富山県議会 2023-11-01
令和5年11月定例会 一般質問
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午前10時00分開議
◯議長(山本 徹)おはようございます。
ただいまから本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。
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2 ◯議長(山本 徹)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第102号から議案第128号まで、報告第21号及び報告第22号を議題といたします。
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議案第127号及び議案第128号
3 ◯議長(山本 徹)議題のうち、本日提出されました議案第127号及び議案第128号について、知事から提案理由の説明を求めます。
新田知事。
〔
新田八朗知事登壇〕
4 ◯知事(新田八朗)ただいま上程になりました案件についてご説明申しあげます。
先月29日、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」の内容を盛り込んだ国の補正予算が成立したことを受け、県としても、これに呼応し、県内の物価高騰の影響等に積極的かつ迅速に対応するため、補正予算案を提案するものです。
補正予算の規模は、一般会計324億4,395万円、企業会計3億8,000万円となっています。
以下、補正予算の概要について、5つの施策の柱に沿って申しあげます。
1つ目の柱は、「物価高騰対策」です。
消費喚起・生活者支援につきましては、県民の暮らしを支え、地域経済の活性化を図るため、商工団体や商店街等による
プレミアム商品券の発行などを引き続き支援するとともに、省エネ性能の高い家電・機器への買換えを促進するキャンペーンについて、ポイントを付与する対象品目を拡充して実施します。また、電気自動車の購入支援を拡充するほか、LPガス消費者の負担を軽減するため、小売事業者に対し、販売価格を抑制するための助成を継続して行います。
中小企業等への支援につきましては、新たに「
中小企業トランスフォーメーション補助金」を創設し、業務プロセス等の変革による生産性向上の取組を支援するほか、
ビヨンドコロナ応援資金の新規融資枠を拡充し、中小企業の資金繰りへの支援を強化します。また、特別高圧電力を使用する中小企業の負担軽減を図るほか、公共交通等の運行に係る燃料・資材費等の支援を行います。
このほか、農林水産事業者に対し、飼料や光熱費等の支援を継続するとともに、社会福祉施設、医療機関等に対し、光熱費等の支援を継続したうえで、新たに食材料費への支援に取り組んでまいります。
2つ目の柱は、「賃上げの促進等」です。
県内中小企業における賃上げの促進等につきましては、非正規雇用労働者の所得の向上を図るため、
キャリアアップ奨励金を拡充するとともに、県内企業によるリスキリングの取組を支援するなど、中小企業の賃上げの取組を後押しします。
また、社会福祉施設、医療機関等については、介護、障害福祉職員等の処遇改善を支援するとともに、介護施設や
障害福祉サービス事業所における業務効率化等を図るため、ICT機器や介護ロボットの導入を支援します。
3つ目の柱は、「子育て環境の整備等」です。
子育て支援等につきましては、国の経済的支援と県の子育て応援券を統合した「出産・
子育て支援ポイント制度」の運営体制を整備するとともに、ひとり親家庭等のこどもの受験料等を支援します。また、私立幼稚園や
認可外保育施設等におけるこどもの性被害防止対策のための設備整備を支援します。
このほか、高校にスマート農業等の教育に必要な農業用機械・設備を導入するとともに、南砺市に対し、旧南砺福光高校の跡地活用に係る費用を支援します。
4つ目の柱は、「地域経済の活性化」です。
富山空港の利用促進につきましては、来年1月からの富山─台北便の臨時便就航に際し、
インバウンド誘致のための広告宣伝を実施するとともに、定期便の再開に向け、県内商業施設におけるPR等を実施し、台湾への
アウトバウンド旅客需要を喚起してまいります。
農林水産業の振興につきましては、間伐材の搬出や
木材加工流通施設の整備等への支援を通じ、県産材の安定供給を図るとともに、漁業協同組合が行う施設整備を支援します。また、とやま
農業未来カレッジの研修に必要な施設を整備するほか、異常な高温や気象変動に対応した水稲栽培技術の実証などに取り組みます。
5つ目の柱は、「防災・減災など安全・安心の推進」です。
令和の
公共インフラ・ニューディール政策の推進に向け、防災・減災等に資する社会資本整備や農林水産業の基盤整備に要する経費を大幅に増額するほか、県民の安全・安心を確保するため、介護施設の設備整備や、国立公園の登山道整備、施設改修等を進めてまいります。
以上が補正予算の概要となります。
なにとぞ、慎重ご審議の上、適正な議決をいただきますようお願い申しあげます。
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県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑
5 ◯議長(山本 徹)これより、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告がありますので、順次発言を許します。
嶋川武秀議員。
〔5番嶋川武秀議員登壇〕
6 ◯5番(嶋川武秀)皆さん、おはようございます。
自由民主党富山県議会議員会の嶋川武秀です。
とにかく、人を、地域を、まちを笑顔にしたい、この思いを第一に本日も登壇させていただきます。諸先輩方から、「今日のネクタイ、気合入っとるね」と言っていただきました。見た目だけではなく中身も伴うように、一生懸命質問を頑張りたいと思います。
それでは、私からは大項目4つ、合わせて13問を一括して質問させていただきます。
大項目1つ目は、こども・子育て政策の充実についてです。
人口減少待ったなしの日本。民間試算によりますと、2023年の日本人の出生数は70万人台前半と、8年連続で過去最少となる見通しであり、富山県におきましても、来年ついに100万人を下回ると言われております。
そんな中、この10年増え続けている数字があります。それは何か。ずばり、子供の不登校数であります。全国でその数、何と29万9,048人。多いです。10年前に比べて小学生は10倍、中学生は2倍に増加をしております。
ちなみに本県では、1,000人当たりの不登校数は小学校で全国平均を上回っており、中学、高校で下回っているとはいえ、総数はこの5年間、増加し続けております。
御縁あって私は、25年前から取り組んでいるという福島県のNPO法人を視察してまいりました。「やはり年々その数は増えている。大切なことは寄り添うこと」と、現場の様々なお声を伺ってまいりました。
私は思います。増加している数というのは、もともと通っていた児童生徒さんが不登校になったという数であって、お示しした数字というのは不登校の児童生徒さんの確定数であります。そうした児童生徒さんの居場所づくりのためのハード支援、ソフト支援は、もちろん急務であり大事ではあります。と同時に、これから不登校になってしまうかもしれない、いわゆる予備群的な児童生徒にどう寄り添うかが根本的に大事になってくると考えております。
他県の中学校や高校では、校内の空き教室等を活用したカフェ形式の居場所づくりが展開をされております。ポイントは、先生ではなく、専門のNPO法人やボランティアによる運営だということであります。理由がなくても気軽に利用でき、日常会話を通じて悩みに寄り添うことで、社会的孤立を予防することができると考えます。
そこで、不登校対策について、増加、深刻化する不登校問題の解決のためには、支援が必要な生徒の早期発見、早期対応が重要であることから、校内で気軽に相談ができるサードプレイスとして、
校内居場所カフェ等の設置を促進してはどうかと考えますが、荻布教育長に所見をお伺いいたします。
不登校の児童生徒にとって、居場所の一つにフリースクールがあります。取り上げたいのは、出席についての扱いであります。
さきに紹介しました福島県のNPO法人では、学校と連携し、条件を満たすことで出席扱いになっている生徒もいらっしゃいました。現在、出席扱いの認定は、施設での学習の計画や内容が適切かどうかを踏まえて、各校長が判断することとされております。民間の運営に委ねるのではなく、基準を示した上で、その基準が満たされるよう学校と施設が連携を図るべきと考えます。
そこで、フリースクールにおいて、児童生徒の希望に応じて復学に向けた学習機会が確保されるよう、教育委員会として、指導要録上、出席扱いが認められるための要件など、施設が満たす必要がある基準を示すことが重要と考えます。荻布教育長の御所見をお伺いいたします。
人口減少していく中でも、安全で安心な暮らしをしたいものです。出産に関してもそうです。
今年5月に突如、高岡市民病院の産科休止が発表され、住民は大きな不安を抱えています。このしわ寄せは他の病院に必ず来ます。厚生連高岡病院では、住民の安心確保に向け早急な対策を講じています。県としても目指すべき姿をしっかりと示した上で、周産期医療体制の維持のための対策を講じていかなければならないと考えます。
そこで、周産期医療体制の確保について、今回の補正予算案において、国の補助金を活用し厚生連高岡病院の分娩室等の改修経費を支援することとしておりますが、その目的と期待される効果について有賀厚生部長にお伺いいたします。
厚生連高岡病院にお伺いしたところ、しわ寄せの対策として、分娩室を従来の2台から3台に増やして体制を整えるということでした。大変心強いです。しかし、分娩設備が拡充されても、それを担う人材が確保されなければ、現場は一層疲弊してしまいます。
どうか考えていただきたいです。富山大学が高岡市民病院から引き揚げる2名の医師のうち、1名だけでも厚生連高岡病院に残してもらうなどの対応が必要なのではないでしょうか。
そこで、周産期医療体制を維持するためには医師の確保が必要不可欠であり、各医療圏における医療機関の現状も踏まえながら、県として具体的な方向性を示すべきと考えますが、今年度策定に取り組んでいる第8次医療計画にどのような方針を盛り込むのか、現在の検討状況と併せて有賀厚生部長にお伺いいたします。
続いて、大項目2つ目、物流革新に向けた取組についてです。
人口減少は様々な分野に影響を及ぼしております。物流業界もその一つです。特に小規模な物流事業者にとって、ドライバー不足は事業を継続できるかどうかの深刻な問題になっています。
県の物流効率化に対する補助金は県内企業のニーズも高く──ここはポイントですけれども、現在は募集が終了しております。2024年問題を迎える前に対策を強化する必要があります。国の取組を待たずに県として支援を継続すべきと考えます。
そこで、物流の2024年問題が目前に迫る中、ドライバー確保の問題は一層深刻になっていることから、免許の取得や、女性、外国人など多様な人材が働くことができる環境づくりに対する支援として、
物流効率化支援事業を継続拡充すべきと考えますが、
中谷商工労働部長にお伺いいたします。
本県は、ものづくり県であります。つくったものを運ぶ、運んできたものでつくる。必要なことは、この物流の効率化だけではありません。荷主事業者によるモーダルシフトや商慣習の見直し、行動変容が必要不可欠であり、国の対策に加えた取組が求められます。
そこで、物流の2024年問題の解決に向け、ものづくり県である本県としては、より強い危機感の下、県内製造業における取組状況を把握した上で、県独自の取組によって対策を強化すべきと考えますが、新田知事に御所見をお伺いいたします。
大切なことは、時代の変化に合わせていくことであります。今、世の中は脱炭素化に向けて急速にその機運が高まっております。車も電気自動車(EV)が多く普及し始めております。
では、物流業界もEVトラックにシフトしていくか。そうはいきません。効率化を図る上で充電時間はネックになります。そこで期待されているのが、EVと比べて航続距離が長く充填時間が短い、水素などを燃料とする燃料電池自動車(FCV)の利点を生かした
燃料電池トラック(FCトラック)であります。国も補助制度を設けるなど、FCトラックの導入を促進することとしております。
そこで、物流における脱炭素化を進めるため、県として燃料電池自動車(FCV)だけでなく、
燃料電池トラック(FCトラック)の導入に対する支援を行ってはどうか、
中谷商工労働部長にお尋ねをいたします。
水素を燃料とする、いわゆる水素自動車の導入が進んでも、
水素ステーションがなければ意味がありません。話は大きくなりますが、今、世界では、水素関連市場は2050年に世界規模で約284兆円に達し、3,000万人の雇用を生むと予測をされております。
そんな中、我が国の水素基本計画では、2030年までに1,000基程度の
水素ステーション整備を目標としておりますが、現在、県内では富山市内に2か所のみで、呉西に1か所もありません。呉西には海の玄関口、伏木港や富山新港があります。水素関連のハード整備は県内だけ、国内だけを見ていては話になりません。そのうち世界中から大型水素船舶も寄港することになるとすれば、機運を今から高めていくべきです。
ここでチャンス到来です。高岡市は先月、環境省の脱炭素先行地域に選定され、今まさに機運が高まっていることに加え、廃アルミから水素を生成する研究も進んでおり、地場のアルミ産業との親和性も非常に高く、何よりエネルギーの地産地消モデルの確立が期待できると。
そこで、燃料電池自動車(FCV)の普及に向けては、
水素ステーションの設置拡大が必要であることから、県内で設置が進まない要因を調査するとともに、未設置である県西部における整備促進に取り組むべきと考えますが、新田知事に所見をお伺いいたします。世の中、いろんな燃料、ガスがありますけれども、どうか水素にも関心を持っていただきたい。
さて、燃料といえば価格の高騰であります。特に、付随する電気料金の高騰は家計を逼迫し、県民の生活を今なお苦しめております。これではウェルビーイングはいつまでたっても向上いたしません。
ということで、大項目3つ目は、県民のウェルビーイングの向上についてであります。
これまでも、電気料金高騰の影響を受けた県民生活や事業活動への支援が行われておりますが、そもそも電気料金を上げないことが重要であると考えます。北陸電力による先般の料金改定は、原子力発電所の再稼働を前提としたものであり、このままの状況では、さらなる引上げが行われるのではないかと危惧するものであります。
そこで、今回の電気料金の高騰は、電力量の確保に当たり、燃料を海外に依存する火力発電に頼らざるを得ない状況になっていることが大きな要因でありますが、電力の供給、価格安定に向けた原子力発電所の再稼働の必要性についてどのように認識しているのか、新田知事にお伺いいたします。
さて、最後、大項目4つ目は、地域経済の活性化についてであります。
「『寿司』と言えば、富山」。はっきり言いまして、私、ぴんときておりません。香川といえば讃岐うどん、これは分かります。なぜ理解できるのか。私も現地で食べたことがありますけれども、朝、製麺工場に地元のおっちゃんが、ゆでたてのうどんを食べに来る。で、しょうゆをぶっかけて食べると。そこには、生活に根差した庶民的な文化というものがあると考えます。
じゃ、富山ではどうか。私は、「『回転寿司』と言えば、富山」だったら理解できます。小さい頃、よく家族で行きました。地元の回転ずしに行って、親の顔色を見て、皿の色を見て食べるんです。これはいい思い出ですね。今でもこういう御家庭は多いんじゃないかと思います。これが庶民的文化であると私は考えております。
とはいえ、ただ批判していても始まりません。「『寿司』と言えば、富山」の記者発表イベントに私は行ってまいりました、どんなものなのかこの目で確かめようと。いろんなプレゼンがありました。特にトークセッションであります。登壇者でありますジオリブ研究所の巽所長のお話です。地質学からおいしさを研究する第一人者で、巽所長いわく、富山湾はなぜ魚種が豊富なのか、なぜ天然の生けすと言われているのかを、地質学から説明されたんです。
1300万年前にユーラシア大陸から日本列島が離れた。この離れたことで海底が深くなった。300万年前に、今度は逆に太平洋側から押し戻された。その影響で富山湾がぎゅっとなった。これで天然の生けすが完成したと。水深は1,000メートルですから、魚種が非常に豊富だと。加えて、3,000メートル級からの水が海水と混ざる。ここに良質のプランクトンができるから魚がうまくなるんだと。ゆえに、昨日今日できたのではない。富山湾というのは奇跡の湾なんですと。
極めつきはこうでした。「おいしいものは、その理由を聞くとよりおいしくなる」。これを聞いて、はっきり言いましょう。私ね、すしが物すごく食べたくなりました。もう悔しいですけど、自分の中の富山に対するすしプライドが物すごく高まりまして、その日の夜、早速すしを食べに行きました。何なら次の日、お昼もすしを食べました。それ以来ほぼ毎日、魚を食べるようになりました。それまでも食べてはおりましたけれども。
大事なことは、やはり富山県民としての意識、すしへのプライド、いわゆるすしプライドを持つことが大事なんじゃないかと。すしは、高級なものから庶民的なものまで、県民がイメージするのはばらばらであります。県民の意識を把握した上で、もっと、すしを身近に感じてもらうことも重要だと私は考えます。
そこで、「『寿司』と言えば、富山」の
ブランディング戦略を進めるに当たっては、まず県民の理解や共感が必要だと。県民を巻き込んだ取組にしてくために、現状をどう認識し今後どう取り組んでいくのか
川津知事政策局長にお伺いいたします。
また、ブランドの確立のためには、県と市町村が共通の理解と目標の下、ワンチームとなって取組を進めていく必要があります。
以前、
地方創生産業委員会で視察しました和歌山県の熊野古道の取組では、ブランド確立のために、まずは
インバウンド向けに表記を統一したということがあります。以前は「熊野古道」や「熊野ロード」「熊野ストリート」と、パンフレットによって表記がばらばらであったのを、「熊野古道」と統一することで観光客の混乱が解消され、認知度の向上につながったということであります。ばらばらは、よくありません。ブランドの確立には、とにかく統一感が大切であると考えます。
そこで、このほど富山市が「すしのまち とやま」を打ち出しました。すしの魅力をPRする事業を開始しましたけれども、県が
ブランディング戦略「『寿司』と言えば、富山」を進めるに当たり、富山市をはじめ県内市町村とどのように連携していくのか、こちらは
川津知事政策局長にお尋ねをいたします。
さて、官公庁の観光再始動事業。富山県事業の採択もございましたが、実は呉西では、
高岡観光戦略ネットワークの国宝勝興寺を活用した企画展や人間国宝による文楽公演などの
インバウンド促進事業の採択もありました。県西部は、
世界遺産五箇山合掌造り集落や国宝瑞龍寺・勝興寺、数多くの伝統工芸など、外国人観光客にも人気の高い文化的、伝統的な観光資源に恵まれております。高付加価値化も実践でき、飛越能ラインをはじめとした広域観光など、まだまだポテンシャルがあると考えます。
そこで、国内外からの誘客を一層促進するため、県内観光の高付加価値化に取り組むことが重要であることから、
黒部宇奈月キャニオンルートの旅行商品化に加え、県西部地域においても観光資源のさらなる磨き上げや旅行商品の造成に取り組むべきと考えますが、
竹内地方創生局長にお伺いをいたします。
ラスト1問、駆け抜けてまいります。
駆け抜けるといえば、富山マラソン。私も今年出場いたしまして、無事に完走いたしました。達成感もさることながら、帰りの電車がぎりぎりで、駅まで走ったことが一番きつかったと記憶をしております。
初めての参加で感じましたのは、スポーツの関係人口は計り知れず、まだまだ可能性の広がりというのを感じました。富山マラソン当日、道路を規制するせっかくの機会を生かさないという手はありません。例えば、宇都宮市で市民レースとして始まった自転車レース、クリテリウムは、現在、国内外から5万人以上の観客が集まる大会に発展しております。富山マラソンと同日開催し、そのコースの一部を活用すれば、規制の影響も少なく開催できるのではないかと考えます。
そこで、サイクルスポーツを活用したにぎわいづくりや関係人口の拡大を図るため、県内において短い距離の周回コースを走る自転車レース、クリテリウムを開催してはどうか、
竹内地方創生局長にお伺いいたします。
以上で私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
7 ◯議長(山本 徹)新田知事。
〔
新田八朗知事登壇〕
8 ◯知事(新田八朗)嶋川武秀議員の御質問にお答えをします。
まず、物流革新についての御質問にお答えします。
国においては、去る6月2日、関係閣僚会議で、製造業等を含む荷主事業者、物流事業者、一般消費者が協力して我が国の物流を支える環境整備を図るために、物流革新に向けた政策パッケージが取りまとめられ、荷主事業者が早急に取り組むべき事項をまとめたガイドラインの策定、荷主事業者への監視指導を行うトラックGメンの新設などの施策が順次実施されています。
県トラック協会は、多くの会員が、「荷主事業者から労働環境改善や人材確保の原資となる適正な運賃、料金を収受できていない。長時間労働の原因となる待機時間や契約外の附帯作業などを強いられている」として、荷主事業者に対し、これらの改善について理解、協力を求めているところです。
本県では、荷主事業者など物流事業者以外の関係者にも幅広く問題を認識していただくために、全国に先駆けて6月補正予算に
物流効率化支援事業を盛り込み、荷主事業者による積載効率が高く作業効率のよい配送用什器の導入、業界団体による荷主事業者・消費者向けの広報啓発事業などを支援しています。
先月末に成立した国の令和5年度補正予算及び来年度予算概算要求では、物流の効率化などに資する施設の自動化、機械化、脱炭素化、ドライバーの負担軽減、生産性向上などを支援する事業が盛り込まれています。
こうした事業と連携するとともに、関係事業者のニーズを踏まえた上で、さらなる県の支援などを検討し、国や関係機関などと共に2024年問題に取り組んでまいります。
次に、
水素ステーションの設置についての御質問にお答えします。
本県では、令和2年3月に国、県、富山市の支援により、北陸3県で初の商用
水素ステーションが開設され、現在、富山市内の2か所に整備されています。この際には、前職の経営者であったという立場で、私も少なからず関与をしておりました。また、全国では令和5年11月現在、37都道府県で計161か所整備されておりまして、そのうち2か所以上整備されているのは、本県を含め20都道府県となっています。
今年6月に改定された国の水素基本戦略によりますと、全国で
水素ステーションの設置が進まない要因は、燃料の水素が、あらゆる気体の中で最も軽く、漏えいしやすい、着火しやすいなど独自の性質を有していることから、安全性を確保する様々な規制があり、建設費や運営費が高額となることであるとされています。
県としては、水素の利用に関する技術開発や運用中の県内2か所の利用状況、全国的な燃料電池自動車の普及状況なども踏まえて、設置主体となる民間企業などや設置場所となる市町村などと連携して、国の支援制度の活用も含め、今後の整備の在り方について検討してまいります。
また、去る10月に、県、富山大学、富山県立大学及び富山水素エネルギー促進協議会の4者で、燃料水素・アンモニアサプライチェーン構築に向けた連携協力協定を締結いたしました。この枠組みも活用して、引き続き水素の活用によるCO2の削減に取り組んでまいります。
私からは最後になりますが、エネルギー政策についての御質問にお答えします。
一昨年10月に策定された国の第6次エネルギー基本計画では、原子力は、安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源としつつも、経済的に自立し、脱炭素化した再生可能エネルギーの拡大を図る上で、可能な限り原発依存度を低減するなどの方針が示されています。
私は、我が国のエネルギー政策については、原子力発電の依存度をなるべく引き下げて、再生可能エネルギーの割合を高めていくことが望ましいと考えております。しかし現状では、安定的に電力を確保するためには、燃料を海外に依存する火力発電に頼らざるを得ず、電気料金の高騰や地球温暖化対策の必要性を考慮すると、当面は、安全性の確保を大前提としつつ、原子力発電による必要な電力量確保と電気料金の価格安定を図る必要があると考えます。
本年2月に閣議決定されたGX実現に向けた基本方針においても、再エネや原子力などのエネルギー自給率の向上に資する脱炭素電源への転換など、脱炭素の取組を進める方針が示されました。原子力については、規制委員会による安全審査に合格し、かつ地元の理解を得た原子炉の再稼働を進めることとされています。
