富山県議会 2020-03-23
令和2年厚生環境委員会 開催日: 2020-03-23
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 1 2月
定例会付託案件の審査
(1) 説明事項
山崎委員長 本定例会において本委員会に付託されました諸案件の審査に入ります。
付託されております諸案件は、お手元にお配りしてある議案付託表のとおりであります。
追加提案されました案件について、当局から説明願います。
須河生活環境文化部長
・令和元年度2月補正予算(案)の概要
市村厚生部長
・令和元年度2月補正予算(案)の概要
・令和2年度補正予算(案)の概要
(2) 質疑・応答
平木委員
・
国民健康保険特別会計予算の計数について
山本委員
・
新型コロナウイルス感染症対策について
2 山崎委員長 これより付託案件についての質疑に入ります。
質疑はありませんか。
3 平木委員 厚生部の予算について、計数の確認です。
1ページ目の2月補正予算(案)の
国民健康保険特別会計予算の内訳について、主要事業一覧を足し算すると、合計が合いません。数値を確認いただければと思います。
4
佐度医療保険班長 補正予算の資料1ページの
国民健康保険特別会計の数字でございますけれども、
国民健康保険特別会計にはいろいろな費目がございまして、主要事業一覧には、そのうちの主要なものを掲げさせていただいております。普通交付金と償還金が主なものでございまして、そのほかには、
後期高齢者支援金、介護納付金、その他保健事業費がございます。その辺はちょっと細かいので、この資料では省略させていただいているということでございます。
5 平木委員 それを合計したら数字が合うということですか。
6
佐度医療保険班長 そうでございます。
7 山本委員 令和2年度の補正予算のうち、感染症対策についてです。
PCR検査体制拡充に必要な検査機器等の購入ということで、今ほど説明があったところでございますが、それにつきまして質問させていただきたいと思います。
情報によりますと、日本時間の3月23日午前4時現在、世界の
新型コロナウイルスの感染者数は、171の国・地域で32万4,290人に達して、死者が1万4,396人になったということで、世界的に大流行しているところであります。幸いのところ、本県ではまだ感染者が出ていない状況でございますけれども、いつ出てもおかしくないという感じを受けているところでございます。
きょうもこの後、委員からそれぞれ質問があると思っております。自分が感染しているかどうなのかわからないだとか、そういう不安が大変大きいので、うつったらどうしようということも当然ありますし、うつしたらどうしようということもあるので、気になる人には検査がしっかりとできるような体制、この人はどうなんだろうといったときにすぐに検査ができるような体制を整えておくことが感染防止には大事だと思います。それが、いたずらに危機感をあおらないことの大事な一つの要素でなかろうかと思うので、検査体制というのは実はとても大事なところだと思っています。
先日の富山新聞の記事によりますと、米国では体制構築ができていなくて、把握できなかったということでありますし、WHOによると、戦略的にPCR検査を行えるようにしていく必要があるとのことです。もちろん、限られた資材の中でやらなくてはいけないのだから、当然戦略的にならざるを得ないでしょう。そういう意味では、本県でも、どういう形で体制を整えていくのか、どうあるべきなのか、これからもし感染者が出たらどうしていくべきなのかということは、しっかりシミュレーションしておく必要があると思っています。韓国では
ドライブスルー方式や
ウオーキングスルー方式などいろいろなやり方があるように聞いておりますので、そういうことをしてほしいと思います。
それだけではありませんで、今までは、ほんのこの2週間くらいの中でも、検査に1日かかるとか半日かかると言われているものが、最新のものでは1時間──中国から出たものは1時間ぐらいでできる大変簡易なものまであるということでございますが、しっかりとしたお墨つきが与えられるものかどうかというのは、もちろん十分検証しなくてはいけないと思います。
ぺろっとなめて大丈夫だとかというようになればいいのかもしれないし、しかしそうすると、先ほど申し上げました世界で32万4,290名という感染者は、簡易検査ができるようになるともっと多くなるはずだということもあって、それがもしかしたら、いたずらに感染者数をふやして、逆に大変なことになる可能性もあるのかもしれません。しかし、正確に知るという意味では、私はとても大切なことではなかろうかと思っています。
今回の補正予算では、PCR検査の体制拡充に必要な機器を購入することにしておられるわけでございますけれども、今申し上げたとおり、日に日に新しい技術が出てきている状況もあるわけでございます。
そういう意味で、簡易検査の導入について、国では指定の医療機関で受診できるように技術開発を進めていると聞いていますけれども、その状況についてはどうか。本県の検査体制の構築についてどうするのかということも、あわせてお聞きしたいと思います。
8 松倉感染症・疾病対策班長 検査は非常に大切だということで、簡易的な検査につきましては、国内外の複数の企業で開発が進められていることは聞いているわけでございますけれども、新聞報道によれば、行政検査では使用できないが、研究・検査機関向けに3月16日に検査キットの国内販売が開始されたところであります。また、3月14日の首相の記者会見でも、短期間で検査ができる簡易検査機器の開発も順調に進んでおり、一部については今月中に利用を開始できる見込みとなったというような発言があったところでございます。
このように、国内外でさまざまな開発が行われておりますが、まだ簡易的に使えるようなものはないと承知しておりまして、また、県内の企業による開発についても今のところないというふうに承知しております。
9 山本委員 行政的に使用できないというのは、先ほど申し上げたような、私が心配したような理由によるものなのでしょうか、ちょっと確認したいと思います。
10 松倉感染症・疾病対策班長 行政検査あるいは普通の検査として使うには、体外診断用の医薬品承認というのを得なければならないそうで、その承認がとれていないということで、今はまだ、研究機関あるいは検査機関向けのもので、研究用というふうに聞いております。
11 山本委員 一日も早くそういうふうになればいいと思います。
班長にもう一つ聞きたいのですが、現在の状況で、県内では1日にどのぐらいの人数を検査できるようになっているのかということと、この補正予算で体制を整えることによって、いつまでにどの程度の人数を検査できるようにしたいとお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
12 松倉感染症・疾病対策班長 PCR検査の充実ということで、3月18日に知事から発表させていただきましたけれども、3月18日には富山大学との連携ということで、富山大学で10件追加になったことで、今まで20件だったのが30件になりました。また、本日、3月23日から衛生研究所で機械が増設されまして、さらに20件追加でできることになっておりまして、順調にいけば1日当たり50件の検査が可能になるという状況でございます。
13 山本委員 そこからふえるかふえないかというのは状況を見てということなんでしょうけれども、今申し上げたように、機械ももうちょっと簡易になれば、もう少し件数もこなせるようになると思います。
そういう意味で言うと、この後の質問にもかかわってきますけれども、薬の富山として、富山の製薬会社で検査薬を開発しているのか、もしあるとしたら支援していくべきでなかろうかと思います。
青柳振興開発班長にお聞きしたいと思います。
14
青柳振興開発班長 県ではこれまで、県内企業が行うバイオ医薬品、高
薬理活性医薬品、小児用医薬品などの高
付加価値医薬品、それから
血液簡易検査キットなどの開発に対して助成を行うなど、積極的に支援してきております。
来年度は、この補助対象に、今後成長が見込める分野の研究の中でも探索的性質の強い研究開発を
チャレンジコースとして新たに加えたところでありまして、委員お尋ねの
新型コロナウイルス検査薬の開発についても、こうした補助事業をぜひ県内企業の方に御活用いただきたいと考えております。
県内製薬企業が検査薬の研究開発を行う場合には、ぜひくすり政策課に積極的に御相談いただきたいと考えております。
15 山本委員 班長、よろしくお願いします。
富士フイルム富山化学株式会社が開発したアビガンが大変効くということがわかったようで、中国では正式に採用されているということも、先日報道で見たような気がしております。本当だとすれば大変いいことだと思っております。
国は、
新型インフルエンザの流行に備えまして、200万人分のアビガンを備蓄しているということでありますから、これが効くということになれば、安心できる大きな要素の一つになるのではないかと思いますし、富山の薬が世界の危機を救うということになると、これは大変いい話だと思うわけでございます。このほか、日医工のフサンという薬、ドイツのほうではカモスタットという薬が治験に照らされていて、これが効くことになれば、またさらにいろいろな意味で富山の薬がクローズアップされていくと思うのです。
それで、抗
インフルエンザ薬アビガンが実際に効くということについて、どう認識しておられるのか、
菊地くすり政策課長にお聞きしたいと思います。
16
菊地くすり政策課長 今ほど委員から御紹介がございましたアビガンですけれども、
新型インフルエンザ対策ということで、国で200万人分が備蓄されております。中国において臨床試験が行われたということで、3月17日に
中国科学技術省が記者会見で発表したところによりますと、回復までの時間短縮や肺炎症状の改善といった効果が発表されたと承知しております。今後、詳細なデータ等が出てくると思いますので、そういった情報の収集に努めてまいりたいと考えております。
また、国内におきましても、
加藤厚生労働大臣が2月22日に発表されましたけれども、
国立国際医療研究センターを中心とする研究班が立ち上がって、患者への投与が行われています。それから、愛知県の
藤田医科大学病院におきまして、3月2日から臨床試験に参加する患者の募集も開始されているということで、臨床研究も始まっていると承知しております。
富山発の医薬品が
新型コロナウイルスに効くということになれば、まさに国民を救う救世主となる可能性があると思っております。引き続き、国内外の状況を注視してまいりたいと考えております。
17 山本委員 国の備蓄は200万人分ということですけれども、富山県での備蓄はある程度あって、何かあれば供与できるような態勢になっているのでしょうか。
18
菊地くすり政策課長 これは、国だけが備蓄しているということで、200万人分の備蓄が全てということになっておりまして、県内での備蓄はございません。ただ、生産できる態勢は富山化学のほうにはあると聞いております。
19 山本委員 富山県として備蓄する予定はないのでしょうか。
20
菊地くすり政策課長 国で
新型インフルエンザ対策の指針を定めておりまして、その中で、国において備蓄するというふうになっておりますので、基本的にはその指針に沿って国のほうで備蓄が行われると承知しております。
21 山本委員 自民党議員会では、去る18日の水曜日に、感染症の予防も大事ですし、経済への影響も大変大きいということで、党本部へ行きまして、二階幹事長と岸田政調会長に、富山県として7つの項目にして要望を申し上げてまいりました。
二階幹事長からは、こんなときだからこそ一生懸命やらないでどうするんだという、大変強いお言葉もいただきましたし、岸田政調会長からは、今自民党内の各部会でそれぞれコロナ対策についての項目を取りまとめて、今月末にも党として政府に申し上げていきたいと。その中に、私どもが要望したものもしっかり取り上げたいということで、目を向けていただいたところでございます。
これからもしっかり力を合わせて、富山県民のために頑張ってまいりたいと思います。皆様どうぞよろしくお願いします。
22 山崎委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑を終わります。
(3) 討 論
23 山崎委員長 これより討論に入ります。
討論はありませんか。
24 津本委員 今回、本委員会に付託された議案のうち、日本共産党は、議案第1号令和2年度富山県一般会計予算に反対いたしますので、簡単にその理由を述べたいと思います。
同意できない項目は4項目です。
1点目は、消費税10%への増税によってふえた地方消費税の使い方であります。引き上げ分の消費税は社会保障施策に充てられることになっています。今回の消費税10%への増税に伴ってふえた地方消費税の収入は、47億円であります。
県民からすれば、これだけ負担がふえたということも示しております。そしてまた、これまでどおりに所得税を払い、地方税も払い、そして新たな消費税の増税に応じている県民からすれば、当然でありますけれども増収分47億円は県の社会保障事業の充実に充てられるものと思っています。
しかし実際は、社会保障関係の予算は、私の計算によれば、半分以下の約21億円しかふえていないと理解しています。
地方消費税増収分の使い方に問題があると考えています。県民の期待に応え、そしてまた、消費税増税で消費が冷え込んでいる中、暮らしを応援し、個人消費を温める上からも、この機会に思い切った社会保障の充実を進めるべきだったと考えています。
2点目は
県単独医療費助成制度であります。この点については、県の消極姿勢が際立っていると感じています。
子ども医療費助成については、対象年齢でも予算規模でも全国で最下位の状況になっています。県内市町村はずっと先を走っており、この頑張りを支え、子育て世帯にとって最も身近な市町村がさらに子育て支援に取り組めるように、県として応援することが必要であります。消費税増税で増収する機会に拡充を進めるべきだったと考えます。
また、県は精神障害者への医療費助成に踏み出しました。このこと自体は積極的なものと高く評価しています。ただ、対象は重度のみとし、精神障害者の中でも極めて限定したものとしました。この点についても今後の見直しを強く要望するものであります。
