• "国際航空路線"(/)
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  1. 富山県議会 2023-11-27
    令和5年地方創生産業委員会 開催日: 2023-11-27


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  1 閉会中継続審査事件について  (1) 説明事項    竹内地方創生局長    ・11月定例会付議予定案件について    田中交通政策局長    ・11月定例会付議予定案件について    中谷商工労働部長    ・11月定例会付議予定案件について  (2) 質疑・応答 針山委員長 11月定例会付議予定案件の内容については、定例会の付託委員会で十分審査をお願いすることになりますが、今ほどの説明において、計数等に特に御不審の点がありましたら、御発言願います。──ないようでありますので、以上で11月定例会付議予定案件の説明を終わります。  (3) 報告事項    田中交通政策局長    ・令和5年度サンドボックス予算執行状況    中谷商工労働部長    ・令和5年度サンドボックス予算執行状況    資料配付のみ    ワンチームとやま推進室・観光振興室    ・令和5年度サンドボックス予算執行状況    ワンチームとやま推進室    ・新川こども施設整備運営事業実施方針(案)及
        び要求水準書(案)の公表について    ・第13回とやま未来創造県民会議の開催について    観光振興室市場戦略推進課    ・英国及びアイルランドでの観光セールス・県産品     輸出に向けたPRの結果について    交通戦略企画課    ・第5回鉄軌道サービス部会の開催結果について    ・第4回地域モビリティ部会の開催結果について    広域交通・新幹線政策課    ・第3回城端線・氷見線再構築検討会の開催結果    ・北陸新幹線建設促進同盟会等による合同中央要請     の実施について    航空政策課    ・富山空港コンセッションセミナーの開催について    商工企画課    ・最近の県内経済情勢    地域産業支援課    ・「富山県中小企業ビヨンドコロナ補助金」の第4     次募集の採択結果について    立地通商課    ・T-Messe2023富山県ものづくり総合見本市     の開催結果について    ・地域未来投資促進法に基づく新たな基本計画の策     定について    労働政策課    ・令和5年度富山県賃上げ・人材確保等調査結果     (中間報告)について  (4) 質疑・応答    尾山委員    ・富山県ものづくり産業未来戦略について    ・高付加価値旅行者向けホテルの誘致について    嶋川委員    ・高岡テクノドーム機能拡充について    ・「ゼロゼロ融資」の状況について    ・英国及びアイルランドでの観光セールス・県産品     輸出に向けたPRの結果について    藤井委員    ・新川こども施設の実施方針(案)及び要求水準書     (案)について    ・富山県地域交通戦略会議の進捗状況について    岡崎委員    ・JR城端線・氷見線のあいの風とやま鉄道への経     営移管について    ・黒部宇奈月キャニオンルートについて    井上委員    ・「T-Messe2023富山県ものづくり総合見本     市」について    ・富山-上海便利用者無料バスについて    鹿熊委員    ・観光DXについて    ・修学旅行について    針山委員    ・賃上げ・人材確保への支援について    ・高岡テクノドーム機能拡充について 2 針山委員長 報告事項に関する質疑並びに所管行政一般についての質問に入ります。  質疑、質問はございませんか。 3 尾山委員 委員会での初質問です。語り出すとどうしても長くなるものですから、簡潔に2つの質問をいたします。  1つは、新・富山県ものづくり産業未来戦略についてです。平成31年につくられたものが、いよいよ今年度で4年となり、改定されるということであります。間もなく4年間が終わる中で、戦略に取り組んでこられた総括をお聞かせいただきたいと思っております。  この4年間でやりきれたこと、やりきれなかったこと、やりきれなかったことは何が足りなかったか。そして、それを次の戦略にどのように生かしていかれるのか、細川商工企画課長にお尋ねいたします。 4 細川商工企画課長 今ほど委員から御紹介のありましたとおり、県では新・富山県ものづくり産業未来戦略に基づき、産学官が連携して次世代自動車やロボット、環境エネルギー等成長分野への重点支援、それから、オープンイノベーションによるとやまアルミコンソーシアムや、ヘルスケアコンソーシアムでの研究開発と、新分野への参入支援などに取り組んでまいりました。  具体的には、リチウムイオンバッテリー用の異なる金属を組み合わせた複合の電極端子の開発や、薬品に耐性のある産業用ロボットウエアの開発、製品化。アルミ廃材を原料とする小型水素発電装置の開発、また、アルミ製品の製造過程におけるCO2排出量の把握や、生産性と排出量低減を両立させる製造技術の構築に加え、富山県立大学と連携したアルミ製品のライフサイクル全体でのCO2排出量を把握するアプリケーションの開発。さらには介護現場のニーズと企業のシーズとのマッチングのほか、新たなヘルスケア分野として、女性特有の悩みを解決する先端技術(フェムテック)を用いた製品開発など、一定の成果があったと認識しております。  こうした取組の成果や、8月に開催した第1回富山県ものづくり産業未来戦略検討会議において示された、将来社会を見据えること、企業や産業間の連携、若者や働く方々にとって魅力的な企業づくりなど現行戦略見直しのポイント、さらに企業へ行ったアンケートやヒアリング結果を踏まえ、現在、若手女性経営者や実務を担う責任者などによる作業部会において、戦略改定の方向性について議論を重ねているところでございます。  作業部会の委員からは、GXやサーキュラーエコノミーなど、政府の戦略や投資重点化の最新の動向を踏まえたターゲットを絞った支援や、企業間連携や異業種連携の強化による、県内ものづくり産業のモデルとなる新技術や新商品の開発など、新しい付加価値の創出が必要、といった意見をいただいているところでございます。今後は、こうした御意見を踏まえ、骨子案を取りまとめて検討会議や議会へもお示しし、御意見をお伺いした上で、今年度中の改定を目指してまいりたいと考えております。 5 尾山委員 経営者の方々と話をさせていただく中で、国が何を考えているのか、国がどの方向に向かって成長していくのか、どこにお金を投資するかが分かるとありがたいという声がありました。  それから、オープンイノベーションにしっかりと取り組むための素地がやっぱり欲しいと。横で連携をしていくときは、なかなか民と民だけでは難しいので、やっぱり相手との仲人がどうしても必要で、そういう支援が欲しいと。あとは、やっぱり売り先ですね。国内、海外を含めた売り先の拡充は、なかなかやっぱり民の、自分の力だけでは情報も持ち得ない中で、ぜひそんな支援があるとありがたいと。大体この3つぐらいが、多くのものづくりに関わっていらっしゃる方々の気持ちだと思うんです。  今おっしゃったところは多くが盛り込まれていますので、4年間の大事な骨組みになりますから、ぜひまたしっかりとおつくりをいただければと思っております。  続いて、高付加価値ラグジュアリーホテルの誘致の件です。とにかく高付加価値インバウンドを取り込もうと、今国を挙げて一生懸命やっているわけであります。ソフトも大事ながら、やっぱり泊まるところがないと、来てお金を使っていただくというのはなかなか難しいと思うんですよ。高付加価値インバウンドの方に来ていただいて、富山に泊まっていただける場所づくり、まずはここが一丁目一番地になると思います。  そこで今、ラグジュアリーホテル誘致のための検討委員会を県で設置されていると聞いております。誘致に関していろんな調査もされていると聞いていますが、お話しいただける範囲で結構なので、その現状と、もし何か問題点があればそれをお聞かせいただきたく、山下観光戦略課長にお尋ねいたします。 6 山下観光戦略課長 県では、昨年3月に策定した第3次県観光振興戦略プランに基づきまして、高付加価値旅行者の誘客、滞在を促進し、地域の活性化や雇用の確保、それから女性活躍の推進、観光消費額の効果的な拡大などを図り、持続可能な観光地域づくりを推進することを目的に、観光まちづくり観光ビジネス人材育成等の有識者から成る高付加価値旅行者向けホテル誘致検討委員会を設置したところでございます。  本年7月の第1回委員会では、県から高付加価値旅行者に対応した宿泊施設誘致の必要性を説明するとともに、昨年度行ったホテル開発事業者等へのヒアリング調査で、富山には高付加価値旅行者に訪問したいと思わせる観光資源が豊富で、誘致は十分可能性があるとの評価を受けたこと、それから、県の支援体制等を紹介したところでございます。  委員等からは、高付加価値化によりホテルのランクを上げることによって裾野を広げることが重要であること、さらに富山が選ばれる地域となるような、エリアブランディングが重要であるといった御意見をいただいたところでございます。  これまでも、国内ホテル開発事業者等との間で情報交換、働きかけを行い、ホテル新設に興味を持つ事業者等からの相談や視察への対応を行ってきました。また、事業者の投資活動を支援するため、今年度策定予定の新たな地域未来投資促進計画へ、観光分野を追加することに向けた協議などを行ってきたところでございます。  今後、引き続きホテル事業者等へのサウンディングなどを実施することとしておりまして、高付加価値旅行者に対応した宿泊施設の誘致実現につなげてまいりたいと考えております。 7 尾山委員 富山県は、皆さんも御存じのとおり、ものづくりでなりわいを立ててきた県ですから、観光に対してなかなか力が入りづらいところもあると思うんですよ。やっぱり自分の食いぶちがかかっていないと人間は本気になりませんのでね、そういう意味において、観光は非常に大きなポテンシャルを秘めていると思います。  それをどうつまみ上げていくかは、6月定例会でも話をしましたランチェスターの法則──弱者の法則で、何か一点突破をしていくということだと思うんですよ。ですから1つの方法として、ぜひ高付加価値のお客様を誘致すると。ここの1点に絞り切って、ぜひぜひラグジュアリーホテル誘致に頑張ってお取り組みいただきたいと思っております。 8 嶋川委員 私からは全部で4つの質問をします。  まず1つ目は、高岡テクノドーム機能拡充でございます。紙面等でもかなり耳目を集めている事業になってきました。ここで、11月補正予算(案)に高岡テクノドーム機能拡充に向けた調査経費が上程されるということであります。  具体的には、別館整備基本計画に示す機能を実現するためと。本館、別館にどのような機能を持たせるのか、専門的、技術的に調査を実施するために上程されるということですが、まず、別館整備基本計画が大前提であると。  計画を立てる段階で、どうしていこうかな、こうしていったほうがいいかなという議論は当然ありました。ただ、今ここに来て再び、本館、別館にどのような機能を持たせるか調査をしていこうという話になったと。この報道を知ったときには、今まで積み上げてきた議論とはまた少し違う、あるいは全く別の角度からの調査になるのかと、私自身、少し驚いたところはございます。  そこで、機能拡充に向けて、そもそもこの議論に至るまでどのような検討を行ったのか、そして今後どう臨んでいくのか、細川商工企画課長にお尋ねします。 