6月に北陸電力が行った規制料金の改定では、原子力の再稼働を見込むこととし、2%相当の値上げが抑制されました。電気料金は、県民の暮らしや経済活動に及ぼす影響が大きいことから、北陸電力には、志賀原発の再稼働の見通しや安全対策、経営状況、今後の効率化の取組などについて丁寧な説明をお願いしたいと思いますし、またそのように申入れもしております。
9 ◯議長(山本 徹)荻布教育長。
〔荻布佳子教育長登壇〕
10 ◯教育長(荻布佳子)私からは2点お答えをいたします。
まず、校内居場所カフェについての御質問にお答えをいたします。
議員御提案の校内居場所カフェは、中学校や高校の図書室や空き教室などを利用して、月に数回、昼休みや放課後に飲食の提供を行うカフェ形式の取組で、NPO法人のスタッフや大学生などのボランティアが生徒の話し相手となっており、福島での取組のお話がありましたが、大阪府や千葉県、神奈川県などでもNPO法人などにより実施をされております。生徒が気軽に立ち寄れ、相談もできる第三の居場所として活用されているというふうに理解をしております。
県教育委員会では、スクールカウンセラーなどの配置の拡充を行い教育相談体制の整備に努めており、市町村では、不安や悩みについて相談することのできる校内教育支援センターなどを設置しております。
また、学校に行きづらかったり、教室に入りづらかったりする生徒への支援のため、相談室などに常駐する専任教員であるカウンセリング指導員を中学校35校に配置するほか、富山大学と連携して、休み時間などに生徒の話し相手となる大学生を、心のサポーターとして5校に派遣をしております。さらに、小学校では、教室に入りづらい児童の話し相手や悩み相談、家庭との連携支援を行う、子どもと親の相談員を12校に配置しております。
県教育委員会としては、今後とも市町村と連携をし、校内教育支援センターの設置を進めるとともに、議員御提案のサードプレイスとしての校内居場所カフェなどの在り方についても、その有効性やニーズなどについて他県の状況も参考に研究をしてまいります。
次に、フリースクールなどにおける出席扱いについてお答えをいたします。
フリースクールなど学校外の施設での活動や学習の評価が適切に行われ、指導要録上、出席扱いと認められることは、児童生徒の意欲や自己肯定感を高め、社会的自立を支援する上で意義が大きいと考えております。
文部科学省の通知では、学校外の施設において、不登校児童生徒への相談指導が個々の児童生徒にとって適切である場合に、校長は指導要録上、出席扱いとすることができるとされております。
議員御指摘の出席扱いが認められるための要件につきましては、文部科学省から試案としてのガイドラインが示されておりますが、民間施設の性格、規模、活動内容などは様々であり、施設が満たすべきさらに詳細な基準などを一律に示すことについては、難しい面があるのではないかと考えております。
県教育委員会では、国のガイドラインの趣旨を踏まえ、市町村教育委員会や学校に対し、フリースクール等が社会的自立に向けた適切な相談指導を行っていることを積極的な訪問により確認をし、活動の様子などについて施設と学校が情報共有することで、個々の児童生徒の状況に応じて柔軟に出席扱いを判断することが大切であると伝えてきております。
県教育委員会が行った調査では、今年度10月までに民間施設を利用した不登校児童生徒の約80%が出席扱いとされております。引き続き学校外の施設と密に連携することで、個々の状況を適切に把握し、適切に対応することなど、学校や民間施設に周知をしまして、不登校児童生徒の支援に努めてまいります。
以上でございます。
11 ◯議長(山本 徹)有賀厚生部長。
〔有賀玲子厚生部長登壇〕
12 ◯厚生部長(有賀玲子)私からは、周産期医療体制の確保についての御質問2点にお答えいたします。
まず1つ目、今回支援を予定しております厚生連高岡病院は、高岡医療圏における地域周産期母子医療センターとして、正常分娩や一般産科では対応が困難なリスク分娩を取り扱っておりまして、同医療圏における周産期医療の中核を担っております。
同医療圏では、ほかに2病院4診療所が分娩を取り扱っており、医療機能情報提供制度による分娩報告数では、令和3年度は同医療圏2,082件のうち厚生連高岡病院では337件、全体の16%を受け入れておられます。
今回の改修内容については、陣痛から分娩、産後の回復までを同じ部屋で行うことができる分娩室を新たに設置するとともに、陣痛室の個室化を行うものであり、分娩取扱数の増加が想定される令和6年4月から運用できるように整備されることとなりました。県といたしましても、国庫補助金を活用した支援を行うこととし、補正予算案に計上にしたところでございます。
県では、周産期医療について、関係する医療機関がそれぞれの医療機能に応じた分担と連携を行うことにより、各地域において安全・安心な出産ができる産科医療体制を確保していくことが大変重要であると認識しており、引き続き必要な支援を行ってまいります。
次に、第8次医療計画に関することでございます。
本県の周産期医療の提供体制については、医療圏単位で一般産科と地域周産期母子医療センターが、正常分娩あるいは中程度のリスク分娩を行い、ハイリスク分娩は、富山大学附属病院や総合周産期母子医療センターである県立中央病院が対応する体制を構築しております。
現在、第8次医療計画の策定に向けた議論を進めているところでございますが、9月に開催されました周産期保健医療協議会におきまして、各委員から、「本県はコンパクトな県であり周産期母子医療センターがうまく機能していて、この機能を維持していくことが大事」、また「医師の高齢化が進むとともに医師の働き方改革が始まるため、マンパワーの不足が課題」、「若い医師に産婦人科の魅力を発信するとともに働き続けられる勤務環境づくりが大切」といった御意見がございました。
今後、周産期医療体制の維持に向けまして、働き方改革の本格実施にも対応しながら、引き続き産婦人科医の確保と育成に取り組む一方で、人口減少は確実に進行しており、安全で質の高い周産期医療を効果的に提供するために、地域ごとに医療機関の機能の分担、重点化を進めていくことも必要不可欠であると考えております。
こうした方向性を踏まえまして、第8次医療計画につきましては、今月下旬に開催予定の県医療審議会に素案をお示しし御議論いただくこととしており、来年4月からの計画開始に向けまして、しっかりと策定作業を進めてまいります。
私からは以上です。
13 ◯議長(山本 徹)
中谷商工労働部長。
〔中谷 仁商工労働部長登壇〕
14 ◯商工労働部長(中谷 仁)私からは、まず物流の2024年問題におけるドライバー確保支援についてお答えいたします。
本年10月における県内の貨物自動車運転手の有効求人倍率は2.36倍であります。全業種の1.43倍と比較しても高い倍率となっております。物流業界におけるドライバーの確保は重要な課題であると認識しております。
県では、毎年度、運輸事業振興助成交付金を県トラック協会に交付し、ドライバーの健康・労務管理、トラック運送事業のPR活動など、ドライバーの福利向上や業界のイメージアップにつながる取組を支援しております。
また、先ほど新田知事から答弁がありましたが、本県では、国に先行して本年6月補正予算で
物流効率化支援事業を盛り込み、ドライバーの労働時間の短縮や作業の軽減につながるシステムや設備の導入、女性専用のトイレ・休憩所など担い手確保・女性活躍のための環境整備など、ドライバーが働きやすい職場づくりに資する取組を支援しております。
国の物流革新に向けた政策パッケージにおきましては、ドライバー人材の確保のために、快適で働きやすい職場環境の整備、女性や若者等の多様な人材の確保、大型免許等の取得の促進、外国人材の活用に向けた調整等に取り組むこととされております。国の令和5年度補正予算、令和6年度予算概算要求の資料にも関連事業が盛り込まれております。
今後、これらの具体的な内容の情報収集に努めまして、県における対応について検討してまいります。
次に、
燃料電池トラック導入に対する支援についてお答えをいたします。
去る6月2日に関係閣僚会議において取りまとめられた物流革新に向けた政策パッケージにおきまして、物流GXを実現するため、鉄道や船舶へのモーダルシフトの強力な促進のほか、EV等の電動車など省エネ化・脱炭素化に資する車両の導入を図っていくこととされております。
御質問の燃料電池の活用につきましては、県では、令和元年度から燃料電池自動車の導入に係る補助事業を実施し、今年度新たに、物流倉庫や工場で利用される燃料電池フォークリフトの導入に対する補助事業も実施をしております。
御提案の
燃料電池トラックにつきましては、水素と酸素の化学反応によって発電した電気エネルギーによって動く、CO2を排出しない、エンジン音、排気音、振動がないためドライバーにも荷物にも極めて優しい車両であり、国においては、今年度から、その導入への補助制度を設けております。
一方で、車両価格が高額であること、全国的に大型の
燃料電池トラック向け大規模
水素ステーションの整備が進んでいないという課題がございます。
国においては、今般の令和5年度補正予算及び来年度の予算概算要求におきまして、物流分野での脱炭素化に向け、車両や設備等の整備に対し支援を行う事業が盛り込まれております。その内容や導入環境の整備状況等も見極めた上で、国や関係機関等と連携し、物流の脱炭素化に取り組んでまいります。
以上でございます。
15 ◯議長(山本 徹)
川津知事政策局長。
〔川津鉄三知事政策局長登壇〕
16 ◯知事政策局長(川津鉄三)私には、すしブランディングの質問を2問いただいておりますが、まず県民の皆さんを巻き込んだ取組についての御質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、一口に富山のすしと言っても、値段の高い、いわゆる時価の高級ずしですとかお任せのすし、そして本県の富山湾鮨なんかもありますし、先ほど議員のほうからもありました回転ずし、ますずし、スーパーで購入する持ち帰りのすし、それから家庭で作る手巻きずしですとかちらしずし、さらにはかぶらずしなど、大変バラエティーに富んでおります。そういうことで、それぞれの県民がすしに抱くイメージは大変様々であるというふうに考えております。
一方、県政世論調査では、「富山のすしを友人等にぜひ勧めたい」とする県民の方が45.3%、「どちらかといえば」も合わせますと92.3%の方が富山のすしを勧めたいと回答され、多くの県民の皆さんがすしに愛着を持っておられるというのが現状であると考えております。
実際、知事政策局内ですしの思い出をちょっと聞いてみましたら、友達と騒ぎながら食べた回転ずし──家族に加えて友達とも回転ずしに行ったという話、それから背伸びをして恋人と行ったカウンターのおすし屋さん、それから運動会でのいなりずしなど、様々ですがどれも楽しい思い出とセットになった愛着ある幸せな思い出がたくさん集まりました。
来年1月には、県民の皆様にすしの魅力を発信するためのウェブサイトを開設することとしておりますが、その際には、先ほど議員からも巽先生の奇跡の富山湾のお話も御紹介いただきましたが、そういった富山のおいしさの理由ですとか魅力の発信に加えまして、県民の皆さんの理解や共感につなげていくことが大変重要であると考えております。
このため、例えば思い出に残るすしのエピソードを募集するなど、県民の皆様の意識を把握した上で、県民の皆様に広くお示しすることで、県民の皆様にすしをより身近なものと実感していただけるように進めていきたいというふうに考えております。
今後とも、県民の皆様に「『寿司』と言えば、富山」の
ブランディング戦略の共感が得られるよう、しっかり取り組んでまいります。
次に、市町村連携についての御質問にお答えいたします。
議員から御指摘ありましたが、「『寿司』と言えば、富山」のブランディングを確立するためには、関係業界や団体に加えまして市町村との連携が大変重要であると考えております。
このため、先月23日の富山駅での県のプレイベントでは、富山市の藤井市長にも登壇いただきまして、富山市が進める戦略を御披露いただきました上で、新田知事と藤井市長がそろって富山のすしをアピールしたところであります。
また、先月立ち上げました連絡協議会では、すしや農林水産業などの関係業界・団体に加えまして市町村の方の参加も得まして、すし戦略の目的や目標、1月に開催するキックオフイベントについて、情報を共有した上で意見交換を行って、共同して進めていこうということを確認しました。
1月には、先ほども言いました、すしブランドの特設ウェブサイトを立ち上げますが、その際には、県と市町村が連携しまして各地域のすし店を紹介することとして、今準備を進めております。
また、こういった話合いの際には、すしのブランド化に向けて、市町村の皆様と膝を突き合わせて話し合っていきたいと考えております。
さらに今回、ワンチーム会議をやっておりますが、次回また来年ありますが、その本部会議では、すしの
ブランディング戦略ですとかキックオフイベントの概要を報告することにしておりますので、今後とも市町村の皆様と目標を共有した上で、富山のすしの魅力を一緒に強力に発信してブランド化していこうということで、強力に連携しながら推進していきたいと考えております。
以上でございます。
17 ◯議長(山本 徹)
竹内地方創生局長。
〔竹内延和地方創生局長登壇〕
18 ◯地方創生局長(竹内延和)私からは2問お答えをいたします。
先に、県西部地域の観光振興に関する御質問にお答えいたします。
御指摘ありましたとおり、呉西地域は観光資源の宝庫でございます。県では、これまでも市町村やとやま観光推進機構等と連携いたしまして、県西部の観光資源磨き上げの支援でございましたり、観光販売サイト「VISIT富山県」での体験型商品の販売、そして世界遺産バスやぶりかにバスなど二次交通の運行支援に取り組んでまいりました。
また、JRと連携いたしまして、新高岡駅を拠点に、本県の冬の味覚と温泉を組み合わせ、新湊地区、氷見地区、奥能登や五箇山、井波、高山など飛越能エリアを周遊する広域観光の新商品の造成に取り組み、10月から順次販売が開始されております。
さらに、来年秋の北陸DCに向けまして、先月開催した全国宣伝販売促進会議におきまして、これまで市町村や関係事業者と共に取組を進めてまいりました観光素材の開発や磨き上げの成果を、全国の旅行会社に提案したところです。
県西部地域の観光素材では、例えばでございますが、宿泊につなげることを目的とした雨晴海岸早朝絶景タクシーや新湊内川観光船ナイトクルーズなど、40素材をPRしたところです。
エクスカーションに参加いただいた旅行会社からは、インバウンド受けが期待できる、各素材の解説がしっかりしているなどの高評価を得たところでございます。一方で、まだまだ知らない魅力があったといった意見もございまして、来年秋の本番に向けて、さらに磨き上げや発信を進めてまいりたいというふうに考えております。
県西部では、高岡市や地域連携DMOであります富山県西部観光社においても、勝興寺や善徳寺のインバウンド対応などに取り組まれていらっしゃいます。引き続き県西部をはじめとした県内市町村や関係事業者と連携し、観光資源の磨き上げなど高付加価値化を進め、本県が選ばれ続ける観光地となるように取り組んでまいります。
次に、サイクルスポーツ、クリテリウムに関する御質問にお答えをいたします。
多くの方が参加できるスポーツイベントの開催は、御質問にもございましたが、県民にスポーツを実施する機会を提供するだけじゃなくて、会場周辺の地域ににぎわいをもたらし、地域や経済の活性化が期待される、また、大勢の人々が集い関係人口の拡大も期待されるところでございます。
県では、自転車を活用したスポーツイベントとして、富山湾岸サイクリングコースを走行する富山湾岸サイクリングを毎年開催し、にぎわいづくりや関係人口の拡大に取り組んでいるところでございます。
御提案のございましたクリテリウムは、長距離で争われることが多いロードレースに対し、市街地や公園などに設定された短い距離の周回コースを走るレースだというふうに伺っております。国内においても多くの大会が開催されておりまして、去る10月に宇都宮で開催されたジャパンカップクリテリウムでは、国内外から19チーム109人が出場され、約5万5,000人の観客が集まったというふうに伺っております。
クリテリウムの開催は、宇都宮の例にもありますように、にぎわいづくりや関係人口の拡大に資するものというふうに考えますが、御提案のありました富山マラソンとの同日開催につきましては、そのコースの一部を活用するというアイデアでございますけれども、交通規制の手続や周知面での負担軽減などのメリットが見込める一方で、交通規制時間が長くなる、また一般車両の通行への影響拡大や警備に係る経費の増嵩、そして必要となります運営スタッフの増など、新たな課題も想定されるところでございます。まずは、クリテリウムの先進事例の情報収集に努めたいというふうに思っております。
なお、クリテリウムをはじめ、ヒルクライムでございましたり、オフロード、マウンテンバイク、そして富山湾岸サイクリングのような、いわゆるロングライドと言われるもの、また、ツイードランとか、そういった自転車に乗るときのファッションを楽しむといったような競技もございまして、サイクルイベントは多種多様なものがございます。こういったイベントを民間団体でございましたり市町村が開催される場合には、県のサイクリング公式ウェブサイトで掲載するなど、情報発信に努めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
19 ◯議長(山本 徹)嶋川武秀議員。
〔5番嶋川武秀議員登壇〕
20 ◯5番(嶋川武秀)私から、「『寿司』と言えば、富山」という項目に関して再質問をさせていただきたいと思います。
私から2問質問をさせていただきました。県民をどう巻き込んでいくかというところに関しまして、私の質問の意図としては、県内に向けての発信と県外に向けての発信は変えてブランディングを進めるべきだというふうな趣旨で質問をさせていただいております。
川津知事政策局長のお話で、92%の方が県外のお友達にすしを勧めたい──これはあくまで県外の人をターゲットとした数字であろうと私は思っております。御説明にもあったように、回転ずし、思い出話があるとか、いろんなお話がありましたけれども、その県民の気持ちを、どうやって一緒に取り組んでいくのかということをお伺いしました。
そのお答えとして、特設ウェブサイトにて県民のすしに対するエピソードを集めると、こういう取組をしていこうというお話でありましたけれども、エピソードを集めるということだけで、果たして機運が醸成されるのかというところを私は非常に懸念をしております。どうやって県民の皆さんの気持ちと一緒になって富山のすしに対するプライドというものを醸成していくか。
私はやはり、先ほど御案内もしましたけれども、巽所長のお話、ああいう機会をもっとつくって県民の皆さんに触れてもらうことが非常に大事じゃないか。あれで一気に私はプライドが出たわけですし、食べたいと思ったわけですから、そういう機会を増やしていくべきではないかということで質問をさせていただいております。
あともう1点ですけれども、やはり
ブランディング戦略に関して統一していくということが非常に大事だと。お答えは、膝を突き合わせて考えていきたい、強力に連携をしていきたいという御答弁でありましたけれども、既にもう始まっています。「『寿司』と言えば、富山」というブランディングがスタートした後に、富山市が「すしのまち とやま」と打ち出したわけです。じゃ、これは県民の皆さんとか観光客は、どっちを考えたらよろしいんですか。
これからひょっとしたら、氷見市のほうでこういうことでやっていこう、あるいはもっともっと富山湾鮨を推していこうと、こういう形がぽんぽんぽんぽん出てきたら、今既に始まっている、スタートした事業としてどうやって統一感を持っていくかということであります。いや、こっちはこっちで発表し、じゃ、県は県でこれをやりました、その連携を具体的にどう連携するのかということをお伺いさせていただいています。
この2点に関して再質問させていただきます。
21 ◯議長(山本 徹)
川津知事政策局長。
〔川津鉄三知事政策局長登壇〕
22 ◯知事政策局長(川津鉄三)今ほど再質問として2問いただきました。
1点目は、県外に加えて県内で、県民向けにどういうふうにプライド、いわゆるシビックプライドを醸成していくかということでありますが、今ほど御紹介ありましたように、巽先生のような大変説得力のあるお話というものは、実際私もその場で話を聞いて、そうだよなと思った次第でありまして、今、議員から御提案がありましたように、巽先生に限らず、富山のすしのおいしい理由、それから、さらにどういう展開があるかということを県民の皆様によく知ってもらって、ワクワクして、自分たちでやっぱりおいしいと食べていただくことは大変重要だと思っております。
先ほどウェブサイトの話だけしておりましたが、そういった機会を今後広く、リアルでもそうですし、ウェブでもそうですし、それから最近は、SNSの投稿なんかも駆使しながら、より多くの皆様にそういった説得力のあるものをお示ししながら、県内での周知も図ってきたいというふうに考えおります。
それから2点目ですが、富山市さんのほうでもキャッチフレーズをつくりながらやっておられる中で、一つのものに統一できないかというお話でありますが、こちらのほうにつきましても、やっぱり統一感というのは他県の例からも大変重要であると考えております。
ただ、それぞれの取組が若干ありまして、富山市さんのほうは、実は目的が観光客により来てもらおうということで、「すしのまち とやま」ということで富山市内のすし店にどんどん来てもらう、観光誘客をしようというのが主眼なものですから、どうしてもそういったことが前面に出ておりますが、県の戦略としましては、そういう来ていただく方にすしを食べていただこうというのは当然そうですし、もうちょっと幅広い県産品につなげていきまして、それこそ、先ほどもありましたが、香川県のような、もうちょっと物品とかそういう幅広なことを考えておるものですから、県のほうでは「『寿司』と言えば、富山」ということでやっております。ただ、全く方向性は一緒で、それこそ氷見市さんなんかともお話ししておりますが、氷見市でも当然すしを今すごくやっていただいています。射水市のほうもやっていただいております。
そこで、県としては膝を突き合わせて話していくというふうに言いましたが、そういった取組の中で、いかに一体感をつくりながら、それぞれやっていらっしゃる方の取組との相乗効果が出せるかということを今やっておりますので、そちらのほうは引き続き話をしながら、ただ、見えにくいところはそのとおりだと思いますので、統一感があるように、対外的なブランディングとして見せながら、我々としてもよく話をして、相乗効果が出るように取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
23 ◯議長(山本 徹)以上で嶋川武秀議員の質問は終了しました。
寺口智之議員。
〔6番寺口智之議員登壇〕
24 ◯6番(寺口智之)皆様こんにちは。
自由民主党富山県議会議員会の寺口智之です。
9月議会に引き続き質問の機会をいただきましたこと、先輩議員の皆様、そして同期議員の皆様に、まずは心から感謝申し上げます。1期生の3番目として元気よく進めてまいりたいと思いますが、少し原稿が長いので、早口になる分、お許しいただきたいというふうに思います。
早速ですが、教育現場の諸課題について6点伺います。
まず1点目は、タブレット端末の修理対応と端末更新への準備状況について伺います。
GIGAスクール構想の第2期を見据え、国公私立学校の1人1台端末の着実な更新を進めるための取組としまして、2023年度補正予算案において、公立学校の端末整備に2,643億円が計上されました。端末更新のための補助基準額は1台当たり上限5万5,000円で、当面2025年度までの更新分に必要な経費を計上する見通しとされました。
国の予算では、都道府県に基金を造成し市町村を支援していくとのことですが、県立学校はもちろんのこと、市町村の意向も十分に踏まえつつ、県立・公立学校での計画的かつ効率的な調達を支援してほしいと考えますが、荻布教育長の御所見を伺います。
2点目に、学習支援体制の充実について伺います。
教育現場の負担軽減に向けて、教育委員会では様々に外部人材を活用していらっしゃいますが、例えばスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーは以前から拡充の必要性が訴えられ、少しずつ改善をいただいておるようですが、現場の話を聞くと、それでもまだまだ相談体制としては足りていない様子が見えてまいります。
学校への標準配置では相談時間が足らず、保護者の仕事が終わる夕方5時から相談し、夜8時、9時までの相談となるといったケースが間々あるという声が聞こえました。実態は、かなりサービス残業に近い部分もあるとのことであります。予算や人員の関係で、これらスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置が簡単に増加するのはなかなか難しいことは理解できますが、現場は大変苦しい状況です。
