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  1. 富山県議会 2020-06-01
    令和2年6月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                     午前10時00分開会 武田委員長 皆さん、おはようございます。  ただいまから6月定例会予算特別委員会を開会いたします。  本委員会の運営に関し、理事会で決定した事項は既にお配りしてありますが、ここで特に質問者に申し上げます。  持ち時間は答弁を含めて60分ということになっております。その具体的な取扱いについては、理事会確認事項として既に皆様方にお配りしている資料のとおりでありますので、留意の上、質問されますよう、改めてお願いいたします。  また、答弁者においては、簡潔な答弁に留意され、円滑な委員会運営に御協力いただきますようお願いいたします。  なお、委員席につきましては、ただいま御着席のとおりにしたいと思いますので御了承願います。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        平木柳太郎委員の質疑及び答弁 2 武田委員長 平木委員。あなたの持ち時間は60分であります。 3 平木委員 おはようございます。  予算特別委員会最初の質問をさせていただきます。  まずは、教育施策について伺います。  国の補正予算で教員の増員確保を推進していただいておりますが、県内での教員確保は厳しい状況が続いています。  この状況下において、今回、夏休み中の非常勤講師増員を県の6月補正予算で計上をしていただいておりますが、教員確保自体が実現するのかどうか、これは予算をつければ実現するという話ではありません。  県では、「とやまで教員」応援事業の委託先として、東京の企業をプロポーザルで選定をしております。この委託において、優れた教員を確保するという重要な業務を任せられる、この思いを果たして県外の企業が富山に向けていただけるのかどうか、ここに少しの不安を感じるわけであります。  そこで質問いたしますが、ぜひ富山県内のゆかりのある企業との連携を進めることも含めて、知事も盛んに表明されておりますデジタルトランスフォーメーション、教員確保のDX化に大きくかじ取りをする必要があると考えますが、これについての考えを教育長に伺います。 4 伍嶋教育長 おはようございます。
     県の教育委員会では、学校再開後に教員が学習指導等に専念できますよう、国の補正予算を活用しまして、委員から御紹介のありました様々な非常勤講師、また緊急スクール・サポート・スタッフなどの追加配置を行いたいと考えております。  教員の追加配置につきましては、年度途中に教員免許を保有する人材を新たに確保することは極めて厳しい状況にあると考えておりまして、今まで様々な方法により確保に努めてきております。例えば、優秀な人材確保のため、教員UIJターンセミナー教員養成講座に加えまして、今年度は教員募集PR動画を配信いたしまして、本県で教員をすることの魅力のアピールを行っております。  また、今年度実施の教員採用検査におきましても、新たに大学推薦制度を導入するなど、様々な見直しを図っているところであります。  委員から御提案の教員確保におけるデジタルトランスフォーメーションにつきましては、これは一部については中期的な取組となるものも含みますが、例えば教員採用検査におけるウェブ面接の導入や、必要とされる専門分野において、オンラインによる外部人材とのマッチングを行う枠組みを整備すること、さらには採用という形式にこだわることなく、対面授業と遠隔から参加する多様な講師によるオンライン教育ハイブリッド化による、多様かつ高度な学習機会の提供につなげるなど、教育分野においても専門人材のデータを活用した従来の枠を超えた、新たな変革について検討していくことも考えられると思っております。  今後、人材確保におけますデジタル技術の多様な活用について、企業等からも、できれば富山県に思いのある事業者などから幅広く意見を聞きながら研究を重ねてまいりたいと考えております。 5 平木委員 教育関連のデジタルトランスフォーメーションに関しては、教育専門のITサービスを手がけるLXデザイン、ここは金谷社長という富山出身の方が経営をされております。  ここの新規サービスとして、学校教育に特化した人材仲介サービス「複業先生」の試験運用を始めたということで、富山県に、ぜひ人を送り込みたいという強い思いを持っていただいております。こういった民間企業との連携も随時進めていただければと思っております。  次の質問です。  GIGAスクール構想に基づいて、学校教育のICT化の支援も、今回の6月補正予算も含めて大きく推進をしていただきます。  しかしながら、これは県立学校を中心とするものであり、富山県内の子供にとっては、県立、私立は特に問わず、全ての子供たちに同じ環境を提供したいと考えるものであります。  そこで、学校教育のICT化における支援を私立高校にも拡充すべきと考えますが、政策監に所見を伺います。 6 蔵堀政策監 国のGIGAスクール構想に基づきまして、今ほど御紹介ありましたように、令和2年度第1次補正予算などでは、公立、私立を問わず、全ての小中学校におきまして1人1台端末の配備等に取り組まれております。  また、校内通信ネットワークの整備につきましても、これも公立、私立を問わずですけれども、小中学校、それから高校を対象に補助制度が設けられておりまして、この事業を活用して県内の私立高校においても整備が進められております。  現在、県内の私立高校におけるICT環境整備の取組でございますけれども、教育用コンピューター1台当たりの児童生徒数という文部科学省の調査によれば、令和元年の調査では4.7人に1台ということでしたが、今年の5月では3.9人に1台という状況で、かなり進んできております。  また、普通教室の無線LANの整備率につきましても、県内私立は昨年の時点で39.3%でしたが、今年の5月の時点では52.6%ということで、各校が国の補助金なども活用されICT化を進めておられるわけでございます。  県でも、これまで私立高校経常費補助金について、近年、補助率上限50%ですが、50%近い補助を実施しております。通常の経常費分で約20億円、毎年支出しておりますし、さらに特色教育振興費として1億4,000万円程度、上乗せでさらに補助をしています。全国トップクラスの支援となっておりますけれども、この特色教育振興費を活用されて、各校でタブレット端末の購入や無線LANの整備、プロジェクターの設置といったことで、ICT化の充実に取り組んでおられます。  このほか、高校生等奨学給付金は授業料以外の教育費の支援で低所得世帯を対象としておりますけれども、この中でオンライン学習に係る通信費を、6月補正においても追加で、1人1万円ということで支給することを考えております。  私立高校のICT化、教育水準の向上に、今後もしっかり取り組んでまいります。 7 平木委員 忘れた頃にやってくるのが富山県武道館の話です。ここからはその整備について4問伺います。  富山県武道館、早々に名前を決めていただき、前向きな機運が高まっていると思いますが、今回の質問としては、まず基本的な確認をさせていただきたいと思います。  今回は、県武道協議会等から要望があり、また多くの署名があり、そういった声が形になった富山県武道館でございます。この要望の中には、伝統的な武道館を要望するものであり、弓道場や相撲場も含めた全体の武道を支援する動きとして富山県武道館に期待が集まっておりますが、現在の予定ではその機能は入らないものと伺っております。  一方で、多目的機能を有するとあるとおり、バスケットボール競技などの会場となることに違和感がある県民も少なくはありません。  今回の富山県武道館について、残念ながら基本計画の中で入らない可能性の弓道や相撲の関係者に対して、どのような説明が行われているのか、この機能は入らないまま進めていくのかどうかも含めまして、政策監に伺います。 8 蔵堀政策監 今回の武道館整備について、武道の関係者の皆さんから御要望を承って整備も進めることとしたところでございますけれども、まずは、既存の県営富山武道館県営高岡武道館の老朽化に伴います統廃合によって新たに整備するものということでございまして、現在のこの2つの武道館が果たしております機能を維持、拡充する方向で整備をするということが基本だと考えております。  これを踏まえて、相撲場、弓道場についても検討はいたしましたけれども、非常に大きな面積がさらに必要になるということがございまして、相撲場、弓道場については既存の施設を改修するということで、要望された団体の皆さんには御説明して御理解も頂いたところでございます。  県営弓道場、それから県体育協会相撲場につきましては、老朽化している部分もございますし、一部機能の充実も必要ということで、団体のほうからは御要望も頂いております。現在、そうした要望も踏まえて、どういった整備が必要か、さらに御意見も聞いていきたいと思っております。  なお、武道競技での利用がない場合、競技面の広い主道場があるわけですので、これをバスケットボール等室内スポーツなどに利用していただいて、施設を効率的に活用していくということを想定いたしております。これにつきましても、検討委員会、それから武道の関係者の皆さんからも、施設の有効活用はぜひ進めてほしいという御意見を頂いております。 9 平木委員 ただいま答弁いただいたとおり、やはり駐車場、この後質問させていただきますが、基本的には敷地としてもう少し広いものがあれば解決できた問題でもあるという捉え方もできます。  そこで、富山県武道館の予定地である富山市千歳町の民間駐車場敷地でございますが、この敷地内に十分な駐車場が確保できないということを、前回議会でも各議員から取り上げていただいております。  その答弁によりますと、解決方法として、公共交通による利用を見込んでいるという答弁でありますが、ここでイメージしていただきたいのですが、全ての武道の競技ではないですけれども、武道用具をそれぞれ子供たちも含めて持ってくることになると思います。かなりの重量なものもあるということで、この子供たちの負担を考慮すると、近隣の民間駐車場の活用、もしくは公共交通で来てくださいというような来館は、なかなか現実的ではない部分がこの後出てくるんじゃないかと懸念をされます。  この部分も含めまして、今回のこの土地の活用として、十分な面積が確保できていないんじゃないかという、これは私の前提の考えですが、解決策について現在どのように考えているか、政策監に伺います。 10 蔵堀政策監 まず、この武道館の建設予定地の選定に当たり、基本計画検討委員会におきまして選定基準が定められております。  この中では、県内の各地からの利便性が高く、生徒、学生等が利用できるように、自分で車を運転できなくても、公共交通機関を利用してアクセスが容易であることなどの基準でございますけれども、それに基づいて4か所の候補地をお示しして、現在の場所にということで御選定を頂いたわけでございます。  武道館の基本計画では、この場所でございますが、富山駅から徒歩圏内、約500メートル程度ということ、それから市電もございまして、公共交通機関での利便性が高いということで、公共交通機関の利用を基本とはいたしておりますけれども、一方で、大会やイベント開催時の、例えばお子さんなどの場合は団体のバスで来られる、あるいは親御さんが車で送迎されるということも十分想定されますし、それから障害者の方の駐車場といったことも当然必要だと考えております。  このため、その敷地内ということではございませんけれども、すぐ近くの場所に、駐車場を合計280台程度は確保したいと考えております。特に、徒歩1分程度の範囲内で140台ぐらいは確保できると考えておりまして、通常の利用時であればこれで十分対応できると考えております。  また、お子さんが武道の道具で重たいものを運ばれるときは、当然施設の横まで車で来ていただいて、そこで降ろして、お子さんも一緒に降りてということだと思いますが、それで会場に入っていただくということを考えてまいりたいと思っております。  今後も、駐車場確保については、さらに確保できないか、しっかり検討してまいります。 11 平木委員 駐車場の確保をしていただくということでもありますが、当然、大会などでは足りなくなるということも想定をされていらっしゃると思います。公共交通の話だけで見ますと、富山駅からは500メートル、確かにこれは可能な距離ですが、そもそも自宅からということであると、さらに倍以上の距離を子供たちも歩いたり移動することになりますので、本当に現状の利用としてそれが適切なのかどうかというところは、最後まで御検討いただきたいと思っております。  この土地に関してですが、これは私たち議会の議決も関係することですので、明確に答弁を頂きたいことがあります。  今回、基本設計の予算が執行される中で、用地についての情報開示がなかなか県民にも伝わり切っていないところがあります。そもそも今は誰の土地なのか、いつそれが県の土地になるのか、それとも借りるのか、そういった、そもそもの契約を現在終えていないまま計画が進んでいることに違和感があります。  この武道館建設用地の取得に向けた所有者との契約時期、費用発生の見込み、また我々県議会での議決の有無も含めて、今後のスケジュールについて政策監に伺います。 12 蔵堀政策監 この建設予定地でございますけれども、面積では約5,950平米、都市計画上商業地域となっておりまして、建蔽率80%、容積率は600%ということで、非常に利用可能性の高い土地となってございます。  この土地につきましては、取得に当たりまして、県有地との交換によりまして取得をしたいと考えております。土地所有者からは内諾を得ているという状況でございます。土地の交換に当たりましては、県と土地所有者の間で条例──県有財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例というものですが、これに基づいて行うこととなります。  県側の交換対象の土地や交換時期については、相手方の御希望もお聞きしながら今後の協議によって決まりますので、具体的に、いつ、どの時点で、どの土地ということまではまだ確定をいたしていないところでございます。  それから、土地交換でございますので、基本的には等価交換するということといたしております。県の側も相手の側も、それぞれの保有する財産の価値には変動がないということになります。ただ、ぴったり等価ということにはなかなかなりませんので、当然差額が発生すれば、それは現金で決済をするということになります。  なお、議会での議決等に関してでございますが、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例がございまして、この第3条の、県議会の議決に付すべき要件には該当しないと考えております──土地については1件2万平方メートル以上のものが議会の議決対象となっておりますので、今回は約6,000平米程度でございますので、議決に付すべき事項に該当しないと考えております。  なお、当然のことでございますけれども、実際に交換するに当たりましては、しっかり御説明をしてまいりたいと考えております。 13 平木委員 関連の確認質問ですが、今回、等価交換をする土地に関しては、明確にはお聞きできないかもしれませんけれども、現在、何か所程度の候補地を県として持っているのか。それを検討していただいていることなのですが、1か所なのか、複数か所で検討なのか、可能であればお答えください。 14 蔵堀政策監 検討対象の土地の数ということですか。 15 平木委員 県有地側の。 16 蔵堀政策監 県有地側は複数、向こう側の利用可能性というものもございますし、将来的にそこをどう使われるかということも関係してまいりますので、複数の土地でまだ御検討いただいている、そういう状況でございます。 17 平木委員 ありがとうございます。  では、土地の交換がこのまま進むという前提でお話をしますが、武道館に関する最後の質問です。  今回、この武道館の予定地である富山市千歳町の民間駐車場敷地、ここを洪水ハザードマップで確認をした上での検討が、当然ながら検討委員会でも進められていると思いますが、多目的機能を有するということで、有事の際には、ここは避難場所等々にも適切な施設であるべきだと思いますし、ただ、このまま洪水がもし発生した場合、神通川のほうからの発災になると思いますが、マップ上では、この場所が必ずしも安全であるとは言い切れないと私自身は判断をしております。この辺りは検討委員会並びに県としてどのような判断をしているのか、政策監に伺います。 18 蔵堀政策監 御指摘のように、この場所は基本計画検討委員会でも、浸水被害等があった場合に、主道場が2階に配置されておりますので、防災上、避難場所、あるいは防災備蓄倉庫にも活用できるということで、そうした防災の機能面でも高い評価を得て選定もされております。  ハザードマップでございますけれども、富山市のほうで最近発表されたハザードマップによりますと、予定地の浸水想定深の基本想定、これはおおむね30年から150年確率ですが、これによりますと、0.5メートルから3メートルの範囲内で浸水が想定されるということでございます。この浸水想定深ですが、県庁、市役所の辺りも同様の状態という見込みでございます。  でございますので、2階以上、今、主道場を2階に配置する予定でございますが、2階の床面は高さでいえば5メートル以上の場所になりますので、主道場等を避難場所として十分活用できるということで、建設予定地としては適切な場所ではないかと考えております。  また、大きな避難施設というのはこの近辺にございませんので、この施設ができることで、近隣住民の方やビジネスの方、観光客の方も避難できる、そういった場所になると考えております。  武道館は、もちろん武道競技の振興、競技力向上が最大の目的でございますけれども、地域の活性化や、今ほど申し上げた防災力の向上、避難施設の面でも、しっかり県民の皆さんのお役に立てるような施設になるように基本設計に取り組んでまいります。 19 平木委員 主道場が2階ということで、十分に避難ができる。ただし、ハザードマップ上では水がつくことは想定できるけれども、適切な場所であると。この辺りの説明がなかなか県民に理解を得られるかというところは、今後の計画上重要だと思います。  もし、避難場所として想定されるのであれば、その辺りの部分の説明を、しっかり図面も含めまして、県民に早めに開示をしていただければと思います。ありがとうございました。  続いて、とやまゼロカーボン推進宣言の環境施策について伺います。  令和2年3月6日、富山県は公益財団法人とやま環境財団、富山県婦人会及び富山県消費者協会とともに、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするという、とやまゼロカーボン推進宣言の共同宣言を行っていただきました。これは、私ども自民党会派からの提案もあり、進めていただいたことに、まずは感謝を申し上げたく思います。  県は、これまで新とやま温暖化ストップ計画(2019年8月策定)に基づいてレジ袋無料配布廃止運動、これは今、7月から全国に普及するということで、富山県が注目を頂くよい事例になるかと思いますが、こういったとやまゼロカーボン推進宣言の具体的な環境施策について、もう少し具体策を増やしていただきたいという思いがあります。  そこで、まず1つ目、県内における自転車、これは知事も積極的に乗っていただいている、サイクリングの需要が高まっている県において、電車乗り入れの可否について、現在どのように認識をしているのか、観光・交通振興局長に伺います。 20 中谷観光・交通振興局長 議員から今お話しのありましたとおり、自転車は環境に優しい身近な交通手段でありまして、お尋ねの県内鉄軌道の車内への自転車の持込みにつきましては、各鉄軌道事業者の旅客営業規則等において取扱いが定められ、公表されております。  県内の鉄軌道事業者の状況を確認いたしましたところ、あいの風とやま鉄道、万葉線、富山地方鉄道及びJRにおきまして、解体または折り畳んだ上で専用の袋に収納することなどにより、サイズや重量、運行上の支障の有無などにもよりますが、自転車を車内に持ち込むことが可能となっております。  また、富山地方鉄道の鉄道線におきましては、土日、祝日、年末年始は、全線で自転車をそのまま持ち込むことが可能となっております。  万葉線におきましても、低床車両(アイトラム)におきまして、特定の時間帯に事前に予約することで、そのまま持ち込むことが可能となっております。  さらに、あいの風とやま鉄道では、一昨年から自転車をそのまま車内に持ち込める特別列車であるサイクルトレインを運行するイベントを開催しておりまして、好評を得たと伺っております。 21 平木委員 公共交通のそのような利用方法をいかに県民に周知するかということで、これからのサイクリングでの移動の範囲も広がると思います。  県内では、来年からまた各種サイクリングイベントが通常どおり再開されると期待をするところでありますが、昨今、盛んに開催をされているサイクリングイベントにおいて、近隣県から、もしくは県内でのサイクリングの需要が高まっている中で、自転車を電車へ持ち込めるような配慮ですね。当然、持ち込めますと言いましても、畳んで行く場所がどこなのか、また階段の上り下りはどうするのか、自転車用のスロープがあるのか、また自転車を持ち込めるエレベーターがあるのか、そういったところの配慮を鉄道事業者に県として働きかけ、共にサイクリングでの観光需要を伸ばしていく、そういったことを考えるべきと思いますが、観光・交通振興局長の考えを伺います。 22 中谷観光・交通振興局長 委員の今お話しのありました県内のサイクリングイベントにつきましては、サイクルツーリズムの推進の観点から、富山湾岸サイクリングをはじめ県内各地で開催されているところであります。  自転車を電車に持ち込めるようにすることにつきましては、日常の通勤、通学等に自転車を利用される住民の皆さん、それから県内外のサイクリングを楽しまれる方々にとって便利でありますとともに、鉄道の利用促進、地域の活性化、環境への配慮に寄与する取組の一つであると考えております。  このため、これまでも関係機関に情報提供を行ってきたところでありまして、先ほど御紹介いたしました万葉線のアイトラムでの対応、それからあいの風とやま鉄道のサイクルトレインの取組につながっているところでございます。  なお、これらの実施に当たりましては、運行主体である鉄軌道事業者におきまして、乗客の数、実際のニーズ等を踏まえ、安全な運行の確保、経営上、営業上の観点から判断されるものと考えておりまして、県といたしましては、引き続き事業者の意向も伺いながら、他の事業者の取組、他県でもラックをセットするなどの取組がございますので、情報提供等に努めてまいりたいと考えております。 23 平木委員 ありがとうございました。  続いて、県庁のゼロカーボン推進宣言の取組について伺います。  今年度から、スマートオフィスを県庁として推進すると宣言をされております。  このスマートオフィス、様々な取組が可能かと思いますが、県では、総合計画の中でKPIの設定も含めて推進をしていただいているだろうと期待をしているところでありますが、我々県民にとって分かりやすい指標を示していくことで、他の一般企業などもそれを模範にできる取組になると期待をするところでありますが、端的に、ペーパーレス会議の導入の進捗はどのような形か。印刷枚数の推移など、数値化できる評価指標が必要であると考えますが、経営管理部長の所見を伺います。 24 滝経営管理部長 ペーパーレス会議でございますが、当初予算に計上しておりますけれども、今年度、県庁4階大会議室で開催する会議から試行導入するということで、現在、無線LAN、それからパソコンの設定などの準備作業を進めております。図らずも県庁4階大会議室をコロナ対応の記者会見等で活用しているというような事態もございまして、その合間を縫って、現在準備作業を進めている状況でございますが、今月末には工事が完了するということでございますので、早速、工事が完了次第、ペーパーレス会議を開始したいと思っているところでございます。  ペーパーレス会議のメリットは、委員御承知のとおりだと思いますけれども、実際これまで進まなかった理由としては、例えば画面では資料が見づらい、あるいはメモが取りづらいといったような課題もありますが、こうしたことも試行導入の中で、慣れということもあろうかと思いますので、若干ですけれども、ある程度の軌道修正等も図りながら進めてまいりたいと思っています。  それから、委員の御指摘の印刷枚数の推移、これからということでございますので、現時点でまだ効果等は出ておりませんが、やはり行政のデジタル化、あるいはゼロカーボンの推進という観点からも、数値化をするということは非常に意義が大きいと思っていますので、この数値目標の設定についてもよく検討して、ペーパーレス会議の本格導入に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 25 平木委員 これからというところで、分かりましたとしか言えないところではありますけれども、ぜひ進めていただきたいと思います。  ただ、理解した上で言っていますが、県庁の仕事において、当然県庁内だけで全てペーパーレス化するというのは不可能なことだと思っております。特に、民間の企業や団体とのやり取りをする書面なども現在多い中で、ペーパーレスを100%進めるというところが可能かというと、現状では難しいと思います。  そこで、ペーパーレス化を少しでも推進しやすくするために1つ提案させていただきたいのが、判こ、印鑑のことであります。  自治体におけるペーパーレス化の初期段階として、企業、団体や個人に押印を求める書類の撤廃、これに関しては国もその方向で現在具体的な調整、推進を進めることが、つい先日、発表されておりますが、県庁内におけるペーパーレス化として押印をどう撤廃していくか、これについて自民党本部の行政改革推進本部でも、デジタル規制改革緊急提言として、対面原則、押印原則などの見直しを求めている中、県の今後の見通しについて経営管理部長に伺います。 26 滝経営管理部長 今、委員から御指摘がございました自民党行革本部の緊急提言では、対面原則、書面原則などの徹底的な見直しの一つに押印原則の見直しがございまして、法令関係や商慣習の見直し等に取り組むべきだという旨が示されております。  県が関係いたします行政手続は約5,100件ございますが、このうち約半数の2,600件において、現状は押印を求めております。その中には、国の法令で様式等が示されて、その中に申請書等に押印することが定められているものが数多くございますので、こういったものについては、県独自の判断で押印を廃止するということは現時点ではできませんが、委員からも御指摘がありましたとおり、7月に策定予定の骨太の方針において、今後の国の見直しに向けた方向性がある程度示されるのではないかという報道もございます。  一般に、押印を求めている趣旨でありますが、申請者自らの意思または書類作成者の責任を明らかにするというものでございます。日本では古くから花押の歴史もございますし、戦後は、慣習上、複製が難しいとされている印鑑を使用しております。一方、欧米諸国では、自筆によるサインを慣習的に使用してきたということもございます。  いずれにいたしましても、デジタル化を進める上で大きな課題の一つとして、第三者によるなりすまし行為の防止というものがございます。それを乗り越える手段の一つとして、例えば電子署名があるわけでございますが、マイナンバーカードでは公的個人認証サービスとして電子署名機能も備えておりますので、そうした意味でも、行政のデジタル化を進める上でマイナンバーカードの普及というのは重要かと思っております。  国の動向、あるいはマイナンバーカードの普及状況ということもよく見ていく必要がございますけれども、また一方で、高齢者の方を中心に、必ずしも情報化になじめない方々も一定程度いらっしゃいますので、そうした方々への配慮も行いながら、県においても課題の洗い出し等も含めて、行政のデジタル化、申請手続のデジタル化に向けた検討を加速化させていきたいと思っております。 27 平木委員 大いに期待をしております。  そこで、大きな設問として、デジタルトランスフォーメーションへの段階的な施策について、最後に伺いたいと思います。  このデジタルトランスフォーメーション、一足飛びにデジタルの導入を進めるというイメージですので、先日の藤井大輔議員の質問などにもそのような解説があったかと思います。  段階的に取り組んでいく必要があるという中で、今回、10月に県知事選挙が行われるとお聞きしております。スマートフォンやパソコンから選挙の投票ができるインターネット投票の導入に向けて、この県知事選挙から具体的な施策を進めてはどうかという提案でございます。  総務省の動きを御紹介させていただくと、本年1月以降、全国の、具体的には5つの自治体でネット投票の実証実験を実施しております。これは、有権者役の職員が同省の試作システムを使って、スマートフォンやパソコンでアクセスし投票する、そして選挙管理委員会の担当者が開票までの流れを確認するというようなことが基本的な実証実験の流れとしてあります。漏えいを防ぐために、投票データは暗号化されます。また、選挙結果は瞬時に端末上に表示され、担当者職員は大変驚いていると、具体的な効果も期待できますし、正確に結果を公表できるという期待もあるとのコメントが載っておりました。  我々自民党議員会で、視察先として、一昨年になりますが、情報セキュリティ大学院大学、これは横浜にあるところでございます。そこの湯淺墾道教授によりますと、アメリカ等では今回の新型コロナウイルスの感染拡大を機に、複数の州が本格的なインターネット投票の検討を始めている。現状では投票に行くこと自体がリスクであり、外出自粛を呼びかけながら、3つの密のそろうような投票所に出向かせるのはおかしいという指摘をされています。  こういった中で、全国の自治体での実証実験を踏まえて、本県でも秋の知事選に向けて、できるならば知事選本番がネット投票になればと思いますが、その実現が難しいということであれば、まずは選挙啓発のために実証実験を行ってはどうかと考えますが、経営管理部長の所見を伺います。 28 滝経営管理部長 今ほど委員からも御紹介ございましたけれども、総務省では在外選挙の投票率が特に低迷しておりますことから、本年1月以降、国政選挙の際に、海外に住む有権者の方が自宅からスマートフォンやパソコンで投票することを想定したインターネット投票の実証実験を全国5つの市区町で実施をしております。
