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  1. 富山県議会 2023-02-01
    令和5年2月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                      午後1時00分開議 筱岡委員長 ただいまから、本日の予算特別委員会を開会いたします。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        安達孝彦委員の質疑及び答弁 2 筱岡委員長 安達委員。あなたの持ち時間は60分であります。 3 安達委員 お疲れさまでございます。今日で予算特別委員会も最終日となりました。私にとりましても、今任期最後の質問になろうかと思います。  今日は、これまで何度も繰り返し質問してきた質問もありますので、前向きな御答弁を期待して、以下質問に入ります。  昨年11月に、都道府県議会議員研究交流大会の勉強会に参加をしてきました。そこでは、基調講演として、内閣官房参与である山崎史郎氏が少子化対策待ったなしとの話をされていました。内容をざっくり申し上げますと、少子化のペースは予想を上回るペースで進んでいると。このままいけば、2100年にはこの国の人口は現在の半分以下、5,000万人を割り込む。これは今から約100年前、明治から大正に変わる頃と同じぐらいの人口規模になると。100年かけて5,000万人から1億2,000万人に増えたものが、100年弱でまた5,000万人に戻るということで、元に戻るだけで問題ないんじゃないかという意見もあるかもしれないけれども、今から100年前の5,000万人というのは、高齢化率5%の5,000万人という非常に若々しい国であったが、今から80年後のこの5,000万人というのは、高齢化率が40%近い5,000万人ということで、非常に年老いた国になってしまうと。人口が半分以下に減り、お年寄りばかりの国になると、労働力はもちろん減りますし、そうなれば経済も縮小する。経済が縮小すれば、設備投資も縮小する。設備投資が縮小すれば、技術革新、イノベーションも起こりにくくなり生産性が低下する。日本は現在のような世界有数の経済大国から経済小国に成り下がってしまうという内容でありました。  2100年と聞きますと、随分先の話のような気がいたしますけれども、今、既に生まれている小さな子供や、これから生まれてくる子供たちというのは、ずっとその縮小する閉塞感に包まれた日本という国で生きていかなければならないと。そういうことを考えると、ここで何とか少子化に待ったをかけなければいけない、止めなければいけないということでありました。  現に、欧米では少子化対策に力を入れて、多額の予算をつけ、子供の数が増えております。日本もこれに倣い少子化対策予算を増やし、様々な政策を総動員することによって少子化に歯止めをかけることができれば、2100年に5,000万人まで減少せず、9,000万人、8,000万人ぐらいで踏みとどまることもできますし、子供が増えるわけですから、将来的に労働力も増え、高齢化率も低下をし、再び活力ある国としてよみがえることができるという内容でありました。  大変驚きといいますか、これまでも少子化というのは大変大きな問題だということは認識をしておりましたけれども、ここまで分かりやすくお話をいただきますと、この静かなる危機がいよいよ牙をむき始めて大変な事態になっているということがよく分かりました。  これから自分自身も、この少子化対策ということを最重点の課題として取り組んでいく必要があるという思いを強くしたところでありますが、今年になりまして、岸田総理が異次元の少子化対策の取組を進めるということで、一気に大きな政治テーマとなり、県としても少子化対策に重きを置いた予算編成をされました。  そこで質問に入りたいと思います。  まず初めに、基本的なことですが、結婚や子供を産み育てやすい環境づくりを進める上で障壁となっている一番大きな原因は、若者の所得の減少、将来への不安、経済的不安であります。ここをまずクリアしないと、婚姻数や子供の数は増えません。そのため、結婚意欲を失うことがないよう、子供をたくさん欲しいが、経済的な理由で産み控えすることがないように、若者や非正規雇用者の所得の向上、妊娠から出産、子育て期における経済的な負担の解消や軽減に取り組まないと、この問題はまず解決しません。  県として、もちろん県だけではどうにもならない部分も多々ありますが、支援の充実についてどのように取り組むのか、蔵堀副知事にお伺いをいたします。 4 蔵堀副知事 まず、若者や非正規雇用者の所得向上についてでございます。  人材確保のために、若者につきましては、初任給の上昇などの処遇改善が求められております。県としてはこれまで、非正規労働者の正規雇用化を推進いたしますために、合同の企業説明会の開催や、職場定着に向けた研修会、キャリアコンサルタントによる伴走支援などに取り組んできております。  また、子育て家庭の経済的支援としましては、国や市町村との役割分担の下で、子育て応援券の配付、それから乳幼児医療費助成のほか、特に経済的な負担の大きい多子世帯や独り親世帯に対して、第3子以降の保育料の原則無償化、それから多子世帯向けの融資、独り親家庭の医療費助成などに取り組んでおります。
     来年度でございますが、第二新卒、それから氷河期世代などを対象とした合同企業説明会を開催することにしておりますけれども、やり方を少し工夫いたしまして、求職される方が参加しやすいように、まず求職される方の希望をお聞きして、企業とあらかじめ調整の上で企業に案内するという工夫をしたいと思っています。  また、就業相談の支援機関、幾つもあるわけですが、それがどういう相談をしているのか、どこにあるのか、そういったことのPRもしっかりやっていきたいと思っています。  それから、子育ての経済的負担の軽減ですが、国で出産・子育て応援交付金事業を実施されます。これに併せまして、県では子育て応援券事業を拡充しまして、国の事業では妊娠、出産時に伴走支援するということになっていますので、県では、県単独での取組として、1歳から1歳半のときに追加で経済的支援を行って、また面談もして子育て支援をしていくという取組をしたいと思っております。  先ほど委員から山崎史郎さんの講演のお話がありました。私もその講演をお聞きいたしました。その中で、やはりちょっと今までの認識が甘かったなということも痛感をいたしました。  子育て支援には国全体で、そして、それぞれ県や市町村もしっかり取り組むべき課題だと思っております。  今後とも、非正規労働者の正規雇用に向けた取組は当然進めてまいりますけれども、妊娠から出産、子育て期の経済的な負担軽減を含めまして、切れ目のない支援体制を充実して、結婚や子育てをしやすい、そういった環境づくりに努めてまいります。 5 安達委員 よろしくお願いします。  私は、今から10年近く前になりますけれども、テレビのお見合い番組に出演したことがあります。当時、ゴールデンタイムで全国放送されまして、とても大きな反響を呼びました。それからしばらく、人前に出ると大変な騒ぎになるので、あまり人前に出ないといいますか、外出できないぐらいでありました。しかし、その番組も、私自身が自ら自分で手を挙げたわけではなくて、ある意味、無理やり出させられたのが現実でありまして、相当抵抗もいたしましたけれども、周囲の後押しもあり、最終的に出演をする運びとなりました。  そこでは、強制的というか、女性とどうしてもしゃべらなければいけないような環境がつくられていましたし、芸能人の方が間に入ってきて、何とかこっちとあっちをくっつけようとか、あの子はどうだとかという形で、いろいろとプッシュされる部分もありまして、その影響もあってか、大変多くのカップルが成立したのを記憶しています。  その後、私自身いろんなところでいろんな人に声をかけられるようになり、また出会いの数も増えました。この事業は、南砺市の婚活事業の一環として取り組まれたのでありますが、やはりこういった経験をさせてもらったことによって、結婚についても真剣に考えるようになり出しました。  テレビ出演は別としてでも、こうしたきっかけづくりとして、県でも平成26年にとやまマリッジサポートセンターを立ち上げましたが、一昨年の議会で、大きな成果が出ていない、市町村や企業を巻き込み連携し、もっと取組を強化すべきと申し上げさせていただきました。  県ではその後、愛称を「adoor」とし、またTOYAMATCHなるものを立ち上げられました。また、コンシェルジュの配置も新年度予定をされていますけれども、これまでの取組実績と現状、課題をどのように認識しているのか、また、企業との連携で出会い協力企業やTOYAMATCHの応援事業者の募集も始められていますが、現状どのくらいの登録者数なのか。さらには、市町村や企業と連携し、プッシュ型の支援を強化し、登録者数やイベントへの参加を促進する取組を進め、独身者へのアプローチを強化していくべきと考えますが、どのように取り組んでいくのか、三牧知事政策局長にお伺いをいたします。 6 三牧知事政策局長 出生数の増加に向けては、婚姻数の増加が必要なため、婚姻数が増えることにつながってくるというところで、御紹介ありました、県ではマリッジサポートセンター通称adoorにおいて、結婚を希望される方々を支援しているところでございます。  今までの取組の反省といいますか課題としては、やはり会員数がまだまだ少ない、また、その会員の間のマッチング率が低い、さらには、最終的に成功に至る確率が低いというところが課題であると認識しております。  このため、今、愛称であるadoorを活用したウェブ広告等により認知度を高め、会員数を増加させる取組を行っております。2月末で808名で、過去最多になっております。  あわせて、マッチングした成婚率の向上に向けては、来月から運用を開始しますスマートフォン等での会員情報の閲覧機能等の追加や、支援員の研修や相談体制の充実に取り組んでいるところでございます。  まだまだこれの最終的な目標に比べると少ないのですが、令和4年度の成婚数は21組で、それも過去最高になっております。  一方で、将来的に結婚したいが、まだ若いからと行動していない方々に、結婚したいという気持ちになったときに備えていただくことも重要であると我々としては考えておりまして、今年度、若者同士が気軽に交流できるコミュニティーとしてTOYAMATCHを創設し、市町村や民間企業と連携し、県内で開催される出会いイベントなどの情報を集約し、提供し始めたところでございます。12月から始めたところでございますが、3月6日時点で、18歳以上の独身者の方395名に登録していただいておりますし、サービスを提供していただく事業者──協賛事業者と呼んでいますが、116事業者、また、自社の従業員の活動を支援する、自社の従業員にこういうのに入ってみたらと紹介していただく応援事業者が、3月6日時点で56事業者に登録していただいております。  今後、若者へのリーチ先である県内大学とも連携をしたり、また、若者の興味・関心が高い分野、例えばスポーツや映画、アニメなどもあるとは考えておりますが、そうした分野を把握し、そうした分野の事業者さんと相談しまして、若者の出会いや交流を切り口とした事業の実施を提案していきたいと考えております。こうしたことでイベントの充実を図り、さらなる会員増につなげていきたいと考えております。  あわせて、今月中に県公式LINEの機能を拡充して設置するデジタル窓口におきましては、結婚をメニューの一つといたしまして、出会いや結婚相手を求めている方にプッシュ型の情報発信を行うこととしております。  adoor、TOYAMATCHの会員を含め、出会いや交流を求める方々に必要な情報を届け、結婚したい方が希望する年齢で結婚することができるよう、引き続き支援してまいります。 7 安達委員 ありがとうございます。  以前もお話をしましたけども、例えば愛媛県などでは、この結婚支援センター応援企業社数が215社、そして協賛企業社数が537社となっておりまして、経済界と共に婚活支援を行い、大きな成果を上げています。これまでに恐らく、1,400組を超える成婚者数を出しているのではなかったかなと思っております。  本県においても、新田知事は民間の経営者出身というわけでありますので、ぜひとも経済界を巻き込んで、結婚に向けての取組を進めていただきたいというふうに思っております。  次に、先日の本会議、種部議員の発言に衝撃を受けました。今どきもてる3要素は、3高ではなく3低、低リスク、低コスト、低姿勢ということであり、全て私に当てはまらない。どおりで全然もてないわけだと、半分納得、半分ショックを受けました。  いずれにしても、今どきの男性の多くは恋に奥手で、付き合うのが面倒だとか、振られるのが嫌だとか、自分から行動することはほとんどありません。また、コミュニケーションがうまく取れない、また苦手な人もたくさんいる。私自身、かつて、先ほどのとやまマリッジサポートセンターに登録したことがあって、受講料も払いました。しかしながら、結局、最後の一歩が踏み出せず、行かずじまいとなってしまいました。  一方で、若者の8割以上は結婚したいと思っているとの調査があります。晩婚化が進んでおり、ある程度の年になってから恋人や結婚相手を探そうと思っても、変な知識とプライドが邪魔をして、なかなか難しいのが現実であります。  我々の親世代であれば、お見合いとかが主流でしたでしょうし、皆さん世代だと、それに加えて職場結婚なども盛んだったと思いますが、現在ではいずれも極めて少なくなっています。  これまでは、恋のキューピッド的な人が至るところにいたものですが、今では、一歩間違うとセクハラとかと言われてしまい、ほとんど姿を消してしまいました。  このような世の中になったものだから、昨今は自分の力で結婚相手を見つけなければならなくなってしまったことが、先ほど挙げた経済的な理由の次に大きな理由だと考えられます。  今からお見合いなどを推奨しても、広くは受け入れられない現状でしょうから、そこで、若いうちから恋愛や結婚に対して積極的に向き合えるよう、学校や地域等において、疑似デートや疑似恋愛体験の実施を試みるなど、これまでとは全く別の方向からのアプローチも必要ではないかと考えます。もちろん、ハードルが高いことは理解していますが、これまでと次元が異なる取組をしないと、もっと言うと、こんなことまでしないと、若い女性が戻ってきても、戻ってこなくても、結婚ができない男性がちまたにあふれている現状は変わらないと思うのであります。新田知事の御所見をお伺いいたします。 8 新田知事 豊かな人生を送るには、結婚を含めて生きる意義、あるいは人との関わりについて、若い段階から積極的に考えていくことが大切だと思います。  教育委員会では、高校生が人生設計について考える副教材「とやまの高校生ライフプランガイド」というものを作成、活用してまいりましたが、近年、急速に多様化する価値観の中で、高校生の家族の在り方や捉え方に対する考えも大きく変わってきていると考えます。このため、このたび大改訂を行いまして、結婚を含め、自分の将来の生き方について、男女一緒に考えてもらう内容とします。家庭科や保健などの授業で今後も活用してまいります。  また、パートナーと出会い良好な関係を築き上げるためには、やはりコミュニケーションが必要です。県教育振興基本計画では、コミュニケーション能力の向上につながる主体的な学びを重視しておりまして、グループ学習や探究的な活動など、お互いに意見を述べ合う様々な場面を通じて、生涯にわたり必要なコミュニケーション能力を育成することとしています。  また、各高校では、学校の規模や男女の比率による差異はあるとは思いますが、生徒会活動あるいは部活動、体育大会、文化祭といった学校の行事で、男女や学年を問わずに、各生徒が自主的にコミュニケーションを取りながら、互いに尊重し協力して活動する場面も多くあると私の経験からも思います。様々な体験の機会となっているんじゃないでしょうか。  今後とも、生徒一人一人が多様な人と関わり合いながら、様々な経験を重ねることで、自らの将来について考え、自分らしい生き方を選択し、実現できるよう取り組んでまいりたいと考えます。  疑似恋愛あるいは疑似お付き合いは、もう少し年を重ねてからでもいいんじゃないかと。高校の時代はまだいろいろなチャンスがあると。これをまず生かしてほしいと願っています。 9 安達委員 なかなかすぐには難しいと思いますけれども、これまでの活動と同じようなことをしていても、これが現在の婚姻者数の減少とか少子化につながっていると思いますので、全然違う方向から物事を考えて、違うアプローチ、むしろ全く逆のアプローチをしていかないと、なかなか現状は変わらないと思っていますので、ぜひとも、すぐそういったことをやってくれというわけではありませんけれども、今までとは違う感覚の下でいろいろ取り組んでいただければと思っております。  私には小さな子供がおります。子供の成長というのは大変早いものでして、最近いろいろと忙しくしており、しばらく顔を見ていなかったら、たまに帰ってその姿を見ていたら、普通に家の中を歩き回っておりまして、大変びっくりいたしました。その子も1歳となりまして、妻が働きに出るために幼稚園に通わせております。しかし、最近の幼稚園というのは大変厳しいもので、少し熱があるだけで、すぐに迎えに来いと言われてしまいます。もちろん、これは新型コロナの影響もあって、非常に園としては気を遣っていらっしゃるのだと思いますけれども、私がなかなか迎えに行けないものですから、妻はその幼稚園から連絡があるたびに仕事を休んで迎えに行っていますし、もちろん、幼稚園に熱があるので来るなと言われると、1日子供と一緒に過ごしています。  1月、2月ともに7日間会社を休むことになりまして、土日も合わせると、ひと月に出社したのは僅か15日ほどだったと聞いています。これでは、はっきり言って仕事にはならないのじゃないかなと私自身感じるわけでありまして、子供自身は、多少熱が出てももう本当に元気そのもので、家の中で暴れ回っているわけでありますけれども、こういったことは我が家だけではないと考えます。やはりこのような現状を考えるときに、子供が小さいときから預けて仕事に行かなくてもいいような環境づくりが大事だと思います。そうしないと、なかなか2人目、3人目とはいかないのではないかなと思います。  仕事と子育ての両立に向けて、産休や育休の期間延長、取得するに当たっての手当を拡充する企業への支援のほか、子供の看護休暇や短時間勤務、フレックスタイム制の導入促進など、子育てしやすい柔軟な働き方の推進や、病児保育の充実などの体制整備も重要です。  特に中小企業では人材や資金が限られるため、そうした面での支援も必要であると考えます。どのように企業側に理解を得ながらこういった取組を強化していくのか、新田知事に所見をお伺いいたします。 10 新田知事 仕事と子育ての両立ができる職場環境づくりとしては、まず働き方改革の推進が必要だと考えます。ですから、県では、働き方改革に意欲的な中小企業への伴走支援、他企業への横展開のための事例集を作成、それから、企業や業界団体が開催する働き方改革などをテーマとしたセミナーへの講師派遣などに取り組んでまいりました。  子育て世代が仕事と子育ての両立で最初に直面するのが産休、育休です。夫婦そろって子育てに携われるよう、男性の育休取得促進を図るため、9月の補正予算で、男性の育休取得者とその事業主に対して、それぞれ5万円ずつを補助する制度を創設いたしました。同じことを新年度予算案にも計上させていただいています。  それに加えて、セミナーなどによって企業経営者や管理職層の意識改革を図るとともに、今年度立ち上げた民間企業との情報交換の場である「働き方改革コミュニティ」などを通じて、育休を取得しやすくするための好取組事例を掘り起こし、周囲に波及させてまいりたいと考えています。  また、育休復帰後は、今委員のお話もありましたが、子供の急な発熱などへの対応が大きな課題となります。病児・病後児保育の利便性向上を図るための施設の予約システム導入に対して、新たな支援を行います。  また、子供の看護休暇や短時間勤務などの柔軟な働き方についても好事例を紹介してまいります。  さらに、3月3日のおひな様の一般質問において、種部議員からも提案がありましたが、保育園や幼稚園、小学校に提出する第1連絡先を父親の勤務先の電話番号に設定するヒーローコールは効果的であると考えます。まずは富山県庁で率先導入した上で、中小企業を含めて、県内企業にもあるいは県議会にも波及させていけばと思います。  今後とも、国や関係団体などとも連携を密にし、企業の仕事と子育ての両立に向けた職場環境づくりを支援してまいりたいと考えます。 11 安達委員 ありがとうございます。私も後ろ指を指されないように、しっかりとイクメンになれるように、これから心新たに努力をしていきたいと思っています。  次に、問2の人材不足の解消についてお伺いをしたいと思います。  最近、私は毎日のように歩いております。歩いていると言っても、ただ散歩をしているのではなく、地域を回り、いろいろと御挨拶をさせていただいたり、いろんな声をお伺いしたりしています。若いから期待しとるよとか、頑張ってねと言われることもたまにはあるんですけれども、一番多いのが、選挙ちゃ来年けとか、今年けとかという声が大変多いということでありまして、地域の皆さんの関心の低さを身にしみながら回らせていただいておりますけれども、一方で、要望等についてもいろいろと声をいただくことがあります。その中で一番多いのが、やはり人不足の問題であります。その中でも、以下の3点について特に強く要望されましたので、今回質問させていただきます。  まず1点目、教員不足の解消についてであります。  まず初めに、現在、本県において免許外教科を担当している先生というのは何人いるのか、荻布教育長にお伺いしたいと思います。 12 荻布教育長 県内の中学校と高校において、免許教科以外の教科を担当している教諭の人数は126人となっております。 13 安達委員 ありがとうございます。  実はそのお話をされたのは、中学校の校長先生も経験された方で、もう既に60代後半にもかかわらず、いまだに再任用教員として教壇に立たれている方からお伺いいたしました。  富山県の現状というのは大変異常な状態だと言われました。