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  1. 富山県議会 2019-11-01
    令和元年11月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                     午前10時00分開議 武田委員長 皆さん、おはようございます。  ただいまから本日の予算特別委員会を開会いたします。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        亀山彰委員の質疑及び答弁 2 武田委員長 亀山委員。あなたの持ち時間は60分です。 3 亀山委員 おはようございます。  台風並びに豪雨災害でお亡くなりになられた方の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げ、一日も早くふだんどおりの日常生活を取り戻されますことを御祈念申し上げます。  予算特別委員会の最終日のトップバッターを務めさせていただきます、自民党議員会の亀山です。朝からお目々をぱちぱちさせていただきたいと思います。  質問に入ります。  この秋、私の周辺で起きたことを中心に、富富富、イノシシ、熊被害等の質問をいたします。  令和元年の秋、富富富の刈り取り前に、家の田んぼから20メートルのところでCSF(豚コレラ)に感染したイノシシが死んでいまして、慌てて電気柵を設置したところであります。  また、毎朝夕、防災無線で熊注意が呼びかけられたり、我が町の町長が柿の木伐採支援を発表する前に、率先して実を取ったりして苦慮したところでございます。住民は一日も早く冬眠してほしいと、私を含め願っております。  まずは、11月18日から21日に捕獲されたイノシシは、6頭全てがCSF(豚コレラ)に感染していなかったとのこと。これで終息に向かうのでしょうか。い年も終えようとしています。冬に向かい、終息宣言が待ち遠しいのですが、新聞で福井県の養豚農家が廃業に追い込まれた記事が載っていました。死活問題です。  農林水産省によれば、豚コレラにかかった豚肉や内蔵を食べても人体に影響はなく、そもそも市場に出回ることはない。けれども、ワクチンを接種した豚肉や加工食品に、農林水産省は食べても安心と最終評価を出しましたが、遺伝子組み換え食品でさえ気になる方もいるので、肉や肉製品への表示のルールはどうなっているのか、農家のためにも河村農林水産部長にお伺いします。 4 河村農林水産部長 豚肉などの肉や肉製品の表示のルールにつきましては、食品表示法等に基づき、名称や原産地など必要な表示項目が定められておりまして、例えば肉の原産地が国産であれば国産である旨を、肉製品では原材料が輸入品であれば原産国名などが表示なされているところでございます。  この表示ルールにおきまして、CSFワクチンの接種に関しては特に定めはないわけでございますが、国では関係団体に対し、ワクチンを接種していることを理由とした不適切な告知──例えば当店ではワクチンを接種した豚肉は扱っていません、といったような表示等がなされることがないよう通知しており、本県といたしましても、食肉取扱店等に対し同様の要請を行っております。  また、食品表示ウォッチャーによる表示等の監視指導にも取り組んでいるところでございます。
     CSFに関する風評被害対策といたしましては、これまでも、とやま食の安全・安心情報ホームページによる正しい知識の情報提供、県民の皆さんからの問い合わせに対応するための相談窓口の設置、また、飼養豚へのワクチン接種後はワクチンを接種した豚肉の安全性について、例えば国内では、昭和44年から平成18年まで37年間にわたってほとんどの豚に使用されておりましたが、ワクチンを接種した豚の肉や内臓を食べて人の健康に影響があったという報告はないといったような旨も含めまして、新聞での広告やイベントを通じて、正しい知識の普及に努めているところでございます。  県としては、ホームページでの情報提供、相談窓口での対応を継続いたしますとともに、今月20日には、家畜の防疫業務の内容や、安全な食肉が食卓まで届く仕組みなどにつきまして、生産者や関係機関を交えて消費者の皆さんと意見交換などを行う、「とやまポーク」トークセッションを開催することとしております。  こうした取り組みを通じまして、引き続き正しい知識の情報提供に努め、県民の皆様の不安の払拭を図ってまいりたいと考えております。 5 亀山委員 ありがとうございました。  今、部長の答弁をお聞きになった方々は安心されたと思います。ただ、ワクチン接種に関する表示に定めがないということは、個々の判断で食べてくださいということになろうかと思います。  次に、先日、山岳警備隊の救助訓練を見学させていただき、日本を代表する富山県警察山岳警備隊の訓練に感銘を受けました。山の安全は神事だけではなく、登山客の安全・安心は山岳警備隊の後ろ盾があるからだろうと思いました。  横山議員が9月に質問されましたが、改めて質問をいたします。  山岳警備隊は、隊長以下28人の隊員が所属しており、その半分近くが上市署に配置され、多くが駐在所に勤務しています。年間50日近くが訓練で駐在所員が不在となり、休養日を含めると、不在期間が相当長期にわたっているものと認識しています。  中山間部駐在所への配置が始まった時期はいつごろか。この不在期間中において地域の安全・安心を確保していくためにも、補完対策が必要であると考えるがどうか、例えば青パトの出動依頼をふやすなどの対策を、大原警察本部長に伺います。 6 大原警察本部長 県警察では、今春から山岳警備隊員の一部を主に山間地域に所在する駐在所に配置し、山岳警備の専門的知識、技能を生かした地域安全活動を強化するという取り組みを試行中でありますが、山岳警備活動や訓練のため、やむを得ず不在となる期間があり、その間における地域の安全・安心を確保するための補完対策が必要であることは委員御指摘のとおりであります。  このため、県警察では、駐在所員の不在期間中には、本署員による重点パトロール、駐留警戒、地区センターなどへの立ち寄り、地域行事への積極的な参加に加えて、事件や事故が発生した場合には、本署のパトカーや近隣の交番勤務員、事案に応じては隣接警察署のパトカーなどが迅速に対応するなど、管内の治安に間隙が生じないよう万全を期しているところであります。  県警察においては、こうした対策について、住民の皆様に安心を感じていただけるものなのかどうかという観点から、その御意見、御要望も伺いながら、試行中であります本取り組みの課題を抽出しているところであります。  しかしながら、委員御指摘のとおり、補完対策の充実も大変重要な課題の一つであります。  引き続き、隣接警察署民間パトロール隊などとの連携等、さらなる対策としてどういったことが可能なのかについて知恵を絞り、地域の安全・安心の確保に努めてまいります。 7 亀山委員 ありがとうございます。  私がもらった資料の中に、訓練とは別に、実際に山で警備する、例えば室堂警備派出所などで警備する日がすごく多く含まれていたものですから、留守になることがありますので、この点も考慮していただきたいと思っております。決して配置がえをしてくれと言っているわけではありませんので、そこは御理解願いたいと思っております。  先日、殉職警察職員の慰霊祭に出席させていただきましたが、奥田交番襲撃事件を思い浮かべ、命の大切さ、御家族の心中をお察しし、改めてお悔やみを申し上げます。  「警察官も守らんならん、住民も守ってもらわんならん、一緒に安全・安心をつくり上げていかんならん」と思い、質問をいたします。  昨年6月の奥田交番襲撃事件に続き、ことし1月、池多駐在所でも襲撃事件が発生しました。交番、駐在所は、地域住民にとって安全・安心のよりどころであり、頼れる存在であってほしい。県民全てが二度とこのような事件がないことを願っています。  事件以降、県警察では交番、駐在所の安全対策を順次進めると理解していますが、ことしの9月補正予算では、駐在所に設置されている防犯カメラの更新整備費が措置されています。交番、駐在所の安全対策については、問題がないかを不断に点検し、継続的に取り組んでいく必要があると考えるがどうか、これまでの取り組みとあわせて大原警察本部長に伺います。 8 大原警察本部長 奥田交番や池多駐在所で発生した襲撃事件を受けて、県警察では多角的な観点から点検を行い、勤務体制、装備資機材、交番など施設の安全対策や実践的訓練の強化などの取り組みを計画的、着実に推進してきたところであります。  具体的には、勤務体制及び装備面では、交番での複数勤務体制の確保や全交番への交番相談員の配置、新型拳銃入れや小型防護盾、催涙スプレーの配備、交番相談員への耐刃防護衣の貸与などの措置を講じてまいりました。  施設面では、施設外部の状況を把握するためのセンサーライトドアスコープの設置、警察官などへの襲撃を防止するため事務室を防犯ガラスやドアで仕切るなど、安全性を高めた交番、駐在所の整備などを行ったところであります。  また、交番などにおける実践的訓練や可搬式映像射撃シミュレーターによる射撃訓練を強化するなど、警察官の対処能力の向上を図っているところでありますが、引き続き、これらの取り組みが十分なものなのか、情勢の変化にも目を配りながら不断の点検を行い、安全対策に万全を尽くしてまいります。 9 亀山委員 警察本部長のたくましい意見を聞きまして、安心したところであります。  ことし4月、上段駐在所の竣工式に出席し、新しくなった駐在所を見学させてもらいました。施設内には、今、警察本部長が言われた警察官のスペースと来訪者のスペースがカウンターや窓が一体となった防犯ガラスで仕切られ、警察官のスペースには簡単に侵入できない構造となっていました。  こうした防犯ガラスは、安全対策のためには必要な設備であり、決して否定するわけではありませんが、ただ、住民との隔たりを生むのではないかという心配もあります。  今年度から2年間で全ての交番、駐在所に防犯ガラスを整備するとされているが、今後の交番、駐在所の整備に当たっては、住民が親しみやすい雰囲気にも配慮しつつ、安全対策を講じていく必要があると考えるがどうか、大原警察本部長に伺います。 10 大原警察本部長 交番、駐在所の整備においては、安全対策とともに、住民が親しみやすい雰囲気への配慮が必要であることは、委員御指摘のとおりでありまして、本年4月に竣工した富山中央警察署の下堀交番や上市警察署の上段駐在所は、安全面のみならず、地域住民の利便性の向上をコンセプトに設計し、親しみやすさについても配慮したところであります。  具体的には、事務室の部材に県産材を使用して温かみのある室内環境を創出しているほか、車椅子利用者にも配意した施設出入り口のフラット化、相談スペースの設置などの工夫を施しております。  県警察では引き続き、交番、駐在所整備に当たっては、安全機能を強化しつつ、地域の方々からの御意見なども伺いながら、利便性や親しみやすさの確保にも努めてまいります。 11 亀山委員 ありがとうございます。  顔が見える、覚えていただける警察官であってほしいものです。一日も早く、全交番、駐在所に整備されますことを期待しております。  先日、自民党文教公安部会でデンマークに視察に行きましたが、町なかには、中心地を離れると信号機のない円形交差点、環状交差点──ラウンドアバウトが至るところに整備されていました。  日本国内では、平成26年に施行された改正道路交通法により環状交差点の導入が始まり、ことし9月末現在で、全国33都道府県93カ所において導入されていると伺っております。歴史はまだまだ浅いわけでありますが、徐々に普及していくのではないかと思っております。  環状交差点は構造的に車がスピードを出しにくく、警察庁の調査によると、環状交差点が整備された場所では人身事故がほぼ半減するという効果が出ているそうです。  そこで、まず、環状交差点のメリットやデメリットについて、どのようにお考えか、大原警察本部長に伺います。 12 大原警察本部長 環状交差点、いわゆるラウンドアバウトでありますけども、交差点に進入する全ての車両が左折して進入し、環状の部分を右回り通行するという特徴から、そのメリットとして、通常の交差点に比べて車両同士が交錯する点が減少し、衝突の危険性が軽減すること、正面衝突事故や右折車両と直進車両の事故など、損害の大きい事故が発生し得ないこと、交差点内の走行車両が優先であるため、交差点進入時に車の走行速度が遅くなることなどから、たとえ交通事故が発生したとしても損害が大きくならないことが挙げられます。  また、信号機が不要であるため、大規模災害発生時に信号機の滅灯による混乱を回避できるほか、道路が大きく損壊していなければ、平常時と同様の方法での走行が可能であるという、災害に強い点も挙げられます。  そのほか、交通閑散時には、赤信号による無駄な停止時間がなくなることによって、旅行時間が短縮されたり、アイドリング時間が削減されるため、環境保護の面からもすぐれています。  他方、デメリットとしましては、信号交差点に比べて交通処理能力が低く、交通量が多い交差点には不向きであることや、セミトレーラーなどの大型車の通行が制限されることなどが挙げられます。 13 亀山委員 ありがとうございます。  次の質問もこれに関連していますので、続けさせていただきたいと思います。  県内における環状交差点の整備状況については、ことし5月に初めて上市町で整備され、また、滑川市で県内2カ所目となる整備が計画されていると承知しております。県内の環状交差点はまだ1カ所しかありませんので、実際に車で走ったことのある人は少なく、通行方法をよく知らないという人も多いのではないかと思います。歩行者が横断歩道を渡るときも含め、初めは戸惑う方も多いのではないかと思います。そして、何よりも、誤った通行方法により交通事故を引き起こしてしまうのではないかという懸念があります。  特に環状交差点は時計回りの一方通行となっており、交差点内を通行している車が優先となります。環状交差点が導入される前に、主道路であった方向から交差点に進入した場合も、当然、交差点内を通行している車両の方が優先となりますが、それを知らずに、これまでの習慣で自分が優先だと勘違いして交差点内に進入してしまうと大変なことになります。  そこで、環状交差点の通行方法について、歩行者も含め、県民への周知にどのように取り組んでいくのか、大原警察本部長に伺います。 14 大原警察本部長 本年5月20日、中新川郡上市町において県内初の環状交差点が供用開始されることに伴い、県警察では、環状交差点の通行方法や通行時の注意点の周知を図るため、県警ホームページへの掲載、広報チラシの作成、配布、安全運転管理者選任事業所などへの情報発信、運転免許センターでの更新時講習における教導などを実施してきたところであります。  また、地域住民の方に対しては、供用開始前に、上市町と連携して、現地説明会や小中学校の児童生徒を対象とした交通安全教室を実施したほか、供用開始後には、上市町及び地元交通指導員とともに、早朝、夕方の通勤通学時間帯において広報チラシを配布するなど、運転者や歩行者に対し通行方法などの周知を図ったところであります。  これらの周知活動の結果、供用開始以降11月30日までの間、同交差点において交通事故発生の届け出はありません。  環状交差点は、県内において今後も整備が予定されていることから、引き続き各種広報媒体を利用するほか、関係機関とも連携し、あらゆる機会を通じて通行方法などの周知に努めてまいります。 15 亀山委員 ありがとうございます。  先ほども言いましたデンマークでは、歩道と車道の間に自転車道がしっかりと整備されていまして、車と人がしっかりと区分されていることが大事だと思っております。これからも、整備のときは区分をしっかりしていただきたいと思っております。  次に、熊被害のことについて質問をさせていただきます。  熊被害は異常なほどに発生しています。隣村でも駆除されましたが、翌日にまたふんが見つかり、早朝、夕方、夜を問わず、日中までも出没しています。ことしは住宅街にも多く出没しており、けさの新聞には車と衝突していたと出ていました。残念ながら、人身被害も発生しています。  住宅街や夜間は法律で猟銃の使用が禁止されておりますが、警察官の命令があれば猟銃での駆除が可能であり、これまでに3件の実績があると伺っております。  住宅街での熊の出没に対し、警察官による猟銃での駆除命令を初め、県警察としてどのように対応していくのか、大原警察本部長に伺います。 16 大原警察本部長 住宅街での熊の出没に対しては、猟銃による駆除のほか、交通の規制、周辺住民の避難、誘導、学校への連絡など、さまざまな措置を迅速かつ同時に並行して講じる必要があります。  とりわけ、猟銃による駆除は、住民の不安感を除去するという意味で最も有効な手段であると考えており、県警察としても積極的な適用に努めてきたところであります。  具体的には、住宅街での熊の出没自体が、猟銃による駆除命令の根拠となる警察官職務執行法第4条にいう危険な事態であり、特に急を要する場合に該当するものと判断して、断固とした姿勢で臨むよう、一線を指導してきております。  他方で、駆除命令の発令に当たっては、住民の避難、跳弾の危険性やバックストップの有無の確認など、安全措置を講じることが必要不可欠なことから、今季より、熊の出没時には警察本部へ速報させた上で、本部が現場における安全措置をサポートする体制を構築するとともに、現場対応に当たる警察官を対象とした研修会を重ねて実施したところであります。  県警察としましては、こうした体制を維持し、引き続き緊張感を持って取り組んでいくとともに、来季には今季を通じて得られた教訓を踏まえて研修を充実させるなど、適切に対処してまいる所存であります。 17 亀山委員 ありがとうございます。  知事のタウンミーティングに私、出席してきまして、同様の質問がありました。県民もこの話題はしっかりと聞きたいのだと思いましたので、よろしくお願いいたします。  富山県ツキノワグマ出没警報生活環境文化部自然保護課から出しておられますが、環境省のホームページによるとツキノワグマは、落葉広葉樹のドングリのような、ブナ、コナラ、ミズナラなどの実を餌としています。ツキノワグマの生息域も広いですが、おおむね草食の傾向です。ちなみに、新潟県は、それぞれの実は不作などと出ています。  県の豊凶調査によれば、ことしのドングリの着果状況は、過去に熊が大量出没した年同様に悪いという環境になっているが、その結果を受けてどのように対策をとっているのか、須河生活環境文化部長に伺います。 18 須河生活環境文化部長 8月に実施いたしました豊凶調査の結果、ことしは、御紹介のとおり、ブナ等のドングリの生育が非常に悪いことが判明したため、9月4日に野生鳥獣被害防止対策会議を開催し、この結果を公表するとともに、直ちにクマ出没注意情報を発表するなど、早い段階から県民の皆様や関係機関に警戒を促してまいりました。  また、対策マニュアルに基づく捕獲の実施、緊急捕獲体制の整備、ホームページでの出没情報の提供等について、市町村や関係機関と情報を共有し、体制を確認いたしました。  そのような中、9月22日に人身被害が発生したことから、直ちに出没警報を発令し、柿の実の除去や草やぶの刈り払い、朝夕の外出や農作業での注意等について、県民の皆様にさらなる警戒を促しました。  その後も、市街地等での熊の出没や人身被害が多発したことから、10月10日には緊急対策会議を開催し、知事や警察本部長の出席のもと、警察官職務執行法の適用による迅速な駆除体制を確認するとともに、市町村が行うパトロールや捕獲の強化への支援を拡充することといたしました。  また、熊の進路を断つため、緊急的に河川敷での重機による雑草の踏み倒しを行いました。  熊が冬眠に入るまで、引き続き緊張感を持って、市町村、警察、猟友会等と連携し、熊被害の防止に取り組むとともに、県民の皆様には、出没警報にあるように、柿の実の除去や伐採、熊発見時の速やかな通報、出没時の高齢者へのお声かけなどに努めていただきたいと考えております。 19 亀山委員 ありがとうございました。  この豊凶調査というか着果状況の調査を見ていますと、悪い状態の中でも県東部はややいいようなことが書いてあります。これはどういうことかちょっとわかりませんが、最悪の状態だということは間違いないと思いますので、またよろしくお願いいたします。  熊の行動範囲を広げないように、人との生活圏が重ならないようすみ分けできるよう、実のなる木の植樹はできないものか、また里山の手入れなどの取り組みも積み重ねていく必要があると考えるが、関係予算の推移を含めて、石井知事にお伺いいたします。 20 石井知事 県ではこれまで、野生動物とのすみ分けなどを目的としまして、里山林の整備を3,116ヘクタール、また、野生生物の生息環境の保全にもなります奥山の人工林での杉と広葉樹の混交林の整備を1,408ヘクタール、それから、原則自然の推移に委ねるとしております奥山の天然林において、熊などの餌場の確保などを目的に、カシノナガキクイムシの被害跡地での約5万本のミズナラやクリ等の実のなる木の植栽などを、平成19年から導入しました水と緑の森づくり税の税収の約7割となる約2億5,000万円程度を毎年充てて実施してまいりました。  こうした取り組みによりまして、事業を実施した里山地域の皆さんからは、「明るく見通しがよくなって、野生動物とのすみ分けに役立った」など、9割以上の方が事業に満足しているといった回答をいただいております。  一方で、今年度の熊の大量出没の状況を見ますと、さらに整備を継続する必要がありますので、現在、平成28年度に見直した富山県森づくりプランに基づいて森林整備を進め、実のなる木の育成を継続しますとともに、令和8年度までにさらに里山林整備1,288ヘクタール、混交林整備321ヘクタールを実施する計画となっております。  なお、これらの財源であります水と緑の森づくり税の課税期間については、条例で令和3年度までとなっておりますので、その延長などにつきまして、今後、幅広い県民の皆さんや県議会の御意見などをお伺いする必要があると考えております。  今後とも、市町村や地域の皆様の御要望なども踏まえまして、県民の参加もいただきながら、人と野生生物のすみ分けにつながる里山林の整備等の森づくりを着実に進めてまいります。 21 亀山委員 ありがとうございます。  下に下がるという表現は正しくないのかもしれないのですが、それを食いとめるにはやっぱりこのことが大切だと思いますので、よろしくお願いいたします。  次の質問に入ります。  新潟県では、本年度、野生のツキノワグマによる人身被害があった新潟県内8市町で駆除した熊は、11月5日現在で計310頭に上り、熊の狩猟期間を前に鳥獣保護管理法に基づく許可捕獲が行われています。  本県は、今年度の熊駆除頭数はどれだけに上るのか。ツキノワグマの個体管理はツキノワグマ管理計画に基づき実施していると思われますが、悠長なことを言っておれません。出没、痕跡情報が県内891件、11月29日現在ではありますが、捕獲駆除数は発表されていません。年間捕獲上限数は154頭とされていますが、人身被害の防除を最優先し、年間捕獲上限数にかかわらず捕獲できることとしております。平成29年度は51頭、昨年度は37頭の捕獲数となっているのなら、平成29年度、平成30年度分の差額分220頭分を上乗せして374頭駆除しても構わないのではないかと思います。  また、熊の狩猟期間は翌年2月15日までとお聞きしておりますが、これだけふえた熊です。延長して冬眠明けまでにならないのか、ツキノワグマ管理計画にある狩猟が実施できる持続可能な範囲はどこまでなのか、須河生活環境文化部長に伺います。 22 須河生活環境文化部長 ツキノワグマ管理計画におきまして、白山・奥美濃地域、北アルプス地域のそれぞれの個体群の安定のための保護と管理の観点から、ツキノワグマの年間捕獲上限数を定めており、現計画でのことしの捕獲上限数は127頭となっております。  ことしの熊の捕獲数は12月4日現在で154頭と、平成22年以来の捕獲数となっており、既に計画に定める本年の捕獲上限を上回っております。  今ほど新潟県の駆除頭数の御紹介がありましたが、それぞれの地域における地形、森林面積、生息数などが異なることから、単純な比較はできないのではないかと考えているところでございます。  なお、管理計画に定めます、御紹介のありました狩猟のできる持続可能な範囲とは、捕獲上限数から被害防除のための許可捕獲を除いた数でございます。ことしのように許可捕獲数が上限数を超える場合、当年の狩猟の自粛を要請するという対応も考えられるところでございます。しかし、今回の場合、過去2年間の捕獲数が少なく、計画期間5年間全体の捕獲総数を超える見込みがないことから、ことしの狩猟に制限をかける予定はございません。  また、狩猟期間につきましては、鳥獣保護管理法に基づき、11月15日から翌年2月15日までとなっております。これは、過度な捕獲により生息数が極端に減少することがないよう、熊の生態を踏まえ、また、入山者の安全確保にも配慮して設定されているもので、近県も同様の扱いとなっております。  なお、被害防除のための駆除は、この期間にかかわらず通年で実施可能でございます。 23 亀山委員 ありがとうございます。  許可捕獲について期間を制限しないということは、2月15日を過ぎても大丈夫ということだと思います。そして、昨年、一昨年あまり捕獲しなかったために余計ふえてきているのか、その辺は何とも言えませんが、ゾーン2というんですか、保護調整地域、要するに里山との境目で積極的に対応しないと、ゾーン3はもちろんですが、人身被害が、失礼ですけれども、熊を保護するのか人を守るのか、そういうことになりかねませんので、よろしくお願いいたします。  次の質問に入ります。  熊は雑食、熊の草食性や肉食性は種類そのものの違いではなく、すんでいる場所によるもので、ツキノワグマの生息域も広いですが、おおむね草食の傾向です。おおむねと言ったのは、カモシカを捕まえて食べていたと話される方が複数いるからです。事実と異なるのならばいいのですが、調べているうちに、こんな記事にたどり着きました。  ここ20年ほどで鹿が日本の自然を食い尽すと言われるほど、ニホンジカが爆発的に増加している。マタギサミットでは、熊が鹿を襲って食べるケースがふえていることが報告された。こうした熊の肉食化が進めば、人を襲って食べることにもつながるのではないかと懸念する声があった。もともと、ツキノワグマは、食肉目クマ科で、歯の構造、消化器系は肉食向けにできているからである、と書いてあります。  飛躍し過ぎかもしれませんが、鈴をつけても被害に遭いかねない、餌が来たと熊が人に近づいて来ないか心配するところであります。尻込みせずに駆除することが、被害を防ぐことにつながるのではないでしょうか。必要に応じて捕獲上限を引き上げ、狩猟期間を延長することで、熊に人間は恐ろしいものと覚えさせ、人里に近づかないようにする効果もあります。  猟友会員の減少と高齢化のため、捕獲実績が伸びるかどうかわからない面もありますが、春にまた恐怖、熊被害を防ぐのに必要だと思います。石井知事の見解を伺います。 24 石井知事 ツキノワグマの管理計画では、今ほども部長が御説明したとおり、年間の捕獲上限数を決めているのですが、ことしのような場合には、人身被害の防除を最優先して、ことしは154頭と既に年間捕獲上限数を超えて捕獲しているわけでございます。  また、狩猟期間ですけれども、鳥獣保護管理法に基づきまして、今ほども議論があったように、11月15日から2月15日までとなっております。この期間は、冬眠など熊の生態を踏まえますとともに、キノコや山菜採りなど、入山者の多い時期を避けて設定されておりますけれども、この秋の大量出没の状況や、今年度実施しておりますツキノワグマ個体数推定調査の結果も踏まえまして、今後、野生生物の専門家の意見もお聞きしながら、狩猟期間の延長の可能性やその是非も含め、熊被害防止の効果的な対策について検討してまいります。
