・
成長戦略カンファレンスの開催状況について
・
消防団員確保について
山崎委員
・縦割り行政について
五十嵐委員
・
女性活躍推進戦略について
鹿熊委員
・富山県
公共施設等総合管理方針の改定について
・
デジタルデバイド対策事業について
・デジタルを活用した魅力ある都市・
田園地域研究調
査事業について
・富山県
地区防災計画策定モデル事業について
平木委員長 それでは、報告事項に関する質疑及び
所管行政一般についての質問に入ります。
質疑・質問はありませんか。
2 津本委員 今日の質問は、
気候変動対策についてお伺いしたいと思います。4点あります。
昨年9月の当委員会におきまして、
再生可能エネルギーは、地産地消こそが利にかなった利用法であること。そして、現在の
県再生可能エネルギービジョンで掲げる
分散型エネルギーシステム構築は、再エネの地産地消につながるものであり、未来につながる重要な取組であること。しかし、それには、エネルギーの地産地消に取り組む人材を地域単位で育成していくことが不可欠であることを申し上げました。
そうしたところ、新年度予算におきまして、
カーボンニュートラル普及促進事業として、
カーボンニュートラル地域リーダー育成講座を開催するとされました。意欲的に取り組む多くの人が育つことを期待しています。
あわせて、市町村と連携して、
カーボンニュートラルの普及促進に向けた、
ポータルサイトの共同開設をするとされています。そこで、この
ポータルサイトの共同開設について、どのような効果を狙い、どう取り組んでいくのか、
カーボンニュートラル推進課長にお尋ねします。
3
杉原カーボンニュートラル推進課長 委員から御紹介いただいた
ポータルサイトにつきましては、ワンチームとやま、
ゼロカーボンシティ富山の
実現ワーキンググループにおきまして、県と市町村が連携した普及啓発の取組として提案があり、来年度に共同開設したいと考えているものでございます。
これまで県民や事業者の方から、
カーボンニュートラルとは何なのか分からないとか、実際何をすればいいのか分からないといった声もお聞きしていることから、共同開設する
ポータルサイトにおいては、幅広い県民や事業者を対象に、まずは
カーボンニュートラルとは何なのかを知っていただき、理解を深めていただくとともに、
温室効果ガス排出量の簡易的な試算方法ですとか、具体的な削減方法、また国・県・市町村の支援制度や、脱炭素化に取り組む県内事業者の紹介など、幅広く情報発信することで取組の実践を促すとともに、人材育成にもつなげてまいりたいと考えております。
現在、
ワーキンググループの場などにおきまして、
ポータルサイトの詳細な構成などについて、市町村と検討を進めているところであり、今後
ポータルサイトの利用によって、県民や事業者の
カーボンニュートラルの理解と実践が促進されるよう、取り組んでまいりたいと考えております。
4 津本委員 私、これもちょっと期待しておりまして、県民の皆さんが本当に取り組もうと思えるような中身を、ぜひ工夫してつくっていただきたいと思います。
できれば地域で地産地消ですよね。本当に多くの人が関わらないと、そういうことって可能にならないんじゃないかと、私は思っていまして、意欲を持つ人たちが育つようなサイトにしていただければ、ありがたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
では、次の質問です。
長野県のゼロ
カーボン戦略では、2050年、ゼロ
カーボン戦略の先に見えるのは、今まで以上に快適で利便性の高い社会ですと述べて、地域の
再生可能エネルギー資源を活用することで、
エネルギー対価の海外流出を抑え、地域の所得と雇用の増加、地域経済の発展につなげていきますとしています。県もこうした前向きな展望を具体的に示して、地域電力の設立支援など、エネルギーの地産地消の計画を具体化してほしいと思います。
そこで、本県の
エネルギー代金の流出をどれだけと試算されているのか。また、地域新電力の設立支援を含め、エネルギーの地産地消に今後どのように取り組んでいかれるのか、
カーボンニュートラル推進課長にお尋ねします。
5
杉原カーボンニュートラル推進課長 環境省では、
地域経済循環分析として、地域における所得の流出入を見える化する取組を行っており、この2015年ベースの分析によりますと、本県では
エネルギー代金として約1,271億円が地域外に流出しているとされています。これは県内総生産の約2.9%に相当する額です。
委員御指摘のとおり、地域で生み出した
再生可能エネルギーを地域で活用することは、
エネルギー代金の地域外への流出を抑えるとともに、地域内で資金を循環させることで、地域経済の活性化につなげる取組でもあります。エネルギーの地産地消は、県の成長戦略で掲げる自立した経済圏の確立にも資する取組です。
エネルギーの地産地消において、地域新電力といった地域密着型の
エネルギー会社を活用することは、地域の特性に応じた取組を期待できることから、有効な手法と考えられますが、一方で、電源確保のための課題があるともされているところです。
こうしたことも踏まえて、県といたしましては、エネルギーの地産地消を推進するため、
再生可能エネルギーの導入促進に加えて、地域新電力による先進事例や、国の支援等の情報収集に努め、ワンチームとやまの取組を通じて市町村とも情報共有を図るなどしっかり連携するとともに、先ほど御紹介いただいたとおり、新年度には新たにエネルギーの地産地消にも貢献する人材の育成講座を開催するなど、地域の取組を支援してまいりたいと考えております。
6 津本委員 ぜひ期待しています。
これもなかなか難しいと思うのですが、例えば
太陽光パネルで発電し、それで地域の電力を賄うとしても、最大の問題は夜間電力ですよね。太陽が出ていない。そこをどうやって埋めるかというのも、電力会社が責任を持ってやらないといけない。そういったことに対しても、県としての支援方法も考えていただきたいなと。
まだ具体的になっていないので、こういうのは早いんですが、例えば県の水力発電など、県で作る電気は新電力のほうに優先して売るとか、どれだけのことができるか分からないんですが、性能のいい蓄電池を紹介するというのもあるかもしれませんが、いろんな課題が出てきますので、県としても支援をしていくという体制で臨んでいただきたいと思っています。
次の質問に移りたいと思います。
再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、太陽光発電の
PPAモデルの普及に積極的に取り組んではと考えます。
PPA──パワー・パーチェス・アグリーメント──力・購入・合意だそうですが、このPPAとは、お客さんの土地や建物に、第三者が
太陽光発電設備を設置、保有し、発電した電力をそのお客さんが購入する仕組みで、事業所、住宅等において、初期投資なしで設備導入が可能になるものとされています。
そこで、県内におけるPPAの導入実績と電気料金の水準、そして今後の取組の方針について、
カーボンニュートラル推進課長にお尋ねします。
7
杉原カーボンニュートラル推進課長 太陽光発電の
PPAモデルにつきましては、今ほど委員から御紹介のとおり、
PPA事業者が、需要家の敷地内や屋根などに
太陽光発電設備を設置して、所有、維持管理を行いつつ、その設備により発電した電力を、需要家へ提供するという仕組みであり、需要家にとっては、初期費用をかけずに
再生可能エネルギーによる電力を利用できる手法として、注目されています。
県内でも
電力会社等がPPA事業に取り組んでいるところであり、その導入実績は、事業者向けが10件程度、住宅向けは申込みが100件程度あると聞いております。
PPAによる太陽光発電を導入した場合の料金水準については、事業者の場合、設置形態や電力の利用状況などにより異なると聞いているところです。
また、住宅向けの場合ですと、昼間の太陽光による発電中は、その電気を使用できることから、基本的に電力料金が安くなるとされていますが、昼間にあまり電力を利用しないなど、電力の利用状況によっては、メリットが少ないという場合もあるとのことです。
太陽光発電の
PPAモデルの活用は、地域への
再生可能エネルギーの導入やエネルギーの地産地消にも資することから、県といたしましては、市町村とも連携の上、新年度に新たに開設する
ポータルサイトや、シンポジウムなどを通じて情報発信を行うなど、事業者や県民による取組を後押ししてまいりたいと考えております。
8 津本委員 ぜひお願いしたいと思います。
今ほどのお話で、日中電気を使うところは安くなる可能性がある。でも、日中あまり使わずに夜間使うようなところはあまり効果がないかもしれないということですが、一般的な勤労者の家は日中使わないかなと思いながら聞いてはいたんですが、いずれにしても企業のように日中事業活動するところは、こういった方法もあるよということで、やはり支援していったらいいかなと思っています。
いずれにしても、
再生可能エネルギーで地域を回していくという形に、できるだけ早く近づけていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
最後の質問です。この3月、富山県
再生可能エネルギービジョン検討の取りまとめが公表されました。そこでは、脱炭素化の流れは今後、
サプライチェーン全体に広がると想定され、対応の遅れが企業経営に影響を及ぼすと考えられることから、中小企業における脱炭素化の取組を促進する、とされました。
しかし、例えば
中小企業ビヨンドコロナ補助金を見ますと、DXの特別枠はあるものの、脱炭素化枠といったものは設けられていません。部局横断で、脱炭素化に取り組む中小企業を支援することが必要と考えますが、いかがでしょうか。
カーボンニュートラル推進課長にお尋ねします。
9
杉原カーボンニュートラル推進課長 カーボンニュートラルの実現に向けて、世界中で
