• ブラック校則(/)
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  1. 富山県議会 2019-11-01
    令和元年11月定例会 一般質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前10時00分開議 ◯議長(中川忠昭君)ただいまから本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。    県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑 2 ◯議長(中川忠昭君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第124号から議案第148号まで及び報告第20号から報告第22号までを議題といたします。  これより各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  川島国君。    〔15番川島 国君登壇〕 3 ◯15番(川島 国君)おはようございます。  自民党議員会の川島国です。  本日は雨降りの中、大変寒い日であります。多数傍聴に足を運んでいただきまして、まことにありがとうございます。  それでは、通告に基づきまして、分割方式による質問に入らせていただきます。  まず1点目は、日本一安全・安心な富山県づくりについてお伺いしてまいります。  本年は、豪雨や台風による水害の恐ろしさが日本中を震撼させました。自然災害は、人の営みを一瞬にして無にしてしまう怖さがあり、その恐怖に直面したときに、国土強靱化の必要性を強く感じます。  しかしながら、喉元を過ぎて平穏な生活を過ごす中で、人はその必要性を忘れていくのも悲しいさがと言えます。  38、56豪雪を経験した我々富山県人も同様でありまして、平成30年豪雪被害を受けて、私は北陸の中でも富山県はめっぽう雪に弱いと問題提起をさせていただき、「備えよ常に」の精神で、総合雪対策推進会議を夏場にも開催し、豪雪に備えていただいたことを振り返ります。  平成30年豪雪では、高岡市内において県管理道路沿いでの倒木による大停電、ブラックアウトが3日間も継続発生し、氷見市内においては大規模な断水が発生しており、倒木予防対策や水道管の点検など、民間電気事業者や市町村水道局との情報共有、連携強化を要請しております。  そこで、まず1点目の質問として、平成30年豪雪を教訓とした万全な備えが期待されるところでありますが、豪雪時におけるライフラインを確保するためにどのような対策を講じているのか、石井知事にお伺いいたします。  2点目の安全・安心づくりは、中山間地域についてであります。
     今月2日の一般質問の場において、山崎県議よりイノシシ問題を同じ考えで政策提言いただきましたので、改めて質問はいたしませんが、激増するイノシシ捕獲による処理支援を強化するための焼却場の設置や運搬支援など、私からも重ねてお願いしたいと存じます。  山が荒れれば川が荒れ、川が荒れれば海荒れる。本県面積の3分の2を占める山林地域との緩衝地帯として多面的な機能を持つ里山、中山間地域は、県民生活や経済の安定に大きく貢献し、その維持は県民全体の課題であるとした中山間地域における持続可能な社会の形成に関する条例が議員立法によって施行されてから、はや10カ月となります。  ことしは特にツキノワグマが大暴れし、人的被害も甚大でありまして、中山間地域に対する重点的な予算充当が求められるところであります。  本年10月、県は条例に基づき中山間地域サポートセンターを設置しており、その取り組みへの期待が増すところであります。  現在、中山間地域創生総合戦略の策定中とお伺いしておりますが、まずは本県の目指すべき中山間地域の将来像をお示しいただき、新設された中山間地域サポートセンターにおいてどのようにその将来像へ向けた取り組みを行っていくのか、蔵堀総合政策局長にお伺いいたします。  今、中山間地域で何が一番足りないのかと聞かれたら、それは人ですと答える山の人がほとんどだろうと考えます。人の営みから人が消滅する。このことへの危機感が地域の元気を奪っているんだろうと思います。  人が足りない。その大きな課題に、直接的な対策として国が行ってきた地域おこし協力隊事業があります。  総務省による100%補助事業である本事業は、都市から若者が移住して、過疎に苦しむ中山間地域の課題に取り組み、若者らしい斬新な発想で地域を元気づけております。  この政策は制度施行から10年が経過しており、3年の任期終了期間を過ぎた後も、県内定着率65%と高い率で本県に住み続け、地域活力の源にもなっております。  地域おこし協力隊の受け入れ人数は、ここ近年、県内全域で毎年約50人、10年間累計すれば約150人となりますが、残念ながら県内15市町村において、私の地元、高岡市だけがこの10年間一人も受け入れておらず、その恩恵を受けられておりません。  国、県の重要施策をしっかりと自治体にも理解していただき、ワンチームで県全体の中山間地域における持続可能な社会づくりを目指さなければなりません。  そこでお伺いしますが、制度施行から10年が経過した地域おこし協力隊事業は、人材確保、担い手育成において大きな成果を上げていると考えますが、県内全域にさらなる積極的な活用を図るべきでありまして、その効果や実績とあわせて蔵堀総合政策局長にお伺いいたします。  この項最後は、子供たちの安全・安心についてであります。  法務省は先月29日、令和元年版犯罪白書を公表いたしました。それによりますと、平成の30年余りでDV検挙数が10倍を超え、児童虐待の検挙数も約6.5倍と右肩上がりであります。  本県においてもDV摘発件数が10月時点で80件を超えておりまして、調査開始年度から5年間で3倍以上増加しております。  国の宝である子供たちを取り巻く環境が年々危険度を増していることに、県民の多くは歯がゆい思いを抱きながら、早急な対策を求めているのではないでしょうか。  まずは、県としてこの問題をどのように認識し捉えておられるのか、市村厚生部長にお伺いいたします。  子供に関する問題の相談を受け、DVや児童虐待から子供たちの安全と安心を守る極めて重要な役割を果たすのが、県で運営する児童相談所であります。  自民党県議会において、先般、子どもの権利や安全・安心を守る施策を推進するプロジェクトチームを発足し、現在、精力的に調査活動を開始いたしましたが、先んじて我が党、奥野県議より、さきの県議会予算特別委員会の場においても、本県の児童相談所の改善が強く求められたところであります。  石井知事もみずから施設の現状視察をされて、改善の余地が大きく、高岡児童相談所においては新築移転の検討の意思を示されました。  我が党子どもプロジェクトチームで視察した京都府家庭支援総合センターは、家庭問題に対応する総合的機関として、児童相談所、婦人相談所、身体障害者更生相談所知的障害者更生相談所を統合した施設となっておりまして、児童虐待、DV、障害やひきこもりなど、家庭を取り巻く複雑多様化するさまざまな相談に、専門スタッフがワンチームとなって取り組む体制が整備されております。  いまや全国的に見ても、児童相談所の機能拡充や複雑多様化した相談に対応できる施設整備や体制強化が急務となっております。  そこで提案ですが、移転新築が求められる高岡児童相談所の全面移転改築の検討に当たっては、高岡市の子育て支援センター機能を有する御旅屋セリオの公共スペースを活用し、配偶者暴力相談支援センターの機能を持つ高岡市男女平等推進センターと統合し、両者の機能をあわせ持った施設となるよう進めていくべきと考えますが、石井知事の所見をお願いいたします。  私も改めて先日、築40年が経過する高岡児童相談所を視察させていただきました。  事務室内は職員さんがひしめき合い、被害児童と加害児童が相部屋となってしまう一時保護室の現状や、配管が腐り治療室の天井に水漏れがとの現状を聞き、胸が痛くなりました。  子供たちの輝かしい未来を応援する本県のスタンスとほど遠い現状でありますので、早急な対応を重ねてお願いいたします。 4 ◯議長(中川忠昭君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 5 ◯知事(石井隆一君)川島議員の御質問にお答えをいたします。  まず、この冬の雪対策についてであります。  近年暖冬が続いた中での平成30年の大雪では、県民生活に大変大きな影響が及びましたことから、昨年度は総合雪対策推進会議を2度開催いたしまして、2度とも私も出席させていただいて、課題について検証作業を行って、その結果を反映させた実施計画を策定し、万全の備えで雪対策に取り組んでまいりました。  昨年の冬はというか、ことしの一、二月と言いますか、暖冬でありましたために積雪による大きな問題は発生せず、先月開催した総合雪対策推進会議では平成30年度の計画を踏まえまして、公共交通、道路交通、ライフラインの確保や除排雪体制の整備等についても、この冬の実施計画を策定しております。  特に、降雪期には定時性の確保が困難なバスを安心して待つことができますように、県内全域の民営・公営バスを網羅したバスの位置や、また遅延等の情報を提供するとやまロケーションシステムの運用も既に開始いたしております。  ライフライン等の確保に向けましては、県管理道路での倒木を防ぐために、地元市町村で電線管理者、これは北電さんや関電さん、NTT等でありますけれども、また地元自治会、森林組合等と合同でパトロールを実施いたしまして、道路沿いの枯れ木などを確認して必要な伐採や剪定を進めております。  また、倒木等による停電等が発生した場合に備えまして、迅速に対応できますように関係機関との、これは市町村や地元自治会長、電線管理者等々ですけれども、連絡体制を整えております。  そのほかにも、あいの風とやま鉄道においては駅構内の消雪装置の充実、例えば高岡駅では散水井戸の新設、小杉駅や入善駅では消雪ポンプの更新等々いろんなことをやっておりまして、雪の安全対策に取り組んでおりますほか、老朽化したラッセル車の更新に向けて準備も進めていると伺っております。  さらに断水予防対策として、水道事業者に対して給水管の凍結等による断水被害の防止に係る措置について通知しておりまして、各事業者では空き家の実態調査を行いました上で所有者に適切な管理を促しましたほか、空き家の給水管の閉栓等の対策を実施いたしております。  昨年の冬に続きまして、ことしの冬も降雪量が平年並みか少ない見込みというふうな気象台の予報でございますけれども、気を緩めることなく、国や市町村、また公共交通、水道事業者等々の皆さん、またもちろん県民の皆様と連携協力しまして、この冬における雪対策に万全を期してまいります。  次に、高岡児童相談所についてお答えをいたします。  児童虐待防止対策のさらなる充実強化のために今年度設置しました検討委員会では、児童相談所の機能、体制の充実強化についても御検討いただいておりまして、施設については現状と課題を踏まえた上で、体制強化に伴う組織のあり方、この間、児童福祉司を平成29年、30年に3人ずつ増員したり、今年度もさらに3人増員する。児童心理司の方も28年に1人、29年に3人、今年度2人ふやすといったようなことでございますから、そうしたことを受けた組織のあり方や市町村に対する助言機能の強化、また一時保護所における子供の個別性、個室化の問題とか男女別処遇等への配慮、学習環境、居住性の向上などを踏まえた整備の必要性を御提案いただいております。  お尋ねの高岡児童相談所につきましては、敷地が手狭であり近隣駐車場が確保しにくいなど課題がより切迫しておりますので、建物の全面移転改築の可能性も含む整備のあり方について、検討委員会で検討していただくように私からもお願いをしております。  また、DVと児童虐待の複合事案への対応につきましては、児童相談所と配偶者暴力相談センターとの連携のとりやすい体制整備が必要との御意見でありますとか、また合同会議やテレビ会議の活用で対応可能ではないかといった御意見もいただいております。  なお、市の機関であります高岡市男女平等推進センターと統合して御旅屋セリオに入居するという御提案もございましたけれども、まず児童相談所、特に一時保護所はできるだけ静かな環境を整える必要があるといったこと、また御旅屋セリオのほうはにぎわいの創出を求められているという面がありますから、そのセリオへの入居というのがその性格上なじむかどうかですね。  また、配偶者暴力相談支援センターの機能も持つと言いましても、高岡市の施設である男女平等推進センターと県立の児童相談所の統合についてはいろいろと課題が多いのではないかと思っておりまして、なかなか難しいように感じております。  児童相談所の施設整備のあり方につきましては、DV対応と児童虐待対応の連携の必要性も考慮しながら、特に高岡については急ぎますので、検討委員会で検討を進めまして、議会等や市町村の御意見もいただいて、さらに検討してまいります。 6 ◯議長(中川忠昭君)蔵堀総合政策局長。    〔総合政策局長蔵堀祐一君登壇〕 7 ◯総合政策局長(蔵堀祐一君)まず最初に、中山間地域創生総合戦略に関する御質問にお答えをいたします。  中山間地域は、急速な人口の減少に伴います集落の空洞化、また魅力ある多様な就業機会の不足、生活を支えるサービスの衰退等が住民の皆さんの暮らしに深刻な影響を及ぼすなど、厳しい状況となっております。  昨年夏に実施をいたしました全集落の調査でも、集落が衰退していくと思うと回答された方が80%を超えている状況でございます。  しかし、中山間地域は県土の保全、水源の涵養、文化の継承、自然と触れ合う機会の提供、さらには食料の安定的な供給等に重要な役割を担っておりまして、県民生活、本県経済の安定に寄与をいたしております。  このため、それぞれの地域の特性を生かし、住民の主体性が発揮され、人口減少社会、長寿社会にふさわしい持続可能な地域社会を目指して、人々が安心して生き生きと暮らせる中山間地域が形成できますように努めてまいりたいと考えております。  県では中山間地域創生総合戦略の策定を進めておりますけれども、知事を初め県職員も、中山間タウンミーティング等におきまして直接中山間地域の住民の皆さんの声を聞くようにいたしているところでもございます。  10月には中山間地域の課題の総合窓口といたしまして、中山間地域サポートセンターを設置いたしております。  今年度新たに配置をいたしました地域コンシェルジュが中心となりまして、関係市町等とも連携しながら、各地区の活性化に向けた話し合いへの参加ですとか地域づくり専門家派遣のコーディネート、また集落が企業などと連携して取り組みます地域活性化の取り組みへの支援なども行っているところでございます。  中山間地域では地域によって課題やニーズが異なりますため、今後とも、その地域で生活をされている住民の皆さんが主体となって取り組まれる、そういった取り組みを支援いたしますとともに、地域の課題解決に向けた集落支援や人材育成に努めてまいります。  次に、地域おこし協力隊に関する御質問にお答えをいたします。  県内の地域おこし協力隊は近年増加傾向にありまして、5年前の平成26年度では7名でございましたけれども、本年11月末時点では46名と大幅に増加をいたしております。平成22年度の受け入れ開始以来の累計では、105名の方に活動していただいたところでございます。  全国比較ができます平成28年度末までに任期を終了した方の県内定着率は65%と、全国平均を若干上回っている状況でございます。  隊員の皆さんは、特産品の開発や地域産業の活性化、まちのにぎわいづくりなどで活躍されますとともに、東京などで県が開催いたしております移住セミナーにおきまして、先輩移住者としての協力隊の活動や移住体験談などをお話しいただいておりまして、地域の活性化はもとより、本県の移住促進にも大変寄与をしていただいているところでございます。  県ではこれまで、地域おこし協力隊の隊員の皆さんの任期終了後の定着や自立に向けた研修会の開催、今後の活動の励みとなるような顕著な取り組みに対する表彰なども実施してきたところでございます。  さらに今年度は、知事と協力隊員との座談会ですとか隊員の皆さんの相互の意見交換会を新たに開催いたしまして、活動意欲の一層の向上と県内定着を進めたいと考えております。  現在、県内には地域おこし協力隊を受け入れておられない市町村もあるわけですが、地域おこし協力隊は農林漁業の応援ですとか住民の生活支援の面でも相応の成果が出ておりますことから、これらの市町村にもこうした実績をお伝えいたしまして、地域おこし協力隊によります地域活性化と県内定着が一層進みますように、県としても市町村と連携してしっかり取り組んでまいります。 8 ◯議長(中川忠昭君)市村厚生部長。    〔厚生部長市村仁志君登壇〕 9 ◯厚生部長(市村仁志君)健全な成長を果たせない子供についての御質問にお答えをいたします。  健全な成長を果たせない子供について、県内の児童相談所の児童虐待相談対応件数で見ますと、平成30年度で848件と前年度から6.8%増加しております。  虐待の種類別では心理的虐待が455件と最も多く、前年度から約20%増加しておりますし、特に、心理的虐待に当たります面前DVに関する警察からの相談件数の増加が見られているところでございます。  児童虐待は、身体的影響や学習に向かうことができない等による知的発達面への影響もございますし、対人関係の障害や精神的症状などの心理的影響をもたらし、回復には長期間の治療やケアが必要となります。  また、DV等暴力を目撃して育った子供は、感情表現や問題解決の手段として暴力を用いることを学習することもあるとされるなど、子供の健全な成長に深刻な影響を与えるものと考えております。  県では、児童福祉司等の増員や関係機関への定期的な研修の実施を初め、乳児家庭全戸訪問事業などの市町村事業への支援など、児童相談所や市町村の相談体制の強化を行っておりますし、関係機関との連携強化に努めてきたところでございます。  11月に公共交通機関等での啓発ポスターの掲示やリーフレットの作成、配布によりまして、面前DVの防止啓発にも努めているところでございます。  今後とも、児童虐待の発生予防、早期発見、早期対応から自立支援に至る一連の施策の充実など、子供の健全育成にしっかり努めてまいりたいと考えております。 10 ◯議長(中川忠昭君)川島国君。    〔15番川島 国君登壇〕 11 ◯15番(川島 国君)全般的に前向きな答弁ありがとうございます。  ただ、特に地域おこし協力隊については高岡市に強い要請をお願いしたいなと思いますし、児童相談所についてはより踏み込んだ答弁をぜひ再質問したいと思いますので、準備いただければありがたいと思います。  2点目は、広域回遊性を醸成する富山県づくりの推進についてであります。  先人のたゆまぬ努力により、本県の高速交通網は飛躍的に発展いたしました。富山県域内を1時間圏内で移動できる本県は、全国一のコンパクト県と言っても過言ではありません。  したがいまして、公共交通機関を活用して県内を広域的に移動し、経済活動や観光にも移動域を広く捉えていくことが、超人口減少時代における本県発展へのポイントだと考えます。  加えて、広域交通網を着実に整備していく中で、北陸圏における本県の優位性を高めていくことが肝要なんだろうと思います。  そのような観点から1点目の質問として、県西部の中核拠点であり、飛越能広域観光圏の交通結節点でもある高岡市の拠点機能を拡充するため、城端・氷見線の直通化や万葉線の延伸など、交通インフラの重要課題をどのように解決していくのか、猪俣観光・交通振興局長にお伺いいたします。  次に、広域回遊性を高める能越自動車道の機能強化についてでありますが、日本海側から中京圏を通じ太平洋側まで縦一本でつなぐ東海北陸自動車道のアクセスをさらに便利にするべく、高岡市が能越自動車道福岡パーキングエリアのインター化設置の準備を進めているところであります。  その実現に向けては、県の支援が欠かせません。国に対して、同意が得られるように積極的に働きかけるべきと要望しますが、水口土木部長の所見をお願いいたします。  次に、武道館機能を有する多目的施設についてであります。  本県の広域回遊性を高め、県外からの人、もの、お金の流れをも呼び込むことにつなげるものとして、大規模公共施設の整備事業が挙げられます。  知事みずからも今議会において、県全体の均衡ある発展を力強く表明されました。  我々が是正を求める東京一極集中の縮図とならないような県公共投資のあり方、それすなわち富山駅周辺一極集中とならないあり方であります。  武道館機能を有する多目的施設の設置においては、地価の高い富山駅周辺徒歩5分圏内に立地することは私は反対でありまして、高岡を中心とする県西部の多くの県民からも、飛越能の中核結節拠点である新高岡駅周辺に立地すべきとの声をいただいており、私はその代弁者であります。  前回議会の予算特別委員会における私と永森県議、武田県議、山本県議のバトンリレー質問においてもそのような旨を提起しており、先日、高岡商工会議所の高岡市への来年度要望においても、重要テーマとして要望提出されたところであります。  高岡市が設置を目指している総合体育館との機能や財政負担を共有することで、合理的かつ複合的な効果を呼び込むことが可能となります。  厳しい財政状況の中でもスケールメリットを求め、全国大会級の武道大会やスポーツ大会が誘致できるような施設とすべきであり、飛越能の中核結節拠点である新高岡駅周辺に立地することにより、多目的施設として最大限生かすことができる施設整備を目指すべきと考えますが、石井知事の所見をお願い申し上げます。  この項最後に、新高岡駅にアクセスしやすい高岡テクノドームについてお伺いします。  この質問に際し現場を見させていただき、管理者からお話を伺ってまいりました。  設置から約30年が経過する高岡テクノドームは、ざっくりですが約4億円の基金を運用し、毎年約3,000万円の維持補修費を見込み、計画的にメンテナンスや設備投資を図っておられます。  しかしながら、本格的な屋上防水改修を翌年に先送りするなど、自主事業として、およそ富山テクノホールのような機能強化・拡充には手をつけることができないのが現状であります。  老朽化対策はもちろん、新幹線効果やイオンモールの増床効果を呼び込む機能強化について、県としても積極的に支援すべきと考えますが、芝田商工労働部長に見解を求めます。 12 ◯議長(中川忠昭君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 13 ◯知事(石井隆一君)武道館機能を有する多目的施設の設置についてお答えいたします。
     この武道館機能を有する多目的施設整備基本計画検討委員会においては、まず武道館として必要な役割であります武道競技公式大会開催基準を満たす施設、またそれに加えて武道競技以外のスポーツが開催できる施設、またコンサートなどのイベントができ多目的に活用される施設であることや、施設機能や規模、立地場所、管理運営体制などを盛り込んだ基本計画を取りまとめることにいたしております。  主道場の具体的な規模については、柔道や剣道であれば6面の競技面を確保したいと考えております。全国的に見ても、近年整備される武道館は競技面6面から8面が主流となっておりまして、国体やインターハイなどの施設基準を十分満たしたものにしたいと考えております。  また主道場については、武道競技で使わないときには多くの県民に親しまれるよう、バスケットボールなどの室内競技が行える多目的利用が可能な規模にしたいと。バレーボールとかですね。  立地場所についてですけれども、飛越能というお話もございましたけれども、まずは県立の施設でありますので県内各地からアクセスしやすい場所とする必要がありまして、基本計画検討委員会では富山駅から徒歩圏内または富山駅周辺が望ましいとの意見が多くございました。  また、例えば岐阜ですと飛騨高山にビッグアリーナがありまして、柔道や剣道もそれなりにやれる。また石川県では、小松市や七尾市などにそれぞれ、あまり大きな規模じゃありませんが、武道館があるといったことでございます。  こうしたことを踏まえまして、幅広い県民の皆さんが利用できるように県内からの利便性が高く、生徒、学生が利用できるよう公共交通機関によるアクセスが容易であり、また県外の方の参加もしやすい場所を施設整備候補地の選定基準に基づいて選定してまいりたいと考えております。  立地場所が確定いたしますれば、周辺施設との連携とか機能分担を図って、地域の活性化に資するよう検討を進めてまいりたいと思っております。  なお、富山市への一極集中というようなこともございました。この武道館機能を有する多目的施設の立地場所も議論としてはあると思いますが、高岡初め県西部の活性化、なるべく富山市一極集中にならないような方策というのはいろんな多面的な検討が必要だと思っておりまして、御理解をいただければと思っております。 14 ◯議長(中川忠昭君)猪俣観光・交通振興局長。    〔観光・交通振興局長猪俣明彦君登壇〕 15 ◯観光・交通振興局長(猪俣明彦君)私から、高岡市、県西部の交通インフラの課題への対応についてお答えします。  高岡市は県西部の中核拠点であり、飛騨高山や能登半島を含みます広域周遊の交通結節点でありますことから、交通インフラの利便性を確保することは重要であると考えております。  このため県ではこれまでも、城端・氷見線の観光列車べるもんたの魅力向上を初め城端線の増便試行、またハットリくん列車の車両ラッピングなどへの支援のほか、世界遺産バスやわくライナーなど、高岡駅、新高岡駅と県内外の観光拠点を結びます路線バスなどへの運行支援、また万葉線につきましても、安全対策や新型低床車両の導入、またドラえもんトラムの車両ラッピングへの支援などを行ってきているところでございます。  議 員御指摘の城端・氷見線の直通化や万葉線の延伸は、沿線の人口減少が予想される中、事業の具体的内容にもよりますが、多額の事業費を要するものになるものと考えられますことから、まずは地元の高岡市において、まちづくりや地域の活力維持の観点も含め公共交通のあり方について検討いただき、城端・氷見線沿線などだけでなく、市全体の地域公共交通網形成計画の策定に取り組むなど、地域の交通インフラの抱える課題の抽出ですとか、その計画的な解決に向けた取り組みを進めていただきたいと考えております。  県としても、高岡市が市全体の地域公共交通網形成計画を策定される場合には計画策定費を補助するほか、ほかの市町村と同様にオブザーバーとして参加し他地域の事例の紹介など必要な助言を行うなど、課題解決に向けて関係市町村や交通事業者とも連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。  以上であります。 16 ◯議長(中川忠昭君)水口土木部長。    〔土木部長水口 功君登壇〕 17 ◯土木部長(水口 功君)福岡パーキングエリアのインターチェンジ化の御質問にお答えをいたします。  福岡パーキングエリアのインターチェンジ化につきましては、能越自動車道の利便性向上対策として、富山県道路公社が昨年6月に福岡本線料金所を撤去したことを踏まえ、現在、高岡市において検討が進められております。  具体的には、料金所の撤去に伴い本線からパーキングエリアへの進入路が利用可能となりスムーズに進入できるようになったことや、インターチェンジで乗りおりする車がパーキング内で交錯しないよう誘導できるようになったことを踏まえたインターチェンジ形状の検討ですとか、料金体系の変更を踏まえた利用交通量の推計などが進められております。  また、料金徴収を小矢部東本線料金所に集約いたしましたことから、このインターチェンジ化は高岡市では、有料道路区間ではありますけれども、料金所を設けずに整備することを目指しており、既存のスキームがありませんことから、その実現に向けては、事業手法の検討や道路公社の償還計画への影響の有無、影響が見込まれる場合には有料道路事業の変更といった課題を整理していく必要がございます。  議員御指摘のとおり、インターチェンジ化には本来道路管理者である国の同意が必要でありますことから、県といたしましては、道路公社とともに高岡市の検討に十分協力し、国に対し必要性を訴えていくなど積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 18 ◯議長(中川忠昭君)芝田商工労働部長。    〔商工労働部長芝田 聡君登壇〕 19 ◯商工労働部長(芝田 聡君)高岡テクノドームについての御質問にお答えいたします。  高岡テクノドームは、県、高岡市、地元経済界が連携協力して平成3年に設置されて以来、展示会等の開催や研究開発企業の育成による産業の創出を通じまして、県西部地域を中心に経済の活性化に寄与してきております。  設置から約29年経過しておりますが、これまで施設を運営管理する財団では、施設設備の維持管理について計画的に改修等に当たりますとともに、北陸新幹線の開業による新たなコンベンション等のニーズに対応した機能向上を図るため、使い勝手のよい可動式の本格的なスピーカーや大型スクリーンの導入、トイレの洋式化やWi-Fi設備の設置を行ったほか、催事の開催状況を表示する案内看板を設置するなど、利便性の向上を図ってまいりました。  一方でテクノドーム周辺は、新高岡駅に近接していることに加えまして隣接の大型ショッピングセンターが増床するなど、周辺の立地環境の魅力が増していることもあり、県外からの誘客につながるようなイベントのニーズが増大することも見込まれております。  県といたしましては、財団とも十分連携を図りながら、県内外に向けて積極的に催事誘致を進めますとともに、立地環境のメリットが最大限発揮できるよう、計画的な老朽化対策や機能向上などに努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 20 ◯議長(中川忠昭君)川島国君。    〔15番川島 国君登壇〕 21 ◯15番(川島 国君)ありがとうございます。  知事からは、県全体の発展を捉えて、加えて飛越能における県西部の発展、それを捉えて多面的に考えていくということでありますので、大いに期待したいなと思います。  それでは最後の項、共助の力で元気とやまにつなげる施策についてであります。  近年、県内の大型ショッピングセンターが軒並みに増床を果たし、消費者としては選択肢がふえてますます便利になったものだと感ずる一方、買い手よし、売り手よし、世間よしとした三方よしの精神がグローバル化している懸念を率直に感じております。  先月29日に、イオングループがイギリスでネットスーパーを手がけるオカドグループと提携したとの発表がありました。  オカドの持つ人工知能AIとロボット技術を駆使して、スマホ一つで買い物ができて、1時間単位の時間指定で家まで配送するサービスを全国展開していくとのことであります。  ネットの中のショッピングモールが発展し、果たして我々の地域経済にどれほど還元がされるのか。今後ますますネットでの購入が促進されることが想定され、今後の地域経済の営みが非常に危ぶまれます。  そこで質問ですが、県外本社の大型ショッピングセンターの県内への建設やネットショッピングモールの発展は、県内経済や県、市町村の税収にどのようなメリットやデメリットがあると考えておられるのか、芝田商工労働部長と滝経営管理部長にお伺いします。  