9 細川商工企画課長 高岡テクノドーム別館は、建設後に本館を含めて民間事業者に運営を委ねることとしておりますが、その決定に先立ちまして、まずは県において開館直後のイベント誘致をはじめ活用策等の検討に取り組むため、本年1月に部局横断的な庁内検討体制として、各部局の次長や民間活力等の関係課長から成る高岡テクノドーム別館等利用促進連絡会議を設置いたしました。ここにはオブザーバーとして、県の公民連携推進監も参加をいただいております。  2月の第1回会議では、誘致可能なイベントなどの掘り起こしを行いましたが、その後、5月に別館の展示棟建設工事の入札が中止となりました。6月定例会で、設計を含めて一度立ち止まって検討すると知事から申し上げて以降、別館整備を取り巻く情勢の変化を確認しつつ、9月8日に第2回、今月14日に第3回会議を開催して、本館を含めた一体的な利活用方策について議論してまいりました。  今後、そうした場で提案のあった具体的な利活用方策を基に、産業展示のニーズや建設資材費の高騰などの社会経済情勢を踏まえ、それぞれにどのような機能を持たせ、そのためにどのような整備を行うかを検討していく必要があると考えております。そのためには専門的、技術的調査が必要であり、所要の額を今回の11月補正予算(案)に盛り込むこととしております。 10 嶋川委員 もう少し踏み込んでお尋ねします。検討会議を庁内で立ち上げて、今年1月から議論を重ねてきたと。今お伺いしますと、9月8日と11月14日にさらに検討したということでありましたけれども、ここでどういう議論があったのか。その議論があったから今回調査をしましょうという話になったんだと思います。そこで具体的にどういう提案や議論があったか、やはりお示しいただきたいなと思うのですが、よろしくお願いします。 11 齊木商工労働部次長 検討会議は各部局の次長をメンバーとして、その中で私は座長を務めましたので、私から御答弁をさせていただきます。  5月の入札中止を受け、県西部の地域活性化のために別館及び本館を含めて、どのような利活用策が考えられるか、それから、その利活用に向けてどのような機能があれば利用促進につながるかといった点について、部局横断的に意見交換を行ったものでございます。  利活用方策として、まず本来の産業展示やコンベンションに加え、例えばスポーツイベント音楽イベント、それから水や食、伝統工芸、山車などを集めた祭り関係のイベント、5Gやデジタルを活用したイベントなど、様々なアイデアが提案されました。  また、高岡にある大学のイベントとの連携、県西部の中高生の合同部活動、また、親子連れ向けの室内遊具の設置、平日は無料開放をするなど、地域に根差した利活用策の提案もあったところでございます。  こうした利活用策を踏まえて、機能面では、多様なイベントに対応できるように、大ホールだけではなくて、中小規模の会議室やきめ細かい間仕切りが必要ではないか、それから、音楽イベントなどでは音響性能はもちろん、楽屋やバックヤードといったスペースが必要ではないかと。  また、集客イベントだけではなく、地域住民に親しまれるような、若者などが日常的に集まり利用できるようなスペースもあればよいのではないかという意見がありました。  全体としては、本館と別館が相互に補完し合うような機能を持たせることで、全体の利活用策が図られるのではないかというものでございます。細かいところでは通信や音響、それから照明設備、床材の種類、可動席の収納スペースの要否などについても議論をしたところです。  こうしたことを踏まえて、検討会議としては、別館の整備基本計画に示す機能を実現するために、今後どのような使い方に焦点を当て、本館及び別館を一体としてそれぞれどのような機能を持たせるか、さらに詳細にハード、ソフト両面から整理をしていく必要があるのではないかと協議したところでございます。 12 嶋川委員 すみません、もう一点だけ。様々な分野で検討を重ねたと。本来の産業展示機能から、音楽や祭りのイベントなど、2回の検討会議で議論してこられたということでありました。しかし、そもそも、別館の基本計画をつくるときに、もちろん同じような議論がされてきているはずです。これまで議論してきたこととは違って、今回の2回の検討会議で新たにこういう議論が出てきたから、では、もう一度調査をしましょうと、決め手になるような新たな議論があったはずです。その議論はどんなものだったか、お伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 13 齊木商工労働部次長 検討会議は、昨今の社会情勢、経済情勢なども踏まえて状況も変わってきましたので、改めて議論をしようと発足しました。もともとは、施設のオープンを踏まえて、どんなイベントを誘致できるか検討するためにスタートしましたけれども、その後、入札が不調に終わり、開館時期も少し不透明になったこともあって、それでは利活用についてもう一度情勢を踏まえて見直そうとしていること、また資材の高騰などもあり、当初の目的実現はなかなか難しいだろうと思っております。  一方で、もともとある本館はもう三十数年以上たっておりますので、大規模修繕がそもそも必要であろうと。別館の開館が遅れたことによって、本館の修繕時期も迫ってまいりました。本館の修繕をどのようにやるかと、新しい別館の機能をどうするかが少しオーバーラップしてきたところもあり、一体的に再度検討すればいいのではないかという方向になったものです。  もちろん別館の基本計画を立てたときには、本館も踏まえて別館の役割をどうするか議論してきたところですけれども、そういう情勢を踏まえて、改めて検討し直したということです。 14 嶋川委員 上程前でありますので、また本会議でもきちっとその中身について、どういう調査をするのかお示しいただければと思います。  それでは、次の質問に移ります。  ゼロゼロ融資の状況についてでありますが、全国的に返済が滞っているという報道が、先日なされていました。報道によると、全国で1兆円が回収不能と。それだけの額が回収不能あるいは困難であると、会計検査院が指摘をしたところであります。  ここで、本県の状況はどうなっているのか、また、その状況を踏まえてどのように現在対応しているのか、久崎地域産業支援課長にお伺いします。
    15 久崎地域産業支援課長 本県では、令和2年5月から令和3年3月までゼロゼロ融資を受付し、累計で1万4,832件、金額では2,485億9,041万円の融資が実行されたところです。  本年9月末時点でございますが、全件数のうち約3割が返済済み、こちらは借換えも含んでおります。約5割が返済中、残り2割の大部分については、来年4月までに返済が開始される見込みとなっております。また、融資の条件変更は219件、これは全体の1.5%程度、代位弁済が150件、1%程度となっております。  こうした中、県ではゼロゼロ融資の借換えにも対応し、金融機関の伴走支援を要件とする融資制度、ビヨンドコロナ応援資金において、保証料を補助し、資金繰りを下支えしております。昨年度を上回るペースでの融資実行が続いていることから、9月補正予算において新規融資枠の拡充を行ったところでございます。  また、各金融機関に対して迅速かつ円滑な資金供給や、事業継続、再生に対する支援に配慮するよう要請もしております。  こうした資金繰り支援と併せ、適切な価格転嫁や生産性向上などにより、収益を継続的に生み出せるような取組を後押ししていくとともに、賃上げサポート補助金人材リスキリング補助金などを通じて、継続的な賃上げにつなげるための支援や、地域内の消費喚起に向けた取組などを促進してまいりたいと考えております。  引き続きビヨンドコロナ応援資金利用状況等を注視しながら、経営改善に取り組む事業者の資金繰り支援に機動的に対応し、万全を期すとともに、経済の好循環の実現を目指して施策を講じてまいりたいと考えております。 16 嶋川委員 返済済みが3割、返済中が5割、残り2割は来年4月までに返済が開始すると。私が心配していたよりもしっかりと返済がなされていて、お困りのところには伴走型で資金繰り等の支援も用意をしているとのことだったので、引き続き注視をしながら、機動的に対応いただければと思います。  それでは、3つ目は、英国及びアイルランドでの観光セールス県産品輸出に向けたPRの結果についてお尋ねをいたします。  尾山委員の質問と重なる部分もありますが、先日、誘客につなげるため、観光PR、旅行会社向けセールス、商談等を英国及びアイルランドで実施したとお伺いしました。その具体的な成果と、今後の本県への誘客見込みについて、お伺いします。山下観光戦略課長、よろしくお願いします。 17 山下観光戦略課長 今回の報告資料にも入れておりますが、簡単に御紹介をします。  欧州からの高付加価値旅行者の誘客に向け、県では昨年度に引き続き、欧州の旅行会社が集積するイギリス・ロンドンで、「富山 week in ロンドン」と銘打って、BtoB及びBtoCのプロモーションを実施いたしました。加えて、今年度は万博国際交流プログラムの採択を受け、アイルランドでも食をフックとした交流事業を実施いたしました。  現地では、昨年度の効果もあり、富山の自然、歴史文化等の紹介に対する反応は非常によく、さらに職人による和菓子文化の解説、実演等にじかに触れていただき、富山にぜひ行きたいとの声を多数いただいたところでございます。  さらに、英国の旅行者は地域の伝統や歴史文化等の体験を好まれますので、本県の特色と親和性が高いこと、また、イギリスには標高の高い山があまりないため、立山黒部は魅力的であることなどの助言もいただいており、今後の誘客に生かしたいと考えております。  また、現地の旅行会社への訪問では、黒部宇奈月キャニオンルートの情報をはじめ、より詳しい富山の情報を求められており、今後の送客が期待できると考えております。また、アイルランドでも、富山のすしや食についても高い関心を持っていただいたところでございます。今回、関係を構築できた旅行会社には、実際の送客につながるよう、働きかけを継続してまいりたいと考えております。  観光庁の宿泊旅行統計では、イギリスからの本県宿泊者はコロナ前の2019年と比較し、今年8月末時点、同月比で約3割伸びました。昨年度のイベント参加者──メディアや旅行会社のほか個人もいらっしゃいますが、その方々が何組も来県されており、こういった点は現地JNTOロンドンでも高く評価をいただいたところでございます。  また、先日もイギリスのイベント参加者が本県を訪問されたほか、現地の旅行会社が視察に訪れるなど、実際の来県や旅行商品の造成検討につながっております。今後とも、滞在日数や観光消費額が多い欧州からの誘客に、さらに力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。 18 嶋川委員 イギリスと富山は非常に親和性があるというところに、可能性があるのかなと非常に感じました。  最後の質問になりますが、では、欧州から本県へ高付加価値旅行者を誘客することに関し、現在の課題は何であるか。また、その対策をどのように考えているか、山下観光戦略課長にお尋ねいたします。 19 山下観光戦略課長 今回、欧州からの誘客に向け一定の手応えは感じた一方で、高付加価値旅行者の誘客に向けた課題として、自然や歴史文化、食や暮らしなど、地域ならではの体験を求める欧州旅行者に目的地として選んでもらうための、BtoB、BtoC両面での戦略的なプロモーションが今後も必要と認識しております。  また、オーダーメード型の個人旅行が主流の欧州の旅行会社からの送客を受けるには、高付加価値旅行者の県内での宿や交通のほか、人が重要ということです。体験やガイドの手配、アテンドに対応できるランドオペレーターや、オーダーに基づいて旅程などを提案して実際にアテンドするトラベルデザイナーが必要であることを、改めて認識したところでございます。  