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  1. 富山県議会 2023-09-28
    令和5年教育警務委員会 開催日: 2023-09-28


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  1 9月定例会付託案件の審査  (1)  質疑・応答 八嶋委員長 初めに、本定例会において本委員会に付託されました諸案件の審査に入ります。  付託されております諸案件は、お配りしてある議案付託表のとおりであります。  これより付託案件についての質疑に入ります。  質疑はありますか。──ないようでありますので、質疑なしと認めます。  (2)  討 論 2 八嶋委員長 これより討論に入ります。  討論はありませんか。──ないようでありますので、討論なしと認めます。  (3)  採 決 3 八嶋委員長 これより付託案件の採決に入ります。  本委員会に付託されました議案第81号令和5年度富山県一般会計補正予算(第4号)のうち本委員会所管分及び報告第15号地方自治法第179条による専決処分の件のうち本委員会所管分について、原案のとおり決することに賛成の委員の挙手を求めます。  〔賛成者挙手〕 4 八嶋委員長 挙手全員であります。  よって、議案第81号及び報告第15号については、原案のとおり可決または承認すべきものと決しました。  2 請願・陳情の審査 5 八嶋委員長 次に、請願・陳情の審査に入ります。  今回、請願は付託されておりませんので御了承をお願いいたします。  陳情は3件付託されておりますので、当局から順次説明願います。 6 高島生活安全部長 私からは、富山県迷惑行為等防止条例に対する陳情のうち、陳情項目の(1)から(3)について説明いたします。
     (1)につきましては、富山県迷惑行為等防止条例の適用は、共犯などを含む全ての人を対象としております。法律や条例の適用は、個別具体的な事案の内容に基づき判断されるものであり、現在、条例の改正は考えておりません。  (2)につきましては、県警察では警察の責務を達成するため、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締り、その他公共の安全と秩序の維持のための活動を行っており、引き続き安全・安心に関する情報を発信するなど、広報啓発活動に努めてまいります。  (3)につきましては、県警察ではストーカー事案、配偶者からの暴力事案児童虐待事案などを人身安全関連事案として取り扱い、関係機関、団体と連携を図り、連絡会議合同研修会等の開催により実態を把握するほか、相談窓口対処方法等についてリーフレットや冊子等を作成しており、引き続き分かりやすい解説防犯冊子等の作成に努めてまいります。 7 宮島交通部長 私からは、陳情第18号について御説明します。交通事故といいますのは、道路において車両または路面電車の交通によって起こされた人の死亡または負傷を伴ったもの及び物的損害を伴ったものをいいます。ここでいいます道路には、高速道路、国道や県道、市町村道だけではなく、道路の体裁をなしている私道のほか、道路の体裁をなしていないけれども一般の交通の用に供され、解放され、客観的に使用される状態にある広場、学校構内や公園内の道路などの場所が含まれます。  交通事故を起こしたときには、運転者は直ちに車両の運転を停止して負傷者を救護し、道路における危険を防止するなど必要な措置を講ずるとともに、警察に対して事故の発生した日時、場所、負傷者や程度などを報告することが義務づけられております。  県警察では、引き続き、運転免許更新時の講習や交通安全教室安全情報ネットメールなどにおいて、交通事故を起こした場合の対応について広く呼びかけてまいります。 8 山崎警務部長 私からは、陳情第19号につきまして御説明させていただきます。  この陳情は、県警察の組織運営予算執行等に関する質問を受けた際の警察職員の対応について、一つは質問者の特定に必要な情報を聴取してから回答するという教育を徹底すること、もう一つは、質問者の特定に必要な情報を聴取せずに回答した警察職員を認知した場合における通報しやすい仕組みを設けることの2点を求めたものと解釈します。  まず1点目に関して、この陳情の前提となる公安委員会の判断につきましては、ある方が警察署に電話で質問をした際に、警察職員が折り返しの回答のため氏名と電話番号に加え住所を尋ねた対応について、必要以上に質問者の個人情報を集めようとしたとの苦情に対する公安委員会の回答であると考えられます。  この件につきましては、公安委員会として、職員はより確実に回答できるようにという考えから、念のため尋ねたものであると回答しているものであり、いかなる場合においても個人を正確に特定できる情報を取得しなければ正しい回答が不可能であるとは判断しておりません。  警察に対する問合せにつきましては、事件事故等の捜査につながるようなものなど、正確な事実関係の把握が必要な案件については、氏名、住所等の個人情報を聴取しておりますが、そのような案件以外の業務等に関する質問に対しては、連絡に必要な事項を適宜聴取した上で回答しており、例えばメールによる問合せについては、本人を特定することなく回答する場合もあります。  2点目の情報を漏えいした警察官の情報提供を行いやすくする仕組みの構築につきましては、趣旨がやや判然としない部分もありますが、警察職員の対応に問題がある場合については、既に苦情申出制度が設けられております。  県警察では、引き続き、日々寄せられる様々な質問に対して、相手の立場に配意しつつ、質問の内容に応じて必要な情報を聴取した上で、誠実かつ親切丁寧に対応するよう職員を指導してまいります。 9 八嶋委員長 ただいま当局から説明を受けましたが、これについて御意見等はございませんか。──ないようですので、これで陳情の審査を終わります。  3 閉会中継続審査事件の申し出について 10 八嶋委員長 次に、閉会中継続審査事件の申し出の件を議題といたします。  本委員会の閉会中継続審査事件については、お配りしてある申し出案のとおり議長に申し出たいと思います。  これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 11 八嶋委員長 異議なしと認めます。  よって、お配りしてある申し出案のとおり議長に申し出ることに決定いたしました。  4 教育警務行政当面の諸問題について  (1)  報告事項    資料配付のみ    教職員課    ・令和6年度富山県公立学校教員任用候補者名簿登載     状況について    県立学校課    ・第2回県立高校教育振興検討会議の開催結果につ     いて  (2)  質疑・応答    瀬川委員    ・学校現場熱中症対策について    亀山委員    ・中学生の制服の共通化について    ・警察本部電話自動応答機能の悪用のおそれと詐欺     被害対策について    ・ALPS処理水海洋放出に関する中国からの苦情電     話対応について    永森委員    ・県立高校における1人1台タブレット端末の効果的     な活用について    火爪委員    ・旧制富山高等学校創学100周年について    ・学校給食費公会計化について    ・交通信号機のバリアフリーについて    米原委員    ・山岳警備隊員の活躍について    ・自転車の交通ルールの周知と遵守の徹底について    ・本県教育の在り方について    武田委員    ・サポート詐欺について 12 八嶋委員長 それでは、報告事項に関する質疑及び所管行政一般についての質問に入ります。  質疑・質問はありませんか。 13 瀬川委員 私からは3点質問させてください。  前回の委員会で、火爪委員から熱中症に関する質問がありました。今議会でも、澤崎議員八嶋議員大門議員佐藤議員と、大変多くの方が熱中症の質問をされまして、しつこいですが、今年は特に暑かったですし、大事なことだと思いますので、私からも質問させてください。  八嶋議員の質問で、体育の授業や部活動において熱中症にならないよう様々な対策を行っているという答弁がありましたけれども、部活動を制限することはあったのか、大島保健体育課長にまずお聞きしたいと思います。 14 大島保健体育課長 委員御質問の部活動の制限についてでございますが、暑さ指数が高い状況、それから熱中症警戒アラートが発表されている場合などは熱中症の危険があるため、学校では活動時間を短くしたり、激しい運動は避けたり、積極的に休憩を取り小まめに水分を補給するなど、生徒の健康に配慮した対応としての制限は行っております。  今年の夏におきましては、連日熱中症警戒アラートが発令されたことなどを受けまして、県教育委員会では、こうした対応を含む熱中症予防体制でありますとか、発生時の緊急対応について確認するよう、繰り返し学校に通知したところでございます。  今後も生徒が安全・安心に体育の授業や部活動に取り組むことができるよう熱中症対策に取り組んでまいります。 15 瀬川委員 消防庁発表のデータによると、県内の教育機関においては6月5件、7月3件、8月13件の熱中症が発生したようですけれども、学校体育館での熱中症はあったのか。あったのであれば、それは授業や地域開放など、どのような状況であったのか、山元食育安全班長にお聞きしたいと思います。 16 山元食育安全班長 今年の6月から8月中に県内の教育機関から熱中症で救急搬送された状況について調べましたところ、学校体育館では8件ございました。うち5件は小学生や中学生の体育の授業や部活動、休日の運動中でございまして、残りの3件は大人が休日や学校の夏休み期間中に利用していたという状況でございました。 17 瀬川委員 ここで体育館における空調整備率ですけれども、県教育委員会が所管する高校については2.4%ですが、東京都においては39.2%です。小中学校においては富山県は0.6%ですけれども、東京都では82.1%で空調が整備されています。  1問目と2問目の答弁を総合すると、富山県は今年の夏、子供たちの活動を制限したということだと思っています。