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  1. 富山県議会 2021-11-01
    令和3年11月定例会 一般質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  午前10時00分開議 ◯議長(五十嵐 務君)おはようございます。ただいまから本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑 2 ◯議長(五十嵐 務君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第134号から議案第142号まで、議案第144号から議案第156号まで及び報告第20号から報告第22号までを議題といたします。  これより各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  川島国君。    〔15番川島 国君登壇〕 3 ◯15番(川島 国君)おはようございます。自民党議員会の川島国です。  通告に基づきまして大きく4問、質問いたします。  質問に先立ちまして新田知事に一言申し上げます。  知事が掲げるウエルビーイングへ向けて、幸せ人口1,000万人、ビジョンセッションにおいても様々な斬新なアイデア、意見が出され、ウエルビーイングへの理解度も今後進んでいくものだろうと期待を申し上げます。  しかしながら、知事には釈迦に説法とは存じますが、究極の目的であるウエルビーイングを実現していくための中2階の目標、手段が明確にならないと、幸せの尺度は県民一人一人違ったものがありますから、来年度予算編成に向けては、県民の幸せを実現していくための明確な目標を指し示していただきたいと存じます。  私としては、やはり県民の安心感の醸成だろうと捉えております。災害から命と財産を守ってくれる安心感、起業などで失敗してもセカンドチャンスがある安心感、経済的に困窮しても救ってくれる安心感、デジタル弱者でもDXの推進に取り残されないという安心感、このような安心感、セーフティーネットを富山県はしっかりと構築しているから県民皆がウエルビーイングになれる、このように私自身は捉えているわけであります。  知事が、今議会提案理由で述べられた、県民の皆様が豊かで安心して暮らせる社会の実現を、着実に進めていただきますことをお願い申し上げて、質問に入らせていただきます。  まず初めに、新型コロナ対策について質問いたします。  第2次岸田政権において、過去最大の約36兆円にも及ぶ一般会計補正予算が組まれ、今国会にて審議が図られるところにあります。コロナ対策に18兆円、地方においても地方交付税交付金を3.5兆円積み増して、疲弊した地方への手当てにも目を配っている補正予算となっております。  先日の代表質問において我が党より、国の補正予算に対する県としての評価を総枠で問うたわけでありますが、私からは経済対策に絞って質問いたします。
     まず1点目として、国の経済対策において、ウイズコロナ下での社会経済活動の再開や、新しい資本主義の起動として、新型コロナの影響を受けた中小・小規模事業者への様々な支援策が盛り込まれておりますが、その主な内容と県内で期待される効果について、商工労働部長の見解をお願いいたします。  2年近くに及ぶコロナ不況により、あらゆる事業者の収入と利益が蒸発しており、それを持続化給付金コロナ対策融資で穴埋めしている厳しい状況にあります。コロナ前への経営状態に戻すのには3年程度有するだろうとの見方もあり、経済の立て直しに今まで以上の支援策が求められます。  そこで、2点目の質問ですが、長引くコロナ不況による地域経済の疲弊に対して、県としても県内企業へのさらなる支援を重点的に行うことが求められますが、特に新型コロナにより打撃を受けて疲弊している業種をどのように捉え、どう支援していくのか、新田知事の所見をお伺いいたします。  苦境に立たされている県内企業に対しては、時限的な県税の減免や、国に対して社会保険料の減免要請など、疲弊した事業者側に立った経営支援策を求めていくべきと考えるわけであります。技術のある企業が、借金の返済やコロナ第6波への対応に悲観して廃業にかじを切らないように、安心して事業継続ができるような経営支援策を講じていただきたく、お願いを申し上げます。  3点目に、国の経済対策で打ち出されている子育て世帯へ向けた18歳以下への10万円給付についてであります。  経済対策として施行されるわけですから、特にスピード感を持って給付に充て、疲弊した地方経済にもカンフル剤としての役割を求めたいところでありますが、実際はどうなのか。半分の5万円についてはクーポン券の発行ということで、事務経費が約900億円もかかり、追加給付となった困窮する大学生らへの緊急給付金として計上した675億円よりも事務経費が多く、効率的とは言い難い声もあります。  正直、国は、もっとスピーディーかつ効率的に、困窮する国民に支援金を届けることができないのかと、歯がゆさを感じ得ません。県に対してどのような事務事業が下りてくるのか分かりませんが、少なからず、この二度手間の負担はあるものと捉えます。  そこで、お伺いしますが、国の経済対策で打ち出されている10万円給付金については、スピード感を持って進めなければなりませんが、その内容と本県における給付見込み時期、それに向けた準備状況はどうなっているのか、厚生部長にお伺いいたします。  ちなみに、アメリカ合衆国では、このような経済対策における個人給付金制度は、おおむね政府系小切手を発行し、個人が最寄りの銀行で署名して現金を受け取る仕組みを取っており、発送から給付まで1週間もかかりません。我が国においても、時代に合わない申請方式から、スピードが重視される経済対策においては、ぜひとも諸外国のプッシュ型給付方式を導入していただきますよう、全国知事会などを通じて要請していただきたいとお願いを申し上げます。  4点目として、11月補正予算における新型コロナウイルス対策関連経費についてお伺いいたします。  新型コロナの新しい変異株──オミクロン株の世界的な拡大を受けて、岸田総理は、先月30日午前零時から、全ての国を対象に外国人の入国を全面停止する措置を発出されました。先日、日本においてもオミクロン株が確認され、その感染拡大の懸念が広がっております。  一方で、県内では1か月近くコロナ感染陽性者ゼロを記録しておりますが、ひたひたとコロナ第6波の足音が聞こえてくるようで、改めて備えをしっかりと整えていく必要があります。  本補正予算に計上されている自宅療養者への支援施策は、コロナ第6波に備え、自宅療養者をどの程度想定、積算し、仮に発生した場合にどのような支援充実を図るのか、厚生部長にお示し願います。  自宅療養者への手厚い支援、安心できる環境を整えることは、本県の医療体制を守ることにも直結すると考えますので、医療体制との連動という点にも配慮いただきたいと存じます。  また、コロナ第6波に備え、今後、感染が拡大した際に、速やかに医療提供体制を確保するために、本補正予算においてどのように取り組むのか、厚生部長にお伺いします。  未知の新しいオミクロン株などの感染拡大の度合いを想定するのは、誠に難しいことと思いますが、備えあれば憂いなしで、空振りでも仕方ないとの見地で医療体制確保の強化を図ってほしいと思います。  次に、安全・安心の県づくりについて質問いたします。  新型コロナで巣籠もりが増えて、それに比例して特殊詐欺が増えているんじゃないか、そう思う人は少なくないと思います。今定例会の常任委員会の場でも質問があったところでありますが、さらなる注意喚起を促す思いから質問をさせていただきます。  一向に撲滅とはいかない特殊詐欺でありますが、年々巧妙になり、このコロナ禍の状況を捉え活動しているようであります。富山県警がホームページで登録を募集している安全情報ネットに登録しますと、ほぼ毎日のように特殊詐欺の事例が案内され、注意喚起されております。  特に最近特徴的なのが、還付金や補助金詐欺の事例であります。コロナ経済対策にかこつけて市役所からの連絡と偽り、巧妙にATMへ誘い出し振り込ませるというものであります。県警としても注意喚起に力を入れているところでありますが、さらなる対策が必要と考えます。  令和3年中の県内の特殊詐欺の発生状況や手口はどのようなものか、今後の対策と併せて県警本部長にお伺いいたします。  次に、大雪対策についてであります。  大雪対策については、本年初頭の多大な被害もあり、今定例会において多くの議員から質問や提言がなされておりますので、私からは、共助の力による大雪対策にポイントを絞り、質問いたします。  さきの大雪被害のさなかに、県内多くの地域において様々な除雪ボランティアの形が生まれ、自分たちの地域は自分たちで除雪するといった必要性が高まりました。私の地元福岡町でも、小学校のPTAが中心となり、アニメ鬼滅の刃、鬼滅隊ならぬ雪滅隊を結成し、地域自治会とも連携して、バスの停車場周りの除雪や通学路の確保除雪に取り組みました。やはり行政にお任せするばかりでなく、自分たちの営みを守る除雪を自分たちで行う、共助による除雪活動を推進していくべきであります。  国交省では、10年前から、共助による地域除雪の手引きを発出しており、山形、新潟、青森県など全国の先進的な共助による除雪事例を紹介しております。本県からは、南砺市城端の雪無しデーの活動が紹介されており、地域共助による除雪の必要性を強く促しておられます。  国も推奨する共助による地域除雪体制の確立は、時間はかかるかもしれませんが、県としても力を入れていく領域と捉えますが、災害級の大雪に備えるために、共助の精神に基づく除雪支援を県民に求めることが必要と考えますが、生活環境文化部長の見解をお願いいたします。  例えば、県内の先進的な共助による除雪活動を県として表彰する制度を創設し、県民ぐるみの地域除雪の機運を上げていくことや、知事が幼少期より行ってきた自宅周りの除排雪を推奨する呼びかけ条例などを提起してもよいのではないでしょうか。提案いたします。  先月9日、県西部6市と県西部森林組合が、災害時における応急対策活動に関する協力協定を締結されました。近年における多発、甚大化する大雪、豪雨被害を受け、包括的な連携体制を整えることで、集落孤立や地滑り発生時の迅速な対応につなげるとしています。非常に大事なことでありまして、限られた防災、災害対応力をワンチームで力を結集し、県民の命と財産を守るためにスクラムを組んでいただけることに感謝であります。  県としても、この連携協定に積極的に関与し、支援をしていただきたいとお願いするものであります。  加えて、私は、これまでも自然災害予防について幾度か議会で問うてきましたが、特に豪雪被害を防ぐための倒木予防についてであります。  本年初頭の大雪被害を受けて、孤立地域が発生した氷見市や小矢部市さんは、市単独で森林組合や電気事業者と連携し、倒木予防に事業予算を組んで予防措置に取り組んでおられます。  県西部6市の災害連携協定が結ばれたこの機を捉え、災害予防の観点から、県として、豪雪時の倒木予防事業について、市町村や電気事業者と連携しながら対応していくべきと考えますが、危機管理局長の見解をお願いいたします。  大きく3点目の質問に入ります。  地域社会におけるデジタル化の推進についてであります。  私は、冒頭にも触れましたが、DXの推進の流れの中でデジタル弱者が取り残されない富山県を構築することが、県民の幸せ、ウエルビーイングへつながると考えます。  コロナ経済対策の補助制度が広く活用される中で、特に高齢の中小・小規模事業者の経営者の方々から、オンライン申請ができないから補助金を諦めるという声を聞いてまいりました。地域社会においてデジタル化を急速に進めていくには、個人的には、中学校区単位ぐらいでデジタル化コーディネーターを配置してほしいぐらいでありますが、県として、デジタル化を推進していく上で、高齢者等へのデジタル活用支援などデジタル弱者を取り残さない取組が必要と考えますが、現在の取組状況と今後の対策について、知事政策局長にお伺いいたします。  コロナ禍を背景に、地域でデジタルを活用した様々な新しい取組が進んでいます。高岡市立福岡公民館では、コロナ禍で開催中止となった越中福岡つくりもん祭りが、形を変えてインスタグラムを活用したデジタル開催、つくりもんコンテストから派生し、現在、インスタやZoomを活用して全国の公民館とリモートネットワークを結んでおります。  オンラインでの御当地健康体操や全国子供ネットワークを構築し、地域の魅力発信にもつなげています。北は北海道石狩公民館から南は福岡県別府公民館まで、その他、福井、群馬、島根、愛知県まで、オンラインでの全国交流のネットワークの輪がどんどん広がっております。  私は、このような地域社会でのデジタル活用の活動が、デジタル弱者を取り残さず、自然に組み上げる重要な活動と捉えます。デジタル化推進を公民館単位から進めていくことで、ICTを苦手とする高齢者に対しても県民に広く浸透するものと考えます。福岡公民館のデジタル通信の活動を参考に、市町村とも連携して、公民館を通じたDX推進の意識醸成を図るべきと提案いたします。  そこでお伺いしますが、新型コロナの影響により、地域コミュニティーの希薄化に拍車がかかる現状を鑑み、県としても、地域社会に身近な公民館機能のデジタル化の推進を支援していくべきと考えますが、教育長の見解をお願いいたします。  ちなみに、福岡公民館では、このように全国とつながるオンライン交流を実践していますが、Wi-Fi環境が乏しく、長い長いケーブルをつないで有線にて通信を行っており、時折フリーズしてしまうとのことであります。デジタル立県を進めていく本県として、ぜひとも改善に御支援いただきたいとお願い申し上げます。  最後の項は広域連携についてであります。  「ワンチームとやま」連携推進本部会議においては、先般、県単独医療助成の県負担枠も広げたことで、自治体の子育て支援策の拡充が図られること、高く評価するものであります。  また、会議体を通じて、喫緊の課題である新型コロナ対策デジタル化推進など、自治体の懸念や課題を捉えながら、県の方向性を共有する場としても有意義な会議体と認識するところでありますが、県として、さらなる広域連携の在り方を模索していく場としていくべきと考えます。  例えば、本県の次世代に向けた公共交通の在り方や、若い世代に遊ぶ場が少ないと指摘されるアミューズメント要素の構築など、今後、自治体の枠を超えた広域連携のさらなる推進を求めていく事項や要素が重要と考えますが、地方創生局長の所見をお伺いします。  2点目として、とやま呉西圏域連携中枢都市圏における取組についてであります。  環日本海の中核拠点を将来像として掲げる本都市圏のビジョンにおいては、人口減少への対応や持続可能な地域経済の確立へ向けた効果的な施策を遂行しているものと認知しております。新型コロナの影響で事業進捗が停滞していることも危惧されるところでありますが、まず、このとやま呉西圏域連携中枢都市圏における各種連携事業の進捗状況はどうなっているのか。  イノシシ対策や移住・定住政策については、さらなる広域連携の強化を図り、相乗効果と効率化を高めていく必要があると考えますが、本年2月に策定された第2期ビジョンにおける取組目標と併せて、地方創生局長にお伺いいたします。  総務省が、先月末に2020年の国勢調査の確定値を発表されました。日本の総人口は1.4%減の1億2,339万8,962人で、10年と15年調査に続いて減少し、東京都が3.9%増で、いまだ東京一極集中が浮き彫りとなっております。本県は103万4,814人で3%の減、高齢化率は全国15番目の32.6%とのことであります。  人口減少、少子高齢化への対策は、大都市以外、全ての地方における大きな課題であることは明らかであります。移住・定住政策に割く力を結集し、様々なアイデアや工夫を寄せ合い、県と県内15市町村がスクラムを組んで取り組まねば、激しい地方間競争に勝ち得ないものと捉えます。  先般、県の「くらしたい国、富山」推進本部会議において、ふるさと回帰支援センターから御指摘がありました。登録市町村が、まだ全てでないということであります。移住・定住政策について、「ワンチームとやま」連携推進本部会議などを通じて、県内15市町村の魅力を最大限に生かした取組の強化など、さらなる施策拡充が必要と考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、新田知事の考えをお伺いして私の質問といたします。 4 ◯議長(五十嵐 務君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 5 ◯知事(新田八朗君)川島国議員の御質問にお答えします。  まず、県内企業支援についての御質問にお答えします。  新型コロナの感染拡大は、本当に県内の幅広い範囲の企業に大きな影響を与えています。足元では、製造業を中心に景気の状況は持ち直しというデータもありますが、でも一方で、人流抑制あるいは外出自粛などの影響を直接的に受ける業種──これは例えば旅行業であり宿泊業であり交通運輸業、また飲食業でありますが、これらの業種については、大変厳しい状況に引き続きあると認識しております。御質問にありました厳しい状況は、そういうような業種だと理解をしています。  このため、それぞれの業種に対して、業界に対して様々な手を講じてきたところです。  まず、旅行・宿泊業者さんにつきましては、県民向けの観光キャンペーンによる需要喚起策を行ってまいりました。今月15日からは北陸3県で連携し、それぞれで実施している宿泊割引の対象に相互の県民を追加するべく、今、最後の調整を行っているところです。いい方向でまとまりそうに思っております。  また、交通事業者さんについては、鉄軌道あるいは路線バスの運行本数を維持いただくように支援をしておりますし、またタクシー、高速バス等の業界には、車両を維持するためのコストの支援を行ってきました。  また、飲食業につきましては、休業や営業の時間短縮に御協力いただいた事業者さんに対しては、当然ですが、計4回の感染症拡大防止協力金をお支払いしています。国のGo To Eat事業、これが円滑に進むように支援をしております。また県独自に、県産食材を活用したメニュー開発への助成、また地産地消飲食店利用ポイント制ということで、食材を供給する業者さん、あるいは生産者さん、また飲食店、これらを支援してきたところです。  そして、中小企業、個人事業者一般にという意味では、国の月次支援金へ上乗せして給付する県事業持続月次支援金、またビヨンドコロナ応援資金などの資金面の手当て、そして商店街などが行われます消費を喚起する取組──イベントでありますとか、あるいはプレミアム商品券のような試み、これらに対しまして消費喚起プロジェクト支援補助金を創設して、事業の継続あるいは立て直しに向けた切れ目のない支援に努めてまいりました。  引き続き、国の経済対策も踏まえまして、スピード感を持って適時適切に事業者支援あるいは業界支援に努めてまいりたいと考えます。  さらに、負担の軽減という観点からは、県税の納税が困難な方には猶予制度により対応しています。また社会保険料について、全国知事会と連携をして、軽減、猶予等の措置を国に要望しております。今後も働きかけを続けていきたいと考えます。  次は、移住・定住政策についての御質問にお答えをします。  本県では、県及び県内の全市町村が加盟しております「くらしたい国、富山」推進本部を中心に、全県を挙げて移住政策に取り組んでいます。東京の有楽町にありますふるさと回帰支援センターに、専属の相談員を配置して、本県及び県内の市町村それぞれの魅力を発信しています。  また、移住の相談があった場合は、相談者の意向に沿った市町村を紹介し、紹介を受けた市町村がそれに応じて詳しい相談に対応するなど、県と市町村がキャッチボールしながら連携をして移住者を迎え入れる体制を整えています。  また、この「くらしたい国、富山」推進本部では、県主催の移住のセミナー、また全国規模で開催される移住フェアなどに、県内市町村に参加いただくことをお勧めしておりますし、また市町村の職員などを対象として、移住者受入れの際の留意点、移住希望者への効果的な情報発信手法を学ぶ研修会などを開催して、県と市町村が一体となり取組を進めています。  さらに、各市町村でも、自らセミナーや移住ツアーを主催され、それぞれの地域の魅力を参加者にアピールするなど、それぞれ積極的に取り組んでおられます。  来年度からですが、今年度実施しました移住者等へのアンケート調査の結果を踏まえて、移住前のよりきめ細かいケア、あるいは移住後のフォローアップ体制を強化し、移住満足度の向上を図ります。  また、移住者同士、移住者と地元の方との交流を深める機会を多く提供し、各地域の特性を知ってもらう交流会も検討しています。移住者のアンケートの中には、移住先での人間関係にもちょっと課題を感じておられる方もおられるので、こういったフォローも大切かというふうに考えています。  こうした取組には、市町村にも参加をいただきまして、県及び全市町村が一体となって取り組む機運の醸成に努めまして、ワンチームで県内移住の一層の促進を図ってまいることとしていきます。  また、富山県の成長戦略でもブランディング戦略という柱──6本の柱のうちの1つがブランディング戦略ですが、この中では、広報、観光、そして移住、この3つを一体として取り扱っていこうということで施策を検討中であります。  やはり、広報、発信をすることが、これがもちろん観光にもプラスになりますし、また移住にもつながると思います。私たちの豊かな富山県の暮らし、これを、ここに住む我々自身一人一人が大いに全国に向けて発信をしていく、それが移住の促進にもつながる、そんなことでブランディングの強化ということも考えていることでございます。  私からは以上です。 6 ◯議長(五十嵐 務君)布野商工労働部長。    〔商工労働部長布野浩久君登壇〕 7 ◯商工労働部長(布野浩久君)私からは、国の経済対策における中小事業者の支援策等についての御質問にお答えいたします。  先週26日に閣議決定された補正予算を柱とする国の経済対策は、足元のコロナ禍で傷ついた経済を立て直すとともに、新しい資本主義を起動させ、自律的な経済成長を実現するために必要な政策が多数盛り込まれており、内閣府の試算では、対GDP比で5.6%程度の景気の下支え、押し上げ効果が見込まれております。  中小企業等への主な支援策としては、地域、業種を問わず売上高が30%以上減少した事業者の規模に応じて固定費負担を支援する事業復活支援金や、新分野転換や業態転換等の支援に加えグリーン成長枠が新設されました事業再構築補助金、設備投資、IT導入、販路開拓に加え成長投資の加速化、円滑な事業承継、引継ぎ等を支援する生産性革命補助金等が措置されており、県内中小事業者の事業継続、再建や成長発展の効果が期待されます。  また、雇用対策としては、雇用調整助成金の特例措置の延長や、需要減少で人手が過剰な企業から人手不足企業への在籍型出向を支援する産業雇用安定助成金、労働者の処遇改善等を行います事業者の設備投資等に対する業務改善助成金の対象経費の拡充等が措置されており、県内中小事業者の雇用の維持確保や生産性向上等の効果が期待されるところであります。  こうした支援策については、国等から事業者に対して直接執行されるものが多いわけですけれども、県といたしましても、事業効果が最大限、県内企業に波及するよう、国や市町村、商工団体等の関係機関と連携し、県内企業への周知に努めますとともに、スピード感を持って適時適切に対応してまいります。 8 ◯議長(五十嵐 務君)木内厚生部長。    〔厚生部長木内哲平君登壇〕 9 ◯厚生部長(木内哲平君)私から、まず子育て世帯への支援についての御質問にお答えします。  国の経済対策におきまして、子育て世帯については、高校3年生までの子供たちに1人当たり10万円相当の給付を行うとされております。  議員御指摘のとおり、このうち5万円につきましては現金により迅速に支給するとされておりまして、特に中学生以下のお子様につきましては、児童手当の仕組みを活用すると、そうしますと申請が不要となります。これによりまして年内に支給を開始するとされているところです。県内市町村におきましても、今般の情勢を鑑みまして、年内の支給に向けて準備をされていると伺っております。  これに加えまして、来年春の卒業、入学、進級に向けて、子育てに係る商品やサービスに利用できる5万円相当のクーポン券を基本とした給付を行うとされてございますが、これにつきましては詳細は未定というか、まだこちらに情報が来てないという状況でございます。  これらの給付につきましては、市町村が実施主体となるものではございますが、制度の詳細が明らかになり次第、県としましても、市町村において対象世帯に速やかに給付ができるよう、しっかりと支援をしてまいります。  次に、コロナの自宅療養者についての御質問にお答えをいたします。  本県では、入院については、医師により入院加療が必要と判断された方、また重症化リスクの高い方を優先しまして、軽症ないし無症状の方につきましては、御本人の状況を個別に判断しまして、宿泊療養施設または御自宅で療養いただくと、そういった方針としてございます。  今般、保健・医療提供体制確保計画というものを見直しまして拡充をしてございます。その中で、感染拡大時の自宅療養者数の想定数というものも算出してございますけれども、ここでは国から示されました方針を踏まえまして、それは今年の夏を上回る感染拡大が生じるということでありますとか、高齢の感染者の割合が増加する可能性、そういったことを前提として計算しまして、自宅療養者数、最大572人という算定をしてございます。  しかしながら、例えばワクチンや治療薬の効果によりまして、むしろ軽症の方の割合が増加するといった可能性もあるわけでございまして、この数にとらわれず、そうした可能性にも備える必要があると考えています。  これまでも、自宅療養者の方には、厚生センターによりまして、毎日、健康観察を実施する、そして体調が急に変化したときには速やかに入院いただける体制としてきたところでございますが、今後のさらなる感染拡大に備えまして本議会に提案しています11月補正予算案におきまして、厚生センターの健康観察業務を補完するコールセンターの設置の経費、また医師会の御協力の下、必要な方に電話などにより遠隔診療を実施する、そのための経費などを計上しています。  引き続き、関係の皆様と連携をしまして、患者の皆様が安心して利用できる体制の充実に努めてまいります。  最後に、医療提供体制についての御質問にお答えをいたします。  この夏のいわゆる第5波では、入院による療養が必要な方、また重症化リスクの高い方が速やかに入院できますよう、入院の病床に一定程度の余裕を持たせる、空きをつくっておくと、そういう運用としました。  病床の確保としましては、400床程度の確保をいただいたところですけれども、重症化リスクの高い方の入院を優先するということで、1日の最大入院患者数は結果として264人ということでございました。  見直し後の保健・医療提供体制確保計画では、県内の医療機関にさらに御協力をお願いしまして病床を拡充しました。今年の夏を上回る最大371人の入院を想定する一方で、病床の確保につきましてはフェーズ3で481床、最終フェーズで571床という計画としてございます。  加えまして、11月補正予算案におきまして、さらに想定を超えて感染が拡大をして感染者の速やかな入院調整が困難となる、そういった場合、あまりよいことではないわけですけれども、備えるということで、一時的な入院待機施設の医師、看護師などの人件費でありますとか、施設内の医療用の酸素ボンベなどの機器整備等に必要な経費を計上しています。  ワクチン接種が、追加接種も含めましてさらに進展をするでありますとか、一方で飲み薬も登場するとか、逆に変異株が新たに確認をされるといったことなど、刻々と状況が変化をしているわけでありますけれども、議員御指摘のとおり、さらなる感染拡大に備える必要があるということでございます。関係団体、医療機関の皆様と連携をしまして、引き続き医療提供体制の強化に努めてまいります。