今後の誘客には、県内での事業者育成支援や県外のランドオペレーターへのセールスが必要です。これに加え、質の高い通訳、ガイドの育成、欧州旅行者が好む地域の暮らしを感じられる体験コンテンツの造成、滞在できる上質な宿泊施設の立地促進なども、引き続き課題であると考えております。  今後、高付加価値旅行者の誘客に向け、欧州からの誘客を見据えた一過性に終わらない戦略的なプロモーション、訪日外国人の受入れに対応できる県内事業者の育成、暮らすように旅する体験型コンテンツの充実、高付加価値旅行者向け宿泊施設の立地促進等を、一体的に進めていく必要があると考えております。  現在、観光庁の「地方における高付加価値インバウンド観光地づくりモデル観光地」においても、北陸モデル地域のマスタープラン策定に向けた作業として、まずは県内事業者に地域の課題等のヒアリングを行っているところです。今後とも高付加価値旅行者の誘客に向け、地域一体となって取り組んでまいりたいと考えております。 20 嶋川委員 今見えている課題は解決可能だとお伺いしましたので、ぜひそのまま進めていっていただきたいと思います。 21 藤井委員 新川こども施設要求水準書(案)が本日発表されましたが、事前通告はしていないですけれども、まずこの点について、報告を見ながらお聞きしたいと思います。  新田知事が就任されてから、大型施設でPFIを導入しようという方針でやってきたわけですが、残念ながら県武道館においては一旦断念、高岡テクノドーム別館はO方式で、運営においてはPFIを導入しようとしていましたが、その前の建設の段階で今ちょっと立ち止まっている状況です。そういう意味で、富山県の施設では、新川こども施設において初めて、建築と運営の部分を一体的に行う本格的なPFIがスタートしたことになりますので、これはすごく大きな一歩だと思います。富山県の施設ではPFIを導入した事例は一つもなかったわけですので、非常に大きな一歩です。  施設本体はPFI-BTO方式にし、附帯事業に関しては独立採算方式で、維持管理運営期間については15年間と、要求水準書(案)に示されています。今のところ、県の施設でPFIをやりたいと思って進めていたものが、残念ながらなかなかうまくいっていない状況において、今回この新川こども施設要求水準書(案)において工夫したポイント、今後うまく進めるためにどのような工夫をされていくのかについて、お聞きしたいと思っています。地方創生・移住交流課長の荻浦さんにお聞きします。 22 荻浦地方創生・移住交流課長 新川こども施設整備運営事業実施方針(案)と要求水準書(案)について、基本計画に基づき、また、前回の委員会でも御報告したように、LINEのアンケート調査なども実施して、本日公表することができました。  昨今の資材価格の高騰、人材、人手不足が大変深刻な状況でありますので、こちらの事業は今、県におけるPFIの最初の事業ということに現状なっておりますが、これで事業者チームの方に本当に手を挙げていただけるのか。できれば複数の事業者、チームに手を挙げていただいて、公正に競争して、最もよい提案を選びたいと考えております。  そのために、先ほど申し上げた幾つかの手続に加え、いろいろな事業者さんからのヒアリングを積み重ねており、無理のない要求水準書(案)、それから実施方針(案)を取りまとめました。  本日より、事業者さんからの質問も受付をしております。12月18日までの約3週間質問をお受けして、もしかしたらそれによっては内容を見直す必要もあるかもしれないと考えているところです。ぜひよい提案を複数いただけるように、また進めていきたいと考えております。 23 藤井委員 私としては心から応援をしたいですし、ぜひ多くの事業者の方に、この施設に対して興味、関心を持っていただいて、参画の意思を示していただきたいなと思っておりますので、マスコミの皆さんもぜひ取り上げていただきたいです。  それでは、通告していた質問のほうを進めます。  今、富山県地域交通戦略会議が大詰めを迎えている頃だと思っております。R5年度末の、新たな地域公共交通計画の策定に向けて、まさに今大詰めですが、ちょうど11月には2つの部会が行われておりましたので、このあたりについて、今日の報告事項にもありましたけれども、改めて確認をします。  第5回富山県地域交通戦略会議が8月末に行われておりますけれども、この中で関係者間の役割分担、責任分担が協議されており、自治体や県民の役割について、これまでの「側面支援」から「投資」「参画」という踏み込んだ言葉を使って、より積極的に公共交通を支援していこうとなりました。  目標達成に向けて、民間や自治体がより積極的に関与していくんだと示されていて、私は、これはいいことだとは思いますけれども、逆に言えば「投資」「参画」という言葉の定義等が若干分かりにくい部分があります。実は個別にお尋ねしたことはあるんですけれども、改めて委員会の場で、「側面支援」から「投資」「参画」という言葉にされた変更の意図、併せて言葉の定義、戦略に与える影響について、有田交通戦略企画課長にお尋ねします。 24 有田交通戦略企画課長 これまでの公共交通は、事業者として採算性が確保できる範囲内におけるサービスの維持、確保が前提とされており、自治体はそれに対して「側面支援」を行ってきました。一方で、人口減少、少子高齢化、最近では燃料費高騰など、公共交通を取り巻く環境が厳しさを増している中で、事業者が利便性、快適性の向上に取り組むには困難な状況にあると認識しております。  このため、8月の戦略会議では、先ほど御紹介いただきましたとおり、地域交通サービスを地域の活力、魅力に直結する自らの地域の公共サービスと位置づけ、事業者の経営の範囲を超えるものの、地域として必要と考えるサービスの確保、向上については、自治体、県民の「投資」と「参画」によって実現を目指すこととされました。  この自治体と県民による「投資」「参画」の意味でございますが、地域交通を自らの地域の財産──先ほど公共サービスと申し上げましたが、自らの地域の財産として捉えて、自らが地域交通サービスに主体的、積極的に関与する、また、自分事として考えていく、捉えていくということを示したものでございます。  戦略会議で取りまとめた関係者間の役割分担、責任分担に基づき、既に今年度から、富山地方鉄道に対する安全性、快適性を高める投資として、レールや枕木などの整備に対する支援強化を沿線市町村と共に行っております。  また、現在進めております城端線・氷見線再構築の議論につきましても、この戦略会議における議論とも整合を取った形で進めております。  計画に位置づける施策案につきましては、現在各部会で議論を進めているところで、市町村、交通事業者など関係者と連携を図って、年度内の策定に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 25 藤井委員 自治体が支援すること自体は、これまでも公共交通においては多くあったと思いますけれども、あえて「投資」という言葉を使われたところを、私は非常に何というか、画期的だなと思っております。  その「投資」の範囲って、どこまでを投資と言うか非常に難しいところだなと思っております。既に部会の報告書の中にもありましたが、例えば通学定期券の割引も、あれはある意味教育的な支援であるわけで、事業者が負担するのではなく、自治体も負担するべきなのではないかという意見も、第5回富山県地域交通戦略会議で委員から御指摘もあったところであります。  でも、ここまでやってしまうとどこまで自治体が投資という形で支援していけばいいのか。教育的、福祉的観点で公共交通サービスを自分事にして、市民、県民が参画していきたいけれども、そのために自治体の投資は一体どこまでやることになるんだろうか。この辺の難しさは非常にあるんじゃないかなと思っています。答えがなかなか出ないとは思いますけれども、例えば、示された教育・福祉的社会政策との連携に関する議論において、もうはっきり言いますと、自治体による学割定期券への補助はどこまで実現性があるものなのか、有田課長にお伺いします。 26 有田交通戦略企画課長 14日に開催されました第5回鉄軌道サービス部会では、計画に位置づける施策案について先ほど申し上げたとおり議論をしたところでございますが、それと併せて、この部会では通学定期券の運賃の事業者間の差について議論を行っております。  この部会で議論がありましたのは、運賃体系は事業者ごとに異なることが前提で、事業者間で通学定期券の運賃を全て同じにすることは難しいが、運賃水準に明らかに大きな差がある場合については、地域の実情に応じてその差を縮める対策を検討してもよいのではないかという議論がありました。また、市町村や県の関与も含めて、今後検討していくことを計画に盛り込んでほしいとの御意見、教育や子育て施策の観点から考えたほうがよいなどの御意見をいただいたところでございます。  通学定期券の割引の取扱いや事業者間の差についての議論は、まだ全国でもあまり行われていないと認識しております。今はまだ、どのような課題があるのか、その実現性も含めて議論がスタートしたばかりでございますので、今後、鉄軌道サービス部会の先ほどの議論結果も報告し、年度内に策定する計画への位置づけなどについて、次回の地域交通戦略会議において議論していくことになると考えております。県としましては、地域交通戦略会議の議論も踏まえ、対応していきたいと考えております。 27 藤井委員 自治体の関与という言葉であるということは、県以外に当然市町村の負担もあると思います。通学定期券の差額を自治体が負担するとしたら、県が何分の1、そこに関係する市町村が何分の1というような、負担額の分担まで事細かく決めないと、なかなか進められません。頑張ってくださいというか、なるべくその実現に向けて、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいなと思っております。今日は委員会なのでこの程度にしておきますが、ぜひまたよろしくお願いいたします。  あわせて、第4回地域モビリティ部会では、住民が主体的に「参画」するモビリティーサービスということで、そういったものを支援していきますよという言葉がございました。最近はノッカルあさひまちや──ノッカルに関しては高岡市もやっていますかね。砺波市ではチョイソコとなみが行われていて、そういった事例が県内にもあるわけですけれども、そもそも地域住民が主体的に参画するモビリティーサービスというのは、一体どのようなものを想定されているのか、有田課長にお伺いします。 28 有田交通戦略企画課長 今月16日に第4回地域モビリティ部会を開催しておりますが、その中でも地域住民や地元企業、店舗等がサービスの支え手にもなる地域主体の新たなモビリティーサービスの立ち上げの推進など、県民の参画を促す施策などについて議論を行っております。  部会で議論された施策案でございますが、県民の参画を促すという観点ですけれども、これまでの議論を踏まえ整理されたものでございます。これまでの議論の中では、地域が主体的に参画するサービスとして、例えば地域世帯などが幅広く会費を拠出して運営を下支えするサービス、また、地元の店舗や企業などがスポンサーとなってデマンド交通サービス運営費用を一部負担しまして、その店舗などの前にデマンド交通サービスの停留所を設置するサービス、また、先ほど御紹介いただいたノッカルのように、地域住民が運行の担い手となるサービスなどの例が挙がっておりました。 29 藤井委員 富山市新庄に私は在住しているんですけれども、昨日、その地域の住民の方と意見交換会をしていました。富山市の新庄地区というと非常に公共交通的には充実しているエリアだと思われるかもしれませんが、ある地域の方からすると、どのバスの停留所も1キロから2キロぐらい離れているので、高齢になられた方はなかなか移動が難しいということです。  