     また、部長が答弁申し上げましたとおり、被害防除のための駆除は通年で実施可能で、狩猟期間以外でも迅速かつ適切に取り組んでまいります。  熊が人里に近づかないようにしますには、現在、里山林の整備、また河川敷での草刈り、伐木などにも取り組んでいるわけでありまして、こうした人とのすみ分けにあわせまして、地域ぐるみで、例えば、柿などの誘因物の除去をする、熊の出没しやすい場所に人が立ち入る場合には、これは今、鈴をつけると餌が来たと思いかねないというお話もありましたけれども、専門家の御意見も聞いて、鈴やラジオなども携帯すると。あるいは、人が熊に近づかないように注意しますとともに、出没時には、先ほども本部長からも答弁がありましたけれども、警察や市町村、猟友会等と連携しまして捕獲を行って、人身被害の防止に万全を期してまいります。 25 亀山委員 ありがとうございます。  これは、先ほども言いましたが、人を守るか熊を保護するか、そういう議論になりかねないということがあります。そしてまた、熊が出没するところは中山間地域でそこに駐在所があるということになりますので、余り留守にはされないようにお願いしたいと思っております。  次の質問に行きます。  先日、消防ポンプ車の納車お披露目に行ってきました。  消防団員の中には、消防自動車に乗りたい、運転したい人もいます。しかし、マニュアル車もあり、オートマチック車もある中で、若者たちはオートマチック限定免許の方が多いです。そして、準中型免許も必要になりました。平成29年3月の道路交通法の改正により、それ以降に取得した普通自動車免許で運転できる自動車は3.5トン未満とされ、3.5トン以上の消防自動車を運転する場合には準中型免許が必要となりました。消防団員の確保に苦慮している市町村もあるのではないでしょうか。マニュアル車の免許取得、準中型免許取得など、必要な免許取得に補助すればどうでしょうか。竹野危機管理監に伺います。 26 竹野危機管理監 今ほど委員から御紹介のありましたように、道路交通法の改正に伴いまして、従来の普通免許で乗れた消防自動車の一部が準中型免許でないと運転することができないということになりました。  このため、消防庁においては、法改正以降に普通免許を取得した団員が準中型免許を取得する経費に対しまして、市町村が助成した場合にその2分の1を特別交付税措置することとされ、本年4月現在、全国で137の市町村が助成制度を創設したものと聞いております。  法改正前に普通免許を取得した団員は、これまでどおり消防ポンプ自動車を運転できることもありまして、現時点では、県内の市町村からは、具体的な要望や団活動に支障となった事例といったことは聞いておりません。  しかしながら、オートマチック車限定の普通免許や法改正以降に取得した普通免許を保有する団員が、将来的に3.5トン以上の消防ポンプ自動車を運転する機関員として指名される場合に支障が生じることがあると考えられます。  準中型免許取得等に対する支援につきましては、まずは市町村消防の原則がございますので、市町村において将来的な消防自動車の操作に支障がないよう対応を検討いただきますとともに、県としても、他県の動向も見ながら、また、各消防本部の声も聞くなど情報収集に努めまして、対応を検討してまいりたいと考えております。 27 亀山委員 ちょっと余談になるような話ですけれども、教員の場合、専科教員ということで教員免許を持たなくても特別免許状を発行しているようなので、団員に消防自動車専用の専科免許というのを発行してはどうかと思います。これは竹野危機管理監には関係ない質問なので聞き流しておいてください。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。  次の質問に入ります。  県内観光客の立山黒部アルペンルート入り込み客が88万3,000人と90万人にすら届かない。これは、台風被害による北陸新幹線の不通などと、韓国などのインバウンド客が激減しているからだろうと思います。拍車をかけるように、エアソウルの富山─ソウル便が運休しています。確かに、観光バスが家の前を通る台数はかなり減少しているように思います。  知事は、立山黒部の世界ブランド化に向け、称名滝へのアクセス向上のための道路改修に取り組むとともに、バリアフリーや環境に配慮した車両の検討を進めていくと、提案理由で説明されました。  また、北陸新幹線の運転再開後は首都圏や関西での観光PRイベントにおいて誘客に努められました。  新幹線あるいは飛行機利用ももちろん大いに大切ではありますが、入り込み客を回復させるには、国内旅行者向けに立山─美女平間のロープウエーの速やかな整備が求められます。立山ロープウエー計画の進捗状況はどうなっているのか、今後のスケジュールについて、石井知事に所見を伺います。 28 石井知事 今年度の立山黒部アルペンルートの入り込み客数は、お話のように、台風19号に伴う北陸新幹線の運休や、韓国からのインバウンド客の減少などによりまして、前年比10%減少の88万3,000人となりました一方で、今年度もゴールデンウイークには立山駅で大変な混雑が発生しておりまして、臨時バスを運行しても、最大待ち時間が3時間ほどだったということでございます。  そこで、ケーブルカーにかわる新たなアクセス方法として、立山─美女平間のロープウエー整備の検討をしっかり進めていく必要があると。今のケーブルカーは毎時700人ほどの輸送能力、最新鋭のロープウエーでは毎時1,400人ということでありますので、必要性は高いと思っております。  ロープウエー整備に当たりましては、自然環境の保全にも十分配慮する必要がありますので、現在、県では、イヌワシ等への影響等を検討するための環境調査を実施しております。  また、県の調査と並行して、事業主体となる立山黒部貫光において、現在、整備ルートにかかわる希少動植物の調査を実施されていまして、駅舎や支柱の位置など、自然環境の保全に配慮した整備ルートの検討をされています。  来年度は、今年度の調査結果をもとに、問題がなければ、おおよその駅舎や支柱の位置を決めました上で、立山黒部貫光において環境影響評価の手続に着手されると聞いております。  さらに、並行して、地質調査やロープウエーの設備、駅舎の位置などの基本設計を進めまして、その後、関係法令の許認可手続を経てロープウエー工事の着工となります。  県としましては、ロープウエーの整備はもとより、バリアフリー車両などのお話もありましたが、令和6年度の黒部ルート一般開放・旅行商品化も見据えまして、立山黒部が選ばれ続ける観光地となりますように、また世界水準のものとなりますように、立山黒部貫光や黒部峡谷鉄道、関西電力、また、地元の黒部市や立山町とも十分連携を図りながら、スピード感を持ってしっかり取り組んでまいります。 29 亀山委員 ありがとうございます。  知事の御努力がロープウエーの営業を早めることにつながると思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、昨年のことですが、ことしの富富富の作付受け付けが、2日前で目標の8割程度とお聞きし、正義の味方の私は、何とかしないといけないと思い、少ない田んぼですが、全てを富富富にしました。皆さんもそう思ったのか、目標を達成されました。我が家はおいしくいただいております。  富山米はもちろんおいしいのですが、「ほおばる幸せ。富山米」という市内電車、ラッピング車両というのでしょうか、通勤で目を引きます。  各県で新品種が数多く発売され、言い過ぎかもしれませんが、マンネリ化した銘柄から、新しい物好き、変化を求める美食家に対応するためか、富山を代表する富富富が販売されています。  炊飯ジャーメーカーも富富富専用の炊き方が設定できる銘柄炊きCMを放送されています。  きょうの新聞ですけれども、米生産量据え置きとなると、富富富をふやせば他の品種を減らすことになるのではないかと思います。他の品種を含めて、作付計画と販売戦略を河村農林水産部長に伺います。 30 河村農林水産部長 米につきましては、消費量の減少や産地間競争が激化する中、食の多様化、簡便化や高級志向等、多様なニーズに応じた生産を行っていく必要があると考えております。  このため、まず主力品種のコシヒカリにつきましては、高品質、良食味を確保しつつ、これまでの需要先に安定して供給できるよう努めることとし、また、需要が堅調な業務用向けには、本県育成の気象変動に強いてんたかくやてんこもりを中心に、低コスト、安定生産を推進し、作付を拡大することとしております。  また、これからの富山米をリードするトップブランド品種として富富富を位置づけ、デビュー3年間につきましては、徐々に作付面積を拡大し、生産者登録制により、品質、食味を安定的に確保できる栽培技術を確立してまいりたいと考えております。  また、販売米につきましては、実需者との信頼関係を深めていくことや、消費者の皆さんに富山米のよさを知ってもらい購入していただくことが重要であると考えておりまして、こうした観点から、業務用米の複数年契約による需要先の獲得や取引量の拡大を図っておりますほか、県内外での富山米のPRイベントの開催や広告宣伝等の実施、特に富富富につきましては、実需者向けに玄米での県外出荷を行ったり、新たなCMの制作、放映などによるプロモーションにも努めているところでございます。  今後とも、富山米が消費者、実需者の皆様に高く評価されるよう、関係機関と連携してしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 31 亀山委員 ありがとうございます。  全てを変えるとつくりやすいもので、コシヒカリと兼ねている人は何か掃除しないといけないなどありましたが、私の場合は本当に、ただ、肥料を好きなだけやれないというのがちょっとネックかなと思っておりますので、また考え直してもらえたらありがたいと思っております。  次の質問に入ります。  幼児教育・保育の無償化が10月から始まっており、利用するには市町村からの認定を受けることが必要であります。幼稚園(3歳から5歳)、保育所(ゼロ歳から5歳)、認定こども園(ゼロ歳から5歳)、地域型保育(ゼロ歳から2歳)と、1号認定、2号認定、3号認定で利用施設が区分されます。  先日、富山県私立幼稚園・認定こども園振興大会に出席しお聞きした話では、3歳まで待っていたら入園する子供がいなくなってしまうと言っておられました。  富山県は、近くの好きな保育所に入所できなくても、少し離れたところで入所できるので、待機児童はいないということなのでしょう。また、その時点で入所を諦めた方は待機児童にカウントされないのではないでしょうか。そういう点にちょっと疑問を持っております。  そこで、4月1日では2歳児だったお子さんが、3歳になったのでこれから通わせようとした場合、幼児教育・保育の無償化の恩恵を受けることができないのか、翌4月1日まで待たなければいけないのか、国の制度上、3歳児の取り扱いに違いがあるが、その考え方について市村厚生部長に伺います。 32 市村厚生部長 幼児教育・保育の無償化が本年10月から実施されておりますが、その制度の概要は、小学校就学前の3年間の利用料を無償化することを基本的な考え方とし、保育所、幼稚園、認定こども園等を利用する全ての3歳から5歳児の利用料を無償とするというものでございます。  しかし、3歳児の取り扱いにつきましては、保育の認定を受けた2号認定児は、満3歳に達する日以後、最初の4月から、いわゆる3歳児クラスからの利用料が無償となるのに対し、保育ではなく教育の認定を受けた1号認定児は、満3歳になった日から無償となるという違いがございます。  これは、保育所と幼稚園の制度の違いから生じるものでございまして、保育所での取り扱いを基本としつつ、1号認定児が在籍をいたします幼稚園につきましては、年度始まりの4月を待たず、3歳児になった日から入園した場合も、1学年上となります年少クラスに在籍する場合が多いことや、国において、これまで実施されてきました利用料の無償化、軽減においても、満3歳以上の子供を対象としていたことなどの事情を踏まえたものであるとお聞きをしてございます。 33 亀山委員 ありがとうございます。  最後の質問に入りますけど、3年間は無償化という表現だと、幼稚園及び認定こども園の1号認定は3歳になった日から、誕生日から無償化の対象になります。2号認定児についても3歳児から無償化にするように国に対し要望すべきだと考えますが、市村厚生部長にお伺いしますが、その3年間というのは、例えば誕生日が来てから3年間だと、極端なことを言いますけど、11月に誕生日が来ていたら、11月までが無償化で、それ以降は3年過ぎたら無償化の対象から外れるのですか。それも含めてお願いいたします。 34 市村厚生部長 幼稚園の場合がある意味特殊ということでございますので、いわゆる小学校入学前ということになります。  今の3歳児の取り扱いについては、幼稚園でのこれまでの制度の経緯を踏まえて、国において整理をされたものであると考えておりまして、県としましては、幼児教育・保育の無償化の対象年齢を含む制度の内容について、保護者や施設の皆さんに御理解をいただけるように周知に努めているところでございます。  県ではこれまでも、子育て家庭や子供を望む家庭の経済的負担を軽減するために、必要な安定的財源を国の責任で確保した上で、ゼロ歳から2歳児の保育料無償化の対象拡大を国に要望しております。  こうした中で、委員御指摘の3歳児の取り扱いなど、10月に制度が開始され運用していく中で見えてくる課題等についても、必要に応じ要望してまいりたいと考えております。 35 亀山委員 質問を終わります。ありがとうございました。 36 武田委員長 亀山委員の質疑は以上で終了しました。        瀬川侑希委員の質疑及び答弁 37 武田委員長 瀬川委員。あなたの持ち時間は60分であります。 38 瀬川委員 今回、2つの項目を用意しましたが、時間のほとんどは武道館機能を持つ多目的施設について聞きます。そのくらい強い思いを持って臨みますので、よろしくお願いします。  富山県では、有識者会議、健康・スポーツ環境充実検討会を設置し、昨年8月から1年間議論し、最終的に検討会から全天候型体育文化施設整備のあり方という報告が提出されました。武道館機能を有する5,000席程度の多目的施設を整備することが望ましいという内容になっています。  当初は、8,000人規模のアリーナを、という意見もありましたが、財政状況を考慮し、採算も考え、現実的なラインに落とし込んでいった、そういう議論でした。これに関して異論はありません。  しかし、場所に関しては、9月定例会で永森議員も指摘していましたが、1年間の議論で富山駅という言葉が2回しか出ていないにもかかわらず、富山駅周辺で議論が進んでいること。そして、実際に富山駅周辺で整備されるのなら、それに対しては非常に強い懸念があります。  懸念のポイントは3つあります。  1つ目は、スポーツ施設、文化施設の富山市一極集中にさらに拍車がかかると感じるからです。9月定例会で川島議員も指摘していました。  富山のことを話す前に、まず一番最初の質問として、東京一極集中の弊害は何だと考えるのか、石井知事にお聞きします。 39 石井知事 東京一極集中にはさまざまな面での弊害がありますけれども、東京に若者が過度に集中することで、人手不足が深刻な地方の活力がさらに減少する。また、出生率が低い東京に若者が集まることで、我が国の人口減少が加速化する懸念が大きい。また、世界の首都で最も災害リスクが高いとされている東京で首都直下地震などの巨大地震が起きた場合、日本国全体に極めて大きなダメージを与える可能性があるということなどが挙げられます。  しかしながら、平成30年の地方から東京圏への人口移動は約14万人の転出超過となっておりまして、2011年度以降増加傾向が続いております。東京一極集中には歯止めがかかっていないわけでございます。そこで、東京一極集中は、今後の我が国のあり方の根幹にかかわる問題であり、個々の自治体の努力だけでは解決できない構造的な課題も多いと。  そこで、地方創生を国の重要政策に位置づけていただけるように、5年前の平成26年ごろから、安倍総理や初代の地方創生担当大臣であります当時の石破大臣にお願いをして、平成26年11月にまち・ひと・しごと創生法を制定していただいたり、また地方創生交付金等のほか、税制面からも地方拠点強化税制の創設をしていただいた。また、令和元年度税制改正では、東京都の小池都知事とも大分議論しましたけれども、何とか全国知事会として意見をまとめて、地方法人課税の新たな偏在是正措置、東京都はこれで約4,200億円の減収になる、富山県を含め地方は約4,200億円プラスになる、富山県は約50億円プラスになる、こういった制度も実現していただいたところでございます。  今後も国において、地方の意見に耳を傾けて、東京一極集中是正と実効性ある地方創生にしっかりと対応いただきたいと考えております。  現在、国においては、第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定作業が進められておりまして、地域におけるSociety5.0や地方創生SDGsの実現など、新しい時代の流れを力にするといった視点も加えて、東京一極集中是正に向けた取り組みを強化する方針と伺っております。その際には、地方創生交付金等の確保充実と活用方法の弾力化、企業版ふるさと納税や地方拠点強化税制の充実強化にも十分配慮していただきたい、またそういう点での働きかけを、この数カ月一生懸命やっているところでございます。 40 瀬川委員 7月23日に富山県で行われた全国知事会議で石井知事は、地方はどんどん人が減る一方で、東京にあらゆるものが集まり、災害リスクなど過密の弊害が起きていると言っています。私はまさしくそのとおりだと思いましたし、人口1,400万人を代表する小池東京都知事に対して一歩も引かずに議論をする石井知事を誇らしく思いました。  しかし、東京一極集中の弊害を主張する一方で、足元の富山県内では富山市一極集中になっているのであれば、それはちぐはぐな印象を受けます。  委員長、資料の配付とパネルの掲示を許可していただけませんでしょうか。 41 武田委員長 許可いたします。 42 瀬川委員 1ページをごらんください。こちらは、富山県が保有する施設の中で、スポーツ施設、公園、文化施設、つまり、県民が憩える場所を抜粋し、市町村ごとに床面積の割合を示した表です。参考に、人口の割合もつけています。ごらんのとおり、富山市に64.5%の施設が集まっています。  次の質問として、富山市に県のスポーツ施設、公園、文化施設が集中していることに対する見解を石井知事にお聞きします。 43 石井知事 本県の発展のためには、県内各地域の特色を踏まえながら、地域バランスにも考慮して拠点施設を整備することが重要だと思っておりまして、これまでもそうした観点から、文化関係の施設整備、あるいはスポーツの振興、それから産業活性化、観光振興などに取り組んでおります。  私が知事になってからつくりましたこうした文化関係の施設を思い起こしますと、例えば高志の国文学館は、それまでありました知事公館を行政改革の観点から廃止しまして、一定の増改築をして整備したものでありますし、富山県美術館はもともと富山市内にあった従来の県の近代美術館を、これは耐震性に問題があって、大きな被害が起こるおそれがあるといったようなことが理由で、環水公園西地区に移転改築したものでございます。  ちなみに、県西部では、スポーツ施設では高岡市に、このいただいた表にもありますけれども、水泳競技の拠点施設である高岡総合プール、また砺波市には県西部のスポーツ振興の拠点である西部体育センター、南砺市には福光射撃場、射水市には118ヘクタールもの大変大きな県民公園太閤山ランド、県民公園新港の森、さらには日本海側最大級の新湊マリーナの整備をしております。また文化施設では、高岡市に高岡文化ホール、南砺市に利賀芸術公園、それから国宝瑞龍寺や重要文化財の勝興寺、この勝興寺などは平成10年、それから私が平成16年に知事になってからも営々とやっていまして、これまでつぎ込んだお金は70億円に達しております。また世界遺産五箇山合掌造り集落、そういったことにも取り組んでいるわけでございます。  産業活性化などで見ていただくと、ものづくり産業や伝統産業の振興のために、高岡市に産業技術研究開発センター、その中核を成すものづくり研究開発センターも、この五、六年で本当に世界水準の拠点になって、一流企業の方が来てびっくりするぐらいのレベルになっている。総合デザインセンターもそうでありますし、南砺市の生活工学研究所、また、医薬品の研究開発を支援する薬事総合研究開発センターは射水市にある。これも全国の一流の学者など、研究者が来てびっくりするようなレベルになっておりますし、今、県立大学の拠点もまさに射水市につくっている。  形式的に数をごらんになると、どうしても富山市に多くなるのはおっしゃるとおりです。しかし、県内に1カ所しかつくらないものはどうしても、高岡市や県西部も大事ですけれども、新川地域もあります。いろんなことを考えると、県庁所在都市である富山市に集中しがちになるんです。でも、それはやむを得ないので、そういうことも踏まえて、できるだけ各地域のバランスをとるように努力をしている。それをよく冷静に理解していただきたい、このように思っております。 44 瀬川委員 今おっしゃったことは、小池都知事がそう言ったら、石井知事は納得できますでしょうか。私はこの富山市一極集中、石井知事だけがされたとは思いません。過去から積み上がったものももちろんあると思います。どうしても県の施設を整備する場合、立地の特性上、富山市を結果的に優先してしまう傾向があったかと思います。しかし、県への税金はどこの市の住民であろうと公平に払っています。だからこそ、県の施設を整備する場合は、完全な公平はできないにしても、バランスに十分配慮する必要があると考えます。  さて、今回の多目的施設に関して、整備の担当部署は総合政策局なのだと思いますが、県有施設が県内に分散することに対して、ほかの部署の見解を聞いてみたいと思います。  市村厚生部長にお聞きします。県全体の健康づくりを考えると、運動施設は県全体で分散したほうがよいと考えますが、見解はいかがでしょうか。 45 市村厚生部長 県では、健康寿命の延伸を基本目標とする第2次の富山県健康増進計画を策定しておりまして、運動習慣の定着、野菜摂取、減塩などの食生活の改善、健康経営の普及の3本柱で健康づくりを推進しております。  このうち運動習慣の定着の面では、運動を習慣的に行う者の割合が少ない状況にありますから、誰もが気軽に運動に親しむことができる施設は重要であると考えております。  厚生労働省では、国民の健康づくりを推進するため、一定の基準を満たした施設を健康増進施設として認定をしておりまして、県内では7つのスポーツジム等が認定され、県民の健康づくりに活用されております。  また県内には、体育館や運動場、テニスコート、トレーニング場等の公共の社会体育施設が、県内市町村立を合わせて大小600カ所以上整備されておりまして、こうした施設などを活用し、各種健康教室、運動講座、健康ポイント事業等の健康づくりに向けた各種事業を実施されるなど、県民が気軽に運動や健康づくりに取り組むことができる環境づくりが進められております。  このように身近な場所に社会体育施設があることは、県民の健康づくりの観点から望ましいものと考えております。 46 瀬川委員 スポーツ施設は災害時には避難所になります。  竹野危機管理監にお聞きします。県全体の災害リスクを考えると、避難施設は県全体で分散したほうがよいと考えますが、見解はいかがでしょうか。 47 竹野危機管理監 避難所は災害対策基本法の規定によりまして、市町村長が、災害が発生した場合に、避難した住民や災害により家に戻れなくなった住民等を一時的に滞在させるための施設として、想定される災害の状況、人口の状況等を勘案いたしまして、一定の基準を満たす施設を指定することとなっております。  その指定基準は、災害対策基本法施行令によりまして、必要かつ適切な規模であること、2つ目に、速やかな被災者の受け入れ、生活関連物資の配布が可能な構造、設備を有すること、3つ目としまして、想定される災害の影響が比較的少ない場所であること、4つ目として、車両等による輸送が比較的容易な場所にあること、5つ目としまして、バリアフリー化など要配慮者の利用に適していること、となっておりまして、現在、県内全域各市町村で1,000カ所を超える施設が指定されております。  各市町村では、避難所の場所が偏ることがないよう、人口状況などを考慮して指定されていると承知しております。  避難所は、一たび災害が起きれば、住まいを失い、地域での生活を失った被災者のよりどころとなる重要な施設であり、必要な地区において適切に指定されることが大切であると考えております。 48 瀬川委員 ありがとうございます。  このように、ほかの部署はむしろ分散させたほうがいいと言っています。  次の論点に移ります。  先ほど、富山駅周辺での整備になることに対して懸念のポイントは3つあると言いました。1つ目は富山市一極集中にさらに拍車がかかると言いましたが、2つ目は財政面での懸念です。きょう一番主張したいことです。
