富山県議会 2023-02-01
令和5年2月定例会 一般質問
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午前10時00分開議
◯議長(渡辺守人君)おはようございます。ただいまから本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。
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県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑
2 ◯議長(渡辺守人君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第1号から議案第49号まで、報告第1号及び報告第2号を議題といたします。
これより各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告がありますので、順次発言を許します。
川島国君。
〔15番川島 国君登壇〕
3 ◯15番(川島 国君)おはようございます。自民党議員会の川島国です。
今議会最初の一般質問であり、任期最後の質問であります。渾身の思いを込めて質問いたしますので、新田知事並びに県幹部の皆様には、県民が幸せになるような前向きな答弁をお願いしまして、質問に入ります。
「来て良し!住んで良し!育てて良し!」の富山県実現へ向けて、大きく3項目の分割質問をさせていただきます。
まずは、「来て良し!」の富山県実現へ向けて、コロナ禍を乗り越え、多くの人たちに本県へ来てもらうための施策について問うていきたいと存じます。
本年5月には、
新型コロナウイルスの感染症法上の扱いが2類から5類へ移行する方針が示され、長らく行動制限の同調圧力が続いていたものが、ようやく明けを感じるところであります。
海外からの観光客も取り込み、本県経済も復興させていかねばならないと考えますが、長引くコロナの影響により、観光に関わる業種の体制が、多くの人を迎え入れる状況に戻っているのか心配されるところであります。
富山県内において、観光に大きく関わる宿泊業と飲食サービス業の事業者数は、コロナ前の平成28年では5,654事業所、令和3年では4,754事業所と900事業所が減少しており、観光業に従事する従業員数も、平成28年時に4万246人だったものが、令和3年時では3万3,100人と7,000人以上が離職しております。
このような現状に反転攻勢をかけてインバウンドも取り込んでいくには、観光産業への人材確保や受入れ体制の強化支援策を講じていく必要があると考えますが、新年度予算において、観光で富山県が選ばれる施策をどのように打ち出し他県との差別化を図っていくのか、
南里地方創生局長にお伺いいたします。
着地型観光やマイクロツーリズムを拡大し、本県の自然や食、文化、資産の魅力を広く知ってもらうことが、安定的な観光客を定着させることにつながるものと考えます。本県の公共交通、あいの風とやま鉄道や万葉線、JR城端・氷見線など鉄軌道の最大活用を図ることが、その近道であります。
現在、県では、新たな
地域公共交通計画の策定へ向けて幅広く議論がなされているところでありますが、県民の通勤通学時における自動車利用率が80%と、全国平均の約50%と比較すると、いかに富山県民が公共交通を利用していないかが分かります。
地域公共交通の利用意識を高めていくための施策と、観光要素を高めた
地域公共交通政策の強化を図るべきと考えますが、
田中交通政策局長の見解をお願いいたします。
昨年の12月定例会に引き続き今議会においても、あいの風とやま
鉄道利用促進傍聴ツアーを開催させていただきました。参加いただきました福岡町
観光ボランティアグループさくらの会さんと後援会の皆様には、厚く感謝を申し上げます。福岡駅の
エレベーター設置事業に感謝の意を込めまして、今後も公共交通の利用促進に努めてまいりたいと存じます。
地域公共交通を利用したくなるにはどうしたらよいのか。便利な自動車から電車へ目を向けてもらうには、やはり利便性を高めていくほかないのであります。運行ダイヤのパターン化や、鳥取県のJR境線に導入された
車載型IC改札機など、利用者側に立った視点で利便性を高めていく必要があります。
もう一つには、デザイン性の向上であります。乗ってみたくなるような電車やバス、大事な要素だと考えます。現に
万葉線ドラえもんトラムは、単
年度最高乗車人員が14万2,000人と、乗りたくなる車両の実績成果を上げています。
とやまJUMP構想の具現化の下、動線の観光資源化を図っていくことで、誰もが乗りたくなる地域公共交通の実現を目指すべきと提案いたします。新田知事の見解をお願いいたします。
子育てを卒業されて、孫守りをされておられる知事におかれましては、お孫さんが幸せを感じられて笑顔になるようなアニメ、漫画を活用したまちの風景をつくっていただきたいとお願いするものであります。
新年度予算において、JR大阪駅に隣接する一等地に、北陸3県の魅力をPRする
関西圏情報発信拠点の予算が計上されております。北陸の魅力を余すところなく関西圏でPRすることは、北陸新幹線の大阪延伸を見据えて、大いに意義のあることと評価をいたします。
しかしながら、ただただ北陸の3県が特産品を陳列していても、その効果は発揮できないわけでありまして、PR戦略を3県連携してどのように取り組んでいくのかが肝要と考えます。北陸に来てもらうための新しい旅行商品の開発や発信、また北陸がコラボレーションした北陸でしか手に入らない商品開発、例えば富山のホタルイカと石川の金箔がコラボした商品なんか面白いと思いますし、そのような北陸商品のコンテストなどを開催してもよいかと思います。
北陸の一体感と3県それぞれの特色、魅力を最大限PRできる拠点にしてほしいと思いますが、北陸3県の
スケールメリットを生かしながらどのように取り組んでいくのか、新田知事にお伺いいたします。
新型コロナの影響もあり、東京の銀座や有楽町から全国の
自治体アンテナショップが撤退していく傾向にあるとの報道がありました。ネット通販の普及もあって費用対効果を考えると、あまり大都市に
アンテナショップを構えておく必要性がなくなってきたとのことであります。
私は、他の自治体が撤退していく中、攻めの姿勢で際立った富山県の情報発信拠点にしていくことが、むしろ大事だと考えます。運営に当たっては、これまでのように売上高や来場者数では政策の目標達成に近づいているのか測れないと考えますので、本県観光への寄与度であったり、しっかりと成果分析できる目標設定をすべきであります。
県外情報発信拠点である日本橋とやま館、いきいき富山館、新設予定の
関西圏情報発信拠点について、その効果や成果の目的に沿った分析をどのように行っていくのか、
南里地方創生局長にお伺いいたします。
4 ◯議長(渡辺守人君)新田知事。
〔知事新田八朗君登壇〕
5 ◯知事(新田八朗君)川島国議員の御質問にお答えします。
まず、公共交通についての御質問にお答えします。
持続可能な公共交通を確保するためには、誰もが乗りたくなるような
地域交通サービスの実現をし、県民や来県された皆さんにより多く利用いただくことが大切であり、富山県
地域交通戦略会議やその下に4つの部会を立ち上げて、活発な議論を行っております。
先月の戦略会議では、鉄軌道サービスの利便性、快適性の向上など4つの視点から、今後の検討のポイントを整理した
地域交通ネットワークの目指すべき姿を取りまとめました。
この目指すべき姿を基に、具体的な方策の検討を今後進めることになりますが、あいの風とやま鉄道の福岡駅のバリアフリー化、あるいは万葉線のICカード導入に向けた支援、また
MaaSアプリと万葉線、
富山地鉄市内電車の
ロケーション情報とのデータ連携など、利便性の向上に係る経費について、計画の策定を待たずに新年度当初予算案に計上し、本議会に提案させていただいているところでございます。
また、
パターンダイヤ化、これも利用者の利便性を高めるということは議員御指摘のとおりです。
そして、デザイン性の向上を通じて、公共交通に乗車することでワクワクする楽しみを提供することも、有効な取組の一つと考えておりまして、例えば、本県にゆかりのあるアニメ、漫画のコンテンツを取り入れた城端・氷見線の忍者ハットリくん列車、あるいは万葉線の
ドラえもんトラムなどに支援を行っています。
新年度においても、車両のラッピングや内装に対して支援を行うことにしておりまして、
公共交通事業者の御意見などもお聞きをしながら、誰もが乗りたくなる地域交通の実現に向けて今後とも取り組んでまいります。
次に、
関西圏情報発信拠点についての質問にお答えします。
関西圏での情報発信拠点において、北陸3県が連携して北陸の魅力を発信することにより、石川県、福井県を目的に来店した方にも富山県の魅力に触れてもらうことで、本県への集客も期待でき、特に国内を周遊するインバウンド客には、北陸という大きなエリアをアピールでき、その効果に期待をしております。
昨年7月に初めて開催しました北陸3県知事懇談会では、
北陸新幹線敦賀開業は北陸を国内外に発信するチャンスとして、観光での連携に取り組むことに合意をしました。
他県との観光連携は、議員提案のコラボ、ホタルイカ×金箔、あるいは、ソースカツ丼×
ブラックラーメンなどあるんでしょうか、ちょっと重たいですかね。そのような観光素材をお客様目線でつなげることが重要だと思います。
そのために、知事懇談会を受けた新たな取組として、今年度北陸3県での相互理解を図るために、北陸3県の観光案内所のスタッフ同士の合同勉強会を、先般、高岡市内で開催しました。富山県を訪問するのが初めてというスタッフも複数名おられ、歴史的な価値を十分把握できた、あるいは周遊につながる観光プランを提案したい、さらに羽咋の人は、羽咋市に来た方を氷見市など近隣の市にもつなげるようなプランを考えたい、あるいは和倉の方は、和倉温泉への観光客に富山の名称を見たいという人が多い、これも結ぶようなルートをつくりたいなどなど、初めてだった人も多いので、新鮮な、かつまた意欲的な声が上がったことで、有意義な会になったというふうに考えております。
今後、3県共同での
デジタルプロモーションをはじめ、効果的な情報発信を実施いたしますとともに、関西圏の情報発信拠点では、例えば北陸3県が、共通のテーマで販売や試食などのイベント、あるいはフェアを実施するなど、ちょうどバーカウンターも作る予定ですので、そこを活用して、このようなことを実施したりして、各県の観光素材をコラボさせ、また競い合わせるような仕掛けをしながら、北陸としての魅力を最大限発揮して、富山への誘客、北陸3県を一つの観光地としてアピールしていきたいと考えております。
1回目、私からは以上です。
6 ◯議長(渡辺守人君)
南里地方創生局長。
〔
地方創生局長南里明日香君登壇〕
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◯地方創生局長(南里明日香君)私からは、令和5年度当初予算における観光施策についてお答えいたします。
新型コロナ禍を乗り越え観光再始動を図るために、来年度は非常に重要な年になると考えておりまして、新年度の当初予算案では、将来を見据えた観光施策に力を入れたところでございます。
来年1月には、全国的に注目を浴びる
黒部宇奈月キャニオンルートの旅行商品の販売がスタートいたします。この
キャニオンルート一般開放の効果を最大化し県内全域に行き渡るよう、来春の敦賀開業や秋の
北陸デスティネーションキャンペーンとも連動いたしまして、富山湾鮨などの食、世界文化遺産の
五箇山合掌造り集落や国宝勝興寺などの歴史、文化、美しい富山湾の自然など、本県の魅力を活用した県内を広く滞在周遊する旅行商品の造成支援や
プロモーションの強化に取り組んでまいります。
また、インバウンドを取り込むため、台北からの臨時便運行や定期便再開に向けた
プロモーション強化、欧米豪からの誘客促進のための現地での
プロモーション、また、そのほか国際線再開を見据えた情報収集、分析などを実施いたします。
さらに、
受入れ体制整備でございますが、高
付加価値旅行者向け宿泊施設立地のための方策の検討や既存の宿泊施設の上質化など高付加価値な観光地づくりに取り組むとともに、観光事業者が少ない従業員でも対応できるよう業務効率化のためのDX対応への支援ですとか、また市町村と連携したおもてなし機運の醸成なども進めてまいります。
アフターコロナに向け富山が選ばれ続ける観光地となるよう、市町村や関係事業者等と連携しながら積極的に取り組んでまいります。
次に、
県外情報発信拠点の成果分析についてお答えいたします。
本県では、県への誘客、移住、販路拡大等、関係人口拡大を図るため情報発信拠点を設置しておりまして、有楽町のいきいき富山館は、他県の
アンテナショップが集積した交通会館ビルに入居する地の利を生かしまして、開館以来、年々増え続けて約3万人に達した固定客を取り込んでいるほか、日本橋とやま館は、本県と首都圏をつなぐ交流の場として、本県への誘客、移住につなげる役割を担ってまいりました。
こうした取組の成果につきましては、売上高や来館者数をKPIとするだけでなく、客単価や商談件数、メディア露出やSNSでの反応など多角的に分析を行っておりまして、毎月の販売、催事、広報の戦略策定に生かすこととしております。
例えば、コロナ禍の内食需要の変化のデータによりまして、家飲み用の日本酒や、高単価の昆布じめの商品を充実させまして、一方でそれら富山の食材を紹介、解説するトークイベントを企画したところ人気となりまして、参加者からはコロナ後にぜひ富山県を来訪してみたいというような声も多く聞かれたところでございます。
関西圏情報発信拠点は、初の北陸3県連携での出店となること、また関西国際空港からの多数の人流が見込め関西からの
インバウンド誘客につなげられることなど、東京とは異なる特色とか役割がございます。成果を分析しつつ、北陸エリアとしての効果的な打ち出し方法や関西からの誘客について、3県で検証してまいりたいと思います。
今後とも、様々な角度から成果分析を行いまして、それを生かした戦略や取組を実施することで、各情報発信拠点を起点とした関係人口拡大を図ってまいります。
8 ◯議長(渡辺守人君)
田中交通政策局長。
〔
交通政策局長田中達也君登壇〕
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◯交通政策局長(田中達也君)私からは、地域公共交通の維持活性化施策についての御質問にお答えいたします。
持続可能な公共交通の確保のためには、通勤通学など県民の日常的な利用や、国内外の来訪者による利用の一層の促進に向けて、市町村や交通事業者、そして公共交通を利用した傍聴ツアーのお話もありましたが、県民の方々を含め関係者が連携し、取り組む必要があると考えております。
通勤通学時の地域交通の利用については、本日から交通事業者等と協力し、とやまノー
マイカーウィークを開始しました。期間中、
MaaSアプリのマイルートを活用し、お得な価格で交通機関を乗り継ぎできますデジタル乗車券を発売します。また、この取組を今後の通勤通学の利用につなげるため、県内全市町村や交通事業者が参加する
交通ワンチーム部会の場において、積極的な参加を呼びかけております。
なお、参加者募集に当たりましては、公共交通は環境に優しいことや、健康によい点もアピールしているところであり、公共交通を利用する意識の醸成に努めてまいります。
また、観光との連携につきましては、新年度においては、
地域交通戦略会議の議論を踏まえ、
MaaSアプリを活用し、公共交通の乗車券と観光地等で利用できるクーポンを組み合わせた
デジタルチケットの充実を目指しますとともに、北陸3県周遊の観光需要を取り込むため、3県の並行在来線が連携した
北陸新幹線敦賀開業記念キャンペーンの実施などに取り組むこととしております。
観光資源を公共交通の利用に結びつけることは有効と考えておりまして、観光関連部局とも連携を図りながら、施策の検討を進めてまいります。
10 ◯議長(渡辺守人君)川島国君。
〔15番川島 国君登壇〕
11 ◯15番(川島 国君)「住んで良し!」の富山県実現に向けて質問いたします。
私はこの2期目の任期中、特に力を入れてきた政策提言が、県土強靱化、激甚化する自然災害から県民の命と安全を守るための備えをしっかり整備していくことでありました。
「備えよ常に」と訴え続け、安心して生活できる社会基盤を構築していくことが政治の大きな務めと考えております。
富山県の歴史は河川との闘いの歴史でもあり、河川の氾濫を防ぐためのダムや砂防堰堤に大きな投資を続け、その水防の歴史を世界遺産にしていくほどの全国一の河川県と言っても過言ではありません。
現在、県内の国直轄河川、県西部で言えば庄川や小矢部川でありますが、20年から30年に及ぶ河川整備計画に基づき
河川改良整備工事を行っておりますが、国土強靱化と言える予算規模ではなく、例えば小矢部川の令和4年度当初予算は約2億円程度であり、今年度の
県営河川整備事業における工事箇所、滑川市の沖田川で3億8,000万円、高岡市の地久子川で3億円、魚津市の鴨川で2億円と、県営事業より予算規模が小さく、激甚化する豪雨などの自然災害の深刻度を鑑みても、およそ国土強靱化とは言えません。
国土貧弱化計画と言われないためにも、河川県における国の直轄河川整備に見合う予算規模をしっかりと国に要請していくべきと考えますが、新田知事の見解をお願いいたします。
私も、県選出の頼れる国会議員の先生方に現状を伝え、しっかり要望を挙げていきたいと存じます。
県民の安心を守るための警察署の再編が進んでおります。50年近く経過し老朽化している警察署をリニューアルして機能強化を図り、かつ警察官のパフォーマンスが向上するよう働きやすい職場にしていくことは、非常に大事であります。
私はそれと同様に大事だと考えるのが、県民に開かれた親しみのある警察署をつくっていくことであります。県民の命と安全を守る警察署は、県民から近寄りがたい無機質で寒々とした建物よりも、明るくて親しみやすい建物であってほしいと願います。
そこで質問ですが、新警察署については、機能性はもとより県民に開かれた親しみのある警察署という観点から、デザイン性についても考慮していくべきと考えますが、どのように進めていくのか問うものであります。
高岡エリアに建設される新警察署は、担当エリアが高岡市と氷見市に広がります。広く県民から親しまれ、ウェルビーイングを向上させていくデザインとして、とやまJUMP構想の下、藤子不二雄先生のアニメ・
漫画キャラクターを活用し、子供たちからも親しまれ、観光資源にも成り得る付加価値の創造を目指してはどうかと提案いたします。県警本部長の所見をお願いいたします。
働く場所をつくり出すことが、定住を増やし本県経済も活性化させていくことは自明の理であります。
近年、本県への企業立地動向は、平成29年度の立地件数58件から令和3年度の60件、雇用創出数が571人から356人と、おおむね立地件数が60件から70件、雇用創出数が350人から600人を推移しております。業種については、過去3年間で約34%が医薬品製造会社でありますが、昨年提案させていただきました国が支援する半導体分野や防衛産業分野の企業誘致など、さらに攻めの姿勢で企業誘致を図っていくことが必要であります。
体制も強化し、企業誘致や
スタートアップ政策を一層強化していくべきと考えますが、横田副知事に新年度予算における取組についてお伺いいたします。
空き家問題は、深刻さが極めて増してきております。
私の地元福岡町でも、家主が亡くなり相続人とも連絡が取れず、屋根瓦が落ちて危険だから市道を通行止めにして、地域住民を悩ませております。
2年以上も道路を封鎖している状況は、もし近隣で火災が起きたら消火活動もできず延焼を招く非常に危険な現状が今なお継続的に続いており、自治体も対応に苦慮しております。
このような状況を招く、人の住んでいない空き家が本県には、平成25年には3万800軒だったものが平成30年には3万2,200軒と、5年間で1,400軒の増、右肩上がりとなっております。
空家等対策特別措置法の改正により、空き家所有者の税制優遇措置の解除など対策強化が図られてきておりますが、市町村と緊密な連携で、所有者や空き家地域のサポート体制を強化していくべきと考えます。
県として、より踏み込んだ実効性のある空き家対策を講じていくべきと考えますが、現状をどのように捉え対策を強化していくのか、新田知事の見解をお願いいたします。
12 ◯議長(渡辺守人君)新田知事。
〔知事新田八朗君登壇〕
13 ◯知事(新田八朗君)まず、
直轄河川整備事業についての御質問にお答えします。
本県は、水資源に恵まれております。でもその一方で、全国屈指の急流河川によって、かつては大きな被害を受けてきたことから、長年にわたり治水事業が行われてまいりました。
現在、国においては、5つの直轄水系において、堤防のかさ上げあるいは拡幅に加えて、洪水の浸食あるいは浸透水から堤防を守る急流河川対策や浸透対策などの河川整備が進められています。
このうち小矢部川では、高岡市長江地区などにおいて浸透対策が行われているほか、河川整備計画にはおおむね30年間で実施するものとして高岡市福岡地区の浸透対策なども位置づけられています。
現在、近年の水害の激甚化、頻発化を踏まえまして、国や県などの河川管理者と関係者が協働して、ハード、ソフト両面から治水対策を行う流域治水という考え方での対策も進められています。このうち、直轄河川の整備につきましては、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策によって整備の加速化が図られています。
県内には整備を要する箇所がまだ多くあり、県としては、さらにスピード感を持って取り組んでいただきたいと考えております。
このため、昨年5月に行いました国の重要要望、また7月には北陸地方整備局長に対しまして、また10月には国土交通政務官に対して、必要な予算を安定的かつ継続的に確保されるように、実情を伝えながら直接お伝えをしたところでございます。そしてまた、全国知事会や治水事業促進全国大会などの場も活用して働きかけを行っています。
今後も、県民の安全・安心を守るために、国会や、また県議会の先生方のお力添えをいただきながら、そしてまた市町村とも連携をして、国に強く働きかけを粘り強く続けていきたいと考えます。
次に、空き家対策についての御質問にお答えをします。
5年に一度実施される総務省の住宅・土地統計調査によると、県内の空き家の軒数は、直近の平成30年の調査では約3万2,000戸と増加傾向にあり、全国同様、今後さらなる増加も懸念されるため、空き家対策の強化が重要であると認識をしております。
国のほうの改正案では、空き家の活用拡大を図るため、市町村が区域や活用方針を定める空家等活用促進区域が創設されました。また、放置すると著しく危険な特定空家となるおそれのある空き家の所有者に対する市町村の指導、勧告権限が付与されました。そして、こうした空き家の敷地に係る固定資産税の減額特例の解除も盛り込まれています。
このほか、市町村が代執行などにより除却する場合、国の補助率が引き上げられることなど、支援が強化をされます。
県では、これまで、県宅建協会が設置する空き家コーディネーターの活動や、市町村などによる空き家相談会の開催、空き家の有効活用のモデルとなる改修などに対し、支援してきてまいりました。
来年度予算案においては、市町村が国の補助金を活用して行います特定空家等の除却の経費について、県が上乗せ支援する補助制度を盛り込むなど、支援の拡充を図っております。
ただ、この除却というのは本当に最後の手段で、まずは空き家が少しでも出ないようにする対策、それから、空き家になった場合はそれをどう活用していくかという対策、それからまた、それの管理をしっかりとすることによって悪化させない対策、このようなことが順を追って大切だというふうに考えております。
今後も、行政や不動産関係団体などで構成します空き家対策官民連絡協議会などを活用して、国の法改正の状況や県の取組について情報共有をするとともに、空き家対策の主体はやはり市町村になると思いますが、市町村を支援して空き家対策に取り組んでまいります。
2回目、私からは以上です。
14 ◯議長(渡辺守人君)横田副知事。
〔副知事横田美香君登壇〕
15 ◯副知事(横田美香君)私からは、企業誘致、
スタートアップ政策についての御質問にお答えいたします。
企業誘致や
スタートアップ政策の充実により多種多様な仕事を生み出すことは、雇用の創出はもとより、人口減少対策、チャレンジする人たちを引きつけ交流人口を増やす対策としても重要であります。
特に、若い女性の流出に歯止めがかかっていない本県では、就職期の女性にとって魅力的な仕事を生み出し、県内での就職が選ばれる環境づくりが喫緊の課題と考えています。
企業誘致につきましては、昨年4月に創設したIT・オフィス系企業立地助成金を活用し、進めてきたところです。今年度、IT企業やBPO業務を担う企業の立地につなげることができました。また、新年度予算案には、進出後3年以内にとやま女性活躍企業の認定を受け、かつ新規雇用者の女性割合が4割以上の企業は、新規雇用者1人当たり50万円を支給する雇用助成の期間を3年から6年に延長することを盛り込んでいます。
また、スタートアップにつきましては、今年度開始しましたT-Startup創出事業により、来年度も、事業展開への集中的支援や新しい案件の発掘を継続するとともに、今年度40社に達しましたT-Startupサポーターをしっかりと機能させて、新しい産業の創出につなげてまいります。また、県外の若者などを対象にしたとやまスタートアッププログラムin東京を来年度も開催し、県内への移住と起業を支援いたします。
これらの対策により、多くの人が富山県で就職し、生活したくなるような環境づくりとその発信に努めてまいります。
以上です。
16 ◯議長(渡辺守人君)杉本警察本部長。
〔警察本部長杉本伸正君登壇〕
17 ◯警察本部長(杉本伸正君)私からは、新警察署のデザイン性についての御質問にお答えいたします。
県警察では、今般、高岡及び砺波エリアにおける新たな警察署の建設適地を決定し、今後、新庁舎の整備に向けた準備を進めてまいりますが、警察署庁舎の整備に当たりましては、多様な事案に的確に対応できる機能を有すること、災害拠点として警察活動を維持する機能を有すること、来庁者の利便性に配慮し安心感、親近感が持てること、環境に優しく経済性に優れていることなどを、基本的なコンセプトとしております。
この基本的なコンセプトの中の来庁者の安心感、親近感という観点から見ても、議員御指摘のとおり、県民が親しみを持てる施設であるほうが望ましいと考えております。
また、議員御提案のとやまJUMP構想につきましては、大変夢のある話であると思っております。特に高岡エリアについては、藤子不二雄さんを生み出した高岡、氷見を管轄区域とするということでございます。
県警察としても、シンボルマスコットの立山くんを藤子不二雄Aさんに描いていただいたという御縁もございます。高岡、氷見ならではの価値を加えることができれば、県民のウェルビーイングの向上にもつながるものと考えております。
一方で、地域における安全・安心の象徴である警察署としてふさわしい施設とするためには、先ほど申し上げた基本コンセプトを十分に考慮し、機能性と調和の取れたデザインとすることが重要であると考えておりまして、今後このような観点で、地域の皆様、関係者の方々と御相談しながら、新警察署庁舎の機能やデザインについて検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
18 ◯議長(渡辺守人君)川島国君。
〔15番川島 国君登壇〕
19 ◯15番(川島 国君)「育てて良し!」の富山県実現へ向けて質問いたします。
減少の一途をたどる子供たちでありますが、世界の先進国を見ても、これが間違いないという少子化対策はないと言われております。男女の出会い支援や結婚支援から子育て支援、複合的かつ総合的に子供を産み育てやすい社会をどうつくっていくのか、非常に難問であります。
新田知事は、「ストップ少子化!子育て環境日本一へ!」を掲げ、八つの重点政策に位置づけて、こどもまんなか政策を進めていくとしておりますが、新年度予算において、こどもまんなか政策を15市町村とワンチームになって取り組む施策は、どのような点に力点を置き、どのような将来像や目標を立てているのか、これは厚生部長に答弁願います。
魚津市では、新年度予算事業として、1歳児以上の全ての児童にかかる保育料と副食費の完全無料化に取り組むと発表されました。財政運営が厳しい中で、踏み込んだ子育て政策と評価されております。しかしながら、県内自治体による子育て政策の格差が増大し、県内における子育て世帯の誘致合戦を助長するのではないかという懸念の声が寄せられております。
県として、こどもまんなか日本一実現へ向けて、15市町村とのワンチームの取組として自治体格差が生まれぬよう、15市町村がひとしく保育料や副食費の無償化サービスを提供するための経費補填支援を充実してはどうかと提案いたしますが、新田知事の見解をお願いいたします。
今国会の予算委員会において、自民党の萩生田政調会長の質問に国交大臣が答弁する形で、子育て世帯に対する支援住宅の拡充が打ち出されました。公営住宅への優先入居や空き家のサブリースといった支援内容であります。空いている公営住宅の部屋を、新婚家庭や子育て世帯に優先的に提供し、住居費用の負担を軽減させていくということは、家計を助ける非常に有効な施策と捉えます。
県内の公営住宅の入居状況は、県営住宅では、総住居数2,612戸のうち入居戸数が1,851戸で入居率70.9%、県内15市町村における市営住宅の総住居戸数8,104戸のうち入居戸数は6,111戸で入居率が75.4%であります。実に空き室が15%で1,993室あり、これを新婚家庭に低廉な価格で一定期間提供することで、本県への定住促進にもつながるものと考えます。
県としても、子育て世帯への住居支援という観点で、公営住宅への入居支援や空き家活用などを進めていくべきと提案いたしますが、土木部長の見解をお願いいたします。
江戸時代の寺子屋を現代によみがえらせ、寺子屋サロンとして、地域ぐるみで放課後の子供の居場所を運営し続けて約20年が過ぎました。少子高齢化が進展する中で、日中、子供の声が聞かれなくなり、世代間をつなぐ地域コミュニティーも希薄になってきている現代こそ、地域ぐるみで子供たちを育む共助の仕組みが必要であります。
寺子屋サロン事業や福岡町SDGs実行委員会の活動など地域コミュニティーが、新しい形で子育て支援などの様々な取組を地域で進めているが、このような取組を応援し横展開していくべきと考えます。
地域ぐるみで子供たちを育む地域コミュニティー活動を広げていくことが、「育てて良し!」の富山県実現への近道と考えますが、地域協働による子育て政策のこれまでの成果と新年度の取組について、厚生部長に答弁願います。
先般、東京23区にある大学の定員増を容認するというニュースが飛び込んできました。情報系の学部に限定した大学の定員規制の緩和とのことですが、明らかに東京一極集中是正の後退につながり、情報系学科を県立大学に新設する本県にもマイナスの政策であります。
東京都は毎月5,000円の子ども手当を支給するなど国の地方創生政策にも逆行するような政策を展開しており、国に対していま一度、統一的な政策を強く求めていくべきと考えますが、蔵堀副知事の所見をお願いいたします。
全国知事会はもとより我々地方議員も結集して、政府・与党に対して、地方創生、東京一極集中の是正を骨太の方針として堅持してもらう働きかけを進めていかねばならないと、問題提起いたします。
「育てて良し!」の富山県実現に向けて、最後の質問をいたします。
もう時間がありませんので、とやまJUMP構想の具現化に向けて、庁内プロジェクトチームを設置するなど本格的に取り組むべきと提言しますが、新田知事の見解をよろしくお願いいたします。
20 ◯議長(渡辺守人君)新田知事。
〔知事新田八朗君登壇〕
21 ◯知事(新田八朗君)まず、保育料の無償化についての御質問にお答えをします。
安心して子供を産み育てるには、やはり子育てに関わる経済的負担の軽減を少しでも図っていくことが重要だと考えます。
県では、これまで市町村と連携をして、保育料については、国の無償化の対象とならないゼロ歳から2歳児について第3子以降の原則無償化、一定の低所得世帯の第1子、第2子に対する無償化、軽減を実施しています。