交通空白地域や中山間地域であるほうが、地域公共交通会議での特例的な措置が行われるんです。いわゆる市街地で公共交通があるとされる地域というのは、基本的に交通事業者さん、民間の事業を優先していて、あまり民間の事業を邪魔しないような形にしなければいけないため、住民主体の地域モビリティーサービスを導入しようと思っても、ハードルが非常に高いと。昨日もそういった話題で話をしていました。  ちなみに、新庄地域においては完全ボランティアの自家用車ですけれども、御近所さんを乗せて、買物支援サービスを行っております。これは道路運送法、いわゆる白タク行為に抵触しないような形で、あくまで自家用車に友人の方を乗せているというていにすることでしか、逆に言えばそういった住民主体の移送サービスができないという判断で、そのように行われております。  チョイソコやノッカルも検討したことがあるんですけれども、先ほど言ったハードルがなかなか越えられなくて、完全ボランティア主体の移送サービスを3年前からやっています。地域の方は一生懸命やっているんですけれども、今、利用者は5人しかいないという形です。それはやっぱりボランティアのハードルが高いことと、そういった運営に対しての資金が回らない、完全ボランティアだと回らないということだと思います。  そういう意味で、ノッカル、チョイソコ等、地域住民主体のモビリティーサービスを導入したいと思っても、なかなかハードルが高いという地域が、新庄エリアだけじゃなくてほかにもあると聞いております。これを乗り越えていくためにはどのような形でやっていけばいいのか、道路運送法の問題もあると思うんですけれども、導入の条件、検討、プロセスについて有田課長にお伺いします。 30 有田交通戦略企画課長 市街地などの輸送について、国の法令上、有償の移動サービスにつきましては、原則として道路運送法の事業許可を受けたバスやタクシーによるとされているところです。それでは十分なサービスの提供が難しい交通空白地におきましては、先ほど御紹介いただいたとおりでございますが、二種免許を持たないドライバーと自家用車による有償の移動サービスの導入が、法令上は認められているところでございます。  導入に当たっての条件、ハードルなどでございますが、まず安全面の話です。運行管理や車両整備管理の体制整備など一定の安全措置を講じることが、二種免許を持たないドライバーと自家用車による移動サービスの場合も条件とされております。この部分が一定のハードルにはなるんですけれども、独自の体制を整備しなくても、運行管理のプロであるバスやタクシー事業者に委託するなどして、条件を満たすこともできます。  実際に朝日町のノッカルあさひまちにつきましては、事業者と協力して運行管理、車両の整備管理の体制整備を行っております。これらが可能となったのは、令和2年11月に行われた法改正からで、この法改正にのっとる新制度の全国第1号が、ノッカルあさひまちとなっております。  やはり自家用車でやる場合であっても、地元の既存交通サービス、バス、タクシー事業者さんと手を取り合って、事業者協力型でやるというのが1つのポイントになっていると思います。その上で市町村、交通事業者、住民など、導入に当たっての検討プロセスでございますが、地域の関係者の方々の協議を経て地域として──これは「参画」と同じ意味になりますけれども、意思決定を図っていくことが条件とされているところでございます。 31 藤井委員 確かに、公共交通の事業者さんをある程度守らないと、その事業者自体が撤退してしまえば、より地域住民のサービスの価値が下がってしまうところもあると思います。きめ細やかな、それこそラストワンマイルと言われるところに関しては、地域住民の力を借りながらやっていく。まさに、官民連携の一番難易度が高いけれども重要なポイントだと思っております。  またこちらについても頑張っていただきつつ、今、一番の起爆剤というか、逆に言うと劇薬的なものになるかと思いますが、ライドシェアの議論が国会でも始まっております。最近は、岸田総理からも、導入検討についての前向きな発言が非常に多くなってきております。  このライドシェアは、参画を促す起爆剤にはなり得ますが、一方で先ほど言った交通事業者の方々との調整等が非常に必要な、まさに難しい問題だなと思っております。  国のライドシェア導入に向けた議論が始まったところで、当然ながら自治体にもそういった議論が下りてくると思っておりますが、これについてどのように今後キャッチアップされていくのか。令和5年度末までの地域公共交通計画策定中であるわけでありまして、このライドシェアについてはどのように盛り込んでいかれるのか。そして、どのような意見が今まで戦略会議であったのか、このあたりについて田中交通政策局長にお伺いします。 32 田中交通政策局長 国におけるライドシェアに関する議論では、タクシー需要に供給が追いつかない地域における移動の足として期待するという話も出ている一方で、やはり安全性確保の面や、これまで地域の移動の足を支えてきたタクシーなどのサービスが、ライドシェアの導入によって失われるんじゃないかというおそれなども、課題として指摘されております。  ライドシェアに関する議論は、最近の新聞報道でも非常に多くなっており、政府の規制改革推進会議の議論や、ライドシェアを目指す超党派議員の勉強会発足など、いろいろ報道されております。  今月開催した地域モビリティ部会でも、やはりライドシェアの議論がありました。ライドシェアを導入するとしても、やはり誰かが安全管理をしなければならないという点。また、ライドシェアも話題に上がっているけれども、バスやタクシーが今後も大事な存在であり続ける、タクシー等の既存サービスとの共存を考える必要があるんじゃないか、といった様々な御意見が出ております。  県としましては、戦略会議におけるこのような議論も踏まえ、安全性確保や既存の地域交通サービスとの両立、地域住民の参画促進の観点にも留意の上、国におけるライドシェアに関する検討状況など、情報収集等を行ってまいります。 33 藤井委員 南砺市さんが非常に前向きな発言をされている中で、富山県の交通戦略においても非常にそのあたり、微妙なかじ取りをこれからしていかなければいけないと思いますが、またこの委員会を通じてでもその議論を深めていければと思っております。 34 岡崎委員 私からは、JR城端線・氷見線のあいの風とやま鉄道への経営移管について、質疑いたします。  まず1点目は、JR城端線・氷見線のあいの風とやま鉄道への経営移管について、県内一部の自治体から異論が出たらしいですが、どのようなことで異論を唱えられようとしたのか、これについてまずお伺いしたいと思います。もし把握しておられないのであれば、意向を聴取して回答すべきではないかと思いますが、黒崎広域交通・新幹線政策課長、御答弁をよろしくお願いします。 35 黒崎広域交通・新幹線政策課長 城端線・氷見線のあいの風とやま鉄道への移管につきまして、沿線4市である高岡、氷見、砺波、南砺市以外の市町村にも負担が発生するのか、懸念を示されたことは承知しております。  県といたしましては、現在の路線、並行在来線とは区分して経理を行うこと、また、現在の路線の経営に支障が出ないよう、県、沿線4市で必要な出資、経営安定を図るための支援を行うこと、沿線4市以外の市町村には負担を求めないこと、また、並行在来線経営安定基金は城端線・氷見線には充当しないことを、沿線市以外の市町村に対して明らかにしているところでございます。  今後とも、沿線市以外の自治体から財政負担の懸念を抱かれることのないよう、対応していきたいと考えております。 36 岡崎委員 多分そうだろうと私も想像していたんですが、もともと並行在来線経営安定基金は、ほぼ全部の県内市町村が多かれ少なかれ出資をしてきたわけです。今度、新たに決して安定的ではない2路線が加わるということで、さらに経営について懸念されたのではないかと、このように思っているわけでございます。  JR西日本と東日本じゃないですけれども、あいの風とやま鉄道西と東みたいな感じで経営分離をしていくことになっていくのかなという心配もあって、こういう声が出たのかなと思いますが、その辺は本当に大丈夫なのかどうか、所見をお伺いします。 37 黒崎広域交通・新幹線政策課長 先月23日に第3回城端線・氷見線再構築検討会を開催しましたが、その前に開催した第2回検討会で、あいの風とやま鉄道から示された条件がございます。城端線・氷見線の経営を引き継ぐ場合の5つの条件を示されており、その中で県、沿線市、JRの対応を説明して合意したところでございます。  内容を申し上げますと、現路線とは区分して経理をした上で、現路線の経営に支障が出ないよう、城端線・氷見線の赤字補填の保証を行うこと。また、沿線4市以外の市町村には負担を求めないこと。それから、委員からもお話ありました全市町村が拠出しております並行在来線経営安定基金は、城端線・氷見線の運営には充当しないことを明らかにしております。  城端線・氷見線は、県と沿線4市でしっかり支えていくこととしており、繰り返しになりますけれども、沿線以外の自治体から財政負担の懸念を抱かれることのないように、丁寧に説明してまいりたいと考えております。 38 岡崎委員 しかし、有田課長も先ほどおっしゃっていましたけれども、今後人口減少、少子高齢化が進む中で利用人員をやっぱりちゃんと確保していかないと、この4市だけで果たしてこの経営をうまくやっていけるのか非常に懸念します。見方からすれば、そういう取決めがあったとしても、あいの風とやま鉄道として1つじゃないかと、見ようによってはこう見られるわけで、それが普通じゃないかと思うんですね。  第3回城端線・氷見線再構築検討会の報告も見させていただきましたが、JRもどこまでしっかりと経営移管に対して協力してくれるのか、大丈夫なのかなと思うような意見だなと心配をしていました。  次の質問に移りますが、私、城端線と氷見線に先月乗りに行きまして、どんな状態なのかなと見ておりました。氷見線は比較的乗り心地もよくて、いいなと思っていたんですね。城端線も同じようなタイプだなと思っていたんですが、城端線はなかなかスリルに満ちていて。砺波駅からその次が高儀でしたかね、南側へ向かっていくんです。私のそばに乗っている小学生が、顔を見合わせて何かうれしそうにしていまして、何を喜んでいるのかなと思って子供たちを見ていたんですが、軌道が荒れていて電車がどーんと上へ飛ぶんですよ。そのタイミングを子供たちはちゃんと分かっていて、行くぞ、そろそろだと言って顔を見合わせて、せーのと言ってぽーんと飛んでいるんです。  そのくらいにかなり上下の振動があって、笑い事じゃないんですよ、本当に。そのくらいのひどい軌道状態だと。私も心配して県の幹部の人とも話していたんですが、岡崎さん、そうじゃないんだ、あれはJRの厳しい基準によってしっかりとちゃんと整備されているから全然大丈夫だと。……大丈夫なのかな、これで。新車両を導入してもあれを直さないことには、本当に新しくなったという感じを受けないのではないかと見ていました。  やはり経営移管について、JRにはインフラをしっかり整備してもらう必要があります。新型車両やICカード導入など、この間に議会でもてんこ盛りで言われているわけですよ。それに対して、JR西日本の責任者からは、それはちょっと難しいですねみたいな、そういう回答だったと思うんですよね。そんな課題が今もてんこ盛りにあるわけで、そうしたことをしっかり移管前に、やっぱり確約を取るぐらいに頑張らなくちゃいけないと思いますが、黒崎課長の所見をよろしくお願いします。 