富山県議会 2021-11-01
令和3年11月定例会 代表質問
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午前10時00分開議
◯議長(五十嵐 務君)おはようございます。
ただいまから本日の会議を開きます。
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報 告
2 ◯議長(五十嵐 務君)日程に入るに先立ち、報告事項を申し上げます。
去る11月26日、知事から提案されました議案第143号について、
地方公務員法第5条の規定に基づき、議会から人事委員会の意見を求めておきましたところ、11月26日付をもって、お手元にお配りしたとおり意見の申出がありましたので、御報告いたします。
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3 ◯議長(五十嵐 務君)これより本日の日程に入ります。
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県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑(会派代表)
4 ◯議長(五十嵐 務君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第134号から議案第156号まで及び報告第20号から報告第22号までを議題といたします。
これより会派代表による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告がありますので、発言を許します。
宮本光明君。
〔30番宮本光明君登壇〕
5 ◯30番(宮本光明君)おはようございます。
私は、
自民党議員会を代表して、今定例会に提出された諸案件並びに当面する県政の諸課題について質問をいたします。
質問に先立ち一言申し上げます。
先月末実施された総選挙は、
新型コロナウイルス感染症拡大後、初めての全国規模の国政選挙で、感染症対策や経済成長と分配の在り方を主な争点とし、政権選択を最大の焦点に国民の信を問うというものでありました。
自民党は、政権与党として感染症対策など困難な課題に取り組んできたところ、その対策に対する厳しい批判もありましたが、この国難とも言うべき状況を乗り切るため、引き続き
自公連立政権の安定した政治の下で、この国の未来をつくり上げていってほしいという民意が示された結果と認識をしております。
本県では、自民党は、3つの小選挙区で合計32万票余り、比例区では21万6,000票余りを得て、全ての小選挙区で当選を果たし、ここに改めて関係各位の御尽力と県民の皆さんの御支援に感謝を申し上げます。
その一方、今回、全国的にも政府・自民党に対して多くの厳しい声が寄せられたことは、厳粛に受け止めなければなりません。
責任政党である自民党としては、皆様からの信任を得た今、頂いた一票一票の重みを胸に、今まで以上に謙虚に真摯な姿勢で皆様の負託に応えるべく、未来に対して責任感を持ち続け、情熱と判断力を駆使して全力を傾注してまいる決意であることを申し上げ、以下、質問に入ります。
初めに、地方創生の深化に向けた取組について5問質問いたします。
まず、岸田内閣の評価等について伺います。
去る10日に開催された特別国会において、我が党の岸田総裁が第101代
内閣総理大臣に指名され、同日、第2次岸田政権が発足しました。また、第1選挙区選出の
田畑衆議院議員には、総務副大臣に再任をされました。
岸田内閣は、
新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すとともに、新しい資本主義を起動させ、成長と分配の好循環を実現するため、去る19日に新たな経済対策を、26日には財源の裏づけとなる補正予算案を閣議決定したところであり、年内のできるだけ早い時期の成立を目指すと聞いております。
また、少子高齢化が進む中、今後目指すべき国家像として
デジタル田園都市国家構想を提唱しており、これは、人間中心の
デジタル社会を実現することで、経済、生活、幸福の好循環を目指すものであり、コロナで停滞した地方創生を再起動するものであります。
そこで、新田知事は、岸田内閣による経済対策の策定と補正予算の編成、地方創生の推進にも資する
デジタル田園都市国家構想をどう評価しているのか、岸田内閣に対する期待と併せ、知事の所見をお伺いいたします。
次に、来年度当初予算の編成方針等について伺います。
新型コロナについては、
ワクチン接種が先行する諸外国において、中和抗体価の低下や大幅な規制緩和の中での
ブレークスルー感染やリバウンドが発生している状況もあることから、引き続き
医療提供体制の整備や
感染拡大防止対策に万全を期す必要があります。
また、コロナにより打撃を受けている県内経済の活性化はもとより、加速化する少子化への対応やデジタル化、
グリーン成長、県土強靱化などの施策を着実に推進していく必要があります。
こうした中、知事は、来年度
予算要求基準について、新しい生活様式の定着やデジタル技術の進展など社会情勢の変化を踏まえ、従前の
マイナスシーリング方式を転換し、事業の抜本的見直し、再構築を行う方針であることを表明されました。
そこで、来年度予算の編成に向け、本県の税収の状況と財源確保の見通しはどうか、また経済の正常化が進みつつある中、どのような方針で予算編成に取り組むのか、国補正予算への対応を含め、知事の所見を伺います。
次に、北陸新幹線の整備促進に向けた取組について伺います。
去る9日、
北陸新幹線建設促進同盟会の総会が開催され、
杉本福井県知事が会長に就任されました。
本同盟会の会長職は、前身となる
北回り新幹線建設促進同盟会が昭和42年に設立されて以降、これまで一貫して富山県知事が務めてきましたが、今回、会長が初めて交代したことは、一つの大きな節目となったと考えます。
一方、大阪までの延伸については、令和4年度末を目指していた金沢─敦賀間の開業が1年遅延するなど、まだ多くの課題があります。沿線自治体や経済界をはじめ、各界と連携した取組をこれまで以上に進めていく必要があると考えます。
知事には、これまで会長職を務めてきた本県の知見を十分に生かし、長年の悲願であるフル規格による全線整備が一日も早く実現するよう、引き続き御尽力をいただきたいと思いますが、今後どのように取り組むのか所見を伺います。
次に、城端線、氷見線のLRT化について伺います。
去る16日に第3回の城端線・
氷見線LRT化検討会が開催され、昨年実施された
需要予測調査を基に、一定の条件下で新駅を増設した場合の新たな
需要予測調査の結果が示されました。
この調査結果では、城端線、氷見線に1駅から3駅ずつ新駅を設置した場合、いずれのケースでも新駅設置の効果は少ないことから、沿線市の
まちづくり等の検討を引き続き進めるとともに、利用促進に向けた取組の一層の推進が不可欠であると課題が示されました。
しかしながら、LRT化と地域のまちづくりを一体的に進めることは当然のことであり、利用促進の必要性については当初からの課題として挙げられておりました。
今回の
需要予測調査の結果は有用なものではありますが、これまでの3回の検討会を通して整理された課題には目新しさがなく、
LRT化実現に向けての議論が前に進んでいるようには見受けられません。
当局には、リーダーシップを取り、もっとスピード感を持って積極的にLRT化を推進していただきたいと思いますが、城端線、氷見線のLRT化の実現に向けてどのように取り組むのか、
助野地方創生局長に伺います。
次に、
地域循環共生圏の確立に向けた取組について伺います。
中山間地域では人口減少と高齢化が進んでおり、令和元年に
農林水産研究所が公表した
農村地域人口と農業集落の将来予測によると、2015年から2045年の30年で、特に
山間地農業地域では人口が半減し、高齢化率が5割を超えると見込まれています。
幸いにも中山間地域には地域資源としての森林と農地があり、例えばこれまでの80年、100年といった林業サイクルにとらわれず、数年単位と短い超早生樹を荒廃農地に植林し、また里山林での再造林樹木として活用することにより、地域の地産地消
バイオマス燃料とすることが考えられます。
このようなゼロカーボンの実現と地域の活性化に資する
再生エネルギービジネスをはじめとして、地域資源を生かした
地域課題解決型のビジネスの創出に取り組み、雇用を生み出すことが重要と考えます。
そのためには、地域共同体の力が年々弱まっていく中、地域の課題を共有し、解決に向けて一緒に活動する人や組織をつくり育てる必要があります。
そこで、中山間地域の関係者と自治体や研究機関、大学等の教育機関、企業等をネットワーク化し、地域課題の解決に向けたコンソーシアムを立ち上げて、
地域循環共生圏の確立に向けたモデル事業に取り組むことが必要と考えますが、知事の所見を伺います。
次に、地域経済の活性化について7問質問いたします。
まず、成長戦略等について伺います。
現在、知事自らが出向き県民の意見を聞く
ビジョンセッションや、具体的な施策を検討するワーキンググループが順次開催されております。
成長戦略の策定に向けたプロセスが進行している一方で、先月発表された令和4年度当初予算の編成方針では、富山県成長戦略の推進や幸せ人口1,000万人の実現に向けた斬新で効果的な事業に優先的に予算を配分するとされました。
さきの定例会では、
中間とりまとめに対する様々な指摘や意見が出されたところであり、成長戦略のビジョンについては、幸せ人口の定義や1,000万人の根拠が不明確である、ビジョンではなく単なるスローガンにすぎないとの厳しい意見もあったところであります。
そこで、予算を優先配分する
成長戦略関連施策についてこそ、エビデンスに基づき、施策、事業の効果や必要性等をしっかり精査する必要があると考えますが、今後どのように
成長戦略本体と関連施策を練り上げていくのか、知事の所見を伺います。
次に、
マイクロツーリズムの振興に向けた取組について伺います。
県境を越えた移動を控えるコロナ禍における観光振興の取組として、地元や近隣地域での観光、いわゆる
マイクロツーリズムが注目を浴びました。また県が実施する
観光キャンペーンの後押しもあり、新たな旅行需要の創出や、県民が地元のよさを再認識する機会となるなど、ウイズコロナ、
アフターコロナ時代の新しい観光施策の一つの柱になるものと考えます。
しかしながら、感染症の拡大が収まり、県境を越えた移動が活発化し、国のGo To トラベルが再開された場合には、せっかく盛り上がった
マイクロツーリズムが一過性のもので終わってしまうことも危惧されます。
マイクロツーリズムを定着させるためには、観光資源の
ブラッシュアップや県民向けの情報発信はもちろんのこと、例えば12月末で終了予定の地元で愉しもう!とやま
観光キャンペーンの延長、さらには来年度も実施するなど、継続的な取組が重要であると考えます。
そこで、
マイクロツーリズムの振興や、地元で愉しもう!とやま
観光キャンペーンの延長や隣県等への拡大など、観光業界への支援にどのように取り組むのか、知事に伺います。
次に、円滑な事業承継について伺います。
人口減少や少子高齢化に加え感染症の影響により、我が国の経済活動は大幅に縮小しました。本県においても、先行きの見通しが立たないことなどにより廃業する事業者が見受けられますが、企業は地域のコミュニティーの活力を生み出す宝であり、その宝を受け継いでいく事業承継は、これまで以上に大きな課題となっております。
今月1日には、本県で長年愛されている七越焼を製造販売する七越が、広島県の会社の完全子会社となり、社名や雇用を維持しましたが、県内資本で事業承継できなかったことは残念に思います。
事業承継には5年から10年は必要であり、
小規模零細事業者ほど困難な問題であることから、早いうちから将来の事業承継を意識し、後継者を育成するなど事前の準備が重要であります。
県では、新世紀産業機構に事業承継・
引継ぎ支援センターを設置し、情報提供や相談対応、マッチングに取り組んでおりますが、市町村や経済団体等と連携し、事業承継のニーズの掘り起こしや後継者育成の支援など、さらなる取組の充実が必要であると考えます。
そこで、円滑な事業承継に向けどのように取り組んでいくのか、
布野商工労働部長に伺います。
次に、新規学卒者の就職支援と
UIJターンの促進について伺います。
先月29日に富山労働局が発表した令和4年3月の
県内大学卒業予定者の内定率は67.8%と、前年同時期に比べて2.2ポイントの増となりました。また9月の有効求人倍率は1.44倍となり、前年同月の1.15倍から0.29ポイントの増、特に正社員の新規求人数は前年同月比14.2%増となるなど、感染症が落ち着きを見せたことで雇用情勢にも回復の兆しが見受けられます。
一方、業種によっては人手不足が常態化しており、求人企業と求職者のマッチングや
就職支援セミナーの開催等により、県内の高校、大学を卒業する若者が県内に定着する取組が重要であります。
また、コロナ禍により地方への回帰、移住志向が高まりを見せる今こそ、本県の地方創生を実現する大きなチャンスでもあり、県外から若者を呼び込む
UIJターンの施策を一層充実する必要があります。
そこで、未内定者を含む新規学卒者の就職支援や
UIJターンの促進にどのように取り組むのか、
商工労働部長に伺います。
次に、主食用米の作柄について伺います。
主食用米の収穫がほぼ終わりましたが、今年産米の1等米比率は、主力のコシヒカリをはじめ富富富、てんたかく、てんこもりの全てが90%を超える好成績でありました。生産者の皆様はもとより、JAや
農林振興センターをはじめ農業関係者の努力のたまものであると高く評価したいと思います。
その一方で、農林水産省が公表した10月25日現在の今年産米の作況指数は「平年並み」の99で、10アール当たりの予想収量は前年より20キログラム減り515キログラムとなりました。速報値ながら本県の作況指数が100を下回るのは、平成19年以来14年ぶりであります。
そこで、作況指数が下がった原因についてどのように分析しているのか、また今後どのように対策を進めていくのか、
堀口農林水産部長に伺います。
次に、富富富の生産・販売・PR戦略について伺います。
県は、これまで富富富の栽培拡大と消費拡大に取り組んできました。その一方で
生産者登録制度を導入し、出荷販売計画の策定、
栽培マニュアルの遵守を義務づけるとともに、主食用米の生産のみに限定し備蓄米や加工米の生産を認めないなど、本県の生産者の大部分を占める家族経営の
小規模生産者の新規参入を阻止しているように思われます。
これまで、首都圏など大消費地向けにテレビCMや
各種キャンペーンが実施されてきましたが、そもそも長年良質な県産コシヒカリに親しんでいる県民への浸透が進んでおらず、県民の消費はまだまだ少ないとの声も聞かれ、生産・販売・PR戦略はちぐはぐなように感じます。
そこで、富富富について生産者向けの制約を撤廃し、生産者の裁量で栽培、販売できるようにするとともに、学校給食での活用を支援するなど県内消費の拡大を強化し、県内生産者、消費者双方に愛される米となるよう取り組む必要があると考えますが、
農林水産部長の所見を伺います。
次に、米生産者への支援について伺います。
現在、原油価格や資材価格が高騰しており、また昨年来の感染症の影響で主食用米の民間在庫量が増加し、米価が下落しております。県内農業者の95%を占める米生産者にとって、
モチベーションの低下は否めません。
一方、農業者の担い手の育成は進んでおらず、高齢化は急速に進んでおり、家族経営の生産者はもとより集落営農組織の存続も危ぶまれているのが現状であります。
農業分野においてもICTやロボット、人工知能、5Gを活用する
スマート農業を推進する動きが見られますが、高齢化が進み経営状態が悪化している生産者にとって高根の花であります。
営農意欲を維持することが厳しい状況ですが、直接消費者と取引する
インターネット通販や、付加価値の高い無農薬・減農薬栽培、海外輸出などに活路を見いだそうとしている生産者もおられます。
そこで、米生産者の減少や田畑の荒廃を食い止め、
モチベーションを向上させるため、経営状況が悪化している生産者に対する強力な支援を行うべきと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、安全・安心な暮らしの実現について9問質問いたします。
初めは、
新型コロナウイルスワクチン接種の今後の見通しについて伺います。
先月、3回目の接種については、2回目の接種を終えた全ての希望者を対象とする方針が正式決定されました。