かつては地場産品に限らずいろんなものに、地元で買いましょうといった呼びかけや雰囲気づくりが浸透していたように感じておりますが、現代は個人の自由を尊重し過ぎるのか、ともに地域経済に寄与していこうという意識が希薄になっているのではないでしょうか。  ネット時代の今だからこそ、地域共助やお互いさま、地産地消ならぬ県産県消運動を県が旗を振って推進していく必要があろうかと思います。そういう思いで、この越中福岡菅笠から来ました進化系かんブローチを胸につけております。  そこで提案でありますが、県内経済を活性化するため、地域経済の高揚につながる県内での消費行動を県産県消運動として県民の意識を高め、元気とやま応援寄附金の使途メニューに県産県消の促進を追加するとともに、運動の活性化に寄与する取り組みを行う個人や企業を表彰するふるさと富山応援大賞を創設してはどうか。  表彰者は、郷土愛に満ちあふれた発信力の高いNBAの八村塁選手と朝乃山関にお願いすることで、県内外から、それこそアメリカからふるさと富山応援団が拡大していくものと考えます。八村選手が試合前に冷めてもおいしい富富富のおにぎりを頬張る姿が、全世界に放映されることを夢見るものであります。  芝田商工労働部長の見解をお願いいたします。  この項最後に、就職氷河期世代のひきこもり対策について質問いたします。  一言で言うと、就職氷河期世代と言ってもどの年代を指すのかぴんとこないと思いますが、定義としては1993年から2004年に学校卒業期を迎えた世代を指します。バブル崩壊後に企業が極端に採用を控えたため正社員になれず、その後も非正規で働き続けている人が多い世代と言えます。  兵庫県宝塚市では、就職氷河期世代を対象に行った正規職員の採用試験が4人の採用枠のところ、1,600人が応募し400倍もの倍率となり、その世代の掘り起こしや活用に注目が集まっております。  そこで質問ですが、国は来年度予算において、就職氷河期世代のひきこもりを特別対象とした雇用政策を打ち出す見通しとなっております。  本県におけるひきこもりの現状や国の動きも踏まえて、どのように取り組んでいくのか石井知事に答弁願います。  私は、石川県境の中山間地域に田んぼを持つ小さな営農組合に所属しています。組合の寄り合いでよく話に出るのが、家で引きこもる若い衆が、たまに2時間程度でも手伝いに来てくれたら本当に助かるんだと。  まずは負担が少ない週1回の短時間労働でも、働き方を体験し働く喜びを感じてもらう機会を提供していくことが効果的と考えます。  ひきこもり対策として、就職氷河期世代を対象とした雇用支援ネットワークを構築し、担い手不足が深刻な農林水産業や伝統産業、建設業などと連携しながら、県が窓口となって雇用につなげていくことが重要と提案しますが、芝田商工労働部長の見解をお願いいたします。 22 ◯議長(中川忠昭君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 23 ◯知事(石井隆一君)国の就職氷河期世代のひきこもり対策についての御質問にお答えをします。  国の就職氷河期世代支援プログラム、いろんなことに3年間で集中的に取り組むということですが、特に就職氷河期世代の雇用対策として、来年度からは若者の就業的自立を支援する地域若者サポートステーションの機能を強化して、年齢を40歳代にまで拡大をしてアウトリーチ要員を配置して、福祉機関等に出向きまして支援対象者を把握した上で就労支援情報を本人や御家族に確実に届けますとともに、就労を希望する方に対してはカウンセリングやコミュニケーション講座、また職場体験などの多様な機会を設けまして、一人一人の状況に寄り添った柔軟で継続的な就労支援を行うことなどが検討されていると伺っております。  本県の就職氷河期世代につきまして改めて調べてみますと、全国に比べますと就業率がかなり高い。35歳から44歳で88.3%。全国が82.3%ですから、6ポイントほど高い。  また、就業者の中でも非正規雇用の割合が全国に比べて低い。35歳から39歳で24.1%、全国に比べると4.2ポイントほど低いと。また40歳から44歳でも25.2%で、全国に比べて6ポイント低いというようなこともございますので、同世代のひきこもりの数はそれほど多くないのではないかと考えておりますけれども、しかしやっぱり念には念を入れる必要がありますので、国の動きに先んじてひきこもりの実態を把握するために、現在、県独自の調査を実施しておりまして、年度内に取りまとめられるその結果を関係機関等と広く共有いたしまして、本人の希望にできるだけ沿った社会参加への支援に向けて取り組んでまいりたいと思っております。  今後も国の施策とも十分連携しまして、また市町村など関係機関の協力をいただきながら、ひきこもりの当事者の方が社会とのつながりを取り戻して、就労を望む方は就労につながるように丁寧に取り組んでまいります。  ちなみにこれは内閣府の調査ですけれども、中高年のひきこもり当事者のうち就職活動中の人は13%にとどまっていまして、進学や就職を希望していない人が60.9%というような数字も出ております。  こういう状況が全国的にあるわけですけれども、本県内の実情をよく把握して、できるだけ社会参加が進む、また就労を望む方は就労につなげる、こういったことで努力してまいります。 24 ◯議長(中川忠昭君)芝田商工労働部長。    〔商工労働部長芝田 聡君登壇〕 25 ◯商工労働部長(芝田 聡君)まず、大型商業施設、ネット通販等の県内経済への影響についての御質問にお答えいたします。  大型商業施設の出店は、消費者にとりましては日常の買い物の場がふえるといったことがございます。また新たな雇用の創出、あるいは県外を含む広域からの集客による消費の取り込みや観光振興などの面でメリットがあるのではないかと考えております。  一方で大型商業施設の郊外での立地は、市街地の商店街や小売事業者の売り上げ等への影響が懸念されるところであります。  またインターネット通販は、場所や時間を選ばずにショッピングが楽しめることや、価格比較が容易であり商品を安く購入できることなどの利便性が消費者に広く受け入れられ、電子商取引の市場規模は年々拡大してきております。  これらの特徴から、県内事業者にとりましては消費が県外事業者に流れることが懸念される一方で、都市圏を初め全国への販路拡大、販売力強化など経営基盤の安定を図る方法の1つではないかと考えております。  県といたしましては、中心市街地の活性化や地域バランスのとれたまちづくりは大変重要な課題であると認識しており、今後ともがんばる商店街支援事業等を活用し、商店街等の販路開拓などに支援いたしますとともに、消費者ニーズに柔軟に対応する県内事業者の前向きな取り組みをあわせて応援し、地域経済の活性化に努めてまいりたいと考えております。  次に、県産県消運動の推進についての御質問にお答えいたします。  本県のすぐれた地域資源や技術による製品、サービス等を県内消費に取り込んでいくことは、県民のふるさと愛の醸成、地域社会や経済活動の活性化などにつながることになります大変重要な取り組みであると考えております。  このため県では、県内で企画または製造され、性能、品質、デザイン性にすぐれた伝統工芸品や工業製品を富山プロダクツとして選定しPRしているほか、アイデアあふれる新たな商品、サービスを県が認定し優先的に発注するトライアル発注制度を全国に先駆けて導入しておりますし、新世紀産業機構が運用しておりますとやま中小企業チャレンジファンドによりまして、地域資源を生かした新商品、新サービスの開発や販路開拓の支援も行っており、県産県消の考え方を取り入れた取り組みを進めております。  また元気とやま応援寄附金につきましては、使途の1つとして成長産業の育成や中小企業の振興といったことを挙げておりますほか、表彰につきましても中小企業の振興等に関し顕著な功績を上げた者に対しまして中小企業元気とやま賞を設けておりまして、その地域活性化部門という中で、地域の特色を生かした特産品開発やイベントの開催により、地域活性化にすぐれた功績のあった団体を顕彰しております。  これらはおおむね御提案の趣旨も含んだ制度となっており、県産県消の観点にも十分留意しながら、引き続き適切に運用してまいりたいと考えております。  今後とも、県産県消の考え方や取り組みがさらに浸透するよう県内企業の商品、サービスをPRし、地域経済の活性化に努めてまいります。  次に、就職氷河期世代のひきこもり対策についての質問にお答えいたします。  国の就職氷河期世代支援プログラムでは、就職氷河期世代を支援するため、先ほど知事の答弁がございましたけれども、来年度から地域若者サポートステーション、通称サポステと言っておりますが、その機能強化が図られることになりますが、それに加えまして、県と市町村ごとにプラットフォームをつくり、社会全体で取り組む機運を醸成して、支援の実効性を高めることとされております。  特に、労働局を中心に県や市町村、経済団体、就労支援機関等が参加する県のプラットフォームは、専門窓口や専門チームによる就職支援、企業説明会や面接会など雇用につながる施策を実施していくこととされており、議員御提案の雇用支援ネットワークに相当するものと考えられます。  こうしたプラットフォームの活用による支援に当たりましては、担い手不足に悩む産業分野、人手不足感の強い産業分野と連携していくことが重要になると考えております。  また、ひきこもりにはさまざまな背景があり、すぐに就労現場に適応できない方もおられることから、県としてはサポステが中心となりまして、一人一人の事情に寄り添う形で少しずつ社会とのかかわりを取り戻していけるようさまざまな職業体験の機会を提供するとともに、短時間勤務での就労を支援するなど柔軟な対応に努めていくことが重要であると考えております。  今後とも、ひきこもり当事者が社会とのつながりを取り戻し就労への道を歩み出せるよう、丁寧に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 26 ◯議長(中川忠昭君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 27 ◯経営管理部長(滝 陽介君)県外本社の大型ショッピングセンターの県内への建設が県と市町村の税収に与える影響についてお答えいたします。  まず県税でございますが、例えば法人2税でまいりますと、複数の県で事業活動を行う企業の場合、事務所、事業所等がある都道府県に従業者数等に応じて税額が按分され各都道府県に納付される仕組みでございますので、本社所在地が県内、県外にあるにかかわらず新たに本県にショッピングセンターが建設されますと、その分、一定程度の税収が新たに入ることになります。また、土地の取得や建物建設時に課税される不動産取得税の税収も見込まれます。  市町村税でまいりますと、固定資産税において、例えば従来農地であった土地が商業地に転用されますと、その分土地の評価額等が上昇し、所有者が納めます固定資産税額が増加する上、新たな建物が建設されますと、それもその分固定資産税収が増加することになるわけであります。  一方で、従来からの地元の店舗等において売り上げの減等があれば、県税、市町村税ともに法人関係税収が減になるということであります。  一方で、店舗を持たずインターネット上でのみ小売販売を行います、いわゆるネットショッピングモールにつきましては、事務所、事業所が所在する国・地方公共団体に課税権があるという従来の課税ルールに照らしますと、例えば東京に登記上本社が設定され、他に店舗を有していなければ、全国での売り上げに対する法人事業税額等が全て東京都に納められるということになるわけであります。また、登記上の本社をタックスヘイブンと言われる国に置きますと、そもそも課税を逃れるということになるわけであります。  こうした事態への対応といたしまして、国内では地方法人課税の偏在是正等を講じて、東京から地方に税収を再配分するということが行われております。また国際課税におきましても、OECD等においてグローバル企業に適正な税負担を求める方向で現在、課税ルールの見直しが議論されております。  県といたしましては、引き続き中心市街地の活性化に向けた取り組み等とともに、消費活動や消費行動の変化が税収に与える影響等について注視し、必要に応じて知事会等と連携して国に政策提言をするなど、税収の確保に努めてまいりたいと考えております。 28 ◯議長(中川忠昭君)川島国君。    〔15番川島 国君登壇〕 29 ◯15番(川島 国君)通告に基づきまして再質問をいたしたいと思いますが、その前に一言申し上げます。  我々地方議員は立法府に身を置く者であります。当たり前でありますが、いわばルールをつくる側の人間でありまして、特にこの伝統ある富山県議会においては、しっかりと議会規則、ルールを遵守した上で再質問をしていきたいと存じます。  児童相談所についてでありますが、知事からは後ろ向きな答弁だったかなということを感じました。
     我々自民党県議会子どもプロジェクトチームは、今月、広島県、そして熊本県、そしてさらには高知県、全国を回って児童相談所を見てまいりますけれども、全国的に主流はその自治体、市や市町村の壁を越えて、県との壁を越えて、女性センターや障害者更生相談所であったり、発達障害であったり、いろんな子供にかかわる機能を集約して拡充して、専門性も向上していこうという、こういう大きな流れがございます。  けさほども厚生労働省の室長さんから朝勉強会で伺いましたが、令和4年までには子供たちを取り巻く環境の地域包括センター、これを市町村にも設置していく運びでありますし、家庭問題の総合拠点、これもしっかりしていくという大きな流れがあります。  ぜひとも石井知事には、既成概念にとらわれず、市町村、県の壁を越えた子供たちに優しい児童相談所の設置を重ねてお願いしたいと思いますので、踏み込んだ答弁をぜひともお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 30 ◯議長(中川忠昭君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 31 ◯知事(石井隆一君)児童相談所の問題については先ほどもお答えしましたように、今年度設置した検討委員会でいろいろ検討いただいているわけですけれども、特にお尋ねの高岡児童相談所については、敷地が手狭とか近隣駐車場が確保しにくいとか課題が切迫しておりますので、建物の全面移転改築の可能性も含めて、整備のあり方について検討委員会でぜひ検討していただきたいと私のほうから申し上げているわけで、決して後ろ向きではないんですね。  問題は、御提案の1つの案として、御旅屋セリオに高岡児童相談所が高岡市の男女平等推進センターと統合して入るというのも考えられるんじゃないかということですけれども、もちろん1つの御提案として議論はしてもらおうと思っておりますけれども、先ほど申し上げましたように、児童相談所、特に一時保護所は、やはりできるだけ斉一な静かな環境を整えたり、あるいは保護児童が体を動かしたりする空間も必要じゃないかとかいろんなことがございますので、そうなると、今、御旅屋セリオというのはいかににぎわいをつくっていくかということでいろいろと議論されているわけでございますから、ちょっと性格的になじまない面があるのかなということを申し上げたところでございます。  そのほか高岡市の男女平等推進センター、伺いますと、お一人の職員が配偶者暴力相談支援センターの職員を、1人だけじゃないのかもしれませんが、兼ねていらっしゃる形でありますので、配偶者暴力相談支援センター機能だけを取り出すというのはなかなか難しいといったように考えていらっしゃるようにも伺っていますので。  いずれにしてもせっかくの議員の御提案ですから、いろんな可能性の1つとしてもちろん議論はしてもらったらと思っておりますけれども、そうした課題があるということを私も率直に申し上げたわけでありまして、高岡児相の、この際全面移転改築の可能性も含めて検討していくということについては、よくお聞き取りいただくとなるほど前向きなんだなと思っていただけると思いますので、よろしくお願いします。 32 ◯議長(中川忠昭君)以上で川島国君の質問は終了しました。  安達孝彦君。    〔5番安達孝彦君登壇〕 33 ◯5番(安達孝彦君)「五箇山をおとずれし日の夕餉時 森に響かふこきりこの唄」。これは、今上天皇陛下が学習院高等科時代に五箇山を訪れ宿泊されたときに、五箇山の風情とこきりこの唄や踊りに感銘を受けられ、皇太子時代の平成3年、歌会始で詠まれた歌であります。  ことし5月に始まった即位に関連する行事も、10月の即位礼正殿の儀、先月の大嘗祭など数々の行事をされ、本日の宮中三殿での親謁の儀、賢所御神楽の儀をもって全ての行事を滞りなく終えられることとなり、名実ともに令和の時代が始まることとなります。  この新しい時代が文化の香り豊かで、人々が心寄せ合う温かい、そして平和な時代が訪れることを願いながら、最初の質問に入りたいと思います。  まずは、富山空港の振興についてです。  去る9月、10月に襲来した台風15号、19号により、全国各地に大変甚大な被害が起こりました。亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々に衷心よりお見舞いを申し上げます。  富山県内は甚大な被害こそありませんでしたが、長野県の千曲川の堤防決壊により新幹線車両センターが水没し、新幹線の車両が見るも無残に水没してしまったことは皆さんも衝撃を覚えたことと思います。その影響により、北陸新幹線は10月12日から25日の13日間にわたって一部区間を除き運休し、県内と首都圏を結ぶ交通網は大混乱となりました。  そうした中で、大変助かったのは全日空の富山・羽田便でありました。早急に機材の大型化を行い、臨時便を飛ばすなどして対応し、多くの利用者が飛行機を利用することとなりました。今回のことで、富山空港から発着する飛行機の役割が大変重要であるということを再認識させられたと同時に、しっかりとこの路線を維持していく必要があると感じました。  が一方で、現状の朝と夜だけの便数では非常に使い勝手がよくないとも感じます。新幹線と航空機が補完的な関係にあることを強力に周知するとともに、富山・羽田便の便数拡大を初め、富山空港発着の路線維持と利便性の向上が必要であると考えますが、今後どのように取り組んでいくか、石井知事にお伺いをいたします。  また、先日説明会が行われましたが、富山・関空便の就航は、富山空港の航空ネットワークの拡大や利便性の向上に資するものと考えます。就航に対して、県としてどのような支援ができるのか、またどのような課題があるのか、就航の可能性とあわせて猪俣観光・交通振興局長にお伺いをいたします。  次に、国内チャーター便についてお伺いいたします。  現在、富山空港からの国内定期便は羽田と札幌の2路線のみとなっており、空港の利用促進や利便性の向上を考えると、新たな定期便開設は安定した利用客が望め、先ほどの関空便を初め、開設されれば大きな効果があるものと思っておりますが、一方で、開設まではさまざまな高いハードルがあり、容易ではないと考えます。  そこで、定期便に比べれば比較的容易に就航できるチャーター便を増やすべきだと考えますが、昨年の国際チャーター便は22便と、一昨年の25便から3便減。国内チャーター便においては、昨年の利用が2便と、一昨年、平成29年の26便、平成28年の39便と比べてもかなり減少しているのが現状であります。  そこで、ことしの国内チャーター便の就航状況と今後の見通し、取り組み方針について、観光・交通振興局長にお伺いをいたします。  私は去る10月に、宮本光明団長率いる日中友好富山県地方議員連盟の訪問団の一員として、中国の遼寧省藩陽市、北京市、大連市を訪問いたしました。私にとっては初めての中国訪問でしたが、世界第2位の経済大国といえども、まだまだ発展途上国だと思っていた中国の大変な発展ぶりに目を疑うばかりでした。街には超高層ビルが建ち並び、駅のターミナルは日本の羽田や関空のように巨大で清潔、高速鉄道は300キロを超えるスピードで走り抜け、ほとんど揺れもなく、途中ミネラルウオーターとおつまみのサービスまで提供されるという、日本の新幹線以上のサービスに驚きを感じました。  そうした中、訪問した中国南方航空では、富山・大連便の搭乗率が50%程度で採算がとれない状況にあること、インバウンドの増加により、大連から日本の地方空港、例えば北九州や仙台などにも就航することになり、一層厳しい経営状況に陥ってしまうことなどが指摘をされました。  ビジネス客では一定の需要があるようですが、それだけでは厳しい状況であり、富山便の継続には、中国の各地方都市で知名度をアップさせ、インバウンドを初めとした幅広い需要を喚起させる必要があります。  また、昨日は本県と遼寧省の友好県省締結35周年記念式典が開催され、友好関係をさらに深化させるとともに、本県において遼寧ファン倶楽部が設立される旨の発表もありました。  こういったことからも、一層遼寧省との連携を強化するためにも、大連便は何としてでも存続しなければならないと考えますが、大連便の現状をどのようにお考えなのか、また今後どのように取り組むのか、石井知事にお伺いをいたします。  次に、富山空港の活性化についてお伺いをいたします。  先日の決算特別委員会の菅沢議員の質問において、富山空港の収支は年間5億円前後の赤字が発生しているとありました。一方で、富山空港による経済効果は50億円を超えるということから、その存在意義は高い旨の答弁が知事からありました。  そのことはそのとおりなのかもしれませんが、現在国では、成長戦略の一環で、空港の経営の効率化、活用の最大化、航空ネットワークの充実、内外の交流人口拡大等により地域活性化を図るため、全国にある空港の民営化、民間への運営委託を行う方針であり、現に2016年の関空空港及び伊丹空港の民営化を皮切りに、仙台、高松、神戸、鳥取、静岡、福岡、下知島、南紀白浜などの各空港が民営化され、来年には熊本空港のほか、北海道にある新千歳、女満別、帯広、旭川、函館、釧路、稚内の7空港が一括して民営化の予定で、国としては今後も多くの空港に導入したい考えであると聞いております。  また、去る10月に、川上会長を筆頭とする自民党1期生、令和の会で、ことし春に完全民営化したばかりの和歌山県南紀白浜空港に視察に行き、空港民営化に伴い設立された100%民間会社の南紀白浜エアポートの方から、空港型地方創生についての取り組みについてお話をお伺いしてきました。  空港会社が地域全体のことを考え、地域課題の洗い出しと活性化への方向性を掲げ、ターゲットの顧客を定めるとともに、誘客の仕組み化と受け入れ体制の強化について、南紀白浜エアポートがターゲット目線で各組織と横断的に連携を図り最適化するということを目指しておられました。  もちろん、民営化により全てがうまくいくとも思えませんが、民営化により新たな航空路線が開設されたり、南紀白浜や熊本では空港の新ターミナルビルの建設が予定をされ、仙台空港では過去最高の旅客数を記録するなど、民営化により大きな効果があらわれている空港がたくさんあるのも事実であります。  本県でも、チャーター便の便数増加やビジネスジェットの利用拡大を目指すなど、さまざまな施策を展開していますが、富山空港のさらなる活性化と利便性の向上に向けて今後どのように取り組むのか、空港の民営化の見通しとあわせて、石井知事に御所見をお伺いいたします。  次は、文化財の防火体制について質問いたします。  私は、昨年の9月に仕事で沖縄県に行ってきました。初めての沖縄でしたので、せっかくの機会と思い、あいた時間に首里城に行ってきました。首里城は14世紀に創建されたとされ、その後、琉球王朝の王の居城として栄えました。数度にわたって火災に遭い、特に太平洋戦争時の沖縄戦の折には、首里城の地下に陸軍第32総司令部が置かれていたこともあり、日米両軍の激戦地の舞台となって、城や城下町、多くの文化財が破壊や略奪に遭いました。  戦後、沖縄県民の悲願であった首里城の復元は、昭和33年に守礼門が再建されたのを皮切りに順次復元整備がされ、昨年私が訪れたときには、北殿、南殿はもちろんのこと、正殿も内部はきれいに完成しており、琉球王朝やその歴代王に関する展示、当時の暮らしぶり、多くの文化財が展示されており、見学することができました。  唯一、正殿の外装の一部がまだ工事中で、完成のイメージ写真が外壁に張ってありました。そして、ことし1月に30年の長い復元工事を終え完成したばかりの首里城が、まさか完成後1年もたたずにあのような火災に遭うとは、大変ショッキングでありました。  文化財はどうしてもその構造上、一度火の手が上がるとなかなか鎮火が難しく、世界遺産のフランスのノートルダム寺院の火災なども記憶に新しいところですし、首里城の火災の直後には、大事には至りませんでしたが、お隣岐阜県の白川郷でも火災がありました。  このように相次いで世界遺産や文化財の火事が起こると、本県の文化財の防火体制は大丈夫なのか心配になりました。  本県には、首里城やノートルダム寺院と同じ世界文化遺産の相倉、菅沼の合掌造り集落があり、高岡市には国宝瑞龍寺、国重要文化財の勝興寺や氣多神社、武田家、富山市の雄山神社、旧森家を初めとする数多くの文化財が存在していますが、こういったものもほとんどが木造であり、一度火の手が上がれば大変大きな被害となります。  もちろん、各地で文化財の防火訓練が行われていますし、富山県では28年連続で火災の出火率が日本で一番低いという防火に対する意識の大変高い地域ではありますが、県として文化財の防火に対してどのような取り組みを行っているのか、伍嶋教育長にお伺いをいたします。  また、例えば合掌造り集落には、至るところに放水銃が設置をされていますが、一方で、消火栓は相当古くなっているものもあると聞いています。国や県の文化財におけるそういった消火設備の整備率、今後の整備方針について教育長にお伺いをいたします。  次に、5Gについて質問をさせていただきます。  来年2020年より、いよいよ5Gが実用化をされ、Society5.0の時代が本格的に訪れようとしています。5Gとは超高速、超低遅延、多数同時接続が可能ということで、AIやIoTと組み合わせることにより、さまざまな可能性が生まれてくるものと考えられます。  県でもこれまで、全国知事会議in富山など、さまざまな場面において、都市と地方の基盤整備に格差が生じないための財政措置や特定基地局の整備が地域間の偏りなく行われることを要望されているほか、eスポーツイベントを開催するなど、5Gへの理解、普及について努められていますが、これまでの県の取り組み状況と今後の方向性について、滝経営管理部長にお伺いをいたします。  また、国では、5Gの利活用に向けたアイデアコンテストが昨年実施されました。残念ながら、本県の自治体や企業からの入賞はなかったようですが、コンテストで入賞した案としては、造船所のクレーン運転手不足が深刻な問題であることから、5Gによりクレーンを遠隔操作することにより、運転台を高所から地上におろすことが可能となり、危険で環境が厳しい、そして孤独なクレーン運転作業を安全で快適な環境で行うことが可能になるという案や、降雪地帯で、センサーにより積雪を感知すると、除雪路線の優先順位と積雪量から最適な除雪ルートを自動で設定するとともに、除雪車にインフラ情報をクラウド上に蓄え、GPSとカメラの映像解析により、遠隔操作でほぼ自動運転に近い形で除雪作業を行うことが可能になり、効率的でオペレーター不足を解消することにもつながる案や、また、熱線ビームを搭載したドローンにより屋根雪を解かす案、スマートフォンで申し込むとドローンが飛来し、ライトで歩行者を照らしながら自動追尾し、位置情報を把握し、安全に自宅まで帰宅できるという案や、有害鳥獣をドローンやGPSで感知し、出現とともに駆除するといったアイデアが評価をされていました。  本県においても広くアイデアを募集するとともに、総務省では来年度概算要求で、地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証として70億円を盛り込んでいますが、県においても5G先進県となるために、この事業に独創的かつ具体的な提案を持って積極的に応募すべきであると考えますが、どのようにお考えか、滝経営管理部長に所見をお伺いいたします。  また、国土交通省では、高齢化が進行する中山間地における人流、物流の確保のため、平成29年に南砺市の道の駅たいらと相倉合掌造り集落の間で自動運転サービスの実証実験が行われましたが、これを踏まえ、国が来年度までに開始する無人自動運転サービスの限定地域に本県が選ばれる可能性があるのか。また、今後、少子高齢化と人口減少により地域の担い手がどんどんいなくなっている現状に悩まされている中山間地域において、こういった技術を活用しながら、何とか持続可能な地域づくりを行えるように、このようなサービスを積極的に取り入れていく必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、滝経営管理部長にお伺いをいたします。  最後に、国体についてお伺いをいたします。  来年2月16日から19日にかけて、富山市の極楽坂スキー場、立山山麓スキー場と南砺市たいらスキー場、クロスカントリー場を会場として、とやま・なんと国体2020が開催されます。全国47都道府県より1,800人の選手、役員、スタッフなども含めると、県内外より総勢4,000名が参加する大変大きな大会であり、富山県にとっても20年ぶりの開催であります。  私も先日、クロスカントリー会場となるたいらクロスカントリー場のコースを一通りしてきて、関係の皆さんの御尽力により整備が着実に進んでいるのを見てきました。  また、地元富山市や南砺市、富山県スキー連盟とも緊密に連携をとり準備を進めていると考えますが、開催まであと75日となった現在までの準備状況を蔵堀総合政策局長にお伺いいたします。  前回2000年国体では、県勢は天皇杯4位という、スキー界においては強豪御三家と言われる北海道、長野、新潟に迫る大変すばらしい成績を残されました。今大会に向けての本県選手の強化にどのように取り組んできたのか、活躍の見込みとあわせて蔵堀総合政策局長にお伺いいたします。  なお、今回の国体は、20年前のように、夏、秋、冬同県開催ではなく、冬季大会のみが富山県で開催されるとのことで、まだまだ開催を知らない県民の方が多くいらっしゃるなど、盛り上がりに欠けているのではとの声も聞かれていますが、これまでの大会のPR状況と今後さらなる盛り上がりの醸成のため、今後どのように取り組むのかをお伺いいたします。  また、今大会を通じて富山らしい心のこもったおもてなしをして、来県する選手や関係の皆さんに富山ファンになっていただくことが重要であると考えますが、歓迎行事などの予定と今大会の開催の意義、開催効果について蔵堀総合政策局長にお伺いをして、私の質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。 34 ◯議長(中川忠昭君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 35 ◯知事(石井隆一君)安達議員の御質問にお答えいたします。  まず、羽田便の路線維持と利便性向上についてでございます。  羽田便は、本県と全国や世界各地との交流を支える重要な基幹路線でございます。