     以上です。 10 ◯議長(五十嵐 務君)杉本警察本部長。    〔警察本部長杉本伸正君登壇〕 11 ◯警察本部長(杉本伸正君)私からは、特殊詐欺に関する御質問にお答えいたします。  令和3年中の特殊詐欺の発生状況は、10月末現在で35件、約4,300万円の被害となっておりまして、前年と比較して件数は同数、被害額は約3,300万円減少しておりますが、自治体職員をかたり還付金名目でお金をだまし取る、いわゆる還付金詐欺の手口が大幅に増加するなど、依然として厳しい状況が続いております。  被害者の年齢別では、65歳以上の方が27人で全体の約8割を占め、11月に入ってからも高齢者の被害が多く見られております。  検挙状況は、10月末現在で5件、6名を検挙し、開設口座を譲り渡すなどの助長犯の検挙は21件、14名となっております。  特殊詐欺を撲滅するためには、特殊詐欺に対する社会全体の抵抗力を高め、特に御高齢の方に対しては様々な機会に注意喚起がなされるようにするため、関係機関、団体と連携した取組が必要と考えております。  具体的には、事前に登録した方に発生情報をタイムリーに配信する安全情報ネット等を活用した情報発信、民間ボランティア等と連携した高齢者宅への直接訪問による注意喚起等、各種啓発活動に取り組んでいるところでございます。  なお、議員に御指摘いただきました安全情報ネットの登録者数につきましては、10月末現在で約1万6,000人と、平成27年の運用開始当初の約3,000人から約5倍に増加しております。  このほか、高原兄さんや中山楓奈さんなど、高い発信力をお持ちの方々の御協力もいただきながら、効果的な広報啓発活動を行っているところでございます。  また、検挙に向けましては、捜査員を被害者方に潜入させるだまされた振り作戦や、手配に基づく検索、職務質問の徹底をするとともに、犯行に利用された口座や電話の利用停止措置などを行っております。  今後は、各種広報啓発活動に加えまして、この安全情報ネットが県警ホームページやチラシのQRコードなどから簡単に登録できることなどを周知して、登録者数のさらなる拡大に努めるほか、これは本日からでございますが、金融機関等に誘導して、携帯電話を使ってATMを操作させる手口の還付金詐欺対策として、県内の金融機関等にATMでの携帯電話の使用禁止を周知するポスターを掲示するなど、発生傾向を踏まえた被害防止対策を強力に推進してまいります。  県警察といたしましては、引き続き組織の総力を結集して特殊詐欺の撲滅に向け取り組んでまいります。  以上です。 12 ◯議長(五十嵐 務君)出来田生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長出来田 肇君登壇〕 13 ◯生活環境文化部長(出来田 肇君)私からは、共助の精神に基づく除雪支援の御質問にお答えします。  県では、地域の協働による除排雪を推進するため、毎年度策定しております総合雪対策実施計画に、地域ぐるみの除排雪と県民との協働による除排雪の推進を掲げ、地域での小型除雪機械の購入支援をする地域ぐるみ除排雪促進事業や除雪機械の運転者講習、雪と汗のひとかき運動などの取組を実施してきております。  また、本年1月の大雪では、県内各地で道路交通が混乱し道路除雪が困難な状況になったことなどから、6月と11月に開催しました富山県総合雪対策推進会議においても、複数の委員から、行政に頼るだけでなく、地域で自助、共助の精神で行う除排雪活動の重要性を再認識したとの御意見をいただいたところでございます。  県では、これまでも降雪を迎える時期に、各地域の土木センターごとに市町村、関係機関と連携し、除雪に関するチラシを作成配布しておりまして、その中で住民に対し、地域ぐるみの除雪や自宅前の歩道除雪等のお願いをしております。  また、各市町村においても、広報紙等により同様のお願いがされており、引き続き地域住民による自主的な除雪を広く県民に呼びかけてまいります。  また、各地域での優れた除排雪活動等につきましては、市町村から情報をいただき、県民が共有できるよう県のホームページ等で紹介するなど、地域での除排雪の呼びかけを強化し県民との協働による取組を推進してまいります。 14 ◯議長(五十嵐 務君)利川危機管理局長。    〔危機管理局長利川 智君登壇〕 15 ◯危機管理局長(利川 智君)私からは、豪雪時の倒木予防事業につきましての御質問にお答えいたします。  本年1月の大雪や8月の豪雨による被害などを踏まえまして、県西部6市と西部森林組合は、倒木の除去など災害時の応急対策に係る協定を締結されておりまして、こうした官民が連携して災害時に備えることは大変重要であり、心強い取組であると思っております。  県では、平成30年度から毎年、降雪期前に、倒木による孤立集落の発生や大規模な停電を未然に防ぐため、地域の状況に詳しい地元市町村や電気事業者等と共に県管理道路の合同パトロールを実施しておりまして、倒木のおそれがある場合には、樹木の所有者に対し、必要に応じて伐採等をお願いしております。今年度は、高岡市など8市町10地区で合同パトロールを行い、実施済みも含めて6か所で伐採等を行うこととしております。  また、そのほか倒木未然防止の取組といたしましては、本年1月の大雪時に孤立集落が発生しました市におきまして、森林環境譲与税を活用して、被害が見込まれる道路沿いの樹木を所有者の同意を得て伐採したり、所有者が自ら伐採する場合に補助したりする制度を市独自に創設した事例もあると承知いたしております。  県としましては、こうした取組を他の市町村に紹介しますとともに、こうした取組のほかに、県、市町村、電気事業者など、官民が連携してどのような倒木予防事業が可能なのか調査検討していきたいと考えております。  以上でございます。 16 ◯議長(五十嵐 務君)三牧知事政策局長。    〔知事政策局長三牧純一郎君登壇〕 17 ◯知事政策局長(三牧純一郎君)私からは、デジタル弱者を取り残さない取組に関しての御質問にお答えさせていただきます。  デジタル化が急速に進む中で、誰もがデジタル化の恩恵を受けられるよう、デジタルデバイド対策が非常に重要になってきております。  総務省の調査でございますけれども、国民の今約9割、60歳以上でも約8割がスマートフォンを利用している中、内閣府の調査でございますけれども、スマートフォンの利用につながる取組としては、1つは機器や通信の料金の引下げというものが最多でございまして、引き続きまして操作方法が簡単になるとか、操作方法の理解に関するものがそれに次いで多かったという現状でございます。  その中の機器や通信の料金につきましては、国主導による引下げが行われておりまして、引き続き低廉で多様なサービスが提供されるように、全国知事会と連携しながら国に働きかけを行っていきたいと考えてございます。  一方、操作方法の普及啓発につきましては、本県では、今年度、国の支援も受けまして、携帯電話事業者が携帯ショップにおいて、またケーブルテレビ事業者等が地域の公民館等で講習会を開催しております。今年度、11月末までで44件、国の支援がない形で市町村の単独で8件と、合わせて52件、県内で今年度行っております。  ただ一方で、携帯ショップがどうしても市街地に集中していると、また、その講師となるような人材が不足しておりまして、講習会を開催できる事業者には限りがあると、また、あわせて講習会はどうしても単発で、継続的なサポートが難しいといった課題もあると認識してございます。  先ほど議員から、デジタル化コーディネーターという御提案をいただきましたけれども、我々といたしましても、今後、地域で継続的にスマートフォンの操作方法を教えることができるようなボランティアを、しっかりと養成していきたいと考えておりまして、そうした人材も活用しながら、講習会を担う事業者も広く募ることで、県内のより幅広い地域で多くの回数、講習会が開催されるように検討していきたいと考えてございます。  今後とも、県民誰もがデジタル化の恩恵を受けられるよう、県民目線に立って、誰一人取り残さない、人に優しいDXの推進に向けて取り組んでいきたいと考えてございます。 18 ◯議長(五十嵐 務君)荻布教育長。    〔教育長荻布佳子君登壇〕 19 ◯教育長(荻布佳子君)私からは、公民館機能のデジタル化に関する御質問にお答えをいたします。  公民館は、住民にとって最も身近な社会教育機関であり、住民が集い、学び、結び合う場でございます。しかし新型コロナの影響により、従来のような対面での学びの機会がつくりにくい状況の中、学びを止めず、人と人とがつながり続けられるようにするためには、ICTなどの技術を活用した新しい形での取組を積極的に進めることが重要であると考えます。  公民館におけるICT環境の整備と活用につきましては、市町村から、公民館からの情報発信の強化のため、県で研修会や人材育成の機会をつくってほしいという御提案、要望がございました。これを受けまして、今年度より県公民館連合会と連携して、ホームページやSNSなどに関する研修の機会を継続して確保することとしております。  議員御紹介の福岡公民館では、SNSやオンラインを活用し全国の多くの公民館と連携して、例えばクイズやゲームを通して他県の子供と交流するなど、様々な先進的な取組をされております。2月に開催予定の公民館主事・指導員等研修会で、こうした事例発表をしていただく予定としております。このような取組は、県内の他の公民館にとっても大変参考になるというふうに期待をしております。  県教育委員会としましては、今後とも、各市町村の教育委員会や県公民館連合会と連携しながら、誰もがICTなどに関するリテラシーを身につけ、それらを活用した地域社会活動が活発に行われますよう、公民館等での学習機会の充実や公民館関係者のICT活用能力の向上に向けて、引き続き支援をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 20 ◯議長(五十嵐 務君)助野地方創生局長。    〔地方創生局長助野吉昭君登壇〕 21 ◯地方創生局長(助野吉昭君)私からは、まず「ワンチームとやま」連携推進本部会議における広域連携推進についての御質問にお答えいたします。  「ワンチームとやま」連携推進本部会議では、市町村が直面している行政課題について率直に意見交換を行いますとともに、県、市町村が相互に連携して取り組むべき事項や政策として、市町村長と協議して決定した5つの連携推進項目についても、ワーキンググループでの検討を踏まえ議論を重ねているところでございまして、広域的な連携施策の成果も現れ始めていると考えております。  具体的には、まず有害鳥獣の連携捕獲では、捕獲組織のない自治体に熊が出没した場合、近隣の自治体と協力して捕獲する協定を締結、道路除排雪関係では、市町村が共同利用できる雪捨場の新設、広域避難関係では、国民保護訓練や原子力防災訓練において他市町村へ避難する実動訓練を実施し、発災時に全市町村で可能な範囲で相互受入れすることの確認、さらに災害廃棄物関連では、各市町村等の廃棄物処理施設や一般廃棄物許可事業者の情報を共有する取組を進めるなど、自治体の枠を超えた広域的な連携が図られてきております。  少子高齢化の時代を迎え、自治体財政の厳しさも増す中で、複雑多様化する課題や行政ニーズに、限られた経営資源で対応していくためには、議員御指摘のとおり、単一の自治体だけでの取組ではなく、広域的な連携がますます重要になってまいります。  今後とも、「ワンチームとやま」連携推進本部会議につきましては、各地域の固有や共通の課題の対策を協議することはもちろん、県内自治体間における広域な連携についても協議検討する場としてまいりたいと考えております。  次に、とやま呉西圏域連携中枢都市圏についての御質問にお答えいたします。  2016年に始まりましたとやま呉西圏域連携中枢都市圏の取組の進捗状況につきまして、事務局のまとめた評価指標に基づきますと、圏域の3つの役割のうち、まず「圏域全体の経済成長のけん引」の役割につきましては、創業支援セミナーの開催や異業種交流の促進によりまして、起業・創業件数や企業立地件数が伸び、おおむね順調に進んでいると思われます。  また、2つ目の「高次の都市機能の集積・強化」の役割につきましては、高度な医療サービスの提供や公共交通ネットワークの活性化に取り組まれ、滞在人口の維持に一定の効果を上げていると考えられます。  一方、3つ目の「圏域全体の生活関連機能サービスの向上」の役割につきましては、移住・定住者数が目標を大きく上回っておりますが、全体として見れば、毎年、転出超過が続いておりまして、社会増、人口維持を達成するには、住み続けたい、移住したいと思われるように、生活関連機能サービスの充実に努めていく必要があるのではないかと考えております。  こうした中、今年2月に策定された第2期ビジョンでは、製造品出荷額や総所得金額などの目標値を、2023年度までにコロナ禍前の水準に回復させ、2024、2025年度にさらなる成長を目指すとされております。また圏域人口の将来像について、2060年時点で30万人規模を維持することが掲げられており、移住・定住対策における6市連携を一層強化するとされたところでございます。  また、議員御指摘のイノシシ対策につきましては、単独市では解決できない広域的な課題でありますことから、捕獲状況や先進事例の共有をはじめ圏域全体で被害対策に取り組まれることとしております。  県といたしましても、今後とも圏域に対する財政支援の確保充実を国に働きかけますとともに、連携推進協議会にもしっかりと参画し、圏域の活動を支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 22 ◯議長(五十嵐 務君)以上で川島国君の質問は終了しました。 23 ◯議長(五十嵐 務君)澤崎豊君。    〔3番澤崎 豊君登壇〕 24 ◯3番(澤崎 豊君)おはようございます。  自民党新令和会の澤崎です。  先日、福光で開催された松村謙三先生没後50周年フォーラムに参加してまいりました。「無告之民」という言葉があります。「無告之民」とは、自分のつらさや悲しさを誰に訴えていいか分からない庶民のことであり、仰ぎて天に訴ふるも天応えず、伏して地に訴ふるも地に声なし、と嘆かなければならない人たちのことだそうです。まさしく松村先生は、こういった声なき声を聞く耳を持った政治家であったということが、最近読んだ本に書かれていました。  そんな耳が持てるよう、また目を向けることができるよう心がけ、質問に入らせていただきます。  まずは、新型コロナウイルス感染症問題について2問。  南アフリカが11月に報告した新たな変異株──オミクロン株が先日、日本初確認されてから昨日2例目が確認され、水際対策が強化されております。他方、現在の国内感染状況が落ち着きつつある中で、社会全体での行動制限の緩和に向けて動き始めているのは御案内のとおり。  一方、私のところにこんな声が寄せられています。介護施設に入居されている方から、家族とも自由に面会できないし、認知が進む、何とかならないか。病院に入院されている家族の方からは、どんな状態になっているのか直接会わないと駄目や、しばらく顔を見ておらん、心配や。このような介護施設の入居者や入院患者、その家族の方からの面会規制を緩和してほしいとの声は、切実でもあり、面会規制を続けることによる心身への悪影響が懸念されるわけであります。  そこで、先週、医療施設等における面会については、地域における感染の拡大状況等を考慮した上で、各医療機関で検討するよう厚生労働省から通知があったところと承知しておりますが、まずは県立病院が率先して面会について再開すべきと考えますが、木内厚生部長にお伺いいたします。  続いて2問目。一昨日の我が会派の庄司議員からも評価があった中小企業リバイバル補助金及びミニリバイバル補助金についてであります。  せっかく、この事業採択がされているのに、計画どおりの商品が入らず、また工事の納期にめどが立たず、補助金を辞退する事例もあると聞いております。これは世界的な半導体不足の影響により冷凍庫等も大幅な遅延状況となり、衛生器具等は、部品供給を担う東南アジア諸国でのワクチン接種率が伸びず、工場の稼働規制等による影響なのであります。  そこで、事業者の責に帰さない場合は事業完了報告を遅らせる。運用面などで最大限柔軟に対応し、事業者に寄り添うべきと考えますが、布野商工労働部長に所見をお伺いいたします。  次に、ウエルビーイング、関係人口1,000万人創出について7問。  先日、ある金融機関の方がこんなことをおっしゃっていました。世界の三大コンサルタントの一つPwC──プライスウォーターハウスクーパースの人が、富山県の成長戦略にとても注目している、高い関心と興味を持っていると、そんな一事からも、知事が目指す富山県成長戦略の中心となる真の幸せ(ウエルビーイング)の向上が、時代の要請に応じた取組であるということの証左でありましょう。  この成長戦略、ウエルビーイングを浸透させるために、知事自らも、既に幾つかのビジョンセッションに出席されて、直接、県民の熱を感じてきてこられたと、さきの代表質問にお答えになっていらっしゃいました。  私も、11月13日に開催された魚津市でのセッションや、その後の自発的なセッション──ご機嫌な未来を創る会議と言うそうですが、これにも参加してまいりました。参加者の議論を聞いていますと、まだまだ小さな火でありますが、機運が盛り上がっているなと実感しております。これを実際にどのように落とし込んでいくか楽しみでもあります。  そこで、これまでの幾つかの市町において開催したビジョンセッションを通して得られた成果と今後の展開をどのように考えているのか、富山県成長戦略におけるビジョンセッションの位置づけと併せて、新田知事にお伺いいたします。  次に2問目。地域おこし協力隊についてであります。  富山県の令和2年度末の協力隊受入れ人数は53名、全国37位。数だけが問題ではありませんが、協力隊の任期終了後の定住となる定着率が5割を超えるデータから、移住人口を増やす視点では一定程度の数は必要でありましょう。他方、関係人口の創出については、地域おこし協力隊員が、外からの目で新たな地域の魅力の創出をするということであります。  魚津市の例でありますが、魚津防火建築帯のリノベーションや中山間地と言われる片貝地区で発行した「集落の教科書」等の創造的な取組は、地元の方が地元のよさを再発見することにもつながり、ひいては関係人口の増加に資するものと考えます。  そこで、県内において地域おこし協力隊は地域を変える力になっていると考えるか、また県内における地域おこし協力隊の現状と課題についてどのように考えるか、助野地方創生局長にお伺いいたします。  地域に対する愛着や誇りは、地方創生の根っことなるものであります。ある先輩より、先般、考えさせられるメッセージを頂戴いたしました。過疎地は人の空洞化、中山間地は土地の空洞化、限界集落は社会の空洞化である。これよりも、もっと心配な国難は誇りの空洞化であり、仕事に誇りを持てない持たない、地元に誇りを持てない持たない、その意味では東京も限界集落であると、こんな内容でありました。  心の豊かさ、つまり誇りややりがい、生きがい、これらが伴わない発展は、成長ではなく単なる膨張であり、膨張はいずれ破裂するのだという警笛でもありました。  そこで、県教育委員会作成の「ふるさととやまの人物ものがたり」などを活用し、広く県民がふるさと教育に取り組むことで、地域に対する誇りの醸成につなげるべきと考えるが、どうでしょうか。ここは富山県成長戦略に係る大事なところであります。知事に見解をお伺いいたします。  日本橋とやま館は、「上質な暮らしを、富山から」をコンセプトにして2016年にオープンして、本年5周年目を迎えました。先日、久しぶりに日本橋三越や他県のアンテナショップも並ぶ東京の日本橋とやま館に立ち寄ってみました。店内には富山県内のよりすぐりの商品が並んでおり、私にとっても意外と知らない物産に出会い、改めて富山県の魅力を東京のど真ん中で実感でき、大変新鮮でありました。  そこで、本県の特産品を扱うCICビル1階のととやま、こちらは県が出資をしている富山県いきいき物産株式会社が運営しておりますが、こちらでも日本橋とやま館と同様に、よりすぐりの商品を美しく陳列、紹介することで、県民が、物産を通して富山のすばらしさ、ふるさとの豊かさを実感でき、ふるさとを誇りに思う気持ちの醸成につながるものと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。  先日の20日、21日、魚津市において第1回国際ダンスコンペティションが、有志の実行委員会で開催されました。国際という名前にふさわしく、ロシアの方が審査委員長をされており、国際色豊かな審査陣でありました。コロナ禍で海外、県外からの応募者が少なかったわけでありますが、こういったダンスのコンペティションというコンクール自体珍しいものだそうです。  劇団四季でも活躍された審査員の方から、地方にこそ将来のスターがいるんです、というお話や、朝日町に住みながらフランスや東京で活動しているという審査員の生活スタイルは、関係人口の創出につながるヒントでもありました。  そこで、今年度、魚津市において開催された国際ダンスコンペティションのような国際的な文化活動を県が誘致することにより、関係人口の増加につなげるべきと考えますが、出来田生活環境文化部長にお伺いいたします。  次に、健康寿命の延伸とスポーツの関係性についてお聞きいたします。  県内において、パークゴルフが高齢者に人気で大変盛んでありますが、健康な方々がパークゴルフをしておられるのか、パークゴルフをすることにより健康を維持しているのか、健康寿命の延伸との関係について、科学的な分析が必要ではないでしょうか。  そこで、ウエルビーイングの実現のためにも、どういったスポーツにどのように取り組むことが健康寿命の延伸につながるのか、データに基づいた分析を行い県民に推奨することが必要と考えますが、厚生部長にお伺いいたします。  それでは、この項目最後の質問となります。  新川こども屋内レクリエーション施設の整備に関する質問であります。
