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  1. 富山県議会 2020-11-01
    令和2年11月定例会 一般質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  午前10時00分開議 ◯議長(上田英俊君)おはようございます。ただいまから本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑 2 ◯議長(上田英俊君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第116号から議案第122号まで、議案第124号から議案第133号まで、報告第19号のうち専決処分第58号、第59号、第67号から第69号まで、報告第20号及び報告第21号を議題といたします。  これより各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  川島国君。    〔15番川島 国君登壇〕 3 ◯15番(川島 国君)おはようございます。自由民主党の川島国です。  まずもって、新田知事におかれましては、歴史ある富山県知事の御就任、おめでとうございます。激動の令和時代、コロナ禍を乗り越え、県民に安心感と明るさが取り戻せますよう富山県を導いていただきたいと存じます。私も議会議員の立場から、富山県政の発展、県民の幸せの追求に向けて共に歩んでいければと決意を新たにいたします。  それでは、通告に基づきまして、大きく3項目の分割質問に入ります。  まず、1項目めにおいては、新田知事の基本的な政治姿勢についてであります。知事就任来、私にとっては初めての質疑でありますので、新田県政における根本、基本方針に触れていければと存じます。  言うまでもなく、我が国の最重要課題は、地方である富山県においても無視できない重要な課題であります。私は、前石井県政においても折に触れ、県議会で国の重要課題に対して知事の見解や取組をただしてまいりました。自民党籍を持ち、青年会議所運動を追求されてきた新田知事におかれては、私以上に国の重要課題に対しての思いが強いのではと想像いたします。  現在、全国の地方議会、47の都道府県議会における89%、42の都道府県議会で、憲法改正の早期実現を求める意見書が決議されております。  本県においても、自民党県連に憲法改正推進本部を設置して、改正に向けた取組を推進しているさなかにありますが、コロナ禍にあって緊急事態条項の創設をめぐる議論もあることから、知事の憲法改正に対する考え方を問うものであります。  また、拉致問題においては、先月26日に特定失踪者問題調査会の荒木代表が来県され、拉致現場と見られるJR越中国分駅周辺から調査内容を動画生配信され、県内はもちろん全国から注目を集めたところであります。  私の地元、福岡町出身の山田建治さんが特定失踪者ということもあり、この問題が風化せぬよう、私も主催する学童事業などにおいて、映画「めぐみ」の上映会の開催に取り組んできたところであります。身近で重大な問題として、憲法改正、拉致問題について、新田知事の所見をお願いいたします。  目線を富山県に向けまして、新田知事は、掲げる富山八策において、県民が主役の富山県を実現していくとあります。少なくとも知事の考えや方針を政策として形にしていく県職員の皆さんが、時代の変化に対応し、能動的な意識改革を進めていく必要があると捉えております。
     県庁内に積極的変化を創造し、県民が主役と実感できる富山県をつくっていくために、県庁職員の意識改革が特に重要と考えますが、有能な県職員がこれまで以上の力を発揮していくための変化をどのように生み出していくのか、新田知事の所見をお願いいたします。  民間の当たり前を県政に導入していくこと、新田知事が掲げる重要なポイントであります。現在、判この押印義務の撤廃が進んでいるところにありますが、行政事務事業は、時代に遅れることなく早急にデジタル化を進めていく必要があります。  このほかにも、民間資本の活用という視点から、PPP、PFI方式による公共施設の建設や運営、お隣、石川県金沢市が取り組んでいるグリーンボンドを活用したLED化事業など、本県においても取り組んでいくべきと提言してまいりましたが、民間の当たり前を県政に導入するに当たって、新田知事は、これまでの県政運営にどのような変化を創造していくべきと考えるのか、また市町村に移譲すべきと考える県の行政サービス許認可事務権限とは、具体的にどのような事務事業と考えるのか、知事の所見を問うものであります。  何事にもスピード感を持って行うことは大事であります。県民の多くがスピーディーな政策実行を求めていることが、世論調査からもうかがえるところであります。スピーディーな県政を実現するに当たって、特に新型コロナウイルス感染症対策における経済対策には、日本一スピーディーな対応を目指すとのことでありますが、具体的にどのような経済支援策に取り組んでいくのか、知事の所見をお願いいたします。  今定例会における厚生環境委員会において議論されましたLINEアプリ「コロナ相談@富山県」をバージョンアップさせて、コロナ経済支援補助制度全般の申請手続を、スマートフォン上からできるように拡充進化させる施策や、県内各地で頑張っているテークアウト事業や食の福袋事業などの地域共助によるコロナ禍を乗り切るための経済対策への支援を、スピーディーに実施していくことが肝要と考えますが、その点も踏まえて答弁のほどよろしくお願いします。  この項最後に、県と市町村との関係性の変革についてお伺いいたします。  私は、平成の大合併以前から地方議会議員として、福岡町議会、高岡市議会、そして富山県議会と地方自治に関わってまいりました。その経験から感じるのが、県と市町村の役割分担への境界を大事にするがあまり、時折、仕事の押しつけ合いになり、県民の切なる要望が宙に浮いてしまうということがあります。  したがいまして、県と市町村との真の連携強化という点では、新田県政に大いに期待するところであります。市町村との垣根を壊し、県と自治体との連携強化を図っていくために、具体的にはどのような取組を進めていくのか、知事の所見をお願いいたします。  これまで県が担ってきた役割を市町村に委ねるとすれば、特に県西部においては、連携中枢都市圏の機能強化によって各種事業の拡充を図っていくことが考えられますが、いかがでしょうか。また市町村が担ってきた役割を県が積極的に取り組んでいくような事柄も念頭にあるのかどうか、併せて答弁を願います。 4 ◯議長(上田英俊君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 5 ◯知事(新田八朗君)川島議員の御質問にお答えをします。  まず、憲法改正と拉致問題についての御質問でございました。  憲法が施行されてから、もう73年がたち、社会経済状況も大きく変わっています。自民党さんなどを中心に憲法改正の議論がなされていることは承知をしているところです。  例えば、今、私たちは県民を挙げてコロナ禍の中で闘っているわけでありますが、現行憲法の施行のときには、こんなことも、もちろん想定はされていませんでした。今のコロナとの闘いは、特別措置法という大きな枠組みに基づいて、多くのことが地域の実情を鑑みた都道府県知事の判断に委ねられている面があります。  例えば、このような都道府県という広域的な自治体の役割、それと市町村という住民に近いところでサービスを行う基礎的自治体の役割、このようなことを憲法には明記をする、こういうことは必要なんじゃないかなと私は思っております。  また、私の選挙公約の中にも、教育のこともいろいろと触れておりますが、憲法の施行の段階では、今のような少子化ということは、もちろん想定もされていませんでした。そして経済の格差が教育の格差につながるというようなことも、あまり想定されていません。今の状況に応じた教育の重要性のようなこと、このようなことも憲法に明記することも大切なのではないかなと私は思っています。  などなどいろいろな論点があるわけでございますが、今後、主権者である国民の中に憲法の議論がより高まって、改正に向けた機運がこれから醸成されていくようになりましたら、これはやはり全国知事会とも連携をしながら、私も、地方の立場からいろんな議論に参加していく、こういうところが必要だというふうに考えております。憲法の改正についての私の所見はこのようなことでございます。  また、北朝鮮による拉致問題、これも発生から40年がたちました。多くの被害者の帰国はまだ実現していないところです。一方で拉致被害者の家族の皆さんの高齢化が進むということ、ある意味では拉致問題の象徴的な方でありました横田滋さんも、ついに先日、他界をされました。このようなことは、とても遺憾なことであると考えております。  県内でも、拉致の可能性を排除できない行方不明の方が約20名おられます。今も続いている極めて重要な問題だと認識しています。政府には、問題解決のため国際社会と連携をしながら外交努力に全力を挙げ、拉致被害者家族の皆様の切実な気持ちに、ぜひ応えていただきたいと願うものです。  県としても、拉致問題の解決をより促進するために、あさって6日には、県地方議員連盟及び関係団体との共催により講演会を開催します。私も、もちろん出席をさせていただきます。また10日からは、北朝鮮人権侵害問題啓発週間に合わせてパネル展を開催いたします。  こういった取組を通じて、多くの県民の皆様に関心と理解を深めていただき、拉致を決して過去のものにしない、このようなこと、そして一刻も早く解決を引き続き促していく、このような政府の取組を地方からも後押しをしていきたいと考えているところです。  次に、県職員の意識改革についての御質問にお答えをします。  県民が主役の富山県の実現に向けて、11月9日、就任の日に、県の幹部の皆様を前に、また放送などを通じて職員の皆さんに、大きく3つのことをお願いしたところです。  1点目はビジネスマンとしての心得。私は民間企業の経営者として、お客様目線スピード感、そして現場を大切にしよう、そのような姿勢を持ちながら経営に当たってまいりました。県庁でもこういった姿勢は大いに取り入れていただきたいということを、皆さんに訴えました。  具体的には、75点でいいから──75点というのは、私は及第点という意味で申し上げておりますが──75点でいいから2日前には仕事を仕上げてくれと。そして、お客様目線の実践のためには、難しい役人言葉は極力使わずに、まず私が素人なので、私への説明も極力易しくしてほしい、そんなこともお願いをしました。もちろん、お客様である県民の皆さんには当然でございます。現場の悪いニュースを真っ先に私に届けてほしいと、そんなことも訴えました。  大きく2点目には納税者としての視点。これは、税金から給料をもらっている我々も、決して忘れないでいようということ。そして納税者の視点からは、雇用の創出、あるいは企業や個人の所得の増加が、大きな行政の仕事であるということ。大切なのは、富山県の富を、そして日本の富を大きくするという高い目線を持つことだということも訴えました。こういった高い目線で、決して私なんかを見る必要はないので、広く富山県を、広く日本を、そして広く世界を見て仕事をしていただきたい、そのようなこともお願いをしました。  大きな3点目としては、人間としてということでございました。職員である前に一人の人間であり、また、みんな家族を持つ家族の一員であるということ。ワーク・ライフ・バランスというものを今は大切にしなければなりません。またPTAや町内会などなど、いろいろな地域での役割に大いに汗を流す、よき地域人であってほしいということもお願いをしました。  多くの人生の引き出しを持つことが、それぞれの人生を、個人としても、またビジネスマンとしても豊かにするものと私は考えております。そういった意味で、このような様々な活動にも、地域人として、また一人の人間として参加をしていただきたい。これは決して個人としてのことではなく、必ずや県庁での仕事にも跳ね返ってくるものだと、いい跳ね返りがあるものだということ、これも私の信じるところでございます。  まだ1か月足らずでございますが、富山県の職員の皆さんは、大変な優秀な行政マンであると改めて認識をしているところです。その職員の方々に、このような私が民間企業で身につけてきたことも受け入れていただけるならば、さらに富山県の飛躍のために大きな仕事をできる。そのような県庁職員の皆さんは、県民にとっても大きな財産になるというふうに信じております。  私自身も、職員の皆さんと共に汗をかきながら、様々な課題や方向性について共感を深め、職務に当たっていきたいと考えているところです。  次に、県政の民間企業の当たり前の導入、そして市町村への権限移譲についての御質問でありました。  お客様目線の徹底、スピード感の重視、そして現場主義といった、前の質問でも申し上げましたが、民間企業の当たり前と私が称すること、これを県政にも極力導入をしていくということ。その上では先ほど申し上げたように、意識を変えていくという必要があると思っています。  また、来年度の組織体制については、今も出先機関の視察などを進めているところですが、そのような現場の声をよく聞いた上で、県議会の皆様にも相談をいたしながら、お客様目線スピード感、そして挑戦、変革、このようなことを県政でも実現をしていく。そのような体制を整備し、民間の柔軟な発想や創意工夫、そして専門的なノウハウを活用した業務の効率化、公民連携など、さらなる推進に取り組んでいきたいと考えております。  また、県から市町村への事務・権限の移譲についてですが、富山県では住民の利便性の向上、市町村の自主性、自立性の向上による総合的行政の推進、事務の簡素合理化、その3つの観点から、毎年度、市町村の要望を伺い、事務の移譲に取り組んできたところです。  私は、現場により近い市町村に権限を移譲することで、スピード感があり効率的な行政サービスの提供につなげたいと考えておりますが、権限移譲は、市町村の事務の負担増加を伴う面があることや、市町村の規模、地理的な条件等も様々であることを考慮する必要も、一方であると考えております。また広域行政として県が引き続き担うほうが適切なこともあろうかと思います。そのようなことで、権限移譲に必ずしも適さない性格の事務もあると理解をしております。  今後も、市町村とよく御相談をしたいと考えておりますが、事務の移譲が住民の皆様への行政サービスの向上に資する、これが考え方の基本であると思っています。そのためには丁寧な検討協議を進めて、必要なことは、これまで同様、大いに市町村に移していきたい、お願いをしていきたいと考えております。  次に、新型コロナ関連の経済対策についての御質問にお答えをします。  川島議員には、県の再起支援補助金も大いに活用いただいていまして、料理の宅配事業、食の福袋を企画、実施されるなど、地元事業者を積極的に支援しておられるほか、先般はLINEアプリ活用の拡充についても御提案をいただき、大変に感謝を申し上げております。  全国的に新型コロナの第3波とも言えるような状況が到来する中で、深刻な影響を受けている事業者をスピーディーに支援する必要があります。そのためには、県内の中小・小規模事業者の状況を、市町村や関係団体の御協力も得ながら、的確に把握する必要があります。そして資金繰りの支援や、できれば新たな取組への助成など必要な支援を、オンライン申請など事業者目線で利用しやすいように制度設計をし、事業者に周知して利用していただくことが必要だと考えております。  オンライン申請というのは、もちろん申請段階からオンラインで受付ができて、そのままオンラインで物事が流れていく、そのようなことを私は想定しています。今も、いわゆるネットでの申請はできるようなシステムになっていますが、それを受けた我々のほうが、実は紙に落としてその処理をしていく、そこからアナログになるという、そんなのが現状でございます。これをスムーズに切れ目なくオンラインで流れていく、デジタルで流れていく、そのようなことを今考えているところです。  現在、国において第3次補正の経済対策が取りまとめられているところですが、3年間実質の無利子・無担保の制度融資、新型コロナウイルス感染症対応資金の来年3月末までの延長が盛り込まれるという報道があります。これを、しっかりと引き続きウオッチをしていき、県内における新型コロナの感染状況や経済状況等によっては、県議会の皆様ともよく御相談をして、場合によっては来年度予算案の編成を待たず、新たな支援制度など、もちろん財源を検討しながらですが、スピード感を持って実施することも視野に入れていきたいと考えております。  最後に、市町村との連携強化についての御質問でございました。  私としては、住民に近い市町村が主役となり、県は、広域的なこと、あるいは補完的な観点から市町村の行政活動をサポートするという基本的なスタンスに立ちながら、市町村との連携の強化を図っていくことを考えております。  具体の連携テーマにつきましては、先般来、申し上げておりますワンチームとやま連携推進本部などを通じて、県、市町村で球を出し合いながら協議していき、決めていきたいと考えております。  私としては、先進的な政策の横展開あるいは広域化、そして政策の推進力の向上、また人材や情報などの効率的な活用や事務の移譲など、行政の効率化につながる、このような県と市町村の連携強化に資するように、このワンチームとやま連携推進本部を活用していきたいと考えております。  また、川島議員も言及されました県西部6市あるいは富山広域圏においても、総務省の連携中枢都市圏という枠組みがなされています。市町村間で既に連携をして行政サービスを提供している仕組みもあるわけであります。県と市町村との連携に際しては、こうした連携中枢都市圏や、あるいは一部事務組合等の取組もありますが、これらの活用も含めて柔軟に考えていくべきであると考えています。何も15市町村が、もちろん足並みがそろうことは、これはこれでいいことだと思いますが、全てにおいて15市町村で一緒にやるということではなく、パーシャルに一緒にやることがあっても、これはこれでよいことだというふうに考えています。いずれにしろ、市町村の皆さんとしっかりと相談をしていく、その場に、このとやまワンチーム連携推進本部がなればというふうに願って提案をさせていただきたいと思います。  いずれにしましても、県と市町村がその役割分担を担いながら県民の皆様への行政サービスが向上する、この共通の目標に資するように、また県と市町村における各政策や事業の効果の最大化が図られるように、市町村と丁寧に協議するなど連携強化に努めていきたいと考えております。  以上でございます。 6 ◯議長(上田英俊君)川島国君。    〔15番川島 国君登壇〕 7 ◯15番(川島 国君)ワクワクする富山県の実現について、3点質問いたします。  今の知事の答弁では、非常に意気込みを感じる答弁でありました。ぜひともワクワクする富山県を実現するためにも、議会としてもしっかり頑張ってまいりたいと思います。  私も、知事と同様、民間資本を生かして一人でも多くの県民が、富山県の発展のために主体的、能動的に活動していくことを望む一人であります。これまでも、自助、共助、公助における共助の取組を引き上げていく富山県として、様々な切り口から政策提言してまいりましたが、そのような観点から質問に入ります。  県民が主役の富山県を具現化するための施策として、今まで以上に地域協働や地域共助による社会貢献事業を積極的に支援していくべきと考えますが、柿沢総合政策局長の見解をお願いしたいと思います。  これまでは、本県における地域協働や地域共助の分野の支援は、市町村がその役割を担うべきとの答弁が多かったわけでありますが、地域課題や住民ニーズに応える共助事業については、県としてもきめ細かく支援していく仕組みが必要であります。  これまで提案してきた中では、本県にゆかりやポテンシャルのあるアニメ・漫画コンテンツを活用した地域共助によるまちづくり事業への支援、そして地域協働による放課後児童健全育成事業寺子屋サロンの広域展開の取組など、積極的に県が役割の階段、踊り場まで下りていくことで、本県の共助による取組の拡充が図られ、よりよい県づくりをワクワクしながら取り組む県人材が増えていくと考えますので、前向きな答弁をよろしくお願いいたします。  これまでも私は、富山県の魅力を大きく世界へ発信できる要素として、アニメ、漫画の分野があると訴えてまいりました。  本県ゆかりのアニメ、漫画の分野は、最近でも新聞で見ない日がないくらい盛り上がっておりまして、八尾では滅鬼地区が鬼滅の刃で盛り上がり、氷見では新たに安孫子先生の漫画キャラクターの銅像が完成し、富山市のど真ん中ではガンダムの世界を感じることができます。もちろん高岡ではドラえもんに会えますし、上市町は、おおかみこどもの花の家で映画の世界を体感することができます。加えて南砺市では、世界中の人に夢を与えるアニメを制作する会社が存在しております。  点から線へ、線から面へ、このアニメ・漫画コンテンツのネットワークがつながれば、日本のアニメ、漫画の聖地となり、若い人はもちろん世界中から富山県への憧れが醸成されるのではと訴えてまいりました。  本県のワクワクする魅力を醸成するために、本県に多数存在するアニメ・漫画コンテンツを活用したまちづくり政策を強化拡充していくべきと考えますが、総合政策局長の見解をお願いいたします。  現状では、それぞれの市町村が、限られた予算の中で本事業を推進している側面がありますが、スケールメリットを求めて県としての重層的な取組が必要と考えます。まずは本県におけるアニメ・漫画コンテンツの活用のポテンシャルや取組、そして経済的効果や将来可能性など、県として検証及び調査研究し、県内自治体の取組を重層的かつ発展的に支援していく専門機関を設置していくべきと提案しますが、その点も含めて答弁をお願いいたします。  この項最後に、ずばり、とやまJAMP構想の具現化についてであります。ジャパン・アニメ・漫画・パーク構想であります。  これまでも、国のクールジャパン構想を追い風に、IR法成立に伴い、日本海側に世界で唯一無二のディズニーランドやUSJ級の日本のアニメ、漫画に特化したテーマパークを誘致、建設する夢の構想を提言してまいりました。国家戦略の位置づけで東京一極集中是正を図るためにも、壮大な構想でありますが、意義は大きいと今なお感じております。  このとやまJAMP構想が具現化していく過程の中で、県民はもちろん日本中が富山県を中心にワクワクすることと確信いたしております。世界中から本県への観光誘客や移住を促進するため、とやまJAMP構想の具現化へ向けて、知事にぜひとも一緒に取り組んでいただきたいと要望するところでありますが、新田知事の所見をお願いいたします。  とやまJAMP構想に取り組むことで、世界中の子供たちに夢を与える富山県の創造につながると考えておりまして、これはあくまで私の主観でありますが、どことなくドラえもんの雰囲気を感じさせる新田知事と、漫画界の巨匠、手塚治虫先生の面影を感じる蔵堀政策監がスクラムを組めば、必ずや実現すると思いますので、夢のある答弁をお願いいたします。 8 ◯議長(上田英俊君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 9 ◯知事(新田八朗君)お褒めいただきましてありがとうございます。  私にとっては初めてですが、いろいろ過去の議事録なども拝見しますと、川島議員のライフワークのようなJAMP構想についての具現化の質問だったと思います。  本県では、国内はもとより海外でも人気の高いアニメ、漫画などが数多く生み出されています。今、議員が御指摘されたとおり、高岡市では藤子・F・不二雄さん、氷見では藤子不二雄Aさんの漫画を活用したまちづくり、南砺市においても南砺市クリエイタープラザ桜クリエにおいてのアニメなどのコンテンツ制作、また八尾を含む富山市などなど、県内の様々な市町村で、アニメや漫画を活用したまちづくりが行われていること。本当に子供たちだけではなく大人にとっても、浮き浮きするようなワクワクするような話だと思っています。  全国的に人気の高いアニメキャラクターが数多く生まれている本県の特長をアピールして、日本のみならず世界の子供たちに夢を与える御提案だとは感じております。  私は、実はイメージとしては、屋外の大規模なテーマパークのイメージだと、今、受け止めております。その意味で申し上げると、実は私は、テーマパークではございませんが、屋外の大規模な遊び場であるゴルフ場というものを経営していた経験があります。北陸での屋外の大規模なパークの経営というのは、現実は大変に厳しいものがあるということを、身をもって体験をしてきました。そのことは1つ私の経験として申し上げておきたいと考えています。  私は、漫画、アニメなどのコンテンツの活用という意味では、屋外の大規模なリアルなテーマパークというやり方も、1つあろうかとは思いますが、それこそバーチャルになじむコンテンツではないかと思っていまして、まさに5Gの技術なども大いに活用して、例えば、今、点で散在しているコンテンツを、デジタルの技術を使って、どこかの屋内の場所で見えるような工夫というのは、今や簡単にできる話でございますから、そんな道も、川島議員の構想の具現化のやり方として、リアルな屋外の大規模なテーマパークという考え方とともに、屋内で、そう大きくないデジタルを活用しての見せ方、体験の仕方というのも、大いに考えられるのではないかと思っています。  例えば今も、本当に小規模ですが、高志の国文学館に県内出身の漫画家のコンテンツは展示をしてあるところでありますが、あれを例えば、もう少し拡充するとか、あるいは富山県美術館、大変に御好評をいただいているところですが、こちらで企画展として折に触れて、こういうものを行っていくとかというやり方も、川島議員の理想とは違うのかもしれませんが、やり方の一つとして考えられるのではないかと考えています。  漫画とかアニメというのは、とても思い入れがそれぞれにあるものだと思います。必ずしも全てを一堂に見られるというのを全ての人が望んでいるかというと、そこはまた議論のあろうことかと思います。結構、自分押しのキャラ、自分押しのアニメに、大好きな方が多いのではないかと私は拝察をしています。  このようなコレクター、そういうファンの皆様の嗜好の在り方なども考えながら、今後、具現化に川島議員が一歩一歩近づいて行かれることを、心から期待をしているところでございます。  いずれにしましても、研究や勉強ということは、県庁としてもやっていくことにやぶさかではありません。  お答えになったかどうか、以上でございます。 10 ◯議長(上田英俊君)柿沢総合政策局長。    〔総合政策局長柿沢昌宏君登壇〕 11 ◯総合政策局長(柿沢昌宏君)私からは、まず民間による社会貢献事業についての御質問にお答えをいたします。  民間や地域共助による県民協働での社会貢献事業に対する支援につきましては、県では、元気とやま県民協働事業補助金を活用いたしまして、県内のボランティア団体等による広域的な事業効果が期待できる取組に対しまして支援を行っているところであります。  こうした支援に当たっての県と市町村の役割分担ということでございますけれども、基本的には、地域住民の身近なニーズに応えるものにつきましては市町村が中心となって取り組んでいただき、県におきましては、市町村をまたぐものや県内全域を対象とするものなど、より広域的なニーズに応える施策を担うべきものと考えております。  一方で、特定地域に限定された事業でございましても、他に例のない先駆的、モデル的な取組につきましては、模範的な事例といたしまして広域展開が図られますよう、事業内容への助言を行いながら、県としても積極的に支援を、今も行っているところでございます。例えば、今年度におきましても、コロナ禍で伝統的な祭りが中止となる中、新しい形で地域文化を伝承していこうとするモデル的な取組の提案もございまして、こうしたものにも支援しているところでございます。  また、あわせましてボランティア総合支援センターと連携いたしまして、民間助成金など資金調達のための情報伝達なども行っております。  今後とも、民間や地域共助による意欲的な取組や、ワクワクする取組に対しまして積極的に支援を行ってまいります。  次に、アニメ、漫画を活用いたしましたまちづくりについての御質問にお答えをいたします。  本県には、アニメ・漫画コンテンツを活用いたしましたまちづくりに、高岡市をはじめ複数の市町村で取組が進められております。こうした取組に対しまして、県では、これまでも市町村から取組内容をお聞かせいただきながら、必要な支援を行ってきているところでございます。  こうした中、県におきましては、今年度、新たにつくった事業でございますけれども、地域の課題の解決に向けまして、市町村が地域の民間団体と連携いたしまして提案されます、まちづくりに対しまして、県が積極的に連携、支援、後押しをする事業といたしまして、令和新時代まちづくり推進事業を創設させていただいたところでございます。  この事業におきましては、財政的な支援だけではなく、まちづくりや観光などの学識経験者等によります助言指導を通じまして、アニメ・漫画コンテンツなどの地域の特色、資源を活用し、点ではなく、要するに特定の事業、施設へのスポット的な支援だけではなく、面としてのまちづくり、全体の方向性、こうしたものを見ながら、ハード事業、ソフト事業を組み合わせまして、事業内容のさらなる磨き上げを支援することといたしております。  議員御提案につきまして、その実現のためにも、まずはこの事業を活用し、意欲的な市町村、地域、民間、そして県が一体となりまして、実践的、実証的に取組を進めてみることも1つの方法ではないかと考えております。  今後とも、市町村と連携協力し、魅力的でワクワクするまちづくりの提案に対しまして支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 12 ◯議長(上田英俊君)川島国君。    〔15番川島 国君登壇〕 13 ◯15番(川島 国君)知事には、御丁寧な答弁、ありがとうございました。期待もいただきまして、まずはバーチャルの世界から一緒に進めていくことができれば、ありがたいなと思います。  最後の質問項目に入ります。  山が荒れれば川が荒れ、川が荒れれば海荒れる。4,000メートル級の高低差があるコンパクトな富山県にとって、3分の2の県土面積を占める山林や中山間地域を守っていくことは、県政策においても最も重要なことと考えます。人間だけでなく、山における生物多様性を保護していくことは、巡り巡って我々人間の営みに少なからず好影響を与えます。  昨今のツキノワグマによる被害やイノシシ被害の増加を見ても実感するところでありまして、ましてや世界で絶滅種に指定される希少な生物が、本県の山林に生息しているとなれば、G7富山環境大臣会合を開催した富山県としては、その絶滅危惧種の持続可能な生息環境を守っていくことは自明の理であります。