また、副食費についても、第3子以降の一部の世帯について、無償化や軽減となるように支援をしています。
県内の市町村では、保育料や副食費について、無償化や軽減の対象を第2子、さらに第1子へも拡大するなど、地域の実情に応じられて子育て支援策の一環として独自に取り組まれており、国、県の支援と併せて子育て支援の充実が図られていると理解をしております。
県としては、必要な安定的な財源の裏づけとともに、全国一律の制度として、保育料無償化の対象の拡大が図られることは重要と考えておりまして、様々な機会を捉えて国に要望してきたところです。
さらなる支援の拡充については、国の動向や市町村との役割分担や、裏づけとなる財源の確保が不可欠と考えておりまして、今後、「ワンチームとやま」連携推進本部会議などで検討を進めるとともに、国における子育て支援の強化の議論も注視しながら、社会で子供を育むベビーファーストの精神の下、子育て環境日本一の実現に向けて、経済的支援をはじめとした子育て支援の充実に取り組んでまいります。
次に、アニメ等を活用した本県の魅力向上についての御質問にお答えします。
去る1月下旬に、川島議員をはじめとする自民党県連の有志の方々が、本県におけるMANGAナショナル・センターの整備について、マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟の麻生太郎最高顧問に要望されたということは、報道などでも承知しております。
本県における同ナショナル・センターの整備は大変に夢があり、実現すれば国内外に大きなインパクトをもたらすものと考えます。
本県では、国内はもとより海外でも人気の高いアニメ、漫画などが数多く生み出されています。先月、台湾の旅行会社を招待して旅行商品造成のためのツアーを行いましたが、その際にも、
万葉線ドラえもんトラムの評価がとても高く、改めて、アニメ・漫画コンテンツの活用は言葉の壁も超えて広がるものであり、観光誘客にもつながるものだと感じております。
御指摘のように、子供たちのウェルビーイングの向上、また本県の魅力向上にもつながるものだと認識しております。ただ、活用に当たっては著作権などの課題もあるというふうに承知をしております。
県庁内の各部局、市町村とも相談をしながら、アニメ・漫画コンテンツのさらなる活用方策を探ってまいります。また、アニメ議連の動向や国の施設整備構想についても、どのように進んでいくのかしっかりと情報収集し、対応してまいりたいと考えております。
以上です。
22 ◯議長(渡辺守人君)蔵堀副知事。
〔副知事蔵堀祐一君登壇〕
23 ◯副知事(蔵堀祐一君)私からは、東京一極集中の是正と地方創生の推進に関する御質問にお答えをいたします。
政府では、デジタル田園都市国家構想を推進しておりまして、その中で、デジタル人材を地方の高等教育機関等から継続的に輩出する体制を構築すると、こういうふうにうたっているわけでございまして、本県でも、御指摘ございましたように、デジタル人材の育成に向けて、来年4月の県立大学における情報工学部──仮称ですけれども、これの開設に向けて、現在、鋭意準備を進めているところです。
こうした中で、先月開催されました国の有識者会議で、高度なデジタル人材を育成するため、東京23区内の大学のデジタル系の学部・学科に限り定員増加を容認するという方針が了承をされました。
しかし、この規制、もともとは若者の東京一極集中を是正して地方創生を進めるために全国知事会などが強く要望して、平成30年に政府において法律で定められたものでございます。10年間は定員増加を認めないとされていたわけですが、それが僅か5年で方針転換となったことについては、私自身も極めて残念でございます。
この会議に、全国知事会が出した意見がございます。
デジタル人材については地域偏在が課題になっている。それから、23区の定員増加抑制規定に関しては、制度化された経緯──先ほど言いましたように知事会などが要望して法律として制定されたんですが、この経緯に照らせば、社会的ニーズの高い人材育成は地方においてこそ強化推進されることが、地方創生、東京一極集中の是正に向けた取組として重要であるということを言っております。
また、例外措置は東京一極集中に拍車をかける懸念がある、または容認できないと、こういう意見が複数あったということも言っております。
最後に、まずは地方大学において、確実にデジタル人材を育成する施策を展開していただきたいと、こういうことを知事会が言っているわけで、私自身も全くこのとおりだというふうに思っております。
それから、東京都のお話がございました、ゼロ歳から18歳までの子供に対して1人当たり月額5,000円、年間6万円を給付すると、こういう予算が出ているわけです。ぱっと聞くと、そんな大したことないじゃないのという気もしますが、実は東京都でこの対象になる子供は約200万人いるわけです。単純に掛け算すると1,200億円です。この事業一つで1,200億円の予算なわけです。
どこからこんな財源が出てくるかというと、都税収入、これが6兆2,000億円ございます。しかも4年度から5年度にかけて増加しているわけです。この増加額が合計で5,700億円、法人二税だけで3,000億円増加しているわけです。なぜこんなことになっているのかということなんですが、これはもう東京都に企業の本社が集中をして、そこから法人二税の税収がどかんと上がっていると、そういうことなわけです。
これまで、全国知事会が税源偏在の是正ということに取り組んで、制度改正もやってまいりました。しかし、全くと言っていいくらい状況に変わりはないということでございます。
さらにですけども、東京都への転入超過──これは令和元年のコロナ以前ということですけど、地方から東京都に人口が流れるというのが8万3,000人でした。これが令和3年はコロナで約5,400人だけ東京都に流入していましたが、実は、令和4年になると、行動制限の緩和もあって約3万8,000人の東京都への転入超過となっています。
これはどういうことかというと、東京都に一極集中の傾向がまた再び高まっている、強まっているということです。私自身も、県庁で、これまで税源偏在の是正ですとか、移住促進とか本社機能の地方移転といった東京一極集中の是正に向けて取り組んでまいりましたけども、この現状とか国の方針転換を聞くと、全くがっくりくると、強い憤りしか感じません。
県としては、東京集中の是正ですとか、地方への移住・定住の促進、それから、国としての子育て支援策の充実、それとそのベースになります税源偏在の是正について、全国知事会とも連携してこれまで以上に強く要望してまいりたいと思っています。
川島議員をはじめ議員各位におかれましても、国ですとかあるいはそれぞれの政党の本部に強く要望していただければありがたいと思っております。よろしくお願いします。
24 ◯議長(渡辺守人君)有賀厚生部長。
〔厚生部長有賀玲子君登壇〕
25 ◯厚生部長(有賀玲子君)私から2問、お答えいたします。
まずは、15市町村とワンチームになって取り組むこどもまんなか政策に関する御質問でございます。
子供や家庭が抱える課題が深刻化、複合化している中、市町村をはじめ民間団体、地域住民と協働しながら、社会全体で支え合う包括的な支援がますます重要となっていることから、1月の「ワンチームとやま」連携推進本部会議において、来年度の連携項目に、新たに「こども・子育て施策の連携・強化」を加えたところでございます。来月には、このワンチーム内に県、市町村関係課長で構成するワーキンググループを設置し、協議スケジュールや取組内容等について検討することとしております。
具体的な取組事項としては、国による経済的支援と県の子育て応援券を統合した新たな支援制度の創設や、保育人材の確保等保育環境の充実、ヤングケアラーへの支援などについて、市町村から御提案いただいておりまして、今後、これらに関する課題や連携すべき事項について協議してまいります。
さらに、将来像や目標としては、「未来を担うこどもたちの健やかな成長と全てのこどもが幸せな状態で成長し、地域の人々が支え合い、誰一人取り残さない『こどもまんなか共生社会』を目指す」を掲げており、今後とも市町村と密接に連携しながら子供・子育て施策に取り組んでまいります。
次に、地域協働による子育て政策のこれまでの成果と新年度の取組についてでございます。
議員も御紹介いただきました寺子屋サロンにつきましては、県のとやまっ子さんさん広場推進事業を活用いただいておりまして、この事業では、地域の力を生かした多様な形での自主的な子供の居場所づくりを支援しております。
また、子供を中心とした多世代間のコミュニティーの場に発展する可能性があるこども食堂に対しては、これまで立ち上げ経費の助成や食品衛生指導、食事メニューの考案などの支援を行ってきたところでございます。
こうしたことにより、双方ともに実施箇所数が増加しており、それぞれの地域の特性や強みを生かした取組が行われております。
新年度におきましては、こうした支援に加え、居場所づくりとして、地域の民間団体による居場所の開設や特色ある取組への支援、また、こども食堂の支援として、地域の各種団体等との連携の推進に取り組むこども食堂統括支援コーディネーターの配置や、こども食堂の輪を多くの地域に広げるための普及啓発や相談支援に取り組む地域推進アドバイザーの配置等を行うこととしております。そして、その必要経費を新年度予算に計上しております。
今後とも、県内の様々な地域において、子供たちを育む地域コミュニティー活動が広がっていくよう、市町村と連携して支援してまいります。
私からは以上です。
26 ◯議長(渡辺守人君)市井土木部長。
〔土木部長市井昌彦君登壇〕
27 ◯土木部長(市井昌彦君)私から、子育て世帯への住居支援についての御質問にお答えします。
議員が触れられましたとおり、今国会で国土交通大臣から、子育て世帯が公営住宅に優先的に入居できる取組を、自治体と連携し拡大したいとの答弁があり、その方策として空き家の活用についても言及がなされたところです。
これまで国からは、平成25年の県などに発出された通知において、公営住宅への入居に際し優先入居の取扱いを行うことが適当と考えられる世帯として、子育て世帯等が示されておりましたが、令和2年度末時点で、公営住宅を管理する全国の1,668の自治体のうち、子育て世帯を対象としているのは900弱にとどまっております。大臣の答弁は、この取扱いを拡大することを念頭に置いたものと受け止めております。
本県では、県営住宅において子育て世帯への優先入居枠を設定し入居支援に努めてきており、令和5年度1月現在、入居総数1,851世帯のうち、子育て世帯として約25%に当たる456の世帯に入居いただいておるところでございます。
また、県内市町村においては、公営住宅のある14市町のうち、子育て世帯の優先入居の実施は9市町となっております。今後、未実施の市町にも実施を促してまいります。
また、空き家の活用について、県では、空き家利活用モデル支援事業により、県外移住者が居住する伝統的家屋の改修等へ支援しており、今年度、子育て世帯の方にも活用いただいたところでございます。
今後とも、国による子育て支援の動向を注視しながら市町村と連携し、公営住宅への優先入居や民間の空き家等の活用に努め、子育て世帯の住居支援を進めてまいります。
以上です。
28 ◯議長(渡辺守人君)以上で川島国君の質問は終了しました。
中川忠昭君。
〔31番中川忠昭君登壇〕
29 ◯31番(中川忠昭君)今日3月1日は、朝乃山関の誕生日で、私の誕生日でもあり、昨年に引き続き誕生日に質問できることを大変うれしく思っております。
どうする朝乃山。
再入幕はなりませんでしたが、稽古、努力は決して裏切りません。武道である相撲道の道をしっかり歩んで、横綱を目指して頑張れとエールを送り、早速質問に入ります。
我が国経済は、過去30年間、諸外国が経済規模を倍ぐらいに増やしているにもかかわらず、ほぼゼロ成長が続き、賃金もほとんど上昇しておらず、貧しい国になりつつあります。
その最も大きな原因は、日本企業がIT投資を増やしてこなかったこと。行政もしかりです。米国やドイツなど各国企業がITをベースにビジネスモデルの再構築を進めたことで、ビジネス環境が大きく変化しましたが、日本企業は見誤り、一気に国際競争力を低下させたのです。
今は、EV車、ドローン、大規模データセンターなどは、分かりやすく言えば、超精度の高い部品を使うのではなく、汎用性のある部品を使い、機能やレベルを上げるのをソフトウエアでカバーしていく方法を取っています。それにより課題を解決し、高い信頼性を必要とするサービスを低価格で実現しているのです。
今、重要なのは、単に労働力と資本、いわゆる人と金をつぎ込むことではなく、ソフトウエア、イノベーションが関わることが最も大切なこと、つまり創造性を発揮するということ、前例踏襲を断ち切ること、変えることなのです。我が国には創造性のある人は多くいますが、海外へ流出しているのです。
本県も同じことが言えます。
本県の状況を見ると、産業界と教育界の方向性、認識が一致しておらず、創造性のある人を組織や社会が受け入れず、才能を開花できる仕組みがないと考えるのであります。変えるためには、きっかけをつかむ必要があります。
まず、我が国と本県経済の停滞原因と現状認識を企業、行政、教育、県民が共有することが、IT化、DXを進めるきっかけ、原動力になると考えるのでありますが、どのように取り組んでいくのか新田知事に所見を伺いいたします。
どうする行政のIT化、DXの推進。
まず、前例踏襲型の代名詞である行政サービス、それを担っている県職員から取り組むことが最も必要であると考えるのであります。
30年間の遅れを県を挙げて取り戻すためには、管理職の意識改革を含め、前例踏襲との決別宣言をすることです。外注してソフトを作ってもらうのではなく、職員自らソフトを作って事務効率化や課題解決ができるよう、若手職員の創造力、理系職員の活用など人材育成にも傾注すべきであり、また行政サービスの向上を目指して目標年次を公表した上で実現させていかないと、県民に伝わらないのではないかと考えます。
そこで、県職員が業務の効率化をはじめ県民目線、現場主義で課題解決に取り組めるよう、県庁の業務のIT化、DXを推進していくべきと考えますがどのように取り組むのか、三牧知事政策局長に伺います。
また、この時期、人事異動の担当部署では、頭を悩ませて作業をされているのではないでしょうか。職員の経歴や資格などのデータに、本人の希望と人事当局の方針などの条件を加えれば、自動で異動作業が行えるようIT化を図れないかと考えるのであります。
また、例えば、ある人材を数年後に、ある分野のエキスパートに育てるためには、どこの部署を経験させることが適切かなどのシミュレーション機能を持たせれば、先を見据えた人材育成が可能となると考えるのであります。
そこで、県職員及び教員の人事管理や異動作業のIT化、DX化について、現状と今後の方針について岡本経営管理部長と荻布教育長に伺います。
また、土木部、農林水産部の所管の、いわゆる公共事業等の請負工事に関わる提出書類が非常に多く、現場の業務よりも書類作りに疲弊するとの苦情をよく聞いています。建設業界の担い手確保を目指す観点からも、若い技術者にとって魅力ある環境づくりを進めなければなりません。
そこで、公共事業等の請負工事に関わる提出書類の簡素化と電子化をどのように進め改善していくのか、市井土木部長に伺います。
次に、発信力の強化について4問伺います。
成長戦略の実現には、県が進める施策を県民に理解してもらい、一体感を醸成することが重要であります。そのためには、発信力を高め、県民や事業者、関係団体等の現場の声を情報収集し、互いに意思疎通を図り目標を実現させていくことが重要であると、これまでも言い続けてきました。そうすることによって、全ての県民や事業者が主役となってチャレンジできる環境をつくることにつながり、県が後押しし、成長戦略の実現につながると思うのであります。
そこで、令和5年度当初予算案では、発信力強化に関わる事業が増えていると感じていますが、県の施策を県民に分かりやすく伝えるためどのように取り組んでいるのか、知事の所見をお伺いいたします。
次に、ウェルビーイングの発信についてであります。
真の幸せ(ウェルビーイング)戦略では、ウェルビーイング先進地域の創出が掲げられているものの、認知度が低い現状を課題と認めつつ、自分事として共感できるようウェルビーイング指標を活用した普及の取組を進め、自らのウェルビーイングが高まる県民の行動を後押しするとしています。
今年1月には富山県ウェルビーイング指標が公表され、県民意識の可視化や政策形成に活用したいとして、いろいろと工夫されていますが、ここで提案したいことは、指標の説明から入るのではなく、7色の花を掲示して認識を深めること、まずそこからの出発でないかと思うのであります。
例えば、CiCビルの壁面や大型商業施設、駅構内などへの掲出、あるいは県広報誌やホームページに掲載して露出度を高め、あれは何だと興味・関心を引くことから始めるべきと思います。また、民間に大いに活用してもらえるよう、例えば県のホームページから自由にダウンロードできるようにするなど工夫することで、SDGsのように浸透が図られるのではないでしょうか。このように興味・関心を引いた後、7色の花の説明を聞くことで、県民が自分事として共感できるのではないでしょうか。
そこで、ウェルビーイング指標の認知度向上にどのように取り組むのか、知事政策局長に伺います。
次に、関係人口創出についてであります。
社会的つながりが、本県のウェルビーイングの向上や新たなビジネスの創出につながることを考えれば、関係人口をさらに増やす努力が必要であります。
本県への関心が高くない層をターゲットに本県の認知度を高める取組や、県ホームページの閲覧者などにはSNSを活用したプッシュ型のPRを充実させるべきであります。
さらに、県民一人一人が発信したい魅力をPRできるよう、PRしやすいコンテンツの充実に努めるなど、サポートすることも重要と考えるのでありますが、関係人口を増やすため本県の魅力の一層のPRにどのように取り組むのか、知事政策局長に伺います。
また、昨年11月議会で、関係人口の増加に向けて世界に目を向けるべきと申し上げました。
南米を訪問した際、富山県人会の3世、4世の日本語離れと、富山県に来たことがないという課題に対して、例えば本県で富山県人会世界大会の開催について提案したところ、検討を進めると答弁がありました。その検討状況はどのようになっているのか。
また、東南アジアなど県内企業が多く進出している地域で県人会を立ち上げるよう促してはどうかと考えますが、横田副知事に所見を伺います。
次に、持続可能な社会の実現に向けて8問伺います。
初めに、建設業の担い手不足対策についてであります。
私たちが社会経済活動ができるのは、道路や河川、上下水道などの社会インフラが土木技術者と建設技能者によって維持管理されているからですが、現場で働く者、技術者や技能者が不足しているのです。はっきりと表れています。本県の建設業関係の求人倍率が、技術者で11倍、技能者で7倍とどの職種よりも高く、まさに危機的な状況と言わざるを得ません。
技術者については、県立高校に土木建設系の学科の一層の充実や定員増などを検討すべきであります。また、技能者については、これまで外国人実習生に頼ってきましたが、今後、海外での賃金上昇もあり確保することが非常に困難になることが確実であり、日本人技能者をどのように育てるのかが喫緊の課題であります。
建設関係の技能士制度には、型枠、鉄筋、建築大工など建設関係31種類がありますが、その資格を取るための進学先、教育機関はなく、あっても高校を卒業していないと受講できません。中学校卒業後すぐに技能士を目指す教育機関があってもいいのではないか。例えば、県技術専門学院にそのような機能を持たせることや、定時制高校に設けてもよいのではないでしょうか。
高校課程において専門分野を重点化して学ぶことで不足する一般課程があるとすれば、必要なときに学び直しができる体制があればいいのではないかと思うのであります。
そこで、建設業の技術者、技能者が危機的に不足する中、現状をどのように認識し担い手確保に向けてどのように取り組むのか、知事に所見をお伺いいたします。
次に、まちづくりについて伺います。
県では、成長戦略とまちづくりについては、富山らしい個性的で居心地のよいまちづくりを推進するとしています。これまで何回も取り上げてきましたが、県の公共施設が多くある県庁周辺、富山総合庁舎、教育文化会館、森林水産会館、周辺の多くの駐車場、NHK跡地、旧職員研修所跡地、教育記念館などは、老朽化も進み再編統合の時期が来ております。
再編統合の際には、まちづくりを担う富山市と連携して、公共施設、商業施設、公園などの配置について、グランドデザインを描き公表することであります。そうすることによって民間投資を促すことになり、あるいは官民連携のまちづくり整備が可能となるのでありますが、どのように取り組んでいくのか知事にお伺いいたします。
次に、富山・台北便の定期便復活についてであります。
富山空港はコンセッション導入へ動き出すようでありますが、何よりも航空路線と便数を増やすことが肝要であります。特に、富山・台北便の定期便復活に重点的に取り組むべきであります。
立山黒部アルペンルートに加え飛騨高山、白馬などに、台湾以外のオーストラリアをはじめ海外からの観光客、スキー客が来ています。オーストラリアからは、成田に着き、白馬まで五、六時間はかかりますが、富山空港から北陸自動車道を使えば2時間で行けます。
さらに、定期便があれば台湾桃園国際空港で乗り継いで来られます。同空港では、ローマ、ドイツ、オランダ、カナダ、アメリカなどの主要都市路線が充実していること、東南アジア路線もあり、ビジネス客の需要もあると考えられます。定期便復活には、観光客だけでなくビジネス客の利用が肝要です。
また、富山空港は、何よりも北陸新幹線富山駅、北陸自動車道とのアクセスがよいことなどを含め、努力をすれば間違いなく定期便復活はできると考えます。
そこで、富山・台北便の定期便復活に向けたこれまでの取組と今後の方針について、知事の所見をお伺いいたします。
次に、富山インターの渋滞解消対策について伺います。
富山インター出口では、朝夕の混雑時は渋滞し、富山市内に入るのに時間がかかっております。多くの苦情も聞いています。渋滞緩和には、富山インターに加え市内にある西インター、流杉スマートインターの3つのインターで、分散をして富山市内に入るようにすることが必要と考えます。
流杉スマートインターは、富山市東部地域の利便性向上を目的として2009年4月から開業し、当時は1日2,500台が目標とされましたが、最近の1日の平均出入り交通量は令和元年には4,000台と、現在の3つのインター合計の15%を占めています。この台数をさらに増やすことで、富山インターの渋滞を緩和できると考えるのであります。
しかし、アクセス道路の整備不足や、12メートルまでの車両しか通行できないこともあり、現状のままでは役割を果たすことができません。
そこで、富山インター出口付近の渋滞解消のため、流杉スマートインターへのアクセス改良とセミトレーラー等の大型車も利用できるようにインターを改良すべきと考えますが、土木部長に伺います。
次に、圃場整備事業についてであります。
本県では大区画圃場整備事業が、水橋の国営事業や県営事業として各地域で実施されており、今後、ICT技術を活用したスマート農業が主流を成すと思っております。
その際、必要な圃場のデータとして、工事前後の圃場の状況、つまり、正確なGPS情報に加え、整備前の地盤が道路や水路だったのか、土壌や地下水の状況はどうであったのか、またどのような施工を行い整備したのかなどの情報が引き継がれることが重要であると考えますが、どのように取り組むのか堀口農林水産部長に伺います。
また、圃場整備に当たっては、天候のよい状況での施工が重要であるため、春から秋にかけて工事が行えるよう、発注時期や工期設定について、債務負担行為の設定なども含め検討してはどうかと考えます。
さらに、工事の精度を上げるため、ICT技術を活用した施工に取り組むべきと考えますが、農林水産部長に伺います。
ICT技術を活用した施工を取り入れることで、国営の整備の場合は、県、市町及び地元負担が減ると聞いており、積極的に取り組んでいただきたいと思うのであります。
また、県営の場合でも、同様の支援が受けられるよう国に対して要望すべきと考えます。さらに、県単独の整備事業についても同様の制度を設けてはと考えます。ぜひ検討していただければと思うものであります。
どうする富富富。
富富富は、プレミアつきのブランド米としてスタートしましたが、既にプレミアはなくなり、販売開始から5年がたち、あらゆる面で戦略を見直す必要があると考えるのであります。
生産者はコシヒカリに置き換われると思っていたが、そうではなかった。消費する側からも販売業者からも落胆の声があります。
そのような中、2023年産の作付面積が1,632ヘクタールで、2025年までに2,000ヘクタールまで増やすとしていますが、目標が小さ過ぎる上に、スピード感がないと思います。どうしたいのか、曖昧としか見えない目標であると思います。コシヒカリからの切替えを進める方針とともに、具体的な目標を生産者や販売業者に示すべきであります。
昨日発表された食味ランキングでも、全ての品種でAランクのままであり、このままでは富山米の全体の評価が下がってしまうのではないかと、大変懸念しています。
そこで、富富富について、生産者、販売業者、消費者の声を、足で稼いでしっかりと生の声を聞いて、戦略を練り直し、生産拡大の目標を次期戦略で分かりやすく発信すべきと考えますが、農林水産部長の所見を伺います。
最後に、富山県武道館について伺います。
今から250年前、富山藩6代目藩主、前田利與は、堕落していた士風を立て直すべく、文武を奨励するための藩校、広徳館を、財政難を理由に反対されましたが、11年目に開校しました。
郷土の偉大なる政治家で実業家でもあった正力松太郎が、日本武道館初代館長に就任し、「武道を学校正科必修とする」ことを提唱されて以来、平成24年に全国の中学校で必修正課となるまで実に48年、もっと早く必修正課になっておればと思うとともに、今まさに社会経済が急変している時代に、健全な心身の育成が求められているからこそ、武道を通して心身を錬磨し人格の形成を行うための教育施設、武道の殿堂としてふさわしい富山県武道館建設を求めてきました。
11万人余りの署名簿とともに要望し始めて10年、我が会派の代表質問でも述べたとおり、急がれるのであります。
知事が一昨日の代表質問で、令和9年度開館に最大限努力する、教育上重要な役割を担っていると答弁されたことは大変心強く思っておりますが、武道館機能を持った施設ではなく、武道の殿堂としてふさわしい武道の魂が入った武道館建設を目指し、意義や趣旨、方針についていま一度立ち返り、一日も早い開館に向けてしっかり取り組んでほしいのであります。
そこで、富山県武道館については、基本設計等の見直しを含めた議論を進めているとのことですが、令和9年度中の開館に向けての意気込みを知事にお伺いして質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
30 ◯議長(渡辺守人君)新田知事。
〔知事新田八朗君登壇〕
31 ◯知事(新田八朗君)本日、還暦プラスもう一回り、プラスもう1年の誕生日を迎えられました中川忠昭議員の御質問にお答えをします。
まず、IT化、DX推進についての御質問にお答えをします。
議員御指摘のとおり、IT投資は経済成長の原動力の一つ、重要なものと理解をしております。米国では、IT投資によって新しい技術やビジネスモデルが創出され、GDP成長に結びついたというデータもあります。一方、我が国は、IT投資は横ばいで推移し、産業構造の大きな変革もなくGDPも微増にとどまっています。
1989年から2017年において、米国ではIT投資は4.4倍になりました。結果、GDPはこの期間に3.4倍になっています。日本ではIT投資はこの間1.1倍で、GDPの伸びも1.3倍にとどまっているということです。まさに、我が国の失われた約30年ということの一つの証左ではないかというふうに考えます。
本県におけるDXあるいはITの可能性や重要性は、今年度の成長戦略カンファレンスの主題として県内外に発信したところですが、今後、具体的にDXを推進するためには、従来のやり方や成功体験といった前例にとらわれない意識改革、そして、そうした人材の育成に取り組む必要があると考えます。
このために、既に幾つか進めておりまして、まず地域課題をデジタルで解決する実証事業──Digi-PoC(デジポック)と呼んでおりますが、これを通じまして県内事業者の意識改革、あるいは県外事業者を呼び込み、DX促進をする新たなビジネスモデルの構築やデジタル関連企業や人材の集積につなげていくという、このような事業もやっております。これで採択したものが7事業、もうじき報告会を開きますが、また今後につなげていきたいと考えております。
そして、起業家育成プログラムの実施などを通じて、新たなビジネスの担い手となる若手起業家を発掘して支援をしておりますT-Startup創出事業ということでございますが、先週の土曜日に、この6社の最終プレゼンを聞かせてもらいました。
この中でも、必ずしも全てがIT系の企業ではありませんけども、ただビジネスモデルとしてデジタルを使わない会社は一つもありませんでした。やっぱり、DXの大切さがここにも表れていると考えます。
さらに、県立大学に情報工学部──仮称ですが、これを来年の令和6年4月に開設し、産業界のニーズの高いデータサイエンス人材を育成します。
また、高度なプログラミング技術や課題解決能力を持つ突き抜けた小中高生を発掘し育成する事業も行います。これは、大人数ということではなくて、毎年10人ほどですけども、やっぱり中には本当に突き抜けた能力をお持ちの小さいお子さんがおられます。これをしっかりと伸ばしていくということもやっております。
こうした取組をさらに加速化するために、新年度は、ビジョンや基本理念などを定めたDX推進に関する条例を新たに制定した上で、県民事業者の理解も得ながら、DX・働き方改革基本方針をより進化させて、部局横断でのDX推進を強化してまいりたいと考えております。
次に、県の施策の発信力強化についての御質問をいただきました。
成長戦略をはじめ本県の未来のビジョンを実現するためには、発信力を強化し多くの県民に県の施策を理解していただくことはもちろん、県民の声を幅広くお聞きをし意思疎通を図ることで一体感を醸成していくことが、政策の推進力として必要だと考えます。
このために、来年度も継続して富山県成長戦略カンファレンスを開催し、県民の皆さんと成長戦略に関する議論を深めるとともに、連携して取組を進める契機にしていきたいと考えます。また、従来の広聴手段に加えまして新たにメタバースなどのデジタル技術も活用して、若年層をはじめ多くの方々が県政に参加し、双方向で意見交換できる機会も拡充することにしています。
一方、発信力の強化ですけども、県のホームページのリニューアル、また県の公式SNSの双方向での運用などを通して、分かりやすく伝わる情報発信に努めております。つい先日、県公式ツイッターのフォロワーが4万を超えました。一つの通過点ではありますけども、さらに拡充していきたいと考えます。
また、今月中には、県の公式LINEの機能を拡充してデジタル窓口を設置し、属性や相手の関心分野に応じたプッシュ型の情報発信を行います。
そして、来年度は、新たに動画の編集や配信方法に関する職員の研修を実施します。また、アバター──分身となるキャラクターのことですけども、アバターを活用して施策等を発信することとしています。
引き続き、私が本部長を務めておりますブランディング推進本部の下、来年度新設する広報・ブランディング推進室が中心となって、組織一体となった発信力や官民連携のさらなる強化を図って、成長戦略の目標の実現に努めてまいります。
次に、建設業の担い手確保についての御質問にお答えをします。
県内の建設関連職業の採用状況などにつきましては、令和4年12月の有効求人倍率が8.54倍と前年を上回り、全職業の求人倍率よりも高くなっています。建設業の各団体からも、担い手の確保に苦慮していると聞いておりまして、建設業の採用状況は大変に厳しいものがあるということは認識をしております。
本県の生活基盤や社会基盤を整備、維持更新していくためには、土木や建設分野の担い手を確保育成することが重要だと考えています。
技術者や技能者を育成するための進学先として、全日制の県立高校4校では、土木や建設分野に関わる専門的な内容を学ぶことができ、建築大工や測量士補などの資格を取得する生徒もいます。