     この実証実験では、参加自治体の職員が端末でマイナンバーカードを活用し本人確認を行った後、専用システムを使って投票し、別の端末で開票作業の流れを確認するという内容であったと伺っております。  委員からも御紹介ございましたとおり、今回の実証実験では、操作が簡単で、投票結果が非常に速やかに表示をされたと。また、手作業によるミスが防止できるなど、選挙事務の効率化に向けたメリットがかなりあったともお聞きしております。  その一方で、サイバー攻撃への対策ということもございますし、投票が集中した際にシステムダウンを防ぐ仕組みのほか、投票立会人不在の中での選挙の公正をどのように確保するのかといったような課題もございまして、引き続き総務省で慎重に検討が進められるとお聞きをしております。  また、特に国政選挙の場合でございますと、これは各政党、各会派間での議論ということも当然必要になると思っています。  なお、平成15年の7月に、岐阜県の可児市議選でこの電子投票というのが実は実施をされておりますが、このときはサーバーダウンが発生して、投票できない人が発生したことから、選挙は無効とされたというような歴史もございます。  実証実験そのものにつきましては、大変これは大がかりなシステム開発が必要になりますので、多額のコストと時間を要するということで、県が単独に、特にこの秋に向けてというのは時間的にもかなり難しいと思っております。  一方で、インターネット投票については、時間や場所を選ばず投票できるというメリットがございますので、特に若者の投票率の向上、あるいは過疎化が進む地域での、投票所まで出向くのがなかなか難しいといった御高齢の方々も含めて投票率の向上が見込まれる、あるいは選挙事務の効率化という観点からも有効だと思っておりますので、県としても国の検討状況をしっかり見てまいりたいと思っております。  なお、秋の知事選に限らずですけれども、今後の選挙の啓発に向けましては、ウェブやSNSなどの新たなツールの活用に意欲的に取り組んで、投票率の向上に積極的に努めてまいりたいと考えております。 29 平木委員 今ほど投票率の話も触れていただきましたが、総務省では今回、試作システムをつくられたと。恐らくこれも多額の費用をかけて製作をされているものでありますが、これを拝借するということも含めて、県が独自に何かをやらなければいけないとは思っておりませんけれども、本気でそういった若者の投票率を上げたいと実際思っていらっしゃるのかどうかというところ。我々、議員一人一人もそこには働きかけをしておりますけども、なかなか有効な手段がない。どうしても返ってくる言葉としては、表に見えない、そしてネット投票は、なぜこんな技術が進んでいるのに、平成15年の岐阜の話なんかをいまだに持ち出さなきゃいけないぐらいに、その後やっていないという現状に大変不満を覚えます。  これは県への不満ではありませんけれども、実際、今回の秋の知事選に向けて、若者向けだけでも構わないと思いますが、簡単なアプリなどを使いながら、そういったネット投票の実証実験というところまで何とかこぎ着ける御検討は頂きたいと思っておりますのでよろしくお願いします。  さて、デジタルトランスフォーメーション、今回の一般質問の中でも、数え漏れましたが、知事も何度もその言葉を使っていただいております。急速なデジタル化に伴って、今回の大変な非常事態の中で、正確でスピード感のある情報取得を我々県民一人一人が求めていました。  県においては、市に先立っての会見で多少物議を醸しましたが、当日のスピーディーな対応に関しては、我々も一定の評価をしていると認識をしていただければと思います。  さて、県のリーダーとして自ら情報発信に努めるべきという提案でございますが、実は平成28年の私の質問の中で、当時、石黒危機管理監に御答弁を頂いている中での、検討するというような項目でとどまっております。県の顔である知事自らが情報発信をする都道府県の首長がこれだけ増えている中で、デジタルトランスフォーメーションを前面に押し出して、次の選挙にも挑む意思も示された石井知事においては、やはり自らがリーダーとしてSNSを活用するなどの情報発信をさらに努めていただきたいと考えますが、知事の思いと決意を伺いたいと思います。 30 石井知事 知事である私が自ら情報発信を行うということは、県の政策や様々な情報を、県の姿勢と併せて県内外の皆様にできるだけ強く印象づける効果があると考えておりまして、これまでも定例記者会見、従来、平均は月2回程度としているのですけれども、重要な案件が発生した際には速やかに臨時記者会見を開催しますなど、報道機関の皆様の御協力も頂きながら、私自らが前面に立って情報発信に努めてきました。  特に、今回の新型コロナウイルス感染症への対応に当たりましては、3月30日夜の県内初の感染者発生に関する緊急記者会見、これは正確にはぶら下がりに応じたということですね。本来は富山市で記者会見していただきたかったのですが、何度お勧めしてもその考えはないということでしたので、やむを得ず知事としてぶら下がりに応じたということでございます。  以来、5月末まで合計18回の記者会見を行って、感染者情報、営業等の自粛依頼、また学校や各施設の休校、休館、また県民や事業者の方向けの支援施策、社会経済活動再開に向けた指針などについて、私から情報発信を行わせていただいております。  また、加えて、国の緊急事態宣言の発令をはじめ、事態の節目節目に、やっぱり私が責任者として県民の皆様に現状を説明して、適切な対応を呼びかけるメッセージ動画を作らせていただいて、県のホームページを通じて発信しますとともに、県の公式のツイッター、LINE、ユーチューブなどのSNSを通じた動画の配信も行って、より幅広い層への情報拡散を図っております。  なお、知事個人としてのアカウントを開設して情報発信を行うことはどうかということですけれども、お話のように、全国では自らそういう専用アカウントを作っていらっしゃるところもあるんですが、個人や後援会が管理されているところが28名、県管理が4名、このようにいろいろなケースがございます。  この方式ですと、県が管理する場合には、既設の公式アカウント情報発信とのすみ分けや、職員の業務負担の課題があります。  また、個人または政治団体として開設するかどうかについては、知事という立場でこの場でお答えするのはどうかとは思いますけれども、あえて申し上げれば、正直他の公務も相当多忙で、世間の方が思っている以上に知事というのは案外忙しくて、本当はあと5分、10分あったらいいなと思うことがいっぱいあるんですね。  先日も、県庁の中だけで新型コロナ問題に対応していてもいかんということで、現場に出向こうということで、お魚屋さん、あるいは料理提供施設や、こども食堂、その中には、例えばえがおプロジェクトということで、出分さんという方が一生懸命独り親家庭や恵まれない方のために頑張っている。この方はとやま企業未来塾の6期生で、平木委員と同期の方ですけれども、やっぱり10年ぶりにお会いして本当に頑張っていらっしゃるなと、恵まれない方々のためにね。  デジタルトランスフォーメーションは必要なことだし、ぜひ進めようと思っているのですが、私個人として、例えばSNSをやって、そこに時間を取られるのがいいのか、もっとその前に、さらに一般の県民、多くの皆さんともっとリアルな形で触れ合うということが限られた時間の使い方としてもっといいのか、いろいろ今後考えてみて、平木委員をはじめとして、いろいろな方の御意見をよく伺って検討させていただきたいと、このように思っております。 31 平木委員 何かSNSをやっている我々が暇だというような、そんな捉え方もできるんですけど、まあ、お忙しいということで、やらないというような結論を出されているということで、知事の言葉を借りると、大変残念であります。  今回、私、あちらにスマートフォン、こちらにはタブレットで2画面を通じて、実はSNSでライブ配信をさせていただいております。通常は動画を撮影して、それをアップロードするという流れもありますが、現在、予算特別委員会も上のカメラで県庁の特設のシステムでライブ配信をしていただいているので、現状、今2回線でライブ配信をさせていただいているような状況になります。  見ていただいて分かるとおり、自分がふだん使っているスマートフォンとタブレット端末、これがあれば、特にWi-Fiがない環境でもライブ配信が現在できています。この大会議室内にはWi-Fiが整備されておりません。こういった投資を最小限にして、どのような情報を発信するかというところがデジタルトランスフォーメーションの一丁目一番地といいますか、一番最初のステップ、先ほどペーパーレス会議にも触れましたけれども、そういったところで当然お忙しいのは承知しますが、30秒、1分も使えないのか、もしくは秘書の方にこれをちょっと打っておいてほしいというような一言を伝える余裕もないのか。その辺りについては、我々は県公式アカウントではなくて石井隆一の発信を見たい。「今日はこれからこの人に会います」であるとか、「今日はこれから東京に行ってどんな要望をしてきます」という一言でいいのです。その一言を知事としてのトップメッセージで県民に発信していただくと、我々も知事をさらに後押ししたいと思いますし、あとは東京にいる知事の仕事ぶりも知りたい、そのような思いが県民からはどんどん要望として伺っております。  今回のこの有事の中で、県庁のホームページや各マスコミのユーチューブで記者会見をライブ配信されていました。これまで恐らく見ないぐらいの数字の県民がそのライブ中継にくぎづけだったんですね。ユーチューブを見ながら、横にコメントをいっぱいするわけですね。そのコメントは御覧にならないほうがいいと思うんですが、そういったコメントをするぐらいに、皆さん熱量を持って知事の会見に、画面上ですけども臨むというような今回の状況を見る中で、この流れに乗って、しっかりと、SNSに石井隆一、県知事としての発信をもう一度御検討を頂く時間を取っていただければと思います。今日の答弁は大丈夫です。  それでは、最後の質問に入ります。  今回、全面に掲げていただいているDXと書かれるデジタルトランスフォーメーションの前に、前議会までは第4次産業革命によっての5G環境下でのAI、IoTの導入が進むこと、これに関して、今回残念ながら採択はされませんでしたが、5Gを活用した県独自の政策も立案をしていただいておりました。  富山県における具体的な将来ビジョンにおいても、もしデジタルトランスフォーメーションまで進めるということであれば、大幅に更新をしていただかないといけない状況に来ていると思います。  知事として、デジタルトランスフォーメーション後の富山県、この姿を我々県民に、デジタルトランスフォーメーションが完了すればこんな富山県が実現するんだと、今解決できていないこの課題はデジタルトランスフォーメーションの過程においてこのように解決をするんだ、もしくは、今私たちが見えていない様々な社会課題がもしかしたらあるとして、その解決を県のリーダーとしてどのようにお考えなのか、石井知事の所見を伺います。 32 石井知事 まず、先ほどの質問ですけれども、別に私はやらないと言っているんじゃなくて、いろんな御意見を聞きながらよく考えてみたいと申し上げているわけでございまして、やってみたいという思いはたくさんございます。しかし、よく考えてみたいと思います。  さて、今の御質問ですけれども、今般の新型コロナの問題を通じまして、東京一極集中の社会構造のリスクが改めて明らかになったと思っております。  もう一つは、何度かお話ししましたように、3つの密を避けるなどの理由で、実際にオンライン会議やテレワークをやってみましたら、意外といけるではないかということを多くの企業関係者の方々、また県民の皆様も実感された面があるんじゃないかと思います。  そうなってみますと、非常に過密な東京、世界で最も災害リスクの大きい東京、出生率の一番日本で低い東京に多くの皆さんが満員電車に乗って毎日行くこともない、そういう意味での東京一極集中是正と、同時に、そのために、お話のデジタルトランスフォーメーションをこの際一気に進める、そういうチャンスが来ているんじゃないかと。  この機会に、日本の社会構造というものをもっと地方分散型に変えて、真の地方創生の実現を図る大きなチャンスと捉えて、本県のさらなる発展につなげていきたいと思っております。  このために、デジタルトランスフォーメーション、短くデジタル革命と言わせていただいておりますけれども、これを加速化して、ものづくり産業の高度化、観光振興や人材育成、あるいはスマート農業の推進と中山間地域の活性化、さらには新たな意味での働き方改革、女性のさらなる活躍、またオンラインによる教育や文化や医療、福祉の充実に全力で取り組んでいきたい。そのことによって、県民の皆さんはもちろんですけれども、張り合いのある仕事口があって、自然が豊かで、子育て環境のいいところで働きたい、こういう若い人、女性などの大都市圏からの移住先などとしまして、富山県の魅力をさらに高めていきたいと思っております。  そのためにも、本県でやや遅れがちでありました中山間地域を含めて、県内全域に光ファイバー網を市町村と共同して一気に整備することにしておりまして、今回、そのための予算を18億円ほど計上させていただいております。  デジタルトランスフォーメーションの進展がもたらすアフターコロナ時代の富山県の経済社会の姿については、今度新たに検討会議を設置いたしまして、県内の各界各層の代表の方はもちろんですけれども、専門的な知見を有する全国レベル、あるいは国際的な視野も持った有識者の方にも御参画いただく。  また、各分野ごとに将来のデジタル社会を担う県内の若い人たち、若い青年の皆さんによるプロジェクトチームを設置して、その在り方を検討する。あわせて、ものづくり産業、また今年は観光振興プランの改定時期でもありますがこういったことも、それからまた、教育についても教育大綱の見直しを予定しておりますので、そうしたことにこのデジタルトランスフォーメーションの考え方というものをしっかり取り入れていきたいと、こういうふうに思っております。  今後、こうした場でしっかりと議論しまして、議員各位の御意見も伺いながら、富山県の将来ビジョンを示していきたい。  私は1つのポイントとして、やはりこのデジタルトランスフォーメーションを進めることで、ものづくりや農業、観光などの新しい展開、生産性を上げる、付加価値を上げるということにも結びつけたいと思いますし、そのことによって働き方が変わってくる、女性もさらに活躍しやすくなる、そのことによって、実は人間の生き方が変わってくる、そのような社会になっていくのではないか、こういうふうに思っていまして、ぜひそうした方向で富山県をもっともっと飛躍させる、発展させる、県民の皆様により充実した人生を送ってもらう、そういう社会にしていきたい、こういうふうに思っております。 33 平木委員 先ほどSNSをやらないわけじゃないということで、失礼いたしました。  ビヨンドコロナという言い方もありますので、そちらもお忘れなく使っていただきたいのですが、今回、私が今質問をさせていただいているのはデジタルトランスフォーメーション後の富山県の姿、知事が描いている絵がどういうものなのかを聞きたいということで、今の答弁ですと、デジタルトランスフォーメーションに到達するまでのプロセスについては、総花的な話ではありましたけれども、よく分かりました。  最後に、生き方が変わると示されたのが、それがデジタルトランスフォーメーション後の富山だとしたら、本当に具体的にイメージを持っているものが、現状、知事の中にあるのかどうかを我々県民はぜひ示してもらいたいというのが、今後ということでおっしゃいましたけれども、今日が難しいようであれば、抽象的に生き方が変わるという言い方は誰しもできると思うんです。それが例えば、働き方が変わって、我々が働かなくても勝手にロボットが働いて賃金が入ってくる、それをどこに使うかというような生き方の変わり方なのか、そもそも富山県に住むという概念すらもなくなって、自分が行きたいところに勝手にドローンが連れていってくれて、自分がやりたい場所で自分の仕事をするというような生き方の変更なのか。富山をどういう形にしたいのかという思いも込めて、今後、デジタルトランスフォーメーション後の富山県の具体的な姿を、それはかなわなくてもいいと思います。かなわなくてもいいというのは、知事として私はこんなふうになると思う、皆さんのデジタルトランスフォーメーション後はというふうな、絵として分かるビジョンをもう少し具体的に御用意をいただければうれしいなと思いますので、今後そのような発表に期待をするところであります。  以上、私からの予算特別委員会での質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。 34 武田委員長 平木委員の質疑は以上で終了しました。  ここで、換気のため暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午前10時56分休憩                     午前11時10分開議        薮田栄治委員の質疑及び答弁 35 武田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  薮田委員。あなたの持ち時間は60分であります。 36 薮田委員 おはようございます。  代表質問、一般質問ともに新型コロナの関連の話題が非常に多いわけでありますけれども、本委員会は予算特別委員会でございますので、できるだけ当初予算あるいは補正予算に計上されております予算事業を中心に、できるだけ具体的な質問をさせていただければと思っております。  まず、新型コロナの関連の質問を6ついたします。  最初の質問は、全戸配布されましたマスクの購入券についてであります。  かつては1枚10円、20円の値段であったマスク、これが2月に入ってから急に品薄になりまして、3月には10倍、20倍の値段をつけ、さらにはどこへ行っても売っていないと、大変危機的な状況になったわけであります。今ではすっかり社会常識になりましたマスクの着用でありますけれども、本当に数か月前は、こんな状況になるなんて誰も予想していなかったわけであります。  これに呼応するように国でも布マスクの配布を決めましたが、1世帯2枚、これでは不十分だということで、恐らく県がこれを補完し、入手困難の状況から県民を救済したいと、そういう思いからのマスク券の配布だったと思います。  しかし、今私の手元にあります、こういうはがきが届いた頃には、もう既に流通が戻ってきて、価格も下がり、お店では購入券より安い値段で買えるという状況にまでなってしまいました。県民の中には、今さらというような御意見も少なからず聞こえてきたわけでありますけれども、ただ、でも、マスクの購入券の配布が発表されました4月22日、この時点では非常に厳しい状況がありました。この取組は、県民の皆さんに大きな安心感を与えるという意味では、非常に意味のあったものであったと思っています。  ただ一方で、100万県民津々浦々に購入券を届けるには、やはりちょっと時間がかかるんだなという思い、また、あっという間に市場から消えて、あっという間にまた戻ってくる、この時代のスピード感というものに改めて驚かされた思いであります。例えるなら、見たこともないスピードボールを投げられて、やや振り遅れぎみになったなと、我々議員も含めてそういうところは否めないところじゃないかと思います。  職員の皆さんの御苦労も十分承知のつもりであります。であればこそ、行政のデジタル化をもっと進めなければならないと感じる一幕でもあったかと思います。  新聞報道などでは、確保したマスクのうち、県民が購入した枚数は半分以下とのことであります。県としてもこれだけ余るという想定はしていなかったと思いますけれども、販売実績だけでは計れない効果というものも見込んでの事業だったのではないかと考えます。  マスクの販売実績と購入券配布の効果について、県としてどのように受け止めておられるのか、生活環境文化部長にお尋ねをいたします。 37 竹野生活環境文化部長 4月末頃まで国内外で確保が困難になっておりましたマスクにつきまして、県内の企業の御尽力を頂きまして4,000万枚を確保し、うち200万枚を緊要度の高い医療機関向けにするとともに、残る3,800万枚につきまして、県内全世帯及び事業所等を対象に購入をあっせんしたところであります。  去る6月14日をもちまして販売期間が終了いたしまして、最終的な販売枚数は約1,776万枚で、あっせん分の約47%を県民の皆さんに購入いただきました。  マスクの購入券を配布し、購入をあっせんする旨を発表いたしました4月22日の時点では、市場にはまだマスクが十分供給されておらず、また、販売されたとしても非常に高額な状況でございました。県でマスクを一定量確保し、2,200円という、その当時としてはかなり廉価で購入をあっせんするとしたことで、県民が安心してマスクを購入できる環境を提供することができたこと、4月に県の購入あっせん事業の発表があったおかげで、当時高かったマスクを買わなくて済み助かったという感謝の言葉や、県の事業が行われることで、市場におけるマスクの販売価格を引き下げるとともに、マスクの流通を促したのではないかといった県民の皆様からの御意見がコールセンターに寄せられるなど、一定の評価を頂いておるところでございます。  また、何よりも、マスクを必要とされていた県民の皆さんに十分にマスクが行き渡ったことが一番大きな成果でありまして、今回のマスク購入あっせん事業は有意義であったと考えております。 38 薮田委員 ありがとうございました。  はがきが来るのがちょっと遅かったというのもありますけれども、今おっしゃったように、いろんな意味で意義があったと。先ほどの平木委員の話じゃないですけど、はがきじゃなくて、希望者に、例えばデジタル配信というような形であれば、多分もう1週間とか、もっと早く行き渡ったのではないかという思いもいたします。  次の質問でございますけれども、先月、災害対策基本法に基づく国の防災基本計画、これが改正をされました。改正点はいろいろありますけれども、その中でコロナ関連の部分が少しあります。要約しますと、市町村は感染症患者が発生した場合に、その対応策としてホテルや旅館などの活用を検討しておくこと、このことと、もう一つは、防災備蓄施設に食料や毛布などの従来品に加えて、マスク、消毒液を備えるよう努める、こういう改正の内容であります。  市町村はこれを受けまして、それぞれの地域防災計画を修正し、マスクと消毒液の備蓄にこれから動くものと思われます。この際、県としてもマスクの備蓄に努め、市町村の備蓄を補完し、いざというときに、市町村の求めに応じて提供できる準備をしておいていただければ、市町村も心強いのではないか、安心するのではないかと思います。残った2,000万枚、これは県が買い取るということでありますので、ぜひ有効に使っていただきたいと思います。  マスク確保の重要性が高まっている中、第2波、第3波の到来に備える意味でも有効活用が求められるこの在庫マスクでありますが、今後どのように活用をしていかれるのか、石井知事にお尋ねをいたします。 39 石井知事 現在、県内での新型コロナウイルス感染拡大も収束しまして、6月19日からは県外への移動自粛も全国的に解除されたところでありますけれども、お話しのとおり、まだまだ第2波、第3波の到来に備えてしっかり備える、こういうことも必要なんだと思います。  このたびのマスク購入の事業ですけれども、お話しのように、本当に一日でも早く県民の皆さんのお手元に届けたいと思ったんですけれども、当時はとにかく需給が逼迫して、マスクがないかといって、正直、お願いしたお店では、殺気立つような雰囲気だったと。だから、混乱を避けるために、わざわざ3つのグループに分けて売ることにしたと。かつ、最初に売り出すのを土日からと思ったんですが、週末はやっぱり混乱するからやめてほしいというので、Aグループの最初をわざわざ月曜からにしたんですね。安全のことやいろんなことを考えて始めたのが、結果としては、お話しのように、むしろ余裕が出てきたということでございます。しかし、部長が申し上げたように、それなりに意義があったんじゃないかと思いますが。  問題は、県民向けに確保した3,800万枚のうち、期間内に購入されなかったマスクが約2,000万枚ということになりましたので、これは国の包括支援交付金等を財源としまして、県で一括購入した上で、感染予防に向けて有効に活用したいと思っていまして、具体的には、まず、お話にも出ましたが、約7万枚を大規模災害時の避難所における備えとして備蓄させていただきました。