     世界で富山県と岐阜県の一部の山間地帯にしか生息しないハクバサンショウウオは、環境省のレッドリストで絶滅危惧IB類に指定されており、県の希少野生動物保護条例においても保護対象種となっております。観光開発や1995年の豪雨による災害復旧工事により、生息地が危機的状況になっているのが現状であります。  そこでお伺いしますが、絶滅危惧種であるハクバサンショウウオを保護していくために、今後どのような取組を進めていくのか、生活環境文化部長の見解をお願いいたします。  生息地を通る林道有峰線の道路舗装整備が進められておりますが、ハクバサンショウウオの生息地を破壊する危険性が叫ばれており、自然保護団体を中心に整備中止の要望が上がっております。絶滅危惧種指定を受けているハクバサンショウウオを保護していく観点から、事業計画を見直していく必要があると考えますが、その点も踏まえて答弁願います。今朝ほどの新聞報道で、林道整備の実施計画見直しの報道が既に出ておりますが、その真意も含めて答弁願います。  構想から約2年間に及ぶ時間をかけ全国を調査研究し、議員立法により富山県中山間地域における持続可能な地域社会の形成に関する条例が施行されてから、1年9か月がたちます。本条例に基づいた施策を展開するため富山県中山間地域創生総合戦略が組まれ、2020年度から2024年度、令和6年度までの5年間を計画期間といたしております。重点施策などの本格実施は、令和3年度の来年度予算に盛り込まれるものと捉えております。  そこでお伺いしますが、本条例の精神にのっとり中山間地域創生総合戦略を力強く推し進めていくべきと考えますが、本格的に来年度から展開される本戦略についてどのように進めていくのか、総合政策局長に答弁願います。  中山間地域の持続可能な社会形成をつくり上げる上で重要と捉えるのが、公共財の活用であります。中山間地域に位置する公共施設や公有地をいかに民間資本も捉えながら地域の再生につなげていくかは、官民連携における重要なテーマでもあると考えます。  高岡市福岡町の中山間地域に位置し天然温泉を有する、とやま・ふくおか家族旅行村は、五位ダム湖を一望できて四季折々の自然を満喫できる風光明媚な憩いの場所として、高岡市が実質運営しております。  今般、高岡市の公共施設再編計画の下、本年度中に民間移譲の方針となっておりますが、コロナ禍の本年8月にプロポーザル方式の入札が行われ、民間会社が提案する事業計画を基に、来年度、移行に向けて契約交渉がなされているところであります。事業計画には、温泉を活用したドジョウの養殖事業や、天然温泉付オートキャンプ場として、将来的にはAIや自動運転車e-パレットを導入してスーパーシティーの中山間地域モデルとなり得ないか、提案がなされているところであります。  中山間地域創生総合戦略にかなう事業として、県としても民需主導特別枠を活用するなどして、民需の取組に積極的に支援いただきたいと要望するものでありますが、生活環境文化部長の見解をお願いいたします。  この項最後の質問として、新田知事にお伺いいたします。  本県における人口減少の加速化の波は、中山間地域から深刻度を増し、里山を維持管理できないことで鳥獣被害問題や港の漂流ごみ問題など、山が荒れることで様々な地域問題が複雑、深刻化しております。  知事の政策集にある中山間地域を支える人材の育成支援、交流の促進については、デジタルテクノロジーを活用して進めていくとありますが、具体的にどのような施策を講じて目指すべき中山間地域の将来像を具現化していかれるのか、見解をお願いいたします。  願わくば、さきの質問にありましたように、ロールモデルを特区事業などで実現していただきまして、中山間地域の再生に注力いただきたいとお願いを申し上げます。  人口減少が加速化する中山間地域こそ、ローカル5Gや自動運転、AIやドローン技術など、新しいテクノロジーの導入や活用が求められます。費用対効果だけの議論に終始することなく、大局的な観点から先進的に特区構想を充当していくべきと提言させていただき、質問を終えさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。 14 ◯議長(上田英俊君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 15 ◯知事(新田八朗君)中山間地域の振興対策についての御質問にお答えします。もう議員の質問の中に、ほとんど答えもあったような気もするんですが、改めて確認の意味も含めてお答えをさせていただきます。  中山間地域の活性化、特に一昨日の御質問もいただきましたが、多くのエリアが自然環境の厳しいところである、そんなことを考えますと、やはり、ここがよりデジタルテクノロジーの使いどころだというふうに考えております。  具体的なことをという話でしたので、今年度、新たにCATVの事業者さんと連携をして、農作物のデータを高精細カメラを用いてAIで画像分析をして、これはブドウを今想定しておりますが、収穫に適した時期の判定等を行う取組、高精細カメラですので、ブドウがどう熟してきて、いつが摘みどきなのかという、そのようなことまで判断が可能だということであります。それはまたAIも活用する、そんなことも今取り組んでいます。  また、ローカル5GやAIといった新しい技術を活用して、有害鳥獣の画像の伝送、そして鳥獣の種別や位置の判定、さらに無人の機械を使って追い払ってしまう、そんなことも、もう実用化ができているところでございます。そうやって農作物の被害を防ぐ取組も支援をしているところです。などなど、技術は本当に実装できるところに来ておりますので、あとは、それをどういう用途に使っていくか、知恵の出しどころだというふうに考えております。  こんなことを通じて、中山間地域の皆様の持続可能な生活、そして、あるいは農業、林業、そのようなことに資する取組をより一層進めてまいりたいと考えています。  また、デジタルテクノロジーの活用を、一層、地域活性化に使うため、健康な生活の支援に向けてオンライン診療の動きにも注目をしております。国で議論されているところ、これもまたコロナ禍のもたらした幾つかのいい面を見るとすれば、このオンライン診療に道を開かれたということもその一つだと思いますが、これも今後、医療機関に対して最新の情報提供をしたり、あるいはオンライン診療の活用に向けて、あるいは拡充に向けて、医師会などの皆さんとも大いに意見交換をしていきたいと考えております。  また、交通の分野では、ノッカルあさひまち──これは朝日町での取組ですが、この実証実験を支援しております。これはまさにラストワンマイルのところを、どうやって御高齢者などの足をつくり出すか、確保するかという、そんな取組でありますけども、これもやはり、最後に車を運転するのはリアルな人ですが、でもそれをネットワークするのは、やっぱりデジタルの技術であります。こんなことをうまく活用して、中山間地においても、最後のところの足の確保につなげるようなことを進めていきたいと考えています。  また、ドローンやAIなどを活用した郵便物や物品の配送の可能性について、これは民間企業と連携をして、これも進めていきたいと考えているところです。  県といたしましては、中山間地域において、このようなデジタル技術も活用しながら、住民の皆さんお一人お一人が、それぞれの個性あるいは能力を発揮しながら共に支え合う、また山と海という話もございましたが、中山間地域の方々だけじゃなくて、町に住む人、海沿いに住む人も、お互いさまの精神で支え合う、そうやって持続可能な地域社会をつくり上げていく、そういったことのために地元の市や町とも大いに知恵を出し合って努力をしていきたいと考えています。  その上で、議員御指摘のあった特区の活用というものが、よりふさわしいケースがあるならば、これも大いに活用していくことにやぶさかではないということも申し添えさせていただきます。  以上です。 16 ◯議長(上田英俊君)竹野生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長竹野博和君登壇〕 17 ◯生活環境文化部長(竹野博和君)私からは、2問御質問いただきまして、初めにハクバサンショウウオの保護についての御質問にお答えいたします。  本県は豊かな自然環境や生態系を有しており、この貴重な自然環境を県民の誇れる財産として守り、次の世代に引き継いでいくことが重要と考えております。  県では、「レッドデータブックとやま」を作成しまして、絶滅のおそれのある野生生物の保護に関する普及啓発に努めております。  また、特に過度の捕獲や採取が懸念される種を保護するため、富山県希少野生動植物保護条例に基づく指定希少野生動植物に、ハクバサンショウウオなど5種を指定いたしまして、専門的な知識を有する保護監視員による違法捕獲の監視や、ナチュラリスト等による普及啓発などを行っております。ハクバサンショウウオにつきましても保護監視員を2名委嘱しまして、監視活動や生息地保護に努めております。  今後とも、多様な動植物が生息できる環境を守るとともに、県民の理解を得ながら希少野生動植物の保護活動を進め、生態系の保全を図ってまいります。  なお、林道の整備計画があります有峰地域は、ハクバサンショウウオの良好な生息地の一つでございまして、生息状況に十分配慮する必要があります。このため農林水産部におきましては、現地調査の実施や有識者から成る検討委員会を設置しまして、生息環境への影響や、その影響の回避、軽減などの措置について検討しているところでございます。  今後、検討委員会での議論を踏まえまして、林道整備計画の見直しも含めて検討されると聞いておりまして、豊かな自然環境保全の観点から適切な助言を行ってまいりたいと考えております。  次に、とやま・ふくおか家族旅行村についての御質問にお答えいたします。  とやま・ふくおか家族旅行村は、平成5年に旧福岡町の直営施設としてオープンしまして、五位ダム周辺一帯を含めた広域観光ルートの拠点として、また自然と触れ合う機会の提供の場として親しまれております。ピクニック広場や駐車場など施設の一部については、県が整備し管理しておりましたが、平成18年に県有施設部分を高岡市に無償譲渡しました。その後、指定管理者である財団法人が運営してきましたが、利用者の減少や施設の老朽化のため、平成30年に高岡市におきまして民間譲渡の方針を決定されたところであります。  議員からお話がありましたように、今年8月に高岡市が公募プロポーザルを実施したところ、民間事業者からの応募がありまして、現在、提案された内容に基づき市と事業者の間で調整中と聞いております。  このため県といたしましては、まずは施設を所有する高岡市において、中山間地域の振興を含む地域の実情に応じた有効な活用策を検討され、決定していただくことが不可欠であり、その上で市から県に対して要望があれば、関係部局とも連携して適切に対処してまいりたいと考えております。  以上でございます。 18 ◯議長(上田英俊君)柿沢総合政策局長。    〔総合政策局長柿沢昌宏君登壇〕 19 ◯総合政策局長(柿沢昌宏君)私からは、中山間地域の振興対策についての御質問にお答えをいたします。  昨年、制定されました議員提案によります、中山間地域における持続可能な地域社会の形成に関する条例に基づきまして、県では、本年3月、中山間地域創生総合戦略を策定いたしましたところでございます。  県では、この戦略に基づきまして、どのように取り組んでいるかということでございますけれども、まずはコミュニティーの再生等の観点から、県職員が地域に出向きまして、その地域の事情をお聞きする、その上で市町村と連携いたしまして、住民によります地域の将来像等の話合いの支援を行っております。こうした地域の住民の皆さんからの話合い、その中から出てきた意見の中で、中山間地域が知られていないのではないか、もっとアピールする必要があるという御意見もございました。  こうしたことから、今年度、中山間地域の魅力をアピールするため、県内4地域で活躍する人に着目しました動画を制作、発信したところでございます。これは、移住者の方々が中山間地域で活動している姿を表している3分物の映像でございまして、11月の中旬に発信を開始いたしております。  また、経済活性化等の観点から、首都圏等から若者等を呼び込んでにぎわい創出をする取組への支援や、農業所得の向上を目指すモデル農業者の育成を行っております。このほか例えばでございますけれども、高岡市の五位山地域におきまして、地域資源であるユズを使った特産品づくりを支援しているところでございます。  さらに、生活サービスの観点から、地域住民等が連携して行う新たな交通サービスなどの取組を支援しているところでございます。  次年度に向けました取組につきましては、先ほど知事から御答弁申し上げましたことにつきまして検討してまいりたいと考えておりますけれども、さらに今年度、中山間地域に行きまして、地域住民の皆様からいろいろなお声、ニーズを聞いておるわけでございますので、こうしたことも踏まえまして、さらに検討も行いたいというふうに考えております。  今後とも、中山間地域の住民が共に支え合う持続可能な地域社会の創造に向けまして、市町村や関係団体等と連携し取り組んでまいります。  以上でございます。 20 ◯議長(上田英俊君)以上で川島国君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午前11時00分休憩       ───────────────────  午前11時10分開議       ─────────────────── 21 ◯議長(上田英俊君)休憩前に引き続き会議を開きます。  八嶋浩久君。    〔10番八嶋浩久君登壇〕 22 ◯10番(八嶋浩久君)皆さん、おはようございます。自民党議員会の八嶋浩久でございます。  新しく新田知事をお迎えしての一般質問、機会を与えていただきました諸先輩方の議員の皆様方には、心から、いつもどおり感謝申し上げたいというふうに思います。  まずは、新田知事、富山県知事への御就任、お祝い申し上げます。今後、県勢発展のため、そして県民の期待に応えていただくよう頑張ってほしいと願っております。  一方、八嶋は、変わらず自然体での議会、知事の政策集と照らし合わせて、集った県民の声をつなぐ、伝えることが中心になるかと思いますが、率直に質問していきますので、どうぞお付き合いのほどよろしくお願いをいたします。  さて、9月ベニズワイガニ、11月はズワイガニが解禁、11月の終わりには寒ブリ宣言もあり、海の幸もおいしい時期となり、コロナ禍がなければ、本来、県内の外食産業も含めて楽しみな季節を迎えるはずでございましたが、残念に感じています。県民の皆様には何とかしのいでいただき、少しでもよい年越しになりますよう願いながら質問に入ります。  さて、大きな問1、個人と公共の調和型社会を実現するには、自由とわがままを区別しなければなりません。仮説つき意見、事実に基づいた意見で政策論議をすることだと考えています。自由とわがままを整理しないままに批判、不満を解消することは、本当はうまくいっているのに、うまくいっていないと錯覚したり、客観性に欠けて、かえって県民をミスリードすることにつながるからでございます。  例えば経済指標。知事が、富山県経済の低迷やアベノミクスの追い風を生かせていない富山県というフレーズで使われた、県民総生産の指標や富山市内の家計調査。先日、平木議員への答弁では、GDP指標の取扱いについて少しトーンダウンの感じもございましたが、経済指標には、より県民に近い、あるいは具体的で実体経済により近い指標、例えば製造品出荷額であったり、県民雇用者報酬、伏木富山港のコンテナ取扱個数量、まだまだございます。1億円産地づくり、企業の立地件数、それに伴った雇用創出、併せて有効求人倍率など、実際はプラスで伸びていた指標もございました。  それこそ、これらの指標は、我々自民党議員会だけでなく議会全体として、有効な経済産業政策が講じられ、低迷というより経済安定を示していたものと考えています。地価が上がるとか株価が上がるとかサービス産業の乱立など、総生産指標だけでの政策の展開では、格差が生まれたり、人手不足によりサービス低下を招き、将来的にはかえって富山県の評判を落とすといったことも考えられます。  また、県民総生産という指標を取り扱うのであれば、国や県の経済政策もありますが、市町村の経済政策も大きく影響します。県民により近い、より具体的な経済指標からの正確な県内経済状況を見極め、今後、県全体の県政運営に反映させていただきたいと考えますが、知事はどのように取り組まれるのか御所見を伺います。  次に、知事は令和3年度予算編成方針を示されました。富山県新成長戦略枠、民需主導特別枠、サンドボックス枠として、新たな特別枠の設定について、早速、独自色を打ち出しておられます。  そこで、富山県新成長戦略枠について、要求上限なしとのことですが、米印で、要求に際しては既存事業の見直しを必須とするとの条件がついています。要するに各事業においてスクラップ・アンド・ビルドを徹底するということでしょう。  ここでお願いしたいのは、スクラップ・アンド・ビルドの見える化です。昨年、次年度当初予算の発表では、新規事業や重点事業については、分野ごとにビジュアル化したポンチ絵を作成し配布していただきました。しかしスクラップした事業については、どの事業をスクラップしたのかよく分かりませんでした。  そこで、知事が着任されたことですし、独自色を出されるに当たり、次年度当初予算の編成に際して、少なくとも本年度当初予算で新規事業と重点事業として取り上げた事業については、何をスクラップしてどの部分を減らしたのかについて、ぜひ見える化をしていただきたい。スクラップ事業の見える化について、知事の御所見を伺います。  予算編成方針からもう一問、県民の命と暮らしを守るための新型コロナ対応について。  これも米印がついているわけですが、国の予算編成の情報収集、分析を徹底することという条件があります。こういった国からの情報は、マル秘情報もあり知事に集中するものと、私は勝手に思っていたわけですが、実は少し部局への丸投げ感も感じるわけでございます。しかし、そこであえて部局へ指示されたと捉えると、今後どのような取組をしていくことになるのか、滝経営管理部長に御所見をお伺いいたします。  政策集の中で、防災の観点から港湾、空港施設を強化しますとのフレーズがございます。地元には、寄り回り波、津波に不安を感じる新湊漁港や富山新港もあり、また昨年の台風19号で北陸新幹線が水没した中、羽田便が大活躍した事例もございます。  災害を防ぐ観点からの港湾、空港の整備の取組について、知事の御所見を伺います。  災害時には、物資が届く富山伏木港3港のアクセス道路は、とても重要なインフラになります。前倒ししてでも港湾地区の強化を進めるためには、姫野能町線の整備や射水市七美から四方荒屋に至る道路の整備を進めるべきと考えますが、江幡土木部長の御所見をお伺いします。  さて、知事の政策集、令和の公共インフラ・ニューディール政策、県西部河川の洪水対策や、よいこの道路こと伏木富山港3港を結ぶ現在メインの湾岸道路、国道415号は、多くの場所で更新時期を迎えています。  平成16年、台風23号のときに出た避難勧告、平成30年の7月豪雨の際に沿川住民の自主避難を実施した庄川の洪水対策、そして築堤を含め更新時期が来ている新庄川橋架け替え工事の進捗状況と今後の取組について、江幡土木部長に御所見を伺います。  射水市の北東の地区では、松くい虫による松枯れの被害が出ています。東側に広がり、今では海岸線の海老江地区、本江地区まで被害が拡大しました。既に沿線上の防風林、神社、お寺、個人の庭でも、たくさんの松を伐採しております。このままだと東側、富山市内にも被害が出るのは時間の問題だと考えています。  そこで、松枯れの被害を食い止める対策が必要と考えますが、どのように取り組むのか、堀口農林水産部長の御所見をお伺いし、個人と公共の調和型社会の実現、最後の質問とします。 23 ◯議長(上田英俊君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 24 ◯知事(新田八朗君)八嶋議員の御質問にお答えします。  まず、県内の経済についての御質問でした。  議員御指摘のとおり、製造品の出荷額等、伏木富山港のコンテナの取扱個数、企業の立地件数、県内有効求人倍率などの経済状況を示す指標を見ますと、確かに地域の実体経済としてプラスに伸びているものも数多くあることは認識をしております。  私は、本県を豊かにするためには、企業の稼ぐ力を高め、最終的には県内総生産を増加させる、就業者数を増やしていく、このようなことを充実すべきだと考えております。  その意味で本県の県内総生産の推移を見ると、例えば石川県と比較しますと、平成22年度から平成26年度までは本県が上回っておりましたが、平成27年度から直近のデータがある29年度までは石川県が上回っているということを見てとれます。  このことから、県内経済全体として中長期的な観点で見ると、他県に比べて、あるいは日本に比べて、十分な経済成長ができていなかった部分もあったというふうに認識をしています。その要因を考察してみますと、成長の源泉となる新産業の育成、あるいはベンチャーの創出に向けた動きなどが、他県と比較して弱かったことが一因ではないかと分析をしているところです。  議員も御指摘のように、マクロのデータとミクロのデータ、これを両々うまく見ながら経済政策を行っていくということが大切だというふうに思っています。  また、誤解のないように申し上げますが、先般申し上げたGDPに代わる指標があればいいねというのは、私の悩みを正直に吐露したわけであります。現時点においては、GDPというのは引き続き最も重要な経済指標だというふうに理解をしております。ただ近い将来、それに代わるような指標が生まれればいいなというふうには思っております。  などなど、こうしたことから富山県成長戦略会議を設置するということを提案させていただいております。そして、この会議において各種経済指標などもよく吟味をしながら、改めて県内経済の状況を多角的に分析した上で、新しく、力強く、ワクワクする、稼げる産業を創出していく、そして次の時代の成長の種をまくために、キャリアや年齢にかかわらず起業ができるような環境を富山県にも整備をしていく、そのようなことに力を入れていきたいと考えております。  次に、事業の見直しについての御質問にお答えをします。  先日発表しました令和3年度の当初予算編成方針、コロナ禍による厳しい財政状況も踏まえ、各部局に対しては、既存事業の徹底した見直しを求めているのは議員の御指摘のとおりです。現在、各部局において、これまでの事業の効果や必要性等を自ら点検をして、廃止、休止、統合、重点化、効率化など、ゼロベースで事業の見直しを進めていただいていると承知をしております。  その上で、特に知事として、見直しの方向性や具体的な内容を判断すべきものについては、12月の下旬をめどに各部局長から直接聞き取りを行って、その内容について議論をしていきたいと考えております。  こうした取組の成果を、県議会をはじめ県民の皆様にも、目に見える形でお示しすることは、議員御指摘のとおり大変重要だと考えております。最終的な結果につきましては、事業件数あるいは節減額のほか、個別の事業の見直し内容につきましても、新年度当初予算案と併せて公表する方向で検討していきたいと考えております。  もちろん、これまでもやっておられたわけでございますが、議員の御指摘のように見えていなかったのかという反省に基づきまして、そういう方向で検討してまいります。
     最後に、港湾や空港など重要インフラ整備についてお答えをします。  近年、全国的に高波や地震などの自然災害が頻発し激甚化している中で、港湾や空港などの重要インフラが、災害時にその機能を発揮できるように備えておくことは大変重要だと理解しています。  このため、伏木富山港においては、これまでも大規模地震が発生した際に備え、耐震強化岸壁を新湊地区と伏木地区に整備をしました。台風や寄り回り波などの高波から港の機能を守るため、防波堤の整備等も進めてきております。  現在は、富山地区における耐震強化岸壁の整備、伏木地区の北防波堤の補強を進めています。新湊漁港では、防波堤の拡幅やかさ上げ等による機能強化に取り組んでいるところです。  また、富山きときと空港では、洪水や地震などの災害時に施設の被害を最小限にとどめるため、老朽化が進んだ滑走路、誘導路等の更新を平成29年度から着手をし、平成6年度の事業完了に向けて計画的に整備を進めています。  今後とも、これら重要インフラ整備を進めるための必要な予算の確保に努めるとともに、防災・減災対策及び老朽化対策を計画的に進め、いざというときに、それぞれのインフラ機能が適切に発揮できるよう防災対策の強化に努めてまいります。  以上です。 25 ◯議長(上田英俊君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 26 ◯経営管理部長(滝 陽介君)私からは、国の予算編成等への対応についてお答えいたします。  新型コロナ対応といたしましては、県では、国の第1次、第2次補正予算等を活用いたしまして、感染拡大防止や医療提供体制の整備等に迅速に取り組み、これまでコロナ対策経費として累計で約1,354億円を計上しているという状況でございます。  一方、国の令和3年度予算の概算要求におきましては、新型コロナ対応経費は今後の予算編成過程で検討するとされております。地方への交付金等の財源措置や事業内容などにつきましては、国の予算も現時点で最終調整の段階に入っておりますけれども、なお不明確の点が多いという状況でもございます。  加えて、感染拡大防止や経済構造の転換、防災・減災、国土強靱化を柱とする、第3次の国の補正予算が編成される見込みともなっております。  県税収入の大幅な減が見込まれる中にあって、新型コロナの感染拡大防止対策と経済社会活動の両立を図るためには、地方創生臨時交付金や緊急包括支援交付金などのコロナ関係の国交付金の増額が不可欠でございます。  そうしたこともございまして、県といたしましても、全国知事会と連携をして国に増額を要請しておりまして、先般、全国知事会をはじめ地方六団体からの要請に対して、坂本地方創生担当大臣からは、増額に向けて全力で取り組んでいると、これは臨時交付金についてでございますけれども、そういう回答をいただいたと承知をしております。  県といたしましては、引き続き今後の各省庁の予算化の状況等につきまして、各部局が、アンテナを高くして情報収集に努めて的確に把握をしてまいりたい。その上で今後の新年度予算編成における知事査定等の中で、そうした情報を踏まえ、国からの財源を最大限活用することも念頭に置きまして、新年度予算の編成等にも対処してまいりたいと考えております。  また、今後の県内の感染状況や経済状況等も十分勘案をしながら、国の第3次補正予算の内容によりましては、国に呼応した追加の補正予算の編成等につきましても、スピード感を持って検討を対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 27 ◯議長(上田英俊君)江幡土木部長。    〔土木部長江幡光博君登壇〕 28 ◯土木部長(江幡光博君)私から、まず港湾へのアクセス道路の整備についての御質問にお答えをいたします。  御指摘の県道姫野能町線や射水市七美から富山市四方荒屋へ至る道路、これらはバイパスとして整備中でありますけれども、高岡市街地、射水市街地及び富山市北部を東西に結び、国道8号を補完するとともに、伏木富山港の伏木地区、新湊地区及び富山地区を連絡する重要な道路であります。  県道姫野能町線につきましては、牧野大橋を含む第1期区間約2キロメートルの整備に引き続き、第2期区間として高岡市中曽根から射水市作道までの約1.8キロのバイパス整備に取り組んでおります。第2期区間は高岡市側から整備を進めておりまして、高岡市中曽根地内では用地取得を終え、現在、路側構造物の整備を行っております。今後、高岡市金屋地内の用地取得を進めるとともに、今年度着手した射水市作道地内の物件移転と用地取得を促進したいと考えております。  また、射水市七美から富山市四方荒屋までの7キロにつきましては、現在、富山市四方荒屋から打出地内までの約1.7キロについてバイパス整備を進めており、令和3年度の供用を目指しております。残る5キロ──これは富山市打出から射水市七美区間でございますけれども──早期に整備効果を発現するため、区間を区切って進める必要があると考えておりまして、現在、事業中の区間の西側、県道小杉本江線までの約1.2キロの区間に引き続き着手できるよう、調査検討を進めております。