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  1. 富山県議会 2019-09-01
    令和元年9月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                     午前10時00分開会 宮本委員長 ただいまから、9月定例会予算特別委員会を開会いたします。  本委員会の運営に関し、理事会で決定した事項は既にお配りしてありますが、ここで特に質問者に申し上げます。  持ち時間は答弁を含めて60分ということになっております。その具体的な取り扱いについては、理事会確認事項として、既に皆様方にお配りしている資料のとおりでありますので、留意の上、質問されますよう、改めてお願いいたします。  また、答弁者においては、簡潔な答弁に留意され、円滑な委員会運営に御協力いただきますよう、お願いいたします。  なお、委員席につきましては、ただいま御着席のとおりにしたいと思いますので御了承願います。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        川島国委員の質疑及び答弁 2 宮本委員長 川島委員。あなたの持ち時間は60分であります。 3 川島委員 おはようございます。  自由民主党富山県議会議員会川島国でございます。改選後初の予算特別委員会の質疑の場であります。柔道は白帯でありますが、先鋒を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  今回、少しでもテレビ越しの県民の皆さんにもわかりやすい議論をということと、景気低迷下で奮闘している民間の努力を紹介できればという思いから、パネル掲示や参考資料を用意いたしました。  委員長、参考資料の配付と掲示の許可を一括で了承願います。 4 宮本委員長 はい、許可いたします。 5 川島委員 ありがとうございます。  まずは、冒頭に、千葉県における台風で被災され、今なお停電で苦しんでおられる方々に、心からお見舞いを申し上げたいと思います。一日も早い復旧復興を願い、本県からも支援、協力をお願いしたいと存じます。  年々、雨の降り方が激しくなってきておりまして、さきの九州での豪雨災害、千葉県の台風災害など、豪雨、台風が凶暴化しているという表現もなされているところであります。  本県においても、豪雨、台風被害総額の推移が、平成21年の約4億3,000万円から、平成30年の約38億円とおよそ9倍の伸びとなっておりまして、被害額でも大雨台風の凶暴化が見てとれるところであります。特に、豪雨、台風による河川の浸水被害は、それを防ぐため何よりも優先していく事項であろうかと思います。
     そこで、質問でありますが、本県においても過去、豪雨、台風による甚大な被害が発生しているところでありまして、被害が毎年甚大化していることを捉え、緊急的な対策を講じるべきでありますが、河川の暫定改修やしゅんせつ、河道掘削や築堤など浸水被害の最小化に向けた緊急的な県土強靱化対策を、国土強靱化予算や9月補正予算を活用してどのように進めていくのか、石井知事に答弁をお願いいたします。 6 石井知事 本県では、かねて日本一安全・安心な県の実現ということで、河川改修対策や河川内の土砂掘削対策等にも取り組んでまいりました。  また、昨年12月の国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策の中で、河川における緊急対策としまして、まず、洪水氾濫による著しい被害が生じる河川については、樹木の伐採や土砂の掘削、橋梁のかけかえ等による氾濫の防止、また、甚大な人命被害のおそれのある河川につきましては、堤防の強化やかさ上げ等による堤防決壊の防止、また、氾濫が残念ながらあった場合に、逃げ遅れる危険性が高い河川については、堤防補強等による越水時の決壊までの時間を引き延ばす対策などに取り組むとされたことを踏まえまして、県としましては、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策による国の予算を活用して、平成30年度2月補正予算と今年度当初予算を合わせて約23億7,000万円を確保し、さらに9月補正予算案においても約9億4,000万円を計上して、樹木の伐採、また土砂の掘削、橋梁のかけかえ、この中では黒石川など3河川についても取り組むことにしております。  また、合流部における堤防のかさ上げ、これは富山市の山田川です。  また、越水からの堤防の上を保護するアスファルト舗装、これは仏生寺川など2河川についてですが、等々進めることにしております。  県としましては、この3か年緊急対策による防災・減災対策を着実に実施しますとともに、3か年緊急対策後も必要な財源が確保されるように、全国知事会などとも連携しまして、引き続き国に働きかけをし、災害に強い強靱な県土づくりにしっかり取り組んでまいります。 7 川島委員 ありがとうございます。  知事からも黒石川に触れていただきましたが、参考資料を配付してありますが、繰り返し浸水被害が起こる地域、当たり前のことでありますが、豪雨、台風にやはり弱い地域でありまして、緊急浸水対策を講じる優先地域として集中的な対策を求めるところであります。今ほど答弁にも、30億円以上かけてしっかりやるということがありました。  本県の西部地域を流れる小矢部川水系の一級河川、黒石川の浸水の様子でありますが、先月の20日、30日と大雨、台風15号による浸水の様子であります。田畑の冠水も当然大きな被害でありますけれども、ここは写真にあるとおり企業団地が存在しておりまして、先般の佐賀県での油流出のような複合的、二次的被害が起こり得る地域であります。繰り返しの浸水被害も相まって、廃業を決めた工場も出てきているところであります。  繰り返し浸水被害が起こる黒石川の改修について、2点質問いたします。  先月発生した豪雨による被害状況を踏まえ、繰り返し発生する豪雨、台風に対して、緊急的な対策をどのように具体的に講じていくのか、そしてまた、国の予算を活用して早期に抜本的な河川改修を進める必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、水口土木部長にお願いいたします。 8 水口土木部長 先月の8月20日、小矢部市、砺波市を中心に局地的な集中豪雨が発生をいたしました。この豪雨により、黒石川左岸の高岡市福岡町本領地内、及び右岸の小矢部市岡地内で河川から溢水し、内水氾濫も発生しましたため、御紹介ありましたように農地約3ヘクタール、そして、福岡金属工業団地内の道路約60メートルが冠水をしております。  また、8月30日の豪雨でも黒石川の水位が急激に上昇いたしました。堤防上に土のうを設置したことにより、河川からの溢水は免れましたが、内水氾濫が生じました。  県としましては、今後も豪雨が繰り返し発生するおそれがありますことから、今回の溢水箇所における緊急的な対策が必要と考えております。  現在、溢水箇所から下流側につきまして、現況の堤防の高さの測量を行っております。この区間には、当然福岡金属工業団地が含まれるわけであります。  その結果を踏まえ、必要な箇所の暫定的な堤防のかさ上げを行いますほか、河道内を調査した上で、堆積土砂の除去などに取り組みたいと考えております。  黒石川でございますが、御案内のとおり、平成10年に住宅への浸水被害がありました小矢部市の岡地内におきまして、国の交付金を活用し河川改修を進めており、これまでに延長約800メートルのうち約530メートルの河道拡幅や橋梁のかけかえ等の工事を終えております。  引き続き、残り約270メートルの工事、先ほど知事からも御答弁申し上げましたように、橋梁のかけかえなどにも取り組みたいと考えておりますし、今回浸水被害のありました高岡市福岡町本領地内の約75メートルにつきましても、今後設計を行い、改修に取り組みたいと考えております。  黒石川の抜本的な改修につきましては、高岡市福岡町荒屋敷地内におきまして、これまでも地元の皆さんと事業実施に向けた調整を進めてきておりまして、現在、小矢部川の合流点約1キロメートル上流の地点から福岡中学校までの約720メートルの区間において、地元の皆さんの御意見を伺いながら、設計を進めているところであります。  この区間につきましては、事業用地にかかわる地権者が多く、また河道拡幅に伴い農道のつけかえが必要となるなど、関係者との協議に時間を要すると見込まれますことから、高岡市と連携しながら早期に工事に着手できるよう引き続き調整を進めてまいります。  県としましては、地域の安全・安心の確保のため、地元の御協力を得ながら、黒石川の河川改修を着実に進めてまいります。 9 川島委員 部長、ありがとうございます。非常に前向きな答弁をいただきました。  事業進捗については、しっかりと私も汗をかきながら、早期に進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。  県内少なからず、大雨が降れば浸水する地域が、このように写真も見ていただきますとおりありますが、現存しているということを捉えていただいたかと思います。緊急性を持って、日本一の安全・安心を実現していただきたく、重ねて強く要望をいたします。  佐賀県での油流出や、現在も千葉県にて大規模停電、断水といった複合的、二次的被害が復旧の歩みを遅くしております。  本県では、洪水ハザードマップが市町村から全戸配布されておりますが、果たしてこのような二次的災害、二次的被害も想定した県民の防災意識は醸成されているのか、まだまだ不十分であろうと思うところであります。  凶暴化した豪雨、台風災害によって、二次的被害も含めた長期間による甚大な被害に対し、備えることを目的とした県民への注意喚起につながる取り組みを強力に進めていくべきでありますが、危機管理監の見解をお願いいたします。 10 竹野危機管理監 全国で大規模な災害が頻発しておりまして、委員から御紹介のありましたように、千葉県でも先日、台風による被害の影響で停電、断水等が長期間続いているというような、さまざまな被害が生じているところでございます。  このため、県では、さまざまな事態に対応できますよう、これまでも国による大規模災害の検証、教訓を踏まえまして、県の地域防災計画を見直し、的確に反映してまいりました。  また、今年度の県総合防災訓練におきましては、地震、豪雨による複合的な災害が発生したとの想定のもとに、停電などライフライン復旧訓練応急給水訓練などはもとより、通信関係などさまざまな事業者との連携、さまざまな被害を視野に、新たな取り組みも取り入れた訓練を実施することにしております。  また、県民への注意喚起につきましては、停電や断水を想定いたしまして、食料や飲料水などの個人での備蓄の充実や、住民の避難行動等について総合防災訓練で普及啓発するとともに、出前県庁やパンフレット、県のホームページなどで広く呼びかけまして、周知を図っております。  さらに、今年度は富山県防災WEBをリニューアルいたしまして、県民が適時適切な行動をとることができるよう防災情報の発信力を強化することにしております。  今後とも、万一の災害時にもさまざまな被害を最小限にとどめられるよう関係機関等と緊密に連携して備えるとともに、県民に対して引き続き注意喚起してまいります。 11 川島委員 備えよ常に、と私は質問によく入れておりますが、しっかりと備えをしていただきたいと思うわけであります。  先日、砂防議員連盟の県内視察において、氷見の砂防改良や地すべり対策事業の様子を見てまいりました。  その際に話題となったのが、氷見市のハザードマップでありました。地すべりや土石流警戒区域、そして洪水浸水想定区域も網羅された万能ハザードマップでありまして、他市町村においても参考にしていただき、県民、市民がわかりやすいハザードマップの作成に、県としても支援していただきたく、要望をいたしたいと思います。  この項、最後に、危機管理分野にこそ5G技術の活用をということで、防災・危機管理センター(仮称)に関して質問いたします。  NBAの八村塁選手が、テレビでこう言っておられます。「世界は変わる。準備はいいか?」と。このテレビコマーシャルを見るたびに、富山県の準備はどうだろうかと、どきどきするところであります。  先般、自由民主党政調会NTT東日本の5G体験ブースへ滝部長の計らいで行ってまいりました。ありがとうございました。  一言で言いますと、SF映画の世界が現実となっているということでありまして、さまざまな分野で革新的な進化が見られ、本県でもいち早く5G技術の活用を進めていく必要があると確信してまいりました。  特に、即時性が求められる危機管理分野にこそ、5Gの活躍の場が広がると考えるわけでありますが、かねてより私は、防災・危機管理センター(仮称)の設置に当たっては、AIやIoT、ドローン技術、5Gといった最先端技術を危機管理分野に生かす研究や調査をしていく機関などを設けて、危機管理分野で県民に還元していくべきと要望し続けてまいりました。  残念ながら、現状では、70億円を投じての費用対効果が薄いと感じておりまして、5G基地局を本センターに設置して、危機管理分野における5G技術の活用を調査検討していくべきと考えますが、危機管理監の答弁をお願いいたします。 12 竹野危機管理監 携帯通信事業者によりまして今後進められる5G基地局の設置につきましては、9月17日の一般質問における経営管理部長答弁のとおり、国は各都道府県ごとの具体的な基地局の設置場所は、あくまで各事業者の判断に任せるとしており、県としましては、本県における5G基地局の関連情報の提供を総務省や各事業者に対して求めているところでございます。  また、5Gの活用につきましては、国では防災、危機管理分野において災害に強い社会の実現を目指した取り組みとして、今年度、災害時の避難誘導、交通制御にかかる実証実験が予定されていると聞いております。  現在、整備を進めております防災・危機管理センター(仮称)におきましては、例えば、ヘリテレやドローンの映像などをリアルタイムで転送しまして、複数の映像を同時に表示することにより、被災状況の詳細な把握や情報共有を行う災害時オペレーションシステムの整備運用に当たりまして、本年度中の制度化を目指し国で作業が進められているローカル5Gを活用できないか研究してまいります。  県では、5GとICTインフラの利活用等につきまして、5G×ICTインフラ利活用検討会庁内連絡調整会議を設置し、現在協議を進めているところであります。  