     地元では、いつ頃その施設ができるのか、本当にできるのかなど、よく市民の方から聞かれるわけであり、都度、慎重に議論を重ねているんだとお伝えしているところであります。また近くにあるミラージュランドや魚津水族館、新川文化ホールとの関係性をよく考えた上で、相乗効果を上げてほしい等の要望も寄せられております。  これまで検討会は3回開催され、そこでは進化思考なる新しい考え方も取り入れて議論されていると聞いております。この時代にたくましく生きる人間力を醸成する施設になってもらいたいと考えております。  そこで、新川こども屋内レクリエーション施設の整備について、これまで開催した3回の検討会を通して、どのような意見が出されているのか、また施設の整備方針はどのようなものとなる見込みか、地方創生局長に所見をお伺いいたします。  それでは、次の項目、県内産業の成長戦略に関連して6問質問いたします。  さきの自民党議員会の宮本議員が代表質問にて、後継ぎ、事業承継について質問されておりましたが、私からもお聞きしたいと思います。  これについては成長戦略会議でも話題になっているところであり、裏返せば、いかに廃業をなくすかでもあります。廃業のすすめは目指すところではありませんが、県内においても黒字廃業を考えている経営者は少なからずいるのは事実でありましょう。  県内の個人企業経営調査による経営者の年齢階級別企業割合を見ますと、70歳以上が48.1%、香川県に次いで高い数字であります。2020年から2030年の10年間で、県内3万1,000社の企業のうち9,000社が廃業するであろうというデータもあります。  企業経営者の高齢化が進む中、事業承継は、社会の人口減少、市場縮小やコロナ感染症、自然災害のリスクに対応できるビジネスモデル確立のために急務であり、それが、これまでの富山県の伝統や技術等の資源を損なうことなく次世代につなぐことになるのであります。  そこで、県内の生産力の低下につながらないように、雇用を守るためにも、県、新世紀産業機構、金融機関等が密接につながり、県内産業を支える中堅・中小零細企業の後継ぎ、承継問題に積極的に関与すべきと考えますが、布野商工労働部長にお伺いいたします。  続いて、果樹産地の未来に向けた成長戦略についてお聞きします。  農水省では、地域食農連携プロジェクト推進事業を展開しており、本県でも、この事業を活用し、魚津市において魚津市果樹振興会を中心に、果樹の郷ローカルフードプロジェクトと銘打ち、果樹を使った商品開発をして産地の活性化を図っているところであります。  そこで、果樹生産者の高齢化や後継者不足は、多くの産業同様、深刻であり、生産者だけでなく地域の商工業者も含めて、果樹産地を守るという地域食農連携プロジェクトの発想は重要と考えますが、今後の持続的発展の見通しについて、堀口農林水産部長に所見をお伺いいたします。  また、来春、魚津市の西布施地区のブドウ産地に天空ファームというワイナリーが完成します。平成31年の国内のワイナリーの数は331で、山梨県が85、長野県38、北海道37、山形県15で5割以上占めております。県内には、婦中町のやまふじぶどう園、氷見のセイズファーム、南砺市のトレボー、そして天空ファームも新たに加わり4か所となります。  現在、日本ワインの生産量は1万6,612キロリットル、うち山梨県、長野県、北海道、山形県で全体の75%以上を占め、県内の生産量は56キロリットルから63キロリットル、僅か0.4%でありますが、果樹生産の6次産業化の確かな一歩であろうと考えます。  そこで、県内ブドウ産地の育成と本県の新たな魅力の創出、発展のため、県内ワイナリーを一体的に支援すべきと考えますが、農林水産部長にお伺いします。  次に、富山の漁業の未来についてお聞きします。  古来より富山湾は、漁業、水産、海運、観光など、生活のあらゆる場面で県民に大きな恵みをもたらしてきました。中でも漁業は、急峻な海底地形、あいがめと呼ばれ、3,000メートル級の立山連峰から流れ込む水の豊富な養分により、多くの魚種が取れ、また漁場から港までが近く、富山湾は天然のいけすと言われるほど、県内産業の一翼を担ってきたのであります。しかしながら近年では、海洋環境の変化や魚介類の価格低迷等、様々な課題により富山のさかなが低迷しており、経営は厳しい状況にあります。  そこで、温暖化等の影響による漁獲量の減少や働き手不足、原油価格の高騰など、県内漁業における課題解決のため、ローカル5Gを活用するなどスマート水産業の普及推進が必要と考えますが、今後の見通しについて、横田副知事の所見をお伺いいたします。  続いて、2050年カーボンニュートラルの実現を目指しての質問であります。  本県の強みである豊富な水資源を生かし、100キロワット以下のマイクロ水力発電を普及させることで、地域マイクログリッドの構築につなげることができるのではないかと考えるのであります。小さな集落単位の中で、水力の再生可能エネルギーで電気をつくり、その集落内の電力供給を賄うことのできるエネルギーの地産地消。本県ならではの取組になると考えます。  そこで、現在、改定に向けて議論が進められている富山県再生可能エネルギービジョンについて、県内各地域でのマイクロ水力発電の積極的な利活用について盛り込むべきと考えますが、マイクロ水力発電の今後の展望についてどのような見解をお持ちなのか、三牧知事政策局長にお伺いいたします。  最後の質問となりました。先日の決算特別委員会の総括質疑でも指摘しました空き家対策についてであります。  富山県は、平成30年の総務省の住宅・土地統計調査の発表によると、総住宅数45万3,000戸で持家率76.8%、延べ面積は全国1位であり、名実ともに優れた住宅環境を有する県であります。一方、この統計調査の空き家数では6万戸、空き家率は13.3%となっています。しかし実際、県内市町村が独自の調査方法で把握している空き家は1万8,250戸、若干数字のそごはありますが、年々増加する県内空き家対策は喫緊の課題であります。  空き家対策について、私は、不動産のストックからフローへの資産運用、つまり空き家の流通の促進、とりわけ利活用が肝要であろうと考えております。そのためには空き家対策官民連絡協議会等を核にして、市町村、関連事業者のより一層の連携強化を図る必要があるのでないでしょうか。  そこで、大きな社会課題となっている空き家対策について、空き家が、負ける動産──負動産とならないように、来年度に向けて、空き家の流通促進を図るための具体的な施策を推進すべきと考えますが、江幡土木部長の見解をお伺いし、質問を終了いたします。  御清聴ありがとうございました。 25 ◯議長(五十嵐 務君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 26 ◯知事(新田八朗君)澤崎豊議員の御質問にお答えします。  まず、ビジョンセッションについて御質問いただきました。  富山県成長戦略ビジョンセッションについては、富山県の未来のビジョン、あるいは戦略の柱を、市町村ごとに伺いまして説明をさせていただき、その中身を参加者の皆さんと共有をする、そして具体的な取組、あるいは官民でやるべきことなどを共に考えていく、そして実行にも関わっていただく、そのような機運を醸成するために、立山町を皮切りに今までのところ6の市町で開催をしてきたところです。今後、年内ぎりぎりまでかかりますが、15市町村全てを回らせていただく予定です。  すなわち、このような計画というのは、県が考え、県が施策をつくり、そして県がやるんだということではなくて、考える段階から一緒になっていただき、そして実行することも一緒にやる、そのようなことを目指しているところでございます。  ビジョンセッションでは、参加者の皆さんに本当に熱の籠もった議論をいただいております。地域の魅力向上、あるいはウエルビーイングの向上を実現するための様々なアイデアや御意見をいただいています。  もともと開催するのは夜、あるいは休日であります。そういったときに一歩踏み出して出てきてくださる方々ですから、本当に地域愛にあふれ、そして地域をよくしていこうという思いにあふれた方々であります。ですから、議論もとても活発なんですが、それでも、ただ机を置いて、さあ、御意見をどうぞと言ったら、なかなか富山県民はしゃべられません。そのために、より議論を活性化するためには、それなりの仕掛けも要るというふうに思います。それなりのノウハウも要ると思います。そこら辺はプロのファシリテーターに任せております。  また、単に会議録を作るんじゃなくて、リアルタイムでグラフィックレコーディングという手法を使いまして、その場でみんなが発言されたことを絵にして見えるようにやっています。そのような仕掛けもあります。ですから、ちょっと経費が高いんじゃないかという御指摘もいただいているところですが、そのような様々な仕掛け、せっかくやるんですから、より活性化する、そしてまた議論が議論を呼ぶような、そんな場にするということで御理解いただければ大変にありがたいことだというふうに思います。  そのような結果、参加された方々からは、地域について語り合うよい機会であった、また、今後は地域で課題を掘り下げていく場を設けることが大切などという御意見もいただいています。  議員もおっしゃったように、実際に立山町や魚津市では、その後も参加者の方々が、連絡を取り合って引き続き集まられて、独自に地元の市町の未来やまちづくりについて語り合う場が持たれていると聞いております。自主的なそのような取組、我が事としてまちづくりを捉える、自分の市町村のみならず県のことも我が事として捉えていただく、そのような機運が一歩一歩ですが盛り上がってきていることは、このビジョンセッションを開催した1つの成果ではないかというふうに考えております。  県民が主役の県政ということを昨年来申し上げてきました。これは県民の皆さんをお客様として祭り上げてということでは決してないと思います。共に考え、共に実行していく。もちろん税金も払っていただきますが、それだけじゃなくて意見も言う。そして、たまには汗もかいていただく。このように主体的に関わっていくことが、私は、県民が主役の県政だと捉え、そのような場づくりに心がけてきているところでございます。  このビジョンセッションを積み重ねていきまして、年度末には、本県の成長戦略のビジョンを県内外に発信をし、県内外の方々に集まっていただき、連携して成長戦略を進めるきっかけづくりの場として、トークイベントを開催する予定にしております。このような場も活用して地域の自主的な取組なども発信し、相乗効果が得られるように検討してまいります。  また、現在、成長戦略の6本の柱についてワーキンググループを開催中でございますが、具体的な施策を検討していただいており、今後はビジョンセッションで出た御意見なども、ビジョンセッションでは本当にいろんな御意見が出ますが、やはり原石といいますか荒削りなことも多いので、それをまたワーキンググループの議論にインプットして、そこでまた磨き上げてもらう、そのようなことも考えています。  などなど、整理をしてアクションプランとしていきます。その上で令和4年度の当初予算案に反映をし、年度末には富山県成長戦略として取りまとめていく、そのような流れで考えているということでございます。  次に、ふるさと教育についての御質問をいただきました。  県では、これまで5月9日を県民ふるさとの日として、ふるさとの魅力を再認識して、愛着や誇りを育むことに貢献している団体、あるいは企業、個人に対して、県民ふるさと大賞を設け表彰を行うなど、ふるさと教育の推進に取り組んできているところでございます。  議員がおっしゃったふるさと教育の大切さ、また、ふるさとへのプライドの空洞化というのは一番恐ろしいことだという、大変に刺さった言葉でございます。私も、とても重要だということは全く共感をいたします。  若い頃、よく国際会議に出かける機会がありました。日中はもちろん、かんかんがくがくの議論をするわけでありますが、議論が終わった後、例えば食事のとき、あるいは食事の前のカクテルパーティーのときなど、そこでビジネスの話をするのはやぼでありまして、やっぱり話題の中心はアートのこと、あるいは、おまえのふるさと、どんなとこなんだという、そんなことで盛り上がります。そこにおいて私は、はたと困りました。自分のふるさとを語ることが全くないと。大化の改新は知っていても、おわらのことは全然知らない。そんな自分に気づき愕然とし、大変に恥じたことを思い出しておりまして、まさにふるさと教育の大切さを実感をして、痛感をしているところでございます。  そして、議員御指摘の「ふるさととやまの人物ものがたり」という冊子があります。大変今の立場で不明を恥じるばかりでございますが、この本のことは知りませんでした。この質問の通告を受けて、早速手に取り、読ませていただきました。読んだというか、本当にビジュアルが多いので楽しく見られる、そんな本でございます。大伴家持に始まり、直近ではインテックの創業者、金岡幸二さんまで、もちろん松村謙三先生も入っておられます。そんなふるさとの立派な方々54人について、ビジュアルを多用して描かれている本であります。もちろん高峰譲吉さん、あるいは浅野総一郎さんなど、全国的にも世界的にも有名な郷土の偉人の功績も含まれております。これらを知ることは、やはり地域に対する愛着や誇りを持つためにとても大切です。  この教材、実は発刊して10年になります。亡くなった方が全員だと思いますので、中身をリバイスする必要はないことなんですが、でもやっぱり10年たったので陳腐化していくかもしれません。そこで今、デジタル教材化を進めています。それで、より物理的には劣化をしない、そしてより幅広い方に見ていただける、そういったことのためにデジタル教材化を進めております。富山県のホームページ、あるいは様々な関係機関のホームページにもリンクを貼ることにより、幅広く県内外の方にも知っていただくようにしてまいりたいと考えています。  また、先月、成長戦略の中核となります6つの柱の一つであるブランディング戦略のワーキンググループの1回目を開催しました。委員からは、県民自身が県の魅力を理解して発信することが大切、全国、世界で活躍した県出身者や富山県とつながりのある人と交流をしていくことが必要などと御意見をいただいたところです。そのためにも、この「ふるさととやまの人物ものがたり」も大いに活用できるものだと考えております。  県としましては、今後も県民の皆様が「ふるさととやまの人物ものがたり」も活用しながら、先人の功績、あるいは地元にある魅力を訪ね、再発見していただき、地域に対して誇りや愛着を持ってもらう、そして県内外の方に自ら発信をしていただけるように、そのようなことに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  私からは最後になりますが、ととやま、についての御質問をいただきましたので、お答えします。  富山駅前のCICビルの1階にある、ととやまですが、幅広い県産品の魅力を発信し、県産品の販売も行っておりますし、認知度の向上を目的として、ここは富山県いきいき物産株式会社が運営をされています。  一方、日本橋とやま館は、首都圏の30代から40代の女性をメインターゲットに、物販、飲食、イベント展示など、富山の上質なライフスタイルを発信するコンセプトで運営されています。  ととやまは、旅行者や県民を対象とした物販の店舗として、水産品、農産品、地酒、工芸品など、売れ筋・定番商品、またデザイン性に優れて訴求力のある商品など、県産品を幅広く取り扱っています。また店内の装飾も考えておりまして、日本橋とやま館と同様に、組子細工、あるいは越中和紙など、富山らしい工芸品や素材を装飾にも使っています。店全体で富山の魅力を発信しています。あわせて実演販売や試食、試飲の実施、新商品の試験的な販売なども行い、アンテナショップとしての機能も果たされています。  昨年来、新型コロナの影響により県外旅行者の来店が減少していることから、富山県いきいき物産株式会社でいろいろ考えられまして、従来商品のほかに県産の野菜や惣菜、また県内人気店のパンやスイーツなども販売して、これがまた県民から御好評をいただいております。県民に、今まで知らなかった県産品を知ってもらうきっかけにもなっています。  県としては、今後も県外客はもちろんですが、県内の方にも物産を通して本県のすばらしさを実感していただき、自ら発信していただけるよう、日本橋とやま館で喜ばれている県産品も紹介するなどして、魅力的な品ぞろえや店舗づくりに協力していくことによって、ととやまを通じての富山の魅力発信に協力をしていきたいと考えております。 27 ◯議長(五十嵐 務君)横田副知事。    〔副知事横田美香君登壇〕 28 ◯副知事(横田美香君)私からは、スマート漁業の普及推進についての御質問にお答えいたします。  富山湾は、魚種が豊富で漁場までが近く、鮮度が良いことなどから、全国的にも富山県の魚の評価は大変高く、富山ブランドを形成する重要な資源となっています。  しかしながら、澤崎議員御指摘のように、最近では漁獲量の減少傾向が見られるとともに、原油価格の高騰や担い手の減少など、漁業経営を取り巻く環境は大変厳しさを増しています。  漁業経営向上のためには、まず適切な資源管理を行うことと、コストを抑えて省力化し、より効率的に漁獲できるようにする、この2つが必要であると考えておりまして、5G環境やICTを活用したスマート水産業の推進が大変重要であります。  県では、本年度から水産研究所において、ICTを活用した漁業操業時の水温・塩分データの計測、分析による海洋環境の予測モデルの研究に着手しています。また漁業経営者に対して、ICTを活用して規制魚種の効率的な放流などを行う資源管理や、漁場の状況を可視化することによって操業の効率化を学ぶ研修を実施しております。  また、県内の一部の漁協では、漁場の潮流などを陸上で確認できるICTブイを導入し、漁獲量との相関関係を把握して、出漁の判断や漁場探索に活用する動きもございます。  今後も、県としまして、水産研究所での研究を進め、その成果を漁業者に提供するとともに、漁協の取組を支援するなど、スマート水産業の普及推進を積極的に行いまして、漁業経営の課題解決を図ってまいります。  以上です。 29 ◯議長(五十嵐 務君)木内厚生部長。    〔厚生部長木内哲平君登壇〕 30 ◯厚生部長(木内哲平君)私からは、医療施設や高齢者施設における面会についての御質問にまずお答えをいたします。  今、委員から御紹介がありましたとおり、先月19日に国のコロナウイルス対策の基本的対処方針が見直されております。その中で、面会者からの感染を防ぐことと、患者や利用者、家族のQOLを両方考慮するということですが、具体的には、地域における発生状況等も踏まえますとともに、患者や面会者等の体調やワクチン接種歴なども考慮し、対面での面会を含めた対応を検討するようにとされたところでございます。県からも、この国の方針を踏まえまして、県内医療機関、高齢者施設、事業者等に対しまして、この方針につきまして周知を図ったところでございます。  一方、県立中央病院におきましては、第一種感染症指定医療機関として、これまで多数の新型コロナ感染患者の受入れを行っております。院内で感染が発生しますと県全体の医療体制への影響も大きいということで、特に感染対策の徹底が求められているところでございます。中央病院におきましては、入院患者さんへの面会につきましては、特に必要な場合、これは病状について御説明をする場合とか、終末期とか、病状が不安定な場合でありますとか、リスクのある手術を行う場合、精神面で家族の支えが必要な場合などに限定をしているという状況でございます。  県立中央病院におきまして、面会を再開していくということにつきましては、引き続きこの感染患者の受入れを主として担っていく必要がございますこと、またオミクロン株など変異株、新たな要素もあったり、現在、感染者数は全体としては減少しておりますけれども、引き続き感染の伝播は継続しているというふうに判断もされておりまして、慎重な検討ということにならざるを得ないかと考えております。  次に、スポーツによる健康寿命の延伸についての御質問にお答えをいたします。  県では、県民が健康寿命を延ばして、一人一人が健康で元気な生活を送ることができますよう、運動習慣の定着や食生活の改善などに取り組んでいます。  運動でありますとか身体活動につきましては、これまでにも糖尿病や循環器疾患などの発症予防の効果がある、これは科学的にそのように明らかになっておりますし、新たに高齢者の認知機能やフレイルなどの社会生活機能の低下を防ぐという効果も科学的に明らかとなってきたところでございます。  このため、誰もが気軽に運動、スポーツに親しめる環境づくりが重要であると考えております。まず誰もが気軽に始めることができるウオーキングにつきまして、県でスマートフォンのアプリを開発するとか普及をする、そして富山県民歩こう運動推進大会を開催するなどによりまして取り組んでいるところでございます。  お尋ねのありました効果的なスポーツというのはどういったものかということでございますけれども、やはり個々人の身体能力でありますとか体調に合わせまして、無理のない範囲で安全に注意して行う必要があるということでございますし、その上で習慣として継続をしていく、一人一人の筋力や身体機能の維持向上を図れるものが望ましいと考えておりまして、なかなか県民の皆様に一律に特定のスポーツをお示しするということが難しい状況でございます。  県民の皆様には、各自の能力や御自身の生活に合わせまして運動習慣を取り入れていただきまして、健康寿命の延伸、ひいてはウエルビーイングの実現につなげてまいります。  以上です。 31 ◯議長(五十嵐 務君)布野商工労働部長。    〔商工労働部長布野浩久君登壇〕 32 ◯商工労働部長(布野浩久君)私からは、まず中小企業リバイバル補助金等の柔軟な対応についての御質問にお答えいたします。  さきの6月補正等で予算化いただきました中小企業リバイバル補助金3次募集、そしてミニリバイバル補助金につきましては、募集期間中の9月17日から速やかに順次交付決定をし、3次募集では1,058件、ミニリバイバル補助金は887件、合計1,945件を採択しております。  これらの補助金は、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用しておりまして、県は、採択された約2,000件の事業者からの実績報告書を検査し、取りまとめた上で、来る4月8日までに国へ実績報告書を提出する必要があります。  こうしたことから、事業者の皆様から提出いただく実績報告期日を12月24日と設定し、8月の募集要項で御案内しているところでございますけれども、特に先月に入ってから、一部の採択事業者から、澤崎議員からも御指摘がございましたけれども、半導体不足、サプライチェーンの影響等により納品が遅れる可能性についての相談があるとお聞きしております。  このため、代替品の確保や他の経費への振替の検討をお願いしており、それでも難しい場合には、個別に事情をお伺いした上で、実績報告書に添付する当該製品の納品や設置完了の証拠書類等を追って提出していただくなど、法令等の範囲内で最大限の対応をしているところであります。  同交付金につきましては、年度を越えて柔軟な執行を可能とするなど機動的な運用等について、国に早期に方針を示すよう、全国知事会と連携し繰り返し要望しております。  県としては、リバイバル補助金等が多くの事業者の皆様にとって有効に活用されますように、まずは運用面で最大限の対応に努めますとともに、引き続き同交付金の弾力的な運用について国に働きかけてまいります。  次に、後継ぎ、承継問題についての御質問にお答えいたします。  平成29年度の県の調査では、60歳以上の経営者で後継者が決まっていない企業が約4割を占め、そのうち約7割が従業員20人以下の小規模事業者でありました。ものづくり企業の高い技術、雇用など、貴重な経営資源を確実に引き継ぐことが重要な課題になっているというふうに考えております。  県では、これまでも新世紀産業機構に設置しました第三者承継を支援する事業引継ぎ支援センターにおいて、相談対応、そして実際の引継ぎへの助言などのきめ細かな支援のほか、後継者人材バンクによる創業希望者と廃業予定者等のマッチングに加えまして、金融機関や小規模事業者に身近な商工団体など74団体で構成いたします事業承継ネットワークにおいて、事業承継診断などの掘り起こしを丁寧に行ってまいりました。  さらに、今年度、相談窓口をワンストップ化するため、これらを統合し富山県事業承継・引継ぎ支援センターを開設するなど、支援体制を強化しております。  これらの取組の結果、昨年度の第三者承継の相談件数は、センター設立以降で最多の150件となっております。直近2か年の相談状況を業種別に見てみますと、製造業が最も多く、次いでサービス業、建設業、飲食・宿泊業となっております。これらが全体の約8割を占めている状況でございます。そして、その相談経路は、金融機関等が構成員となっております事業承継ネットワークと金融機関からの紹介が約4割を占めております。  長引くコロナ禍で早期の廃業も懸念されることから、今後さらに有効な施策を講ずるため、改めて事業承継に係るアンケート調査を現在実施しております。事業承継の課題には様々な対応が必要となることから、この調査結果を関係機関と情報共有し、連携を密に図りながら、一層事業者に寄り添った支援となりますように積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。 33 ◯議長(五十嵐 務君)助野地方創生局長。    〔地方創生局長助野吉昭君登壇〕 34 ◯地方創生局長(助野吉昭君)私からは、まず地域おこし協力隊についての御質問にお答えいたします。  地域おこし協力隊は、平成22年度の受入れ開始以来、13市町で累計138名、令和3年9月現在で41名の方々が、県内各地で御活躍いただいております。  各隊員には、例えば、空き店舗を活用して地域住民が気軽に集まれる交流の場を創出し、まちのにぎわいづくりに寄与された例や、県内外のクラフトや工芸を生かしたイベントを地域住民と一緒に盛り上げ、町最大のイベントに成長させた例、それから地域住民や地元高校生と一緒に、自身の技能を生かして地域の伝統文化を発信する短編映画を制作し情報発信に取り組まれた例など、地域の様々な課題の解決や活性化に貢献いただいており、地域おこし協力隊は、地域を変える大きな力となっていると考えております。  隊員の皆さんには、任期終了後も県内に定住し、引き続き地域の一員として御活躍いただきたいと考えております。本県の任期終了者の定着率は令和2年3月末までで64.7%と全国平均の63.0%よりは若干高いものの、これをさらに高めることが今後の課題であると認識しております。