一方で、より進んでいる東京都ではエアコンが整備されているので、子供たちは思い切り体を動かすことができたでしょう。  私は、ここがすごくポイントだと思っていまして、子供たちスポーツを楽しみたい、思い切り体を動かしたいという思いに対して、制限をなるべく加えない方向にできないかなと思っています。雪や天候は仕方ないにしても、空調というものは、やはり自治体の努力次第でどうにでもできる部分だと思っています。東京都に生まれたら夏でも思い切りスポーツを楽しめるけれども、富山県に生まれたら制限されています。大げさですけれど、今年の夏は一部そういう状況になってしまいました。  いろいろな方の質問で、体育館への空調設置の難しさ、例えば今は空調を想定した断熱の様式になっていないとか、熱源の問題があるとかおっしゃっていただいて、今の体育館に対する課題は認識したつもりでいます。なかなか難しい面はあるかと思いますが、やはりこの状況のままではなくて、未来に向けて少しでもよりよい環境になるように動いてほしいなと思っています。例えば老朽化体育館の更新などの場合には、エアコンを前提とした体育館設計にぜひしてほしいと思いますけれども、中家教育企画課課長の所見を伺いたいと思います。 18 中家教育企画課課長 現在、県内の公立学校で体育館に空調を常設している例は極めて少ない状況でありますが、児童生徒熱中症対策、また、避難所として活用する場合の避難者の安全・安心のための熱中症や寒さ対策として、体育館に空調設備を導入し、環境改善を図ることは重要なことであると考えております。  委員御指摘のように、体育館への空調設備の導入に当たっては、既存体育館の多くは断熱性能が確保されておらず、冷暖房効率が悪いため、建物全体にわたる大規模な改修工事が必要となること、それから、災害時には停電などライフラインの遮断といったことが予測されますので、熱源方式についても検討の上、整備を進めていく必要があると考えております。  委員からは、老朽化した体育館の改築など、新たに体育館を整備する機会に空調設備を導入してはどうかと御提案いただきました。県としては、他県の導入事例などを参考にするとともに、熱源方式ランニングコスト、体育館の使途といった総合的な観点から検討を行った上で、導入について判断してまいりたいと考えております。  また、市町村の取組に対しては、国庫補助制度等の有利な財源に関する情報提供や、国に対する県からの予算確保の働きかけにより、小中学校における空調整備を引き続き支援してまいりたいと考えております。 19 瀬川委員 自治体の努力でどうにかなる部分で子供たちがハンデを負うかわいそうな状況をこのままにしておきたくないなと思っておりますので、ぜひ前向きに御検討をよろしくお願いいたします。 20 亀山委員 中学生の制服の共通化について質問いたします。  御存じの方もおいでになるかもしれませんが、大分市立の中学校では、今年度から標準服を導入しています。中学生の制服については、校区・地域を越えて共通化することにより、親戚知己での譲り合いがしやすくなると思います。  また、私事ではございますが、制服がかわいいからと娘が富山南高校に入学したときに、お下がりと言ったら失礼になりますけれども、替えとして着られと頂戴したことがあります。  それぞれの市町村あるいは学校単位での判断ではありますが、まだ着られると思われるものを回すことで、高額になりかねない保護者の経済的負担の軽減にもつながるのではないか、業者にとっては製造コストの軽減や在庫管理削減が可能ではないかと思います。校区・地域を越えて広域で標準服を導入することについて検討できないか、山尾小中学校課長に伺います。 21 山尾小中学校課長 制服を含めた校則につきましては、教育目的を実現するために校長が定めるものでありまして、生徒の実情、社会の常識、時代の変化等を踏まえまして、絶えず見直すことが必要であると考えております。県教育委員会では、これまでも県内公立学校に対して、生徒や保護者などから十分に意見を聞き、制服や校則の見直しを図るよう各学校に伝えてきているところでございます。  県内の中学校における制服の見直しにつきましては、生徒会が中心となってアンケートを実施し、さらには多様性の尊重なども含め意見交換する集会を開催するなど、生徒の自主性を尊重した取組が広まっているところでございます。  実際に、男女共にスラックス着用を可能にすることをはじめ、ブレザーの導入など、制服を男女区別なく選択可能とし、生徒が抵抗なく着用できるようにした学校が相当数ございます。また、県内の中学校では、卒業生の保護者が新入生の保護者に制服を直接譲ったり、PTAの呼びかけで卒業生の制服などを回収しまして、必要な御家庭に提供したりするなどの再利用を行っている学校も見受けられます。  委員御紹介の標準服の導入につきまして、保護者の経済的負担の軽減につながることも考えられます。制服の見直しや標準服の導入などにつきましては、県内の公立中学校が実際に制服を着ることとなります生徒の思いや考えを含めまして、具体的にどう対応するかを総合的に判断することが適切であると考えております。引き続き、制服の見直しや対応の在り方につきまして、市町村教育委員会情報共有してまいりたいと考えております。 22 亀山委員 想定どおりの答弁だなと思います。各中学校で議論した上で進めなければいけない話題ということは間違いありません。  それでは、次の質問に入らせていただきます。  県のセキュリティー対策と県民への呼びかけについてお伺いいたします。  前回の教育警務委員会において、サンドボックス予算について報告がありました。警察本部庁舎電話交換機自動応答の機能を導入されたとのことでした。しかしながら、自動応答で誘導されて詐欺被害に遭われた方もおいでになると聞いています。  自動応答などの機能が悪用されるおそれはないのか、アンケートなどに誘導されて詐欺被害に遭わないように、県民への対応をどうしているのか、詐欺被害抑止対策と併せて谷川地域部長にお伺いいたします。 23 谷川地域部長 委員御指摘のとおり、個人の携帯電話宛て自動応答機能音声ガイダンスを利用して料金の未払いがありますなどと告げ、詳しい説明を聞くには1を押してくださいなどと指示されて、その番号を押すと犯人グループにつながって、個人情報をだまし取られた上に特殊詐欺の被害に遭うという手口があるところでございます。  一方、警察本部では、9月1日より電話応答業務の合理化、効率化による県民サービスの向上を図るため、執務時間外に限定して電話自動音声応答サービスを導入したところでございます。この自動音声応答サービス機能は、警察本部にかけられた電話を自動音声ガイダンスに従って用件先につなぐものでありまして、自動音声で電話を発信するものではないことから、このサービス機能が直接特殊詐欺等に悪用されるおそれはないものとみております。  他方、警察官をかたる手法の詐欺はこれまでも発生していることから、警察本部音声ガイダンスを名乗るような手口が発生しないか注視してまいりたいと思っております。  県警察では、引き続き、様々に変化する特殊詐欺手口情報を迅速、正確に県民にお伝えするとともに、非通知や知らない番号からの電話には出ないことや、電話でお金の話があった場合は家族や警察に相談するなどの対処方法につきまして周知徹底を図るなど、関係機関、団体と連携しながら、詐欺被害防止対策を推進してまいりたいと考えております。 24 亀山委員 昨日も登録されていない番号から電話がかかってきました。「はい、もしもし」と出たら30秒ほど無音で切れて、その番号を調べてみたら、迷惑電話番号でした。今の話題とちょっと違うかもしれませんけれども、詐欺防止対策をよろしくお願いいたします。  次の質問に入らせていただきます。  ALPS処理水海洋放出が決定されたとき、我が家にも国ナンバー86から電話がありました。遅い時間帯だと2時頃にもかかってきたことがあります。全ての電話がいたずら電話とは限りませんが、富山県庁や県警にはそのような電話があったのか、あったのならどのように対応しているのか、谷川地域部長に伺います。 25 谷川地域部長 8月24日に東京電力福島第一原子力発電所においてALPS処理水海洋放出がなされ、これに対しまして中国からとみられる迷惑電話が国内各地に相次いでいるということは承知しております。  警察本部及び各警察署に対する同様の電話の受理については、全ての番号に関して正確に集計を行っているわけではありませんが、少なくとも数件程度は確認しているところでございます。それらの電話の内容につきましては、中国語と思われる言語で短時間に一方的に話して断電していくという散発的なものであって、警察業務への支障は生じておりませんので、今のところ特別な対応はいたしておりません。  今後とも情勢の推移を注意深く見守りながら、県警内での情報共有を図っていくこととしております。 26 亀山委員 内容はよく理解しました。放出が決定されて以降、放出するまでの間に、うちには何回かそういう電話がかかっていたものですから、ちょっとお聞きしました。 27 永森委員 私からは、県立高校における1人1台タブレット端末の活用ということで質問させていただきたいと思います。  国のほうで、個別最適な教育という中で1人1台端末が推進されまして、特にコロナ禍といいましょうか、その頃からオンライン授業とか、そうしたことも活発になってまいりまして、一気に1人1台端末が進んだと思っております。  一方で、最初に導入したタブレットがぼちぼち更新時期を迎えつつあるということであります。昨日、予算特別委員会においても、大門議員からタブレットの更新計画についての質問があったということでありますけれども、この後の質問にも続いてまいりますので、ひとまず県立高校のタブレットの更新計画というのはどのようになっているのか、小林教育企画課課長にお尋ねいたします。 28 小林教育企画課課長 県教育委員会では、県立高校や特別支援学校の児童生徒用の1人1台端末約2万2,000台につきまして令和3年8月までに整備し、現在各学校において授業や家庭学習などで利活用しているところでございます。  文科省の来年度の概算要求によりますと、小中学校、義務教育学校、特別支援学校の小中学部の1人1台端末につきましては、予備機を含めて更新費用が新規要求されているところでございます。また、本年1月から、新たなICT環境整備方針の策定や、今後の1人1台端末の更新に係る費用負担の在り方について、令和7年度に向けて国の中央教育審議会の特別委員会で検討が進められているところでございます。