今後とも整備促進に努めてまいります。  次に、庄川の洪水対策と新庄川橋についての御質問にお答えいたします。  庄川の洪水対策につきましては、戦後最大規模の洪水を安全に流下させるため、国が平成20年に策定した河川整備計画に基づき、堤防の整備、急流河川対策、新庄川橋などの架け替え、利賀ダムの整備などが進められております。これまでに高岡地区や大島地区における堤防の整備や、急流河川対策として戸出地区における根継ぎ護岸の整備が完了しておりまして、現在は大門地区や太田地区等において根継ぎ護岸の整備が進められております。  また、昨年度事業着手した新庄川橋の架け替えにつきましては、橋前後の堤防整備を含め、万葉線橋梁と一体的に架け替える計画として予備設計等を進めております。  これまでに、河川管理者である国とは、橋の建設に当たり、洪水を安全に流す観点から橋脚の位置や橋桁の高さ等の諸元などに関する協議を行っており、また万葉線株式会社、交通管理者とは、線路や停留所の移設位置の調整を行っているところであります。今後、国、万葉線株式会社、県の3者において、施工範囲や費用負担の考え方を定める基本協定の締結に向け協議を進めるとともに、新設橋梁へ取りつく道路の設計を、地元住民の方々と調整しながら行うこととしております。  県としましては、新庄川橋の架け替えの推進に努めますとともに、架け替えと併せた堤防の整備など庄川の河川改修事業の着実な整備促進が図られるよう、国に対して働きかけてまいります。  以上でございます。 29 ◯議長(上田英俊君)堀口農林水産部長。    〔農林水産部長堀口 正君登壇〕 30 ◯農林水産部長(堀口 正君)松くい虫被害についての御質問にお答えをいたします。  県内の森林区域内での松くい虫被害につきましては、平成24年度から海岸林を中心に増加したことから、伐倒駆除による被害拡大防止対策と併せまして、薬剤散布等の予防対策を行ってきたところでありまして、現在は平成24年度以前の水準まで減少し、鎮静化しつつございます。  一方で、森林区域以外の松くい虫被害につきましては、昨年12月、射水市海老江地区の市道の緑地帯等で被害が確認され、県では管理者である射水市に対しまして、被害拡大防止対策として伐倒駆除を指導助言し、今年2月から3月にかけて実施がされております。  また、今年9月の再調査で、この緑地帯に隣接する工場敷地内やその周辺において新たな被害が確認されたことから、改めて徹底した伐倒駆除を、射水市や市を通じて事業者に助言をしたところでありまして、松くい虫被害を広める害虫が羽化する来春までに、伐倒駆除が行われる予定とお聞きをしております。  このほか、県が管理しております射水市片口地内の港湾緑地、それから海老江地区の海岸等においても被害が見られますことから、現在、被害木の伐倒駆除を順次進めておりますほか、必要に応じまして薬剤散布等の予防対策も併せて行うことにしております。  今後とも、射水市等とも連携しながら技術面での指導や助言を行うなど、松くい虫被害の拡大防止と予防に努めてまいります。 31 ◯議長(上田英俊君)八嶋浩久君。    〔10番八嶋浩久君登壇〕 32 ◯10番(八嶋浩久君)御答弁ありがとうございました。  それでは、大きな問2に入ります。  本年、プロレスラーの木村花さん、三浦春馬さん、竹内結子さんの自殺報道がございました。御冥福をお祈りしたいと思います。  木村花さんが誹謗中傷、三浦春馬さんが家族関係、竹内結子さんが産後鬱などが原因と言われておりますけれども、自殺を美化する、あるいは共感する報道は、できる限り自粛してほしいと私は考えています。  ところで、リーマンショックのときも自殺が急増したわけでございますが、そのとき以来の自殺急増であります。男女比、年齢比、コロナ感染症との関連性の分析なども交え、自殺対策基本法の下、一旦減少傾向に転ずるまで対策を強化し、そして、その対策が、県だけでなく市町村をはじめとする関係機関や団体、企業など、県民総動員で取り組む必要性を感じます。石黒厚生部長の御所見をお伺いします。  福祉人材の確保の観点から、継続して質問を続けてきています。今回は介護人材確保について。  辞めていく方も多く補充もなかなかできない、何とか離職者を出さずに施設運営を考えている。また老老介護の場合は、これまでの家族関係の再構築を望む声があるなど、プライベートまで含めて家族全体の相談体制が必要と考えています。  そこで、県内介護人材離職率、県内老老介護や県内特養待機者のそれぞれの現状と今後の対策について、引き続き石黒厚生部長に御所見をお伺いいたします。  次に、県内の安全・安心対策について質問します。  先般、経営企画委員会で性暴力被害ワンストップ支援センターとやまへ視察に行ってきました。性暴力被害は増加傾向と伺いました。  そこで、性犯罪等の前兆と見られる不審な声かけ、付きまとい、ストーカーの県内における発生状況とその抑止対策について、分析、課題も含め、大原警察本部長に御所見をお伺いします。  性犯罪の前兆と見られる児童生徒への不審な声かけ、付きまといの発生状況は、コロナ感染症対策として休校や外出を控えていた月は少なかったようですが、学校再開後の6月以降、増えたようであります。対策が急務であることは論をまちません。  9月の予特では、防犯上の指針改定に伴い、教育委員会に、犯罪機会論に基づく地域安全マップについて質問をしました。そこで普及率についてお尋ねしたところ、令和元年度は県内の7割以上の小学校で作成されていますと御答弁ありました。ところが、学校関係者もPTA関係者も誰も知らないのが実態でありました。  私としては、犯罪機会論に基づく虫の目の地域安全マップについては、普及されてないという認識であります。期待していただけに、とても落胆いたしました。多分、暗記型、鳥の目型のマップと混同されたのか、もしくは認識の違いがあるのではないかと考えております。  先日、井上先生の答弁では、マップの作成率が7割中2割で、犯罪機会論の視点を加味するとの答弁がありましたが、とても遺憾であります。実質普及率はゼロとお認めいただき、今後、普及促進を図っていただきたい。  犯罪機会論に基づく地域安全マップは、これまでの既成概念を打破する指針であり、調味料で味つけするようなレベルではございません。これまでの有識者会議の提言や今回の指針の改善に至る経緯、策定に関わった方々の真剣なお気持ちを思うと、残念で遺憾でたまりません。  改めてお尋ねします。犯罪機会論に基づく正しい地域安全マップ、県内小学校における普及率、そして県内の教職員の方々がどの程度この考え方を理解しておられるのか、責任を持った回答を伍嶋教育長に求めたいと思います。  また、予特では、本年、モデル校4校の地域安全マップ普及促進事業が中止になったと答弁されています。先ほどの声かけ、付きまといの増加実態も踏まえると、警察とも連携して一刻も早く教育的対策と子供たちが自己防衛を図れる取組、例えば子供の危険回避能力を向上させる取組に、地域安全マップの作成、普及も含めて、県内全ての小学校に迅速に対策を取る必要があり、モデル校4校ずつとなれば50年以上かかる計算になると考えます。  もっとスピード感を持って取り組めないのか、令和3年度はどのように取り組まれるのか、引き続き伍嶋教育長にお伺いします。  さて、予特後、改定された防犯上の指針の概要が発行されました。その概要では、小宮信夫先生の犯罪機会論の説明も書いてあり、安全に配慮した公衆トイレ設置など、分かりやすく9つの項目に取りまとめてありました。県民へのオープンな取組としても高く評価したいと思います。  そこで、先ほどの県警発表の不審な声かけ、付きまとい増加傾向を踏まえ、例えば県庁前の噴水公園の女子トイレ、これは使いたいという女性はまずいないと思います。私は、県管理の施設から率先して具体化しないと、市町村や民間事業者は、わざわざやらないと思います。この防犯上の指針は、最後には全県で尊重していく必要がございます。まずは県管理の公園で、トイレ等の防犯環境設計に基づく具体的な整備をどのように進めていくのか、江幡土木部長にお伺いいたします。  東日本大震災後、私は、2回、仙台へボランティア活動に行っております。昨年、経営企画委員会でも東北地方の視察に行っています。また1期生議員では、四季防災館で災害の勉強もしてきました。  災害が少ない富山県と言われていますが、県民が東京や大阪での滞在中に災害に遭遇する可能性もございます。日本は災害大国。全国各地で大きな想定外の災害が、毎年起こっているのが現実です。  釜石の奇跡を起こしたと言われる片田敏孝先生の講演を聞きました。片田先生からは、特に最近の自然災害では5つの限界、ハード対策の限界、ソフト対策の限界、行政の限界、自助の限界、予知・予測の限界を教えていただきました。  釜石の鵜住居地区で起こった高さ16メートルを超える津波の中、釜石東中学校以下の児童生徒560人の子供たちの全員が助かった、これが釜石の奇跡です。一方、石巻、大川小学校では、児童108人のうち74人、教職員13人のうち10人が亡くなる大悲劇。どうでしょう、人が死なない防災教育、この差は大きくないでしょうか。  知事の政策集、ICT教育やPBLという教育が独り歩きしておりますが、私は全て命あっての話だと思います。令和元年10月10日に出た大川小学校津波訴訟。何もしない不作為による過失も、問われる時代になっています。  さて、ファーストプライオリティー教育とは一体何なのでしょうか。政策集からは、残念ながらあまり根っこの話が伝わってこない。最優先すべきは防災教育であると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  知事の政策集の中では、移住戦国時代というフレーズが出てまいります。政策集では、県民の命を守るという表現はあるものの、ニューディール政策、経済対策に隠れて、安全保障の観点がとても希薄に感じられます。もし戦国という言葉を使われるなら、命に関わるもっと重量感のあるものでなければなりません。  この戦国時代を勝ち抜き、選ばれる富山県とするためには、安全の確保あるいは災害対策の充実等、政策メニューが必要で、先ほどの防災教育なども含めて、安全なまちづくりといった安全・安心といった観点が、根っこだと考えています。知事の御所見をお伺いいたします。  これで質問のほうは終わります。ちょっと時間がありますので、今日は感想を述べたいというふうに思いますが、個人的には、上田議長との写真が撮れて、非常に、とてもうれしいと思っております。筱岡副議長との写真しかないものですから、とても記念にしたいというふうに思っております。  そして、一般質問では8番目ということでございます。野球ではセンターのポジションということでございますが、昨日に続いてラグビーではエイトのポジションということですね。川上先生に調べていただいたら、フォワード最後方のスーパーマンということでございます。名前は八嶋、8ですね。知事も八朗、8です。私の曽祖父が県会議員をしていたわけでございますが、何と名前は八嶋八朗といいます。ヒット、トライを積み重ねていきたいと思っております。お付き合いのほどよろしくお願いして、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 33 ◯議長(上田英俊君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 34 ◯知事(新田八朗君)八嶋議員がおっしゃるようにナンバーエイトというのは、ラグビーで本当に私も憧れのポジションでしたが、結局務めることはできませんでしたけれども、8番目の質問、より頑張りたいと思います。  まず、防災教育についての御質問にお答えをします。  子供の頃から地域の災害リスク等を理解するとともに、命を守る行動を実践的に学ぶ、そのような防災教育を徹底していくことが大変重要だと理解しています。このため小中学校では、防災教育として、授業等での学習や避難訓練を実施しています。  例えば、社会科で自然災害への対応や富山県の災害の歴史を学び、将来の災害に備えるための学習のほか、県広域消防防災センター、議員も行かれたというお話でしたが、そこで体験学習も行っております。また気象に関する情報収集、緊急地震速報の仕組みの学習、危険を予知して自ら回避する能力の育成にも努めています。  また、避難訓練としては、各学校において災害の種類や規模によって起こる危険についても改めて理解を促すとともに、児童生徒が避難の方法や避難場所を迅速に確認できるよう、効果的な訓練を実施しています。  多様化して予測が難しい社会にあっては、自ら問題を発見し、解決する能力が求められていると思います。そのために教育の重要な視点として、ICTの活用、そしてICTを駆使して情報を収集する能力、またPBLという課題解決型学習の手法を取り入れた教育に取り組んでいくことが大切だということが、私が政策集で述べさせていただいているところです。  その中でも、議員御指摘のように、万一の災害発生の際に自分の命は自分で守る能力、これを身につけること、そして自然に体が万が一のときは動き出すような、それぐらいまで腑に落とすこと、これが何より優先されるということは全く同感です。今後とも、教育委員会と連携をしながら、防災教育の徹底に最大限取り組んでまいります。  次に、災害対策の充実など安心・安全の確保についてお答えをします。  移住希望者に選ばれる富山県とするためには、災害対策の充実や安全なまちづくりなど、県民の安心・安全の確保が重要という御指摘、そのとおりだと考えております。  このため、まず災害対策としては、ハード面では、海岸や河川、道路、橋梁の整備、耐震化、治水、土砂災害対策、県防災管理センターの整備を行っております。またソフト面では、県総合防災訓練等の実施や災害救助物資の備蓄、災害時の人的、物的支援の受入れ体制の整備のほか、自主防災組織の活性化や感染症にも配慮した避難対策の促進などを進めています。県としては、ハードとソフトの施策を適切に組み合わせ、効果的に進めてまいります。  また、安全なまちづくりとしては、防犯環境設計に留意した公園、公衆トイレ等の整備の促進や、犯罪の起こりやすい危険な場所を重点的に見回るホットスポット・パトロールの推奨、犯罪被害者等への支援、通学路、住宅街等での防犯カメラの整備の促進などに取り組んでまいります。このあたりは、また後ほど県警本部長、教育長、また土木部長からも詳細の説明があるところです。  消防、救急につきましては、消防防災ヘリあるいはドクターヘリの円滑な運用による救急救助活動の充実、消防学校等で実施する訓練、研修を通じた各地域の消防本部の職員、消防団員の消防技術の向上に向け取り組んでまいります。  県としては、今後とも国、県、市町村、県民の皆様が、自助、共助、公助の観点から密接に連携し、ワンチームで日本一安全で安心な富山県の実現に向け取り組んでまいります。  以上でございます。 35 ◯議長(上田英俊君)石黒厚生部長。    〔厚生部長石黒雄一君登壇〕 36 ◯厚生部長(石黒雄一君)私からは、まず自殺対策についての今後の取組についてお答えをいたします。  平成30年度に策定いたしました富山県自殺対策計画におきましては、県と市町村におきまして地域の状況に応じた施策を策定し、実施する責務があるとされております。また関係団体や民間団体、企業には、それぞれの活動内容の特性等に応じまして積極的に自殺対策に参画すること、県民には主体的に自殺対策に取り組むことが求められているところでございます。  県では、この計画に基づきまして、市町村が行っております地域の実情を踏まえた計画策定や独自の自殺対策に対して支援を行っておるところでございます。また関係機関におけるかかりつけ医や、かかりつけの薬剤師への自殺対策研修の実施。自殺対策に取り組む民間団体における電話相談、対面相談の実施、人材育成やゲートキーパー養成等に対する支援を行っているところでございます。  さらに、企業とは、職域におけるゲートキーパーの養成、新入社員向けの自殺対策普及啓発冊子の配布などで連携を取っておるところでございます。また県民の皆様には、ゲートキーパーなどとして自殺防止に協力をいただいているところでございます。  また、今回、10月の自殺者の急増を受けまして、去る11月25日には、市町村や自殺対策に取り組む民間団体などにお集まりをいただきまして、緊急対策会議を開催したところでございます。その会議におきましては、各機関が連携して自殺対策に取り組むことを改めて確認したところでございます。参加者の方からは、より一層顔の見える関係を構築し、協力体制を強化すべきとの提言も多々いただいたところでございます。  議員御指摘のとおり、自殺対策は、やはり県だけで行えるものではないと認識しておるところでございます。県といたしましては、引き続き市町村や関係機関、団体、企業、県民の皆様と連携協力しながら、顔の見える関係を構築しながら、効果的な自殺防止対策に取り組んでまいります。  次に、介護人材等の離職率等の現状と今後の取組についてお答えをいたします。  県内の介護職員の離職率は、介護労働実態調査によりますと、近年10%前半で推移しておるところでございまして、この二、三年は改善傾向も見られるところでございます。  また、老老介護についての本県調査結果はございませんが、2019年の国民生活基礎調査によりますと、全国では、要介護者等のいる世帯におきまして介護する側と受ける側、それぞれが65歳以上の割合が約6割となっているところでございます。  また、特別養護老人ホームの待機者等につきましては、平成25年頃をピークに減少傾向が続いておりまして、近年、直近5年程度でございますが、おおむね2,000人を下回る人数で推移しているところでございます。
     現在、県では、高齢者保健福祉計画・第8期富山県介護保険事業支援計画の策定に向けて作業を進めておりますが、その中で介護職員の離職防止対策として、ICTや介護ロボット等の導入支援によりまして、介護現場の業務の効率化や負荷の軽減に取り組むとしているところでございます。  また、特別養護老人ホームの待機者や老老介護など、在宅での生活に不安を抱えておられる方が多くおられることから、引き続き認知症グループホーム等の地域密着型の介護施設の整備を進めるとともに、住み慣れた自宅で安心して生活を送ることができるよう、デイサービスや訪問サービスなどのニーズを的確に把握し、日常生活を支える在宅サービス基盤の充実を図ることとしているところでございます。  その上で、市町村や地域包括支援センターなどと連携し、高齢者やその家族から幅広い相談が受けられ、必要な支援につなげられるよう、地域包括ケアシステムの深化、推進に取り組んでまいります。 37 ◯議長(上田英俊君)大原警察本部長。    〔警察本部長大原光博君登壇〕 38 ◯警察本部長(大原光博君)性犯罪等につながる不審な声かけ等に関する御質問にお答えをいたします。  子供や女性に対する犯罪の前兆と見られる不審な声かけや付きまとい等の事案につきましては、本年10月末現在603件と、昨年同期に比べて70件の増加となっております。月別では5月まで前年同期比で減少傾向で推移しておりましたが、6月に増加に転じて以降、これまで増加傾向が続いております。また認知した603件のうち321件が高校生以下の児童生徒を対象とした事案であり、過半数を占めております。  県警察では、付きまとい等の事案が発生した場合、直ちに捜査を開始し、早期に行為者を特定して、検挙または指導警告措置を講じる先制・予防的活動を強力に推進しております。  また、防犯対策や見守り活動に役立つ不審者情報のタイムリーな発信、それとともに県民が日常の活動の中で子供を見守っていただく、ながら見守りの推進、それと教育委員会、学校、地域住民等と連携した通学路の合同点検などを実施し、引き続き子供や女性の安全確保に努めてまいります。 39 ◯議長(上田英俊君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 40 ◯教育長(伍嶋二美男君)私からは、犯罪機会論に基づく地域安全マップの普及率に関する御質問にお答えをいたします。  本年の9月議会で八嶋議員にお答えした、県内の約7割の小学校で作成している安全マップは、これは児童生徒の通学時に交通事故や河川への転落等の事故、また犯罪や災害などからの未然防止の観点から、危険箇所や要注意箇所を明示している、そうしたマップでございます。  一方、ただいま議員から御指摘のありました、入りやすい、また見えにくい場所を警戒する犯罪機会論に基づく地域安全マップ、これについては本年9月に防犯上の指針を改定し、また先ほど議員からも御紹介のありました有識者会議の提言が昨年12月に行われておりますけれども、こうした犯罪機会論に基づく地域安全マップを作成することを、全ての小学校に働きかけること、こうしたことが新たに盛り込まれたところであります。  このため、各学校には、概要を記載したパンフレットを市町村教育委員会を通じて配布し、その周知を図ったところでありますけれども、現時点においては県内教育現場において、この犯罪機会論に基づく地域安全マップは作成されていないという状況にございます。今後、スピード感を持って作成に取り組みたいというふうに思っています。  また、犯罪機会論に基づくリスクマネジメントの手法などについて、教育現場での理解度や浸透状況、これについては遅れているというふうに認識をしておりまして、今後、各学校に対してその重要性や効果を示すとともに、作成方法について速やかに周知徹底したいと考えております。  次に、犯罪機会論に基づく地域安全マップ事業に関する御質問にお答えをいたします。  犯罪機会論に基づく地域安全マップ作りについては、子供が通学路などを点検し地図に表す作成過程を通じまして、子供自身が危険な場所を見抜き犯罪から回避する能力、いわゆる景色読解力を大きく向上させることが期待できます。また犯罪の増加実態を踏まえますと、スピード感を持って各学校において作成を進めていくことが必要だと考えております。  このため、学校におけるマップ作りの重要性の理解を促すため、改めて市町村教育委員会を通じて各学校に対して、犯罪機会論に基づく地域安全マップ作りの必要性を周知するとともに、学校安全を担当する教員等を対象といたしまして、専門の講師によるマップ作りの講習会を開催することとしたいと考えております。  その際には、コロナ対策にも十分留意しながら、例えばオンラインも活用しながら多くの教員が学べるようにしたいと考えており、できるだけ早く各学校において作成されるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 41 ◯議長(上田英俊君)江幡土木部長。    〔土木部長江幡光博君登壇〕 42 ◯土木部長(江幡光博君)私から、公園の防犯設計についての御質問にお答えをいたします。  本年9月に改定されました県の防犯上の指針では、犯罪を企てる者が被害対象者等に近づきにくくなるよう、建物や物理的な環境の設計で犯罪の予防を図る防犯環境設計の考え方が取り入れられております。  公園の構造等に関する基準としましては、新たに子供向けエリアを設定し遊具を集中させるゾーニングの考え方や、防犯カメラの設置の考え方などが盛り込まれたところであります。  また、トイレに関しましては、男性用と女性用の出入口を近接させず、可能な限り間隔を確保して設置することや、周囲からの視認性が確保された場所に設置されていること、入り口付近は、人の顔や行動を明確に識別できる程度以上の照度が確保されていることなどが明記されております。  御指摘いただきました県庁前公園のトイレにつきましては、平成26年度に便器の洋式化と、それからスリット式の目隠し壁の設置など、利便性や防犯性を高める改修を行っておりますが、新たな防犯上の指針を踏まえますと、トイレ周辺の樹木によりまして周囲からの視認性に課題があると考えております。まずは入り口周辺を明るくするための樹木の剪定を行いたいというふうに考えているところでございます。  県としましては、今後、トイレや遊具など公園施設の新設、改修を行う際には、新たな防犯上の指針に十分配慮しまして、安全で使いやすい公園となるよう努めてまいります。  以上でございます。 43 ◯議長(上田英俊君)以上で八嶋浩久君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  午後0時04分休憩       ───────────────────  午後1時00分開議       ─────────────────── 44 ◯副議長(筱岡貞郎君)休憩前に引き続き会議を開きます。  大門良輔君。    〔4番大門良輔君登壇〕 45 ◯4番(大門良輔君)自由民主党の大門良輔です。  私も副議長の写真しかございません。今日も筱岡副議長です。よろしくお願いいたします。  私からは、未来への活力で7問、安心して暮らせる県政で3問、個別最適化した教育の実現で3問お伺いをしてまいります。  まずは、新田知事、御就任おめでとうございます。  新田知事は、新しい富山を合い言葉に当選され、県民は、どのようにして新しい富山が実現していくのか、そしてどんなワクワクが待っているのか、大変注目をしていると感じておりますし、私もそのうちの一人であります。今まで富山県が積み上げてきたものは、よいものはよしとし継承していただき、また新田知事の言うように、民間の目線で改善が必要なところはスピード感を持って取り組んでいただき、次の時代へと発展をしていただけたらというふうに思っております。  そこで私からは、今までの県政が残してきたものをどのように発展させ富山の活力へとしていくのか、最初の項目、未来への活力でお伺いをしてまいります。  今年の6月議会に全県光ファイバー網の整備を決断し、事業着手を始めました。これは、我が滑川市においても、整備に対して高額な費用がかかるため、なかなか着手に踏み込めなかった中、国や県に助けていただき整備ができたのは、非常にありがたい事業でありました。これによって恩恵を受けた市町村も多くあり、これから順次整備が進んでいくものと感じております。  今、まさしく新型コロナウイルスの蔓延による新しい生活様式やテレワーク、地方志向など、人の価値観が大きく変化をいたしました。そして国のほうでも、デジタル庁の創設などデジタル社会が一気に加速するタイミングでもあり、大きな時代の転換期を迎えています。  今後、全県に光ファイバー網の整備が全て完了すると、神奈川県に次いで2番目の事例となり、全国でもトップクラスのデジタル社会への基盤が富山県に整うわけであります。  そこで、新田知事は、この基盤を基に、どのようにして東京一極集中の是正に取り組み、今後の富山県の発展のために未来への種まきをしていくのか、御所見をお伺いいたします。  富山県は、サテライトオフィスの誘致に力を入れております。今年の9月に、上市町で県内初となるサテライトオフィスの誘致に成功をいたしました。これを皮切りに多くの企業誘致を成功させ、富山県の発展につなげていただきたいものと感じております。  今年の2月に、全国でもサテライトオフィスの誘致に成功しています徳島県に視察に行ってまいりました。そこでお伺いしたのは、企業が地方にオフィスを構えるのは、地方の自然や、都会とは違う環境で仕事をすることで生産性の向上を目指すワーケーションもありますが、どちらかというと、地方に出て地方の課題を解決し、そのノウハウを持って全国展開をすることで企業の発展につなげたい狙いがあると伺いました。  そこで大切になってくるのが、企業を誘致するためのコーディネーターの存在です。企業がどの県に進出したらいいのか、企業からすれば、どこも未開の地であり不安であります。親身になって地域の課題や環境を伝え、進出してからのアフターフォローまで後押ししてくれる存在が必要かと感じています。  今後、よりよい成果を出すために、民間出身などネットワークやノウハウのある人を専任スタッフとして配置し、営業活動に力を入れていただきたいと感じますが、柿沢総合政策局長の御所見をお伺いいたします。  今年の9月に野上浩太郎参議院議員が農林水産大臣に就任されました。これは、米どころ富山県、海洋資源豊富な富山県にとっても大きな発展につながるものだと考えております。  先日、野上大臣を表敬訪問した際、日本の農林水産の輸出額を9,000億円から2030年までに5兆円まで、10年で5倍に伸ばすという大きな目標を掲げ、国を挙げて推し進めると、強いお言葉で話をされているのが印象的でありました。  現在、国のほうでは、輸出額を上げるためGFPプロジェクトを立ち上げ、輸出の可能性の無料診断や市場開拓の支援をしております。富山県においても、入善町にあるウーケのパック御飯など輸出に力を入れている企業もありますが、私は、まだまだ富山県には可能性のある品目が大いにあると考えており、輸出に意欲を持つ企業の育成や市場開拓など、支援を今まで以上に行っていかなければいけないと感じております。  また、先日、国のほうでも、農林水産物の輸出の重点品目として、ブリなど27品目を重点的に支援すると発表がありました。そこで国と連動した県内における2030年までの戦略について、農林水産部長にお伺いをいたします。  シベリア・ランド・ブリッジについてお伺いをいたします。  シベリア・ランド・ブリッジは、伏木港からシベリア鉄道を活用し、モスクワまで約14日間で速達貨物輸送が可能になった輸送ルートであります。  今、コロナの影響で、改めてこのシベリア鉄道を活用した輸送に注目が浴びると感じております。まず一番早い空輸便が、コロナの影響で減便され活用しにくい状況があります。