温室効果ガス排出削減が進められる中、中小企業においても、
サプライチェーン全体での排出削減を目指す取引先の大企業から排出削減の目標設定等の取組を求められるなど、脱炭素経営の必要性がさらに高まると予想されるところです。
県内中小企業の脱炭素化の取組支援といたしましては、
太陽光発電設備などの
再生可能エネルギー設備や、
高性能ボイラーなどの
省エネルギー機器の導入を対象とした融資制度ですとか、県内の産業集積が期待できる自動車・蓄電池、水素・
燃料アンモニア、
次世代再生可能エネルギーの3分野に意欲ある企業が参加する研究会での
技術セミナーや先進地視察などに、関係部局が連携して取り組んできたところでございます。
令和4年度においては、富山県
カーボンニュートラル戦略を策定することとしておりますが、これに向けて取組をより総合的・分野横断的に推進するため、昨年12月に、知事を本部長とする
カーボンニュートラル推進本部を設置したところでございます。
本部には分野ごとの部会を設置して、具体的な施策を検討することとしており、中小企業が脱炭素経営に前向きに取り組むことができるよう、部会において部局横断的に検討を行い、どのような後押しが考えられるか検討してまいりたいと考えております。
また、各部局の支援策についての情報が
ワンストップで中小企業に届くように、留意してまいりたいと考えております。
10 津本委員 先ほど、例えばで出しました、
中小企業ビヨンドコロナ補助金、これには脱炭素化の取組に対する支援は入っていないんですよね。対象にはならない。
2030年まで残された期間は今年を入れてあと8年間か9年間、この期間が物すごく大事だと、COPなんかでも言われています。だから、この1年1年が物すごく大事な期間を迎えておりまして、
再生可能エネルギービジョンの計画策定は1年間延期されたけれども、この1年間は放置してはならないよ、空白にしてはならないよということは、前回も申し上げましたし、皆さんもそのつもりでおられると思います。
そこでなんです。
中小企業ビヨンドコロナ補助金、物すごいいい補助金が今あります。この中になぜ入らないのかなという思いがあるんです。
部局横断はもう当たり前、やっています、そんな答弁だろうと思っていますが、何で入らなかったんだろうと素朴に感じていますので、もし答えられるようでしたらお願いします。
11
杉原カーボンニュートラル推進課長 申し訳ございません、そこまでは詳細には承知していないところでございまして、ちょっと答え方が難しいと考えております。
12 津本委員 答えられないのも当然かなと思いましたが、せっかくの機会を見逃さないように、そういう意味で部局横断ということも、ぜひ注意していただきたいと思っています。
これは要望になるかもしれませんが、残り時間は少ないということでお願いしたいと思います。
13 針山委員 私からは、予定しておりました項目の前に、今日、資料のほうで添付されております、
成長戦略カンファレンスの開催状況について、少し質問をさせていただきたいと思います。
21日、春分の日の祝日でしたけれども、国際会議場で
成長戦略セッション、見させていただきました。成長戦略が策定されて、
アクションプランの実行に向けて、県民の皆さんの機運を高めていこうというようなイベントだったかというふうに思っております。
6つのテーマごとにトークセッションされておりまして、私も時間の関係で全ては見られなかったんですけれども、三牧局長がモデレーターを務めておられた
県庁オープン化戦略のセッションも、拝見しました。前のセッションが予定時間をオーバーしたりして、なかなか大変だったなというふうにも見ておりました。
また、島田課長も出演者の方の対応に追われておられる姿を見まして、職員の皆さんの
ウエルビーイングの犠牲の上に、何か県民の
ウエルビーイングが実現するのかなと思うと、私も大変心苦しかったんですけれども、10日間の
カンファレンスの中で、ワークショップとかセッションとか、いろいろあったかと思いますけれども、どれぐらいの方がリアルに、またはリモートで参加されたのか。
また、参加者の男女の比率や年齢構成の傾向があれば、教えていただきたいと思います。
島田戦略課長にお尋ねいたします。
14
島田戦略企画課長 今ほど委員からも御紹介いただきましたが、
成長戦略カンファレンス「しあわせる。富山」につきましては、3月8日に、日本橋とやま館での、首都圏の
メディア関係者の方々を対象とした
プレイベントを開催いたしまして、その後、3月12日から10日間にわたって、県内各地で開催させていただきました。この
プレイベントも含めて、期間を通じて延べ1,644人の方々に御参加いただいております。
人数につきましては、お手元の報告事項の資料に、詳細に書かせていただいておりますが、そのうち、会場にリアルにお越しになられた方々については585人で、オンラインについては1,059人ということでございます。
それで、
オンライン等の内訳につきましては、県内・県外あるいは男女の別、年齢構成といったところも含めて、申込みの段階で入れていただいているのですが、今まさに集計中でして、手元にございませんので、まとまりましたらまた、お届けさせていただければと思います。
15 針山委員 会場参加者が585名、オンラインのほうが1,059名ということで、これが多いのか少ないのかというのは、ちょっと今、何とも言えないんですけれども、多いか少ないかというよりも、どれだけ浸透していくかということだと思うんです。
アンケートも取っておられたかとは思いますけれども、参加者の方の感想であったり反応であったりも、まだ集計中ということなんですか。
16
島田戦略企画課長 そうです、はい。
17 針山委員 何かその簡単な感想、反応なんか、もし、どの
程度ビジョンの共有が図られたと考えておられるか、課長のほうで何か考えがあればお聞かせください。
18
島田戦略企画課長 委員がおっしゃるとおり、ビジョンの発信、あるいは戦略の御理解というのは、今回非常に大事なところだというふうに思っておりまして、例えば会場では、戦略の内容ですとかビジョンの中身を分かりやすく作成しましたパンフレットも、配布させていただいているところです。
それで、セッションの中で、県外からお越しいただいた著名な方々から、富山の食、あるいは自然は、非常に優れていると、富山を満喫して富山のファンになったというようお話を、まずいただきました。
また、そういった環境がそろっているということで、
ウエルビーイングの基盤がそろっている、
ウエルビーイングを向上していく準備がもう既にできているんじゃないかというようなお話もいただきました。
あとは皆さんの気持ち、あるいは受け止めとか、足元にある資源なんかをしっかり再発見して、評価して発信していくことが大事じゃないかというお話もいただいております。
それで何人かお話しされているのを少し、小耳に挟んだ程度ですけれども、例えば、
皆さんトークイベントの中では、すごくこう、何といいましょうか、ポジティブな、前向きなお話を非常に多くされたものですから、参加された方からは、まず自分が今思っていることをやってみようとか、身近にあることを自分事として考えていく、また、例えば
ビジョンセッションなんかでは、お互いに声を出して話し合うということが非常に大事で、それが次のアクションにつながるんだなということがよく分かりましたと、そういったお声もいただいたところです。新しい富山県をつくっていこうということで成長戦略の議論を始め、今回イベントを開催したところでございますが、まずはスタートの第一歩を切れたのではないかなというふうに、思っておるところでございます。
19 針山委員 私も参加してみて、パネリストさんの意見とかいろいろお聞きして、本当に気づきであったり、刺激を受けたのも事実であります。
ただ、参加された方については、そういった前向きなポジティブな印象というか、気持ちを持ってもらえるんだと思いますけれども、一方で、やっぱり興味関心のある方と、理解の進んでいない方とでは、ビジョンの共有だとか認識に、すごく開きが出てきているんじゃないかなというふうにも感じています。
今年度は、
ビジョンセッションと
カンファレンスで、たしか4,000万円の予算がついていたと思いますし、来年度の予算案の中では、2,300万円の予算の中で、また
カンファレンスを続けていくというような提案も、出ているかと思います。
もちろん、短期的にできることと、中期的に取り組むことと、長期的に取り組むことがあるんだと思いますけれども、今後やっぱり、来年度は2,000万円ですけれども、毎年毎年やっぱりそれだけの大きなお金をかけて、
カンファレンスをしていかなければならないのか。もっと何か早い段階で、もっと県民の皆さんに共有、理解いただくことができないのか。
今後の
カンファレンスの在り方について、もう少し話をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
20
島田戦略企画課長 ありがとうございます。
今ほど委員から御指摘いただきましたとおり、やはり関心を持って参加された方々はもとより、関心なく会場にもお越しいただけない、あるいはSNS、ユーチューブのほうにも関心をお持ちにならないという方々にも、成長戦略のビジョンを御理解いただいて、共に取り組んでいくと、こういったことが「幸せ人口1000万」、あるいは「ウェルビーイング先進地域、富山」の実現に向けては、非常に大事なことかというふうに思っております。
そういったことで、今回の取組といたしましても、1つには、会場にお越しになられた方々の皆さんにも、ぜひSNSで、御自身が参加された感想と併せて、「しあわせる。富山」を発信いただきたい、ハッシュタグ「しあわせる。富山」とつけて、ぜひ発信いただきたいという呼びかけをさせていただいたんです。