     県立学校の児童生徒用の1人1台端末につきましては、導入からおおむね5年を経過する令和7年から8年頃には更新が必要になってくるものと考えております。8月に開催しました令和5年度第1回富山県教育DX推進会議においても、委員から1人1台端末の更新について御意見を頂いたところであり、今後とも国や他県の動向について情報収集するとともに、更新計画について検討を進めてまいりたいと考えております。 29 永森委員 少し確認なんですけれども、文科省において、小学校、中学校のタブレットについては予算の概算要求をされたということでありました。県立高校のタブレットについては、導入時は国からいろいろなお金が来た中で整備されたのではないかと思っていますけれども、更新については、基本的には県のお金といいましょうか、一般財源でしなければならない可能性もあると受け止めておけばよろしいのでしょうか。 30 小林教育企画課課長 来年度の国の概算要求を見ますと、県立学校部分の予算要求はなされていない状況でございます。県といたしましては、多額の費用がかかるということも想定されますので、引き続き、県の重要要望でありますとか都道府県教育委員会連合会を通じて、国に対して更新費用や保守経費などの費用について必要な財源措置を要望しているところでございます。 31 永森委員 分かりました。ということであれば、やはり国の財源手当がなされることを望みたいし、要望もしていかなければいけないということですけれども、一方で、そういうお金が満額でしっかりついてこないかもしれないということも想定しながら、いろいろなことを考えていかなくてはならないのかもしれないと思っています。  そういう中で、先般、教育警務委員会の県外視察で千葉県にお邪魔させていただいたり、また、個人的には茨城県の教育委員会にも行って、そのあたりのことをいろいろ聞いてまいりました。関東のほうがそうなのか少し分かりませんけれども、BYOD、Bring Your Own Deviceということで、言葉もあまり認識していなかったのですが、生徒さん自身が持っているスマホだったりタブレットを学校に持ち込んで、その端末をICT教育に使っていくということを導入していて、持っていない方への貸出用だけは整備してあるという例が結構あるということにまず驚きました。そうした他県の導入状況はどのようになっていて、本県においてはそうした仕組みについてどのように考えておられるのか伺いたいと思います。 32 小林教育企画課課長 文科省が7月に公表いたしました高等学校における学習用コンピューターの整備状況によれば、都道府県立高校に1人1台端末を導入した47都道府県のうち、本県のように設置者負担を原則として整備した自治体が本県を含め25府県ございます。一方で、保護者負担を原則として、委員から御紹介ありましたとおり、BYODと言われている生徒・保護者負担による端末などにより1人1台端末を整備した自治体が22都道府県となっております。  設置者負担により整備した25府県につきましては、大半が令和2年度から3年度にかけまして全学年分を整備し、令和3年度から利活用を行っているところでございます。一方で、保護者負担により整備を行った自治体の多くは、令和3年度入学生から順次整備を進めているところでございまして、3年目となる令和5年度から全学年による1人1台端末を整備し、利活用を開始するような状況となっているところでございます。  先ほどもお答えしましたとおり、導入からおおむね5年を経過する令和7年から8年頃には更新が必要になってくるものと考えております。更新には多額の費用が想定されるということでございますので、今後とも国や他県の動向を注視、情報収集しまして、更新費用の費用負担の在り方も含め、検討してまいりたいと考えております。 33 永森委員 というのは、今おっしゃったようなBYODも含めた検討をされるというお答えでよろしいのでしょうか。 34 小林教育企画課課長 繰り返しになりますけれども、国や他県の情報等を注視し、費用負担の在り方について、BYODも含め総合的な検討を進めてまいりたいと思っております。 35 永森委員 貸与タブレットの活用というのもいいんですけれども、やはり使い勝手もありますし、いろいろと制限もかけられたりしていて、なかなか使い勝手が悪いという言葉も聞いたりしております。スマートフォンなども含めると高校生ぐらいになるとかなり普及率は高まっていると思っています。もちろん持っていない方への対応というのはどうしても必要になると思いますけれども、国の動向といいましょうか、もはや22都道府県でそういう形でやっているということであれば、そうした状況もぜひ見ていただきながら、現実的にどのように進めていくのがいいのかということをしっかり検討いただきたいと思います。  次に、タブレットの活用の仕方について少しお聞きしたいと思っています。  民間の学習アプリで、スタディサプリというリクルート社が提供している教材アプリがありまして、私も子供が入れているものですから、何度か自分の復習がてら見せてもらったことがあります。全学年網羅的に全教科があって、自分の学びたいところを押すと、その授業を教えてくれます。講師の方が画面に出てきて非常に面白く教えてくれて、非常に分かりやすく楽しく学べるという状況になっているんですね。  千葉県立印旛明誠高校に視察に行ったときに、この学習アプリを学校として導入するので、通常よりも相当割安に入れられますと、6,000円ぐらいと言っておられたかと思います。1年間で6,000円負担していただくとそれを見ることができるということなので、一人一人習熟度に合わせて予習や復習で使ったりということも可能になるというようなお話でありました。  このスタディサプリに限りませんけれども、そうした民間アプリなどを県立高校ではどの程度導入しているのかを番留県立学校課長にお尋ねします。 36 番留県立学校課長 今ほど委員からも御紹介ありましたように、学習アプリでは講義動画を配信していますけれども、そのほか演習教材でありますとか、到達度テストなども配信しておりまして、タブレットやスマホなどで時間的、空間的制約のない学びが可能ということでありまして、自学自習に最適なツールでございます。また、宿題の配信や生徒の学習状況をデジタルで一括管理することが可能でありまして、授業や面談、また、学校と保護者のコミュニケーションツールとしても利用できまして、学校現場の様々な場面で活用しているところでございます。  本県の県立高校における学習アプリの導入状況につきましては、今年度は39校中17校で導入されておりまして、内訳は複数の学習アプリを活用している県立高校もございますので延べ数でいいますと、今ほど紹介がありましたリクルートのスタディサプリが10校、ベネッセのクラッシーが8校、その他の学習アプリを利用しているのが4校でございます。また、次年度新たに導入を検討しているという県立高校が8校でございます。  それから、学習アプリを導入しております高校でのアプリの活用方法でございますけれども、基本的には生徒の自主的な活用を促しているところですが、高校によっては授業の補助教材として、また、朝学習でありますとか確認テスト、課題の配信、面接指導などに利用しているところでございます。 37 永森委員 結構導入が進んでいるのだなと認識いたしました。やはりそういうノウハウなどをしっかり授業の場につなげていくということも大事だと思っています。  実は昨日、我々自民党の議員とPTAの役員の皆さんとの意見交換がありました。その中で、あまりいい話ではないんですけれども、年々教員採用試験の倍率が落ちてきている中にあって、やはり先生の教える力が少しずつ落ちてきているのではないだろうかと、そういう懸念の声も現場を見ている皆様方から出ていました。  これまでの富山県の教育は、教師の力で生徒の学習能力をしっかり上げていくんだという、そういう強い意欲でやってこられたと思っていますし、それは評価されるべきことなんだろうと思います。他方で、やはりこれだけデジタルの力とか、幅広い良質な情報がたくさん流通している中においては、そうしたことを十分活用して、そうしたもので子供たちにしっかり学んでもらう。そして先生は、それこそティーチングからコーチングと言われるようなもので、教えるのはそうしたものに任せて、一人一人にしっかり向き合う時間を増やしていく。そのようにデジタルの力をどんどん使っていかなければ、これからの教育がよりよい形で回っていかないのではないだろうかと思っています。ですので、そうしたことを積極的に導入していけばどうかと思いますが、導入効果なども含めて御見解をお尋ねしたいと思います。 38 番留県立学校課長 まず最初に、民間の学習アプリの効果についてお答えいたします。  高校からは、学習内容の定着を図ることができる、隙間時間に個人のペースに合わせた学習ができる、自分の弱点克服のための学習を自主的にするようになり、課題への取組が積極的、継続的になった、教員が生徒の学習状況の進捗管理や課題準備にかける時間、労力が軽減されたなどの意見を聞いておりまして、アプリの有効性が認められております。  学習アプリのほかにも1人1台端末を活用していることとしましては、全ての県立高校におきまして民間の学習支援ツールでありますグーグルクラスルームなども導入しております。これらのツールは、課題の配信や提出機能を有しておりまして、教師が生徒の提出物や質問にコメントをつけて返却したり、採点結果を蓄積したりすることができ、また、授業、ホームルーム等でクラスの生徒の意見をリアルタイムで集約することもできます。そうしたことから利便性が高く、有効に活用されているところであります。  