     今年度実施いたしました隊員へのアンケート調査では、定住に必要な支援や取組といたしまして、起業・継業、ネットワークづくり、研修、隊員の任務に対する行政や地域とのミスマッチの解消などを挙げる回答が多かったところでございます。この調査結果等も踏まえながら、今後、起業への支援や研修やサポート体制の充実などに取り組むことで、定着率の向上を図りたいと考えているところでございます。  今後は、地域おこし協力隊の県内での受入れや定着がさらに進むよう、市町村と連携し、取り組んでまいります。  次に、新川こども屋内レクリエーション施設の整備についての御質問にお答えいたします。  新川こども屋内レクリエーション施設の整備につきましては、10月に開催いたしました第3回検討会で、基本計画の素案を示して議論したところでございます。  これまで3回の検討会では、主な意見といたしまして、まず施設面では、アウトドア、大自然を疑似体験できる施設を希望する、天候の悪い日でも遊びに行きたいと思う仕掛けが必要といった意見がございました。また人材面では、新川文化ホールの音楽やダンス等を教える人材を生かしてほしい、それからスタッフに保育士など経験豊富な人材も入れるべきといった御意見がございました。また運営面では、親にとっても面白い体験ができる施設にすべき、子供が参加し、創り出す仕掛けがあるとよいなどの御意見があったところでございます。  施設の整備方針につきましては、検討会での御意見も踏まえ、遊びを通して、将来世代がたくましく生き抜くための人間形成に役立つ非認知能力や運動能力、創造性を育むため、2つの機能を備えた施設を目指すこととし、基本計画の素案でお示ししたところでございます。  この2つの機能、具体的には、まず子供たちの遊びを促進する機能といたしまして、屋内外を自由に行き来できる空間や新川文化ホールとの連携による舞台芸術イベントの開催など、また子育て支援機能といたしまして、親子で参加できるイベントの開催や同伴者でも楽しめる遊具の設置などでございます。  また、施設規模につきましては、延べ床面積2,000から2,500平米程度とし、配置につきましては、新川文化ホールからの景観等に配慮しつつ、同ホール展示会議棟東側を前提とする案をお示しし、これらについて検討会でおおむね御了解をいただいたところでございます。  今後、年明けには第4回検討会を開催しまして、さらに委員の御意見を伺った上で基本計画案を取りまとめ、パブコメを経て、年度内には基本計画を策定したいと考えております。  以上でございます。 35 ◯議長(五十嵐 務君)出来田生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長出来田 肇君登壇〕 36 ◯生活環境文化部長(出来田 肇君)私からは、国際的な文化活動の御質問にお答えします。  本県の文化振興につきましては、新世紀とやま文化振興計画に基づき、1つには、文化活動への幅広い県民の参加、2つには、質の高い文化の創造と世界への発信、3つには、文化と他分野の連携を3つの柱としまして、施策を展開しているところであります。  国際的な文化交流につきましては、参加者同士の国や地域を越えた相互理解と友好親善の促進、本県文化活動の取組の世界への発信につながるとともに、交流人口の拡大等にも寄与するものと考えております。  こうしたことから、これまでも県では、シアター・オリンピックス、とやま世界こども舞台芸術祭など、国際的な舞台芸術や世界ポスタートリエンナーレトヤマ、国際工芸アワードとやまなどの国際公募展を開催するほか、議員から御紹介のあった富山国際ダンスコンペティション、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド、いなみ国際木彫刻キャンプなど、ダンス、音楽、美術などの幅広い分野を対象とした民間団体等の主催による国際的なイベントにも支援をしてきております。  本県での国際的文化活動の開催につきましては、県民が質の高い文化に触れる機会となることに加え、価値観の異なる地域の人々との交流により、本県の誇る文化の質をさらに高め、世界へ発信することができ、ひいては関係人口の増加も期待できることから、県としましては、引き続き市町村や関係団体とも連携しまして、様々な形での国際的な文化交流の推進に積極的に取り組んでまいります。 37 ◯議長(五十嵐 務君)堀口農林水産部長。    〔農林水産部長堀口 正君登壇〕 38 ◯農林水産部長(堀口 正君)まず、果樹産地の持続的発展についての御質問にお答えをします。  県内の果樹産地において、高齢化や後継者不足が深刻となっている中、県では、生産者の所得向上と担い手確保につなげるため、6次産業化を推進しております。  また、今年度は、議員からも御紹介がありましたように、国の地域食農連携推進事業、いわゆるローカルフードプロジェクトを活用いたしまして、魚津の果樹産地をモデルに、特産のリンゴ等を生かす新たなビジネスを創出し、地域の活性化を図ることを目的に、魚津市や市内約20の企業、団体と連携いたしまして、果樹の郷うおづ地域食農連携プロジェクトを立ち上げ、新商品開発等の新たな取組を支援しております。  具体的には、生産者をはじめ、商工業、飲食業、観光・宿泊業、メディアなど様々な業種に加えまして、子育て世代の若い女性にも参画をいただいて、桃、リンゴ、梨のピューレやドライフルーツの開発、果物の風味、食感を生かした和菓子や洋菓子の試作を進めております。今後は新商品の販売に向け、試作品のさらなる改善や共通のロゴデザインの制作、生産体制やネット販売システムの構築などにも取り組むこととしております。  県といたしましては、こうした地域の積極的な取組を支援しますとともに、県内への横展開を図ることで地域のブランド力向上や活性化を進め、果樹産地の維持発展につなげてまいります。  次に、県内ワイナリーへの支援についての御質問にお答えします。  近年、県内のブドウ産地等において、ワイン醸造をはじめ観光農園や農家レストランを整備し、誘客や販売に取り組まれる事例が増えてきており、県では、国の6次産業化交付金などを活用して施設整備等に支援をしてきております。  また、若手農業者や異業種の企業等によるブドウの生産が拡大していますことから、生産者や市場関係者等で構成する県園芸振興推進協議会において、本年3月に新たにブドウを推進品目とした生産振興プランを策定、さらに優良経営体を育成するためプロジェクトチームを設置し、生産者や新規就農者等への技術習得支援、ブラックビート等の新品種の生産に向けた情報提供などを行っております。  一方、県では、県産農林水産物等のブランド化のためのマーケティング戦略を策定いたしまして、食のとやまブランドのPRに取り組んでおりますが、全国的にも市場ニーズが高まっているブドウやワインは、本県の新たなブランドにつながる可能性があり、今後、生産、流通、販売等の一体的な取組への支援などについて検討していきたいと考えております。  県内のブドウ産地やワイナリーが食のとやまブランドとしてアピールできますよう、生産者や関係団体と連携しながら、技術支援等による産地の育成と、実需者や消費者への魅力発信の取組をさらに進めてまいります。  以上です。 39 ◯議長(五十嵐 務君)三牧知事政策局長。    〔知事政策局長三牧純一郎君登壇〕 40 ◯知事政策局長(三牧純一郎君)私からは、マイクロ水力発電についての御質問にお答えさせていただきます。  県では、これまでも現行の富山県再生可能エネルギービジョンに基づきまして、小水力発電の導入促進に努めてきたところでございます。  現在の状況でございますけれども、出力規模が10キロワット以上1,000キロワット以下の小水力発電は54か所整備されておりまして、このうち出力規模が100キロワット以下のマイクロ水力発電につきましては14か所となってございます。  マイクロ水力発電につきましては、僅かな水量や落差を利用した発電が可能でありまして、自治体や民間事業者、そして土地改良区など、様々な主体が比較的容易に導入しやすいと考えられますことから、カーボンニュートラルに向けましては、1つは効率性の向上等の技術開発支援をしっかりやっていくこと、またあわせて、そのメリットを広く周知しまして普及促進に努めていくことが大事であると考えてございます。  また、議員からも御指摘ありましたマイクログリッドの構築に当たりましては、富山県成長戦略の中間とりまとめにおきましても、その取組促進が掲げられておりますけれども、多くの場合は安定的な電源の確保というのが課題になってございます。そのため、このマイクロ水力発電の普及が、地域の安定的な電源として将来的なマイクログリッドの構築につながることは、脱炭素化に加えまして、エネルギーの地産地消でありましたり、防災等のレジリエンスの効果も期待されまして、地域において多様な価値を実現する大切な取組になると考えてございます。  こうしたことから、現在、改定を進めております再生可能エネルギービジョンの中におきましても、マイクロ水力発電を含めました小水力発電の導入促進については、引き続き盛り込みたいと考えておりますし、その普及について、引き続き関係部局、そして市町村としっかり連携して取り組んでいきたいと考えてございます。 41 ◯議長(五十嵐 務君)江幡土木部長。    〔土木部長江幡光博君登壇〕 42 ◯土木部長(江幡光博君)私から、空き家の流通促進についての御質問にお答えをいたします。  人口減少の進行等による空き家の増加が懸念される中、議員御指摘のように、空き家の流通促進によりその抑制を図ることは大変意義があると考えておりまして、県では、これまでも市町村や民間団体等と連携し、空き家の流通促進に積極的に取り組んでまいりました。  具体的には、富山県宅地建物取引業協会が空き家の総合相談窓口として設置しております空き家コーディネーターの活動やセミナー、個別相談会の開催を支援しておりますほか、首都圏等の富山くらし・しごと支援センターにおきまして、県内の空き家情報の提供、発信などを行っております。  さらに、空き家活用のモデルとなる取組に対する支援として、今年度は、射水市における県外移住者向け賃貸住宅への改修を支援したところであります。なお、この空き家改修支援につきましては、一部の市町村から、支援対象が外国人や県外移住者向けなどの改修に限られていること、また空き家改修前の検討段階から行政と事業者が改修内容や時期について相談できる体制が必要との意見もございました。こうした意見も踏まえまして、来年度に向けて補助対象を見直すなど、より使いやすい制度となるよう検討していきたいと考えております。  県としましては、今後とも市町村や民間団体等との緊密な連携の下、空き家の流通促進、増加抑制に努めてまいります。  以上でございます。 43 ◯議長(五十嵐 務君)以上で澤崎豊君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  午前11時57分休憩       ───────────────────  午後1時00分開議 44 ◯副議長(武田慎一君)休憩前に引き続き会議を開きます。  井加田まり君。    〔20番井加田まり君登壇〕 45 ◯20番(井加田まり君)立憲民主党・県民の会の井加田でございます。通告に従いまして早速質問に入らせていただきます。  まず初めに、新田県政1年目を振り返りまして、知事に3問質問いたします。  知事は、就任後1年が過ぎて、来年度予算編成に向けて新田カラーを積極的に打ち出しておられます。報道によれば自己評価は60点ということですが、任期中に選挙公約の達成に意欲を燃やして取り組んでおられることの評価と推察をいたします。点数評価は差し控えますが、県民の声を聞く姿勢、フットワークが軽く親しみやすいこと、議会に対しては、会派の提言等について、よいことは実行しようとする姿勢について評価をしているところでございます。  一方で、知事は、ワクワクという言葉を度々口にされてきました。最近は、というか今定例会からは、ウエルビーイングに主役の座が移りつつあるようですが、いずれにしましてもコロナ禍において、県民の中にワクワクすることがそんなに多くあったような実感はありませんけれども、発想を変えてみれば、子育てしやすいとか、お年寄りに優しいとか、暮らしやすいなどと、生活の中にあるささやかなウエルビーイングを実感しながら、富山に住んでよかったな、そんなことを思えることが私は大事ではないかと考えております。  そこで質問ですが、就任後の1年間を総括して、県民の目線で最も成果を上げてワクワクした政策は何か、改めてお伺いします。  次に、「ワンチームとやま」連携推進本部の進捗状況と課題についてでございます。  県と県内15市町村の連携をよくしていくために立ち上げられたと理解をしております。今年度に取り組まれた「ワンチームとやま」連携推進本部における連携推進項目の進捗状況と課題について、知事はどのように認識しておられるのか、あわせて市町村の専門人材の採用、育成を支援する県採用・市町村派遣制度、仮称でございますけれども、検討状況についてお伺いをいたします。  3問目は、来年度予算編成の基本方針についてであります。  知事は、公約実現に向けて既存事業をゼロベースで検討し、効率的、効果的な事業へ抜本的に見直し、再構築する方針を示されています。継続して実施すべき事業や拡充すべき事業も多い中で、選択と集中の観点から見直す事業については、その検討段階から議会に方向性を示して議論を進めていく必要があるのではないでしょうか。  また、県が実施している政策評価も十分踏まえた上で、予算を編成していく必要があると考えますが、具体的にはどのように進めていかれるのか、お伺いをいたします。  2項目の質問は、コロナ禍における医療対策の総括と第6波への備えについてであります。  第5波の感染者数は、第4波の感染者数の2倍以上、感染経路不明者は3倍以上、60歳以上の感染者数はほぼ横ばい、30歳未満は44.6%でございました。第5波の感染爆発の特徴は、30歳未満の若年層に集中をする経路不明の感染で、84%ということでありますけれども、ほとんどが変異株に置き換わっていたことを示しています。  9月定例会の予算特別委員会質問におきまして、私は、政府のコロナ対策について、初動の水際対策や感染拡大期において対応が後手に回り、宣言解除の基準も甘くリバウンドが繰り返されたこと、ワクチン確保が遅れたこと、第5波では感染者の急増で自宅療養者が増え、必要な医療が受けられずに重症化するなどの事態や、積極的疫学調査も遅延、停滞となった現状について指摘をいたしました。  県の対応として、感染拡大防止の基本は、軽症、無症状であっても入院、隔離が原則であり、可能な限り自宅療養者を増やさないこと。そのためには、保健所の機能強化とともに、感染者の急増に備えて病床が逼迫する前に臨時の医療施設を準備しておくべきとも指摘をいたしました。  多くの専門家の皆さんは、今年末年始には必ず第6波がやってくるとの危機感を示しておられます。WHOは、11月26日に新たな変異株──オミクロン株が確認されたことを受けて、最も警戒レベルが高い変異株に指定をし、国内においても水際対策を強化する方針が打ち出されております。  県内での再拡大も懸念をされているところですが、厚生部長に専門家の立場から、今後のコロナ感染症の動向についてどのような見通しを持っておられるのか、まずお伺いをいたします。  11月25日、県の感染症対策協議会で、第6波に備えて拡充される病床の確保計画が示されております。厚生労働省は、感染症病床確保の考え方について、今年の夏より3割増の入院患者の受入れ体制の整備、4倍弱の感染者が入所できる臨時医療施設などの確保、宿泊療養施設で3割増の居室の確保の方針を示しております。感染者の早期隔離、保護、早期治療が感染拡大防止及び重症化予防の基本中の基本であり、そのことが今後も対応の前提になると私は考えます。  そこで、第6波に備えた県の対応について厚生部長にお伺いをいたします。  医療提供体制の整備についてであります。  今後、想定される第6波における感染拡大防止に向けて、県内4医療圏におけるコロナ対応病床や、宿泊療養施設の確保の考え方について、感染爆発に至った場合の入院待機施設の開設の準備状況と併せてお伺いをいたします。  厚生労働省は、新型コロナ病床確保に伴う補助金について、対象病床に新型コロナ患者以外の患者を入れないこと、病床使用率が県全体の7割に満たない医療機関は3割減額、実態把握のためG─MISへの病床使用状況を確実に入力することなど、来年1月からの方向性を決めました。  県内病院においては、これまでの感染拡大では、一部の医療機関にコロナ患者が集中するなど負担のしわ寄せがあったと思われますが、今回の補助金の取扱いの変更によって医療機関への負担が解消されるのか、また県内全体の一般医療とコロナ医療との両立に問題はないのか、厚生部長にお伺いをいたします。  次に、PCR検査体制の拡充についてであります。  国方針では、感染拡大に備えて、県の判断で無症状者にも無料検査を実施する方針が示されましたが、濃厚接触者と認定されないまでも、希望する方全員がPCR検査を受けられるよう行政検査を拡大することや、保育所、介護施設、福祉施設などにおける集団検査を実施すべきと考えますが、厚生部長にお伺いをいたします。  ワクチン接種の見通しについて伺います。  WHOが11月24日、感染力の強い新型コロナウイルスの変異株──デルタ株に対するワクチンの感染予防効果は約40%に低下しているとの見通しを示しました。接種をすることで重症化や死亡のリスクはかなり低くなるが、感染リスクはあるとの指摘であります。  そうした中で、昨日から始まったと思いますけれども、医療従事者への接種に続いて、県内においては3回目となるワクチン接種が順次開始をされます。県と市町村が連携する接種計画の見通しと課題について、厚生部長にお伺いをいたします。  3項目の質問は、子ども医療費助成制度の拡充と現物給付化についてであります。  県の助成制度の拡充について、私は昨年11月の決算総括質疑におきまして、未就学児助成に係る国による国保への減額措置が2018年に撤廃されており、入院、通院とも小学校の就学前までに拡充をする県が増えている中で、富山県は46都道府県の中でも、入院は就学前、通院は4歳未満と最低のままであったこと、県内市町村が助成対象年齢を拡充していく中で、基盤的整備の引上げに県が消極的ではなかったかということを指摘いたしました。  その後、「ワンチームとやま」連携推進本部会議での検討を経て、県が、来年度より通院助成を未就学児までに引き上げ、所得制限をなくし、現物給付化への方向性を打ち出されたことは大いに評価をするものであります。  一方で、各都道府県の実施状況について、昨年4月の実態調査以降、現在までに、島根県では入院、通院とも就学前から小学校6年生まで、福井県は小学3年から中学生まで、福岡県は小学6年から中学生までに引き上げております。今後も、各県において助成対象年齢の引上げが進むのではないかと思われます。  県が基盤的な制度を維持し支えるという観点から、医療費助成の対象年齢については、引き続き段階的に引き上げていくべきではないかと考えるものですが、木内厚生部長に見解をお伺いいたします。  4項目の質問は、子宮頸がんワクチン接種の積極推奨の再開についてであります。  子宮頸がんワクチン──ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種ということでありますけれども、2013年4月に小学校の6年生から高校1年の女子を対象に定期接種とされたところでありますが、ワクチンとの因果関係が否定できない意識障害や持続的な疼痛などの重篤な副反応が確認をされ、定期接種となって3か月もたたない同年6月14日に、積極的な接種勧奨の差し控えが勧告をされてきました。  こうした副反応の実態から、定期接種の中止ではありませんけれども、実施主体である市町村が、対象者またはその保護者に、この間、強く接種を求めてこなかったということを承知しているところであります。  その後、ワクチンの効果やリスクをまとめたリーフレットの改訂など積極的勧奨再開に向けた準備が進められて、この11月26日に厚生労働省は、接種の積極的勧奨を来年度の4月から再開するということを決められました。  しかし、ワクチンの副作用について、有効性や安全性への懸念がなくなったわけではありません。積極的勧奨再開の根拠については依然不明確であり、この方針転換にはいささか違和感を覚えるものであります。  昨年10月の通知によって、定期接種の対象者等に対しては、市町村が、個別に、接種を検討して判断するために必要な情報提供を実施しております。医療機関においては、ワクチンの有効性及び安全性等について十分説明した上で、接種を希望する対象者に対して接種をするというふうな方針が打ち出され、そのことによって接種実績も徐々に増えていると承知をしています。  今、急いで積極的勧奨を再開する必要性はないものと考えますが、厚生部長の見解についてお伺いをいたします。  今後、積極的勧奨を再開しても、有効性や安全性を踏まえた上で、接種しないこととした方の判断は尊重されるべきであり、対象者やその保護者のいずれにも強制されることのない慎重な対応が求められると考えますが、引き続き厚生部長の見解をお伺いいたします。  ここまでは、厚生部長の質問が集中しておりました。以降について進めていきます。  5項目の質問は、警察署の再編統合と交番、駐在所の機能強化についてであります。  県東部の5署と県西部の5署について、それぞれ2から3署に集約をする警察署再編統合に向けた議論が進んでおります。再編統合により、地域の安全・安心が守れなくなるのではないかとの不安の声が聞かれます。とりわけ地域交番や駐在所は、地域の特性や環境に応じて住民に目が行き届くような配置が求められていますが、現状においても交番に誰もいないことが多いという声も聞かれます。警察署の再編統合を機に、交番が地域からさらに遠くなってしまうのではないかと心配の声も上がっているところであります。  再編統合の際は、地域に密着して安心・安全が守られるように、住民に近い関係性を構築し、信頼関係が築けるような交番として機能を強化する必要があります。再編統合で新設をされる警察署や、分庁舎となる警察署が管轄をする交番、駐在所の配置や活動等の機能強化について、どのような方針で進めていかれるのか、杉本警察本部長にお伺いをいたします。  6項目の質問は、コロナ禍における児童生徒への影響についてであります。  児童生徒の問題行動・不登校など生徒指導上の諸課題に関する調査の結果が公表されております。年間30日以上の長期欠席者が、前年度と比べて、小学校で131人増えて556人、中学校で53人増えて899人と、ここ数年で最多となっております。
     コロナ禍で外出自粛の期間も長期化をし、家庭での時間が圧倒的に増え、家族の絆が強まった面もある一方で、子供が参加をする地域の行事がなくなり、地域で見守りが必要な子供たちの日々の小さな変化を把握しにくくなっているのではないかと考えられます。  暴力行為やいじめ、不登校、中途退学の現状について、全国平均との比較もありますけれども、件数の推移の増減などから、問題行動等の傾向や原因、そして学校現場への影響について、県教委としてどのように現状を捉えておられるのか、荻布教育長にお伺いをいたします。  児童虐待として児童相談所が対応した件数が、昨年度20万件を超えて過去最多を更新しております。厚生労働省によると、小中高生の自殺者数が前年度から100人増えて499人と、1980年以降で最も多かったということが報じられています。前年を上回るペースで推移しているということでございます。  学校現場での問題行動や不登校などのSOSを見逃さずに早期に把握をし対応することが、自殺の抑止や重篤な虐待を未然に防止することにもつながります。一人一人の子供たちに目が行き届く環境が求められていますが、小中学校における人権教育の現状、児童生徒が相談しやすい環境づくりにどのように取り組んでいるのか、学校における相談体制の現状とその充実に向けた課題と併せて、荻布教育長にお伺いをいたします。   最後の質問でございます。  昨日も、米軍三沢基地所属のF16戦闘機が、燃料タンクを放棄して、青森空港に緊急着陸をして動けなくなっているということが報道されました。  県内においても、今年10月18日に、複数の米軍機が予告なしに黒部ダム上空を低空飛行したことが報道されました。米軍が設定するブルールートでの飛行訓練と考えられます。  問題なのは、黒部ダム堰堤から高度117から145メートルと、航空法で規定をする最低安全高度の150メートルを下回って飛行していた疑いがあるということであります。中部山岳国立公園内の一大観光地である黒部峡谷での低空飛行は、落下物や衝突、墜落事故、雪崩誘発の危険性があり、県民や登山者、観光客への安全への懸念があります。ライチョウ等の生態系への悪影響もあります。ブルールート周辺のドクターヘリのランデブーポイント、岐阜県高山市の分も含んででありますけれども、影響も懸念をされるところです。  米軍機の無法とも言える低空飛行が全国的に行われております。全国知事会は2020年の11月5日に、事前情報提供や国内法の適用など、日米地位協定の抜本改革を求めています。 46 ◯副議長(武田慎一君)制限時間です。 47 ◯20番(井加田まり君)はい。  引き続き、県としても事実確認の状況と併せて対応が必要だと考えますが、知事にお伺いして質問を終わります。 48 ◯副議長(武田慎一君)井加田議員にお伝えします。再質問は1回のみとさせていただきますので、よろしくお願いします。  新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 49 ◯知事(新田八朗君)井加田まり議員の御質問にお答えします。  まず、就任1年目を振り返ってという御質問にお答えします。  昨年の11月9日に就任して以来、新型コロナあるいは大雪対応など、危機管理の事案にいろいろと取り組んでまいりました。その中でも県民目線、スピード重視、そして現場主義、これらを徹底しながら、県民が主役と約束した県政を目指して、誠心誠意、仕事をしてきたつもりでございます。  特に「ワンチームとやま」連携推進本部会議の設置、また富山県成長戦略会議の開催、富山県DX・働き方改革推進本部の設置など、これらについてはスピード感を持って着実に進めることができ、これがワクワクにつながっていくというふうに信じています。  また、新型コロナ対策を行う上でも、真の幸せ(ウエルビーイング)の向上というものを中心に据えて、市町村長、また県民の皆さんと共につくる幸せ人口1,000万を目指して、ワクワクする施策の検討が進行していることは一定の成果だと思います。まだまだ緒に就いたところですが、今まさに、まいた種に水を一生懸命やっている、そんなフェーズだというふうに考えています。  現在、来年度予算に向けた具体的な施策の検討を進めておりますが、今後も引き続き、県議会や県民の皆様の御意見をよくお伺いしながら、一方で変異株が懸念される新型コロナウイルス感染症への対策にも万全を期しつつ、コロナのその先、ビヨンドコロナを見据えて、富山県のさらなる発展に向けて取り組んでまいります。  次に、ワンチームとやまの推進についてお答えをします。  「ワンチームとやま」連携推進本部会議では、市町村長の皆さんと協議して決定した連携推進項目について、ワーキンググループでの検討を踏まえて議論を重ねてきました。先般行いました10月末の会議での中間報告では、全ての項目で進捗状況はおおむね順調というふうにされております。  幾つか挙げますと、まず行政のデジタル化関係では、来年度から市町村と共同で利用する電子入札システムを構築することができました。また道路の除排雪関係では、雪捨場の新設や共同利用化、連携除雪の範囲の拡大という結果も出ています。また有害鳥獣対策では、捕獲組織のない自治体に熊が出没したとき、近隣自治体と協力して捕獲する協定を締結するなど、このように具体的な成果が現れ始めていると見ています。  今後の課題としては、連携推進項目として新たな枠組みづくりを進めるような未来志向型のテーマも検討が必要ではないかと考えており、今後、15人の市町村長さんと協議をして、追加をできるものはしていきたいと考えています。  一方で、市町村の専門人材の確保へのサポートですが、これまでも求めに応じて職員を派遣するほか、災害時の被災地派遣と平時の市町村支援を担当する土木あるいは農業土木、林業職など技術職員の増員に取り組んできたところで、現在、土木センターなどに6名配置して市町村へのアドバイスなどを行っています。  