今後、こうした御意見や国での実証実験の成果等を踏まえながら、防災、危機管理分野でも5Gを初めとするICTインフラを活用できないか鋭意検討してまいります。 13 川島委員 ありがとうございます。これも前向きな答弁をいただいたと思っております。  5Gに限らず、ものづくり富山県においては、先般、国交省にも採択された、豪雨でも飛ばせるドローンをつくっておられる株式会社フルテックさんなど最先端の企業がございます。  そのような民間の知恵、ノウハウをやっぱりこういった防災・危機管理センター(仮称)で生かして、しっかりと今からの時代の危機管理というものに、日本一の危機管理の県ということで目指していただきたいと思うわけであります。ありがとうございます。  大きい2点目の質問に入らせていただきます。  元気とやま創造を実現するための施策について質問いたします。  今月10日、JR西日本が総投資額90億円をかけて、2021年春までに七尾線の全車両の更新と、ICカード改札機付き車両の導入を発表いたしました。  このことにより、石川県内ではIRいしかわ鉄道を含めた全区間でICカードが使用可能となりまして、北陸三県では、本県の城端線、氷見線、高山線、福井県の小浜線、越美北線がIC未対応のままとなるところであります。せめて、ICカード対応については、北陸三県同時に導入してほしかったというのが率直な感想であります。  七尾線の車両は半世紀以上がたっており、本県JR氷見線、城端線車両は40年程度経過しているということですので、10年待たねばならないのかと、そういう思いでありますけれども、当局のJR氷見線、城端線における車両の現状をどのように捉えて、更新に向けどう取り組んでいくのか、観光・交通振興局長にお示し願います。 14 猪俣観光・交通振興局長 石川県のJR七尾線の車両の更新につきましては、委員御紹介のとおり、今月10日にJR西日本におきまして、現在運行している車両を2020年秋より順次更新すると発表されたところでございます。  JR西日本によりますと、七尾線の車両は、委員御紹介のありましたとおり、導入から50年以上が経過している一方、城端線、氷見線の車両につきましては、40年程度経過した段階であることから、車両の更新につきましては、現時点では予定していないと伺っております。  しかしながら、県としては、城端線、氷見線につきましても、車両の導入から相当程度の年数が経過していると考えており、これまでも19道府県がメンバーとなっております全国鉄道整備促進協議会の一員として、県でも、JR在来線への新型車両の導入につきまして、国や与党、JRに対しまして提言要望を行ってきているところであります。  県としましては、引き続き、こうした場で要望提言を行っていきますとともに、沿線市と連携しながら、JR西日本に対して引き続き働きかけてまいりたいと考えております。 15 川島委員 10年待たなければならないのかという感じでありますが、富山県においては、JRに対してさまざまな支援策を行っております。  県民を挙げて、例えば、かがやきの停車運動であったり、経済界もしっかりとJRを使いましょうと、頑張っているわけであります。ノーマイカーデーなどもそれに当たると思いますが、県としてJR支援施策を講じてきたこともしっかりと交渉に加えながら、せめてICカードの早期対応や車両の更新に力強く要請していくように、重ねてお願いを申し上げます。  次に、駅舎のエレベーター設置を含むバリアフリー化でありますが、県民の切なる要望として、あいの風とやま鉄道福岡駅においては、バリアフリー化へ向けた1万人署名運動が展開されているところであります。  先日の本会議の議論においては、安達議員の質問に伍嶋教育長から、伏木勝興寺の国宝へ向けた取り組みに向けての力強い答弁があったところでありますが、肝心のJR伏木駅がいまだバリアフリーになっていない状況であります。  現在、国交省検討会では、利用者負担の考え方を取り入れた駅舎バリアフリー化推進が提言されているところでありまして、本県も本腰を入れて、あいの風とやま鉄道やJR支線における駅舎のエレベーター設置バリアフリー化への年次計画を立てて進めていくべきと考えます。  県主導で、鉄道事業者や自治体による取り組みを強化すべきと提言いたしますが、石井知事の見解をお願いいたします。 16 石井知事 駅のバリアフリー化を進める国の基本方針では、駅へのエレベーター設置は、御承知かと思いますが、原則として、1日の平均利用者数が3,000人以上の駅を優先して整備するとされておりまして、国の補助制度があり、県も協調して補助してきております。  あいの風とやま鉄道につきましては、3,000人以上の駅について国の補助も活用しながら、既にエレベーターが設置されているのですけれども、3,000人未満の駅につきましては、国の方針で、地域の需要を踏まえて可能な限りバリアフリー化を実施するとは言われていますけれども、全国的に3,000人以上の駅でも未整備であるところが、まだ383駅ございまして、そういうところと比較すると、どうしても優先度が低くなるということでございます。  一方で、外国人旅行者等が多い、例えば黒部宇奈月温泉駅などは、そういう特殊性を認めていただいて、国のバリアフリー化の対象となっておりますから、まずは、鉄道事業者、また地元市町村において、地域の要望を把握していただいて、当該市町村の支援も含めた御検討をいただくと同時に、利用者増に向けた地元の方の利用促進や、旅行者等の誘致を図ることが重要かと思います。  これまでも、いろいろ御要望を伺っていますので、駅のバリアフリー化について、国土交通省にも何度も出向きまして、まず、3,000人という基準の大幅な引き下げ、予算の思い切った拡充などを担当局長にも強く要望したのですけれども、昨年の6、7月ごろだったと思いますが、国交省としてもその方向で要求したいということでしたが、残念ながら、財務省の壁などもあったのだと思いますが、今年度の予算では実現しておりません。  県としましては、引き続き、熱意のある市町村、また事業者の要望、またいろいろと国の検討状況なども改めて注視しながら、バリアフリー化の推進、これはもちろん必要なことだと思っていますので、しっかりと取り組んでまいります。 17 川島委員 ありがとうございます。  知事には、再三、国交省に足を運んで要望していただいておることも十分承知しておりますが、この議論、やっぱり、にわとりが先か卵が先かではありませんが、どんどん高齢化、少子化、人口減少という中において、地方創生の大きな施策であろうと、基盤であろうかと思います。  国が、市町村が、ではなくして、しっかり県が旗を振って、特に滑川の駅はやっぱり早急にしていくべきだろうと思います。  タッグを組んで、しっかりと要望活動をしていくと、当然、福岡もそうでありますけども、前に進む取り組みというものをぜひともお願いをしたいと思います。  北陸新幹線の敦賀開業、そして大阪延伸を捉えて、本県の鉄道駅が通過駅とならないようにするためには、やはり老若男女が乗り継ぎに利用しやすい駅舎にしていくことが肝要でありまして、そのためのバリアフリー化は、順次計画的に整備していく必要があると思いますので、重ねてお願いを申し上げます。  新聞記事の配付資料を見ていただきたいのですが、非常に喜ばしいことに、ミャンマーの主要鉄道、3,000億円を超えるビッグプロジェクトに、日本を代表して本県企業が参画することとなりました。  世界の名だたる鉄道機器メーカーと競争入札をして、どうやって勝ち得たのか、それは官民連携の賜だと社長もおっしゃっていました。  通常であれば、横浜港か神戸港に陸送して、釜山、シンガポール港経由でミャンマーに輸送するところを、伏木海陸運送とのタッグで富山新港からコンテナ輸送し、さらに県の輸送実験利用補助金100万円を活用して、大幅に輸送コストを落としたことで競争入札に勝ち得たそうであります。  このような好事例をどんどんつくっていくことで、本県への企業誘致や富山新港の物流拡大につなげるべきと考えるわけであります。  加えて、機能拡充されました県産業技術研究開発センターや県総合デザインセンターも全国に類のない大きな可能性を秘めた施設でありまして、一例として、ロボットアームの関節部分で世界トップシェアを誇るワコーテックさんは、県産業技術研究開発センターの実証実験設備と能力がすばらしいということで、埼玉県から高岡市に事業所移転されたとのことです。  また、総合デザインセンターに新設されたバーチャルスタジオを活用すれば、設計にかかる時間を今までの3分の1まで短縮できる能力がありまして、これらを最大限活用していくためにも、情報共有及び有機的につながるプラットホームが必要かと存じます。  モデルケースを共有して、さらに富山新港を活用した世界的な物流拡大までつなげていくための、(仮称)ものづくり富山・物流拡大ネットワークを県主導で構築すべきと提案いたしますが、商工労働部長の見解をお願いいたします。 18 芝田商工労働部長 本県は、自然災害の少なさ、豊富な水や廉価な電力、整備された交通網、産業技術研究開発センターや総合デザインセンターなどの充実した試験研究機関、高等教育機関、産学官連携による手厚い支援体制、日本海側屈指の産業集積など、大変優れた立地環境や産業基盤を有しております。  県では、こうした魅力につきまして、かなり詳細に紹介をいたします企業立地パンフレットや東京、名古屋等での企業立地セミナー、伏木富山港利用促進セミナーなどによりまして、総合的かつ積極的に発信をしております。  また、例えば、誘致対象企業の県内視察に当たりましては、用地だけではなくて、研究機関や大学、港などを御案内するということを合わせまして、地元企業とのマッチングも行うということで、新製品開発と物流拡大がセットで進むように、きめ細かく取り組んでおります。  委員御提案のネットワークの構築につきましては、既存の組織といたしまして、県、市町村、業界団体、経済団体、学術機関、産業支援機関などで組織をいたします富山県地域経済牽引事業促進協議会という組織がございまして、ここで企業立地などを進める基本的な計画や、産業技術研究開発センターを中心とする支援計画などを策定しています。  また、もう一方で、商工団体や物流関連業者などを中心といたします伏木富山港ポートセールス事業促進協議会というのもございます。この両協議会の事務局がいずれも立地通商課にあるということもございまして、それぞれの情報を共有して企業訪問につなげるなど、一体となって企業誘致や物流拡大に取り組んできております。  委員から御提案もございましたので、その御趣旨を踏まえまして、今後さらに、市町村や関係団体等が一体になって連携を深めながら、本県の産業基盤、あるいは立地環境などのPRの取り組みを強化してまいります。 19 川島委員 ありがとうございます。  既に、そのようなネットワーク、組織もあってやっておられるところもあろうかと思いますが、大事なことは、やっぱり、例えば、商工会議所さんや商工会、特に中小企業、小規模企業の皆さんが、こういった情報を知り得て、そして、特に外に発信していくことが大事だと思います。それが機能的になる組織づくりに、県も力を入れていただきたいと思います。  加えて、この参考資料にもありますとおり、ミャンマーの鉄道関係者の皆さん方が来県された際に、洋遊会の雅楽を鑑賞する機会を設けられたそうであります。  人材不足に悩む本県における海外からの人材確保という点から見ても、このような機会をメリットにつなげていけるものと思うわけであります。  それぞれのよいところ、好事例をもとにして相乗的な発展を目指して、さらなる新商品開発や企業誘致、海外からの人材確保、また、富山新港の活用拡大につながるよう県の積極的な働きかけを重ねてお願いを申し上げたいと思います。  次の質問は、移住定住支援についてであります。  時に、行政と議会は車の両輪であると表現されるわけでありますが、本県が力を入れる施策に、我々議員も後押しできないかということで、先般、自民党県連青年局において、平木柳太郎青年局長を先頭に、「攻めの!東京一極集中是正隊」を結成し、東京のど真ん中で、このようなはっぴをまとって、令和発祥の地、これを着ていればわざわざ中西館長の話をしなくても向こうから聞いてくれるということでありまして、ぜひ知事にも御活用いただきたいなと思いますが、「東京砂漠で仕事でお疲れの皆様、令和発祥の地、富山県からやってまいりました。日本海と立山アルプスに囲まれて人生を豊かにされたい方は、ぜひとも一度富山にお越しください。今ならお1人様100万円の移住補助金、大相撲の朝乃山関やNBA八村選手のようにお子様を育てたい方はぜひとも富山に」と訴えてまいりました。  この場をかりて、お世話いただきました首都圏本部利川本部長、そしてUIJターン推進課の舟根課長、ささら屋東京九段店さんに心より厚く感謝を申し上げたいと思います。  非常に反応もよく、富山くらし・しごと支援センターのPR、そして移住を考える動機づけにつながったと考えております。同時に東京の方の移住に対する生の声をアンケート調査で拾ってまいりました。  資料のグラフにありますとおり、データは20人程度と分母が少ないわけですが、傾向としてはわかると思います。  やはり、移住定住に対する──このオレンジの真ん中のグラフですね──移住定住に対する支援策があることをまず知らないという、そもそも移住を考える動機がないという方が大半のようであります。富山へ移住を考えるきっかけをつくることが重要かと感じて、帰ってまいりました。  そこで質問でありますが、ふるさと富山を応援したいと考える県人会を通じ、観光大使などが中心となって本県の魅力を発信する、(仮称)富山の魅力発信ネットワークを構築し、移住定住支援策なども含めて、東京の街頭で恒常的にPRしてはどうかと提案いたしますが、蔵堀総合政策局長の答弁をお願いいたします。