また、議員の御指摘のとおり、台風19号災害時には、首都圏への代替ルートとして、全日空に速やかに臨時便の設定や機材大型化の対応をいただき、このときには志岐副社長に私からも直接お礼、また拡充等をお願いしたところですけれども、県民の皆様にも、改めて交通ネットワークのリダンダンシーの重要性とか羽田便の存在価値が改めて広く認識、実感していただけたかと思っております。  本県ではこれまでも、県内企業から羽田便の利便性の向上についての御意見等を伺って、昨年の夏にもANAの平子社長にもお目にかかって、もう少し利便性、充実をお願いしたいと申しております。  その後、全日空では、残念ながら、まだ上半期の利用状況は下げどまったとは言えないと、去年は実はかなり需要が落ち込んで危機的でしたので、御承知のように、昨年の秋、総決起集会的なこともやったわけですけれども、大分よくなったけど、まだ下げどまったとは言えないという御認識で、まずは、現行の4便体制において、各便の曜日や季節ごとの利用率が安定するということが大切でありまして、そうした実績を積んだ上で、路線の充実等について、路線収支の改善状況をよく見た上で判断していく。全日空もその実績をまず見させてほしいということでございます。  なお、全日空富山支店によりますと、現時点で年度末までの予約状況は堅調ということですけれども、今後、冬に入りますと利用が低調となる傾向がございますので、さらなる利用に努めてほしいということでございます。  このため県では、9月補正予算を活用しまして、平日の低需要便、東京発第1便と富山発の第4便がやはり需要が少ないということですので、また、冬季利用を促進しますために、オンライン旅行会社、具体的には楽天トラベルですけれども、と連携しまして、ビジネスニーズを取り組むためのキャンペーンを実施いたしますほか、令和を記念した首都圏等からのツアー造成等への支援を行うことにしております。  県としましては、県会議員の議員各位の皆様、また、県民や県内企業の皆様に羽田便の利用促進についてぜひ御理解、御協力をいただきながら、全日空に引き続き、利便性向上についての働きかけを行いますなど、羽田便の維持充実に鋭意取り組んでまいります。  次に、大連便の利用促進策についてでございます。  大連便については、昨年10月に週2便から3便に増便され、また、この4月から機材が大型化されました。121席から159席となったわけです。その結果、2便から3便になっていますから、提供座席数は増便前の約2倍となっておりまして、利用者はたしか4,000人ほど増えたわけですけれども、搭乗率は残念ながら低下しておりまして、南方航空からは、最低でも搭乗率60%を目指して、連携して利用促進に取り組みたいという要請がございます。  来年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、訪日需要のさらなる高まりは当然見込まれますので、さらには、先日、まさに安達議員も御参加されました県の地方議員連盟訪中団、宮本議員が団長でいらっしゃるわけですが、これに対して、南方航空の楊涛副総経理から、中国での富山県でのPR強化を要請されたことを踏まえまして、県といたしましては、南方航空と連携して、改めて中国各地方都市でのPR強化、また、富山県の知名度向上と大連便利用の需要の喚起が重要と考えております。  そこで、インバウンドでは、大連便の往復利用者に対するキャンペーンの実施をいたしました。また、11月補正予算で、新たに中国最大の旅行情報サイトであります「馬蜂窩(マーフォンウォ)」や利用者数が7億人に達する中国最大のSNSの「Weibo(ウェイボー)」を活用した本県のPR強化を行うことにしております。  アウトバウンドについては、旅行商品のPRや冬季送客に対する支援、また、国際交流事業に対する支援、乗り継ぎ利用の促進、大連での乗り継ぎ便を紹介する、いろんなパンフレットなどもつくってPRをするなど、県議会初め、経済界、また県民の皆さんの御理解、御協力をいただきながら、引き続き大連便の利用促進、充実に鋭意努めてまいりたい。  今回も遼寧ファン倶楽部というのを県内につくろうというようなことで、宮本議員やいろんな方々が今御尽力いただいております。こうした動きも連携しながら努力してまいりたいと思います。  最後に、富山空港活性化についての御質問にお答えをいたします。  新幹線開業以降、富山きときと空港を取り巻く環境が大きく変化いたします中で、まず県では、基幹路線である羽田便については、先ほどもお話ししましたように、全日空と連携して低需要便対策の実施とか、また飛騨高山地域など近隣地域や、また首都圏への働きかけ、また羽田乗り継ぎ、羽田空港経由で全国35都市、海外23都市と接続していますし、また、国内乗り継ぎについては相当料金面で優遇もされているわけでございます。  また、国際線を含めた既存路線については、インバウンド、アウトバウンド両面での利用促進活動を進めまして、まずは路線の維持に努めていきたいということであります。  一方で、お話にありました既存路線の拡充やチャーター便の誘致、新規路線の開拓による航空ネットワークの充実も重要でありまして、旅行会社や航空会社と意見交換、情報収集、働きかけを行ってまいります。  幸い、先般、チャイナエアラインから、台北便については、この1-3月、スキーなどで臨時チャーター便を22便出すといった御決断をいただきましたし、また今年度の国内チャーター便についても、後ほど担当局長からお答えしますけれども、大幅な増加となっております。  また、議員御提案のビジネスジェットの利用拡大、これも大事なことだと思いますので、今年度予算で駐機スペースの確保など、受け入れ環境の整備を進めておりまして、今後、誘致活動に積極的に取り組みたいと考えております。  なお、空港管理の民営化についてですけれども、現在、滑走路の補修、舗装など大規模な事業を行っておりまして、また、キャッシュフローベースでの赤字が残念ながら当面続くことになる状況でありますこと、また利用者数が、減少傾向は下げどまりつつありますけれども、まだやや減少傾向にある、こういったことを踏まえますと、現時点では民間事業者の参画を期待することはなかなか難しいのではないか。民間の皆さんもいろいろ計算をして、そろばんを弾いてプラスになるということになると受けやすいのだと思いますけれども、県としましては、今後とも、航空会社、旅行会社、空港ターミナルビルを初め、関係の皆様と連携協力しながら、利用者の増加と空港活性化に努めてまいります。  空港を特別会計的に扱っているわけじゃありませんけれども、試算すれば赤字だという計算もありますが、先ほど議員もおっしゃったように、それをはるかに上回る、いろんな面での経済活性化効果等がございますから、これからも富山空港をしっかり存続させる、将来さらに拡充して、そういう努力に努めてまいります。 36 ◯議長(中川忠昭君)猪俣観光・交通振興局長。    〔観光・交通振興局長猪俣明彦君登壇〕 37 ◯観光・交通振興局長(猪俣明彦君)私から、空港の振興と自動運転サービスについての質問に3点お答えいたします。  まず、ジェイ・キャス社が計画しております関西国際空港の新規の航空路線についての就航可能性と県の支援についてでございますけれども、仮にこの新規路線が実現した場合には、国内外の利用者にとって交通手段の選択肢が広がることとなり、利便性の向上にもつながるものと考えられます。  しかしながら、一般的に航空会社設立に当たりましては、機材の購入はもちろんでございますが、それに加えて、パイロットですとか整備士などの運航に必要な現場の人材確保が必要であります。そのためにも十分な資金調達をすることが不可欠でありますこと、また、今後の北陸新幹線の敦賀延伸によりまして、富山から関西空港までのアクセス時間の有利性がそれほど見込めなくなることもありますことから、価格による競争力が必要となることなどの課題があると考えております。  また、ほかの空港におけます地域と地域を結びます航空会社の設立の事例で見ますと、成功した事例では、地元の主要な企業の資金提供ですとかイニシアチブがありまして就航に至っております。他方、計画段階での資金調達などがうまくいかず、結果として就航に至らなかったケースも見受けられると承知しております。  現時点では、同社ジェイ・キャス社が資金調達などの対応に着手し始めた段階であると承知しておりまして、そのため、現段階では就航の可能性を申し上げるのは困難であると思っております。  現段階においては、まずは同社が県内企業の皆様に具体的な事業計画をしっかりと御説明いただき、御理解、御協力をいただくことが必要であると考えております。  県の対応につきましては、同社の資金調達などの課題への対応状況ですとか、今後の関西地域の北陸方面への関心の高まりなども十分に見きわめながら、慎重に判断してまいりたいと思います。  続きまして、ことしの国内チャーター便の就航状況と今後の見通しについてでございますけれども、今年度、国内チャーター便は、11月末時点、九州や四国、北海道などで計14往復28便が運航され、旅行商品の機材繰りなどの調整がうまくいかず、結果としてツアーが成立しなかったことで、2便でありました昨年、平成30年度と比べますと大幅に増加しているところでございます。  また、今年度の今後の運航予定につきましては、3月に石垣島へのチャーター便が1往復2便計画されていると聞いております。  県では、国内定期路線の拡充を図るには新規路線の開拓が必要であり、そのためには、国内チャーター便の運航実績を積み重ねることが必要であると考えております。  県としては、県内旅行会社に対しまして、国内チャーター便の誘致促進をするための経費への支援をする制度を設けておりまして、引き続き、こうした制度を活用した旅行商品の造成を働きかけてまいりたいと考えております。  最後に、自動運転サービスでございますが、国土交通省では、自動運転サービスの2020年までの社会実装を目指し、平成29年度以降、全国18カ所で1週間程度の短期の実証試験を行っており、本県では、平成29年11月に、南砺市の道の駅たいらと相倉合掌造り集落を結びます往復約16キロメートルのルートで実験が行われたところでございます。  道の駅たいらでの実験結果として、歩行者や一般車を避ける際に手動操作を行う必要が生じたことですとか、霧を障害物として認識してしまうなどの技術面の課題、また、採算性などの事業スキームの明確化、地域の特性に応じた運行方法や必要な設備の検討などの課題があるとされたところでございます。  自動運転サービスの本格実施に向けては、国、国土交通省から限定地域を選定するといったような形ではなく、通常では、一、二カ月間の長期実証試験を経て、採算性のある事業スキームの構築など、各種課題を地元市町村が自主的、主体的に検討・解決し、実際のサービス提供につなげていく必要があると承知しております。
     これまでも、全国で短期実験をしました18カ所のうち、これまでに7カ所長期の実証試験が行われ、その中で1カ所、これは秋田県でございますが、小型車両による有料の自動運転サービスが始まったところでございます。この運営主体も地元のNPO法人であるというふうに承知しております。  現在、南砺市では、この本格導入の前に必要となります長期実証試験の実施を目指し、具体的な事業スキームですとか国からの支援の有無などについて国と相談しているところというふうに承知しており、県としましても、具体的に検討が進みますよう、南砺市に情報提供するなど協力しますとともに、国にも働きかけてまいりたいと考えております。  以上であります。 38 ◯議長(中川忠昭君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 39 ◯教育長(伍嶋二美男君)私からは、まず、県内文化財の防火対策に関する御質問にお答えをいたします。  本県には、世界遺産の五箇山合掌造り集落、国宝瑞龍寺、重要文化財である勝興寺など、貴重な文化財が数多くありますが、いずれも伝統的な木造建築でありまして、火災等により消失すれば、再び回復することが不可能な国民共有の財産であると考えております。  本年4月の文化庁の通知を受けまして、県教育委員会では、県内の国宝や重要文化財に指定されております建造物の所有者や博物館等に対しまして、改めて防火対策の徹底を通知するとともに、防火対策の緊急状況調査を実施しております。  また、これまでも、国宝、重要文化財建造物の防火対策といたしまして、例えば五箇山の合掌造り集落では、国の史跡に指定されて以来、放水銃や屋内消火栓等の消火設備の設置や改修、また、自動火災報知設備の更新や設置、さらには、消火設備や漏電設備の定期点検などに対して継続的な支援に努めてきております。  さらに、現在、大規模な保存修理事業が進められております勝興寺におきましても、建物群の修復工事にあわせて、炎や煙を感知し自動的に作動する県内では初めての放水銃の設置や、境内に大型の消防車両が進入できる敷地用の通路の整備などに対しまして支援を行っておりまして、今後とも、それぞれ文化財の所有者や市町村と連携しながら、その保存、継承に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、県内文化財の消火設備に関する御質問にお答えをいたします。  本県には、19件の国指定建造物があり、これらの防火設備の設置状況は、火災報知設備では100%、消火設備では82%において設置済みとなっております。  また、世界遺産に登録されている五箇山相倉・菅沼集落の防火設備については、全ての建物に火災報知機が設置されていますほか、初期消火や延焼防止に必要な箇所の全てにおいて、合わせて消火栓16基と放水銃61基が設置をされているところであります。  しかしながら、これまで整備された消火栓や放水銃などにつきましては、文化庁が更新の目安とする設置後20年以上を経過したものが相当数ありまして、老朽化による機能の低下が懸念されるところであります。  また文化庁では、ノートルダム大聖堂や首里城の火災を受けまして、来年度予算の概算要求で、国宝及び重要文化財建造物の防災対策費を大幅に増やし、老朽化した消防設備の改修や新設を急ぐ方針が打ち出されております。  このため、今後、文化財建造物の各所有者に対しまして、火災報知設備や消火設備の新設や改修に向けた検討や、火災発生時の初期対応におけます体制整備の確認等、防火訓練の実施などを働きかけますとともに、所有者からの防火対策の相談に積極的に応じることとしております。  県教育委員会としましては、今後とも文化庁の助言や支援もいただきながら、所有者や市町村、消防関係部局などと連携を密にしながら、貴重な文化財における消火設備などの整備促進に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 40 ◯議長(中川忠昭君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 41 ◯経営管理部長(滝 陽介君)まず、5G等の新たな技術の理解、普及等に関する御質問にお答えをいたします。  5G基地局の整備とその利活用に当たりましては、大都市と地方とで新たな格差が生じないようにすることが大変重要でございます。そのため、県議会自民党の先生方におかれましても、自民党本部等に早速要望活動等にも行っていただきまして、大変感謝を申し上げます。  県といたしましても、政府・与党に対する要望を随時行っておりますほか、今ほど議員からも御紹介ありましたとおり、7月に本県で開催をされました全国知事会議におきましては、知事から総務大臣に対しまして、自治体に対する助成制度の拡充等の十分な財政措置、意欲的な自治体への総合的な支援、地方における基地局整備の前倒し等に向けた事業者に対する指導などを要望いたしますとともに、こうした内容につきましては、知事会の提言にも盛り込まれたところでございます。  また、県民の皆様への5Gの普及啓発も兼ねまして、ことしの9月には北陸最大のeスポーツイベントを高岡市と魚津市で開催をいたしました。大変多くの方に御来場いただきまして、目標人数2,000人を大きく上回る3,600人の方に御来場いただきました。  会場内では、実際に通信事業者さんの御協力も得まして、5G通信環境を創出した上でのオンラインゲーム大戦でありますとか、VR、AR技術を使用した機器による5G技術の疑似体験を実施したところでございます。  また、同日のオープニングイベントにおきます高岡市長、魚津市長によりますゲーム、これはストリートファイターでありますけれども、この大戦の動画がツイッターでアップをされておりますが、その再生視聴回数は11万7,500件に上っております。  今後の県の取り組み方針でございますけれども、先月開催いたしました第2回5G×ICTインフラ利活用検討会におきましては、今後の方向性といたしまして、県が今後、重点的に取り組む分野において、現場のニーズを踏まえつつ、将来の県内での横展開も見据えた5Gを利活用したモデル事業の実施等について、来年度予算編成の中で検討を進めるとする方向性案を示したところでございます。  委員の方々からは、いろんな意見をいただきましたけれども、森川座長からは、5Gでないとできないことを考えるとなかなか先に進まない。今のLTE技術でも解決できる課題をピックアップした上で、5Gであればもっとスムーズに解決できるというように、肩の力を抜いて考えることも重要である等の御指摘もいただいております。  AI、IoT、5G等は、企業や行政の生産性の向上にも大いにつながるものでございます。県といたしましては、今後とも国の動向等の把握とともに、現場のニーズもよくお聞きしながら検討を進め、また市町村ともよく御相談をしながら、理解、普及面も含め、実施可能なものを来年の当初予算に反映できるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、ローカル5Gについての御質問にお答えをいたします。  先生のお話のとおり、総務省では来年度予算の概算要求におきまして、地域の企業や自治体などのさまざまな主体が、個別のニーズに応じて独自の5Gシステムを柔軟に構築できるローカル5Gを活用いたしまして、地域課題解決を目指す取り組みの開発実証を行うための事業の創設が盛り込まれております。要望額としては70億円でございます。  現在、財務省との間で折衝中であるというふうに聞いております。したがいまして、予算額や事業内容に関する詳細な情報はまだ開示されておりませんけれども、政府といたしましては、地域の課題解決に資する5G開発実証を推進するという方針も打ち出されておりますので、本県や全国知事会等の要望も踏まえ、一定程度は予算化されるのではないかと期待をしているところでございます。  なお、現時点で断片的に国から示されたところによりますと、仮に予算化された場合、事業採択に当たりましては、技術実証としての有効性だけでなく、将来的なビジネス展開や他地域への容易な横展開の可能性等が考慮されるとともに、地域の産学官金などが連携し、地域全体で課題解決に向けたプロジェクトに取り組むことが望ましいということでございます。  今回の開発実証事業は、全国的にも大変注目度が高い状態でございます。採択されるためのハードルは高いと考えておりますけれども、引き続き国からの情報収集等に努めますとともに、県庁内はもとより、県内の関係団体とも連携しながら、提案内容の検討、精査に努めまして、国の事業に採択いただけますように、応募に向けて鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 42 ◯議長(中川忠昭君)蔵堀総合政策局長。    〔総合政策局長蔵堀祐一君登壇〕 43 ◯総合政策局長(蔵堀祐一君)とやま・なんと国体2020に関する御質問にお答えをいたします。  まず最初に、現在までの準備状況についてお答えをいたします。  来年2月に開催されます冬季国体スキー競技会につきましては、昨年7月に県実行委員会を設立いたしまして、協議の開催地であります富山市、南砺市と連携しながら大会の準備を進めてまいりました。  また、県のスキージャンプ場などの各競技会場の施設改修もほぼ全ての工事が完了いたしておりまして、今後、12月に完成予定の南砺市のたいらクロスカントリーコースの駐車場の改修を残すのみとなっているところでございます。  スキー国体の競技運営は、両市の実行委員会が担うこととなっておりますけれども、競技役員やボランティアの確保、また、大会に使用いたしますコース整備等に協力いただくため、陸上自衛隊第10師団と協力協定を締結するなど、相互に連携しながら準備を進めてまいっております。  また、県の実行委員会では、式典の実施、競技記録の取りまとめ、参加者の宿泊等を担うこととなっておりますけれども、開始式、表彰式につきましては、簡素で効率的ながらも、本県の豊かな自然や伝統芸能を紹介すること、競技記録につきましては、記録本部を設置して、正確で迅速な記録を公表していくこと、また宿泊輸送につきましても、宿泊輸送センターを設置して、市や関係団体と連携しながら、全国からの参加者を円滑に受け入れたいと考えております。  こうした準備を進めるため、今月中に大会の実働部隊となります県の実施本部を設置する予定でございます。  今後も、県スキー連盟、富山市、南砺市などと緊密に連携して開催準備に万全を期してまいります。  次に、本県選手の強化に関する御質問にお答えをいたします。  県では、スキー競技の強化指定選手に対しまして、TOYAMAアスリートマルチサポート事業ですとかスーパートレーナー設置事業によりまして、動作分析、持久力アップ、コンディショニング等のスポーツ医・科学的サポートを積極的に提供してまいりました。この結果、本年2月に北海道で開催されましたスキー国体では10種目で入賞し、19回目の男女総合入賞を果たしたところでもございます。  また、2000年とやま国体以降も継続してスキー競技の競技力向上に取り組んできておりまして、その中からは、平昌オリンピックやワールドカップなどで活躍をされておりますコンバインド競技の山元豪選手も輩出されたところでございます。  また、クロスカントリーでは、ユニバーシアード冬季大会やノルディックジュニア世界選手権大会に日本代表として本県の高校生が出場しておりますけれども、それらの選手が、とやま・なんと国体2020では、リレー種目成年男子に出場して優勝も期待しているところでございます。  本県としては、ほかの種目での入賞も含めまして、昨年の8位を上回る入賞を目指しているところでございます。  冬季スキー国体の地元開催は、スポーツの振興はもとより、地域の活性化にもつながりますことや、選手の励みにもなって競技力の強化に結びつくことが期待されます。  本県選手の活躍が県民に大きな勇気と感動、子供たちに夢や希望を与えることができますように、今後も計画的に選手の育成強化を図ってまいります。  次に、国体のPR、盛り上がりの醸成に関する御質問にお答えをいたします。  今大会のPRにつきましては、これまでテーマ、スローガンの一般公募、大会公式ポスターの掲示や公式ホームページでの情報発信、県内企業協賛によりますオフィシャルカーの走行、6月の東京富山県人会連合会でのPR、さらには大会マスコットきときと君を活用した各種イベントでのPRも行ってきたところでございます。  また、開催100日前となりました先月8日には、県庁内にカウントダウンボードを設置するなど、開催機運の醸成に努めてまいっております。  本県での開催は富山市、南砺市に限られているということもあり、全県的な盛り上がりになかなか結びつけない面もありますことから、今後は県内ケーブルテレビ8局全てでの開催PRの放映、それから、あいの風とやま鉄道の車内での約1カ月にわたる中づり広告の掲示、富山空港や富山駅構内での、これも1カ月程度の広告を行いたいと考えておりますし、競技会場となりますスキー場でのPR活動、それから新聞、スポーツ雑誌での広告、特集記事掲載などを重点的に行いまして、広く県民にPRし、機運を醸成してまいりたいと考えております。  最後に、歓迎行事などの予定と今大会の開催効果等についての御質問にお答えいたします。  冬季国体スキー競技会については、東京での2回目のオリンピック・パラリンピック大会に先駆けまして、ことし2月に開催されるわけですが、2000年とやま国体以来の20年ぶりの本県での開催でありますので、スキー競技力の向上はもとより、スポーツ全般の振興、ひいては県民の方のスポーツや健康への意識向上につながることも期待しておりまして、大変意義のあることだと考えております。  また、県内外から約4,000人の選手、役員合わせて約4,000人の皆さんが参加されますことから、本県の魅力を全国に発信する絶好の機会と捉え、温かいおもてなしの心を持って歓迎したいと考えております。  具体的には、2月16日の開始式では、南砺平高校郷土芸能部によります伝統芸能の披露を行いますほか、地元の福野ごっつぉ里芋汁の振る舞いですとか、宿泊施設におきましては、選手、監督に向けまして、富山県の新ブランド米であります富富富を初めとした県産食材の提供、それから競技会場では、地元の児童生徒たちによる温かい歓迎、応援活動などを予定いたしております。  また、世界遺産五箇山や立山といった本県の誇る観光資源や本県の食、グルメなどについても積極的にPRしたいと考えております。  こうしたことによりまして、全国からの参加者の皆さんに本県の魅力を存分に感じてもらい、本県のファンとなって再び訪れていただけるような、そうした温かみのある心に残る大会となるようにしっかり努めてまいります。  以上でございます。 44 ◯議長(中川忠昭君)以上で安達孝彦君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  午後0時00分休憩      ─────────────────────  午後1時00分開議 45 ◯副議長(筱岡貞郎君)休憩前に引き続き会議を開きます。  種部恭子君。    〔9番種部恭子君登壇〕 46 ◯9番(種部恭子君)自由民主党の種部です。  私には最愛の妻はきょうは来ておりませんけれども、大切な方がきょうは来てくださいました。県リハビリテーション病院に入院中の方が、外出届に県議会の傍聴と書いて、きょうは駆けつけてくださいました。何よりも私にとってはうれしいことでございます。  2020年の診療報酬改定では、マイナス1,000億円の薬価引き下げが見込まれております。そして、地域医療構想待ったなしという状況で、人口減少に向けてダウンサイジング、本当に目の前に突きつけられているということで、大変危機感を持っております。  本日は勤務医の代表として、ど真ん中である地域医療構想、医師の働き方改革、そして医師の偏在対策という三位一体改革から質問を始めさせていただきます。  宮本議員の代表質問に対して、富山県地域医療構想の着実な実施に向けて、調整会議での議論を前に進めるという答弁がございました。  しかし、この富山県地域医療構想、医療計画、医師の働き方改革と医師偏在対策の方向性がまだ全く見えていない時期に策定されており、三位一体の改革の概要が見えた今、さらに大胆に見直す必要があると考えています。  特に2024年という実行期限が迫っている医師の働き方改革は、地域医療に与える影響が余りに大きいということから、厚生環境委員会でも質問させていただきましたが、本日改めて4つの質問をさせていただきます。  私は産婦人科医です。1分の判断のおくれが命を左右する仕事で、時間外労働は月200時間以上、当直じゃない日も24時間待機による拘束、駐車場のどこに自分の車をとめたか忘れるぐらい連続勤務はざらでした。手術の応援に行った病院から戻る途中、居眠り運転で正面衝突をしたこともあります。  医師の確保が困難な中、少ない人数で地域医療を維持するためと思って懸命に働いてまいりました。しかし、こんな働き方で安全な医療を行うことができるとは思えません。  1人で100の手術をやるよりも、集約化をして10人で1,000の手術をしたほうが、はるかに安全な医療が提供できます。  薄く、広く分散させた医療はコストにもかかわります。決算特別委員会で、県立中央病院の平成30年度病院事業会計をじっくりと見させていただきました。繰り入れた補助金は17億8,000万円です。全国の公立病院の利益率は平均でマイナス17%、全ての公立・公的病院への補助金繰り入れは国全体を見ると約8,000億円を超えております。つまり、持続可能で安全な医療を目指すためには、集約化、重点化による機能分化しか方法はないと考えております。  地域医療構想、富山県医療計画で今、2次、3次、そして2.5次に位置づけられた総合病院においては、常時、全部の診療科が当直制をとって待機しているのは富山大学だけです。  休日や夜間の急性期対応については院内待機またはオンコール、オンコールというのは呼び出しのことでございます。オンコールで対応することを前提にして、地域医療構想、そして医療計画の中に明記されております。いわば、これは薄く広く配置する医療計画です。しかも、県中も含めて、もちろんオンコールに待機料は支払われていません。  オンコールと医療計画に一言書くのは簡単ですが、呼び出しに備えて携帯をジップロックに入れて風呂に入ると、こういう生活を毎日しているというのがオンコールでございます。  子育て中の女性医師については、不意打ちに呼び出される際、子供をどこに預けようとどきどきしながら、切れ間ない拘束、オンとオフがはっきりしない働き方に疲れ果てています。  先日も急性期病院の女性医師から、もう無理と女性医師相談窓口で相談を受けました。  医師の働き方改革は、勤務医をやめさせないために必要です。2024年以降、連続勤務は28時間まで、勤務間インターバルを9時間確保することが義務になります。  したがって、もしオンコール中の夜中に呼び出され時間外診療を行った場合、翌日の外来は休診にせざるを得なくなります。そうなると、富山県医療計画で2次、2.5次の医療機関に位置づけるオンコール頼みの病院は、高度急性期医療を担えなくなる可能性があります。  つまり、2024年以降、現在策定されている富山県地域医療構想と医療計画自体が成り立たなくなるか、勤務間インターバルを遵守できなかった管理者に罰則が科せられるということになります。こんな医療計画でよいとは思えません。  医療圏自体の見直しを行う、あるいは大胆な再編集約化を行うなど、適正な労働時間を守り、医師の配置をベースにして地域医療構想及び医療計画を見直す必要があるのではないでしょうか。市村厚生部長に御所見をお伺いいたします。  集約化や機能分化は、ステークホルダーが集まる地域医療構想調整会議ではなかなか議論が進みません。  地域医療構想は都道府県で行うものであり、骨太の方針2019では、病床機能分化が進まない場合、2020年度に実効性のある都道府県知事の権限のあり方について検討するとされております。つまり、強力な決定権が知事に与えられる可能性が高いと思います。  最大の難関は、国が公表した県内の5病院ではなく、富山医療圏です。富山医療圏の高度急性期病床の削減と機能分化は、相当な困難が予想され、時間もかかります。  知事は県中の開設母体の長である一方で、地域医療構想の決定権と責任を持つという相反する立場をとることになります。こんな痛みを伴うようなやり方を都道府県に投げる厚労省が本当に恨めしいと思います。しかし、調整会議での議論を踏まえて方向性を早く明示するべきと考えます。  富山医療圏のダウンサイジングのビジョンと今後の進め方について、石井知事にお伺いいたします。  地域医療構想に先立ち、集約化、機能分化によって不安にならずに済むよう、いずれの医療圏もかかりつけ医機能や在宅医療を充実させる必要があります。山崎議員からも御指摘がございました。  骨太の方針2019では、医師偏在対策を最後の切り札としています。厚生労働省は医師の偏在係数の計算を始めました。医師数にシーリングを検討していると考えられます。  医学部の地域枠の効果の再検討を行うということも示されており、シーリングが始まる前に、総合診療医の養成や確保については先手を打っておく必要があると思います。  県では、医学生への修学資金貸与を行い、総合診療科、産科、小児科などを担う医師を増やそうと大変な努力をされてきました。しかし、総合診療科を選択した医師は現在のところ3人だけです。地域医療構想の担い手となる地域包括ケア、そして在宅医療の担い手の確保については別の新たな作戦が必要と考えますが、どのように取り組まれるのでしょうか。市村厚生部長にお伺いいたします。  県中は、3次及び2次の医療機関です。しかし、県中の救命救急センター受診1万2,994件のうち9,197件は紹介なしの受診です。うち6,232件は外来のみで済む、いわゆるウォークインです。県民への上手な医療のかかり方に関する啓発が必要と考えています。