近年は技術人材不足でして、本県でも専門人材の確保にはなかなか苦労している現状でありますが、今後、私の公約の一つでもあります県採用・市町村派遣制度、仮称ですが、この創設に向けて、まずは県内市町村のニーズの調査を行うとともに、どのような制度設計がいいのか、より有効か、市町村と共に検討を進めてまいりたいと考えております。  ワンチームというのは、実は私が知事選挙への立候補を決意しました2019年、折しも行われていましたラグビーワールドカップ2019、そこでの日本チームの大活躍、このジャパンのチームをワンチームと呼んで国民がみんなで応援したわけですけれども、そのワンチームというのは、年間200日を超えるような合宿をしてハードワークをしている、それによって出来上がったチームワーク、そういうことなんですが、単なる強固なチームワークに限らず、一旦ボールが出たら、それを15人のポジションのプレーヤーが、それぞれの持ち場をしっかり守りながらも、どこでどう球が動いて、そして最後どこにトライをするのか、そこまでのイメージをみんなが共有できる、そこまでやったからワンチームということだと当時言われていました。  この15市町村との「ワンチームとやま」連携推進本部会議も、ぜひそんな状況に近づけていきたいと考えているところです。  今後も、このワンチームとやまを推進しまして、住民に近い住民サービスの最前線で頑張っておられる市町村をしっかりとサポートしながら、各地域の活性化、そしてそれが県全体の飛躍、発展につながるよう努力をしてまいります。  次は、令和4年度当初予算の編成方針についての御質問にお答えします。  先日発表しました令和4年度の当初予算編成方針において、近年、デジタル化や技術革新など社会経済情勢が急速に変化をしていることを踏まえまして、これまで長年続けてきた前年度予算額から一定率を削減するマイナスシーリング方式から、事業の抜本的見直しや再構築に重点を置く方式に転換をしました。  このマイナスシーリング方式は、昭和58年(1983年)から40年近く続けてきた、すっかり定着しているやり方ですので、これを変えていくというのは、なかなかハードルも高いこともあるかと思いますが、職員の皆さんに努力していただいて、所期の目標を達成していきたいと考えています。  そして、これを踏まえて、これまで継続して実施してきた事業などについても、やっぱり県民目線で判断をする、これを第一に、業務の効率化、あるいは職員の働き方改革の観点もそこに踏まえて抜本的な見直しを進めるよう、私から直接、各部局長に指示したところです。  今後、私から各部局長に、その具体的な見直し内容について、12月の下旬になろうかと思いますが、その頃をめどに直接のヒアリングを行い、できるだけ統計データや客観的な指標、幅広いヒアリング結果などの合理的な根拠に基づいて、当該事業のこれまでの成果を評価した上で議論を行い、県民ニーズに沿った予算編成につなげてまいります。  見直した内容につきましては、県議会をはじめ県民の皆様に、目に見える形でお示しすることが大切だと考えており、新年度当初予算案と併せて公表したいと考えています。  私からは最後になりますが、米軍機の低空飛行訓練への対応についてお答えします。  米軍機による低空飛行訓練の件については、先月15日夕方にテレビ報道されたことを受けて、翌日直ちに防衛省の近畿中部防衛局を通じて米軍へ事実確認を行っています。今日現在、米軍からまだ回答は届いておりません。  米軍機による低空飛行訓練の問題については、日米安全保障条約など外交・防衛政策に関わることであり、これは事柄の性質上、権限と責任を許される政府において、しっかり対応されるべき問題であると理解をしています。  国に対しては、これまでも全国知事会において、国の責任での必要な実態調査、訓練の事前情報提供など、関係自治体や地域住民の不安を払拭するよう配慮することを求めています。また航空法など国内法を原則として米軍にも適用させるなど、日米地位協定の見直しを含めた対応も求めております。  本県としては、今後も国の動きを注視するとともに、県民の安全・安心の確保のために、全国知事会とも連携して適切に対処してまいりたいと考えます。  私から以上です。 50 ◯副議長(武田慎一君)木内厚生部長。    〔厚生部長木内哲平君登壇〕 51 ◯厚生部長(木内哲平君)私から、まず新型コロナの動向についての御質問にお答えをいたします。  現在、全国的にコロナの感染者数、非常に低い水準で推移をしています。県内においても落ち着いた状況が続いているわけですが、一方で、国内の感染伝播、これ自体は継続をしていると評価をされております。  また、ワクチン接種が先行する諸外国において、中和抗体価の低下などによるブレークスルー感染や、大幅な規制緩和の中でリバウンドが発生しているという状況も見られているところです。  加えまして、新たな変異株につきましても、このほど国立感染症研究所によるリスク評価においても、「懸念される変異株」と指定をされまして、国におきまして水際対策や監視体制の強化がされております。県におきましても、国からの指示に沿って監視体制を強化することとしております。  また、今後、年末年始に向けて気温が低下をしまして屋内での活動が増える、また忘年会、クリスマス、お正月休みなどの恒例行事によりまして社会経済活動が活発化するということが想定をされます。こうしたことが感染拡大のきっかけになる可能性はあるということでございます。  また、1回目、2回目のワクチン接種、これはほぼ終了しておりますけども、接種済みであっても感染する可能性があるということ、また接種済みの方が、さらに他人に感染させるといったことも可能性があるといったことがございまして、この点留意する必要があると考えております。  今後、いつ、どのくらいの感染が広がるかということを見通すことは、なかなか困難でございますけれども、感染の再拡大を防ぐためには、ワクチン接種後も、県民お一人お一人に、油断せず感染防止対策を継続していただくということが重要となります。引き続き各種媒体を活用しまして情報発信に努め、県民の皆様に、うつさない、うつらない、そのための行動の徹底ということで呼びかけてまいりたいと考えております。  次に、医療提供体制の整備についての御質問にお答えをいたします。  第5波では、入院による療養が必要な方、それから重症化リスクの高い方が速やかに入院していただけるように、入院病床に一定程度の余裕、空きを持たせる運用としました。400床程度の病床を空きとして確保した一方で、実際に入院された方、最大で1日264人となったところでございます。  先般、県内の医療機関の皆様の御協力の下、病床確保計画を拡充いたしました。この夏の入院患者数は最大264人でございましたけれども、新しい計画では、最大371人の入院を想定値として掲げまして、その上で、フェーズ3では481床、最終フェーズでは571床の病床を確保する計画としたところでございます。  また、宿泊療養施設につきましても、富山市と高岡市の合計3棟の確保を継続するとともに、稼働率につきましても一層の向上を図りまして、500人の入所を想定しているところでございます。  また、入院待機施設について、感染の急激な拡大によりまして、感染者の速やかな入院調整が困難となる場合にも備えるということから、医療用機器の整備や医師、看護師の配置等に要する経費を11月補正予算案に計上したところでございます。  設置場所につきまして、地元の御理解を前提として選定する、またコロナ対応を含む医療提供体制に影響が出ない範囲で医療従事者を医療機関から派遣いただく、その内容につきまして検討を進めているところでございます。  第6波に備えまして、医療機関、関係団体と連携しながら、引き続き医療提供体制の強化に努めてまいります。  次に、病床確保に伴う補助金についての御質問にお答えをいたします。  新型コロナの患者さんを受け入れるための病床の確保、これはベッドを空きにして、いつでも入れるようにするということでございますけれども、このための病床確保料というものをお支払いしてございます。  この病床確保及び患者受入れの実効性をさらに高めるということで、来年の1月から、この補助金におきまして、即応病床──即応病床というのは、その時点で空けて、患者さんを受け入れられる状態になっている病床ということですけれども、この病床における実際の患者さんの受入れの割合、病床使用率が県平均の値の7割に満たない医療機関における補助金の約3割減額の措置、また即応病床1床当たりの休止病床──これはコロナ患者さんを受け入れるための人員配置のために結果として使えなくなる病床ということですけれども、この即応病床1床当たりの休止病床の上限が設定をされるということ、これが令和4年1月から適用されるということになりました。  病床確保料の減額措置につきましては、地域ごとの感染状況の偏りによりまして、当該地域で入院の受入れ病床が少ない場合などは、やむを得ないということで適用を除外することとされています。  また、休止病床につきまして、これは即応病床1床当たり2床までということですので、現在、これを超えて休止病床というのを設定している医療機関については、この補助金が減額となるものでございますけれども、本県におきまして、この影響を受ける病院は少なく、また、これを理由に確保病床を減らす病院はないと伺っているところでございます。  これまで多くの医療機関で病床の確保をいただき、また受入れをいただいてきたところでございますけれども、県としまして、今回の国の見直しの趣旨を医療機関の皆様に十分周知をしまして、コロナ病床の確実な確保、一般医療とコロナ医療との両立に努めてまいります。  次に、検査についての御質問にお答えをいたします。  県では、これまで県内で272──これは診療所も含めてですけども、医療機関に御協力をいただきまして、かかりつけ医などの身近な医療機関で、発熱患者の診療、そして検査を行う体制を整備してきております。  また、感染者が発生した場合には、感染源や感染経路に関する調査を丁寧に行いまして、濃厚接触者に限らず周囲の方のPCR検査を実施しています。  高齢者施設などで感染が判明した際には、さらに施設内の一斉の検査ということも実施をしてきておりまして、特に今年6月には、障害者入所施設等においてクラスターが相次いで発生をしたということから、県内の障害者入所施設や高齢者施設など262の施設を対象に一斉に検査を実施したところでございます。  加えまして、社会福祉施設などにおきまして、早期に陽性者を発見するという観点から、抗原簡易キット、その場で結果が出るという検査、これを高齢者施設、障害者施設、児童福祉施設、計6万5,000回分を配布してございます。  今後とも、感染拡大防止の観点から必要な検査が遅滞なく受けられますよう適切に対応をしてまいります。  続きまして、ワクチン接種、3回目の追加接種についての御質問にお答えをいたします。  報道もされていますとおり、3回目の追加接種については、2回接種を受けた18歳以上の方を対象としまして、2回接種完了から原則として8か月以上の間隔を置くと、そういった国の対応方針に基づきまして、今月より順次、各市町村において実施をされていきます。  県では、医師会や公的病院などに対しまして、改めて追加接種の協力を依頼しますとともに、市町村の準備に役立ちますよう、接種券の発送時期や接種開始時期を取りまとめまして、各市町村に情報を共有しております。  また、市町村の接種体制を側面支援するため、県内2か所で実施をしてまいりました県の特設会場につきましても、来年3月中旬以降に再開をするという方向で準備を進めております。  感染拡大防止や重症化予防の観点から、希望する県民に対しまして速やかに接種が行われるということが重要であると考えておりまして、市町村や医療機関などと連携をしまして、円滑な追加接種に努めてまいります。  次に、乳幼児医療費助成制度についての御質問にお答えをいたします。  県の乳幼児医療費助成制度につきまして、先般、「ワンチームとやま」連携推進本部会議におきまして、対象年齢を未就学児まで拡大をするとともに、所得制限を撤廃する方針を示したところでございます。  これは、国におきまして、平成30年から国民健康保険の減額調整措置が未就学児までを対象に撤廃されたこと、未就学児までを対象とする都道府県が最も多いこと、最も医療費がかかる年代であるということなどを踏まえまして、対象年齢を未就学児までとしたものでございます。  今後の制度のさらなる見直しにつきましては、国や他の都道府県などの状況、そして県の財政状況などもよく勘案しまして検討をしてまいります。  また、少子化対策につきましては、これは国を挙げて取り組むべき課題であると考えております。乳幼児医療費助成制度は、子育て世代の経済的負担軽減の観点から重要であります。このため全国一律の子ども医療費助成制度の創設につきまして、知事会を通じて国にも要望しております。様々な機会を捉えまして、引き続き働きかけをしてまいりたいと考えております。  次に、子宮頸がんワクチンの接種についての御質問にお答えをいたします。  子宮頸がんワクチンの接種でございますが、平成25年4月に定期接種となった後、ワクチンとの因果関係を否定できない持続する疼痛が特異的に見られたということで、同6月に積極的な接種勧奨を差し控えるとされております。  一方、先月、国の審議会におきまして、ワクチンの接種の安全性、有効性に関する近年のエビデンスを踏まえて審議が行われまして、国内におけるデータにおきまして、若年女性のワクチン接種後の症状の発症率が、非接種群──ワクチンを接種していない方の症状の発症率、と比較して有意な上昇が認められなかったということ。また諸外国におきましても、ワクチン接種後の症状とワクチンとの関係を示唆するエビデンスが示されていないといったことから、安全性について特段の懸念は認められないということ、また接種の有効性が副反応のリスクを明らかに上回るとされまして、積極的な接種勧奨を再開するとされたところでございます。  県では、これまでも実施主体である市町村、また県民の皆様に対しまして、子宮頸がんワクチンの安全性や有効性について周知を行ってきておりますが、今回の国の方針を踏まえまして、接種の実施主体である市町村などとも連携をしながら、引き続き県民への正しい情報提供、そして対象となる方の接種機会の確保に努めてまいります。  最後に、接種を希望されない方についての御質問にお答えをいたします。  ワクチン接種については、予防接種法上、努力義務とされております。積極的勧奨を再開するとしましても、最終的には御本人や御家族が納得をした上で接種を御判断いただくこととなります。このため接種の対象となる方に対しまして、ワクチン接種を検討、判断するために必要な正しい情報を提供することが重要であると考えております。  市町村とも連携をしまして、ワクチン接種の有効性及び安全性に関する正しい情報提供や相談対応などに努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 52 ◯副議長(武田慎一君)杉本警察本部長。    〔警察本部長杉本伸正君登壇〕 53 ◯警察本部長(杉本伸正君)私からは、交番、駐在所の機能強化についての御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、交番、駐在所につきましては、地域の安全・安心を守る拠点として、その役割は大きく、今後の警察署再編に際しましても、その役割を維持しつつ、さらに機能強化を図っていく必要があると考えております。  県警察では、これまでの富山市及び射水市における警察署の再編において、既存の交番や駐在所に加えまして旧警察署を幹部交番として運用し、高度な指揮運用機能を有しつつ、本署と連携した即応体制を確保するとともに、地域に密着したパトロール活動をより積極的に行うなど、地域機能強化を図ってまいりました。  今後の再編においては、警察署の人員規模が大きくなることによりまして、刑事や交通などを専務とする警察官の数も増えるため、交番や駐在所に勤務する地域警察官が、本来の主たる業務であるパトロール活動など、地域に密着した活動に従事できる時間が増えていくものと考えておりますが、さらに複数の交番、駐在所が連携して活動するブロック運用や、移動交番車の積極的な展開などによる地域警察活動の強化を図ってまいります。  県警察としましては、再編後において地域に根差した交番、駐在所を拠点とした活動を、これまで以上に充実させていくとともに、治安情勢や社会情勢等に即した配置や人員等、最適な在り方を検討してまいりたいと考えております。 54 ◯副議長(武田慎一君)荻布教育長。    〔教育長荻布佳子君登壇〕 55 ◯教育長(荻布佳子君)私からは、まず、いじめなどの問題行動等についての御質問にお答えいたします。  国の調査によりますと、児童生徒の暴力行為、いじめ、不登校については、コロナウイルスの感染の影響があった令和2年度を除くと、近年は校種に関係なく、全国、本県とも増加傾向にございます。  令和2年度の状況を見ますと、暴力行為については1,000人当たりの発生件数は、小中学校では全国より多く、ささいなトラブルが原因で押し合ったり、たたき合ったりという行為が多くなっております。
     いじめの1,000人当たり認知件数については、全国より低く、全校種において、冷やかしやからかいといった事案が多くなっておりますが、近年ではパソコンやスマホ等での誹謗中傷などの割合が増える傾向にございます。  不登校につきましては、小学校、高校においては、1,000人当たり件数は全国よりも高く、中学校では低くなっております。原因としては、全校種で無気力、不安によるものが最も多くなっております。  高校の中途退学者の発生割合は、横ばいであり、全国よりも低くなっております。退学理由としては、学校生活、学業不適応、進路変更がほとんどでございます。各学校では、問題行動等の未然防止、早期発見、早期対応がさらに求められるようになっております。  県教育委員会では、いじめ対応ハンドブックなどを作成配布し、研修会等で理解を深めるとともに、スクールカウンセラーなどの専門家を交えたチームによる支援体制の充実に努めております。各学校では、保護者、地域とも連携し、児童生徒の心身の健康状態をきめ細かく把握し、日々の小さな変化を見逃さないように努めているところでございます。  今後とも、生徒指導体制の充実を図り、問題行動等の未然防止、早期対応、解決に向けて全力で取り組んでまいります。  次に、人権教育と学校の相談体制についての御質問にお答えします。  人権教育は、子供たちがお互いを認め合い、お互いに尊重し合い、安心した学校生活を送るための基盤となるものでございます。このため学校では、人権教育の全体計画や年間指導計画を作成し、各教科や特別活動など教育活動全般を通して人権意識を高めるよう努めているところでございます。また人権作文コンクールへの参加や外部講師を招聘した講演会を実施するなど、児童生徒の人権意識を高めるよう取り組んでおります。  学校教育においては、いじめ等を未然に防止するため、日頃から児童生徒の発する悩みや不安についてのささいな変化を把握し、早期対応、解決を図ることが重要と考えております。このため、県教育委員会では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門家を配置し、チームによる相談体制の充実を図っております。  また、児童生徒に対して、SOSの出し方教育に関する教育を推進し、相談しやすい環境づくりに努めております。  教育委員会では、相談体制のさらなる充実のためには、教員の資質、能力のさらなる向上や、スクールカウンセラーなどの専門家等を一層効果的に活用した相談体制の強化が必要であると考えており、今後、より実効性のある教員研修の実施や、公認心理師会などの関係諸団体との連携により、専門家の配置拡充などに努めることとしております。  相談体制充実と人権教育の両面から、いじめなどの問題行動を生まない学校づくりを推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 56 ◯副議長(武田慎一君)以上で井加田まり君の質問は終了しました。 57 ◯副議長(武田慎一君)種部恭子君。    〔9番種部恭子君登壇〕 58 ◯9番(種部恭子君)自由民主党議員会の種部です。今日は質問がたくさんありますので、武田副議長を怒らせないように、先に質問を始めたいと思います。  まず最初に、医師の働き方改革及び医師の確保について8問質問させていただきたいと思います。  2024年、医師の時間外労働に上限規制が適用されます。時短計画案の第三者評価及び時間外労働960時間を超える特例水準医療機関の指定に向けて、来年度はもう実行段階に入ります。上限1,860時間を認めるB・C水準、つまりこれは過労死ラインを超える働き方を適用するということを認めるということになりますが、この指定権限は都道府県に与えられます。  まずは、少なくとも県が経営する医療機関、すなわち県中と県リハについては、事実上、労務管理のお手本でなければ、B・C水準の指定権者としては示しがつきません。特にグレーゾーンである宿日直とオンコールの線引きで、どこまでを労働とみなすかによって地域医療の提供体制は大きな影響を受けますので、現在の医療を維持できるかどうかは、もう厳しい状況になっていると考えています。  オンコールは報酬がつかない拘束であって、オン、オフがはっきりしない、こんな働き方は非常に個人の生活に大きな影響を与えます。子育てや介護との両立を困難にしますし、子供とお出かけに行っている途中に呼び出される、こんな中で医師たちは自分の生活を犠牲にして働いています。不意打ちで呼び出される状態が続くことは当直よりも負担が大きく、オンコールに依存する診療科の成り手が増えてきません。例えば産科や外科ということであります。  グレーゾーンであるオンコールの取扱いについてどう取り組むのか、県立中央病院が特例水準医療機関の指定を受ける見込みと併せて、木内厚生部長にお伺いいたします。  次に、職業倫理として熱意で頑張る医師ほどサービス残業を続け、燃え尽きて現場を立ち去り、残された医師の負担が大きくなり事故も起こりやすくなるという悪循環を止める、これが医師の働き方改革の目的だと認識しています。  時短計画の策定において、管理者へのペナルティーを恐れたり、サービス残業を容認するのではなくて、かといって、いきなり診療を中止するというわけにもいかない、そういう地域医療の現状もよく理解して解決策を探る必要があります。  この相談調整役として勤務環境改善センターがあります。この設置されている場所がどこにあるのか、医師もよく知らない状況の中にあります。勤務環境改善センターが建設的に働き方の改善を目指す窓口となるよう、労使双方の立場や地域医療が分かる適切な人材を配置し、相談体制を強化する必要があると思います。  もう時間がないという状況に来ているかと思います。現状での相談の実態と併せて、木内厚生部長に所見を伺います。  次に、富山県リハビリテーション病院・こども支援センターの子供の診療部門の働き方についてお伺いいたします。  心の問題を持つ子供が増えており、診療の質が変わり、医師に大きな負担がかかっています。現場を何度か確認しに行きました。小児科医たちは、外来診療や病棟回診の合間を縫って児童相談所等のケース会議に対応し、保育園や学校との調整、発達相談など周辺業務に当たっていました。お昼休みは、昼食を取る時間、休憩を含めて5分しかありません。水を飲む暇もないほど続けて夜まで働いていました。最後の患者さんが帰ってから、夜、電子カルテに入力をして、リハビリ計画書、療育手帳の手続、診断書作成などを行って、診療が終わるのは夜8時を過ぎています。翌日は外来開始前早朝に出勤し、外来予約患者の発達検査の確認をしたり、学校とのやり取りを確認したりして、文書作成に追われていました。  当直の日は、書類作成などの残務処理の時間に充てています。勤務時間内とほぼ同じ仕事を行っていると考えられることから、36協定上の宿日直の基準には当てはまらないという可能性があると思います。  働き方改革に向けて勤務実態の把握をされていると思いますが、時間外労働は960時間を超えており、C-2水準を当てはめたとしても、勤務間インターバルが適用されれば、明日から診療を続けられないという状況になりかねません。担い手となる小児科医と診察室の数が絶対的に不足はしていますが、医師の増員には時間がかかります。したがって、今すぐできるタスクシフティングは直ちに取りかかるべきだと思います。  まずは、医師1人に専属のクラーク1人を直ちに配置すべきと考えます。医師の勤務実態と併せて、木内厚生部長にお伺いいたします。  もう一つの課題は、受診後の行き先や依頼先、つまり出口支援が圧倒的に不足していることです。不登校や虐待、不適切養育など家庭に問題を抱える患者の増加により、児童相談所や学校、保育園などとの連携や心理治療が必須です。現状では医師が全てを担っており、タスクシフトはできていません。しかし心理士は検査に追われており、心の治療に関与する時間は全くありません。福祉士は兼務のため、即座に対応できていません。専門性の高い人材を育成する必要がありますが、機械的なローテーションにより、せっかく育った人材が異動するなど、人材が育ちにくい状況となっています。  診療の片腕となる専門性の高い専属の心理士や福祉士を増やし、現場の意見を聞いて、屋根瓦方式で後進をじっくりと育てる仕組みが必要だと思います。どのように取り組むのか、木内厚生部長にお伺いいたします。  もう一つの出口支援として、学校との問題がございます。不登校や発達のでこぼこを持つ子供に対して、出口支援の一つとして、総合教育センター教育相談部が学校での対応を調整してくださっていると聞いています。しかし全県下のケースをカバーするには人員が不足しており、総合教育センターで対応できない分は小児科医が直接学校とやり取りしなければならず、時間を取られている状況であります。  学校との関係調整を担っている総合教育センター教育相談部の強化により、県リハのタスクシフトをすべきと考えます。荻布教育長に所見をお伺いいたします。  県リハの医師は、医局会ですら、週末の夜、オンラインで行っていました。もちろんメディカルスタッフとのカンファレンスを行う時間はなく、入院・入所している子供たちは、看護師さんにほとんど任せっきりの状態です。  