これは呉羽山活断層が動いた場合の避難者を2万3,000人ぐらいと想定して、せめて3日分ぐらいは確保したいということで、7万枚はそちらに回すということ。もう一つは、重症化のリスクが高い方が入所する介護や障害福祉施設の職員の方、また、利用者の方もちょっと忘れてきたという場合もあると思いますから、そういった方々の人数を、一例を挙げると、例えば介護ですと、職員の方、一部利用者の方も入れると、約3万9,500人、これらの方々の270日分ですね、7月以降来年の3月まで。としますと、それで1,066万枚となりますが、同じような計算をして、障害者施設ですと365万枚、こういったこと。  それから、高校生の皆さんは公共交通の利用や市町村をまたいだ広域通学者が多いものですから、高校生の方、県立、私立それぞれ1日当たりおおむね1人1枚使うと、これも7月から3月まで、こういう計算をしますと、県立の高校生で459万枚、私立の高校生で127万枚、こんなような計算になりまして、これで十分それなりの備蓄、用意ができたかと思っております。  WHOでは、人との距離が取りにくい中でのマスク着用は今後も非常に重要だといったようなことも言っております。また、100年前のスペイン風邪のときも、当時の日本政府が国民向けにやっぱりマスク着用をしっかりやりましょうと引き続き呼びかけたとも聞いております。感染予防のための新しい生活様式の徹底や、第2波、第3波への備えとして、委員の御指摘のとおり、マスクの活用は大変重要だと思っておりますので、しっかりと新型コロナウイルス対策ということも含めて、マスクの安定供給、確保にしっかり努めてまいります。 40 薮田委員 ありがとうございます。いっとき本当にマスクが貴重になって、警察のほうからも、車内にマスクを置かないようにと、現金と同じような貴重度があるというようなことで触れて回っておられたこともあったと思います。  いずれにしましても、2,000万枚ということでありますので、単純に計算すると8億8,000万円ぐらいの、国からの交付金でありますが、大きなお金を使って備蓄されるということでありますので、どうかしっかりと有効に使っていただきたいと思っております。よろしくお願いします。  次に、観光キャンペーンのことについて質問をいたします。  コロナに苦しみます観光産業、これを支援いたしまして、そしてまた、県民に富山県内、近場の観光を楽しんでいただこうと、地元で泊まろう!県民割引キャンペーン、これは本当に大人気でございまして、初日で1万人を超える申込みがあり、そしてまた、一次抽せんは22倍で、武田委員長も抽せんに漏れたということでありますけれども、本当に好調ぶりでありました。  自粛からの解放行動の受皿として観光需要があるということが非常に分かったわけでありますけれども、とはいえ、全県的な観光はダメージを受けておりますので、回復に向けてはまだまだこれからだと思っております。これから徐々に県外からもさらなる誘客、強力に取り組んでいく必要があると思っております。  ウイズコロナの時代に入りまして、感染防止対策、そのような形の中で、観光等のPRにもオンラインツールの活用が飛躍的に進んでいると聞いております。6月補正予算案の中に、ちょっとのぞいてみますと、オンライン観光モデル事業というのが盛り込まれておりました。  この事業はどのような内容で、どのような効果を見込んでおられるのか、観光・交通振興局長にお尋ねをいたします。 41 中谷観光・交通振興局長 都道府県をまたぐ旅行需要の回復までには一定の期間を要するということが見込まれる中、今後も本県が選ばれ続ける観光地となるためには、県内各地域の多彩な観光資源の魅力を全国に切れ間なく発信し、多くの方に本県への関心を高めていただくことが重要であります。  委員御指摘のとおり、新型コロナに対応するため、テレワークやビデオ会議等に用いるオンラインツールの活用が飛躍的に進んでおります。そのため、本県の観光地や特産品等に関心のある県外在住者が、自宅にいながらその魅力を楽しむことができるオンライン観光モデル事業を6月補正予算に盛り込んだところであります。  具体的には、本県の自然、食、歴史、文化、産業、町並み等に関する具体的なテーマを設定いたしまして、参加者の方には自宅で本県の特産品を購入し、触れたり味わったりしていただきながら、各分野で活躍する講師による解説、臨場感のある動画コンテンツ等の視聴、それから講師や他の参加者との交流などを通じまして、本県の観光地や特産品への関心を深めていただき、実際に富山県に来て体験したいと感じていただくことを目指しております。  今後実施いたします全国に向けた県産地場産品のインターネットによる割引販売のメニューにも加えていきたいと考えておりまして、実際の本県への来県につながりますよう、魅力的な情報発信に努めてまいります。 42 薮田委員 ありがとうございます。ぜひしっかりと発信していただきたいと思っております。  次に、事業の継続と事業承継についてお尋ねをいたします。  コロナで影響を受けられた事業者、この方々には本当に持続化給付金あるいは各種の融資制度などを設けて、国でも県でも、そして市町村でもいろんなメニューを設けて支援に当たっております。たくさんの方がこれらを活用しておられます。  しかし、後継者のおられない企業の中には、こんな大変な世の中になったからこの際やめようかというような、コロナが廃業のトリガーになっているという実態、これもあると聞きます。特に個人商店あるいは零細企業、これまで何代にもわたって地域の産業を支えてきた老舗、そういったようなものが廃業に至っているという現実は本当に残念でなりません。せっかく地方の時代が見え始めてきた、そういう今であります。働く場所や地域の魅力が途絶えていくのを、県としてもじっと見ているわけにはいかないと思います。  例えば、コロナで職を失ったという若くてやる気のある人、また、起業の意欲や技術はあるけれども、人脈やノウハウに乏しい人、そんな人たちの夢が地域の財産である企業の経営に引き継がれるよう、事業承継のための強力な支援、これが今こそ必要ではないかと考えます。  県として、事業承継支援にどのように取り組まれるのか、商工労働部長にお尋ねをいたします。 43 布野商工労働部長 平成29年度に県が行いました調査では、60歳以上の経営者の約4割で後継者が決まっていないという状況にありますけれども、委員御指摘のとおり、企業経営を次世代へ確実に引き継ぎ、この機に企業価値を向上させ、さらなる飛躍、発展につなげることが重要であります。  このため県では、これまでもセミナーの開催、あるいは新世紀産業機構に設置いたしました事業引継ぎ支援センターにおきまして、情報提供、そして相談対応、また後継者人材バンクを活用いたしましたマッチングなどに取り組んでおります。さらに、経済団体、金融機関、士業団体など74団体で構成いたします事業承継ネットワーク、ここにおきまして、事業承継診断などの個別支援をきめ細かく行ってきております。昨年度の事業引継ぎ支援センターでの成約件数は20件となっております。
     また、本年4月に入りまして、国に呼応して、県制度融資に、事業承継の際に経営者保証を不要とする融資メニューを創設いたしますとともに、新世紀産業機構に経営者保証コーディネーターを配置しております。加えて、来月からこの事業引継ぎ支援センターの相談員を1名増員いたしまして3名とし、さらなる体制強化を図ることとしております。  また、国においては、令和2年度第1次補正予算におきまして、士業専門家の活用による経費等への補助金、事業引継ぎ支援センターによる出張相談などの支援を行うということとされておりまして、県といたしましても、今後開催する事業承継セミナーなどを通じましてしっかりと周知をしてまいります。 44 薮田委員 ありがとうございます。  セミナーや相談、マッチング、本当にマッチングに特に力を入れていただければ、私の地元でも、やっぱり民宿を廃業しようかと思っておられたところ、若い方が手を挙げられて、全く血縁関係もないんですけども、うまくいったということで、そのお店は本当に今はやっていまして、そういうことも本当にこれから大事なんじゃないかと思っておりますので、よろしくお願いします。  次の質問でありますけれども、知事はコロナ禍の今こそ、東京一極集中から地方分散型の社会をつくっていく絶好のチャンスであるということを今定例会でも何度も答弁の中で言っておられます。そのとおりだと大いに共感するところでありますけれども、ライバルもいっぱいおるわけでありますよね。そのための具体的な動き、これを加速させて、地域間競争に打ち勝たねばなりません。  移住拡大のことにつきましては、先週、安達議員が一般質問でただされましたので、私は企業誘致の観点から質問したいと思います。  本県が企業誘致の要として設けております企業立地助成制度、これにつきましては、平成27年度に大幅に改正をされて、これまでのハードルも大分低くなったと承知しております。  しかし、本当にこれで他県と渡り合えるのか、またテレワークやデジタル技術の活用など、時代に合った使いやすい制度に現行の制度がなっているのか、いま一度見直しをする必要があるのではないかと思っております。  全国トップクラスの優遇制度を持つ福井県、ここの制度と比べると、まだまだ格差が見られるというのが実態ではないでしょうか。それからまた、せっかくある富山県の現行の制度につきましても、これをもっともっと周知をしていくということもやっていかなければならないのではないかと思っております。  企業の立地につきましても、地方分散化の、今、絶好球が来ておるわけですから、振り遅れることなく、東京圏からの企業誘致を一層促進させる、この動きをしっかりと弾みをつけていただきたいと思います。  本社機能の移転等に向け、県企業立地助成制度がより効果的に活用されますように、どのように取り組んでいかれるのか、商工労働部長にお尋ねをいたします。 45 布野商工労働部長 今般の新型コロナウイルス感染症問題を通じまして、東京一極集中型の社会構造のリスクが改めて明らかになったと考えております。  県といたしましては、大都市部への過度な一極集中等に伴いますリスクを減少、回避することの重要性を認識し、またデジタル技術等の活用が加速化していることを踏まえまして、委員御指摘のとおり、東京圏からの企業誘致促進の好機と捉えて、一層の企業誘致に取り組むこととしております。  これまでも、平成27年度に創設されました国の地方拠点強化税制の活用、あるいは県独自の企業立地助成制度などの支援措置を拡充いたしまして取り組んでまいりました結果、22件の移転、拡充の計画を認定し、全国トップクラスの実績を上げております。  県としては、この地方拠点強化税制につきまして、引き続き全国知事会と連携いたしまして、雇用促進税制の税額控除の大幅拡充などのさらなる充実を国に対して働きかけてまいりたいと考えております。  また、首都圏本部と緊密に連携いたしまして、県内に事業所を有する本県ゆかりの東京圏企業へのきめ細かな訪問活動、あるいは東京等での企業立地セミナーの開催によりまして、これまで拡充してきました本社機能等の移転に関する支援措置をはじめ、充実した企業立地助成制度や地方拠点強化税制等の積極的なPRに努めまして、県の支援措置、国の税制措置の一層の活用を図り、東京圏からの企業誘致、本社機能の移転等に積極的に取り組んでまいります。 46 薮田委員 ありがとうございます。  次に、運転免許証の更新の問題についてお尋ねをいたします。  感染拡大防止のために、運転免許証の更新業務が4月19日から5月31日まで休止をされておったと承知をしております。6月1日の再開以降も、3密を避けるために、高岡運転免許センターあるいは警察署、これらの機関では人数を制限しながらの更新業務ということであります。免許証の有効期限につきましては、郵便でも窓口でも、申請をすれば3か月間の延長ができるということになり、多くの方が延長手続をしておられると聞いております。その中には、再延長を申請してトータルで6か月延長というケースもあると聞いております。  いずれにしましても、更新者がどんどんたまっていく現状なのではないかと思っておりまして、効率的な更新の手続もしなければなりません。  そしてまた、感染予防対策にも配慮しなければなりません。現場は大変だと思いますけれども、第2波が来た場合は本当に大変です。感染防止と円滑な更新手続の両立をどのように図っていかれるのか、警察本部長にお尋ねをいたします。 47 大原警察本部長 運転免許証の更新業務については、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため一時休止しておりましたが、去る6月1日より段階的に再開を進めるとともに、感染防止及び円滑な手続両面からの対策を講じているところであります。  感染防止の面においては、集中混雑を避けるため、入場者数の制限や講習会場において一定間隔を確保するとともに、円滑な手続という面においては、更新区分ごとの受付時間の調整により、講習会場の数及び実施回数を増やすことで更新の対応者数を増加させております。  また、運転免許センターでの日曜日の更新業務は休止中でありますけれども、再開に向けて、本議会に上程中の予算案に整理券自動発券機などの関連資機材の整備を盛り込むなどして準備を進めているところであります。こうした取組を通じ、更新者の集中を解消できるものと見込んでおります。 48 薮田委員 ありがとうございます。更新者の渋滞が解消できるということでありますので、多少安心はいたしましたけれど、人数制限の中で順番がなかなか当たらないというような県民の声も聞こえてきますので、またよろしくお願いをいたします。ありがとうございます。  委員長、資料の配付許可をお願いします。 49 武田委員長 はい、許可いたします。 50 薮田委員 ありがとうございます。では、お願いします。  続きまして、県をまたぐ県際道路の整備についての質問をさせていただきます。  アフターコロナの産業振興、観光振興の観点からも、県境を越えた物、人の交流拡大というのは、これからも重要になってくると考えます。  そういう意味で、県境をまたぐ県際道路、これは大きな役割を果たすものでありますけれども、国道8号、そして160号の石川県との県境部には、例えば一定量の雨で通行止めになるという雨量制限がありまして、災害に対して脆弱な現状があります。そこで、災害時にも通行可能な道路ネットワークの確保が重要になってまいります。  さきの2月定例会の予算特別委員会で、今、委員長をしておられます武田委員が質問の中で、金沢湯涌福光線の国道への追加指定について言及をされました。県をまたぐ県際道路につきましては、両県双方の協議はもちろん、それから国が積極的に関与して、これを支援していただかないことにはなかなか前に進んでいかないのではないかと思います。  これについて、県の取組状況や国の対応状況と併せて、土木部長の所見を伺います。 51 江幡土木部長 県ではこれまでも、石川県等と連携をいたしまして、県際道路の整備に取り組んできたところであります。  しかしながら、県境部は一般に地形が急峻でありまして、トンネルや橋梁など多額の費用を要することもあることから、委員御指摘のように、例えば国道への追加指定による整備促進、それから国補助事業の活用など、国の支援が重要と考えております。  このうち、県際道路の国道への追加指定につきましては、これまでも県道金沢湯涌福光線の国道指定の提案を頂いていることから、今回改めまして国土交通省に確認をいたしておりますけれども、幹線道路の将来構想に基づく全国延長5万キロが既に達成されているということもありまして、現在のところでは追加指定の動きはないとのことでございます。  一方、都府県境をまたぐ道路整備につきましては、物流、交流の活性化や災害時の迅速な復旧等を図る観点から、国において今年度新たに都府県境道路整備補助制度が創設されたところでございます。  今後、県際道路の整備に当たりましては、国や隣接県等と調整をいたしまして、必要に応じて当該補助制度の活用についても検討しながら、防災対策、安全対策など、県際道路の整備促進に努めてまいります。 52 薮田委員 ありがとうございました。今ほどお配りをした資料にちょっと目を通していただきたいと思います。  右上に囲みがあって、北陸地方整備局、令和2年3月31日発表という紙でございますけれども、このペーパーですが、国交省の北陸地方整備局が3月31日付で公表したものであります。真ん中に赤く囲んである部分ですけれども、この記載によりますと、令和2年度、今年度ですね、能越自動車道やのと里山海道、それを補完する道路の機能強化に向けた調査を富山、石川両県などと連携して実施するという国の方針を国交省として打ち出したものであります。  それから、裏の道路図をちょっと見ていただきたいと思いますけれども、南北に走る左の緑の二重線、これがのと里山海道ですね。それから、右側の縦の二重線、これが能越自動車道でございます、緑の二重線ですね。これを補完する道路ということでありますから、この2つの自動車道を東西に結ぶ国道415号あたりが、いわゆる補完道路のまさに代表格になるのではないかと考えるのが自然でございます。  国道415号につきましては、氷見インターから千里浜インターまでの約20キロのうち、羽咋市側が7.4キロ、氷見市側は4.2キロの区間で、現在、整備が進められているところであります。両側から県境に向かって少しずつ整備をしてきたというところでありますけれども、今問題の県境道路ですね。県境付近の熊無─神子原間、これは6.7キロありますけれども、手つかずの状態でありまして、大変急峻な部分を細い道が走っているという場所でございます。これにつきましては、昨年、自民党の政調会でも現場を視察していただいたところであります。  そこで、羽咋、氷見両市にわたる沿線5地区と羽咋、氷見両市で整備促進期成同盟会というものを結成いたしまして、要望活動等を積極的に行っておるところであります。  3月31日の国交省北陸地方整備局の発表を受けまして、先般、私は同盟会の堂田会長に声をかけまして、2人で車を飛ばして、北陸地方整備局、新潟まで行ってまいりました。そして、吉岡局長と面談をさせていただきましたけれども、国は地方と協力しながら積極的に調査を進めていくという、こういう趣旨の大変よい感触を得ることができました。  県西部地域、特に氷見は能登地域との結びつきが強く、例えば、原子力災害のときの志賀原発からの避難道路としても重要でありますし、双方の交流あるいは北陸新幹線新高岡駅へのアクセス面からも、国道415号など県際道路の機能強化が必要と考えます。  国交省が直轄で調査に乗り出すということは、今後の事業化に向けても大いに期待できるものでありますし、県としてもその必要性を訴え、積極的に国に要望していかなければならないのではないかと思います。  今般の発表も踏まえ、県として今後どのように取り組んでいかれるのか、石井知事の御所見をお伺いします。 53 石井知事 国道415号など県西部地域の県際道路、大変重要だと思っております。ただ、お話しのように、大雨による交通規制などいろいろあるわけでございます。  そこで、まずは国に要請して能越自動車道、灘浦インターから七尾インターまではもう5年前に供用したわけですし、また小矢部市から津幡町までの県境区、国道8号ですね、トンネル新設によるバイパス整備を進めておるわけでございます。  県としましては、国道415号の谷屋大野バイパスにおきまして、これはもう委員よく御承知のとおりですが、全体4.2キロのうち、これまでに氷見市の谷屋地内や大野地内で合計1.5キロを供用し、残り2.7キロを今鋭意進めております。  今、議場に資料を配付していただきましたけれども、国において、国道415号や能越自動車道などを含めた県際道路の機能強化に向けた調査を行うということでありますので、富山県としても、石川県やもちろん氷見市、羽咋市などとともに参画して、その調査の熟度が高まりますように協力してまいりたいと思います。  また、県際道路の機能強化は物流や交流を促進させて、地方創生を進める上で重要でございますから、引き続き国や石川県、また地元市と連携してしっかり取り組んでまいります。 54 薮田委員 ぜひぜひよろしくお願いをいたします。  続きまして、城端線・氷見線のLRT化についての質問をさせていただきます。  去る6月8日にJR西日本あるいは沿線4市の出席の下に、県主催によります城端線・氷見線のLRT化について議論をする検討会の初会合がありました。県の当初予算においても、城端線・氷見線のLRT化などの活性化方策の検討、調査等のための経費1,000万円が計上されておると承知しております。  城端線・氷見線のLRT化の検討会開催の経緯、それから当初予算で計上されました活性化調査等の事業による取組を含め、今後どのような展望を持って、城端線・氷見線のLRT化を進めていかれるのか、観光・交通振興局長の所見をお伺いします。 55 中谷観光・交通振興局長 城端線、氷見線につきましては、JR西日本から、LRT化など新しい交通体系の検討を行うことについて提案がありまして、本年1月にJR西日本、沿線4市、県が連携いたしまして、鉄道施設や設備の整備、維持運営の費用に係る課題をはじめ、沿線市の将来的なまちづくりとの整合、利用者の利便性向上、観光振興による活性化など様々な観点から、実現方法及びその可能性も含めて検討を行うこととしたところであります。  今回の第1回検討会では、各市における利用促進や地域活性化等の取組を検討する上で必要となる初回調査として、LRT化後の需要予測調査を実施すること、初回調査の実施と並行いたしまして、各市においては、将来のまちづくりを見据えたLRT化による新駅の設置、駅周辺整備、開発、観光振興との連携等の取組を検討することについて合意したところであります。  需要予測調査の実施に当たりましては、県の城端線・氷見線活性化調査等事業費──今御紹介のございました1,000万円でございます──と各市の負担によりまして、まずは沿線人口の将来推計や、これまでの利用状況等による需要予測を行いますとともに、各市においてまちづくりを見据えた各種施策の検討が行われることになっております。  県といたしましては、今後、事務局として、今回の調査に向けた準備を進めますとともに、次の段階では、4市における施策の検討を反映した調査を実施することも含めまして、今後の検討方針について、JR西日本、4市と協議してまいりたいと考えております。 56 薮田委員 ありがとうございます。  本当にこのLRT化というのは物すごく夢のある話でありますし、それと同時に、沿線4市にとりましては、まちづくりのグランドデザインというものを大幅に変えていかなければならない。駅ができたり、あるいは人の流れ、物の流れが大きく変わるということでありますので、ぜひ進めていただきたいのでありますけれども、やはり気になるところは、事業費であったり費用分担であったりというところだと思いますので、また県が主導して、よろしくお願いをいたします。  次の質問でございます。  城端線・氷見線のLRT化の関連でありますけれども、北陸新幹線敦賀開業、大阪延伸も見据え、このLRT化というのは県西部の活性化に大きな期待が寄せられるものであります。同時に、財政面での負担なども十分に調整する必要があると今ほど申し上げましたとおりでありますけれども、城端線・氷見線のLRT化の検討に当たりまして、全体の事業費あるいは費用分担など、どのような課題があると認識し、どう検討を進めていかれるのか、石井知事にお尋ねをいたします。 57 石井知事 城端線・氷見線のLRT化の検討については、この2つの路線は支線であって、並行在来線問題とは切り離すとされた経緯も踏まえながら、JR西日本からの提案を受けて、先ほど部長が答弁申し上げたような状況になっております。  その検討に当たりましては、鉄道施設等の整備費や維持運営費に係る課題のほかに、お話しのように、沿線市の将来的なまちづくりとの整合、また利用者の利便性の向上や観光振興による活性化など様々な観点があると思っておりまして、将来にわたり持続可能な見込みが立つのか、実現可能性も踏まえて慎重に議論する必要があると思っております。  私は昨年暮れに新しい社長さん、長谷川社長にもお会いしましたけれども、やはりJR西日本のほうから、自ら整備、運行されてきた路線のLRT化を提案される以上は、少なくとも整備費についてはJR西日本さんが主体性を持って費用を負担される、また安定的な維持運営ができるように、JR西日本が相応の役割を担うお考えがあるんじゃないかと期待をいたしております。  県としましては、今後、沿線4市においては、将来にわたって地域住民の生活路線として維持していくためにも、利用促進やまちづくりの面での施策などを、これはもう主体的に御検討いただくことが重要であると考えております。  そこで、今回の検討会は、沿線4市長から強い御要望を頂いたことと、また城端線、氷見線は県西部の広域公共交通として非常に重要な役割を果たしているということに鑑みまして、広域の地方公共団体としての立場から参画して立ち上げたということでありまして、まずは沿線4市やJR西日本と連携して、JR北陸本線があいの風とやま鉄道に移行した際にも随分といろんな折衝がありました。その際の経験も生かさせていただいて、需要予測についての調査やまちづくり等に関する検討を真摯にしっかりと取り組んで進めてまいります。 58 薮田委員 ありがとうございます。  この話はもともとJR西日本さんからのお話ということであったので、やはりJR西日本さんの本気度がどういうものであるかというのがこれから重要になってくると思うんですけれど、今、コロナで運賃収入というのが大変減っている現状の中で、果たして今までどおりの路線でいけるのかどうか、これはまた県のほうでしっかりと間に入って、よろしくお願いしたいと思います。  次に、農林水産業の振興についての質問に移らせていただきます。  新型コロナの影響、本県におきましても、飲食店、旅館、ホテルなどが休業を余儀なくされました。それによって、農林水産物の需要量が減少、そして価格が下落するなど、農林水産業への影響が懸念される中、6月補正予算案の中におきましては、水産物販売促進緊急対策事業あるいは加工業務用野菜安定出荷支援事業などが盛り込まれております。  新型コロナウイルス感染症による農林水産物の需要減少の影響を踏まえ、県内の農林水産物の安定供給や消費拡大にどのように取り組んでいかれるのか、石井知事にお尋ねをいたします。 59 石井知事 県内の農林水産業への影響につきましては、学校給食や卒業式等の休止、あるいは外食需要の落ち込みによりまして、コマツナなどの県産野菜や、和牛肉、シロエビ等の水産物、チューリップ切り花などにおきまして、価格低下による売上げの減少や在庫の増加が見られたことに加えまして、日本酒の消費も随分と落ちておりますし、またタマネギ等の加工業務用野菜においても出荷契約の遅れが見られております。  そこで、県としましては、日本政策金融公庫等と連携、またJA等はもちろんですが、連携した融資相談窓口の設置や、既存の野菜価格安定制度の価格補填制度の活用への支援を行っておりますほか、4月補正予算に基づきまして、新たな需要創出のための和牛肉の学校給食への提供や公共施設等での花の展示、また県産農林水産物等のインターネットを活用した販路開拓、また労働力不足に対応した農業用ドローンの導入、農薬の散布などにも大いに活用したということでございます。  さらに、今度の6月補正予算案で、加工業務用野菜の安定出荷に向けた冷蔵保管、運搬費や、販路開拓、またシロエビやホタルイカ、ブリ、サクラマスなどの学校給食への提供、それから地酒や農林水産物との連携商品の企画、販売を行うことに支援するほか、さらに木材需要が低迷していますので、公共建築物等の木材利用を推進するために、専門家を派遣して、どういうふうにしたら有効活用できるかと、こういったアドバイスをするということの予算を盛り込んでおります。  