また海上輸送ですと、スエズ運河の南回り航路で35日から40日間輸送にかかり、海上輸送と比べると鉄道輸送は3分の1の14日間で貨物を輸送ができ、速達を希望する企業からすると使い勝手がよいと感じております。また滑川の企業でも、シベリア鉄道を使った輸送に注目をしている企業も実際に存在をしております。  昨年は4件の実証実験を行い、富山県の企業が1件、県外の企業が3件、いずれも順調に輸送ができ、中には最短12日で輸送ができたケースもありました。  その結果を踏まえ、欧州輸送に伏木港、シベリア鉄道を活用してもらうよう県内外にさらに営業をかけ、伏木港の発展につなげていただきたいと感じますが、今後の展望と所見を布野商工労働部長にお伺いをいたします。  本国会で、気候変動は非常事態と言われるまでの状況となり、脱炭素社会の実現を急ぐべく、気候非常事態宣言が国会で決議されました。これは、今後、環境に対して一歩も二歩も踏み込まなければ、我々の日常が脅かされると改めて感じさせられるものであります。  富山県においても、今年の3月に富山県と、とやま環境財団、富山県婦人会、富山県消費者協会の4者で、とやまゼロカーボン推進宣言の共同宣言を発表し、脱炭素社会に向けて動き出しました。それに連動するように、魚津市、南砺市、立山町など各市町村でゼロカーボン宣言の広がりを見せております。  しかし、まだ県内の全ての市町村がゼロカーボン宣言をしているわけではありません。やはり富山県がどれだけゼロカーボンと言っていても、各市町村も同じように足並みをそろえなければ、ゼロカーボン社会の到達は厳しいと感じております。  今後、ワンチームとやま連携推進本部など、各市町村長が顔を合わす機会も増えることですから、新田知事から各市町村に促していただき、環境問題は富山県と全市町村の共通課題とし、改めて富山県と全市町村がそろってゼロカーボン宣言の共同宣言を行い、オール富山、ワンチーム富山で脱炭素社会に向け、技術革新や県民運動などを、より一層推し進めてはと感じますが、新田知事の御所見をお伺いいたします。  サイクリングロードは、サイクリングと富山県の魅力をマッチさせたよい事例の一つだと感じております。サイクリングロードには湾岸サイクリングコースと田園サイクリングコースがあり、県内外の方々がサイクリングを楽しんでおります。  そこで、改めてサイクリングロードを設置した理由についてお伺いをいたします。  私の中でサイクリングロードは、観光として人を寄せる一面があると思っています。世界で最も美しい湾クラブに加盟しているように、美しい海や3,000メートル級の山々、そしてのどかな田園風景など、富山県でしか味わうことができない景色や富山ならではの食にサイクリングを通して出会えるのは、ほかにはない魅力だというふうに思っています。  私は、そういった魅力を県内外に強く発信してほしいと感じていますが、富山県には、サイクリングロードの情報発信をするツールやホームページなどは、残念ながら何もございません。他県を見てみますと、ホームページを通して、サイクリングをしながら、そこの風景や食を楽しむ実体験が伝わるような情報発信を行い、行ってみたいと思わせますが、富山県は、その土俵にも立っておりません。  せっかく、どこにも負けない風景や富山ならではの食がありますので、まずはホームページの設置から進め、情報発信に力を入れていただきたいと考えますが、中谷観光・交通振興局長の御所見をお伺いいたします。  私の家の前にもサイクリングロードの青い線が引かれており、週末には多くの方々がサイクリングを楽しんでおります。  しかし、その反面、生活をしている住民からすると、危険を感じる場面がございます。特にサイクリングロードを走っていると、住宅が密集し車が擦れ違うのがやっとの狭い道路に、サイクリングロードの線が引かれているエリアが存在します。住民からは、ぶつかりそうになったなど、危険を感じたという声を度々耳にする状況もありますし、私自身も危険を感じたことがございます。  そこで、サイクリングロードと危険を感じる住民との共存についてどのように考えているのか、江幡土木部長に御所見をお伺いいたします。  続きまして、安心して暮らせる県政について3問お伺いをします。  厚生連滑川病院では、年間120人程度の子供たちが生まれており、地元で安心して出産できる場所として大きく貢献をしております。しかし、今年に入り産婦人科の先生が年齢を理由に退職され、滑川で出産できる場所がなくなりました。  滑川市としても、地元で安心して出産できる場所を市民に提供したいという強い思いから、産婦人科の先生を厚生連滑川病院に配置してほしいという強い要望が上がっております。また厚生連滑川病院も、産婦人科の先生が配置できれば、また産婦人科を始めたいという強い思いを持っております。  しかし、その一方で、産婦人科の激務により先生の成り手不足や、先生の1人体制では出産にリスクが生じ子供に負荷がかかることから、広域で拠点をつくり安心して出産できる体制をつくる必要性も、私自身理解をしております。  そこで新田知事にお伺いしますが、産婦人科の設置と出生率の因果関係をどのように認識しておられるのか、また産婦人科の医師の配置について、どのようにお考えを持っておられるのか、御所見をお伺いいたします。  コロナウイルスの最前線で闘う医療従事者への支援を呼びかけ、クラウドファンディングや寄附金を募り、多くの金額が集まりました。県民から寄附という形で多くの真心をいただいたことに感謝するとともに、医療従事者にとっても励みになったと感じております。  この寄附を始めた頃は、県内でもマスクや医療防護具の整備、医療従事者のホテル宿泊費に活用されていましたが、最近では国からの包括支援交付金が充実したことで、寄附金を充当する必要性が少なくなり余剰が生じていると感じております。  現在、医療従事者に伺うと、コロナの影響で仕事が増えていますが、厳しい病院経営もあり給料が減り、ホテル住まいや食事代などの経費がかさみ、心身的にも肉体的にも疲労している状況がございます。  医療従事者の疲労が院内のクラスターの原因になったように、医療従事者のサポートは重要でございます。この第3波に備え、寄附金で少しでも医療従事者の支援ができないか。例えばホテル住まいの方へ食事の補助を出すなどの考えがございますが、現在の富山県新型コロナウイルス対策応援基金の執行状況と今後の使途について、頑張る医療従事者へのメッセージを込めて、新田知事にお伺いをいたします。  コロナの影響で病児保育の利用者が減っております。それは、子供たちが風邪を引かなくなったことと、社会の風潮として、子供が病気になったときに会社の休みが取りやすくなったことがあり、預けなくてもよくなったことが理由に挙げられます。  そういった厳しい経営環境を鑑み、国では、今年ではなく昨年の実績に応じて補助を出し、病児保育の事業者のサポートを行っております。  これからも社会の変化に対応し、病児保育は、子供を持つ親のセーフティーネットであり続ける必要があります。これだけ地域に密着しているからこそ実施主体は市町村であり、きめ細やかな対応が必要と考えますが、改めて県の役割とは何か、そして私としては、利用率向上に向けた取組や市町村が行っている運営の補助の積み増しなど、サポート体制の強化が必要と感じますが、石黒厚生部長に御所見をお伺いいたします。  最後の項目となります。  個別最適化した教育の実現に向けて3問お伺いをします。  6月議会において、小中学校の子供たちのタブレット端末の1人1台の配備が決まり、県が窓口となり共同購入を進めました。全国的にタブレット端末の需要が高まり、予算はつきましたが配備が遅れることを懸念しておりましたが、共同購入の効果もあり、本県では他県と比べて配備が順調に進み、当初より早まっている市町村も出てきているというふうに聞いております。  そこで、まず小学校、中学校の配備率と今後の見込みについてお伺いをいたします。  また、9月議会では、高校生1人1台のタブレット端末の配備を決定し動き出しました。これも、全国的に見ても高校生までの配備に着手している県は少なく、すばらしい取組だと感じております。  そこで、高校生のタブレット端末の選定や納期について、現段階の状況も併せて、伍嶋教育長にお伺いをいたします。  次に、タブレット端末の更新についてお伺いをいたします。  本来であれば、数年をかけてタブレット端末の配備を予定しておりました。それは更新時期をずらすことで、更新のときの費用を抑える狙いがあったというふうに聞いております。  しかし、新型コロナウイルスの蔓延により状況は一変し、一気に小学校、中学校、高校と全学年の配備を進めました。そうなれば更新時期がどうしても重なってしまい、大きな金額が必要とされることが予想されます。  そこで、今回の配備を予定しているタブレット端末は、何年間使用を予定し、更新はどのようにしていくのか、伍嶋教育長にお伺いをいたします。  また、個人的には、更新の時期は、文房具の一つとしてタブレット端末が当たり前の時代になってくると考えますので、更新は、全額公費負担ではなく、個人の所有物とし購入に補助を出すなど検討する必要があると思いますが、併せてお願いをいたします。  それでは、最後の質問です。  2020年に、小学校5、6年生を対象に、英語、理科、算数などの教科で教科担任制の導入に向け動き出しております。これは専門性を持った先生が教えることで、より分かりやすく質の高い授業にすることが最大の目的であり、子供たちの理解度を高め学力向上につなげたい狙いがあります。  導入に当たり課題になってくるのは、優秀な教員の確保だと感じております。しかし今年行われた教員採用試験では、残念なことに過去最低の2.5倍の志願倍率でございました。
     今後、国のほうでは、教科担任制のほかに、少人数のきめ細やかな指導を目指し少人数学級の検討をする動きもありますし、同じように新田知事の政策集にも、少人数学級の導入が入っております。  財源もそうですが、優秀な先生の確保がより重要になってきますが、今後どのように進めていかれるのか、伍嶋教育長に御所見をお伺いして私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 46 ◯副議長(筱岡貞郎君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 47 ◯知事(新田八朗君)ラグビーシリーズが途切れてしまうのも忍びないので。9番はスクラムハーフというポジションでして、スクラムの中にボールを供給し、また、そのスクラムから球を出して攻撃の起点になるとても大切なポジション、まさに大門議員にぴったりのポジションではないかと思いますが、ただ、がたいのいい選手が多いラグビーチームの中にあって、唯一このポジションだけは小柄な人がなるので、もう少し身長を縮めていただければぴったりかなと思いますが。  それでは、東京一極集中是正についての御質問にお答えをします。  今回のコロナ禍において、改めて東京一極集中のリスクが認識され、テレワークなどデジタル化の取組が進展している今こそが、地方の時代へと変えていくチャンスというふうに私も捉えております。  このため、県では、県内全域で整備を進めております光ファイバー網、まさに御英断ですが、これを基盤として富山八策に掲げるデジタル化の推進に取り組みたいと考えているところです。  まず、県庁のデジタル化についてですが、11月補正予算案により、庁内LANネットワーク環境の強化を図ることとしています。また来年4月には、県のデジタル化の司令塔となるデジタル化・生産性向上本部、仮称ですが、これを設置し、行政サービスの効率化を進めたいと考えております。  また、大学や民間企業、県民の皆さんと連携した取組として、富山大学や県立大学におけるデータサイエンティスト教育の充実、官民がデータ利活用を図る富山県ビッグデータ活用プラットフォームの設置、ロボット、ドローン等のデジタル技術を活用したスマート農林水産業の推進、中山間地域の振興など、私が掲げる富山八策の具体化に向けた検討を進めてまいります。  さらに、新たに設置する富山県成長戦略会議において、新しい富山の成長戦略やビジョン等の検討を進めることとしているところです。  こうした取組により富山県の発展のための種まきをし、ワクワクすることがたくさんある富山県、チャンスがあり夢をかなえられる富山県、そして東京などの若者や女性から見た富山県の魅力を高め、移住者も増やし、東京一極集中の是正へとつなげてまいりたいと考えております。  あわせまして、ちょうど新聞報道にもあったところなんですが、国が、今、情報システムの標準化を進めようとしておられるという報道がありました。来年の通常国会で、仕様の統一を都道府県や市町村に義務づける新法を提出し、早期成立を目指すということでございます。確認のため総務省にも伺いましたところ、新聞記事で掲載のある17業務の中に都道府県の業務がある場合、対象になるという回答ですが、今のところ詳細は検討中とのことです。  市町村の業務におきましては、既存の自治体クラウド協議会を活用し情報システムの標準化を進めるとともに、県においても、詳細が判明していない段階ではございますが、対象業務には税や社会保障など県で行っている業務も含まれていますので、国から仕様書が提示され次第、導入等について、これも検討していくことを申し添えさせていただきます。  次に、ゼロカーボン共同宣言についての御質問でした。  2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを表明している自治体は、12月1日の時点で、全国では24の都道府県を含む177団体であります。  本県では、今年3月に、とやまゼロカーボン推進宣言を県と関係団体が共同宣言したほか、県内市町村では魚津市、南砺市、立山町が既に宣言されていることは、議員の御指摘のとおりです。  例えば、県では、再エネ導入の促進、森林整備、エコライフスタイルの推進等に重点的に取り組んでおり、また魚津市ではクールチョイスの推進、南砺市ではエコビレッジ構想の実現、立山町では低炭素なまちづくりなどの特色ある施策を推進、検討されておられます。  また、先日、菅総理が、所信表明演説において2050年カーボンニュートラルを宣言され、私がお会いした際にも、大変力を込めて言っておられました。このような国の動きを受けて、だんだんと、また市町村のほうでも新たな宣言や取組が出ているものと見ております。  宣言は、各自治体の自主的な判断の下に行われることが、私は望ましいと考えております。県が市町村に宣言を強く促すということまでは考えておりませんが、県のとやまゼロカーボン推進宣言において、市町村、関係団体、企業等とも連携しながら、地域を挙げて脱炭素社会づくりに向けた取組を、さらに加速していくこととしております。富山県が、まずこの宣言に基づいて実を上げていくこと、これがまた後に続いていただける市町村にもつながっていくことと理解をしております。  今後、各市町村の取組に対しましても情報共有や意見交換を行い、それぞれの取組がより効果的になることを、県としても推し進めてまいりたいと思います。  次に、産科の設置等についての御質問にお答えをします。  出生率の低下は、未婚化、晩婚化の進行など様々な要因が重なり合っていると考えられます。先ほどの御質問にあった東京一極集中も、この一つと私は考えております。  御指摘の分娩取扱機関の数との因果関係は、必ずしも明らかではないところでございますが、身近な地域で安心して子供を産み育てられる体制づくりは、言うまでもなく大切だと思っております。  本県における産科医数は、出生数当たりでは近年増加し、県全体としては全国平均を上回っております。一方、産科医の勤務が長時間に及んでいること等を背景として医療機関の集約化が進んでおり、県内の分娩取扱医療機関数は、全国と同様に減少傾向となっております。  地域の産科医療体制の維持充実を図るためには、産科医の負担を軽減しつつ、その確保、定着を図るとともに、医療機関の役割分担、連携を進めることが必要です。  そのため県では、高度な医療を提供する基幹医療機関の整備を推進するとともに、厚生センターが中心となって、妊婦健診は身近な開業医が担当し、分娩は体制の整った医療機関で行う体制を構築するなど、広域的な産科医療体制の整備を図っております。  また、富山大学、金沢大学の医学部における特別枠、産科医等を志望する医学生への修学資金の貸与、分娩手当を支給する医療機関への助成など、産科医の確保にも取り組んでおります。これらの総合的な取組により、産科医療体制の確保充実を図ってまいります。  最後に、富山県新型コロナウイルス対策応援基金についての御質問にお答えをします。ちょうど今朝方も報道されて、とてもタイムリーな御質問になりました。  県では、新型コロナ対策として医療従事者への支援等に充てるため、富山県新型コロナウイルス感染症対策応援基金を5月に設置し、クラウドファンディングの手法も活用し寄附金を募っています。この結果、県内外の多くの方や企業から、これまでに当初予定していた5,000万円を超える1億1,458万4,000円の御寄附が寄せられています。皆様の御奉仕に改めて感謝を申し上げるところです。  基金は、この寄附金と、県議会議員の皆様や、私をはじめ特別職の給与等の減額相当の一般財源から造成されているところです。今議会でお諮りをしております11月補正提案後の基金積立額は1億3,901万3,000円、11月補正当初ではこのようになります。  基金の使途としては、当初目標としていた5,000万円に達した段階で、医療防護具の整備、医療従事者のホテル宿泊費支援などに充てることとし、これまでに2,000万円程度を執行したところです。  目標額を超えた8,000万円程度につきましては、インフルエンザとの同時流行に備え、指定した診療・検査医療機関に対して、労災給付上乗せ補償保険料について、国の支援制度の対象外である医療従事者以外の事務員分の保険料の一部に対する支援、職員が新型コロナウイルス感染症に感染したことにより休業を余儀なくされた診療所への休業補償などに充て、地域で適切に診療、検査を受けられる体制を強化し、御寄附等をいただいた方々のお気持ちにお応えしたいと考えております。  なお、このような活用状況について、できるだけ早く、現在までの寄附者の皆さん全員に文書でお知らせをさせていただきたいと思います。そして今後は、適時適切に県のホームページでも活用状況を掲載し、順次これを更新していくこととさせていただきます。  以上です。ありがとうございました。 48 ◯副議長(筱岡貞郎君)柿沢総合政策局長。    〔総合政策局長柿沢昌宏君登壇〕 49 ◯総合政策局長(柿沢昌宏君)私からは、サテライトオフィスの誘致についての御質問にお答えをいたします。  今年度から開始いたしましたサテライトオフィス誘致プロジェクトでは、この分野で実績のあります徳島県の企業に、誘致方針の策定から候補企業とのマッチングまで、企画運営の全般に携わっていただいております。この徳島県の企業は、議員からの御紹介もございましたけれども、地方の魅力は、空き家でありますとか、そういった地域の課題、それこそが魅力であり、それこそがビジネスチャンスであると、そういうことを教えていただいている会社であります。  この企業の御指導の下、現在の取組状況でございますけれども、このプロジェクトに参加いただいております14の市町がございます。そちらの市町ごとに、オフィスとして活用できる物件でございますとか他の自治体との差別化のポイント、こうしたものを整理した誘致方針を策定いただいております。こうしたものを基にしまして、今後、県と市町村が連携し、首都圏等での誘致活動を開始してまいりたいと考えております。  この誘致活動に当たりましては、全体をコーディネートいただいておりますこの徳島県の企業のほか、首都圏等にネットワークを持っております富山県ゆかりの首都圏の民間企業に中心となっていただき、そのほか県内の金融機関、県人会などの支援もいただきながら、進出の可能性のある企業から順番に個別にアプローチをしていくことといたしております。  このように、サテライトオフィスの誘致に当たりましては、民間企業等のネットワークやノウハウを多分に活用させていただくこととしておりまして、議員御指摘の御趣旨に沿うものではないかというふうに考えております。  今後、市町村との連携の下、一つ一つ成果が出せるよう誘致活動に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 50 ◯副議長(筱岡貞郎君)堀口農林水産部長。    〔農林水産部長堀口 正君登壇〕 51 ◯農林水産部長(堀口 正君)県産農林水産物等の輸出についての御質問にお答えをいたします。  県では、平成29年に策定しました県産農林水産物等品目別輸出促進方針に基づきまして、輸出に意欲のある事業者等の新たな市場への展開に対して、取組ステージに応じた支援を行ってまいりました。  具体的には、輸出商談スキルの習得等を目的とした輸出セミナーの開催、輸出先国の制度に対応した施設整備等への支援、アジアの食品バイヤーを招聘した商談会の開催、国際食品見本市への出展やその後のフォローアップの支援などを行っておりまして、こうした取組により、米や米加工品、日本酒等の輸出は着実に伸びてきております。  一方、国では、平成30年に農林水産物・食品輸出プロジェクト、議員からも御紹介がございました、いわゆるGFPプロジェクトを立ち上げ、産地づくりの計画策定等への支援が行われておりまして、県内の産地、事業者においても積極的に活用されているところであります。  また、本年3月には2030年の輸出額5兆円目標が示され、先月末には輸出拡大に向けた実行戦略が関係閣僚会議で決定されたところであります。この国の実行戦略では、重点27品目が選定され、輸出産地の形成に重点的に支援することなども示されており、本県が重点品目とする米や日本酒も国の対象品目となっております。  県といたしましては、こうした国の動向等を踏まえまして、輸出に意欲のある県内事業者等の育成や産地づくり、市場開拓への支援を積極的に行い、関係機関や事業者と連携しながら県産農林水産物等の輸出拡大に取り組んでまいります。 52 ◯副議長(筱岡貞郎君)布野商工労働部長。    〔商工労働部長布野浩久君登壇〕 53 ◯商工労働部長(布野浩久君)私からは、シベリア・ランド・ブリッジについての御質問にお答えいたします。  議員から御紹介がありましたように、昨年度、シベリア・ランド・ブリッジ(SLB)に関する実証実験を4件実施しておりまして、このうちファスナー部材の輸送では、伏木富山港からモスクワまでの輸送に要した日数が過去最短の12日間となり、従来と比べて4日間の大幅な短縮が確認できました。  こうしたことから、今年度さらにSLBの利用促進を図るため、ロシア物流に精通いたします専門アドバイザーを新たに配置いたしますとともに、伏木富山港からSLBを利用する際の国内における輸送費への助成制度を新設しております。  また、議員御指摘のとおり、コロナ禍において空輸便が減便したことにより航空貨物運賃が高騰している中で、特に欧州へのリードタイムを重視する観点から、SLBの優位性に注目が集まっているものと考えております。  こうしたことを踏まえまして、県では、充実した助成制度やSLBの優位性について、この秋に開催いたしました伏木富山港の現地説明会、東京、名古屋での利用促進セミナーなどを通じまして、県内外の荷主企業や物流事業者に積極的なPRを行っております。  引き続き、今年度も実証実験を継続して実施を予定しておりまして、定時性等を再度、実証確認いたしますとともに、専門アドバイザーの活動等により県内外の荷主企業や物流事業者への働きかけを強化し、SLBのニーズの掘り起こしに努めてまいります。  以上でございます。 54 ◯副議長(筱岡貞郎君)中谷観光・交通振興局長。    〔観光・交通振興局長中谷 仁君登壇〕 55 ◯観光・交通振興局長(中谷 仁君)私からは、サイクリングの魅力発信等についての御質問にお答えをいたします。  世界で最も美しい湾クラブへの加盟を機に、県では沿岸市町と連携いたしまして、富山湾沿岸からの美しい自然景観を体感していただけますように、富山湾岸サイクリングコースを整備してきております。加えまして富山の海、森、里──山も含めましてですが──の魅力を楽しむための田園サイクリングコース、その2つを結ぶ湾岸・田園連絡サイクリングコースの整備も進めてきております。  あわせまして、サイクリストの受入れ環境を充実し、国内外にこれらを発信するため、サイクルステーション等の整備促進や、訪日観光客向けのポータルサイトを活用しての情報発信等に取り組んできております。  さらに、現在、新たに県民や国内外の旅行者の皆さんに、より快適にサイクリングを楽しんでいただけますように、県内サイクリングルートを紹介するウェブサイトを日本語と英語で作成中であります。県内外のサイクリング関係者の御意見も伺いながら、観光地や撮影スポット、富山ならではの食などの情報を順次掲載することとしております。  ウイズコロナの時代にありましても、サイクリングは、3密を避けて楽しむことのできる有力な観光コンテンツの一つであると考えております。今後ともサイクリングコースの魅力向上や、さらなる情報発信に努めてまいります。 56 ◯副議長(筱岡貞郎君)江幡土木部長。    〔土木部長江幡光博君登壇〕 57 ◯土木部長(江幡光博君)私からは、サイクリングコースの安全確保についての御質問にお答えをいたします。  今ほど答弁にもありましたが、県では富山湾岸サイクリングコースや田園サイクリングコースなどの整備を進めてきておりまして、これらのコースは、大半の区間が既存の道路にブルーライン等を整備したものであることから、御指摘のように、人家が連担し道路幅員が狭い区間があるなど、一部には走行環境に課題があるというふうに認識をしております。  このため県では、より安全で快適にサイクリングが楽しめるよう、平成29年度から富山湾岸サイクリングコースにおいて、一部区間を専用道化するなどの取組を進めておりまして、これまで滑川市高塚地内から荒俣地内までの約1.5キロや氷見市島尾地内など、合計約14キロの整備を進めてきたところであります。また、今年度は朝日町宮崎地内の約1キロの整備などを進めております。  また、当面の対策としまして、道路幅員が狭い箇所においては、ドライバーやサイクリストが歩行者に注意して走行していただけるよう、看板設置などの対応も行っております。このほか、走行時に注意を要する箇所をサイクリストに把握してもらうよう、ホームページなどで情報発信を行うなどの取組を今後進めることとしております。  今後とも、サイクリストや地域住民の安全を確保できるよう、また快適にサイクリングを楽しめるよう、コースの充実に努めてまいります。  以上でございます。 58 ◯副議長(筱岡貞郎君)石黒厚生部長。    〔厚生部長石黒雄一君登壇〕 59 ◯厚生部長(石黒雄一君)私からは、病児保育施設への支援についてお答えをいたします。  子ども・子育て支援制度におきまして、病児保育事業は市町村が実施主体とされておりまして、病児・病後児対応型の病児保育施設は、現在、県内全市町村で合計31か所が運営されております。運営には、基本分の経費に加えまして、年間延べ利用児童数に応じた加算分を加えた額が補助されておりまして、それにつきましては、国、県、市町村がそれぞれ3分の1ずつを負担しているところでございます。  今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で、施設の休止、また再開後も利用ニーズが少ないことなどによりまして、例年に比べて利用者が減少している施設が多いと聞いているところでございます。利用者が大幅に減少いたしますと、運営補助のうち利用児童数に応じた加算分が減額となりますことから、病児保育の提供体制の維持が困難になることが想定されております。  このため、議員からもお話のありましたとおり、今年度、国においては、前年同月の延べ利用者数を上限として、当該月の延べ利用者数とみなすこととする特例措置が取られているところでございます。この特例措置は、当初は9月末までとされておりましたが、現時点では12月末までの適用とされております。  県といたしましては、来年1月以降もこの特例措置が継続となるよう国に働きかけてまいります。  また、他市町村からの利用を受け付けております施設もあることから、今年度、県内の病児保育施設の概要や空き状況を、ホームページで一元的に確認できるシステムを構築し、施設利用の利便性向上を図ることとしております。  今後とも市町村と連携し、財政面や利便性など様々な方面から病児保育施設の運営を支援してまいります。 60 ◯副議長(筱岡貞郎君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 61 ◯教育長(伍嶋二美男君)私からは、学校へのタブレット端末の配備に関する御質問にお答えをいたします。  県内の小中学校におけるタブレット端末の配備状況については、現在5つの自治体で既に配備を完了しておりますが、今後2つの自治体で年内での配備が予定されており、残りの8つの自治体は、遅くとも令和2年度内には配備が完了する見通しとなっております。  一方、県立高校の端末の機種でありますけれども、既存のハードウエアや校務用コンピューターにより教員が作成した教材等のソフトウエアが活用できるウィンドウズ端末の採用を予定しておりまして、同一機種での整備を進めることにしております。  なお、調達に当たりましては、価格面と技術面の総合的な評価により落札決定する総合評価一般競争入札により、調達を予定しております。  また、納期についてでありますけども、今回の調達は、生徒及び教員を含めまして2万台を超える大規模な調達を予定しておりまして、一方で今後、全国の小中学校等において、GIGAスクール構想の実現に向けて大量の端末が発注されることが見込まれます。こうしたことから需給環境の逼迫などに伴いまして、その納期は令和3年夏前頃になると見込んでおります。  次に、タブレットの使用期間等に関する御質問にお答えをいたします。  小中学校に配備いたしますタブレットについては、購入方式またはリース方式によるものとし、その使用期間は5年間または6年間の予定と聞いております。また県立高校については、購入方式で配備することとしており、その使用期間は5年間を想定しているところであります。  タブレット端末の更新時の費用負担に関しては、現在、いずれの市町村教育委員会も検討中とされております。また県立高校の取扱いについてですが、今回の整備は、一人一人の教育的ニーズや理解度に応じた個別学習への取組を行うなど、いわゆる教育のDXを加速させるためのモデル的な整備を行ったものと位置づけて整備をしたことから、その費用については全額公費負担としたものであります。  議員からお話のあったように、タブレット端末は、将来的には文房具と同様の必需品になることも想定をされますが、県立高校の更新時における自己負担の在り方については、今後の国による財政支援の状況や他県の先行事例なども参酌しながら、その取扱いを検討してまいりたいと考えております。  次に、教員の確保に関する御質問にお答えをいたします。  県教育委員会では、学校の実情に応じた少人数学級のさらなる推進や、小学校専科教員の拡充など、児童生徒一人一人に応じた最適な学びの実現に向けて取り組むこととしております。  現在、全国的にも教員の成り手不足の状況ではありますが、こうした指導体制の整備を図るためには、優秀な教員の確保が何より大事であるというふうに考えております。