では、そういった特殊な資格を持たなくても支援ができる学習支援員──スタディ・メイトやスクール・サポート・スタッフ、子どもと親の相談員など、この方々は県の判断で増員が可能だろうというふうに思います。こういった方々をぜひとも増員配置いただき、教員を支える存在を増やすことで、現場の負担軽減と児童生徒の学習の充実がより図られると考えますが、今後どのように取り組まれるのか荻布教育長に御所見を伺います。
3点目は、教員の不足への対応について伺います。
私、つい先日、教育の現場に今どういった人材が不足しているのかを教員や市の教育委員会に聞いてみたのですが、そこで見えてきたのは、教員そのものが足りていないという現実でありました。1つの学校で複数の教員が休業されている、そういった学校もあり、非常勤講師や臨時的任用講師といった代員教員を手配したくても人がいない、本当に厳しい状況であります。
今回、県東部の黒部市、魚津市、滑川市、そして富山市に伺うと、把握できたもので現状50名ほどの教員が、産休や育休、病休により休まれているということです。思っていたより多いなぐらいの印象だったわけですけれども、問題は、本当に代員となる教員がいない、手配できていない学校があるということであります。
直接聞いた学校では、教頭先生が仮担任ということで担任を持ち、教務主任も担任を持ち、ほかの先生も空き時間を削って授業に回り、何とか欠員を補っている、そういう状態であります。時間割を何回も組み直して必死に対応しているということでした。教員は腹をくくってやっておりますが、割り切ってやらないと仕事が回らない、そういうことでした。
義務教育制度の下、学習の機会は均等に与えられるべきですが、教員不足により児童生徒に正当な教育が供給できていない、大変よくない状況です。これでは満足な授業ができるはずがありません。また、あまりの忙しさに出産をためらうケースすらあり得ることも考えられます。
年度途中にこういった教員の未配置が生じることがあってはならないことを念頭に、教員、それから代員教員を十分に確保しておくべきです。県教育委員会の早急な対応を求めます。
今回私は、教員が取り巻く職場環境の悪化、それから教員の質の確保について大きな懸念を感じました。部活動の地域移行なども叫ばれている現況において、教員のさらなる働き方改革も求められています。教員不足に対し今後どう取り組んでいかれるのか、教育長に伺います。
4点目は、県立高校の再編の方針について伺います。
私も、会派において創設されました教育の未来を考えるプロジェクトチームの一員として、先日、四国・中国地方の高等学校の先進的な取組を視察してまいりました。そのほかにも、県内の特に職業系の専門学科を有する高等学校へも視察に伺わせていただきました。その中で感じた点から3問お伺いします。
まずは、職業科、普通科それぞれの在り方についてということですが、今回視察に伺った県立高校の職業系専門学科は、商業科、工業科等々、それぞれ、県内ひいては地域の産業を支える貴重な人材を育成、輩出しており、生徒も生き生きと学んでいるように感じられました。就職希望の学生についてはまさに引く手あまたで、7倍から8倍といった高い倍率にて求人があるといったことでした。その一方で生徒数が減少している事実もあり、各科で定員割れしている苦しい状況も見えてきます。
これまで積み重ねてこられた職業系専門学科のよさを残しつつ先進的な取組も導入し、社会要求の高い魅力ある学科へと進化を図ることも大切ではないかと考えます。
視察した県外の高等学校では、デザイン思考やインテリア科を取り入れるなどで女子生徒が多い工業高校や、特定の企業とタッグを組んで商品を製作するなど、より特色化を目指した学校づくりに取り組んでいらっしゃいました。
時代に即した魅力ある人材育成に取り組み、専門学科ならではの特色を強く打ち出す必要があると考えますが、教育長に御所見を伺います。
次に、県立高校の普通科の在り方について伺います。
生徒の減少が進む中、現在、中学卒業者の7割以上が普通科高校に進学するということですが、進学先を選ぶ際には、ほぼ偏差値のみが判断材料として、何となく普通科に行っている、そういう現状があるようです。
この場合の最大の課題は、生徒の学びへのモチベーション維持であります。何となく自分の学力で高校を選択し、普通科にて中学の勉強の延長と捉えてしまっては、受け身の学習姿勢になってしまいがちであります。これでは、いわゆる主体的な学びが達成されません。この状況を変えていくべきと考えます。生徒の学習意欲を高めるため、普通科こそ特色のある取組などを進める必要があります。
県立高校普通科でもスクールポリシーを設定し、STEAM教育の推進などに取り組んでいますが、いまいち画一的なものであり職業科ほどの意欲が感じられません。さらなる取組を進め魅力ある普通科にしていく必要があると考えますが、教育長の御所見を伺います。
3項目めに、高校再編の方針について知事に伺います。
県立高校教育振興検討会議において、県立高校の再編に関する学校規模や基準などの基本的な方針について議論を進めていらっしゃいますが、私も、まずは規模ありきという考え方には反対であります。学級数や規模数にこだわらず、地元自治体など関係者の声を踏まえつつ地域の学びの特色を生かした学科やコースを設置するということも、ぜひ検討すべきと考えます。その上で、生徒の選択肢を広げることができることを主眼に、幅広い関係者の声を聞き、丁寧に議論して進めていってほしいと考えます。
愛知県で実施しているチャレンジシステムの導入をぜひ検討してはどうかと考えます。このチャレンジシステムにつきましては、後ほど川島議員から質問があるということですので、私に対しては簡潔な答弁で結構ですが、先日知事がおっしゃいました丁寧な議論を進めるという部分についてどのようなお考えなのか、ぜひお伺いしたいというふうに思います。
今、3回まで開かれた検討会議、4回目では、学校規模や基準などの方針や、学科やコースの見直しについて検討するということですが、この検討会だけでは十分な議論とは言えないというふうに考えます。
愛媛県の教育委員会では、学校振興計画を策定するに当たり、12名の検討委員による7回の議論のほかに、県下を8地区に分け、それぞれ20名から成る地域協議による都合48回の意見聴取、それをもって計画案を練り込み、その後、地区説明会を8地区で各2回ずつパブリックコメントを実施し、反対する団体との協議を10回も開催し、その結果、当初の計画より2か月後ろ倒しになりましたが、学校振興計画が策定されております。
愛媛県は、現在55校ある学校を45校へと削減し、しかし、10の学科、29のコースを新設するという計画をまとめ上げました。こういったことが丁寧な議論だというふうに考えます。県立高校再編についてどう進めるべきか、新田知事の御所見を伺います。
大項目の2つ目は、水産業における不漁対策について5問伺います。
1問目ですが、一部報道などで御存じだと思いますが、今年はサケの資源状況が非常に悪化しており、河川での捕獲や沿岸漁業での漁獲ともに統計が始まって以来の大不漁となってしまっております。統計によりますと、本州における河川での捕獲は前年同月のわずか35%、定置網などの沿岸漁業ではさらに低い21.5%というふうになっております。
サケは、川を遡上する前に沿岸の定置網などでも捕獲され、漁業者の生活を支えていたわけです。古くは縄文時代の遺跡からも発掘されるなど、日本人の食生活にとって非常に身近であったはずの魚ですが、急激に我々の目の前から姿を消してしまう、こういった危機に瀕しております。
この不漁について、その原因や今後の対策を調査研究するべきと考えますが、津田農林水産部長に御所見を伺います。
2問目ですが、気候変動による海の温暖化が原因とも言われる中で、水揚げされる魚の種類に変化が見られております。シイラやサワラといった、これまであまりなじみのない魚種の水揚げが増え、春先のホタルイカや、これからとれてほしいブリなどの漁獲量が激減しており、それはこのまま売上の減少につながっています。変化のスピードは年を追うごとに速くなっております。
富山湾は、全国に比べると比較的、魚種交替の動きが少ないと言われていましたが、この三、四年、非常に大きな変化があり、南方系の魚がとれ出したということであります。今までとれていた単価の高いホタルイカやブリがとれなくなると、当然、漁業者の経営には大きな影響を及ぼします。
様々な対策や調査を進めるには、水産研究所の機能強化も必要だろうというふうに考えます。漁業に与える影響や漁業者の経営状況を調査するとともに早急な対策が必要と考えますが、今後どのように取り組まれるのか津田部長の御所見を伺います。
県水産研究所のまとめによりますと、今年のこれまでの漁獲量の上位は、マイワシで5,200トン、サバが3,500トン、次にシイラが1,800トンとなっており、シイラが急激にとれ出しているわけです。前出のホタルイカなどはキロ3,000円ほどの取引があるわけですが、シイラはキロ500円ほどでしか取扱いがありません。良質な水産物を供給し県民の食を守るためには、新たな魚種に対応し、扱い方を理解した上で、その価値を上げていく仕組みが重要であるというふうに考えます。
その一方で、技術不足や材料不足、さらに人材不足により、水産加工業者が激減している現状があります。漁獲された魚類を加工し付加価値をつける役割である加工業者がいなくなってしまうと、水産業全体にとって直接大きな痛手となってしまいます。水産加工技術とともに継承がなされるように努める必要があります。
現在、食品研究所が、シイラの料理法などの活用について調査研究を進めているというふうに伺いました。我々にとってなじみの薄いものであった南方系の魚を、水産加工業者に対して食品研究所等が適切な助言をすることにより、加工業者が今後も存続していくことが必要だというふうに考えますが、どのように取り組んでいかれるのか部長にお伺いします。
先月、(仮称)富山県水産振興計画骨子案が示されたところですが、変化の激しい漁業環境の中におきまして、現場の漁業関係者の意見を十分に吸い上げるとともに、実効性のある計画をつくっていく必要があるというふうに考えます。
持続的発展に資する取組としまして、スマート水産業の推進やブルーカーボンの推進、そういったことが計画案に盛り込まれたことは評価させていただきますが、海の温暖化や海況の変化など激変する漁業環境に十分に対応した内容となっているのか。計画の改定に当たり委員会を開催していると聞いておりますが、現場漁業者からの声はどのように計画に反映されたのでしょうか。アンケートを実施したというふうには聞いておりますが、十分なところでしょうか。
富山の漁業は、豊富な魚種に対応するために漁法も様々であり、例えば定置網と小型底引き網漁、刺し網漁など多岐にわたります。漁法によっても、魚種の交替という影響が大きい方、そして小さい方もいらっしゃいます。漁業者からは、今後に対し危機意識をあまり感じられないといった意見もありました。
しかし、水産庁では、総じて魚がとれない「不漁」であるという言葉を使い、対策が必要であると言っておるわけです。あまり悲観的にはなりたくないのですが、漁業者に対し危機意識を持ってもらうことも啓発いただきながら、漁業の振興に資する計画としていただきたいというふうに考えます。部長の御所見を伺います。
5点目は知事にお伺いします。
今ほどるる言ったように、魚がとれなくなっております。新田知事が掲げられた「『寿司』と言えば、富山」。私も先月23日、記者発表に参加させていただき巽先生のお話も聞き、先ほど嶋川さんの力説もありましたが、科学的アプローチから富山のすしのうまい訳をひもとく、こういった姿勢に感銘を受けながら、このブランディングが成功し、すし県富山の実現を果たしていただきたいものと考えましたが、それにおいても、まず魚がとれないようでは困ります。富山固有のすしネタとしたいホタルイカやブリも不漁でありますし、ますずしのマスはほぼ県外産、すし以外になりますが塩ぶりや新巻鮭も県外産が主原料であります。
持続可能な水産業を実現するため、水産物の安定した資源確保には水産資源の適切な管理はもちろんのこと、つくり育てる漁業や内水面漁業の活性化、新たな商品開発など、施策を総動員して取り組んでいくべきと考えますが、今後どのように取り組まれるのか知事の御所見を伺います。
問いの3問目は、富山県の活性化に向けた諸課題について3問お伺いします。
本年5月にコロナウイルス感染症が5類に引き下げられ、3年ぶり、4年ぶりといった行事やお祭りが実施、再開された地域が非常に多かったというふうに認識しております。
各地で盛大に開催される、いわばその地域の風物詩であるお祭りや、決して規模は大きくなくとも、地元の文化、伝統を連綿と引き継ぐ行事ごとなどが大切に継承されてきました。地域を離れた方がいっときであれ地元に戻って参加する、また観光客がその伝統行事や祭りを見たい、参加したいがために地域を訪れるなど、まさに関係人口のきっかけに資するものであります。
ただ、これらはコロナ禍により確実に衰退をしたと言わざるを得ません。文化的、歴史的に価値のある祭りなどの貴重な伝統行事が、人口減少や高齢化による担い手不足などにより、その保存、継承が難しくなっている現状があります。
人手不足への対応としてボランティア制度を導入し、登録者による様々な行事、祭りを周知しながら楽しんで参加してもらえるよう、横展開の取組などを導入してはいかがでしょうか。
また、さらには、祭りの行事ごとの道具や備品の修繕費の支援なども必要です。地域の貴重な伝統行事について保存、継承への支援が必要であると考えますが、今後どのように取り組まれるのか教育長に伺います。
富山県公文書館は、置県以降の重要な公文書など歴史的に価値のある文書を保有するとともに、郷土の歴史を伝える常設、特別企画展の実施などに取り組んでいます。今年度は、資料のデジタルアーカイブ化や置県140周年の記念企画展、さらにSNSでの発信などに取り組んでいます。また現在は、徳川家康が岐阜城の攻めの際に発給した貴重な書状の特別展示をするなど、様々な取組をされています。
しかし、県民への周知や施設の利活用、集客については、いまいち不足していると言わざるを得ません。古文書を読める方の手も不足し、分類整理に手間取っているという話もありました。県民の郷土愛の醸成に向け、近隣の埋蔵文化財センターや県立図書館と連携をするなど、さらなる取組の促進を期待します。県民への周知を含め、さらなる有効活用を図っていくべきと考えますが、南里経営管理部長に御所見を伺います。
最後になります。
頻発する台風被害などにより、住宅の瓦屋根が飛散する被害が多く見受けられ、特に最近の激甚化傾向を鑑みますと非常に危険であります。
国交省では、このような強風による被害を防ぐために、瓦屋根への留め付け方法の基準を令和4年から強化しました。これを受ける形で県でも、令和5年9月補正において住宅瓦屋根の台風改修工事の予算が確保されたところですが、この制度は市町村と連携しながら支援を拡充していくべきと考えます。
市井土木部長の御所見をお伺いしまして、以上とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。
25 ◯議長(山本 徹)新田知事。
〔
新田八朗知事登壇〕
26 ◯知事(新田八朗)寺口智之議員の御質問にお答えをします。
まず、教育現場の課題についての御質問にお答えします。
本県の社会基盤の整備、あるいは産業の持続的な発展を図っていく上で、農業、工業をはじめ各分野の担い手を育成することは、言うまでもなく極めて重要と考えます。
県立高校の教育振興検討会議でも、委員から、富山県にとって農業や工業、水産系は非常に重要である、また工業県という特徴もある、全国からうらやましく思われるような高校の在り方を思い切ってデザインすべきなどの御意見をいただいています。
また、第3回の検討会議では、関係高校長の意見として、地域とのコラボや地元小中学校との連携活動などを通して、さらに学校外との連携を充実させたい、あるいは、多くの求人がある地域の工業高校がなくなると、他の学科に進学し、その地域の担い手がいなくなる可能性もあるなどが示されたと聞いています。
今後、地域における魅力と特色ある各職業科の在り方について、さらに議論を深めてもらいたいと考えております。
高校の在り方についてですが、こどもまんなかの視点に立って検討を進めることを基本に、地域や産業界、学校関係者など幅広く意見を聞くことも重要と考えます。教育委員会には、今後、県立高校の在り方や再編の方針などの検討状況を説明し、地域の皆さんの意見を聞く機会を設けることを検討してもらいたいと考えております。
県立高校の在り方については、私としても、今年度末の振興検討会議での取りまとめを踏まえて、総合教育会議に地域や産業界、保護者の代表の方などに御出席いただき御意見を伺うなどし、丁寧に議論を進め、よりよい高校教育の実現に努めてまいります。
愛媛県を御視察されたと聞きました。愛媛県を含めて他県の事例などに学ぶことも大切だと思いますが、私は、まずは本県としての教育の在り方、仮説を立てた上で、そのような県外の状況も見てみる、そんなことが大切だと考えております。
次に、持続可能な水産業の実現についての御質問にお答えします。
本県の水産業は、県民の皆さんに新鮮でおいしい水産物を提供しているだけではなく、観光振興の面でも、「『寿司』と言えば、富山」のブランディングを進める上で大変重要です。一方で、近年の富山湾や内水面における漁獲量は減少傾向にあり、漁獲される魚種も変化していることは議員御指摘のとおりです。
このため県では、これまでも、つくり育てる栽培漁業の推進、ブリやホタルイカの不漁要因解明のための回遊経路や来遊条件の調査、適切な資源管理のためのシロエビやベニズワイガニの資源生態調査、サクラマスの資源回復研究などを行っています。
今後も水産資源の持続的利用を図るには、こうした取組に加えまして、新たな栽培魚種として期待されているキジハタとアカムツの技術開発の加速化、資源調査の強化と調査研究成果の漁業者への積極的な提供、暖水性魚種に対応した水産加工品の開発、海藻類やイワガキなどの養殖業の振興、サケ資源の回復を図るための生産・放流技術の開発などの取組などが重要であり、現在策定中の水産業振興計画において、輸出の拡大をはじめスマート水産業やブルーカーボンの推進など、水産業の成長産業化に向けた取組と併せて検討を進めております。
この計画に基づいて、漁業者をはじめ関係団体とも連携しながら、本県の水産物を安定的に提供できるように取り組んでまいります。
また、違った視点からなんですが、シンガポール国立大学に依頼をして行っておりますデジタル化研修があります。「Japan Go Digital!」と言いますが、今は民間企業も一緒に本県の職員と学んでいるところでございます。11月30日にその成果の発表会がありましたが、4チームの発表があった中で、1つは水産DXについてでした。デジタルを活用して栽培漁業を進化させるという提案、とても夢のある取組で、私としては大きな可能性を感じました。
私からは以上です。
27 ◯議長(山本 徹)荻布教育長。
〔荻布佳子教育長登壇〕
28 ◯教育長(荻布佳子)私からは、6つの御質問に対してお答えをさせていただきます。
まず、学校の1人1台端末の更新についての御質問にお答えをいたします。
県教育委員会では、県立高校や特別支援学校の児童生徒用1人1台端末、約2万2,000台を令和3年8月までに整備をしており、また市町村教育委員会においては、共同調達や独自調達によって約7万4,000台を主に令和2年度から3年度にかけて整備をし、現在、各学校において授業や家庭学習などで利活用をしているところであります。
国の総合経済対策に係る令和5年度補正予算では、小中学校などの児童生徒用端末の更新経費として、予備機を含め各都道府県において基金を造成した上で、市町村に対して補助をする制度を創設することとなっております。また、県での共同調達などによる計画的かつ効率的な端末整備が求められているところです。
県内の公立学校における端末については、導入からおおむね5年を経過する令和7年から8年頃に多くの更新が必要になると考えております。
県教育委員会では、今年3月に設置した県と市町村教育委員会で構成する富山県GIGAスクール推進協議会におきまして、端末の利活用の推進や次期更新などのICT教育環境の整備について情報交換をしているところであり、今後とも国や他県の動向も情報収集するとともに、仕様ですとか更新時期について協議をしてまいります。
県立高校などの端末更新についても多額の費用がかかることが想定されることから、引き続き国に対し財源措置を要望するとともに、他県の動向を注視をしまして更新費用の負担の在り方について検討もしてまいりたいと考えております。
次に、教育現場での外部人材の活用についての御質問にお答えいたします。
県教育委員会では、教員が児童と向き合う時間を確保するため、教員の業務を支援する外部人材の活用を積極的に進めてきております。
例えば、議員のお話にもございました障害のある児童生徒の小中学校での生活をサポートするスタディ・メイトについては、市町村において配置が進められており、県教育委員会では、その養成講座を実施して拡充を支援しているところでございます。
教員の業務を支援するスクール・サポート・スタッフについては、国の補助対象校だけではなく、市町村と連携して市町村にも負担をしていただいて、希望された全ての公立学校に配置をしております。
また、児童の話し相手や悩み相談、家庭と学校との連携支援などを行う子どもと親の相談員についても、希望する11市町の小学校12校に配置をしております。
スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーについては拡充に努めてきているところであり、生徒指導事案の早期の段階から学校と専門家が連携し、チームによる組織的な支援体制の構築を図っているところでございます。
しかしながら、学校のニーズとして、それぞれの外部人材についての配置人数や配置時間のさらなる拡充が必要であるといった要望も受けているところでございます。
こうしたことから、県教育委員会では、引き続き国に対して配置拡充を要望していくとともに、市町村教育委員会とも連携を図り、外部人材の活用も含めた教員の働き方改革を進め、教員が児童生徒に向き合う時間を確保し、児童生徒の学校生活の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、教員の確保と働き方改革についての御質問にお答えいたします。
議員から御指摘のあったように、病気休業など事前に把握できない不測の事態が生じますと、代員として臨時的任用講師が必要となりますが、他の仕事に就かずに待機している臨時的任用講師の登録者というのが近年少ないため、年度途中で未配置が増加する傾向にございます。
年度途中の代員については、教員採用検査の受検者や教員免許保有者への働きかけを市町村教育委員会と連携して行っておりますが、民間企業の採用意欲が高いことや教員の長時間労働などのイメージもありまして、敬遠される傾向もあり十分な確保には至っておりません。
また、育児休業取得を見越した年度初めからの代員についても、今年度、国の加配を活用して小学校に3名を配置しましたが、さらなる配置のためには国による定数措置が不可欠というふうに考えております。
県教育委員会では、教員として働く魅力を伝えるための動画「一生、青春。」というものを作成し、今年度、ユーチューブなどで配信をしてきており、12月からはテレビCMでの放映も始めたところでございます。
また、働き方改革や業務改善を含めた自由な議論をする若手教員によるワーキンググループも設置をしており、そこでの意見を今後の取組に生かすことや、部活動の地域移行を進めるため、県スポーツ協会や県芸術文化協会などとの連携による指導者の掘り起こしや、その人材情報を市町村教育委員会でも活用できる人材バンクシステムの構築にも取り組んでいるところでございます。
今後とも、国への定数措置の要望や教員の働き方改革の推進など、教員確保の取組を総合的に進めてまいりたいと考えております。
次に、県立高校の職業系専門学科の充実についてお答えをいたします。
Society5.0の到来や技術革新などにより社会の在り方が大きく変化をしている中、県立高校の職業系専門学科では、技術の高度化に対応した先進的な取組を導入し、時代に即した教育をしていくことが求められております。
県立高校の職業系専門学科では、これまでも先進的な取組を行ってきております。例えば、農業科では、アイガモロボットやGPSトラクターなどを導入したスマート農業の先進的な実習、工業科では、電子顕微鏡や3Dプリンターを活用した調査研究など技術革新に対応した教育内容の導入、また商業科では、模擬株式会社の設立や360度カメラで撮影した画像による観光ガイドの制作など、特色ある教育活動に取り組み地域産業を支える人材の育成に努めているところでございます。