委員御指摘のとおり、学習アプリや学習支援ツールなどの民間のノウハウの活用によりまして、学習の効率化はもとより、生徒一人一人の進路、学習状況を一元化、可視化することが可能となり、データの蓄積や分析が自動で行われますことから、教師の負担軽減、それから気づきにつながっております。  今後も、進化する学習アプリなどの機能やその活用事例を踏まえ、学校現場の実情にも留意しながら、民間のノウハウを有効に活用するなどいたしまして、生徒が持つ資質、能力を育成できるよう、より質の高い教育の提供に努めてまいりたいと考えております。 39 永森委員 先ほどの瀬川委員の話ではないですけれども、地方のICT教育と都会のICT教育にかなり差が出てきているということも聞いております。置かれた環境でそうしたことが異ならないように、富山県においてもICT教育の分野における個別最適な教育の実現に向けてしっかり取り組んでいただきたいと思います。 40 火爪委員 今年は旧制富山高等学校創設100年に当たります。開学は来年なので富山大学や八雲会の行事は来年に集中するわけでありますけれども、100年前に馬場はるさんが今のお金で150億円、当時のお金で150万円を寄附し、旧制富山高等学校の開設を県知事に陳情してからちょうど100年ということです。その取組などもあるので、積極的に県も関わってくださいという質問を6月の教育警務委員会でいたしました。  その後9月18日に、校舎がありました富山市蓮町の馬場記念公園で旧制富山高等学校創学100周年の集いが開催され、私も実行委員会に関わりましたけれども、当初60人という想定を大幅に上回る120人の方に御出席いただきました。富山県からも蔵堀副知事をはじめ、荻布教育長、中崎次長と教育委員会からもたくさん御参加いただきました。感謝を申し上げたいと思います。  その集いの中で、馬場はるさんの偉業については今まで教育委員会や県も子供たちに伝えてきているが、旧制富山高等学校が7年制であったことをきちんと伝えてほしいという提言が卒業生からございました。  大正7年の高等学校令の改正までは、帝国大学への進学というのは第1から第8までの、東京から名古屋まで全国に8つあった高校の卒業生にしか道が開かれていなかったわけであります。しかし、これでいいのかということで1918年に原敬内閣が高等学校令を改正しまして、民間の高校、公立の高校の開業も認めるということになりました。  このことによって、旧制富山高等学校が開設され、富山県の子弟にも帝大への進学の道が開かれ、その結果、3代にわたる富山県知事の輩出につながったわけであります。富山県の教育史にとっては大変重要なことだったであろうと思います。  もう一つ、この集いの中で強調されたのは、馬場はるさんの偉業とともに、広大な敷地を提供した4代目米田元吉郎です。富山港線の敷地も県内最大の地主だった米田家がほとんど提供し、東岩瀬町の有力者たちが旧制富山高等学校の開設に絶大な役割を果たしたということで、ぜひそれも併せて伝えてほしいという見解が示されたんだろうと思います。私も県教委の副読本などをめくってみましたところ、スペースはありますけれども、そういう点ではもっと認識の深化が必要なのではないかなと思っています。  荻布教育長には最初から最後まで熱心に聞いていただきましたので、この集いの感想も含めて見解を伺っておきたいと思います。 41 荻布教育長 先日行われた旧制富山高等学校創学100周年の集いですが、多くの卒業生の方や地元の方々の御参加の下、盛大に開催され、私も出席させていただきました。  この集いでは、馬場はる氏が7年制の高等学校設立のために県に多額の寄附をされたことや、米田家4代目の米田元吉郎氏が無償で学校の敷地を提供されたことなど、7年制の高等学校の意義や東岩瀬町の有力者の方々が果たされた役割などが大変熱心に語られまして、改めて旧制富山高等学校の創学に尽力された先人の皆様の偉業に思いをはせ、また、多くを学ばせていただく機会となりました。  また、地元の岩瀬小学校と萩浦小学校の児童を対象に行われた作文コンクールの入賞作品の発表もございまして、学校で地域の歴史を学んだ子供たちが、馬場はる氏を「はるさん」と親しみを込めて呼んで、その功績に対して深い感謝の気持ちを述べるとともに、自分も将来はるさんのような地域に役立つ人になりたいとの決意を語るなど、その内容がすばらしかったということはもとより、地域と学校が一体となってふるさとへの誇りや愛着を育んでおられることに深い感銘を受けたところでございます。  馬場はる氏の功績や旧制富山高等学校につきましては、「ふるさととやまの人物ものがたり」などにおいても取り上げて、児童生徒のふるさと教育に役立てております。また、高志の国文学館や教育記念館における関連の展示によりまして、旧制富山高等学校に関わる歴史についても発信してまいりました。さらに、来月ですけれども、公文書館で「日本の近代教育のあゆみと富山」という資料展も開催されます。  今後もこうした様々な機会を通じて、郷土史研究や、ふるさと教育の充実に役立てていきたい、努めていきたいと考えております。 42 火爪委員 来年、八雲会100年、ヘルン文庫設置100年、それから今年は教育学部設立150周年ということで、今年から来年にかけて様々な取組がなされると思いますので、ぜひ県教委としても積極的に関わっていただければと思っています。  次の質問に移ります。  学校給食費公会計化について伺っておきたいと思います。  文部科学省は、中央教育審議会の答申を受けて2019年7月に通知を出し、学校給食費公会計化の推進を求めております。国が示したガイドラインによりますと、子供たちの給食費の徴収、未払い家庭への督促、業者への支払いなど、学校給食費に関わる現場の業務は、1校当たり年間190時間を要しているとのことでした。  実を言うと、私の地元の小学校が自校方式からセンター方式になりました。そのときに栄養教諭がいなくなったんです。それまで学校給食に関わる業務をしていた人が、センター方式になったからということでいなくなってしまい、現場の仕事は大変増えた、何とか先生をもう1人増やしてもらえないかという要望を頂いたことがあります。現場は大変だということで、主に教職員の多忙化解消の一つの手段として、公会計化の推進を国が打ち出しています。  文部科学省は文書の中で、本来学校以外が担うべき業務であり、地方公共団体が担っていくべきだと明確に述べております。  ところが、直近の今年8月現在の資料を頂いたところ、公立学校の給食費を公会計化している自治体が全国で34.8%に増えてきている中、富山県は全国で唯一ゼロ%の県となっております。具体的に期日を決めて実施を予定している自治体も、県を含めて16自治体のうち2つにとどまっています。  まず、この問題をどう認識しているのか伺っておきたいと思います。 43 山元食育安全班長 文部科学省から公表されました令和4年度学校給食費に係る公会計化等の推進状況調査結果によりますと、本県ではまだ学校給食費の徴収管理を自ら行う形で公会計制度を導入している自治体はないものの、準備検討の段階である自治体は5つございます。委員からも2つの自治体で具体的に期限を決めて検討されていると御紹介がありました。  国のガイドラインによりますと、学校給食費公会計化については、給食費の徴収管理業務の効率化ですとか、教員の業務負担軽減の効果が見込まれるということで、委員御指摘のとおり教員の多忙化解消の一つの手段として有効な対策とされているところでございます。  反面、公会計化には必要なシステムの導入や運用に多大な経費がかかること、給食の徴収管理業務を担う新たな人員の配置が必要となること、給食費以外にも徴収する学用品等の集金の扱いも併せて検討が必要なことなどの課題がございまして、市町村におきましては、こうした課題や効果を総合的に勘案し、各地域の状況を踏まえて検討、判断されていると考えております。 44 火爪委員 現場の教職員の多忙化をぜひ解決していきたいという熱意の結果ではないかと思っております。最も高い県が山梨県で86.7%、岩手県は80%に上っていますけれども、期限を区切って導入を予定している、検討しているところを合わせると100%になっております。システムの変更に経費がかかるということでありますけれども、学校の先生が未払いの家庭を追いかけるよりもずっといいのではないかなと思っています。  ぜひ全国の先進事例を示して、市町村も乗り越えられるよう取り組んでいただきたいと思うんですけれども、県教委も16自治体のうちの1になっているわけです。小中学校とはもちろん違うし、県で給食を提供しているところは少ないとは思うんですが、県教委が特別支援学校の給食費の集金について改善するという努力と、市町村に全国の積極的な事例を紹介してこの課題を推進していくことが必要だと思いますが、今後どう取り組んでいくのかお答えいただきたいと思います。 45 山元食育安全班長 まず、県立学校のほうは、委員も言われたように特別支援学校が対象となりますけれども、現在、給食費は口座振替で徴収しておりまして、督促が必要な滞納がほとんどないということ、それから学校が広域に位置しておりまして、食材の一括調達が難しいことや、さらに在籍する児童生徒に応じた個別の対応が必要だということがございまして、公会計化による効率化が見込めないということを考慮して、費用対効果の面で公会計化は難しいと考えておりますが、今後も他県の状況を参考としながら、また検討してまいりたいと思います。  それから、市町村のほうですけれども、学校内の調理場で調理する自校方式と、給食センターにおいて複数の学校分の給食を調理して各校へ配送するセンター方式などがございます。自校方式とセンター方式が混在している一部の市町村では、現在、献立の内容や食材の調達方法などが異なっておりまして、そうした個々の状況を踏まえて、例えば今後の給食方式の統合など、将来的な動きも見据えて検討がなされているものと考えております。  先ほど委員もおっしゃいましたけれども、学校給食費公会計化は教員の多忙化解消の一つの手段として大変有効とされていることから、県教育委員会では、今後も他県の先進事例を収集し、市町村教育委員会に対して紹介するなど、情報提供に努めてまいりたいと考えております。 