     そもそもこの多目的施設は、平成29年12月に行われた健康と運動・スポーツに関する県民意識調査で約7割が必要と回答し、検討されることになりました。  注意すべきは7割の内訳です。その内訳は、17.1%が前向きに進めるべきとした一方で、52.6%が県の財政状況等を十分考慮した上で検討を進めたほうがよいというものでした。つまり、この多目的施設は、県民の半分以上が財政状況等を十分考慮した上で進めてほしいという条件のもとでスタートしたわけです。もちろん、やみくもに大きいアリーナをつくったりせず、既存施設の統廃合を前提にしたり、財政状況を考慮しなかったとは思いません。しかし、それ以上の議論はありませんでした。  規模を抑えるだけが方法ではありません。少し乱暴な言葉になりますが、県民の半分以上が求めた財政状況の考慮に関しては、足りていないはっきりと申し上げます。というのも、単独で整備するのが当たり前だと考えずに、多目的施設、スポーツ施設を整備したいと考えている市町村と一緒に整備できないか検討はされましたでしょうか。土地も県が買い取るのではなく、市町村の土地を借りられないか、交渉はされましたでしょうか。  これから人口が減っていく社会です。県で施設を整備し、市でも施設を整備し、別々に整備するのではなく、一緒に共同で整備する、そんなやり方はできないのかと思います。県民にとっては、県営とか市営とか、そんなことはあまり関係がありません。自分たちの払った税金がうまく使われることが大事なんです。公共施設の老朽化はこれから自治体が抱える宿命ですが、施設の目的が近く、更新のタイミングが近いのなら、共同で整備する道を探るべきではないでしょうか。  実際に、このような例があります。高知県と高知市は、県立図書館と市立図書館を一緒にし、共同で図書館を整備しました。岐阜県と各務原市は、航空宇宙博物館を共同で整備しました。そして、配付資料の2ページをごらんください。秋田県と秋田市は連携して文化施設を整備しています。私が調べた限りでは、スポーツ施設で同様の取り組みはありませんので、仮に富山県がやれば、全国初の取り組みになるかと思います。  さて、公共施設の更新等に当たっては、このように県と市町村が共同で整備する方法もありますが、このメリットは何だと考えるか滝経営管理部長にお聞きします。 49 滝経営管理部長 県と市町村が共同で施設を整備した他県の事例でございます。今ほど委員からも御紹介がありましたとおり、まず、ともに老朽化をした高知県立図書館と高知市民図書館本館を県と市が合築で建てかえて、運営は市が一元的に行っているケースがあります。また、今ほど資料も配付いただきましたけれども、ともに老朽化をした秋田県民会館と秋田市文化会館を県、市がそれぞれ1つの施設に持ち分を持つ形で連携して建てかえた例がございます。  なお、岐阜県の事例でございますが、もともとありました各務原市立の博物館をリニューアルして、リニューアル後の博物館の所有、運営に県が加わったものと承知をしております。  高知県、秋田県の事例は、ともに同じ機能を有する県立施設と市立施設が老朽化し、施設更新すべきタイミングが一致したことから、県と市が協議して、共同整備にこぎつけたものと承知しております。  一般的に共同整備のメリットでございますが、整備費や運営費の負担軽減や人員配置の効率化が図られることにございます。  一方で、同じ機能を有する施設の統合を行いました高知県、秋田県の事例におきましては、それぞれ協議開始から施設の竣工まで8年程度を要しております。これは県と市の間で費用負担を含めて、役割分担の整理、その合意に相当程度の時間を要しているといった課題もあると承知をしております。 50 瀬川委員 単独で建設するより、整備費を分担し合えるのはもちろんですが、建設した後に運営費、メンテナンス費も抑えられるということかと思います。建設後にもメリットがあるわけです。施設は1つになるので、日程の調整は必要になるかもしれませんが、稼働率も上がります。今、整備する施設は、今だけがよければいいわけではなくて、将来何十年も使うことになる施設です。決して、今の基準だけで整備してはいけません。メンテナンス費など、未来の基準も加えて整備すべきであると考えます。  多目的施設は90億円程度の整備費見込みですが、仮に半分出してくれる自治体があれば、45億円が浮きます。3分の1でも30億円。  確かに高岡市には70億円かけて市民体育館をつくる計画があり、現在凍結していますが、私が高岡市だから新高岡駅に整備してくれと言っているわけではありません。富山駅というアクセスと、節約できるかもしれない45億円、30億円をしっかりてんびんにかけて判断してほしいのです。  私は高岡市選出ですが、若い世代の代表でもあると思っています。30代、40代がさきのアンケートで、ほかに優先課題がある、必要性を感じないと答えた割合が最も高かったことをもう一度思い出していただき、将来世代のために少しでも費用を抑える道を選んでほしいと思います。  次の質問に移りますが、仮に市町村と費用を負担し合うことができれば、交通アクセスや敷地の確保などと同じように、重要な選定基準とすべきと考えますが、蔵堀総合政策局長に見解をお聞きします。 51 蔵堀総合政策局長 武道館機能を有します多目的施設の立地場所の検討に当たりましては、先月開催をいたしました基本計画検討委員会で了承された選定基準に基づいて選定を進めていくこととしております。  この施設は県内各地からアクセスしやすい場所とする必要がありまして、具体的には、幅広い県民が利用できるように、県内各地からの利便性が高いこと、2つ目には、生徒、学生が利用できるように、公共交通機関によるアクセスが容易であること、3つ目には、県外の方も利用しやすい場所であること、などを評価して選定していくことになります。  また、このほか、施設整備に適した用地が確保できるか、それから、新しい施設の整備が地域の活性化に資するかといった視点からも評価をして立地場所を選定してまいります。  委員御提案の市町村と費用を負担し合えばどうかという御提案でございますけれども、市町村の受益の範囲内で一定の御負担をいただくということはもちろんあるわけですけれども、今は既にある2つの県立武道館、富山と高岡の武道館の統合にかかわるということでございますので、その場所につきましては、まず、県内各地からアクセスしやすい利便性の高い場所にすることが必要だと考えています。これをまず優先して考えていくということでございます。こうしたことから、現在の選定基準に基づいて、幅広い県民が利用できる場所を選定していきたいと考えております。 52 瀬川委員 今、前向きな答えはいただけませんでしたが、ぜひ、これからの過程の中で、費用負担の可能性があるなら、それを選定基準に加えることを検討していただければと思っております。  この項目最後の質問は、知事にお聞きします。  交通アクセスや敷地の確保ばかり議論するのは、持続可能性を追求する富山県として正しい議論だとは思いません。少なくとも、県民の半分以上が、財政状況等を十分考慮した上で進めてほしいと願った思いに向き合っているとは思いません。せめて基本計画検討委員会には、全国の事例を共有し、財政的観点から市町村と費用を負担し合う方法があることを提示すべきではないかと考えますが、知事の見解をお願いします。 53 石井知事 瀬川委員の本当に大変な御熱意は私もよくわかるのですけれども、どうもひょっとしたら誤解されているかもしれませんが、私は先ほどの世論調査を見て、本当にしみじみ、富山県民の皆さんは賢いなと。やっぱり52%ぐらいの人が行財政需要とか、あるいは既存施設の統合とか、そういうこともしっかり考えた上で、それで必要があるならやりなさいと言っているわけで、私は本当にすばらしい、誇りとできる県民の皆さんだと思っております。  したがって、この武道館についても、さきに有識者やいろんな各界の代表を入れた検討会でも議論しましたし、今回改めて基本計画検討委員会、新たなメンバーの方、専門家にも入ってもらって議論しているわけでございます。  今ほども局長から申し上げましたように、武道館機能を有する多目的施設は、多くの県民に利用いただく施設としての性格から、県内各地からアクセスしやすい場所とする必要がある。これは、さきの検討会で2人しかそういうことを明確におっしゃらなかったと指摘がありましたが、確かに議事録上はそうですけれども、ほかの皆さん、そのことに異論がほとんどないからあえて言わなかったというだけであって、かつ、今度の新しい検討委員会では、むしろ大部分の方が県内各地からアクセスしやすいところにすべきだと。委員の方の中にも高岡市の方とかいろいろおられました。そういう方々も、やっぱり高岡市のことなどもおっしゃっていましたけれども。それから、幅広い県民が利用できるよう、県内からの利便性が高く、生徒、学生が利用できるよう、やっぱり学生さんや生徒さんが使う場合が多いですから、公共交通機関によるアクセスを容易にしてほしいと。また、ぜひ全国大会がやれるような、そういう武道館にしてくれという声もあるわけですから、県外からの選手や、また応援の方とか、また観光客的な方も含めて、やっぱり利用しやすい場所を施設整備候補地の選定基準に基づいて選定していくということを基本にしているわけでございます。  お話のように、他県の県立武道館では、立地市町村による用地の提供とか建設費の一部負担を行った例もあるわけでございますが、さっきは秋田県の話ですが、比較的富山県に近いところでもそういう例が、一部負担をもらってやったという例もありますけれども、そのかわり、ちょっとどこの県とは言いにくいのですが、やはり聞いてみますと、かなり面積が広い県だからなおのことでしょうけれども、少しそういう中心的な都市じゃないところにつくったので、アクセスがあまりよくないという声も結構多いと伺っているわけでございます。  特に今回は、もう既に県立の富山武道館と県立の高岡武道館がある。これをまさに統合することを前提にどこか1カ所と考えるわけですから、そのときには、富山市はもちろんですが、やっぱり新川地区の方、それから、高岡市を初めとして県西部の方がどう思うか。どこが一番アクセスしやすいと思うかをやっぱり冷静に考えないといけない。  それからもう1つは、瀬川委員の御指摘はよくわかるのですが、例えばこの場合、西部のどこかの市が負担をして、例えば半分なり3分の1持つからうちに来てくれという場合も、県民から見ると、確かに県の負担は減るかもしれないけど、その分その市の負担がふえるわけですから、県民から見ると同じことなんですよ。例えば全然よその、それこそ別のところからお金が来るのならいいけど、同じ県内の県と市町村の関係ですから、そういう意味では、市民、県民から見ると同じじゃないかということになりますので、ここは瀬川委員の御議論もよくわかるし、問題意識もわかりますが、少し冷静に考えていただく。何も武道館機能を有する多目的施設だけが施設じゃありませんので、いろんなことを多面的に考えていく。  今後も、正直私も、就任のとき400億円の財政構造赤字というのを抱えたから、人一倍行政改革ということは気にかけているつもりでございます。ですから今回も、大規模アリーナをつくって、もう200億円ぐらいかけてもいいじゃないかという議論もあったんだけど、それはやっぱり、いろいろ計算してもとても引き合わないということで、それは諦めていただいて、少し地道な形で、しかし、武道館の機能は持つんだけど、せっかくやるならやっぱりバスケットとかバレーボールとかコンサートとか、いろんなことをやって県民の皆さんが幅広く楽しめる場所にもしたい。また県外から、そういうことならぜひ来たいという方もいらっしゃると思いますから、そういうことをいろいろ考えて、適切な場所に決めたいと思っているわけで、私は瀬川委員の情熱あふれる議論については傾聴に値すると思っているんですが、幅広い見地から御理解をいただければと思っております。 54 瀬川委員 先ほど、県が負担するのか市が負担するのか、合計の金額は変わらないという話がありましたが、それを整備することによって、市が単独で整備しようとしていた体育館機能を一緒になってやれば、トータルでは必ず経費を抑えられますので、そういう方法を検討していただきたいと思っております。  懸念のポイントに関して、1つ目は富山市一極集中、2つ目は財政面での懸念と言いましたが、3つ目、これは質問しませんが、富山市総合体育館と機能が重なることへの懸念です。これも永森議員が指摘していました。  現在考えている多目的施設は5,000席です。これでは富山市総合体育館と全く同じ規模です。富山駅周辺に同じ規模の体育館が2つ、県と市でそれぞれ持つ。果たしてそれは魅力的な富山駅周辺でしょうか。そうではなくて、もし富山駅周辺に多目的施設用の土地の当てがあるのなら、それは、今使ってしまうのではなくて、別の施設、あくまでアイデアですけれども、例えば町なかサッカー専用スタジアムなどにとっておいてはどうでしょうか。もちろん今すぐにできるとか、つくってほしいというわけではありませんが、私が言いたいのは、今富山駅周辺に多目的施設を無理やりつくってしまうと、いよいよ駅周辺に土地がなくなります。今の課題解決も大事ですが、将来どんな富山県になったらいいか考えるのも政治や行政の大切な仕事です。将来どんな富山駅周辺になったらいいか。未来の県民が同じ規模の体育館が2つある富山駅を見て、どう思うでしょうか。  30年後、町なかにサッカー専用スタジアムができていると、昼は駅前でカターレを見て、夜はすぐ近くの体育館でグラウジーズ、ファンが相互に行き来して、同じユニホームだったら最高ですけれども、もちろん駅からすぐですからお酒も飲めます。将来、国内からも海外からも観光客がふえたとき、ちょっと時間があるからそこのスタジアムでスポーツでも見るか、おいしい食べ物、おいしいお酒、しかもスポーツを見ながらという選択肢もできます。欧米には、町なかにスタジアムがある町も多く、日本からヨーロッパにサッカーの試合を見に行く人もいますが、ヨーロッパから富山にサッカーの試合を見に来る、バスケットボールの試合を見に来るなんていう未来になっているかもしれません。海のあるスイスには、駅から歩いてサッカーもバスケットボールも見られるらしいぞと、私はそんな富山県になってほしいと思います。  ぜひ富山市総合体育館と機能が近い多目的施設は、市町村と共同で整備して、財政負担を少しでも軽くして、別の駅で整備しましょう。  ここまで7問質問をしました。続いて3問、稼ぐ県政についてというテーマで質問をします。  前回6月定例会でもこのテーマで質問をしましたが、今回はゼロ円でできる取り組みを提案します。  富山県はよく、有利な財源、有利な起債を利用して、という言い方をします。もちろんそれを否定するものではありませんし、実際、うまく利用していて、評価しておりますが、多くはお金を使うときに補助があるという性質のものだと思います。歳出を抑えるそれだけではなくて、みずから収入を稼ぐ、収入を生み出していくという姿勢が持続可能性を追求する自治体には必要だと思います。  12月は最もふるさと納税がふえるタイミングなこともあり、今回はふるさと納税について3点お聞きします。  配付資料の3ページをごらんください。こちらは、ふるさと納税の受け入れ額です。平成30年度、富山県と市町村と合わせて、我が県には6億6,700万円が集まりました。残念ながら、全国で断トツの最下位です。  次に、配付資料の4ページをごらんください。今度は、我が県から出ていった税収です。11億5,500万円の税収がふるさと納税で出ていきました。この11億5,500万円は、市町村に入るはずだった税金6.9億円と富山県に入るはずだった税金4.6億円に分けられます。  配付資料の5ページをごらんください。受け入れ額を控除額で割りました。つまり、出ていった分に対してどのくらいの受け入れをしているのかをあらわしたのですが、富山県は出ていった分の57.7%しか受け入れておらず、マイナス4.9億円になっています。  都会から地方に税を移すという趣旨のふるさと納税制度ですが、富山県は、この制度で逆に不利益をこうむっている数少ない県です。もちろん、控除額の75%は返ってきます。地方交付税で補填されますが、この制度がなければ、ほかに振り分けられる財源である以上、補填も含めてふるさと納税の収支を考えるのには私は反対です。不利益をこうむっているというのが言い過ぎであれば、ふるさと納税をうまく生かせていない県と言えます。  まず、滝経営管理部長にお聞きします。市町村を除いた富山県への寄附額が平成30年度、2,100万円だった一方で、ふるさと納税に伴う令和元年度県民税控除額が4.6億円と大きく上回っています。全国的に見ても、多くの都道府県で税控除額が寄附額を上回っていることはわかっていますが、ほかもそうだから今のままでいいとは思いません。所見をお願いいたします。 55 滝経営管理部長 今ほど委員からも御指摘がございましたとおり、平成30年度におきます富山県へのふるさと納税による寄附の申し込み実績、これは県分だけでございますけれども、2,160万円となった一方で、個人県民税における控除額は4億6,100万円余りとなっております。  全国的な状況を見ますと、全都道府県に対する寄附額の総額が42.3億円であるのに対しまして、県民税控除額は1,125億円となっております。また、全ての全国の市町村に対する寄附額の総額は5,085億円であるのに対しまして、全市町村におきます市町村民税控除額は2,140億円となっております。  これは、さまざまな理由が考えられるわけでありますけれども、どうしても県と市町村で比べますと、例えば、返礼品目的で寄附先を選ぶ場合に、県も市町村も同じ土俵で争うということになるわけでありますが、市町村が1,800あるのに対して都道府県は47でございますので、そういった意味で、どちらかというと都道府県のほうが不利になると。  加えまして、市町村のほうにつきましては、市町村内の住民の方がふるさと納税を行った場合のみが課税控除となりますけれども、県の場合は、富山県でいきますと15の市町村全てで課税控除の対象になるということで、引くほうの額がどうしても多くなってしまうと、こういうことがございます。  加えまして、特に平成30年度におきましては、ふるさと納税制度の趣旨を大きく逸脱した返礼品を提供した他県の市町村がございます。実際に寄附受け入れ額上位の4つの市町村、実際今、配付いただいた資料で特に額が突出している都道府県に含まれている市町村ですが、この4つの市町村だけで全体の約2割超を占めております。  なお、これらの4市町村につきましては、ことし6月からふるさと納税の対象から外れております。泉佐野市につきましては、現在国と係争中でもございます。  県といたしましては、全国知事会等とも連携して、ふるさと納税の節度ある運用を呼びかけてまいりました。制度の健全な発展を目指して、ようやくこの返礼品も含めた制度の土俵が整ったと考えております。こうした状況の変化も十分に見ていきながら、今後多くの方に寄附をいただけるように努力してまいりたいと考えております。 56 瀬川委員 ありがとうございます。  同じく滝経営管理部長にお聞きします。ふるさと納税の富山県の来年度目標金額を教えてください。 57 滝経営管理部長 ふるさと納税制度は地方で生まれ育ち、その後都会で暮らす方々のふるさとや地域に貢献したいという思いを生かすために、寄附金税制の一環として平成20年度に創設されております。この寄附金税制は、ふるさと納税のほかにも、例えばNPO法人や日本赤十字社、あるいは政治団体等に対するものなど、さまざまな制度がございます。いずれも寄附文化の醸成という観点から政策的に設けられているものであります。  ふるさと納税につきましては、過度な返礼品競争などの影響もあり、各地方団体においての受けとめもさまざまであると思っております。県といたしましては、寄附は本来、ある団体の活動に賛同して金銭等を無償で当該団体等に支援するものであり、金額の多寡にかかわらず、寄附いただいた方の富山県に対する志に感謝すべきものだと思っております。  今から2年半ぐらい前に、富山県に私も赴任させていただきまして、当時からも返礼品の話というのはありましたけれども、今ほど私が申し上げたような考えの方が非常に富山県は多いなというのを実感しているところでございます。  したがいまして、その性格上、目標額を設定することになじむかどうかは慎重な議論が必要だろうと思っております。 58 瀬川委員 先ほど、全国的に見ても多くの都道府県で、税控除額が寄附額を上回っているという話がありました。私はこれが受け入れられるのは、市町村分も含めてトータル富山県でプラスになっていれば問題ないと思います。本来富山県に入る税収が市町村に入ったと考えればいいからです。しかし、トータル富山県でマイナス4.9億円になっているのなら、富山県が頑張るのか、市町村に頑張ってもらうのか、富山県全域を管轄するこの県庁が何らかのアクションをとるべきだと私は思います。  金額の目標設定は恐らくないということだと思うのですけれども、目標のないところに達成はありませんので、数字には力がありますので、ぜひまずは目標金額の設定を御検討いただければと思います。  先ほど部長は近いことをおっしゃいましたが、ふるさと納税は、無理やり集めるのではなくて、ふるさとや地域に貢献したいという思いを生かすためにあるのだとおっしゃる方がいます。その高尚な思いはわかります。しかし、だからといって何もせずに待っていていいことにはなりません。富山県出身者は、ふるさとや地域に貢献したいという思いが少ない県民でしょうか。私はそう思いませんし、全国のむしろどこよりもあると思います。だからこそ、Uターン率が高くもなっています。そうであれば、ふるさとや地域に貢献したいという思いを、たまたま忘れているときもあるかもしれません。  そういう意味で、富山を思い出してもらう場として、県人会は絶好の機会です。全国にはたくさんの富山県人会があり、全国と比べても多くなっています。首都圏だけでなく、静岡県富山県人会というように、約半数の都道府県に県人会があります。首都圏でも、出身市町村の会、台東区富山県人会、など細かい県人会があります。ちょっと思い出してもらったり、全国でマイナスになっている数少ない県で困っているんですと伝えたり、知人、友人に広めてもらったり、まだまだやりようはあると思います。  昨年度、首都圏の県人会だけで、県幹部は30件出席しています。出席していなくても、主催者に、ふるさとのためと一言ふるさと納税のことを伝えてほしいと例えば電話で県の幹部が言うだけで、結果は違うように思います。  最後の質問です。  県分では全国で31位となっていますが、県全体の昨年度のふるさと納税受け入れ額が全国最下位であることも踏まえ、県人会等のネットワークを活用し、周知、協力を呼びかけるべきであると考えますが、所見を石井知事にお聞きします。 59 石井知事 今ほど部長から答弁したとおり、ふるさと納税は地方で生まれ育ち、その後、生まれ故郷を離れて大都市などで暮らしている方々のふるさとや地域に貢献したいという思いを実現する観点から創設された制度でございます。  ただ、おっしゃるように、そうだからといって、もっとふるさと納税に御協力いただけるような努力を惜しんではいけないと思います。  御指摘のとおり、これまでも県人会等のネットワークを活用したふるさと納税の周知、協力の呼びかけについては、例えば、首都圏など県外の県人会の開催の際や、首都圏では若い世代の方のグループ──acoicoというグループがありますが、そういったメンバーの方、あるいは関係機関等にパンフレットを配布するなどしまして、元気とやま応援寄附金のPRも行っております。  今後、職員が出席するような県人会等の行事においては、今までももちろんやってはいるのですけれども、富山県がさまざまな分野で県民の一致団結した努力によって、全国でも活力のある県の一つになっていること。また、言い方は気をつけないといけませんが、おっしゃるように、寄附してもらった額よりも税控除額が上回っている、結果として、全国では少し節度のない幾つかの市があったということも影響しているのですけれども、そういった実情もお話しして、さらにPRに努力をしてまいりたいと思います。  また、県人会の会員の皆さんを初めとして、県外にお住まいの方が一層本県を応援したくなるような工夫として、先般、全庁横断的な庁内会議を設けまして、寄附が比較的多い価格帯、大体1万円、2万円ぐらいの地場産品や体験型の返礼品の拡充や、また、先ほどもお話に出たクラウドファンディング型ふるさと納税を活用した新たな取り組みについて今検討中でございます。  令和2年度税制改正で、大幅な拡充が行われる見込みとなっております企業版ふるさと納税の活用も含めて、引き続き県内市町村と連携して、富山県の応援団をふやせるように、寄附額の増額についても真剣に努力してまいりたい、こういうふうに思っております。 