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  1. 富山県議会 2020-06-01
    令和2年6月定例会 一般質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前10時00分開議 ◯議長(上田英俊君)おはようございます。ただいまから本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑 2 ◯議長(上田英俊君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第81号から議案第93号まで、報告第5号のうち専決処分第22号から27号まで、第29号、第32号から第34号まで、及び報告第6号から報告第13号までを議題といたします。  これより各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  酒井立志君。    〔14番酒井立志君登壇〕 3 ◯14番(酒井立志君)皆さん、おはようございます。自民党議員会の酒井立志でございます。6月定例会に当たり、さきの通告に従いまして3項目について質問いたします。  初めに、新型コロナウイルス感染症第2波への備え等について質問いたします。  私たちは感動で一つになる、をモットーに開催される東京オリンピックパラリンピックは、開幕まであと4か月に迫ったところで、新型コロナウイルス感染症の影響により1年延期となりました。  政府の専門家会議では、ウイルスとの闘いは長丁場との認識を示し、来夏に延期されたものの、開催をめぐっては不透明感が増しているとの見解であります。  私としては、できるだけ治療薬やワクチンの開発を急いでいただき、人類全体に降りかかった災いを乗り越えたあかしとして、東京オリンピックパラリンピックが、しっかりと開催されることを心から期待しております。  今年に入りスポーツ、芸術文化関係の全国大会は、ほぼ全部中止となっています。また地域におけるお祭り事も、ほぼ中止です。  このような状況下、県民の声は、新型コロナウイルスの治療薬やワクチンの開発について、歴史と伝統ある薬都とやまへの期待は大変大きなものがあると感じております。新型コロナウイルス感染症の治療薬やワクチンの開発に向けて、本県はどのように対応しているのか、また県薬事総合研究開発センターの果たす役割と今後の展望について、これまでの実績と評価と併せて、石井知事にお伺いをいたします。  このたびの新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部改正は、新型コロナウイルス感染症の流行を早期に収束させるため、新型コロナウイルス感染症新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象となるよう、暫定措置として改正されたものであります。  ところが、新型コロナウイルスは、新型インフルエンザと異なり、現在、抗ウイルス薬もワクチンもまだ存在しません。その上、潜伏期間が長い、潜伏期間中も感染する、感染しても無症状のことが多い、体外での生存期間が長い、などなどの点でインフルエンザ以上に顕在化しないうちに急速に流行するし、気がついたときには、病院や医療機関、福祉施設等で重症肺炎が多発して顕在化する状況になります。  流行の発生と拡大の正確な把握こそ、感染症対策の要で、顕在化しないウイルスをできるだけ可視化することが、対策の基本とも考えております。  そこで、今回の新型コロナウイルス感染症対策は、県新型インフルエンザ等対策行動計画に基づくものと考えるが、第1波の経験から、現在の行動計画の内容が十分なものであったと評価できるのか、また不十分であったとすれば、どういった内容に、どのようなスケジュールで変更するのか、厚生部長に見解を伺います。
     新型コロナ特措法は、まず1つに発生前の対策実施に関する計画、2つに発生時の措置、そして3つに緊急事態措置の3段階に分かれています。発生時の措置は、政府の発生前の計画に基づき、新型コロナへの基本的な処理方針を定めて、講ずるべき措置を国全体に示し、国と地方行政機関や公共機関が整合的に措置を講じられることとされています。  具体的な措置には、港や空港において、検疫を受ける者の増加や停留施設の不足の際の港や空港周辺の病院や宿泊施設の利用、発生国からの船舶や航空機の来港の制限、医療機関に対する新型コロナ患者への医療実施などが含まれております。  さて、本県の伏木富山港は、伏木地区、新湊地区、富山地区で形成され広範であることから、水際対策は容易でないと考えるがどのように対策しているのか、土木部長に伺います。  また、伏木富山港における今年度の外航クルーズ客船の寄港予定と、新型コロナウイルス感染症拡大による影響、また今後の誘致活動の方針について、観光・交通振興局長に所見をお伺いいたします。  各自治体は、修正された国の基本計画に沿って地域防災計画の見直しを進め、新型コロナウイルス感染症の今後の流行に備えることとしています。  国では、避難所における避難者の過密抑制など、感染症対策の観点を取り入れた防災対策の推進が必要と言っておりますが、県では、避難所における感染症対策など新型コロナウイルスの第2波に備えた防災対策にどのように取り組むのか、危機管理監に伺います。  本県の新型コロナウイルス感染拡大の推移は、感染者数ゼロ人の状態が3月29日まで続き、全国で4県の中に入っていました。3月30日に初めて感染者が発生してから急増し、全国で短期間に上位になりました。県内感染者227人中、介護施設である富山リハビリテーションホームの感染者が59人で全体の約4分の1を占め、県内最大の集団感染となり全国的にも注目を集めました。  県内の感染者が短期間で急増した要因は、介護施設等におけるクラスターの発生であるが、感染拡大の原因の分析、検証結果、今後の教訓について、厚生部長に所見を伺います。  介護施設の集団感染については、東京都、千葉県、群馬県等、首都圏の介護施設でも集団感染が発生しています。専門家の中でも確実視されている第2波の襲来から、医療関係者同様、介護関係者も守るべきと考えておりますし、医療と介護の連携も大変重要と捉えております。なぜなら、欧米では介護崩壊が引き金となって医療崩壊を招いています。  そこで、今回の富山リハビリテーションホームの教訓を踏まえ、第2波に備えた県内介護施設における感染症拡大防止にどのように取り組むのか、6月補正予算案に計上された対策の内容も含めて、石井知事にお伺いをいたします。  今回のクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の検疫でも見られたように、自衛隊が感染予防の見本を示してくれました。恐らく化学兵器に対する訓練が行き届いているからだと思います。自衛隊の感染防止ノウハウは、国民間で広く共有すべきと私は考えます。  金沢駐屯地では、新型コロナウイルス感染症対応訓練を実施されていると報道がありました。この訓練では、隊員が感染した場合における安全かつ円滑な対応を目的として、患者発生時の上級部隊への報告の要領、隔離の要領、感染防護服の着脱及び患者の管理の要領までを、それぞれ展示説明し認識の統一が図られております。  4月に、県内の新型コロナウイルス感染者をホテルで受け入れるのを前に、対応に当たる医師、看護師を対象に研修会が開かれ、自衛隊から防護服の着脱のノウハウを習得し、2次感染防止に向けた対処法を学ばれました。  介護施設で感染者が発生した場合、入所している高齢者を病院へ移動させることが困難であることから、介護職員の感染リスクは極めて高いと考えます。  そこで、医師会や看護協会を対象に自衛隊による感染防護服の着脱訓練が実施されておりますが、自衛隊の感染拡大防止ノウハウは県内でも広く共有すべきであり、介護関係者に対しても早急に自衛隊による着脱訓練を実施すべきと考えるが、厚生部長の所見を伺います。  緊急事態宣言と自粛要請により、外食産業はかなり厳しい状況にあります。必死に生き残りをかけて、テイクアウトやデリバリー、ウーバーイート、通販に取り組む事業者もいます。  しかしながら、食品衛生法により、飲食店の業務は細分化されており看過できない問題もあります。例えば、おかずだけ販売すると総菜製造業、生肉を販売すると食肉販売業の申請許可が必要となりますし、特にこれからは食中毒も心配であります。  一方で、保健所はコロナ対策で多忙を極めており、現実的には目が行き届かないのではないかと考えますが、県民の生命が脅かされる事態にならぬよう、またコロナショックにより厳しい局面にある事業者が、今後も安全に営業できるよう、しっかりとした対策を講ずる必要があろうかと考えます。  そこで、テイクアウトやデリバリーを行う飲食店が増えているが、特に夏場は食中毒が懸念されることから、事業者に対する食品衛生関係の法令知識や衛生管理に関する指導、教育が必要と考えます。どのように取り組むのか、厚生部長に伺います。  富山市では、救急搬送困難が前年に比べて増加していると聞きます。  また、新型コロナウイルス感染症拡大により、全国でも救急搬送のたらい回しが急増しているが、搬送先が4病院以上に依頼しても決まらない、かつ現場滞在時間が30分以上経過しても決まらない、いわゆる救急搬送困難の本県の状況と解消に向けた対策について、危機管理監に伺います。  また、新型コロナウイルス感染症の患者からの感染リスクを避けるため、救急活動用の資機材の充実を図り、感染症に備えた救急活動力の充実強化が必要と考えるが、危機管理監の所見を伺います。  新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、3月以降、合同企業説明会インターンシップ説明会などの就活イベントが、全国的に中止されて、本県においても、県や民間企業主催の対面型の合同企業説明会の開催を中止されたと聞いております。  合同企業説明会等は、学生にとっては、企業の担当者と直接話すことによって企業を知るよい機会であり、企業にとっても、多くの学生に自社をアピールする場でもあり、これらの中止は、学生、企業、双方にとって大きな打撃であったと思います。  このような状況の中で、県では、4月末にオンラインによるウェブ合同企業説明会を開催し、相当の成果があったと聞きます。今後、ウイズコロナ、アフターコロナの時代において、就職活動におけるウェブの一層の活用が想定されます。  また、知事は、提案理由においてデジタルトランスフォーメーション、デジタル革命を加速化させると述べられております。オンラインによる合同企業説明会等は、よい取組であり、この取組について、県としても引き続き、企業、学生に提供すべきと考えるが、石井知事の所見をお伺いいたします。  次に、新型コロナウイルス感染症の教育への影響等について質問いたします。  4月の新年度開始から1か月以上自宅学習となり、その間に、児童生徒に課題が与えられたと存じます。  教師不在による自主学習、急遽かつ長期の臨時休校の結果、児童生徒たちの個々の学習に対する習熟度に大きな差が出ているのではないかと懸念しております。さらに、その状態で学校再開後の授業を進めていくと、もっと学力格差が出ることの懸念もあります。  こうしたことを念頭に置いた対応として、学校再開時における個々の児童生徒の学習習熟度を把握し、これ以上の学力格差が生じない適切な教育の進め方が必要と考えるが、どのように取り組むのか、教育長の所見を伺います。  また、長期間の臨時休校、学力格差や感染症拡大によるストレスから様々な心の疾患につながり、いじめ、不登校、自殺等に至るケースも懸念されるが、児童生徒の心の問題にどのように対応していくのか。昨年度のSNSによる悩み相談の実情、実績、相談内容やその効果、今後の対応と併せて教育長に所見を伺います。  次に、新型コロナウイルス感染症の地域交通への影響について質問いたします。  各交通事業者は、国の新型コロナウイルス感染拡大防止に係る基本方針に基づく事業継続の要請を受けて、県民の安定的な生活確保と企業活動等の維持のため、感染防止に努めながら運行を継続してきました。  今回の外出自粛要請や学校の臨時休校、在宅勤務等により、公共交通の利用者数は激減しており、交通事業者の経営状況も悪化しております。  新幹線や高速バス等においては、激減する利用状況を踏まえ、減便あるいは当面の間運休するなどの対応策を講じてきましたが、地域公共交通機関においては、社会の安定の維持の観点から、現時点においても従前の運行本数を維持しながら運行を継続しております。  高岡市と射水市間をつなぐ万葉線においては、4月以降の利用者数は、前年比6割以上減少し収入は前年比5割以上減少と聞いております。  そこで、経営状況が悪化しながらも、県民の足の確保のために必要な運行サービスの提供を継続している各交通事業者に対して、引き続き事業が継続できるよう、県として緊急的な支援を行うべきと考えるが、石井知事の所見をお伺いいたします。  また、新しい生活様式の浸透により在宅勤務やマイカー通勤が続けば、地域公共交通の継続的な運行が困難となり、将来的に県民の生活に大きな影響を及ぼすことになるため、新型コロナウイルス感染症の収束までは、交通事業者に対する継続的な支援が必要と考えるが、観光・交通振興局長にお伺いいたします。  以上で、私からの質問は終わります。御清聴ありがとうございました。 4 ◯議長(上田英俊君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 5 ◯知事(石井隆一君)酒井議員の御質問にお答えをいたします。  まず、新型コロナウイルス感染症治療薬開発等への対応についてであります。  治療薬、ワクチンの開発につきましては、国に対して、世界をリードする特効薬やワクチンの早期実用化と、そのために必要な資金投入を大胆に行うよう、全国知事会を通じて何度も要望を行いまして、これを受けて国の2次補正予算に研究開発費、1次補正では275億円でしたが、2次補正では600億円盛り込まれました。まだまだ少ないという考えもあると思いますけれども。  また、富山県で開発され、新型コロナウイルス治療薬としての効果が強く期待されているアビガンにつきまして、県内製薬企業に対して国内増産への協力を働きかけるなど、積極的に取り組んでおります。  最初は、これは薬価がなかなか上がらなくて、国内生産ではとても採算が合わないという状況もあったんですけれども、県としていろいろ提案して、最終的には薬価も上げていただいて、それなりの形になってきていると思います。  また、本県の主要産業であります医薬品産業が、さらに発展して世界に羽ばたく薬都とやまを実現するためには、県内企業の付加価値の高い医薬品の研究開発への支援体制を強化することが重要であります。  薬事総合研究開発センターにおきましては、高津所長を中心にしまして、これまで県内企業への技術指導や開発の支援、また国内企業とともに、ワクチンの効果増強剤アジュバンドの開発などを進めてまいりました。  その成果もあり、また国の有識者会議での議論や提言を経まして、国に地方大学振興・地域産業創生法を制定していただいたことに伴いまして、「くすりのシリコンバレーTOYAMA創造コンソーシアムが、国の地方大学・地域産業創生事業7プロジェクトの1つとして採択してもらうということにもつながりました。  また、最先端の創薬科学研究機関であります国の医薬基盤・健康・栄養研究所との連携協定等も行っておりまして、地方の薬事総合研究開発センターとしては、非常に高く評価されていると言っていいんじゃないかと思います。  現在、経鼻投与型ワクチンの有効性を高めるために必須であります免疫増強剤、アジュバンドの探索研究に取り組んでおりますが、将来、これが成功した暁には、新型ウイルスワクチンのアジュバンドとして、ウイルス感染の防御と予防に大いに貢献できる可能性があると伺っております。  今後とも、バイオ医薬品をはじめ、新たな成長分野における世界水準の医薬品開発に向けた研究に果敢に取り組んで、将来には、県民の皆様に夢や希望を与える富山発の治療薬やワクチンが誕生することを、大いに期待しているところであります。  次に、介護施設における感染拡大防止についてお答えをいたします。  富山リハビリテーションホームでのクラスター発生については、私どもの県と、施設を管轄されます富山市、また支援を行った医師、国のクラスター対策班などによりまして、検証を行った結果、保健所への連絡等の初動対応の遅れとか、当該施設が密になりやすい構造だったことなどが感染拡大の要因と指摘されております。  県では、これまでも国の通知等に基づきまして、感染拡大防止の徹底を図っていただくように周知しますとともに、マスクや消毒液等の必要な衛生物品を無償配布してまいりました。  今後、第2波に備えて、今般の補正予算案では、国の2次補正で抜本的に拡充されました新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金──これは最初は本当に極めて限定的で全く使い勝手が悪かったわけですけれども、一気に使途が広がり金額も増えたわけでありまして──これを活用して感染症対策を徹底しながら、介護サービスを継続的に提供できますように、介護施設等の職員向けマスクの配布、また施設等が購入する衛生物品や備品購入費等の支援、また専門医によるウェブセミナーや予防啓発に関するDVDの作成、多床室の個室化支援など、ソフト、ハード両面からの支援を行うことにいたしております。  さらに、感染リスクにさらされる中で、介護従事者としての誇りと使命感を持ってサービス継続に当たっていただいた職員の方々に、慰労金を交付することにしております。  介護老人保健施設での大規模なクラスター発生のような事案が二度と起きませんように、施設の管理者はじめ関係者が、事例の研証を踏まえて真摯に取り組むことが必要であり、引き続き感染防止対策を積極的に支援してまいります。  次に、オンラインによる合同企業説明会等についてお答えをいたします。  合同企業説明会等の就職活動に関する対面型のイベントが、全国的に中止されたことを踏まえまして、外出や県をまたぐ移動が難しい中でも、学生の皆さんが場所を問わず企業の情報を入手して質問もできる、オンラインによるウェブ合同企業説明会を4月下旬から開催しましたが、4日間で企業は52社、学生等の登録は560名、延べ視聴者数は2,766名の参加をいただきました。これは、昨年の同じ時期の合同企業説明会が、参加企業140社、登録学生数は96名だったことを考えますと、相当な成果かと思います。  また、この説明会の終了後に参加企業のPR動画を配信しましたところ、配信期間の5月末までに再生回数が6,000回を超えるなど、相当大きな成果があったと考えております。  オンラインによる合同企業説明会等は、学生さんにとってみますと、移動時間や交通費をかけずに一度に多くの企業情報を得ることができること、また企業側にとっても、県内だけではなくて県外や海外の学生に広く自分の会社をPRする機会となることなど、感染症の収束後も、就職活動の有効な手段となりますことから、今後も県として積極的に取り組むことにしておりまして、7月にはインターンシップ説明会をウェブで開催することにしております。  さらに、個別にウェブを活用した企業説明会や個別面談に取り組んでおられる県内企業の情報を、県のホームページ「企業ナビとやま」で発信する一方で、ウェブでの就職活動に不安を感じる学生さんへのサポートとして、面接官との話し方、目線を合わせるコツや通信環境の整え方などのウェブ面接ならではのポイントをレクチャーするセミナーのほか、ウェブの利用をちゅうちょされている企業を対象として、ホームページ改修のポイントや必要な機材、ウェブ会議システムの操作方法等に関するセミナーも開催することにしております。  今後も、オンラインによる合同企業説明会等のほかに対面型の合同企業説明会も、感染拡大の状況等を注視しつつ、十分な感染症対策を講じて実施しますなど、富山労働局とも連携して、学生の就職支援に積極的に取り組んでまいります。  最後に、交通事業者に対する支援についてお答えをいたします。  県内の公共交通事業者、大変厳しい経営環境になっておるわけでございます。このような公共交通事業者を支援しますために、今般の補正予算案におきまして、複数の市町村にまたがって運行されている鉄軌道や、これまで市町村等と連携して運行支援してきたバス路線について、3つの密を回避した運行の継続を新たに支援しますとともに、公共交通事業者感染拡大防止のため衛生対策や新たな運行実証に取り組まれる場合に、国の補助に上乗せして支援する事業を盛り込んでおります。  今回の提案内容については、市町村に対し丁寧に説明しますとともに、県と連携した支援をお願いできたらと思っております。これは市町村と協議に時間をかけていますと、県の支援がどんどん遅れることになるものですから、まずは県としてやれることを先にやっているということでございます。  なお、万葉線については、高岡市や射水市において、支援のための補正予算を6月議会に提案されていると伺っておりまして、他の路線、鉄道やバスの沿線市町村でも、こうした県の予算案も踏まえていただいて、支援について今後検討を進めていただければと思っております。  県としましては、地域公共交通機関が、必要な感染防止対策を実施した上で安定的に運行を継続できますように、沿線市町村と連携して引き続き支援してまいります。  以上であります。 6 ◯議長(上田英俊君)石黒厚生部長。    〔厚生部長石黒雄一君登壇〕 7 ◯厚生部長(石黒雄一君)私からは、新型コロナウイルス感染症に関しまして、4つの御質問にお答えをいたします。  最初に、新型インフルエンザ等対策行動計画についてであります。  富山県新型インフルエンザ等対策行動計画は、新型インフルエンザ等対策特別措置法第7条の規定に基づきまして、国において政府の行動計画を策定された後に、平成25年11月に制定したものでございます。  これについては、令和2年3月の法改正により、計画の対象に新型コロナウイルス感染症が追加されたところでございます。  行動計画におきましては、感染拡大を可能な限り抑制し、県民の生命及び健康を保護すること、県民生活及び県民経済に及ぼす影響が最少となるようにすることを主たる目的といたしまして、発生前から流行が収まるまでを6段階に分け、各段階ごとに「実施体制」「サーベイランス・情報収集」「情報提供・共有」「予防・まん延防止」「医療」「県民生活及び県民経済の安定確保」の6項目について、具体的な対策を記載しております。  県では、今回の第1波において実施していく措置を検討、確認する際の指針として、できる限り当該行動計画に沿った対応を取ってきたところでございます。  一方、現在の行動計画につきましては、先ほど議員からも御指摘がありましたとおり、例えば治療薬やワクチンの存在が前提となっているなど、今回の新型コロナウイルス感染症のように、実態に不明な点が多く治療薬やワクチンがいまだ存在しない感染症とは、必ずしも一致しない部分が見受けられたところでございます。  今後、当該行動計画の取扱いにつきましては、特別措置法や行動計画に関する国の対応方針などを注視しながら、検討してまいりたいと考えております。  次に、介護施設等におけるクラスター発生についてであります。  介護老人保健施設でのクラスター事案につきましては、今ほど知事からもお答えをいたしましたけれども、県と、施設を管轄する富山市、支援を行った医師、感染症の専門家や厚生労働省クラスター対策班が参加し、去る5月22日に検証作業が行われたところでございます。  この検証では、4月上旬には、当該施設内で感染が拡大していた可能性があったことが報告され、発熱者が相次いだにもかかわらず、迅速に保健所に連絡する等の初動対応が遅れたこと、当該施設の部屋等が密になりやすい構造だったことなどが、感染拡大を招いた要因として指摘されております。  この検証結果を貴重な教訓として、県では、感染症拡大防止の徹底について周知するとともに、クラスター発生時に感染拡大防止を図るとともに、適切な医療提供の支援を行います感染症対策チーム及び災害派遣医療チームによる初動対応体制を整備したほか、国の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金等を活用し、院内や施設内での感染症対策を徹底しつつ、医療、介護、障害福祉サービスを提供するために必要な物品や備品の購入、動線の確保やレイアウト変更、多床室の個室化支援など、感染発生拡大防止に資する施設改修、専門家による研修の開催など、ソフト、ハード両面からの支援を6月補正案に盛り込んだところでございます。  県といたしましては、今回のような大規模なクラスター事案が発生しないよう、感染防止対策にしっかりと取り組んでまいります。  次に、感染防護服の自衛隊による着脱訓練についてお答えをいたします。  県では、新型コロナウイルス蔓延下であっても、介護サービスの提供の継続が必要でありますことから、介護事業者の感染症対応力向上のため、今般の補正予算案におきまして、専門医による感染予防、感染拡大防止等に関するウェブセミナーの開催、各施設ごとの感染予防の留意事項に関するDVDの作成等の実施、感染防止に必要な個人防護服等の衛生物品の購入支援に加え、厚生センターによります現地研修等の実施を考えているところでございます。  議員御提案の自衛隊による個人防護服の着脱訓練につきましては、これまで感染防止対策のため、県医師会、県看護協会の要望に応じて実施されたものでございますが、今後の訓練実施につきましても自衛隊のほうからは、自治体等の要望に応じて前向きに実施することが可能であると伺っているところでございます。  個人防護服の着脱方法については、ウェブセミナーで説明するとともに、各施設、サービス事業所に配付予定のDVDの内容に盛り込むとともに、厚生センターによる現地研修の際にも啓発することとしており、事業者等の意向も踏まえて、自衛隊による実施も含めて検討したいと考えております。  県といたしましては、今回の補正予算案に盛り込んだ事業を含め、個人防護具の使用や着脱の方法を広く周知し、介護施設等で活用されるよう支援してまいります。  次に、食品の衛生管理についてお答えをいたします。  新型コロナウイルス感染症の流行拡大を受け、飲食店が、持ち帰りや宅配サービスを開始する事例が増えておりまして、新たな生活様式の1つとされているところであります。  一方で、持ち帰りや宅配の場合、店内での喫食に比べて、調理から喫食までの時間が長くなり、また気温が上昇する夏場を迎えることから、食中毒の発生には十分注意する必要があると考えております。  このため県では、食中毒を予防するため、5月に飲食店向けにテイクアウトでの衛生管理のポイントをまとめたリーフレットを作成し、関係団体へ情報提供したところでございます。  また、今月から実施している夏期の食品一斉監視での巡回指導の際には、食品衛生関係法令への適合状況の確認のほか、メニュー構成を持ち帰りに適したものにすることや、食品の温度管理の徹底、消費者へ速やかに食べていただけるよう呼びかけるなど、注意喚起を行っているところでございます。  さらに、消費者への啓発も重要でありますから、消費者向けのリーフレットの作成配布や、SNSの活用により周知を図ることとしております。  食中毒の予防には、行政、事業者、消費者、それぞれが衛生管理に留意することが大事でありますので、引き続き、関係機関等と連携を図りながら、食の安全に取り組んでまいります。  以上でございます。 8 ◯議長(上田英俊君)江幡土木部長。    〔土木部長江幡光博君登壇〕