県立高校では、中学生の進路希望状況や地域のニーズなどを基に、これまで人材の育成を進めてきてはいますが、土木建設系学科の充実や定員増、また定時制の高校に技能士育成の機能を持たせることについては、教育委員会において、専門教員の確保や施設設備面の整備、教育内容などの点も踏まえながら、丁寧に検討してほしいと思います。
県の技術専門学院についても言及をいただきました。
かつて、これは建設関係ではなかったんですけども、中卒者を対象とした訓練があったんですが、高校進学率が99%台という本県の状況では入校生がいないことから廃止をしています。
現在、この技術専門学院のリニューアルを、新年度予算案にも盛り込んでおります。離職者を対象として、新たに総合建築科、また建築デザイン科を新設する計画を進めていきます。技能検定などの取得も支援をしてまいります。
そして、中卒者を対象とした建設関係の技能の教育機能の整備につきましては、県内の訓練ニーズや他県の状況なども踏まえながら今後研究をするということで、今日はお答えをさせていただきます。
建設業の担い手確保については、新年度、若年層を対象とした建設技術体験イベントの開催や若い人に選ばれる職場づくりを目指すために、本県としてのプロジェクトチーム設置も予定をしております。
私としても、建設人材の確保につながる施策を、引き続き粘り強く諦めずに進めていくので、どうか今後も今回のような積極的な御提案をいただければ幸いでございます。
次に、県庁周辺の県有施設の再編統合に関する御質問にお答えします。
県庁舎のうち県庁本館や南別館、また富山総合庁舎や森林水産会館などの県庁周辺の県有施設について、いずれも適切な耐震強度は確保しており、現段階で改築などの具体の構想はないところでありますけども、県庁本館をはじめとし、相当年数を経た建物も多く、再編統合も含めた将来の在り方を検討すべき時期ではないかと考えております。御指摘のとおりです。
また、このエリアには、庁舎などの建物だけではなく、県庁前公園やNHKさんの跡地もあります。これらの空間について、今年度御好評をいただいた県庁前公園でケンチョウマルシェを企画した若手職員なども交えて、活用の方向性を研究してきたところでございます。
来年度は、組織横断のプロジェクトチームを新たに設置します。そして、まちの活性化にも資する効果的な活用方策について、本格的な検討に着手をいたします。
県庁周辺は富山駅から富山市の町なかに至る約1.2キロ、たった1.2キロと言ってもいいんでしょうか、この動線上に位置しておりまして、富山市のまちづくりと大きく関わってくることから、議員御指摘のとおり、まずは当該エリアのグランドデザインについて富山市と共通認識の下で描いていく必要があります。
また、県や市の施設整備に加えまして、そのデザインを県民の皆さんと共有することにより、民間の積極的な投資を促すことも重要と考えます。
このような点も踏まえて、今後、県民の利便性の向上やエリアの活性化などの点について、富山市をはじめ関係機関、専門家等と連携して検討を進めてまいります。
次に、富山・台北便についてお答えします。
富山・台北便につきましては、4月13日から5月16日までのおおむね1か月間、臨時便が18便運行されることになっております。今回の臨時便を定期便復活への第一歩としたいと考えておりまして、台湾の旅行会社を招聘し、富山県の旅行商品造成を促すツアーを実施、また、岐阜、長野と連携をしまして現地旅行会社との商談会、そして、台北中心地区の地下鉄中山駅構内での壁面広告などの誘客
プロモーション、そして、県とチャイナエアライン共同で、台北の新光三越での本県の魅力を伝える動画放映を展開しているところです。
さらに、先般開催した富山・台北便セミナーにおいては、台北経由での乗り継ぎ便で欧米や東南アジアなどを往復するダイヤが示されました。
今後、県内や近隣地域の経済団体などへのエアポートセールスに当たり、議員の御指摘も十分踏まえて、富山から台北経由の海外利用について情報提供を行い、アウトバウンドの需要確保、ここがこれまでも課題になっておりますが、このアウトバウンドの需要の確保に努めてまいります。
富山・台北便の定期便の復活に向けては、私が今月22日にチャイナエアライン本社を訪問し──会長ともアポが取れております。新型コロナ感染症法上の位置づけも5月8日から5類に移行することになっております。富山・台北便は重要な国際路線であり、早期に運航されるよう働きかけてまいります。
私からは最後になりますが、富山県武道館の整備についての御質問にお答えします。
一昨日の代表質問でもお答えをしましたが、富山県武道館の建設費につきましては、昨今の資材高騰などにより上振れし、基本設計の方向性を維持して設計内容を見直した場合でも約110億円程度になると試算をしておりますが、今後の物価動向によっては一層の上振れも懸念をしております。また、武道館の規模や機能に関し多くの御意見をいただいております。
このため、県としましてどのような対応が適切か、様々な観点から検討する必要があると考え、今議会での建設費などに関する債務負担行為の設定を見送らせていただきました。
今後、建設費のさらなる削減、基本計画策定後の建設予定地周辺における環境変化を踏まえた機能、規模の見直し、市町村との役割分担、整備手法などについて、検討を進めたいと考えております。
今ほどは議員から富山藩の藩校、広徳館の逸話を御紹介いただきました。また、一昨日は代表質問の場で庄司議員から、武道とは、武士道の伝統に由来し、心技体を一体として鍛え、人格を磨き、道徳心を高め、礼節を尊重する態度を養う人間形成の道とされていること、また武道が教育目標を実現する上で重要な役割を担っているとの御見識も御披露いただいたところです。
中川議員御指摘の、武道を通して心身を錬磨し人格の形成を行うための教育施設としての必要性は、十分に認識をしております。今後、検討を進めるに当たりましては、武道の殿堂としてふさわしい富山県武道館とすることも踏まえて、令和9年度中の開館に向けて最大限努力してまいります。
私からは以上です。
32 ◯議長(渡辺守人君)横田副知事。
〔副知事横田美香君登壇〕
33 ◯副知事(横田美香君)私からは、富山県人会世界大会についての御質問にお答えいたします。
県人会の世界大会につきましては、現在、開催実績のある岐阜県、和歌山県などに聞き取りをするとともに、提案者であるブラジル富山県人会とのオンラインミーティング、そして海外の富山県人会への連絡など、準備を進めているところでございます。
県としては、この世界大会を、県の交流人口の増加につなげるとともに、県外、海外の富山県人の皆さんの富山への愛着を強め、情報発信を担っていただくきっかけにしていくことが重要と考えています。そうした観点から、大会の内容、時期、期間や実施方法を検討しています。
開催実績のある県からは、県人会の間のネットワークを強め、準備から関わっていただくことに意義があるといったアドバイスも受けております。
今後、南米、東南アジアなどで設立されている県人会と連絡を取り、県人会のネットワークの構築について協議をし、各県人会と県が連携して大会の開催に向けた環境を整えていきたいと考えています。
一方で、県人会は、その活動などを通して富山への関心や愛着を深め、また富山県に関する情報の拠点として有益なものと考えられます。
今、県が確認できている県人会は、南米、ニューヨーク、中国、タイ、ベトナム、ドイツといった9団体ございます。そして、現在、情報があるんですけれども確認中の県人会としましては、アジア、南米など10団体、合わせて19団体把握しているところでございます。
けれども、例えばフィリピン、カンボジアなど、本県から企業が進出しているものの富山県人会が設立されていない国もございます。今後、こうした国に進出している企業関係者などに、世界大会のことや本県の観光などに関する情報を提供し、県人会立ち上げの機運を高めていきたいと考えております。
以上です。
34 ◯議長(渡辺守人君)三牧知事政策局長。
〔知事政策局長三牧純一郎君登壇〕
35 ◯知事政策局長(三牧純一郎君)私からは、まず、IT化、DXの推進についての御質問にお答えさせていただきます。
議員の御指摘のとおり、県庁職員自らが主体的に課題を掘り起こし、前例にとらわれず県民目線、現場主義で課題解決に取り組む前提といたしまして、県庁のIT化、DX推進による効率化や働き方改革が必要であると考えております。
このためには、デジタルに関する知識に加えて、管理職をはじめとする職員の政策立案、実施に対する意識改革が不可欠であることから、今年度、より実践的な研修を階層別に実施しているところでございます。
具体的には、幹部、管理職向けには、組織のDX推進のため目指すべきビジョンを提示して、部下職員の挑戦を後押しする、そうした役割に必要なスキルを習得するセミナーを実施するとともに、中堅職員向けには、DX推進のリーダーとして、デジタルデータの活用スキルに加え、課題解決に必要なコミュニケーションスキルやデータを活用した政策のデザインの仕方などを習得するプログラムを実施したところでございます。
あわせて、コンピューターサイエンス分野でアジアトップクラスのシンガポール国立大学と連携いたしまして、民間も巻き込んだDXプログラムにも取り組んでおります。
また、御提案いただきました若手理系職員の活用につきましては、デジタル職の採用拡充に加えまして、オンライン申請のフォーマットやRPA──ソフトウエアを活用した作業の自動化でございますが、そうしたものの内製化、そして若手職員を中心としたアプリ作成支援の勉強会も開催しているところでございます。
こうしたDX人材育成につきましては、DX・働き方改革推進アクションプランにおきまして、令和5年度を目標年次といたしまして、今、御説明したような階層別の研修等の充実に向けて計画的に取り組んでいるところでございますが、引き続きDX・働き方改革推進本部で実施状況をお示しして進捗をしっかりと確認しながら、県庁業務のIT化、DX推進に着実に取り組んでまいります。
続きまして、ウェルビーイングの広報についての御質問にお答えさせていただきます。
議員からもお話がありましたが、県民にウェルビーイングを自分事として共感してもらい、その向上につながるような取組を行っていただくこと、これは非常に重要だと考えておりまして、ウェルビーイングの認知度をまず高めていくというところがその第一歩であると考えております。
このため、指標策定に当たりましては、多様な要素が絡み、また個々人で異なることから、漠然とした印象を持たれがちなウェルビーイングをできる限り分かりやすく可視化いたしまして、指標を7色の花の形に見立て、県民に親しみを持って受け止めていただけるよう工夫をしたところでございます。
今後は、このウェルビーイングの花を県民への広報において積極的に活用して、県民や事業者の関心を集めていきたいと考えております。
これまでも、知事会見でも丁寧に御説明させていただきましたし、県ホームページにも掲載しているところでございます。あわせて、年度内に開設予定のウェブサイトにおいては、ウェルビーイング指標に基づく設問に答えていくことで御自分のウェルビーイングの状態が花で表示されると、そうした機能を新たに設ける予定としております。この機能を通して、県民の皆様に自分事として捉えていただく機会をつくっていければと考えております。
また、CiCビルや大型商業施設、また県の広報誌でのPRの御提案をいただきました。県としても、我々自身、広報をしっかりと頑張っていきたいんですけれども、こちらも議員からお話あったSDGsの認知度向上が、やはり職場や学校等での取組を通して進んだように、指標の説明に加え民間を巻き込んでウェルビーイングと県民の接点を増やしていくことで認識を高めていくと、そうした取組が非常に重要であると考えております。
そのため、議員から御提案ありましたように、県庁ホームページでそういうデータをダウンロードできるような、そういう環境をつくれるかどうかというのは、ちょっと検討いたしますし、またウェルビーイングを重視することがどういう意味があるかと、客観的だけではなくて主観的なことも考えることで、より他者を思いやることにつながることや、個々人の主観を尊重する概念であること、やっぱり、そうしたウェルビーイングを大事にするということの意味を、県民や事業者に対してもしっかりと伝えていくことで共感につなげて、そうしたウェルビーイングの接点づくりに巻き込んでいければと考えております。
ウェルビーイングの認知度、まだまだ低い状況であると認識してございますので、この花を活用したPRの方法もしっかりと研究、工夫して、認知度向上につなげてまいりたいと考えております。
最後に、本県の魅力PRについての御質問にお答えさせていただきます。
県の成長戦略に掲げます「幸せ人口1000万」のビジョン実現のために、まずは多くの方々に、本県をウェルビーイング先進地域として認知していただくことが重要であると考えております。このため、本年度のブランディング戦略プロジェクトチームでの議論を踏まえまして、まずは「寿司」に焦点を絞りつつ、観光や農林水産業、伝統工芸の普及も視野に入れながら、ブランディング事業を展開していくこととしております。
また、本県の関係人口創出、こちらもウェルビーイングと同様に、県庁の取組だけではなく、県民の皆様の一人一人が本県の魅力をPRして県外のつながりをつくっていただくことが不可欠であると考えております。そこで今年度は、県民の皆様に、県内の風景や話題のスポット等をハッシュタグをつけてインスタグラムに投稿してもらうとともに、その一部を県公式アカウントで紹介する取組を進めているところでございます。
これに加えまして、来年度は、本県の隠れた魅力や旬の情報を外から関心を引きやすい視点や新たな切り口で紹介することで、県民の皆様が思わず県外の方に伝えたくなるようなコンテンツを記事の形式で配信するサイトを、県庁としても新たに構築する予定としております。
加えて、県民の方々に、こういうコンテンツができましたよということをしっかりと届けるとともに、県外の方々にも関心を持ちそうな情報を定期的に届けていき、関係人口を増やすために今月中に県公式LINEの機能を拡充いたしまして、属性や相手の関心分野に応じたプッシュ型の情報発信を行うなど、届けたい人に必要な情報が届くように取り組んでまいります。
県としては、先般設置いたしましたブランディング推進本部において、戦略的、効果的な広報ブランディング方法を検討するとともに、多くの県民の皆様を巻き込んで一緒になって富山が世界に誇る魅力を発信し、関係人口創出拡大につなげてまいります。
36 ◯議長(渡辺守人君)岡本経営管理部長。
〔経営管理部長岡本達也君登壇〕
37 ◯経営管理部長(岡本達也君)私のほうからは、県職員の人事管理や異動作業のIT化、DX化の御質問にお答えをいたします。
県職員の人事異動に当たりましては、個々の職員の能力や意欲、性格、経験、また育児、介護など家庭の事情、さらには本人のキャリア形成や業務への適性、ジョブローテーションなど様々な要素を考慮した上で、適材適所を基本とした人員配置に努めているところでございます。
また、人事管理に必要な職員の基本情報や履歴等の情報をデータベース化しシステムで管理をしており、蓄積したデータを採用、異動、評価、研修、給与など多岐にわたる業務において活用しているところでございます。
ただ、異動作業などは、いまだ人事担当者の目視による確認など非効率な作業も多く、さらなるIT化やDX化が課題と考えております。
議員から御提案がございました、異動作業の自動化や配属先シミュレーションによる異動候補の提案などが実現すれば、業務の効率化、省力化による作業時間の大幅な削減につながるものと期待されると考えております。
その一方で、機密性が高く、職員の状況や職員を取り巻く環境は目まぐるしく変化していることから、データベースのメンテナンスが頻繁に必要となり、業務増につながることも想定されるところでございます。
近年、複雑多様化する行政課題に的確に対応するためには、限られた「人財」──職員を県庁の宝、大切な財産として最大限に生かす人材マネジメントの重要性が高まってきております。人事担当が、こうした高度な業務に注力していかなければならないと考えております。
そのためにも、議員から御提案のあった人事部門のDX化は不可欠であり、今後、人事管理や異動作業において、他県や民間の事例も参考にしっかり対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
38 ◯議長(渡辺守人君)荻布教育長。
〔教育長荻布佳子君登壇〕
39 ◯教育長(荻布佳子君)私からは、教員の人事管理や異動のIT化、DX化などについての御質問にお答えいたします。
教員の人事異動については、特別支援教育などの様々な教育経験や、大規模校、小規模校、普通科校、職業科校などのいろいろなタイプの学校をできるだけ多く経験することがキャリア形成上望ましいと考えており、その実現に努めております。
また、教員の人事管理については、住所や学歴、保有免許状などの基本的な情報や勤務履歴、研修履歴などを、小中学校の教員の人事異動作業を行う各市町村教育委員会とも共有しデータベース化することで、事務の効率化を図っております。
人事異動に当たっては、学校現場の教育活動の活性化や教育水準の向上を図るため、教員の履歴などの基本的な情報のほか、勤務状況や教務や生徒指導などといった校務分掌の経験など、学校運営や教育指導上の観点から考慮すべき事項も多くございます。
このため、データベースを活用しながら人事担当者がより丁寧に作業をしておりますが、議員御提案のように、こうした情報をIT化、DX化ができれば、人事異動作業の一層の効率化、省力化を図ることができると考えます。
今後、どのようなIT化、DX化が可能であるか研究をするとともに、市町村教育委員会とも連携した交流人事の積極的な実施や、体系的、効率的な研修などにより、教員一人一人のキャリアを高め、全県的視野に立って適材を適所に配置することで、教育活動の活性化、また県全体の教育水準の向上に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
40 ◯議長(渡辺守人君)市井土木部長。
〔土木部長市井昌彦君登壇〕
41 ◯土木部長(市井昌彦君)私に2問いただきましたので、まず公共工事の提出書類の簡素化等についての御質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、建設現場から、公共工事に対し現場の生産性向上を図るため、提出書類の簡素化や電子化を求める切実な声が寄せられておるところでございます。一方、公共工事の書類の提出は、契約当初に定めた工期、工事目的物の出来形及び品質規格の確保を目的に行われているものでございます。
このため、書類の簡素化、電子化につきましては、定められた工事の品質を保ちつつ、近年の建設技術の進展やICT化も踏まえ、着実に歩みを止めることなく進めていくことが大切であると考えております。
まず、書類の簡素化につきましては、工事の使用資材届など提出を求める書類を順次縮減してきており、令和5年度においても、工事履行報告書の作成の軽減や施工計画書の記載項目の一部削減等、さらなる書類の簡素化を検討しております。
また、電子化についても、電子メールでの書類提出やウェブ会議システムによる遠隔臨場の導入等、拡充を図ってきたところでございます。このうち、受発注者間でリアルタイムに情報のやり取りができる情報共有システムの導入につきましては、モデル工事のみとしていた対象工事を、今年度より4,000万円以上の全ての工事とし、令和5年度には2,000万円以上に拡大することとしております。さらに、これまで紙提出となっていた書類の一部の電子納品化も検討しており、より一層の電子化を進めることとしております。
今後とも、建設企業の皆様の御意見を伺いながら、デジタル技術を活用した監督業務の効率化や工事書類の電子化の推進を進め、建設現場の生産性の向上につながる施策の充実を図ってまいります。
次に、流杉スマートインターチェンジについての御質問にお答えします。
北陸自動車道の流杉スマートインターチェンジは、高速道路の利用促進及び市中心部への流入交通の分散などを目的として、平成19年度に中日本高速道路株式会社と富山市が、流杉パーキングエリアを活用してインターチェンジとして利用できるよう進入路や料金徴収施設等を整備し、1年間の社会実験を経て本格運用したものでございます。
利用できる車両は、当時の全国の整備事例と同様、大型トラックや観光バスまでを想定して、長さが12メートル以下のものとされております。このインターチェンジにおける令和3年度の1日当たりの利用台数は約3,500台と、供用直後の平成21年度の約2,400台の約1.5倍となっております。
このインターへのアクセスの向上については、議員御指摘のとおり、富山市街地に流入する交通を分散し、富山インター出口付近の渋滞対策につながるものと考えております。
このため、県では、流杉スマートインターのアクセス道路となる県道富山環状線において、流杉交差点をはじめとする沿線の交差点の整備を進めており、今年度は、太田南町や堀地内の交差点改良にそれぞれ取り組んでおります。このほか、本郷新から本郷町地内にかけての都市計画道路大泉線(県道三室荒屋富山線)の拡幅整備や、富山市による市道町村線の新設工事も進められております。
今後とも、富山市と連携してインターへのアクセス向上に取り組んでまいります。
なお、セミトレーラーなどが利用できるようにするためには、新たに用地を取得し、インター及びその進入路の改良工事等が必要となることから、道路を管理する中日本高速道路株式会社や富山市等の意向を確認してまいります。
以上です。
42 ◯議長(渡辺守人君)堀口農林水産部長。
〔農林水産部長堀口 正君登壇〕
43 ◯農林水産部長(堀口 正君)まず、圃場整備事業における圃場データの活用についての御質問にお答えします。
県では、農業競争力の強化に向け、意欲ある担い手への農地の集積・集約化や農業所得の向上を図るため、水田の大区画化、汎用化を行う農地整備事業を計画的に実施しております。
議員御紹介のICTを活用した圃場整備等の工事につきましては、地形等の測量や工事設計の結果を3次元データ化し、それに基づいて自動制御可能な建設機械等により施工し、出来形管理するものです。
県では、令和2年度から国のガイドライン等を参考に、建設企業からの提案があれば、そうしたICT工事に取り組んでおります。今年度までの3か年で7社、8件の工事実績がございますが、3次元データの営農への有効な活用方法について検証された技術が今のところないため、現時点で3次元データは活用されていない状況にございます。
しかしながら、実際には整備前の土壌や地下水位の状況、水路や農道の跡地であったかなどの土地利用状況により、整備後の圃場において作物の生育に差が見られることなどもございます。
そのため、工事を通じて得られた圃場の情報を、効果的な施肥や給水等の栽培管理に活用することで、安定した収量や品質管理につながることなども期待されるところです。
今後、ICTを活用したスマート農業が普及する中で、どのようなデータが営農に有効であるか、またどのように情報連携させると効果的なのかなどについて、建設機械や農業機械のメーカー、農業団体等と連携しながら研究、検討してまいります。
次に、圃場整備にかかる施工時期とICT施工についての御質問にお答えします。
春から秋にかけての時期は天候が比較的安定しており、工事の計画的な進捗や良好な仕上がりが期待できますことから、県ではこれまで、年度間の切れ目ない工事が可能なゼロ国債や、国の経済対策補正予算等を活用した事業執行に努めております。
例えば、令和4年度11月補正予算に計上させていただきました国の総合経済対策関連の事業につきましては、建設企業が計画的に受注施工できますよう、発注見通しを1月中旬までに公表しますとともに、地元農業者に対しては、速やかに工事着手できるよう、休耕や大麦等への作付調整を要請しているところです。
また、ICTを活用した施工は、より少人数での施工や熟練した技術の補完が可能となり、建設現場での生産性や品質の向上が図られるなどメリットがございます。さらにICTを活用した施工をPRすることで、若い世代の関心も高まり、新たな人材確保にもつながるものと考えております。
なお、国は、令和5年度、国営農地再編整備事業地区を対象に、3次元データを活用した設計や営農、維持管理までの一体的な農地整備手法の確立、体系化に向けた実証を行うこととされております。
県といたしましては、こうした国の取組状況、またその成果等を注視するとともに、県営事業等への活用も視野に、ICTを活用した施工に積極的に取り組んでまいります。
最後に、富富富についての御質問にお答えします。
令和3年度からの富富富の新戦略では、それまで3年間の販売実績や実需者、消費者等の評価などを踏まえまして、県外への高級ブランド米としてのPRから、価格帯をコシヒカリと同等以上として県内へのPRも重視するなどの見直しを行い、飲食店でのフェアや学校給食など消費者への浸透を図ってまいりました。
また、栽培面積目標は、令和7年産の2,000ヘクタールを掲げ、令和5年産は、目標では1,600ヘクタールでしたが、それを上回る1,632ヘクタールの作付が見込まれております。
しかしながら生産者からは、収量がコシヒカリにやや劣るといった声がありますほか、大手コンビニのおにぎりへの採用もあり、さらに増産が求められているなどの課題もございます。
このため生産面では、適切な施肥により過剰もみ数を防止し、登熟割合を高めるなど収量性向上の技術指導の徹底、コシヒカリとの作業の重複を避ける作付時期の提示や、乾燥調製のための荷受けライン複線化の改修支援などにより、新規生産者の参入や作付拡大につなげることとしております。
また、販売先の確保では、実需者と連携した販売フェア等による試食や、SNS等を活用した食べ方の提案など、環境にも優しい富富富の魅力をさらにPRしていきたいと考えております。
次期戦略の策定は、令和5年度に「富富富」戦略推進会議で議論していくこととなりますが、生産、販売の現場の声、また消費者の声を一つ一つ丁寧にお伺いして戦略を練り直すとともに、分かりやすい発信に努めていきたいと考えております。
引き続き、富富富が多くの方に愛され選ばれるお米となりますよう、関係団体と連携し、生産拡大と消費拡大にスピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
44 ◯議長(渡辺守人君)以上で中川忠昭君の質問は終了しました。
暫時休憩いたします。
午後0時07分休憩
───────────────────
午後1時00分開議
45 ◯副議長(瘧師富士夫君)休憩前に引き続き会議を開きます。
菅沢裕明君。
〔33番菅沢裕明君登壇〕
46 ◯33番(菅沢裕明君)立憲民主党の菅沢です。
最初の質問は、令和5年度県予算案の評価についてであります。
令和5年1月21日の全国消費物価総合指数は、前年同月比4.0%増と41年ぶりの物価高となっております。その中で、約7,000品目の生活必需品の異常な値上がりが続き、県民生活を圧迫しております。物価高騰は、総務省の家計調査のデータでも、年額換算で14万3,000円の負担増となっております。
さらに、電力料金は、この1月検針分を見ても、エネルギーコストの上昇を反映して数万円増となり、今後4月以降は本格的な大幅引上げが確実であります。
異常な物価高が県民の暮らし、県内事業者、商店などの営業を直撃する中で、県は、令和5年度当初予算や補正予算で、ひとり親世帯への支援やプレミアム商品券の発行支援などに取り組むとしておりますが、どれくらいの効果があるのか、私は極めて不十分ではないかと思っております。
知事に、大きな打撃を受けている県民の暮らし、地域経済への緊急な具体的支援策を求め質問をします。
第2は、賃上げについてであります。
物価高騰からいかにして県民の暮らしと地域経済を立て直していくのか。そのために最も重要なのは、思い切った賃上げを実現することであります。
労働者の実質賃金は、2012年(平成24年)の平均値に比べ、21年(令和3年)には年額換算で20万円も減少しております。こうした中で、政府や経団連は、物価上昇を超える賃上げが必要と述べ、知事も賃上げを後押しすると述べられました。
しかし、働く人たちの7割を占める県下の多くの中小企業が、抜本的な支援なしに賃上げできると知事はお考えでしょうか。原材料費の高騰、コロナ危機による経営難、過剰債務などにあえぐ中小企業が賃上げを実施できるのかどうか。新年度県予算などでの具体的な支援策、環境づくり、有効な後押しは何かが問われております。
その中で、富山県中小企業ビヨンドコロナ補助金などの賃上げ波及効果をどのように見ておられるのか。また、富山県賃上げサポート補助金600万円の計上──600万円ですよ。令和4年度6月補正では700万円がされておりますが、その効果は期待できるのか甚だ疑問であります。
県としてどのように賃上げを後押しし効果を発揮していくのか。また、最低賃金の大幅引上げ──現行908円を1,500円に改定──を、非正規雇用が増加する中で県主導で実施すべきと考えます。知事に質問します。
第3は、県の新型コロナ対策についてであります。
新型コロナは、感染者が減少傾向とはいえ、依然として収まってはおりません。
令和4年末以降の第8波では、県内死亡者は100名を超え、過去最悪であります。高齢者施設ではクラスターが多発し、多くの犠牲者が出ております。知事、その原因はどこにあると認識しておられますか。私は県の責任は重いと思います。
こうした中で、国、県のコロナ対策が縮小されます。雇用調整助成金のコロナ特例も令和5年3月末で終了、国の中小企業への実質無利子・無担保融資も縮小されます。これでよいのか。また、令和5年1月から、コロナ減収世帯への生活福祉資金の特例貸付の返済が開始されていますが、生活貧困者への償還免除措置などがますます重要になります。
国は、新型コロナを季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げる方針でありますが、5類に変更しても、コロナ患者とそれ以外の患者との動線分離が不要になるわけではありません。医療機関に対する財政措置がそうした中で縮小されれば、コロナ対応できる医療機関が減少するおそれがあります。医療体制の強化抜きにこの方針を実行すれば、医療現場の大混乱は避けられません。
医療費やPCR検査などを自己負担とすることは、ただでさえ高くなっている医療へのハードルをさらに引き上げ、犠牲者を拡大することになりかねません。そして、県厚生センターなどの感染症対応への人員増など、体制強化の課題も残されたままであります。
県は、国の方針待ちではなく、県民の暮らしと健康、地域経済をどう守っていくのかが問われております。知事に質問いたします。
第4は、県予算とウェルビーイングについてであります。
新田知事は、最重要施策に掲げる県民のウェルビーイング──真の幸せ実現に向け、県民一人一人の主観的な幸福度を測る独自の指標を公表いたしました。心身の健康や生きがい、家庭や地域とのつながりという個々の実感を数値化したものでありますが、今後、県政施策立案の基礎データに生かすとされております。
これは、県の施策の従来の評価基準である統計などの客観データ──例えば参加人員や面積などから県民の幸せ実感への転換であるとするならば、大いに評価できます。ただ、県を含めた地方自治体の一番の役割が、住民の暮らしと福祉をよくすることだとすれば、ウェルビーイングの指標については、一般的、抽象的なものではなく、具体的な生活や福祉の向上といった日常を実感できるものでなければならないのではないでしょうか。残念ながら、新田知事のウェルビーイングが、県民の中にほとんど理解、浸透していないのが現実であります。理念先走りで具体性がないことの結果ではないかと私は危惧いたしております。
したがって、ウェルビーイングは令和5年度県当初予算の30事業のみを対象としたと報告されておりますが、県民の理解が得られないのは当然だと私は思っております。ウェルビーイングは、令和5年度当初予算案で目指す全ての県事業の目標として貫かなければならないと私は考えます。知事に質問をいたします。
予算評価に関する最後の質問は、武道館などの県の大型施設の建設をめぐってであります。
物価高騰の中で建設資材が急騰し、武道館機能を有する多目的施設については、当初の約87億円が約110億円、1.3倍となるとされました。高岡テクノドーム別館の場合は、当初の約26億円が約2倍の46億円近くになることが発表されております。