60 瀬川委員 ありがとうございます。  富山県出身者の富山県に対する思いは、全国と比べるものではないのかもしれませんが、非常に強いと思いますし、またこれは、お金をかけてやる施策ではなくて、ほとんどお金をかけずにできることなので、ぜひ御検討いただければと思います。  最後に、ことしも残すところあと3週間ですが、ことしは朝乃山関や八村選手など県内のスポーツ選手の活躍が目立ちました。また、ラグビーワールドカップの日本代表ジャージが富山県で開発されたというのも、県民にとっては誇らしいニュースでした。  私におきましては、9月定例会で県西部選出議員のリレー選手に漏れましたが、ラグビーワールドカップでは控え選手の献身的な働きも話題になりました。私も負けじと献身的に質問したつもりで、前半に関しては、ちょっと辛口な回答でしたが、少し心に残っているのではないかという思いを持ちつつ、この思いが県側に届いたことを期待して質問を終わります。ありがとうございました。 61 武田委員長 瀬川委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  午後の会議は1時に開会いたします。                     午前11時52分休憩                     午後1時00分開議        火爪弘子委員の質疑及び答弁 62 藤井副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  火爪委員。あなたの持ち時間は60分であります。 63 火爪委員 日本共産党の火爪弘子でございます。  富山県議会は1999年、ちょうど20年前のこの定例会で、全会一致で非核平和富山県宣言を採択しています。ここに当事者としておいでだった方はもう2人しかおられないのではないかと思いますけれども、20年がたちました。去る11月16日には、県内の4つの平和団体共催で記念シンポジウムも開催されました。  あれから20年、核兵器廃絶を目指す世界の運動は目覚ましい前進を遂げてきました。核軍縮交渉の主な担い手が、核保有大国の手から国連に参加する多数の国々と被爆者を含む市民社会の手に移り、核保有国を包囲し、圧力をかけ、2017年7月、国連で人類史上初めて核兵器を違法化する核兵器禁止条約が採択されました。もう一部の大国の圧力で世界が動く時代ではなくなりました。核兵器禁止条約は50カ国が批准すれば発効しますが、既に34カ国が批准し、発効は時間の問題です。  さきに来日したローマ教皇も、この条約を強く支持し、核兵器の廃絶を熱く訴えました。  県議会も、この非核平和宣言を踏まえ、毎年の原水爆禁止国民平和大行進を議長の名で激励をし、中には一緒に歩かれた議長もおられました。核兵器禁止条約実現を求めるヒバクシャ国際署名にも、歴代議長が賛同を表明してこられました。  全国的には、既に20府県の知事と1,100を超える首長が賛同、署名をしています。  県が、この非核平和富山県宣言をもっと積極的にアピール、実行するとともに、核兵器廃絶を目指す姿勢を強く発信することを求め、まず知事の見解を伺います。 64 石井知事 核兵器を廃絶して恒久平和を実現することは、世界で唯一の被爆国である我が国はもちろんですけれども、人類共通の願いであります。  私は、非核平和富山県宣言にあるとおり、世界の平和と繁栄のためには、具体的な行動の積み重ねが重要と考えておりまして、毎年、県のホームページに宣言文を掲載しております。  なお、核兵器禁止条約については、条約が目指す核廃絶というゴールは我が国も共有しておりますけれども、我が国の考え方とアプローチを異にしているから参加しないというのが従来からの政府の方針と承知しております。核兵器国と非核兵器国との対立を一層深めてしまう懸念があるといったようなことが、その理由とされております。  核兵器廃絶のための現実的な取り組みとして、核兵器不拡散条約など、核兵器国と非核兵器国が参加する枠組みでの議論を基本とする政府の方針は理解できる面もあり、今後、国際社会の動向を踏まえて、政府が適切に対応されることを期待したいと思っております。  先月、日本を訪問されたフランシスコ・ローマ教皇と安倍総理との会談で、総理は非核三原則を堅持し、核兵器国と非核兵器国との橋渡しに努め、粘り強く核兵器のない世界の実現に尽力していくと述べ、教皇はその日本の取り組みを歓迎し、日本の決意への支持を述べられたと報じられております。  県としましては、これまでも政府の基本的立場を踏まえながら、戦争体験者による県内小中学校等での語り部講話や、中学校の修学旅行での広島訪問などによる平和教育の推進に加えまして、さまざまな国際交流、協力事業、これは中国遼寧省等々でございますが、経済、環境、文化、スポーツなど幅広い分野で国際化を進めまして、相互理解を深めるなど、世界の平和と友好の実現に向け取り組んでまいりました。  とやま世界こども舞台芸術祭、これは来年予定されていますし、引き続きこうした取り組みのほか、非核平和富山県宣言の趣旨であります核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現に向けた情報発信にも努めてまいります。 65 火爪委員 政府が言う核保有国と非核保有国の橋渡しという役割は、アメリカに追随をする今の日本の姿勢のままでは決して果たすことはできないと思います。知事もぜひ、さらに認識を、見解を発展されることを強く要望しておきたいと思います。
     県内の被爆者は、ことし3月時点で48人にまで減少いたしました。一昨年には、被爆二世・三世の会が県内でも結成され、富山県被爆者協議会の活動を支えています。  昨年9月議会の質問で、私からも支援を要請いたしましたけれども、その後、厚生部には、介護費用の窓口での無料化や2世健診の公報などに取り組んでいただきました。  被爆者協議会では、現在、県内被爆者の手記の掘り起こしと25年ぶりの記録集の発行に取り組んでおられます。1992年と1994年、26年前、2回連続して発行された「叫び」と題する記録集。  委員長、実物をお示ししてもいいでしょうか。 66 藤井副委員長 はい、許可します。 67 火爪委員 26年前を最後に発行を中断していた県内被爆者の記録集、証言集「叫び」であります。この「叫び」の第2号の冒頭には、中沖前知事の心のこもった御挨拶も収録をされております。  被爆者協議会では、来年度の発行部数をこれから決めると伺っております。ぜひ積極的な発行部数になるように、県からの支援を求めたいわけであります。  発行経費への支援はもちろん、石井知事の御挨拶の掲載や、県内市町村、図書館や公立学校などへの買い取り配布など、積極的に支援をされること要望し、厚生部長の見解を伺います。 68 市村厚生部長 委員御紹介のとおり、富山県被爆者協議会では、平成3年と平成5年に体験記録を発行されておりまして、来年が被爆75年、富山県被爆者協議会発足60年の節目であることから、協議会では、過去に発行した体験記録に新たに収集した手記を加え、改めて被爆体験記録を発行したいとのことで、その経費への支援に加えまして、知事の挨拶の掲載も依頼したい旨の意向があることはお聞きしてございます。  原爆被爆者の高齢化が進む中、被爆の体験を後世に継承し、原爆被害の悲惨さや平和の尊さを伝えるため、被爆体験記録を発行することは大変意義深いものであると考えております。  県としてどのような支援ができるか、今検討しているところでございます。 69 火爪委員 知事、ぜひ御挨拶をお願いいたします。書いていただきたいと思います。改めて強くお願いをしておきたいと思います。  昨年のこの問題の答弁に、当時の前田厚生部長からは、毎年10月に被爆2世健診にも取り組んでいるとのお話がありました。  しかし、残念ながら、ことしの被爆2世健診の受診者は11人にとどまっております。2世への個別案内も行われておらず、名簿が整っていないわけで、1世の方に直接通知は行っているけれども、2世がどれだけいるか県の厚生部としては十分掌握をしていないと聞いています。  市町村と協力し、県内被爆者もわずかですので、1世の方を訪ね、本人の同意を得る形で被爆2世名簿の作成に取り組む、そして健康診断の中にがん検診を加えるなど、検診内容の充実、こういうことを通じて受診者の増加に取り組むべきと考えます。部長に伺います。 70 市村厚生部長 被爆者に対します支援については、被爆者援護法に基づき、健康診断の実施、公費による医療の給付、健康管理手当等各種手当ての支給などが行われております。  被爆者2世については、現在までの科学的知見によれば、原爆放射能によります遺伝的影響は認められておらず、がんなどの特定の疾患への影響も認められていないとされてはおりますが、健康面での不安を訴える方が多い現状に鑑みまして、国では被爆二世健康診断に関する実施要綱を定めており、県ではこの要綱に基づき、国からの委託事業として、希望者を対象に無料の健康診断を実施しているところでございます。  この健診に際して、県では、過去に被爆2世健診を受診された方に対して健診の案内を行っておりますが、国として被爆者2世名簿の作成は考えていないことと、作成するに当たってプライバシーに関する課題もあることから、今年度は新たに、一人でも多くの方が受診できるようにするために、県被爆者協議会と連携をいたしまして、県のホームページを活用した健診の周知を行いますとともに、被爆者健診を案内する際に、2世健診の案内についても同封する等の取り組みを実施したところでございます。  この結果、今年度は3名とわずかではございますが、新規受診につながったところでございます。  なお、原爆放射能に起因をする健康被害につきましては、健診の内容等も含め、国の責任において検討し、適切に対応していただきたいと考えてございます。  県としては、今後とも被爆者対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 71 火爪委員 よろしくお願いします。  さて、今定例会では、富山県地域医療構想に関する質問が相次ぎました。当然のことだと思います。きょうは質問の最終日ですので、最後に私からも一言質問しておきたいと思っております。  まず、県内の直近の病床数についてです。平成30年度病床機能報告では、県内病床数の合計は1万3,548床、県医療構想で掲げた2025年の必要病床数9,557床との間には、いまだ3,991床の差があります。  しかし、今議会での答弁でも断片的に出てきましたように、昨年4月から新たに介護医療院が創設されまして、1,000床余り療養病床がそちらに移動していると思います。今後も、一定数、500床ないし600床、変動が見込めるものと考えております。  10月1日には令和元年度の病床機能報告も始まりました。  私は、厚生労働省からの名指しの動きの後、県内のマスコミの報道を大変危惧して見ておりました。この間、努力があって病床転換が一定程度進み、そして、介護医療院の創設による療養病床の変動も進んでいます。必ずしも報道が県内の関係者の努力をきちんと評価する記事になっていないということに大変不満を持っております。  改めて伺います。直近の病床数の変化をどう認識して、達成状況はどうか、答弁を求めます。 72 市村厚生部長 病床機能報告は、毎年7月1日時点において、病院等の各病棟が担う機能を、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つの医療機能から選択し、報告をするということになってございます。  直近の平成30年度の報告におけます県内の機能別病床数は、高度急性期が1,789床、急性期が4,667床、回復期が1,573床、慢性期が5,324床、休棟等が195床ございますので、合計1万3,548床となっております。2025年の必要病床数の推計と比較をいたしますと、御紹介のとおり3,991床多いという状況でございます。  その後、開設許可のございました介護医療院への転換は、令和元年の11月1日時点で16施設、870床となっておりますので、これらを含めて考えますと、さらに病床数は減となるというところでございます。  これまでの各医療機関におけます2025年を見据えた自主的な取り組みや病床の機能分化、連携、機能転換等の支援によりまして、急性期から回復期への転換は、急性期が1,454床減少し、回復期が840床増加しており、また、介護医療院への転換は1,040床と、これまではそれなりに順調に進んでいると考えてございます。  今後さらに各医療機関の自主的な取り組みや十分な議論が必要と考えております。 73 火爪委員 この間、国による診療報酬の引き下げや、さまざまな誘導策によって、民間病院を含めて県内の医療機関は、それこそ生き残りをかけて必死にあり方について議論をしてきたわけであります。  その中で、今、御報告がありました。一般病床関連では466床を差し引きして減らし、慢性期の病床も1,513床減らした。そして、急性期から回復期への転換、イコールの数字かわかりませんが、1,454床急性期を減らしてきたわけです。このことによって県内病院の機能分化も一定程度進んで、いろいろなメリットも生まれてきていると思います。私はこのことをもっとアピールしていただきたいと強調しておきたいと思います。  そこで、富山県の地域医療構想ですが、御存じのように、2014年に厚生労働省から、それこそ今回と類する機械的な計算式により病床数の削減が求められました。全国2番目に多いベッドの削減数が示され、今回も姿勢は大して変わらないと思うのですが、県議会では随分議論をしてまいりました。  その結果、県厚生部の努力もありまして、県独自の調査もやりました。急いで構想をまとめるのではなくて、丁寧に県内医療機関との議論も重ねてきました。その結果、2025年に県内で必要な病床数9,557床は掲げるけれども、それを目標とはしませんでした。当然です。地域医療構想には、こう書いてあります。「この病床数を機械的に当てはめるのではなく、医療関係者や介護関係者、住民と医療需要の変化の状況を共有し、目指すべき医療提供体制の実現に向けて検討を行う基礎となるものとして捉えます」と。あくまでも、自主的に検討する、住民とともに検討する、強制や誘導はしないという立場を明記しました。  今後も、国によるさまざまな圧力があるでしょう。しかし、知事には、これからもこの立場を堅持することを強く求めておきたいと思います。見解を伺います。 74 石井知事 地域医療構想については、個々の医療機関が自分の病院の実態や地域のニーズをしっかり踏まえて、地域においてどのような機能を担っていくのかなど、2025年を見据えた方針を自主的に検討して、不足する医療機能への転換等に取り組んでいただくことを基本としておりまして、県としては、その方針について、県内4つの地域医療構想調整会議において協議しますとともに、病床の機能転換に対して、地域医療介護総合確保基金を活用した支援を行っております。  今後、地域医療構想を進めるに当たりましては、さまざまな課題があり、今までは、いろいろと努力、苦心されながら、それなりに順調に進んでまいりましたけれども、これから先はなかなか容易ではないと感じております。  この議会で、宮本議員の代表質問があったり、種部議員から専門的なお立場からの御意見をいただいたり、川上議員、大門議員からも御意見、御提案がございました。  医師、看護師等、医療従事者の過重な負担を避けるためにも、まずは各医療機関にもこうした共通認識を持っていただいた上で自主的な取り組みを進めていただきたい。その上で、各医療機関が地域で担う役割や機能について、各地域の実情等も踏まえ、地域医療構想調整会議において十分議論いただいて、何とかよりよい形での合意が得られ、将来にわたって地域医療が安定的に確保されるように、県としてもしっかりと取り組んでまいります。 75 火爪委員 地域医療構想に明記をしました住民とともに検討する、強制や誘導はしないとの立場をしっかり貫くことを改めて求めておきたいと思います。  そこで、医師の働き方改革に伴う医療機関への支援は、独自に喫緊の課題です。勤務医の残業時間を2035年まで上限を年1,860時間まで認めると、国はこういう態度でありますけれども、それに安住せず、一刻も早く、一般労働者と同じ960時間以内にしなければならないと思います。  そこで、今、切実なのは、来期の診療報酬の大幅引き上げであります。薬価の部分が引き下げられ、総額でマイナスという報道もありますけれども、これでは地域医療は支えられません。診療報酬の大幅引き上げを改めて国に求め、医療クラークや看護師の確保、医師養成の抑制転換などにしっかり取り組むことを知事に要望したいと思います。見解を伺います。 76 石井知事 医師の働き方改革は、医療の質の確保、医師の健康確保の観点から大変重要でございます。  県では、富山県医療勤務環境改善支援センターを設置いたしまして、各医療機関を対象に、労働局や医師会と連携した研修会の開催を初めとして、社会保険労務士などによる労働相談や県の看護協会によります勤務環境の改善計画策定のアドバイスなどを実施しております。  また、医師の働き方改革を進めるためには、他職種へのタスク・シフトが大切とされております。  そこで、県ではこれまでも、医師の逐次の指示を待たずに医療行為の一部、特定行為を実施できる看護師の養成について、県内の研修施設が、昨年は1施設でしたけれども、今年度は4施設に増加しておりますし、また、県外研修機関への派遣についても県が助成しますなど、今後、着実に進んでいくものと考えております。  一方で、医療クラークの配置を含めた医師の負担軽減につながる取り組みの診療報酬上の評価、地域に必要な医師の確保のための医師の養成については、全国的な課題として国において検討されておりまして、財政負担も含め、まずは国が責任を持って適切に対処していただきたいと思っております。  全国知事会としても、社会保障制度のあり方について国と議論する場もございますから、そうしたことにも関心を持ってやっていこうと思っております。  県としましては、国の動向を注視しながら、現場のやはり実態を踏まえた医師確保に取り組んでいく必要がありますので、引き続き大学や県医師会、公的病院など関係者と連携しまして、地域の実情に応じた医師の働き方改革を進めるとともに、各医療機関に対して必要な支援を行ってまいります。 77 火爪委員 そこで、慢性期の病床が大規模に転換する介護医療院についても伺っておきたいと思います。  関係者からは、介護医療院への転換によって介護保険会計への負担が増大し、市町村の財政に影響が出ないか、患者負担が増大しないか、県単独医療費助成制度が受けられなくなるのではないかと、さまざまな不安が寄せられています。患者の中からは、本来在宅介護だと言われていたのに介護医療院に入院し、早期の退院を求められている、こういう悲鳴も上がっています。  県がこれらの課題をしっかり調査し、支援に取り組むべきと考えますが、厚生部長に伺います。 78 市村厚生部長 療養病床等から介護医療院への転換については、本年11月現在、18の病院等で老人保健施設からのものが100床ばかりありますので、1,140床が転換されてございます。  委員御指摘のうち、介護保険財政への影響については、国の社会保障審議会介護保険部会でも論点として挙げておられますが、本県の状況を申しますと、本県では、介護保険が適用される介護療養病床等からの転換が95%以上と大宗を占めております。医療保険が適用される医療療養病床からの転換が全国と比べて少ないということもございます。  また、各保険者では、第7期介護保険事業計画において、医療療養病床からの転換数をあらかじめ見込んでおりますので、現時点では影響は少ないものと考えております。  また、各施設では、医療療養病床から介護医療院に転換する場合に当たって、医療の必要性の高い方々には別の病院への転院の調整を図るなど、県単独医療費助成制度の扱いも含めて丁寧に説明を行った上で、本人の御希望をお聞きして、それを踏まえた対応がなされていると聞いております。  県では、国の議論の動向を注視しつつ、令和3年度から始まります第8期介護保険事業支援計画の策定に当たって、市町村や関係機関と連携しながら、介護医療院への転換見込みやその影響などについて十分検討しますとともに、介護医療院への円滑な転換が図られますよう支援をしてまいりたいと思いますし、また、市町村の介護保険財政に影響が出ないよう、国による十分な地方財政措置を働きかけてまいりたいと考えております。 79 火爪委員 ありがとうございました。  今、御報告のとおりでは必ずしもないという話も伺っております。一旦介護医療院に入院をした方が、医療措置の必要性があるのでかわりの病院を探してほしいと言われて退院を迫られたというような相談も個別に寄せられておりますので、今、答弁にありましたように、しっかり実情を掌握していただいて、支援に反映させていただきたいと思います。  次に、県立総合博物館構想について伺います。  武道館も決着がついていないのにとか、それは西か東かという声が聞こえてきそうでありますけれども、将来にわたっての構想ですので、お許しいただきたいと思います。  11月14日に開催された県文化財保護審議会の場で、委員から県立総合博物館の建設を求める声が相次いだとの報道がありました。  富山大学の鈴木景二教授からは、「富山県には県域全体をカバーする博物館がない。立山博物館はすばらしいが、立山のみを対象としているし、市町村の資料館でも全体は見渡せない」との御発言があったと聞いています。  また、これを受けて、会長の長谷川総一郎富山大学名誉教授からも、「富山県には美術館は多くあるが、博物館は乏しい」との発言があり、それに賛同する立場から、旧近代美術館はよい建物なので、耐震化して博物館にしたらどうかなどの意見も複数の委員から出されたと聞いています。  県の審議会で出された貴重な提案であり、きちんと検討すべきだと思います。教育委員会としてどう受けとめているのか、まず伺います。 80 伍嶋教育長 先月に開催されました富山県文化財保護審議会におきまして、今ほど委員からも御紹介がありましたけれども、委員の一部から、県全体の歴史や文化を見渡せる県立博物館を建設してほしい、近代美術館の建物を耐震化して博物館にしてはどうか、また、県史編纂以降に発見された貴重な資料の受け入れ先となる施設が必要、など県立の博物館についての意見が出されたところであります。  博物館は、資料の収集や保管、展示、公開などを通じまして、貴重な文化遺産を後世に引き継ぎ、歴史、文化を学習し、正しく理解する場として重要な施設であると認識しております。  本県には、立山博物館を初めといたしまして、市町村立なども含めて登録博物館は33館と多くの博物館があり、これまでそれぞれの専門分野において、資料の収集、保管、展示に努めるとともに、調査研究の成果を広く発信しているという状況にあります。  このたびの審議会での意見は、こうした数々の博物館を歴史や文化を基軸として、全体的にまた系統的に捉えていく博物館の機能を有し、貴重な資料を後世に残していくことができる施設が必要との考えから述べられたものと考えております。 81 火爪委員 そこで調べてみました。  かつて中沖前知事が県総合博物館の建設を公約に掲げ、富山県民総合博物館基本構想策定委員会が設置をされました。その中から、立山博物館が生まれ、富山湾ミュージアム構想が生まれ、その後、総合博物館の建設が検討されるはずでした。しかし、2000年国体などを機に大型開発が相次ぎ、県の財政事情もあって構想は消えていきました。結局、県立総合博物館を持たない県は、恐らく富山県、愛知県、静岡県──恐らくですよ。専門家に聞いた範囲です──の3県だけになったのではないでしょうか。  審議会で出された富山県総合博物館が必要ではないか、また、旧近代美術館を耐震化して活用したらどうかとの提案を、この際、真剣に検討すべきではないでしょうか。  加えて、旧近代美術館は、現在、富山県美術館で企画展が開催されている美術評論家で詩人の瀧口修造氏のイメージを濃く反映した建物でもあり、保存を望む御意見もいただいています。この点について、知事の見解を伺います。 82 石井知事 本県には、立山博物館を初め、立山カルデラ砂防博物館、また、高志の国文学館、イタイイタイ病資料館などがありまして、市町村でも、富山市科学博物館、高岡市万葉歴史館、魚津市埋没林博物館など多くの博物館が整備されておりまして、いずれも富山らしさを生かした個性的で特色ある博物館として県民に親しまれております。  博物館は、郷土の歴史を学んで文化振興にもつながる施設でありまして、本県には多様な博物館が、人口100万人当たり全国で3番目の34.7館と、多く設置されております。  県の文化財保護審議会において意見として出された総合的な博物館については、既存のこれらの博物館との位置づけや、収集する資料など課題も多くて、また、仮に博物館が新設される場合の県財政に与える影響なども考慮しながら、その必要性も含め、どのような内容のものが考えられるのか、慎重に検討する必要があると思っております。  なお、旧近代美術館の施設の活用については、調査の結果、耐震性やコスト面で課題が多いことから、民間で活用していただいたほうがよいと判断しまして、本年2月に売却に向けて民間企業からの提案を募集するという方針を発表しているわけでございます。  耐震性はIs値で0.429でございますから、不特定多数の方が利用される場合は0.75以上が必要で、どうしてもさまざまな手当てが要りますが、例えば当時検討したものですと、あの建物を美術館などとして活用する場合は、耐震改修に多大な費用が見込まれる、単なる事務所として使うのでも最低約4億円かかると。かつ鉄骨のブレスを入れる必要がありますので、内部の意匠や美観が損なわれて使用に制限が生ずるなど、機能性が大きく低下するといった検討結果となっているわけでございます。  