今ほどおっしゃったように、例えば体育の先生が国語の授業を見ていたりとか、免許外の教科を受け持つこともたくさんあって、教育の質がどんどん下がっていると。そして、富山県はかつては教育県と言われていたけれども、それはもう過去の話で、若手教員の質は下がり、現場は自分のような、もう既に定年を過ぎた年寄りだらけで、教育現場は崩壊寸前だと。富山県は何をやっているんだと。教員が集まらないなら集まるように、働き方改革はもちろんなんですけれども、処遇の改善、他県より手厚い手当や処遇をしないと増えるわけがないとおっしゃいました。  そこで質問であります。  本県の教員不足、また志願者不足に教育委員会として危機感を持ち、これまでとは次元の違う取組、処遇改善が必要だと考えますが、荻布教育長の御所見をお伺いいたします。 14 荻布教育長 優秀な教員の確保は、本県の次代を担う人材育成に向けた最重要課題と思っております。  近年、教員の採用数が大幅に増加する一方、民間企業の採用意欲が高いこと、また、教員の長時間労働などのイメージが広まり、教職が敬遠される傾向もありますことから、採用検査の倍率が低下しております。このことは、教育の質の維持向上の観点からは深刻な事態と受け止めております。  県教育委員会では、学校現場での業務改善を進めますとともに、スクール・サポート・スタッフや部活動指導員などの外部人材の活用を来年度も継続し、働き方改革に積極的に取り組んで、労働環境の改善に努めることとしております。  また、優れた教員を安定的に確保するために、来年度新たにPR動画などによる本県で教員として働く魅力の発信、また、教員採用検査において、受検者の負担軽減のため、郵送による出願からウェブ出願への移行、また、小学校教員の受検において、大学3年時からの1次検査受検を可能とする制度の導入などを行うこととしております。  なお、処遇というお話もありましたが、教員の給与については、国の財政措置が財源となることから、県教育委員会では、国に対して、教員の勤務実態を踏まえた処遇改善と財政措置を要望してきております。  また、本県としても、県外から本県に赴任する際の交通費の支給ですとか、高速道路を使った通勤を新規採用者にも認めるなどの処遇改善も図ってきております。  現在、文部科学省では、昨年12月に設置した有識者会議において、教員に対し時間外手当に代わって給料の4%を教職調整額として支給することを定めた給特法の見直しなど、処遇改善の議論を進めているところであります。今後の議論の動向を注視してまいりたいと思います。  また、免許外の教員の話もありましたが、教員採用試験において、免許外で教えるケースが多いのは、例えば情報とか技術・家庭など、教員確保が困難な教科のケースが多いわけですが、これについては大学推薦枠の拡大をしておりましたり、また、加点制度を設けるなどして人材確保に努めているところであり、今後も努力していきたいと思っております。 15 安達委員 これは全国的な問題だと思いますけれども、富山県が非常に他県と比べても厳しいというのは数字で出ていると思いますので、他県以上に、そういった手当ですとか、給料自体はなかなか難しいとしてでも、手当等でしっかりと手厚くすることによって、少しでもこの倍率が上がって、教員の確保に向けた動きになっていくのかなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  次に、2点目は、介護人材の確保についてであります。  今後、団塊の世代全員が後期高齢者となり、介護を必要とする人が増えることが目に見えていますが、現時点でも介護人材が足りていない。特に重労働、低賃金で離職率が高く、1人が離職することにより、他の人の負担がさらに増えるという、ある意味、負のスパイラルに陥っていると言っても過言ではありません。  新年度予算案には、ロボットの導入に補助金を出すメニュー等がありますが、それも必要だと思いますけれども、すぐに大量に導入することは不可能ですし、外国人人材についても、円安と平成に入ってからのデフレ等により、日本は必ずしも魅力的な出稼ぎの国ではなくなりつつあり、本当に確保できるかが不透明であります。  現にオーストラリアの介護職は、日本の3倍から4倍の収入、賃金があると言われております。そんなことを考えると、介護人材の処遇の改善も待ったなしであります。  早急に大胆な処遇の改善を行い、やりがいを感じてもらい、少しでも長く介護の現場で働いてもらうこと、また働きたいと思ってもらえることが大切だと考えますが、今後どのように取り組むのか、有賀厚生部長の御所見をお伺いいたします。 16 有賀厚生部長 昨年2月から9月までは補助金により、また、昨年10月以降は臨時の介護報酬改定により、介護職員等ベースアップ等支援加算制度が創設され、介護職員の収入引上げを図っているところであり、県内事業所のベースアップ等支援加算の取得率は約85%となっております。これは令和4年10月1日現在のものです。  県といたしましては、新年度においても引き続き、ベースアップ等支援加算を含めた処遇改善加算等の新規取得等を希望する事業所等に対して、社会保険労務士を派遣し、キャリアパス整備を支援するとともに、加算未取得の事業所等を対象に、加算の仕組みや取得方法等の理解促進を図るため、説明会を開催することとしております。  その一方で、介護報酬は、国において公的に決定される公定価格であるということから、今後も賃金水準の改善に向けた取組が進められるように、国にも働きかけてまいります。 17 安達委員 よろしくお願いします。  次に、3点目であります。これは何度となく取り上げていますけれども、建設産業の担い手の確保であります。  こちらも、住民の最前線で、この安全を守るエッセンシャルワーカーであります。  これまでもいろいろな取組を行ってこられましたけれども、業界団体と共に一層のPRを行い、イメージの向上、働き方改革に加えて、教育機関の増加も、抜本的な改善にはつながらないかもしれませんけれども、必要なことの一つであると考えます。  特に、県内唯一、建設系学科のない砺波地区において、建設系学科の設置を求めるものであります。例えば、現在、南砺福野高校には造園土木コースはありますけれども、建設土木とは大きく異なりますし、学科は存在していません。過去には農業土木科があり、多くの土木技術者を輩出していました。そういった経緯もあり、設置に当たっての素地があると考えます。  次回の再編に当たっては、砺波学区、とりわけ南砺福野高校に建設系学科の設置を求めますが、知事の御所見をお伺いいたします。 18 新田知事 建設業は地域の安全や安心を守る大切な役割がありますが、関連する人材が不足しており、担い手の確保や育成が急務である、委員の御指摘のとおりだと考えます。  現在、建設系学科を設置している県立高校は県内に3校ありますが、おっしゃるように、砺波学区には設置されておりません。  委員御指摘の南砺福野高校の農業土木科は、平成2年度の学科再編を経て現在の農業環境科となっています。学科内にある3つの類型のうち、土木類型では公園や庭園の設計、施工、測量技術などについて学んでおられます。測量士補などの資格取得も可能です。また、建設現場の見学会や建設会社での体験学習、建設業者との情報交換会などを取り入れ、現場で即戦力となる生徒の育成に取り組んでおり、建設業界へも毎年就職をしているところです。  教育委員会の令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会の報告書素案には、県立高校の学びの改革に向けた職業科の今後の取組の視点と目指す方向性として、技術革新や技術の高度化に対応したものづくり教育の推進、また、農業や建築土木などを支える担い手の育成なども盛り込んだところです。  教育委員会では、最終報告書を取りまとめた後、新たな検討会議を設置し、高校再編に関する学校規模や基準、学科、コースの見直しなどの基本的な方針について、令和5年度末までをめどに、丁寧に検討を進めていくこととしています。  教育委員会には、生徒数の減少が見込まれる中、中学生の進路希望状況や、地域のニーズなどを基に、専門教員の確保や教育内容などの点も踏まえながら丁寧に検討してほしいと考えます。私としても、こどもまんなかの視点に立ちながら、建設業をはじめ本県産業を担う人材の育成に努めてまいります。 19 安達委員 ありがとうございます。これも大変地元から強い要望が出ている、この人材確保というのは問題でありますので、ぜひともよろしくお願いいたします。  次に、問3、安全・安心な県づくりについてお伺いをいたします。  県では、令和元年に農業用水路安全対策ガイドラインを策定し、用水路での事故防止に向けて啓発活動はもとより、各地域でのワークショップの開催、ソフト、ハード、セミハードの各対策を講じてこられました。  その成果が出てきているのかどうかはまだはっきりとは言えませんけれども、昨年令和4年は死亡事故が8件と、例年の半分以下となり、大きく減少しました。  その取組の効果についてどのように認識をしているのか。また、引き続きソフト、ハード両面からの事故防止対策を促進する必要があると考えますが、今後どのように取り組むのか、堀口農林水産部長の御所見をお伺いいたします。 20 堀口農林水産部長 農業用水路での転落死亡事故は、高齢者を中心に、近年は年間20件前後で推移をしております。  県ではこれまで、安全対策のためのガイドラインを策定し、転落防止柵設置等のハード対策に加えまして、ポールコーン等のセミハード対策、地域住民が自ら危険箇所を再認識し、注意喚起を図るワークショップや、安全対策講習会の開催等のソフト対策に総合的に取り組んでまいりました。こうした取組は、毎年度、PDCAサイクルにより継続的に検証し、次年度以降の対策に反映することとしております。  先月開催した有識者や関係団体等で構成します事故防止対策推進会議では、地域の安全意識が広まっているといった評価がある一方で、自宅近くの小規模な水路での発生の割合が高いこと、また、高齢者の認知機能や運動機能の低下なども指摘されております。  このため、新年度は、身近な危険について声かけをしていただけるよう、地域の防犯ボランティア等を対象とした講習会に出向いて普及啓発を図るとともに、高齢者のテレビ視聴が比較的多い時間帯での効果的なCM放映などを行うこととしております。  また、ポールコーンや鉄筋網蓋等のいわゆるクイック整備事業につきましては、評価も高く、要望も多いといったことがございますので、さらに3年間延長して取り組むこととしております。  今後とも、PDCAサイクルにより、ソフト、ハード両面からの総合的かつ効果的な安全対策を進めるとともに、県民一人一人がお互いに声かけを行う県民運動として展開されますよう、努力してまいります。
    21 安達委員 これからも事業促進に向けてよろしくお願いいたします。  次に、これは毎回といいますか、毎年質問をさせていただいております。4年連続でこの2月議会での質問となります。除雪への最低保証制度についてであります。  今年は当初、大雪の予報もありましたけれども、例年に比べると、本県は雪が少ない年ではなかったのかなと思います。実際、新潟を含む北陸4県の県庁所在地での降雪量が一番少なかったのが富山市であり、これは統計を取り始めてから初めてのことだそうであります。  一方で、先ほども御質問いたしましたけれども、主に除雪に従事している建設産業は人不足、従業員の高齢化が深刻であります。県の道路課で行ったアンケートでも、約4割の企業でオペレーターが不足しており、技術継承についても人材不足、人手不足などで半数以上の企業ができないという調査結果が出ており、除雪環境の改善は喫緊の課題となっています。今後しっかりと安定的に除雪体制を維持してもらうためには、最低保証制度の導入を求めたいと思います。  これについては、例年といいますか、普通に雪が降る年は関係なくて、何年に一度か、ほとんど降らなかったとき、少ししか降らなかったときの保険のようなものですから、大きな追加予算が必要になるわけでもなく、用意されている除雪予算の中で執行できるものですから、ぜひとも検討していただきたいと思います。  現在では、北日本、特に北海道、青森、新潟など、複数の自治体でもこの最低保障制度が始まっています。本県でも導入すべきではないかと考えますが、毎年質問していますけれども、いつも、国の取組を注視しながら、企業からの御意見もお伺いしながら、安定した除雪体制が維持できるよう努めてまいりますとの答弁であります。そろそろ、もう少し踏み込んだ前向きな答弁をお願いしたいと思いますが、新田知事の御所見をお伺いいたします。 22 新田知事 冬期の道路除雪については、主に公共工事の担い手でもある、また、地域の安全・安心を守り手でもある県内建設事業者の皆さんに支えられていることであります。それぞれの企業が将来にわたり安定的に事業継続できることが、まず望ましいことと考えています。  県では、安定的な除雪体制を維持していくために、除雪委託経費のうち、これまで変動費としていた除雪機械の保険料や税金、また機械損料の償却費の2分の1などの維持経費を変動費から固定費とすることで必要経費を確保し、暖冬時の除雪企業の負担軽減に努めてきました。  これも順次、毎年というわけではありませんが、何年かごとに見直しをし、そういう意味では、改善、進化させてきていると考えております。  御指摘の最低保証制度ですが、暖冬時の建設業の経営を支えるために、おっしゃるように、新潟県など5つの道県で導入されています。  一方で、本県が令和3年度に行った県内の建設企業さん向けのアンケートでは、暖冬時も含めて、除雪業務を維持するために発注者に求めるものは何ですかという質問だったのですが、最も多かった取組は、企業維持のための公共事業費の確保で、66.3%の方がこれを求められています。  このことから、県としては、まずは工事量の確保を図ること、本業でしっかりと仕事を取っていただくこと、そして暖冬時には、施工に適した春先の工事の前倒し発注を一層進めるということ、予算上もゼロ県債などを確保して、新年度予算案には1年未満の工事の債務負担行為も新たに盛り込んで、言わば使い勝手とか払い勝手のいい、業者さんからすれば受注勝手のいい、そんな形をつくっていくように、これも改善をしているところです。  一方で、国でも暖冬時の除雪費の計上方法については、昨年度から検討が始まっています。今年度も引き続き、具体的な積算方法の改善について検討されているところです。  私も昨年の秋でしたか、国交省にも伺いまして、除雪関係の費用について政務官の方にお願いをしたり、また実態の説明などもしてきたところでございます。今後もできるだけ改善をしていきたいと考えております。 23 安達委員 知事のおっしゃったことは分かりますといいますか、確かに平野部の業者さんであれば、雪が降らなければ、その分仕事がはかどりますので、雪が少ないほうが喜ばれることが多いです。よっぽど仕事を出していただいたほうが、仕事ができるので喜ばれるのですが、一方で、山間部や中山間地もそうですけど、特に山間部ですね。冬は基本的に仕事をしないというのが普通でありまして、基本、除雪が主な仕事であります。仮に冬場でありますけれども、どれだけ公共事業を発注していただいても、雪が1メートル50とか2メートルあるところで仕事はできません。ですので、冬場は皆さん、仕事をやらなくてでも、いつ雪が降ってもいいように、しっかりと、その前の晩からとか夜中から待機をされています。そういったことを考えると、山間部は仕事の増やしようがないんですね。  ですので、その辺のことも考えていただいて、平野部とまた中山間地、山間部では状況が違うということも御理解いただいて、特にアンケートを取られれば、もちろん平野部のほうが業者の数が多いわけでありますので、パーセンテージはそういうふうに出てくるとは思いますけれども、一方で、仕事をせず、除雪を冬場、ある意味、本業に近い形でやっていらっしゃる。そして、住民の足をしっかりと豪雪地帯において守っていこうという皆さんがいらっしゃるということも御理解をいただいて、そういった皆さんの声を受けて、この質問を毎年させていただいているわけであります。  山間部の2メーター雪が降るところの除雪を、では、県の皆さん頼みますよと言ってもできないと思いますので、しっかりと地元の皆さんがそれぞれの、ある意味プライドをかけてやっていただいているわけでありますので、その辺しっかりと御理解をいただきたいと思います。  次に、高速道路と並行する道路の整備についてであります。  これまで我々は、大雪時における高速道路の予防的通行止めについて、くれぐれも慎重に判断するように、特に山間部においては、高速道路通行止めによる混乱、陸の孤島と化してしまうことを訴えてまいりまして、市井土木部長をはじめ県当局の御尽力もあり、今シーズンは、平野部では通行止めが数回ありましたけれども、山間部では予防的通行止めは一度もありませんでしたし、大きな事故や立ち往生もなく、住民の皆さんも安心して過ごすことができたと思います。本当にありがとうございました。  一方で、いざ予防的通行止めもしくは事故等で高速道路が通行止めとなった場合、並行する一般道に多くの車両が流れ込み、これを受け切れず混乱を起こすことは間違いのないことだと考えます。迂回車両をある程度受け入れ、円滑な交通を確保するように、道路整備計画を計画的に促進していく必要があると考えますが、市井土木部長の御所見をお伺いいたします。 24 市井土木部長 高速道路等の予防的通行止めは、令和2年度に全国で発生した大規模な車両滞留を踏まえて、国の検討会において、短期集中的な大雪時には人命を最優先に、幹線道路上での大規模な車両滞留を徹底的に回避するため、予防的通行止めはちゅうちょなく実施すべきであるとの提言を受け、実施されているものです。  委員御指摘のとおり、迂回車両が一般道に流入し、渋滞や滞留につながるなど、住民生活への影響が懸念されますが、人命最優先での措置であり、県としてはやむを得ないものと考えております。  委員御提案の高速道路に並行する道路を迂回車両を受け入れられるだけの道路に整備することにつきましては、高速道路を走行する交通量や、並行する道路の交通利用量、さらには道路構造を踏まえると、現実的にはなかなか厳しいと考えております。  このため、大雪の想定時には、県民の皆様、企業の皆様、運送事業者の皆様に、車による不要不急の外出自粛や臨時の休業、運送計画の見直しを前もって繰り返し呼びかける事前の情報発信が極めて重要であると考えております。  今冬の大雪時には、集中除雪のため、高速道路と並行する国道の同時通行止めが行われましたが、事前の情報発信に対し、県民の皆様に出控え等、御協力いただいたおかげで、大規模な車両渋滞は確認されなかったところでございます。改めて感謝を申し上げます。  国においては、集中除雪による通行止め時間の最小化について事前収集が行われており、県としては、大雪時の呼びかけに加え、こうした集中除雪の効果事例を紹介するなど、県民の皆様に今後とも御理解、御協力をいただけるよう情報発信に努めます。  また、NEXCO中日本や国に対しては、適切なタイミングでの通行止めの実施と、短期集中的除雪により早期通行を再開されるよう働きかけてまいります。  並走する県管理道路につきましても、丁寧な除雪を実施し、必要な防災対策工事や改良工事などを計画的に進め、安全で円滑な冬期交通の確保に努めてまいります。 25 安達委員 これは予防的通行止めのときだけじゃなくて、先ほども申しました事故とか、例えば雨量規制とかもありますけれども、事故等で通行止めになったときに、どうしても一般道に車が流れ込んでくるわけでありますので、もちろん、それを全て一般道路で受け入れるという話ではなくて、ある程度、混乱ができるだけ少なくなるように、しっかりと道路整備を進めていただきたいという要望でありました。よろしくお願いいたします。  次は、主要地方道福光福岡線の整備促進についてお伺いをいたします。  委員長、資料の配付の許可をお願いします。 26 筱岡委員長 許可します。 27 安達委員 ありがとうございます。  それでは、時間も限られていますので、お話を始めさせていただきたいと思います。  同路線は、南砺市福光から高岡市福岡町大滝までを結ぶ延長約18キロの道路であります。現在は、小矢部市興法寺などで道路整備が進められていますけれども、大型車の交通量が大変多く、1日当たりの交通量は、平成22年の約3,000台から令和3年には約3,600台と、この人口減少社会においても2割交通量が増えているのが現状であります。  一方で、写真を見ていただいたら分かりますように、同市安居地内の同路線は、資料の写真のように、歩道がなくて大変危険な道路となっています。この場所は通学路ではありませんけれども、地域の子供たちは同路線を通ってバス停まで通っています。地域では整備検討委員会を発足させ、一刻も早い道路拡幅、道路改良を強く求めています。  過去に同路線では、写真にもあります脇の用水に車が落ちる、突っ込むなどして、3名の尊い命が失われています。これ以上痛ましい事故が起きる前に、早急に調査費用を計上し事業化すべきと考えますが、土木部長の御所見をお伺いいたします。 28 市井土木部長 県では、県道福光福岡線におきまして、これまで狭隘部を中心に拡幅整備に取り組んでおり、南砺市内では平成16年から27年度にかけて、安居地内の安居寺前交差点の改良を行ったほか、岩木地内で令和2年度から今年度にかけて、局所的な線形改良を行っております。  安居寺前交差点の整備区間のさらに南側の区間は、交通量は1日当たり約4,600台と多く、沿線にはスクールバスの停留所もございます。しかしながら、委員御指摘のとおり、車道の幅員が狭く、歩道も設置されておらず、地元から早期整備の要望をいただいているところでございます。  御要望の区間については、延長が約1キロメートル余りと長いことから、人家や公共施設など、沿道の状況に応じて区間を区切った上で、段階的な整備を検討していく必要があると考えております。  県といたしましては、南砺市内の事業実施箇所の進捗状況を勘案し、南砺市とも協議しながら事業に着手できるよう準備を進めてまいります。 29 安達委員 先ほど私が言った台数よりもさらに増えているということでありますので、これは本当に危険な、私もここを歩くと本当に怖くて仕方がありません。