こうした建設費の急騰を受けて、県の財政事情や事業の優先度、県民の理解などから、改めて各施設の必要性や整備時期、機能などを再検討すべきと私は考えます。
特に、武道館機能を有する多目的施設については、私たちが従来から指摘をしてまいりましたように、富山市内にはスポーツイベントなどに関する類似施設が多くあるわけであります。今回、基本設計の見直しに着手するとされたことは、私は当然のこととして評価できます。一度踏み出したことでも状況変化に応じて大胆に見直す。ここでも知事、県民目線、スピード重視、現場重視を貫いてほしいのであります。
建設、運営に当たってのPFI方式の導入についても、法制定から20年となり多くの問題事例が起きており、維持管理運営費が従来のやり方より高くつくことや、県内企業への経済波及が少ないことなどが指摘をされてまいりました。今後、武道館としての建設に特化していくことになるとすれば、なおさらPFI方式は馴染みません。撤回すべきと考えますが、知事に質問いたします。
第2の質問は、県の少子化対策についてであります。
本県の出生数は、令和3年には6,076人と過去最少となり、近年は10年ごとに2,000人減少し、このままでは10年後に4,000人台が予想され、新田知事の時代に超少子化社会に突入したと言われますよ。こうした中で、令和5年度県予算案のとやまマリッジサポートセンター運営事業などや女性が活躍する環境づくり関連諸施策はどれだけの効果が期待される有効な対策なのか、まさに問われております。
知事は、当初予算の提案理由説明で、少子化対策は重点政策と力説されましたが、本気で取り組むのであればこのままでよいのか。今、異次元の少子化対策──これは岸田首相の年頭記者会見でありましたが、そうした少子化対策が国会でも論議される中で、県議会でも様々に論議されておりますが、知事に質問をしたいと思います。
令和5年度県当初予算案では、若い女性や子育て世代から選ばれる富山県を目指して施策を展開するとして、若い女性の県外流出を防ぐ施策などが提起されております。しかし、若い世代の未婚率の高さというのは、若い女性の不足が主要因とは言えないのではないかということであります。こうした県の分析は本当に正しいのでしょうか。私は疑問があります。
県の意識調査、2017年では、「子育てや教育にお金がかかり過ぎる」「働きながら子育てできる環境にない」などが上位を占めております。その中で特に、教育費の軽減を求める声が多いのであります。給食費の無償化や高校教育無償化などが必要であります。
少子化対策の要は、若い世代が安心して家庭を築ける、子供を育てられる社会をつくっていくことであります。そのためには、若者が安心して働ける労働環境づくりや、ジェンダー平等、貧困家庭のサポートなどを積み重ねていく以外にはないのではないでしょうか。知事に質問いたします。
第3の質問は、県農政についてであります。
まず、富富富の問題を取り上げます。
富富富の富山米全体に占める割合は、四、五%にすぎません。作付状況は、令和5年度で1,600ヘクタール、登録農家戸数は613、生産目標は8,800トンとされております。作付面積、生産者数は思うように増えてはおりません。どのように目標を達成していくのかも問われています。
そのためには、生産者の理解、意欲の向上をどう図っていくかが課題であります。商店からは、高くて使えないとの声が上がり、県内消費者にも浸透しているとは言えません。一般消費者への消費拡大をどう進めるのか、価格の問題もあるのではないでしょうか。
こういう状況下で、ブランド米を志向する富富富の生産・販売・PR戦略の転換が問われているのではないかと考えます。県のブランド米戦略として、コシヒカリから富富富へのシフトではなくて、今は富富富が生産者や消費者の信頼をどのように得られるのかの段階であり、高級品としてのブランド米富富富に固執すべきではありません。どう対応していくのか知事に質問をいたします。
次に、県下には1万を超える販売農家、700近くの集落営農組織がありますが、近年、一般農家はもとより集落営農組織においても、赤字経営に耐えられず経営継続を断念するところが出てきております。
米価下落や肥料、資材の急騰が背景にあり、後継者不足を訴えるところも多いのであります。これは、耕作放棄地の拡大や食料生産の根幹につながりかねない事態と言えます。農家経営の安全網に、米などの収入減少影響緩和対策──ナラシ対策、農業共済制度などがありますが、十分機能しているとは言えません。
危機に直面している集落営農の経営実態をどのように把握しているのか、支援策はどのようになるのか、また農業関連への物価高騰対策が急がれますが、併せて農林水産部長に質問いたします。
第4の質問は、教員不足の問題であります。
県下小中学校、高校、特別支援学校で教員未配置の状態が恒常化しております。令和4年度末で、小中学校で23名──小学校11校、中学校6校の未配置です。年度途中ではもっと大きな数でした。また、教員の欠員を臨任講師で埋める事態も恒常化し、令和4年度は117名に達しております。代替員の臨任講師の確保も困難な状況は続いており、県下の教員不足が深刻化いたしております。
こうした問題の大本には、教員定数に短時間勤務の非正規教員を含めてよいとした定数崩しの義務教育標準法の改悪、教員配置を地方の裁量とした総額裁量制の導入、義務教育国庫負担金削減といった制度改悪があります。また、教員の異常な働き方などについて、県教委が実効性のある対策を取らず、現場の負担を増やしてきたことがあります。教員の成り手不足も深刻化いたしております。
このような現状をどう改善していくのか、教育長に質問いたします。
第5の質問は、県の工業用水に関連してであります。
県営西部工業用水と和田川水道用水の和田川ダムから浄水場を結ぶ導水路、隧道について、管路の老朽化が進み耐用年数の期限まであと数年となる中で、導水路の更新──複線化を含めて──が急務となっております。工業用水、水道用水の安定供給、危機管理の観点からも、当面どのように対処していくのかが問われております。
また、西部工水では、射水市内などで近年重大な突発破裂事故が連続いたしておりますが、幹線管路の複線化などでの対応が必要となっています。
和田川導水路については、企業局内に和田川浄水場機能維持方策基本方針策定チームを設置し、新たな取水施設や導水路の基本設計に着手され、令和5年度当初予算では関連予算が計上されました。西部工水の機能維持については、工業用水の安定供給のために様々なバイパスルート──幹線の複線化も含めて──が比較検証されております。
西部工水に関するこうした検討状況や、今後、令和5年度当初予算ではどのような対応になるのか、企業局長に質問をいたします。
最後の質問は、城端線・氷見線のLRT化──次世代型路面電車をめぐる問題についてであります。
この2月初めに、4種類の交通体系を導入した場合のそれぞれの初期整備費が明らかにされました。その中で、電化タイプの低床LRTの導入は事業費が大きく、最大435億円と積算されました。整備時には一、二年の運休期間が必要となり、低床軽量車両では積雪時などの運行障害リスクが高いとされました。また、輸送人員も低く混雑が予想されるなど、デメリットが大きいとの指摘がありました。
利用者、関係自治体、専門家からは、あいの風とやま鉄道への乗り入れが可能になる新型鉄道車両の導入や、現状より本数を増やすなどダイヤの刷新、駅や車両のバリアフリー化や待合室、トイレの整備、富山方面まで直通になるほうが地元の人たちにとってメリットが大きいなどの声が出されております。また、各駅との二次交通の利便性向上策も立ち後れているとの指摘が以前からあるわけであります。整備に当たってのJR、国の協力、支援も欠かせません。
今日の時点で、県として、LRT化ではなく、利用者の利便性や満足度、安全度を高めることを私は最優先に、新型鉄道車両の導入を軸とした方向性を出すべきだと考えますが、知事にこの点について質問をいたします。
以上で私の一般質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
47 ◯副議長(瘧師富士夫君)新田知事。
〔知事新田八朗君登壇〕
48 ◯知事(新田八朗君)菅沢裕明議員の御質問にお答えします。
まず、物価高対応についての御質問にお答えします。
先月27日に議決いただきました補正予算、そして今提案中の令和5年度当初予算案では、まず、目下のエネルギー価格、そして物価の高騰を踏まえて、県民の暮らしや県内事業者の経済活動への支援について、スピード感を持って最優先で取り組むこととしております。
具体的には、県民生活への支援という意味では、ひとり親家庭の生活を支援するとともに、こども食堂の活動維持のための助成、また、商工団体や商店街によるプレミアム商品券の発行などを支援してまいります。さらに、県内中小企業における賃金の引上げを後押しするため、国の助成金に県独自で上乗せを行うとともに、県内の経済団体などと連携してパートナーシップ構築宣言の普及に取り組み、価格転嫁が適正に行われる環境を整備してまいります。
また、事業活動の支援につきましてですが、経営改善に向けた資金繰り支援や商工団体における相談体制を充実していくこと、またビヨンドコロナ補助金については、さらに5億円増額をしました。11月補正でも10億円拡充させていただきましたが、さらに5億円増額をしました。
省エネやDX、カーボンニュートラルの推進などを後押しするとともに、生産性向上による賃上げに向けた取組に対しては、補助率を引き上げて支援を一層強化することとしています。さらに、燃料費の高騰等により影響を直接受ける交通事業者や農林水産事業者さんを引き続き支援してまいります。
県としましては、今後とも、生産性の向上や適正な価格転嫁などにより、賃金の引上げが行われ、消費が活性化する経済の好循環に向けた施策の実行に努めてまいります。
次に、賃上げ実現に向けた支援についての御質問にお答えします。
エネルギーや原材料価格の高騰が続く中、継続的な賃上げが行われていくには、適切な価格転嫁の下、企業におけるDXや省エネ、人への投資などによる生産性の向上が不可欠です。そして、賃上げが経済の活性化、生産性やスキルの向上をもたらし、それが、さらなる賃上げにつながる構造的な賃上げを実現していくことが望ましいと考えます。
こうしたことから、県では、先月27日に議決いただいた補正予算や令和5年度の当初予算案において、ビヨンドコロナ補助金などにより、省エネやDX、カーボンニュートラルの推進を後押しするとともに、生産性向上による賃上げに向けた取組に対しては、繰り返しになりますが、補助率を引き上げて支援を一層強化することとしております。
また、国の業務改善助成金に上乗せ補助を行う富山県賃上げサポート補助金により賃上げを推進するとともに、県内企業において働く方々のスキルアップや生産性向上を図っていただけるよう、リスキリングの支援にも取り組んでいます。
さらに、2月22日水曜日に開催しました、富山県中小企業の振興と人材の育成等に関する県民会議におきまして、経済5団体、また連合富山さんも御出席です。また経済産業局そして労働局、これらの皆さん御出席の下で、サプライチェーン全体での適切な価格転嫁を実現するため、改めてパートナーシップ構築宣言を普及推進することに取り組んでいこうと、そうすることによって価格転嫁が適切に行われる環境を整備していこうということに、みんなで合意したところでございます。
賃上げに関する直接的な施策ですが、富山県賃上げサポート補助金に加えまして、今般の2月補正でお願いしているビヨンドコロナ補助金においても、再三申し上げますが、賃上げに向けた取組については補助率を引き上げ、これまで以上に取り組んでいくこととしております。
賃上げサポート補助金600万円ということで、少ないのではないかという御指摘かもしれませんが、これは、国が10分の9を見られます。それに10分の1を上乗せするということですから、600万円は総額では6,000万円になるのでございまして、その辺りを御理解いただきたいと思います。
また、最低賃金については、県民会議にも御参加いただいています富山労働局さんが判断されることでございまして、物価高騰や賃金引上げは全国的な課題であることから、これは引き続き全国知事会と連携をして、国に対してより効果的な全国一律の対策を要請していきたいと考えております。
次に、新型コロナへの対応などについての御質問にお答えします。
まず、新型コロナの医療提供体制につきましてですが、3月上旬に示される国の方針を待つことなく、医療機関の御協力をいただきながら、既に医療機関の間での入院調整など通常医療への移行を見据えた取組を進めております。また、それとともに、医療費やワクチン接種の公費負担については一定期間の継続が必要と考え、全国知事会と連携して国に働きかけております。
また、厚生センターの体制については、この2年間で保健師を10名増員しております。強化したところでありまして、来年度はさらに2名の定数増をしております。
次に、生活福祉資金の特例貸付についてですが、県社協では、償還が困難な借受人の皆さんに対して償還免除や償還猶予などの対応に努めておりまして、今後も関係機関と連携を図りながら借受人へのフォローアップ支援に努めてまいります。
さらに、商工団体などによるプレミアム商品券の発行などを支援していくとともに、ゼロゼロ融資の借換えにも対応し、県独自に保証料を引き下げるビヨンドコロナ応援資金の融資枠を拡充して、中小企業の資金繰りへの支援を強化するなど、県民の生活、暮らしや地域経済を支えていきたいと考えております。
いわゆる第8波において、大変死亡例が増えているということも御指摘をいただきました。これは夏の第7波に比べますと、80代以上の皆様の死亡例が増えております。特に、12月と1月に90代以上の方の死亡例が多くなりました。
これは、80代以上の御高齢の感染者が増えたこと、また国の専門家会議の資料などによりますと、感染をきっかけとする誤嚥性肺炎などの併発疾患の事例が多いと言われています。また、合併症の悪化なども要因とされています。このようなことで、第7波に比べまして第8波では死亡例が増えたと私どもでは分析をしております。
ということは、やはり重症化リスクのある方が入院、あるいは入所されている医療機関や高齢者施設での感染対策は、引き続き重要であることは変わりがないということでありまして、感染対策への支援の継続拡充については、全国知事会と連携をして国に働きかけているところでございます。決して新型コロナ対策をおろそかに考えているわけではないことは御理解をいただきたいと存じます。
引き続き、感染対策あるいは医療提供体制の確保に努めますとともに、県民生活や県内経済がコロナ禍前よりもさらによくなるように取り組んでまいります。
次に、ウェルビーイングについての御質問にお答えをします。
成長戦略の中心にウェルビーイングを据え、県民の皆様のウェルビーイング向上に努めていくため、今回の予算編成は、成長戦略アクションプランに係る事業のほか、未来づくりへの積極投資など、全体にわたり県民の皆様のウェルビーイング向上を強く意識して進めています。
ウェルビーイング指標を1月に発表しましたが、これを効果的に活用していくためには、職員の十分な理解の下で具体的かつ効率的な方法や手順を整理し進める必要があると考えております。
そこで、指標の公表が1月初旬となり、令和5年度当初予算案での活用には時間的な制約があったわけですが、スピード感を持って取り組み、施策実施の改善につなげていきたいと考え、一部の事業で先行的、試行的に取り組むこととしたところでございます。あわせまして、職員へは指標を意識した施策立案、また実施に向けて、既に庁議でも指示をしておりまして、今後、職員の研修も行ってまいります。
試行の事業につきましては、事業の対象となる県民を具体的に想定し、効果としてどういう実感を高めていくのか指標の体系で整理しつつ、効果検証などの作業量も考慮し、30本の事業を選定しております。まず、これらは、各事業の執行段階で指標を活用し課題を洗い出しつつ、県職員の理解を深め、今後の県政全般での活用につなげていきたいと考えます。
とてもチャレンジングな取組です。限られた県の政策資源を最大限活用して、県民のウェルビーイングの向上につなげていかなければなりません。議員におかれましては、このウェルビーイング指標について大変に高い評価をいただいたこと、心から感謝を申し上げます。ですから、それをすぐに全部の事業に使っていけという前向きな御指摘だったと受け止めておりますが、今後ずっと続くことですので、拙速というよりも職員がちゃんと理解をして施策形成、また施策の検証につなげていくことが大切だと思いますので、ここはそう焦らないでじっくりと取り組むということで、まずは30本の事業で試行していくというやり方であることを御理解いただきたいと思います。
次は、大型施設の整備に関する御質問にお答えをします。
武道館などの大型施設の整備につきましては、県民のニーズはもとより、昨今の物価・資材価格等の上昇や社会情勢などの変化も踏まえ、十分に検討を重ねた上で進めていく必要があるということは、議員御指摘のとおりだと全く同感でございます。
高岡テクノドーム別館ですが、既存の本館の展示、集客、交流等に係る機能の拡充を図りまして、県西部地域の活性化に資する拠点として整備するもので、令和6年度中の開館を目指し、着工に向け手続を進めております。運営につきましては、来年度前半の民間事業者の公募に向けて準備を進めています。
新川こども施設は、こどもまんなか共生社会の実現に向けた重要な事業と位置づけており、今後、物価の状況等も注視しつつ、市町村の既存施設と連携した施設となるよう取り組んでまいります。また、本事業は基本設計からのPFI導入により、事業費のコストダウンや効果的、効率的な運営も期待できると思います。
一方、富山県武道館は昨今の資材高騰などにより建設費が約110億円程度になると試算しておりますが、今後の物価動向によっては一層の上振れも懸念されるため、どのような対応が適切か様々な観点からの検討が必要と考え、今議会での建設費などの債務負担行為の設定を見送りました。今後、建設費の削減、基本計画策定後の建設予定地周辺における環境変化を踏まえた機能、規模の見直しや整備手法などについて検討を進めてまいります。
次に、少子化対策についての御質問にお答えをします。
議員御指摘のとおりだと思いますが、少子化の進行は大変深刻な状況です。国でも児童手当の見直しなどの議論が進んでおります。
県としても、昨年設置しました少子化対策・子育て支援専門部会において、民間の知見も借りながら施策強化の議論を深めてまいりました。婚姻数減少の背景には、若年女性の転出超過による男女数の不均衡があるということ。ですから、若い女性に選ばれ、女性が活躍できる環境づくりが重要との指摘を受けたところでございます。
本県において、直近10年間を取ってその出生数を婚姻数で割りますと1.64人となります。すなわち、1夫婦から1.64人の子供がこの10年間の平均で生まれているということになります。単純計算しますと、例えば現状の20代の女性の転出超過を4分の1、25%縮めることができれば、年間155組の婚姻数の増加を見込むことができます。年間155組の婚姻数の増加につながるということです。これを出生数に換算すると、先ほどの一つの御夫婦から1.64人生まれるという計算をしますと、254人の増加になります。
ということで、若年女性の転出超過対策は、平均しますと毎年175人ずつ減少しておりますので、この175人を補って余りある出生増が見込まれるということになります。ですから、若年女性の転出を何とか食い止める、あるいは転入を進める対策の意味が御理解いただけるかと思います。
このため、女性の転入対策として、新たに、既存の企業情報サイトを統合の上、大学生などに対してプッシュ型で就活情報等を発信するほか、女性活躍推進に積極的な企業に対する企業立地助成金の拡充、若い女性に選ばれる企業を目指す経営者向けセミナーの開催に取り組みます。また、県内在住時からのアプローチとして、中学生、高校生と企業の女性管理職との交流機会の創出などにも取り組んでまいります。
国の異次元の少子化対策にも言及されましたが、国の場合はもちろん、言うまでもなくオールジャパンで考えられることでございます。本県は、女性の転出が止まらない状況の中で、婚姻数減少、少子化について手を打たなければならない。当然、国のやり方と私ども県のやり方は違ってくることは御理解いただきたいと思います。
ただ、議員もおっしゃるように、このアプローチだけで問題が解決するとは考えておりません。県民目線で、結婚しない理由、あるいは子供を持たない理由を丁寧に分析することも大切。既存の施策の強化や新たな施策の立案を進めますとともに、施策同士の相乗効果を発揮することによって課題を解決することも大切だと考えております。
少子化対策の環境づくりという御質問もいただきました。
議員御指摘のとおりだと思います。若い世代が安心して家庭を築ける、子供を育てられる社会の実現に向けては、子育てに対する支援を強化するだけではなく、労働環境づくりやジェンダー平等、格差の問題など、様々な問題に取り組んでいく必要があるということ、全く同感でございます。
今ほどもお答えしたように、女性の流出に伴う若者の男女間のアンバランスが、本県における少子化進展の大きな要因の一つだと考えておりますが、若者が低迷する経済の中で抱いている将来に対する不安を取り除くことも重要だと考えます。不安定な非正規雇用にある若者の正規雇用に向けた就職活動に対し支援をいたします。
また、性別に関わらず、仕事と家庭が両立できるよう、共働きでも男性は家庭より仕事を優先すべきなどの無意識の思い込み、いわゆるアンコンシャス・バイアスを解消する課題解決型の取組も行うことにしております。
貧困家庭のサポートとしては、自立相談支援機関において家計改善支援や就労支援など継続的な支援を行うとともに、新たに低所得のひとり親家庭への支援として、県産食品や生活必需品などの応援セットを提供することとします。また、国の出産・子育て応援交付金と県の応援券事業を統合しまして、新たな子育て支援ポイント制度の創設にも取り組みます。
さらに、子育て世帯の教育費負担の軽減を図るため、公立高校における授業料相当額の就学支援金の支給、私立高校の授業料減免補助の拡充のほか、県内出身大学生などに対し、県単独の奨学金制度として修学上必要な資金を無利子で貸与する制度を設けております。
少子化対策は、県の様々な施策の中でも難易度の高い施策であると考えております。しかし、今最も重要な施策であると思います。あらゆる施策を総動員して対処しなければならないとも考えております。既存の施策につきましても、より県民に寄り添って改善し効果を高めるとともに、こどもまんなか共生社会実現のために市町村や民間と連携し、ベビーファーストの気持ちを社会全体で共有し少子化に歯止めをかけるべくしっかりと取り組んでまいります。
次に、県の農政に関して富富富の戦略の転換についての御質問にお答えをいたします。
富富富の戦略──
プロモーションの戦略また生産の戦略を転換せよという御意見、全く同感でありますが、既にかじを切っているということをぜひ御理解いただきたいと思います。
2020年の11月に私が就任して、当面は新幹線の対策、あるいは大雪対策、あるいは鳥インフルエンザ対策などの危機管理事案が立て続けに起こり、それに対応しましたが、それらが一段落したところで、翌年、令和3年度の富富富の戦略について検討しました。
そのときに、私から、まずは県民の皆さんに食べていただけるようにすべきと提案いたしました。それまでの県外への高級ブランド米としての、例えば有名タレントを起用してのPRをやめ、県内へのPRを重視するなどの見直しを指示したところでございます。また、価格も、価格帯をコシヒカリと同等以上として売っていこうと指示をいたしました。既に令和3年当初にかじは切っております。
また、栽培面積目標ですが、令和7年に、一般に1品種としての流通に必要とされる最低限の量が取扱量1万トンで、これを勘案して2,000ヘクタールとしました。これまで学校給食用に提供するなど、まず子供たちの胃袋に浸透するように取り組んできました。また一方で、大手コンビニのおにぎりへの採用などもありまして需要が拡大していることは、ありがたいことだと思っております。また、CMも変えまして、富山県出身の映画監督元木克秀さんにメガホンを取っていただき、彼の申入れで知事自ら出ろということだったので、私も恥を忍んでCMにも出ました。などなど、消費者、生産者への周知に努めまして、令和5年産は目標を上回る1,632ヘクタールの作付見込みとなっているところも御理解いただきたいと思います。
令和5年度では次期戦略の検討作業に着手する予定でございまして、生産者や消費者などの意見にも真摯に耳を傾け、地球温暖化が進む中、高品質な富山米を引っ張っていく基幹品種として、スピード感を持って生産や消費の拡大を図ること、環境にやさしい品種としての評価をさらに高めることなど、高い生産・販売目標とすることも含めて、生産、流通、販売、消費等の関係者で構成する戦略推進会議で、戦略の議論をさらに深めていきたいと思います。
今後も、もっともっと県民の皆さんに愛され選ばれるお米となるように、JAなどの関係の団体や生産者の皆さんとしっかりとスクラムを組んで取り組んでまいりたいと思います。
私から最後になりますが、城端線・氷見線についての御質問にお答えします。
城端線・氷見線については、令和2年6月に、県、沿線市、JR西日本で構成する城端線・氷見線LRT化検討会を設置し、検討を進めてまいりました。先月、2月2日に開催しました第5回の検討会では、城端線・氷見線の全線を電化し低床型のLRT車両を導入した場合、また新型鉄道車両など電化のLRT以外の交通モードを導入した場合について、それぞれの事業費や課題を9つのパターンに分けて整理して報告をいたしました。
検討会では、LRTにした場合には、事業費が高額であるだけではなく、輸送能力や速達性の確保に課題がある、冬の間の運行リスクがある、また整備に当たって長期の運休期間が発生するなどのことから、新型鉄道車両の導入が望ましいとの意見が多いと感じました。また、運行本数の増加や交通系ICカードの導入、両線の直通化などの利便性の向上が大切であるという意見も出されたところでありまして、県としては、これらの意見を参考に今年度中に方向性を示すことにしております。
国の支援については、先月、ローカル鉄道の再構築に関する仕組みの創設、拡充を含む地域公共交通活性化再生法の改正案が閣議決定されたところであり、情報収集を進めることとしています。
今後も、利用者の利便性、満足度向上に向けて取り組んでまいります。
私からは以上です。
49 ◯副議長(瘧師富士夫君)堀口農林水産部長。
〔農林水産部長堀口 正君登壇〕
50 ◯農林水産部長(堀口 正君)集落営農組織への支援についての御質問にお答えします。
本県の集落営農組織は、令和4年3月末で687組織あり、協業経営面積は約2万ヘクタール、耕地面積全体の3割超となっており、本県農業において重要な役割を担っております。一方、その経営状況につきましては、米価下落をはじめ肥料等の生産資材価格の高騰などを受け厳しい状況にあり、構成員の高齢化等により経営継続が難しい、そうした組織もあると承知をしております。
このため県では、これまで、米価下落等の影響緩和のための国の収入保険制度やナラシ対策への加入を促進するほか、肥料等の資材価格の高騰については、国の対策に加え、6月、9月補正予算において県独自の支援策を実施しております。さらに、2月補正予算に、集落営農組織やJA等が経営する乾燥調製施設等の電気料金高騰分への緊急支援策を盛り込み、先般議決いただいたところです。また、各農林振興センターの普及指導員等によりまして、組織の法人化や経営に係る指導を引き続き行いますとともに、組織を担う後継者となる人材を育成するため機械操作等の研修会を開催するほか、外部人材の雇用に向けた助言指導を行うなど、経営継続への支援を進めることとしております。
今後、各市町村において、将来の農地利用の姿を明確化した地域計画を策定する予定であり、策定に向けた話合いが各地域で行われます。そうした機会などを通じまして、各組織の実態等の情報収集を行い、それぞれの状況に応じたきめ細かな伴走支援に努めていきたいと考えております。
引き続き、地域農業が維持発展できますよう、努力してまいります。
51 ◯副議長(瘧師富士夫君)荻布教育長。
〔教育長荻布佳子君登壇〕
52 ◯教育長(荻布佳子君)私からは、教員等未配置についての御質問にお答えいたします。
本県でも教員の未配置が生じ、臨任教職員の確保が難しくなっている背景には、民間企業の採用意欲が高いこと、教員の長時間労働など過酷な労働環境のイメージが広まり、学生が教職を敬遠する傾向にあり志願者数が減少していることなどがあると考えております。加えて、近年教員の採用数が350人台と高止まりしているため、採用倍率の低下に伴い不合格者数が減りますことから、講師の登録者が減少し代替教員の確保が困難となっている事情もございます。
こうした中、県教育委員会では、学校現場での業務改善を進めますとともに、スクール・サポート・スタッフや部活動指導員などの外部人材を配置し、働き方改革に積極的に取り組み、労働環境の改善に努めております。また、優れた教員を安定的に確保するため、来年度は新たに、PR動画などによる本県で教員として働く魅力の発信や、教員採用検査において、受検者の負担軽減のため、従来の郵送による出願からウェブ出願への移行、小学校教員の受検において、大学3年次からの1次検査受検を可能とする制度の導入などを実施することとしております。
今後とも、代員も含めた必要な教職員の確保に向けて、市町村教育委員会と連携した学校現場の多忙化解消、働き方改革をはじめ採用検査内容の見直しなど、教員確保の取組を総合的に進めてまいります。
以上でございます。
53 ◯副議長(瘧師富士夫君)今井企業局長。
〔企業局長今井光雄君登壇〕
54 ◯企業局長(今井光雄君)工業用水についての御質問にお答えをいたします。
西部工水と水道の基幹施設でございます和田川導水トンネルにつきましては、耐用年数が近いことから、安定供給や危機管理の観点から、複線化の検討に今年度着手をいたしました。
これまで、局内に水道技術にたけた職員で構成する検討チームを設置し、現トンネル周辺の3次元地形測量や和田川ダム湖の底質調査等を行うとともに、導水のための取水施設等の基本構造や制御機構など幅広く検討をしてまいりました。新年度はこれらを踏まえまして具体化に向け、地質調査など、より詳細な検討を進めていくこととしております。
また、西部工業用水道の管路につきましては、射水市内で度重なる漏水が発生した状況を重く受け止めまして、主要な幹線管路の対策を強化することといたしました。このため今年度は、工業用水供給システム全体の冗長性を飛躍的に高める新たな幹線管路の計画を策定することとしまして、効果的に用水を供給するためのバイパスルートの検討を行ってまいりました。さらに新年度は、地形測量なども行いますとともに、関係者とも相談、協議をしながら検討をさらに進めてまいります。
また、これらの取組を着実に進めるため、新年度は水道課に機能維持推進班を新設することとしており、今後とも事業者の皆さんが安心して経済活動ができるように、こうした対策を早急に進めてまいります。
以上でございます。
55 ◯副議長(瘧師富士夫君)菅沢裕明君。
〔33番菅沢裕明君登壇〕
56 ◯33番(菅沢裕明君)少子化対策について知事に再質問いたします。
私は、県内の若い女性が都会の学校で学ぶ、そしてなかなか県に帰ってきてくれない──私の娘もそうなんですけれども、富山県の少子化対策を論じるときに、この観点、何かちょっと、間違いじゃないけれども、それが主要な要因なのかというね、知事の説明はまさにそれが主要な要因というお話でした。国との政策の力点の違いもそこにあるみたいなね、それでいいのかね。
少子化につながる未婚者が多いという県内の状況を考えたときに、相手がいないことが大きな問題なんですか。確かにそういうこともあるかもしれませんけれども、私はそうではないんじゃないかと。先ほど申し上げましたように、少子化対策の要は、若い世代が安心して家庭を築ける、子供を育てられる社会をつくっていく。そのためには、賃金の上昇も必要です。労働環境の改善も必要で、ジェンダー平等、そういうことも大きな課題なんです。