3点目は生活保護費です。昨年に続いて約4,000万円減額されていますが、生活扶助費の相次ぐ減額にも同意できません。
4点目は
後期高齢者医療であります。県内市町村で構成される富山県
後期高齢者医療広域連合は、保険料を約9%引き上げることといたしました。しかし、老後2,000万円問題に見られるように、高齢者の生活は、貧しい年金制度のもとで、貧困と隣り合わせの中にあります。こうした中で、年金の削減、消費税10%への増税が行われてきました。そして今回は保険料約9%の引き上げであります。高齢になっても安心して生活できる社会にすることは、政治の責任だと私は考えています。
地方消費税増収で財源はありました。県として、引き上げ率を抑えるために、知恵も出し、必要な支援を行うべきだったと考えています。
以上、令和2年度富山県一般会計予算への反対理由といたします。
25 山崎委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって討論を終わります。
(4) 採 決
26 山崎委員長 これより付託案件の採決に入ります。
本委員会に付託されました諸案件のうち、まず、議案第1号令和2年度富山県一般会計予算のうち本委員会所管分について、原案のとおり決することに賛成の委員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
27 山崎委員長 挙手多数であります。
よって、議案第1号については、原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、議案第76号令和2年度富山県
一般会計補正予算(第1号)のうち本委員会所管分、及び議案第77号を除く議案第5号外16件について、原案のとおり決することに賛成の委員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
28 山崎委員長 挙手全員であります。
よって、議案第5号外16件については、原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、議案第76号令和2年度富山県
一般会計補正予算(第1号)のうち本
委員会所管分外1件について、原案のとおり決することに賛成の委員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
29 山崎委員長 挙手全員であります。
よって、議案第76号外1件については、原案のとおり可決すべきものと決しました。
2 請願・陳情の審査
30 山崎委員長 次に、請願・陳情の審査に入りますが、今回はいずれも付託されておりませんので、御了承願います。
3 閉会中継続審査事件の申し出について
31 山崎委員長 次に、閉会中継続審査事件の申し出の件を議題といたします。
本委員会の閉会中継続審査事件については、お手元にお配りしてある申し出案のとおり議長に申し出たいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
32 山崎委員長 御異議なしと認めます。
よって、お手元にお配りしてある申し出案のとおり、議長に申し出ることに決定いたしました。
4
厚生環境行政当面の諸問題について
(1) 報告事項
矢野環境政策課長
・「とやまゼロ
カーボン推進宣言」について
掃本自然保護課長
・富山県「山のグレーディング」の作成について
松倉感染症・疾病対策班長
・
新型コロナウイルス感染症への対応について
初田くすりコンソーシアム推進班長
・「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コン
ソーシアムの取組状況について
(2) 質疑・応答
津本委員
・
新型コロナウイルス感染症対策について
藤井(大)委員
・
新型コロナウイルス感染症対策について
・高齢者等世帯に対するごみ出し支援について
・児童相談所のメンタルケアについて
川島委員
・
新型コロナウイルス感染症対策について
井加田委員
・生活福祉資金貸付事業について
・ひきこもり支援について
平木委員
・献血の不足について
・受動喫煙対策について
・「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コン
ソーシアムのKPI達成状況について
・種部委員
新型コロナウイルス感染症への対応について
・山本委員
両部長の今後の県政発展にかける思い等について
33 山崎委員長 報告事項に関する質疑及び所管行政一般についての質問に入ります。
質疑、質問はありませんか。
34 津本委員 私からは、
新型コロナウイルス感染症対策について、5つの点をお尋ねします。
1点目は、先ほど山本委員からも質問がありましたので、大体中身はわかったと思いましたが、改めて、確認も含めて質問したいと思います。
発熱があってもすぐに
新型コロナウイルスの検査はできないと理解しています。インフルエンザによるケースが多いということが原因だと理解していますが、PCR検査は、原則として発熱してから4日後というふうになっていると承知しています。全国的には、一般病院の医師が患者を診て、これはPCR検査が必要だと判断した場合でも、原則に当てはまらない場合は厚生センターで認めないといったケースが出ていると聞いています。実は、富山県内でもそういう事例があるということを耳にしています。
富山県ではどう判断しているのか。医師が必要と判断するケースにおいては検査を認めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
先ほど山本委員からもお話しありましたように、感染を早期に発見できれば拡大防止の手だてがとれる。感染拡大を防ぐ上で有効に働いていくと考えています。感染症・疾病対策班長にお尋ねいたします。
35 松倉感染症・疾病対策班長 一般の方が帰国者・接触者相談センターに相談する目安として、37.5度以上の発熱が4日以上続くことなどとされているところでございます。
一般の医療機関から帰国者・接触者相談センターに
新型コロナウイルスの感染の疑いがあるとして相談があった場合には、こうした目安にかかわらず、一般医療機関の判断を尊重いたしまして、帰国者・接触者外来へ受診調整することとしております。
帰国者・接触者外来では医師が診察や必要な検査を実施し、その上で感染が疑われる場合には、
新型コロナウイルスのPCR検査を実施することとなります。
PCR検査の実施に当たっては、国の事務連絡に基づきまして、感染症に基づく届け出基準に該当する要件に加えまして、37.5度以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、入院を要する肺炎が疑われる場合、あるいは
新型コロナウイルス感染症以外の一般的な呼吸器感染症の病原体の検査で陽性になった者であっても、その治療への反応が乏しく症状が増悪した場合に
新型コロナウイルス感染症が疑われる場合、また、医師が総合的に判断した結果、
新型コロナウイルス感染症を疑う場合についても検査を実施することとされております。
本県におきましては、国の事務連絡を参考に、これまでも医師の判断に基づき対応してきているところでございます。今後とも、医師が必要と判断した場合には、PCR検査を行っていきたいと考えております。
36 津本委員 ほっとしたというか、大変ありがたい回答だと思っております。早期に発見することを大事にしていただきたいと思います。
では、次の点に入りたいと思います。国民健康保険料の緊急減免についてであります。
内閣府が2月に行った景気ウオッチャー調査によりますと、景気の現状を示す指数はリーマンショック時以来の低水準だったと言われています。今、日本経済はリーマンショックを超える深刻な大不況に陥りつつあるといった指摘をする意見も出ております。
2日前のことでありますが、ある用事で時計屋に行ってまいりました。そこで聞いたお話にびっくりしました。今月に入って途端にお客さんが来なくなったと。3月に入って20日間ほどたっているけれども、来ていただいたお客さんは、きょうまで1人だけだったと。時計を買いに来られたわけではなくて、眼鏡を買いに来られたお客さん1人だけということで、実はこういうことは初めてだということでした。全国の同業者に電話で聞いてみても、全国的に、どこもお客さんが来なくなったというお話でした。
学校の休校、イベントの自粛などでいろいろな業界が今大変厳しい状態にありますが、時計屋は影響が出てくるとは思えない業種だと思っていましたので、大変意外だという思いで聞いてきました。今、こういったことがいろいろな業種に広がっていると思っているわけです。
翻って、国民健康保険の対象者は、フリーランス、自営業者、そういった方々が多いわけですが、きっと仕事がなくなり、所得が激減していると思っています。思い切った支援が必要になっていると考えています。
そこで、国民健康保険法第77条に「保険料の減免等」という規定があるわけですが、これに基づいて、災害時に行うような国民健康保険料の緊急減免をぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
37
佐度医療保険班長 委員御指摘のとおり、国民健康保険法第77条におきましては、市町村が条例の定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料の減免または徴収の猶予ができるというふうに規定されているところでございます。これに基づきまして、市町村においては条例で保険料の減免や徴収の猶予の理由を定めておりまして、災害に限らず特別の事情により生活に困窮して保険料の支払いが困難となったような場合には、減免や徴収の猶予の対象となり得るものでございまして、具体的には、それぞれの市町村において、被保険者の廃業や所得の著しい減少といった個別事情に応じて、減免あるいは徴収の猶予の可否が決定されているところでございます。
国民健康保険法だけではなくて、地方税にも同様の規定があるわけでございますけれども、県では
新型コロナウイルス感染症の影響により、財産に相当な損失が生じた場合など納税が困難となった場合には、地方税法に基づく納税の猶予制度があるということを県民に周知しているところでございます。国民健康保険税を含む市町村税につきましても、
新型コロナウイルス感染症の発生に伴い納税が困難な者につきましては、同様に猶予制度が活用できるといったことを、県から市町村に対して周知しているところでございます。
さらに、減免ということでございますが、それぞれ市町村の条例に照らして、要件を満たすかどうかといった判断になろうかと思いますけれども、これまでも、災害により被災した被保険者の保険料の減免に対しては、国の特別調整交付金により財政措置が講じられた上で、市町村における減免措置が行われているところでございます。こういった減免相当分の財政措置がとられるということが非常に重要と考えております。
本県は、知事が全国知事会の地方税財政常任委員長でございますので、今回の
新型コロナウイルス感染症防止対策等の実施に際しては、地方公共団体が実施する各般の対策に係る財源につきましては、政府の責任において、国の交付金により全額補填するなど、地方の財政運営に支障が生じないよう、国に対して強く求めるべきであるといったような提言を行っているところでございます。
38 津本委員 国に対してまず財源補償を求めていくというのはすごく大事だと思っています。それはそれでぜひやっていただきたいと思います。
ずっと市議をやってきた経緯もありますが、実はこの、法律に基づく減免──国民健康保険税なり国民健康保険料の減免は、余り動かない。要件には、災害があった場合や被災者になった場合など幾つかあるのですが、災害の被災者にならない限りは動かないと思うぐらいになかなか動かないといった実態があります。
最大のネックになるのが、誰がそのお金を持つのかということです。結局、減免された人がふえていくと、減免を受けなかった人たちが国民健康保険の穴を埋めることになるので、保険料が上がるのではないかという話もありまして、結局、実際に必要なものを動かすには、日常とは言いませんが、緊急時においては市町村がみずからの一般会計で持つか、県が出すかということが必要になると思うのです。
現時点では、国の財源補填を待たないといけないということもわかりますけれども、ぜひ県として、市町村がその判断を行った場合は、県として財源を持つよと、今回は緊急的だけれども本当に困難な人たちを救おうじゃないかというような姿勢を示していただけないかと思いますが、いかがでしょうか。
39
佐度医療保険班長 財源というのは非常に重要なところでございまして、そのための財源ということで、国の制度としては特別調整交付金という制度がございまして、これについてはいろいろな個別の事情に応じて柔軟に対応できるような交付金制度となっておりますので、まずはその適用を全国レベルでしていただくということが重要だと思っております。そういった意味で、そういった提言もさせていただいているところでございます。
40 津本委員 こんな財源もあるから頑張ってやりましょうということを、県が市町村に勧めていただければありがたいと思います。財源もかなり調べられた上での答弁だと思いますので、これで動くかなと期待はしているのですが、今、リーマンショックを超える状況に来ていると思っているので、いわば一種の災害と見立てて、市町村がそれにふさわしいような支援策を今どんどん打ち出すべきだと思っております。そのうちの一つが国保料の緊急減免ですので、県としても積極的に進めるような感じで動いていただきたいと思います。御答弁をお願いします。
41
佐度医療保険班長 県としても、こういった事態が生じた場合には、きめ細かく対応することが必要かと思っております。財源措置については国の動きを見ながらということになるかと思うのですけれども、いろいろな会議の場などを活用して市町村にも周知してまいりたいと思いますし、国に対しても、こういった要望があるということは求めてまいりたいと考えております。
42 津本委員 では、次の問題に入りたいと思います。この後3つの質問をしますが、これらの質問は、認知症の人と家族の会が県に提出された