また、県産の地場産品については、インターネットで定価の3割引で送料無料と、こういった方式によって消費拡大をすることにも取り組んでおります。  今後も、県内の需給状況を注視しながら、農林水産物の安定供給や消費拡大にしっかりと取り組んでまいります。 60 薮田委員 ありがとうございます。今、知事の答弁の中で、日本酒の消費拡大というのがありまして、施策の中で日本酒と、それから農林水産物を抱き合わせて、セットにして販売するというようなこともあるやに聞いておりますけれども、農林水産の水産のほうに関する質問に移りたいと思います。  氷見の栽培漁業センターについての質問でございます。  栽培漁業センターの改修整備、これに当たりまして、県当初予算、令和2年度7,800万円の設計費が計上されております。去る3月に策定されました栽培漁業推進の基本方針では、教育・産業観光での活用に向けて、地元氷見市との連携等についても検討するとなっております。  現在、氷見市では、栽培漁業センターを活用した氷見高校生の活動あるいは児童生徒の体験学習、産業観光としてのセンターの活用など、いろんなことを検討しているようであります。これら地元の思いも設計にできるだけ反映されるように御配慮いただくとともに、今後の運営等についても、地元とよく協議を頂きたいと思います。  栽培漁業センターの改修整備に当たりまして、どのように進めていかれるのか、農林水産部長にお尋ねをいたします。 61 堀口農林水産部長 氷見栽培漁業センターの改修整備につきましては、これまで氷見市や氷見商工会議所から、小中学校の社会見学や職場体験、一般の方々の見学により魚に親しむことができる施設への改修をはじめ、産業観光のモデルコースへの組入れなどの御意見や御提案を頂いているほか、漁業関係団体の皆さんからも早期の改修整備などについて御要望を頂いております。  こうした地元の皆さんからの声を踏まえまして、昨年12月に栽培漁業推進方策検討会を設置し、オブザーバーとして地元氷見市さんにも御参画いただきながら、施設の改修整備について現在検討を進めているところでございます。  去る3月に策定されました栽培漁業推進の基本方針では、地元氷見市等とも連携の上、教育・産業観光での活用を図ること、クロダイについて増産にも対応できるよう、施設の整備を検討することなど、4つの整備方針を盛り込んだところでございます。来月には第3回の検討会を開催いたしまして、その整備方針についてもさらに議論を進めることとしております。  今後、夏以降に予定しております基本設計等におきまして、こうした検討会での議論や地元の皆さんからの御意見等を踏まえ、具体的な建物の構造や利用方法などについて検討していきたいと考えております。  引き続き、氷見市等とも十分連携しながら、地域の方々はもとより、県内外の多くの皆さんに親しまれる施設となりますよう、しっかり取り組んでまいります。 62 薮田委員 ありがとうございます。この改修、もともとは我が会派が組織しております富山湾未来創造調査会の中でも要望しておった部分だと承知しておりまして、調査会の中でも、どういった形が一番いいのかということもまた検討してまいりたいと思っております。  最後になりますけれども、小型クロマグロの漁獲規制についての質問をさせていただきます。  本当に長い間、クロマグロの規制をやっているわけでありますけれども、先頃の新聞の報道によりますと、国際機関による最新の資源評価、この中では、親魚の量を2024年までに約4万トンに戻すという当面の目標達成確率、これが100%と予測されるようになったと聞いております。今後開催予定の国際会議におきまして、日本の漁獲枠拡大に向けた議論が展開される見通しと聞いております。  本当にこの規制は、漁業者の皆さんにとって大変厳しい規制でありまして、浜なんかに行きますと、これ、いつまで続くのかというような声がどんどん大きくなっております。実際、おととしですか、やはり捕った、こちらでいうとメジですね、メジを沖のほうで放してきた、放してきたというか、放しても、もう生きているのか死んでいるのか分からないような状態で、もう何千万円、何億円というような額を海のほうに捨ててくるというような、もう本当に泣くに泣けない状況になっていたというようなこともありますので、何とか早くこの規制をやめていただきたいと思っております。  状況は徐々に改善されまして、小型クロマグロの漁獲規制に対して日本の漁獲枠拡大も期待されるわけでありますけれども、本県の漁獲枠の拡大に向けて国に積極的に働きかけるべきと考えます。  県としてどのように取り組んでいかれるのか、農林水産部長にお尋ねをいたします。 63 堀口農林水産部長 国の第6管理期間、こちらは今年4月から来年3月までの1年間になっておりますけれども、この期間におけます小型マグロの本県の漁獲枠、これまで本県からも要望等もしてまいりました。今回、当初枠と前期間からの繰越分に加えまして、新たに国の留保枠の一部が定置網等の沿岸漁業に優先配分されたことなどから、これまでで2番目に多い117.1トンが確保されております。  今ほど委員から御紹介もありましたが、報道によりますと、北太平洋まぐろ類国際科学委員会におきまして、2018年のクロマグロ親魚の資源量は約2.8万トンと推定されております。過去最低水準でありました2010年の約1.1万トンから徐々に増加をいたしておりまして、2024年の回復目標であります約4.3万トンの達成確率は100%との予測結果が示されたということでございます。  この結果に基づきまして、9月開催予定の中西部太平洋まぐろ類委員会の北小委員会で漁獲枠拡大の議論を行うこととされておりますが、新型コロナウイルスの影響もございまして、現在、国では開催に向け、関係国と調整をしていると聞いております。  今後、クロマグロの資源回復に伴いまして、日本の漁獲枠拡大も期待されるところではございますが、各国の漁獲枠の配分等につきましては国家間の交渉でございます。国においては、我が国全体の漁獲枠が拡大されますよう、しっかり取り組んでいただきたいと考えております。  県としては、引き続き情報収集に努めまして、県内漁業者の皆さんが安心して操業できるよう、国に強く働きかけてまいります。
    64 薮田委員 ありがとうございます。  以上です。 65 武田委員長 薮田委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  午後の会議は1時10分に開会いたします。                     午後0時05分休憩                     午後1時10分開議        井加田まり委員の質疑及び答弁 66 平木副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  井加田委員。あなたの持ち時間は60分であります。 67 井加田委員 社民党議員会の井加田でございます。  まず、質問に先立ち、パネルの掲示と、それから資料配付について委員長の許可を求めます。 68 平木副委員長 許可いたします。 69 井加田委員 それでは、よろしくお願いします。  本定例会におきまして集中審議となっております新型コロナ対策について、危機管理対策と教育対策に絞って質問をさせていただきます。  まず、コロナ禍の危機管理対策についてお聞きします。  19日に全国の移動制限が解除されました。自粛生活から一定解放されたことで、コロナ収束ムードも高まっております。現段階においては、欧米に比べて日本の感染者数、死者数は少なく、爆発的な感染拡大には至っていないものの、世界規模で見ると感染はむしろ広がりつつあります。  資料をちょっと見ていただきたいんですけど、パネルと併せてお願いします。このパネルを準備したのは、6月18日の時点の数字であります。しかし、その後、資料のほうの一番上に追加で入れたんですけど、18日から21日まで、かなり数字が増えております。累積感染数は、この3日間で、回復者21万人を上回る33万人増加しております。そして、死者数も1万人増えております。  また、この21日までの3日間、1位アメリカ、2位ブラジルと数の多い順にランキングされていますけれども、アメリカとブラジルでは1日3万人から5万人規模で増えております。それから、4位のインドでも1万5,000人増えております。ここでは順位に入っていませんけど、パキスタンやメキシコでは1日に5,000人から6,000人の規模で新たな感染者が増えていると、こういう現状にございます。  日本は、感染爆発の先送りに成功したかに見えると思いますけれども、世界規模のパンデミック、こうした状況の中では、今後、いつどこで感染が広がってもおかしくない現状にあると、まず認識しておくべきではないかと考えております。100年前のスペイン風邪の流行は3年間続きました。日本人の半数が感染したとも言われております。  こうした中で、5月29日の政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議によりますと、日本の状況は、初期段階から感染者、クラスターを検知して効果的な対策が行われた。そして、緊急事態宣言が効果を上げて、地方都市への感染拡大が防止されたとの評価が出されています。地方の感染拡大を防止したのは地方の努力であると思っておりますけれども。  現在でも、昨日も東京で49人の新たな感染者が報告されていまして、4日連続して30人以上、引き続いて新たな感染者が出ている状況がございます。  そうした中で、市中感染の広がりへの懸念は全く払拭できていないと思いますけれども、この間の政府の対応については非常に対応が後手後手であり、科学的根拠も乏しく、本当に地方の現状には寄り添っていない、極めて不誠実、無責任ではなかったか、このように考えているところです。  一斉休校も緊急事態宣言も、具体的な基準が明確でないままに、市民の行動の自粛という形に任せられました。不安と動揺と緊張の中で、具体的な対応は地方任せであったと言えます。  中でも感染リスクの高い医療や介護、福祉施設や、物流、清掃、市役所など、社会の安全な暮らしと健康を支える、いわゆるエッセンシャルワーカーと言われる職場はステイホームもテレワークも困難でありました。そうした方々への感染リスクを極力抑える手だてが講じられないまま、社会経済活動は大きく混乱したと言えます。  とりわけ、感染拡大防止対策の要であります早期発見につながるPCR検査は県の行政に、早期隔離、治療体制の確保については、地域の医療機関の現場に丸投げされたのではないでしょうか。  現在の社会経済活動の回復は容易ではありません。新型コロナ感染症との闘いも長期戦を覚悟しなければなりません。この間の対策がどうだったのか徹底的に洗い出し、とりわけ、検査や医療体制の整備、強化に国と自治体が先頭に立って取り組むこと、一過性に終わらない制度改正につなげていかなければならないと考えるものです。  資料の2枚目の上段のほうを見てください。この間の保健所の職員数と保健所の数の推移の表が記載してございます。従来の保健所、現在は保健センターとして、様々な福祉との併用の事務や事業を担うこととされています。しかし、ここ10年間で、職員数と保健所の数は大幅に減少しております。ウイルス検査なども委託され、本来の保健所の公衆衛生上の専門機能は後退、そして低下していたと考えられます。  厚生センターの体制整備について、まずお伺いしたいのですけれども、コロナ対策では、厚生センターの相談窓口で、感染が疑われる相談者に帰国者・接触者外来への受診、検体採取を求め、厚生センターは感染者、濃厚接触者の追跡調査を行い、PCR検査は衛生研究所で実施をされました。  最前線にいる厚生センターでは、限られた人員体制で不眠不休で対応されていましたけれども、当初から、相談から検査、結果までの判明に時間がかかること、濃厚接触者の追跡調査と検査の実施、そして陽性確認までに保留期間が長いことが指摘をされていました。  厚生センターでの、新しい病原体を想定した感染拡大への備えは十分でありません。必要な検査に迅速に対応できる体制ではなかったことなどから、県の感染症予防計画に基づき、厚生センターの相談、追跡調査、疫学的な調査研究、そして地域における情報発信拠点としての役割を担えることが大事であります。抜本的な体制強化が必要です。  今後の取組について、職員配置の考え方について、石黒厚生部長にお伺いをいたします。 70 石黒厚生部長 厚生センターにつきましては、県民の健康や安全・安心な生活を守る公衆衛生の第一線機関として重要な役割を担っております。これまでも、保健衛生サービスの中核を担う衛生技術職員につきましては、必要な人員を増員してきているところであります。  さらに、今般の新型コロナウイルス感染拡大に際しましては、増加する県民からの相談、濃厚接触者の健康観察、医療機関との調整等のため、会計年度任用職員を4厚生センター及び3支所で、合わせて20名を緊急的に増員したほか、業務を見直して効率化を図り、国に先んじて、御本人の了解の上で希望する濃厚接触者全員にPCR検査を実施するなど、感染拡大防止に積極的に取り組んでまいりました。  また、大規模な集団感染に備え、厚生センター内及び厚生センター相互間での対応に加えまして、必要に応じて本庁からも人員を融通して対応することとしているところでございます。  今後とも、厚生センターの体制整備に努め、第2波、第3波や新たな感染症の流行に対して備えてまいります。 71 井加田委員 現場のこの間の取組には、本当に敬意を申し上げるところでございます。  しかし、厚生センターの役割、先ほど申し上げましたけれども、疫学的な調査研究の強化や地域の情報発信拠点としての役割の強化が引き続き求められると思っております。努力を頂きたいと思います。  では、次はPCR検査について若干申し上げたいと思っています。資料では1枚目の下段の部分に載せてございます。パネルと同じものです。  ここに1,000人当たりのPCR検査数について計上してございます。国際的に見ても日本は圧倒的に少ない、極めて不十分ではないかと印象を持つものです。  感染者が出た時点で各国では検査を拡充して数を増やしてきた。そうしたところに比べて、日本では、実施件数がそれほど伸びなかったと。そして、当初から人員不足や制度管理の不備等も指摘もされてまいりました。  PCR検査のほかにも抗原検査や抗体検査などいろいろ検査はございます。それぞれの目的で今後も増えると思うんですけど、最も確実にウイルスがいるかいないかを確認するのがPCR検査ですので、PCR検査を拡充して感染者を割り出す、そして隔離することでかなり拡大が抑えられる、こういう結果に結びつくと考えております。  今後も、濃厚接触者は全て検査対象になります。そして無症状病原体保有者の濃厚接触者も健康観察対象となるということでありますので、陽性者や感染者の早期発見につなげるためにも抜本的なPCRの検査体制の拡充が求められております。  検査センターについては、専用検査室を設置すること、それから、もちろん検査機器が要ります。そして、専門人材の確保などが必要でございます。  この間、砺波医療圏で地域外来・検査センターの設置も報道されているところですけれども、私は調査研究機関として、本来、検査機能を有している4つの医療圏にある厚生センターをPCR検査の拠点として、まずは整備、強化を進めるべきと考えております。  今後、どのように取り組まれるのか、厚生部長にお伺いします。 72 石黒厚生部長 県内のPCR等の検査体制につきましては、PCR検査機器の追加配備や、厚生センターでのPCR検査などの実施によりまして、現在1日90件以上の検査が可能となっております。さらに、今後、RNA抽出装置を衛生研究所に追加配備することで、1日130件以上の検査が可能となる予定となっております。  今お話がありました厚生センターにおけるPCR検査につきましては、厚生センターでは、新型コロナウイルス以外にも大腸菌やサルモネラ菌をはじめとした検査を日常的に実施できる体制を組む必要があります。そういったことに対する機器、あるいは検査に必要な人員、こういうことを確保する必要があることから、全ての厚生センターでPCR検査を実施することは難しいものの、今後、新型コロナウイルスの感染者が急増するなど、PCRの検査体制を拡大する必要が生じた際には、現在新型コロナウイルスの検査を実施しております厚生センターに、他の厚生センターから検査に係る職員等を派遣することによりまして、適切に対応してまいりたいと考えております。 73 井加田委員 これ以上、厚生センターについての拡充は検討されていないということですか。 74 石黒厚生部長 必要に応じて、今回も行ったように臨時的な増員等は、臨機応変の対応としておりますけれども、それ以外は現有の体制で取りあえず対応するという考えであります。 75 井加田委員 ぜひ、コロナ対策も重要ですけれども、地域の公衆衛生の拠点としての機能強化に向けて、引き続いて努力をお願いしたいと思っております。  続いて、PCR検査の関係ですけれども、いわゆる感染症で入院された方、それからそこで働いておられる医療従事者は濃厚接触者にもなるわけですけれども、健康状態の把握をする意味でも、また入院期間を短縮する意味でも、PCR検査というのは非常に重要だと思っております。  感染症患者の入院を引き受けている指定医療機関においても、院内でPCR検査が実施できるよう、検査室の整備や検査機器の購入等への支援が必要だと考えますけれども、厚生部長にお伺いいたします。 76 石黒厚生部長 今回の第1波におきましては、感染症指定医療機関でもあります富山市内の公的病院で集団感染が発生して、外来診療及び救急患者の受入れが一時休止されるなどの影響が出るとともに、富山市内での感染者が急速に増加したことから、特に富山医療圏における医療提供体制が逼迫した状況となりました。  こうした事態を防ぐためにも、迅速に検査を実施できる体制整備が不可欠であります。先ほど申しましたとおり、近い将来に1日130件以上の検査が可能となる予定でございます。  また、医療機関が民間検査機関を活用できるよう体制を整備したほか、かかりつけ医からの紹介で検査が受けられる地域外来・検査センターの早期開設も進めておるところでございます。  お話のありました医療機関でのPCR検査につきましては、今回、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を活用し、6月補正予算案におきまして、10の医療機関でのPCR検査機器の整備を支援することとしております。これによりまして、これらの医療機関におきまして、合計で1日約200件以上の処理が可能となるものと見込んでおり、さらなる検査件数の増加に対応できる体制になることに加えまして、厚生センターの負担軽減にもつながるものと考えておるところでございます。  県といたしましては、今後とも、入院患者や医療従事者をはじめ、検査の必要な方が遅滞なく検査を受けることができるよう、体制の整備に努めてまいります。 77 井加田委員 今後、衛生研究所での検査の配備も踏まえて、県下でかなりの件数の検査が実施できると、こういう体制だとお伺いをいたしました。引き続き、万全の備えということでお願いをしていきたいと思います。  医療体制の抜本的強化も必要となってくると思っております。資料2枚目のほうをちょっと見てください。コンパクトに載せる関係から、あっち行ったりこっち行ったりで、ちょっと脈絡性がないですけど、一番下の25年間で30万床削減というところをまず見てください。  この25年間で、病床は30万床削減になっています。そしてまた、その上のほうで、諸外国と比較した人口10万人当たりのICU病床が記載してあります。日本は、この表の中では下から2番目で、アメリカの5分の1の体制です。ICU病床はかなり少ないと見えます。  また、その右側、何でICUが足りないのかということで、これも6年間の推移を見ておりますけども、病床は2013年には全国で2,889床ありました。それが2019年には2,445床に減っています。6年間で440床削減している、こういう現状にございます。そのうちの419床は、自治体病院の再編統合などの影響によるものであります。  こうした病床の削減、そして諸外国と比べて少ないICU病床のさらなる削減、そして地域の中核病院である自治体病院のICUや救急などの対応の機能も低下していたと言えます。  また、この資料にはございませんけれども、二次医療圏ごとに1か所指定されている第二種感染症指定医療機関というのがございます。全国で475の病院、5,260床ということでありますけど、その約8割は自治体病院が指定されております。この間の自治体病院の統廃合によりまして、この第二種感染症指定医療機関も削減されています。脆弱な体制の中で新型コロナ対策を迫られたと言えるのではないでしょうか。  県の初期の病床確保計画によりますと、陽性者、それから検査結果を待つ疑似陽性者ですね、その方も含めて、全て感染症指定医療機関に入院、隔離することとなっておりました。ですから、県内5つの自治体病院の感染症指定病床22床をはじめ、入院病床が確保されていたと認識しています。  3月30日に患者が発生しまして、4月中旬には感染者が急増する事態となりました。県の緊急事態措置、4月15日頃にはようやくフェーズ1、移行期ということに対応して、入院については中等症以上の方、軽症者については自宅または宿泊施設での待機方針ということになりました。  医師判断によります重症化リスクのない軽症者の隔離のための宿泊施設もその時点から確保されたわけでありますけど、この宿泊施設について今後の体制整備にどのように取り組まれるのか、人員配置の考え方も含めて石黒厚生部長にお伺いをいたします。 78 石黒厚生部長 本県では、陽性患者は無症状でも原則入院としておるところでございます。医療機関で中等症以上の患者をより多く受け入れるため、富山駅北のホテルを借り上げ、去る4月25日から、軽症者、無症状者のための宿泊療養施設を開設したところでございます。  この宿泊療養施設は100室を患者用として確保しておりますけれども、県看護協会を通じて派遣された看護師2名と県職員2名が24時間常駐し、入所者の健康管理や生活支援に当たるとともに、県医師会の医師と24時間電話連絡が取れる体制を整え、健康相談や緊急時対応に備えているところでございます。  軽症または無症状の患者は、入院した医療機関の主治医が重症化のおそれがないと認めた場合に、宿泊療養施設に移送するものとしておるところでございます。  また、国が定める退所基準は、当初はPCR検査が2回連続陰性となることとされておりましたが、最近の知見に対応して随時基準が見直されており、5月29日からはPCR検査は不要とされ、原則として発症日から14日間経過後に、さらには、6月12日からは10日間経過後に退所できるとなったところでございます。  また、現在の宿泊療養施設の借り上げ期間は6月末までとなっておりますことから、今後再び感染が拡大する局面に備えまして、引き続き一定規模の施設を確保しておく必要があることから、現在、新たな施設を公募しているところでございます。  今後も引き続き、関係機関の御協力を得て、医療機関と緊密な連携の下、国が示す運用基準等にのっとり宿泊療養施設の適切な運用に努めてまいります。 79 井加田委員 医療体制についてもう少し申し上げたいんですけども、感染者が増えてピークの頃、4月に、緊急的に県内の労働組合によって聞き取り調査がされております。  その中身をちょっと見せていただいたんですけど、現場では感染病棟を確保するために患者さんを病棟から病棟へ移動する、そしてまた早期退院などで軽症の人は帰っていただく。そして、人員体制も整えるために、感染症病床には各病棟から看護師が選出をされて、その体制をつくるという、こういうことが現場で行われておりました。これはコロナ対策を優先するということで、一般病棟を隔離病棟として対応するために必要な措置でございます。  そのために、外来診療を縮小する、あるいは救急の受入れを一部制限する、延期できる手術は延期する、また夜勤体制を3人でやっていれば2人に減員するなど、全体の中で人員調整をやっておられます。また、リハビリや訪問看護の縮小などが必要であったということであります。  そういう意味では、人的確保や安全対策がなかなか不十分な中で、感染リスクが高い病院への受診控えなども生じました。病院全体の機能の縮小を余儀なくされていたと、このように言えるかと思います。  今朝の北日本新聞に中央病院の川端院長のコメントが載っておりました。感染リスクに向き合いながらコロナと相対する苛酷さは予想以上であったというコメントが載っておりましたけども、その中で、1か月分の防護服を1週間で使い切って、雨がっぱで対応したということも書いてありました。まさに、医療の現場では薄氷を踏む思いで対応を迫られていた、このようなことがうかがえると思います。  今回の補正では感染症病床の確保として、平均200床を1年分確保する予算、33億5,000万円計上されております。感染症病床の空床確保の考え方についてお聞きしたいといます。もちろん、病床というよりも、施設基準といえば病棟ごとにしっかり対策を取った基準を確保することが前提となりますけれども、人員確保についても大事でございます。  現在、県立中央病院と県内の医療圏ごとに指定されています自治体病院、公的病院を中心に、当面はフェーズ1の移行期の340床について、一定期間の空床確保が必要と考えるものですが、空床確保の考え方、今後の方針について部長のお考えをお伺いいたします。 80 石黒厚生部長 今後の第2波、第3波の発生に備えまして、フェーズ1の移行期におきましては340床、フェーズ2の蔓延期には500床を確保いただくとの合意の下、感染症指定医療機関等におきましては、即時受入れ可能な病床を一定程度確保するとともに、患者急増に対応するため一定の準備期間の後に患者を受入れの可能な病床を、基本的に病棟単位で用意していただくという方向で、医療機関と現在調整を進めているところでございます。  また、感染患者の入院病床を確保していただく医療機関に対しまして、必要となる費用につきまして、4月に遡って支援する事業を6月補正予算案に盛り込んだところであります。  これにつきましては、ただいま委員からお話がありましたとおり年平均200床、平穏期が半年分、移行期、蔓延期が半年分あるという考え方の下で、年平均200床という算定をして対応をしたところでございます。  県といたしましては、今後とも各医療機関や関係者の御協力を頂き、感染の第2波、第3波においても医療提供体制が十分維持できるよう、しっかり準備してまいります。 81 井加田委員 即時受入れ可能な病床は、どこにどれぐらい考えていらっしゃるのか。一定の準備期間を経て調整できるというところは、フェーズ1の340床を指定したところが今回いろいろ整備をされて、ノウハウといいますか、経験されておりますから、そういうふうにお願いできるかと思いますけれども、即時受入れができるところはしっかり確保しておかなきゃならないと思っておりますけど、その考え方と、ベッド割りといいますか、もっと具体的にどう対応しているのかということについてお聞きしたいと思います。 82 石黒厚生部長 具体的な病床数、これにつきましてはまだ調整が済んでいないところもありますので、回答は差し控えさせていただきますけれども、まず即時対応可能なところは、基本的には感染症指定医療機関を中心として、今回受入れの実績のあるところを中心に想定しているところでございます。  一定の準備期間の後に患者を受入れの可能な病床を病棟単位で確保していただくところ、これにつきましても、今回受入れをしていただきました実績のある感染症指定医療機関及び協力医療機関を中心に想定しているところでございます。 83 井加田委員 現在協議中ということでありますので、これ以上追及はいたしませんけれども、いざというときに備えて物事がスムーズに動くように、しっかりその体制が取れるように進めていただきたいと、このように思っております。ありがとうございました。  医療施設と、それから人的配置という、ちょっと気がかりなところをお聞きしたんですけども、継続した医療体制確保という観点から、医療体制確保の物的支援についてお伺いをしたいと思っております。  医療機関においては、先ほども紹介しましたけど、当初から個人防護具が不足しておりました。厚生環境委員会で報告があったわけですけど、2月初旬から、県では個人防護具の購入と配備支援、これは2月6日の時点で行っておられるとのことでありました。また、人工呼吸器の購入支援等も行われています。  しかし、当初、感染防止に不可欠な防護服、それからマスクは全く足りませんでした。一般病棟では1枚のマスクを3日間使い続けた人、そしてまた、体温計や消毒液も不足するという事態になっておりました。  国が一括購入をして、県を通じて各医療機関に配布するとされています医療用防護具として、サージカルマスクについては、3月の中旬頃から県内医療機関を中心に配布をされております。  また、先ほど話に出ましたけど、雨がっぱでは全く不十分なんですね。これは脱ぎ着をするときに最も感染の危険が高いと言われていまして、専用のガウンが必要であります。このアイソレーションガウン、それから見慣れたと思いますけどN95マスク、そして平木副委員長がつけておられます、ちょっと形が違うかもしれませんけどフェースシールド、この3点については5月1日から配布をされています。そして緊急事態宣言の解除後、6月に立て続けに配布をされていまして、かなりの量が確保されたと聞いております。  今の時点では、個人防護具の不足というのはないわけでありますけども、しかし、この間、最も感染リスクが高い医療機関の中で、感染者発生初期の段階でも、ピーク時においても、必要な個人防護具が確保できていなかったということは、本当に大きな問題だと思われます。  そこで、布野商工労働部長にお伺いをしたいんですが、一般質問でもあったかと思いますけれども、最も必要なときに必要な資材が医療や介護などの現場に行き届くよう、県としても一定の備蓄も必要だと考えております。  医療防護具については、必要なときに迅速な生産、そして供給体制が県内企業との連携において確保できるような手だては考えられないのか、県としても県内企業に働きかけてみてはどうかということを商工労働部長にお伺いいたします。 84 布野商工労働部長 委員お話しのとおり、今般の感染症拡大期におきまして、医療用ガウン等の個人防護具につきまして、本県をはじめ全国的に入手が非常に困難な状況となりました。