     心配だから、どうすればよいかわからないからという理由で急性期病院を直接受診するというのは、医療を無駄に使うことになります。時には、あしたからディズニーランドに行きたいから夜、診療を受けにきたと、そんな人が来るというのが今の地域医療を支えている救急病院でよく見られる光景です。  そんな直接受診をなくすためには、地域のかかりつけ医や在宅医療と心の通じた関係ができるように、地域医療構想による機能分化について県民に説明をするというのが県の責務と考えます。  厚生労働省は、白衣の悪魔といいまして、デーモン閣下が上手な医療のかかり方を啓発する取り組みを始めました。地域医療構想で地域を分断しないように、上手な医療のかかり方の啓発は早々に取り組む必要があると考えますが、いかがでしょうか。  市村厚生部長にお伺いし、地域医療構想の質問を終わります。 47 ◯副議長(筱岡貞郎君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 48 ◯知事(石井隆一君)種部議員の御質問にお答えいたします。  地域医療構想の進め方についてであります。  人口減少が進む中で、団塊世代の全てが75歳以上となる2025年を見据えまして、医療資源を効果的かつ効率的に配置して、各地域において高度急性期から在宅医療、介護に至るまでの一連の医療サービスが切れ目なく提供される持続可能な医療提供体制の確保は重要だと思います。  富山県では、これまでも4つの医療圏ごとの地域医療構想調整会議で、医療機関の機能分化・連携、病床の機能転換等について協議いただいて、合意されるように必要な助言を行いますとともに、地域医療介護総合基金を活用した支援に取り組んでおります。  地域医療構想を進めるに当たって、さまざまな課題がありますけれども、お話しのように、これまでは、例えば急性期病床は平成26年6,121床だったのを30年に4,667床、1,454床減らす。また回復期病床は、769床だったのを1,573床に増やす。プラス804床ですね。また、17施設、1,040床が介護医療に転換するといったことで、これまではそれなりに順調に来たとも言えるんですけれども、これから先は、お話しのように、今さまざまな御指摘がありました。なかなか容易ではないと思っております。  まずは、国でも今度の働き方改革に絡んでいろんな検討をなさっているようですけれども、そうした情報もしっかり把握しながら、各医療機関に今後の2025年を見据えたこの医療の提供、お話しのように、今の形で本当にうまく回るのかということを、各医療機関でしっかりとまず自主的に情報共有しながら自主的に検討していただく。そうした共通認識の中で、県としましては、各医療圏で、2025年に必要とされる病床数を基礎にして、各医療機関が地域で担う役割とか機能とか、その方向性につきまして、各地域の実情等も踏まえて、地域医療構想調整会議等において十分御議論いただいて、何とかよりよい形で合意が得られるように進めてまいりたいと思います。  議員の御指摘のとおり、例えば富山医療圏については、高度急性期病床等の病床数と機能分化が課題の一つでありますけれども、県立中央病院は、釈迦に説法ですが、救命救急センターや総合周産期母子医療センターなど、県全域を対象とした高度急性期医療を提供しておりますとか、あるいは富山大学の附属病院は、県内で唯一、医師を養成しているということでありますから、いろんな特別の事情も十分考慮して検討を進める必要があると思っております。  骨太の方針2019で、都道府県知事の権限のあり方についても言及がありまして、議員御指摘のとおり、知事の権限を強化する方向で議論がなされるのかなと。基本方針だけ読むとはっきりしないところもありますが、こうした国の動きも見ながら、今後とも将来にわたって地域医療が安定的に確保されるように取り組んでまいります。  なかなかこれは容易ではないと思って、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。 49 ◯副議長(筱岡貞郎君)市村厚生部長。    〔厚生部長市村仁志君登壇〕 50 ◯厚生部長(市村仁志君)3問の質問にお答えをさせていただきます。  最初に、地域医療構想及び医療計画の見直しについての御質問でございます。  医師の働き方改革につきましては、2024年4月から時間外上限規制等が適用されまして、勤務医においては原則として時間外上限が年960時間となり、さらに努力義務として、終業時刻と次の始業時刻との間に9時間の休息を確保する9時間の勤務間インターバルが必要となります。  また、救急医療などの地域医療を確保するために必要とされる一定の基準を満たす病院は、特例として時間外上限は年1,860時間となりますが、9時間の勤務間インターバルを設けなければならないこととなります。  このように、勤務体制などの面で影響が大変大きいかと思われます。それぞれの医療機関におきまして、医師の時間外上限規制等が適用される2024年を見据えて、外来医療体制や救急医療体制など地域で担う役割や機能について検討いただくことがまずは重要であろうかと思います。  その結果をもとに、各医療圏において必要な医療機能が維持できるのかどうか、そうした点を医療圏ごとに設けられている、例えば地域医療構想調整会議などで十分議論をしていかなければならないというふうに考えております。  そうした状況を踏まえて、必要に応じ、地域医療医構想や医療計画の見直しを検討することになるというふうに考えております。  県といたしましては、こうした県内医療機関の動向なども踏まえまして、将来にわたって地域医療が安定的に確保されるよう取り組んでまいります。  次に、地域包括ケア及び在宅医療の担い手確保についての御質問でございます。  高齢化社会を迎え、地域包括ケアシステムの構築を進めるためには、総合診療科の医師を含めまして、地域における総合的な診療や在宅医療の中心的な役割を担う医師を確保していく必要があると考えております。  このため県では、これまで総合診療医を初め、県全体として必要な医師の確保を目指して、自治医科大学におけます総合的な診療を行う医師の養成や、富山大学や金沢大学の医学部における特別枠の創設や修学資金の貸与を行いますとともに、県医師会に設置します富山県在宅医療支援センターによりまして、新たに在宅医療に取り組む医師の参入促進ですとか、医師等を対象として在宅医療に関する教育、研修などの支援に取り組んできたところでございます。  こうした取り組みもありまして、総合診療科の選択医師は、先ほど御紹介ありましたとおり、現在3名ではございますが、特別枠、地域枠の学生が県内病院へ就職するなど、県内に定着する医師は確実に増加をしておりますし、さらに、最近7年間で見れば、在宅医療を行います開業医グループへの参加医師は約40人ほど増加をしてございます。  在宅医療に必要な開業医の連携、グループ化等が着実に促進されていると考えております。  先ほど専攻医のシーリングの、いわゆる診療科別の募集定員の上限についてのお話がございましたが、2020年度は総合診療科など6診療科は対象外となっているというような話でございますが、県としましては、他県の取り組みも研究しながら、引き続き県医師会や公的病院、大学などと連携をしまして、地域包括ケアシステム、在宅医療など地域医療を担う総合的な診療を担う医師の確保にしっかり取り組んでまいります。  最後に、上手な医療のかかり方の啓発についての御質問でございます。  県民が安心して必要な医療を受けるためには、医療機関側の取り組みのみならず、県民に各医療機関で役割や機能について理解をしてもらうことも大切であると考えております。  県民にとっても、適切な受診によりまして、休日・時間外受診や大病院の患者の集中が減れば、必要なときに適切な医療機関を受診しやすくなるということでもありますし、医療機関側としても過度な負担が緩和されまして、医療の質や安全確保の面でも効果があると考えております。  このため県では、医療機能の分化・連携やかかりつけ医についての県民向けセミナーを開催し、県民の理解促進に取り組んでおります。  また、小児救急で実施をされている#8000番事業というのがございますが、具体的には、子供のぐあいが悪くなったときに保護者の相談に適切な助言を行うことによりまして、医療機関の適正利用に一定の役割を果たしているというふうに考えております。医師会等とも連携して、その普及に努めてまいりたいと考えております。  こうした中、国においては昨年度、上手な医療のかかり方を広めるための懇談会を開催し、「「いのちをまもり、医療をまもる」国民プロジェクト宣言!」をされたところでございます。  今年度からの11月をみんなで医療を考える月間としまして、先ほど議員から御紹介もございましたが、アーティストのデーモン閣下さんらを上手な医療のかかり方大使に任命をし、キャンペーンや情報発信を積極的に行っていくということとされております。  県としましては、国のこうしたキャンペーンともあわせまして、医療機能の分化・連携や上手な医療のかかり方について、医師会などとも連携しながら機会を捉え周知を行うなど、県民への普及啓発の強化を検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 51 ◯副議長(筱岡貞郎君)種部恭子君。    〔9番種部恭子君登壇〕 52 ◯9番(種部恭子君)御答弁ありがとうございます。  非常に喫緊した課題だと思っておりますので、引き続き取り組みを前に進めていただきたいと思っております。  人口が減りますと、全ての人を一人も置いていかないという社会が大事かというふうに考えております。ダイバーシティ&インクルージョンとして、次は性同一性障害の当事者の人権について、9問質問をさせていただきます。  体の性と自認する性が一致しない性同一性障害は、性別違和感による自身の体への苦悩に加え、社会的性別の割り当て、例えば制服、トイレ、更衣室の使用などにおいて大変苦悩を抱えており、学校に行けない、仕事につけないという支障を来しております。  性別違和は、二次性徴が発現する小学校高学年ごろから強く自覚され、体への違和から自傷行為や自殺企図を来すことがあります。  特に、身体的性別が男性で性自認が女性である。はるな愛ちゃんみたいな方です。そんな方たち、Male to Femaleの方については、自殺率が非常に高いということが疫学研究で判明しております。  平成27年に「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」という文科省の課長通知が出されています。学校ではチーム対応や相談体制の整備、制服、髪形、トイレ、着がえなど具体的な対応方法が示されておりますが、特別な配慮がされることによって、かえって周囲に性同一性障害であることがわかってしまう、つまり、アウティングというのが起きることは当事者にとっても大きな苦痛です。  社会全体が性同一性障害を正しく理解し偏見をなくすように努めなければ、自殺率は下がりません。本日は、この議会の傍聴に来てくださっている方、そして多くのインターネットでこの議会の傍聴をしてくださっている方で、当事者の方がいらっしゃいます。富山県内でも、私がかかわっているだけでも100人以上の当事者の方がいらっしゃいます。そのほとんどが学校の生活において大変な苦痛を受け、学校に行けない、学ぶ権利を失っているという状況であります。  富山県内の性同一性障害の当事者の多くは、中学生のころ、制服は着られない、トイレや着がえが不都合であるという理由で学校に行けていません。制服のない高校を探して進学を断念するなど、学ぶ機会も奪われています。  学齢期の子供に接する教員が性同一性障害を十分理解している必要がありますが、文科省の通知を受け、教員に理解を促す取り組みはなされたでしょうか。伍嶋教育長にお伺いいたします。  子供が性同一性障害であることを自覚し、苦悩を持ち始めるのは二次性徴が発現する小学校3、4年ごろからです。二次性徴を扱う小学校の教育で、男女の二次性徴を肯定的に捉えて押しつける。例えば、月経が来たのはおめでとうという言い方をすることが多いかと思いますが、性別に違和感を持つ子供たちがいるということを伝える機会は必要かと思います。  現在もまだ、子供たちが性同一性障害であることを安心して相談できる場はなく、不登校や自傷行為などの適応行動によって家族との関係も悪化します。  アウティングにより、不利益を被らないよう、また二次性徴に違和を感じる場合に早期に相談、治療につなげるためにも、小中学校の保健学習等で性別違和について取り上げ、相談を受け入れる姿勢を示す取り組みが必要と考えます。伍嶋教育長に御所見を伺います。  性同一性障害は、中学生のころに最も自殺念慮が高くなります。中学校で制服着用を強制しないよう配慮が求められますが、県内の中学校では体育服の通学を許可されている学校もあるものの、始業式だけは制服を着てこいと求められると、多くの当事者からそんな声を聞いております。  これは、9月1日の自殺の多さに関連している可能性があり、平成27年の文科省通知でも自殺総合対策大綱を踏まえて、教職員の適切な理解を促すようにということを求めております。  式典には制服着用としている実態を把握されているでしょうか。また、制服を着ない選択ができるよう、校長初め教職員に共通理解がなされているでしょうか。伍嶋教育長に御所見を伺います。  県立高校全ての校則を読みました。52校は制服の着用を求めており、うち11校では、制服などの規則を守らない者に対して罰則が書かれています。  制服を標準服と位置づけるなど、着用を強制しない学校は定時制と支援学校の5校のみでした。そして、制服着用をしなくてよいと書いてある学校は支援学校の2校のみでした。  性同一性障害の当事者は、制服のない学校を探しています。そして、富山県内にそのような学校がなければ、県外の学校に行くしかない、そんな選択肢の中で苦悩を持っております。  制服や髪形の規定があるために学ぶ機会を奪われることは、あってはならないと思います。  性同一性障害に限らず、制服はその着用を含めて選択制にするなど、見直しを検討すべきではないでしょうか。伍嶋教育長にお伺いいたします。  同じく県立高校の校則で、髪形について男女で特に既定のなかった学校は26校のみでした。33校は、男子に髪を短くする、襟につかないように、などと書かれております。  身体的性に苦痛を感じ、自分の姿を鏡で見ることができないほど苦悩している性同一性障害の当事者にとって、風呂に入ることも苦痛なわけです。自分の姿を風呂で鏡で見るということができない、そんな子供たちがいます。そんな当事者にとって、髪形を初めとする容姿で男女を割り当てられることは、さらなる苦痛であり大きな人権侵害です。  高校生の髪形について、性同一性障害当事者への配慮はもちろん、アウティングを避けることができるように、性同一性障害であることを隠しながら生きている高校生が中には潜んでいる可能性があります。そんな子供たちにさらなる苦痛を与えないように、全ての髪形の規定をなくすべきと考えますが、いかがでしょうか。伍嶋教育長にお伺いいたします。  高校の校則や制服や髪形を含むバリアフリー化については、高校生自身が決めていくことに意味があると思います。  先日、総務省の地方議会活性化シンポジウムというのに参加させていただきました。若者の政治参画を促すため、生徒会活動で意識を高めてはどうかと大学生がアイデアを出していました。  髪形、制服、性別違和や障害への配慮を含め、主権者教育として、高校生が自主的に校則を考え、みずからつくり上げていく取り組みを行ってはいかがでしょうか。伍嶋教育長にお伺いいたします。  性同一性障害は特例法により、戸籍の性別の変更が可能です。この場合、性別適合手術を受けて性せんを取り除く必要がありますが、その手術には大変な金額がかかります。  制服や髪形の問題で学校に行けず、就職も困難な状況にいる当事者にとって、手術の費用を稼ぐことは非常に大変なことです。診断してから手術までの長い期間、当事者たちはホルモン療法だけを受けて、手術を受けずにこの世の中で何とか適応して生きています。  ホルモン療法を行うと、自認する性とよく似た見た目にすることができます。私がもし当事者だとして性自認が男性だとしたら、男性ホルモンを打つことによって、私にはひげが生えてきて見た目は男性になることができます。  このような場合、見た目と性別と名前が一致しません。あるいは見た目と戸籍の性が違うために、就職などの手続の際に履歴書等の性別の記載欄で男、女両方とも丸をつけることができません。そのために就業ができないという問題が発生しております。  運転免許証は既に男女の表記がなくなっていますが、何にも支障がありません。  県の職員採用の申請に係る書類、その他さまざまな書類における男女の性別記載欄をなくしてはいかがでしょうか。須河生活環境文化部長にお伺いいたします。  これを持ってきました。これは、この7月の参議院議員選挙の投票所の入場券です。ここには種部恭子、女と書いてあります。富山市の入場券です。  ホルモン療法を行っていて、お金がないため性別適合手術を受けられない当事者の場合、見た目と戸籍の性別が一致しません。投票所に入場しようとするとき、この入場券を提出します。そういたしますと、受付の担当者から、男、女というこの性別表記と見た目の姿を見比べられるという問題が発生しています。本人確認のための質問を受けたという当事者の声もあります。中にはちょっと待ってくださいと言われて、ひそひそと協議をされたり、そんな体験をした方もおられました。  わずか数秒であっても、この性別確認の時間が地獄のような長い時間であると、当事者たちは述べております。  選挙では、男女別の投票率が出されていますが、これは選挙人名簿における戸籍の性別により算出されているという仕組みだそうです。投票所の入場券には男女の表記は不要なのではないかと思います。性別表記は既に廃止している自治体もあると聞いております。  このたった一文字、男、女という一文字のために投票に行けない当事者が選挙権を放棄せざるを得ない状況は、人権侵害に当たると考えます。投票所入場券の性別表記を廃止してはいかがでしょうか。石井知事にお伺いいたします。  投票所で候補者名を記載する投票用紙が交付されるとき、男女別のボタンを押して投票用紙が交付されています。  7月の参議院選挙の際に、富山県内の当事者に、苦痛を承知の上、お願いですから1回行ってみてくださいということで、お願いして投票に行ってもらって確認をしてきてもらいました。そういたしましたら、いまだに投票所の投票用紙交付に際して、男女別のボタンが押されていました。当事者にとっては、自分がどちらの性に見えるのかテストをされているようなものです。  自認する性の服装や髪形で投票に行ったのに、異なる性のボタンを押された場合の衝撃ははかり知れません。  これも大変な人権侵害であり、このボタンのために選挙に行かなくなったと県内の当事者たちから聞いております。  投票用紙交付機の男女別ボタン、または交付機自体を廃止してはいかがでしょうか。  7月の参議院選で苦痛を感じながら投票に行ってくれた県内の当事者の方々は、きょうのこの議会の答弁に大変注目をして、皆さん中継を見てくださっています。きょうこの場にもたくさん来てくださっています。  富山県で行われる次の選挙は知事選です。入場券の性別表記と男女別のボタンの廃止で知事選の投票に行けるかどうかが決まります。石井知事に御所見をお伺いして質問を終わります。 53 ◯副議長(筱岡貞郎君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 54 ◯知事(石井隆一君)まず、投票所入場券の性別記載についてお答えをいたします。  投票所入場券における氏名や性別等の記載事項につきましては、公職選挙法に特段の規定はなく、各市町村選挙管理委員会の判断により決定されるものでございますけれども、国政選挙の際には、総務省から障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が平成28年4月から施行されたことも踏まえ、選挙の公正の確保に留意しながら、その記載事項の必要性や表現について検討するように通知が出されております。  こうしたことも受けまして、ことしの県議会議員選挙の際には、県の選管からも、各市町村選管に対して、国と同じ通知を発出しているところでございます。これは、地方自治法第245条の4の第1項に基づく技術的助言ということで行っております。  こうしたことを受けまして、入場券の性別欄を廃止したり、また性別を数字や記号で記載するなどの取り組みをしている事例が他県の市町村選管においてありますし、本県でも2つの団体の選管で性別を数字で記載をしているところがございます。  一方で、県内の各市町村選挙管理委員会にお伺いしますと、投票用紙の交付と引きかえに入場券を回収して、総務省などが報告を求めている投票時間帯ごとの男女別の投票者数の集計に、投票所入場券の性別欄の記載を活用しているということでございます。  投票環境の整備は、民主主義の健全な発展の上で重要な課題だと言えると思います。議員御指摘の性同一性障害の方々に配慮した環境づくりについても、全国の先進的な取り組みを県としても調査いたしまして、各市町村選挙管理委員会に情報提供しますとともに、できるだけ前向きな検討をしていただけないか働きかけをしてまいりたい、かように思っております。  次に、投票用紙交付に関する御質問にお答えをいたします。  投票用紙交付機は、投票用紙を選挙人に交付する際に、誤って2枚渡すことを防止して、投票用紙を確実に1人1枚ずつ交付するために利用されております。  本県の市町村選挙管理委員会でも、7月の参議院選挙の場合ですけれども、当日投票所397カ所のうち296カ所、約75%で導入されております。  各市町村選挙管理委員会では、投票用紙の交付と引きかえに入場券を回収する際に、あわせて性別のボタンを押して男女別の交付枚数から投票者数を別途把握して、入場券による投票者数に誤りがないかの確認に活用しているというふうに伺っております。  御提案の交付機自体の廃止については、事務を執行する各市町村選管において検討、判断されるべき事項だと思いますけれども、7月の参議院選挙での投票用紙の交付ミスのほとんどが交付機のない投票所で発生していることなどの課題も含めて、各選管で検討していただきたいと思っております。
     一方で、全国では性同一性障害の方々に配慮して、交付機の周りに目隠しを設置して、職員がボタンを押す様子を選挙人から見えないようにしたり、ボタンの色を男女で同じ色にするなどの取り組みをしている事例がございます。  本県でも、幾つかの団体で選挙人から見えにくい位置に交付機のボタンを設置している例がございます。  県選管といたしましては、こうした他県の先進的な取り組み、また県内の状況等も踏まえ、また議員からの問題提起も受けとめまして、各市町村選挙管理委員会に情報提供をしまして必要な検討がなされるように助言してまいります。 55 ◯副議長(筱岡貞郎君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 56 ◯教育長(伍嶋二美男君)まず、性同一性障害への対応に関する御質問にお答えをいたします。  県教育委員会では、平成27年の文部科学省の通知を受けまして、県の生徒指導推進会議や生徒指導主事研修会等におきまして、性同一性障害に係る児童生徒の対応に当たりましては、児童生徒が自身のそうした状態を秘匿しておきたい場合があることなど、児童生徒の心情等に配慮するとともに、画一的な対応ではなく個別の事案における学校や家庭の状況等に応じた取り組みを進めるよう周知をしております。  またこうした対応は、性同一性障害に係る児童生徒だけではなく、いわゆる性的マイノリティとされる児童生徒全般に共通するものであることなどについて、教員の適切な理解を促進するために、生徒指導主事等を対象といたしまして、性に関する専門家を招いた講演会を開催しているほか、組織的に取り組むことが重要であることなど、学校における支援体制のあり方等に関する研修を行っております。  さらに、県教育委員会が毎年作成をしまして、小中学校の教員に配付する人権教育啓発資料におきましても、適切な支援のあり方を掲載しまして、校内研修等で活用しているほか、また保護者の理解を促すために毎年配付しております生徒指導小冊子において、新たに性同一性障害についての項目を設けたところであります。  県教育委員会としましては、今後とも児童生徒が相談しやすい環境を整えるとともに、必要に応じて関係医療機関とも連携して取り組むなど、児童生徒の心情に十分配慮した対応が図られるよう指導助言してまいりたいと考えております。  次に、保健学習等における性別違和の取り上げ等に関する御質問にお答えをいたします。  学校における性に関する指導の内容は、学習指導要領におきまして、小学校では4学年、中学校では第1学年で取り扱うこととされておりますが、性同一性障害等については指導内容としては取り扱わないこととされております。  これは、保健分野の学習指導要領を担当するスポーツ庁では、性同一性障害等を小中学校の指導内容として取り扱うことについては、今後さらに議論が必要と考えていると伺っておりまして、まずは国において、現場の実態等も含めて指導内容についてしっかりと検討していただき、県としても国の動向を注視しながら必要な対応を検討してまいりたいと考えております。  また、性同一性障害を初め、性別に違和感を持つ児童生徒に対する相談を受けるの姿勢については、アウティングによる不利益を被らないため、大変重要なことであると考えております。  これまでも各学校では、児童生徒から相談がなされた場合には、最初に相談を受けた教員だけで抱え込むことなく、学級担任や管理職を初め養護教諭、スクールカウンセラーなど、教職員等が組織的にチームで取り組むこととしております。  その際には、児童生徒の心情や実情を把握するとともに、保護者の意向にも配慮しながら、情報を共有する意図を十分に説明し理解を得た上で、個別の事案として相談に応じることとしております。  また必要に応じて、関係医療機関とも連携するなど、児童生徒の心情を十分に配慮した対応に努めており、今後とも教員の適切な理解を促してまいりたいと考えております。  次に、学校の制服着用に関する御質問にお答えをいたします。  国の自殺総合対策大綱では、性的マイノリティーは、社会や地域における無理解あるいは偏見等の社会的な要因によって自殺念慮を抱えることもあると指摘され、教職員の理解と学校における適切な教育相談等を促進することとされております。  このため県教育委員会では、文部科学省が平成28年に作成した教職員向けの性同一性障害に関する周知資料を活用いたしまして、制服の着用に違和感を感じる性同一性障害の生徒に対しては、本人の申し出があれば生徒の心情等に配慮し、自分が認める性別の制服や体操着の着用を認めるなど、制服を着ない選択ができるよう配慮することなどで、学校での対応の参考とするよう各中学校に周知をしております。  またその際、当事者である生徒への配慮と、他の生徒への配慮との均衡をとりながら支援を進めることの重要性についてもあわせて周知をしておりまして、各中学校の校長を初めとして、教職員に一定の共通理解が図られているものと考えております。  なお、県内の中学校におけます制服着用の実態については、状況に応じて体操服等で学校生活を送ることを許可している中学校もありますが、卒業式等には制服を着用するように指導していると聞いております。  ただ、その際の制服着用の具体的な指導や取り扱い内容としては、性同一性障害であることを秘匿している生徒にとっては、こうした指導については制服の着用をいわば強要されていると感じる場合もあると想定されることから、本人から申し出があった場合には、卒業式においても必ずしも制服を着用しなくてもよいことを全校生徒に対して伝えるなどの取り扱いをしている例もあります。  県教委といたしましては、今後、学校生活の各場合において、児童生徒の心情等を踏まえ、その状況等に応じた支援を行うよう、さらに周知をしてまいりたいと考えております。  次に、制服に関する校則の見直しについての御質問にお答えをいたします。  校則は、学校が教育目標を実現していく上で、生徒が守るべき学習上、生活上の規範として定められておりまして、生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長していくための行動の指針として、各学校において定められております。校則には、学業時刻や生徒会活動などに関する規則だけではなく、服装、頭髪、学校内外の生活に関する事項が含まれておりまして、学校の種別や生徒の実情、地域の状況、校風など、各学校がそれぞれの特色を生かす形で定められております。  特に、制服については、伝統の継続や連帯感、秩序、規律を保つなど、肯定的な評価がある反面、個性の抑圧やあるいは経済的負担を伴うなど否定的な評価も見られます。  県内の公立高校の校則では、制服を定めていない学校は少なく、大半の学校において制服を定めておりまして、そのうちの一部の学校では、制服等があるものの着用を強制しない取り扱いとしている学校もあります。  制服に係る校則の見直しについては、学校の歴史や卒業生の意向、また学校を取り巻く社会環境の変化や、生徒の状況に合わせて検討されることが望ましいと考えておりますが、校則の制定権限を有し、学校運営の責任者である学校長において、こうした環境変化や性同一性障害に係る児童生徒に対する配慮についても考慮に入れながら判断することが適切であると考えております。  県教育委員会といたしましては、今後、各学校長に対して、制服の取り扱いを含め、性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応について、改めて周知をしてまいりたいと考えております。  次に、高校生の頭髪に関する御質問にお答えをいたします。  髪形を校則で規定している多くの高校では、高校生には高校生らしい品位のある髪形であってほしいという考え方が教員や保護者、地域にあり、髪形の校則は生徒指導上において一定の効果があるものと考えております。  具体的な髪形の規定の例といたしましては、制服との調和を考え、清潔、端正な髪形とする。