46 火爪委員 私もこの文部科学省の学校給食費徴収管理に関するガイドラインというのを読みましたけれども、文科省としても大変熱心にこの問題に取り組もうと呼びかけている様子が伝わってきます。ソフトの開発だとか一定の費用だとか、そういうのももちろん考えられるわけでありますけれども、現場の多忙化解消、教職員の負担軽減、教育の充実にとっては、大変重要な課題だということは私からも改めて強調して、導入を図っていただきたいと思います。  では、次に移ります。  警察本部に1問、1つのテーマで質問したいと思います。  障害者差別解消法、それから同趣旨の県条例を県議会で制定し、施行されてからちょうど7年になります。障害をお持ちの方のための合理的配慮に私たち県議会も一生懸命取り組んできたと認識しております。  以前、この教育警務委員会に所属したときに、それから障害者差別解消法が施行された2016年の2月議会で、視覚障害者のための音響信号の設置について要望したことがございます。五福公園の近くに視覚障害者の方がお二人住んでおられまして、大学前の電停の前にある押しボタン信号にぜひ音響式信号を設置してほしいという要望を頂いて、そのときには県警に快く設置していただきました。最近、その方とお話しする機会がありましたけれども、大変喜んでおられました。やはり目が見えないとどうしても閉じ籠もりがちになって、街に出ないと。  私は以前の質問のときにも申し上げましたけれども、障害者団体の役員の息子さんがアメリカに留学されたと。留学したら、アメリカはなんと障害者が多い国なんだとびっくりしたと。つまり、車椅子の方や、視覚や聴覚に障害を持つ、明らかに障害者だと思う方がたくさん街を歩いていると。それに比べて日本は街に障害がある人がいないと。  それは日本には障害者が少ないからだろうと思ったら、やはり違うよねと。日本は合理的配慮がまだまだ不十分で、障害を持っている方が街に出られず引き籠もっているという、そういう状況にあるのではないかという議論をしたことをよく覚えております。その障害者団体の皆さんのお話によると、県内の音響式信号が条例施行以来増えていないので、ぜひ増やしてほしいということでありました。  2016年の私の質問に対して、当時の県警本部長の答弁は、2018年度までの目標が274基、274基というのは幾つも種類があるわけですが、そのうち音響式信号は2015年度末までに179基設置の見込みで、ぜひ増やしていきたいというものでありました。  まず、現状について確認しておきたいと思います。 47 宮島交通部長 音響式信号機につきましては、視覚障害者関係団体の方からの要望を踏まえまして、駅周辺や障害者施設付近などで視覚障害の方がよく利用され、歩道にも点字ブロックが設置されている箇所から優先的に設置を進めてきたところでありまして、視覚障害者用付加装置、いわゆるピヨピヨカッコーという機器ですけれども、これにつきましては2015年度末までに179基の整備を見込んでいたところ、これまで180基を整備したところでございます。  その他の音響式信号機につきましても78基整備しておりまして、現時点で県内に整備している音響式信号機は258基となっているのが現状でございます。 48 火爪委員 報告していただきましたが、要は2015年度末までに179基の音響式信号機を設置して、現在180基ということですので、8年間かけて1基しか増えていないというのが現実だと思います。  当時の教育警務委員会では、178基のうち101基は富山市内という答弁だったんです。要は、富山市内には100基以上設置されているけれども、ほかの自治体には80基足らずしか設置されていないと。14自治体で80基ですよ。1桁しかついていないわけです。ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと、少なくとも年間複数基ずつ増えていくような目標と取組を要望したいと思っています。  当時の第3次富山県障害者計画の5年間の目標には、274基という目標が明確に掲げられていたんですけれども、私が質問したその後で、第4次障害者計画が策定されました。そこで音響式信号機の設置目標が消えているんです。私は愕然としました。信号機の設置目標ではなくて、安全な交差点数と目標が変わっていて、設置箇所数の目標も分からないし、設置箇所数のトータルも分からないように変わってしまっていました。  今年度は、第5次障害者計画として、新たに5年間の目標をつくる作業に取りかかっています。ぜひ来年度からの5年間の第5次障害者計画の中でも積極的な目標を掲げて推進していただきたいと思いますが、どう取り組んでいくのか伺います。 49 宮島交通部長 委員御指摘のとおり、音響式信号機の整備については進んでいないというのが現状でございます。その理由としましては、信号機をはじめとした交通安全施設の老朽化が問題となっておりまして、信号機に故障等が発生しますと交通事故や渋滞などの障害が生ずることが懸念されるということで、現在、老朽化した信号機などの交通安全施設の更新を優先的に行っているためと考えているところでございます。  第5次富山県障害者計画の目標につきましては、現在検討中のところでございますけれども、先ほども申し上げたとおり、県警察では老朽化した交通安全施設や信号灯器のLED化更新整備が喫緊の課題となっております。このうち、信号灯器のLED化更新によるメリットとしましては、信号灯器の視認性が向上することによって、障害者の方を含め歩行者の安全性がより高まるのではないかと期待しているところでございます。  交通安全施設の整備につきましては、障害者の方の切実な思いであることは十分に理解しております。予算的な制約がありますけれども、障害者計画において適切な目標を掲げて、障害者の方を含め誰もが安全に外出ができるような交通安全施設を少しでも整備できるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。 50 火爪委員 老朽化の更新を優先してもらってもいいんです。莫大な予算を、とは言っていないので、老朽化の更新をするときに、せめて駅前、市役所の前、役場の前など、この県庁周辺でも市役所と県民会館の間、北はついていますけれども、南はついていないと思うんです。やはり必要なのについていない箇所について、きちんと認定していただいて、障害者計画の中でも設置目標を掲げていただくことを要望しておきたいと思います。  最後ですけれども、視覚と聴覚の両方に障害がある方が富山県内にもおられます。全く見えないということではなくて、かなりの弱視という方も含めておられるわけですが、手帳を保持している方だけでも約150人ということなので、潜在的な障害者というのは他にもおられると思います。  こういう方々を中心に、富山県盲ろう者友の会という団体ができまして、その団体から具体的な触知式信号補助装置の設置についての要望が県警に届いていると思います。この信号機は、LED信号と音響に加えて振動装置があり、車椅子でも手が届く1.2メートルのポール式のものになっていて、大阪府の業者が開発して、最近賞も受けられたということであります。大阪府では既に16か所で設置されておりまして、全国5府県に設置が広がり始めているということでありました。  富山県は、障害者差別解消法と同時に県条例を施行した積極的な県だと私たちは自負しているわけで、県警でもぜひ試験的に導入を検討していただきたいと思います。見解を伺います。 51 宮島交通部長 触知式信号機につきましては、視覚と聴覚に障害がある方のために青信号で振動するものでありまして、横断歩道の手前に設置することにより、障害をお持ちの方が安心して横断するための装置であると承知しているところでございます。  この信号機につきましては、現在まで県内での設置実績はなく、全国でも平成21年の大阪府を皮切りに、愛知県、和歌山県、福島県、岩手県の5府県での導入にとどまっているところでございます。  導入県等に確認しましたところ、冬の積雪時における埋没や除雪車による損壊が懸念されるほか、従来のピヨピヨカッコーに比べて2倍ほどの設置費用が必要となる問題に加えまして、機器の故障やいたずらによる破損も多く、試行で整備したものの本格的な導入を断念した都道府県もあると聞いており、県警察としましては、今後も触知式信号機ではなく音響式信号機を優先的に整備してまいりたいと考えているところでございます。  県警察としましては、どこに障害者に優しい信号機を設置するかにつきましては、要望内容を踏まえまして、道路管理者とも連携しつつ、周辺の道路環境や交通事故発生状況等を総合的に検討してまいりたいと考えているところでございます。 52 火爪委員 前向きな答弁は残念ながらしていただけなかったんですけれども、盲ろう者友の会からは、具体的に県美術館と聴覚障害者センターの間の信号機にぜひつけてもらいたい、そこに設置されると1人で出かけられる、やはりガイドがいないと歩けないということでありました。聴覚障害者センターの前であれば、関係者がたくさん出入りされるわけで、管理も含めて、試験的導入という趣旨にも合うのではないかなと思います。  私たちは、やはり「ピヨピヨ」とか「カッコーカッコー」という音が聞こえると、聴覚障害者の方々の存在を思い出すわけですよね。だから、障害がない人の意識の向上という点でも、1基ぐらいは試験的にいいのではないかなと思っておりますので、ぜひ引き続き検討いただきますよう要望して質問に代えたいと思います。 53 米原委員 通告しておりましたので、何点か御質問させていただきたいと思います。  この間、北アルプスで行方不明になっておられた方が8日後に奇跡的に助かったというニュースを見て、私は思わず拍手して、よかったなと本当にうれしく思ったのであります。ここに至るまで皆さん大変な御苦労があったと、山岳警備隊員の方々が懸命な活動をしておられたということも報道されておりました。  この場所ですが、北アルプスの不帰嶮という、字を見ると帰ってこなくてもいいというような意味にも感じます。