そこで、ことし2月に、売却に向けて民間企業からの提案を募集するという方針を発表しておりまして、売却に当たりましては、公募型プロポーザルを行うこととしており、今後、準備が整い次第、速やかに実施したいと、こういうふうに考えております。 83 火爪委員 先日の文化財保護審議会の場で意見を出された方は、それこそ第一級の有識者と言っていい方々だと思います。そういう方々からこういう意見が今出てきているということを、ぜひ重く受けとめていただきたいと思います。総合博物館についても、ぜひ前向きに検討をするということを要望しておきたいと思います。  次に、教職員の多忙化解消と教育問題に移りたいと思います。  教職員の多忙化については、とやま学校多忙化解消推進委員会も設置され、第1回の会合が行われました。外部人材の投入も図られています。しかし、依然として事態は深刻であって、私の地元でも、地元の小学校に教育実習に行った学生が、先生たちの大変さを見て教員志望をやめた、こういう話も伺いました。事態は深刻です。  いろいろやらなければなりませんが、やはり関係者の指摘は、正規の教員の数を国の定数以上にふやしてほしいということであります。  学級担任などの臨任講師の欠員も、ずっとこの間議論されてきました。ところが、よくならない。新学期よりもさらにひどくなっている。9月議会では、欠員は34人との報告が教育警務委員会でもありました。しかも、調査機関の照会によりますと、全国と比較しても特別に多いと。富山県内は平均よりもずっと多いということだと思うのです。  報告を聞いたところ、県教育委員会は退職教員の再任用をかなり当て込んでいるようであります。しかし、やっと退職した先生たちが学級担任を受けるというのは結構大変なことで、毎日8時、9時まで担任になったら仕事をしなければいけない、引き受けるのは大変だという先生たちの声を伺っています。それだけに頼るのはやめたほうがいいと私は思います。  そこで質問ですが、国に正規教員の定数増をまずしっかり求めることです。そして同時に、県単でも正規教員を確保することを強く要望したいと思います。  いろいろ調べてみました。全国の教育条件を調査している民間団体によれば、平成30年の公立義務制教育定数の充足率は、富山県は100.2%です。その前は90%台だったんですよ。私たちは厳しく言って、そうしたら100%を辛うじて上回った。しかし、この充足率は全国で下から15番目です。事務職員はもっとひどい。定数充足率91.5%が富山県ですが、下から7番目です。富山県は教育には熱心かもしれないけれども、先生たちをきちんと採用することには不熱心だと言ってもいいと思います。  ぜひ県単も含めて正規の先生をふやしていただきたい。もう採用試験が終わっていますので、例えば、来年度は採用予定の教員数と合わせて、現在、補欠として名簿登載された方々が44人おられます。ここから辞退者10人がもう欠けているという話でありますが、最後はゼロになるかもしれないという危機感もあるのですけれど、この際、この採用決定時点の名簿登載者44人全員正規教員として採用してはどうでしょうか。それも含めて、改めて来年度4月の新学期には学級担任を含む臨任講師の欠員を必ずゼロにするという教育長の決意を伺っておきます。 84 伍嶋教育長 教員定数につきましては、法律によりまして児童生徒数や学級数に基づいて算定される基礎定数と、さまざまな教育課題に対応するために配置されます加配定数を積み上げて条例で定めております。これに加えまして、県単独予算により非常勤講師を配置して、教育環境の充実と教員の多忙化解消につなげております。  さらなる教員の多忙化解消を図るためには、委員御指摘のとおり、まずは国において学級定員や教職員定数の改善を図るよう国に対して強く働きかけていくことが大切であると思いますし、働きかけてまいりたいと思います。  また、来年度の教員配置でありますけれども、学級担任などの臨任講師の未配置が起こらないように、学校現場に必要な教員を、できるだけ新規採用教員や、あるいは今ほど御紹介のありました再任用教員──再任用も正規教員でありますので、この採用または確保がより確実な教員を用いて確保することとし、新規採用教員は、採用予定者数を昨年度よりも多い315名とするとともに、また確実に採用できますよう、325名を採用候補者名簿に登載したところです。  また、名簿登載者の辞退等に備えまして、辞退による欠員が生じた場合に、順次名簿に登載する補欠の合格者を昨年度より多く44名を確保しています。  年度当初の採用者数の決定に当たっては、退職者数を初め、再任用教員等の見込み数をもとに算定しておりまして、委員から御提案のあった、仮に補欠者全てを現時点で採用するということにした場合、新たに退職者等が生じない場合には条例定数を超過することも懸念されますので、今後、採用辞退の状況を適切に見きわめて、教員不足とならないように名簿登載してまいりたいと思います。  また、来年度の教員配置ですけれども、教員数の確保はもとより、人事配置上の調整なども行いまして、小学校での担任の未配置が生じないよう取り組んでまいります。 85 火爪委員 定数を超過したっていいじゃないですか。県単で出せばいいんですから。  そこで、もう一つ、今、お話がありましたさまざまな調整というところであります。  本会議で、山崎議員から、学校を離れて配属されている先生が300人というお話がありましたので、正確にしようと思って伺いました。322人いると。しかも、市町村教育委員会に派遣されたり知事部局に派遣されたりしている人を除いて県教育委員会に201人いると。総合教育センターと教育事務所に115人いると。学級担任に欠員が出たら、この人たちを使ってほしいです。
     その活用も含めて、改めて、くどいですが、新学期、欠員を生まない決意を改めて伺っておきます。 86 伍嶋教育長 臨任講師の確保については、今後も厳しい状況が見込まれます。このため、新年度の小学校の学級担任はできるだけ正規の教員で配置したいと思っております。  このため、配置に当たりましては、昨年度を上回る新規採用教員や再任用教員の確保により確実に配置ということを考えておりますけれども、このうち再任用教員については、希望される方が働きやすい環境を整備していくために、任用決定時期の早期化や任用地の広域化など、任用に関する運用の一部について今年度から見直すこととしております。  委員からも御指摘のありました、正規教員の欠員対応として教育機関で勤務する教員を学校に充てることにつきましては、これまでも配置の見直しを図ってきており、若干名減少させているという取り組みをしております。  しかしながら、今後さらに検討を進めていく場合には、現在従事しています業務内容を見きわめる必要があると思っています。具体的に申し上げますと、県の教育委員会事務局及び教育事務所では教育課程に関する指導助言、また、委員からお話のありました総合教育センターでは教員研修や教育相談を行っておりまして、これらの業務は教員でなくてはできない業務であります。  また、教育機関の一部では、教員採用や人事異動など人事管理面での全ての学校運営に関する業務も担っておりまして、減員による影響も考慮していく必要があると考えております。  また、これまでも可能な限り、事務職員等への業務の振りかえにより配置教員数を減らしておりますことから、なかなか早急な対応は難しいとは思いますが、今後、さらなる業務の見直し等について市町村教育委員会とも協議を行い、適正な人員配置に努めたいと考えております。 87 火爪委員 しっかりお願いいたします。  そこで、12月4日、国会で公立学校に1年単位の変形労働時間制を導入する、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案が成立いたしました。改正案は、御存じのとおり、繁忙期、学期中の労働時間を1日10時間程度に延長する一方、閑散期、夏休みなどだと思いますが、閑散期の労働時間を短くするというものであります。  しかし、先生たちに閑散期はありません。夏休みにも研修があり、部活があり、校務分掌がありで、夏休みだって残業している先生が多いです。結局、学期中の長時間残業を容認、固定化し、かわりの休みは取ることができなくなるのは目に見えているのではないでしょうか。  また、管理職も個々に先生たちの実態を把握し、この制度を運用するときには手続をしなければならないと聞いています。先生たちから強い批判の声が上がるのは当然だと思います。  法律は成立したのですが、この制度は2021年4月からの導入を予定しており、今後も紆余曲折が想像されます。  制度は、県が条例を独自に制定しなければ実施できません。  また、国会の答弁でも文部科学大臣は、学校の同意が前提であるという立場を表明しております。  県内ではこの制度を安易に実施に移すべきではないと思いますが、教育長に伺います。 88 伍嶋教育長 公立学校における働き方改革推進の観点から、労働時間を年単位で調整する1年単位の変形労働時間制を公立学校の教員にも適応可能とするための公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、いわゆる給特法の改正法案が去る4日に国会で可決、成立しました。  国会審議では、1年単位の変形労働時間制導入の前提として、長時間勤務の改善を図ること、また、画一的に導入するのではなく、例えば、育児や介護を行う者など個々の事情に応じて適用することなどの附帯決議も付されております。  本県ではこれまでも、県及び市町村教育委員会や職員団体の代表者等から成るとやま学校多忙化解消推進会議を設置いたしまして、毎年度、各学校や教育委員会が取り組むべき方策を盛り込んだ推進方針を策定しております。  また、今回の給特法の改正により国の指針に格上げされるガイドラインに基づき、県及び市町村教育委員会において、所管内の公立学校の教師の勤務時間の上限に関する方針を策定するよう国から求められていることから、県立学校に関する方針を策定するため、経済界やPTAの委員も加わるとやま学校多忙化解消推進委員会を設置いたしまして、現在議論を重ねており、先月には学校現場の状況についても視察を行っております。  今後、多忙化解消のために、学校等において取り組むべき推進方針を早急に取りまとめるとともに、1年単位の変形労働時間制の取り扱いについては、業務削減や在校等時間の上限の遵守を前提として、総合的な働き方改革を引き続き進めるとの文部科学大臣の発言や、今後、国でまとめられる指針の内容を踏まえながら、推進委員会で議論や研修を重ねて、本県における取り扱いを検討していきたいと考えております。 89 火爪委員 確認をしておきますが、まだわからないのかもしれませんが、県で条例をつくらないという選択肢、それから、条例があっても状況によっては各学校で採用しないという余地は十分あるのですね。 90 伍嶋教育長 各学校で、いわゆる休暇のまとめ取りなどを行う場合には、条例で規定した上で制度の導入ができるということになっております。したがいまして、条例で規定しない場合には、各学校で選択をして導入の判断ができるということではないということです。 91 火爪委員 ぜひ現場の意見をよく聞いていただいて、この施行の前提は、慢性的長時間勤務がないということが前提になっています。それから、先ほども申し上げました、現場の同意が必要だということにもなって、さまざまな附帯意見がつけられて成立したという経過ですので、教職員組合の皆さんも含めて現場の意見を十分反映をして、今後のあり方について検討していただくことを強く要望しておきたいと思います。  次に移ります。  この間、県議会では、学校図書館司書の正規化を求める内容の請願を繰り返し採択してまいりました。思い起こせば、黒部市長になられました大野さんと一緒に請願を提案し、採択をしたのが最初でありました。1年前にも、それこそ藤井副委員長などと一緒に、全会派の紹介議員のもとに請願を採択してまいりました。  これで、長らく動かなかった県立学校の図書館司書の正規採用が再開されました。昨年から1名、ことしから1名、採用試験は半年前ですけど、順次ふやされてきたことを関係者は大変喜んでおられました。  ところが、来年度の予算要望を11月13日、14日に我が党は行いました。その席で、今回は採用枠が見送られたという報告がありました。私たちはとんでもないとその場で強く抗議をし、追加募集を要望してまいりました。  ぜひ専門資格を持った県立学校の図書館司書の正規採用、追加募集をしていただきたいと思いますが、教育長に伺います。 92 伍嶋教育長 本県では、県立高校図書館の学校司書につきましては、学校の規模、蔵書冊数など、各学校の実情を踏まえた上で、できる限り専門資格を持った正規職員や常勤の臨任職員あるいは賃金職員を配置するよう取り組んでおります。  学校司書の正規採用については、昨年度末の退職状況等を踏まえ、今年度1名を採用させていただきました。来年度の採用については、今年度末までの退職見込み者数や来年度の再任用希望者数を慎重に見込み、当初では新規採用は見送ることとしておりました。しかしながら、今月に入りまして、当初、再任用を希望していた1名が希望しないということが判明をいたしまして、この1名分を来年度新たに採用することとして、来月、採用検査を追加実施する方向で事務手続を進めているところでございます。 93 火爪委員 この答弁がまだちょっと気に入らないんですよね。要するに、図書館関係者の要望や皆さんの強い要望を受けてと、どうして答えられないのかと。それは、実際、事情が変わったにしても、この間、県議会超党派で、そして図書館関係の皆さんと熱く要望をしてきたわけですよね。そういう運動を評価する答弁ぐらいあってもいいと私は思います。蛇足でありますが。  最後の質問に移りたいと思います。  決算特別委員会の総括質疑で津本委員が取り上げたALT(外国語指導助手)について改めて伺いたいと思います。  津本委員の質問で皆さん御存じだと思いますが、小中学校の外国語指導助手(ALT)には2種類があります。  1つは、国際交流事業として政府が推奨するJETプログラムというプログラムによるALTです。こちらには、1人当たり472万円ほどの交付税が措置されます。市町村が主体ですので、市町村にはきちんと予算がある。しかし、このJETのALTというのは大変不都合だと。教員として教育のために来ている方ではなく、国際交流が目的だと。要するに、学校に来て十分に頑張るつもりではなくて、都会に行きたかった、富山に来るつもりはなかったと言って帰ってしまう。  日本語がわからないので、ちんぷんかんぷんで、それを全部市町村の担当者が外国語もわからないのに対応しなければならないとか、アパートが見つからない、車がどこかに落ちた──これはなかったかな。そういうことで、一々市町村の教育委員会の担当者が対応しなければいけないということで、JETさんには大変悪いのですが、評判が悪いと。評判が悪いので学校現場では使わないということで、昨年度で言えば、県内市町村でこのJETプログラムを使っているのは、小中学校合わせて41人、全体の25%になっていると。これはやっかいだから使いたくないというのが市町村の実際の思いだと。  しかし、もう一方の民間事業者が派遣をするALTには補助金がないわけであります。そちらは、さっきのように病気になったりして不都合になったら、すぐにかわりの方を配置してくれるということであり、民間の派遣ですから、派遣事業者がきちんとフォローもするということで、残りの75%はこちらのALTになってきていると。大体、市町村は1人当たり500万円の財政負担を丸々しているそうでありまして、8人使えば4,000万円、市町村が丸々出さなければいけないということになっているわけです。  教育長は、こういう実際の事情をよく御存じなのに、さきの津本委員の質問に対する答弁で、片方にだけ教育委員会が支援をするのはいかがなものかと答弁をされました。縦割りの教育委員会はそうかもしれません。でも、市町村の教育委員会にしてみれば、片方にはあって片方にはないから、ぜひより使いやすい75%活用しているALTに県が支援をしてくれないかと言っているわけであります。改めて答弁を求めておきたいと思います。 94 伍嶋教育長 小学校の学習指導等の教育方針等については、市町村教育委員会において定められておりまして、国による定数配置以外の人員配置や教育環境等の整備に取り組まれております。  来年度からの小学校において正式教科となります英語科の授業では、学級担任または県が派遣している英語専科教員等が授業の指導計画の作成など授業を主導するのに対して、ALTはコミュニケーションの場面において担任等を補佐する役割を担っております。  このALTの配置については、各市町村教育委員会においてそれぞれの指導方針に基づき、配置数や派遣校などが決められております。  県としては、これまでJETプログラムによるALTの配置につきまして、財政支援措置や事務手続の面も含め、制度の周知を図っております。  JETプログラムと民間事業者の両方のALTを配置している市町村もありまして、そういった市町村では、例えば来年度の増員計画に当たりまして、財政措置や事務手続など両制度の相違を十分に把握された上で、いずれかの制度によりALTの配置を検討されているものと聞いております。  県教育委員会といたしましては、ALTや地域人材を活用する英語の学習活動は望ましい取り組みと考えておりますが、市町村が独自の取り組みとしてみずからの判断のもとで、民間ALTを採用している状況であることを踏まえますと、直ちに県としての支援を行うのはなかなか難しい面があることを御理解いただければと思います。  なお、中部7県にも確認したところ、いずれも民間ALTの配置に対する支援は行っていないのが現状でありまして、さらに全国における最新の対応状況などをよく研究してみたいと思っております。 95 火爪委員 英語の授業にとって貴重な役割を果たしているというのは、先日、川上議員の黒部の学校の様子の質問にも紹介をされていました。ぜひ前向きの検討を求めて、質問を終わります。  ありがとうございました。 96 藤井副委員長 火爪委員の質疑は以上で終了いたしました。        庄司昌弘委員の質疑及び答弁 97 藤井副委員長 庄司委員。あなたの持ち時間は60分であります。 98 庄司委員 こんにちは。自由民主党、庄司昌弘です。  県議になって初めての予算特別委員会での質問であります。後援会や地元の皆様、諸先輩議員の皆様、同期令和10の皆様、石井知事初め執行部の皆様、関係各位に心より感謝を申し上げます。  また、台風15号、19号においてとうとい命が失われるなど、甚大な被害が発生いたしました。一日も早い復興、そして生活の再建をお祈りいたします。  さて、県議としてこれまで、常任委員会や議員連盟、調査会、部会など、勉強会や視察の機会を多くいただきました。8月に教育警務委員会では、学校コーディネーターと地域コーディネーターをつなぎ役として、学校、家庭、地域の連携協力を組織的に展開させ、より効果的に学校支援や地域のきずなづくりを図る、とちぎ未来アシストネットなどを視察してまいりました。「ふるさとの風土で育む人づくり・まちづくり」をスローガンに、地域と学校が一体となってボランティア活動を推進されています。  地元栃木市出身の文豪、山本有三は参議院議員としても活躍し、こどもの日など祝日の制定にも力を尽くした人物であります。代表作「路傍の石」に出てくる「たったひとりしかいない自分を、たった一度しかない人生を、ほんとうに生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか」という言葉を紹介され、先人の思いを受けとめ、現代の教育にしっかりと生かされていることを実感してまいりました。  富山県においては若者の県外流出が課題となっており、子供や若者にとって魅力ある富山県づくりを強力に進めていかなければなりません。私も一議員として先人に感謝し、よりよい富山県を次の世代に渡していけるよう決意を新たにして、質問に移らせていただきます。  内閣府の令和元年版子供・若者白書によると、日本の若者は諸外国の若者と比べて、自分自身に満足していたり、自分に長所があると感じていたりする者の割合が最も低く、また、自分に長所があると感じている者の割合は、平成25年度の調査時より低下していました。  諸外国の若者と比べ日本の若者の自己肯定感が最低水準となっている状況どう受けとめ、向上のためにどう取り組んでいかれるのか、石井知事の御所見をお伺いします。 99 石井知事 委員のおっしゃるとおり、日本の子供たちは諸外国、例えばアメリカ、中国、韓国などと高校生同士で比較しますと、自分自身への満足感、自己肯定感が随分と低いという傾向になっておりまして、これをどうしたものかと私もかねてから考えてきたところであります。  子供たちの自己肯定感を育んで、自信を持って成長し、よりよい社会の担い手となるよう取り組みを進めていくことは本当に大事なことだと思います。  さまざまな調査において、今ほどお話ししたように、日本の子供、若者は諸外国に比べて自己肯定感が低いと言われているわけですけれども、ぜひこれからの時代に求められる資質、高い志を持って、また技術革新と新たな価値創造の源となる飛躍的な知の発見、創造など、そういったことに取り組む、チャレンジする、そういった能力を育成していくことが大事だと。  そのためにも自己肯定感を高めていくことが必要だと思いますが、1つには、子供が自己を見つめて、自分の長所と短所の両方を受け入れて、みずからの力を最大限に発揮できるようになることや、また、大人がさまざまな場面で子供のよいところを褒めてあげて、愛情を持って関与し続ける姿勢を示すということも大事だと思っております。  このため本県では、例えばいのちの教育、これは第1回目を、今から12年前に、聖路加国際病院の院長でいらした日野原重明先生にお願いして、滑川と高岡でそれぞれ小学生を対象に実施しました。これが1回目で、以降、毎年いろいろな方にお願いして実施しております。また、体験を通して人のために役立っているという実感を持ってもらう、社会に学ぶ14歳の挑戦などに取り組んでまいりました。さらに今年度から、高校における、社会へ羽ばたく17歳の挑戦や、小中学校におけるキャリアパスポートの例示資料の作成、配布などのキャリア教育の充実、また赤ちゃんふれあい体験などのライフプラン教育──これは中学生にもそういう体験をしてもらって、家庭や子供を持つことのすばらしさを感じてもらう、あわせて自分の人生について主体的に考える機会にしてもらう、そのようなことに取り組んでおります。  今後とも、教育委員会には、子供の自己肯定感の育成を図るとともに、富山ならではの真の人間力を育む教育の実現に向けてしっかり取り組んでもらいたいと思っております。 100 庄司委員 知事、ありがとうございます。  日本の若者の中で自分に満足しているという人は45.1%ということで、半数以上が自分の存在価値を否定しているということになります。自分のことを大切にするということは、人を大切に思うこと、そして自分が大切にされるという体験がまた必要になってくるのではないかと思っております。  自民党文教公安部会でのデンマーク視察で日本人の若者と意見交換した際に、1人の学生からの「日本は大好きだけど生きづらい」といった一言が大変心に残っております。  日本では、自分の意見が言いにくく居場所がない。デンマークでは全て受け入れてくれる寛容性があり、日本に帰ってからのことを大変心配しておられました。  未来を担う全ての若者が住みやすい社会をつくることは大変重要であると感じております。お互いの違いを認め合い、社会全体が協力しながら力強く生きるデンマークでの学びは大変有意義なものとなりました。成熟した民主主義社会の柱になるのは、自由、平等、共生であると感じました。  日本にとっても、富山県にとっても、地域のきずなをさらに深め、家庭、学校、地域がともに育む「共育」のさらなる推進が必要な時代であると感じています。  さて、新学習指導要領が2年間の移行期間を経て、小学校では令和2年度、中学校では令和3年度、高校では令和4年度より全面実施されます。新学習指導要領ではこれからの教育理念として、社会に開かれた教育課程を掲げています。1つ目に、社会や世界の状況を幅広く視野に入れ、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を持ち、教育課程を介してその目標を社会と共有していくこと、2つ目に、これからの社会を創り出していく子供たちが、社会や世界に向き合い関わり合い、自らの人生を切り拓いていくために求められる資質・能力とは何かを、教育課程において明確化し育んでいくこと、3つ目に、教育課程の実施に当たって、地域の人的・物的資源を活用したり、放課後や土曜日等を活用した社会教育との連携を図ったりし、学校教育を学校内に閉じずに、その目指すところを社会と共有・連携しながら実現させること、とあります。  この新しい学習指導要領の理念を踏まえて、これからの富山県の子供や若者に係る人づくりについてどのように取り組んでいかれるのか、石井知事にお伺いをいたします。 101 石井知事 新学習指導要領の社会に開かれた教育課程に沿って、子供たちの資質や能力を伸ばしていくためには、学校が保護者や地域社会と連携して取り組むことが重要でございます。  県ではこれまでも、平成28年に富山県教育大綱を策定しまして、学校、家庭、地域で取り組む子供の成長支援というのを基本方針の一つに掲げまして、先ほど申し上げた社会に学ぶ14歳の挑戦、あるいは放課後子ども教室、地域人材を活用した活動、例えば米づくり、野菜栽培、郷土芸能、また、ふるさと探検、部活動などいろいろなことに積極的に取り組んで、PTAを含めた地域全体で子供を育む教育環境づくりを推進しております。また、お子さんに健やかにたくましく育ってもらうには、やっぱり親御さん自身がみずから子供にどう向き合うかというようなことをしっかり学ぶことが必要であるということで、御承知だと思いますが、とやま親学び推進事業というのも、恐らくこれは全国で一番熱心にやっていると思います。  