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定例会付託案件の審査
(1) 質疑・応答
奥野委員
・9月補正予算(案)について
薮田委員長 これより付託案件についての質疑に入ります。
質疑はありませんか。
2 奥野委員 今回の9月補正予算(案)に、燃油・肥料等の価格高騰に対する支援が計上されております。それに関係して、私から3点質問をしたいと思っております。
まず、1番目に燃油・肥料の価格高騰が続いておりまして、正直この出口が見えないというところもありますので、今回の支援策については、これは大変ありがたく思っているところであります。
特に、今稲刈りの時期で、大体後半に入ってきておりますけれども、それこそ収穫であったりとか、乾燥であったりとか、こういう作業にも灯油、軽油が大変多く使われるということでございます。今まで県でもこういう施策を講じてきておりましたが、今まではどちらかというと大規模農家であったり、法人であったり、こういうところへの支援はありましたけれども、特に小規模でやっているところについては、条件的に
なかなか網かけがなされないというようなところもあったように思っております。
今回は、米農家の支援として初めて県単独の支援ということで、しかも10アール当たり500円という、本当に10アールのところというのは少ないですけれども、そのぐらいのところからしっかり網かけをするという方向性が打ち出されたということは、大変評価をするところでありますけれども、まず、今回県独自の支援を決めた理由について、改めてお伺いします。
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雄川農業技術課長 国が本年7月に公表した
農業物価統計調査によれば、高騰前の令和2年の
年平均価格と比べ、肥料費は約1.4倍に、燃料費は約1.2倍から1.4倍に高騰しており、農業経営に影響を及ぼしております。
県では、6月補正予算に肥料低減のための
地力増進作物の作付や施設園芸の燃油購入に対する支援を盛り込んでおります。
国においては、最近の肥料価格のさらなる高騰を受け、農業者に対して、
肥料コスト上昇分の7割を補助する事業が創設されました。しかしながら、肥料等の資材価格の高騰は、2年ほど前から始まっており、実態としては農家の負担感が相当大きくなっているものと認識をしております。
このため、県では化学肥料や燃料の低減に取り組む販売農家に対して、奨励金を10アール当たり500円交付する事業を、9月補正予算(案)に計上させていただいたところです。
本事業では、今回の肥料・燃料の価格高騰を契機として、農業者御自身にこれまでの施肥方法や作業体系を見直していただくとともに、化学肥料や燃料の
コスト低減に向けた取組を後押しするということで、経営規模の大小にかかわらず、農業者の方の経営継続に向けた前向きな取組を支援することを狙いとしております。
4 奥野委員 今ほどの答弁にもありましたとおり、これからの農業の在り方を含めて推進するとともに、米農家を後押しすると、こういう狙いがあるということでありました。
特に、私も今まで富山県の農業形態──それこそ農地の9割以上が田んぼで、さらに農業者の8割以上が
兼業農家というようなことを踏まえると、やはり経営の規模や形態によらず、少しでも多くの方に農業に関わってもらうということをやっていかなければならないということは、度々お伝えをしてきたと思っております。
そのために、今回は10アール当たりというところから
大分ハードルが下がりました。さらに、県単でということについては先ほども申し上げましたが、歓迎をするところでありますけれども、米価が下がっている状況というのはありまして、さらに言えば、今おっしゃられたように、燃油、肥料が高騰していて、負担感というのはだんだん大きくなってきています。
それこそ、法人とか大規模でやっているところのように、これが生業でやっている方たちは、いろいろな工夫をしながら当然続けていこうという方向だろうと思いますけれども、小規模のところは、こんな大変な思いをするのだったら、早く手放してしまいたいとおっしゃられる方も多いわけでありまして、これは何とか農地や水路の管理も含めて続けていただく工夫というか、後押しをしないといけないと思っています。
今、おっしゃられたような狙いがいろいろあるわけですけれども、今回は例えば肥料の低減やプラスチックを使ったような肥料はなるべく使わないとか、農業の効率化だとか、こういうようなものに資する取組に対して10アール当たり500円支援をしますというスキームだと思います。
これは、本会議でも議論があったところだと思いますけれども、申請手続について、
経営計画書を提出してほしいなどが条件になっていると思います。市町村でもこういう支援策がありますので、市町村と調整をして、農家の負担があまり大きくならないようにするという御答弁があったところだとは思いますけれども、特に小規模で
兼業農家のところについては、そもそも
経営改善計画とは何ぞやというようなレベルからスタートするところもあるわけでありまして、この申請手続が複雑になったりとか、あとは難しいものを書かないといけないということになると、せっかく10アールから支援しますよと言っているのに、やはり本業でやっているところしか、申請をしないということも起こり得るのではないかと懸念をしています。
何でもお金を配ればいいとは思いませんけれども、小規模、特に兼業の家族経営のようなところでも、販売農家さんが支援を受けられるように、こういう経営計画を含めて
申請手続きの簡略化をして、必要なところに支援が行き渡るように工夫をすべきと思います。改めて、これも答弁を求めます。
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雄川農業技術課長 今回のこの県事業の事務手続につきましては、今後、市町村やJAなど、実務を行っていただく
地域農業再生協議会の御意見も伺いながら進めることとしておりますが、まず、
申請スケジュールにつきましては国の支援金、これも同じように販売農家を対象としております。この国の支援金の申請と併せて、農業者の皆様からは1月下旬頃に申請していただくということで
スケジュールを合わせることや、申請書類については、肥料、燃料の
コスト低減に向けた具体的な取組内容を例示いたしまして、記入方式ではなく、丸印をつけていただくなど、できるだけ簡略化して農業者の方の負担軽減に努めたいと考えております。
さらに、より多くの農家の皆さんに取り組んでいただけますよう、具体的な取組内容としては、例えば化学肥料の低減については、JA等が集落などを単位として行う土壌分析に基づく施肥設計の見直しや、肥料低減が期待できる富富富の導入などに取り組むこと、また、燃料の低減については作物や品種ごとの圃場の団地化、こうすることによりまして機械の移動距離が短くなるというようなこと、また、機械の清掃点検の徹底による燃費の向上など、幅広くお示しし、個々の農家の営農状況に応じ、選択していただけるようにしたいと考えております。
県としては、農業者の皆様にとって過度な負担とならないよう工夫してまいりたいと考えております。
6 奥野委員 ぜひ、申請手続の支援もお願いしたいと思っております。なぜそんなにこだわるかというと、今回県で初めて10アール当たりという基準で施策をつくったということでありますので、今まで対象とならなかった農家の人たちが、今回初めて申請してみようかということもあるのではないかと思っていまして、そういう方たちが「分からんからもういいわ」みたいな感じで、申請せずに終わっていくということがないように、そこら辺の目配り、気配りをしていただきたいと思っております。
もう一つ、今回私が小規模や
兼業農家にこだわっているのは、農地・水路の管理というのは
スマート農業だけでは補えないところがあって、人手がどうしても必要だということが、もう大きな課題として浮彫りになっているからであります。新規の担い手をどう確保するかとか、担い手をどう育成するかということ、これまでずっと重点を置いて議論をしてきたところですけれども、それと同時に、今農地を持っている方々に細く長く農業を続けてもらうことが必要なのではないかなと思っております。離農対策も、やはりこれからは重きを置いていかなくてはならないと思っております。
今回、こうやって新しく経営の形態とか規模にかかわらず、
支援メニューをつくったことは大変評価をするところでありますけれども、今は一時的に大変な状況にあるから、1回だけやってみたということで終わることなく、小規模であったり、兼業であったりという富山の多くの農家さんをこれからも支援してほしいというふうに思っています。
当然、物価高騰、燃油や肥料の高騰の折には、このような財政支援というのは大変ありがたいわけでありますけれども、これをずっと続けるというわけにもなかなかいかないわけであります。当然財政措置が必要なときにはしてもらう。それ以外のときには、
小規模兼業の方たちにどう細く長く続けていただくかというお金に頼らない支援というのも一つ必要になってくるのではないかなと思っています。
あらゆる支援策を講じて、離農を防いでほしいと思っているのですけれども、例えば近年、国のほうでも半農半Xという言葉が出てきたり──要は副業的に農業をやるという形態が推奨されるようになってきましたけれども、富山県はもともと
兼業農家という形態が伝統的にあるわけで、もう一回この形態の価値を見直して推奨するということも、多くの農業に関係する人たちを維持していくということにつながるのではないかと思っています。
まずは、県庁の職員の皆さんの中でも、例えば稲刈りや田植の時期だけでも農業に従事する。そういうときに今までは有給休暇を使ってやっていたりしたけれども、
兼業農家の体制を推奨するために、田植、