3回目の接種に当たっては、1、2回目の接種で見られたような予約の取りにくさや予約の受付停止等の混乱を防ぎ、円滑に実施されるよう市町村を支援することが必要と考えます。
そこで、本県における接種体制やスケジュールについて、今後の見通しを知事に伺います。
また、追加接種に関し我々議員会には、医療従事者に加え、介護や保育など福祉関係者から、3回目の
ワクチン接種を優先的に受けられるよう求める声が寄せられています。利用者との密な接触が避けられないこれらの事業所において、
ブレークスルー感染の危険性を低減するためにも、優先して接種を受けられるよう配慮すべきと考えますが、併せて知事の所見を伺います。
次に、
新型コロナウイルス感染症と
季節性インフルエンザの同時流行への備えについて伺います。
県内の
新型コロナウイルス感染症の動向については、落ち着いた状況が続いておりますが、医療関係者からは、
ワクチン接種の進展に伴う無症状感染者の増加や
ブレークスルー感染などへの懸念から、第6波への警戒を求める声が寄せられております。
一方、
季節性インフルエンザに関しては、過去2シーズンで大きな流行が見られず、免疫を持たない人が増加していると考えられることから、大きな流行になる可能性が指摘されており、新型コロナとの同時流行が危惧されます。
そこで、同時流行を想定した
感染拡大防止対策や
医療提供体制の整備に取り組むべきと考えますが、現状を木内厚生部長に伺います。
また、さきの10月補正予算において、小学生を対象とする
インフルエンザ予防接種費助成事業が措置されたことは、
感染拡大防止に寄与するものとして一定の評価をするものですが、昨シーズンは、ワクチンの供給不足により希望者全員に行き渡らない事態となりました。
そこで、今シーズンの
インフルエンザワクチンの供給状況について併せて伺います。
次に、
県単独医療費助成制度の拡充について伺います。
先月開催された「ワンチームとやま」
連携推進本部会議の場において、知事からは、来年度から子供の
通院医療費助成の対象を4歳未満から未就学児までに広げる方針が示されるとともに、所得制限の撤廃についても検討がなされるとの報道がありました。
県が助成を拡充することで市町村の財政負担が減れば、市町村が独自に実施できる
子育て支援策などが充実したものとなることが期待されます。各市町村においては、単なる財源の振替に終わらせることなく、県民福祉向上に直接結びつくよう、しっかりと取り組まれることを期待するものであります。
一方、一部の首長からは、さらなる
助成対象年齢の拡充や事務負担の軽減について要請されるなど、今後もさらに議論を続けるべきであります。
そこで、今回の
県単独医療費助成制度の拡充方針について、知事としての所見を改めて伺うとともに、各市町村が今後単独に実施される
子育て支援策の拡充に対する期待も含め、県として今後どのように子育て支援に取り組んでいくのか、併せて伺います。
次に、医薬品不適正製造問題の影響について伺います。
本年、
日医工株式会社に対し業務停止命令が出されて以降、行政と業界とが再発防止と信頼回復に取り組む中、新たに漢方などの北日本製薬、配置薬の広貫堂や中新薬業で不適切な製造が相次いで発覚したことは、本県の医薬品産業への信頼を揺るがす重大な事態であると考えます。
さらに、広貫堂の
製品自主回収に関し、県当局や新田知事が
回収イコール悪ではないとの認識を示されたことは、回収の背景にある問題から目を背けていると受け取られかねず、緒に就いたばかりの信頼回復への取組に水を差すことにならないか憂慮するものであります。
同社製品の多くは置き薬として顧客の手元に届けられていることから、今回の自主回収によって
配置薬事業者には、顧客への説明、製品の回収など大きな負担がかかることが懸念されます。
そこで、今回の件について
本県配置薬事業者にどのような影響があったのか、また影響を受けた
配置薬事業者への支援が必要と考えますが、併せて知事の所見を伺います。
次に、
インフラ施設の老朽化対策について2問伺います。
まず、工業用水道について伺います。
先月、和歌山市の紀の川に架かる水管橋の一部が崩れ落ち、和歌山市北部で約6万戸が断水となりました。ニュース等で映像を見ましたが、かなり衝撃的でありました。崩落の原因はいまだ調査中ですが、老朽化が進行していたとの見方が強まっております。
本県においても、本年4月に射水市の
西部工業用水道管が漏水する事案が発生し、緊急的に応急工事を行うも、新湊地区周辺の46事業所において26時間30分給水が停止しました。原因は、鋼管をつなぐゴム製の伸縮可とう管が50年経過したことによる老朽化でありました。
工業用水の給水停止は、事業者の経済活動に多大な影響を与えるばかりでなく、県内進出している事業者からの信頼を失いかねず、今後の企業誘致にもマイナスに働きかねないゆゆしきことであります。
そこで、工業用水の安定供給の確保を最優先に、事業者が安心して経済活動を営むことができるよう、計画的に漏水等の防止に取り組む必要があると考えますが、
今井企業局長の所見を伺います。
次に、
インフラ施設の長寿命化について伺います。
国民生活やあらゆる
社会経済活動は、道路、鉄道、港湾、空港等の産業基盤や、上下水道、公園、学校等の生活基盤、治山治水といった国土保全のための基盤、その他の国土、都市や農山漁村を形成するインフラによって支えられております。
県が管理する橋梁などの
公共土木施設は、戦後の
高度経済成長期以降に集中的に整備されたものが多く、建設後50年を経過する
公共土木施設は、15メートル以上の橋梁で約30%、トンネルは約24%、港湾の岸壁は約38%にも達しており、今後急速に増加すると見込まれております。
近年の自然災害の激甚化、頻発化を考慮すると、高齢化した施設割合の増大は、国民生活や
社会経済活動を脅かす重大な事故、致命的な損傷などが発生するリスクを高めることが懸念されます。
そこで、防災・減災、国土強靱化のための5か年
加速化対策予算も活用しながら、
公共土木施設の長寿命化の観点に立った計画的で戦略的な維持管理や更新が必要と考えますが、個別施設ごとの長寿命化計画の進捗状況も含め、江幡土木部長の所見を伺います。
次に、公共工事における入札の不調、中止の実態と今後の対策について伺います。
今年度の公共事業予算については、国の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策で盛り込まれた予算と、これに呼応した県の積極予算により大幅な増額がなされています。これにより発注量が増え事業者の確保が難しいことから、公共工事における入札の不調、中止の件数が増加していると聞いております。
設計積算の単価設定について、これまでも県当局から、国の公共事業労務費調査、諸経費動向調査の結果や、価格調査機関が発行している刊行物に基づき決定されていること、また年2回、資材単価の見直しが行われている旨の答弁がなされておりますが、実際に各現場を回ってみると、いまだに人件費、資材単価の隔たりを指摘する声が根強くあり、これも一因かと思います。
そこで、公共工事における入札の不調、中止の実態と今後の対策について、土木部長に伺います。
次に、警察署の再編について伺います。
現在、小規模警察署の再編統合についての検討が本格化してきており、県警察では、本年度、地域住民や市町村などに対して再編の必要性について丁寧に説明するとともに、意見を聞く場として地域協議会を設置されました。また先頃、県東部や県西部において、それぞれのエリア別協議会が開催されました。
これまでに出された様々な意見を踏まえながら、具体的な再編案について、さらに検討が進められていくものと考えます。その際には、統合される警察署の活用や交番、駐在所の機能強化を図ることが重要であります。
そこで、再編に当たっての基本的方針と計画策定に向けた今後のスケジュールについて、杉本警察本部長に伺います。
次に、外国人技能実習生等に関する問題について伺います。
外国人が、働き暮らしやすい就労生活環境の整備を図るため、本県では、富山県外国人材活躍・多文化共生推進プランを策定し、このプランに基づき実効性のある施策に取り組んでおります。
少子高齢化などによる慢性的な人手不足に陥っている分野の働き手の確保という面もあり、外国人労働者数は増加傾向にあります。それに伴い、外国人技能実習生をはじめとする来日外国人が関わる犯罪が増加傾向にあると聞いております。
本県では、共生プランや外国人ワンストップ相談センターの設置など、既に対策に取り組んでおりますが、対応が不十分との声も聞きます。
そのような中、外国人受入事業の円滑化を図るため、県内企業で働く外国人技能実習生の受入窓口である県内の監理団体が、外国人受入団体協議会を今年の9月に発足させました。
その協議会とも連携し、外国人技能実習生も含めた来日外国人への適切な支援や遵法意識の高揚などの取組をさらに推進する必要があると考えますが、知事の所見を伺います。
次に、明日を拓く人づくりについて2問質問いたします。
まず、不登校児童生徒への支援について伺います。
文部科学省の調査によると、令和2年度の県内の国公立、私立の小中高における不登校の児童生徒数は、前年度より114人増加して1,865人となり、5年連続で増加しています。
不登校児童生徒への支援については、一人一人の状況に応じて多様な教育機会を確保する必要があります。
さきの6月定例会では、不登校児童生徒の教育機会の確保に関し、学校の代表者やフリースクールなどの民間施設が参加する支援協議会を立ち上げ、学校と学校外の施設等が連携した適切な支援について検討を深めるとともに、教員や民間施設の関係者が参加する研修会を実施すると答弁されましたが、教育の質を含む民間施設の現状把握や、学校と民間施設が連携した支援についての検討状況はどうか。
また、コロナ禍で進んだオンライン教育について、病気による長期療養では小中学校、高校とも授業単位として認められますが、不登校の場合には小中学校では認められ、高校では認められないと聞いています。学びの機会の保障として、県立高校ではどうあるべきと考えているのか、併せて荻布教育長に伺います。
最後に、県内大学、専修学校等の魅力向上について伺います。
県の人口移動調査によると、令和元年10月から2年9月までの間における15歳から24歳までの社会減は1,204人に上っています。
この要因の一つとしては、大学、短大進学者の約7割が県外へ進学していることが挙げられます。例えば国家資格である管理栄養士の養成施設は県内にはないことから、管理栄養士を目指すには県外、近県では石川、福井、愛知、岐阜県などの学校に進学せざるを得ません。
そこで、若者の県内定着に向けて、ニーズが高い学部、課程等の新設、職業実践専門課程の設置など、県内大学や専修学校等の魅力向上を図ることが重要と考えますが、その支援にどう取り組んでいくのか、蔵堀副知事の所見を伺います。
以上をもちまして、
自民党議員会を代表しての私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
6 ◯議長(五十嵐 務君)新田知事。
〔知事新田八朗君登壇〕
7 ◯知事(新田八朗君)自由民主党富山県議会議員会を代表されての宮本光明議員の御質問にお答えをいたします。
まず、岸田内閣による経済政策、補正予算、
デジタル田園都市国家構想についての御質問をいただきました。お答えをいたします。
先頃、閣議決定されたコロナ克服・新時代開拓のための経済対策及びそれを実現するための補正予算では、新型コロナ感染症の拡大防止はもとより、厳しい状況にある方々の事業や生活、暮らしの支援、またGo To トラベル事業の再開、新型コロナ感染症対応地方創生臨時交付金の増額、さらにはデジタル実装の推進、防災・減災、国土強靱化の推進など、今月16日に私が関係省庁に要望を行った事項や、あるいは全国知事会とも連携して政府・与党へ強く働きかけてまいりました事項が多数盛り込まれております。
本県をはじめ地方公共団体の実情に配慮されたものとして高く評価するとともに、予算の実現に御尽力をいただきました国会議員の先生方、県議会議員の皆様をはじめ関係者に感謝を申し上げます。
岸田内閣が強力に推進されようとしておられます
デジタル田園都市国家構想についての評価を、お尋ねいただきました。
私が敬愛する大平正芳元総理大臣が40年前に提唱された田園都市国家構想、これを現代の文脈の中で引き直して
デジタル田園都市国家構想を唱えておられると理解をしております。
40年前、私はまだ学生でありまして、東京でふらふらしておりましたが、東京にみんなが行って、そこで学び、そして働き、暮らし、住む、そんなことが、ごく当たり前のこととしてみんな捉えていて、そして東京が伸びれば、それに追いつくように地方も頑張っていくんだという、それがごく普通に日本人全体が考えていた頃、東京一極集中の是正なんていうことは誰一人思っていないときに、田園都市国家構想ということを提唱された大平正芳総理のことは、とても鮮烈に新鮮な驚きをもって受け止めたことでございます。
残念ながら総選挙の最中に急死をされて、その構想は頓挫をしたわけでありますが、40年の歳月を経て、今回、宏池会の流れをくまれます岸田文雄総理が、ここにデジタルの実装、これも絡めて大きな構想を描いておられることは、大変私としては高く評価をさせていただいています。
5Gなどのデジタルインフラを整備する、また交付金の創設などを通じて地方のデジタル実装を進めていき、地方の活性化を図ることとされておりまして、本県のDXの推進、ちょうど昨日、デジタルトランスフォーメーション、また働き方改革の基本方針とアクションプランを決めたところですが、これについても追い風になるものとして期待をしております。
ただし、その実施に当たっては、地域の実情に応じた自主的な取組あるいは工夫を支援していただきたいということは、先日、小林史明デジタル副大臣に要望してきたところでございます。
岸田内閣におかれましては、新型コロナの
感染拡大防止と
社会経済活動の両立など喫緊の重要課題に向け、経済対策をはじめ、地方と緊密に連携し効果的な施策を実施いただくとともに、地方が主役の国づくりにおいても、省庁横断的に思い切った施策を強力に推進されることを心から期待をしております。
次に、来年度の予算編成方針についての御質問にお答えをします。
まず税収などの見通しについては、内閣府が公表しております経済成長率──「中長期の経済財政に関する試算」名目経済成長率プラス2.5%、この数字を踏まえまして、令和3年度当初予算と比べ税収は増収の見通しとなる一方で、国、地方の税収増に応じて地方交付税・臨時財政対策債の大幅な減少が想定されることなどから、歳入の一般財源全体では33億円程度減少する厳しい状況と見込んでおります。
このような状況の下、令和4年度当初予算編成については、県民の皆様の命と暮らしを守るための新型コロナ対策にスピード感を持って取り組むとともに、ウイズコロナ、
アフターコロナ時代の真の幸せ(ウエルビーイング)先進地域を目指し、新しい富山県の創造に向け重点的に施策を推進してまいりたいと考えます。
あわせて、デジタル化や技術革新など社会経済情勢の変化を踏まえ、前年度予算額から一定率を削減する
マイナスシーリング方式から、事業の抜本的見直しや再構築に重点を置く方式に転換をすることで、これまで以上に選択と集中を徹底してまいりたいと考えます。
また、今月26日に閣議決定されました過去最大となる国の補正予算の効果を速やかに発現させるために、県としても所要額を確保するとともに、迅速な対応が必要なものについては、補正予算への計上や早期執行に努めてまいります。
さらに、国の16か月予算としての編成を受け、切れ目のない対策を実行するため、県の令和4年度当初予算と補正予算の一体的な対応も検討してまいります。
次に、北陸新幹線の整備促進についての御質問にお答えをします。
北陸新幹線については、敦賀開業のめどが立ち、大阪延伸に向けて大きな節目を迎えたことから、これまで歴代富山県知事が担ってきた建設促進同盟会の会長職を退任し、新たな会長に福井県知事が就任されました。これまでの間、国会議員の先生方、また県議会議員の皆様、経済界など多くの関係の皆様の御尽力により、様々な困難を乗り越えてきたことであり、この場をお借りして深く感謝申し上げます。
北陸新幹線は、沿線地域はもとより日本全体の発展や国土強靱化に不可欠なインフラであり、歴史的に深いつながりがある北陸3県と関西圏の双方にとって一日も早い全線整備が望まれるところです。
敦賀以西の延伸に向けて、建設財源の確保に加え、環境アセスメントの遅れや建設発生土の受入先確保など多くの課題を乗り越えるには、関西の自治体、経済界などと、これまで以上に一体となって機運を盛り上げていくことが重要だと考えます。