39 黒崎広域交通・新幹線政策課長 城端線・氷見線をJR西日本からあいの風とやま鉄道へ移管するに当たり、今ほど御指摘ございました既存の施設整備を行う必要性について、これまでも検討会の場で沿線市の委員から、移管前の安全対策の実施をしっかりするように求める意見がありました。そのほか、あいの風とやま鉄道からも、経営を引き継ぐ場合の条件の1つとして、レール、枕木などの本格的な再整備を行うことも示されております。これに対してJR西日本では、レール、枕木などの本格的な再整備は、今策定している再構築実施計画において整備するものも含めて、実施、協力していくことにしております。  鉄道事業におきまして、安全な運行は何よりも大事であると思っております。これまでも、JRは安全運行に取り組んできておられます。この後、再構築実施計画の策定、また、この計画策定後の移管までの取組におきまして、移管後も安全な運行がしっかり確保されるよう、引き続き沿線市、JR西日本、あいの風とやま鉄道とともに協議、検討を進めてまいりたいと考えております。 40 岡崎委員 飛びはねている子供たちの楽しみを奪うわけではありませんが、そういう誰でも気づくようなことというのは、幾ら基準があるとしてもちょっとひどいなと私は思います。やはり県としても、しっかりまたJRに意見を伝えていただきたいなと思っています。  それでは次に、黒部宇奈月キャニオンルートについてお伺いをいたします。  来年1月からいよいよ募集開始されるということで、すごいルートに行けるんだなと、皆さんも非常に関心が高いだろうと思います。  私もすごいなと思っていたんですが、もう1つびっくりしたのが、このツアー費用が13万円だと。見方によれば当たり前だと、知事も適正価格だとおっしゃったわけですが、でもなかなか13万円というのは、そんなにお手頃だとは言えないと思います。適正だと言われる根拠は何か。これはホテル立山を利用した場合の価格だと伺っていますが、そのほか何ルートかあるようで、その辺の価格はどうなるのか、教えてください。この間の反応も含めて、高田観光振興室課長にお答えをお願いします。 41 高田観光振興室課長 御質問いただきました黒部宇奈月キャニオンルートの旅行商品でございますが、まず、この旅行商品は、初年度の令和6年度は、1泊2日の基本コースを4種類、設定しております。  基本コースの想定販売金額ですが、もちろんコースごとに宿泊地や行程が若干異なり、また、宿泊も伴いますので、時期によってコースの中でも変動するという事情もございます。想定販売金額として、基本コース4種類のうち宇奈月発の第2便で13万円程度の見込みと示している状況でございます。  このコースの内容につきましては、宇奈月発第2便は午前に宇奈月に集合しまして、まずそこで電源開発に関するレクチャーを行い、それを受けていただきます。その後、実際にトロッコ電車で欅平へ行き、そこで昼食を取り、その後キャニオンルートを体験して、黒部ダムへ出ます。その後、立山黒部アルペンルートを通りまして、黒部ダムからケーブルカー、ロープウエー、トロリーバスを乗り継いで室堂のホテル立山へ夕方に着いて、そこで宿泊となります。翌日は、室堂から高原バス、ケーブルカーでアルペンルートを通って立山駅まで行くというコースとなっています。  旅行代金は、今ほど申し上げた行程、室堂のホテル立山の宿泊費、また、立山黒部アルペンルート、トロッコ電車の全ての交通費、前日に行いますレクチャー──これもガイドが行うこととしておりますが、そのレクチャーを含めてコースに同行します専門ガイドの料金、また、欅平から黒部ダムまでの間のキャニオンルート工事用施設内を通行することになりますので、そこに同行します安全添乗員の経費、昼食を含めたコース内の食事などの費用が全て含まれており、適正に計算された価格になっています。  他のコースにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、コースごとに宿泊地も複数あるため、現状では各コースの細かい金額まではお示しができていない状況ですが、旅行商品販売の時期にはもちろんお示しします。  また、御質問の金額への反応については、もちろん様々ございますけれども、例えば旅行会社さんやメディアの皆様からは、安い金額ではないがここでしかできない体験があることも間違いない、妥当ではないか、内容が魅力的でそこでしか体験できない価値があれば観光客は来てくれる、との御意見をいただいている状況でございます。  旅行商品として重要なことは、やはり金額以上の感動や価値を提供することであると考えております。キャニオンルートを含む旅行商品の魅力を引き続き丁寧にお伝えして、お客様にとって魅力的で満足度の高い旅行商品となりますよう、準備を進めていきたいと考えております。 42 岡崎委員 コースを回るのにお幾ら、宿泊費がお幾らか、ざっくりこんな感じで言ったらそれぞれ幾らになりますか。 43 高田観光振興室課長 旅行商品という形での販売になりますので、内訳としてそれぞれが幾らかは商品としても通常お示ししていないところでございまして、すみません、そこは御理解いただきたいと思います。
    44 岡崎委員 はい。理解したいと思います。  それでは、もう一点ですが、なかなか少し価格も高いので、欧州の方など少しお金持ちの方は注目をされているでしょうが、やっぱり県民の皆さんにももう少し身近に感じてもらえるような取組も、必要ではないかなと思っています。  例えば思いつきで言って申し訳ないですが、先ほど基本コースの中で、電源開発の歴史についてレクチャーをされるとありました。インクラインも含めて、何かプロジェクションマッピングなどを使って、こういう感じになっています、またいつか来てくださいと、概要を示すようなことをやってもいいのではないかなと思います。  これは県がやればいいのか、関西電力がやればいいのかちょっと分かりませんけれども。今は観光地へ行って観光施設の中に入ると、プロジェクションマッピングが非常によく活用されていて、すごく立体的で分かりやすい。実物を見る前に少しレクチャーしてもらうと非常に分かりやすいですし、また、関心も高まるのではないかなと思います。  県もキャニオンルートのホームページを作られてやっておられますが、ちょっと迫力感に欠けるというか。乗ったときの景色といった感じなので、外から見たらこんな感じ、乗ったらこんな感じと分かるくらいのものがあってもいいかなと思います。  いろいろ言いましたけれども、実際に乗れなくてもプロジェクションマッピングで見られるような取組は行わないのか、その辺の所感をお聞かせください。 45 高田観光振興室課長 確かに黒部宇奈月キャニオンルートは、年間で訪れていただける人数に限りがございます。人跡未踏の黒部峡谷に挑んだ電源開発の軌跡を体感いただける新たな旅行商品ということで、人数に限りはありますが、逆にこの場所でしかできない体験が、商品としての価値でもあると考えております。  一方で、現地を訪れるとどのような体験ができるかイメージすることで、行ってみたいという思いを持っていただくということも大変重要であると思っております。キャニオンルートの公式サイトには、これまでも写真や動画に加え、高熱隧道を通る蓄電池機関車やインクラインなどを疑似体験いただけるVR映像も、短いものではございますが掲載をしているところで、ルートの魅力の一端は紹介しております。  また、今年3月にリニューアルされました関西電力さんの黒部川電気記念館──トロッコの宇奈月駅の前にあるそちらの施設においても、黒部峡谷の自然や電源開発の歴史をジオラマや映像で体感いただくことができる形にもなっています。  新しい観光ルートを定着させ、発展につなげていくためには、まずは受入れ上限人数の中でたくさんのお客様に訪れていただけるように、準備を進めていきたいと思っております。また、訪れたいという気持ちを誘発するような取組を、引き続き考えてやっていきたいと思っております。 46 岡崎委員 まだやってもいないうちから体験ツアーの映像を流すのも、まあちょっと早いかなとは私も思います。関連の施設もまた見てみたいですし、助言できることがあれば、一緒にまた考えさせていただきたいと思います。 47 井上委員 まず今日は、T-Messe2023富山県ものづくり総合見本市について、今日の報告事項にもありますが、確認しておきたいと思います。  まず、T-MesseのTという字が富山のTかと思って、調べてみたら富山のT、それからテクノロジーのT、それからトレードのTも含んでいて、いい名前じゃないかなと、これは評価したいと思います。  今年のT-Messe2023富山県ものづくり総合見本市ではどのような成果があったのか。また、今年は4年ぶりのリアル開催ということで、課題もいろいろあったかと思いますけれども、実績と課題をどのように捉えていらっしゃるのか、島田物流通商班長さんにお伺いします。 48 島田物流通商班長 T-Messe富山県ものづくり総合見本市は、本県の優れたものづくり技術を広く県内外、海外に向けて紹介し、県内企業の商談機会の創出を図るとともに、学生、生徒等の県内企業への関心を高め、ものづくりに関する意識の涵養につなげることを目的に、2年に1回の頻度で開催しているもので、今回が7回目の開催となりました。  今回はEV、カーボンニュートラルなど、時流に応じたテーマを取り上げた企画展示、各業界の若手技術者と学生等が意見交換を行うリクルートセッションの実施などにも取り組んだところでございます。その結果、今回は新型コロナの影響で4年ぶりのリアル開催となったこともあり、来場者が3万1,512人、商談件数が1万955件といずれも過去最多の実績となりました。  出展者の皆様からは、多くの方に来場いただき新たな企業とのつながりも増やすことができた、若者に商品を実際に見てもらうことで、会社や業界に対する関心を持ってもらうことができたなどの御意見を頂戴しているところであり、にぎわいのある闊達なイベントとなりました。  一方、新型コロナの影響で運休となりました国際航空路線の再開の遅れや、中国政府による訪日旅行解除の遅れ、さらには処理水問題等により、中国を中心に海外からの参加者が減少し、海外出展者は4年前の196社から41社へ、海外バイヤーも29社から16社へと減少し、海外との経済交流につきましては、従来に比べると規模が小さなものとなりました。  商談の成約状況等は、今後、追跡調査を行うこととしておりますが、現在取りまとめ中の出展者等に対するアンケート調査の結果等と併せ、実行委員会を構成するメンバーの経済団体、産業団体などと情報を共有し、課題の整理、次回開催に向けた検討等を進めてまいりたいと考えております。 49 井上委員 今日の報告事項の資料を見ても商談件数が過去最高という話で、前回に比べると2,000件以上商談件数が増えています。本当によかったと思いますし、成約件数はこれから調査をされるということで、大いに期待したいところでございます。  また、海外バイヤーの話で課題もあるようですけれども、今年のそういった課題を踏まえて、今後のT-Messe展開に向けて、どのように取り組んでいかれるのかお伺いします。 50 島田物流通商班長 今回の見本市では海外からの参加者が減少したものの、韓国、香港、ポーランドといった新しい国、地域からの出展もあったところでございます。  近年、世界経済における課題は多様化しており、県内企業においてもサプライチェーンや進出先、販売先の見直しなどが求められております。今回のT-Messeのアンケート調査結果や商談の状況などを踏まえ、経済団体、産業団体と連携、協力し、引き続き県内企業のニーズに応じた幅広い国、地域との経済交流が一層活発になりますよう、海外バイヤーの招聘の拡大などについて、検討してまいりたいと存じます。  