本当に数十センチ先を大型車がどんどん通っていきますし、大型車の擦れ違いもできませんので…… 30 筱岡委員長 時間が少ないので、簡潔にお願いします。 31 安達委員 何か事故が起きてからでは遅いので、しっかりと早期の整備をお願いいたします。  次に、これも一昨年の9月議会で質問させていただきました。岐阜県高山市荘川町において計画されている産業廃棄物の最終処分場の件であります。  あれから1年半たちまして、その間に、南砺、砺波、高岡、射水の庄川流域の各市議会において、昨年、くれぐれも慎重に判断するようにとの意見書が岐阜県に対して提出されました。そして現在、庄川沿岸用水土地改良区連合において、流域の約3万3,000世帯に計画の概要を記したチラシを配付し、住民の皆さんに周知を図っているところであり、筱岡委員長の御自宅にも届いており、奥様が大変憤慨をされているというお話もお聞きをしました。  このチラシの配付により、庄川から飲み水、農業用水、工業用水を取水している流域住民の不安が大変高まっており、反対の署名活動を計画しているとも聞きます。住民の関心が高まってきておりますので、現在の岐阜県の審査状況等について、知事の御所見をお伺いいたします。 32 新田知事 岐阜県高山市荘川町での産業廃棄物最終処分場の整備に関してですが、令和元年10月に事業者から──富山県の事業者ですが──岐阜県に対し、岐阜県産業廃棄物の処理施設の設置に係る手続の適正化等に関する条例に基づきまして事業計画書が提出されました。  令和3年9月議会で委員から御質疑があった以降、機会を捉えて岐阜県に対し、事業計画の審査状況を確認し、適切な対応を要請してきました。  岐阜県では現在、施設の維持管理や、周辺の生活環境に対する配慮の方法などの審査を行っているとのことです。  今後の手続としては、まず環境保全の観点から、岐阜県環境影響評価条例に基づいて、環境影響調査あるいは住民説明会開催など、住民との合意形成の手続が実施されます。その後、廃棄物処理法に基づく許可申請書が事業者から岐阜県に提出され、同法に基づき、岐阜県が地震や土砂崩れなどに耐え得る構造であることなど、技術上の基準への適合について審査することになります。  委員御懸念の災害など事故を起因とした汚染物質の流出による水質環境への影響、これは確かに一番深刻なことでありますけども、岐阜県において、県条例及び廃棄物処理法に基づいて適切に審査が進められるものと考えております。  また、この事業計画に関し、昨年、庄川沿岸4市の市議会から岐阜県へ、許可審査に当たり慎重かつ的確な判断を求める旨の意見書が提出されるなど、住民に不安があると承知しております。  県としては、今後も岐阜県における法令に基づく一連の手続の状況について適切に行われるよう要請していくとともに、引き続き情報収集に努め、動向を注視して、地元の方々、富山県側の方々とも情報を共有していきたいと思います。 33 筱岡委員長 安達委員の質疑は以上で終了しました。        井加田まりの質疑及び答弁 34 平木副委員長 井加田委員。あなたの持ち時間は60分であります。 35 井加田委員 立憲民主党・県民の会の井加田でございます。  任期中の予算特別委員会で、最後の質問となります。地域の声、働く現場の皆さんの声を丁寧に届けてまいりたいと思います。  さて、去る3月8日は、国際女性デーでございました。地域からジェンダー平等研究会による2023年の都道府県版ジェンダーギャップ指数が公表されました。富山県は、行政が14位、教育が17位、経済が34位、政治分野が38位との結果で、上智大の三浦まり教授の分析では、行政、特に県庁はよいが、女性の政治参加が課題ということであります。  新田知事就任後の、副知事、管理職への女性の積極的登用や、教育分野での管理職の男女比が高水準ということで、行政、教育の分野で、全国順位が14位、17位と高く評価をされました。一方で、経済、政治の分野では、依然として低水準のまま課題が残っております。  イギリスのエコノミストによる女性の働きやすさランキングにおいても、上位4か国を北欧諸国が占めており、日本はこの7年連続ワースト2位で、女性がいまだに家庭と仕事のどちらかを選ばなければならない状況にあること、男女の賃金格差、企業の要職に占める女性の割合が大変遅れていることも指摘をしています。  富山県で若い女性の県外流出が止まらない背景には、経済分野及び政治分野へのジェンダー平等が依然として進まないことが大きく影響しているとも考えられます。そうした背景も考えつつ、質問に入りたいと思います。  まず、初めに、賃上げ実現に向けた県の支援について、知事に2問質問をいたします。  この3年の長きに及ぶコロナ禍の影響、そして、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した物価高から県民を守るために、今年の春闘では物価高を上回る大幅賃上げの実現と格差の是正、長時間労働の是正などの処遇改善が課題となっております。  政府や経団連は、物価上昇を超える賃上げが必要としておりまして、知事も3月1日の菅沢議員への答弁で、賃上げを後押しすると述べておられます。本定例会で、エネルギー価格、物価高騰対策として拡充されました補正予算分も含めて、中小企業の賃上げにつながる実効性のある取組が求められていると思います。  春闘も、民間の大手組合では、今、大きな山場を迎えております。一方で、中小、地場の企業においては、これから交渉に入るという状況でございます。現在、実質賃金が目減りしている中で、中小、地場の企業で働く方々が取り残されることのないよう、賃上げを後押しする知事の力強いメッセージを発していただきたいと考えるものでございます。  県内企業におけるパートナーシップ構築宣言の取組状況と併せて、新田知事の所見を伺いいたします。 36 新田知事 エネルギーや原材料価格の高騰が続く中、県内中小企業が継続的な賃上げを実施するためには、適切な価格転嫁の下、企業におけるDXや省エネ、人への投資などによる生産性の向上に併せ、企業の規模にかかわらず、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁が行われることが重要と考えます。  このため県では、2月補正予算案、また新年度予算案に、生産性の向上などにより賃金の引上げが行われ、消費が活性化する好循環に向けた施策や、商工団体における相談体制の充実などを盛り込みました。  また、賃上げを含む人への投資による分配の好循環を実現するために、2月22日に開催しました中小企業の振興と人材の育成などに関する県民会議において、サプライチェーン全体での価格転嫁の実現を目指すパートナーシップ構築宣言のさらなる普及推進について、経済界、労働界などの代表の皆様から幅広く賛同いただき、取り組んでいます。  県としても、経済団体、製造業等の業界団体、金融機関、消費者協会などを通じて、この取組への理解や協力をお願いするとともに、県のホームページやSNSでの周知を図るなど、価格転嫁についての機運醸成を目指しております。なお、現在、県内で219社が登録をされております。2月29日から8社増えております。  さらに、こうした取組に加えまして、国に対し、全国知事会と連携して、中小企業が賃上げを実現するための生産性向上の支援や、価格転嫁の円滑化などに関する対策を求めることとしておりまして、今後の国の対応も踏まえながら、賃上げの取組を後押ししてまいりたいと考えます。 37 井加田委員 格差是正につながる賃金改善をさらに強力に後押しすることも大事だと思っています。今ほどおっしゃった適正な価格転嫁、これも大事であります。一方で、さらに、今の現状の中では、賃上げというのは、人への投資イコール賃上げだと読み替えることもできると思います。ぜひその辺のところも含めて、強い知事のメッセージをさらに発していただくことを、より強くお願いしておきたいと思います。  次に、格差是正につながる賃金改善、強力に後押しするということを申し上げました。以前から事業があると思いますが、非正規雇用から正規雇用への転換に取り組む事業者や、事業場内最低賃金の大幅引上げに取り組む事業者に対して、思い切った支援策が必要と考えます。  これまでの取組状況と今後の取組について、知事に続けてお伺いをいたします。 38 新田知事 物価高騰が続く中、非正規雇用労働者の正規雇用への転換、また、継続的な賃上げの実現は重要な課題と捉えております。  県では、これまでも非正規労働者の正規雇用に向けて、合同企業説明会の開催や、職場定着に向けた研修会、キャリアコンサルタントによる伴走支援などに取り組んできています。  また、非正規雇用労働者の処遇改善のために、同一労働同一賃金などの職場環境づくりに向けた取組への支援の充実について、全国知事会とも連携して国に働きかけています。  さらに、省エネやDX、カーボンニュートラルの推進を後押しするビヨンドコロナ補助金などにつきまして、先月27日に議決いただいた補正予算により、生産性向上による賃上げに向けた取組に対しては、補助率を引き上げて、支援を一層強化することにしています。  また、今年度創設した国の業務改善助成金に上乗せ補助を行う富山県賃上げサポート補助金や、県内企業において働く方々のスキルアップや生産性向上を支援する、とやま人材リスキリング補助金により県内企業の賃上げを後押しするとともに、その前提となる価格転嫁が適正に行われるよう、先ほども申し上げましたが、県内の経済団体と連携して、パートナーシップ構築宣言の普及にも取り組んでいます。  新年度においても引き続き、これらの支援によって、非正規雇用労働者の正規雇用への転換や、構造的な賃上げへ向けて、富山労働局と連携をして取り組んでまいります。 39 井加田委員 富山県内中小、零細の地場産業が多い状況の中で、そうした方々の賃上げが取り残されることのないように、しっかりと後押しをさらにお願い申し上げたいと、このように思っております。  次の質問に移ります。  新型コロナ感染症の5類感染症への位置づけに伴う県の対応についてでございますが、質問に入る前に資料の配付を許可願います。 40 平木副委員長 許可いたします。 41 井加田委員 お手元に届くまでに若干説明を始めますが、配付していただきました資料は、「医療従事者および保健所等職員の意識・影響調査結果」という内容のものでございます。コロナ感染症の対応に、中心的な役割を果たしてきた全国の医療現場、保健所、保健センター、県の場合は厚生センターですけども、それから地方衛生研究所の現場で働く方々の労働環境の実態についてのウェブアンケートの調査結果でございます。  若干概略を説明いたしますと、前半の2ページから6ページまでは、いわゆる保健所、衛生研究所との保健衛生職場で働く方々の調査結果です。後半の部分は医療現場となっております。  まず2ページを見ていただきますと、下の表で、職員の23%が過労死ラインの時間外労働を経験しているという実態です。そして3ページに参りまして、コロナ禍前と比べて83%が業務量が増えた、77%が人員不足との指摘をしておられます。それから、4ページに行きまして、43%の方が本来業務ができていない、73%の方が教育・研修の機会が減少したと答え、自由記載の意見の中には、通常業務の縮小などで、技術や知識の伝承が難しくなっているとの指摘がございます。5ページに行きまして、新型コロナ対応業務では、51%が2人にお一人がカスタマーハラスメントを受けておられる実態がございます。  お読み取りしながら見ていただきたいわけですけど、7ページからは、公立、公的病院で働く医療従事者の調査結果となっています。このページで言えば、今の職場を辞めたいと思う人が、昨年度より3%増えております。そしてまた、8ページに参りまして、77%がコロナ禍で業務量が増えた、76%の方が人員不足とお答えです。そして、9ページに参りまして、91%の方がプライベートを厳しく制限されていたと。それから、76%が急な勤務変更を経験しているとの回答です。そして、その中には、有給が取れない、欠員が出ても業務量は変わらず、皆疲弊しているとのお答えが印象的です。そして10ページ、鬱症状があるという方が27%、昨年より4ポイント増加をしている、このような状況です。  この一連の調査結果には、新型コロナ感染症の最前線で働いている現場の方々の切実な状況や声が伝わってまいります。現場の状況に寄り添っていただきながら、問2では、新型コロナ感染症の5類感染症への位置づけ変更と、県の対応についてお聞きする質問でございます。厚生部長に4問、知事に2問、準備をしております。  5月8日から5類感染症に変更されるわけですが、5類への変更に伴って、インフルエンザなどと同じ扱いに段階的に移行する、そして一定の公費負担の支援を見直す、発生届を終了し、感染動向把握に移行する、マスク着用は個人の判断に、ワクチンは予防接種法に基づいて実施などの方針が示されています。  一方で、現場では、5類に分類が変更されても、現場対応は何も変わらず、院内クラスターが発生すれば、急な夜勤変更が当たり前で、プライベートも制限されたままという声があります。  今後どのような感染防止対策が必要なのか、こうした医療現場の実態を受け止めていただきながら、まず衛生研究所の対策についてお伺いをいたします。  特措法に基づいて、協力要請などの各種措置は終了いたしますけれども、発生届の終了後も感染動向の把握に努める必要があります。また、新たな変異株を早急に発見するためにも、体制拡充が重要です。  今後、衛生研究所において、全ゲノム解析機器、試薬の確保や新たな変異株に対処するための体制拡充にどのように取り組まれていくのか、有賀厚生部長にお伺いをいたします。 42 有賀厚生部長 衛生研究所の検査体制の確保については、5類移行後も、引き続き都道府県において新型コロナのゲノム解析を行うこととされているほか、新たな感染症への備えとしても重要だと考えております。  検査機器に関しては、新型コロナに対応できるよう随時拡充しておりまして、現在、リアルタイムPCR検査機器が3台、全ゲノム解析機1台の体制で運用しております。
     また、今年度は、新たに作業効率の向上を目的として、PCR検査の自動化システムを導入したところ、11月からは、1日当たりのPCR検査能力が、従来の約300件から約900件に飛躍的に拡充しており、検査機器に関しては十分な体制となっていると考えております。  さらに、先般、地域保健法が改正され、都道府県は、地方衛生研究所の体制整備など、専門的な知識、技術を必要とする試験検査、調査研究等の業務を行うための必要な体制整備を推進することとされました。これを受けまして、今後、国の地方財政措置も確認しながら、必要な体制について検討してまいります。 43 井加田委員 続いて、新型コロナ感染症が再び蔓延しないように、当分の間、感染拡大防止に向けた措置の継続に向けて、今ほど衛生研究所の体制の拡充についてお聞きしましたけれども、県として新たな指針などを定め、対処する必要があるものもあると考えます。慎重な対応が必要だと思っています。  そこでですが、当面の間、発熱患者の相談体制の継続、そして、厚生センターなどによる入院調整機能の維持確保にどのように取り組んでいかれるのか、お聞きいたします。 44 有賀厚生部長 新型コロナの相談体制については、県民の皆様の不安に寄り添うため、また、医療機関の負担軽減のためにも、発熱時の受診相談に加え、自宅療養者の体調変化時の相談体制についても引き続き必要と考え、予算についても通年分計上をしております。  入院調整については、感染者は多いものの重症者は少ないという特性が顕著であったため、昨年夏以降、通常医療への移行も見据え、患者の状況を把握している医療機関の間での調整に徐々に移行させてきたところでございます。  このため、5類移行後も、原則、医療機関の間で入院調整を行い、厚生センターは、困難な事例の調整を行うものと見込んでおります。  新型コロナに対する厚生センターの体制については、この2年間で保健師を10名増員し強化したところであり、来年度はさらに2名の定数増をいたしました。5類移行後も、県民の皆様からの相談対応や、高齢者施設等への支援などの業務が引き続き継続することから、県としては、今後とも厚生センターがその役割をしっかり果たせるように努めてまいります。 45 井加田委員 相談体制については、コールセンターも含んで、通年体制ということで確認してよろしいですか。 46 有賀厚生部長 御指摘のとおりでございます。 47 井加田委員 もう1点、施設療養を希望する方に対して、十分な療養体制を提供する必要もあると思うのですが、公費による十分なホテル施設の確保にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 48 有賀厚生部長 宿泊療養施設については、主に重症化リスクのある方と同居し、かつ、部屋数などにより御自宅で感染対策を行うことが難しい感染者の療養場所として運営しているものでございます。  現在のオミクロン株では感染力は確かに強いものの、重症化度が下がっているということから、例えば、2月は感染者が7,085人に対し、宿泊療養施設の利用者は97人、利用率は1.4%となっており、ほとんどの方が自宅で療養されております。このため、感染拡大防止を目的とした隔離のための役割は、おおむね終了したものと考えております。  加えて、ウイズコロナが浸透し、社会経済活動の平常化が進む中、ホテルの通常営業に対する地元の期待も大きくなっております。また、国においても、隔離目的の宿泊療養施設は廃止するという方針が示されております。  このため、魚津市と高岡市にある2棟の運営を3月末で終了し、残る富山市の1棟についても、5類へ移行する5月7日をもって終了する予定としております。  5類移行後は、慣れない場所に移動の上、療養するというよりも、他の疾患と同様、生活の拠点となる自宅で、必要な場合は在宅医療や訪問看護により支援をしていくことが望ましいと考えております。  県としては、先ほど答弁したとおりでございますが、療養中の方々の相談窓口の継続によって、支援を続けていきたいと考えております。 49 井加田委員 5月7日までは、富山市の宿泊療養施設については存続をすると、ほかは3月末で閉鎖をするということでございますね。  もう1点、厚生部長にお聞きをしたいのは、この5類感染症に位置づけが変わることで、医療、介護の現場が安全になるわけでもないという状況だと思っています。引き続いて、必要な物資の確保や供給が滞ってはならないと思っています。  当面の間、治療薬、検査キット、防護具など、十分な確保、供給に向けて、どのように取り組んでいかれるのか、お聞きいたします。 50 有賀厚生部長 まず、新型コロナの治療薬については、あらかじめ登録された医療機関及び薬局に国から直接配分される仕組みとなっており、今後はより多くの医療機関に診療していただくためにも、円滑な供給体制の構築が必要であると考えております。  また、検査キットは、昨年9月から薬局等での販売が解禁され、一般の県民が購入しやすくなっているものの、高齢者施設等の検査の実施などには、まとまった量の確保が必要でございます。さらに、感染防護具は、現在、国、県より、定期的に必要量のニーズ調査を行っておりますが、その中では、特に手袋などの消耗品のニーズは高いといったような状況です。  このため、全国知事会と連携して国に対して、治療薬、検査キット、感染防護具などの安定的な供給体制の維持や、国で一定程度の備蓄を行うこと、また、医療機関や高齢者施設等での感染防護具の確保や、従事者の検査等への支援について求めているところでございます。  県としては、引き続き、医療、介護現場のきめ細かな状況把握に努め、本日示される予定の段階的移行措置の内容も踏まえて、安定的な物資の確保と支援に努めてまいります。 51 井加田委員 毎日の公表数を見ておりますと、徐々に収束に向けて進みつつあるなという思いがある一方、マスク等が個人判断ということになったり、さらに、イベントや年度末の旅行シーズンになりますと、これはどういうふうに展開するかというのは、まだ未知な部分もあると思っております。当面の間ということで準備はしておられますけれども、ぜひ感染症の拡大も見据えた、しっかりとした対応を検討して準備をしておいていただきたいと思っております。ありがとうございました。  続いて、知事への質問でございます。  先ほどのアンケートに戻りますが、7ページ下のほうに、医療従事者の72%が仕事を辞めたいと思ったことがあり、理由は、業務が多忙、賃金に不満、業務の責任が重い、人員不足が挙げられています。  また、11から12ページにかけて、先ほども介護報酬の質問がありましたけれども、10月からの診療報酬による処遇改善については、施設基準が新型コロナ対応となっておらず、全体で16%の方、看護師でも18%の方しか改善されたという認識がない、そういう数字の回答しかされておりません。ちょっと細かい字で、読むのにかなり時間がかかると思いますけど、そんな状況でして、結果的には、人員不足で業務が多忙であって、重い責任の割には賃金が伴っていないと考える従事者の方も多い状況です。  また、先ほど申し上げた、心ない相手からのカスタマーハラスメントもかなり大きな負担となっている状況が大変うかがい知れる内容だったと思います。  それで、5類移行後も、当面、医療現場がどのように推移していくのかもまだ未知なところがあるわけですけど、対応は基本的には変わらない状況の中で、現場の最前線で働いている方々に対して、特殊勤務手当等の支援は継続すべきと考えるものです。過去にあった慰労金や各種手当も含めて、新型コロナ対応の最前線にいる方全てに行き届くような処遇改善が着実に実施をされる、このことが必要だと思っています。  県として、どのように取組を考えておられるのか、知事にお伺いをいたします。 52 新田知事 これまでの新型コロナ禍におきまして、医療機関や高齢者施設への支援を国に働きかけてまいりました。その結果として、現在、新型コロナへの対応を評価した診療報酬や介護報酬の臨時的な加算が設けられています。  また、病床確保病院では、病床確保補助金の一部を、コロナ患者の対応を行う医療従事者の処遇改善に充てることが義務づけられています。令和4年度上半期実績では、22の病院で約3億円がこの用途に充てられています。高齢者施設についても、県のかかり増し経費に対する補助金を活用して、感染業務に係る手当などに充てられています。  