稲刈り休暇みたいなもので特別に使ってもいいとか、あるいは農地を持たない方でも、最近は営農の担い手も少なくなっているわけでありますから、休暇制度を使って、家に田んぼはないけれども、地域の営農の田植と稲刈りを手伝ってくるとか、こういうことも考えながら、どうやって農地と水路を維持していくかということにも、知恵を絞らなければならないのではないかというふうに思っています。
今後も、農地水路の管理含めて、このような視点からも、
兼業農家体制というのを推奨すべきというふうに思っております。所見を伺います。
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津田農業経営課長 農業従事者の減少が加速する中で、用水路や畦畔の管理を行う人材の確保等が難しくなっている状況を踏まえますと、耕地面積の3割を占めます、いわゆる小規模な農家や
兼業農家の皆さんにも、地域農業を支える担い手として、営農活動などを実践していただくことが、大変重要と考えております。
県では、これまで、
兼業農家への支援といたしまして、低コスト化のためのJAなどの
共同利用施設の整備支援のほか、小規模な
農業用水路や農道の改修への支援、JA等を通じた
栽培管理情報の提供、
多面的機能支払交付金などを活用した、江ざらいなどの
地域ぐるみの活動への支援に取り組んできたところであります。
委員から御提案のございました田植え、
稲刈り休暇につきましては、委員もおっしゃられましたとおり、県職員でも
兼業農家はおり、民間企業を含め、これまでは職場の理解をいただきながら、
有給休暇等を活用していらっしゃると思います。今後は状況を注視しつつ、検討することも考えていきたいと考えております。
本年度は、県の新たな取組といたしまして、兼業農家を含めた多様な農業者による話し合いを通じまして、地域の農地の活用方針を市町村が定めます地域計画の策定に向けた助言や指導を行うこととしております。
また、兼業農家の子弟などを対象といたしまして、農地の承継、活用に関するセミナーの開催なども行うこととしているところでございます。
今後とも、担い手のみならず
兼業農家、それから半農半Xを含む多様な農業者により、地域農業が発展していきますよう、市町村、関係団体と連携しながら取り組んでまいりたいと思っております。
8 奥野委員 ぜひお願いしたいと思っております。
私は、この農業については、国の制度が富山県とあまりマッチしないなと思うことが結構あります。田んぼが多い、そして用水路の延長距離が1万2,000キロもあるとか、
兼業農家の形態も数多くあるとか、ですのでこういう農業の形態の特性を持つ富山県は独特なのだと思いますので、独自の進化を遂げていくというのもあってはいいのでないかなと思います。なので、全て国のスキームに合うことだけやるところから、やはり本県の農業の形態に合った支援策を、どんどん充実してほしいということを求めて、終わりたいと思います。
9
薮田委員長 ほかに付託案件についての質疑はありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑を終わります。
(2) 討 論
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薮田委員長 これより討論に入ります。
討論はありませんか。──ないようでありますので、討論なしと認めます。
(3) 採 決
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薮田委員長 これより付託案件の採決に入ります。
本委員会に付託されました議案第
90号令和4年度富山県
一般会計補正予算(第3号)のうち、本
委員会所管分ほか5件及び報告第15
号地方自治法第179条による専決処分の件のうち本
委員会所管分について、原案のとおり決することに賛成の委員の挙手を求めます。
〔
賛成者挙手〕
12
薮田委員長 挙手全員であります。
よって、議案第
90号ほか5件及び報告第15号については、原案のとおり可決または承認すべきものと決しました。
2 請願・陳情の審査
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薮田委員長 次に、請願・陳情の審査に入りますが、今回はいずれも付託されておりませんので、御了承を願います。
3 閉会中
継続審査事件の申し出について
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薮田委員長 次に、閉会中
継続審査事件の申し出の件を議題といたします。
本委員会の閉会中
継続審査事件につきましては、お手元にお配りをしております申し出案のとおり、議長に申し出たいと思います。
これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
15
薮田委員長 御異議なしと認めます。
よって、お手元にお配りしてあります申し出案のとおり、議長に申し出ることに決定いたしました。
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県土整備農林水産行政当面の諸問題について
(1) 報告事項
資料配付のみ
農産食品課・
農業技術課
・令和4年産米の作柄・品質の概況について
水産漁港課
・
氷見栽培漁業センターの竣工について
道路課
・国道304
号荒木高宮バイパスの開通について
(2) 質疑・応答
八嶋委員
・異常気象による農作物への影響について
・消雪施設の設置について
筱岡委員
・令和4年産米について
・
新嘗祭献穀について
・除雪機械について
菅沢委員
・河川の浚渫について
米原委員
・公共工事の資材等の価格高騰について
・公共工事の発注について
・
農業用水路の安全対策について
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薮田委員長 ただいまの報告事項に関する質疑及び
所管行政一般についての質問に入ります。
質疑・質問はありませんか。
17 八嶋委員 9月に入って台風11号、そしてまた最初の3連休、心配された台風14号ですが、富山県を通過する際には、勢力も衰えてということで少しほっとしております。
あと先週末、三、四日前になりますけれども、静岡県では、台風15号の被害が本当に大変な状況でございましたし、各地で本当に記録的な大雨が降りました。異常気象というのは、これまで経験したことがないことが起こりうるということが、本当に身にしみて分かったと思っております。
静岡も心配ですけれども、今収穫時期を迎えておりますけれども、やはり異常気象の影響が、農作物に出ているのではないかなというふうに私は心配をするところでございます。
今日は令和4年産のお米の品質収穫の状況も報告があったわけでございますが、6月の猛暑、8月の集中豪雨、9月の台風、この1年の間、異常気象の中、県内の農作物への影響はどうであったのか。このような異常気象のデータは今後積み上げていくのはもちろんでしょうけれども、富山県として、未然防止を含めた
継続的支援が必要だと考えています。どのように支援していくのか、
島辺研究普及・
スマート農業振興班長に所見をお伺いしたいと思います。
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島辺研究普及・
スマート農業振興班長 本年は、6月に季節外れの5日間の猛暑日と8月上旬までの高温、また降雨については7月以降、1日の降水量が50ミリを超えた日が7日間ありまして、特に8月4日、20日には、一部の観測地点で100ミリを超える豪雨となりましたほか、観測点ではございませんが、局所的な大雨もございました。
県内の農作物への影響としては、例えば高温によりまして、お盆向けの小菊の花芽の形成が抑制されまして開花が遅れて出荷量が減少する、それから、8月20日の豪雨では、水稲の倒伏が204ヘクタール、はとむぎの倒伏が0.1ヘクタール、キャベツで0.4ヘクタールやコマツナのハウス4棟が冠水をするといった被害がございまして、生育不良や一部収穫不能などの被害が出たところでございます。
県では、高温や大雨など、気象台からの気象情報に合わせて農作物の適切な管理が徹底されるよう、県の農協中央会や全農富山県本部、
県農業共済組合等の関係団体に対して指導文書を迅速に発出するとともに、地域では
農林振興センターやJA等が
技術情報紙や
メール配信などによりまして、事前の排水対策でありますとか、被害が生じた場合には即座に対応できますように、薬剤散布などの事後対策についての指導など、きめ細やかな情報提供に努めているところでございます。
特に台風11号、14号では、
フェーン現象となることが予想されたことから、高温によります水稲の胴割米の発生を防ぐため、適期を迎えた圃場から早めの刈取りを行うよう指導に努めたところでございます。
例年とは違う異常な気象が近年多くなっておりますが、そのような状況下でも
農作物被害ができるだけ発生しない、また極力抑えられるよう、今後とも関係機関と緊密に連携をしまして、被害の未然防止を含めた
栽培管理技術の指導、助言、情報提供に努めてまいりたいと考えております。
19 八嶋委員 本当に異常気象が続いており、心配をしております。継続的に支援をよろしくお願いしたいと思っています。
今、班長からもありましたけれども、本当に本年は
フェーン現象が連発しており、こんな状況で冬に雪が降るのかということが想像もつきませんけれども、やはり冬になれば雪が降るだろうと思っています。
異常気象が多い中、
線状降水帯の
冬バージョンといいますか、集中降雪、どか雪の傾向ということでございます。私は、どうしても2学期が始まるこの季節になると、冬の受験生のことが本当に心配になってくるわけでございます。
富山大学の
五福キャンパスの前を通る
県道富山高岡線の降雪時の渋滞緩和や歩道整備について、優先順位は高く、準備は今からという思いで、昨年の9月にもこの委員会で所見を伺ったところでございますけれども、あれから1年が経ちました。例えば呉羽山の登り坂、そして富山大橋の東側の消雪施設の整備に関する答弁もあったわけでございますが、この道路の大雪対策、取組について、進捗状況など、二木参事・道路課長に御所見をお伺いいたします。