また、県内ではものづくり産業を担う人材の育成、確保が重要な課題となっており、今回の見本市では、従来から実施しているものですが、学生等が県内企業のブースを回り、その企業の商品や技術に触れる企業研究ラリーのほか、機械電子、アルミ、医薬品、情報など、各業界の若手あるいは女性技術者と学生等が意見交換を行う、リクルートセッションを新たに実施しました。  これらの取組を通じ、県内ものづくり企業が持つ技術力、県内ものづくり産業で働く女性活躍の状況などを、若い世代の皆さんに紹介したところです。今後も関係団体の御意見を伺いながら、若者、女性等に県内ものづくり産業に対する興味、関心を持っていただくことで、将来のものづくり人材の育成や確保等につながる取組の充実を図ってまいりたいと考えております。 51 井上委員 富山県はものづくり県ですので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  今年度当初予算の経済交流事業の中で、今年はこのT-Messeに、オレゴン州の関連企業を招聘したいということが書いてありました。そして、その事業の中でアメリカでのテストマーケティングも実施したいと書いてありましたが、それらの状況も含めて、今後のオレゴン州との経済交流について、どのように進めていくおつもりなのかお伺いします。 52 島田物流通商班長 オレゴン州とは昨年8月、知事を団長とする友好訪問団を派遣した際、経済分野等における交流と協力に関する覚書、いわゆるMOUを締結したところでございます。この覚書を踏まえ、今回のT-Messeにおいては、オレゴン州から日用品、インテリア等を取り扱うバイヤーを招聘し、県内企業との商談を行っていただいたところです。  当該バイヤーからは、デザイン性の高い新しい商品を見つけることができた、実際に会って商談する貴重な機会を得られて感謝しているなどの御意見をいただいたところです。さらに同州からは、政府経済開発局ビジネスオレゴン日本事務所にブース出展いただくとともに、県内企業向けセミナーの開催により、同州への投資環境等についてPRを行っていただきました。  今後ですが、来年3月にはオレゴン州のポートランド市内にある日本庭園内において、3週間程度の期間、とやまフェアを開催することとしており、現在、日本庭園の運営団体と対象商品の選定等について協議しているところでございます。このフェアでは県内の伝統工芸品、日用品等のテスト販売を行い、現地での消費者、バイヤー等の評価などを取りまとめ、県内企業にフィードバックすることとしております。  このように、オレゴン州とはMOU締結後、その理念を実現するため様々なイベント等を通じ、経済交流を深化させているところであり、引き続き県内企業のビジネスチャンスの拡大につながるよう、取り組んでまいりたいと考えております。 53 井上委員 オレゴン州とは友好提携30周年を迎えましたし、また、山岳関係での交流もあったように覚えております。そして、ポートランドというまちは、住みたいまち全米ナンバーワン、そして、環境に優しいまちでも全米ナンバーワンということで、非常にいいまち、いい州であると思っています。  1991年だったか、向こうの知事が富山県庁へ初めて来られたときに、私も県庁正面で拍手して迎えた覚えがあります。ぜひポートランドというかオレゴン州のいいところをどんどん取り入れて、富山県の発展、そして県民のウェルビーイングの向上につなげていってほしいと思いますので、よろしくお願いします。大いに期待したいと思います。  続きまして、富山-上海便についてお伺いします。  富山-上海便が8月8日から10月28日の夏ダイヤ期間で、週2便運航されました。冬期ダイヤの10月31日から令和6年3月31日も、運航を継続されるという発表がありました。そして、富山-上海便利用者を対象とした、富山空港と富山駅間を結ぶ無料バスが運行されたと聞いております。これまでの無料バスの実績と、それをどう評価していらっしゃるか、そして、かかった経費についてもお伺いしたいと思います。勝山航空政策課長さんにお願いします。 54 勝山航空政策課長 富山-上海便の利用者を対象とした空港から富山駅までの直行無料バスにつきましては、上海便を利用して来県される方の交通アクセスや満足度の向上を図るため、定期便の運航が再開した8月8日から12月30日までの間、サンドボックス予算を活用して実証運行を行っております。  8月から10月末までに計24便バスを運行しまして、合計で374人の御利用がありました。バスの車内には中国語が話せる添乗員が乗車しており、利用者に対するアンケート調査を行っておりますが、アンケート回答者の9割から、バスを利用して大変よかったという回答を得ております。  具体的には、駅まで直接移動できるのは大変うれしい、中国語ができるスタッフが添乗しており大変満足である、とても心温まる事業であるという意見が多く、利用者からはおおむね好評を得ていると認識しております。  なお、8月から10月末までに要した経費は、バスの運行経費、添乗通訳の人件費を合わせ、合計で126万1,900円となっております。 55 井上委員 上海便利用者の374人がバスを利用したと。上海便はたしか座席数が百二十五、六か…… 56 勝山航空政策課長 126席です。 57 井上委員 搭乗率9割とすると、126席のうち113人ぐらいが搭乗していらっしゃって、374人割る24便ですから15.6人、1割ちょっとだね、1割ちょっとの方がバスを利用している。バスに乗った方は確かにそう評価されるかもしれませんが、バス利用率が1割弱という数字については、どう捉えていらっしゃいますか。 58 勝山航空政策課長 今ほど御指摘いただきましたとおり、上海便1便当たり、バス利用者は十五、六人でございます。また、平均すると大体インバウンドで7割ぐらいの搭乗率ですので、単純に計算をしますと、90人弱ぐらいの方が搭乗されて、そのうち十五、六人の方が無料バスに乗車しているイメージかなと思います。  この状況について、我々も推移を見ておりますが、便によって非常に利用者数にばらつきがありまして、1桁のときもあればバスが満車に近い状況になるような場合まで、非常に見極めが難しいこともあり、引き続きこの状況を見ていきたいと考えております。 59 井上委員 利用にばらつきがあるということで理解いたしました。  そこで次の質問ですが、上海便利用者のための無料バスが来年3月まで継続される予定で、11月補正予算(案)に上程されております。富山-台北便も1月から3月に18往復する予定であると、先日知事から発表がありました。  台北便の利用者向けに同様のサービスをやろうと思っていらっしゃるのかどうか、また、そういう計画があるのかないのか。私はやったほうがいいんじゃないかなという気もしておりますので、台北便利用者への同様のサービス運行をどうお考えか、お聞かせください。 60 勝山航空政策課長 富山-上海便の直行無料バスにつきましては、サンドボックス予算で実施した実証運行が、乗られた方々の感想としてはおおむね好評でした。そういったことを踏まえ、バスを運行する事業者や、利用者と同行する添乗員との調整を経て、今回の11月補正予算(案)で3月までの運行に係る経費を計上したところです。  一方、今ほど御指摘いただきました富山-台北便は、1月31日から3月30日までの季節限定の臨時便運航が決定したところですが、富山-上海便の直行無料バスもまだ運行開始して3か月半で、先ほども利用にばらつきがあるとお話ししましたが、今後の運行実績と評価をまずは見極めてまいりたいと考えております。 61 井上委員 そうですか。私が心配しているのは、台湾と中国ですから、中国からの上海便には優遇措置があって台湾から来る便にはないとなると、下手すると政治問題に発展しそうな気もするわけです。先ほど経費を聞いたのはそういう趣旨で、大したお金じゃなかった、大したと言ったら失礼ですけれども、あまり高額でもないようであります。台湾からのお客さんが富山県は一番多いじゃないですか。コロナ前だって、多分外国からのお客さんの4割ぐらいが台湾の方ですよ。アルペンルートは5割ぐらいかな、台湾の方が来ていらっしゃるということで、本当に富山県にたくさん来てもらっているわけですよ。  そして、高岡市長さんも台北便には何か支援をしたいという新聞発表も先日ありましたけれども、そんな中、親日家の多い台湾の皆さんには、上海便と差をつけるんじゃなくて、同様のサービスがあってもいいんじゃないかと思いますが、やっぱり変わりませんかね。田中交通政策局長にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 62 田中交通政策局長 今、課長から答弁ありましたけれども、富山-上海便は定期便の運航再開ですので、運行事業者ともいろいろ話し、バス事業者さんや添乗員の確保もしています。富山-台北便については、1月31日から3月30日の季節限定臨時便です。まずは上海便利用者向け直行無料バスの利用状況にばらつきがあることや、効果を見極めたいと思っております。 63 井上委員 臨時便と定期便という違いはありますから、仕方ないかもしれませんが、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。 64 針山委員長 ここで暫時休憩といたします。休憩時間は10分間といたします。  〔休  憩〕 65 針山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑、質問はありませんか。 66 鹿熊委員 委員長、資料を配付してよろしいですか。 67 針山委員長 許可します。 68 鹿熊委員 1つは、観光DXについて質問をします。  デジタル化は、業務の効率化だけではなくて、それに加えて収集される様々な観光データの分析、利用により、観光ビジネス戦略の再検討、あるいは新たな観光ビジネスモデルをつくり出すといった、観光に変革をもたらすものと理解しております。観光DXについて質問をするその背景といいますか、問題意識を最初にお話ししたいと思います。  11月14日に北陸3県の知事懇談会があり、その場で石川県の馳知事が、北陸3県における観光データの連携について提案をされ、富山県、福井県両県知事とも賛同されたという報道がありました。  配付資料1ページに、具体的にどういったことを提案されたか示しています。観光データをオープン化しようということで、北陸3県がそれぞれ保有する観光関連データを可視化し、オープンデータとしてインターネットでの公開を促進していこうということであります。  例として、3県の観光地における入館者数、入園者数等々、県観光ホームページへのアクセスデータも含めて、オープン化していこうと。もう1つは、共通調査項目によるアンケートを実施すること。調査項目として、観光客の属性、観光地の満足度、観光中の消費額などを設け、共通調査項目によるデジタルを活用したアンケートを実施し、それによって北陸の観光動態をリアルタイムで把握、アンケート結果もオープン化しようと。言わば観光データを3県でオープン化していこうと、提案されたわけであります。  このニュースに触れて、私はいいじゃないかと受け止めたわけでありますが、そもそも3県の観光DXの実態はどうなのか、改めて気になりました。といいますのも、やはり情報を制する者は観光も制すという時代でもありますので、観光DXに後れを取ると飲み込まれてしまうのではないかなと、そんな危惧も持った次第であります。  石川県の観光DXの取組を取り上げた記事が私は頭に残っておりまして、配付資料2ページ目にその新聞記事を載せております。日本経済新聞の新聞記事でありますが、10月4日の記事にもう大々的に、大きく取り上げられたので、非常に印象に残りました。  「3本の矢」という施策が紹介されており、冒頭から、「石川県はデジタル技術を活用し、観光業の磨き上げを進める」と。