特殊勤務手当や県独自の慰労金とのお話でしたが、各医療機関、施設には、これら既存の制度を活用して従事者の処遇改善に取り組んでいただきたいと考えます。  さらに、5類へ移行しても、新型コロナの特性が急に変わることはなく、引き続き、医療・介護現場で働く方々の熱意と感染対策技術が必要となることから、臨時的な加算や支援を継続するように、全国知事会と連携して働きかけているところです。  また、今年度は、令和6年度からの新たな診療報酬、介護報酬の同時改定の議論が行われておりまして、現行の臨時的加算や支援が新たな報酬体系に反映され、医療機関や施設の安定的な収入となるように国へ要望してまいります。 53 井加田委員 今のところ、予算化されておりますのは、当面の間、継続ということでありまして、その後の内容については確定をしていないわけですけども、やはり新たな感染症も踏まえて、そうした対応をする、例えば2類の感染病床がこれでいいのかという、そういうこともございます。  人員体制の確保についても、空きベッドだから配置しないということではなくて、拡大に備えて予備的に配置しておかないと、即応で対応できる状況とはなりません。コロナ禍を経験して、そうした現場の実態が本当に突きつけられたと思っています。医療・介護現場の感染防止対策についても、引き続き具体的な支援はまだまだ必要だと思っています。  こうした先ほどの医療現場の声を、全国レベルで拾った声でありますけれども、そうした公衆衛生の現場や、医療現場の最前線で感染症と向き合ってきた方々の生の声を丁寧に引き取っていただきたい。そして、この後の必要な対策に、国に求めていただくということも大事ですけれども、しっかりその地域の実情に合った対応、こうした声を生かしつつ、対策、施策に盛り込んでいただきたいと考えるものですけども、知事の御所見を伺います。 54 新田知事 5類の移行に伴いましての国の段階的移行措置については、本日ちょうど示される見込みであり、出ましたら、早急に内容を精査して、県としての対応方針について整理をします。その際には、感染防止対策においては、5類に移行しても感染性が強いという特性は変わらない、これをしっかり念頭に置いて、重症化リスクの高い方が多い医療機関、あるいは高齢者施設での感染対策が、引き続き重要になると考えています。  このため、当面の間は、感染防止対策への支援を継続するとともに、国が示す効率的な感染対策の周知啓発に努めたいと考えます。また、新たな感染症に対する事前の準備という意味では、今回の新型コロナへの対応を通じて、新興感染症が一たび流行すると、医療、介護に大きな負荷がかかることを改めて認識したところであり、人材も含めた医療、介護資源の備えが重要だと感じています。  こうしたこともあり、平時からの感染症への備えを確実に推進するため、感染症法が改正され、都道府県は、令和5年度中に新たな感染症の予防計画を策定する必要が出てまいります。  県としては、新年度は、新型コロナへの対応も検証した上で、現場の医療、介護などの関係者の御意見を丁寧に聞き取りながら、今後の病床の確保や、人材育成などを含む感染症予防計画の策定、そして遂行を通じて、今後の新興感染症に備えてまいります。 55 井加田委員 丁寧にお答えいただきました。やっぱり現場の生の声、それから見えてくる適切な対処の仕方というのは、必ず現場──知事も現場主義ということでございますので、スピード感を持って取り組んでいただければと思っております。期待しておりますので、よろしくお願いします。  次の質問ですが、この議会中も、子育て支援、少子化対策が大きな議論の目玉でありました。  今、各市町村でも、令和6年4月から出産・子育て応援交付金に併せた新たな子育て制度が始まるため、県においては支援ポイント制度ということで、1歳半健診の時期に併せて、従来の子育て応援券を電子クーポンで支給するといったことが検討されている状況だと思います。  私は、この点については少し首をかしげるのですけど、定期的な伴走支援ということでございますけれども、従来から1歳半健診というのは、節目健診として位置づけられております。その時点まで、県が独自に3万円相当に引上げということでありますけど、それまで支援を遅らせる必要があるのかなと、そんな思いがいたします。  妊娠届の時点で5万円、出生届のときに5万円支給、これは国の資金で県と市も支援しているわけですけど、それと併せて、例えば5万円相当を県として上乗せするとか、それから、出生届時に紙おむつなどの現物支給をするほうが、新たなアプリを開発してクーポンで支給するよりも、本当に利便性が高いんじゃないかと考えます。  出生時、必ず必要なものは、紙おむつです。今日の新聞でしたか、保育園の紙おむつについて、保育園でそれぞれ子供の名前を書いてストックをしているというのは。私、実はあれっと思って聞いおり、本当にそうだったんだと改めて思ったのですけれども、それぞれ毎日、保育園に預けて使ってもらうわけです。それを保育園で一括して使いやすくするということ、これも一つの制度だと思いますけど、新生児を育てる上で、紙おむつというのは生活上、大変必要なものでして、むしろ、一時金で出生時の5万円というのが新たにできたわけですから、繰り返しですが、現物支給のほうが本当は利便性もいいんじゃないかなと思いますし、実際にお母さん方に聞くと、出生時に紙おむつをもらったらいいよねという方も結構おられます。  ほかの県も、現金支給のところもありますが、現物支給で、紙おむつも含めた育児用品の支給ということも検討されていると思うのですけども、もうそこに向かって走っておられるのかもしれませんけど、ちょっと再考いただく必要があるんじゃないかと思いますが、有賀厚生部長の見解をお聞かせください。 56 有賀厚生部長 先ほど御指摘があったように、国での対応も踏まえまして、県では、もともと使途を限定したものであった子育て応援券事業のほうは見直しをして、国事業による妊娠時、出生時の経済的支援に加えて、より継続的な支援につながるということで、市町村にも御意見をお伺いした上で、国事業と重複する出生児の支給から、1歳から1歳半児に支給時期をずらして、さらに金額を拡充した上で追加の支援を行うこととし、今議会において、両事業に共通して活用できる新たな子育て支援ポイント制度を創設するための関係予算を計上したということでございます。  子育て家庭の御事情やニーズは様々であると思われまして、現物支給というか、それに限定するようなものよりは、多様な選択肢から必要な育児用品やサービスを選べるほうが利便性が高いのではないかと考えます。  そのため、新たなポイント制度では、これまで子育て家庭から要望の多かった、おむつやミルク等の育児用品等へも用途を拡充したいと考えており、今後、市町村とも意見交換を重ねながら、多様なニーズに幅広く対応できるよう、制度の内容を詰めてまいります。 57 井加田委員 いろんな意見がありますけれども、市町村とのお話の中で方向づけられたということであります。多分去年から検討されたと思いますけれども、現場のお母さん方というか、当事者の方の意見も、もっとさらにお聞きいただく期間としてはどうだったのかなという思いもあります。途中で方向転換できるのかどうか分かりませんけれども、ぜひそういった現場の声といいますか、そういったところに寄り添ったことでの支給、あるいは、事業化するというよりも、例えば1歳半でもいいんですけども、現物じゃなくても現金支給というやり方がありますし、金額も3万円でいいのかということもありますので、そういったことも引き続き検討いただきたいなと、このことを要望しておきたいと思います。ありがとうございます。  それでは、この令和3年度に公表されております全国の児童虐待相談対応件数が過去最多となっております。子供や家庭を取り巻く環境が複雑化する中で、児童相談所や児童心理治療施設に求められる役割はますます増していると思っております。  富山児童相談所が2拠点化で整備されるということが決まりました。どのように機能強化を図っていかれるのか、また、児童心理治療施設は、高岡児童相談所に対しても、どのような支援、連携をしていくこととなるのか、少し全体像についてお聞かせください。新田知事にお伺いします。 58 新田知事 富山児童相談所の整備については、利便性が高く、専門相談機関との連携が必要であること、虐待によるトラウマや発達障害など、医療や心理の両面から専門的ケアが必要となることから、富山駅前CiCビル5階と、富山県リハビリテーション病院・こども支援センター隣接地の2つの拠点を持つ体制とすることにしました。  このうち、富山駅前のCiCビルに整備するものは、富山児童相談所のほか、総合教育センターの教育相談窓口などの県の子供に関する相談機関を集約して配置いたします。また、既に設置済みの富山市さんの子育て関係機関とも連携し、様々な困難を抱える子供や家庭からの相談に対し、各相談機関の強みを生かした総合的な支援ができる体制とします。  また、リハビリテーション病院・こども支援センター隣接地に整備する拠点は、一時保護児童の心のケアや、虐待や発達障害により医療を必要とする子供や家庭に対し、隣接する関係機関と連携した支援ができる体制といたします。  さらに、新たに整備する児童心理治療施設は、虐待などにより心理治療を必要とする子供を県下全域から受け入れることにします。なので、富山、高岡の両児童相談所とは、入所措置に向けた事前協議や入所中の療養状況などの情報共有を密にしまして、退所後の継続的な相談や支援などについても、十分に連携を取りながら支援を行うよう、しっかりと準備を進めてまいります。 59 井加田委員 どうもありがとうございます。  次の質問は、これは教育長にお伺いしたいと思いますけれど、ヤングケアラーの問題です。今本議会でもヤングケアラーをめぐっての議論が交わされています。  ヤングケアラーを早期に発見して、適切な支援につなげるためには、行政や福祉や介護、学校等の関係者間の連携が大変重要だと思います。中でも毎日子供たちと直接接している教員が、日常の異変にも気づきやすく、学校の果たす役割も極めて大きいのではないかなと思います。  このヤングケアラーへの適切な支援に向けて、教育委員会としてどのように取り組んでいかれるのか、荻布教育長にお伺いをいたします。 60 荻布教育長 教員は、子供と接している時間が長く、日々の変化に気づきやすい立場にあり、ヤングケアラーについても、早期に発見し、適切な支援につなげていく第一歩となると考えております。  学校では、日頃の様子観察、不安や悩みに関する調査の実施、個別面談などによりまして、子供たちが発するサインを見逃さないように努めるとともに、スクールカウンセラーとも連携し、子供の状況をきめ細かく把握するように努めております。  また、県などで設置している様々な相談窓口を児童生徒にも周知しており、こうした窓口で受けた相談は、内容に応じて学校とも情報を共有しております。学校で把握した内容については、ヤングケアラーなどの家庭環境に起因する場合は、スクールソーシャルワーカーを活用して、福祉、介護などの関係機関につなぐなど、チームで支援をしております。  県教育委員会では、来年度、新たに配置予定のスクールカウンセラーのスーパーバイザーを活用しまして、子供のSOSの見つけ方に関する研修などを行い、教員やスクールカウンセラーの資質向上を図り、ヤングケアラーも含め、子供が抱える悩みや課題を早期に発見し、適切な支援につなげていきたいと考えております。  今後、部局横断で子供施策について検討するこども未来プロジェクトチームにおいて、ヤングケアラーへの包括的な支援策などについても協議を行い、学校教育、行政それぞれの立場からの支援について検討を進め、誰一人取り残さない教育の充実に取り組んでいきたいと考えております。 61 井加田委員 ぜひ一人一人の子供に目が行き届く、そうしたことを目標にして、縦割りではなくて、それぞれが関連し合う体制になるように、しっかり取り組んでいただきたいと、そんなふうに思います。  それでは、次に、農林水産部長にもお伺いしたいと思います。  担い手を支える農林振興対策についてお伺いをいたします。  今、農地の集積・集約化の推進が進んでおります。地域では、高齢化に伴いまして、担い手不足で、耕作放棄地も若干拡大していくような流れもあります。現場で頑張っている地域もありますけれども、そうした人手不足、高齢化で、協働活動そのものも、なかなか先が元気に見えないことが深刻な課題でありますけれども、やはり担い手確保につなげていくことが持続可能な農業振興対策だと思うわけですけれども、実効性のある支援、対策について地域から求められていると考えております。  今、農業用水路などの施設の維持管理について、担い手への負担軽減につながる多面的機能支払い制度について、前議会でも質問をいたしましたけれども、この具体的な支援の拡充に対して、今後、どのように取り組む方向であるのか、部長にお伺いをいたします。 62 堀口農林水産部長 本県では、現在1,035の活動組織が立ち上げられまして、多面的機能支払交付金制度を活用した用水路の江ざらいや法面の草刈りなど、地域資源の適切な保全管理に積極的に取り組まれております。  結果といたしまして、担い手への負担軽減につながり、農地集積・集約化を後押ししているということでございまして、本県の担い手への農地集積率は、令和3年度で67.8%、全国6位の高い水準となっております。  一方で、活動組織においては、農村地域の高齢化等による参加者の減少や、若手リーダー等の継承者不足、また、交付金事務の負担感などから、活動範囲や内容の縮小に加えまして、活動自体を取り止める組織なども見られるところです。また、近年の資材価格高騰等により、十分な活動ができないといった声も聞かれております。  このため県では、活発な活動を継続していただけるよう、活動組織の統合や地域間連携による広域事務局の設立などの体制強化を進めますとともに、地域内外のボランティア等とのマッチングによる人手不足解消への支援、地域の優良事例の紹介など、市町村と連携して取り組んでおります。  また、国に対しては、昨今の資材価格高騰等に対応した活動単価の見直しや、必要な予算の確保、配分などについてさらに働きかけていきたいと考えております。  今後とも、多くの地域で農業・農村の多面的機能が十分発揮されますよう、地域に寄り添いながら助言や指導を行い、豊かで魅力ある農村の実現に取り組んでまいります。 63 井加田委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。  それでは、次に、警察署の再編統合についてお伺いをいたします。  今回、新たな高岡エリアの警察署の整備方針と建設ということが俎上に上がってまいりました。この建設をめぐっては、様々な議論もありました。地域の状況をそれぞれ検討して、地域の協力を得て建設場所が決定されたと認識をしているところでございます。  建設着手までには、学校再編統合も絡んでおりまして、まだ時間的な余裕はあります。そうした中で、高岡市、氷見市、両市の地域全体の安全・安心を守る拠点として、改めて整備拡充することが、これは両地域から求められていると思っております。  一方で、これも議論がありましたが、現存する警察署の整備、そして交番、駐在所の約4割が耐用年数を超過している状態だということもお聞きをしておりますけれども、こうした施設も、再編に伴って計画的に整備を進めていく必要もあるのではないか、そのように思っております。  また、再編統合される警察署との連携を強化していく、そうした地域交番の在り方や廃止等についても検討が必要ではないかと考えるものですけれども、杉本警察本部長にお聞きをいたします。 64 杉本警察本部長 今般、新たな警察署の建設適地を決定した高岡エリアにつきましては、高岡市と氷見市を合わせて人口20万人を超える地域を管轄すると、県内有数の大規模警察署となる予定でございます。  今後、施設整備に向けた準備を進めていくことにしておりますけれども、まずは来年度、民間活力導入可能性調査を実施し、その調査結果を踏まえて、速やかに整備方針や整備スケジュール等を策定していくこととしております。  一方で、委員御指摘のとおり、現在の高岡警察署及び氷見警察署の両方が、建設から相当の年数が経過しておりますほか、管内にある交番、駐在所の多くが耐用年数を超過しているなど、老朽化が著しい状況にございます。  この中で、警察署については、再編に伴い新たに庁舎を新築するほか、統合される警察署は、分庁舎として引き続き活用していくこととしておりますけれども、交番等についても計画的に建て替え等の整備を行っていく必要があると考えております。  また、今回の再編では、警察署の人員規模が大きくなり、刑事や交通などを専務とする警察官が増えることから、交番等に勤務する地域警察官は、本来の地域警察の主たる業務であるパトロール活動等に従事できる時間が増えるものと考えておりまして、本署や分庁舎と連携した地域警察活動の充実強化が期待されるところでございます。  再編後におきましても、引き続き、治安情勢や社会情勢等に即した配置や人員等、交番駐在所の最適な在り方について検討してまいりたいと考えております。 65 井加田委員 今の御答弁ですと、ちょっと分かりにくい部分もあるのですけど、交番も再編統合ということも視野に置かれた御答弁だったのかなと、そんなふうに聞こえるのですけれども、そのことについてはどういうお考えでしょうか。 66 杉本警察本部長 今回の再編につきましては、あくまでも警察署、それからの分庁舎の再編ということを検討の対象としておりまして、もちろん、本署、分庁舎と交番駐在所を有機的に連携していく必要があるということで、大きなネットワークの中で考えていく必要があると考えておりますけれども、今回のこの再編自体は、本署、分庁舎に着目したものと御理解いただければと思います。 67 井加田委員 その具体的な計画段階はまだ出ていませんので、今の現段階での中で申し上げるとすれば、その次の質問とも関連しますので、要するに、機能強化されるという警察署ですが、地域の安全・安心という観点もありますから、交通の関係、管制の関係や、それから西部の高岡市、氷見市の地域を守るということで言えば、地震や浸水地域にも当たるのですけども、災害時における迅速な情報収集や、機動的な救助活動の拠点としての機能も拡充されるという印象を持つわけです。また、そんな機能を併せ持つ必要があるのではないかなと考えていますけれども、どのような機能の強化や拡充について必要と考えておられるのか、お考えをお聞かせください。 68 杉本警察本部長 警察署は、地域の安全・安心の拠点であるとともに、大規模災害等の発生時における警察活動の拠点としての機能を有しております。今回の再編に伴う新たな警察署の建設適地の決定に当たりましても、災害時に十分に機能を発揮できる場所を重要な判断要素としてきたところでございます。  また、平成20年度に竣工した富山西警察署以降の新設警察署の整備に当たりましては、非常用自家発電設備を庁舎の2階以上に設置して浸水対策を講じておりますほか、耐震性能を標準の1.5倍にするなど、災害時の拠点施設としての機能を備えてまいりました。  このため、新たに建設する高岡エリアの警察署につきましても、災害時の拠点施設としての強度と安全性を備えた施設とするほか、ライフラインが仮に途絶した場合でも、機能を維持できる施設としていくこととしております。  また、災害時における交通の安全と円滑を図るため、引き続き交通管制センター機能を設けるとともに、捜索救助活動や被災地域の情報収集のためのヘリポートの設置などについても検討してまいりたいと考えております。  県警察といたしましては、災害等の発生時においても、関係機関と連携して、迅速かつ的確な活動が行えるよう、今後新たに整備する警察署の機能の充実に努めてまいりたいと考えております。