また、人生100年時代の到来を見据えまして、変化の激しい社会に対応するためには、みずからの未来を展望して、みずからの人生を主体的に切り拓いていく意思と能力を持って積極的に社会に参画して貢献する人材の育成が必要だと。ましてや、第4次産業革命と称されるAIやIoT等のテクノロジーが進歩しますと、何というか、定型的な仕事はみんなAIがやってくれますから、やっぱりクリエーティブな仕事、自分で人生にどう向かうかと将来のビジョンを持ってチャレンジする、そういう人材でないとなかなか有意義な人生を送れない、そういうことではないかと思います。  今年度から新たに、高校生が大学等で実験、実習を体験するアカデミック・インターンシップや、企業での就業体験などを行います社会へ羽ばたく17歳の挑戦に取り組んでおりますほか、学校や地域の関係者から成る連携推進会議を設置いたしまして、地域に必要となる人材育成方策に取り組みますなど、キャリア教育の一層の充実に努めております。幸い、この17歳の挑戦に参加した生徒さんなども大変有意義だったと、また改めて学ぶ意欲、その意義がよくわかったといったような反応もございます。  今後も学校と家庭と地域が連携、協働しまして、富山ならではの取り組みを積極的に進めて、ふるさと富山に心の根っこを置きながらも、地域社会や県内、全国、さらには世界で活躍できる人材の育成に努めてまいりたいと思っております。 102 庄司委員 御答弁ありがとうございます。  グローバル化や人工知能(AI)など、技術革新が急速に進み、予測困難なこれからの時代に、みずから考え選択し行動できる資質、よりよい社会や人生を切り拓いていく力、これが求められていくと思っております。子供たちのそのような生きる力を育むためにも、これからは開かれた学校づくりが重要であると考えております。  現在、学校や先生を取り巻く環境は大きく変化し、教員のなり手不足や、臨時的任用教員の未配置、教員の多忙化、学校行事、部活動のあり方など、学校の中だけでは解決できない多くの課題があります。  子供は家庭で育て、学校で鍛え、地域で磨くと言われます。家庭、学校、地域はもちろんのこと、行政や民間の力も活用し、子供の生きる力を伸ばす、ともに育む「共育」を進めていかなければなりません。  伍嶋教育長におかれましては、商工労働部長の御経験もあり、教育行政とは別の新しい視点からさまざまなアイデアをお持ちであると思っておりますが、9月議会では、就職氷河期世代における管理職の育成についても私から質問させていただきました。  就職氷河期世代の教職員が少なく、今後の管理職の育成等が課題である中で、社会経験のある民間からの管理職登用についてどのように考えておられるのか、伍嶋教育長にお伺いをいたします。 103 伍嶋教育長 今ほど委員から御説明がありましたけれども、本県教員の年齢構成は、就職氷河期とも重なる中堅層が少ない構成割合となっておりまして、今後、長期的な観点から、計画的に管理職を養成、確保していくことが大切であると思っております。  このため、管理職を視野に入れた意識を醸成するための研修や、ミドルリーダーとしての自覚の醸成と知識や技能の育成を図る研修を充実させております。  また、社会経験のある民間からの管理職を登用する制度については、これは地域の実情に応じて、学校の内外から幅広く優秀な人材を登用して、特色ある教育活動を展開するために導入されたものと思っております。  しかしながら、全国的にも、約20年経過をしておりますが、その活用例は少なく、本県でも採用実績がないところであります。  学校の管理職は、学校運営に加えまして、効果的な授業や生徒指導の進め方など、すぐれた教職経験をもとにして、中堅や若手教員を指導する役割も担っているということでありまして、学校経験のない管理職が教員に必要な知識や技能の育成や伝承を行うことはなかなか容易ではないということからではないかと考えております。  また、県外では民間登用の管理職が自己の経験を生かせないとして、採用から数カ月後に退職した事例もあると聞いております。  学校を取り巻く環境が大きく変化する中で、管理職には、地域や学校の状況、課題を的確に把握して、地域や保護者に信頼される学校運営を行うことが求められておりますので、新たな視点やアイデアを持った社会経験のある民間出身の管理職の登用については、その導入手法や定着方法等について、他県での取り組みの状況も参考にしながら、引き続き研究してまいりたいと思っております。 104 庄司委員 ありがとうございます。  ぜひ前向きに、こちらも検討していただければと思っております。  社会人になると、顧客やチームなどの課題を解決することが求められてきます。人への思いやりやコミュニケーション能力、そして協調性や忍耐力、行動力、やり抜く力が必要になってきます。  非認知能力を育てるには、子供や学生時代に何か好きなことを仲間と一緒に経験することが重要だと考えております。  学校行事等や部活動のあり方が見直される中で、民間や地域力を活用した学校運営を進め、生きる力に必要な非認知能力の向上に取り組まなければならないと思いますが、伍嶋教育長の御所見をお伺いします。 105 伍嶋教育長 非認知能力は、意欲、協調性、課題解決能力等の学びに向かう力や姿勢として、近年、その重要性が認識されております。こうした能力を育むためには、目標や意欲を持って、協同する活動を経験することが有効であると思っております。  このため、小学校では、学習発表会等において児童が意見を出し合い、助け合いながら展示や発表に取り組み、地域の方からも指導していただくことにより、児童の意欲や協調性を高めております。  また中学校では、生徒会がボランティア活動に地域住民と一体となって取り組むことにより、自己肯定感や自他を思いやる心を育んでおります。
     また、高校では、地元企業のPR動画の作成や地域環境保全活動など、生徒が主体的に地域や民間の課題の解決を目指す取り組みを行っている事例もございます。特に、委員からも御紹介のありました部活動、あるいは体育大会等の学校行事は生徒の主体的な活動が顕著にあらわれ、生きる力に必要な非認知能力の向上に効果があると思っておりますし、また、民間や地域の専門性を有する人材に協力を得ることによりまして、人への思いやりや協調性、そして行動力等の人間的な成長が一層期待できる活動となっていると考えております。  今後とも、こうした民間や地域力を活用した学校行事、部活動、こうしたことの好事例を、例えば学校訪問などの研修を通じて周知するなど、生きる力の育成のさらなる取り組みを進めてまいります。 106 庄司委員 ありがとうございます。  これからますますこの社会全体との協力、力を結集して共育を進めていかなければならないと思っております。そして、学校のかじ取り役であります校長先生の考え方や、そこでの決断というものでこれからの学校教育が大きく変わる、そういった転換期であるとも考えております。  子供・若者白書において、「子供や若者が対象の政策や制度は対象者に意見を聴くようにすべき」との問いに、日本の若者の69.5%が「そう思う」または「どちらかといえばそう思う」と回答をしています。  現在、計画が進められている高校再編や新高校開設に向けた検討の中で、当事者である生徒の意見はどの程度取り入れられたのか、伍嶋教育長にお伺いいたします。 107 伍嶋教育長 このたびの高校再編につきましては、県立高校再編の実施方針に基づき、教職員等から成るプロジェクトチームにより作成した再編実施計画の素案について、意見募集や地域説明会を実施いたしまして、中学生や高校生の実態をよく知る各地域の中学のPTAの方々や、再編統合の対象となる高校の地域や関係者を初め、広く県民の皆さんの意見をお聞きした上で、県の総合教育会議で取りまとめられた県立高校再編の実施計画に基づいて進めております。  本年4月からは、再編対象の両校の教職員から成る新高校開設準備室を開設いたしまして、来年4月の新高校開設に向けて、さまざまな課題について協議を重ねているところでありますけれども、学校によっては、例えば校訓や校章、制服などについて生徒に実際にアンケート調査を行いまして、それぞれの生徒の意見を取り入れながら検討を進めております。  今後、新高校で実施する総合選択制や体験型学習、探求的な学習活動、また地域貢献活動、学校行事、部活動などのさまざまな取り組みの具体的な検討に当たりましても、生徒や保護者等の意見を十分に踏まえて進められるものと考えております。 108 庄司委員 ありがとうございます。  学校の課題はたくさんあろうかと思いますが、やはりその当事者である児童や生徒の意見を聞くことで、それが学びにつながるのではないかと思っております。  成年年齢を18歳に引き下げることを内容とする民法の一部を改正する法律は、2022年4月1日から施行されます。成年年齢には、1人で有効な契約をすることができる年齢という意味と、父母の親権に服さなくなる年齢という意味があります。成年年齢の引き下げによって、18歳、19歳の方は親の同意を得ずにさまざまな契約をすることができるようになります。また、自分の住む場所を自分で決めたり、進学や就職などの進路決定についても自分の意思で決めることができるようになります。  成年年齢の18歳への引き下げに当たりまして、県内高校ではどのように取り組まれるのか、そしてまた、校則のあり方についても、伍嶋教育長にお伺いいたします。 109 伍嶋教育長 民法の改正に伴いまして、令和4年度から成年年齢が18歳に引き下げられることから、1つには、自立した消費者を育成するための消費者教育の充実や、また、生徒みずからが将来の姿を描けるよう、キャリア教育の推進や主権者教育の充実など、若年者の自立支援に係る取り組みを推進することが求められております。  消費者教育については、高校家庭科では、昨年度から契約の重要性及び消費者保護の仕組みに関する内容を加えて、次期学習指導要領の実施に先行して指導をしてきております。さらに、来年度以降は、成年となる前の1年生、2年生で、消費者教育に関する内容を履修することとしております。  また、発達段階に応じた主権者教育や中学校での14歳の挑戦、高校での17歳の挑戦など、本県独自のキャリア教育を実施しておりまして、生徒の社会参画意識の涵養や、将来の自己実現に向けた指導に努めております。  なお、校則につきましては、学校が教育目標を実現していく上で生徒が守るべき学習上、生活上の規範として定められておりまして、生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長していくための行動の指針として各学校において定められております。  現在も、定時制高校では、成年の生徒が在籍するなど、必ずしも成年年齢に達する生徒が在籍することのみをもって校則を見直すことにはつながらないものとは考えてはおりますが、校則のあり方については、社会環境の変化や生徒の状況に合わせて、生徒の意向も踏まえつつ検討されることが望ましいものと考えております。 110 庄司委員 全国では、校則がないという学校も出てきていますし、やっぱり生徒みずからが考えて決めていくということも非常に大事であると思いますので、ぜひそういったことも含めて校則のあり方や学校づくりに、子供たち、生徒がかかわれるような環境をつくっていただきたいと思っております。大人が子供や生徒を見る目もやっぱり変えていかなければいけないと思っております。  副委員長、資料配付の許可をお願いいたします。 111 藤井副委員長 はい、許可します。 112 庄司委員 次に、県内高校生の自動車運転免許証取得について質問いたします。  各高校の教習所への入所許可時期で一番多いのは、2月期末考査修了後で、以下、2学期の中間考査修了後、学年末考査修了後、不許可などとなっております。  また、大半の学校では、運転免許センターの受験時期を定めており、その6割は卒業後、随時としている学校でも、取得した運転免許証は全て学校または保護者の保管とされています。  就職や進学に向けて、高校在学中に自動車運転免許証の取得が必要な生徒も多いと考えますが、高校生の自動車運転免許証の取得についてどのように考えておられるのか、伍嶋教育長にお伺いいたします。 113 伍嶋教育長 高校生の在学中の自動車運転免許証の取得については、交通事故防止等の観点から、学校、保護者、生徒の理解を得ながら慎重に対処する必要があると考えております。  県教育委員会では、各高校に対しまして、校則等に違反した無断での運転免許取得の防止、また、運転免許取得を希望する生徒の自動車学校入校について、自動車学校との連携や情報を共有すること、また、交通安全指導の徹底について周知しております。  自動車学校入校の許可基準については、各学校においてその実情に応じて定められておりますけれども、高校卒業後の就職や進学時において運転免許証が必要な場合もあることから、多くの学校では、就職を目指す生徒については、就職が内定している場合、許可することとしております。  また、進学を目指す生徒につきましては、職業科のある学校では、推薦入学などで進学が内定している場合に許可している学校もありますが、普通科単独校では、受験に向けて努力を続けている生徒への配慮などから、進学を内定している生徒に対しても許可していない学校が多い状況となっております。 114 庄司委員 ありがとうございます。  現在16校ある指定自動車教習所では、12月から3月まで──この資料にもありますけれども──の間、卒業予定の高校生が集中して繁忙期が発生しております。職員は時間外労働などで対応していますが、4月の就職、進学時までに教習が終了しないという問題が生じています。  県内の高校生の入所は年間約4,500人で、3月末までに教習が終了しなかった生徒は約1,500人、全体の3分の1に及びます。また、来年4月から、職員の働き方改革等により教習の可能時間が大幅に減少し、今後さらに免許取得がおくれると予想されます。  高校生の教習が集中する時期は教習を優先するため、高齢者講習にも影響が及んでいると聞いております。  高校生の自動車教習所への入所時期が集中することにより、高齢者講習などにはどのような影響が生じているのか、大原警察本部長にお伺いいたします。 115 大原警察本部長 指定自動車教習所における高齢者講習と認知機能検査については、1日当たりの受け入れ数が限られているため、一定の待ち期間が必要な場合があります。とりわけ、委員御指摘のとおり、高校生の教習所への入所が集中する12月から3月には、その影響から高齢運転者の受け入れ数が通常時よりも減少し、受講、受検の待ち期間が長くなる場合が多くなります。  この傾向は2月、3月が特に顕著で、昨年とことしの実績によれば、高齢者講習、認知機能検査のいずれも年平均の4割の実施にとどまっていることから、その分、受講、受検待ちの期間も長くなるということになります。しかしながら、県内において高齢者講習などを受講、受検できず免許更新を行うことができなかった事例は把握しておりません。  県警察においては、昨年12月から運転免許センターにおける直轄の認知機能検査の実施を始めたことに加え、令和2年2月から運転免許センターの一部業務の取り扱い日を変更して、直轄分の受け入れ数の拡充を図ることとしており、今後ともこうした取り組みにより、また、指定自動車教習所とも連携を図りながら、高齢者講習などの待ち期間の短縮に努めてまいりたいと考えております。 116 庄司委員 警察本部長、ありがとうございました。  そういったことで、高校生の入る時期で、高齢者講習の方々もなかなかスムーズに受講できないという事態になっております。  高校生の教習所入所と自動車運転免許証の取得時期について、入所の許可時期の前倒しなど高校での規制を緩和して平準化を図るような対応が必要だと思いますが、伍嶋教育長にお伺いいたします。 117 伍嶋教育長 自動車運転免許証の取得のための自動車教習所への入所時期については、県立高校の場合は、多くの高校において、就職や大学の推薦入試が内定いたします2学期の期末考査修了以降に、自動車学校の入校を許可しておりますが、一部の学校については2学期の中間考査以降に認めております。  また、実際の免許証の取得時期となります自動車教習所の修了後に受験いたします運転免許センターでの学科試験の時期については、高校の卒業後としている学校が多い状況となっております。  これまで、高校生の自動車運転免許証の取得の取り扱いについては、文部科学省からの通知を踏まえまして、県教育委員会から各高校に対して、自動車学校を取り巻く状況として、高校生の入所は12月から3月までの繁忙期に集中しており、3月末までの卒業が難しいケースもあることなどを伝えるとともに、必要に応じて自動車学校と協議をして、運転免許の取得等について適切に対応するよう周知しております。  また過日、富山県指定自動車教習所協会から県教育委員会宛てに、入校許可時期の前倒しによる平準化の要望がございました。県教育委員会といたしましては、各学校に対してこうした自動車学校の実情などについて説明を行ったところでありまして、今後、入校許可の時期については、各学校において自動車学校の状況や生徒の実情を十分に踏まえて適切に対応されるものと考えております。 118 庄司委員 教育長、ありがとうございます。  やはり取得できない子供たちは就職しても会社まで行くことが大変で、親御さんが送ったりしておられるということなので、ぜひ前向きに検討をしていただきたいと思っております。  家庭は教育の原点であります。家族の愛情を受けながら、生活習慣や善悪の判断、人への思いやりなどが育つと考えております。しかし、少子化や核家族化、地域とのつながりの希薄化など社会が変化する中で、家庭教育力の低下が叫ばれております。  育児への不安や児童虐待、いじめ、不登校、ひきこもりなどが問題となり、先ほども言いました子供の自己肯定感の低さも課題となっております。  県議会自民党においても、子どもの権利や安全・安心を守る施策を推進するプロジェクトチーム(子どもPT)を立ち上げて、課題の解決に向けて調査研究を進めているところであります。教育における家庭の果たす役割は大変大きく、家庭教育への支援の輪をさらに広げていかなければなりません。  先ほど知事からもありましたが、富山県では、市町村やPTA等とも連携し、親を学び伝える学習プログラム、通称親学びが推進されていますが、これまでの成果と今後の課題を伍嶋教育長にお伺いいたします。 119 伍嶋教育長 近年、少子化、また核家族化などの影響によりまして、子育てに不安感や孤立感を抱く親が少なくないことから、県教育委員会では平成18年度から、保護者が親のあり方や子供との接し方について、身近な事例をもとにグループで話し合い、みずから答えを考えていく親学び講座を、PTAや市町村教育委員会、また企業などと連携しながら開催してきております。  開始当初500人余りであった参加者は年々増加をしておりまして、平成28年度からは全ての公立小中学校で開催されるとともに、幼稚園、保育所等での実施もふえまして、昨年度は参加者が延べで3万5,000人を超え、過去最多となったところであります。  また、今年度からは新たにゼロ歳から2歳児の保護者まで対象を拡大いたしまして、子育て支援センターなどで、「親のWa(輪・話・和)タイム」という名称で開催しております。参加した保護者の99%の方から参加してよかったとの評価をいただいておりまして、他の人の意見を聞くことで安心した、などの感想が寄せられております。  このように、多くの保護者に参加いただいておりますけれども、参加されない保護者の方もまだいらっしゃるわけでありまして、そういう課題もございます。このため、引き続きとやま親学び推進協議会において、県内ネットワーク化を図ることによりまして推進リーダー間の情報共有を徹底いたしますほか、研修会の回数の増加など、参加しやすい講座のあり方などについて協議をすることとしております。  今後ともPTAや関係団体等と十分連携しながら、親学びの普及、充実に努めてまいります。 120 庄司委員 ありがとうございます。  今も答弁の中で出てきましたが、親学びの推進リーダーの方が多くの役割を担っておられるのだと思いますが、富山県ではその推進リーダーの養成にも取り組んでおられます。その推進リーダーですが、PTAなども関係していますので保護者の方が委嘱される場合が多く、仕事の都合などから学校の行事になかなか推進リーダーとして参加できないという課題もあろうかと思っております。  そのため、幅広い対象から推進リーダーを募集して、状況に応じては、学校やPTAの講座等に推進リーダーにかわる講師や進行役として派遣できるような体制や学校との一層の連携が必要と思っておりますが、伍嶋教育長の御所見をお伺いします。 121 伍嶋教育長 親学びの推進に当たりましては、県教育委員会では、各市町村教育委員会から推薦をいただき、小中学校を担当する小中推進リーダー、その指導的役割を担う小中推進スーパーリーダー、また、幼稚園、保育所等を担当する幼保推進リーダーを配置しております。  今年度は、122名の推進リーダーのうち約8割が現役PTA、また約1割が元PTAでありまして、まさにPTAの方々に主体となって進めていただいております。庄司委員にも小中推進リーダー、そして小中推進スーパーリーダーとして大変御活躍、御貢献をいただきまして、感謝申し上げたいと思います。  毎年、約半数が新規の推進リーダーでありますことから、平成27年度から小中推進スーパーリーダーによるサポート体制を整えるほか、リーダー研修会や親学び通信を通しまして、講座の進行方法や推進リーダー同士の協力事例等を周知いたしまして、推進リーダーの資質向上に努めております。  また、市町村によっては、推進リーダーの情報交換会を行っているところもありまして、講座運営のノウハウが継承されるだけではなく、推進リーダー経験者による協力など、進行役のスムーズな派遣につながっていると承知しております。  このような市町村の取り組みは、幅広い対象からの募集や進行役の派遣について有効な手法ではないかと考えております。  県教育委員会といたしましては、親学び関係者が一堂に会するとやま親学び推進協議会やリーダー研修会等で、こうした取り組みについて市町村間で情報共有するとともに、日程の調整についても学校と推進リーダーの一層の連携が図れるよう進めてまいります。 122 庄司委員 仕組みもきちんとしているというところではあろうかと思いますが、ただ、なかなか広がりというか、今以上の広がりをつくるに当たっては、講師や進行役の派遣ということも非常に有効であると思っておりますので、その辺の、また予算的なことであるとかそういったことも前向きに考えていっていただければと思っております。  次に、県内在住の外国人児童生徒についてですが、年々増加しております。入管難民法改正により、学校現場における外国人児童生徒の割合は今後ますます大きくなっていくことが予想されます。  一方、学校現場では、支援が行き届かず、外国人児童生徒の学力不振や、低進学率、小中学校段階での中退や不就学などが問題となっていると思っております。  貧困や虐待、いじめ等のリスクは、日本人以上のものがあります。全ての子供たちに質の高い教育を与えられるよう努力が必要ではないでしょうか。  本定例会の一般質問においても、瘧師議員より外国人児童生徒の指導及び外国人相談員の待遇についての質問もあったところであります。外国人児童生徒がみずから進んで学ぶことができる環境づくりや、多言語や日本語の習熟度に対応した教育ツールが必要であると考えております。  外国人児童生徒への日本語指導においても、ICTを活用し、オンラインで授業を受けることができれば、住んでいる地域や学校に関係なく、低コストで質の高い日本語教育を受けることが可能になります。また、対面の授業では教えられる生徒数や時間にも限りがありますが、オンライン学習の場合は、いつでも、どこでも、本人のやる気次第で勉強ができるようになります。  外国人児童生徒への日本語指導に当たり、ICTの活用が大変有効、効果的と考えますが、どのように取り組んでいかれるのか、伍嶋教育長にお伺いいたします。 123 伍嶋教育長 国においては、多文化共生社会の実現に向けて、外国人児童生徒の受け入れへの対応として、当該児童生徒が少ない散在地域におきましても、きめ細かな指導を行うため、多言語化に対応した翻訳システムの活用や遠隔教育の充実、ICTを活用した支援体制の整備を推進していくこととされております。  県内の学校では、外国人児童生徒に対しまして、例えばアプリケーションを使用した学習や、電子黒板での日本昔話の動画の視聴による日本語学習など、習熟度に応じた教育を行っている学校もあり、学校からは、授業でICTを効果的に活用することにより、日本語の意味や適切な表現の理解が早いなど、学習内容が習得しやすくなるとの評価も聞いております。  市町村では、こうした取り組みができるICT環境が整備されてきておりまして、県教育委員会では、今年度からICTを活用した授業改善に取り組む市町村を支援してきております。  このほか、児童生徒の多言語化、多様化への対応として、支援を必要とする外国人児童生徒の多い小中学校に日本語指導教員を21名、外国人相談員を34名配置するなど、ICTの活用とあわせた取り組みを進めております。  今後とも市町村教育委員会と連携しながら、先進的な取り組みも参考にして、外国人児童生徒への教育環境の整備と指導の充実に努めてまいりたいと考えております。 124 庄司委員 ありがとうございます。  多文化共生ということで、外国由来の子供たちが大変ふえているので、人的、そしていろいろな知恵を絞って環境整備を、私も一緒に取り組んでいきたいと思っております。  文部科学省が取りまとめた学校におけるICT環境の整備方針においては、2022年度までに統合型校務支援システムの100%整備などが目標とされています。  児童生徒等の健康診断情報の電子化については、統合型校務支援システムの健康管理機能を活用して電子化が進められており、全国では、平成30年3月現在、52.5%の学校が統合型校務支援システムを導入していると聞いております。  