    20 蔵堀総合政策局長 首都圏を初め全国からの移住を促進いたしますために、特に本県の出身の方や、ゆかりの方々から直接本県の魅力をPRしていただくことは、相応の効果があると考えております。  県では、これまでも、ホームページやSNS、移住セミナーなどの機会を活用しまして、移住を実際に検討されている方への情報発信を行ってきておりますほか、御指摘もございましたが、県人会の皆さんや富山ふるさと大使の方々などに、富山の魅力を再認識して愛着を深めていただくということで、富山の旬な情報を発信してもらえるように、富山のくらしを紹介する「とやま日季」、観光の季刊誌「ねまるちゃ」などを送付しているところでもございます。  また、8月に川島委員を初め自民党県連の青年局の皆さんに、東京の街頭で移住支援金のPRもしていただいたところでありまして、この場をおかりして感謝を申し上げたいと思います。  県では、今年度は、地元回帰への思いを深めてもらいたいということで、Uターンのきっかけを提供いたします30歳の同窓会、これまで富山県で開いていたわけですが、今年度は東京で開催することとしております。  富山県出身の首都圏の若者ネットワークでありますacoicoの皆さん、メルマガ会員で1,100名いらっしゃいますが、こういった皆さんと連携して、広く情報発信していきたいと考えております。  本県の出身の方によります富山の魅力を発信するネットワークの構築や、街頭でのPRについては、どういった情報発信が効果的かというのは今後研究したいと思っています。  ただ、やはり移住に関心の高い方に対して魅力を、あるいは情報を提供していくということで、より効果的なPRになると考えていますので、そういったことにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 21 川島委員 ありがとうございます。  やはり掘り起こしていくということも大事であろうと思いますので、ぜひ前向きに検討いただきたいと思いますが、全国の富山県人会は、この10年間で138団体から118団体へと、20団体も減少しておりますが、東京都では38団体から39団体へと、逆に増加しておりまして、全国県人会員約1万3,000人のうち、約4,900人、約4割が東京都内の県人会員であります。ここでも東京一極集中が見てとれるわけでありますけれども、この方たちの応援の力をかりない手はないと思うわけであります。  先ほど述べてきましたこのPR事業を、毎月1回5万円事業費をつけたとしても、年間60万円であります。ふるさと富山の応援者のネットワークを拡充するとともに、デジタル時代にこそ生きる人間味あるアナログの活動をどんどん動画配信していくことで、効果的な本県への移住定住PRにつながるものと思います。  企業版ふるさと納税の周知、促しにもつなげられると考えますので、前向きの検討を重ねてお願いを申し上げます。  次に、東京都との連携強化について質問をいたします。  7月の全国知事会議で採択されました地方創生・富山宣言では、「令和時代の地方創生~新たな挑戦「都市と地方の自立・連携・共生を目指して」~」とのスローガンを掲げ、都市と地方との連携強化を図っていくことも力強く宣言されておられます。  過度な一極集中がとまらない東京都との関係に対して、この富山宣言の趣旨に基づいて、どのように取り組んでいくのか、知事の見解をお願いいたします。  私からの提案といたしまして、この菅笠でございます。国の重要無形文化財であります越中福岡の菅笠でありますが、さきの東京ガールズコレクションで知事にも御着用いただきました。ありがとうございました。会場から、女性の方からも非常に好評であったところであります。  高齢化と担い手不足に苦しむ伝統産業が、関係者の頑張りでこのように進化を遂げている姿であります。  菅笠に限らず、すず製品や銅器、彫刻など本県の伝統工芸、産業が時代に合わせ進化を遂げているところでありまして、さらなる支援をお願いをしたいわけでありますが、まず、この菅笠を法人課税の偏在是正措置議論で大激論されました小池東京都知事に、連携強化の象徴としてプレゼントに使ってはどうかと提案いたしますがいかがでしょうか。小池カラーにもなっております。よろしくお願いいたします。 22 石井知事 去る7月、令和に入って初めての全国知事会議が、本県で27年ぶりに開催されまして、「都市と地方が自立・連携・共生する令和時代の地方創生」という、新たな理念を盛り込んだ地方創生・富山宣言が全会一致で採択されました。相当な意義があったかと思います。  この宣言には、首都東京への過度な集中は出生率の低下や災害リスクなどを表出させるもので、是正が必要である一方で、東京が世界をリードする国際都市として機能強化が求められているということも盛り込みまして、なるべく全国知事会が、東京1対46他の道府県といったようなことにならないように、連携、共生していくという姿勢を明確に示せたのではないかと思います。  今後も、大都市と地方がさまざまな分野で連携して、お互いに発展していくということで努力していきたいと思います。  御提案の菅笠の件でありますけれども、東京都がこの5月に、来年夏に開催される東京オリンピック・パラリンピックで課題とされているのが暑さ対策でございまして、そこでかぶる傘というのを試作されている。これは軽量で遮熱、遮光素材から成り、また両手が使えるということで、機能面で菅笠と共通する点が多いということかと思います。  そこで、高岡市や菅笠振興会の御意見もお聞きした上でですが、せっかくの委員の御提案ですから、まず事務レベルで東京都に菅笠のプレゼントあるいは活用ということが考えられるか、一度相談してみたいと思います。  ただ、菅笠は非常に貴重な物で、私もTGCでかぶらせていただいて、大変いい物だなと思いましたけれども、ただ、聞きますと、すごくたくさん一遍につくるというのはなかなか大変らしいので、そういった課題もございますが、また実務的にも東京都に相談してみたいと思います。  いずれにしても、菅笠を初め、県内の伝統工芸品の振興というのは、県としても重要な課題だと思っておりますので、今後も高岡市を初め、市町村や関係団体と連携しながらその活性化を図り、また、いろいろな機会を捉えて知名度の向上などにも取り組んでまいりたいと思います。 23 川島委員 ありがとうございます。  ここは、イエスかノーかでお答えいただきたかったところですが、概ねイエスということで受け取りたいと思います。  知事からも紹介ありました、東京都が発表したかぶる傘ですが、実は、小池知事が自らかぶっていないというところも見ると、あまり気に入っておられないのではと思いますので、ぜひ活用いただきたいと思います。  ちなみに、これも御紹介ですが、これも菅でありまして、菅のベレー帽でございます。これは、蔵堀局長がよくお似合いかなと思いますので、取り置きをしておきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  次の質問に入らせていただきます。  本会議でも、山崎議員からアニメ、マンガコンテンツの活用の質問がなされ、私もかねてより、とやまJAMP構想や令和版トキワ荘の具現化など、本県が有するアニメ、マンガコンテンツの最大活用化を訴えてまいりました。  先日、国会のMANGA議連会長の古屋圭司衆議院議員が来県され、MANGAナショナルセンター構想の着手に向けて、前向きに進んでいる旨のお話をいただきました。  このセンター、平たく言いますと、日本のマンガ、アニメ、ゲームを日本の文化として保存、利活用しましょうというものであります。  歌麿、北斎、写楽といった浮世絵も、世界で評価されて初めて日本で見直されているといった現状を、しっかり自国の文化として守っていきましょうという国家戦略であります。  この国の動きを捉え、全国の都道府県、自治体が、この動きに呼応して調査研究をしているところでありまして、本県もおくれをとることなく、全国の地方拠点と連携を推進していくべきと考えますが、蔵堀総合政策局長の見解をお願いいたします。 24 蔵堀総合政策局長 本県は、日本でも人気の高いアニメ、マンガが数多く生み出されておりまして、高岡市では藤子・F・不二雄氏、氷見市では藤子不二雄A氏の漫画を活用したまちづくりが行われております。  また、南砺市においても、映像制作やものづくりに携わるクリエーターの活動拠点であります南砺市クリエイタープラザ桜クリエにおいて、アニメなどのコンテンツ制作が行われているところであります。  県におきましても、県内クリエーターと県内事業者のビジネスマッチングを支援いたしますほか、アニメやマンガなどのコンテンツを活用した観光誘客や、地域活性化に取り組んできております。  高志の国文学館では、来月6日から、藤子不二雄A氏の特別展を開催することとしております。  御紹介のありましたMANGAナショナルセンター構想につきましては、非常にすばらしい構想だと考えていますけれども、その整備が実現すれば、全国的あるいは世界的にも人気の高いアニメキャラクターが数多く生まれております本県のアピールについて、期待できる面もあろうかと考えています。  ただ、構想が出されてその後、国、あるいは全国の各地において、整備に向けた具体的な動きが現在見られていないという状況でもございます。  施設整備に当たりましては、運営主体や採算性、それからどういったコンセプトにするか、著作権の問題など、さまざまな課題があると考えていますけれども、今後、構想の実現に向けた国や全国の地域の動きなどの情報収集もしながら検討していきたいと考えております。 25 川島委員 局長、ありがとうございます。  まだまだ先のような捉え方でありますが、恐らくは近い将来、進んでいくのだろうと見込んでおりますので、乗り遅れないようにぜひチェックをいただければと思います。  先日、高岡市において、藤子不二雄A・Fの会が合同再結成されたとの発表がありました。  既に、本県の、やはり魅力ある文化となっている漫画アニメの力を活用した本県の魅力向上にさらなる支援をお願いいたします。  最後の項でありますが、武道館及び多目的機能施設の設置計画についてであります。  これもちょっと見にくいわけでありますけれども、御案内のとおり、本日、質問者の全てが県西部の選挙区議員ということでありまして、この案件について、先鋒川島ということで御認識いただければと思います。  次鋒は永森委員、中堅にも期待するところですが、副将が武田委員、そして大将が山本委員ということになりますので、よろしくお願いを申し上げます。  お手元最後の参考資料ですが、これは、県立と富山市立の文化施設のみの設置状況であります。  県美術館を初め、県文化施設の市町村別立地状況は、このように富山市内が60%となっております。このほかに、県立のスポーツ施設となると、県全体で53施設あるうちの、富山市内が30施設の56%の立地状況であります。  加えて、富山市立のスポーツ施設が136施設存在しておるところであります。  言いたいことは、富山市に一極集中し過ぎではないかということであります。  本県は、先人の努力によりまして、道路網や公共交通網が飛躍的な発展を遂げ、全国に類のないコンパクトな県となっております。  広域回遊性や本県の歴史的な成り立ちから考えても、県西部と県東部が互いに発展を牽引することで、本県全体の元気創造につながると考えるところですが、芸術文化スポーツ施設を中心に、富山駅周辺に公営施設が集中していることをどのように捉えているのか、合わせて、現在の計画案では、県外から若者を集客し、本県への移住定住につなげていく効果は乏しいと考えますが、どのように効果を出していくのか、総合政策局長に答弁願います。 26 蔵堀総合政策局長 本県の発展のためには、社会基盤の整備等に当たり、地域バランスなど県土の均衡ある発展に努めることが極めて重要でありまして、県の総合計画におきましても、県政運営の基本姿勢の一つに掲げて、これまでも留意してきたところでございます。  御指摘をいただきました芸術文化スポーツ施設につきましては、県あるいはそれぞれの市において、整備検討段階において地域のニーズや、交通アクセスの利便性等について慎重な検討をなされた結果、一定程度集積しているという状況かと考えております。  県立施設につきましては、例えば、県西部の高岡市におきましても、県西部の芸術文化振興のための広域的中核的な拠点施設として高岡文化ホールを整備しております。  近隣には、高岡市美術館や高岡古城公園が立地して、一定程度集積も図られているかと考えております。  また、水泳施設の高岡総合プールの整備もしておりますほか、芸術文化施設では、南砺市に、きのうまでシアター・オリンピックスを開催していました利賀芸術公園、スポーツ公園では、砺波市に西部体育センター、南砺市に福光射撃場、射水市には県民公園新港の森、太閤山ランドも整備してきているところでございます。  今後とも、本県全体の発展に向けて、県内各地域の特色ある資源を活用した魅力ある地域づくりを進め、県土の均衡ある発展に努めたいと考えております。  それから、武道館の御質問もございました。  武道館については、県民意識調査を行っておりまして、その中で、18歳から29歳の若者の方で、必要だと考えるが既存施設の統廃合など県の行財政状況等を十分考慮した上で検討を進めたほうがよいという答えが54.4%ということで、全体の平均よりも少し高くなって、若者においても慎重な意見が多いという状況でございました。  こういったことを踏まえて、先ごろ、検討会で方向性が出されたところでもございます。  大方の県民に御理解いただけますような方向性かと考えておりますけれども、武道競技だけではなくて、多くの室内スポーツの競技の大会、また、さまざまなイベントを実施できる施設として活用できればと考えています。  できるだけ魅力あるイベントを企画誘致することができれば、本県の魅力もPRでき、移住定住にも結びつけることができるのではないかと考えております。  今後、県議会を初め、幅広い県民の皆様の御意見をいただきながら、検討を進めてまいりたいと考えております。 27 川島委員 ありがとうございます。  私が申し述べたかったのは、やはり財政力のある中核市である富山市と富山県が重層的に一極集中していること、このことを実は問題視しているわけであります。  東京一極集中の是正を強く訴える富山県でありますが、日本における東京の縮図が、富山県における富山駅周辺となっていないか。加えて、災害リスクの分散、均衡した公営避難所の確保、そして何よりもコスト意識の観点をもっと取り入れていただきたいとお願いをするところであります。  富山市が掲げるコンパクトシティ構想に、重層的にコンパクトプリフェクチャーとなっては、地域経済への活性化の観点からも、地域格差が広がり、本県全体の発展から遠ざかるものと提言したいと思います。  武道館機能を有する多目的施設の立地場所の検討に当たっては、地域経済活性化の推進や広域回遊性を確立するなど、県東部と県西部のバランスある二極分散型発展に重点を置くべきと考えますが、石井知事の見解をお願いいたします。 28 石井知事 富山県の発展のためには、新川、富山、高岡、砺波の各地域の特色を踏まえながら、地域バランスも考慮して施策を進めていくことが重要だと考えておりまして、これまでも地域の特性を生かした、例えば産業の振興等の地域経済の活性化、観光資源の発掘、ブラッシュアップ、また、新高岡駅発着の旅行商品の造成も含めた広域周遊観光の推進、また歴史遺産の整備、文化イベントの実施等に取り組んでまいりました。  