富山県議会 2023-12-13
令和5年地方創生産業委員会 開催日: 2023-12-13
〔
賛成者挙手〕
5
針山委員長 挙手全員であります。
よって、議案第102号外2件については、原案のとおり可決すべきものと決しました。
2 請願・陳情の審査
6
針山委員長 次に、請願・陳情の審査に入りますが、今回はいずれも付託されておりませんので、御了承願います。
3 閉会中
継続審査事件の申し出について
7
針山委員長 次に、閉会中
継続審査事件の申し出の件を議題といたします。
本委員会の閉会中
継続審査事件については、お配りしてある
申し出案のとおり議長に申し出たいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
8
針山委員長 御異議なしと認めます。
よって、お配りしてある
申し出案のとおり議長に申し出ることに決定いたしました。
4
地方創生産業行政当面の諸問題について
(1)
報告事項
資料配付のみ
交通戦略企画課
・第4回
サービス連携高度化部会の開催結果について
・第6回
交通ワンチーム部会の開催結果について
広域交通・
新幹線政策課
・第4回城端線・氷見線再
構築検討会の開催結果
(2) 質疑・応答
嶋川委員
・
県西部地域の
旅行商品化について
・台北便による
アウトバウンドの促進について
藤井委員
・
中小企業トランスフォーメーション補助金について
・令和6年度当初予算に向けた検討状況について
・立山砂防の
世界遺産登録に向けた取組について
岡崎委員
・富山県の
公共交通の課題と展望について
井上委員
・学生の県内就職の応援について
・中
山間地域における
物流モデルの構築について
鹿熊委員
・
地域公共交通について
針山委員
・
高岡テクノドームの機能拡充について
9
針山委員長 報告事項に関する質疑及び
所管行政一般についての質問に入ります。
質疑、質問はありませんか。
10 嶋川委員 年末になり今、
メディア等では政治と金の問題が大きく取り上げられ、昨日は「税」が今年の漢字と発表されました。政権もそうですけれども、持続していくことが非常に難しい時代になっているなと、私自身考えております。今日は、持続可能をテーマに質問いたします。
メディアではいろいろな話題がありますけれども、私が今日一番驚いたのは、M-1のファイナリストである和牛という漫才師が解散をしたと。私も何度か御一緒させていただきましたが、本当にすばらしい漫才師でありました。私は漫才師を15年やっておりますけれども、和牛はやっぱり憧れの存在であり、売り物として見たときに、非常にクオリティーが高い。漫才師として売れる物だった。
ただ、解散をしてしまったということは、もう持続可能ではありませんし、売り物ではない。どうやったら持続していけるかが、非常に大きなテーマだなと思っております。
そうした中、富山県には売り物はたくさんあります。これから稼いでいかなければいけないところですが、この間、びっくりしたことがありました。来年開業する
黒部宇奈月キャニオンルートに、8,140名を頑張って呼んでこようと。その前に一回、
モニターツアーを100名限定でやってみようと。非常に話題性もあるし、注目も浴びているので、どのくらい集まるだろうと思っていましたが、蓋を開けてみたら応募者は8名だった。それにも私は大変驚いております。
オイスカ議連で
フィリピンへ植樹に行ったんですけれども、向こうの首長さん何人かにお会いして、富山県のパンフレットをぱっと見せたときに、どの首長さんも知っていると言ったのが、雪の大谷でした。
グローバルチャンネルでこれを見ている、一回行ってみたいと。
フィリピンのオイスカ島というところの首長さんでさえ、興味があるわけです。非常にマーケットは広いと感じておりますが、実際にやってみたら8名しか集まらない。どうやって持続可能にしていくかが大切だと、感じたところであります。
前回の
常任委員会の中で、英国とアイルランドで
観光セールスをされたとお話があり、イギリスは非常に富山と親和性が高いということでした。高い山があり、伝統や文化とも非常に親和性があるから、
呉西地域の
旅行商品が非常に売れる可能性があるのではないかとお伺いしました。
そこで、1問目ですけれども、
県西部地域の
旅行商品化についてです。県西部の
観光資源を生かした
旅行商品開発を行っているとお伺いしておりますが、具体的にどのような商品を開発して、どこに売り込んだのか。現在の
販売状況はどのようになっているか。国内での売込みはもちろんですけれども、海外での
販売実績が重要ではなかろうかと思います。海外での売込みに関して、現地の方と日本人の感じ方の違い──この観光地はここがいいねと日本人が思うところと、欧米の方が感じるところはやはりちょっと違うんじゃないか。そうなると、現地のバイヤーさんに
アドバイスを得ることも非常に大事ではないかと思いますが、
山下観光戦略課長にお伺いします。
11
山下観光戦略課長 国内向けについては、先月、
北陸デスティネーションキャンペーン全国宣伝販売促進会議を開催しました。雨晴海岸の早朝
絶景タクシー──朝起きて、眠い目をこすりながら美しい夜明けを見るものや、その後泊まってもらおうという思いもあって、
新湊内川観光船の
ナイトクルーズに行くなど、
県西部地域からは40の素材を全国の
旅行会社に対してPRするとともに、実際にエクスカーションでも盛り込んで体験をしていただきました。今申し上げた2つも体験していただき、既に
旅行会社から商品化したいとの問合せが来ていると聞いております。
また今年度のJRと連携した
広域観光の新商品については、新高岡駅を拠点に新湊、氷見、奥能登を周遊する商品、五箇山、井波、高山などを周遊する商品を造成し、JR東日本の大人の休日
倶楽部会員向けに10月下旬から販売を開始して、順調に売れていると聞いております。
また、
海外向けの
旅行商品開発・販売につきましては、現在、台湾、香港、タイ、欧州に、県職員などの代わりに
現地向けの
セールスや
プロモーションを行う
現地レップ、代理人のようなものを設置する事業を行っております。現地のニーズを情報収集するとともに、県内の
旅行商品や観光地を
旅行会社へ
セールスしているところです。
また、
海外向けのオンライン・トラベル・エージェント、OTAの
インバウンド個人向け旅行商品の販売に向けて、とやま
観光推進機構が
観光担当者向けの研修会を開催しているほか、試験的な販売や
モニターツアーの実施を予定しているところです。
先月
プロモーションを行ったロンドンでも、
現地旅行会社等から、英国・欧州の旅行者は地域の伝統や
歴史文化等の体験を好むという
アドバイスを受け、その後、お寺や伝統工芸など、
体験商品の
情報提供・
セールスをフォローアップで行っているところでございます。また、実際に視察にもいらっしゃって、対応をしているところです。
引き続き、県西部をはじめとした
県内市町村や
関係事業者と連携し、
観光商品の磨き上げなど高
付加価値化を進めるとともに、
インバウンドのニーズを把握し、
関係事業者と連携しながら
プロモーションや
セールスに取り組んで、本県が選ばれ続ける観光地となるように取り組んでまいりたいと考えております。
12 嶋川委員 お伺いしますと、
国内向けと
海外向けにきちっと分けて
プロモーションをしておられるということでした。販売の引き手もあり、手応えも感じておられるということで、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
1点だけ追加でお尋ねしたいのですが、現地の代理人の方に売込みをしてもらっているとのことですが、先ほど言いました漫才もそうですけれども、和牛はおもしろいといっても、実際見ているのと見ていないのとではやっぱり全然違うわけでして、やっぱり生で見てもらうことが大切です。現地の代理人の方は、実際に富山にお越しになって、体験したり見たりされているんでしょうか。
13
山下観光戦略課長 会社にお願いしているんですけれども、その担当者である現地の方はいらっしゃっております。先日も1週間ぐらい見て回り、非常に御理解もいただいて、頑張ってくださっています。
14 嶋川委員 そういう方の口コミは、ただ紙面やウェブでPRするよりもかなりの効果があると思いますので、また引き続き取組を続けていただければと思います。
それでは、続きまして2問目に移ります。台北便に関連する質問であります。
昨日の
予算特別委員会で、臨時の台北便の運航は水曜日と土曜日であること、全18便であることを知事から伺ったと認識しております。台北便を臨時的に再開するといっても、
富山県民に利用してもらおうとなったらやっぱり
海外旅行なわけですから、あらかじめルート、時間、費用が分かった上で初めて休みを取って、それに向けてお金をためることになるだろうと。臨時便の準備ができましたから、はい、どうぞ乗ってくださいでは、なかなか利用が進まないと思っております。
何便が飛んで、現地にどのくらい滞在できるか、幾らかかるか、
交通手段はどうなっているか、その辺を含めて、
定期便化のためには
インバウンドだけではなくて
アウトバウンドにも力を入れるべきだと考えます。
臨時便運航開始は来月でありますので、もう間もなくです。県民に対してもっと具体的にPRしてはどうかと思いますが、
勝山航空政策課長にお伺いします。
15
勝山航空政策課長 台北便につきましては先般、1月31日から3月30日まで、水曜、土曜、週2便体制で
臨時便運航が決定したところです。
委員御指摘のとおり、定期便の
運航再開に向けましては、
アウトバウンドの需要喚起が非常に重要であると考えております。このため、これまでも春、秋の
臨時フェリー便──これは回送便でございますが、そういった便を利用した
県民向けツアーの企画、
県内旅行会社を対象とした
アウトバウンドセミナーの開催、また、
県内報道機関向けの
メディアファムツアーという現地を見ていただくツアーなどを実施してきております。
また、現在、県民の
パスポート取得経費の半額を助成するための申請を受け付けているほか、今後、
台湾観光PRのイベントを開催する予定にしております。
加えて、今回の
補正予算(案)では台湾への
アウトバウンド旅客需要を喚起するため、
県内商業施設等の県民が多く集まってよく目にする場所で懸垂幕等によるPRを行う経費、また冬の臨時便の
旅行商品造成への
支援経費を計上しております。
今回の臨時便につきましては、既に
大手旅行会社さんから、
富山空港発着の
旅行商品として3泊4日または4泊5日の
旅行商品が販売されており、新聞や
ホームページにも掲載されております。
県としては、今後行う
PR事業で、1月から3月の
臨時便運航について周知に努め、
定期便再開に向けて、まずは冬の臨時便の
利用実績を上げるように、一生懸命取り組んでまいりたいと考えております。
16 嶋川委員
旅行商品は既にあるということで、私の不勉強もあり失礼をいたしました。
ただ、県がこんな感じでやるよと大々的に伝えていただきたいですし、こうやって議会、あるいは委員会で聞くことで、ばっとお答えいただきたいなと。大体お幾らぐらいでしょうか。金額が分かれば利用するかどうか考えやすい。私も行きたいと思っています。幾らなのかによって、金額が高ければお金をためなければいけないですし、少なければ手軽に行きやすい。幾らぐらいなのか、お答えいただきたいと思います。
17
勝山航空政策課長 ホームページや新聞広告で私が見た限りになりますが、例えば先週土曜日に新聞に出ていた広告では、完全な
フリープランで、4日間であれば最安値の6万9,800円から。
