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  1. 富山県議会 2020-09-01
    令和2年9月定例会 一般質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前10時00分開議 ◯議長(上田英俊君)おはようございます。ただいまから本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。     県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑 2 ◯議長(上田英俊君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第96号から議案第114号まで及び報告第14号から報告第18号までを議題といたします。  これより各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  藤井裕久君。    〔25番藤井裕久君登壇〕 3 ◯25番(藤井裕久君)おはようございます。自由民主党の藤井裕久でございます。  新型コロナウイルス感染症が発生して以来、今日まで医療現場の最前線で日夜闘っておられる医療従事者の皆さんには、心より敬意を申し上げ、そして感謝を表したいと存じます。  また、残念ながら感染により亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、罹患されて今なお闘病されている方々に、一刻も早く復帰していただくよう心よりお祈り申し上げ、以下質問に入りたいと思います。  まず最初に、効果的な県政情報発信について3問伺います。  総務省が本年5月に実施した新型コロナウイルス感染症に関する情報流通調査によれば、約95%の人が1日1回以上、そのうち20%以上の人が1日平均10回以上、感染症に関する情報やニュースをチェックしているという結果になりました。  情報を得る際に利用する情報源やメディアサービスに関しては、民放、NHK、ヤフーニュースなどが50%前後と最も高く、政府や地方自治体のウェブサイト、新聞はいずれも約30%とやや低めでありましたが、特に信頼できる情報源やメディアサービスについての調査においては、NHKが43.7%とトップ、政府や地方自治体のウェブサイトが約40.1%、民放が38%であり、政府や地方自治体のウェブサイトに対する国民の信頼性が高いことがうかがえたのであります。また感染症の情報による御自身の行動変容については、96.8%の人が奨励される予防方法を取るようになったとの結果でありました。  つまり、新型コロナウイルス感染症を受けて、非常時に県が発信する情報の重要性が、この調査でも改めて認識されたところであり、関連する知事部局のみならず、県議会や県警本部などのホームページについても、情報へのアクセスのしやすさ、スマートフォン等への対応などの使いやすさを含めた機能強化が必要であると感じております。  そこで、今後、非常時等を含め、県のホームページによる情報発信をどのように行っていくのか、現在進めている県公式サイトのリニューアルの方向性と併せて、石井知事の所見を伺います。  新型コロナウイルス感染症拡大防止には、県民意識の向上が必要不可欠であり、インフルエンザとの並行拡大が危惧される冬場に向けた対応は非常に重要であると考えます。  そこで、新型コロナウイルス感染症について、これまで県民向けにどのような情報発信を行い、感染拡大防止に向けた啓発に取り組んできたのか、今後の冬場に向けた対応方針と併せて、石黒厚生部長の所見を伺います。  経済対策としての富山県事業持続化・地域再生支援金をはじめ、事業者向けの手厚い支援策が措置されてきているところでありますが、県内経済の活性化に向け、こうした支援策が、さらに積極的に活用されるよう広く周知を徹底するべきであります。
     そこで、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会経済活動の両立に向けた県内事業者向けの各種支援策の周知について、今後どのように取り組んでいくのか、布野商工労働部長の所見を伺います。  次に、新型コロナウイルス感染症に対応した事業継続計画について2問伺います。  帝国データバンクが発表した、本年5月に北陸3県733社に対して実施した事業継続計画(BCP)策定に関するアンケート調査によると、既にBCPを策定している事業者は13.8%、昨年同期比1.7%増、BCP策定済み、策定中あるいは策定検討中の企業は47.8%であり、前年同期比の5.9%増となりました。北陸3県においてもBCPに対する企業意識が高まりつつあると感じております。  また、BCP策定において想定するリスクとしては、自然災害が通常から高く65%であった一方、感染症が72.7%と昨年の3倍になり、新型コロナウイルス感染症対策としてのBCP策定への意識の高まりを表す結果でありました。  企業活動がコロナ禍によって大幅に制約される中、これまでBCPを意識していなかった企業にもBCP策定に対する意識が高まっていると推測されます。一つの現象として、テレワークの導入が企業の中で進むなど、BCPの策定はこれまで以上に具体的に進んでいくものと考えております。  そこで、新型インフルエンザが発生した平成21年に、県は、県内中小企業に対して事業継続計画の策定等を要請しました。BCPの必要性は認識していても、策定のノウハウやマンパワーの不足から策定に二の足を踏んでいる企業も多いのであります。  そこで、コロナ感染症により企業の働き方や事業防衛に関する意識の変化が見られますが、県内企業の感染症に対するBCPの策定状況はどうか。また感染症の脅威から県内企業を守り育てるため、中小・小規模事業者のBCP策定に対して支援を行うべきと考えますが、布野商工労働部長の所見を伺います。  本県においても国の行動計画を踏まえ、平成17年に富山県新型インフルエンザ対策行動計画を策定、平成25年11月に富山県新型インフルエンザ等対策行動計画を策定しました。また、平成22年11月には、新型インフルエンザ発生時においても県が必要な業務を維持できるようにするため、発生時の業務継続上の基本事項を定めた新型インフルエンザ対応富山県業務継続計画を策定しております。  そこで、県民の生命、財産を守るためには行政機関の業務継続が重要となりますが、県及び市町村の新型コロナに対応したBCPの策定状況と市町村への策定支援にどう取り組むのか、滝経営管理部長の所見を伺います。  次に、新型コロナウイルス感染症の影響に対する雇用対策、就職支援について2問伺います。  9月補正予算には、感染症の影響による離職者のトライアル雇用を経ての正規雇用を支援する事業予算や、離職者等を県が臨時に雇用する事業予算が盛り込まれております。これらの事業は、離職者支援としては非常に有効であり、長引くコロナの影響を考えると、単発、限定的に終わることなく継続して対象を広げて実施することが非常に大切であると考えるわけであります。  そこで、本事業の内容と狙い、今後の継続性についての考え方を併せて布野商工労働部長に伺います。  また、新型コロナウイルス感染症の影響で、本年度の新卒大学生や高校生の就職についても新規求人の減少が報じられておりますが、県内企業における新卒者への求人状況はどうか、また新卒者の就職支援に今後どのように取り組んでいくのか、布野商工労働部長に伺います。  次に、防災対策について5問伺います。  コロナ禍における住民避難等についてでありますが、令和2年7月豪雨では、大変な人的、物的被害が発生いたしました。各地で避難所が開設されましたが、避難所でのコロナウイルス感染症への対策が大きな課題となりました。  去る8月9日に富山県防災士会が主催、富山市婦中熊野・宮川両地区の自治振興会及び同地区の防災会の共催による新型コロナウイルス感染症対策避難所開設訓練が開催され、自分も参加させていただきました。訓練は、密を避けるため、富山県防災士会から31名、地域の自主防災会組織から30名、見学者として近隣の自治振興会などから約20名余りと、参加者を大変絞り込んだ訓練であったと考えております。  避難所での感染防止対策として、1)避難者の体調によって4段階に分けるための事前受付の設置、2)住居スペースの分離とそれぞれへの対応、動線の分離、3)感染者の発見と隔離、移送のための医療機関との密接な情報共有と連携、4)避難者の健康チェックとクラスター発生防止、5)福祉避難所へ移送する要配慮者への対応、6)消毒、清掃、換気の徹底などが、注意点として挙げられたわけであります。  居住スペースは、いずれも感染対策のためソーシャルディスタンスを確保し、またプライバシーを保護するため、段ボールによるパーティションの設置、家族専用のスペースの確保、段ボールベッドの設置、それぞれの居住区分に非常用トイレを専用に設置するなど、通常の避難所の開設や運営よりもはるかに多くのスタッフと労力、スペース、空間が必要だと感じたわけであります。  つまり、感染症蔓延下での避難所開設運営は、3密を避けるための十分なスペースを確保する必要があり、例えば学校であれば、体育館以外の一般教室や特別教室の使用なども含めた新たなゾーニングを検討していく必要があります。  そこで、コロナ禍にあっては、通常の災害発生時よりも可能な限り多くの避難所が開設されることが望ましいと考えますが、県内市町村における避難所運営計画の見直しなどの取組と併せて、石井知事の所見を伺います。  また、感染症蔓延下での避難所開設運営は、従来よりも多くのスタッフ、労力が必要となります。中でも防災に関する専門的知識や技術を持った防災士、地域の自主防災組織の果たす役割は大きく、その育成は急務であります。  そこで、県内各地で防災士や自主防災組織が中心となって、避難所の開設訓練等を実施しておられますが、地域防災力向上のため、今後の支援と併せて防災士や自主防災組織の育成の取組について、砂原危機管理監の所見を伺います。  今月、沖縄や九州方面を襲った観測史上最大級の台風10号では、多くの企業は事前の備えを徹底し、住民が台風上陸の数日前から避難場所を自ら選択し、早期に避難行動を取り、自分自身の安全を確保しました。大規模災害発生時にあっては、命を守るための早期避難や分散避難、住民自らの感染症対策等についても周知徹底していくべきと強く感じます。  そこで、大規模災害時にあっては、住民の適切な避難行動などによって大きな人的被害が避けられるため、被害リスクとなるべき行動についての理解を促進させる必要があると考えますが、今後の取組と併せて、砂原危機管理監の所見を伺います。  次に、ため池の強靱化についてであります。  全国で自然災害が相次ぐ中、ため池の防災・減災対策の推進も重要な課題になっております。  国では、平成30年7月の豪雨により、西日本を中心に広島県の23か所をはじめ全国2府4県で32か所と、多くの農業用ため池が決壊した甚大な被害が生じたことから、平成31年4月に農業用ため池の管理及び保全に関する法律を策定し、防災重点ため池の選定基準を見直しました。  今年度は、防災重点ため池の工事を推進するため、防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法が議員立法により成立したところでございます。  本県においても、新しい防災重点ため池の選定基準の下、決壊した場合の浸水区域に家屋や公共施設が存在し、人的被害を与えるおそれのあるため池に関して鋭意調査を行ってきたところであります。  これまでの公表値では、農業用ため池2,195か所、うち防災重点ため池が163か所と認識しております。平成30年7月豪雨による多くの農業用ため池の決壊被害を踏まえ、国が示した防災重点ため池の新たな選定基準により行った調査の結果、農業用ため池及び防災重点ため池の数はどうであったのか、堀口農林水産部長に伺います。  また、調査結果に基づき、決壊のおそれが高いため池の補強修繕や統廃合など、速やかに対策を講ずる必要があると考えます。農業用ため池の管理及び保全に関する法律及び防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法に基づく県の取組状況はどうか、今後の取組の方針と併せて、農林水産部長の所見を伺います。  最後に、県独自の高校運動部、文化部の大会開催について、2問質問をさせていただきます。  高校における部活動は、学校教育の一環であり、生徒が自主的に部活動に参加することで、スポーツや文化、科学などに親しみ、学習意欲の向上や責任感、連帯感、自己肯定感を涵養し、学校教育が目指す、まさに生徒自身の資質、能力の育成に資するものと考えております。  さらに、野球、サッカー、相撲などに代表されるように、運動部の全国大会などの活躍を足がかりに、その後もトップアスリートとして大学や社会人で活躍し、将来プロを目指す生徒もおり、部活動の大会は非常に大切な意義を持っていると考えるのであります。  また、今回のコロナ禍により数多くの高校生の部活動大会が中止になったことは、夢や希望、目標に向かって頑張ってきた高校生にとっては、言葉では言い表せないくらいつらい出来事であったと思います。また、彼らを支えてこられた御家族や指導者、関係者にとっても大変残念な出来事でありました。  ただ、本県においては、中止された各大会の代替大会として、生徒、特に最終学年生徒の部活動の成果を発表し、生徒相互の親睦を図る機会を確保するということを目的としたTOYAMA2020高等学校スポーツ大会やTOYAMA2020高等学校野球大会を開催していただいたこと、また今月26日には富山県学校吹奏楽交流演奏会を開催していただく運びとなっていることは、彼らにとっては本当にこの上ない幸せであり、大変すばらしいことだと思います。当局の決断に敬意を表する次第であります。  コロナ禍で開催された県独自の代替大会について、コロナウイルス感染症対策を実施しながら大会運営を行うことについては、様々な工夫や制約があり、大変御苦労いただいた関係者の皆さんのおかげで、感染者を出すことなく無事に終了できたと考えるものであります。  そこで、県独自の代替大会について、どのような感染症対策を講じて大会運営を行ったのか、また今回得られた感染症防止のノウハウや反省点を今後の大会運営にどう生かしていくのか、秋以降の大会の見通しと併せて、伍嶋教育長の所見を伺います。  さて、近年は、生徒の減少や指導者の確保の難しさから、単独では部活動の団体競技が成立しないという高校も散見されます。生徒自身の人間形成はもとより、本県教育、さらには日本や富山県の未来を担う青少年を育成するという観点からも、高校における部活動の維持発展は大変重要と考えるものであります。伍嶋教育長の部活動に寄せる熱い思いを伺って、私の質問を終了させていただきます。  御清聴ありがとうございました。 4 ◯議長(上田英俊君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 5 ◯知事(石井隆一君)藤井裕久議員の御質問にお答えします。  まず、情報発信についての御質問にお答えをいたします。  県の公式ホームページには、新型コロナが富山市中心に県内で急速に広がりました4月、5月には、前年の4倍超のアクセスがありました。一方で、その際、県のホームページはスマートフォン対応になっていない、アクセスしにくい等の意見も寄せられておりました。  現在のシステム導入は、平成17年度に導入していまして約15年経過し、システムの老朽化などの課題もありましたために、本年度末の抜本的な更新に向けて作業を進めているところだったわけですけれども、今回いただいた御意見、例えば県のホームページをスマートフォンなりタブレット利用で見ている人の割合が5割を超えているといったようなことも踏まえて、アクセス集中時でも対応可能な回線環境を整備するとか、また通常ページから緊急ページへボタン一つで変更可能にするとか、緊急時対応の機能の強化はもちろんですけれども、高いセキュリティーの確保、分かりやすいナビゲーションによる検索性の向上等によりまして、大幅な機能強化を図ることにしております。  また、利用者の分かりやすさ、使いやすさを第一としたサイトを目指し、利用者別に入り口を分けたトップページを設けて利便性の向上を図ることに加え、見る方が文字のサイズや色合いを変更できる機能を持たせるほか、全ページに外国語自動翻訳機能を備えることとしております。  なお、併せて県警本部においてもサイトを見直して、利用者ニーズの高いコンテンツを見やすくまとめることなどを検討していると伺っておりまして、県民の安全・安心な生活にも資する機能強化が図られるものと考えております。  今般のリニューアルによりまして、県政情報発信の中核ツールである県のホームページが、非常時にも、県民の皆様に必要な情報を迅速かつ分かりやすく発信、提供できるデジタル時代にふさわしいものとなるよう努めてまいります。  次に、コロナ禍における住民避難についてお答えをいたします。  コロナ禍における避難所では、まず避難者の3密回避を優先しまして、十分なスペースを確保することが重要でございます。その結果、御指摘もありましたが、1か所当たりの収容人数が減少することが懸念され、現在、より多くの避難所の確保が課題となっております。  そのため県では、避難所運営マニュアルの策定指針を先般5月に改定いたしまして、公共施設やホテル、旅館、学校施設の空き教室等の活用を検討いただくように市町村に要請しますとともに、6月末には市町村に呼びかけまして、感染症に対応した避難所開設訓練、これは私も実際に視察させていただきましたが、大変熱心にやっていただきました。  なお、その際に、県と協定を締結している民間企業に御協力いただきまして、段ボールベッドやパーティションなど感染症対策に効果のある資機材を提供いただきました。  これに対しまして、県内全ての市町村において、8月末現在でマニュアルが改定済み、または近く改定見込みとなっております。  また県では、県の生活衛生同業組合連合会と災害時支援協定を締結しておりまして、これはもう6年前ですけれども、組合加入のホテル、旅館、約160施設ございますけれども、これをいざというときは避難所として提供いただける体制を既に整備いたしております。  また今般、黒部市、砺波市でも、地元のホテル旅館組合等と同様の協定が締結されました。さらに富山市では、公共の宿泊施設を避難所として活用したり、また砺波市では、駐車場での車中避難訓練を近く実施するとされておりますなど、さらなる対応に努めているところであります。  このほか、57の県有施設が避難所として指定されておりますが、市町村からさらに県有施設を避難所として利用したいと相談があれば、引き続き真摯に対応してまいります。最近でも県内を回っておりますと、自治会などの方から、県の施設を、そういう際にはぜひ避難所として活用してほしいと、そういう要望もありますので、市町村とも連携して、こうしたことについてはしっかりと対応してまいりたいと思っております。 6 ◯議長(上田英俊君)石黒厚生部長。    〔厚生部長石黒雄一君登壇〕 7 ◯厚生部長(石黒雄一君)私からは、感染防止に向けた情報発信についてお答えをいたします。  県では、これまでも新規陽性者が確認された場合には、速やかに感染者の行動歴や濃厚接触者などの情報を聞き取りまして、県民の皆様に対しまして適時適切に感染拡大防止に向けた情報提供や注意喚起を行っております。  また、感染拡大が予見される局面におきましては、例えば4月におきましては、不要不急の外出自粛を4月17日に、休業要請を4月23日に行ったところでございます。8月におきましては富山アラートの発出を8月11日に行うなど、具体の呼びかけを行い、県民や事業者の皆様の行動変容をお願いしているところであります。  さらに、新型コロナ対策に特化した県広報とやま臨時号の発行や新聞の全面広告、ポスター、テレビCM、ラジオ、ホームページなど各種媒体を効果的に活用し、新しい生活様式の定着を呼びかけるなど、感染拡大防止に向けた県民の皆様への周知や普及啓発に取り組んできたところでございます。加えて今後、事業者の皆様が実践されている感染防止対策等を周知できるよう、県ホームページにオリジナルポスターを無料で作成できる特設サイトを開設することとしております。  また、インフルエンザとの同時流行が懸念される冬場に向けましては、今回の補正予算案に盛り込んでおりますインフルエンザ予防接種費用の助成事業を広く周知するとともに、国の方針に基づく相談体制や診療、検査体制の見直しにつきまして、県民の皆様に混乱が生じないよう丁寧な広報に努めるなど、引き続き効果的な情報発信に努めてまいります。 8 ◯議長(上田英俊君)布野商工労働部長。    〔商工労働部長布野浩久君登壇〕 9 ◯商工労働部長(布野浩久君)私からは、まず事業者向け支援策の周知についての御質問にお答えいたします。  県では、新型コロナウイルス感染症の拡大により影響を受けました事業者を対象に、各種の支援策を設け、これまでに例えば、地域企業再起支援事業費補助金では1,053事業者に約9億円を採択し、また事業持続化・地域再生支援金では約2万2,000件の申請があり、既に約28億円を交付しております。県制度融資の新型コロナウイルス感染症対応資金につきましても、8月末現在で約8,400件の申込みがあり、金額にして約1,430億円に達しております。  こうした県の支援策につきましては、分かりやすく情報提供するため、新聞折り込みにて全戸配布いたします県広報紙やホームページに最新の情報を速やかに一元的に掲載するとともに、公式SNS、新聞、テレビ、ラジオ、CMなど、報道機関などの広報媒体を活用するほか、市町村や商工団体とも情報共有いたしまして、周知に御協力をいただいてまいりました。これらの取組によりまして、相当程度浸透し、多くの事業者の皆様に御活用いただいたものと考えております。  事業持続化・地域再生支援金につきましては、8月末の申請期限に対し、県議会や商工団体から申請が間に合わないなどの多くの相談があるとお聞きしたことから、御要望も受けまして、切れ目なく申請を受け付けできますように、先般、県議会の御理解をいただき8月31日付で所要額15億円を専決処分し、締切りを1か月延長し9月30日といたしました。  また、今議会でも資金繰り支援の融資枠の拡充やトライアル雇用を経た離職者の再就職支援制度の創設等を提案するなど、さらに支援策の拡充に向けた予算をお願いしているところでございます。  今後とも、事業者の皆様に、これらの支援制度を積極的に活用いただけますように、市町村や関係機関と連携し、各種事業について迅速かつ適切にしっかりと周知をしてまいります。  次に、事業継続計画についての御質問にお答えいたします。  新型コロナの感染症拡大は事業活動に大きな影響を与えることもあり、事業継続や早期復旧を目的とした事業継続計画、いわゆるBCPに関する意識は高まりつつあると考えております。今年5月の民間信用調査会社の調べによりますと、本県において、BCPを策定済み、策定中、策定を検討中と回答した企業は、合わせて45.5%で、調査が開始されました平成28年度の40%に比べまして5.5ポイント増加をしております。  また、策定していない企業は47%で、その理由には、必要なスキル、ノウハウがない、人材が確保できないなどが挙げられております。  一方、近年、自然災害の頻発化によりまして、中小企業の事業活動の継続に支障を来す事態が生じていることから、昨年5月に小規模事業者支援法が改正されまして、商工会または商工会議所は、市町村と共同して小規模事業者の防災・減災対策を支援するための計画を策定し、県知事の認定を受ける制度が設けられました。  このため、県では今年度、新たに認定された計画を実施するための、例えばBCP策定に関するセミナーの開催ですとか、BCPに対する支援、フォローアップに要する経費について支援し、小規模事業者の計画策定を促進することとしております。  近く、新型コロナ感染症の内容を反映いたしました支援計画のガイドラインが、国から示される予定と聞いておりまして、この新たなガイドラインを周知し、支援計画の策定を促すこととしております。  また、中小企業団体中央会が開催しますBCPの普及啓発セミナーに要する経費を支援いたしまして、中小企業組合のBCP策定を促進するほか、平成26年度から配置しております新産業機構のBCP専門家2名を活用して、企業の相談に対応しているところでございます。  事業者の皆様には、まずは業種別の新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインの遵守をお願いいたしますとともに、事業継続にますます重要となってきますBCPの策定については、議員お話しの新型インフルエンザ対策のための中小企業BCP策定指針、これは国において近く、新型コロナ感染症対策を含む内容に改定される予定というふうに聞いております。