西垣淳子CDO(最高デジタル責任者)、副知事でもあるわけですが、「『3本の矢』となる施策を発表した。「主要観光地での人流やSNS(交流サイト)の投稿データなどきめ細かな情報を収集、分析できる基盤を整備」すると。それが1つ。  それから、2つ目は「観光客の生の声をデジタル上で集める試みも開始した」と。それがオープンデータ、Milli(ミリー)というものです。これらを踏まえて、石川県知事は11月14日の知事懇談会で、北陸3県で連携して観光DXを進めようと提案されたんだろうと思っております。  3つ目、いしかわ観光データ会議というのが、配付資料の一番最後から2つ目の段に書いてあります。「第3の矢は、観光業のブラッシュアップを具現化する『いしかわ観光データ会議』だ」と。「3日に発足し、今後は会議を毎週開く。県内全域の観光担当者らで最新データを共有するほか、それぞれの現場での創意工夫を披露することで職員のスキルアップも目指す」ということであります。  印象に残ったのは、デジタル部門の責任者が観光DXに深く関与、介入していることです。石川県は、やっぱり非常に力を入れているなと、改めて印象に残りました。  そこで、山下観光戦略課長にお聞きしますが、こういった石川県の観光DXの取組をどのように捉えておられるか、まずお聞きします。 69 山下観光戦略課長 石川県は現在、観光関連施設30か所程度でウェブアンケートを実施し、その結果をオープンデータ化する取組を、10月から試行されていると聞いております。先日の西垣副知事の発表を受けてのものかなと思っております。  一方で、福井県は観光施設で実施しているウェブアンケートの結果のオープンデータ化にいち早く取り組んでおられ、先行しているのかなと思っています。  翻って本県でございますが、ウェブアンケートに限ればオープンデータ化まで至ってはおりませんが、本県のとやま観光推進機構が県立大学と連携して、平成28年度から県内宿泊施設174か所を訪れる観光客を対象にウェブアンケートを行っているなど、それぞれ独自に取り組んでいるところでございます。  今回の石川県のこのような取組は、非常にすばらしい取組だと思いますが、今回の御提案を受けて北陸3県の観光データ連携ができ、それを契機に北陸3県が高いレベルで観光データ活用の取組を進めることができるように、両県の取組も参考にしながらデータ収集、分析、活用などができたらと考えております。 70 鹿熊委員 1問目として用意した質問に対する答弁も一部入っているようでございますけれども、改めて富山県のことを聞きます。私は9月定例会の代表質問で観光DXを取り上げまして、竹内地方創生局長から答弁がありました。それによると、県としても、もちろん観光DXの必要性を十分認識しておられて、具体的に取り組んでいることは承知しております。  ただ、問題は石川県や福井県と比べて、量や質においてどうなのかということです。それが気になります。例えば、今紹介しました石川県の石川県観光データ分析プラットフォームMilli。これも、山下課長がおっしゃった福井県観光データ分析システム「FTAS(エフタス)」と比べてどうなのかは、私自身もよく分からないところがほとんどです。ただ、石川県の観光の取組がこのように大きく報道されたり、福井県も非常に力を入れていることからしますと、富山県は取り組んでいるけれども、どうもあまり観光DXについての県民の皆さんへの理解といいますか、認識がそれほどでもないのかなと思ったりもして、取り上げた次第でございます。改めて伺いますが、県における観光DXの取組状況について、ダブる部分もありますが、尋ねたいと思います。 71 山下観光戦略課長 今ほど御紹介いただいたとおり、9月定例会において、地方創生局長から本県における観光DXの取組を御紹介しました。県ととやま観光推進機構が連携し、観光地、イベント等の観光客入り込み数等の調査、公表。それから、宿泊施設利用者を対象としたウェブアンケート、観光庁が構築した宿泊データ分析システムの活用などについて、紹介をさせていただいたところです。  ほかにも紹介させていただきますと、昨年度は、全国旅行支援利用者を対象とした特産品プレゼントキャンペーンでウェブアンケートを実施しました。その結果を宿泊施設ごとに集計、分析を行い、宿泊施設に結果を還元し、マイクロツーリズムのマーケティングに活用したところでございます。  また、「とやま観光ナビ」──富山県の観光公式サイトですけれども、このアクセス解析を行い、ウェブマーケティングに取り組んでおります。年4回、市町村と定期的に戦略会議を開催し、観光DXにも取り組んでいるところでございます。  ただ、オープンデータ化に関して、うまく表に出せていないのは現実でございます。オープンデータ化に関してのその後の取組ですが、ウェブアンケートの調査地点に県内観光施設を追加するため、「富山で休もう。」ワンチーム会議において市町村に協力を依頼しました。その結果、調査結果を石川県、福井県と比較できるよう、アンケート項目の調整を行っているところでございます。  その後の集計結果の公表については、今年度中には県の公式観光サイト「とやま観光ナビ」でオープンデータとして公開、可視化できるよう、準備を進めているところでございます。この部分がMilliやFTASに類する部分かなと思います。  また、これまで市町村に対してのみ公開していた、「とやま観光ナビ」のアクセスデータ等もオープンデータとして公開したいと思い、準備を進めているところです。  観光関連データのオープン化は、観光事業者のデータ利活用による戦略的なプロモーションや、観光サービスの改善などにもつながる有意義な取組と認識しており、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 72 鹿熊委員 ある程度理解をいたしました。しっかりと頑張っていただきたいと思います。  この項の最後の質問ですが、3県知事の懇談会を踏まえて、今後どのようにして、富山県は石川県や福井県と、3県のデータ連携を進めていく方針なのか質問いたします。 73 山下観光戦略課長 ちょっと重なる部分もあるかもしれませんが、先日の3県知事懇談会で、石川県から、北陸3県における観光データ連携の御提案をいただいたところでございます。この提案を受け、とやま観光推進機構が実施しているウェブアンケートの調査結果を石川県、福井県の調査結果と比較できるよう、現在、北陸3県でアンケート項目の調整を行っているところでございます。アンケートは3県それぞれで行っているのですが、ちょっとずつ項目が違うので、直接比較できるように調整を行っております。  北陸3県の観光データ連携により、来年の北陸新幹線敦賀開業や北陸DCにおける、北陸エリアを訪れる観光客の動向を、同じ基準で比較、分析することが可能となると考えております。北陸新幹線敦賀開業や北陸DCの効果を最大化・持続させるための戦略的なプロモーションや、関西圏情報発信拠点での効果的な情報発信など、北陸3県が連携した広域的な観光誘客の施策に、こういったデータを生かしてまいりたいと考えております。 74 鹿熊委員 具体的な取組として、アンケート項目の調整と今答弁がありましたけれど、それだけじゃないだろうと思うのですが、ほかに何かありますか。 75 山下観光戦略課長 調査項目が同じでないと比較はできませんので、まずはウェブアンケートの調査項目を比較できるように、調整を行っているところでございます。あわせて、「とやま観光ナビ」でオープンデータとして公開、可視化するためのシステムの準備を進めているところです。 76 鹿熊委員 連携はもう始まっていると理解しましたが、こういったことが完成の姿ではなくて、中身も含めて実際にいろいろ実施しながら、さらに連携を深めていくことが大切です。冒頭に申しましたように飲み込まれないかが心配なので、他県とウィン・ウィンになるように、頑張っていただきたいと思います。  次に、修学旅行についてであります。富山県の近年の修学旅行の受入れ状況はどうなのか、質問いたします。高田観光振興室課長、お願いいたします。 77 高田観光振興室課長 修学旅行の受入れ状況について、県内の宿泊施設を対象として毎年実施している教育旅行実績調査がございます。数字がまとまっているのが令和4年の実績までで、これによると教育旅行で宿泊した学校は令和3年が74校、1万373名。令和4年が75校、9,149名でございました。コロナ前の令和元年は53校、8,563名でしたので、令和3年、令和4年ともコロナ前の令和元年は上回っている状況でございます。  令和3年は、コロナの影響で延期されていた校外学習が一気に再開したことや、定番の行き先である、関西、首都圏、沖縄などから方面変更する学校が増え、当時は比較的感染が落ち着いていた富山にも目が向いたと聞いております。令和4年も、引き続きそうした状況が続いたのではないかと受け止めております。  なお、令和5年の受入れ状況につきましては、令和6年1月以降に実績を調査することとしておりますけれども、足元の状況について、県内の主要な宿泊事業者さんや訪問施設さんに聞き取ったところでは、今年は昨年の実績は下回る見込みのところが多い状況と聞いております。今年は定番の行き先に戻した学校が増えたとも聞いている状況です。 78 鹿熊委員 状況は分かりました。石川県の昨年度の状況についての記事がありました。石川県と金沢市が誘致したものでありますが、修学旅行で348校を受け入れたという記事をつい先日目にしました。それと比べれば、富山県は増えたとはいえ、桁が違うと受け止めております。  富山県として、そもそも修学旅行の誘致にどのようにして取り組んでいるのか、力を入れているのかが知りたいところであります。2つ目の質問に入りますが、やはり修学旅行というのは、その他の観光の来客による経済効果とは同じように比較できない部分もあると思いますが、一定の経済効果はあると同時に、それ以上にやっぱり関係人口の増加という効果も大きいだろうと思っております。富山県としても修学旅行の誘致に一層力を入れていく必要があるのではなかろうかと、そんな思いで質問します。  修学旅行の誘致に対し、県はどのように取り組んでいくのか伺います。 79 高田観光振興室課長 県では、修学旅行の誘致拡大のために、これまでも県内の市町村、また、観光事業者さんとの誘致検討会、旅行会社への出向宣伝を行ってきております。  また、北陸3県とJR西日本さん、北陸経済連合会さんと連携しました北陸三県修学旅行誘致推進プロジェクトを展開しており、今年8月には首都圏の旅行会社や公立中学校の方向けに、富山県に招いて現地研修会も開催しております。