どうしても県内で一つだけ、全県的に県民のためにつくるとなると、やはり県内各地からアクセスしやすい場所というと、富山市の富山駅に近いところなど、そういうことになりがちではあるのですけれども、一方では、総論で考えるとそのとおりですが、では、それを他のところに持って行ったら、そこで喜ばれる人もいるけど、その大半のところがすごく不便になったと思われるおそれもあるので、そこがなかなか頭が痛いんですね。  ただ、さっきの例えば委員御提示の施設一覧を見ますと、お忘れでしょうけど、県立大学が入っていませんよね。あの堂々たる大変な立派な建物を今、射水市につくっているわけでありまして、また海王丸パーク、新湊マリーナ、こういったのは日本海側でもトップの施設であります。  それから、先ほど勝興寺の話が出ましたが、これも何とか国宝にしたいと、数年前から一生懸命やってきて、これが実現すると瑞龍寺と勝興寺で2つ、1つの高岡市というところで2つ国宝の寺ができる、これは大変なことなんですよ。京都、奈良を別にしたら、そういうところは全国にないんですから。  だから、決して富山一極集中を進めているわけでないので、誤解のないように是非御理解いただきたいなと思います。  それから、武道館機能を有する多目的施設の立地場所については、健康・スポーツ環境充実検討会の議論の中で、富山駅から徒歩圏内、または富山駅周辺など、県内各地から参加しやすい場所が望ましいという意見が多かったのですけれども、立地場所の検討に当たりましては、まずは、県内各地に住んでおられる県民の皆さんにも、スポーツ大会や、またイベントに参加していただく県外の利用者の方にも利用しやすく、参加しやすい場所であることが求められると思っております。  今後、基本計画策定委員会を設置しまして、こうした御意見を十分踏まえつつ、また、今、委員もおっしゃったような県議会の御議論も承りつつ、県内各地からの利便性が高く、集客しやすい立地場所の選定につきまして、候補地の比較検討をしっかり行いました上で、機能や規模などの整備計画、あるいは円滑で効率的な管理運営計画の具体的な検討も進めまして、県議会を初め、幅広い県民の皆さんの御意見を丁寧にお伺いして、一方で、新幹線の敦賀開業ということもございます。スピード感を持って検討を進めまして、何とか今年度末までに基本計画を取りまとめたいと思っております。  御理解を賜りたいと思います。 29 川島委員 あと1分であります。  朝乃山が躍進しています。殊勲賞、呉西と呉東、両足を踏ん張っていただきまして、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  次鋒につなぎます。  ありがとうございました。 30 宮本委員長 川島委員の質疑は以上で終了しました。        永森直人委員の質疑及び答弁 31 宮本委員長 永森委員。あなたの持ち時間は60分であります。 32 永森委員 おはようございます。  今ほど、先鋒の川島委員からバトンをしっかりと引き継ぎまして、質問に入らせていただきたいと思っております。今ほどの武道館建設をめぐる質問から入っていくわけでありますけれども、6問準備をさせていただいております。  いろいろお話ししようとしていたところ、知事から県立大学や新湊マリーナと、射水にもしっかりやっとるぞという声をお聞きして、若干牽制球を投げられたような気もいたしますけれども、ひるまずに質問してまいりたいと思っております。  委員長、初めに資料の配付を御許可いただけますか。 33 宮本委員長 許可いたします。 34 永森委員 それでは、全天候型体育文化施設の整備ということで質問をしてまいりたいと思っております。  6月の定例会の予算特別委員会でも、この質問をさせていただきました。6月の定例会の時点においては、既に施設整備の方向性が、8,000人規模のアリーナはなかなか難しいと、武道館のほうがどちらかと言えば可能性が高いのではないだろうかと、そうした方向性がなんとなくぼんやりと見えてきていたと思っております。  その後、もう一度検討会が開かれまして、8月末に答申がなされました。  そこで、私としては、2つほどこの6月の定例会から懸念と言いましょうか、そうしたものが生じたわけであります。  1つは、6月の時点の武道館というのは、どちらかというと、県民を主眼とした施設である、つまり県民の健康寿命の延伸や、福祉増進、スポーツ振興と、そうしたところがどちらかというと論点だったと思っております。  ところが、今議会のいろんな答弁を聞いていますと、どうも県外からの集客、北陸新幹線の敦賀延伸を見据えた駅周辺の活性化、地域活性化に少しスポットが当たり始めているぞと、これは当初の話とやっぱりちょっと違うのかなと思います。  そして他方では、川島委員も先ほどおっしゃいましたが、改めて答申というものが出てみると、我々も市民、県民の皆様方の声を聞くわけですけれども、武道関係の方を除けば、必ずしも歓迎する声ばかりではないということであります。
     事業費は最終的には100億円を超してくるであろう県のビッグプロジェクトだと思いますし、今議会に基本計画の策定も予算案として計上されています。  一つ一つ質問してまいりますので、ぜひとも丁寧かつ明確な答弁を賜りますようにお願いしたいと思います。  そこで1点目は、富山駅周辺に整備をする場合についてということで資料もつくってまいりましたので、資料1をごらんいただきたいと思います。  それで、まず最初に資料1の(2)を押さえていきたいと思います。  先ほどの知事の答弁にも、この検討会の中では、駅周辺、駅から徒歩圏内、富山駅の近くがいいという声が多かったということで御答弁がありました。当局の方から議事録をいただいて、私なりに1回目から4回目ということでそれぞれ立地場所に関する委員のコメントを拾い出してみたわけであります。もし間違いがあったら御指摘ください。  見ていただくと、明確に、富山駅から徒歩圏内でなければ意味はないとコメントされたのが、第2回の検討会での間野委員のコメントです。  この間野委員は、第1回目の検討会でこれからのアリーナのあり方について、ということを御報告された早稲田大学の教授でございます。ということで、このコメントは明らかに8,000人なり1万人なりのアリーナを整備する前提で、このようなコメントをされたと私は受けとめております。  さらに、3回目に、もう一度富山駅というワードが出てきますけれども、これは公共交通のよい、県内から集まりやすい場所、例えば富山駅周辺がよいということで、例示にすぎないと思っております。  その上で、資料1の(1)をごらんいただきたいわけであります。ここに、私なりに富山駅周辺にあります集客施設、いろいろなイベントをしたり音楽イベントをしたりという施設をこのようにプロットしてみたわけであります。  ごらんいただくと、駅周辺に県民会館、オーバード・ホール、また中規模ホールの予定もあります。そして富山市総合体育館では4,650席の固定席がありまして、TGCのような7,000人規模のイベントも行われております。  そうした中で、現在県の案は、武道館機能を持つ多目的施設、固定で2,000席から3,000席、椅子を並べて4,000席から5,000席という規模の施設であります。  こうしたことを踏まえていくと、私は、富山駅周辺ではこうした施設がもうかなり飽和状態ではないだろうかということ、そして富山市総合体育館と役割の分担ができない場合は、県と市の二重行政の典型になるのではないだろうかと、大変に懸念をしております。  そこで今回、県が富山駅周辺に整備する場合、その施設はどのような役割を果たし得ると考えているのか、まず蔵堀局長にお尋ねをいたします。 35 蔵堀総合政策局長 立地場所でございますけれども、健康・スポーツ環境充実検討会の議論の中では、富山駅から徒歩圏内または富山駅周辺など県内各地から参加しやすい場所が望ましいという意見が出されていたところでございます。  こうしたことを踏まえて、検討会の取りまとめでは、「武道館機能を有する多目的施設を整備することが望ましいと考える。その場合には、県内各地からの利便性が高く、集客しやすい場所に、利用者に配慮され多目的にも活用できる機能的な施設となるよう留意していただきたい。」といった提言をいただきました。  立地場所については、今後、基本計画策定委員会において検討を進めることにはなりますが、施設の役割ですけれども、まずは県内における武道競技の拠点として大会や練習会を開催して、競技力の向上に寄与することがございます。  2つ目には、バスケットボールやバレーボール等の室内競技に利用できて県民のスポーツ振興、健康寿命の延伸に寄与することが挙げられると思っております。  仮に、富山駅周辺で立地した場合ですけれども、富山市の総合体育館との役割分担が課題になると思います。富山市総合体育館は、まずバスケットボールのプロチームの拠点として、現在使われております。それからバスケットボール、バレーボール等の国際大会、国内大会も開催できる施設になっております。  県の武道館機能を有する多目的施設は、先ほど申しましたが、武道競技の拠点、それから主として県民向けの大会、練習会に活用できる施設だと考えております。  オーバード・ホール等の御意見もございましたが、それらは音楽専用ホールで収容人数もオーバード・ホールで約2,000人ということで機能、規模が根本的に異なると考えております。 36 永森委員 今ほど御答弁いただいたのですけれども、他方で、武道館機能というのは大変よくわかります。資料1にも、私は書きましたけれども、富山駅周辺が絶対だめだと言っているわけじゃなく、富山駅周辺にもしつくるなら私見ということで書かせていただきましたが、8,000人規模のアリーナをつくるというのであれば、私は富山駅の近くというのは大変いい場所だと思います。  また、今ほど武道競技というお話もありました。武道館の建てかえをするということであれば、例えば、市の総合体育館と連携しながらやっていくということも、これまた大変いいことだと思いますが、他方で、武道競技の振興以外に室内スポーツと言われましたけれども、室内スポーツは、現在、富山市総合体育館が当然あるわけでありまして、ここはとても重複してくる機能だと思います。そうした中で言うと、今ほど役割とおっしゃった中で、明確にこの施設ではないとできないものは、武道競技の振興だけにならないかと思うのですが、いかがでしょうか。 37 蔵堀総合政策局長 富山市総合体育館の利用状況等を見ますと、例えばバスケットボールのプロチームの試合、あるいは国際大会等で使われている間は、その前後も含めては設営や撤収の準備等もあって一般の方がなかなか使えないといった状況もございます。  そうした方々からは、バスケットやバレーボール、ほかの球技で使える場所がほしいといった意見も聞いているところでございまして、決して一方だけで成り立つということではなくて、多様な利用者の皆さんがいらっしゃるのでそういった利用ができると考えております。 38 永森委員 ありがとうございました。  今ほどのお話から今度は2番目の質問に移っていくのですけれども、富山市総合体育館が、例えばBリーグの試合があってなかなか使えない。県民からはそうしたことで活用できないという声が出ているということであります。  そういうことで言うと、今度資料2では、この施設の内容、規模別にアリーナ、武道館、数字は第2回の検討会で全天候型体育文化施設整備に係る基礎調査より取らせていただいたわけであります。実現に当たっての課題ということで書かせていただきました。  この場合、武道館の場合は赤字で書きました、県民利用を主眼とした施設のため駐車場の確保の必要性が高まり、大規模な敷地が必要となるとなっていたかと思います。それで、今ほども県のいろいろなスポーツ大会あるいは練習会での活用ということもおっしゃいました。そこで、議事録を見ていますと、確かに富山駅や交通アクセスという言葉も出てまいりましたけれども、他方でこんな声も出ておりました。県のさまざまなスポーツ大会では、マイカーやマイクロバスが多く、駐車場の確保を求める声があると、そのような言葉も当然出てきているわけであります。  私も、息子が中学校でバスケットボールをやっておりました。県の総合体育センターや西部体育センターへ行きますけれども、あんなに大きな駐車場があっても、車があふれているのが現状であります。そうしたことを考えると、交通アクセスがよいという条件ももちろん大事だと思いますけれども、それ以上に大事なのがやはり駐車場をしっかり確保できる場所じゃないと、県民のニーズにこたえていくということはなかなか難しい。公共交通が近くあっても、必ずしもみんながアクセスできるわけではないし、大会になると親御さんが送ってきたり、あるいは応援に来たりというニーズがとても多いわけですので、やはり駐車場というのはとても大事だと私は思います。  先ほどから話を聞いていると、ますますちょっとよくわからなくなりますけれども、今回整備するのは武道館の機能を持ったあくまでアリーナのようなものをイメージしているのか、それともあくまでアリーナ機能を持った武道館なのかと。どちらが主なのかというところがやっぱりはっきりしないということがあるわけであります。  そうしたことを踏まえて、立地場所の検討に当たって大規模な敷地の確保が前提条件と考えますけれども、蔵堀局長、よろしくお願いいたします。 39 蔵堀総合政策局長 検討会での議論の中で、武道館機能を有する多目的施設のイメージが、取りまとめで示されております。  武道競技だけではなくて、他のスポーツにも使用できる主道場などを含めますと、敷地面積が1万平米程度必要だということでございます。  駐車場でございますけれども、検討会の意見の中では、委員から御指摘のありましたように、大規模な敷地が必要ではないかという意見がございました。  具体的な立地場所を、どこに施設を立地させるかという選定をしていく段階で、具体的にもちろん検討することにはなるわけですが、その場所に求められる駐車台数が何台か、それを決めてから面積を確保していくというのが実際のやり方と思っています。  ただ、その場合、近隣にどのくらい実際に使える既存駐車場があるかということも考慮するということかと思います。また、通常の利用の際に必要な駐車場を確保することは当然だと考えていますけれども、大規模な大会やイベント時の最大限に合わせて面積を確保するということはなかなか現実的ではないと考えてございます。  現実、富山市の総合体育館におきましても、施設が準備している駐車場というのはそれほど大規模なものではないと考えているわけでございます。  今後、基本計画策定に当たりまして、こういった点も踏まえまして必要な駐車場面積を算定して、敷地が確保できるように取り組んでまいります。 