ですから私は、県の少子化対策にもっと真正面から取り組むという点では、知事に再考を求めたい。確かに、若い女性や若い男性が県外へ出て行く、女性の帰ってくる割合が低いという、そういう県内就職の割合は統計資料もあるんですけども、石川県も富山県もあんまり変わりませんよ。
問題は、富山県の場合は、若い人たちが県外へ出て行く。大学が少ない。高等教育を県内で受けられない。受けられないというよりも機会が少ない。石川県は十幾つの大学があって学生だけで3万人。富山県は4つしか大学がなくて、1万人ちょっと切る大学生の数でしょ。ここに大きな問題があるんです。高等教育に関する今までの県の施策に問題があるんです。それから、富山県の産業構造も中小の製造業が多いわけで、女性の就職については産業構造の問題もあるかもしれません。
そういった観点から、若い人たちの帰県を願う場合に、政策の転換、これは富山県も必要です。高等教育機関をもっと重視して、どういうふうに県内で大学教育を受けられるような施策を進めるのか。ま、いろいろありますよ。ですから、そういった問題は私は否定しませんが、そのことが、富山県の女性が帰ってこないから、相手がいないから少子化につながる、未婚化が進んでいるからそこの対策だということで、とやまマリッジサポートセンター運営事業や女性が活躍できる環境づくり関連諸施策が今度の予算で計上されてきているわけです。
ピント外れとは言わないけれども、真正面からこの少子化に取り組む施策にはなっていない。知事には先ほど、私の質問に対して同感をいただくような、評価もいただくようなことが多くて、私は新田知事を改めて評価をしたいなという面も、今日はあるにはあったんですけども、しかし、少子化対策という要の問題をめぐっては、知事に異議を唱えたいと思います。
なぜ、少子化につながる未婚化が問題になるのか。県のアンケートも、子育てをするには教育にお金がかかり過ぎるというのが78%でしたね。その次に、働きながら子育てできる環境にないというのが三十数%で上位を占めていました。教育にお金がかかる、こういうことが一番の問題点として少子化の中でクローズアップされてきているわけであります。
再度、知事に答弁を求めて、あなたと一緒に富山県の少子化対策を考えていきたい、取り組んでいきたいと思うわけです。
以上です。
57 ◯副議長(瘧師富士夫君)新田知事。
〔知事新田八朗君登壇〕
58 ◯知事(新田八朗君)再質問いただきましてありがとうございます。
少子化対策として求められる政策、世論調査によりますと、議員おっしゃるように、若い世代の安定した雇用、安定した収入、これに取り組むべきだという御意見が多いのは事実であります。それはもちろんそうでしょう。もちろんそれを否定するものでもありませんし、それはそれで先ほども言いましたように様々な施策も打っているところでございます。
それとともに、20代、30代の男性、女性への意識調査ですが、結婚を今しておられない理由は何でしょうかと伺いましたら、適当な相手と巡り会っていないというお答えが男性では52.8%、女性では51.7%、どちらもこの理由が一番多くなっています。ですから、先ほど私が説明した男女間のアンバランスということもやっぱり大きな原因であることは事実だというふうに思います。
なので、菅沢議員がおっしゃることと私が申し上げていることは、何ら矛盾するわけでもなく相反するわけでもなく、どっちも大切なことだというふうに思っています。ですから、先ほど申し上げたように、どっちも進めていこうということでございます。そのようなことでぜひ御理解をいただきたいと思います。
また、確かに本県はものづくり産業が集約している。これが強みであり、一方で結構重厚長大的な仕事も多いので、一見すると女性向きではないと思われることもあるんですが、そういう思い込みもまた私はアンコンシャス・バイアスではないかというふうに思っています。ものづくり産業でも、大いにDXを進めていく、あるいは働き方も工夫することによって、男女共に働ける職場にしている企業もたくさんありますし、またしていくべきだというふうに思っています。
ただ一方で、これまで本県の企業立地の助成金は、どっちかというと、ものづくり産業、重厚長大なものに重視をしていた嫌いはあったので、比較的、オフィス系、またIT系のような業種にも向いた企業立地の助成金も新たに昨年度から作って実施をしているところでございますし、また、そういったIT系、デジタル系といいますかテック系といった企業が立地をし始めてきている、こういう成果も出ているところでございます。そういったところも男女共に働きやすい職場であろうというふうに思っております。
ですから、御質問のお答えとしては、お互い頑張りましょうねということになるわけであります。ありがとうございました。
59 ◯副議長(瘧師富士夫君)以上で菅沢裕明君の質問は終了しました。
八嶋浩久君。
〔10番八嶋浩久君登壇〕
60 ◯10番(八嶋浩久君)自民党議員会の八嶋でございます。
今2月定例会も多くの皆様方に御指導賜り、このように任期中最後の一般質問の機会を与えていただきました。諸先輩方々、同僚議員の御配慮に対してもお礼を申し上げる次第であります。また、今回傍聴に来ていただいた皆様にも、感謝、御礼を申し上げます。
本日は、「集う、つなぐ、伝える」のスローガンの下、任期中の4年間を振り返るとともに、来年度への取組についてお尋ねする予定にしています。
それでは早速質問に入ります。
初めに、富山未来ビジョン、大きな問1、個と公の調和型社会の実現について、地域ふるさとビジョンから6問質問いたします。
県道練合宮尾線について質問します。
令和2年11月議会、知事が交代されましたので、これまでの能町姫野作道線、練合宮尾線の方向性とともに、新庄川橋の架け替え方針について確認の質問をさせていただきました。地元の議員として、これらの道路行政については責任を感じている次第であります。
さて、県内における湾岸道路全体の整備状況の観点から、その効果を一層高めるためには、富山市四方荒屋、打出から射水市に入り、本江、七美、下村間のアクセスの改善が重要であり、早期の整備促進に努めるべきとの認識については、当局ともお互い共有するところでございます。
国道415号線4車線化事業では、東富山跨線橋の開通もあり、周辺アクセスの向上が実現できました。また、県道練合宮尾線については、富山市四方荒屋から打出地内までの約1.7キロについてバイパス整備が完了し、令和3年度に供用したところであります。近くには、富山市のつばめ野団地、射水市東部においても、かもめ台、あかつき台など住宅団地ができており、住民からも、次の整備要望について声が上がっています。また、この道路は、周辺道路への大型車の通行を抑制することによって、住民生活の安全性向上を図るとともに、港湾地区の強化のため伏木富山港へアクセスする重要な路線であります。
今年度、現在供用した区間の西側の県道小杉本江線までの約1.2キロ区間に引き続き着手できるよう、詳細設計などに取り組んできているところだと思います。一日も早い完成が望まれるところですが、その整備の進捗状況と今後の取組について市井土木部長にお伺いします。
本年度の移住者の状況はまだ分かりませんが、昨年度も過去最多を更新したと報道されていました。移住する、そしてさらに起業、スタートアップするということは、相当の覚悟と決断が要ると思います。たまに、乗りでという方もおいでると聞きますが、昨年2月議会でも取り上げましたけれども、移住や起業家への支援は、移住、あるいは起業、スタートアップはもちろんですが、軌道に乗るまでは、むしろ移住、起業後のほうが大変になってまいります。「移住のそのご」と題されたイベントもあったようでございますが、人間関係の悩み、地域のルールを学ぶことは、SCOP TOYAMAを含め富山県に集まった移住者の皆さん、起業家たち全てに共通だと感じています。
来年度予算において、移住後や起業後の支援策についてどのように取り組まれるのか、移住促進施策と併せて新田知事にお伺いいたします。
先ほどの菅沢議員と大体同じ内容の質問になりましたが、若干違う部分もありますので、私からも工業用水道の質問をさせていただきます。
令和3年5月、射水市鏡宮地内で発生した工業用水道の大規模な漏水事故は、主要な幹線で発生したことから修復のための断水が広範囲に及び、県西部の主要産業に大きな影響がありました。その後、昨年1月には射水警察署前今井交差点でも漏水事故が発生しています。
工業用水管の老朽化に対応するためには、主要な幹線管路の抜本的な強化に早急に取り組む必要があると考えます。また、漏水を早期に発見し適切な補修や漏水事故軽減につなげるためには、デジタル技術を活用した漏水検知システムなどにも積極的に取り組む必要があると考えています。
工業用水道は、県西部の主要産業を支える命の水を供給しており、管路老朽化問題の抜本的解決を図り安定供給につなげることが強く求められています。今後どのように取り組むのか、今井企業局長にお伺いします。
G7富山・金沢教育大臣会合開催が、5月と目前に近づいてきました。問1での最後の3問はG7教育大臣会合について質問いたします。
G7教育大臣の来県に際し、例えば、エクスカーション──体験型視察などは企画されているのでしょうか。その企画では、富山県の魅力を大いに世界へ発信するべきだと考えますが、新田知事の御所見をお伺いします。
また、今月19日には、富山・金沢こどもサミットが開催され、両県の子供たちがよりよい未来を生み出すため自身でできることについて、国際関係団体から情報収集や県のPTA連合会とのグループワークなどを通じ、現在の社会情勢や周囲の大人から主体的に学び、活かし、サミットの成果となるよう宣言を取りまとめ、世界に向けて発信していくと聞いております。
本県の未来を担う子供たちの記憶に残り、自信や誇りとなるような会合にしていく必要があると考えますが、子供たちの意見や活動をどう反映していくのか、また子供たちにどう受け止められるように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いします。
このG7富山・金沢教育大臣会合のロゴマークが決定し、国内で開催される閣僚会合では初めて複数自治体での共催であり、ますます盛り上がっていくことを期待しておりますが、ロゴマークに込められた思いと期待される効果について、岡本経営管理部長にお伺いし、一旦質問を切ります。
61 ◯副議長(瘧師富士夫君)新田知事。
〔知事新田八朗君登壇〕
62 ◯知事(新田八朗君)八嶋浩久議員の御質問にお答えします。
まず、移住者支援についての御質問にお答えします。
本県への移住促進を図るためには、積極的な本県の魅力の発信に加えて、移住後における継続的な情報収集や相談体制など、受入体制、環境整備が重要だと考えます。このために、今年度新たに移住者同士や地域の方々と交流する機会を提供しフォローアップを行う、議員御紹介いただきました「移住のそのご」と銘打った交流会を県内5地域で開催し、日頃感じている困り事や移住後に感じたギャップなど生の声を聞かせていただく取組を行い、私も1か所参加しました。
そして、移住者の起業に対する支援につきましても、起業支援金や移住支援金による資金面の支援のほか、起業後も、オンラインコミュニティーを通じた地元金融機関や県内起業家ネットワークの構築、県の広報を活用したPRなど知名度アップの支援、また、SCOP TOYAMAや新世紀産業機構での相談対応なども行っております。
また、地域おこし協力隊という制度がありますけども、移住につながる方もとても多いので、この協力隊の皆さんとの意見交換も定期的に行い情報収集するとともに、様々な受入れ体制の改善にもつなげているところでございます。
こうした取組もあり、相談窓口を通した移住者数は継続的に増加しているほか、先日、ふるさと回帰支援センターが発表した2022年移住希望地ランキングにおいては、富山県の窓口相談数が前年の15位から13位とアップをしました。とりわけ20代の相談数が全国9位になるなどの成果につながっているものと考えています。
来年度は、VRを活用した移住相談や移住情報サイトのリニューアルによる効果的な情報発信の強化を図るとともに、移住者へのきめ細かなケアやフォローアップ、民間の創業支援施設などとも連携した起業家への支援など、受入れ体制についても積極的にアピールして、本県へのさらなる移住促進を図ってまいります。
次に、G7教育大臣会合での本県の魅力発信についての御質問にお答えします。
たくさんの議員の皆様にバッジをつけていただきましてありがとうございます。
G7富山・金沢教育大臣会合ですが、我が国で初めての共同開催であり、またG7広島サミット直前に開催されることから、国内外から大いに注目が集まると期待しています。会合の日程や内容については、文部科学省においてG7各国と調整の上決められることになりますが、県内では、各国大臣などが参加されるエクスカーションや歓迎夕食会などが予定されておりまして、本県の魅力を発信するまたとない機会と考えます。
エクスカーションですが、前回2016年の倉敷教育大臣会合の例では小中学校の教育現場や文化施設などを訪れており、本県においても高い教育力や先進的な教育の取組に加え文化芸術などをアピールしたいと考えます。あわせて、大臣の同伴者など向けのエクスカーションとして、多少ゆったりとした行程で、県内の雄大な自然や多彩な歴史文化を紹介するコースも提案をしております。
また、歓迎の夕食会では、何といっても本県の豊かな自然が育んだ海、里、山の幸をふんだんに使って、伝統工芸の器を使ったり、あるいは郷土芸能のアトラクションを楽しみながら舌鼓を打ったりということで、演出にもこだわって富山の食の魅力を体全体で感じていただきたいと考えておりまして、現在、食に関する団体などから成る検討会議でも活発に御議論をいただいています。
さらに、本県の伝統技術を伝える記念品の贈呈、先日発表したロゴマークを活用した歓迎の装飾、美しい花々で町なかを彩るおもてなし事業など、様々な手法で本県の魅力を国内外に大いに発信していきたいと考えております。
1回目、私から最後ですが、G7教育大臣会合での子供たちの意見などの反映についての御質問にお答えします。
7年ぶりのG7教育大臣会合が本県で開催され、そこでの議論が富山から世界に発信されるこの貴重な機会に、何よりも、コロナ禍の中で3年間一生懸命に勉強している子供たちの自信と誇りにつなげたいという強い思いを持っております。
現在、富山・石川両県の中高生たちが、自分と社会のよりよい未来のために自分たちにできることについて議論を重ねています。様々な勉強会もしてもらっています。そして、その成果を今月19日のこどもサミットで発揮してもらうわけですけども、そこで宣言が取りまとめられます。この成果について、子供たちが各国大臣に直接説明し意見交換できる場が設けられるよう、国に働きかけているところです。あわせて、本県の先進的な教育の取組についても、学校現場やパネル展示で大臣などへ効果的に紹介することによって、子供たちの意見や活動を大臣会合での議論につなげられたらと考えます。
また、富山・石川両県の大学生によるロゴマークとポスターの制作、そして教育講演会などの関連事業、また小学校高学年の児童がG7などについて学習する県PTA連合会こどもフォーラムなどの応援事業も実施をし、子供たちの主体的な参加促進に努めています。さらに、小中学生に対して、会合前にはG7の概要を説明し機運を高めていくとともに、会合後には成果などを紹介する広報誌も発行したいと考えます。
子供たちには、これらのことを通じて今後の教育の方向性を示す国際会議を自分事として受け止め、次の時代は自分たちが担うという強い気持ちで、自信と誇りを育んでもらいたいと考えております。
1回目、私から以上です。
63 ◯副議長(瘧師富士夫君)市井土木部長。
〔土木部長市井昌彦君登壇〕
64 ◯土木部長(市井昌彦君)私から、県道練合宮尾線の整備についてお答えします。
富山市と射水市を海沿いで結ぶ幹線道路415号については、現道は幅員が狭く大型車の通行に支障を来している上、沿道に人家が密集していることから、現在、バイパスによる整備を進めております。このバイパスは、全長約7キロメートルと長く、完成までに多くの費用と期間を要することから、早期の効果発現を図るため、その整備については、区間を区切って東側から順次進めているところです。
これまで、富山市の四方荒屋交差点から打出地内までの約1.7キロメートル区間について、平成16年度に県道練合宮尾線のバイパスとして整備に着手し、完成した部分から随時供用を開始し、昨年度末までに1.7キロメートル全線の供用が実現したところです。
今年度新たに、その西側に隣接する富山市打出地内から射水市本江北地内の県道小杉本江線までの市境を含む約1.2キロメートル区間において事業に着手いたしました。現在は、道路の詳細設計を進めるため、地元や土地改良区等の関係者と、農道や水路の付け替えなどについての調整を行っているところでございます。関係者との合意が得られれば、来年度、用地測量に着手したいと考えております。
このバイパスは、議員御指摘のとおり、湾岸部の各都市、観光拠点などを連絡する重要な幹線道路を構成するものであると考えております。今年度着手した1.2キロメートル区間の早期完成に向けて、地元市や地域の皆様の御理解を得ながら整備促進に努めてまいります。
以上です。
65 ◯副議長(瘧師富士夫君)今井企業局長。
〔企業局長今井光雄君登壇〕
66 ◯企業局長(今井光雄君)工業用水道の幹線管路の強化についての御質問にお答えをいたします。
西部工業用水道については、射水市内で度重なる漏水が発生した状況を重く受け止め、管路の老朽化対策の抜本的な強化に取り組んでいるところでございます。
まず、これまでの更新計画を見直しまして、毎年度の投資額をこれまでの約2倍に増額し、断水すると被害が多大となる区間など優先更新区間の整備の前倒しを図りますとともに、AIやIoTなどの最新の技術を活用した漏水検知や管路管理などにも取り組んでまいりました。
さらに、新年度におきましては、主要な幹線管路の対策を強化するため、水道課に機能維持推進班を新設いたしまして、これまで検討を進めております工業用水供給システム全体の冗長性を飛躍的に高める新たな幹線管路について、効果的に用水を供給するためのバイパスルートの検討を、関係者とも相談、協議をしながらさらに進めますとともに、既存管路への制水弁の増設に取り組むこととしております。
また、デジタル技術を活用して漏水の早期検知を図ることも重要でありまして、これまでの試験運用で小口径管路において性能が確認できたシステムの本格運用を行いますとともに、国内でも技術が確立していない管径1,350ミリの大口径管路での検知技術の実用化に向けまして、県立大学のDX教育研究センターと共同で研究開発を行いまして、埋設管路周辺の土壌に適した富山県独自のシステム構築を進めることとしております。
事業者の皆さんが安心して経済活動ができるように、こうした対策を早急に進めてまいります。
以上でございます。
67 ◯副議長(瘧師富士夫君)岡本経営管理部長。
〔経営管理部長岡本達也君登壇〕
68 ◯経営管理部長(岡本達也君)この御質問の最後に、私のほうからロゴマークについての御質問にお答えをいたします。
G7教育大臣会合のロゴマークにつきましては、先月14日に、知事、富山市長、富山大学の先生と学生たちから発表させていただいたところでございます。このロゴマークの作成に当たりましては、大臣会合に子供たちが主体的に関わることで自信と誇りにつなげてもらい、大臣会合初の共同開催のモデルケースとなるよう、石川県と相談をし、両県の学生の連携によってロゴマークとポスターを制作していただいたものでございます。
このロゴマークのデザインでございますが、G7という文字が浮かび上がる太陽全体を虹色が包み込む鮮やかでインパクトのあるものになったところでございます。このデザインに込められた思いでございますが、富山と石川が一体となって、教育大臣会合が、世界中の子供たちの未来を照らす太陽のような存在になってほしいという願いが込められております。
また、太陽の中にちりばめられました富山と石川の代表的な名所や特産品など多彩な魅力のモチーフ、そしてそのモチーフをつないでいます共通のモチーフといたしまして人や水を描くことで、富山や石川が一体となって豊かに輝く太陽をレインボーカラーで表現したものとなっているものでございます。
制作を担っていただきました富山大学芸術文化学部の学生の皆さんには、500以上のデザイン案から両県の意見も聞きながら絞り込まれ、全力で取り組まれたことに心から敬意と感謝を表したいと思います。ありがとうございました。
このロゴマークにつきましては、県のホームページのG7教育大臣会合の特設サイトに詳しく紹介をさせていただいております。議員各位の皆様におかれましても、機会がございましたら県民の皆様に御紹介をいただきたいと存じます。よろしくお願いをいたします。
次に、このロゴマークの策定に当たりましては、文部科学省及び外務省の評価もいただき了承も得たところでございます。先月21日にG7各国の外交官が本県に来県された折にも、このロゴマークのバッジを配付いたしまして、このロゴマークの策定の経緯、内容を説明したところ、大変高い関心と評価をいただいたところでございまして、早速バッジを胸につけて視察をしていただいたところでございます。
今後、先ほど知事からも御答弁を申し上げたとおり、このロゴマークやポスターを富山・石川両県の共催を象徴とするシンボルとして、まちじゅうはもとより、学校や駅、図書館など子供たちの目にも触れるいろいろな場所で掲示いたしまして、開催機運醸成に大いに活用してまいりたいと考えております。
そして、いよいよ富山にG7教育大臣会合がやってくるというワクワク感とともに、その会合の趣旨、内容について、県民の皆様方、子供たちをはじめ、富山、石川県の皆様と共有をいたしまして、両県一丸となって大臣会合の成功につなげていきたいと考えております。
以上でございます。
69 ◯副議長(瘧師富士夫君)八嶋浩久君。
〔10番八嶋浩久君登壇〕
70 ◯10番(八嶋浩久君)大きな問2、安全・安心を基盤とした豊かな暮らしビジョンから5問、質問いたします。
庄川、和田川や地久子川と小矢部川の合流地点の氾濫、洪水対策の要望を、自民党の政調会の現場視察などを通して、地元の市議の先生や住民の皆様方から教えてもらう機会がありました。聞きますと、地元から水位計のデジタル化やカメラによる河川状況のライブ画像配信など、何と何十年も前からの要望だとおっしゃるではないですか。
河川改修は上流部から下流部へ順次進めなければ効果がないこと、また多くの関係者から合意を得ながら進めなければならないことなど課題があり、長期にわたることは理解しています。そうした中で、1月23日の読売新聞の夕刊に、国土交通省は一級河川の支流の洪水予報をシステム強化との記事が出ておりました。令和7年度から運用予定の一級河川における本川、支川が一体となった新たな洪水予測システムの活用により、県が管理する支川においてもバックウォーター現象など洪水予測を行い、氾濫危険情報などの洪水予報も可能になると聞きます。
さてそこで、これまでの支流対策はどうやってきたのか、今後、国土交通省が進める洪水予測システムの改修を受け、本県においてもこの取組を進めるべきだと考えますが、県として今後どのように取り組んでいくのか、土木部長にお伺いいたします。
昨年6月議会にも取り上げました災害ボランティアに対する支援について、全国的に支援する広域自治体が増えています。本県は今後どうするのか。
公益性が薄いという見解のままにしているのでしょうか。そうであるならば、ほかの都府県は公益性が薄いものに支援しているということになります。ボランティアに対する侮辱的な言葉でもあり、先行支援している都府県は公益性が薄いものに支援しているということになってきます。本県は今後どのように取り組んでいくのでしょうか。
今回の当初予算案では予算措置もされたようでございますが、その狙いや期待される導入効果をどのように捉えているのでしょうか。廣島生活環境文化部長にお伺いいたします。
東日本大震災を大きく上回る災害となったトルコ・シリア大地震が発生しました。お亡くなりになられた方には御冥福をお祈りするとともに、被災され負傷された皆様、また住居を失い避難生活を送っていらっしゃる皆様には、心よりお見舞いを申し上げ、また、できる限り早急にふだんの暮らしを取り戻せるようお祈り申し上げ質問に入ります。
災害は忘れた頃にやってくるというのはあり得ない時代になりつつあります。今日の我が国は、災害は忘れないうちにやってくる。さらに申し上げますと、災害は復興中にもやってくると言っても過言ではありません。地球規模で天変地異、災害が複合的に発生しています。災害弱者やペットを含めたマイタイムラインの作成は、現実問題、大変難しいのではないかと思っています。
昨今、インクルーシブ防災の考え方が普及しつつあります。高齢者や障害者を含むあらゆる人やペットなど、災害から取り残されることのないよう、命のバトン、県民防災意識の向上や災害弱者への支援に今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いいたします。
宮台教授の襲撃やストーカー殺人、埼玉の親子3人殺害事件、ルフィーの闇バイト強盗の事件などが昨今起こりました。
11月議会でも質問させていただきましたが、まちの防犯カメラの設置についての要望も急に増えてまいりました。前回質問した頃とは状況が一変しているのではないかと思っています。犯罪が複雑化して、補助事業の打切りでよろしいのか、見守り隊の成り手不足、通学路の延伸化など、マンパワーだけではなかなか安全・安心な暮らしを実現できないと思っています。防犯カメラはかなりの犯罪抑止効果があると考えますし、犯罪捜査時も役に立ちます。このような時代感を持った施策に、なるべく再議論、検討、取組を復活すべきではないかと考えています。
さて、そんな中、富山県警察では、防犯カメラについて新しい事業に取り組まれると聞き及びました。安全安心見守りカメラ事業の狙いや期待される導入効果について、杉本警察本部長にお伺いいたします。
本県における犯罪の発生件数は減少傾向にある中、外国人犯罪が全国的に高止まりしていると伺いますが、本県の外国人犯罪の現状はどのようになっているのでしょうか。国籍も含めて近年の推移や特徴について、県警としてどう分析され、どのように取り組まれるのか、併せて警察本部長にお伺いして、大きな問2の最後の質問とします。
71 ◯副議長(瘧師富士夫君)新田知事。
〔知事新田八朗君登壇〕
72 ◯知事(新田八朗君)県民の防災意識の向上、災害弱者への支援についての御質問にお答えします。
昨今の頻発する地震あるいは風水害など、本県でも決して人ごとではない、まさに災害は忘れないうちにやってくるという、そのとおりだと思います。災害に備えて県民の防災意識の向上を図ることや、高齢者や障害者といった災害時に自力による避難が困難とされる災害弱者への対応も、平時から取り組んでいかなければならない重要な課題と認識しております。
県民の防災意識の向上という意味では、昨年供用開始しました防災危機管理センターにおいて、子供から大人まで幅広い年齢層を対象に防災イベントを開催したほか、活発な防災活動を行う自主防災組織のリーダーを講師に招き、地区防災計画の事例発表会を開催しました。
また、地域に防災意識を浸透させるには、防災活動を自主的、主体的に担う人材の養成が不可欠であることから、来年度の防災士養成研修では、市町村から推薦のあった方の受講料を無料化するとともに、受講定員を今年度の240名から480名に倍増することとしました。これは先般行いました官民共同事業レビューでの県民評価者の皆さんからの御意見も踏まえた改善でございます。
災害弱者への対応についてですが、高齢者や障害者などの避難行動要支援者の円滑かつ迅速な避難を図るために、市町村で個別避難計画を策定することや福祉避難所の確保が進むよう、今年度、市町村の担当者会議を開催し、県内の先進的取組事例を紹介するとともに、課題や対応策の意見交換をしました。
今後も、激甚化、頻発化する自然災害に対しまして、平時から市町村と連携し県民への防災意識の向上に努めるとともに、災害弱者を災害から取り残さないインクルーシブ防災の考え方を踏まえて、全ての県民の安全・安心が守られるよう、市町村と共に取り組んでまいります。
2回目、私からは以上です。
73 ◯副議長(瘧師富士夫君)市井土木部長。
〔土木部長市井昌彦君登壇〕
74 ◯土木部長(市井昌彦君)私から、河川の支流対策及び洪水予測についての御質問にお答えします。
県では、一級河川の県管理の支流についても、二級河川と同様、過去の浸水被害の状況等を踏まえて、河川改修等のハード対策に取り組んでいます。現在も、小矢部川水系の横江宮川などにおいて、本川からのバックウォーターも考慮した改修計画に基づき、堤防や護岸の整備を実施しています。
その一方で、議員御指摘のとおり、こうした河川改修には長い年月を要することから、ハザードマップの公表や河川の水位情報やカメラ画像の提供などのソフト対策も併せて行うことが重要であると考えております。
現在、国では、一級河川の洪水予測システムについて、支川も含めての予測が可能となるよう改修が進められております。令和7年度の運用を目指し、併せて法整備も行われ、これが実現すれば、県が管理する一級河川の支川における洪水予測情報の提供を受けることが可能になります。
県では、県内で情報提供が可能となる支川は、庄川水系の和田川など、水位観測データがそろっている県内15の水位周知河川と見込んでおります。将来、これらの河川において情報提供を受け、現在国が実施しているような洪水予報を県が行うためには、洪水予測の精度検証や県のシステム改修を要しますが、県としては、この国の動きに呼応していく必要があると考えているところでございます。
洪水予測情報の提供は、迅速な水防活動はもとより、住民の皆さんが自らの命を守る避難行動等につながる重要なものと考えており、ハード対策とともにこうしたソフト対策にも取り組んでまいります。
以上です。
75 ◯副議長(瘧師富士夫君)廣島生活環境文化部長。
〔生活環境文化部長廣島伸一君登壇〕
76 ◯生活環境文化部長(廣島伸一君)私からは、災害ボランティアに関する質問にお答えをいたします。
災害ボランティアは、災害の発生時におきまして、行政の支援が十分に届かない分野で被災者のニーズに沿った支援を行うなど、重要な役割を果たしております。県では、これまで関係機関と連携し、ボランティアと被災者をつなぐ人材の確保や育成に対する支援を行ってまいりました。
また、被災地でのボランティア活動を希望する方々が参加しやすい環境を整え、より多くのボランティアが復旧活動などに参加いただくことは、被災地にとって大きな力となります。このため、来年度の当初予算案に新たに、1つには災害ボランティア活動に参加する団体・グループに対し被災地までの交通費や宿泊費など活動費を支援する制度、これに併せまして、災害ボランティア活動を行う意思のある個人・団体を事前に登録し災害時のボランティアの募集情報などを提供できる体制、これらの整備に必要な経費を予算計上したところでございます。
こうした取組により、災害時のボランティア活動への積極的な参加や、連絡体制の構築による円滑な災害時ボランティア活動が期待できると考えております。
引き続き、富山県民ボランティア総合支援センターや市町村の社会福祉協議会、民間ボランティア団体などと連携いたしまして、災害ボランティア活動の支援に取り組んでまいります。
以上です。
77 ◯副議長(瘧師富士夫君)杉本警察本部長。
〔警察本部長杉本伸正君登壇〕
78 ◯警察本部長(杉本伸正君)私からはまず、安全安心見守りカメラ事業についての御質問にお答えします。
県警察では、地域における防犯カメラの設置促進を図ることを目的に、平成30年10月から5か年計画で、希望する自治会等に対し一定期間、防犯カメラを貸し出してその効果を体感していただく、防犯カメラ貸出し事業を実施しております。
この事業では、令和5年2月末までに計417台を貸し出し、うち387台、約93%が買取りをされており、防犯カメラの有効性が着実に浸透し設置促進が図られていると考えております。その一方、これまでの事業では自治会等への設置台数に制約があり、必ずしも設置の御要望に応えられない場合があるほか、通学路の延伸──小中学校の統合による通学路の変更などへの対応に課題があるなど、設置が十分でない状況にあったところでございます。
令和5年度から実施予定の安全安心見守りカメラ事業では、自治会等の御了承の下、一定期間防犯カメラを設置すること自体には変わりはございませんが、その設置場所については、自治会等の設置台数の制約を見直し柔軟に選定することとしております。具体的には、小中学校の通学路、声かけ・付きまとい等の事案の発生場所、地域住民からの要望場所などを想定しております。