そのためには、関西圏からも力強く引っ張っていただけるよう、関西にとっての早期開業のメリットや必要性を発信するなど、結束を強めるための取組を新しい同盟会会長を先頭に強力に進めていく必要があると考えております。
本県が長年にわたり培ってきた沿線各県との連携強化や、建設財源の確保と地方負担の軽減等の様々な課題に対応してきた経験も生かし、また、これを今、福井県御当局に一生懸命引継ぎをしているところでございますが、結束の強化に向けて後押しをし、国会議員の先生方や県議会議員の皆様のお力添えもいただきながら、沿線一体となって大阪までの早期全線整備に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えます。
次に、荒廃農地などを活用した中山間地域での課題解決への取組についての御質問にお答えをします。
本県では、地域資源を活用し、多様な関係者が連携して地域課題の解決を目指す
地域循環共生圏について、今年度、県庁内の関係部局で構成する勉強会を設置し検討を行ってきました。
特に中山間地域では、高齢化や後継者不足等により荒廃した農地や森林が増加しています。このことから、宮本議員御提案の荒廃農地等で成長に優れた早生樹──早く生育する樹木、これを植栽し
バイオマス燃料として活用する構想は、地域ビジネスの創出や脱炭素社会への取組につながるなどのメリットが期待できると考えております。
県では、これまでに早生樹の研究としてコウヨウザンという樹種の生育調査を県内2か所で行っており、さらに、より早く5年程度で収穫できる柳類の樹種についても検討を進めています。こうした早生樹の育林技術を活用することで、短いスパンで循環利用することが可能になり、地域に一定の利益を還元することもできると考えます。
御提案の荒廃農地等の利活用など、地域課題を共有する関係者が連帯し取り組むことについては、おのおのが連携した実証試験を行い、その結果について採算面も含めて様々な角度から分析できることや、安定した運営体制構築の面からも大変有効であると考えております。
県としては、今後どのようなプロセスで事業を進めるかなども含め、具体的な事業スキームについて検討してまいります。
次に、地域経済の活性化についての御質問にお答えをします。
議員御指摘のとおり、予算を優先配分する成長戦略関連予算については、エビデンスに基づいて施策や事業の効果や必要性を精査することが大事であると考えています。
現在、戦略の中核となる6つの柱ごとに設置したワーキンググループにおいて、具体的な施策を検討していただいております。その際には、本県の現状を示す基礎データに加えて、
中間とりまとめが目指す現状を踏まえた課題をお示しし、議論をいただいています。
ワーキンググループで検討された具体的な施策については、県議会や
ビジョンセッションでの御意見なども踏まえ、アクションプランとして整理をして令和4年度当初予算案に反映し、年度末には富山県成長戦略としてまとめることとしています。
また、成長戦略の実現に向けては検証と見直しが必要であり、各ワーキンググループにおいて、施策の実施状況と効果などを検証し成長戦略会議に報告することとしています。
従来のKPIの設定は、実現可能な目標の設定をすることも多かったことも見受けられますが、県庁としてチャレンジを重視する観点や県民に前向きなメッセージを発信する意味でも、意欲的な設定も必要になると考えております。
なお、成長戦略のビジョンである幸せ人口1,000万については、中長期的な目標ではございますが、施策の効果を示す定義を定めてPDCAを回しながら進めることが大事であると考えているため、指標などについては今後精査をしていこうと考えております。
次に、観光業界への支援についての御質問にお答えします。
県民向けのとやま
観光キャンペーンは、国の県内旅行割引、地域観光事業支援を活用しております。かねてより全国知事会を通して近隣県への拡大の要望を行ってきたところです。
先日、国から地域観光事業支援の継続や支援対象の隣県への拡大が示されました。これを受けて、近隣県と調整が済み次第、北陸3県でそれぞれ実施しているキャンペーンの対象に、相互の県民を加える北陸3県連携宿泊割引キャンペーン、仮称でございますが、これを実施し、北陸3県が連携して観光需要の回復と交流促進を図りたいと考えます。また併せて長野県、岐阜県、新潟県の県民を、本県の宿泊割引キャンペーンの対象にも追加したいとも考えます。
なお、全国規模でのGo To トラベル事業の再開が、年末年始の感染状況を確認した上で実施されるとされておりますことから、地元で愉しもう!とやま
観光キャンペーンを当面1月末まで延長し、県民を対象にした宿泊割引上限の引上げ、5,000円から1万円でございますが、これを継続したいと考えております。
これらの事業に必要な予算については、迅速に実施するため補正予算への計上も検討しておりまして、切れ目なく観光需要を確保してまいりたいと考えます。
また、
マイクロツーリズムは、新たな旅行需要の創出につながることから、コロナ収束後も、海外あるいは国内からの誘客に並ぶ施策の柱として継続的に進めていく必要があると認識しています。現在、近隣県からの
マイクロツーリズムの推進施策を調査検討中であり、その結果を新たな観光振興戦略プランに盛り込むとともに、施策を積極的に推進し、継続的な観光需要の拡大に努めてまいります。
次に、米生産者に対する支援についての御質問にお答えします。
米価の下落に加え資材価格の高騰など、米生産者には厳しい経営環境にあり、収入減少を補填する国のナラシ対策や収入保険制度の手続の支援、セーフティネット資金等の資金繰り対策の周知などに努めてきました。
また、稲作の収益が確保できるように、これまで農業団体と連携し、高品質で良食味の米生産の技術指導、生産性の向上を図る
スマート農業等を推進するとともに、お話にありましたような意欲的な経営体の取組に対しては、ネット活用による販売促進、高付加価値化に向けた有機JAS認証取得などに支援をしています。
さらに、生産者が今後も希望を持って営農できるよう、今月16日には私から中村裕之農林水産副大臣に、1番、米の需給と価格の安定化や消費拡大対策の充実強化、2番、ナラシ対策、収入保険への十分な予算の確保、3番、水田フル活用を推進するための予算の確保と本県への配分などを強く働きかけてまいりました。
先般、閣議決定された国の経済対策では、米を含めた農産物の販路開拓、輸出拡大の支援や収益性の高い作物への転換を促す、水田リノベーション事業の概算要求からの前倒し等が盛り込まれました。
こうした国の予算を活用するとともに、県独自の支援策を行い、生産者の経営の安定が図られるよう努めてまいります。
次に、3回目の
ワクチン接種についての御質問にお答えをいたします。
新型コロナウイルスワクチンについては、高い効果が示されている一方で、時間の経過に伴い感染予防効果や、高齢者においては重症化予防効果についても、徐々に低下することを示唆する報告がなされています。
このため、国において、2回接種を受けた18歳以上の方を対象に、2回接種完了から原則8か月以上の間隔を置いて3回目の追加接種を行うという対応方針が示されました。
県では、医師会や公的病院等に対し改めて追加接種への協力を依頼するとともに、市町村の準備に役立つよう、接種券の発送時期や接種開始時期を取りまとめの上、各市町村と情報共有を図ってまいりました。また市町村の接種体制を側面支援するため、県内2か所で実施してきた県の特設会場についても、来年3月中旬以降に再開する方向で検討を進めております。
一方、先週26日には世界保健機構が、南アフリカなどで確認された新たな変異株を最も警戒レベルが高い「懸念される変異株」に指定をし、世界的な警戒対象となり、我が国においても水際対策の強化が行われるなど、予断を許さない状況にあります。
本県では、まず医療従事者や介護、保育などの福祉施設等従事者について、施設内でのクラスターの発生を予防する観点から、8か月経過後、速やかに接種いただくことが重要であると考えており、市町村や医療機関等と連携し円滑に追加接種できる体制の構築に努め、万全を期してまいりたいと考えます。
次に、子育て支援についての質問にお答えをいたします。
県の乳幼児医療費助成制度については、先般、「ワンチームとやま」
連携推進本部会議において、対象年齢を未就学児まで拡大し、所得制限を撤廃する方針を示したところでございます。
これは、国において、平成30年から、国民健康保険の減額調整措置が未就学児までを対象に撤廃されたことや、未就学児までを対象とする都道府県が最も多く、最も医療費がかかる年代でもあることなどを踏まえ、対象年齢を未就学児までとしたものでございます。
また、近年、国では、不妊治療費助成や幼児教育の無償化において、所得制限を撤廃し少子化対策を推し進めています。こうした国の状況や、市町村や各団体の皆様からの要望も踏まえ、所得制限を撤廃し医療費の助成を拡充することとしました。
少子化対策は国を挙げて取り組むべき課題であり、乳幼児医療費助成は、子育て世代の経済的負担軽減の観点から大変に重要だと考えています。このため全国一律の子供医療費助成制度の創設について、知事会を通じて国に要望しております。様々な機会を捉え、引き続き強く働きかけてまいります。
また、県の制度の拡充により、各市町村でそれぞれの実情に応じて、子育て環境のさらなる充実に取り組んでいただけるものと考えています。
安心して子育てできる環境の整備は、私が県民の皆様にお約束した大事な政策の一つであり、市町村、関係団体ともワンチームとなって子育て環境の充実に努めてまいりたいと考えます。
次に、自主回収による配置販売業者への影響について御質問をいただきました。
広貫堂による自主回収は、現在25品目、約500万個になると聞いており、配置販売業者においては、実際の回収作業や代替品の確保などの対応に当たられていると考えられますが、現時点においては、その影響の詳細については明らかになってはいません。
なお、全国の配置販売業者の中には、回収する一方で、取り扱う配置薬が減り事業の継続に不安を感じる声もあると報道がされていることは承知しております。
回収に際しては、製造販売業者から医薬品を直接患者に提供する販売業者などに対して、回収の理由や代替品の供給などについて、十分な情報提供を行うことが必要であることが指摘されており、県としては、引き続き製造販売業者に対して適切な情報提供等を行うよう指導してまいりたいと考えます。
なお、県では、配置販売業者に対し、経営支援のため人件費や医薬品の仕入れに係る費用等について、家庭薬振興資金により貸付けを行うとともに、今後、くすりの富山の信頼の再構築に向けて必要な支援を行ってまいります。
私からは最後になりますが、来日外国人への適切な支援等についての御質問にお答えします。
県内の外国人住民数は増加傾向にあり、令和3年1月現在1万9,084人、うち技能実習生については6,018人となっています。
こうしたことから、県では、令和元年9月に富山県外国人材活躍・多文化共生推進プランを策定し、多文化共生社会の実現と外国人材の活躍を支援するとともに、外国人ワンストップ相談センターを設置し、入管手続や就労支援など相談内容に応じ関係機関と連携して対応しております。
また、警察本部においては、監理団体等からの依頼により、技能実習生や受入企業に対し防犯・交通講習会を開催するなど、犯罪や交通事故被害防止対策等に取り組んでいます。
本年9月、技能実習生等の外国人材を円滑に受け入れるため、県内6つの監理団体が富山外国人受入団体協議会を発足されたと聞いています。
これまでもそれぞれの監理団体とは、新型コロナの情報提供や日本語研修への支援などについて連携し対応してきたところですが、今後、当協議会とも、どのような連携が図れるか意見交換をしていきたいと考えています。
今後とも県としては、警察本部、協議会など関係機関と連携協力し、新型コロナ情報や生活支援情報の多言語化による情報提供など、来日外国人に対し積極的に支援してまいります。
8 ◯議長(五十嵐 務君)蔵堀副知事。
〔副知事蔵堀祐一君登壇〕
9 ◯副知事(蔵堀祐一君)私からは、県内大学や専修学校等の魅力向上に関する御質問にお答えをいたします。
人口減少やデジタル化の進展など社会経済情勢が大きく変化する中で、大学や専修学校等において、多様化するニーズに対応した魅力ある学校づくりを進めることは、若者の定着に向けて大変重要な課題であると認識をいたしております。
こうした中で、県内の大学等では、県民のニーズや産業界の要望を踏まえながら、学部、学科の新設など魅力向上に取り組んでおられるところでございます。
例えば、来年4月には、富山大学におかれては、学部再編と大学院の改組が行われます。また県立大学では、情報関連学科の定員の拡充をする予定でございます。さらに富山福祉短期大学では看護学専攻の新設、富山情報ビジネス専門学校では建築・デザイン学科等の新設が予定をされております。
また、県では、デジタル人材のニーズの高まりに対応いたしますために、富山大学と連携をいたしまして、社会人向けデータサイエンス教育として企業向けの講座を開設いたしましたほか、県立大学においても、DX教育研究センター、仮称ですけれども、これの整備を進めております。
さらに、御紹介のありました専修学校と企業が密接に連携をいたしまして、実践的な職業教育に取り組む学科を国が認定する職業実践専門課程でございますけれども、こちらは最新の技術、技能を身につけることができる課程でございますが、県内でも普及があまり進んでおりません。全国的にも進んでいないという状況でございまして、国において、その支援策が検討されている状況でございます。
県としては、こうした動向も注視しながら適切な対応をしてまいりたいと考えております。
今後とも、県内の大学や専修学校などと産業界等との連携をさらに推進いたしますとともに、各学校の特色ある取組を支援するなど魅力向上に努めてまいります。
以上でございます。
10 ◯議長(五十嵐 務君)
助野地方創生局長。
〔地方創生局長助野吉昭君登壇〕
11 ◯地方創生局長(助野吉昭君)私からは、城端線、氷見線のLRT化の推進についての御質問にお答えいたします。
城端線、氷見線のLRT化など新たな交通体系について、城端線・
氷見線LRT化検討会では、コロナ禍で制約がある中、地域の実情や利用実態を踏まえた調査や沿線のまちづくりの取組等についての議論を、これまで着実に進めてきたところでございます。
今月16日には、第3回検討会を開催し、城端線、氷見線をLRT化、直通化し高頻度運行した場合に加え、仮に一定の条件の下で新駅を設置した場合の
需要予測調査の結果を報告し、新駅周辺の住民の利用だけでは、その効果は一定程度にとどまることから、観光需要や新たな需要を取り込むため、沿線市のまちづくりの検討が必要であるなどの課題を整理いたしますとともに、今後の利用促進に向けた取組等について議論を行ったところでございます。
また、これまでの議論を踏まえ、将来の持続可能な運行の実現に向けた可能性について、さらに議論を深めるため、今年度実施を予定しておりますLRT化や直通化等に要する事業費や技術的な課題の整理を行うことに加えまして、新たにLRT化との比較検討を行うため、LRT化以外の交通体系についても今後幅広く検討していくことについて、今回合意したところでございまして、引き続き検討会において調査し議論を行っていく予定としております。
城端線、氷見線は、地域の生活の足として重要な役割を果たす路線でありまして、地域にとって最も適した交通体系が実現されるよう、地域の実情や利用実態を踏まえつつ、持続可能性の確保の観点にも十分留意しながら、沿線市やJR西日本と共に丁寧かつ着実に検討を進めてまいります。
以上でございます。
12 ◯議長(五十嵐 務君)
布野商工労働部長。
〔
商工労働部長布野浩久君登壇〕
13 ◯
商工労働部長(布野浩久君)私からは、まず事業承継についての御質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、中小企業白書では、後継者の育成を考えると、事業承継には5年から10年が必要とされております。しかし平成29年度の県の調査では、60歳以上の経営者の約4割で後継者が決まっていないという状況にあり、そのうち約7割が従業員20人以下の小規模事業者となっております。
このため、県では、これまでも新世紀産業機構に設置した第三者承継を支援します事業
引継ぎ支援センターでの情報提供、相談対応、後継者人材バンクを活用したマッチングに加えまして、市町村、経済団体、金融機関、税理士会等の士業団体など74団体で構成します事業承継ネットワークにおきまして、事業承継診断などの掘り起こしのきっかけとなる個別支援を、きめ細かく行ってまいりました。
さらには、今年度、事業承継に係る相談窓口をワンストップ化するため、これらの機関を統合し、お話しいただきましたとおり、富山県事業承継・