あるいは、頭髪は常に清潔にし、パーマ、染色、脱色等の加工はしないなどと定め、男子と女子に分けて髪の長さも規定している学校が多くあります。  性同一性障害の生徒にとっては、髪形は性差を著しく表現するものであり、深刻な悩みにつながることから、県教育委員会では、各学校に対して、文部科学省の教職員向け周知資料を示して、性同一性障害の生徒と認識している場合は、当該生徒や保護者とよく話し合い、例えば戸籍上男子の場合、男子の規定よりも長い髪形を一定の範囲で認めるなど、個別の事情に応じた対応をとるよう周知をしております。  髪形に関する校則につきましては、制服と同様に、生徒の実情、学校を取り巻く社会環境や時代の変化、他の生徒への影響などを考慮して、必要に応じて見直しを検討することが望ましいと考えておりますけれども、今後、校則を見直すのか、運用として個別対応を行うかの取り扱いについては、学校運営に責任を負う学校長が総合的な見地から判断することが適切であると考えておりまして、今後、校則の見直しを含めて、各学校長に検討を促してまいりたいと考えております。  次に、高校生による校則の見直しに関する御質問にお答えをいたします。  県教育委員会では、各学校に対しまして、文部科学省の通知を踏まえて、校則等の内容並びに校則等に係る指導のあり方について、社会常識とのずれがある場合もあることや、生徒の自主性を尊重していないことなどを踏まえまして、学校の実情に応じて見直しも必要である旨を周知してきたところであります。  国の調査によりますと、校則の見直しに当たりまして、生徒会等の場を通じて生徒が主体的に話し合う機会を設けたり、あるいはPTAにアンケートをした場合には、結果として生徒が主体的に校則を守るようになったなどの事例がありまして、その手法によっては学校づくりにも生かせるものと考えております。  また、校則の見直しだけではなく、高校生が習得した知識等を活用しまして、主体的な選択や判断を行い、他者と協働しながらさまざまな課題を解決していく、そうした資質や能力を育むことは主権者教育の推進にもつながるものと考えております。  例えば髪形、制服、性別違和や障害への配慮という観点から校則について見直しの議論をすることは、性同一性障害に対する理解が深まるとともに、基本的人権を尊重する精神も培われることにもなると考えております。  県教育委員会としては、高校生が自主的に校則の内容について協議を行うことは有意義なことと考えておりますが、こうしたことを踏まえ、校則を見直す場合にどのような方法を用いて検討しどのような内容に見直すかについては、当該学校の運営に責任を負う学校長において、総合的に判断されるよう指導してまいりたいと考えております。  以上でございます。 57 ◯副議長(筱岡貞郎君)須河生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長須河弘美君登壇〕 58 ◯生活環境文化部長(須河弘美君)最後に、男女欄の記載についての御質問にお答えをいたします。  性同一性障害の方など、生物学的な性と性の自己認識が一致しない方、また御紹介のように見た目の性と戸籍の性が異なる方の中には、書類への性別の記載に当たり、自分で認識している性と異なる性別を選択することに苦痛を感じる方がいらっしゃいます。  このため、御紹介の運転免許証を初め、性別欄を削除している書類が増えてきており、職員採用試験申込書につきましても、幾つかの自治体で男女別を選択しなくてもよい様式となっております。  また、その他の申請書類等における性別欄の見直しについて検討している県も多く見られます。  一般的に性別の記載が必要な書類といたしましては、法令上把握が義務づけられているもののほか、検査や治療など医療サービスの提供に用いられるもの、また男女の参画機会の現状を把握するものと業務上必要なものもありますが、そうした必要がなく性別欄の削除が可能な書類もあるのではないかと考えられます。  県では現在、富山県人権教育・啓発に関する基本計画の見直しを行っており、性的指向や性自認についても新たな人権課題として明記し、性的少数者に対する配慮への啓発を強化する方向で検討を進めております。  計画の見直しを機に、県における申請書等の書類の性別記載欄について調査し、先ほど申し上げた法令上の義務づけや業務上の必要性を踏まえて見直しを進めてまいりたいと考えております。 59 ◯副議長(筱岡貞郎君)種部恭子君。    〔9番種部恭子君登壇〕 60 ◯9番(種部恭子君)知事に再質問させていただきたいと思います。  御答弁いただいた中身を聞いて、当事者の人たちは次の知事選に行けるかどうか、私は大変疑問でした。  そこに行って、まず男と女という表記が市町村によって違うとすれば、知事選に投票したいと思っている方でも、その地域でその券を見た段階で行かないという選択をする人も出てくると思います。  先ほどの御答弁では、市町村に対して働きかけるということでしたが、知事自身はどのように考えて働きかけていかれるのか。性別欄をなくして配慮をする方向で行くのか、そして本人に対してその場でアウティングが起こらないような配慮をするのか、知事のお考えをまずお聞かせいただきたいと思います。 61 ◯副議長(筱岡貞郎君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 62 ◯知事(石井隆一君)お答えをいたします。  先ほども、総務省から国政選挙の際に、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が平成28年4月から施行されたことも踏まえ、選挙の公正の確保に留意しながら、その記載事項の必要性や表現について検討するように通知がなされております。  これも、総務省も地方自治体に対して、あくまで地方自治法第245条の4の第1項に基づく技術的助言として発出されているわけでありまして、私ども富山県も県議選の際に、県の選管から同じ趣旨の通知を発出しているということでございます。  投票環境の整備は、民主主義の健全な発展の上で重要な事項でありますから、議員御指摘の性同一性障害の方々に配慮した環境づくりにつきましても、全国の先進的な取り組みを県としても調査しまして、そして各市町村選挙管理委員会に情報提供するとともに、前向きな検討をいただけないか働きかけてまいりたい。法律上も、県の選管は市町村選管にこうしなさいとはなかなか言えないものでありまして、今の趣旨で御理解を賜りたい。国も、ですから県の選管に対して、あくまで技術的助言として指示されているわけでありまして、そこは御理解いただけるんじゃないかと思っております。 63 ◯副議長(筱岡貞郎君)以上で種部恭子君の質問は終了しました。  川上浩君。    〔11番川上 浩君登壇〕 64 ◯11番(川上 浩君)私は、自民党議員会の川上浩であります。  諸先輩、同僚議員のお許しをいただき、3問に分けて質問させていただきます。  天皇皇后両陛下におかれましては、滞りなく御代がわりの儀式を終えられましたことに心からお喜び申し上げます。  平成から令和へと時代が大きく動き出しました。人生100年時代と言われる中、超高齢化、少子化による人口減少、人手不足や東京一極集中解消に取り組むため、5G大容量高速通信を利用したIoT、AI技術による第4次産業革命とも言われる技術革新が目覚ましいスピードで進化しています。目指す社会、Society5.0へと、狩猟、農耕、工業、情報社会に続く時代として、さまざまな問題を解決し、持続可能な社会の構築を目指しています。  自然界に目を向けると、大気中の温室効果ガス濃度の上昇により、短時間の強い雨や大雨が増加傾向にある一方、無降水日、猛暑日などが連続し、大気候変動期の到来を予感させます。  10月に襲来した台風19号は、関東、甲信越、東海を初め、東北、北海道へと大きな影響を及ぼしました。改めて心からお見舞い申し上げます。  さらに、ことしは異常なぐらいにイノシシ、ツキノワグマなどの害獣が出没し、農作業への被害にとどまらず、人にも襲いかかる被害が連日報道されました。  まず、安心・安全に暮らし続けることのできる地域づくりについて、4問にわたり伺います。  出没する害獣対策についてであります。  ミズナラ科の木の実の不作が要因ということですが、熊が住宅街を闊歩し、人的被害を及ぼす事態が発生していることは、これまでにないことであります。何かが変わってきていると感じるのは私だけでしょうか。  朝日町、魚津市では、イノシシ等の侵入を防ぐ電気柵から耐雪型金網柵への設置がえを進めています。農作物被害の防止やCSF(豚コレラ)感染の予防、さらにはツキノワグマによる人身被害防止の観点からも、同様の対策を県内の中山間地域において広く進める必要があると考えますが、河村農林水産部長の見解を求めます。  次に、気候変動期の災害対策についてであります。  先日、5人のメンバーとともに、千曲川堤防決壊箇所となった長野県穂保地区に隣接する津野地区へ災害ボランティアとして入りました。ボランティアセンターで、農ボラをお願いしますとの指示のもと現場へ向かうと、リンゴの木の周りの粘土質の土砂を撤去する作業でありました。被災された農家の方々が黙々と作業されている中に入り、ショベルで掘り起こすのですが、なれない作業に長続きしないありさまでした。一面の砂ぼこりと、果てしなく思える作業に、被災された方々が、あすへのわずかな希望を抱きながら、作業に追われる姿に、一日も早い復旧復興への思いを新たにするとともに、大災害を繰り返さない継続した国土強靱化への取り組みの必要性を強く感じたのであります。  災害は必ずやってきます。地域の災害の歴史を引き継いでいくことは重要であります。小中学生を対象とした防災教育の取り組み状況や、地域の防災訓練への小中学生の参加状況はどうか、伍嶋教育長に伺います。  今回の災害を報道するアナウンサーの「命を守る行動をとってください。必ず助けは来ますので、どうぞ諦めずに救助をお待ち続けください」との呼びかけは、いかに切迫した状況であるかを伝えておりました。線状降水帯の発生に伴う断続的な大雨による洪水被害が全国的に頻発している中、県管理河川における対象降雨及び計画流量の基準の見直しが必要でないか、県内河川の堤防整備率とあわせて水口部長に伺います。  災害発生の危険度を市町村が出す避難情報と、気象庁や県が出す防災気象情報とを5つの段階に整理し、段階ごとの情報やとるべき行動を示しておられますが、避難情報の警戒レベル3と防災気象情報の警戒レベル3相当など、紛らわしい部分があります。特に高齢者など、要支援者に混乱を招かないよう、避難誘導や周知等で工夫が必要と考えるわけでありますが、水口部長に伺います。  以上、御答弁をお願いいたします。  間違えました。申しわけありません。危機管理監にお伺いいたします。  以上です。御答弁願います。 65 ◯副議長(筱岡貞郎君)河村農林水産部長。    〔農林水産部長河村幹治君登壇〕 66 ◯農林水産部長(河村幹治君)イノシシ等被害防止のための侵入防止策の設置についてお答えをいたします。  イノシシ等による農作物被害の防止対策については、侵入対策として、電気柵が各市町の鳥獣被害防止対策協議会により、これまで14市町で2,540キロメートル整備されてきております。電気柵は、資材が安価で設置も容易で、早期の効果発現が期待できる一方で、毎年の設置や片づけに加え、漏電防止のため、継続した草刈り等が必要であるため、高齢化等により維持管理が困難となってきている集落などから、維持管理の負担軽減につながる耐雪型侵入防止柵への設置がえの要望が年々増加しております。  このため県では、国の交付金の活用に加え、費用対効果等の関係で国の交付金の対象にならないものについては、県単独事業により耐雪型侵入防止柵の設置を支援してきており、これまで、8市町で48.8キロメートルが整備されてきております。  今後とも、要望のあった耐雪型侵入防止柵の整備が着実に進められるよう、必要な予算の確保について国に強く働きかけるなど、地域の負担軽減に努めながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。  また、耐雪型侵入防止柵の整備された箇所であっても、補修のおくれや、草刈りがなされず柵の周辺がイノシシの隠れ場となるなど、適切な維持管理がなされず、農作物被害が発生している例もあることから、設置後の維持管理も含め、集落環境管理に地域でしっかり取り組んでいただけるよう、市、町と連携しながら普及推進に努め、柵の設置が農作物被害の防止やCSF対策等に、より効果の上がるものとなるよう努力してまいります。  以上でございます。 67 ◯副議長(筱岡貞郎君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 68 ◯教育長(伍嶋二美男君)防災教育に関する御質問についてお答えをいたします。  いざというときに、自分の命は自分で守れるよう、子供のころから、災害の歴史から地域の災害リスクなどを理解するとともに、命を守る行動を実践的に学ぶことは大変重要であると考えております。  このため、小中学校における防災教育としまして、授業等での学習や避難訓練を実施しておりまして、具体的に申し上げますと、社会科等の授業においては、自然災害への対応や富山県の災害の歴史を学び、将来の災害に備えるための学習のほか、特別活動や総合的な学習の時間を活用した県広域消防防災センターでの体験学習、さらには、気象に関する情報収集や緊急地震速報の仕組みの学習など、危険を予測してみずから回避する能力の育成に努めてきております。  また、避難訓練といたしましては、各学校において、事前指導として、自然災害の種類や発生のメカニズム、災害の種類や規模によって起こる危険についても、改めて理解を促した上で実施をしております。  地域の防災訓練につきましては、各自治体で実施する防災訓練などにおいて、小学生が保護者とともに、自宅から避難所まで歩いて避難したり、あるいは地震の揺れを体験する訓練への参加や、中学生が避難所の受付や配膳などの運営に協力している事例などもあります。
     県教育委員会といたしましては、今後とも、教員の指導力向上のための防災教育指導者を対象とする講習会を開催するとともに、児童生徒みずからの災害対応能力の向上を図るため、市町村教育委員会と連携して、小中学生の防災教育の推進にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 69 ◯副議長(筱岡貞郎君)水口土木部長。    〔土木部長水口 功君登壇〕 70 ◯土木部長(水口 功君)河川整備についての御質問にお答えをいたします。  県では、過去に大きな浸水被害が発生した河川や近年の集中豪雨により住宅への被害に遭った河川において、おおむね5年から10年をめどに、事業効果が早期に発現できる区間で、計画的かつ重点的に整備を進めております。  昨年度末における河川整備率は約57%で全国平均を上回っておりますが、整備が必要な区間はまだまだ残っております。現在、河川を拡げる改修、放水路の整備、鉄道橋のかけかえなどを進めておりますが、その整備には多額の費用と長い年月を要します。このため、引き続き必要な予算の確保に努め、早期に河川整備を進めていくことが重要であると考えております。  御指摘のとおり、気候変動の影響により、今後さらに降雨量が増大することが懸念されており、その影響を定量的に治水計画に反映させますため、国では、気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会を設置し、将来の降雨量や河川の流量がどの程度増加するかについて検討がなされ、この10月に、治水計画の立案に際しては、気候変動により予測される将来降雨を活用する方法に転換するといった内容の提言が取りまとめられました。今後、さらに詳細な検討が進められると聞いております。  県としましても、国の検討状況を注視しながら、今後の県管理河川の整備について、ハード対策、ソフト対策の両面から研究をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 71 ◯副議長(筱岡貞郎君)竹野危機管理監。    〔危機管理監竹野博和君登壇〕 72 ◯危機管理監(竹野博和君)私からは、市町村が出す避難情報と気象庁や県が出す防災気象情報との一致の御質問にお答えいたします。  住民が情報の意味を直感的に理解できるように、ことし3月、国が避難勧告等に関するガイドラインを改定いたしまして、市町村が出す避難情報に高齢者等避難は警戒レベル3、全員避難は警戒レベル4など、住民のとるべき行動と対応した5段階の警戒レベルを付して発信されることになりました。  また、その一方で、気象庁や県等が出す注意報や警報、氾濫警戒情報、土砂災害警戒情報、大雨特別警報などの防災気象情報は、住民の自主的な避難の行動の参考とするために、警戒レベル相当情報として、市町村が出す警戒レベルと関連を明確化して伝えることとなりました。  警戒レベルを付与した情報提供は、危険度などを直感的に捉えられる反面、例えば、警戒レベル3の避難情報と警戒レベル3相当の防災気象情報などが、非常に語句が紛らわしいこと、また、気象台が警戒レベル3相当の情報である洪水警報を発令しても、市町村で必ずしも警戒レベル3の避難情報を発令していないなど、情報が一致しないことがわかりにくくなっているところの一因かと思われます。  警戒レベルを付与した情報提供は、ことし6月に始まったばかりでありまして、その検証についてはまだされておりませんけれども、自分の身は自分で守る自助には非常に有効であると考えており、まずは出前県庁ですとか、あるいは研修会、講演会など、さまざまな機会を捉えて制度の周知を図ってまいりたいと考えております。  また、市町村と連携いたしまして、住民への周知や、高齢者や要支援者の避難誘導が円滑に進みますよう、実践的な避難訓練など取り入れて、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 73 ◯副議長(筱岡貞郎君)川上 浩君。    〔11番川上 浩君登壇〕 74 ◯11番(川上 浩君)竹野危機管理監には大変失礼いたしました。  次に、未来につなぐワクワクとやまの創造について、6問お尋ねします。  今議会の知事提案理由説明では、北陸新幹線開業5周年、敦賀・大阪への延伸に向け、来年度から5年間の(仮称)第2期とやま未来創生戦略の策定を見据え、来年度予算編成においては、県民が未来に向けて夢や希望を持ち、生き生きと働き暮らせる元気な県づくりを積極的に推進するとのことであります。  さて、令和2年度から新しい学習指導要領がスタートします。グローバル化の推進の中で、国際共通言語である英語力の向上は、日本の将来にとって極めて重要であるとし、小学校3、4年生には、英語活動、聞く、話す、5、6年生には外国語教科化、聞く、話す、読む、書くへの取り組みが始まります。  黒部市においては、平成18年度より平成20年度までの3カ年にわたり、国際化教育特区、英語教育特区とも申すのでありますが、に取り組まれました。先日、その後の英会話授業の成果を公開する授業を見学してまいりました。担任、ALT、JATの3名による授業が行われており、物おじせずに互いに英語で設問し合い、見学している私を見つけて、「What sports do you like?」と、ちゅうちょなく話しかけてくる姿に一瞬たじろいでしまいました。  これまでの外国語特区や英会話科特例校としての取り組みや、平成26年度からの英語専科教員配置のモデル校での取り組みの成果をどう評価しているのか。その成果が全国テストの結果にあらわれているかどうかも含めて、伍嶋教育長に伺います。  教員の働き方改革が社会問題化している現状において、外国語教科化などの新たな取り組みが、さらなる負担増につながるのではないかと懸念するのであります。教員の配置や準備等の時間の確保なども含め、教科化への対応を円滑に進めるにはどのような配慮がなされているのか、伍嶋教育長に伺います。  平成27年度から市町村の条例により、放課後児童クラブ、いわゆる学童保育の施設、人的基準を定め、それに沿った運営を求められるようになりました。さらに、学童保育のアフタースクール化により、保護者からの担当支援員への要望も多様となってきております。  放課後児童クラブについて、待機児童数はどうか、また、抱える専門性の高い課題に対応できる支援員が求められているわけでありますが、どのように支援していくのか、あわせて市村厚生部長に伺います。  先日、酒井議員を団長とした自民党商工農水部会は、ベトナム、シンガポールを訪ねました。ベトナムにおける技能実習生の送り出し教育機関の状況や、日本側が受け入れる際の課題、また進出している県内企業の事業や雇用状況の調査に当たりました。その内容や課題は、一昨日、瘧師議員が質問されたとおりであります。  あわせて、シンガポールで開催されているフード・ジャパン2019を視察しました。県内からは3社の出展があり、このうち利賀の酒造メーカーは、輸出に向けてフード・ジャパンに数年間出展を重ね、ようやくバイヤーとの商談に結びつきましたと、継続した出展支援に感謝の声をいただきました。  農林水産物の海外輸出には、ビジネス習慣や文化等の異なる中、粘り強く信頼関係を構築しながら進めることが重要であり、数年にわたる継続的な支援が必要と考えるわけでありますが、河村農林水産部長の所見を伺います。  企業出先拠点開設ゼロ、2018年度には、県内へのサテライトオフィス誘致が進まなかったとの報道がありました。先ほど安達議員の質問にありましたように、5Gを先取りした顔認証システムの実用化とキャッシュレスへの取り組みの先進地、和歌山県白浜町へ私も視察に出かけてまいりました。  大手電機メーカーと地元システム企業との連携により、サテライトオフィス、ここはワーケーションオフィスともなっていたわけでありますが、を開設し、関連企業10社が入り、さらに今後、数社の進出が計画されているとのことでありました。やはりステークホルダーとの具体的な事業を通した取り組みが、実効性あるサテライトオフィス開設につながると感じてきたのであります。  遠隔地とのタイムラグを感じさせない5G時代の到来を機に、立山や富山湾など大自然に囲まれた環境のよさ等も生かし、首都圏を初めとした県外からのサテライトオフィスの誘致や二地域居住の推進など、関係人口の創出に今後どう取り組むのか、蔵堀総合政策局長に伺います。  ことしは黒部市のももいろクローバーZのライブに始まり、世界的舞台芸術の祭典「シアター・オリンピックス」、そして、世界で最も美しい湾クラブ世界総会開催と、富山県を国内外に発信するビッグイベントが続きました。  さらに、来年2月には、冬季国体スキー競技が、そして夏には、いよいよ2020東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。まさに日本が、富山県が世界中から注目される絶好の機会を得るわけであります。訪日外国人が増加する中、いかに富山県の情報を発信し、訪れてもらうか、ワクワクとやまの創造のビッグチャンスを逃すことはできません。2020東京オリンピック・パラリンピックに向け、県民の関心を高め、県全体の機運を盛り上げるために関連イベントに取り組んではどうか。また、市町村が県内へ誘致した選手団の合宿への支援や、日本を訪れる外国人の富山への観光誘致の取り組みとあわせて、知事に所見を伺います。  以上、答弁願います。 75 ◯副議長(筱岡貞郎君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 76 ◯知事(石井隆一君)川上議員の御質問にお答えをいたします。  東京オリンピック・パラリンピックの取り組みについてでございます。  県では、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けまして、平成29年度から市町村等と連携して、オリンピアンによるスポーツ教室等を実施いたしまして、県民の皆さんがオリンピアンと交流する機会づくりに努める、また県内の各スポーツイベント等を東京2020応援プログラムの事業として開催しますなど、機運の醸成に取り組んでまいりました。  また、来年6月には、オリンピック聖火リレーが本県で実施されることになっておりまして、聖火の輝きを県内15の全市町村に届けて、多くの県民の皆様方とともに、オリンピック開催の機運を盛り上げていきたいと思っております。恐らく、聖火が県内全部の市町村を回るという県は、割に少ないんじゃないかと思いますけれども、努力してまいります。  また、事前合宿の誘致状況については、県内で初めてホストタウンとして登録された高岡市や、またインドのアーチェリー連盟と覚書を結んだ黒部市を初め、7つの市が誘致活動に取り組んでいます。県としましても、水泳競技の誘致を働きかけております。県ではこれまで、ホストタウン登録手続等を支援してまいりましたけれども、私自身も文部科学大臣や、またオリンピック担当大臣、また組織委員会の森会長さんとか、いろんな方にお願いしてまいりました。  また、ソフト、ハード両面において、国からの財政的支援も受けられるということになっております。そのほか、人材の派遣とか情報提供等の支援も受けられますので、検討をされている市町村については、まずはこうした国の施策を有効に活用していただけるようにお願いしたいと思います。  なお、こうした国の支援措置を活用しても、例えば、外国選手や役員の方などがかなりの人数となって、それに伴う市町村の負担が、当該市町村の財政力、大変弱い市町村もあるかもしれませんので、そういったような場合には、その市町村の要望も踏まえて、県が何らかの支援ということも、その可能性についても、そうした状況がもしあれば、検討してまいりたいと思います。  また、外国人の誘客については、日台観光サミットとか世界で最も美しい湾クラブ世界総会で、本県の自然や文化、食べ物、いろんな面での多彩な魅力を参加者の皆様にアピールさせていただき、また参加者の皆様から、私が自分で言うと自画自賛みたいになりますが、非常に高い御評価をいただいて、富山県は決して立山・黒部だけじゃなくていろんな資源があると、また、立山・黒部も本当にすばらしい、それから雄大な海もすばらしいと、食べ物もおいしいと、いろんな御評価いただきました。  また、首都圏から外国人の誘客を図りますために、東京都と連携した海外メディアやウエブサイトでの観光PR、また北陸新幹線の沿線県、石川県、福井県なども含めまして、連携して誘客等に努めてきたところでありまして、東京オリンピック・パラリンピックを契機に、引き続き本県への観光客誘致にしっかり取り組んでまいります。 77 ◯副議長(筱岡貞郎君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 78 ◯教育長(伍嶋二美男君)外国語特区などに関する御質問についてお答えをいたします。  来年度からの小学校の英語教科化に備えまして、小学校英語教育モデル事業としまして、平成26年度から英語専科教員を配置しており、今年度は全市町村において増員配置をしたところであります。  英語専科教員の配置校からの意見として、授業の進め方や教材の研究方法などを学ぶことができ、自信を持って指導ができる。また、児童の成長を明確な基準や観点から評価できるとの声が寄せられておりまして、着実に指導体制が強化されているものと考えております。  平成30年度の英語教育実施状況調査によりますと、英検3級以上の英語力を有する中学3年生の割合は、本県は44.6%で、全国平均を2ポイント上回っております。また、今年度に初めて行われました英語の全国学力・学習状況調査での本県中学生の平均正答率は57%で、全国平均を1ポイント上回っております。  特に、議員からも御紹介がありましたが、黒部市では、平成18年度以降、国の国際化教育特区や教育課程特例校の制度を活用されまして、英会話科を設けられております。これは、特別な教育課程を編成して実施されておりまして、小学校1年生から中学3年生まで、発達段階や教育内容のつながりを考慮した一貫指導が行われております。  なお、黒部市で公表されています全国学力・学習状況調査における黒部市の中学生の平均正答率は、これは県平均をさらに大きく上回っているとのことでありまして、こうした英語専科教員や英会話科による小学校からの学びの積み重ねの成果ではないかというふうに考えております。  今後とも、市町村教育委員会と連携を図りながら、本県の英語教育の充実に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  次に、外国語の教科化に関する御質問にお答えをいたします。  来年度からの小学校の英語教科化への対応を円滑に進めるため、まず、教員配置の観点からは、英語専科教員を配置しまして、配置校での実践研究と校内研修による教員の英語指導力の育成と向上などを進めておりまして、今年度は英語専科教員を国の加配定数を活用して、全市町村において昨年度の60校から65校に増員配置をしております。  また、英語教育の中核となる教員を養成するため、平成26年度から、小学校の教員を国の英語教育推進リーダーの中央研修に参加をさせるとともに、翌年度の平成27年度からは、英語力養成研修会を開催しておりまして、今年度までに約1,000名が本研修を受講して、その受講者が各学校において校内研修を充実させているという取り組みを行っております。  このほか、平成29年度から実施しております小学校外国語指導力向上研修会には、小学校教員等が受講しまして、次期学習指導要領が求める外国語教育に関する資質、能力や授業の具体的な例について学んでおりまして、今年度は、読む、書くの具体的な指導例や評価方法など、実践的な内容の研修を実施することとしております。  さらに県教育委員会では、英語の指導計画例を策定いたしまして配布をしておりますが、各学校においては、それぞれの実情に応じて、国等の資料をもとに年間指導計画や評価方法、教材などの準備に取り組んでおります。  県教育委員会としましては、来年度の英語の教科化に向けて、英語専科教員のさらなる充実に努めますとともに、研修会等により養成された教員や大学生による英語学習パートナーを活用いたしまして、来年度の英語の教科化への対応が円滑に行われるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 79 ◯副議長(筱岡貞郎君)市村厚生部長。    〔厚生部長市村仁志君登壇〕 80 ◯厚生部長(市村仁志君)放課後児童クラブについての御質問にお答えをいたします。  放課後児童クラブについては、各市町村で計画的な施設整備に取り組まれており、また県としても、市町村に対し、施設整備や運営について、国の基準に基づく助成に加えまして、県単独で小規模クラブですとか、18時を超えて開所するクラブに対し、支援を行ってきておりまして、実施箇所数も増加をしております。  しかしながら、小学生を取り巻く環境の変化など、ニーズの高まりもございまして、登録児童数は増加傾向にある中、施設や支援員の確保が課題となり、高学年が希望どおりに利用できない地域があるなど、今年度は97人の待機児童があるとの報告を受けております。  このため、県では、引き続き市町村の要望に応じ、施設整備への支援を行いますとともに、保育士養成校の学生に対し、放課後児童クラブでのボランティア参加を呼びかける、出前講座を開催するなど、人材確保にも努めているところでございます。  