新型コロナウイルス感染症対策についての要望書に基づいた質問をいたします。
1つ目は、濃厚接触者が、認知症など要介護者である場合の支援について聞きたいわけです。中身はこのようなものでした。
認知症で要介護4の妻を、24時間介護している方がおられます。そこで心配されています。万一、介護している側の夫が感染した場合、どうなるのかということです。
一応、一般的にはこうなっていきます。
まず、感染した旦那さんは感染症病床に入院することになり、隔離と治療をあわせて行うことになります。では、認知症を抱えている妻のほうはどうなるかといいますと、当然、一緒に住んでいたわけだから濃厚接触者に該当するので、2週間外出はしないでくださいという要請が来ます。毎日体温をはかって、どんな状況かを連絡することになります。
しかし認知症です。介護サービスが受けられず、ひとり残され、最悪の場合、命の危険が生じるのではないかという心配があるわけです。
そこで、濃厚接触者が認知症の場合など、濃厚接触者に介護が必要だと認められる場合、県としてはどのように対応されるのか、高齢福祉課長にお尋ねいたします。
43 薮下高齢福祉課長 仮に、御家族の方が検査をされまして陽性反応が出て、その親族の方が認知症で濃厚接触者である場合、まず、厚生センター等の指示のもとで、個別事情を考慮して、どのような対応が適切かということを検討することになります。今、在宅というお話でしたけれども、場合分けしますと、施設を利用されている場合、特別養護老人ホームの場合ですと、医療機関を受診後、診断結果確定までは感染拡大に留意する必要がありますので、多床室に入居されている場合は個室に移して、可能な限り担当職員を分けるなどして経過を観察することにしております。
お尋ねのような事例ですと、施設に入所しておられませんので、普段はデイサービスのような通所系サービスを利用されている場合があります。その場合は、個別の事情を見て、厚生センターや市町村の関係者とよく相談した上で、居宅介護支援事業所のケアマネと連携いたしまして、感染防止策を徹底させた上で、訪問介護や訪問看護サービスなどを行うことが適切と考えております。
また、県では万一感染者が発生した場合でも、原則──先ほど申し上げましたのは国の通知による手順ですけれども、それと同様、通知に沿って対応するよう、市町村あるいは事業所にしっかり周知しているところでございます。
また、老施協、老健協、訪問看護ステーションの協議会、ヘルパー協、ケアマネの協会、介護福祉士会、こういった団体に対して、こういった事態に対してサービス提供を維持するための職員確保が困難な施設・事業所がある場合は、介護職員等の応援が確保されるよう、必要な協力の実施を要請しております。
さらには、介護保険のサービス以外のところで言いますと、市町村や社会福祉協議会と連携して、必要に応じて高齢者の要支援援護者を見守る活動を行っているケアネット等により、見守りや介護の支援など、そういった要請を行うことも想定されております。
今のところ、幸いなことに県内では感染者が発生していないので、何よりも感染予防対策を図ることが大事でございまして、こうしたことを周知するほか、国でもマスクを配布しておりますし、このたび補正予算で可決いただきました消毒液の一括購入などによりまして、衛生用品、消毒液が施設などに広く行き渡るように講じていきたいと思います。万が一の場合にも、関係団体、市町村と連携して備えていきたいと思っております。
44 津本委員 一応、手順はしっかりしていると理解しています。ただ、実際にちゃんと回るのかなというところがありまして、実はこの鍵を握るというか、軸になるのは厚生センターだと、今のお話を聞いていてもそう思うのです。濃厚接触者の疑いがあると、そこで連絡をとり、状況を聞くのは、まず最初に厚生センターだということです。
例えば、今の場合は旦那さんが陽性反応で入院して、ひとり取り残された人を厚生センターが調べに行くかどうかは別にして、調査してみると、ひとり暮らしで認知症があって介護が必要だと判断できるのは、多分厚生センターです。介護施設やホームヘルプに行くにしても、また引き受けるにしても、どんな装備をして介護に当たればいいのか、多分、現場はわからず、不安だらけだと思います。防護服がみんなそろっているわけでも何でもないのです。
そういったときに、介護施設やホームヘルパーがどんな態勢で当たるかということを判断できるのは厚生センターだと思うので、厚生センターにその意識があるか、そういう対応ができるか、実はそちら側の答弁もいただきたいと思っているのですが、御答弁いただけないでしょうか。
45 松倉感染症・疾病対策班長 感染者が確認された場合には、まず、感染者の方については指定の医療機関に入院していただくとともに、その濃厚接触者については、厚生センター、保健所で調査いたしまして、濃厚接触者について14日間の経過観察をすることになっております。濃厚接触者への対応につきましては、国立感染症研究所から指針が出ておりまして、その指針に沿って対応するよう厚生センターから説明することになっております。
46 津本委員 介護が必要な場合も対応できると理解していいんですね。
47 松倉感染症・疾病対策班長 介護が必要かどうかというより、濃厚接触者ということで、その方に対してどのように周りの人が対応しなければいけないのか、どういうような感染予防策をとらなければいけないのかということについて、濃厚接触者に加えまして、その周りの方にも御説明をして対応いただくことになるということでございます。
48 津本委員 歯切れのよくない御答弁ですが、これ以上は進まないと思いますので、こういうケースもあり得るということを想定して、厚生センターがしっかり軸になりながら、例えば介護従事者とも相談して、必要な器具をすぐに手配できるようなことも含めて、県として万全の体制を準備してほしいということを要望しておきます。
次の点に入ります。感染症対策としての医療機関における面会禁止についてであります。
富山県内は陽性反応が出た人はまだいません。ただ、感染症対策のため、現在家族との面会が禁止になっているといった病院が少なくない状況にあると理解しています。それは、感染を防ぐ上で必要なことであると私も理解しているわけですが、ただ、認知症の人が入院せざるを得ないケースについては対応を検討しなければならないのではないかと考えるようになりました。
認知症の人と家族の会の県への要望では、次のようなケースが訴えられています。要介護4で自分の意思を十分に伝えることのできない認知症の人が骨折で入院されました。入院のきっかけは骨折です。それなのに家族の面会は禁止です。その結果、平素、介護をしている家族でなければ気づけない症状の変化が見落とされ、一時、命の危険に陥ったということが紹介されています。普通、骨折で入院して命にかかわるような状況に悪化するというのは余り考えられないけれども、認知症の人はそういうこともあるのかと思いながら、それを読みました。
また、私は認知症カフェにも参加させていただきまして、お話を聞かせていただきました。こんなお話でした。病院に入院している認知症の方のことです。入院されている方は、娘さんが面会に来ていたときは落ちついていた。ところが、感染症対策のため、病院では面会が禁止となった。すると、その認知症のお母さんは──お母さんだと思っていますが、自分は捨てられたんじゃないかと思ったらしく、暴れるようになった。そこで、病院からは家に戻してほしいという話が来ているということです。しかし、訪問看護を利用したとしても、家での介護には限界があります。
必要な治療を適切に行えるようにするためにも、認知症などの場合──先ほどは介護が必要な場合の一般的な話でしたが、認知症の方が入院している場合、面会を一律全面禁止にせずに、感染防護の対策をとりながら、面会について配慮をするように医療機関に要請すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。医療政策班長にお尋ねいたします。
49 喜多医療政策班長
新型コロナウイルス感染症について、安定した医療提供体制の確保や感染の拡大防止のため、医療機関における感染対策は重要でございます。
各医療機関におきましては、医療法に基づいて院内感染対策指針を作成するなど、日ごろから院内感染の防止に努めているところでございますが、感染症拡大防止に係る国の通知を受けまして、県では改めて院内感染対策について一層の徹底を図るよう周知しておりまして、各医療機関におかれましては、職員の体温チェック、手洗い、アルコール消毒、また面会の制限等、感染拡大防止のため、徹底した対策を講じられていると考えております。
面会の制限につきましては、一部制限、また原則禁止など、さまざまなやり方がございますが、今回の
新型コロナウイルス感染症は、国の専門家会議によれば、高齢者や基礎疾患を有する方は重症化するリスクが高いと考えられており、亡くなられる方もふえている現状や、各医療機関によって、人員体制や施設、設備の状況が異なることから、各医療機関において、状況に応じて適切に判断していただきたいと考えております。
なお、認知症のため、自身の症状を伝えることができない等、症状の観察に注意が必要な患者の管理につきましては、患者の御家族との十分なコミュニケーションも含めまして、各医療機関において適切に御対応いただきたいと考えております。
面会されたいとか、個々の事情とか、家族のお気持ちも十分理解できますが、リスクの高い他の入院患者も含めた感染防止の観点からも、面会制限は必要な措置であり、御理解をいただきたいと思います。
50 津本委員 今ほどの話で、面会制限にもいろいろな種類があると。それはそうだなと思って聞いていました。
家族と病院とのコミュニケーションは、制限はないわけですか。
51 喜多医療政策班長 家族と病院のコミュニケーションは、入院病棟だけではなく、いろいろな方法もありますので、それに対して特に制限はございません。
52 津本委員 それはもう徹底されているのかもしれませんが、私が聞いている実感では、面会ができないということが、即もう病院に来てもらっては困るみたいな感じになって、病院とのコミュニケーションも余りうまくいっていないような、そんなイメージでありましたので、今の話はちょっと意外でした。認知症という特別な方ということになるかもしれませんが、面会できないことから家族との触れ合いが断ち切られて、安心できず、大変難しい状況に追い込まれるという実態もあると思います。国の通知も考えられた上でつくられているとは思いますが、県としても考え抜いていただいて、融通がつくところは融通をつけて、ぜひ前に進めていただきたいと思います。
いずれにしても、病院と家族とのコミュニケーションが何ら制限されていないのなら、私なりに返してみたいと思います。
最後の質問に入ります。介護事業所についてであります。
ある自治体では、介護事業所で感染が確認されたことで、その地域全ての介護事業所の一律一時休業が要請されるといった事態が起きました。そのことが、認知症の家族がいる人たちに不安を広げています。介護事業所が一律一時休業となれば、同居家族に急に背負い切れない介護負担を強いることにもなります。介護崩壊が別な意味で出てきてしまうと思います。これを防ぐためにも、このような一律一時休業の要請は、県として避けるように考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。感染症・疾病対策班長にお尋ねいたします。
53 松倉感染症・疾病対策班長 2月18日の国の通知によれば、介護事業所で
新型コロナウイルス感染症の患者等が発生した場合、公衆衛生対策の観点から休業の必要性について判断し、必要であると判断した場合には、介護事業所等に対して、通所・短期入所等サービスについて、その全部または一部の休業を要請することとされております。
また、国の通知に関連するQアンドAによれば、休業の要請は施設単位での休業要請を想定しているが、公衆衛生対策の観点から、必要があれば地域単位での要請を行うことも妨げるものではないとされているところでございます。
実際に、介護事業所で
新型コロナウイルス感染症の患者等が発生し、休業についての相談があった場合には、その施設での感染の発生状況や、複数の施設にわたる濃厚接触者の発生、またその地域での流行状況、感染の発生段階等を考慮いたしまして、公衆衛生対策の観点から休業要請の範囲や期間について判断していくことになるものと考えております。
54 津本委員 これは国の通知だということですね。
ただ、休業要請をしても、介護崩壊は避けなければならない。この対策は同時にとられることになるのか、この点だけ聞いて終わりたいと思います。
55 薮下高齢福祉課長 先ほどのお話の続きとして受けとめれば、デイサービスを利用していて、そのデイサービスの利用ができなくなった場合に、代替のサービスが受けられるかということと理解しますが、そうした場合でも、例えば個別の求めに応じて、デイサービスから職員を派遣してサービスを提供することも可能でございますし、国からもそうした取り扱いを通知されているところでございます。
56 津本委員 安心していいのかどうか、ちょっと不安を感じながらこれで終わりますが、いずれにしても、厚生センターと介護事業者、また県が協力し合って、感染防止はすごく大事だと思っていますが、同時に、介護が必要な人たち、家族と要介護者の命、生活を守るんだという視点で対応していただきたいということを要望して終わります。
57 藤井(大)委員 津本委員の質問と重なる部分があるかもしれませんが、まずは
新型コロナウイルスの感染症対策についてお聞きしたいと思っております。
先日議決された令和元年度2月補正予算の中に、介護施設等の感染拡大防止対策ということで、2,700カ所の介護施設事業所において消毒液等の配備の支援をされるということで、2,000万円の予算が組まれていたと思っております。まずこの消毒液がいつ届くのかということもあるのですが、重症化しやすい高齢者の感染予防対策をとりつつ、とはいえ、感染が発生した場合の対応もしっかりしていくという両面が、今の時点で必要かと思っております。
今後、県内高齢者施設で感染が発生しないとは言い切れない中で、どのような対応をしていくのかということをお聞きしたいと思います。