ホームページをざっと見たところ、航空券のみであれば、最安値は3万5,000円からと。ただ、日が非常に限定されていたり、ほかに諸費用が必要だったりするかもしれませんが、私もネット等で確認しております。
18 嶋川委員 お伺いするところでは、行けない値段ではないなと。行きたいと思ったら手が届きそうな値段であり、ちょっと希望が持てました。
臨時便とはいえ定期化に向けて機運を高めていくためには、やっぱり
インバウンドだけではなくて
アウトバウンドも大事だと位置づけておられると思いますが、目標はあるんでしょうか。大体どのくらい
インバウンドで入ってきて、どのくらい
アウトバウンドで出ていくか。県民が利用しやすく、台湾に行きたくなるような積極的な促進策が必要じゃないか。
大型商業施設でのPRは実施するとお伺いしましたが、補足があれば御説明をお願いします。
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勝山航空政策課長 コロナ前の令和元年度の
台北便利用者割合のデータがございまして、それを見ると、外国人の方が75%、日本人が25%で、利用率が大きく異なっています。
航空会社からは、冬の臨時便の
利用実績が
定期便再開に向けて重要であると言われており、従来の25%という日本人の利用率を少しでも高めていくことは必要であると考えております。
先ほども説明しましたが、10月に
県内報道機関等を対象とした
メディアファムツアーを実施して、実際に
台北現地を見て取材してもらい、現在、新聞、テレビ、雑誌等で台湾の魅力を御紹介いただいております。今もそれは続いております。
さらに、今後台湾の食文化、歴史などの魅力を広くPRする
台湾観光PRイベントを開催するほか、県民の
パスポート取得費用半額助成、また今回の
補正予算(案)に計上している冬の臨時便の
旅行商品造成の支援などを展開して、より多くの県民の皆様に台湾に行っていただけるように、また行きやすくなるように、
利用促進を積極的に進めてまいりたいと考えております。
20 嶋川委員 令和元年度の
台北便利用率は、外国の方が75%で日本人が25%だったと。この25%を上げていこうということですので、その一助となれるように私も頑張りたいなと思っております。2月ぐらいが行きやすいのかな。だから委員会の日とかぶらないといいなと、いろんなことを思うわけです。そこで、せっかく日本人の利用率を上げていこうとする中で、
富山県民に台湾に行っていただくのも一つの手ですけれども、もう一つ、他県から富山に来て、富山を楽しんでついでに台湾に行っていただくような仕掛けがあってもいいのではないかと思いますが、このことについてお伺いします。
21
勝山航空政策課長 台北便の
アウトバウンド需要確保のためには、県内だけではなく岐阜県飛騨地方や
高山地域、あるいは新潟県上越、
糸魚川地域など、
近隣地域と連携して、
利用圏域を拡大することが重要であると考えております。
現在県では、
県外在住の
富山空港利用者の
高速道路利用料金に対する助成を行っており、その周知と併せて、
近隣地域の自治体や
経済団体等への
エアポートセールスに当たり、台北便に係る
情報提供や意見交換を行ってまいりたいと考えております。現在、既に飛騨市さんとアポイントを取っております。
今後とも、台北便の運航がない
近隣地域の旅客を取り込めるよう、関係の皆さんと連携協力して、台北便の
アウトバウンド需要の確保に努めてまいりたいと考えております。
22 嶋川委員 現在は、
県外在住の方が
高速道路で富山へ来た場合、空港を利用するなら支援があるということでした。できれば富山県にいる人が県外の人を誘って、せっかくだから富山へ遊びにおいでよ、一緒に台湾に遊びに行こうよという形になると、また
利用促進が図られるんじゃないかと。
個人的なことですけれども、私の妻と子供が東京におりまして、何か利用できるものがあれば、ぜひ呼んで一緒に台湾へ行きたいなと思います。しかし、
高速道路利用料金の支援はされているということですが、うちの妻は免許を持っていないものですから、そういったことも考慮して何かほかの策を考えていただけたらなとも思います。いずれにせよ利用が促進されるように、引き続き取り組んでください。
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藤井委員 先ほど嶋川委員から、和牛解散の話が出ておりました。和牛の解散は来年3月で、今すぐというわけではないんですが、来年3月の解散というと、それまでの間に衆議院も解散してしまうんじゃないかという心配もありまして、そのあたりもちょっと懸念しているわけであります。
今定例会でも、非常にいろんな議論がありました。特に大型の
補正予算が追加であり、国の
重点交付金を活用した生活者及び事業者への支援についての議論も多かったと思っております。
昨日の
予算特別委員会でも、
宮本委員から
中小企業トランスフォーメーション補助金についての質疑があり、
中谷商工労働部長からの御答弁もあったんですが、一部ちょっと重なるかもしれませんが、改めて委員会でも確認させていただければと思います。
今回の
補正予算で追加提案されたのが、
中小企業トランスフォーメーション補助金です。
コロナ禍になってから創設された
事業者向けの補助金、助成金を調べると、13ほどのメニューがありました。
一番最初が富山県・
市町村新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金。懐かしいですね。
拡大防止のため協力金を出していたあの時期から、
事業持続化地域再生支援金、
地域企業再起支援事業費補助金、
中小企業リバイバル補助金は第3次までありました。
ミニリバイバル補助金というのもありました。あとは事業再
構築支援事業費補助金、
事業復活緊急応援金、
中小企業ビヨンドコロナ補助金などによって、切れ目なく
中小企業の支援を行ってきたことに関しては、皆様方の御努力にまずは敬意を払いたいと思っております。
そして今回の
中小企業トランスフォーメーション補助金は、コロナが明けてからの
企業成長のための補助金ということであります。もちろん
ビヨンドコロナ補助金も、コロナが明けたことを想定したメニューが特に第3次、4次にはあったと思いますけれども、私の理解だと、売上げや利益の一部減があった、何かしらの苦しさ、厳しさに直面している事業者に対しての補助金だったと思っています。
今回の
中小企業トランスフォーメーション補助金は、
コロナ禍における補助金と異なってつくられていると理解しているんですが、どのような目的で創設されたのか、また過去に補助金の交付を受けた事業者も受給することはできるのか、
板屋地域産業活性化班長にお伺いいたします。
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板屋地域産業活性化班長 県ではいろんな補助金をこれまで実施してきましたが、主要なものとして、県内
中小企業が
コロナ禍を乗り越え反転攻勢につなげるための補助金として
地域企業再起支援事業費補助金、それからリバイバル補助金、
ビヨンドコロナ補助金により、継続的に支援してきたところです。
特に
ビヨンドコロナ補助金につきましては、第4次まで募集し、合計の採択数4,290件、金額は約52億4,000万円となっております。この
ビヨンドコロナ補助金について、実績報告が完了している第1次及び第2次の募集で採択された皆様にアンケートを実施しました。そのアンケート結果で、回答のあった約95%で事業活動の再建または発展に役立ったとされております。また、約83%で生産性が向上したとの回答をいただいております。さらに、売上高、利益率が大きく上昇した事業者も見られます。この補助金により多くの事業者で効果的な取組を実施していただき、
コロナ禍や物価高騰に対応されてきたと考えております。
こうした中、国では、デフレ完全脱却のための総合経済対策に伴う
補正予算の中で、
中小企業の賃上げ環境の整備、それから人手不足対応、生産性向上を通じた賃上げ支援が強化されております。
このため県としましても、県内
中小企業のDXやGXを通した生産性向上による賃上げを推進するため、
中小企業トランスフォーメーション補助金の創設を、追加提案した
補正予算(案)に盛り込んでいるところです。
まずは、デジタル化や省エネ等の課題を見える化する診断費用を助成し、その課題解決のため、専門事業者と連携して取り組めるようコンサルティング経費を含めて支援し、DXやGXの足がかりとしていただきたいと思っております。
また、既にデジタル化や脱炭素化に取り組んでいる事業者の皆さんへは、DXやGXの実現に向けてより高度な取組に挑戦していただくために、これまでの補助上限額よりも200万円引き上げた500万円を支援することにしております。
なお、申請に当たりましては、これまで補助要件であった売上高や利益率の減少を撤廃することにしております。そのほか、
コロナ禍における補助金を既に受給されてきた事業者の皆様も改めて申請していただけます。
予算案をお認めいただいた際には、補助要綱等の情報についてできるだけ早く速やかに周知を図り、商工団体等の支援機関とも連携し、県内
中小企業の生産性向上や収益力強化を後押ししてまいります。
25
藤井委員 速やかにとおっしゃられていましたが、年内中にできるのか、年明けになりそうなのか、その見込みを教えていただけますでしょうか。
26
板屋地域産業活性化班長 お認めいただいた後は、調整案件が少し残っておりますので、中身を精査して、おおむね1月下旬を目標に周知をする見込みです。できれば2月下旬頃からの募集を開始したいと考えており、今は事務手続の準備にかかっているところです。
27
藤井委員 非常に意欲的なメニューですし、総額5億円でありますので、ぜひ速やかに、できる限り早く、周知をお願いしたいと思います。
では、続きまして、令和6年度当初予算に向けた検討状況について伺います。
令和6年度当初予算の詳細は、今はまだ言えないことは重々承知しておりますが、2月定例会に入るまでの委員会で質問できるのは、恐らく今回と2月定例会直前の委員会になりますので、今回の委員会でも聞かせていただければと思っております。
まず、官民協働事業レビューであります。今年8月、全4回、計24の事業がレビューされまして、うち当委員会所管の事業は7つだったと承知しております。
私も新川文化ホールの会場で、商工労働部さんが行われていた事業レビューを拝見しました。非常に真剣なやり取りがされていて、こういった事業レビューはやっぱりいいなと感じたところです。
官民協働事業レビューは非常によい取組だと私は評価しておりますけれども、一方で、そこでの評価を次の予算に生かさなければ、あの事業レビューは、単に県民から評価を受けただけということになりますので、ぜひその結果を当初予算に反映させていただきたいなと思っております。
細かくなりますが、当委員会各部局にそれぞれ事業レビュー対象になったものがありますので、それぞれについて、レビューで受けた評価と、それを踏まえた令和6年度当初予算の検討状況を伺います。
まずは、とやま移住魅力発信・強化事業、地域おこし協力隊定着率向上対策事業、とやま観光塾開催事業に関して、
竹内地方創生局長にお伺いします。
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竹内地方創生局長 御紹介ありましたように、本年8月に実施された官民協働事業レビューにおきまして、私ども地方創生局では、とやま移住魅力発信・強化事業、地域おこし協力隊定着率向上対策事業、とやま観光塾開催事業の3事業について評価をいただいたところです。
