• "推進体制整備"(/)
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  1. 富山県議会 2022-02-01
    令和4年2月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                      午前10時00分開議 筱岡委員長 おはようございます。  ただいまから、本日の予算特別委員会を開会いたします。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        酒井立志委員の質疑及び答弁 2 筱岡委員長 酒井委員。あなたの持ち時間は60分であります。 3 酒井委員 おはようございます。自民党議員会の酒井立志でございます。  昨今、ロシアのウクライナへの侵攻の情報を受けて、心沈み、痛んでいるところでありますが、一昨日を越えて昨日、新石川県知事、小矢部市出身の馳浩氏誕生、本当にわくわくするような思いであります。北陸3県、新しい時代の幕開けと存じます。新幹線延伸をはじめ様々な施策の連携、そしてその実現に向けて楽しみであります。一緒に頑張っていきましょう。新田知事、そして筱岡委員長、よかったですね。おめでとうございます。  それでは、質問に入ります。  今回、私の質問は、自民党議員会の代表質問の中での安心・安全、警察、そして児童相談所の強化をはじめとして、るる16件質問していく予定にしております。どうぞよろしくお願いいたします。  まず初めに、警察署の再編計画と機能強化についてであります。  私が住んでいる高岡市牧野地区は、庄川右岸から富山新港に向けて射水市に食い込むような形になっており、7年前に牧野大橋ができるまでは高岡市への直接の道路が存在せず、一旦射水市を経由する必要があったほか、ケーブルテレビ、斎場、コミュニティバスも射水エリアに組み込まれています。  さらに、管轄警察署も先代の新湊警察署時代から通して射水警察署であります。また、射水警察署からは、新湊校下、放生津校下へ出動の際は牧野地区を経由しています。  そのように、高岡市牧野地区は射水署管内であるため、今般の警察署再編の議論には参加しておりませんが、高岡署の再編整備に際して、牧野地区の管轄警察署の見直し予定はあるのか、警察本部長にまずお伺いをいたします。 4 杉本警察本部長 おはようございます。  このたび、県警察において公表いたしました警察署の再編につきましては、富山市内の3警察署及び射水警察署を除いた警察官定員が70人未満の小規模な警察署、または庁舎が老朽化している、合わせて10の警察署を対象に議論を進めてきたものでございます。  このため、委員御指摘のとおり、高岡市牧野地区につきましては、現在、射水警察署の管轄区域でございますので、今回の再編の議論には加わっておりません。  しかし、従前より市町村区域と警察署の管轄区域の整合性について地元の皆様から様々な御意見があることは承知しております。また、平成26年3月には、県道姫野能町線の牧野大橋が開通したことにより、市街地へのアクセスがよくなり、交流人口の増加と地域の活性化が図られているものと認識しております。
     その上で、現状での牧野地区の地理的な条件や地域性、さらに事件、事故等の発生現場に到着するまでのリスポンスタイム等を総合的に勘案しますと、同地区の安全・安心をこれまでどおり確保するためには、引き続き射水警察署の管轄区域とすることが最適であると考えておりますが、今後、高岡警察署の再編整備を具体的に進めていくに当たりましては、管轄区域の在り方を含めて地元の皆様の御意見を伺いながら検討してまいりたいと考えております。 5 酒井委員 ありがとうございます。  今、地元でも様々な意見がございます。旧新湊署であった新湊幹部交番が近接しておりまして、地区住民が交番を訪問しても不在であることが多々あるということ、また、このように編成は、将来に機能弱体化を導くのではないかという懸念の声もあります。そして、再編そのものが地区住民に身近な交番の機能強化につながるのかどうかといった声もあります。  今般の富山県警察機能強化推進計画において、現存の県内の市町の警察署を再編統合することが警察の機能強化にどうつながるのか、本部長にお伺いをいたします。 6 杉本警察本部長 県警察では、人口減少、少子高齢化の急速な進行やサイバー犯罪等の新たな治安上の脅威といった情勢の変化に的確かつ柔軟に対応できる、しなやかで強靱な組織体制を構築するため、今般、富山県警察機能強化推進計画を策定したものでございます。  本計画の重要な柱となっております警察署の再編につきましては、小規模警察署重大事件等発生時の初動対応や行方不明等人身安全関連事案への対応、サイバー犯罪等新たな警察事象への対応に課題があるほか、夜間、休日の当直体制が脆弱であることから、これらの小規模警察署を中規模署以上の警察署に統合するものでございまして、再編後は事案発生時における警察官の大量投入や当直体制の充実強化による迅速な事案処理など、単に署員数を足し合わせたよりも大きな総合的な治安機能の向上が図れるものと考えております。  また、委員から御指摘がございました交番の機能強化ということにつきましては、そのこと自体、今回の再編の目的の一つと考えておりまして、具体的には、再編により警察署の人員規模が大きくなってまいります。こうすることで、刑事や交通などを専務とする警察官も増えてまいります。  こうすることによりまして、交番等に勤務する地域警察官は、本来の主たる業務であるパトロール活動や巡回連絡に専念する時間が増えていくものと考えております。さらに加えまして、交番、駐在所のブロック運用や移動交番車の積極的な展開等により地域警察活動を充実強化していくことで、地域住民の安全・安心のよりどころである交番の機能強化を図ってまいりたいと考えているところでございます。 7 酒井委員 どうもありがとうございます。そういったことの内容も含めて、県政報告を通して地域住民に伝えてきたと思います。  次に、富山県児童相談所の機能強化について、以下7問、質問してまいります。  自民党議員会文教公安部会で、1月に福岡県警少年サポートセンターと福岡市こども総合相談センターを視察いたしました。  今、学校または家庭内における暴力、いじめ、自殺未遂、薬物乱用、虐待など、子供の問題は多様化し、深刻化しております。問題を放置することは犯罪化につながりますので、予防や早期解決が求められます。犯罪者に対する処罰は当然必要でありますが、過ちを犯す前の支援体制がより重要かと考えます。  そのため、問題の根底にある学校、家庭、地域課題を解決するための教育や福祉、そして警察などが県民の立場から身近な存在であること、その環境の整備、さらにそれぞれの機関の連携がより重要かと考えてございます。  例えば、少年サポートセンターがその役割の一端を担っておりますが、本県の少年サポートセンターは警察署内にあって、相談者が寄りつかなく、その活用や連携が難しいと考えます。  私たちが視察した福岡県警では、児童相談所などの施設に少年サポートセンターを併設することで、虐待やいじめ等、暴力事案が深刻化する前に関与できるとともに、警察署内にあった頃と比較して相談数は倍増したということでありました。  そこで、本県においても少年サポートセンターを警察署外に移転するとともに、学校、福祉などの関係機関と円滑連携できるように、組織の縦割りを超えた人材配置が必要と考えますが、いかがでしょうか、警察本部長にお伺いいたします。 8 杉本警察本部長 県警察では、令和元年度から生活安全部少年女性安全課少年サポートセンターを設置いたしまして、委員御指摘のとおり、本部センターのほか、富山中央警察署内の東部分室及び高岡警察署内の西部分室の3拠点で少年の健全な育成を図る活動を行っております。  具体的には、少年に関する相談対応、非行防止、薬物乱用防止ネットトラブル防止の各教室の開催、少年の非行防止やSNSに起因する子供の性被害防止のための広報啓発活動などを行っております。こうした活動の中、少年相談の受理件数は増加傾向にある一方、少年非行は減少しているところでございます。  県警察としては、今後も児童相談所等の関係機関との連携を強化していきたいと考えておりまして、少年サポートセンターの場所につきましても、時代の変化に応じて少年サポートセンターの活動の活性化に資するのであれば、必ずしも警察施設内に設置されている必要はないと認識しているところでございます。  委員から御指摘がございました福岡県警察での取組も承知しておりまして、人員配置を含めた少年サポートセンターの在り方について、他県での取組なども参考にしながら検討してまいりたいと考えているところでございます。 9 酒井委員 ありがとうございます。しっかり検討していただければありがたいと思います。富山は中央警察署の3階ということで、高岡は2階の奥にありまして、なかなか敷居が高くて相談しに行きにくい環境かと思いますので、考慮していただければと思います。よろしくお願いいたします。  福岡県の事例を参考にしたと聞きましたが、岐阜県では、今年の春に組織の垣根を越えて職員や警察官が同じ施設のフロアに常駐し、連携を密にしてワンストップ対応をする新たな拠点を若者総合支援センターとして開設するということであります。これは、物理的な距離を縮めることで情報共有のタイムラグを減らし、関係機関の間で認識に差異が生まれがちな緊急性や重大性の見極めを迅速化することが目的と言われております。その新しい拠点には、市の教育委員会の職員の席も設けられるということであります。  本県において新設の高岡児童相談所の立地は、幸いにも県高岡厚生センター県西部教育事務所も隣接しておりまして、少年サポートセンターもそこで警察署から新設の児童相談所に入ることで、それぞれの機関がしっかり連携できるワンストップ体制の構築が整うものと考えております。  関係機関との連携強化を図るために、新設する高岡児童相談所に子供に係る全機関を移転させて、ワンストップで対応する拠点、子供総合相談センターとして児童相談所を立ち上げてはどうか、新田知事にお伺いをいたします。 10 新田知事 高岡児童相談所の整備につきましては、県議会、また高岡市からもいろいろと御意見をいただき、意見交換もしました。そして、令和元年度に開催されました児童虐待防止対策社会的養育推進計画検討委員会から、相談・判定機能の強化のための相談室、執務室等の拡充、また市町村支援や関係機関との連携強化のための会議、研修室の拡充、そして一時保護所における児童の権利擁護に配慮した個室や男女別居室の整備、また利用者のプライバシーへの配慮などの御意見をいただきました。これらを踏まえて整備を進めてきており、来月から供用を開始することにしています。  また、立地については、委員がおっしゃるとおりに、周囲が落ち着いた環境であり、母子保健や精神福祉保健を担う県の高岡厚生センター、また学校の生徒指導や教育相談を担う県の教育委員会西部教育事務所と隣接しておりまして、各機関との連携の強化を図れる環境にあると思います。また、県警OBの要保護児童対応支援員も配置をしておりまして、警察との連携も図っています。  また、委員御指摘の岐阜市の若者総合支援センターに関してですが、岐阜県の児童相談所とは別に、中核市である岐阜市が子供や若者支援のために設置している施設に、県と県警察から職員を派遣して連携を強化しているものと理解しています。  本県ではこうしたことも参考にしながら、今後、児童相談所への現職警察官の配置などに加え、市町村や関係機関との連携強化など、さらに検討を進めようと考えております。今後とも、関係機関との連携を一層密にして、児童虐待対応に万全を期してまいります。 11 酒井委員 ありがとうございます。ぜひとも、どうしたら県民のためになるのかという視点を持って改革、改善していただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  福岡県は、新年度に児童虐待防止条例の制定を目指しています。  条例では、乳幼児健診の未受診が続き安全確認ができないケースでは、市町村が児童相談所に専門的な助言を求めることなど、関係機関の役割や対応を具体的に明文化することで、子供が命を落とす悲惨な事件を防ぐための横の連携を強く促します。また、虐待通告を受けた子らの養育環境について、児童相談所が緊急度や重症度を判断する評価表を必ず作成することも明記しています。条例に基づき、児童相談所は、関係者の一般的な相談の中にも虐待が潜んでいないか、その可能性を広く捉えて迅速な調査を実施し、一連の対応について児童福祉の専門家による第三者評価を行うことも盛り込んでいます。  全国で虐待に関する条例は、11都道府県が制定されています。福岡県を入れると12になろうかと思います。  条例を制定し明文化することで、関係機関の役割や対応を明確にし、連携強化を図るため、本県も児童虐待防止条例の制定を検討してはどうかと思います。知事の所見を伺います。 12 新田知事 児童虐待の発生予防、早期発見、子供や家庭への継続的な支援のためには、やはり関係機関の情報共有と適切な連携が重要だと考えます。  児童相談所は、県内の全市町村が設置している要保護児童対策地域協議会の構成員として個別ケース検討会議に参加しており、虐待事例の緊急度の判断や各機関の役割分担、具体的な支援内容などについて専門的な助言を行ってきています。  児童虐待防止条例についてですが、県では子育て支援や少子化対策に関する施策を総合的に推進するために、平成21年6月に定めた子育て支援・少子化対策条例で、虐待をはじめとする子供に対する人権侵害の未然防止や、子供の権利や利益が最大限に尊重されること並びにその意見が適切に反映されることを明記してありまして、児童福祉法や児童虐待防止法の趣旨を踏まえたものとなっていると考えております。  また実務面では、県が作成した富山県子ども虐待防止ハンドブックを関係機関で共有をして、各機関別の対応の流れや留意点、虐待の緊急度を判定するためのアセスメントシートなどについて共通理解を図っており、関係機関が連携して児童虐待対応に取り組んできております。  安心して子育てできる環境の整備は、公約として私が県民の皆様にお約束した大事な政策の一つです。施策の推進に当たっては、児童虐待の未然防止や早期発見、早期対応など、子供の人権に関する基本理念に対する県民の理解を深めていくことが重要であり、児童相談所と関係機関等との連携を一層密にして、児童虐待対応に万全を期してまいります。 13 酒井委員 今、本当は条例のことについてお話しさせていただきましたが、一例を申しますと、中で第三者の評価という文言がございました。これについては、第三者評価は、20年4月施行の改正児童福祉法で、児童相談所への導入が都道府県などの努力義務とされているということでございます。  また、専門家によりますと、この評価は、手後れになる前に問題を見つける人間ドックのようなもの、児童相談所が本当に機能しているかを外部の専門家が多面的に確認することが子供の権利の保護につながるということであります。  そういったように、お互いに見逃さない、例えばショートとサードの間を抜けていくボールをお互いに見逃さない、しっかり飛びついて、それを取って、1塁へ送球してアウトにする、そういった強い気持ちを持って取り組んでいただければと思うわけでございます。よろしくお願いいたします。  厚生労働省が18年にまとめた児童虐待防止対策体制総合強化プランでは、児童福祉司を22年度までに約5,260人体制とする目標を掲げておりましたが、この目標は21年度に既に1年前倒しで達成されました。  一方、児童相談所での相談対応件数は引き続き増加傾向にありまして、新たな配置目標を設定し、児童福祉などの経費について、地方交付税措置を拡充して児童相談所の体制強化に取り組むとしています。  当時の児童虐待防止対策体制総合強化プラン策定時に計画した児童福祉司を5,260人から505人増やして5,765人とし、また児童心理司を2,150人から198人増やして2,348人にまで増員させます。  このように国では、児童相談所における児童虐待相談対応件数の増加を踏まえて、児童福祉司、児童心理司、さらにその両方を増員し体制強化に取り組んでいくということでありますが、本県の状況、対応はどうか、厚生部長にお伺いをいたします。 14 木内厚生部長 国がまず平成30年12月に策定をしました児童虐待防止対策体制総合強化プランや令和元年6月の児童福祉法の改正によりまして、児童福祉司児童心理司等の人員体制の強化が図られたところでございます。  県ではこれまでも、法令に基づく標準配置基準を満たしますよう体制を強化してきております。来年度は、児童福祉司を3人、児童心理司を1人増員することとしています。  また、本年1月に、今委員からも御紹介がございました児童虐待防止対策に関する関係府省庁連絡会議におきまして、令和4年度における児童福祉司等の配置目標というのが示されたところでございますけれども、こちらにつきましては法令による一律的な配置ではないとお伺いをしております。  県ではまず、これまでの増員に伴う組織体制の整備や職員の資質向上に取り組みたいと考えています。具体的には、来年度、富山、高岡の両児童相談所で相談支援を担当する課を増設いたします。また、地域支援や人材育成を目的とする課を新設しまして、機能を強化することとしています。  今後とも児童相談所に必要な人員の確保、これは大事なことでありますので、この確保に向けて努めてまいりたいと考えております。 15 酒井委員 ありがとうございます。3人、1人とそれぞれ増加するということをお伺いしました。そのように、国は児童福祉司の大幅な増員計画を進める中で、ベテランの確保が課題となっているようであります。  そこで、AIを活用して家庭の状況や傷の有無、面談結果などの記録を読み込ませ、類似事例では過去にどれぐらいの割合で一時保護の対象になったかを示す一時保護率を判断する仕組みがあります。また、東京などのように、29項目を紙ベースでチェックしていることを、アプリを使い232項目のチェックに沿ってパソコンで情報を入力する仕組みを導入し、その結果を基に虐待リスクを把握して、一時保護すべきかどうか、また支援方針を決める材料とする活用もあるそうです。  児童福祉司の大幅な増員によって、経験が浅い児童福祉司が増え、ベテランの確保が課題となる中、虐待リスクの把握や業務改善に資するAIやアプリの活用を進めるべきと考えますが、本県の現状、今後の方針について、厚生部長にお伺いをいたします。 16 木内厚生部長 県では今まで、申しましたとおり、児童福祉司等の増員を進めてまいりましたけれど、一方、専門性の向上にも努めてまいりました。具体的には、児童福祉司任用後研修などを定期的に実施するほか、中央専門機関──国で実施をされる研修にも職員を派遣してきました。また、児童福祉司として5年の経験を有する職員を経験の浅い児童福祉司の指導、教育を行う職員として配置をしまして、業務に必要な専門的技術の習得に当たらせています。  こうした中で、今御紹介がございました、国では、児童相談所における一時保護の判断に当たり、AIを活用して緊急性の判断に役立てる、判断をサポートするようなシステムを開発する、そういうような検討が進められているところでございます。ツールが職員に代わって判断をするというものではなくて、あくまでも職員が行う判断をサポートするという目的であると伺っております。  県としましては、対応する職員の専門性の向上に努める一方、こうした国のツールの開発については動向を注視してまいりたいと考えております。 17 酒井委員 ある意味ではおっしゃるとおりかと理解はいたします。  また、専門家によりますと、AI、アプリ等の有効性を認める一方で、児童相談所の仕事の多くは、親が子供を離さなかったり、真実を語らなかったり、また、子供が幼くて事実を話せなかったりと対応が難しくて、最終的判断は人の仕事であると、職員の教育や研修は今後も重要であると言われております。  福岡県を視察した際に、児童相談所スキルアップのための予算をしっかり確保し、研修を重ねていると伺ってきました。本県におけるそういった予算について、厚生部長にお伺いいたします。 18 木内厚生部長 児童相談所職員の資質向上は、相談内容も複雑化している中で大変重要であると考えております。  このため県では、今申し上げました中央研修専門機関への職員の派遣、また、虐待困難事例について、緊急度の判断からその後の相談や支援に至るまでのロールプレイも交えた実践的な研修を行うなど、研修を充実して専門性の強化を図ってまいりました。こうした研修に加えまして、来年度は市町村などの関係機関の担当者も交えまして、連携の強化のための研修を行うこととしています。  また、先ほどもお話をしました児童相談所に研修などの企画立案などの人材育成を所管する課を新設しまして、職員の専門性のさらなる向上を図ってまいりたいと考えております。 19 酒井委員 ありがとうございます。  私は昨年の6月定例会で、増加する児童虐待の対応強化のために、児童相談所への現職警察官の配置など人員体制の強化や、警察を含めた関係者との迅速的確な情報共有など、ソフト面での児童相談所の機能強化が重要と提案をさせていただきました。知事からは、富山児童相談所機能強化検討委員会の議論を踏まえて対応するとの答弁でありました。ちょっと愛想がなかったですけど。  現在、警察官OBを配置し、合同研修の実施などにより連携を深めており、OBの経験や専門性、人脈を生かすことも大変有効と認識しておりまして、現職警察官とOBの複合的体制が望ましいかとも存じます。  検討委員会での議論も踏まえてどのように取り組むのか、新田知事にお伺いをいたします。 20 新田知事 児童虐待の早期発見と早期対応のためには、児童相談所と警察や市町村など関係機関の連携が大切です。特に、児童相談所と警察の間では、児童虐待案件の情報共有や必要時の共同での安全確認、また児童相談所への警察官OBの配置、合同研修の実施などにより連携強化を図っているところです。  また、近年の児童虐待の相談対応件数の増加や国の緊急総合対策などを踏まえまして、虐待通告受理後48時間以内に子供の安全確認ができない場合には、立入調査の実施や必要に応じ警察への援助要請をすること、また、警察が児童の身体の外傷を確認し、児童相談所へ通告した際は、児童相談所が48時間以内に児童の安全を直接確認することなど、連携を強化しています。  今年度設置した富山児童相談所機能強化検討委員会では、委員の皆さんから、児童相談所と警察の一層の連携強化や児童相談所職員が身の危険を感じる場合の対応強化などのため、現役警察官の配置について検討が必要との御意見をいただいています。  来年度は、機能強化検討委員会を発展的に改組して、基本計画検討委員会を設置し、市町村や関係機関の利用者などを含め、さらに幅広く御意見を伺い、委員御提案の児童相談所への現役及びOBの警察官の配置などの機能強化についてさらに検討したいと考えます。  今後も、警察などの関係機関との連携を一層密にし、児童虐待対応に万全を期してまいります。 21 酒井委員 どうもありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。  次の質問に入ります。食育について質問いたします。  県民が心身の健康を確保し、生涯にわたって生き生きと暮らすことができるよう、食育を推進することは非常に重要なことと考えます。また、健全な食育生活の実現には、食を支える環境の持続に資する取組も進めることが不可欠と考えます。さらに、2年前からの新型コロナウイルス感染症拡大による新たな日常における食育の推進も課題となっておりまして、食育を通して、それこそウエルビーイングのアピールが重要かと存じます。  その折、令和5年度、第18回食育推進全国大会が本県で開催されます。昨年9月、予算特別委員会の筱岡委員の食育に関する質問で知事答弁がありました。そこでは、食育推進全国大会の開催を目指すということでありました。そのことが実現できるということは御同慶の至りであります。  本大会では、食育の推進に向けて本県の豊かな自然に恵まれた多彩な食の魅力、文化を発信する絶好の機会と捉えておりますが、新田知事の誘致を決断した動機と成功に向けての意気込みについてお示しください。 22 新田知事 食は人の心身の健康をつくるための基礎であり、食育を通して食に関する知識と食を選択する力を身につけて、あらゆる世代が健全な食生活を実践していくこと、これは大変大切なことです。また、本県では、新鮮でおいしい海の幸、野の幸、山の幸の宝庫でありまして、先人から受け継がれた豊かな食文化が根づいています。  県ではこれまで食育推進計画に基づき、富山の食に着目した食育、ライフステージに応じた健康増進につながる食育などを柱として、県民運動として展開をしてまいりました。  年度内に策定予定の第4期計画では、県産食材と地域の食文化を生かし、栄養バランスのよい富山型食生活のPR、またその実践を促すため、子育て世代や独り暮らし等の多様なライフスタイルを意識した取り組みやすい食育を推進しようと考えています。  委員が言及いただきました食育推進全国大会は、こうした本県の食育の取組をはじめ、多彩な食の魅力や豊かな食文化を全国へPRできる絶好の機会と考えて開催に応募したものであり、令和5年度の開催が決定されたことは大変にありがたく、うれしく思っております。  新年度は市町村や教育、学校給食の関係者、また生産団体などから成る実行委員会を立ち上げて、大会の具体的な内容を検討していくことにしています。  この大会の開催で、健康で豊かな食生活を通じて、県民のウエルビーイングの実現に結びつけるとともに、県外からも多数の来場者が見込まれることから、関係人口1,000万人、幸せの先進地域、富山を目指す上で全国への大きな発信の場となると思います。関係の皆さんと知恵を出し合って準備を着実に進めてまいります。 23 酒井委員 頑張りましょう。よろしくお願いします。  食育では、地元産の食料を生かした富山型食生活の浸透や子供が野菜作りをして、それを使っての料理体験や健康寿命延伸に向けての食育が求められると考えます。  今ほどお話もありましたが、来年度から第4期富山県食育推進計画がスタートしますが、国が進めるみどりの食料システム戦略や、SDGsへの対応が重要と考えます。取組の柱について、横田副知事にお伺いをいたします。 24 横田副知事 国で策定されましたみどりの食料システム戦略は、持続可能な食料システムを生産者、事業者、消費者の理解と協働の上で実現しようとするものです。  消費面では、生産者、消費者の相互理解の促進、持続可能な消費の拡大、栄養バランスに優れた日本型食生活の推進などが掲げられておりまして、SDGsの目標の一つ、ゴール12の持続可能な生産消費形態を確保するなどの推進にもつながるものであります。  この考え方やそのための具体策につきましては、今年度内に策定予定の第4期富山県食育推進計画に盛り込んでおります。県民の健康で豊かな暮らしと持続可能な食の実現を基本目標に掲げまして、農林漁業体験など生産者と消費者の交流促進、食品ロスの削減や地産地消などエシカル消費の普及促進、普及啓発、そして県産食材と地域の食文化を生かした栄養バランスのよい富山型食生活の普及を進めることとしております。  来年度からは新たに、先ほど知事の答弁でもありましたとおり、富山型食生活の家庭での実践に向けまして、多様なライフスタイルに対応した簡単レシピの普及、そしてオンラインを活用した食育講座などの開催、健康寿命の延伸に向けて、低栄養傾向の高齢者の割合を新たに目標指標として設定しましてフレイル予防などの取組を進めるなど、家庭、学校、地域、それぞれにおける取組を市町村、そして生産、医療、給食、消費などの関係団体と共に推進していくこととしております。  令和5年度の食育推進全国大会の取組も推進力としながら、食育の拡大に向けて取り組んでまいりたいと思います。 25 酒井委員 よろしくお願いします。  また、食育は様々な分野に関連し、その推進には多くの方々の連携、協働が不可欠でございます。  年度内の第4期富山県食育推進計画の策定や令和5年度食育推進全国大会の開催を機に、食育を進めていくため、市町村と連携し、県民運動として展開してはどうかと考えます。農林水産部長にお伺いいたします。 26 堀口農林水産部長 県では、市町村や関係団体等で構成いたします富山県食育推進会議を設置し、情報共有や連携を図りながら、県民運動として食育を推進しております。  令和4年度にスタートする第4期食育推進計画の策定に当たりましては、この食育推進会議で様々な分野の議論をいただいております。また市町村からは、学校給食に富富富の生産者を招いて交流し、地元の米作りについて学ぶ取組、また住民が参加する地域一体となった減塩運動の展開などの具体的な事例などを御紹介いただいておりまして、それらを参考としながら検討を進めております。  計画策定後は、新計画のポイント等について市町村と方向性を共有した上で、学校給食での県産食材の活用拡大を通じた地域の農林水産業や食文化への理解の促進、地域の食生活改善推進員を講師とした食育教室や調理実習の実施など、引き続き連携して行いますほか、市町村が独自で行っております地場食材を活用した調理実習や地域の特徴的な農林漁業体験等に支援するなど、計画に掲げる個々の施策を広く展開していくこととしております。  また、食育推進全国大会では、先ほど知事から答弁申し上げたとおり、今後実行委員会を設置し内容を検討していくことになりますが、県内市町村の特色ある食育の取組に併せて、豊かな食材とそれを生かした郷土料理などを全国にアピールしていただく場にもしたいと考えております。  引き続き、市町村や関係団体等との連携、情報共有を図り、県民の皆さん一人一人が食育を実践する県民運動として展開してまいります。 27 酒井委員 よろしくお願いいたします。  次に、食育に関連して、こども食堂について質問いたします。