また、特別な配慮を要する児童やアレルギーへの対応など、支援員には高い専門性が求められており、県では、放課後児童支援員認定資格研修等を通じまして、必要な知識ですとか技能の習得を推進しております。加えて、今年度は、保育所や放課後児童クラブの要請に応じまして、発達障害等に関する専門的助言を行います専門家を派遣しますハートフル保育カウンセラー派遣事業について、派遣回数の拡充を図りまして、支援の充実に努めているところでございます。  今後とも、市町村と連携をしまして、放課後児童クラブの施設数の拡充や支援員等の専門性の向上に努めてまいりたいと考えております。 81 ◯副議長(筱岡貞郎君)河村農林水産部長。    〔農林水産部長河村幹治君登壇〕 82 ◯農林水産部長(河村幹治君)農林水産物の輸出についての御質問にお答えをいたします。  農林水産物等の輸出については、輸出先国においてさまざまな規制がある上、商慣習や食文化等も国内と大きく異なることから、それらを十分了知した上で、商談先との信頼関係を構築していくことが重要であります。  このため、県では、輸出に関する規制や商談スキル等を習得するセミナーの開催や海外バイヤーを招いた商談会の開催、香港やシンガポールでの食品見本市への出展、輸出向け商品の開発や商談後のフォローアップなど、事業者の取り組み段階に応じた支援を行っておるところであります。  その中で、海外見本市への出展や商品開発、販売促進活動への支援については、多くの事業者が支援を受けられるよう留意しつつ、成果が期待できる取り組みについては、複数回にわたり継続して助成が受けられる取り扱いとしております。  実際に、例えば、議員からも御紹介のありました、複数年にわたり食品見本市へ継続出展し、現地の飲食店と商談を重ねることで、飲食店と連携したイベントにつながり、その後の取引が拡大したケースのほか、海外の市場調査、試食宣伝等で、現地のニーズを把握し、商品を改良した上で食品見本市へ出展し販路開拓をしたケース、あるいは商談会に参加し、バイヤーからの提案等によりパッケージを改良し、フォローアップ支援を受けて成約に至ったケースなど、複数年度にわたり、各種の支援策を効果的に活用して成果に結びついた事例もあるところであります。  今後とも、事業者の取り組み状況に応じて、必要なものについては継続的に行うことも含め、効果的に支援を実施し、県産農林水産物の輸出拡大を図ってまいります。 83 ◯副議長(筱岡貞郎君)蔵堀総合政策局長。    〔総合政策局長蔵堀祐一君登壇〕 84 ◯総合政策局長(蔵堀祐一君)次に、サテライトオフィスの誘致や二地域居住の推進に関する御質問にお答えをいたします。  県ではこれまで、就労環境や子育て環境のよさに加え、立山や富山湾を初めとする自然環境のよさもアピールして、積極的に移住、UIJターンの促進に取り組み、移住者は年々増加傾向となっております。  こうした中で、新たな取り組みとして、本県の自然環境のよさも生かしてサテライトオフィスを誘致いたしますため、市町村が行いますサテライトオフィス誘致に向けた出展ですとか、県外企業を対象とした現地見学会等の開催に要する経費の一部を助成してきております。こうした補助を使って、県内での現地見学会も実施されてきたところでもございます。  ただ、実績としては、県や市町村の窓口を通してのサテライトオフィスの立地というのは、まだ実現をいたしておりません。今後も、該当しそうな企業へのヒアリングですとか、誘致に結びつくよう、市町村と連携して取り組んでまいりたいと考えております。  また、複数の地域に生活、就労の拠点を有し、将来的な移住も期待できます二地域居住を推進いたしますため、首都圏在住の社会人女性を対象として、二地域居住をテーマとしたセミナーをことし7月に開催をしたところであります。また、本県への移住を初め、二地域居住や副業、兼業を希望する首都圏の社会人を対象といたしまして、県内での事業プランの検討、発表を行いますフィールドワークを新たに来年2月に実施することといたしておりますけれども、こうしたことによりまして二地域居住を推進していきたいと考えております。  今後とも、UIJターンの促進ですとか関係人口の創出に向けて、しっかり取り組んでまいります。 85 ◯副議長(筱岡貞郎君)川上 浩君。    〔11番川上 浩君登壇〕 86 ◯11番(川上 浩君)続いて、3点目に入りたいと思います。  持続可能となるための自治体病院の姿と地域医療構想についてであります。  先ほど種部議員のほうから、専門的見地に立ったいろんな問題提起がされたところであります。  9月26日、厚生労働省ががんや救急などの高度医療の実績を踏まえて公表した公的病院の統合再編に関する報告書には、県内の5病院の名前が挙がりましたが、地域の病院がなくなると、住民の不安をあおる結果となりました。このいきなりの公表に、自治体、そして病院関係者などから批判の声が殺到したのは当然のことであります。さらには、看護師の偏在データなるものを公表し、現状認識に欠けた、実態にそぐわない発表までされたのであります。厚生労働省は、地域医療構想の議論活性化のためということでありました。  地域医療構想は、2025年高齢化問題や少子化が進む中で、医療費の膨大化を防ぎ、切れ目のない医療・介護の体制を構築するために、病床の機能分化、連携を進め、医療機能ごとに2025年の医療需要と病床の必要量を推計し、定めるものであります。  私は、医師の偏在、看護師不足の実態、そして医療圏域での救急医療機関の連携不足、在宅医療体制や医療の地域連携、かかりつけ医との関係について、黒部市民病院の運営審議に加わり、議論してきた一人として、地域医療構想の推進は避けて通れないものと考えております。また、医師、看護師など医療スタッフの働き方改革は待ったなしの状態であります。  この背景のもと、「富山県地域医療構想」改定版が平成29年3月31日に作成されたのであります。今ほども種部議員から問題提起があったところでありますが、その内容は、患者の受診行動や人口動向、高齢化の進行などを加味しつつ、2次医療圏を軸とした構想区域ごとに高度急性期、急性期、そして回復期、慢性期の4つの病床機能について、現状と2025年の需給ギャップを明らかにし、慢性期の70%在宅医療化、介護施設なども含むわけでありますが、を目指し、課題解決の方策を図ることに主眼を置いております。  さて、黒部市民病院には、「日々念心」という病院憲章が引き継がれております。「病院の使命は、完全なる診療を行うにある。ために施設の充実、医療に関わる者の弛まぬ研究が必要である。而も人斉しく、容易に医療を受け得るよう不断に工夫努力を払うべきである。更には心の触れあいを通し、治療の完きを期し、ここに従事するものはすべて懇切丁寧を旨とすべきである。」これは、昭和23年に下新川厚生病院として開院した際に、初代院長草野久也氏が開院の辞として医療人の心構えを職員に述べられた不滅の遺訓であります。
     自治体病院に描く市民の思いを受けとめ、富山県地域医療構想における自治体病院の果たす役割の理解を深める意味においても、この構想の実現に向かって、県の積極的なかかわりが必要との思いで質問するわけであります。  平成30年度の、先ほどもありましたが、各自治体病院に対する一般会計の繰入額は、県立中央病院は733床で17億8,000万円。その他、自治体病院9院の計2,944床、56億3,000万円となっております。公立病院は、県民が求める役割と医療圏で果たすべき機能とのジレンマの中で、大変厳しい経営環境であることが伺えますが、公立病院の運営、経営状況をどう認識しているのか、市村厚生部長に伺います。  どの病院も、医師確保に奔走している現状です。研修医のマッチング状況とその後の専攻医としての定着率について、市村厚生部長に伺います。  先ほども言いましたが、医療スタッフの働き方改革は急務な課題であります。救急医療や高度医療を担う病院において、医療スタッフへの労働負荷が大きくなっており、このことがスタッフ不足を補う足かせともなっております。働き方改革と地域医療体制構築の両立をどのように図るのかを市村厚生部長に伺います。  県立大学に看護学科が開設されます。高度の医療看護を目指す上には大きな一歩であります。一方、富山いずみ高校の看護科は毎年高い倍率となっています。4年制大学にハードルが高い生徒が受験しているものと思われます。新川地域の看護不足を解消するため、高校における看護科新設も含め、同地域内の看護師養成機関を整備するべきと考えますが、市村厚生部長の所見を伺います。  先日の新聞報道によりますと、知事は、国の指針に従った改革を進めているのにもかかわらず、再編統合論で名指しされたあさひ総合病院を視察されたとのことであります。大変いいことであったと思います。急性期医療の集中化や医療圏における民間医院、開業医も一体となった地域包括医療体制の構築には、富山県地域医療構想に沿った医療圏ごとの医療体制づくりに、県が積極的にかかわっていく必要があると考えますが、知事の所見を伺います。  質問の終わりに当たり、ONE TEAM精神で富山県の新しい時代を切り開いていこうではありませんか。  以上で終わります。 87 ◯副議長(筱岡貞郎君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 88 ◯知事(石井隆一君)地域医療構想についての御質問にお答えをいたします。  人口減少社会の到来の中、先ほども申しましたけれども、団塊の世代の方が全て75歳以上となる2025年を見据えて、医療資源を効果的、効率的に配置しながら、各地域で高度急性期から在宅医療、介護に至るまで、一連の医療サービスが切れ目なく提供される持続可能な医療提供体制の確保が大切だと思っております。  県ではこれまでも、4つの医療圏ごとの地域医療構想調整会議で医療機関の機能分化や連携、病床の機能転換等について協議いただいて、合意されるように必要な助言もさせていただきまして、また、地域医療介護総合基金を活用した支援にも取り組んでまいりました。おかげさまで、急性期から回復期への転換、急性期病床が、この間、1,454床減らす、回復期病床は、この間、804床増やすと、また、介護医療院に17施設1,040床が転換をしたということで、これまでは、それなりに順調に進んできたかなと思っております。  今後、地域医療構想を進めますためには、先ほども種部議員からもいろいろ御意見をいただきましたけれども、さまざまな課題がございますので、公立病院、民間病院、開業医の医療機関におきまして、この2025年というものをしっかり見据えた自主的な取り組みを進めていただくということが肝要でありまして、県としましては、各医療圏で2025年に必要とされる病床数を基礎としまして、各地域の実情も踏まえて、引き続き、各医療機関が地域で担う役割や機能について、富山県医療審議会のもとに設置された地域医療構想調整会議等において十分議論いただいて、なかなか難しい課題もあると思われますけれども、よりよい形で合意が得られるように進めてまいりたいと思います。  お話に出たように、この間、朝日の病院も見せていただきました。厳しい状況を先取りして、199床を109床に縮小される一方で、介護とか訪問看護とかいろんな点で工夫をして、また看護師さんや医師などの休憩ですとか、まさに今の働き方改革に対応しようということで真剣な取り組みをしておられました。これこそ、この病院再編、地域医療構想実現に向けてのモデルケースになる取り組みじゃないかと思いました。  そういうことを全然承知しないで、一律に廃止、検討といったようなことを発表される国の姿勢というのは非常に残念に思っておりますが、今後も富山県はもちろん、全国知事会としても、国にしっかり申し上げるべきことは申し上げて、将来にわたって地域医療が安定的に確保されるように、各市町村や医療機関と十分連携して取り組んでまいりたいというふうに思っております。 89 ◯副議長(筱岡貞郎君)市村厚生部長。    〔厚生部長市村仁志君登壇〕 90 ◯厚生部長(市村仁志君)4問の質問にお答えをいたします。  最初に、公立病院の経営状況についての御質問です。  公立病院は、地域医療確保の観点から、山間へき地、離島など、民間医療機関の立地が困難な過疎地等における一般医療の提供のほか、当該市町村のエリアにとどまらず、各医療圏において、救急、小児、周産期、災害、精神などの不採算、特殊部門にかかわる医療の提供が主に期待をされております。このため、公立病院は、多額の累積欠損金を抱えており、厳しい経営状況にあり、本県も同様でございます。それぞれの公立病院で、新公立病院改革プランを策定いたしまして、経営改善に取り組まれているものと認識をしております。  県では、市町村立病院につきましては、それぞれの決算状況を把握するほか、新病院改革プランの実施状況ですとか収支見通し、経営形態の見直し等について、公営企業債の協議等の際に併せて助言を行っているところでございます。また、県立病院につきましても、改革プランに沿った効率的な運営に取り組み、高度医療、専門医療など、必要な医療を継続して提供できますよう努めているところでございます。  県としましては、公立病院には経営の改善にも努めていただくとともに、各地域の実情に応じて必要とされる役割を担っていただきたいというふうに考えております。  次に、研修医のマッチングについての御質問でございます。  本県の初期臨床研修医のマッチング状況は、12の臨床研修病院において、マッチ者数は平成28年に過去最高の82名となった後、今年度も79名となるなど、順調に推移をしていると考えております。  また、専攻医としての定着率についてでございますが、平成28年度から2年間の初期臨床研修を開始した65名のうち、その後研修を修了し、平成30年度に専攻医として本県の専門研修を開始した者は44名となっておりますので、定着率は67.7%です。同様に、平成31年度に専攻医としての研修を開始した者は39名で、定着率は47.6%というふうになってございます。  このほかにも、県外のほうで初期臨床研修を受けて、本県の専門研修を開始した者もそれぞれいらっしゃいまして、そうした方々を加えますと、平成30年度は54名、平成31年度は53名が、本県の専攻医としてのプログラムを開始されているということになります。  引き続き、研修医や専攻医の確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、働き方改革と地域医療についての御質問です。  地域の救急医療や高度医療の中心的役割を担います地域の中核病院において、そこで働く医療従事者の離職防止などを図りまして、働きやすい勤務環境を整えるなど、各医療機関が自主的に勤務の環境改善に取り組まれることは大切なことと考えております。  県では、各医療機関が勤務環境の改善にしっかり取り組めますように、平成27年2月に富山県医療勤務環境改善支援センターを医務課内に設置をいたしまして、労働局、医師会と連携をし、県内医療機関に対します研修会の開催を初め、社会保険労務士などによります労働相談や、県看護協会による勤務環境の改善計画策定のアドバイスなどを実施しているところでございます。  こうした取り組みの結果、タスク・シフティングの導入などによりまして、時間外勤務の削減や連続5日の休暇取得の導入、あるいは院内保育所の設置など、執務環境改善に取り組む事例が増え、一定の成果を上げていると考えております。  県としましては、働き方改革が進められる中、各医療機関が勤務環境を整え、従事する職員を安定的に確保することで、必要な地域医療が守られるよう支援をしてまいりたいと考えております。  最後に、看護師養成についての御質問でございます。  看護職員の養成については、県では、高校生の1日看護見学あるいは看護学生修学資金の貸与、県内医療機関等の情報提供に加えまして、富山県高岡看護専門学校の開設を支援するなど積極的に取り組んでおりまして、県内の看護師養成機関からの卒業者数は、平成20年度の490名から平成30年度には594名に増加をしております。さらに、平成31年4月に開設した県立大学看護学部の入学定員の4割を県内高校生の推薦入試枠とし、例えば、新川医療圏では、全ての公立病院を実習機関としたところでございまして、各病院のよさを知っていただいて、就職に結びつけてもらうよう取り組んでいるところでございます。  県立高校の看護科につきましては、現在は富山いずみ高校に設置をしておりまして、定員が40名で、本科3年間と専攻科2年間の5年一貫教育を行っております。  県立高校における新たな看護科の設置につきましては、県立学校整備のあり方等に関する報告書におきまして、富山いずみ高校の募集定員を維持することが望ましく、県立大学の看護教育課程整備等を踏まえ、慎重な検討が必要であると指摘されていることを踏まえて考えていく必要があるというふうに考えております。  また、新たな看護師養成機関の設置につきましては、人口減少や高齢化によります医療需要の変化、それから中学校卒業予定者数の今後の推移、働き方改革などを踏まえた慎重な検討が必要ではないかというふうに考えております。  引き続き、大学や公的病院、県看護協会などと連携を密にいたしまして、看護師の確保、県内定着の促進に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 91 ◯副議長(筱岡貞郎君)以上で川上浩君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午後2時53分休憩      ─────────────────────  午後3時05分開議 92 ◯議長(中川忠昭君)休憩前に引き続き会議を開きます。  薮田栄治君。    〔17番薮田栄治君登壇〕 93 ◯17番(薮田栄治君)自民党議員会の薮田栄治でございます。  先月20日、私の地元氷見市では、例年より2週間ほど早く寒ブリ宣言が出され、浜は幸先のよいスタートを切りました。  このように富山湾では、400年の歴史を持つ定置網漁を中心に、ブリのほか、シロエビやホタルイカ、甘エビ、ベニズワイなど、四季を通じて多彩な魚介類が水揚げされ、私たち富山県人も、この豊かな海の恵みを大いに受けてまいりました。  最初の質問は、この富山湾を生かした産業の振興についてであります。  昨年11月、私たち自民党議員会で構成する富山湾未来創造調査会は、提言書「富山湾が未来を拓く」を石井知事に提出いたしました。これは、富山湾の魅力や資源について深掘りをし、これを観光や地域振興に生かしていこうということであります。  本日は、この提言内容に関連した事項について、5つお尋ねをいたします。  まず、ロシアとの交流促進についての質問であります。  かつて、富山県は他の自治体に先駆けて、中国遼寧省あるいはロシア沿海地方、韓国の江原道など、交流を重ねまして、あの逆さ地図の作成に象徴されるように、環日本海に目を向けた施策を展開してきました。  しかし、昨今の日中、日韓の外交問題であったり、あるいは半島情勢の不透明さなどによって、対外政策の関心も台湾や東南アジアへと多少シフトし、かつての環日本海熱もやや薄らいだ感がいたしました。  しかし、そんな中、4年ほど前からウラジオストク市において各国首脳を招いての東方経済フォーラムが開催され、ロシア極東への資本集中による北東アジア経済圏の創出の動きが活発化してきました。  そしてまた、本年10月30日には、ロシアの運輸機関FESCOから、伏木富山港のコンテナ船をこれまでの月2回から毎週運航へ増便する可能性が示され、かねてから実証実験を重ねてきたシベリア・ランド・ブリッジの利用促進に向けて大きな一歩が踏み出されたのであります。  本調査会の提言では、このシベリア・ランド・ブリッジ構想のほかにも、かつてのウラジオ直行便の復活、あるいは定期船航路の復活、そして中小企業のビジネス進出の支援などにも触れています。  しかし、これらの実現のためには、現地にこういう取り組みへの足がかりとなる機能が必要となるのではないかと考えております。  県はこれまで、沿海州政府への職員の派遣など人的交流を行ってきましたが、新潟や鳥取に負けないように、セールスやビジネス支援に特化した事務所機能をそろそろ現地に備えてはいかがと考えますが、商工労働部長の所見をお伺いいたします。  次に、10月に開催された世界で最も美しい湾クラブの世界総会に関する質問であります。  湾クラブ総会では、ワールドカフェを初め、さまざまなイベント等を通して富山湾のすばらしさを世界に発信でき、また、本県の環境保全への取り組みについても高く評価されたと聞きます。  この総会の中で、湾クラブとしては世界初となる富山宣言が採択されました。宣言文のよしあしについては、いろいろと評価のあるところでありますが、これだけ毎日話題になるということは、富山宣言が注目をされているという証左であるかとも思います。湾クラブで初めて宣言を発表したということは、今後、各国で行われるであろう世界総会にも影響を与えるでしょうし、ある意味、この総会に富山県が真摯に取り組んだ成果の一つでもあったかと思います。  富山宣言を採択した狙いと、その将来展望について、石井知事にお尋ねをいたします。  次に、水産業の振興に欠かせない栽培漁業センターについてお尋ねをいたします。  水産資源をめぐる地域間競争が激化する中、そのブランド化を図る上でも安定した供給体制を確立することが必要であり、とる漁業からつくり育てる漁業への転換が求められているところであります。  このため、本県では、滑川と氷見に栽培漁業センターを置いています。それぞれの役割分担等については、先般の宮本議員の代表質問の答弁にもありましたが、老朽化した氷見栽培漁業センターについては、例えば、見せる漁業の機能を持った産業観光の拠点として再整備してはどうかと考えますが、これも石井知事の所見をお伺いいたします。できれば、代表質問の答弁よりちょっと踏み込んだお答えをいただければなというふうに思っております。  次は、海底資源、メタンハイドレートの開発についてであります。  次世代の新しいエネルギー資源として期待の大きいメタンハイドレートでありますが、日本のメタンハイドレートの資源量は1996年の時点で、わかっているだけでも、天然ガス換算で7兆立米、これは日本で消費される天然ガスの約96年分以上と推計をされています。特に、日本海側は太平洋側のように地中深くに埋蔵されているのではなく、ほとんど掘る必要のない表層部にあって、場合によっては、ガスとなって自噴しているというふうに言います。  ただ、現時点では、その回収技術が確立しておらず、これは研究が進められているところではありますが、これがもし実用化すれば、資源に乏しい我が国が世界に冠たるエネルギー資源国になることも夢ではなく、また、日本海側の飛躍的な発展にも寄与するものと思われます。  本県は、日本海側の12府県が加盟する海洋エネルギー資源開発促進日本海連合の一員として、他の府県と連携して、その役割を果たすだけではなく、県内企業や、例えば県立大学等の研究機関が調査研究に取り組みやすい環境整備に努めるなど、実用化に向けた積極的な取り組みをすべきと考えますが、商工労働部長の所見をお伺いします。  富山湾未来創造調査会の提言は、このほか、海洋環境への取り組み、あるいは観光交流、ハード整備、学術研究など多岐にわたる内容となっており、既に世界ブランドとなった立山黒部と、この富山湾が、本県の未来を支える2本柱となるべく、さまざまな取り組みについて言及をしています。  今後は、県としても、富山湾の魅力のブラッシュアップや情報発信などさまざまな観点から、富山湾を核とした総合的なプロジェクトに取り組んでいく必要があると考えます。  そこで、これらの施策に取り組む県の体制であります。中山間地域振興条例の制定に呼応して地域振興・中山間対策室を新設した実績もありますし、また、かつては環日本海諸問題に対応する日本海政策課という課の設置もありました。  本調査会の提言も踏まえ、富山湾を活用した施策を総合的に推進するための部署を設置してはどうかと考えますが、経営管理部長に所見をお伺いします。  次に、隣県との連携強化について質問をいたします。  一昨日の菅沢議員の答弁にもありました西隣の知事さんとの、やや関連した質問でもありますけれども、トップ同士は意思疎通し、それなりに親しくやっているということでありましたので、そこは心配をしておりませんし、触れませんが、県として、もっとこうしたらどうだろうかという観点から、幾つか質問をしたいと思います。  今月1日、金沢福光連絡道路整備促進期成同盟会が、橘、馳両衆議院議員と佐々木国交大臣政務官、金沢と南砺の両市長らを交えまして、冬期閉鎖となる道路の視察会を行いました。  これを受けて、来月、知事要望も予定されているということでございますけれども、また、氷見市でも、国道415号の県境付近の整備のための期成同盟会を羽咋市と一緒になって立ち上げ、両市共同で、日々要望活動に取り組んでいるところであります。  このように、県境の市民は、歴史的にも地理的にも石川県との結びつきが非常に強く、冠婚葬祭や買い物や病院といった日常生活であったり、また、県境をまたいだ県際道路の要望であったり、それぞれ県の垣根を越えた活動をしています。  先般、金沢駅の百番街にあります観光案内所、かなり大きな観光案内所でありますけれども、ここに立ち寄った際に気づいたんですが、とにかく富山県の情報が少ない。金沢駅ですから、もちろん金沢市や石川県各地の観光宣伝が大半を占めているのでありますけれども、それにしても、福井や岐阜、長野に比べて富山県の存在感が薄いのに驚きました。  ちなみに、メインのパンフレットスタンドには、福井16こま、岐阜、長野で8こま、富山はわずか4こまです。ポスター展示も、福井が2枚、長野が1枚に対して、富山はゼロでした。福井は、そのほかにも動画だとか恐竜の模型などの立体展示もありまして、金沢からのお客さんを何としても呼び込みたいという、この必死さが伝わってくるようでありました。  北陸新幹線の金沢開業以降、金沢へのインバウンドも大幅に増えており、また、金沢港へのクルーズ船の寄港も多い。中には、金沢港を窓口として富山県の観光地をめぐるケースもあると聞きます。  本県の平成30年の宿泊者数は、全国40位に甘んじている現状であり、金沢との連携を一層深め、金沢を窓口とした本県への入り込みを増やす工夫がもっともっと必要かと考えますが、観光・交通振興局長の所見を伺います。  次に、速達型新幹線かがやきの新高岡への停車に向けた取り組みについてお尋ねをいたします。  現在、一部の臨時列車を除いて、基本的には、新高岡にはかがやきはとまりませんね、理由は単純明快で、駅の利用者が足りないからであります。高岡市も周辺市も、利用促進に当たっては助成制度を創設するなど、さまざまな努力をしておりますけれども、際立った成果が上がっていないのが現状であります。  そこで、県境を越え、羽咋、七尾以北の能登地域からの利用をもっともっと増やすことはできないかと考えます。能登地域には20万人の人口があり、新幹線駅としては、新高岡駅のほうが金沢駅よりアクセスしやすい環境にあります。  しかし、さらなる利用を促すには、能越自動車道の4車線化や、あるいは国道415号のアクセス道路の整備を初め、直通バス等、公共交通の利便性向上を図る必要があり、さらには助成制度等、市町村の協力も得られたほうが効果が大きいと考えます。  そのためにも、能登地域との連携を強くしていく必要があると思いますが、県としてどのように考えておられるのか、猪俣局長の所見をお尋ねします。  次に、県をまたぐ協議会等を通じた観光振興についてお尋ねをいたします。  かつて、鳥取県と島根県が協議の上、東は鳥取の大山あたりから西は島根の出雲あたりまでの県境のない観光地図をつくり、県境付近の観光地を巻き込んだ観光キャンペーンを繰り広げたことがありました。  また、2008年度から観光圏整備法によって始まった全国での観光圏の取り組みも、都道府県を越えた広域エリアでの観光振興に大いに寄与してきました。旅行者にとっては、県境や行政エリアにかかわりなく、スムーズな移動や変わらないサービスへの対応が望まれるわけであります。  ちなみに、本県でも県を超えた観光圏としては、呉西6市と高山市、飛騨市、白川村が加盟した越中・飛騨観光圏、そして、立山町と長野県の大町市が組んだ立山黒部アルペンルート広域観光圏の2つがありました。  このうち、越中・飛騨観光圏は、国の認定期間の終了とともに活動を終えました。現在、呉西6市と金沢市が連携した金沢・富山県西部広域観光推進協議会という組織があり、これが細々と活動を続けておりますけれども、このような県を越えた観光協議会等への支援について、観光・交通振興局長に御意見をお伺いします。  次に、北陸新幹線の大阪延伸後の将来を見据えた隣県との連携についてお聞きをいたします。  敦賀までの新幹線開業が見えてきた今、首都圏、中京、関西、北陸をネットした世界的な経済文化圏とする大ゴールデン回廊の時代に照準を合わせた将来ビジョンを、そろそろ描いていかなければならないときかと思います。  この北陸が真に世界的経済文化圏の一員となるためには、いずれは海外からも集客できるような、例えば幕張メッセやインテックス大阪級の大規模なコンベンションホールの整備を検討するときが来るかと思います。  しかし、これは1つの県だけでは、とても手に負えるものではないと考えます。そこで、富山県民、石川県民がともに活用し、互いの利益になるような大規模なコンベンションホールの整備を目指して、長期的展望に立って、富山、石川両県の官民が連携し、一体となって取り組んではどうかと考えますが、石井知事の所見を伺います。