議員御指摘のとおり、マンパワーだけでは対応できない場合もございます。防犯カメラは、犯罪の抑止や地域の安全・安心の醸成に有効であり、県警察では、地域住民が不安に感じる危険箇所等に対し防犯カメラを重点的に設置することで、犯罪に強い環境の整備を促進してまいりたいと考えております。
続きまして、来日外国人犯罪についての御質問にお答えします。
本県の来日外国人犯罪の検挙状況の過去5年間の推移につきましては、平成30年から令和3年まで増加しておりましたが、来日外国人の減少等により、令和4年は、刑法犯が前年比マイナス20人となる58人、特別法犯が同じく前年比マイナス26人となる43人とそれぞれ減少し、検挙人員に占める来日外国人の検挙人員は約4.5%となっております。
国籍別では、ベトナム人が53人と最も多く、次いで中国人が21人となっており、令和元年からはベトナム人の検挙人員が中国人のそれを上回っております。また、刑法犯の罪種別では、これは日本人と同様ということになりますが、窃盗が最も多く103件で、刑法犯全体の約7割を占めております。特別法犯では入管法違反が最も多く24件で、約5割を占めております。
今申し上げましたとおり、外国人犯罪といっても最も多い罪種は窃盗ということになりますので、こういったものの防止のためには、通常と同じ防犯に対する取組が有効であると考えられますけれども、それに加えて県警察といたしましては、来日外国人の国内外の犯罪情報の収集、集約等を行うとともに、犯罪インフラや水際対策等の諸対策を効果的かつ効率的に推進していくため、出入国在留管理局、税関、海上保安庁等の関係機関との連携強化を図り、県民の安全・安心の確保を推進してまいります。
あわせて、来日外国人が犯罪等の被害に巻き込まれることを防いでいくことも重要と考えておりまして、来日外国人による110番通報受理時における指定通訳人を交えた三者通話システムの活用や、外国人向けの交通・防犯教室の開催、県警察ホームページ掲載の外国語版外国人のための生活安全パンフレットの整備を図るなど、様々な取組により外国人の安全確保等に向けた対策も推進してまいります。
以上でございます。
79 ◯副議長(瘧師富士夫君)八嶋浩久君。
〔10番八嶋浩久君登壇〕
80 ◯10番(八嶋浩久君)それでは最後に、問3、国際化を見据えた産業ビジョンについて4問、質問させていただきます。
今、杉本警察本部長からベトナム人の犯罪が多いということで、ちょっと質問しにくいのですが、ハノイの省内に富山デスクを開設するという報道がございました。多分、投資する国としては魅力的だったのでしょう。しかし、ベトナムから研修生の受入れをし、ベトナムが割と身近である県内企業でも、なぜベトナムデスクなのかとの声を聞き及びました。
また、民間企業で自己責任の下でベトナムに投資している分には特に意見を言うつもりはないが、製造業は経済安全保障の観点からも国内回帰、県内回帰がトレンドであり、逆に富山県に投資していただきたいし、別の国のほうがよいのではないか、もうちょっと我々の声も聞いてほしかったなど、県内企業からの声も漏れ聞こえてまいります。
私は、手順が大事だったのではないかなと思っています。ベトナムへ既に進出している企業やその周りの関連団体の意向だけでなくて、ちょっとクエスチョンマークのある声や、例えばアンケートなどを踏まえた上で、施策になればよかったと考えています。
2016年に締結した覚書を、今回はさらなる経済交流を促進拡充することで合意されました。報道記事にもありましたとおり、県内企業ももう既に何社かは進出されています。そこで、ベトナムで新たに設置したビジネスサポートデスクや、今後、ベトナム計画投資省内に設置する富山デスクについて、設置に至った経緯や、今後、富山県としてどういった効果を期待しているのか、中谷商工労働部長にお伺いいたします。
2030年には国内で850万人の労働人口不足に陥るとの政府発表がありました。人口比100分の1の富山県で言うなら約8万5,000人の労働力不足に陥ります。結局、外国人の活躍に頼らざるを得ない、あるいは期待する必要があり、今から戦略的に県内の国際化を図る必要がございます。
コロナ禍で在住の外国人は減ったかとは思いますが、本県の労働力不足の解消に向け外国人労働者の活用を図っていく必要があり、今後どのように取り組んでいくのか、受入れ企業への支援と併せて商工労働部長にお伺いいたします。
また、外国人研修生を含む現在県内に生活している外国人の暮らしについても気になります。
外国人に限らず県民、県内企業にも門戸を開いている富山県外国人ワンストップ相談センターは、開設から3年を超え認知度も上がってきたと思います。外国人の暮らしや就労を支える取組が重要であると考えますが、外国人や県内企業による活用状況について、生活環境文化部長にお伺いいたします。
2024年、
黒部宇奈月キャニオンルート──新観光ルートですね、一般開放に向けての取組について、安全やインフラ整備については地元の議員の先生にお任せしますが、この新ルートを生かした観光誘客、まずは県内への滞在、周遊を図るため、県内を面で捉える戦略を持ったらどうか。県内の有名な祭り、文化、観光地との旅行商品づくりを支援してはどうかと考えています。
2024年の開放時期は6月頃と聞いていますが、旅行シーズンの年末年始、ゴールデンウイーク、夏休み、シルバーウイークに合わせたキャッチ戦略、例えば「1週間丸ごと富山旅」なんてキャッチコピーなどを今から準備され、観光地やお祭りなどのイベントをセットにした旅行商品造成を働きかけるなど、一般開放に向けて取り組んでいただきたいと思いますが、
南里地方創生局長の御所見をお伺いして、今回の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
81 ◯副議長(瘧師富士夫君)中谷商工労働部長。
〔商工労働部長中谷 仁君登壇〕
82 ◯商工労働部長(中谷 仁君)それでは、私からは、まずベトナム進出等の支援についてお答えをいたします。
富山県ホーチミンビジネスサポートデスクにつきましては、県内企業のベトナムへの進出や販路開拓等を支援するために、昨年10月に設置したものでございます。県が設置をいたします海外ビジネスサポートデスクとしては、ロシアのウラジオストク、タイのバンコク、台湾の台北に次ぐ4か所目となっております。
この設置に当たりましては、県内企業の海外展開支援策を検討するために、令和3年度にサンドボックス枠予算を活用いたしまして、県内企業を対象にした海外展開実態調査を実施したところでございます。今後、海外拠点を新規に設置する場合の進出先国としてベトナムが最も多く、30%余りを占めておりました。また、期待する支援策として、販路開拓、現地拠点の支援を求める声が多かったことなどから、ベトナム現地での相談窓口やオーダーメイドの支援拠点を設けることとしたところでございます。
それからまた、世界経済における課題が多様化、複雑化する中で、県内企業においてもサプライチェーン確保のため、もちろん国内回帰という話もあるんですが、進出先、販売先の国を見直す──ある国からほかの国に移っていくというサプライチェーンの確保の仕方もあるわけでございます。
それから、コロナ禍においてもベトナムは、ロックダウンということはなしに安定した経済成長を続けておられます。そういう国であるということで、昨年12月、知事を団長といたします経済訪問団を派遣いたしまして、ベトナム計画投資省内──先ほどお話しありました北部のハノイでございますが、富山デスクを設置することを盛り込みました経済交流を強化するMOUを締結いたしました。
この富山デスクは、政府の経済政策や優遇制度の情報収集、法令等の調査などを役割としておりまして、北部ハノイの富山デスク、それから最初に申し上げました南部ホーチミンのビジネスサポートデスク、これらが連携することで、県内事業者のベトナム進出や販路拡大を総合的に支援してまいりたいと考えております。
続きまして、外国人労働者の活用についてお答えをいたします。
県内における外国人労働者の状況につきましては、人手不足等を背景に、労働者数、雇用企業数とも過去最高を更新しているところでございます。また、他県と比較をいたしましても、技能実習生のほか、新たな在留資格である特定技能や高度外国人材の活用が広がってきております。人材の確保に悩む中小企業等におきまして、外国人労働者の受入れは重要な選択肢となってきております。
このため、県では、令和元年度に策定いたしました県外国人材活躍・多文化共生推進プランに基づきまして、県内企業のニーズに応じた外国人材の活用、活躍への支援に取り組んできております。
具体的には、高度外国人材の活用促進につきましては、ベトナムのトップ理工系大学の優秀な人材を確保し、県内企業とのマッチングを支援する事業。今回、ベトナムに行った際にも、この皆さんといろいろ意見交換をしてきております。それから、技能実習生の活躍への支援につきましては、技能検定取得のための講習や受入れ企業等が行う日本語学習への助成、多文化共生の観点から技能実習生スピーチコンテストの開催。特定技能外国人の確保につきましては、外国人材の活用を検討している県内企業に対して、相談、人材のマッチング等の支援を行っております。
今後とも、引き続き県内企業における外国人材の活用、活躍を支援してまいりたいと考えております。
以上でございます。
83 ◯副議長(瘧師富士夫君)廣島生活環境文化部長。
〔生活環境文化部長廣島伸一君登壇〕
84 ◯生活環境文化部長(廣島伸一君)私からは、外国人ワンストップ相談センターに関する質問にお答えをいたします。
県では、技能実習生の増加ですとか、新たな在留資格、特定技能の創設により、県内の外国人就労者の増加が見込まれることなどから、令和元年6月に富山県外国人ワンストップ相談センターを開設し、日々の生活や雇用、就労に関するものなど、様々な相談対応や情報提供を一元的かつ多言語で対応しているところでございます。
センターの活用状況、相談件数の総数の推移でございますが、令和元年度が約9か月間で737件、2年度が1,429件、3年度が1,338件、今年度は1月末までで1,397件となっておりまして、センターの存在は、一定程度、浸透してきていると考えているところでございます。
また、1月までの今年度の状況ですが、外国籍の方からの相談は、先ほどの1,397件中1,060件ということになっております。その内容ですけども、例えば多言語対応の病院の紹介ですとか、外国籍の児童生徒さんの保護者から、子供がもらってきた学校の通知文が分からないということで翻訳の依頼があったり、そういったような生活関連の相談が約7割ほど、733件となっておりますが、一方で、就職や年金、健康保険など就労に関する相談も1割強、155件となっている状況でございます。
一方で、外国人労働者が増加する中で、県内の企業からでございますが、外国人の雇用方法ですとか在留資格の関係、雇用した外国人の生活サポートの方法、こうしたものの相談などが、令和元年度で32件、2年度35件、3年度34件でしたが、今年度は1月末までで47件となっております。県内在住の外国人数、今年の1月1日では増えているという状況で、今後も就労者を中心に増えていくことが想定されます。
県としては、外国人住民の生活に加えまして、企業も円滑に活動できるよう、こうしたものに資するよう、センターのPRや相談体制の充実に努めてまいります。
以上でございます。
85 ◯副議長(瘧師富士夫君)
南里地方創生局長。
〔
地方創生局長南里明日香君登壇〕
86
◯地方創生局長(南里明日香君)私からは、キャニオンルートの一般開放を生かした旅行商品造成への働きかけについてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、令和6年の
黒部宇奈月キャニオンルートの一般開放や
北陸新幹線敦賀開業など、全国的にも注目されるこの時期に、県内の観光地や祭り、イベントといった観光資源を効果的に発信することや、それらを組み合わせた観光商品が造成されることは、県内への誘客や滞在周遊の促進にも有効であると考えております。
黒部宇奈月キャニオンルートの旅行商品化に当たりましては、ルート内での所要時間等を考慮しまして、宿泊を前提とした商品パッケージを中心に検討してございます。あわせて、県内の各市町村には、先日開催した「富山で休もう。」ワンチーム会議等におきまして、この一般開放の効果が県内全域に行き渡るよう、これを機会に売り込みたい観光素材の提案や整備を呼びかけておるところでございます。
例えば、キャニオンルート、これは冬期閉鎖しているという制約はあるものの、キャニオンルートと日本のベニス内川をはじめ、県西部の観光素材と宿泊パッケージとして組み合わせることによって、隣接する立山黒部エリアもちろん、県西部地域への周遊促進や県内での滞在時間の延長も期待できると考えております。
今後、北陸3県とJRが連携しまして、全国の旅行会社等を対象とした全国宣伝販売促進会議や観光素材説明会を開催することとしてございまして、これらの機会を通じて、キャニオンルートや県内各地の観光素材を積極的に売り込んで、県内を周遊する旅行商品の造成を支援するなど、この効果を県下全域に波及させるよう努めてまいります。
87 ◯副議長(瘧師富士夫君)以上で八嶋浩久君の質問は終了しました。
暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。
午後3時02分休憩
───────────────────
午後3時15分開議
88 ◯議長(渡辺守人君)休憩前に引き続き会議を開きます。
吉田勉君。
〔19番吉田 勉君登壇〕
89 ◯19番(吉田 勉君)令和5年2月定例会に当たり、公明党より一般質問をいたします。
初めに、物価高騰対策についてお伺いをいたします。
今年の1月の消費者物価指数は前年同月比で4.2%上昇し、41年4か月ぶりの上昇幅を記録いたしました。さらに、来月にかけて電気料金や7,000品目を超える飲食料品の値上げが予定されております。
国では、電気、都市ガス料金について、本年1月から9月末まで、標準的な家庭の負担を4万5,000円程度軽減する支援策が始まりましたが、家庭の負担を根本的、持続的に軽減するためには、やはり賃上げが重要と考えます。
物価上昇に負けない賃上げこそ真の物価高騰対策であり、また、日本経済が低価格、低成長のサイクルから脱する鍵となることから、必ず成し遂げなければなりません。
特に、中小企業における賃上げが重要であり、そのためには、中小企業が原材料などの価格高騰を適正に価格転嫁できる環境が必要であります。しかしながら、中小企業庁の調査によれば、コスト上昇分に対する価格転嫁率は平均46.9%で、全く価格転嫁できていない企業は約2割に及ぶなど、原材料高が中小企業の利益を圧迫している状況でございます。
県では、経済界と連携し、元請と下請企業の取引適正化を図るパートナーシップ構築宣言の拡大に取り組むこととされておりますが、宣言にとどまらず、その実効性を高めていくことも重要です。
県として、賃上げしやすい環境づくりに向けた取引の適正化に今後どのように取り組んでいくのか、新田知事にお伺いをいたします。
賃上げに向けては、企業自身の成長も重要です。中小企業にとっても、DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)などを通じて、生産性の向上を図ることが求められています。
既に、中小企業の生産性向上に役立つ補助金や税制などによる様々な支援策はありますが、今後はこれらも活用しながら、経営者の意識啓発や人材育成など、企業自身の変革を一層後押ししていくことが重要と考えますが、中谷商工労働部長に所見を伺います。
次に、地域活性化についてお伺いいたします。
政府は、昨年末、デジタルの力で地域の社会課題を解決し、地方創生を加速化するデジタル田園都市国家構想の総合戦略をまとめました。地方が、地域の実情に応じた施策に主体的に取り組み、具体的な成果を上げられるよう、きめ細かな支援を行うこととしています。全国では、オンライン診療の環境整備、コミュニティーバスやデマンド交通などの移動支援、地域資源を生かした脱炭素やエネルギーの地産地消などの取組が進められております。
本県といたしましても、デジタルの力を活用し、地域が抱える課題を解決するとともに、その地域にしかない魅力や持ち味を引き出し、磨き上げ、住民サービス向上や地域活性化につなげていくことが重要と考えます。県として今後どのように取り組むのか、三牧知事政策局長にお伺いをいたします。
地域の活性化へ向けては、未来の農林水産業の構築に向けた大胆な投資も不可欠であります。
国では、災害や温暖化に強く、生産者の減少やポストコロナも見据えた持続可能な食料システムの構築に向け、有機農業を大幅に増やす目標を掲げております。この有機農業の推進には、各地域で有機農産物の生産から消費まで一貫して取り組むオーガニックビレッジの拡大が重要と考えます。
現在、南砺市をはじめ、全国55市町村で有機農業の産地形成を予定していますが、県としても、さらなる拡大に向け、モデル的な取組への支援や人材育成、技術開発などを強力に進めていくべきと考えます。堀口農林水産部長に所見を伺います。
地域活性化のためには、将来を担う人材の育成確保も欠かせません。人材の確保に向けた本県の奨学金返還助成制度についてお伺いをいたします。
県では、本県産業の発展を担う人材の確保を目的に、県外の理工系学部や薬学部の学生が県内企業にUIJターン就職した場合に、企業と共に奨学金を代理返還する制度を設けております。人材不足に悩む県内企業にとっては、人材の確保、定着につながるメリットもあることから、助成対象を広げるなど、この制度を拡充して推進すべきと考えます。
就職したばかりの若者にとっては、奨学金返還の負担は大きく、その負担から将来の結婚や出産などのライフプランを諦めることもあるかと思います。
この制度は少子化対策としても効果のある制度だと考えておりますが、政府も少子化対策として異次元の支援を打ち出しており、県としても国と歩調を合わせて、思い切った支援に取り組むべきではないでしょうか、中谷商工労働部長に所見を伺います。
次に、子育て、教育についてお伺いをいたします。
国では、子育て支援の充実のため、妊娠期からゼロから2歳児期に対して、身近で寄り添って相談に乗る伴走型相談支援と、妊娠時、出産時で合計10万円分の経済的支援のパッケージが実施されます。
公明党では、今後も恒久的に実施されることを担保するため法律に位置づけるとともに、1歳、2歳の時点でも、それぞれ経済的支援を行えるよう、財源を確保しつつ拡充すべきと考えております。
特に、ゼロから2歳児をめぐっては、本県においても、保育料の無償化の段階的な対象拡大や、専業主婦家庭など約6割を占める未就園児も保育サービスを定期的に利用できる環境整備など、全ての子育て家庭に寄り添い、誰もが安心して子育てできる支援の充実が求められると思います。
県の来年度予算においても、子供政策に重点的に取り組むこととされておりますが、妊娠、出産から子育てまで、ライフステージに応じた伴走型の支援に今後どのように取り組んでいくのか、新田知事にお伺いをいたします。
次に、産後の支援について伺います。
出産後は、ホルモンバランスの急激な変化や育児に対する不安などにより、産後鬱になる人も少なくありません。産後鬱を予防するためには、そうした環境変化による負担の軽減を図ることが重要であり、家事、育児サービスを行うヘルパーを派遣する産後ヘルパー派遣事業が有効と考えますが、その利用は伸び悩んでいると聞いております。せっかく支援制度があっても、それが行き届かなければ意味がありません。
今後、産後ヘルパー派遣事業の利用促進も含め、産後のケアにどのように取り組んでいくのか、有賀厚生部長に伺います。
次に、こども食堂の設置拡充の支援について伺います。
こども食堂の運営のためには、スタッフやボランティアなどの人材、事業を展開するための場所、事業を継続するための運営資金、食材の確保、地域や学校との連携のための人脈、保健衛生管理などの知識など、様々な運営資源が必要であります。
こども食堂は、月1回開催のところから365日3食を提供しているところ、数人を対象としているところから毎回数百人が集まるところまで、実に多様であります。目的も、おなかをすかせた子供への食事提供から、孤食の解消、滋味豊かな食材による食育、学習支援、地域交流の場づくりと、様々であります。
子供たちやその家庭の多種多様なニーズに応えるためにも、こうした様々な形態のこども食堂の設置や運営をサポートする体制が必要と考えますが、有賀厚生部長に所見を伺います。
来月には、こども家庭庁が発足いたします。子供の視点に立った司令塔機能を存分に発揮させ、子供政策を政治のど真ん中に据えた社会を実現すべきであります。
本県の教育委員会においても、高校生とやま県議会、青年議会を実施するなど、子供や若者の声を行政に反映させる取組が進められております。未来の担い手である子供たちにとって、こうした経験は大きな力になります。
自ら意見を表明することが難しい子供たちをはじめ、多様な意見を受け止め政策に反映していくことは極めて重要であります。今後、こどもまんなか社会の実現に向け、県内の子供たちの意見を県の政策に反映していくことも重要と考えますが、どのように工夫していくのか、有賀厚生部長にお伺いをいたします。
昨年、静岡県において、園児に対する暴行により保育士が逮捕されたほか、本県においても不適切な保育が発覚するなど、子供たちの安全をめぐる、あり得ない事件が発生いたしました。保育士の研修体制の強化やマニュアルの改善などの取組を進めるなど、総合的な再発防止策を早急に実行すべきではないでしょうか。
今後、こうした不適切な保育が行われないよう県として再発防止にどのように取り組むのか、有賀厚生部長にお伺いをいたします。
次に、不登校への対策について伺います。
文部科学省の調査では、2021年度の小中学生の不登校は約24.5万人。このうち、学校内外で相談指導等を受けず長期化している児童生徒が約4.6万人おり、どこの支援にもつながれず孤立状態に陥っていることが強く懸念されます。
こうした状況を解決するため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置の拡充に加え、オンラインカウンセリングの開設など、児童生徒や保護者が専門家に相談できる体制の構築、充実を図るべきであります。
不登校は、様々な理由で誰にでも起こり得るものであり、また、複数の事情が絡み合っていることもあるため、原因や理由を把握し、適切な支援や働きかけを行うことが求められますが、教育委員会として今後どのように対応していくのか、荻布教育長にお伺いをいたします。
次に、支え合い助け合う地域社会の構築について伺います。
まず、認知症対策について伺います。
認知症高齢者は、2025年には約700万人に達すると推計されております。認知症の対策は、医療、介護だけでなく、まちづくりや教育、権利擁護など様々な観点からの支援が求められます。認知症の当事者への適切な対応とともに、地域住民が認知症への理解を深めながら、認知症の人や家族の視点に立って社会の仕組みや環境を整えることも重要であります。
そこで、認知症の人や家族が安心して暮らせる共生社会の実現に向けて、認知症に対する理解の促進や認知症サポーターの養成、認知症に関する相談体制の整備など、総合的な対策の充実が必要と考えますが、県として今後どのように取り組んでいくのか、有賀厚生部長に御所見を伺います。
次に、心のサポーターの養成について伺います。
ここ数年、社会問題としてメディアで多数取り上げられているのが、8050問題であります。80代の親が自宅にひきこもる50代の子供の生活を支え、経済的にも精神的にも行き詰まってしまうことも少なくありません。
40歳以上の人は、そもそも自治体の相談窓口で受け付けてもらえなかったり、相談に乗ってもらえたとしても就労を目的とした社会復帰のプログラムにつなげられたりと、当事者がますます追い詰められてしまう状況にありました。
こうしたひきこもりや鬱病などの心の不調に悩む人を支えるためには、精神疾患への正しい知識と理解を持って、地域や職場で当事者やその家族を手助けする心のサポーターの養成が重要と考えます。県としても、講習会などを積極的に展開し、適切な支援が届けられる体制を整備すべきと考えますが、有賀厚生部長に所見を伺います。
最後に、デフリンピックを契機とした共生社会のさらなる推進について伺います。
聴覚障害者の五輪とも呼ばれるデフリンピックの大会が、2025年に日本においては初めて開催されます。オリンピック同様、4年に一度、世界的規模で行われる聴覚障害者のためのスポーツ競技大会で、1924年の第1回大会から数えて100周年に当たる節目の大会となります。
開催計画では、音が聞こえる人とそうでない人が共同して大会開催を実現していくことで、例えばスタートの合図や審判の声などを、目で見て分かる、視覚的に工夫をするなど、コミュニケーションや情報のバリアフリーを推進し、一歩進んだ共生社会の姿を示していくとしております。
これに関して、以下質問いたします。
まず、障害者がスポーツや文化芸術に参加できる環境の整備について伺います。
障害の有無や種類を問わず、参加できるスポーツやイベントを増やしていく機運は、地域の共生や多様性を深めていくと考えます。文化芸術の面においてもそれは同様であります。
そこで、県として、聴覚障害をはじめとして障害者がスポーツや文化芸術に参加できる環境の整備にどのように取り組んでいくのか、有賀厚生部長に伺います。
次に、情報バリアフリーの推進について伺います。
昨年5月、国では、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が施行されました。本県でも、障害があるなしにかかわらず、安心して暮らし、また活躍できる社会づくりを進めるためには、飲食店や公園、施設など、多くの市民が利用する場所においても、あらゆる情報のバリアフリーを推進していく積極的な取組が重要と考えます。
本県における現状の取組と、デフリンピックも見据えた今後の取組について、有賀厚生部長にお伺いをいたします。
最後に、共生社会の構築のための啓発について伺います。
例えば本県においても、デフリンピックの開催を契機として、学校や幼稚園、保育所などの教育現場と連携し、デフスポーツを実際に体験したり、デフアスリートに触れる機会を通して、共生社会の構築のための啓発を進めるべきではないでしょうか。デフスポーツやデフアスリートとつながり、知ることで、障害に対する理解をより身近に考えることになり、多様性のある社会、共生社会をつくり上げていく機運醸成になると考えますが、新田知事に御所見を伺いまして質問を終えさせていただきます。
どうもありがとうございました。
90 ◯議長(渡辺守人君)新田知事。
〔知事新田八朗君登壇〕
91 ◯知事(新田八朗君)吉田勉議員の御質問にお答えします。
中小企業の価格転嫁についての御質問にお答えします。
エネルギー価格や物価が高騰する中、持続的な賃上げが行われていくためには、DXや省エネ、人への投資などによる生産性の向上に併せて、適切な価格転嫁が行われることが重要と考えております。
県では、これまでもビヨンドコロナ補助金やリスキリング補助金などにより中小企業の取組を支援するとともに、国の下請Gメンなどの動きと連携をして下請駆け込み寺による取引環境改善の経営相談にも努めてきました。
しかし、中小・小規模企業における実態は厳しく、日商の2022年、昨年の11月の調査では、十分な価格転嫁が実現していない企業は全国で約9割、また、富山経済同友会の昨年12月の調査では、価格転嫁が不十分という県内企業が8割以上を占めているとされています。
このため、県では、2月22日に開催しました中小企業の振興と人材の育成等に関する県民会議において、経済団体、また連合富山さん、経済産業局、労働局などと連携をし、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を実現するため、改めてパートナーシップ構築宣言の普及推進に取り組むことで合意をいたしました。
さらに、2月補正予算、令和5年度当初予算案に、国の業務改善助成金の支給決定を受けた中小企業に対し、一律の上乗せ補助を行うことや、生産性の向上などにより賃金の引上げが行われ、消費が活性化する好循環に向けた施策や商工団体における相談体制の充実などを盛り込んでおります。
また、私も、経済団体の会合あるいは経営者の会合に呼ばれることもよくありますので、そういった場で、中小企業における賃上げが進むように寄り添った支援を行ってまいりたいと考えます。
次に、妊娠、出産に係る支援についての御質問にお答えします。
安心して子育てできる環境の整備は、私が県民の皆様にお約束した大切な政策の一つであり、特に来年度は、子供施策に重点を置きながら、全ての妊婦、子育て家庭が安心して出産、子育てできる環境づくりに取り組むこととしています。
御承知のとおり、国では、昨年11月の総合経済対策において、出産・子育て応援交付金事業が創設され、伴走型相談支援の充実を図るとともに、育児用品の購入費や支援サービスの利用負担の軽減のための経済的支援を一体的に行うこととされました。
県では、この国の対応を踏まえて、子育て応援券事業──これまでもやってきたことなんですが、これを見直し、国の事業による妊娠時、出生時の経済的支援に加えまして、県独自の取組として、1歳ないし1歳半時──1歳半のときには健診もございますので1歳半、また市町村によって仕事のやりやすさが1歳のほうがいいというところもありますので幅を持たせておりますが──に追加支援を行うこととしております。
また、病児・病後児保育の利便性を向上させるため、インターネットによる予約を可能とするシステム導入への支援も予定をしております。こうした取組によって、妊娠から出産、子育てまで切れ目のない支援体制の充実を図りたいと考えます。
さらに、来年度の「ワンチームとやま」連携推進本部会議におきましては、子供・子育て施策の連携強化を連携項目として取り上げることとしています。その議論の中で、保育料や保育サービスに関することに加え、市町村の実施する伴走型相談支援の好事例の共有を図り横展開するなど、市町村との連携を十分に図っていきたいと考えております。
私としては最後ですが、デフリンピックを契機とした共生社会の推進についての御質問にお答えします。
本県では、障害者差別解消条例や手話言語条例を制定し、聴覚障害者に対する配慮や、手話の普及啓発に取り組んでおりますが、特に子供の頃から障害に対する理解を深めることが大切であると考えます。
このため、県では、子供向けのブックレットを使った出前講座を開催しておりますほか、県教育委員会においても、聴覚障害者や手話通訳者を講師として学校に派遣し、障害や手話を学ぶ授業を行っており、昨年9月に日本での開催が決定したデフリンピックについても、授業で取り上げております。
また、パラスポーツ選手を講師として招き、ジェスチャーで競技名を伝える体験を通して、聴覚障害に対する理解を教えた学校もあります。
デフリンピックは、70ないし80か国・地域から約3,000人が集い、聞こえない人と聞こえる人が協働して開催する大会です。大会の開催に当たっては、意思疎通のための様々な工夫や配慮が行われることから、聴覚障害に対するより一層の理解促進が期待をされています。
2025年の日本での初開催を契機として、子供たちがデフスポーツやデフアスリートを通じて、障害に対する理解がより深まり、多様性のある共生社会についても理解を深められるよう、関係団体などの御協力もいただきながら啓発等に取り組んでまいります。
さて、吉田議員とこの場でこうして向き合うことは、これが最後だと理解をしております。私が就任してから2年3か月ですから、大変短い間でございましたが、本議会を含めまして私が出席した12回の議会のうち、令和3年の9月定例会と令和4年の1月の臨時会を除いて、実に10回質問をいただき、その中で、私に28問の質問をいただいたところでございます。
最後の質問にありましたように、常に弱者に寄り添い、小さな声に耳を傾けてこられた政治姿勢には多くのことを学ばせていただきました。心から感謝を申し上げます。
私からは以上です。
92 ◯議長(渡辺守人君)中谷商工労働部長。
〔商工労働部長中谷 仁君登壇〕
93 ◯商工労働部長(中谷 仁君)それでは、私からは、まず企業の変革に向けた取組についてお答えをいたします。