     政府では内閣府を中心に、貧困状況にある子供たちに対する食育の推進や、貧困の連鎖の解消につながるこども食堂等の活動への支援を含む官公民の連携協働プロジェクトとして子供の未来応援国民運動を推進しています。  この国民運動では、こども食堂のように、子供たちと支援を実際に結びつける事業を実施する過程を通じて、関係機関等による連携を深化し、地域における総合的な支援体制を確立する地方公共団体の取組を支援しています。  私は、こども食堂は福祉の精神を持った人々の集い、準自治会と捉えています。自治会は多世代交流拠点でありますが、今多くの自治会では役員の高齢化と人材難に苦慮しているところです。  他方でこども食堂は、補助金もないのに続々と担い手が生まれ、僅か8年で全国津々浦々に約5,000か所まで増えたということです。加えて、昨年1年間でさらに約1,000か所増えたと言われています。ゆえに、こども食堂を自治会の活性化、地域コミュニティーの活性化という観点から捉える自治体も全国に多く存在しています。  人と人が支え合い、誰一人取り残さない社会、これもウエルビーイングの根幹と考えます。子供の貧困対策や子供の見守りにおける行政サービスの補完ではなく、官とは異なる発想で民が公共を担うために独自に編み出した課題解決策と言われるこども食堂の取組が全国で広がっていることについて、どう受け止めているのか、蔵堀副知事に伺います。 28 蔵堀副知事 こども食堂につきましては、その多くが地域住民の皆さん、それからボランティアの皆さんを中心に民間の団体などにより自主的に運営をされてきておりまして、食事の提供だけではございませんで、子供の居場所づくり、それから見守りなどのほか、地域との交流の場としても非常に大きな役割を担ってきております。  昨年の12月に公表されました認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえの調査によりますと、全国のこども食堂はその時点で6,007か所にまで増加をしております。前年よりも1,047か所増加したということでございます。  本県におきましても、コロナの感染拡大によりまして開催が困難な状況の中ではございますけれども、今年度に入りましてから4か所増加しているという状況でございます。  表面化しにくい貧困をはじめ、困難を抱える子供を必要な支援に結びつけていくためには、地域住民の皆さんやボランティアの皆様の御理解、御協力が欠かせないと思っております。こども食堂の活動の広がりは、そうした皆さんの熱意の表れであって、大変意義深いものがあると思っております。  県といたしましても、これまでこども食堂の立ち上げの経費の助成や食品衛生指導、食事メニューの考案、それから食育活動への支援──食育については今ほど委員からいろいろ御指摘もございましたけれども──そういった食育活動への支援も行っております。それから、こども食堂の開設予定者などの方向けの研修会の開催も行ってきているところでございます。  今後も、生活に困窮する子育て家庭への食事の支援に加えまして、子供の居場所づくり、見守り活動といったこども食堂の機能が地域において発揮されますように、市町村や地域の自治会、それからこども食堂の運営者の皆様と連携をいたしまして、県民のウエルビーイングが向上するようにしっかり取り組んでまいります。 29 酒井委員 よろしくお願いいたします。  厚生労働省では、ひとり親家庭の子供に対し、基本的な生活習慣を習得するための支援や学習の支援と併せて、食事の提供を行うことが可能な居場所づくりを推進しています。  こども食堂の運営上、留意すべき事項を周知するとともに、行政、福祉関係者、教育関係者、特に地域住民などに対して、こども食堂の活動への協力を呼びかける通知を平成30年6月に発出しています。  また、令和2年に入って新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、こども食堂の活動に関して、感染拡大の防止に向けた対応とともに、さきに述べた生活習慣習得支援、また学習支援等の、いわゆる居場所づくりに関する補助等、活用可能な国の施策やその施策を活用した柔軟な運営が可能である旨などを周知しています。  こども食堂を広く普及するため、先般の飲食店営業許可を不要とするなどの柔軟な対応が今後も必要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、厚生部長にお伺いをいたします。 30 木内厚生部長 これまで県では、市町村と連携をしまして、こども食堂の開設等を支援してまいりました。立ち上げ経費の助成や開設予定者の研修会の開催、ネットワークの運営等でございます。  また、委員から今御紹介がございました本年1月に食品衛生法に基づく営業許可の取扱いを見直しました。許可制であった飲食の提供について、福祉目的で対象者が限定されている場合には、引き続き食品衛生責任者の設置等は求めるわけでございますけれども、特に手数料が不要となる届出制に移すということの取扱いを見直しました。これは、一定の衛生水準を確保する大事なことでありますけども、そのこととこども食堂の開設の両方に配慮したものでございます。こうした新たな取扱いにつきましても、県内のこども食堂、また今後立ち上げを予定される方に情報提供をしてまいります。  また新年度は、ホームページで県内のこども食堂の取組を広く発信をし、地域での子供の居場所づくり、見守りなど、こども食堂の食事の提供だけでないその意義につきましても浸透を図り、県内におけるこども食堂の普及につなげてまいりたいと考えております。  引き続き、運営を担う皆様の御意見もお伺いをして、この活動が広がるよう取り組んでまいります。 31 酒井委員 ありがとうございます。富山県においてもこども食堂がどんどん増えていくことを願っております。よろしくお願いいたします。  次の質問に入ります。小学校35人学級への支援についてお伺いをいたします。  小学校35人学級は、新田知事公約に基づいた施策であり、県として市町村負担が軽減されるよう取り組むべきと考えております。小学校35人学級の先行実施に伴って、県内市町村において一部学校で教室不足が見込まれており、転用可能な特別教室の改修、教室の増築などによる追加の財政負担が発生する場合に、市町村に対して財政支援すべきと考えておりますが、新田知事の御所見をお伺いいたします。 32 新田知事 国より2年先行して、令和5年度までに小学校全学年で35人学級を導入するに当たっては、教員及び教室を確保することが当然必要となります。  教員については、新年度でも県の単独予算での対応も含めて必要数を配置することにしています。  教室ですが、少人数学級の実施に伴い、令和4年度では、1、2学級増える学校が一部あるものの、それらの市町村では会議室などに転用していた教室を普通教室に戻すなどして軽微な改修などで対応されると聞いています。また、令和5、6年度以降は、児童数の増加傾向が見られる学校区で学級数の増加も見込まれるため、新たな施設整備が必要となる市町村もあると聞いています。  これらの学校の改修や増築の費用負担ですが、市町村に対する国庫補助制度や地方債などの有利な財源措置があるので、これまでと同様に、設置者の市町村において国の補助制度を活用して整備をしていただきたいと考えています。  なお、県では、国への令和4年度重要要望などにおいて、少人数学級推進のための教育環境整備の支援をこれまで強く求めてきました。その結果、文部科学省では来年度から改修などの補助下限額を2,000万円から400万円まで引き下げることとされました。学級数の確保のための小中規模の改修などもこの補助制度を活用できることに道が開きました。今後、この制度改正の周知を各市町村にして、県内から補助申請した小学校がしっかりと採択されるよう、市町村と連携をして国に要望してまいります。そのサポートをしてまいります。 33 酒井委員 教員の確保等については、来年度予算で3,000万円ちょっと見てあります。大変ありがたいと思います。  ただ、教室の改修等については、高岡だけではなくて、これから各市町村においても出てくるものだと考えております。できるだけ財政の負担が市町村にかからないように、県としてもしっかり対応していっていただければと考えております。  もっと力強い答弁をいただきたかったのですが、強くまた要望活動が出てくると思いますので、対応していただければと思います。よろしくお願いいたします。  次に、県道姫野能町線の整備促進について質問いたします。  姫野能町線は牧野大橋を含む第1期区間に続き、第2期区間として、高岡市中曽根から射水市作道の1.8キロのバイパス整備が進められております。現在、射水市作道地内の物件移転と用地取得を促進しているところと存じますが、当該道路は周辺道路への大型車の通行を抑制することによる住民生活の安全性の向上を図るとともに、伏木港と富山新港の連携、また県西部地域の産業活動を支える重要な役割を担う道路であると思っております。一日も早い完成が望まれるところです。  土木部長に来年度の予定内容、また御所見も含めてお伺いしたいと思います。 34 江幡土木部長 御紹介をいただきました県道姫野能町線は、高岡市街地と射水市市街地を東西に結びまして並行する国道8号を補完しますとともに、伏木富山港の伏木地区と新湊地区を連絡する重要な道路であります。  牧野大橋を含む第1期区間約2キロのバイパスは平成25年度に供用しておりまして、引き続き第2期区間として高岡市中曽根から射水市作道地内までの約1.8キロのバイパス整備に取り組んでおります。  この第2期区間は高岡市側から整備を進めておりまして、高岡市内につきましては、今年度までに用地取得を終えまして、路側の構造物の整備を行っているところであります。また射水市内では、昨年度から物件移転と用地取得を進めておりまして、物件移転は全部で47件必要でございますけれども、地元の御協力をいただいておりまして、現在3割程度まで進捗をしております。  御指摘いただきましたように、当該道路は県西部地区の産業活動を支える重要な道路でありまして、今後とも必要な予算を確保しまして、一日も早く完成できるよう整備促進に努めてまいります。 35 酒井委員 ぜひよろしくお願いします。  私の申し上げた中でも、周辺の道路への大型車の通行を抑制することによって、住民生活の安全性の向上を図るということであります。  昨今、いわゆるトレーラー等も大型化してきております。その大きなトレーラーが、トラックが町なかに入ってきて通学路を通ることになります。小学生もぎりぎりの危ない状況の中で通学しているような状況が伺えます。本当に地域住民は心配しています。いつ事故が起きてもおかしくないだろうと、何とかならないものかと言ったり、あるいは地盤が弱いために家の中にいても振動を感じるということをよく耳にするようになりました。本当に一日も早く完成していただけるように心から願っております。どうぞよろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。 36 筱岡委員長 酒井委員の質疑は以上で終了しました。  ここで、換気のため暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午前10時55分休憩                     午前11時05分開議        安達孝彦委員の質疑及び答弁 37 筱岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  安達委員。あなたの持ち時間は60分であります。 38 安達委員 よろしくお願いします。  一昨日、歴史上まれに見る保守分裂の三つどもえでの大激戦、石川県知事選挙の結果が出ました。御案内のとおり、本県小矢部市出身の馳浩さんが約8,000票差の大激戦を制して、19万票余りを獲得されて当選されました。お祝いを申し上げたいと思います。筱岡委員長、おめでとうございました。  新田知事におかれましても、かねてより馳さんの支援を表明されておられましたし、実際石川県まで応援にも行かれました。この大激戦の選挙結果の感想と受け止め、今後の石川県との連携について、新田知事の御所見をお伺いいたします。 39 新田知事 私からも馳浩石川県新知事の御当選、心からお祝い申し上げたいと思います。石川県民の皆さんの負託を受けられた馳新知事には、国政で長く真面目に取り組んでこられた、そしてまた文部科学大臣も務められた、そのような豊富な御経験、そしてプロレスで鍛えられた頑健なお体、またリーダーシップなどなど、本当に持ち前の行動力を大いに発揮されて、石川県の発展と石川県民の福祉の向上のために、訴えてこられた政策の実現に大いに取り組んでいただければと願っています。  そこで、富山県と石川県ですが、地理的にも歴史的にも密接な関わりがありますし、また北陸新幹線の整備促進、広域観光の推進、また県際道路の整備など、両県に共通する広域的な課題に連携して取り組むほうがお互いのため、ウィン・ウィンの結果につながると思いまして、私が知事に就任して以来、谷本正憲現知事とは2回にわたり知事懇談会を開催して、北陸は一つ、そういう共通認識の下でこれらの広域的な課題について率直に意見交換をして連携の取組を進めてまいりました。  また、可能であれば、福井県の杉本知事にもお声がけをして、3人で北陸3県の課題について意見交換する機会も──これまでも折に触れて話はしておりますが、正式な形でそういうことができる場もつくることができればと考えています。  馳新知事は小矢部市の御出身であり、そういう意味でも大変心強く思っています。今後、馳新知事と定期的に知事懇談会を引き続き開催して、私が提唱しております北陸の十字路、この構想の実現に向けてさらに両県の連携を深めていきたいと考えております。 40 安達委員 この両県の連携というのは大変重要であります。さらにこの連携を深化させていただきたいと思います。ありがとうございました。  次に、教育、スポーツの振興について4問御質問いたします。  知事選挙と同じく、一昨日、北京パラリンピックが閉幕をいたしました。県内から出場し、日本選手団の旗手も務めた川除大輝選手が見事男子クラシカル20キロにて金メダルを獲得し、本県に冬季パラリンピック初の金メダルをもたらし、県民に勇気と元気を与えてくれました。また、初出場の雄山高校岩本美歌選手も頑張りましたし、北京オリンピックでは、クロスカントリースキーに南砺市の山下陽暉選手、富山市の広瀬崚選手の2人が出場し、熱戦を繰り広げてくれました。最終日の男子クロスカントリーリレーでは、残念ながら目標の8位入賞とはならなかったものの、10位に入る健闘の走りを見せてくれました。お互いにオリンピック初出場、まだ22歳、21歳の若手でもあり、これからの活躍が楽しみであります。  このように県勢がオリパラで活躍している一方、同時期に開催されていた秋田県の国民体育大会スキー競技会では、オリンピック参加の2人を欠く中でも、富山県勢はクロスカントリーリレーで最後まで岐阜県との激しいデッドヒートを繰り広げ、2連覇とはなりませんでしたが、堂々の準優勝を果たし、総合天皇杯においても5位入賞を果たすなど、全国に富山県スキー界の層の厚さを示してくれました。  このように現在、本県スキー界は、指導者や地域のこれまでの支援、取組もあり、大変充実した選手層の厚さを誇っています。そして、若い子たちや県民に夢や希望、元気を与えてくれています。  スキー競技への関心が高まる中、スキー競技力の強化とスキー競技全体の振興にどのように取り組んでいくのか、再来年には本県で全国高校スキー大会、インターハイの開催も決まっています。大会の成功に向けて、さらに機運を高めていくことも大事だと思います。県として今後どのように取り組んでいくのか、助野地方創生局長にお伺いいたします。 41 助野地方創生局長 委員から御紹介ありましたが、北京オリンピック・パラリンピックには、金メダルを獲得された川除大輝選手をはじめ、本県から5名の選手が出場され、大いに活躍されたところでございます。  また、この2月に秋田県で開催されましたスキー国体では、本県選手団は優勝を含め9種目で入賞し、平成15年以来の競技別男女総合成績第5位、女子総合第6位という好成績を収めたところでございまして、県民のスキー競技への関心が高まったものと考えております。  県ではこれまで、こうした大舞台で活躍するトップアスリートに対し、メディカルチェック、コンディショニング指導等のスポーツ医科学的サポートや強化合宿、遠征等の活動支援を行ってきたところでございます。また、アスリートが所属する競技団体や中学、高校の各体育連盟に対しても、ジュニア期からの発育、発達段階に応じた一貫指導体制の構築や競技人口の増加に向けた競技大会、スポーツ教室といったイベントの開催等を支援してきたところでございます。  引き続きこうした支援制度を活用することで、令和6年、17年ぶりに本県で開催されます全国高校スキー大会に向けまして、選手のさらなる育成強化を図ってまいります。また、この大会が成功裏に開催され、身近な本県選手が多数活躍することは、さらにスキー競技への関心が高まって、競技全体の振興にもつながるものと考えておりまして、関係市や関係団体と連携し、大会の成功に向け着実に準備を進めるよう努めてまいります。 42 安達委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。  また、北京オリンピックに出場した南砺市出身の山下陽暉選手は、城端小学校の頃からスキーを始め、高校は地元の南砺平高校に入学し、スキー部で当時から活躍していました。不肖私もその平高校スキー部に所属しており、後輩の活躍には大変励まされるとともに、OB会相談役としても誇りに思うところであります。  その南砺平高校ですが、全校生徒約90名で、このスキー部に加えて、皆さんも御覧になったことがあるかと思いますが、郷土芸能部も全国大会最多受賞校として2度の日本一に輝いていますし、私も現役時代、東京国立劇場の舞台に立ったことがあります。  この2つの部活動の活躍により全校生徒のうち約半数が全国大会出場者であり、毎年多数の全国大会入賞者も輩出している大変珍しい高校ですが、残念ながら、近年は五箇山地域の急激な人口減少もあり、毎年のように定員割れしているのが現状であります。  今後、この希有な学校を残していくためにも、最近ではGGS──五箇山ガイド研究会──を立ち上げ、世界遺産の五箇山合掌集落での観光ガイドにも取り組んでいるようであります。これからさらに特色のある教育を行い、長野県白馬高校のように県外からも入学生を募るなどして定員を確保し、部活動が活発に行われるような体制を整える必要があるのではないかと考えますが、荻布教育長の御所見をお伺いいたします。 43 荻布教育長 南砺平高校は小規模校でございますが、部活動などの活動が盛んでございまして、御紹介いただきましたように、スキー部は全国大会の常連校であって、個人優勝を含む数々の入賞を果たしていますし、世界で活躍する選手も輩出している、また安達委員のような立派な先輩も輩出しているというところでございます。  また、全校生徒の約半数が所属する郷土芸能部も全国高等学校総合文化祭に25年連続を含めた計27回出場して2度の最優秀賞を獲得するなど、全国一の入賞回数を誇っている部活動でございます。  また、世界文化遺産合掌集落で外国人の方に観光ガイドを行う五箇山ガイド研究会の取組は、生徒の表現力、英語力を養うだけでなく、地域の魅力発信や活性化に大きく貢献をしています。こうした活動は、生徒の自己肯定感や自己有用感を高め、主体性や積極性などの生きる力も育むことにつながっております。  一方で、南砺平高校の近年の入学者選抜における志願状況ですが、過去5年間、0.8倍前後で推移をしておりまして、定員割れが続いている状況にあり、生徒募集については課題がございます。  委員御指摘の県外からの生徒受入れにつきましては、本県では現在、原則県内への転居ということを条件としておりますが、南砺平高校では地形、交通等の観点から、岐阜県の白川村からの受入れについては認めているところでございます。  さらに、広く県外からの募集をということに関しましては、令和2年度の文部科学省の調査によりますと、全国の公立高校の1割程度で全国募集が導入をされております。全国募集の導入は、生徒数が確保され、部活動の活性化や教育活動の充実が期待されます一方、下宿先などの生活面のサポートが必要になるなどの課題もございます。南砺平高校には生徒寮がございまして、今年度5月時点では全校79名のうち約3分の1の26名が利用しておりますが、週末には寮は閉鎖し、生徒は自宅に戻っているという状況でございます。  県外からの受入れということにつきましては、今後他県の先行事例について情報収集をして研究してまいりたいと考えております。 44 安達委員 ぜひとも前向きに考えていただきたいと思います。  次に、これからの時代、これまでのような学力偏重ではなく、特色ある個性を伸ばす教育をもっと推進しないと大きく変動する社会を生き抜いていけない、対応できない人がたくさん出てくるのではないかと危惧しております。  島根県においては教育魅力化ビジョンを策定し、「ふるさと島根を学びの原点に 未来にはばたく 心豊かな人づくり」を基本理念に、子供たち一人一人に自らの人生と地域や社会の未来を切り開くために必要となる生きる力を育むため、学校、家庭、地域がその目標を共有し、連携、協働しながら教育環境を魅力的なものにしていく取組をしています。また、子供たち自身が地域の中で体験する・浸かる、地域について知る、地域のために行動・実践する、地域の課題や未来について考える取組を進めていますし、「しまね留学」も推進しています。  これによって大きな成果が生まれてきています。例えば、島根県と、本県のように学力テストは常に上位で学力が非常に重視されている秋田県とでは、若者のUターン率に大きな差が出てきているという調査結果も出ています。具体的には、100人の若者がいた場合、島根県では83人が戻ってくるのに対し、秋田県では60人しか若者が戻ってこないという予測があります。同じ日本海側の過疎が進む県ですが、若者の教育によってこれだけの差が出つつあるということであります。  本県においても、一人一人の個性を伸ばす、そして地域を支える人材を育てるという意味においても、公私比率の見直しや職業科の増設など、県立高校の抜本的な見直しに取り組むべきだと考えます。  先日の予算特別委員会で藤井大輔委員も取り上げられておられました、25年前に発行されました「でるくい」であります。アイドルか女優さんのような荻布教育長が、当時出ていらっしゃいますけれども、この文章の中に、県庁を学校に置き換えての話でありますけれども、「これまでは恐らく学校や親の言うことをよく聞き、テスト範囲を勉強していい点を取ればいい生徒だったのだろう。だが、これからは自立した学習能力を身につけて、課題を自分で見つけ出し、解決していける生徒が存在価値を増してくる」という文章の一節がございます。まさにそのとおりだと思います。ぜひとも荻布教育長から前向きな答弁を、御所見をいただければと思います。よろしくお願いします。 45 荻布教育長 若干動揺しております。  県教育委員会では、令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会を設置しまして、社会の大きな変化に対応し、将来展望に立った県立高校の在り方について検討を進めております。  今年度3回開催しました検討委員会では、職業系専門学科や普通系学科、総合学科の在り方、また中高一貫教育校や国際バカロレアなど、様々なタイプの学校、学科などについて検討いたしました。  委員からは、これまで、企業の協力を得て、ものづくりや農業の魅力を伝えるということをもっとやってもらいたいといった御意見や、生徒は自分の学力でもって高校を選ぶというところがあるが、この学校に行ったら何が学べるかということをもっと分かりやすく学校側がアピールしてほしいなどの御意見をいただいたところでございます。  公私比率につきましては、このほど令和5年度以降に関しての公私案に関しまして公私双方で合意をしたところでありますが、今後も公私が協調して富山県の高校教育全体の質を向上していけるような、そういった観点で公私立高等学校連絡会議で議論をしていくこととしております。  また、職業科の増設につきましては、地域の人材ニーズや時代の変化に対応した人材育成ということを基本とし、施設設備面の整備や専門教員の確保などの面も考慮しながら検討することが重要であると考えておりまして、引き続き検討委員会で学科の在り方をしっかり検討していきます。  また、委員から御紹介ありましたように、他県では、地元自治体の協力も得て離島への留学受入れをするという例や、また文部科学省の普通科改革の流れに先駆けまして、新学科の設立などの魅力化プロジェクトが実施されているケースがございます。  こうした他県の先進事例も参考にしながら、来年度もこの検討委員会を開催しまして、ニーズ調査なども行いまして、魅力と活力ある県立高校の今後の在り方についての検討をしっかり進めてまいりたいと考えております。 46 安達委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。  次に、さきの我が会派の代表質問、また先日薮田議員も御質問されましたけれども、ここ数年、教職員や看護、介護人材、農業、様々な分野で人手不足が叫ばれていますが、その中でも最も深刻で有効求人倍率が高い業種は建設分野であります。  直近の令和4年1月は、全体の有効求人倍率が1.51倍に対して建設分野は5.89倍、建築土木技術者に至っては9.80倍であり、他の業種を大きく上回っており、また我々自民党県連青年局で県の建設業協会青年委員会と行った意見交換会でも、若者の建設業離れが深刻で、事業が近い将来立ち行かなくなるとの悲痛な声も聞かれました。  昨今では全国各地で台風や集中豪雨、地震、大雪などによる災害が多発し、国でも国土強靱化が進められていますが、いざ災害が起こったとき、雪が降って除雪が必要なときなど、人手不足で手が回らないことが起こってしまう状況が近づいてきています。