こういう危険なところだから登山者が行きたくなるのかもしれませんけれども、こうした規制といいますか、マナーというか、登山される方々への取組ということもやはり検討していかねばならないと思います。その数日後に、今度はこの場所ではなくて違ったところで遭難事故があり、何人か亡くなられたというニュースもありました。  富山県で北アルプスの登山者が極めて多いというのは、いいことなんでしょうけれども、一方、山岳警備隊の皆さんの御苦労もいかばかりかと察し申し上げております。谷川地域部長さん、どのような現状なのか少しお話しいただけませんでしょうか。 54 谷川地域部長 お尋ねの不帰嶮における救助活動につきましては、9月17日に助けを呼ぶ声がするという110番通報により認知いたしまして、直ちに現場に山岳警備隊員を投入して捜索を開始いたしましたけれども、現地が非常に急峻で複雑な地形であることと、深い霧等の悪天候に阻まれまして、捜索が難航いたしました。遭難から長期間を経過した遭難者の体力を考えると時間との戦いとなっていたと思っております。  しかしながら、隊員の人命救助にかける強い使命感の下、地上部隊と県警の航空隊や県の消防防災航空隊が一体となって捜索を継続いたしまして、今回無事救助に至ったものであります。遭難者の方は頸髄損傷の重傷を負われましたけれども、命に別状はないと聞いております。  この事案に限らず、本年8月末現在における県内の山岳遭難発生状況でございますが、遭難件数は83件、遭難者の方は86人といずれも前年より増加し、また、4人の方がお亡くなりになるなど、コロナ禍以前の状況に戻りつつあり、山岳警備隊員が日夜懸命に救助活動に従事しているところでございます。  県警察といたしましては、今後も継続した訓練により救助技術の向上に努め、また、関係機関と連携しながら安全、迅速な救助活動を行うほか、登山者自身のレベルに応じた登山計画や登山届の提出、GPSや電波発信機の活用を周知するなど、安全登山を呼びかけてまいりたいと考えております。 55 米原委員 本当に御苦労さまでございました。本当に御苦労が多かったと思うし、この小さなヘリから現場のほうを見るなんて、1つ見逃してしまうとアウトといいますか、救助できなかったことになります。大変なことになっていたのではないかと、紙一重の状況だったのではないかと思います。山岳警備隊の皆さんには、またひとつしっかりと対応していただいて、少しでも安全に皆さんに楽しんでいただけるように呼びかけていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。  もう一点ですが、最近、自転車の事故が非常に多いと新聞に大きく出ておりました。今、火爪委員から障害者の方々のお話がありましたけれども、自転車の交通違反というのが極めて多いということで、警察庁も反則金を導入することを検討しているということが新聞で大きく報道されていました。摘発件数が9年で3.4倍という、こういった状況のようです。  最近、富山県の道路でもサイクリングをしている皆さんというのは結構おられます。海外ですと、車専用の道路と自転車の道路は全く別になっているんですけれども、日本では道路に青い線を引いて、ここは自転車、ここは車だと、こういう区分けをしているわけです。歩道だって全部にあるわけではないんです。やはり今の日本の整備というのは、不十分だと言わざるを得ないと思います。  これを一つ一つ改善していくとなると、日本の場合は最初の取組そのものが間違っているのではないかなと私は思います。追っかけっこをしていて、また古いところから始まるというような、そういうことの繰り返しですから、なかなか新しい取組というのはできないと私は思います。  昨今、富山県は横断歩道で停止する車のマナーが極めて悪いと、ワースト3とか2だとかなんて言われたこともありますが、ああいったことが新聞等々で報道されたことによって、皆さんは少し慎重に交差点でも一旦停止されて、子供さんたち、あるいは大人を誘導するという、こういう光景をよく見かけるようになりました。私も心がけております。そうしたら、朝でも晩でも子供たちが止まってお辞儀をするんですよ。あれはすごく気持ちがいいというか、気持ちがすっきりといいますか、子供たちが元気に帰ってきたなという気持ちになります。やはり社会全体がこうしたことに取り組んでいけば、事故がもっと少なくなるし、社会がもっと明るくなるのではないかと思いますが、こういったところはまだまだ不十分ではないかと実は思っています。  そこで、何を言いたいかというと、ただ取締りを強化すれば事故が少なくなるとは私は思いません。地域、学校、会社など、社会全体に自転車のマナーはこうですよということをぜひこれからも呼びかけて、しっかり対応していただきたいと思っていますが、宮島交通部長に考え方をお尋ねしておきたいと思います。 56 宮島交通部長 自転車は子供から高齢者まで身近に利用できる乗り物である一方で、交通事故の被害者、加害者にもなり得る乗り物であり、全ての自転車利用者に対して交通ルールの周知と遵守の徹底を図る必要があるところ、県警察の取組だけでは到底及ばず、委員御指摘のとおり社会全体で取り組んでいく必要があると考えているところでございます。  県内では交通事故全体の件数が減少する中、自転車が関係する事故は増加傾向にありまして、自転車利用側の約7割以上に交通違反が認められる状況にありますことから、自転車利用者の交通ルール遵守意識の促進が極めて重要と考えているところでございます。  県警察では、交通安全教育や自転車月間、各季の交通安全運動期間中の広報啓発活動、交通違反の検挙を通じまして、全ての自転車利用者に対して自転車の交通ルールの周知と遵守を呼びかけているところでございます。特に悪質、危険な自転車の交通違反に対しましては指導取締りを強化しておりまして、信号無視などの交通事故に直結する交通違反に対しては、積極的な検挙措置を講じながら交通ルールの遵守を指導しているところでございます。
     また、着用率の低い高校生への自転車用ヘルメット着用率向上の取組を通じまして、高校生の家族や学校関係者を含めてさらなる自転車の交通ルール遵守意識の浸透を図るなど、自転車用ヘルメットの着用が努力義務化されたことで自転車に関する交通安全への関心が高まっていることを好機と捉えまして、引き続き関係機関、団体と連携し、広報啓発活動と交通指導取締りの両面に粘り強く取り組み、社会全体で自転車の交通ルールを守るという機運の醸成につなげてまいりたいと考えているところでございます。 57 米原委員 特に宮島部長のセクションというのは、処理という言葉は悪いんですけれども、事故が起きたら現場に行って処理する、取り締まる、解決するというか、そういったことが本来の仕事ではなく、いかに事故を少なくするかということで、どのように社会全体に対策を浸透させていくのかというのが極めて大事なことだと思います。  そういった点をこれからもっと広げていく努力をしていかねばならないのではないかと私は思います。今の世の中、新型コロナのこと、世界情勢、働き方、人口減少、子育てなど、いろいろな課題がたくさんあります。警察の役割だとか、教育委員会だとか、土木がどうだとかって、そんなことを繰り返していたら、いつまでたってもよくなりません。  だから、それぞれが役割を担っていく時代にしていくために、今までの考え方を改めていくということも、やはり今の時代に必要になってきたのではないかなと感じます。いろいろな点で御苦労が多いとは思いますが、ぜひしっかりと対応していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。  昨日の予算特別委員会でこのことについても少し触れたいと思っていたのですが、いろいろな課題がたくさんあったものですから、今日の委員会で改めて教育委員会にお尋ねしたいと思います。  本県では人口減少ということがずっと言われてきており、人手不足というのは極めて大きな課題になってきていると思います。  そういう状況の中で、富山県の学校では生徒数減少が続いてきて、学校の再編がずっと検討されてきたと、こういうことですよね。私も何回かこの委員会に籍を置かせていただいており、そのときもこういった統合の話が出ておりました。それが今日までずっと続いており、統合は随分進んだかと思います。  しかし、それだけで世の中の問題が解決しているかというとそうではなく、統合は一つの手段であって、学校はどんな現状なのか、社会はどんな現状なのかというと、今申し上げたように人手不足であると。特に、建設業だとか製造業であるとか、農業におきましてもそうでありましょうし、サービス産業でも、いろいろな現場においてそうであり、人手不足ということは社会問題になっています。  先般、テレビを見ていて面白いなと思ったのは、産業用ロボットの開発・操作、ドローンを使っての高精度な測量、建設用の機材の遠隔・自動操作など、ICT技術の活用です。新潟県だったかと思いますが、工業高等学校について放送していまして、皆さん生き生きと取り組んでおりました。  富山県の現状はどうなのかなと思って、いろいろとお尋ねしてみたのですが、もちろん工業高校ではそういうことをやっているところもあるんでしょうけれども、やはり十分ではないところもあるように感じますので、工業高校だけではなくて、中学校も高等学校も大学も専門学校も、ともかく社会の中で必要とされる産業での人づくりということについて、どういう視点で取り組んでいらっしゃるのか、嶋谷教育改革推進班長にお伺いしたいと思います。 58 嶋谷教育改革推進班長 Society5.0の到来や技術革新などにより社会の在り方が大きく変化している中にあって、特に人手不足が叫ばれております建設業や製造業、農業において新しい技術を活用できる人材を養成するためにも、技術の高度化に対応したものづくり教育ですとか、スマート農業機器を利活用できる生徒の育成を推進していくことは、大変重要なことであると認識しております。  これまでの再編統合や高校教育の魅力化を図る取組におきましては、工業や農業等の職業科におきまして実習棟の新築や設備整備を行ってまいりました。