入院・入所のこども棟には、ショートステイの子供を含めると、呼吸器を使っている子供が常時5人います。24時間、モニター監視とアラーム対応をしているという状況であります。さらに、このこども棟というのは広いワンフロアでありまして、動線が長いために看護師の負担は非常に大きいものであります。  医療依存度の高い子供の増加だけではなく、高志学園時代、県リハが今の県リハの形になる前と比べると、6歳未満の年少の子供が増えており、生活支援の部分を担う保育士が常時いれば看護師の負担は軽減されると思いますが、常時保育士がいる状態ではないと聞いております。現状では、僅かな人数の看護師だけで呼吸器装着児など医ケア児、重症児に対応しており、安全な医療が提供されているとは言えないと考えます。  保育士や看護補助者、そして呼吸器対応に備えた臨床工学技士の増員等が今すぐに行われるべきタスクシフトと考えます。どのように取り組むのか、これまでの人員配置と業務量の推移と併せて、木内厚生部長にお伺いをいたします。  県立中央病院及び県リハは、公立病院として、不採算の部分を含め県民に必要な医療を引き受けてきました。特に県リハは、障害があろうとも、生まれた命を大切に育むために大変大事な病院だと思っています。不採算で収益性は見込めなくても、これを切り捨てるというのは、一方で出生前診断などが行われている現状を考えますと優生思想だと思います。専門性を下げるわけにはいかない病院ですから、継続的に先を見据えて屋根瓦方式で人材を育成するためには、そもそも指定管理者制度はなじみません。  コロナのように県民の命を守るためのニーズに迅速に対応したり、将来性のある優秀な若手医師を逃さないように、その人のためにポストをつくったり、また働き方改革の実行においては多様な働き方の設定をしたり、柔軟なタスクシフトが必要になりますが、現場のニーズに合わせて、定数の変更や、人事とその時期を柔軟に運用していかなければ人材は集まってきません。せっかくいい人が来ても、その人を雇うチャンスがなければ県外に逃れてしまいます。  県立中央病院及び県リハビリテーション病院・こども支援センターを合わせて地方独立行政法人化することを検討すべきだと思います。  民間出身の新田知事であれば、経営は人だということは恐らくよくお分かりなのではないかと思います。新田知事に所見をお伺いいたします。  県内の医師確保を目的とした、富大と金大の医学部の地域枠における地域医療確保修学資金貸与制度により、県内の医師を育成したということには一定の効果があったと思います。しかし返還免除には、貸与時の条件である産科、小児科、外科、麻酔科、救急、総合診療科、この3つの中で9年間勤務することが要件とされており、専門医制度にエントリーする段階、すなわちスーパーローテーションが終わった後で、自分の希望する専門科に進むという時点で、診療科に制約があるために、自分のライフイベントを考えると、修学資金を返還して離脱、つまり修学資金を受けていたにもかかわらず県外に流出しているというケースがあります。  県内の医師を確保するという目的でこの事業が行われていることを考えると、本末転倒だと思います。現在、救急と総合診療科については、富山大学の主任教授が不在です。県内でこの分野を専攻するときに、ボスがいない状況でこの分野を専攻する気にはなれないと思いますが、8年前の入学時に医学生たちがこの状況になるとは予測はついていなかったはずです。専門医制度の基本19領域については、オーバーラップする部分が多い内科や外科の専門医を目指しつつ、臨床では救急や総合診療科に従事するというのは許容範囲ではないかと考えます。  また、この事業を始めた頃と状況が違っており、医師は全ての診療科で不足しています。県内の医師確保という本来の目的を達成できるように、運用を協議したり、専門医制度の選択の在り方を含めて制度自体の見直しをする時期に来ているのではないでしょうか、木内厚生部長に御所見を伺い、この項目の質問を終わります。 59 ◯副議長(武田慎一君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 60 ◯知事(新田八朗君)種部恭子議員の御質問にお答えします。  県立中央病院等の地方独立行政法人化についての御質問にお答えします。  復習になりますが、県立中央病院は、これまで行政機関の一部として政策医療などを担ってきました。県において、救急、周産期など不採算部門への経費負担や、非常時の災害拠点病院として必要な整備を行ってきました。また人材面では、診療体制強化のため、今年度も33名増員するとともに、病院の意向も聞きながら必要な人事異動を行うほか、特定の医療行為を医師に代わり行うことができる看護師の育成や、医師の事務作業を補助する医療クラークの配置などを通じて、働き方改革にも取り組んできました。  こうしたハード、ソフト両面での体制整備を通じて、県立中央病院は、県の基幹病院として一定の成果を上げてきているのだと認識しています。  もう一つの県リハビリテーション病院・こども支援センターは、指定管理者制度を導入しています。県では、必要な施設整備への支援などを行ってきました。今年度は非常勤医師を1名増員するなど負担軽減を図りながら、リハビリテーション医療の中核施設として県民に専門的な医療を提供しています。  この両病院の地方独立行政法人化という経営形態の変革については、議員が今御指摘されたように、このことの利点あるいは課題なども洗い出した上で勉強していきたいと考えています。両病院の経営の効率化、また医療の質の向上、そして医療スタッフの働き方改革、大変難しいですが、解かなければならないこの連立方程式に取り組んでいきたいと考えております。 61 ◯副議長(武田慎一君)木内厚生部長。    〔厚生部長木内哲平君登壇〕 62 ◯厚生部長(木内哲平君)まず、医師の働き方につきまして、オンコールの取扱いについての御質問にお答えをいたします。  議員からも御紹介がありましたオンコールでございます。勤務時間外に院外に待機をする、そして応急の患者が発生したときに病院に登院しまして診療などの対応を行う、そういった形態でございます。  この待機時間が労働時間に該当するかどうかということですが、厚生労働省より、呼出しの頻度、また呼出しに備えて待機中の活動がどの程度制限されているかなどを踏まえて、個別具体的に判断すべきであると、そのような見解が示されています。  一方、これも御紹介ありました、令和6年度より働き方改革の一環としまして、医師の時間外労働時間を年960時間までと制限する規制が導入されます。それを超えて1,860時間までの時間外労働を行うには、特例水準医療機関として県の指定を受けることが必要になります。  県立中央病院におきましては、既に医師をはじめとする職員の働き方改革、また労働時間に該当するオンコールを含めて時間外労働時間を削減するといったことに着手をしていますけれども、救急医療等の地域医療の水準を確保すべく、特例水準医療機関に係る申請を県に対し行うかどうかにつきましては、現在検討中でございます。  県では、県内の医療機関の働き方改革を支援するため、平成27年より医療勤務環境改善支援センターを設置しまして、社会保険労務士をアドバイザーとして医療機関に派遣するなどの事業を行ってまいりました。引き続きオンコールの適切な運用を含めまして、働き方改革、働きやすい環境づくりに向けまして、医師会等の知見も得ながら各県内医療機関をしっかりと支援してまいります。  次に、今申し上げました医療勤務環境改善支援センターについての御質問にお答えをいたします。  富山県医療勤務環境改善支援センターでは、富山労働局と連携をしまして、労務管理に関するアドバイザーの派遣事業を行うほか、勤務環境改善に関する相談対応や研修会の開催、施設整備に対する助成などを行っています。  このうち、アドバイザー派遣につきましては、平成30年度48件、令和元年度は84件、令和2年度、これは新型コロナの影響がありますけれども、24件といったような実績となっております。相談対応につきましては、平成30年度18件、令和元年度14件、令和2年度9件となっているところです。  こうした業務に関しまして、県医師会や医療機関からは、今行っております社会保険労務士による労働法規上の観点からの助言に加えまして、地域医療の現場や医療法規に精通する医師などによる助言を望む声も伺っているところでございます。  県としまして、医師の時間外労働時間の上限規制の開始におきまして、県内医療機関の対応を一層促進する必要がございます。医療勤務環境改善支援センターにつきましても、県医師会、富山労働局、富山県社会保険労務士会など関係機関と連携をしまして、この相談支援機能強化を図ってまいりたいと考えております。  次に、県リハビリテーション病院・こども支援センターの医師の勤務についての御質問にお答えをいたします。  現在、県リハビリテーション病院・こども支援センターの子供を診る部門としましては、小児神経科、小児整形科、小児外科及び児童精神科がありまして、医師は常勤7名、非常勤5名の計12名で子供の診療に当たっているところです。  近年、発達障害に係る初診患者や医療の発達により医療的ケアの必要となる児が増加傾向にございまして、子供の障害特性や医療依存度の見極めが必要になるなど、医師の業務も増加をしているところでございます。  また、医師の働き方改革が求められておりますし、現在検討しております小児医療等提供体制の検討会におきましても、子供の心の問題について診療体制の強化が必要だというような指摘もございます。そうしたことから医師の負担の軽減、これに取り組んでいくことが重要であると考えております。  医師の負担軽減のためには、今御紹介もありました、医師の代わりに診療記録などをまとめる医療クラークの新たな配置など、補助スタッフの充実も効果的であると考えておりまして、今後、指定管理者と共に医師の負担軽減のための取組というものを検討してまいります。  続きまして、心理士、福祉士などの専門職についてのお尋ねにお答えいたします。  県リハビリテーション病院・こども支援センターの子供を診る部門の心理士、社会福祉士の配置でございますけれども、主に心理判定に係る検査等を行う心理士が3名、また子供や保護者への相談対応、他の施設との連絡調整などを行う社会福祉士3名の計6名が配置をされています。こちらも同じく、患者さんの増加などによりまして、これらの専門職についても業務が増加していると認識をしております。  医師の負担軽減を図る上でも、また子供の心の問題に係る診療体制の強化を行う上でも、これら心理士や社会福祉士の専門職は重要であると考えております。適切な体制につきまして指定管理者と共に検討をしてまいります。  続きまして、看護師等の人員配置についての御質問にお答えをいたします。  同じく、県リハビリテーション病院・こども支援センターのこども病棟の人員配置でございますけども、看護師につきまして、センターを開設した平成28年度は42名でございました。過去3年では令和元年度40名、2年度39名、3年度33名となっております。保育士につきましては、28年度11名、令和元年度12名、2年度11名、3年度9名となっております。看護補助者は、各年度とも1名、臨床工学技士は、30年度以降1名配置されています。  令和3年度、看護師数が減少しておりますけれども、これは、この年に入院・入所数の減が見込まれたため、成人病棟に配置転換をしたことなどによるものでございます。  一方、業務量についてでございます。こども支援センターの入院・入所者数でございます。平成28年度は1万3,279名でございました。令和2年度までの過去3年間では1万3,600名から1万4,300名で推移をしておりまして、5年前と比較しまして少し業務が増加をしているということでございます。また、この数とは別に、医療の発達により医療的なケアが必要な子供が増加するなど、業務量としてのニーズは高まっていると考えております。  医師の負担軽減を図る、あるいは医療依存度の高い子供、年少の子供などに適切な支援を行う上で、これも保育士、看護補助者、臨床工学技士などの職種も重要であると考えております。適切な体制については、指定管理者と共に検討をしてまいりたいと考えております。  最後に、医学生の修学資金貸与制度についての質問にお答えをいたします。  県では、県内で特に不足する診療科の医師の確保に向けまして、富山大学や金沢大学の医学部特別枠の学生を対象に、初期臨床研修修了後、県内の公的病院等において、小児科や産科などの特定の診療科に9年間従事するということを条件に修学資金を貸与しています。また、特別枠以外の希望者に対しましても、一定期間、県内で勤務することや、県内で不足する特定の診療科への従事を条件に修学資金を貸与しています。  こうした修学資金制度につきましては、これまで産科医や小児科医など、県内で不足する診療科の医師確保において一定の役割を果たしてきたと考えています。また平成30年度に外科を対象に追加するなど、状況に応じて運用の見直しも行ってきたところでございます。  現状でございますが、引き続き県内におきまして、産科、小児科などの医師を優先して養成するといったことが必要であると考えられます。  また、制度として客観的な運用が求められておりまして、例えば内科の先生が、内科医であるけれども特に救急科や総合診療科の診療にも従事しているといったこと、これも客観的に確認するということがなかなか困難であるという事情がございまして、現時点で内科医を制度の対象としていくということは難しいのではないかと考えております。  今後とも、これは関係機関の皆様と協議をしながら、この修学資金制度を有効に活用しまして、本県の実情に沿った医師の確保に努めてまいりたいと考えております。  以上です。 63 ◯副議長(武田慎一君)荻布教育長。    〔教育長荻布佳子君登壇〕 64 ◯教育長(荻布佳子君)私からは、県総合教育センター教育相談部の強化に関する御質問にお答えいたします。  県総合教育センター教育相談部は、主に子供や保護者を対象に、電話や来所による相談や学校への訪問相談、カウンセリングなどに関する教員研修の企画運営を行っており、専門職の臨床心理士1名、現職教員15名の計16名で対応をいたしております。令和2年度の相談受理件数は838件、延べ相談回数は3,800回となっており、継続した対応が必要なものが多くなっております。相談内容としては、不登校や学校生活の悩みが多く、中には進路に関する相談もございます。  相談部では、相談者の意を酌むとともに、学校の状況を踏まえて応対をしており、ケースによっては学校へ出向いて調整を図るなど、相談者と学校とのつなぎ役としての役割を果たしております。このため、教育相談部のスタッフには、心理学に関する専門性だけではなく、学校教育に関する知見も求められます。また、さらに虐待や不適切養育など家庭に問題を抱えるケースへの支援を適切に行うためには、教育相談に関する専門性に加え児童福祉や医療機関等に関する知見も必要になると考えられます。  県教育委員会では、各学校で児童生徒の実態を踏まえた適切な支援を行うため、教員研修を充実してきておりますとともに、各学校に、必要に応じて医療機関等とも連携しチームでの支援体制を充実させるよう周知をしてきております。  家庭に問題を抱える患者の増加に適切に応対するためには、医療、福祉、教育の各分野の連携を強化する必要があると考えております。  今後、実態に応じたより適切な支援ができるよう、専門機関との協力、バックアップなどの支援体制の在り方や適切な人材配置などの体制整備について、県リハビリテーション病院・こども支援センターの負担軽減の観点も踏まえ、関係機関、関係部局と協議をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 65 ◯副議長(武田慎一君)種部恭子君。    〔9番種部恭子君登壇〕 66 ◯9番(種部恭子君)次に、教員の働き方改革について5問質問します。  先日、中学校教員の時間外労働が全市町村で上限を超えていたと報道されておりました。とやま学校働き方改革推進プラン2021には公立学校教員の勤務の状況が示されており、働き方改革の具体案が示されています。昨年度当初はコロナの影響で時間外労働が減っていましたが、じわじわと時間外労働は戻っており、サービス残業が報告されていない懸念もあると思います。  教員の時間と体力を奪う仕事の中には、集金の作業があると聞いています。給食費の計算や未収分の集金をするという作業を教員がやっていると聞いています。働き方改革推進プランには、給食費の徴収は地方公共団体や教育委員会で対応するとされていますが、給食費や学年集金の引き落としができなかった家庭の子供からは、教員が手集めで給食費を徴収したり、その計算をしたり、そして牛乳アレルギーの子供に牛乳の分の費用を返還したりする業務を行っていると聞いています。
     集金の事務は、スクールサポートスタッフなどを経由して、別の組織で一括して実施できるようにすべきではないでしょうか、荻布教育長に御所見を伺います。  4月は、始業式、入学式で子供を迎え入れるため、膨大な配布物の準備があります。提出物の回収、学力テスト、身体測定など、多大な業務が発生しています。異動になる教員については、子供たちの様子を次の教員に申し送り、転入校にはできるだけ早く赴任して、子供たちを迎え入れる準備に時間を割きたいと、きっと考えていると思いますし、保護者の立場としてもそう願いたいと思います。  しかし、教員の異動の発表は3月の最終週であり、子供たちを申し送る準備としては十分な時間がありません。新潟県では異動の内示は3月の中旬、大阪府は新年度のスタートが4月10日前後と聞いています。  教員の異動の内示を早め、新年度のスタートを遅くすることで、多忙化を解消するとともに、余裕を持って子供を迎え入れていただけるように検討すべきではないかと思います。荻布教育長の御所見を伺います。  近年、発達のでこぼこや様々な特性を持つ子供の対応など、教員に求められる資質が高度化、多様化しています。新任の教員の質を向上させるためには、研修会などでその時間を奪うのではなく、屋根瓦方式で先輩から学び、そしてスキルを上げていくという現場でのトレーニングのほうが効果的と考えます。  教員同士で情報共有して補完し合うことで負担を減らす意味でも、チーム担任制を全ての学校で導入できるように検討してはいかがでしょうか。チーム担任制によって学級崩壊が減るなどの効果が得られると聞いています。荻布教育長の御所見を伺います。  働き方改革推進プランによると、勤務時間外の問合せに対応するために留守番電話が設置されて、連絡はメールで対応するという取組がなされており、文科省からも提出物については、押印なし、電子データでの回収を可とする旨が通知されていると聞いております。  しかし、不審者情報などの通知は保護者にメールで送信はされていますが、お知らせの配布と提出物の回収は、電子データではなくて、回収された提出物のデータの入力作業、あるいはそのメールアドレスの登録や更新作業も教員が行っていると聞いています。  時間外での留守番電話対応及びメールでの保護者連絡、お知らせ配布と提出物のデジタル化による回収に対応していない学校はどのくらいの割合あるのでしょうか。  知事は提案理由説明で、来年度の予算編成の方針について、働き方改革とDXの観点を取り入れて、斬新で効果的な事業には優先的に予算を配分すると言っておられました。教員が直接手集めをしたり、入力したりすることがないよう、中途半端ではないDXによって教員以外が対応できるようにすべきではないでしょうか、現状と併せて、荻布教育長にお伺いいたします。  過重労働の改善の見込みがないという絶望感は離職につながるリスクだと考えます。ハラスメントについては、第三者機関である独立苦情処理機関、人事委員会と公平委員会だと思いますが、その設置及び周知が図られていると思います。しかし労働についても、社会保険労務士等の専門家が関与して現実的な業務改善を実行するなど、ペナルティーとか対立を生むようなことではなくて、相談ができる教育委員会以外の機関がなければ、牛乳アレルギーの給食費返還をやっているというようなことが現場から吸い上げられてこないのではないかと思います。  多忙化の実態を把握するという意味でも、教員の立場を守りながら内部通報が可能な第三者機関を設置すべきと考えます。荻布教育長に御所見をお伺いし、この質問を終わります。 67 ◯副議長(武田慎一君)荻布教育長。    〔教育長荻布佳子君登壇〕 68 ◯教育長(荻布佳子君)まず、給食費や学年集金の徴収等に関する御質問にお答えをいたします。  とやま学校働き方改革推進プランにおいて、給食費の徴収、管理は地方公共団体や教育委員会で対応するという旨の取組を掲げておりますが、この経緯は、平成31年の文部科学省通知で、「学校給食費の徴収、管理は、公会計化及び地方公共団体による徴収を基本とすべきである」という考え方が示されたことを受けたものでございます。  県教育委員会としては、これまでも市町村教育委員会に対して、学校給食費の公会計化などに係る担当者会議を開催するなど情報提供を行ってまいったところでございます。しかしながら市町村における学校給食費の公会計化などについては、徴収管理システムの導入や事務局職員の増員が必要となることなど課題があり、進んでいない状況にございます。  また、給食費以外の学年集金につきましては、学校や学年ごとの集金額が異なるため、さらに公会計化が難しいという状況にございます。  現在、多くの学校では、教員の負担を軽減し児童生徒と向き合う時間を確保するため、学校給食費や学年集金の徴収は口座振替で行われており、給食費や学年集金の一部返還に係る事務については各校の学校事務職員が担当しており、教員が対応することは少ないというふうに聞いております。  なお、この事務を一律にスクール・サポート・スタッフの担当事務とすることについては、そのスタッフの事務経験の有無や本人の意向などもあり、難しい面があるというふうに考えております。  県教育委員会では、学校給食費や学年集金などの徴収、管理に係る教員の負担軽減が図られますよう、今後とも学校現場や市町村教育委員会からの要望、意見、また働き方改革に向けた取組を検討する、とやま学校多忙化解消推進委員会での議論を踏まえ検討をしてまいります。  次に、教員の異動内示や新学期の時期に関する御質問にお答えいたします。  御指摘いただきましたとおり、年度当初は新しい学年や学級に向けての準備に加え、時間割作成、生徒指導、進路指導、学校行事などの年間計画の立案、さらには様々な調査、報告がこの時期に集中するなど、事務作業が増大する傾向にございます。実際、今年4月から8月までの教員の時間外勤務を月別に見ますと、4月は小学校で約61時間、中学校で約69時間、高等学校で約56時間、特別支援学校で約41時間となっておりまして、ほかの月に比べ、いずれの校種においても10から20時間程度多くなっております。  人事異動の内示については、長年、3月下旬の修了式の日に行ってまいりましたが、その早期化について学校現場からも強い要望がありましたので、昨年度末、県立学校においては5日程度、市町村立学校においては1日程度、前倒しで行ったところでございます。  さらなる早期化につきましては、市町村立学校の人事異動は、次年度の児童生徒数の変動を十分見極めた上で慎重に行う必要があること、県教委と全ての市町村教委との十分な協議が必要となることなど課題がございます。引き続き市町村教育委員会と相談しながら検討をしてまいります。  また、4月の始業日につきましては、県立学校においては各学校、市町村立学校においては各市町村教育委員会で設定をしております。授業日や休業日、学校行事などを考慮した、それぞれの年間指導計画に基づいて適切に設定しているものと考えておりますが、御指摘の教員の働き方改革の観点にも配慮した望ましい始業日の在り方につきましては、地域、保護者の御意見も踏まえ、市町村教委とも相談して研究をしてまいります。  次に、チーム担任制に関する御質問にお答えいたします。  現行の学習指導要領においては、誰一人取り残さない教育の充実ということが示されており、また児童生徒が抱える課題は多様化し、学校ではよりきめ細かな対応が求められております。  こうした状況に対応するため、チーム担任制などにより児童生徒に複数の教員が関わる体制は、効果的な取組の一つであると考えます。  教員がチームで指導する体制は、多角的な視点で児童生徒を把握でき、個に応じたよりきめ細かな対応ができます。また若手とベテランが教え教えられる体制により、それぞれのよさを生かし、お互いにカバーし合うことで指導体制の強化が図られると考えます。またさらには、複数の学級や学年が合同で活動することで担任などに時間の余裕が生まれるなど、学校全体として、指導の充実、教員の指導力向上、働き方改革などの面における効果が見込まれます。  県教育委員会では、加配教員の活用方法として、学級担任を2名体制とすることも可能としており、小中学校では、これまでも教科の特性や児童生徒の実態に応じて、複数担任制や特定の教科指導をチームで行うなど教育活動の充実を図っております。また一部の市町村では、学級や学年の枠を超えて、チーム担任制などにより合同で教育活動を行っております。  県教育委員会といたしましては、チームでの指導体制での様々な取組事例を市町村教育委員会や学校に紹介し、積極的な取組を促すとともに、教員定数の充実について国に働きかけをし、教育環境の充実と教員の働き方改革の推進に向け支援をしてまいります。  次に、学校でのメールでの保護者連絡などに関する御質問にお答えいたします。  県教育委員会では、これまで教員の働き方改革を推進するため、学校関係者への啓発のほか、地域や保護者に向け理解と協力を求める取組を行ってまいりました。  時間外での留守番電話につきましては、外部からの問合せが教員の勤務時間超過の一因となっているということから、令和2年度に県立高校全56校に配備し運用をしております。市町村教育委員会所管の市町村立学校においても、現在、256校中150校と、約6割の学校に配備されていると聞いております。  また、学校安全メール等については、希望する保護者向けのお知らせなどの配信は県内全学校で行われておりますが、電子データによる保護者との書類のやり取りについては、保護者側の環境も様々であり、確実に家庭と連絡できるのかといった懸念があることなどから、現時点では導入がされていないところでございます。  