     私は、除雪や災害対応に当たるこういった皆さんは、まさしく消防などと同様に、人の命に直結する大変重要な役割を担っており、まさしくエッセンシャルワーカーであると考えています。そうしたことからも建設産業の担い手不足、人材不足への対応は待ったなしであります。  業界や県では、これまでも出前講座や高校生に対するPRを行ってきましたが、大きな成果を上げているとは言い難い。そこで、抜本的に高校に土木学科、建設システム工学科や、建設創造学科など、そういう建設産業に直結する学科を県立高校並びに県立大学に新設、増設、または定員を増員し、若いうちからその育成を図るべきではないかと考えますが、新田知事の御所見をお伺いいたします。 47 新田知事 建設業界に属される各社、またそこで働いておられる皆さんは、富山県、県民の安全・安心を本当に担っていただいていると理解しておりますが、今、委員御指摘のように人材がなかなか確保できない。ですから、担い手の確保、またそれを育成していくことが急務だという問題意識は共有しております。  まず県立高校ですが、4校の建設系学科の学科において専門人材を育成しておりまして、建設業協会による出前講座なども活用して専門に関する知識の習得、技術の向上に努めています。また、この建設系の学科だけではなくて普通科の生徒にも、県土木部などで発行しておりますパンフレットなどを配布して、建設業界への理解を深め、イメージアップも図っています。  このほかに、県の教育委員会で実施している富山県の企業魅力体験バスツアーにおいて、建設会社での体験実習を取り入れている学校もあります。参加した生徒からは、建設業への興味が深まった、またドローンを使って測量することなどはとても興味深い、そんな感想がありました。  さらに、進路の指導担当教員の研修会を行っておりますが、そこに建設業界から講師を派遣していただいたりもしております。  県立高校の建設系学科の増設に関しては、教育委員会で令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会を設置しまして、今後の高校の学科の在り方について協議をしているところです。地域や時代のニーズ、中学生の進路希望などを基本として検討を進めてもらいたいと考えています。  一方で、県立大学ですが、土木施工管理技士などの受験資格が取得できる科目を持つ環境・社会基盤工学科において、入学定員を平成29年に40名から55名に拡充しています。そして、毎年建設業への就職者を送り出しているところです。  学科の増設また定員の拡充については、産業界のニーズに配慮しつつ、また安定的に学生確保の見通しがつくのかどうか、このあたりのところを踏まえながら検討していきたいと考えます。 48 安達委員 これは本当に待ったなしだと思います。危機感を持って取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございます。  次に、安全・安心の確保について5問質問させていただきます。  3年連続この2月議会での質問となります。除雪への最低保障制度についてであります。  今年は十分な積雪もあり、また除雪も丁寧に行われており、本当に除雪業務に従事されている皆さんには感謝しかありませんけれども、先ほども質問しましたが、主に除雪に従事している建設産業は人不足、従業員の高齢化が深刻であります。県の道路課で今年度行ったアンケートでも、約4割の企業でオペレーターが不足しており、技術継承についても人材不足、人手不足などで半数以上の企業ができていないという調査結果が出ており、除雪環境の改善は喫緊の課題となっております。  今後しっかりと安定的に除雪体制を維持してもらうためにも、また一昨年のようにほとんど雪が降らない年は必ず今後来ると思いますから、これまでも県では固定費や除雪機械の貸与など様々な対応を進めて環境改善に努めてこられたことは理解しておりますけれども、さらなる支援をお願いしたいと思います。  これについては、例年といいますか、普通の年は関係なくて、何年に一度かほとんど降らなかったときの保険のようなものですから、大きな追加予算が必要になるわけでもなく、用意されている除雪予算の中で執行できるものですから、ぜひとも検討していただきたいと思います。  青森県なども令和2年から既に実施をしていますし、また北海道や新潟県の自治体でも始まっています。本県でも導入に向けての検討を進めてはどうか、江幡土木部長の御所見をお伺いいたします。 49 江幡土木部長 御指摘をいただきましたように、将来にわたり安定的な除雪体制を維持していくことが極めて重要と考えておりまして、これまでも少雪時──雪が少ないときでございますけれども──必要な経費が確保できるよう、委託経費の見直しや除雪オペレーターの育成支援などを行ってまいりました。  委託経費につきましては、昨年度から借り上げの除雪機械については、稼働状況にかかわらず、必要となる固定的な経費の計上の仕方を一部見直しまして、企業の負担軽減に努めたところであります。  委員御紹介の最低保障制度につきましては、全国ではこれまで北海道、福島県、新潟県などの5つの道県で運用されております。また、国におきましても、除雪体制の維持に必要となる固定的な経費の積算方法について、現在具体的な検討が進められていると承知しております。  県としましては、こうした国の取組などを注視していきたいと考えておりまして、それを踏まえまして、除雪を担っていただいている企業から御意見も伺いながら、必要に応じて委託経費の見直しを行うなど、安定した除雪体制が維持できるよう努めてまいります。 50 安達委員 本当に前向きに考えていただきたいと思います。どんどん広がっている制度であります。  次に、昨年の大雪の折に大変要望が大きく挙がったのが融雪装置の設置であります。あれからこれまでにも増して地域からの融雪装置の要望が強くなっていますし、今後たくさんの融雪装置更新をしていかなければなりません。  県でこれからどんどん設置することは財政的にも厳しいと考えますので、国に豪雪地域に対する特別な支援メニューの創設などを働きかけ、国の支援も得ながら設置を進めていくべきだと考えますが、土木部長の御所見をお伺いいたします。 51 江幡土木部長 委員御指摘の消雪施設につきましては、人家がつながり路肩の幅が狭く、堆雪スペースが確保できない区間、また主要な交差点や急勾配区間などにおいて必要な水源が確保できた場合に設置していたところであります。現在、1,013か所、延長約740キロメートルの消雪施設を維持管理しておりまして、これまで210キロメートルの更新を終えておりますが、設置後30年以上経過した施設が約230キロメートル残っている状況でございます。  県では、こうした状況や昨年度の大雪を踏まえまして、除排雪に必要な予算の確保と除雪体制の強化を図るため、除雪機械や消雪施設の更新等に対する予算の重点配分を国に要望してきたところであります。昨年12月に成立した国の補正予算では、消雪施設の更新等についても新たに防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策として重点配分されたところであります。  消雪施設につきましては、まずは整備してきた施設の機能を今後も維持できるよう、修繕や更新を優先して進める必要があると考えておりまして、一方、新設につきましては、機械除雪が困難な箇所や非効率な箇所を基本としつつ、昨年1月の大雪の状況などを踏まえまして、公共交通との連携など、個々具体的な状況に応じて整備を検討していきたいと考えております。  今後とも、国に対して雪対策に必要な予算確保を働きかけてまいります。 52 安達委員 よろしくお願いします。ありがとうございました。  次に、イノシシ等の野生鳥獣による被害についてお伺いします。  今年度はあまり農作物への鳥獣被害の話が聞こえてこなかったような気がいたしましたけれども、実際どうだったのか。今年度の被害状況と取組状況、また南砺市のワイナリーで実施したローカル5Gを活用した鳥獣被害防止対策の実証事業について、設置から1年が経過しどのような成果があったのか、また今後どのように取り組んでいくのか、堀口農林水産部長にお伺いいたします。 53 堀口農林水産部長 野生鳥獣によります令和3年度の農作物被害につきましては、本年1月末現在で5,737万円と前年度同期比で約800万円減少しており、その主な要因としましては、令和2年度に急増したカラスによる被害額が、防鳥ネット等の侵入防止対策を講じたことで前年度に比べ3分の1程度、約1,600万円減少したことなどによります。一方で、イノシシによる被害額は約1,300万円増加し4,557万円と被害額全体の約7割を占めております。これは、これまで被害が見られなかった富山市大山地域等におきまして新たな被害が発生したことによるものであり、今後、市町村とも十分連携をして、適切な侵入防止柵の設置や捕獲の強化に努めていくこととしております。  また、ローカル5Gを活用した鳥獣被害防止対策につきましては、令和2年度から南砺市のワイナリーのブドウ畑で4K対応カメラと自立型ローバー、草刈り機によるカラス等の自動追い払いシステムの実証事業に取り組んでおります。  AIで画像分析を行いますことで、鳥獣の種別や位置の判別に要する時間、精度、認識率は実用化のレベルに達していることなどの成果が得られたところです。この成果を基に、今後航空法の改正によりましてドローンの目視外飛行が可能となりますことなども踏まえまして、新年度ではドローンを活用した対策に向け、さらに実証を進めることとしております。  引き続きローカル5GやAI等のデジタル技術も活用しつつ、地域ごとの環境や獣種などに応じた効果的、効率的な被害防止対策に取り組んでまいります。 54 安達委員 ありがとうございます。  被害額が増加したイノシシでありますけれども、一昨年の豚熱発生以来、一時期イノシシの肉の流通がストップし、せっかく農作物被害を防ぐために大量に捕獲されるイノシシを何とか活用し、地域振興につなげたいと設立された新川地区獣肉生産組合にも全く肉が入ってこず困っているというニュースが流れていました。  その後、昨年春に再開をされましたけれども、流通再開後のジビエの流通状況について、今後どのように需要の拡大と安定供給によりジビエの振興を図っていくのか、併せて農林水産部長にお伺いをいたします。 55 堀口農林水産部長 国におきましては、令和3年4月に豚熱感染確認区域におけるジビエ利用の手引きが策定されまして、捕獲した野生イノシシのジビエ利用の自粛要請が緩和されました。以後、豚熱ウイルスの浸潤状況調査、いわゆるサーベイランスによるPCR検査で陰性が確認されたイノシシのジビエ利用が可能となったところです。  これを受けまして、県では速やかに東部家畜保健衛生所においてPCR検査を行うための体制を整備しますとともに、イノシシ肉を取り扱う処理施設事業者で必要となります冷蔵保管庫等の整備に支援をいたしまして、昨年6月に全国で最も早くイノシシ肉の流通が再開されております。現在、県内5つの処理施設事業者において出荷されております。  また、ジビエ需要の拡大のため、飲食店と連携したとやまジビエフェアの開催、高校生を対象としたジビエを自然の恵みとして感謝し食文化を学ぶ食育事業の実施などに取り組んでおりまして、本年2月末までで107頭がジビエ利用されております。  ジビエの中でもイノシシ肉は、牛肉や豚肉と比べまして低脂肪で高たんぱく質なお肉として注目されております。特に、血液をさらさらにする多価不飽和脂肪酸が多く、疲労回復や肌の健康を保つビタミンB2、またビタミンB12も豊富に含まれるなど、栄養面でも優れております。また、冬は脂が乗ってうまみたっぷり、夏はヘルシーでさっぱりと、季節ごとの味わいが楽しめる食材でもあります。  引き続き、とやまジビエの振興に取り組んでまいりたいと思っております。どうぞとやまジビエ、今後ともよろしくお願いいたします。 56 安達委員 ありがとうございました。今ほどの農林水産部長のお話を聞いて、私もぜひともジビエを食べたいなと思いました。また今度しっかりと味わって食べたいと思います。  一昨年、令和2年5月に南砺市の主要地方道福光上平線が大きな土砂崩れを起こしました。それ以来、同路線は全面的に通行止めになりました。  同路線は、地元ではブナオ峠と言われ、山菜の宝庫でもあり、地元の皆さんの生活に欠かせない路線であります。  私も子供の頃には、春にはウド、ワラビ、ゼンマイ、ホオバ、ススタケなど、秋にはトチノミを取りに祖母や母に連れられ、よく同路線を使い山に入ったものであります。また、谷川で魚取りをするとき、山に登山するときにもよく利用していました。そこで生活する者にとっては山の恵みを享受できるかけがえのない道路であります。  さらには、世界遺産の合掌造りの屋根のふき替えに使うカヤ場も土砂崩れ区間の先にあり、大変重要な道であると、早期開通を求める強い声が地元からたくさん寄せられております。  不通になってから間もなく2年がたとうとしています。早急に対応すべきと考えますが、江幡土木部長の御所見をお伺いいたします。 57 江幡土木部長 御紹介いただきましたように、令和2年4月から6月にかけてでございますけれども、県道福光上平線の南砺市西赤尾町地内において、道路の山側斜面が幅40メートル、長さ約50メートルにわたって崩壊いたしまして、国道156号との交差点からブナオ峠までの12.3キロメートルの区間を通行止めとしたところであります。  当該区間には、合掌造りの屋根ぶき材料を搬出するカヤ場がございまして、またブナオ峠には、大門山や奈良岳などの白山国立公園に至る登山口もあることから、地元の皆様からも早期復旧の御要望をいただいております。  これまでに行った現地測量や地質調査、予備設計などを踏まえまして、対策としては、斜面などに堆積している不安定な土砂──これはまだ1万1,000立方メートル程度ございます──これを撤去しまして、露出した斜面の法面保護対策を行いますほか、不安定となっている斜面の上部にアンカー約90本を施工いたしますこととしておりまして、現在そのアンカー工の配置や施工計画などの詳細設計を進めております。  この詳細設計完了後、作業路の設置などから対策工事を進めてまいりますが、急峻な地形で高所作業となること、また斜面上部をアンカー工で押さえながら順に掘削していく段階的な施工となること、それから豪雪地帯で施工期間がかなり限られていることなどから、完成までには今後5年程度は要するのではないかと考えているところでございます。  引き続き、早期開放に向けまして着実に事業を進めてまいります。 58 安達委員 完全復旧にまでは5年程度かかるということでしょうけども、ぜひとも緊急、応急的な対策をしていただいて、少しでも、一日でも早く通れるようにしていただきたいと思います。よろしくお願いします。  次に、新型コロナウイルス対策について4問お伺いいたします。  いまだに第6波のオミクロン株が猛威を振るっていますが、県内における3回目のワクチン接種状況と、コロナと共存していくために最も有効なのはやはり経口治療薬だと思います。これが病院や薬局で気軽に投与できるようになれば、随分今回のコロナに対する状況というのは変わってくるのだろうと考えます。  そのためにも経口治療薬の確保に努めなければならないと思いますが、これは県だけでできる話ではありません。国に強く要望していただくとともに、現状と今後の見通しについて、木内厚生部長にお伺いをいたします。 59 木内厚生部長 3回目のワクチン接種でございます。3月13日時点、一昨日時点では、県内で約33万4,000人の方が接種を完了しております。これは、人口比では約32%でございまして全国平均を少し上回っております。高齢者で見ますと、約7割の方が接種済みとなっているところです。  この足元の接種回数、市町村の皆様の御協力、御尽力のため、1週間に5万7,000回程度に達しております。このペースを前提といたしますと、5月中には希望される方への接種をおおむね完了すると見込んでおります。引き続き、市町村と連携をしまして3回目接種を進めてまいります。  また、経口治療薬のお尋ねがございました。現在国内で承認されているものは2種類ございます。MSD社のものとファイザー社のものでございます。どちらも重症化リスクの高い方が対象であるということでございます。  ただ、現状、安定的な供給が難しいことから一般流通は行わず、当面の間、厚生労働省が所有をし、あらかじめ登録された医療機関及び薬局に国の委託する業者から直接配分されるという仕組みになっています。  確保状況は即時に県で把握ができないのですけれども、MSD社の経口薬につきましては、2月28日時点の公表によりますと、県内では353の機関が登録されまして199機関が配分されています。また、ファイザー社の経口薬、こちらはさらに併用──一緒に使うことが禁忌となるような薬剤が多数ありまして院内処方などが主でございますけれども、3月14日時点で登録機関数は33となっているところでございます。  御指摘のとおり、これらの経口薬を、必要な患者さんに適切に使用できるよう、安定的な供給について国に要請してまいりたいと考えております。 60 安達委員 私もあした3回目、モデルナを打ってきます。本当にスピードアップしていただいていることに敬意と感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。  現在、オミクロン株がなかなか収束しませんが、一方で重症病床が逼迫もせず、感染してもほとんどの方が軽症や無症状であり、むしろ厚生センター業務など行政だとか、濃厚接触者が多数出て社会機能が麻痺するということが問題になりました。  今回のオミクロン株の状況を考えるときに、ウイルスが人と共存共生しようと弱毒化してきているわけですから、我々人間も現実を直視して、ワクチンの3回目接種と経口治療薬の確保にある程度見通しが立てばですが、そろそろ感染症の分類を現在の大変厳しい1類や2類相当から、季節性インフルエンザと同じような第5類に変更すべきではないかと考えます。全国知事会などとも連携し、国に求めていくべきと考えますが、新田知事の御所見をお伺いいたします。 61 新田知事 新型コロナウイルス感染症については、現在、感染症法上の新型インフルエンザ等感染症に分類されており、入院の勧告あるいは就業制限などが行われる一方、医療費は全額公費負担となっています。このうちの入院勧告については、当初の全例入院としていた対応から緩和され、現在では医師が入院、加療を必要と判断した者のみを入院の対象とするように変わりました。  現在国内で感染が拡大しているオミクロン株では、入院や重症化リスクの低下が見られています。就業制限による社会活動への影響や感染者の特定などのための保健所の負担を減らすため、感染症法上の位置づけを季節性インフルエンザと同じ第5類に引き下げるよう求める声があることは承知をしております。  一方で、第5類へ引き下げることには、蔓延防止や医療提供体制などに対する行政の関与の在り方や新たな変異株の発生への対応などの課題もあると考えます。また、ほかの5類感染症と同様に、高額なコロナ治療薬などの医療費の一部が自己負担となった場合には、その医療費へのことから受診をちゅうちょするケースも考えられるのではないかと。それに伴い、受診控えということで感染者が増えていくというリスクも考えなければなりません。  こうしたこともありまして、先般2月17日ですが、岸田文雄総理は、まだ感染拡大の心配が世の中で感じられている中にあっては、このタイミングで分類変更することは現実的ではないと発言をされました。  本県としましては、これまでも感染症の実態を踏まえた効果的な対応方針の確立について国に要請をしてきました。引き続き要請を行うとともに、国の議論の動向をしっかりと見てまいりたいと思います。 62 安達委員 よろしくお願いします。  次に、痛みの激しい業種に対するさらなる支援について質問いたします。  まず初めに、私は、新田知事の今回のオミクロン株において飲食店由来は極めて限定的であり、まん延防止等重点措置適用はそぐわない、経済を回しながら感染対策に努め、その両立を図るとおっしゃっていることに関しては、ある程度理解はできます。  しかしながら、1月25日のステージ2への引上げが行われた際、知事からは、会食は4人以下にするようにとの要請があり、それによってほとんどの新年会や懇親会が中止となり、飲食店へ出入りする人も激減しました。私もそれ以来ほぼ飲みに行っていませんし、周囲の人を誘ってもことごとく断られるのが現状であります。それは全て知事が、会食は4人以下、短時間でとのメッセージを発したからであります。  先日の平木議員の質問に対しての答弁を聞いたときに、私は耳を疑いました。確かに、県からの発表、当時の知事の発言を確認したところ、同一テーブル4人以下との文言がありました。しかし一方で、当時の新聞など報道は、会食4人以下に制限との見出しがつき、我々も含めてほとんどの県民が5人以上の飲み会は陰性証明がない限りできないとの認識、印象を抱いてしまったことは事実であり、知事が多くの県民に誤解を招く発表をし、人の流れを止め、消費を冷え込ませる行為と結果的になりました。飲食店からは、これならまだまん延防止等重点措置が適用されていたほうがましと言われるゆえんであります。  知事においては、こういった経緯を踏まえて、さらなる支援を行う考えがないのか、所見をお伺いいたします。 63 新田知事 新型コロナの感染拡大の長期化によりまして、幅広い業種の事業者が大きな影響を受けています。そのため県では、国の事業復活支援金の支給を要件とする独自の富山県事業復活緊急応援金を創設し、ちょうど昨日から給付を開始しました。国の事業復活支援金と組み合わせることで、売上げ減少額や企業の規模に応じた給付となっています。商工団体の皆さんにいろいろ聞きますと、さらなる支援を求める声もある一方で、金額の多寡ではなく、大きな影響を受けている中小企業等に寄り添う姿勢がありがたいという声も聞いています。引き続き、様々な声をしっかりと聞いていきたいと考えます。  今回の応援金は、26億円のうち24億円を予備費と財政調整基金からの取崩しを財源とする特別な対応をしております。県としては精いっぱいの支援をさせていただいていると考えており、何とぞ御理解をお願いいたします。  なお、国の復活支援金に呼応しまして同様の支援をしている他県の例では、参考までにですが、19県中13県が一律支給としておりまして、残りの6県でもあくまで売上げ減少額を限度として一定の条件を設けて支給をされています。  事業者の皆様には、この応援金のほかに、小規模事業者の方にも利用しやすいビヨンドコロナ補助金、また保証料をゼロとするビヨンドコロナ応援資金など、緊急支援パッケージを活用していただければと思います。  県としても、国の事業復活支援金の給付対象期間の延長、さらなる拡充について、知事会と連携し国に重ねて要望しております。また、私自らも、先般、政権与党にも要望をしたところです。引き続き、飲食店や関連事業者も含めた需要喚起も併せて国に対して強く働きかけてまいります。  また、これから資金需要が多くなる年度末にかかります。私から県内の金融機関に対して、最大限事業者に寄り添っていただき、迅速かつ円滑な資金供給、また経営改善に対しての支援に格別の配慮をお願いしたいと考えております。 64 安達委員 ありがとうございます。  今ほど緊急応援金の御説明がありました。それぞれいろんな県でいろんな取組をされているのですけれども、私に言わせると、富山県の緊急応援金については、トウーリトル・トウーレイトであると思っております。意味するところは、今さらこれだけではどうにもならない、状況を変えるには遅過ぎる、また今から変えようとするには努力量が少な過ぎるということであります。  例えば、お隣石川県は、今回のまん延防止等重点措置の適用の時短協力金は、事業規模に応じてこの期間に中小企業で1店舗当たり135万円から540万円ほど配られる予定だそうであります。これに加えて、国の事業復活支援金──これは最大250万円や150万円などありますけれども──これに上乗せして、石川県独自でさらに石川県事業復活支援金として、法人なら最高50万円、個人最大20万円が支援されます。富山県は時短の協力金がない上に、県独自の支援金も石川県の半分にも満たないということであります。  また、全国知事会長を務める平井知事の鳥取県では、こちらもまん延防止等重点措置適用の効果は低いということで適用はしていませんけれども、一方で、会食の人数制限もしていませんし、コロナ禍再生応援金として法人20万円、個人10万円と本県と同じ額を支給しています。さらに、このたび追加で3月から、オミクロン株影響対策緊急応援金として最大40万円を支給する緊急支援を始めました。  本県においても、事業継続を下支えするためにもこういった取組も見習うべきではないでしょうか。知事は、県民の真の幸せ、ウエルビーイングを目指すとおっしゃっていますが、こんな状況では誰が幸せになれるのでしょうか。  コロナ禍がいつまでも続くわけではありません。また近い将来、本県においても数年前のように多くの観光客、インバウンドが訪れる。そのとき本県でおもてなしをするのは誰ですか。ましてや富山の一番の売りというのはおいしい食べ物、食だと思っています。その食を提供する飲食店がそのときに元気がなかった場合、街の明かりが消えてしまっていたら、本県の魅力を大きく損ねてしまう。ウエルビーイングどころではありません。  そういった将来のことも念頭に置きながら、飲食店の皆さんがもう一度頑張ろう、あとしばらく耐え抜こうと思ってもらえるためにも応援金の増額を求めますが、いま一度知事の前向きな答弁をお願いいたします。 65 新田知事 先般、緊急支援パッケージを発表したところであります。国の事業復活支援金に本県独自の応援金を上乗せするということであります。  それと、2年前に緊急事態宣言が全国に適用されて、そのときに飲食業さんを含む多くの事業者が制度融資をかなり活用されています。据置期間があるわけでありますが、それが2年間の企業が結構あるようで、そろそろその返済が来る、これが一番事業者さんが今足元で御懸念されていることだと理解をしております。  それについては、先ほども申し上げたように、私自ら県内の金融機関にお願いをして、迅速な資金供給、また、あるいはいわゆる借換えについての対応、それから経営の改善についての金融機関としてのアドバイス、そのようなことが今最も求められている支援だと考えており、金融機関にはぜひこれにしっかりと対応していただきたい、このようないろんな形での支援があると思います。そのようにして対応していきたいと思います。 66 安達委員 そういった支援ももちろん分かりますけども、結局は、それは返さなきゃいけないお金でありますし、今回の第6波で、飲食店が大変苦しんでいるというのは、そもそもにおいて知事の発言、県の発表が元といいますか、それによって県民の皆さんが自粛をし、萎縮をし、こういった状況になっているのだと思っています。  先日の平木議員の質問のときに、飲食店の若手経営者の皆様、大変大勢の皆さんが議場に詰めかけられました。みんな本当に限界に来ています。この県の中途半端な発表に多くの皆さんが苦しんでいる。傍聴した飲食店の皆さんからは、昨年の夏の第5波のときよりも状況は厳しい、知事はきれいごとだけで現実を分かっていない。これは、新田知事による蛇の生殺しならぬ、飲食店の生殺しだという声さえ聞こえてきます。皆さん今が本当に正念場であります。  県民に寄り添い、県民の声に耳を傾けるなら一層の支援を、飲食店の皆さんから飲食店を見捨てた知事と言われないためにも、ぜひとも前向きな回答をいま一度お願いいたします。 67 新田知事 若干言葉が過ぎるような気がしますが、繰り返しますけども、緊急応援パッケージ、トゥーリトル・トゥーレイトとの先ほどのお言葉かと思いますが、非常に県としましては迅速な対応をしているつもりでございます。昨日から既に給付が始まっている応援金でありますから、そのようなことはぜひ評価をしていただき、御支援者である飲食店の皆さんにも、委員の口からもぜひそのようなことも周知をしていただければ大変にありがたいと思います。  それから、確かに差し上げるお金、これはこれでそれはありがたいものだと思いますが、私は今その借入れのことのほうがより大きな課題だと捉えております。そういった声が大変多いと思います。ですから、これに関するリスケのこと、あるいは迅速な資金供給がやはり今、事業者にとっては、飲食店の皆さんも含めて大変に望まれていることだと私は理解をしております。 68 安達委員 なかなか前向きというか、新たな回答がいただけなくて残念ですけれども、私は、飲食店由来がオミクロン株の感染拡大につながっていないから、限定的だから、まん延防止等重点措置適用の要請はしない。一方で、飲食店に人数制限をかける。この矛盾から目をそらし、飲食店の悲痛な声に耳を閉ざし、我々多くの県民のウエルビーイングである飲みの場を奪った新田知事には大きな責任があると思っております。  では最後に、ぜひとも、せめて知事から、皆さんどんどん飲食店を活用して会食もどんどんしてくださいと、特に安全・安心の認証店もたくさんありますので、この安全性を県としてもっとPRをして飲食店の利用促進に努めるとともに、知事や県職員、そして我々もそうかもしれませんけれども、積極的に外食、飲食、会食をして、苦境に陥っている飲食店を救うことが必要ではないかと考えますが、知事からもぜひとも県民の皆さんに対してメッセージを発していただきたいと思います。