引継ぎ支援センターを開設するなど支援体制を強化しております。
これらの取組の結果、昨年度、相談件数は150件、第三者承継の成約実績は24件と、いずれもセンターが設立された平成27年以降、最も多くなっております。今年度も先月末時点で既に18件の成約となっております。
また、コロナ禍の状況を踏まえ、今後さらに有効な施策を講ずるため、改めて事業承継に関するアンケートを現在実施しておりますほか、事業承継の意識啓発のためのオンラインセミナーも開催することとしております。
今後も、国や市町村、経済団体等の関係機関と連携し、円滑な事業承継の支援に積極的に取り組んでまいります。
次に、新規学卒者への就職支援等についての御質問にお答えいたします。
雇用情勢につきましては、感染症が雇用に与える影響に注意する必要があるとされておりますが、本県では、求人が求職を上回って推移し、また来年3月の
県内大学卒業予定者の内定率が昨年度に比べて上昇するなど、回復の兆しが見られております。
県では、これまで新規学卒者への支援として、合同企業説明会の実施回数を3回から4回に増やすとともに、コロナ禍においても就職活動の機会を確保するためヤングジョブとやま等と連携し、県内外の学生等が参加しやすいように対面式とウェブを組み合わせた合同企業説明会の開催や、ウェブ面接に対して不安を感じる学生等の支援としてウェブ面接対策セミナーなどを実施してきました。
また、
UIJターンの促進に向けても、富山Uターンガイドでの情報発信に加え、首都圏等に5か所ある富山くらし・しごと支援センターでの相談対応や、就職支援協定締結校をはじめとした各大学への訪問を行いますとともに、県内企業による合同企業説明会やUターン就職を行った若手社員と交流する座談会などの各種イベントを開催してきました。
引き続き、新規学卒者向けの合同企業説明会を12月に、また介護や建設など人手不足が顕著な業種を対象とした合同企業説明会を来年2月に、それぞれ県外の学生等も参加しやすいウェブと対面式を組み合わせて開催する予定としており、
UIJターンを含め県内外の若者の県内定着の促進を図ることとしております。
今後とも富山労働局等と連携し、新規学卒者の就職支援にスピード感を持ってきめ細かく取り組んでまいります。
以上でございます。
14 ◯議長(五十嵐 務君)
堀口農林水産部長。
〔
農林水産部長堀口 正君登壇〕
15 ◯
農林水産部長(堀口 正君)まず、主食用米の作況指数と今後の対策についての御質問にお答えをいたします。
県では、これまで、高温に打ちかつ高品質な米づくりを目標に重点技術対策として、適期の田植や刈取り、きめ細かな水管理、適切な乾燥調製などを指導してまいりましたが、令和3年産の主食用米の作況指数は100を下回る99となりました。
その要因としては、田植後の日照不足によって初期段階での生育が遅れたこと、また、お盆頃から9月上旬の低温、日照不足により、コシヒカリやてんこもりなど、出穂──穂が出る時期の遅い品種を中心に、登熟──実の詰まり具合が不十分になったことが挙げられます。
近年は、気象変動が大きく、その状況に応じたきめ細かい技術対策が求められておりますが、気象変動にも負けない稲体をつくるためには、これまで以上に強い苗づくりと春先の水管理が大事となってきます。
このため、令和4年産に向けて、育苗日数を1日短くするなど昨今の高温に対応した健全な苗づくりをすること、初期段階での生育を促進するため水深3センチの浅水管理を行うこと、もみ数が過剰とならないよう田植後4週間までに中干しを開始することなどを、今月26日に開催した県米作改良対策本部の会議において関係者間で申し合わせたところです。
今後、富山米生産推進大会や集落ごとの座談会等において周知を図るとともに、JA等の関係団体と一丸となって現場指導を行い、安定的な収量と高品質、良食味の確保に努めてまいります。
次に、富富富の県内消費拡大等についての御質問にお答えします。
令和3年産の富富富については、649の経営体で1,392ヘクタールが作付され、うち経営面積3ヘクタール未満の比較的小規模な農家の方々も4割程度いらっしゃいます。
また、
生産者登録制度は、デビュー当初から導入しておりまして、
栽培マニュアルの遵守による高品質で良食味の生産や市場での高評価の獲得のために御協力をいただいております。
今後、さらに多くの生産者の方に作付していただくため、暑さに強く倒れにくい特徴に加え、減農薬、減化学肥料によるコスト減につながることをしっかりアピールしますほか、共同乾燥調製施設の利用などの環境づくりもJAと共に進めていきたいと考えております。
なお、本年産からは、生産者の要望などもあり直接販売できることとしております。
また、県内消費の拡大につきましては、議員御指摘のように、長年県産コシヒカリになれ親しんでいる県民の皆さんに、富富富のよさを理解していただく必要がございます。本年度は、子育て世代をはじめとして家庭内で食べてもらうことを意識したテレビCMやポスターで啓発するとともに、消費者に対しまして環境に優しいお米であることをPRするほか、小中学校等の児童生徒に富富富のおいしさを知ってもらうため、JA中央会と協力し富富富の米飯給食などに取り組んでおります。
引き続き、生産者や消費者双方にとって愛されるお米となりますよう農業団体等と連携して、富富富のよさを十分理解していただくとともに、より多くの皆さんにお買い求めいただけるよう努力してまいります。
16 ◯議長(五十嵐 務君)木内厚生部長。
〔厚生部長木内哲平君登壇〕
17 ◯厚生部長(木内哲平君)私からは、新型コロナ感染症と
季節性インフルエンザの同時流行についての御質問にお答えをいたします。
新型コロナとインフルエンザが同時流行する、そういった場合には多数の発熱患者さんが医療機関の外来を受診するということが想定をされるところでございます。
このため、県内では、これまで272の医療機関──これは診療所も含めてでございますけれども、に御協力をいただきまして、かかりつけ医など身近な医療機関で発熱患者の診察、検査を行う、そのようなことができる体制を整備してきたところでございます。
また、年末年始の外来
医療提供体制を強化するために、救急医療機関における医師、看護師等の追加配置への支援、また救急医療従事者への慰労金の支給、このための補正予算を今議会に提案をさせていただいております。
また、
インフルエンザワクチンの供給についてお答えをいたしますが、これについては製造上の制約が大きくございます。
本年は、新型コロナウイルスの流行に伴う製造資材の世界的な不足がございまして、県内の11月15日時点での
インフルエンザワクチンの供給量は約37万6,000回分でございます。これは昨年の同時期の約7割の量にとどまっております。
一方、例年は11月中に供給が完了するというものが、今期は12月中旬まで継続されるという見込みとなってございまして、シーズン全体としての供給量は例年並みとなる見込みでございます。
現在のところ、全国的にもインフルエンザの流行は、まだ見られていないところでございますけれども、今後、新型コロナ感染症との同時流行も想定をして、医師会等医療機関とも連携をし、
感染拡大防止対策、
医療提供体制の充実等に取り組んでまいります。
以上です。
18 ◯議長(五十嵐 務君)
今井企業局長。
〔企業局長今井光雄君登壇〕
19 ◯企業局長(今井光雄君)工業用水道の老朽化対策についての御質問にお答えをいたします。
工業用水道は、県の主要な産業を支える重要なインフラでございます。特に西部工業用水道は、給水開始から50年が経過し更新を要する管路が多くなっておりまして、これまで管路更新基本計画を策定して更新を進めてまいりましたが、春に発生いたしました漏水事故を重く受け止めまして、更新を早めるなど老朽化対策を強化する必要があると考えております。
このため、現在の更新計画を見直し、まずは断水すると被害が多大となる区間など優先更新区間の再検討を行いまして、当初の4区間を1区間追加するとともに、毎年の投資額も大幅に増額した上で、整備期間を短縮する方向で、現在、財政収支等も含め検討しているところでございます。また基幹施設であります和田川導水トンネルの更新整備に向けた検討を進めます。
さらに、これらを円滑に進めるために、国土交通省でも導入実績のあります民間を活用した発注方法にも取り組むこととしております。
また、あわせまして管路の漏水を早期に探知して早期補修や事故防止につなげるため、IoTを活用した漏水探知システムを、今年度、試験的に運用することとしておりまして、年明けには富山新港周辺の主要な区間に複数のシステムを設置しまして、その能力を比較検証した上で来年度以降の本格運用につなげたいというふうに考えております。
さらに、今後、管路の埋設環境等の情報を基に劣化度を把握しますAIを活用したシステムを導入しまして、管路の管理や更新計画に反映していくことを検討しているところでございます。
こうした対策を進めまして、事業者の皆さんが安心して経済活動を営むことができるように、工業用水道の安定供給に一層努力をしてまいります。
20 ◯議長(五十嵐 務君)江幡土木部長。
〔土木部長江幡光博君登壇〕
21 ◯土木部長(江幡光博君)私からは、まず施設の長寿命化に関する御質問にお答えをいたします。
本県では、
公共土木施設のライフサイクルコストの低減や修繕費用の平準化を図るため、平成22年度から長寿命化計画を順次策定し、施設の健全度と重要度に応じて優先度の高い施設から修繕等を進めております。
主な施設の令和2年度末の進捗状況につきましては、まず橋梁では、県内で2メートル以上の橋梁は3,445橋ありますが、点検の結果、早期に措置を講ずべき状態と判定している589橋のうち、312橋で対策に着手し133橋で対策を完了しております。
また、トンネルは全体で45本ございますけれども、同じく早期に措置を講ずべき状態と判定している36本のうち、26本で対策に着手し9本で対策を完了しております。
さらに、治水ダムは全体で16か所ございますが、更新、修繕が必要な13のダムのうち12のダムで既に対策に着手しております。
そのほかにも、港湾や砂防堰堤、公園施設などにおいて計画的に対策を進めているところであります。
御指摘のように、
公共土木施設の適切な維持管理は、県民の
社会経済活動を支えるために非常に重要と考えておりまして、国の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策による交付金などを積極的に活用して、各施設の対策を進めていくこととしております。
今後とも、長寿命化計画に基づき優先度が高い施設から対策を進めるとともに、定期的に点検を行い、必要に応じて計画を見直す、いわゆるPDCAサイクルにより、効果的、効率的に対策を進めてまいりたいと考えております。
次に、入札の不調、中止についての御質問にお答えをいたします。
土木部と農林水産部を合わせた今年度の公共事業の14か月予算は1,027億円であり、昨年度に比べ約35億円の増となっております。
一方、入札の不調、中止の発生率については10月末現在で7.3%であり、昨年同期より1.3ポイント増加しておりまして、主な発生原因については、配置技術者や技能労働者の不足、また下請企業の確保困難、また労務費や資材単価の上昇、一部資材の不足などであると考えております。
工事の積算に用いる労務単価につきましては、9年連続で上昇しておりまして、普通作業員の1日当たりの単価は2万100円と、平成24年度に比べ56%増としております。
資材単価は、毎月の調査結果を踏まえまして、年2回の全面改定に加え、価格変動が大きい場合は随時見直しを行っており、今年度は例えば鋼板は5回、型枠合板は4回見直しをしております。
また、ゼロ県債や繰越明許費の設定により施工時期の平準化に努めるとともに、今年度から余裕期間制度において、工期を弾力的に設定できる期間を180日に拡大することや、土木センター・事務所間で、不調、中止の原因と対応等の情報を共有し、対策に活用する取組を進めております。
一方、国土交通省では、競争参加者に見積書の提出を求め、積算と実勢価格の乖離の解消を図る、いわゆる見積活用型積算方式について試行を進めており、県としても、こうした取組の効果についても注視してまいりたいと考えております。
今後とも、適切な工事価格の設定に努めるとともに、地域ごとの建設企業の受注状況を把握し、適切な工事規模で、施工時期の平準化や余裕のある工期を設定するなど、きめ細かな発注管理を行うことにより円滑な予算執行に努めてまいります。
以上でございます。
22 ◯議長(五十嵐 務君)杉本警察本部長。
〔警察本部長杉本伸正君登壇〕
23 ◯警察本部長(杉本伸正君)警察署の再編についての御質問にお答えします。
警察署の再編につきましては、議員御指摘ございましたとおり、地域の方々から再編に関する意見を伺う場として地域協議会を設置し、まず5月下旬から警察署ごとの地域協議会を各3回、延べ30回、次いで10月以降は富山市を除く県東部、射水市を除く県西部において、それぞれエリア別地域協議会を各2回、延べ4回実施してきたところでございます。
エリア別地域協議会では、再編の基本的方針、すなわち夜間休日の当直体制や事案発生時における初動体制の抜本的強化のため、地域の特性を踏まえつつ、小規模警察署を統合し中規模以上の警察署に再編すること、警察署の再編に当たり地域住民に不安や不便がないよう、分庁舎の設置を含め地域の安全と利便性を確保すること、このことに基づきまして、人員規模、管内人口、面積等、再編に当たっての基本的な考え方、県東部、県西部をそれぞれ現状の5署から2から3署程度とする再編案、統合される地域の旧警察署庁舎を活用して設置する分庁舎の業務体制案について、提示をいたしました。
これに対して、委員の皆様から様々な具体的な御意見をいただき、議論を深めてまいりました。
今後でございますが、県警察ではパブリックコメントを実施し広く県民の皆様からも御意見を募集することとしており、地域協議会やこのパブリックコメントによる御意見等を十分に考慮して、年度内を目途に再編計画を取りまとめていきたいと考えております。
以上でございます。
24 ◯議長(五十嵐 務君)荻布教育長。
〔教育長荻布佳子君登壇〕
25 ◯教育長(荻布佳子君)不登校児童生徒への支援に関する御質問にお答えいたします。
県教育委員会が把握しております不登校の小中学生が通う民間施設の数は、令和2年度で20施設であり、児童生徒の状況に合わせた個別学習や体験活動などが行われております。
学校では、担任やカウンセリング指導員が民間施設を訪問したり施設から報告を受けるなどして、児童生徒の活動状況を把握しております。
これらの民間施設は、不登校児童生徒の一人一人の状況に応じた学びの場でありますことから、県教育委員会では、今年度から、関係機関による不登校の支援協議会に民間施設の方を招きまして、意見交換を行うなどしまして、よりきめ細かな支援に向けた連携の在り方を検討しております。
また、民間施設における学びを適切に評価し、支援することの重要性を示した教職員向けのリーフレット「不登校児童生徒の支援の在り方について」を新たに作成しまして、先日、全ての学校に配布し周知をしたところでございます。
高校でのオンライン授業につきましてですが、これは国の定めにより、不登校生徒に対しては、正規の授業としては認められておりませんが、病気での長期療養が必要な生徒に対しましては、医師の診断書など一定の条件を満たせば正規の授業として認めることができるとされているところでございます。
これに基づきまして、病気療養中の生徒に対し、自宅へオンライン授業を配信している学校もあるところでございます。
県教育委員会では、今年度、教育DX推進会議において、学びたくても学べない児童生徒への遠隔・オンライン教育の活用について、生徒の学ぶ意欲に応える観点から、不登校生徒の学びを補完するためのデジタル教材の有効活用などの検討を進めており、今後も様々な事情で登校できない生徒の学びの機会の保障に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
26 ◯議長(五十嵐 務君)以上で宮本光明君の質問は終了しました。
暫時休憩いたします。
午前11時35分休憩
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午後1時00分開議
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27 ◯議長(五十嵐 務君)休憩前に引き続き会議を開きます。
庄司昌弘君。
〔2番庄司昌弘君登壇〕