まず、移住検討者を対象に各種イベント等を開催しております、とやま移住魅力発信・強化事業につきましては、一部改善という評価でした。
内容としては、移住促進だけでなく移住後の定着支援も重要との御意見でございました。移住者に長く住み続けていただくためにも、フォロー体制の強化は、私どもも重要と考えており、例えば移住者同士のつながりを強めるようなことができないかといった検討を進めております。
次に、地域おこし協力隊定着率向上対策事業につきましては、支援対象である協力隊の隊員が市町村採用であることを踏まえ、市町村等との役割分担の見直しをすべきだという評価をいただきました。現在、県が担うことが適切かつ効率的な役割を改めて整理しております。引き続き地域の重要な担い手である隊員の県内定着に努めたいと考えております。
一部、もうそろそろ県がやらなくてもいいのではないかという役割については、市町村で担っていただく、しかし、定着率の向上に対して、県としてさらに強化していくべき事項があるのではないかと、検討しているところです。
最後に、とやま観光塾開催事業につきましては、一部改善という評価でした。時代のニーズに応じてコースの改善を図るべき、内容はよいが県民へのアピールが不足といった御意見をいただきました。
こちらにつきましても、
インバウンドや高
付加価値化に対応できるよう、カリキュラムや講師の一部見直しを進め、PR不足という御意見に対しては、県民向けの広報も検討したいと考えております。
29
藤井委員 では、続きまして、交通政策局の
公共交通活性化総合対策事業について、
田中交通政策局長にお伺いします。
30
田中交通政策局長 交通政策局では
公共交通活性化総合対策事業が対象になり、レビューの評価は一部改善でございました。
委員や県民評価者の方からは、今後も
公共交通の維持活性化に向けた取組への支援が必要であるとしつつ、燃料高騰化における
公共交通の経済的なメリットのアピール、またダイヤや接続性の改善など、
公共交通の
利用促進やサービスレベルの向上、さらなる推進を求める御意見を多数いただきました。
御承知のとおり、地域交通戦略会議でも、
公共交通のサービスレベル向上や県民の
利用促進について、議論を重ねております。このためレビューの結果や戦略会議の議論も踏まえまして、現在、当初予算編成に向けて検討を進めているところです。
31
藤井委員 次は、商工労働部所管のクリエイティブ人材リカレント教育事業、デジタル化相談窓口運営事業、社会人インターンシップ導入支援事業について、
中谷商工労働部長にお伺いします。
32
中谷商工労働部長 まず、クリエイティブ人材リカレント教育事業につきましては、県内企業のデザイン系人材の活用を促進するために、県内ものづくり企業において、県内外のデザイン系大学生等によるインターンシップ、ワークショップを実施しております。
レビューでは、デザイン系人材を受け入れる企業風土を醸成すべきである、それから、社会人も対象にできないかという御意見をいただきました。
県の成長戦略では、クリエイティブ人材の育成、集積、活用が重点的検討課題とされており、新産業戦略PTで、それについて議論をしているところです。
中小企業等でのクリエイティブ人材の活用、クリエイティブな仕事、やりたいことができる富山県のイメージづくりが必要という意見をいただいております。今後、改善方法について検討してまいります。
それから、デジタル化相談窓口運営事業でございます。県内企業のデジタル化を促進するために、相談対応、指導者派遣等を実施している事業です。
レビューでは、行政ではなく民間で実施すべきという御意見、それから相談件数が少ないという御意見もいただいております。デジタル化を推進するためには、自社課題を分析し、その課題に応じた取組が必要ですが、小規模な事業者等からは、どのように取り組むべきか分からないという声が多い。それから、
アドバイスを受ける費用の負担。ベンダー事業者に
アドバイスをもらうためにもお金がかかります。最近は、ベンダー事業者は引く手あまたで、大きくもうかる企業のところには行くけれども、小さくあまりお金にならない企業の面倒は見てくれないという声もございます。
そういったことがあるので、行政で初期段階を支援している。今後はより多くの事業者にデジタル化に取り組んでいただけるように、まず、生産性向上や収益力につながった具体的な成功例──なぜデジタル化すべきなのか分からないという御意見も結構あって、これだけ効果があるんだと分かれば皆さんに取り組んでいただけますので、まずはそれを見える化したい。また、相談窓口の周知方法を強化して、
利用促進につなげたいと考えています。
それから3つ目、社会人インターンシップ導入支援事業は、学生ではなく社会人のインターンシップについて、そのやり方、留意点を伝えて、インターンシップのマッチングまで行う事業です。
レビューでは、やはり昨今は大変な人手不足になっているので、転職や兼業のニーズもあるため、この事業はやっぱり必要だという評価でした。ただ、本事業では採用実績が少なく、効率性が悪いという御指摘をいただいております。
元々社会人というのは、学生と違って均一な条件にない。働いている人もいれば辞めてしまった人もいるし、県外から戻ってくる人もいれば県内で転職をする人もいる。要は、そういう就職活動のできる人もいればできない人もいるため、非常に効率的には難しい事業だということで、このレビューで議論されたところもございます。
そういったことから、できるだけ多くの方々に利用していただける効率的なマッチング方法を、いろいろシステムも考えながら検討しているところです。
引き続きこういったものを生かして、富山県の企業がしっかりと発展していけるように取り組んでいきたいと思います。
33
藤井委員 それぞれの事業に関して、貴重な意見があったかと思います。
予算も人手も、当然県庁内では限られているわけですから、よいところは残し、改善すべきところは改善し、新たな事業に発展させていくことが重要ですので、引き続きよろしくお願いいたします。
次に、当初予算の編成方針で、新田知事から、「未来に向けた『人づくり』と『新しい社会経済システム』の構築に係る経費」や「ウェルビーイング指標を活用した課題解決に係る経費」については、上限のない要求が可能とされております。特にウェルビーイング指標については、昨日の予特でも
宮本委員から質疑がありました。ウェルビーイング指標が総務大臣賞を受賞したことに対し、知事は期待7割だと、これから頑張っていくという御答弁だったと思います。
予算編成にあたっては、部局にとらわれないテーマを設定し、施策設計図に基づきウェルビーイング指標を活用して、パッケージとして新たに企画立案した事業に優先的に予算配分されるとあります。
この方針は、ぱっと読むだけではよく分かりませんが、実際このことについて、今、部局内ではどういう状況なのか。もちろんウェルビーイングを所管する知事政策局の御答弁の中では、そういったことへの前向きな答弁があったわけですけれども、他部局の皆さんがどのように活用されているかについて、全ての部局に聞くわけにもいきませんので、代表して
竹内地方創生局長にお伺いします。
34
竹内地方創生局長 御紹介ありましたけれども、来年度当初予算編成方針として、未来に向けた人づくりと新しい社会経済システムの構築に積極的に取り組むこと、またウェルビーイング指標を活用して企画立案する政策パッケージに予算を重点配分することが示されました。
当局におきましても、ウェルビーイング指標を活用し、同指標を高めるための取組をパッケージで提示できるように、現在作業中でございます。
一例ですけれども、ウェルビーイング指標において、若者を中心に、地域等とのつながりが薄いと感じていらっしゃる方が多いという結果がございます。そのため、このような方々に地域や社会への積極的な参画を促すことをテーマに、そのために何が必要で、どのような取組がこの指標の向上に効果的か、部局の枠にとらわれず、現在議論を進めております。
現状、議論及び検討は、女性活躍からグリーンツーリズムの分野に至るまで広い範囲にわたっております。予算要求に上限がないこと、また重点配分が認められることもあり、各施策の担当者からは積極的な提案がなされていると、取りまとめの担当者から聞いております。
来年度当初予算において、知事からも答弁がありましたが、ワクワクするような気持ちを持てる幸せな富山県の実現に向けて、前向きな予算になるように、私ども地方創生局としても知恵を絞って取り組んでまいります。
35
藤井委員 今の段階ではなかなか答えにくかったと思いますが、一例を提示してくださいました。私も非常に期待しているところですので、よろしくお願いいたします。
今、若者と地域とのつながりが薄いという話もありましたが、11月初旬にチューリップテレビさんで、なぜ若い女性は富山を出るのかを特集されていました。その中で、富山大学経済学部で若者の研究をずっとされている中村真由美教授は、県内に女性が好む就職先が少ないのではないか、富山県は製造業が盛んであり、一般的に女性が働く傾向が高いサービス業の選択肢が限られているからと、仮説を出されていました。
富山県の若い女性の転出は大きな課題ですけれども、どうも各部局がそれぞれ散発的に対応しているように思えます。それこそ今回のウェルビーイング指標じゃないですけれども、部局横断的な取組の中で、ぜひ本格的、継続的な専門調査を行っていただけないかと思っております。
若い女性だけではなく、先ほどおっしゃった若者の社会的なつながりなど、彼らはウェルビーイングのために何を重視しているのかも含めて、やっぱり定量・定性調査をもっと深めていくべきではないかと思います。
マーケティングでも、仮説検証を毎年のように継続的にやっていくことで知見がたまっていくので、本格的、継続的な専門調査について、その導入可能性や今の取組等について、長嶋雇用推進班長にお伺いします。
36 長嶋雇用推進班長 県では例年、女性や若者のUターン就職に関する意識を把握するため、県外に進学した本県出身者を対象とする実態調査、県外出身者を含めた県内大学生を対象とする就職に関する意識調査を実施しております。昨年度は、これらに加えて卒業後の進路及びその理由等について詳細に把握するため、このUターン就職に関する調査をさらに深掘りした調査を行ったところです。
この結果によると、Uターン就職しなかった学生も含め全体の半数以上が、Uターン就職する意向が高まる就職活動への支援として、県内企業についての
情報提供をしてほしいと回答しています。また、Uターン就職しなかった女性の61%、Uターン就職した女性の54%が、就職活動において女性が活躍しやすい企業を意識したと回答しております。また、Uターン就職しなかった女性の36%が、県内企業の女性活躍への対応が進んでいない点として、女性の積極的な採用、管理職への登用を挙げています。また、結婚、出産などで一旦退職した女性の雇用拡大も同じく36%、女性が活躍できるロールモデルのPRは、34%の方が挙げております。
県では、この結果を踏まえ、まずは女性や若者に県内企業の魅力を届けるため、今年度、県の企業情報サイトを統合、リニューアルし、LINEの活用によりプッシュ型で発信する仕組みを構築しているところです。また、新たなサイトに、女性活躍に取り組む企業の紹介や、製造業が女性にとって活躍できる就職先であることをPRする特集ページを設けるなど、内容の充実を図ることとしています。