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二木道路課長 県道富山高岡線につきましては、昨年1月の大雪の状況などを踏まえまして、委員から今御紹介もいただきましたが、富山大橋の東側、安野屋から丸の内の区間で著しい渋滞が発生いたしました呉羽山の
登り坂付近におきまして消雪施設の新設に向け、水源調査を実施してきております。
まず、安野屋から
丸の内区間におきましては、消雪に利用できる地下水が確認できましたことから、路面電車が走る軌道敷の散水方法、費用負担などを
交通事業者と協議しながら設計を進めております。
また、呉羽山の
登り坂付近でございますけれども、地下水の有無について調査を進めておりますけれども、これまでに消雪に利用できる地下水は確認できておらず、引き続き調査を行っているところでございます。
県としましては、共通テスト時における対策として、これらの消雪施設の検討に加えまして、
交通事業者や除雪企業などの除雪の連携強化に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
21 八嶋委員 少しは進んでいるようでございますけれども、引き続きぜひよろしくお願いしたいと思います。
大雪対策については、我が会派の代表質問でも取り上げており、私自身もこの異常気象の中、しっかりと対応していくという意味では、抜本的に見直した大雪対策が必要だと思っていますが、すぐにそこまでには至らないということも十分分かっております。年々、少しでも前に進めていっていただきたいというふうに思っております。
今回も冬の受験には、消雪装置は間に合わないということでございますけれども、1年でも早く受験生から大雪の不安を解消してあげたいと思っています。優先順位は高いというふうに思っております。本年度も含めて来年度──令和5年度の取組にも期待したいと思います。
22 筱岡委員 今の八嶋委員の質問ともいろいろ関係いたしますが、質問いたします。ところで、奥野委員があれだけ農業にえらい詳しく熱弁されたのには私はちょっとびっくりしました。盛んに小規模農家のことをおっしゃって、彼女の場合は富山市周辺の──一種の都市型農園の個人農家を代弁して言っておられるらしいのでありますが、それはそれでいいです。決して否定はしませんが、富山県はずっと近年農地集積、担い手をしっかり育てて、できるだけ持続可能な農業をつくろうという方向でやってきたわけでございまして。それを見直せなど、そういうわけには私はなかなか賛同はしにくいのです。ただし個人で頑張っておられる農家もしっかりやっていただくのも結構かと思っております。決して、奥野委員を批判しているわけでないことを前置きしておきます。
そこで、前回の9月6日の委員会のときも言っておりましたが、あの日がまたぶり返しの暑さといいますか、35度以上の暑い日になったもので、農作物の被害も心配していたわけであります。
ところが、今日の県からの報告にある現在の品質概況では、てんたかくやコシヒカリ等々おおむね順調のように書いてあるわけであります。残念ながら地元のいなば農協管内の報告を聞いておりますと、てんたかくはおおむね成績が出てきておりますが、ただコシヒカリはまだ出がけの成績ですけれども、平均して70%台というようなことです。特に先ほどからもお話のあった個人の小さい農家は色彩選別の機械を持っていないから、もうコシヒカリはひどい状況でした。2等、1等はほとんどないとか、そのような状況を聞いたわけで、これはやはり雨や猛暑の影響かなというふうに思っております。
色彩選別の機械を持っておられる方は1等に仕上げます。それでも、1等に仕上げる時には、乳白や未熟なものは全部はじきますから、歩留まりが問題になってくるのです。昨日も少し聞いていたら大体1割が削られると。ひどいところは15%削られたという話も聞きました。だから、今年は多分くず米が相当増えるのではないかというふうに思われますが、先ほどの件の報告のように書かれていると、地元のJAいなば──小矢部市あるいは福岡町だけが悪いんかなと思わざるを得ないのです。その辺、まずお伺いします。
23
島辺研究普及・
スマート農業振興班長 近年温暖化傾向にある中で、県では高温に打ち勝つ米作りを重点推進事項の一つに掲げ、コシヒカリの5月15日を中心とした田植、過剰もみ数を防止するための溝掘り、中干し、異常高温の中でも稲体活力を維持するための水管理、胴割米発生防止のための適期収穫と適切な乾燥調製等を指導してきているところでございます。
特に、本年は田植後の好天により、初期生育が順調に確保された一方、過剰もみ数による品質低下も懸念されたことから、適切な溝掘り、中干しの実施に向け、昨年より1週間前倒しして6月2日に県の米作改良対策本部生産部会小委員会の現地検討会を開催いたしまして、併せて緊急特報の発出をいたしまして、溝掘り、中干しの周知を図ってきたところでございます。
また、7月後半から8月のコシヒカリ出穂期頃の高温対策としては、稲体の活力維持を図る水管理、それから登熟状況調査を行っておりますけれども、その結果を踏まえた適期収穫を進めていただくこと、先般の台風11号、14号の影響による
フェーン現象に備えた速やかな刈取りを促すといった緊急特報を発出するなど、気象状況を踏まえた技術対策の徹底に努めてきたところでございます。
令和4年産米の品質については、てんたかくはカメムシによる斑点米の発生が一部で見られているものの、高温に強い品種特性を発揮し、今日の報告にも記載しておりますように、品質はおおむね良好な見込みです。コシヒカリは出穂後10日間の平均気温が適温と言われております27度に比べまして29.4度と高かったことや、登熟盛期に当たります8月11日から31日が逆に低日射となったことなど、厳しい気象条件となっておりまして、穂が早く出て、収穫の早かったものでは白未熟粒の発生が見られているところでございます。
現在、順次農産物検査が進められておりまして、その状況を注視し、引き続き適正な乾燥調製により未熟粒を除去するなどの指導を進め、高品質でおいしい県産米の生産に向けて、生産者や関係団体の皆さんと共に、しっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。
24 筱岡委員 県全体の目標で、今年も1等米比率を
90%というのを持っておられると思いますが、今年も
90%は行くだろうと思われておられるかどうか、お聞きします。
25
島辺研究普及・
スマート農業振興班長 現段階で確たることは申し上げにくいのですけれども、早いもので今申し上げましたように、等級の低いものが出ておりまして、これから収穫されるものについては品質は上がってくるというふうに捉えております。
90%を目指して今のところ進んでいると思っております。
26 筱岡委員 目指すのはいいんです。先ほども言ったように、色彩選別の機械を持っておられる方──特にJAのカントリーなんかは1等米に仕上げるから、当然、全体の等級は上がってくるとは思いますが、なかなか厳しいのではないかとも思っています。特にJAいなば管内だけ悪かったら、大変また格好悪いのだけれども、口の悪い者は、いなばの普及指導員が悪いからやと。県のことまでは言わないけれども、いなばの指導員が悪いからではないかと言ったりもするわけでありまして……。なんせ目標に近いようになればいいなというふうに期待しております。
続いてですが、この前、23日に私の地元で天皇陛下への献上米を作っておられる宇川さんと言いますが、そこで普通に言えば稲刈りですが、正式名称は
新嘗祭献穀齋圃抜穂祭があったわけでございます。そこへは野尻次長と杉田課長にも来ていただいて、花を添えていただいたわけでございます。私に1株ぐらい刈らせろと、あのとき言ったら、その主は刈女じゃないから駄目ですよと言われました。残念ながら田植もさせてもらえなかったのですが……。
そういうこともございましたけれども、献穀、毎年県内でやっておられるやにも聞いておりますが、最近の県内での献穀──米ばかりではございません。五穀もあるんですか、そういう状況をちょっとお伺いします。
27 杉田農林水産企画課長 新嘗祭は秋の収穫を祝い、翌年の豊穣を祈願する古くからの儀式でございまして、毎年11月23日に皇居におきまして天皇陛下が新穀を神に供えられ、陛下自らもお召し上がりになられるという祭典となっております。
その新嘗祭に、全国から米や粟が献上されておりまして、明治25年に始まったとされております。本県では市町村やJA等にも御協力いただきまして、毎年、米の献上が行われておりまして、令和以降では、元年度が黒部市、2年度が砺波市、3年度が富山市、そして本年度は小矢部市の胡麻島地区の圃場において栽培されまして、今ほど委員からもありましたように、先週の23日金曜日にその稲穂を刈る抜穂祭がつつがなく執り行われたところでございます。
春先の育苗に始まり、この秋の収穫まで水の管理をはじめ、肥培管理、そして除草、病害虫対策など様々な大変な御苦労があったことと存じます。抜穂祭には私も出席させていただきまして、黄金色の稲穂が立派に実った姿を拝見させていただきました。関係の方々からは上々の出来とお聞きしております。これまでの献穀者とその御家族をはじめまして小矢部市の献穀奉耕協力会の皆様の御尽力に改めて敬意を表したいと思います。
今後、収穫された新米ですけれども、10月下旬に宮中に献上される予定となっております。
28 筱岡委員 本当に、県の高岡
農林振興センターはじめ、お世話になったことも感謝申し上げたいと思っております。
何年か前も地元で、10年ほど前かな、10年前も米でしたけれども、その前の方は、粟をやっておられました。いや15年ほど前かな、粟も献上された方もおられたときもございました。最近はずっと米ばかりだということで、来年は魚津であるという話も聞いて、いろいろ視察にも来ておられましたけれども、やられる方はもう一世一代の大事業ですから、ぜひ協力していただきたいと思っております。