40 永森委員 ありがとうございます。  ただ、この先、検討していくということですけれども、やはり現在基本的な方針が出されて、基本計画の策定に入っていく段階であります。その段階で、初めて駐車場はどのくらい必要だろうかということでは、ちょっとどうなんだろうと思ったりしますし、大規模な大会やイベントに合わせて駐車場を整備する必要はないのではないかというお答えもありましたけれども、そうしたことに活用するために駅周辺という言葉が出てきているのではないかと私は思います。  ですので、そうしたことを念頭に置かずに、つまりそうした活用の仕方はあくまで限定的だということであれば、むしろしっかりと駐車場がとれる敷地の確保というところから、やっぱりしっかり入っていった方がいいと思います。いやいやそうじゃなくて、やっぱり県外からの集客が基本だということであれば、それは駐車場が狭くても私は致し方ない選択かなと思うわけです。その辺の整理がどうもしっかりまだできていないのではないかということを心配したりいたしますが、次の質問に移ってまいります。  次の質問ですけれども、行ったり来たりして申しわけございませんが、資料1に戻っていただきたいと思います。  今回の施設規模は、固定席で2,000席から3,000席で、椅子を並べて4,000席から5,000席という座席と思っております。今ほどの答弁では、ちょっとあまり出てきませんでしたが、本会議におきましても、県外からコンサートやスポーツ大会を誘致できれば地域活性化につながると、そんな答弁もあったと思います。  そうしていくと資料1の一番下、これも第2回目の検討会で報告された基礎調査からの抜粋ですけれども、コンサートなどを行う場合は、舞台、音響、照明等を準備する費用を主催者が負担するため、収容人数5,000人程度では採算が合わず、最低でも8,000人から10,000人程度を確保する必要があると書いてあります。それを受けての6月定例会の蔵堀局長の答弁の抜粋もそこに載せさせていただきました。ちょっとごらんいただくと、なかなか難しいぞという答弁があったと認識をしております。  今回、8,000人からさらに規模を縮小した5,000人規模ということになっているのですけれども、8,000人のときは第3回の検討会の中で、全国的に行われているコンサートの状況や、スポーツ大会の誘致の可能性、いろいろなことについて検討がなされて、やっぱりなかなか8,000人というのは簡単ではないぞということが報告をされたと私は思っております。  ところが、施設規模を取りまとめるに当たって、そうしたことが検討会においてもあまり触れられていないといいましょうか、全然触れられてないのです。なぜその8,000人でできないのに、5,000人ならコンサートやイベントの誘致が可能なのかと、ここがやはりちょっとぼやけているのかなと思います。  検討会において、このあたりのニーズをどのように捉えて答申がなされたと考えておられるのか、蔵堀局長にお尋ねをいたします。 41 蔵堀総合政策局長 資料の下のところに出ており、委員からは今ほど説明がございました。  アリーナコンサートの場合は、ホールコンサートと異なって舞台、音響、照明等を準備する費用を主催者が負担するため、小さい5,000人規模では採算が合わないということでございました。最低でも、8,000人から1万人規模の確保が必要という一方で、8,000人から1万人規模となると、資料の一番下にございますけれども、アーティストがそもそも国内では30団体程度に限られており、富山では年間1公演程度が妥当で、10公演も誘致できれば成功ということでございました。  その後、ヒアリングをプロモーター等に行いましても、やはり地方で大規模なイベントを開くというのは相当厳しい。首都圏においても、新しいアリーナ等の整備も始められており、大規模な1万人、1万5,000人規模のアリーナ整備も現在進んでおります。そういったことを考えると、アリーナは厳しいということでございます。  それで、5,000人規模ならどうしてよいのかということですけれども、現在整備を検討しております施設については、武道競技を行う主道場の部分の面積がおおむね2,000平米程度必要と考えています。その広さをほかのスポーツ、バスケットやバレーボールでも使用します。そして、それだけの規模であれば、最大四、五千人程度の観客を、椅子を並べて座らせることができるということで、その際にいろいろなイベントにできるだけ活用して、地域の活性化にも努めていきたいと、そういうことで検討しているところでございます。 42 永森委員 ということであれば、やはり主眼は、武道競技の振興なりスポーツ振興にあると言わざるを得ず、県外からの集客をイメージしたような施設は二の次という捉え方を、私は今の答弁を聞く限りは受けとめざるを得ないと思いました。  そうなってくると、やはりまた立地の話に戻りますが、富山駅の周辺がだめだと言っているわけじゃないのですけれども、県がどういう土地を確保できるのかわかりませんが、大変地価も上がり、貴重な土地に、あえて、武道競技に活用する施設をつくることが本当に最適なのかということに対して、やはりくぎを刺させていただきたいと思うわけであります。  その点、申し上げておいて、時間もありますので次の質問に移っていきたいと思います。  次は、財政的な観点で質問させていただきたいと思います。  行ったり来たりして申しわけございませんけれども、資料2には建設費と収支についての記述を書かせていただきました。幅があるので、便宜上、低いほうで申し上げますけれども、例えば8,000人規模のアリーナは、整備費100億円で毎年の収支赤字は1億8,500万円、しかし経済効果は32億円との報告でございます。一方で、武道館を1,000人規模で見ていくと、整備費は60億円、赤字は1億400万円、ただし経済効果はあまり期待できないでしょうと。他方で、県民福祉に寄与するという意味において、当然効果はあるということでありますし、もう一つ注目すべきは、実現に当たっての課題ということで、富山、高岡の武道館、県総合体育センターとの機能が重複するので、統廃合もあわせて検討が必要であると書いてございます。  つまり、武道館の場合は、ある程度現存の施設との機能が重複するということでありますので、そうしたものを統合していくことによって、多少の赤字幅は許されるというと語弊がございますけれども、そういうことなのかなと思います。  ちなみに申し上げると、武道館は2つの施設を合わせて現在で大体2,000万円ぐらい赤字が出ておりますし、県の総合体育センターは2.5億円、プールもありますから当然かもしれませんが、赤字が出ていると。こうしたものを集約しながら施設を整備するという、これはある意味で県民の理解は得られるのではないだろうかと思います。  ところが、オレンジ色で書いた今回整備ですけれども、建設費が85億円から95億円、収支赤字は私が勝手に書いたのですが、第2回の検討会の5,000人規模のアリーナの場合の赤字幅を準用させていただきました。恐らく1億2,000万円以上は赤字が出る施設になると思います。  他方で、期待される効果、実現に当たっての課題、経済効果、このあたりの議論が検討会においてもあまりなされていないのかなと思っております。  検討会からは、行財政の状況を十分に考慮して、と報告されていますが、運営費負担やそれに見合う経済効果などを含めて、県としてはどのように受けとめているのか、また今後どのように検討を進めていかれるのか、蔵堀総合政策局長、よろしくお願いいたします。 43 蔵堀総合政策局長 まず、アリーナですけれども、経済波及効果年間32億円というのはそう大きくないとされたところです。  この32億円自体が先ほども触れましたけれども、大規模なイベントが年間10日、プロスポーツが年間40日など最大限見込んで32億円ということです。  一方で、武道館機能を有する多目的施設は8,000人規模アリーナほどの大規模なものではございませんけれども、年に数回程度は集客力のある大規模イベントを開催できるという施設の規模、性格でもございますので、この段階では経済波及効果をとりたてて議論することはしてこなかったわけでございます。  今後、基本計画を策定いたしますけれども、その中で施設の機能、規模それから管理運営計画の検討を具体的に行います。検討会で取りまとめられた収支等については類似施設を参考にして出したものでございますので、基本計画の中でしっかり精査する必要があると考えていますし、できるだけ県の負担が軽減できるように、どういった運営をしていくかを含めて検討したいと考えております。 44 永森委員 ありがとうございました。  ここにも書きましたけれども、やはり県民の理解をどう得ていくのかというのは大変大事なところでありまして、8,000人規模のアリーナは県民の理解は得られないとおっしゃって、検討会の中ではこれを断念されたということでございますが、では今回のこの多目的施設については、先ほど来から大方の県民の理解は得られるのではなかろうかという言葉が出てきていますけれども、何を根拠としてやっていくのかということだろうと思っております。  そこで、私も検討会の資料、前回も質問させていただいて、今回も質問させていただいていますので、何回も読んでおります。何回も読んでいて、やはり委員の方々の発言そのものが、何のためにこの施設が必要なのだろうか、何を目的とした施設なのだろうかというところが、最終的にこうした規模の施設をつくるというところについては皆さん一致したということですけれども、委員の方それぞれがそこに求めている機能というのが、ばらばらなイメージが私はとても強くて、依然としてアリーナのようなものを求められている方もいれば、やっぱり武道だ、いやいやいろいろなことに使えるといいんだと、そのような印象であります  ですので、最終的に検討会では、では、何のためにこれをつくるんだというところがしっかり集約されないまま、報告がなされたのではないだろうかと受けとめざるを得ないような議事の中身だと私は思います。  武道などいろいろな室内スポーツに使える、あるいはイベントもできる、いろいろなことができれば、それはそれで大きな不満の声というのは、もしかしたら出てこないのかもしれないわけですけれども、でも先ほども申し上げましたように100億円を超すような大変大きなプロジェクトになると思います。  そして、知事からも敦賀延伸という言葉も出ていました。私はもっと先を見据えて、やっぱり大阪まで新幹線が延びていくという十数年後をイメージしながら、本当に大きな施設整備というのは多分これが私は最後ぐらいじゃないかなと、最後の一手ぐらいになるような施設整備だと思うんです。  そのように考えたときに、今の答弁を聞いていて、武道やほかのスポーツと出てくるのですけれども、本当にこのような状況の中で基本計画策定に入っていけるのか、やっぱりちょっと心配になるような御答弁が正直申し上げて多かったかなと思っております。  また他方で、最初にも申し上げました。私も8,000人規模のアリーナはなかなか難しいということは局長の答弁を聞いて理解はできます。できますけれども、他方で、県民の方々は、やっぱりそうした大きな投資をやったらいいのではないかという声が、依然として多いということがわかりました。何でわかったかというと、今回のアリーナ整備に関する新聞記事を集めようと思ってネットで検索をしていましたら、たまたま北日本新聞さんのツイッターが検索にひっかかって見させていただくと、好意的なコメントというのは1件も──全部で10件くらいコメントがありましたけれども1件もなかったと思います。一々申し上げませんけれども、ぜひともごらんになっていただきたいと思っております。  知事のもとには、厳しい声はもしかしたらなかなか入ってこないかもしれませんけれども、非常に厳しい考え方をしている県民もやっぱり多数いらっしゃると私は思っております。  ここまで言うと、本当に永森、反対ながか、と言われそうですけれども、私は決して反対の立場ではなくて、どうせ富山市につくるんだったら、例えば県営球場を200億円かけてもドームにすればいいじゃないかと。8,000人、1万人規模のアリーナを駅周辺につくればいいじゃないかと。やっぱり、そうしたことをしっかりやっていくということのほうが、何となく今お聞きしたような中身の施設を駅の近くに、大きなお金をかけてつくるというよりは、よほど県民の理解を後々得られるという結果になるんじゃないかなと思うんです。  いずれにしても、そうした施設整備そのものについては、私は大いに賛成なわけでありますけれども、多目的という極めて、曖昧な言葉を使って立地場所を含めた整備計画を進めるということは、私は大変危険というか実質的に難しいことじゃないかなと思うんです。  そこで、施設整備の目的、ニーズ、これをやはりもう少し明確にした後で進めていただきたいと思いますし、この検討会も、やはり検討会というのは、そうした有識者の声を聞くというのも大事ですけれども、最終的な判断というのは、やはり選挙で選ばれた知事自身が、県当局の皆さんと一緒になって、この施設はどうあるべきなのかというところをもうちょっとしっかり県当局としての責任のもとで調査、分析したり、あるいは知事自身がもっと幅広く声を聞くなど、もう少し慎重な検討を求めたいと思いますが、知事の答弁をお願いいたします。 45 石井知事 全天候型体育文化施設の整備の検討に当たりましては、一昨年12月に実施した県民意識調査で、条件つきも含めて検討する必要がある、と回答した方は7割になりました。  その7割の方にどのような施設が望ましいか伺ったところ、「バスケットボールやバレーボール、柔道、剣道など屋内競技場用の施設」が42.6%、「サッカーやラグビーなど屋外競技用の施設」が18.7%、「どちらでもよい」が30.0%でありまして、「どちらでもよい」を合わせますと、「バスケットボールやバレーボール、柔道、剣道など屋内競技用の施設」については、72.6%と多くの方が希望され、あるいは肯定的であったと思っております。  検討会では、この調査結果、条件つきの人を慎重論と考えるとやはり非常に慎重な御意見が多いわけで、幅広い御意見があるわけですから、そこでどうすべきかということで検討会を開いて、大規模アリーナや武道館の整備費、維持管理費、施設運営費の課題等について議論をいただいたわけでございます。  武道館をぜひつくってほしいということは御承知のとおり、署名もたくさん集まってきたということもございます。  大規模アリーナについては、先ほど来、議論がありましたように建設費も100億円から170億円とございますが、100億円近くでつくることは、実際は難しく、170億円に非常に近い金額になるのではないかと思っております。  