例えば感染症対策で言うと、ノロウイルスの対策がございますけれども、対応フローが厚労省からも発表されております。私の介護施設でも職員に徹底しておりまして、マニュアルに従って次亜塩素酸ナトリウムで消毒し、仮に重症患者が1週間に2名以上出た場合は、市町村及び保健所に届け出をするというようなことがありますけれども、この対応と同じような対応でいいのかどうかということも含めて、薮下高齢福祉課長にお聞きします。
58 薮下高齢福祉課長 高齢者福祉施設に対しましては、国の感染対策マニュアルで、感染症発生時の対応等につきまして、一層の徹底を図るよう周知されているところでございます。実際、幾つかの施設にお伺いしたところ、各施設では、職員等の体温チェックは徹底されていますし、やむを得ない場合を除きまして面会制限を行う等の対応をいただいているところでございます。しかし、それでも起きる場合もございます。その場合には、特養のような入所施設につきましては、速やかに、感染者の方は病床を有する病院に入院されることになります。その他の入所者につきましては、要介護度が高くて他の施設への移動が困難な方が多数いらっしゃるということでございますので、施設を休業することは想定していなくて、外部からの立ち入り制限を行い、厚生センターの指示をもとに、濃厚接触者の個室移動、共有スペースやそれ以外の部屋の換気を実施したり、職員の感染を防ぐことも大事でございますので、手袋、エプロン、ガウン等の着用の徹底などによりまして、さらなる感染拡大を防止するよう周知しているところでございます。
一方で、デイサービスでございます。感染が拡大した場合は、厚生センターの調査によりまして、感染症の方がその他の利用者及び職員とどの程度接触していたかなど、公衆衛生対策の観点から休業の必要性の有無について判断をいただき、必要であると判断した場合、臨時休業を要請することになるかと思います。
また、その施設が臨時休業となった場合に、ほかの利用者につきましては、個別の状況を鑑みまして、厚生センターや市町村の関係者とよく相談した上で、居宅介護支援事業所のケアマネと連携して、感染防止策を徹底させた上で、訪問介護あるいは訪問看護サービスを行うことが適切と考えられますので、その旨を、市町村や事業所に、国の通知とともに周知しているところでございます。
県内ではまだ感染者が出ていないということで、まずは感染防止の徹底が大事かと思います。
59 藤井(大)委員 先ほど言った消毒液は、いつごろ届きますか。
60 薮下高齢福祉課長 国から情報を求められましたので、各施設に調査をしまして、情報を提供したところでございます。国で急いでいることは承知しておりますけれども、具体的な日まではまだ承知していません。
61 藤井(大)委員 消毒液がもうなくなってきているということや、職員が訪問看護に出ていくときも、徹底して拭ける除菌ティッシュを用意していますが、どんどん枯渇している中で、介護する職員側が非常に不安になっている部分があると思うので、なるべく早く、いつまでに届けるかということの周知をお願いできればと思っております。
また、感染対策のマニュアルに関しては、それに従ってということですけれども、デイサービスを経営している方にとってみたら、休業させることでかなり経営的なダメージもあると思いますので、せっかく感染者が出ていないのですから、感染予防していくということでよろしくお願いいたします。
続いて、高齢者等世帯に対するごみ出し支援についてお伺いします。
総務省から昨年11月末に、「高齢者等世帯に対するゴミ出し支援について」という通知がありました。そして、令和2年1月22日には、総務大臣メールということで、高市総務大臣が、都道府県知事及び市区町村長向けに、御自身の経験──独居の親御さんの平日のごみ出しに御苦労されたという経験を踏まえて、高齢者等世帯に対するごみ出し支援を創設しますというお話がありました。
実際には、経費について所要額の5割を措置するというふうにあります。
私の地元の新庄地域では、「助け合い活動・新庄くらし応援団」を立ち上げまして、その中で、買い物支援、見守り、ごみ出し支援を行っているのですが、高市大臣の発言の記事を皆さんで回覧されていて、早くこの助成を使いたいという話が出ておりました。
今、具体的にどのような取り組み状況になっているのか、中山廃棄物対策班長にお聞きします。
62 中山廃棄物対策班長 高齢者等世帯に対するごみ出し支援につきましては、昨年11月29日付の総務省通知により、令和元年度特別交付税3月分の算定から、単身の要介護者や障害者など、ごみ出しが困難な状況にある世帯への支援として、市町村が実施する事業に要する経費の5割を特別交付税措置することとされております。この通知を受けまして、県では、交付税を所管いたします市町村支援課から各市町村に対して同日付で通知文を発出し、その旨を周知しております。
その後、本年1月10日付で、総務省から、特別交付税の算定に用いる基礎数値の照会がございまして、同日付で市町村支援課から各市町村へ照会をしております。また、先ほど委員から御紹介がございました大臣メールにつきましても、あわせて各市町村へ紹介していると伺っておりますけれども、この結果、高岡市から市の直営による個別収集事業、射水市から市社会福祉協議会への補助事業が該当する旨の回答があり、この2市に5割の特別交付税措置が行われることとなっております。
なお、県内では他に4市1町1村で射水市と同様の補助事業が行われておりますけれども、ごみ出し支援に限らず、買い物支援や見守り支援なども包括して社会福祉協議会等へ補助が行われているものでございまして、ごみ出し支援の経費のみの切り出しが困難だということで、特別交付税措置ができなかったと聞いております。
高齢化社会の進展に対応したごみ処理体制の構築は大切なことと考えております。各市町村の実情に応じて効果的な方法を選択いただきたいと考えておりまして、廃棄物担当といたしましても、各市町村への制度周知や助言により支援してまいります。
63 藤井(大)委員 高岡市と射水市の2市ということですが、今後もし、ごみ出しの金額がこれぐらいだとわかって切り出しができた場合、その5割の措置ができるようになれば、再申請することも可能ということでしょうか。
64 中山廃棄物対策班長 ごみ出し分の経費の切り出しをうまくカウントしていただけるのであれば、今後5割の交付税措置が受けられるようになると承知しております。
65 藤井(大)委員 せっかくですからほかの市町村も利用されたらいいと思っております。改めて周知の徹底をよろしくお願いします。
最後に、児童相談所職員のメンタルケアについてお聞きしたいと思います。
先日、2月25日、厚生環境委員会の行政視察で富山児童相談所を訪問させていただきました。その際、米沢所長に、職員のバーンアウトの事例等はございませんかという質問をしましたが、そのような事例はございませんということでした。
ただ、心の健康センターの所長も務められた精神科医の數川悟先生が、『なぜ「援助者」は燃え尽きてしまうのか』という書籍をまとめられておりますとおり、職員のメンタルケアを継続的に行っていかなければいけないと思っております。
そこで、富山と高岡の児童相談所の機能強化の方針が示されていますが、いま一度、職員のメンタルケアについてどのような対策を行っているのか、また、それに伴う職員の定着率、離職率などの状況について、仁木子ども支援課長にお聞きしたいと思います。
66 仁木子ども支援課長 児童虐待への対応につきましては、近年児童虐待相談が増加しておりますほか、子供の最善の利益を優先するために、援助方針を受け入れない保護者への対応も求められるなど、困難な事案もあるところでございます。
このため、法令に定める標準配置基準を満たすよう、新年度は児童福祉司3人、児童心理司1人を増員するなど、人員体制を強化するほか、困難事案につきましては、複数人のチーム対応を行いまして、必要に応じて嘱託医師や弁護士とも相談しながら対応に当たるなど、特定の職員に過度な負担がかからないよう組織として対応しているところでございます。
さらに、5年の勤務経験を有し、専門技術の指導や教育を行う児童福祉司スーパーバイザーを、児童福祉司5人に対して1人配置しまして、スーパーバイズを受ける職員のメンタルヘルスの状態も把握しながら指導に当たっておりまして、こうしたことにより、ここ数年、児童相談所において、メンタルヘルスの不調を原因とした退職者は出ていないという状況でございます。
これまで、産業医による保健指導やストレスチェック等を行ってきたところでございますが、引き続き職員のメンタルケアに十分留意しますほか、新年度予算案では職員への研修の充実を盛り込んでおりまして、若手職員を初め職員の対応力の向上を引き続き図ってまいりたいと考えております。
67 藤井(大)委員 職員のメンタルがよくなければ、支援者の適切な支援ができないと思っておりますので、よろしくお願いします。
68 川島委員 端的に質問したいと思います。
新型コロナウイルスでありますが、前回の委員会、そして予算特別委員会でも、一番大事なことは最悪な状況をどういうふうにシミュレートしてそれに対応するかということだと言ってきたつもりであります。
先週から世界の情勢も、コロナ恐慌という状況になっておりまして、いまだかつて経験したことのない状況になっている中において、富山県は感染者ゼロということです。日本全体としても、この1週間を見ておりますと、感染者拡大を抑え込んでいますし、国民性もあってか、手洗いも1回から10回ぐらいにふやして、自分で身を守るという危機意識を高め、その中でもさらに富山県民は意識が高いと思っております。
3月19日に専門家会議の新しい提言が出ました。3つの条件が重なったところで感染、クラスターの危険性があるということです。この厚生環境委員会の手の届く距離が一番危ないのかなと思いながら、質問に入りたいと思います。
県の対策本部が設置されてから、さまざまな取り組み、広報をしておりますけれども、これまでの対策をどう評価しているのか。そして、県内において恐らく潜在的な感染者が存在していると思いますが、そういうことを前提として、クラスター(集団感染)防止を徹底していくことに注力していく方針は変わらないと思いますが、19日の提言も受けて松倉班長に答弁願います。
69 松倉感染症・疾病対策班長 委員から御説明がございましたが、本県におきましては、
新型コロナウイルス感染症対策といたしまして、1月30日に対策本部を立ち上げました。また各厚生センター等においては帰国者・接触者相談センター、また県内4つの医療圏全てにおきまして帰国者・接触者外来をそれぞれ設置いたしまして対応に当たるとともに、県衛生研究所においてPCR検査を実施してきております。昨日まででPCR検査の実施件数は62件で、結果は幸い全て陰性であったというところでございます。
感染の拡大防止のためには、国の専門家会議におきましても、手洗い、咳エチケットの励行に加えまして、集団感染を防ぐためには、換気が悪く人が密集する空間を避けることが重要であるとされておりまして、県においても、ホームページやポスター等により、感染症の特徴や予防対策等について情報発信や注意喚起を行いまして、感染症の理解の促進に努めますとともに、大規模イベントの自粛や学校の休校等に取り組んできたところでございます。
3月19日に開催されました国の専門家会議では、社会経済機能への影響を最小限としながら、感染対策の防止の効果を最大限にするため、引き続き、集団感染(クラスター)の早期発見・早期対応、患者の早期診断・重症者への集中治療の充実と医療提供体制の確保、それから市民の行動変容という3本の基本戦略を維持していくこととされたところであります。
県としても、今後とも国の専門家会議の見解を踏まえまして、適時適切に対応を行ってまいりたいと考えております。
70 川島委員 山崎委員長も予算特別委員会で質問されましたが、告知の徹底といいましょうか、個々の感染防止の取り組みをしっかりやっていくことにさらに力を入れていただきたいと思います。
加えて、富山県はなぜ感染者確認数がゼロで抑えられているのか、ぜひ専門家会議に理由を教えてほしいと要請していただければありがたいです。まさか霊峰立山があるからという答えが返ってくることはないと思いますけれども、何かしら理由があって、そこをブラッシュアップして徹底していくことが、感染者ゼロのままでいる非常に大事なヒントになるかもしれませんので、お願いしたいと思います。
2カ月たって、そして専門家会議の提言も出てきた中で見えてきたのは、何が一番大事かということです。重篤な患者を医療でしっかり守って死者を出さないことが第一でありまして、不安に思う方々の検査を100%することが目的ではないということが、世界が向かっている方向であります。
中国武漢市では30人体制の医療機関に2万人が殺到し、そこで医療崩壊が起きた。韓国もイタリアもそのような状況がパンデミックにつながったという状況がわかってくる中で、38度あるから新型コロナかもしれないという人を、安易にいたずらに検査していくことの危険が声高に言われております。
先ほどの津本委員とは意見が180度違うわけでありますが、厚労省が発表する「37度5分が4日間」という規定に乗って、そして、厚生センターを通じて医療機関で危ないという方にPCR検査を行うことが大事なことだと思います。これが緩和されて誰でもPCR検査ができてしまうと、しかもPCR検査は100%確実ではないということも言われている中で、検査すればするほど陽性である可能性が増して、その方々で病床が埋まってしまうということは絶対に避けなければならないわけであります。
そういう観点において、PCR検査について、これまでどおり厚労省の判断基準に基づいて、しっかりと検査をする。むやみに検査拡大を図らないことを望みたいと思いますが、その点の所見を松倉班長にお伺いいたします。
71 松倉感染症・疾病対策班長 PCR検査の実施の判断に当たっては、国の通知に基づきまして、感染症法に基づく届け出基準に該当する要件に加えまして、37.5度以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、入院を要する肺炎が疑われる場合、それから、
新型コロナウイルス感染症以外の一般的な呼吸器感染症の病原体検査で陽性となった者であって、その治療への反応が乏しく症状が増悪した場合に、医師が総合的に判断した結果、
新型コロナウイルス感染症が疑われる場合、それから、症状や