28 ◯2番(庄司昌弘君)自民党新令和会、庄司昌弘です。会派を代表いたしまして、今定例会に提出されました諸案件並びに当面する県政の諸問題について質問いたします。
質問に先立ちまして一言申し上げます。
コロナで様々な
社会経済活動がストップし、大切なものやこれから進めるべきことと、見直さなければならないことなどが、コロナ禍ではっきりしました。必要なものやことは、さらに強化し、改善すべきことに対しては、やり方や体制を見直す大きなチャンスであると考えます。
また、これまでの東京一極集中から地方分散型社会へと大きくかじを切らなければなりません。最も大切なことは、この日本を、ふるさとを、これからどうしたいのかという熱意だと思います。
富山県の自然や強みを生かした富山にしかない魅力を強化しながら、ワクワクする富山、チャレンジできる富山を前に進めていかなければなりません。
自由民主党は、国民と共に未来に向けて常に改革を進める自由主義の政党であり、我々自民党新令和会は、これからも県民の幸せのために県民と共に働く決意であることを申し上げ、質問に入ります。
初めに、知事の政治姿勢について2問伺います。
新田県政スタートから約1年が経過しました。
知事は、民間の当たり前を県政にと訴え八十八の公約を掲げられ、県民が主役の県政を、今までにはないボトムアップ型で進めておられます。83.4%といった高い県政支持率を基に、県民目線とスピード感、何より現場を大切に行動していらっしゃいます。
この1年を振り返っての御自身の取組をどう評価され、政策実現に向けてのロードマップはどうなっているのか、知事にお伺いいたします。
また、知事は、これまでの予算編成で行っているマイナスシーリングによる一定率の削減方式から、ゼロベースで抜本的に事業を見直す新しい予算編成方式を採用されるとのことですが、これまで慣例的に継続してきた事業やイベントなどを積極的に見直し、新しいことに挑戦できる環境づくりを進めていかなければならないと考えますが、令和4年度当初予算の編成方針と行財政改革について、知事にお伺いいたします。
次に、新型コロナ対策について3問伺います。
第6波到来も予想される新型コロナへ万全の備えをしながら、コロナ禍で傷んだ経済を回復させるためにどう取り組むかが、富山県を再び活性化させる鍵であると思います。
第5波のデルタ株の流行の際には想定外の感染者が発生し、1日の感染者が100名を超えることもありました。8月20日からは富山市では、まん延防止等重点措置が実施され地域経済にも大きなダメージを与えました。宿泊療養施設に入所できない自宅待機者も多く発生したのは記憶に新しいところです。また一部地域では感染者が急増し、病床が足りなくなるのではないかと心配の声も聞かれました。
前回のデルタ株をしっかりと検証し、新たな変異株──オミクロン株に備え、今後の感染対策の強化や病床の確保を進めていかなければならないと考えます。
3回目のワクチン追加接種の準備も進めておられますが、交互接種の安全性や有効性、副反応などの情報の分かりやすい発信、重症化を防ぐための抗体カクテル療法やコロナ治療薬の普及と薬の確保、ワクチンを接種できない人への検査体制の確立、臨時の医療療養施設整備など
医療提供体制の強化、医師を配置するなど安心して療養できる体制を強化して療養施設の稼働率を向上させ、自宅療養者を減らす対策などが必要であると考えますが、接種準備の進捗状況と併せて、
感染拡大防止にどのように取り組まれるのか、木内厚生部長に伺います。
県内では感染状況が落ち着いた状態が継続しており、
社会経済活動の継続に向けた行動制限の緩和が徐々に進んでいます。このまま安定した状況が続けば、景気はV字回復に向かっていくのではないかと大変に期待をしております。
しかし、一気に全てがよくなるわけではありません。今まで大きなダメージを受けていた飲食業や交通、航空、旅行業、文化芸術、スポーツやエンターテインメントなどに対しては、感染防止対策を徹底しながら事業の継続を着実に支援していかなければならないと考えます。
飲食店への時短要請に係る第4次協力金については、現場からは、支払いまでにかなりの日数がかかり、事業の継続に影響が出そうだ、一日も早く入金してほしい、などの声が寄せられていました。時短協力金の受付や審査、支払いについては外部に業務委託されていますが、必要なときに必要な支援をしなければ、これまで何とか耐え忍んできた業者の皆さんは限界ぎりぎりのところまで来ています。
事業がしっかりと継続できるように、地域を支える商店街の活性化や、中小・小規模事業者の事業承継や資金繰り対策も、現場重視でスピード感を持って進めていかなければなりません。
感染症からなりわいを守るためには、縦割りを打破し部局横断的に支援する必要があると考えますが、経済の活性化にどのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いいたします。
県では、ビヨンドコロナの新しい生活様式やデジタル化など、経済社会構造の急速な変化に対応し、事業の再建、成長発展を図るための意欲的な取組を支援するため、富山県中小企業リバイバル補助金やミニリバイバル補助金が創設されていますが、経済の波に取り残されることなく、V字回復に向けた支援をスピード感を持って進めていく必要があると考えます。
また、9月定例会の自民党新令和会代表質問での答弁では、新世紀産業機構内の交流サロンを改修し、オンライン会議を常時可能とするなどデジタルハブとして整備し、県内企業のDXや、新商品開発、新事業の創出につなげていくとのことでしたが、ここに交流や情報交換を促進するためのセミナーの開催やDXアドバイザーなどの専門家の配置が必要なのではないかと考えます。
補助金の申請状況やデジタルハブの整備状況と併せ、今後の富山県中小企業リバイバル補助金やミニリバイバル補助金の運営方針とV字回復に向けた支援について、
布野商工労働部長に伺います。
次に、新しい富山のビジョンと成長戦略について6問伺います。
自分らしく生き生きと生きられる真の幸せを目指すことが、経済成長の目的であり手段でもある時代となり、新しい産業政策、新しい人材政策が必要となっています。
自民党の下村博文前政調会長も、幸福度重視へと世の中の潮流が変わりつつあると、ウエルビーイングについて提言されています。
ウエルビーイングを実現させるためには、多様な人材が生き生きと暮らしチャレンジできる環境をつくり、県外や海外から富山を訪れる方々を増やし交流人口を増加させ、人材交流を活発にすることが重要です。そして外の目から見た富山の評価を分析し生かすことが必要であり、知恵のある人材を富山の外から思い切って投入することも重要であると考えます。
現在、県内の各地域で行っている
ビジョンセッションも積極的に地域へ展開し、真の幸せ(ウエルビーイング)の機運を盛り上げ、それぞれの地域の自主的な取組を促すような継続的な支援が必要であると考えます。また県のホームページなどでの発信力を強化し、県民に成長戦略やウエルビーイングの考え方を広め、県民との一体感を醸成する工夫が必要です。
ウエルビーイング戦略についてどのように取り組まれるのか、知事にお伺いいたします。
これからは、デジタル化やグリーン化を加速させ東京一極集中から地方分散型社会への転換を進め、日本全国どこにいても格差のない持続可能なまちづくり、デジタル田園都市構想を実現していかなければなりません。
新型コロナなどの感染症や自然災害に対応することができ、PPP、PFIなど民間の知恵を生かしながら、住民が主体的に関わることができる魅力あるまちづくりをボトムアップで進めることで、自分が住む町への愛着や郷土愛がより一層深まると考えます。
富山の自然環境を生かして、美しい自然の中でオフィスワークができる環境を整備したり、生きる力や非認知能力を養うために森の幼稚園があってもいいと思います。
今あるものを最大限に活用し、その価値を再発見して、行ってみたい、住んでみたい、学んでみたい、そして幸福度が高いと思われる特色あるまちづくりを進め、様々な規制の枠を取り払うことも必要であると考えますが、まちづくり戦略についてどのように取り組まれるのか、三牧知事政策局長に伺います。
中間とりまとめでは、富山と縁がある方で自ら何かをつくって発信できる人たち一人一人がメディアとなって、富山の魅力的な映像を全国や世界に発信していくようなブランディング・広報を目指し、用意された観光資源ではなく、県民の生活自体を観光資源と捉え、暮らすように旅をする観光客を一時的な県民として歓迎し、日常の幸せを共有するなど、新たなスタイルの観光振興を目指すとあります。
総務省が実施するふるさとワーホリや地域おこし協力隊などの事業も有効に活用しながら、自然をPRした交流人口の増加を部局横断的に進め、外から見て発見した新しい富山ブランドと観光を融合させ、リモートワークやワーケーション、就農体験や多拠点居住も含めた、富山を訪れる全ての人々とのつながりをつくる仕組みをつくっていかなければなりません。
それと同時に、富山駅前などで気軽に立ち寄ることができ、富山の魅力や新しい富山ブランドを発信することができる拠点が必要であると考えますが、ブランディング戦略について、蔵堀副知事に伺います。
先日、産学官連携による創造的研究開発拠点、新川崎・創造のもりを視察してまいりました。
川崎市は、首都圏の中心部に位置し、優れた技術を持つ中小企業が集積するとともに、京浜工業地帯の中核を担う日本有数の製造業集積都市です。さらに研究開発の集積と高付加価値の産業構造への転換も進み、約400の研究機関が集中する研究開発都市でもあります。
新川崎・創造のもりは、産学官の連携による新しい技術や産業を創造する研究拠点であり、工作機械や3Dプリンター、CADなどが利用できる研究施設とインキュベーションラボが併設され、オープンイノベーションによる連携や研究開発が推進されています。また3人のインキュベーションマネジャーによって、連携機関とのマッチング、資金調達などスタートアップのアドバイスが受けられるようになっています。
富山県では、来年度開業予定で創業支援施設の整備を進めておられます。本県産業を活性化するためには、産学官連携による新技術の開発や事業の創出を強化するとともに、日本国内で同様の施設をつくるのではなく、それぞれの都市の拠点が強みを生かして連携し、ベンチャーの種まきをすることも必要であると考えます。
また、県はオレゴン州と友好提携を結んでおり、その連携を強化するとのことですが、それぞれが現地で交流できる仕組みや活動の拠点を早急につくっていかなければならないと考えますが、新産業戦略について、横田副知事に伺います。
産学官の連携をさらに強化し、例えば県が支援したベンチャーが開発した技術や商品を県で積極的に取り入れるなど、官がベンチャー企業を活用して行政改革に生かす取組も進めていかなければならないと考えます。
そして、地域コミュニティーと連携したスモールビジネスの成長や創出も必要です。地域のためにという考え方が、その土地に根差し支え合う地域循環型の経済を生み出すのだと考えます。
さらに、起業家をワンストップで支援する起業家支援拠点を早期に立ち上げるとともに、適切なアドバイスができる支援員などの配置も必要で、起業家同士のつながりはもちろん企業や金融機関とのマッチングなど、人脈づくりの場を提供する必要があると考えます。
また、自治会や消防団、組合組織、PTAなど地域活動の多くは、今まで商工会員などが中心的な役割を担ってきましたが、会員も高齢化が進み、事業の承継もなかなか進んでいないのが現状です。買物やごみ出しなどの日々の暮らしや安心・安全、地域農業や子育てなど、課題を解決するためのコミュニティビジネスの立ち上げを支援し、持続可能な地域社会をつくっていかなければなりません。
これらのことを解決するためのスタートアップ支援戦略について、知事政策局長に伺います。
デジタル化や業務の見直しにより県庁の働き方改革を推進し、職員が家庭での育児、介護等やボランティア活動などに積極的に関われるようワーク・ライフ・バランスを確保するとともに、リモートワークができる環境を早急に整備し、オフィス改革を進め職員同士が交流しやすくなるような執務環境の整備を推進し、縦割り行政を解消するための職員同士の交流や柔軟な発想が生まれ、失敗を恐れずチャレンジできる職場環境づくりを進めていかなければなりません。
また、民間のビルなどを活用しオフィスを県庁の外に配置するなどの取組や、県庁職員が民間との交流を促進できる環境づくりも必要です。
県庁のオープン化戦略についてどのように取り組んでいかれるのか、岡本経営管理部長に伺います。
最後に、ワンチームとやまの行財政運営について11問伺います。
県内では、医療機関などが患者の診療上必要な医療情報を共有する地域医療連携ネットワークが、4医療圏ごとに運用中とのことですが、この連携を一層スピードアップしていかなければなりません。
データヘルス都市とやまを目指すには、まず県立中央病院のデジタル化を先進モデルとして進め、他の医療関係機関と連携することが必要なのではないでしょうか。
新田知事は、八十八策の中で、保健医療分野のデジタル化を加速させ、保健所業務のデジタル化や、保健所、医療機関のデータ連携を推進すると掲げておられますが、データヘルスの活用と地域医療の連携はどうか、その進捗状況と今後の取組について、厚生部長に伺います。
県内では、これまで複数の企業が不適切な方法で医薬品を製造し、製品の回収をしており、同様の事例の再発防止と富山の薬ブランドに対する信頼回復を進めていかなければなりません。
また、ジェネリック医薬品など西洋薬と和漢薬は製造方法も大きく異なり、今回どのような過程で不適切な製造が行われたのかを、しっかりと検証する必要があると考えます。
また、置き薬で全国的にも有名な富山の配置薬業界にも、大きな影響が発生しています。信頼回復はもちろんですが、影響を受けている事業者を支援する体制づくりも、同時に進めていかなければなりません。
くすりの富山の信頼回復についてどのように取り組まれるのか、知事にお伺いいたします。
国では、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策が進められていますが、補正予算ではなく当初予算での対応を求め、安定した予算を確保していかなければ県土整備を担う建設企業の経営も安定せず、人材の育成や工期の設定にも影響が出て、働き方や休日の確保も難しくなり、結果的に人材不足を招くといった悪循環になりかねません。
大雪や災害で真っ先に対応するのは、現場で作業に関わる方々です。建設業の人手不足は今後の県土整備に大きく関わってくると考えますが、令和の公共インフラ・ニューディール政策の確実な実施と建設人材の育成にどのように取り組まれるのか、江幡土木部長に伺います。
また、今年1月の大雪を踏まえ除雪体制が強化されていますが、これから迎える雪のシーズンに向けて、県民の安全・安心、
社会経済活動の維持に万全の体制で臨まなければならないと考えますが、どのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いいたします。
県は、地域交通ビジョンを見直し、今後、法定協議会を設置して新たな計画を策定するとのことですが、新型コロナウイルスの影響で交通事業者の経営状態は悪化しており、生活様式や働き方の変化に対応するとともに、デジタル化などの新技術を活用して人口減少社会における持続可能な地域交通を確保していかなければなりません。
バスや鉄道などの経営の在り方の検討や連携の推進、鉄軌道における新駅設置や利便性の向上、公共交通を軸としたまちづくりなど、県が中心となって持続可能な公共交通を育てる体制づくりが必要であると考えますが、地域交通ビジョンについて、
助野地方創生局長に伺います。
県では、市町村の自立的な行政運営の確保や、各地域の個性や特徴を生かした政策、事業展開を通じて県全体の発展を実現するため、県及び市町村が課題を共有して行政活動を支援することを目的として、「ワンチームとやま」連携推進本部を設置しており、当面取り組む5項目を決定し、県、市町村の担当者によるワーキンググループなどにおいて地域施策の検討を行っています。
これまで3回の本部会議が開催されていますが、次年度に向けては、火力に頼らない自然エネルギー先進県を目指したエネルギー政策や、公共交通やモビリティーをどうするのかなど、ワンチームとやまとして取りまとめることも重要であると考えます。
また、特色ある学校づくりや、高校、中学校、小学校の連携、小中学校の統合再編についてや、市町村教育委員会が連携したGIGAスクール構想のさらなる推進、教育クラウドの運用など、各基礎自治体の課題は多いと思います。
市町村から県への要望や陳情の場ではなく、富山県と15市町村が一つになってワンチームで持続可能な富山を実現するためのトップ会議として位置づけ、議論を進めていっていただきたいと考えます。またトップ同士の連携は取れてきているのだと思いますが、現場の職員同士の連携をさらに深めていく必要があると思います。