また、維持管理費も先ほどの委員の資料にあるように、かなり多額になる。一方で、経済波及効果はなかなかそう大きな数字にならないと。  こうしたことで、大規模アリーナは最初議論した2万人、1万人、あるいは8,000人でもなかなか難しいので、いろいろな意見があるのはもちろん承知していますけれども、大方の県民の皆さんの御理解をいただけないのではないかと。そうなると、富山武道館、高岡武道館も随分古くなり、空調もないし、武道館をつくってほしいという根強い声があるものですから、武道館を考えて議論をしてきました。しかし、検討会でも、「せっかく武道館をつくるのならつくるでそれはいいのだけれども、できれば他のスポーツもできるようにしてほしい」、「場合によっては、そのスペースを使って一定のコンサートやイベントもできるようにしてほしい」という議論がありました。また、当初の県民の意識調査を見ても、幅広いニーズがあるものですから、武道館としてちゃんとした機能を持ちながら、一方で他のスポーツ競技やイベントもできるようにしようと、そういうことであれば、何とか大方の県民の皆さんの理解が得られるのではないかと、こういうことでございます。  SNSなどを見ると、大規模アリーナに思いのある人も少なくないというお話がありましたが、私も正直今でもそう思っているんです。しかし、2月議会、6月議会の議論を振り返っていただくと、むしろ大規模アリーナについては、公共事業の無駄の典型みたいなことをまたやろうとしているというような議論もありましたね。そういうことも踏まえて、私はやっぱり経済界、スポーツ界、いろいろな方の御意見を聞いていますけれども、大規模アリーナについてはなかなか、ぜひやってほしいという方がいないわけではありませんが、やっぱり少数意見で、大方の方は行財政の健全化をようやく3期10年かけて成し遂げた後、またそういう大きな将来世代に負担をかけるようなことは、やっぱり慎重であったほうがいいんじゃないかという御意見のほうが私は多数派だと思っておりますので、今ほど申し上げたように、既存の武道館は非常に老朽化している、それを何とかもう少し大きな大会もちゃんとやれるような武道館にしてほしいと。これは大変理解のできることですから、しかしそういうことをやるんであれば、せっかくならそのスペースを使って、ほかの競技とか、あるいは一定のイベント的なこともできるようにする、これも理解できる話です。この議論の流れから見て、何となく釈然としないお気持ちが委員にあるように私は受けとめましたが、私は今までの流れから見ると、これは非常に常識的なところに落ちついてきつつあるんだと、このように思っているわけでございます。  せっかくつくるのでございますから、多くの県民の皆さんに後々も、あのときの判断は妥当だったなと思っていただけるように、引き続き県議会を初め幅広い県民の皆さんの御意見を承って、丁寧にいろいろな御意見を承る。しかし、一方でスピード感も持って何とか今年度末までに基本計画を取りまとめてまいりたい、このように思っております。 46 永森委員 ありがとうございます。  ちょっと時間がなくなってきました。すみません。  釈然としないような感じだとおっしゃいましたけれども、率直に申し上げると、やはりもともと、私はこういうものでいいと思っていたのですけれども、富山駅周辺という言葉が出てくると、それはやはりどうなんだろう、こういう施設をつくるのが適切であっても、それは本当に富山駅周辺なんだろうか。そこに非常に大きな違和感を感じました。  そこで、資料3をごらんください。  これは、新高岡駅の状況と富山駅周辺の状況を見比べました。下の富山駅周辺をごらんください。駅の周辺にぎっしりと施設があります。ほっといても富山駅周辺というのは、民間投資がどんどん進んでいくと思っています。新高岡駅は、本当はイオンなどもできていて、高岡市の方にはちょっと失礼かもしれませんけれども、グーグルアースの地図がこの段階のものしかなかったので、もうちょっと発展していると思いますけれども、でもまあこんな感じかなと思うのです。  乗車人員もちょっと書かせていただきました。説明は省きますけれども、あいの風とやま鉄道分を含んでないとはいえ、利用者がもう10分の1ぐらいしかいないんですね。  それで、私は大阪に新幹線が延びていくと、新高岡駅は西の入り口になりますから、やっぱりこの周辺は、もう少し発展可能性が出てくると思うのです。  他方で、先ほど収入構造の話もしました。高岡テクノドームが、イオンの隣にありますけれども、ここは大規模展示会だったり、コンベンションをやったりしている施設で、収入も7,000万円近くある施設です。こうしたものを一つベースに持ってきた上で活用すれば、まず収益的には一定程度見込めるのではないかということ。  大変差し出がましく書けば、現在、延期となっている高岡総合体育館をスポーツコアの横につくる計画──先ほどお聞きしたら、中止ではなくて延期状態になっているという、白紙ではない延期だということらしいです。ですので、例えばそうしたものとの連携はできないだろうか。例えば、この主道場なりメインアリーナを県で整備をして、そこはコンベンションなどにも使うと。その横に、例えばサブアリーナ的なもの、あるいはジョギングなどの運動施設を高岡市の負担でつくってもらうと。そこを上手に連携しながらやると、整備費も抑えられるし、高岡の活性化にもつながるのではないかと思うのです。  そうしたことを含めて、時間もなくなってきましたが、機能を集約した多目的施設として、新高岡駅周辺で整備してはどうかと思いますけれども、知事の見解を伺います。 47 石井知事 新たに整備する武道館機能を有する多目的施設は、先ほども話に出ましたけれども、主道場は柔道6面または剣道6面が同時にできる床面積2,000平米程度を想定しておりまして、武道競技や室内スポーツができるような床面構造とする必要がございます。  また、選手のけがにつながり危険なために、床面に電気や給排水ピットを設けることはできない、さらに週末に武道競技や室内スポーツ等の多くの利用が見込まれる、このように考えております。  委員が1つ例に出された高岡テクノドームですけれども、県西部における大規模な産業展示施設として、大変利用率が高いわけです。そして、展示場の床面積は3,050平米と広く、重量物の展示ができるコンクリート床構造でありまして、また床面には電気や給排水ピットが設けられており、展示場部門でも年間200日以上利用されていまして、毎年週末はほぼ予約で埋まっている状況であります。  委員の御指摘のとおり行財政運営の効率化ということもございます。北陸新幹線の敦賀延伸、また将来はおっしゃるように大阪開業ということもあるわけですから、県全体の均衡ある発展を念頭に置いて検討することは重要でありますが、例えば高岡テクノドームを廃止なり大きく改修して、そこに新たに整備する武道館機能を有する多目的施設に集約していくというのは、施設の目的や構造が異なり、また多くの場合に利用者が競合して本来の目的を果たすことができなくなるので、なかなかこの案は難しいのではないかと思います。
     それ以外にも、高岡、県西部に配慮した考え方がないのかということでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、県西部の振興、高岡の活性化ということはもちろん念頭にありまして、いろいろなことを考えておりますけれども、この武道館機能を有する多目的施設をどこに立地したら一番いいのかという点については、先ほど来お答えし、また局長からもお答えしたとおりでありますが、今後、基本計画策定委員会の中でしっかり考えていきたいと思いますけれども、これまでの検討結果も踏まえた妥当なものにしていきたいと思っております。 48 永森委員 ちょっともしかしたら誤解があったかもしれませんけれども、県西部に配慮してくれと言っているわけではなくて、県西部も、新高岡駅周辺もしっかりと発展を考えていくことが、県全体の発展につながるのではないかと申し上げているわけでございます。別に、県西部が発展してほしいからそのように申し上げているということではないので、ぜひともこうしたこの現状をごらんいただいて、せっかく県費を使って新高岡駅を整備しているわけですから、この周辺はやっぱりもう少ししっかり考えていくということが大事だと思います。  ちょっと質問時間がなくなってきてしまいまして、申しわけございません。  次の農業の問題、(1)(2)、すみません、飛ばさせていただいて、(3)中山間地域の質問をさせていただきます。資料4をごらんいただきたいと思います。  非常にローカルなお話で申しわけないのですけれども、このように中山間地域の指定の基準を資料4(1)(2)に書かせていただきました。対象地域そして対象農用地という二段構えでエリアの指定がなされております。  ごらんいただくと、下の中段にある右側の図の色が塗ってあるところがいわゆる中山間地域の指定エリアであります。  ところが、下の写真を見ていただくと、こうした色塗りのとおりに山々があるわけではなくて、実際には、例えば私どもの地元で、写真に櫛田というところがあろうかと思います。櫛田まで、実は山々というのは伸びているわけであります。ですので、例えばこの写真に出ているように、当然大変大きな法面があったり、イノシシによる鳥獣被害も出てまいります。  他方で、中山間地域に指定されていないということで、通常であれば県単の農業農村整備事業など土地改良事業に対してあるかさ上げ措置が、このように白色のところにはないというのが現状であります。  そこで、旧僻地地域、この地図で言うと櫛田、金山、池多というところですけれども、こういう大変厳しい環境で農業をしている方々に対する県単事業の補助率のかさ上げ、あるいはこうしたところは農地が一団になっておりません、飛び地などもあるのですけれども、なかなか大きな水田にならないがために事業効果が出づらいということで、国の補助採択なども非常に受けづらいです。そのようなことも何とか緩和しながら、柔軟な支援をしていただきたいと思うのですが、河村農林水産部長の御答弁をお願いいたします。 49 河村農林水産部長 土地改良事業の事業化に当たりまして、飛び地になっている等の狭小農地の整備につきましては、営農組織や機械作業体系が同一であるなど、営農の一体性を考慮した事業計画とすることで地元負担の少ない県営農地整備事業等の事業実施区域に取り込むことも可能であります。  また、一体的に取り組むことができないなど、県営事業での採択が難しい場合には、きめ細かな基盤整備を行う農地耕作条件改善事業や多面的機能支払制度の活用等も考えられるところでございます。  また、国の令和2年度予算概算要求におきましては、中山間地域に指定されない地域でありましても、棚田地域振興法に基づく指定棚田地域に指定されますと、県営農地整備事業等の補助率のかさ上げや面積要件等の緩和等の対象とするという考え方が示されておりまして、今後、国の予算審議等の動向を注視しながら個別地域への適応の可能性について、地元の市などの意向も確認しながら検討を行いますとともに、県単独農業農村整備事業における指定棚田地域の取り扱いにつきましても、検討してまいりたいと考えております。 50 永森委員 ぜひとも今ほどおっしゃった指定棚田地域の指定に御尽力賜りますようお願いしたいと思います。  資料4に、対象地域について書かせていただきまして、(1)の2)に、法律の指定地域に準じて県知事が特に定めた基準を満たす地域として、本県でも定めているわけであります。  その中身がこの青の四角の中にある8法地域に地理的に接する農用地あるいは農林統計上の中山間地域(旧市町村)となっているわけであります。  この基準は、各県で定めている基準で、どの県も一緒ということではありません。国がガイドラインを定めておりますが、ついては知事特認対象地域について、ぜひとも高齢化率、人口減少率など国の基準に加えて独自基準を定めている県がある状況も鑑みていただきながら、対象地域の変更を国に申し出ていただけないか、石井知事に伺います。 51 石井知事 中山間地域等直接支払制度の対象となる地域は、地域振興8法で指定された地域と、県知事が特に定めた基準を満たす地域とされております。  その基準については、国から特認基準のガイドラインが示されておりまして、本当はもう少し広げられないかと考えて、平成28年、平成29年に国といろいろ協議したのですけれども、これまでのガイドラインに該当する地域と同等程度に不利な地域とは認めていただけませんでした。  しかし、こうしたことも踏まえて、令和2年度の国概算要求で中山間地域等直接支払制度の対象農用地に、ことしの6月に制定された棚田地域振興法で指定された地域を追加することが検討されております。これが何とか実現しますと、これまで知事特認の対象にできなかった地域、例えば委員の御地元の櫛田地区などが対象地域となる可能性がございます。県としましては、ほかにも可能性があるところがございますので、市町村等と協議しながら指定要件を満たす地域について、棚田地域振興法で指定されるように準備し、また中山間地域等直接支払制度の対象となりますことで、中山間地域として農業生産活動がしっかり継続されるように支援に努めてまいりたいと思っております。 52 永森委員 知事、本当に温かいお言葉を頂戴いたしまして、ありがとうございました。ぜひとも、よろしくお願いしたいと思います。  最後の1問は、問3の(2)を質問したいと思いますが、(1)は教育環境の充実ということで、やはり学校が運営にかけられるお金が非常に少ない、学校が当然準備すべきものをPTAのお金で買ったりというようなことを、私もよく話を聞きますので、ぜひとも教育環境の充実はしっかりやってもらいたいということ。(3)は、私立高校の授業料無償化の問題。これは菅沢議員から一般質問がございまして重複しますので省きますけれども、この問題についても、所得が590万円までと910万円までとで行ける学校──県立を選ぶか私立を選ぶかで差が出る状況というのは、国の制度が悪いと言われればそれまでですけれども、私は非常にアンバランスだと思いますので、ぜひとも来年4月に向けて、予算化のお願いをしていきたいと思います。  最後は、県立学校の長寿命化計画を進めていただいております。時代も、先ほど川島委員からもありました新しい時代がやってくるという中で、県立学校の長寿命化についても、5Gなど新しい時代を見据えた計画としていただきたいと思うのですけれども、スケジュールなどを含めまして伍嶋教育長の所見を求めます。 53 伍嶋教育長 昨年5月に策定をいたしました長寿命化計画では、築50年程度で建てかえる従来の建てかえ型から、築80年まで延命する長寿命化型に転換することとしております。  