     このため、昨年度から「とやまで教員」応援事業といたしまして、県内外の教員志望者を対象として教員UIJターンセミナーの開催や教員養成講座の実施などにより、本県で教員として働くことの魅力とともに、優れた教育環境、子育て環境、住環境等についてもPRをして、本県での教員を目指す志願者の確保に努めております。  また、採用選考検査におきましても、今年度から新たに大学推薦枠の導入をしたほか、あるいは1次検査が一部免除になる講師経験者の要件緩和など、そうした受験者の増加に向けた見直しを不断に行っていますほか、教員OBを確保するために、昨年、再任用教員の処遇改善なども行っております。  今後とも、本県で教員として働くことの魅力のPRはもとより、働き方改革に積極的に取り組み、臨任講師や再任教員も含めた質の高い教員の採用に引き続き努めてまいります。  以上でございます。 62 ◯副議長(筱岡貞郎君)以上で大門良輔君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午後1時48分休憩       ───────────────────  午後2時00分開議       ─────────────────── 63 ◯副議長(筱岡貞郎君)休憩前に引き続き会議を開きます。  津本二三男君。    〔1番津本二三男君登壇〕 64 ◯1番(津本二三男君)日本共産党の津本二三男でございます。  新田知事には、御就任お祝い申し上げます。  私たちは、これまで自民党の政権と一体の立場に立つ県政には、一貫して野党の立場を取ってまいりましたが、新田知事とは、今後、県民のために気持ちよく協力できることが、より大きくなることを心から期待をし質問に入ります。  第1の質問は、新型コロナウイルス対策についてであります。  3点お尋ねいたします。  1点目は、PCR検査等の大規模実施についてであります。  全国で新型コロナ感染の第3波が広がっています。第3波では、第2波と比べて見えにくい形でのクラスターが増え、対応が難しくなっていると言われています。感染拡大を抑える上で、自覚のない無症状感染者の対策が重要になっています。無症状感染者を見つけ出すには、感染者とその濃厚接触者を追及する点と線を基本にしたクラスター対策だけではなく、施設全体、地域全体という面を対象にした規模の大きいPCR等の検査も必要になるものと考えています。  急速な感染拡大が懸念される場合には、感染急増地域を対象にPCR検査等の大規模実施をちゅうちょなく行うべきと考えますが、いかがでしょうか。あわせて経路不明の感染が相次いで発生するなど、市中感染の広がりが見られる場合には、重症化リスクのある医療・介護施設等の一斉定期検査の速やかな実施を求めたいと思います。  PCR検査等で早期に感染拡大を抑えることが、県民の命と健康を守り、結果的には一番の経済対策となります。いかがでしょうか、知事の所見をお伺いいたします。  次は、持続化給付金であります。  コロナ禍が長引いています。利用者の方からは、この状況が続けば経営継続が難しいといったお話を伺います。  東京商工リサーチは、9月23日、年末にかけての倒産、廃業が急増し、大廃業時代が現実味を帯びてきていると指摘をいたしました。それを避けるために有効な対策を取らなければなりません。持続化給付金の第2弾、第3弾といった継続的支援が必要になっていると考えます。  持続化給付金は、もともと第2波や第3波を想定していなかった段階のものであります。1回限りとせずにコロナ収束まで事業を維持できるように、継続的な支援を国に求めるべきと考えますが、商工労働部長に所見をお伺いします。  次は、保育従事者等への慰労金支給についてであります。  医療や介護従事者の皆さんに対し、ウイルスとの闘いの最前線で奮闘していることに感謝するとの意味合いを込めて、慰労金が給付されています。  ウイルスとの闘いの最前線で奮闘という点では、保育も同じであります。子供たちとの密接が避けられない感染リスクの中で、使命感を持って保育等を行っておられます。学校が休業していたときに、保育従事者らのこうした懸命の奮闘がなかったら、社会と経済はもっと混乱していたと思います。  このたび、福井県では、保育所など児童福祉施設等の従事者に対し、1人5万円の慰労金を支給することになったと聞いています。富山県としても検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、厚生部長にお尋ねいたします。  第2の質問は、地域経済の活性化についてであります。  1点目は、アベノミクスの評価です。  安倍前首相自らは否定されていますけれども、アベノミクスは、大企業の経営さえ支援すれば、いずれ家計に回るというトリクルダウンの考えをベースにしたものだと考えています。  大規模な金融緩和などで大企業や大資産家の利益は空前の規模に増大し、大企業は内部留保を積み上げました。しかし、その富が滴り落ちることはなく、労働者の賃金は伸びず国民の所得は低迷し、安定した雇用は増えませんでした。さらに消費税の5%から8%へ、8%から10%への2度の増税は国民の暮らしを直撃し、消費を冷え込ませました。アベノミクスは、貧困と格差を広げ経済を落ち込ませてきたと私は考えています。  この8年間にわたるアベノミクスをどう評価されているのか、知事の所見をお伺いいたします。  次に、富山県成長戦略会議についてであります。  今定例会の提案理由説明において、知事は、本県の未来を切り開くため富山県成長戦略会議を設置し、富山県のさらなる発展に向けたビジョンや具体的な戦略を策定するとともに、スピード感を持って施策に反映すると表明されました。  かつて前知事が設置した諮問会議において、議会のコントロールが効かず、権限が議会よりも上にあるかのような諮問会議があったと聞きます。当時の会議録を見てみました。諮問会議から出された提言を変更させるのは、議会であっても議員であっても並大抵のことではなく、県民にとっては、なおさら並大抵のことではないといった発言もありました。  専門家や有識者の意見を県政に反映させることは必要です。しかし県民が主役とするなら、諮問会議から出された提言をたたき台として、県民の意見や議会での議論を通じてさらに練り上げる、そして県政に反映させていく、こうしたやり方が大事だと思えます。  設置される富山県成長戦略会議はどうなのか、県政における位置づけをどのように想定されているのか、知事にお尋ねいたします。  第3の質問は、デジタル化の取組についてであります。  1点目は、個人情報とプライバシーの保護についてであります。  中国は、統一社会信用コード、ビッグデータ、AIの活用で、世界の最先端を走っていると言われています。統一社会信用コードとは、日本で言うマイナンバーのことではないかと思っています。人々は、様々な最先端のサービスを受けるため、自ら進んで個人情報を大企業や政府に提供しています。一方、政府と大企業は、集まった膨大なデータをAIで分析し、国民への監視や統治に活用しているとのことです。  私が今回勉強してみて衝撃を受けたのは、中国の信用スコアの活用です。信用スコアとは、AIが、様々なデータからその人の信用度を分析して、一人一人につける点数のことであります。学歴、職業、年収、貯金や資産、そして消費行動などが、スコア(点数)に反映される。さらにボランティア活動に参加すると点数が上がり、交通違反や町でごみのポイ捨てなどをすると減点になる。  スコアが高ければ、金融機関からの融資枠が広がり、様々な行政サービスが優先的に受けられるようになる。スコアが低ければ、融資を拒否され、行政サービスから排除されることもある。悪いことをして乗り物に乗れなくなった、借金を踏み倒したら町中にさらされた、こういったニュースもあるそうです。さらに信用スコアは、企業の採用や結婚相手の選定にも使用される。人々は、自分のスコアを上げることが人生の目的になっていくというものであります。  中国のデジタル化は、日々の行動だけでなく、人生まで監視されているような異様で息苦しい社会に向かっているように思えてなりません。暮らしに役立つデジタル化は進めるべきだと考えています。しかし中国のような社会にしてはならない、このように考えています。  個人情報とプライバシーを保護しつつ生かす、こうしたルールを、デジタル化を進めるに当たってしっかり据えることが極めて重要だと考えます。いかがでしょうか、知事の所見をお伺いいたします。  2点目は、自治体システムの標準化についてであります。  政府は、来年9月を目指して創設されるデジタル庁について、骨格を決めたと報道されています。現在は省庁や自治体ごとに異なるシステムにも責任を持って関与し、標準化や共通化を推進するとのことであります。  また、これまでも自治体のスマート化には、自治体ごとにばらばらなシステムの標準化が必要と言われてきました。しかし自治体システムの標準化は、それぞれの市町村が行っている様々な住民サービスの上乗せ、横出しを困難にするのではないかと危惧をしています。いかがでしょうか、経営管理部長の所見をお伺いいたします。  第4の質問は、気候変動対策についてであります。  一昨日の11月2日、世界気象機関(WMO)が、今年1月から10月の平均気温を発表いたしました。産業革命前と比べ約1.2度上昇したとのことでありました。  地球温暖化防止のためのパリ協定は、地球の気温上昇をできれば1.5度以内に抑えるとしました。そして最近のIPCC報告書によれば、1.5度以内を実現するためには、温室効果ガスの排出削減のスピードを上げなくてはならない、2030年までに2010年水準から45%削減する必要があるとしました。新とやま温暖化ストップ計画が基準とする2013年度比に直せば、55%という大きな削減目標が求められています。  これを踏まえ、3点についてお尋ねいたします。  1点目、とやまゼロカーボン推進宣言についての知事の評価と今後の対応、あわせて県として気候非常事態宣言を検討してはどうかと考えますが、知事の所見をお伺いします。  ちなみに、温室効果ガス排出の削減を進める気候動員には、2つの動員があると言われています。1つは技術の動員、もう一つは社会の動員で、デモクラシーの技術の限りを尽くして市民や事業者を行動計画作成に動員するというものであります。  日本は技術の動員に偏り過ぎている、このように指摘されています。ゼロカーボンの実現には、県民の協力がなくては望めません。県民に気候変動についての危機感を共有してもらい、気候危機を防ぐ行動への参加を訴える気候非常事態宣言も必要ではないかと考えています。いかがでしょうか。  次に、県の再生可能エネルギービジョンについてであります。  この再生可能エネルギービジョンの目標年次は来年度2021年度であり、見直しの時期に来ています。見直しに当たっては、県内での再生可能エネルギーの目標を、2050年までにゼロカーボンを目指す、とやまゼロカーボン推進宣言に沿ったものにすべきと考えますが、いかがでしょうか、商工労働部長の所見をお伺いいたします。  次に、石炭火力発電所と原発についてであります。  石炭火力発電は、高効率であっても大量の二酸化炭素を排出いたします。また原発は重大事故の危険があり、稼働によって生み出される放射性廃棄物は将来世代に負の遺産となります。またトラブルなどで停止が相次いでおり、重要なベースロード電源としての役割を果たしていません。  温室効果ガスの排出削減を進めるに当たっては、石炭火力発電と原発に頼ることなく、再生可能エネルギーの拡大を目指すべきと考えますが、いかがでしょうか、商工労働部長の所見をお伺いいたします。  第5の質問は、核兵器禁止条約についてであります。  2017年7月に国連で採択された核兵器禁止条約は、今年10月25日、批准国が50に達し、来年1月に発効する見通しとなりました。  この条約は、核兵器を使うこと、核兵器を使って威嚇することを違法とするものであります。さらに核兵器の製造、保有、開発、実験することも違法とするものであります。つまり国際社会として、核兵器に悪の烙印を押し、開発から使用までを全面的に違法とし禁止するものであります。  世界から核兵器をなくすには、この道しかないと私は確信しています。より多くの国が、この条約を支持し批准し、確固としたものにしていかなければなりません。被爆国である日本が批准すれば、その推進力になることは間違いありません。  11月20日、広島市と長崎市の市長が外務省を訪れ、条約の源流をつくったのは被爆者だ、唯一の戦争被爆国としてその中に加わってもらいたいと、政府に条約の早期批准を求めたと報じられています。富山県としても国に批准を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか、知事にお尋ねいたします。  第6の質問は、英語教育の充実についてであります。  市町村は、小中学校の子供たちに生の英語に接してもらうため、外国人のALTを配置しています。小学校の授業を拝見したことがあります。子供たちがゲームを楽しみながら、英語で、しかもきれいな発音でALTとやり取りをしているのが印象的でした。  ALTには2種類あり、政府が国際交流として進めるJET-ALT、そして民間事業者が派遣する民間ALTがあります。国際交流を目的とするJET-ALTのほうは地方交付税により支援があり、市町村の負担は生じないのですが、教育現場としては使い勝手が悪いと聞いています。そのため多くの自治体は、やむを得ず財政支援のない民間ALTを採用しています。1人につき約500万円の財政負担がかかるとのことであります。  県としては、こうした市町村の状況を理解し、支援を検討すべきではないかと考えます。いかがでしょうか、教育長の所見をお伺いいたします。  第7の質問は、県営住宅の環境改善についてです。  県営住宅は、昨年度の決算によれば、2,628戸あるうち入居は2,088戸で空き部屋が540戸、年間の退出、転出174に対し入居、転入は106で、差引き70の減少だったとのことであります。これでは家賃収入も減っていくことになります。住環境の改善を検討すべきだと考えます。  不動産業者によれば、民間アパートでは、学生向けであれ世帯向けであれ、ウォシュレットのトイレとエアコンは今では当たり前とのことであります。数十年前の建設当時のままになっている県営住宅の住環境を現代の民間アパート並みに改善し、若い人たちが入居しようと思えるものにしてはどうかと考えます。  このことは、若い世帯に良質で低廉な住居を提供することで少子化対策にもつながり、また若い人たちの入居によって切実になっている地域の活力を支えることにもつながるものと考えています。いかがでしょうか、土木部長の所見をお伺いいたします。  以上で私の質問といたします。 65 ◯副議長(筱岡貞郎君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 66 ◯知事(新田八朗君)津本議員の御質問にお答えします。  まず、PCR検査等の大規模実施についての御質問でした。  新型コロナウイルス感染症の検査については、検査が必要な方が、より迅速、スムーズに検査を受けられるようにすること、濃厚接触者に加え感染拡大を防止する必要がある場合には、広く検査が受けられるようにすることが重要です。  また、最近の国の通知では、感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては、自治体の判断により、現に感染が発生している店舗、施設に限らず、地域の関係者を幅広く検査すること、特に医療機関、高齢者施設等については、勤務する者、入院・入所者全員を対象に一斉、定期的な検査を実施することを、自治体に対して求めています。  県では、これまでも感染者が発生した場合には、感染者の症状の出現時期や行動歴を聞き取りし、感染源や感染経路に関する調査を丁寧に行い、濃厚接触者に限らず接触があった方や接触の可能性がある方などを対象に、幅広くPCR等の検査を実施してきました。  風評被害の防止の観点から具体のことは申し上げられませんが、ある感染事例におきましては、濃厚接触者、接触があった方、接触の可能性がある方、また検査を希望される方などなど、幅を広げまして300余名の方の検査を実施した実例もございます。そのようにこれまでも運用してまいりました。  今後とも、感染者の発生の動向や感染経路不明者、いわゆる孤発例の状況、クラスターの発生やその規模などを総合的に勘案し、感染拡大防止の観点から必要と判断したタイミング、頻度で、高齢者施設や医療施設等における大規模な検査等を、ちゅうちょすることなく迅速に実施してまいります。  次に、アベノミクスについての御質問にお答えします。  平成24年12月に始まりました第2次安倍政権において、当時の安倍首相が提唱された経済政策は、大胆な、異次元のという言い方もされましたが、金融政策、そして機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略、いわゆる3本の矢と言われましたが、それによって物価が継続的に下がっていたデフレからの脱却、そして持続的な経済成長を目指したものでした。  このアベノミクスにより、全国的には名目の国内総生産が、この平成24年から直近データがあります29年までの間に10.76%伸びております。雇用環境も改善するなど、2008年に起きましたリーマンショック以降の深刻な経済状況から脱することができたという、一定の評価ができるものと思っております。  本県においては、医薬品生産金額あるいは企業立地件数、製造品出荷額、1人当たりの県民所得、有効求人倍率等が大きく伸びました。  その一方で、県内総生産については、例えば石川県と比較しますと、平成22年度から26年度までは本県が上回っていたわけですが、27年度から直近である29年度まででは本県が下回っています。県内経済全体を中長期的な観点で見ますと、アベノミクスを十分に生かした経済成長ができなかった部分もあったのではないかと認識をしているところです。  私は、富山県であれば安心して働ける、生活もできる、子育てもできる、したいことに挑戦もできる、ワクワクするような気持ちの持てる社会をつくっていくことが重要だと考えています。  そのためには、いかに雇用を生み出せるか、また企業や個人の所得を増やせるかが重要だと考えており、県民に経済成長の実感が行き届くよう、ワンチームで取り組んでいきたいと考えております。  次に、富山県成長戦略会議について御質問をいただきました。  新たに設置を予定しております富山県成長戦略会議については、人口減少、少子高齢化が進む中、現下の新型コロナによる厳しい経済情勢を乗り越え、新しい富山県のさらなる発展に向けたビジョンや戦略を策定するために設置するものです。  この会議では、県内外の有識者等の方々を構成メンバーとして、主に経済産業分野を中心に議論を進め、提言をいただきたいと考えております。  一方で、議員も御指摘にありましたように、私は、県政運営に当たっては、県民が主役の県政を進めたいと考えております。  このため、この成長戦略会議においても、中間取りまとめ、あるいは戦略の素案作成の段階等において、議会には報告をさせていただきたいと考えております。また県民や民間企業等の皆さんからは、パブリックコメントを受け付けるなど御意見をお聞きする方法についても、これから工夫をしてまいります。  成長戦略会議においては、県議会はもとより県民の皆さんの御意見を反映した、言わば県民の皆様がワンチームとして英知を結集した戦略が策定できるように取り組んでまいります。  デジタル化の取組についての御質問にお答えします。  今後のデジタル化の取組に当たっては、個人情報とプライバシーの保護を徹底し、県民の理解を得ながら推進することが重要だと考えております。
     本県では、これまでも職員に対する個人情報保護等に関する研修の実施や、外部委託を行う際に個人情報取扱特記事項を定めた契約を締結してきたところです。  加えて、マイナンバーに関しては、関連する事務を取り扱っている全部署に対して実地の監査を定期的に実施し、人的、物理的、組織的、技術的などの面から、安全管理に関する措置が適正に行われていることを確認しております。  本県の個人情報保護条例においては、個人情報について、原則として利用目的以外の目的で利用、提供してはならない旨を定めています。また同条例の趣旨として定めている、高度情報通信社会の進展に伴い、個人情報の利用が拡大していることに鑑み、県政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利、利益を保護することを踏まえて、県民の皆様に安心していただける形でデジタルの取組を進めてまいります。  次に、ゼロカーボン推進宣言についての質問にお答えをします。  先ほどの質問でもお答えしたところでもありますが、菅総理や経済産業省の幹部にお会いした際、2050年カーボンニュートラルについて大変力を込めて言っておられたところでございます。  3月に本県では、とやまゼロカーボン推進宣言を行いました。これは、このようなゼロカーボンの流れに乗って行われたものであり、至極自然な方向だと評価をしているところです。引き続き省エネルギー、再生可能エネルギー導入促進等に努めるとともに、温暖化対策は最大のイノベーションであり、本県でも、これをチャンスとして新産業創出につなげていきたいと考えております。  カーボン減って県滅びる、などということは冗談にもなりませんので、あくまで、このゼロカーボンへの取組を新たなチャンスと捉えて取り組んでいきたいと考えております。  また、気候非常事態宣言についてですが、長崎県の壱岐市あるいは神奈川県の鎌倉市、長野県等、40ほどの自治体が宣言されていることを把握しています。例えばお隣の長野県では、昨年12月に県議会で決議され、それに呼応して県がゼロカーボン宣言とともに非常事態宣言をされております。  本県のゼロカーボン宣言では、気候変動の影響が現れていることの危機意識を表明した上で、幅広い県民、事業者と富山県が密接に連携協力して積極的に取り組むということを宣言しており、議員のおっしゃる県民の協力、すなわち社会の動員を掲げているところで目指す方向性が一致していることから、今改めて気候非常事態宣言を行うことは考えておりません。いずれにしましても温暖化対策へ向けて官民を挙げて取り組んでまいります。  最後に、核兵器禁止条約についての御質問にお答えします。  言うまでもなく、核兵器を廃絶し恒久平和を実現することは、世界で唯一の被爆国である我が国はもとより人類共通の願いです。  核兵器禁止条約については、去る10月24日、批准数が条約発効に必要な50か国に達したということは、議員の御指摘のとおりでございまして、来年1月22日に発効することとなりました。  従来からの政府の方針は、条約が目指す核廃絶というゴールは我が国も共有しているが、我が国の考え方とアプローチを異にしていることから参加はしないと承知をしております。  核兵器廃絶のための現実的な取組として、核兵器不拡散条約など核兵器国と非核兵器国が参加する枠組みでの議論を基本とする政府の方針は理解できる面もあり、今後、国際社会の動向を踏まえ、政府が適切に対応することを期待をしておきたいと思います。  本県では、これまでも、政府の基本的立場を踏まえながら、これまで戦争体験者による県内小中学校等での語り部講話、中学校の修学旅行での広島訪問などによる平和教育を推進してまいりました。また様々な国際交流・協力事業を通して、経済や環境、文化、スポーツなど幅広い分野で国際化を進め相互理解を深めるなど、世界の平和と友好の実現に向け取り組んでまいりました。  今後とも、様々な平和教育を推進するとともに、国際交流・協力事業を通して経済や文化など幅広い分野での国際化を進めることにより、世界の平和と友好の実現に寄与してまいります。  以上です。 67 ◯副議長(筱岡貞郎君)布野商工労働部長。    〔商工労働部長布野浩久君登壇〕 68 ◯商工労働部長(布野浩久君)私からは、まず持続化給付金についての御質問にお答えいたします。  国の持続化給付金は、感染症拡大により大きな影響を受けている事業者にとって、事業の継続を支え再起の糧となる有効な支援制度であると考えております。  このため、全国知事会として国に対し、これまで5月と9月に給付金の複数回支給や売上支給要件の緩和など、緊急提言をしております。また11月20日には、給付対象の要件緩和に加えまして支給対象の拡大や期間の延長、郵送申請の導入など、柔軟な対応が図られるよう求めており、さらに11月24日には、持続化給付金等の再度の支給も含めリーマンショック時を上回る追加の経済対策を講じるよう、重ねて国に提言をしております。  全国的に新型コロナの第3波とも言える状況が到来し、厳しい状況にある県内事業者へのさらなる影響が懸念されており、引き続き全国知事会と連携して、国への働きかけや県内事業者が活用できる国の各種支援制度等の情報収集に努めてまいります。  次に、再生可能エネルギービジョンの見直しについての御質問にお答えいたします。  県では、平成26年4月に策定いたしました富山県再生可能エネルギービジョンに基づき、小水力発電所の整備箇所を2012年度比で約2倍とするなどの目標を立て、再生可能エネルギーの導入促進に取り組んでおります。  ゼロカーボン宣言でも述べられていますとおり、再生可能エネルギーの導入促進を図るためには、県だけでなく国を挙げての取組が重要であり、県では、国の各種施策を活用しながら、その導入促進に取り組んでおります。  現在、国においては、エネルギー政策の基本的な方向性や再生可能エネルギーの電源構成などを示す、第5次エネルギー基本計画の見直しにつきまして、有識者会議で議論が進められており、来年夏頃の改定を目指して、再生可能エネルギー導入拡大の方向性や施策等が検討されております。  議員から御紹介がありましたとおり、県の再生可能エネルギービジョンは令和3年度までを計画期間としておりまして、その改定に当たっては、こうした国のエネルギー基本計画の見直しの動きを注視しながら、ゼロカーボン宣言を踏まえ生活環境文化部と連携しながら見直しを検討してまいります。  最後に、石炭火力と原発に頼ることなく、再生可能エネルギーの拡大を目指すことについての質問にお答えいたします。  県では、再生可能エネルギーを、ゼロカーボン実現のための施策の一つとして位置づけております。再生可能エネルギーの導入を促進するためには、今ほども申し上げましたが、県だけでなく国を挙げての取組が重要であります。県においては、国の各種施策を活用しながら取り組んでいるところであります。  一方、国においては、エネルギー基本計画に基づいて、2030年のエネルギーミックスにおける各種電源構成比率の実現に向けた施策が進められております。こうした中、現在、国では来年夏頃に向け、このエネルギー基本計画の見直しが行われており、原子力の位置づけや再生可能エネルギー、石炭火力の電源構成の割合等の議論がなされていると伺っております。  こうしたことから、県としては、新しい国のエネルギー基本計画における石炭火力や原子力を含むエネルギー対策の動向を注視しながら、引き続き再生可能エネルギー導入促進に取り組んでまいります。  本県は、包蔵水量が全国第2位であるなどポテンシャルがあり、小水力発電など本県の地域特性を生かした多様な再生可能エネルギーが導入されており、こうした取組を推進することで新商品、新技術の開発、ひいては本県産業の振興につながるように努めてまいります。  以上でございます。 69 ◯副議長(筱岡貞郎君)石黒厚生部長。    〔厚生部長石黒雄一君登壇〕 70 ◯厚生部長(石黒雄一君)私からは、児童福祉施設等の従事者への慰労金支給についてお答えをいたします。  まず初めに、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、子供への感染防止に最大限配慮しながら、継続的な保育の提供や子供の預かりなど、献身的に取り組んでいただいております保育所をはじめ児童福祉施設の職員の皆様に、改めて感謝を申し上げます。  