    69 新田知事 新型コロナ安心対策飲食店認証制度、これは感染防止に積極的に取り組んでおられる飲食店を県が認証して公表する、そしてコロナ禍においても県民の皆様に安心して飲食店を利用いただくことを目的としてつくった制度です。  昨年6月から申請を受け付けまして、これまでに県内の飲食店営業許可施設数の約半分に当たる約4,080店舗を認証させていただきました。認証店の皆様には、アクリル板などの設置、手の消毒の徹底、マスク会食などの徹底、これらの感染防止対策に取り組んでいただきまして、県内では陽性判明者のうち、飲食店での感染が疑われるものは本当に2%程度にとどまっています。飲食店の皆様の御協力に改めて感謝を申し上げます。  一方で、先般ステージ2での飲食に関する要請内容が、委員も御指摘のように分かりづらかったという指摘もいただいたことから、表現を改めまして、5人以上の会食は可能であること、5人以上となる場合はテーブルを分けていただきたいことを改めてお知らせをしています。県民の皆様にはこうした点に留意をいただいて、新型コロナ安心対策飲食店で感染リスクを抑えながら食事を大いに楽しんでいただきたいと考えます。  県としましては、引き続き、県民の皆様が安心して飲食店を利用できるように認証制度の周知を図りますとともに、国や全国の動向を注視して、感染症対策と社会経済活動の両立に取り組んでまいります。 70 安達委員 ありがとうございました。ぜひとも県民の声に耳を傾けて、県民に寄り添った施策を進めていただきたいと思います。 71 筱岡委員長 安達委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  午後の会議は1時に開会いたします。                     午後0時03分休憩                     午後1時00分開議        種部恭子委員の質疑及び答弁 72 瘧師副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  種部委員。あなたの持ち時間は60分であります。 73 種部委員 午後トップバッター、皆さんが眠たくならないような質問をしようと思っております。  昨年の出生数が84万人、過去最少になりました。私は国難だと思っています。県にとっても最大の難問だと思っています。今日は13問全て、子供、子育てに関することを質問させていただきたいと思っております。  まず最初に、パートナーシップ制度について御質問したいと思います。  本年度から、事実婚のカップルが不妊治療を受けるというとき、不妊治療の助成の対象になりました。婚姻をしていなくても子供を持つ治療ができるということは非常に好ましいと私は思っています。  昨年6月の予特でもお聞きしましたけれども、事実婚カップルが不妊治療で子供をつくるという場合、本当に夫婦なのかどうか私たちは分からないわけであります。そして、本当に子供をつくっていいのかどうか。医療機関でそれを判断するのは事実上、困難であります。そういう意味で、パートナーシップ制度の創設をお願いいたしました。現在、検討されているところかと承知しております。  事実婚のカップルが体外受精で子供をもうけたときに、子の母親は間違いなくお母さんですけれど、お父さんが誰か分からないわけであります。そうなりますと、精子提供した父というのが、ちゃんと親としての権利も養育の責任も果たすかどうかということで、これまで不妊治療の助成費を出すときは、県が事実婚であることプラス子供の認知の意向を確認することで助成の対象としていたということでありました。  しかし、この4月から不妊治療は保険適用になります。そういたしますと、今、要項がいろいろ出てきているところでありますけれど、生殖補助医療管理料を初回算定するときには、医療機関で子の認知を行う意向があるかどうか、事実婚については確認しなくてはいけないという要項がついております。これがないと、4月から診療報酬の算定ができないことになってしまいます。つまり、事実婚の確認と子の認知の意向の確認は県ではなくて医療機関に委ねられるというのは、同意書や治療計画など、今、保険診療に向けて非常に重たい仕事を作業している中では煩雑過ぎて、医療機関でこれを確認せよというのはハードルが高過ぎると思います。  パートナーシップ制度については現在検討中と思いますけれども、子供の認知の意向確認とその証明をオプションとして、パートナーシップ制度の中で併せて行うことも含めて、進捗状況と見通しについて横田副知事にお伺いいたします。 74 横田副知事 まず、パートナーシップ制度の検討状況につきましてお答えいたします。  現在、市町村、関係団体などに意見を伺うとともに、県議会の各会派の皆様とも順次意見交換をさせていただきたいという状況になっております。  制度の具体的仕組みに関しましては、他県の例や外国の状況、そして意見交換などでいただいた疑問に関する調査を行っているところです。  また、性の多様性に対する県民、事業者などの理解を深めることも重要でありまして、並行してシンポジウムの開催や研修やセミナーの実施についても検討しているところです。  子の認知の意向確認とその証明をパートナーシップ宣誓の際に併せて行うことを検討できないかという御質問だと思いますけれども、認知という法律行為を将来実施することを約束することをパートナー宣誓の条件とするということだと思うんですけれども、そういったことが法律上及び実務上適切なのかどうかという問題があると考えております。  子供の福祉に配慮することは大変重要なことだと認識しておりますが、パートナーシップ制度は、主に性的少数者の方々などの生きづらさの解消に貢献するということで検討しているわけですけれども、法律上の権利義務は発生しないというものであります。その中で、行政の事実行為として宣誓を確認するものと認識しておりまして、法律上の父子関係を発生させる認知制度とはちょっと性質が異なっていると思います。これらの関係については、今勉強しているところという状況でございます。  それから、4月からの不妊治療の保険適用につきましては、国の保険制度におきまして、当該患者及びそのパートナーが治療の結果、出生した子について認知を行う意向があることを当該治療を行う医療機関が確認することになっておりますので、そのような対応をしていっていただくということになろうかと思っております。 75 種部委員 ありがとうございます。  現状としてやっている治療と制度の間に乖離があって、運用上、このような形だけではなかなか進まないということではなかろうかと思っています。恐らくパートナーシップ制度、これは同性、異性問わずということになりますと、同性の場合に子供を持ったらどうなるのかということが今恐らく懸念事項だと思うので、引き続き勉強していただいて私どもにも教えていただきつつ、皆様で理解を進めていかないといけないと思っておりますので、よろしくお願いいたします。不妊治療には間に合わないというのは分かりましたので、医療機関のほうで頑張りたいと思います。  続きまして、生殖補助医療あるいは周産期医療について4問質問させていただきたいと思います。  まず不妊治療は、今申し上げたように、4月から保険適用になります。特定不妊治療費助成制度は、これまで各市町村、そして県も助成制度をやっておりました。2分の1は県負担分で、2分の1が国だったかと思っております。瀬川議員が一般質問で助成制度を残してはどうかという提案をされましたけど、答弁ではほかの子育て支援に活用するということでありました。しかし、子供をこれから持とうとする人への支援を子供が既にいる人の支援に回すというのは、目的が違うと思います。不妊治療の保険適用においては、高額療養費制度の適用条件額以下、一般的な保険診療3割負担分であります。これについては自腹を切ることになります。そして先進医療分──保険は利かないけど混合診療にはならない分でありますけど──それについては高額療養費制度は適用されません。それから、着床前診断──最近、習慣流産などに行う治療がありますけど──これは保険診療から外れます。そうなると、全て全額自費ということになるわけであります。そうなると、こういう問題をカバーするために、どうしても助成制度を残す必要があるのではないかと考えておりますが、厚生部長の御意見をお伺いいたします。 76 木内厚生部長 特定不妊治療ですけれども、これまで治療と言えるかどうかといったような議論もありまして、保険が適用されないということで、経済的負担が非常に重いということがございました。このため、子育て支援、少子化対策の一環としまして、県では国制度を上回る手厚い助成を行ってきたところであります。  あわせまして、国に対しましても不妊症、不育症治療の経済的負担の軽減を要望してまいりまして、そうした中、本年4月から一般の医療と同様に健康保険が適用されることとなったところでございます。  これに伴いまして、これまでは定額補助でしたので、上限額を超える分の費用は全て御本人の負担ということでございましたけれども、高額療養費制度の対象となりますので、他の医療と合算して、標準報酬月額に応じて定められた高額療養費の上限額までは3割の定率負担ということになるものでございます。  また、先進医療や着床前検査等、なお保険適用外となる治療につきまして、これまでと同様に全額自己負担ということでございますけれども、これにつきましては、保険適用の対象とするか否かということについて、有効性、安全性、倫理面といったような観点、今後、国において判断をされていくものと認識をしております。  従前どおり、県におきまして先進医療等への保険適用外の治療への助成は考えていないところでございます。不妊治療の保険適用の円滑な実施に努めまして、授かりたい人を応援していきたいと考えております。 77 種部委員 もう一回確認をいたしますけれど、これまでは全て恐らく償還払いでカバーされていましたけれど、これからは3割負担になるわけですから、3割分は自分で払うということですね。非常に若い世代ですから、合算でということでありましたが、これ以外の医療を使うことはまず考えられない世代だと思いますので、高額療養にはかからないのではないかと思うのですが、それは自己負担でということで、補助はないということでよろしいでしょうか。 78 木内厚生部長 一般の医療と同様の取扱いになりますので、高額療養費の上限を超えない3割については自己負担となるものと考えております。 79 種部委員 ありがとうございます。  そうなると、手出し分が出てくるということで、これまでとちょっと使い勝手が違うところについて県民の理解が得られるかなというところは非常に不安を持っているところでありますので、何かの形でカバーする必要があるのではないか、また引き続き検討をお願いしたいと思います。  続きまして、AYA世代のがんについてお伺いいたします。  富山県がん対策推進計画では、平成30年度からAYA世代の多様なニーズに応じた相談支援の充実に取り組むとされておりまして、10代、20代でがんを患って抗がん剤でダメージを受ける前に、精子や未受精卵、授精卵を保存しておきたいという願いをかなえるという相談を受けていらっしゃると思います。医療機関でもこういう相談をよく受けます。  しかし、県内ではその望みをかなえてあげることができない現状です。お金がある人だけは、県外の民間クリニックで高額な診療費、保管料を支払って精子や未受精卵を保存していると思いますけれども、生殖補助医療というのは、確かに公立・公的医療機関よりも民間クリニックのほうが、技術的にも設備投資的にもマンパワー的にも非常に充実していますので、県外の高額のクリニックに行かれているという事情は仕方がないかなという気もします。  しかし、AYA世代のがん治療前の生殖細胞を保存するということは、この人たちにとっては希望です。生きることの希望であり、その後子供を持つという希望を持たせる大事な治療だと思っています。  しかし、民間のクリニックというのは、存続性や安全性の面で私は非常に不安があります。例えば、院長先生がお亡くなりになったら、精子、卵子をどうやって保存しておくのかと。それをほかの医療機関に移送するということは可能なのかなど、全くそれは保証がないわけであります。そうなりますと、こういうAYA世代の未受精の生殖細胞については、病診連携ができる仕組みをつくるとか、あるいは拠点病院を設置するなど、公的に責任を持って、富山県の中で管理する仕組みをつくる必要があるのではないかと思います。木内厚生部長にお伺いいたします。 80 木内厚生部長 将来、子供を産み育てることを望むAYA世代のがん患者さんのがん治療でございます。  県では今年度から、こうしたがんの患者さんが、がん治療開始前に精子や卵子などを保存する妊孕性温存療法につきまして、医療費助成を開始いたしました。直近3月9日までで6件、助成の実績がございます。また、がん治療や生殖医療に関わる関係者のネットワーク構築のための連絡会や、研修会の開催等に取り組んでまいりました。次年度はこのネットワークにつきまして、がん診療連携拠点病院を中心に、さらに強化していこうと計画しております。  この医療費助成につきましては、国の研究事業を活用して実施をしておりますけれども、国におきまして、専門家による検討会でこの事業の在り方について検討を行っていまして、医療施設の存続性や技術自体の安全性等につきましても、日本産婦人科学会等の関係学会におきまして、施設要件を定めて登録を行う。また、国におきまして研究事業自体を検証して、より有効かつ安全な実施体制の整備を目指すこととされておりますので、県としまして、その国の動向を見まして、これに対応していきたいと考えております。 81 種部委員 ありがとうございます。  がん診療連携拠点病院でその拠点をつくって、責任を持ってやっていくというのは非常に大事なことだと思っていますが、がん診療連携拠点病院が生殖医療についてプロフェッショナルとは言えない部分があると。この乖離があるのをどう埋めるかではないかと思いますので、ネットワークの中でどう解決するかはまたお取組をお願いします。  次に、妊娠した後の周産期医療についてもお伺いいたします。  富山県の第7次医療計画の中間見直しを、2月22日の厚生環境委員会で報告いただきました。5疾患5事業のうち、周産期医療については「勤務環境改善を視野に入れた医療提供体制の効率化に取り組む」と書かれておりました。私は非常にこれに危機感を感じています。令和6年の第8次医療計画を開始するときには、既に医師の働き方改革がゴールになっている年であります。そうなりますと、もう2年しかないわけで、この2年間に大きな改革を行う必要があると考えています。  本日ニュースで見ましたけれど、かみいち総合病院での分娩取りやめというニュースがございました。しかし、これはかみいちだけの問題ではないと思っています。非常に危機的な状況だと考えます。  この数年で、周産期医療を担う基幹病院の管理職クラスは軒並み定年になります。そして、産科は、緊急時に赤ちゃんとお母さんの両方の命を守るために、常時2人待機をしているわけであります。例えば、夜通し手術をしたり、分娩に付き合っているということで朝まで働きますと、翌日勤務間インターバルを取らなきゃいけないので、働き方改革を施行されますと翌日働けないという日が出てまいります。  それを補っていたのが非常勤の医師です。この非常勤の医師は大学などから派遣されていましたが、これは11月定例会のときにも質問でお聞きしましたけど、働き方改革でオンコールを勤務として認めるか、あるいは宿日直規程をどのように線引きするかによって、大学からの派遣は期待できないという状況になります。  そうすると、夜通し分娩なりいろんな管理をしていて、次の日に働く人がいない状態になりますと、診療を止めるしかなくなってしまいます。そうなると、最低ローテーションを組むと、当直表を組むと分かるのですが、8人の産科医がいるか、あるいは非常勤医師の派遣が十分になければ、4医療圏の基幹病院どこも皆同じ状況です。分娩取扱いあるいは外来診療縮小を余儀なくされると思っています。  一方、出産数が非常に減っていますので、今、分娩の約半数は診療所でやっていただいています。しかし、この診療所も、経営上、非常に存続は厳しい状況になっている。人も足りません。助産師さんも足りません。そうなりますと、どうしてもどこかに負荷がかかってくるという、もう本当にぎりぎりの状態ではないかと思うわけであります。  私は働き方改革をやるなとは言っていなくて、やったほうがよくて、やはり安全に医療をやるためには、時間外労働1,860時間というだけでも異常だと思いますけれど、それでもやらないよりましだと私は思います。  そうなると、周産期医療、これは公立、公的、民間を含めて、医療機能の存続性について評価を早急に行って、医療安全のために、地域医療構想を待たずに、思い切った集約化、重点化をする必要があると思います。  このグランドデザインにどうやって着手していくのか、見通しをどう考えているのか、もう時間がないと思うので、厚生部長の所見を伺います。 82 木内厚生部長 周産期医療につきましては、これまで三次の県立中央病院が総合周産期母子医療センターということでありましたし、二次医療圏ごとに地域周産期母子医療センター、また連携病院、そして正常分娩を取り扱う地域の医療機関、診療所というような構成で体制を構築してきたわけでありますけれども、御指摘のとおり、診療所におきまして、産科医の方が高齢化している、あるいはその病院におきまして、医師の働き方改革を含めまして勤務環境をどうするかといったことがございまして、御指摘のとおり、医療資源の集約化、重点化、また、それに伴う各医療機関の機能分化、連携が必要になってくると考えております。  こうしたことにつきましては、まず各医療圏を超える場合もあるかもしれませんけども、各医療圏ごとに、その医療機関ごとの役割、機能について、まずは医療機関同士で、また医療機関だけでとどまらない関係者も含めまして議論を深めることが必要であると考えております。  県ではこれまで、周産期地域連携ネットワーク会議や周産期保健医療協議会といったところで協議もしてまいりましたけれども、医療機関の個別の事情は、なかなか込み入った事情もございますので、今後──これまでもしているのですけども──医療機関等関係者から聞き取りをし、また、必要に応じて関係者間の協議の場を設けまして実態を把握して、あるべき姿に向けて調整をしていきたいと考えております。 83 種部委員 ありがとうございます。  地域医療構想調整会議の中では、全ての診療科の話が出てくると思いますが、産科はちょっと待てない状況だと私は考えています。特にその町で分娩ができないとなりますと、首長さんたちが町の方への説明に困られたり、あるいは院長先生同士といいますか、診療科の間の対立もあるかと思いますので、これは県がリーダーシップを持たないと、1つの診療科の中では解決できないのではないかと思いますので、できるだけ早い対応をお願いしたいと思います。  次に、厚生部長からもお話があったように、集約化、重点化はもう避けられない状況だという認識だと今、お話しいただきました。これは、まず県民の皆様に御理解をいただく必要があると私は思っています。かみいち総合病院で分娩を取りやめるとなると首長さんが謝るということではなくて、安全な医療をやるためにはこういう状況なのだということを説明する必要もありますし、これは本当に順番が逆だったと思うのですけれども、産科をやめるとか、産科の医療機関を集約化するという方針を掲げている場合には、そのアクセスが悪くなることに対する不安をまず先に解消するべきだと思います。  そのための方策としては、例えば、居住地が産科の医療機関から遠くなる場合は、そこまで分娩のとき間に合うのかという不安や、それから第2子出産のときには、陣痛が来てから上のお子さんを抱えて分娩施設に行かなきゃいけないわけです。これは非常に大きな負担で不安だと思うんですね。  そうなりますと、分娩が近くなったら、まずパパが産休を取るだろうと思います。そして、分娩前からパパが待機をする。お子さんはパパに見てもらうというのが一番いいと思うのですけど、なかなかこのパパの産休のインストール、時間がかかりそうな気がいたします。  新田知事は、子育て支援を一生懸命ベビーファーストとやっていらっしゃいますので、パパの産休をどんどん進めてほしいのですが、仕事の都合でどうしてもパパの産休が取れないという人もいると思いますので、分娩が近づいたら、分娩取扱い医療機関の近いところに家族丸ごと泊まれるようなゴージャスな産前ケアの施設を用意する、あるいはそこに対して補填を出すことでそれをプレゼントしてあげると。これ、なぜゴージャスかというと、安心やおめでたい感じがないとそんなところに行かないと思うんです。そうすることで集約化することへの理解が得られるのではないかと思います。  実際には、北海道ではもう既に始めていると思いますが、富山県ではそのような集約化に向けての安心をどうするのか、厚生部長にお話を伺います。 84 木内厚生部長 今ほど、分娩取扱い医療機関──分娩を行う医療機関につきまして集約化、重点化ということでお話をしているわけですけれども、一方で、妊娠中の健診のみ実施をすると。出産のときには分娩取扱い機関と連携を取って対応するといった医療機関もございます。かみいち総合病院もそのような形で対応とお伺いをしております。  県では、こうした分娩を行う医療機関と、妊娠中の健診に対応できる医療機関が連携、協力をして妊婦の方をサポートする体制を推進しています。これによりまして、分娩を行う医療機関への集中を緩和し、また、身近な医療機関で健診や相談を受けられる、緊急に診察が必要な場合には速やかに対応するといった体制の確保に努めています。  こうした病院、診療所、行政が連携をして、妊婦さん、その御家族に安心して妊娠、出産を迎えていただける体制を推進しまして、県民の不安の解消に努めてまいりたいと考えております。  委員御指摘の点につきましては、先進事例等をまずは研究させていただきたいと考えております。 85 種部委員 ありがとうございます。  先にはしごを外すのではなくて、先に安心を与えるということは大事かなと思っています。  今お話しいただいたのは健診ということでありましたけど、分娩が近くなってから、産科医であれば大体分娩はいつ頃かなという予測はつくわけですけど、そこから先、例えば1週間とかそのぐらいの時期を家族ゆったりと分娩施設の近くで安心して過ごしていただく。北海道は地理的な問題があるので急いでやっているのだと思いますけれど、ぜひこれも併せて考えるべきではないかと思いますので、お願いいたします。  次に、子供を守る社会の実現について、命を守る取組について8問、御質問させていただきたいと思います。  まず、新生児マススクリーニングについて伺います。  厚生環境委員会で何度か質問しましたけど、なかなか動いていないので、冷や冷やしている状況であります。  重症複合免疫不全症、いわゆるSCIDという病気があります。乳児期で感染症が重症化するという疾患で、救命できないこともある非常に重篤な疾患です。これは先天性のスクリーニングで分かるわけでありますけど、2020年からロタワクチンが定期予防接種化されました。しかし、このSCIDのお子さんは、このワクチンを打つことで発症して重症になる懸念があるので、ワクチンの禁忌になっています。  そして、この定期予防接種を行う前に──SCIDの否定をするために──本当はスクリーニングがあればいいのですけど、現在、このスクリーニングの項目の中にSCIDは入っていません。  そこで、他県では既に、新生児マススクリーニングにこのSCIDやそれ以外の遺伝子性の疾患を加えているところがありまして、技術的にはPCRなので衛生研究所で十分実施は可能だと思います。しかも所長が大石先生ですので、マンパワーもすばらしいのではないかと思っています。感染症のプロであります。このSCIDをマススクリーニングに一日も早く加えていただきたいと思っていますが、厚生部長の御所見を伺います。 86 木内厚生部長 まず、本県の新生児マススクリーニングでございますけれども、国におきまして所要の財源が地方交付税措置されておりまして、この国の数値に基づきまして、現在20の疾患を対象に実施をしております。重症複合免疫不全症のスクリーニングにつきましては対象疾患にまだ入っておりませんで、御指摘のとおり、一部の県では、この重症複合免疫不全症のスクリーニング検査を有料の任意検査として実施していると聞いているところでございます。  近年、治療法や検査法の進歩によりまして、多数の疾患がこの新生児マススクリーニングに追加すべきなのではないかという議論がされています。例えば、脊髄性筋萎縮症やライソゾーム病など、各種の疾患があるということで、国では今、研究班においてその対象拡充の基準等について検討が行われているとお伺いをしております。  ロタウイルスのワクチンの接種の定期接種化ということもございますけれども、緊急のものについては緊急に対応するということも国からお伺いをしているところでありまして、県の事業の対象疾患につきましては、引き続き、国や他の都道府県の動向を注視して対応してまいります。 87 種部委員 国からも緊急の場合はできるだけということでありましたので、このロタ、始まったのでもう事後にはなりますけれど、それで大きな事故が起こらないこと、やはり一人でも失われる命を減らしたいという思いがありますので、検討を急いでいただければと思います。  次に、高等学校において学校心臓検診を行っています。授業や部活動のときに、心室頻拍などで院外心停止を起こすことが時々ありまして、緊急搬送される場合があります。学校心臓検診で心電図データを取っているので、それを参照することは非常に診療に役立つと考えています。  現在、そのデータは検査の受託機関に保管されていますけれども、心停止で救急搬送された後に、学校心臓検診のデータを照会して、どういう状況だったのかを確認するということを作業としてすると思うわけでありますけど、この場合に、教育委員会及び本人、保護者に同意を得て心電図データをもらう必要があります。病院は同意書だらけですから、非常に煩雑でありまして、さらなる書面同意をまた増やすのは極力避けるべきであろうと思います。  学校心臓検診の心電図データを素早く参照できるように、問診のときに心電図データの提供について、このような緊急時にはあらかじめ同意を得ておくというやり方でデータを利用できるようにすることを考えてはどうかと思います。  例えば、こういう状況で院外心停止をしたお子さんあるいはその親御さんは、検診データを生かしてほしいと願うと思うので、理解を得られることではないかと思いますが、荻布教育長の御所見を伺います。 88 荻布教育長 県教育委員会では、高等学校と特別支援学校の小学部、中学部、高等部の各1年生を対象に心臓検診を実施しておりまして、検診の結果、心電図などに異常があり、精密検査のため、児童生徒等が医療機関を受診するという場合は、従来から受診先医療機関に対して心電図データ等を送付してまいりました。  一方、令和2年2月、国の健康診査の実施等に関する指針の一部改正がございまして、これにおきまして、健康診査の結果については、受診者本人の請求に基づき、委託先の実施機関から直接開示を行うことが可能との見解が示されたところでございます。  また、以前から児童生徒などが心疾患で受診する場合においても、医師が学校心臓検診のデータを参照できるようにしてほしいといった御要望が県の医師会さん等からもございましたことから、県教育委員会では、本年度から、本人または保護者からの検診結果交付依頼書による同意があれば、検査委託先から受診先の医療機関に対して直接検診データを提供できるとしたところでございます。  県教育委員会では、今後とも、児童生徒等の健康のより一層の保持増進を図ってまいりたいと考えておりまして、御提案のありました問診票に同意欄を設けて、検診段階で医療機関へのデータ提供と同意を得ておくという仕組みにつきましては、関係機関の意見や他県の状況も踏まえて研究してまいりたいと考えております。 89 種部委員 ありがとうございます。