県と市町村が一緒に働く体制づくりをさらに進めていただきたいと考えますが、ワンチームとやまの連携推進について、知事にお伺いいたします。
人口減少やコロナ禍で飲食業や旅館、ホテルなどの消費が一気に落ち込み、米の需要が低下する中で、県でも生産調整対策が行われてきましたが、需要の安定に向けて在庫の積み上がりを避けるため、園芸作物など主食用米に再転換しにくい安定性の高い作物への計画的な転換を進め、より需要に応じた生産体制を推進していかなければなりません。
また、県が進める1億円産地づくり事業では、作付面積を拡大しても売上げは市場価格の変動に大きく左右され、経営の安定化が課題となっています。
生産し出荷するだけでは、安定した売上げは望めません。各産地に、普及指導員だけではなく的確に販売のアドバイスなどができる人材を配置し、卸売市場などとも連携した生産から販売までをサポートできる体制づくりが必要であると考えますが、
堀口農林水産部長に伺います。
東日本大震災を教訓に、農業用ため池などの防災・減災、国土強靱化事業が県内でも進められています。
事業費は国、県、市が全額負担するのですが、現地調査などの事務経費は地元の負担となります。ため池の防災・減災事業は、その状態にもよりますが、約1億から10億円程度かかり、例えば、その事務経費を1%と考えても100万円から1,000万円と、地元にとっては大きな負担となっています。
ため池整備は公共性が高いことから、事務経費の負担軽減について国へ働きかけるとともに、このような現状をどのように認識しておられるのか、
農林水産部長に伺います。
政府は、保育士、介護職、看護師の賃上げの方針を打ち出しましたが、さらなる処遇改善を図り深刻な人手不足の解消を図ると同時に、人材をしっかり県内で育てることができる環境づくりを、国立、県立、私立を問わず進めていかなければなりません。
富山県では、若者の県外流出が課題となっていますが、多くの若者や学生が、東京都はもちろん、お隣石川県にも流出しています。石川県では、高等教育機関が集積されており、富山県からの転入者が最も多くなっています。
富山県内の教育機関の魅力を向上させ、県内外から富山が選ばれる特色ある学校づくりや、人材獲得に向けた教育機関の連携を深め、教育県富山で学ぶメリットを発信していかなければならないと考えますが、保育、介護、看護人材の育成と高等教育の振興について、経営管理部長に伺います。
令和4年4月より、新しい高等学校の学習指導要領に基づき、全ての高校生がプログラミング、ネットワーク、データベースの基礎等について学習する情報Iが新設されますが、令和3年2月定例会一般質問でも申しましたが、県立学校において情報の授業を行う専門的な知識や技能を身につけた情報教員が不足しており、免許外や臨免対応の縮小に向けたさらなる努力や、情報教員の専門性の向上に向けた研修会の実施などが必要であると考えます。
また、来年4月に入学した高校1年生が大学受験する令和7年度の共通試験から、この情報Iが出題されることとなり、志望する大学が共通試験の対象に情報Iを設定された場合でも、子供たちが志望校を諦めることのないよう、県教委として情報人材の育成に最大限の努力をしていかなければならないと考えますが、荻布教育長に伺います。
2016年からJAFが、信号機のない横断歩道での車の停止率調査を行っており、今年の調査結果が発表されています。
調査は各都道府県で2か所、全国合計94か所において、信号機が設置されていない横断歩道を通過する車両8,281台を対象に実施され、歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は、2,534台、30.6%で過去最高となりました。前年の調査時と比べて9.3ポイント増加し、毎年増加している傾向にありますが、いまだに7割の車が止まりません。
富山県においては、昨年のワースト4位の44位から33位と順位も11上がり、停止率も、全国平均以下ではありますが昨年の10.7%から25.1%と上がっています。
取締りや啓発活動の効果もあったのだと思いますが、継続した取組が必要であると考えます。
歩行者の手を上げるなどの意思表示のサインが、停止率を上げ安全の確保にもつながると考えますが、横断歩道の安全確保対策と歩行者横断時における車の一時停止率の向上にどのように取り組まれるのか、杉本警察本部長に伺います。
以上をもちまして、会派を代表しての私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
29 ◯議長(五十嵐 務君)新田知事。
〔知事新田八朗君登壇〕
30 ◯知事(新田八朗君)自民党新令和会を代表されての庄司昌弘議員の質問にお答えします。
まず、私の政治姿勢についての御質問をいただきました。お答えします。
知事に就任して以来、新型コロナ、そして大雪などの危機管理案件に取り組む一方で、本県の未来へ種をまくための成長戦略会議の開催、八つの重点政策、また八十八の具体策実現に向けたロードマップを作成し、予算化を進めることもしてきました。
また、様々な行政課題について県と市町村が課題を共有し、連携協力体制を強化して対応を進めるための「ワンチームとやま」連携推進本部を設置いたしました。そして市町村長の皆さんと議論を進めてきました。
このほか、喫緊の課題である県全体のDX・働き方改革を進めるためDX・働き方改革推進本部を設置するなど、これまで県民目線、スピード感、現場主義を大切に、民間企業の当たり前を県政にという思いで県政運営を進め、本県のさらなる発展と県民の皆様の幸せのために取り組んでまいりました。
また、ロードマップの進捗状況ですが、令和3年度末までに88の項目のうち54項目、60%以上が達成可能と考えております。また私の任期が来る令和6年度の第3四半期頃までに、約8割程度が達成可能の予定でございます。
なお、この進捗状況を反映したロードマップは、今月の17日に県のホームページ上で公開をしております。
引き続き、新型コロナから県民の皆様の命と暮らしを守りながら、ビヨンドコロナの時代を見据え、希望にあふれる、笑顔が満ちあふれて、そしてチャンスがあり夢をかなえることができる富山県、ワクワクすることがたくさんある富山県の実現に向けて、一層の努力を傾けてまいります。
次は、令和4年度当初予算の編成方針と行財政改革についての御質問にお答えします。
令和4年度は、
新型コロナウイルス感染症との闘いが続く中、国難とも言うべき事態を県民の皆さんと共に乗り越え、ビヨンドコロナ、アフターコロナの時代の真の幸せ(ウエルビーイング)先進地域を目指した取組を積極的に進める必要があると考えます。
一方、本県の財政状況は、地方交付税など一般財源総額の大幅な増加が見込めない中で、高齢化の進展などにより社会保障関係費が増加し、これまでに発行した地方債の償還である公債費が、なお高い水準で推移するなど、引き続き予断を許さない状況にあります。
こうしたことから、来年度予算編成においては、歳入確保に最大限努めるとともに、デジタル化、技術革新など社会経済情勢の変化を踏まえて、前年度予算額から一定率を削減するという
マイナスシーリング方式から、事業の抜本的見直しや再構築に重点を置く方式に転換することとしました。
これまで継続して実施してきた事業については、県民目線を第一に、業務の効率化、職員の働き方改革の観点も踏まえて、その成果をエビデンスに基づき検証し、廃止も含めて抜本的に見直し施策の重点化を図ることで、新型コロナ対策を継続する中でも斬新で効果的な事業にチャレンジしていきたいと考えています。
県民の皆様の命と暮らしを守るため、新型コロナ対策に引き続きスピード感を持って取り組むとともに、これまで以上に選択と集中を徹底し、新しい富山県の創造に果敢に取り組んでまいります。
次に、中小・小規模事業者への支援についての御質問にお答えをします。
議員御指摘のとおり、新型コロナにより深刻な影響を受けた中小・小規模事業者向けの各種支援については、スピード感を持って取り組むことが重要であると考えています。
県では、中小・小規模事業者の事業継続のために、県の補助により保証料をゼロとしたビヨンドコロナ応援資金などによる資金繰り面での手当てに加えまして、国の月次支援金に県独自で上乗せする事業持続月次支援金、また多くの申請をいただいておりますが、中小企業リバイバル補助金の採択枠の拡充、小規模企業者緊急支援補助金──いわゆるミニリバイバル補助金などにより、事業再建、成長発展の後押しをしております。
また、これらの支援金などについては、オンライン申請の導入や民間委託による審査事務の効率化を図るとともに、特に時短要請に係る協力金については一部早期支給を導入するなど、迅速な交付に努めてまいりました。
なお、時間短縮の要請に応じていただいたにもかかわらず、何らかの理由で未申請の飲食店の皆様には、この12月1日から2週間にわたり特別受付期間を設け、手を差し伸べるということにしたいと思います。
さらに、新型コロナが比較的落ち着いた状況の中、商店街や商工団体などが行う消費喚起の取組を支援する消費喚起プロジェクト支援補助金、これを速やかに創設したほか、事業承継については、本年4月に、親族内承継に加えて第三者承継に関する相談窓口をワンストップ化した富山県事業承継・
引継ぎ支援センターを開設し、支援体制を強化いたしました。
また、民間の力も借りる、民間を支援するという意味で、地元の銀行が提携をしておられます大手M&A仲介会社の全国セミナーのパネリストにも、私は、登場させていただき支援をさせていただきました。
望まぬ廃業による雇用の喪失、あるいは技術、サービスの喪失が少しでも減るように、官民力を合わせて取り組んでいくことが必要だと思っております。
引き続き、新型コロナによる厳しい影響下にある商店街の活性化や中小・小規模事業者の資金繰り対策などの必要な支援に、先般決定された国の経済対策に関連する補正予算の動向も踏まえて、スピード感を持って適時適切に対応してまいります。
次に、ウエルビーイングと
ビジョンセッションについての質問にお答えします。
富山県成長戦略
ビジョンセッションについては、富山県の未来や戦略のビジョンを県民の皆さんと共有し、県民と共に考えることが大切だという考えの下で、これまで立山町を皮切りに6つの市町で開催をしてきました。私が、県内15市町村を訪問させていただき、各市町村長さんをはじめ県民や事業者の皆さんに成長戦略のビジョンあるいは
中間とりまとめを御説明し、グループワークなどを通じて、富山の、また各市町村の未来を共に考え、共につくり上げていくこととしております。
また、これまでの
ビジョンセッションをご視察いただいた県議の皆様には、本当に貴重なお時間を割いていただき、心から厚く御礼を申し上げます。
ビジョンセッションでは、参加者の皆さんに熱の籠もった議論をしていただき、地域のウエルビーイングを実現するため、あるいは幸せ人口1,000万人を実現するための様々なアイデアや御意見をいただいています。また参加された方々からは、地域について語り合うよい機会であった、今後は地域で課題を掘り下げていく場を設けることが大事、県の計画を我が事として考えるようになったなどの御意見をいただいています。
実際に、立山町や魚津市では、参加者の皆さんが自発的に連絡を取り合われて、独自に地元市町の未来やまちづくりなどについて引き続き語り合う機会が持たれるなど、自主的な取組の機運が生まれてきており、
ビジョンセッションの一つの成果として大変にうれしく思っているところです。
そして、年度末には、本県の成長戦略や戦略のビジョンを県内外に発信し、県内外の方々が集い、連携して成長戦略を進めるきっかけづくりの場としてトークイベントを開催し、このような場を活用して、多様な人材がチャレンジできる環境づくり、人材交流の活発化、さらには地域の自主的な取組を促すような支援についても検討してまいりたいと考えます。
次に、医薬品の不適切製造に係る支援についての御質問にお答えします。
県内の製薬企業において不適切な医薬品製造の判明が続いていることは、大変遺憾に存じております。
影響を受けている事業者は、県内外の医薬品製造販売業者や製造業者、薬局・病院・診療所などの医療機関、医薬品販売業者、関連産業の事業者など、非常に広範にわたっています。これら幅広い事業者の支援としては、何より、くすりの富山の信頼を再構築することが重要であると考えます。
本県では、県内製薬企業の不適切な医薬品製造の事例を踏まえ、薬事審議会の下に医薬品製造・品質管理専門部会を設け、同様の事例の再発防止及び医薬品の信頼回復の方策について提言を取りまとめていただきました。
その提言に基づきまして、無通告立入検査の強化及びGMP調査員の増員などによる県の監視指導体制の強化や、製薬企業の企業倫理の醸成のための取組の支援など、同様の事例の再発防止と医薬品の信頼回復のための取組を進めてまいります。
次に、除雪の体制についてお答えします。
県では、本年1月の記録的な大雪の検証結果を踏まえまして、災害級の大雪時には、人命を守ることを最優先に、企業や県民の皆様には車での不要不急の外出自粛をお願いするとともに、各道路管理者や交通事業者と十分に連携して道路除雪に取り組んでまいります。
具体的には、除雪体制の強化として、県道と市町村道が連続する道路において、同一業者が同一機械で効率的な除雪を行う連携除雪や、市町村と共同利用できる雪捨場を拡大いたしました。
また、道路監視カメラを100基増設し計159基としたことに加えて、国などのカメラとも相互に乗り入れるといいますか、画像の提供を受けまして、合わせて合計338基の画像をウェブサイト、富山県冬期道路情報で発信をしてまいります。
また、気象台からの大雪に関する情報で災害級の大雪が想定される場合には、段階的な行動計画であるタイムラインを活用して、大雪警戒本部等の開設や企業の臨時休業、学校の休校、車での不要不急の外出自粛などを強く呼びかけることにしています。
さらに、大雪時の交通障害から早期に復旧できるよう、あらかじめ圧雪処理や拡幅除雪などに必要な除雪機械やオペレーターの体制を整えるほか、積雪状況や降雪の予測に応じて、これまで行っていた早朝に限らず行う機動的な除雪、また県と市町村あるいは各除雪企業が相互に応援する除雪体制を準備しています。
この冬も、災害級の大雪を想定し、国、県、市町村及び企業、県民が一丸となって取り組んでいきたいと考えております。県議の皆様の御協力も、どうかよろしくお願いいたします。
私からは最後になりますが、「ワンチームとやま」連携推進本部についての御質問にお答えします。
地方自治体が抱える行政課題が複雑化、多様化する中、県と市町村の連携を強化し、行政の効率化や政策の推進力の向上を図るため、「ワンチームとやま」連携推進本部を設置いたしました。
これまで7回の会議を開催し、有害鳥獣対策あるいは防災・危機管理体制、子ども医療費助成などの連携推進項目で具体的な成果が現れているほか、率直に意見交換をする時間も確保し、有意義な議論を重ねてきたと考えております。
今後は、連携推進項目として新たな枠組みづくりを進めるような未来志向型のテーマも加えたいと考えており、まさに持続可能な富山の実現に向け、自治体の16人のトップ同士が胸襟を開き、各地域の実情を踏まえて幅広く議論できる場にしていきたいと考えます。
また、職員同士の連携についても大変重要で意義あることと考えます。連携推進項目ごとに設置したワーキンググループで、県と市町村の担当部署同士が、それぞれの課題解決に向けた具体的な議論を重ねてまいりました。引き続き連携を強化していきたいと考えます。
さらに、10月末の本部会議において、県と市町村の職員同士が連携、そして交流を深めながら切磋琢磨し、資質の向上を図っていくことを目的に、地域課題の解決に向けて、総務省の管轄である一般財団法人地域活性化センターと連携したフィールドワーク研修、またファシリティマネジメントなど特定の行政テーマについて考える研修を新たに設ける提案を、市町村長さんに呼びかけたところです。
今後とも、トップから担当職員に至るまで連携をさらに深化させ、住民に近い市町村をしっかりとサポートしながら、各地域の活性化、ひいては県全体の飛躍、発展につなげてまいりたいと考えております。
私からは以上です。
31 ◯議長(五十嵐 務君)蔵堀副知事。
〔副知事蔵堀祐一君登壇〕
32 ◯副知事(蔵堀祐一君)私からは、新たなスタイルの観光振興についての御質問にお答えをいたします。
成長戦略の中核となります6つの柱の一つでありますブランディング戦略について、この中で観光も含めているわけですけれども、具体的な施策を検討するため今月12日に第1回のワーキンググループを開催いたしました。