また、先般の第3回県立高校教育振興検討会議においては、関係高校長の意見として、農業教育においてもSDGsの実践、またAIやIoTの利活用など変革のときを迎えている、工業科の全科共通でプログラミングやデータサイエンスなどの情報分野について学ぶべきなどといった意見が示され、社会的ニーズを踏まえた一層魅力ある職業系専門学科の在り方について、さらに議論を深めているところでございます。
検討会議では、高校教育の充実に向け、学科やコースの見直しについての基本的な方針を議論し取りまとめをしていくこととしております。今後も、生徒が学びたい、学んでよかったと思える職業系の学科やコースについて、多面的な角度から検討を進めてまいります。
次に、県立高校の普通科の特色化、魅力化についてお答えをいたします。
県立高校では、これまでも普通科に人文科学や自然科学、国際、情報、体育、音楽などのコースを設置し、その内容をより深く学べるよう、特定教科を多く学べるカリキュラムや学校設定科目を設定してきております。また、地域や大学、企業などと連携した地域課題解決や、STEAM教育など高度な探究活動などに取り組むプロジェクト学習の実践など、特色化や魅力化を図り生徒の可能性や能力を最大限に伸ばしていけるように取り組んでいるところであります。
近年、中学校においては、高校進学に当たり、成績だけではなく、高校卒業後の進路や自分の特技・特性を踏まえて進路選択するように指導がされてきております。中高生や保護者などを対象に昨年度実施したアンケート調査を見ましても、「高校選択の際に重視すること」の設問について、「中学校における成績」と回答した割合が令和4年度の調査では56%と、前回の平成17年度の調査に比べて7.9ポイント減少しており、また、「設置されている学科やコースの学習内容」と回答した割合は41.5%と、前回より4.3ポイント増加しているという結果も出ております。
これまで教育振興検討会議では、学科やコースの見直しについて検討をしてきており、委員からは、普通科の生徒に社会との接点を思い描く手助けが大切であるとか、これからの時代に合った名称を含めたコースの見直し、また、特に情報関係の科目の取扱いなどを含めて検討していってほしいといった御意見をいただいております。
今後は、普通科の特色化、魅力化についてさらに検討を進め、生徒の学習意欲が高まり様々な可能性を引き出す教育の充実に一層努めてまいります。
私からは最後になりますが、伝統行事の保存・継承についての御質問にお答えをいたします。
本県には、けんらん豪華な曳山行事や全国屈指の伝承数を誇る獅子舞など、多彩で魅力ある数多くの祭り、行事が受け継がれてきておりますが、コロナ禍のため中止や規模縮小を余儀なくされたことに加えまして、人口減少や少子高齢化などによる担い手不足により、地域の伝統行事の保存・継承が大きな課題となっております。
このため、県教育委員会では、これまでも国、県指定文化財の保存修理事業や後継者育成事業に支援をするとともに、未指定の文化財の用具などの修理や新調に対しては、国の補助事業や民間の助成事業の活用などに取り組んでまいりました。
一方、各保存会などにおいては、担い手不足の解消の取組として、魚津のたてもん祭りでの曳き手ボランティアの募集や、県内各地の獅子舞や曳山への若い世代の参加など、人手不足に対応するための地域を越えた活動が広がっております。こうした若い世代をはじめとした地域の伝統行事への保存・継承への取組というのは、大変心強く感じているところでございます。
県教育委員会では、富山県文化財保存活用大綱において、文化財の保存・活用に関する基本方針に「文化財の確実な保存と適切な活用」や「文化財の保存・活用を担う人材の育成」を掲げております。地域の貴重な伝統行事が末永く保存・継承されるよう、今後とも国、県指定文化財の保存修理事業や後継者育成事業に対し支援をするとともに、伝統行事を支える団体を含めた文化財ボランティア団体のネットワークづくりの支援などにも、国や市町村、保護団体と連携をしながら取り組んでまいります。
私からは以上です。
29 ◯議長(山本 徹)津田農林水産部長。
〔津田康志農林水産部長登壇〕
30 ◯農林水産部長(津田康志)私からは、水産関係で4問の質問にお答えいたします。
まず、サケの不漁についての御質問にお答えします。
現在、県では、サケのふ化放流事業として、6つの内水面漁協で生産された稚魚を買い上げ県内7河川で放流しております。本県へのサケの来遊状況は、平成27年度までは、海面と内水面を合わせて平均10万尾以上の安定した来遊があり、ふ化放流事業に必要な1,200万尾を上回る稚魚が確保できておりました。
一方、平成28年度以降はサケの来遊量が急激に減少し、一昨年度からは1万尾台と、かつての10分の1程度になっており、産卵のために河川に遡上する親魚の数も大幅に減少したことから、令和4年度の放流尾数は878万尾となっております。
このため県では、昨年度までは、ふ化放流事業に必要な種卵を確保するため県内水面漁連とも連携し、秋田や山形など県外から種卵を融通してもらうなどの調整をしてきました。しかしサケの不漁は、ふ化放流事業を実施します全国11道県でも同様で、特に今年は、北海道を除いて厳しい状況でありますことから、今月下旬に北海道から種卵を移入するための調整を行ったところでございます。
サケの不漁要因につきましては、水産庁からは、高水温による影響が大きいとの見解も示されておりますが、解明には至っておりません。県としましては、サケは広域回遊魚でございますから、引き続き、国に対して資源調査研究の推進を要望するとともに、国等と連携して栄養強化による稚魚の高水温耐性向上の研究に取り組んでまいります。また、今後とも県内の内水面漁協と連携して、稚魚生産の協業化など連携体制強化の取組も進めてまいります。
次に、魚種交替による漁業経営の影響についての御質問にお答えいたします。
本県沿岸漁業の漁獲量と生産金額を、令和3年までの直近3年間の平均値とその10年前と比較いたしますと、漁獲量では2万2,146トンから1万6,431トンと26%減少し、生産金額は84億円から71億円と15%減少しております。また、漁獲の上位魚種につきましても、ソウダガツオやアジからマイワシ、スルメイカへと変化しております。
県漁連等からは、こうした状況に加え、燃油等の高騰により漁業経営は厳しさを増していると伺っておりますが、議員御提案の魚種交替による経営の影響調査につきましては、漁業者の協力が必要となりますので、どのような対応が可能か、まずは漁業団体の意見を聞いてみたいと考えております。
一方、水産研究所では、漁獲変動への対策として、キジハタやアカムツの栽培技術の開発をはじめ、昨年度には漁獲可能量(TAC)による資源管理を強化するための研究員1名を増員したところであります。
今後は、ホタルイカの来遊条件調査やブリの回遊経路と漁獲予測に関する従来の研究に加えまして、漁獲予測の精度向上や近年漁獲量が増加している魚種の回遊経路などの生態研究を強化し、漁業経営や資源管理に活用できますよう、得られた調査や研究成果を積極的に漁業者へ提供してまいりたいと考えております。
あわせて、漁業経営の安定や省力化につながりますよう、ガゴメコンブ等の養殖業の振興やスマート水産業の推進等についても、漁業関係者と連携して取り組んでまいります。
次に、水産加工業への支援についての御質問にお答えいたします。
水産加工業は、漁獲物の主な販路として漁業経営安定に寄与するほか、漁獲物の付加価値を高め、保存性にも優れることから、本県水産物の国内外への販路拡大の面でも期待が高まっております。
近年、本県沿岸では魚種ごとの漁獲量の変動が大きく、アジやサケが減少傾向にある一方で、暖水性のシイラやサワラなどの漁獲量が増加傾向にございます。これらの魚種は本県ではなじみが薄く、加工原料として利活用するためのノウハウが不足しているため、加工せずに比較的安価で県外や海外に出荷される割合が高くなっております。
県食品研究所では、これまでも水産物の輸出拡大に向けて、水産加工業者の要望に応じて、長期保存が可能な製造技術の開発や味覚センサーを用いて味を数値化するなど、国内外のニーズに対応できる製品の改良などの研究を行ってきております。
さらに、今年度からは、富山湾の漁獲変動に対応した加工品の開発として、シイラ等を原料とする新たな加工品開発に向けた研究を開始し、現在、脂質などの体成分や食味成分など加工特性の評価を進めております。今後、これらのデータに基づき、加工業者とも連携して加工法を検討し、栄養成分や保存性の検討などを行った上で、令和8年度までの新規加工品の開発を目指すことにしております。
引き続き、富山県食品産業協会や国が設置しましたよろず支援拠点とも連携しながら、新規加工品の商品化までのトータルな支援を行い、水産資源の有効活用と県内の水産加工業の振興に取り組んでまいります。
私からは最後になります。
水産業振興計画についての御質問にお答えいたします。
現行の計画策定から4年余りが経過し、本県水産業を取り巻く環境は大きく変化しております。このため、新たな計画の策定に当たりましては、漁業関係者、水産加工業者、流通等をはじめ観光や消費者などの実需者、水産資源やマーケティング分野の有識者など、水産業に優れた知見を持たれる方を委員とした検討委員会を設置し、本県水産業の課題や水産業振興に向けた施策等について御意見を伺っております。
また、検討会と併せまして、県漁連や海面漁協、内水面漁連、水産加工連などから直接意見を伺ったほか、市町村やジェトロ富山など88の団体にアンケート調査を実施し、第2回の検討委員会では、こうした意見も踏まえて骨子案を提示の上、御議論をいただいたところでございます。
具体的には、海洋環境が変化する中で先見性が必要で、スマート水産業の取組が不可欠である、コールドチェーンを確立して経営基盤の安定化を図るべき、定置漁業の特性を十分考慮し安定した経営を実現するよう支援策を講じてほしいなどの意見があり、骨子案には資源調査の強化、厳格な資源管理、スマート水産業の推進等のほか、コールドチェーンの構築や流通形態の多様化に対する支援などを盛り込むとともに、計画の実効性を高めるためKPIなどの指標を設けたところでございます。
第3回検討委員会は来年2月頃に開催し、計画案を取りまとめることとしておりますが、その後にパブリックコメントを実施します。これにより、より多くの方からも御意見をいただき、本年度中には本県の水産業の振興に着実につながるような計画を策定したいと考えております。
以上でございます。
31 ◯議長(山本 徹)南里経営管理部長。
〔南里明日香経営管理部長登壇〕
32 ◯経営管理部長(南里明日香)私からは、富山県公文書館についてお答えいたします。
公文書館は、昭和62年の設置以来、県の重要な公文書、県史編さん時に収集した史資料や県の歴史に関する文書を保存活用し、県政や県の歴史に関する知識の普及等に取り組んできております。
文書の保存活用に関しては、県民の皆様に、県史をはじめ所蔵資料に対する関心を高め積極的に活用いただけるよう、令和4年度から資料のデジタルデータ化を進めるとともに、公文書館デジタルアーカイブを構築し、重要な歴史資料等をインターネットで閲覧できるサービスを今年度から提供しております。
また、これまで、常設展示、県の歴史に関する個別テーマを設定した企画展、郷土の歴史を学ぶ歴史講座、古文書読解の基礎知識を学ぶ古文書教室の開催に取り組んできております。
今年は、御紹介いただきました置県140周年を記念して、我が国と富山県が近代化を進めた時代を教育の視点から振り返る国立公文書館所蔵資料展を開催いたしました。この企画展では、国立公文書館に加え、県立図書館等の貴重な所蔵資料も展示しておりまして、教育制度の変遷や先人たちの教育にかける思いなど、多くの方に紹介させていただきました。
今後とも、公文書館のこうした活動を積極的にPRするとともに、議員から御指摘いただきました県立図書館、埋蔵文化財センターも含め、ほかの施設が保存する貴重な所蔵資料を有効に活用するなど、連携を深めながら、県民の郷土愛醸成に努めてまいります。
33 ◯議長(山本 徹)市井土木部長。
〔市井昌彦土木部長登壇〕
34 ◯土木部長(市井昌彦)私から、住宅瓦屋根の改修支援についての御質問にお答えいたします。
住宅の瓦屋根が風に耐え得るための耐風改修は、災害への備えとして重要な対策でございます。
国におきましては、令和元年の房総半島での強風被害を受け、住宅の瓦屋根の台風性能を高めるため、瓦の留め付け方につきまして建築基準法の基準を強化するとともに、既存住宅に対しましても令和3年度に屋根改修等を支援する交付金事業を創設したところでございます。
本県でも令和4年3月の県西部を中心に発生した強風による被害が発生したことを踏まえ、県では、今年度、国の事業の活用が図られるよう市町村の取組を支援する制度を創設し、9月補正で予算措置したところでございます。
国の交付金事業では、屋根改修等を行う申請者に対し、市町村が国と同額の補助、いわゆる随伴補助を行うことが前提となっており、市町村補助額と同額の国の交付金が市町村経由で上限の55万2,000円の範囲内で交付されるものでございます。県の制度は、この市町村補助の半額を県が負担するもので、今年度、立山町から申請があったところでございます。
国の交付金による支援は、市町村が地域防災計画等で強風被害の可能性が高い地域をあらかじめ設定し、その区域内の住宅で行われる屋根改修が対象とされておるところでございます。
県といたしましては、今後、県内で広く展開していくため、市町村担当者に対し会議等の場で、区域の設定も含め国や県の支援制度について周知するとともに、引き続き市町村と連携し住宅の強風対策等への支援に努めてまいります。
以上です。
35 ◯議長(山本 徹)寺口智之議員。
〔6番寺口智之議員登壇〕
36 ◯6番(寺口智之)お昼を前にして申し訳ございませんが、少しだけお願いします。
荻布教育長に伺いますが、問いの2番のところで、スクール・サポート・スタッフやスタディ・メイト、私は、それ以外のところで、県としての判断、県としての学習支援員の増員に対する思いを伺いたかったわけなんです。そこの部分を国に頼るとおっしゃいましたけど、それも大事なんですけど、やはり県として学習支援員をしっかり確保、増員するということを少し御検討願えないかというふうに思いました。
そして、教員不足というところ、代員教員の確保なんですが、私は今回、教員採用試験に不採用だった方とお話をしたわけなんです。不採用の通知と一緒に講師大募集と書いてある案内が来たと。登録してくださいということで登録をしたんですけれども、すぐに電話がかかってきました。その方は神奈川の方なんですけど、今年の3月に帰ってこれますかと、3月に富山にいますかというふうに言われたと。ただ、採用するかどうかは分かりませんという状況。やはり、それでは不安になります。当然不安にならざるを得ないかもしれないんですけれども、例えば学習支援員としてその方を採用するとか、お手伝いいただくとか、そういった考えはできないものなんでしょうか。
その方は神奈川におります。神奈川でも講師登録をしました。神奈川で講師登録をして、仮に3月になる前に神奈川県から講師として手伝ってくださいと言われたら、そっちに行ってしまいます。待っている中で、こっちに引っ越してくるという大きな決断をいただくためにも、当然講師として、代員教員としてすぐに就いていただくことは難しいかもしれないんですけれども、何かその方にとっても勉強になるような仕組み、そういったことが少し検討できないかということを思うわけであります。
今、やっぱり人材の取り合いなわけであります。採用に至らなかったとしても、教師になりたいという思いのある方を、しっかりと今後につなげていくための取組、今までやっていなかった取組をぜひとも検討いただきたいというふうに思います。
関東に出て行って、そういった方が教員として戻ってくる。それは富山県にとって非常に大切なことかというふうに思いますので、教育委員会の見解を伺いたいと思います。お願いします。
37 ◯議長(山本 徹)荻布教育長。
〔荻布佳子教育長登壇〕
38 ◯教育長(荻布佳子)寺口議員からの外部人材の確保、拡充についての再質問にお答えいたします。
外部人材の活用については、先ほど御答弁したように拡充を図ってきているところですが、いろんなタイプの人材、職種の方がいらっしゃいます。それによって、配置している主体ですとか補助のスキームなども異なっておりますので、県としてはもちろん、ぜひとも国の予算措置をお願いしたいものについては強く要望していきますし、例えばスクール・サポート・スタッフでやっておりますように、国の補助制度で認めている基準を超える部分についても、現在市町村と協議をして、市町村にも経費負担をお願いして拡充して配置しているというような努力もしてきております。そういったように市町村とも協議をしながら、県独自としても人材の拡充に向けて、ぜひ努力はしていきたいというふうに思っております。
また、富山に戻ってきていただけたら大変ありがたい県外在住の方の情報などについても、講師の配置については、やはり年度末に向けていろいろ精査をしていく中で、その方に本当にお願いすることになるかどうか、なかなか見極めがつかない場面というのも確かにございます。ただ、御提案いただきましたように、他の職種で御協力いただけるようなことがないかということについても、そういった情報の共有、活用についても、市町村とも御相談をしながら情報共有などについて検討してみたいと思います。
以上です。
39 ◯議長(山本 徹)以上で寺口智之議員の質問は終了しました。
暫時休憩いたします。
午後0時03分休憩
───────────────────
午後1時00分開議
40 ◯副議長(奥野詠子)休憩前に引き続き会議を開きます。
八嶋浩久議員。
〔19番八嶋浩久議員登壇〕
41 ◯19番(八嶋浩久)皆さんこんにちは。自由民主党議員会の八嶋でございます。本日3人目となり、また改選後初の一般質問ということでございます。機会を与えていただきました先輩議員の皆様、そして同僚、後輩議員の皆様には、厚くお礼申し上げる次第でございます。
また、平日の日中、お忙しい中、傍聴に来ていただいた皆様にも、重ねてお礼申し上げる次第であります。
さて、10月の終わりには地元新湊漁港でもブリが取れ始め、11月にはズワイガニの解禁。地元新湊漁協では、なかなか思ったような魚種や漁獲には至らないと心配されていますが、それでも12月、海の幸がとてもおいしい季節となってまいりました。行動制限も緩和され、年末を迎えます。地産地消、県民の皆様には、ぜひ地元の食材を選んでもらい、お楽しみいただきますよう心から願う次第でございます。
さて、本年も振り返りますと、本当、変化に富んだ年となっております。新型コロナウイルスが2類から5類扱いとなり、人々の動きも戻りつつ、日本各地で開催されたG7、富山県、石川県でも記念すべき教育大臣会合がございました。また、周知のとおり、数十年ぶりに賃上げや70兆円台に乗るような税収増も報じられ、豊かな暮らしにつながる兆しも感じられております。
一方、物価高、エネルギー高、6月・7月の豪雨災害、夏は過去に経験したことのない酷暑もあり、気候変動、自然災害も激甚化、先ほど申し上げましたが漁獲減をはじめとする食料安全保障の問題、戦争・紛争、国家安全保障など、よい暮らしぶりのためにはたくさんの課題も改善していかなければなりません。
若干遅かったんですが、本日冒頭、補正予算の追加の提案もございました。11月補正を含めると、福井県、石川県を超える大型予算。当局の皆さん方には、この短い時間で積み上げられたことに、敬意、感謝を申し上げる次第でございます。大いに活用していかなければなりません。今回の質問にも幾つか関連があったようです。後ほどお伺いしたいと思います。
私も、ちょっと原稿が長いので、早口になるかもしれませんけれども、ぜひ御容赦いただきたいというふうに思うわけでございます。それでは、以下、通告に従い質問に入ります。
以前より、プレジャーボート等による不法係留については、子供たちの水難事故、油の汚染、ごみ、付近の路上駐車、あるいは激甚化する自然災害、防災・減災の観点からも、課題、問題が多いことを指摘してまいりました。4年前、射水市の新堀川、内川の不法係留がなくなり、対策が落ち着いたところだと承知しています。同じく射水市内ですが、庄西地区での取組も始まると聞き及んでおります。
今後の不法係留対策について、県内官民の係留保管施設の状況も踏まえて、どのように取組を展開していくのか市井土木部長にお伺いいたします。
次に、県内漁港での釣り場について、本年6月、水産庁は、漁港内に釣りが可能な範囲を設定するよう管理者の自治体に促す指針を発表されました。釣りは密を避けられるレジャーという性格もあり、コロナ禍ではやりました。ウイズコロナの現在も人気でございます。
しかしながら、漁港施設内での釣りとなると課題もあるかと思います。もちろん漁業活動はまさに優先されるものと考えられることを踏まえると、現在の漁業としての漁港の利用頻度とのバランスがとても大切だと考えます。事実、老朽化などで利用が減っている漁港もあると聞き及びます。
対象の漁港がどの程度あり、海との触れ合いの場を県民に提供する機能もある漁港の安全利用に今後どのように取り組んでいくのか、津田農林水産部長にお伺いします。
2014年の世界で最も美しい湾クラブの加盟は、富山県にとって大きな財産になっていると思っています。2019年10月、日本では初の湾クラブ総会が終わり、一息ついたのか、最近の「三霊山」に比べると露出度が少ない感じもしております。
1期生の皆さんもおいでるので、どんなクラブかを説明すると、湾を生かした観光振興と資源保護、そこに暮らす人々の
生活様式や伝統の継承及び景観保全を目的に、1997年3月10日にドイツのベルリンで設立され、ユネスコの後援を受け、フランスのバンヌ市に本部を置く国際NGOでございます。
この湾クラブの加盟は、各国の湾ネットワークや日本の加盟湾5湾とも協力すれば、富山県のブランディングにも効果的と考えています。数少ないナショナルサイクルルートに選定された富山湾岸サイクルルートは、湾クラブの加盟がきっかけになったと思っています。
本年も湾クラブの世界総会が開催されました。現在、世界で最も美しい湾クラブに加盟する本県の活動状況について、県内外に対してどのような周知を行っているのか、富山湾の魅力をPRするためにも、今後、湾クラブの活動を積極的に周知してほしいと考えますが、
竹内地方創生局長にお伺いし、私は分割になりますので、大きい問1の質問をここで切ります。
42 ◯副議長(奥野詠子)市井土木部長。
〔市井昌彦土木部長登壇〕
43 ◯土木部長(市井昌彦)私から、不法係留船対策についての御質問にお答えします。
不法係留船は、自然災害時の船舶の流出被害等、河川や港湾、漁港の管理上、支障となることから、県では、移動先となる係留保管施設が確保された地区において、順次、行政や地元関係者等による協議会を設置し、規制する区域を指定した上で対策を講じております。昨年度までに、水橋や黒部、また内川、新堀川、新湊漁港等から成る新湊の3地区で対策を完了したところです。
議員お尋ねの射水市庄西地区では、令和4年10月現在で、庄川と小矢部川とを結ぶ旧内川の周辺を中心に、40隻の不法係留船が確認されております。庄西地区の近隣の新湊マリーナや民間マリーナの収容力に余裕がある現状を踏まえ、地元関係者等の御理解をいただき、水域の管理者である国や県、そして射水市等の行政機関と地域住民の代表で構成する不法係留船対策協議会を立ち上げ、先月14日に開催した第1回協議会で、規制措置等の対策方針について協議いたしました。
今後、次回協議会で、この対策方針を正式に決定の上、令和6年1月頃に放置等禁止区域及び重点的撤去区域を指定し、あわせて警告ビラの配布や看板の設置などにより、船舶所有者に対し現在の係留場所からの移動を働きかける予定としておるところでございます。
引き続き、射水市庄西地区の不法係留船の早期解消に向けて取り組んでまいります。
以上です。
44 ◯副議長(奥野詠子)津田農林水産部長。
〔津田康志農林水産部長登壇〕
45 ◯農林水産部長(津田康志)私からは、漁港の釣り事情についての御質問にお答えいたします。
一部の釣り人による漁業活動の支障となる行為や立入制限区域への侵入、ごみの放置などのマナー違反など、全国的な漁港でのトラブルなどを背景として、議員から御紹介のあったとおり「漁港における釣り利用・調整ガイドライン(案)」が6月に水産庁から公表されております。
現在、県内の漁港では、県や市町の漁港管理者において、防波堤のような高波の危険性や転落した場合に命に関わる場所につきましては、看板等による注意喚起に加え、防護柵による立入制限等により、釣り人等による漁港利用を制限しております。
一方、県民が釣りを安全に楽しめる施設としましては、富山市が管理する水橋漁港の親水防波堤のほか、黒部市管理の石田漁港の釣り桟橋、県管理の氷見漁港の一部防波堤などがあり、老朽化した防護柵等の更新をはじめ、救命浮き輪やはしごの整備、緊急時連絡先を明示した看板の設置など、安全対策の充実に努めてきております。
漁港は、本来、漁業活動による利用が優先されるものではございますが、釣りをはじめとする海洋性レクリエーションの振興は、漁村地域への交流のきっかけとなり、海業の取組の一つとして、漁村の活性化につながるものと期待されております。