あるいは、オープニングイベントにつきましても、土曜日のSOGAWABASEで、知事が「なぜ富山県はウェルビーイングを目指すのか?」というテーマで、分かりやすく、トークセッションの形で発信するなど、今まで御関心がない方々に対しても、より分かりやすく、この情報を手に取っていただけるように、発信させていただいたところでございます。
それで、次年度以降につきましては、今ほど御紹介いただきましたとおり、この「しあわせる。富山」、繰り返しになりますけれども、富山県の成長戦略のビジョンを発信して、これに共感いただいた県内外の方々、連携して幸せ人口、関係人口1,000万をつくりながら、新しい富山のクリエーティブなもの、あるいはこれまでの強みをさらに伸ばしていくというような、新しい取組をつくり出していこうというものでございます。
そういうことで、ぜひ継続的に、開催させていただきたいと考えておりまして、例えばこの
カンファレンスが、成長戦略の情報を発信しつつ、県内外の多様なクリエーティブな方々、あるいはその分野で先進的に取り組んでいらっしゃる方々を、富山に集めるきっかけとなるような場としていきたいと考えており、今年度そういった取組をしてきたところですけれども、次年度以降につきましては、この
カンファレンスを通じて、さらに県内の新たな取組の創出、あるいは
ウエルビーイングの向上につながるように、取組をさらに充実していきたいと考えております。
21 針山委員 昨日、島田課長とちょっとお話ししておりましたら、島田課長も最初は、
ウエルビーイングちゃ、何ぞやというふうに思われていたけれども、スルメのように、かめばかむほど何か味が出る言葉だった、というふうにおっしゃっておられまして、スルメもあんまりかんでばかりおらんと、新しくまた、クリエーティブな富山県が広がるように、県民の皆さんへの周知をまた徹底していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、消防団員の確保について、質問をさせていただきたいと思います。
富山県消防協会会長、鹿熊先輩の前で、大変に恐縮ではございますけれども、質問させていただきます。
私も高岡市消防団、伏木方面団の伏木北分団の団員として、日頃活動しております。
今回の議会で、瘧師先輩の予特の質問を聞いておりました。団員の確保について、今回は消防庁の通達によりまして、処遇改善されたということですが、それ以外にも何かSNSとか、スポットCMとか、動画、リーフレットというような、活動紹介、また消防団員活動への関心を高めるという事業が、来年度予定されているというふうにもお聞きしております。
ただ、サンドボックス枠を利用された県民意識調査を、もう少し分析してみますと、「勧誘があっても入団しない・できない」理由の1番は、「年齢的・体力的」なものでしたが、2番は、「訓練や行事が多く本業に支障がある」と。自分の商売であったり、勤務先との兼ね合いのことなんだろうというふうにも思っていますし、団員はどのようにしたら増加するかという設問もありまして、そこには、「企業にも協力を求めて勧誘活動をもっと大々的に行う」べきだという意見も、上位にありました。
また、消防団の確保対策に、県や市町村に行ってほしい取組というところでも、1番ではないんですけれども、「企業や大学などへの働きかけによる加入促進」というのが、2番目に来ております。
そういったことも踏まえて、もう少し、SNSとか個人向けの発信ではなくて、団員増加に向けて企業への理解促進や働きかけが、必要なのではないかというふうにも思っております。
あわせて、県職員の何人ぐらいの方が、消防団員に加入されているのかということも、中林消防課長にお尋ねいたします。
22 中林消防課長 令和3年度の本県の消防団員数9,016名のうち、県職員は52名となっております。
近年、全国的に、地震や局地的な豪雨など様々な災害が発生しており、県職員が防災活動に積極的に参加し、地域社会の一員としての責務を果たすことは、大変重要であると考えており、今後も機会を捉えて、県職員の消防団活動への参加と理解が進むよう、周知してまいりたいと考えております。
また、昨年の9月に、委員からも御紹介ありましたように、消防団員の確保対策に関する県民意識調査の結果、消防団員の増加策につきましては、「企業にも協力を求めて勧誘活動をもっと大々的に行う」との回答が36.3%と、3番目に多かったところでございます。
県ではこれまでも、企業の消防団への理解と加入促進を図るため、消防団活動に理解のある、県内の消防団協力事業所を紹介する動画を制作し、県公式ユーチューブチャンネルに掲載したほか、消防団員の活動に対し支援、協力をいただいた事業所等に、感謝状を贈呈しております。
さらに、来年度は新たに、県の出前県庁しごと談義のテーマに、消防団活動という項目を追加しまして、各消防団の活動事例や待遇などについて、県自ら説明に出向くことにしており、引き続き消防団員の確保が図れるよう、企業への働きかけなどに、取り組んでまいりたいと考えております。
23 針山委員 ありがとうございました。ちなみに、課長は消防団員なんですか。
24 中林消防課長 ではございません。
25 針山委員 ぜひ理解を深めていただきたいと思います。
今回の県民意識調査の中で、消防団の入団希望の設問があったんです。その中で、「入団したい」という方、そして、「勧誘があれば入団してもよい」という方が、0.何%かずつおられたと思っているんですけれども、そういう方へのアプローチというのは、していないんですか。
26 中林消防課長 現実には、アプローチはしておりません。
27 針山委員 入ると言っている人に、何でアプローチをしていないのですか。
28 中林消防課長 すみません、全ての各市町村のほうに勧誘をお願いしている関係で、県から直接は、やっていないということでございます。
29 針山委員 では、市町村のほうにはお伝えしているんですか。
30 中林消防課長 お伝えしたいと思っております。
31 針山委員 ぜひお伝えしていただきたいと思います。
もう1つ、消防団の応援の店というのがありまして、日頃、地域の安心・安全を守っておられる消防団の方を、応援しようということで、飲食店とか物販の店を中心に、割引とか粗品のサービスということで、消防団応援の店が登録されておられます。
ただ、私の地元だけなのかもしれませんけれども、あまり、私消防団なのでこの割引受けたいわとか、何かサービスを受けたいわという人は、あんまり見ないんですけれども、県下の中で今、消防団の応援の登録店舗であったり、消防団の利用状況はどんなものか、課長にお伺いします。
32 中林消防課長 消防団の応援の店は、委員に紹介いただきましたように、消防団員を地域ぐるみで応援して、団員の士気高揚や入団促進を図ることを目的に、趣旨に賛同する店舗等に登録いただき、消防団員やその家族等を対象に、各種サービスや、割引等を提供していただく制度となっております。
県内13市町で、この制度が導入されており、登録店舗数は、今月の3月時点で750店となっております。
消防団員の利用状況につきましては、各市町で把握していないところが多い中、調査を行ったある団体では、約6割の店舗で利用実績があったということでございました。
県では、消防団応援の店は、消防団員やそれを支える人たちの、地域における社会的評価をさらに上げ、ひいては地域防災力の充実強化にもつながると思われると考えており、地域の皆さんの理解と協力を得て、より一層導入が進み、利用が進むよう取り組むことが、重要であると考えております。
このため、県では、県消防団活動活性化補助金により、制度の周知や啓発経費等について、各市町村に対し補助を行うほか、県のホームページにおいて制度や導入市町の紹介をするとともに、令和2年度にはパンフレットを作成し、周知に努めております。
今後とも各市町村及び県消防協会などと連携して、消防団応援の店の登録店舗の増加と、消防団員の利用が進むよう、取り組んでまいりたいと考えております。
33 針山委員 団員の福利厚生という面からもそうですし、地域の活性化の面からもぜひ、ある制度なら、積極的に活用していっていただきたいと思います。よろしくお願いします。
34 山崎委員 私からは、縦割り行政について、質問をさせていただきたいと思います。
前回の委員会のときに、PFIについて質問をしたかったのですが、武道館とテクノドームは、もう既に所管が変わっているので、全体のことなら聞けるけれども、個別のことについてはお答えできませんというお話を伺いまして、何でという感覚になりました。
いろいろ考えてみますと、地元でも、河川から農業用水を引っ張ると、そこに水門があって、そこの周辺の整備についても、土木に言ったり農水に言ったりするのですけれども、結局宙ぶらりんになって、もう浮いてしまって、手つかず、野放しみたいなところもありますし、今コロナで、借入れしなければならず困っている経営者の方が、金融機関、商工労働部と、保証協会の間で、これも難民になってしまって、うまいこと機能していないということ。
それから、今の児童相談所の話なんかは、非常に分かりやすい話だと思いますけれども、児童福祉と医療と警察と教育委員会、これだけのものが同時に関わるわけであります。それで、県民がこういう組織のはざまにこぼれて、そこで溺れておられるということが、往々にしてあるなということを思ったわけであります。
それで、縦割り行政について、私なりにいろいろと調べてみました。県のことはよく分からなかったんですけれども、国のほうでは、省庁の設置をするのに当たって、その設置法というものがあって、法律でそのセクションがきっちり決まっている、職務分掌がきっちり決まっているというふうに書いてありました。
当然、役所ですので、法律に基づいて仕事をされるということが、基本中の基本ということで、そうされることで、業務効率も上がるし、専門性もどんどんついていくということで、プラス面がしっかりとあるというのは、よく理解できますけれども、現実、そういったはざまで溺れておられる方々が、結構おられるということは、日頃の活動の中で実感をするところであります。
今、県庁では