公表され次第、商工団体を通じ周知するなど、国や市町村、商工団体等と連携して支援に努めてまいります。  次に、新型コロナの影響による離職者についての質問にお答えいたします。  富山労働局によりますと、新型コロナの影響が出始めた3月1日から今月4日までの間における解雇、雇い止めは655人となり、宿泊、飲食サービス業のほか卸小売業、製造業など、幅広い業種が影響を受けており、7月の有効求人倍率も1.17倍と9か月連続して低下するなど、本県の雇用環境は厳しさを増しております。  こうした状況の下、離職者に関して業種をまたいだ再就職、いわば労働移動の支援が重要となるため、9月補正予算案におきまして全国初の取組として、新型コロナウイルス感染拡大の影響による離職者の方々を対象に、新たな業務への適性の確認が可能で、ミスマッチの防止や正規雇用後の定着促進が図られるなど、再就職の際に労働者、雇用主の双方にメリットがあるトライアル雇用を経た上での正規雇用を支援する、いわばトライアル雇用助成と正規雇用助成を組み合わせたハイブリッド型の再就職支援に、必要な経費を提案しております。  また、雇用情勢の安定化や雇用のセーフティーネットとしての観点から、5月以降、雇い止めや解雇など雇用に影響を受けた方々を、県で会計年度任用職員として臨時雇用しておりまして、今回の9月補正予算案でも、その採用枠の拡充に必要な経費を提案しております。  今後も富山労働局や関係団体とも連携して、新型コロナが県内の雇用情勢に与える影響にしっかり対応していくことが重要であると考えておりまして、これらの新たな取組の成果等を検証の上、必要に応じ、その継続的な実施も検討して、県内の雇用の維持、安定や確保に努めてまいります。  最後に、新卒者の就職支援等についての御質問にお答えいたします。  県内4大学への聞き取りによりますと、大学へ求人票を提供します県内企業の数が、昨年と比較して2割減少しており、また高校生については、富山労働局によると7月末時点の求人数が前年同月比で2割減となっているなど、新型コロナの影響で企業側が採用に慎重になっているものと考えられます。  このため県では、これまで大学生に対して、WEB合同企業説明会の開催やウェブによる面談等を行う企業情報を発信、周知してまいりました。今後は、今週18日と12月に感染防止対策を徹底した上で対面型の合同企業説明会を開催するほか、県人材活躍推進センターで就労相談や面接対策セミナーなどを行いまして、新卒大学生の就職活動をサポートすることとしております。  高校生については、各学校において全校体制で求人確保に取り組むとともに、学級担任等がきめ細かく面接し、個々の生徒の希望や適性に応じた就職指導を行っております。また、県と県教育委員会が配置しておりますキャリア教育アドバイザーが、各学校の要請を受けて、4月から求人確保のために企業訪問等を実施しております。  さらに、9月補正予算案では、このキャリア教育アドバイザーについて、配置期間等を県立高校、私立高校ともに拡充するほか、10月から県教育委員会に2名増員配置し、県内4地区において継続的な就職支援を行うこととされております。  去る6月には、県教育委員会と共に経済団体に対して、時期にとらわれない採用など、新卒者の就職活動への配慮や高校生の求人確保等の要望を行ったところでありますけれども、今後も富山労働局や経済団体等とも連携し、新卒者の就職支援にしっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 10 ◯議長(上田英俊君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 11 ◯経営管理部長(滝 陽介君)新型コロナに対応いたしました県と市町村のBCPの策定状況についての御質問にお答えいたします。  新型インフルエンザ等対策特別措置法におきまして、各自治体に策定が義務づけられております新型インフルエンザ対策のための行動計画につきましては、今年3月の法改正によりまして、新型コロナウイルス感染症対策にも、そのまま用いることができるとされております。  県では、コロナ感染症が仮に蔓延する局面におきましても、住民の方々への行政サービスの提供を継続するため、既に定めております新型インフルエンザ対応業務継続計画を準用いたしまして、各所属において新型コロナに対応すべく業務継続体制の確認、見直しを行っております。  また、県内の市町村でございますが、2つの市が新たに業務継続計画を策定しておりまして、1つの市は10月頃に新たに計画を策定する予定となっております。また2つの市におきましては、県と同様に新型インフルエンザ対応業務継続計画を準用するということにしておりますので、残りの10の市町村が現時点では未策定という状況になっております。  県内での感染症の患者数の拡大以降、県内の市町村におきましては、職員の感染防止、併せて感染の拡大防止に向けまして、在宅勤務、時差出勤の実施や、また各市町村の状況にも応じて、継続業務の選定、業務の優先の順位づけ、仮に職員から感染者が出た場合の対応手順の作成などを確認されていると伺っております。今後は、こうした第1波時の実績も踏まえまして、既存の行動計画の改定や業務継続計画の新たな策定などに取り組まれていくものと考えております。  県といたしましては、様々な機会を捉えて、県の対応状況や県内市町村の取組状況を共有いたしますとともに、業務継続計画の策定に当たりましては、市町村からの相談にも、例えば先進事例を紹介するなどしっかりと対応してまいりたいと思っております。
     コロナが仮に蔓延するような状況にありましても、職員の感染防止にも十分留意しながら、県と市町村が連携をして行政サービスの提供が維持できるように鋭意努めてまいりたいと考えております。 12 ◯議長(上田英俊君)砂原危機管理監。    〔危機管理監砂原賢司君登壇〕 13 ◯危機管理監(砂原賢司君)私のほうから、防災対策に関します2つの御質問についてお答えします。  まず、防災士等の育成に関する御質問にお答えいたします。  万一の災害発生時における被害を最小限に抑えるためには、地域の防災力向上が欠かせません。とりわけ地域で実施されます避難所開設運営訓練への支援や、自主防災組織、防災士等、地域で防災に携わる組織や人材の育成は重要と考えております。  このため県では、地域で実施されます避難所開設運営訓練を市町村と共に支援しております。具体的には、自主防災組織が防災士や自主防災アドバイザーのサポートを受けて実施されます避難所運営計画の策定ですとか、あるいは夜間の災害発生を想定した日没前の早期避難訓練など、実際の避難所開設運営訓練までの幅広い活動の支援、また地区防災計画に基づく避難所開設運営訓練に対する支援を行っております。  また、防災組織の人材育成につきましては、まず防災士につきましては、資格取得の前提要件であります防災士養成講座研修を県において実施しますとともに、この受講料の一部を県と市町村で負担することで受講者の負担を大幅に減らし、地域の防災リーダーとなるべき人材の発掘や育成に努めております。  また、自主防災組織につきましては、未結成地区の町内会役員等を対象とした研修会を実施しまして、組織率向上を図りますとともに、既存の自主防災組織のリーダーを対象として、最新の防災知識の習得や避難所運営の実習等を行い、その能力向上を図ることを目的としたこういう研修も行っております。  県としましては、今後とも地域の防災力向上のため、市町村と連携しながら、防災組織の人材育成や自主防災組織の活動の支援等にしっかりと取り組んでまいります。  次に、住民への情報提供についての御質問にお答えします。  住民一人一人が、洪水ハザードマップ等により災害リスクを把握されますとともに、災害時には早期避難や分散避難、自らの感染症対策などの適切な避難行動を取られますことは、大きな人的被害を避ける上で大変重要であると認識しております。  このため県では、富山防災WEBや県公式ツイッター、また市町村にも協力をお願いして広報誌等を通じ、例えば洪水等ハザードマップを確認すること、避難勧告などの避難情報の見方や適切な避難のタイミングなどを確認すること、親戚、友人宅への避難や自宅における垂直避難など避難所以外への避難を検討すること、避難の際にはマスクや消毒液、体温計を用意することなどについて、周知に努めております。  また、今般、民間事業者の防災アプリ、ヤフーの防災速報アプリにおきまして、県からの配信に加え県内全市町村からも情報配信が可能となりました。今後、災害発生が予想される場合には、このアプリや緊急速報メール、県SNSなどを通じまして、また、報道機関や市町村の協力も得ながら、防災気象情報や避難開始のタイミング情報、避難所の開設状況など、最新の防災情報を県民に早期かつ迅速に提供していくこととしております。  県としましては、今後とも県民が適切な避難行動を取っていただけますよう、防災関係機関とも連携し、情報提供体制の整備に努め、しっかりと周知してまいります。  以上でございます。 14 ◯議長(上田英俊君)堀口農林水産部長。    〔農林水産部長堀口 正君登壇〕 15 ◯農林水産部長(堀口 正君)まず、農業用ため池の数についての御質問にお答えをいたします。  本県では、これまで、2,195か所の農業用ため池のうち、国の基準に基づきまして、堤高10メートル以上や貯水量10万立米以上の規模の大きいもの、また直下に人家や公共施設等があり、決壊すると多大な影響を与えるおそれがあるため池163か所を、防災重点ため池と位置づけてまいりました。  一方、平成30年7月豪雨によりまして、西日本を中心に防災重点ため池ではない小規模な農業用ため池が決壊いたしまして、甚大な被害が発生しましたことから、同年11月、国におきまして防災重点ため池の選定基準が、施設規模の大小にかかわらず、決壊した際に被害が想定される浸水区域を重視する考え方に見直されております。  このため県におきましても、全てのため池を再調査いたしまして、堤体の開削や埋設等によりため池の機能を有していないものを除外した結果、農業用ため池の総数は1,831か所となっております。  このうち国の新たな基準に基づきまして、市町等と協議、調整を行った上で、決壊した場合の浸水区域内に家屋や公共施設等が存在し、人的被害のおそれがあるため池を、防災重点ため池として560か所再選定し、昨年6月に公表したところでございます。  次に、ため池の安全対策についての御質問にお答えします。  県では、ため池の適正な管理保全体制の整備を目的に施行されました農業用ため池の管理及び保全に関する法律に基づきまして、全ての農業用ため池の所有者及び管理者等を明らかにしたデータベースを整備し、本年5月に公表をいたしております。また、県内560か所の防災重点ため池につきましては、管理者や市町との連携によります緊急連絡体制を整備しますとともに、今年度中に全ての市町によりハザードマップが作成されることになっております。  また、ため池の管理、保全につきましては、これまでも国の事業を活用して耐震性調査等を実施し、緊急度が高いものから順次改修整備を進めております。令和元年度までに25か所の整備を完了し、今年度は統廃合1か所を含む21か所の補強工事と13か所の廃止工事を実施しております。  さらに、防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法が本年6月に成立いたしまして、現在、国において防災工事等の基本指針が策定中で、10月にも示されると聞いております。県ではこの基本指針に基づきまして、改めて防災重点農業用ため池を指定しますとともに、県と市町等の役割分担や連携内容、地震、豪雨への耐性の評価方法、工事の進め方などを記載しました防災工事等推進計画を、今年度中に取りまとめることといたしております。  今後とも両法律の趣旨、目的を踏まえまして、市町等関係者と調整を図りながら、ため池の管理、防災工事等にしっかり取り組んでまいります。 16 ◯議長(上田英俊君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 17 ◯教育長(伍嶋二美男君)まず、高校運動部、文化部の代替大会等に関する御質問にお答えをいたします。  県独自の代替大会のうち運動部の感染症対策としては、各主催団体が日本スポーツ協会や各中央競技団体のガイドラインに従いまして、検温や観客数の制限等を徹底するとともに、マスク着用による熱中症対策や延長特別ルールを設けるなどのきめ細かな対応がなされてきております。この結果、選手等から感染者を出すことなく、大会を終えることができたものの、一方では、今大会中に選手や家族が濃厚接触者等になった場合における参加基準が不明確であることなどの課題も挙げられたところであります。  また、文化部においては、唯一代替大会の開催を決定した吹奏楽では、主催団体において、県の対策指針や全国文化施設協会等のガイドラインを基に、感染拡大防止ガイドラインが策定されまして、観客を収容定員の2分の1などとすることや、出演者への健康観察表の提出義務づけ等の対策を講じた上で、今月末に実施される予定と聞いております。  今後の大会の取扱いについては、冬季に開催されます全国大会は実施する方向でおおむね検討されておりますが、予選となる県大会や新人大会については、全国大会の実施の有無にかかわらず、開催する方針であると伺っております。  なお、その運営に当たりましては、今回の代替大会における課題を整理した上で、これまでのノウハウを生かした感染防止対策を講じることとされており、県教育委員会としては、今後とも、生徒がこれまでの努力の成果を発揮し、仲間との絆を深める大会となるよう、できる限り支援してまいりたいと考えております。  次に、高校の部活動の維持発展に関する御質問にお答えをいたします。  部活動は、集団での活動を通じた人間形成の機会や多様な生徒が活躍できる場として、学校教育の一環に位置づけられております。  また、議員から御指摘のありました、さらに部活動は、自己肯定感を高めて責任感や連帯感への涵養に資するなど、生徒の成長に大きな意義を有しており、特に今回のコロナ禍での代替大会では、高校生が一時は目標を失うなど厳しい状況にありましたが、様々な葛藤を経て、すばらしい成果を残しており、生徒にとって大きな成長の機会となったところであり、今後とも高校での部活動の維持発展に向けて最大限支援をしてまいりたいと考えております。  一方、近年の部活動は、生徒数の減少に伴いまして学校単独での部活動が成立しづらくなっていることや、部活動指導による教員の長時間勤務などの課題が指摘をされております。このため本県では、部活動指導員やスポーツエキスパートなどの外部指導者を派遣することによりまして、生徒の技術力向上や教員の負担軽減に取り組んできておりますが、指導者の確保が難しい状況にあります。  今後とも、部活動を維持発展していくため、短時間で効率のよい運営を目指すなど、生徒にとって望ましい環境を構築することを基本として、また学校の働き方改革も考慮した上で、例えば学校と地域の協調した形など、改革に向けて取り組むことも必要であると考えておりまして、今後とも生徒の成長や将来にとって大きな役割を果たし、望ましい部活動となるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 18 ◯議長(上田英俊君)以上で、藤井裕久君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午前10時55分休憩      ─────────────────────  午前11時05分開議 19 ◯議長(上田英俊君)休憩前に引き続き会議を開きます。  川島国君。    〔15番川島 国君登壇〕 20 ◯15番(川島 国君)自民党議員会の川島国です。  石井県政4期目の最後の9月定例会に当たり、私の2期目5年余りですが、議会活動における集大成の質問とさせていただきたい、そういう思いを胸に立たせていただきます。  振り返れば5年前、県議会9月定例会一般質問の場において、ある難病患者の切なる要望を質問させていただきました。金沢大学を卒業し意気揚々と社会へ羽ばたく目前で、筋痛性脳脊髄炎という難病をある日突然発症された、当時20代の女性からの声でありました。一見しても病気のつらさや不便さは分からず、周りの人は知らんぷりで、手助けが欲しい旨を周りに知らせるヘルプマークというものがあるので、富山県も導入してほしいという要望でありました。  そのヘルプマークの必要性を質問し、石井知事には御理解、共感いただき、直ちに本県でもヘルプマーク導入が進みました。難病を持つ彼女が手をたたいて喜んでくれた様子が、今も忘れられません。現在、彼女は病気もよくなり、元気に社会に出て仕事をして頑張っておられます。  政治の醍醐味を実感し、以来、私は県民の声を土台に、常に提案型の質問をしていくことに努めてまいりました。  石井県政における2期5年間で、知事とも幾多の論戦を経てきて、実現したもの、そうでないもの数々ありますが、根本では、元気とやまの創造という同じ理念で富山県政の発展に向けて共に頑張ってきた同志であると振り返ります。  したがいまして、まだまだ、その理念においてやり残したことを解決すべく、来期4年間、共に頑張っていきましょうというエールも込めて質問に入ります。  まずは、コロナ禍を乗り切る共助システムの構築について質問いたします。  未知のウイルスで世界中を混乱させているコロナ禍、あたかも富山県が市町村を支えていないかのような発言が、県都首長から飛び出しました。石井知事はじめ、日夜どうやったら自治体の支えになるのか、県民の救済につながるのかと、腐心して仕事をしている県職員の皆さんの気持ちを一べつもしない、心ない発言であります。  知事を支え、日々、県内市町村をどうやってサポートしていこうかと努力している我々の名誉に関わりますので、一言反論させていただきました。  本論に入ります。  自助、共助、公助、我が自民党の政策においても、この3助の精神を大切にしております。私は、人口減少、超少子高齢化の進展に合わせ、共助支援を拡充し政策を展開していくことが肝要と考えます。  私自身も、ライフワークとして約15年活動継続している放課後児童育成事業、寺子屋サロンの活動や、今般、南砺市においては、無償でたこ焼きを地域の皆さんに配布して地域の絆を強くしようといった活動も出てきております。全て共助の仕組み、共助システムを構築しての実施であります。  この共助システムの活用は、新型コロナウイルス感染症で疲弊した地域にこそ必要でありまして、ソーシャルディスタンスで地域コミュニティーの絆が瓦解しないように、県として積極的かつ踏み込んだ形で支援していくべきものであると確信しております。  しかしながら、現状ではそういった地域の共助、協働といった分野は、基本的には市町村、自治体の領分であって、越権行為と捉える県の姿勢と、財政難にあえぎ十分な支援がしたくてもできない自治体側とのはざまで、県民の要望、願いが宙に浮いている状況であります。  そこで質問ですが、コロナ禍の現状を鑑みると、平時における県と市町村の役割分担を超えた事業展開が求められることから、今まで市町村の役割と捉えられてきた地域共助の支援においても、県が主体的に実施していくべきと考えますが、柿沢総合政策局長の所見をお願いいたします。  本県における地域共助事業を応援する制度として、元気とやま県民協働事業補助制度がありますが、複数の市町村をまたいだ広域的な事業である必要があり、県民側からすれば非常にハードルが高く、地域共助を引き出しにくい状況であると考えます。  現に、私の地元福岡町において、こんな事例があります。  コロナ禍を乗り切るために、食の福袋という事業が6月から事業展開されていますが、これは苦境にあえぐ飲食店さんとタクシー会社と連携して、前払いチケット制で食の福袋を提供、宅配する事業であります。地域経済圏にお金を還流し、地域共助の精神で、地元の飲食店とタクシー会社を支える新しい共助システムとして定着しておりますが、残念ながら行政から支援を受ける制度メニューがありません。事務費や通信費等は実行委員会で負担し、地域経済を支えております。  私は、県として、このような地域の共助や協働事業をもっと育成、醸成するためにサポートしていくことが、地域コミュニティーの絆を強化し地域社会の活性化につながると考えておりますが、その点も踏まえて総合政策局長の見解をお願いいたします。  本年の福岡つくりもんまつり中止に伴うスピンオフ企画であるリモート版つくりもんコンテストにおいては、県当局の適切な御支援、アドバイスをいただき、とやま観光推進機構との連携事業として本補助事業の申請にエントリーさせていただきました。  県当局、現場としては、このコロナ禍、何とか県民の共助、協働の力を拾い上げ、地域活性化につなげたいという熱意がひしひしと伝わったことを、感謝とともに申し添えたいと存じます。  公助に限界があることは理解するところであります。であるならば、共助、民間の力を活用していくことに、より注力していくべきと考えます。  内閣府も推奨するPPPやPFIの手法を最大限活用し、本県における新設予定の公共施設、例えば富山県武道館や高岡テクノドーム別館など、建設や運営に民間資本や経営能力を導入し、行政コストを削減しつつ高い公共サービスの提供を目指すべきと考えます。  一例を紹介しますと、お隣の県、石川県では、金沢市内体育館82の施設について、照明設備のLED化包括事業として、地元工務店連合とコンソーシアムにて事業展開する方向にあります。従来方式と比べ、維持管理費や電気代が12年間で23%削減でき、かつ地域内への資金、資源の循環が図られて、地方行政、住民、地域事業者、地域金融の四方よしの事業となり得ます。滝経営管理部長の見解をお願いいたします。  この項最後に、とやまJAMP構想についてであります。  この構想についても、石井知事には幾度となく質問させていただきました。日本のアニメや漫画、ゲームといった世界を魅了するコンテンツの活用を最大限図り、日本を代表するアニメ・漫画県とやまを確立すれば、国内はもちろん世界中から、特に若い方が吸い寄せられるだろうという構想であります。  最近でも、万葉線のドラえもんトラムのリニューアルや、氷見市における藤子不二雄Aまんがワールド創生事業など、官民連携事業として取り組まれております。  富山市では、遊び心で畑に置いた「どこでもドア」が、インスタ映えすると全国テレビで取り上げられるなど、本県のアニメ、漫画におけるポテンシャルは、実は全国一なのではと思うところであります。このポテンシャルを磨き、点から線へ、線から面へ展開することができれば、夢のある元気とやまの実現に直結いたします。  そこで質問ですが、とやまJAMP構想の下、本県におけるアニメ・漫画コンテンツの活用をさらに重層的に県としても進めていく必要があることから、県民協働事業として、アニメ・漫画コンテンツを活用したまちづくりの取組を広く引き出す補助制度の創設など、検討を進めるべきと考えますが、総合政策局長の所見をお願いいたします。 21 ◯議長(上田英俊君)柿沢総合政策局長。    〔総合政策局長柿沢昌宏君登壇〕 22 ◯総合政策局長(柿沢昌宏君)まず、県と市町村の役割分担についての御質問にお答えいたします。  県と市町村の役割分担については、基本的に、住民に身近な基礎的行政サービスは市町村が中心となって実施し、県は広域的施策を担うものであり、自治会やNPO、地域団体、企業等による地域共助の取組に対する支援も同様であると考えております。  また、今回のコロナ禍においては、新しい生活様式等への対応を図る地域創生臨時交付金が措置され、地域の実情に応じてきめ細やかな対応を図ることができるよう、都道府県と市町村に配分されているところであります。  こうしたことから、今回のコロナ禍では、まずは住民に身近な存在で地域の実情を熟知している市町村が、地域団体等が実施する共助の活動を支援し、一方、県は、検査体制と医療提供体制の強化、県内経済の活性化などをはじめ広域的な取組に対する支援のほか、NPO等の育成や地域団体、企業等を対象とした社会貢献セミナーの実施など、市町村に対する側面的な支援を行っているところであります。  今後とも、市町村との適切な役割分担、連携の下、地方創生関係の交付金や、広域的な事業効果が期待できる取組を支援する元気とやま県民協働事業の活用など、意欲的な地域団体等の活動を支援してまいりたいと考えております。  次に、元気とやま県民協働事業についての御質問にお答えいたします。  元気とやま県民協働事業については、県内のボランティア団体等が他の団体等と協働し、広域的な事業効果が期待できる取組に対して補助するものであり、これまでも幅広い分野の取組に対し支援しており、昨年度も15件の採択を行ったところであります。  こうした支援に当たっての県と市町村の役割分担については、基本的に、住民に身近な基礎的なものは市町村が中心となって取り組んでいただき、県は広域的な施策を担うべきと考えております。こうした考え方の下、本事業の補助対象については広域的な事業効果が期待できるものとしており、原則として、市町村内で事業を実施するものについては補助の対象外としております。  一方で、特定地域に限定された事業であっても、他に例のない先駆的でありモデル的な取組については、例外的にこれまでも県として支援を行っているところであります。  今後とも、県内のボランティア団体等に対し、本事業の周知や活用に当たっての丁寧な助言に努めるとともに、併せて富山県民ボランティア総合支援センターと連携し、民間助成金の情報提供も行うなど、意欲的な団体等への積極的な支援に努めてまいります。  次に、アニメ・漫画コンテンツを活用したまちづくりについての御質問にお答えいたします。  本県は、日本でも人気の高いアニメ、漫画などが数多く生み出されており、高岡市では藤子・F・不二雄氏、氷見市では藤子不二雄A氏の漫画を活用したまちづくりが行われております。このほか南砺市などにおいても、コンテンツ制作などの取組が行われているところであります。  また、県におきましても、これまで、アニメや漫画などのコンテンツを活用した観光誘客や地域活性化に取り組んでいるところであります。  こうしたアニメ・漫画コンテンツを活用したまちづくりの取組に対し県が支援するためには、著作権者の許諾を得ていることが前提条件となりますが、一方で、こうした問題をクリアでき、広域的な事業効果が期待できる地域活性化の取組につきましては、元気とやま県民協働事業や、市町村が地域住民と連携協力したまちづくりを支援する令和新時代まちづくり推進事業などの活用が検討できると考えております。  県としては、今後とも、意欲的な地域団体等によるアニメ・漫画コンテンツの活用など地域活性化の取組に対し、事業の活用に当たっての助言も含め支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 23 ◯議長(上田英俊君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 24 ◯経営管理部長(滝 陽介君)PPPやPFIの活用に関する御質問にお答えをいたします。
