております。
復旧の対応状況につきましては、1月11日に
能登半島地震が激甚災害に指定されました。確定報告は、通常3週間以内に行うことになりますが、春の通水時に被災が確認された場合も災害復旧の対応ができるよう、国から確定報告の時期についての弾力的な対応などに関する通知がございました。
引き続き、農林水産省、県、市町村、富山県土地改良事業団体連合会、コンサルタントと協力し、順次
パイプラインの補修を進めながら、上流から通水試験を行い、水漏れがないかを確認しながら、応急対策を実施しておるところでございます。
復旧の見通しについては、現在では具体的な時期を明言することが少々難しいところもございますが、県といたしましては、今期の営農活動への影響が最小限となるよう、国をはじめ関係者と一体となって連携するとともに、これから通水が進んでいく中で、現地に一番お詳しい地元の方などともよく連携しながら進めてまいりたいと思います。今期の営農活動が再開できるよう、引き続き一生懸命取り組んでいきたいと思っております。
54 川島委員 氷見市もそうですが、高岡地域、国吉地区などからも、営農ができるのかと、いろいろ要望が上がっているところです。復旧に向けて目いっぱい頑張っていくことはありがたいことですし、大事なことなんですが、2月が終わり3月に入っていく時期で、場合によっては復旧が間に合わないということが考えられますので、そういった場合の補償を考えていただきたい。
今年は復旧に専念して、しっかりと用水管を直し、来年につなげていく判断をしていくことも、必要ではなかろうかなと考えます。既に種の購入や営農準備をしている方々もおられますが、このような判断を講じていくことも含め、今後の対応についての考えをお伺いします。
55 雄川農産食品課長 先ほど、農業用水等の復旧のこともございましたが、農業施設、
カントリーエレベーター等も被害を受けている状況もございます。
県といたしましては、春の営農開始に向けて、被災した
共同利用施設等の復旧が速やかに行われるよう、国の支援策を活用した復旧を後押ししており、事業者負担の軽減を図るため、県の上乗せ支援に必要な予算も専決処分により措置させていただいたところです。また、今ほど松本農村整備課長からの答弁もありましたとおり、現在、ため池や用水路等の復旧に向けた作業も速やかに進めているところです。
県といたしましては、来春に水稲の作付ができるよう精いっぱい努力をしていく一方で、現在、地域の農林振興センターで、被災地区での作付が可能かどうかの見通しについても調査を始めております。
結果として、復旧が間に合わず、水稲の作付が遅れる地域や、作付が困難な地域などが発生した場合は、通常より遅い時期での水稲作における留意点や、大豆、ハト麦、ソバのほか、飼料作物など緊急的な対応も含め、被災状況に応じた栽培指導を行うなど、被災された農業者が営農を継続できるよう、関係機関、団体と連携して必要な支援、指導に努めてまいりたいと考えております。
56 川島委員 今から農林振興センターで見通しについて捉えていくということですが、全く対応できない地域や営農組織があった場合は、補償も念頭に入れていただくことをお願いしたいと思います。
続きまして、
液状化被害対策についてですが、資料の配布の許可をお願いいたします。
57
安達委員長 許可いたします。
58 川島委員
菅沢委員からもつまびらかに質問されたところですが、県内では、高岡市は私が把握するところでも伏木地区、吉久地区、横田地区、木津地区の4か所、加えて富山市も被害があると聞いており、各所発災している状況です。
そのような中、被害については先ほどお話があったとおり全容を把握されていないということで、市が管轄する部分、県が把握する部分などありますが、やはりしっかりと全容を把握していくことが必要であり、随時進めていただきたいと思います。
宅地の
液状化対策においては、今資料を配りましたが、格子状地中壁工法や地下水位低下工法、そして薬液による工法など、4つの方法があるとのことです。
これまでに、こうした
液状化対策がなされてきましたが、茨城県潮来市の日の出地区における地下水位低下工法による
液状化被害対策では、被災者は自分の住居の改築だけを負担し、基盤整備は公共事業として実施することとし、土地所有者の95%の賛同を得て、3年間ぐらいで進められたという前例があります。
国交省の方針としては、熊本地震の
液状化対策よりも要件を緩和すると聞いておりますので、そこに県単で上乗せして、被災者が希望の持てるような
液状化対策をしっかりと進めてほしいと思うわけであります。
土地所有者の事業合意を得ながら、中長期にわたって対策工事が必要であり、全国の先進事例──御紹介したような茨城県の例も参考に、土地所有者に対して、早期に復旧・復興へ向けたロードマップを示していく必要があると考えますが、見解を伺います。
59 米澤住みよい
まちづくり班長 ただいま委員からお示しがありましたように、国では、宅地と一体的に行われる道路などの公共施設の
液状化対策に関して補助事業を設けており、県では1月30日に国・県・市町村による勉強会を開催し、国の制度の説明や、他県における適用事例について御紹介をいただいております。
この勉強会では、事業を実施する場合は、まず条件として、宅地の液状化により道路などの公共施設に被害が発生するおそれがあること、そして事前の調査等により、顕著な被害の可能性が高いと判定された3,000平米以上の一団の土地の区域であり、かつ区域内の家屋が10戸以上であるといった一定規模の面的な条件も示されております。
委員から御指摘のありましたロードマップにつきましては、これまでの事例を参考に国が手順を示しておりまして、その手順によりますと、地質調査による事業可能性の検討から始まり、対策地区の決定、住民の同意など、多くの段階を経て工事着手となるため、事業主体の市町村とともに、住民の意向を丁寧に把握していくことが大切であると考えております。
県としましては、引き続き勉強会を開催しまして、
液状化対策に関する知識を深めるとともに、国からの適切な助言をいただきながら、市町村とともに取り組んでまいりたいと考えております。
60 川島委員 被災者の話を聞いておりますと、住み続けることが難しいということで、既に移転を決められた方もおられますし、何とか留まってもらって、液状化があった地域ではあるが、また再生できるんだという希望、展望の持てる進め方を市町村、国とも連帯してやっていただきたいと思います。
61
安達委員長 ほかに質問ありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑質問を終わります。
2 請願・陳情の審査
62
安達委員長 次に、陳情の審査に入りますが、今回は付託されておりませんので、御了承願います。
以上で、付議事項についての審査を終わります。
この際、ほかに何か御意見等はありませんか。──ないようでありますので、これをもって委員会を閉会といたします。
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