     このため国では、第1次補正予算におきまして、大規模生産を対象といたします防護服生産設備導入支援事業、これが措置されたところでありますけれども、県におきましても、4月補正予算で富山県医療用個人防護具等供給体制強化支援事業補助金をお認めいただきまして、県内中小企業者等が行います医療用の個人防護具の新たな生産、増産のための設備導入に対する補助制度を創設しております。  県内におきます迅速な生産供給体制の確保は重要でございまして、この補助事業では、生産または増産する医療用個人防護具の県内医療機関等への優先的な納入、販売を計画する事業者、これを補助対象者といたしまして、申請に当たっては納入、販売の予定先、供給量、時期等を明示した事業計画書の提出を求めております。  先般の永森議員の一般質問でもお答えいたしましたが、事業者の公募を行い、申請のありました県内の中小企業3者の医療用ガウンの新規生産について、審査の上、交付決定を行いました。今月から順次、県の対策本部のほか県内の複数の感染症指定医療機関等に対しまして納入が開始され、年度内には5万着以上のガウンが供給される見込みとなっております。  今後とも、所管の厚生部とも連携を図りまして、必要な個人防護具が県内医療機関等に適切に供給されるように努めてまいります。 85 井加田委員 ありがとうございました。  コロナ感染症の病床確保のための現場の状況を先ほどお話ししたわけですけれども、受診制限や入院制限などで影響を受けた医療機関の実態については、しっかり把握しておく必要があると考えます。  県立中央病院をはじめとして、県下4医療圏の自治体病院では、22床の指定感染症病床に対して、今現在、国からは特別交付税が措置されております。しかし、これは空床確保、維持としての支援でありまして、入院に対しての人的確保については全く不十分であるという状況にございます。  今後、感染症指定病床も含めて、コロナ対策として必要な感染病床を維持していく必要があると考えます。  この感染病床の維持や運営に係る費用について、現在の特別交付税措置の抜本的引上げもありましょう。それから、度々取り上げさせていただいております損税、消費税負担分の免除などもありましょう。収益減少の全額補償につながるような有効な支援策が必要ではないかと考えております。  維持、運営に係る財政支援を拡充するよう国に働きかけることが重要かと考えますが、石井知事の見解を伺います。 86 石井知事 県では、新型コロナウイルス感染症患者受入れのための病床を確保いただいております公的医療機関については、国の緊急包括支援交付金を積極的に活用しまして、この4月に遡って、病床確保を補償する費用や設備整備についての費用、また感染拡大防止対策に係る費用などを支援することにいたしております。  県の補正額が33億5,000万円で、重点医療機関9か所、通常の医療機関10か所について、それぞれ単価を算定して措置をさせていただいているわけでございます。そのほか、救急・周産期・小児医療機関の院内感染防止対策などについても、予算額11億7,000万円計上させていただいております。  今般の国の第2次補正予算の成立を受けて、今後、空床補償の対象となる病床数や金額について、各医療機関に調査を行わせていただくことにしておりますが、併せてコロナ患者の受入れが病院の財政に及ぼした影響についても調査することにしております。  なお、消費税負担の免除のことがお話に出ましたけれども、これは委員御承知だと思いますが、社会保険診療が非課税とされていますので、病院が医薬品や医療機器を購入する際に納入業者に支払った消費税は患者等に転嫁できないが、この控除対象外消費税については、国の診療報酬単価に上乗せして既に措置されているということであります。  また、新型コロナによって前年同期比で事業収入が2割以上減少した場合は、消費税などの国税や地方税の納税が最大1年間猶予される特例措置が、既に法改正によって講じられているわけでございます。  また、お話しのように、例えば特別交付税措置の抜本的引上げで対応するという考え方もあるわけで、現在の特別交付税措置は、公立病院の感染症病床1床当たり約430万円が措置されているんですけれども、ただ、これは全体として交付税総額の6%ですから、全国で特別交付税総額というのは9,900億円ほどしかありません。  これをどんどん増やすと、ほかの災害とかいろんなことに対応できなくなりますので、むしろ、富山県としてもそういう考え方ですが、全国知事会とも連携して、こうした新型コロナ対策の空床補償等の財源措置は、特別交付税ではなくて国の予算措置で、国費できちんと対応すべきだという考え方で、今ほど申し上げた新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を、最初は0.15兆円しかなかったんですが一気に2.4兆円にも増やしていただいた。それは、1つはそういうことを、国のほうも、なるほど、そうだなと御納得いただいて大幅に措置していただいたわけでございます。  こうした包括支援交付金を6月補正予算に本県分、期待できる額を計上させていただきましたので、これで医療機関をしっかり支援しますとともに、支援の効果を十分に見極めまして、仮にそういうことでもまだ足りないという要素がもしあれば、必要額についてはまた全国知事会とも連携して国に対して支援を働きかける、また、それなりに十分来ているということであれば、こういうことで御理解いただけるようにしたいと思います。 87 井加田委員 ありがとうございました。  包括支援交付金の中で支援の拡充を確実なものにしていただけると、このように捉えさせていただきました。また、財政への影響についてもしっかり調査をしていただくということでございますので、対応をよろしくお願いしたいと思います。  引き続いて、知事にあと2問お伺いします。  県民生活への支援という観点でございます。  今回、前例のない一斉休校とともに、先ほども午前中に話題になりましたけれども、薬局やスーパーからマスクが忽然と消えてしまいました。一時、マスクの確保が大変逼迫いたしましたけれども、今や、私もそうですけど、夏用マスクなど様々工夫を凝らしたマスクが市場に出回っております。個人の場合はそれでいいんですけども。  ちなみに、石井マスクは家庭の備蓄用にしっかり備えております。アベノマスクは、本当に忘れた頃の6月12日に我が家には届きました。本当に今さら役に立たないなという印象を持ったところであります。  しかし、個人的にはそうはいっても、医療や介護や保育などの現場において、全く個人で対応が困難なときに、最も必要な時期に、必要な人的、物的資源や保護具などの支援が十分に行き届かなかった。先ほどの医療現場がその筆頭でございますけれども、これは大変深刻なことだと思います。  感染リスクの高い現場はもとより、いわゆるエッセンシャルワーカーと言われます医療、介護、福祉施設、そしてまた物流や清掃、市役所など、社会の生活を日々支えている方々に対して、安全と健康への支援は必要だと考えます。  先ほども出ました包括支援交付金、そうした中で、今回、医療従事者と介護、障害福祉サービス従事者への慰労金の交付に大きな予算が計上されております。いわゆる個人個人の判断ではなく、必要な人への感謝と敬意を表す慰労金として、公平性を持って迅速に執行いただきたいと思っております。  一方で、先ほど言いましたエッセンシャルワーカー、保育所、放課後児童クラブ等の従事者等への給付金のさらなる検討が必要ではないかと考えております。  また、地方創生臨時交付金も活用していただいて、独り親家庭や収入が絶たれた非正規労働者や生活困窮者など、最も支援を要する方々への支援の拡充も必要ではないかと考えますが、石井知事のお考えを伺いたいと思います。 88 石井知事 初めに、まず保育所や放課後児童クラブにおきまして、新型コロナウイルス感染拡大の中でも、必要な方への保育の提供や子供の居場所の確保に御尽力いただいた保育士の皆さんをはじめ、関係の皆様に改めて心から感謝申し上げたいと思います。  新型コロナ緊急包括支援交付金では、医療従事者や介護従事者の方々への慰労金が盛り込まれましたけれども、お話しのように、保育士や放課後児童クラブ支援員などの方への慰労金というのは措置されていないわけであります。  その理由を国に伺いますと、国の考え方としては、医療や介護施設は今回の新型コロナの問題で収入が大幅に減少しているが、保育所は臨時休園した場合も運営費が通常どおり支給されていて、かつ、保育士さんのほうも一般的には通常どおりの給与が支給されている。また、児童福祉施設はクラスター発生事例が少なくて、10歳以下の方の死亡事例が全国でないといったことなどが理由だと伺っているわけであります。  また、国の6月補正予算案では、児童福祉施設等への支援を計上いたしておりまして、例えば職員の方が通常想定していないような感染症対策に係る業務を行う、そういう手当なども対象にいたしております。  また、新型コロナへの対応は、やっぱり国全体での取組でありますから、保育士の方々などを対象とする場合には、やはり国において統一的な扱いを示していただくことが望ましいと思っておりまして、これは知事会の中でも議論をしているところでございます。  なお、国の2次補正、包括支援交付金による保育所、放課後児童クラブへの支援で、事業継続が必要な児童福祉施設において、職員が感染症対策の徹底を図るために、例えば掛かり増しの経費が生ずるといったような場合は、それを対象経費に追加をして、例えば職員が通常想定していないような業務をやった場合の手当なども、こうした包括支援交付金の対象になるといったようなことが示されております。  また、マスク等の備品購入と併せて、1施設当たり50万円というのが補助上限だとされております。もう少しこの内容も詳細に確認の上で、こうしたものも活用できればしたいと思っております。  なお、県独自の取組として、生活困窮者の方など支援が必要な方への対応として、独り親家庭へのお米券の送付や、こども食堂等への支援をいたしております。  また、生活福祉資金貸付制度を拡充して、これは無利子の貸付金でありますから、緊急小口資金等の特別貸付けを実施するなど支援も充実しております。  さらに、今度の国の第2次補正予算を受けて、6月補正予算で、今申し上げた生活福祉資金の特例貸付原資の増額や、低所得の独り親世帯への臨時特別給付金、また生活困窮者向けの住居確保給付金なども計上しております。  こうした様々な制度、仕組みの周知徹底を図りまして、国や市町村と連携協力して、必要とされる方に支援ができるだけ速やかに行き届きますように精いっぱい努力してまいります。 89 井加田委員 ぜひ県民に寄り添った支援となりますように、引き続きお願い申し上げたいと思っております。  続いて、地域医療構想について、知事にもう一問お願いしたいと思います。  この間のコロナ感染症対策の問題点を徹底的に洗い出しまして課題を明確にする、そして、感染症の危機管理対策も踏まえて進めるべきと考えるものであります。国主導で一律的に一般病床削減を目的としないよう、地域の実情を踏まえた信頼のある地域医療体制確立を目指すべきと考えております。  一般病床削減を前提にした再編統合を拙速に進めないよう、改めて国に対し求めていただきたいと考えるものですが、今後の検討に向けて石井知事のお考えをお聞きいたします。 90 石井知事 地域医療構想につきましては、国が再編統合等の再検討を求める公立・公的病院を昨年9月に公表されましたけれども、それに対して、その直後から、富山県としても全国知事会等と連携しまして、国に対して地方の実態や意見等を十分踏まえた丁寧な検証と協議を行うべきだと要請しておりまして、国と地方の協議の場でも、拙速に、議論を急がせることなく、十分な期間を確保するよう、知事会としても申し入れております。  また、新型コロナウイルス感染症に関しましては、県内で最初の感染者が確認された翌日、3月31日ですね、早速、新型コロナウイルス感染症対策協議会を立ち上げまして、感染症指定医療機関を含む19の公的医療機関の協力を頂いて、一般病床をコロナ患者用に転換することにより、最大500床を確保するスキームを構築しまして感染拡大に備えたところであります。  また、クラスター発生等によって患者が短期間に急増した際も、こうした各医療機関の速やかな病床転換、あるいは宿泊療養施設を短期間で開設するといったことができまして、何とか対応することができました。  今後の地域医療構想の検討に当たりましては、今回の課題を踏まえた感染症発生時の視点も盛り込んで、各医療機関が地域で担う役割や機能について、改めて地域の実情も踏まえて、各医療圏の地域医療構想調整会議において十分議論いただいて、将来にわたって地域医療が安定的に確保されるように、県としてもしっかり取り組んでまいります。  やはり今回の新型コロナ問題で、この地域医療構想もいろんなバックグラウンド、考えている材料、事情がかなり違ってきていると思いますので、十分な議論を尽くして適正な答えになるようにしていきたいと、こういうふうに思っております。 91 井加田委員 ぜひ地域の実情を踏まえた構想に向けて、努力を引き続きお願いしたいと思っております。  では、大きな2つ目の質問は、コロナ禍における教育対策についてでございます。  午前中に平木委員の質問がございまして、教員の加配や学習指導員の追加配置についての考え方、免許保有者の確保が難しいこと等々、御答弁があったわけでありますけれども、加えて、幅広い人材確保に向けての努力は必要ではないかということを申し上げておきたいと思っております。  また、そうした観点でいえば、県内小中学校の加配教員や学習指導員の配置の現状と、今後の拡充配置へのさらなる努力というのも求められていると思っておりますけれども、教育長の御答弁をお願いいたします。 92 伍嶋教育長 県内の小中学校におけます加配教員及び学習指導員の配置状況を申し上げますと、今年度は加配教員を658名、学習指導員を31名配置しておりまして、こうした教員に加え、県単独の非常勤講師を柔軟に活用しまして、各学校では少人数授業や補充学習を実施するなど、きめ細かな対応を行っております。  また、現場の実情を踏まえまして、国の補正予算を活用して小中学校の夏休み期間における授業の実施に向けて、学習指導員と非常勤講師等の追加配置も行うことにしております。  教員の追加配置については、全国的にも教員不足の中で厳しい状況にありますけれども、まずは増加傾向にある産休、育休等の代員に欠員が生じないよう、その配置を優先させるとともに、様々な方法により幅広い人材の確保に努めております。  今後、市町村教育委員会の要望も伺いながら、国の第2次補正予算の教員加配の活用や学習指導員の追加配置も含めて、必要な人材確保に努めてまいりたいと考えております。 93 井加田委員 では、次に進めますけれども、残り時間も少なくなってまいりました。  学校再開後に、とりわけ昨年の調査で時間外が多かった中学校では、思春期の子供たちの心のケアに向き合う時間が増えてきたと、そういう声も聞いております。感染症対策ということで、消毒作業や通常時では発生しない業務も、かなり教員の負担となっている、こういったこともお聞きをしております。  5月補正予算の専決処分で、緊急スクール・サポート・スタッフが県内の小学校158校と特別支援学校の14校に配置されるということが決まっております。  中学校においても、先ほどのような状況から、授業の遅れや部活動再開への対応など、それから心のケアの負担なども配慮して、学習や生徒指導に専念できる体制を整えておく必要があるのではないかと考えます。  緊急スクール・サポート・スタッフ配置の現状と、今回、中学校が対象となっていない理由はなぜなのかについてお伺いをいたします。 94 伍嶋教育長 今回の緊急スクール・サポート・スタッフでありますけれども、特に小学校段階や特別支援学校の児童生徒は、中学校の段階の生徒と比べまして、感染症予防のための、例えば給食開始前の手洗いの徹底、あるいは休み時間、登下校時のソーシャルディスタンスの確保徹底など、きめ細かな対応が必要であると考えておりまして、その際には教員の業務負担が大きくなることから、国の補正予算を活用して、小学校及び特別支援学校に優先的に配置をすることとしたところであります。  配置状況について申し上げますと、先週末時点で、小学校88校、特別支援学校3校で、合わせて91校に配置済みとなっております。  中学校においては、教員の負担軽減を図るため、これまでも部活動指導員を昨年度の72名から91名と拡充しているほか、既に配置しております加配教員等を柔軟に活用して、少人数授業や補充学習などの対応を行っております。  さらに、夏休み期間のさらなる授業実施に向けまして、学習指導員に加えて非常勤講師等の追加配置を行うということを計画しておりまして、授業の遅れや部活動再開などに対応できる人員体制を整えてまいりたいと考えております。 95 井加田委員 先ほどちょっと中学校の長時間勤務の話を申し上げたんですけど、今はコロナ対策ということで、そういう仕事が増えているのは現実であります。こういった、長時間、困難な状態が長く続けば、若い方々が教員志望の夢を持たなくなる、そんなことも懸念されるわけでして、現場の教員の負担を軽減する、そして子供たちに寄り添う、そういった教育に専念できる体制というのは引き続いて努力いただきたいと、このように思っております。  緊急スクール・サポート・スタッフは、中学校にはもともと、本来、「緊急」のつかないスタッフは何人か配置をされていると思っていますけども、学習指導員やスクール・サポート・スタッフは、緊急時以外でも、この間、教職員の過度な負担とならないような対応ということで配置されて、拡充されてきたと認識しております。  来年度以降も、こうした配置の拡充というのは大変必要だと思っておりますけれども、現在の緊急スクール・サポート・スタッフの配置の継続も含めて、今後どのような方針で臨まれるのか、最後の質問になりますけど、お願いをいたします。 96 伍嶋教育長 これまでも、教職員の負担をできるだけ軽減して学習指導に教員が専念できるよう、委員からも御紹介のありました個別指導や担任の補助等を行う学習指導員や、あるいはプリントの印刷や教材づくりなどの補助的な業務を担うスクール・サポート・スタッフを、国の予算を活用しながらこれまでも配置をしてきております。  この結果、学習面や生徒指導面など、教員本来の業務に集中できたとの意見もありまして、大きな効果が得られているものと考えております。  学習指導員とスクール・サポート・スタッフについては、来年度以降の継続配置についても積極的に検討してまいりたいと考えております。  なお、このたびの新型コロナウイルス感染症対策による業務負担増などを踏まえまして、5月補正予算の専決処分で配置することとなりました衛生管理業務も含めて補助業務を行う緊急スクール・サポート・スタッフの継続配置については、今後の新型コロナウイルス感染症の状況や感染対策に伴う学校運営上の課題、また国の来年度予算の内容などを踏まえるとともに、まずは働き方改革に向けた取組を検討する、とやま学校多忙化解消推進委員会での議論も踏まえながら検討してまいりたいと考えております。 97 井加田委員 ありがとうございました。以上で終わります。 98 平木副委員長 井加田委員の質疑は以上で終了しました。  ここで、換気のため暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午後2時09分休憩                     午後2時20分開議        瀬川侑希委員の質疑及び答弁 99 平木副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  瀬川委員。あなたの持ち時間は60分であります。 100 瀬川委員 よろしくお願いします。  私からは、大きく3つのテーマで質問していきます。  1つ目は、この6月議会で補正予算が計上されたコロナに対する県の予算措置について、2つ目は、有識者会議の終わった高岡テクノドームの機能拡充について、そして3つ目は、7月にオープン予定の子ども・若者総合相談センターについて聞いていきます。  まずは、コロナに対する県の予算措置について4問質問します。  もともと1兆円だった国の新型コロナ臨時交付金ですが、知事も全国知事会を通してなど要望され、2兆円上積みされました。ありがとうございます。  この臨時交付金は、使い道が比較的柔軟に選択でき、私たちの自治体は医療提供体制に充てたい、いや、私たちの自治体は臨時休校に伴う子育て環境の整備に充てたいというように、自治体がここに重点的に充てたいという部分に充てられる、裁量が自治体に委ねられている性格のものだと認識しています。だからこそ、各都道府県、市町村でいろいろなコロナ対策が出たわけですが、逆に言うと、この使い道にその自治体が力を入れた分野が現れてくると思っています。  最初の臨時交付金1兆円のときは、富山県への配分は48億円程度だと見込み、4月臨時議会で鹿熊議員の質問に答える形で、医療機関への支援や感染拡大防止、休業要請、雇用の維持と事業の継続、観光地の魅力ブラッシュアップなどを柱に予算化したと説明されました。  余談ですが、私はこのとき知事が、「事業効果が一日も早く」と言ったのが非常に頭に残っています。予算の執行というと、この日までにとなりがちですが、「一日も早く」という意識でいることを頼もしく思いました。  さて、話を戻しまして、国の2次補正で増額された新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金2兆円のうち、富山県への配分は幾ら程度だと見込み、使い道を選択するに当たっては、どのような考えで予算を編成したのか、滝経営管理部長にお聞きします。 101 滝経営管理部長 地方創生臨時交付金でございますが、今ほど委員から御指摘ありましたとおり、国の1次補正で総額1兆円が計上され、そのうち48億6,000万円余りが本県に配分をされております。  2次補正分2兆円がさらに増額をされたわけですが、その配分額や配分の基準、これは県と市町村に配分されることになりますけれども、そうした配分額や配分の基準については、現時点では示されておりませんけれども、1次補正を一定程度超える配分があるものと見込んでおります。  今回、国が地方創生臨時交付金を2兆円大幅に増額した趣旨といたしましては、地域の実情に応じたアフターコロナ対策はもとより、第2波、第3波への備えなど、今年度末までの状況の変化への対応も考慮したという説明でございます。  したがいまして、今回の6月補正予算案におきましては、感染防止対策や新しい生活様式への対応、事業の継続と雇用の維持など、当面の喫緊の課題への対応として約44億円を活用することとしております。  なお、9月補正予算案以降におきましても、この臨時交付金を活用しながら各般の対策に迅速かつ的確に対応してまいりたいと考えております。 102 瀬川委員 今、臨時交付金の使い道について答えてもらいました。見込み金額はまだ詳細が分からないとのことですが、単純に計算すると、約100億円程度、富山県に配分されて、6月補正予算で約44億円ということなので、残り56億円程度は第2波以降のため残してあるということかと思います。