     PFIは、民間活力を活用して、低コストで質の高い行政サービスの提供を目指す手法でございます。県ではこれまでも大規模施設の整備に当たりましては、PFIあるいはPPPを含めて民間活力の活用による整備について検討を行っております。  一方で、PFI自体の活用におきましては、PFI法に基づき必要とされております手続がございまして、これが大変非常に多くございます。その結果、実施方針の策定から契約までに約1年から1年半程度の時間、あるいは初期コストを要するという課題もございます。  加えまして、県の財政への影響も考慮いたしますと、交付税で元利償還金の相当程度を措置されることになることが大半でございます時限措置の地方債のメニューの活用、あるいは国の補正予算で措置されるのが通例でございます地方創生拠点整備交付金等の有利な財源を、タイミングを逃さずに活用することも、また大変重要でございます。  こうしたことを踏まえまして、県では、これまではPFI法に基づきますPFI事業を実施した例はございませんが、PPPとして実施をいたしました事業としましては、例えば県立中央病院の医師宿舎等の整備に当たりまして、民間事業者と建物譲渡特約付定期借地権契約を締結しております。  これは、民間事業者の方に建物を整備、運営していただき、そのコストにつきましては民間事業者の方が家賃収入で回収するということで、30年後に建物を相応の価格で最終的には県に譲渡すると、こういう仕組みでございます。そうしたことによりまして、県といたしましても、初期コストの低減をすることができるという取組でございます。  今後とも、議員が挙げられました公共施設の建設、運営も含めまして、PFIに限らず幅広い視点で民間活力の活用を図りながら、また同時に国からの有利な財源を積極的に活用しまして、最少のコストで最大の効果を得ることができますように公共施設の整備に努めますとともに、施設の運営面におきましても、PPPによる取組を柔軟かつ積極的に推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 25 ◯議長(上田英俊君)川島国君。    〔15番川島 国君登壇〕 26 ◯15番(川島 国君)答弁には一部前向きな答弁もありましたが、私が問題提起した共助、協働の分野については、やはり前例主義から脱却して進取の精神で、しっかり、平時ではなく有事なんだという捉え方を持って、見直していただきたいなと思います。  次の質問に入ります。  本県全体の発展を目指す上で、欠くことができないのが中山間地域の振興であります。  石井知事は、同じ理念から、この中山間地域振興のための地域政策を、県民の実感が得られる形での政策の打ち出しをスタートいたしました。  まず、石井知事にお伺いしますが、中山間地域対策課や中山間地域サポートセンターの設置以降、本県では中山間地域政策を強力に進めていると考えますが、現状における成果と課題、及び今年度予算で計上されている中山間地域振興施策、例えばサテライトオフィス誘致や地域特色を生かした付加価値向上の事業などありますが、その目的と効果はどのようなものか、併せてお示し願います。  次に、地域おこし協力隊事業のさらなる支援、活用であります。  この提言についても、石井知事に対して継続して要望しているものであります。本事業の効果、成果は言うまでもなく、ほぼ毎日、新聞紙面上で県内あらゆる地域での活躍で見てとれます。  費用対効果の面から見ても、総務省の所管事業であり県費、自治体負担がなく、朝日町さんはその事業効果を的確に捉え、ここ近年で、毎年10人以上のペースで地域おこし協力隊を受け入れておられます。  直接的に県外から若い方、特に地域づくり、まちづくりに意識の高い方を迎え入れ、3年の任期を終えた後も約7割の方がその地域に定着されている事実を見ると、石井知事が力を入れる移住定住政策そのものであろうと考えます。  そこでお伺いします。地域おこし協力隊については、受入れ市町村に対して、隊員の給与相当や活動費などへの特別交付税措置がなされているところでありますが、さらなる協力隊員の受入れ推進のため、県内全ての市町村が手を挙げられるように、県として独自に上乗せして支援することを検討してはどうか、総合政策局長の所見をお願いいたします。  平成の大合併から約15年が経過し、全国的にそうでありますが合併特例期間が終了していくところにあります。合併前の旧市町村では、新市建設計画を遂行し、大きな課題であった旧役所庁舎の再編などの問題にも着手されるところと理解しております。  私の地元福岡町でも、高岡市の公共施設再編計画も相まって、福岡分庁舎の支所化へ向けての議論が進んでおります。その議論の中で、やはり中心になるのが人の問題でありまして、今まで少なからず行政職員が関わり担ってきた地域のまちづくりや伝統文化事業、中山間地域、過疎地域へのきめ細かい地域支援活動など、行政機構の再編に伴う公共サービスの縮減に大きな不安を感じております。  何か打つ手はないのかという思いから質問に入りますが、地域おこし協力隊のネットワークを最大限活用し、まちづくりや中山間地域政策の強化を図るためにも、県西部、県東部のそれぞれに協力隊の拠点を設け、きめ細かい移住定住支援にもつなげてはどうか、所見をお願いいたします。  福岡分庁舎の支所化再編に伴い、地域おこし協力隊を強化拡充していく拠点として活用できないかという強い要望が出ておりまして、合併認可権者である県としての支援を求めるものであります。 27 ◯議長(上田英俊君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 28 ◯知事(石井隆一君)川島議員の御質問にお答えをいたします。  中山間地域政策についての御質問であります。  県では昨年度、中山間地域対策課を新設しますとともに、中山間地域サポートセンターを開設しますなど体制を強化しましたほか、職員や地域コンシェルジュが地域に出向いて、話合い支援に取り組んでまいりました。  昨年度は、5つの市の8つの地域で地域の話合い支援を実施いたしまして、そのうち3地域では、次のステップとなる中山間地域チャレンジ支援事業を活用しまして、例えば空き家調査やコミュニティカフェ開設に向けた講習会開催などが行われております。  今年度からは、今年3月に策定しました中山間地域創生総合戦略に基づきまして、新たに中山間地域におきまして、移住者の起業等をサポートするモデル事業として2地域を支援しますほか、例えば富山市の八尾の町なかですとか南砺市の井波地域ですけれども、また高収益作物の導入や6次産業化等により農業所得の向上を目指すモデル農業者の育成のため、3経営体を支援しております。これも滑川市、南砺市、黒部市、それぞれ1経営体ずつございます。  加えて、今回の補正予算案では、中山間地域への新たな人の流れを創出したいということで、サテライトオフィス誘致に取り組む市町村に対して補助限度額を大幅に引き上げるなど、支援を強化することにしております。  一方で、新型コロナの影響によりまして、今年度の地域の話合い支援はリアルでの開催が困難でありますので、実施地域が現在のところ3地域にとどまっております。  県としましては、感染防止対策を徹底しながら、引き続き職員や地域コンシェルジュが積極的に地域に出向いて、現場の実情等を丁寧にお伺いしながら中山間地域対策にしっかりと取り組んでまいります。  特に、サテライトオフィスを富山県内に立地したいがといったような打診も出てきておりますから、お話しのように、中山間地域への新しい人の流れの創出にもつなげる絶好のチャンスだと思っていますので、努力してまいります。 29 ◯議長(上田英俊君)柿沢総合政策局長。    〔総合政策局長柿沢昌宏君登壇〕 30 ◯総合政策局長(柿沢昌宏君)まず、地域おこし協力隊の受入れ推進についての御質問にお答えいたします。  地域おこし協力隊の受入れ数は、受入れを開始した平成22年度末は3名、その5年後の平成27年度末は21名でありましたが、さらに5年後の本年9月1日時点で42名となっております。  さらに、今年度は新たに、高岡市でも募集が開始されたところでありまして、これまで受入れ実績のある市町村は13となっております。  県としましては、市町村における協力隊の受入れ促進のため、これまでも募集に関しまして、移住セミナーでのブース設置や県ホームページでの案内などの支援を実施しており、さらに、今年度は新たに、受入れ側である市町村の課題や悩みを解消するために、希望する市町村、今年度は高岡市など3市町村に対しアドバイザーによる相談を実施することとしておりまして、サポート体制を強化しているところであります。  御提案の県独自で隊員の活動に要する経費を上乗せすることにつきましては、これまで県内市町村から特段の要望がなく、また隊員1人当たりの特別交付税措置の上限額が、昨年度までの400万円から今年度は440万円まで引き上げられ、さらに令和3年度以降も段階的な引上げが予定されているところであります。  こうしたことから、市町村におかれましては、引き続き国の特別交付税制度を活用いただくとともに、県におきましては、今後とも市町村における協力隊の受入れ促進について支援してまいりたいと考えております。  次に、地域おこし協力隊の拠点についての御質問にお答えいたします。  地域おこし協力隊の活動強化に向けては、県では、隊員の顕著な取組に対する表彰の実施、知事と隊員との座談会や隊員間の意見交換会の開催、任期終了後の自立に向けた研修会などを実施しているほか、協力隊の方々などを、市町村からの推薦によりまして、とやま移住サポーターとして委嘱し移住促進にも取り組んでいただくこととしております。  このほか、昨年度、協力隊の現役やOB、OGが中心となって、自主的に県内での隊員同士のネットワーク組織が発足しており、県の取組に加えまして、こうしたネットワークも生かしまして、中山間地域などの活性化につなげたいと考えております。  こうした現在の状況を考えますと、御提案の県西部、県東部での協力隊の拠点設置については、まずは、隊員は基本的に受入れ市町村内で活動を展開しており、県レベルでの広域での活動拠点を設ける必要性が低いこと、また県が実施している研修会や隊員による自主的なネットワークなどを通じまして、隊員間の広域的な交流や情報共有が図られていること、現在実施しておりますオンラインやSNSの活用で十分なコミュニケーションが期待できることから、現在のところ、設置の必要性は低いのではないかと考えております。  再編後の高岡市福岡庁舎の課題も御発言ございましたけれども、協力隊の拠点として活用することにつきましては、まずは高岡市において御検討いただくことが重要ではないかと考えております。  県としましては、今後とも、協力隊の活動強化拡充や県内定着が進むよう、そして、そのことが中山間地域の活性化にもつながるよう、こうしたことが大事だと思いますので、市町村と連携し、しっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 31 ◯議長(上田英俊君)川島国君。    〔15番川島 国君登壇〕 32 ◯15番(川島 国君)非常に後ろ向きな答弁、ありがとうございます。  しかしながら、支援で高岡市も1人受け入れたということで、10年制度がたって、ようやく1人受け入れるということで、非常にスピード感が遅いと。そして今ほどの答弁では、自治体からの要望がないと動けないとか、非常に後ろ向きだなと。  ぜひ、中山間の地域の戦略的観点を持って、移住定住への県の戦略でありますので、ぜひ主体感を持って取り組んでいただければありがたいと思います。  最後の項に入ります。  国の重要施策における地方政府としての取組について質問いたします。  東日本大震災からはや10年が経過し、現在進行形で戦後最大の不況を招いている新型コロナパンデミックやゲリラ豪雨水害など、時として人知ではどうしようもできない大災害が、我々国民、県民を恐怖のどん底に陥れています。  国家、政府が、国民に対して要請やお願いベースでしか、このような危機に対応できない我が国の在り方に、大きく疑問を持たれた方も多いと思います。特に県民の命を守らなければならない知事にとって、国の在り方、憲法について考えさせられたものと推察いたします。  私は、一日も早く日本国憲法を改正して、特に、大災害などの非常時に早急な政府の対応を担保する緊急事態条項が必須であると考えておりますが、地方政府、富山県としてどのように考えるか確認したいと存じます。  憲政史上最長の安倍政権でも成し遂げられなかった憲法改正について、まずは憲法審査会などの国政の場で十分な論議を尽くすことが基本でありますが、地方自治の確立の観点から、石井知事は憲法改正についてどのように考え、改正議論にどのように関わっていくのか、所見をお願いいたします。  次に、これも安倍政権における最重要課題でありました北朝鮮による拉致問題であります。  横田めぐみさんの御尊父、横田滋さんも、ついぞ、めぐみさんに会うこともかなわず、お亡くなりになりました。子供に会いたい一心で40年以上にわたって活動されてきたことが報われなかったことに、本人はもとより、安倍首相も断腸の思いであろうと察するところであります。  私も、一人の日本人の親として残念でならず、我が国に主権はあるのかと、情けなさを感じるものであります。  私は、この拉致問題は、本県においても最悪の拉致、誘拐事件だと思っておりますが、公的には日本における人権侵害事案と称するそうであります。  そこでお伺いしますが、この最悪の人権侵害事案と言える北朝鮮による日本人拉致問題について、県警察としてどのように対峙し、事件の解決に向けて今後どのように取り組んでいくのか、県警本部長の所見をお願いいたします。  次に、国土強靱化についてであります。  100年に一度の水害が毎年やってくる近年の状況に、ただただ恐れるばかりでありますが、その状況変化にしっかり対応し県民の命と安心・安全を守ること、県として最重要課題であろうと考えます。  本年度の国交省概算要求にある事前防災対策として、洪水対策のためのダムの一元管理が提示されています。ダムを1基も新設せずに、八ッ場ダム約50基分の水量調整を可能にした、縦割り行政の打開であります。国交省管轄、電力会社管轄、農水利用ダムなど、管轄がばらばらだったものを、豪雨の状況に合わせてAIの活用も図り、水害を招かない事前放流を一元的に管理運用するものであります。  この政策の本県への恩恵は幾ばくのものか、国土強靱化の施策として全国的に進められているダムの事前放流について、治水協定の締結に基づく水系ごとの統一的な運用における本県の治水上のメリットをどのように捉えているのか、土木部長の見解をお願いいたします。  石井知事は、新型コロナ第1波を受けて、デジタル革命、デジタルトランスフォーメーション推進の必要性を強く感じておられます。特に教育現場において、新型コロナウイルス感染症の影響で休校となり、その間、学びの保障が大きく問われたことも、そう感じられた大きな要因であろうと思います。テレワークやオンラインでの会議が意外にメリットがあり、遠くにいても仕事ができてしまう状況に、DX推進の可能性を感じたものと共感いたします。  そこでお伺いしますが、DX推進を強力に進める富山県として、現在重点的に取り組んでいる施策や今後進めていくべきと考えるDX推進政策はどのようなものか、またデジタル庁創設構想に関して県としてどのような役割を求めていくのか、石井知事の見解を求めまして、最後の項の質問といたします。 33 ◯議長(上田英俊君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 34 ◯知事(石井隆一君)まず、憲法改正についての御質問にお答えをいたします。  日本国憲法の3つの基本理念であります国民主権、平和主義、基本的人権の尊重は、人類普遍の価値でありまして、引き続き尊重し、その実現に努めなければならないと考えております。  ただ、憲法施行以降73年が経過しまして、社会経済情勢等も大きく変化しております。  地方自治についても、平成12年に地方分権一括法が施行されまして、国と地方が上下主従の関係から対等協力の関係に変わります中で、各地方団体が地域の実情を踏まえた独自の施策を展開するケースも多くなっております。  例えば、現下のコロナ対策についても、国民の生命と健康を守るために、本県をはじめ各県が独自施策を打ち出して国に先行する局面も確実に増えておりますなど、日本の国における地方自治の役割はますます大きくなっております。  そうした中で、議員から、大災害時などの緊急事態への対応や地方自治体の役割などについての憲法上の位置づけといった議論もいただきましたし、例えば参議院選挙の合区問題などもあります。  地方自治の観点からも、基本的人権の尊重、国民主権と並んで、この都道府県制の位置づけも含めまして、地方分権の基本的な考え方や理念をもっと書き込むことが必要ではないかと考えているところでございます。  憲法の課題やあるべき姿については、我が国の将来の在り方や国家像などを踏まえて、これは特定の政党の考えだけではなくて、できるだけ幅広い政党間で合意形成を図るために、安倍総理もそういう発言をされておりましたが、例えば憲法調査会などで十分議論を尽くすとともに、国民投票という制度もありますことから、主権者たる国民の皆さんが幅広く参加して丁寧にかつ十分議論を尽くすことが重要であり、その上で最終的に改正が大方の国民の皆様から必要と判断された場合には、改正すべきものであると考えております。  今後とも、知事として地方自治の第一線に携わる立場から、憲法改正に向けた国民の皆様の機運が高まれば、既に全国知事会の中でも議論はいたしておりますけれども、全国知事会等での議論もさらに深めながら地方としての意見をしっかりと発信してまいります。  次に、DX推進についての御質問にお答えいたします。  県では、今年3月に富山県官民データ活用推進基本計画を策定いたしまして、情報通信システムやデータ利活用による次世代型行政サービスの提供、IoTやAI、ロボット等の新技術導入による県民利便性の向上、行政サービスの効率化を進めておりまして、これまでも情報インフラの整備や庁内ネットワーク環境の見直しなど、デジタル化を推進してきましたほか、今後、ICT人材育成にも積極的に取り組むことにいたしております。  国においても、骨太の方針で、この1年間を集中改革期間とし、デジタル化の取組を強化、加速し、新法の制定も含めて様々な検討をされていると伺っております。  また、自由民主党総裁選候補の政策で、デジタル庁創設等が挙がっていると報道では伝えられておりまして、国における取組の加速化にも期待をしているところであります。  県としましては、県民、事業者の皆様が、あらゆる活動においてデジタル技術の便益を享受して、安全・安心な暮らしや豊かさを実感できますように、このDXの推進に向けて国に先行して取り組む気概を持って鋭意取り組んでまいります。  先ほど議員がおっしゃった、人の流れをもっと地方にと、移住の促進、協力隊の話もありました。そういったことを進めていくためにも、私はこのDXの推進というのは大変大事だと思っております。  また、こうしたデジタル化の推進に向けた課題に戦略的かつ総合的に対応しますために、県庁の組織体制の充実強化を図る必要があると考えておりまして、引き続き県民の皆様からの負託をいただくということになりますれば、令和3年度の組織機構の見直しに向けて、デジタル化の推進に関する部局横断的な組織を創設する。  例えば、デジタル革命推進室と言うとちょっと狭いですから、デジタル革新推進室とか、いろんな言い方があると思いますけれども、こうした組織を部局横断的な形で創設する。そうした方向で、しっかりと検討してまいりたい、かように考えております。 35 ◯議長(上田英俊君)大原警察本部長。    〔警察本部長大原光博君登壇〕 36 ◯警察本部長(大原光博君)北朝鮮による日本人拉致問題についての御質問にお答えします。  北朝鮮による拉致容疑事案は、我が国の主権を侵害し、国民の生命、身体に危害を及ぼすとともに、被害者やその御家族に耐え難い苦痛を与える許し難い犯罪であり、治安上極めて重大な問題であります。  現在、全国警察において、13件、19人の事案を拉致容疑事案と判断するとともに、拉致の実行犯等として北朝鮮工作員等計11人について、逮捕状の発付を得て国際手配をしているところであります。  また、県警察においては、これらの事案以外にも、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案として、20人の方々について関係機関と緊密な連携を図りつつ、鋭意、所要の捜査や調査を進めています。  さらに、県民に拉致問題についての関心や認識を深めていただくことを目的として、国や県の関係部局の協力も得て各種広報啓発活動に取り組んでいるほか、平成13年に黒部川河口で発見された北朝鮮のものと見られる水中スクーターを、県警本部2階に常設展示するなどしております。  今後とも、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するため、拉致容疑事案等の全容解明に向けて、徹底した捜査、調査等を推進します。 37 ◯議長(上田英俊君)江幡土木部長。    〔土木部長江幡光博君登壇〕