     1つショートカットできるようになったことは、大きな進歩ではないかと思います。高校に入りますと山ほど問診票を書かないといけないのですけど、もしそこで1つチェックをするだけで次の手続なく診療情報を提供できれば、もっとスムーズかなと思いますので、御検討をお願いしたいと思います。ありがとうございます。  子供の死亡事例については、1例死亡事例があると、それと同様の原因で入院治療を受ける子供が25人、救急外来で治療を受ける子供は、同じような条件、そのような原因であれば925人。数え切れない数の子供が同様の症状や課題を持っていると言われています。すなわち、この1例の死亡をそれに学び、予防につなげるべき貴重なケースであると思います。  そこで、虐待による死亡が疑わしい事例や自殺、誤嚥、転落などの不慮の事故死など、子供の死亡原因の検証、いわゆるチャイルド・デス・レビューを行うことで、次に同じ原因で命を落とすことがないように予防策を見いだすことは非常に重要ではないかと思います。  成育基本法では、このチャイルド・デス・レビューを実施することが求められて法律に明記されました。そして、山梨、滋賀では今、モデル事業が進められています。実施主体は都道府県であります。  まずは、その死亡の原因に関する個人情報を収集し、今の心電図の話も一緒ですけれども、これを利用したり管理する方法について課題の把握をして、事例の入り口となる全ての機関、すなわち、まずは全ての医療機関、そして児童相談所、消防、警察、保育園など、全ての事例の情報を持っているところが情報共有できる体制をつくり、そして死因の検証体制の整備をすることはいずれ必要になってくると思います。  次年度、児童相談所等機能強化基本計画策定事業が予算計上されております。児童相談所における医療機能の強化については、富山県小児医療等提供体制検討会の中間取りまとめにも記されています。まさにチャイルド・デス・レビューをやるのは、この位置づけの中ではなかろうかと思います。チャイルド・デス・レビューを行うための組織づくりと情報共有の課題の抽出については、児童相談所機能強化基本計画に明記すべき取組と思いますが、知事に御所見をお伺いいたします。 90 新田知事 チャイルド・デス・レビューは、子供が死亡したときに、複数の機関や関係者、専門家が、子供の既往歴や家族背景、死に至る直接の経緯など、様々な情報を基に死因調査を行うことによって効果的な予防対策を導き出す、予防可能な子供の死亡を減らすことを目的に実施するものと理解をしています。  検証の対象となる死因は、児童虐待、病気による死亡事故、自殺──先ほど種部委員がより詳しく述べられましたが──あるいは消費者生活用品に係る重大製品事故、全ての子供の死亡を対象にするということです。  現在、委員御指摘のように、国では一部の都道府県においてモデル事業を実施しています。体制整備に向けた検討材料にするとお聞きしています。  このモデル事業を実施している県から聞いたところによりますと、関係機関からの死亡やその原因についての情報収集を行うに当たり、やはり関係機関での個人情報の取扱いが一番の課題、それがまだ確立していないという課題を聞いています。  おっしゃるように、次年度は児童相談所機能強化基本計画の策定を準備しております。児童相談所の施設整備、機能強化、関係機関との連携等について検討することとなります。  ただ一方で、今、国の死亡検証体制整備モデル事業の進捗状況を横目でにらみながらということになるのでしょうが、今の進捗状況を踏まえると、直ちに次年度の基本計画の中で、チャイルド・デス・レビューの県内での実施体制についてまで検討することは、なかなか難しいかなと考えています。モデル事業の実施状況、その結果を踏まえた実施体制の整備について、国の動向をしっかりと見てまいりたいと思います。  いずれにしましても、委員おっしゃるように、直近の出生数は80万人、私が生まれたときは同期の赤ちゃんが160万人いましたが、その半分ですね。少なく生まれてくる子供たちをしっかりと育んでいく、そのようなことで大切な視点だという共通理解を持っております。 91 種部委員 ありがとうございます。  情報共有の課題は重要なポイントだと思っていまして、実は要保護児童対策地域協議会の中では情報共有ができるのですが、要保護児童対策地域協議会にどこの機関を入れるのかというときに情報共有の問題が出てまいります。要は、児童相談所や医療機関、警察など、今までやっていたことと同じことの延長線上にあると思いますので、幅広にしていくということで、ぜひ検討も、次年度かどうか分かりませんが、加えていただければと思っております。  次に、少年サポートセンターについてお伺いいたします。  先ほど酒井委員から詳しく──福岡県と岐阜県の視察に行ったときに大変先進的な取組を見せていただきましたので、そのことについて御紹介があったかと思います。  福岡少年サポートセンターにいた方は、少年補導職員の方が大変すばらしい動きをしていらっしゃったということでありまして、詳しいことは酒井委員の御質問のときにありましたので省きます。  この方たちは、児童相談所の中に配置されていました。同じ建物の中です。そして、緊急保護事案について、養育者の子の連れ戻しとか、あるいは子供が暴力を振るっているなど、そういうときに盾になって児童相談所を守っていました。  それプラス非常に特徴的だった取組がアウトリーチでありました。虐待を受けている子供というのは、自分が虐待を受けてしまっていますと相談はしません。それを引き出すために、学校に出向いて子供たちの心を揺さぶるような講演をして、その授業の後に子供たちが開示するのを待っているという先進的な取組をやっておられました。そうなりますと、学校に出向くということで、これは教員の配置というのが必要であろうかと思います。  少年補導職員と聞きますと、私たちがよく中学校のときに怒られた街頭補導員のおばちゃんと勘違いする人が結構多いのではないかと思うのです。そうではなくて、これは専門職でありますので、名前が補導職員というと、ペナルティーを与えられるのではないかと思って子供たちもひるんでしまうと思うので、学校に入り込みやすいように、まず名前を少年育成指導官など何かそういう名前に変えるということ、あるいは、先ほど酒井委員からもお話がありましたが、富山児童相談所高岡児童相談所──高岡は本当にもう今始まるところでありますけれども、少年サポートとはこれまでも学校と連携されてきたと思うんです。これをぜひ中に同居するということを検討してはどうかと思います。警察本部長の御意見を伺います。 92 杉本警察本部長 県警察では、生活安全部少年女性安全課少年サポートセンターを設置しまして、本部センター、それから富山中央警察署内の東部分室及び高岡警察署内の西部分室の3拠点で、少年補導職員が活動しております。  今、御指摘をいただきました補導という言葉ですけれども、警察においてこの補導という言葉は、少年の非行防止、それから健全な育成を図ることを目的とした注意や助言、指導等でありまして、まさに文字どおり、補い導く諸活動という意味で使っております。  どうしてもネガティブな意味で捉えられることが多いところは理解しておりますが、少年補導職員はこの目的を果たすために、必要な知識と技能を有する行政職員でございます。当県警察では、少年警察補導員という名称で、少年の立ち直り支援や非行防止啓発活動など、この少年警察補導というところにプライドと誇りを持って職務に当たっているところでございます。  また、他県警察において、少年育成指導官、少年補導専門官等の名称で少年補導職員が活動していることは承知しておりますけれども、ただいまの名称変更ということについては御意見として承りたいと思っております。  一方で、県警察としては、現在、富山、高岡の両児童相談所に警察OBを配置して連携強化を図っているところでございます。  先ほど午前中、酒井委員からの御質問に対するお答えでも申し上げましたけれども、私どもとしても、この福岡県警察での取組は承知しておりまして、少年サポートセンター児童相談所と同一施設内に設置することにつきましては、サポートセンターの活動の活性化に資するのであれば、必ずしも警察施設内に設置されている必要はないものと認識しておりますので、これらの取組も参考にしながら検討してまいりたいと考えております。 93 種部委員 補導という言葉は、私たち一般市民にとっては補導のおばちゃんしか思いつかないんです。恐らくここにいらっしゃる委員さんもみんなびくっとするような相手ではないかと思うのです。  福岡県警では取組の中で、さらに分かりやすく、学校に出向いたときに補導のおばちゃんが来るとなると子供たちも怖がるわけですから、サポレンジャーという名前をつけていました。そのぐらい徹底的に敷居を下げるということで、子供たちからの距離を縮めてというのが大事かと思います。  このアウトリーチをやっている取組というのは、富山県ではなされているのでしょうか。 94 杉本警察本部長 限りはありますけれども、今委員の御指摘にあったような学校への出前講演といったような活動に関しては、可能な限り取り組んでいるところでございます。 95 種部委員 ありがとうございます。  実際取組をされているということは、それだけスキルのある方がおられると思っています。その方たちを活用するというのは非常に大事なことではないかと思いますので、ぜひアウトリーチしやすい形、そうなりますと、学校と連携が必要になりますので、やはり現役の教員、あるいはOBでもいいのですが、教員がその組織の中に入るというのは大事かと思います。これから高岡児童相談所が走るときに、すぐ横に教育事務所があるわけでありますので、実際チームになれるように、また御検討いただければと思います。ありがとうございました。  次に、乳児院に委託されている社会的養育についてお伺いいたします。  予期せぬ出産後など、乳児の段階から子供が社会的養育、特に乳児院に託される場合があります。しかし、3歳までの愛着形成というのは非常に重要な時期でありまして、乳児院の職員が毎日日替わりで替わるよりは、里親委託をすることで、毎日同じ声、同じ抱き方、同じまなざしで、1対1でサーブとリターンを繰り返すことで脳がちゃんと育つということであります。この基盤ができないと愛着障害を起こしてしまうということで、後々の育てにくさがもうその時点で形成されてしまうので、早期に里親委託をすべきだと私は思います。  もちろん、なかなか親権を手放さない方、それから、里親で養育すると親権者が子供を取られた気になるということで、それを拒否するということもあるというのは承知しております。しかし、それを意思決定に向けて、時間をかけて理解していただいていくというこの取組こそが赤ちゃん縁組には必要だろうと思います。ペナルティーを与えるという印象を与えないように、受け入れられやすい方法を探って、自治体によっては赤ちゃん縁組を非常に積極的にやっているところがあります。ゼロ歳から1歳、2歳、小さなうちに里親による委託をしているところもあります。  本県における乳児の里親委託率はどのように推移しているのか、あるいはこの委託率を上げるためにどのように取り組んでいくのかを木内厚生部長にお伺いいたします。 96 木内厚生部長 里親委託の推進でございますけども、平成28年の児童福祉法改正におきまして、家庭養育優先という理念が規定をされました。家庭と同様の養育環境において継続的に養育されるよう、施設入所よりも養子縁組や里親への委託を優先するということが明確にされております。  県では、この里親委託を推進するため、富山県社会的養育推進計画に基づきまして取り組んでおりますけども、計画の中でも、愛着形成等子供の発達ニーズから乳幼児期を最優先として里親委託を推進することとしております。  この里親の支援につきまして、乳児院の指定管理者である日本赤十字社富山県支部に委託をして実施をしております。新たに登録を行う里親への研修、乳幼児の委託に当たっての里親への療育トレーニング、また、委託後の里親の相談支援などを切れ目なく行いまして、里親委託を円滑に進め、継続的な養育を支えているところでございます。こうした取組の結果、県の里親委託率は──乳児ということではないと思いますが──令和3年3月末で22.9%となっておりまして、10年前の平成23年の9.1%から伸びてきております。一定の成果を上げていると考えております。  新年度、さらに市町村と連携をした里親制度の普及啓発に取り組む、また里親のスキルアップを図るための研修を実施したいと考えておりまして、この制度の普及啓発、また里親のリクルート、研修、マッチング、養育支援等、一連の業務に総合的に取り組みまして、乳児を含めた里親委託の推進に努めてまいります。 97 種部委員 ありがとうございます。  22.9%、10年前よりはかなり上がってきたということで、成果は出していると思っていますが、特に若年での出産の後については、私は今非常に心配していまして、4月から成人年齢が下がると同時に婚姻年齢が上がります。そういたしますと、これまで16、17歳は結婚できたのですけれど、結婚できなくなります。そうすると、その年代で出産した人の親権者が全てを決めることになりまして、子供を出産したお母さんではなくて、おじいちゃん、おばあちゃんが決定権を持つことになると思います。そうなると、本人の意思決定にどう影響するのか非常に懸念をしています。  そんな状況の中ですから、本人の、やはり産んだ人の意思がちゃんと反映されるように、この里親委託、多分弁護士さんとか法律関係者の関与が必要だと思いますが、さらに強化する必要があるのではないかと思っていますので、その辺も含めて取組をお願いしたいと思います。  次に、DVから逃れた後の親子の面会交流の支援についてお伺いいたします。  富山県ひとり親家庭等自立促進計画に従って、今、面会交流の支援をされていると思います。支援の活動をされているのですけど、離婚が成立しないと使えないと聞いております。離婚が成立する前とした後で所轄の担当部局が違うという大きな問題があるということなのかもしれませんけれど、離婚裁判に入ってから、あるいは調停というのは非常に長い時間がかかります。その間に面会交流を要求される場合がありまして、これは弁護士さんの問題だと思うのですけれど、これに応じないと親権をめぐる争いの中で不利になったりすることがあるので、面会交流が取引の材料に使われていることがあります。  また、DVがある場合に面会交流するというのは非常に危険なことで、連絡を取ったときに居場所が分かってしまったり、あるいは調整のときに命を奪われるような危険にさらされることがあります。事実、面会交流で子供が殺された事件もありました。そうなりますと、専門的な知識を有する相談員が安全性の評価とか細心の注意をする必要があると思いますので、この制度を離婚前から利用できるように対策を拡大すべきではないかと考えますが、木内厚生部長の御意見を伺います。 98 木内厚生部長 離れて暮らす親と子供が定期的、継続的に交流を持つ面会交流は、子供の成長には有意義であるとお伺いしておりますけども、様々な感情や心理的葛藤などから、父母間のみでの交流が困難な場合もあるということで、県では面会交流時の付添い、受渡しなどの支援の事業を実施しております。  ただ、これは専門的な知識を持つ支援員により実施をするわけでありますけれども、なおそれでも安全に実施をする必要があることで、支援に当たりましては、御両親の間で面会交流の取決めが行われて、かつ支援を受けることに合意をしているということ、かつ暴力行為、子供の連れ去りなどのおそれがない場合に限るという要件をつけております。  支援を行う際には、面会交流支援を専門に行う公財家庭問題情報センターの協力援助を受けることとしております。このために、面会交流の取決めというものは離婚時に行われておりますので、今、御指摘ありましたとおり、離婚前の事例を対象とすることは難しいということになります。  事業を安全に実施するために、そのようなことになるということでございますけれども、離婚前で離婚の協議でありますとか面会交流について不安のある方につきましては、県の母子家庭等就業・自立支援センターによる弁護士の法律相談や、家庭裁判所で行われております面会交流調停の利用が可能でありまして、相談がありましたら、これらの制度を御紹介しているところでございます。  また、こうした制度の紹介と併せまして、面会交流の意義につきまして、今回予算案に計上しておりますひとり親向けポータルサイトなども活用しまして周知をしてまいりたいと考えております。 99 種部委員 ありがとうございます。  制度上、今の御指摘で分かりました。取決めがされていないとなかなかできないということが切れ目ということでありますけれど、離婚に向けてのハードルが高くて、なかなかそのプロセスが長いということで、DVを受けていたお母さんたちが本当に心が参ってしまっています。面会交流を取引に使われたり、調停のたびに体力を消耗して生きる気力を失ってという方が、もう心中をしたいという気持ちになってしまうというのをよく聞いております。  ですから、これは制度上、枠組みとしては難しいかも分かりませんが、そこに至る途中も支援をするということがなければ、そこからの自立は望めないと思いますので、枠組みの中でできないこと、できればポータルの中に独り親の手前の方もちょっと入れていただくとか、見え方の問題だと思いますけれど、見える形で支援を使えるようにしていただければと思います。  次に、病児保育について2つお伺いいたします。  病児保育の施設というのは、もう本当に仕事と子育てを両立している働く親にとっては欠かせないものであります。施設から見れば、病気の子供というのは残念ながら少ない。子供自体の数が少ないので、利用者がいなければ運営も厳しくなるというところがありまして、たくさんつくってほしいと言っても、なかなか運営上難しいのだろうなと思っていますが、働く者にとっては本当に救いであります。  利用者にとって、子供の発熱は、不意打ちを食らうわけですけど、その不意打ちを食らったときに、お迎えに行かなきゃいけない、小児科を受診しなきゃいけない、仕事も調節しなきゃいけないと、非常に心が折れそうになります。そんなときに、病児保育の空きや選択肢はたくさんあったほうがいいだろうと思うので、例えば、職場から近いところがいい人もいれば、通り道にあったほうがいい人もあれば、あるいはママとパパの働いている場所が違うので、違うところを利用したいということも出てくるでしょうし、そうなると、利用者がどこか空いているだろうという安心感を得られるために、より広域で使えたほうが便利ではないかと思います。  市町村を越えて利用できる病児保育も最近増えてきてはいますが、さらに自由に使えるように、広域化することで効率よく運用もできると思いますし、病児保育施設にとっても利用率を上げるということにつながると、これはウィン・ウィンの関係だと思います。  病児保育の広域化の状況と今後どう取り組んでいかれるのか、新田知事に御所見を伺います。 100 新田知事 委員おっしゃるように、病児保育施設というのは、仕事と家庭の両立に加えまして、社会機能を維持する上でもとても大切な施設だと理解をしています。  県内の病児・病後児対応型の病児保育施設では、今のところ居住地以外からの利用に対しての対応は、市町村ごとに様々です。市町村内の保育園等に通っている場合や、保護者が市町村内に勤務している場合に限って受け入れる、あるいは周辺市町村に限定して受け入れる、あるいは居住地は限定せずに受け入れるなどそれぞれの対応です。実情を踏まえた上で利用者の利便性を考慮した対応が取られているということです。  厚生労働省の調査によると、病児保育の広域連携の効果として、利用者の満足度向上や、利用者数の増がある一方で、課題としては、居住地以外の利用増により、当該自治体の住民の利用が制限される可能性、また、費用負担の公平性をどう保っていくか、これらが挙げられています。また、昨年度、県内市町村に行った調査では、病児保育の利便性の向上には、今後、広域利用の観点も重要であるという意見があります。ただ一方で、市町村によっては、施設の規模や現状の利用状況などから利用対象の範囲を広げることは難しいという意見もあります。  県では今年度、病児保育施設の利便性向上に向け、県内施設の空き状況を一元的に確認できるホームページの運用を開始します。第一歩だと思います。  少なくとも、今おっしゃったように、空いているのか、空いていないか、これは分かるようにはなりました。ただ、こういうシステムで予約まで可能な県もあります。本県はまだそこまでは至っておりませんが、新年度予算案では、子育て支援制度の周知事業、またAIチャットボットによる相談などにも取り組むことにしております。病児保育事業のニーズはあると思います。  今後、次年度新設しますこども家庭室を中心に、利便性をより向上するため、そして少なく生まれてくる子供をしっかりと育てるための一つのやり方として取り組んでいきたいと思います。 101 種部委員 ありがとうございます。  こども家庭室、大変期待したいと思います。いろいろな壁があるのだと思いますけど、そこを越えるための取組ということで、知事はワンチームで取り組んでいらっしゃいます。市町村とのやり取りで、恐らく費用負担分をどうするのかとか様々な問題があるのだろうと理解していますけれど、そこを越えるお取組をこれから始めていただければと思っています。  今、知事がおっしゃいました、ホームページの中でまず見える化したというのは非常に大きな仕事であったろうと思います。とみいくフレフレですね。県内全域の病児保育の空き状況が見られる。本当に見てどこが空いているかというのが分かるだけで、差し当たり連絡する先が絞られるというのは非常にいいことかと思っています。  ここを見てみましたけど、特に問題は──富山市はあるのかもしれませんけど、空き状況は三角のところがほとんどです。三角は全て電話で問合せと書いてあるので、全部電話しなきゃいけないということになってしまいます。結局全て電話をかければいいということになると、それはやっぱりなかなか難しい、利便性と言うにはもう一歩だなという気がちょっとしております。  また施設側も、恐らく当日キャンセルが出たり、この電話対応だけでも結構人出が取られるのではないかと思うので、マンパワーにとってはロスだと思うのです。  大分県が市町村で登録用紙を統一化して、市町村で利用料金が違っていたものを同一料金にするという、これは大変な技だと思うのですけど、これをされました。そして、「あずかるこちゃん」という病児保育のウエブ予約システムがあるのですが、これを県として採用されています。この「あずかるこちゃん」の創業者は産婦人科医です。産婦人科の女性医師が多くて、皆さん病児保育がなくて仕事を脱落することが多いということで、産婦人科医がつくりました。ちなみに、糸魚川出身の産婦人科医の園田ドクターですね。  とみいくフレフレでも、「あずかるこちゃん」などの病児保育のウエブ予約システムを取り入れて、職員及び利用者の負担軽減にも併せて取り組むということをお考えにならないのかと思っております。厚生部長に所見をお伺いいたします。 102 木内厚生部長 今、御紹介ありましたとおり、今年度から県内の病児保育施設の基本情報と空き情報を一元的に確認できるウエブサイトの運用を開始いたしました。とみいくフレフレでございます。  この作成に当たりまして、市町村及び病児保育の施設にアンケートを実施しておりますけれども、施設の側で、予約状況につきまして随時入力していくのが負担であるということや、お子さんの病状によって受入れをどこまでできるか、つまり、聞かないと答えられないんだといった御意見もあったところでありまして、今年度のシステムにつきましては、全ての施設に無理なく参加いただける形としまして、空き状況の提供のみの機能だということでございます。予約までは入れなかった。  令和2年度に厚生労働省で調査を行っている中で、病児保育のシステムの多くは施設が独自で導入しているものが多いわけですけども、行政主導による導入事例というのもございます。  行政によります導入におきましては、やはり必要な機能について施設と協議して進めることが重要であるとされております。いろいろと他県での事例もございます。制度等もございます。こういったことを、市町村や施設の方に周知していくということも大事であると考えておりますけれども、さらなる利便性の向上にどういったやり方が効果的であるかということ、これは幼児保育を実施しております市町村や病児保育施設の御意見もお伺いしながら検討してまいりたいと考えております。 103 種部委員 ありがとうございます。  取りあえず、とみいくフレフレで見えるようにしたというのは本当に大きかったと思います。ここが空いているんだと分かるだけで安心感はあったと思うんですね。もう一歩進めるとなると、その施設の状況等というのが問題だということも分かりました。  できている県があるということは、どうやってそこを乗り越えたのかということは非常に重要な情報ではないかと思いますので、無理ではないかということではなくて、できることを少しずつ探していただければ、働きながら子供を育てる者にとっては非常に応援になるのではないかと思います。ぜひそこを期待して、質問を終わりにしたいと思います。  ありがとうございました。 104 瘧師副委員長 種部委員の質疑は以上で終了しました。  ここで、換気のため暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午後1時58分休憩                     午後2時10分開議        山本徹委員の質疑及び答弁 105 瘧師副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  山本委員。あなたの持ち時間は60分であります。 106 山本委員 山本徹であります。通告に従いまして質問を始めたいと思います。  まず、県立高校の諸課題についてお尋ねいたします。  先ほど安達委員の質問にもありましたけれども、公私立高等学校連絡会議が開催されまして、今後3年間の公私比率について合意がなされたところでございます。今年度の会議では、昨年度に引き続きましてというか、それまで以上に私立学校からしっかりとした主張がなされたとお聞きしているところでございます。  また、会議の場では、公私の比率だけでなく、本県教育の在り方について、将来に向けて実りの多い議論が交わされたということもお聞きしておりまして、大変ありがたいと思っているところでございます。教育長におかれましては、いろいろと御苦労があったかと思います。  会議の仕切りは経営管理部ということなので、答弁は岡本部長にお願いをするわけですけれども、今年度の公私立高等学校連絡会議における成果についてどう思っておられるか、経営管理部長の見解をお聞きします。 107 岡本経営管理部長 今年度の公私立高等学校連絡会議は、昨年10月以降4回にわたり開催をし、主に令和5年度以降の県立高校と私立高校の募集定員の割合、いわゆる公私比率について協議を重ねたところでございます。今回の協議におきましては、中学校卒業者数が減少する中、県外進学者の増加など、多様化する進路動向の実態や公私ともに定員割れとなっている状況などについて議論が交わされ、このほど私学定員に配慮した見直しを行い、令和5年度以降3年間の比率について、公私双方で合意したところでございます。  具体的に申し上げますと、これまでと同様の方法で、一旦比率を算出した上で、県立高校の配分の一部を私立高校に振り替える措置を行い、この結果、県立高校の全日制は前回の71.6%から70.8%と0.8ポイント下がる一方で、私立高校は前回の22.4%から22.6%と0.2ポイント上がったところでございます。これは、中学校卒業者の県内高校での学習機会を確保しつつ、各学校の生徒の就業に係る将来計画や私学の安定的な経営支援にも配慮した措置であり、こうした配分方法の見直しにつきましては、平成14年に現行の方式になってから初めてのことであり、私立側の委員からも一定の評価をいただき、成果があったところでございます。  また、会議では公私比率以外の事項といたしまして、県立高校の2次募集の在り方についても協議を行いました。今後、全国の状況を踏まえながら研究していくこととされたところでございます。