    69 井加田委員 それぞれ、現庁舎、現警察署にはない様々な機能強化も計画をされているということでありますけど、何分、今少子化ということで、この地域の在り方も統廃合によって変わってくる、そんな状況下にあります。ぜひ、再編の警察署が地域の安全の拠点として、それがまた地域の人に信頼される拠点としてあってほしいと思うわけで、9年からの着手になるのかどうか分かりませんけれども、地域の知恵もお借りして、しっかりと機能強化を図っていただく、そうした警察署になることを期待しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。  準備をいたしました質問は、初めてですけど、若干時間を残して終わることとなりました。ちょっと時間がありますので、この4年間を振り返って、つぶやいてみたいと思います。  私の職業は助産師でございます。子供さんが生まれる現場に多く立ち会ってまいりまして、そこから、お母さん方の生活の背景というのは、非常によく見えるポジションにおりました。  ですから、どういう思いを持ってこの方がお産に臨んでおられるかというのも、非常に人生勉強ではありますけど、そういう経験をたくさん積んだ上で、今議員として働かせていただいております。冒頭に申し上げたジェンダー平等というのは、社会の中で、男性、女性、性別役割分担という話もありますけど、基本は、結婚も共同作業ですけど、出産も子育ても共同作業なんですね。ですから、それを2人で分け合えば、働く場においてもそういう仕組みが整えば、そんなに片方に負担が寄り過ぎるということは私はないように思うんです。もう少し長時間ではなくて、若い方の働くことへの配慮があるということが、少し欠けているのかなと思います。それが問題意識の大きいところです。  地域のある製造業に勤めておられる女性の方が、何とか保育所の送り迎えは長時間保育で間に合うんだけども、小学校へ行くと、朝の送りから帰りの時間が早いので、学童保育を利用しても、迎えの時間と合わない。ですから、自分も男性と同等に働いて責任を果たしたいけれども、そのラインの中で言えば、この時間しか帰れないので、子供が置いてきぼりになる時間をどうしても対処しなきゃいけないという問題が生じてくる。  ですから、朝の短時間は、小学校の低学年まで、企業も工夫して取れることになっているけれども、大勢の人が取れない。そして、帰りのこの1時間の時短というのがあれば、子供の学童保育にもちゃんと迎えに行けるし、それから学童の場所も充実してほしいと。学童に携わる方も非常に手薄で、低賃金で働いておられる。こんな状況でやはり悶々として考えておられるということが非常によく見えてまいります。  そんなときに、育児休業の取得ということで、男性も等分にそこに参画できるような仕組みで、例えば子供が小さいときに、育児時間ということで、正規職員として働きながら、その必要なときに、今日はお父さん、今日はお母さん、こういう対処の仕方もあるのではないかなと思っています。  そういった意味では、ぜひ変わり目、今後少子化といいますけれども、3世代同居も少なくなりまして、夫婦と子供というパターンも非常に多いわけで、本当に地域で見ていると、よくやっているなというのが見えます。ここに何らかの地域のつながりなのか、学校単位なのか、こども会なのか、こういう横のつながりというのは、地域の中での支援体制としてもやはり必要ではないかなと、最近、孫を通じてそういう思いも覚えたりしております。  ですから、もう少し頭を柔軟にして、ぜひこういったジェンダー平等ということを、もっとフランクにお互いに語り合える、そんな機運をつくりたいものと思っております。  ちょうど時間となりましたので、ありがとうございました。 70 平木副委員長 井加田委員の質疑は以上で終了いたしました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                      午後2時59分休憩                      午後3時10分開議        酒井立志委員の質疑及び答弁 71 平木副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  酒井委員。あなたの持ち時間は60分であります。 72 酒井委員 自民党議員会の酒井立志です。今日はどうぞよろしくお願いいたします。  初めに、北陸新幹線敦賀開業に向けた取組について3問質問いたします。  2024年春の北陸新幹線金沢─敦賀間開業まで残り1年となりました。関西経済界は、北陸新幹線を関西にと、早期の敦賀、大阪までの全線開業に向けて大いに期待しておられます。  関西圏における機運の醸成を図るためにシンポジウムを開催し、北陸新幹線について理解を深めるとともに、北陸新幹線が関西にどのような効果をもたらすのか、北陸新幹線が大阪まで延伸して関西はどう変わるのかなど、様々なシンポジウムが開催されていると聞きます。  互いに経済交流を進めていくためには、本県においても同様の取組が必要ではないでしょうか。  開業効果をより高め、開業により富山県にとってどのような効果が期待されるのか、県民に具体的に示すとともに、シンポジウムを開催するなど、開業に向けた機運醸成に取り組むべきと考えますが、新田知事の御所見をお伺いいたします。 73 新田知事 北陸新幹線の早期全線整備を図るためには、大阪までつながることによる様々な効果を広報して啓発していくことが大切だと考えております。  昨年3月には、北陸新幹線建設促進同盟会において、京都大学大学院の藤井聡さん──富山出身ですが、「国土強靱化~大阪までの早期全線開業を目指して~」というテーマで特別講演会を開催しました。講演会では、今後、発生が危惧される南海トラフ地震に備え国土強靱化を進めるべきであり、数ある対策の中で一番重要なのは新幹線の整備であるということなど、専門である国土強靱化の観点から北陸新幹線の早期全線開業の必要性について熱くお話をいただきました。  また、昨年11月には、北陸新幹線建設促進同盟会も共催で北陸新幹線の整備促進に係るシンポジウムが開催されました。シンポジウムでは、家田仁政策研究大学院大学特別教授が、北陸新幹線は東海道新幹線と比べて駅間が短く、より地域に根差していることなどについて講演されたほか、トークセッションも行われました。  こうした講演会やシンポジウムは、本県では開催されていたわけではないですが、オンラインでも同時配信され、生中継されました。このため、本県の自治体、企業関係者にも参加案内をしており、機運醸成に効果があったものと考えます。  県では、全市町村で構成する北陸新幹線対策連絡協議会や経済団体等で構成する北陸新幹線建設促進富山県民協議会が広報や啓発活動を展開しています。今後も早期全線開業の実現を応援していただけるよう、機運醸成に努めてまいります。 74 酒井委員 ありがとうございます。  金沢─敦賀間開業に伴って気になるのは、2024年春のダイヤ改正であります。金沢─敦賀間開業は、本県においてもさらなる脚光を浴びるチャンスと捉えれば、敦賀から本県へのアクセス内容が大変重要であるということは言うまでもありません。  ダイヤ改正には、運行本数や県内での停車など、本県へのアクセスや利便性に関する内容が想定されます。敦賀開業を見据えて、これまで要望してきた新高岡駅でのかがやきの停車などについても一層重要性が高まるものと考えます。  ダイヤ改正に関して、知事はどのように捉えて、どのようにJRに要望していくのか、新田知事にお伺いいたします。 75 新田知事 令和5年度末の北陸新幹線敦賀開業によりまして、おっしゃるように、ダイヤの大幅な見直しが見込まれています。  新たなダイヤでは、敦賀開業の効果を最大限発揮させるために、とりわけ移動時間が短縮される関西、そして中京方面との利便性を高めるということが本県にとっては大切だと考えます。  このため、これまでも関西、中京方面からの旅客増に対応するための新幹線や敦賀までの在来線特急の運行本数の増加及び敦賀駅での乗換えの利便性の確保、また、現在、富山─金沢間を運行しているつるぎの運行区間の拡大、さらには、地元の要望が強いかがやきの新高岡駅への停車をはじめとする県内駅への停車本数の拡大などについて県の重要要望に位置づけてまいりました。  それとともに、これらのことについては、昨年10月に大阪のJR西日本本社を訪問し、長谷川社長と面談を行い、私から要望したところでございます。その際に長谷川社長からは、敦賀開業の効果を最大限に生かして、関西、中京方面と北陸エリアとの交流を促進するために、利便性の高いダイヤを目指していきたいとの発言をいただきました。  また、昨年12月にJR西日本本社の役員が来県された際にも、蔵堀副知事から改めて、本県にとって利便性の高いダイヤ編成となるよう要望したところです。  県としては、敦賀開業に伴う新たなダイヤが本県へのアクセスや県民の利便性向上につながり、開業の効果が実感できるものとなるよう、今後とも機会を捉えてJRに対して働きかけてまいります。 76 酒井委員 ありがとうございます。  知事、高岡市としては、新高岡駅の速達型かがやきの停車、しっかり力を入れて頑張っているところでありますので、知事におかれても後押ししていただければと思います。よろしくお願いいたします。  敦賀開業の効果を高めるため、本県が誇る文化遺産のさらなる磨き上げやPRが重要と考えております。  中でも、江戸時代の都市形成の資産が創建当初の姿である近世高岡の文化遺産群については、平成20年に世界遺産暫定一覧表候補の文化資産として位置づけられて以来、これまで国、県の支援によって文化財指定や保存修理事業を推進し、構成資産の充実、磨き上げを進めてこられました。国宝瑞龍寺に加えて、江戸時代の荘厳な姿を取り戻した勝興寺も昨年12月に国宝になったことから、その文化遺産の強みが増したことと存じます。  これまで以上に、大いに様々な活用を図ることで関係人口の増加に期待するものであり、文化遺産群としての面的整備が求められると考えます。  つきましては、近世高岡の文化遺産群の世界遺産暫定一覧表への記載に向けた今後の取組と意気込みについて、新田知事にお伺いをいたします。 77 新田知事 近世高岡の文化遺産群について、文化庁からは、近世都市が城下町から商業都市へ発展する過程を示す資産として価値があると評価をいただいています。  一方で、世界的に顕著な普遍的価値の証明がまだ十分ではない。それから、今後、世界史的、国際的な視点に立ち、適切な主題設定や構成資産について検討することが重要であること、また、文化財として保護が十分でないものについては、指定または追加指定などを行うことが重要との課題が示されました。  このため県では、これまで高岡市と連携し、構成資産である高岡城跡の国史跡指定や、金屋町や吉久地区の重要伝統的建造物群保存地区選定などの文化財指定、また勝興寺の保存、修理など、構成資産の充実に取り組んできております。その中で、勝興寺の国宝指定により、文化庁からの課題への取組は一定程度進んだものと考えています。一方で、近世高岡が一覧表に記載されるには、文化庁から示された世界史的、国際的な観点から資産を整理し、その位置づけを明らかにするとともに、その資産が顕著な普遍的価値を持ち、国内で最適かつ十分な事例であることを説明できるようにするという難しい課題に対応していかなければなりません。  現在、文化庁では、世界遺産暫定一覧表見直しの検討を行っているところであり、世界遺産暫定一覧表記載に向けてはまだ課題があるものの、引き続き高岡市さんと一緒になってその解決に取り組むとともに、暫定一覧表記載や世界文化遺産登録に向けて取り組んでまいりたいと考えます。  なお、先ほど、前の前の質問で藤井聡教授が富山県出身と言ったのは間違いでありまして、彼をよく連れてくる人が富山出身なので、その人とちょっと混乱しました。おわびして訂正します。 78 酒井委員 ありがとうございます。今ほどお話あったとおりだと思います。  私も平成17年に高岡市議会議員になって以来、ずっと高岡文化遺産の世界遺産登録に向けて取り組んできた経緯があります。懐かしく思っております。  何か流れ星をつかむような話かなと思っていたのですが、勝興寺も国宝になったということから、ますます厚みが出てきたのかなと思っておりますし、そのことに対しても、文化庁が示されておられる対応について、国、県、市と民間と合わせて連携して取り組んでいければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。  次に、教育と福祉の充実について質問いたします。  令和元年12月に教員給与特別措置法の改正によって、教員の働き方改革の一環として変形労働時間制を導入できることになったことから、本県での導入方針とその見解について、当時教育長であった伍嶋教育長に伺ったことがあります。  答弁は、導入に当たっては、相当程度の労働時間の総数が縮減されていることが前提であることから、まず教員の長時間勤務の状況を改善することが大変重要であるということ、多忙化解消の取組を進めて長時間勤務を相当程度解消した上で、市町村教育委員会と意見も交換しながら、そのことを踏まえて導入について検討するとのことでありました。  改めてお伺いいたしますが、教員の長時間勤務の状況の推移と変形労働時間制の導入方針について、荻布教育長にお伺いをいたします。 79 荻布教育長 今年度の教員の時間外勤務の状況でございますけれども、4月から12月までの月平均で、小学校は40.8時間、中学校54.5時間、高等学校42.4時間、特別支援学校27.6時間となっておりまして、コロナ禍前の令和元年度で申しますと、小学校は49.4時間、中学校65.3時間、高等学校47.7時間、特別支援学校29.9時間でございますが、これと比較しますと、全ての校種において時間外勤務時間は減少しております。  一方で、依然として長時間勤務をしている教員は少なくない状況にありまして、特に中学校においては、今年度、月平均で80時間以上の時間外勤務をしている教員の割合は18.8%となっております。また、今後、新型コロナウイルス感染症の5類への移行に伴いまして、学校行事などがコロナ禍前に戻る影響などにも留意していく必要があると考えております。  委員御指摘の1年単位の変形労働時間制は、教員の働き方改革推進の観点から、業務の繁閑に応じ勤務時間を配分する制度でありまして、令和元年12月の教員給与特別措置法の改正によって、各地方自治体の判断で条例などを整備した上で導入することが可能となりました。その導入に当たっては、相当程度の総労働時間の縮減が前提となっておりまして、県教育委員会としては、今ほど申し上げた状況も踏まえますと、今後さらに教員の長時間勤務の状況を改善する必要があると考えております。  本県における導入については、引き続き長時間勤務の改善に努めつつ、他県の状況や県議会、とやま学校多忙化解消推進委員会での議論、また市町村教育委員会の意見を踏まえながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。 80 酒井委員 ありがとうございます。まだまだ長時間勤務対応は、道半ばだなと感じました。  文部科学省の調査では、2021年度に鬱病などの心の病が原因で1か月以上休んだ公立学校の教員が、前年度から1,448人増加で15.2%増、1万944人となり、初めて1万人を超えたことが分かりました。全教員に占める割合も1.19%で過去最高であります。また、その1万944人のうち、病気休暇を取れる上限の原則90日を超え休職したのは5,897人で、これもまた過去最高ということであります。  文部科学省は、慢性化する学校現場の長時間労働や若手教員への負担が増加の背景にあると見ています。心の病を予防するため、日頃から教員のメンタルヘルス対策を行うとともに、早期自覚、対処に向けた保健相談や職場復帰支援などの取組を充実すべきと考えます。  教員が児童生徒としっかり向き合うためには、教員自身が心身ともに元気で健康な状態であることが必要と考えるが、教育委員会として教員の心のケアにどのように取り組んでいくのか、荻布教育長にお伺いをいたします。 81 荻布教育長 児童生徒に向き合う教員が心身ともに元気で健康な状態で教育に携わることが必要であり、教員の心の健康に関する取組は大変重要と考えます。  このため、県教育委員会では、教職員の心の不調を未然に防ぎ、不調となった際にも上司や同僚からのサポートが受けられやすいような職場づくりに向けて、管理職や中堅教諭などを対象とするメンタルヘルスに関する研修や臨床心理士によるストレス対策の出前講座などを実施しております。また、教職員が不調を感じたときに、早期対応、早期回復につながるよう、精神科医である心の健康管理医や臨床心理士など専門家による相談体制も整えております。さらに、全ての教職員を対象にストレスチェックを実施しており、高ストレスと判定された者や長時間勤務者などに対しては、医師による面接指導を勧奨しております。  病気休職した教員の円滑な職場復帰に向けましては、管理職研修などを通して、職場復帰に向けた支援の手引きに基づく適切な支援や配慮を各学校に依頼しています。具体的には、段階的に職務に慣れていくための、いわゆる試し出勤期間を設け、健康状態などを把握しながら復帰の可否を確認しますとともに、復帰後の支援として、病気の再発防止のため、業務の負担軽減や経過観察、本人との面談を通して予後の配慮にも努めているところでございます。  今後とも、学校と連携して教員の心のケアに努めてまいりたいと考えております。 82 酒井委員 ありがとうございます。児童生徒のためにも教員の心のケアにしっかり取り組んでいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  次に、今定例会の予算委員会でも多くの質問がございましたヤングケアラーについて質問いたします。  いわゆるヤングケアラーの本県の実態調査結果が2月に公表されました。この結果を踏まえ、県では新年度から関係機関によるネットワーク会議の設置やコーディネーターの配置などに取り組まれるとのことでございます。一昨日の武田委員の質問、また先ほどの井加田委員の質問でも丁寧に御答弁をいただいたところです。  一方で、このヤングケアラーの問題は、顕在化しにくく、当事者のSOSを見逃さないことが重要であることから、分かりやすい相談窓口が必要と考えております。また、窓口で受けた相談に対して、教育部門と福祉部門が連携して必要な支援につなげていかなければなりません。  そこで、ワンストップの相談窓口や支援拠点を設置し、早期発見、把握から適切な支援につなげていく体制を強化すべきと考えますが、有賀厚生部長に所見を伺います。 83 有賀厚生部長 来年度は、行政、教育、福祉等の関係機関などで構成するヤングケアラー支援ネットワーク会議を設置いたしまして、連携体制の構築やヤングケアラー支援ガイドラインの策定に向けて協議するとともに、県と市町村関係課長で構成する「ワンチームとやま」連携推進本部のワーキンググループにおいて県と市町村との連携策について検討することとしております。  特に、ヤングケアラー支援ガイドラインについては、市町村や関係機関等の連携体制の構築、強化に向けて策定するものであります。具体的には、発見から支援までの連携スキームや、各関係機関の対応方法、また県や市町村の相談窓口などをこのガイドラインに盛り込んで、各地域において一人一人のヤングケアラーへの支援を検討する際に活用できる指針にしたいと考えております。  また、このガイドラインを策定する中で、御提案があったような相談窓口や支援拠点の設置についても検討してまいりたいと思っております。 84 酒井委員 しっかり検討してください。そもそもヤングケアラーそのものが、多くの県民に理解されていない、まだまだ認知度が低いと思っておりますので、啓発活動もしっかり行っていただければと思います。よろしくお願いいたします。  次に、こども食堂について質問します。  こども食堂は、その多くが地域住民やボランティア団体を中心とする民間団体等により自主的に運営されており、食事の提供だけでなく、子供の居場所づくりや見守りのほか、地域の場として非常に大きな役割を担っています。  1年前にこども食堂を広く普及するための柔軟な対応が必要と求めましたが、今年に入って、特に砺波市ではこども食堂の開設が活発であるとの報道もうれしく思っているところでございます。  今後もこども食堂が担う役割はますます大きくなっていくものと思いますが、こども食堂の運営は、基本的にボランティアや寄附金によって成り立っておりまして、運営基盤が不安定であることから、さらなる支援が必要ではなかろうかと考えます。  こども食堂への支援について、立上げ経費に対する助成の充実や運営費への補助の新設を検討してはどうかと考えますが、有賀部長に所見を伺います。 85 有賀厚生部長 県では、これまで市町村と連携してこども食堂の開設などを支援してきたところでございますけれども、今、委員御指摘のとおり、こども食堂を実際に運営する方々から、立上げや運営をサポートする人材を求める声も多いということで、こども食堂の新規開設に向けて普及啓発や相談支援を担う地域推進アドバイザーの配置や、食材等を提供する企業や個人と受入れ側のこども食堂とのマッチングを行うフードバンク連携コーディネーターの配置、また、物価高騰等のために生じる食材費や光熱費の掛かり増し経費に対する支援等の必要経費を新年度予算案に計上したところでございます。さらに、こども食堂の立上げ経費の助成要件としてきた年24回以上の実施という要件を緩和する方向で検討を進めております。  来年度は、こうした新たな支援策に取り組むとともに、引き続きこども食堂に携わる方々の御意見等をお聞きし、さらなる支援の必要性について市町村ともよく協議してまいります。 86 酒井委員 ありがとうございます。  1年前は、データによると、富山県は人口当たりのこども食堂の設置数が最下位だったというような情報もありまして、ちょっとショックだったのですが、せんだってその最下位を脱出したという記事を読売新聞で読みましてほっとしております。もう少し頑張って、真ん中ぐらいまで目指してやっていきましょう。よろしくお願いします。  次に、国や県の新年度予算案は、こどもまんなか共生社会の実現に重点を置いたものとなっております。結構なことだと私も思っています。  人口減少、少子化が進む中で、もちろん子供政策を積極的に進めていただきたいと思うのでありますが、その一方で、高齢者に対しても決して置き去りにすることなく、しっかりと目配りしていただきたいとの高齢者の県民の声も聞きます。  県として、新年度予算において、高齢者福祉の充実にどのような方針で取り組むのか、有賀厚生部長にお伺いをいたします。 87 有賀厚生部長 新年度予算案においては、認知症の正しい理解の普及啓発を推進するため、世界アルツハイマー月間の9月に、県内企業や市町村とタイアップした認知症にやさしい地域づくりキャンペーンの実施や、地域の公民館等を活用して高齢者のeスポーツ体験会を開催し、高齢者の社会参加と多世代交流を促進するほか、高齢者の権利擁護の観点から、新たに市町村職員の虐待対応スキルを習得するための研修や、市町村が困難事案に迅速に対処するための専門家による相談窓口の設置を行うこととしております。  このほか、介護が必要となられた方が適切に介護サービスを受けられるよう、地域のニーズに応じた介護サービスの基盤整備や介護職員の処遇改善などの人材の確保、定着、そして、ロボット、ICTの導入による介護現場の生産性向上を推進することとしております。  県の高齢者福祉政策については、富山県高齢者保健福祉計画及び第8期富山県介護保険事業支援計画に基づいているわけですけれども、来年度は新たな計画の策定年度となっておりますことから、医療、介護関係者や学識経験者等の御意見を伺いながら、高齢者施策の基礎となる計画の策定を進めるとともに、市町村と連携して地域の実情に応じた地域包括ケアシステムをさらに深化、推進してまいりたいと思っております。 88 酒井委員 ありがとうございます。しっかり今の内容も、いわゆる高齢者施策を置き去りにするなと言われたところでもお伝えしてきたいと思います。よろしくお願いします。  次の質問に入ります。  多文化共生社会の推進について質問いたします。  新型コロナウイルス感染症に伴う入国制限が緩和される中で、外国人労働者の受入れが再び拡大していますので、その子供たちが進学し、学ぶことができる環境の整備が必要と考えます。