    9 ◯土木部長(江幡光博君)私から、伏木富山港の水際対策についての御質問にお答えをいたします。  新型コロナウイルス感染症につきましては、海外ではいまだ流行が続いていることもありまして、外国から年間約800隻の貨物船が寄港している伏木富山港の水際対策は重要であると考えております。  出入国手続を行う入国管理と日本国内への感染症の侵入を防止する検疫は、国が行っております。このうち入国管理につきましては、現在、111の国と地域について乗員の上陸拒否の措置が取られております。また検疫につきましては、全ての国から日本に入国する乗員に対し、船内等で14日間の待機を要請しております。  このため、現時点では、外国航路の貨物船から乗員の上陸はなく、国外から県内に新型コロナウイルスが持ち込まれる危険性は低いものと考えております。  また、県では、新潟検疫所や大阪税関、名古屋出入国在留管理局などをメンバーとする港湾関係者会議を開催いたしまして、連絡体制の整備と関係機関との情報共有の強化等を行っております。  引き続き、国の取組状況──具体的には上陸禁止国の変更ですとか、検疫方法の変更でございますけれども──この情報を収集するとともに、国や港湾荷役事業者等と連携を取って、港湾管理者として必要な協力をしてまいります。  以上でございます。 10 ◯議長(上田英俊君)中谷観光・交通振興局長。    〔観光・交通振興局長中谷 仁君登壇〕 11 ◯観光・交通振興局長(中谷 仁君)私からは、まず外航クルーズ客船の寄港予定と誘致方針についての御質問にお答えをいたします。  今年度の外航クルーズ客船の県内への寄港につきましては、新型コロナの世界的な影響により、6月30日に予定されていたダイヤモンド・プリンセスの寄港が中止となっております。そのほか内航クルーズにつきましても、8月に予定されていた飛鳥IIの寄港が中止となったところであります。  現時点で、年度内に県内での寄港が計画されておりますのは、9月の、ぱしふぃっくびーなす、のみとなっております。  現在、クルーズ客船は、海外においても運航中止となっており、今後も、寄港中止やコース変更の可能性があること、船会社等が新型コロナウイルスへの対応に追われていることや在宅勤務体制を取っていることから、誘致のためのプロモーション活動などに影響が生じているところであります。  クルーズ客船の寄港は、県の観光振興や地域活性化、産業振興の面で大きな効果が期待できること、クルーズ市場は2年から3年後を見据えた寄港が計画されていることなどから、船社等への継続的かつ戦略的な誘致活動が必要であります。  その一方で、寄港に係る安全・安心の確保が重要ですので、まずは国におきまして、寄港時の新型コロナウイルス感染症対策指針等を定めていただくほか、船会社における具体的な感染症対策や安全性について寄港地に提供いただけるよう、全国クルーズ活性化会議等を通じて要望してまいります。  安全・安心な受入れ体制を整え、今後とも誘致活動にしっかりと取り組んでまいります。  次に、公共交通事業者に対する支援についての御質問にお答えいたします。  先ほど、知事から答弁がありましたとおり、6月補正予算案において、複数の市町村にまたがり運行されている鉄軌道や、これまで市町村等と連携して運行を支援してきたバス路線に対し、平日の朝夕ラッシュ時間帯の3つの密を回避した運行の継続に必要な経費として、4月から9月までの6か月間分を基礎に補助する事業を盛り込んでいるところであります。  5月29日に、本県の緊急事態措置がステージ1となり、公共交通の利用が徐々に回復してきておりますが、感染拡大防止対策は引き続き重要な課題であります。このため6月補正予算案において、公共交通事業者感染拡大防止のため、駅や車両の衛生対策や新たな実証運行に取り組まれる場合に、国の補助に上乗せして支援する事業を盛り込んでおります。  今後、公共交通事業者や市町村におかれましては、県の予算案を踏まえ、感染拡大防止対策の実施や運行に対する支援について、検討を進めていただきたいと考えております。  県といたしましては、これらの取組や新しい生活様式を受けた公共交通機関の利用動向を注視いたしまして、地域の公共交通機関が必要な対策を実施した上で、安定的に運行を継続できますよう、全国知事会を通し国に必要な措置を要請するなど、支援に取り組んでまいります。  以上でございます。 12 ◯議長(上田英俊君)砂原危機管理監。    〔危機管理監砂原賢司君登壇〕 13 ◯危機管理監(砂原賢司君)答弁に先立ちまして、一言御挨拶申し上げます。  去る4月に危機管理監を拝命しました砂原でございます。安全・安心な富山県の確立に向けまして、誠心誠意取り組んでまいりますので、議員の皆様方には御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。  それではまず、避難所における感染症対策についての御質問にお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症の第2波に備え、避難所における感染症対策は喫緊の課題であります。このため県では、県民に向け、先月末から富山防災WEBなどにおいて、感染症が収束しない中での適切な避難行動について広報を行っており、今後も、新聞やSNS、自主防災組織の研修会等を通じ周知に努めてまいります。  一方、実際に避難所を開設運営する市町村に対しましては、避難所運営マニュアルの策定指針を作成し、3密の回避をはじめ、避難者の健康状態の確認、衛生管理の徹底、発熱者への対応等に留意したマニュアルの策定を要請しております。  また、感染症対策の観点を取り入れた避難所が、実際にスムーズに設置、運営されることが重要であることから、避難所開設の訓練を来る30日に実施することとしております。感染症専門家による講義や段ボールベッドの組立てなど、避難所設置の手順の実践的な確認を行うこととしており、その成果、反省点を市町村等と共有し、今後の避難所運営に生かしてまいります。  さらに、避難所への支援物資について、県では、関係企業、団体と協定を締結し、段ボールベッドやパーティションの供給体制を整備済みであります。今後は、6月補正予算により、マスクや消毒液等についても追加備蓄いたしたいと考えております。  県としましては、今後とも、感染症対策の観点を取り入れた防災について、市町村、関係機関等と連携協力しながら、県民の安全・安心の確保のためしっかり取り組んでまいります。  次に、救急搬送に関する御質問にお答えいたします。  搬送先が決まるまでに病院への照会を4回以上行うとともに、現場で30分以上滞在した件数は、富山市消防局を含む県内8消防本部等では、4月、5月の2か月間で、昨年の2件から今年は16件に増えております。そのうち、富山市消防局は昨年の2件から今年は15件に増加しており、その内訳は、内科疾患7件、整形外科疾患5件等となっております。  増加の要因につきましては、まず、受入れ照会4回以上の件数は、前年と比較しますと5月に増加しており、これは新型コロナウイルス感染症の院内感染のため患者の受入れを一時休止した富山市内の病院があったこと、また院内感染防止のため発熱などを訴える患者の受入れに慎重であったことなどが、要因であると聞いております。  また、現場滞在時間30分以上経過の件数は、前年と比較しますと、4月、5月とも増加しており、救急隊が現場で患者の容態観察に慎重になり時間を要したことが増加要因と聞いております。  県ではこれまでも、新型コロナウイルスに関わる事案につきましては、対策本部において必要に応じて受入先の調整を行いますとともに、医療機関や医師会、保健所、消防機関等により構成するワーキンググループにおきましても、救急搬送を含めた患者受入れの在り方について、逐次検討を行い情報共有を図っております。  今後も、これらの関係者と協力し、新型コロナウイルス感染症を念頭に置いた迅速な救急搬送と、病院への円滑な受入れに努めてまいります。  最後に、救急活動用の資機材の充実に関する御質問にお答えいたします。  国では、今年度の補正予算により、新型コロナウイルス感染症の患者等の移送、搬送に万全を期すため、患者を隔離して搬送できるカプセル型ストレッチャーや、気道確保用資機材、血中酸素飽和度測定器、いわゆるパルスオキシメーターなどを搭載した救急車の整備を支援する補助金を計上しております。  市町村等が国のこの補助金を活用される場合、県でも上乗せの補助を行い、市町村負担の軽減を図ることとしております。  引き続き、国、県の支援制度について市町村等に周知し、感染症に対応した資機材の整備を働きかけてまいります。  さらに、搬送業務に当たる消防職員の感染を防ぐため、今般、県では、各消防本部に防護服、マスク、消毒薬などの資機材を配付したところであります。  また、国におきましても、消防本部等への資機材の配付が予定されており、県では、消防本部等の感染防止資機材の保有状況調査を行い、その状況を国に報告することにより資機材が不足しないよう努めてまいります。  県としましては、新型コロナウイルス感染症の第2波に備え、市町村消防の資機材整備を促進しますとともに、市町村等との連携強化に努め、救急活動力の充実強化にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 14 ◯議長(上田英俊君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 15 ◯教育長(伍嶋二美男君)私からは、学校再開時の教育の進め方に関する御質問にお答えをいたします。  新型コロナウイルス感染症対策として、学校の長期間の休校を実施してきたところでありますが、その再開後も、様々な影響による課題への対策を講じる必要があると考えております。  県内の公立の小中学校においては、これまでの分散登校の取組や、個々の児童生徒の学習の進捗状況など、各市町村の実情を踏まえまして、夏季休業期間を短縮して授業日を設けることなどにより、学習指導要領が定めます授業時間を確保するよう工夫していくと聞いております。  具体的に申し上げますと、各学校において、児童生徒の学習の効果を最大化するよう指導方法を見直し、工夫改善を図ったり、あるいは児童生徒の学習の習熟度を把握し、例えば補充のための授業や個別指導を実施したりするなど、学校や地域、児童生徒の実態に応じた対応がなされております。  県教育委員会では、こうした授業の展開を支援していくため、例えばICTを活用したオンライン教育の充実に努めますほか、教員が学習指導に専念できますよう負担軽減を図るとともに、これまでの休校における児童生徒の学習の遅れを取り戻すための予算措置といたしまして、この5月に専決処分した補正予算において、緊急スクール・サポート・スタッフを配置することとしたほか、夏休み期間中における授業の実施に向けて、学習指導員に加えて非常勤講師等の追加配置を行うこととしております。  今後とも、国の補正予算を活用した教員等の確保に向けて検討いたしますとともに、各学校や市町村教育委員会の取組を支援してまいりたいと考えております。  次に、児童生徒の心の問題などに関する御質問にお答えをいたします。  臨時休校開けは、急激な生活様式の変化により様々な不安やストレスを抱え、不登校や自ら命を絶つ児童生徒が増加することが懸念されるところであります。  このため、臨時休校中から、児童生徒の心のケアや環境の改善に向けまして、スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーによる支援に努めてきております。  また、新型コロナウイルス感染症に起因する様々な悩みやストレス等に関する相談窓口を周知いたしまして、児童生徒の心のケアに配慮してきたところでありまして、今後とも、その取組を進めてまいりたいと考えております。  また、昨年度実施いたしました、SNSを活用したいじめ相談モデル事業では、中高生4,604人を対象として実施をしまして、217件の悩み相談に対応したところであります。そのうち、相談件数の多いものといたしましては、「心身の健康・保健」に関するものが57件、「いじめ問題」が53件でありました。  事業の主な効果といたしましては、SNS相談はハードルが低くて利用しやすいことなどの肯定的な意見がある一方で、課題といたしましては、SNS相談で解決しない生徒を、いかに対面による面談などにつなげていくか、そうしたことがなかなか難しいといったような課題が挙げられております。  今後、この事業で得られた成果や課題を踏まえて、SNS相談を通じて学んだノウハウも活用して、養護教諭やスクールカウンセラー等の心の専門家を交えた支援を行うほか、生徒指導主事の研修を行うなど、相談体制のさらなる充実を図ることにより、児童生徒が安心して学校生活が送れるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 16 ◯議長(上田英俊君)以上で酒井立志君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午前10時55分休憩       ───────────────────  午前11時05分開議       ─────────────────── 17 ◯議長(上田英俊君)休憩前に引き続き会議を開きます。  藤井大輔君。    〔7番藤井大輔君登壇〕 18 ◯7番(藤井大輔君)自由民主党1期議員の藤井大輔です。  初めての議会から本定例会でちょうど1年が経過したこととなります。  私たち自民党会派1期議員は10名おりまして、その10名で令和の会というグループをつくっておりますが、今回、新型コロナウイルスによるステイホーム期間中に1期での政策提言の取りまとめを行いました。  その背景には大きく2つの危機意識があります。  1つは、新型コロナウイルスによる未曽有の危機を経済、社会、教育システムの変革へのチャンスに変えるため、今こそ富山県には反転攻勢への英断が必要であると考えており、ここでの判断の遅れが今後10年で計り知れない自治体格差を生むのではないかと懸念しているということ。  もう一つは、本県の先人たちは、災いを福と転じて本県発展の礎を築いてこられました。人口減少、少子高齢化の社会構造変化への対応に加え、新型コロナで露呈した価値観変容の必要性を踏まえて、富山県民が、しなやかに、たくましく、生き生きと暮らせる未来をつくることが私たちの使命であるということです。  今回の私の質問は、この令和の会の提言を踏まえ、ウイズコロナ、アフターコロナ、ビヨンドコロナの3段階の局面に分けて行います。よろしくお願いいたします。  まずは、ウイズコロナ、2021年までの短期的施策について、8問お聞きいたします。  今回の感染症の対応において、医療、看護、介護関係者の皆様の献身的な努力に対し、深く感謝を申し上げたいと思います。  そんな中、複数の介護サービスの経営者の方からお聞きしたことがあります。  それは、医療だけではなく、介護現場も情報と物資が不十分な中、日夜不安を抱えながらも業務を続けてきました。1人の利用者さんには、ケアマネ、ヘルパー、デイサービスの職員など、各種サービスに関わる介護従事者が多数になります。利用者さんや家族さん、そして介護従事者の誰かが感染すると、あっという間に介護現場は壊滅的に休止に追い込まれる、そんな恐怖と闘いながら日々頑張ってきました。  時にはデマ情報にも惑わされたりもしました。今後、第2波、第3波のときには、できるだけ早く必要な情報かつ正しい情報を、県や市などの責任ある立場から責任ある場所に早く知らせてほしい、それが介護と地域を守ることになると思います。との言葉です。  この言葉を踏まえ、新型コロナ感染症に係る個人情報に関しての質問になります。  保健所から医療機関もしくは医療機関同士の情報提供については、本人同意なしでの共有も可、との厚労省からの通知があったと記憶しておりますが、保健所からケアマネ及び介護施設、もしくは医療機関からケアマネ及び介護施設への情報提供の取決めは、各自治体の判断となっていると認識しております。  ケアマネや介護施設への情報提供に関し、富山県の対応方針は、第1波ではどう判断されたのか、また第2波以降では、第1波の反省を踏まえてどのような対応方針とするのか、併せて石黒厚生部長にお聞きいたします。  なお、私は正しい機関への正しい情報提供は、誹謗中傷や差別的行為の抑制になると考えております。  次に、情報提供する仕組みについての質問です。  医療と介護の情報連携のためには、ネットワークシステムが必要と考えます。現在、富山県では4医療圏ごとに独自のネットワークシステムがあると認識しておりますが、医療、介護の情報連携には十分に活用できているとは言い難い状況だと思っております。  第2波、第3波に向けて、情報共有ネットワークシステムを今後どのように連携、活用されていくのか、石黒厚生部長の所見をお伺いいたします。  次に、一般県民への情報伝達についてです。  県民に過剰な不安をあおらないためにも、情報伝達において幾つかの重要なポイントがあると考えます。まずは情報提供の正確さ、迅速さ、詳細さ、そして広報PR観点での分かりやすさ、オープンさ、誠実さが重要かと思っております。  今回の第1波では、情報提供内容はまずまずだったものの、広報PR観点では、大阪や北海道などの自治体と比較しても、分かりやすさ、オープンさ、誠実さの面で劣っていたのではないかと、大変僣越ながら感じております。  一昨日の種部議員のリスクコミュニケーションの質問とも重なりますが、いま一度、第1波での一般県民向けの情報伝達をどのような方針で行っていたのか、また、その反省を踏まえ、今後どのような情報提供及び広報PR的な工夫を行っていくのか、併せて石黒厚生部長にお聞きいたします。  次に、民生委員やサークル等の地域活動が休止したことで、地域のネットワークによって在宅生活を維持できていた高齢者や障害者への支援が、行き届かなくなっている現状があります。地域包括支援センター等の相談窓口には、ステイホーム期間終了後から、8050問題に、さらに生活困窮やDV事案が重なるような複合型の困難事例が増加している傾向があると聞いております。  先日、6月5日に国会で改正社会福祉法が可決されましたが、ひきこもりや介護、貧困など様々な分野をまたぐ複合的な課題を抱える家庭に対し、市町村がワンストップで対応する、いわゆる断らない相談支援体制を国が支援する法律だと認識しております。  この場合、県はどのような役割になるのでしょうか。2月定例議会で断らない相談支援について御質問したときには、市町村のモデル事業支援を粛々と進めるとの御答弁でしたが、本音は、市町村と国の問題だから県は関係がないというお立場なのでしょうか。  私としては、今回のコロナ禍を契機として、県が主体的になって高齢者福祉、障害福祉、児童福祉を横断したワンストップ型の相談支援体制を早期に整備すべきと考えますが、石黒厚生部長の所見をお伺いいたします。  また、新型コロナの影響で、通所介護サービスや通所リハビリ等の事業所が休業もしくは利用者自らがお休みをされたことで、ステイホームとなった高齢者の方が増えました。外出もせず、交流も少なくなることで、認知症の症状が悪化する傾向があるとの指摘がありますが、富山県での認知症疾患医療センターへの相談件数や徘徊SOSネットワークの活動件数などに変化はあったのか、また認知症高齢者とその家族の支援に今後どのように取り組んでいくのか、石黒厚生部長に併せてお伺いいたします。  また、第1波では、入院患者や介護・障害サービスの利用者が、病院やサービス事業者から御自宅、いわゆる在宅へと戻る流れがありました。例えば県立中央病院では、緩和病棟を感染病棟に転換するということで病床を確保されたと認識しておりますが、緩和病棟にいらっしゃった方は、その後、御自宅、在宅に戻られて療養、みとりにつながっていきました。