     少子化、人口減少が急速に進み、高校教育を取り巻く環境は大変厳しい状況にございますが、今後とも公私協調の下、生徒、保護者や地域のニーズを踏まえながら、公私比率の議論に加えまして、県立、私立ともに魅力ある教育環境づくりに向けた議論をさらに深め、高校教育全体の質や魅力の向上につなげてまいりたいと考えております。 108 山本委員 経営管理部のほうも、教育委員会と私学の間に立って調整、大変御苦労だったかと思います。  今ほど私学の定員に配慮をした公私比率ということでお話がございました。教育委員会、また経営管理部のほうも、私学側のほうに寄り添うような合意がなされたことを大変評価をしたいと思います。  続きまして、今ほども、会議の中で協議されたとありました、またこれまでの議論にもありましたけれども、定員割れの問題でございます。  今年の入学試験は、今月の8日、9日の2日間にわたって行われました。募集人員は全体で5,359名のところ5,561名が受検をしたことになっていまして、倍率は1.04倍ということで大体来ているという感じかと思います。  それぞれの目標に向かって頑張られた生徒の皆さんには、お疲れさまでしたと申し上げたいと思っております。合格発表はあしたの12時30分からということでございまして、いい結果になるようにお祈りを申し上げる次第でございます。  富山県、34校82学科の倍率が1.04ということは、全体としてバランスが取れているということが一つ言えるだろうと思います。しかし、定員割れとなっている学科もあります。0.9や0.8ならまだかなと思いますが、0.6や0.5あるいは0.4台のときもあるわけでございまして、また定員割れとなっている学科は、継続あるいは断続的にこうした傾向が見られるわけでございます。  学科の設置や定数の設定というのは、本県の教育の基本的な在り方や人材育成の考え方を示すものであると思っております。また、私学とのすみ分けにも深く関わる部分で、大事なところだと思っております。  現在のところ、社会に求められる人材と教育委員会が育てようとする人材にミスマッチが生じているので、こうした継続的、断続的な定数割れが起きているのではないかと思うわけでございますが、県立高校職業科の定員割れを起こしている学科について、社会や企業が求める時代に即した人材を育てる学科、あるいは生徒が学びたい学科なのかを検証し、定員の見直しを進めるべきだと考えますが、教育長の所見を伺います。 109 荻布教育長 県立高校の募集定員につきましては、地域別の中学校卒業予定者数の動向や、各高校の入学志願者数の推移などを踏まえまして総合的に判断をしておりますが、近年定員割れとなる学科が見られるところでございます。定員割れをする学科は、年によって変動はございますが、職業科の中には定員割れが続いているという学校もございます。  こうした状況の背景には、私立高校の専願者増によりまして、県立高校全体の志願倍率が低下しているということや、中学校において、行ける学校より自分が行きたい学校を選ぶことができるように指導がされており、進学先が多様化していることなどがあると考えております。  今年度開催しました令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会の第2回の会議では、職業系専門学科の現状と今後の在り方を議題といたしました。委員からの御意見といたしまして、学校で学ぶことと社会で必要とされていることに大きなギャップがあるのではないかといった御意見ですとか、中学生の意識調査を実施し、進路希望状況や将来の夢などを把握した上で今後の在り方を検討すべきといった御意見、また、農業科についてですけど、企業や大学との連携や経営者育成などに焦点を当てて、成長産業に関わる学校、学科としての魅力発信をしてはどうかといった御提言なども頂いているところでございます。  来年度は、中学生や高校生及びその保護者、また企業などを対象にニーズ調査を行う予定としておりまして、その結果を踏まえて、社会や企業が求める、時代に即した人材を育てる学科、また生徒が学びたい学科、そして社会の急激な変化を踏まえた職業科の在り方とはどうあるのがよいのかといったことについて、しっかりと検討してまいりたいと考えております。 110 山本委員 この質問の前に資料を配るつもりでいましたが、焦って忘れておりました。ここで、資料の配付をお願いいたします。 111 瘧師副委員長 許可いたします。 112 山本委員 皆さんに資料を見ていただきながら今の倍率の話をする予定だったのです。後先になってしまいましたが、見ていただくと何となく分かるかと思いますが、保護者や生徒に対してニーズ調査を行うということで、大変いいことかなと思っております。  特に、中央農業が0.4台で大変低うございますが、これは本県の大事なところだと思っていまして、むしろこういうところは、どうにかして魅力を高めて来てもらうということであろうと思います。今議会でも指摘がありましたが、新しい施設や設備あるいは魅力あるカリキュラムということで来てもらうようなことも併せて考えなければいけないだろうと思っております。  そこで、先ほど安達委員からの質問にもございましたが、安達委員は質問がかぶったので今回一歩引いていただきましたので、この質問には安達委員の思いもあります。また、今回質問を米原議員からも託されているわけでございます。特に薮田議員の質問にもありました、先ほどの、建築土木業界の慢性的な人材不足の問題でございます。  先ほどの安達委員と全く同じでございますが、除雪や地域における生活基盤、あるいは社会経済基盤のインフラ整備というのは、維持補修も含めてとても大事な問題でございますし、それがないとやっぱり安心・安全な生活が送れないということになるわけでございますが、その土台部分を担う人材が残念ながら不足している。しかも、これに解決のめどが立っていない状況だと捉えていて、とても危機的な状況だと思っております。  将来にわたって持続可能な社会をつくっていく上で、こうしたインフラに関してしっかりと手当てをしていただける、ここに従事していただけるような人材を確保していくというのは、とても大事な観点だと思うわけでございます。  資料を見ていただくと分かると思いますが、4つの学区のうち砺波学区だけが土木建築の学科がないわけでございます。ほかのところを見ていて、そうであるところもそうでないところもあろうかと思いますが、土木関係のところはそれなりに定数が来ております。  特に、高岡工芸高校の土木環境あるいは建築科の人気が高いのは見ていただければ分かるとおりかと思います。そういうことから考えると、工芸高校に県西部全体から集まっていると思うときに、砺波学区に1つ設置をしても十分いけると思いますし、それぞれの地域にこうした拠点があることが大事だと思うわけでございますが、教育長の所見をお聞きしたいと思います。 113 荻布教育長 本県の地域の生活基盤や社会基盤を整備し、維持更新していくためには、その担い手となる建築土木業界の人材を育成することが重要でございますが、富山県の建設業界では、それを担われる人材が慢性的に不足しているとお聞きをしております。  現在、県立高校で設置をしている土木、建築系学科は、新川学区では桜井高校の土木科、富山学区では富山工業高校の建築工学科及び土木工学科、高岡学区では高岡工芸高校の建築科及び土木環境科の合わせて3校5学科ございまして、御紹介ございましたように砺波学区の県立高校には、南砺福野高校の農業環境科に土木類型というのはございますものの、土木、建築系の学科はない状況でございます。そのため、富山県建設業協会などからも、砺波学区に土木、建築系学科の新設または定員増をとの御要望が寄せられております。  県教育委員会では、今後の高校の在り方について、令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会を設置して現在検討を進めているところでございますが、県立高校の土木、建築系学科の在り方につきましても、地域の特色を踏まえつつ、産業界や時代のニーズ、中学生の進路希望などを基本としまして、今後協議を進めてまいりたいと考えております。  学科の充実や見直しには、施設設備の整備や専門教員の確保、また先端技術を活用した教育内容などの整備も必要となってまいります。  今後、生徒の減少が見込まれる中にありましても、社会のニーズに応える効果的、効率的な教育が行えますよう、丁寧に検討をしてまいりたいと考えております。 114 山本委員 答弁の中に荻布教育長の決意あふれる表情から、きっとやっていただけるものと確信をいたしましたので、よろしくお願いしたいと思います。  続きまして、先ほどの公私立高等学校連絡会議の中でも話をされたと言っておられます2次募集の話でございますが、明日、先ほど申し上げましたように合格発表が行われるわけでありますけれども、行われた後、定員割れしている高校については、当然2次募集を行うということになるんだろうと思います。定員を満たすために、あるいはまた生徒の立場に立つと、第1志望でなかったとしても県立学校で学びたいという生徒のために、2次募集というのはやっぱりなくてはならない有効な手段だと思っております。  しかし、定員割れを防ごうとするあまり、本来の学力とマッチしない生徒の進学がある、そういうケースもあると聞いております。そういう生徒が増えてまいりますと、授業についていけなくなる、そうするとそこに先生方の手もかかってしまう、そのことによって高校全体の質が低下して学力が維持できなくなるケースも考え得るのではないかと心配する声もあります。  学力による選抜を行っているのは、一定レベルの生徒を集めて、そして教えることによって、より効率的な学力の向上を図ろうとするためであるからと理解しているわけでございます。そういう意味でいうと、2次募集についてはミスマッチが起きないように最低限に抑えて、しっかりとそのことを検証する必要があるのではないかと思うわけですが、教育長の所見をお聞きいたします。 115 荻布教育長 全日制の課程第2次選抜は、第1次選抜及び推薦入学者選抜の合格者が募集定員に満たない学校、学科において、第1次選抜で5教科の学力検査を受検した者のうち不合格となった者を対象に実施をしております。第1次選抜における学力検査の成績と調査書などによりまして、各高校の当該学科の教育を受けるに足る能力、適性などを判定し、選抜するということにしております。  近年、県内私立高校を専願する生徒や、県外の高校を志願する生徒が増えていることや、中学において行ける学校より自分が行きたい学校を選べるよう指導していることなどによりまして、生徒の進学先が多様化する傾向が見られます。  県立高校の普通科においても定員割れとなる学校が見られるようになってきております。その結果、程度の差こそあれ、生徒の学力層がこれまでと変容しましたり、学力差が拡大しているという傾向にございます。そのため、県立高校、特に普通科において、変化する生徒の実態を踏まえつつ、生徒の学力や様々な能力を伸ばし、ミスマッチが起きないように教育活動を見直していくということが求められております。  個別の支援が必要な生徒には、中学校段階の内容をやり直す学び直しや、カウンセリングを適切に活用するなど、個に応じた確かな学力を身につけるように努めているところでございます。  第2次選抜につきましては、県立高校を志願する県内の生徒に高校教育の機会を提供するというものであり、また公私比率の範囲内の募集でありますこと、また第2次選抜では毎年相当数の志願もあり、これを行わず募集枠が残った状態にしておくということについては、県立高校への入学を希望される中学生や保護者の理解が得られないことなどが考えられますことから、県教育委員会としては今後とも実施していく必要があると考えておりますが、私立高校の御意見もよくお聞きをしております。私立高校や中学校など、関係の皆さんの御意見をこれからもお聞きしながら、公私立高等学校連絡会議で今後とも協議してまいりたいと考えております。 116 山本委員 ありがとうございます。私立のほうも公立同様、生徒をしっかり確保しないと運営が成り立たないという面もございますので、よろしくお願いを申し上げます。  それでは、さらに教育問題について、違う観点から質問を続けてまいりたいと思います。  今議会でも皆さん質問がありました。いよいよ来月から成年年齢が引き下げられて、18歳で成人ということになるわけでございます。  高校生の頃は一日も早く大人になりたいと願っていました。そして、かっこよくお酒を飲んでみたいということを思っていましたけれども、今日この頃になってきますと、何とか逆に高校生に戻れないものかということを感じているわけでございます。  そうした願いはかなわないわけですけども、かなわないまでも、せんだっては荒井学園さんの御協力で、主権者教育の出前講座という形で高校へお邪魔させていただきました。とても貴重な経験をさせていただいたものと思っております。  また、昨年は高校生とやま県議会のメンバーの方々とも意見交換をさせていただきました。それぞれ高校生の皆さんは、真っすぐで素直で、しかもエネルギーに満ちている、みずみずしい感性をお持ちで、今のこの令和の時代の空気を十分に持っておられますし、それぞれの生徒さんにそれぞれの考え方や思いというものがしっかりあることが分かりまして、私たちにとってもいい刺激になったと確信しているわけでございます。  荒井学園の荒井理事長は、かねてから政治について生徒たちが学ぶ機会がないというのはおかしいという持論をお持ちでございました。言っている意味は教科書的ではないということで、肌身感覚のという意味でございます。もちろん教科書で政治について学ぶところはあるわけでございます。  また、ちょっと違いますが、投資家の村上世彰さん──村上ファンドの村上さんですけど、この方もお金のことや投資のことについて若いうちから勉強しておくべきだという持論をお持ちでございます。広域通信制高校のN高校におきまして投資部というものをつくられて、自ら特別顧問に就任されて、出資をして、高校生が出資をできる環境をつくられて、そのことについて取り組まれたというのは、いろいろ批判もあるかもしれませんが、これはこれで信念に基づいたすばらしい取組だろうと思うわけでございます。  議会でも質問がありました成年年齢の引下げに伴って、特に消費生活センターではこのことに警鐘を鳴らしていますけれども、未成年者取消権で保護されていた18歳、19歳の若者が保護の対象から外れることになる、思わないローンに長い間苦しめられることになるというケースもあるわけで、10代の消費者被害の拡大、これが心配されているわけでございます。  また、先日意見交換をさせていただいた管理栄養士さんからは、改めて若い世代の食というものをしっかり考えないと、長い目で見たときにいろんな影響が出るのではないかということで、その重要性について御指摘いただいたところでございます。  こうしたことを思いますと、主権者教育や消費者教育、食育など、生きる力に直接関わるような大切なこと、これを卒業と同時に待ったなしで成人になってしまう生徒の皆さんに、高校生のうちにしっかりとこのことを教えておく必要があるのではないかということを思うわけでございます。  県議会では出前講座も行っておりまして、特に主権者教育については、県立高校でも行うことができないかと考えております。こうしたことについて、教育長のお考えをお聞きしたいと思います。 117 荻布教育長 民法改正に伴いまして、令和4年4月から成年年齢が18歳に引き下げられますことから、在学中に成人となる高校生に対して、主権者教育や消費者教育、食育の充実など、若年者の自立に係る取組を推進するということが必要と考えております。  高校ではこれまでも、公民科の授業などで公職選挙法や選挙の具体的な仕組みなどを学んだ上で、話合いや討論、模擬選挙などの出前授業で主体的に社会の形成に参画する態度を育成してきております。  また、教育委員会では平成28年度から、高校生の代表による高校生とやま県議会を開催しまして、討論や議会形式の意見発表を行い、また今年度は議員との意見交換もさせていただくなど、主権者教育の充実に努めているところでございます。  家庭科の授業などでは、将来の自立に向けた食育や契約の重要性、消費者保護の仕組みなどの内容を取り扱いますとともに、弁護士など外部人材の御協力もいただきながら、高校生などを対象とした消費生活講座を開催するなど、より実践的な消費者教育を実施してきております。  県議会で10月と2月に私立高校で実施をされました主権者教育の出前講座につきましては、県教育委員会からも指導主事がオブザーバーとして参加をさせていただきましたが、多くの高校生が議員の皆さんと直接交流を行い、高校生の政治参加意識の高まりにつながる大変教育的価値の高いものであったと承知をしておりまして、教育委員会としても校長会などで情報提供いたしまして、各学校の実情に応じて、実施に向けて検討を進めてもらいたいと考えております。  今後も、選挙管理委員会や県議会、弁護士会など外部の機関とも十分連携をしながら、生徒の生きる力の育成に取り組んでまいりたいと考えております。 118 山本委員 ありがとうございます。県立高校での出前講座、主権者教育の実施に向けて検討していただけるということで、ありがとうございました。私どももしっかり研究して、一緒になってやらせていただければ大変ありがたいと思います。  また、管理栄養士さんからはこのほかにも、学校や教育委員会にもっと管理栄養士さんを採用していただきたいということを言われましたので、申し添えておきたいと思います。  職業観の醸成や主権者教育、消費者教育などは、今ほど申し上げた大人になる上で心得ておかなければいけない、あるいは生きる力に直結するようなことについては、家庭と学校の両方から子供たちに伝えていくことが必要だと思うのですけれども、子供たちに対しては今ほどお話がございましたとおりでございますが、保護者に向けてはどういったアプローチをされるのか、教育長にお聞きしたいと思います。 119 荻布教育長 先ほども御答弁申しましたように、成年年齢が18歳に引き下げられることを受けまして、各学校では主権者教育、消費者教育、キャリア教育の充実など、若年者の自立支援に係る取組を進めております。  委員御指摘のとおり、学校だけでなく家庭からも子供たちを支えていただくことが重要だと考えております。各学校では、PTA総会などを利用して、地域人材を活用したキャリア教育講座や進路講座を開催しましたり、広報誌を発行するなどしまして保護者の皆さんへの啓発に努めております。生徒対象の講座を保護者に公開して実施している学校もございます。  また、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた平成28年度からの2年間ですが、県高等学校PTA連合会が主体となりまして、選挙制度について親子で学び合うための漫画形式の副読本を作成しまして、家庭への提言書を添えて配布されたところでございます。その際、県教育委員会が経費の一部を負担しますとともに、編集にも加わらせていただき、協調して取り組んだところでございます。  このほか、県生活環境文化部におきまして、令和2年度から消費者トラブルに関する保護者向け啓発チラシを作成し、全高校を通して配布、啓発するとともに、県高等学校PTA連合会のホームページにも掲載をさせていただいております。  今後、保護者への効果的な啓発方法などについて、県高等学校PTA連合会と協議をいたしますとともに、関係部局とも連携しまして、高校生の自立支援を推進するため、保護者へのアプローチについても取り組んでまいりたいと考えております。 120 山本委員 生活環境文化部で作っておられるチラシですけど、見せていただきました。大変よくできていると思っています。積極的に使っていただければなと思います。  続きまして、教員の確保について質問をさせていただきます。  新年度は「とやまで教員」応援事業、あるいは学習支援等大学生派遣事業と、それぞれの事業について拡充をされるということになっているわけでございます。「とやまで教員」応援事業につきましては、優れた教員を安定的に確保するため、また学習支援等大学生派遣事業は、教員を志望する大学生を支援員として小中学校へ派遣する事業ということになっているわけでございます。ただ、どちらも基本的には大学生や新卒者を対象としているのではないかと見ております。  しかし、教員採用試験における新卒者と既卒者の割合は、令和3年では55.6%対44.4%、令和2年度では49.7%対50.3%と、ほぼ半々ぐらいの感じになっているわけであります。したがって、既卒者の皆さんにも、何とかこうした支援が届かないかと思っています。既卒者の方であっても、先生になりたいという熱意を持って、諦めずに取り組んでいる方々の底上げを目的としたセミナーみたいなものは行えないものだろうか。  教員の確保に当たって、新卒者だけでなく既卒者にも目を向けた取組が必要ではないかと思いますが、教育長の見解をお聞きいたします。 121 荻布教育長 教員採用におきまして、かつては既卒者が新卒者を大きく上回っていた時代もございましたが、令和3年度につきましては、御紹介もありましたが、新卒者が55.6%、既卒者が44.4%でございまして、1年前と比べて既卒者の割合が5ポイント程度減少しているという状況ではございますが、今も4割以上は既卒者ということでございまして、既卒者にも目を向けた取組は重要と考えております。  お尋ねの既卒の受検者の確保に向けては、これまでも、とやま移住・転職フェアのブースでのPR活動のほか、令和元年からは「とやまで教員」応援事業を立ち上げ、UIJターンセミナーや教員養成講座を実施いたしまして、新卒、既卒を問わず本県教員として働くことの魅力を発信してまいったところでございます。  また、採用検査におきましては、再受検する受検生で講師経験などの一定の条件を満たす者を対象に一次検査を免除する制度や、社会人経験、教職経験を有する受検生を対象に検査内容を軽減する特別選考を行うなど、既卒者の確保に向けた取組も進めてきたところでございます。  また、既卒者の資質向上ということに関連しましては、臨時的任用講師を対象に研修会を行いますほか、様々な専門研修の受講も可能としてきているところでございます。  また、令和5年度の教員採用に向けても、定年前に離職した方を対象にした特別選考の新設や、職業系教科などにおいて、教員免許状を有しない社会人経験者を対象とした特別選考のさらなる拡充を行うということにしております。  県教育委員会としては、本県教育の発展のためには新卒、既卒を問わず、優秀な教員の確保が不可欠と考えております。今後とも、御提案のあった趣旨も踏まえまして、既卒者に向けたアプローチについても引き続き検討してまいりたいと考えております。 122 山本委員 県立大学に設置するDX教育研究センターのことですけども、DX推進センターでもデジタル研究センターでもなく、わざわざDX教育研究センターとされているわけでございまして、私は教育現場でのDXの導入について研究をするという意味なんだろうと勝手に思っているのですけれども、このあたりのところをお聞かせいただきたいと思います。 123 岡本経営管理部長 4月に開設を予定しております県立大学DX教育研究センター(仮称)では、まず研究面ではものづくりや医療、福祉、ヘルスケア等の分野におきまして、AI、ビッグデータの分析、ロボット技術の融合等の研究を推進するものでございます。そのセンターには専任のコーディネーターやアドバイザーを設置するなど運営体制を充実させまして、企業ニーズを踏まえた、企業と大学のマッチングや共同研究を進めることとしております。  次に、教育面でございますけれども、県内企業のニーズを踏まえまして、高度なデジタル技術や研究成果に基づく社会課題の解決を図るデザイン思考を持ったDX人材の育成に加えまして、社会人リカレント講座を開催し、県内企業のDX化の推進に向けた普及啓発に取り組むこととしております。  DXセンターにおきましては、こうした研究と教育の2つの体制を基盤としながら、新たなイノベーションの種、シーズを生み出す環境づくりとして、教員や学生、企業、自治体関係者など、多様な人材が参加しまして、自由な議論や研究等が行えるコワーキングスペースを整備いたしまして、大学の知恵を生かしたオープンイノベーションを推進し、将来的には大学発のベンチャー企業の立ち上げを目指すことを目標としております。  県としましては、このDXセンターにおきまして、新技術の開発や地域課題の解決などの取組が進み、地域の発展や産業の振興に貢献することを大いに期待しており、引き続き県立大学と連携してまいりたいと考えております。 124 山本委員 ありがとうございました。ちょっと私の思っていたイメージと違いますが、県内全般的なDXの研究をしたり、そういうニーズを把握したりするような後押しをするということでございますが、社会課題の解決というところが一つ大きなテーマだろうとお聞きをしたところでございます。  次の質問のところ、かなり長々と書いてございます。  子供たちの環境変化に関係者がすぐ対応できるように、小学校から高校までの12年間、成績あるいは家族構成、その子の気になる点、もっと言えば長所、短所など、毎年記録するような児童生徒ごとの電子カルテを作成してはどうかという御提案でございます。  DX化を進めるに当たって、例えばコンビニで無人化するという取組があろうかと思いますが、無人化は無人化でも、商品を取ってレジへ持っていく、レジで無人化であって、そこでいろんなカメラだったり、重さを量って、あるいは自分でバーコードを読み取ったりしてお金を払うシステムにしているのを無人化としているところもありますが、最新のものでは、ショーケースから取った時点で顔認証と商品認証がされていて、加算がされて、スマホと連携していて、店から出た途端、指定のクレジットカードからお金が支払われていく、全くのシームレスな無人化というものもあるわけでございます。  先日、こうしたことをすごく研究しておられる方と話をしていて、この違いは何かというと、出口の違いです。DXを進めるに当たって、コンビニを経営する事業者さんに売り込みたいと思ってDX化すると、従業員を置かずに現金を集めるというシステムになって、一番最初の出口になっていきます。要するに、商品を持ってレジに行ってお金を払うという従来のシステムは変わらない。確かにDXはされていますが、それはイノベーションと呼べるのだろうかという疑問でございます。  ところが、完全に消費者の観点に立つのが後者のもので、全くのシームレスで、欲しいものを取ってちゃんとお金が払われている。