人口減少や脱炭素化など、県内中小企業が社会経済環境の変化に対応していくためには、経営者自らが先頭に立って、デジタル技術の導入等により、DXやGXを通じた生産性の向上や、省エネ・省資源化によるコスト削減などに取り組んでいただくことが求められております。令和5年度予算案にも、その支援策を盛り込んでおります。
県では、これまでも、DX推進のために企業経営者を対象に、自社の課題を発掘し、デジタル技術を活用した解決策を検討する講座を開設いたしまして、経営者が主体となり企業の変革が進むよう支援してきております。さらに推進してまいりたいと考えております。
あわせて、各企業の従業員をDXサポーターとして養成し、県や各企業のネットワークを構築することで、県の各種支援策を十分に活用していただくとともに、企業間の情報交流を通じたDXの推進に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
また、GXに関しましては、カーボンニュートラルの実現に向け、県内中小企業者がサプライチェーンで選ばれ続けるための脱炭素経営をテーマとするセミナー、検討会を開催いたしまして、各業種における脱炭素経営のモデル企業を育成したいというふうに考えております。
さらに、資金面では、ビヨンドコロナ補助金におきまして、DXやカーボンニュートラルの計画策定に係る経費も対象としております。
2月補正予算では、計画を実行に移すための経費も確保しております。加えまして、令和5年度予算案では、商工団体における相談体制の充実などを盛り込んでおりまして、経営者の皆様に将来を見据え、DXやGXを含めた経営課題に取り組んでいただきたいというふうに考えております。支援してまいりたいと思います。
続きまして、奨学金返還助成制度についてお答えをいたします。
本県の奨学金返還助成制度は、本県産業の発展を担う中核人材の確保を目的として、県外の理工系学部、薬学部の大学生が県内の登録企業にUIJターン就職をし、10年間在職する場合に、奨学金の返還に対して県と企業が折半して助成を行う仕組みでございます。
平成28年度の制度創設から現在までに、72名の県外学生から利用申請があり、うち本制度に登録のある県内企業に就職をして支給決定に至った方は14名となっております。
他県における奨学金返還助成制度に比較しますと、本県は対象を理工系学部、薬学部に限定しておりますが、助成額の上限を高く設けておりまして、特に薬学部生に対しては6年間分を助成対象とするなど、手厚い支援を行っているところでございます。
県といたしましても、人材不足に悩む県内企業に対し、優れた若者の確保、定着を支援するため、本制度のさらなる活用の促進が課題であるというふうに考えております。効果的な方策について検討してまいります。
また、国におきましても、奨学金制度の在り方について、学びの支援の観点から見直しが進められております。現在も給付型奨学金の対象拡大などが検討されております。
県といたしましては、国の動向も注視をしつつ、引き続き本県の奨学金返還助成制度につきまして、他県の制度や御負担をお願いすることとなる県内企業の意向等も踏まえながら、在り方について研究をしてまいります。
以上でございます。
94 ◯議長(渡辺守人君)三牧知事政策局長。
〔知事政策局長三牧純一郎君登壇〕
95 ◯知事政策局長(三牧純一郎君)私からは、デジタルを活用した地域活性化についての御質問にお答えさせていただきます。
国においてデジタル田園都市国家構想が推進される中、本県においてもこの機を逃すことなく、デジタルを活用した県民の利便性向上や地域の活性化に積極的に取り組む必要があると認識しております。
本県におきましても、
MaaSアプリを活用した公共交通の利便性向上や、医療機関が遠隔医療をするための整備に対する支援、また、県内の市町村におきましても、乗り合いサービスでありますノッカルなどの新たな交通サービスの導入などに取り組んでいるところでございます。
また、議員の御指摘にもありましたとおり、全国でも、地域の特性に応じた様々な取組が行われているところでございます。こうした他地域の優良モデルの横展開を図り、県民の利便性向上や地域の課題解決の取組を加速化したいと考えております。特にデジタルの取組につきましては、やはり広域で取り組むことで、より効果の出るものもございますので、「ワンチームとやま」連携推進本部の場等も活用しながら、市町村と連携して進めていきたいと考えております。
あわせて、新年度におきましては、DX推進条例の制定やDX・働き方改革の基本方針の見直しを行いまして、各種デジタルの取組を加速させるとともに、県の複数のアプリやサービスを連携させまして、共通の基盤となるデジタルプラットフォームの整備などに取り組んでまいりたいと考えております。
また、地域課題をデジタルのビジネスの力で解決していく、Digi-PoC TOYAMA実証事業により、地域課題解決の事例を我々としても積極的に創出しまして、社会的実装を図っていきたいと考えております。こうした取組を通じまして、地域の魅力や特性を生かした新たなビジネスモデルの構築に取り組みます。
また、あわせて、こうしたビジネスモデルの構築を通じて地域の意識改革にもつなげていくほか、実証実験立県とやまとしての全国知名度を高めまして、デジタル関連企業や多様な人材の集積につなげて、地域の活性化を加速したいと考えております。
今後とも市町村や民間企業としっかりと連携いたしまして、デジタルを活用して住民サービスの向上や地域の活性化に取り組んでまいります。
96 ◯議長(渡辺守人君)堀口農林水産部長。
〔農林水産部長堀口 正君登壇〕
97 ◯農林水産部長(堀口 正君)有機農業についての御質問にお答えします。
国では、みどりの食料システム戦略を推進するため、2025年までに100市町村のオーガニックビレッジ宣言が目標とされており、現在、全国の55市町村で宣言に向けた産地形成の取組が進められております。
本県では、南砺市において国の交付金を活用いたしまして、水稲や赤カブの栽培実証、学校給食に有機農産物を一元的に供給する集荷配送システムの構築、通販サイトを活用した販売実証など、生産、流通、消費が一体となった取組が行われており、本年4月にはオーガニックビレッジを宣言されるとお聞きしております。また、富山市が新年度に新たな有機農業産地づくりに取り組む意向を示されており、県としても積極的に支援していくこととしております。
有機農業の推進には、担い手となる人材の育成や、実践するための技術開発が重要です。このため、新年度新たに、人材育成については、先駆的な有機農業者がアドバイザーとなって指導する体制づくりや、座学・実践研修を行うとやま有機農業アカデミーの開設、生産・流通・消費等の関係者によるSNSを活用したネットワークづくりに取り組むこととしております。
また、技術開発につきましては、水田で最も労力がかかる除草作業の効率化に向けまして、県と有機農業者が連携して、水田除草機やドローンの導入実証などを進めることとしております。
本年度中には、県と県内15市町村が共同して、みどりの食料システム法に基づく基本計画を策定することとしており、有機農業の推進に向け、引き続き連携して取り組んでまいります。
98 ◯議長(渡辺守人君)有賀厚生部長。
〔厚生部長有賀玲子君登壇〕
99 ◯厚生部長(有賀玲子君)私からは、8問についてお答えをいたします。
まず、産後ヘルパー派遣制度の利用促進についてでございます。
この産後ヘルパー派遣事業は、市町村と連携して産後の身体や環境の急激な変化による負担軽減を図るため、家事サポートを行うヘルパーを御家庭へ派遣する事業であり、今年度から全市町村で実施し、利用期間を出生後2か月から6か月へ拡充しております。昨年4月から12月末までに166件の利用がございました。
市町村担当者からは、産後鬱の防止に有効との意見がある一方、人の目を気にしたり自宅への訪問に対する抵抗感を持つため利用が進まない、希望どおりの日程で利用できないケースも多いため体制づくりに力を入れるべきといった御意見をお聞きしているほか、ヘルパー派遣事業者からは、人材不足のため日程が合わず断ることも多いとのお話をお聞きしています。
このため、来年度は新たに、利用しやすい環境づくりを目的として、産後ヘルパー派遣事業を紹介する動画を作成し、SNSにより子育て世代へ情報発信するとともに、希望どおりの日程で利用できるような体制づくりのため、指定事業者が行うヘルパー人材の確保対策や人材育成事業に対する支援を行うこととしております。
このほか、妊娠期から出産・子育て期まで一貫して身近で相談に応じる伴走型相談支援と経済的支援を一体的に実施する出産・子育て応援交付金事業等とも連携しながら、産後ケア全体の充実が図られるように取り組んでまいります。
次に、様々な形態によるこども食堂の設置や運営のサポートについてでございます。
こども食堂は、今では単に食事提供の場だけではなく、子供の居場所づくりや、さらに子供を中心とした多世代間の交流拠点として重要な役割を担っています。
こうしたことから、今後、こども食堂の設置や運営のサポート体制を強化するため、こども食堂の設置促進や各種団体との連携に取り組む統括支援コーディネーターの配置、こども食堂の新規開設に向けて普及啓発や相談支援を担う地域推進アドバイザーの配置、食材等を提供される企業や個人と受入れ側のこども食堂とのマッチングを行うフードバンク連携コーディネーターの配置、こども食堂への学習支援ボランティアの派遣支援等の必要経費を、新年度予算案に計上しております。
次に、子供たちの声を県の子供政策に反映していくことについてでございます。
県では、今年度、県内の子供の声や思いを集め政策に反映するため、サンドボックス予算を活用して、こども政策モニター事業を試行的に実施しております。
具体的には、モニターに登録された小学5年生から高校3年生の約200人がインターネットを活用して、先ほども答弁しました子供の居場所やこども食堂等についてのアンケート調査を行い、その結果を今月中に取りまとめる予定でございます。
また、今回の子供の意見等は、庁内のこども未来PTなどで分析の上、子供の居場所づくりやこども食堂関連施策の実施に反映してまいります。
次に、不適切な保育事案の発生、再発防止についての取組でございます。
昨年明るみになった不適切保育の事案を受け、国において実態調査が行われているところであり、県においても実態把握に努めるとともに、今後公表される調査結果や現場の御意見、国における対策なども注視しながら、対策を講じていく必要があるというふうに考えております。
また、不適切保育の未然防止を図るために、保育士一人一人の資質向上や施設の体制の改善などが必要なことから、これまで実施してきた階層別の研修を充実させるとともに、新年度予算案において、新たに複数の施設で学び合う形式の研修を実施し、外部の視点を取り入れながら、保育の在り方や虐待防止に効果的な体制について学んでいただくこととしております。
さらに、県では、中核市以外の指導監督権限を持つ保育所等に対し、年に1回、実地での指導監査を実施しておりますが、各施設からの聞き取りや実態に応じた指導助言を行う貴重な機会であり、今後は不適切保育の観点からも指導を強化していきます。
次に、認知症の人やその家族が安心して暮らせる共生社会の実現に向けた取組でございます。
県では、市町村等が取り組む地域包括支援センターでの総合相談窓口の運営や、認知症サポーターの養成、地元企業や警察等と連携して行方不明者に対応する認知症高齢者SOSネットワーク事業の運営や、QRコードを活用した地域での見守り活動の取組に対して支援してきたところでございます。
また、認知症にやさしい地域づくり推進キャンペーンなど、認知症の正しい理解の普及啓発や、医療従事者及び介護職員向けに認知症の対応力向上のための研修に取り組んでいるところです。
昨年度からは、認知症サポーターや身近な地域の住民と共に、認知症の人や家族の生活支援ニーズを共有し、認知症の人とその家族が共に住みやすい地域づくりを推進するチームオレンジの立ち上げ支援を行うとともに、市町村向けの研修も実施し、この取組を横展開によりさらに広げていくこととしております。
今後は、こうした取組に加え、高齢者の権利擁護の観点から、市町村職員の資質向上を図るため、認知症も対象とした虐待対応の段階ごとのスキルの習得など研修内容を充実するとともに、市町村が困難な事案に迅速に対応できるよう、社会福祉士や弁護士、医師などの専門家による相談窓口を開設することとしております。
次に、心の不調に悩む人を支えるための体制づくりについてでございます。
精神疾患の有無や程度にかかわらず、心の不調に悩む人が地域で安心して暮らすためには、精神科医療や相談窓口の充実だけでなく、地域住民の理解や支えも重要です。
このため県では、地域住民や職域、各種団体等でメンタルヘルスに関心のある方を対象に、心の健康づくりや精神疾患の理解に関する研修会を開催し、修了した方をメンタルヘルスサポーターに委嘱しております。
近年は、毎年150人前後の方を新たに委嘱しており、精神障害者や家族の日常生活の相談に応じたり、障害福祉サービス事業所などの活動に協力するなど、心の問題を抱える人の生活を地域で支援していただいております。
また、自殺の危険を示すサインに気づき、声をかけ、話を聞いて必要な支援につなげるゲートキーパーの養成については、県や市町村に加えて民間団体も県の補助金を活用して養成研修を実施しており、これまでに、延べ1万5,000人ほどの方に受講いただいております。
こうした取組を通じ、心の不調に悩む人とその家族を、身近な地域や職場の人が支え、必要があれば専門家への相談につなげることができる仕組みを構築し、誰もが地域で安心して暮らせる社会づくりを進めてまいります。
次に、障害者がスポーツや芸術文化に参加できる環境の整備でございます。
県では、障害者が障害の特性や程度に応じて気軽にスポーツを楽しめるように、障害者スポーツ教室の開催や、ボッチャなどのスポーツ用具の貸出しを行っております。また、障害者アスリートを支える人材を育成するため、障害者スポーツ指導者や審判員の養成研修を実施しております。
さらに、障害者アスリートがその力を発揮する場として、県障害者スポーツ大会の開催や、全国障害者スポーツ大会への選手、役員の派遣を行っているほか、その他の全国大会や国際大会に出場するに当たっては旅費や宿泊費を助成しております。
また、障害者が芸術文化活動に気軽に参加できるよう、障害者芸術活動支援センターにおいて、アール・ブリュット展など発表機会の創出や、情報発信、活動支援者のネットワークの構築のほか、作品販売や作品の権利保護に関する相談対応をしております。加えて、障害者絵画展の開催や県内4圏域での作品展など、障害者団体の取組を支援しております。
2025年のデフリンピック日本初開催などを契機としつつ、県としては、関係者の御意見も聞きながら、障害者がより一層スポーツや芸術文化に参加しやすく活躍できる環境づくりに努めてまいります。
最後でございます。情報のバリアフリーについての積極的な推進、本県における現状の取組と今後の方針についてでございます。
県では障害者差別解消ガイドラインを策定し、生活の場面ごとに障害の種類や程度に応じた配慮事項について周知するほか、手話言語条例に基づき手話の普及啓発を行うなど、聴覚や視覚等に障害のある人への意思疎通支援体制の充実に取り組んでおります。
具体的には、専門の相談員による相談対応や、理解啓発や手話普及のための出前講座の実施のほか、手話通訳者や同行支援者の養成・派遣、手話サークルによる普及活動に対する支援などを行っております。
また、県庁内においても、専任の手話通訳者の配置や記者会見時の同時手話通訳、県ホームページの文字サイズ、色使いへの配慮や読み上げソフト対応を行っております。
さらに、厚生センターや病院では遠隔手話通訳サービスを、そして県立図書館では視覚障害者等用データ送信サービスを提供するほか、県美術館では点字パンフレットやヒアリングループシステムを導入しております。
障害の特性に応じた配慮や情報アクセシビリティーの向上は、誰もが住みやすい共生社会の実現に不可欠です。県としては、引き続き当事者や関係団体の御意見もお聞きしつつ、市町村等関係機関と連携しながら、情報のバリアフリー化、意思疎通支援の充実に取り組んでまいります。
以上です。
100 ◯議長(渡辺守人君)荻布教育長。
〔教育長荻布佳子君登壇〕
101 ◯教育長(荻布佳子君)私からは、最後に、不登校の児童生徒や保護者の相談体制についての御質問にお答えいたします。
不登校の原因や理由は、集団になじめない、学校の生活のリズムに合わないといった問題や、友達や教員との人間関係の問題、また家庭の状況、病気など多様であり、幾つかの原因が複合化している場合もございます。特に、相談や指導を受けていない児童生徒は、その背景を捉えにくい面があり、長期化することも懸念されるところでございます。
学校内外で相談や指導を受けていない不登校児童生徒に対しては、学校では、保護者との連絡を密にしながら状況把握に努め、家庭訪問の際に学習プリントを提供したり、端末を活用したオンライン授業の視聴やオンライン面接を促したりするなど、相談や指導につなげるよう努めているところでございます。また、必要に応じて、教育支援センターや民間施設など、学校外での支援の場の情報を伝えているところでございます。
県教育委員会では、新年度、スクールカウンセラーなどの配置時数を拡充し、また、新たにスーパーバイザーの配置を行いますとともに、24時間SOS相談ダイヤルや子どもほっとラインなど、電話やSNSによる様々な相談窓口について、PTAや民間団体とも連携をして、さらなる周知を図ることとしております。
また、御指摘いただきましたオンラインカウンセリングを取り入れられないかということも含めて、相談体制の充実に向けて、学校現場や市町村教育委員会、保護者などからも意見を聞いて対応を考えてまいりたいと考えます。
今後とも、スクールカウンセラーなどの専門家により、児童生徒の背景、環境などの把握や、ささいな変化を見逃さないきめ細かな支援に努めますとともに、相談しやすい体制整備を進め、児童生徒が孤立することがないよう支援充実に努めてまいります。
以上でございます。
102 ◯議長(渡辺守人君)以上で吉田勉君の質問は終了しました。
この際、申し上げます。本日の会議時間を午後5時30分まで30分延長いたします。
平木柳太郎君。
〔22番平木柳太郎君登壇〕
103 ◯22番(平木柳太郎君)お待たせしました。自民党の平木柳太郎です。19回目の一般質問となるようです。ちょっと切りが悪いので、何かないかなと思い起こしますと、青年議会で代表質問をしておりましたので、今日でこの議場では20回目の質問とさせてください。よろしくお願いいたします。
以下、通告に沿いまして、13問進めてまいります。
問1、「人的資本の持続的な向上について」としました。この背景は、県政で長らく「人づくり」と標榜をしてきたこの言葉に対して、学校等の公的なサービスによって人を育ててあげるという価値観がにじみ出ていたり、もっと言えば、政治が理想的な人物の型をつくるからそこを目指してくださいという、高度経済成長期の均一的なサラリーマンを育てる考え方から脱却できていないのではないかというふうな疑問を持ったからです。
ウェルビーイング指標では、主観、多様性を重視しており、主体的な生き方を目指すと言っています。人材は管理の対象ではなく、その価値が伸び縮みする資本であり、富山県内の大切な人的資本である子供から大人までの県民101万3,000人が、必要なときに必要な機会を得られるための持続的な施策を実現していくため、富山県民にはどんな特徴があって、また富山県民が本当は何を求めているのか、その解像度を高めていく必要があります。
人はつくるものではなく、育つものであるという言葉の選び方から示していきたいと考えております。
まずは子供政策です。
新田知事の一丁目一番地である現場主義に照らして、政策のど真ん中に子供関連施策を立てること、これには、オレゴンに訪問する高校生やプログラミング等で才能を発揮する小中学生など、光の部分を伸ばすことだけではなく、課題の多い影の部分にも向き合う必要があります。
新年度の重要施策の一つである児童相談所ですが、現在の児童相談所の施設の職員と知事は何度意見を交わされたでしょうか。また、ほかにも特別支援学校、親からの虐待などで家庭生活から離れて寮生活を送る富山学園、県立高校を退学した生徒も多く受け入れている星槎国際高等学校、様々な事情を抱える生徒が通う定時制の高校などの現場から、知事自らが声をキャッチできているでしょうか。
現場主義とは、現場の声を現場の担当部局がキャッチして、ボトムアップで政策を実現するという意味もありますが、新田知事は恐らく、県政トップとして自らが現場に足を運ぶことを掲げたのではないでしょうか。
子供政策を推進するため、現場主義を徹底し、知事自らが足を運んでいく姿勢を示すべきと考えますが、どうでしょうか。これまで視察した教育現場や、今後、現地視察が必要と考える施設等と併せて知事の所見を伺います。
人的資本は企業経営の文脈で使われることが多いため、社会との結節点となる大学の役割については、その重要度が増すばかりです。県内でも複数の大学がある中で、県政運営に含まれる県立大学について伺います。
そもそも論になりますが、誰のための大学でしょうか。県内の高校からの進学を促進するのか、県外からの進学率を高めていきたいのか。それを踏まえて、特に県内進学者の場合、今通ってくれている学生さんたちが、誰のための大学なのかを示すわけですから、経済的な状況を含めた既存の学生の属性をどのぐらい把握分析しているのかも重要です。
どんな学生に学んでもらいたいと考えているのか、経営管理部長に伺います。
どんな学生に来てもらうのかを明確にした上で、主な対象者である高校3年生は、どのように県立大学の魅力をキャッチしてくれるのかを考える必要があります。
例えば、皆さんが自宅のパソコンを買い替えるとき、家電量販店へ行って即決する方もいらっしゃるかもしれませんが、高校生もしくは大学生は、ネットで相当数の口コミをチェックし、価格を比較し、スマホ上のECサイトで購入まで至ることでしょう。買物が高ければ高いほど入念に下調べします。
また、今年からは、いよいよ話題のチャットGPTなどのAIチャットに進学先を相談する、そういった時代に入るかもしれません。内緒ですが、この質問文も一部AIチャットが書いております。
大学も同じです。デジタル社会に対応するための新学科をつくっても、適切な情報を届けられなければ、そして魅力を発信できなければ、お客様、つまり高校生には届きません。
そこで、オンラインで講義を配信することを強く提案いたします。2014年に当時の新田一郎経営管理部長に同じ質問をしております。当時は大学の独立行政法人化を控える前年となり、公開講座などを積極的に進められていた時期で、国内でもMOOC(ムーク)などのオンライン配信が普及し始めていました。あれから9年、通信環境が劇的に向上したことに加えて、特にこのコロナ禍を経て、学校にタブレット端末が定着し、リカレント教育など、学び直し機運の後押しもあり、大学等が配信する注目度の高い講座は、全世界から視聴者を獲得しています。県立大学の知名度向上や教授陣の意欲向上に向けて、全世界へ向けての学府としての魅力発信が必要となります。
今こそ講義のオンライン配信を展開すべきと考えますが、どうでしょうか。経営管理部長に伺います。
オンライン配信などのソフト整備を進める一方で、ハード整備についても常識にとらわれない考え方が必要です。昨年4月、DX教育研究センターが県立大学内に開設をされ、さらに今回、新学部棟の建設を検討していくとなっておりますが、ちょっと待ったと皆さんは思わないでしょうか。
既存施設での対応容量ではどの程度の不足があって、また近隣にある県有施設などの利活用で代替可能な場所の検討などは行われたのでしょうか。さらには、Web3.0時代に新設されるデジタル学部としての在り方には、常識を打ち破るために工夫できる余地があると考えれば、例えば、SCOP TOYAMA内や高岡テクノドーム別館内、民間のコワーキング施設などと連携してサテライトキャンパスの設置をしたり、また、さらにはメタバース上に学部棟をつくるなどといった思い切った発想をしないと、学生も集まりません。建設物ありきでの議論ではない妙案を求めています。
情報工学部(仮称)の新設に向けて、新学部棟の建設をどのように進めていくのか、建設ありきではない県の姿勢を経営管理部長に伺います。
大学を卒業して、もしくは在学中に起業する若者の存在も、人的資本として投資すべき対象と言えます。2月25日にT-Startup DemoDayが開催され、今年度のT-Startupの成果が共有されました。学生時代から起業しているケースや、社会に出てから問題解決のために起業するケースまで、6社のプレゼン、ピッチを拝聴して、自分自身が起業した頃の熱い志も思い起こしました。
たった6社に多くの資金や知見が注ぎ込まれている様子は、これまでの県政には見られない覚悟であり、また明確な成果が求められるという責任が、県や、もちろん経営者、そしてアドバイザーにも課せられたと言えます。6か月のサポート期間を終えたから後は頑張ってねとならないように、今後のスタートアップ振興施策として、T-Startup企業の数を拡充していくと同時に、今回の1期生としての6社の支援企業を継続的にフォローしていく仕組みが必要だと考えますが、スタートアップ・エコシステムの構築を含めてどのように設計をしていくのか、知事政策局長に伺います。
昨年11月定例会の一般質問でも取り上げた際に、リスキリングを県内にどう推進するのかという視点で伺いました。人的資本の観点で言えば、DXとリスキリングの推進は、決して切り離して考えられない関係性があります。
県では、今後、DX推進に関する条例案や新たな計画を策定していくことになりますが、国全体もしくは国際基準の視点が必要です。2022年の9月に改訂された経済産業省のデジタルガバナンス・コード2.0では、DXの定義やDXの推進に向けて、企業や経営者が実施すべき事項が取りまとめられていますが、現状では一部の企業経営者にしかその存在が認識されていないため、国内全体が同じスタートラインに立っていると想定できる内容でした。今なら富山県も間に合うということです。
今後、策定が進むDX推進の条例案や計画において、県独自の視点だけではなく、国際競争力につながる明確な指針とするため、経済産業省のデジタルガバナンス・コード2.0等の高い基準を設けるべきと考えますが、どのような検討メンバーと策定フローとしていくのか、知事政策局長に伺います。
リスキリングについては、岸田首相は、成長分野へと人材を流動させることを明確な目標と定めており、つまりはDX関連並びに先ほど出ましたが、サステナビリティ・トランスフォーメーションのSXやグリーンのGXの関連と焦点を絞ることができます。
地方の民間企業も例外ではなく、情報活用教育については、小学校は2020年度、中学校は2021年度から全面実施、高等学校においても2022年度から学年進行で実施されており、今後、リスキリングした個人に加えて、この情報活用能力を学校で学んだ世代の就労先である企業において、DX対応は必須です。対応できなかった会社に人的資本は集まりません。
リスキリングを成長分野への就労につなげるため、DXと連動した推進が必要だと考えますが、スタートアップ以外の既存企業が成長企業へと事業展開するために、どのようなリスキリングの基準を示し、施策として実行するのか、商工労働部長に伺います。
企業がリスキリングに対応するためにかじを切った、つまり本気で成長分野への進出を目指すとなれば、その地域としても持続可能な支援体制を構築することが必要です。
デジタル化やカーボンニュートラル等は手段であり、求めていく目的は持続可能な社会を実現すること、つまりはSDGsを推進することになります。自治体も民間企業と同様に、本気で持続可能な社会の基盤をつくることが求められています。
SDGs未来都市である富山市、南砺市、そしてこの富山県に続き、氷見市が新年度の選定を目指しています。ワンチームとやまのビジョンにおいても共通の目標設定があることが望ましいので、ぜひSDGsを描ける会議体であることを期待します。
県内自治体のSDGs推進をどのように支援していくのか、また、県内の全市町村がSDGs未来都市に選定されるよう目標設定してはどうかと考えますが、県の考えを知事政策局長に伺います。
現時点では、自治体よりも民間企業側でのSDGs推進が活発化してきています。経済産業省のデジタルガバナンス・コード2.0では、SXやGXについては、DXと一体的に取り組んでいくことが望まれるとあり、SDGsの推進はDX化と連動するため、県が目指すウェルビーイング先進地としても、県内企業のSDGsに係る取組を強く推進することが必要であります。言わば、SDGs経営はウェルビーイング経営を包含する動きであることを改めて認識として共有をしたいと思います。
そこで、企業によるSDGsの取組を公表している富山県SDGs宣言はどのように推移をしているのか、また取組内容の傾向にはどのような特徴が見られるのか、知事政策局長にお伺いし、問1、人的資本の持続的な向上について答弁を求めます。
104 ◯議長(渡辺守人君)新田知事。
〔知事新田八朗君登壇〕
105 ◯知事(新田八朗君)平木柳太郎議員の御質問にお答えします。
まず、子供施策における現場重視についての御質問にお答えします。
知事就任以来、私は県民目線、現場主義を徹底してきたつもりでございます。子供政策の推進に当たり、コロナ禍で現地視察がなかなか制限される中ではありましたけれども、積極的に多くの現場に足を運び、現場ニーズを酌み取り、政策に反映をしてきたところです。
そういえば、病院の視察に行ったときに大変な大名行列だったものですから、現場にとっては大変な負荷がかかったというお叱りの質問も平木議員から受けたこともございます。以後、コンパクトな編成で行くようにしましたので、忠告に大変感謝をしたいと思います。
例えば、知事就任後に視察した富山児童相談所では、老朽化や狭隘化の現状を目の当たりにしました。移転改築を含む機能強化の必要性を痛感したことから、機能強化のための検討委員会を設置しました。この委員会での何度もの議論を踏まえまして、新年度予算案に移転改築のための基本設計、実施設計などに係る経費を計上させていただいております。
また、特別支援教育将来構想──これは私の八十八の具体策、お約束のナンバー61に当たりますが、これの策定のために視察した特別支援学校では、医療的ケアスタッフの体制強化、また、ICTを活用した学びの拡充の必要性を認識いたしました。
これを踏まえて昨年3月に構想を取りまとめ、今年度は、看護職員の増員や、人型ロボットなどのICT機器を活用した事業に取り組み、さらに、医療的ケア指導チームの新設の経費を新年度予算案に盛り込ませていただいております。
その他、こども病院、小児医療提供体制の構築は、お約束のナンバー23。いじめのない学校、スクールソーシャルワーカーあるいはスクールロイヤーの設置、これはお約束の26番。このようなことを、現場を重視しながらやってきているつもりでございます。
そして今後は、様々な困難な課題を抱える子供や家庭を支援する民間団体、例えば学校以外の多様な学びを支援するフリースクールや、身近な地域で安心して過ごせるこども食堂などの子供の居場所、さらに定時制高校の視察も必要だと考えております。
これは足を運んだわけではございませんが、不登校、ひきこもりの子供、若者、またその家族を支援するNPOの方々と面談をし、その活動をしっかりとお聞きし、その活動を支援する予算も今回盛り込ませていただいております。
今後とも、このような現場状況を肌で感じ取り、自分の耳で聞き、目で見、そして誰一人取り残さない、こどもまんなか政策の推進につなげてまいりたいと考えております。
1回目は以上でございます。
106 ◯議長(渡辺守人君)岡本経営管理部長。
〔経営管理部長岡本達也君登壇〕
107 ◯経営管理部長(岡本達也君)私のほうから、県立大学の役割について3問の御質問をいただいておりますので、お答えをいたします。
まず、どのような学生に学んでほしいのかということについての御質問にお答えをいたします。
県立大学は、地域の知の拠点として、教育分野ではものづくり産業や医療、看護の高度化への対応、研究分野ではDX教育研究センターの整備などデジタル化への対応、地域貢献分野ではリカレント教育の学修機会の提供など、県民や県内企業、医療機関のニーズを踏まえ、本県の特徴を生かした教育研究に取り組んでいるところでございます。