     そういうことができたのも、高齢者及び障害者の在宅での支援について、献身的に働く在宅医療や訪問看護、通所系、訪問系の介護や障害福祉のサービスに関わる専門職員の方々が、頑張ってくださったからだと思っております。  とはいえ、それらの在宅サービス事業者に対しては、十分な感染症防止対策物資が行き届いていないとの声も実際にあります。  先ほどの酒井議員の知事答弁にもあったように、6月補正に関連予算が計上されていることは承知しておりますが、いま一度、在宅サービスを支える専門職に対し、今後どのように物質的、精神的、金銭的な支援を行っていかれるのか、石黒厚生部長の所見をお伺いいたします。  次に、県庁職員の在宅勤務と衛生管理についてです。  今回のコロナ禍で献身的な対応をされた医療、看護、介護スタッフのみならず、私は県庁職員をはじめとした公務員の皆さんの献身的な働きにも深く感謝を述べたいと思います。特に、感染症対策本部や厚生センター、軽症者向けの宿泊施設に勤務されていた県庁職員の皆さんは、自らの健康、家庭を顧みずに働いていたのではないかと危惧するほどです。  私は、そういった職員の犠牲心による対応だけでは、今後続いていかないのではないかと強い懸念を感じております。今こそ第2波に備えた県庁内の働き方改革の推進が必要と考えます。  そこで、第1波では感染防止対策のため県庁職員も在宅勤務が実施されましたが、具体的にどのように取り組まれたのか、また実施により浮き彫りになった課題について今後どのように対応していくのか、併せて滝経営管理部長にお伺いいたします。  加えて、県庁4階に設置された新型コロナウイルス感染症対策本部や厚生センターなど、感染症対応に関わった職員の衛生管理についても、どのような対応を取っていたのか、また浮き彫りになった課題について今後どのように対応していくのか、滝経営管理部長にお伺いし、最初の質問を終えます。 19 ◯議長(上田英俊君)石黒厚生部長。    〔厚生部長石黒雄一君登壇〕 20 ◯厚生部長(石黒雄一君)私のほうからは、ウイズコロナの短期的政策について6つの御質問にお答えをいたします。  まず最初に、新型コロナウイルス感染症に係る個人情報についてでございます。  個人情報につきましては、個人情報保護法令上、原則として本人の同意なく第三者に提供することは禁じられておりますけれども、感染症法第12条に基づく新型コロナウイルス感染症の発生届に関する個人情報につきましては、例外的に患者本人の同意を得ることなく、医療機関から厚生センターへ提供することが認められておるところでございます。  この医療機関から提供された個人情報を基に、県が感染症第15条に基づく積極的疫学調査を行う際は、当該個人情報を調査対象となる施設に提供する必要性を、事前に御本人に対して説明をいたし、同意を得た上で対象施設に提供し、感染者との濃厚接触が疑われる利用者あるいは職員等に対しまして、そういう方々を速やかに特定し、感染拡大を最小限に抑える措置を取ってもらうよう努めているところでございます。  県といたしましては、今後とも感染者が発生した際は、本人から速やかに御同意を得た上で、調査対象施設に情報提供できるよう努めてまいります。  なお、調査の結果、判明した濃厚接触者につきましては、患者ということではないものですから、現在のところ、利用した施設に対して濃厚接触者に関する個人情報の提供は行っていないところでございます。  今後の情報提供につきましては、感染拡大の状況や、国や他県の取扱い等も参考にしながら慎重に検討してまいりたいと考えております。  次に、医療、介護の情報共有ネットワークシステムについてでございます。  医療の情報ネットワークにつきましては、各医療圏で基幹病院等の主導によりまして整備されており、患者の電子カルテ情報やCT等の画像データ、血液等の検査データ、薬の処方内容等の医療情報を、主に病院と病院、病院と診療所の間で電子的に共有し、効果的、効率的な医療の提供に活用しているところであります。  また、在宅医療・介護の情報ネットワークは、郡市医師会によって整備され、これまで9つの郡市医師会で運用されております。患者の体温や脈拍等のバイタル情報や褥瘡等の状態について、医療・介護関係者が情報共有した上で、病態に応じた適切な在宅医療・介護サービスを提供しているところであります。  これら2つの分野のシステムは、それぞれ独立して運営されておりますが、医療現場においては、それぞれのシステムから得られる医療及び在宅医療・介護情報に基づき、きめ細やかなサービスの提供を行っているところでございます。また必要に応じ、医療圏を越えたネットワークへの参加も行われているなど、患者の医療ニーズに応じた対応もしておるところでございます。  現在、国におきましては、診療情報等を複数の医療機関等で共有できる全国的なシステムを整備中のほか、分散管理されたデータを1つのデータベースのように活用管理する仕組みの検討も進められておりますことから、県といたしましては、この国の動向等も注視し、医療、介護の情報共有、連携の在り方について研究してまいりたいと考えております。  次に、県民への情報伝達についてでございます。  今回の新型コロナウイルス感染症のように、県民の生命、安全・安心に関する情報につきましては、その時点で把握している事実と、まだ情報収集中であることなどを明確にした上で、できるだけ迅速に県民に情報をお伝えすることが重要であると考えております。  第1波におきましては、このような考えに基づき、記者発表やホームページの随時更新、相談対応など、正確かつ迅速な情報の発信に努めてきたところでございます。  また、その公表内容につきましては、内容があまりに詳細な場合は、感染者個人の特定につながりやすく偏見等が生ずるおそれがあること、また、こうした懸念により感染者から調査への協力が得られないなど、感染拡大防止対策に支障を来すおそれもあるところでございます。  また一方で、情報が過少であった場合には、かえって誤った情報が広まり、県民の疑心や不安をあおるとともに風評被害を招くおそれもあることから、県では、国の公表に関する基本指針や他県の例なども参考に、感染者に関する市町村名までの居住地、年代、性別、職業、経過等を公表してきたところでございます。  今回の第1波における対応では、若者やあるいは障害のある方への情報伝達手法に、やはりいろいろ課題もあったことですから、県といたしましては、今後に備え、例えば6月10日からは、手話の分からない方への対応として記者会見資料をホームページに同時掲載しております。これにつきましては、障害のある方だけでなくいろいろな方から、すぐ分かるようになったということで御好評をいただいております。  また、6月補正予算案におきましては、新しいコミュニケーションツールを活用したSNSの相談窓口の設置を盛り込んだところでございます。  第1波の反省も踏まえながら、今後とも分かりやすく、より県民に信頼していただける広報活動となるよう工夫してまいります。  次に、ワンストップ型の相談支援体制についてお答えをいたします。  新型コロナウイルス感染症の影響による収入減少世帯への生活福祉資金の貸付けを行っております社会福祉協議会からは、受付時に、高齢者のひきこもり相談や、ひとり親からの子育て相談、障害者世帯からの社会参加の相談など、生活困窮に陥る複合型の解決困難な相談を併せて受けることが多くなったと聞いておるところでございます。  今月5日に可決、成立いたしました改正社会福祉法では、地域共生社会の実現に向け、市町村においては、高齢者、障害者、児童、生活困窮者に対し、包括的に断らない相談支援、社会参加への支援、孤立しない地域づくりに向けた支援を提供するための体制整備に努め、県は、市町村の体制整備を支援する努力義務が定められたところでございます。  議員御指摘の断らない相談支援につきましては、住民に身近な市町村が相談窓口を設置し、様々な相談を受け止め、可能なものは市町村が自ら対応するとともに、専門的あるいは広域での支援が必要な場合は、いろいろな職種や機関と連携し、要援護者に対する支援の実現を協働で図ることとされております。  このため、今年度はモデル市町村を選定し、制度の隙間の実態把握や具体的事例に基づく地域連携の展開などを行う支援事業を実施することとしております。  県としては決して無関係ということではございませんので、今後とも、その成果の横展開などにより市町村の包括的な支援体制の早期整備を促進してまいりたいと考えております。  次に、認知症疾患医療センターへの相談件数や、認知症高齢者やその家族への支援についてお答えをいたします。  新型コロナウイルス感染症拡大防止のため外出自粛の要請が始まりました4月、5月の認知症疾患医療センターへの相談件数につきましては、昨年度は320件、本年は260件となっております。認知症疾患医療センターからは、受診による感染リスクの不安から、初診・再診予約者の受診キャンセルや、電話による相談、再診が増加していることなどの影響があったと聞いているところでございます。  また、徘徊SOSネットワークの活動件数につきましては、市町村からは、昨年の同時期とほぼ同様の状況であると聞いておるところでございます。  これまで、認知症高齢者や御家族への支援のため、県におきましては、街頭キャンペーンや認知症サポーターの養成など認知症の理解促進、相談、専門診断等を行う認知症疾患医療センターの設置、市町村と連携した見守り体制の構築や介護サービスの充実に取り組んできているところでございます。  今年度は新たに、認知症サポーターが地域での見守り等を積極的に行うチームオレンジ活動の促進に向けた研修や、認知症の人の思いを生かした支援ができるよう本人の意思発信支援等により、本人や御家族の支援に取り組むこととしております。  今後とも、認知症高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、身近な地域で相談、見守り、支援する体制の充実に、市町村等と連携して取り組んでまいります。  最後に、専門職員に対する支援についてでございます。  県におきましては、介護・障害事業所等への支援として、在宅系のサービスも含めまして、これまでも感染予防等に必要な衛生物品が入手困難な状況であったことから、マスク、消毒液等について無償配布を行ってきたところでございます。  今般の補正予算案におきましては、国の2次補正予算で抜本的に拡充されました新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金等を活用いたしまして、物資面の支援といたしましては、第2波に備え、感染防止対策に必要となります介護施設等の職員向けのマスクの配布や、緊急時に配布するための衛生物品の備蓄などを、精神面の支援といたしましては、職員の皆さんが安心して働くことができるよう、感染症を正しく理解するための外部専門家等によりますウェブセミナー、予防啓発に係るDVDの作成、厚生センター等による現地研修の実施など、また誇りと使命感を持ちサービス継続に当たっていただいている職員の方々への慰労金の交付などを、経営面の支援といたしましては、感染症対策のため通常より経費が増嵩している現状を考慮いたしまして、事業者による感染症対策に資する衛生物品や備品の購入、設備改修費への支援などを、盛り込んでおります。  また、このほか介護報酬の面でも、一定のルールに基づき上位の報酬区分を算定することが可能な臨時的な取扱いが、国から示されているところでございます。  県といたしましては、これらの事業等を通じまして、今後とも感染防止対策を徹底した上で必要な介護サービスが提供できますよう、しっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 21 ◯議長(上田英俊君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 22 ◯経営管理部長(滝 陽介君)まず、県庁職員の在宅勤務についてお答えをいたします。  新型コロナ対策としての在宅勤務は、4月20日から5月15日まで実施し、対象職員2,140名を2班に分けて隔日で、1日当たり1,070名が在宅勤務を行いました。  一方で、県が取り扱います電子情報の中には極めて秘匿性が高いものがあり、また過去には、他の自治体でネット上への情報流出事故が発生したということもございました。  こうしたことも踏まえまして、県では、情報セキュリティーの確保の観点から、在宅勤務に際しては専用の端末を貸し出す方法でのみ、テレワークを現状認めております。現段階で、このテレワーク用の端末は50台でございましたけれども、新型コロナ対策の一環として150台を増強し、200台体制とする予算を4月補正予算に計上し、現在調達を進めております。  しかしながら、在宅勤務者が1,000名を超えるという従来の想定を超える規模では、テレワークの環境を確保できなかったというのが大きな課題であると認識をしております。  現在の県庁の庁内LANネットワークは、平成7年度から15年度にかけて約19億円をかけて整備したものであります。これまでも容量の増強等に努めてまいりましたけれども、現在の規模以上のテレワーク用端末の拡充に対応することは、構造上困難でございます。  したがいまして、今回の6月補正予算案では、国の臨時交付金を財源として、セキュリティーレベルを維持しながら大規模なテレワークの実施も可能とする、庁内LANネットワークの抜本的な再構築のための設計委託費を計上させていただいております。  県としては、今回の教訓も踏まえ、県庁の働き方、業務の在り方の基盤をなす庁内LANネットワークの再構築を急ぎ、アフターコロナ時代、デジタル革命の進展に対応した県政運営の基盤整備にも鋭意取り組んでまいりたいと考えております。  次に、コロナ対応に関わりました職員の衛生管理についてお答えをいたします。  今回のコロナ対応に中心的な役割を果たしてまいりました県の対策本部や各厚生センターなどにつきましては、感染症の拡大の状況等に応じまして、職員や会計年度任用職員を随時増員してまいりました。あわせまして、長時間の時間外勤務者に対する産業医による保健指導や、心身に不安を抱える職員に対するメンタルヘルス、健康相談を行うとともに、専用の休養室の確保なども実施しております。  また、職員が陽性患者等と接する可能性がある場合には、適切な防護服等の装着の徹底にも努めているところでございます。  課題でございますが、例えば各所属には、コロナの発生前の段階から健康管理推進者という者を配置しておりますけれども、職員が兼務で参集をした対策本部とは物理的に距離が離れているということがございまして、対策本部が立ち上がった初期の段階では、きめ細かく健康状況を把握する体制とは必ずしもなっていなかったことなどが挙げられると思っております。  こうしたこともございまして、県としては、早速、対策本部のほうにも専属の健康管理推進者を配置することとしておりまして、各健康管理推進者が随時、職員の時間外勤務や疲労の状況を把握し、必要に応じて、早期に産業医による保健指導等を実施することにしております。  引き続き、職員の安全衛生管理についても万全を期してまいりますとともに、今後の感染症の発生状況等も踏まえ、応援人員の配置等についても、柔軟かつ迅速に対応してまいりたいと考えております。 23 ◯議長(上田英俊君)藤井大輔君。    〔7番藤井大輔君登壇〕 24 ◯7番(藤井大輔君)次に、アフターコロナ、2025年までの中期的到達目標について4問お伺いいたします。  石井知事が本定例会で繰り返しおっしゃっておられます、コロナ対策をきっかけにデジタルトランスフォーメーションを進め、東京一極集中から地方分散型の社会に変えていくというお考えは、令和の会での政策提言でも同じような記述があったところですので、基本的には賛同しております。  そのためにも、2025年までには、富山がデジタルトランスフォーメーションの先進県であると国内外に示すことのできる事例を、県内企業及び県内自治体で一つでも多くつくる必要があると思っております。  その目標を実現するためにも、県内企業がコロナ不況から反転攻勢するための支援は大変重要と考えます。今回のコロナ禍でも、飲食店の有志の方がスタートされましたドライブスルー方式のテイクアウトマルシェとやまは、県内9会場、県外6県にも広がり、新しい飲食店のビジネス転換の可能性を示しました。  ウイズコロナでは、緊急的に会社と雇用を守る社会保障的な給付金が中心かと思われますが、アフターコロナでは、企業が次の成長のための投資に生かせる制度設計が肝要かと思っております。  その点でも、反転攻勢への支援を目的とされました地域企業再起支援事業費補助金は、一時的に申請をストップするほどの反響であったことは大変喜ばしく、それを踏まえて、県では6月補正に新たに7億円の増額とデジタル革命推進枠を創設されたところです。  さらなる攻めの先行投資に生かせる支援制度を期待いたしますが、今後どのように事業者支援に取り組まれるのか、石井知事に所見をお伺いいたします。  また、デジタルトランスフォーメーションは一朝一夕でできるものではございません。数学の難問を解くためには算数の基礎知識が必要なように、まずはテレワークやオンライン会議など、企業が取り組みやすいところからスタートすることも重要です。  そこで、企業のBCP対策及び働き方改革推進への支援として、県としてもテレワーク、オンライン会議の導入支援を行っておりますが、3月、4月、5月に3回実施されましたテレワークセミナーの県内企業からの反響はどうだったか。また、セミナー担当は総合政策局、補助金担当は商工労働部と、現在は部局が分かれておりますが、分かれている理由、利点が私にはよく分かりません。  それらの施策をより強く推進していくためには、縦割りではなく部局横断でプロジェクト化すべきと考えますが、柿沢総合政策局長に併せてお伺いいたします。  次に、令和2年度の当初予算にも盛り込まれておりました総務省のローカル5G実証事業についてです。  残念ながら、本県の鳥獣被害対策でのローカル5G活用の提案は不採択となったようですが、このままでは富山が5G後進県になってしまうのではないかと危惧しております。  5Gの推進に向けて、今後どのように取り組まれるのか、また、5Gインフラについては全国的にも整備が遅れていると聞いておりますが、県内への影響はどうなのか、併せて滝経営管理部長にお伺いいたします。  次に、県内の企業にデジタルトランスフォーメーションを推進するためにも、県自らがデジタルトランスフォーメーションの取組の見本を示すべきであると、私は以前から主張しております。そして今回のコロナウイルスによって、それをさらに強く確信いたしました。  昨年11月の予算特別委員会、そして本年2月定例会で、しつこく同様の質問をしておりますが、そのときに知事は、サテライトオフィス、フリーアドレス、ペーパーレス会議、テレビ会議システム、庁内に無線LAN、RPAを導入するなど、細かい手段について答弁をされました。正直、それは単なる業務効率化のICT導入の延長にすぎないのではないか、まだトランスフォーメーションとは言えないのではないかと感じております。  県庁内業務のデジタルトランスフォーメーションについて、今後どのように取り組むのか、石井知事の所見をお伺いいたします。  ちなみに、トランスフォーメーションとは、そもそもの構造や仕組みが根本から変質することのようです。知事が県庁内の官僚的な組織文化や予算決定までのプロセスそのものを根本から見直され、良いものは残し、変えるべきものは変える決断をされることを期待し、2つ目の質問を終わります。 25 ◯議長(上田英俊君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 26 ◯知事(石井隆一君)藤井大輔議員の御質問にお答えいたします。  まず、今後の事業者支援の取組についてでございます。  地域企業再起支援事業費補助金は、申請受付開始後、わずか10日間で予定の助成枠に達したところでありまして、新型コロナ問題で大変厳しい経済環境の中で、反転攻勢に向けて本当にチャレンジしようという事業者が数多くいらっしゃるということを、大変心強く思っております。  こうした情勢、また、その後、多くの事業者や議員をはじめとして県議会各位からも、その継続拡充の要望をいただいておりますので、6月補正予算案において予算額を7億円増額し、従来枠の5億円増と併せてデジタル革命推進枠──デジタルトランスフォーメーションを進めるための枠──として2億円を新設しまして、この機会に、アフターコロナ時代を目指すデジタル社会への転換に向けた取組を、重点的に支援することにしております。  また、新世紀産業機構に設置している、よろず支援拠点における総合的な相談対応、また、とやま起業未来塾等の開催による人材の育成、創業関係補助金や中小企業チャレンジファンドによる新商品、新サービスの開発や販路開拓支援、また新成長産業育成支援資金とかIoT支援特別資金等もありますし、もちろん今回の新型コロナウイルス感染症対応資金も、3年間実質無利子・無担保、融資限度額も3,000万円から4,000万円ということですから、こうしたものを活用して積極的に支援してまいります。  また、議員からは、アフターコロナでは、企業が次の投資に生かせる制度設計が肝要だという御意見をいただきましたが、アフターコロナ時代に向けた取組として、代表質問で鹿熊議員からも御提案をいただきましたけれども、新しい経済社会の在り方を構想して、そういう中には、さっきお話に出たデジタルサイエンス人材、全国で見ても有識者だと言われるような方々にも入っていただいて、本県のさらなる発展、飛躍に向けた戦略を検討しますとともに、ものづくり産業についても、その新たな在り方や目指すべき施策の方向について検討をするために、必要な予算を今議会に提案いたしております。  今後も、国や市町村、関係団体と連携して、新型コロナ感染症に打ちかって、そして県内経済を再び成長軌道に戻すために、事業者の積極的なチャレンジを強力に支援してまいります。  私は、今回の新型コロナ問題をどう受け止めて、まさに災いを転じて福とできるかというのが、知事である私もそうですし、また県議会各位もそうですが、やっぱり県民の皆さんの期待に応えて新しい時代の先行きをしっかりと示していく、また、そのために国を動かしていく、そういうことが私どもの仕事だと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、デジタルトランスフォーメーションの推進についてお答えをいたします。  デジタルトランスフォーメーションは、御承知だと思うんですけれども、スウェーデンの大学教授のエリック・ストルターマンが提唱した概念で、ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させることだとされておりまして、その産業のビジネスモデル自体を変革していくということでございます。  県においては、今年3月に富山県官民データ活用推進基本計画を策定しまして、デジタルトランスフォーメーションの推進を基本方針の一つに掲げて、情報通信システムやデータ利活用による次世代型の行政サービスの提供、IoTやAIやロボット等の新技術の導入による行政サービスの効率化、あるいは人口減少時代に対応する働き方改革等々を進めることにしているわけでございます。  県としましては御指摘のとおり、県庁が、まず隗より始めよ、ということで、率先してデジタルトランスフォーメーションを進めますためにも、まずは次世代型の情報通信基盤を整備する必要があると考えております。  先ほど経営管理部長からもお答えしましたが、そのため、庁内LANネットワークの全面的な見直しに着手するための設計費用の予算を、6月補正予算に計上しましたほか、本庁と首都圏本部、また総合庁舎を結ぶテレビ会議システムを、本年7月から稼働させることにしております。  今後、本年度から臨時的に導入した市町村と県を結ぶテレビ会議システムについても、市町村と協議しながら、その恒久化を図る方向で検討しますなど、物理的な距離をオンラインで乗り越えて行政サービスの効率化や質の向上、働き方改革等を進めまして、また、さらには革新的技術による新たな付加価値の創出や、行政、民間、NPO等のそれぞれの特性を生かした創造的な協働の取組などにも、つなげてまいりたいと思っております。  このデジタルトランスフォーメーションについては、今、情報政策課に電子県庁推進班4名で対応しているということなんですけれども、当面、各部局の連絡課の適切な人材それぞれ1名に、このデジタルトランスフォーメーションの企画、連絡調整を担ってもらうことにして、全庁的な推進体制を図るためのプロジェクトチームを発足させる。また、御提案のデジタルトランスフォーメーションを担う専門人材の育成も含めまして、アフターコロナ時代にふさわしい新しい県庁業務の進め方、また、必要に応じて県行政の在り方そのものについても見直すとか、積極的に取り組んでまいります。