    38 ◯土木部長(江幡光博君)私から、ダムの事前放流についての御質問にお答えいたします。  近年の水害の激甚化等を踏まえまして、全国の一級水系において国が主体となり、ダム管理者や電力会社等の利水者との間で、既存ダムの事前放流の治水協定を締結しまして、水系ごとにダムの統一的な運用を開始したところであります。  急勾配で水量が多いことが特徴である本県の河川では、小牧ダムや黒部ダムなど大規模な発電用ダムや、かんがい用ダムなど、県内の一級5水系におきまして58のダムが建設されております。  その利水容量の合計は約9億5,660万立方メートルと、国内全体の利水容量の約9%を占めております。  今回締結した治水協定によりまして、この利水容量が治水上も活用できることとなることから、県内の一級5水系では、これまでの洪水調節容量4,020万立方メートルに加えて、最大で約4億2,300万立方メートルが洪水調節に可能な容量として確保されることとなっております。  今後は、国が3日前に示す予測降雨量が下流の流下能力に応じて算定したダムごとの基準降雨量を超えた場合に、確実にダムの水位回復が見込める範囲において、ダム管理者が事前放流を実施することとしております。  また、上市川等二級7水系におきましても、県が主体となり、早期運用に向けて電力会社等と協議を進めております。  県としましては、本県のダムが有する豊富な利水容量を活用して統一的な運用による事前放流を行うことは、計画規模を超える洪水に対して、下流域の浸水被害の防止、軽減を図る治水上のメリットが大きいと考えており、国や電力会社等と緊密に連携し、しっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 39 ◯議長(上田英俊君)以上で川島国君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  午前11時55分休憩      ─────────────────────  午後1時00分開議 40 ◯副議長(筱岡貞郎君)休憩前に引き続き会議を開きます。  井加田まり君。    〔20番井加田まり君登壇〕 41 ◯20番(井加田まり君)質問に先立ちまして一言だけ申し上げます。  言うまでもなく、地方自治体の大きな役割は住民福祉の向上にございます。県議会社民党議員会は、この間、市町村がそれぞれ特色ある政策が打ち出せるよう、県は、医療や福祉など県民生活の基盤をしっかりと支える役割に全力を尽くすことが重要であるとの考えから、県財政の在り方については、県民生活に直結をしない不要不急の大型公共事業を転換し、県民が安全で安心して暮らせる富山県を展望し、是々非々で石井県政と対峙してまいりました。  猛威を振るっている新型コロナ感染症拡大防止対策では、スピード感に欠ける県政に対し、4月臨時会と6月、9月定例会前に、PCR検査の強化、病床確保、医療器材の確保と備蓄、そして困窮する県民に対する生活と経済支援を重点として、知事に要望をしてまいりました。そうした観点から以下質問に入ります。  まず、過去最大の補正予算の評価と地方財政の充実強化についてでございます。  新型コロナウイルス感染症は、依然として深刻な事態の中にあります。第1波では、全国的な緊急事態宣言が発せられる状況の中で、感染拡大地域では必要な検査が受けられない、陽性が判明しても自宅待機を求められるなど、厚生センターの相談体制や衛生研究所の検査体制は一時逼迫をいたしました。急遽組織をされた県のコールセンターや対策本部においては長時間労働を余儀なくされ、医療機関においては深刻な医療用マスク不足や防護具不足が続いた上に、感染症病床が不足する中で、急遽一般病床を転用するなどの対応を迫られました。  この間の行政改革の下に進められた保健所の縮小により、新たな感染症に対する県の公衆衛生行政と危機管理体制の脆弱さが露呈したとも言えます。  社会経済活動と感染防止を両立させるには、県民への自粛、3密回避の自己責任を呼びかけるだけなく、初動対応としての早期発見、早期隔離、早期治療が前提であります。県民の中にある感染への不安、危機感に対して、検査医療提供体制のさらなる拡充が必要と考えます。  また、コロナ禍の影響で零細、中小、下請の仕事が途絶え、事業継続が危ぶまれる不安、雇い止めなどの雇用不安、ひとり親世帯、障害者、病気の人など生活に困窮する人の不安など、県民生活に寄り添い継続した支援も求められています。  知事は、第1波の県下の状況と県の対応について、どのように総括しているのか伺います。  今年度当初予算では、必要なコロナ対策関係費は盛り込まれず、新たに創設されたコロナ対応の地方創生臨時交付金や緊急包括支援交付金を活用し、4月、6月、9月、総額合わせて過去最大となっています。その内訳は、56%に当たる774億円は3年間の実質無利子・無担保の貸付けへの対応資金となっております。  国は、過去最大の予算を示す一方で、本来、法律上、住民福祉の増進を目指す自治体の既存の制度が十分活用されず、災害時や所得激減時の既存の制度も十分生かし切れないまま、一過性の臨時の現金給付について、給付金以外の無駄な事務費をかけて委託をし、特別給付金の支給は市町村が、地域の実情を踏まえた施策については県と市町村が競って対応するなど、地方自治体に丸投げされた格好になっております。1回きりでなく制度の持続化も必要であり、制度の見直しについて国に強く働きかける必要があります。  第2波、この秋冬を見据えて、感染防止拡大と社会経済活動の維持活性化にどのように取り組むのか。少子高齢化が進行する中、コロナ危機を経験し、医療、介護など社会保障への対応、子育て環境への支援、地域交通の維持確保など、県民生活に密着した行政需要への対応がより一層求められています。  今後の感染状況や自治体における財政需要を把握しつつ、継続したコロナ対策も必要であります。2021年度の当初予算に必要な財源確保について、国へどのように働きかけていくのか、石井知事に伺います。  続いて、県民生活に寄り添った支援、そして経済活動の維持に向けた県の施策について3点伺います。  まず、コロナ危機が長期化をする中で、国の持続化給付金の需給を要件とする県の事業持続化・地域再生支援金の申請期間が9月末まで延長されています。さらなる期間の延長と併せ、支援金の増額、減収要件の緩和など、県内事業所の減収状況に応じた継続的な支援となるよう検討を進めるべきと考えますが、今後どのように取り組むのか、布野商工労働部長に伺います。  次に、生活困窮世帯を支える命綱でもある緊急小口資金、総合支援資金の特例措置について、返還免除の要件緩和や返済据置期間の延長など、コロナ危機が長期化する中で制度の見直しが必要と考えます。この制度は、県社会福祉協議会で行っている自立支援に向けた貸付け制度を活用し、拡充する形で特例的に実施された事業であることから、コロナ以降の返済免除の対象外者に対する就労への支援など、継続した支援体制の拡充も課題となっているところであります。  貸付けの現状と課題、そして今後の対応と併せて、石黒厚生部長にお伺いをします。  3点目に、勤務先の休廃業や労働時間短縮で収入が減少し、母子家庭の18%で食事回数を減らすなど、困窮状況にある実態がNPO調査で報告されています。ひとり親家庭支援事業については、スピード感を持って簡素な手続で受給でき、1回きりではなく必要な期間、継続して受け取れるよう検討してはどうかと考えます。  また、県と市町村と連携することで、真に必要な世帯への支援につながると考えますが、事業概要と手続、今後の進め方と併せて、石黒厚生部長に伺います。  この項、最後に、毎年のこの間の福祉予算の削減で、平成30年度に広域化された国民健康保険の影響について知事に伺います。  被用者保険に比べて加入者の年齢構成や医療費水準が高い一方で、所得水準が比較的低く保険料収入が確保しにくいという構造的な課題を抱えております。低所得者対策強化のため確実な財政支援が求められています。制度の健全運営と適切な保険料設定が行えるよう、県と市町村の連携強化が必要でございます。  国に対しては、子供に係る均等割保険料の軽減制度の創設、子供医療費をはじめ各種医療費助成制度など、地方単独事業の実施に伴う国保の国庫負担減額調整措置の撤廃が求められています。とりわけ子供医療費助成制度に係るペナルティーについて、県内の多くの自治体からは、財政負担が大きく、国保の広域化に伴い県負担の引上げを求める要望が多く上がっているところであります。  社民党議員会としても度々知事に申し上げてきておりますが、県はこの間、子育て応援券の拡充にとどまり、市町村支援には冷たい対応となっているのではないでしょうか。  制度の根幹について県が実施をすれば、よりきめ細やかな施策は市町村が実施する事業に使うことができます。県と市町村の連携強化につながると考えるものです。石井知事の見解を伺います。  次の質問は、県民の命と暮らしを守る検査医療提供体制の強化と感染拡大防止対策の現状と課題について、順次、厚生部長にお聞きするものであります。  コロナ対策は、決して軽症で済む例が多いなどと甘く見てはなりません。県民の中にある感染への不安、そして危機感に対して感染拡大を防ぎ、高齢者への感染を極力防ぐために、検査や医療提供体制強化に引き続き緊張感を持って取り組まなければなりません。  そこで、帰国者・接触者相談センターについて2点お伺いをいたします。  まず、県内のコロナ対策の最前線である県の厚生センター、支所、中核市である富山市保健所について、コロナの収束の見通しが立たない中で、現場の疲弊は限界に来ているのではないでしょうか。現場を崩壊させないために業務支援の現状と他部署からの応援、そして富山市保健所への支援強化が求められています。どのように対応されるのか。  次に、県内では陽性が確認された人の約4割は感染経路不明者となっています。長期化を見据えて、行動歴や感染経路の調査手法の見直し、他、業務の軽減、人員、予算の拡充など、抜本的な改善が求められると考えます。県の対策本部に帰国者・接触者相談センターを集中、一元化するなど、そして強化するなど相談体制強化が必要と考えますが、どのように取り組むのか、石黒厚生部長に伺います。  次に、PCR検査体制のさらなる拡充について、2点質問いたします。  この間の検査体制が拡充されまして、処理できる検査能力には若干余裕があるように見えます。一方で、新規陽性者の約4割が感染経路不明であることから、追跡調査対象から漏れたままの、感染力があっても見えない感染者の存在は否定できない状況だと思っています。行政検査と並行して、かかりつけ医などの医療機関で、必要な人が適切な時期に保険適用により検査が受けられるようにすべきと考えますが、どうか。  また、命を守る、そして感染拡大防止の観点から、患者の受入れ、治療を行う医療機関職員への定期的検査をはじめ、エッセンシャルワーカー、社会的インフラに従事する方々に対して、優先的な検査の実施も求められていると思います。PCR検査の処理能力をさらに計画的に高める必要があると考えますが、今後の方針について質問いたします。  次に、医療提供体制の確保と維持について、2点お伺いをします。  国は、医療関係者の負担軽減のために、無症状、軽症者の宿泊、自宅療養を勧めておりますが、陽性者全員の入院が基本であり、今後の県の方針について伺うものです。いずれにしましても、県民の理解と協力が前提と考えますが、県は今後どのように取り組まれるのか。  また、感染症患者が入院する病床を継続して確保していくことも基本と考えます。必要病床数はどの程度確保されているのか、空床補填の考え方と併せてお伺いをいたします。  この項最後の質問は、地域医療構想における再検証への対応についてでございます。  政府が、厚生労働省が、病院の再編統合方針について、9月末までに結論を出すよう求めていた地域医療構想について、年内にも新しい行程表を作成する方針について、8月31日付通知が出されております。  医療費削減を目的とする病院再編統合議論は、今回の新型コロナウイルス感染症への対応からも、地方の現状を反映しておらず見直す必要があると考えます。国の方針については一旦白紙に戻し、地域医療確立に向けて県としての具体的方針を示されるべきと考えるものですが、どのように取り組んでいかれるのか、厚生部長に伺います。  4項目め最後の質問は、コロナ禍で見えてきた特別支援学校の現状と課題、環境改善についてでございます。  特別支援教育が必要な知的障害特別支援学校の在籍者及び家族支援が必要なケースが増加をしており、施設設備の不足、職業自立支援の充実の必要性など課題が山積をしている状況にあります。  一方で、教職員の多忙化がなかなか改善しない中、児童生徒の命を預かる現場では、コロナ対策も含めて教育環境がさらに悪化をしており、教職員の負担と不安が広がり、職場環境の整備充実を求める声が上がっております。  去る9月3日、とりわけ老朽化が著しいしらとり支援学校の本校舎と寄宿舎を視察させていただき、経年劣化で傷んだ校舎や寄宿舎の現状をつぶさに確認をさせていただきました。教職員と利用者の新型コロナ感染防止の観点からも、建て替えを視野に抜本的な対応を急ぐべきとの思いから指摘をさせていただきます。  まず、本校舎の問題点について申し上げます。  昭和53年4月に小中学部、そして55年に高等部が設置をされました。その後、普通教室、特別教室、プレイルームや実習室、プール棟など、増築が繰り返されております。平成22年、しらとり支援学校に校名が変更され、児童生徒の増加に伴い管理棟や中学部棟、寄宿舎棟のトイレの改修や耐震補強など、平成28年には生徒数が最多となる中、築42年の現在に至るまで、児童生徒の増加や教職員の増加などに対応するため必要な増改築が繰り返されてまいりました。敷地いっぱいに校舎が立ち並んでいる現況になっています。  教室を確保するために校舎の廊下やフロア等の空きスペースを利用し、間仕切りをして所狭しに確保されておりました。ですから、あちこちに入り口の段差や壁のでこぼこが目立ちます。また、壁紙も剥がれたままとなっており、とても快適な環境とは言えない状況だと感じました。外壁のコンクリートには、ところどころひび割れも目立ちます。全体として迷路のような校舎の安全性や耐震性は、本当に大丈夫なのかとの印象を持ちました。  また、小中学部の職員室には、100名を優に超える教職員の方が所狭しと机を並べられています。その上に、コロナ対策で机と机の間は段ボールで仕切らざるを得ず、さらに見通しが悪い状態となっています。通路も狭く、完全に密状態です。  また、通学バスはコロナ対策で増便をされ、校舎前の広場は登校下校時間近くになると、玄関前に縦列状態でバスがびっしり並びます。施設からの迎えのワゴン車や乗用車も隙間なく並ぶ過密状態となっています。正面以外の駐車場についても、狭い上に舗装されていないのでライン引きもできず、小石が飛んで大変危険な状態です。食堂も人数制限をしているために、教員が給食の配膳を行い離れた校舎に運ぶなど、工夫をして限られた時間で対応されています。  また、寄宿舎の問題点についても申し上げます。  寄宿舎は通学保障の場であり、自立と社会参加を培う教育の場として大変重要な役割を果たしております。児童生徒の命と安全を確保し、一人一人に応じたきめ細やかな生活教育を充実させるために、これまで以上に教育機能の充実と専門性が求められているところであります。  退職者補充を正規の職員で、欠員についても正規の職員を採用すること、また施設整備について、老朽化による不備や生活の場としての居住性の問題、デジタル化への対応の遅れなど、全面改築を求める声が多く上がっております。早急な対応が必要であります。  特に問題なのは、一部の居室において床下に水がたまっていること、湿気対策。そしてダニの発生などなどがございます。寮の職員室も大変狭くて、ネズミやコウモリ侵入の痕跡があり、現在もネズミ捕りを仕掛けている状況がありました。もちろん、利用者に害が及ばないよう、職員の皆さん挙げて環境改善に努められておりますけれども、職員の個々の努力には限界がございます。  竣工以来、度々改善が行われているものの、42年経過をしており建て直しを急ぐ必要があると考えます。  県教委では、この間、児童生徒数の将来推計から高校統廃合を進めてこられましたけれども、一方で、特別支援学校に対し、教育環境の改善や生活支援の場である寄宿舎の職員配置や環境改善に向けた対策については目が行き届いておらず、後手に回っているのではないでしょうか。  コロナ禍以前から指摘されてきたことでもあります。早急に改善すべきと考えますが、今後どのように取り組まれるのか、伍嶋教育長にお伺いして質問を終わります。 42 ◯副議長(筱岡貞郎君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 43 ◯知事(石井隆一君)井加田議員の御質問にお答えをいたします。  まず、新型コロナの長期化を見据えた継続的な対策や財源確保についてお答えをいたします。  3月から5月にかけての感染拡大期におきましては、感染拡大と医療提供体制の崩壊を未然に防止しますために、県民の皆様に、曜日や昼夜を問わない、国県内外への不要不急の外出自粛ですとか、また遊興施設等への休業要請など、これは4月23日からですけれども5月6日までお願いしました。こうした結果、感染は一旦収束に向かいましたものの、社会経済活動に大きな影響が生じたところでございます。  また、現在までの感染事例を踏まえますと、いわゆる3密や大声を上げる環境で感染が拡大するケースが多いこと、また感染者のうち8割の方は他の方に感染させていないことなどから、ハイリスクの場を避けることやリスクの対応に応じてめり張りの利いた対策を適切に講じることで、何とか感染拡大防止と社会経済活動との両立を目指すことができるのではないかと考えております。  このため、活動再開に向けて富山県独自にロードマップを策定いたしまして、感染拡大防止と社会経済活動の両立に向け対策を講じますとともに、7月以降の感染者数の再増加などを踏まえまして、医療関係団体の代表や、また感染症の専門家、経済界と消費者団体の代表など有識者の御意見を伺いました上で、その内容を改定しますなど、感染状況等に応じてスピード感を持って対応しております。  また、さらなる感染拡大に備え、検査相談体制の一層の強化や医療提供体制の充実、インフルエンザの流行期に備えた予防接種費用の助成などに取り組むことといたしております。  特に、インフルエンザの流行期に備えた予防接種費用の助成は全国初の取組でありまして、また、あらかじめ県内の15の市町村長さんなどに御相談をして、今の方向としては、中学生などについて市町村のほうで予防接種をなさる、そういうことで連携しながら進めているわけでありまして、こうした取組は全国的にも注目を浴びているんではないかと思います。  また、社会経済活動の維持活性化につきましては、市町村や関係団体と連携しまして、事業持続化・地域再生支援金新型コロナウイルス感染症対応資金等による資金繰り支援ですとか、トライアル雇用を経た上での再就職支援制度の創設などの事業継続や雇用維持への支援のほか、需要回復の見通しが不透明なタクシーや高速バスなど地域交通への支援、それからひとり親への県産農水産品等を購入できる商品券の提供など、子育て環境への支援にも積極的に取り組むことにしております。  なお、この事業持続化・地域再生支援金は、5月時点でこれを決断した際には全国初の取組でありまして、現状ではあと1県あるのみでございます。また、この取扱いについては、8月末の受付期限としておりましたのを、中小企業などの実情を踏まえまして、9月末に1か月間延長するといったこともさせていただいております。  さらに、来年度の当初予算編成に向けましては、感染症の影響により税収の大幅な減少が懸念されます中で、地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額の確保充実はもとよりですが、減収補填債の対象に地方消費税などを追加しますほか、地方創生臨時交付金や緊急包括支援交付金の追加配分や継続的な財源措置、来年度以降も、もし感染症が収束しないとしましたら、その場合は継続的な財政措置もしてほしいといったことについて積極的に働きかけておりまして、先般も北村大臣との意見交換をウェブ会議という形でさせていただきました。  引き続き、全国知事会等とも連携しながら、国に対して必要な地方税財源の確保充実を強く訴えてまいりたいと思っております。  次に、国民健康保険制度についてお答えをいたします。  国民健康保険は、年齢構成が高く、所得水準も相対的に低い方が多いといったようなことから、財政運営が厳しい。そこで平成30年度に国費の大幅投入による財政基盤の安定化措置が取られ、これは消費税率を10%に引き上げたときの増収分を財源にして、毎年約3,400億円の財政支援を行っております。その一環として、お子さんの保険者数の多い自治体への財政支援が拡充されたという経過でございます。  子供に係る国民健康保険料の均等割の軽減措置の導入につきましては、これまでも国に対して要望を行っておりまして、国や全国知事会等で構成するワーキンググループにおいて議論が進められております。もっとも低所得世帯については、既に保険料の軽減措置、均等割などについて講じられておりますので、さらに軽減が必要かどうかという議論、あるいは軽減した場合の財源の確保をどうするかといったような議論、いろんな議論がありますが、何とかさらなる改善ができないか議論しているのでございます。  また、国庫負担金の減額措置につきましても、これまで国に廃止を働きかけてまいりました結果、平成30年度から、未就学児を対象とする医療助成に対しては減額措置を行えないこととしていただきました。県としては、全ての子供、重度心身障害児、またひとり親家庭等に対する減額調整措置の廃止を引き続き全国知事会等と連携して要望してまいります。  また、市町村国保の実質収支でございますが、県内の全市町村で黒字となっておりまして、医療費等の支出を賄える水準の適切な保険料設定がなされているのではないかと考えております。  県は、平成30年度の国保制度改革で財政運営の責任主体となりまして、安定的な財政運営や効率的な事業運営の確保等の国保運営に中心的な役割を担っており、県内の統一的な運営方針を定めまして、被保険者数や医療費の見通しに基づく納付金の算定、あるいは標準保険料率の提示を行うことにより、市町村が適切な保険料設定が行えるように対応しております。  今後とも、市町村と連携しまして、国保財政の安定化、また医療費の適正化等にさらに取り組んでまいります。  なお、少子化対策の抜本強化のためには子育て世代の経済的負担の軽減が必要でございますから、国の責任において、子供の医療費助成制度を全国一律の制度としてつくってもらってはどうかといったことを、これはかねて全国知事会と共に働きかけてきているところであります。  以上です。 44 ◯副議長(筱岡貞郎君)布野商工労働部長。    〔商工労働部長布野浩久君登壇〕 45 ◯商工労働部長(布野浩久君)私からは、事業持続化・地域再生支援金についての御質問にお答えいたします。  事業持続化・地域再生支援金は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けまして4月から5月には休業要請も行い、また当時、休業要請の対象でなくとも業種によっては8から9割の売上げが減少するなど、極めて厳しい経済環境の中、これまでの事業の在り方について必要な見直しを進め、経営を持続可能で新たな発展につなげようとする事業者を支援するため、5月15日で30億円、うち財政調整基金取崩し12億円の専決処分を行いまして、5月28日から約3か月を申請期間として実施してきたものであります。  事業者からはこれまでに約2万2,000件の申請があり、既に90%に相当する約28億円を交付しておりますが、休業協力金と合わせますと、交付額は1事業者当たり最大100万円となっており、今ほど知事からも答弁がありましたが、休業協力金とは別に、こうした支援金の制度を併せて設けた都道府県は本県が初めてであり、現状でもあと1県あるだけでございますが、全国的に見てもトップクラスの手厚い制度であると考えております。  この支援金につきましては、6月まで約8,000件、7月が約7,000件、8月が約5,000件と徐々に落ち着いている傾向ではありましたものの、8月下旬でも1日300件を超える申請状況であり、当初の8月末の申請期限に対し、県議会や商工団体から、申請が間に合わないなどの多くの相談があるとお聞きしたことから、要望もいただきまして、先般、締切りを1か月間延長して9月30日とし、これに伴う所要額15億円、財源は地方創生臨時交付金でございますけれども、県議会の御理解をいただき8月31日付で専決処分をさせていただきました。  今議会に提案された補正予算案では、感染防止対策の強化、事業の継続と雇用の維持、経済活動の回復に向けた取組など各般の施策が盛り込まれており、これにより国から内示のあった地方創生臨時交付金、1次、2次合わせまして176億円は全て予算計上されたところでございます。