この結果、約20年周期で教育環境の質的改善や、機能向上が図られまして、また建てかえ型に比べて約20%のコスト削減が可能になると見込んでおります。  今年度は、県内の4校を長寿命化改修の対象として基本設計を行っておりまして、来年度にはこの4校の実施設計に加えまして、新たな学校の基本設計を行うこととしております。  この新たな学校の選定に当たりましては、各施設の劣化状況や学校現場の意見を聞きながら検討を進めるという予定にしております。  現在、県の教育委員会では、無線LAN等の教育環境に関するネットワークの再構築や、タブレット端末の配備など各学校のICT環境の整備を進めております。  一方で、文部科学省では、本年6月にまとめた新時代の学びを支える先端技術活用推進方策におきまして、世界最先端のICT環境の実現に向けてロードマップを今年度中に策定することとしております。  県教育委員会としましては、今後、第4次産業革命の進展や5G時代の到来を見据え、国の動きなどを踏まえながら、新たな時代のニーズに即した教育環境を提供できますよう、学校現場のニーズを把握しながら長寿命化計画による計画的な整備にあわせまして、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 54 宮本委員長 永森委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  午後の会議は1時に開会をいたします。                     午後0時02分休憩                     午後1時00分開議        井加田まり委員の質疑及び答弁 55 永森副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  井加田委員。あなたの持ち時間は60分であります。 56 井加田委員 社会民主党議員会の井加田でございます。  予算特別委員会、午後の一番手ということで、早速質問に入らせていただきたいと思っております。  まず、昨今、児童虐待による痛ましい事故が起きていることから、国においても法改正などの対策が次々に講じられているわけですけれども、本定例会の補正予算案におきましても、児童虐待防止対策・社会的養育推進計画検討委員会の設置、システム構築や研修強化に向けた児童相談所機能強化事業が盛り込まれております。  児童虐待の現状については、繰り返すまでもなく、目黒区の5歳の女児の死亡事案を受けて、国では平成30年7月に関係閣僚会議で決定をされた子供の安全確認「48時間ルール」の徹底、同年12月には児童虐待防止対策体制総合強化プラン(新プラン)において、児童福祉司を2020年度までに全国で2,020人増員する体制強化ということを打ち出しておられます。  こうした児童虐待への対応も含めて、私は県の児童相談所については、非常に重要な役割があると認識をしております。  いわゆる子供が健やかに育つ権利を守るとりでであります。  そして幅広く相談に応じる、また、子供と保護者を支援する福祉拠点として富山県に設置をされた大事な施設であります。  昨今の県内における相談数の増加、それから虐待事例がふえる現状の中で、その背景、それから子供を取り巻く環境の変化等と児童相談所がどのように向き合っていくのか、対応すべき事項は大変に多いわけでありますけれども、児童相談所と関係機関とのさらなる連携の強化が求められていると認識しているものであります。  6月定例会でも取り上げられておりますが、今定例会におきましても、既に4名の議員が質問に取り上げられておりまして、議論も深まりつつあるとは思っておりますけれども、私からも改めて本県における虐待の現状と課題、今後の進むべき児童相談所の体制強化について質問をさせていただきたいと思っております。  質問に入る前にちょっと申し上げたいのですけれども、今県も人口減少ということで、子供自体が減っている中で、逆に児童相談所においての相談件数が平成29年度で3,502件──電話相談も含んででありますけれども、前年度より増加の傾向が続いているということであります。  虐待相談対応件数についても、全国と同様に年々増加傾向にあります。  この5年間について見ても、虐待件数そのものは大きく増加をしていると認識しております。  なぜ今少子化が進む中で、虐待がふえる傾向にあるのか、このことには簡単に答えが出ないと思いますけれども、さまざまな要因が考えられると私は思っております。  少子化の背景としては、若い人たちを取り巻く生活環境が急速に悪化していることがまず上げられるのではないかと認識しております。  現状、親の援助なくしては、大学進学はなかなか困難であります。  大学に進学をしても、学費や活動費を得るために、アルバイトに明け暮れなくてはならない状況もございます。  卒業しても、低賃金や長時間労働による厳しい雇用環境が待っています。非正規雇用の拡大、ブラックバイトやブラック企業という状況もございます。  また、奨学金の返還の延滞、国民年金保険料や国民健康保険税の滞納、若い方が実家暮らしをせざるを得ない、また、若い方の高い自殺率などが現状だと思っております。  若い人が置かれた厳しい現状が、未婚化、晩婚化、そして子供が生まれにくい少子化へとつながっており、このことを大きな背景として私は考えなければいけないことだと思っております。  若者世代を取り巻く困難な労働環境、そして家庭においては子育て環境の変化や、親を含めた家族からの支援が十分受けられない中での子育ての未熟さなど、子供を取り巻く社会的環境や家族環境の変化なども、相談件数がふえている背景として十分考えられるのではないかと思っております。  虐待がなぜふえるのか、そうした原因については、さまざまな背景から丁寧に分析し、現状で求められている支援は何なのか、子供の健やかな育成と、家族や地域における児童養育を支援する拠点としての児童相談所の役割は非常に重要であり、その役割を発揮できる体制強化が、今求められている喫緊の課題ではないかと考えております。  そこで、本県の児童虐待相談対応件数の増加要因と児童虐待の現状と推移について、県としてはどのように分析をしておられるのか、厚生部長に御答弁をお願いいたします。 57 市村厚生部長 児童虐待相談対応件数は、平成27年度で358件でありましたが、平成28年度に629件と約1.8倍に増加をしておりまして、その後も増加傾向が続き、平成30年度で848件となっております。  近年、増加している主な要因といたしまして、関係機関、特に警察や市町村からの児童相談所への通告が増加していること、また、近隣、知人からの通告が増加していることなどがあると考えております。  また、相談種別では、心理的虐待が増加をしておりますが、これは面前DVを含む心理的虐待に関する警察からの通告の増加が要因と考えております。  こうしたことは、警察と児童相談所との間の情報提供や、警察においてDVに関連し、児童が心理的虐待を受けているおそれがあるものを含めて、警察での児童虐待への対応がより一層強化されたこと、また、市町村におけます相談対応体制の充実や、個別事案の課題整理や対応方針を検討する会議等に児童相談所職員が参加するなど、警察や市町村と児童相談所が情報共有をいたしまして、連携する対応が進んだことが大きいと考えております。  なお、相談への対応といたしましては、施設入所等が必要となるような比較的重い案件は、平成27年度の23件から平成30年度は22件とほぼ横ばいの状況でございます。  保護者等への訓戒、制約や助言指導といった比較的軽度の案件がふえておりまして、児童虐待通告におけます県民の意識の高まりが背景にあるものと考えております。 58 井加田委員 それぞれ関連機関との情報共有や連携強化ということについて、後ほどもう少しお伺いしたいと思っておりますけれども、児童相談所の虐待相談対応件数はふえている現状でありますが、いろいろな要件があると思います。  そもそも、児童相談所の相談業務については大きく5つに分けられておりますけれども、養護困難な子供の養護相談、この養護相談の中に虐待事例も含まれると認識しております。  次に、乳幼児の保健相談、そして身体、知的、言語発達障害等々の障害に関する相談や認定、療育手帳等の交付、それから非行の相談や、不登校やしつけ等に関する育成相談と、本当に幅広いです。知的障害者の福祉サービスを受けるための療育手帳の交付、障害認定の業務、不登校や子育てへの支援など、本当に幅広い対応が求められる業務であります。  虐待に関して言えば、通告があれば、子供の安全を確認する。そして、必要があれば子供の一時保護、児童養護施設や乳児院や里親に預ける措置の仕事。  また、時間がかかる仕事でありますけれども、子供が家庭に戻れるように、保護者の指導や支援、家庭の再構築、子供への直接的な心のケアなども、児童相談所の本当に大事な業務であると思っております。  少子高齢化、核家族化も進行しており、親の世代、女性を中心にして言えば夫ですけれども、家族からの支援が子育てに関して十分受けられない、そういった家族環境も進行している状況にあると思っております。  そうした中で、子育てが孤立している面もあるのではないかと思います。  家庭や地域で孤立して、子育ての人が追い詰められていく状況も一方であるのではないかと想定されます。  そのようなことから、子育て世代に寄り添った切れ目のない支援が必要に応じて気楽に受けられる福祉施策の拡充がやっぱり必要ではないかと考えているところであります。  そこで、虐待の早期発見や早期対応につながる、あるいは、発生予防が非常に取り組みとしては大事だと思うわけですけれども、市町村では、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない母子への支援として公費負担による妊婦健診、産後鬱予防、新生児への虐待予防を図る観点から、産後直後の2週間あるいは1カ月など、出産間もない時期の産婦の健康診査により、産後の初期段階における母子への支援の強化を丁寧にされていると認識しております。  また、8月の厚生環境委員会の視察で、世田谷区で先進的に取り組まれた産後ケアセンターを視察してまいりました。ここでは、「育児への不安がある」、「心身の休養が必要である」、「家族などから十分な家事や育児の援助が得られない」という産後4カ月までの母子への支援ということで始められている事業で、最近は全国で産後ケア事業実施する市区町村もふえる傾向にあると思っております。  県内では、富山市で平成29年度に富山市まちなか総合ケアセンターにおいて、産後ケア応援室が整備をされております。  視察してまいりましたけども、保健相談に応じる、あるいは休養するということでデイケア、それから宿泊ケアなどが本当に丁寧な整備をされておりまして、利用度も高いということから、支援体制としては非常に効果があるのではないかと改めて思ってきたわけです。  そして、児童相談所への養護相談の半分とまでは言いませんけれども、4割方は未就学児ということで、乳幼児が対象との数字もありました。  市町村が行うこうした母子保健政策の切れ目のない継続した支援は、発生予防の面からも、早期発見の面からも非常に有効ではないかと思うわけですが、健康相談や乳児健診を通じた母子への支援が十分行き届くことが子育てを孤立化させない、そして、子育てにかかる不安や困難さを和らげることに非常に有効だと思っております。  そこで、県も含めてですが、市町村の母子保健施策の現状についてどのように把握しておられるのか、連携強化の面から現状と課題ということで、市町村の保健施策の現状について御答弁いただければと思います。 59 市村厚生部長 平成28年度に改正されました母子保健法により、県内の各市町村では、今ほど委員から御紹介ございましたが、妊娠の届け出受理から、妊産婦の保健指導、新生児訪問、乳児家庭全戸訪問、乳幼児健康診査など、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない母子保健施策の実施にあわせまして、乳幼児の虐待の予防や早期発見、児童虐待と密接な関係がありますハイリスクな妊産婦の早期発見に努めているところでございます。  このように、市町村の母子保健の現場におきましては、保健師や助産師等の多くの専門職の方がさまざまな機会を通じて、児童虐待の早期発見、発生予防に努めておられますが、その際、経験年数の少ない保健師さんもふえているということもございますので、保健師、助産師等の相談に従事する専門職の育成や、医療機関等との連携、心身の不調を来される妊産婦への対応の面などで大変苦心をされているということもお聞きしております。  このため、県では、妊産婦等の困難事例の場合には、厚生センター職員が市町村の職員に同行しまして、共に相談に携わりますとともに、産科、精神科、医療機関等とのネットワーク会議による連携の促進、保健師等を対象とした研修会の開催など、継続的に市町村の支援に当たっているところでございます。  引き続き、市町村と密接に連携し、母子保健法に加えまして、児童福祉法の観点からも、児童虐待の発生予防や早期発見に努めてまいりたいと考えております。 60 井加田委員 国の制度改正で市町村のそうした取り組みの重要性、有用性というものを踏まえて、母子保健の拠点となる子育て世代包括センターの整備が求められております。  妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援の提供が目的でありますけれども、健診時の母子保健サービス、そして地域子育て支援拠点の子育て支援サービスを一体的に行う子育て世代包括支援センターについて、国では全市町村にこうしたセンターの設置という方向を出されておりまして、職員配置についての措置あるいは目標も示されているところでありますが、先ほど市町村の取り組みの答弁をいただきましたけれども、市町村の拠点整備等の現状をどのように把握をしておられるのでしょうか。 61 市村厚生部長 今ほど委員御指摘の子育て世代包括支援センターにつきましては、県内では12市町において19のセンターが整備をされておりまして、妊産婦や乳幼児等の支援に必要となる情報の把握、妊娠、出産や子育てに関する相談支援や情報提供、助言、保健指導、妊産婦等に対する支援プランの策定、関係機関との連絡調整、ネットワーク構築など、妊娠期から子育て期にわたる包括的な取り組みを行っておりまして、児童虐待の予防あるいは早期発見の観点からも重要な役割を担っているものと考えております。  なお、センターが整備されていない3市町村におきましても、既存の保健センターを活用して、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のないサービスの提供に努めておられるところでございます。  