    27 ◯議長(上田英俊君)柿沢総合政策局長。    〔総合政策局長柿沢昌宏君登壇〕 28 ◯総合政策局長(柿沢昌宏君)テレワークに関する御質問にお答えいたします。  今般の新型コロナ問題で、テレワーク導入に向けた企業の意向が高まってきており、県として、企業のBCP対策、働き方改革の観点からも、その導入支援を進めたいと考えております。  このため県では、本年5月までに3回のテレワークの入門セミナーを開催し、テレビ会議システムでの参加や県公式ユーチューブチャンネルでの配信など、参加者へのオンライン対応も行ったところです。  今回のセミナーの実施結果といたしましては、ユーチューブチャンネルの再生回数が約1,800回であり、また参加者からの意見として、テレワークを社として導入した、チャットツールを安心して利用できるようになった、などの声をいただいており一定の効果があったと考えております。  今後は、次のステップとして、文書ファイル等の情報管理から会計や販売管理等の業務領域までのクラウド化の促進に向けまして、セミナーやワークショップに取り組んでまいります。  なお、議員御指摘の部局横断の取組につきましては、今回、商工労働部で実施いたします地域企業再起支援事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業等が経営力を取り戻し、反転攻勢につなげるための補助制度でありまして、テレワークなどデジタル技術の導入も含むものでございます。  ただ、議員御指摘のとおり、部局横断的に取り組むことが大事なことでございまして、テレワークに関するフォーラムなどの機会には、補助制度についても併せて説明するなど、県民に分かりやすい支援に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 29 ◯議長(上田英俊君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 30 ◯経営管理部長(滝 陽介君)ローカル5G等についてお答えをいたします。  国が今年度予算で32億円を計上いたしました地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証には、全国から174件の提案があり、本県からも鳥獣被害対策、それから建設現場の労働生産性向上の2件を提案いたしましたが、大変残念ながら最終的に選定をされた20件には盛り込まれませんでした。  特に、農林水産業分野については全国で32件の提案があり、実際に選定をされた4件の提案を分析いたしますと、農機の自動化やロボットの活用による果物の選果のように、農作業そのものの効率化に重点を置いて評価、選定がなされたようであります。  しかしながら、本県が提案した鳥獣被害対策は喫緊の課題でもありますし、労働力不足の解消と、コロナ対策として人との接触回避が、非常に重要という観点からも、無人化による鳥獣害対策は県が取り組むべき重要な課題であると考えております。  このため、事業の推進に意欲的なケーブルテレビ事業者と連携し、実証事業を行い、横展開を図るという所期の目的を少しでも実現できますように、他の国費の活用も含め、現在、鋭意調整を進めております。また建設現場の労働生産性向上への取組につきましても、課題の再検討を図るべく準備を進めております。  なお、今回の新型コロナの感染拡大により、一部事業者で5Gサービスの開始が延期され、また、海外等からの部品の調達や基地局の現地調査の遅れなどの影響も懸念されるという報道もございますけれども、現時点で携帯電話事業者4社に聞き取りましたところ、県内の基地局整備に特段の影響は生じていないというふうにお聞きをしております。  加えて総務省では、一昨日になりますが、5G等の全国展開を大幅に前倒しする──具体的には2023年度末までに現行8.4万局以上としていた目標を21万局以上まで増やすということで──前倒し整備の取組が公表されております。  県としても、5G基地局の早期整備を、引き続き携帯事業者各社に求めますとともに、5G基地局の設置に必要な光回線を国の交付金を活用して、市町等一気に整備いたしますなど情報通信インフラの整備促進に、引き続き鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 31 ◯議長(上田英俊君)藤井大輔君。    〔7番藤井大輔君登壇〕 32 ◯7番(藤井大輔君)最後はビヨンドコロナ、2040年までの実現したい富山県の未来について2問御質問いたします。  デジタルトランスフォーメーションを実行し、地方分散型の社会が実現したとして、一体、県民にとってどんなうれしいことがあるのか、どんな日常での暮らしやすさがあるのか、いまいちイメージがつかないのではないでしょうか。県民が、それなら実現したいと思えるような明確なビジョンを示すことができれば、トランスフォーメーションのスピードは高まっていくと考えます。  その点でも、新しいアフターコロナ時代を見据えた経済社会構想検討会議、先ほど知事おっしゃられた会議を設置されることは、大変期待しておりますし、これまでとは違う大胆なデータサイエンスにたけた人材の登用、ぜひお願いしたいと思っております。  例えば、東京都の副知事で元ヤフー社長の宮坂学さんは、東京都の行政手続の98%をデジタル化すると宣言されておりまして、都庁にICT部門の設立とIT人材の獲得を開始されております。  都庁では、IT人材は現在100人程度で全職員の0.3%、ニューヨークでは全職員の1%、シンガポールでは全職員の7%がIT人材なので、まだまだ遅れているとの認識だそうです。  また、これまでの行政手続が原則文書だったことを、原則デジタルへと方針大転換すると宣言されております。  宮坂さんのようなトップクラスのIT人材、データサイエンス人材に関わってもらうためにも、富山県は東京都以上に宣言をしなければ、そのような人材は集まってこないと考えます。  データサイエンス人材は世界的にも奪い合いとなっており、富山県は人材の育成と招聘の両輪で取り組む必要があると考えますが、いかがでしょうか。また、県においてもこうした人材を活用し、効率的で質の高い政策を企画立案、実行すべきと考えますが、併せて柿沢総合政策局長にお聞きいたします。  次に、デジタル行政化を進めることのゴールについてです。  デジタル行政化は、県民の申請手続の簡素化や自治体職員の働きやすさをもたらすだけではなく、より住民主体で、付加価値の高い住民サービスを提供することがゴールだと考えます。  サッカーで例えれば、国はディフェンダーで、県はミッドフィールダー、ゴールを決めるフォワードは市町村であるというのは、堂故参議院議員のお言葉でありますが、コロナの一件では、一部の市と県でボールの奪い合いをしている状況も、残念ながらあったのではないかと思っております。  デジタル行政化による、誰一人取り残さない、誰もが幸せに暮らす富山県の実現に向けて、県内市町村全てがフォワードとしてゴールを決められるよう、県は市町村のシンクタンクとして、格差のないデジタル環境整備のために汗をかく必要があると考えますが、滝経営管理部長の所見をお伺いいたします。  第1波の感染症については、世の中が、あつものに懲りてなますを吹くような状態となりまして、それでは社会経済活動が回らないことが判明しました。一方、収束後に世の中が、喉元過ぎれば熱さを忘れるになってしまっては、せっかくの変革のチャンスを失ってしまいます。  バランスのあるウイズコロナ、アフターコロナ、ビヨンドコロナの県政を期待し、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 33 ◯議長(上田英俊君)柿沢総合政策局長。    〔総合政策局長柿沢昌宏君登壇〕 34 ◯総合政策局長(柿沢昌宏君)データサイエンス人材に関する御質問にお答えいたします。  第4次産業革命や今般の新型コロナ問題を通じまして、デジタル技術の活用の進展と併せまして、様々なビッグデータを収集し分析することで、新たな価値を見出し、そして企画実施に活用するデータサイエンスの手法の重要性が増しており、この役割を担う人材の確保が重要であると考えております。  このため、まず県内でのデータサイエンス人材の育成に向けましては、富山大学では今年度以降に入学する学生に対しまして、教育の必修化、県立大学では情報システム工学科の学生に対しまして、教育研究の強化を行っており、今後、他の県内大学への普及も行っていきたいと考えております。  また、新型コロナ問題を契機といたしまして、テレワークやオンライン会議など、場所にとらわれずに働ける動きが進む中、移住や副業などの促進によりまして、データサイエンス人材の誘致にも取り組んでいきたいと考えております。  また、行政の分野でも、議員御紹介のとおりデータサイエンス人材の下、デジタルガバメントやデータ解析に基づくプロジェクトを推進しているという例があると聞いております。  本県では、今般の新型コロナ問題を契機に検討会議──アフターコロナ時代を見据えた経済社会構想を検討する会議──を設置いたしまして、その中ではデジタルトランスフォーメーションが進展する経済社会の姿、必要な戦略を検討することとしておりますけれども、まずは、例えばその中に、データサイエンス人材と言えるような方に参画をいただき、アフターコロナ時代に向けたビジョンを検討するということも一つの方法なのではないかと考えております。  今後、データサイエンス人材の確保、本県での活躍に向けまして、どういった取組方法がよいか検討し、取り組んでいきたいと考えております。 35 ◯議長(上田英俊君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 36 ◯経営管理部長(滝 陽介君)市町村と連携をしたデジタル行政の推進についてお答えいたします。  御指摘がありましたとおり、デジタル行政の推進は、県や市町村自体の働き方改革という側面もありますが、もとより県が提供する行政サービスの受益者であります住民の方々にとって、利便性、付加価値の高いものに深化をさせていくということが、その大きな目的だと思っております。  一方で、特に規模が小さい市町村にあっては、デジタル化を単独で進めますことは、人的にも財政的にも相当厳しい状況であるというのが現状でございます。これまでも市町村長会議におきましては、複数の市町村長さんから、県に対して技術面を中心とした支援を要請されてまいりました。  そうしたことも踏まえまして、市町村と県が共同して、セキュリティー、電子申請、それから学校現場におけるICT環境の整備充実などに取り組んでまいりました。  県では、平成18年から設置をしております情報企画監を中心として、県行政のデジタル化の推進を進めておりますけれども、併せて市町村に対しましても、求めに応じまして適切かつ積極的に助言等を行っております。その一つとして、市町村と県によるシステムのクラウド化、共同利用型の自治体クラウドは、全国的には例がない大変先進的な取組ということで国からも評価をいただいております。  県といたしましては、市町村との適切な役割分担の下で、これまで培ってきた県と市町村との情報通信分野の連携体制についても、さらに充実をさせ、御指摘がありましたとおり、県内において格差のないデジタル環境を整備するためにも、知事からも先ほど答弁ありましたけれども、庁内PTの設置や専門人材のさらなる育成も含めて、県としての役割をしっかり果たしてまいりたいと考えております。 37 ◯議長(上田英俊君)藤井大輔君。    〔7番藤井大輔君登壇〕 38 ◯7番(藤井大輔君)すみません、僣越ながら再質問させていただきます。  厚生部長にお聞きしたいと思っておりますが、コロナウイルスの情報提供に関してでございますが、先ほど医療機関同士の情報提供についてのお話をされましたけれども、介護関係者、主にケアマネジャーに対しての情報提供の方針について改めてお伺いしたいと思います。  先ほど、濃厚接触者は患者ではないので情報提供は行わない、というようなお話があったかと記憶しておりますが、仮にケアマネジャーが担当している高齢者が濃厚接触者であった場合でも、厚生センターや保健所から連絡は来ないという認識でよろしいのでしょうか。その場合、ケアマネジャーが、その本人や家族からその情報をいただく以外に、情報を入手する方法はないという認識でよろしいのでしょうか。この辺りをお答えいただきたいと思っております。 39 ◯議長(上田英俊君)石黒厚生部長。    〔厚生部長石黒雄一君登壇〕 40 ◯厚生部長(石黒雄一君)藤井議員の再質問にお答えをいたします。  お話しのありましたとおり、濃厚接触者の方、この方は感染者本人ではないものですから、現段階ではこの方々に関する情報は、施設等への情報提供は行っていないということです。もちろん、御本人がお知らせする、そういうことは今までもありましたけれども、県のほうからは、御本人がそういうアクションを取られない限り、提供は行っていないということでございます。  今後、そこら辺の調査がいろいろ進展したときに、その状況次第で、御本人が感染したとか、いろんなアクションがあるときには、さらに進めて情報提供等は行っておりますけれども、現時点では行っていないと。これにつきましては、やはり基本的な立場からすると、現時点ではそれについて変更することは考えていないということでございます。 41 ◯議長(上田英俊君)以上で藤井大輔君の質問は終了いたしました。  暫時休憩いたします。  午後0時03分休憩       ───────────────────  午後1時05分開議       ─────────────────── 42 ◯副議長(筱岡貞郎君)休憩前に引き続き会議を開きます。  杉本正君。    〔31番杉本 正君登壇〕 43 ◯31番(杉本 正君)田んぼの苗もすくすく伸びて、富山平野に水と緑が満ちあふれています。  昨日、私の家に待ちに待ったアベノマスクが到着しました。せっかくですので、そのアベノマスクをつけて質問します。  ビヨンドコロナの政策について4問、子育て支援・少子化対策について3問、富山市北部地区の事業について3問質問いたします。  昨日まで、新型コロナの県内感染者がゼロの日が、30日間続いています。感染防止に対しての県民の皆さんの御努力、特に医療従事者や介護・障害福祉に携わっておられる皆さんの御努力に対し深く敬意を表したいと思います。  今後も引き続きコロナに感染しないように注意しなければいけませんが、一応第1波の山は越えたような気がします。  ウイズコロナ、アフターコロナ、ポストコロナという言葉が使われていますが、コロナを乗り越えて頑張っていこうという意味のビヨンドコロナという言葉を、もっと前面に出したほうが、県や市町村、経済、医療福祉、教育・文化など幅広い分野の県民が一体となり、この危機を乗り越えようという力強い意志を共有することができると思います。  このB、e、y、o、n、d、ビヨンドという言葉は、一般にはあまりなじみがありませんが、午前中質問されたリクルートの雑誌の編集に携わっておられた藤井大輔議員の鋭い感性に感心し、それを参考にして、最近、私もこのビヨンドという言葉を使い始めました。  アフターコロナとかポストコロナという言葉では、コロナに打ち勝つ、コロナを乗り越えるという強い気持ちが伝わってきません。ビヨンドコロナと言うほうが、コロナを乗り越えて反転攻勢をするという強い気持ちが伝わってくると思います。石井知事の見解をお伺いいたします。  質問の第2点、新型コロナウイルス収束を見据えた中小企業の反転攻勢を支援する県地域企業再起支援事業補助金制度であります。  これは非常にタイムリーな施策であると思います。5月27日から受付が開始されましたが、想定を上回るペースで申請があり、10日間で申請金額が助成額3億円に達し、申請受付を急遽終了されました。  あまりにも要望が多いため、石井知事は6月9日、追加募集を行う方針を明らかにされました。まさにスピード県政であります。その内容について石井知事にお伺いいたします。  今度のコロナ問題で、いろんな産業、ほとんどの産業が打撃を受けましたが、一番大きな影響を受けたのは観光産業だと思います。外出の自粛により県内外からの観光客が激減し、大きな影響を受けた県内の観光産業に対してどのような支援を行っていくのか。  県外からの観光誘客に向けた取組はもちろん重要でありますが、県外からの観光客が急激に回復することは難しく、県民による県内観光の機運を高めていくことが重要だと思います。中谷観光・交通振興局長のお考えをお伺いいたします。  今度のコロナ感染症問題で、密閉空間、密集場所、密接場面という3つの密、3密という言葉が流行語になりましたが、人々は集まって話をし作業することで、よいアイデアが生まれ、効率を上げることができる。そこに都市が生まれ、情報が集まって、改善が起こるというサイクルでやってきました。  しかし、過度に集まる、密集すると命に関わることが起こる可能性が高まる今度のコロナウイルスの感染者は、地方で少なく、東京などの首都圏、大阪などの近畿圏が多く、東京一極集中という社会構造はリスクが高いことが改めて明らかになりました。また内閣府の調査では、首都圏の多くの若者は地方での暮らしに関心を持っているとの結果も出ており、地方創生に向けた取組の一つとして、本県への移住を促進することが重要だと思います。  コロナ感染症収束後の本県への移住促進に向けての石井知事のお考えを、お伺いいたします。  子育て支援・少子化対策は、県政の最も重要な課題であります。  3問お伺いいたします。  今度のコロナの問題で、2つのことが目につきました。その1つは、子供たちが近所の友達と道路や公園で遊ぶ姿がよく目に入りました。サッカーや野球、バレーボールなどスポーツ少年団の活動が自粛されたからだと思います。  もう一つは、夫婦が仲よく手をつないで散歩する姿です。ステイホームで愛が深まったからだと思います。少子化が解消されればよいなと思います。  質問に入ります。  未婚化や晩婚化が少子化の大きな要因となっており、結婚を希望する男女への支援が必要と考えます。最近の若い男性は、この議場におられる○○議員みたいな肉食系の人が少なくなり、私みたいな草食系の男性が増えて、なかなか交際、結婚までうまく進まないようであります。  一人一人に合った出会いの場の提供やコミュニケーション能力を向上するための支援など、県としても積極的に取り組む必要があります。柿沢総合政策局長のお考えをお伺いいたします。  男性の家事・育児参加時間が長いと、第2子以降の出産割合が増えるという全国調査もあります。母親の子育ての負担感を軽減するためには、男性による家事、育児への参画が必要であると考えますが、その促進に向けてどう取り組むのか、総合政策局長のお考えをお伺いいたします。  次に、第4子以上誕生お祝い事業についてお伺いいたします。  本県では子供が4人以上いれば、お祝いパスポートを発行していますが、対象の県営の施設は、富山県美術館、高志の国文学館、総合体育センター、中央植物園、帆船海王丸など25の施設を、家族全員で利用できる第4子以上誕生お祝い事業ですが、これは平成28年に県が打ち出した施策であります。  当時は、対象の4番目の子、第4子が小学校入学前まででありました。小学校入学前の幼稚園児や保育園の子供より、小学生のほうが体育館や美術館をよく利用する。対象の年齢を引き上げるべきだと私は本会議場や厚生環境委員会で強く訴えました。また1人会派でありますが、予算要望のときに知事室で石井知事にしつこく訴えました。
     その結果、県では、平成30年度からパスポートの利用期間を小学校6年生までと拡充されましたが、富山県で1年で第4子が誕生する家庭は約200世帯で、現在、対象の家庭は720世帯で非常に少ない。  今度のコロナの1人10万円給付のことで、お父さん、私の家では子供が3人いて合計50万円も当たるわ、よかったわね、という声も聞きました。  第4子以上誕生お祝い事業について、対象を第3子以上に拡充しても、県としての支出は増えるわけではありません。対象を子供3人、第3子以上に拡充すべきと考えますが、お祝いパスポートの利用状況と併せて、コロナウイルス対策で毎日頑張っておられる石黒雄一厚生部長にお伺いいたします。  最後に、富山市北部地区の事業について3点お伺いします。  国道8号の豊田新屋立体事業でありますが、このことについての関係者の皆さんには、いろいろと御尽力をいただいておりますことに深く敬意を表したいと思います。県道富山環状線における渋滞の解消が期待されるほか、産業の活性化や物流の効率化にも大きな期待がされております。  知事の提案理由にも触れられていましたが、この国道8号の豊田新屋立体事業について、現在の進捗状況と今後のスケジュールについて、江幡土木部長にお伺いいたします。  次に、国道415号線についてであります。  県では、四方荒屋から西側の打出地内までの区間を県道練合宮尾線として整備を進めておられますが、その計画をさらに射水市にも広げるべきであります。  富山市から射水市に至るバイパスが整備されれば、富山新港と県東部を結ぶ道路網は完成し、湾岸部の観光拠点へのアクセス向上などの大きな期待がされます。土木部長のお考えをお伺いいたします。  最後に、富山北部高校南側の売却済みの元県有地について、宅地造成のため購入した不動産業者と係争中になっていますが、この問題を早期に解決し有効に活用すべきと考えます。  いろいろな意見があります。今ここでは言いません。土木部長のお考えをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 44 ◯副議長(筱岡貞郎君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 45 ◯知事(石井隆一君)杉本議員の御質問にお答えをいたします。  まず、ビヨンドコロナの政策についてであります。  県ではこれまで、新型コロナ問題を県民一丸となって乗り越えるために、富山県民こころをひとつ、をキャッチフレーズに、県の広報紙とか新聞、テレビ、ラジオ、様々な媒体を活用しまして、新型コロナウイルス感染拡大防止等の広報に取り組んでまいりました。  外出自粛が解除されますなど、各種の社会活動制約が緩和されつつある中で、今後は感染防止と社会経済活動との両立を図って、お話しのように、反転攻勢に向けた取組を進めるために、次のフェーズにおける施策展開のツールとして、新たなキャッチコピーを作成して県内外で活用していきたいなと、今、思っております。  議員御提案のビヨンドコロナについては、この議場にいらっしゃる藤井大輔議員はじめ、将来総理を出すことが目的とおっしゃる令和の会の皆様もお使いですし、また全国的には、諏訪中央病院名誉院長の鎌田先生とか何人か著明な方も使っておられまして、議員おっしゃるように、この危機を乗り越えて、これを糧にして、生かしてチャンスに変えていこうという視点があるという意味で、私も大変共感する点が多いわけでございますが、ただ、ほかにもアフターコロナとかいろんな表現がありまして、確立した定義は御承知のとおりないわけでございます。  具体的には、県民一丸となって未来に向かって前進している、そういうイメージを前面に出したものとして、県民の皆様に広く活用していただけるように工夫したいと思っております。  また、本議会には、首都圏等における本県のイメージアップのための予算を提案しておりまして、首都圏等の鉄道の車内デジタルサイネージを活用して、都市部と地方との共生を基調としたメッセージを載せた本県の雄大な自然景観等の映像を放映しますほか、県内に向けても新たなキャッチコピーを活用したキャンペーンを行って、県民一丸となってコロナ後の新しい富山を創造しようと、こういうメッセージを周知して気運醸成を図っていきたいと思っております。  この事業を通じて、この危機を乗り越えて、新たな時代を創造する、こういう力強い意志を県内外の皆様と幅広く共有できますように、またひいては富山県のイメージアップにつながるような取組を進めてまいりたいと思っております。  次に、地域企業再起支援事業についてお答えをいたします。  