ウエルビーイングを推進をしていますので、この縦割り行政の弊害をなくしていくということも、この
ウエルビーイングに大きくつながっていくポイントであると。特に、この組織を構築するという根本の構造があるわけですので、そこにも注目をして、前向きに捉えて、改善をしていく必要があるかなということを、思ったわけであります。
その意味で、国は何かそういう法律があるということが分かったのですけれども、富山県庁において、この組織を構築するときに、どのような手続で組織がつくられているのか、伺いたいと思います。
35 山本人事課長 県庁の組織は、地方自治法の規定に基づきまして、知事の所轄の下に、それぞれ明確な範囲の所掌事務と権限を有する執行機関によって、系統的に構成されております。
知事はその権限に属する事務を分掌させるため、必要な内部組織を設けることができることとされておりまして、内部組織──つまり知事部局ですけれども、知事部局の設置及びその分掌する事務につきましては、部局設置条例及び行政組織規則というもので定められております。
県の組織につきましては、これまでも、その時々の県政の重要課題や、様々な県民ニーズを踏まえて、柔軟に改組してまいりました。新年度におきましても、成長戦略や八十八の具体策の推進ですとか、持続可能な公共交通の構築、子供関連施策の一体的・機動的実施などの、喫緊の社会課題に対応するために、組織の見直しを行うこととしたところです。
組織の改編の手続につきましては、社会経済情勢の変化や、それらを踏まえた県の計画・戦略のほか、新年度の予算編成などにも留意しながら、各部局から上がってまいります機構改革の要求を、人事課において取りまとめまして、またそれに必要な人員配置も含めて、部局間の調整を図った上で、知事、副知事以下庁内で審議し、決定しているものです。
なお、新年度につきましては、交通政策局を新設することとしておりまして、今議会に部局設置条例の一部改正を提案させていただいているところです。
このような手続で、県庁の組織をつくっているというところでございます。
36 山崎委員 やっぱり自治法の中できちっと、その法律に基づいて決められているということが分かりました。どうもありがとうございます。
それは当然、そういうことだろうなということなんですけれども、現実その県民、生身の生活をしておる方に対して、その問題提起なり困り事を、県が支援をしていくということになるわけで、そこを上手にやっていかなくてはいけないということだと思います。
いろんな本も調べさせていただいている中で、「でるくい」を初刊号から全部、目を通させていただきました。部局の職員の皆様が、どんなふうな問題意識を持っておられるかというのが、読ませていただいて、本当に切実ですね、肌で伝わってくるような感覚がありました。
その中には、今お話しいただいた山本課長さんのもありましたし、岡本部長さんのもあって、皆さんの問題意識の高さに、感銘を受けたわけであります。
それで、今、知事が一生懸命言われている
ウエルビーイングというものは、会社でいうと経営理念だろうというふうに思いますし、今の「しあわせる」なんていう言葉については、そういうものを浸透させていく、いいキャッチになっているのだろうと思うわけであります。
会社でいうと、私の関わった会社だとすると、営業と製造と総務があって、製造でつくったものを営業が売ってくる、総務が車を配車して、それをお客さんのところにタイミングよく届けるということで、これはきちっと歯車がかみ合わないと、お客さんのニーズにきちっと応えられぬわけであります。
そういうのは当然、皆さんの現場で、しっかりとやっておられるだろうと思いますけれども、業務が本当に多岐にわたりますし、県民生活のそれぞれで起こる問題が、もう本当に多岐にわたると思うので、そういうものを全て網羅するというのは、なかなか難しいかなということは、よく分かるわけであります。
分かるのですけれども、
ウエルビーイングを言う以上、ここに向けて、なるべくその垣根をなくして、要は、県民がそれを感じないというサービスの提供というところに行かないと、あかんがだというふうに思うわけです。
これまでも、そういう取組を行ってこられたと思いますし、また、今後どのように取り組んでいかれるか。できればこの位置づけ、
ウエルビーイングの中での、縦割り行政の位置づけみたいなところを、もしお話しいただければ、岡本部長にお伺いしたいと思います。
37 岡本経営管理部長 今ほど委員から、多くの縦割りの事例を御紹介をいただきまして、ありがとうございます。
県庁という、総合行政をやっていくところにおきましては、推進する施策の中もあれば、やはりその規制をする施策という制度もありますので、そういう中で、いろんな調整をしていく必要があるだろうと思っております。
それに加えて、やはり誰一人取り残さない視点を持って、
ウエルビーイングというものの実現を図っていく必要があるだろうと思っております。
今、非常に県民ニーズは複雑化、多様化をしております。そういう中で、県政を効果的、効率的に運営していくためには、やはり組織の在り方を含め、部局間の連携、調整が重要であると考えております。
これまで県では、知事のリーダーシップの下、各部局が連携して県政運営をするために、知事、副知事、各部局長で構成する庁議とかがあるんですけれども、県政の基本方針とか事業課題等について、総合調整を行ってきております。例えば成長戦略、それからDX、働き方改革、
カーボンニュートラル等、部局横断的な施策については、知事を本部長とする推進本部を設置したり、各部局の次長を中心とした
ワーキンググループを設置して、施策の調整や情報共有を図ってきているところでございます。
新年度、新たに経営管理部に行政経営室という組織を設置いたしまして、そこに企画の調整部門を置きます。そこでは戦略的な政策の立案や、部局横断的な施策の効果的な推進、特に注力したい施策への重点的な資源配分など、どうしても推進をしていきたい、一方でいろんな制限なり制約がある制度もありますので、そういったところの、県庁全体のマネジメント機能を強化をしていきたいと。
また、緊急性・重要性の高い課題につきましては、既存の組織の枠を超えて推進する新たな仕組みとして、プロジェクトチーム制というものも、導入をしたいと考えております。
近年、実務上、事情がございましたり、新たな課題とか突発的な事案が発生しまして、その中では、複数の部局が連携して対応することが不可欠な事案も、少なからず見受けられております。こういったことも踏まえまして、今後とも行政運営が滞ることがないように、県民サービスの向上を第1に考えながら、部局間の連携協力体制、調整部門を活用して、一層強化を図ってまいりたいと考えております。
38 山崎委員 非常に一生懸命考えていただいて、いろいろ挑戦をしていただいているということは、よく理解できたわけであります。
一方で、問題というのは現場で起きておるわけでありまして、各担当者の方が県民からお声を聞かれて、そのときに発生した問題というものが、日々出てくるはずであります。そういったものが関係部局間で、ちゃんと共有化されているのか。
会社でいうと日報みたいなもので、クレームとか問題がアップされて、それが職員の間で、必要な方々の間で共有されていくという、ボトムアップじゃないですけれども、現場の問題点がちゃんと共有される、そういう仕組みというのは、非常に大事だろうと思います。
これはずっと言われ続けてきている、縦割り行政という問題ですので、そんな簡単に、ほいほいと変わるものではないという認識でおりまして、しかし、この富山県庁が県民のために、どれだけパフォーマンスを上げられるのかというのは、この構造に大きく起因するところだと思いますので、私もこれからこれに関しては、性根を入れて取り組んでいきたいと思っております。
39 五十嵐委員 私からは、
女性活躍推進戦略について、何点かお尋ねしたいと思います。
まず、男性の育児休業についてでありますが、厚生労働省は、男女とも仕事と育児を両立できるよう、産後パパ育児制度の創設や雇用環境整備、個別周知・意向確認の義務化などの改正を行いまして、この4月から、3段階に分けて施行していくことにしております。
県が3月10日に、県内企業の女性が働きやすい環境をつくるために、
女性活躍推進戦略を策定しました。男性の育児休業取得率を、2020年度の8.1%から、2026年度までには10倍の80%に上げることを目標としております。大変高い数字であるなというふうに思っております。
県の新年度予算でも、男性の育児休業取得促進事業費も計上されておりますが、この高い目標に向かってどのように取り組んでいくのか、喜多少子化対策・働き方改革推進課長にお伺いしたいと思います。
40 喜多少子化対策・働き方改革推進課長 委員御指摘のとおり、2020年度の本県の男性の育児休業取得率は8.1%と、全国平均の12.65%に対して、非常に低い状況にございます。
国は、2025年までに30%に引き上げることとしていますが、本県では、今般策定した
女性活躍推進戦略において、2026年までに80%に引き上げる目標を掲げたところでございます。
大変高い目標であると認識しておりますが、令和4年4月から改正育児・介護休業法が順次施行されることから、例えば積極的に取り組んでいる企業をPRしていくなど、そのメリットをさらに高めるとともに、父親側と企業側双方へ働きかけること、また、そもそもの働き方改革を推進していくことなどによりまして、育児休業の取得促進を、一層図っていきたいと考えております。
このために、まず父親向けに、市町村と連携しまして、母子手帳の配布時に併せて、市町村の窓口で、父親の育児への関わり方や育休のメリットを紹介する「とやまパパBOOK」を配布するとともに、新たに育児休業取得に向けた各種取組なども併せてお伝えすることによって、該当家庭にピンポイントでアプローチすることなども、考えていきたいと思っております。