     最後に、学校教育の充実についてお尋ねをいたします。  高校再編計画の結論が出され、いよいよ来年4月に新高校4校が開設されますが、それぞれの学校の教育環境が一層充実され、魅力ある学校となるように取り組むべきと考えます。  新高校のよりよい教育環境の整備と特色ある学校づくりに向けて、それぞれどのように取り組んでいかれるのか、教育長にお尋ねをいたします。  次に、高校再編により統合される学校施設の活用についてお尋ねをいたします。  学校は、生徒たちの学びの場であるととともに、その地域の世代を超えた交流拠点という一面も持っております。統合される高校がこれまで地域で担ってきた役割も踏まえた上で、その活用を検討すべきと思いますが、県としてどのような方針で考えておられるのか、教育長の所見をお伺いします。  先ほどの川上議員の質問にもありましたけれども、来年度、小学校の学習指導要領が改訂されます。英語の教科化については、川上議員の質問にもありましたが、もう一つはプログラミング教育の必修化が実施されるわけであります。教える人材の資質と数の確保、あるいは授業時間の確保に向けて、教員の多忙化の課題もある中、指導力向上に向けた研修、民間活力の利用など、いろいろと工夫も必要かと思います。  新学習要領に対応した授業が円滑で効果的に実施されるための準備について、今どのような状況にあるのか、教育長にお尋ねをいたします。  最後に、小中一貫校についての質問であります。  来年度、氷見市と高岡市において、本県初となる小中一貫の義務教育学校が開校いたします。  各市の教育委員会や学校関係者は、それぞれ特色あるカリキュラムや年次編成、特認校制度の導入により、魅力のある学校にすべく取り組んでいるところであります。  来年度の開校に向け、より効果の高い形で設置運営されるよう、県としてどのように支援をしていかれるのか、教育長にお尋ねをして私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。 94 ◯議長(中川忠昭君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 95 ◯知事(石井隆一君)薮田議員の御質問にお答えをいたします。  まず、湾クラブ世界総会についての御質問にお答えをいたします。  10月に本県で開催されました世界総会では、2日間の熱心なワールドカフェの議論を経まして、湾クラブとして初めて富山宣言が採択されました。  これは、せっかく富山県で世界総会をやっていただくんですから、いろんな点で情報交換をするのはもちろんいいんです。また、エクスカーションでいろいろ示唆していただくのもうれしいんですけれども、せっかくですから、やはりこれからの世界の動向を踏まえて、湾クラブとしてどういう方向を目指すのか、ぜひ議論をして、何らかの方針、宣言のようなものを出してもらえないかと、かねてブジョルド理事長にお願いしてきたわけですけれども、こうしたことを受けとめていただいて、今後の方向性や活動方針を明確にして、国際的な舞台で結束して活動を行って、世界の今の時点で44の湾ですけれども、国際的な役割を果たす団体となっていこうという決意等が表明されたものでございます。  この宣言を直訳した文章があまり整っていないといったようなことをおっしゃる方もいらっしゃるようですけれども、私は、担当の課長も一生懸命やっているんですから、ぜひ県議会の議員各位には温かい目で見てやっていただきたいと、こういうふうに思っております。  こうした宣言ですけれども、富山県民や県の環境保全に向けた努力を、正直ここまでうたっていただけると思わなかったんですが、県民の努力、富山県の環境保全についての努力を高く評価いただいて、設立以来の基本理念等を再確認した上で、加盟湾間の知見の共有や連携の強化、基本理念に沿って団体の役割を果たし、国際的地位を確立することなどを今後の優先事項として取り組んでおりまして、この間も実務的に確認したんですけれども、今後、より詳細な報告書が作成されて、さらに具体的なアクションプランを作成する予定と伺っております。  ブジョルド理事長とかメイラ前理事長、また、テボ次期理事長、ボダード事務局長、みんなそれぞれ立派な御見識の方で、今、地球規模で気候変動が起こる中で、特に海面の水位が上がってきますと、一番被害を受けるのは湾なんですね。  その中でも、世界で美しいと評価をいただいている名立たる湾の代表が集まっているわけですから、物すごく危機感を持っていただいて、しっかり取り組もうと、そういうことを初めて宣言をして、国際的な活動もしていこうという決意表明をされたわけですから、県としても、ぜひこれと協力していきたいと思っているわけでございます。  県としましては、今後作成される予定の行動計画の趣旨に沿って、富山湾と沿岸域の持続可能な発展に向けまして、美しい富山湾クラブや関係市町村と協力して、可能な分野から積極的に取り組んでいきますほか、世界の加盟湾同士のネットワークを大切にしながら富山湾の魅力のPRを促進いたしまして、例えば、湾クラブのフェイスブックを通じて富山湾周辺のイベント等の情報発信をするとか、また、富山総会に参加してくださった多数の皆さんのメーリングリストを作成して、富山県や富山湾に関する情報を県から直接発信するとか、いろんな工夫ができると思います。  そうしたことを通じて、富山湾の魅力のアピールを促進しまして、海外からの誘客、特に今まではアジア系の方の観光客が多かったんですが、これからまさに、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、こういった国々の方にも、今よりも多数来ていただきたい。また、そのちょうどいい時期だと思っておりますので、そういう努力をしてまいります。  今後も、官民連携によります取り組みを一層充実しまして、富山湾の国際的ブランド価値を一層高めて、自然環境保全と観光振興、地域活性化の両立が、まさに持続可能な形で実現できるように努力してまいります。  次に、氷見栽培漁業センターの再整備についてお答えをいたします。  定置網中心の本県の沿岸漁業は漁獲量の変動が大きいことから、漁業経営の安定に向けまして、栽培漁業対象種の産出額を2026年までに10%増やすことを目標に、県営の氷見センターと公社営の滑川センターが役割分担して種苗の生産を行っております。  また、水産研究所では、キジハタとアカムツの種苗生産技術の開発を進めておりまして、ことし8月に滑川センターの敷地内に整備しました種苗生産施設を活用しまして、研究を加速させていくことにいたしております。  氷見センターでは、水温が生育に影響しない魚種でありますクロダイとクルマエビの種苗を生産しておりますけれども、沖合からの海水取水管も含め施設が老朽化しておりますので、今年度、海水井戸による取水が可能か、付近の海岸でボーリング調査を行ったんですけれども、栽培漁業に適した塩分濃度など、質と量の海水を井戸から取水することが難しい見込みとなっております。  富山のさかなの安定供給やブランド化を図ります上で、今後も栽培漁業の一層の推進が重要と考えております。そこで、近く、有識者や漁業関係者等から成る検討会を設置いたしまして、技術開発中のキジハタとアカムツの栽培漁業の事業化の見通し等を踏まえつつ、今後の推進方策等の検討を進めていくこととしております。  その中で、氷見センターについては、現行の取水管の有効活用や海水の効率的利用など、施設面の課題への対応のほかに、例えば、お魚への防疫、安全面から対応を見合わせてまいりました小中学生の社会見学、これは氷見市からも御要望いただいていますし、産業観光、これは氷見の商工会議所からも御要望いただいているんですけれども、こういった新しい視点も交えた活用方法も含めまして、今後、栽培漁業の推進方策という基本を大切にしながらも、できるだけ前向きに検討を進めてまいりたい、かように考えております。  最後に、コンベンションホールの整備についてお答えをいたします。  学会や全国大会等のコンベンションの誘致は、本県の産業振興や交流人口の拡大、地域活性化に大きな効果がございますので、北陸新幹線の敦賀延伸や全線開業後を見据え、さらにその充実を図っていくことが重要でございます。  本県には、大規模なコンベンションホールはないものの、平成29年に増設したテクノホールとか高岡市内のテクノドームを初めとしまして、複数の会議施設やホテルが集積しておりますメリットを活かして、これまでも大規模なコンベンションも受け入れてまいりました。  例えば、日本栄養改善学会学術総会、これは参加者約2,000名ですけれども、県民会館と国際会議場を活用する。また、済生会の学会、これは2,500名でしたが、県民会館とオーバードホールと富山第一ホテルを活用するといったように、いろんな取り組みをいたしております。  今後とも、全国トップクラスの学会等の開催支援制度、これは本当に評価いただいていまして、大変大規模なものがもう既に実施されておりますし、また、海外で開催される商談会への出展とか、また、本県の特性や強みを訴えるMICEブランドの構築などにより誘致強化を図りますとともに、必要に応じ、石川県との連携にも努力してまいりたいと思います。  人数が何万人というわけではありませんが、この間、医薬品でいうとPIC/Sの世界総会がありましたけれども、あれも、国際会議場とANAホテルなどを活用してやったわけですけれども、ああしたコンベンションも、これまで開催してきたのは、パリとか、カナダの首都のオタワとか、あるいはシンガポールとか、あるいはイギリスだとマンチェスターだったかと思いますが、いずれにしても、首都とか首都に準ずるようなところでしかやっていないものを、東京じゃなくて初めて富山県でやられたわけですね。  そういうふうに、富山県のブランド力が上がってきておりますので、もちろんコンベンションホールも大事ですけれども、既存のものもうまく活用して、組み合わせてやっていったらどうかと。  御提案のコンベンションホールの整備については、小規模な修繕から大規模な改修まで、相当な幅がありまして、特に大規模改修の場合には、相当程度の事業費を要すると考えられますので、県財政に与える影響とか、一部については、経済界等からの支援が得られるのかどうかとか、いろんなことを考えてみる必要があると思っております。  また、石川県にも、既に金沢中心に非常にたくさんホテルが整備されておりますけれども、本県においても、民間企業を中心としたホテルの建設計画が相当増えてまいりました。  また、大規模コンベンションというのは、大規模アリーナの議論のときに三菱総研さんに全国の状況を調べてもらったんですけれども、大規模なコンベンションを呼ぶとなると、単に北陸だけの問題じゃなくて、当然ですけれども、東京、大阪、名古屋を含めた全国の、そういう大規模コンベンションを引っ張りたいと思っているのはどこの地域もそうですから、そういった視点に立って、本当に富山でやって成り立つのか。石川との関係もありますけれども、いろんなことを総合的に考えて慎重に検討していく必要があると、かように考えております。 96 ◯議長(中川忠昭君)芝田商工労働部長。    〔商工労働部長芝田 聡君登壇〕 97 ◯商工労働部長(芝田 聡君)まず、シベリア・ランド・ブリッジの利用促進に関する御質問にお答えいたします。  県では、これまでもシベリア・ランド・ブリッジの利用促進に向け、日ロ知事会議での要請を初め、FESCO本社や同ウラジオストク支社への訪問、FESCO幹部の来県時の面談など、さまざまな機会を捉えまして、トップセールスにより貨物輸送の迅速化、高速化等を働きかけてきております。  また、実務的には、東京にあるFESCOの総代理店や県内地元代理店と緊密に連携をいたしまして、航路の運航等に関する情報収集などに取り組んでおります。  一方、ロシア向けビジネス支援に関しましては、富山県新世紀産業機構のアジア経済交流センターにおける海外投資や貿易等に関するワンストップ相談体制の構築のほか、平成22年に、現地事情に精通する県内民間企業の協力のもと、ウラジオストク市内にビジネスサポートデスクを開設いたしまして、県内企業等からの貿易手続や市場調査に関する相談、商談先企業の紹介などの支援を行っております。  現在、FESCOにおきまして、伏木富山港における定期コンテナ航路のウイークリー化が検討されており、県としては、この機を逃さず、まずは県内外からの集荷促進を図る方策について、鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。  また、ウラジオストクでの事務所開設の御提案がございましたけれども、引き続きアジア経済交流センターやビジネスサポートデスクを十分活用いたしまして、ロシアへのビジネス展開を支援いたしますとともに、FESCOを初め、関係機関との連携をさらに強化することによりまして、伏木富山港を拠点とした対ロ物流の活性化に努めてまいります。  次に、メタンハイドレートに関する質問にお答えいたします。  日本海沿岸に相当量の賦存が期待される表層型メタンハイドレートの開発は、日本海沿岸府県の産業活性化などを図る観点から重要であり、本県ではこれまで、海洋エネルギー資源開発促進日本海連合の一員として、政府関係機関に対し、日本海側での資源量の把握調査や資源回収技術の研究開発促進の要望などを行ってまいりました。  国では、日本海側の表層型メタンハイドレートについて、資源量の把握に向けた調査のほか、平成28年度からは、6件の資源回収技術の調査研究が行われており、今年度中には、研究の評価や有望技術の特定に向けた検討が行われると聞いております。  また、本年2月に改定された国の新たな海洋エネルギー鉱物資源開発計画では、2023年度から2027年度の間に、民間企業が主導する商業化に向けたプロジェクトが開始されることを目指すとした今後の工程表が示されたところであります。  富山湾において、メタンハイドレートが将来の国産エネルギー資源として実用化されるということは、大変夢のあるプロジェクトでございます。このため、本年6月には日本海連合の代表の一人として、また、日本海沿岸地帯振興連盟の世話人代表として、石井知事から当時の野上内閣官房副長官等に対しまして、富山湾を含む表層型メタンハイドレートの開発促進について要望したところでございます。  今後とも、日本海連合等と連携して、国に強く働きかけていくことが重要であると考えており、海洋エネルギー資源の開発促進に向けてしっかり取り組んでまいります。  以上でございます。 98 ◯議長(中川忠昭君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 99 ◯経営管理部長(滝 陽介君)富山湾活用施策の推進体制についての御質問にお答えをいたします。  富山湾を活用した施策につきましては、御指摘がございました日本海政策課を改組し、現在、観光・交通振興局観光振興室内に設置をしております美しい富山湾活用・保全課が、部局横断的な庁内調整と施策の推進を担当しております。  また、富山湾の活用につきましては、自民党富山湾未来創造調査会の提言にもございますように、産業観光振興、地域活性化、自然環境保全、インフラ整備、情報発信など、さまざまな観点から幅広く推進する必要があることから、知事を本部長といたします「世界で最も美しい富山湾」活用・保全推進本部を設置いたしまして、そのもとに検討チームを設置し、先ほど申し上げました美しい富山湾活用・保全課がその事務局を務めているという状況でございます。  県といたしましては、先月の世界で最も美しい湾クラブ世界総会の成果を追い風にいたしまして、富山湾の活用施策を推進することが重要であると認識をしております。  引き続き、富山湾未来創造調査会の提言等も十分踏まえながら、また、県内市町村等とも連携をいたしまして、県といたしましては、観光・交通振興局を中心に、部局間の連携をより一層強化、深化させるべく、富山湾を核とした総合的なプロジェクトを戦略的かつスピード感を持ってしっかり取り組む体制の整備に引き続き努めてまいりたいと考えております。 100 ◯議長(中川忠昭君)猪俣観光・交通振興局長。    〔観光・交通振興局長猪俣明彦君登壇〕 101 ◯観光・交通振興局長(猪俣明彦君)私からは、隣県との連携強化につきまして、3点お答えいたします。  まず、金沢との連携強化でありますが、訪日外国人客を含め観光客のニーズが多様化する中、金沢など県域を越えた誘客促進は有効な取り組みであると考えております。  県では、これまでも、金沢を含みます北陸での広域観光を推進するため、北陸3県、また、北陸3県のDMO等で構成します北陸三県誘客促進連携協議会を設けて、年間の切れ目ない誘客キャンペーン、また、首都圏等での観光素材説明会や旅行会社向けの現地視察研修会などに取り組んできており、実際に北陸広域での旅行商品の造成につながっているところでございます。  また、訪日外国人観光客につきましても、国の訪日プロモーション事業なども活用して、北陸3県で連携した訪日外国人向けの多言語パンフレットの作成ですとか、金沢と富山の観光モデルルートへの海外メディアの招聘、また、旅行博への共同出展などに取り組んできているところでございます。  さらに、都市間が連携した誘客につきましても、特に、地理的、歴史的に結びつきの強い県西部地域におきまして、金沢への出向宣伝や金沢を含む広域での旅行商品の造成などが取り組まれてきており、金沢駅と新高岡駅を利用した周遊商品の販売などにつながっているところでございます。  県としては、引き続き国や近隣県、観光事業者等と連携し、広域での誘客にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。  次に、新高岡駅の利用促進、また能登地域との連携強化でありますが、新高岡駅は、県西部圏域を初め、飛騨高山や能登半島を含みます飛越能地域の拠点駅でありますことから、速達型新幹線かがやきの停車に向けて、能登地域との往来に着目した新高岡駅の利用促進を図ることは重要であると考えております。  このため、平成29年12月から、県、高岡市、JR西日本が連携し、新高岡商品開発プロジェクトとして、新高岡駅を基点とした飛越能地域への旅行商品の造成や誘客拡大に取り組んできており、先月までの2年間で約6万6,000人の旅行申し込みがあったと伺っているところでございます。この好調な利用状況を踏まえて、先月29日には、さらに1年間の継続が発表されたところでございます。  また、平成27年1月から、氷見市、高岡市などの関係市と連携し、高岡駅を起点に、新高岡駅から氷見市を経由して和倉温泉を結びます観光路線バス「わくライナー」の運行を支援することにより、能登地域を訪れます個人旅行者の利便性向上とともに、新高岡駅の利用促進に取り組んできているところでございます。  さらに、議員御指摘のとおり、能登地域からの利用促進を図るにはアクセス道路の整備が重要と考えており、これまでも高岡市、氷見市はもとより、七尾市、羽咋市等とともに連携を図りながら、国への能越自動車道の整備促進の働きかけや、国道415号の整備に努めているところでございます。  今後とも、能登地域との連携を継続することにより、速達型新幹線かがやきの停車に向けた新高岡駅の利用促進を図ってまいりたいと考えております。  最後に、富山県西部と石川県東部との相互連携強化でございますけれども、議員御指摘のとおり、全国的にも、地理的状況や共通の観光資源、歴史、文化、交通事情等を背景に、県域を越えて市町村が連携し、観光誘客に取り組んでいる事例が複数あると承知しております。  議員から提案ありました富山県西部、石川県東部における取り組みとしましては、富山県の西部6市と金沢市、観光関連団体等が連携しました金沢・富山県西部広域観光推進協議会があり、藩政期以来共有しております加賀藩の歴史や文化を観光資源として活用し、首都圏等からの誘客や、共同での観光ボランティアガイドなどの育成を行っております。  また、富山県、石川県を含みます4県の4市1村が連携した北陸・飛騨・信州3つ星街道観光協議会、また、飛越能地域の14市が連携しました飛越能経済観光都市懇談会などが設立されており、共同での旅行博への出展やインバウンド向け観光ポータルサイトの構築など、国内外からの誘客に向けたさまざまな取り組みを実施されているところでございます。  こうした取り組みについては、県ではこれまでも、旅行博での観光PRなど、機会をとらえて連携に努めているところでございますが、市町村間の連携につきましては、それぞれの地域の特性を活かした自律的な取り組みでありますことから、今後とも各協議会の意向を踏まえ、具体的な要望がございましたら、必要に応じて連携や協力を検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 102 ◯議長(中川忠昭君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 103 ◯教育長(伍嶋二美男君)まず、再編による新高校の教育環境についての御質問にお答えをいたします。  新高校のよりよい教育環境の整備については、学習活動、施設整備、そして生徒指導のいずれの面におきましても、一層の充実強化を図ることとしております。  具体的に申し上げますと、新高校が魅力ある学校となりますように、再編対象校において、学習活動面では、ICT教育の実施校に指定するなど高校教育の変革に対応できる授業改善に取り組むほか、施設設備面では、今年度において、入善高校の農業科のバイオ機器の更新、富山北部高校のくすり・バイオ科の実習設備の新増設、高岡高校の第1体育館の改修、また南砺福野高校の食品加工室、ビームライフル場を一体的に備えた実習棟の整備などを行っておりまして、今後も順次、必要な施設設備の整備を進めることとしております。  また、生徒指導の面でも、スクールカウンセラーを大幅に拡充配置することとしております。  次に、特色ある学校づくりにつきましては、実施計画に基づきまして、新高校には、再編対象となる両校の特色ある学科・コースを引き継ぎ、その教育内容の一層の充実を図るとともに、新たに総合選択制の導入や体験型学習、探求的な学習活動にも取り組むこととしております。さらに、アーチェリーやライフル射撃などの特色ある部活動も新高校に引き継ぐこととしておりまして、これらの具体的な教育内容や方法につきましては、現在、新高校開設準備室で検討を重ねております。  県教育委員会としましては、再編によって活気のあるよりよい高校教育の実現につながったと思っていただけるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、統合される学校施設に関する御質問にお答えをいたします。  再編統合の対象とされた高校の跡地活用については、前回の高校再編では、地元市で跡地活用策を検討いただいた上で、例えば、有磯高校跡地には氷見市の市庁舎を、井波高校跡地には南砺市の地域包括ケアセンターを、また海洋高校跡地には日医工スポーツアカデミーが設置されておりまして、県としても、学校施設の利活用が図られるよう、所在する市と十分に協議した上で必要となる支援に努めてきたところであります。  今回の高校再編においても、県では、県有地の活用の観点から、県として、その活用方策について検討することはもちろんでありますけれども、まずは地元の市町において、地方創生の観点から活用方法について検討いただくことが必要ではないかということの考えから、地元で検討を進めていきたいという市町があれば、そのための県単独の補助制度が昨年度から知事部局で設けられ、支援をしているところであります。  朝日町では、昨年度に引き続きまして補助金を活用して検討されて、先日開催の検討委員会では、教育施設や複合型施設、企業誘致などの活用策を議論されており、年内にはこれらの方向性を取りまとめられる予定とされております。  南砺市では、今年度、この補助金を活用して、跡地の利活用を調査検討することとされております。また、高岡市でも、この補助金を活用した検討などが進められる予定と聞いているところでございます。  県教育委員会としましては、関係市町と密接に連携しながら、高校跡地の活用が地域の活性化につながるよう取り組んでまいりたいと考えております。  次に、英語等の教科化に関する御質問にお答えをいたします。  県教育委員会では、来年度からの小学校における英語の教科化やプログラミング教育の必修化に向けまして、各学校において円滑に実施されるよう支援を行っております。  英語の教科化については、今年度、英語専科教員を全市町村に増員配置するなど、必要な教職員を確保するとともに、授業時数の確保についても、次年度の年間指導計画の作成などによりまして、学校の実情に応じて準備が進められております。  県教育委員会では、年内に外国語活動の指導の参考となる年間計画例を配付する予定としております。また、指導力を向上するため、外部講師を活用して、新たに加わる読み書きの指導に対応したアルファベットの教授法などの実践的な内容を盛り込んだ英語力養成研修会を7月に開催しておりまして、各学校においても、本研修の参加者が講師となり校内研修を行っているところであります。  また、プログラミング教育については、教員の指導力向上を図るため、プログラミング体験を取り入れた出前講座の拡充に加えまして、今年度、新たに実習形式のプログラミング研修会を開催したところであります。さらに、市町村教育委員会においても、独自でプログラミング教育に関する実践的な研修や県の出前講座の活用などによりまして、来年度に向けて、それぞれ取り組みの準備がなされております。
     今後とも、小学校英語教育やプログラミング教育など、新学習指導要領の内容が教員の負担にも配慮しながら円滑に実施されるよう、しっかりと取り組んでまいります。  次に、義務教育学校に関する御質問にお答えをいたします。  義務教育学校は、9年間を通じた教育課程によりまして系統的な教育を行う新しい種類の学校であり、平成28年度に制度化がなされたものであります。  県教育委員会では、これまで、大学の教授を講師に招聘し、小中一貫教育に関する研修会を開催するなど、相談支援に努めてきたところでございます。来年4月には、氷見市及び高岡市において、また令和3年4月には南砺市において、それぞれ1校設置される予定となっております。  氷見市では、市内のどこからでも就学できる小規模特認校制度の導入が図られておりますし、また、4年、3年、2年という学年段階で区切るなど、特色ある教育課程を編成されることと聞いております。また、高岡市では、地域の特色を生かした教育課程を編成するということを聞いております。  義務教育学校の設置に際しましては、標準法におきまして、基準配置として、校長1名と教頭2名を含め、学級数に応じて算出される教員数に加えまして、教員1名が追加措置されることとなっております。  また、氷見市のように同じ校種の統合を含む場合は、統合前後での事務作業が大幅に増加することや、あるいは教育環境の充実のための教職員の配置が必要となることから、本年2月には、知事から文部科学省に対して、加配などの教職員定数の確保について直接要望していただき、今年度から措置がされております。  県教育委員会としては、今後とも、加配を含めた教職員定数の確保を図りますとともに、市町村教育委員会に対して、全国各地での取り組み事例の情報提供を行うなど、市町村の抱える課題等に対して積極的な相談や支援に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 104 ◯議長(中川忠昭君)以上で薮田栄治君の質問は終了しました。  五十嵐務君。    〔34番五十嵐 務君登壇〕 105 ◯34番(五十嵐 務君)一般質問もラストバッター、12人目であります。皆さんもお疲れでありますし、私も疲れております。答弁は簡潔に、内容のある答弁でお願いしたいと思っております。  以下、通告に従い質問に入ります。  高齢化に伴う社会保障費の増大を受け、政府は病気や介護の予防に力を入れています。2040年ごろには、医療・介護などに係る社会保障給付費は2018年度の1.6倍、約190兆円に達すると推計されております。高齢者が自立した生活を続けられれば社会の支え手として活躍できます。  厚生労働省では来年度、フレイル健診を導入するとしています。フレイルは、体重の減少、筋力や活動量の低下などが特徴で、全国で約50万人の高齢者が当てはまるものと見られております。健康な人に比べ、歩行や食事など、生活を営むのに必要な機能が落ちている、こうした人を早く見つけ出し、早期に改善を図るのがフレイル健診の目的であります。  ことし5月には改正高齢者医療確保法が成立、自治体が別々に運用してきた医療・介護のそれぞれのレセプトの情報を来年度から一括して分析できるようになりました。健診の結果やレセプト情報を活用し、フレイルの可能性がある高齢者について、家族関係や病気、薬の副作用などの背景事情にも迫り、総合的に原因を探ることが期待されております。  高齢化に伴い、社会保障費が増大する中、今後フレイル対策にどのように取り組むのか、厚生部長にお尋ねいたします。  歯と口腔の健康は、県民が生涯にわたって、健康で質の高い生活を営む上で、基礎的かつ重要な役割を果たしています。しかしながら、高齢化の進展に伴い、生涯を通じた切れ目のない歯科保健対策、障害者や介護を必要とする高齢者などの歯科検診等を受けることが困難な者への支援、歯科保健医療サービスの地域間での差異の解消などが重要な課題となっております。  このため、県民が年齢、心身等の状況、居住する地域にかかわらず、必要な歯科保健サービスを受けることができるよう、議員提案で成立した富山県歯と口腔の健康づくり推進条例の基本的な施策、条例の基本計画である県民歯と口の健康プランに基づく歯科保健医療事業の実施、充実強化にどのように取り組むのか、厚生部長の所見を求めます。  2008年以降、人口減少や進学学生数、就業人口の減少など、長期的経過の中、歯科技工士、歯科衛生士学校の定員割れが続き、地域歯科医療を担う歯科専門職スタッフの確保が困難となりつつあります。地域医療において、歯科医療の重要性がますます認識されており、歯科医療スタッフの活躍が期待されている中、その絶対数の不足と質の確保が問題となっております。  5月16日に開催された全国歯科衛生士教育協議会において、全国の歯科衛生士学校の6割が定員割れで、その充足率は83%となっていますが、求人募集の倍率は21倍となっていることが報告されています。  また、5月17、18日に開催された全国歯科技工士教育協議会において、最盛期には77校、3,000名の歯科技工士学生が在籍していましたが、2019年度は入学者が927名、養成校は去年より4校減少し、44校となっています。現役歯科技工士の高齢化や歯科技工士不足の慢性化、二十数年前に歯科技工士養成校を廃止した地域で起こっている深刻な技工物作製人材の枯渇化などが報告されておりました。  これらは、歯科専門職スタッフ養成事業に関して、中長期的な事業継続の必要性を示すものであり、スタッフ養成事業継続のためには、歯科技工士、歯科衛生士教育学校への進学助成が必要であると考えます。  保健師、助産師、看護師を対象とした修学資金貸与制度は、以前は、看護師等修学資金貸与制度実施要綱に基づき実施されていましたが、平成16年から国の補助金が一般財源化し、現在は各都道府県において実施されております。  歯科技工士、歯科衛生士に対して、養成確保を目的とした修学資金貸与制度を創設する考えがないか、厚生部長の所見を求めるものであります。  次に、保育の問題について質問いたします。  平成27年4月1日に施行された子ども・子育て支援新制度はことしで5年目を迎え、次の5年間の制度全般や施設型給付費、公定価格を見直す時期を迎えております。これまで、内閣府子ども・子育て会議だけでなく、財務省財政制度等審議会において今後の公定価格のあり方が議論されてきましたが、その中で示されている内容について、適正化イコール価格の引き下げを前提としたものと受け取らざるを得ないような記述もあります。  旧制度の保育所最低基準において、保育所の保育時間は8時間を原則としており、措置費については8時間開所を根拠に最低基準を設け、算出されておりました。その8時間開所を根拠とした職員配置のままで11時間以上開所することが求められているため、8時間を基準に労働する保育士で開所時間をカバーするのは非常に困難と言えます。  深刻な保育人材不足の中、重要政策である働き方改革がことし4月から施行されており、保育人材の待遇改善を充実するとともに、子供の安全を守り、質の高い幼児教育・保育を実践できるよう議論されなければなりません。保育人材確保に向けての現在の取り組み状況と今後の方針について、厚生部長にお伺いいたします。  幼児教育施設における非認知能力の育成を初めとする幼児教育の質の向上を図るため、幼児教育施設を所管する教育委員会、総合政策局、厚生部の連携を深めるとともに、幼児教育に関する研修の実施や支援を行うために、今年度、富山県幼児教育センターが設置されました。  センターでは、今後の研修のあり方等の取り組みの方向性について検討すると同時に、幼児教育アドバイザーによる訪問研修や、幼児教育・小学校教育合同フォーラムを開催しております。  当初、国では、幼児教育の無償化と言われましたが、今は幼児教育・保育の無償化へと変更されております。従来の学校教育を中心とした業務ではなく、ゼロ歳から5歳の全ての子供を対象とした非認知能力を養う事業推進のために、富山県幼児教育・保育センターへの名称の変更を望む声が民間保育関係者から出ております。  