今後も、県外に進学した本県出身者や県外出身者を含め、県内大学生を対象とした調査を継続し、その検証結果を踏まえた施策を検討することにより、女性や若者のUターン就職の促進を図ってまいります。
37
藤井委員 インタビュー調査はされていますか。実際に回答された女性たち、若者に何人かランダムに来ていただいて、その方たちに、いわゆるデプス調査と言いますが、深くその答えの理由を尋ねるインタビュー調査はされているのでしょうか。
38 長嶋雇用推進班長 昨年度実施した詳細な調査では、いわゆる調査票による紙の調査に加え、Uターン就職されなかった方で東京におられる方にこちらから出向きました。何名かの方にアポイントを取り、実際にどう思っておられるかの聞き取り調査を実施しました。
39
藤井委員 私は、実は大学でマーケティングの調査や、定量調査と定性調査の講義をしているんですけれども、データは嘘をつくから、まず疑えと言っています。その後、本当にそうなのか、相手が事実しか答えられないような質問をしながら、彼らの中から事実を引き出す。県職員が直接行ってそういう話をすると、なるべく相手の期待に応えてあげようと思ってしまい答えられるので、できるだけ第三者が、本当に事実しか答えられないような質問からスタートして、最終的に本音の部分まで引き出すことが必要だと思っています。
なので、聞き取り調査をされていることはすばらしいと思うんですけれども、より本音というか芯の部分まで調査するような、いわゆるインサイトマーケティングを期待しておりますので、ぜひ継続的に次年度も取り組んでいただきたいと思います。
では、最後の質問になります。立山砂防の
世界遺産登録の取組についてです。
10月に開催された立山砂防国際シンポジウムを、私は現地の富山国際会議場には行けなかったんですが、オンラインで聴講しました。毎年やっているので内容がどんどん専門的になってきていて、私は砂防が結構好きなものですから、マニアックな話題は結構おもしろかったんですけれども、一緒に聴講していた妻は、すごく難しくてよく分からないと言っていました。そういう意味では、
世界遺産登録に向け、県民に対する機運醸成と、ICOMOSといった国際団体に歴史的価値があるものだとアピールすることが、ちょっとかけ離れてきているんじゃないかなと思っております。
立山砂防は本当にすばらしいものだと思っています。立山砂防がもし世界遺産に登録された場合は、
黒部宇奈月キャニオンルートの高熱隧道も含めて一緒にインフラツーリズムという形で銘打って世界に発信したら、それこそ富裕層も含めて、相当な人たちがやってくるんじゃないかと期待をしているところであります。
立山砂防はいわゆる崩壊地ですので、基本的には一般公開はしていません。ただ、抽選によるツアーはあるということですが、そういったことも含めて、立山砂防の
世界遺産登録と、富裕層を含めた新たな外国人観光客誘客への期待について、島田世界遺産・ふるさと教育推進課長にお伺いいたします。
40 島田世界遺産・ふるさと教育推進課長 立山砂防は、今年の日経トレンディ7月号で、希少なインフラツーリズムとして第3位にランキングされるなど、本当に全国的にも注目度が高くなっております。
黒部宇奈月キャニオンルートに加えて、訪日外国人を含んだ意識の高い観光客の方に、本県が世界に誇る砂防事業の価値や魅力を伝える新たな
観光資源として、大いに活用が期待されるところではあります。
また、今ほど御紹介いただきましたように、立山砂防の
世界遺産登録に向けた取組の一環として、立山カルデラ砂防博物館主体で、毎年、体験学習会を開催しております。大体年間30回で、定員はおおむね1,300名でございますけれども、例年2,500名から3,000名程度の応募をいただいております。
ただ、そのうち、委員もよく御存じだと思うんですけれども、運よく天候等の開催条件が満たされて、実際に現地に入山体験できる人数は、平均しても大体600名程度に限られております。ただ、現地を実際に訪れていただいた方からは、砂防事業の歴史やそのスケール感を実際に体感できるということで、大変好評を博しているところです。
一方、立山カルデラは、今ほども御説明がございましたように、常に土砂崩れなど土砂災害の危険と隣り合わせの場所でございます。また、富山平野を守り続けるためのこの歴史的な砂防施設は、現役の防災施設でもありますので、たとえ世界遺産に登録された場合でも、その機能維持、向上のための工事がこの先も永続的に続けられ、危険な工事現場であることには変わりありません。
こういったことから、現時点で直ちに一般開放や見学者の大幅増、または観光地としての魅力創出を図るというのは、安全対策上、課題が多いものと考えております。
立山砂防の
世界遺産登録に向けては、これで15回ほどになりますが、これまでのシンポジウムでもいろいろ価値を深めてきたところです。主に技術的な観点からの価値ですけれども、今後の暫定一覧表への記載や推薦書を見据えると、的確な評価基準を用いた説明が難しいという課題が残されております。そのため、今後も息の長い取組が必要と思っております。
そうした中、やはり現地を見られないために県民の皆様の理解を直ちに深めることはなかなか難しい面もありますけれども、この体験学習会の拡充や
ホームページでの広報、昨年整備した防災危機管理センターの展示スペースの有効活用といった積極的な情報発信などに加え、例えばまちなかでのVRの体験等、新たな取組が実施できないか、国土交通省あるいは土木部と相談してまいりたいと思います。
41
藤井委員 私は議員になって1期目すぐに立山砂防の見学をさせていただいて、非常に感動した覚えがあります。VRも非常によくできたものでしたので、ぜひそういったものを通じて県民への意識醸成をよろしくお願いします。
42
岡崎委員 今定例会でもかなり話題になっておりますが、JR城端線・氷見線のあいの風とやま鉄道への移管の問題から、
公共交通全般について質疑をします。
まず、城端線・氷見線への新型車両の導入は4年半後ということで、既存車両で少しでも経営安定化させる、県民に乗ってもらう仕組みが大事になってきます。この4年半の間にJRはICカード化を進めるとお答えいただいたと思いますが、まず、4年半後までに何を進めていくのか、黒崎
広域交通・
新幹線政策課長にお聞きします。
43 黒崎
広域交通・
新幹線政策課長 城端線・氷見線をはじめとしてローカル鉄道を取り巻く環境は、人口減少やマイカーの普及により、大変厳しい状況でございます。
そうした中で、持続可能な路線を実現していくためには、鉄道そのものの利便性の向上も大事ですけれども、それと併せてまちづくりの取組、連携も大事だと考えております。
今ほど委員から御説明がありましたけれども、新型車両の導入まで4年半ほどかかります。それまでの間、先日の第4回城端線・氷見線再
構築検討会でお示ししましたけれども、おおむね2年後をめどにICカード対応の改札機を設置します。それと併せて、新型車両導入までにその仕様やデザイン等の検討を進めていくこととしております。
44
岡崎委員 ICカード化は早くやったほうがいいと思います。他の路線でもICカード化を進めていますし、城端線・氷見線がICカードに対応できたら、未対応は高山線だけになります。富山地方鉄道もえこまいかというICカードが使えますし、あいの風とやま鉄道はもちろん使える、新幹線も使えるわけで、残りはもう高山線だけになるわけです。
高山線は猪谷駅を境に管轄がJR東海に替わりますから、そういう管轄の問題はあるにしても、少なくとも県内であればICカードに未対応なのは、城端線・氷見線が対応できれば高山線だけになる。高山線も本当はICカード化をやらなければいけないと私は思っていますが、こういう働きかけはできるものですか。
45 黒崎
広域交通・
新幹線政策課長 高山線のICカード導入につきましては、県と市、沿線の商工団体、岐阜県も含めて、高山本線強化促進同盟会をつくっております。そうした中で、年に一度、富山県はJR西日本に、また岐阜県はJR東海にそれぞれ要望しております。ICカードの導入はほかの路線ではどんどん普及してきておりますので、当然要望をしているところです。
46
岡崎委員 参考人招致をして、城端線・氷見線のICカード化をぜひやってくれと、私、直接要望したこともあるんです。これは特別委員会だったと思います。そのときJR西日本の方は、住民の皆さんにいろんな意見を聞いてから進めてまいりたいと回答されたんです。我々としてはたくさんの要望を受けてそういう話をしているのに、参考人招致ではそういう話でしたし、移管が決まった途端に、ならばICカード化しますという話だったので、どうなのかなと思うんですよね。
JRは並行在来線に移管もしていますけれども、新幹線で稼いでいるわけだから、やはり県民の足をちゃんとしっかり守ってもらうこともやってほしいと思う。同じことを何回も本会議で言っていましたから繰り返しになるんですが、ICカードが使えないのは高山線のみということで、ここはもう一致団結して、ぜひ実現してほしいなと思います。
ICカード化ですが、これはあくまでも利便性を高めるという話ですよね。利便性を高めても、最寄り駅まで到達できなければ、この城端線・氷見線を利用することができないわけですよ。したがって、そうした新型車両やICカード化などいろいろと求めていくことも大事ですが、その前に、4年半でしっかり、
地域公共交通計画の中でも策定されている枝や葉っぱの部分を、まずこの沿線4市で整備していくことが大事ではないか。それは恐らくその周辺の県民にとっての願いだと思うんですが、行きたいところに行ける、そういうことだと思います。
このことについて、黒崎課長の所見をお伺いします。
47 黒崎
広域交通・
新幹線政策課長 沿線のまちづくりの取組との連携は大事で、委員から御指摘ありましたように、自宅や目的地から駅に至る移動の仕組みを充実させることも、その一つと考えております。
木に例えれば幹の部分が鉄道で、その運行本数を増やすことは幹を太くすること。それだけではなくて、そこから伸びる枝葉もしっかり充実させることが大事だと思っております。
先般お示しした計画案では、まちづくりとの連携として、
市営バス路線の再編や、デマンド型乗り合い交通の運行範囲拡大による鉄道との接続の改善を盛り込んでおります。また、駅を起点とした市街地周遊バスの運行、まちなかを回遊するモビリティーの整備など、鉄道と連携した市街地移動の利便性向上も記載しており、取り組んでいくこととしております。
まちづくりの取組については、やはり沿線市が中心的な役割を担うことにはなりますけれども、実施計画に盛り込む取組につきましては移管前、移管後を問わず、県、沿線市、鉄道事業者が相互に連携協力して、一体となって取り組んでいく必要があると考えております。計画の認定後、将来の持続可能な路線の実現に向けて、関係者とともにしっかり取り組んでまいります。
48
岡崎委員 そのことは本当に重要で、実施主体は確かに市町村だと思うんですけれども、せっかく今この
地域公共交通計画策定のために部会も設けてやっている非常に大事なチャンス、いい機会です。そのことを共通の話題として、それこそ全県挙げてやっていくくらいのつもりで、ぜひ取り組んでください。
それでは、続いて有田
交通戦略企画課長にお伺いします。私の御近所にお住まいの御夫婦、70代半ばくらいの方とお話をしていたんですが、少し体調も崩されて、御夫婦の食事は、近くの介護をやっているサービスセンターからお弁当を頂いていると。ただ、お話をしていると、非常においしいのだけれども、やはり自分で買物に行って、そして自分の食べたいものを作りたいと、これが願いなんですね。そこでもう一つ話があって、今、路面電車に接続しているフィーダーバスがこっちまで来るように、路線を変えてここまで持ってきてほしいんだと、こう言われるんです。