また、男性が育児休業を取得する際の課題として、育児休業中の代替要員の確保が困難であるとか、男性自身に取得意識がないなどという意見が挙げられておりますことから、国の助成金の紹介や、県内企業の男性従業員が育児に参加しやすくなるよう、今の働き方を見詰め直すきっかけづくりを推進するキャンペーンを実施いたしまして、企業及び従業員の意識改革や、機運の醸成に取り組むこととしております。
さらに新年度から、今ほど御紹介もありましたが、対象従業員への個別周知とか、意向確認措置が義務化されることから、一般事業主行動計画の策定を支援するために各企業に派遣している社会保険労務士を通じて、個別に改正法を周知するほか、県内企業や業界団体が働き方改革のために自主的に開催するセミナー等に専門家を派遣して、個々の企業の実情に合った取組を支援する。また、働き方改革に意欲的な企業の伴走支援や事例集の作成など、育休を取得しやすい職場環境整備というものに、取り組むこととしております。
以前から申しておりますが、男性の育児休業の取得は、父親の今後の育児参画への意識変革をもたらすとともに、夫が家事・育児をサポートすることで、妻の産後鬱発症のリスク回避にもつながると。
また、男性が家事・育児で経験値を積むことで、新しい価値観、多様性が養われ、新しいアイデア創出による本人のキャリアアップや、企業の生産性向上にもつながる。
さらに、柔軟な働き方ができる企業として、人材確保定着等にも効果的であるなど、メリットが非常に大きいことから、市町村や団体とも連携しまして、メリットもしっかり伝えて、男性の育児休業の取得促進に努めてまいりたいと考えております。
41 五十嵐委員 盛りだくさんの施策があって、本当に今のスタッフだけで足りるのかなとも心配もしますし、また、これは各市町村と協力してやっていかなければいけないのかなというふうに思います。
市町村等の窓口で、パパBOOKを配布するということでありますが、今後準備をするんでしょうけれども、具体的には大体いつ頃から、パパBOOKが母子手帳とともに手元に届くのか、お聞きしたいと思います。
42 喜多少子化対策・働き方改革推進課長 パパBOOKは、もう昨年度から実施しておりまして、今も出産のため母子手帳をもらうときに、窓口で配布しております。
ただ、今までは、パパBOOKをお配りするだけだったんですけれども、今度からはもう少し、市町村の窓口の方の協力も得て、育児休業の、例えば制度について伝えていただくとか、こんな助成金があるとか、もう少し具体的なことの紹介もお願いできないかなというふうに、その辺も調整して、連携して取り組んでまいりたいと考えております。
43 五十嵐委員 しっかり市町村と連携していただきたいというふうに思いますし、私も受け取るような年でありませんから、見たことはないんですが、これは一度、見てみたいと思っております。
次に、男性の家事・育児時間についてお聞きしたいと思います。
男女がともに働き方や生き方を柔軟に選択して、生活も仕事も充実できるよう、生活と仕事の調和、ワークライフバランスに理解ある社会へ転換することが、求められているというふうに思っています。
しかし、夫婦の家事・育児時間は依然として女性に偏っており、男性が主体的に家事・育児を担うまでには至っていないのが、現状であろうと思っています。
男性の家事・育児の県内の状況はどうなんでしょうか。
女性活躍推進戦略で示された資料では、10年前は1日当たり84分だったものが、5年前は65分に減り、全国で第40位となっているという、最下位のほうであります。
男性の家事・育児時間の推移について、また現状について、どのような認識を持っておられるのか、喜多課長にお伺いいたします。
44 喜多少子化対策・働き方改革推進課長 総務省の社会生活基本調査によれば、平成28年の本県の6歳未満の子どもを持つ夫婦1日当たりの家事・育児時間は、男性が65分──1時間5分です。女性が7時間21分で、6時間16分の開きがございます。また、全国平均と比較しても、本県の男性の家事・育児時間は、18分短くなっております。
また、10年前の平成23年の調査結果と比べますと、夫婦間の合計が、平成23年が8時間24分、平成28年は8時間26分とほぼ同じで、変わらない状況ですけれども、その内訳としましては、男性は19分減少しまして、女性が21分増加しているというような状況でございます。
本県では、女性就業率や共働き率が全国平均と比べ高いことや、3世代同居率が年々減少傾向であることを踏まえますと、本県の男性の家事・育児時間は極めて短く、全国の中でも、より負担は女性に偏重している現状にあると認識しております。
45 五十嵐委員 三牧局長に、どれほど手伝っているのか、一度聞いてみたいなというふうに思いますが、この席ではやめておきますけれども。
コロナ禍が長引く中で、男性の家事・育児はどのように変化しているかについて調べた、興味深い調査結果がありました。
小学生以下の子どものいる、20代から50代の男女9,400人に聞いた、男性育児白書2021年版、これは積水ハウスの調べでありますが、1週間の男性の家事・育児の時間について、コロナ前の2019年は11.1時間だったのが、2021年には13.3時間に増えております。これは男性の自己申告ではなくて、女性から見て、家事・育児をやった時間にカウントしてもいいなとか、女性が認める時間だそうであります。
ステイホームやテレワークで、会社よりも自宅にいる時間が増えて、全体的に男性が家事や育児に関する時間が、増えているという傾向が見られるのかなというふうに思っております。
女性活躍推進戦略では目標として、5年後には1日170分としております。新年度予算でも、男性の家事チャレンジ・育児参画習慣化キャンペーン事業を盛り込まれておりますが、この目標に向けて、具体的にどのように取り組んでいくのか、喜多課長にお伺いします。
46 喜多少子化対策・働き方改革推進課長 先ほども申しましたとおり、本県では、家事・育児時間の負担が女性に偏重していることから、今年度策定した「富山県
女性活躍推進戦略」において、委員御指摘のとおり、5年後の令和8年において、男性の家事・育児時間を170分に増加させることを目標といたしまして、男女間で大きな開きがある、家事・育児時間の差を是正したいと考えております。
そのためには、まず男性に、家事・育児をする意識づけを行うこと、そして時間の確保など、男性が家事・育児ができる環境を整えることが、重要であると考えております。
まず、意識づけに向けましては、新年度予算において、男性が家事・育児を担うことに対する意識啓発を引き続き行いますとともに、家庭において、男性に家事や育児の中から、ちょっとしたことやできそうなことを、1つでも2つでも取り組んでいただいて、毎日の行動を積み重ねることによって家事や育児を習慣化してもらうための、キャンペーンを行うこととしております。
また、男性の家事・育児参画への環境整備には、企業や社会全体での取組も不可欠であることから、企業向けに、コンサルタントの伴走支援等による働き方改革や、男性の育休の取得促進を進め、男性も家事・育児に参画できる職場環境づくりに取り組むとともに、男性が家事・育児を担うことに対する社会全体の理解の醸成、県民への意識啓発を図ることとしております。
目標値は、現状と比べると大変高いものではございますが、家庭に加えて企業や社会全体にも、その重要性やメリットを丁寧に説明しながら働きかけることで、目標を達成できるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
47 五十嵐委員 先ほど来の議論の中からでも分かるように、育児休業の取得率については、11月の戦略会議で30%の目標案を示しましたが、低過ぎるとの声が上がり、80%を目指すことを目標に変更しております。
また、女性の管理職比率についても、当初示した案は、16.4%だったと思いますが、これも委員から低過ぎるという声が相次ぎまして、最終的に30%を目指すことになっております。
会議において活発な議論を交わし、目標を修正すること自体は、悪いことではないというふうに理解しております。ただ、事務方がどのような議論の結果、当初の目標値を設定したのか。あるいは、修正を求められて新しい目標値をつくるときに、どういった根拠をきちんと積み重ねて、高い目標値を設定したのか。その辺が重要であろうかなと思っております。
高い目標値は、単に目標であって、実現できなくてもいいやということではなくて、絵にかいた餅ではなくて、しっかりとそれに近づける努力、達成はできなくても、それにできるだけ近づける、そういった努力が必要であろうと思っております。
三牧知事政策局長に、こういった目標の修正等、どのように受け止めているのか、またどういった気持ちで、今後実現に向けて取り組んでいくのか、決意のほどを伺いたいと思います。
48 三牧知事政策局長 まず、家事の状況、自分も今、お話が出たのでちょっと計算していたんですけれども、大体平日ですと、おむつ替えとか朝晩の保湿等々、あと離乳食とかを食べさせるで、子供の世話自体が多分1時間ぐらいやっていて、あと遊ぶ時間が大体1時間ぐらい、家事も1時間ぐらいやっていて、何か180分ぐらいはやっているので、自分は一応、目標は達成しているかなと思うんですけれども、一方で、この3連休は
カンファレンスがあってほぼゼロなので、やっぱりそういう仕事との両立等々は、今後まだ課題だと思うんですけれども、引き続き頑張りたいと思います。
今委員から、KPIについての御質問がありましたけれども、まず原則として、女性活躍をはじめとした各種政策においては、できる限りその政策効果を高めて、一方、時期的にも早期に目標を達成していくと、それはもう本当に大事であるというのが、大前提と考えております。その意味では、やはりKPIを低く設定してしまうことで、結果として、本来達成できたはずの水準までたどり着けないというのは、絶対に避けなくてはいけない状況かなと。