近年、入学者に占める県内出身者の割合でございますが、過去3か年の平均で、工学部は約45%、看護学部は約63%、入学者選抜では、県内出身学生の入学促進の観点から推薦選抜での県内枠を工学部で約80名、うち職業科枠を8名程度、看護学部におきましては48名を設定しているところでございます。このほか、入学金を低く設定し、若者の県外流出防止に努めております。
なお、大学では、奨学金受給学生の出身県、家庭のおおよその収入等の状況を把握しているほか、他方、工学部に県外枠14名以内を設定するなど、県外の優秀な学生の確保にも力を入れております。
県内外を問わず、工学や看護学に興味と高い志を持ち、課題解決に主体的に取り組む意欲のある学生に志望してほしいと、大学の入学者受入れ方針──アドミッションポリシーで示しているところでございます。
県立大学では、これまでも、知名度の向上や学生募集広報に積極的に取り組んでおります。例えば、県内向けには、高校向け進学ガイダンスや高校生を対象とした体験講座の開催、教職員による高校訪問など、一方、県外向けには、志願者が多い地域等を中心とした大学説明会の開催や、教員による出張講義の実施など、県内外それぞれに応じたPR等に取り組んでおります。
議員の御質問の中にもございましたが、今後さらに人口が減少する中、県内外の若者から選ばれて学んでもらうためには、強みや特色を生かした魅力ある大学づくりを進めていく必要があると考えております。
このため、議員のほうからも、学生の属性についていろいろと御指摘がございましたが、それらの分析に加えまして、学生の生活の満足度、または卒業後の進路希望、出口戦略、こういったことも、しっかりとデータに基づく分析を進めていく必要があるとともに、今後、大学と連携して、より一層魅力づくりと効果的な情報発信に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、講義のオンライン配信の展開についてお答えをいたします。
県立大学では、これまでも、教育課程に基づく学生向け授業をはじめ、企業等の社会人向けセミナーや、広く一般県民等を対象とした工学や看護学分野に関する公開講座等を開講し、多くの県民に受講していただいているところでございます。
こうした社会人向けセミナーや公開講座は、従来から対面を基本として実施をしてきておりますが、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対応して、学生向け授業の遠隔実施などのノウハウ等も活用して、現在は講義型の講座など可能なものにつきましては、オンラインやオンデマンドでの受講にも対応しているところでございます。
公開講座は、地域に根差した大学として県立大学の教育研究の取組を広く周知するとともに、県民にその一端に触れていただく点でも有意義と考えております。より受講しやすい環境づくりを推進する観点からも、大学には、引き続き、より多くの講座でオンラインやオンデマンドを導入してもらいたいと考えているところでございます。
なお、議員から御提案がございました学生向けの講義の公開や、インターネットを活用した大規模公開オンライン講座(MOOC)での講座等の実施につきましては、国内外など地域を問わず、多くの人が気軽に受講でき、大学の知名度向上にもつながるメリットがあると考えております。また加えて、オレゴン州の大学との学術交流協定も締結したところでございます。
今後、議員御提案のことにつきましては、大学経営審議会の場も活用しながら、実施拡大に向けて検討してまいりたいと考えております。
この質問の最後に、新学部棟の建設についての御質問にお答えをいたします。
新学部の学修環境につきましては、有識者会議からは、県内外からより多くの優秀な学生や教員を呼び込むには、必要となる講義室や研究室などを十分確保するなど、魅力あふれる教育研究環境を整備することが望ましいとの提言をいただいているところでございます。
県立大学におきましては、この提言を踏まえまして、現在、新学部棟に係る基本設計の策定に取り組んでおります。具体的に申し上げますと、データサイエンス学科の新設に伴いまして、データサイエンスの演習室、実験室、研究室等を整備するほか、カーボンニュートラルやインフラの長寿命化などの産学官の共同研究を推進するグリーンAI教育研究拠点の整備を計画されているところでございます。
また、情報工学部──仮称でございますが、この一部の講義室やゼミ室等は射水キャンパスの既存施設を最大限活用するほか、実践的な研究では工学部との密接な連携が重要と考えております。このため、近隣に学修環境にふさわしい県有施設等がないこともあり、学生や教員等の利便性を考慮すると、大学敷地内への建設が合理的と考えております。
なお、11月補正予算でお認めいただきました債務負担行為により、既存校舎との接続も想定いたしましたデジタル関連の授業に必要な大容量のデータ通信にも対応する高規格ネットワークの構築にも、現在着手しております。
さらに、このたび国において、デジタル、グリーン等の成長分野への取組を支援する3,000億円の基金が設けられたところでございます。県ではこれまでも、新田知事から国などに対しまして、機会を捉えて新棟整備等への財政支援を要望してきております。この支援制度も十分に活用できるよう、引き続き、県立大学と連携をしまして着実に整備を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
108 ◯議長(渡辺守人君)三牧知事政策局長。
〔知事政策局長三牧純一郎君登壇〕
109 ◯知事政策局長(三牧純一郎君)私からは、まずスタートアップ振興施策についての御質問にお答えさせていただきます。
まず、土曜日、DemoDayのほうに御参加いただきましてありがとうございました。
今年度のT-Startup企業の選定に当たりましては、起業家が目指すビジョンや熱意、そして事業計画のIPOの実現可能性といったロールモデルとしての適格性、そして本事業における支援の必要性と期待される効果等、エコシステム構築への寄与度を重視して選定しているところでございます。
25日のDemoDayにおいて今年度事業は終了し、今回の支援によって6社それぞれが自社の課題解決に向けたスケジュールや方針が固まったところでございますが、それぞれの企業は成長のステージが異なるところでございまして、今後の支援については個別に判断する必要があると考えております。
そのため、来年度の選考におきましては、今年度選定されたT-Startup企業をそのまま選ぶのではなく、本事業における支援の必要性と期待される効果等の評価基準の判定の中で、企業の入替えもあり得ると考えております。
ただ、今年度のT-Startup企業が来年度の選定で落選したとしても、それは熱意や上場の実現可能性が低下したということではなく、逆に今年度のプログラムを通じて、伴走支援が終わったとしても、T-Startup企業が上場に向けて、自らPDCAを回しながら、T-Startupサポーターをはじめ必要なサポートを自ら探して受けていけるような、そうした必要な知識がしっかり習得されたりネットワークが形成されたということでありまして、今後も変化に対応しながら、我々としては、自律的に成長していけるものと解釈したということになるのかなと考えております。
今後は、昨年10月の募集開始から現在40社まで増えておりますT-Startupサポーターを拡充するとともに、セミナー等の開催によりまして、こうした支援者の支援能力の向上やマッチング機会の提供、起業家支援の機運醸成を図っていきたいと考えております。
こうした取組を通じて、そういう意味では、支援を受けるべき有望なスタートアップ、そしてそのスタートアップに支援を提供する側、その両方の見える化を進めるとともに、支援を見つける力と支援を与える力、それぞれのスキルをアップさせて、しっかりとマッチングさせていくと、そうしたことを進めることで、富山県ならではのエコシステムを実現していきたいと考えております。
次に、DX推進に関する条例案等についての御質問にお答えさせていただきます。
本県におけるDXにつきましては、新田さんをヘッドといたしますDX・働き方改革推進本部をはじめ、各取組によって着実に推進してきたとともに、その可能性や重要性につきましては、成長戦略カンファレンス等を通じまして、県内外に発信してきたところでございます。
来年度につきましては、DXをさらに加速化するため、ビジョンや基本理念等を定めたDX推進に関する条例を策定するとともに、条例に基づいて、DXを行政、産業、地域で総合的かつ戦略的に推進するための計画を新たに策定することとしているところでございます。
議員から御指摘ありましたデジタルガバナンス・コード2.0につきましては、基本的には企業経営者を対象としたものと考えておりますが、社会が変化する中で持続的な企業価値の向上を図るため、まずはビジョンを策定し、その実現に向けて組織づくりや人材の育成確保、デジタル活用を推進する戦略を策定し、ステークホルダーへの情報発信や対話を通じ、意識改革を行いながら推進していくということが示されているものでございます。
デジタル化を見据えた組織の在り方としては、我々としても非常に参考にすべきところが多いと考えております。そのため、先ほど申し上げた条例や計画等を策定する際には、このデジタルガバナンス・コードの手法も参考にしたいと考えております。
まずは、SDGsやカーボンニュートラルなど、世界的な課題への対応など国際潮流を見据えたものを、しっかりとビジョンとして掲げたいと考えております。そうしたビジョンをつくるために、内容に知見のある成長戦略のPTの委員であったり、外部有識者との意見交換をしっかりと進めていきたいと考えております。
また、デジタルガバナンス・コードに基づきますと、ビジョンを策定した後にしっかりと戦略をつくったり、ステークホルダーとの対話をやっていくという意味では、しっかりと今の富山県の現状を把握して戦略をつくっていくためには、現場の実態に即した議論もまた必要だと考えております。そういう意味では、市町村等におけるワークショップや県内関係者からの意見聴取も、しっかりと策定のフローに加えてまいりたいと考えております。
次に、SDGs推進についての御質問にお答えさせていただきます。
SDGsにつきましては、釈迦に説法でございますが、様々な分野に関わるものでございますから、その推進に当たっては、県内の自治体をはじめ、多様なステークホルダーが連携して県民総参加で進めていくことが重要であると考えております。
そして、SDGs未来都市につきましては、この制度が、各自治体におけるSDGsの取組を推進するため、モデルとなるような先進事例を創出し普及展開することを目的としておりまして、令和5年2月現在、全国で154都市──うち都道府県は16ですけれども──が選定されており、県内としては、議員からも御紹介ありましたが、富山県と富山市、南砺市が選定されておりまして、例えば比率とかそういうところで言うと、全国的にも進んでいるほうであると認識しております。ただ、こうした先進的なSDGsの推進をさらに広げていくことは非常に重要であると考えております。
このため県といたしましては、市町村や経済団体、環境団体など、県内のステークホルダーの参画による富山県SDGs推進連絡協議会を開催しておりまして、各団体でのSDGsの取組などの情報交換を行っているほか、市町村の担当課会議を開催しまして、今年度は内閣府から、まさにSDGs未来都市をはじめとした国の施策の説明をしていただいたほか、県内企業の先進事例の紹介や、県、市町村のSDGsの連携等に向けた情報交換を行ったところでございます。
また、県内でのSDGsの取組をさらに加速し、SDGsに取り組む企業等のメリットを創出するため、市町村や企業、NPOなどステークホルダー同士の連携のきっかけをつくるSDGsフォーラムやワークショップも開催したところでございます。
議員から御提案ありました、県が県内全市町村のSDGs未来都市の選定を目標に設定するというのは、SDGsの自発的なといいますか、そういう趣旨からなかなか難しいと思いますが、どちらにいたしましても、やはり、それぞれの自治体がそれぞれの自治体に根差したSDGsの取組を行っていく、そこが最終的なゴールであると我々は認識しておりますので、未来都市の選定方法等の情報提供も行いながら、まずは各自治体において、地域に根差した独自のSDGsの取組が行われるよう、我々としては取り組んでまいりたいと考えております。
最後に、SDGs宣言についての御質問にお答えさせていただきます。
県では、県内企業や団体等の経営戦略や成長戦略にSDGsの考え方を関連づけて、自社のSDGsの取組を宣言していただく富山県SDGs宣言を令和3年7月から募集しており、そのSDGs宣言を、県の専用ウェブサイトで広く発信し見える化することにより、本県のSDGsの取組を推進しているところでございます。
SDGs宣言を行った企業・団体の数でございますけれども、令和3年度末で251社・団体となっておりまして、令和4年度になってからも毎月10社程度増え続けておりまして、令和5年2月末現在で359社・団体となっております。業種別の内訳につきましては、建設業が最も多く110社、次いで製造業93社、卸売業・小売業43社という順になっております。
また、宣言企業の取組内容の傾向につきましては、目標としているSDGsのゴール──1社当たり3つ選ぶことになっているんですけれども、ゴール8の「働きがいも経済成長も」が最も多く271社、次いでゴール12「つくる責任つかう責任」が243社、ゴール11「住み続けられるまちづくりを」が217社となっておりまして、富山県成長戦略で描くウェルビーイングと成長戦略の相乗効果と親和性の高い項目を選ばれている企業が多いと、我々としても認識しております。
具体的な取組といたしましては、働きやすい職場環境づくりに向けた働き方改革の内容であったり、CO2排出削減等のカーボンニュートラルの取組、そしてDXを活用したペーパーレスや残業時間の削減、これも働き方改革の一環のような取組が多いと認識しております。
今後は、現在どういうゴールを設定しているかというのは公表しているんですけれども、より具体的な内容をウェブサイトに盛り込むために、SDGs宣言企業等を訪問、取材いたしまして、その取組内容を具体的に紹介していきたいと考えております。
あわせて、引き続きSDGs宣言企業等の連携を促すワークショップの開催も行いまして、SDGs宣言企業同士の連携した取組や、それをビジネスにつなげていく機会をつくっていくと、そうした様々な取組をしまして、県内のSDGsの推進と、SDGs宣言企業等の成長、持続的な発展につながるよう取り組んでまいります。
110 ◯議長(渡辺守人君)中谷商工労働部長。
〔商工労働部長中谷 仁君登壇〕
111 ◯商工労働部長(中谷 仁君)私からは、DXと連動させたリスキリングの推進についてお答えをいたします。
先ほど平木議員からお話がありましたとおりですが、県内中小企業が成長分野へと事業展開されるためには、デジタル技術を活用したDX等の経営改革を積極的に進めていただくとともに、企業内人材のリスキリングや、学校教育で情報活用能力を身につけた人材が活躍できる環境を整備していただくことが必要であるというふうに考えております。
県では、これまでもDX人材を育成するために、経営者の意識啓発や従業員の技能向上につながる研修事業を実施しておりますほか、さきの11月補正予算により、企業の生産性向上や成長分野への挑戦に向けた、働く方々のリスキリングの研修費用の助成制度を創設したところでございます。
また、ビヨンドコロナ補助金等により、県内企業のDX推進に係る設備導入等を支援してきておりまして、11月補正予算による第3次募集では、これらに加えましてDX化等の計画策定に係る経費も補助対象としているところでございます。
ここからがお聞きになっておられる点だと思うんですが、さらに県DX・働き方改革推進本部のDX人材育成ワーキングチームにおきまして、県内企業の様々な分野のデジタル化、DXに貢献、活躍する人材を輩出するため、目指すべきDX人材像の共有や、指導者など限られた方々の活躍によりまして、産業界や教育機関が連携して人材育成を行う方策を検討することとしております。その中で、企業のDXに必要なスキルの基準やDX人材像を整理していくこととしております。
こうした検討結果を踏まえまして、富山県立大学DX教育研究センターなどとも連携をしながら、企業のDX推進を支える人材の高度な技術や知識の習得を促進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
112 ◯議長(渡辺守人君)平木柳太郎君。
〔22番平木柳太郎君登壇〕
113 ◯22番(平木柳太郎君)県政の在り方について、叱咤激励の質問をいたします。
民間企業と同様に、県庁でも難しい政策判断、施策立案が求められるケースは増えてくると予想できます。誰も経験したことのない社会変革期において、それでも意思決定しなければならないとき、県庁が有する膨大なデータが役に立ちます。ピンポイントで担当部局を指すことになりますが、統計調査課の皆さん、おめでとうございます。今後、皆さんの役割は極めて重要になります。
統計調査課は、エビデンスを基にした政策立案(EBPM)の推進における統計の重要性を、より広く県庁内外に周知する役割もありますし、データサイエンティストを輩出していく県立大の新学部にも、庁内で最も連携が期待されると考えることができます。
総務省には統計局がございます。ここは子供向け、もしくはビジネスパーソン向けに、データ利活用のセミナーの開催なども積極的に行っておられますが、その機能や役割と比較をして、県の統計調査課にはどのような取組ができると考えるか。その役割を遂行するために、EBPMの根幹を担うデータ分析の職員はいるのかなど、期待ゆえの不安要素、課題も見えてきます。
政策判断の鍵となる情報収集や情報分析において、統計調査課の重要性が増していく中でどのように強化をしていくのか、経営管理部長に伺います。
県庁で働きたいと希望する人を増やす、また県庁で働いてもらいたいという方に来てもらうために、何ができるでしょうか。企業等で人材採用力を高めるためには、人事制度のアップデート並びにオープン化が求められています。このような状況の中、富山県庁の人事制度についてはどのようにお考えでしょうか。
例えば、部下からの信頼を得られていない幹部が、知事から高い評価を受けて出世する組織などであれば、県庁の成長は望めません。納得感のある繊細な人事考課が必要です。
そこで、人事も、現場主義を徹底し、相互評価制度の導入や評価基準の見える化などの対応を検討する必要があると考えますが、経営管理部長に今後の方針を伺います。
県職員のリスキリング導入において、先ほど出てきたオンライン講座MOOCなどを活用した試行を進めるとしていますが、そもそも自身のキャリアをどう考えるのか、どのようなリスキリングが必要かという目的の設定が先に来なければなりません。
そこで有効なのは、キャリアコンサルティングという手法です。客観的な立場から今後のキャリアについての助言指導を受けられる環境が必要であり、広く市場動向や県民ニーズを把握した上で、組織の人事に関わらない立場からのサポートが求められます。間違っても、上司がしたり顔で助言してはいけません。
例えば、プロのキャリアコンサルタントが対応する有料のサービスを受ける際に補助をするなど、適切なリスキリングに向けての必要な支援策を検討し、実現に向けて取り組んでいただきたいと考えますが、どのように対応するのか、経営管理部長に伺います。
県議会を軽視しているのではないかという発言を、議員として3期務める間に何度かお聞きしました。我々議員は、外部の有識者を招聘する審議会や会議とは異なる、選挙によってここに立っている、言わば県民の代表です。
令和3年6月定例会で我が会派の奥野詠子議員から、知事肝煎りの成長戦略会議をはじめ、法令や条例に基づかない任意の有識者会議は、参考意見である。隠れみのにならないようにする必要があると、強く指摘を受け、就任半年を超えて、いよいよ走り出そうとした知事は、公明正大にやっており、決して隠れみのになるようなものではないと理解を求めました。いよいよというところで、いきなり正面から切りつけた、あの迫力を我々は忘れることはできないと思います。
その後も、確かに開催の様子はフルオープンとなっており、オンライン配信などもされておりますが、さきに議会質問で提案してきたことが、この会議を経るとスピード感を持って施策化されているというふうな不自然さも、私を含む複数の議員が感じていた状況もございます。
新田知事が就任され任期折り返しの後半となり、目に見える成果を急ぎたいという気持ちも理解できますが、県民の代表である我々議員から議会軽視という言葉が今後出ないように、議会との向き合い方を県庁全体で見直すことが必要ではないでしょうか。
県庁と県議会の関係性はどうあるべきなのか、「車の両輪」とかいう抽象的な言葉で濁さずに、その望ましい関係性の理想像をどのように考えるか、また、我々県議会に期待することは何か、知事の所見を最後に伺いまして質問を終わります。
ありがとうございました。
114 ◯議長(渡辺守人君)新田知事。
〔知事新田八朗君登壇〕
115 ◯知事(新田八朗君)県庁と県議会の関係性などについての御質問にお答えをします。
都道府県に知事を置く。これは地方自治法139条。それから、地方公共団体の長として、議会の議決を経るべきことについて議案を提出する。それからまた、決算を議会に付する。これが地方自治法の149条。私の立場から見ますと、議会と知事、行政の長である知事との関係というのはこういうことです。
ただ、理想の像あるいは望ましい関係性ということなので、これだけでは済まない話だというふうに思いますので、もう少し話させていただきます。
行政機関としての富山県の長である知事と議会の関係は、二元代表制を取っており、車の両輪ということですよね。相互のチェック・アンド・バランスを確保し、議会での議論を通じて、多様な県民の皆さんの意見を集約、統合することで、県民が主役の県政を力強く推進することができるのだと考えております。
その際、私はもとより行政機関である県は、現在の様々な価値観を尊重し多様性が求められる時代において、様々な機会や多様な経路を通じて県民ニーズや地域課題を丁寧に把握して、世界の潮流なども見据えて議論を深め、政策に反映することが重要だと考えております。
このため、「ワンチームとやま」連携推進本部会議で、市町村長との円滑な意思疎通を図ることも心を砕いているところです。また、各分野の専門家や関係者の意見を聞くために審議会などを設置するほか、県職員にもどんどん現場に出ていくようにということを促してまいりました。
県議会議員の皆さんは、県民の負託を受けた地域の代表です。前回2019年の選挙で、ここにおられる皆さんが有権者の負託を受けた数は数十万票になります。また、無投票の方もおられます。無投票の方は、より一層地域での信頼を集めておられる方々だというふうに思います。そういう皆さんには、この県議会での議論を通じて、地域に根差した県民の多様な声を県政に反映いただいているわけです。
今後、県民一人一人のウェルビーイングをさらに高めていくためには、県民の多様なニーズを踏まえて、そして県民に寄り添った施策が大切でありまして、地域を代表する県議会の皆さんと議論を深めていくことがますます重要だと考えております。
今後も、行政機関の長たる知事と県議会は、県民から直接選挙で選出され、県民の多様な意見を県政に反映させるという重要な役割を担い合う者同士として、お互いをリスペクトし合いながら、共に県民のニーズを丁寧に把握し、県民の代弁者として議論を深めていく。これにより、県民お一人お一人が豊かに暮らせるウェルビーイング先進地域富山を実現していくことに共に励んでいきたいというふうに考えております。
質問に対するお答えは以上でございます。
平木柳太郎議員とも、この場でこうして向かい合うのはこれで最後だと多分思います。私の12回の議会の中で8回、こうやって質問をいただきました。25問にわたる質問です。
息子の高校の同級生でおられるので、まさに文字どおりの息子世代の政治代表ということで、大東亜戦争の後の復興期から高度成長の時代に育ち、1回目の東京五輪や1回目の大阪万博にわくわくした世代である私、そして社会人としてバブルも経験した者としては、息子世代の質問は、時には理解不能なものもあったんですけれども、でも、失われた30年の中で育ってこられた人としての多様な価値観を知らせてもらう貴重な機会でもあったというふうに心から感謝をしております。
多分、もうこの場で会うことはないんだと思いますが、私は、息子のその子供、すなわち孫世代のために何とかせなあかんということでここに立っております。どうか平木議員におかれましては、まさに息子世代として、現役世代として、富山県を御自身が生まれたときより、よりよくして次の世代に渡す、そのようなことに努めていただければというふうに思います。本当にありがとうございました。
私からは以上です。
116 ◯議長(渡辺守人君)岡本経営管理部長。
〔経営管理部長岡本達也君登壇〕
117 ◯経営管理部長(岡本達也君)私のほうから、県庁組織の発展について3問の御質問をいただきました。
まず、統計調査課の強化についてお答えをいたします。
政策立案に当たりまして、統計は合理的な意思決定を支える基盤として、近年、重要性が増しております。統計を利活用する職員の能力向上や、統計を利用しやすい環境整備が必要となっております。
現在、統計調査課では、社会経済の実情を正確に把握するための統計調査の実施はもとより、庁内関係部署に対して最新の統計データの提供や統計研修の受講案内など、統計情報をそれぞれの事業に役立ててもらえるよう情報提供を行っております。
また、全国と比較した本県の状況や順位を手軽に素早く把握できる冊子「100の指標」の作成や、ホームページ「とやま統計ワールド」では、利用者の利便性が高まるようデータ加工がしやすい形式での掲載を順次進めているところでございます。
また、国におきましては、公的統計の整備に関する基本的な計画に基づきまして、EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)──つまり証拠に基づく政策立案や、統計ニーズに的確な対応、ユーザー視点に立った統計データ等の利活用などが進められ、具体的には、政府統計を網羅した情報サイトを構築しているほか、自治体職員向けに統計の分析手法などに関する研修や、統計データ利活用の先進事例の紹介や相談窓口の設置など、自治体におけるEBPM推進に向けた支援を行っているところでございます。
県としては、国が提供するこれらの支援を有効に活用していきたいと考えております。また、データの利活用、そして分析できる体制を整えていく必要があると考えております。
現在、統計調査課には、このEBPM──証拠に基づく政策立案という、こういった根幹を担うデータを専門的に分析する職員がおりません。このため、先般、専門家を招きまして、県のデータを活用することに向けて、例えばデータを加工しやすい形式に、例えば県庁でいろいろ作っているデータをどうしたらいいのかということの意見を聞いております。
今後は、統計調査課の職員はもとより、政策立案や事業を実施する職員が、このEBPM──証拠に基づく政策立案、これを支えるための基礎となる統計を正しく理解し適切に利活用できるように、庁内の例えばデジタル部門との連携、それから県立大学のDXセンター、そして専門家の意見も交えながら、利用しやすい統計データの整備や統計データ分析等に係る研修受講などを行いまして、いわゆるこのEBPMを活用しまして、全職員の分析力の強化、あるいは政策立案、こういったものにつなげていきたいと考えております。
次に、相互評価制度の導入、評価基準の見える化についての御質問にお答えをいたします。
近年、複雑多様化する行政課題に的確に対応するためには、限られた「人財」を最大限に生かす人材マネジメントの重要性が高まっております。採用、育成、評価、配置等の人事制度を、環境の変化に合わせてアップデートしていく必要があると考えております。とりわけ、客観的かつ適正な人事評価は、職員のモチベーションを高めるとともに、適材適所の人事異動による生産性の向上や、働きやすい職場環境が整うことで採用力の強化にもつながると考えております。
現在、県では、職員が職務を遂行するに当たり、発揮した能力と目標に対して達成した業績の両面から評価する制度を導入しているところでございます。また、能力の評価におきましても、部長、次長、課長といった職制上の各段階におきまして必要な標準職務遂行能力を定めております。
これを職員に明示しておりまして、業績評価などにおきましては、自己評価、それから上司面談、評価結果の開示の仕組みにより、客観性を確保した上で評価を実施しているところでございます。
議員御提案の相互評価制度の導入、評価基準の見える化につきましては、他の自治体では、全国的にも、例えばマネジメントレビューという形で、対象者の職場での取組姿勢、また行動やそれぞれの業績などについて評価をし、本人へフィードバックをした上で、また、その本人がそれに気づくと、そういった気づきを基に行動改善を伴うような取組をされているところもあるところでございます。
本県におきましても、県庁オープン化戦略PTにおいても、今後、中長期的な課題とされているところでございます。多面的な評価により職員の納得感が得られるとともに、成長実感や主体性、組織への共感を引き出す効果も期待されるところでございますが、一方で、対象者との利害関係、あるいはうわさ、誹謗中傷などのことにも十分留意をした上で、評価に多くの工夫を要することから、幅広い業務を担う県庁におきまして、公務能率の観点から、より一層工夫をした上で取り組まなければならないと考えております。
職員一人一人がやりがいを感じながら成長し続けられるよう、人事評価にどのような工夫ができるか、他県や民間の事例も参考に研究してまいりたいと考えております。
最後に、キャリアコンサルティングの必要についての御質問にお答えをいたします。
社会環境が急速に変化する中、県職員には、その変化を敏感に感じ取り、対応に必要な知識やスキルを身につけるとともに、自己の成長を目指して、主体的に学び、自立的にキャリアを形成していくことが求められているところでございます。
県では、こうした職員を支援するために、新年度、リスキリングを職員研修体系に位置づけまして、大規模オンライン講座(MOOC)を活用して、様々な分野の知識やスキルを身につけることができる環境を整備し、試行的に運用することとしております。
議員御指摘のとおり、職員が自らの能力や適性、課題等について考え、市場の動向や県民ニーズの変化、仕事や職場の状況、また、自分のその先のキャリアを意識してプランを描く際には、1人で考えるのが難しいと感じることもあると思います。客観的な立場から助言指導を受けるためにも、キャリアコンサルタントというものは大変有効であると考えております。
県では、新年度、人材をマネジメントをするという視点に立ちまして、人材育成の取組を総合的に進めるための基本方針を新たに策定することとしております。その議論の中で、キャリアコンサルタントの活用など、サポートの在り方についても併せてしっかりと検討していきたいと思っております。
結びに、議員から県政の在り方についての御質問をいただきました。ありがとうございます。この本会議、全職員に放映されております。改めて多くの気づきをいただきましたことについて御礼を申し上げるとともに、今後、答弁したとおり、しっかりと対応させていただきます。
以上でございます。
118 ◯議長(渡辺守人君)以上で平木柳太郎君の質問は終了しました。
以上をもって本日の一般質問、質疑を終了いたします。
次にお諮りいたします。
議案調査のため、明3月2日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
119 ◯議長(渡辺守人君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
以上で本日の日程は終了いたしました。
次回の本会議は3月3日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行いますとともに、議会運営委員会を開催いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時10分散会
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