     今回の期間延長は、予算に限りがある中で最大限の追加予算を準備したところであります。さらなる期間延長や増額等は、現状では極めて難しいと考えておりまして、御理解を賜りたいと存じます。  以上でございます。 46 ◯副議長(筱岡貞郎君)石黒厚生部長。    〔厚生部長石黒雄一君登壇〕 47 ◯厚生部長(石黒雄一君)私からは、まず県民生活への支援に関する御質問のうち、緊急小口資金、総合支援資金の特例貸付けに関する御質問にお答えをいたします。  生活福祉金貸付事業の特例貸付けは、これまでも深刻化し長期化する新型コロナウイルスの影響に対応し、国予算の追加のほか、緊急小口資金の上限の拡大対象への個人事業主世帯への追加や受付期間の2か月延長などの見直しが行われ、県や県社会福祉協議会においても市町村や市町村社協と連携しながら、制度の周知や速やかな資金交付などに努めてきたところでございます。  本制度の見直しにつきましては、特例制度の返済免除は、償還時においてなお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除できるとされておりますが、その詳細については今後示される予定であること、返済据置期間の延長は特例貸付けに関し特段の定めがないことから、今後、国の動きを注視し対応してまいりたいと考えておるところでございます。  特例貸付けの現状につきましては、6月議会でお答えしたとおり、非常に多くの申請がありますが、8月までは緊急小口資金から総合支援資金への利用に移行する傾向で推移しているところでございます。  課題につきましては、特例貸付けの受付期限が9月末と予定されておりますけれども、8月においても755件の利用がある、非常に多いということでございます。また、特例貸付けにおきましては、生活支援資金の原則3か月以内の貸付期間の延長は1回のみとされておりますが、3月目が10月以降となる方は延長できないこと、こういうことが課題としてございます。  国からは、特例貸付けの受付期間を10月以降も延長することを検討しているとの連絡がありまして、県といたしましては、現在、受付等の体制を維持できるよう調整しながら、国からの延長決定の連絡を待っているところでございます。  続きまして、ひとり親家庭支援事業についてお答えをいたします。  9月補正予算に計上しておりますひとり親家庭支援事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、経済的、精神的負担が大きいひとり親家庭に、県産品等を購入できる商品券を配布することを予定しております。申込みにつきましては郵送により受付し、できるだけ簡略な書類で、内容を確認次第、速やかに商品券を発送することとしております。また、事業の周知に当たりましては、今後、市町村や民間団体等に協力を依頼し、積極的に広報に取り組んでまいります。  県では、これまでも、ひとり親家庭に対しまして、経済的支援といたしましては、児童扶養手当の支給、医療費の助成、就学資金等の貸付け、放課後児童クラブ利用料の助成、就労支援といたしましては、就業相談や就業支援講習会の開催、資格取得に係る給付金の支給などに取り組んできております。  加えて、今回の新型コロナの影響を踏まえまして、国では低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金の支給を実施しており、県におきましても、市町村と連携してひとり親家庭へのお米券を送付したほか、各市町村においても独自に、ひとり親家庭等に対しまして給付金等の支給を実施されております。  県といたしましては、今後とも市町村と協力し、こうした経済的支援、就労支援を様々な支援施策と組み合わせ、ひとり親家庭の支援に継続的に取り組んでまいります。  次に、検査医療提供体制の強化等に対する御質問にお答えをいたします。  最初に、県厚生センター、富山市保健所に関することでございます。  厚生センターにおきましては、新型コロナウイルス感染症への対応として、県民からの相談に対応するほか感染症が発生した場合には、医療機関との入院調整、積極的疫学調査による感染経路の探索、濃厚接触者の特定及び検査の実施、さらには濃厚接触者の健康観察、医療機関や検査を担う衛生研究所との調整等、多岐にわたる業務を行っております。  現在、このような状況に対応するため、県では会計年度任用職員を4厚生センター及び2支所で合わせて20名を緊急的に増員したほか、業務を見直して効率化を図るなど、厚生センターにおける体制整備を図ってきております。  さらに、大規模な集団感染が発生した際には、まず厚生センター間で人的支援を行う際の手順を定めているほか、必要に応じて本庁及び他の出先機関からも人員を融通して対応することとしております。  一方、富山市保健所への支援につきましては、これまでも富山市で感染者が増えた4月、5月を中心に職員を合計28回派遣し、検査検体の情報整理等の支援を行ってきておりますほか、9月補正予算案におきまして、保健所の電話相談体制の整備や相談対応人員増員への支援に係る経費を計上しているところでございます。  今後とも、厚生センター等の体制整備に努め、感染の拡大に備えてまいります。  次に、事態の長期化を見据えた相談体制の確立についてお答えをいたします。  今ほどもお答えしましたとおり、今般の新型コロナ対応のために、会計年度任用職員を4厚生センター及び2支所で合わせて20名を緊急的に増員し、電話相談業務等に従事していただくなど、これまでも相談体制の充実には努めてまいっておるところでございます。  また、新型コロナにつきましては対応の長期化が想定されますことから、今回の9月補正予算案におきまして、厚生センターにおける土日及び夜間の電話相談を外部委託するための経費を計上し、職員の業務負担軽減と持続可能な相談体制の整備を図ることとしております。  なお、帰国者・接触者相談センターの相談業務の一元化につきましては、それぞれの地域で異なる医療資源等にきめ細やかに対応することが求められることから、相談者等のニーズも踏まえつつ慎重に検討する必要があるものと考えております。  今後、インフルエンザとの同時流行が懸念される冬場に向け、県民の皆様に混乱が生じないよう、厚生センターをはじめとする相談体制の整備にしっかりと取り組んでまいります。  続きまして、かかりつけ医などにおけるPCR検査の実施についてお答えをいたします。  PCR検査の検査可能件数は、4月は1日当たり70件でございましたが、7月後半からは230件の検査が可能となっており、さらに今後、医療機関や民間検査機関等におきまして検査が可能となることから、約700件の検査が可能となる予定でございます。  また、地域のかかりつけ医等からの紹介により、PCR検査が受けられます地域外来・検査センターにつきましては、富山、新川、砺波医療圏に加え、本日から高岡医療圏においても運用が開始されたところでございます。  さらに、地域の医療機関が検体を採取し、民間検査機関にPCR検査を依頼することが可能となっておりまして、かかりつけ医など、より身近な医療機関でも保険適用によりPCR検査を受けることができる体制を整備してきております。  加えて、抗原簡易キットによる検査につきましても、国におきましては、今後1日20万件程度まで拡充されると聞いております。  県では、これまでも感染者の積極的疫学調査を丁寧に行い、濃厚接触者のみならず、感染の可能性が否定できない方についても幅広くPCR等の検査を実施してきております。今後とも検査の必要な方が、遅滞なく検査を受けることができるよう体制の整備に努めてまいります。  次に、PCR検査の処理能力をさらに高める必要性についてお答えをいたします。  国の通知におきまして、検査前確率が高い、つまり感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域と考えられる地域においては、医療施設、高齢者施設等に勤務する方や当該施設に既に入院、入所されている方及び新規に入院、入所される方について、施設内における新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、幅広く行政検査を実施していただくことは可能とされているところでございます。  新型コロナウイルスの検査の実施につきましては、行政検査や健康保険の適用の場合は、医師により感染が疑われると判断された場合は実施するとされておりまして、各施設の医師、嘱託医、協力医療機関の医師等の判断で検査していただくことは可能となっておるところでございます。  一方、PCR検査の検査件数は、先ほどお答えしたとおり、今後約700件の検査が可能となる予定でございます。またあわせて、抗原簡易キットによる検査につきましても、国におきましては1日20万件程度まで拡充することとされていることから、当面の検査需要には対応できるものと考えておるところでございます。  県としては、引き続き県内の状況を踏まえながら、検査が必要な方が遅滞なく検査を受けることができるよう体制の整備に努めてまいります。  次に、無症状者、軽症者の宿泊療養についてお答えをいたします。  県では、陽性患者は無症状の方でも原則としては一旦は入院していただくこととしておりますが、医療機関で中等症以上の患者をより多く受け入れていただくため、民間の宿泊施設を借り上げ、軽症者、無症状者のための宿泊療養施設を運営しているところでございます。  現在運営しております宿泊療養施設は53室を患者用として確保しており、県看護協会を通じて派遣された看護師と事務職員複数名が24時間常駐し、入所者の健康管理や生活支援に当たるとともに、県医師会の医師と24時間電話連絡が取れる体制を整え、健康相談や緊急時対応に備えているところでございます。  なお、軽症または無症状の患者さんは、入院した医療機関の主治医が重症化のおそれがないと認めた場合に、宿泊療養施設に移送しておりまして、これまで症状が悪化し医療機関に移送された例はございません。  また、県といたしましては、インフルエンザとの同時流行が懸念される冬場に向け、引き続き一定規模の施設を確保する必要があると考えております。もう1施設の開設に向けて、現在、鋭意準備を進めているところでございます。  今後も引き続き、施設の立地する地域住民の方々の御理解と関係機関の御協力を得まして、医療機関と緊密な連携の下、国が示す運用基準等にのっとり宿泊療養施設の適切な運用に努めてまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症患者の入院病床についてお答えをいたします。  新型コロナウイルス感染症の病床確保につきましては、医療関係者等による対策協議会及びワーキンググループにおける議論を踏まえ、感染症指定医療機関及び協力医療機関において、最大500床を確保するスキームを4月中旬以降に構築したところでございます。  その後、6月に国の専門家会議が示した新たな流行シナリオに基づく本県の最大入院患者数の推計が、219人となったことを踏まえまして、平時は73床、患者の増加に応じて134床、340床と順次拡大し、最大500床を確保する計画を7月末に改めて策定いたしました。医療機関に対しましては、これに沿って即時入院可能な病床の確保をお願いしているところでございます。  空床補填につきましては、この病床確保計画に沿って新型コロナウイルス感染症患者受入れのための病床を確保していただいている感染症指定医療機関等に対しまして、確保した日数と空床数に応じて支援することとしております。さらに、9月補正予算案におきまして、補填の対象を、患者受入れのために確保していただいた病床だけではなく、患者を受け入れるために休止せざるを得なくなった病床にも拡大し、支援することとしているところでございます。  今後も、患者数の増減に応じて医療機関と緊密な連携の下、必要な病床の確保を図るとともに宿泊療養施設も有効に活用し、患者の受入れ体制に遺漏のないよう、しっかりと進めてまいります。  最後に、地域医療構想における具体的対応方針についてお答えをいたします。  県といたしましては、人口減少が進む中、持続可能な医療提供体制を確保するため地域医療構想を策定し、4つの医療圏ごとの地域医療構想調整会議におきまして、医療機関の機能分化・連携、病床の機能転換等について協議いただくとともに、地域医療介護総合確保基金等を活用した支援に取り組んできたところであります。  本年1月に、国から各医療機関の地域における役割や病床数など、いわゆる具体的対応方針の再検討について要請があり、県では、病床を持つ全ての医療機関に対し、2025年を見据えた対応方針の再検討を依頼し提出いただいたところでありますが、今後の地域医療構想につきましては、今般の新型コロナウイルスの感染拡大も踏まえまして、新たに感染症への対応の視点も含めた検討が必要であると考えているところでございます。  国におきましても、骨太の方針にその旨が明記され、8月末には、地域医療構想の取組の進め方について国において改めて整理の上、示す旨の正式の通知があり、社会保障審議会医療部会において議論が開始されたところでございます。  県といたしましては、国の動きも注視しながら地域医療構想調整会議で地域の実情や感染症への対応も踏まえ、改めて公立、公的を含む各医療機関が地域で担う役割や機能について十分に議論いただきたいと考えており、将来にわたって地域医療が安定的に確保されるよう、しっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 48 ◯副議長(筱岡貞郎君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 49 ◯教育長(伍嶋二美男君)私からは、特別支援学校の環境改善に関する御質問についてお答えをいたします。  特別支援学校については、生徒の心身の状況や衛生上の観点を考慮しながら、また児童生徒等の活動状況や施設設備の状況、改修の緊要性、緊急性などを踏まえまして、各学校の施設改修等を鋭意進めてきております。  議員から御紹介のありましたしらとり支援学校につきましては、生徒数の増加に対応して昭和53年の設置当初から4回にわたる校舎の増築を行うとともに、必要な耐震改修などを実施してきたところでございます。  特に、開校時に建設いたしました教育棟及び寄宿舎が築後42年を経過しておりまして、建築基準法に基づく有資格者による建築物の構造や建築設備の法定点検の結果を踏まえますと、直ちに建て替えを要する状況には至らないものと考えておりますけれども、これまで環境改善を図るため、トイレの洋式化や空調設備の設置などの中規模改善などに取り組んできたところであります。  特に御指摘のありました寄宿舎については、床下浸水など居住環境が悪化したことから、本年度は床下の湿気対策工事に取り組んでいるところでありまして、今後、浸水原因を含め必要な対策を進めて、できる限り早急に改善工事を完了することとしたいというふうに考えております。  なお、特別支援学校を含みます学校施設の老朽化対策については、学校施設長寿命化計画に基づき、これは平成30年度に策定をいたしましたが、従来の築50年程度での建て替えから築80年まで延命をいたします長寿命化型に転換をして、具体的な老朽化対策を計画的に進めていくこととしております。中でも特別支援学校につきましては、コロナ禍での感染防止対策に十分留意しながら、児童生徒の活動状況に応じた施設配置や寄宿舎の職員配置を含む環境改善に配慮した上で、長寿命化計画も踏まえながら老朽化対策の検討に取り組んでいくことが必要と考えております。  特に、しらとり支援学校の寄宿舎については、築後40年を超えていることや、あるいは居住する建物であるということから、その緊急性を踏まえまして、その改善方法について早期に検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 50 ◯副議長(筱岡貞郎君)井加田まり君。    〔20番井加田まり君登壇〕 51 ◯20番(井加田まり君)ただいま厚生部長と教育長の答弁をいただいたところでありますけれども、その上で、確認も含めて、PCR検査体制の社会的検査の拡充強化と、しらとり特別支援学校の建て替えの2点について、この間、長きにわたり県政を牽引してこられた石井知事の答弁を求めたいと思います。  まず1点目、社会的検査の拡充強化についてでございます。  新規感染者の約4割が感染経路不明であります。感染力のある人の存在は否定できないということは先ほど申し上げたとおりであります。特に第3波を見据えて、不特定多数の人と接する仕事、社会的インフラに従事する方々に対して、感染が疑われる場合には無症状であっても、命を守る感染拡大防止の観点から、優先的な検査が必要だというふうに考えます。いわゆる社会的検査の検討を急ぐべきと考えるものでありますけれども、国方針を待つのではなく、県としても積極的にPCR検査体制の抜本的拡充に取り組むべきと考えますが、石井知事の見解を求めます。  2点目、しらとり特別支援学校の抜本的な環境改善について、直ちに建て替えの必要はないとの答弁でございました。長寿命化計画では50年から80年というふうにされているそうでありますけども、どう見ても、これ以上、必要に応じて普通教室など増やせる現況にはないとの印象を持ちました。寄宿舎の窮状についてもしかりであります。児童生徒の安全を守る観点から、現場の努力だけでは限界があることについては、ぜひ認識をしていただきたいと思います。  知事の特別支援教育に対する姿勢が問われています。知事には現場の現状を見て認識を深めていただき、早急に根本的な建て替えなどの検討を進めていただきたいということを再度申し上げ、答弁を求めるものでございます。よろしくお願いします。 52 ◯副議長(筱岡貞郎君)石黒厚生部長。    〔厚生部長石黒雄一君登壇〕 53 ◯厚生部長(石黒雄一君)それでは、PCR検査体制の抜本的拡充についての御質問にお答えをいたします。  先ほどお答えしましたとおり、県におきましては、PCR検査体制については順次拡大をしておりますし、今後も充実に努めていくところでございます。  それで、先ほど申しましたとおり国のほうでは、PCR検査の拡充につきまして、いわゆる行政検査の幅を広くしている。ですから先ほど申したとおり、クラスターや感染者が多数発生している地域におきましては、その施設等につきましては、勤務している人、あるいはそこに入っている人、あるいは今後入所を予定している人、幅広に医師の判断で検査ができるということにされておるところでございます。  それともう一つは、先ほど申したとおり、かかりつけ医等の身近な医療機関におきましてPCR検査ができる体制を順次拡大してきております。こういうことを併せまして、必要とされる方、先ほどおっしゃられましたエッセンシャルワーカーや、あるいは地域の医療機関においても、幅広くPCR検査を受けることは可能となっておりますし、県としてもその方向に向けて今後とも体制の拡充に努めてまいります。 54 ◯副議長(筱岡貞郎君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 55 ◯教育長(伍嶋二美男君)再質問に対してお答えをいたします。  特別支援学校につきましては、先ほども答弁いたしましたけれども、これまでも生徒のそれぞれの個々の心身の状況や衛生上の観点、また生徒の活動状況、そうしたことを踏まえまして、これまでも特別支援学校13校ございますけれども、それぞれ緊要性等を考え、また現場の意見も十分聞きながら施設改修等を進めてまいりました。  また、職員の配置についても申し上げますと、これは必要な法定職員数を十分満たしているとともに、特に寄宿舎についても法定の職員定数を上回る形で配置をしまして、各生徒の十分な見守り、そうしたことに努めてきたところでございます。  また、改築というお話でありましたけれども、これは繰り返しになりますけれども、特別支援学校を含みます学校施設の老朽化対策、これにつきましてはかなりの学校数がありますので、一度に改修は難しいと、そういう観点、その改修を待っていては必要な機能も保たれないと、そういう観点を考慮いたしまして、長寿命化計画を策定いたしまして、むしろ80年まで延命する長寿命化型に転換をして、適時適切、計画的に学校整備を進めてまいるという計画を立てているわけでございます。  ただ、特別支援学校については、先ほど申し上げたとおり、やはり児童生徒の活動状況、また心身の状況、様々な問題、さらには寄宿舎もございますので、そうした特殊性を鑑みて、やはり早期に検討を進めていくことが必要であるというふうに考えておりますので、この特別支援学校についても、特に長寿命化計画も踏まえながらしっかりと検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 56 ◯副議長(筱岡貞郎君)以上で、井加田まり君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午後2時00分休憩      ─────────────────────  午後2時10分開議 57 ◯副議長(筱岡貞郎君)休憩前に引き続き会議を開きます。  川上浩君。    〔11番川上 浩君登壇〕 58 ◯11番(川上 浩君)私は自由民主党の川上浩です。  9月定例会に当たり、2項目について質問させていただきます。  まさに富山県の主要農産物の米が、今、収穫真っただ中であります。長雨、猛暑などへの管理を徹底したこと、収穫期の雨、風被害が少なかったことにより、収量、品質とも、まずまずという声であります。稲刈りの始まりに、新型コロナウイルス感染拡大に翻弄されていた季節感が呼び覚まされる思いであります。  安倍首相は、我慢に我慢を重ねてきた体調に限界を感じ、この国難とも言えるコロナ禍の対応に、いささかの迷い、遅れも許されないとの思いで、辞任の意向を表明されました。政権奪還後7年8か月という長期にわたり、まさに粉骨砕身、国政に当たられたことに心より敬意と感謝を申し上げます。  さて、白血病から復帰を目指す競泳女子の池江璃花子選手は、延期されたオリンピック開会式が1年後となった7月23日、真っ暗な国立競技場で純白の服を身にまとい、聖火をともしたランタンの一筋の光を浴び、今日は一人のアスリートとして、そして一人の人間として少しお話しさせてください、と語り始め、1年後の今日、この場所で、希望の炎が輝いてほしいと思います、と結びました。  コロナ禍の克服、延期されたオリンピック・パラリンピック開催への全選手、国民、世界中の人々の希望をつないだのであります。