一方で、高いKPIを掲げることで、従来とは違う、今回喜多課長からお話しした、盛りだくさんの対応を今議論しているところですけれども、やっぱり従来とは違うアプローチで、より効果的な施策の企画につながるメリットもあると考えております。
ただ、一方で、現実的に達成が難しい目標を掲げることで、県庁への県民や事業者の信頼を損なったり、県職員の中にも、これはどうせ頑張っても難しいなというので、モチベーション低下につながるというリスクがあるというのも、認識しています。
今回の女性活躍推進のKPIにつきましては、政策効果を追求するために、できるだけ高い目標が好ましいという前提に加えて、男女の役割が偏った現状に対して、やはりあるべき姿をしっかりと追求していくという考えや、この高い数字も、関連の数値──例えば男性の育休取得率は全国の女性の育休取得率の平均を参考にするというところで、そうした関連の数値も参考にしながら、我々としては達成可能なKPIとして、できる限り高い数値を掲げたものと考えております。
この点、当初から何でこの高いKPIを掲げず、委員の指摘で初めて掲げたのかという御指摘があるとは思いますけれども、やはり当初のKPIは、従来のアプローチによって、達成可能なものにとどまっていたというところもあって、県庁としての検討が、少し足りなかったところがあるんじゃないかと。
例えば、管理職の比率とかを、全国としては30%を目標にはしているんですけれども、我々の今、スタートラインを見ると、まずは全国平均を目指そうというのも、1つの合理的な目標であると思いますし、育児休業取得率もかなり低いところではあるんですけれども、一方で、私も国でKPIをつくっていた立場からすると、国は、逆に現場がないので、どうしても都道府県や自治体の御協力を得た上での目標というところで、国の目標自体も正直、やはりどちらかというと低い。
一方で、常日頃、県職員に言っているのは、やはり県職員の、本当に頑張れば県の中を本当に変えられると、変えられるし変えなきゃいけないということで、今も、委員からこうした御指摘を受ける前から、やはりこの高い目標をどうやってやるのと。
そういう意味では、今までは県が自分たちだけでやるというのが中心だったんですが、やはり、市町村は当然ながら、民間とかいろんな団体も一緒に動いてもらうと。
やっぱりそうした思想で、施策を組み立てていきたいと思っていますし、この家事・育児の仕組みについては、企業ですと結構多様な業態があるので、なかなか同じ取組を横展開するというのは難しいんですけれども、家庭の場合は、いろいろあるにしても比較的横展開がしやすい。
私も、子供の健康診査へ行くと、最初は私どもだけが夫婦で来ており、あとは全員女性だったんですけれども、次の回には、夫婦で来ている方が五、六組に増えたりして、やはり非常に横展開が見込まれる分野かなと考えていますので、まずは、初年度含めて、早めに高い水準に持っていって、雪だるま式というのはちょっと語弊がありますけれども、強力に横展開を進めていきたいと考えております。
その意味で、今、委員からも御指摘がありましたけれども、強い決意を持って、やはり県を変えていく、社会を変えていく思いで、しっかりとKPIの達成に向けて取り組んでいきたいと考えております。
49 五十嵐委員 ぜひともしっかりと目標に向かって、県庁を挙げて、あるいは市町村、企業挙げて、県民挙げて取り組んでいただきたいと申し上げて、質問を終わります。
50 平木委員長 ここで暫時休憩いたします。
休憩時間は10分間といたします。
〔休 憩〕
51 平木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑・質問はありませんか。
52 鹿熊委員 先ほど、現消防団員の針山委員から、
消防団員確保という課題を取り上げられました。
やはり消防団の1つの強みは、マンパワーというところでありますが、その確保が一つの課題であるということは、まさにそのとおりです。
全市町村の理解を得て、4月1日から消防団員の処遇改善ということは、一歩前進ではあると思いますけれども、これで十分なわけがありません。いろんな課題があるということでして、今日ちょうど午後から協会の理事会もありますので、今日のこの質疑も参考にしながら、取り組んでまいりたいと思っております。
この委員会での、今年度の最後の質問ということになりますが、いろんなテーマがありまして、私もこの約1年間、ついていくのが必死でしたけれども、この時代の課題、時代の変化に対応をすべく、いろんな課題に取り組むのが、この委員会だと思っております。
これまで女性活躍の課題、それから
カーボンニュートラルの問題、そしてまた成長戦略、
ウエルビーイングの問題などを取り上げましたが、もとよりとても不十分な中での質問であったわけでしたけれども、自分自身としては、この質問を通して、勉強を通して、現下の課題ということについての理解を、少しは深めることができたかなとも思っております。
その中で、やはり何といいましても、成長戦略と
ウエルビーイングというのは、県全体の大きなテーマであったと思っておりまして、その1つの私自身の結論としては、たまたま予算特別委員会の質問も回ってきましたので、取り上げたわけですけれども、やはり早く県民の皆さんに、
ウエルビーイングというものの中身について理解をしてもらうためには、これから新年度に取り組もうとする指標づくりというのは、とても大事だなというふうに改めて思いました。
先ほど五十嵐委員も取り上げられた、家庭での男性の家事・育児の時間なども、それから逆に言うと女性の職場進出、あるいは社会進出といったことなども当然、
ウエルビーイングの1つの指標になってくるだろうと思いますが、やっぱりそういった指標が出ることによって、この
ウエルビーイングということについて、多くの県民の理解が深まると思っております。
そういうことで、新年度、いろんな
カンファレンスなどのイベントも大切ではあると思いますけれども、やっぱりできる限り多くの県民の皆さんに、この
ウエルビーイングというものを、体感しながらといいますか、理解をいただく中で、取り組んでいくということが大事だと思いますので、ぜひ、その指標づくりに取り組んでいただきたいと思います。
そこで質問でありますが、最初に、この今日頂いた報告書の中で、富山県
公共施設等総合管理方針の改定についてという1枚の資料が、管財課から出ております。ちょっと時間がなかったので、ざっと読んでも、結局何をどう改定したのかというところがよく分かりませんので、分かりやすく簡単に説明していただけないでしょうか。
53 青島管財課長 今回、富山県
公共施設等総合管理方針を改定させていただきましたが、これは平成28年2月に定めました方針です。
今回の改定のポイントとしましては、対象施設の、このペーパーでいいますと、2の(2)のところがメインになろうかと思っております。
ただ、ここで数字だけが独り歩きされても、ちょっとあれなんですけれども、現在県が保有する公共施設を、インフラ施設も含めて、長寿命化を図って維持、更新していきますと、今後30年間で、これは推計ですけれども、年間平均で約299億円程度の費用がかかるであろうと。
それでも、資料中のグラフを見ていただきますと、横線を引いてあるのが、建物とインフラ施設の、ここ3年平均の、維持管理にかかっている経費の額でございます。それに対して、予防保全しながら更新していきましても、建物でいけば、凸凹はありますけれども年平均の費用以上にかかるだろうと。
インフラのほうは、若干上回っている部分もあったりしますけれども、おおむね年間平均のかかる費用の中に収まるであろうというところです。
そうしますと、この費用が毎年絶対かかるのかというと、そういうことではなくて、例えば県庁などの建物については、もう建設から80年程度たっていますので、普通でいえば更新時期には来ているのですが、県庁をすぐに建て替えるわけではございませんので、それだけの費用がすぐかかるということにはならないのですが、そういった意味で、建物だけで申しますと、今、県で維持している建物については、もうそろそろ更新なり、長寿命化するとしたときの費用は非常にかかるので、かかるであろうということをまず念頭に置いて、今後長寿命化なり効果的、効率的な維持、更新をして、また保有総量の適正化なども考えつつ、施設の維持管理に努めていきたいというところが、今回の管理方針の改定のポイントになろうかと考えております。
54 鹿熊委員 突然の質問でしたが、ある程度分かりましたので、どうもありがとうございます。
それでは、予定しておりました質問をいたします。
来年度予定されている事業、3つについて質問いたします。
いずれも事業の概要説明の資料は手元にあります。ただ、読んでもよく分からないところがありましたので、それらについて質問をしたいと思います。
まず、
デジタルデバイド対策事業についてであります。
これは300万円の予算ということですが、誰一人取り残さないデジタル社会を構築するため、スマートフォンの操作に不慣れな高齢者等を、地域で継続して支援する、ボランティアの養成などを実施するものというのが、目的であります。
その事業内容の中に、県主催イベント等において、スマートフォン相談会の開催をするというのが1つあります。この県主催イベントの具体例、例えばどのような県主催のイベントで、このような高齢者などを対象にしたスマートフォン相談会を開催する予定なのか、お伺いしたいと思います。
55 初田デジタル戦略課長 誰もがデジタル化の恩恵を受けられるよう、デジタルデバイド対策が重要だと考えております。
特に、国民の約9割、60歳以上でも約8割の方が、スマートフォンを利用しているということから、スマートフォンの操作に不慣れな高齢者等への、操作方法の普及啓発が必要というふうに考えております。
本県では現在、国の支援を受けまして、携帯電話事業者が携帯電話ショップで、またケーブルテレビ事業者などが地域の公民館などで、スマートフォンの操作方法等の講習会を開催しております。