次に、お尋ねの内容についてでございますけれども、国の緊急包括支援交付金におきましては、医療・介護従事者と違いまして、保育士等への慰労金は措置されておりません。その理由といたしましては、国から聞いておるところでは、医療・介護施設は収入は減少しているが、保育所等は臨時休園した場合でも運営費が通常どおり支給され、保育士等は通常どおりの給料が支給されていること、児童福祉施設はクラスター発生事例が少なく、10歳以下の死亡事例がないことなどと聞いております。  一方で、新型コロナウイルス緊急包括支援交付金では、児童福祉施設等への支援といたしまして、マスクや消毒液等の衛生用品や感染防止のための備品の購入等に関する支援に加えまして、職員が感染症対策の徹底を図りながら業務を継続的に実施する事業、これが支援対象とされまして、これには職員が通常想定していない感染症対策に関する業務に伴う手当なども含まれておりまして、各施設におきましては、この支援制度を有効に活用していただければと考えております。  新型コロナへの対応につきましては、国全体での取組でありまして、保育所など児童福祉施設の職員に対しまして慰労金を支給する場合には、制度的に国において統一的な扱いが示されることが望ましいと考えております。引き続き全国知事会などを通じまして国に対して要望してまいります。  以上でございます。 71 ◯副議長(筱岡貞郎君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 72 ◯経営管理部長(滝 陽介君)自治体システムの標準化に関します御質問にお答えをいたします。  骨太の方針2020では、次世代型行政サービスを強力に推進する取組の一つといたしまして、地方自治体の基幹系業務システムの統一・標準化というものが政府の方針として位置づけられております。  システムの標準化は、マイナンバー等のシステムのデータ連携の促進でありますとか、全国的な制度の改正時の迅速な対応を可能にし、また、それらに関します初期コスト、ランニングコストの大幅な低減が期待できるものでございます。  一方で、国が主導する方針でございますこのシステムの標準化につきましては、現時点でまだ詳細が判明していないという段階でもございます。  システム標準化につきましては、あくまでも全国統一的な事務に対応する部分が中心になると考えてございますが、今後の制度設計に際しましては、委員から御指摘がありました各自治体が行っております上乗せ、横出しサービスにも柔軟に対応できるシステムを構築いただきますように、国の動向も注視しつつ、必要に応じて国に対し知事会等と連携して提言をしてまいりたいと考えております。  なお、本県におきましては、マイナンバー制度が導入された際に、県と市町村から構成をいたしております富山県共同利用型自治体クラウド会議が中心となりまして、各市町村のシステムの標準化を図り、市町村のシステム改修等に関するコストの低減にも寄与してきたところでございます。  各市町村が独自に施策を行っている場合には、それに関連いたします改修は、当然許容する仕組みというふうにしておりまして、各市町村独自の行政サービスの提供に支障が生じたということはなかったと認識をしております。  県といたしましては、こうした本県の取組等も含めて、国との情報共有、連携を図り、自治体システムの標準化が、県や市町村の行政サービスの効率化、質の向上に資するものとなりますように努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 73 ◯副議長(筱岡貞郎君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 74 ◯教育長(伍嶋二美男君)私からは、ALTに関する御質問にお答えをいたします。  ALTの配置については、各市町村教育委員会におきまして、所管する小中学校での配置数が決められており、実際の配置については、JETプログラムまたは民間事業者からの派遣により対応されております。  このJETプログラムにつきましては、その人件費等について地方交付税措置がなされておりまして、県としては、これまでも各市町村教育委員会に対しまして、JETプログラムによるALTの配置につきまして、財政支援措置や、あるいは事務手続の面を含めて、これまでも制度の周知を図ってきております。  各市町村教育委員会では、こうした財政措置やその他の面なども考慮して、JETプログラムまたは民間のいずれかを選択されているものと承知しています。  県教育委員会といたしましては、ALTや地域人材を活用する英語の学習活動、これについては望ましい取組と考えております。しかしながら県としての支援を検討するに当たりましては、市町村が交付税措置が見込まれるJETプログラムを活用されずに民間事業者を採用していること、また市町村が民間事業者の活用について、やむを得ないとされた事由、これにつきましては近年、JETプログラムのALTの配置数や、あるいはサポート体制が使いやすいように改善されており、またJETプログラムを活用している市町村との均衡、こうしたことも考慮して適切に判断していく必要があるものと考えておりまして、なかなか難しい面もあるのではないかと考えております。  また一方、英語教育の充実に向けたサポートといたしましては、本年度から小学校において英語が教科化されたことを踏まえますと、ALTの活用と併せまして、英語の授業に関連する専門性を有する教員、例えばこれまでも本県で積極的な配置に取り組んできた英語の専科教員、こうした学習支援員をバランスよく配置していくことなども今後検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 75 ◯副議長(筱岡貞郎君)江幡土木部長。    〔土木部長江幡光博君登壇〕 76 ◯土木部長(江幡光博君)私から、県営住宅の環境改善についての御質問にお答えをいたします。  県営住宅は、住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸するものでありまして、本県では令和元年度末で富山市、高岡市、射水市の3市に24団地2,628戸を管理しております。  県営住宅では、これまでも計画的に長寿命化に向けた修繕、改善をはじめ、住戸のバリアフリー改善や断熱化工事、電気容量アップの工事など、入居者の住環境の改善に努めております。  議員お尋ねの温水洗浄便座やエアコンについては、入居者の希望に応じ自己負担で設置していただいており、他の東海北陸7県の県営住宅の取扱いも全て同様となっております。  仮にこれらを県で整備する場合は、この費用を家賃に上乗せせざるを得ないことや、既に自己負担で設置している入居者との公平性にも配慮する必要があると考えております。  県としましては、県営住宅が住まいのセーフティーネットとして重要な役割を担っていることから、まずは低廉な家賃水準を確保することが重要と考えており、その中でできる限り良好な住環境を維持できるよう引き続き取り組んでまいります。  以上でございます。 77 ◯副議長(筱岡貞郎君)以上で津本二三男君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午後2時45分休憩       ───────────────────  午後2時55分開議       ─────────────────── 78 ◯議長(上田英俊君)休憩前に引き続き会議を開きます。  酒井立志君。    〔14番酒井立志君登壇〕 79 ◯14番(酒井立志君)11月定例会に当たり、さきの通告に従いまして3項目、分割質問いたします。  初めに、スポーツ行政について質問します。  私たちは感動で一つになる、をモットーに開催される東京オリンピック・パラリンピックは、新型コロナウイルスの感染対策をしっかり講じて、立派に開催されることを祈念いたします。  1964年、アジアで初めて開催された東京オリンピックは、戦後復興の象徴として、国民の心を一つにしたと言われています。当時、私は9歳、小学校3年です。テレビ画面を通して、大きな外国選手に一歩も引かない日本選手の活躍に歓喜あふれていました。  特に印象に残っているのは、東洋の魔女と言われた日本女子バレーボールチームの回転レシーブです。とてもすてきでした。私が野球でセカンド守備の際、ぎりぎりのボールをキャッチするとき、それをまねして、よく活用させていただいたものであります。  あの日本女子バレーボールチームのユニホームは、小矢部市でゴールドウインが製造していたということを、過日、視察で現物を目の当たりにして教えていただき、改めて56年の時を超え、あの感動がよみがえりました。来夏は、八村選手、馬場選手らも日本代表のユニホームを着る見通しがあることから、活躍を通して子供たちにも、夢、希望、勇気を与える大会になることを願っています。  以下、本県のスポーツ行政について5点質問いたします。  国は、東京オリンピックを契機としてスポーツ産業の市場規模を、2025年までに現行の5.5兆円から15兆円に増やす目標を掲げています。スポーツには様々な楽しみ方があります。自ら行うスポーツ、観戦を楽しむスポーツ、ボランティアとして支えるスポーツなど、どのような形であれ、スポーツに関連した商品やサービスの消費は確実に増えるでしょう。そのことは全国の地域スポーツの活性化につながります。  東京五輪は、県内プロスポーツを含め幅広い分野の地域スポーツを盛り上げ、活性化させる絶好の機会と考えるが、本県のスポーツ活性化をどのように図るのか、新田知事に伺います。  県内の企業スポーツは、東京オリンピック代表候補を擁立するトナミ運輸や、過日、都市対抗野球大会に北信越代表として出場した伏木海陸運送などの活躍が光ります。企業チームは、プロの道に進まず、社会人として収入を得ながら競技に打ち込める場を選手に提供するとともに、地域をスポーツで盛り上げています。  県内の優秀なスポーツ選手が首都圏の大学に進学後、Uターンしたくてもスポーツを継続できる受入れ企業がないのは残念なことであり、地域振興、地方創生にもつながりません。大学と企業はオリンピック競技を支える2本柱であり、地域を挙げて応援してはと考えるが、本県出身の優秀なスポーツ人材の確保に向けてどのように取り組むのか、蔵堀政策監に伺います。  総務省の2016年調査では、スポーツ観戦が盛んな地域は、広島、宮城、福岡、神奈川県の順で、野球やサッカーのプロチームが本拠地を置く都道府県が多いようであります。富山県は全国で19位にとどまります。プロ、大学、企業を問わず、各競技の観戦、応援に多くの県民が日常的に競技場に訪れることが、地域経済の活性化につながると考えるが、どのように取り組むのか、蔵堀政策監に伺います。  今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で学校の全国的な休校が行われ、部活動も実施できず、運動部の競技力や文化部の技術力の低下も懸念されたところであります。  一方で、部活動は教員の多忙化に拍車をかけており、その対策が喫緊の課題となっています。国の方針では、令和5年度からの部活動の地域移行の受皿の一つとなる総合型地域スポーツクラブとの連携や指導者の派遣について、管理する県体育協会が重要となっています。  そこで、部活動の地域移行に向けてどのように取り組もうとしているのか、総合型地域スポーツ等の関係団体との連携も含めて、伍嶋教育長に所見を伺います。  本県の健康寿命が全国で上位を占める中、全国健康保険協会富山支部の2019年度健診データレポートでは、本県の健診受診率は全国で5位、1人当たり医療費は全国2番目に少なくなっている一方で、運動習慣の定着度が低く、運動習慣の改善が必要な人の割合は、男性が71.0%で全国47位、女性は75.8%で45位となっています。  身近な地域で気軽に運動・スポーツに取り組むことができる環境整備が、生活習慣病の軽減、健康寿命の延伸につながると考えるが、どのように取り組むのか、新田知事にお伺いをいたしまして1項目めの質問を終わります。 80 ◯議長(上田英俊君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 81 ◯知事(新田八朗君)酒井議員の質問にお答えします。
     まず、東京オリンピックを契機とした地域スポーツの活性化についての御質問でした。  オリンピック選手などのトップアスリートが、力強く闘志あふれる高度な実力を発揮する姿は、人々に感動や勇気を与え、また将来を担う子供たちにとっても、スポーツをする、またスポーツを支える人たちにとっても、意欲を喚起する大きな原動力になると考えています。  こうしたことから、県では、東京五輪に向け、県や市町村のスポーツイベントやスポーツ教室などにオリンピック出場選手などを招聘し、県民と交流する機会づくりに努めるなど、機運の醸成に取り組んでまいりました。  また、県内で開催される地元プロスポーツチームのホームゲームをはじめ、国際大会や日本リーグなどトップレベルの試合観戦の機会は、スポーツの普及のみならず、例えば富山マラソンでは1大会で15億円を超える経済波及効果が試算されるなど、地域経済の活性化にも大きくつながるものと期待をされております。なので、それらの開催に対しても支援を行ってきたところです。  来年は、議員おっしゃるとおり、いよいよ東京五輪開催の年であり、県民のスポーツへの興味・関心が一層高まることが予想されます。そのため、県民がスポーツに親しむことができる環境の充実、全国や世界のひのき舞台で活躍できる選手の育成、スポーツを支える人材の育成と活用などに取り組み、地域の活性化につながるよう、県体育協会や競技団体、また市町村や企業など関係機関と連携して、本県のスポーツ活性化に取り組んでまいりたいと考えております。  特に、なかなか、いつも日本リーグとか、あるいは国際大会を富山県に持ってこられるわけではないので、恒常的に見られる場としては、やはりプロスポーツの頑張りが挙げられると思っています。  ただ、もともといずれのチームも経営的には大変厳しいと承知しておりまして、そこに今コロナ禍でますます大変な状況だと推察します。それぞれ企業ですから、倒産してしまったら、もうそこで終わりだと思うんですね。ですから、そうならないように、皆さんの御意見もいただきながら、何とかぎりぎり踏ん張ってもらえるように、まずはプロスポーツチームの存続を応援していければというふうに思っています。  次に、スポーツに取り組むことができる環境整備についての御質問にお答えします。  県では、県民一人一人が健康で元気な生活を送ることができるよう、運動習慣の定着、野菜摂取、減塩などの食生活の改善、健康経営の普及などに取り組んでいます。  このうち、運動習慣の定着については、運動を習慣的に行う方の割合が増加傾向にあるものの、なお目標に達していないことから、誰もが気軽に運動・スポーツに親しむことができる環境づくりを、さらに推進することが必要だと考えています。  このため、気軽に始めることができるウオーキングの促進策として、スマートフォンアプリ、元気とやまかがやきウォークを開発して活用をしております。ダウンロードいただいていますでしょうか。富山県民歩こう運動推進大会の開催、また歩きやすい靴や服装での通勤、就業を促すウォークビズとやま県民運動の展開などに取り組んでいます。  また、幅広いスポーツ志向に対応した総合的なスポーツ大会として、富山県スポーツフェスタを開催しております。加えて国際健康プラザや県総合体育センターなどの県有施設や市町村の社会体育施設等を合わせると、県内で約600以上の整備されている健康増進施設等において、各種の健康教室や運動講座等の健康づくりに向けた事業が実施されており、県民の皆さんが身近な地域で気軽に運動・スポーツに取り組むことができる環境づくりを進めているところです。  今後ともこうした取組を通じ、県民の運動習慣の定着を促進し、健康寿命の延伸につなげてまいります。  以上です。 82 ◯議長(上田英俊君)蔵堀政策監。    〔政策監蔵堀祐一君登壇〕 83 ◯政策監(蔵堀祐一君)まず最初に、本県出身の優秀なスポーツ人材の確保に関する御質問にお答えをいたします。  県では、これまで全国や世界のひのき舞台で活躍するアスリートの強化を図りますため、合宿、遠征の支援やスポーツ医・科学トレーニングサポートの充実を推進してきておりまして、トナミ運輸、伏木海陸運送、アランマーレ、KUROBEアクアフェアリーズ等の企業チームやクラブチームについて、活躍を期待して重点的に強化費を配分し活動支援を行ってきております。  現在、県内で活動している企業チームや複数の企業所属の選手で構成をされます地域密着型のクラブチームには、日本代表選手や東京五輪でメダルを狙っている選手が活動しておりまして、本県の競技力を牽引する中心的な役割を担っていただいております。  県では、昨年、アスリート育成強化を主目的といたしまして増設をいたしました県総合体育センターの第2トレーニング室におきまして、国立スポーツ科学センターやナショナルトレーニングセンターとの連携協力による最先端の戦術や戦略情報に基づくトレーニング方法の提供が可能となっておりまして、こうした選手にも競技力強化に大きな効果が期待できるところでもございます。  今後、東京五輪による競技スポーツへの関心の高まりを生かしまして、中長期的な視点でのアスリートの育成に向けまして、ハード面だけではなく、スポーツ医・科学トレーニングなど選手育成環境の充実を推進しまして、県体育協会や関係団体、企業などと連携を図り環境整備に取り組んでまいります。  次に、各競技の観戦、応援と地域経済の活性化に関する御質問にお答えをいたします。  スポーツの観戦、応援など、見るスポーツの機会の推進は、県民のスポーツへの関心を高めますほか、入場料やグッズ等の消費に加え、地域交通や会場周辺の商店、飲食店などへ経済効果が波及することが期待をされます。  県では、これまでも地元プロスポーツチームの観戦者送迎のためのバス借り上げ料や福祉施設児童などの招待に係る経費のほか、ホームゲームでの県民参加型イベントの開催や試合の告知PRに係る費用を支援いたしますなど、誘客促進に取り組んできております。  また、各チームに子供たちへのスポーツ教室を委託することによりまして、子供たちの技能の向上とともにファン層の拡大にもつながっていると考えております。  さらに、バレーボールやハンドボール、バドミントンなど県内の日本リーグに所属するチームにつきましても、ウオーキング大会など県のイベントなどに御協力をいただく際には、県民との触れ合いの機会を設けまして、チームのPRの場として活用もいただいております。  今後も、各チームや競技団体などと連携を図りながら、全国から多くの人が訪れる国際試合や国内のトップレベルの大会などの誘致の検討ですとか、スポーツチームが取り組みます子供たちへの指導や普及活動への支援、各スポーツ大会の開催スケジュールなどの情報発信にも努めまして、県民がスポーツを観戦、応援する環境づくりを推進して、また地域経済の活性化にも努めてまいります。  以上でございます。 84 ◯議長(上田英俊君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 85 ◯教育長(伍嶋二美男君)私からは、部活動の地域移行に関する御質問にお答えをいたします。  部活動については、全国的な課題といたしまして、指導教員の長時間勤務や指導経験のない教員への負担が大きいこと、また生徒が求めている専門的な技術指導を受けられないことなどの課題が挙げられております。  このため本県では、部活動指導員等の外部の指導者を派遣いたしまして、生徒の競技力の向上と教員の負担軽減に取り組んでおりますが、課題解消には至っていない状況にあります。一方で、国においては、こうした全国の状況を踏まえて令和5年度以降の休日の部活動について、段階的に学校から地域に移行する方針が示されております。  県教育委員会では、来年度において地域の実情に合わせた部活動の在り方について検討するため、モデル校の選定により地域移行を実践して、その課題の検証を行う方向で現在検討しております。  今後、部活動の地域移行を推進していくためには、議員から御指摘のとおり、総合型地域スポーツクラブなど部活動の受皿となる組織との連携や指導者の確保が課題であると考えております。  このため、今後の取組方向といたしましては、運動部では、総合型地域スポーツクラブの運営を支援する仕組みや地域のニーズに応えられるよう、スポーツ指導者紹介システムの充実につきまして県の体育協会と連携を図ること、また文化部では、芸術文化団体等と連携を図ることを検討しております。  今後とも、中学、高校生の部活動が持続可能で充実したものとなるよう努めてまいります。  以上でございます。 86 ◯議長(上田英俊君)酒井立志君。    〔14番酒井立志君登壇〕 87 ◯14番(酒井立志君)次に、多文化共生について質問いたします。  2019年末の富山県に住む外国人住民数は1万9,850人と、過去最高を更新しました。富山県では、人口減少が進む中、2019年度には従来の多文化共生プランから外国人材活躍・多文化共生推進プランに改定し、外国人を県民として積極的に受け入れ、県の活性化につなげていく姿勢を打ち出していると理解しております。  子供に目を向けてみますと、富山県の子供の数は年々減少している一方で、小中学校に在籍する外国人児童生徒数は、1999年の278人から、2019年においては678人と大幅に増えております。  しかし、さきに述べたプランに関しては、新旧を見比べてみますと、小中高校内における外国人ルーツの子供たちへのサポートの項目には、ほとんど変化がありません。外国人ルーツの子供たちの教育は、まさに未来の富山県を担う人材育成であります。子供たちを、いかに同じ地域に住む仲間として育てていくのかという観点から教育支援の在り方を考えることは、まさに多様性をどう包摂して社会をつくっていくかという姿勢が問われる課題でもあります。  今回は、小中学校における支援について、以下3点について伍嶋教育長に質問いたします。  学校現場に外国ルーツの子供をサポートするために配置している外国人相談員は、今年度より会計年度任用職員となりました。外国人相談員の業務は多岐にわたりますが、最も重要なのは、外国人児童生徒やその保護者が安心して学校生活を送れるようにサポートすることであります。緊急のトラブル対応等における通訳、翻訳など、外国人相談員は業務の性質上、外国人児童生徒の実態や保護者、学校の希望に沿って柔軟に動けなければならないと考えます。  昨年度までは、年度末に総時間数、週の数の超過がなければ、随時業務日の変更が可能でありましたが、今年度の会計年度任用職員の制度により、4月の年度初めに作成した年間業務予定表どおりの業務が原則となり、臨機応変な業務が不可能な状況であります。このままでは、外国人児童生徒やその保護者に必要な情報やサポートが届かない事態になってしまいます。  そこで、必要な支援を必要なときに行えるよう、会計年度任用職員と一くくりにせず、業務によって業務の遂行に適した業務体系にすべきではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。  本来、外国人相談員の業務は、教員による日本語、教科指導の補助と規定されており、単独の指導は禁止されていますが、実際には外国人児童生徒のサポートは、相談員の配置されている短い時間以外には行われていないことが多く、外国人相談員が、通訳、翻訳だけでなく、日本語指導も教科学習指導も心のケアも行わざるを得ない状況です。しかしながら各学校に割り当てられている相談員の配置時間は、週に数時間程度と短い時間がほとんどで、しかも相談員の各分野における専門性も担保されていません。  このような状況を打開するためには、まず相談員の現実の業務内容の実態を精査した上で整理し、それぞれの業務における各相談員の可否や適性などを把握すること。一方で児童生徒の能力を、調査に基づいた評価などを利用して客観的に測るとともに、保護者や教員の面談なども通して現場のニーズを的確に捉えること。その上で適切にマッチングを行うため、専門性のあるコーディネーターを教育委員会の中に配置することが必要ではなかろうかと考えます。  同時に、ニーズに合った柔軟な配置ができるよう、相談員の配置に関するルール、原則の見直しや研修などを行い、日本語指導の専門性を確保した上で相談員単独の指導を認めるなどの検討が必要と考えるが、いかがでしょうか、所見を伺います。  毎年、日本語指導が必要な児童生徒の数の調査が行われ、それを踏まえて日本語指導担当教員や外国人相談員の配置を行っていると聞いておりますが、この日本語指導が必要な児童生徒の数は、支援を必要とする児童生徒に対し、必要な支援を届けるための前提となる重要な数字であると認識してございます。  また、今年度より、本県で日本語指導が必要な児童生徒全てについて、特別の教育課程を組むよう指導していると聞きますが、一人一人の児童生徒を的確にアセスメントし、系統的な支援を計画、実行し、そのアセスメントや計画が適正であったかどうかを評価するPDCAサイクルを回すためにも、特別の教育課程の作成は非常に重要であると考えております。  実際に、日本語指導が必要かどうかを現場でどのようにして見極めているのか、また実際に行われた指導が本当に適切で効果的であったか等について、どのように評価しているのか、伍嶋教育長にお伺いいたしまして2項目めの質問を終わります。 88 ◯議長(上田英俊君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 89 ◯教育長(伍嶋二美男君)まず、外国人相談員の運用に関する御質問にお答えをいたします。  本県では、日本語指導が必要な外国人児童生徒の対応といたしまして、日本語指導教員に加えて、今年度は県単独予算によりまして外国人相談員を小中学校合わせて80校に配置をしております。  相談員は、外国人児童生徒に対する学習支援や保護者への通知文の翻訳、進路や就学に関する相談など、主に学校生活に関する業務を行っておりまして、週1回4時間を基本として、対象児童生徒数や、あるいは対応が必要な言語の状況に応じまして、弾力的に配置時間を設定しているところであります。  また、今年度から導入いたしました会計年度任用職員の制度におきましては、議員から御指摘のありましたとおり、原則として年度当初に作成をいたしました年間業務予定表に基づいて勤務することとなります。しかしながら勤務の実態に応じまして、勤務時間の割り振りを変更することが可能という制度にしておりまして、外国人児童生徒の実態や保護者、学校からの要望に応じて柔軟に対応できる制度としております。  しかしながら、こうした勤務時間の割り振り変更等の運用につきまして、十分に現場では周知されていない面もあると思われることから、今後、外国人相談員が、学校現場の実情に応じてより柔軟に対応できますよう、その制度内容について改めて周知を図りたいと考えております。また日本語指導教員を含めた関係教職員との連携をさらに深めて、外国人児童生徒や保護者の支援体制の充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、外国人児童生徒へのサポートに関する御質問にお答えをいたします。  外国人相談員には、本来業務である外国人児童生徒の就学や進路に関する相談、また保護者への通知文の翻訳などの生活支援に関する業務のほか、授業中や個別指導の場面における通訳など、多用途で、いろんな場面で教員をサポートしていただいております。  議員御指摘のとおり、相談員の業務は多岐にわたっておりまして、対象児童生徒への生活支援、また学習支援の業務が、相談員一人だけの負担とならないように、また児童生徒一人一人の実態に応じた適切な支援のため、教員と相談員が連携協力して業務を行うことが必要であると考えております。  このため、今年度より対象児童生徒が在籍する学校に対しまして日本語指導教員が巡回指導を行うこととしまして、相談員と情報共有を図りながら業務を進める取組を始めたところであります。外国人児童生徒が増加している中、こうした児童生徒に対するさらなる支援の充実を図るためには、議員からもお話がありましたように、教員と相談員との業務分担をしっかりと明確化することを図り、連携を強化していく必要があると考えております。  このため、今後、市町村教育委員会や校長会との協議の場を設けて、こうした課題への対応策に加えて、議員御提案のコーディネーターの配置ルールや、あるいは配置時間数の拡充を含めて、相談員の配置の見直しなどについて今後検討したいと考えております。  また、相談員の日本語指導能力の向上が図られるよう、外国人児童生徒教育に関する研修機会の増加や研修の充実も図ってまいりたいと考えております。  次に、外国人児童生徒への日本語指導に関する御質問にお答えをいたします。  外国人児童生徒に対する特別の教育課程、これについては非常に大事なものであるというふうに認識をしております。各学校では、外国人児童生徒の話す、聞く、読む、書くなどの様子を、担任や日本語指導教員等が観察することによりまして、日本語能力の実態を把握して日本語指導の必要性を判断しております。  また、個別の状況に応じた指導を行うため、日本語指導が必要な児童生徒が多く在籍する学校に、日本語指導教員を配置しております。配置校からは、実態に応じた支援をすることができて学習の理解につながっている、また、1対1での指導を通じて、発達の段階や興味等に応じて指導することができた、などの成果が報告をされております。  しかしながら一方で、児童生徒の学習状況や日本語能力の実態が適切に把握されていない場合には、指導計画が立てづらいなどの課題もあるということを聞いておりまして、今後、担当する教員のさらなる指導力の向上を図る必要があると考えております。  