     日本語が得意でない外国人生徒にとっては、公立高校の一般入試は容易なことではありません。中学卒業後に進学しない生徒の割合は、中学生全体の水準として1%でありますが、日本語指導が必要な中学生については、その割合が10%に上ると聞きます。  日本経済新聞は、2023年の入試で、全国の国公立高校の73%が特別枠を設けていないことを公表しており、外国人に対する特別枠の導入が進んでいない状況が分かりました。  外国籍の子供たちが高校に進学する機会を確保するためにも、県立高校の入試において特別枠の導入を検討すべきと考えますが、荻布教育長に所見をお伺いいたします。 89 荻布教育長 令和3年度における県内高校に在籍する外国人の生徒数は、国の学校基本調査によりますと、県立、私立の全学年合わせて84名で、うち県立高校は33名となっております。  本県では、現在、定時制高校において、日本語指導が必要な生徒に対し、日本語の基礎を学ぶ講座を開設して支援に努めております。また、県立高校入学者選抜においては、日本語で受検が困難な外国人生徒に対しては、漢字にルビを付す措置をしておりますが、外国人特別枠は設けていないのが現状でございます。  外国人生徒の定員枠や特別選抜を設けている都道府県の中には、日本語指導教員の加配や母語指導のための非常勤講師の配置などにより、学校設定科目の中で外国人生徒の日本語レベルや母語に対応した授業を実施する事例がございます。生徒の状況に合わせてクラス分けをし、少ない人数で授業が行われておりますが、生徒のレベルなどに応じたきめ細かい授業の展開を行うためには、教員の増員や持ち時間数の増加などが必要となり、講座編成や教室確保なども課題となっているということでございます。  県立高校の入試における外国人特別枠の導入については、日本語指導教員をはじめとする人員確保など、解決すべき課題もありますことから、他県の先行事例を参考としながら研究してまいりたいと考えております。 90 酒井委員 日本では高校で進学するときは、多くの場合、入試を受けて合格しなければなりません。日本での学習期間が短い外国人の子供にとって、日本語で受けるこの試験は非常に難しいと思いますが、都道府県によっていろいろ手助けがあります。  今ほど教育長おっしゃいましたが、富山県では特別措置として、入国6年以内の外国籍の生徒は、漢字にルビをつけて受検しています。一方、様々ではありますが、例えば大阪府では、漢字ルビ以外にも時間延長、辞書持込みやキーワードの外国語併記等の特別措置があります。これらを比較すると、日本語以外の力もその人の能力として見ている大阪のほうが魅力的と捉えられると思います。  本県においても、公平性の観点から特別措置のさらなる充実が必要と考えますが、県立高校の入試における今後の方針について、荻布教育長にお伺いをいたします。 91 荻布教育長 県立高校の入学者選抜については、毎年、高校と中学校の関係者による連絡協議会で検討し、改善をしてきており、様々な配慮を必要とする志願者に対する制度も整えてきているところであります。  日本での学習期間が短い外国人生徒にとっては、日本語で受ける入試が困難であるため、県教育委員会では、平成23年度実施の選抜において、入国後6年以内の外国人生徒に対して、申請により検査問題の漢字にルビを付す措置を導入し、同年には外国人生徒やその保護者に向けた高校進学説明会を開催したところであります。  この説明会は、現在はNPO法人アレッセ高岡によって開催をいただいており、県教育委員会からは毎回職員を派遣し説明を行ってきております。英語のほか、ポルトガル語や中国語、ウルドゥー語、タガログ語などの翻訳つきパンフレットなどを用いまして、高校で学ぶ意義や学科の種類、入試の概要、経済的支援などについて説明をしております。  委員から御紹介のありましたように、大阪府では、府立高校8校において帰国生徒や外国人生徒のための特別枠を設けているほか、一般選抜においても入国後9年以内の外国人生徒に対し、申請により認められた場合は、ルビ振りのほか、時間延長や辞書の持込みを認め、またキーワードに外国語を併記するといった配慮を行っております。  県教育委員会としては、こうした特別措置の取扱いについては、ハンディがある外国人生徒に対して選抜方法の公平性の観点からどのような配慮が適切かについて十分に検討した上で定めることが必要と考えております。今後、他県の例も参考としながら、連絡協議会において検討してまいりたいと考えております。 92 酒井委員 よろしくお願いします。本県においても外国人がしっかり活躍できるような、そんな県であっていただきたいと思います。  次に、外国人の日本語教育の環境について質問いたしますが、県では、外国人の日本語教育環境の充実を図るため、今年度からとやま国際センターにコーディネーターを配置し、日本語教師同士や関係機関とのネットワークづくりに取り組むとともに、有識者らで構成する総合調整会議を設置し、日本語教育推進のための体制整備に向けた施策の検討を進めているとのことであります。  これまでの成果と今後の方針について、廣島生活環境文化部長にお伺いをいたします。 93 廣島生活環境文化部長 令和元年に日本語教育の推進に関する法律が施行されまして、外国人の日本語教育を受ける機会を確保することや日本語教育の水準の維持向上が求められる中、本県では令和2年度以降、養成講座を開設いたしまして、県内各地域にある日本語教室で活動する日本語教師や日本語ボランティアを育成してまいりました。  一方で、日本語教室の指導助言体制の整備などに課題があったことから、今年度は、委員から御紹介いただきましたとやま国際センターにコーディネーターを設置し、県内の日本語教室からの相談に応じまして、教室の授業内容を確認し、アドバイスするなど、指導助言に対応しております。また、このほか、県と関係機関が連携して日本語講師会を設置し、講師会から県内の日本語教室へ講師を今年は84回派遣するなど、教室運営を支援しているところでございます。  また、県内における日本語教育の機会の拡充や日本語教育への県民の皆様の理解と関心の増進などに向けまして、これも委員から御紹介いただきましたが、関係団体と有識者からなります総合調整会議に富山県日本語教育推進会議というものを新たに設置しました。現在、こちらの推進会議におきまして、富山県日本語教育の推進に関する基本的な方針の取りまとめ作業を行っております。  本県としましては、今後この方針に基づきまして、県民の理解促進に向けて取り組んでいきたいと考えております。  引き続き関係機関と連携し、外国人の方々が必要な日本語能力を身につけ、安心して生活、活躍できるよう、日本語教育環境の充実に努めてまいります。 94 酒井委員 廣島部長、そのようによろしくお願いいたします。  次に、警察署の再編と機能強化について質問いたします。  県警察では、人口減少、少子高齢化の急速な進行やサイバー犯罪等の新たな治安上の脅威といった、情勢の変化に的確かつ柔軟に対応できる、しなやかで強靱な組織体制を構築するため、昨年2月に富山県警察機能強化推進計画を策定されました。  この計画において再編整備方針に基づき、治安情勢や地域住民の利便性を考慮された高岡署、氷見署の統合署として、高岡西部中学校跡地が候補地とされましたが、新設される警察署には新たな機能強化として、県警のヘリやドクターヘリ等が発着陸可能な環境整備を行っていただき、他の警察署、県防災センター、医療機関等との連携が可能なものにしていただきたいと考えますが、杉本警察本部長の御所見を伺います。 95 杉本警察本部長 再編に伴い新設する警察署庁舎の整備を進めるに当たりましては、多様な事案に的確に対応できる施設であること、災害拠点として警察活動を維持できる施設であることなど、庁舎の基本コンセプトのほか、規模、機能等、基本的な方向性を定めた基本構想を今後策定していくこととしております。  委員御質問のヘリポートにつきましては、警察としてもその必要性や効果について十分に認識しているところでございまして、これまでにもそれぞれの庁舎の基本構想に基づいて、富山南警察署などで設置しております。  また御提案の県警ヘリは、災害発生時において捜索救助活動、被災地域の情報収集、避難誘導、広域交通規制などを行うものでございますし、ドクターヘリは傷病人を医療機関に搬送するとともに、機内で救命医療を施すものでございますけれども、新たなヘリポートの設置によりこれらヘリを活用する場面や可能性が広がり、関係機関等と連携してより効果的、効率的に活動を行うことができるようになるものと考えております。  一方で、ヘリポートの設置につきましては、離着陸地帯の位置、長さ、幅、表面の勾配など、国において設置基準が定められておりますので、今後、新警察署庁舎の整備に当たっては、それぞれの地域の実情等も踏まえながら、その設置の可否について慎重に検討してまいりたいと考えているところでございます。 96 酒井委員 そういうふうに提案させていただきます。ぜひ実現できればいいなと思っております。よろしくお願いいたします。  次に、今回の再編の大きな目的の一つに、住民にとって身近な交番の機能強化があるとのことでありますが、具体的には、再編により警察署の人員規模が大きくなることで刑事や交通などを専務とする警察官が増えるため、交番等に勤務する地域警察官は、本来の主たる業務であるパトロール活動や巡回連絡に専念できる時間が増えていくとの話でありました。大変結構なことだと思います。  地域警察活動を充実強化していくことで、地域住民の安全・安心のよりどころである交番の機能強化を図る必要があります。先ほど井加田委員も、そういったいわゆる各交番等の強化について、心配する思いを伝えられておられました。私も同感であります。  そのためには、機動力があり、柔軟な配置が可能な移動交番車の積極的な活用が大変有効的ではなかろうかと考えます。移動交番車の本県における活用状況と今後の方針について、杉本警察本部長に伺います。 97 杉本警察本部長 移動交番車は、その機動力を生かし、交番から遠い地域や事件、事故が多い地域において、動く交番として柔軟に配置し、各種届出の受理や広報啓発活動、見せる警戒活動等、地域警察官が行う活動を情勢に応じて展開できるものでございまして、委員御指摘のとおり、地域住民の安全・安心を確保する上で有効な手段と考えております。  このため、県警察では、警察署の再編を進めるに当たりまして、警察本部と全ての警察署に移動交番車として運用可能な車両を配備し、警察本部と警察署が連携を図りながら、積極的な運用に努めてまいりました。  令和4年中の活用状況につきましては、新湊曳山まつり等の祭礼において臨時交番として配置したほか、富山市の山田地区や五箇山等の山間地域における広報啓発活動、県内の小学校周辺での児童の見守り活動など、県内の全ての警察署で幅広く展開しており、出動実績は計190回、延べ221日間、これは前年と比較して、回数はプラス59回、延べ日数はプラス55日と活用の拡大を図っております。  今後も移動交番車を県民に周知するための取組を積極的に推進するとともに、新型コロナウイルス感染症の行動制限の緩和に伴って祭礼や各種イベントが以前のように広く行われることとなると考えられますので、地域住民の御要望や地域情勢を踏まえた活動を一層強化し、地域警察活動の充実と交番、駐在所の機能強化に努めてまいりたいと考えております。 98 酒井委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。  次に、社会生活基盤の充実について質問いたします。  県道姫野能町線は、高岡市街地と射水市街地を東西に結び、国道8号を補完するとともに、伏木港と新湊地区富山新港を連絡する重要な道路であります。  牧野大橋を含む第1期区間約2キロメートルのバイパス整備については平成25年度に供用しておりまして、引き続き第2期区間として高岡市中曽根から射水市作道地内まで約1.8キロメートルのバイパス整備に取り組んでいただいているところであります。  第2期区間は高岡市側から整備を進めており、高岡市内については、用地取得を終え、路側構造物の整備が行われておりますが、当該道路は、周辺道路への大型車の通行を抑制することにより住民生活の安全性の向上を図るとともに、伏木港と富山新港の連携及び県西部地域の産業活性化を支える重要な役割を担う道路であると思っております。一日も早い完成が望まれますが、進捗状況と今後の早期完成に向けての方針、スケジュール等について、市井土木部長にお伺いいたします。 99 市井土木部長 県道姫野能町線では、現在、第2期区間のバイパス整備に取り組んでおり、このうち用地補償については、西側の高岡市中曽根地内から着手し、昨年度までに東側の金屋地内を含め、委員御紹介のとおり、高岡市分約4.3ヘクタール全ての用地買収を終えたところでございます。  また、射水市では令和2年度に作道地内で着手し、補償対象となる47件のうち今年度契約の7件を含め、全体の5割弱となる22件の契約を終えたところでございます。今後、用地国債を活用し、さらに進捗を図りたいと考えております。また、用地買収を終えた箇所から工事についても順次進めており、今年度末まで中曽根地内の付け替え農道を約820メートルの工事をはじめ、道路側溝工事、地盤安定のための盛土工事をそれぞれ進めることとしております。  このバイパスは県西部の産業活動を支える重要な役割を担っており、引き続き必要な予算を確保し、地元をはじめ、地権者の皆様の御協力をいただきながら、早期完成に向け取り組んでまいります。 100 酒井委員 市井部長、ありがとうございます。用地国債を活用するという言葉を初めて承りました。ありがとうございます。ぜひこれに大きな期待をしておりますので、一日も早く頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  次に、富山のさかなのブランド化と販路拡大について質問いたします。  今年に入って高岡市や氷見市の海岸をはじめ、新潟県や北海道などでもイワシの大群が発生し、陸に漂着するといった事案が報道されています。また、今月から解禁されたホタルイカ漁では、網にはスルメイカが大量に入るが、肝腎のホタルイカは記録的な不漁となっているなどの報道もありました。例年漁獲されている品種が漁獲されない状況かと思うわけであります。  そのメカニズムはどうなっているのか、また富山湾での漁業への影響はどうか、堀口農林水産部長にお伺いをいたします。 101 堀口農林水産部長 水産庁の報告によれば、日本海のマイワシの資源量というのは、平成23年から増加傾向にあり、本県の漁獲量も同時期から急増しております。特に、今年の漁獲は例年より早い時期から見られておりまして、1月から2月末までの漁獲量は2,998トン、過去10年平均の約3倍となっております。県水産研究所では、海水温などの海洋環境が資源の変動に影響を与えているのではないかということで考えております。  一方、ホタルイカでございますけれども、本格的な漁が始まる前の2月に岩瀬沖でホタルイカの分布状況を調査したところ、来遊状況はよくない結果でございました。今月1日から昨日9日までの漁獲速報値では、約24キロと極端に少ない状況となっております。  県水産研究所では、これまでもホタルイカの漁獲量予測の調査研究を行ってまいりましたが、令和2年度からは国や兵庫県等と連携いたしまして、日本海の広範囲な海域を対象にホタルイカの分布状況と海洋環境の関係について研究を進めております。現在、水温や塩分、流向、流速等の環境データの収集分析を行っておりますが、変動要因の明確な解明には時間を要するものと考えております。  極端な漁獲量の変動は、漁業経営上の大きな不安材料ともなりますので、引き続き研究を進め、漁業者の皆さんにより詳細な情報や科学的知見を提供するとともに、適切な資源管理を推進してまいります。 102 酒井委員 様々な要因があるのだろうと思いますが、いずれにしても、日本一おいしい富山湾の魚を目指して頑張っていただきたいと思います。  最後の質問になります。  富山のおいしい魚をより多くの方々に味わってもらうためには、漁獲量の安定化はもとより、さらなるブランド化や販路拡大に取り組むことが必要かと考えます。  県では、首都圏へ向けて鮮魚を新幹線で輸送する取組などを進めてこられましたが、どのような成果があったのでしょうか。結果をしっかりと分析し、民間の取組も含めて、さらなる取組を展開していくことが重要と考えます。  今後、富山のさかなのブランド化や販路拡大にどのような方針で取り組むのか、堀口農林水産部長にお伺いをいたします。 103 堀口農林水産部長 県ではこれまで、首都圏等でのフェア開催や見本市出展等を実施いたしまして、富山のさかなのブランド化を推進してまいりました。その結果、民間調査会社の調査結果で、本県が魚のイメージのある県の上位となるなど、一定の成果も見られるところです。こうした認知度を生かしまして、さらなるブランド化に向けた販路拡大が重要であると考えております。  このため、富山湾の朝獲れ鮮魚の金沢駅積込みに加えまして、今年度はホタルイカ、シロエビ、ベニズワイガニ、ブリをシリーズでPRするため、季節列車として富山駅積込みも実施しました。首都圏の飲食店等からは、新鮮でお客様の評価が高い、魚問屋からは、小売店での定期販売につながったなどの好意的な声がある一方で、利用できる便が限られるなど、輸送の利便性の課題も指摘されております。  東京と大阪で開催されましたシーフードショーへの出展の際には、バイヤーの方々から他の食材も紹介してほしいとの要望があったほか、官民協働事業レビューでは、新幹線輸送によるブランド化は、高級飲食店等へのアプローチなど裾野を広げる戦略が必要との御意見などもあったところです。  新年度は、県内農林水産業者等とバイヤーの双方がウェブ上で商談できるサイトを活用しまして、さらなるマッチングを進めるとともに、新幹線に加え、航空機輸送による利便性の向上、富山のさかなとお米や日本酒等の食材を組み合わせた高級飲食店等へのプロモーションなどを実施することとしております。  今後も適切な資源管理や栽培漁業の推進による漁獲量の安定化を図りながら、富山のさかなのさらなるブランド化と販路拡大に取り組んでまいります。 104 酒井委員 ありがとうございます。いずれにしても、富山のさかなは全国でも注目されていると存じます。今後も航空機、また新幹線とも連携しながら、しっかりブランド化、そして販路拡大に取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございました。  私も井加田委員同様、存分に時間も余りました。私の場合は、これで終わりたいと思います。つぶやきません。次期機会を狙って頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。 105 平木副委員長 酒井委員の質疑は以上で終了いたしました。        宮本光明委員の質疑及び答弁 106 筱岡委員長 宮本委員。あなたの持ち時間は60分であります。 107 宮本委員 今回は変則的な議会でありまして、いろいろと日程調整等々あったと思いますけれども、予算特別委員会では最後の質問者となりますので、どうかよろしくお願いいたします。  また、今回、たくさんの議員の皆さん方、委員の皆さん方から御質問がありまして、重複する点も多々あるかもしれませんが、また御容赦いただいて、御答弁をいただければと思っている次第であります。  新田知事は、就任以来、新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、様々な課題に対応をされてきました。そして、新型コロナの5類移行も目前に控え、3回目となる令和5年度当初予算においては、今定例会の中でも再三議論になっておりますけれども、子供政策をはじめ、スタートアップ支援やDX、カーボンニュートラルの推進など、未来づくりに積極的に投資をする姿勢が現れていると思いまして、高く評価をしているところであります。  本日は、代表質問から予算特別委員会まで、今ほど申し上げましたように、多くの質疑がされましたけれども、大きく3つのテーマについて質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  まず、県民のウェルビーイングの向上についてお伺いしたいと思います。このことについても、再三、いろんな議員の皆さん方から御質問もありますし、また、知事も、担当部局も、このことについてしっかりと御答弁をいただいていると私自身は思っているのですけれども、後ほど質問いたしますが、政策をつくっていく、また県民に政策を訴えていくときのウェルビーイングの使い方、指標について、なかなか私自身がしっかりと把握できない部分がありますので、御質問したいと思います。  まず、流れとして、知事は一昨年の8月に、富山県成長戦略中間とりまとめを公表されるとともに、本県の成長戦略のビジョンとして、「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」を打ち出されたわけであります。その後、昨年2月には成長戦略が策定され、今年度行ったウェルビーイング県民意識調査を基に、今年1月に多様な県民意識をウェルビーイングの観点から可視化し、政策形成に活用するとのことで、ウェルビーイング指標を公表されたわけであります。  この間、ウェルビーイングという言葉については、これだけ多くの質問があったり、知事もいろいろといろんな場で申し上げておられますので、県民にとって認知度は高まってきているのかなと私は感じてはおります。  一方で、ウェルビーイング指標については、総合指標、分野別指標、つながり指標の3つの大きな区分で、10の指標に分かれて、その指標と基礎データを主観データとして活用し、県民の実感向上の効果検証、県民目線からの課題ニーズを可視化、県政のリソースの効果的な分配、また横連携の展開につなげていくということでありまして、知事自身も大きなチャレンジだと発言をされておりましたが、この指標を活用してどのように政策形成を行っていくのか、なかなかここが、私自身はすとんと腑に落ちてこないというのが実感でございます。  県議会からも、一部県民の皆さんからも、抽象的で具体的目標が分からないなど、様々な声も上がっているわけであります。  そこで県では、これまでも県民の幸せのため、県民の意識調査等を行い、県民の実態を確認し、各団体の要望や提案、社会情勢を踏まえた専門的な知見を踏まえて、政策形成や事業展開を行ってきたと認識しております。  それが、このウェルビーイング指標を用いて政策形成することになるとのことですけれども、これまでと何が変わり、最終的な目標達成をどのように設定するのか、なかなか分かりづらい部分があるのではないかと思っておりまして、まず、知事の見解をお伺いしたいと思います。 