新型コロナウイルス感染症患者の接触歴の有無など医師が総合的に判断した結果、
新型コロナウイルス感染症を疑う場合、これらの場合におきまして検査を実施することとされております。
本県におきましては、この事務連絡も参考に、帰国者・接触者外来の医師が総合的に検査が必要であると判断した際には、PCR検査を受けられる体制を整えているところでございます。
72 川島委員 検査を拡大していくことは大事かもしれませんが、一方で、例えば30歳以下の方々のデータが出ておりますが、8割は治ると。きょうでも40人感染者がふえて40人回復していると。そういう状況もしっかり捉えながら、基準が緩和されて、誰でもPCR検査ができることによってパニックにならないように、ぜひとも留意していただきたいと思います。民間医療機関においても、これは危ないということで安易に検査対象者に上げていくことが医療崩壊につながる可能性もありますので、そこはしっかり見ていただきたいと思います。
加えて、富山県内に海外からの帰国者──恐らく自発的に報告があるものを捉えているのだと思いますけれども、飛行機も欠航している中で、海外から来ている方の後追い調査といいましょうか、主体的な把握といいましょうか、そういったことが非常に大事だと思います。その辺がどうなっているのか、お願いします。
73 松倉感染症・疾病対策班長 現在、外国から帰ってこられた方について、該当する国から帰ってこられた方につきましては検疫所で申告いただいて、その方については県にも連絡が来ておりまして、健康観察をすることになっているという状況でございます。
74 川島委員 しっかり把握しているということだと思います。
それでは最後に、専門家会議は先週19日に、
新型コロナウイルスが先行している北海道の状況をしっかり捉えて、各地方は参考にして、対策をより具体に図っていただきたいということで、北海道の状況を発表したところであります。
その中では、感染状況が拡大傾向にある地域、感染状況が収束に向かい始めている地域、そして感染状況が確認されていない地域という3分割をして、それぞれの都道府県の対応を促しているといいましょうか、注意をしながら経済活動を復活させてくれということを発信しているところであります。
そういう意味では、富山県は感染者ゼロでありますので、一番フェーズが低い「感染状況が確認されていない地域」にくくられるわけであります。
そういうところでは、直接所管はしておられないと思いますけれども、今県内自治体ばらばらの判断で行っている学校の再開や、各部局によって判断がまちまちであったり各自治体でまちまちであるようなものを、対策本部、厚生部も中心に方向性を発信するわけでありますので、県内一律とはいかないまでも、しっかりと専門家の提言に沿った、いわゆる経済活動の当たり前の復活を踏まえた発信が必要な段階だと思います。
その点も含めて、今後どのような方針で取り組んでいくのか、松倉班長にお伺いいたします。
75 松倉感染症・疾病対策班長 委員から御紹介がありました北海道におきましては、道内で1月28日に第1例目の感染者が確認されて以降、感染者が道内の広い地域で確認されたことから、感染のスピードを抑えるために、2月28日に北海道知事が緊急事態宣言をしまして、3月19日までを期間として、週末の外出自粛要請のほか、大規模イベントの自粛や学校の休校などの対策が実施されたというふうに承知しております。そして、その後爆発的な感染が抑えられているとして、3月19日には緊急事態宣言を終了されたところでございます。
北海道の対策につきまして、3月19日の国の専門家会議では、一定程度新規感染者の増加を抑えられていることから、緊急事態宣言を契機として、道民の皆様が日常生活の行動を変容させ、事業者の方々が迅速に対策を講じられたことについては、急速な感染拡大防止という観点から見て一定の効果があるものと判断するとされたところでございます。
幸い本県では感染者は発生しておりませんが、北海道の対応事例や国の専門家会議等の評価を踏まえまして、社会経済機能への影響を最小限としながら、検査体制の強化や診療体制の確保、県民の皆様への情報提供の充実を図るなど、今後とも健康危機管理の強化充実に努めてまいりたいと思います。
76 川島委員
新型コロナウイルスで死者を出さない、これが第一義で、しっかりと医療体制を守って、正しく恐れる態勢を県民にも伝えていただきたいと思います。
経済が大変であります。そこにつながるような厚生部の活動等もそろそろ求めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
77 井加田委員 日ごろ、
新型コロナウイルス対策も含めて、現場の皆さんが非常に御苦労されているということに、感謝申し上げたいと思っております。
それぞれの委員からさまざまな発言がありましたが、集会やイベントの自粛、学校の一斉休校など、さまざまな課題が出てきた中で、補正予算の提案もあったところであります。一方で今、かなり長期化するのではないかということも言われております。
ですからここは、基本的な予防対策に努めながらも、冷静に、感染者の早期発見や重症化予防、そして蔓延防止を図っていくという、それぞれの封じ込めの取り組みが、長期化する中で感染者をふやさず沈静化させていけるのではないかと思っております。
先ほどから議論を聞いておりまして、私の身内にも医療従事者がおりますし、認知症で介護現場のお世話になっている者もおります。ここの現場が混乱するとお互いの生活に支障を来すわけで、医療現場や介護現場はそうした不要な混乱を招かないようにということも大事なことだと感じました。
県としてもしっかりと、医療、介護、福祉の現場に目配りをお願いしたいと思っております。
それでは、通告しました2点についてお伺いします。
まず、生活福祉資金の貸付事業についてです。
3月19日に、令和元年度の
新型コロナウイルス感染症対策の補正予算ということで、医療提供体制の整備や感染防止への対応を急がれるということもありまして、全会一致で可決したのでありますけれども、その3億4,000万円のうち、約半分の1億6,700万円は、学校の臨時休校に伴い収入が減少した世帯の資金需要に対応するために、貸し付けの上限や償還期限の拡充の特例措置を設けて、貸付原資を事業の窓口となる県社協へ交付するという事業でございます。
原資が確保されたということで、事業の目的どおり、収入が減る方に対して、生活資金に困っている方々への経済的支援が行き届くことを期待するわけでありますけれども、一方で、どのような方が対象となって、どこが事務的な手続に責任を持つのかということについての明確な基準は、ある意味では県社協に丸投げという形になっていまして、非常に場当たり的だと思うわけであります。
こういうことを指摘させていただいて、まずは生活福祉資金の貸付制度の実態について、確認ということで伺いたいと思います。
県社会福祉協議会が実施しています生活福祉資金貸付事業について、貸付資金の保有高、いわゆる貸付原資の総額と、貸し付けの可能額は、現状幾らなのか。また、平成29年度と平成30年度の貸付件数と貸付額及び残高の執行状況について、森田厚生企画課長にお伺いします。
78 森田厚生企画課長 生活福祉資金貸付事業は、県の社会福祉協議会が実施主体となり、低所得等の方々に対しまして、必要な資金の貸し付けと相談支援を行うことにより、経済的自立や社会参加の促進を図り、安定した生活を送ることを目的に実施されております。
今回の令和元年度の補正予算につきましては、実施主体が社会福祉協議会ですので、県からの補助金ということで計上させていただいたところでございます。
お尋ねの、生活福祉資金の中身、種類になりますけれども、低所得者世帯や障害者世帯、高齢者世帯に対しまして、一時的な日常生活費用を貸し付ける緊急小口資金などの福祉資金、それから継続的な生活費を貸し付ける生活支援資金、さらには進学のための教育支援資金などがございます。
全部合わせますと、貸付原資総額と貸付可能額でお答えさせていただきますと、平成29年度当初で、原資総額が15億3,885万円、それに対します貸付可能額が9億4,143万円、また、平成30年度当初は、原資総額15億1,211万円に対し、貸付可能額が9億5,653万円となってございます。
79 井加田委員 貸付可能額のうちの、いわゆる貸付件数と貸付額についてはどのような状況でしょうか。
80 森田厚生企画課長 貸付件数と貸付額の実績につきましては、平成29年度は貸付件数252件、貸付額が4,371万円、また平成30年度は貸付件数236件、貸付額が2,274万円となってございます。
81 井加田委員 可能額のうち、貸付実績、件数ともに非常に少ないという印象を持ちます。全体的に執行率が悪いのですけれども、この理由はどのように考えておられますか。
82 森田厚生企画課長 全体的に貸付額が小さいというお話でございますけれども、貸付原資につきましては、今後の経済情勢の悪化や大規模災害のときの備えということも含めておりますので、それなりの額を確保しているということになろうかと思っております。
83 井加田委員 額を確保という観点はわかりました。
市町村社協別の決定件数の一覧を見ましたが、先ほど言われた生活支援や住宅支援などの一時生活再建で使われる総合支援資金は、平成29年度は10件、平成30年度は6件でございました。
もう一方の福祉資金は、今回の新型コロナ対策ということで計上されています緊急小口資金が一番多いのですけれども、平成29年度は222件で1,200万円台、平成30年度は220件ということで、先ほどの件数の大方は緊急小口資金ということになります。この緊急小口資金の利用については、富山市が142件で一番多く、その次が高岡市で18件──二十数件の年度もありますが、そのほかの市町村は、1件もないところや一、二件というところで、県内の市町村社協別の貸付実績には相当なばらつきが見られます。
これは、この制度が周知されていないのか、あるいは貸付条件や手続が厳しいのか、返済条件が問題なのか、または返済能力の問題なのか、社協の体制の問題なのかということも懸念されるのですけれども、原因はどのようにお考えでしょうか。
84 森田厚生企画課長 本制度につきましては、県の社会福祉協議会が実施主体となりまして、それぞれの窓口につきましては、市町村の社会福祉協議会に委託して実施しております。そういうことから、対応につきましては県の社会福祉協議会が市町村社協を集めて研修を実施しておりますので、基準なり対応に特に差があるということはないと理解しております。
件数が少ないというお話でございますけれども、これにつきましては、この貸付制度の特質の一つでございますけれども、単に貸し付けをするのではなくて、市町村社協の窓口や地区の民生委員の方もそうなんですけれども、まずは対象となる方の相談を行うということで、相談を行った上で、その方にどういった支援がふさわしいのかを考えていきます。
それで、たまたま家計相談や就労支援相談も実施しておりますので、そちらの支援にする方もいらっしゃいますし、こういった小口資金で対応すべきだという話になりましたら申請する方もおられますことから、ケース・バイ・ケースでこういった結果になっていると考えております。
85 井加田委員 ケース・バイ・ケースということもわかるのですけれども、基準や取り組みの状況は同じなのに、現実として、件数のばらつきというか、全然貸付実績のないところもありますので、生活福祉資金貸付事業自体の課題があるのではないかと考えます。生活困窮者対策として実態に応じた支援になっているかということも問われてくると思いますので、そこは問題提起させていただきます。
今回の緊急対策は、この現制度を利用して、緊急的な対応を国では求めているということで社協に委託されましたが、どのような人を対象にするのかという基準が示されていません。
それで、生活福祉資金という以前に、フリーランスの日額補償とか、一時金を出すような話も国の検討段階で聞いていますが、そことの整合性がなかなか見えない中で、お借りになる方が本当に頼れるのかなというのがちょっと見えてこないので、対象者の基準を改めて示していただく必要があると思うのですけれども、いかがでしょうか。
86 森田厚生企画課長 先ほども申し上げましたけれども、実施主体は県の社会福祉協議会ということで、県から補助しておりますけれども、今回の
新型コロナウイルス感染症の影響は、従来の災害の特例とは比較にならないぐらい多種多様だということで、国からも通知が来ておりまして、さまざまな収入減少世帯とそれに基づく資金需要が見込まれるということから、より柔軟な対応を国から求められております。
具体的な内容としては、先ほどから申し上げておりますけれども、主に休業による収入減少世帯への無利子の緊急小口資金につきましては、据置期間や償還期限の延長、さらには学校等の休業等の特別の状況がある場合には、上限10万円を20万円まで引き上げる措置がとられておりますし、主に失業による収入減少世帯への総合支援資金につきましても据置期間を延長するとともに、保証人のあるなしという場合によって、貸付利子があるなしという状況になっていったものを無利子にするなどの措置がとられまして、より借りやすい形になっております。
それから、今ほど委員から御懸念の点が出ましたフリーランス等につきましては、国からQアンドAが追加でまいりまして、先に申し上げた、いわゆる学校の休業等による場合だけではなくて、フリーランスや個人事業主の方で一時的に所得が減った方、コロナウイルスの前後でそういった状況になった方に対してもお貸しできることになっておりますので、こういった対策でしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
87 井加田委員 原資1億6,700万円ということで、約1,000人規模の対応ということを言われているんですけれども、先ほど申し上げたように、制度自体の問題──貸付実績がない中で、本当に必要とされる方に対応できる見通しがあるのかというのが疑問です。その辺はどう考えておられますか。
88 森田厚生企画課長 この制度自体、より周知を図っていく必要があろうかと思っております。当然、貸し付ける方がたくさん生じるという社会なり経済情勢になることは好ましくないことではございますけれども、委員からもございましたように、必要な方にしっかりと対応できるように取り組んでまいりたいと思います。