例えば工業科においては、ものづくりに必要な総合力を身につけるためのものづくり学ですとか、ドローン測量と3Dプリンターを融合した調査研究など、技術革新に対応した教育内容を導入し、教育活動の充実を図ってきたところでございます。  全国高等学校ロボット競技大会におきましても、近年、県内の県立高校が優勝をはじめ入賞を果たすなど、こういった取組が結果として表れているのではないかと考えております。  今後の工業科につきましては、本年5月に取りまとめました令和の魅力と活力ある県立高校のあり方に関する報告書において、生徒、産業界のニーズ等を踏まえた配置バランスや定員設定等の検討が必要とされておりまして、社会の変化に応じた新たな学科やコースへの改編、また、ICTの活用による学びの充実等を取組の視点として掲げているところでございます。  こうしたことを踏まえまして、6月に設置しました県立高校教育振興検討会議におきまして、再編に関する学校規模・基準ですとか、学科やコースの見直しに関する基本的な方針などについて丁寧に検討しているところでございまして、引き続き全県的視野に立った工業、あるいは農業系高校の魅力ある教育環境づくりを進めてまいりたいと考えております。 59 米原委員 こんなことを申し上げていろいろと誤解があってはいけないんですが、一昨日だったか、JAの幹部の方が私どものほうに要望に訪ねてこられまして、いろいろと意見交換をしました。  農業の現状というのは、スマート農業であるとか、お米だけではなくて果樹のことであるとか、漁業の関係であるとか、いろいろな課題がたくさんある中で、何とかしてくださいと、どちらかというとこういう要請なんですが、そうじゃないでしょうと。皆さんでどのようにやっていきましょうかということについて検討しないといけないわけで、そういうこと一つ取っても、現場と学校とのギャップがあると思います。今、班長からお話があったようなことを検討して振興は進んできたということをおっしゃったので、その点は今までよりも少しは理解してくださったかと私は思います。  私は何回も中央農業高校へ行ったことがありますが、もう10年以上前のばたばたの機械が並んでいて、それで子供たちに一生懸命農業をやりなさいと言ったって、将来農業をやる気なんか起きませんよ。私はそのように感じたものですから、何とか今の新しい機械に入れ替えてくださいとお願いして、GPSもついている新しい機械5台を入れてもらいました。これが入ったことによって子供たちが物すごくやる気になって、全国の農業の甲子園大会か何かそういったことに取り組んで、皆さん生き返ってすごく元気になってきた。  生きた教育というのはそういうことで、ただこれをやりなさいと言うだけでは駄目で、これから極めて人口減少が進むということからすると、いろいろな現場とキャッチボールをしながら、何が今必要なのかということを子供たちに教えていくような教育、こういったことを一つ一つ考えていかないと、地域の産業そのもの、社会が成り立たないような時代にきてしまっていると実は思います。  そこで、もう一つの例を申し上げますと、YKKの副社長をされていた井上さんという方がいらっしゃいます。親しくしているものですから、相談役にもお話を聞いたことがあります。このYKKの発祥地は富山県で、世界77か国に拠点があると。製造の本山というのは富山県なんだ、富山県を基軸にして、これからしっかりと人材を求めて、ここでさらに世界に商品を発信できるような地域づくりをしたいんだと、そのためには人が必要なんだと。  ところが、富山県の学校教育の中で自分たちに合う人がいないじゃないかと。例えばデザイン一つ取っても、窓枠というのは、窓枠の技術云々じゃなくて、デザインをしないといけないわけで、デザインの人が欲しいんだけれども、デザインができる人がいないと。そういうことでどうするんだと、こうおっしゃいました。当時このことを何度か申し上げたかもしれません。そういった点を学校教育の中に取り入れていらっしゃるようですけれども、まだまだ足りない。  新幹線の開業によって道路もよくなって、いろいろなことが変わってきた。最近、富山県にも企業がたくさん進出してきた中で、富山県でどのように人材を教育していくのかということを総合的に判断していただけるように、工業系あるいは普通科も含めて、再編の状況も含めながら、全体の中でこれからしっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、どうですか。  最初の話でしっかりとやっているということでしたが、こういったこともこれから考えて対応してくださいよ。  今申し上げたことでありますが、どうもこれは教育長に判断してもらわないといけないということでございますので、改めて、荻布教育長に所見をお伺いしたいと思います。 60 荻布教育長 委員からお話がありましたように人口が減っていく、生徒数が減っていくという中、富山県には様々な産業がございます。ものづくりがあり、農業、建設業を担う人というのも非常に大事です。こういった各産業分野を担う人材育成というのが大事ですし、また、これからの予測しづらい世の中を自分らしく、一人一人が生き生きと生きていける、そういう人になってもらうための教育というのが非常に大事だと思っております。そういった問題意識に立って、高校の今後の在り方について検討を進めているつもりであります。  そうしたことで、令和3年からこの春にかけて、県立高校の在り方に関する検討委員会をやってきました。今年の5月に取りまとめをしましたが、その中においては高校の目指すものとして、今ほど述べたことと重なりますが、予測困難な中でも自分らしく幸せに生きることができる、そして社会の一員として社会の形成に主体的に関わっていけるような人になる、そういった人づくりをする。そして、未来を切り拓いていくための確かな資質、能力、意欲というものを育てる、課題を主体的に発見して解決する力を育てる、そのようなことをうたって、高校改革を進めていきたいと考えております。  具体的に、地域の産業を支える人づくりという意味でいいますと、例えば工業科では、地域や産業界との連携や協働を深化させる取組をさらに進めていきたいと掲げておりますし、また、ものづくりを中心とした課題解決型の学習をさらに深めていきたいと考えております。また、DXが進んでいくことに対応して、地域の産業界をこれからも牽引していける人材を育成していけるように、ICT技術などの活用も高校でさらに進めていきたいと、この取りまとめにも盛り込んでおります。ですので、これからの高校の教育というのは、そういった方向で深化させていきたいと思っております。  6月に新たな検討会議を立ち上げまして、これからの高校の在り方、学科やコースの見直しについても御意見を頂き始めているところであります。この会議においては、委員からも御指摘がありましたように、高校の規模や基準、再編の基準というのも大事だけれども、それだけではなくて、学科やコースの見直しや、どんな学校をつくるのか、どんな教育をするのかということを併せて検討する必要があるという御意見も頂きました。  また、職業系の学科においては、社会から求められる能力や技術というのが変化してきているので、しっかりそういったものに対応すべきだという御意見、またさらには、富山県では農業や工業というのが非常に大事だと、こういった分野で全国から羨ましく思われるような、そういった高校の在り方を思い切ってデザインするんだというつもりで考えていくべきだという御意見も頂いたところであります。まさにそういったお考えを私どもも共有した上で、今後の高校の改革について取り組んでいきたいと思っているところであります。 61 米原委員 教育長にこういった前向きなお話をしていただけるとは、正直に言って、本当にうれしく思いました。今まで随分いろいろなことを申し上げてきたつもりですけれども、社会、産業、経済などの状況の中で、どのような人材を育てていくのかということについて、あまり皆さんお話しなさったことはありませんでした。建設業や製造業、農業、DXのこととか、そういった分野のことまで具体的にお話しなさって、皆さんと協議しながらどうやっていくのか今検討していると、こういう話でございました。  大変前向きに検討していらっしゃると感じました。改めて敬意を表したいと思います。  そこで、今人材が不足しているところ、例えば建設、農業の関係等々ですが、ただそれを教育委員会、国、県、市とかに言うだけではなくて、産業界や企業の人たちも、どんな協力ができるのかと。ほかの県の教育委員会では、その地域の経済界といいますか、そういう方々との連携、交流が最近うまく進んでいるとちょっと耳にしたことがあるんですけれども、私は富山県も当然そうなるべきだと思います。業界や企業の方々にも今の実態と、皆さんの役割はこうですよ、我々の役割はこうですよということを話して、もっと連携しながら、地域経済の方がどのような協力、支援ができるのかということを一緒になって考えるという、こういう時代になってきたと私は思います。その切替えができないで、頼むから何とかしてくださいよなんていう、そんなことで人が来るものではないし、育つものではないと思うんですよ。一緒になって考えないと駄目だ。これから、そのぐらいのことを堂々と言ってください。そうでございますかと言うばかりではなくて、駄目だったらそれは違うと、考えが違ったら違うと言ったほうがいいですよ。そうしないとなかなか社会の改革にならないと私は思います。  そういうことをこの間いろいろな業界の方に言っていて、JAの方にも申し上げました。あなたたち、農業高校へ行ってどんなことを学んでいるのか見たことがあるのかと。現場も行かないでそんなこと分かるわけないじゃない。それで何かあったら何とかしてくださいって要望書を持ってこられたって、できるわけないじゃないですかということをこの間も申し上げました。  現場と自分たちの現状はどうなのか。これから何を学校にお願いするのか。そのためには自分たちはどんなお手伝いをしないといけないのか、協力をしないといけないのかといったことを、もっと胸襟を開いて進めていく。その中で人づくりをしていくということを考えないと、なかなか人材というのは確保できないのではないかなと。