108 新田知事 富山県では、これまでもずっと、地方自治の車の両輪である県議会の皆様と共に、各種調査や団体からの要望、提案、あるいは社会情勢や専門的知見を踏まえて、県民の幸せのために施策を行ってきたこと、これは当然だと思います。これは共通理解だと思います。  一方で、現在のこの成熟した社会では、GDPに代表されるような経済的な量を追い求めるだけでは、県民の皆さんあるいは国民と言ってもいいんでしょうけども、それだけでは幸せを実感しにくくなっていると考えます。  今後は質、つまり、一人一人の主観的な実感としての幸せにも目を向ける必要がある、これは私が言っていることでもありますが、富山県成長戦略会議における意見、議論を受け、昨年2月に策定した成長戦略では、主観を重視するウェルビーイングをその中心に据えたということになります。  例えば、分かりやすい話、高度成長の頃は、池田勇人首相が所得倍増というものを言われました。まさに量の拡大、これが大変分かりやすく、そして、それが全国民の目標になった、政府としても目標になった。これはこれでそういった時代だったと思います。今では、なかなかそれでは、国民あるいは県民の皆様の心には刺さらない時代だと思います。いい、悪いではなくて、今、そういう国の発展段階が変わっているということであります。  富山県もやはりそうだと思います。成熟した中では、量を追い求める、あるいは、客観的な指標だけでは、県民の皆様の満足度、あるいは幸せの実感、これを我々はなかなか分からない、計り知れないところに来ているということ。そこで、このウェルビーイングというもの、主観的な幸せ実感、これに目を向けようということによって、政策の効果も測るようにしようという。成長戦略をつくった段階では、どうやって測るかということまではできませんでしたが、それがようやく、このウェルビーイング推進課で長く検討を重ねた結果、まだ二月前ですが、1月の初めにそれを公表できたということでございます。  そのウェルビーイングの指標をどうやって活用するかということですが、これまでの方法による県民ニーズや課題の把握、客観データに基づく県政運営を基本としながら──客観データはもちろん大切だと思います。これは基本としながらも、新たに県民の主観的な観点も取り入れて、よりよい施策に結びつけていきたいと考えます。  具体的なことを申し上げると、県民や事業者のニーズや課題を主体的に掘り起こして議論を提起すること。あるいは、県民の主観的な実感に届く施策展開と効果検証を図ることで、政策議論をより深め、よりきめ細かく、効果的な施策展開を図っていきたいと考えております。  これにより、我々のハードルはより高くなるわけでありますけども、施策の質が一層高まり、ひいては県民の幸せ実感のさらなる向上につながると考えています。これが、税金をより正しく使うことにもつながっていくと考えます。  また、ウェルビーイングというのは、個人の主観的な実感に基づき、価値観も多様であるため、完璧なことはないと思います。所得倍増といえば、スタート時点より倍増すれば、それでその政策は完成したということになったんでしょう。でも、今はなかなかそういうことにはなりません。  最終的な達成目標、KPIについてお尋ねですが、これは県民一人一人のウェルビーイングが持続的に向上している状態、今、そしてこの後の変化率、これが大切だと考えます。人材の育成や集積にもそうやってつながっていくことになる。日々変動はあるとは思いますが、総じて、一人一人が生き生きと自分らしく、健康に暮らし、多様な選択肢があり、新たな価値を生む取組が生まれて、お互いの社会のウェルビーイングを高め合う社会、これをつくっていくこと。これが、言わば究極的に我々が目指すゴールだと考えております。 109 宮本委員 後ほど、このウェルビーイングの質問が終わった後に少し私の思いをと思いましたが、今、知事から答弁の中で、例えば、高度経済成長の中の所得倍増云々とかという具体的なお話もありまして、私は、そのことについては同感をしております。だからこそ何となく、その指標の使い方とウェルビーイングの求め方の部分で、なかなか自分自身が腑に落ちないなということがやはりあるんだと今も感じます。  それは否定でも何でもありませんが、例えば分かりやすく言うと、ちょうど私が20代、30代の頃に、中沖知事が進めておられた「日本一の富山県」というこのフレーズ。私は青年団時代に、実はその審議会にずっと出させていただいて、今と同じ感覚で、日本一の富山県づくりって、日本一って何をもって日本一ですかという話をして、聞いたときに、やはり、あの当時の知事は、逆の言い方をすると、時代背景が違いますから、北陸新幹線を何が何でも通すことによって、北陸地方が、富山県が日本海側の中核の土地になるんだと。それが日本一の富山県のまず最優先だと。その後に、人づくりがあったり、また健康づくりがあったりということで、いろんな施策を打ってきたと。  そのことは、ひょっとしたら県民の中には、それ、要るのかという話があったり、ここで個別に私説を言うと問題がありますので言いませんが、それは本当に要るのということも議論の中でたくさんあったかもしれない。その知事が求める日本一の富山県づくりのために、どうしてもこれとこれはやっていくんだということで、強いリーダーシップで政治を動かしてこられたという意識が物すごくあったときに、僕は今、知事がおっしゃる時代背景の中で、確かに、ものをつくるとか、形だけではなくて、そこに生活する皆さん方が生き生きと、ここに住んでよかったなという実感を一人一人が持ってもらえるようにしていきたい。  そのときに、やはり僕の思いは、ウェルビーイングという富山県をつくりたいんだと。そのときに初めて、例えば、今、知事も頑張っておられる北陸新幹線の大阪延伸が実現することによって、我々の富山県が飛躍的にまた変わるんだと。そこには、例えば、経済効果、人流、観光文化、いろんなことでもっと変わっていきますよと。  今、知事がおっしゃっておられるような、例えばこういった成長戦略やスタートアップの支援、こどもまんなかの社会づくりが同時に進んでいくことによって、富山県に住んでよかったなという、農業に関係している人は、自分の主観的なよかったな、医療福祉に従事している人、関わった人はよかったな、北陸新幹線で人流、物流があった人は、富山県と関わってよかったなという1,000万の幸せに結びついていくと思ったときに、なかなか、このウェルビーイングをしようという部分で、どう使っていくのかということと、知事がこの政策を熱く語っていただくこととの、ちょっとギャップを感じたなというのがあるので、今のことも含めて、後ほどもう一度知事に全体的なことをお聞きしますので、そのところでもし御意見があればお聞かせいただきたいと思います。  そういう流れの中で、具体的なお話を少しさせていただくと、今回の令和5年度当初予算案では、この30事業で、試行的に活用されると聞いているわけです。例えば、独り親家庭をはじめとする3テーマについては、具体的に想定したターゲットの基礎データや指標の数値を用いて、幸せの状態を可視化し、政策立案する指標を活用するとされているわけです。  このための予算として1,000万円が計上されておりまして、知事は1月の記者会見の際も、全ての事業において指標を持ち、活用して、政策形成を行う方針を示されたわけですけれども、小さい話をしているように聞こえるかもしれませんが、3テーマで1,000万円かかるとすれば、富山県の事業全体がもし約3,000事業あるとする中で、県の全ての事業に活用をしていくというのは、現実的ではないのではないかという思いも実はするわけで、このことに実際に御尽力いただいている三牧知事政策局長にお伺いしたいと思います。
    110 三牧知事政策局長 本議会、非常にウェルビーイングの質問をいただいておりまして、我々も議論を深める機会になっておりますので、この質問にしっかり答えさせていただきます。  今ほど新田さんからも答弁がございましたが、政策への指標活用の主な狙いは、1つは、職員の主体的な課題発見による政策立案能力の強化、もう一つは、判断の基礎として、主観データを加えることによるPDCAの強化と、それの2つに対して、新年度はモデル的、試行的な事業を行いたいと考えております。  まず1つ目の、政策立案能力の強化に向けて横断的な取組が必要と想定される県民をターゲットに想定いたしまして、3テーマで政策の集まりを構築したいと考えております。この3テーマに対して1,000万円予算を積んでおりまして、その県民のターゲットの、主観的な実感のところから課題の洗い出しを、アンケートであったり、インタビューを行ったり、また意見交換会を開いたりするところに予算がかかるというところで、1,000万円を計上しているところでございます。  この政策立案能力の強化については、今後、横断的分野を中心に活用を広げていきたいと考えてはおりますが、デジタルを活用したアンケートや業務効率化を行うことで、最終的には、アンケートなどを外注せずに内製化を目指していくと。あわせて、既存の政策立案も、たくさん調査費等を使っております。そうした既存の政策立案にも、こうした手法を組み込んでいくと。そういうことを努力していくことで、追加的なコストをできる限り抑えていきたいと考えております。  また、2つ目の、既に立案した個別の各事業においてPDCAを強化していくという試験的な取組については、30事業で施行します。こちらについては予算は特段積んでおりません。こちらは、将来的に全ての事業を対象としたいと考えておりますが、ある程度、事業がまとまった政策分野単位で活用することも考えております。  例えば、現在策定中の男女共同参画計画の中では、若者や女性に選ばれる職場環境づくりという政策分野において、KPIとして、18歳から19歳の男女の県とのつながり実感を目標指標とできないかというところを検討しております。また、主観データの活用の度合いは、政策の分野の種類によって異なってくると考えております。例えば、ビジネスなどを前提といたしました事業者の支援、こちらは客観的データを主としたほうが比較的分かりやすいのではないかと考えております。  引き続き、客観データも活用しつつ、主観的実感をどの程度どのように組み込むか、政策ごとのバランスも含めて、新年度のこうしたモデル的な取組を通じて見極めて、今後の指標の活用方法を磨いていって、最終的な方法をうまく確立していきたいと考えております。  また、こうした指標の活用には、職員の十分な理解が不可欠であると考えております。このため、試行した事業などの具体的事例における課題や県民の反応等を実際の例としつつ、指標活用に資するような実践的な研修も併せて行っていきたいと考えております。その中で、県民起点のウェルビーイング、幸せ実感の向上という指標活用の意義を職員に浸透させ、施策の立案や評価といった観点だけではなく、個々の職員の県民目線、スピード重視、現場主義の徹底にもつなげまして、県組織全体の施策の質の向上を図っていきたいと考えております。 111 宮本委員 局長方も、いろいろとここについては御議論をいただいている流れの中での御答弁だと思っているわけですけど、俺なんか古い人間なのか、分かりやすく言うと、いろんなデータの取り方は全然おかしくないと思うし、いろんな指標に基づいていろんなことがあっていいと思うんだけども、やはり政策をつくっていくというときに、それを基に、何をやるのかとか、逆に言ったら、それがあって、いろいろな事業があって、それも付け加えることによって、今までの単純な、例えば成長戦略と知事が力を入れておられるのをつくったときに、今こういうのを取り入れると、今までと違う意味での成長戦略の在り方、スタートアップ、もっととんがった人たちという発想があっても、これはこれでいいと思っているんですよね。  だから、いろんな事業の中で、どうそういう指標も活用しながら達成して、それに関わった人やそこにいる人たちが、ああ、関わってよかった、政策が充実してよかった、ウェルビーイングな富山県だと思ってもらえるという感覚で思っているものだから、何か言葉を聞けば聞くほど、僕もよく分からなくなるという部分が若干あるのですが、まあ、私が分からないだけなのかもしれませんが。  そういう思いも含めてですけれども、もう一度知事には、この県民一人一人のウェルビーイングの向上を目指すことは、今言ったように非常に大事なことでもあるし、そういうことが新たに活用されていくということについて、僕は非常に重要なことだと理解しています。  ただ、県政運営においては、なかなかそうはいえ、全ての人が満足する施策を実施するというのは、これもまた困難だというのは事実だと思うわけです。  そういう意味では、こういう指標に基づく声を聞いたり、また大局的であったり、また専門的であったり、いろんなことを含めて、多極的な見地から政策を形成していくという、非常に重要な役割が県にはあると思っているわけで、この県民一人一人の主観的な幸福度は県民それぞれ違うと、先ほどから皆さんもおっしゃっているし、そのとおりだと思うのですけれども、どこに主眼を置いて政策を形成し県政運営を行っていくのかということについて、先ほどから私がいろんなことを申し上げたことの感想もあれば、それも含めて知事に答弁を求めます。 112 新田知事 先ほどの繰り返しにもなりますが、社会が成熟して価値観が多様化している、ニーズも多様化している、そんな時代に我々は生きておりまして、政治をやったり、あるいは行政をやったりということであります。ですから、均一的な施策では全ての人が満足することは難しいと。多様性を前提として、施策の質の向上を図っていかなければならない。今までとは、やはりマインドセットを変えていかなければならない。行政マンも政治家の皆さんも、そんな時代だと思います。  例えば、私が子供の頃、富山県民の歌というのがありました。立山を仰ぎ見て、生産の歌を歌う、そうやってきたわけですよ。それで、豊かになった。世帯当たりの所得は、もう全国1位。持ち家率も高い、家も広い、車は2人に1台もある、そんなすばらしい社会をつくったのですが、では、何で毎年毎年人が出ていくんですか。特に若い人が、若い女性が。それがやはり私の問題意識です。  これまでのやり方では、こんなに成功したはずなのに、人は出て行く、富山から出て行って帰ってこない。今回の予算でもかなりここに注力しておりますが、そんなことが問題意識の全ての原点だということをぜひ御理解いただきたいと思います。  そういうことで、今般、一人一人異なる主観的なウェルビーイングを、実感のデータに基づいて様々な角度から捉えていくという、そんな県の独自の指標をつくったわけであります。  この指標を意識した一つ一つの施策を丁寧に積み上げて、これはあくまで分かりやすくやったのですが、なないろの花びらや、あるいはつながりの葉っぱとか、そんなことで、分かりやすく興味を持っていただきたいということでビジュアル化したわけですが、それを我が事として質問に答えていただければ、宮本さんなら宮本さんのお花ができるように、そんなホームページを、もうじきリリースします。  それも、ある意味では楽しみながら、ウェルビーイングというものをそれぞれ我が事としてやっていただきたいと思います。いつまでも自分はあまり恵まれていないと思っていては何も起きないんです。そうやって自分のウェルビーイングはどうかなと思って見て、ちゃかちゃかやってみる。そんなところからまず一歩を踏み出す。そして、葉っぱがちっちゃいね、花びらがちっちゃいね、そんなことからだんだん、もう少し大きくしたほうがいいんじゃないかという気持ちを、県民の皆さんのマインドも変えていっていただきたい、そんな狙いでビジュアル化のお花をつくっているわけであります。  あくまで、なないろのお花や葉っぱはパーツです。それらをだんだん上げることによって、総合実感というお花の真ん中の部分がだんだんと大きくなっていく、向上していく。それが常に、少しずつでもいいから、今年よりは来年、今日よりは明日、少しでも上がっていく、変化をしていく。変化率が大切だというのはさっきも申し上げたことです。  その指標のデータから、相対的な状態の把握を行っていくと。さらに、今回のみそは属性を大切にしようということです。なかなか100万人全てのものは一度に取れませんが、例えば、まずは女性、男性、あるいは年代が20代、30代、70代、あるいは結婚されているのか独身なのか、あるいは子供がおられるのかおられないのか、あるいは正規雇用なのか非正規雇用なのか。そんな属性を組み合わせることによって、こんな方々にはこんな政策、そういうふうにして政策立案に役立てていく、あるいは政策を検証していく、そんなことに使っていきたいと思っています。  おっしゃるように、3,000本と言われます富山県の今やっている事業が、さらに細分化すると6,000本とも言われます。全てにおいてこの作業をやるのは、それこそまた時間外が増えてしまうかもしれません。だんだんみんな習熟はしていくと思いますが、やはり少しずつでもやっていくことによって職員のマインドセットも変わっていく、そして、こういう政策が刺さるんだと、当たるんだということもだんだんと分かっていく、そういったことを県の組織全体に浸透させていきたいと考えています。  ちょっと別の話ですが、例えば、官民協働事業レビューもやりました。あれも、増やしたといえ、今年3,000本のうちの20本です。3,000本を全部やるわけにはいかないんです。事業レビューも、1日かけて4本とか5本ですから。ただ、ああいうことを経験することによって、うちの職員が刺激を受け、成長して、あっ、そうかと。こういうところはやはり事業として県民から評価されないのか、でもこういうところは刺さったのか。全く同じ目的でやっていますが、だんだんと職員の意識を変えていく、そんなことを目指しています。  県政の運営におきましては、やはり宮本委員がおっしゃるように、大局的な見地から、より多数の県民の最大幸福を目指すという姿勢は当然大切です。一方で、今デジタルの時代です。デジタル技術の活用によってプッシュ型に施策を提供していくと、これも今可能になったことでございます。ややこしい時代でありますが、そういうテクノロジーの進歩によってやりやすいことも出てきたということであります。  それから、ウェルビーイングの浸透による県民の間での共助の促進も目指しています。何か素人っぽいことを言うとおっしゃるかもしれませんが、やはりお互いに助け合うという精神、これはどの時代でも大切なことだと思っています。  多様な県民の最大幸福にこれまで以上にアプローチをしていく、近づいていく、迫っていく。そういうことによって、誰一人残さない社会の実現を目指していきたいと思います。  SDGsは今ごく普通の言葉になりました。誰一人取り残さないというのが、この基本精神であります。でも、このVUCAという、曖昧で、変動して、不確実で、複雑な時代に、そんな中で、さらに誰一人取り残さない社会の実現、これはとても難しいことです。でも、我々はそれをやろうとしている。その一つのよすがとなる、羅針盤となるのが今回の指標だということ。これを指標に、羅針盤にしながら、幸せを実感できる富山県をつくっていく。そして、そういった富山県を将来世代に引き継いでいく。これは私の大局観です。こういったものを持って県政運営に当たっていきたいと考えています。 113 宮本委員 ありがとうございます。  いろいろな議員の皆さん、委員の皆さん方、本当にこの議論をされておりますし、当局の皆さん方も、それぞれの立場でどう進めていくのかとか、それをどう形にしていくのかということで、相当御苦労もいただいておると思いますが、何度も申し上げるように、決して批判だけをするつもりもありませんし、ウェルビーイングというものが実現していくことは重要なことだという認識は一緒だと思っていまして、またこういう機会があれば、いろいろと意見交換をさせていただいて、お互いにきちっと理解し合えるように、また今後も進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、エネルギー価格、物価高騰対策についてお伺いをいたします。  エネルギー価格や物価高の高騰については、これも多くの皆さん方が質問をされております。北陸電力の電気料金の値上げも控えて、県民や事業者から悲鳴のような声が実際に聞こえております。  そして県では、中小企業ビヨンドコロナ補助金などによりまして、この中小企業の生産性向上に向けた取組などを支援しており、先般議決した2月補正の予算でも、賃上げに取り組む事業者へは補助率を引き上げて支援するなど、企業の前向きな取組を後押しする姿勢は大変評価をさせていただきたいと思っております。  ただ一方で、先日の鹿熊議員の一般質問においても質問がありましたが、生産性向上のために設備投資をしたいが、その余力がないという事業者からは、やはり悲痛な声が上がっているわけであります。価格転嫁も困難な零細企業は、コスト削減に取り組む余力もなく、さらなる支援が必要ではないかと思っています。  福井県では、例えば電気料金、ガス料金、これは高圧電力や高圧ガスというところに限られておりますけれども、10万円以上増額となった場合には60万円を支給するなど、直接的な給付金制度を設けて対応するということでありますが、本県においても、そのような支援があってもよいのではないかと考えているわけでありまして、中谷商工労働部長に伺います。 114 中谷商工労働部長 中小企業を取り巻く社会経済環境につきましては、今お話がありましたとおりですが、まず人口減少によって、需要や働き手の確保というのはどんどん難しくなっていく。それから、先の見えないエネルギーや原材料価格の高騰、これもなかなか収まるところが見えないところでございます。それから、人材確保のための継続的な賃上げも、そういう中で求められております。  ようやくコロナ禍が落ち着きまして、その経験も踏まえて、デジタル化等の必要性が改めて認識されてきている。こういう中で、省エネ、省資源を含んだ生産性の向上、それから事業の再構築というのは、小規模の事業者も含めて待ったなしの課題であると考えています。逆に言うと、これをやらないと今の危機は乗り越えられないだろうという前提で物を考えているというところでございます。  