県教育委員会では、これまでの外国人児童生徒に対する日本語指導に関する教員研修に加えまして、来年度は、外国人児童のためのJSL対話型アセスメント、いわゆるDLAの活用について、学ぶ実践講座を充実させるなど、児童生徒一人一人の能力をより適切に評価をして、個々の実態に応じた特別の教育課程に基づいた系統的な指導が行われるよう、その環境整備に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 90 ◯議長(上田英俊君)酒井立志君。    〔14番酒井立志君登壇〕 91 ◯14番(酒井立志君)次に、港湾行政について質問します。  新田八朗知事の北陸の十字路構想を参考にして、今回は伏木富山港の新湊地区、富山新港にフォーカスした港湾行政について6点質問いたします。  富山新港は、平成14年に国際ターミナルが供用を開始して以来、ガントリークレーンの増設やコンテナの拡張を行っており、令和元年6月には岸壁延伸工事が完了し、1万2,000トン級のコンテナ船の同時接岸、荷役が可能となりました。  これを機会に、8月には富山新港現地で約80人を招き、本港の整備された環境の説明会を開催され、9月には名古屋で、また11月には東京でも利用促進セミナーが開催されるなど、積極的にポートセールスを展開されています。  その現地説明や利用促進セミナーの内容と成果、また荷主企業や船会社からの要望等へのハード面も含めた今後の対応方針について、布野商工労働部長に伺います。  今ほど述べましたように、昨年6月、富山新港ターミナルが延伸されたところで、さて、これからというときに新型コロナの影響により製造業の生産が落ち込み、製品や原料の輸出入が停滞しているため、港運貨物の取扱量が急速に減少しているとの報道がありました。  コンテナ貨物の状況について現状と今後の見通しはどうか、江幡土木部長に所見を伺います。  今後の港湾の計画については、世界経済の動向が不透明な中、貨物の動向など総合的に見定めていく必要があります。そこで国では、今年度、北陸地方整備局管内の港湾について中長期的な港湾ビジョンの策定に取り組むとしていますが、それを伏木富山港の活性化に向けて生かしていく必要があろうかと考えます。  北陸港湾ビジョンの検討内容について、また港湾管理者や民間事業者における取組や展望の取りまとめ進捗状況と今後のスケジュールについて、江幡土木部長に伺います。  先ほども大門議員から質問がありましたシベリア・ランド・ブリッジについて、加えて私からも質問したいと思っています。  シベリア・ランド・ブリッジについては、輸送日数等の面で一定のメリットが存在することから、国では、海上、航空輸送に続く第3の輸送手段として、シベリア鉄道への期待が大きく寄せられています。国土交通省では、これまでロシア鉄道と協力し、平成30年度に日本とモスクワ間、令和元年度には日本と欧州間のシベリア鉄道に、貨物輸送パイロット事業を実施しています。  これまでの実証事業では、主にコンテナ1本での貨物輸送を実施してきましたが、今般、さらに踏み込んだ形での利用促進に向けて、国土交通省が公募、選定した参加者の貨物につき、1編成借り上げ列車での日本と欧州間のパイロット輸送を実施しております。今回の最終送り先はポーランドのブレストとのことでありますが、私としては、全国から貨物を富山新港に集荷し、1編成借り上げることができるようになった現実に感激しておりまして、これまでの当局、国、県の御努力に敬意を表します。  今年度は、SLB利用促進に向けて、ロシア物流に精通する専門アドバイザーの配置や荷主へのインセンティブを創設されましたが、これまでの取組状況と今後の方針について、布野商工労働部長に伺います。  野上農相は、大臣就任時の記者会見で、農林水産物、食品の輸出拡大について、農林水産省で取り組むべき最重要課題と述べています。本県においても輸出は積極的に取り組まれておりますが、県農林水産物等については、国内外の長距離を陸上輸送し、他県の貨物と一緒に太平洋側の港から輸出されているような状況であります。  この状況下、先月20日に、今後の富山新港からの輸出の可能性を検証するため、農林水産物を小口混載し、香港への輸出実証を開始されました。私は、この実証実験を、香港に限らずSLBの実証実験と同様、継続することが大切なことと考えております。  そこで、今後、販路拡大と航路の充実に向けてどのように取り組むのか、新田知事に所見を伺います。  最後に、県道高岡環状線及び県道姫野能町線の整備促進について質問いたします。  本路線は、高岡市街地と射水市街地の連絡を強化し、さらに周辺道路への大型車の通行を抑制することによる住民生活の安全性の向上を図るとともに、国道8号の広域交通機能を補完する東西の主要幹線道路であり、高岡、射水両市のみならず、富山県西部地域の産業、文化活動の大切な役割を担う重要な道路でもあります。  長慶寺工業団地から富山新港へのアクセス性、利便性向上に向けて、県道高岡環状線及び県道姫野能町線の整備を強力に促進すべきと考えますが、江幡土木部長に所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 92 ◯議長(上田英俊君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 93 ◯知事(新田八朗君)県産の農林水産物等の輸出についての御質問にお答えをします。  県では、平成29年に、富山県産農林水産物等品目別輸出促進方針に基づいて、コメやコメ加工品、日本酒、水産物、水産加工品、これらを重点品目として位置づけ、香港、シンガポール、台湾などアジア地域をターゲットに輸出の促進を図ってまいりました。  ただ、まだまだ本県の農林水産物の輸出のロットが小さいものですから、輸出する場合、今、酒井議員おっしゃったように、他県の港まで陸送して、そこから他県の食品等と混載をして海上輸送に入るということをやっていました。したがって国内での陸上輸送にかかるコストや、あるいは陸送中の商品の品質保持や破損などの問題が生じていました。
     そこで、今回、今年度新たな試みとして、伏木富山港から香港に向けて、冷蔵装置つきのコンテナで様々な品物を混載して運んでみるという、そんな試みが今まさに動いているところです。11月24日に伏木富山港を出まして12月8日に到着の予定で、今まさにオンゴーイングの事業でございます。  その24品目というのは、鶏卵であり、お米であり、日本酒であり、あんぽ柿であり、ホタルイカ加工品であり、などなどを混載して24品目運んでいるところです。その中で輸送中の保管状況や輸送後の商品の状態、また輸送のコスト、所要時間などの物流面。そして香港での市場ではどういう評価を受けるか、また新たな販路拡大の可能性はどうなのか、そういう商流面。物流面、商流面、両方にわたって検証を行っていきたいと考えております。  今後、この輸出実証の成果等について、伏木富山港利用促進セミナーなどにおいて、県内の生産者や食品製造業者さんをはじめ、物流を担う船会社さん、あるいは輸送業者さんなどに広く周知をして、伏木富山港の利用を積極的に働きかけ、本県の農林水産物の輸出品目や輸出先、取扱量の拡大につなげていければというふうに考えております。  また、海外への販路開拓、さらに航路の充実にも結びつくように取り組めればと考えておりますが、何分、今まさに進んでいる第1回目の実証の最中なので、それがまず無事に着くことを祈って、そしてその後、様々なPDCAを回していきまして、今後につなげていくということで今日のお答えとさせていただきます。  以上です。 94 ◯議長(上田英俊君)布野商工労働部長。    〔商工労働部長布野浩久君登壇〕 95 ◯商工労働部長(布野浩久君)私からは、まずポートセールスについての御質問にお答えいたします。  この秋に開催いたしました伏木富山港の現地説明会や、名古屋、東京での利用促進セミナーでは、コロナ禍の中でありますが、感染対策に万全を期しまして、さらに定員を絞って実施をいたしました。それでも80人から120人の参加をいただきまして、今年度に新設いたしました国内輸送費助成をはじめとするインセンティブ制度を御紹介しております。  また、陸送費の高騰などによる国内輸送環境の悪化や太平洋側の港の混雑により、伏木富山港の利用価値が高まってきていること、コロナ禍での空輸便料金の高騰により、ロシア、欧州へのリードタイムを重視します輸送において、シベリア・ランド・ブリッジ(SLB)の優位性に注目が集まっていることなど、最近の物流環境の変化を踏まえた伏木富山港を利用するメリットを強くアピールしてまいりました。  参加者からは、港は随分大きくてアクセスもいい、太平洋側の港への陸送費高騰で地元港利用を検討したいなど、前向きな御意見を多くいただき、特にSLBについては、シベリア鉄道を利用した新ルートを開拓したい、時間がかかる海上輸送と料金の高い航空輸送との間の第3のサービスとして注目している、などの御意見をいただきました。今後、こうした御意見も踏まえまして、支援制度の充実を検討するなど一層の集荷促進を図ってまいります。  また、ハード面では、大型船が入港できればコストメリットが増し、さらに利用しやすくなるという御意見もいただいております。  今後、土木部と連携いたしまして、大型船の入港にも対応できますように、国に対して国際物流ターミナル北4号岸壁のさらなる延伸について要望していくとともに、老朽化いたしましたガントリークレーンの更新により、荷役効率の向上や荷役作業の安定化を図るなど、引き続き伏木富山港の利用促進につながるよう港湾機能の強化に努めてまいります。  次に、シベリア・ランド・ブリッジについての御質問にお答えいたします。  議員から御紹介もいただきましたが、県では、今年度、ロシア物流に精通します専門アドバイザー1名を新たに配置いたしますとともに、シベリア・ランド・ブリッジ(SLB)を利用する際の国内輸送費への助成制度を創設し、ロシア、欧州向け貨物の集荷促進のための支援体制を充実強化したところであります。  専門アドバイザーは、主に首都圏において活動し、これまでロシア、欧州方面との取引が多い物流事業者や荷主企業に対し、SLBに関するトライアル輸送補助金SLB特別枠や、新設いたしました国内輸送費助成などのインセンティブ制度のほか、コロナ禍での空輸便の運賃高騰によるロシア、欧州へのリードタイムを重視する観点からのSLBの優位性など、伏木富山港を利用するメリットの積極的なPRに努めていただいております。  こうした中、トライアル輸送補助金SLB特別枠につきましては、昨年度実績2件に対しまして、今年度は既に6件の申請を受け付けておりますほか、現在、申請受付期間中の国内輸送費助成の問合せも増えているなど、これまでの専門アドバイザーの活動やPRの成果が上がっているものと考えております。  今後も、専門アドバイザーや荷主企業の御意見もお聞きしながら、支援制度の充実も検討していくとともに、関係機関とも緊密に連携しながら、県内外の荷主企業、物流事業者への働きかけをさらに強化し、ロシア、欧州向け貨物の集荷促進に積極的に取り組んでまいります。 96 ◯議長(上田英俊君)江幡土木部長。    〔土木部長江幡光博君登壇〕 97 ◯土木部長(江幡光博君)私からは、まずコンテナ取扱量についての御質問にお答えをいたします。  伏木富山港のコンテナ取扱量は、国際物流ターミナルを供用開始した平成14年から昨年までの17年間で約2倍と、大きなトレンドとしては増加傾向にありますが、近年は中国経済の減速、ロシア経済の低迷などを受け、ほぼ横ばい傾向にあり、令和元年の取扱量は対前年比1.5%増の7万5,529TEUとなっております。  しかし、今年に入りまして新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響により、化学薬品や非鉄金属、金属製品などで輸出入が減少し、1月から11月までのコンテナ取扱量は、昨年の6万9,031TEUに対して、速報値で対前年比約11%減の6万1,795TEUとなっております。  月別に見ますと、コロナが世界的に流行し始めた2月から6月までのコンテナ取扱量は、前年の同期間と比べて若干の減にとどまったわけですが、7月になりますと対前年同月比約33%減まで大きく落ち込んだところであります。8月以降は徐々に減少幅が小さくなりまして、11月は速報値でありますが、対前年同月比約3%増に転じたところであります。  今後の見通しにつきましては、現在も国内外で新型コロナウイルス感染症の拡大が続いていることから、依然として不透明な状況であります。引き続き貨物の動向を注視してまいりたいと考えております。  次に、北陸港湾ビジョンについての御質問にお答えをいたします。  国では、我が国の港湾の中長期政策であるPORT2030の北陸版となる北陸港湾ビジョンの策定に向けた検討を進めております。このビジョンは、伏木富山港をはじめとした新潟、石川、福井県の港湾のおおむね10年後の在り方を示すものであります。  このビジョンの検討に当たり、学識経験者や港湾管理者等から構成される委員会が、これまで2回開催されておりまして、各港の課題や取組、展望などを踏まえ、北陸港湾の目指すべき姿として、例えば、日本海側港湾の連携による東南アジア等へのダイレクト航路の形成や太平洋側港湾の代替機能の確保など、各種施策を取りまとめたビジョンの骨子案が示されたところであります。  今後のスケジュールとしましては、さらに委員会が2回程度開催される予定でありまして、今年度内に北陸全体の将来像が盛り込まれた北陸港湾ビジョンが策定される予定と聞いております。  県としましては、このビジョンを踏まえまして、貨物の動向など経済情勢も見極めながら、国と連携し、船舶の大型化への対応や荷役の効率化、集荷促進等のための施設整備、航路の拡充など、港湾のさらなる機能強化に努めまして、伏木富山港が日本海側のゲートウエーとしてさらに発展するよう取り組んでまいります。  最後に、県道姫野能町線等の整備についてお答えいたします。  県道高岡環状線は、高岡市の外環状道路の一部に位置づけられており、またこれに続く県道姫野能町線は、高岡市と射水市市街地を東西に結び国道8号を補完するものであり、また長慶寺工業団地と伏木富山港の新湊地区を連絡する重要な道路であります。  このうち、高岡環状線の波岡交差点から国道160号の長慶寺南交差点までの約2キロの区間は、早期に事業効果を発現できるよう区間を区切って整備しており、現在、波岡交差点から長慶寺工業団地までの650メートルについて現道拡幅を行っております。今年度は波岡地内の舗装工事等を行っており、今後、残る長慶寺工業団地内の整備を鋭意進めることとしております。  また、姫野能町線については、牧野大橋を含む第1期区間に続き、第2期区間として、高岡市中曽根から射水市作道までの約1.8キロのバイパス整備に取り組んでおります。第2期区間は、高岡市中曽根地内の用地取得を終え、現在、路側構造物等の整備を行っております。今後、高岡市金谷地内の用地取得と、射水市作道地内の物件移転と用地取得を促進したいと考えております。  議員に御指摘いただきましたように、当該道路は県西部地域の産業活動を支える重要な役割を担う道路でありまして、一日も早く完成できるよう整備促進に努めてまいります。  以上でございます。 98 ◯議長(上田英俊君)以上で酒井立志君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午後3時47分休憩       ───────────────────  午後4時00分開議       ─────────────────── 99 ◯議長(上田英俊君)休憩前に引き続き会議を開きます。  山本君徹君。    〔29番山本 徹君登壇〕 100 ◯29番(山本 徹君)新田知事に対しまして、さきの知事選挙に勝利されましたこと、また知事に就任されましたこと、私からもお祝いを申し上げたいと思います。おめでとうございます。  今回の選挙は、初めて経験するような大変厳しい選挙だったと思っております。県民の変化を求める強い思いが根底にあったと、そのように率直に思うわけでございます。高い投票率は選挙に対する県民の関心の表れでありまして、選挙が激しかった分だけ、それぞれの立場で皆さん懸命に県政について訴えたからこそ、関心が高まり、投票率が60.67%に上ったのだと思います。これは共有できる大きな成果であるというふうに思います。引き続き県政に関心が集まるように努力してまいりたいと思います。  問いの1番は、本県経済の成長についてであります。  新田知事は、富山経済の衰退を看過することができないとして立候補されました。富山経済への危機感が決定的な動機となって、石井県政への挑戦を決意されたわけでございます。したがって、まずこの認識を問うことから始めたいというふうに思うわけでございます。  富山八策の中で、全国、富山県、石川県の名目GDPの推移をグラフにして比較され、富山県は豊かなんだという、その経済的基盤が揺らいでいると指摘をされました。またアベノミクスの追い風を受け切れていないとも。確かに衝撃的なグラフでありました。  我が会派の鹿熊会長の代表質問の一番最初の質問。富山の将来が全く見えない、とは深刻な表現であり、その真意を県民に語るべきと考えるが、富山県の現状をどう認識しているのかとの質問に、明確な答弁がなされなかったのは、とても残念であります。  そこで、質問の仕方を変えたいと思います。八嶋議員の質問にもありましたけれども、新産業やベンチャーに対する働きが弱かった、あるいは経済成長の判断は多角的に分析すると答えられたところでありますけれども、富山県経済が衰退した理由をどのように分析しておられるのか、新田知事にお聞きいたします。  富山八策の中では、16年前は富山県のGDPは全国を大きく上回っていたが、直近平成29年では、全国を下回るばかりか石川県にも抜かれてしまったということであります。また、アベノミクスが始まった平成24年からの推移を見ても、全国では10.76%、石川県では12.57%も成長してきたが、富山県は6.02%の成長にとどまっていて、アベノミクスの追い風を受け切れていないとされたところであります。  16年前というのは、石井県政がスタートした年であります。石井県政の大きな課題は、年間400億円にも上る構造的財源不足の解消であり、そのため厳しい緊縮財政が取られてきました。石川県とは単純に比較できないこうした背景があったこと、また実際400億円の財源不足が解消されている事実、これを忘れてはいけないと思います。  また、アベノミクスが始まった平成24年ではなくて、リーマンショックの影響が大きく出て全国的に落ち込んだ平成21年からの推移で見ると、富山県は10.16%伸びていて石川県の7.6%を上回っています。  これまでの様々な経済政策等により、近年の本県の名目GDP成長率は増加傾向にあり、直近では全国19位であります。1人当たりの県民所得も増加している。県内経済が成長してきたと受け止められる面もあるわけであります。鹿熊議員の代表質問で語られたとおりであります。また、こうした見解については、平木議員、先ほどの八嶋議員からも鋭い指摘があったところであります。  県内経済の状況認識に当たり、今後どのような指標や考え方によって成長の状況を判断していくのか、布野商工労働部長の見解をお聞きいたします。  次に、新幹線についてお聞きします。  平成27年に金沢開業した北陸新幹線は、本県に大きな経済効果をもたらしました。開業5年目の2019年、日本政策投資銀行富山事務所は調査レポートを発行しました。それによりますと、県外からの入込客数による直接効果、間接効果を合わせると、毎年304億円の経済波及効果があるとしています。北陸新幹線の建設は、富山県の成長に大きな役割を果たしてきたと思っています。日本の中心部で新幹線が環状化することによって、人の移動がより流動的になり、東京一極集中を促してきた交通の構造が変化して、沿線全体の地方創生が大きく前進するものというふうに思っております。これは大きなチャンスであろうと思います。  敦賀開業が1年半遅れるというのは、とても残念。沿線各県、関係者が一緒になって、必要な財源確保に向けた強力な取組をする必要があると思います。北陸新幹線の金沢─敦賀間の開業や、大阪延伸による本県経済への効果や意義をどのように認識しておられるのか、新田知事の見解をお聞きします。  富山八策では、民間資金を活用して港や空港といった施設には、稼ぐ力を高めてもらうとされました。富山きときと空港の利用促進は、本県総合交通の重要施策の一つでありまして、今日まで国際化を含む様々な取組を行ってきました。  しかし、平成21年にリーマンショックのあおりを受け経営は赤字に転落、平成27年の北陸新幹線開業以降は赤字幅が増大、悪戦苦闘を続けてきたと思っております。新型コロナの蔓延は、この厳しい状況に追い打ちをかけることになりました。  富山きときと空港には、羽田トランジットで全国に空路が利用できること、大連便、台北便などに根強い需要があることから、本県の貴重なインフラとして、これは存続されることが大事だというふうに思っております。  全国を見ますと、2016年の関西エアポートによる関西空港及び伊丹空港の民営化を皮切りに、仙台、2018年には高松、神戸、2019年には静岡、福岡の空港が相次いで民間経営に移行いたしました。今年に入ってからは、北海道の7空港と熊本が民営化をされた。空港の民間運営は、既存の課題を克服しながら徐々に広まっているというふうに言うことができると思います。  決算特別委員会では武田議員の質問に、民間委託は魔法の杖ではない、民間に受けてもらえる形にしないといけない、と答えられました。富山きときと空港の民営化は、石川県と手を組んで、小松空港、能登空港と一括して民間に委託、北陸の玄関口として大きく構えるのがいいのではないかというふうに考えますが、どうでしょうか。  富山きときと空港の利用状況や収支等の推移、これまでの取組状況等を踏まえ、今後、空港の稼ぐ力の向上に向け、民間資金の活用など具体的にどう取り組むのか、中谷観光・交通振興局長にお聞きします。  先日、「きまぐれオレンジ★ロード」の作者で富山県高岡市出身の漫画家、まつもと泉さんの訃報を聞きました。1980年代、若者らしい恋模様をポップに描いた作品は週刊少年ジャンプに掲載され、私も毎週楽しみにしていました。まつもとさんの御冥福をお祈りいたします。  我が国の漫画市場は、およそ5,000億円と言われております。書籍全体のおよそ3分の1を占めています。またアニメーションの市場は2,100億円、ネット配信、音楽、商品化のライセンスなどを含めますと1兆を超えるというふうに言われています。  御存じ藤子・F・不二雄先生は高岡、藤子不二雄A先生は氷見の出身であります。そういう土壌が富山県にはあるのだと思っています。  そういえば、高校時代、漫画を描くのが趣味の同級生がいまして、学校で作品を読ませてくれました。あるとき、ちょっと大人の漫画を描いてきて、みんなで大変盛り上がったことを覚えております。彼も今や夢を諦めて県庁に勤めております。  11歳の私の娘も漫画家になりたいというので、そういう教室はないだろうかと調べてみましたところ、イラストや絵画の教室はあるものの、ずばり漫画教室となると、金沢まで行かないとないことが分かりました。もしかすると有名漫画家になるかもしれないのにと思うと、大変残念な状況であります。  コロナのために家に籠もることを強いられておる今日の状況で、「鬼滅の刃」が記録ずくめの大ヒットとなっております。今日のお昼のNHKのニュースによりますと、その経済波及効果は2,700億円に上るのだとか。漫画、アニメは今や世界に誇る日本の文化。先ほど申し上げたように、巨大な産業クラスターを形成しているため、一発当たればとても大きいわけでございます。  私が初めて県議会に当選して1年もたたない平成17年の9月議会で、高岡工芸高校に漫画学科をつくれないかという質問をしたことがあります。当時は東野教育長でございました。藤子不二雄A先生に講師を務めてもらえば、全国から漫画家の志望の学生が集まるのではないかという質問でした。  川島議員の提唱するJUMP構想の手始めに、高岡工芸高校に漫画家やアニメーターを志す若者が学べる学科を新設してはどうか、伍嶋教育長の見解をお聞きします。  先日、富山第一ホテルが来年3月で営業を終了するという寂しいニュースが流れました。富山第一ホテルは1982年開業されまして、以来38年、富山市中心部の拠点として大きな役割を果たしてきました。第一ホテルがないという状況はなかなか想像できないくらい身近なホテルだったと思っております。本当に残念です。  一番の心配は従業員の方々です。ホテルで働く正社員は74名、契約社員やアルバイト、パート社員は約70名ということでございます。次の仕事が早く決まることを願っております。  ホテル・旅館業、飲食店など、コロナの第3波が来ている中で12月の忘年会、1月の新年会の需要が取り込めないとなると、廃業してしまう事業者が少なからず出てくるのではないか、とても心配でございます。  富山第一ホテルの営業終了など、県内のホテル・旅館業の現状をどのように認識し、本県経済の成長を牽引する観光の振興にどのように取り組んでいくのか、中谷観光・交通振興局長にお聞きします。  新田知事は、雇用を増やす、企業と個人の所得を増やす、企業数の伸び日本一を目指すと繰り返し答弁されてこられました。私も、所得の増加ということが地域経済の活力の源泉になるんだと思っております。  経済が成長しているかどうか、数字を追いかけることはちょっと横に置いて、これまで周りの状況を見てみますと、コロナの前からどんよりとした閉塞感がありまして、なかなか消費をしようという空気にならない、そんな状況が強かったのではないかというふうに感じています。  将来に対する不安が小さくなって、うまくいっていると実感が得られれば、消費が進んで好循環を生むというふうに思っております。そのためには、本県経済の中核を担う中小企業が元気になることが大事だと思います。知事肝煎りの成長戦略会議に期待をするところであります。  株価の高騰は実体経済と乖離しているから気をつけるべしという記事が、新聞でもネットニュースでも見受けられております。しかしながら私は、世界の投資家は、人類はコロナに打ちかって、世界はこれからも成長し続けるというふうに見通しているんだと思っています。新型コロナの感染症対策と社会経済活動の両立は確かに難しいですけれども、私たちの未来は総じて明るいものだというふうに思うのであります。富山県民の英知と勇気と情熱を持って、明るい豊かな社会を築き上げるところに来ていると思います。  アフターコロナ時代を見据え本県経済が成長していくためには、何が必要であり、どう取り組んでいくのか、新田知事の見解をお聞きします。 101 ◯議長(上田英俊君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 102 ◯知事(新田八朗君)それでは、山本議員の質問にお答えをします。  まず、県内経済についての御質問です。  県内経済につきましては、医薬品生産金額や1人当たり県民所得、製造品出荷額、企業立地件数など、高い水準の経済指標が数多くあるものと理解しています。  一方で、県民が豊かな生活を実現するためには、企業の稼ぐ力を高め、最終的には県内総生産の増加を図った上で就業者数を増やしていくことを重視すべきであると考えております。  本県の経済情勢全体を県内総生産から分析すると、今、山本議員もおっしゃったことですが、我が国の国内総生産が平成24年度から29年度までの5年間で10.76%上昇、また隣県の石川県でも12.57%伸びている一方、本県の同時期の伸びは6.02%と半分程度にとどまっているという、これは事実です。  さらに、36区分の業種別に詳細な分析を行いますと、全国あるいは石川県では8割近くの業種が伸びています。一方、本県では、化学──これは製薬も含みますが──や機械、金属製品は伸びておりますが、その裾野は6割程度の業種にとどまっているところで、これが1つの我が県の弱かった面かなというふうに考えております。  この理由としては、主力産業については着実に成長しているものの、その他の産業への波及が不十分であったことや、成長の源泉となる新産業の育成やベンチャーの創出に向けた動きが、他県と比較して弱かったことが考えられるのではないかと思います。  今、一部上場のインテックさんも、かつては70年ほど前ですが、数名で始まったベンチャーでした。それが成長する過程において地域経済も、その成長に引っ張られて共に成長してきた。キタムラ機械さんもしかり、スギノマシンさんもしかりであります。  私が言いたいのは、最近このような目線の高いベンチャー企業、成長企業が育っていないということ、これが我が県の経済の弱さにつながってきたのではないかということを、ぜひ御理解いただきたいと思います。中長期的な観点で見ますと、他県に比べて十分な経済成長ができなかった部分もあったのではないかということを、冷静に分析する必要があろうかというふうに思います。  次に、北陸新幹線の本県経済への効果や意義についての御質問にお答えをします。  北陸新幹線は、これまでも企業誘致の進展、観光客の増加、Uターン率の向上、移住の増加等、大きな経済効果をもたらしています。私も、つい先日まで経済界におりましたので、こういうことの経済効果の大きさは実感をしてきたところです。  今後、敦賀開業、大阪延伸により、さらなる経済効果が期待されるとともに、北陸の十字路にある本県にとって、沿線都府県とのさらなる連携から生じる新たなビジネス、文化の創出、あるいは観光をはじめとする交流人口の拡大につながる大きなチャンスであると考えています。  大変に心強いことには、JR西日本さんも、この北陸新幹線の高い経済効果を評価していただいておりまして、積極的な投資も行っておられるところです。JR西日本さんを大いに味方につけて、引き続きこの北陸新幹線の延伸、そして新大阪までの全線開通、また活用を図っていきたいと思います。  経済効果のみならず、太平洋側における大地震発生時などの首都圏と関西圏を結ぶリダンダンシー機能の確保など、国土政策、国土強靱化の観点からも重要な意義を有し、北陸、関西はもとより、日本全体の発展に大きな意義があると認識をしております。  現在、北陸新幹線は、工期の遅延や事業費の増額など、敦賀開業に向け大きな課題に直面をしております。11月20日には、北陸3県の知事や県議会議長さん、北陸経済連合会会長、副会長の皆さんによる緊急要望を行い、平成27年1月の政府・与党申合せのとおり、令和4年度末までの敦賀開業の実現に向け、工期短縮を徹底するなどあらゆる手段を講じること、また沿線自治体の負担が極力生じないようにすること、敦賀─大阪間について令和5年度当初には着工できるよう、早期に必要な財源約2.1兆円を確保し大阪までの全線整備を図ることなどを、政府・与党に強く求めたところです。