     さて、6月議会には、これ以外の補正予算も計上されております。  次の質問に移りますが、6月補正358億円のうち、県の財政負担である地方債、一般財源はそれぞれ幾らなのか、同じく滝経営管理部長にお聞きします。 103 滝経営管理部長 6月補正予算案の財源でございますが、今回は公共事業等の地方債が充当できます、いわゆるハード事業が含まれておりませんので、地方債は財源として計上しておりません。  また、一般財源につきましては、法令等で国の補助負担割合が定められている国庫補助事業には、同じく国庫補助金として財政上整理されます地方創生臨時交付金が充当できないという制約がございます。  したがいまして、こういった経費が約2億5,000万円ございますけれども、こういった経費については一般財源を財源として計上しております。  なお、この一般財源につきましては、県が今年度主催をいたしますイベント等のうち、既に中止を決定している事業予算を減額補正して捻出をしております。 104 瀬川委員 ありがとうございます。  一般財源が2.5億円ということで、そうなんです。358億円と大きく県も発表して大きく報道もされますが、ほとんどが国のお金ということなんですね。しかし、それが悪いと言っているわけではありません。国と違って、自治体は簡単に借金できない仕組みになっていますし、今年度は県税も確実に減るという影響もあります。  だからこそ、そんな状況があっても、5月に専決処分した富山県事業持続化・地域再生支援金──国の持続化給付金に県として上乗せするものですが、これは財政調整基金を12億円取り崩して予算編成しました。15年ぶりに基金を取り崩すという思い切った決断に、私は非常に頼もしさを感じました。力強さ、覚悟も感じました。  知事は会見で、コロナは未曽有の災害、基金はこういうときのために積み立ててきたと言いましたが、どのような思いで基金を取り崩してまでこの事業の実施を決断したのか、石井知事にお聞きします。 105 石井知事 県の事業持続化・地域再生支援金につきましては、感染症収束後において求められる新しい生活様式等に対応しながら、これまでの事業の在り方を見直して、経営を持続可能なものとして新たな発展につなげようとする、意欲のある事業者を支えることによりまして、本県全体の地域再生に資するために創設したものでございます。  この支援金は、県議会の御理解も頂いて、5月15日に専決処分して28日から受付を開始しております。支援金の交付に当たりましては、迅速な対応に努めておりまして、受付開始からこれまで申請のありました6,314者のうち、3,098者に4億6,300万円余りを、6月19日現在ですけれども、既に交付しております。  この事業については、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた県内企業の本当に大変な状況を目の当たりにしまして、コロナ収束後において求められる新しい生活様式や、県民や国民の皆さんの行動変容に対応しながら、これまでの事業の在り方について見直しを進めて、先ほど申し上げたように、経営を何とか持続可能なものとするとともに新たな発展につなげようという、そういう意欲ある事業者を支えたい、そして地域再生につなげたい、こういう思いで実施したものであります。  富山県経済の維持発展のため、その大きな比重を占めています中小企業や小規模事業者の皆さんを何とか守り抜いて、持続可能にして、かつ新たな発展につなげてもらいたいと。そういう意味では覚悟を決めて、この支援金の実施を決断させていただきました。  財源については、本当は国の地方創生臨時交付金の増額を待って実施するという考えもありましたけれども、県内企業の状況を拝見しますと、とても6月補正で間に合わない、もう店じまいをせざるを得ないというような、悲鳴のような、そういう声もよく聞きましたので、少しでも早くお届けする、また、厳しい状況にある事業者の皆さんを全力で支えるという県の考え方をしっかりお示ししたいという思いで、国の2次補正予算の編成に先んじて、やむを得ず財政調整基金12億円を取り崩して総額30億円の予算を確保させていただきました。  しかし、国からしっかり交付金をもらうことも大事なことですから、今努力をしている、そういう最終段階にございます。 106 瀬川委員 今の御説明だと、もともと12億円の財政調整基金は取り崩したが、国の臨時交付金を後ほど充てる予定だったという趣旨で、ちょっとかみ合わないかもしれませんが、15年ぶりに12億円の財政調整基金を取り崩して、それでもやるんだという力強さを私は感じたわけなんですが、国の追加になった2兆円の臨時交付金でこの12億円をカバーできるため、12億円を基金に戻すことを検討していると聞きました。もしそうだったとしたら、結局富山県のコロナ対策のお金としては、ほとんど国のお金しか使っていないようにも見えます。取り崩したときに財政調整基金を使ってでもやるんだという、私が勝手に感じただけかもしれませんが、覚悟を感じた私はちょっと戸惑ってしまいます。  確かに、様々な施策をやっているのは理解しているんですけれども、まだまだ困っているところがたくさんあります。この議会でも多くの方が指摘してきました。追加の臨時交付金でカバーできるから基金に12億円戻そうではなくて、覚悟を持って取り崩した12億円は、あくまでもほかの対策の財源として活用すべきだと考えますが、所見を石井知事にお聞きします。 107 石井知事 今ほども申し上げましたように、事業持続化・地域再生支援金は、15年ぶりに財政調整基金を12億円取り崩したということでございます。  ただ、そこは委員にも御理解いただきたいと思うんですが、私は新型コロナウイルス感染症対策というのは、まさに100年に一度、200年に一度の大変な大災害というか、言わば国難ですから、これは基本的に、その対策に要するお金は、国が自分の責任で用意すべきだと思っているんです。ただ、その対策はなるべく地方の実情に応じて、自治体がしっかりそれなりの裁量を持ってやれるようにする。しかし、それに要するお金というのは、まさにこれは国難ですから、国がやっぱり用意しなきゃいけない、そういう考え方でおりまして、したがって、しかし国の予算措置が間に合わないわけですから、やむを得ず県の財政調整基金、行政改革を真面目にやってようやくたまったものを今回12億円使わせてもらいました。  補正後の基金残高は、県債管理基金と合わせて約149億円となって、大規模災害やリーマンショックのような経済不況の不測の事態にも対応できるように、何とか標準財政規模の5%の水準を維持しておりますけれども、全国平均が8%程度ですから、本県の積立額は、そういう目で見るとやや低い水準にあると思います。新型コロナによる県内経済の大変厳しい影響によって、今後リーマンショック時と同様に、大幅に県税収入が減少する可能性もありますなど、県の財政状況は楽観を許さない状況にございます。  そこで、増額された2兆円の地方創生臨時交付金の本県への配分額が確定した段階で、ここがポイントなんですよ、ここを今せめぎ合っているわけです。率直に言って、東京都さんのようなところは感染者数も多いし、もっと東京に配分してくれと、こうおっしゃっているし、ああいうところにどんとやったら、ほかのところに、せっかく2兆円増やしても残ってこない。そこで今せめぎ合っているわけで、率直に言って、あまりにも本県の配分が期待どおりでなければ、12億円を戻すのは諦めて、とにかく必要なコロナ対策をしっかりやるというところと、事業の持続や発展のために使うということも考えられますが、何とか期待どおり、期待以上に配分が受けられれば、財政の健全化のためにも、この部分は、今度の6月補正予算で、この交付金を財源として予定した44億円と、それから既に今お話に出た12億円の財政調整基金の取崩し額を前の状態に戻して、そして今後の第2波、第3波に備える、これがやっぱり財政の王道だと思います。  ただ、それを実現するために、今必死になって、国などいろんな方面と交渉している、そこをぜひ理解していただきたいと、こういうふうに思っております。 108 瀬川委員 知事の思いを十分理解したというふうに受け止めさせていただきました。  国難だから国が責任を持ってまず第一義的にやるべきだ、これは十分分かります。ただし、県内の民間企業は、もうどうにもならなくて、借金をして今のこの状況を何とか乗り切ろうとしているのですから、県だけが財政負担がないというのは、ちょっと一緒に乗り越えようという気持ちが共有できないんじゃないかと私は感じてしまいます。  私の友人も派遣切りに遭って職を失いました。生活に不安を感じて子供の習い事をやめさせる御家庭もあります。いろいろなところで今でも暮らしに影響が出ていますし、生きづらさを感じています。県立高校普通科へのタブレット配布など、まだまだやれていないことがいっぱいあると思いますので、未曽有の国難ですから、ぜひ県も使うときには使ってほしいと思います。  続いて、2つ目のテーマの高岡テクノドームの機能拡充について9問質問します。  テクノドームの機能拡充については、新高岡駅やイオンに近い、好立地で多様なニーズに対応し、親しまれ、県西部の活性化につながるような拠点施設にしたいという背景、1,000席や1,200席、どんな中身が入るという機能が前に出て議論されています。しかし、造ることでどう人の流れが変わって、年間でどんな人がどのくらい来るのかのような期待する効果がまだ分かりません。  ですが、期待する効果は、整備が決定してから後づけで決めることではなくて、先に期待する効果を見込んでから初めて整備を決定できることだと思うわけです。  そこで、1つ目の質問ですが、高岡テクノドームの機能拡充をすることで、どのような数値目標を達成しようとしているのか、布野商工労働部長にお聞きします。 109 布野商工労働部長 高岡テクノドームにつきましては、これまで3回にわたり開催されました機能の拡充等に関する検討会での御意見、これを踏まえまして、展示に係る施設・機能の充実として、新たに別館の展示場を設け、可動式客席や移動式間仕切りを導入し、展示のほか全国的なコンベンションなど、各種イベントも開催可能な多機能型展示場を整備すること、集客・交流に係る施設・機能の充実として、ものづくり産業の発信・体験施設を併設することを柱とします基本計画の案を取りまとめ、現在パブリックコメントを行っております。  数値目標につきましては、現状、特段の定めは設定されておりませんけれども、高岡テクノドームのホームページでは、展示場の利用件数、利用日数、利用率などが掲載されております。機能拡充の整備後には、こうした施設自体の稼働率に加えまして、新たに誘致を目指す全国的なコンベンションの件数や、大人、子供別の利用者数などを数値目標とすることも考えられます。他県の例では、利用者アンケートによる満足度という目標もありますけれども、今後、全国の類似施設の状況も参考にしながら数値目標の設定の在り方について検討してまいります。 110 瀬川委員 特段の数値目標が今のところないということですが、数値目標があって、そのためにはどういう施設にしなければいけないだとしっくりくるんですけれども、どのくらい来るか分からないけど造るだと、昭和の時代の造り方で、賢く縮小していく令和の時代には合わないように私は思います。  次の質問に移ります。ここから7問は、ものづくり体験施設について聞きます。  先日、第3回のテクノドーム検討委員会が開かれ、場所、広さ、備える機能の具体的な方向性が示されました。基本的に全体に賛成はしていますし、地元の要望も骨を折って反映してくださったとも感じています。ありがとうございます。  しかし、1点だけ理解できない部分があります。それは、ものづくり体験ができるワークスペースです。  というのも、例えば私の住む高岡市では、百貨店大和が撤退した御旅屋セリオに、行政の高岡市が今年度ものづくり体験施設を整備します。当然、県もこの動きを知っていたと思います。また、市内各地にたくさんのものづくり体験施設が既にあるんですね。例えば能作さんにもある、金屋町にもある、山町筋にもある。高岡以外だと、井波にもある、城端にもある。あえて県が整備する意味が私には分からないのですが、別館にものづくり体験ができるワークスペースを整備する理由について、布野商工労働部長にお聞きします。 111 布野商工労働部長 検討会では、県民に親しまれ、経済界のニーズに対応可能な魅力ある拠点施設となるよう、展示、集客、交流機能の充実について検討されております。  このうち、集客・交流に係る施設・機能の充実につきましては、1回目の検討会におきまして、若者や親子連れが集い、交流できる機能、北陸新幹線の延伸等による交流人口の増加を見据え、県西部地域の活性化に資する拠点としての機能などの検討の視点から、前から高岡、県西部の地域から、伝統工芸、最先端のものづくり産業の技術などの体験という声もありましたので、議論、検討のたたき台として、産業や技術を学べる場、ものづくりギャラリーや体験が可能な場についてお示ししました。  委員からは、子供たちが産業や技術を学び体験できる場は賛成、体験型は重要なポイントであり、地域の誇りになるようなことを教える場になればよいのではないかなど、肯定的な意見が数多く出されました。  こうしたことから、2回目の検討会におきまして、伝統工芸から最新技術による製造品まで、県西部の産業技術を発信するものづくりギャラリーの設置や、親子などが気軽にものづくり体験等ができるワークスペースや若者が集うコミュニケーションスペースの設置を方向性の案としてお示ししましたところ、委員の皆様から賛同が得られ、その後も議論を重ね、先日の報告書の取りまとめに至ったところであります。 112 瀬川委員 賛成意見があったのは私も理解しているんですけれども、一方で、既にあるという懸念もあったはずですが、そこも含めて御説明いただきたかったと思います。  検討会で知事から、ものづくり体験については、御旅屋セリオと役割分担し、相乗効果が出るように工夫するとの発言がありました。役割分担、相乗効果と言われると、響きがよくて納得しがちになりますが、私は申し訳ないんですけど、何回聞いてもまだ具体的なイメージができません。どのような役割分担、相乗効果を考えているのか、石井知事にお聞きします。 113 石井知事 委員はよく御承知の上でおっしゃっているわけですが、高岡テクノドームは新高岡駅に近接しまして、高岡はもちろんですけれども、県西部地域をはじめ県全体の活性化に資する拠点として、新幹線の新高岡駅からも歩いてすぐですし、大きな可能性があります。そこで、今ほど部長からも御説明しましたように、検討会で3回にわたって、その機能拡充の方向性について議論したわけでございます。  お話しのように、別館の集客・交流施設については、客席数は1,000席、できれば1,200席にならないのかという議論もありましたが、そういったものと併せて、集客・交流の新たな施設として、ものづくり体験施設というものを整備するということになっております。  一方で、お話しのように、今年の10月頃、御旅屋セリオに移転する高岡地域地場産業センターのものづくり体験施設というのは、山町や金屋町、古城公園、高岡大仏等とともに、高岡市中心部に新たに加わる観光交流拠点の一つとして、中心市街地の活性化に資するものと期待されております。  正直、御旅屋セリオ内のものづくり体験施設の中身をもう少し具体的に教えてほしいなと、昨年の暮れ、また1月以降もいろいろお伺いしたんですけれども、まだまだ具体的な内容、その詳細が定まっていないということですので、その内容や運営方針を踏まえながら、一方で、私どもが今度高岡市と一緒にやりますテクノドーム別館については、いろいろ議論も進んできていますから、できるだけすり合わせもしながら、なるべくなら役割を少し分担して、相乗効果が出るようにしていったらいいんじゃないかなと思っております。  もう一つは、テクノドーム別館と、それから御旅屋セリオ、それぞれ離れたところにある点として捉えるんじゃなくて、この間に高岡の市道もあるわけですから、沿道を全国で見られるように、いろんなキャラクターを使ったりとか、いろんなことをやってうまくつなげていけば、文字どおり相乗効果が出る可能性が十分あると思っていまして、委員は本当にまちづくりに並々ならぬ情熱のある方ですから、むしろそういう角度も含めて、また今後いろんな御助言、まちづくりの主体はやっぱり高岡市ですから、高岡市にもいい助言をしていただき、また我々にもいろんな御提言を頂いて、一緒に手をつないで頑張っていければなと思っております。 114 瀬川委員 大変恐縮なんですけれども、再質問させてください。  相乗効果に関しては、1本の道の点と点を結びつけるということで、苦しいと感じたんですが、言及はしていただいたと思いますが、私はどのような役割分担を考えているのかと質問したのですが、具体的に高岡市がまだ固めていないから、具体的に出てきたら考える、だから今は役割分担と言われても、答えることはできないということでよろしいでしょうか。 115 石井知事 正直、検討会でもいろんな御意見を頂きましたし、私自身としても、いろんなイメージは持っております。  例えば、さっき県内にも民間のものづくり拠点もたくさんあるじゃないかというお話がありましたが、そのものづくり拠点を運営されている方も委員の中に入っておられましたが、そういった方も含めて、今度のものづくり体験施設についてはすごく賛成していらっしゃるんですよ。別に自分のところと競合するからけしからんとか、そういう発想じゃなくて。  固有名詞を出してもあれですが、私は、高岡銅器や漆器というような、ああいう分野だけ取っても、この数年、例えばアメリカとかミラノ、ロシア、それからパリ、北京、いろんなところへ県内の伝統工芸の作家さんと一緒に行きました。そういう若い皆さんに、何とか、国内だけじゃなくて国際的な場で、自分の技術、あるいは情熱、夢というものをアピールする機会をぜひ差し上げたい。  固有名詞を挙げてもなんですけど、いい話ですから言えば、例えば島谷さんは、パリとか北京、ロシア、こういうところで彼が実際に実演をして、技術を皆さんの前で披露すると、例えばパリみたいに目がすごく肥えたところであっても、実際にたくさんのそういうことに関心がある女性や男性が集まって、彼の説明に引かれて、ぐっと、本当に熱意あふれる雰囲気になるんです。  だから、例えばテクノドームの別館にものづくり体験という形で、誰に入っていただくか、あるいはグループになるのか、特定の方になるのか分かりませんが、ある方が例えばある週を担当、あるいは、ある年はある方がやったとして、セリオのほうでは別の方がやるとか。私は、高岡なり県西部のものづくり技術というのは、日本だけじゃなくて、結構外国の人にもアピールできるものだと、誇りにしていいと思っているんです、私自身が。  だから、ものづくり体験といっても、例えばセリオの中でやるのと、テクノドームの別館で同じ人が同じことをやったら、おっしゃるようにそれはなかなか難しいと思うんだけど、例えば能作さんなら能作さんのすばらしさがある、シマタニ昇龍工房さんにはシマタニ昇龍工房さんのすばらしさがある、それからOriiさんにはOriiさんの魅力がある。そういうものをうまく、それぞれの個性とかスキルを生かしていろいろ役割分担すれば、そこである人の実演を見てすごく感動して、高岡銅器というのは奥行きが深いなと、漆器というのはすごいなとか、井波の木彫いいなと。でも、こういう分野だったら御旅屋セリオにいつ行けばこういう体験ができるよといったことを案内して、今の時代ですからいろんな伝達の仕方がありますので。  私は、委員はいろんな熱意で大変よく勉強もされるし、すばらしいと思うんですが、この分野については少し想像力を広げてもらえば、決してそんなダブってどうしようもないということではなくて十分成り立つと、こういうふうに思っておりますので、ぜひそうなるように、またお力添えを頂ければと思います。 116 瀬川委員 知事のおっしゃることは理解しました。熱意も伝わりましたが、それをやる施設を御旅屋セリオに造るんだから、あえて県が造る必要ないんじゃないかという趣旨なんですが、ちょっと後半でまさにその質問を聞きますので、1回横道にそれます。  県で、ここまでものづくり体験施設を整備しようとするのは、県西部で、現在どのくらいのものづくり体験施設があるか、県自体が把握していらっしゃらないからじゃないかと思ってしまうんですけれども、現在どのぐらいのものづくり体験施設があると把握しているのか、布野商工労働部長にお聞きします。 117 布野商工労働部長 お尋ねのものづくり拠点について、ものづくりが体験できる施設と捉えさせていただきますと、県の公式観光サイト、とやま観光ナビや、県の商工会議所連合会が発行されております富山産業観光図鑑に掲載されている施設、これを見ますと、県西部では23の施設となっております。  主な内訳といたしましては、そば打ち、あるいは煎餅作りなどの食に関する施設が6か所、鋳物製造の体験施設が5か所、螺鈿(漆器加飾)の体験施設が3か所、そして和紙の手すき体験施設が2か所、木彫刻等の体験施設が2か所などとなっております。 118 瀬川委員 その町、その町に入っていけば、それだけじゃないということがきっと分かってもらえると思いますが、それでも数多く把握されていらっしゃるのに、県がものづくり体験施設を新たに整備したら、すみ分けや機能分担、役割分担をするとおっしゃっていますが、どうしても重なる部分が出てくると思いますし、観光で初めて富山県を訪れる方には、それは一緒に見えてしまうんじゃないかと懸念しています。  そうすると、市や民間のものづくり体験施設、今現在頑張っていらっしゃる方たちとお客様を奪い合うことにならないかと思うのですが、布野商工労働部長にお聞きします。 119 布野商工労働部長 先ほど知事からも答弁ございましたこのエリアは、県の西部地域をはじめ、県全体の活性化に資する拠点として大きな可能性があり、これを最大限に生かすために、高岡テクノドームの機能の拡充を図るということでございます。  機能の拡充を機に、伝統工芸から最新技術による製造品まで、県西部の産業技術を発信しますものづくりギャラリーなどの設置を検討しておりまして、この機能を生かして、先ほど申し上げました、高岡市や南砺市など、県西部に点在いたします23のものづくり体験施設にも関心を持つきっかけにしていただいて、それぞれの施設にいざなう、あるいは回遊に結びつけるなど、お客様を奪い合うのではなくて、各施設を点としてではなくて線で結ぶということによって、先ほど知事からもお話ございました、お互いの相乗効果、そういったものが発揮できるのではないかと、むしろそのようにしていきたいと思っております。 120 瀬川委員 部長はそうおっしゃいますが、現に民間でものづくり体験施設が増えて、閉めざるを得なかった事業所もあります。県も参入すると余計拍車がかかってしまうので、わざわざ競合するようなものは造らずに、むしろ県のものづくりを発信したいのだったら、現在取り組んでいる市や民間のものづくり体験施設をサポートするという考えはなかったのでしょうか。  自分たちでゼロから整備するんじゃなくて、既存のものを応援するというやり方もあったように思いますが、布野商工労働部長に所見をお聞きします。 121 布野商工労働部長 今ほど申し上げました県西部地域のものづくり体験施設、これは企業や個人によって運営されているものが13か所、そして財団法人あるいは第三セクターによって運営されているものが8か所などとなっております。  今ほど申し上げましたとおり、こうした施設とはお互いがウィン・ウィンの関係にできるのではないかと考えておりまして、今後それぞれの運営主体である企業や個人、財団法人などと相談して、適切な連携、そしてサポートにつながりますように、運営の在り方について検討してまいりたいと考えております。 122 瀬川委員 ここまで、しつこく、市や民間と重なるから整備すべきじゃないと5問聞いてきましたが、あまりにしつこいので、視点を変えて、観光の観点から2問お聞きします。  新高岡駅すぐそばのテクノドームにものづくり拠点を整備すれば、確かに観光客には便利かもしれません。高岡銅器・漆器、菅笠、井波彫刻、蒔絵、和紙などの体験が新幹線を降りてすぐの場所でできるようになります。  でも、私たちが見せたい富山県って、そういう富山県でしょうか。新幹線を降りて、体験をして、食事をして、また新幹線で別の場所に行く。そうではなくて、高岡だったら金屋町を歩いて体験する、能作の工場見学をした後に体験する、井波の町を歩いて、町からトントントントンと、あちこちから木彫りの音が聞こえてくる環境で体験するから価値があるのではないでしょうか。  体験を便利な場所に集めるのではなくて、その町、その町を訪れてもらって、食事もして宿泊もして、その町全体を感じてもらうのが、富山県が目指すべき体験や観光ではないでしょうか。  以前、知事も井波で木彫り体験をしたと聞きました。体験じゃなくて視察だけだったかもしれませんが、視察をした知事ならきっと分かってもらえると思いますので、井波で体験するからこそ価値があると考えますが、知事に所見をお伺いします。 123 石井知事 今委員お話しの木彫体験につきましては、2年前の10月に県政ふれあいトークの一環で井波地域を訪問した際に、「木彫・漆 トモル工房」を視察させていただいて、当時の井波彫刻協同組合青年部の田中部長さんから説明を頂きました。次の日程もありましたので、木彫刻体験とまではいきませんでしたけれども、そこに観光客の方が少し滞在していらっしゃるみたいで、その体験工房で、田中さんの指導を受けながら実際に彫刻をなさっている、その様子は身近で親しく拝見いたしました。  地域に根づいた歴史や文化や風情などを現地に出向いて、その現地の雰囲気を肌で感じた上で、例えば職員の方や指導者の方のお話を伺いながら実際に体験するということは、すばらしいことだと思います。そういう意味で、委員お話しの現地で体験するからこそ価値があるという考えは、そういう面も確かにあるなと思います。  一方で、現地以外においてものづくり体験をした場合であっても、実際に材料を手に取り、作ってみることによって、材料の質感や道具の手触り、それから制作中の音や匂いなど、五感を使った体験ができて、ものづくりについての関心を高めるきっかけとして十分に効果がある。その上で、現地に行って、例えば井波で体験してみたいと思っていただくと、また思っただけじゃなくて実際に出かけるということになれば、まさに相乗効果があったということになると思います。  あえて付け加えますと、あれはもう六、七年ほど前になりますかね。私のほうからお呼びかけをして、高岡銅器や漆器、それから井波の木彫や城端のいろんな作家や職人の方もお誘いしてニューヨークに行ったことがあるんですね。ニューヨークのコレクターというのは、非常に見る目があって結構厳しいんです。厳しいんだけれども、その制作プロセスなどを丹念に説明して、納得するとすごく高い評価をしてくれる。そういうことから、どなたとは言いませんが、その方はそんなに苦労して作ったのだから値段が安過ぎると。非常にいい企画なんだけど1つ欠点がある。この売値は、ニューヨークでは少なくとも2倍か3倍にしなさい、そうしないと売れないよと言った上でちゃんと買ってくれて、かつ、気に入ったからぜひ一度富山に来たいと。それで実際に高岡に来てくれたんです。  そういう例もありますから、委員がどこかで体験するなら本物の体験が一番いいというのは、それはそうだろうと思うんですけれども、そこにアクセスするのに、まずはそういうところの入り口としてそういうものに触れてみる、それから実際それを担っている人の話を聞いてみる。そういうことが結構大事なので、新高岡駅のこれからを考えると、敦賀まで新幹線が行く、さらに大阪まで行くとなると、新高岡駅を通過駅にしないで、これまで以上に乗り降りする人をもっと増やすにはどうするかというときに、今度の高岡テクノドームの別館をいかに魅力的にするかというのは、私はすごく大事なことだと思っているんです。そうすると、やっぱり地域、高岡なり県西部で一番誇りにできること、国際的に見てもこれはいいなと思ってもらえるものは何かということを考えたときに、例えば伝統工芸的なものや一部先端的なものもあっていいと思うんですが、そういうもののものづくりを体験する、これはなかなかほかの国内で、あちこちでできることじゃありません。こういうことをぜひひとつアピールの材料にしてほしい。そのときに、御旅屋セリオでも、お話のような構想があるようですから、なるべく向こうとはできるだけすり合わせをして、うまく点と点がつながるようにしていく、こういうことではないかと思っております。 124 瀬川委員 否定するわけじゃないんですけれども、それぞれの地域で既に頑張っていらっしゃる方が市や民間にもいらっしゃいます。  想像力をちょっと豊かにと言われたので、精いっぱい想像して話しますと、富山県はそれぞれの地域に魅力があると思っています。その魅力がそれぞれ輝くからこそ、その集合体が富山県になるんだと自分は思っていますし、地方創生ってそういうことだと思いますので、先ほども答えてもらったのかもしれませんが、もう一回聞きますけど、滞在型観光も一方で伸ばしていかないといけないと思うんです。  滞在型観光を促す観点からも、ものづくり体験施設は、もう既にやっている、あるいは地域でやっているところに譲って、県で整備すべきではないと思いますが、石井知事にお聞きします。 