これはエンドユーザーに目線を置いたDX化ということだそうでございます。  そういうことの、とにかくコンビニさんにうちのシステムを採用してほしい、事業者さんに採用してほしいというやり方がいいのか、それともエンドユーザーまでしっかり見た企画を立てて取り組むのがいいのかというのは、それは当然その事業者さんの考え方一つということになりますが、県庁がDXに取り組むに当たっては、県庁のためのDXは、もちろんそれはその観点で大事でしょうけれども、しっかりエンドユーザーまでにらんでほしいと思うのです。  それで、今回の質問でも幾つかありました。先ほど種部委員のお話にもありましたし、安達委員や平木議員のお話にもあった、例えば転校したらその子のものはちゃんと引継ぎをされるのかという問題や、例えば今回のヤングケアラーや、ひきこもりの実態調査をするというのは、厚生部は厚生部で予算を組んでいます。だけど、学校の現場や保護者の方々はよく御存じです。あそこの家庭、ちょっとおかしいのではないかというのは御承知です。そういうデータが一元に管理されるようなことになるといいのではないかと思うわけです。  もちろん教育環境にとってもいい。子供たちがどこでつまずいて、この子は理系が得意、文系が得意だとか、あるいは少し座っていられない、そういう特性があるとか、落ち着きがないなど、そういうようなものがちゃんと積み重なっていって、例えば家庭環境とかもそこに入れることになっていくと──もちろん個人情報の観点ということもあって、とてもこれは管理が難しいと思いますが──そういうことを1年生からずっと積み重ねていくと、今個々に対応している問題のかなりの部分、情報が共有できれば解消できていく、あるいは解決のめどが立っていくというようなことが多いのではないかと考えるわけでございます。  そういうことができないのかを考えるのがDX教育研究センターでないかと思ったりしていて、そういうようなことも研究してほしいし、今までのいろんな課題解決のために、児童生徒ごとの電子カルテの作成、もちろん学校の先生方には大変御苦労をおかけすることになると思いますが、これが、ひいて見ると、大きな意味でのエンドユーザー目線のサービスにつながることになるのではないかと思うので、そこらのところを知事の見解をお聞きしたいと思います。 125 新田知事 何か難しい質問ですよね。  実は県大の学生さんがうちの県の幾つかの部局のDX化を進めてくれていまして、昨日、その報告を聞いていました。学生さんに指導されて、今まで紙でこうなっていたところを、かなりクリアに、まず交通整理をして、それをDX化するということ。学生さんにとっては勉強、それから学んだことを実装する一つの研修の場であり、また我々にとっては、若干有償ですけども、本当に最新の学生さんの知恵を使いながら、生かしながら職場のDX化が進むという、そんなことも県立大とやっています。  それはさておきですが、児童生徒の情報の共有について、これは学校教育法施行規則に基づいて、指導要録の抄本、児童生徒の健康診断票、障害のあるお子さんの個別の教育支援計画が進学先の学校に引き継がれているのですが、これは基本的に紙媒体で実施されています。  児童生徒の学習面や生活、健康面の、今委員がおっしゃったような電子情報、いわゆる教育データの利活用については、現在デジタル庁が文科省や総務省と共同して議論を進めていると聞いています。この中で、自治体の各部局が管理している教育、保育、福祉、医療等のデータがあるわけですけども、これらが連携することが大切だと考えています。連携することによって子供たちへの支援を充実させることができる、このような議論が行われていると承知をしていますが、やはり委員も御心配されるように、個人情報の取扱い、それからそのデータの連携をどういう基盤の上でやっていくのか、どうやって構築するのかということや、必要によっては制度の改正なども課題があるという、そんな検討をされています。  県の教育委員会でも先月、富山県教育DX推進会議を行いまして、教育データの利活用について本県でも議論が行われています。委員からは、やはり個人情報についてどのような情報を載せるのか、誰が修正を担当するのか、アップデートしていくのか、そのようなことはよく議論すべきだという御意見を頂いたと聞いています。  今後、原本の真実性の保持、それから改ざんの防止、長期保存やデータ消失防止への対応など、このあたりをさらに議論を深めていく必要があると考えています。  国のデジタル庁中心の検討は、令和3年、4年度まで課題の検討と整理を行っていると、令和5年度からその結果を踏まえて必要な施策を実施していく、そのようなスケジュールであると聞いていますが、県の教育委員会にはそのような国のスケジュールを見ながら、教育データの利活用について関係部局と連携して検討してもらいたいと考えております。 126 山本委員 ありがとうございました。DX教育研究センターに期待しておりますので、よろしくお願いします。  それでは、続いて農業の諸課題についてお聞きしたいと思います。  今年度、特に新年度に向けて園芸振興の取組が強化されたと見ています。本来なら私は県土整備農林水産委員会ですので、委員会の質問でもいいのですけど、少ししっかり議論したいと思って予算特別委員会で取り上げる次第でございます。  本県の園芸産出額は令和2年度で93億円、47都道府県で最下位という状態でございます。新年度は、稼げる!とやまの園芸産地支援事業などに取り組んで、これは1億円の予算でございますが、ここに意欲を感じるわけでございます。  高岡で施設園芸に取り組んでおられる大井さんにお話を伺ってまいりました。大井さんはビニールハウスでユウカメロンというメロンを栽培しておられ、もちろんメロンだけじゃないのですけども、代表的なものとして。糖度が高くて、とてもおいしいメロンでございます。横田副知事にも大変高い評価をいただいているところでございます。
     大変熱い方で、たくさんの教えをいただいてまいりました。桃太郎Aというのはトマトでありまして、このトマトの栽培に挑戦された。ビニールハウスの中に35センチピッチで立てているんですが、指導員の方が来られて「35センチじゃ駄目や。80センチ取らな、いいのにならないんや」と言うていかれたんだそうです。ところが、80センチピッチよりも35センチピッチのほうが単位収量が上がるのは、当然誰が見ても分かるわけですね。実は、大井さんは青森の農家の方から教えていただいて取り組んだんだそうです。  青森県の農業の技術センターは35センチピッチでも、しっかりとした品質の桃太郎Aが収穫できるように技術開発をしているんです。その技術をお聞きして大井さんは挑戦している。35センチピッチを軽く見てしまう本県と、どうやったら収益が上がって農家さんに取り組んでもらえるかを考えて、35センチピッチでも高品質のトマトが取れるように取り組んでいるのが青森県です。これがもう既に大きな差となっているのではないかと思います。  青森県の園芸産出額は1,771億円、本県の19倍です。ちなみに、農業産出額全体に占める園芸の割合は、本県14.8%に対して青森は54.3%です。  本県農業はこれまで、当然水稲に特化してきましたので、これは致し方ないことだろうと思います。しかし、園芸作物を真に稼げるよう県として支援していく、取り組んでいくということは、やっぱり並大抵のことではないんだと思わなくてはいけないのではないかと思います。  市町村にモデル産地のプランを作成してもらうということですが、県が技術や基本的な考え方をもっとボトムアップしていかないと、市町村に人材が育つとは思えません。  本県の現状から見て、本当に稼げる産地となるためには、先進県から学び、県内の先達からも学び、確実に前進させていくという覚悟と息を長く取り組むということが必要なんだと思いますけれども、知事の御所見をお聞きしたいと思います。 127 新田知事 稼げる農業を実現していくためには、もちろんこれまで富山県のとても得意だった稲作に磨きをかけていくということも大切なことですが、もう一方では、高収益な園芸作物を導入していくという、これももう一つのやり方です。もちろん両方やっていかなきゃならないと思いますが、その上で、考え方を次年度少し変えまして、地域で精力的に取り組む産地や経営体を育成しながら、園芸全体の生産を拡大させていくということを考えています。  新年度の施策としまして、産地を牽引するリーディング経営体の重点技術指導によって収量、品質を上げていく、また新規の園芸生産から省力機械化体系の導入までの経営段階に応じた支援、そして農作業の受委託を行う支援サービスを活用した労働力の確保、これは今年度試行的にやっておりますが、これをまたさらに本格的にやっていく必要があろうかと思います。  そして、青果市場などをコーディネーターとした販路開拓を支援する。やはりいいものを作っても、最後は売って何ぼということですので、そのアウトプットを担っておられる青果市場の方にコーディネーター役としていろいろとアドバイスもいただく、そんなこと。すなわち、生産から流通、販売まで一貫的なサポートを進めていこうということで次年度は考えています。  さらに、中長期的に言いますと、農業の就業人口や米の需要のさらなる減少が予想されます。生産性の向上と人材確保などの対策を強化していく必要があり、現在策定中の県農業・農村振興計画には、高い目標を定めてその達成に向けて取り組むことにしています。  具体的には、各産地での就農希望者の受入れ体制づくりや、新たな担い手確保のための教育研修制度の充実、また先進県の園芸団地づくりを参考とした、畑地化による効率的で高収益のモデル産地の育成、そして特色ある園芸品目の研究の加速化など、これらのことに取り組んでいき、収益性の高い経営体の育成、また産地づくりを着実に進めていきたいと考えています。  引き続き、市町村や農業団体、さらに流通関係の事業者の皆さんと連携しながら、今委員御指摘の青森県など、先進県の優良事例などの取組も大いに学びながら、稼げる園芸産地の育成に向けて取り組んでまいります。 128 山本委員 園芸産出額最下位から、ぜひ脱出していただきたいとに思います。  野上前農林水産大臣の手元でまとめられましたみどりの食料システム戦略では、有機農業を2050年までに100万ヘクタールにするという目標を掲げられた。平成30年では2万3,700ヘクタールの我が国の有機農業を100万ヘクタールにするということで、面積比率は現在0.5%のものを25%にするという途方もない目標を立てられたんだと思っています。  令和2年、本県の有機農業は210ヘクタールで、先ほど申し上げました2万3,700ヘクタールの国のおよそ1%、100分の1ということかと思います。こう考えると、本県の目標は100万ヘクタールに対して1万ヘクタールなのかなどと勝手に考えております。  新年度予算案には、環境保全型農業直接支援事業として4,270万円、有機農業に対しましてはみどり推進事業として1,470万円ということで計上されております。  しかし、環境保全型農業とは減農薬、低化学肥料の取組であって、素人の私から見ても、いわゆる有機農業とは根本がちょっと違うのではないかと感じています。  また、有機栽培はコスト高になりますので、割高になることを避けられません。ですから、有機農業の拡大には消費者の意識改革が欠かせないと思っているわけでございます。1人当たり年間有機食品消費額、アメリカは1万5,936円、スイスは3万9,936円に対しまして、我が国は1,408円にすぎない。しっかり取り組まないといけないのではないかと思います。  千葉県のいすみ市では、学校給食を100%有機米にして取り組んでいます。こういうことをやって取り組んでいるわけでございますが、みどりの食料システム戦略の100万ヘクタールに拡大する目標に本県としてどうアプローチしていかれるのか、堀口農林水産部長にお聞きします。 129 堀口農林水産部長 県ではこれまで、販路を確保するための有機農業者と小売業者とのマッチングをはじめ、有機JAS認証の取得経費への支援などに取り組んでおりまして、令和2年の有機栽培面積は219ヘクタールと近年微増の状況でございます。  現在改定中の県農業・農村振興計画では、国の目標設定等を参考にいたしまして、令和13年に有機栽培で600ヘクタール、化学農薬、化学肥料を通常の5割以上削減した特別栽培で900ヘクタールの合計1,500ヘクタールに拡大することとしております。  その達成に向けまして、まずは生産、流通、消費が一体となった有機農業のモデル的な地域の取組を支援し、さらにその成果を県内各地に横展開していきたいと考えております。  具体的には、新年度に国のみどりの食料システム戦略交付金を活用いたしまして、生産面では耕作放棄地の復旧によります有機農産物の作付拡大、流通面では効率的な集荷、運搬方法の検証、消費面では通販サイトを活用した販路開拓や学校給食への食材提供の増加などの取組を進めまして、モデル地域を育成することとしております。  また、有機農業は土づくりが特に重要となりますことから、県農業研究所によるヘアリーベッチやライ麦等の緑肥作物を組み合わせた研究を進めますとともに、各種有機肥料の実際の農場での効果を検証いたしまして、有機農業者団体等で構成されているとやま有機・エコ農業パワーアップ協議会などを通じて広く普及を図ることとしております。  今後とも、持続可能な農業の実現に向け、有機農業をはじめとした人と環境に優しい農業を推進してまいります。 130 山本委員 すみません、ちょっと順序が逆になりましたが、もう一つの質問でございます。  園芸や有機農業の進め方ですけども、先ほどの大井さんのお話によると、稼げる園芸を続けるためには品質の確保が何よりも大事、おいしいものを作らないと売れないというわけです。そのためには、手をかけて、理にかなった栽培を地道に続ける必要がある、相当のモチベーションが求められるということです。  ところが、営農では、そのモチベーションが結局のところ維持できないのではないかと心配されています。また、有機農業についても大規模経営体にはなじまないとの指摘もあるところでございます。  先ほど申し上げました千葉県のいすみ市の有機農業では、田植以降40日にわたり水位を7センチ以上に保つ深水管理をしておられます。荒代で雑草の種を表層に集め、発芽したタイミングを狙って植代を深水で云々かんぬんで、要するにこれまでの伝統的な稲作の技法、技術を用いて、除草ならぬ抑草という技術で、この有機農業を実現しておられる。そういう意味でいうと、私も素人ですけれども、有機といえども、ただ単に農薬を使わない、肥料を使わないという農業で捉えていては駄目で、有機ならではの技術の蓄積というものがやっぱり大事だろうと思うんです。  こうしたことから、意欲ある個人経営体、特に新規就農者を取り込んでいく個人経営体の皆さんたちを手厚く育てていくということが大切ではないかと思います。奥野議員、筱岡議員の答弁に答えられて、新規就農者を2倍にするという目標も語られたところですけれども、こうしたことについて、堀口部長の見解をお聞きしたいと思います。 131 瘧師副委員長 答弁は簡潔にお願いします。 132 堀口農林水産部長 これまで稲作が主体の本県におきましては、園芸や有機農業に力を入れて取り組む農業経営体や新規就農者をこれまで以上に確保していく必要があると考えております。このため小規模な経営体や新規就農者であっても、しっかり収益を確保し、経営継続につなげることが重要です。  新年度では、国支援策を活用した就農前後の最長5年の資金交付に加えまして、新たに就農に必要な農業機械等の導入に対する支援を行い、早期の経営確立を促していくほか、園芸産地が主体となって、就農から定着まで一貫して支援を行う受入れ体制モデルの整備、有機農業を志す新規就農者を受け入れ、研修指導や栽培実証等を行う有機農業推進モデル地区の創出などに取り組むこととしております。  また、小規模な経営でも収益が確保できますよう、収量、品質の向上に向けた技術指導はもとより、例えばアスパラガスのハウス栽培による長期どり等の栽培方法の工夫、小菊とチューリップ切り花等の多品目を組み合わせた経営手法の導入、インターネットを活用した販路開拓など、生産から販売まで一体的に支援をしていくこととしております。  委員からも御紹介のありました、令和4年度をスタートとする県農業・農村振興計画の案では、園芸や有機農業への参入も含めまして、新規就農者の確保目標を年間120人としており、各種支援策を総合的に進めることで、5年後の令和8年度にはしっかり達成していきたいと考えております。  今後とも、本県農業の持続的な発展に必要な人材の育成確保に努めてまいります。 133 瘧師副委員長 山本委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午後3時11分休憩                     午後3時20分開議        横山栄委員の質疑及び答弁 134 筱岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  横山委員。あなたの持ち時間は60分であります。 135 横山委員 予算特別委員会2日目でございますが、一番最後になりました。もうしばらくの間、皆さん頑張っていただければと。私も精いっぱい頑張って質問していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  まず第1番目は、北アルプス横断道構想について。時々これをやっているわけでございますが、少しずつ状況も変わってきますので、そのたびにやらさせていただいています。  御存じのように、この道路は観光やビジネスなど人の動き、あるいは物流、情報の動き、こういうものを高めるとともに、災害時における複数のネットワーク確保にも貢献する非常に事業効果の高い道路、そして、2050年ぐらいになりますと、CO2を排出する自動車もほとんど走らなくなるだろうと。トンネルの中を走らない、もしくはゼロになるんじゃないかと思っております。そうすれば、トンネルの中の排気設備も非常に小規模なものでよいのか、または全く要らないのか、そういう状況に変わってくるのかなと思っております。  また、現在でも、一部、最近はテレビでやっていますが、自動運転ができるようになるといいますか、可能になってまいりました。トンネルですので、トンネルの中に何か方向性をきちんと示すようなものを埋め込んでいきますと、それを追いかけて自動車が走れるような自動運転がかなりできるようになってくるのではないかなと。そうすれば事故もありませんし、非常に楽に運転ができるようになる。そういうことも期待できるのではないかなと。非常に夢のある道路かなと。その時期のタイミングでやるということになるのではないかという気がいたしております。  また、ポスト新幹線の大きな事業の一つになると考えますが、新田知事の御所見をお伺いいたします。 136 新田知事 富山県と長野県を結ぶ道路については、急峻な北アルプスを迂回して北陸自動車道などを通り新潟県糸魚川を経由するルート、また、富山高岡連絡道路や中部縦貫自動車道を通り岐阜県高山市を経由するルートがあり、それぞれ国や中日本高速道路株式会社などで高規格道路などの整備が進められています。  御指摘の富山県と長野県をトンネルで直接結ぶ北アルプス横断道路構想が実現すれば、富山─長野間の所要時間が短縮され、長野県だけでなく首都圏とのアクセスも向上することになります。  また、富山県での企業立地の促進や広域観光の形成など、物流の効率化、産業の活性化や観光振興に大きな効果が期待できるとともに、災害時における交通ネットワークの強化にもつながると考えています。  この構想の実現には、超長大トンネルを要すると。トンネル掘削における技術的課題や膨大な事業費が必要であることなど大きな課題はありますけども、将来の富山県の飛躍につながるまさに夢のある構想であり、富山県の総合計画でも触れておりまして、長期構想の一つとして位置づけられています。  今後も関係の皆様とよく情報交換をしながら、息長く取り組んでいく必要があるのではないかと考えております。 137 横山委員 この道路構想には、起点と終点がそれぞれ異なる3つのルートが存在しております。新川・大北ルート、上市ルート、立山ルート、それぞれのルートを推薦する市町村があるわけでありまして、その市町村間で連携して活動するということはちょっと少なくて、県を挙げての機運の醸成にはなかなかならないのかなという気がしております。具体的な進展も現在はそんなにはないと私は思っております。  長野県との連携も、以前はそれぞれのルートで連携しながら、しっかりと各種の交流などをしておられたと思っておりますが、しかし、長野側からもルートを1つに絞ってくれと、一本化を求められて以来、なかなか交流も難しくなってきたところであります。  そこで、新田知事にお尋ねしますが、県においてルートを決定するための調査をぜひ行っていただきたいと考えますが、新田知事の御所見をお伺いいたします。 138 新田知事 委員の御紹介のとおり、これまで関係市町村から3つのルートが提案されていまして、平成29年度にはこの構想を推進していくため、関係市町村、地元商工会や地元観光協会などで構成する北アルプス横断道路構想推進会議が設立され、ルートの一本化に向けて講演会や勉強会が開催されていると承知しています。  ルートの一本化についてですが、まずは地元の皆様が十分検討を重ねられて納得できる方向性を得ることが大切だと考えます。  推進会議の講演会では様々な講師を呼ばれて、これまでも有識者を招いて行われてきたわけですけども、技術的な課題や経済効果などについての知見を深める取組が進められていると理解をしています。  県としては、引き続き推進会議の主体的な取組をしっかりと見てまいりたいと思いますし、必要に応じて協力や助言は行ってまいりたいと思います。 139 横山委員 いつも同じ返事ですね。やはり、それぞれの自治体がこのルート、このルートとそれぞれに応援団がいますと、全体の協議会なりそういう会をつくって活動すれば何とかいくだろうということで、鹿熊委員と一緒にぐるぐる回ったりもしたのですけども、私らの力ではなかなかそれが一本化にできないということで、やっぱりこれを一本化で方向性を出していただけるのは県しかないのではないかなと。  ただ、言われるとおり、大変な工事ですし、まだすぐ着工してどうのこうのという思いは全くないんですけども、少しずつ進んでいけないかなと。2050年ぐらいには何とかならないかなという、長期構想で思っているわけでございまして、あしたできるとか着工してくれなどということは全く思っておりません。  それに、今言われましたように、実際に工事を行おうとすると大きな工事となって、難所もあるわけですよね。難しい工事もあると思います。それぞれのルートでどのようなものが想定されるか、またどれくらいの年月が必要と考えられるか、江幡土木部長にお伺いいたします。 140 江幡土木部長 御紹介のとおり、北アルプス横断道路構想には3つのルートがございまして、それぞれいずれのルートも急峻な山岳の深い地下を貫くと。長大トンネルが必要とされております。  このような長大トンネルの施工事例としましては、平成20年に供用した東海北陸自動車道の飛騨トンネルがございますけれども、これが延長10.7キロメートルありまして、2車線の工事費1,000億円、その工期は着工から9年4か月ということでございました。  ただ、この飛騨トンネルも地表面から深さ1,000メートルぐらいの位置にありまして、高い土の圧力や、毎分70トンと大量の湧水もございまして、トンネルをボーリングマシンで掘っていたのですけども、猛烈な粘土層の圧力で押し潰されまして、結局、反対側からナトム工法という通常工法で掘り進めるという難工事になったということでございます。  この北アルプス横断道路構想の3つのルートにつきましても、これと同様にといいますか、これ以上のまだ高い土の圧力、大量の湧水、それから火山地帯特有の高い地熱も想定されておりまして、技術的には極めて困難なトンネル工事が見込まれるということと、もう一つ、国立公園内を通るということで、自然環境対策などの課題も併せてあると思っております。  事業に必要な年月につきましては、想定することはなかなか難しいのですけれども、例えば、岐阜と長野を結ぶ安房トンネル、これもなかなかの難工事でございましたが、ここでは着手までの調査設計だけで15年ぐらいかかっていまして、着工してから18年ぐらいを要したという例もございます。  いずれにしましても、その地形地質によって大きく違うということもありまして、個々のルートに関して評価することは難しいのですけれども、いずれのルートでありましても、同様に相当の年数を要するものと考えております。 141 横山委員 部長に先ほども言いましたけども、掘削のそういう技術も今と15年後で同じようにしか掘れないかというと、私は大分進んでいくのではないかなと。それから、先ほど言いましたように、完成した暁には──CO2の問題というのはかなり解消されてきて、今の計画でやるとかなり大きな、肝腎なトンネルもそうですが、排気を逃すこういう大がかりなものが、しかも長いものが必要。だんだんそういうものが解消されていくのではないかと思っていまして、私が初めて聞いたときから見ると、随分変わってきているのではないかという気もいたします。  それから、言われたように、東京方面からの物の移動があります。伏木辺りにつけて、そして海外へ持っていこうと向こうから大きく回ってくるよりも、こっちから直接行ったほうが、釜山などは近いわけですよね。  いい面もそうしてやっていけば、今から計画してある程度思っていないと、いつも同じ答弁ばっかりされると、世の中いろんなことが少しずつ進んでいっているので、何とかひとつその気になって少し考えていただけないかなと思っております。  ただ、この道路を実現するときは、富山県側から大騒ぎばかりしていてもしようがありませんので、当然、長野県側からでも大きな夢と希望を持ってもらわないと全く進まないのではないかなと思っております。  富山、長野の交流も活発に行われることが大切になると思いますが、現在、長野県と富山県東部の交流にはどのようなものが行われているのでしょうか。また、県境を越えて交流をしていくにはどのような交流がよいと考えられるか、江幡土木部長の御所見をお伺いいたします。 142 江幡土木部長 御指摘のとおり、この構想の推進には、まずは長野県との交流をさらに深めまして、両県並びに関係市町村の機運が高まっていくことが大切と考えております。  県では、北アルプス横断道路構想を含めまして、本県と長野県を結ぶ道路の整備状況などにつきまして、長野県の道路担当部局と定期的に情報交換なども行っております。  また、経済交流としましては、平成26年度から両県でものづくり連携商談会を開催いたしますとともに、共同観光PRにより両県を周遊する広域観光を推進するなど、長野県との連携も図っているところであります。  このほか、長野県大町市と立山町では、立山黒部アルペンルートを通じた観光面での連携として、定期的な情報交換、また、観光地の宣伝活動を共同で行うなどの交流も進められていると伺っております。  県としましては、引き続き長野県との各種交流を深めますとともに、北アルプス横断道路構想推進会議のメンバー、市町村の商工会や観光協会の方々もいらっしゃいますので、長野県との連携がさらに促進されますように、必要な協力をしてまいりたいと考えております。 143 横山委員 この大きな構想というのは、以前は、どちらかというと多少話がありまして、向こうの県議さんあたりが、一本化をどうしてもしてくれという方向が──一本化していないと、嫁さん1人に婿さん3人いたのではけんかの元だという、何とかして1つに絞れないかという──恐らく長野県側が現在言われることでないかなと。そうしないと、なかなかどこと交流してどうしてやっていくんだということがあまり見えてこないのかと思っております。  