地域企業再起支援事業は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業や小規模企業等の皆様が、経営力を取り戻して反転攻勢につなげていただくために、販路開拓とか新商品開発など様々なメニューを組み合わせて活用できる補助事業として創設したものでございます。  お話しのように、先月27日から申請受付を開始したところ、幅広い業種から申込みが集中いたしまして、わずか10日間で予定の助成枠に達しましたので受付を終了しましたが、その後、多くの事業者の方、また杉本議員はじめ本当に多くの県議会の皆様方、自民党の政調会も含めて御意見をいただきましたので、この補助金の継続、拡充をぜひ図ろうといったことで、この6月補正予算におきまして予算額を10億円に大幅に増額しました上で、喫緊の課題である熱中症対策を補助事業に明示しますなど──これは何か上田議長から経済産業委員会で御提案があったとも聞いておりますけれども──そういった制度の改善を図るとともに、この機会に、今日も改めて議論になっておりますデジタルトランスフォーメーションを推進するため、今回新たにデジタル革命推進枠を設けまして、上限額を200万円に拡大した上で、非接触型ビジネスの展開、また業務のリモート化の対応、ビッグデータの活用など、デジタル社会の転換に向けた取組を重点的に支援することにしております。  例えば3密を回避するためのオンライン商談とか、動画配信の実施ですとか、また密集や発熱を検知して警告するシステムの開発、導入とか、いろんなことが考えられるわけでございます。  今回、補正予算として御議決いただければ、今後、この補助制度の周知に努めますとともに、市町村や関係団体と連携しながら、県内の事業者が新型コロナ感染症を乗り越えて新しい生活様式に対応するとともに、反転攻勢につなげて富山の新たな飛躍、発展を目指して果敢にチャレンジできますように、関係事業者をしっかりと支援してまいります。  最後に、移住についてお答えをいたします。  今回の新型コロナの問題で、東京一極集中型の社会構造のリスクが改めて明らかになりました。  他方で、コロナのリスクに対応するために、テレワークとかオンライン会議とかやってみましたら、なかなかこれは効果があるなと。そういうことであれば、何も世界一災害リスクが高い、日本一出生率が低い、その東京に毎日満員電車に乗られてみんなが集まる必要はないと、そういう認識が非常に広がってきていると思います。  今が、デジタル革命を加速化させて、我が国を地方分散型に変えて、真の地方創生の実践を図る大きなチャンスだと考えております。  また、国の調査では、若者を中心に東京圏在住者の約半数が、地方暮らしに関心を持っていて、また本県でも、御承知のとおり若い世代を中心に移住者が年々増加しておりまして、10年ほど前は200人程度だったのが、一昨年が905人、昨年が926人となっておりますし、その8割が20歳代から40歳代の方ということでございます。この機を捉えて移住促進をしっかり図ってまいります。  県としましては、そのために、本年4月以降、まだ新型コロナの影響もありますので、オンライン移住セミナーの開催に取り組んでいて、さらに4月補正予算において、移住相談員によるリモート現地案内──これは移住希望者の方と移住相談員をオンラインでつないで、希望される例えば空き家とか子育て施設などもリモートで案内するとかといったようなことです──、また移住動画──これは移住を経験した方が、富山の日常の暮らしってこんなにすてきだよというようなことを、ユーモアを交えて90秒ぐらいの短い動画で紹介するといったようなこと──、またSNSによる富山の暮らしやすさのPRを行う、おうちで移住富山キャンペーンというものも、実施する予算を計上しておりまして、積極的にオンラインを活用して全国に向けて富山県の移住の魅力を強力に発信してまいります。  加えて、テレワークが広がる中で、本県では遅れがちでありました中山間地域も含めて、県内全域に光ファイバー網を、この際一気に整備することにしたところでありまして、新しい移住の形として、首都圏などの企業に勤める方が富山に移住してテレワークで働くことや、企業のサテライトオフィスの誘致にも取り組みたいと思っております。  本県の移住促進に向けて、この新型コロナ問題、文字どおり危機をチャンスに変えて、オンラインのプラスの効果も最大限に生かしながら、市町村と協力してしっかりと取り組んでまいります。 46 ◯副議長(筱岡貞郎君)中谷観光・交通振興局長。    〔観光・交通振興局長中谷 仁君登壇〕 47 ◯観光・交通振興局長(中谷 仁君)私からは、観光産業に対する支援についての御質問にお答えをいたします。  国内外での新型コロナの影響によりまして、県内観光産業を取り巻く環境は極めて厳しいものとなり、これまでも、国、県、市町村が連携を図りながら、雇用対策や資金繰り支援、事業継続等に向けた各種支援金や、休業要請に係る協力金の支給などの取組が行われてまいりました。  5月29日に県の緊急事態措置がステージ1となり、本県の対策指針におきましては、観光振興については、まず県内観光から取り組むこととされました。このため県では、今月から、県内宿泊施設や公共交通機関等の県民向け割引キャンペーンを順次展開してきております。  県民の皆さんには、この機会に県内観光地の魅力を再発見していただき、その魅力を発信していただくことで、県内観光需要の速やかな回復につなげてまいりたいと考えております。  さらに、今後、国で実施される予定のGo To トラベルキャンペーンの全国展開を見据えまして、県内事業者による着地型旅行商品の造成を支援いたしますとともに、県産地場産品のインターネットでの割引販売に併せ、県外の購入者に対し本県の観光情報をPRしますほか、6月補正予算案には、国のキャンペーン期間中の県内宿泊者に、特産品等の特典付与を行う事業を盛り込んでおります。段階的に県外からの誘客促進の取組を進めてまいります。  今後とも富山県が選ばれ続ける観光地となりますよう、県内観光産業の活性化に向けた取組をしっかりと進めてまいります。 48 ◯副議長(筱岡貞郎君)柿沢総合政策局長。    〔総合政策局長柿沢昌宏君登壇〕 49 ◯総合政策局長(柿沢昌宏君)私から2問お答えいたします。  まず、結婚支援に関する御質問にお答えいたします。  本県の出生数は減少傾向にあり、合計特殊出生率は5年連続で1.5台を推移しているものの、県民希望出生率1.9とは開きがございまして、未婚化、晩婚化が要因の一つと考えております。  一方、昨年度、県が実施いたしました調査では、20代、30代の未婚者の83.3%が「結婚したい」と答えていることから、結婚を希望する男女への支援の拡充が必要であると考えております。  このため県では、これまでの、とやまマリッジサポートセンターでの取組に加えまして、今年度の新たな取組といたしまして、利用率の高い富山市、高岡市のサテライト会場のブース数の拡充のほか、異性と交際することが不安との声もございますので、こうした声を踏まえまして、コミュニケーション力の向上と意識変革などを学ぶ婚活セミナーの実施、お見合いサポーター向けの養成講座やスキルアップ研修会の開催など、市町村と連携した結婚支援について強化することといたしております。  また、結婚につきまして、職場の理解、協力も重要であることから、本年度新たに県経営者協会に企業間コーディネーターを設置いたしまして、若手社員がビジネススキルを学びながら自然に異性と交流できるセミナーや企業間交流会を開催するなど、自然な出会いの機会の創出に努めることといたしております。  今後とも、市町村や関係団体、企業等と連携し取り組んでまいります。  次に、男性の家事、育児に関する御質問にお答えいたします。  家事、育児に関する国の調査を見ますと、本県では共働き率が高いものの、6歳未満児がいる夫婦の夫の家事・育児時間は、1日平均1時間5分で、欧米先進国はもとより全国の1時間23分より短い状況にあります。  一方、夫が休日に全く家事、育児をしない家庭では、第2子以降が出生する割合は10%、夫が6時間以上、家事、育児をする家庭では87%であることから、子育て環境の整備に向けて男性の家事、育児への参画が重要であると考えております。  このため県では、これまでも、家族でハッピー!家事・育児分担キャンペーンや、新婚夫婦への家事シェアスタートブックの配布などに取り組んできたところです。  また昨年度末に策定した、子育て支援・少子化対策に関する基本計画においても、男性の家事・育児参画の促進を重点施策の一つとしており、本年度、新たな取組といたしまして、県有施設、商業施設等の男性多目的トイレへのベビーシート等の設置、男性の家事・育児参画や育休促進のためのフォーラムや管理職セミナーの開催、父親になる男性に出産、育児の基礎知識や注意点などを啓発するための父親と子供の手帳、父子手帳の配布などを行うことといたしております。  今後とも男性の家事・育児参画を推進し、家庭や社会における子育てがしやすい環境づくりに取り組んでまいります。 50 ◯副議長(筱岡貞郎君)石黒厚生部長。    〔厚生部長石黒雄一君登壇〕 51 ◯厚生部長(石黒雄一君)私のほうからは、第4子以上誕生お祝い事業についてお答えをいたします。  第4子以上誕生お祝い事業は、第4子以上のお子さんが生まれた御家庭をお祝いするため、知事のお祝いメッセージの送付や、県立の文化・スポーツ施設等の利用料を無料化または割引するパスポートの配布、県広報紙への紹介を行うものでございます。  多子世帯の御家族に家族の触れ合いの機会を多くつくっていただく観点から、先ほど議員からもお話がありましたとおり、平成30年度に、パスポートの有効期限を生後6年間から、親子での外出の機会の多い小学校6年生まで延長しているところでございます。  パスポートの利用状況は、平成28年度は116件でありましたが、29年度は530件、30年度は1,427件、令和元年度は1,379件でありまして、発行枚数の増加や制度の周知に伴い利用件数が増加傾向にあるとともに、今後、令和10年度までは発行枚数が純増いたしますことから、今後も増加するものと見込んでおるものであります。  また、県では3人以上のお子さんを持つ家庭の支援として、これまで子育て応援券の手厚い配布や内容の拡充、平成27年度からの保育料の原則無償化、がんばる子育て家庭支援融資の対象拡大及び実質無利子化、とやまっ子すくすく電気事業の実施などに取り組んでまいりました。  加えて、令和元年10月から始まりました幼児教育・保育の無償化に伴い、負担が増加する一定の所得の多子世帯における副食費を、市町村と連携して無償化してきたところでございます。  今後とも、昨年度末に策定いたしました新たな子育て支援・少子化対策の基本計画の下、ただいま申し上げましたような様々な施策を組み合わせながら、効果的な子育て支援・少子化対策を実施してまいります。 52 ◯副議長(筱岡貞郎君)江幡土木部長。    〔土木部長江幡光博君登壇〕 53 ◯土木部長(江幡光博君)私から3問お答えをいたします。  まず、国道8号豊田新屋立体事業についての御質問にお答えをいたします。  国道8号は、本県の産業、経済、社会活動を支える大動脈として極めて重要な道路であります。このうち、神通川に架かる中島大橋から金泉寺高架橋までの間は、県内で最も交通量が多く、交差する県道富山環状線等も含め朝夕の時間帯を中心に慢性的な交通渋滞が発生しております。  これらを解消するため、国において、富山市小西地内から粟島町地内までの2.9キロメートルを立体化する豊田新屋立体が、平成21年度に事業化され、昨年度末時点で用地進捗率──これは面積ベースでございますが──87%、事業進捗率は48%であり、今年度引き続き用地買収や、あいの風とやま鉄道をまたぐ富山跨線橋の下部工の拡幅や補強工事等が予定されております。  今後の工事手順としましては、まず現在の国道8号の外側に迂回道路を整備しまして、一旦、交通を両側に切り回した後、空けた内側のスペースで──ここは現道上でございますけれども──ここに架橋の整備が進められるものでありまして、現在は、その第1段階となる迂回道路の工事が鋭意進められております。  今後とも、必要な予算が確保され早期に事業が完成するよう、市や同盟会とも連携しまして、引き続き国に働きかけてまいります。  次に、県道練合宮尾線の整備についての御質問にお答えをいたします。  富山市四方荒屋から射水市七美地内に至る主な道路としては、海沿いの国道415号がありますが、現道は幅員が狭く大型車の通行に支障を来している上、沿道に人家が密集していることから、バイパスによる整備が必要であると考えております。  こうしたことから、県では、富山市四方荒屋から打出地内までの約1.7キロメートルの区間を、県道練合宮尾線として整備しており、これまでに四方荒屋交差点から西側約1.3キロメートルの区間の整備を終えております。  現在、残る打出地内の約350メートルの区間について、早期完成に向け工事を進めております。  また、西側の富山市打出地内から射水市七美地内までの区間については、約5キロメートルと延長が長く、多くの費用と期間を要することから、早期に整備効果の発現を図るため、区間を区切って整備を進めていく必要があると考えております。  このため、まずは射水市東部に位置する県道小杉本江線までの約1.2キロメートルの区間について、現在事業中の区間に引き続き事業着手できるよう、地元の富山市や射水市とも十分に協議調整を図りながら調査検討を進めてまいります。  また、このバイパスは湾岸部の各都市、観光拠点などを連絡する重要な幹線道路の一部となることから、現在、事業中の区間の早期完成など、今後とも事業推進に努めてまいります。  最後に、売却済みの元県有地についての御質問にお答えをいたします。  富山市蓮町地内の売却済みの元県有地につきましては、平成29年6月19日に公告、同年7月28日に入札を行い、現在係争中の買受人と4億3,700万円で契約したものであります。  一昨年の平成30年に、買受人から県に対し、売却済みの元県有地から埋設物が見つかったとの連絡があったため、入札時の書類などを調査し、また県の顧問弁護士とも協議しながら、双方、代理人を立てて話し合いましたが決着せず、昨年8月末に損害賠償請求訴訟が提起されたところであります。  昨年10月11日に第1回口頭弁論が開催されて以降、これまで4回の弁論準備手続が開催され、裁判において買受人及び県が主張すべき事実や争いのない事実など順次確認しているところでありまして、当面はこのような事実の整理、証拠の整理が続くと考えられます。  県としましても、早急な決着が望ましいと考えておりますが、現在係争中でありまして、また本件土地は既に県有地でないということから、その活用についての発言は差し控えさせていただきたいと考えております。  ただ、地元の関心が高いということは承知しておりまして、今後とも県の顧問弁護士と相談しながら適切に対応してまいります。  以上でございます。 54 ◯副議長(筱岡貞郎君)以上で杉本正君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午後1時49分休憩       ───────────────────  午後2時00分開議       ─────────────────── 55 ◯副議長(筱岡貞郎君)休憩前に引き続き会議を開きます。  安達孝彦君。    〔5番安達孝彦君登壇〕 56 ◯5番(安達孝彦君)昨年、中国にて発生しました新型コロナウイルス感染症は、世界中で猛威を振るい800万人以上が感染し、死者は44万人を超えました。  我が国においても1万7,000人余りが感染し、残念ながら900名余りの方がお亡くなりになりましたが、世界的に見ると感染が最小限に抑えられているのは、医療従事者の皆さん、行政の皆さん、そして自粛や休業に耐えた国民、県民の皆さんの努力のたまものであると、心より敬意と感謝を申し上げます。
     また、県内においては1か月にわたって新規感染者がゼロとなり、一旦は収束しましたが、来るべき第2波に備えてコロナと共に生きる生活習慣を身につけ、県民心を一つに感染拡大防止に努めなければなりません。そして一日も早い終息と平穏な日々が戻ることを祈念して質問に入ります。  まず初めに、ウイズコロナの対応についてお伺いいたします。  皆さんの御尽力により感染拡大は最小限に抑えられましたが、一方で、感染した方の家族や感染した方への過剰なバッシング、マスクの購入騒ぎや自粛警察、SNSによる誹謗中傷やデマの拡散、医療従事者とその家族への差別と偏見など、いたずらに他人を攻撃する人が現れました。生物の自己防衛本能と言われればそれまでですが、人間の浅ましさ愚かさを覚えたのは、私だけではないのではないでしょうか。  そこでお伺いいたします。これら感染者やその家族などに対する県内での誹謗中傷の状況をどのように認識しているのか。また、こうした被害に遭われた方が相談できる専用窓口のようなものを設ける必要があると考えますが、石黒厚生部長の御所見をお伺いいたします。  次に、今回の新型コロナウイルス感染症により大きな打撃を受けた一つに観光産業があります。  ここ数年、縮小する内需に代わって成長産業の柱とするべく、我が国ではビジット・ジャパン・キャンペーンと銘打って外国人観光客の誘客に力を入れてきました。2009年には679万人だった外国人観光客が昨年には3,188万人と、実にこの10年で4.7倍に、観光消費金額も4.8兆円と、10年前の5倍近くに増え、いずれも過去最高を更新しています。  さらに、今年は東京オリンピックパラリンピックが予定されていたこともあり、観光産業では設備投資を進め、受入態勢の強化を進めてきましたが、五輪は延期となり外国からの出入国も制限され、インバウンドは前年比99.9%減と壊滅状態となりました。  県では、これらのうちホテル、旅館を応援するために、国のGo To トラベルキャンペーンに先駆けて、地元で泊まろう!県民割引キャンペーンを実施されました。私自身、友人5名とともに応募させていただきましたが、予想を大きく上回る応募数に、残念ながらあえなく落選をしました。  そこで、中谷観光・交通振興局長にお伺いします。  このキャンペーンを通じてどのような効果を期待しているのか。  また、同キャンペーンと連動した施設等の利用促進策はないのか。  さらには、同じようなキャンペーンに石川県では4億円、福井県では5.5億円を計上しており、本県の1.7億円を大きく上回っています。本県においても枠を大幅に拡大すべきと考えますが、一昨日、知事が枠の拡大に言及されましたので、具体的にどの程度の拡充を考えているのか、お伺いをいたします。  また、このままだと廃業、倒産する観光産業関連業者が続出することが予想されます。現に、旅行業や貸切りバス事業者では、4月の売上げが前年比90%以上減少するなど、ほとんど仕事がない状態であり、また、おわらなど各種イベント等の中止により、当面は需要が全く見込めず経営に深刻な影響が出ています。  コロナ後も見据えて、我が国が観光立国として再び飛躍できるよう、しっかりとこれらの事業者を支えていく必要があると考えますが、県としてどのような取組を行っていくのか。  例えば、佐賀県では、バス事業者にバス1台につき10万円、タクシー事業者には20万円の給付を行っているようですし、大阪府では、休業要請外支援金として中小企業に最大100万円、個人事業主に最大50万円の給付を行っております。  県としても、こういった事業者にさらなる支援をする必要がないか、知事にお伺いをいたします。  今後、落ち込んだ観光需要の回復につなげていくためには、新しい生活様式へ対応していることをしっかりと示し、本県では特に立山・黒部や五箇山、富山湾など雄大な自然が売りであります。そういった密の少ない環境も前面に打ち出しながら、インバウンドが当面見込めない中、隣県と連携し、お互いの旅行商品の割引を行うなど広域観光を推進して、少しずつ需要の掘り起こしをしていく必要があるのではと考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、観光・交通振興局長の御所見をお伺いいたします。  今回のコロナ禍により、障害者の皆さんも大変な日々を送られました。これまで通っていた福祉サービス事業所が休業し、利用者は、通いの場がなくなることで生活のリズムが崩れ、精神的に不安定になり、家族とトラブルを起こす事例もあったと聞いています。  一方で、通所ではない入居者は、家にも帰れず家族との面会も制限され、いら立ち、感情をコントロールできずに、他の入居者や職員の方とトラブルを起こすということも頻繁にあったそうです。  そこでお伺いいたします。県内の障害福祉サービス事業所で、休業した事業所は幾つあるのか。また就労継続支援事業所が休業した場合やイベントの自粛などで仕事が減少した場合、障害者は働く場所を失いかねず、働く場の確保や工賃の確保を図っていく必要があると考えますが、県としてどのように支援していくのか、厚生部長にお伺いいたします。  また、通所系の障害福祉サービス事業所の利用者は、通いの場がなくなることで、本人のみならず家族も大変な苦労を強いられます。県として、現状をどのように認識しているのか。例えば障害を持った方が家庭で生活するため、家族が仕事を休まざるを得なくなったときの休業補償など、利用者や家族に寄り添った支援が必要だと考えますが、石黒厚生部長の所見をお伺いして、ウイズコロナについての質問といたします。 57 ◯副議長(筱岡貞郎君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 58 ◯知事(石井隆一君)安達議員の御質問にお答えいたします。  観光関連産業に対する支援についてでございます。  国内外での新型コロナの影響によりまして、県内観光産業を取り巻く環境は極めて厳しいわけでありまして、御承知のとおり、県内でも調べますと、回答のあった41施設の平均で、4月の延べ宿泊者数は前年比マイナス約85%、外国人についてだけ見ますと、本当に99%マイナスだといったようなことでございます。  何とかしなくちゃいかんということで、国、県、市町村が連携を図りまして、例えば雇用調整助成金の大幅な拡充とか、国、県の制度融資の大幅拡充、相談窓口の設置、それから国の持続化給付金、また県もさらに事業持続化・地域再生支援金とか、それからもちろん協力していただいた事業所に協力金を配るといったようなこともやってまいりました。  県の観光振興につきましては、3月末に県内の観光事業者の方々とお話をした際に御要望いただいて、やはり、まずは県内客の需要喚起ができないかといった御意見もありましたので、まずは県内観光から取り組もうということで、今ほどお話に出たように、県内宿泊施設や公共交通機関等の県民向け割引キャンペーンを順次展開しております。  県民の皆さんには、この機会に県内観光地の魅力を再発見していただく。新川の方は、まだ五箇山にゆっくり行ったことがないという方もいらっしゃるし、その逆もあろうかと思います。また、そこの魅力を再発見してもらって、その魅力をSNSその他で発信していただくことで、県内観光需要の速やかな回復につなげていきたいと思っております。  特に、お話に出た、地元で泊まろう!県民割引キャンペーンについては、大変御好評をいただいて、1期分の当せん枠4,000人に対して約9万4,000人の御応募をいただきました。今後の対応については、後ほど担当局長から御答弁申し上げますけれども、議員からも御意見いただきましたが、2期、3期の応募状況も確認する必要がありますけれども、県民ニーズが大変大きいと見込まれますので、今後、県議会の御理解をいただいて、予備費の活用等によりまして、その拡充を図る方向で検討させていただきたいと思っております。  その後の県外からの誘客に向けては、6月補正予算案において、国で実施される予定のGo To トラベルキャンペーンと連携しまして、キャンペーン期間中の県内宿泊者に対し、期間限定で味わえる富山の海の幸、山の幸、本県ならではの伝統工芸体験、県が企画するオンライン観光イベントへの参加など、富山ならではの特典を付与する事業を盛り込んでおりまして、各種媒体、ウェブとか、あるいは大都市の主要駅でデジタルサイネージ等でもPRいたしますが、県内市町村の独自の取組とも連携してPRを積極的に行います。  