125 石井知事 瀬川委員さんの御熱意や問題意識、非常によく理解できるんですけれども、1つちょっと誤解されているかなと思うのは、要するに市や民間がやっていることとダブるようなことはなるべく避けろとおっしゃいますけど、今度の高岡テクノドームというのは、もともと約30年前に県と高岡市及び経済界が一緒に始めた事業なんです。費用負担も2対1になっていまして。  今回も、ちょっと高岡市が財政難だから、なるべくキャッシュが要らないようにしてあげたいと思うので、いろいろ配慮しながら、県がやや前へ出た格好になっていますけれども、本質は共同事業なので、だからこそ、この検討会には高岡市長もメンバー、高岡商工会議所会頭もメンバー、高岡の有力な人がみんな入っているんです。皆さんが議論して、高岡のいろんな魅力があるけど、あるいは県西部にいろんな魅力があるけど、その中の一つ、キラーコンテンツはやっぱりものづくり体験、そういうものだということで、もうほとんどの方が、ほとんどというか全員と言っていいほど、大賛成なんです。  ただ、この話を実際議論したのは去年の11月からかもしれませんが、遡ればいろんな前史があるわけで、昨年の8月に御旅屋セリオのあの問題が起きてから、何となく少しまた違う話が出てきたなとは思っていますけれども、本筋はそういうことなんですね。  これから、高岡なり県西部、富山県が何をもって世界と戦うのか。いろんなお客さん、国内はもちろん海外からの、今はコロナ問題があるけれども、その中で何をもって、これはほかにめったにないものだとアピールできるか。やっぱり私はこのものづくり体験というのが1つあると思う。だから、これはぜひ、私は誰よりも瀬川委員さんに理解してほしいんですよ。しかも、これは県の単独事業じゃなくて、まさに高岡と、あるいは経済界と一緒にやっている事業ですから、ぜひ御理解を頂きたいと思います。 126 瀬川委員 高橋市長は優しいので、知事にそこまで言わないのかもしれませんが、高岡市は御旅屋セリオを立て直そうと、ものづくりでまちづくりしようと必死にやっていますので、高岡市の取組とバッティングするこの施設だけは、ぜひ再検討をお願いしたいと思います。  この項目の最後に、これはものづくりだけに限定するわけではありませんが、広い意味で聞きます。  藤井大輔議員も今議会で、堂故茂参議院議員の、市町村がフォワードで、県はそこにパスを送るミッドフィルダーという考えを紹介していましたが、私もまさしくそのとおりだと思います。  どこも同じ風景の市町村ではなく、県内15市町村がそれぞれの特色を出して輝く、その集合体が富山県。それには、県は市町村の取組をサポートすることはあっても、市町村と類似の取組を進めて市町村のまちづくりを邪魔することはあってはならないと考えますが、石井知事に所見を伺います。 127 石井知事 もともとそうですけれども、特に20年前に地方分権一括法というものが成立しました。やっぱり市町村と県は対等・協力の関係で、また合併が進んで市町村の行財政能力が高まったことがありますから、住民に身近な基礎的なものは、なるべく市町村が中心になってやっていただく、県は広域的な施策を担う役割分担が必要だと思っております。  一方で、経済がグローバル化する、少子高齢化、人口減少が進む、産業構造や社会環境が大きく変わってくる。さっきもデジタルトランスフォーメーションの話もありました。そして、社会保障関係費もどんどん増えてきて、県、市町村ともに厳しい財政事情が続くということを考えますと、お互いの役割、基礎的自治体、広域的自治体という役割分担をしっかりしながら、しかし、できるだけ連携協力して、いろんなことを戦略的に、また総合的に進めていくということが必要だと思います。  これまでも、例えば市町村のまちづくりを支援するということで、少子化対策、産業振興、観光、防災、いろんなところで市町村と連携協力して支援もしてきました。高岡でも、例えば伏木の気象資料館もそうですし、山町筋、金屋町など、市町村、あるいはその地域の自治会など、いろんな方が熱心にやっているのを県もしっかりサポートするということで今までもやってきたのは御存じかと思います。  今度の高岡テクノドームの別館の事業、あるいは本館も一定程度直したいと思いますけれども、これはもともと県と高岡市が一緒にやってきた、そういう事業なので、ですから今度も、どうも何かそこをちょっと誤解されているかなと思うんだけど、まさに高岡の希望も聞いてやっているんです。だから、皆さん結構賛成していらっしゃるし、さっき市長さんはなかなか優しい人だという話もありましたが、立派な市長さんですので今度のものづくり体験施設ももちろん賛成していらっしゃるし、じゃ、地場産センターと競合しないかというと、そうならないようにしたいねというようなことを多分おっしゃっていると思います。  ですから、そういった地元のいろんな思いというものをしっかり受け止めて、もちろん県はあくまで広域自治体ですから、基礎的自治体である市町村をできるだけサポートする。サッカーで言うとミッドフィルダーの役をする、それは、私は基本的には賛成です。  ただ、行政にはいろんな分野がありますから、これはあんまり時間がかかっていると困るからもう仕方ない、このケースは自らシュートするかということもたまにあると思いますけど、今後とも、お話のような役割をしっかり果たしていきたいと、こういうふうに思っております。 128 瀬川委員 しつこく聞かせていただいたんですけれども、それだけ気にしているということなので、御容赦、御理解いただければと思いますし、本日、石井知事の考えも聞けて個人的にはよかったと思っております。ただ、反対ではありますけどね、体験施設については反対ではあります。  続いて、3つ目のテーマの子ども・若者総合相談センターについて3問お聞きします。  7月にオープン予定の富山県子ども・若者総合相談センターというものがあります。ひきこもり、ニート、不登校など、子供、若者が抱える悩みが複雑化、深刻化していることから、ワンストップで子供、若者に関する相談に応じるために設置するのだと思いますが、まず設置の狙いについて、石黒厚生部長にお聞きします。 129 石黒厚生部長 県におきましては、今、委員からもお話しのありましたとおり、ひきこもり、ニート、不登校など、幅広い分野にまたがる子供、若者の問題への相談に対し、一次的な受皿となって相談のたらい回しを防ぐとともに、適切な支援機関につなぐ拠点としての役割を果たすため、今年度新たに子ども・若者総合相談センターを設置することとしたところであります。
     このセンターでは、電話やメールによる相談への対応のほか、他機関へつないだ案件についての状況把握やフォローアップ、関係機関によるケース会議、県内支援機関に関する情報収集等を行うこととしており、センターと富山県子ども・若者支援地域協議会をはじめとする関係機関との連携による適切な対応が可能になると考えております。  また、センターの運営につきましては、民間団体に委託することによりまして、一次的な相談のみならず、法人が持ちますひきこもりや不登校などに関する知見を生かした、きめ細かい対応をしていただけるものと期待しているところでございます。  県といたしましては、子ども・若者総合相談センターが各支援機関と緊密に連携協力することなどにより、悩みを持つ子供、若者やその御家族からの相談に適切に対応できるよう取り組んでまいります。 130 瀬川委員 私も議員活動をしている中で、一体どこに相談したらいいのか分からないという声をよく聞きます。ただでさえ悩んでいるのに、必要以上に相談機関を探して疲れ果ててしまうということもあるそうです。だから、このセンターの設置は、子供、若者や保護者の気持ちに寄り添った、すばらしい施策であると大変期待をしております。  一方で、懸念もあります。例えば、最新の数字ですが、平成30年度の県内2つの児童相談所への相談件数は3,770件、県総合教育センター内の教育相談、24時間いじめ相談、24時間子供SOSダイヤルへの相談件数は5,148件と、大変多い状況があります。  そこで、子供、若者に関する県への相談件数は、今のも含めて年間何件で、そのうち何件の相談が同センターへ移ると想定しているのか、石黒厚生部長にお聞きします。 131 石黒厚生部長 子供、若者やその御家族に対する支援は、幅広い分野にまたがっておりまして、それぞれの事案に応じた窓口で相談支援を行っているところでございます。  県への相談件数につきましては、それぞれの機関によって公表の年度や集計方法が異なるものですから、全てを集計することは難しいんですけれども、主な分野で申し上げます。  例えば、ひきこもり地域支援センターにおけるひきこもりに関する相談は、令和元年度で1,265件、富山地域若者サポートステーションにおけるニートなど若者の就労に関する相談は、令和元年度で1,940件、今、委員からもお話がありました、県総合教育センターでのいじめや不登校などに関する相談が令和元年度で5,957件、児童相談所における児童虐待や障害など、子供の養育等に関する相談が平成30年度で3,770件──これも言及いただいたところであります──などとなっております。このほかにも国や市町村、NPO等の民間団体でも、それぞれが相談窓口となって支援をしていただいております。  この子ども・若者総合相談センターは、一次的な相談の受皿の役割を担う機関であるため、既存の他機関の相談が全てセンターへ移行するわけではないと考えております。このため、こうした機関への相談件数から想定することはなかなか困難でありますけれども、センターを設置しております同規模の人口の複数の県における相談件数を平均すれば、大体年間1,000件程度の相談があると見込んでおるところでございます。 132 瀬川委員 全て移行するわけではないということですが、足し合わせると、年間で1万件を超える県内の子供、若者に関する相談を、新しくできるセンターでは、1つの窓口で、人員体制が一、二名とのことです。  今年からなので、運営しながら毎年修正を加えていけばいいと、ほかの相談窓口だったら思いますが、このセンターにかかってくる電話は、悩んで悩んでやっとの思いでかける電話もあると思うんです。だから、絶対に見逃しちゃいけないものだと思っています。  本日最後の質問に移ります。  全県を対象に1つの窓口で、人員体制が1人か2人では、応対がパンクしてしまうことが想定されますので、増員することや電話に出られない場合は必ずこちらから折り返すなど、せっかくの相談を絶対に見逃さないという仕組みが必要だと考えますが、石黒厚生部長にお聞きします。 133 石黒厚生部長 子ども・若者総合相談センターの運営につきましては、不登校児童生徒やひきこもり者の居場所支援で実績のあります民間団体へ委託することとしております。  同センターにおきましては、開所時間帯には常に相談員1名以上で対応する体制を確保するほか、電話だけでなくメールでも相談を受け付け、また今後は、SNSの活用等も検討していくこととしております。  なお、相談件数は年間約1,000件程度、1日に換算すれば平均4件程度を想定しており、センターの役割が、まずは一次的な受皿となって適切な支援機関につなぐことであることを踏まえますと、十分対応できるのではないかと考えております。  ただ、委員御指摘のとおり、センターの周知が進むことなどによりまして相談件数が増加する場合には、連絡があった相談を逃さずに対応できるよう、必要に応じて受付の仕組みの工夫や相談体制の見直しを図るなど、相談件数の推移等を踏まえて、しっかり団体とも協議しながら対応してまいります。 134 瀬川委員 これは質問ではないんですけれども、平均すると1日4件だから対応できるという前提の下に立つのか、1件でも見逃さないという前提の下に立つのかで、その後の対応が必ず変わってくると思いまして、私は1件でも見逃しちゃいけないという思いでおりますので、これから始まりますが、ぜひその点を御理解いただき検討いただければと思います。  ありがとうございました。 135 平木副委員長 瀬川委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午後3時20分休憩                     午後3時30分開議        瘧師富士夫委員の質疑及び答弁 136 武田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  瘧師委員。あなたの持ち時間は60分であります。 137 瘧師委員 本日最後の質問者となりました。よろしくお願いしたいと思います。  武田委員長から提供いただきました、南砺市の繊維メーカーさんが開発された、通気性がいいそうですが、そういうマスクを使用しながら進めていきたいと思っております。  まず、一昨日、県営富山球場で行われましたBCリーグの開幕戦、私、観戦してまいりました。結果は富山GRNサンダーバーズのサヨナラ勝ちという劇的勝利で、非常にテンションが上がったわけでありますが、やはり野球は生で観戦する、球場に足を運んで観戦するからこそ醍醐味があるんだなということを思ったわけであります。  ただ、この開催については、観客を入れるという非常に勇気ある決断ではなかったかと思います。私も、いや、本当に行っていいのかという感じもあったんですが、球場に入る前には、やはり消毒、また検温、そして席に座ろうとしますと、観客席には、ここにお座りくださいというステッカーが2メートル置きに貼ってあるんです。そしてまた、もし感染が発生した場合に、その感染経路を追跡できるようにQRコードで登録するシステムを導入されているということで、何かそういった非常に万全な体制、そしてまた、来ている方々も協力的に応えられていると。ですから、来られた観客の皆さんは、本当に野球が好きであるか、また、こよなくサンダーバーズを応援していると、そういう方々ばっかりであったと思います。ですから、ウイズコロナにおいては、屋外でイベントを開催する場合の一つの参考事例になったのではないか。本当にBCリーグ、そしてサンダーバーズの関係者の皆さん、そしてまた球場を提供された県営富山球場の関係者の皆さん方に敬意を表しまして、質問に入らせていただきたいと思っております。  まず、観光業の回復ということであります。  新型コロナウイルス感染症の脅威は様々な業種に影響を与えておりますが、特に観光業はその最たるものではないかと言えます。春休みからゴールデンウイークの需要期を失い、学校の臨時休校に伴う夏休みの短縮によりましてピーク期の需要も失おうとしております。  昨年、一昨年と、訪日外国人数は3,000万人を超えてきたわけでありますが、この4月の国内の訪日外国人数は2,900人、5月は1,700人と対前年比99.9%減ということで、これまで積み上げてきたインバウンドは壊滅的な状況でございます。しばらくインバウンド観光の回復は見込めないことから、観光業の需要が元に戻るにはかなりの時間を要するものと予想いたします。まずは周辺地域の旅行、そして国内旅行、最後にインバウンドといったように徐々に戻ってくると考えられます。  代表質問の答弁では、まずは県内観光地の魅力を再発見していただき、県内観光需要の速やかな回復につなげていきたいということでありましたが、これから夏、そしてまた秋にかけまして、県内の大きなイベント、祭りなど、本来観光につながる催物が中止となる中で、県内観光需要の速やかな回復に向け具体的にどのように取り組むのか、観光・交通振興局長に伺います。 138 中谷観光・交通振興局長 今委員からお話がありましたとおり、本県の観光振興につきましては、まず県内観光から取り組むということで、県内の宿泊施設、公共交通機関等の県民向け割引キャンペーンを順次展開しております。県民の皆さんには、今お話がありましたとおり、この機会にぜひ県内観光地の魅力を再発見していただきたいと思っております。  その後の県外からの誘客に向けましては、県内事業者による着地型旅行商品の造成を支援しますほか、県産地場産品のインターネットでの割引販売に併せまして、県外の購入者に対し本県の観光情報をPRいたしますとともに、6月補正予算案において、今後国で実施される予定のGo To トラベルキャンペーンと連携いたしまして、キャンペーン期間中の県内宿泊者に対し、富山県ならではの特産品等の特典を付与する事業などを盛り込んでおります。  その先のインバウンド観光の回復を見通すことは難しい状況にありますが、現在、国において、タイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドという当面4か国を想定し、ビジネス面での人の往来再開が検討されております。  今後、段階的に人的交流の再開が見込まれますことから、需要回復期には速やかに対応できますように、観光事業者を対象としたインバウンド対応のスキルアップセミナーや観光コンテンツの磨き上げ等によりまして、将来の反転攻勢に備えることとしております。  今後とも、県内観光産業の活性化に向けまして、段階的に県内外からの誘客促進に取り組んでまいります。 139 瘧師委員 ただいま、観光戦略のこれからの方向性についてお話があったと思いますけども、しばらく団体での旅行はなかなか難しいということで、各種の団体が行う研修視察旅行、また、自治会単位で行う恒例の慰安旅行など、そういったものができない状況で、やっぱりしばらくは小人数での旅行、周辺旅行ということになろうかと思いますが、これはある意味、地元の人が地元を楽しむのは、観光振興のいわゆる地域の発信力を高めるという意味では非常に大事なことではないかと思うわけであります。  いずれにしても、観光という産業は大変重要なわけでありますが、観光は地域の活性化に欠かせない裾野の広い経済活動であるという、これまでは極めて肯定的に捉えられてきましたけれども、今回のコロナ禍において、人々の観光に対するイメージが変わっていくということであるとちょっと心配になるわけであります。  県内の新規感染者は1か月以上確認されておりません。医療関係者の懸命な取組や県民の努力によって、コロナ流行の第1波がひとまず収まっているというような感じであります。しかし、流行の第2波あるいは第3波となったときに、真っ先に観光が悪役に回ってしまうと、これはちょっと深刻な問題でございます。当然のように、宿泊施設は3密を回避させ、拡散の拠点とならぬよう、感染症対策の見える化によって安全・安心の提供を徹底されていかれると思います。  ただ、宿泊施設側だけの努力ではなく、宿泊者、旅行者の協力がやはり不可欠ではないかと考えます。どうしても宴会や飲み会という席では、マスクを外して通常の食事よりも長い時間おしゃべりをすることになりますから、宿泊者自身の心構えというものがやっぱり必要ではないかと思います。  すなわち、コロナ禍の状況下では、身勝手な行動をしない感染リスクの低い人が宿泊者になっていただくという量から質への転換という発想も必要かと。  県が行う宿泊割引の「地元で泊まろう!県民割引キャンペーン」に申込みが殺到しておりますが、感染症対策については、宿泊施設だけに任せるのではなく、キャンペーンを打つ県側も利用者に対して啓発する必要があると考えますが、観光・交通振興局長に所見を伺います。 140 中谷観光・交通振興局長 旅行客に安心して宿泊いただけますように、各宿泊施設におきましては、全国の宿泊施設団体が策定いたしましたガイドラインを踏まえまして、換気の徹底、接触・飛沫感染の予防など、宿泊客や従業員等の感染リスクを低減するための措置を講じていただいております。また、その内容をホームページ等で積極的に発信する取組も見られるところでございます。  県としても、県地域企業再起支援事業等によりまして、それらの取組を支援いたしますとともに、現在実施しております県民宿泊割引キャンペーンにおきましても、参加登録の条件として県や全国団体が策定したガイドライン等の遵守を要件としているところでございます。  さらに、委員御指摘のとおり、宿泊施設の安全・安心を確保いたしますためには、こうした施設側の努力に加えまして、宿泊客一人一人に感染症対策を御理解いただき、その実践に協力をいただくことが不可欠であります。  このため県では、県民宿泊割引キャンペーンの特設サイト、それから当選者への通知等におきまして、宿泊施設利用の際の感染防止対策への御協力をお願いするメッセージを記載しております。  さらに、今後、国のGo To トラベルキャンペーンを利用いたしまして来県される旅行客に向けましても、ホームページ等で感染防止対策の啓発に努めてまいります。  今後とも旅行客に選ばれ続ける観光地を目指しまして、安心して旅行を楽しんでいただけるよう、環境づくりにしっかり取り組んでまいります。 141 瘧師委員 県の宿泊割引キャンペーンというのは、地元の宿泊施設を応援して地元の人が地域の魅力を再発見するという──マイクロツーリズムという言い方がありますが──そういったことの推進につながるものと期待をしております。ただ一方では、安いから行くという風潮になるのではないか。つまり、キャンペーンの抽せんから外れた人は行かない、あるいはキャンペーン期間終了後、7月末以降は行かないと。抽せんから外れた人の関心の低下や期間終了後の旅行需要の低下が懸念されるところであります。  先日の一般質問では、キャンペーンの当せん者枠拡大をめぐって議論がありましたが、申込み希望をされる宿泊施設に差があるということから、当せん者枠を広げることは現実的には難しいのではないかと思います。全ての宿泊施設において感染症対策で利用者を密な状態にはできないわけであります。そこで、やはりまさに量から質へということではないかと思います。  大手旅行会社のGo To トラベルキャンペーンの意識調査では、利用のピークは10月、つまり国内旅行の需要が喚起されるのは秋以降であると予想しております。  そこで、観光需要の落ち込みに対して周辺地域旅行の推進で対応していただくためには、県の宿泊割引キャンペーンの期間を国のGo To トラベルキャンペーンの利用者が増える秋頃まで延長すべきではないかと考えますが、先日、期間延長にも言及されました石井知事に改めて伺います。 142 石井知事 県民宿泊割引キャンペーンにつきましては、8月以降に予定されております国のGo To トラベルキャンペーン開始までの間、昨日のNHKの放送では、赤羽国交大臣は8月初めには実施したいというようなことをおっしゃっていたと思いますけれども、まずは県民の皆さんに県内観光地の魅力を再発見していただいて、積極的にその魅力を発信していただくことで県内観光需要の速やかな回復につなげていきたいと、こういうふうに思っているわけでございます。  また、そのために、SNSを活用した県民による魅力発信、一定の方に抽せんで県内の特産品をプレゼントするというようなことも考えております。  17日から宿泊予約が開始されております第1期分では、合計で約9万4,000人の応募を頂きました。枠が4,100人ほどでありましたから、20倍をはるかに超すということになったわけでございます。本日締切りとなる第2期分の募集についても、昨日までの応募状況を確認しましたら11万1,700人ということでございますので、このほかに、はがきによる申込みが数千人いらっしゃるとも聞いていますので、大変多くの方の御応募を頂いております。  今後の対応については、この事業への県民の皆さんのニーズが大変大きいということがよくよく分かりましたし、現在の国のGo To トラベルキャンペーンの事業開始が少し遅れるんじゃないかという可能性もあるという報道もなされていますので、今後の各宿泊施設に対する応募状況や実際の宿泊状況等も踏まえまして、これは県議会の御理解も頂いた上で、応募枠をさらに増やす、あるいは応募期間、実施期間を少し後ろへずらすと、追加するといったことも含めて検討をさせていただきたいと思っております。  なお、国のGo To トラベルキャンペーンと並行的に秋頃まで実施するということも今委員のお話の中にあったようにも思いますけれども、国の事業は、旅行先で使えるクーポンと併せますと県の事業よりも割引額が高くなっておりますし、また、県民の県内宿泊にもこれは使えるという見込みだということと、もう一つは、8月以降、国のGo To トラベルキャンペーンが始まると、むしろ全国的な観光機運が高まる中で、県民の皆様が、でもやっぱり県内に宿泊したいという今のニーズがそのまま継続するかどうかということもありますので、また特定の施設への応募の偏りがより大きくなる可能性もありますから、今後の状況も見守って、そこは総合的に判断させていただきたい、こういうふうに思っております。 143 瘧師委員 ありがとうございます。大変よく理解できたわけでございます。  県内の多くのイベントの中止と同様に、この春開催予定でありました2020となみチューリップフェアも中止となりました。加えて、チューリップ公園が長い期間閉鎖されました。私どもは、砺波の春がなかったというような、何か抜け落ちたような大変寂しい思いをしたわけでございます。フェア期間中は例年同様30万人の来場者を見込んでいただけに、経済損失も多大でありました。  来年のチューリップフェアは70周年の節目であり、公園のシンボルであるチューリップタワーが新しくお披露目になるなど、今回の開催中止を乗り越えてすばらしいフェアになることを期待するものでありますが、このような県外や国外からの来場者の多いイベントもそうですし、観光地の関係自治体においては、来春からも例年どおりの開催ができるのかどうか、また来年の春からも例年どおりの対応でやれるのか、その辺のところに不安を抱いております。  そこで、来春以降のコロナ終息の見通しが立たない中で、ウイズコロナ環境下での本県観光のガイドラインを示して、それに基づいて支援策を講じていく必要があると考えますが、観光・交通振興局長に伺います。 144 中谷観光・交通振興局長 新型コロナの影響によりまして、国内外から多くの観光客が訪れる県内観光地や観光施設、イベント、祭り等が休業あるいは中止となっておりまして、地元の市町村や関係団体、事業者の皆さんには苦渋の決断をされたものと思っております。  県では、県内の感染状況や国の対応、専門家の意見等を踏まえまして、外出の自粛、イベント等の開催、施設の使用等について対策指針などを策定いたしまして、市町村や関係団体等の連携の下に、県内における感染拡大防止に取り組んでまいりました。  5月29日に県のロードマップに基づく措置がステージ1となりまして、全国的、広域的イベントや祭り等につきましては、感染状況を見つつ、8月1日以降を目途に、人と人との十分な間隔を確保の上で開催可能としております。  なお、国におきましては、8月1日以後の取扱いにつきまして、今後検討の上、別途通知することとされておりまして、今後の動向に留意していく必要があると考えております。  県では、今年度新たに観光振興戦略プランの策定に取り組むこととしておりまして、国の対処方針や、19日に運用が開始されました接触確認アプリ、ワクチンや治療薬といったものの開発もあると思いますが、先ほど御答弁した業種ごとに関係団体が策定いたしましたガイドライン等も踏まえまして、コロナ後を見据えた本県観光振興の推進方策について、各方面の幅広い御意見を伺いながら検討を進めてまいります。 145 瘧師委員 来春もなかなか国外からは期待できないのではないかという地元の声もあるわけなんですが、その分、地元の人に来ていただけるというようなイベントにすればいいのではないかという話も出ております。  ただ、来年の東京オリンピック・パラリンピックは何とか開催しないとやっぱり経済の復活というのは難しいわけでありますので、本当にコロナは何とか終息をしてほしいと、これは独り言ですが、申し上げて、次の質問に入ります。  今回のコロナ禍において、感染リスクのほぼない移動手段として、やはり自家用車、マイカーが挙げられると思います。