ところが、もっと便利なものはあるんです。そういうことが県民の中には発想として全くないし、どうしていいか分からないけれども、とにかく何とかならないのかと。そうしたら、一番最寄りにあるのはフィーダーバスだから、それを何とかしてくれないかという話になってくる。確かに、フィーダーバスで移動するために近くまで路線を持ってくるのも一つの手だと思います。しかし、それがベストかといえば、そうではないという気がするんですね。
県は、身近な地域の移動手段については、その地域が主体となって考えてもらうのがベストというスタンスなわけです。それは模範解答ですが、住民に考えてくれと言っても、何か発想が湧くのかといったらなかなか湧かないんですよ。そこが、今のこの
公共交通の枝葉がそろっていかない、そろい始めていてもなかなか浸透していかない一番の原因だと思っています。
それで、どうすれば枝葉が充実して浸透していくのかは、具体的に県民に考えてもらう必要はもちろんありますが、そのときに、例えばこんなものがありますよ、このためには幾ら皆さんが負担しなければいけませんよ、運賃は幾らくらいですよ、こういった具体的な例を挙げながら検討を進めていく、行政からのアウトリーチがやっぱり要ると思います。
そして、またそれも、その地域の人口規模にももちろん左右されるわけで、それによってお金も変わるし、仕組みも違う。メニューを具体的に示しながら検討を進めていかなくてはいけないと私は思います。県民のマイレール意識を高めるために、そうした具体的な議論を展開しながら、富山県の地域交通の、例えば小さいエリアのスタンダードをつくっていくような議論を、県が引っ張るべきです。
そういうことで、身近な地域の移動手段については、その地域が主体となり考えるのがベストという県の思いは住民に伝わっているのか、私の要望も含めて、有田課長にお聞きします。
49 有田
交通戦略企画課長 まず、地域主体にやっていくべきという考え方ですけれども、地域交通戦略会議のこれまでの議論では、地域内の身近な移動を支えるモビリティーサービスの確保においては、それぞれの地域の抱える生活課題、地域の実情としっかり連携していくことが重要であるとされています。地域の実情はそれぞれですので、それぞれの地域の当事者である住民の皆さん、地元の企業・店舗、地域全体がサービスの受け手になるだけでなく、支え手として参画する、要は主体的な取組が重要であると。
こうした考え方に基づいてこれから取組を進める必要があると、地域住民の皆さん、関係者の皆さんに幅広く浸透を図っていくことが重要ですが、地域交通への参画を促すためには、基礎自治体、市町村との連携が非常に重要になってくると思っております。
全市町村が参画する
交通ワンチーム部会を戦略会議の下に設置しておりますが、6回目の
交通ワンチーム部会を先月開催しまして、戦略会議における最新の議論を皆さんと共有して意見交換を行っております。その意見交換の中では、地域交通サービスは公共サービスであり、投資、参画を進めていくことなど、県の戦略会議における議論のポイントを盛り込んで、市で策定中の
地域公共交通計画も検討を進めている旨の御発言を、多くの市町村からいただいております。市町村にも、この地域交通戦略の考え方は広まってきていると私は感じております。
具体的な方法論としては、地域住民が運行の担い手となって、住民同士の助け合いにより移動サービスを支えるノッカルあさひまちが、先進的なモデルとして、10月に過疎地域持続的発展優良事例表彰の総務大臣賞を受賞されております。全国のモデルとなる具体的な取組事例が、県内でも既に生まれてきております。
戦略会議や
交通ワンチーム部会では、ノッカルあさひまちとともに、県西部でも取り組まれているチョイソコなどの新しい事例──各地域の取組検討の参考となる先進的、代表的な取組事例について、メンバー間で共有をしております。そして市町村と意見交換を行って、ノッカルあさひまちなどの取組に続く、地域住民等が支え手として参画する地域主体のモビリティーサービスの確保が図られるよう、市町村をはじめ関係者の皆さんと連携を図って、今後とも取り組んでまいります。
50
岡崎委員 ノッカルあさひまち、チョイソコ、入善町のウチマエくんなど、自治体によってはすごく努力をされてやっておられることは、私もよく調査しましたし、これはいいなと思うものも結構ありました。
ただ、例えば住民に説明するときは先ほど言ったように、このぐらいお金かかるぞ、運賃はこのぐらいだぞと、そういうものが示されないと、現実化しないというか、何となく、あんなものがあればいいなと思うだけで終わってしまっている。だから、市町村と一緒に議論をするとき、やはりもう少し、一歩突っ込んで、具体的なことを提示してほしい。そこをまず私はやってほしいと思いますが、どうですか。
51 有田
交通戦略企画課長 地域モビリティーサービスの一番難しいところは、地域の実情に応じてしっかりカスタマイズしなければいけないこと。ノッカルあさひまちやチョイソコのようなサービスであっても、全く同じサービスをほかの地域で実施しても再現性は生まれない。この運賃でできる等、一律的にそういった情報がミスリードに伝わっていってしまうのもよくないと思っております。
ですので、その背景事情として、どんな事情があってそういった取組が行われているのかはなかなか文面では伝わりにくい部分もありますし、当事者である、実際に立ち上げた市町村の皆さんに直接聞いて把握していただくことが必要になると思っております。
そのためには、やはりどういった事例がどの市町村で行われているかをまず市町村間で知ってもらい、それぞれの市町村の間でコミュニケーションが取れる、しっかりと把握ができるようにする関係性を構築していく。その前提となる、地域が主体とならなければいけないという考え方をしっかり浸透させていくことがまず最優先で必要だと思っております。今はまずそういった取組を、
交通ワンチーム部会、またその上にある交通戦略会議で進めていくことが重要と考えております。
52
岡崎委員 分かります、それは。分かるんですけれども、大体その標準モデルというか、このくらいの人口規模、こういうエリアであれば、運行するにはこのくらいのものだというモデルがやっぱりあってもいいし、そろそろできてきてもおかしくないと思っています。
もう一つは、砺波市さんと少し話をしていて、私も思うんですけれども、大量に人を移動させる時間帯とそれ以外の時間帯は、やはり仕組みが違ってもいいし、それが一番効率的ではないかと思っています。確かに事業者さんがそういうことができるのかはこれから相談ですが、やっぱり通勤通学時間帯というのはどうしても乗る人が多く、しかも、大体が同じ目的で同じ方向に向かう。しかし日中は乗る人が少なくて、しかも行き先、目的は様々だから、ここはもうデマンド型がいいと思えます。だから、同じ経路をずっと走り続けるのではなくて、やはり自分の目的に合った使い方ができるというのは、やっぱりデマンド型の一番のメリットだと思いますし、効率的です。
そういうことを含めて、これからの
地域公共交通についてしっかり議論をしていかなくてはいけません。またよろしくお願いします。
では、最後の質問です。
最後は局長にお聞きします。
また私の地域の話をしますが、射水線というのが昔走っており、これは富山地方鉄道の電車ですが、昭和55年3月をもって廃線になりました。本当に地域の足となり、私も非常によく利用させていただきましたし、お世話になった路線です。昨日も昔のアーカイブみたいな
ホームページを見ていたら出てきて、非常に懐かしく思っていましたが、廃線になったそういう経路があります。これはびっくりしましたが、当初は6,000人もの人が1日に利用していました。ところが、廃線時は3,000人だったと。
原因が2つあって、1つは富山新港開発です。新港は今、それこそ新湊大橋がまたがって、大きな貨客船が入れる仕組みになっているわけですけれども、当初あそこは物すごく間口が狭かったため、鉄橋を渡ったらすぐ新湊という路線でしたが、新港開発のためにぶった切ったんですよね。それまでは最長で、たしか高岡市米島の辺まで結んでいて、そこにたくさんの重化学工場や企業がありますので、そこへ富山からたくさん人を運んでいたんですよ。それをすぱっと切っちゃって、渡船も並行して運用しましたけれども、やっぱり利便性が悪いということで、利用者数が減っていった。
もう1つは、何といってもやっぱりモータリゼーションですね。その機運がどんどん湧き上がっていました。昭和35年頃から新港開発計画が始まって、工事にだんだん着手していましたが、ちょうどモータリゼーション真っ盛りで、これからは車だという風潮になっていた時期でもあったと思います。
射水線は、最後は新湊の富山市側を営業区間としていましたが、だんだんやっぱり廃れていきました。それでも私たちは学生だったのでよく利用していましたし、当たり前のように乗っていて、大変重要な路線でした。
公共交通というのは人を乗せるための仕組みです。こうした路線のぶった切りによって企業に行けなくなったことやモータリゼーションという歴史を、今度は逆に遡る道を行かなくてはいけない。そういう時代になってきて、公共のものとして維持していくためには、今後いろんな仕組みやお金もかかることになります。本当は地方創生局長にも商工労働部長にも聞きたいのですが、
公共交通の維持をどうしていくか、ここは代表して
田中交通政策局長にお答えをいただきたいと思います。
53
田中交通政策局長 委員から射水線のお話がありました。私も先般、テレビで射水線の跡地を紹介する番組を見まして、鯰鉱泉前駅が紹介されており、昔すごくにぎわった路線だったことも認識しております。
そこから時を経まして現在、SUMPという新しい手法を活用しまして、県として先駆的に地域交通戦略会議を立ち上げ、議論を重ねております。持続可能で最適な地域交通サービスは、利用者増を実現しないとそうならないわけで、県内全市町村に鉄道駅があるのは富山県だけですので、そういった本県の強みを生かして、地域の中心に駅を位置づけて、駅を拠点にまちづくりなど関連分野との連携を図ることが大事であると考えております。
これまでずっと議論を重ねてきたんですけれども、先月開催しました戦略会議の各部会では、計画に位置づける施策について議論を行い、やはりまちづくりと一体となった地域交通サービスの確保・向上がすごく大事だということ、関係者が一丸となって地域の取組を推進すること、こういった項目について議論を行っております。
幅広い分野との連携は当然ございます。この地域交通戦略会議は各部局の皆さんにも入ってもらっており、会議動画も、全て庁内の職員が見られるように発信しております。市町村も含めて、関係の方と横断的に連携を図って取り組んでまいりたいと思います。
54
岡崎委員 予算特別委員会でも瀬川委員が言っていましたけれども、人口減少だから
公共交通が厳しいのではないですよね、乗らないから厳しいんですよね。百何万人いても、そのうちの一部が主な経路しか利用しない。モータリゼーションによって進んできたこの状況の中で、県民にマイレール意識として、これからは
公共交通で行くんだと、このくらいの意識を持ってもらうことが、何といっても持続性の高い
公共交通につながるのではないか。したがって、当然そのためにも利便性を上げることが必要だろうと思っています。
また引き続き私も一生懸命頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