全国の観光地は多数ございますが、できるだけ富山県を、ぜひということで選んでもらうように観光需要の回復を図ってまいります。富山県はコンパクトな県ですけれども、自然環境の観光資源も含めて非常に観光資源が多いところであります。そういった点を改めてアピールをして、しっかりと取り組んでまいります。 59 ◯副議長(筱岡貞郎君)石黒厚生部長。    〔厚生部長石黒雄一君登壇〕 60 ◯厚生部長(石黒雄一君)私のほうからは、ウイズコロナの対応について3つの御質問にお答えをいたします。  まず最初に、感染した方などに対する嫌がらせや誹謗中傷等についてでございます。  今回、新型コロナウイルス感染症が拡大していく中で、残念ながら全国的に、感染した方や感染を疑われた方などに対して、インターネットやSNS上での誹謗中傷や、様々な場面での心ない言動が見られたところでございます。  こうしたことは決してあってはならず、県ではこれまでも、新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識の普及を図るとともに、感染者の方などの人権を尊重するよう、県民の皆様や報道機関の皆様にも御協力を求めながら、個人情報保護の観点も重視し、国の公表に関する基本指針等も参考にしながら、市町村名までの居住地、年代、性別、職業、経過等、感染者に関する情報を公表してきたところでございます。  また、相談窓口につきましては、これまでも対策本部、各厚生センターや心の健康センター等で対応してきておるところでございますが、相談件数の増加等を踏まえまして、まず厚生センターの人員を増員したほか、今回の6月補正予算案に心の健康センターにおける電話相談員の増員と回線の増設、新しいコミュニケーションツールを活用したSNS相談窓口の設置などを盛り込んでおり、体制の一層の強化を図ることとしております。  今後とも、人権に配慮した取組を進めるとともに、県民の皆さんの不安にきめ細やかに対応してまいりたいと考えております。  次に、障害福祉サービス事業所の休業等についてお答えをいたします。  新型コロナウイルス感染症の影響で休業した県内の障害福祉サービス事業所は、6月15日現在で累計48事業所でございます。うち就労継続支援事業所は22事業所でございました。  また、就労継続支援事業所に生産活動の影響を聞いたところ、元請企業からの作業依頼が減ったとか、自主製品における販売先の休業等の理由で生産量が減ったなどの回答が複数ございましたことから、こうした状況が長引けば障害のある方の就労の場が失われ、賃金、工賃が確保されないことも懸念されるところでございます。  このため県では、事業所への支援といたしまして、国の通知等に基づきまして報酬算定の柔軟な取扱い、あるいは独立行政法人福祉医療機構による無利子・無担保の融資、雇用調整助成金や持続化給付金等の活用などの周知のほか、感染予防に必要な衛生物品等の無償配布を行ってきたところでございます。  また、今般の補正予算案では、国の2次補正予算案を活用し、障害のある方の就労の場を確保し就労継続支援事業所の生産活動を存続させるため、生産活動収入が相当程度減少している事業所に対して、固定経費や販路開拓に要する経費、また新たな生産活動への転換に要する経費等を、支援することとしております。  今後とも、地域の障害福祉サービスの基盤を守り、障害のある方の就労の場と、賃金、工賃が確保されるよう支援してまいります。  次に、通所系の障害福祉サービス事業所の利用者及び御家族への支援についてであります。  新型コロナウイルスの影響で通所系の障害福祉サービス事業所が休業したことにより、障害のある方の自宅にいる時間が増え、御本人及び御家族が疲弊状態にあると聞いておるところでございます。  このため県では、これまでも障害福祉サービス事業所や市町村に対し、通所サービスの提供が困難なときでも、特に支援が必要な利用者に対しては必要な支援が提供されるよう、市町村、相談支援事業所が中心となり、障害福祉サービスの適切な代替サービスの検討を行い、適切なサービスの提供を確保すること、利用者や保護者のストレスが高く緊急性が高いと判断される場合には、人数、時間等を限定して事業所で支援することなどの対応の検討を依頼してきたところでございます。  また、障害者相談センターにおきまして、障害者や御家族の困り事相談窓口を設け、コロナ感染症に係る障害者とその家族の支援体制を整備するとともに、今般の補正予算案におきまして、社会福祉事業所等からによるアセスメントなど、サービスの利用休止から利用再開に向けた支援を行うことにしております。  今後とも、支援が必要な利用者にサービスが提供され、また利用が再開されるよう取り組むとともに、事業所や関係機関と連携しながら利用者や家族を支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 61 ◯副議長(筱岡貞郎君)中谷観光・交通振興局長。    〔観光・交通振興局長中谷 仁君登壇〕 62 ◯観光・交通振興局長(中谷 仁君)私からは、まず県民宿泊割引キャンペーンについての御質問にお答えをいたします。  その応募状況につきましては、先ほど知事から答弁がありましたとおり、まず第1期分につきましては約9万4,000人分の応募をいただいた中、施設ごとの受入可能人数等に応じまして、あらかじめ配分いたしました4,000人の当せん枠について、それぞれ抽せんを行ったところであります。  本キャンペーンの実施に当たりましては、観光関連事業者への支援効果が県内に広く行き渡りますよう、事前に宿泊施設を公募し、より多くの参加を募り、できるだけ特定の宿泊施設に偏ることがないよう宿泊施設ごとに配分枠を設けた上で、第2、第3希望まで踏まえて当せん者を決定するとともに、第2期からは旅行代理店を経由した宿泊予約も可能としたところであります。  本事業につきましては、先ほど知事から拡充を図る方向で検討したいと答弁がございましたが、第1期の応募状況を見ますと、各宿泊施設によって当せん倍率に大幅な違いがあります。  このことから、今後、第2期以降の応募において、希望される施設が分散するか否かや、人気の高い施設は当せんしても休前日の予約が取りづらくなっていく可能性があること等も考慮し、今後の各施設に対する応募状況や実際の宿泊状況等も踏まえ、対応について検討してまいります。  次に、観光需要の回復、拡大についての御質問にお答えいたします。  新型コロナの影響により減少した観光需要の回復を図るためには、各観光施設におきまして十分な感染防止対策を講じていただくとともに、利用者の皆さんの御協力が重要であります。  県といたしましても、県地域企業再起支援事業等により各施設の取組を支援してきており、現在実施しております県民宿泊割引キャンペーンにおいても、参加登録の条件といたしまして、県や全国の宿泊施設団体が策定いたしましたガイドライン等の遵守を要件としております。  各施設におきましては、換気の徹底や飛沫感染予防等の措置を講じるとともに、その内容を積極的に発信する取組も見られるところでございます。  さらに、6月補正予算案に、自宅にいながら本県の観光地や特産品の魅力に触れていただけるオンライン観光イベントを、モデル的に開催する事業を盛り込んでおります。感染対策を講じながら継続的に本県の魅力を発信する方策に取り組むことにより、今後の誘客につなげてまいります。  また、県内各地域ならではの観光資源の活用につきましても、市町村や関係団体と連携し、一層のブラッシュアップや、体験型、滞在型の新たな観光コンテンツの創出等に取り組むとともに、県内事業者による新たな着地型旅行商品の造成を支援することとしております。  今後とも、富山県が選ばれる観光地となりますよう、県内観光産業の活性化に向けた取組をしっかりと進めてまいります。  以上でございます。 63 ◯副議長(筱岡貞郎君)安達孝彦君。    〔5番安達孝彦君登壇〕 64 ◯5番(安達孝彦君)次に、アフターコロナを見据えた対策ということで、5問質問させていただきます。  今回の新型コロナは様々なところに影響を及ぼしていますが、その一つに文化財の維持保存があります。南砺市の世界遺産相倉合掌集落では、新幹線開業で大幅に外国人観光客が増加し、昨年は14世帯の集落に14万人が訪れました。  ところが、コロナ禍で観光客が激減し、集落の民宿や土産物店では、休業状態が続き廃業の危機にさらされています。ある民宿では、3月、4月、5月の宿泊者はゼロ、6月は1組、7月以降、今年は11月のオーストラリアの方も先日予約のキャンセルが入り、あとスイスからの1組と国内からの数組しか予約がなく、それさえも、いつキャンセルが入るか分からない。ここ数年は宿泊者の7割が外国人観光客であり、今年のお客さんは、ほぼゼロになるのではないかとの落胆の声が聞かれました。  さらに、問題はそれだけではありません。観光客が減少した上に、5月の1か月間、集落を封鎖したことにより駐車場収入が激減しているからです。  相倉合掌造り保存財団では、駐車場料金を、世界遺産の景観を守るための協力金として観光客より徴収しています。その収入は、合掌造りの屋根に使うカヤを栽培するカヤ場の造成や管理、空き家の屋根雪下ろしや雪囲いの費用に充てられています。  年間3,000万円を超えるこれらの保全費用のうち、約7割の2,300万円がこの駐車場収入から得ており、このままではカヤ場の維持管理や空き家の管理についても、できなくなる状況に陥ります。さらにこの財団は、持続化給付金等の支給も受けられず、先行きが全く見通せない状況です。  立山・黒部も大変大事ではありますが、本県唯一の世界文化遺産である五箇山にも、もう少し目を向けていただいて、観光面のみならず貴重な文化財、景観や環境を守るためにも、県として支援ができないものか。もちろん、これまでも屋根のふき替えに補助を出していただいているのは重々承知しておりますが、コロナ禍により生活が立ち行かなくなり住民がいなくなれば、次の世代に残すべきすばらしい遺産が失われることになります。  何とか、集落が保存、存続していけるよう支援していただきたいと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  今回のコロナ禍では、マスクや消毒液などが品不足となり、買占めなども起こりました。これは、いずれも中国からの輸入品に大きく依存していたことによるものであり、将来さらに深刻なことが起こり、例えば中国から輸入していた穀物、野菜等が輸入されなくなった場合どうするのか。国民生活に最低限必要な衣食住が守られない可能性さえ出てきます。これこそ国民生活の根幹を揺るがすものではないかと考えます。  ちなみに、2019年の我が国の農林水産物輸出は約9,100億円、輸入はその10倍を超える9兆5,000億円であります。今回のコロナ禍で、実際、中国からの輸入が一時滞り、ニンニク、タマネギ、ネギ、ニンジン、ゴボウ、キャベツなども軒並み8割、9割減となり、それに伴い一時期ではありますが、価格も高騰したとのことであります。  もちろん中国だけが問題ではなく、今回、世界各国の食料生産国が輸出制限をしており、食料安全保障という観点からも最低限必要な分は自国で賄う必要があると考えます。  また、コロナで農家の所得が減少し経営が苦しくなれば、さらに食料自給率が下がる可能性もあり、国はもちろんですが、県としても来るべき有事、そして世界的な食糧危機に備えて、農業所得の下支え向上と、食料自給率の一層の向上に取り組み、足腰の強い日本農業をつくっていく必要があると考えますが、堀口農林水産部長に御所見をお伺いいたします。  新型コロナウイルスの拡大により社会ではテレワークが広がり、動画会議システム、Zoomでは、昨年末の登録者数1,000万人から、この4月には利用者数3億人を突破しました。  また、私たち川上会長率いる令和の会においても、「反転攻勢への英断を~with・after・beyondコロナ時代をチャンスに変える富山県政への提言~」という政策提言作成のために、何度となくZoom会議を開催し、オンラインにて熱い議論を繰り広げました。  また、ある調査によると、今回約28%の人がテレワークを実施し、特に東京では約半数の49%がテレワークを実施したとのことで、今後も一定程度広まっていくのではないかと考えます。  そこで、多様な働き方の選択肢と移住の促進のためにも、高速情報通信網をしっかりと整備しテレワークの推進と、それを推進する企業への支援も行っていくべきだと考えますが、どのように取り組んでいくのか、柿沢総合政策局長にお伺いをいたします。  先日、東京都の人口が過去最高の1,400万人を突破したとの報道がありました。地方創生が言われて久しいですが、いまだに地方から東京をはじめとする首都圏への人口流出が止まっていないのが現状であります。  ただ、今回の新型コロナの影響で、感染リスクを減らすために地方への移住を考える人も確実に増えてきていると思います。現に内閣官房の地方移住に対する意識調査では、首都圏在住の約半数の現役世代が、地方での暮らしに関心を持っていることが発表されました。東京一極集中是正、地方移住促進の大きなチャンスが到来したと言っても過言ではありません。  しかし一方で、地方移住を支援するNPO法人ふるさと回帰支援センターがまとめた2019年都道府県移住希望地ランキングによると、全国1位は長野県、2位が広島県、3位は静岡県で、我が富山県は過去5年で最も低い18位と、一昨年の8位から大きく順位を下げました。移住促進に力を入れてきた本県にとっては大変残念な数字であります。  今後、アフターコロナにおいて移住拡大の勝ち組となるためには、抜本的な戦略の見直しと本県の魅力のブラッシュアップが必要です。  例えば、魅力度や知名度が全国で最も低い県の一つとして知られる佐賀県においては、IT産業の誘致に力を入れるとともに、イノベーションを起こす環境づくりに取り組んでおり、人気ゲームとコラボした県の話題づくり、女性が働きやすい環境づくり、挑戦したい人が挑戦できる環境づくりなどに積極的に取り組んでおり、その施策の効果か、2017年度までのランキングでは全国下位で、本県にも大きく後れを取っていたのが、昨年逆転を許し、現在では移住したい県の全体8位に、特に20代以下では3位、30代では5位にランクインしています。  このようにターゲットを絞った取組、チャレンジしたい人を応援する環境づくり、仕組みづくり、市町村との連携などで本県の魅力をさらに向上させ移住の促進を図っていく必要があると考えますが、今後どのように考えていかれるのか、取り組んでいかれるか、総合政策局長にお伺いをいたします。  最後に、高岡テクノドームなどの大型ハード整備について質問いたします。  知事は、若者や女性がここに住みたい、働きたいと思ってもらえるように、移住先としての魅力を高めるため、新武道館や高岡テクノドーム別館、新川こども屋内施設等の建設を進めるとおっしゃっていますが、中途半端な箱物を整備するだけで本県の魅力が向上する、若者に移住先として選んでもらえるとは、到底思えないのであります。  もちろん建設の中止を求めるものではありませんし、魅力が全く向上しないとも言いませんが、どうせ造るなら多くの皆さんに満足していただける、行ってみたいと思わせる施設にしないといけません。  例えば、高岡テクノドーム別館建設に当たって5G技術を先駆けて導入するとありますが、別館が完成する3年後には、5Gの基地局整備率は全国で90%以上になると想定されていますから、5G自体が物珍しいものではなくなっているはずです。ということは、5G技術を使って何をするか、ソフト部分やコンテンツが重要になってきます。そのためには、もっとインパクトのある最先端のものにすべきと考えます。  これまでの発想から脱却し、大胆な発想でVRやARの技術を生かした日本海側随一のミュージアム施設を併設するとか、戦国時代にタイムスリップして合戦に参加できる侍体験ができるようにするとか、8K技術を活用し、ルーブル美術館やスミソニアン博物館を遠隔訪問できるとか、鳥になった気分で黒部峡谷や立山を空中散歩できるとか、ほかにはない、わくわくどきどきさせるような内容にすべきだと感じました。  そこで提案ですが、県の発想ではどうしても限界があるように感じます。やはり、もっと大胆で魅力的な施設整備を行うには、民間の発想が必要なのではないでしょうか。ぜひとも検討会の提言も生かしつつ、ここは民間活力、資本を利用したPPPやPFIで整備してはいかがでしょうか。  PFIとは、公共施設等の設計、建設、維持管理及び運営に、民間の資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を民間主導で行うことで効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図るという考え方です。  聞くところによると、本県では、県警察学校が国で、総曲輪レガートスクエアや芝園小学校などが富山市の発注により、これらの方式で建設されましたが、県が事業主体のものは、これまで1件もありません。  一方で、全国では2017年に64件、約3,800億円、一昨年は74件、約4,000億円の物件がPFI方式で建設されました。このように、全国各地で多くの公共施設がPPPやPFIなどの方式で整備されており、本県においても高岡テクノドームをはじめとして今後の大型ハード整備においては、積極的に取り入れていくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いして質問を終わりたいと思います。
     御清聴ありがとうございました。 65 ◯副議長(筱岡貞郎君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 66 ◯知事(石井隆一君)まず、五箇山合掌造り集落の支援策についてお答えをいたします。  新型コロナウイルスの感染症の拡大で、合掌造り集落においても県内外からの観光客が途絶えて、今お話がありましたけれども、大変厳しい影響があると伺っております。  県では観光需要の回復に向けて、まずは県内観光から取り組もうということで、先ほども話題になりましたように、県内宿泊施設や公共交通機関等の県民向け割引キャンペーンを順次展開しております。例えば、相倉集落の合掌造り民宿も、第1期募集には間に合わなかったようですけれども、第2期募集には手を挙げて参加されると伺っております。  ぜひこうした仕組みも生かして、多くの県民の皆様に五箇山をはじめ県内観光地の魅力を再発見していただいて、それをSNS等でも発信していただく、そして本県の五箇山を含めて観光振興につなげていきたいと思っております。  また、感染症の影響による観光ニーズの変化は、5月末に発表された民間研究所の旅行調査ですと、以前に比べますと人が少ない地方都市に行きたいと、こういう回答をする方が非常に多くなっているとも伺っておりまして、こうしたことも踏まえて、例えば地元南砺市や関係団体とも連携しまして、五箇山地域ならではの観光資源の発掘、磨き上げでありますとか、体験型・滞在型の着地型ツアー造成、県の観光季刊誌等による情報発信の取組等を進めてまいりたいと、こういうふうに思っております。  また、これまでも世界遺産五箇山の合掌造り集落の保存と存続のために、御承知のように白川郷と違って五箇山は国の史跡にも指定されておりますから、50年にわたって合掌屋根ふき替えとか放水銃とか屋内消火栓等の防火設備の設置や更新、雪囲い、除雪等の維持管理など継続的な支援にも努めてまいりました。  また、5年前になりますけれども、五箇山で世界遺産登録20周年記念式典を開催したんですけれども、当時も白川郷と五箇山が世界遺産ですから、どっちでやるかという議論があったようですけれども、国際イコモスのいろんな方々の御意見で、やっぱり五箇山がいいということで開催されて、当時コンティ国際イコモス副会長とか、松浦前ユネスコ事務局長など約120名が出席されて、世界でも大変美しい集落で周囲の観光もすばらしいとか、また、そうした世界遺産の中で非常に人々が生き生きと暮らしていらっしゃるということに感動した、といった声も直接伺ったところであります。  南砺市では、この3月に五箇山の合掌造り集落を後世に継承していくための保存活用計画を策定されたところでありまして、県としても長期的な保存を見据えて、例えば建物の地震対策や集落の景観保全、こういったことについてどういう支援をしたらいいのか、地元の方々の御意見を伺いながら検討してまいりたいと思います。  また、お話に出た観光客の激減という事態に、市の外郭団体だからでしょうか、今お話に出たように国の持続化給付金とかの対象外、そうなると県の事業持続化・地域再生事業の対象にもならないということになりますから、南砺市でもいろいろ御検討のようにお聞きしていますけれども、もう少しいろんな事情もお聞きして南砺市と連携しながら何か支援ができないかも含めて、よく考えてみたいと思います。  次に、公共施設整備への民間活力の活用についてでございます。  PFIは、民間活力を活用して、低コストで質の高いサービスを提供する手法でございます。御承知のとおりであります。  これまでも大規模施設の整備に当たりましては、PFIを含めて民間活力の活用による整備についても、もちろん検討を行っているわけでありますが、一方で、PFI法に基づいて必要とされる手続が非常に多うございまして、実施方針の策定から契約までに、約1年から1年半程度の時間と初期コストを要するといったような課題があります。  また県財政への影響を考えますと、時限措置である有利な地方債とか、あるいは国の補正予算で措置されるのが通例であります、例えば地方創生拠点整備交付金なんかをうまく活用しようとしますと、PFIのいろんな手続で非常に時間を取りますと、タイミングを失してしまうといったようなこともございまして、これまでこうした方式で実施した例はないんですけれども、県立中央病院の医師宿舎等の整備に当たって、民間事業者と建物譲渡特約付定期借地権契約を締結して初期コストを低減する取組なども行っております。  議員がおっしゃるのは、資金対策とか財源の問題じゃなくて、PFI方式を取れば、行政にない大胆な、いろんな新しい発想ができるんじゃないかということでありますけれども、高岡テクノドームの例を取られましたが、いろんな議論を積み重ねて今の方法、基本計画になっているんです。  さっきおっしゃった空中散歩みたいな話とか、ルーブルとかスミソニアンなんかは、いろんな技術を使って、いながらにして見られるようにするとか、それは必ずしもPFI方式でなくても、やってやれないことはないわけですから、今回いろんな未来技術を使った施設にしようとしていますので、そうした際に、今ほどお話があったようなことについても、十分念頭に置いてしっかりと勉強して取り組んでまいりたいと思います。  いずれにしても、今、例として高岡テクノドーム別館のことをおっしゃったわけですけれども、お話しのように何か箱物を造ればそれで地域が活性化するという、そういうものじゃありませんので、十分御意見も踏まえまして、後ほど10年、20年たっても、あのときなかなかいいものを造ったなという御評価をいただけるように努力してまいりたいと思います。 67 ◯副議長(筱岡貞郎君)堀口農林水産部長。    〔農林水産部長堀口 正君登壇〕 68 ◯農林水産部長(堀口 正君)私からは、農業所得と食料自給率の向上についての御質問にお答えをさせていただきます。  議員御指摘のとおり、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によりまして、食料安全保障の観点から、国内での食料の安定供給は大変重要であると考えております。  国の食料・農業・農村基本計画では、供給熱量ベースの食料自給率について、平成30年度の37%から令和12年度に45%とする目標を掲げております。  