     北陸新幹線の大阪までの全線整備は県民の長年の悲願であり、今後とも沿線の都府県、経済界などと連携して、国会議員や県議会議員の皆様のお力添えをいただきながら、政府・与党に対し強力に働きかけていくことを引き続き行ってまいります。  最後に、本県経済の成長に向けた取組についての御質問をいただきました。  現在、全国各地で新型コロナが再び拡大し、第3波とも言える状況にあります。本県においては、新型コロナによる県内経済や県財政への深刻な影響の中で、まずは感染拡大防止対策をはじめ、コロナ禍で大きな打撃を受けております地域経済の再生や雇用対策等に積極的に取り組んでまいります。  その一方で、私はアフターコロナ時代を見据え、富山県であれば、安心して働ける、生活ができる、子育てもできる、挑戦したいことに挑戦ができる、このようなワクワクするような気持ちの持てる社会をつくってまいりたいと、何度も繰り返して申し上げているように、考えております。そのような社会の形成のためには、いかに雇用を生み出せるか、また企業や個人の所得を増やしていけるかが重要であり、県が取り組むべき一丁目一番地の政策であると考えております。  こうしたことから、富山県成長戦略会議を設置し、人口減少、少子高齢化が進む中、現下の新型コロナによる厳しい経済情勢を乗り越え、新しい富山の経済産業のビジョンや戦略を策定し、新型コロナウイルスにも対応した、新しく力強くワクワク稼げる産業を創出してまいりたいと考えております。  あわせて、今こそ次の時代の成長の種をまくために、キャリア、年齢にかかわらず起業できる、そのような環境を整えていく。そして起業が増えることで雇用が生まれ、ビジネスがあるところには人も集まってくる、すなわち移住者も増えてくる、チャンスがあり夢を叶えることができる富山県を実現していきたいと考えております。  以上です。 103 ◯議長(上田英俊君)布野商工労働部長。    〔商工労働部長布野浩久君登壇〕 104 ◯商工労働部長(布野浩久君)私からは、地域経済の状況認識に当たっての指標や考え方についての御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、本県の名目経済成長率は近年、増加傾向にあり、また県民所得も増加しているほか、医薬品生産金額や製造品出荷額等、伏木富山港のコンテナ取扱個数など、県内経済の成長を示す高い水準の経済指標が数多くあるものと認識しております。  一方、本県の経済情勢全体を県内総生産から分析いたしますと、今ほど知事からお答えいたしましたとおり、全国や隣県の石川県の伸びを下回っていることも現状にあります。  これまで、県内経済の現状認識に当たっては、消費、生産、雇用情勢等、各種経済統計のデータを分析するとともに、県内企業、団体の状況をヒアリングした上で、国の月例経済報告も参考にしながら、毎月、県の経済情勢報告として発表しているところであり、これは引き続き定期的に報告してまいりたいと考えております。  また、これらに加えまして、中長期的な視点からは、2年程度遅れて公表されます県内総生産に加え、二、三年に一度行われ公表されます経済センサス調査結果に基づく新規創業者数、毎月集計を行います企業立地件数、投資額、5年ごとに実施される就業構造基本調査による若者、女性の雇用状況などの経済指標について、他県との比較など幅広く分析を行いまして、本県経済の成長と状況について多角的な観点から把握してまいりたいと考えております。  以上でございます。 105 ◯議長(上田英俊君)中谷観光・交通振興局長。    〔観光・交通振興局長中谷 仁君登壇〕 106 ◯観光・交通振興局長(中谷 仁君)私からは、まず富山きときと空港についての御質問にお答えをいたします。  空港の昨年度までの利用者数につきましては、国内線は、新幹線開業に伴う羽田便の減便──6便から4便ということで──そのほかに航空機の小型化によりまして、それ以前の約2分の1となりました。その後も官民挙げた利用促進によりまして、近年は何とか増加基調で推進してまいりました。  また、国際線のほうにつきましては、増加傾向にありまして、平成30年度には過去最高となっております。  しかし、昨年度末からの新型コロナの影響によりまして、国際線の全て、国内線の一部が運休となっております。今年度の利用者数は、昨年度同期比で約9割の減となっております。  空港の収支につきましては、キャッシュフローベースで歳出が歳入を上回り、近年その額は、滑走炉の大規模改修の増額等によりまして拡大傾向にあります。昨年度はその額が約5億6,000万円となっております。今年度はさらに厳しい決算が見込まれております。  当面は、新型コロナの感染状況を見極めながら感染防止対策を徹底いたしまして、国内線の利用促進を図ることが、まず取り組むべき課題であると認識しております。全日空と連携協力いたしまして積極的に取り組んでまいります。  同時に、コロナ収束後を見据えまして、羽田を中心とした国内外とのネットワークの活性化、国内外を結ぶ新規路線の開設、航空機の乗り降り、乗降以外のサービスの向上などにも取り組んでまいります。  こうした取組を実現するためには、航空会社や民間サービス事業者との連携協力を図り、その資金やノウハウを活用することが不可欠であります。民間の力を活用して富山きときと空港の活性化を図るために、まずは他の空港の具体的な取組の実情を調査いたしまして、さらに富山空港の優位性、将来性、競争力等に関する調査や、コロナ収束後の民間資金の活用に向けた具体的な方策の可能性について、今の山本議員の御提案も含めまして検討してまいりたいと考えております。  次に、ホテル・旅館業の現状と観光振興についての御質問にお答えいたします。  県では、これまで新型コロナにより厳しい環境にあるこれらの事業者に対しまして、国、市町村と連携を図りながら雇用対策や資金繰り支援等に取り組んでまいりました。  また、落ち込んだ県内観光需要の回復を図るため、6月中旬から県民向け割引キャンペーンを展開いたしまして、9月からは国のGo To トラベル事業と連携し、県内宿泊者に本県の特産品等をプレゼントするウェルカム富山県キャンペーンを実施してまいりました。  県内宿泊施設の利用状況につきましては、40余りの施設に伺ってきておりますが、県民割引開始後の7月は前年比約48%、Go To トラベルに東京都発着が追加されました10月には約69%と、徐々に回復してきてはおりますが、依然として厳しい状況が続いていると認識しております。  このため、県では、感染防止対策をしっかり講じていただいた上で、引き続き国のGo To トラベル事業と連携したキャンペーンにつきまして、冬の食の魅力を充実した上で、継続いたしますとともに、11月補正予算案には、県内を周遊するバス旅行に対する支援も盛り込んでおります。また国に対しては、全国知事会とも連携いたしまして、Go To キャンペーンなどの来年度以降の継続を要請してきております。  第一ホテルにつきましては、本県経済の活性化に重要な役割を果たされるとともに、まちのにぎわいに貢献されてきた施設がなくなることは、大変残念なことではありますが、社員の皆様につきましては、同じグループ内の各社等への転籍が予定されていると伺っております。県といたしましては、富山労働局と連携し、必要に応じて再就職支援に努めることとされております。  私どもといたしましては、引き続き観光宿泊需要の状況を把握するとともに、国における対策を踏まえながら感染拡大の防止と観光産業の振興の両立に取り組んでまいります。 107 ◯議長(上田英俊君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 108 ◯教育長(伍嶋二美男君)私からは、漫画家などを志す学科に関する御質問にお答えをいたします。  漫画やアニメが日本の文化の一つとして定着をしており、愛好する生徒も多く、成長産業としても注目されるようになっていると思っております。このため高岡工芸高校では、近年では漫画やアニメ関連への進学者も、絶対数は少ないものの微増、増加している状況にもございます。  議員から御提案のありました、職業系学科の一つとして漫画家やアニメーターを志す若者が学べる学科を新設することについては、中学生段階の進路選択先として、漫画、アニメという進路が限られた学科に対する生徒や保護者の進学ニーズを、十分見極める必要があるのではないかというふうに考えています。  また、おのおのの専門分野、例えばキャラクター作成や、あるいは映像の編集などといった専門分野の優秀な指導者の確保が難しいことなどを踏まえますと、慎重な判断が求められるのではないかというふうに思っています。  現在、高岡工芸高校に開設しておりますデザイン・絵画科などでは、4つのコースを設けておりまして、漫画あるいはアニメなどの描画にもつながる基本的な技能を学べる科目を設定しております。その学科で学ぶ生徒の中には、課外活動の中で漫画を制作し、まんが甲子園や新聞への4コマ漫画の掲載などで成果を上げている者もおります。また小杉高校では、美術系列において、美術の技能の向上や、あるいは理論等の理解を深めて、専門分野の上級学校へ進学を目指す生徒もおります。  今後、こうした学科で学ぶ生徒たちの夢を実現していくため、例えば生徒のニーズに沿った科目の設定や、あるいは発表の場の提供を検討するなど、様々な支援策を検討して支援していきたいというふうに考えております。  以上でございます。 109 ◯議長(上田英俊君)山本徹君。    〔29番山本 徹君登壇〕 110 ◯29番(山本 徹君)それでは続きまして、選挙管理と主権者教育の推進について質問いたします。  10月の知事選挙は、いろんな意味で破格の選挙だったと思っております。SNSは広く活用されまして、もはや選挙になくてはならないツールの一つとなりました。選挙のDXも、いよいよ加速をいたしました。演説会などにリモート参加できるようになり、利便性が向上したと言えるのだと思います。  期日前投票が大幅に延びました。投票者の2.6人に1人が期日前投票ということになりました。本当に破格の選挙だったというふうに思っております。  しかし、この選挙の中で私とすれば、見過ごすことのできない問題も、これまた生じたというふうに感じております。来年、富山、高岡両市で市長選挙、市議会議員の選挙が行われます。秋までの間には必ず総選挙があるわけであります。そう思うと、これから選挙に関わる人たちのためにも、しっかりと聞いておかなくてはいけないというふうに思っております。強めの質問になることは御容赦いただきたいと思います。  今回の知事選挙では、政治活動用のぼり旗、いわゆる3連のぼり旗が県内に初お目見えしました。政治活動用ポスターについては、個人あるいは個人の後援会の名称を表示するものは、任期満了6か月前から選挙期日までの間、掲示できないことになっております。これは金のかからない選挙の実現、美観の確保の観点から、平成6年、公職選挙法が改正されたときに規定されたものであります。ただ例外として、決められた条件をクリアしていれば、政党その他の政治団体のポスターは認められることになっていて、これがいわゆる3連ポスターであります。  ところが、この公職選挙法201条の14項には、当該ポスターを撤去しなければならないと書いてありますが、のぼり旗の記載がない。告示後も撤去しなくてもよいという解釈になったその部分でございます。  政治活動用3連ポスターが、告示後、撤去されなければならないのは、選挙期間中は公営掲示板が設置をされまして、各候補者は決められた枚数をそこに掲示することで、公平性を保とうとする法の趣旨からでございます。そうでなければ、たくさん貼りたい候補者は際限なくポスターを貼れることになるからであります。  こうした法の趣旨からすれば、3連のぼり旗についても当然規制されるべきであると考えます。自民党選挙対策本部でも、3連のぼり旗は脱法文書図画の掲示禁止に当たるおそれが強いとの見解を示しています。  その上、有権者の立場になってみましても、単に目立つというだけで、何か投票についての参考となる、例えば政策の一端など有益な情報が得られるわけではありません。そういう意味でいうと、本県選挙管理委員会の適正な判断が求められているのだと思っています。  また、確認団体ビラでは、特定の候補者と分かるようなシルエットが用いられました。候補者本人の選挙ビラは、証紙でもって配布できる枚数が限られています。これも選挙期間中、候補者間に不公平が生じないよう定められたルールであります。  一方、確認団体ビラは、政党などの政治活動のうち選挙運動と紛らわしいものを除き、確認団体に限って選挙期間中も一部認められるため、その配布が認められているものであります。そのため確認団体ビラには、特定の候補者の氏名、またはその氏名が類推される事項を記載することは禁止されています。  問題は、氏名が類推される事項は何かということであります。例えば、現職市長、と書いた場合、これはセーフだそうです。山川明さんが、山さん、と書いたらアウト。山も川もきれいに明るい政治にしましょう、と書いたら、これもアウトなんだそうです。似顔絵はアウトです。だけどシルエットはアウトにならない場合が多いということになっています。曖昧な上に非常にばかげた解釈だと思っています。政府に是正を求めていく必要があるのではないかと思います。  確認団体ビラは、配布できる枚数に制限がないため無制限に使用することが可能で、そこに氏名が類推される事項が載せられていると選挙の公平性が保たれない。ですから禁止されているんだと思っています。今回のケースが前例となって、特定の候補者だと分かってしまうシルエットを確認団体ビラに利用する、そういうことがこれからの選挙にも認められてしまうのではないか、とても心配なわけであります。選挙管理委員会の適正な判断が求められていると思います。  今回の県知事選挙時に使用された選挙活動用のポスターやのぼり旗、確認団体のビラについて、公職選挙法ではどのような解釈となるのか、滝経営管理部長の見解をお聞きします。  県警察本部では、10月25日までにポスター等の文書掲示違反をはじめとする選挙違反に、異例の多さとなる52件の警告を出しています。選挙の秩序が乱れた証左だと思います。  今回の県知事選挙に伴い出された警告は、どの陣営にどのような内容に対するものであったのか、大原警察本部長にお聞きします。  選挙が激しければ激しいほど、透明で分かりやすい選挙管理が求められると思います。法の間隙を縫うような選挙のやり方は慎まれるべきであり、実直な選挙を育んできた本県の選挙風土にはなじまないと思います。  選挙において法律上違反と疑われる行為に対して、違反に当たるか否か、取締りに至るか否かの判断はどのような過程で行うのか、大原警察本部長にお聞きします。  イオンモール高岡では、今回も多くの人が期日前投票をしました。期日前投票が増えてきている状況からいって、1日だけじゃなく週末ごとにやればいいのではないかと思います。場所も高岡だけでなく、となみイオン、ファボーレ、サンエールなどでも、やればいいのではないかと思います。お年寄りの投票のため、移動投票所を設けるという案もあります。投票日の投票時間も従前の18時までに、もう戻してもいいのではないかと思います。  今後の選挙における投票率向上に向け、より投票しやすい環境をつくることが重要だと考えますが、滝経営管理部長の見解をお聞きします。  この6月、議会だよりを試験的に発行いたしました。その際アンケート調査などで、富山県議会の活動について全体の47.6%が、知らない、興味がない、としておられました。私なりに真剣に県政に取り組んできたつもりであり、この結果には正直愕然といたしました。  しかし、今回の選挙戦を通じて多くの県民の関心が高まっていると思っております。これは大変いいことだと思っております。友人が、電車の中で女子高生が、知事選挙の結果について、ショックやったわー、と熱く語っているのを聞いたと教えてくれました。若い人々が注目をしていると思えば、やる気も高まります。  次の世代を担っていく高校生に対する主権者教育について、これまでどのように取り組み、これからどう対処していくのか、伍嶋教育長にお聞きいたします。  最後になりますけれども、八策の中で、とやまワカモノ・サミットとして、県政の若者への関心や理解を深めてもらうような努力をすると書いておられます。これは大変期待できることだと思っております。このことを最後に、新田知事の見解をお聞きして質問を終わりたいと思います。 111 ◯議長(上田英俊君)この際、申し上げます。本日の会議時間を午後5時30分まで30分延長いたします。  新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 112 ◯知事(新田八朗君)とやまワカモノ・サミット(仮称)の質問についてお答えをします。  少子化が進み人口減少が続く中、富山県にさらに元気な風を吹き込むためには、若者にとって魅力的な県に本県を進化させていくことが重要であると考えております。  このため、若者に県政への関心や理解を深めてもらう機会として、とやまワカモノ・サミットを毎年開催し、県内の10代あるいは20代の若者との意見交換の機会をつくり出していくことを、私の公約である富山八策において掲げているところです。  このサミットについては、例えば若者から自由な政策提案をいただき、その提案の発表を受けて、私も含めて自由に意見交換することなどを考えておりますが、具体的な実施内容につきましては、これから新年度予算の編成過程で検討してまいります。  今後とも、将来の富山県を担う若者が希望に満ちあふれ、ワクワクすることがたくさんある富山県、チャンスがあり夢を叶えられる富山県、そんな富山県の実現のために取り組んでまいります。御協力よろしくお願いいたします。  以上です。 113 ◯議長(上田英俊君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 114 ◯経営管理部長(滝 陽介君)私から2問お答えをさせていただきます。  まず、公職選挙法上の解釈に関する御質問にお答えをいたします。  まず、答弁の前提といたしまして、議員から御指摘がありました個々具体の事例が法規制に抵触するか否かにつきましては、個々の事実に即して最終的には司法当局で判断されるということでございますので、まず、その旨を御理解いただきたいと思います。  その上で、公職選挙法の解釈に関する一般論として答弁申し上げます。  公職選挙法第201条の13におきましては、各選挙について、告示の日から選挙期日までの間、さらに投開票日までの間に限り、政党その他の政治活動を行う団体は、その政治活動のために、いかなる名義をもってするを問わず、掲示する文書図書に、当該選挙区の特定の候補者の氏名を記載することができないとされております。  また、同法第201条の14におきましては、告示の前に政党その他の政治活動を行う団体が、その政治活動のために使用するポスターを掲示した者は、当該ポスターにその氏名またはその氏名が類推されるような事項を記載された者が、当該選挙において候補者となったときは、当該候補者となった日のうちに当該選挙区において、当該ポスターを撤去しなければならないとされているところでございます。  令和2年6月1日の衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会におきまして、今ほど委員からも御指摘がありました、のぼり旗の取扱いに関する質疑がございました。その際に政府参考人として総務省選挙部長が答弁をしておりまして、その答弁の中では、選挙期間中に新たに設置されるもの(のぼり)については当然禁止され、これに違反した場合は撤去しないといけないと、まず答弁をされております。その上で選挙の期間前の掲示について、公職選挙法に違反しない形態でのぼり旗が立ててある場合については、選挙期間中になったときに、そののぼりの撤去についてどうするかという公選法上の規定はないと、答弁をしております。  あわせまして、公職選挙法の選挙運動、政治運動に対する規定は、選挙運動、政治活動の自由に対する規制であり、法文上明確に規制をしないといけない。規制ということに関しては、法文に明確に根拠があるものについては規制をするという考え方である、という趣旨の答弁もなされているというところでございます。  また、県知事選挙における確認団体による政治活動用ビラにつきましては、公職選挙法第201条の13におきまして、各選挙について告示の日から選挙期日までの間に限り、いかなる名義をもってするを問わず、掲示しまたは頒布する文書図書に、当該選挙区の特定の候補者の氏名または氏名が類推されるような事項を記載することは禁じられており、この氏名類推事項につきましては、逐条解説によりますと、氏または名前、職名、通称あるいは〇〇講演会など、周囲の状況から客観的にその氏名が類推されるような事項と解せられるとされておりまして、この解釈を踏まえた個々の取扱いが望まれるところでございます。  なお、選挙管理委員会につきましても、この公職選挙法の解釈に基づいて基本的には仕事をしているわけでございますが、そもそもの規制そのものにつきましては、選挙運動、政治活動に関する規制であり、各党各会派において御議論いただいて決めていただくべき問題だと、選挙部長は、この国会審議のときに答弁をされておられます。  三権分立の中で、立法府の根幹をなす選挙運動、政治活動に関する規制でございます。私は今、行政に身を置いておりますので、その立場からいたしますと、やはり立法府の中で決めていただく、あるいは御議論いただく事項かと思っておりますので、御理解を賜りたいと思います。  続きまして、投票率向上に向けた取組につきましてお答えをいたします。  投票環境の向上への取組につきましては、有権者の投票の機会を広く確保するとともに、主権者教育や啓発活動と併せて投票率の向上にも大いに資するものだと考えております。  国におきましても、共通投票所の設置や期日前投票の投票時間の弾力的な運用などをはじめ様々なことをこれまでしておりますし、他県におきましても、大学、高校や商業施設での期日前投票所の設置や、投票所への移動支援、移動期日前投票所の設置など、様々な投票環境向上への取組が行われております。  今回の県知事選挙におきましても、例えば魚津市におきましては、投票区の統廃合により遠方となった投票所に、御高齢の方をバスで送迎する移動支援が実施をされております。  また、委員からも御紹介がございましたが、高岡市では、買物などに合わせて投票できる大型商業施設に期日前投票所を設置されましたけれども、県の選挙管理委員会といたしましても、この期日前投票を促す仕掛けといたしまして、投票は子供と同伴でも可能な制度であるということを改めて周知いたしますとともに、この施設におきまして子供向けの模擬投票イベントを開催したところ、参加した子育て世代の方から大変好評をいただいたということもございます。  国におきましては、高齢化が進む社会におきまして、さらなる投票環境の向上あるいは選挙事務の効率化を図るために、ICT技術の利活用なども含めて現在検討がなされております。  期日前投票者の方が大変増えていく中でございますので、投票所の設置、運営を管理する市町村選挙管理委員会の事務負担にも、一方で配慮する必要がございますけれども、そうしたことも含めまして国の検討状況も留意しつつ、先行事例の情報提供を行うなど、市町村選挙管理委員会とも連携をして、より投票しやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 115 ◯議長(上田英俊君)大原警察本部長。    〔警察本部長大原光博君登壇〕 116 ◯警察本部長(大原光博君)県知事選挙の警告についての御質問にお答えします。
     今回の県知事選挙に伴って県警察が行った警告の中身についてのお尋ねでありますが、候補者は警告の対象となった事案に直接関与していないことが多く、陣営ごとの警告の件数や内容を公表することは、各候補者の評判、名誉に不当な影響を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えさせていただきます。  次に、違反行為に対する判断と対処についての御質問にお答えをいたします。  選挙違反の取締りに際しては、違反と疑われる行為について、警察官の各種活動のほか一般人からの通報など、様々な態様で情報が集まってまいります。いずれの場合においても、そうした情報について違反取締りを主管する部門が、内容を精査の上、その時点において明らかとなっている証拠を関係法令に照らして吟味し、行為の違法性及び悪質性いかんについて判断します。そうした判断に基づき、例えば文書掲示違反等の軽微なものについては、違反状態を除去するため速やかに警告を実施する一方、買収などの悪質な違反については、立件に向けて必要な捜査を継続するなど、様々な対処があります。  このように、違反行為に対する判断と対処については、事案に応じ個別具体的に対応しているところでありまして、一概にお示しすることにはなじまないと考えております。  以上であります。 117 ◯議長(上田英俊君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 118 ◯教育長(伍嶋二美男君)私からは、県立高校等における主権者教育に関する御質問にお答えをいたします。  平成28年度から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことを受け、主権者教育の意義が高まっており、小中高校の発達段階に応じて実施をしております。高校では、公民科の授業などで、文部科学省等が作成いたしました副教材を活用して公職選挙法や選挙の具体的な仕組みなどを学んだ上で、民主政治の基本となる話合いや討論を経験しております。  また、より実践的な学習を行うため、選挙管理委員会と連携をいたしまして、毎年、約30校において模擬選挙などの出前授業を行っております。このほか高校の生徒会代表による高校生とやま県議会を、昨年度まで毎年開催しておりまして、県政に望むことや自分たちができることをテーマとして議論した上で、議会形式の意見発表を行い、政治参加意識の涵養に努めております。  それぞれの高校生議員は、議会終了後、各高校の生徒会活動の一環といたしまして、高校生議会の活動内容を学校新聞等に掲載するとともに生徒集会で発表するなど、学校全体で政治参加意識が高まるよう取り組んでおります。  今回の県知事選挙では、全体の投票率の上昇が見られ、選挙前に出前授業を実施した学校からは、生徒間で県政のことを話題にするなど関心を持つ生徒が増加したと聞いております。今後とも選挙管理委員会など関係機関と連携いたしまして、実践的な主権者教育の充実に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 119 ◯議長(上田英俊君)以上で山本徹君の質問は終了しました。  以上をもって本日の一般質問、質疑を終了いたします。  これをもって、県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終了いたします。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 常任委員会への審査付託 120 ◯議長(上田英俊君)次に、ただいま議題となっております議案第116号から議案第122号まで、議案第124号から議案第133号まで、報告第19号のうち専決処分第58号、第59号及び第67号から第69号までについては、お手元にお配りした議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 121 ◯議長(上田英俊君)次に、お諮りいたします。  議案調査のため、12月7日及び9日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 122 ◯議長(上田英俊君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次に、議会の日程を申し上げます。  12月8日及び10日は予算特別委員会を、11日は常任委員会及び議会運営委員会を開催いたします。次回の本会議は12月14日に再開し、諸案件の審議を行います。  本日はこれをもって散会いたします。  午後4時53分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...