55
針山委員長 質疑、質問の途中でございますが、ここで暫時休憩といたします。
休憩時間は10分間といたします。
〔休 憩〕
56
針山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑、質問はありませんか。
57
井上委員 まず、今日は最初に、学生の県内就職への応援についてお伺いします。
県では、これまで若者のUIJターン就職を促進するために、県外の学生に対し、県内での就職活動に参加するための交通費を支援しておられます。今年度は、これまでの制度を拡充して、帰ってこられ!就職応援助成事業という名前で480万円余りの予算でスタートしたと承知しております。
具体的に、今年度はこの事業にどのような拡充が行われたのでしょうか。また、最近の実績とその結果をどのように評価していらっしゃるのか、長嶋雇用推進班長にお伺いいたします。
58 長嶋雇用推進班長 昨年度、県外学生を対象にUターン就職に関する調査を実施したところ、Uターン就職する意向が高まると思う就職活動への支援として、上位にUターン就職活動時の交通費助成が挙げられました。こうしたことから、交通費助成を行う、帰ってこられ!就職応援助成事業について、今年度から助成内容を大幅に見直したところです。
具体的には、助成対象となる県内での就職活動の範囲を、従来の合同企業説明会やインターンシップに加えて、県内企業が実施する採用試験、面接等にも広げました。また、助成限度を年1回から2回に増やし、最大2万円まで利用可能とするなど、学生にインターンシップから就職まで一貫して利用してもらえるように拡充したところです。
近年の実績については、
コロナ禍では助成対象となる対面での就職活動が控えられていたため、
コロナ禍前で見ると、年平均40名程度の方に利用いただいていたところですが、拡充後の今年度は、現時点で既に111件の申請をいただいているところです。
これまで、この制度を活用した方の約8割がUターン就職されていることから、今回の拡充により、より多くの県外学生の県内企業への積極的な就職活動に結びつくものと評価しております。
今後ともこの制度の周知、広報に努め、より多くの女性や若者の本県へのUターン就職を促進してまいります。
59
井上委員 拡充されて40名から111件に伸び、しかも利用された皆さんの80%が県内で就職されていると。やっぱり県内での就職を本当に真剣に考えている皆さんが利用されていると認識します。よかったと思います。
これからも県外の学生さんには、大いに富山県の企業のいいところを知ってもらって、UIJターンして県内企業へ就職していただきたいと思うのですけれども、県内の学生さんにももちろん県内の企業で就職をしていただきたいと思うわけでありまして、今後、県内外の学生さんに対する県内企業への就職応援について、どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。
60 長嶋雇用推進班長 県が昨年度実施した学生の県内就職に関するアンケート調査では、Uターン就職しなかった学生でも、約4割は、就活を始める時点では就職希望地として県内、県外のこだわりはないと回答しており、Uターン就職しなかった学生も含め全体の半数以上が、Uターン就職する意向が高まる就職活動への支援として、県内企業の
情報提供と回答しております。
この結果を踏まえ、まずは県内外の学生に県内企業の情報を確実に届けるため、今年度、県の企業情報サイトを統合、リニューアルし、県内企業のPR内容を充実させるとともに、LINEの活用によりプッシュ型で情報発信する仕組みを構築しているところです。
併せて、県内企業と直接交流できる機会を提供するため、県内4大学それぞれにおいて、学生と県内企業の若手社員の方との交流会を開催しております。
また、学生の県内就職を支援する奨学金返還助成制度について、本年9月に大幅な拡充を行ったところです。具体的には、対象となる学生の範囲を県内大学生に広げるとともに、奨学金の範囲に日本学生支援機構の第二種奨学金を追加し、これにより本制度を利用できる学生数は大幅に拡大しました。
今後もこれらの支援策を活用いただけるように、学生や企業に対する周知に努めるとともに、県内外の学生の就職に関する意識、ニーズを把握しながら、県内就職の促進に取り組んでまいります。
61
井上委員 学生さんからはやっぱり情報が欲しいという要望があったそうですので、ぜひ頑張ってください。
次に、UIJターンに関連して、県では「ワンチームとやま」連携推進本部を立ち上げて、市町村と連携して一体的に自治体の課題に取り組んでおられます。ここ2年ほど見ておりますと、次年度の連携項目は、年明けの第4回会議で決定されていると思います。
そこで、来年度の「ワンチームとやま」連携推進本部の連携項目に、県内全自治体が抱えています人口減少というテーマをぜひ加えて、学生さん以外も含めてUIJターンや移住の促進、そして結婚支援を採用してはどうかと考えます。
今年度のテーマにこども・子育て施策が入っておりましたけれども、人口減少対策には、その前段階である結婚支援がやっぱり大事じゃないかと思います。さきの9月定例会で、知事にマリッジサポートセンターの状況などいろんな話をして、結婚支援を連携項目に入れたらどうかと質問をしましたが、その点については全く回答がなく、非常に残念な思いをしたわけであります。
そこで、本日再度、滑川市町村支援課長にお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
62 滑川市町村支援課長 「ワンチームとやま」連携推進本部の連携推進項目は、今年度は3つの項目について検討進行中です。先ほどありましたとおり、翌年度の項目は、毎年各市町村から要望を承り、年度最後の会議で決定しており、現在、その項目について募集をして、その内容の集約をしているところです。
人口減少対策に係る施策については、本定例会でも、様々な切り口──関係人口や移住など、いろんな観点から多くの質疑がなされました。県としても重要な課題であると認識しております。
なお、移住につきましては、県と市町村などで組織する「くらしたい国、富山」推進本部で、現在様々な取組が進められています。
それから、御指摘のありました結婚支援は、実務担当者によるネットワーク会議を今年度既に2回開催して、連携して取り組むべき結婚支援事業について検討、情報交換を行うなど、実務レベルで一定程度の連携が進められていると承知しております。
この人口減少に関する施策というのは、非常に幅広く、多岐にわたります。今定例会でも非常に切り口が多かったかと思います。その一方で、市町村は、住民に身近なサービスを行う基礎的自治体であります。ですので、おのおのの地域の実情、それから住民の皆さんの日常生活、率直な声を背景に、それぞれ様々な課題認識を持っておられます。そういったこともあり、この連携推進項目の御提案は、毎年度非常に多く受けています。その中から決定していくことになるんですけれども、項目について、まずはその問題・課題意識を県と全市町村が共有する。それから市町村長さんが一堂に会して政治判断をして、文字どおりワンチームとなって課題解決に当たっていくことが肝要かと思っております。
先ほどこども・子育て施策のお話がありましたけれども、これは昨年度、市町村からの要望が非常に多かった項目です。そういったこともありますので、来年度の項目につきましては、各市町村からの提案内容、それから県庁の担当部局の意見などを十分に踏まえ、丁寧に検討した上で、年明けになると思いますけれども、本部会議において市町村長の皆様と協議をして決定してまいりたいと考えております。
63
井上委員 よく分かります。よく分かりますが、市町村から上がってこなくても、人口減少対策は誰も異論がないことだと思いますので、県がイニシアチブを取って、人口減少対策をぜひ連携項目に入れていただくよう、要望して終わります。
次の質問に行きます。
次は、中
山間地域における
物流モデルの構築についてお伺いします。
県では、令和3年と令和4年の秋に、南砺市平地域でドローンを活用した物流の実証実験をされています。予算額1,000万円で実施されました。また、物流の勉強会も実施されたと承知しておりますが、その結果を受けて、今年度の中
山間地域の持続可能な
物流モデル構築事業という事業があります。390万円の事業ですけれども、この事業では、
物流モデルの早期実装化に向けてどのような検討が行われてきたのでしょうか。富士原中
山間地域対策課長にお伺いいたします。
64 富士原中
山間地域対策課長 地域内の店舗の減少による買物弱者の増加が懸念される中
山間地域では、今後、買物の手段としてインターネットによる日用品や食品等の購入の需要が高まると想定され、宅配の物流サービスの維持は、地域社会の存続に向けて重要な課題であります。他方、物流業界では、経営の効率化が喫緊の課題となっております。
そこで、県では、中
山間地域における持続可能な
物流モデルの早期構築に向けたスキームづくりについて、宅配事業者等と連携して検討するため、中
山間地域の持続可能な
物流モデル構築事業を立ち上げました。複数の宅配事業者の荷物を1事業者がまとめて配送する共同配送を、官民連携で検討するモデル例として挙げ、宅配事業者に検討を働きかけました。
これに対して、宅配事業者各社からは、共同配送の実現には各社で異なる契約形態やサービス水準等を統一する必要があり、早期構築は困難との認識が示されました。その一方で、持続可能な
物流モデルの早期構築に向けて、できるところから取り組む必要があるとの問題意識の下、配達効率の低下を招いている再配達の削減に向けた検討、検証を、官民連携で行ってはどうかという提案がございました。
この提案を踏まえ、事業者と検討を重ね、宅配ボックス設置による再配達削減効果を検証する実証実験、箱で受けますプロジェクトを今年7月から約3か月間実施したところです。
県といたしましては、今回の実験結果も踏まえ、来年度以降に向けて宅配事業者等と連携して、引き続き中
山間地域における持続可能な
物流モデル構築を検討するとともに、地域で安心して快適な生活が続けられるよう取り組んでまいります。
65
井上委員 今年は共同配送を検討して、そして宅配ボックスの実証実験をやられたと。昨日の
予算特別委員会でもそのお話がありましたけれども、私はドローンによる配送を非常に期待しているし、可能性があると思っています。中
山間地域に限らず、平野部だろうが都市部だろうが高層マンションだろうが、ドローン配送は非常に魅力的ですし、可能性があります。
その中で、まず中
山間地域において、ドローンを活用した物流など持続可能な
物流モデルの構築に、今後どのように取り組んでいこうとしておられるのか、富士原課長にお伺いします。
66 富士原中
山間地域対策課長 買物弱者の増加が懸念される中
山間地域において、日用品や食品等の購入に係るサービス維持に向け、県ではドローンを活用した物流の実証実験を行いました。先ほど御紹介いただいたとおり、令和3年度から4年度にかけて、南砺市平地域において実施しました。
実証実験は、操縦者がドローンを直接目視せずに飛行させる目視外自律飛行により、日用品や食品を注文した住民に配送するという想定で実施されました。その結果、ドローンによる配送は速達性や機動性の面で優れ、将来の物流を担う重要な手段になると考えられる一方で、電波が不安定な地域での安全飛行や積載可能量、バッテリーといったドローンの性能等を踏まえると、社会実装化にはもう少し時間を要することが分かりました。物流業界も同様の見解であったことから、今後のドローン技術向上等の動向を、注視することとしたところです。