ただし、漁港施設をレクリエーションの場として利用する際には、転落防止等のためのハード対策に加え、利用時のルールづくりや監視・救助体制などのソフト対策が必要となります。漁協や関係機関等の意見をはじめ、国のガイドラインも参考にしながら、安全に釣りを楽しめる環境整備について検討してまいります。
以上でございます。
46 ◯副議長(奥野詠子)
竹内地方創生局長。
〔竹内延和地方創生局長登壇〕
47 ◯地方創生局長(竹内延和)私からは、世界で最も美しい湾クラブに関する御質問にお答えをいたします。
世界で最も美しい湾クラブに加盟する富山湾は、本県観光の大きな魅力の一つであり、県では、富山湾の魅力発信など湾を活用した観光振興に取り組んできております。
また、湾を活用した多彩な取組を行う民間団体等との連携も重要だということで、例えば、ビーチフェスティバルでありましたり、トライアスロン大会等のイベントを支援するなど、官民連携して湾周辺のにぎわい創出に努めてきております。
こうした取組について、富山湾沿岸市町や民間団体、事業者が参加いたします民間応援組織「美しい富山湾クラブ」の会議に県も参加し、イベント等の情報交換を行うとともに、本県の取組を紹介するなど情報共有を図り、周知に努めているところでございます。
また、10月に韓国で開催されました湾クラブの世界総会に参加し、富山湾の活用・保全の取組を世界に向けて紹介する、こういったこととともに、クラブ加盟湾同士で活動状況を共有いたしまして、加盟湾相互の連携の重要性を確認したところでございます。
さらに、来年3月には横浜でのボートショーに富山湾ブースを出展の予定でして、首都圏でも富山湾の魅力を発信したいというふうに考えております。
なお、御紹介もありました、富山湾が世界で最も美しい湾クラブに加盟したのが2014年、来年で10周年を迎えることになります。これまでに構築いたしました富山湾沿岸の自治体、民間団体、クラブに加盟する国内外の湾とのネットワークをさらに活用いたしまして、富山湾の魅力、湾の活用・保全の活動について積極的な情報発信を行い、富山湾のブランド価値向上につなげてまいります。
以上でございます。
48 ◯副議長(奥野詠子)八嶋浩久議員。
〔19番八嶋浩久議員登壇〕
49 ◯19番(八嶋浩久)引き続き質問をします。
夜間の避難指示について、県内の市町村でも判断が分かれているところでございますが、今年の水害でも、夜間に発令した市がある一方で、発令しなかった市もありました。ケース・バイ・ケースですが、県は各市町村に被災報告を求める立場なので、災害発生の緊迫状況にある最前線の市町村ごとで判断が違うことは、もちろん想定されていると思います。
しかしそれでは、災害が市町村をまたぐ場合は、対象住民の混乱がやっぱり想定されるのではないでしょうか。こういった場合、県の対応はいかにするべきか。最前線の市町村にお任せにならないよう、県としては、各市町村で判断が違うことなどを想定し、隣接市町村間、住民間の混乱が生じないように、積極的な情報提供を、県は訓練を通してでも構いませんけれども、あらかじめ対策を準備する必要があると考えますが、武隈危機管理局長にお伺いします。
さて、近年、核家族化やまちの防災の担い手不足、地域活動の希薄化などで、災害時における高齢者の避難支援の需要が高まっています。最近は、高齢者スマホアプリなどICTを活用して、離れた場所に暮らす高齢者の家族や遠くにいる親族などと協力し、高齢者の逃げ遅れを防止する取組を推進している他県の事例も紹介され始めました。
それぞれの県としての取組比較が容易な時代において、最新の取組を参考にしながら推進していくことは、とても重要と考えています。災害発生時における高齢者の避難支援に向けた取組の現状と今後の取組についても、武隈危機管理局長にお伺いします。
9月議会でも議論がありました。私も、6月・7月の豪雨災害の経験を生かすことが、経験に向き合うことが、災害に対する理解や住民の皆様の不安解消につながると考えています。
先般の岡崎議員からの質問には、ダム管理者の対応についての進捗状況と情報提供に関するハード整備についての答弁がございました。私は、9月議会に続き、線状降水帯の発生等も加味して既存の事前放流の判断基準を検証し、必要に応じて基準の見直しも行わなければならないのではないかと考えているわけでございます。そのほかに、今回の災害に向き合う上で、あらかじめ住民にダム放流について理解してもらう機会を積極的につくるべきだということも考えます。
前9月議会においても、ダム管理者としての対応を検討するとの答弁がございましたが、あした発生するかもしれない自然災害において、どうもスピード感が感じられません。再度、検討・進捗状況を含め、特にソフト面での対策はスピード感が肝心だと思っていますが、市井土木部長にお伺いいたします。
知事が特に強調されている、こどもまんなか共生社会の実現に向けた取組については、とても重要で、私も日頃より訴えてきたところでございます。
そこで、県下全体でこの取組を進めるには、市町村の理解も大切です。今後、県内市町村と連携してどのような取組を進めるのか。先月開催された第3回「ワンチームとやま」連携推進本部会議では、出産・
子育て支援ポイント制度の取組についても市町村と意見交換を行うなど、こども・子育て施策の連携強化の取組を進めているとのことでございますが、子育て支援の最前線は市町村でございます。市町村間で同様の取組となるよう、県内一丸となって、これもスピード感を持ちながら、子育て支援の取組を進めてほしいと考えています。
昨日、大型補正予算が発表されております。また、本会議冒頭の知事の提案の中でもありましたね。市町村伴走支援、母子手帳とのリンクや出産支援強化につなげることが、私も重要でないかというふうに思うわけでございます。知事に御所見をお伺いいたします。
子育て支援から一転、超高齢社会に向けての対策についてお伺いします。
2025年末に必要な介護人材は全国で245万人。前年度2022年度末で既に約22万人が不足している。65歳以上の高齢者数は全人口中、約29%で、来年度中には30%に達するとのことでございます。今から対策を講じる必要を感じている次第です。この介護人材不足は、もちろん富山県にも当てはまると思われます。
全国的に介護人材が不足ということですので、まずは高齢者の健康寿命を延ばし、要介護・要支援認定者を少しでも減らすことが重要でございます。
以前に蔵堀副知事にもデータヘルスなどの取組について尋ねたこともあったわけですが、運動や食生活など生活習慣の改善だけでなく、8020運動、eスポーツの推進、フレイル予防対策など、県として部局ごとに幅広い対策に取り組む必要があると考えます。
こどもまんなか政策の一方、超高齢化社会への対応、対策も必要と考えますが、今後どのように取り組むのか知事にお伺いいたします。
介護人材の不足感、そして需給ギャップも想定できる数字を、先ほど全国の分で紹介しました。本県における近年の要介護・要支援認定者の数の推移と、今後の将来推計及び介護人材の需給推計はどうか、介護職員初任者研修課程の受講者数と併せて有賀厚生部長にお伺いします。
また、介護業界のイメージ向上を図り、若者、子育て終了世代、アクティブシニア等に就業を働きかけ、人材確保に努める必要もあると考えています。宮城県ではサンドイッチマン、大阪府では吉本新喜劇などをイメージキャラクターとして強力な働きかけをされています。
そこで、介護人材を確保するためには、若い世代を中心に、魅力ある職業としてイメージ向上策に取り組む必要があると考えますが、今後どのような取組を進めるのか有賀厚生部長にお伺いします。
大阪での取組を少し紹介したいと思います。「おかんがなりたかった職業」と題して──これは嶋川議員の話ではありません、知らんけど──これはミルクボーイによるイメージアップのネタでございます。ぜひ皆さん方にも一度ユーチューブを御覧になっていただければなというふうに思うわけでございます。富山県議会にもミルクボーイの存在があるわけでございます。ぜひ介護業界を支えていただきたいと思います、知らんけど。
これで大きい問2を切らせていただきます。
50 ◯副議長(奥野詠子)新田知事。
〔
新田八朗知事登壇〕
51 ◯知事(新田八朗)八嶋浩久議員の御質問にお答えします。
まず、こどもまんなか共生社会の実現に向けた取組についての御質問にお答えします。
本県では、こどもまんなか共生社会の実現に向けて、8月に「こどもまんなか応援サポーター」宣言を行いました。そして、全ての市町村においても同様の宣言が行われ、県と市町村がワンチームとなって、子育て家庭への経済的支援や保育の充実、困難を抱える子供への支援策などを推進することにしています。
「ワンチームとやま」連携推進本部会議では、毎年、共通の課題を設定して進めておりますが、今年はその一つに、「こども・子育て施策の連携・強化」を連携推進項目として挙げて協議を進めているところです。そして、連携ができる施策から取り組んでいます。
具体的には、妊娠、出産に影響する疾患の早期発見、治療を目的としたプレ妊活健診──10月から幾つかの自治体で始めています。また、こどもの居場所づくり(サードプレイス)を促進するため、10月に、市町村の皆さんにも多く参加いただいた、こども食堂トップセミナーを開催いたしました。そして、ヤングケアラーの早期発見、適切な支援につなげるため、ヤングケアラー関係職員研修会の開催にも取り組みました。
さらに、来年度からになりますが、伴走型相談支援と経済的支援を一体的に行う出産・
子育て支援ポイント制度の創設、そして第3子以降の保育料の完全無償化について、市町村と連携を図りつつ今準備を進めているところです。
このほかに、病児保育の広域化やヤングケアラーの認知度向上などに関する新たな連携策についても、現在、市町村と協議を進めているところです。
少子化の傾向はなかなか止められませんが、一方で、子供を取り巻く課題は増えています。少なく生まれてくる子供たち一人一人を決して取り残すことなく、15市町村全てで、しっかりと子供を真ん中に据えた、あらゆるこども・子育て施策に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
次に、超高齢社会に向けた対策についての御質問にお答えします。
高齢者の介護予防を推進するためには、高齢者ができる限り健康で活動的な生活を送ることができるよう、健康と生活の両面での環境づくりが重要です。
健康面については、自身の健康状態を知り、必要な生活改善や介護予防に取り組み、フレイル予防を行っていくことが重要です。このため県では、低栄養対策など食生活の改善に向けた取組や、住民主体の通いの場などにリハビリ専門職を派遣するなど、フレイル対策を支援しています。また、全身の健康にも影響の大きい口腔機能の維持向上のため、管理栄養士や言語聴覚士と連携した嚥下機能訓練や8020運動などにも取り組んでいます。
生活面では、これまで高齢者のeスポーツを各地域で実施して社会参加を促進してきたほか、介護助手普及・マッチング支援事業やエイジレス社会活動実践塾など、生きがいや社会的役割を持てるように、そんな取組も進めているところです。
今後、少子高齢化・人口減少社会が進む中で、高齢者が心身ともに健康で生きがいを持って生活ができ、さらには、介護や福祉の現場も含めた幅広い地域社会の担い手として活躍していただき、ウェルビーイングが上がっていくように、市町村とも連携をして、健康と生活の両面の施策を積極的に推進してまいります。
2回目、私からは以上です。
52 ◯副議長(奥野詠子)武隈危機管理局長。
〔武隈俊彦危機管理局長登壇〕
53 ◯危機管理局長(武隈俊彦)2問いただきましたうち、まずは市町村にまたがるような広域的な災害についての御質問にお答えいたします。
6、7月の豪雨災害では、12の市町に土砂災害警戒情報が発表されたことなどを受けまして、8つの市町村で避難指示等が発令されておりますが、その他の市町では発令されないなど、判断が分かれたところでございます。
避難指示を発令しなかった市町からその理由を聞いたところ、豪雨の時間帯が夕方から深夜であったため、屋外への避難誘導が逆に危険と判断したとのことでした。各市町村では、現場の状況や気象情報などを総合的に判断し避難指示等を発令しており、地域ごと、市町村ごとに災害リスクが異なることなどから、今後も避難指示の判断が分かれることはやむを得ないものと考えております。
県としては、市町村が適切に避難指示を判断し発令することにより、住民の混乱を招かないことが何よりも重要と考えており、そのための必要な支援を行っております。
具体的には、総合防災情報システムにより、気象情報をはじめ判断に必要な各種情報を収集し、市町村に迅速に情報提供をしております。また、市町村担当課長会議におきまして、実際に避難指示を発令した市町村から、発令に至るまでの流れや留意点を事例発表してもらうなど、市町村がためらわずに避難指示を発令できるようノウハウの共有にも努めております。
加えまして、今後、気象情報から災害リスクを分析し、市町村に適切な助言を行えるような仕組みづくりも検討しておりまして、市町村にまたがるような広域的な災害が発生した場合でも、住民の混乱を招くことなく円滑な避難が行われるよう、引き続き市町村を支援してまいります。
次に、高齢者の避難支援についての御質問にお答えします。
高齢化が急速に進展する中で、災害発生時における高齢者の避難支援は重要な課題と考えております。
県では、災害発生時における高齢者等の避難行動要支援者の円滑かつ迅速な避難を図るため、市町村の個別避難計画の策定や福祉避難所の確保が進むよう、全市町村への聞き取り調査や市町村担当者会議を開催し、先進事例等を共有しております。
また、災害時の情報発信につきまして、これは対象を高齢者に限定したものではございませんが、富山防災WEBや各種SNS等のデジタル媒体を活用して、県民に迅速かつ的確に最新の災害情報を発信しております。
このうち、県公式LINEや公式X、ヤフージャパンアプリでは、離れた場所に暮らす家族がアプリ登録や地点登録することで、県が発信する災害情報をプッシュ型で入手し、危険が差し迫った際に、高齢の家族に直接電話で避難行動を呼びかけることができることになっております。
議員からお話があった取組は、登録型のプッシュ型情報配信システムを活用した「逃げなきゃコール」というものだと思いますけれども、こうした取組は高齢者避難に有効でありまして、本県でも同様の対応は現状でも可能でありますが、県ではこれまで、この周知は行っておりません。
県としましては、今後、市町村と連携して、県内市町村の個別避難計画の策定が進むよう努めるとともに、議員から御紹介のありましたアプリを活用した取組をはじめ、他の自治体の先進事例を取り入れ、市町村や関係機関と共に周知し普及を図るなど、高齢者の避難支援の充実に取り組んでまいります。
以上です。
54 ◯副議長(奥野詠子)市井土木部長。
〔市井昌彦土木部長登壇〕
55 ◯土木部長(市井昌彦)私から、豪雨への対応についての御質問にお答えします。
今回の豪雨を踏まえての将来に備えたダム管理者としての対応について、その有効な対策の一つに、議員に御紹介いただいた事前放流がございます。白岩川ダムと和田川ダムでは、予測降雨量が基準降雨量を超えていなかったことから実施には至りませんでしたが、現在、国において線状降水帯及び洪水等の予測精度の向上が進められており、その動きを注視してまいります。
また、このたびの豪雨により県管理ダムのうち土砂等の堆積が進んだダムにつきましては、堆積土砂等の撤去を進め、洪水調節容量の確保に努めてまいります。
一方、ソフト対策につきましては、現在、ダム等に関する情報提供のあり方検討会を設置し、平常時から必要な防災情報や防災訓練、緊急時の市町村等へ提供が必要な情報やその伝達タイミング、また、緊急時の住民への情報提供のための報道機関や住民への伝達手段などの観点から、検討を進めておるところでございます。
議員御提案の、住民にダムや河川について御理解いただく機会を確保することは、平常時の備えとして有効な方策であると認識しております。具体的な案といたしましては、ダムの役割や放流等に関する住民説明会の開催や、豪雨後に一部着手しておりますが、情報伝達から実働までの防災訓練の実施などの方策が考えられます。
緊急時の方策案とともに第2回の検討会で御提示し、御審議を踏まえ御理解いただければ、実現可能なものから対策として実施していく予定でございます。
県といたしましては、来年の出水期に向け、ダムを含む河川管理者としての務めを果たすとともに、市町村等関係機関の協力をいただき、住民の適切な避難行動に結びつく迅速かつ有効な情報提供の実現に向け、準備を進めてまいります。
以上です。
56 ◯副議長(奥野詠子)有賀厚生部長。
〔有賀玲子厚生部長登壇〕
57 ◯厚生部長(有賀玲子)私からは2点お答えいたします。
まずは、介護人材需給に関することでございます。
本県の要介護・要支援認定者数は、ここ3年では、令和2年度末で6万4,814人、令和3年度で6万5,459人、令和4年度で6万5,510人と緩やかに増加して推移しております。
今後は、いわゆる団塊の世代が75歳以上となる2025年には──令和7年ですけれども、6万8,287人、昨年度と比較して約3,000人増加する見込みで、団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年、令和22年には7万5,430人、昨年度と比較して約1万人増加する見込みでございます。
また、本県の介護職員数は、直近のデータでは令和3年度で1万9,551人となっております。
将来的な介護人材の需給推計については、令和3年7月に国が公表した「第8期介護保険事業計画の介護サービス見込量等に基づく推計」によりますと、本県の介護職員の必要数──需要数ですが、2025年度では2万1,060人とされておりますが、介護職員数としては1万9,913人で、充足率は94.55%となります。また、2040年度は、必要数2万2,922人に対して介護職員数が1万8,718人で、充足率は81.66%と見込まれております。
なお、本県における介護職員初任者研修課程の受講者数は、ここ3年では、令和2年度が426人、令和3年度が496人、昨年度は501人となっており、微増というか、ほぼ横ばいで推移しております。
次に、介護職のイメージ向上策についてでございます。
県では、これまでも、夏休み期間中、小学生親子向けバスツアーの実施をはじめ、中学生、高校生を対象とした出前講座の実施、高校生を対象とした介護事業所でのインターンシップ事業や、高校生への介護の魅力PR冊子の配布などを通じて、小中高生、若い世代に対して、介護の仕事の魅力、やりがい、大切さ等を伝え、介護職への正しい理解やイメージアップを図るなど、普及啓発活動に取り組んできたところでございます。
今年度は、新たな取組として、介護現場の職員の協力を得まして、中高生やその親世代を対象とした介護職のイメージアップ動画を制作いたしまして、ユーチューブ等の広告を活用して情報発信したほか、サンドボックス予算のほうを活用いたしまして、高校生を対象とした介護事業所での有償のインターンシップ事業を試行的に実施したところでございます。
県としては、今後とも、若い世代をはじめ多くの方々が、介護の仕事に魅力を感じ就業していただけるように努めてまいります。
私からは以上です。
58 ◯副議長(奥野詠子)八嶋浩久議員。
〔19番八嶋浩久議員登壇〕
59 ◯19番(八嶋浩久)私からは最後の問3になります。
4年前の2019年、初登壇の9月議会でも漁網の処理について質問したのを覚えています。当時は県内で漁網産廃を受け入れてくれる企業もなく、議論がかみ合わない感じでありました。
時代は変化したのだと思います。最近、漁網産廃の処理サービスを商品化された企業があると聞きました。鉛の入った漁網の処理はとても厄介で、ボランティア精神を必要とする仕事ではないかと思っている次第でございます。4年たった今に至っても、倒産、廃業漁業者の処理できない漁網があり、あるいは中小漁業者の漁網処理について困っている状況は依然続いています。
中小漁業者の経営はとても不安定で厳しく、漁業者の漁網処理の定着化には支援が必要でないかと考えています。今後の対策を津田農林水産部長にお伺いします。
今まさに、アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイでCOP28が開催されています。12月2日の首脳会議では、日本を含む118か国が、2030年までに世界の再生エネルギーの容量を現在の3倍に拡大することを誓約しました。世界や日本政府の動きも加速するということでございますが、まずは何よりも、県内のサーキュラー・エコノミー──循環経済の中で、富山県の自然エネルギー自給率をテーマに考えたいと思っています。
もともとエネルギーは戦略物資であります。地域紛争でいつ供給が断たれるか分からない危機管理の最たるものであり、地域的エネルギー自給率の向上の取組については、とても大切だと感じています。
先般9月議会予算特別委員会でも、小水力発電の取組について質問させていただいたところです。我が富山県の自給率は比較的上位にあるのではないかとも推測されるわけでありますけれども、取組が早かった秋田県では、洋上風力の発電に特化して自給率を向上したとされています。
洋上風力発電は、先ほどの世界で最も美しい湾クラブの加盟湾である富山湾の関係や、大量の銅、メタルを必要とするもので、富山県らしくないな、そしてとてもお勧めできないなというふうに思っているわけでございますが、私は、富山県なりの特色を生かしたさらなる地域的エネルギー自給率向上策があるのではないかと思っています。
先ほど、嶋川議員がアルミの話もしておられましたけれども、もともとエネルギー経済の専門家である知事は、これからの本県エネルギー政策に秘めた思い、実は何か秘策なんかも持っていらっしゃるのではないかなと思っているくらいなのですが、全国の地域的エネルギー自給率の状況と比較し、現在、富山県の自給率がどのようになっているのか、そして自給率向上、ぜひトップランナーを目指した戦略方針について知事の御所見をお伺いいたします。
私は、本県も危機管理意識を強く持って自給率向上に努めるべきだと考えております。
先月11月18日土曜日、中川議員、そして庄司議員と日台交流サミットin仙台に行ってまいりました。何とタイミングのよいことか、そのときチャイナエアラインの富山臨時便の報道があり、とても盛り上がった交流サミットになりました。正式には21日の火曜日、知事の定例会見で詳細を知ることになりました。
いよいよ定期便再開に向けての取組がどうなっていくのか、次の取組について、澤崎議員からの代表質問では知事のリーダーシップ、そして知事からの答弁では台湾協会、旅行会社との連携といった議論がされておりましたけれども、私はそのほかに、県内の台湾との友好交流がある市町村や民間団体、例えば射水市の日台友好都市協力であったり、黒部峡谷鉄道と阿里山鉄路の姉妹提携など、そういった縁を掘り起こし、リストなども作り、理解、協力を得ることで組織的な活動となり、本日の補正予算なんかにもありましたけれども、そういった交流をしている団体も対象に入れてPRし、県民一体となって機運を盛り上げ、定期便の再開につなげていけばいいのではないかというふうに思うわけでございます。
最後、田中交通政策局長に御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
60 ◯副議長(奥野詠子)新田知事。
〔
新田八朗知事登壇〕
61 ◯知事(新田八朗)再生可能エネルギーの導入についての御質問にお答えします。
全国における再生可能エネルギーによる電力は、日本全体の発電電力量の22%程度になっているのに比べまして、富山県内では、一部の再生可能エネルギーによる電力が県外へ供給されている点に留意する必要があるものの、県内の電力消費量を全て賄うほどの電力、103%が再生可能エネルギーによって発電されています。
県内では、多くの急流河川が生み出す包蔵水力全国3位のポテンシャルを活用して、再生可能エネルギー発電電力量の約9割が水力発電によって発電されているほか、2012年に開始した、いわゆるFIT制度──固定価格買取制度に基づく発電電力量のうち、太陽光発電が約6割を占めており、豊富な地下水を活用した地下水熱もポテンシャルを有しています。
県では、こうした本県の特色を生かした再生可能エネルギーを最大限に導入することが重要と考えておりまして、富山県カーボンニュートラル戦略の重点施策に位置づけ、その導入を推進しています。
具体的な取組としては、小水力発電の導入可能性調査による民間参入の促進、県営水力発電所の改修による発電電力量の増加、太陽光発電設備や地下水熱設備に対する導入の補助などに取り組んでいるところです。
県としては、カーボンニュートラルの実現の観点や、世界情勢に影響を受ける海外からの化石燃料への依存を極力抑えるため、今後も本県の特色を生かすとともに、日々アップデートされる技術革新の動向を注視しながら、さらなる再生可能エネルギーの導入拡大に取り組んでいきます。
3回目は以上です。
62 ◯副議長(奥野詠子)津田農林水産部長。
〔津田康志農林水産部長登壇〕