このワーキングでは、委員から、本県の魅力発信に関しまして、県民自身が県の魅力を発信することが効果的であること、また世界、全国で活躍する県出身者や、つながりのある方とつなげていくことが必要であるといったような御意見をいただきました。また観光客との日常の幸せの共有に関しましては、ウエルビーイングな富山を発信していくには、富山にいる人自身が本当に幸せだと感じている必要があるなどの御意見もいただいたところでございます。
県といたしましては、こうした御意見も踏まえまして、1つには、SNSなど個人の情報発信力を生かせますデジタル技術を活用した関係づくりですとか、2つ目ですが、富山のすばらしさを県民に気づいてもらうなど、地元の魅力の再発見につながる取組に努めてまいります。さらに3つ目ですが、県内滞在時間や消費額の増加につなげます満足度の高い旅を楽しめる環境整備などにも取り組みたいと考えております。
これらに加えまして、例えば地域おこし協力隊の方ですとか、富山県でリモートワーク、ワーケーションをする方、あるいは多拠点居住の方などとのつながりも構築いたしまして、関係人口1,000万人を目指したいと考えております。
今後、さらにワーキンググループ等において議論を重ねまして、具体的な施策を検討いたしまして、成長戦略アクションプランに盛り込み、さらに新年度予算に反映していきたいと考えております。
あわせまして、今年度中に策定予定の新たな観光振興戦略プランにおきましても、この成長戦略会議やワーキンググループで御議論いただいております新たなスタイルの観光振興に係る施策について、反映するように努めてまいります。
それと、議員から富山駅前での富山ブランドの発信拠点についての御意見もいただきました。富山駅前にあります既存施設の役割や機能の点検をいたしまして、今後よく考えてまいりたいと思っております。
以上でございます。
33 ◯議長(五十嵐 務君)横田副知事。
〔副知事横田美香君登壇〕
34 ◯副知事(横田美香君)私からは、本県産業の活性化に関する御質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、本県産業の基軸であるものづくり産業の競争力強化には、産学官が連携して新たな付加価値、新事業の創出を強力に進めていくことが重要だと考えております。
県では、アルミやヘルスケアのコンソーシアムにおいて、それぞれ年3件から5件の開発プロジェクトを推進しているとともに、次世代自動車などの成長産業分野に関する産学官連携グループによる技術開発や製品開発の支援などに取り組んでおります。
また、成長戦略
中間とりまとめでは、新産業戦略を柱の一つとし、本県の基幹産業の革新に加え、カーボンニュートラルの世界的潮流などを踏まえた産学官連携を強化するとしておりまして、現在ワーキンググループにおいて県内企業の意欲的な取組を後押しする事業を検討しています。
オレゴン州との連携についても御質問をいただきました。
友好提携都市は、オレゴン州を含めまして現在4つございますけれども、中国遼寧省に活動拠点となる大連事務所を置き、また新世紀産業機構において各国の情報を収集し海外展開をサポートするなど、県内企業の活動を支援しています。
オレゴン州とは、本日まで開催しております富山県ものづくり総合見本市において、同州政府駐日代表部によるブース出展と投資環境セミナーが行われ、また今月18日には、同州ポートランド市が主催しますものづくり企業のオンライン交流イベントに、県として連携しております。その中で同州と県内企業が情報交換をいたしました。
そして、今月4日には、改めて新田知事とケイト・ブラウン知事がオンラインで懇談をしまして、今後、経済協力枠組みの覚書などを結んで経済交流を促進していくことを確認いたしました。
これから、県内企業の意向も踏まえまして友好提携都市などとの経済連携を強めつつ、本県が強みを持つ産業の相互連携、そして産学官連携による新技術の開発や新事業の創出を促進してまいります。
以上です。
35 ◯議長(五十嵐 務君)木内厚生部長。
〔厚生部長木内哲平君登壇〕
36 ◯厚生部長(木内哲平君)私からは、まず
感染拡大防止についての御質問にお答えいたします。
第5波では、
ワクチン接種の進展に伴いまして若い世代の軽症者が増加しましたことから、コロナ医療と一般医療の両立のため、入院は重症化リスクの高い方を優先しまして、無症状ないし軽症の方には、個別の状況に応じまして宿泊療養施設または自宅で療養をいただいたところでございます。
今後の感染拡大局面の対応としましては、医療現場の負荷を軽減するために、こうした対応を継続しつつ、また一方で、先般、県内医療機関の御協力の下、病床の確保計画を拡充いたしました。また宿泊療養施設につきましても3棟の確保を継続しまして、また稼働率の向上のための運用の改善を図っているところでございます。また
感染拡大防止のための検査を必要な方が遅滞なく受けられるよう、検査体制の拡充をいたしております。
加えて、11月補正予算案におきまして、自宅療養者の健康観察のためのコールセンターの設置、遠隔診療体制の構築、入院待機施設の整備に必要な経費を計上してございます。
また、来月からワクチンの追加接種が始まりますけれども、県では、各市町村の準備に役立つよう、接種券の発送時期や接種開始時期を取りまとめまして市町村と共有をするとともに、県の特設会場につきましても、来年3月中旬以降の再開に向けて準備を進めてございます。
また、国に対しまして全国知事会等を通じて、追加接種の有効性でありますとか使用するワクチンの種類、交互接種の安全性等につきまして、分かりやすい情報発信を要請しているところでございます。
この
ワクチン接種の進展、そしてカクテル療法の普及や経口治療薬の登場など、新型コロナの環境の変化は大変急でございます。そうした中でも、引き続き感染拡大の防止や
医療提供体制の強化に努めてまいります。
次に、保健医療分野のデジタル化についてお答えをいたします。
県では、業務の効率的、効果的な実施や県民の医療福祉の充実のため、保健医療分野のデジタル化等の推進に取り組んでおります。
具体的には、まずマイナンバーカードの健康保険証利用の普及啓発、そして医療機関等への導入促進、これによりまして健診データをデータヘルス基盤として活用するといったこと、それから医療機関同士で診療情報を電子的に共有する地域医療情報連携ネットワーク、この共有情報を拡充するための機能向上等の支援、そして各厚生センターの申請、届出など手続のオンライン化などを進めているところでございます。
これらの取組には、国の制度に関係するものや県庁全体のシステム整備に係るものもございますけれども、全体として一層の推進が必要な状況と認識をしております。
また、県立中央病院では、現在、オンラインによる地域の医療機関との診療予約やカルテ情報の提供などによる連携のほか、マイナンバーカードを利用した保険資格確認、特定健診、薬剤情報の連携などを進めています。今後も効果的、効率的な医療の実現に向けたデータヘルスの推進に取り組むこととしています。
今後とも、国でのデータヘルス改革に関する議論の進展、そして県庁全体のDXの推進などと相まって、保健医療分野のデジタル化等の推進が早く実現できるように、しっかりと取り組んでまいります。
以上です。
37 ◯議長(五十嵐 務君)
布野商工労働部長。
〔
商工労働部長布野浩久君登壇〕
38 ◯
商工労働部長(布野浩久君)私からは、中小・小規模事業者への支援とリバイバル補助金等の申請状況についての御質問にお答えいたします。
県内中小・小規模事業者が、コロナ後を見据えた新しい生活様式やDX等に対応し、事業者の再建、それから成長を図るため、リバイバル補助金やミニリバイバル補助金により、販路開拓、感染症対策、DX等に加え、企業連携や業態転換等による新ビジネスの創出など、意欲的な取組を支援してきました。
多くの事業者に御利用いただくため、新聞への折り込み広告やテレビ・ラジオ放送、商工団体等と連携した窓口周知のほか、県ホームページやツイッターで、業種別の具体的な活用例を随時掲載し発信に努め、リバイバル補助金第1次から第3次募集では3,584件の申請をいただき、75%に当たる2,684件を採択しております。ミニリバイバル補助金には925件の申請があり、96%に当たる887件を採択しております。
引き続き、商工団体等が行います消費喚起事業や
観光キャンペーン等による需要創出と併せ、事業承継を含めた事業者の経営改革に向けた取組を、商工団体や県新世紀産業機構等と連携して支援いたしますほか、同機構内に整備中のオンライン環境を整えたデジタルハブ、仮称でございますが、現在、工事入札に向けた手続を進めておりますこのデジタルハブを交流拠点といたしまして、セミナーあるいは出前講座、技術相談などに取り組みたいと考えておりますが、その際には同機構のIoT推進コーディネーターの活用、また御提案いただきましたDXアドバイザー等の配置も含め、実施方法などを幅広く検討してまいります。
今後とも、中小企業等のDX支援や成長産業分野に係る産学官や企業間の交流の促進に取り組み、中小・小規模事業者が経済社会構造の急速な変化に対応できますように支援をしてまいります。
以上でございます。
39 ◯議長(五十嵐 務君)三牧知事政策局長。
〔知事政策局長三牧純一郎君登壇〕
40 ◯知事政策局長(三牧純一郎君)私からは、まず、まちづくりについての御質問にお答えさせていただきます。
庄司議員御指摘のとおり、魅力あるまちづくりを実現するためには、住民の皆様の主体的な関わりが重要であると考えております。
成長戦略の
中間とりまとめの中にも、富山らしい個性的なまちづくりに向けて、住民起点のボトムアップな官民連携を進めることが重要であると。それを進めることで、市街地の開発において地元企業や市民の創意工夫をしっかりと生かし、自由で自主的な活動を行える空間──横文字ではありますけどハッカブルな空間、そういうものをつくって、県や市町村が、県民や事業者としっかりと対話しながらまちづくりを進めていくことが示されてございます。
また、議員から御指摘ありましたが、官の取組におきましても、PPPやPFIなど民間のアイデアや活力をしっかりと生かしていくことが重要であると、こちらも
中間とりまとめのほうにしっかりと書き込まれております。
さらに、議員のほうから森の幼稚園というお話がありましたけれども、
中間とりまとめの中には、富山の自然や風土、そして開かれた文化的環境を最適に組み合わせることで、居心地がよく幸福になれるまちづくりを進めることとも書かれてございます。
このようなまちづくりをしっかりと進めることで、県民の地域への愛着、そして郷土愛が高まるとともに、県外からの人材を引きつけることにもつながると考えてございます。
先般開催しました第1回のまちづくり戦略ワーキングにおきましては、地域の若者や社会的弱者など住民の声をしっかりと聞くことが重要であるという御指摘もいただきましたし、また共助によるまちづくりにおいては、民間がまずは先導し、行政はその環境づくり等で後押ししていくと、そういうことが大切だという御意見もいただきました。
あわせて、先ほど知事から答弁させていただきましたが、現在、各市町村で実施しております
ビジョンセッションでも、各地域のまちづくりに関する御意見を広く伺っているところでございます。
これらを受けまして、我々としましては、地元のニーズを広く伺いながら、民間主導のまちづくりをどのように行政が後押ししていくかと、そうしたところを次回のワーキングに向けて具体的な施策を整理して議論を深めることとしております。
住民が主体的に関わるまちづくりを通して、本県のウエルビーイングの向上を図るとともに、人材の出入りの活性化を進めまして、幸せ人口の拡大や地域活性化をしっかり実現していければと考えてございます。
続きまして、企業支援についての御質問にお答えさせていただきます。
県では、現状におきましても、起業家が成長できる環境をしっかり提供するというところで、起業を志す段階から実際に起業する、そして事業が安定して発展していくまで、それぞれのステージに応じまして、創業スクールであったり、新世紀産業機構における個別の相談対応、そして各種創業補助金や低利融資といった資金供給、そして新商品やサービス等を県が率先して購入するというトライアル発注などの支援に努めてございます。
また、現在、蓮町で整備しております創業支援センターにおきましても、起業に特化した支援機関として、しっかりとワンストップ相談であったり金融機関等による専門家の相談、そしてノウハウを学べる創業支援セミナー、そして先輩起業家とのミーティングイベント、そしてさらに各種分野の課題解決型のワークショップ等を頻繁に開催することを考えてございます。
現在、成長戦略のワーキングを兼ねておりますけれども、大きく急成長するようなスタートアップ型向けの支援策については、10月に立ち上げたスタートアップ戦略会議において専門家の方々に幅広く意見を聞いているところでございまして、柱としましては、起業家のネットワークをどのようにつくって機運を醸成していくか、あわせて有望なシーズ案件をどのように見つけていくか、さらに産学官金による支援体制をしっかりとつくって、選抜した企業に対する集中支援をどのようにしていくか、3つの柱で施策を検討しているところでございます。
また、議員からも御指摘ありましたけれども、地域の農業であったり観光、そうした富山の特色を生かしたスモールビジネス、そしてまた、子育てとか介護等の地域の課題を解決するコミュニティビジネスの支援も非常に重要なことだと考えております。
こちらに対しては、やはり市町村や商工団体等、地域の活動をしている支援機関としっかり連携することが重要であると考えてございまして、先週、そうした起業支援に積極的な市町村、商工団体等で構成する、とやま創業支援連携会議というところで、現在、連携や役割分担について意見交換をしたところでございます。
それぞれの施策が、しっかり起業家目線で実効性のあるものとなるように、専門家、そして実際に起業された方、そして商工団体の意見を聞いて、多くの方々が様々な分野でしっかりと起業できる環境を整備していきたいと考えてございます。
以上になります。
41 ◯議長(五十嵐 務君)岡本経営管理部長。
〔経営管理部長岡本達也君登壇〕
42 ◯経営管理部長(岡本達也君)私のほうから、新しい富山のビジョンと成長戦略のうち、職場環境づくりについての御質問にお答えをいたします。
県では、業務の効率化、生産性の向上や職員のワーク・ライフ・バランスの確保に加えまして、効率化で生み出した時間により新たな発想やイノベーションが生まれる職場環境づくりを目指し、AIやRPAなどテクノロジーの活用、時間や場所にとらわれない柔軟で多様な働き方の導入など、働き方改革を推進しているところでございます。
また、こうした取組の基盤となるテレワーク環境として、テレワーク対応可能パソコンの台数を、現在150台から来年2月には約500台に、来年の7月頃までには約1,700台に増強することとしております。
さらに、職員同士の交流や新しい取組への挑戦、自己の成長に投資できる環境をつくるために、現在、庁内公募による意欲ある若手職員から3つの政策提案チームをつくりまして、その活動を支援しているところでございます。この3つのチームのテーマですけれども、1つは、県外からの起業家誘致、2つ目は、県庁職員によります庁内複業制度──複業というのは複数の複でございます、3番目に、政策決定過程においての県民参加、この3つのテーマに沿って活動をしているところでございます。
また、先ほど知事からも御答弁を申し上げましたとおり、市町村の若手職員や民間の方と一緒になって、地域に飛び出して地域課題に取り組むフィールドワーク研修や、テーマ別課題研修の実施を検討しているところでございます。あわせて職員同士や民間の方々との活発な交流を促すために、県庁の外に、総合庁舎内にサテライトオフィス機能も有するフリースペースの設置や、民間のコワーキングスペースの活用などにつきましても、今後検討したいと考えております。
このように、業務の見直しやデジタル化、職員の意識改革などの新たな取組を強力に推進することにより、新田県政の掲げる成長戦略の中核の一つでございます県庁のオープン化戦略の実現に向けまして、議員から御提案がございました、職員が失敗を恐れず意欲的に挑戦し続けることができる環境づくりを進め、職員が一体となって県民の福祉向上に取り組む組織文化の醸成に努めてまいりたいと考えております。
次に、ワンチームとやまの行財政運営のうち、教育県富山で学ぶメリットを発信すべきという御質問についてお答えをいたします。
人口減少が進展する中、県内高校生の地元への進学や県外からの学生を確保するためには、まず各高等教育機関が教育研究などの魅力を高めることが重要であると考えております。