このため、今もお話がありましたが、議決をいただいた補正予算、それから新年度予算案で、まず、ゼロゼロ融資の借換えにも対応したビヨンドコロナ応援資金の融資枠の拡充と、保証料の引下げということで、まず経営をしっかり下支えする。その上で、お話のあった生産性向上等を支援するビヨンドコロナ補助金において、賃上げに向けた取組については、補助率は中小が4分の3、小規模は5分の4、正直、こんな補助率というのは今までないんじゃないかという補助率に引き上げるということにしております。  それから、DX等の計画の策定も、この補助金で補助対象にしておりますし、商工団体における相談体制の充実も今回盛り込んでおります。だから、一方的にやれという、そういうようなことではなくて、一緒にやっていきましょうという体制で臨んでいきたいと思っています。  今後とも、事業者の皆さんの将来を見据えた経営課題への取組に対して、商工団体、金融機関、信用保証協会、新世紀産業機構などと連携をいたしまして、寄り添った支援に努めてまいりたいと考えております。  また、エネルギー価格の高騰につきましては、一部の中小企業のみの話ではなくて、事業者、生活者の全てにわたる全国共通の課題であるということでございます。県が独自に直接的かつそれを効果的な支援をするということになりますと、相当な財源が必要になるということになります。国の適時適切な対応が必要であると考えております。 115 宮本委員 おっしゃる政策等については、僕も賛同をいたします。今計上されているものについては、おっしゃったことが確実に末端まで行くようにぜひ努力をしていただきたいと思いますが、それでも厳しい環境の零細企業等々あるんだよということはもう御承知だと思いますので、いろんなことに柔軟な対応ができるように、また気をつけて見ておいていただければと思っています。ありがとうございます。  最後に、部長のほうから、民間企業だけじゃなくて、県民個々という発言がありましたが、県民からも同様の意見がやっぱり出ておりまして、他の委員もおっしゃっておられるように、1月の電気料金上昇というのは、もうすごいことになっているということで、我々もいろんなところから聞かせていただいております。  そんな中で県は、この2月補正予算により、例えば独り親家庭への生活必需品などの提供や、こども食堂の維持継続への支援、商工団体等に行うプレミアム商品券の発行など支援することということでありまして、これも高く評価をさせていただきたいと思っておりますけれども、先ほどから申し上げたように、それでもやはり、県民個々になかなかこういった支援が行き渡らないという思いもあり、値上げの支援も含めた、さらなる総合的な支援策が必要ではないかと考えておりますが、知事の所見を伺いたいと思います。 116 新田知事 やはり賃上げが必要だと思いますが、ただ賃上げをするだけでは企業の存続ができなくなる。価格転嫁なくして賃上げなしだと私は考えております。ですから、パートナーシップ構築宣言を、経済団体、また労働団体、労働局、経済産業省、消費者団体も交えて、皆さんにお願いをし、それを今浸透させているところです。  正しく適切に価格転嫁をするパスをどんどん続けていくことによって、中小零細企業まで何とか賃上げできる状況にしたい。そのために、中小企業ビヨンドコロナ補助金を11月補正でも10億円つけさせていただきましたが、さらに今回5億円つけさせていただき、これは今、商工労働部長が説明したとおりでございます。  そんなことで、何とか中小企業の皆さんも、ぜひこの流れに乗ってついてきていただきたい。それが、やはりこの賃上げを全県隅々まで行き渡らせるためには必要なことだと思います。  また一方で、先般、総理が足元の動向にまた対応すべき追加策を検討すると表明されました。全国知事会としても、今、国の追加経済対策を見据えて、物価高騰への追加対策に向けた提言を取りまとめているところでございます。今後、要請活動を行ってまいります。  このようなことで、総合的かつ効果的な対策も強く働きかけていくとともに、来年度以降の地域の実情も踏まえながら対応していきたいと考えます。 117 宮本委員 ありがとうございます。  それでは、ウイズコロナの対応について、何点かお伺いしたいと思います。  5月8日から新型コロナの5類への移行ということになったわけでありますけれども、この3年間、知事をはじめ、担当部はもちろんですが、県庁職員の皆さん方、関係の医療従事者の皆さん含めて、本当に多くの皆さん方がこの対策に御苦労いただいたと思っておりますし、県民の皆さんも歯を食いしばって今日の日を迎えていると思っております。  そんな中で、ちょっと視点を変えて、言葉足らずのところがあったら申し訳ありませんが、例えばこのコロナのことで、子供たちの部活動が云々とか、教育がどうのとか、観光の皆さん方、飲食の皆さん、いろんな影響を受けて、これは大変だったよねと。でも、一方では、必要に駆られて、DXが思った以上に一気に進んだんじゃないのとか、いろんなことが実はあったと思うんです。  そういうことを思ったときに、いよいよ新たなステージを迎える今だからこそ、本当にこの3年間で何が起こっていて、どういう問題があったのか。いや、そのことによって、こんなことも先に進むんじゃないのということがあったと思うので、やはりこういうところは、ああ、よかったよかったというよりも、その県政全般を見渡して、総括して、今後の県政運営に生かしていくということが非常に重要ではないかと感じております。そのことについて、知事の所見を伺いたいと思います。 118 新田知事 3年間のコロナで、みんな大変に痛い目にも遭いました。でも、今、委員おっしゃるように、コロナによってもたらされた様々なものもあると思います。  例えば、様々な分野でDXが加速をした、非対面、非接触ということから新たなビジネスも創出された。例えばスマートフォンによるキャッシュレス決済も飛躍的に進みました。それから、テレワーク、リモートワーク、ワーケーション、多拠点居住などで地方での暮らしへの関心も高まりました。教育分野では、GIGAスクール、1人1台端末、これも一気に進みました。リモート授業も行われるようになった、そのようなことであります。  そんなことで、新年度予算案では、マスコミさんから何か名前をつけろと言われたので、単に復旧するのではなく、よりよく復興しようということで、ビルド・バック・ベター、また横文字かということですが、よりよくする予算、そしてその中核には、特にこのこどもまんなか共生社会の実現をやっているわけであります。  確かに、おっしゃるように、一歩とどまって総括が必要だと思いますが、ただ、それはやっぱり並行してやるべきだと考えています。今は、このアフターコロナ、ウイズコロナ、さらにその先のビヨンドコロナの時代に、やっぱり他県もどんどん走っていきますので、富山県もこの風をしっかりとつかまえながら走っていきたい、そのようなことを思っています。  もちろん、総括が必要だというふうに思いますが、今、そんなことで考えております。 119 宮本委員 そういった総括は、どんな形でもできると思いますので、やっていただきながら、新たな展開をぜひ進めていただきたいと思います。  そんな中で、令和5年当初予算案では、当面の間、必要となる新型コロナに対する経費として、基本的に3か月分を計上していると。国の見直し案が本日、正式に発表されると聞いておりますけれども、新聞報道等々を見ると、1つ目としては、現在無料となっている検査や陽性判明後の外来診療は、移行日の5月8日から患者の負担を求めるとか、入院費も自己負担を原則とするが、高額になる場合は、9月末まで月に最大2万円を軽減する一方、価格の高い治療薬は引き続き無料とするとか、高齢者の入院先を増やすため、受入れ医療機関への診療報酬を加算する等々、いろいろと発表されていると思いますけれども、この5類移行後も新型コロナの流行はしばらく続くというのが専門家の方々も一致した見方でありまして、国の方針により、本県の対応もされていくと思いますが、例えば、高齢者施設のクラスター対策や自宅療養者へのフォローアップなど、国の支援がなくても、この県民の暮らしを守るため、継続して実施すべき事項があると考えておりますが、現時点でどのように整理しているのか、有賀厚生部長にお伺いしたいと思います。 120 有賀厚生部長 予算編成時には、国が5類移行に伴う段階的な移行措置を3月上旬に示すとしていたことから、新年度予算案では当面の対応に支障がないように、原則、現行制度を前提として、医療費公費負担や病床確保補助金等について、6月までの3か月分を計上することといたしまして、それ以降については、必要となる対策を検討の上、補正予算対応とし、改めて御審議いただきたいと考えております。  一方で、5類移行に伴い、委員もおっしゃいますとおり、新型コロナウイルス感染症の性質が急に変わるわけではありませんので、感染者の不安に寄り添って対応するために、受診や自宅療養者向けの相談業務については通年分として計上しているほか、高齢者施設のゾーニング等に係る施設整備関係費についても、今年度と同額を計上することで、県民の不安解消や、高齢者施設の感染対策には配慮したところでございます。  ここでも出てきておりますが、国の移行措置は、まだだと思いますが、これから示される見込みでございますので、それについて早急に内容を精査して、県としての対応方針について、また整理していきたいと考えております。 121 宮本委員 現状の中で最善のことということで理解をしておりますけれども、本当にどのような状況が繰り返されるかまだ分からないということも実際にありますので、ぜひまた柔軟な対応をしていただければと思っています。  そうした中で、結構私自身も感じておりますが、この3年近くで、地域の祭りやイベントは全部中止になってきて、去年から少しずつ縮小でも動き始めたということですけれども、やはりこのことは地域のコミュニティーが薄れつつあるなということを非常に危惧しております。  5類に移行するということで、地域イベントの開催に制約もなくなってくるわけですけれども、高齢化の進行であったり等々、なかなか復活が難しくなってきているものもあるのかなという心配をしています。そういう意味で、地域の祭りやイベントの開催は、地域コミュニティーの活性化になくてはならないと考えております。  そこで、県として、ずっとやってもらえば一番いいのですが、そんなわけにいかないとすれば、例えば2年という期間を区切って地域イベントの復活を支援するなど、県として危機意識を持って地域コミュニティーの活性化に向けた取組を支援すべきと考えますけれども、南里地方創生局長に伺いたいと思います。 122 南里地方創生局長 本県は、従来、自治会や老人クラブ、それから消防団活動が活発に行われる、地域コミュニティー活動の活発な地域と認識しておりまして、県ではこれまでも、自治会連合会が実施するリーダー研修への助成、市町村が共同して行うまちづくり支援、中山間地域での地域づくりに向けた話合い支援、自治総合センターのコミュニティーセンター建設や祭りなどの備品整備等への助成事業の活用など、市町村と連携協力して取り組んでまいりました。  地域のお祭りは、地域への誇りと愛着を育む地域の財産、資源であるという観点から、これまで基本的には、基礎自治体である市町村において支援を行ってまいりましたが、新型コロナの影響によりまして、祭りの中止や規模縮小を強いられたことで、活動の維持や保全、伝承にも苦心され、ひいては地域コミュニティーの弱体化、あるいは観光地としての魅力の低下も懸念されますことから、再開に向けて、地域にとって持続可能な祭りの在り方を考えることが重要になっております。  そのため、県としては、来年度新たに、富山の祭りや自然、食等の地域資源を生かした持続可能な観光地域づくりを支援するものとして、例えば、富山の魅力に触れることができる体験型イベントや、駅や空港での大型モニターによる中継といった、地域文化資源の活用や魅力創出を通じて地域を元気にするとともに、旅行者の消費を促すような祭りの再開、活性化の取組を支援することとしております。  本事業について広く周知を行うなど、市町村とも連携協力を図りながら取り組んでまいります。 123 宮本委員 ぜひ積極的にまた取り組んでいただければというふうに思っております。こういったことも非常に重要だと思っていますので、よろしくお願いいたします。  では、今定例会でも、人口減少のことについても相当いろんな意見が出されました。そのことを踏まえて、まず中山間地域の活性化という観点から、中山間地域の持続可能な物流の在り方ということで、県では2年間、ドローン活用に主眼を置いた実証実験などに取り組んでこられて、この一日も早い実装化を待ち望んでいたところですが、実証の結果、数年後の実装化は厳しいと結論が出されたと聞いております。  ただ、もう本当に、配送業者等々の人手不足というのも、これも大変な状況でありまして、中山間地域における物流サービスの維持は、喫緊の課題になってきていると思っています。  そこで、これまでドローン実証に取り組んできた成果はどうだったのか。その結果を踏まえ、今後、中山間地域における物流サービスの維持にどのように取り組むのか、知事にお伺いをしたいと思います。 124 新田知事 ドローンについて取り組んできましたが、現在のところ、電波環境あるいは安全管理に係る規制などで、社会実装にはもう少し時間が必要と判断をしております。  一方で、物流業界は、自動車運転業務の時間外労働の上限制限に伴う、いわゆる2024年問題など、経営環境が厳しく、効率化が喫緊の課題となっています。仮に、物流事業者が、中山間地域など輸送効率の低い地域への物流サービス水準を低下させた場合、日常生活に大きな影響を及ぼしかねません。  そのため、物流事業者や小売事業者、市町村などと連携して、この課題解決に取り組むことにします。月内に準備会合を開催の上、来年度早々には官民協働の協議会を設立し、中山間地域における持続可能な物流モデルの早期実装化を目指したスキームづくりを進めます。テクノロジーを活用した最新の物流の動向も、一方でもちろん注視しながら、課題解決に取り組んでまいります。 125 宮本委員 ぜひスピード感を持ってお願いしたいと思います。  もう一つは、この中山間地域……私、大きな項目を言いませんでした。人口減少社会での取組や、専門人材が必要だという観点で今のことも申し上げたところでありまして、同じく中山間地域の持続活性化に当たって、カフェや野菜直売、収穫体験など、この地域の特徴を生かして、コミュニティービジネスというところに皆さん非常に積極的に取り組んでいただいております。  私の地元の黒瀬谷地域というところでも、こうしたコミュニティーカフェ「菜菜こられ市」を運営、定期的に特産品を持ち寄ったり、そこで収穫されたものを加工したりということをやっているわけですが、しかしながら、やはりここにも高齢化という問題があったり、逆に一方では、経営等の専門知識とかノウハウがなかなかないという課題も抱えておるわけでありまして、令和4年度のサンドボックス予算を活用し、このノウハウ等を学ぶ研修を試行実施したと聞いております。  その成果を横展開して、中山間地域のコミュニティービジネスの活性化にしっかりと取り組んでいただきたいという思いで、県としてこの地域活性化のため、コミュニティービジネスをどのように支援していくのか、南里地方創生局長にお伺いいたします。 126 南里地方創生局長 今年度、サンドボックス予算で、コミュニティービジネスの実施で生じやすい課題やその解決策を整理し、そのノウハウを広く地域に活用いただくためのモデル地域を指定して、調査分析を行いました。  具体的には、専門家に実際に現地確認いただくなどして、持続可能なビジネスモデル地域に向けた伴走支援を行いまして、専門家からは、そのモデル地域に対して、コミュニティービジネスを進める上でも、現状分析、ターゲットの明確化、営業活動が重要とのアドバイスがありまして、これを受けて、経営改善、活動促進に向けて、様々な工夫を凝らした取組を実施されたところでございます。  来年度は、今年度事業の検証も踏まえ、地域団体を対象に、コミュニティービジネスに挑戦する際に必要な経営の専門知識やノウハウを学ぶ研修会を実施しまして、コミュニティービジネスに取り組む地域をさらに育成するとともに、他の地域への横展開を図っていくこととしております。  中山間地域の活性化に向けて、引き続きコミュニティービジネスに取り組む地域をしっかり支援してまいります。 127 宮本委員 同じく、専門人材ということで、富山県の中でいろんな分野があって、いろんな専門分野の人材の確保ということが喫緊の課題だと認識しております。  その中で、薬剤師の確保について、先般、藤井委員も質問をされまして、私も県内の公的病院などで、薬剤師や服薬指導に必要な病院薬剤師が非常に不足していると言う声も聞いたりしています。昨年5月の新聞報道でも、県内の12の自治体病院において薬剤師が不足しており、サービスの低下を懸念していると、こういうことがあったわけでありまして、藤井委員の質問と重複するかもしれませんが、病院だけではなくて、県内の薬剤企業でも薬剤師の確保が難しい状況だと聞いており、県内の薬剤師確保の現状と今後の県の確保対策について、まず有賀部長にお伺いしたいと思います。 128 有賀厚生部長 県内公的病院や製薬企業における薬剤師確保の状況は、今年度、県が実施した採用数のアンケート調査では、募集人数に対する採用人数の割合が、公的病院では53%、また製薬企業では37%にとどまり、非常に採用が困難な状況となっております。  今年度も、説明会やパンフレット等で薬学生に対してPRしてきたところですけれども、特に来年度については、県病院薬剤師会と連携して、病院薬剤師のキャリアイメージをPRする動画やパンフレットを作成、そして、県内外の薬学生を対象とした公的病院への短期インターンシップを実施するほか、薬剤師のキャリアイメージのPR、採用情報の紹介を行うためのポータルサイトを開設することとしております。  また、総合的に薬剤師確保対策を検討するために、関係者や有識者による富山県薬剤師確保対策推進協議会、仮称でございますが、これを設置していきますので、引き続き大学や関係団体などと連携して、地域の薬剤師確保に向けて、取組を一層強化してまいりたいというふうに考えております。 129 宮本委員 ありがとうございます。  そうした中で、一昨日、ちょうど藤井委員がこの問題について質問のさなか、富山大学から薬学部に地域枠を創設するという発表があったわけでありまして、相当、藤井委員が力を発揮したものだと思っております。国立大学としては全国初ということで、大変すばらしいことだと思っております。  既に、医学部の地域枠は、地元で一定期間医師として勤務すれば、返済が免除される奨学金制度があるわけですけれども、そこで今般、創設される薬学部の地域枠についても、やはり高度医療や医薬品開発、品質保証などで活躍できる高い能力を有する薬剤師に地域に定着してもらうために、県による奨学金制度の創設について検討すべきと書いておりますが、やるべきと思っておりますので、知事の所見をお伺いしたいと思います。 130 新田知事 今回、富山大学さんが創設される地域枠では、学生に対して地域創生型カリキュラム(仮称)などを用意されて、県内の病院、薬局、製薬企業、行政の講義や見学、インターンシップなどのプログラムを通じて、地域への深い理解と高度な専門性を有する薬剤師の育成を行うこととされています。この地域枠の創設は大変ありがたく、富山大学の御尽力、藤井さんの御尽力にも深く感謝を申し上げたいと思います。  将来、地域枠から排出された薬剤師が、県内の地域医療や医薬品業界、薬務行政などの場で活躍していただくことを強く期待をしております。  委員御提案のように、県による奨学金制度を創設できれば、学生の支援につながるだけではなく、医学部の地域枠のように、県内で一定期間勤務した場合に、返済を免除あるいは減免する制度とすることで、地域枠卒業者の県内定着を図る上で大変有効な方策になると考えています。  県としても、先ほど厚生部長が答弁したように、薬剤師確保に関する協議会において、制度の詳細を関係者、有識者の方々と十分に検討していきたいと考えます。  さらに、カリキュラムへの協力なども含めて、地域に定着する薬剤師の養成に向けて、富山大学さんと密接に連携して取り組んでまいります。 131 筱岡委員長 時間がございません。簡潔にお願いします。
    132 宮本委員 最後に、人口減少対策については、もう数字を申し上げるまでもございませんけれども、やはりここは危機的な状況でありまして、ぜひ県として積極的に取り組まなくちゃいけないと思っていますし、知事のおっしゃる、こどもまんなか共生社会の実現に向けて、あらゆる施策を総動員して、子供政策に取り組む必要があると考えておりまして、最後に知事の意気込みをお伺いしたいと思います。 133 新田知事 令和5年度予算案では、子供たちへの積極投資という意味で、今年度の当初と比べまして、26億5,000万円増の386億円と大幅に増加の提案をしております。お金だけではありません。こども家庭室を昨年設置しましたが、それをまた国のこども家庭庁に合わせて、組織も充実させます。3課体制にします。そして、こども家庭支援監を専任として、こども家庭室をこの支援監の直下に置くことで、権限の強化、部局をまたいだ連携のさらなる進化も図ることにしています。  また、「ワンチームとやま」連携推進本部会議では、来年度の協議を行う連携項目の一つに、新たにこども・子育て施策の連携・強化を加えます。15市町村と富山県が一体となって、子供政策を強力に推進してまいります。  このように、子供を真ん中に据え、あらゆる子供政策を総動員して、組織体制も強化し、金額も増やし、少子化対策、子育て環境の充実に全力で取り組んでまいります。 134 宮本委員 ありがとうございました。 135 筱岡委員長 宮本委員の質疑は以上で終了しました。  以上をもって、本委員会の質疑は全て終了いたしました。  委員各位におかれましては、長時間御苦労さまでした。  終わりに、本委員会の運営に終始御協力を賜りました議員各位、県当局並びに報道関係の各位に対し、深く敬意を表します。  これをもって、令和5年2月定例会の予算特別委員会を閉会いたします。                      午後5時05分閉会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...