63 ◯農林水産部長(津田康志)私からは、漁業廃棄物の処理についての御質問にお答えいたします。
漁業生産活動に伴って生じる漁業系廃棄物につきましては、国が定めるガイドラインにより、適正な処理または循環的な利用が求められております。このうち、おもりとしての鉛が編み込まれている漁網やロープにつきましては、鉛の分別が難しいことに加え、これまで県内に処理業者がなく県外施設へ運搬する必要があったことから、漁業者にとっては大きな負担となっておりました。このため、一部では使用済みの漁網が漁港等の敷地内に放置されるケースも見受けられたところでございます。
こうした中、本年9月に県内の廃棄物処理業者において、漁網やロープを鉛とプラスチックに分別回収した上で、鉛は精錬原料として、プラスチックは熱源として利用できる漁網リサイクル施設が県内に整備されたと聞いております。
この施設の整備は、漁業者にとっては処理費の減少となり、かつ資源の循環的な利用にもなることから、漁業経営はもとより、廃棄物放置の未然防止、環境への負荷の低減に資するものとして期待しております。
漁業者が漁業系廃棄物の適正処理に積極的に取り組むということは、漁業者自らが漁業環境を改善し、豊かな漁業を築くことにもつながるため、県としては、県漁連や各漁協と連携し、こうした施設の利用が進むよう努めてまいりたいと考えております。
議員からは漁業者の支援というお話がありましたが、整備して間もないことですので、まずは利用実態とかそういったことについて調べていきたいと思っております。
以上でございます。
64 ◯副議長(奥野詠子)田中交通政策局長。
〔田中達也交通政策局長登壇〕
65 ◯交通政策局長(田中達也)最後に、私のほうから富山─台北便についての御質問にお答えします。
富山─台北便については、先般、1月から3月の週2便体制で臨時便運航が決定しました。現在は、4月以降の定期便再開に向けてチャイナエアラインと協議を重ねております。航空会社からは、1月からの臨時便の利用実績が定期便再開に重要であり、富山から台北への旅客も増やす必要があると言われております。
このため、本日提案しました補正予算案において、臨時便に併せて台湾からのインバウンドを誘客するため、台北において広告宣伝を実施する台湾冬の観光PRキャンペーン事業、また台湾への
アウトバウンド旅客需要を喚起するため、県内商業施設を活用した懸垂幕によるPRや、臨時便を活用した旅行商品造成を支援する台北便アウトバウンド利用促進事業を計上しております。こうして取り組む県の熱意、姿勢を航空会社にアピールしてまいります。
また、県内市町村においても、台北市士林区との友好交流都市協定が締結された射水市をはじめ多くの市町村、関係団体で、観光、経済、文化など幅広い分野での交流が行われております。
富山空港国際路線利用促進協議会は、市町村はもとより、経済団体をはじめとした民間団体、富山県日台親善協会、また御質問にありました黒部峡谷鉄道なども会員となっております。県としましては、定期便再開に向けて連携を図り取り組んでまいります。
66 ◯副議長(奥野詠子)以上で八嶋浩久議員の質問は終了しました。
川島 国議員。
〔24番川島 国議員登壇〕
67 ◯24番(川島 国)自民党議員会の川島です。よろしくお願いいたします。
本定例会、追加補正予算324億円余り上程されております。国の経済対策を余すところなく県民に届けるために、このタイミングと捉えております。ぜひとも県当局には余すことなく執行いただきますことをお願い申し上げまして、質問に入りたいと思います。
1点目として、持続可能な中山間地域の活性化について質問いたします。
全国的に人口減少に歯止めがかからず、経済活動や社会活動に大きく影を落としている現状でありますが、本県におきましても、月次人口移動調査結果によりますと、令和元年の県総人口104万2,998人から令和5年現在100万6,367人と、4年間で約3万7,000人の減少となっております。
県人口ビジョンによる将来人口目標と照らし合わせても、約9,000人に及ぶ年間減少ペースを考えると、2025年時点で100万5,600人の目標から大きく割り込んでおり、人口減少の歯止めに厳しさを増しているものと捉えます。より一層の人口減少対策の強化が求められるところでありますが、特に本県中山間地域における人口減少が加速度的に進捗していないか危惧するものであります。
とやま未来創生戦略では、県民希望出生率1.9%の達成や、若者、女性の転入増、転出減を目指すこととしており、中山間地域については、豊かで魅力ある中山間地域の実現に向けて取り組むこととしておりますが、現時点における中山間地域を含む本県将来人口の展望をどのように捉えているのか
竹内地方創生局長にお伺いいたします。
山が荒れれば川が荒れ、川が荒れれば海荒れる。まさにそのとおりの現状が本県にも当てはまるわけでありますが、平成31年に議員提案にて施行されました富山県中山間地域における持続可能な地域社会の形成に関する条例を根拠に、中山間地域創生総合戦略としてこれまでも様々な施策が講じられてきて、持続可能な地域づくりを進めておられますが、来年が最終年である計画期間を迎えるに当たり、戦略に盛り込まれた施策の達成状況や成果をどう評価し、今後に向けた課題点をどのように捉えているのか、
竹内地方創生局長にお伺いいたします。
山が荒れることによる悪影響として、本年はツキノワグマの被害が甚大でありました。市街地への熊の出没による人的被害は、死亡者も含め9名と、国の指定管理鳥獣への移行も見据え、抜本的に対策の強化が求められます。
ツキノワグマ1,460頭を管理、保護する本県としては、どうしても人的被害が発生した後に緊急対策を図るという対症療法的な体制が強いられているように見受けられます。
北海道や長野県で行っている予察駆除、猟期以外の管理捕獲や春熊猟の実施、熊対策用の電気柵の実施など、ツキノワグマの指定管理鳥獣移行を見据え、先進自治体の対策を参考に、市街地への出没を抑制するための未然防止対策についてどのように進めていくのか、廣島生活環境文化部長に質問いたします。
加速度的な人口減少に伴い、中山間地域の営み、社会経済活動が脅かされています。山間部で集落営農を組織する組合員が、全て他集落や平野部から山に上がって農作業をしている営農組合も存在しており、あと何年続けられるかといった切実な声も耳にするところであります。圧倒的に人的リソースが足らず、県が進める主体的な地域づくりを行えない地域も生じているのではないでしょうか。
想定より急速に過疎化、人口減少が進展する中山間地域において、集落営農組織は農地や生活圏を維持保全するための重要な担い手であり、組織の高齢化による弱体化が懸念されます。持続可能な中山間地域の形成に向けて集落営農組織の広域連携化を進めていく必要があると考えますが、どのように取り組んでいくのか津田農林水産部長にお伺いいたします。
本県エリアの3分の2を占める山々がこれ以上荒れないように、その悪影響が市街地に及ばないようにするために、ツキノワグマ対策を盛り込んだ鳥獣害対策の専門人材配置を含めた恒常的体制強化と、中山間地域政策の、これも人的リソースを拡充した体制強化を、この際強力に図っていくべきと提言いたします。
島根県では、年を通して継続的に鳥獣被害対策を進めるために、中山間地域研究センター内に鳥獣対策科を設置し、対策実働チームを有しており、現地の指導や現状把握、普及活動など、迅速な現場対応を図るための強力な体制が敷かれております。参考にすべきであります。
これまでも、国の地域おこし協力隊や集落支援員制度の最大活用を図り、中山間地域における人材配置の拡充を要請してきておりますが、本県では地域コンシェルジュとして全国的には例が少ない専任3名の制度活用がなされていることは、評価するところであります。
しかしながら、市町村が活用する集落支援員を含めて、全国的には多いところで、令和4年度実績で、三重県が131名、兵庫県が300名、長野県では556名と、人的リソースの拡充を図り、様々な主体的地域づくりや営農活動、消防活動など多岐にわたり活躍し、持続可能な中山間地域を形成しております。
そこで質問ですが、島根県の中山間地域研究センターの体制構築を参考に、本県も、総務省が取り組む地域おこし協力隊や集落支援員制度の最大活用を図り、中山間地域の持続可能な生活圏を維持していくための人的リソース拡充を進めて、本県中山間地域サポートセンターの体制強化を早急に図っていくべきと提言いたしますが、どのように取り組んでいくのか新田知事の見解をお願いいたします。
ちなみに、地域おこし協力隊制度の派遣数は、多い県では岡山県が214名、長野県では421名が活躍しております。市町村とワンチームになって国の制度活用を図り、関係人口の拡大とともに持続可能な中山間地域の形成にさらに踏み込んだ取組をお願い申し上げます。
県立高校再編について質問いたします。
「こどもまんなか」で捉えたときに、現在の県教育もそうでありますが、公共心や郷土愛を育むために、多くの高校生や小中学生もまちづくりに参画しております。知事自身も、幼少期の雪かきから始まり、多くのまちづくり活動に関わる中で公共心や郷土愛を育み、現在、知事として激務をこなされているものと思います。子供たちも県を豊かにするまちづくりの一員として活躍することは、よりよい成長につながるものと確信しますので、高校再編の議論はまちづくりとは別との考え方には異論を申し上げたいと思います。
これまでの議会での議論も踏まえて、よりよい県教育の在り方、高校再編への歩みを進めていただきたいとお願いして、質問に入ります。
魅力ある学校を目指して、各県立高校においては、スクールポリシーを掲げて選ばれる学校づくりに邁進されています。しかしながら、少なからず県外への高校へ進学する生徒も見受けられ、特にスポーツ推薦では、県外の私立強豪校から、中学2年生の春頃には推薦入学のアプローチがあるとも仄聞いたします。
そこでお伺いしますが、過去5年間の県外高校を受験した生徒数の推移と、その理由をどう分析し、どのような対策に取り組んでいくのか荻布教育長にお伺いいたします。
先日の代表質問においても、県民の声を広く捉え丁寧に説明していく場を設けていくとの知事答弁があり、感謝するところであります。特に県立高校の存在が地域の将来展望の大きな要素と捉えている自治体の首長の意見は、深く捉えていく必要があります。地域と共にまちづくりを通じてよりよい成長を図っていくためにも、地域や自治体の声を反映させた県立高校再編の基本方針をつくり上げることを望みます。
先ほど寺口議員からも愛媛県の例、配慮いただきましてありがとうございます。でも、かなり詳細に説明いただきましたので、私は割愛しながら申しますが、愛媛県における県立学校振興計画地域協議会の取組が参考になります。県内8地区で開催し、市町長及び市町教育長、そして公立小中学校長や当該県立高校長、加えて地域住民が検討委員として参画し、高校再編への意識共有に加え幅広い意見を交え、県民総ぐるみの県立高校再編への取組を実現しています。
ぜひとも本県にも導入を検討いただき、県民や地域、学校現場等からのニーズを幅広く拾い上げ反映させていく必要があると考えますが、荻布教育長の見解をお願いいたします。
公共心や郷土愛を育む本県教育の観点から質問いたします。
私の地元の県立福岡高校は、40年以上にわたり、あいの風とやま鉄道の福岡駅舎に華道部が花を生けて、通勤通学利用者のウェルビーイングを高めています。また、つくりもんまつりや小中学生への英会話指導、芸術文化祭でのブラスバンド演奏など、地域を盛り上げる一員として、なくてはならない存在である高校生たちは、地域に開放された活動を通じて、よりよい成長につながっており、県内県立高校全てが、先生方の努力によって地域の歴史や文化を共に創り上げておられます。
そのような学びの活動は、子供たちの公共心や郷土愛を育むための重要な要素であり、少子化により高校再編は避けられないにしても、大事にしていく要素であると言えます。
これも愛媛県の例でありますが、統廃合の基準となる新チャレンジシステムを設けて、入学募集停止まで3年間の猶予期間を設けて、入学生が1学年80人以下とならないよう、自分事として学校の魅力づくりに地域の主体性を求める取組をしており、少子化で避けられない高校再編問題を県民総ぐるみで対応しようと工夫されております。
ぜひとも本県も参考にしていただき、本県の教育の在り方や県立高校の魅力向上について、県民に自分事として捉えてもらうためにも、公共心や郷土愛を育む小規模な高校としての在り方について模索していくべきと考えますが、新田知事の所見をお願いいたします。
最後の項、県西部の経済活性化について質問いたします。
アフターコロナ時代において、インターネットを活用した社会経済活動が浸透する中、物価高の影響もあり、大きな投資を伴う大型施設建設への意義を問う声が高まっているものと受け止めます。
県内外から不特定多数が集まる拠点が持つ意義というものを、これまで以上に県民の共感を得ることが必要であり、そういう意味では、現在本県が有する大規模施設がどのように本県の経済活性化に寄与しているのか、広く県民に対しても効果の共有を図っていくことが重要であります。その上で、今後予定している大規模施設建設について、県民のニーズも捉えながら進めていくべきと考えます。
そこでまずお聞きしますが、富山テクノホールと高岡テクノドームは本県の経済発展にどのように寄与していると捉えているのか、両施設による経済効果と併せて
中谷商工労働部長にお伺いします。
県西部の広域的な社会経済活動を活発化させ、城端・氷見線の直通化も見据えた県西部地域のハブ効果を高めることを目指す高岡テクノドーム別館整備計画においては、本補正予算案においても本館の可能性調査費が計上され、別館整備計画の進捗を不安視する声も少なくありません。県西部を活性化していくためのエンジンとしての機能や用途を県としてどのように描いていくのか。
民間の動きとしては、高岡経済界が、北陸新幹線敦賀開業を見据えて、福井、関西方面に対して展示会誘致へ向けた営業活動を準備し、先般、高岡市と台湾・台北市との交流において、台北最大の経済団体との特産品見本市の誘致交渉も前向きに進んでいると聞いております。
テクノドーム別館建設に向けての民間市場のニーズは高まっていると捉えますが、それだけでなく、県の重要政策の実現につながる大型施設の活用の在り方が、多くの県民の理解を得るための一里塚となると考えます。
例えば、「本県が先進的に進めるウェルビーイング政策を広く県内外へ発信し昇華させていくための、ウェルビーイング全国シンポジウムを開催させていただきたい」でもよろしいかと思いますし、私としては、「『寿司』と言えば、富山」のブランディング政策を推進するために、食の漫画やアニメとコラボして富山食のフェアを開催し、本県のすしを県内外の若者にもアピールしていくのもよいかと存じます。
また、本県初の脱炭素先行地域に環境省より指定されたことを契機に、カーボンニュートラル先進産業展示会を開催し、県民理解の増進とともに、本県アルミ関連産業のPRにもつなげていけばと提案いたします。
いずれにしても、設置者である県としての主体的な用途、どのようにして大型施設の活用を図りたいのか、県民に施設用途のイメージが共有されるよう取り組むべきと考えますが、これは新田知事の所見をお願いいたします。
全国のモデルケースとして城端・氷見線の再構築事業計画が進んでいることに、知事及び県当局、沿線自治体の努力に敬意を申し上げます。公共サービスとしての地域公共交通をどのように維持し次世代へつなげていくかは、我々県民共有の重要課題であり、これまた県民総ぐるみで捉えねばなりません。
加速度的に人口減少が進む中、城端・氷見線を含めた鉄道利用者をどのように確保していくか。どうしても通勤通学利用者だけでは、事業計画にある令和15年の計画最終年度目標約2,400人の日量増加を達成するのは難しいと考えます。観光客の利用促進や、城端・氷見線駅周辺の拠点的な大型商業施設や高岡テクノドームのような大型集客施設からの誘引を図っていくことが求められます。
そこでお伺いしますが、高岡テクノドーム別館建設を機に、県内外から施設を訪れる人の増加が見込まれますが、城端・氷見線を含めた地域公共交通を利用してもらえるよう取り組むべきと考えますが、田中交通政策局長の所見をお願いいたします。
日本のアニメ、漫画のポテンシャルが高い本県において、県政策の付加価値を高め広く国内外へ発信力を高めていく、とやまJAMP構想の具現化が我が会派の来年度予算要望に盛り込まれましたことは、素直にありがたいことであり、先輩、同僚諸兄に感謝を申し上げます。
さきの質問への具体的な提案として、城端・氷見線新型車両導入へ向けては、観光客に対しても利用促進につなげるために、ドラえもんやtrue tears、忍者ハットリくんなどのラッピング車両を導入することで、電車ファンに限らず、若者や子供たちにも乗ってみたいと思わせる工夫が必要と考えます。
城端・氷見線再構築実施計画に、アニメ・漫画コンテンツを活用した観光客利用促進策を盛り込み、ストーリー性を持たせ、付加価値を高めた観光旅行商品の造成や滞在型旅行の促進に取り組むべきと提案いたしますが、田中交通政策局長の見解をお願いいたします。
代表質問において、武田議員よりアニメ・デザイン学科の創設の提言があり、アニメ・漫画ポテンシャルの高い本県の割には、アニメ・漫画クリエーターを育成する教育機関が存在しないことを問題提起いただきました。また、若い女性が県外流出する大きな要因としても、アニメ・漫画クリエーター産業への育成機関や雇用の場が少ないことが言えます。
氷見市においては、限られた予算の中で、まんがロードをリニューアル拡充し、入り込み客の大幅アップにつなげておられますし、高岡市や南砺市、上市町においても、アニメ、漫画を活用した取組が地域活性化や関係人口の増大に大きく実績を上げています。
県としても、このような市町村や民間企業の取組を後押しし、本県のブランディング政策や関係人口の拡大施策にワンチームで取り組むことで、相乗効果が得られるものと確信します。
このたびの国の補正予算において、約60億円の、文化庁が推進する日本のアニメ、漫画を保存活用するための基金が創設されました。国の制度活用も図りながら、とやまJAMP構想の具現化に向けた主体的な取組を求めるものですが、新田知事の見解をお伺いしまして私からの質問といたします。
68 ◯副議長(奥野詠子)新田知事。
〔
新田八朗知事登壇〕
69 ◯知事(新田八朗)川島国議員の御質問にお答えします。
中山間地域の活性化についての御質問に、まずお答えします。
県では、中山間地域における持続可能な地域社会の形成に向け、中山間地域サポートセンターを設置しており、現場で発生する課題の総合相談窓口の機能を担うほか、住民主体の地域活性化に向けた取組の支援、地域づくりの担い手育成確保に向けた研修などに取り組んでいます。
令和3年度には国の集落支援員制度を活用し、地域コンシェルジュを1名から4名に増員し体制の強化を図りました。中山間地域活性化に向けた人的リソースとしては、全国で国の支援制度を活用した集落支援員や地域おこし協力隊員が活躍しておられます。
集落支援員は、3つの府県と394市町村で、専任が1,997名、兼任が3,174名おられます。本県では、県の地域コンシェルジュのうち3名が専任です。また、氷見市で兼任の集落支援員8名を起用しておられます。また、地域おこし協力隊員は、13県1,105市町村で6,447名が活動されており、本県では13市町村で50名が活動されておられます。
本県では、近年、市町村において隊員の確保が難しいという話も聞いておりまして、隊員希望者に全国の募集の中で本県市町村を選んでいただけるように、募集案内の作成を助言する企画や、首都圏での募集セミナーの開催、また隊員が気軽に相談できる隊員OB、OGのネットワーク構築など、定着率の向上策に取り組んでおります。私も定期的に隊員たちとのコミュニケーションを取るようにしております。
引き続き市町村と連携をして、中山間地域の活性化に資する人材の確保と支援に努めてまいります。
次に、県立高校再編についての御質問にお答えします。
県立高校では、学級規模に関係なく、地域連携をテーマとした探究活動など、魅力的な教育活動が展開できるよう工夫しています。
今年度は、この探究活動を推進するため、地域連携活動を実践するための予算を拡充するとともに、地域、大学、企業などとの連携を促進するコーディネーターを新たに2名配置し、高校の魅力を伝えるPR動画の制作も行ったりしています。
令和2年度の高校再編においては、中学生に幅広い選択肢を確保し本県の高校教育を充実させるため、小規模校の状況も丁寧に議論した上で再編が行われたと認識しています。その後も中卒予定者数の減少傾向が続き、現在の学校数を維持した場合、多くの県立高校が小規模校となることが予測される状況にあります。
愛媛県では、小規模校でも離島の学校などは、地域から支援が得られる場合、基準の欠員状況までは募集停止しないという制度と聞いております。
本県の県立高校教育振興検討会議でも、こうした事例を紹介し協議をいただいております。委員からは、「小さい学校を全て統合するのではなく、地域の実情に応じた再編も必要」などの意見もいただいています。ただ、愛媛県と富山県では、地理的条件や高校生が通学に利用する鉄道などの交通機関の状況が異なっていることにも留意する必要があるとは考えます。
検討会議での取りまとめを踏まえて、来年度には総合教育会議において再編の基本方針などについて検討を進めていく予定です。愛媛県などの、小規模校であっても地域の支援で魅力ある高校づくりに努めている事例も十分に参考にしながら、本県の状況なども踏まえて丁寧に議論を進めてまいりたいと考えます。
次に、高岡テクノドームに関する御質問にお答えします。
高岡テクノドームについて、御指摘のとおり、具体的な施設活用を示し、県民に施設用途のイメージが共有されるように取り組む必要があると考えます。県民に親しまれ、関係6市や経済界の皆さんに主体的に活用していただける施設であることが必要であり、どんな催事ができるよう機能強化するのか、誘致していくのかなど、今後、整備方法と併せて発信していきたいと考えます。
現在のテクノドームも、住宅設備、家具、電化製品、自動車関係の催事のほかにも、これまで様々な活用をいただいてまいりました。例えば、花卉や農産物の即売会、農機具の展示販売、鉄道模型の展示、キャラクターの展示・グッズ販売などは1万人を超える多くの方が来場されています。また、プロレスの興行、ボクシングの試合、令和元年にはeスポーツ対戦会などのスポーツ関係、また、最近は少ないんですが、音楽ライブ、バンドコンテスト、地元シンガーのミニライブ、さらに、就職フェア、試験会場、成人式などにも活用され、県の事業としても防災訓練や環境フェアなどに活用しております。
一方で、例えば音楽系のイベントは近年開催されておらず、音響の環境や控室の利便性など課題もあると考えています。こうした点の改善を図るなど、現在、県庁内の連絡会議で議論しておりますイベントなどの誘致がしやすく、また関係6市や経済界の方々が利用しやすくなるように、機能強化に向けた専門的、技術的調査を実施してまいります。この地域のにぎわいや人流を創出していくことが大事だと考えておりまして、そのことの発信にも努めてまいります。
私からは最後になりますが、とやまJAMP構想についての御質問にお答えします。
本県では、国内外を問わず人気の高い漫画、アニメなどが数多く生み出されており、県では、高志の国文学館での県ゆかりの漫画家コーナーの設置や、アニメが原作となった映画作品のロケ地の紹介など、アニメや漫画を活用した地域活性化や観光誘客に取り組んでいるところです。また、高岡市では藤子・F・不二雄さん、氷見市では藤子不二雄Aさんの漫画を活用したまちづくりが行われています。
一方、議員御紹介のとおり、先日成立しました国の補正予算において、海外展開を目指す若手クリエーターの育成や、作品のデジタルアーカイブ化など文化施設におけるコンテンツの発信力強化を支援するため、基金を設置するということが予算にあります。アニメや漫画などの文化芸術の発信に関連した国の取組が進捗しているなと認識をしております。
この文化庁が所管する基金については、まだ具体的な対象施設や経費など、また支援スキームの詳細が明らかではないのですけども、引き続き情報収集してまいります。また議員にも、情報が入りましたらぜひ教えていただければというふうに思います。
なお、アニメ・漫画コンテンツを活用して地域活性化に取り組む市町村や民間への支援については、これまでも高岡市美術館内にある藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーの整備や、JR城端線・氷見線を走る忍者ハットリくん列車のラッピングなど、市町村の取組を支援したところです。市町村や民間から御相談があれば、引き続き積極的に対応してまいります。
先日成立した国の補正予算において、この基金が設置されることが決まったこと、それがまた後押しとなり、
自由民主党富山県議会議員会の要望の中にも項目が入ったこと、JAMP構想に一歩前進があったことというふうに理解をしております。
70 ◯副議長(奥野詠子)
竹内地方創生局長。
〔竹内延和地方創生局長登壇〕
71 ◯地方創生局長(竹内延和)私から2問お答えいたします。