それと、このコロナにやられているというのも事実でありまして、やっぱり相手のほうへ、商工会議所や青年会議所などいろいろ窓口を持っているのですけども、今、コロナの時代で3年目に入ってきているところでありますから、その間ほとんど交流はやってないものですから、このコロナが落ち着けば、私たちもいろんな手を使って一生懸命やっていこうと思っておりますので、県もひとつ多少その気になっていただいて何とかやっていただくと。向こうから物を持ってくるというのも私はいい方向かなという話も思っています。  それから、今回流れてしまいましたが、トラック協会さんあたりに本当は講演していただこうかと思っていたのですけど、東京の向こう側まで行くと、こちらで朝積んでというのはなかなか難しいですが、多少入り口に近いほうであれば、その日のうちに車がまた荷物を積んで帰ってこられると。ただ、高速道路型じゃないと駄目ですけどね。そうであれば非常に効率的だというお話も聞いたことがあるのですが、どこからどこまでぐらいなのか、そういうことを全く聞かずに話をしていますので、そういう講演もしてもらおうかなと思っていたのですけども、なかなか人がたくさん集まってというのがこのコロナの時代難しいかなということで、中止になりまして流れてしまいました。  アフターコロナにはぜひ力いっぱい頑張っていきたいと思いますので、そのときまで覚えておいてください。よろしくお願いしたいと思います。  次に、警察署の再編における建設適地についてお伺いしたいと思います。  富山県内の小規模警察の再編を行うため、本年2月18日に県警察が再編案を幾つか示しておられます。私個人の意見ですが、これを並べて見ていると、県東部2警察署、西部のことはあまり言うことはないのですが、西部も2警察署ぐらいで、合計4警察署ぐらいに集約すると、効率的でもあるし、また距離的にもいいのではないかなということを、案を眺めていて思ったところであります。  今後、新しい警察署の建設地は、地域協議会、またパブリックコメントなどの意見も参考にして検討すべきと思いますが、どのような条件などを考慮して決定していくのか、杉本警察本部長にお伺いいたします。 144 杉本警察本部長 ただいま委員御紹介いただきましたように、去る2月18日、県警察において公表いたしました警察署の再編につきましては、これまで地域の方々から再編に関する意見を伺う場として設置いたしました地域協議会における議論や、パブリックコメントでいただいた県民の皆様からの御意見等も踏まえて取りまとめたものでございます。  その中で、新たな警察署の建設適地ということにつきましても意見を頂戴しております。管内面積が広くなるため、リスポンス・タイムに遅れが生じないよう、交通の利便性のよい場所を選定してほしい、事件、事故等の発生状況を考慮してほしい、また、商業施設、飲食店の設置数や交流人口を考慮してほしいなど、実に様々な御意見を頂戴したところでございます。  県警察といたしましては、今後、建設適地を選定するに当たりまして、こうした御意見も十分考慮した上で、最大限効果的、効率的に警察活動が遂行できるよう、治安情勢、道路事情、住民の利便性、災害時にも十分に機能を発揮できる場所であることなど、様々な条件を考慮しながら調査を進めてまいりたいと考えております。 145 横山委員 今ほど、災害時も十分活動できるような警察署というお話がありましたが、黒部警察署は昭和39年に竣工しているんですけども、古いといったら古いですけども、それなりに継ぎはぎしながら、一生懸命修理しながら使われているところだと思いますが、直下に魚津断層が走っています。それはいつ揺れるのかなど、そういうことはまだ分かっていないのですが、あるのは間違いないので、消防署は逃げていきました。せっかく新築するわけですから、恐らく断層のことも多少考慮があったのではないかと思います。魚津断層の真上に警察署があって、先ほど言われたように、その断層が揺れて災害が起きたら警察署がぺっしゃんこでしたというのでは、本当に笑い話にもならない大変なことでありますので、前からそういう点はどうかと聞いているのですが、なかなか分からないというのが現状じゃないかなという気がしますけども、あれからまた分かるようになったかどうか分かりませんけども。  ある程度急いでいかないと、魚津断層はどうなのというと、それは千年などというスケールですから、千年後かもしれないですし、あしたかもしれないというのが恐ろしいところで、ある程度研究がされていないものですから、ちょっと分からないのかなという思いがいたしております。どっちにしろ、あるのが分かっているのですから、ちょっと急がないとどうかという気はしております。  また、今後新たに、例えば東西に2つずつ、4つの警察署を順次建てていくんだと、統合していくんだということになるのでしょうけど、一遍に4つ建てるということは多分無理だと思います。でも、4つの警察署をそれぞれ建て替えていくというと、1つの警察署を建て替えるのは、やっぱり調査をいろいろやっていきますと、四、五年かかってしまうのではないかと思います。そうすると、4警察署全体の整備が完了するには、ひょっとすると20年ぐらいかかるんじゃないかという気がするんです。  ですから、早急に整備計画をつくって建設を進めていくべきと考えますが、杉本警察本部長の御所見をお伺いいたします。 146 杉本警察本部長 警察署の再編は、新たな警察署庁舎の整備時期に合わせて実行することとしておりますが、まずは先ほど申し上げたとおり、様々な条件等を考慮しつつ、建設適地の選定を行った上で、順次、庁舎の整備を進めてまいりたいと考えております。  委員御指摘の黒部警察署につきましては、建設後56年を経過して老朽化が著しいほか、これも御指摘のとおり、国の地震調査研究推進本部が公表しているデータから、活断層帯が庁舎の周辺に分布していることは承知しております。  このため、これまでに耐震補強工事や災害時における代替施設の指定など、有事に際しても確実に機能を果たすことができるよう努めてきたところでございます。
     しかしながら、黒部警察署もそうですけれども、今回の再編対象となっている警察署は、いずれも甲乙つけがたいほど老朽化が進んでいる状態にございまして、そのほか、来署者用の駐車場やプライバシーに配慮した相談室の不足など、機能面でも多くの課題を抱えております。速やかに建て替えを行い、再編による機能強化を図るべきと考えているところでございます。  その上で、今回の再編を全て完了するためには、やはり今後新たに4警察署を整備しなければならず、整備に当たっては、相当な費用と期間を要することになると考えております。  建設手法や有利な財源の確保等について、財政当局とも密接に連携しながら、建設適地に関する調査の進展度合いなども考慮しながら、迅速かつ計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。 147 横山委員 言われるのもよく分かるのですけども、何とか早くというところをお願いしたいわけです。言われるとおり、まだ立派な新しい警察署がありません。警察署本体ばかりでなくて、交番や宿舎なども、警察はちょっとタイミングが遅れたのかなという気がしますけどもね。  これ、何とか早くやってもらわないと、笑い話じゃないということになってしまったら、もう本当に大変だという気がいたしますので、そうはいいながら、素早く検討を重ねていただければと思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。  では、3番目の課題につきまして、ロシア・ウクライナ情勢の影響についてお伺いします。  過去にも皆さんそれぞれ質問しておられるのですが、本当に毎日毎日テレビを見ていると変わってくるといいますか、ここまで侵攻してきた、あるいはこういうあれが出てきた、物価が上がってきたなど、いろんなことが言われておりますので、私も質問させていただきたいと思っています。  ロシア軍のウクライナ侵攻によりまして、テレビを見ていて、子供を含めて、本当にたくさんの一般市民の方々が負傷したり亡くなったりしておりますよね。よくこういうことができるなと本当に思います。あまりにもひどいのではないかと思っていまして、こんな大惨事が起きるとは信じられなかったです。  なぜかというと、ロシアというのは、それは北方領土の辺でいつも、発砲やそういうことはないですが、課題があって、それぞれにらみ合っていたこともありますし、かなり順調にやっていた時代もありました。でも、今また、いろんな制裁を加えようかということになっておりまして、本当に他人事じゃないなというような気がいたしております。  絶対にこれはあってはならないことでありまして、一日も早くウクライナの地に平和が訪れることを本当に願ってやまないものであります。これはここにおられる方皆さんの思いだと思っておりまして、プーチンの顔がだんだんテレビを見ているとゆがんで見えるようになってきますよ。何とかしてくれという気が本当にいたしております。  さて、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、企業の間で取引される物の価格を示す企業物価指数は、昔は卸売物価指数と言っていましたよね。企業向けの単価みたいなものをやっていますので、普通の物価指数とはちょっと違うのですが、これが2月は前年の同じ月よりも9.3%上昇して、1980年以来、最大の伸び率となったと報じられています。ロシアのウクライナ侵攻を受けて原油価格が上昇しましたほか、鉄鋼、銅、アルミ、木材などなど、幅広い品目で値上がりしているところであります。  富山県においても、燃料価格や原材料の高騰、貿易の停滞、サプライチェーンへの影響を懸念する声がますます大きくなってきておりまして、先日、針山議員からも同様の質問がありましたが、状況は本当に毎日のように変化しており、富山県経済にも大きな影響が出てくると思います。  このロシア軍のウクライナ侵攻に伴う県内経済への影響について、現状をどのように認識して対応していくのか、新田知事の御所見をお伺いしたい思います。 148 新田知事 委員おっしゃるように、ウクライナ情勢は今も緊迫した状況が続いており、刻々事態は変わっており、また、残念なことですが、民間人を含む多くの命が失われているところです。一日も早い解決を願っています。  世界経済にも大きな影響を与えておりまして、そもそもコロナ禍からの回復途上にあった世界経済、原油等の資源、また食料価格が上昇していたわけですが、そこにこの戦争が加わったということです。企業活動への影響が懸念をされています。  その中の県内経済への影響ですけども、やはり原油など原材料価格の高騰、それから、欧州に輸出していらっしゃる企業からのヒアリングでは、欧州の航空便のルートが変わったことによって時間もコストもアップするようになったということ、そして、ロシアへの中古車部品や中古タイヤの輸出を見合わせる企業も現れています。また、ロシアとの貿易額に占める割合が多い中古車の輸出、また木材の輸入ですが、これは今のところこれまでどおり行われていると、ヒアリングの結果です。  しかし、県内の金融機関のロシア向けの送金の受付が停止をされました。また、経済制裁に伴って、代金決済への影響やロシア国内の経済低迷による取引環境の悪化など、先行きを懸念する声はやはり多く聞かれています。また、委員の御地元でもあられますYKKさんが、ロシアでのファスナーの生産販売を停止するという発表もございました。  国では、今月の4日に原油価格高騰に対する緊急対策を発表されて、先週の10日には、石油元売事業者に対する価格抑制のための補助金が大幅に拡充されました。本県においても引き続き経済団体とも連携をして、県内企業の影響について情報収集を続けます。  また、原油高騰等に係る県内企業の資金需要に対応する支援のため、金融特別相談窓口を設置しました。引き続き、状況をしっかりと見極めながら対応してまいりたいと考えます。 149 横山委員 次に、新聞、テレビ等マスコミ報道によりますと、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、小麦など食品の原料の値上がりによる影響も大きいと聞いております。  そこでお伺いいたしますが、物価高などの県民生活への影響をどのように把握しておられるのか、出来田生活環境文化部長の御所見をお伺いいたします。 150 出来田生活環境文化部長 県では、食料品などの生活関連物資や、ガソリンなど県民の消費生活と関連性が高い物資について定期的に価格を調査し、その結果を県のホームページで公表し、県民に対する迅速な情報提供に努めているところでございます。  ここ1年では、委員からもございました原油価格の高騰等によりまして、ガソリンや灯油、それから一部の食料品等については価格の上昇が見られているところでございます。  ロシアのウクライナ侵攻に伴う県民生活の影響ということでございます。特に委員御指摘の小麦につきましては、我が国の需要量の約9割が外国産でありまして、近年の政府売渡価格につきましては、北米と日本向け産地の不作等が原因で、昨年10月の改定では前期比平均19%引き上げられた。先週、農林水産省で決定されました今年4月からの改定につきましては、世界的な小麦産地であるロシア、ウクライナ両国の情勢緊迫化による供給懸念も加わりまして、前期比で平均17.3%のさらなる引上げがなされるところでございます。  なお、製粉会社におきましては、在庫を持つということもありまして、この引上げがパンや麺類等の小売価格に転嫁されるのは、3か月後の7月前後になるのではないかと言われているところでございます。  また、ロシア、ウクライナ両国は資源や食料生産の主要国でございまして、小麦以外の物資についても、世界的な供給の減少により物価の高騰が見込まれ、県民の家計への負担増加が懸念されるところでございます。  県としましては、政府の動向、国際情勢等を注視するとともに、引き続き価格調査を実施し、県民に対する迅速かつ適切な情報提供に努めてまいります。  なお、今後の物価の上昇の状況を見ながら、必要に応じてくらしのアドバイザー等による調査などを実施し、家計の負担感などについてその把握に努めてまいります。 151 横山委員 また、今も言われましたが、ロシアは産油国なんですよね。輸出もやっていましたから、当然原油が値上がりしてくる。そうすると、ガソリンスタンドで入れるガソリンだ、軽油だというのも実際に値上がり、高騰してきておりまして、これがほかの産業にも影響してくるというのは、灯油や、あるいは走るのに、軽油はあるのですが、灯油をたいたりしてハウスを温めて仕事をしておられる施設園芸農家、それから、漁業者の方々は当然、船に乗って走るわけですから、テレビを見ていると、獲れるのだけど、何か行くのに物すごい警戒、対策をしていかなければならんといって、漁業者の方が苦労しておいでになるようです。  国も対策をしていると思いますが、県としてそれで十分だと考えておられるのでしょうか。原油高騰緩和策について、必要に応じて県も支援していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。堀口農林水産部長に御所見をお伺いいたします。 152 堀口農林水産部長 施設園芸農家や漁業者に対します国の原油価格高騰対策につきましては、従来から個別の経営体と国が同額を基金に拠出しまして、原油高騰時に価格の一部が補填されるセーフティーネット構築事業や、省エネ機器の導入経費に対する助成制度がございますが、今回の原油価格高騰を受けまして、これらの制度が拡充となっております。  具体的には、セーフティーネット構築事業について、施設園芸では拠出できる上限が拡大され、手厚く補填金が交付されることとなりましたほか、漁業では国の基金への積み増しが行われ、制度の安定化が図られております。  また、省エネ機器の導入に対する助成制度については、施設園芸におけるヒートポンプや漁船用の省エネ型エンジン等の導入などが対象となりますが、今回、臨時的に設置費用が助成対象に追加されたところです。  一方で、県内の事業者の経営状況につきましては、関係団体等への聞き取りによりますと、施設園芸農家、漁業者ともに、燃油の消費量が大きい経営体の多くは既存のセーフティーネット構築事業に加入されており、現時点では経営継続に深刻な支障は生じていないとお伺いをしております。  しかしながら、今後の情勢によっては、さらなる原油価格の高騰のおそれもあることから、今回拡充されたこれらの支援制度について、事業者等の皆さんに関係団体を通じて周知しているところであり、積極的な活用を促していきたいと考えております。  引き続き、農業者や漁業者の皆さんの経営状況への影響などを注視しつつ、適切に対応してまいります。 153 横山委員 ひとつよろしくお願いします。  ここで収まればいいのですが、この程度で値上がりが収まるとは、なかなかそうはいかないんじゃないかなと思いますので、目を離さないようにひとつ注視していただきたいと思います。  次に、平成29年7月6日から9日の日程で、12名の日露友好議員連盟訪露団の一員として、私もウラジオストクを訪問し──5年前ですから、恐らくこの中にもたくさんおられるのではないかなと思って──歓迎されたことがまだ記憶に新しいところでありまして、一緒に食事をしたりしていたあの方々が、一方的にウクライナを武力攻撃し侵略をしているとは、とても信じられない感じであります。何とか早期に停戦になってくれないかと願っております。  現時点で情勢を判断することは困難と認識しておりますが、令和4年度は沿海地方との友好提携30周年を迎えますが、どのように対応するのか、新田知事の御所見をお伺いいたします。 154 新田知事 委員御指摘のとおり、本県とロシアの沿海地方は、富山、ウラジオストクに直接の航路がある関係などもあり、また、古くから経済的な結びつきも強いことがあって、1992年に友好提携を締結しています。  県費留学生の受入れ、県職員の派遣などの人的交流、スポーツ、文化、環境分野における青少年交流など、本当に幅広い分野で交流を進めてきました。新年度は30周年を迎えることから、訪問団を派遣して、沿海地方政府や物流経済関係者と意見交換するなどの記念事業を計画していたところです。  一方で、ロシアのウクライナ侵略に対しては、日本政府においては岸田総理がロシアを厳しく非難され、制裁措置を取ることを決定しています。国連の総会においても、対ロシア非難決議が賛成多数で採択されています。  また、県議会におかれては、ロシアによるウクライナ侵略を強く非難する決議が採択され、同様な動きが県内の市町村、また全国で広がっていると聞いております。  本来は、自治体レベルでの国際交流が様々な分野において、互いの地域特性を生かした活動を行い、まさに我々がやってきたようにですけども、地域の活性化を図ることに意義があり、国の外交活動とは一線を画するものだとは考えております。しかし、このたびの事態を重く受け止めまして、新年度における記念事業は当面実施を見合わせることとして、今後の国際情勢や現地の状況、日本政府の動きなどを注視しながら対応してまいりたいと考えております。 155 横山委員 それに関連して、先日、千島歯舞諸島居住者連盟の富山支部の前支部長である吉田義久さんとお目にかかりまして、お話をしておりました。吉田さんは、「当分の間、北方領土問題に対する取組は、残念ながら停滞することになると思います。しかし、いつか再び領土問題解決に向けて行動を始められる日が必ず来ると信じています。また、できればそれまでの間も途切れることなく、少しずつでよいから活動を続けていければ幸いだと思います」、そういう話をしておられました。  黒部市にはまだまだ多くの引揚者がおられます。ただ、年齢的には80歳以上ですから、いつまでおられるか、その方々は、墓参にも行けないし、ふるさとを見ることもできないということで、とても困難なことだとは思いますが、返還要求運動の火を消してはいけないと思っておられます。  新田知事はどのように考えておられるか、御所見をお伺いいたします。 156 新田知事 この北方領土にまつわる状況も、このロシアのウクライナ侵攻を踏まえて、いろいろと変わりつつあります。  まず、ロシアが、北方領土に進出する企業に対して、税制優遇措置を設ける法律というものをつくりました。これはとても遺憾なことでありまして、国としてロシア側に改めて我が国の立場を申し入れられたと報道されています。  また、北方領土において、3月11日ですが、軍事演習をやりました。これについて、ロシア側から事前通告はなかったので、政府から抗議をしたという報道もあります。  このようなことが今、足元で起きているということですが、確認ですけども、北方領土は私たちの祖先が本当に大変な御苦労を重ねられて切り開いた我が国固有の領土であると。戦後76年が経過しても、この問題が未解決であることは大変に残念。何としても解決しなければならない問題だと認識をしております。  これまで、知事就任前においても、日本青年会議所の活動などを通じて根室市を何度も訪問して、実際に北方領土を確認したり、民間の立場でも積極的に取り組んでまいりました。  昨年9月には、五十嵐県議会議長が会長を務めておられます北方領土返還要求運動富山県民会議が、富山県北方領土資料室開設1周年記念セレモニーを開催されました。大野黒部市長、また、北方領土には大変関係の深い鈴木宗男参議院議員と共に出席をさせていただきました。来年度は、県民会議が例年開催しておられる返還要求富山県大会が8月に、また、「北方領土の日」記念大会が2月に開催されますが、北方領土出前講座、北方領土教育者会議、あるいは中学校巡回パネル展の実施などを予定しております。県としても、コロナ禍でも県民会議と連携をして、県民世論の形成や後継者の育成に向けた取組を展開してまいります。  今回のロシアによるウクライナ侵略により、領土交渉の今後の展望はちょっと見通せない状況になってまいりましたが、外交交渉を後押しする意味でも、引き続き北方領土との関わりが深い富山県から県民挙げて機運を高め、国と連携しながら返還要求運動に取り組んでまいります。県内ではその先頭に立って取り組んでまいりたいと思います。 157 横山委員 よろしくお願いいたします。一生懸命、吉田さんも訴えておられました。  最後の課題、特別支援学校の教室不足についてであります。  新聞報道によれば、富山県の公立特別支援学校における教室の不足数は5教室で、24年度までに解消する予定と報じられました。  ここで数年前、しらとり特別支援学校を取り上げ、プレイルームを仕切って教室にしたり、プレハブで教室を造ったり、職員室がL字型になっていたりして、これはひど過ぎると対応をお願いいたしました。今後改善していくと答えられました。  今回の5教室の不足は、全て高岡特別支援学校に集中していると聞きました。その原因と今後の対応についてお伺いいたします。 158 荻布教育長 今年度、県内の知的障害特別支援学校に在籍する児童生徒数は949名でございまして、平成28年度の994名をピークに、近年やや減少傾向にございます。  その一方でございますが、高岡地区の知的障害の児童生徒を教育の対象とします高岡支援学校におきましては、平成28年度は204名でございましたが、今年度は217名となっており、13名増加をしております。  この増加の明確な原因というのは分からないのでございますが、高岡地区では、特別支援学校への就学を希望される場合が多い傾向にあるということも推察をされまして、今後も高岡支援学校の在籍する児童生徒数というのは、現在と同程度で推移するものと考えております。  高岡支援学校では、現時点で学級数に対しまして5つの教室が不足をしており、教室不足の解消と環境改善のため、新たに小学部棟を増築することといたしまして、今年度は地質調査と基本設計、そして令和4年度は実施設計をいたしまして、その後、工事に着手をし、令和5年度末に完成をさせ、教室不足を解消するという計画で準備を進めております。  なお、現在もですが、工事が完成する前までの間も十分な学習活動を行えるように、特別教室を転用しましたり、教室に間仕切りを設置するなどして対応しているところでございます。  今後も、学校現場とも協議を重ねながら、高岡支援学校の小学部棟の増築に向けまして着実に進めてまいりますとともに、その他の学校においても、児童生徒数の動向を注視しながら、必要となる教育環境の整備にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 159 横山委員 私たちは、障害を持っていても精いっぱい頑張っている子供たち、あるいは大人もそうなんですが、児童生徒もたくさんおいでになりますし、温かい光を当てていかなければならないと思います。  特別支援教育の対象となる障害のある児童生徒が年々、お話しのように、最近はそんなには増えなくなりましたが、でもこれもよく分からない。ここまでは本当に毎年増え続けて、一般の健常児は減っていくのに、なぜ障害児が増えていくのかと。お医者さんにちょっと聞きましたら、やっぱり医学の発展だろうということで、救えるようになったと言っておいでになりました。  そういう中にありまして、障害のある児童生徒とその家族への理解と支援は、まだまだ十分とは言えないと思います。県教育委員会として、特別支援教育についてどのように充実を図っていかれるのか、荻布教育長にお伺いいたします。 160 荻布教育長 県内の特別支援学校に在籍する児童生徒数は、近年やや減少傾向にはございますが、通級指導教室や特別支援学級で学ぶ児童生徒数は年々増加しておりまして、特別な教育的支援が必要な児童生徒は全体として増加傾向にございます。  県教育委員会では、こうした状況を踏まえまして、富山県における特別支援教育の目指す姿と、その実現に向けた取組につきまして整理をした富山県特別支援教育将来構想の策定を進めておりまして、年度内に取りまとめることとしております。  将来構想案には、共生社会の実現に向けた特別支援教育の理解啓発や、児童生徒等の状態に応じた全ての学校での特別支援教育の体制整備、そして、障害のある子供と障害のない子供が互いの理解を深める交流及び共同学習の推進など、障害のある児童生徒や保護者の理解と支援を含めた体制の整備について盛り込んでおります。  こうした取組を着実に推進していくため、来年度につきましては、新たな取組としまして、特別支援教育の理解啓発のための保護者にも分かりやすい資料を作成し活用していくこと、また、学校や市町村における特別支援教育の推進体制整備に向けた研修会の実施や体制整備のプランの作成支援、また、教員の主体的な研修を支援し、指導の専門性向上を図るためのオンデマンド研修コンテンツの作成などに関する予算を計上しているところでございます。  今後とも、特別な教育的支援が必要な子供や保護者を社会全体で支え、一人一人が輝き社会で活躍できるよう、特別支援教育の振興に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 161 横山委員 私、どういうわけかというのはおかしいですけども、新川総合支援の教育振興会の会長を、ほかにすばらしい人がいっぱいいるけど、ずーっとやらされておりまして、やらされてというのは語弊がありますけども、しておりまして、教頭先生、校長先生、あるいはほかの方々にもお話を聞いて、しらとりひどいよと言われれば、しらとりへ行ってみたり、行くと、新川総合というのは何ちょいいがになっとるがかなと、逆の意味ではそんなふうに感じたりしておりまして、なかなかこの言葉を彼ら、直接自分では発せられないので、発しにくい子供たちが非常に多いものですから、教育長、十分気をつけて見てあげていただきたいと思います。健常児よりももっと気をつけて見てやっていただきたいということが私のお願いです。  以上で質問を終わります。 162 筱岡委員長 横山委員の質疑は以上で終了しました。  以上をもって本日の日程は終了いたしました。  なお、3月17日の予算特別委員会は、午前10時から開会いたしますので、定刻までに御参集願います。  本日はこれをもって散会いたします。                      午後4時15分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...