89 井加田委員 今、補助金の額の中で質問しましたけれども、当然、貸付事業の窓口となる市町村社協の現場に対しても、相談者がふえる中、丁寧な対応をしなければいけないので、業務量もふえるし事務的な手続も煩雑だと聞いております。そこに対する緊急的な人員配置も検討しなければいけない状況になっていると思うのですが、県としてはどのように対応を考えていらっしゃるのかお聞きします。
90 森田厚生企画課長 今回の緊急措置につきましては、国からは、3月25日から、もしその前に対応できるようになればその前からも対応するようにという連絡が来ております。現段階で特にふえているかどうかというのは、今のところデータがございません。
人員が足りないという形になった場合に、当然、人員の配置もそうですけれども、配置のための経費もかかります。今回の原資として国の補助が来ておりますが、この中の一部についてはそういったものに充ててもいいという話も来ておりますので、その辺については県の社会福祉協議会なりと協議してまいりたいと考えております。
91 井加田委員 福祉の現場で無用な混乱を招かないように、しかし丁寧な相談に答えなければならない窓口でありますので、事務費や人員配置も含めて、県のほうで後押しして、しっかりと体制をとっていただきたいと思っております。
それと、ちょっと1点、生活保護受給率の低さを県民生活の豊かさの指標として取り上げることが多いのですけれども、私、今回、この状況、実績を見てみまして、生活福祉資金の貸付事業自体も、生活保護受給率の低さと同様に、制度的には少し課題があるということは感じております。そのことも指摘だけさせていただきますけれども、福祉職場、委託先の混乱を招かないように、しっかりした対応をお願いしたいと思います。
もう1点通告してございますので、新年度事業に盛り込まれておりますひきこもり支援事業について、川津健康課長にお願いしたいと思います。
ひきこもり当事者の状況、必要なニーズ調査の結果を踏まえた形で、新年度予算では新たな事業が盛り込まれております。ひきこもった状態が長期にわたって、親が高齢化しつつある、いわゆる8050問題が言われておりまして、本当に先送りできない重要な事業だと思っております。これも必要なところに必要な支援が行き届くようにする。さらに、そうした観点で事業の拡充が求められていると思うわけです。
有効な対策として、居場所づくり、ひきこもり相談窓口の充実、県と市町村窓口の連携、これは私は必要不可欠だと思っております。ひきこもり状態から出ていこうとする方々を温かく包み込む、そして家から1歩でも出ていこうとするための居場所をつくっていくことは最も大切だと思っております。そして、その実施主体は住民に身近な市町村であって、専門的な支援は県のひきこもり地域支援センターが担うということだと思っております。
そこで、県のひきこもり対策の現状と課題について、何点かお伺いしたいと思います。
心の健康センターにあるひきこもり地域支援センターに、専任のコーディネーターが増員されるということでございます。現在2名の配置でございますけれども、センターの運営や、当事者、家族の相談への直接支援、研修会や関係機関との連携など、多岐にわたる業務の実態がある中で、さらなる人員体制の強化は必要だと認識しております。
新年度事業では、多職種から構成されるひきこもり多職種専門チームを設置するということで計画されています。ひきこもり相談に対応する人材、そして相談窓口の充実が期待されるわけですけれども、この体制強化でどのような仕事を期待しているのか、また、その雇用形態についてお伺いしたいと思います。
92 川津健康課長 県では心の健康センターにひきこもり地域支援センターを設置し、平成24年5月の開設以来、相談担当専門の職員を2名配置いたしまして、来所相談や電話相談等の専門相談に対応してきたところでございます。
委員御指摘のとおり、新年度には、ひきこもり地域支援センターに専任のコーディネーター1名を増員するということで、予算を計上させていただいておるところでございますが、このコーディネーターには、これまでの相談員2名では行うことのできなかった、アウトリーチの業務に当たってもらうことを中心として考えております。
具体的な業務といたしましては、市町村や厚生センターとともに、ひきこもりの方の困難事例を一緒に検討すること、また、市町村や厚生センターの職員とともに、実際にひきこもり当事者やその家族を訪問して、相談対応を行いたいと考えております。さらに、その当事者が必要としておられます関係機関等をつなぐ役割も担っていきたいと考えているところです。
それから、雇用形態でございますが、当面は臨時的任用職員を充てることとしておりますが、今後は正規職員を充てるように努力してまいりたいと考えているところでございます。
93 井加田委員 アウトリーチを前面に掲げての増員ということで理解しておきたいと思います。
今後は正規職員として処遇いただきたいということを要請しておきます。
次に、ひきこもり地域支援センターでは、サポーター養成研修を年1回開催しております。これは毎年だと思っておりますけれども、ひきこもりサポーターの方々の位置づけ、そして活躍の場、関係機関との連携など、どのような課題があると認識しておられるのか、今後期待される取り組み方針とあわせてお伺いしたいと思います。
94 川津健康課長 県ではより多くの方にひきこもりの実態を知っていただくために、平成26年度から、ひきこもりの方御本人や家族等に対するボランティア支援に関心のある方を対象に、ひきこもりサポーター養成研修を開催しております。民生委員やメンタルヘルスサポーター、ひきこもり経験者など、今まで延べ171人の方にサポーターの研修を受けていただいているところです。
サポーターの活動といたしましては、それぞれの方が地域でひきこもりへの正しい理解などについて普及啓発を図っているほか、ひきこもりを支援する団体内で活躍されていらっしゃる方もおられます。また、平成30年度からは、ひきこもりサポーターを名簿に登録いたしまして──これは御希望される方だけですけれども、要請があった市町村へ名簿を提供しまして、市町村を通じて実際に御依頼のあった御家庭への訪問相談を行うことにしているところです。ただ、現状といたしましては、うまくマッチングはできておりませんで、残念ながら、現在までの市町村へのサポーターの派遣は実現しておりません。
こうした中、県では引き続き市町村にサポーターの活用を周知するとともに、新年度予算案にひきこもりを支援する民間団体への支援事業を盛り込んでおりまして、その事業を活用いたしまして、民間団体の相談対応やアウトリーチへの同行等で、ひきこもりサポーターの方に活躍していただくことを予定しているところでございます。
なお、国においては、ひきこもり支援に関して、市町村の機能強化を図ることとしておりまして、県内ではもう既に、報道もされておりますが、射水市におきまして新年度より、ひきこもり支援推進協議会を設置されまして、ひきこもりの専門相談窓口を設置するとか、独自にひきこもりサポーターの養成や派遣を実施する予定だと聞いております。
県としては、こうしたモデル的な動きやサポーターの活動状況などについて市町村にお伝えしながら、市町村の皆さんと一緒に協力して、今後ともひきこもりサポーターの皆さんが活躍していただけるように努力してまいりたいと考えております。
95 井加田委員 サポーターとして活動されている方は非常に前向きな方だと思いますので、本当に活躍が期待されますが、それは現場に近いところでの活躍であって、県は県としてのコーディネートや市町村への支援をしっかり目配りしていただきたいと思っております。
一方で、厚生センターの精神障害者の専門相談支援は、身近な相談窓口の充実ということでは欠かせないと思うわけです。来所相談、電話相談、訪問相談、また相談会、家族教室など、かなりきめ細かな対応をしていらっしゃるとお見受けいたしました。ここが充実していくことは不可欠だと思うのですけれども、ひきこもりに関する相談状況について、現状をどのように把握しておられるでしょうか。
96 川津健康課長 県の厚生センターでは、さまざまな精神保健福祉分野の相談に当たるため、精神保健福祉相談や、精神障害者本人や御家族への支援、それに加えましてひきこもり当事者や御家族への支援、メンタルヘルスサポーターの養成などの各種事業を行っているところでございます。
ひきこもりに関する相談に加えて、精神障害者の社会復帰や依存症、自殺関連を含む精神保健福祉分野全体の相談というのがまずありますので、そちらを御紹介させていただきますと、平成30年度の実績ですが、来所相談が500件、電話相談が8,479件、それに加えましてデイケアという定期的に開催しているところを利用している方が15人ぐらいいらっしゃいます。
それから、医療機関からの要請に応じまして、厚生センターの保健師が当事者を訪問して服薬指導や医療機関受診支援などを行う訪問指導の件数としましても、395件ということでやっているところです。
そのほか、精神障害者家族教室を延べ116回行いまして、1,031人の方に参加いただいているところでございます。
また、4つの厚生センターにおきましては、ひきこもりの家族教室を実施いたしておりまして、実績は、同じく昨年度、延べ45回で136人の方が参加されまして、各家庭の現状の意見交換ですとか、悩みの相談に当たるほか、専門家によります講演を聞きながら皆さんで学習していらっしゃるという状況になっていると認識しております。
97 井加田委員 私は昨年、佐賀県佐賀市のNPO法人スチューデント・サポート・フェイスを視察してまいりまして、代表の谷口さんから御教示いただきました。県でも二、三年前にこの方をお呼びして講演されています。「どんな境遇の子供、若者も見捨てない」、そして「アウトリーチと重層的な支援ネットワークを活用した多面的アプローチ」という内容の公開講座であったというふうに承知しております。
直接お話を伺って、これは家族会などの支援団体からも特に具体的に言われているのですけれども、アウトリーチといいますか、現場に行くと相談体制の充実を求める声も多いのですけれども、このNPO法人では、訪問支援の必要性を非常に前面に出しておられまして、そのために多職種の方を置いておられます。事前に当事者と家族に関する情報収集を徹底して行い、それを分析して──ひきこもりになるにはそれなりの理由があるので、ただ行けばいいというものではないんです。そうした背景も十分分析をして、そしてどのように接していったらいいかということを検討して、それをチームでやると。そのための連絡会であったり、専門職の配置をしておられます。
厚生センターの中でも大変丁寧な対応もされていますし、市町村の窓口も包括的な窓口を検討されているという状況もあります。
県もその中で、心の健康センターということで、コーディネートであったり、全体を取りまとめるということで非常に重要だと思うのですけれども、当事者の立場に立った積極的な支援活動と、活動を担える人づくりというのを、市町村にも目配りをしながら、時間がかかりますけれども、それはきちんと県の責任で考えていくべきでないかと思います。今回、ひきこもり支援事業ということで3事業上程されていますけれども、ここはまだまだきめ細かい対応が求められてくる分野だと思いますので、新事業にもしっかり取り組んでいただいて、さらに連携強化が図られるような事業を展開していただきたいと期待もして、要請しておきたいと思っております。
98 平木委員 お昼に差しかかっておりますが、質問に入らせていただきます。
まず、献血の不足について伺います。
献血の呼びかけは県も積極的に行っていただいておりますが、県民からは、
新型コロナウイルス感染症の影響が献血にもあるのではないかというふうな、いわゆるデマというか根拠のない心配が広まっているところであります。「感染症が広まっているタイミングだと献血はできない」「もし献血後に感染が判明した場合、献血した血液がどのように扱われるか不安だ」という声もあると伺っております。
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、正しい情報提供をどのように行うか。また、イベント中止に伴う献血カーなどによる献血機会の不足をどのように補っていくか、
菊地くすり政策課長に伺います。
99
菊地くすり政策課長 国の
新型コロナウイルス対策の基本方針が打ち出されました2月25日以降、全国で献血協力者が減少いたしまして、必要な輸血用血液の供給に支障を来したところでございます。
このため、日本赤十字社におかれましては、ホームページ、テレビの報道等を通じまして、献血会場における手指消毒、体温測定など、徹底した感染防止対策を講じ、また紹介をされまして、安全な運営に取り組んでいることを広く周知いただき、献血への協力を呼びかけたところでございます。
これにあわせまして、県におきましても、市町村に対し周知をお願いいたしますとともに、県のホームページや新聞広告などを利用しまして、献血会場での安全対策等について情報提供を行い、県民に対し献血への協力を呼びかけたところでございます。
また、献血バスによります集団献血でございますけれども、これにつきましても、協力を予定していた施設において、感染防止対策といったことで、6カ所でキャンセルがございました。これを受けまして、市町村等にも協力を依頼しまして、県庁を含む3カ所で献血を実施することができまして、必要とする血液はほぼ確保できたところでございます。
こうした結果、3月17日には輸血用血液の在庫量は富山県、全国ともに実在庫が適正在庫を上回り、安定的に供給できるまで回復しております。きょう届きました情報によりますと、富山県、全国ともに適正在庫数の2倍程度の量が確保されていると聞いております。
今後とも、富山県赤十字血液センターと連携協力いたしまして、献血会場での感染症対策についての正しい情報提供を行いまして、献血協力者の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
なお、
新型コロナウイルスですけれども、HIVウイルス、肝炎ウイルスとは違いまして、血液感染はしないとされておりますので、ぜひ御安心いただいて献血していただければと思います。