まず、本県及び中山間地域における将来人口に係る御質問にお答えをいたします。
県では、国立社会保障・人口問題研究所が2018年に公表いたしました日本の地域別将来推計人口などを基に、中山間地域における将来人口を推計しております。これによれば、本県の中山間地域においては、今後、県全体よりも速いスピードで人口減少、高齢化が進展すると推計しておるところでございます。
具体的に申し上げますと、人口減少につきましては、2015年に106万人でありました本県の人口は、10年後の2025年には99万6,000人、30年後の2045年には81万7,000人になると推計されております。2015年の人口を100といたしますと、2025年では約7%減、2045年では約23%人口が減少するということになります。
一方の中山間地域でございますけれども、2015年の人口、これが約23万人でございますけれども、これを100とした場合、2025年では約13%、2045年では約39%の人口が減少すると、本県全体よりも速いスピードで人口減少が進むというふうに推計しております。
また、高齢化につきましても、人口に占める65歳以上の割合は、県全体では2015年の30%が2045年には40%になるというふうに推計しておりますが、これに対しまして中山間地域では、2015年の34%が2045年には46%になるというふうに推計しているところでございます。
将来人口に関する御質問については以上です。
次に、中山間地域創生総合戦略についての御質問にお答えをいたします。
県では、人口減少や高齢化が著しい中山間地域における持続可能な地域社会の形成を図るために、富山県中山間地域創生総合戦略を策定しております。この戦略の中では、「地域のコミュニティーの再生、人口の安定及び地域の保全」、そして「地域経済の活性化促進、若者等の所得の増大」、「生活に必要不可欠なサービスの確保」、この3つの観点から各種の施策を総合的に進めております。
例えばでございますが、1つ目の「地域のコミュニティーの再生、人口の安定及び地域の保全」につきましては、住民が地域の将来像を話し合い、その実現に向けた計画づくりを行うことを支援いたします話し合い促進事業や、策定されました計画を実行されるのを支援するチャレンジ支援事業、こういったものに取り組んでおります。
また、2つ目の「地域経済の活性化促進、若者等の所得の増大」に向けては、農林業の活性化に加えまして、地域の特徴を生かしたコミュニティービジネスの取組等を支援しておるところでございます。
3つ目の「生活に必要不可欠なサービスの確保」につきましては、中山間地域における持続可能な物流モデルの構築に向けた検証、実験等に取り組んでいるところでございます。
これら総合戦略に盛り込まれました具体的な施策について、その進捗や課題を明らかにする施策評価では、昨年度は全34施策中、「概ね順調」が11、「概ね順調であるが、より一層の施策の推進が必要」が23、「さらなる重点的な施策の推進が必要」はなし、ということになっておりまして、このように評価しておりまして、戦略全体としては、おおむね順調に進捗していると認識しております。今年度、来年度、引き続き施策の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
一方、次期戦略の策定に向けて、現在、本県の中山間地域──約1,400ございますが──の全集落に対しアンケート調査を実施中でございます。アンケート結果で明らかになる継続的な課題、また新しい課題、これらの課題につきましては、次期計画期間中の解決を目指すということとしております。
引き続き、中山間地域における持続可能な地域社会の形成に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。
72 ◯副議長(奥野詠子)廣島生活環境文化部長。
〔廣島伸一生活環境文化部長登壇〕
73 ◯生活環境文化部長(廣島伸一)熊対策についてお答えいたします。
県では、これまで熊対策として、河川敷の雑木の刈取り、家畜の放牧、いわゆるカウベルトによる緩衝帯の整備などの生息環境管理、また、クマ対策推進事業補助金による市町村の取組の支援などの被害防除、そして捕獲による個体数管理、これら3つの対策を関係者と連携して実施してきております。
今般の深刻な人身被害を踏まえまして、市街地への熊の出没を抑制する未然防止策を強化しますには、山間地、市街地などのエリアに応じ、これまでの取組に加えまして新たな取組の検討も必要だろうと考えております。
このため、まずは柿などの誘引物の伐採・除去に対する支援の拡充、また国の補正予算の活用も視野に、市街地に出没する熊を対象とする生息状況調査の実施を検討しております。
こうした中、議員の御発言にもございましたとおり、国では、熊対策につきまして、最新の生息調査結果を踏まえるなど科学的知見に基づき、イノシシやニホンジカと同様に、鳥獣保護管理法上の指定管理鳥獣とすることの検討を始められました。仮に指定された場合は、捕獲経費ですとか捕獲技術の指導、普及に要する経費が国の交付金の対象となります。こうして、より捕獲に重点を置いた個体数管理に移行するということになります。
このため、今後、熊対策のうち特に個体数管理につきましては、国の検討状況をしっかり踏まえて対応を進める必要があろうかと思っております。
また、被害防除、生息管理につきましても、熊の生態の変化に対応した必要な取組につきまして、市町村との連携も含めまして、他の団体の取組を参考にしつつ検討を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
74 ◯副議長(奥野詠子)津田農林水産部長。
〔津田康志農林水産部長登壇〕
75 ◯農林水産部長(津田康志)私からは、集落営農組織についての御質問にお答えいたします。
集落営農組織は、人口減少や高齢化が進み、特に中山間地域では経営継続が難しい状況と認識しております。
県が8月に実施しましたアンケート調査では、75%の組織が「5年後の労働力確保が難しい」と回答し、今後の組織運営につきましては12.5%が「合併等の経営統合をしたい」、3.5%が「解散を検討」としており、「個々の組織では、機械の更新や人材確保、高収益作物の導入などの新たな投資が難しい」といった意見もございます。
集落営農組織の経営継続は、本県農業においても大変重要であり、人材確保や経営面で課題がある組織につきましては、議員御指摘のとおり、広域連携を進める必要があると考えております。
例えば山口県では、近隣の組織が共同出資して中核となる法人を設立し、資材や農業機械の一括調達や人材確保を行い、個々の集落営農組織では難しいコスト削減、雇用確保、園芸品目導入を実現し、地域営農を維持している事例もあり、有効な手法だと考えております。
県では、今月、集落営農組織の経営継続をテーマにしたセミナーを開催し、集落営農組織の広域連携の取組や若者を呼び込む取組などを紹介し、広域連携に向けた機運を醸成いたします。
集落営農継続のための対策は急務と考えておりまして、関係者の意見や先進県の好事例も参考の上、県農林振興センターや市町村、JA等関係機関と連携協力して、集落営農組織が持続的に発展できますよう支援してまいります。
以上でございます。
76 ◯副議長(奥野詠子)荻布教育長。
〔荻布佳子教育長登壇〕
77 ◯教育長(荻布佳子)私からは2問にお答えいたします。
まず、県外高校に進学した生徒数の動向とその対応についての御質問にお答えいたします。
本県の中学校卒業者で、県外の全日制そして定時制高校に進学した生徒数は、平成30年度からの5年間では、100人、121人、182人、107人、156人となっており、年度によって増減がある状況でございます。県外に進学する理由については、一家転居などのほか、多くは野球などの部活動などに魅力を感じ、主に県外の私立高校を選択したものでございます。
一方、近年は、県外に本部を置く広域通信制高校の学習スタイルに魅力を感じ、県内に在住しながら進学する生徒が増加する傾向にございます。
最近は、中学校では、生徒や保護者の意向を最優先に、行ける学校ではなく行きたい学校へということを前提に進路指導をしており、県教育委員会としては、県立高校のより一層の魅力づくりと情報発信が重要だと考えております。
このため、県立高校において、地域課題をテーマとした探究活動や地域のイベントへの参加など、地域や小中学校との連携を深め魅力化を図るということとともに、その成果を学校紹介パンフレットや動画に載せ、保護者を含めた中学校説明会や高校で実施している学びの体験オープンハイスクールなどを通して発信をすること、さらに、市町村教育長や中学校長と県外進学の状況について情報を共有し、中学生に本県高校の魅力の発信をお願いすることなどの対策を講じてきております。
現在、教育委員会では、県立高校教育振興検討会議において、高校教育の充実に向けて、学科やコースの見直しに関する基本的な方針について多面的な角度から検討をしているところであります。県立高校の魅力向上と情報発信に努め、中学生に選ばれる県立高校となるよう取り組んでまいります。
次に、県立高校再編に当たり、県民や地域などから声を聞くことについての御質問にお答えいたします。
先月開催された県立高校教育振興検討会議の第3回会議では、本年5月に取りまとめた令和の魅力と活力ある県立高校のあり方に関する報告書や、中高生、保護者、教育関係者などを対象に実施したアンケート調査の結果なども踏まえ、県立高校配置の方向性として、「生徒が一定の時間内で通学できる高校から多様な選択ができるよう、様々な学科構成や規模の学校をバランスよく配置することを目指す」とする素案をお示しし、協議をいただいたところでございます。
委員からは、「様々な学科構成と学校規模のベストミックスを狙うという考え方はよい」という意見や、「学校規模は大小それぞれのメリットがある」、「大きな高校ばかりではなく、専門特化したものについて県として非常に重要な分野であれば、小規模校でも存続させるべき」などの御意見をいただいたところでございます。
議員から御指摘のありました、県民の皆様や地域、学校現場などから幅広く御意見をお聞きするということについては、先ほどの寺口議員の御質問に知事からの答弁もございましたように、今後、検討会議の検討状況について、地域などに説明をし御意見を伺う機会を設けることができないか検討してまいりたいと考えております。
来年度は、この検討会議の取りまとめを受けて、知事が主宰する総合教育会議において、出席をいただく地域や産業界、保護者の代表の方々などから御意見を伺えるというふうに考えております。
また、県教育委員会としては、各地区での意見交換会なども実施をし、地域をはじめとする様々な方から幅広く御意見をいただきながら、丁寧に検討を進めていく必要があるというふうに考えております。
私からは以上です。
78 ◯副議長(奥野詠子)
中谷商工労働部長。
〔中谷 仁商工労働部長登壇〕
79 ◯商工労働部長(中谷 仁)私からは、テクノホール、高岡テクノドームに関する御質問についてお答えをいたします。
富山市にあるテクノホールは昭和58年に東館、平成29年に西館が開館をし、高岡テクノドームは平成3年に開館をしております。いずれも地域経済の発展等を目的として、県、それぞれの地元の市、地元経済界が中心となって整備したものでございます。
コロナ禍前、平成27年から令和元年の5年間の平均利用件数を見ますと、テクノホールでは、定期的な展示商談会──一般の方を対象にした販売なんかも含みますが、そういうことを含めまして経済産業分野の利用が約8割、夏休みの子供向けの企画展やプロレス興行など、家族連れや一般県民向けの催事が約1割となっております。
同様に高岡テクノドームでは、経済産業分野が9割弱、家族連れや一般県民向けの催事が約5%となっておりまして、テクノホールと比較して、若干、経済産業分野の割合が高い傾向にあります。
また、高岡テクノドームでは、インキュベーター室を活用した研究開発型企業の育成による産業創出が図られているところでございます。
いずれの施設も、経済取引や流通の円滑化、活性化のために活用されておりまして、地域経済の発展に寄与するとともに、各種イベント等により、にぎわいの創出、地域の活性化にも貢献してきているものというふうに考えております。
以上でございます。
80 ◯副議長(奥野詠子)田中交通政策局長。
〔田中達也交通政策局長登壇〕
81 ◯交通政策局長(田中達也)私からは2問お答えいたします。
まず、高岡テクノドーム別館と公共交通の利用についての御質問にお答えします。
公共交通の利用を促すためには、城端線・氷見線など地域交通サービスの利便性・快適性の向上とともに、目的地となる施設や地域の関係者が地域交通の利用促進に参画し、共に取り組むことが大切であると考えております。
先月開催しました地域交通戦略会議のサービス連携高度化部会では、計画に位置づける施策案として、県内外から来場者が多いイベントにおいて、地域交通への誘客やMaaSアプリの利用普及を図るなど、イベントを通じた利用促進のため関係者間で連携を図ることを、部会として計画に盛り込むべきこととしました。
また、城端線・氷見線再構築実施計画案には、事業主体の変更後に富山県全域で事業展開されておりますMaaSアプリのmy routeと連携して、城端線・氷見線を対象にしたフリー切符を造成するとともに、沿線市と連携し、沿線市で実施されるイベントとタイアップした企画切符の造成を行うことを盛り込んでおります。
県としては、集客施設が公共交通の利用に結びつくよう、関係者と共に取り組んでまいります。
最後に、城端線・氷見線再構築へのアニメ・漫画コンテンツの活用についての御質問にお答えします。
城端線・氷見線再構築実施計画案には、利用者の利便の確保に関する事項として、新型鉄道車両の導入や、まちづくり、観光施策との連携について盛り込んでおります。
具体的には、新型鉄道車両の導入に関しては、車両のデザインを工夫することにより、利用者が路線に愛着を持てる、「乗りたくなる路線」を目指すこととしており、ラッピング車両も乗りたくなる路線につながるものと考えます。
また、観光施策との連携については、沿線の景観を生かした観光関連施設の整備拡充や、駅から中心市街地等に至る道路にアニメキャラクターのモニュメントを設置し、鉄道を利用して訪れる観光客が散策を楽しめる環境を整備することを盛り込んでおります。
本県では、国の内外を問わず人気の高いアニメ、漫画が生み出され、とりわけ県西部では、アニメ、漫画を活用したまちづくりに取り組まれております。このため、御提案の内容は、新たな利用者の掘り起こしにつながるのではないかと考えております。
アニメ、漫画など、地元ならではの資源を生かした観光商品開発などの支援メニューも準備しており、先月開催した全国宣伝販売促進会議では、本県観光素材集にアニメ、漫画の情報を掲載しました。
再構築実施計画は、県と沿線4市、JR西日本、あいの風とやま鉄道が策定し、連名で国へ提出することになります。御提案のアニメ・漫画コンテンツを活用した観光利用促進策を計画に盛り込むことについては、今後、関係者と協議するとともに、市町村に対し観光商品造成等を支援してまいります。
82 ◯副議長(奥野詠子)以上で川島国議員の質問は終了しました。
暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。
午後2時43分休憩
───────────────────
午後2時55分休憩
83 ◯議長(山本 徹)休憩前に引き続き会議を開きます。
瘧師富士夫議員。
〔29番瘧師富士夫議員登壇〕
84 ◯29番(瘧師富士夫)一般質問、最後の質問者となりました。聞いておられる皆さん方の身になりまして、早速質問を始めさせていただきます。
まず、ウェルビーイング先進地域を目指す取組についてであります。
本年10月、自民党議員会企画財務部会で、世界一幸福な国と言われるデンマークの中心都市コペンハーゲンを視察してまいりました。今回の有意義な視察をアテンドしていただいた安岡美佳ロスキレ大学准教授や、安岡先生が主宰する北欧研究所で学ぶ日本人留学生の皆さんに感謝をしております。
高福祉高負担の社会福祉国家であるデンマークでは、手厚い社会保障などによって、生きる不安が限りなく少なくて済む社会を実現させています。その一方で、国際競争力ランキング世界ナンバーワンに選ばれるという福祉と経済のバランスが取れた注目の国であります。消費税は25%で、給料の約半分を税金として納めなければならない。けれど、医療費も教育も無料で福祉が充実しているので、人生何とかなるという安心感があります。
土台にある環境や制度が違い過ぎるので、日本で同じようなことをしようとしても無理なのは承知の上でありますが、デンマーク人の物の考え方を知った上で、取捨選択し応用できることがあるのではないかと考えます。
国際競争力世界一のデンマークの圧倒的な強みは、ビジネス効率性にあると言われていますが、世界の主要都市の中でワーク・ライフ・バランスを実現している都市ナンバーワンに選ばれるコペンハーゲンの町並みは、静かで落ち着きがあり、背広姿で行き交う人の光景はありませんでした。
コペンハーゲンで暮らす人々は、デンマーク語のヒュッゲ──心地よさを大切にしています。自分や他人のプライベートを尊重し、人生に喜びを感じることに時間を使っています。ライフを大切にしているからこそ、フルに充電したエネルギーを使ってワークに取り組めているのではないか。さらに言えば、ワークの目的がライフを充実させることにあるからこそ、プライベートな時間を犠牲にせず、仕事で最大限の成果を出せるのではないかと思わせるのであります。
そこで、「ウェルビーイング先進地域、富山」を目指す本県として、現在どのように県民に対しワーク・ライフ・バランス推進に取り組んでいるのか。今後のさらなる推進に向けた取組が必要だと考えますが、新田知事の所見を伺います。
デンマークの組織が効率よく機能し高い生産性を生み出せる鍵は、人間関係にあると伺いました。その最大の特徴は、信頼に基づいたマクロマネジメント、すなわち従業員、部下に自分のやり方で自律性を持って仕事をさせるタイプのリーダーシップスタイルであります。そこには失敗やミスを受け入れる、みんなで解決策を考えるという寛容な土壌があり、誰でも対等に意見が言える民主的なルールに貫かれています。
デンマークの組織の上司と部下の関係は日本の一般的なそれとは異なり、トップダウンの関係性ではありません。役職は地位というよりも役割を意味し、上司と部下の間にはフラットなコミュニケーションがあります。
新田知事は、就任されてからこの3年間、県庁という大きな組織にあって、危機管理対応ではトップダウンの判断に迫られましたが、それを除けば、知事と職員、職員間のフラットな関係を築くよう意識改革に努められました。そのことが県職員のウェルビーイング向上にもつながるかと思います。知事が就任されたときに思い描いた県職員の意識改革は現在どの程度進んでいるとお考えか、新田知事に伺います。
デンマークが時代の変化を先回りする力を持つ国であることにも驚かされました。先見の明を持って時代の変化に対応している一例としては、デジタル化先進国という一面であります。1968年から日本で言うところのマイナンバーカードが導入されたといいますから、日本とは比較にならないわけでありますが、現在、電子政府ランキング1位ということで、社会保障、医療、教育等の制度を含む行政サービスが高度にデジタル化されており、新型コロナ感染症対策にも活用されたと伺いました。このような政策がビジネスの効率性、生産性の向上にもつながっていると考えます。
野村総研が公表した2022年の都道府県別デジタル度ランキングにおいて、富山県は全国4位となり、特にデジタル公共サービスの項目では東京都と並び1位となりました。大都市圏と地方でデジタル化の格差が縮まってきたとも言えますが、この調査結果をどのように受け止めておられるのか。今後、デジタル行政の先進県を目指すことでウェルビーイング先進地域のイメージ発信にもつながると考えますが、
川津知事政策局長に伺います。
ウェルビーイングの研究を行う大学の調査によれば、学歴や収入より、自分の進路を自分で決める自己決定度が幸福感に大きく影響しているということであります。デンマークでは、まさにこの自己決定度を高める制度が整っています。大学就学前に、ボランティア活動や海外旅行など、新しいことに挑戦し自分を見詰め直す1年間の空白時間を取得できるギャップイヤー制度、デンマークの場合は、就学前だけではなく在学中や卒業して就職する前にも取得が可能で、ほとんどの学生がこの制度を活用しています。デンマークでは、個人の揺らいだ心に社会が寛大であると言えます。
また、就職に関しては、日本のような新卒一括採用ではなく、自分の適性や関心に合わせた様々なキャリアのスタートとなります。そして、高い労働市場の流動性や手厚い失業保険の給付、学び直しができる職業教育訓練が充実しており、転職するのは当たり前、むしろ転職歴があることは柔軟に新しいことに挑戦できる人であるとポジティブに捉えられます。
県民のウェルビーイングを高めるためには、自分の人生を自分で決められる環境づくり、自己決定度を高める核となる政策が必要ではないかと考えます。新しいことに挑戦することや、やり直し、学び直しを可能にする行政の支援であります。
成長戦略として取り組んでいるスタートアップ支援はその一つであり、また、リスキリング支援や転職に対する支援等も必要と考えますが、県としてどのように取り組むのか新田知事に伺います。
自己決定には、自分で考え決められる力が必要です。やはり根っこは教育にあります。では、世界一幸せな国デンマークの教育とはどんなものなのでしょうか。
聞けば聞くほど日本の教育制度とは乖離しており、ここでは多くは語りません。ただ、視察を通してデンマークに移住された方々に聞いた話を私なりに総括すれば、個を尊重するという大前提がある教育、横並びではなく子供一人一人の個性や能力に応じた教育によって、子供たちの個が育まれ自己肯定感が養われるというものであります。子供の頃から他者との違いを認め合い、自分と他の人を比べない、個を尊重した教育であります。「人と比べているうちは幸せになれませんよ」と現地で聞いた言葉が心に刺さりました。
富山県教育大綱の基本方針の一つに、「子どもの可能性を引き出し、才能や個性を伸ばす教育の推進」とありますが、主に他者との違いを認め合うことや自分と他の人を比較させないことなど、個を尊重した教育にどのように取り組んでおられるのか荻布教育長に伺います。
次に、城端線・氷見線の再構築についてであります。
城端線・氷見線の議論は、本年3月にLRT化が断念され、新型鉄道車両導入等の利便性向上策を検討していくことに決まりました。そして、7月に新たな再構築検討会がスタートするや否や、事業構造の議論に及び、10月の検討会にしてあいの風とやま鉄道への経営移管が正式合意されるという、まれに見る迅速さに、関係各位の前向きな姿勢と沿線4市の結束を感じます。2020年1月にスタートしたLRT化検討会における議論の蓄積も大きいと思われます。
それでも一部に拙速という指摘があるのは、JR西日本は新幹線や京阪神エリアの利益で地域路線の損失を補填し全体として利益を上げており、そうした中で、城端線・氷見線はまだ深刻な状況にないのではないかという見方があるのかもしれません。
確かに、城端線・氷見線の輸送密度は、2022年で城端線が2,481人、氷見線が2,157人と、JR西日本管内のローカル線の中では何とかやっていける水準にはあると思われます。しかし、長期的に現在のまま存続させればどうなるでしょうか。じり貧状態になってからでは手後れだと考えます。
そこで、後戻りする話にもなりますが、もしJR西日本が今後も城端線・氷見線の運営を続けるとすれば、城端線・氷見線の将来はどのようになると想定されるのか、田中交通政策局長に伺います。
本年10月1日、改正地域交通法が施行され、これまで道路や港湾、河川などに活用されてきた社会資本整備総合交付金が、地方公共交通の再構築にも与えられるチャンスが巡ってきたわけであります。人口減少に伴いローカル線の在り方が全国に問われる中、この国の鉄道事業の再構築支援制度がローカル線の救世主となることを期待するものであります。
県は、城端線・氷見線の再構築に向け、年度内に国の認定が得られるよう年内の申請を目指し、現在、実施計画の策定が最後の詰めを迎えています。
国とすれば、自治体が主導して積極的に地方鉄道の再構築に取り組むこの姿勢は、国の鉄道再構築のモデルとなり、ローカル線存廃問題に直面する各地域の参考事例にもなるということから、早期に着手したものに恩恵が与えられるべきと考えます。早期に国の認定を得るメリットをどう認識しておられるのか、交通政策局長に所見を伺います。
先日開かれた4回目の検討会において、城端線・氷見線の再構築に向けた実施計画案が示されました。経営移管は計画開始からおおむね5年後の2029年頃とされ、引き継ぐ際の施設整備にかかる費用、新型鉄道車両34両の導入、交通系ICカードの改札設置、運行本数、直通化など、向こう10年の多くの計画案が示されました。
JR西日本が150億円を拠出することが明らかになりましたが、将来のあいの風とやま鉄道の安定経営に対する懸念や、鉄道事業への公金投入に対する抵抗感など、県民の複雑な胸の内が察せられます。