富山県幼児教育センターの開設の意義と名称変更について、教育長の所見を求めるものであります。  幼稚園教諭や保育士等の処遇改善に必要なキャリアアップ研修について、これまでは県内の民間団体が行ってきています。これからは、富山県幼児教育センターが責任を持って行っていくべきと考えますが、教育長の所見をお伺いいたします。  来年度には、富山県幼児教育推進体制連絡協議会が設置されると聞いています。家庭教育と幼児教育の連携、幼児教育と小学校教育の円滑な連携、そして市町村の推進リーダーの育成など課題はたくさんあります。  今後、幼児教育の充実強化にどのように取り組んでいくのか、また協議会の委員には、民間保育団体と子育て支援団体の代表も入れるべきと考えますが、知事の所見を求めます。  あいの風とやま鉄道の2つ目の新駅となる富山─東富山間の新駅について、これまでの議会答弁で、秋ごろに着工し2021年の春の完成を目指すとしていましたが、いまだ着工されておりません。これまでに詳細設計も終わり、運輸局の認可も出ていると聞いています。当初から、現地には貨物線もあり、また西口からは工事用車両が入れないなど、課題があったのも事実であります。  現在、どの程度作業が進んでいるのか、着工はいつになり、開業がいつになるのか、観光・交通振興局長にお伺いいたします。  新駅東側にある10.8ヘクタールに及ぶ県有地について、6月議会の答弁では、秋ごろに有識者による選定委員会を立ち上げ、冬に事業者を募り、今年度末に売却先となる開発業者を選定すると、水口土木部長は答弁されておりました。  ところで、富山、高岡にある武道館が建設されて40年以上経過し、老朽化が進み、新たに整備してほしいとの要望を受け、県では、先月19日に武道館機能を有する多目的施設の基本計画策定委員会が開かれました。  委員からの意見では、県内各地から公共交通機関でアクセスしやすい富山市内が望ましいとの声が多かったようであります。  県外からの利用者を考えると、富山駅周辺が最も望ましいと思いますが、富山駅から歩いて行ける範囲には民間所有の土地が幾つか考えられますが、ここまでは川島委員と指摘は同じかと思いますが、用地費に莫大な費用が必要であります。  ここから、若干違っております。県有地であれば用地費がかかりません。十分に用地があり、駐車場も確保できます。武道関係者の皆さんは、十分な駐車場を確保してほしいと言っております。先輩議員から、なかなかいい案だと言っていただけました。また、市長は、新駅前に、県有地に武道館ができるものだと思っていたという発言もありました。新駅ができても、駅前が広大な空き地では困ります。一日も早く開発を進めなければなりません。  県有地の開発計画を今後どのように進めるのか、知事の所見を求めます。  また、この県有地を活用する場合には、現在都市計画決定されている県道富山大沢野線からの道路だけでは不十分であります。県有地の開発に興味を示している業者の方からは、国道8号からのアクセス道路が不可欠と言っておられます。  県では、国土交通省との協議を行ってきていると聞いていますが、その見通しはどうか、土木部長にお尋ねいたします。  富山駅にとって、新幹線の開業以来懸案であった、ライトレールと市内電車の高架下での南北接続が3月21日開通となります。また同時に、自由通路も完成となります。新幹線駅の下で路面電車がクロスするという、世界的にも例のない交通体系が完成いたします。電車一本で富山市北部地区から富山高校、富山いずみ高校へ、また富山大学、富山商業、富山工業高校へ通学できます。また、中心部の商店街も乗りかえなしで行けることになります。また、南富山方面から、大学方面から北部の工場地帯、北部高校に通えます。夜は西町周辺、県庁前でお酒を飲んでも、電車一本で岩瀬まで帰ることができます。そういった生活面だけでなく、現在、岩瀬地区では飲食店が相次いでオープンするなど、新しいまちづくりが始まっています。  富山駅の南北一体化の観光面や新たなまちづくりにどのような効果を期待しているのか、観光・交通振興局長にお聞きいたします。  農林水産物、食品の輸出促進は、農業の成長産業化を図る上で重要なことであることから、平成29年度に県産農林水産物等品目別輸出促進方針を策定しております。  昨年度は特に、米や日本酒の輸出実績が大幅に増加していますが、米加工品や水産物、水産加工品については、前年度からほとんど横ばいの状態が続くなど、品目に差が生じております。  今年度は9月に、香港国際見本市、フード・エキスポ2019に県内から6社、10月にシンガポールで開催された日本食品総合見本市フード・ジャパン2019に4社が出品、また海外販路開拓に向けての基礎から学ぶ農林水産物食品輸出セミナーを富山市で開催し、また先月末には、アジアの食品バイヤーを県内に招聘し、輸出相談会を開催しています。  香港、シンガポールには、私が会長を務めるなのはな農協の子会社であるグリーンパワーなのはなが、黒米、赤米などの古代米を出品していました。グリーンパワーでは、英語版のホームページも作成し、去年8月から海外向けネット販売を開始、ことし7月に初めてイギリスからオーダーが入りました。また、現在、ASIAGAP取得の準備も進めております。  農林水産物全体の輸出額を底上げすることは、農林水産業従事者の所得を増やし、就業意欲を喚起するためにも非常に重要であります。  今後、県として、農林水産物の輸出促進に向け、商談会のフォローアップなどを含めた継続的な取り組みが必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。  フード・ジャパン2019には、日本酒のメーカーとして、県内からは三笑楽酒造が出展していました。三笑楽酒造は県内向けの出荷が大半を占める酒蔵ですが、6年ほど前から県などの支援を受け、アメリカやアジアでの販路開拓に努め、2月に中国への輸出に結びつけています。  県では、2017年度、5カ年計画で輸出促進計画を策定、県酒造組合を通じて輸出量の把握を初め、海外の商談会への参加を支援してきております。昨年度は9つの酒蔵が輸出を行っております。富山の地酒の輸出量は、2015年度には17キロリットルでしたが、2017年度は47キロリットルに増加、2018年度は176キロリットルと、当初の2021年度目標の68キロリットルを大幅に超えたため、2021年度の目標を上方修正し、200リットルとしていましたが、ただ、ことしに入り、韓国との関係悪化によって、8月以降、輸出量が激減しており、今後の日韓関係の改善を期待するものであります。  そんな中、高級シャンパン、ドン・ペリニオンの醸造最高責任者を務めたリシャール・ジェフロワ氏が率いる日本酒メーカー、白岩の酒造場が先月、立山町で着工されております。  和食ブームを背景に、政府は日本酒の高付加価値化やブランド化に力を入れており、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトングループのモエ・ヘネシーの後押しを受けて、白岩は、国の政策を追い風に、新ブランドの構築と海外販路の拡大に取り組むことになります。  今後、富山発の日本酒の海外展開について、どのように取り組むのか、農林水産部長にお尋ねして質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 106 ◯議長(中川忠昭君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 107 ◯知事(石井隆一君)五十嵐議員の御質問にお答えをします。  まず、幼児教育の充実強化についてでございます。  幼児教育センターでは、来年度、関係機関等との連携を図りまして、幼児教育の質的向上の具体策を検討する富山県幼児教育推進体制連絡協議会を設置することにいたしております。  先月、学識経験者や民間保育団体を含む幼児教育関係者で組織します準備委員会を設置して、連絡協議会の委員構成や組織体制などの協議を行っておりますが、連絡協議会の委員には、ただいま議員から御提案がありましたけれども、民間保育団体代表を含む幼児教育関係者、また、子育て支援団体を含めて保護者代表等に加わっていただきたいと私も思っております。  また、専門的な見地から課題を協議しますために、それぞれ育成部会、研修部会、幼小接続部会を設置いたしまして、市町村の幼児教育推進リーダーの育成ですとか、これはできれば60人ぐらい養成して、各リーダーが2ないし3施設の訪問研修を担当して、全体として3年に一度ぐらいは訪問研修を実現したいと思っております。また、幼児教育と小学校教育との円滑な接続などのあり方や、その取り組み方策についても検討することにいたしております。そのほか、非認知能力の育成とか、幼児教育にかかわる研修などについても整備してまいります。  今年度、幼児教育センターでは、幼児教育施設の訪問研修や非認知能力等の育成に関するフォーラム、これは10月21日に開催いたしましたけれども、なども開催されまして、私も富山市内におきます認定こども園への訪問研修に参加させていただいて、幼児期の教育や保育の現状を視察させていただきました。  年齢が異なる園児が交流する様子を見学しました後、園長さんや保育教諭の方々との意見交換をさせていただきましたけれども、幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、幼児教育センターの役割の大きさというものを改めて感じた次第であります。  今後とも、幼児教育のさらなる質の向上に向けまして、市町村や教育委員会などと連携しまして、しっかりと取り組んでまいります。  次に、富山-東富山間の新駅東側の県有地開発についてお答えをいたします。  新駅東側の県有地は、広域まちづくりモデル調査検討会におきまして、プロポーザルを通じた民間開発を導入することが適当であるとされたことを踏まえまして、公募を行って県が設置する選定委員会において、民間事業者を選定し売却するということにいたしております。  現在、公募要項の決定に向けまして、売却面積の精査や関係機関との調整等を進めておりまして、今後、春先までを目途にいたしまして公募を開始して、令和2年度の早い時期に民間事業者を選定したいと考えております。  県といたしましては、新駅東側の県有地の開発は、新駅の利用者の増加などによりまして、周辺地域の活性化、広田地区、豊田地区もございます。また、あいの風とやま鉄道の利用者数の増加など、地域振興にもつながる開業効果が期待されると考えております。  新駅周辺の魅力あるまちづくりが着実に進みますように、地元富山市と連携しながら、しっかりと取り組んでまいります。  なお、武道館機能を有する多目的施設の立地場所につきましては、基本計画検討委員会では、富山駅から徒歩圏内、または富山駅周辺が望ましいとの意見が多くございましたが、1つには、幅広い県民が利用できるよう県内各地からの利便性が高く、また2つには、生徒学生が利用できるよう公共交通機関によるアクセスが容易である、また3つには、県外の方の参加もしやすい場所を施設整備候補地の選定基準を基本としながら、さまざまな可能性を検討しまして適地を選定してまいりたいと、こういうふうに思っております。  最後に、農林水産物の輸出促進についてお答えをいたします。  県では、富山県産農林水産物等品目別輸出促進方針を策定いたしまして、これは2年半ほど前ですけれども、コメやコメ加工品、日本酒、水産物や水産加工品を重点品目に位置づけまして、輸出に関するスキルの習得を図るセミナーの開催、また海外バイヤーを招いた商談会の開催、海外食品見本市、香港とかシンガポールなどですけれども、への出展の支援、また輸出向け商品の開発や販売促進への支援などを進めております。  香港のフード・エキスポには、私はたしか2回ぐらい視察させていただいて、大変事業者の皆さんが真剣に取り組んでいらっしゃる、その様子も拝見いたしました。こうした中、輸出に取り組む事業者の方も着実に増加しまして、コメや日本酒は、近年、輸出が大きく伸びております。  先ほど議員の御紹介もありましたように、日本酒は、平成27年17キロリットルが、平成30年176キロリットルですから、一気に10倍になったと、お米の輸出量もこの間に3.5倍ぐらいになっております。  韓国との問題が懸念されますけれども、いずれにしても、コメ加工品についても、今後パック御飯や、また例えばしろえびせんべいなど、そういったもので輸出拡大が見込まれる、例えば、パックご飯は入善にありますウーケさん、これは名前を出してもいいんじゃないかと思いますが、今まで平成28年27万食、輸出目標としては100万食というふうに目標設定されまして、これを実現するために新しい製造ラインもつくられるというふうに伺っているわけでございます。  それから一方で、水産物、水産加工品は、冷凍による大衆魚の事業向け輸出が中心となっておりまして、最近、漁獲量があまり増えていないものですから、連動して横ばいとなっております。  県産農林水産物等のさらなる輸出促進を図りますために、引き続き、輸出に取り組む事業者の商談機会の確保ですとか、商談会で成約に至らなかったケースの分析を含めて、商談後のフォローアップを含めた支援を継続的に行いますとともに、世界最大の米消費国であります中国に、伏木富山港から米が輸出できますように、くん蒸倉庫とか精米施設のトラップ調査なども支援いたしております。  また、輸出等で安心して取引されるGAP、あるいは水産エコラベルの認証取得、こういったことも支援してまいりたいと思いますし、高品質な富山米、また、日本酒等の積極的なプロモーションに取り組んでいくことにしております。  お話にありました立山町で海外転換を目指す日本酒醸造所、お話しのように、ドン・ペリを世界ブランドに育てたリシャールさんが中心になって、この方はこの世界では神様のような方だそうですけれども、また桝田酒造さんが連携協力して、2年後、大体令和3年12月ごろに年間40万本、28万8,000リットルの醸造を予定されていまして、その8割は海外出荷されるという構想だそうでありますので、こういったことについても必要な支援協力を検討して行ってまいります。  今後とも、海外の市場の動向ですとか、国の施策を注視しまして、ジェトロや関係機関との連携、情報共有しながら、韓国のことはちょっと懸念があるんですけれども、中国のほうはなかなか順調になってきております。輸出に意欲的に取り組む生産者等を積極的に支援してまいります。 108 ◯議長(中川忠昭君)市村厚生部長。    〔厚生部長市村仁志君登壇〕 109 ◯厚生部長(市村仁志君)4つの質問にお答えをさせていただきます。  最初に、フレイル対策についての御質問です。  高齢者は、いわゆるフレイル状態になりやすい傾向にありますことから、早期把握に努め、健康づくりや介護予防の取り組みを推進することが重要であると考えております。  このたび、国から後期高齢者医療制度の健診において、フレイルなど、高齢者の特性を把握するための新たな質問票が示されたことから、本県におきましても、来年度からこの質問票を活用した健診及び保健指導を行い、高齢者のフレイルに対する関心を高め、生活改善を促すこととしております。  また、議員御指摘のとおり、本年5月の法改正により、介護事業を実施する市町村が、後期高齢者医療広域連合からの委託に基づき健診データや医療・介護レセプト情報を活用し、高齢者保健事業と介護予防事業等の一体的な実施に努めることとされ、10月には国からガイドラインが示されたところでございます。  県では、この制度をまず周知するため、市町村向けの説明会を開催したところであり、引き続き来年度以降の市町村の具体的な取り組みを支援することとしております。  県では、これまでも自立支援型のケアマネジメントの強化やリハビリ体制の強化など、介護予防や重度化防止に向けた取り組みを進めてきており、引き続き、高齢者の生活の質を高め、フレイル状態に陥らないよう、市町村や後期高齢者医療広域連合と連携をし、高齢者が元気で健康に暮らしていけるよう、各方面から取り組みを進めてまいりたいと考えております。  次に、歯科口腔保健対策についての御質問です。  県では、富山県歯と口腔の健康づくり推進条例に基づき、県民歯と口の健康プランを策定し、歯科疾患の予防、口腔機能の獲得・維持・向上、要介護者や障害者等への歯科口腔保健の推進などを基本方針として、県民が生涯を通じて必要な歯科保健サービスを受けることができるよう、総合的な歯科口腔保健対策に取り組んでおります。  昨年、プラン策定後5年が経過したことから、中間評価を行ったところ、虫歯のない子供の割合は、3歳児で着実に増加し、12歳児では目標が65%のところを、それを上回る66.6%を達成しております。  また、障害者入所施設での定期歯科検診の実施率が8割を超え、在宅医療を提供する歯科診療所数が着実に増加するなど、プランはおおむね計画どおり進捗をしておりますが、成人の歯周病有病者割合が増加をするとともに、80歳で20本以上の歯を有する8020達成者の割合が低下していることなどが課題とされております。
     このため、本年9月に、歯科保健医療対策会議に歯科口腔保健推進検討部会を設置いたしまして検討を行った結果、今後、成人期を対象とした職域における歯周病対策や、高齢者の口腔機能低下の予防、早期発見に重点的に取り組むこととしたところでございます。  県としましては、今後とも、市町村や関係機関等と連携をして、ライフステージに応じた歯科口腔保健対策に取り組み、県民の歯と口の健康づくりを推進してまいりたいと考えております。  3点目が歯科技工士等の養成確保についての御質問でございます。  歯科保健医療対策を進める上で、歯科技工士や歯科衛生士の果たす役割は重要であると考えております。  県では、その養成や確保を図るため、県内唯一の養成機関であります富山歯科総合学院の運営及び施設設備の改修、無料職業紹介事業の実施、現在従事している方々の職場定着のための研修の実施などについて、県歯科医師会などに支援をしてきたところでございます。  こうした取り組みもありまして、平成30年12月末現在でございますが、本県で業務に従事をしております歯科技工士は417名、歯科衛生士は1,128名でありまして、歯科医師1人当たりということになりますと、全国的には歯科技工士が7位、歯科衛生士が9位と、比較的高い水準となっております。  また、国の研究班、これは歯科衛生士や歯科技工士の就業状況等に基づく安定供給方策の研究でございますが、この報告によれば、歯科技工士や歯科衛生士の安定確保に係る課題として、早期に離職する傾向が高いことなどが指摘をされております。  こうしたことから、修学資金貸与制度の創設については、慎重に検討していく必要があるものと考えておりますが、他県の取り組み状況も参考に、今後とも県歯科医師会等の関係団体と連携しながら、必要な歯科医療人材の養成確保、職場定着に努めてまいりたいと考えております。  最後に、保育人材確保についての御質問です。  子供や子育てを取り巻く環境が変化する中、障害児やアレルギーへの対応、保護者支援、安全対策など、保育士に求められる役割が多様化、複雑化するとともに、女性の就業率の高まり等によります保育ニーズの増加が一層見込まれることから、保育士確保は喫緊の課題であると考えております。  このため県では、これまでも富山県保育士・保育所支援センターにおけます潜在保育士の掘り起こしや、職場復帰に必要な準備金、保育料等への貸付事業などを行っており、昨年度からは年度途中入所に対応するための保育士の加配に対する支援の拡充を行ったところであります。  また、保育士等の処遇改善についても国とともに取り組んでおりまして、これまで人事院勧告に基づく改善及び5%相当の処遇改善加算を実施してきており、県内全ての施設において賃金改善が実施をされております。今年度はさらに1%相当の改善を実施することとしております。加えて、平成29年度には、技能、経験を積んだ者についての追加的な処遇改善制度が創設をされ、約9割の施設で導入が図られております。  さらに今年度は、保育士修学資金制度の創設や、高校生や保育士養成校に通う学生などに、県内での保育士就業を促す取り組みを実施しております。  今後とも、保育士の処遇改善や潜在保育士の職場、現場復帰支援、若い世代への保育士の魅力発信など、保育士確保に総合的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 110 ◯議長(中川忠昭君)伍嶋教育長。    〔教育長伍嶋二美男君登壇〕 111 ◯教育長(伍嶋二美男君)まずは、幼児教育センターの意義等に関する御質問にお答えをいたします。  幼児期の教育は、人格形成の基礎を培う上で重要なものであり、富山県における人生100年時代ひとづくり構想会議の提言では、幼児期の子供の非認知能力等の育成など、幼児教育の質の向上のための拠点づくりが求められたことから、去る4月に県教育委員会内において幼児教育センターを設置したところであります。  幼児教育につきましては、平成29年に幼稚園、保育所及び認定こども園の教育要領等が同時に改訂をされまして、3歳以上については、各園で同じ内容の幼児教育を行うことや、育みたい資質あるいは能力、また幼児期の終わりまでに育ってほしい姿が明確化されたところであります。  このため幼児教育センターでは、幼稚園等において、共通の視点や考え方で幼児教育の質の向上が図られるよう、訪問研修による指導助言やフォーラムの開催などを行っております。  センターの名称につきましては、文部科学省の幼児教育の推進体制の充実を図る事業におきまして、幼児教育センターの設置が要件とされていることや、他県の名称においても多く用いられていることを踏まえて決定をさせていただいたものでございます。  名称の変更についてはなかなか難しいとは思いますが、今後、準備検討会において、まず育成すべき能力、資質などの観点も踏まえて、委員の皆さんから意見を聞いてみた上で、どのような対応ができるのか、議論してまいりたいと考えております。  今後、幼稚園、保育所、認定こども園を通して、幼児教育のさらなる質の充実を図ることが大切であると考えておりまして、現在実施している訪問研修等の取り組みについて、その成果と課題を検証するとともに、幼児教育の関係団体や市町村、県の担当部局等とも連携しながら、非認知能力の育成を含めた乳幼児期全体の教育の質の向上に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、幼稚園教諭等のキャリアアップ研修に関する御質問にお答えをいたします。  本県の保育士等の処遇改善加算等に必要なキャリアアップ研修は、民間の幼児教育施設の職員を対象といたしまして、県及び県指定保育団体、幼稚園関係団体が行っております。全国の取り扱い事例では、幼児教育センターを設置します21道府県のうち、同センターがキャリアアップ研修の実施主体となっている例は3件と、少ない状況にあります。  また、今年度から、センターを設置した県では、平成29年度から2年間にわたり、入念な準備を行い、研修担当を3名配置して、センターの設置と同時に、このキャリアアップ研修を実施したものと聞いております。  現在、幼児教育センターでは、県内全体の幼児教育の質の向上を一体的に進めていくため、そのプラットホームとなる関係機関等から成る幼児教育推進体制連絡協議会の立ち上げに向けまして、体制づくりに取り組んでいるところであります。  また、幼児教育と小学校教育の円滑な接続のためのカリキュラムの改訂や、市町村において各園を指導する推進リーダーの育成に向けた検討を行っております。  このため、処遇改善等加算に必要なキャリアアップ研修のあり方については、今後、幼児教育推進体制連絡協議会において、他県の動向も踏まえながら研究することとしており、まずは体制づくりや訪問研修の充実、幼児教育と小学校教育の円滑な接続等について、県の関係部局等と十分連携しながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 112 ◯議長(中川忠昭君)猪俣観光・交通振興局長。    〔観光・交通振興局長猪俣明彦君登壇〕 113 ◯観光・交通振興局長(猪俣明彦君)まず、あいの風とやま鉄道の富山─東富山間の新駅についてお答えします。  この新駅につきましては、駅舎の詳細設計を終えて、議員御紹介のとおり、10月に国土交通省北陸信越運輸局から建設設置の認可を受けており、現在、年明けからの建設工事に向けて準備中と聞いております。  開業の見通しにつきましては、これまで駅舎の詳細設計と並行して、工事の工程などについて、JR貨物など関係者と調整を進めてきた結果、工期の見直しが必要となり、その影響で当初の目標より約半年おくれ、令和3年10月ごろの開業を目標として進めていると聞いております。  県としては、引き続き事業主体でありますあいの風とやま鉄道や地元富山市と十分連携して、できるだけ早く開業できますよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、富山駅の南北一体化の効果につきましてであります。  現在、富山駅周辺におきましては、県の連続立体交差事業とあわせまして、議員御紹介のとおり、富山市の路面電車の南北接続事業や南北自由通路事業が進められており、これにより南北間の利便性の向上が期待されております。  こうした南北間の利便性の向上は、富山駅周辺のにぎわいづくりに寄与しますことから、県としても、富山駅高架下の開発や駅周辺地区整備事業への支援など、さまざまな支援を行ってきたところでございます。また、民間企業におきましても、富山駅周辺でのホテルや商業施設の開発事業が進められてきております。  こうした南北一体化によりますまちづくり面の効果につきましては、例えば、これまで富山駅を挟んで路面電車とライトレールを乗り継いで通学通勤されておられた学生や社会人は、富山駅での乗りかえが不要となりますことから、往来の増加が期待されます。  また、観光面の効果につきましても、例えば駅北側の岩瀬地区や環水公園を訪れた観光客が駅南側の中心市街地を訪れたり、あるいは、駅南側の富山国際会議場等でのコンベンション参加者が駅北側の環水公園や富山県美術館に立ち寄る、また富岩水上ラインを利用するなど、南北を周遊します観光客の増加につながることが期待されます。  県としては、こうした南北一体化により期待される効果も踏まえ、引き続き地元の富山市や交通事業者とも協力しつつ、県都の玄関口であります富山駅のにぎわいづくりに取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 114 ◯議長(中川忠昭君)水口土木部長。    〔土木部長水口 功君登壇〕 115 ◯土木部長(水口 功君)富山─東富山間の新駅東側県有地の活用に係るアクセス道路についての御質問にお答えをいたします。  まず、県道富山大沢野線からのアクセス道路となります都市計画道路富山新駅停車場線につきましては、新駅開業までの供用を目指し、現在用地取得に向けた地元調整を鋭意進めております。  国道8号からのアクセス道路につきましては、広域まちづくりモデル調査検討会におきまして、新駅の利便性・アクセス強化のため、国道8号への道路について、検討整備が必要との御意見をいただきました。御案内のとおり、現在、県有地北側で国が進めております国道8号豊田新屋立体事業では、国道8号に通じる側道が整備されることとなっております。この側道に接続するため、側道から県有地までの区間は県で整備をし、これに続く県有地内の区間は、民間による開発事業の中で整備していただくことを検討しております。  県が整備する区間については、これまで国道8号豊田新屋立体事業の整備計画を踏まえ、その接続位置やルート及び幅員など、道路の基本計画を検討してきており、今後、測量設計などの調査を進めることとしております。  なお、整備に当たりましては、用地取得も必要となりますことから、引き続き地元や国等との調整を行う予定としております。  今後とも、新駅開業を契機とした県有地の活用が着実に進みますよう、都市計画道路富山新駅停車場線と、国道8号へ至る道路の整備につきまして、地元や国と調整を進めますとともに、富山市とも連携をし、しっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 116 ◯議長(中川忠昭君)河村農林水産部長。    〔農林水産部長河村幹治君登壇〕 117 ◯農林水産部長(河村幹治君)日本酒の輸出についての御質問にお答えをいたします。  日本酒の輸出は、日本食ブームや海外の日本食レストランの増加などを背景に拡大傾向にございます。  本県においても、知事から御答弁を申し上げましたとおり、日本酒を輸出重点3品目の一つに位置づけ、海外の食品見本市への出展や商談会の開催、輸出向け商品の開発、販路開拓に対する支援などを行ってきております。このほか、現在、食品研究所で、醸造・発酵オープンラボの整備を進めており、このオープンラボでは低温熟成室などを整備し、年間を通しての酒づくりの試験を可能にしているほか、試作品の保存なども可能にして、高品質で特色ある日本酒の開発と国内外への販路拡大を支援することといたしております。  また、議員からも御紹介ありましたとおり、立山町において日本酒の醸造場が着工され、令和3年度の出荷を目指しておられ、世界に通用する富山発の日本酒の海外展開として、大きな成果が期待されているところであります。  さらに、県酒造組合におかれても、県と共同で開催している酒造りセミナーにおいて、今年度から初めての取り組みとして、各酒蔵が、お互いの酒をきき酒しながら、酒づくりのノウハウ等について、評論や意見交換をし合うなど、組合を挙げて醸造技術の向上に向けた取り組みを進めておられます。  このように、本県産の日本酒の品質向上や輸出拡大に向けての環境は整いつつあると考えており、これを生かして県酒造組合や関係機関、団体とも連携し、本県の日本酒の輸出拡大に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 118 ◯議長(中川忠昭君)以上で五十嵐務君の質問は終了しました。  以上をもって本日の一般質問、質疑を終了いたします。  これをもって県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終了いたします。           常任委員会への審査付託 119 ◯議長(中川忠昭君)次に、ただいま議題となっております議案第124号から第148号まで及び報告第20号については、お手元にお配りした議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 120 ◯議長(中川忠昭君)次に、お諮りいたします。  議案調査のため、明12月5日及び9日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 121 ◯議長(中川忠昭君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で、本日の日程は終了いたしました。  次に、議会の日程を申し上げます。  12月6日及び10日は予算特別委員会を、11日は常任委員会及び議会運営委員会を開催いたします。  次回の本会議は12月12日に再開し、諸案件の審議を行います。  本日はこれをもって散会いたします。  午後4時48分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...