一方で、参加者は講習会に出向く必要がある。また、会場となる携帯ショップは市街地に集中している。また、講師となる人材が不足し、講習会を開催できる事業者には限りがある。また、講習会は単発で、継続的なサポートが難しい、といった課題がございます。
このため、従来からの取組に加えまして、来年度新たに、先ほど御紹介いただきました
デジタルデバイド対策事業に取り組むこととしております。具体的には、地域で継続的にスマートフォンの操作方法を教えることができるボランティアの方を養成するとともに、高齢者が多く集まりやすい県主催イベント等へボランティアを派遣して、相談会を開催するなど、県内の幅広い地域で、講習会や相談会の開催を図ることとしております。
委員お尋ねの、県主催イベントの具体例でございますが、例えば介護福祉シンポジウムなど、介護、福祉であるとか健康などをテーマにした、高齢者の方々の参加が比較的多いようなイベント等を想定しておりまして、今後、関係部局、社会福祉協議会などの関係団体等と相談しながら、決定してまいりたいと考えております。
56 鹿熊委員 この受講者として、地域のNPO法人とか社会福祉協議会、それから学生など100名程度をこのボランティアとして養成したいという予定と伺っておりますが、そのボランティア養成研修を受けた者が、やはり地域に戻って高齢者に、このスマートフォンの操作について、教えるといいますか伝える、そういった場づくりが必要でなかろうかと思うんですが、それはどのようにして、その場づくりをしていくのかということなんです。
学生とかNPO法人に任せるというのでは、なかなか進まないのではないかなと思いますので、支援とか、あるいは環境づくりとか、このあたりについてどうお考えなのかお聞きいたします。
57 初田デジタル戦略課長 スマートフォンの操作に不慣れな、高齢者の皆さんなどに対しまして、日頃から継続的に支援ができるように、ボランティアの方を養成して、相談会などを開催していくということですが、日頃から市町村や関係者の方を通じまして、まずこうした支援ニーズのほうを掘り起こしていきたいと、考えております。
例えば、先ほど申しました県主催のイベントでの相談会に加えまして、地元自治会であるとか老人会の集まり、また社会福祉協議会さんが行っておられます、ふれあいいきいきサロンといったような、高齢者の皆さんが集まって活動されている地域の通いの場などにも、ボランティアを派遣していきたいと考えておりまして、こうした派遣に当たりましては、県のほうが中心となって、市町村や関係団体と調整を図ってまいりたいと考えております。
今後とも高齢者の皆さんのニーズを踏まえまして、県民誰もがデジタル化の恩恵を受けられるよう、市町村、携帯電話事業者、社会福祉協議会さんなどの関係者の方々と連携しまして、県民目線に立った、誰一人取り残さない、人に優しいDXの推進に取り組んでまいりたいと考えております。
58 鹿熊委員 分かりました。連携が大切だと思いますので、よろしくお願いいたします。
次の事業は、デジタルを活用した魅力ある都市・
田園地域研究調査事業についてであります。600万円の予算が計上されております。
なかなか頂いた資料を読んでもイメージが湧かないので、改めてこの事業の概要と、どのような田園地域の形成をイメージしているのかを質問いたします。
59
島田戦略企画課長 富山県成長戦略のまちづくり戦略におきましては、富山の自然や風土と開かれた文化的環境、これらを最適に組み合わせるということで、県民にとっても、またこれから富山にいらっしゃる人にとっても、居心地がよくて、幸福になれるまちづくりを目指すということとしております。
また、この目指していく田園都市、田園地域のイメージといたしましては、例えば、成長戦略会議の特別委員でいらっしゃいます安宅和人さんの著書の「シン・ニホン」で提唱されております風の谷のように、様々な分野でデジタル化を徹底して進展させつつ、その一方で、自然、田園風景という富山のよさを残して、これらがうまく融合した人間中心のデジタル社会、こういったものが、その1つのイメージであるというふうに考えております。
このため、新年度におきましては、デジタルを活用した魅力ある都市・
田園地域研究調査事業を通じて、本県におきまして、例えばAIやICTなど、新しい技術やサービスを活用し、地域交通などの課題解決や地域振興、また今ほど申しました富山の美しい景観を生かして、人と自然が共存できる、持続可能で──これは成長戦略の委員さんもおっしゃっているんですけれども──空間価値を高めるような、そんな田園地域の創出に向けて、どのような課題があって、どのような視点で取り組んでいくことが大事なのかということについて、検討を進めていきたいというふうに考えておりまして、先進的な事例などを調査研究するほか、有識者の方々へのヒアリングといったことも行いながら、必要に応じて、ドローンを飛ばすなどの実証実験も検討していきたいと考えております。
60 鹿熊委員 私も生まれたときから田園地帯におるんですけれども、全く分からないです、今のは。ひとつ楽しみにしておりますけれども。
調査事業ですから、この後どうするんですか。この事業を実施した後の、これをどう活かしていくんですか。
61
島田戦略企画課長 今ほど申しましたように、空間価値を高めるような魅力ある田園地域のために、どういった視点でどのような取組が必要か、あるいは、そのためにどのような課題があるのかということを整理しまして、それを実施できるような場所なんかも検討していくということも、進めていきたいと考えておりまして、いただきました視点、あるいは課題への対応といったところにつきましては、可能であれば実証実験なども、官民連携で進めていければというふうに思っております。
62 鹿熊委員 例えば、朝日町が取り組んでいるノッカルあさひまち事業とか、それから有害鳥獣対策においてAIを活用したものとか、ドローンとか、そんなことはやってきておりますが、そんなことですか。
63
島田戦略企画課長 少し整理させていただきますと、今委員から御紹介の、例えば中山間地域振興ですとか、中山間地域における課題、個別的な課題への対応といったことにつきましては、これまでも今ほど御紹介いただきましたように、市町村と、県で言いますと中山間地域対策課ですとか、あるいはデジタルの関係でいいますと、今ほどいろいろ御説明いたしましたように、デジタル推進室のほうでと、それぞれの個別具体の課題については、担当課が対応してきているというところでございます。
これは引き続きやっていくことかと思うんですけれども、今ほど申しました、疎な空間、もう本当にイメージの繰り返しで恐縮ではございますけれども、今までの都市の密の空間ではなくて、疎な空間をどのように生かして、富山でいうところの絶景を活用して、その空間を、どのように価値を高めていくかという取組が大事であって、それに向けた検討を進めていくことは、1つ大きな課題であろうかと思っていまして、それに向けた調査研究を進めていくということでございます。
具体がなくて分かりにくいかと存じますが。
64 鹿熊委員 大事なことは、ずっと成長戦略のこの話を聞いたり、読んだりしている中で、やっぱり言葉と実態といいましょうか、あるいは具体化といいますか、どうも言葉が飛び交っているが、なかなか具体のイメージが湧かないという部分が結構ありますので、何か島田さんも、それにちょっと陥っているのかなという感じも、申し訳ないですけれど、しないでもないんですが、実のある事業として、いい事業として実施していただきたいということをお願いしておきます。
最後の事業ですが、富山県
地区防災計画策定モデル事業という事業であります。
これは100万円という予算が計上されていますが、まず、この事業の趣旨について質問いたします。
65 前山地域防災班長 地区防災計画につきましては、東日本大震災において、自分の身は自分で守る自助、地域でお互いに助け合う共助、行政機関による公助、この3つが連携することによって、大規模災害時の災害対策がうまく機能するという教訓がございました。
平成26年4月施行の改正災害対策基本法で、地域コミュニティーにおける共助による防災活動推進の観点から、地域住民等が行う自発的な防災活動に関する制度として、この地区防災計画の制度が創設されたものでございます。
地区防災計画は、平成30年7月に、西日本豪雨という大規模な災害がありましたが、その際に、改めてその重要性が再認識されたところでございまして、その策定の効果については、過去の大規模災害時に、例えば行政機能が麻痺したり公的な救助機関の手が十分に届かない中で、計画を策定した自主防災組織が、例えば津波災害時に、指定された地元の避難所から自発的に高台へ住民を避難させたり、事前に準備していたゴムボートで逃げ遅れた住民を救出し、難を逃れた事例といった、共助の取組により多くの方々の命が救われた実績があります。極めて有効な取組と考えております。
県内ではこれまでのところ、地区防災計画を策定済みの自主防災組織は、残念ながら約1%程度にとどまっておりまして、あまり普及していない状況ですが、しかしながら、県内でも、熱心な防災リーダーのいらっしゃる自主防災組織では、高齢者など要支援者の方々を、近所の方々で役割分担し避難誘導する計画の策定など、先進的に取り組まれているところもございます。
今回のモデル事業では、来年度から2年間実施予定でございますが、このような先進的な取組を県、市町村、県防災士会が連携して支援し、完成した計画を県内でも周知することで、地区防災計画を県内でしっかり普及促進してまいりたいと考えております。
66 鹿熊委員 今、答弁によって、この地区防災計画の大切さは分かりました。
ちょっとこれ、1%というのは少ないと思うんですが、その全体がどれだけで、1%というのはどれだけなのか、お尋ねいたします。
67 前山地域防災班長 今現在、約20の地区で、自主防災組織のほうで地区防災計画をつくってございますが、県内ではおおよそ自主防災組織というものが2,000ほどございます。非常にまだ少ない、普及していない状況でございます。