もう一つは今度土木部のほうでございます。八嶋委員も言ったとおり、今年の雪はどうなるのかと心配でございますが、さきほどは、消雪装置の話だったかと思いますが、私は除雪機械についてお伺いします。県も相当数保有しておられて、業者への委託とか、そういうことも多いと思いますが、まず、県の保有しておられる除雪機械の状況、また、長いこと使っていれば、当然いろいろと壊れてくると思いますが、その辺の更新状況をまずお伺いしたいと思います。
29
二木道路課長 県管理道路を除雪する除雪機械については、民間から借り上げるもの、それから県が保有する機械を除雪企業に貸し出す、貸与するもの、この2つがあります。
このうち、来る降雪期におきまして、県が保有する除雪機械の状況でございますけれども、車道用の除雪機械は昨シーズンに比べまして2台増やして271台、歩道用除雪機械は同じく14台増やして171台、凍結防止剤散布車は昨シーズン同数の43台、合計して485台と、全体で16台台数を増強をしたところです。
また、この増強以外に老朽化した除雪機械の更新についてでありますけれども、修理状況、走行距離、除雪企業からの故障状況の聞き取りなどを基に、計画的に進めておりまして、今年度は除雪グレーダーですとか、凍結防止剤散布車など、県全体で6台更新する予算を確保し、購入契約を終えておりますけれども、世界的な半導体不足による部品調達の遅れを考慮して、納期を来年の3月末としております。
今年の冬につきましては、更新予定の除雪機械につきましては必要な修繕を行って、引き続き活用していくことにしております。
30 筱岡委員 6台分予算はついたけれども、今言われた理由で年度末になると。この冬には間に合わないということですね。それはもったいない話でありますね。
そこで、除雪機械を16台増やされたという努力に敬意を表しますが、毎年大体6台ぐらいの更新で回しておられるのでしょうか。
31
二木道路課長 年によってばらつきがございます。機種によっても値段が違いますので、近年は毎年6台から12台ぐらいを更新しているという状況となっております。
32 筱岡委員 えらいばらつきがありますけれども。どことは言いませんが、なかなか更新させてもらえないもので、だましだまし使っているのだというような話もちょっと聞いたものですから。これは予算的には今年6台分で大体どれぐらいの予算になるのですか。
33
二木道路課長 増強16台と更新6台の合計値ですけれども、約2億6,000万円でございます。
34 筱岡委員 増強というのですか、16台増やして、プラス6台の更新分で、合わせたら22台ということですか。それとも合わせて16台分で今言った金額ということでしょうか。
35
二木道路課長 16台の増強と6台の更新、合計22台の予算が2億6,000万円ということです。
36 筱岡委員 ざっと言えば、単純平均したら1台1,000万円ほどいうことです。そうしたら、毎年この除雪機械用には約2億5,000万円ほどの予算を見込んでいて、その中での配分──今回16台も増やしたのだから、相当思い切った状況だとは思いますけれども、来年以降もこれぐらいの金額を除雪機械用の予算として組んでいく方針かどうかをお伺いします。
37
二木道路課長 増強のうち14台は小型除雪車でございますので、値段は割とほかの例えば除雪グレーダーですとか、除雪トラックに比べるとかなり値段に違いはございます。除雪の考え方、購入の考え方ですけれども、国の交付金などを活用しまして、これまでも進めてきております。更新に当たっては、除雪企業から故障状況、いろんな要望もお聞きした上で、優先順位を決めて行ってきているところでございます。
今後とも、県が保有する除雪機械の計画的な更新、それから民間が保有する機械の状況も踏まえて、増強、台数を増やすということについても行いながら、必要台数を確保していきたいと考えております。
38 筱岡委員 ぜひ、ここに奥野自民党政調会長もおられますから、多分奥野政調会長もまた頑張って予算獲得に動かれると思いますから、一緒に頑張りましょう。
39 菅沢委員 今日は、県内に数多くあります中小河川の浚渫──河川にたまった土砂、繁茂している樹木、草などの撤去といいますか、浚渫のことについて取り上げます。
過般の台風14号の際、氷見市内で起きたことですけれども、氷見の灘浦地区に宇波川という中小河川がありまして、その中流域の戸津宮という地内で、大雨の後の河川の流量が増えて、洪水域に近い線まで来たわけです。その際、河川の屈曲部の護岸を守っている積みブロックのような擁壁が底のほうでえぐられて災害になっております。
土木事務所の話では、これは災害対応ということになるようですが、この擁壁の前──屈曲した内側といいますか、そこに大量の土砂が以前から堆積をしておりまして、戸津宮地区からは、浚渫の強い要望が出されておりました。
私は、今回の護岸の下部──浸食による護岸の倒壊とまでは今いっていませんが、非常に不安定になっていて、大雨による洪水という状況もありますが、災害になる原因は、やはり堆積した土砂が邪魔をして、流れを阻害して、屈曲部の護岸のほうに強く当たるという現象があってこの災害になったのではないかと。つまり、もっと適切に河川の浚渫が行われていれば、こうした災害の発生を防げたのではないかという印象を現場で持ったわけです。
実は、以前からこの氷見市内、いつも中小河川の状況を検分して、あちこちに大量の土砂が河川に堆積しており、河川の正常な流れを阻害しているような状況を見ておりました。地区からの要望も非常にそこは強いわけです。何とかならないのかと。大きな雨が降ったときにあれは危ないと。きちんと河道の確保ということをやってもらわないと、という要望が非常に強いわけです。
土木事務所で話をしていましたら、令和4年度は何とか4か所は今事業化、予算も確保できるようだけれども、実は11か所ほど聞いているうちの今4か所なので、あとまだ大分残っていると。急いでやらなければならないところと、ちょっと状況を見たいところもあるけれども、毎年、三、四か所ずつ対応が必要なところが増えていくという状況です。
私は、河川の管理上、やはりしっかり対応しなければならない喫緊の課題ではないかと最近思っています。
例えば、具体的な例で言うと、氷見の万尾川から流入する湊川、氷見の町部を走っている河川ですけれども、河口部の南大町町内の有志の方からは、河川に堆積する土砂の状況を見て現場で、
薮田委員長には悪いけれども、2人も県会議員がいて何をしているのだと、前いた市会議員は4年に1回はきちんと浚渫をやったと報告があったよと、お前たちは何しているのだと言って、これは別に
薮田委員長の責任ではありません。私が現場を見て叱られているわけで。
私は、その現場で住民と一緒になって土木事務所を批判したり、攻撃したりはしませんでした。土木事務所は一生懸命やっております。予算の状況もある中で、今後もひとつその辺を頑張ってもらうようにということで。住民と一緒にあなたがたのことをぼろくそに言ったりしていません。そういう配慮もしておりまして、本当にこの現状というものをちゃんと見てもらいたい。
氷見には現状でも11か所あって、うち4か所しか工事できていません。河川課長に聞いたら、砺波土木管内では20か所もそういうところがあって、現在予算をつけているのは3か所にすぎないという話でした。
ちょっと前置きが長くなりましたけれども、氷見も含めて県下の令和4年度の中小河川、県管理の中小河川の浚渫の工事箇所や予算は一体どれぐらいになっているのか。
これは、河川の河道を確保するという観点もあるのだけれども、さらには景観上の問題もあります。地域の中や町内を流れている河川──土砂が大量にたまって河道をふさぐとは言えませんけれども、そこに雑木や雑草が繁茂して、非常に景観上もよくないわけです。住民はいつもその姿を見ているわけです。
私は浚渫の事業というのは何か河川行政──土木行政の片隅の隅っこで、予算の規模も非常に小さい、土木事務所や担当の部署は何かやりたいなと思っていらっしゃるのだろうけれども、そういう意味では部長あたりにもっとこの浚渫の事業に関心を持ってもらい予算をしっかり確保するような対応をしていただきたいと思っているのですけれども。
まず、河川課長、現在、県下の令和4年度の箇所数とか現状、予算や工事内容についてお話を聞かせていただけませんか。
40 山田河川課長 河川内の堆積土砂の除去につきましては、早期に河川の流下能力を高められること、委員おっしゃいましたけれども、景観上の面もあろうかと思います。こうしたことから、これまでも災害の未然防止対策といたしまして、計画的に実施してきているところでございます。
その進め方をまずお話しいたしますと、河川巡視、それから地元から寄せられております情報や要望、こういったことを基に、川の流れを阻害する堆積土砂の状況、また沿川、川沿いの家屋の立地状況、それから近年の出水時における水位の状況、こうしたことを勘案いたしまして、その中で治水上の支障が著しく、また緊急性の高い箇所から優先的に実施をしてきております。
御質問の予算状況でございますけれども、平成30年度からは3か年緊急対策など、国の交付金の予算も活用して、重点的に実施しているところでございまして、今年度の、令和4年度につきましては、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策などの予算、約5億1,000万円を確保いたしまして、氷見市の堀田川など中小河川の集落に隣接する箇所を中心に、県内34河川におきまして土砂の掘削、併せて立木等々、そこに生えている草も一緒に除去する工事を実施しているところでございます。
41 菅沢委員 住民の要望や河川巡視の土木職員が、一生懸命観察をしていることによって、それなりに事業が実施されているということは伺えます。