ちなみに、留守番電話の導入をした学校からは、教員の多忙化解消に資するものとして評価を受けているところでございます。  学校業務の見直しを進めるためには、御指摘のように、教員の担うべき役割の精選が重要であり、御提案のありました電子データの活用も含め、市町村教委や学校現場の意見を聞くとともに、地域、保護者などのさらなる理解と協力を求めながら、実効性のある取組を検討、推進してまいりたいと考えております。  最後に、教員の労務に関する第三者機関の設置についての御質問にお答えします。  教員に関する勤務時間、過重労働やパワーハラスメント、セクシュアルハラスメントを含む労務に関する相談につきましては、県総合教育センター及び教育事務所に加え、全市町村の教育委員会において相談窓口を設置し、小中学校、県立学校全ての教員からの相談に応じる体制を整えております。  また、お尋ねの第三者機関に関しましても、県人事委員会や市町村設置の公平委員会が、専門的、中立的な立場から職員の勤務条件等に関する措置の要求の審査や苦情の処理を行いますほか、人事委員会においては、労働基準監督機関として必要に応じて県立学校への立入調査なども行うこととなっており、教員から相談等があった場合は、県教育委員会としても必要な連絡協議を行い適切に対応することとしております。  ただ、令和2年3月の議員からの御質問も受け、その後、相談窓口について改めて周知もいたしましたが、過重労働に関する相談実績は、昨年度がゼロ、今年度はこれまで1件という状況であり、いまだこうした仕組みが十分に知られていない面もあると考えます。  今後は、教員の働き方改革の取組を進めながら、改めて相談窓口の周知も図るとともに相談しやすい職場の雰囲気づくりにも努め、教員からの相談などの様々な意見に真摯に対応してまいりたいと考えます。  以上でございます。 69 ◯副議長(武田慎一君)種部恭子君。    〔9番種部恭子君登壇〕 70 ◯9番(種部恭子君)最後に、ダイバーシティー&インクルージョンについて2問お伺いいたします。  県においては、全ての書類の性別欄を見直し、県立高校の制服を見直すなど、性別違和を持つ子供をはじめとする多様性の受容に向けて取り組んでいただいています。  砺波高校では、性的マイノリティーへの配慮や機能性の重視から、学ランをブレザーに変え、ジェンダーレスの制服を採用したと聞いています。生徒が参加して制服や校則を見直し、多様な意見を踏まえて合意形成をして、仕組みを変えられるという達成感を得ることが、優れた主権者教育だと考えます。  砺波高校はどのぐらい生徒が関与して見直しが行われたか分かりませんけれども、県立高校において生徒がルールメイキングを担っている学校数はどのくらいあるのでしょうか。  子供たちに決定権を与え、主権者教育として、主体的に制服や校則などのルールメイキングに取り組まなければもったいないと思いますが、新田知事に御所見をお伺いいたします。  6月の予算特別委員会で、同性及び事実婚における異性パートナーシップ制度についてお伺いをいたしました。他県の例などを調査すると御答弁をいただいています。  今年、富山大学に北陸初かつ唯一のジェンダーセンターが立ち上がりました。  性同一性障害当事者の第1号の手術が行われました。性同一性障害当事者は、性別適合手術で性腺を切除し、性別を変更しなければ結婚ができません。つまり結婚したいという人の場合は、結婚の前に、遺伝的なつながりのある子供を持てなくなるという重大な性腺を取るという意思決定が必要になります。手術の際、パートナーに子供を持つ選択がなくなるということを承諾してもらう必要があると考えます。  しかし、この時点では、戸籍上は2人とも同姓でありますので、この2人がカップルであるかどうかを医療機関で知ることができません。パートナーが診療契約上、同意の権限があるかどうかを事実上は忙しくて確認することができないということであります。  一方、異性についても、体外受精において不妊治療の助成費の支給対象が事実婚カップルに拡大されており、県においても、事実婚に関する申立書を提出することで、事実婚のカップルであっても体外受精等に不妊治療の助成費を助成しているということで、その確認の仕方を取っているということでありました。  しかし、これも医療機関を受診された時点では、事実婚であるかどうか確認することは実際、診療上は困難です。そうなりますと、戸籍上のつながりのないカップルに体外受精で子供をつくるという重大な責任が発生してまいります。医療同意や公営住宅の入居などの契約時に、同性、異性問わずカップルが事実婚であることを公的に証明するために、同性及び異性パートナーシップ制度を創設するべきではないでしょうか、横田副知事に御所見をお伺いし質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 71 ◯副議長(武田慎一君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 72 ◯知事(新田八朗君)制服や校則のルールメイキングについての御質問にお答えします。  県教育委員会が、今年度の8月に県立高校43校を対象に行った校則及び制服のルール見直しに関する調査では、校則に関しては、既に見直しを終えた学校を含め、全ての学校が「見直す」との回答をしています。  制服に関しては、35の学校が「既に見直した」または「検討中」としています。制服の検討、見直しに当たっては、生徒が参加している学校は18校でした。制服の見直しに生徒が参加した学校では、生徒会執行部が見直しについて提言し、クラスでの話合い、全校生徒へのアンケート、制服ファッションショーの実施、制服の生地や近年の制服事情についての勉強会など、生徒が主体的に関わったと聞いています。生徒からは、生徒全員で作り上げた制服が採用されて満足感や充実感が得られた、何事も動き出すことが第一歩だと実感できた、との意見があり、こうした取組は議員御指摘のとおり、主権者教育にもつながると考えています。  今後、各学校において生徒が新たなルールづくりに積極的に参画し、自らがルールを守るような気運が醸成されていくようになることを期待しています。  県教育委員会において、今後、こうした実践事例を県立高校に広く情報提供し、生徒が主体的にルールメイキングする効果について校長会等に周知し、時代や社会の進展などを踏まえるとともに、生徒や保護者等の意見を丁寧に取り上げ、学校の実情に応じた対応が進むよう、私としても支援をしてまいります。 73 ◯副議長(武田慎一君)横田副知事。    〔副知事横田美香君登壇〕 74 ◯副知事(横田美香君)私からは、パートナーシップ制度についての御質問にお答えいたします。  種部議員より6月議会において本件についての御質問をいただきまして、情報を収集し、どのような制度が可能か調査研究するとの答弁をさせていただきました。その後、当県での制度に係る考え方の整理、ほかの自治体の状況の調査、関係者への意見聴取などを実施してきています。  県では、令和2年3月に改定しました富山県人権教育・啓発に関する基本計画において、性的指向、性自認に係る偏見や差別を人権上の問題と位置づけて、困難な状況にある人々への県民の理解を深めるために、県への申請書の性別記載の見直しや、各種講演会、職員向けの研修の開催などの取組を進めてきています。  県としては、性的少数者、つまり性的マイノリティーの方々や様々な理由で婚姻していない異性カップルの方々の人権の尊重、生きづらさの解消に関して、どのようなことができるか考えていく必要があると考えています。  パートナーシップの証明書またはパートナー宣誓の受領書を交付する制度を導入する自治体は増加しています。6月1日時点の106自治体から11月1日時点では130の自治体に拡大しております。そして主に公営住宅入居の申込みや医療機関への入院時の病状の説明、面会、手術の同意などの手続に活用されていますけれども、さらに様々な民間サービスにも利用が拡大しています。  県としましては、誰もが互いの多様性を認め合い、性的マイノリティーの方々などが安心して生活し活躍できる社会の実現を目指し、今後、県議会や市町村、関係団体などの皆さんの意見を伺いながら、制度の導入に向けた検討を進めてまいります。 75 ◯副議長(武田慎一君)種部恭子君。    〔9番種部恭子君登壇〕 76 ◯9番(種部恭子君)独立行政法人化について知事に、そして県リハビリテーション病院・こども支援センターのタスクシフトについて木内厚生部長に再質問させていただきます。  独法化については、実際に行程に入ってからも大変長い時間がかかると思います。医師の働き方改革は2024年が期限、そこから実行であります。その後、地域医療構想を進め、さらにその後、専門医制度がやってまいります。  シーリングにおいては、当県はマイナスになることは恐らくないというふうに考えておりますけれども、他県からやってきた医師を富山県内に定着させるときに、ポストがないと雇用することはできません。そういう意味では、時間が非常に迫っている状況の中にあるのではないかと思います。  県内医師の確保ができない、養成するにも時間がかかりますから、とにかく間に合わないというのが現場の実感であります。県リハと県立中央病院というのは、1足す1が2ということではなくて、人事交流を含めて、これは1足す1は2以上のものになると私は考えますし、医療機関も民間も企業も一緒ですけれども、人材ありきだというところがございます。  そういう意味では、独法化をこれから勉強していきたいということでありましたけど、勉強しているだけでなかなか進まなければ、大切な人材を富山県に取り込むことができないのではないかと大変危機を感じております。新田知事に、これからどう取り組んでいかれるのかについて、もう一度質問させていただきます。  木内厚生部長には、県リハの働き方改革について。  先ほど御説明がありましたとおり、平成28年開設当初の看護師さんの数が42、令和3年は看護師さんの数が減っていました。病棟の稼働率を病院に寄って調べてまいりましたけれども、平成28年は76%、令和2年にはコロナの影響で78.9%でしたが、1日平均の利用者数を考えると、病棟稼働率はコロナがなかったら恐らく85%を超えていただろうという予測が立てられておりました。それだけ人が増えて稼働率も上がっているのに、人員が減ったのはどうしてなのか。  そして、保育士の数も11名から9名に減っていました。これはどういうことなのかということと併せて、もう今すぐにでもクラークを雇用する必要があると思うのですが、検討しているという状況で、先が見えなければ今働いている人たちは辞める可能性があります。非常に危機感を感じている状況であります。それはいつまで検討するのか、出口についての見通しをお聞かせいただきたいと思います。  以上です。 77 ◯副議長(武田慎一君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 78 ◯知事(新田八朗君)やはり一つの組織の経営形態を変えるということは大きな課題だというふうに考えています。議員おっしゃるように、時間制約、あるいは様々ほかの条件もございます。それらの範囲の中でベストを尽くしていきたいと思いますが、既にこの勉強については、経営管理部のほうで勉強会を設置しまして検討を始めています。できるだけ早く進めていきたいと思いますが、制約があるということはぜひ御理解いただきたいと思います。  以上です。 79 ◯副議長(武田慎一君)木内厚生部長。    〔厚生部長木内哲平君登壇〕 80 ◯厚生部長(木内哲平君)リハビリテーション病院・こども支援センターにおけます働き方改革ないし体制の加工ということでございます。  議員からも御指摘ありましたとおり、医師の働き方改革、これについては喫緊の課題でございます。また子供の心の問題など、小児医療等提供体制検討会におきましても今検討を進めております。その取りまとめというのも、近く中間まとめというふうな予定にしております。  そうした中で、職員の配置につきまして、これは指定管理でございますので、指定管理者におきます裁量というのもあるわけでございますけれども、その指定管理者と共に、医師の負担軽減ないし体制の強化というところをどういったふうにできるか、これは別にゆっくりということではなくて検討してまいりたいと考えております。 81 ◯副議長(武田慎一君)以上で、種部恭子君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午後2時50分休憩       ───────────────────  午後3時00分休憩 82 ◯議長(五十嵐 務君)休憩前に引き続き会議を開きます。  山本徹君。
       〔29番山本 徹君登壇〕 83 ◯29番(山本 徹君)高岡選出の山本徹でございます。通告に従いまして質問をいたします。  まず初めに、本県を担う人材の育成について質問いたします。  昨年度、新田知事の下、第2期富山県教育大綱が策定をされました。基本理念は、「ふるさと富山に誇りと愛着を持ち、地域社会や全国、世界で活躍し、未来を切り拓く人材の育成─真の人間力を育む教育の推進─」とされたところであります。  大綱の中では、ほかにも人材についての記述が幾つか見られます。例えば、ICTを活用した新しい教育様式による未来の富山を担う人材、ふるさとへの誇りと愛着を持ちながら国際的素養を身につけ、地域や国際社会が抱える課題を解決できるグローバル人材、ものづくり産業をはじめとする地域産業を担うデジタル技術など先端技術を活用できる人材などなど、ほかにもあります。  大綱でうたわれるこうした人材は、時間をかけて育成されていくものと思います。特に小学校、中学校の義務教育期間に加え、高等学校の3年間を加えた12年間が基礎をつくっていく期間であります。それぞれの段階で習得すべき能力や、身につけておくべき教養が明らかになっている必要があるのではないかと思います。  ○○な人材を形づくるのは○○な能力、というふうに整理をして、小学校ではここまで、中学校ではここまでというふうに到達点を示していく。来年4月から、18歳からが成年となるわけですが、12年間の教育課程を修了すると、成人として必要な○○な能力や○○な教養が身に備わっていて、ふるさと富山に誇りと愛着を持ち、地域社会や全国、世界で活躍し、未来を切り開く人材となっていく、そのための準備が整っている状態でないといけないのではないでしょうか。  この○○に当てはまる能力や教養というものはどういうものであって、改めて県としてどのような人材を育成したいと考え取り組んでおられるのか、知事の考えをお聞かせください。  本県の中学校卒業者における進路状況を見ますと、令和2年度は高等学校進学者9,240名のうち290名、3.14%が、令和3年度は進学者8,969名のうち248名、2.77%が県外の高等学校等に進学をされました。この県外流出の割合は、石川県では平成31年度で1.59%、令和2年度で1.65%となっております。  県外に進学された理由として最も多いのは、部活動に魅力を感じたから。また近年、広域通信制高校へ進学する生徒が増加しています。星槎国際高校や、さくら国際高校など、富山にもキャンパスがあります。全国的に人気が高まっているその理由は、高校卒業を目指しながら、スポーツ選手や芸能活動など多様なライフスタイルを実現することができるからだと言われています。  大学進学の際に、首都圏などの県外に進学するのはある程度理解できますが、中学から高校への進学の段階で県外に流出したり通信制高校へ進学するのは、本県の教育課程では、生徒や保護者のニーズに応え切れていないからではないのかと心配をするわけであります。  こうした中学校から高等学校への進学の際、県外へ流出している状況をどのように捉え、どのような流出抑止策を講じているのか、また県外からの流入拡大策はこれを考えているのか、教育長にお聞きします。  生徒や保護者の多様化するニーズに応えていくには、子供たちが学びたい教育課程を用意し、選択肢を示す必要があります。  ICTやデータサイエンス部門の伸長に欠かせないプログラミング、高校生段階から専門的に学べるカリキュラムはできないものでしょうか。成長戦略会議でも指摘があったDX人材の育成については、現段階では私立のほうが随分先を行っていると率直に思います。  昨年質問しましたけれども、漫画家やアニメーター、デザインを志す若者が学べる学科を新設してはどうでしょうか。起業家や地域のリーダーとなる地域人材の育成は、公私ともに取組があるところです。海外留学は私立のほうが向いているように感じます。  公私ともに魅力的な教育課程を持ち、並び立つことが重要で、そうすることによって県外や広域通信制高校への流れを止めていけるのではないでしょうか。県立、私立双方の特色を十分に発揮し、子供たちとその保護者に、より多くの選択肢を示す必要があると考えますが、教育長の所見をお聞きします。  10月8日、令和3年度第1回の公私立高等学校連絡会議が開かれ、令和5年度以降の公私比率について本格的な議論が始まりました。3年に一度の改定でございますので、しっかりとした議論がされることを期待いたします。  富山県の公私比率は、現在は71.6対22.4であります。公私に比率を定めているところで、富山県の公立の比率71.6%より高いところは福島県など5県、私立の比率が富山県の22.4%より低いところは3県しかありません。もちろん都道府県それぞれの諸事情がありますから、数字だけを見て一概に論じることはできない、そういうふうに言えるかもしれません。公私比率を定めていないところも20府県あるわけであります。  また、定員に対する充足率も大事な論点です。令和3年、令和2年、平成31年の充足率は、県立高校が97.8、98.6、98.9であるのに対し、私立高校は93.2、88.9、93.6。直近10年の平均で見ても、県立は99.3、私立は93.7となっていて、私立の生徒が充足できていない状況は明らかであります。  石川県を見ますと、公私の比率はざっくり7対3としています。令和2年の充足率は、公立が90.4%に対し、私立は99.6%。改めて卒業生数から計算をしてみますと、実質的な公私比率は2.1対1となっています。私立高校に配慮されていると思っています。  また、現行の公私比率の算出方法では、中学校卒業者のうち、定時制、特別支援学校、国立高専、各種専門学校・専修学校へ進学する者と就職者の半分は、公私比率の算出の対象外としてきました。  しかし、私学側は、就職者の2分の1ではなく全員、また家事手伝いやアルバイトなどが含まれているその他の人たち、そして近年伸びてきている県外への進学者、これも対象外とするべきではないかと主張しています。そうすることによって、およそ300名対象外が増えます。公私ともに充足率は改善し、より充足率の低い私立のほうが生徒獲得のチャンスが増大することになります。  また、2次募集の問題もあります。県立の倍率が低下していて定数割れを起こしています。そのため2次募集で大きな人数が動くことになり、従来なら私立へ行くはずの相当の人数が県立側に流れていて、私立の充足率が上がらない要因となっています。  富山県の場合、公私を合わせた定数が、もともと多過ぎるのではないでしょうか。定数が多過ぎることによる倍率の低下は、競争原理が働かないため学力の低下につながります。聞くところによると、本来実力不足の生徒が上位校へ進学するケースがあったり、実質全員合格の高校があったりして、富山県全体の教育レベルの低下を危惧する声もあります。  学校教育法第4条には、都道府県は、私立の高等学校並びに公立及び私立の中等教育学校の配置状況を十分に考慮しなければならないとされています。本県の策定された教育大綱にも、私立学校の独自の建学の精神に基づく特色と魅力ある教育や、私立学校の魅力向上のための取組を支援し、入園・入学者数の確保と学校経営の健全性の維持向上を図りますとあります。  公私ともに健全に競争し、県全体の教育の質の向上を図ることが重要と考えます。公私比率はどういった考えの下、どういう手順で進められていくのか、教育長にお聞きします。  次に、キャリア教育についてお聞きします。  富山県では、これまでも14歳の挑戦、17歳の挑戦と、全国に誇れる独自のキャリア教育に取り組んできました。キャリア教育は、教育大綱の重要テーマにも位置づけられています。本県を担う人材を育成するには、子供たちが一度は本県を離れたとしても、いつかは帰ってきて、ふるさと富山県で働き、家族を持ち、暮らし、豊かな人生を送るという具体的なイメージを持つことができることが重要だと考えますが、どのように取り組むのか、教育長にお聞きします。  この項の最後に、主権者教育についてお聞きします。  県議会では、今年6月に議会広報紙TOYAMAジャーナル、創刊号を発刊いたしました。広報編集委員会では、県議会に何とか興味を持ってもらえるような議会広報紙を作ろうと、議論を重ねてまいりました。高校生にも読んでもらえるような広報紙を目指そうと、特集記事や漫画を織り込むなどして、雑誌型の形に最終的に決まりました。  せっかく高校生に読んでもらえるようにと作ったのだから、高校生に配布してもらおうということになりまして、教育委員会にお願いしたところ、快くお引き受けいただきました。感謝申し上げる次第であります。  このことを機に、教育委員会の御協力をいただいて、高校生とやま県議会のメンバーと広報編集委員会のメンバー、それぞれ選抜をさせていただき、意見交換をさせていただく機会をいただきました。  10年後の富山県の姿に、女性がもっと活躍していてほしいだとか、農業への支援を手厚くしてほしいだとか、高校生議員のしっかりとした意見を聞かせていただいたことは、大変心強く思ったところであります。また、TOYAMAジャーナルの感想について聞いたところ、教室では誰も開いていなかったと、辛い意見もいただきました。さらなる努力が必要だと感じたところであります。  また、新川高校さんでは、主権者教育にもっと積極的に取り組むべきだと常々感じていたという荒井理事長の御協力をいただいて、富山県議会の出前講座という形で、県議会議員による生の主権者教育を実施させていただきました。  藤井大輔議員と瀬川侑希議員が、荒井理事長、濱元校長先生と一緒になって、50分2こまの枠の中で、どういう内容をどう生徒に伝えていくのか、しっかりとした授業計画をつくってくれました。出前講座は、私たち議員にとっても貴重な経験になったと思います。  そこで、これからの時代の主権者教育、いよいよ来年から18歳から成年年齢になるわけでございますけれども、さらに主権者教育に積極的に取り組んでいく必要があると思いますが、教育長の所見をお聞きいたします。 84 ◯議長(五十嵐 務君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 85 ◯知事(新田八朗君)山本徹議員の御質問にお答えします。  本県を担う人材の育成についての質問にお答えします。  第2期の富山県教育大綱においては、本県を担う人材の育成について、ふるさと富山に誇りと愛着を持ち、地域社会や全国、世界で活躍し、未来を切り開く人材の育成を基本理念としています。  具体的には、技術革新やグローバル化など変化の激しい予測困難な時代に柔軟かつ適切に対応できるよう、目の前の事象から解決すべき課題を見いだし、主体的に考え、多様な立場の者が協働的に共に働くように議論し、解決策を生み出す資質、能力が強く求められています。ここが○○の部分だと、私は理解をしています。  このためにどうするかということですが、社会の変化に対応できるよう課題解決型の教育を展開する、教え合い学び合う協働的な学び、チーム富山教育を実現する、地域を理解し愛着を深めるふるさと教育を推進する、こんなことになります。  いずれにしましても、子供たちが社会に出て活躍できる力を強める最高の環境を、私たちは与え続けていくことが求められます。ハード、ソフトともに。  また、今年度、教育委員会では、この教育大綱に即しまして、新たな教育振興基本計画の策定作業を進めております。これは来年から5年間がレンジです。この中で、国際的な視野を持ち、持続可能な社会の実現のためのSDGsの達成、あるいは真の幸せ(ウエルビーイング)の向上の観点からも、必要な教育施策について、ここで検討しているところです。  今後も、教育委員会と連携をして、将来の本県を担う、また日本を担う、あるいは世界を担う人材の育成にしっかりと取り組んでまいります。 86 ◯議長(五十嵐 務君)荻布教育長。    〔教育長荻布佳子君登壇〕 87 ◯教育長(荻布佳子君)私からは、まず中学校卒業者の県内外への進路状況についての御質問にお答えいたします。  中学校では、生徒や保護者の意向を最優先に、行ける学校ではなく行きたい学校へ、を前提に進路指導をしております。文部科学省の学校基本調査によりますと、令和2年度の本県中学校卒業者で県外に進学している者は、高等学校等進学者9,240名の3.14%に当たる290名ということで、過去3年間でやや増加している傾向にございます。  これらの多くは、部活動に魅力を感じて県外私立高校を選択したという生徒や、県外に本部を置く広域通信制高校へ進学し本県で学んでいる生徒であり、県外進学者増加への対応は喫緊の課題であると考えております。  このため、本県では、県内私立高校が中学校の運動部員等に対して早期にスカウティングできるようにいたしましたほか、県立高校において、地元食材を活用したメニュー開発や加工販売、またイベントへの参画など、地域や小中学校との連携を深め魅力化を図るとともに、その成果を、魅力あるとやまの県立学校のパンフレットや、学びの体験オープンハイスクールなどを通して発信もしております。また、さらに市町村教育長や中学校長と、県外進学が拡大している状況について情報を共有し、中学生に本県高校の魅力を伝えてもらうよう依頼することなど、対策を講じてまいりました。  一方、県外からの受入れのほうですが、県外からの公立高校への受検については、全国的には、大半が県内への本人及び保護者の転居を条件としておりますが、近年、公立高校でも全国募集を行う事例も見られ、今後こうした先行事例について研究してまいりたいと考えております。  また、来年度、生徒や保護者等に、県立高校に対するニーズなどに関するアンケートを実施したいとも考えており、その結果も踏まえながら、魅力ある教育内容などについて幅広く検討してまいります。  次に、公立学校、私立学校がそれぞれ担う役割などについての御質問にお答えします。  