このため、現在、県立大学におきましては、来年4月に向けて、工学部の情報関連学科の定員拡充とDX教育研究センターの整備に取り組んでいるほか、令和5年の看護系大学院と専攻科の設置に向けて準備を進めているところでございます。
また、来年4月には、富山大学で教育学部への改組やデータサイエンスの修士課程が新設されるほか、富山福祉短期大学では看護学専攻が新設されると聞いております。
県としましては、このような取組を各機関が相互の連携を通じまして活性化し魅力向上を図るとともに、それを県内外に発信していくことが、教育県富山のアピールにもつながるものと考えております。
このため、国立、県立、私立の各高等教育機関が参加する大学コンソーシアム富山におきまして、各機関の取組の共有を図るほか、単位互換や高大連携セミナー、大学連携講座等を実施するとともに、各高等教育機関の魅力を紹介するパンフレットを県内高校生に配布しPRする取組を支援し、ウェブサイトを通じて情報発信にも努めているところでございます。
なお、議員御指摘の保育、介護、看護などの養成機関の魅力向上や発信につきましても、各機関の対応を支援してきております。引き続き関係機関と連携しながら取り組んでまいりたいと思っております。
今後とも、各高等教育機関と連携協力しながら、地域や時代のニーズに対応した人材育成や魅力向上の取組の支援と、その効果的な情報発信に、より一層努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
43 ◯議長(五十嵐 務君)江幡土木部長。
〔土木部長江幡光博君登壇〕
44 ◯土木部長(江幡光博君)私から、令和の公共インフラ・ニューディール政策と建設人材確保に関する質問にお答えをいたします。
県では、令和の公共インフラ・ニューディール政策によりまして治水、海岸、土砂災害対策を加速するとともに、橋梁などインフラの老朽化対策を前倒しするなど、県土強靱化を計画的かつ強力に進めております。
その推進に当たりましては、継続的に安定した事業費を確保するとともに、社会資本の整備、維持更新の担い手である県内建設企業の人材確保育成に資する取組が重要であると考えております。
事業費の確保に当たりましては、国の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策による交付金を積極的に活用するとともに、これまで補正予算で計上されておりますが、中長期的な見通しの下、計画的に、より着実に事業を実施できるよう、全国知事会や重要要望の場などにおいて、当初予算において別枠で確保されるよう国へ働きかけてきております。
また、建設人材の確保育成に向けた取組につきましては、週休2日制モデル工事の拡大や建設業のDXに向けたICT機器の購入費用等に対する補助金の創設など、建設現場の働き方改革の推進に努めるとともに、県内の高校等へのPR動画DVDやPR誌の配布、1級土木施工管理技士等の資格取得のための講座開催経費への支援などを実施しております。
今後とも、県土強靱化に必要な予算の安定的な確保に努めますとともに、県内建設企業が将来にわたり健全な経営を続けられるよう、建設業界からの御意見もいただきながら必要な施策を進めてまいります。
以上でございます。
45 ◯議長(五十嵐 務君)
助野地方創生局長。
〔地方創生局長助野吉昭君登壇〕
46 ◯地方創生局長(助野吉昭君)私からは、持続可能な公共交通を育てる体制づくりについての御質問にお答えいたします。
県内交通事業者はコロナ禍で厳しい経営状況にありますが、今後も県民生活を支える公共交通サービスを維持確保していくために、少子高齢化、人口減少の進行や、暮らし方、働き方の変化、デジタル技術等の進展など、地域交通を取り巻く社会の変化に的確に対応していくことが重要であると考えております。
県では、策定から約5年が経過し、地域交通を取り巻く社会の変化に必ずしも十分に対応できなくなっている富山県地域交通ビジョンの見直しの必要性について、県内交通事業者や学識経験者など関係者の意見を聞くため、先般、富山県地域交通活性化推進会議を開催したところでございます。
会議では、社会の変化を乗り越え持続可能な公共交通を確保していくため、現行のビジョンの見直しが必要との御意見をいただき、今後、県が中心となって新たに法定協議会を立ち上げ、公共交通に関する法定計画を策定していくこととしたところでございます。
会議の結果を受けまして、これから協議会の立ち上げに向けた準備を進めていくこととなりますが、協議会において、議員からも御指摘いただきました、持続可能な公共交通の確保に向けた様々な課題について議論ができるよう、十分な体制を整えてまいりたいと考えております。
県の成長戦略会議の中間報告にもありますとおり、自治体をまたがる交通インフラの問題につきましては、県が主体的に関わることが必要だと考えておりまして、持続可能な公共交通の確保に向けまして、市町村や交通事業者をはじめとする関係者と役割分担、連携を図りながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
47 ◯議長(五十嵐 務君)
堀口農林水産部長。
〔
農林水産部長堀口 正君登壇〕
48 ◯
農林水産部長(堀口 正君)まず、農作物の生産から販売までのサポート体制についての御質問にお答えします。
本県では、収益性の高い農業を目指し、担い手を中心に稲作と園芸作物を組み合わせた複合経営や1億円産地づくりなどによりまして、園芸作物等の生産拡大に取り組んでまいりました。
具体的には、普及指導員が中心となりまして、まず生産現場では、品質、収量の向上が図られるよう病害虫防除や肥料による栽培管理などの技術指導を行いますとともに、流通、販売面では、あらかじめ市場等と出荷量や価格などを調整した取引の推進、加工業者、外食産業等への販路の開拓などについて助言、支援を行っております。
また、コロナ禍による加工業務用野菜の需要減少等を踏まえまして、新たな販売先を確保する観点から、県産のタマネギや枝豆等の特長、アピールポイントをまとめたPRチラシや出荷包装資材等の作成などの販売促進活動に助成をしております。
さらに、今年度から新たに、各産地の情報や品目ごとの需要動向を熟知しておられます卸売市場にコーディネーター役となっていただき、ニーズに応じた生産や新マーケット獲得につなげる研修会の開催、あるいは生産者と加工業者等とのマッチング商談会の実施などを行っているところです。
引き続き、卸売市場等の流通関係者や実需者、JA等との連携を図りまして、農業者の皆さんの需要に応じた生産から安定した流通、販売まで、一貫したサポート体制の強化に努めてまいります。
次に、ため池整備に係る事務費の負担軽減についての御質問にお答えします。
近年、記録的な大雨等の異常気象や地震による自然災害が多く発生している中、農業用ため池の決壊による水害から地域住民の生命、財産等を守るため、ため池の整備は大変重要となっております。
県では、昨年10月に施行されましたため池工事等に係る特別措置法に基づきまして、決壊した場合、家屋や公共施設等に被害が及ぶおそれのあるため池を、防災重点農業用ため池として新たに559か所を指定するとともに、こうした公共性の高いため池整備につきましては、国庫補助事業を活用いたしまして農家負担を求めないスキームで進めており、今年度は19地区で実施をしております。
また、事業推進に当たり、ため池を管理している土地改良区には、現地立会い等の地元調整を担っていただいておりますが、一部の土地改良区では、受益農家等に対して調整に係る事務費を負担いただいているケースもあり、負担額については、定額の10万円あるいは事業費の1%など様々であるとお聞きしております。
議員御指摘のとおり、定率の場合には、事業費が大きくなれば事務費の地元負担額も増大することになります。
県といたしましては、まずは土地改良区の事務費の積算や使途の考え方などについて実態を調査しますとともに、必要に応じて国に負担軽減を働きかけることも含めて検討してまいりたいと考えております。
以上です。
49 ◯議長(五十嵐 務君)荻布教育長。
〔教育長荻布佳子君登壇〕
50 ◯教育長(荻布佳子君)情報教育の人材育成確保に関する御質問にお答えをいたします。
今回の学習指導要領の改定により新設されました必履修科目、情報Iについては、これまでよりも内容が高度となり、プログラミングの活用方法やデータを収集、整理、分析する方法などが学習内容に含まれております。また令和7年度からの大学入学共通テストで、情報が試験科目に加わることになり、専門的な知識や技能を身につけた教員の育成確保が喫緊の課題となっております。
このため、県教育委員会では、今年度、情報を担当する教員等に対し、2種類のプログラミング教材を配付いたしますとともに、当該教材を利用した4回にわたるオンライン研修を実施いたしました。
また、来年度には、総合教育センターの研究主事によるプログラミング講習会のほか、外部の専門家の指導の下、オープンデータの活用法などを学ぶ研究授業を開催し、他校の教員がオンラインで参観できるようにするなど、研修支援の拡充を検討しております。
また、人材の確保につきましては、今年度の教員採用選考検査から、これまで複数の免許所有者のみとしていた出願条件の撤廃、また教員免許を持たない関連資格保有者や実務経験者を対象とした社会人選考枠の新設、情報以外の志願者に対する情報免許所有者への加点制度の新設など、新たな取組を導入したところでございます。
今後も、研修や外部人材の活用による指導ノウハウの共有を進めますとともに、採用強化の取組や情報教員の複数校指導体制による配置の改善など、教員の育成確保に努めてまいります。
以上でございます。
51 ◯議長(五十嵐 務君)杉本警察本部長。
〔警察本部長杉本伸正君登壇〕
52 ◯警察本部長(杉本伸正君)最後に、私からは横断歩道の安全確保対策についての御質問にお答えいたします。
県警察では、重大事故に直結する歩行者事故を防止するため、ドライバーに対しては、横断歩道における一時停止義務等ルールの周知を、また歩行者に対しては、正しい横断の実践を、それぞれ交通安全教室や関係機関、団体と連携した
各種キャンペーンなどを通じて広報啓発をしております。
また、毎月11日と21日を横断歩道取締り強化の日に指定して、歩行者妨害等の違反取締りを強化しており、本年は昨年同期の約1.6倍に当たる5,060件を検挙しております。
本年10月に日本自動車連盟が公表した全国調査は、参考になるものと考えておりますが、この数字を見ましても当県の一時停止率は、昨年の10.7%から25.1%へと改善してはおりますが、いまだ全国平均にも届いていない状況にございます。
また、横断歩道上の人身事故件数は、10月末で57件と昨年と同水準で推移していることや、死亡事故が、昨年と比較して2件増の3件発生していることからも、引き続き横断歩道の安全確保に向けた取組を粘り強く継続していくこととしております。
このような中、先般、ドライバーから認識しやすく幅広い世代が実践しやすい、安全な横断歩行者のハンドサインを、県自動車販売店協会等の御協力をいただいてコンテスト形式で選考したところでございます。
ドライバーに対する啓発や取締りの強化による一時停止率の向上を図っていくことはもちろんでございますが、今後、このハンドサインを推奨モデルとして、横断歩行者に対して自らの命と安全を守る交通行動の浸透を図り、横断歩道での交通事故防止を推進してまいります。
以上でございます。
53 ◯議長(五十嵐 務君)以上で庄司昌弘君の質問は終了しました。
以上をもって、会派代表による質問、質疑を終了いたします。
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常任委員会への審査付託
54 ◯議長(五十嵐 務君)次にお諮りいたします。
ただいま議題となっております諸案件のうち、議案第143号については、急を要するので質疑を終了し、直ちに経営企画委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
55 ◯議長(五十嵐 務君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
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56 ◯議長(五十嵐 務君)経営企画委員会における審査のため、暫時休憩いたします。
午後2時28分休憩
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午後2時45分開議
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57 ◯議長(五十嵐 務君)休憩前に引き続き会議を開きます。
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議 案 第 143 号
58 ◯議長(五十嵐 務君)お諮りいたします。
議案第143号を日程に追加し、議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
59 ◯議長(五十嵐 務君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
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常任委員会の審査報告
60 ◯議長(五十嵐 務君)これより議案第143号を議題といたします。
本案に関し、経営企画委員長の審査結果の報告を求めます。
経営企画委員長平木柳太郎君。
〔経営企画委員長平木柳太郎君登壇〕
61 ◯経営企画委員長(平木柳太郎君)本日、経営企画委員会に付託されました案件の審査結果を御報告いたします。
付託案件は、議案第143号富山県一般職の職員等の給与に関する条例等一部改正の件であります。
本委員会におきまして、この案件について慎重に審査いたしました結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
以上をもちまして、経営企画委員長報告といたします。
62 ◯議長(五十嵐 務君)以上をもって経営企画委員長の審査結果の報告を終わります。
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63 ◯議長(五十嵐 務君)これより委員長報告に対する質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告がありませんので、質疑なしと認めます。
次に、これより討論に入るのでありますが、ただいまのところ通告がありませんので、討論なしと認めます。
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採 決
64 ◯議長(五十嵐 務君)これより議案第143号を採決いたします。
本案に対する経営企画委員長の報告は可決であります。
本案は委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
65 ◯議長(五十嵐 務君)起立全員であります。よって、本案は委員長の報告のとおり可決されました。
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報 告
66 ◯議長(五十嵐 務君)次に、予算特別委員会の構成について御報告いたします。
委員長筱岡貞郎君、副委員長永森直人君、理事岡崎信也君、亀山彰君、山崎宗良君及び山本徹君、委員津本二三男君、瀬川侑希君、安達孝彦君、針山健史君、藤井大輔君、種部恭子君、八嶋浩久君、薮田栄治君、井上学君、吉田勉君、平木柳太郎君、火爪弘子君、鹿熊正一君及び菅沢裕明君、以上のとおりであります。
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67 ◯議長(五十嵐 務君)次にお諮りいたします。
議案調査のため、明12月1日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
68 ◯議長(五十嵐 務君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
以上で本日の日程は終了いたしました。
次回の本会議は12月2日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後2時49分散会
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