100 平木委員 安心いたしました。ツイッターで、白血病と闘っている競泳の池江璃花子選手の呼びかけによって、一気に献血への関心も高まったという情報もありますし、また、日赤では過去にもウイルスの関係で輸血で伝播した例はないという事実もありますので、引き続き情報発信に努めていただければと思います。
次に、受動喫煙対策です。
ある県民の方から、県有施設の入口で、たばこのにおいが充満しているという意見が届きました。これに関して、県有施設において喫煙場所を設けているのか、また、喫煙専用室などの分煙設備は十分に整備されているのかを、長谷田がん対策推進班長にお伺いします。
101 長谷田がん対策推進班長 受動喫煙対策につきましては、改正健康増進法の施行に伴いまして、昨年の7月1日から、まず行政機関の庁舎などの原則敷地内禁煙が義務化されたところでございます。ことしの4月1日からは、県民が利用される県有施設を含めまして、事業所や飲食店などにつきまして、原則屋内禁煙となるところでございます。
改正法におきましては、施設の管理者などが、まず屋内に喫煙専用室を設置する場合につきましては、たばこの煙が外に漏れないように、壁や天井で仕切りますとともに、出入り口におきまして、室外から室内への風速が毎秒0.2m以上となるように屋内に排気設備を設けるなどの措置を講じることが必要とされております。
また、屋外での喫煙につきましても、一律に制限するような規定はないものの、望まない受動喫煙を生じさせないような配慮を行うことが大変重要となっているところでございます。
このため県では、4月の全面施行に向けまして、商工団体などと連絡会を開催いたしますとともに、行政機関向けと事業者向けの説明会をそれぞれ開催いたしまして、労働局や労働安全衛生コンサルタント会などの方々の協力も得まして、例えば喫煙専用室の排気設備に必要な機能がどれだけか、また適切な設置場所、屋外に喫煙場所を設置する場合の望ましい設置方法などにつきまして、事例を交えながら啓発し、制度周知に努めてきたところでございます。
全面施行まであと2週間余りとなりましたが、引き続き庁内の関係課や関係機関などと連携いたしまして、制度の周知や円滑な運用に向けましてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
102 平木委員 引き続きお願いいたします。
通告しておりませんが、報告事項について1点だけ伺います。
くすりのシリコンバレーTOYAMA創造コンソーシアムの取り組み状況について、先ほど初田班長から、KPI達成状況を3月10日のとやま未来創造県民会議において了承されたと伺いましたが、この評価の基準で、医薬品生産金額、医薬品産業の雇用者数のKPI達成状況が「おおむね達成」というふうに評価されております。
客観的に見ると、当初値から目標値に向けてその途中段階で数値が上がっていれば、おおむね達成というふうな言い方もできるかなと思うのですが、当初値よりも下がった状況で目標値にも全く達していない状況を「おおむね達成」としている評価基準に関して、誰がこれを評価して、どのような状況になれば、「達成」「おおむね達成」という言い方をするのか。これがもし企業のKPIであれば、「おおむね達成」ではなくて「要努力」なのではないかと私自身は感じるところであります。
この件に関して、客観的な指標があるのかどうか、初田班長にお伺いします。
103 初田くすりコンソーシアム推進班長 県民会議の指標の考え方といたしまして、目標値を達成した場合等が「達成」、目標値に対して7割以上達成したときが「おおむね達成」、5割以上達成が「要努力」というふうになっております。
その条件に当てはめますと、医薬品生産金額、雇用者数とも7割は達成しているということで「おおむね達成」にさせていただいておりますが、これはあくまで指標の切り分けでございます。
委員御指摘のとおり、これについては実質は「要努力」だと思っておりますので、今後引き続き、早期の研究の事業化を通じまして、計画が達成できるように努力していきたいと思っております。
104 種部委員
新型コロナウイルスに関して質問させていただきます。
新型コロナウイルス感染症については、先月の委員会でも質問させていただきましたが、今も考え方は同じでして、トリアージと医療機能のコントロールが全てだと思っています。
この1カ月間で情報がよくわかるようになってきたのですけれども、日本としては、他国と比べるとピークをうまくずらせていまして、うまくやっていると思っています。本当に日々の御苦労には感謝申し上げたいと思います。
ただ、終息はどこなのかということを考えますと、集団免疫を獲得するまでの方法としては、ワクチンでいくのか、治療で広く浅く感染していただくことになるのかわからないですけれども、非常に長期戦になると考えています。今後、これからクラスター対応を延々と続けるにしても、例えばワクチンを見据えると、早くても1年から2年ということになります。長期戦になりますと、皆さん疲れてくるだろうなということを考えます。今、日本医師会は、都道府県医師会と毎週連絡協議会を開いています。各県の状況について聞こえてくるものを見ていますと、やはり疲れてきているというのが現状で、富山県もきっとそうだろうと思います。
例えば東京、神奈川、愛知では、帰国者・接触者相談センターがオーバーフローしているということを聞いています。オーバーフローが起きたタイミングはどうだったのかを確認すると、クラスターが起きて、それがちょっと大きな数になったときに、周りの人も不安になってくるということで、わずか数日でオーバーフローするということを聞いています。
そうなりますと、それと連動して帰国者・接触者外来もパンクをするということで、一般医療機関で診ざるを得ない状況にもなってきています。この時期、インフルエンザの患者もまだいましたので、一般の発熱、感染の方も当然いらっしゃるわけです。そこで、医師がトリアージをしてPCRが必要と判断して連絡しても、電話がつながらないということがよく起きているということです。こうなってからでは医療機能のコントロールというのは非常に厳しい状況になると考えます。
今現在、県内では電話の件数はまだ何とかコントロールされていて、丁寧な対応をされていると思います。先ほどの津本委員の質問にもありましたように、付随することも全て相談に乗っていらっしゃると思うので、恐らく保健所はすごく大変だと思いますが、これが一、二年となりますと、職員も疲弊するということです。
それから、うちのクリニックでも、相談の中身は、東京に行ってきたからPCR検査をしてくれとか、会議中にマスクなしで咳をした人がいたとか、そのような電話も非常に多いと思っています。
ですから、長期戦を見据えて、今、相談センターに電話がかなり来ていると思うんですけれども、フリークエントリー・アスクド・クエスチョンズ(FAQ)をつくってまとめておいて公開するとか、あるいは、県でホームページをすごく丁寧につくっていらっしゃって、皆さんパニックにならないでという呼びかけもきちんとされています。担当の方たちが本当にいい情報を流しているのですけれども、ちょっと地味で目立たないと思っております。SNSなどの拡散しやすい形の媒体で公開してはどうかと考えます。
この質問を提示した後に、神奈川県、愛知県、京都府に聞きましたら、LINE相談を始めています。東京も多分検討していると思います。特に、大阪や兵庫、京都などは電話相談の件数がオーバーフローしてきているので、LINE相談をしたと思います。非常に簡単に多分無料でやっていると思うので、LINE相談を始めてはどうかと思いますが、松倉班長にお伺いいたします。
105 松倉感染症・疾病対策班長
新型コロナウイルス感染症に関するQアンドAにつきましては、厚生労働省が随時最新の知見に基づいて作成し、ホームページに掲載しており、また頻回に更新されております。委員御提案のFAQの作成やホームページの公開につきましては、国のQアンドAを参考にしながら、富山県が個別に公開できるものがあるか、まずは精査してみたいと考えております。
また、公開する際には、富山県の公式ツイッターを活用するなど、拡散しやすい方法も検討してみたいと考えております。
今後とも、新聞、テレビ、ラジオ、ホームページ、それから公式ツイッターなど、さまざまな媒体を活用して、県民の皆様への正しい情報の提供に努めてまいりたいと考えております。
106 種部委員 LINE相談は無料だと聞いたので……。ダイヤモンド・プリンセス号のときに、LINEが皆さん共用のツールになって、そこでやっていたFAQを使っていると思います。それもいい方法だと思いますので、相談センターが疲弊しないようにお願いしたいと思います。
それから、医療機関からのお願いとしては、例えば、発熱など同じような症状の中に、まだインフルエンザの人がいて、その方たちにインフルエンザの検査をすることで被曝の可能性があるので、それをしなくていいということになっているはずなんです。応招義務も外されたはずなんですけれども、県民の方に検査なしにタミフルを出すと非常にクレームが多いということで、医療機関に対して疲れさせないような情報も一緒に入れていただければと思います。これは意見だけにとどめておきます。
もう一つは、先ほどから委員の皆様が、この先どうなっていくのかということで発言されていたと思いますが、感染拡大対策の段階的な移行をする時期が来てもおかしくないと思っています。小さなクラスターだけで済んでいればいいのですけれども、オーバーフローをしたときのことを考えたときに──もうオーバーフローしかけてというか、ほかの都道府県の状況をいろいろ聞きますと、すごく短い期間で医療の移行が必要になります。そのときから対応していては間に合わないので、今の時期にいろいろシミュレーション──多分されていると思いますが、病床の数があっても、治療に当たる人はすぐに確保できないと思います。
特に、今回、休校の措置がありました。女性の医療者500人ほどにアンケートをとったのですけれども、半数以上が、子供が小学校や幼稚園、保育園ということで、お子さんのことがあって病院に出てこられないということです。医療機能がとまることになりますと、クラスターがたくさん集まってきたときに対応できないと非常に困ると思います。この先、どういった移行をしていくかということについてのシミュレーションをきちんと立てていただくことが大切です。
例えば、大阪は今、発熱外来がオーバーフローしているということで、一般外来の中からどうやって移送していくのかとか、PCR検査を始めると結果が出るまで時間がかかるわけで、一旦収容するしかないと思います。そうすると、その後、重症例を入れるためにはコホーティングをしなければいけないと思うのですけれども、そのための移送手段も含めて、ほかの県ではもう取り組みを始めています。
国からの指針が出ていたと思うんですけれども、例えば、県域をまたぐような場合については、民間の救急か自衛隊を使っていいとか、地域の救急とも連携する必要があるということ、それから軽症例について、家庭内感染を防ぐという意味で、民間の宿泊施設を借り上げてバックアップを立てて、その中にDMATとJMATを入れるということも取り組んでいるということで、兵庫、愛知、大阪は宿泊施設の借り上げについて、もう準備をしているということを聞いております。
それが本当にわずか数日で来てもおかしくないということであれば、コホーティングや移送手段などのプロトコルをつくっていただいているとは思うのですけれども、それを情報共有する会が必要ではないかと思います。県では何回も会議を開いていらっしゃるんですけれども、もう一般診療所の中に入ってきていますので、それも含めて協議会をもうちょっと綿密に開いていく必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
107 松倉感染症・疾病対策班長 国からは、「地域で
新型コロナウイルス感染症の患者が増加した場合の各対策の移行について」という通知が発出されまして、今後の状況の進展に応じまして、段階的に講じていくべき各対策の詳細と、その移行に当たっての判断の考え方が示されているところでございます。
その通知では、地域での感染拡大により、患者への医療提供や重症者等への入院医療の提供に支障を来すと判断された場合、感染症指定医療機関に限らず、一般医療機関においても、一般病床も含め必要な病床を確保する。軽症の方は自宅での安静・療養を原則とする。集中治療を要する重症者を優先的に受け入れる医療機関を設定するなどの、さまざまな感染状況に応じた対応策が示されているところでございます。
また、これらの対策をもとに県としての対策を決めていくためには、都道府県を単位として、市町村や県医師会、薬剤師会、消防等の関係機関や専門家から成る協議会を設置することとされておりまして、委員御指摘のとおり、今後本県で感染が発生し、拡大した場合に備え、患者の移送手段などについても対策を定める必要があると考えております。
昨年10月に設置した富山県感染症対策連絡協議会には、消防機関の代表も含めて委員に就任していただいており、こうした協議会等を活用しまして、市中感染の段階になった際には医療提供体制について検討していきたいと考えております。
108 種部委員 協議会がありますし、今まで新型インフルのシミュレーションもやってきたと思うのですけれども、市中肺炎になってからですか……。
幾つかの他県の状況を聞いていますと、どこの自治体でも共通していたのは、今回の対策については、感染の広がり方と重篤度は、ちょっと前の新型インフルとも違っているし、形としてはMARSほど感染力は強くないんですけれども、だらだらずっと行く可能性があるだろうということで、何度も協議会が開かれています。かなり煮詰めて毎週やりながら、状況を見て変えていくということをする中で、風通しもよくなっているということがあるのです。市中肺炎になってからでいいとは思えないのですが、いかがでしょうか。
109 松倉感染症・疾病対策班長 市中肺炎になった際の医療体制も含めて、いろいろ検討していきたいと考えております。
110 種部委員 会議で全て解決するわけではないですけれども、風通しのいい環境をつくっておかないと、緊急のときに動けなくて、そこが雑になると恐らく広がってしまうのではないかと思います。国の専門家会議も、患者調整会議の設置を求めるとか、要はコホーティングをしてもいいということを言っています。そのためには相当煮詰める必要があると思いますので、ぜひ会議を開いていただきたいと思います。