人を確保することは、ずっと昔からいろはの「い」の字です。人を確保できなかったら、社会が成り立たないんですから。看護師さんであれ何であれ、みんなそうです。そういうことから考えると、本当に人づくりというのはこれから大変な役割を担っていかなければいけないと思います。様々な検討をされている中で、そういった点を取り上げていらっしゃるということは私も伺っておりますが、そういった点についてしっかり御理解いただきまして、これからも努力いただければと思います。  最後にもう1回、その辺の気持ちをひとつ聞かせていただけますか。 62 荻布教育長 今ほど委員から、人づくりというのは学校だけでできるものではないんだというお話もありました。本当にそれはそのとおりでありまして、特にこうした生徒数が減少していく中で、新たに何かを拡充させていこうとなると、なかなか全体の中で難しいという、そういった流れの中で考えていかなければならないという状況もあります。  また、これは6月に設置した検討会議でも出た意見ですけれども、特に職業科においては、その職業科で何を勉強するのかというのがなかなか中学の時点ではイメージしづらいですとか、保護者の方がちょっとよく分からないから取りあえず普通科に行っておいたほうがいいんじゃないかということにどうしてもなりがちだとか、そういった御意見もありました。また、卒業後の出口のところで、就職することになる関連分野の産業自体の状況、魅力というものが伝わらないと、なかなかそういった進路選択につながらないのではないかといった御意見もこれまで頂戴しております。  そういったこともございますので、なるべく学校教育と関連する産業、地域とも連携しながら、学校教育を進めていかなければならないと感じています。そういったことから、これまでも地域のいろいろな産業で活躍されている方を講師として学校にお招きしたり、学校から現場にお邪魔させていただいたり、実習させていただいたりしております。そういった地域や産業、あるいは大学というのもあるのかもしれませんが、地域との連携というのをもっと進めていく必要があると思っております。  検討会議において各県の状況などもいろいろ調べていた中で、お隣の新潟県の職業系高校の視察に行ってきたことで分かった事例でございますけれども、この学校では地元の関連の業界、これは建設業の関係なんですが、そういった団体のほうから実習に必要な物資ですとか、講師の派遣ですとか、かなり御協力いただいて取り組んできたと。そうしたことが新たに土木系コースをつくることにつながったという、そういった事例もあるということを勉強させていただきました。  やはり生徒が現場に出向いて勉強することで、建設業の魅力が非常によく理解できたと、そういった声も聞いてきたところであります。こういった他県での先進的な取組ですとか、県内の各産業関係の皆様の御意見なども聞いた上で、また、今ほどの委員の御提案も踏まえて、今後の富山県の魅力ある高校教育、産業を担う人材育成といった観点からもしっかりと取り組んでいきたいと思っております。 63 米原委員 大変前向きな発言でした。現地にも足を運んで御調査いただいたようでありまして、改めて敬意を表したいと思います。本当に人を育てるというのは大変なことだと思います。  もう一つ、昔だったら親御さんがそんな仕事やめておきなさいとか、そういうことを言ったという話もよくあるんですが、そういうことをまだ言っておられる、社会のことをよく分かっていない親御さんがいらっしゃるような気がするので、親の教育をどうするかというのはなかなか難しいことであります。  いずれにいたしましても、企業の人たちにもっといろいろと現状を話して、地域全体で人を育てて社会で生きることはこういうことなんだということを積み重ねていけば、必ずそれが浸透して、地域のいろいろな産業で大きな役割を果たしていくことは間違いないと思っています。私たちも一生懸命サポートすることをお約束いたしますので、またひとつしっかりと取り組んでいただくようよろしくお願い申し上げたいと思います。 64 武田委員 昨日2時頃のワイドショーを見ておりましたら、ちょうど2時半頃から富山県警ユーチューブチャンネル提供というサポート詐欺の動画が出てまいりました。富山県警ってなかなかすごいんだなと、全国でも脚光を浴びているのかなという思いでありました。  その後、3時頃にあいの風とやま鉄道に乗りますと、車両内に富山県警の中づり広告がありました。エモテット、フィッシング、ランサムウェア、そしてこのサポート詐欺と詐欺を4種類に分類して、警告といいましょうか、啓発というようなことで、中づり広告があったわけであります。  テレビを見ておりましても、こんな詐欺があるのかなと思いましたので、このサポート詐欺の内容と、県内における被害があるのかどうかということ、対策方法について、高島生活安全部長にお伺いいたします。 65 高島生活安全部長 昨日のテレビで紹介されたユーチューブ動画につきましては、今年3月に対策のために作成して掲載しているところでございまして、テレビ局からぜひこれを使わせていただけないかという話があり、いいですよということで昨日放映になったと承知しております。  今ほど御質問がございましたサポート詐欺の手口につきましては、パソコンでインターネット等を閲覧中に突然「ウイルスに感染しました」あるいは「サポートに連絡してください」といった警告メッセージが流れます。併せて050から始まる電話番号に連絡してくださいとユーザーをあおって、一例ではございますけれども、そこに電話いたしますと、たどたどしい日本語を話す外国人がウイルス除去やパソコンのサポートを名目に電子マネーを購入してくださいといったことを要求して、その電子マネーのシリアルコードを電話で伝えることによって金銭をだまし取られるといった手口でございます。  いろいろな詐欺の手口があるわけなんですけれども、サポート詐欺については、還付金詐欺に次いで多い手口でございまして、今年の1月から被害が急増しているといった状況にございます。そこから統計を取り始めておりまして、令和5年1月から8月末までの被害の認知件数は11件、被害総額は約295万円であります。これは認知した数、被害届を受理した数でございますけれども、これに相談を加えますと、相談、被害合わせて53件、被害総額は1,510万円ということになってまいります。  県警察では、今ほど御紹介のありました富山県警察公式ユーチューブチャンネルにおいて、サポート詐欺の実際の手口というものをお伝えいたしておりますほか、各種広報媒体を通じまして、被害防止対策等の注意喚起を図っております。  具体的にパソコンにこういった警告画面が出た場合なんですけれども、まずブラウザを終了し、終了できなければパソコンを強制終了していただいて再起動すると。また、050という電話番号に電話をかけないということも大事なんですが、最も大事なこととしては、犯人側は必ずアプリをインストールしてくれと言ってきますので、これをインストールしないといったことが大切でございまして、注意喚起しているところでございます。  あわせて、不安なことがあれば警察相談電話がございますので、♯9110に相談してくださいということでお願いしているところでございます。  特殊詐欺というのは様々な手口がございます。そういった手口情報、あるいは対処方法について迅速、正確に県民の皆様にお伝えし、関係機関、団体と連携いたしまして、被害防止対策をしっかりと進めてまいりたいと考えております。 66 武田委員 全国的にも有名なワイドショーに富山県警のユーチューブチャンネルと出ているものですから、やはり国内でも富山県警の取組というのが目立って優秀なのかなと思っておりますが、その点についてはどうでしょうか。 67 高島生活安全部長 私の口からは言えませんが、そう思っていただければ本当にありがたいと思いますし、そう思っていただけるように引き続き一生懸命頑張っていきたいと思っております。 68 武田委員 例えば、オレオレ詐欺とか昔からある特殊詐欺の件数も少しずつ減ってきていると思うんですが、まだまだこういう詐欺の被害に遭ったということが新聞でよく報道されております。特に気質上、南砺市の方が非常に多いような気がします。  また資料などを見せていただければありがたいんですが、どの市町村が多いかということであったり、今までの件数であったり、半年で区切るならそれぐらいでいいんですけれども、何件ほどあって、被害総額がどれだけだというようなことも少し教えていただければと思います。  本当に最近なんですけれども、私の後輩の子供さんが、ネット事業をしませんかということで残念ながら百数万円を振り込んで、次に240万円を振り込んでくださいというところで父親である私の後輩が気づいて、ようやくそこで止まったという事例がありました。多分被害届は出ていないと思います。部長もおっしゃったように、被害届が出ていないものがたくさんあるのではないかなと思っておりますので、さらなるユーチューブチャンネルの発信をお願いできればと思っております。 69 八嶋委員長 ほかにございませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑・質問を終わります。  5 行政視察について 70 八嶋委員長 次に、閉会中継続審査事件の調査のための行政視察について議題といたします。  県内行政視察については、必要に応じて機動的に実施していきたいと考えており、その実施に当たっての日程調整等につきましては、委員長に御一任願いたいと思います。  これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 71 八嶋委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。  以上で付議事項についての審査を終わります。  この際、ほかに御意見等ございませんか。──ないようでありますので、これをもって委員会を閉会します。 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...