     それでは、質問に入ります。  新型コロナウイルス感染症への対応について8点伺います。  コロナウイルスが7月2日に再び確認され、以後、県内各地に広まりましたが、いまだに富山市での発生率が80%以上という状態であります。一時発生が収まっていた間、第2波に備え、入院患者数に合わせた病床確保への計画が示されました。さらに、今後、クラスターが発生した場合の対応や医療提供体制の構築が課題となっています。  そこで、新型コロナウイルスの県内感染状況は、第2波到来と言えるのか、現在の発生状況への認識をまず伺います。また入院患者数、重症者数、医療圏を超えた入院患者数の状況と今後の医療機関での受入れ見通しについて、石黒厚生部長に伺います。  インフルエンザ流行期を迎え、新型コロナウイルスと発熱、せきなどの症状がよく似ているため、同時に流行した場合に、地域の診療所などで対応が難しくなることが懸念されています。  日本感染症学会がまとめた指針では、特に子供にはインフルエンザが流行しやすいため、ワクチンの接種を強く推奨するとしています。今回の補正予算では、インフルエンザの予防接種助成事業を、生後6か月から小学校6年生までを対象として計上されております。一方、各市町村では、この動きに合わせて対象年齢範囲の拡大など独自の取組もなされているようであります。  予防接種希望者が、例年に比べ大幅に増加するものと考えられます。厚生労働省は6,300万人分のワクチンを準備したとのことであります。インフルエンザワクチン供給見通しについて、石黒厚生部長に伺います。  コロナ発生以降、公立・公的病院の外来患者数、入院患者数の減少が、経営を圧迫しています。新聞報道では、4月から6月期の経営状況の厳しさが報告されております。  さらに、感染症指定病院では、感染病床とともにマンパワーの確保も必要となり、病棟全体で影響を及ぼしている状況です。ちなみに黒部市民病院では、既存の感染病床4床のところ20床確保の依頼が来ており、そのためのマンパワーの確保も含めると、病棟全体67床を閉じることになるとのことであります。  今回の提案理由説明では、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を活用した補填支援も考えられているようであります。公立・公的病院の4月からの経営状況をどのように認識しているのか、また感染症指定医療機関等、医療機関へ今後どのように支援していくのか、石黒厚生部長に伺いたいと思います。  先ほども出ておりましたが、地域医療構想は、いわゆる団塊の世代が75歳以上となり医療や介護などの需要急増が懸念される2025年を前に、必要となる病床数を4つの医療圏ごとに機能分化と連携を進め、効率的な医療提供体制を実現することを目的としています。  ところが、昨年の9月に厚生労働省が、公立・公的病院の4分の1を上回る424の病院、富山県では5病院について、再編や統合が必要だと個別の病院名を公表し、多くの自治体や関係者から大きな反発の声が上がりました。しかしコロナ禍発生以降、動きが止まっているように見えます。  2025年に向けた医療提供体制のあるべき姿を示す地域医療構想について、今般の新型コロナウイルス感染症の発生による影響を踏まえた検討が必要と考えるわけでありますが、石黒部長にお伺いいたします。  さて、社会経済情勢に目を向けると、先日発表された4─6月期のGDPは年換算マイナス28.1%となり、GDP総額が日本全体で500兆円を割り込んでいるとのことであります。県内の産業構造は、およそ1次産業1%、2次産業39%、3次産業60%と見られ、その県内総生産額は4兆6,000億円ほどと県民経済計算から読み取れます。  今回のコロナ禍により、観光事業者、旅客事業者など3次産業への影響が大きく表れています。そして一部には、国内倒産予備軍が30万社との報道もなされております。  新型コロナウイルス感染症の県内各産業への経済的影響について、倒産、廃業の状況も含めた現状をどのように捉えているのか、布野商工労働部長に伺います。  産業に影響が出ている中で、企業に対して緊急融資対策として、6月補正で1,480億円の枠を予算確保しました。各企業は企業存続のため、この制度資金のほか政策金融公庫からの融資など、コロナ対策の資金調達に懸命に取り組んでおります。9月補正では、制度融資枠を2倍に拡充するという予算が計上されました。  コロナ対応に対する県制度融資の融資状況はどうか、また代位弁済の状況はどうか、さらには今後も融資枠拡大の考えはあるかを、商工労働部長に伺いたいと思います。  景気の変動、産業構造の変化、その他の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的な雇用調整を実施することによって事業を継続し、従業員の雇用を維持継続するための助成金が、雇用調整事業助成金であります。  県内の有効求人倍率は現在どのようになっているか、また緊急対応期間の延長方針が示された雇用調整助成金について、現在の支給状況はどうか、また企業に雇用継続を促すために県としてどのように取り組んでいくのか、布野商工労働部長に伺います。  さらに、個人に対し社会福祉協議会が窓口となり、コロナ禍の生活福祉資金を非正規雇用など生活基盤の弱い人、生活困窮者に対して緊急貸付けしております。緊急小口融資20万円、総合支援資金20万円/月を3か月貸出しするものであります。  生活福祉資金貸付事業の特例貸付けについて、現在の貸付け状況はどうか、また生活の立て直しのためには就労を含む生活全般にわたるフォローが重要と考えますが、その対策にどのように取り組んでいくのかを、石黒厚生部長に伺います。 59 ◯副議長(筱岡貞郎君)石黒厚生部長。    〔厚生部長石黒雄一君登壇〕 60 ◯厚生部長(石黒雄一君)私からは、新型コロナウイルス感染症への対応について、まず現在の発生状況への認識及び入院患者等の状況等についてお答えをいたします。  県内の感染状況は5月19日以降、44日間にわたり感染者が確認されないなど、一旦収束したところでございますが、7月には13人、8月には149人と感染者が再び増加した後、9月に入ってからは、今日の9時現在で19人と減少傾向にございます。  こうした現在の状況を第2波と呼ぶかどうかは、学術的なこともあり、ちょっと難しゅうございますが、感染は、8月に入って一旦大きな固まりを形成し、現在は落ち着きつつあるという認識でございます。  なお、7月以降の入院患者数は最大時で51人、重症者は最大時で3人となっておりまして、3月から5月にかけてのときのピークに比べて半数程度に抑えられている状況でございます。  入院患者の受入れにつきましては、去る7月に改めて策定した感染拡大のフェーズに応じて、段階的に最大500床の病床を確保する計画に基づき、一義的には医療圏ごとに厚生センター等が、入院先の調整を行っているところでございます。第1波のときのような病院や介護老人保健施設でのクラスター発生により、同一医療圏内における別の指定医療機関での入院受入れが著しく増える状況は、現在のところ生じておりません。  医療圏内の患者が一時的に急増した場合は、第1波のときと同様、県の新型コロナウイルス感染症対策本部が、医療圏を超えた受入れ機関の調整を行うこととしておるところでございます。さらに、宿泊療養施設につきましても円滑な運用を行っているとともに、追加の施設確保にも鋭意努めているところでございます。  今後も各医療機関や厚生センター等と緊密に連携し、引き続き受入れ体制に遺漏がないようしっかりと進めてまいります。  次に、インフルエンザワクチンの供給見通しについてお答えをいたします。  インフルエンザワクチンは毎年ウイルス株が変更されるため、その年の分について、それまでの需要に基づいて推計され計画的に製造されているものでございます。ワクチンの製造には数か月の時間を要すること、またワクチンの製造者が限られており、他のワクチンの製造もあることから、インフルエンザワクチンを短期間に大幅に増産することは困難であるとされているところでございます。  今般の状況を踏まえまして、厚生労働省がワクチン製造者に増産を働きかけ、今シーズンに製造されるインフルエンザワクチンの見込み量は約3,178万本となっておりまして、これは平成8年以降最大だった昨年の使用量と比較して約12%多いということでございます。  しかし、全国的にインフルエンザワクチンの需要が高まる可能性があり、国においては、定期接種の対象である高齢者をはじめ医療従事者、小児等、関連学会が推奨する対象者が、接種の機会を逸することがないよう、優先的な接種対象者への呼びかけ及び医療現場への効率的なワクチン接種の働きかけ等を行うこととされたところであります。  本県といたしましては、このような状況を受け、国で検討された方針を踏まえ、県医師会等に対し優先的な接種について協力を要請するとともに、富山県医薬品卸業協同組合との連携により、県内の供給状況等を把握することにより、ワクチンの供給の逼迫や偏在等の発生を防ぎ、必要なワクチン接種が受けられるよう適切に対応してまいります。  続きまして、公立・公的病院の経営状況等についてお答えをいたします。  感染症指定医療機関及び協力医療機関──本県の場合、公的・公立病院がこの役割を担っておりますけれども──これらの医療機関における本年の4月から7月における間の状況を調査いたしましたところ、昨年同期比で外来患者数が15.2%の減、入院患者数が14.1%の減、医業収入が9.8%の減少となっております。5月に大幅に落ち込んだ後、6、7月にはやや回復しているものの、やはり前年並みには戻っておらず、引き続き厳しい状況にあると考えておるところでございます。  県では、これまでも新型コロナウイルス感染症患者受入れのため、病床を確保していただいている公的医療機関に対して、6月補正予算におきまして、国の緊急包括支援交付金等を積極的に活用し、4月に遡り、その病床確保を補償する費用や設備整備に関する費用、感染拡大防止対策に係る費用などを措置したところでございます。  さらに、感染症指定医療機関等に対しましては、9月補正予算案におきまして、入院患者のために確保していただいた病床、空床に対する補填を大幅に拡充することとしております。  また、国に対しましては、全国知事会と連携し、交付金について入院医療機関に対する運営経費支援を対象とするなど、地域の実情に応じた柔軟な活用や交付決定の早期化、さらなる予算措置等を提案、要望しているところでございます。  県といたしましては、予算化したこれらの支援策ができるだけ早く各医療機関に届くよう努め、経営体力の回復を図るとともに、必要に応じて全国知事会とも連携しながら、国に対して支援を働きかけてまいります。  続きまして、地域医療構想についてでございます。  これにつきましては、先ほど井加田議員にもお答えしましたが、県としては、人口減少が進む中、持続可能な医療提供体制を確保するため地域医療構想を策定し、4つの医療圏ごとに協議いただくとともに、県として積極的に支援に取り組んできたところでございます。  本年1月に国から、各医療機関の地域における役割や病床数の再検討について要請があったところでございますが、今後の地域医療構想につきましては、今般の新型コロナウイルスの拡大を踏まえ、新たに感染症への対応の視点も含めて検討する必要があるものと考えております。  国におきましても、地域医療構想の取組の進め方につきましては、国において改めて整理の上、示す旨の通知がありまして、社会保障審議会医療部会において議論が開始されたところでございます。  県といたしましては、こうした国の動きも注視しながら、地域医療構想調整会議で、議員からも御指摘のありましたとおり、感染症への対応も含めまして、改めて公立、公的を含む医療機関が地域で担う役割や機能について、十分に議論いただきたいと考えております。将来にわたって地域医療が安定的に確保されますよう、しっかりと取り組んでまいります。  最後に、生活福祉資金貸付事業の特例貸付けの貸付け状況及び生活全般にわたるフォロー等についてお答えをいたします。  生活福祉資金の特例貸付けの決定実績は、3月25日の受付開始から8月末までで、緊急小口資金が3,921件、7億566万円、総合支援資金が943件、5億374万円、合わせて4,864件、12億940万円となっておるところでございます。  総合支援資金の特例貸付けのうち約2割の173件は、貸付期間の3月目に、引き続き収入の減少や失業等により生活に困窮し日常生活の維持が困難であったため、貸付期間の3月延長の決定を受けている世帯でございます。こうした世帯に対しましては、生活困窮者自立支援制度による生活の立て直しのための相談支援を必ず行うこととなっているものでございます。  自立相談支援機関では、相談者とともに課題解決に向けた自立支援プランを策定し、継続的な支援を行うこととしております。具体的には、ハローワークへの同行訪問や面接対策などの就労支援、家計管理や滞納解消に向けた家計改善支援のほか、県、市が一定期間、家賃相当額を支給する住居確保給付金の申請支援、一定期間、宿泊場所を提供する一時生活支援などを実施しているところでございます。  引き続き、生活福祉資金の貸付事業特例貸付けを利用した人が、生活の立て直しのために適切な支援を受けられますよう、今申し上げましたような様々な支援制度の一層の周知や関係機関との連携を図るなど、県として積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。 61 ◯副議長(筱岡貞郎君)布野商工労働部長。    〔商工労働部長布野浩久君登壇〕 62 ◯商工労働部長(布野浩久君)私からは、まず新型コロナの経済的影響についての御質問にお答えいたします。  本県経済の景況感につきましては、生産は減少し、雇用情勢につきましても有効求人倍率が9か月連続低下し、また3月以降、感染症の影響による解雇、雇い止めを受けた離職者が9月4日時点で655人となるなど、厳しい状況が続いております。一方、個人消費はこのところ持ち直しの動きが見られるなど、一部では下げ止まりの動きが見られるところであります。  新型コロナウイルスによる影響につきましては、特に飲食業や宿泊業が大変大きな影響を受けておりますが、県制度融資、新型コロナウイルス感染症対応資金の業種別保証承諾件数を見ますと、8月末現在、飲食、宿泊、サービス業で2,000件を超え、卸売・小売業、建設業、製造業もそれぞれ1,500件を超えるなど、その影響は幅広い業種にわたっているものと考えております。  また、民間の信用調査会社の調べでは、県内におきます新型コロナ関連の今年3月から8月までの間の倒産件数は4件で、サービス業が2件、卸売業、小売業がそれぞれ1件となっております。また廃業件数につきましては、これはコロナ関連であるかの区分はできないものの、4月から6月までの間に55件で、前年同期と比べ同程度となっております。  このため、事業持続化・地域再生支援金の増額や申請期間の延長、資金繰り支援の融資枠の拡充、全国初の取組となる新型コロナの影響による離職者のトライアル雇用を経た上での再就職支援制度の創設など、今後も幅広い業種の支援に努めることとしております。引き続き県内の経済雇用情勢を注視し、適時適切な対応に努めてまいります。  次に、県制度融資の融資状況についての御質問にお答えいたします。  県では、国に先駆けて2月17日に経済変動対策緊急融資、新型コロナウイルス感染症対策枠を創設いたしますとともに、金融相談窓口を設置しております。また、議員からお話がありましたが、5月1日からは国の経済対策に呼応し、新たに実質3年間無利子かつ無担保、全期間で保証料最大ゼロ、既往債務の借換えも可能な新型コロナウイルス感染症対応資金を創設しております。  この2つの融資におけます申込み実績は、これまでに経験したことのない感染症拡大の影響によります厳しい経済情勢を反映いたしまして、8月末までに8,821件、約1,530億円に達し、リーマンショック時を大きく上回る状況となっております。  一方で、今年度の県信用保証協会の代位弁済は、8月末までに135件、10億1,500万円となっており、前年同期と比べ、件数は17件、11%の減少、金額は約2億8,000万円、22%減少しており、現時点でコロナの直接の影響はあまり見られておりません。  これは厳しい経済情勢の中で、これらの制度融資をはじめ国や県の各種支援策が、一定の効果を発揮したこともありますけれども、やはり事業者の皆さんが懸命に頑張っておられる結果だというふうに考えております。  この2つのコロナ対策の融資枠につきましては、商工団体からの要請も踏まえまして、今後の年末資金需要期を勘案し、現行の2倍、合わせて3,200億円に拡充する9月補正予算案を今議会に提案をさせていただいております。  今後とも関係機関と連携を密にして、迅速かつ円滑な資金の供給に努めまして、また富山県といたしましても全国知事会を通じて、この保証申込期間の延長等を国に要望しているところもありまして、必要に応じて融資枠の拡大も検討するなど、事業者の資金繰り支援に万全を期してまいります。  最後に、雇用の継続等についての御質問にお答えいたします。  県内の有効求人倍率については、昨年10月が1.87倍でありましたが、翌11月から9か月連続して低下しており、7月は1.17倍となっており、雇用情勢は厳しい状況が続いております。また、雇用調整助成金の支給状況は、富山労働局によりますと、9月4日現在で申請件数は7,958件、支給決定件数は6,812件、約86%となっております。  雇用の維持継続には、企業におけます雇用調整助成金の積極的な活用が有効であることから、県では、ホームページや広報紙による周知、金融機関に御協力いただいて銀行窓口でのチラシの配布、あるいは県企業情報サイト「企業ナビとやま」登録企業──640事業者ございますけれども──直接メールで案内するなど、啓発に努めますとともに、今年5月から社会保険労務士3名を、県独自に富山労働局助成金センターに派遣いたしまして、相談支援に取り組んでまいりました。  先般、国の雇用調整助成金の特例措置が延長されました。引き続き申請手続等に関する相談ニーズが見込まれることから、社会保険労務士の派遣期間を来年1月末まで延長をするための経費を、9月補正予算案に計上させていただいております。  また、コロナ禍で同じ業種内の求人が少なくなってきております。異業種間のマッチングが期待されることから、国におきましては、雇用過剰となった企業と人手不足の企業とを結びつける在籍型出向制度、雇用シェアリングへの支援を、6月に強化しておりますが、県では、これに先んじて4月補正予算におきまして、企業による雇用継続を促すための新型コロナの影響等による雇用の継続が難しい事業主と人手不足等の事業主との間の一時的な人材の出向、交流等によります雇用の維持継続の支援制度を、創設させていただいております。  5月から制度の周知や情報の収集に努めまして、これまで5件、26名のマッチングが成立しており、引き続きこの取組を積極的に進めることとしております。  県といたしましては、今後とも富山労働局や関係機関と連携し、雇用情勢を注視しつつ必要な対策を適切に講じ、県内の雇用の維持継続にしっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 63 ◯副議長(筱岡貞郎君)川上浩君。    〔11番川上 浩君登壇〕 64 ◯11番(川上 浩君)引き続き、2点目について質問したいと思います。  我々自由民主党議員会の1期生でつくる令和の会では、コロナ禍で活動が制約される中、県政への提言書作成に取り組むことにしました。  人口減少局面で、かつコロナ禍に伴う価値観の変容時代に、県民が、しなやかに、たくましく、生き生きと暮らすことのできる持続可能な社会を再構築するための提言として、取りまとめたわけであります。それが「反転攻勢への英断を!withコロナ・afterコロナ・beyondコロナ時代をチャンスに変える富山県政への提言」であり、我が自民党の県政への要望に盛り込んでいただきました。  その提言も踏まえながら、アフターコロナを見据えた諸課題への対応について5点にわたり伺いたいと思います。  富富富も今年で3年目の市場出荷を迎えます。どちらかといえば、食味の市場評価性の高い品種というより、コシヒカリを改良し、高温障害が発生しにくく倒伏にも強い米を育て、品質を上げようとして取り組まれてきた奨励品種であります。全農が一括買入れ販売することにより、富富富のブランド化を図っておるのであります。  しかし、米の消費量の減少が止まらない中、コロナ禍により外食産業などの業務用の消費量の減少が響き、消費量全体も20万トン近く減少しているのが現状であります。令和2年産米概算金、コシヒカリ1万3,000円、富富富1万4,500円、昨年同額となり、農家は取りあえず胸をなで下ろしております。  コロナの感染拡大は米の消費にどのように影響があると考えているのか。また、令和2年度までを計画期間としている現行の富富富の販売戦略について、次期に向けて富富富の一層の消費拡大を図るため、消費者サイドに立った戦略の見直しや学校給食への消費拡大が必要と考えるわけでありますが、堀口農林水産部長の所見を伺います。  さて、DX、いわゆるデジタルトランスフォーメーションを進めるに当たり、大手企業間の垣根を越えた取組が進められています。働き方に平等性と多様性を求めた社会の実現に向かい、コロナ禍での経験を生かそうとしているのであります。  今回のコロナ禍でテレワークに取り組んだ企業においても、社内のネットワークへの接続や仕事のデータを持ち帰ることへのセキュリティー上の課題が生じていたということが報告されています。単なる事務のデジタル化で済むのではなく、組織改革や官民の垣根を越えた改革を進めることが本来のデジタルトランスフォーメーション、DXへの取組であると考えるわけであります。  県では、どのような将来像を目指してDXを推進していこうと考えているのか、また目指すべき将来像を実現するために、今後どのようなことを、どのようなスケジュールで進めていくのかを滝経営管理部長に伺います。  リモート授業の必要性と有効性への理解が広がり、一気にオンライン教育への歯車が進んでいます。今年度中にインフラ整備がほぼ整うとのことであります。  先日、地元県立高校の教育振興会に出席し、意見交換してまいりました。マニュアルだけでは解決できない現場での運用上のトラブル対応、使い慣れるまでの専門的な人材の配置を求める声がありました。また小中学校からも、先生の負担の増につながるのではないか、そしてまた専門的な人材の配置を求める声がありました。  急激な教育のICT化に対応するために、ネットワーク、システム、アプリケーションの運用に学校現場への専門人員の配置が必要と考えますが、伍嶋教育長の考えをお伺いいたします。  政府は、マイナンバーカードと貯金口座との連結を義務化し、各種給付の円滑化を順次進めていくとしております。個人認証カードとしてもデジタル化には欠かせないのがマイナンバーカードであります。既にe-Taxや今回の特別定額給付金などのネット申請でも利用できたことにより、早期の給付にもつながりました。  マイナンバーカードの利用状況はどうか、また県民への普及にどのように取り組んでいくのか、経営管理部長に伺います。  知事会において地方創生臨時交付金を、県、市町村合わせて1兆円の増額を要請されているということであります。  さて、県内各市の令和3年度予算策定への厳しい財政見込みが報道されています。また合併市においては、特例措置の終了とともに合併特例債事業の償還も増えてきているのであります。  我が党の宮本議員の代表質問の御答弁でも、気象変動による災害への備えとしての国土強靱化への強化や地方創生臨時交付金の令和3年度以降の継続交付、消費低迷により見込まれる地方消費税の減収への減収補填債の対応など、意気込みある答弁を伺いました。  先日、日本総合研究所が発表した47都道府県幸福度ランキングによりますと、富山県は福井県に次いで2位にランクインしています。ちなみに、石川県は4位となり、北陸3県は、仕事、生活、教育の分野がずば抜けているということであります。ワクワクとやまの創造を標榜している私にとっては大変うれしい報道でありました。  新型コロナウイルス感染症の事態長期化により経済のV字回復が望めない状況下において、国、地方とも厳しい財政見通しが予想される中、来年度の当初予算編成に向けて、全国知事会との連携も含めて、必要な財源の確保について国へどのように働きかけていかれるのか、意気込みを込めて改めて知事の御答弁を求めたいと思います。  そして、終わりになりますが、先日の新聞報道で、市町村と県の連携が取れていないと御批判されている首長さんの発言が載っておりました。御発言の意図は計り知れませんが、今年6月補正で全県下光ファイバー網を張り巡らせる事業に取り組んだことは、デジタルデバイドとなっていた市町村にとって、喫緊の課題となっていた事業に県が動き出すという、まさに県と市町村連携の賜物であると言っていい事業が繰り広げられているわけであります。  以上で質問を終わります。 65 ◯副議長(筱岡貞郎君)石井知事。