一方、県の供給熱量ベースの自給率は現在76%と、国の自給率より高くなってございますが、これは本県が稲作中心の農業構造のためであり、県といたしましては、品目のバランスが取れた生産振興を図る観点から、県の農業・農村振興計画において品目別に農業産出額の目標を設定するとともに、農業経営の目指す姿として経営形態のタイプごとに、例えば標準で500万円、発展タイプで750万円と所得目標を定めまして経営体の育成を図っているところでございます。  具体的には、まず生産販売面では、富富富など高品質でおいしい米作りの推進をはじめ、水田フル活用による大麦、大豆の生産や園芸の1億円産地づくり、スマート農業の導入によります経営の高度化、効率化など。また担い手の育成では、とやま型農業経営モデルに基づく発展段階に応じた指導支援や、とやま農業未来カレッジによる新規就農者等の確保育成など。消費拡大では、食のブランド化や、富山型食生活の普及等によります地産地消などで、総合的に施策を進めております。  また、新型コロナウイルスの影響等を踏まえまして、6月補正予算案においても加工業務用野菜等の販路拡大や、県産水産物の学校給食への提供に対する支援なども計上させていただいております。  今後とも、本県農林水産物の安定生産と消費拡大を通じまして、生産者の所得向上と食料の自給率向上が図られますよう、しっかり取り組んでまいります。 69 ◯副議長(筱岡貞郎君)柿沢総合政策局長。    〔総合政策局長柿沢昌宏君登壇〕 70 ◯総合政策局長(柿沢昌宏君)私から2問お答えいたします。  まず、テレワークに関する御質問にお答えいたします。  県内企業を対象に5月末に行ったテレワークに関するアンケート調査では、導入済みの企業が約27%、今後導入または内容の拡充を行いたいとする企業が約37%となっており、今般の新型コロナ問題もあり、テレワーク導入に向けた企業の意向が高まってきているところでございます。  一方、テレワークは、働く場所に縛られず多様な働き方が可能となることから、こうした面からの導入支援に取り組むことは重要であると考えております。  このため県では、県内中小企業のテレワーク導入を促進するためのセミナーを実施するとともに、テレワークも含めた働き方改革の取組についても実施していくこととしておりまして、本年度の新規の取組といたしましては、1つは、中小企業の働き方改革の加速化の観点からモデル企業を選定いたしまして、テレワークの導入など働き方改革に関しましてコンサルによる伴走支援を行い、その成果を県内企業に横展開するモデル事業の実施に取り組みますほか、育児等により働く場所や時間に制約のある女性の多様な働き方を支援する観点から、テレワークに必要なITスキルの習得訓練、企業等とのマッチング支援などに取り組んでいくことといたしております。  今後とも、県内企業の働き方改革の推進、そのためにも必要となるテレワークの導入促進に積極的に取り組んでまいります。  次に、移住促進に関する御質問にお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症問題を通じまして、東京一極集中型の社会構造のリスクが再認識されるとともに、テレワークやオンライン会議などの取組が広がったこと、都市部から離れて地方で暮らすことへの関心が高まっていることから、移住促進に積極的に取り組みたいと考えております。  このため県では、新型コロナの影響で人々の移動が制限される中、本年4月以降、オンラインによる移住セミナーを開催いたしております。またあわせまして、4月補正予算におきまして、移住相談員によるリモート現地案内や移住動画の制作、SNSによる富山の暮らしのよさのPRを行う「おうちで移住とやま」キャンペーンを実施することいたしております。  今ほどこのように申し上げましたセミナーなどの事業につきましては、これまで東京で開催をいたしていたところでございますけれども、これをオンラインで実施することによりまして、全国から参加が可能となるメリットがあると考えております。  今後、新型コロナの感染状況も見ながら、リアルとオンラインによるイベントの双方のプラスの効果を生かしながら、また議員からも御紹介ございましたとおり、他県でよい事業があればそれも参考にいたしながら、移住を希望されている方に富山の魅力をアピールできるよう、これまで以上に本県への移住促進に取り組んでまいります。  以上でございます。 71 ◯副議長(筱岡貞郎君)以上で安達孝彦君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午後2時51分休憩       ───────────────────  午後3時05分開議       ─────────────────── 72 ◯議長(上田英俊君)休憩前に引き続き会議を開きます。  永森直人君。    〔23番永森直人君登壇〕 73 ◯23番(永森直人君)一般質問の締めくくりをさせていただきまして大変光栄に思っております。我々若手に質問機会をお譲りいただいた先輩議員の気持ちも背負って質問をさせていただきたいというふうに思っております。前向きな答弁をよろしくお願いを申し上げます。    〔「頑張れ」と呼ぶ者あり〕 74 ◯23番(永森直人君)ありがとうございます。  まず初めに、新型コロナウイルス感染症第1波を教訓とした取組について伺います。  県内において猛威を振るった新型コロナウイルス感染症については、高い確率で第2波が来ると予測がなされています。新型コロナウイルス感染症の第2波に備える意味でも、また今後、新たに発生するかもしれない未知のウイルスに対する備えとしても、新型コロナウイルス感染症第1波から学び、改善すべきことは多いと考えます。  以下、質問をいたします。  第1波への対応においては、22名の県民が残念ながら命を落としたほか、感染拡大防止のために社会活動が半ば強制的に止められたため、経済、学校などに多大な影響を与え、結果として大きな財政出動が求められることにもなりました。  第2波においては、県民の命を守ることを最優先に考えることはもちろんですが、他方で、いかにして社会活動を維持することができるのかということが最大の課題と考えます。そうした観点で考えると、ポイントの一つは、感染ルートの速やかな特定により、感染の急増を防ぎ、感染者数をコントロール下に置くことであります。  第1波における本県の感染拡大の特徴は、クラスターが立て続けに発生したこと、そして、そのクラスターが富山市保健所管内に集中したことでありました。  厚生センターや保健所では、限られたマンパワーの中、帰国者・接触者相談、感染者等の行動確認、濃厚接触者の割り出しや健康観察、PCR検体の搬送や陽性者の入院調整など、膨大な業務であり、こうした業務がクラスターの発生により爆発的に増大した場合には、その体制がパンクすることは明らかであります。  そして、このことは結果として濃厚接触者等の割り出しやPCR検査実施の遅れにもつながり、ひいては感染拡大にもつながりかねない事態であり、その対策は急務と考えます。  そこで、富山市においてクラスターが立て続けに発生した際の富山市保健所等の課題を踏まえ、感染者や濃厚接触者の行動確認などにおいて、県の各厚生センター間はもちろん、富山市保健所、富山大学など外部機関とも人員の融通を含めた連携体制を、あらかじめしっかり構築しておくことが重要と考えますが、石井知事の所見を伺います。  また、感染症が県内に広がる中、常に高い感染リスクと向き合っている医療現場においてさえ、個人防護具等の医療資材が不足したことは教訓としなければいけません。  いざというときに、医療や介護などの現場において不足が生じないように、十分な備蓄を行うことはもちろんですけれども、県内企業による生産、優先取得の体制を構築しておくことも重要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、医療用ガウン等の供給体制強化に向けた支援事業の進捗と併せ、布野商工労働部長に伺います。  さきに述べたとおり、厚生センターなどにおいては、感染拡大期に多岐にわたる膨大な業務のため、その機能が逼迫いたしました。  こうした課題の解決のため、他県においては、濃厚接触者等の健康観察を行うためのスマホアプリを導入し、業務の効率化を図った例がありました。また政府は、感染者と濃厚接触した可能性を知らせるスマホアプリを開発したとされています。  感染者の行動確認調査や濃厚接触者の追跡調査などに当たり、調査の効率化を図るため、こうしたアプリ等のテクノロジーの活用が有効と考えますが、どう評価し、今後その活用にどのように取り組んでいくのか、石黒厚生部長の所見を伺います。  厚生労働省は、現在、院内感染等の防止のため、時限的特例的に医療機関に、初診から、オンラインや電話による診療を可能とする措置をしております。オンライン診療は、接触機会の低減のみならず、移動が容易ではない高齢者等の診察、病院や医師が不足する過疎地域に向けての遠隔診療という点でも、効果は高いと考えます。  オンライン診療の普及について、課題や意義をどのように捉え、今後どのように取り組んでいくのか、石黒厚生部長に伺います。  県民の命を守ることを最優先にしつつ経済、教育などの社会活動を維持するために、もう一つ重要なことは医療崩壊を招かない体制づくりであり、感染症から命を守る最後のとりでとも言える中病や富山大学などにある中等症や重症者向けの病床に、常に余剰を確保しておくことであると考えます。  そして、そのためにも、感染症に対応する医療機関の役割分担をしっかりと構築しておくことが不可欠と言えます。例えば第2波の場合には、一義的には外来は医療圏ごとの地域外来・検査センターが担い、無症状者や軽症者の入院は医療圏ごとの感染症指定医療機関や協力医療機関が担うことが考えられます。  第1波では未知の感染症への対応という懸念もあり、県内での感染確認の初動から病状にかかわらず、入院、外来とも県立中央病院が中心的な役割を担うこととなり、限られた医療資源の効率的な運用に課題があったと考えます。  関係市や医師会などとあらかじめ十分に調整をし、医療機関の役割分担を初動から機能させる体制整備が必要と考えますが、どのように取り組むのか、石井知事の所見を伺います。 75 ◯議長(上田英俊君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 76 ◯知事(石井隆一君)永森議員の御質問にお答えをいたします。  まず、クラスター発生時の人員体制についてお答えをいたします。  今般、富山市で短期間に複数のクラスターが発生し、県では富山市保健所からの要請に基づいて、医療機関等と連携して医療チームを派遣いたしました。富山リハビリテーションホームに対してであります。  感染症が発生した際の感染源や感染経路、濃厚接触者の把握などの調査については、感染症法により、私ども県と中核市である富山市が所管しているわけですけれども、今後のクラスター発生を想定して関係機関との連携体制を構築していることは、御指摘のとおり大変重要なことだと思っております。  県としましては、大規模な集団感染事例が発生した場合には、厚生センター内での対応に加えまして、本庁からも人員を融通して対応することにしております。なお今般のコロナ対応を踏まえ、相談対応等の職員──これは電話相談や濃厚接触者の健康観察、医療機関との調整等でありますけれども──こういった職員を4つの厚生センター、3つの支所で合計20名、看護師の方々ですけれども会計年度任用職員として増員しますなど、第一線である厚生センターの体制も強化をいたしました。  また、外部機関との連携については、クラスターの発生時に医療的な支援が必要な場合の初動対応体制として、施設内でのゾーニングとか濃厚接触者の特定、職員等への感染対策指導助言など、技術的な支援を行う感染症対策チームを新たに設置する。これは富山大学の山本教授をリーダーとするチーム、それから厚生連の狩野先生をリーダーとするチーム、また中央病院の彼谷先生をリーダーとするチームということで、3つのチームを設置いたしました  また、患者のトリアージ、救急搬送の判断等におきまして、DMAT──災害派遣医療チームとの連携協力をする体制も同時に整備したところでございます。  県としましては、クラスター発生に備え、日頃から関係団体と密接に連携し、限りある人材を必要な場所に迅速、適切に投入することが、おっしゃるとおり大変大事だと思っていますので、引き続き体制整備に努めてまいります。  次に、第2波発生時における医療機関の役割分担体制について、お答えをいたします。  新型コロナウイルス感染症に備えるために、県としましては、医療関係者などと協議しながら、感染症指定医療機関及び他の公的医療機関に依頼して病床を確保いたしまして、帰国者・接触者外来等で感染が判明した患者の入院先については、一義的には医療圏ごとに厚生センターが調整するわけですけれども、感染が拡大した場合は、中等症以上の入院は指定医療機関を含む中核的な7つの病院に重点化しまして、軽症者や無症状者は病院からホテル等の宿泊施設に移って療養していただく、そういう役割分担を行っております。  実際には、御承知のとおり4月中旬以降、富山市民病院や富山市内の介護老人保健施設におけるクラスターなどが発生しましたので、県立中央病院において、中等症以上の患者だけではなくて多数の軽症患者等を受け入れざるを得なくなった。また他の公的医療機関──富山大学附属病院、済生会富山病院、富山赤十字病院にも多数受け入れていただきました。  加えて、県の対策本部において、医療圏を超えた入院調整や宿泊療養施設の短期間での開設など、臨機の対応を求められましたものの、おおむね役割分担を踏まえながら対応を行ってまいりました。担当の職員も本当に昼夜を問わず頑張ってくれたなと感謝しております。  今後も指定医療機関を中心に、他の公的医療機関の協力も得て病床の確保を図るとともに、初動の段階では基本的に医療圏ごとに入院調整を行い、軽症者等を速やかに受け入れられる宿泊療養施設の確保を図りますほか、医療圏を超える調整等が必要な場合には、県の対策本部が積極的に対応いたしまして、各医療機関や厚生センターと緊密に連携して医療提供体制の整備に万全を期してまいります。 77 ◯議長(上田英俊君)布野商工労働部長。    〔商工労働部長布野浩久君登壇〕 78 ◯商工労働部長(布野浩久君)私からは、医療用個人防護具の県内生産体制等についての御質問にお答えいたします。  今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大期におきまして、全国的に医療用ガウン等の個人防護具の需給バランスが崩れ、本県におきましても、その入手が非常に困難な状況となりました。  このため国では第1次補正予算におきまして、大規模生産を対象といたします防護服生産設備導入支援事業が措置されたところでございますが、県におきましても4月補正予算において、富山県医療用個人防護具等供給体制強化支援事業費補助金をお認めいただきまして、県内中小企業者等が行います医療用の個人防護具の新たな生産や増産のための設備導入に対する補助制度を創設させていただきました。  議員御指摘の県内企業の生産、優先取得の体制構築は重要であることから、この補助事業では、生産または増産しました医療用個人防護具の県内医療機関等への優先的な納入、販売を計画する事業者、これを補助対象とし、申請に当たりましては、納入、販売の予定先、供給量、時期等を明示しました事業計画書の提出を求めております。  事業者の公募を行いましたところ、県内の中小企業3社から医療用ガウンの新規生産の申請がありました。審査の結果、この3社に、本日、交付決定を行ったところであります。早ければ今月下旬から順次、県対策本部のほか県内の複数の感染症指定医療機関等に対しまして納入が開始され、年度内には5万着以上のガウンが供給される見込みとなっております。  今後とも厚生部と連携を図りながら、必要な個人防護具が県内医療機関等に適切に供給されますように努めてまいります。  以上でございます。 79 ◯議長(上田英俊君)石黒厚生部長。    〔厚生部長石黒雄一君登壇〕
    80 ◯厚生部長(石黒雄一君)私からは、新型コロナウイルスに関する取組について、2つの御質問にお答えをいたします。  まず最初に、感染症対策におけるテクノロジー活用についてでございます。  新型コロナウイルス感染症につきましては、長丁場の対応が予想される中、現在、厚生センター等が聞き取りで行っております感染者の行動確認や接触者追跡にアプリやシステムを導入することは、職員の負担軽減に大きな効果があるものと考えております。  例えば、国が間もなく運用を開始する接触確認アプリは、当該アプリをインストールすることにより、他のスマートフォンとの接近情報が自動的に記録され、感染者が情報を登録することにより、接触の可能性がある方に連絡が届き、速やかに検査の受診など厚生センター等のサポートを受けることができるシステムで、職員の負担軽減に加え、利用者が増えることで感染拡大の防止につながることが期待されております。  特に今後、イベント開催の制限や外出自粛が段階的に緩和されていく中で、感染のリスクが高まる販売業や接客業、感染者と近接するリスクが高い医療、介護に従事されている方などへの感染防止にも、一定の効果が見込めるものと考えております。  一方で、一定の割合の人が使わないと効果が上がらないこと、プライバシー侵害の懸念が払拭されないこと、接触の可能性を通知された方への相談体制を確保する必要があるなどに留意する必要があります。  県といたしましては、こうしたアプリの運用状況も参考にし、今後のテクノロジー活用方策について検討してまいりたいと考えております。  次に、オンライン診療についてでございます。  オンライン診療は、医師と患者間において、初診から3か月以上経過しているなど一定の要件の下、情報通信機器を通じて、診察及び診断をリアルタイムで行う医療行為でございます。  議員からもお話のありましたとおり、今般、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、医療機関への受診が困難になりつつあったことを踏まえまして、時限的特例的な措置として、電話や情報通信機器を用いた診療等が初診から可能となり、県内では240の医療機関において実施登録がされているところでございます。  オンライン診療は、患者にとっては直接医療機関に通院しなくても在宅等で診療を受けることができ、院内感染のリスクの回避や待ち時間の短縮、また、離島や僻地など医療資源に乏しい場所でも診療が受けられる等の利点がございます。その一方で、問診を中心に診察が行われることから、疾患の見落としの危険があるほか、なりすまし、虚偽申告の防止や、医療情報の漏えいや改ざんがないよう、十分な情報セキュリティー対策が必要等の課題がございます。  適切なオンライン診療の普及には、医療上の安全性、必要性、有効性が担保され、患者が安心・安全に受診できる信頼感の醸成が重要でございます。  このため国では、平成30年3月に、オンライン診療の適切な実施に関する指針を策定するとともに、技術の発展やエビデンスの集積状況に応じて、1年に1回程度、指針を改訂することとされております。  県といたしましては、こうした国の動きにも注視しながら、医療機関等に対し適時適切に情報を提供し、オンライン診療の適切な普及に努めてまいりたいと考えておるところでございます。  以上でございます。 81 ◯議長(上田英俊君)永森直人君。    〔23番永森直人君登壇〕 82 ◯23番(永森直人君)次に、学びの保障と新たな教育への挑戦について伺います。  新型コロナウイルス感染症の拡大により、社会活動に大きな制約が課された中、最も大きな犠牲となったとも言えるのが子供たちです。2月末の安倍総理の全国一斉休校の要請以降、度重なる場当たり的とも言える休校措置の延長により、結果的には5月末までおおむね3か月、学校生活に大きな制限が課されました。学習機会や部活動の制約、子育て家庭の家計の圧迫など、その問題は多岐にわたります。  以下、学びの保障の観点から、また依然として極めて窮屈な学生生活を余儀なくされている子供たちに、少しでも充実した学生生活を送ってほしいとの思いから、さらにはアフターコロナとも言われる時代の大きな転換点の中、我々は、現在の延長線上ではない新しい教育の形に果敢に挑戦する責務があるとの思いから、以下質問をいたします。  まず、一斉休校について伺います。  9月入学の議論なども消え、学校においては通常どおり年度内に教育課程を修了することとなり、受験等もおおむね予定どおりの見通しとなっています。限られた時間の中で子供たちの学びを保障するために、これ以上、学習機会を犠牲にすることはできないと考えます。  第2波、第3波が押し寄せると言われる中、国では、第2波が来ても全国一斉の休校は要請しないという報道もあります。本県においても、今後の一斉休校についてはエビデンスに基づき、慎重かつ適切な判断が必要であると考えますが、今後の県下一斉休校をどのように考えるのか、伍嶋教育長に伺います。  また、限られた時間に一定の教育課程を子供たちに詰め込むこととなり、学習の進度についていけない子供たちが出てくることも想定され、個々の子供たちに向き合うきめ細かな指導が求められます。  国においては、第2次補正予算において、加配教員や学習指導員等を約8万5,000人増員する措置を行っています。本県においても教員不足が指摘される中ではありますが、国の予算による加配等の措置を活用するほか、外部人材を活用するなどの工夫も考えられますが、どのように取り組むのか。  また、限られた時間の中で教育課程を進めるに当たり、現在の人員でどのようにきめ細かな対応を行うのか、併せて伍嶋教育長に伺います。  来年の県立高校入試について、他県においては、出題範囲の見直しを検討している例も見られるところでありますが、見直しの有無にかかわらず方針を早く示さないと、受験生はもちろん学校現場の学習スケジュールの策定の支障になると考えます。  県立高校受験の出題範囲や試験の実施日程等の見直しについて、どのような検討がなされているのか、伍嶋教育長に伺います。  さて、本県においても、高校野球やインターハイに代わるスポーツ交流大会が開催される運びとなったことは、高校生たちにとって大きな救いであり、関係者に心より敬意を表します。他方で、中学生のための代わりの大会の開催については、いまだ県全体の方針が見通せない状況であり、とりわけ中学3年生は高校受験も控えながら何を目標に頑張ればよいのか、どう区切りをつければよいのか、彼ら、彼女らの気持ちに思いを巡らすと、ふびんでなりません。  せめて早期に方針が示されるように、県として中体連などに働きかける必要があります。開催についてどのように考えているのか、中体連に対する支援など開催に向けた調整等の対応状況も含め、伍嶋教育長に伺います。  部活動にいそしむ子供たちは、県スポーツ交流大会などの開催も決まり、本格的に大会に向けて調整を進めていくことになると考えますが、子供たちは長期間競技から離れていたこともあり、いきなり本番を迎えることは、けがのリスクを高めることから、練習試合など少しずつ実戦形式の練習も必要となります。  他方で、県外での練習試合や合宿は依然として禁止され、県内での練習試合も判断は学校長の責任に委ねられており、現状では、各学校、感染リスクなどへの配慮から学校外での活動をちゅうちょせざるを得ない状況となっています。  適切な調整と無秩序な活動を防止する観点からも、県として明確な基準を示す必要があると考えますが、現在禁止している活動の解除の見通しなども含め、伍嶋教育長の所見を伺います。  また、中学3年生や高校3年生にとっては最後の大会となる場合も多いと考えます。子供の成長を見届ける保護者等のことを考えたとき、何とか最後の勇姿を見ることができるようにしてあげたいと考えます。安易に無観客とせず、例えば、県が、プロスポーツの場合には収容人員の50%以下などと基準を示しているように、ソーシャルディスタンスを保ちながら観客を保護者等に限定するなど、観客の入場基準を県として示すべきと考えますが、伍嶋教育長に伺います。  さて、新型コロナウイルス感染症は地域経済にも大きな影響を与えており、職を失うなどにより収入が激減し家計が急変するケースも増えております。  