先ほども言いましたが、市中肺炎の状況になったときに学校が休校になると、医療機関は、ベッドの数ではなく、医療従事者が重要だということを申し上げたかったのです。訪問看護ステーションや訪問介護も同じだと思いますが、働いている方が女性だということが非常に多いわけでして、学校がお休みになると予定人員が確保できないということは間々あるわけです。
企業は本人だけですからいいと思うのですけれども、休校は親にも関係してくるわけでして、富山県は職業を持っている方が多いわけですから、休校の判断基準について、例えばインフルエンザの場合、1人休むと学級閉鎖で、2人だとどうとかという基準が、それぞれ学校に委ねられていると思うのです。今お答えがなければ、これから先でもいいんですけれども、明確に地域ごとにまとまって、ここの地域から出さないというふうにして休校にするのか、それとも、幾つか出たときは全県休校にするのか。
アラートを出す必要は当然あると思いますが、基準についても検討していくべきではないかと思います。お考えがあればお聞かせください。
111 松倉感染症・疾病対策班長 まず、先ほどの質問について、説明が足りないところがありましたので、つけ加えさせてください。
協議会等での協議につきましては、今後の県内の発生状況を踏まえながら、他県の情報も参考にしながら開催時期について判断していきたいと考えております。
それから、学校の休校の基準につきましては、インフルエンザは決まった数字があるわけでございまして、それぞれの学校が校医さんと相談しながら校長先生が判断されているものと考えております。
今回の
新型コロナウイルス感染症につきましては、申しわけございませんが、特に資料を持ち合わせておりませんで、学校で感染者が1人出た場合、どのように休校措置をとっていくのかについては、承知しておりません。
そういうことも踏まえまして、医療体制をどうやって提供していくか。各病院におかれましてはBCPも作成していると思いますので、そういうことを参考にしながら、今ある資源の中で患者さんを中心にどんな医療提供ができるか、関係機関と協力しながらやっていきたいと思っております。
112 種部委員 医療機関は当然BCPを作成していると思いますが、今回の
新型コロナウイルスのようなものがシミュレーションの中に入っているかというのはわかりません。休校措置というのが、インフルエンザのようにそれぞれの学校単位と違って、どんとまとめてこられると、それを超えてしまうところがありますので、ぜひ県内の医療提供体制を考えた上で、学校の休校についても医療関係者のことも考えていただければと思います。今後の協議会の中でそういうことを煮詰めていただくことを期待します。
最後に、令和2年度の補正予算案の詳細を御説明いただいたときに、その中で、PCR検査のキャパシティーをふやすために、PCR検査の機械や検体の試薬を買うということは納得なんですけれども、シークエンサーを購入されています。予算に反対しているわけではありませんが、これはちょっと納得いきません。当然、感染のルートをたどるために、ゲノムを見ていくために必要なんだろうと思うのですが、今回についてはそんなことをやっている余裕がないのではないかと思いました。それよりはむしろPCR検査の機械をもう1台買ったほうがよかったのではないかと思ったのですが、なぜシークエンサーを選ばれたのかを教えてください。
113 松倉感染症・疾病対策班長 今回のコロナ緊急対応策の第2弾ということで、今、委員から御指摘がありましたように、ウイルスの遺伝子配列の情報を解析するための機械、次世代シークエンサーを県の衛生研究所に配備したところでございます。これにつきましては、ウイルスの遺伝子を解析することで、ウイルスの由来を特定して、県内のクラスターの発生についてより詳細に探知して、拡大防止を図ることに資するものではないかと考えておりまして、予算要求させていただいたところでございます。
114 種部委員 リンクを追える段階では必要だと思うのですが、それを超えたときは、検査の機械をふやすことのほうが必要ではないかと思いましたので、むしろそれよりはリアルタイムを買ったほうが……。反対しているわけではありません。問題ないですけれども、逆に、それを今度役立てることもきっと出てくるだろうと思っていますし、例えば次の新興感染症のために私は必要だと思います。
PCR検査の試薬については、半年分ということになっていますが、お金があっても試薬自体がなかなか入ってこないということを聞いています。なので、十分な数を確保できるように、追加の措置が必要であれば、また考えていただければと思います。
115 山本委員 先日、県の部長級の人事異動の新聞発表があったところでございます。私から質問という形で発言させていただきたいと思います。
須河部長には昭和59年4月から、市村部長には昭和58年4月から、富山県庁に採用されて、大変長きにわたって県政発展のために御尽力してこられました。敬意を表する次第でございますし、長い間お疲れさまでしたと申し上げたいと思います。
そこで、須河部長と市村部長に、県庁生活を振り返っていただいて、一緒に仕事をしてきた同僚の職員の皆さんや私ども県議会に対してもそうですし、県政発展にかける思いやこれまでの思い出など、一言ずつお話しいただければ幸いかと思います。よろしくお願いいたします。
116
須河生活環境文化部長 この2年の厚生環境委員会の中で初めての御質問ではないかと思いますけれども、御質問いただきありがとうございます。こういった機会を与えていただき、大変ありがたく思っております。
正式に発表にはなっておりませんけれども、御承知のとおり、新聞報道があったということで、少し思いを述べさせていただきたいと思います。
今、御紹介ありましたとおり、昭和59年に入庁いたしまして、36年間、勤務することができました。私が入りましたときに、同期の上級行政職──事務屋の大卒ですけれども、50人一緒に入っておりますが、そのとき女性は私1人でございました。そんな私の配属を受け入れた所属の幾つかでは、「よりによって女かよ」という発言が実際にございました。発言なさらない方も、実際そう思った方は多かったのではないかと思いますけれども、どの所属でも諦めずに、よりによって女の私をよく育てていただいたと思っております。
特に、最後の2年間でございますけれども、よりによって女性の私を部長職につけていただきまして、部長職という立場で、議会での答弁を初めとしまして、思う存分力を振るわせていただいたと思っております。
また、部長就任前の1年間でございますが、御承知のとおり、議会事務局長ということで、議員の皆様を支える仕事をさせていただきました。なかなか執行部にいては見えないような皆様のお姿を裏から拝見いたしまして、皆様のそれぞれに個性的で明るくてパワフルで真面目なお姿を──これは本気です──真面目なお姿を拝見いたしました。これは大変貴重な体験でございました。
さて、私の36年間の県庁での仕事ですけれども、ある人がうまい例え話をしていましたので、それを引用してお話をしたいと思います。
男性と女性が100メートル競走のスタートについています。女性の背中には子供がおぶわされています。男性の背中には何もありません。競走の結果、当然男性が勝って、男性はゴールのテープを切ってから、「ほら、やっぱり僕のほうが速いだろう」と言います。これが現在の職場の姿であるというのがこの例え話でございます。
私は幸い、私の背中の子供を軽くしてくれる家族がおりました。そのため、よい仕事、難しい仕事を次々に与えられても、何とかこなしてくることができたと思っております。それでもなお身軽な男性たちがうらやましかった時代、うらやましかった場面というのは数多くございます。
今なお、私よりも環境に恵まれない女性はたくさんおります。女性の背中の子供を軽くするというのは、いわゆる子育て支援策でございます。この子育て支援策は随分手厚くなってまいりました。しかし一方で、今や子供を男性の背中にもおぶわせるということが、私は必要不可欠であると思っております。そうして公平な駆けっこにしないと、せっかく高い能力を持って仕事を始めた女性たちが、くさったり潰れたりしていくのではないか。あるいは、もっと合理的な解決策として、子供をおぶわないことを選ぶだろう。つまり子供を持たないことを選ぶだろうということを、私は危惧しております。
その点で、今回の予算で、男性の家事・育児参画が施策のメーンストリームとして打ち出されたことは、私は大変意義深いと思っております。今後、女性たちがもっと身軽に働けるようになり、結果として少子化にもストップがかかるということを心から祈っております。
私は退職いたしますけれども、高齢福祉課長を務めていた時代がありまして、そのときに、高齢者も働けるだけ働き、できるだけ長く社会を支えるべきであるということを声高に言っておりました。そのとおり、これからもしぶとく働き続けたいと思っております。
これまでの議員各位の御指導、御鞭撻に心から感謝を申し上げます。どうもありがとうございました。
117 市村厚生部長 こうした機会をお与えいただきまして、本当にありがとうございます。
私は37年間ということでございますが、昭和58年に入庁しました。ちょうど置県100年の年でございまして、日本新世紀博覧会なるものをやっていた記憶がございますけれども、何となく新しい時代に期待がという雰囲気でございました。その後、バブルがあり、それがはじける中で、社会資本整備をしつつ、一方で、お金がない中でいろいろと知恵を出して施策を展開しなければいけなかったというような、そういった時代の中にいたと思っています。
37年間おりまして、どちらかというと管理部門が長く、市町村の支援や財政、あるいは計画づくりなど、そういうような場面が多かったので、最後の2年間で、厚生部ということで厚生環境委員会に所属させていただいたことは本当にありがたく、今思えば、県庁に何のために入ったんだという初心に返ったような感じでございました。
この2年間だけでも、児童虐待の話もありますし、地域医療構想の話もあります。あるいは精神障害者の関係の医療費助成の話や、地域包括ケア、子育て支援など、本当にさまざまな課題がありました。そして最近は
新型コロナウイルスということで、本当に職員も頑張っているという状態でございます。
そうした中で、本会議、委員会を含めて先生方から御質問いただく中で、いろいろ示唆もいただきながら仕事をやってきたところでございます。いろいろと勉強させていただいたことに、まずもって感謝したいと思います。
厚生部から少し離れて印象のあることですが、1つは財政課にいたときに、新幹線の財源問題というのがありました。新幹線は開業してもう5年たちます。経済効果も出ていますが、大変な地方負担をしてでき上がったという部分がございます。ちょうど財政課にいたころ400億円の財源不足問題というものがあったものですから、いかにして負担軽減をするのかということで、地方交付税の拡充をというような話がありました。ただ、これはなかなか難しい話で、そもそもつくるときにこんな仕組みでやったのだから、それは周知の事実としてそんなことを言うなという御意見もあった中で、石井知事を先頭にいろいろやってきたわけでございまして、理があれば勝ちじゃないですが、制度を変える、変えていく、仕組みを変えていくことを実感したものでございました。
もう1つは、ねんりんピックです。
イベントをするという経験が余りなかったのですが、ただ、私が参画した時点ではもう線路ができていたという状況でございましたので、最後のいわゆるマスゲームや式典関係、輸送関係などが中心だったわけでございますけれども、マスゲームは日々つくり上げていくという練習風景を何度か拝見しに行きまして、最初はなかなかできなかったものが、だんだんでき上がってくる。それは雨の中での練習でありましたが、当日は快晴で、その中で皆さんの苦労が実ったということが非常に感動的といいますか、本当にうれしく思ったところもございます。
それぞれ一人一人の役割は小さいのですが、それぞれが自分の役割をしっかり果たすと最後はいいものができる。いわゆる最近で言うワンチーム、そういうところが大切だということを思った次第でございます。
最近の県政の課題としては、人口減少社会をいかに生き抜いていくのか、あるいはそれにどのように対応していくのかということかと思います。とやま未来創生戦略ということで、総合政策局が中心になってつくっておりますが、人口減にどう対応するか、あるいは社会増をふやすという話もございますし、華々しい事業もございますが、ただ根っこにあるのは、産み育てやすい環境であったり、あるいはずっと住み続けたい環境というのが大事なわけで、そうなると、この厚生環境委員会の医療福祉や環境などが非常に大切なのだと改めて思う次第でございます。
最後に、厚生環境の「厚生」ですが、中国の「書経」の「正徳利用、厚生惟和」から来ているという話がございます。衣食を十分にして、空腹や寒さに困らないようにして、国民の生活を豊かにするというところでございますので、今後ともこういった視点を持って──その先には健康が第一でございますが、そういった視点を持って今後も仕事をしてほしいと思います。
先生方に御指導、御鞭撻をいただきながら、いい県になればよいと思う次第でございます。
長い間、ありがとうございました。
118 山崎委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑、質問を終わります。
5 行政視察について
119 山崎委員長 次に、閉会中の継続審査事件の調査のための行政視察について議題といたします。
県内行政視察については、必要に応じて機動的に実施していきたいと考えており、その実施に当たっての日程調整等については、委員長に御一任願いたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
120 山崎委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で、付議事項についての審査を終わります。
この際、ほかに何か御意見等はありませんか。──ないようでありますので、これをもって委員会を閉会いたします。
Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...