その一方で、買物弱者の増加が懸念される中
山間地域において、物流サービスの維持は、地域社会の存続に向けた喫緊の課題であることから、これに対処するため、先ほど答弁でも触れましたとおり、中
山間地域における持続可能な
物流モデルの早期構築に向け、宅配事業者等と連携して取り組んでおります。
今後とも、引き続きドローンなどデジタル技術を活用した課題解決の動向も注視しつつ、地域で安心して快適な生活が続けられる持続可能な物流サービスの構築に、官民連携で取り組んでまいります。
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井上委員 全国を見ますと、ドローンを使った物流というのは大分進んでいまして、国交省も積極的にやっています。国交省は令和4年度に、河川上空を利用したドローン物流を全国18か所でやっています。そして、農業用水路の上空を飛ぶドローン物流もやっています。
全国を見ると、そういったいろんな可能性があって、皆さんたくさんやっていらっしゃるけれど、ドローンで運べる荷物の重さは少ないと皆さんお思いかもしれません。積載量の単位はペイロードと言うそうで、ドローンの最大ペイロードは幾らぐらいだと思われますか。200キロから300キロは現実的に可能なんです。海外を見ると、2トンぐらいまでドローンで運べる。なぜ河川や農業用水かと言うと、万が一ドローンが墜落した場合、運んでいる荷物を落とした場合に、下に人がいる可能性が非常に少ないわけですよね。ですから、国交省も河川の上空を使うし、農業用水の上も使える。
そして、農業用水と言えば、富山県は農地に占める水田率が非常に高いわけですね、全国一です。たしか96%ぐらいだと思います。ほとんど水田ですから、農業用水が網の目のように、毛細血管のように広がっているわけです。それをうまく活用すれば、本当に全国のトップランナーになれるんじゃないかと。何もドローン物流だけじゃなくて、空飛ぶ車も可能性がありますし、それを考えると、富山県は全国に先駆けていろんなことに挑戦できるんじゃないかと思っています。ドローンについてはどうも県内の物流業者さんはあまり積極的じゃないようでありますけれども、何とかしてドローンによる物流を本格化させたいなと思っています。できれば来年度のサンドボックス予算あたりを使ってやってもらえないか、研究してもらえないかなと要望しておきます。よろしくお願いします。
68
鹿熊委員 先ほど
藤井委員から官民協働事業レビューの評価などについて質問があり、3人の部局長さんの答弁を興味深く聞かせていただきました。聞いていて思いましたのは、それでも官民協働事業レビューは必要でしょうかと、逆にお三方に聞きたいくらいでございます。といいますのも、答弁にありましたように、評価を受けた内容が既に課内で検討されている、あるいは見直しの検討過程であるものがほとんどではなかったかなと思います。それでも実際に見直すには、そういったお墨つきが必要なんだということであれば、それは少し情けないなと思って聞いておりました。
民の活用はとても大事なことですが、県の事業を官民協働でやるため、このレビューが始まったのは3年ほど前ではなかったかと思います。やはり事業の見直しには一つのテクニックが必要であると。費用対効果等についての切り口をどうしていくかという、今までなかなか県庁内で確立していなかったテクニックを職員が学ぼう、身につけようという思いで始まったと理解しておりますが、いつの間にか常態化しているような気がしております。
特に若い職員の皆さん方は、将来を展望しながらしっかりとこの事業でいいのか、どのように変えていけばいいのか検討する、見直す能力を十分持っておられると信頼して、こう言っているわけでございます。しかも、この官民協働事業レビューはやはり一定の予算もかかっておりますし、資料を集めるために大変大きな時間的コストもかかっていると理解しておりますので、必要なのかなと思って私は元々懐疑的だったんですが、さらにその思いを深める答弁として聞かせていただきました。これは感想として述べておきます。
それでは、本題に入ります。
地域公共交通について、数問質問いたします。
地域公共交通について、新田知事は、本定例会の代表質問の答弁で、県東部でも沿線自治体や地域関係者が一堂に会し、まちづくりと鉄道を連携させ、自らの地域をよくするための議論を開始する時期である、議論が活発になるよう努力したいという趣旨の発言をなされました。これは交通政策局と十分すり合わせた上での答弁だろうと理解をしております。
そこで、
田中交通政策局長にお聞きしますが、県東部の
地域公共交通の中で、特にどの点を念頭に置いて発言なされたのか、お伺いいたします。
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田中交通政策局長 知事答弁では、城端線と氷見線の例も紹介をしております。その後に、今ほど委員からお話がありましたが、沿線自治体や地域の関係者が一堂に会し、まちづくりと鉄道を連携させ、自らの地域をよくするための議論を開始していただく必要があると申し上げました。これは、城端線・氷見線の例を紹介したとおり、まずは「地元で」と答弁申し上げました。
また、答弁の中には、議論が活発になるよう努力したいとあり、そこについては、これまでも地域交通戦略会議において、持続可能な地域交通サービスを実現していくためには、地元が積極的に関わっていくことの必要性を何度も説明しております。県として、今後も部会等で市町村の皆さんに対し、その重要性を説明する努力をしていくことを念頭に答弁申し上げたものでございます。
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鹿熊委員 そういうことだろうとは思いますけれども、「県東部でも」とありました。私も議論することはとても大事だと思っている上で聞いているわけです。県東部の
地域公共交通も大変幅広くありますが、まちづくりと鉄道を連携させ、自らの地域をよくするための議論を開始する時期であると、具体的にある程度突っ込んで言っておられますので、もう少し何か具体的な事案が念頭にあるのではないかと思った次第です。
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田中交通政策局長 この代表質問に当たり、11月定例会前に自民党新令和会が記者会見を開いておられまして、新聞報道もされているんですけれども、県東部の鉄軌道やバスについて、乗り継ぎの利便性やまちづくりの観点を踏まえ改革を進めるべきと、こういう発言が報道されておりました。その後に、この11月定例会代表質問で、城端線・氷見線のスピード感のある取組について評価する一方で、県東部では富山地方鉄道を含めたローカル線の在り方の検討が進んでいない、県東部における
地域公共交通の構築に向けた議論を始めるべきと考えるがどうかという問いでしたので、知事と相談をして、今申し上げた内容で答弁した次第であります。
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鹿熊委員 ということは、いろいろな
地域公共交通があるけれども、特に富山地方鉄道のことについて議論を開始する時期だと、そう理解してよろしいですか。
73
田中交通政策局長 代表質問では、富山地方鉄道を含めたローカル線の在り方、鉄軌道やバスについての乗り継ぎの利便性も問いに入っておりますので、富山地方鉄道に限定されたものではありません。
74
鹿熊委員 分かりました。
そこで、2問目でありますが、先ほどの答弁とちょっとタブるかもしれません。議論の開始に向けて努力したいということでありましたので、県はどのように関与していく方針なのか、改めて質問いたします。
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田中交通政策局長 議論開始に向け、県として、これまでも関与してきております。
具体的には、昨年8月から地域交通戦略会議の下に設けました、全ての市町村や交通事業者等で構成する
交通ワンチーム部会を、6回開催しております。
この会議の中で、地域交通とまちづくりとの連携の重要性、ほかの市町村の
利用促進の取組紹介、また、県で策定中の戦略の目指すべき姿、さらには県外の鉄道線活性化の取組などを丁寧に紹介し、意見交換を行っております。先ほども御答弁申し上げましたが、代表質問で知事から、議論が活発になるよう努力したいとの答弁もありましたので、引き続き戦略会議や部会の場を活用して、市町村における議論も促してまいりたいと思います。
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鹿熊委員 従来から環境づくり等いろんな話はしてきている中で、さらにそういった議論が深まるように努力したいと、そう受け止めました。
富山地方鉄道は、非常に歴史のある民間鉄道であり、そして大変重要な県東部地域の交通機関であることは言うまでもないのであります。
ただ、そういう中で、他の民間の鉄道と同じように、経営においては大変厳しい部分もある。これは毎年数字が出ますので、そういった営業上の赤字が令和4年度においても出ておりますし、今年度もその見込みで、一定の額が見込まれると。そういう中で、営業上の努力も大変しておられますが、安全対策のために幾つか必要な改修があると聞いておりますし、皆さんも御存じだと思います。
誰かが音頭を取って、具体的に議論を始めていく時期に来ていると私も思います。そういう中で、にらみ合いをしていても始まらない。地鉄さんもいろいろと市町に働きかけをしていることも聞いておりますし、局長も十分そのあたりは御存じだと思っております。協議の場づくりという点においては、まず県が場をつくる。その中で議論を始めなければ、再構築についての議論もスタートしないわけですし、再構築にもいろいろ幅広い内容が含まれていることは重々承知しています。経営形態の変更等も伴う再構築についての議論を始めなければ、何も始まりませんので、そういった場づくり、舞台づくりは、県としてやることが必要ではなかろうかと私は思います。その点いかがでしょうか、見解をお伺いいたします。
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田中交通政策局長 富山地方鉄道のお話が出ましたが、委員も御承知かと思いますけれども、富山地方鉄道の安全性、快適性を高める投資を、今年度から県と市町村がともに支援をしている状況です。
そこで、お尋ねの話ですけれども、持続可能で最適な地域交通サービスの実現は一番大事で、これを実現していくためにどうしていくのがいいか、戦略会議の議論の中で重ねてきているんです。
そこでは、持続可能な視点で見ると、やはり市町村のまちづくりとの連携が極めて大切だと。それと、やっぱり地元の方に自分事として考えてもらって、積極的に関わっていただく。そうしない限り、人口減少が続く中で、持続可能な地域交通サービスの実現はなかなか難しいと議論がされております。
したがいまして、やっぱりまずは当事者、要するに地元でどういうふうにこの路線をよくしていくかをまず考えていただくことが一番重要だと思っております。県としましては、市町村でいろいろ御検討されて、相談したいといった要望があれば、丁寧に対応してまいりたいと思います。
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鹿熊委員 考え方は分かりました。であれば、市町村でそういった議論が始まるような環境づくり、あるいは喚起をするよう、また努力していただきたいなと思います。