緊急事態宣言発令中において、必要至急の用事で県境をまたぐ場合でも移動はほとんどがマイカーでありました。今後、周辺地域旅行を楽しむ県内旅行者にとりましても同様であると思われます。  高規格幹線道路である能越自動車道は、富山県西部の物流の効率化や災害時の避難復旧支援道路として大きな役割を担っております。また、これは県内観光にも利用度は大きいのではないかと思います。  一昨年、福岡本線料金所が廃止され交通量が激増し、能越自動車道の利便性が高まったと認識しておるところであります。  そこで、県内旅行を促進し、地域の活性化を図るために、今回のコロナ禍を契機として、能越自動車道の国による一元管理と通行料金の無料化を推進すべきと考えますが、江幡土木部長に所見を伺います。 146 江幡土木部長 委員御提案のように、県内旅行を促進しまして地域の活性化を図るためには、能越自動車道の利便性を向上して利用促進を図ることが重要と考えております。  能越自動車道のうち、小矢部砺波ジャンクションから高岡インター間、13.7キロございますけれども、これは富山県道路公社が管理する有料道路でありまして、利用者から通行料金を徴収して建設費の償還を確実に進める必要があります。そのためにも利用促進を図る必要があると考えております。  なお、この償還を終えれば国による管理となりまして、通行料金は無料となる予定でございます。  能越自動車道につきましては、これまでも利便性向上対策の一環として、一昨年に料金徴収を小矢部東本線料金所の1か所に集約いたしまして、全区間を均一料金とする変更を行っております。また、ソフト対策としましては、昨年度、飛騨・富山ドライブプラン、また宿泊補助券付ドライブプランなどの企画の割引を、高速道路会社や宿泊施設等と連携して実施したところであります。  御提案の無料化につきましては、有料道路事業の制度上なかなか難しいわけでございますけれども、今後も高速道路会社と連携した割引のドライブプランを実施するなど、観光振興や能越自動車道の利用促進につながる取組を積極的に進めてまいりたいと考えております。 147 瘧師委員 ありがとうございます。  能越自動車道の沿線自治体は氷見市、高岡市、小矢部市、砺波市はちょっとかすっておりますけれども、また能越につながる東海北陸自動車道の沿線には世界遺産の五箇山合掌造りがあるということで、やはり観光道路としての利便性をこれからも高めていく必要がございます。何とかたくさん利用されて、償還期間が短くなれば非常にいいなと思うわけでありますが、今ほど言われた割引制度もこれからまたひとつ拡大の検討をいただきたいと思っております。  それでは次に、農業関係の質問をしてまいります。  しばらく質問の機会がない農業問題のスペシャリストであります筱岡副議長の思いも含めて質問をしていきたいと思っております。  今回のコロナ禍において農業については、生産する場合はそれほど影響がなかったんですが、できたものを消費するというところが非常に問題かと思います。  近年、米需要が減少する中で、外食・中食用として業務用米の需要が不足しているということから、需要に応じた米づくりということで、生産者側は業務用米の生産を拡大してきました。しかし、今回の新型コロナウイルス感染症対策の外出自粛によって、外食産業の停滞から業務用米の消費が縮小し、米余りの状況が懸念されるところであります。  近年、富山県産米の価格はほぼ安定的に推移してきたのではないかと認識しておるところでありますが、これからの米価の動向についてどのように捉えておられるのか、農林水産部長にお聞きします。 148 堀口農林水産部長 国内における主食用米の需要量は、近年、食の外部化や簡素化の進展によりまして、中食や外食用の業務用米の需要が増加傾向にございます。  本県では、業務用米仕向けといたしまして、県育成品種でありますてんたかくやてんこもりなどの作付を推進しておりまして、作付面積は10年前と比較して、それぞれ拡大をしてきております。  今回、新型コロナウイルスの影響によりまして、全国的に外食産業等の業務用米の需要が低迷している一方で、弁当やおにぎり等の家庭での消費が好調な面もございます。全国の米の相対取引価格は、本年4月現在、令和元年産米でございますが、1万5,749円、これは60キロ当たりですけれども、昨年、一昨年と比べましてもほぼ同様の水準となってございます。  また、全農とやまによります富山米の販売状況につきましては、令和元年産米の卸売業者への契約進度、契約の進捗状況でございますが、4月末現在で95%と全国の89%を上回り、ほぼ前年並みの水準を維持しているということでございます。  ただ、その一方で、令和2年産米につきましては、全国農業協同組合中央会の試算によりますと、需要量の減少傾向によりまして、主食用米の全国の生産量732万トンに対し、令和3年、来年6月末の全国の米の民間在庫量が202万トンと見込まれております。この在庫量が200万トンを超える水準になりますと、過去において米価が下がる傾向にありますことから、令和2年産米の作柄あるいは今後の需要動向等を十分注意していく必要がございます。  県としては、引き続き農業団体等と連携いたしまして、富山米の良さがしっかり評価され、より一層の需要の拡大が図られますようしっかり取り組んでまいります。 149 瘧師委員 次に、園芸作物の産出額の推移について伺いたいと思います。  県内の各農業振興地域においては、集落営農の組織化や法人化、そして農地中間管理機構事業の取組も後押しとなり、農地の集積、集約化等の利用集積が進められ、農業の大規模化が図られてきました。そして、稲作主体の農業から、稲作に加え高収益の園芸作物の生産を加えた農業の複合型経営が推進されてきました。
     最近では、高収益作物の生産に対しては、機械導入の補助や農地整備の補助対象になるなど優遇措置もされておるところでありますけれども、実際のところ、本県の園芸作物の産出額や本県全体の農業産出額に対して、園芸作物の産出額の割合は近年どのように変わってきておるのか、農林水産部長にお聞きします。 150 堀口農林水産部長 委員御指摘のとおり、本県では複合経営の取組が随分進んでおります。県としては、県内各JA等が戦略品目を定めて取り組む大規模な園芸産地づくりに対しまして、収穫機や集出荷施設等の機械施設整備に支援するなど、平成22年度から園芸の1億円産地づくりを推進してまいっております。  具体的には、JAとなみ野のタマネギ、JAいなばのハト麦、JAくろべの白ネギなどの産地が育成されておりまして、戦略品目全体の販売額は、取組前の平成21年度の約4億8,000万円から、令和元年度には約12億5,000万円と約2.6倍に増加をしてきております。  こうした取組などもございまして、野菜、果実、花卉等の園芸作物全体の産出額は、国の生産農業所得統計によりますと、平成21年の71億円から平成30年には93億円と22億円増加しておりまして、農業産出額に占める割合も11%から14%と増加している状況にございます。 151 瘧師委員 11%から14%ということですね。戦略作物の販売額は倍以上上がっておるわけでありますけれども、富山県はもともと額が小さかったということもあって、まだまだかなという感じはいたします。  やはり園芸作物の生産に変えていく場合には、どうしても施設整備や機械導入などの投資にお金がかかるということもありますし、また、稲作に比べますとマンパワーが必要になる場合が結構あるんですよね。人間の問題がやっぱり大きいのではないかと思うわけであります。  それで、今回の新型コロナウイルス感染症問題によりまして、東京などの大都市への一極集中に伴うリスクが改めて明らかになったわけでありますけれども、これを機会に、若者たちが地方に目を向け、農業、農村の価値や魅力を再認識し、農村に身を置く若者が増えてくることを期待するものであります。そこまで高望みしなくても、農家の長男あたりが若い時期に都会から戻ってくるようになればしめたものではないかと思うわけであります。  しかし、その前に、前提として、今現在の農業経営の安定維持、円滑な継承が必要であります。農業従事者の高齢化や減少が進む、そういった現実から目を背けてはならないわけであります。例えば私の地元の各集落においては、集落営農組織の後継者の育成がなかなか難しいという状況にあります。昔ですと、定年を迎えたら、年金をもらいながら営農に本格的に参画していくという傾向があったんですが、最近、年金受給時がちょっと後のほうになってきますと、そのような流れになっていないわけでありまして、確実に営農の中核を担う人が不足しておるという状況であります。  そういう中で、何とか営農組織の統合や合併にこぎ着ける場合もございますけれども、それはまだ体力が残っている営農同士であるからこそなせる業でありまして、体力がない者同士ではなかなかそういうこともできないということであります。  このような現実を踏まえ、農業後継者の育成と持続的な営農体制の確立にどのように取り組んでいかれるのか、石井知事にお伺いいたします。 152 石井知事 農業の就業人口の減少や高齢化が進む中で、地域農業の持続的発展ということを考えますと、お話のように県内外からの新規就農者の確保と後継者の経営参画、円滑な経営継承ということが重要だと思っております。  県では、県内に加えまして、東京、大阪などでの就農相談をやったり、またとやま就農ナビによります情報発信、それから経営継承の際の留意点などをまとめましたハンドブックの作成、配布──認定農業者の方、市町村、JA、振興センターなどにお配りしております。また、就農希望者に対するとやま農業未来カレッジでの通年研修などを通じまして、県内外からの新規就農者の確保に努めております。おかげさまで平成28年は88人とピークでしたが、その後も60人台で安定的に推移して、また県外出身者も多いときは17人、こういったような数字も出てきております。  また近年、若い担い手の関心も高く、省力化や高品質化に大きな効果が期待できるスマート農業の普及に向けまして、今年度、県の農業機械研修センター、婦中のほうにございますけれども、これを大幅に機能強化しまして、とやまスマート農業拠点施設を整備することにしております。ここで、各種の研修や体験実習を拡充する。実際にドローンを2台置く、ロボットトラクター1台、直進自動操舵田植機1台、収量コンバイン1台等々でございます。そういうことで、若手農業者や就農希望者などがスマート農業技術を駆使した農業に取り組めますように支援をしてまいります。  さらに今年度からは、人手不足や高齢化が課題となっております集落営農組織を対象にして、スマート農機の導入を助成すると。標準事業費が900万円で補助率2分の1、県と市で負担し合うわけですけれども、若年世代への計画的な継承支援にも積極的に取り組んでいるわけであります。  今後ともこうした施策を総合的に講じまして、県内外からの農業経営者が確保されて本県農業が持続的に発展できますように、市町村やJAなど関係方面と十分連携してしっかりと取り組んでまいります。 153 瘧師委員 そういったような取組が次の世代につながることを期待するものでございます。  次に、花卉の消費拡大についてでございます。  新型コロナウイルス感染症の影響を受けまして、花卉の消費が減退しております。花卉というのは花でございます。  地元砺波では、特にチューリップの切り花消費が落ち込み、近年の横ばいから微増という状況から、かなりのダウンでありました。チューリップ切り花の販売期間は12月から翌年の3月末まででありますが、卒業式や送別会などの行事がなくなったということで、大きな需要期を逸したために、生産農家に打撃を与えたわけであります。  また、チューリップ球根は現在収穫に入っておりますが、問題はこれからでありまして、チューリップフェアが中止となり、フェア会場での予約申込みの場がありませんでした。チューリップは富山県の花で特別な花であると改めて県民に強く意識づけをお願いしたいところでございますが、まず、日常生活で花卉の利用を定着する取組が必要だと考えます。公共施設等における花卉の活用拡大の取組を日常生活での需要喚起にどのようにつなげていくのか、農林水産部長に伺います。 154 堀口農林水産部長 今回の新型コロナウイルスの感染拡大に伴います全国的なイベント等の自粛によりまして、県内におきましても、チューリップやシャクヤク等の花卉の需要が減少し価格が低下するなどの影響が見られることから、新たな需要創出による県産花卉の消費拡大を図りますとともに、花卉の利用拡大、定着によりまして、県民の日常生活における需要喚起につなげることが大変重要であります。  県では、4月補正予算を活用いたしまして、まず新たな需要創出として、花卉販売店等がインターネットによる販売促進に取り組むための、宅配商品等の新商品開発やホームページの開設、リニューアルに要する経費に対して支援をしております。また、花卉の利用拡大、定着を図りますため、花卉の生産者団体や流通関係団体等が共同して行います県内の公共施設や企業での展示、富山駅等での展示イベントの開催、保育園等での花育出前教室などの取組に対して現在支援しているところでございます。  こうした事業を通じまして、県民の皆さんにも、花に触れることで広く県産花卉への関心を高めていただきますとともに、日常生活の中に花があることによって、心に安らぎや豊かさを感じていただいて、今後のさらなる需要喚起につなげていきたいと考えております。引き続き生産者団体等と連携しながら、県産花卉の消費拡大に努めてまいります。 155 瘧師委員 特にウイズコロナの状況の中では、やはりストレスを解消させるというか、癒やしの場というか、そういうところに花は重要ではないかと思います。  次に、農村整備関係について質問いたします。  庄川左岸農地防災事業が進んできておりますけれども、附帯県営農地防災事業の第3期地区、第4期地区につきましては、令和5年度の事業完成を目指しておおむね順調に予算措置もされまして、高岡、砺波両農林振興センターの職員さんによります計画的な整備が進められておりますことに改めて感謝を申し上げます。  ところで、近年の集中豪雨に伴い、庄川右岸地域の用水路においても針山口六ケ用水路で溢水被害が発生しております。用水路の上流区間は大雨に耐える流水能力があると見込まれておりますが、被害発生箇所を含む下流区間においては、流水能力が確保されず用水の老朽化が著しいと確認をされております。  庄川右岸地域は、左岸地域と同じ時期に用排水路の改修──昭和20年代でありますが──されまして、改修後もう60年以上が経過しているという状況でございます。  ここ最近の、大雨の際に庄川左岸農地防災事業の効果が既に現れているという現状を目の当たりにするだけに、庄川左岸農地防災事業が完了後、直ちに右岸側の事業に移っていただきたいと願っておりますが、今年度の動きについて農林水産部長に伺います。 156 堀口農林水産部長 庄川右岸地域につきましては、県ではこれまでも、庄川左岸農地防災事業の完了を待つことなく、老朽化が著しい芹谷野用水路の上流側で水路補修を進めてきております。下流側につきましても、来年度の新規事業採択を目指して、今年度事業計画を策定しているところでございます。  委員からお話のありました針山口六ケ用水路などについては、平成16年以降、溢水被害が発生したことから老朽化具合等を調査いたしまして、流下能力を確保する用水路のかさ上げを行いますなど被害対策に努めてきております。平成26年以降は、溢水被害の発生は見られないところでございます。  しかしながら、施設の老朽化等を踏まえますと、庄川右岸地域全体の施設整備の在り方について、やはりこれは協議していく必要があることから、県では本年2月に、関係する砺波市、高岡市、射水市や土地改良区、それから県から成る用排水対策に対する検討会を設置いたしております。  この検討会での議論を踏まえ、今年度から、針山口六ケ用水路を含めた用排水施設につきまして、都市化によります流入量の増加や用水の利用状況、断面不足や老朽化の進行度合いを把握するための施設調査を行っております。  今後、地元要望も踏まえながら、溢水被害に有効な排水対策や用排水路の老朽化対策などにどのような事業が活用できるか検討を進めますとともに、新規事業採択に向け、できるだけ早い時期に地区調査に移行できるよう努めてまいります。 157 瘧師委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。  次に、中山間地域における農地整備について伺います。  小矢部市の中山間地域では、農地整備事業として、老朽化が著しいパイプラインに連結された揚水機、ファームポンド等の施設整備や農地汎用化のための暗渠排水工事、また農業機械の円滑な作業確保のための耕盤復旧工事など、いずれも営農継続に重要な整備要望が以前から出されております。これらの整備について、地元の声としては、事業費に見合う費用対効果の算出が難しいという話を聞いております。周知のとおり、中山間地域の営農活動は様々な面で不利な条件を背負っています。  中山間地域の農地整備における費用対効果とは具体的にどういうことなのか。中山間地域における農業生産の継続は、平地以上に地滑り防止など国土強靱化の効果が算出できると考えますが、農林水産部長に伺います。 158 堀口農林水産部長 土地改良事業の実施に際しましては、土地改良法に基づき費用対効果分析を行い、事業により得られる効果がその事業に要する費用を上回る必要がございます。  農地整備の費用対効果を分析する際の主な項目としましては、収量等が増加する作物生産効果、それから大区画化によります労力が軽減される営農経費節減効果などが定められておりますが、中山間地域におきましては、ため池や山腹水路等の整備によりまして洪水等を防止する災害防止効果がございます。防災・減災あるいは国土強靱化の観点からは、平地以上に評価される、そういう仕組みになってございます。  一方、主な費用として計上されます整備費用や維持管理費につきましては、傾斜地が多い地形条件等から、用水を揚げる揚水機場や貯水施設の整備が必要な場合が多く、平地に比べて費用が増大する傾向にございます。  このため県では、事業効果を高める方策として、高収益作物の導入や農業機械の利用効率を高める営農計画の検討を行いますとともに、費用を抑える方策として、他事業で発生する残土の有効利用、2次製品の活用によりますコスト縮減を図ることなどによりまして、事業採択に必要な費用対効果の確保に努めてきております。  今後とも関係者と協議調整を行いまして、地元に合った整備を進めてまいりたいと考えております。 159 瘧師委員 よろしくお願いします。これは筱岡副議長の願いでございます。  砺波の中山間地域でも同様でありまして、やはり平地でも中山間地域であっても、営農にとってはやはり水が命でありますので、営農が継続できる環境整備に御配慮を頂きたいと思っております。  次に、農業用水路の安全対策について質問をいたします。  今日はこの「STOP!用水路事故」というバッジを、元来あまり目立ちたいほうではないんですが、着けてまいりました。  全国的にも農業用水路における転落死亡事故数の多い本県では、昨年12月、全国に先駆けて安全対策ガイドラインが策定され、そのガイドラインに基づき、ハード、ソフト両面の安全対策が講じられております。今年度は、農業用水路事故防止対策費3億2,300万円が予算措置されまして、モデル地区における事業が進められております。  本県の過去の農業用水路死亡事故について分析をした場合に、発生した水路の形態については、支線、末端水路での事故が約7割を占め、また規模別で見ますと、水路幅が1メートル未満の小さな水路での発生が約半分を占めております。幹線水路の多くは転落防止柵が設置されておるかと思いますし、また、転落防止柵の設置に及ばない小さな水路はもう至るところに張り巡らされておるわけでありますが、どのような箇所をモデル地区に選定し、どのように事業が進められているのか、事業の現況について石井知事にお伺いいたします。 160 石井知事 昨年策定しました農業用水路安全対策ガイドラインに基づきまして、県では、行政や土地改良区など、また地域の自治会、自主防災組織、多面的機能支払組織などとの連携の下に、チラシやポスター、標語などの注意喚起を行うソフト対策、また転落防止柵などのハードの面、両面から総合的な安全対策を進め、事故の起こらない地域づくりを推進することにしております。  具体的には、令和元年度の国補正予算で事業費3億円を確保できましたし、また令和2年度当初予算でもお話に出ましたように、国費を含めて3億2,300万円を確保しまして、今年度は春と秋に転落事故防止強化期間を設定して、安全点検や県、市町村広報誌掲載など注意喚起の広報啓発活動を重点的に取り組みますとともに、おおむね1メートル以上の幹線水路を中心にして、土地改良区等による転落防止柵等の整備を県内で約20キロ緊急に進めることにしております。  さらに、事故が多発している支線や末端水路ですが、お話のように、事故184件のうち7割がこの末端水路、支線でございますから、事故の状況や地域のニーズ等を踏まえまして、市町村や土地改良区等との協議によって、各市に2ないし3地区、各町村に1ないし2地区、県内で33のモデル地区を選定しております。  今後は、自治会や多面的機能支払組織などの地域組織の参画によるワークショップを通じた危険箇所マップ作りなどを行いまして、ガイドラインで示した優先度に応じた転落防止柵やコンクリート蓋等の暗渠化といったようなハード対策に加えまして、危険箇所での網状の用水路蓋やポールコーンの設置等のセミハード対策など、地域の実情に即した効果的な対策を実施してまいります。  今後も地域と行政が一体となって、実効性の高い安全対策を進めてまいります。 161 瘧師委員 今ほどお話にも出ましたセミハード対策ということでありますけれども、この辺が重要ではないかと私は思うわけでありますが、小さな農業用水路は農村の日常生活の身近なところにございます。その水路法面等の多くは老朽化しており、歩行や作業上の足場として安全性が確保されていないケースが多いわけです。私も農家でありますから、機械であぜ草刈りをしておりますけども、そろそろ疲れてきますと足元がおぼつかないわけであります。体力的な問題もあるかもしれませんが、劣化した水路法面を改修すること、それ自体が転落防止につながるものと考えます。  そういったような改修に当たっては、多面的機能支払交付金活用による地域活動で対応が可能であると思われますが、このようなセミハード対策を地域に対してどのように啓発していかれるのか、農林水産部長にお聞きします。 162 堀口農林水産部長 小規模な農業用水路の法面等、いわゆるあぜでございますが、農作業や水管理の際の道路として、あるいは通路として利用されております。実際には土で造られておりますので、長年にわたる浸食等により幅が狭くなったり、あるいは凸凹が大きくなるなど、場所によっては作業等に必要な足場が十分確保されず、農業用水路への転落リスクが高い箇所があると認識しております。  このため県では、農業用水路安全対策ガイドラインにおきまして、対策の必要性を明記しますとともに、あぜの復旧、整形や、長いのり面への小段、ステップの設置によります歩行作業スペースの確保などの補完的な整備も、安全性を確保する有効なセミハード対策の一つとして示しております。  こうしたセミハード対策につきましては、土地改良区等が主体となりまして、県単独農業農村整備事業により実施できますほか、多面的機能支払活動組織におきまして交付金を活用した安全対策として実施することも可能でございますので、こうした事業に積極的に取り組めますよう、昨年度、多面的機能支払の活動指針の具体例としてお示しし、広報もしてきたところでございます。  今後さらに、農業用水路の安全対策ワークショップや多面的機能支払活動の研修会等の場におきまして、こうした安全対策の取組事例を紹介いたしますとともに、県のホームページやSNS等を活用した効果的なPRに努めまして、老朽化対策と安全対策をしっかり進めてまいりたいと考えております。 163 瘧師委員 小さな用水路というのは、農村においては、もうそれこそ網の目に張り巡らされており、無数にあるわけでありまして、そういったところの改修については、やはりこの多面的機能支払交付金の活用というのは有効ではないかと思いますので、大いに呼びかけていただきたいと思うわけでございます。  次に、もう少し大きな幹線水路のリスクについて申し上げたいと思います。  近年の農地防災事業あるいはストックマネジメント事業等においては、水利施設の整備に伴い安全防護柵が設置され、管理道路等の通行、歩行の安全性が確保されておりますけれども、その水利施設の法面は大変急勾配で、夏場になりますと農家の人たちが命がけで草刈りを余儀なくされるわけであります。整備された水利施設は、川底が深く流下速度が速いため、転落すれば間違いなく重大事故につながります。  そこで、水利施設の安全防護柵の内側にある法面においては、草刈り時の転落リスクを低減させるために、張りブロックの設置等、水利施設整備に合わせて早急に実施すべきと考えますが、農林水産部長に所見を伺います。 164 堀口農林水産部長 県において昨年度、農業用水路安全対策ガイドラインを策定するに当たり、水路転落事故の発生状況を分析するために実施いたしました土地改良関係者に対しますヒヤリハットのアンケート調査では、除草作業など水路の維持管理中の転落リスクが高いことが明らかになっております。  除草作業時のリスク軽減策といたしましては、これまでも、水路施設の整備に併せて、水路法面を削って除草時の作業スペースを設けたり、作業効率改善のために小段を設ける等安全対策に努めてきたところでございます。また、草刈り機が届かないような長い法面の場合には、除草作業を極力少なくするために、張りブロックや防草シートを施工するなど、現場の土質状況や地域の実情等に応じた対策を講じてきたところでございます。雑草の繁茂を抑制する芝生等のカバープランツの植生工を実施する例なども近年は見られるところでございます。  今後とも、市町村、JA等の関係機関に対しまして事故防止等を啓発する通知を行いまして、水路の維持管理中の危険性について改めて注意喚起を促しますとともに、委員御指摘のとおり、流量が多く流下速度も速いなど、転落した場合に重大事故につながる可能性が高い箇所での水路施設の整備に当たりましては、設計に張りブロック等の転落リスクの軽減対策を盛り込むなど、地域特性や地元ニーズに配慮した安全対策に取り組んでまいりたいと考えております。 165 瘧師委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。  ハード対策の質問をしてまいりましたが、実際の事故防止にはソフト面の対策というのは大変重要ではないかと思っております。事故に遭われる方の多くが高齢の方であって、どうしても自分は大丈夫だと、ちょっとの過信がヒューマンエラーを生んで事故につながっているというケースがございます。地域を挙げてそういった注意喚起をできるよう、そういった雰囲気づくりをまた県当局のほうでひとつ取り組んでいただきたいとお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。 166 武田委員長 瘧師委員の質疑は以上で終了しました。  以上をもって本日の日程は終了いたしました。  なお、6月24日の予算特別委員会は、午前10時から開会いたしますので、定刻までに御参集願います。  本日はこれをもって散会いたします。                     午後4時30分散会 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