交付金事業による3か年計画等の財源措置もあるようでして、このほかにも県単独事業もあるようですが、令和4年度で5億円程度、34か所という状況は分かりましたけれども、住民の要望や現場を巡視した観察に基づくならば、この事業設定、進捗状況いろいろあるのだろうと思いますが、あなたは一番トップにおられるわけで、感じとしてはどうなんですか。これで十分なのか、課題は何か。
42 山田河川課長 確かに、土木事務所からの要望につきましても、近年だんだん増えているところがございまして、まだまだやらなければいけないところがあろうかと思っております。
そういった中で、予算につきましては、できる限り国の交付金を活用しまして、できるところはやっていく。県単につきましても、修繕ですとか、いろいろやらなければいけないことがある中で、工面しているところでございます。その中で優先度の高いところから精いっぱいやっていかなければいけないと思っております。
43 菅沢委員 令和4年度で34か所ということですが、これは国からの交付金と県単を含めての全ての数なのですか。
44 山田河川課長 交付金と県単含めて全部です。
45 菅沢委員 まだまだやらなければならないところがあるという認識も示されましたが、先ほど私は、宇波川の戸津宮地内の災害──土砂の堆積が災害に関連したということを申し上げました。氷見市湊川の河口の土砂の堆積状況を見て、住民から強い要望を聞いたと。感想はどうですか。
46 山田河川課長 まず、宇波川のところにつきましては、確かに以前から地元からの御要望があったということで、その中で土木事務所におきましては、日頃の巡視、頻度は月にして、1つの河川に2回から3回ぐらい巡視をしている中で、さらには被災を受ける直前の監視の中でも、確かに土砂がたまっていたということを確認していたところでございます。
以前から土砂がたまっていた、また、地元の御要望もありましたので、この宇波川につきましては、今回被災した箇所を含めまして1,300メートルの区間につきまして、昨年度から順次下流から浚渫をやってきておりました。その中で、昨年度、令和3年度におきましては被災した箇所の直下流までの、300メートルを、この3月までに工事を完了しており、引き続き、その上流、今回被災した箇所も含めてたまっていた土砂を取ろうとしていたところでございました。
また、湊川につきましても、波の影響も受ける区間だと聞いており、土木事務所では地元からも情報いただきながら、堆積状況を常に監視しております。その状況を見ながら氷見土木事務所で判断し、必要なときに実施するものと思っております。
47 菅沢委員 中小河川の土砂の堆積というのは、山間部での大雨や降雨によって排出され、それがまずたまるのは河口部、下流部です。だから、浚渫工事も下流部が優先されるわけです。堆積度合いが高いですから。工事が中流域にはなかなか及ばないという指摘もあります。現実にそういうふうに見ております。
話を進めますが、先ほど氷見市内には土木事務所が受けているだけで11か所あると。令和4年の8月時点で聞いた話です。今年度は交付金と県単で4箇所工事があるようです。あなたは、砺波土木管内では20か所あると、そういう電話でのお話でしたよね。工事は県内全体で34か所と分かったのだけれども、砺波や氷見だけではなくて、ほかの土木センターや土木事務所管内ではどれぐらいの要望を受けているのかと。それは把握できていないのか、氷見と砺波だけの数字しか把握をしていないのですか。
48 山田河川課長 浚渫の要望につきましては、地元の市町村の重要要望をはじめといたしまして、例えば県議の皆さん方、あるいは町内会、自治振興会さんからなどなど数多くの御要望をいただいています。それも随時、いろいろな場面でいただいているところでございます。その全てを把握して、要望箇所として集計するのはなかなか困難でございまして、そういった意味で土木センター、土木事務所において適切に判断をして、事業箇所を選定して対応しているところでございます。
49 菅沢委員 私は、今の答弁は非常に不十分だと思います。
そしてあなたから頂いた事前のペーパー、あなたの今の答弁の繰り返しになりますが、浚渫の要望箇所については、地元市町村の重要要望をはじめ県議の皆さん方──県議が一々ここの浚渫をしてもらいたいなんて、私は個別にそんなことは言いませんよ。
地域や集落から出ているのはどこかと確認して、現場もそれなりに見ていますから、出ているなと、優先順位もあるかもわからないからという話をして、ここを今年度やってもらいたいみたいな話はしますけれども、県議の皆さん方の要望なんて、よくこんなことを議会の資料に書くなと思っています。
また、町内会からのものなど数多くの様々な要望を随時いただいております。これは、その全てを把握しなさいよ。氷見と砺波だけの数字で議論するなんて不十分です。
要望箇所として集計するのは困難ではないでしょう。土木センター、土木事務所へ確認すればいいことですから。氷見や砺波でできているのだからなぜできないのか。なぜ発表できないのか。数字はつかんでいるのではないですか。
50 山田河川課長 情報として氷見は確かに聞いていたのですけれども、砺波も、ざっくり聞いたところでございまして、もっと言えばさらに大きな土木センターとかもございますので、本当にその数を、いろいろな要望がある中でそれを把握するのは大変困難だと認識しております。
51 菅沢委員 氷見土木が20か所なら、それは大体何メートルぐらいで何本の河川に関係して、堆積している土砂は何立米、何トンなのか言えますか。それが分からないと、今後の予算をどれだけ確保すればいいのか、計画をどうするか考えられないでしょう。毎年行き当たりばったりに、3つか4つずつ処理していく。そんな行政をやっているのですか。
52 山田河川課長 今資料持ち合わせておりませんで、明確にお答えすることはできかねます。
53 菅沢委員 資料を持っていても言えないんでしょう。だから私は河川の浚渫に関する土木行政というのは非常に計画性がないと思っています。行き当たりばったり。住民の要望にもしっかり応えきれていないのではないかという疑問を持っているのです。
県会議員──私が間に入って、これを先にやれなんて言ったことは一度もないし、言うつもりもないので、もっと現状把握をして、計画的に予算も確保して、やるべきことではないのですか。この異常気象の中で台風、豪雨災害、
線状降水帯による突発な豪雨も出ているわけで、中小河川だろうと、その河川の安全管理をしっかりやっていくと。その要の中に当面やらなければならない浚渫というのがあるのではないかと言っているのです。何か知らないけれども、つかんでいても言えないような雰囲気を私は感じています。
大体、どれぐらいの箇所が何メートルあって、どれだけの土砂が堆積しているという確認ができなくて、どうして浚渫の予算を計画的に確保してやれますか。
私は、河川課が各土木センター・事務所に指示をして、中小河川全ての浚渫の必要な箇所、延長、堆積土砂の量、それらを除去するための予算がどれぐらいか、これをきちんと調査しなさい。それを求めますがいかがですか。
54 山田河川課長 今後の予算化に当たりましては、委員おっしゃるように、どれぐらいやらなければいけないか把握した上で、優先度も考えていかなければいけないと思っておりますので、土木センター・事務所としっかり調整してまいりたいと思っております。
55 菅沢委員 それだけの答弁じゃ不十分です。
先ほど国の3か年緊急対策の話もあったのですけれども、いわゆる浚渫についての計画、以前は県も独自の計画を持っていたように思うのですけれども、それがないのなら復活してちゃんと調査をする。現状調査をして、急いでやらなければいけないところはどこなのか、巡視の中でいろいろ確認していることや専門家の目で見て計画を立てる。
例えば、5か年計画でやろうとしたら大体これぐらいの事業量があるのではないか、箇所数、堆積土砂のトン数などを計算しながら、事業規模はこれぐらいになるみたいな計画性を持ってぜひやってもらいたい。そういうことを申し上げているのです。
課長も専門家だと思うのだけれども、課長にはもっと前向きに、情熱を込めてやってもらいたいし、答弁もそれを踏まえてお願いしたいのだけれども、何かちょっと消極的な印象も受けます。時間の関係もありますので、あなたはこれでいいです。ありがとう。
土木部長、今の議論を聞いてどうですか。もう少し浚渫について、土木行政全体──河川行政全体の中での、位置づけというものをもっとしっかりしてほしい。何かちっぽけな隅っこの事業のように考えているのではないですか。私はそういう印象を受けるけれども、それでは駄目だと思います。
さっき宇波や湊川の話を申し上げたけれども、部長は氷見におられたことがあるから、土地勘はありますよね。状況もよく分かるのではないかと、印象も含めてですね。要するにもっとしっかり現状把握をして、計画性を持ってしっかりこの業務に当たるということを土木行政、河川行政の中にしっかり位置づけて、もう令和5年度予算に向けて指示をしてください。まず現状調査から、どうですか。
56 市井土木部長 先ほど、河川課長も申し上げましたが、氷見土木も含めて8つの土木センター、土木事務所に河川巡視員を配置しております。その巡視コースを各センター、事務所で決めた上で、安全の確保ができない日以外の出勤が可能で、巡視が可能な基本大体の日は巡視しております。その結果を報告して、土木センター、土木事務所内で共有しております。また、確認が必要なものは河川巡視員からの報告を受けて、技術職員が現地を見ております。護岸の損傷や土砂の堆積状況も見た上で、浚渫の判断にも使っております。
それから、可能な限り確認していますけれども、先ほど委員も御紹介ありました、草が繁茂して中の状況が確認できず、水も深いし、流れも速いしというような現場があって、草を刈らないと判断ができないような場合もあります。こうした中、地元から、現地の状況を要望の形でお知らせいただけるのは貴重だと思っております。河川管理の上でも役立っており、非常にありがたいと思っておりまして、改めて感謝したいと思っております。委員も含め、そういう情報をお寄せいただけると大変ありがたいと思っております。