68 鹿熊委員 要するに、20地区ほどしかないということで、それを今後増やしていくためのモデル事業を来年度やろうと、こういうことですね。
それで、この事業の実施に当たっては、先ほど答弁にもありましたが、市町村との連携が大事ではないかと思うんですが、そういった連携についてということと、このモデル事業では2か年ということでありますが、どれだけの地区を予定しているんでしょうか、地区防災計画モデル事業として。
69 前山地域防災班長 地区防災計画の策定に当たりましては、市町村の取組というものが非常に重要でございます。
市町村とは、策定経費の補助としての費用面と、策定の際の助言等によるノウハウの面の両面から、連携して支援することとしております。
まず、費用面につきましては、地区防災計画の策定に当たりまして、必要な経費として、計画概要を住民に周知するためのパンフの作成経費ですとか、アドバイザーへの謝金、交通費などが想定されますが、市町村が自主防災組織へ補助するうちの半分を、県で負担することとしております。
また、ノウハウの面につきましては、市町村に加えて、計画策定について豊富なノウハウを有する県防災士会とも連携しまして、適宜地域住民の方々への説明会ですとか避難訓練に、市町村の職員とも参加し助言等を行うことで、計画が着実に策定されるよう支援していく予定でございます。
また、県内で年間おおよそ4地区程度と考えておりまして、2年間で8地区程度は策定できないかと考えております。
70 鹿熊委員 最後になりますが、このモデル事業を踏まえて、やはり狙いは増やしていこうということでありますので、今後この事業をどのように継承をして、計画策定地区を増加していく方針か、質問いたします。
71 前山地域防災班長 県におきまして、まずはこのモデル事業の2年間の実施期間中は、この事業で策定された地区防災計画の事例集等を作成いたしまして、市町村や自主防災組織へ配布すること。また、市町村、地域の防災リーダー等を対象に、計画を策定した自主防災組織の防災リーダーの方からノウハウ等を発表いただく場を設けるなど、県内で地区防災計画の策定が促進されるよう、努めてまいりたいと考えております。
また、このモデル事業の実績を踏まえまして、県防災士会や市町村から、費用面や計画策定のノウハウの面、県内で普及させる方策といった、より実効性のある支援ができないか、御意見をしっかりお聞きし、新たな施策として自主防災組織の支援メニューに加えるといったことも含めて検討いたしまして、引き続き県防災士会や市町村と連携し、熱心な地域の防災リーダーを支援するなど、計画策定地区が増加するよう取り組んでまいりたいと思います。
72 鹿熊委員 どうぞよろしくお願いいたします。
73 平木委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑・質問を終わります。
2 請願・陳情の審査
74 平木委員長 次に、請願・陳情の審査に入りますが、今回はいずれも付託されておりませんので、御了承願います。
3 2月定例会付託案件の審査
75 平木委員長 次に、本定例会において本委員会に付託されました諸案件の審査に入ります。
付託されております諸案件は、お手元にお配りしてある議案付託表のとおりであります。
(1) 説明事項 付議案件(追加)の説明
76 平木委員長 追加提案されました案件について、当局から説明願います。
岡本経営管理部長
・2月定例会追加付議案件(総括)について
三牧知事政策局長
・2月定例会追加付議案件について
利川危機管理局長
・2月定例会追加付議案件について
岡本経営管理部長
・2月定例会追加付議案件について
77 平木委員長 質疑に入る前に、分割付託案件について御報告いたします。
本委員会と他の委員会とに分割して付託されている議案第3号、第12号、第13号、第63号、第67号、及び議案第78号の他の委員会における採決は終了しており、全て原案のとおり可決すべきものと決しています。
(2) 質疑・応答
78 平木委員長 これより付託案件についての質疑に入ります。
質疑はありませんか。──ないようでありますので、質疑なしと認めます。
(3) 討論
79 平木委員長 これより討論に入ります。
討論はありませんか。
80 津本委員 今委員会で審議されている議案のうち、日本共産党は、議案第3号 令和4年度富山県一般会計予算の本委員会所管分、議案第27号 富山県附属機関条例一部改正の件の2つに反対をいたします。
その理由を簡単に、簡潔に申し上げたいと思います。
まず、令和4年度富山県一般会計予算です。
本委員会所管分の中で反対するのは、マイナンバーカード取得支援事業の1点です。
マイナンバーカードの取得の促進、利用促進は、政府が管理運営するマイナポータルを入り口にした、個人情報の連携、個人データの集積につながるものと理解しています。
個人情報が集まれば集まるほど攻撃されやすくなり、情報漏えいのリスクは高まります。また、本人に不利益な使い方をされることについても懸念しています。
次に、富山県附属機関条例一部改正についてであります。
これは県武道館PFI事業者選考審査会、県高岡地区産業展示施設PFI事業者選考審査会を設置するものでありますが、PFIの導入について、次の3点で問題があると考えています。
1点目は、PFI方式の選定は、従来方式で行うよりも、公的財政負担が軽減されることが条件とされています。一方、PFIで行うと、なぜ財政負担の軽減効果、いわゆるVFMが出るのか。専門家からは、その根拠が不明確であるとされ、また算定において、恣意性を排除できないと指摘されています。このことから、導入段階でも情報の公開は必要であります。しかし、それはなされていません。PSC、VFMなどの数値の根拠や妥当性について、議会が判断できる状況にはありません。
2点目、PFIを導入した場合、富山県武道館では20年間、高岡テクノドーム別館では15年間、特定の民間事業者に運営を任すことになります。会計検査院によれば、債務不履行も少なくないとのことです。PFI事業者の収入増につながらないものは、住民や議会の声も反映されないのではないか。情報公開制度の対象にもならず、詳細をただすと、それは企業秘密と言われ、長期間にわたる県議会のチェックも働かないのではないかと、危惧するものであります。
3点目、県内経済の発展にとって、域内循環は大事です。県の成長戦略でも重視されています。しかし、PFIでは県内企業の参入が限られ、とりわけ運営においては、県外大手がほとんどを占めると言われています。20年間あるいは15年間という単位で、仮に公費負担が数億円高くついたとしても、自治体としては地域経済を潤すほうが大事だと考えるものであります。
以上の点から、PFIは進めるべきではないと考えます。
以上、反対する理由を述べさせていただきました。
81 平木委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって討論を終わります。
(4) 採決
82 平木委員長 これより付託案件の採決に入ります。
本委員会に付託されました議案第3号令和4年度富山県一般会計予算のうち本委員会所管分及び議案第27号富山県附属機関条例一部改正の件について、原案のとおり決することに賛成の委員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
83 平木委員長 挙手多数であります。
よって、議案第3号ほか1件については、原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、議案第78号令和4年度富山県一般会計補正予算(第1号)のうち本委員会所管分を除く、議案第4号ほか26件及び報告第3号地方自治法第179条による専決処分の件のうち本委員会所管分について、原案のとおり決することに賛成の委員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
84 平木委員長 挙手全員であります。
よって、議案第4号ほか26件及び報告第3号については、原案のとおり可決または承認すべきものと決しました。
次に、議案第78号令和4年度富山県一般会計補正予算(第1号)のうち本委員会所管分について、原案のとおり決することに賛成の委員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
85 平木委員長 挙手全員であります。
よって、議案第78号については、原案のとおり可決すべきものと決しました。
4 閉会中継続審査事件の申し出について
86 平木委員長 次に、閉会中継続審査事件の申出の件を議題といたします。
本委員会の閉会中継続審査事件については、お手元にお配りしてある申出案のとおり、議長に申し出たいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
87 平木委員長 御異議なしと認めます。
よって、お手元にお配りしてある申出案のとおり、議長に申し出ることに決定いたしました。
5 行政視察について
88 平木委員長 次に、閉会中の継続審査事件の調査のための行政視察について議題といたします。
県内行政視察については、必要に応じて機動的に実施していきたいと考えており、その実施に当たっての日程調整等については、委員長に御一任願いたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
89 平木委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。
以上で、付議事項についての審査を終わります。
この際、ほかに何か御意見等はありませんか。──ないようでありますので、これをもって本年度最後の委員会を閉会いたします。ありがとうございました。
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