県内の学校における統合型校務支援システムの整備状況と健康診断情報の電子化の進捗状況はどうなっているのか、伍嶋教育長にお伺いいたします。 125 伍嶋教育長 平成31年3月時点の国の調査によりますと、県内の公立学校における統合型校務支援システムの整備状況は、小学校では56.5%、中学校が56.3%と、いずれも全国平均を上回る水準となっております。  また県立学校では、高等学校が4.7%、特別支援学校は14.3%と、いずれも全国平均を下回る状況でございます。  また、健康診断情報の電子化については、本年5月現在の国の調査では、全国で約6割の学校が健康診断結果を電子的に記録しておりまして、電子化に当たりましては、そのうち約7割の学校が統合型校務支援システムが有する保健管理機能を使用しております。  本県においては、平成14年度から県内の全ての学校において、県が独自システムとして開発した学校保健統計データ管理システムを活用いたしまして、健診結果の電子記録を行っております。近年では、統合型校務支援システムの保健管理機能を使用している学校もありますが、健康診断情報の電子化という面におきましては100%の整備率となっております。  学校健康診断情報の利活用については、現在、国におきまして、来年6月を目途として、そのあり方などについて検討が進められておりまして、県教育委員会としては、今後とも国の動きを注視して適切に対応してまいりたいと考えております。 126 庄司委員 教育長、たくさん質問がありましたが、本当にありがとうございます。  健康診断情報も、本当に子供たちの健康、そして生まれてから大人になるまで、この情報を有効に活用できる、そういった状態で今100%電子化されているということですが、またほかの部局とも連携しながら、よりよいデータの活用に向けて取り組んでいっていただきたいと思っております。ありがとうございます。  続きまして、本県においても健康寿命の延伸に向けた取り組みが進んでいますが、そのための仕組みの一つとして、世界的には、個人の健康診断結果や服薬歴等の健康等情報を電子記録として、本人や家族が正確に把握するための仕組みであるパーソナルヘルスレコード(PHR)の考え方が広まっています。  生まれてから、学校、職場など生涯にわたる健康診断情報の活用を進めるために、2020年夏までに工程化することとされています。  本県におけるPHRの推進や、学校の電子化された健康診断情報や県と市町村とのシステムの連携に向けて、どのように対応していかれるのか、市村厚生部長にお伺いいたします。 127 市村厚生部長 今、委員から御紹介がありましたが、PHRは保険者、自治体、事業主等が個別に管理してきた個人の健康情報を、本人が把握し、健康増進等につなげるための仕組みでございまして、国では、来年夏までに、基本的な方向性と課題を整理し、活用するための工程表を策定することとしております。  この動きと並行しまして、来年度にはマイナンバー個人専用サイト、マイナポータルにおいて、予防接種歴や乳幼児健診等の情報や特定健診データ、令和3年度には薬剤情報が提供されることとして準備が進められております。  本県においては、このマイナポータルを通じた健康情報等の提供に向けて、県内市町村の予防接種情報は既にシステムの改修を終え、乳幼児健診等の情報については、現在、市町村とともに情報システムの改修等を進めているところでございます。  また、こうした健診等データを県民の健康増進に有効に活用するため、県独自の取り組みとして、特定健康診査の受診者について、健診結果とレセプト情報を統合することにより、市町村の特定保健指導対象者の抽出や優先順位づけ、糖尿病重症化予防対象者の受診勧奨などにも結びつけているところでございます。  先ほど教育長の答弁にございましたが、学校健康診断情報の利活用につきましては、電子化した学校の健診情報を活用して自治体の健康増進施策にもつなげられますよう、今後とも国の動きを見ながら、教育委員会や市町村と連携して取り組んでまいりたいと考えております。 128 庄司委員 御答弁ありがとうございました。  いろいろな部局があろうかと思いますが、部局横断的に連携して取り組んでいっていただきたいと思っております。  本日は教育環境を中心に質問させていただいて、教育長には大変ありがとうございました。そしてまた、信頼関係も多少は深まったのではないかなと思っております。よりよい富山県を次の世代に残すということは非常に大事なことであると思いますし、今を生きる我々の使命であると思っております。  けさ、ちょうど子どもPTの勉強会で、明橋大二先生から自己肯定感を高めるというような勉強をさせていただいて、何か本当に御縁を感じた一日であります。
     自己肯定感を上げるには、スキンシップや話を聞く、褒めてあげる、そして「ありがとう」と感謝を伝えるということであります。  しっかりと感謝を伝えて、そして皆様方、富山県が一丸となって、この富山県の未来の子供たちのよりよい富山県づくりにぜひ進んでまいりたいと思っております。  本日はありがとうございました。 129 藤井副委員長 庄司委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午後2時52分休憩                     午後3時05分開議        米原蕃委員の質疑及び答弁 130 武田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  米原委員。あなたの持ち時間は60分であります。 131 米原委員 きょう、私が本定例会の予算特別委員会の最後の質問ということでありまして、順次質問させていただきたいと思います。月日のたつのは大変早いもので、ことしも師走の半ばを迎えようとしておりますけれども、5月には新たな天皇陛下が即位されまして、令和の時代が幕をあけました。  謹んでお喜びを申し上げますとともに、新天皇、新皇后両陛下のますますの御健勝と御皇室のいやさかをあわせてお祈り申し上げたいと思うのでございます。  そして、この令和の時代が我が国にとりまして平安な、そういう国になりますように、我が県もしっかりとこれからも繁栄いたしますよう、心から願って質問させていただきたいと思います。  さて、一方では、ことしは風水害が大変多く発生いたしました。皆さんもそれぞれお話をされましたけれども、災害が各地で起こりました。各地に甚大な被害をもたらしましたし、予想をはるかに超える被害に改めて驚いている次第でございますが、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思う次第であります。  政府は国土強靱化対策を推進するということでありまして、大幅な対策を示しました。しっかりと治水強化整備に全力を挙げて取り組まなければならないと思います。本県もしっかりと県民に安全と安心を届けていただきたいと思うのでございます。  さて、戦後70年余を迎えたわけでございますが、来年には東京でオリンピックが開催されようとしておりますけれども、4度目の開催ということになるわけですね。1964年に東京オリンピックを開催いたしまして、その後、札幌、長野、そしてまた東京と、4度目のオリンピックということでございますが、振り返ってみますと、あのときにこの今の日本の姿を想像できたでありましょうか。  富山県も大きな発展を重ねてきたと思います。北陸新幹線の開業はその集大成だったと思います。本当によく頑張ってきたなと、このように実は思っているわけであります。  さて、近年、富山ではスポーツの話題が華やかであります。皆さんもいろいろとスポーツのことも触れておられますけれども、大相撲の朝乃山関、今、小結でありますけれども、関脇はもう間違いないと思いますし、いずれ大関、横綱を目指していくすばらしい力士だという太鼓判を押している方もたくさんいらっしゃるわけでありますので、しっかりと立派な力士に育っていただきたいと、このように期待をしております。  また、NBAのプロバスケットボールの八村塁選手、もう連日のようにニュースがアメリカから日本に流れてきておりまして、富山、富山というPRが盛んに行われている、非常に大変な活躍でありました。富山県のイメージがどんどん変わっていると、このように思って力が沸いてまいります。  一方、時代は刻々と変化を遂げております。例えば2015年9月の国連総会において採択されました「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」というものがありますが、国際的な取り組みについて行動計画を示されました。新しい世代の革新的な技術を活用して、強靱かつ環境に優しい国づくり、質の高いインフラなどを推し進めることが課題となっております。  このSDGs、いわゆるSustainable、Development、Goalsということでありますが、きのうも大阪からある大手の会社の社長が来られて、ANAクラウンプラザホテルで講演会がございました。  最近のいろいろな話を聞きますと、このSDGsの話が非常に多い。このバッジもそうでありますよね。つけていらっしゃる方もたくさんいらっしゃるけれども、何のバッジか知らない人もたくさんいる。だけど、どこの企業も社会も、これからSDGsの取り組みをどうしていくのかというのは極めて大きな課題になっているわけであります。  ことしの8月25日にサンシップとやまで、知事の肝いりで国立環境研究所社会環境システム研究センター長の藤田さんがお見えになってフォーラムをされました。私も出席させていただきました。これまでもやもやっとしていたSDGsのイメージが、藤田さんの話を聞いて、17項目のいろいろな問題を提起されまして、何か気持ちが整理できたのではないかと実は思っておりまして、大変すばらしいお話を承ったと思っています。  そこでお尋ねをしたいのでありますが、国連が提唱する持続可能な開発目標でありますSDGsの推進は、人口減少時代における本県の持続性を考える上で最も重要な考えであると考えますが、本県の将来を担う若者に対してどのような普及啓発を進めていくのか、蔵堀局長、よろしくお願いいたします。 132 蔵堀総合政策局長 本県はことしの7月に、国のSDGs未来都市に選定されました。  これを受けて策定をいたしました富山県SDGs未来都市計画におきましては、経済、社会、環境面それぞれの観点において、豊かな自然環境など、本県の有する特色や強みを生かした、地方創生に資する具体的な施策などを盛り込んでおります。  具体的には、例えば経済面では、立山黒部の世界ブランド化や水産業の振興と富山湾の魚のブランド力向上などでございますし、社会面では、循環型社会、低炭素社会づくりの推進といったことなどでございます。  計画の推進に当たりましては、県民一人一人にSDGsに対する理解を深めてもらい、持続可能な県づくりに向けてさらなる機運の醸成を図っていくことが重要だと考えております。  御指摘のように、特に若い世代に理解を深めていただくということは非常に重要でございまして、若者の県内定着や移住・UIJターンにも資するものと考えております。  このため県では、例えばTGC富山2019やJC全国大会in富山などでPRも行っておりますし、富山県SDGs未来都市選定記念フォーラム、今ほど委員から御指摘をいただきましたが、そういったフォーラムの開催も行っています。  また、世界で最も美しい湾クラブ世界総会でもPRを図りました。特に子供たちにしっかり知ってもらうことが重要だと思っておりまして、小学校、中学校、また高校、大学などにおいても、SDGsに関する研究発表会や授業、講義などに取り組まれることが近年増加しております。  高校などでは、スカイプでアメリカの大学生とSDGsをテーマとした交流学習も行っているところもあるわけでございます。  今後、市町村、企業、関係団体などとしっかり連携いたしまして、若い世代へのアピールを念頭に、学生、親子、企業などターゲットに応じたきめ細かな普及啓発に努めまして、持続可能な県づくりにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 133 米原委員 若者にこれからどのように浸透していくのかということなのですが、この間、地方新聞でありますが、SDGsを知らないという方が8割、よくわからないとおっしゃっている方がたくさんおられるわけです。  最近は人口減少の中でどうしていくのか、あるいは高齢社会でどうだとかこうだとかという話ばかりが多くの課題になっていまして、人口がどんどん減少していくという話ばかりです。  しかし、私はフォーラムでの話を聞いて、これからの時代というのは、いかに交流人口をふやしていくのかということをしっかりと我々地方が考えていかなければならない。地球上に70億人というたくさんの人間がいらっしゃるわけですから。  いかに交流人口をふやして、地方も頑張っていくことができるような社会をつくっていくかが大事ではないかと思って、非常にフォーラムはよかったと実は思っています。  そこで、今、蔵堀総合政策局長がおっしゃいましたが、若者にいろいろなことを浸透していかなければならないということで、この間、パネルが大はやりでありますので、私もこれをつくってきたのですが、皆さん、これはどういうことか大体おわかりだと思います。わかりますよね。  この地図は、かつては東京─大阪の、いわゆる東海道新幹線ができたので、長野を通って、富山を通って京都、大阪へ行く、北陸新幹線をつくりたいということを我々は申し上げてきた。  これを大ゴールデン回廊と申し上げてきたわけですね。今、福井、敦賀から大阪まで工事を進めていこうとしているわけです。この間、台風でとまりました。あのわずかなことで北陸新幹線がとまったのですよ。  もし東海道新幹線で何かあったらどうしますか、皆さん。そんなこと、わかるでしょう。もし何かあったら、日本がとまってしまうのですよ。だから、早く大阪までつなげてほしい、東海道新幹線の代替補完機能というのが、当時の私たちの北陸新幹線の陳情の始まりでした。  だから、これを早くやってほしいと言ったけれども、何で北陸に新幹線が要るのか、いずれストロー現象によってみんな首都圏などに集中してしまうよって、東京の人たちはみんな反対したのです。  だけど、50年近く一生懸命やってきて、敦賀まで来たわけ。あと、残りをつなげる。大阪までつながって初めて大ゴールデン回廊というものができるわけですね。  これは私たちがよく陳情に使う地図です。ただ、それだけではわからないものだから、観光地などがたくさんあるということを、私は書いてきました。つくってきました。これはわかりやすいでしょう。長野には善光寺があって、長野から富山まで来れば、宇奈月温泉があって、トロッコ電車、黒部ダム、カニや、富山の美しい湾、そこから和倉温泉、金沢の近江町市場、加賀温泉、芦原温泉、東尋坊、ひがし茶屋街、五箇山など、みんな書きました。  これを都市圏の方に見てもらったら、皆さん、富山というところはここなんだと、すぐわかってもらえませんかね。  今の考え方というのは、みんな、自分のところだけ言っている。大ゴールデン回廊というものを皆さんに理解してもらえば、もっといろいろなことに取り組みやすいのではないかと思うのですが、知事、ごらんになってどうですか。どれだけでもプレゼントいたしますが。  これは、私がつくってきました。この間も観光・交通振興局に言ったのだけど、まだまだいろいろ載せるべきものもあると思います。  しかし、大阪まで早くつなげなければ大ゴールデン回廊にならないということをしっかりと受けとめて、SDGsの中で、交流人口をふやしていくためにしっかりと早くやるということを取り上げてもらいたいということで、知事さんの思いを聞かせてもらいたい。 134 石井知事 本当に大変すばらしい御説明、ありがとうございました。  新幹線沿線地域との連携ということで、北陸3県だけでなく、長野県や岐阜県、埼玉県、東京都などとも連携しまして、県境を越えて、今、交流人口が大事だとおっしゃいましたが、そのとおりでありまして、旅行商品の造成、共同のウエブサイトの開設、相互での観光PRイベントの開催、東京都さんとも連携して、フランスからブロガーを招聘して、東京から長野、それから上越、富山、金沢と観光ルートの体験記事をウエブで配信していただいております。  特にインバウンドについては、外国人向けの鉄道割引切符、御承知のように、北陸アーチパスを利用した広域周遊観光が期待できますので、北陸新幹線沿線12都府県で、JR各社等と連携して沿線の魅力を紹介したパンフレットの作成、ウエブ広告の掲載、共同での海外プロモーション、アメリカやスペインで旅行展に共同出展することをやっておりますし、また、高山線を活用した周遊の促進などもやっております。また、航空路線も大事で、長野県や岐阜県とも連携しております。  大ゴールデン回廊、おっしゃるとおりで、先般の台風19号でもあれだけの影響があったのですから、太平洋側で何かあったらどうするのかと。全くおっしゃるとおりでございまして、この大ゴールデン回廊は、首都圏、中京圏、関西圏と北陸、信越地域を合わせた人口6,500万人の世界的な経済、文化圏となる可能性もありますから、それぞれの地域の特性、強みを生かした多彩な魅力を内外に発信することにより、さらなる相乗効果が期待できます。  その上、富山県は伏木富山港が大変優位なポジションにありまして、シベリア・ランド・ブリッジの高速化が実現しますと、ロシア西部やヨーロッパにつながる一番便利な港になるという面もございます。  今後も、新幹線の敦賀延伸、さらには大阪までの全線開業を見据えて、委員のおっしゃるように、沿線各県、北陸3県初め、それぞれの特色、強みを生かしながら連携協力して、しっかりと取り組んでまいります。 135 米原委員 この間、観光・交通振興局の皆さんともお話ししていたのですが、各県ごとにいろいろな観光のリーフレットがあります、富山県もそうです。市町村ごとにも、みんなある。  ところが、全体のものは、どうしても予算の関係や、それは自分の範囲ではないということで、単独のものはたくさんありますが、5県、あるいは北陸3県のものはありません。  これから県外から来られる方が、富山へ行って、金沢へ行って、福井へ行く、岐阜へ行く、あるいは長野へ行くというイメージがぱっと見てわかるようなPRをしていかないと、なかなか来られる皆さんは魅力を感じないのではないかと思いますので、ぜひひとつ、こういったものに取り組んでほしい。  猪俣局長さんの部屋に行っても、各県や市町村のものが1枚ずつ置いてある。あんなたくさんのもの、どこへ持っていけるのか。そうでしょう。ああいうものを1つにして、こうですよってPRできるような形にしていただきたい。このパネルを参考にしていただきたいと思います。  これだけ言っていても結構時間が要るのですが、次のことを質問させていただきたいと思います。先ほども新幹線のことを申し上げました。東海道新幹線、1964年に東京─大阪間が開通いたしました。東京オリンピックのときに開通したわけですけれども、そしてその後、北陸新幹線を東海道新幹線の代替補完機能ということで言って、あれから50年余りたちました。  ようやく開通して4年余りたち、5年目を迎えようとしておりますが、北陸新幹線が2015年に開通する2年ほど前に、私ども富山県の経済界──北陸新幹線も国会や県議会や各市町村やいろんな人たちと一緒になって取り組んできた大プロジェクトです──今後、北陸新幹線が開業した後のこれから北陸地方をどのように考えていくべきなのかということで、いろいろな地域を視察に行ってまいりました。富山経済同友会として勉強会をいたしました。各県の、中核都市といいますか、人口30万人から50万人ぐらいのまちを全国調査いたしました。  新幹線が開通した後の地域はどのように大きく変貌を遂げているか、何がその県として必要なのかということを調査したのが、富山経済同友会の地域活性化委員会でございます。その結果を踏まえて、数年前にまちなかスタジアム構想として提言したものを、私は委員会や議会で質問いたしました。その後、2018年ぐらいからたくさんの人が質問されてきました。武田議員が平成30年2月定例会に代表質問をされました。それから菅沢議員も言われました。火爪議員もおっしゃった。鹿熊議員もおっしゃった。中川議員もおっしゃった。  まちなかスタジアム構想の中で提案した、全天候型多目的スポーツ施設等をぜひ検討してもらいたいということについて、知事にいろいろと皆さんが提案をされた。  先ほども瀬川君からいろいろとデータの話がありましたが、約70%の方は必要だということを言っておられる。しかし、慎重に考えたほうがいいのではないか、そういうものをつくってどうするのかという、いろいろな意見がありますが、大方の皆さんは、なるほどと理解を示されたということが、私が言っているのではなく、きちんとデータが出ています。  そこで、アリーナのことについては知事も、いろいろな県民の意見を聞かなければならないということで、いろいろと調査をされ、委員会をつくられて検討しておられますが、もっと検討すべきだとか、いろいろな意見が出てきた。一つ一つ言ったら大変です。  そして最近になって、富山の武道館が相当老朽化している、高岡も老朽化しているので武道館を何とかしてほしいという意見が途中から出てきた。  それも検討されて、結果として、いわゆる多目的武道館、武道館の機能を有する多目的施設というようにだんだん変わってきて現在に至っているということですよね。  総合政策局長、そういうことでしょう。どのように変わってきたかという経過を答えてください。 136 蔵堀総合政策局長 まず、委員から御指摘がありましたが、平成27年の4月に富山経済同友会の地域活性化委員会で、全天候型の多機能の複合型の大規模集客施設、まちなかスタジアムを整備してはどうかという提言がなされています。  その後、いろいろな意見がございましたけれども、県では平成29年の12月に県民意識調査を実施しております。全天候型の多目的施設整備についてどうかということであります。  このときに、前向きに検討すべきというのは17.1%、必要だと考えるが、既存施設の統廃合など県の行財政状況等を十分考慮した上で検討を進めたほうがよいという、慎重だけど賛成といえば賛成と言えるのが52.6%、不必要が25.4%ということで、結構いろいろな意見がありました。全体としては、大部分は多面的で慎重な検討を望んだということかと思います。  これを受けまして県では、健康・スポーツ環境充実検討会を平成30年の8月に設置して、県民意識調査、それから専門のコンサルタント会社の調査結果を踏まえて、一番大きいもので屋根のついた全天候型のサッカースタジアム、それから大規模アリーナや武道館について、整備費、維持管理費、施設運営上の課題を議論したわけであります。  特にサッカースタジアムは非常に大規模で、事業費が250億円程度、多分今は建設費が高騰してきていますので、今つくるとなると300億円近くになるではないかと考えています。  また、その上にサッカースタジアム、非常に大規模な敷地──検討委員会の中では、全国平均をとると大体3万8,000平米必要──だといったこともございまして、これはなかなか整備が難しいということでございました。  また、大規模アリーナも1万人規模や8,000人規模で検討したわけでございます。この中では、8,000人規模が検討の俎上にあるということで、より詳細な検討をさせていただきました。  その中では、例えば大規模コンサートを年間10回開催、プロスポーツを年間40回開催という前提条件で試算をしても、経済波及効果は年間約32億円で非常に限定的だということで、多額の整備費、8,000人規模での150億円から170億円をかけた上で、集客効果が限定的で、収支差額を全額税金で補填するとなると、これはなかなか多くの県民の理解が得られないということでございました。  そんな中で、御指摘もありましたが、武道館が老朽化している、狭いといったこと、それから大規模な大会ができないということで、武道館について整備して、主道場では、武道競技だけではなくて、ほかのスポーツもできるよう多目的に整備すれば県民の理解もいただけるのではないかという、そういう検討会報告を受けて基本計画検討委員会を設置したというのが現在までの状況でございます。 137 米原委員 そもそも、大規模アリーナとか、そういったものと武道館というものは、本来は全く趣旨が違うというか、大規模アリーナというのは、8,000人とか1万人とかという大きなイベントを開催していかにお金を稼ぐか、稼ぐという言葉は悪いけど、いかに人に来てもらうかというのが大規模アリーナのスポーツも含めたあり方。  武道館というのは、これは教育施設です。先般、元文部科学大臣の下村博文先生が来られて講演もいただきました。あの方のお話を聞いても、みんななるほどと。  知事も教育長も出席されましたが、武道館というのは、子供たちの教育、先ほどの庄司さんの教育の話ではないけれども、いかにこれからの子供たちをしっかりと教育していくのかということ、知徳体からすると、体づくりをしっかりやって、それで鍛えて、そして勉学で一人の人間を育てていくということが私は基本だと思う。  ぜひ武道館を整備してあげてもらいたい。私は反対しているのではない。ただ、武道館が全天候型だと言われると、私もちょっとぴんとこない。武道館は武道館だ、全天候型だと言われたら、みんな全天候型だ。箱物は全部全天候型だ。  それを膨らました話はわかる。そのときは、どこか知りませんが、場所がどうとかこうではなくて、どんな形にするかというのが先でしょう。  富山県は、こんな小さいところ、1つだ。東も西もない、皆さんが便利なところであればいいです。人が集まってもらうところであればいいんですよ。富山がどう、高岡がどう、どうでもいい。富山県、こんなコンパクトなところ、どれだけ時間がかかるか。そのためにはいいものをつくってほしい。それで、しっかりと皆さんに喜んでもらえるものをつくってもらいたい。  したがって、武道館と、もう少し膨らませて、富山県はなるほどいいもの考えたなというようなものを皆さんに示してもらうようにしてもらえれば、大方の人たちは納得するでしょう。  私たち自民党の役員会でもみんな意見が違う。あれを1つにしてはどうかという人から、武道館は武道館、アリーナはアリーナという人もいるし、いろいろ。皆さんだって、いろんな意見があると思う。駅の近くがどうとか、何がどうとか、そういうこともあるかもしりませんが、まず形をつくってどうするかということをしっかり考えた上で、場所をどこにするかということを考えてください。どうですか。 138 蔵堀総合政策局長 基本計画検討委員会では、まず大事なこととして、施設の機能、どんな機能を果たすか、それから施設の規模をどうするかというのが1点です。  2つ目が、場所、どこに場所を決めるかということです。  3つ目が、どういった運営をしていくか、県民の方が利用しやすいように、どういう運営が望ましいかという、こういった3点について検討するわけでございます。  委員からも今、御発言がございましたけれども、私どもも当然、武道館として、まず機能をきちんと果たせるもの、そういったものをつくった上で、主道場が武道競技で使っていないというようなときに、そこはそこで広いスペースがありますので、ほかの用途にも使える、多目的にも使えると、そういったことで検討を進めていこうと考えております。 139 米原委員 ぜひ前向きに武道館と多目的施設というものを総合的に判断して、しっかりとひとつ、なるほど、いい形をつくっていただいたなと言われるように、時間がかかってもいいですから、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  そこで、昔、富山空港のそばのテクノホール、現在増築しましたが、私がちょうど三十数年前に議員になったときに所属した委員会は商工労働委員会でした。  そのときの商工労働部長が前田正博さんという方でした。それから田中徳夫さんとか、高原一郎さんとか、豊國さんとか、藤木さんとか、戸高さんとか最近、佐野さんだとか、皆さんと親しくしてきました。  田中さんのときに、あのホールは皆さんに大変御利用いただいて、いっぱいでなかなか使えないと。あのときは石川県も2号館、3号館の話が進んでいた  したがって、もう1個何か富山でつくることを検討してもらえないかということを私は委員会で言ったことがありました。そうしたら、そうだということで検討されまして、場所をどうするかと。それで高岡になった。今の高岡テクノドーム、北陸新幹線新高岡駅の前のドーム。今から三十何年前です。  ところが、あのときどんなことを言われたかというと、これも私は腹が立った。富山の建物は、富山市ならキャパは大きくてもいい。高岡は小さいまちだから、箱物は小さくてもいいということを委員会で言われた。私はそこで頭にきた。何で同じ富山県で、こっちは大きくてこっちは小さいのかと。規模の同じものを2つつくって、一緒に利用すればいいではないかと。どうしてそんなおかしなこと言うのかと。当時田中さんと、激論したことがある。  結果、今のあそこの建物がああいう形でできた経緯があるのです。その後、私もたまにしか行けませんが、この間ゆっくりと見てきました。高岡テクノドームの建物、立派なアーチですが相当古いです。  高岡については、この間、永森君や針山君も言ったし、言わない方がおられないくらい皆さんいろいろとお話しされました。