しかし、経済的な要因で子供たちの学びが阻害されるようなことはあってはならず、適切な支援が行われるべきと考えます。県においては4月補正予算で、家計急変世帯の高校生に対する教育費負担を支援する事業を計上しているところではありますが、さらなる支援の拡充にどのように対応するのか、伍嶋教育長の所見を伺います。  さて、近い未来において、あらゆる分野でデジタル化が急速に進み、産業構造も一変することから、子供たちに求められる能力は大きくさま変わりすることは明らかであり、時代に合った新しい教育を果敢に進めていくことは私たちの責務と言えます。  また、学校の一斉休校が明らかにしたのは、本県を含めて教育界の2周遅れ、3周遅れとも言われたデジタル化の遅れであります。教育の世界におけるデジタル化の推進は、学びの充実、教員の負担軽減、不登校・一斉休校等への対応としての遠隔教育など、教育を取り巻く今日的課題を解決する切り札と言えます。  他方で、教育のデジタル化を推進するには、これまでの教育の枠にとらわれない発想と高い専門性を要することから、幾ら優秀な教員や行政職員の集団である教育委員会とはいえ、現在のスタッフのみで進めるには限界があるのも事実です。  他県においては、教育分野にかかわらず、行政のデジタルトランスフォーメーションを推し進めるために、民間から最高デジタル責任者、いわゆるCDO、チーフデジタルオフィサーを配置する事例も見られるほか、文科省においても、教育のデジタル化を進めるために情報化の統括的責任者、いわゆる教育CIOを教育委員会に配置する必要性を掲げています。  本県の教育のデジタル化を本気で推進するためには、外部から高い能力を持つデジタル人材に責任と権限を付与し、教育CIO等として登用、配置すべきと考えており、教育大綱の改定に当たっても、ICT教育やデジタルトランスフォーメーションの専門家の意見も十分に取り入れながら、教育CIOの配置などの人材登用の観点も踏まえて改定を行うべきと考えますが、石井知事の所見を伺います。 83 ◯議長(上田英俊君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 84 ◯知事(石井隆一君)本県教育のデジタル化の推進についてお答えをいたします。  AIやIoTなどの技術革新の進展ですとか、ウイズコロナ時代、またアフターコロナ、ビヨンドコロナ時代を見据えて、デジタルの力を活用した新しい生活様式の実現が求められており、教育分野においてもデジタル化の推進、大変重要だと思います。  本県では、小中学校及び県立学校において、校内LANの整備や児童生徒への端末配備などによるICT教育に取り組んでおりますけれども、今後のデジタル化の進展は、デジタル教科書の活用をはじめ、習熟度別の遠隔授業など柔軟な授業を可能として、多様かつ高度な学びへの展開が認められます。  そのため、新たな教育大綱の策定に当たりましては、教師による対面指導とオンライン教育のハイブリッド化やプログラミング教育の推進などが、重要なテーマの一つと考えておりまして、総合教育会議で協議しますとともに、新たに有識者委員会を設置いたしまして、ICT教育やデジタルトランスフォーメーションの専門家からも意見等をお伺いして、策定作業を進めてまいりたいと思っております。  なお、CIOについては、県庁情報化推進本部内に既に設置されておりますけれども、別途、教育を担当するCIOを設置することについては、今後、専門家の意見や他県の状況等を踏まえる必要がありますけれども、私としては、設置する方向で教育委員会と相談してまいりたいと思っております。  今後も社会全体がデジタル化していく中、ICTや先端技術を活用して、基礎的な学力の確実な習得はもとよりですが、多様な子供たち一人一人の能力、適性等に応じた学びが提供できますように、まさに令和時代にふさわしい、またビヨンドコロナ時代にふさわしい本県教育の充実に努めてまいります。 85 ◯議長(上田英俊君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 86 ◯教育長(伍嶋二美男君)私からは、まず学校の一斉休校に関する御質問にお答えをいたします。  県内の学校では、国の要請による3月の一斉休校に引き続き、4月以降においても、おおむね5月末まで臨時休業としたところでありますが、児童生徒等の学びを保障する観点から、学校における感染リスクを可能な限り低減した上で教育活動を継続していく必要があると考えております。  文部科学省の衛生管理マニュアル等においては、「緊急事態措置が発令された際でも臨時休業は一つの選択肢」とされておりまして、さらに、各地域の感染レベルに応じて教育活動を継続する行動基準や学校における感染防止対策が示されております。  こうした基準を踏まえまして、今後、仮に県内に第2波が到来した場合には、児童生徒等の生活圏における蔓延状況や医療提供体制等を把握し、専門家等の意見も聞いて、学びの保障の観点も考慮した上で、県下一斉の休校の必要性も含め、臨時休業の範囲や期間について総合的に判断することとしております。  また、仮に県下一斉の休校を行う場合であっても、感染状況に応じて登校日を設けて分散登校を行うことも考えていくこととしております。  なお、臨時休業の判断に当たりましては、児童生徒や教職員の感染が判明した際に、感染者の学校内での活動の状況や、どの程度の人数と接触したのかというような状況、また地域における感染拡大の状況、さらには感染経路の実態などを、総合的に考慮することとしておりまして、今後とも児童生徒の健康及び安全を最優先としながら、学習の機会の確保にも十分、意を用いた学校運営に努めてまいりたいと考えております。  次に、学校における加配教員の活用などに関する御質問にお答えをいたします。  県内の各学校においては、これまでの学校休業に伴う児童生徒の学習の遅れに対応するため、夏季休業期間の短縮や学校行事の精選により授業時間の確保に努めていますほか、指導方法の見直しや工夫改善などの対応が行われております。また、既に配置している加配教員等に加えまして、スクール・サポート・スタッフを柔軟に活用して、学校の実情に応じた少人数の授業や補充活動を行うなど、きめ細かな対策を講じております。  県教育委員会では、教員がこうした取組に専念できるよう、負担軽減を図るため、国の補正予算を活用して、県内の小学校及び特別支援学校に緊急スクール・サポート・スタッフを配置するほか、夏休み期間において授業実施に向けて、学習指導員に加えて非常勤講師等の追加配置を行いたいと考えております。  教員の追加配置については、増加傾向にある産休育休の代員で欠員が生じないよう、その代員配置を優先させる必要があるため、年度途中において教員免許を保有する人材を新たに確保することは大変厳しい状況にありますけれども、様々な方法により確保に努めていきたいと考えております。なお、来年度の新規採用教員を今年度より多い330名の採用数を予定するなど、必要な教員の確保に努めることとしております。  県教育委員会としては、市町村教育委員会の要望なども伺いながら、引き続き国の第2次補正予算の加配教員の活用や学習指導員の追加配置を含め、必要な人材確保に向けて努力をしてまいります。  次に、県立高校の入学者選抜に関する御質問にお答えをいたします。  文部科学省の通知では、地域における中学校等の臨時休業等の状況を踏まえ、令和3年度高等学校入学者選抜等における出題範囲や内容、出題方法については、特定の入学志願者が不利にならないように、必要に応じた適切な工夫をする旨の配慮事項が示されております。  県立高校の令和3年度高等学校入学者選抜の実施日程については、昨年度から中学校及び高校の代表者で構成されます入学者選抜協議会において、各委員の意見を伺いながら検討を進めておりますが、議員から御指摘のありましたとおり、受験生や学校現場が計画的な学習に取り組み、入学志願者が安心して受検に臨むことが大変重要であることから、今後、教育委員会での審議を経て、例年よりもできるだけ早く決定し、公表したいと考えております。  また、その際に併せて示すこととなる学力検査の出題範囲については、この6月から学校が再開され、現時点では今年度中に必要とされる学習内容を終えることができるよう、各中学校での指導計画が見直され、学習指導が行われている状況を踏まえて検討を進めておりまして、今後、入学者選抜協議会での意見等を踏まえて、実施日程と同様に、できるだけ早期に決定して公表したいと考えております。  次に、中学生のための代替大会に関する御質問にお答えをいたします。  全国中学校体育大会については、新型コロナウイルス感染症の影響を受けまして4月28日に中止が決定されたことから、県中学校体育連盟では、5月15日に全国大会につながる県中学校総合選手権大会の中止を決定されたところです。  一方、県の中体連では、県内の4地区の中体連に対して、県レベルの大会ではなく各地区において、これまでの中学生の努力の成果を発揮できる機会を設けることができないかを依頼されております。  現在、4地区の中体連において、新型コロナウイルス感染状況に伴う部活動の再開状況や生徒の様子、各市町村の夏季休業の期間等を慎重に見極めた上で代替大会の開催について検討されており、県中体連では、4地区の中体連から代替大会を開催することについて、前向きに検討したいとの報告を受けていると聞いております。  これまでひたむきに部活動に取り組んできた生徒のための代替大会の開催を、決断されるものと期待をしておりまして、今後、代替大会の開催が正式に決定された際には、高校における代替大会と同様に、選手が安心して悔いなく競技に打ち込める環境づくりと円滑な大会運営に向けて、県教育委員会としてできる限り支援をしてまいりたいと考えております。  次に、学校外の部活動に関する御質問にお答えをいたします。  県立高校の部活動については6月1日から段階的に再開をしておりまして、活動時間及び学校外の活動の取扱基準について、5月下旬に各学校宛てに通知をしたところであります。  また、特に学校外での活動につきましては、新型コロナウイルス感染症予防対策の観点から、県外遠征や合宿は行わないこととするとともに、練習試合については、学校長の判断により県内の学校間に限ることとしております。  なお、県内の対外試合をする際の基準については、各学校によって、また競技によって練習の実績や選手の体力、技術力が異なることから、一律的な基準を示すことはなかなか難しいものと考えておりますが、例えば全国の競技団体からの練習メニューの例示や、そばで指導している顧問の方による判断を尊重することなどにより、柔軟な対応が可能となるのではないかと考えております。  また、今後の県外遠征については、感染拡大防止の観点を基本としながら、その取扱いを慎重に判断していく必要があると考えております。現時点では、北信越各県においても遠征を認めていないことから、今後、全国での感染状況を見極めるとともに、これらの近隣県と情報交換を重ねながら、実施の可否について検討してまいりたいと考えております。また、合宿については、より厳重な感染予防のための衛生管理対策が求められることから、さらに慎重な検討をした上で判断してまいりたいと考えております。  なお、先般、高体連等において全国大会の代替大会の実施が決定され、生徒の皆さんには練習試合等を通して試合の感覚等を早く取り戻したいと考えていると思いますけれども、まずは体力や技術の回復を図るよう調整を進めて、これまでの成果を発揮する大会に臨んでいただきたいと考えております。  次に、代替大会の観客に関する御質問にお答えをいたします。  中止となった全国大会の代替大会は、主管する各競技団体において、その取扱いが検討されることとなっており、出場する選手の皆さんにとって思い出に残る大会となると考えられ、できれば保護者をはじめ、一人でも多くの方々に観戦していただきたいと考えております。  スポーツ大会等の開催については、新型コロナウイルス感染予防対策を行う観点から、日本高野連が原則無観客での実施としながらも、学校関係者の入場についての考え方が示されているほか、日本スポーツ協会においても、各種スポーツイベントの開催時におけるガイドラインが示されており、観戦を認める場合には、主催者側において様々な感染予防対策を実施する必要があるとされております。  現在、県高野連及び県高体連の各競技の専門部において、消毒の管理など感染予防対策を行うことが可能となる範囲で、観客の入場ができるよう協議をされておりますが、基本的な考え方としては、ベンチに入ることができなかった部員と3年生の保護者のみの入場を認める方向で検討されていると聞いております。  県教育委員会としては、こうした各主催者で定められた観客の入場に関する考え方を尊重していきたいと考えております。  今後、主催団体が行う感染予防対策や円滑な大会運営に向けて支援することとしておりまして、本大会が生徒と保護者の皆さんにとって思い出深く、意義のある大会となるよう努めてまいります。  次に、家計急変世帯の高校生への支援に関する御質問にお答えをいたします。  教材費など授業料以外の教育費に対する支援といたしまして、生活保護受給世帯や当該年度の住民税が非課税である世帯の高校生に、奨学のための給付金を支給しておりますけれども、4月の補正予算におきまして、コロナ禍の影響により家計が急変して、今年の収入見込みが非課税世帯相当と認められる世帯を、新たに対象とすることとしたところであります。  さらに、特に経済的負担が大きくなる入学時に必要な支援を行うため、希望する低所得世帯の高校生に対して、奨学のための給付金を前倒しで支給することとしております。  また、6月補正予算案におきまして、学校と家庭間の双方向でのオンライン学習環境の整備に取り組むこととしておりますが、経済的理由により学びの機会を阻害することのないよう、インターネットの接続環境のない家庭に対しては、学校からパソコンやモバイルルーターを貸与することとしております。  さらに、低所得世帯に対して、オンライン学習に係る通信費の負担軽減を図るため、奨学のための給付金において、通信費の負担が生じた場合に、特例的に1万円を追加支給することとしたところであります。  今後、こうした支援制度について、各高校を通じて、保護者、生徒に対する周知に努め、経済的な要因で子供たちの学びが阻害されることのないよう支援をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 87 ◯議長(上田英俊君)永森直人君。    〔23番永森直人君登壇〕 88 ◯23番(永森直人君)最後に、デジタルトランスフォーメーション時代の大規模施設整備について伺います。  高岡テクノドームの機能拡充について、検討会から整備の方向性が示されました。取りまとめをいただいた関係者の皆様には敬意を表しますが、他方でアフターコロナと言われる時代において、またデジタルトランスフォーメーションの時代において、果たして、これまで同様のリアルな世界での大規模産業展示や大規模コンベンションのニーズが、本当に10年、20年先まであるのか、また、別館のキャパシティーを1,000人とか1,200人などと議論がなされていますけれども、大変失礼ながら、本当に論点はそういうところなのでしょうか、大変に疑問が湧いているところでございます。  既に5Gのさらに次世代、2030年、6Gの議論が国においてなされています。6Gの世界では、国内外のどこにいても超リアルな体感で、人、情報、物にアクセス可能な世界観が想定されていると言います。つまり大抵の体験やイベント、商談会などは、その場所に行かなくてもできてしまう可能性も高いと言えます。想像もつかない世界ではありますが、過去10年、20年で起こってきた技術革新の歴史を考えても、まさに想像もつかないテクノロジーの進化が現実に起こる可能性は高いのだと思います。  先ほど安達議員からもありましたが、施設の整備が完了する3年後には、現在、最新とも思える施設のコンセプトは相当陳腐化しているのではないかという懸念を拭うことはできません。これが10年、20年先となればなおさらであります。10年後、20年後においても高岡テクノドームという、その場所に来なければ味わうことのできない価値とは何なのかを見定め、また現在の延長線上ではない産業やエンターテインメントの姿をイメージし、常に計画をアップデートしながら進めるとともに、テクノロジーの変化や進化にフレキシブルに対応できる仕様とすべきと考えますが、石井知事の所見を伺います。    〔「頑張れ」と呼ぶ者あり〕 89 ◯23番(永森直人君)ありがとうございます。  富山県武道館においては、基本計画において、5Gなどの最新技術の利活用について配慮することとされています。  スポーツの世界においてもデジタル化の推進を強力に推し進める必要があり、例えば、多角的な視点での映像カメラを常設し、データ解析を活用したパフォーマンスや競技力の向上、観るスポーツにおける高い臨場感の提供や動画のライブ配信などにも活用するなど、デジタルテクノロジーの技術を十分に活用したオンリーワンのすばらしい武道館となることを期待いたしますが、どのように対応するのか、蔵堀政策監の所見を伺います。
     最後になりますけれども、新型コロナウイルス感染症により命を落とされた皆様方の御冥福をお祈りしますとともに、感染症への対応に強い使命を持って当たられた医療従事者や行政当局の皆様に感謝を申し上げ、また感染拡大防止のために根気強く御協力くださった事業者や県民の皆様に、心より感謝を申し上げ、私の一般質問とさせていただきます。  ありがとうございました。 90 ◯議長(上田英俊君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 91 ◯知事(石井隆一君)高岡テクノドームについての御質問にお答えをいたします。  高岡テクノドームについては、これまで3回にわたって、その機能拡充等の方向性について検討いただいて、昨日、検討会の報告書をいただきましたけれども、展示場に関わる施設機能の充実、席数は本質的なことでないかのようなお話もありましたが、展示場は1,000席程度、できれば最大1,200席程度の多機能型として整備をしてほしいとか、また集客交流施設の機能の充実、別館にものづくり産業の発信、体験施設の併設をしてほしいといったようなことや、あるいは、地場産の工芸品等を別館の建具等にできるだけ活用してほしい、また現施設の産業展示機能の強化も検討してほしいとか、いろいろな御提案をいただいております。  新たに整備する別館の展示場には、可動式の客席や間仕切りを導入した多機能型としまして、5G規格の映像音響装置を備えるものとしております。また集客交流施設には、ものづくり体験ができるワークスペース──このものづくりには伝統工芸もあれば、最新技術を活用するものもあると思います──またVR、AR、IoT、AI等の未来技術を体験できる展示スペースを設けますなど、デジタルトランスフォーメーションが進化した時代にも対応できる施設としております。  今お話がありました、2030年には6Gの時代になると、そういうことの検討もされているというお話でありました。まさに世界はデジタルトランスフォーメーションを進める真っただ中にありますので、常に計画をアップデートして、テクノロジーの変化にフレキシブルに対応できる仕様とすべきだという議員の御提案は、私は大変もっともだと思っております。  今後、基本設計、実施設計等、ハード面の準備を進めますとともに、並行して、運営などのソフト面についても検討を進めることとしております。その際には、有識者や専門家、ちょうどアフターコロナというかビヨンドコロナ時代を見据えて、新しい経済社会構想検討会議というのもスタートさせることにしております。  そこに参加していただいた有識者や専門家などからも御意見を伺って、最先端技術の動向を見据えて、テクノロジーの変化にフレキシブルに対応可能な仕様となる方向での検討を進めてまいりたいと思います。  テクノドームの別館が整備され、本館についても一定の機能充実を図ることによりまして、高岡をはじめ県西部地域、ひいては富山県が一層多彩な魅力ある地域に進化する、飛躍したと評価されるように努力してまいります。 92 ◯議長(上田英俊君)蔵堀政策監。    〔政策監蔵堀祐一君登壇〕 93 ◯政策監(蔵堀祐一君)答弁に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。  去る4月1日付で政策監を拝命いたしました蔵堀でございます。県民の幸せと県政の発展のため、誠心誠意努めてまいります。引き続き議員各位の御指導、御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。  富山県武道館につきましての答弁をさせていただきます。  富山県武道館につきましては、去る4月に基本計画を策定したところでございますけれども、議員御指摘のとおり、最新技術の利活用につきましては、基本計画検討委員会でも意見が出され検討を進めてまいりました。  具体的には5Gの特徴でございます高速大容量、低遅延、多数同時接続といったことを生かしまして、まず1つには、体力測定、動作分析等のデータを、例えば東京など遠隔地の指導者によるオンライン指導に生かしますことで、県内の競技者の競技力向上が期待できますこと、2つ目には、ウェブサイトのアプリからのアクセスによりまして、大会やイベント等の映像をマルチアングルで視聴可能な高品質な鑑賞環境を提供できますこと、さらにはタイムシフト再生などを活用いたしました映像分析システムによりまして、効果的な練習が可能になるとされており、今後策定いたします基本計画の中で検討、準備を進めていくこととしております。  先ほど議員から6Gのお話もございましたけれども、将来様々な新技術が実用化されていくことも踏まえつつ、まずは今申し上げたような技術が導入可能となりますように、通信基盤やインフラを敷設できるよう基本設計に取り組んでまいります。  今後とも、競技力向上の面でも地域活性化の面でも、利用者にとって使いやすく、特色を有する武道館となるよう、関係の皆様の御意見もしっかり伺いながら整備に取り組んでまいります。  以上でございます。 94 ◯議長(上田英俊君)以上で永森直人君の質問は終了しました。  以上をもって本日の一般質問、質疑を終了いたします。  これをもって県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終了いたします。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 95 ◯議長(上田英俊君)換気のため休憩を入れる目安の時間が経過しておりますが、このまま続けます。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━           常任委員会への審査付託 96 ◯議長(上田英俊君)次に、ただいま議題となっております議案第81号から議案第93号まで、報告第5号のうち専決処分第22号から第27号まで、第29号、第32号から第34号までについては、お手元にお配りした議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 97 ◯議長(上田英俊君)次に、お諮りいたします。  議案調査のため、明6月19日及び23日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 98 ◯議長(上田英俊君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で、本日の日程は終了いたしました。  次に、議会の日程を申し上げます。  6月22日及び24日は予算特別委員会を、25日は常任委員会及び議会運営委員会を開催いたします。  次回の本会議は6月26日に再開し、諸案件の審議を行います。  本日はこれをもって散会いたします。  午後4時02分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...