こうした浚渫に係る要望も、様々なものがございまして、県では治水上支障になるものを対象として実施しております。先ほど景観というお話もございましたが、まずは安全の確保が第一だと思っております。治水上必要なものを実施しておりまして、先ほどのお話にありました宇波川の中流部、戸津宮周辺ですけれども、そこについても河川巡視でも確認し、技術職員も確認している。地元からも求めがあるということで、一定の期間でそこを全部浚渫しようということで進めておりました。
ただ、先ほどお話のあった被災した箇所、2か所ございますが、そこの箇所については現場にも行っているものですから、管理の状況を見て、堆積の状況を見て、これは護岸が洗掘される、掘られることはない状況だと現地を確認しておりましたが、残念ながら大雨により被災したところでございます。
適正に管理しているものが、異常気象により被災したことから、災害復旧事業として今後検討していきたいと考えているところでございます。
土砂の堆積状況を、一応の指標として考えてはおりますが、川の顔色というのはいろいろあります。堆積傾向にある川か、浸食傾向にある川か。あと堆積傾向にあっても、そのスピードに違いもございます。場合によっては、先ほどお話の出ました宇波川でも河口の部分、あとは富山市で言うと古川など、そういったところについては波の押し寄せによる堆砂、その状況もあって、2年連続して同じ場所を浚渫する場合もございます。
そうした中で、実施しているところでございまして、なかなか全てに対応するというのは難しいというのが現状でございます。地元の要望についても切実さという点では、皆さん共通しているのですけれども、その一方で、治水上の支障を来す度合いについて、温度差があるというのも事実です。それを現地で土木センター、土木事務所が確認して、浚渫が必要と所長が判断したものが要望として本庁に上がってきているものでございます。
先ほど委員からもお話がありましたが、私、氷見土木事務所の河川班長をしておりました。その現場で対応していた経験では、地元からの要望の大半が浚渫の必要な箇所であったのですけれども、中にはごく少数ではございますが、治水上の必要性の低いところがあったのも事実でございます。そこを御説明して御理解いただくことが非常に私苦労いたしまして、先ほど委員御紹介いただきました現地で立会いして、「攻撃はせんぞと、ぼろくそに言わんぞ」とお言葉が、当時、私も大変ありがたかったです。
県の事情も分かっていだたいて、予算の状況も分かっていただいて、治水上の必要性というものをまた説明していただくということも理解いただいていたものですから、何とか地元の方にも御理解いただけていたのかと思ってございます。
要望として、上がってきたものにつきましては、その度合いについても治水上の必要性が高いものから低いものまであって、それらを所長が判断して出てきたものが要望だと私ども思っております。それらにつきましては所長のフィルターが8人全部一緒だと信用して、御報告できます。それらのうち、浚渫には至らないけれども、その手前の経過観察みたいなものもあるとは思うのですけれども、土木センター、土木事務所から上がってきたものとしてでしたら要望の箇所として御報告はできるということを、河川課長が上手に説明できなかったものだと私は理解しております。
河川の浚渫については、県も必要だということで議会の先生方にもバックアップいただいて、県の重要要望として河川事業の必要性を国に訴えていただきました。今年も委員長に重要要望として各省庁にも行っていただきました。こうした働きかけを長年続けてきた結果、国の交付金事業として浚渫を河道掘削という名称でやらせていただくことになり、その予算の確保が一番大事だと思っています。
今5億円程度のうち、3億9,000万円が国の交付金事業、残りの1億3,000万円が県単の事業ということで、3倍の開きがございます。この浚渫に係る経費というのは、国の交付金があるかないかということが非常に重要になってまいりますので、議会のご支援も賜りながら、引き続き国にも働きかけて、その予算を確保できるよう努めてまいります。
57 菅沢委員 最後に1問だけ。あなたの説明は、自分の体験と事業のいろいろな御経験と全体の状況を見極めたお話だったと思いますが、最後にいわゆる5億円という、34か所、限られた予算と箇所です。あなたは、まずは待機している箇所も、土木センター、土木事務所の巡視とか専門家の観察の中で、待機しているものが多分あるということは、もちろんお認めになると思いますが、そういうことも含めて、中小河川の浚渫が必要な河川状況についての改めての調査と確認です。
では、待機しているのはどれぐらいあるのか。何メートルで、土砂が何トンぐらいあるのかということも含めて、それはかなり難しい数字になると思いますが、そういうことが示されると、限られた予算の中で土木センター、土木事務所も頑張って、地域もそれなりに安心して、自分のところもしばらく待っていればいいんだなということを理解するわけであって。
もう少し土木センター、土木事務所との連携の中で現場をしっかり把握をして、計画性のある仕事をやってもらいたいと思うのですが、調査も含めていかがですか。
58 市井土木部長 調査につきましては、各土木センター、土木事務所で調整の上、何らかの形でやっていきたいと思います。
59 米原委員 市井部長、御丁寧な御回答といいますか、御苦労さまでございました。
私は、事前に通告しております件について質問したいと思います。まず、公共事業の資機材など、価格高騰が大変な状況であることはもう皆さん御承知かと思います。
先日、消費者物価が2.8%上昇したという大きな記事が新聞に出ておりました。31年ぶりの伸び率だということでありますから、極めて異常だということだと思います。
この物価上昇が今、輸入で入ってくるいろいろな機材、資材、食料などを直撃をし、皆さん大変苦慮しているというような状況です。
先ほど来、いろいろ農業のことであるとかそれぞれみんな関連をしているのですが、特に昨日、たまたま質問をする準備をしていたところ、建設業協会の方々がお見えになりました。今業界としてしっかりとこの問題を受け止めて、今要望しているということを、部長はじめ皆さんもお聞きだというふうに理解をしているわけですが、そのことについて、ひとつ質問をしたいと思います。
国土交通省の直轄工事では単品スライドというのが、適切に行われているということでありますけれども、県においても適時・適切な対応が必要であると考えます。国のやり方が県に反映されるまで時間差、一歩遅れるという状況にあるということを聞いていますが、これはやはり私はとても変な話だと思っていまして、国が認めれば同時に県も改めると、改めて発注するということが私は基本ではないかと思うのですが、城光寺建設技術企画課長に、どのように今受け止めていらっしゃるか、まずお尋ねしたいと思います。
60 城光寺建設技術企画課長 土木部におきましても、建設業協会から22日に、資材価格の急激な変動に対する適切な対応について要望をいただいたところでございます。
また、代表質問でも、今御質問の単品スライドについて、県の運用の変更について検討しているというところで、土木部長からお答えをしております。
まず、県の運用でございますけれども、現在の単品スライドの運用につきましては、実際の企業の購入価格と県の資材単価を比較しまして、安いほうを用いて価格の増額分を算出して反映させるというルールでございます。
こうした中、単品スライドにつきまして、国土交通省が直轄事業におけるルールを見直しまして、運用を6月から既に開始されているところです。
新ルールでは、受注者が購入価格が適切な金額であることを証明する書類を提出した場合は、購入価格のほうが国の資材単価よりも高い場合であってもこれを認めると。購入価格を用いてスライド価格を算出することができるということが、大きく変わったところでございます。
県としましても、資材価格の高騰が続くということは想定されておりましたので、この新ルールを導入すべきというところで検討を進めてきたわけでございます。
しかしながら、変更内容がこれまでのルール、安いものをこれまでは選択していたものを高くても認めるということで、大幅に見直すことになったということ。
それから、国の運用では、購入価格が適当な金額であると判断される場合ということをおっしゃいましたけれども、具体的な判断基準が何ら示されていないということがございました。このため、直ちに国に新ルールについて問合せをいたしまして、運用についてぜひ説明会もしていただきたいということを申入れたところです。
その後、7月19日に国土交通省が新ルールの運用マニュアルを公表しました。それから8月に地方公共団体に対して説明会を開催されました。これを受けまして、県では改正内容に関する課題や疑問点について、さらに国に問合せまして、適切な運用が図られるよう検討を進めてまいったところでございます。
こうして、整理ができましたので、県としましては、新しいルールについて、来月15日以降、受注者が購入する資材から適用することとしまして、10月3日、来週月曜日から新ルールの運用を開始することにいたしております。
61 米原委員 今、土木部の城光寺課長から御答弁いただきました。本来は農林水産部の公共事業もお尋ねしないといけないわけですが、同じ公共事業ということで、代表して今回お尋ねしていますことを、まず御理解をいただきたいと思います。
そこで、毎月毎月この価格──世の中そのものがどんどん変化しているわけです。1回見直しをやったからそれで全て対応できるという状況ではないのだと思います。
今の社会情勢がそういう状況だということもしっかり理解してもらいたいと思います。議会も毎月やっているわけではありません。年に4回やっていまして、その都度補正予算というものを計上するわけです。そうしますと、その補正予算を組むときに、遅れたものはその段階でまた見直しをするとか、あるいは予算を返上するとか、細かくやっていくことが行政の役割であって、先ほどの除雪の話でもそうですが、一度予算をつけたからそれでいいというものではない。世の中は変化しているのです。