     私は、高岡は最近、市民会館を取りやめる、総合体育館も取りやめる、大和も撤退する、ともかく高岡は本当にどうなっているのかというくらい腹が立つ。だけど、本来これだけの大きな問題だったら、高岡の県議会議員、市議会議員さんや経済界はなぜみんな一緒になって議論しないのですか。  国会議員もいらっしゃれば、県会議員もおられれば、市議会議員も市長もいるんでしょうが。皆さんでなぜ、この問題をみんな一緒になってどうするのかということを話さないのか。てんでにああとかこうとか言って。場所がどうとかこうとか、そんなこと言う資格ないよ。私はそう言いたくなる。みんなで協議をしてどうするのかと。  私は高岡テクノドームを先日見に行きまして、あの古いものに何とか手を加えて、あれを少し膨らませて、何とか皆さんの思いを、新幹線の新高岡駅からも近い。  滝さんの前の総務省出身の経営管理部長であった新田さんという方とは大変親しくしておりまして、あの施設、何かうまく利用できないかと言ったところ、バーチャルリアリティーのようなことに使うことも1つの使い方としてあるのではないかということを教わったことがございました。なるほどと。そういう使い方もあるのかと思いました。  その後、皆さんと一緒に総務省に行って、5Gのこともいろいろと教えてもらった。いろいろなことで総務省に行って、さまざまな情報を私たちはキャッチさせてもらって、そういうことを考えながら、あの施設を何かうまくできないものかということを実はずっと考えてきたのです。  したがって、できればあの施設を、もう相当古いですし、新しいものを建てるというと大変ですから、あの施設をリニューアルして、今、高岡も大変苦しんでいる地域でもあるので。  もしまとまれば、皆さんの思いが一緒になって、それはいい話だと、みんなでやろうと言ったら、知事ね、これはひとつ皆さんの意見のとおり政治決断で、あの建物をうまく利用して、西部というか富山県のための新しい産業展示館、あるいは大型のアリーナ的なものにも使えるでしょうし、さまざまなイベントにも使えるでしょうし、あの施設に何か手を加えてもらうことになれば、武道館と2つにすれば皆さん納得してもらえる。  私はずっと考えていた。2日も3日も寝なかった、この話を考えていたら。この私の思いをどうか受けとめていただいて、皆さんの意見も受けとめてもらって、さっき地方がどうとか、一緒に市と県でやればどうかという話もあります。それも結構。だけど、今の高岡の現状からすると、何とか光を与えてやってもらいたい。そういう今、思いでありますので、高岡というよりも富山県なんですよ。富山県なんだけど、高岡の周辺が暗くなっている。本当に暗いわ。  この間、滝部長に言ったら、何とかしてあげたいんだけど、何かもう一つ乗らないと言われて。何かしたいなとは思っているんだけど、何かその気持ちは出てこないと言う。そういう高岡ではあかん、そうでしょ。やっぱり正直に言って、こんなわけだからこうだって言うたらね、みんな心が動きますよ。これがないというのは私は残念。  市長は何をしているのかと、私は腹が立ってしかたがない。市長だけの問題ではない。市議会議員も、県議会議員も、国会議員も、経済界も、みんなで一緒になって。今の時代は、SDGsではないけれども、みんなが持続可能なことを考えていかなければいけない時代だと言っているじゃないですか。  国に何とかしてください、県に何とかしてください、そんな時代じゃないんですよ。みんなでやらなければいけないんですよ。どうですか知事、何か考えてくださいよ。 140 石井知事 委員の大変な御熱意に、私も共感する点、多々ございます。  高岡テクノドームは、県と高岡市と地元経済界が連携協力しまして平成3年に設置されて以来、展示会の開催や研究開発型企業の育成による産業の創出などを通じまして、高岡のみならず、県西部地域中心に経済の活性化に寄与してきたと思います。  これまで、北陸新幹線開業による新たなコンベンション等のニーズに対応した機能向上を図るために、平成26年度から平成27年度にかけて、音響設備として可搬式の6連式のスピーカーを入れたり、300インチの大規模スクリーン・プロジェクターを入れたり、Wi-Fi整備など、いろいろなことをやってきましたけれども、新たなニーズとして、5Gの設備、また大規模会議に対応できる客席──今は割にフラットなホールですから、椅子を並べますと、後ろのほうが見えづらい。ドームなのでいい点もあるかわりにちょっと使いにくい、そういうこともございます。  そういう中で、この9月には北陸最大のeスポーツイベント、5Gコロシアムも高岡テクノドームで開催したということでございまして、それなりにポテンシャルはあるなと。  また、高岡テクノドーム周辺は、まさに委員おっしゃるように、新高岡駅に近接していることに加えまして、近接の大型ショッピングセンターが大幅な増床をして、周辺の立地環境の魅力が増しておりますし、ファミリー向けのイベント、また県外からの誘客につながるようなイベントなど、ニーズが増大することも見込まれます。  また加えて、北陸新幹線の敦賀開業ということが、あと3年4カ月後でございまして、委員おっしゃる交流人口の拡大につながる、そういう可能性もある。このエリアが、高岡のみならず、県西部地域の活性化に資する拠点として大きな可能性があって、また新幹線沿線地域でも、独自の魅力ある拠点となり得るチャンスでもあると思っております。  今議会で、さっきおっしゃったように、数えてみたところ6人の県議会議員の方から、それぞれ武道館機能を有する多目的施設の立地場所に関連して、地域バランスや、高岡を初め県西部の活性化というようなこともお話がありました。  そういうことを考えますと、さまざまな環境変化も踏まえまして、高岡テクノドームが県民の皆さんに親しまれて、また経済界などのニーズに対応が可能な魅力ある西部地域の拠点施設になりますように、展示、集客、交流機能の充実に努めていくべきいい時期ではないかと、今のお話を聞いて改めて大変共感する点が多いわけでございます。  県の財政事情も厳しい中ではございますけれども、きょうも県西部地域の活性化、また県全体のバランスある発展を求める、瀬川委員から大変御熱意あふれるお話もありました。  今後、県議会はもとより、高岡市を初め経済界など関係の皆さんの御意見も伺いながら、おっしゃるように、みんなで手をつないでやらなきゃいかんと思いますので、5GなどICTの最先端技術を備えた魅力ある施設、今の施設をそのまま改修してやるのか、あるいはもう少し工夫をするのか、いろいろ考えて、この問題については前向きに検討する。  また、取り組む以上は、北陸新幹線の敦賀開業に間に合うようにしっかりと努力してまいりたい。そのためにもぜひ、高岡市初めいろんな皆さんと連携したいと思っておりますので、また委員も何かとお力添えをいただきたいと思っております。 141 米原委員 知事の御理解をいただきまして、今ほど本当に前向きな御答弁をいただきまして、よかったなと思います。ありがとうございます。  西とか東とかということですが、富山県はこんなコンパクトな県なので、105万人そこそこで、市町村も15もありますけれども、1つでもいいくらいなものです。だから、東とか西とかという時代ではないので、1つでいいのですが、地域の歴史もありますし、東西の関係もありますので、そこそこバランスのとれた発展というものも私は必要ではないかと。  高岡のほうは、これも新田さんの話で大変恐縮ですが、5Gの話をしたときに、AI、IoTの技術が進んでまいりますと、無人でバスを走らせるのは、高岡の新駅と旧駅を結ぶ、あるいはテクノドームと結ぶなど、いろいろな取り組みができるのではないかということも話としては出ておりましたし、新しい時代の事業をつないでいけば、またいろいろなことが可能ではないかと思います。  ただ箱物をつくったからいいというものではなくて、その箱物をいかに皆さんに利用していただいて喜んでもらうか、あるいは交流人口をふやすかということだから、ものすごいアイデアを出していかなければいけない。  そういうことは、さまざまな取り組み方があると思います。そういったことも皆さんで知恵を出していけると思いますので、ぜひひとつ、しっかりとこの件を御理解いただきまして、いい年を迎えられるように、御理解を賜りたいと思います。ありがとうございます。  最後に、ちょっと時間がありませんが、5Gのことを少し通告してございましたので、滝経営管理部長等々にお尋ねいたしますが、私ども自民党議員会の勉強会で、総務省へ一昨年の10月にお邪魔いたしまして、いろいろと勉強させていただきました。  知事もNTTの現場へ視察に行かれたようでありますが、こうしたこともいろいろと見て、ああ、なるほど、時代が変わっていくなと、つくづくそう思いました。  そこで、幾つか感じたことは、ちょっと時間もありませんので全て申し上げられませんが、きょう警察本部長も来ておられますが、大原さんが着任されて、本当によく富山に来てもらいました。ありがとうございます。  そこで、富山県は遭難が多いです、山岳の。県警には大変御苦労していただいている。しかし、雪が降るなどすると、なかなかどこにいらっしゃるかわからないことなので、5Gを使って、例えばどこに遭難者がいるかということがわかるようなシステムも5Gの中で考えておられると、そういったことも教わりました。  そうしますと、今のドクターヘリではありませんけれども、いち早くその目的地に行ける。天候が悪ければどうにもなりませんが、しかし、目的地だけはわかる。こういったことも5Gの威力のようであります。  山岳警備隊の中でこういったものを取り入れて、例えば早く遭難した人たちを発見するということも5Gの一つの取り組みだということも聞いたので、何かそういったことを検討しておられますか。もしわかったら教えてもらえませんか。 142 大原警察本部長 山岳遭難者の迅速な発見、あと状況判断に当たって、いわゆる位置探知システムやドローンを活用することは有効であると承知しております。  県警察では既にさまざまな関連機材を導入しておりまして、例えば平成29年12月に配備したドローンについては、急峻な斜面などの危険な場所での確認作業や行方不明者の捜索などに極めて有効であることを確認済みであります。  委員御指摘のとおり、より大容量かつ迅速な伝達という点からの5G、より鮮明な画像という点からの高精細カメラは、こうした取り組みを高度化する可能性を秘めたものであることから、県警察としても、進行中の実証実験の動向に注目しているところであります。  引き続き、先進的な装備資機材及びその有効な活用方法を不断に研究してまいります。 143 米原委員 これは検討するに値する事業だと私は思いますので、ぜひ前向きに検討いただきたいと思います。  それから、ことしは熊やイノシシがとても大量に出没いたしまして、もう大変な状況でした。ツキノワグマでありますけれども、何に腹を立てているのかわからないのですが、しょっちゅう人に食らいついて、大変です。ことし二十何件の事件があったようでありまして、こうしたことも、5Gのドローンで追跡をしながら、退治する、除去するというようなことも検討されていると聞いているのですが、鳥獣被害対策で、今、農林水産部として何か検討されているのかどうか、何かありましたら教えてください。 144 河村農林水産部長 イノシシなどによります農作物被害対策につきましては、現在、やぶの刈り払いや放任果樹の伐採等の集落環境管理、そして電気柵等によります侵入防止、そして捕獲強化ということで、集落ぐるみで着実に取り組みは進んできておりますが、捕獲をされる猟友会等の方々の人手不足や高齢化もございますし、取り逃がしたイノシシが箱わな等を学習するというようなこともありまして、今後、捕獲が難しくなると想定されますことから、捕獲技術を高度化して作業を省力化するということが求められているところでございます。  こうしたことで、県では今年度、ICTを活用いたしました──いきなり5Gというわけにはいきませんが──捕獲技術の実証試験を行っておりまして、まず1つ目には、具体的には、富山市内及び南砺市内におきまして、赤外線カメラを搭載したドローンを活用しまして生息場所や行動範囲の把握を行っていますほか、2つ目には、富山市の八尾地内において、箱わな周辺に設置したセンサーカメラを利用して出没状況の確認と、スマートフォンを活用して箱わなの遠隔操作を行い捕獲、そして、こうした出没や捕獲に関する情報を関係者間で瞬時に共有できるクラウドシステムの構築といったような取り組みを進めております。  実際に箱わなに誘導される様子を確認しながら、わなの遠隔操作を行って捕獲したという事例はまだ少ないのですけれども、実際捕獲に成功したケースもございます。  今後、こうしたシステムをなるべく安く導入して普及できるように改善に取り組みますとともに、お話のございました5Gを活用しまして、カメラやAI、そして追い払い等に使える機器などを接続することで、より効果的で効率的な侵入防止や捕獲強化策、いろいろな可能性が広がっていると考えられますので、情報収集に努めますとともに、具体的な方策についてもさらに検討を進めてまいりたいと考えております。 145 米原委員 もう1点、スマート農業にも今いろいろと積極的に取り組んでいこうと。農業は、若い方々に、機械を使ってこれからいかに効率よく農業を進めていくのかということが極めて大事でありますので、こうしたスマート農業に対するICTの技術を取り入れた方策も検討していらっしゃるのではないかと思うのですが、どうですか。 146 河村農林水産部長 スマート農業の推進につきましては、農作業の大幅な省力化を図る上でも極めて有効な方策でありますほか、その作業内容や栽培管理をデータ化して活用することによりまして、より高品質な農産物の生産や後継者への技術伝承にも大きな効果があると考えております。  このため県では、昨年度、とやま型スマート農業推進コンソーシアムというものを設置しまして、個々のスマート農機の実用性の検証を行っておりますほか、実際に営農現場に導入することに向けまして、地域や経営体の特性に応じて複数の技術をうまく組み合わせて活用するモデル農場の設置に取り組んでおります。  具体的には、1つ目には、大規模経営での導入を想定いたしましたロボットトラクターや自動操舵田植え機、そして、その地点ごとの取れぐあいを記録できる収量コンバインと営農支援データシステム──いわゆるデータの蓄積のシステムですが──を組み合わせた大規模経営型のモデル。  2つ目には、中山間地域での導入を想定した自動給水栓やドローン、除草ロボットを組み合わせたモデル、2つのモデルの実証等を行っているところでございます。  今後、これらモデル農場での実証をさらに進めまして、農業者の意見等を踏まえた改善点を開発メーカー等に提案いたしますとともに、費用対効果など経営面からの評価、検討、さらには、実際にスマート農業を現場で指導できる人材の育成などに取り組みますとともに、この世界では、日々技術が進化しておりますので、日々進化している農機やICTの技術開発の動向、さらには、高精細画像とAIの組み合わせによる高度な生育診断、栽培管理を可能にするなど、5Gの有する大きな可能性も視野に入れまして、本県にふさわしいスマート農業の展開について幅広く検討を進めて、省力、低コストで高品質な農産物の生産につなげてまいりたいと考えているところでございます。 147 米原委員 ありがとうございました。  急いで申しわけありません。土木部長にも1つお尋ねをしたいのですが、特に建設業界、建設産業では高齢化が進んでおりまして、人材確保も大変な状況になってきているわけですし、これから効率的に作業を進めていく働き方改革など、大きな改善をしていかなければならない状況の中であって、遠隔で建設機械を操作する、自動操作によって除雪作業をする、GPSを使って操作をするなどいろいろな取り組み方も考えていかなければならないことも、もう喫緊の課題であると思います。しかし、きょうあすすぐにそういったことにはならないかもしれませんけれども、どちらにしても、そういったことも検討していかなければならない。  もちろん、企業も検討しなければならないけれども、皆さんも研究をしてもらわなければならないという状況の中で、何か土木部で今検討されている課題があれば、ひとつ御報告をいただきたいと思います。 148 水口土木部長 ただいま委員から御指摘いただきましたとおり、ICT技術の利用促進による建設現場の生産性向上、これは建設業の人材確保、働き方改革の面からも大きな効果があると考えております。  まず測量につきましては、ドローンを活用した測量ということで、現場着手時の測量で活用し、3次元データを取得したものが試行工事として昨年度は14件実施しております。  建設機械の自動操作につきましては、運転手の管理下でICT建機の自動制御により実施できる段階にありまして、県におきましても、例えば1,000立方メートル以上の大規模な土工事などで試行工事を実施しております。  建設機械の遠隔操作につきましては、災害復旧現場などで建機をオペレーターが近隣で無線操作する方式で実施されているという段階でありまして、現在、国においてさらなる高度化に取り組んでいます。なお、5Gを活用できれば遠隔地での操作も可能になりますことから、民間企業による開発が進められていると聞いております。  除雪分野でございますけれども、国や高速道路会社におきまして、道路上の障害物を認識する機能がついた除雪車や、機械操作の簡略化によりオペレーターを支援する技術の開発あるいは実証実験が進められている段階であります。実用化されればオペレーターの負担軽減に寄与するということで、大いに期待をしております。  地域の安全・安心を守っていただいている建設企業が将来にわたり存続していくことは大変重要であります。県としましては、建設現場における生産性の向上につながるICT技術の導入、普及につきまして、建設企業の皆様の御意見もお聞きしながら、国や民間企業の動向を注視しつつ、県内での導入に向けた調査研究を進めてまいりたいと考えております。 149 米原委員 いずれ富山県がそういった先進的な県になるように精いっぱい努力をして、ああ、なるほど、富山県は考えているというようにぜひ検討して、少しでも5Gの事業を活用できるように精いっぱい取り組んでいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  時間ももう迫ってまいりましたので、最後に、大変お待たせをして申しわけありません。逆になってしまいました。滝部長に最初お尋ねしてから皆さんのお話を聞こうと思っていたのですが、最後になってしまいました。  総務省から出向され、これで何年目でしょうか。もう随分いろいろとお力添えをいただいておりまして、それから後ろにいらっしゃる中谷さんも、財政課長としてコンビで御活躍いただいておりまして、改めて心から敬意を申し上げたいと思います。  まだ、ずっといてくださいよ。早く国に戻れと言っているわけではないので。大変お世話になっている、活躍してもらっているということを言っているので。本当にありがとうございます。  滝部長、いろいろと皆さんのお話をお聞きになって、これから5Gの進め方というのはどんなふうに、時代の中で時間もかかるものもありましょうけれども、どんな分野から、総務省としてどんなところから入っていけるか。今、皆さん、それぞれの入り口の段階でありますけれども、そういったことを総合的に判断して、ひとつお考えをお聞かせいただければ大変ありがたいと思います。 150 滝経営管理部長 まず、知事のもとで各地域が何とか発展できるように頑張っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。  今ほどお話がございましたけれども、5Gの関係でございます。まさに県議会としても、多分、都道府県の県議会では一番早いと言ってもいいかと思います。大変熱心に御議論をいただいておりますし、県としましても、全国知事会議等で、そうしたことも踏まえて、いろいろな提言を知事からさせていただいて、それが全国知事会としての提言として取りまとまっているということで、5G先進県という自負を持って今仕事をさせていただいております。  そういったことで、5G×ICTインフラ利活用検討会というのも、都道府県としては初だと思いますけれども、いち早く設置をさせていただいておりまして、これまで2回検討会を開催しております。  検討会は、11月にも開催いたしましたけれども、その中では、これから実証実験ということを新年度に向けて考えていきたいと思っておりますが、やはりその事業の継続性というものも大事でございます。  そのためには、誰が費用負担をしていくのか、特にイニシャルコストだけではなくてランニングコストも含めて、そういうことにも配慮していかなければいけませんし、また座長をしていただいている東京大学の森川先生からは、「5Gでないとできないことを考えるとなかなか前に進まない。今の技術でも解決はできるが、5Gになればそれがさらにもっとスムーズに解決できる。そういう柔軟な発想で物事を考えていくことも必要である」という御意見もいただいております。  今ほど委員からも御質問がございましたけれども、例えばドローンですとか、災害救助、鳥獣害対策、スマート農業、建設業、ものづくり、デザイン、観光、いろんな意味で、人口減少の中で生産性を上げていくということは、これは県政にとっても我が国にとっても必須の課題だと思っています。そうした課題を、この5G等に代表される技術を使ってどうやって解決していくのか、富山県としてもいち早くその姿を見せていくのも重要だと思っております。  新年度予算に向けて部局横断的に検討を進めておりますけれども、なるべくスピード感を持って対応に努めてまいりたいと考えております。 151 米原委員 知事、本当にいろいろときょうはありがとうございました。しっかりとまた、皆さんにとっていい年を迎えて、来年さらに飛躍できるような富山県になってもらいたい。そんな願いを込めて、きょうお話ししたつもりでございます。お世話になりました。ありがとうございました。これで終わります。 152 武田委員長 米原委員の質疑は以上で終了しました。  以上をもって本委員会の質疑は、全て終了いたしました。  委員各位におかれましては、長時間御苦労さまでございました。  終わりに、本委員会の運営に終始御協力を賜りました議員各位、県当局並びに報道関係の各位に対し、深く敬意を表します。  これをもって、令和元年11月定例会の予算特別委員会を閉会いたします。                     午後4時04分閉会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...