本県では、これまで県立高校、私立高校がそれぞれの役割を果たし協調しながら、公私双方が魅力的な教育を展開し、本県の高校教育を支える重要な役割を担ってきております。  県立高校については、公教育を担い、普通科に加え多様な専門学科を設置して、それぞれの課程や学科の特色及び学校や地域の実態を考慮しながら、教育の充実に努めてきております。また近年では、再編統合により学校規模を維持するとともに、新しい学校で特色あるカリキュラムを推進してきております。  さらに、先般設置いたしました令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会では、私立高校の代表の委員の方にも加わっていただき、私立高校側の現状や御意見などもお聞きしながら、県立高校の魅力ある学校づくりを図るための協議を進めることとしております。  一方、私立高校では、各学校が建学の精神に基づく特色ある教育を進めており、国際やICT、デザインなどに重点を置く学校や、スポーツ等の部活動で全国レベルの活躍をする学校、地域住民と協働で地域課題解決に取り組む学校など、私学のよさを生かし、多様な特色ある教育が展開されていると理解をしております。  今後、公私立高等学校連絡会議等の中で、県立高校と私立高校双方の立場を尊重し、お互いに魅力化を図るための意見交換を進めますとともに、公私ともに切磋琢磨しつつ互いに協調して、生徒、保護者のニーズを踏まえながら、より多くの選択肢を示せるよう、高校教育の質の向上に努めてまいりたいと考えております。  次に、公私比率の見直し検討の考え方などについての御質問にお答えします。  本県では、昭和55年に富山県公私立高等学校連絡会議が設置されまして以来、公私が協調し高校教育の振興に努めております。公私比率を定めることは、県内の中学校卒業者の学習機会を確保しますとともに、各学校が生徒の収容、受入れに係る将来計画を策定するために必要であると考えます。また私学の定員を確保し、私学振興を図る観点からも重要なことと認識をしており、今後も尊重すべきものと考えております。  公私比率は、前回までの合意事項などを基本に、全日制高校をはじめ定時制や通信制高校、国立高専等の進路実績を踏まえ、公私間で協議を重ね、双方合意に基づいて設定をしてまいっております。前回の再編の際、公私比率については、私学の代表者にも加わっていただいた、県立学校整備のあり方等に関する検討委員会で議論をしており、学校の規模と配置の検討には募集定員が前提となることから、公私連絡会議における合意に基づく県立高校の生徒の受入れ割合を尊重することが望ましいというふうにされております。  なお、本県4月の県内公私合わせた全日制高校の募集定員は8,490人で、入学者は8,208人となっており、充足率は96.7%ということでございます。この充足率が適正かどうかにつきましては、これから公私比率とともに公私で協議を進めていくことになりますが、県教育委員会では、全日制高校に入学を希望する全ての生徒に就学する機会を保障することは重要であり、そのための定員設定が望ましいというふうに考えております。  今後、公私が協調して本県の高校教育全体の質を向上できるよう、公私連絡会議等で協議をしてまいります。  次に、ふるさとで働き暮らす人材の育成についての御質問にお答えします。  子供たちが、進学や就職などで一旦本県を離れたとしましても、また富山に戻り、富山で働き、家庭を持ち、豊かな人生を送るという具体的なイメージを持つことができるよう、本県では、キャリア教育やライフプラン教育、ふるさと教育に取り組んでおります。  キャリア教育については、小学校では、職業調べや職場見学、保育・福祉体験などを通じて、社会の中での自分の役割や働くこと、夢を持つことの大切さについて理解を深め、中学校では、社会に学ぶ14歳の挑戦に取り組み、将来の進路の選択、決定に導いていけるよう努めております。高校では、令和元年度から、社会へ羽ばたく17歳の挑戦事業に取り組み、県内企業への理解を深めるとともに、将来の就業について考える機会としております。  ライフプラン教育では、校種ごとのライフプラン教育副読本を活用しておりますほか、地域人材を招聘したライフデザインセミナー、乳幼児ふれあい体験の実施などにより、将来の生き方を主体的に考える力を育み、富山で働き、子育てすることのよさを伝えているところでございます。  また、ふるさと教育では、郷土の自然や歴史、文化、産業等についてまとめた副教材を活用し、子供たちの郷土への誇りと愛情を育んでいるところでございます。  県教育委員会では、現在、普通系学科における高校3年間を見通した職業教育プログラムを作成しております。今後、各学校への普及を図ることとしております。産業界と連携したキャリア教育の一層の充実により、本県の将来を担い、富山で活躍する人材の育成に一層努めてまいりたいと考えております。  最後に、主権者教育についての御質問にお答えします。  平成28年度から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことを受けまして、主権者教育の意義が高まっており、小中高校の発達段階に応じて実施をいたしております。  具体的には、小中学校では、社会科の授業で、選挙は国民や住民の代表者を選出する大切な仕組みであること、選挙権を正しく行使することの大切さ、民主政治と政治参加に対する理解など、社会の形成者として必要な資質、能力の育成に努めております。  高校では、公民科の授業などで、文部科学省などが作成した副教材を活用し、公職選挙法や選挙の具体的な仕組みなどを学んだ上で、民主政治の基本となる話合いや討論を行うことで、主体的に社会の形成に参画する態度の育成に努めております。また県選挙管理委員会と連携して、毎年、約15校において模擬選挙などの出前授業を行っているほか、高校生とやま県議会において、県政に望むことや自分たちができることをテーマとして議論した上で、議会形式の意見発表を行うとともに、議員の皆様との意見交換も実施させていただいたところでございます。  議員御指摘のとおり、主権者教育の充実により子供たちの国家、社会の形成者としての意識を醸成することは、子供たちが社会の諸課題を多面的、多角的に考える力などを育むことにつながり、将来を担う人材育成に重要なものだと考えております。今後とも選挙管理委員会や県議会とも連携させていただき、積極的に主権者教育に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 88 ◯議長(五十嵐 務君)山本徹君。    〔29番山本 徹君登壇〕 89 ◯29番(山本 徹君)続きまして、成長戦略について質問いたします。  9月の代表質問におきまして、「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」が成長戦略のビジョンとのことなんですが、残念ながら、一見してその意味が分かる県民はほとんどいないのではないかと思います、と申し上げたところ、県議会議員のくせにそんなことも知らないのかと、お叱りのメールをいただきました。県民の皆さんが、成長戦略について高い関心を持って見ておられるんだなということを、改めて感じた次第であります。  さて、宮本議員の代表質問に対しまして、中長期的なウエルビーイングの指標などについては、今後、精査していくとの答弁があったところであります。またKPIの設定などには、意欲的な目標も設けたいと、積極的な発言もあったところであります。  成長戦略として位置づけていくからには、具体的な指標が必要であると、私もそう感じています。同時に正確でないデータあるいは的確でない指標を基に進んでいくのは、大変危険だというふうに感じています。説得力のある指標を設けることが分かりやすさとなり、様々な力を結集していく、まさに指標となっていくことになるでしょう。  真の幸せ(ウエルビーイング)中心の成長戦略として、収入や健康といった外形的な価値だけでなく、主観的な幸福度を重視した経済成長を目指すとされていますが、主観的な幸福度が満たされているかどうか判断するのは難しいと思います。川島議員からも指摘があったところでございます。  また、ウエルビーイングと言ったときの語彙に対する理解というものが、県民の間で決して均一とは言えない状況にあるのではないかということも心配をします。この成長戦略では、県民レベルでウエルビーイングについての理解を高めるところから取り組む必要があるというふうに感じています。今行われているビジョンセッションは、それに一役買っているというふうに感じています。  富山県成長戦略は、具体的な指標をもって進捗状況や達成具合を県民に分かりやすく説明していく必要があると考えますが、どういった指標を用いて成長戦略の成果を判断していくのか、知事政策局長にお聞きいたします。  8月に発表された「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」と題した知事メッセージの中で、いつまでも県内人口100万人という考え方に縛られていてはもったいない。そうではなく、幸せという大きな傘のもと、関係人口1000万人を目指しましょうと訴えられました。  関係人口と幸せ人口、ともに1,000万人とされていますが、その関係性については、さきの9月定例会でも議論があったところであります。藤井議員の質問に対し、新田知事から、様々な分野で連携を強化し関係人口を増やすなど、幸せ人口1,000万人を目指していきたいとの答弁がありました。鹿熊議員の委員会質疑の中では、三牧知事政策局長は、関係人口1,000万を目指し、その方々のウエルビーイングを向上させ、幸せ人口1,000万をビジョンとして達成していくというふうにされました。  関係人口を1,000万人に増やして、幸せ人口も1,000万人を目指すということなのか、関係人口の方々にウエルビーイングになっていただいて、それをもってすなわち幸せ人口としていくのか、もう少し整理が必要ではないかと感じています。  成長戦略会議がまとめられた中間報告では、多様な人材が生き生きと暮らせる環境をつくることにより、新しい価値を生む人々が富山に育ち、定着する。その人材集積こそが成長のスタートとしていて、これは大変分かりやすいと思っています。  しかし、同じ報告書のブランディング戦略の項では、人口減少がある程度避けられないなら、県の活力を保つためには、人口100万人を切っても、関係人口1,000万人の県を目指すべきではないだろうかとしています。知事のメッセージとも符合するところです。  幸せ人口、県民、関係人口が同列に扱われているように感じられます。本県の成長戦略であるからには、私も、まず富山県民の幸せを目指すべきではないかと考えますが、知事の所見をお聞きします。  いろいろ申し上げましたが、私は、これまでやったことのない新しい成長戦略に果敢に取り組んでいこうとする、この姿勢は評価されるべきだというふうに思っています。  ワーキンググループで検討されている6つの柱、あえて言うなら、これらはまだ成長の種だというふうに思っています。これらの中から一つでも多くが芽を出して、形となって成果が上がってくれば、本県の成長の確かな歩みとなると、そういうふうに期待もしています。  富山県の自立型成長を目指すという大きな戦略目標を掲げられた。大きな目標なくして大きな成果は得られない、この壮大な取組には、それに見合う準備が必要だというふうに思います。  成長戦略は具体的にどのように進められ、期待される効果や実績はどういうものなのか、それによってどういう方々がウエルビーイングを実感することになるのか、そういったことが明確になるアクションプランをつくることが大切だと思いますが、新田知事の所見をお聞きいたします。 90 ◯議長(五十嵐 務君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 91 ◯知事(新田八朗君)まず、成長戦略の幸せ人口についての御質問にお答えします。  成長戦略の中間とりまとめでは、成長戦略を実現することにより、県民一人一人のウエルビーイングの向上を図るとともに、本県の豊かで幸せなライフスタイルを県外の人に発信をすることで、県外からの人材を呼び込む、そして経済成長につなげることとしています。その結果、県民に加えて、本県と関わりを持つ様々な方々、いわゆるこれが関係人口ですが、これも含めたウエルビーイングの向上につなげることとしています。
     だから、厳密に言えば、県民が103万人、リアル人口です。関係人口1,000万人、合わせて幸せ人口は1,103万人ということになりますが、関係人口1,000万人は中長期的な目的でもありますので、成長戦略のビジョンでは、幸せ人口1,000万という、切りがよく分かりやすい意欲的なメッセージを発信したところでございます。これは最後の1人までカウントするというようなことではないというふうに、御理解をいただければと思います。  その実現に向けて、まずは県民一人一人のウエルビーイングの向上、すなわち県民が生き生き暮らせる社会の形成と地域の活性化に取り組む。その上で、多様な人材が集まり暮らせる環境をつくることで、新しい価値や産業を生み出す人材のウエルビーイングの向上を図る。このような人材の本県への集積を目指していきます。  その結果の幸せ人口1,000万については、中長期的な目標ではありますが、施策の効果を示す定義を含めて、PDCAを回しながら進めることがもちろん大事だと考えています。  現状で、関係人口を表す国の統計指標はありません。ビジネスや観光のリピーターとしてよく訪れる人や、ボランティアや、ふるさと納税をしてくださる方、富山県に愛着を持って関わる方など、県の取組と深く関連するものを中心に指標を整理し、効果的な施策を実施し、目標の実現を目指していきたいと考えています。  自民党でも、この特命委員会がございます。本部のほうですが、そちらのアドバイザーも務めている方も、私どものワーキンググループにも加わっていただいています。様々な知見を集めて、議員もおっしゃるその具体的な施策、そしてそれをはかる指標、このようなものを整理して、実現に近づけていきたいと考えています。  次に、成長戦略の効果や実績等についての御質問にお答えします。  成長戦略の核となる6つの戦略、ウエルビーイングの向上と、それを起点とする経済成長との好循環を目指すものです。現在、戦略ごとに設置したワーキンググループが立ち上がり、1回ないし2回の会合を既に開いていただいています。そこで具体的な施策を検討しています。  成長戦略の全体像は、流れを言いますと、県民のウエルビーイングを向上させ魅力的なまちづくりを進めていく。そして、それをブランディング戦略により県内外に発信をする。次世代の価値を生む人材が富山に育ち、また県外からも引き寄せられる。このような人材が新産業やベンチャー企業を創出する。県庁のオープン化により、県内外の多様な人材が県や市町村と連携をして、地域課題の解決にも取り組んでいく。それで県民のさらなるウエルビーイングの向上につながるという好循環を生み出していく。それを目指しています。  ウエルビーイング戦略、まちづくり戦略、ブランディング戦略、新産業戦略、スタートアップ戦略、そして県庁オープン化戦略、この6つが次々に連なっていって好循環をもたらしていく、そのような構造を目指しています。  結果として、本県のウエルビーイングの向上、そして経済成長を実現し、県民や事業者にも実感していただけるのではないかと考えています。  この効果や実績としては、関係人口や、あるいは起業の数、業を起こす数という定量的なものに加えまして、チャレンジできる環境なのか、人とのつながりはどうなのか、生きがいを持っているのか、というような定性的なものもあると考えています。このあたりはチャレンジングなことだと、議員御指摘のとおりだというふうに思います。  今後、ぜひ県議会の議員諸兄の皆様と議論をより深め、これら具体的な施策のうち、まずは3年をめどに取り組むものを中心にアクションプランとして整理をさせていただき、そのうち来年度から取り組むべきものは令和4年度の当初予算案に反映をし、年度末には富山県成長戦略として取りまとめることとしています。  本県の成長やウエルビーイングを県民や事業者に実感していただけるように、実効的な成長戦略を取りまとめていきたいと考えておりますので、どうか議員諸兄の御協力、御理解をお願いいたします。 92 ◯議長(五十嵐 務君)三牧知事政策局長。    〔知事政策局長三牧純一郎君登壇〕 93 ◯知事政策局長(三牧純一郎君)私のほうから、富山県成長戦略の指標、特にウエルビーイングに関しましての御質問にお答えさせていただきます。  先ほど知事からも御説明ありましたけど、富山県成長戦略につきましては、具体的な指標を示し、進捗状況や達成具合についてしっかりとPDCAを回していくとともに、県民の皆様に分かりやすい形で説明していくことは非常に重要であると考えてございます。  成長戦略の中間とりまとめでございますが、先ほど、こちらも知事から御説明いただきましたが、主観的な幸福度を重視しまして、真の幸せ(ウエルビーイング)の向上を目標に据えて、成長戦略の中核となる6つの柱に基づきまして、具体的な施策を各ワーキンググループで検討しているところでございます。この6つの戦略により、先ほどこちらも御説明ありました経済成長とウエルビーイングの好循環を生み出すこととしております。  ウエルビーイングに関連する指標につきましては、収入や健康といった外形的な価値に加えて、チャレンジしているか、人生の目的を持っているか、生活に満足しているかなどの主観的な指標がございます。これらの主観的な指標につきましては、総合計画に基づいた施策においても、そのニーズが満たされるものもあると考えてございます。  その中で、今回の成長戦略で何を重視していくかというところでございますけれども、先ほど申し上げたとおり、経済成長にしっかりとつなげていく、そうしたウエルビーイングの向上というのをしっかり高めていきたいと。その意味で、これまで県の施策で対応できていない県民ニーズを把握して、その原因などを調査分析して、より丁寧に施策に反映していくことが非常に重要であると考えてございます。  具体的には、先ほど成長戦略の全体像、御説明がありましたけれども、人材集積であったり、スタートアップの創出、そうしたところにつながっていくようなウエルビーイングの向上が何なのかと。そうした全体像を意識しながら、そこから立ち返った指標を考えていくことも考え方の候補の一つかなと考えてございます。  今後、ウエルビーイングに関連する具体的な指標につきましては、我々だけではなくて専門家の御助言もしっかりといただきながら調査研究を進めまして、設定したいと考えてございます。これらの指標を基にPDCAをしっかり回しながら、ウエルビーイングと経済成長の好循環、それを実現する成長戦略を進めていきたいと考えてございます。 94 ◯議長(五十嵐 務君)山本徹君。    〔29番山本 徹君登壇〕 95 ◯29番(山本 徹君)最後の質問は、防災・減災、県土強靱化に向けた取組についてであります。  7月の梅雨前線豪雨や8月の大雨などにより、熱海の土砂災害や西日本を中心とした広範囲の浸水被害が発生しました。また富山県においても、氷見市や小矢部市において農地の地滑り被害や道路の通行止めが発生するなど、大きな被害が相次いで発生しています。  近年、激甚化、頻発化する自然災害から命と暮らしを守り、社会の重要な機能を維持するために、県土強靱化を加速し、災害に屈しない県土づくりを進める必要があります。  こうした中、政府は過去最大の財政支出55.7兆円の経済対策を閣議決定し、その中の柱の一つとして防災・減災、国土強靱化を掲げ、4.6兆円を確保するとされたところであります。この機会を捉え、本県としても県土強靱化にどのように取り組んでいかれるのか、江幡土木部長の所見をお聞きします。  次に、盛土の総点検について質問します。  熱海で発生した土砂災害を踏まえ、国は、盛土による災害防止に向け、対応方策について政府と統一的に取組を進めていくため、関係府省連絡会議及び有識者会議を設置して、現在、盛土の総点検を進めているところであります。本県でも盛土の総点検が進められているというふうに思っていますが、県土の状況はどうか、江幡土木部長にお聞きをします。  最後に、熱海市でございます。  本年7月に発生した熱海市の盛土災害に関して、県では、国に法制化を求めていくとのことでありましたけれども、その後、国の有識者検討会が開催されて、防止するための仕組みの在り方について、検討の取りまとめが行われると聞いています。国民の安全に関わる事項であり、国に法制化を求めていくことは非常に重要なことであります。  一方で、全国で盛土規制条例を制定している都府県は既に26あるとのことであり、県に違法な建設残土が持ち込まれかねない懸念もあるわけでございます。県民の安全に関わる問題でもあり、本県でも早急に条例制定を検討してはどうかと考えますが、新田知事の所見をお聞きして質問を終わります。 96 ◯議長(五十嵐 務君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 97 ◯知事(新田八朗君)盛土規制条例制定についての御質問にお答えします。  本年7月に起きました熱海市での土砂災害を受け、国では、全国の盛土の総点検を進めるとともに、並行して有識者から成る、盛土による災害の防止に関する検討会を開催され、年内に危険箇所への対応や土地利用規制など、安全性を確保するために必要な対応策をまとめることとされています。  本県としては、盛土の規制について、これまで全国知事会と連携して、法制化による全国統一の基準、規制を早急に設けるよう要望してきたところです。さらに去る10月29日に、国が第2回検討会で実施したヒアリングにおいても、全国知事会危機管理・防災特別委員会委員長の神奈川県知事、黒岩さんから、全国の知事を代表して改めて要望を行ったところです。  一方で、御指摘のとおり、26都府県においては、災害の防止や生活環境の保全等の観点から、既に盛土を規制する何らかの条例を制定しており、条例の規制がある県から本県へ、県境を越えて建設残土が持ち込まれ、不適切な処分が行われるような事態は避けなければなりません。  引き続き、国に対して盛土規制の法制化による全国統一の対応を求めていきますが、法制化には時間がかかることも想定されます。  そこで、県民の安全・安心の確保のために、県庁内の関係部局が連携して、有識者も参加する検討会を早急に立ち上げまして、盛土規制に関する条例制定を念頭に、県としての盛土規制の在り方等について検討を開始したいと考えております。 98 ◯議長(五十嵐 務君)江幡土木部長。    〔土木部長江幡光博君登壇〕 99 ◯土木部長(江幡光博君)私からは、まず国の経済対策に基づく県土強靱化に関する御質問にお答えいたします。  去る11月19日に閣議決定されました、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策では、4つの柱の一つとして、「防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保」が位置づけられております。また、この経済対策に基づき、11月26日に発表されました令和3年度国土強靱化関係の補正予算案の概要によりますと、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策分として、公共事業関係費で約1兆9,000億円の大型補正予算案が計上されております。  近年、記録的な集中豪雨等によりまして、全国各地で多くの土砂災害や浸水被害などが発生しており、また県内でも8月の大雨により、氷見市や小矢部市で道路法面の崩壊や河川護岸の欠損、地滑りなど、大きな被害が発生しております。  県民の安全・安心を確保するためには、河川改修や海岸保全施設、砂防堰堤の整備などの治水、海岸、土砂災害対策や、橋梁などインフラの老朽化対策を計画的に進めていく必要があると考えておりまして、今回の国の経済対策に基づく補正予算をしっかりと確保いたしまして、災害に強い強靱な県土実現に向けて取り組んでまいります。  次に、盛土の総点検の状況に関する御質問にお答えいたします。  本年7月に発生した静岡県熱海市の土砂災害を踏まえまして、8月に、国土交通省や農林水産省などの関係省庁から県に対し、盛土による災害防止のための総点検について依頼がございました。  これを受けまして、本県では、土石流に関する土砂災害警戒区域の上流域や、山腹崩壊や地滑りの山地災害危険地区内にある盛土、また宅地造成を目的とした大規模な盛土などについて、地元市町村の協力を得ながら、許可、届出の資料や国土地理院から提供された盛土可能性箇所データなどを参照して、点検対象となる盛土の把握を行った結果、100か所が対象となったところであります。  この100か所につきまして、県及び市町村において、盛土のある場所や規模、目的などから、必要な手続を取らず不法に盛土されたものはないか、また現地等において、盛土の面積や土量、排水施設などの災害防止措置等がその手続内容と一致しているか、また盛土の斜面に亀裂やはらみ出し、湧水等の変状がないかなどを確認することにより点検を進めたところであります。  昨日、国土交通省が明らかにしたところによりますと、全国では10月末時点で、課題のある盛土が約150か所見つかったとのことでしたが、本県では11月末までに100か所全ての点検を完了し、課題のある盛土がないことを確認しております。  以上でございます。 100 ◯議長(五十嵐 務君)以上で山本徹君の質問は終了しました。  以上をもって本日の一般質問、質疑を終了いたします。  次にお諮りいたします。  議案調査のため、明12月3日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 101 ◯議長(五十嵐 務君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次回の本会議は12月6日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行いますとともに、議会運営委員会を開催いたします。  本日はこれをもって散会いたします。  午後3時51分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...