     また、今月末には旅行会社とのオンライン商談会も予定しており、そういった取組を行ってきているところです。こうした現地研修会、また、商談会などでの反応も参考にさせていただき、また修学旅行の動向も注視しながら、県内の市町村、近隣県等とも連携し、富山をさらに選んでいただけるよう、誘致拡大に取り組んでまいりたいと考えております。 80 鹿熊委員 取り組んでいることについて具体的な話があり、理解をいたしました。一層力を入れていただきたいと思います。  これは参考ですが、これまた石川県の話になって恐縮ですけれども、石川県観光連盟が石川県に来る修学旅行生を案内する、高校生ガイドの育成支援をスタートさせました。若い力の活用ですばらしいと思いますし、やはり同じ学年の生徒が案内するので、修学旅行生にとっても、とても友好的で好評だという話であります。  富山県でも、入善高校に観光ビジネスコースもありますので、教育委員会とも話をしていただいて、タイアップしてこういったこともやれば同世代の交流にもつながりますし、ふるさと教育にもなってくるので、ぜひ参考にしていただければと思います。 81 針山委員 私からは、まず商工労働部の報告事項から質問いたします。  令和5年度富山県賃上げ・人材確保等調査結果中間報告の中で、報告資料の22ページ、23ページです。賃上げ・人材確保に関する行政の支援について、行政支援の活用実績のデータが出ております。  その中で、23ページですね。行政支援を活用しなかった理由の一番が、支援を知らなかったと。また、支援内容が分かりづらい、申請手続が煩雑という回答も高くなっています。この結果を見ると、受けられる支援を受けなかった、そんな企業もたくさんあったのではないかと推察するわけですが、この原因と今後の対策について、富賀見労働政策課長にお尋ねいたします。 82 富賀見労働政策課長 商工労働部で行っている制度と、国の制度とを併せて、このように活用状況とその理由を調査しましたが、今回初めて、このような形でお聞きしました。  我々もある程度回答を想定しながらも、実際こうやって、知らなかった、分かりづらい、手続が煩雑という回答がやはり多く出てきたため、これを見て我々も改めて認識をしたところです。  中小企業へのこういった支援策があることを知ってもらうのがまず大事です。賃上げや人材確保、人材育成に何か支援がないかなと検索したときに、まずこういった県の対策のレパートリーをホームページで検索されると思いますが、少なくとも検索結果の一番上に出てくるようにする。また、一括的に相談できる先として、こういった支援策についてどこかでまとまって相談を受けられるような体制を考えられたらいいのではないか、部でも検討して、できる取組は徐々に始めています。  中小企業の皆様方と接すると、支援内容が分かりづらい、特に支援手続が煩雑で、制度を知っていても手続がどうせ煩雑だから使わなかったと、そういった意見も日頃聞いています。今も御指摘いただいたように、こういったデータで明らかになっておりますので、さらにまた取組を考えたいと思います。それぞれの制度について、分かりづらい、使いにくいという回答が高く出ているものは、できる範囲での手続の簡略化など、考えていこうとしています。このデータは出たばかりですけれども、各制度の担当課でこれを精査して各取組に反映し、より活用いただけるように、これから力を入れてやってまいりたいと考えているところです。 83 針山委員 せっかくの調査ですので、調査だけで終わらずに、しっかりと活用に向けて利用していただきたいと思います。  続きまして、先ほども高岡テクノドーム機能拡充についての質問がありましたが、私からも確認という意味で、お伺いします。  9月定例会では、予算特別委員会や常任委員会の中で、私もいろいろと質問をさせていただきました。先ほどの質問の中で、私の聞きたかったことも幾つか解消されたわけでございますけれども、もう少しお付き合いをいただきたいと思っております。  先ほど、部局横断での検討会議の座長が齊木商工労働部次長と伺いましたが、今、この会議の内容や進め方について、知事、そして副知事はどのように関わっておられるのか、齊木商工労働部次長にお伺いします。 84 齊木商工労働部次長 この会議は、各部局の次長、それから、官民協働分野等の関係課長をメンバーにして、昨年度立ち上げたものです。議論の中身についてはその都度、知事、副知事にも報告をしているところでございます。  横田副知事は特に担当副知事ということで、かなり中身について詳細に説明、相談をしているところです。 85 針山委員 前回の9月定例会の中で、高岡テクノドーム機能拡充に関しての質問への知事の答弁が、担当部の皆さん、関係部の皆さんと情報、認識が本当に共有されているのかなと、少し疑問に感じるような答弁も幾つかあったかと思っています。11月定例会でも、高岡テクノドーム機能拡充についてはいろいろと私も質問したいと思いますし、興味のある方もおられますので、しっかりとその辺は知事、副知事、そして関係部局の皆さんと情報共有、認識共有をして、また答弁に臨んでいただきたいと思っております。  それと、齊木次長にはもう一点伺います。今後、この部局横断検討会議の開催は予定されているのか。先ほどは伝統工芸や祭り、また、無料開放といったいろいろなアイデアも出されたと聞きまして、多分活発な議論がなされているのだと思いますけれども、開催予定についてお聞きします。 86 齊木商工労働部次長 この会議は、今回、利活用方策のいろいろなアイデア出しをしまして、また、その利活用方策を踏まえて、どういう機能が必要かを議論したわけでございます。  本館の大規模修繕の時期も来ているため、本館の修繕、機能拡充、それから別館の整備を一体的に議論していく、整理していく必要があるのではないかということで、アイデア出し、議論をしてきたところです。機能面については、やはり本館の改修が具体的にどこまでできるのか、ハード的に本当に改修によって担うことができるのか。そのところが少し分からない部分があって、より専門的な調査が必要なのではないかというところに落ち着いたわけです。今後は、整備方針、整備スケジュールなどが定まったところで、もちろん県庁の中だけではなくて、関係の皆さんに御意見を聞くことになると思いますけれども、また庁内で必要に応じてさらに利活用方策を議論していければと思っております。 87 針山委員 今後のスケジュール次第ということなんだと思います。適時適切に行われることを本当に望んでおります。  それで、今は部局横断検討会の話でありましたけれども、基本計画の策定に関わった、高岡テクノドームの機能の拡充等に関する検討会の皆様にも一度、現状を伝えて検討していただくような、そういった場面も必要ではないかと、定例会で私からお伺いした場面もあったと思います。  ただ、よくよく考えれば、確かに基本計画策定のために構成された検討会で、そのことを認識はしていますけれども、拡充等に関する検討会のメンバーの皆さんを見ておりますと、経済界の方、高岡市長をはじめ行政の方、女性の代表の方、大学の教授の方もおられる。多種多彩な人材の方がおられる。せっかくここまで基本計画に携わっていただけたのなら、現状を打開するために、そういった検討会の皆さんにも御協力をいただくことができなかったのかと思っておりますけれども、この点に関しまして中谷商工労働部長にお尋ねいたします。 88 中谷商工労働部長 今、御紹介いただきました高岡テクノドームの機能の拡充等に関する検討会は、まさに要綱にありますが、県西部地域の活性化に資する拠点となるよう、展示、集客及び交流に係る施設、機能の拡充の方向性について、検討を行うことを目的として設置されたものでございます。  ここでの御意見を基に令和2年7月に取りまとめられた基本計画におきましては、県民に親しまれ、県西部地域をはじめとする県内経済活性化に資する拠点となるよう、高岡テクノドーム機能拡充等を進めるに当たっての方向性が示されております。そして、この方向性については変わっていないと考えております。このため、この検討会を改めて開催することは今の時点では考えていません。  一方で、ここまでたどり着くまでに設計に取りかかった当時とは、確かにテクノドームへのニーズも変わってきている。それから、資材がかなり高騰しています。別館を造るにあたり皆様の御要望を聞いて、機能を上げる、多目的に使えるようにするため、私たちも一生懸命努力してきた。  ただ、物価高がそれを超えてどんどん進んで、今の設計の下で高岡テクノドーム別館を造ることは、かなり難しくなっているところでございます。  一方で、別館建設がある程度見えてきた段階で、本館ももう建設から32年になり、中身を見直さなければいけないことは、私どもも常々分かっていた話で、まさにその時期も来ていると。そうしたら、本館を直すことによって、別館機能の一部を吸収できるのであれば、もっと両館を併せて活用する新しい方策が見いだせるのではないか。その状況の中で、今度は別館の在り方も一緒に考えていくことになると思います。  そこで今回、本館でどういったことができるのかを改めて調査して、別館の機能を持たせることができれば、一体として本館、別館を有効活用していくことを改めて検討していきたい。その際には、今度はどういう方向性が考えられるか検討をした上で、関係の方にまた御意見をお伺いしていくことになると思います。その時点でどういったメンバーにするか、また、どういった方にお話をお伺いするかについて、改めて検討してまいりたいと思います。 89 針山委員 今、中谷部長から努力してこられたというお話もあり、私も、商工労働部の皆さんを中心に、県の皆さん全員で高岡テクノドーム機能拡充について取り組んでいただいていることには、本当に敬意を表したいと思っておりますし、感謝もしております。  今ほど調査の話もございました。調査をすることに関して、私は全然反対という立場ではありませんけれども、調査の中身については、また上程されてからいろいろと議論をさせていただきたいと思いますが、高岡テクノドーム別館整備に係る民間活力導入可能性調査が実施されて、令和3年12月に報告されています。  その中で施設の利用促進、サービス向上、魅力的な企画実施の可能性を検討してきたわけであります。そういったベースがある中で、上程の前ではありますが、2,200万円をかけて2月から8月という大変長い期間で調査をするということですが、本当にその期間が必要なのかどうか。また、地域が求める早期整備にどのように応えていただけるのかも問いたいわけです。知事のおっしゃる、高岡市はじめ呉西地域の市や経済界の意見を伺うという場面、そのタイミングをどのようにお考えか、商工労働部長にお伺いいたします。 90 中谷商工労働部長 これまでの民間活力導入に関する調査については、基本は別館を中心に考えてきた。正直、本館については、これまでどういう改修をしていくかについては、あまり検討をしてきていなかった。これから、次のステップとして検討をしていきましょうということです。  今回、本館を改修しなければいけない、そのためには一緒に改修するのだからそこにどんな機能を持たせていけるのか。既にある建物を改修することによって、ある程度費用を抑えてその目的が果たせるのであれば、そこを工夫していくことも考えられると思います。今回はそういったこともやりますから、本館そのものがどれくらいの機能に耐えられるのか、利活用ができるのかも踏まえて、検討することになると思います。  どんな方にどういう形で御意見をお聞きするかについては、これまで先ほどの次長会議でいろんな意見が出されています。その中では、今まで各部局で行っていたイベント高岡テクノドームの本館でできないかという意見もありました。それらのイベントの場合は、高岡テクノドームで行うにはこういうものが足りないとある程度議論されているので、それを満たせるのであれば、今まで各部局が取り組んできたイベント高岡テクノドームで開催することも考えられると思います。  ただ、専門家の調査も踏まえて、できることが具体的に分からないことには、いろんな方に御意見を聞こうと思っても、理想論ばかりお聞きすることになりますので、ある程度整理をした段階で関係の方にしっかりと御意見を聞いて、取り組んでいきたいところです。 91 針山委員 富山県の発展、繁栄、そして、呉西地域の活性化に資するすばらしい施設にしていきたいですし、また、11月定例会ではよい議論をさせていただきたいと思います。 92 針山委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑、質問を終わります。  2 陳情の審査 93 針山委員長 次に、陳情の審査に入りますが、今回は付託されておりませんので、御了承を願います。  以上で付議事項についての審査を終わります。  この際、ほかに何か御意見等はありませんか。──ないようでありますので、これをもって委員会を閉会いたします。 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...