       〔知事石井隆一君登壇〕 66 ◯知事(石井隆一君)川上議員の来年度当初予算編成に向けた財源確保についての御質問にお答えをいたします。  新型コロナウイルス感染症が収束するまでの間は、新型コロナ対策と社会経済活動の両立に向けて、県や市町村が主導的な役割を果たす必要があります。その一方で感染症の影響による経済の下振れに伴い、今後は地方税や地方交付税の原資となる国税の大きな減収が懸念されます。  そのため、先週、全国知事会が開催しました北村地方創生担当大臣とのウェブ会議におきまして、地方税財政常任委員長の立場から、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金につきまして、本県が全都道府県にアンケート調査をした結果、現在措置していただいている総額3兆円では足りず、8月4日時点でも全都道府県で5,000億円を超える不足額が見込まれ、かつ、この不足額は、調査後の9月補正予算での対応などを考えますと、さらに増える見込みであること、また地方創生臨時交付金及び緊急包括支援交付金については、国の予備費を充当して増額を図るとともに弾力的な運用を認めること、令和3年度以降も感染症が収束するまでの間は、地方が必要な財源を積極的に措置すること、地域経済と日本経済との力強い再生を実現するためハード、ソフト両面において、リーマンショック時を上回る規模の国交付金を新たに創設することなどを、北村大臣に直接お話し申し上げました。  北村大臣からは、特に地方創生臨時交付金の増額について、地方の実情をよくお聞きして、不足するならしっかり対応する旨のお話をいただいたところであります。  また、令和3年度についても、税収が大きく減少することが想定されますことから、地方交付税を含めた地方一般財源の確実な確保充実、また減収補填債、これは従来は県民税法人税割とか法人事業税などが対象だったわけですけれども、今回は大変な異常事態でありますから、ぜひ地方消費税、これは県税収入の約3割を占めるまでになっておりますから、この地方消費税などを追加していただくことなどを、全国知事会の提言として取りまとめさせていただきまして、高市総務大臣をはじめ政府・与党に、6月末に直接要請しておりまして、大臣からも、相当な理解を示す感触、お話をいただいたわけであります。  令和3年度の当初予算編成に向けまして、本県や県内市町村をはじめ各地方団体が、新型コロナ対応を含め住民の皆様の安全・安心の確保、暮らしの質の向上につなげる事業を確実に推進できますように、全国知事会等とも連携しまして、国に対して地方の実情を丁寧に説明しながら、地方一般財源をはじめ必要な地方税財源の確保充実を強く訴えてまいりたいと思います。  また、県と市町村の連携についても、今、大変ありがたい御指摘をいただきましたけれども、今ほどお話があったデジタルトランスフォーメーション、また県内での様々な取組について、今後とも全部の市町村長さんと、先方がどうしても嫌って言うものは仕方ないですけれど、基本的に、今までもそうですけれども、できるだけ丁寧に十分お話をして、心を通わせて心を一つにして、県民の皆様の幸せのため、富山県のさらなる発展のために努力していきたい、そのことを申し上げたいと思います。  どうもありがとうございました。 67 ◯副議長(筱岡貞郎君)堀口農林水産部長。    〔農林水産部長堀口 正君登壇〕 68 ◯農林水産部長(堀口 正君)米の消費と富富富の販売戦略についての御質問にお答えをいたします。  コロナ禍による米の消費につきましては、外食産業等での業務用米の需要が低迷している一方で、弁当やおにぎり、家庭での消費が好調な面もあり、全農とやまからは、本県産米は家庭用向けの割合が高いことなどから、現時点での影響は少ないというふうに伺っております。  しかしながら、農林水産省によりますと、インバウンドや外出自粛による影響等もありまして、令和元年7月から本年6月までの全国の米の需要実績が前年から約22万トン減少しております。また6月末の民間在庫量は約12万トン増加するなど、消費量減少と米価低下が懸念されているところでありまして、今後の需給動向には十分注視する必要があるというふうに考えております。  また、富富富につきましては、現行の販売戦略に基づきまして、テレビCM等を活用した認知度向上や、店頭、イベントでの試食販売等によるPR活動に加えまして、今年度は新たに継続購入者向けキャンペーン、学校給食での富富富提供への支援などに取り組みますほか、9月補正予算では動画やオンラインによる魅力発信事業を盛り込んでおります。  令和3年度以降の次期戦略につきましては、これまでの成果や評価を踏まえまして策定することとしておりますが、検討に当たりましては、香りがよい、冷めてもおいしいといった特徴をしっかりお伝えするPRの強化、学校給食での利用を含めた県内でのさらなる消費拡大策の充実、生産者による特別栽培米の直接販売等のニーズに応じた販売手法の拡充など、消費者や実需者、生産者等関係団体で構成いたします「富富富」戦略推進会議におきまして十分議論していただくこととしております。  今後とも富富富のブランド確立に向けて、一層の消費拡大を図ってまいります。 69 ◯副議長(筱岡貞郎君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 70 ◯経営管理部長(滝 陽介君)まず、DXの推進についての御質問にお答えをいたします。  県におきましては、本年3月に富山県官民データ活用推進基本計画を策定し、情報通信システムやデータ利活用による次世代型の行政サービスの提供、IoTやAI、ロボット等の新技術の導入による県民利便性の向上や行政サービスの効率化等を進めることとしております。  県といたしましては、アフターコロナ時代に向け、隗より始めよで、自ら率先してDXを進めるために、庁内ネットワーク環境の見直しの前倒し実施や、9月補正予算案におきましても、DX人材育成のための職員研修の実施経費等を計上させていただいております。  御指摘のとおり、DXの推進に当たっては、官民挙げて通常の業務における、例えばペーパーレス化の徹底、効率的な意思決定システムなどの組織改革や各種の申請業務等に係る押印の廃止や申請書類の簡素化などの見直し、オープンデータの推進等とセットで行わなければ、単なる事務のデジタル化にとどまり、結果として非効率的な見直しにとどまって長続きしないということにもなりかねません。  100年に一度の危機をチャンスに変えるためにも、DXの推進に際しましては、時代に合った新しく多様な働き方、官民の相互交流、役割分担の在り方等についての考えを深め実行し、人口減少が避けられない中にありましても、県民の方々の暮らしの質の向上、新たなビジネスチャンスや雇用の創出等につなげていくことが基本であると考えております。  こうした考え方の下に、県といたしましては、県の基本計画の目標年となっております令和6年度に向けまして、全庁的にDXの推進と、またデジタル化時代にふさわしい県庁の仕事の進め方の改革にも努めまして、午前中の川島県議への知事答弁にもございましたけれども、そうしたことに全庁的に取り組む新たな体制の構築ということも検討してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、全国のモデル県となるように鋭意努力してまいりたいと考えております。  次に、マイナンバーカードに関する御質問にお答えをいたします。  本県の令和2年8月1日現在のマイナンバーカードの普及率は15.8%で、1年前、令和元年7月1日時点の11.2%から4.6ポイント伸びております。  マイナンバーカードの普及には、住民の方々にカードを取得するメリットを感じていただくことが何よりも重要だと考えております。実際に県内の市町村では、例えば住民票のコンビニ交付や児童手当の認定などの電子申請時に利用するなど、カードの利活用範囲の拡大に取り組んでいる市町村こそ普及率が高いという傾向がございます。  国におきましても、特別定額給付金のオンライン申請をはじめ、今月から開始されておりますマイナポイントを活用した消費活性化策や、令和3年度からは健康保険証としても、このマイナンバーカードを利用するなどの取組を進めております。  なお、マイナンバー制度がデジタルガバメントの基盤となりますように、骨太の方針2020では、運転免許証とのシステム連携や公金振込口座設定のための環境整備、カードの取得手続の改善など、さらに使い勝手のよいものにするために抜本的な対策を講ずると明記されております。  その大きな柱の一つとして、委員からも御指摘ございましたとおり、デジタル技術を活用した行政手続の効率化を加速するため、関連法を束ねたデジタルガバメント改正法案を国会に提出すべく、政府内でも検討が進んでいると承知をしております。  諸外国に比べましても大きく後れを取っていると言われております我が国における行政のデジタル化の推進において、マイナンバー制度は重要な基盤であり、今後の国の検討状況も注視しつつ市町村とも連携しながら、県としてもその普及が進むように、様々な機会を捉えてカード取得の周知に努めますなど、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 71 ◯副議長(筱岡貞郎君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 72 ◯教育長(伍嶋二美男君)私からは、教育のICTに対応した専門人材の配置に関する御質問にお答えをいたします。  本県では、今年度内に小中学校の児童生徒1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークの一体的な整備がなされるとともに、県立高校では、現在整備中のオンライン教育用回線の敷設のほか、生徒1人1台端末の整備に要する経費を、この9月補正予算案に計上させていただいております。  こうしたICT環境の整備は、子供たちの資質、能力をより一層引き出すとともに、臨時休校中の学びも保障する体制が整うこととなりますが、実際に授業で活用していくためには、議員御指摘のとおり、運用上のトラブルへのサポートを含めて、教育現場を支援していく専門人材の配置が極めて重要であると考えております。  特に、ICT機器が増えることによりまして、操作の習得やICTを活用した授業改善、また機器の設置準備等の新たな業務が発生いたしますことから、専門スタッフを配置いたしまして役割分担を行い、質の高い授業や個々の生徒に応じた学習指導を実現していくことが必要と考えております。  このため小中学校では、県内9つの市町村でICT支援員を配置いたしまして、学校のICT環境整備をはじめ、授業や校務、また研修等の各種支援業務を行っております。このほか、県内10の市町村ではICTの専門人材を配置いたしまして、環境整備を一体的に支援しております。さらに県立学校では、こうしたICT支援員の派遣のほか、情報教育担当の研究主事が各学校に出向き、ICTを活用した授業の教育効果を高めるための訪問研修も実施をしております。  今後とも、急速に整備された各学校のICT環境の有効な活用を支援していくため、教員の負担軽減にも配慮しながら、専門人材の効果的な配置に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 73 ◯副議長(筱岡貞郎君)以上で川上浩君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午後3時03分休憩      ─────────────────────  午後3時15分開議 74 ◯議長(上田英俊君)休憩前に引き続き会議を開きます。  武田慎一君。    〔28番武田慎一君登壇〕 75 ◯28番(武田慎一君)7月末に開催されました富山県地方議員連絡協議会と石井知事との意見交換会にて、私たちは県民に一番近い聞き役として要望し、知事からはそれに対する答弁を聞かせていただきました。お互い初めてのことでありましたので、少し戸惑いもありましたが、滞りなく終えることができました。  元気よく語られる会場と、少し元気がないなという会場があったと思いましたが、地方議員と懇談をされた感想をお聞かせ願いたいと思います。  また、意見交換会の中でも様々な意見や要望があったわけですが、そうした地域住民に近い市町村議員等の声を施策に反映することが、本県のさらなる発展に向けては重要ではないかと思います。そうした声に対して、どのような意気込みや姿勢で取り組むのか、併せて石井知事にお尋ねいたします。  次に、活力ある農業についてお尋ねいたします。  今夏の高温で作況指数や品質の低下が懸念され、稲作農家にとって打撃が大きいものと当初予想されましたが、わせ品種てんたかくは、一等米ブランドをしょって県外へと初出荷となりました。大変喜ばしいことであります。  その一方、ダメージが大きいコロナ禍において、日本酒の需要が相当程度落ち込んでおり、県内でも最大の産地であります南砺市の酒米の行き先が途絶える心配もあり、今後の見通しが懸念されるところであります。  過日、県内3JAが、堀口農林水産部長以下、関係部署の皆様方にも悩みを聞いていただいたところでありますが、その後、何の進展もなく日々が過ぎております。  国では、酒米を加工用米等に変更した場合の補助制度もありますが、十分ではなく、兵庫県議会では6月定例会において、酒米から他品種へ作付を変更した場合、その差額を支払う事業を補正予算に盛り込んでいます。南砺市でも、来年度に向けた他品種等への切替え支援を検討していると聞いております。  そこで、県としても、富山ブランドである酒米の産地を守る観点から、何らかの施策を講じることが必要と思われますが、堀口農林水産部長のお考えをお尋ねいたします。  知事は、デジタルトランスフォーメーションを主策として選挙に臨まれますが、他分野に活用されることと期待いたします。  私は、担い手の項目の中で、農業分野が一番苦戦しているように感じております。国策としてスマート農業が進められようとしておりますが、農機の自動化はレベル3まで届いていないのが現状です。防除作業が大変でして、中山間地域ではリモコン草刈り機の実証実験が行われた地区もあり、期待が高まっております。  また、農業団体との意見交換会では、中山間地の小さく急な畦畔を抱える圃場は、もう潰してしまって平地にして、違う用途に活用できないか、という考え方まで飛び出すのでありました。それほど厄介な農作業に、皆さんは手をこまねいているのであります。  圃場の大規模化、大区画化をすることにより、機械の大型化、人の省力化が一番に図られます。  そこで、中山間地域においても、スマート農業をモデル的に導入実証する圃場を選定し、効果的、効率的な取組を進めるべきと考えますが、堀口農林水産部長にお伺いいたします。  次に、新型コロナウイルス感染拡大を想定した施策についてお伺いします。  私も含め多くの県民は、コロナ感染症者が継続的に確認されているにもかかわらず、気の緩みや警戒感が薄れてきているように思います。知事は富山アラートを発令されましたが、いま一度、県としてもさらなる支援策を講じるべきと思います。  本県において、今後、感染者が増えるようであれば、再度、休業要請が必要となり協力金が支給されることも考えられます。当初は、飲食店の閑散たる様子から休業や時間短縮の要請が発令され、それなりの支援策もありましたが、その中においても床面積1,000平米から100平米の条件もあり、この撤廃も聞き入れていただけず、少し考えさせられる部分もありました。  そこで、今後もし富山県・市町村新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金を実施される際には、商業施設等の面積要件を設定せずに支給すべきと考えますが、布野商工労働部長にお伺いいたします。  「食事提供施設」新型コロナウイルス感染防止緊急対策事業助成金により、7月中旬までに整備されました感染防止のための設備等に対して、支援が行われました。私も数軒のお店に足を運び視察をさせていただいておりますが、いまだに対応されていないお店、しっかりとアクリル板のつい立てやビニールカーテンなど対応されているお店など、様々であります。  そこで、今後の飲食店等での感染拡大防止のため、7月末までに実施された食事提供施設に対する助成金の申請状況を踏まえ、飲食店等が行う感染防止設備の整備等に対して、改めて対象を広げて支援するなど、対策を強化して取り組んではどうでしょうか。石黒厚生部長にお伺いします。  次に、生活困窮世帯における支援策についてであります。  国土強靱化や災害に対する備えはもちろん必要です。県民意識調査やアンケートでは、福祉や県民生活に一番関心度が高く、生きることがこんなにつらいとは、と思っておられる方は少なくないと感じております。  生活困窮世帯には、国の制度を活用した生活福祉資金の貸付けや住まい確保のための給付など、支援策の拡充が講じられていますが、生計を維持するためには十分ではありません。  仮に、3,000世帯が生活に困窮されていると仮定し、例えばコロナ禍における県独自の一律10万円の支給をするなど、支援策を充実すべきと考えますが、石黒厚生部長にお尋ねいたします。  次に、旅行代理店やバス、タクシー事業者への支援についてお尋ねいたします。  本日、大変お忙しい中にも、傍聴におけます貸切りバスチャーターをしていただきました。残念ながら、県庁内には乗り入れはできませんでしたが、万全な体制を取り、傍聴モデルをつくりたいとの支援者からの御助言でありました。  国のGo Toキャンペーンや本県の富山で泊まろう!、そして各自治体が取り組まれておりますそれぞれの特典つきお泊まりキャンペーンは、大変好評を博しております。しかしながら旅行代理店やバス、タクシー事業者は、まだまだ悲鳴を上げ、もがき苦しんでおられる現状であります。  私は、中止になった修学旅行の行き先を地元や隣県として実施することとし、密を避けるためにバス台数を増やす、また旅館を複数箇所に分けるなど対策をし、バス利用等を促すことができると思いますが、旅行代理店やバス、タクシー事業者等に対し、どのように支援していくのか、中谷観光・交通振興局長の御所見をお伺いいたします。  次に、神社仏閣の維持についてであります。  皆様の地元にも、国宝から旧来信じてやまない中小規模の神社や寺院があると思います。初詣や行事等には、お布施や包みを持参で参られることと存じております。  そんな心のよりどころとなります、お社やお寺が維持できなくなっている時代が到来し、各地には廃墟化となるものが増えてきております。  古来、富山県人は、宗教を重んじ大切に守り抜いてきた歴史と伝統があります。それなりの施設は、それなりの氏子や門徒がおられ、何とか維持していけるわけでありますが、あと数年もすると、国、県の補助等も期待できなく、大問題に発展することでありましょう。もともと国や県の税金を投入して続けてこられた部分があり、二重の税金投入となるかもしれません。  そこで、修繕、改修に施していただければ税金から控除されるよう、制度の改正を富山県から国に向かって訴えていただきたいのであります。禅宗に尊い県民性に応えていただきますよう、滝経営管理部長にお尋ねいたします。  次に、交通の維持確保、活性化についてであります。  北陸新幹線が開業し、富山空港の維持存続に当たり、羽田便維持が危機となり、1日4便維持がやっとであります。チャンスをうかがってはいるものの国際線も運休中でして、着陸料や施設利用料の減少は必至であります。  施設内の飲食店も撤退や休業を余儀なくされ、きときと空港ではない状態が続く中、航空自衛隊が隣接します小松空港が民営化との見出しがありました。  富山空港に係る毎年の計上予算は、歳出が7億から8億円であるのに対し歳入は3億円程度で、毎年5億円程度の赤字となっており、今まさに富山空港も民営化し、活力を図る岐路に立たされていると思います。  民営化といいましても簡単なことではありません。しかし、民営化をすることにより、既成路線ではない斬新なアイデアや取組がなされるものであります。  例えば、空港をショッピングモール化するとか、東京の企業のサテライトオフィスにして、着陸したところがもう仕事場になっているとか、隣接する総合体育センターをコンベンションできる仕様に変えるとか、魅力や活力を向上させるため、もっと民間手法を取り込むことが必要だと思いますが、中谷観光・交通振興局長にお尋ねいたします。  第1波では、新幹線のダイヤも少し縮小され、一方で運賃を半額にするサービスが行われ、来年3月まで延長されました。客足や乗降客も伸びず、敦賀以西延伸が心配であります。  そこで、JRには、半額サービスの21日前予約の制限を取り外していただくなど、また定期券では、通常、富山─東京間3か月で約90万円のところを半額にしていただくなど、拡充や期間をさらに延長していただき、富山県も少しお付き合いをいただくことによって、JRは先利後用と収入につながるのではないかと思います。  今やリモートでの会議、テレワークの導入、押印などの決済は、デジタル化が見込めることとなりましたので、大事なときだけ出社する方向性が見えてきたはずです。  富山県内に住所、拠点を置き、地元の行事、農業、子育て、介護に活躍をいただき、これぞ東京一極集中の是正につながり、北陸新幹線も活用されるものと考えますが、中谷観光・交通振興局長にお尋ねいたします。  過日、知事は北陸電力と協定を結び、移住者や県内立地企業に対し電気代を割り引くこととされましたが、JRとも協定を結ぶことにより、適当な、また適切な過疎──「適疎」に選ばれ、農泊やオーベルジュ、そしてベッドアンドクラフト等が広告塔となり、これぞ富山モデルとなるものであります。  次に、公共交通体系に民間交通会社が溶け込むことについてお尋ねいたします。  コミュニティバスやデマンドバスといった自治体が運営する公共交通があります。交通弱者が増加する一方、乗客がそれほど多くなく頭を悩ませております。それでしたら、いっそのこと民間交通会社に任せることを提案いたします。  行政として、車両の維持修繕、運転手の確保等、民間に任せることにより財政改革にもつながる、より充実したサービスを受けることができるというものであります。このコロナ禍ですので、車両や運転手、乗務員にも余力が見られると思います。  各自治体では、ある一定程度、半民営化にはなっておりますが、何らかの補助制度等の支援を確立し、タクシーやバスを活躍させることを期待しております。  伍嶋教育長の愛情で、県内特別支援学校では、児童生徒の密を避けるためスクールバスを含める通常のバス体制を拡充していただき、民間バス台数を増やし、子供たちの安全・安心を確保いただいております。となみ総合支援学校教育振興会長としても深く御礼を申し上げます。  そこで、公共交通に民間交通事業者にも活躍いただくことについて、県の指導の下、市町村にも呼びかけを含め、どう取り組んでいかれるのか、中谷観光・交通振興局長に答弁をいただきたいと思います。
     次に、県内の踏切改良指定についてお尋ねいたします。  4年前に国土交通省は、踏切での事故や渋滞を減らすため改良が必要な踏切として、42都道府県の計529か所、現在では45都道府県で計1,180か所を追加指定し、2020年度までに対策を取るよう鉄道会社と自治体に義務を付したのでありました。  当時、県内では、あいの風とやま鉄道の第2戸出街道踏切など15か所が指定され、現在では20か所が改良すべき踏切として法指定されております。指定は改正踏切道改良促進法に基づくもので、車道や歩道が狭いなど危険性が高い箇所が対象となったものであります。  国土交通省は、今後も追加指定に向け検討を進めることとしておりまして、現在は「通学路のための安全確保が必要」というところが1か所増えて8か所になりました。「地域の実情を考慮し事故防止や交通円滑化の必要性が高い」が4か所増えまして10か所、「歩道が狭い」は2か所のままということで、計20か所となっております。  指定された踏切は、鉄道会社と自治体が、踏切内の歩道拡幅、歩道橋の設置、踏切内の車道と歩道を明確に色分けするカラー舗装といった対策を取らなくてはならないことになっております。  当時、県内の指定箇所において、道路課は、鉄道事業者とスケジュール調整をしながら、計画的にスピード感を持って改良を進めるとされております。このことにより、地元には協力は求めるが、痛みを伴うことはないようにと受け止めることができます。  しかしながら、最近の社会情勢のかなりの変化から、新しい道路が建設されるとか、車両の大型化、自転車通勤や踏切付近に市町村庁舎や高齢者施設の立地など、刻一刻と変わりゆく状況です。  JR西日本が城端線・氷見線のLRT化の話題があり、それが実現すれば、その箇所だけ特別スピードを緩めるなど、踏切がなくても安全に対策を取ることができるのかもしれません。  そうした状況変化により、踏切の拡幅などが必要になってくる箇所もありますが、状況変化によって踏切の統廃合が生じる場合には、十分に地元からの意見聴取や鉄道事業者との調整などを行う必要があります。  しかし、知事がおっしゃるように、JRは、くせ玉であり、気をつけないと、くせ者ですので、国土交通省の強い指導があればスムーズに進捗するものと捉えます。  県内の踏切の整備について、法指定されている踏切の改良の進捗状況はどうか。また状況変化を踏まえ、今後、踏切の整備をどのように進めていくのか、江幡土木部長にお尋ねいたします。  最後に、県内病院の再編についてお尋ねします。  県内には公立で、赤字の病院もあれば黒字の健全化病院も存在します。このコロナ禍で、全国的に赤字病院の話題がクローズアップされるようになりました。  地域においても、子供から高齢者まで、効果的、効率的な医療が必要です。富山県地域医療構想では、将来の医療需要を踏まえた必要病床数等が推計されております。複数ある公立病院を外来専用病院にシフトするなど、役割や機能を分担、重点化することも考えられますが、本県では、これからの病院経営の維持や病院再編の方向性が示されておりません。  そこで、本県における今後の病院経営維持のためにも、再編計画の確立が必要と考えますが、知事の御所見をお尋ねし、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 76 ◯議長(上田英俊君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 77 ◯知事(石井隆一君)武田議員の御質問にお答えをいたします。  まず、市町村議員等との意見等を踏まえた県政についてお答えをいたします。  私は、知事に就任させていただいて以来、市町村と県はまさに車の両輪であり、市町村や各地域が活性化し、またバランスよく発展することが、県全体の発展につながると考えております。  これまでも、市町村の皆様からの重要要望とか、あるいは市議会議長会との懇談会のほか、首長や議長さんにも御参加いただいてのふれあいトークなどを通じまして、市町村議員の皆様とお会いして率直な御意見も伺ってきたところであります。  