繰り返しになりますが、経済は変化しています。失礼な話かもしれませんが、皆さんの考え方、一度予算で決めたとなったら、もうずっとそれが完璧だとしてしまうことでは駄目です。世の中、社会情勢、動いているわけです。私たちは敏感に、政治や経済というのはいかにタイムリーにやっていくのかということで、それが経済の好循環を生んでいくことになるわけです。そういうところをひとつしっかりまた御理解いただいて対応してもらいたいと思います。
今、課長から御答弁いただきましたが、もう一つは、建設業界を含めた関連産業というのは極めて人手不足です。資材の高騰もさることながら、やはり人材が不足しているということです。
そして新型コロナに関してですが、先ほど僕が委員会室に入ってきたときにも、いいかげん早くマスクを取ってやりたいなと申し上げたわけですけれども、この状況はずっと続いているわけです。民間の方でも新型コロナに感染をして、休まなければいけなくなる。私も15日間ほど自宅で休んだことがあります。はじめは、10日間と言われていたのですけれども、もう5日間、と言われましてとてもとても大変でした。今も誰からどう感染したかはひとつも分かりません。この委員会でなのか、それとも違うのか。誰もわかりません。
ともかく皆さんは今大変な苦労をしておられます。その影響もあり、受注をしたけれども、なかなか納期が守れないというような企業もたくさんあると皆さんから聞いているわけです。
せっかく仕事を受注しても人手が足りないと。資材価格も高騰していると。そうしたことからすると、皆さんは本当に非常に大変な状況にあるということです。こういった今非常に複雑怪奇な状況になっているということになると、次は工事の納期の問題も出てきます。今までは例えば半年の納期でよかったというものも、もう1か月ほど見なければいけないとか、そんなことも出てくるわけです。
工事の看板には、この工事はいつまでやりますよと納期が書いてあります。延期であれば延期だということで書く場合もあるのでしょうけれども、そういった納期のことなどいろいろと変化が起きてくるのではないかなというふうに私は思いますので、ひとつ御理解をいただきたいと思いますが、いかがですか。
62 城光寺建設技術企画課長 建設業を取り巻く状況については、コロナ禍やウクライナ情勢の長期化、また円安の進行というものが複合的に影響を及ぼしまして、建設資材の価格が高騰しているほか、現場での建設労働者の確保等が困難な状況が続いていると認識しております。
63 米原委員 認識をしていらっしゃるということです。今朝の新聞に出ていましたけれども、既に発注したけれども、入札が不調だということが出ています。県内のあちらこちら出ています。そういうことが現に起きているわけです。だから、現実は今そういういろいろな変化が起きているということを私たち、皆さんもしっかり理解をし、この現状を深く受け止めた上で、公共工事の発注の方法──平準化ということも含めて、もう少し知恵を出していかねばならないのではないかなというふうに私は思っていますが、いかがですか。
64 城光寺建設技術企画課長 これまでも、県内の建設企業の皆様に、将来にわたって継続的に社会資本の整備を担っていただきますために、年間を通じた工事の平準化に努めているところでございます。そのために年度間の切れ目のない発注を可能とするゼロ県債や繰越明許費の設定、また工事への余裕期間制度等の導入を実施しまして、充実を図ってきました。
また、昨今の状況に鑑みまして、繰り返しになりますけれども、資材高騰に対しては県発注工事に対する資材単価について、毎月実施している価格調査を踏まえて、また価格調査に当たっては建設団体と意見交換をいたしまして、リアルな実態、それからタイムリーな実態の把握に努めております。
最近の実勢価格を反映した工事価格の設定になるよう努めております。また、単品スライドについても新ルールを適用して、入札参加者の懸念を軽減していきたいと考えております。
また、人手不足に対しましては、業務の効率化、それから施工時期の平準化をさらに推進する必要があると考えておりまして、遠隔臨場の拡大等による業務の効率化、工事書類の電子化の推進、また、設計積算業務における民間活用による発注業務の効率化、用地買収が不要で即効性のある道路フレッシュアップ工事の推進や、あらかじめ入手可能な資材を採用した工事発注に努めてまいりたいと考えております。
さらに、工事中につきましても単品スライドの適正な運用、それから変更で新たな工種を増工する場合は最新単価を適用する。より実態に即した請負代金になるよう努めてまいります。
それから、資材不足が生じた際には、納期の遅れに対する柔軟な工期の設定、延長、それから入手可能な資材への設計変更など、受注業者と協議しながら柔軟に対応してまいりたいと考えております。
65 米原委員 とても力強く御答弁いただいたと思ってありがたく思います。
先ほど、参事から、業界としっかりと調整をされたと聞きました。この中身はもう既に部長はじめ、幹部の皆さんも御理解いただいていると思いますが、しっかりとこうした状況を踏まえて、こういう厳しい時こそ、いかに好循環な社会を実現するのか。先ほど除雪の話もありましたけれども、これからまた冬場に向かって人材がさらに不足したり等々あるかと思うのですが、皆さんにはやはり頑張ってもらいたいと思います。
昨日、一昨日だったか、私静岡の掛川の人とちょっと会う用事がありました。この掛川で災害が起きるなんていうのは、ゆめゆめ誰も考えてもいなかったということであります。本当に大変な被害を被ったという話がありましたが、私どもも、いつ何時こういった状況が起きるか分かりません。本当にいろいろな社会変化が今起きていますので、しっかりと業界の人たちが安心して働けるように、新しい技術者が頑張ろうと入ってくれるような業界の運営に、私たちはどれだけお役に立っていけるかということも考えていかないといけないと思います。予算をただつけました、こうしましたというだけでは、企業や人が育つかと言いましたら、育たないのです。いろいろな気配りをしていかないと皆さんの仕事というのは夢や希望を持ってもらえない。
どこかの企業のコマーシャルに、子供たちに誇れる仕事をしたいというようなことがいろいろと書いてあります。よくテレビや新聞に出てきます。子供たちが将来、土木の仕事に就くということは、やはりその仕事が皆さんに理解をしていただけるような、そういう社会をつくっていくということが極めて重要な課題ではないかと思いますので、ぜひまた皆さん頑張っていただきたいと思います。
土木部長は先ほどもたくさんの答弁がありまして、その気持ちを私はしっかり受止めました。いつもそういうスタンスであなたは仕事しているということがよく分かりましたから、今私が申し上げたことも含めてまた一つしっかりと頑張っていただきたいと思います。
次は、
農業用水路の安全対策についてお尋ねしたいと思います。これも先日新聞に出ていたのですが、今年一般質問でも何人かの方がとりあげていましたが、高岡であった痛ましい用水の事故があったり、昨日また千葉県でしょうか。子供さんが行方不明というような話も出ていました。私、ショックなのは、一面に大きく、県内の農業用水での転落死が10年で200人なんていうようなことが大きな記事としてでますと、これはちょっとどうなっているのかなというふうに感じます。
県ではいろいろと取り組んでいると思いますし、また、一生懸命皆さん御答弁されると思うのですけれども、この間の一般質問や予算特別委員会の話を聞いていますと、ガイドラインに基づいてソフト・ハードを取り組んでいるというような御答弁だったかと思いますが、これはどなたが御答弁いただけますか。
松本課長、よろしくお願いします。この間も北陸農政局まで陳情に要望にご一緒いただきましてありがとうございます。では、ひとつよろしくお願いします。
66 松本農村整備課長 今、御指摘いただきました
農業用水路の転落事故、死亡事故につきましては、今おっしゃられたとおりでして、年間平均で20件前後で推移しておりまして、そのような状況を踏まえまして、有識者から成る
農業用水路事故防止対策推進会議を設置いたしまして、令和元年12月に
農業用水路安全対策ガイドラインを策定いたしまして、ソフト・ハード両面で総合的な対策を進めてきております。
一方で、今年度8月末の状況でございますが、昨年度に比べて若干減っておりますが、やはり6件発生しているということございますので、安全対策をしっかり取り組んでいく必要があると考えております。
それで、本県における死亡事故の特徴的なところで申し上げますと、やはり小規模な水路での発生割合が高いということが上げられます。これは、本県の場合、集落の形態というと、散居形態の集落が多いと、あと1年を通じて水が流れるということで、農業用水が身近な環境に、住環境にあるというところです。
そのような中ですと、身近ですから、やはり自分だけは大丈夫というような思いというのも、どうしても生まれるということも考えられます。このため、これまでもワークショップというものを通じて、地域の方々から危険箇所の洗い出しとかもお願いしておりましたが、改めまして、やはり高齢者の家族の方、あと子供の保護者の方、あと介護をされている方に、ワークショップや講習会等の参加を改めて呼びかけていきたいと、そこは県としてもしっかりやっていきたいなと思っております。そういうことを通じて、自己啓発、また家庭内での注意喚起というものが、さらに広がっていくということを期待しております。
また、
農業用水路安全対策ガイドラインにつきまして、
農業用水路の安全対策の取組につきましては、毎年度、先ほど申し上げた有識者から成る
農業用水路事故防止対策推進会議の中で、PDCAサイクルの考え方に基づきまして、対策の内容、また効果などを検証しておりまして、やはり高齢化とかというのが結構県内でも進んできておりますので、そういう社会状況の変化などもしっかり踏まえながら、必要に応じましてガイドラインの改善、また充実等の見直しというものは行っていく必要があると考えております。