3問目、これもダブる点があるかもしれませんが、その議論を開始する中で、議論すべき論点にはどのようなものが考えられるのか、質問いたします。
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田中交通政策局長 論点ですけれども、戦略会議において、これまで論点となり得る項目を示してきております。
地域交通ネットワークの目指すべき姿として、まずは鉄軌道駅を中心としたネットワークの実現を目指すこととしておりますので、鉄軌道サービスの利便性、快適性の向上、まずこれが1つ。それと、結節点となる駅の機能強化、これが2つ。地域内のモビリティーサービスの確保、これが3つ。4つ目に、ネットワーク内のサービスの統合・進化と、以上の点を示しております。
また、市町村の方々にさらに議論を深めていただきたいので、さらに一歩踏み込みまして、現行レベルから上乗せする、例えばサービスをよくする等、その達成のために自治体が積極的に関与する必要性を示しています。また市町村が策定する立地適正化計画がありますが、地域の中心に位置づけた駅との連携、また地域住民、地元企業・店舗など、地域の皆さんが受け手にも支え手にもなる地域内のモビリティーサービスの確保、さらには地域の観光宿泊施設や商店街と一緒につくるサービスといったポイントもお示ししているところです。
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鹿熊委員 非常に多くの論点があることを改めて認識しました。
多くの論点の議論が始まるように、その場づくりに向けての働きかけをしていただくよう重ねてお願いしながら、東部に住む一人として、市町にそういった議論が起きるように、また私なりの働きかけもしてまいりたいなと思っている次第でございます。
最後の質問ですが、第5回交通戦略会議において、そのメンバーから、地域の活力・魅力向上に向けた役割分担、責任分担の内容が承認されたわけですよね。
その中身は、この定例会においても多くの議論がありました。知事もこの文をよく引用されました。すなわち、地域交通サービスは、その地域の活力・魅力に直結する公共サービスだと。自らの地域をよりよくするため、必要なサービスの確保・向上について、自治体、県民の役割を事業者への側面支援から、自らの地域に対する投資、参画へとかじを切ることが必要だと、改めてこの戦略会議において合意を得たわけです。このことについて、住民といち早く対話をし、住民を巻き込んでいくべきだという発言がありました。発言されたのは、畠山さんというノッカルあさひまちの交通システムをつくり上げた人でした。このことについて、住民としっかり対話をして、住民を巻き込んで、こういった地域の活力・魅力向上に向けた役割分担、責任分担の認識を深めていくこと、そしてまたその実行について、メンバーから御発言があったわけです。このことについて、どう具体的に取り組んでいくのか、有田
交通戦略企画課長にお聞きします。
81 有田
交通戦略企画課長 今ほど委員から御紹介いただきましたが、8月に開催した第5回地域交通戦略会議では、地域の活力・魅力の向上に向けた関係者の役割・責任分担として、自治体、県民の役割を事業者への側面支援から、自らの地域に対する投資、参画へとかじを切ることが必要とされました。
戦略会議でのこういった議論を踏まえますと、先ほど
岡崎委員への答弁でも同じ趣旨のお話をさせていただきましたが、沿線の住民の皆さん、企業や店舗など地域の関係者の皆さんには、地域交通に対して、地域の当事者として主体的に関わっていただくことが必要だと考えております。
御質問にありました、住民といち早く対話するという観点でございますけれども、戦略会議の立ち上げ以降、県では県民の皆さんの理解の醸成、地域交通に対する参画の促進の観点から、県内各地で出前講座を実施しております。地道な取組ではございますけれども、この出前講座を受けた後に地域交通をテーマとした課題研究、授業に自主的に取りかかる学校も出てきております。地域交通について、自分事として考えていただく機会づくりにつながっているのではないかと考えております。
戦略会議では、先ほど畠山委員の御紹介がありましたが、畠山委員からは、住民との対話の必要性と、相当地道な努力を長く重ねていかなければならないと伺いました。要は中長期的な視点で取り組まなければならないといった趣旨の御発言もいただいております。
前回の戦略会議以降の各部会での議論では、向こう5年間を計画期間とする、この地域交通戦略に位置づける施策について議論をしております。これまでの畠山委員等からの御発言、議論を踏まえまして、県民との対話を通じた参画の促進についても、部会の意見として計画に盛り込むべきといたしました。
今後は、部会の結果を戦略会議に報告し、年度内の計画策定に向けてさらに議論を進めていくこととしており、市町村と関係者の皆さんと連携して、県民の参画の促進に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
82
針山委員 大分時間も押しておりますけれども、もう少しだけお付き合いいただきたいと思います。
私からは、
高岡テクノドーム機能拡充に向けた調査について、2点お伺いします。
一般質問でも、
予算特別委員会でも多くの質問があり、私もさせていただきました。よりよい施設、よりよい事業になるように、建設的な議論がこれから進められていくことを本当に切に願っております。その中で、もう少し確認の意味で質問をさせていただきます。
基本的には、机上での調査だったと横田副知事が答弁された、令和4年2月に報告された民間活力導入可能性調査でありますが、この
高岡テクノドーム本館の施設をベースとした現場調査を含めた高度な技術的、そして専門的な調査を実施する今回とは、業務の内容や作業量に違いがあることは、大変理解したところであります。
民間活力導入可能性調査では、財政の負担軽減や施設の
利用促進、またサービスの向上、魅力的な企画の実施などが観点とされておりましたけれども、今回の
補正予算(案)に計上されている機能拡充に向けた調査でも、そういった観点が取り入れられるのか、細川商工企画課長にお尋ねいたします。
83 細川商工企画課長 委員の御認識のとおりですが、令和3年度に実施しました民間活力導入可能性調査と今回の機能拡充に関する調査とは、自ずと性格が異なるものでございます。
まず、令和3年度に実施した民間活力導入可能性調査につきましては、民間の事業者や利用者へのヒアリング、またVFM、いわゆる財政負担軽減効果の算定などにより、PFIの各種事業方式、例えば代表的なものとして、設計、建設、運営までを民間で行うBTO方式、それから設計、建設は公共で行い、運営は民間で行うO方式、運営権を譲渡、民間に設定するコンセッション方式など、いわゆるPFI法に基づく各種事業方式や、また地方自治法に定められている指定管理者制度を比較し、PFIの導入が適当かどうかを評価しました。
一方、今回
補正予算(案)に計上している専門的、技術的調査については、繰り返しになりますが、本館、別館の機能面に関するものです。この調査では、基本計画で示されていた産業振興やにぎわい創出などといった使い方に加え、庁内の連絡会議で現在議論しておりますが、イベント等の誘致がしやすく、また関係6市や経済界の方々が利用しやすくするために、例えば会議室や控室、通信、音響の設備や照明設備、床材、展示場の間仕切り、それから設備の収納等について、施設・設備の機能面から行うものでございます。
本館ではどのような機能強化が可能なのか、別館にどのような機能が必要なのか、そのためにどのような整備が必要で、それにどの程度の費用や時間がかかるのかなどの調査を行いたいと考えております。
この2つの調査は、その目的、内容は異なりますけれども、いずれも基本計画に示す多様なニーズへの対応や、これまで以上に親しまれる施設として、
県西部地域をはじめとする県内経済の発展に資するものです。また、費用対効果やコストも十分考慮するといった方向性に沿い、財政負担軽減や施設の
利用促進、サービスの向上、魅力的な企画の実施などを目指して行う調査であります。
84
針山委員 調査の内容や性格は異なるということですけれども、今回改めての調査ですが、前回の民間活力導入可能性調査での観点も取り入れられると認識します。
そこで、昨日の
予算特別委員会で、横田副知事が
藤井委員からの質問に答弁されていましたが、民間活力導入可能性調査の結果において、
高岡テクノドームの整備には早期に事業を進めることができること、そして一定のVFMへの期待などが評価されて導き出されたのがPFI-O方式だという説明があったかと思います。
今回予定されている機能拡充に向けた調査では、民間活力導入可能性調査と観点が重なるところもあると思っておりますし、改めて本館と別館の機能の在り方や費用、またその期間なども検討されると認識しております。その中でも改めて民間活力導入方法は議論されないんだなと思いましたけれども、今回の調査結果を受けて、PFI-O方式に影響することはないのか、
中谷商工労働部長にお尋ねします。
85
中谷商工労働部長 昨日の
予算特別委員会で、
藤井委員の御質問に対して横田副知事から、PFI-O方式の採用については、当時既に実施を終えていた基本設計を大幅に変えることなく整備が可能であることなどの調査結果、それから自民党会派からの御提言も十分考慮して決定をしたと答弁があったところでございます。
運営に民間活力を導入するという方向性は変わらないと考えておりますので、今回
補正予算(案)に盛り込んでいる調査を行い、また関係の皆さんの意見もお聞きして、具体的な整備方法について検討していきたいと思います。
86
針山委員 今回の調査でも、進めていく中でいろいろな状況や場面が出てくるだろうと思っています。ひょっとしたら変更が必要な事象も出てくるかもしれません。
高岡テクノドームは立地条件がいいということで、大変ポテンシャルが高いと評価されておりますけれども、いつまででもポテンシャルが高いわけでもないと思いますし、今、地元の商工会議所さんは、
高岡テクノドーム本館の機能拡充、または別館整備の効果が最大限に発揮できるよう、北陸新幹線沿線都市の商工会議所さんと、交流を一生懸命深めておられます。そういった地域の機運もやっぱりタイミングだと思いますので、逃すことなく、早期に機能拡充、別館整備への方向を示していただきたいと強く要望をいたしまして、質問を終わります。
87
針山委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑、質問を終わります。
5 行政視察について
88
針山委員長 次に、閉会中
継続審査事件の調査のための行政視察について議題といたします。
県内行政視察については、必要に応じて機動的に実施していきたいと考えており、その実施に当たっての日程調整等については、委員長に御一任願いたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
89
針山委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で、付議事項についての審査を終わります。
この際、ほかに何か御意見等はありませんか。──ないようでありますので、これをもって委員会を閉会いたします。
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