議員御質問の富山県地方議員連絡協議会との意見交換会につきましては、県内4つのブロックに分かれて各地域の課題等を、国会議員の先生方をはじめ県議会議員の皆様、また各市町村議員の皆様の間で情報共有して、県政や市町村行政に反映させるために、少なくとも年1回、定期的に意見交換されていると伺っております。今回、私に出席依頼をいただきまして、本当に参加させていただいてありがたかったなと思っております。  意見交換では、地域医療とか生活道路の整備など各地域が抱える課題について、様々な御意見や御要望をお聞きしまして、改めて地域の現状や課題、また市町村議員の方々の地域への熱い思いを直接伺って、大変有意義でありがたい機会となりました。  特に、砺波地区の開催に当たりましては、武田議員が大変御尽力されたと伺っておりまして、感謝申し上げたいと思います。  市町村議員の皆様は、地域住民の方々に最も近い存在として、地域に密着した議員活動を展開されておられます。私としましては、最近、おかげさまで、いろんな場面で市町村議員の方々と御一緒したり、御意見や御要望を伺うことが多く、改めて勉強させていただいておりますけれども、今後も様々な機会を通じて、市町村議員の皆様の声を十分伺う。  また、先ほど川上議員から、市町村長さんとの円滑な連携について、特に光ファイバー網などの問題で御評価いただきましたけれども、市町村議員の皆様や、またもちろん市町村長さんなどと連携しながら、県政の施策にしっかり反映させていくことで、県民の皆様お一人お一人のお幸せでありますとか、さらにそれが富山県の発展、飛躍につながるということになりますように、全力を挙げて努力してまいります。  次に、病院再編についてお答えをいたします。  県では、人口減少が進む中で、医療資源を効果的、効率的に活用して持続可能な医療提供体制を確保しますために、地域医療構想を策定して、4つの医療圏ごとの地域医療構想調整会議では、議員御指摘の各医療機関の機能分化あるいは連携、そのために必要な病床の機能転換等について協議いただきますとともに、地域医療介護総合確保基金等を活用した支援に取り組んでまいりました。  その結果、急性期から回復期への転換、介護医療院への転換は、これまでおおむね順調に進んできているのかなと思っております。例えば、急性期の病床は、平成26年から令和元年までで1,454床減りまして、また慢性期も同じ期間に1,129床減って、不足していると言われていました回復期は804床増えるといったようなことでありますし、また介護医療院への転換も18施設1,058床というふうになっております。  今般のコロナの拡大を受けまして、骨太の方針で、感染症への対応の視点も含めた検討の必要性が明記されておりまして、8月末には国から、地域医療構想の取組の進め方について、国において改めて整理の上、示す旨の通知がありまして、社会保障審議会医療部会において、その議論が開始されております。  県としましては、国の動きも注視しながら地域医療構想調整会議で、いきなり再編ということではなくて地域の実情を踏まえて、改めて公立、公的を含む各医療機関が地域で担う役割や機能について、十分に御議論いただきたいと思っております。  その際の論点、議論としては、やはり人口減少に伴って、急性期の患者数や病床利用数が低下しているという現実もありますから、病床の削減や機能分担の在り方を考える必要があると、もちろんそういう御意見もあると思いますし、またしかし、そうはいっても地域にとって病院はそれぞれ重要な役割を担っていて、基本的になくすべきではないという御意見もあろうかと思いますし、またこの議場でもそういう議論があったと思いますが、医療人材の確保や医師の苛酷な労働環境の改善のためには、病院の機能を集約する必要、そのことは避けられないんじゃないかといったような議論もございます。  今度、改めて国のほうでも、感染症への対応の視点も含めて、質が高く効率的で持続可能な医療提供体制の整備を進めてはどうかといったふうに、この感染症への対応という新たな視点も入ってきました。こうしたことを十分議論していただいて、そして丁寧に進めるということが大事だと思います。  また、これに加えまして、将来にわたって地域医療が安定的に確保されるように、地域での議論をよく踏まえまして、またこの点については、県内の市町村長さんの御意見を十分に、これまでも現場に行ったりして伺ってきてはおりますけれども、各医療機関、病院はそれぞれの市町村にとっても非常に大切な、言わば死活問題に近い問題でありますから、十分議論を尽くして、丁寧にまたしっかりと取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。 78 ◯議長(上田英俊君)堀口農林水産部長。    〔農林水産部長堀口 正君登壇〕 79 ◯農林水産部長(堀口 正君)まず、酒米についての御質問にお答えをいたします。  本県の令和2年産の酒造好適米、いわゆる酒米でございますが、作付面積は南砺市を中心に約1,000ヘクタールございます。全農とやまやJAからは、コロナ禍による日本酒の需要低迷によりまして、県外の酒造会社との契約数量が二、三割程度減少になっていると聞いております。  国におきましては、全国的な米の需給見通しを踏まえまして、営農計画書の提出期限を延長し、酒米を含めた主食用米から加工用米等への非主食用米への転換を促進すること、酒米の販売期間が延長となりますので、その保管経費への支援を拡充することなどの措置が講じられまして、本県では富山県農業再生協議会を通じまして、制度の活用について働きかけを行ってまいりました。  全農とやまや一部JAでは、今後、新たな販売先の確保に努められますとともに、国の保管経費の助成制度活用も検討されていると聞いております。  県といたしましては、今後の日本酒の需要の推移等も十分注視するとともに、令和3年産米の作付につきまして、例えば酒米から加工用米等への転換に対して、産地交付金を重点的に配分するなどの支援策につきまして、地元市町村やJA等とも連携しながら、しっかり検討してまいりたいと考えております。  また、本年4月に富山県食品研究所に整備いたしました、とやま醸造・発酵オープンラボを活用いたしまして、県内の酒造会社の若手蔵人が共同で日本酒の新商品開発を進めているといった積極的な取組も見られるところでありまして、今後、農業団体や酒造組合とも連携しながら、日本酒の消費拡大についてもしっかり取り組んでまいります。  次に、スマート農業についての御質問にお答えします。  農業従事者の高齢化や担い手不足が深刻化する中、農作業の省力化や生産性の向上を図るためには、農地の大区画化とスマート農業の推進が極めて有効であると考えております。  このため、これまで大区画化等への農地整備を進めますとともに、特にスマート農業につきましては、スマート農機の実用性の検証や複数の技術を活用するモデル農場の設置などに取り組んできております。  今年度は、富山市の水橋常願寺地区におきまして、国事業を活用し、大区画圃場で高収益作物のタマネギとニンジンの効率的生産の実証プロジェクトを進めておりますほか、集落営農組織におけます技術承継、あるいは省力化のため、直進キープ田植機等のスマート農機の導入支援を行っております。  また、中山間地域では、法面の傾斜に応じまして、複数の草刈り機を活用した除草体系を実証しますとともに、リモコン草刈り機が活用しやすい緩やかな法面勾配の整備も行うこととしております。  さらに、9月補正予算案では、中山間地域で農作業の省力化や規模拡大を目指す認定農業者等に対しまして、スマート農機の導入を支援するモデル事業を盛り込んでおります。  今後とも、発展著しいロボット、AI等のデジタル技術を活用した新たな農業の変革、デジタルトランスフォーメーションを推進いたしまして、担い手の確保が図られますよう、中山間地域も含め、スマート農業技術の実証とスマート農機導入への支援にしっかり取り組んでまいります。 80 ◯議長(上田英俊君)布野商工労働部長。    〔商工労働部長布野浩久君登壇〕 81 ◯商工労働部長(布野浩久君)私からは、休業要請の協力金についての御質問にお答えいたします。  先般の休業要請等に係る協力金につきましては、施設ごとの休業や営業時間の短縮などといった要請や協力依頼などを定めました富山県緊急事態措置、「施設の使用停止の要請等」の内容や性質の区分に応じて協力金の交付内容を決定しました。  具体的には、休業を要請する施設と時短営業を要請する食事提供施設との区分、商業施設など一部の施設につきましては、面積要件によって休業の要請や協力を依頼する施設と、休業要請等を行うものとは異なり、営業を継続する際には適切な感染防止対策を施すよう依頼する施設との区分が設けられたことに応じ、協力金の交付内容を設定しております。  県の要請等に全面的に御協力いただきました幅広い事業者様から、約4,900件の申請があり、市町村と連携し約10億4,000万円を交付しております。  県ではこれまで、協力金のほか、食事提供施設の感染防止対策設備整備の支援、事業持続化・地域再生支援金地域企業再起支援事業費補助金など、感染防止対策を講じつつ前向きに取り組む事業者へ、幅広い支援を実施しております。  現在、8月11日に発出されました富山アラートにより、県民や事業者の皆様には、引き続き高い緊張感を持った行動をお願いしておりますが、業種別のガイドラインの策定実施、新しい生活様式の県民への浸透を踏まえ、原則、休業要請は行わないこととされております。  なお、8月以降、東京都、福井県など6都府県では、業種やエリアを限って休業等を要請し、店舗単位や日数単位で協力金を交付している例もございます。  仮に、本県でもステージ3で、感染多発施設類型に対し個別で休業要請をすることになった場合には、議員からお話のあった観点も含めまして、休業要請の内容や性質に応じた協力金の在り方を、厚生部とも連携して検討することになると考えております。  以上でございます。 82 ◯議長(上田英俊君)石黒厚生部長。    〔厚生部長石黒雄一君登壇〕 83 ◯厚生部長(石黒雄一君)私のほうからは、飲食店等が行う感染防止設備の整備等についてお答えをいたします。  県が実施いたしました「食事提供施設」新型コロナウイルス感染防止緊急対策事業費助成金につきましては、感染防止対策に取り組んだ県内の中小企業等が経営する食事提供施設に対し、定額10万円を助成するものでございまして、5月から7月末まで申請を受け付けたところでございます。  実施に当たりましては、テレビCMなどを通じて制度の周知を図ったほか、当初の申請期間を1か月延長するなど、多くの食事提供施設に有効に活用いただけるよう努めたところでございます。  その結果、助成件数は1,121件に及び、県内の食事提供施設における感染防止対策が一定程度講じられたものと考えておりまして、改めて対象を広げて支援することにつきましては、今後の感染状況などを踏まえながら検討してまいりたいと考えております。  一方、国におきましても、飲食店等におけるクラスター発生防止のための総合的取組を定め、飲食店等における感染防止のための業種別ガイドラインの普及を進めているところでございます。  県におきましても、そうした国の動きに先駆けまして、居酒屋やスナック等に対しまして感染拡大予防チェックリストを送付したほか、生活衛生同業組合等を通じまして、ガイドライン等を踏まえました取組の徹底を依頼するなど、飲食店の感染防止対策を働きかけてきたところでございます。  県といたしましては、引き続き飲食店等に対しまして、営業許可申請時の窓口対応や立入検査時等も活用し、ガイドラインを踏まえた感染防止対策についても積極的に働きかけてまいりたいと考えております。  次に、生活困窮世帯に対する支援策についてお答えをいたします。  収入が減少した生活困窮世帯に対しましては、これまで生活福祉資金の緊急小口資金等の特例貸付けや住居確保給付金の支給、低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金の支給などに取り組んできたところでございます。  生活福祉資金の特例貸付けにつきましては、償還時においても所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還免除が可能となっており、また住居確保給付金につきましては、最長9月まで支給期間延長可能な制度となっております。  新型コロナウイルス感染症の影響による休業等に伴う収入減少により、離職や廃業と同程度の状況にある方まで対象が拡大されていることから、こうしたことについて広く周知に努めているところでございます。  なお、県独自の支援策といたしましては、県事業に共同で取り組む市町村とともに、ひとり親世帯へのお米券への配布に加え、9月補正予算案で、ひとり親家庭等を対象に県産品を購入できる商品券を送付する事業や、こども食堂への支援の延長に係る経費を計上したところでございます。  また、生活福祉資金の特例貸付けにつきましては、申請受付期間の延長の動きもありますので、こうした国の展開等も注視しながら、県としては、自立支援相談窓口等での対応と併せまして、様々な制度の活用周知や市町村との連携協力によりまして、必要な方々に支援が確実に届くよう積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。 84 ◯議長(上田英俊君)中谷観光・交通振興局長。    〔観光・交通振興局長中谷 仁君登壇〕 85 ◯観光・交通振興局長(中谷 仁君)私からは、まず旅行代理店、バス、タクシー事業者に対する支援についてお答えをいたします。  新型コロナの影響により厳しい経営状況にある旅行代理店、バス、タクシー事業者に対しましては、これまでも国、県、市町村が連携を図りながら、雇用対策や資金繰り支援、各種支援金の支給等の取組が行われてきたところでございます。  これらに加えまして、県民宿泊割引キャンペーンにおきましては、旅行代理店を経由して予約いただく利用者枠を別枠で設定をする拡充を行いましたほか、県内バスを利用する着地型旅行商品の造成に対し支援をいたしますとともに、県民の皆さんに着地型旅行商品を半額で御利用いただくキャンペーンにおきまして、県内のバスにより観光地を巡る商品も対象とすることで、バスの利用促進に取り組んでいるところでございます。  また、県内のタクシー、高速バス、貸切りバスの各事業者に対しましては、これまでの感染防止対策への支援に加え、これまで7月以降の感染症が全国的に再拡大をし、国のGo Toトラベル事業の対象から東京都発着が除外されてきた、そういったことにもよりまして、引き続き厳しい環境に置かれておりますことから、今回新たに車両維持費への支援を9月補正予算案に盛り込んでいるところでございます。  議員御提案の修学旅行につきましては、県内の多くの学校におきまして、滞在先や公共交通機関等でのコロナ感染を懸念し、実施を中止されている一方で、行き先を変更し代替旅行を検討されている学校もあると、県の教育委員会のほうからお伺いをしております。  今後とも、県教育委員会を通じまして各市町村教育委員会や各学校に対し、代替旅行の参考となる観光環境の情報を積極的に提供いたしますこと等によりまして、バス等の利用を促してまいりたいというふうに考えております。  次に、交通の維持活性化に関する3問のうち、富山空港への民間手法の取り込みについてお答えをいたします。  富山きときと空港の管理につきましては、滑走路等は県が、ターミナルビル等は富山空港ターミナルビル株式会社が、管理をいたしております。空港運営の民間活用につきましては、国土交通大臣が国管理空港における基本方針を定めておりまして、空港の魅力向上による地域活性化、滑走路等の航空系事業と空港ターミナルビル等の非航空系事業の一体的経営、民間の知恵の活用による効率化や利便性の向上等が、目標に掲げられております。  富山きときと空港におきましては、現在、県が管理しております航空系事業の滑走路等につきまして、大規模な補修事業等を行っております。当面、キャッシュフローベースで大きな赤字が続く状況でございます。  また、昨年度末から新型コロナの影響によりまして、利用者が激減していることを踏まえますと、現時点では、民間事業者にこの一体的経営参画の検討を期待するということはなかなか難しいのではないかと考えております。  しかしながら、空港の維持活性化に向けまして、民間事業者のノウハウによる取組の強化ということは重要でありますので、空港施設を活用した民間による利用促進イベントの実施ですとか、総合体育センターとの相互利用などを推進しているところであります。  今回、武田議員からいろいろと御提案をいただきました。現在、国際線が全て運休となり、国内線についても国のGo Toトラベル事業におきまして、東京都発着の旅行が対象外となっているなど、大変厳しい状況にありますが、新型コロナの感染状況を見極めながら、感染防止と利用の回復にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、北陸新幹線の維持活性化についてお答えをいたします。  新型コロナの影響によりまして、北陸新幹線の利用者数が大幅に減少する中、JR東日本、西日本におきましては、昨年と比べ臨時列車の本数は削減されておりますが、定期列車はほぼ同様に運行されております。利用回復のため、乗車料金が最大半額となる切符の発売等に努めておられるというふうに承知いたしております。  北陸新幹線、平成27年3月の開業以来、乗車人員は開業前の3倍近い高い水準が続いてきましたほか、観光客の増加、企業立地の進展、Uターン率の向上等、大きな効果をもたらしておりまして、そもそも他の整備新幹線と比較いたしましても、収支採算性に優れた路線であります。  また、新型コロナ感染症の拡大により東京一極集中の社会構造リスクが改めて明らかになり、真の地方創生を実現していく環境が整いつつある中、その役割はこれからますます重要になるものと考えております。  県といたしましては、これまでも北陸3県での通年誘客キャンペーン事業をはじめ、北陸新幹線の利用促進につながる旅行商品の造成への支援やPR、コンベンションの誘致等のほか、新高岡商品開発プロジェクトへの参画など、県内の新幹線駅の利用促進にも取り組んできているところであります。  さらには、国のGo Toトラベル事業、今現在、東京都発着の旅行は対象となってはおりませんが、そういった事業と連携をいたしまして、9月から新たにウェルカム富山県キャンペーンを開始したところであります。  今後とも、観光関連事業者や市町村と連携をし、新しい旅のエチケットの周知、それから接触確認アプリの設定協力依頼等によりまして、感染防止を図りながら、北陸新幹線の利用促進、利用回復につながる県内観光需要等の確保に努力をしてまいります。  最後に、自治体が運営する公共交通の民間活用についてお答えをいたします。  県では、市町村が運営する公共交通でありますコミュニティバスについて、その運行費に補助をいたしますとともに、導入のための調査や定期路線方式からデマンド型へ転換する際の実証運行等にも補助してきております。
     県内でコミュニティバスを運営する11市町では、それぞれ行政や交通事業者、学識経験者、地元代表者等で構成いたします地域公共交通会議におきまして、運行ルートやダイヤ、運行を委託する場合の受託者等に関し、協議の上運行されておりまして、民間交通事業者との連携、協働につきましては、各市町の実情に応じて、運転手、車両整備、運行管理などの業務の民間委託が進められてきており、そのノウハウや人材の活用によりまして、安全・安心な交通サービスの提供、運営の効率化等につながっているというふうに伺っております。  県といたしましては、これまでも各市町の公共交通会議に参画をいたしまして必要な助言を行ってきておりまして、引き続きこうした場も活用しながら、参考となる他団体の取組等について市町村と情報の共有を図りますとともに、民間交通事業者の実情にも十分配慮しながら、地域交通事業における効率化、サービス向上が促進されますよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 86 ◯議長(上田英俊君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 87 ◯経営管理部長(滝 陽介君)神社仏閣の維持についての御質問にお答えをいたします。  憲法第89条では、公金その他の財産は、宗教上の組織もしくは団体の使用、便益もしくは維持のため、これを支出してはならないとされております。そのため一般的な宗教施設に係る維持改修に対しまして、国、地方団体問わず公金を支出することは認められておりません。  寄附金に対する所得税等の控除につきましても、国や地方団体が本来収入されるべき税収が確保できず、実質的に財政負担を伴うという点では公金支出と同義、同じでございます。  一方で、国宝、重要文化財等となっております神社仏閣を修復する事業につきましては、文化財保護の観点から国や地方団体が費用の一部を補助しております。  また、寄附金の控除につきましても、所得税法におきまして、寄附の対象が文化財保護の国庫補助を受けて行う国宝、重要文化財等を修復する事業であって、文化財保護のために緊急に必要なものであるなどの要件を満たす場合に限って、当該文化財の所有者からの申請に基づき、財務大臣の指定を受ければ寄附金控除の対象とされるという制度がございます。  このような取扱いにつきましては、内閣法制局の公式の見解といたしまして、宗教上の建築物に対する場合であっても、専ら文化財の維持保存のために公金を支出することは差し支えない、と示されていることに由来するものでございます。  そのため、先ほど申し上げました理由によりまして、指定文化財にとどまらず一般的な宗教施設の維持改修に係る寄附金を、所得税等の寄附金控除の対象とすることは、憲法第89条に抵触するおそれがあり制度改正は困難であると考えております。  課題そのものについては理解できるところでございますが、やはり各神社仏閣の関係者の間でよく対応を検討いただくべき課題と考えております。  以上でございます。 88 ◯議長(上田英俊君)江幡土木部長。    〔土木部長江幡光博君登壇〕 89 ◯土木部長(江幡光博君)私から、踏切の改良についての御質問にお答えいたします。  国土交通省では、道路や鉄道の安全性の向上、交通の円滑化を図るため、平成28年に改正された踏切道改良促進法に基づきまして、改良すべき踏切として、令和元年度までに県内の県道、市町村道で20か所を指定しております。  その進捗状況としましては、これまでに12か所で踏切部の拡幅などの対策が完了し、さらに今年度末までに県道入善朝日線の第4北陸街道踏切など2か所の対策を終えまして、合計14か所の対策を完了する見込みであります。  残る6か所は、県道で4か所、市町村道で2か所となっており、早期に対策が実施できるよう鉄道事業者と協議、調整を進めているところであります。  県では、これまでも踏切の事故防止や交通の円滑化を図るため、前後に比べ踏切内の歩道が狭い箇所や通学路などにおきまして、緊急性や優先度を検討の上、拡幅などの対策を実施してきております。  今後とも、周辺の道路整備や各種施設の立地など、道路条件はもとより、LRT化の検討など様々な鉄道の状況にも配慮しながら、鉄道事業者等と連携して必要な対策を進めてまいります。  また、踏切の拡幅に伴いまして周辺の狭隘な踏切の統廃合が必要となる場合もありますが、関係市町村や地元の方々、鉄道事業者と合意形成が図られるよう協議、調整を行い、着実に踏切の整備が進むよう努めてまいります。  以上でございます。 90 ◯議長(上田英俊君)以上で武田慎一君の質問は終了しました。  以上をもって本日の一般質問、質疑を終了いたします。  次に、予算特別委員会の構成について御報告いたします。  委員長武田慎一君、副委員長藤井裕久君、理事岡崎信也君、酒井立志君、奥野詠子君、委員津本二三男君、大門良輔君、針山健史君、藤井大輔君、庄司昌弘君、種部恭子君、八嶋浩久君、薮田栄治君、井上学君、吉田勉君、井加田まり君、平木柳太郎君、永森直人君、渡辺守人君、杉本正君、以上のとおりであります。  次にお諮りいたします。  議案調査のため、明9月15日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 91 ◯議長(上田英俊君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次回の本会議は9月16日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行いますとともに、議会運営委員会を開催いたします。  本日はこれをもって散会いたします。  午後4時11分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...