農業用水路は、先ほど申し上げたとおり、身近な存在でして、農業生産の役割だけでなく、防火、消雪などの生活を支える県民にとって欠かせない施設である一方で、転落事故が絶えない状況でございますので、対策にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
67 米原委員 今、おっしゃった富山県は富山県なりの事情はあるということ、散居村といいますか、非常に範囲が広いということ、一年中水路の水が絶えず流れているということだとか、今おっしゃったようなことで富山県は非常に危険度が高いということです。
しかし、私今よく新潟へ行きますが、新潟の農業は非常に面積が広くて、膨大な農業地帯であります。米どころとしては新潟は、もう富山県の倍、2倍近くの米どころだと思います。富山県が昨年14人の死亡に対し、新潟県は4人だと、新潟はやはりあれだけの広いところでも少ないというか、そういうようなことで出ています。
それがなぜこういうことなのかということがいろいろと書かれています。事故が起こりやすい富山県は富山県なりのいろいろな事情があるし、新潟は新潟の事情がありましょうけれども、どうも例えば富山県は除雪した雪をその用水路へ流すといいますか、そういう便利さを求めていると、そのほかいろいろ新聞には書いてあります。
ある大学の先生は、そういったことを含めて、ガイドラインをつくったからと言ってそれで終わりということではいけないと。いろいろな考え方──富山県は富山県の考え方があるのでしょうけれども、こんな10年で200人もこれだけ毎年毎年転落死の方がいるという状況は私はいただけないなと思っています。いかがなものかと。では、行政だけで対策を全てやれという話はそれはそれで無理だと思っています。
最近は、朝晩通学路に、グリーンのベストを着たボランティアの方が、子供たちが登校するとき、あるいは下校のときにも危険なところがあったらみんな伝えるということをやっておられます。本当に大変な御苦労をしていらっしゃいます。ただ、子供たちは通学路ばかりにいるわけではないので、それ以外にもいるわけだから、地域全体にもう少しこの問題を例えば──自治会のほうに情報を流すとか、県内の15市町村で、この対策について協議を諮るとか、何を対応して進めなければいけないのか、もっと抜本的に私は考えていくことも必要ではないかなと思っています。
この間の答弁を聞いていましたら、今20か所危険箇所があるから、これをちゃんと整備するというような答弁でしたが、これだけでは私は対策にならないという感じがします。計画どおりにやっているのですということも言われても、ちょっと納得できないと、私はそんなふうに感じました。
お年寄りでも元気な方がたくさんいらっしゃるのだけれども、一方ではそうではない、ちょっとけつまずいたら用水路に落ちてしまう、浅くてでも亡くなってしまうというケースもあるわけです。これは一人一人しっかりと注意してやっていくしかないのですけれども。
課長、この実態ですね、もう一度部長を含め皆さんと協議して、富山県の各市町村とガイドラインについて、果たしてこれでいいのかどうかということを抜本的に考えるということはどうなんですか。
68 松本農村整備課長 やはり日頃から、私も含めてですけれども、気づいたアイデアをこつこつ出しながら進めていくということは必要だと思っていまして、ワークショップを開催するにしても、やはりどういう対象でやるかというところも、しっかり改めて考える必要があると思いますし、またそこで得られた例えばノウハウとか、いいなというところは、おっしゃられたように、ちゃんと関係するところと共有するとかという、深く掘り下げていくところと横で展開して共有していくというところは、併せてしっかりと今以上に頑張っていきたいというふうに思います。
69 米原委員 分かりました。これは、すぐこうしましょう、うまくいきましたなんていうような、そんな簡単なものではないと思うけれども、ぜひひとつ抜本的に検討していただきたいと思います。
部長、今のことについて農林水産部として用水の考え方、受け止め方、どんなふうに受け止められましたか。
70 堀口農林水産部長 用水の事故というのは、非常に富山県内は多いということで、私ども大変危惧をしております。そのために有識者で構成いたします会議を設けまして、どういう対策を取っていいかということをいろいろ議論しながら進めてきているということであります。
先ほど委員からも、御紹介のありました新聞報道の中では、新潟、石川は少ないのではないかというようなお話もありました。富山県内は散居村という話もございますし、コンパクトな県土の中で、郊外では宅地開発も進められている。ちょっと家を出ると、そこはもう田んぼがあって用水があるという現実もあります。
だから、一概に新潟と比べて多い少ないで、対策が十分かということはあろうかと思いますが、新聞報道の中では新潟はいろいろな通学路だったり交差点だったり、そういうところの事故が多いということで、対策を重点的に行ってきたと、だから少ないのだというような記述もございますので、いろんな形で対策は取らなければいけないので、例えば新潟で行われているような対策がどういうものであるか、しっかり勉強もして、もし富山県内で生かせるのであれば、どんどん生かしていきたいと思っていますし、そのための勉強もしっかりやっていきたいと思います。
また、用水の事故については、自分で気をつけるということも大事なのだろうと思います。県のほうでもこういうチラシを作って、富山県のほうでは水の流れが速いとか、あるいは散居形態集落が日常の中で用水があるとか、あるいは年間を通して水が潤沢であるとかいうようなことで、特徴も言いながら、やはり5つの心がけということで示しております。
その中は、自分は大丈夫だというような意識というのを持っていると事故につながりますので、一人一人が用水の危険性、事故が起こるんだということを理解をして、対策を取っていかなければいけないというふうに思っています。
県のほうでは、啓発が必要だということで、令和2年度、3年度、2か年で50か所のワークショップ、地域の人に集まっていただいて、実際の現場でどこが危ないのかと、どういう対策を取らなきゃいけないのかというような啓発も含めてやっております。今年度は、先ほど御紹介ありました20地区でやっているということがあります。
やはり、地域の人がどういうところに注意しなきゃいけないかということをしっかりと把握するということを、まだ50地区の20地区で、まだまだやっていかなければいけないということでありますけれども、そういうのを横展開をして、しっかり地域のほうで危険性についても理解をして、対策を取っていこうという機運になるように、県もしっかり取り組んでまいりたいと思っています。
71 米原委員 先ほども申し上げましたが、子供たちの安全対策として登校、それから下校の関係については、ほとんどボランティアの皆さんが努力をしていらっしゃるわけです。消防の皆さんもほとんどボランティアに近い形で皆さん一生懸命やっていらっしゃいます。これはすばらしいことなのでしょうけれども。
やはり、いろいろなことを進めていく中で、社会情勢はいろいろと変化しています。また何か予算をどうとかこうとかというのは、僕は予算という考え方が好きではないので、その資金というものがどんなふうに生かされて、好循環になって、これがまた回るかという、そういう考え方に立ってこれから予算を執行していかないといけないと思っています。予算を確保することが自分たちの仕事だと思っていたら、とても私はうまくいかない時代だと思います。
予算という話は僕はやめてほしいと思っています。その資金というものが、どれだけ地域にうまく生かされて、好循環になっていくのかという、そのために我々はどういう仕事をすれば、皆さんに喜んでもらえるのかという視点で、仕事をしていくような考え方に改めていかなければならないという時代にきているのではないかなと思っています。
いつも、予算がどうとかいう話ばかりで、予算、予算、予算、そればかりです。予算なんていうのは、どこかで買うのですか、どこか売っているわけではないでしょう。お金というのは皆さんが汗をかいて稼いで、稼ぐという言葉がいいか悪いかはわかりませんが、しっかりと生み出すということが基本です。そういうことを考えると尊いものです。
ぜひひとつしっかりと資金の運用等について、社会の中でどのように資金が生かされて、好循環を生み出すか、そして我々がその役割をどう果たしているかというところの視点を変えて、取り組んでいただきたいと申し上げておきたいと思います。
本当は、伴課長に輸出の関係で少しいろいろとお尋ねしたかったのですが、もう時間もありませんので、これはまた次回にしたいと思います。いろいろとお聞きしたいことがたくさんありますので、これはまた改めてお尋ねをすることにして、私の質問を終わりたいと思います。
72
薮田委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑、質問を終わります。
5 行政視察について
73
薮田委員長 次に、閉会中の
継続審査事件の調査のための行政視察について議題といたします。
県内行政視察につきましては、必要に応じて機動的に実施していきたいと考えており、その実施に当たっての日程調整等については委員長に御一任願いたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
74
薮田委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で付議事項についての審査を終わります。
この際、ほかに何か御意見等はありませんか。──ないようでありますので、これをもって委員会を閉会いたします。
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