今後は市民レベルの会議を促すなど、鉄道事業が未来に引き継ぐ大切な公共サービスであることや、公共交通の活性化はまちづくりの投資にもつながるという考え方を、県民、市民に共有してもらうような機運の醸成が必要と考えますが、新田知事の所見を伺います。
次に、中山間地域対策についてであります。
中山間地域には、「谷地田」と呼ばれる、古くに開田された谷の間に存在する狭小な水田群が見られる地域があります。このようなエリアでは、人口減少や高齢化、耕作の悪条件等で耕作放棄地となり、さらに耕作放棄地から森林への移行が進んでいる箇所が増えてきております。営農活動は行われていないものの、山を管理する山の所有者や地域の方々から道路等の整備を望む声が聞こえております。
そこで、森林化が進んだ中山間地域の耕作放棄地についても、木材生産や山地災害の防止など、森林の公益的機能の確保の場として捉え、林道などの林業基盤整備を推進し、周辺森林と一体的に整備を行うことも中山間地域対策の一つではないかと考えますが、津田農林水産部長に伺います。
今年の7月の大雨により、県内の多くの中山間地域で災害が発生しましたが、森林化が進んだエリアにおいても道路や渓流が複数箇所で被災いたしました。被害は地域が独自で対応できるものではなく、今なお手つかずの状態にあり、このまま放置すれば、ますます山林の荒廃が進むことが想定されます。被災した渓流には土砂でせき止められているところもありますので、今後の大雨により下流の集落に災害が及ぶのではないかと心配の声が上がっています。こうした場所においても林地荒廃を防止するための事業を進めるべきと考えますが、農林水産部長に伺います。
最後に、警察署の機能強化と民活について伺います。
新たな砺波エリア警察署の建設に伴い、現在、市街地中心部に所在する砺波警察署は、数年後に廃止されます。新たな砺波エリア警察署の建設地は、砺波市内ではあるものの、刑法犯認知件数が市内全体の半数以上を占める市街地中心部から離れることになるため、砺波駅前を中心とした市街地周辺の治安が不安視されます。
そこで、砺波駅前に交番の新設を求めるものであります。また、これらを機に、市内駐在所の配置の一部見直しや老朽化した駐在所施設の更新など、総合的な警察の機能強化を図るべきと考えますが、石井警察本部長の所見を伺います。
私が所属しております地元の奉仕団体で、かつて砺波警察署に後援をいただき、中学野球部を対象とした砺波地区少年防犯野球大会を実施しておりました。青少年の健全育成を旨として、40回続いたその大会の開幕試合の始球式には、決まって警察署長に登場してもらい、警察署との親近感を持つ機会となりました。
例えば、新しい砺波エリア警察署に併設される武道場を、地域の武道団体に開放することも可能ではないでしょうか。地域に開かれた明るい警察づくりにつながると考えますが、警察本部長に伺います。
新たな砺波エリアの警察署の建設については、現在、民間活力導入可能性調査が進められておりますが、現在の民活の効果は、高岡エリアの警察署建設と合わせたコスト面のスケールメリットだけが前面に出ているように感じます。
文化・スポーツ施設には民活が有効かと思われますが、警察署の性質からすると特色を出すイメージが湧いてきません。警察署への民間活力導入についてどのように認識されているのか、石井警察本部長に伺いまして私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
85 ◯議長(山本 徹)新田知事。
〔
新田八朗知事登壇〕
86 ◯知事(新田八朗)瘧師富士夫議員の御質問にお答えします。
まず、ワーク・ライフ・バランスの推進についての御質問にお答えします。
ワーク・ライフ・バランスとは、仕事と私生活をてんびんにかけてバランスを取ることではなく、その両方を充実させて、そこに好循環を生み出すことでウェルビーイングを実現するものであり、そのためには、企業における働き方改革を推進していく必要があると考えております。
このため県では、仕事と子育ての両立支援に取り組む企業の一般事業主行動計画策定をきめ細かく支援しております。また、企業や団体が開催するセミナーへの講師の派遣、人事労務担当者などが情報交換できるSNSコミュニティー「スマラボとやま」というものを開設しておりますが、その運営、また、男性育休取得者とその事業主へ補助を行うなど、企業における職場環境づくりを促進しているところです。
また、業種や従業員規模などにより企業が抱える課題も異なることから、テレワークやフレックスタイム制といった時間や場所にとらわれない働き方、各人の状況に合わせた柔軟な働き方、休暇制度の充実、男性育休、勤務間インターバル制度の導入、従業員のモチベーションの向上や生産性の向上など、様々なテーマから県内企業における好事例を取り上げ、働き方改革・女性活躍応援サイトに掲載し、広く紹介をしていくこととしております。
今後とも、県民お一人お一人が、各自のライフステージに合わせて、家族や地域とのつながりを大切にしながら私生活を充実させ、その上で、やりがいや充実感を持って働くことで、ウェルビーイングの向上にもつながるような企業の働き方改革の取組をしっかり支援することで、少しでもデンマークに近づけていきたいというふうに考えます。
次に、県職員の意識改革についての御質問にお答えします。
知事就任の日に、職員の皆さんには、「知事」と呼ばずに「新田さん」と呼んでほしいと申し上げました。これは、富山県のことをよくするためには、新任職員も知事も全く対等であり、まずは肩書にとらわれない関係を築きたいと考えたからです。就任から3年がたち、「新田さん」と呼ばれることが定着してきたと感じています。これにより多くの職場でも、肩書ではなく、さん付けで呼び合うことが大分増えたというふうに聞いております。
また、先日実施した職員アンケートにおいて、職場で自由に発言や議論ができるかという質問に対して、85%が「そう思う」と回答してくれたことなどから、職員の間で肩書にとらわれない関係という意識改革も相当程度進んだものと考えております。
また、職員に対しては、スピード重視、県民目線、現場主義の徹底、納税者の視点を重視すること、よき地域人であること、これらを心がけるように、事あるごとに申し上げているところです。
複雑多様化する行政課題に対応するには、職員一人一人の能力を最大限に発揮して組織力を強化することが必要であると考え、現在、アンケートなども活用して職員の声を聞きながら、人材育成方針と職員行動指針の策定も進めています。
私は、職員自身のウェルビーイングが高まってこそ、県民のウェルビーイング向上施策ができると考えています。今後とも、県庁が風通しのよい職場となり、県民への質の高いサービスが提供できる組織となるよう、引き続き職員と共に取り組んでまいります。
次に、スタートアップ、リスキリングなどに対する支援についての御質問にお答えします。
ウェルビーイングを高めるためには、自己決定の機会を増やすことが重要とされており、議員御指摘のとおりです。県民の皆さんが、自らの決定に基づいてスタートアップやリスキリングなどに挑戦され、自己実現に結びつけることは大変重要だと考えます。
県では、昨年2月に策定しました成長戦略の6本の柱の1つにスタートアップ支援を挙げておりまして、年齢やキャリアにかかわらず、誰もが起業という選択肢にチャレンジできる環境づくりを進めています。具体的には、SCOP TOYAMAにおいて挑戦を行う場の提供や交流を促進するイベントの開催をして、自己決定に基づく自己実現に向けた取組を支援しています。また、学生に起業の重要性を意識してもらう発表会、交流会を開催するほか、来年3月には、新たに東京での高校生のインターンシップ事業も支援をしたいと考えております。
リスキリングについてですが、成長分野で活躍できるスキルを身につけ、新たな業務へのチャレンジやキャリアアップなどの選択肢を増やすことにつながるものであり、県では、リスキリング補助金により企業による従業員のリスキリングの取組を後押ししております。さらに、今回追加提案した補正予算案では、個人の自発的リスキリングを推進する企業も支援する拡充案を盛り込んでいます。
また、離職者などが自分に合ったキャリアや転職先を見つけ、やり直しが可能となるよう、県技術専門学院などで離転職者訓練による支援にも取り組んでおります。
質問に応じまして、主に働き方を自己決定するための選択肢を増やす政策について説明をさせていただきました。でも、もっと身近なことでは、例えば昼食を取りに行ったときに、「うちはAランチしかありません」と言われると、ちょっとがっかりします。「うちはAランチもあります。和風のAランチ、洋風のBランチ、そしてラーメンにカレーもあります。カレーはカツカレーもありますよ」と言われれば、我々のウェルビーイングは一気に上がると思いませんか。
このように、子供からお年寄りまで、人生のあらゆる場面において選択肢を多く、適切な選択肢を適切な数、提供していくということ、これが大切なことだというふうに考えております。そして、教育長も答えると思いますが、その選択肢を選ぶ能力を教育で身につけさせていく。選択肢を提供すること。またもう一つ、居場所が大切だというふうに思います。選択肢と居場所を自分で決められる、そんな社会を実現していく、これが今富山県が実現しようとしていることです。
そして大切なのは、そんなそれぞれの選択を周りの人も応援してあげる、そんなチャレンジを応援してあげる、それを尊重できる、そんな富山県にすることによって、県民のウェルビーイングが上がっていくというふうに考えております。
私から最後になりますが、城端線・氷見線についての御質問にお答えします。
城端線・氷見線については、先日、第4回の検討会を開催し、再構築実施計画案をお示しし、検討協議を行いました。その検討会の最後に、会長である私から委員の皆さんに対して、地域交通戦略会議において、自治体の役割として、事業者への側面支援から自らの地域に対する投資へとかじを切ることを申し合わせているということを説明させていただきました。
そして、公共交通は社会インフラであり公共サービスであること、また、子供たちが大きくなる頃にも、しっかりとした持続可能な鉄道となることを目指していくことなどを理解いただけるように、この県議会はもとより、沿線4市においてもそれぞれの議会で、あるいはほかの機会で、丁寧に御説明いただくようにお願いをしたところです。
城端線・氷見線の存続が目的ではなく、地域の活性化のために城端線・氷見線を持続可能なものにして活用していくということが求められています。このため、沿線の地域では、既に公共交通やまちづくりをテーマに活動する団体が複数設立されているほか、南砺市議会では、議員全員が参加し、城端線を含む公共交通の在り方について様々な視点で議論を行うための特別委員会が設置されたと聞いております。
また、再構築検討会と並行して開催しております県の地域交通戦略会議においては、現在、各部会の議論の結果を全体会議に報告し、年度内の戦略策定に向けて議論を行っていくことにしています。
鉄道をはじめとした公共交通によるまちづくりについての住民の意識の醸成、いわゆるマイレール意識の醸成についても、戦略に盛り込んでいきたいと考えております。
87 ◯議長(山本 徹)
川津知事政策局長。
〔川津鉄三知事政策局長登壇〕
88 ◯知事政策局長(川津鉄三)私からは、デジタル化の進展についての御質問にお答えいたします。
議員から御紹介がありました野村総合研究所の都道府県別デジタル度ランキングの2022年版では、デジタル公共サービスで東京都と並び全国1位となり、全体におきましても全国4位となりました。この結果につきましては、議員から御紹介いただきました電子政府世界第1位のデンマークにはなかなか及びはしませんが、県と市町村が進めてきた行政手続のオンライン化に加えまして、各市町村のデジタル化の取組、さらには、県民の皆様にそれらのサービスを積極的に利用、活用いただいたことなどが寄与しているのではないかというふうに考えております。
調査を行われた野村総合研究所では、調査報告書におきまして、幸福度とこのDCIスコア調査結果の間には、弱いものの相関関係が見られ、幸福度を高めたいと思ったら地域のデジタル化を進めることが理にかなっているというふうにされております。
本県におきましては、デジタル化、DXの推進は県民のウェルビーイング向上の大前提であるとの認識の下、成長戦略を加速させるため、DX・働き方改革推進基本方針を策定し取り組んできております。
県民のウェルビーイング向上はもとより、議員から御提案いただきましたように、本県のウェルビーイング先進地域としてのイメージ発信のためにも、今後ともデジタル化、DXの取組を加速させ、少しでもデンマークに近づけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
89 ◯議長(山本 徹)荻布教育長。
〔荻布佳子教育長登壇〕
90 ◯教育長(荻布佳子)私からは、個を尊重した教育についての御質問にお答えいたします。
県の教育大綱や第3期教育振興基本計画の基本方針では、可能性を引き出し才能や個性を伸ばす教育や、健やかな成長を支える教育の推進を掲げており、県教育委員会では、子供たちのウェルビーイング向上を目指した取組を進めているところです。
具体的な取組としましては、社会に学ぶ14歳の挑戦や社会へ羽ばたく17歳の挑戦などのキャリア教育、課題解決型学習、インクルーシブ教育、国際交流など、自分とは異なる立場や環境にいる人々や考え方と接したり、異なる環境に身を置く機会を持つことを通して、多様な他者を理解し尊重し合う心や態度を育成しているところです。
また、一律に知識の習得のみを図るといったことではなく、1人1台端末をはじめとするICTを活用した教育やSTEAM教育の充実により、一人一人の個性や能力に応じた個別最適な学びや協働的な学びの推進に取り組んでいるところです。
こうした取組は、互いのよさを尊重する心のみならず、子供が自らの可能性を発揮し、いろいろな選択肢の中から自分の考えで自己決定をしていく、自分自身で未来を切り開いていく、そういった力の育成や、社会の中での自己肯定感の醸成にもつながるというふうに考えています。
今後、今春開かれたG7教育大臣会合で取りまとめられた富山・金沢宣言も踏まえまして、個別最適な学び、協働的な学びを支えるICT環境をはじめとした教育環境のさらなる整備充実に努め、課題解決型学習の推進を通して、自らが主体的に考え、多様な価値観を持つ他者と協働しながら解決策を生み出していく力を育むなど、子供たちの個性を尊重した教育に取り組んでまいります。
以上です。
91 ◯議長(山本 徹)田中交通政策局長。
〔田中達也交通政策局長登壇〕
92 ◯交通政策局長(田中達也)私からは2問お答えします。
まず、JR西日本の運営継続による城端・氷見線についての御質問にお答えします。
城端・氷見線については、これまでも、県や沿線市からJR西日本に対して、新型鉄道車両への更新やICカードの対応などの利便性向上を求めてきましたが、利用状況を理由に慎重な姿勢を示され、改善が図られていない状況が続いてきております。
また、最近では、JR西日本の地方路線において、利用に合わせた列車ダイヤの見直しが行われております。金沢支社管内では、令和3年度に福井県の小浜線や越美北線、また、城端線・氷見線に比べて輸送密度が高い石川県の七尾線において、減便や最終列車の繰上げが実施された例があります。
今般、輸送密度が2,000人を超えている段階で再構築事業の実施検討を進めておりますが、このタイミングを逃した場合、減便などによるサービスの低下が利用者の減少を招き、さらなるサービスの低下、利用者の減少という悪循環の状況に陥るものと想定されます。
次に、実施計画の早期の国認定メリットについての御質問にお答えします。
国においては、改正地域公共交通活性化再生法が成立し施行され、鉄道事業再構築実施計画を策定し大臣の認定を受けた場合には、新たに社会資本整備総合交付金などの補助制度が活用できることになりました。
城端線・氷見線は、いずれも輸送密度が2,000人を超える路線ではありますが、人口減少やマイカーの普及、さらにはコロナ禍での働き方の変化などの要因により厳しい状況にあり、少しでも早く利便性、快適性の向上に取り組み、持続可能な路線の実現を目指していく必要があります。
このため、国の動きを見据え、昨年度までの検討も踏まえ、改正法の施行を待たず7月に再構築検討会を設置し、実施計画の策定に向け検討を進めてきております。
県としては、いち早く実施計画の国の認定を得ることが、計画に定めた事業を実施するために必要な国の予算を確保できる点でメリットとなると考えております。また、城端線・氷見線の再構築に向けた取組を、国土交通大臣は、先進的で意欲的な案と評価されております。さらに、JR西日本からも、これまでに例がないリーディングケースと述べられております。
したがって、本事業が全国のモデルとなるよう、国やJR西日本の協力が得られる点もメリットと考えており、引き続き沿線市、鉄道事業者と共に取り組んでまいります。
93 ◯議長(山本 徹)津田農林水産部長。
〔津田康志農林水産部長登壇〕
94 ◯農林水産部長(津田康志)私からは、2つの質問にお答えいたします。
まず、中山間地域の林業基盤整備についての御質問にお答えいたします。
中山間地域において、森林化した耕作放棄地を周辺の森林と一体的に整備しますことは、効率的な木材生産に加え、山地災害の防止など森林の公益的機能が発揮され、中山間地域の良好な環境づくりにもつながるものと考えております。
ただ、そのためには、耕作放棄地を森林として管理するための手続が必要となります。具体的には、市町村農業委員会から、その耕作放棄地が非農地であることの通知を受理した後に、森林法第5条に基づいて県が策定します地域森林計画の対象森林として編入することにより、周辺森林と一体的に間伐等の森林整備を行うことが可能となります。
また、林道の基盤整備につきましても、地域森林計画に林道等の開設に関する基本的な考え方や、市町村別の整備延長、路線ごとの計画数量などを記載する必要があり、新規路線につきましては、その開設効果等の事前評価も必要となります。
こうした取組を進めるに当たりましては、前提として、当該農地を将来にわたって森林として維持管理することへの所有者の理解、それと地域住民の合意が必要となります。このため、県としましては、地域等からの要望、御相談があれば、農業委員会を所管し、また林道の管理主体でもあります市町村とも十分連携しながら、中山間地域対策につながる林業基盤整備や森林整備に協力してまいりたいと考えております。
続きまして、中山間地域の林地荒廃についての御質問にお答えいたします。
今年7月の豪雨による山腹崩壊や渓岸浸食などの山地災害では、9市2町で64か所の被害報告があり、中山間地域においても、ふだんは荒廃していない渓流等で土砂の流出が確認されるなど、多くの被害が発生したところでございます。
現在、被害報告のあった箇所につきましては、所管の農林振興センター職員が市町村と協力して現地確認を行い、災害の規模や保全対象、周辺の森林の状況などから優先順位を判断し、必要な事業採択に向けた準備を進めております。
災害復旧に当たりましては、国の災害関連緊急事業や国の治山事業による復旧が行われますが、災害規模や保全対象の状況などから国の事業として採択されない箇所もございます。
議員御指摘のとおり、中山間地域におきましては、小規模な災害も多く国の補助対象とならない箇所も見込まれますが、山林の荒廃や災害の未然防止の観点からも、県単独治山事業の活用も含め、市町村とも連携して早期の復旧に向けて検討してまいります。
以上でございます。
95 ◯議長(山本 徹)石井警察本部長。
〔石井敬千警察本部長登壇〕
96 ◯警察本部長(石井敬千)私からは、3つの質問についてお答えいたします。
まず、砺波駅前の交番新設等についての御質問ですが、砺波エリアにおける警察署については、砺波市苗加地内での新庁舎の建設に向け、民間活力導入可能性調査を実施するなど各種手続を進めているところであります。
一般として、県内の交番や駐在所の施設の更新については、治安情勢や施設の耐用年数による老朽化の程度などを勘案し、計画的な建て替え整備などに努めることとしており、特に警察署の再編対象地区については、再編後の情勢についても見極めた上で検討する必要があると考えております。
しかしながら、議員御指摘の砺波駅前及び市街地中心部については、現在の砺波署本署を直轄交番として必要な地域部門の警察官を配置し、パトロールや巡回連絡などの活動を行っているところ、新庁舎に移転した場合には、この地域を担当する交番や駐在所がなくなることとなります。
したがいまして、新庁舎完成後の市街地中心部における警察活動の拠点について、近隣の駐在所の治安情勢や老朽化の程度も勘案しながら、新たな施設の建設の必要性も含めて今後検討していく必要があると考えております。
続きまして、武道場の開放についての御質問にお答えします。
警察署の武道場については、凶悪犯罪に的確に対処できる精強な執行力を確保するため、警察官が日頃から柔道、剣道、逮捕術などの術科訓練を行うとともに、災害時には部隊の拠点場所として使用することも想定していることから、庁舎敷地内にセキュリティー上の制約を設けて設置しております。
したがいまして、武道場は警察署の管理の下、職員が業務の必要性に応じて優先的に使用することが必要と考えておりますが、現在も一部の警察署においては、柔道、剣道、空手の練習などに使用するため、地域の方や関係団体に施設を貸与しているところであり、武道団体などから御要望があれば、セキュリティー上の問題や警察業務の支障がない範囲で武道場を利用していただくことは可能と考えております。
先日、県東部において開催した再編に関する広聴会においても、参加された委員より、再編後の警察施設の武道場について、「警察官に柔道を教えてもらいたい」や「中学生の部活動の練習場所として使用させてほしい」などの御意見をいただいたところであります。
警察署の活動は地域の皆様に支えられているものであり、議員が御指摘されたような地域との交流は大変重要であると認識しており、特に少年との交流については、健全育成の機会となれば大変有意義であると考えております。
新たな警察署や分庁舎となる施設の武道場について、武道団体や地域の方に御利用いただく方策についても、今後再編を進める中で検討してまいります。
最後に、警察署再編への民間活力の導入についてお答えします。
砺波及び高岡エリアの新警察署庁舎の建設については、同時施工した場合と順次施工した場合の比較や既庁舎の解体などについて、財政負担比較や民間活力導入の可否などの調査を行っているところです。
警察署の庁舎に関しましては、委託を受けた民間企業が利用料等の収入を得るような事業が少ないため、議員御指摘のとおり、財政負担の軽減効果のウエートが相対的に重くなりますが、庁舎の維持管理や食堂・売店運営業務、独立採算型の警察官待機宿舎の建設・運営などについて、民間事業者のノウハウや創意工夫の活用の可否を検討することは有意義と考えております。
また、警察署の再編については、小規模警察署の機能強化を図ることが目的であり、できるだけ早期に新たな庁舎を完成することが望ましいことから、民間活力導入の可否の判断に当たっては、建設のスケジュールも含めて総合的に検討することで、適切な事業手法を採用したいと考えております。
私からは以上です。
97 ◯議長(山本 徹)以上で瘧師富士夫議員の質問は終了しました。
以上をもって本日の一般質問、質疑を終了いたします。
これをもって県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終了いたします。
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常任委員会への審査付託
98 ◯議長(山本 徹)次に、ただいま議題となっております議案第102号から議案第128号まで及び報告第21号については、お配りした議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
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99 ◯議長(山本 徹)次に、お諮りいたします。
議案調査のため、明12月7日及び11日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
100 ◯議長(山本 徹)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
以上で本日の日程は終了いたしました。
次に、議会の日程を申し上げます。
12月8日及び12日は予算特別委員会を、13日は常任委員会及び議会運営委員会を開催いたします。
次回の本会議は12月14日に再開し、諸案件の審議を行います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後3時42分散会
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