さらに、富山市、滑川市におきましては、虐待防止ということに関しまして、より専門的な支援を行います虐待対応専門員を配置した「子ども家庭総合支援拠点」が設置をされているところでございます。 62 井加田委員 切れ目のない相談支援体制の充実ということは基本ですけれども、そのためには市町村と、後方支援を行う児童相談所との連携強化が必要です。  連携強化に向けての県の取り組みについてどのように考えておられるのか、答弁を求めます。 63 市村厚生部長 平成28年の児童福祉法等の改正を受けまして、市町村においては先ほど来もお話をさせていただいておりますが、妊産婦、乳幼児等の状況を継続的、包括的に把握をしますとともに、保健師や助産師等の専門家が丁寧に対応するということで、市町村保健センターにおける虐待に係る相談件数も、平成26年度が27件であったものが法改正後の平成29年度には91件と、3倍以上にふえているところもございます。  児童相談所は、市町村の業務の実施に関しまして、情報提供や健診の実施などにより、必要な援助を行うということとされておりますので、市町村の要保護児童対策地域協議会の構成員として会議に参加をし、援助方針等を検討する際に、専門的な助言を行いますとともに、保健センターにおいて、困難事例解決のため必要に応じ開催されますケース会議というものがございますが、そこに出席して、ともに支援の方向性を見出すほか、市町村の児童虐待の対処において参考となる事例を把握した場合には、他の市町村に周知することによって、県内全域の対応水準の向上につなげるなどの連携に努めているところでございます。  引き続き、児童相談所と保健センターを初めとする関係機関との連携を強化いたしまして、虐待の早期発見、早期対応のためにしっかり取り組んでまいります。 64 井加田委員 私は、この質問を取り上げるに当たりまして、現場の皆さんのお話も少し伺ってまいりましたが、今ほど紹介のあったように、市町村保健センターにおける相談件数もふえているということでありましたけれども、丁寧な取り組みで専門機関に情報が共有をされ、その結果相談機能が発揮されるという流れが、連携強化によりしっかり現場で対応されているということをちょっと実感として理解をしてきました。引き続き、しっかり対応いただくようにお願いしたいと思っております。  さらに各機関の責務ということで、警察に対しても子供の安全確認、事件化すべき事案の厳正な捜査等を行うことの徹底、強化という方針が盛り込まれまして、市町村からの通告以上に警察からの通告が最も多いことから、本年4月から、県警本部では、子供と女性に関する事件に速やかに対応するため、少年女性安全課に組織改編されております。
     こうした児童虐待事案においては、警察から通告をして児童相談所が対応するというケースと思っておりますけれども、児童相談所や市町村との連携について、どのようなところが強化されたのかについてお答えいただきたいと思います。 65 大原警察本部長 県警察本部では、今年度から少年女性安全課を設置し、児童虐待やDVなど、子供と女性に関する事件に対する一元的かつ迅速な対処に努めております。  児童虐待の対処に当たって、これまでも児童相談所及び市町村との連携を最優先に取り組んできましたが、少年女性安全課設置後、連絡会議を通じて、改めて連携の強化を確認するなどした結果、関係機関からの情報提供を契機に、児童の安全確保が図られる事案が目立ってきております。  具体例としては、児童相談所からの援助要請に基づき、現場臨場して児童の安全確認を行った事案のほか、市が受理した児童虐待に関する相談から、背後にDVが疑われる虐待事案や虐待行為が深刻化する危険性のある事案を警察で検挙したものが挙げられます。  また、児童虐待関係機関合同研修会を開催し、想定訓練や意見交換を通じた実務者同士の連携の強化にも取り組んでおり、今後ともこうした取り組みを通じて、関係機関との連携体制の強化に努めてまいりたいと考えております。 66 井加田委員 ありがとうございました。  児童虐待は通告を受けて児童相談所が対応すると申し上げましたが、児童相談所から警察への援助要請の事例もふえているということでございました。  市町村も含めて行政機関において、児童相談所を支援する立場としての機能強化にも、しっかり取り組んでいただきたいと思っております。  ここまではいわゆる現状と現状の中でどのような取り組みがなされているのかということを、少し御紹介いただいているわけですけれども、一方で児童相談所の体制強化についてお伺いをしていきたいと思っております。  住民に身近な市町村の虐待の未然防止、早期発見の取り組みの状況も報告いただいておりますけれども、法律上、県の役割は市町村の後方支援に重点化されていることになっております。  さらに児童等の保護についての司法関与の強化等の児童福祉法の改正もございました。  体制強化に向けて、現場の職員体制の強化に少し特化、重点を置いてお伺いをしたいと思います。  これも一般質問でも取り上げておられますけれども、改正児童虐待防止法と改正児童福祉法で、一時保護の介入的対応を行う職員と支援を行う職員を分ける機能分化ということの方向が出されています。そのようになっていくと思いますけれども、現状では一体となった対応をしておられるのですが、その法改正を受けての現状と今後の課題について、厚生部長の見解をお聞きいたします。 67 市村厚生部長 平成28年の国の報告書によれば、一時保護等の介入機能と措置決定後の保護者等への支援機能を同一機関が担うことによって、保護者との関係を考慮する余り、必要な保護をちゅうちょする事態が生じているという指摘や、親の意向に反する一時保護を行った結果、その後の支援が進まないという指摘があったところでございます。  こうしたことから、今般の児童福祉法等の改正によりまして、一時保護等を行った児童福祉司以外の者に保護者への指導を行わせることとされ、令和2年4月1日から施行されるということとなっております。  介入業務と支援業務の機能分化に当たりましては、その役割分担や人員配置のあり方、あるいは業務の引き継ぎ方といいますか、タイミング、そういったことなどの課題がございますので、国において、今後、策定が予定されております好事例集の内容も踏まえ、また他県の状況なども参考に法改正に適切に対応できるよう準備してまいります。 68 井加田委員 引き続きまして、措置等の法律関連業務については、常時弁護士による助言、指導のもとで対応するということも打ち出されております。現状でも必要に応じた対応がなされているとお聞きしているのですけれども、今後の取り組みについて、どのようにお考えなのか伺います。 69 市村厚生部長 6月の児童福祉法等の改正により、弁護士の配置、または配置に準じる措置を講じることとされまして、日常的に弁護士とともに対応できる体制づくりというものが求められております。  現在、本県では里親委託や施設入所措置について、保護者の同意が得られずに、家庭裁判所の承認を得る場合や、高圧的な態度の保護者への対応など、法律に関する知識、経験を必要とする場面はふえてきておりますため、各児童相談所において、相談契約により弁護士の配置をしており、法的な対応が必要な事案について、月1回程度定期的に相談をいたしますほか、必要に応じて随時相談ができる体制を確保してございます。  平成30年度で言えば45件ほどございました。  今後、児童相談所の業務状況の推移などを踏まえ、どのような連携のあり方がよいか研究していきたいと考えておりますが、児童相談所が措置決定その他の法律関係業務にとどまらず、日常業務においても、弁護士による指導または助言のもとで円滑に業務遂行できるよう、それが法の趣旨でございますので、適切に対応してまいります。 70 井加田委員 ぜひ、実態に応じて支援が図れるような体制にしていただきたいと思っております。  あわせて専門職である医師、保健師の配置も義務化されるとお聞きをしておりますけれども、この配置についてもお考えをお聞きしたいと思います。 71 市村厚生部長 これにつきましても、法改正では、児童相談所に、児童の健康及び心身の発達に関する専門的な知識及び技術を必要とする指導をつかさどる所員といたしまして、これまでは「医師または保健師」の配置とされていたのですが、「医師及び保健師」をそれぞれ1人以上配置しなければならないとされ、この改正規定は令和4年4月から施行されることとなっております。  現在、精神科、小児科の嘱託医を各児童相談所に配置をしておりますほか、専任ではありませんが、保健師資格を有する児童福祉司も配置をしておりまして、今後とも法改正の趣旨や児童相談所の業務の状況等も踏まえて、適切な配置に努めてまいります。 72 井加田委員 一言に機能強化と申しましても、やっぱり法改正を踏まえ、県の相談所にはやっぱり専門的な職員の配置が求められているということを改めて理解をいたしました。  今後も、国の方針で児童福祉司、児童心理司ともにふえる見込み、そして今ほどありましたけれども、令和4年からは医師、保健師も想定がされます。  現在、富山県の児童相談所に配置されております児童福祉司は、ここ数年毎年採用をいただいておりまして、昨年より2名ふえまして23名おられます。富山で13名、高岡で10名と見ております。そして児童心理司は2人ふえまして14名。富山8名、高岡6名という配置でございます。  この専門職ですが、児童福祉司と児童心理司の全国の配置状況を厚生労働省の調査で見たわけですけれども、富山県はぎりぎり基準を満たしているという数字でございます。富山県よりも低い配置のところもあるわけですけれども、全国的に見ても、かなり低い配置状況ではないかと見えます。  ほかの県では、前倒し採用など基準を上回る努力をしておられるともお聞きしており、富山県では専門職配置への努力が足りないのではないかと感じます。  結果として、現場職員は時間を構わず働いている状況も一方であるように思います。そのことで、一部職員の時間外勤務が依然として多いという実態があるのではないかと懸念されます。  また、そうした状況の中で時間外をそのとおり申請しないということも、中にはあるのではないかと推察されるのですけども、こうした現状についてどのように把握しておられるのか、経営管理部長の御答弁をいただきたいと思います。 73 滝経営管理部長 児童福祉司それから児童心理司につきましては、児童福祉法等に定めます基準を満たして適正に配置をしており、児童福祉司については、平成29年度以降毎年3名ずつということで計9名、児童心理司については、平成28年度に1名、平成29年度に3名、そして今年度、令和元年度に2名の計6名と大幅に増員をしまして、現在、児童福祉司については28名、それから児童心理司については14名を配置しているという状況でございます。  また、配置数の全国状況、これは人口当たりの児童数で比較をするということでございますけれども、その比較でいきますと、児童福祉司については36位、児童心理司については23位ということで、両者の合計では31位と、おおむね全国中位の水準になっております。  これは、実際に人口当たり職員数の順位が高い県を見てまいりますと、人口がそれほど多くないのにもかかわらず、県の面積が非常に大きいということで、児童相談所を分散配置せざるを得ない県が上位の県に並んでおります。  一方で、本県の場合、非常にコンパクトな県でございますので、富山、高岡といった2カ所に児童相談所を集約化できているということもございますし、また児童福祉司1人当たりの、例えば児童虐待相談対応件数で見てまいりますと、先ほど厚生部長から答弁がありましたとおり、もちろん増加傾向にあるわけでありますけれども、全国平均の46.6件に対しまして、富山県の場合は33.9件と全国平均を下回る状況であると。こうしたことをあわせて鑑みますと、配置数の実質で見ると、全国的に見ても相当程度の水準にあると考えております。  なお、職員の時間外勤務につきましては、昨年度から職場の上司によります事前の申請を徹底しておりますし、パソコンのログオン、ログオフによる勤務時間の適正な把握の試行の実施などを行っているところでございまして、御指摘のような申請漏れはないものと認識をしております。 74 井加田委員 児童福祉司の人数については、福祉司という職名でない配置の方もいらっしゃいますので、その方を含めるとその配置だと理解をいたしました。  決して努力が足りないということではないという御答弁だったと思います。  それで、児童相談所は24時間365日対応する職場であります。また、先ほどから言っております多様な相談業務の対応、専門職の配置、それから24時間対応電話相談員という方もいらっしゃいます。心理ケアに当たる職員もいらっしゃいます。  ですから、富山、高岡2つ、両方ともそういう専門的な仕事について、嘱託職員に多くの協力を求めるような職員体制のようになっていると認識しております。  富山も56人のうち、兼務、嘱託職員は26名という状況でございました。高岡についても、59名のうち、嘱託職員は38人ということで、そういう方を含めて24時間365日、しっかり対応をいただいているということで、現場が非常に努力をされているということは評価をしておりますが、やっぱり、今後さらに専門性の高い職員の一定程度の拡充も求められております。  気になりますのは、毎年ふやしていただいているわけですけど、やっぱり勤務年数が3年から5年未満という職員の方が多いということもちょっと指摘させていただきたいと思います。専門的な対応をするためには、現場経験というのが一番大事だと思うのです。先輩職員に教わりながら経験を重ねていくことが不可欠でありますし、そういうことの積み重ねが専門性を構築していくのだと思います。そういう意味で、前倒し採用の努力が足りないのではないかというような言い方もさせていただきましたが、やっぱり計画的育成ということも視野に、配属経験者を再配置していただく、県にある福祉施設間の人事異動の中で、ベテラン職員の配置等の人事ローテーションや、市町村間との人事交流といったことも、場合によってはあるのではないかと思っています。  それぞれ工夫をしていらっしゃると思いますけれども、体制強化とあわせて、職員の専門性の発揮ということも課題になっていると思っておりますので、ぜひそこに資する体制にしていかなければならないと思います。  そこで、気になりますのは、専門性が高いと言われる児童福祉司、それから児童心理司──特に児童心理司は児童福祉司の半数程度の確保ということだと思っておりますし、半数が兼務、嘱託という現状にあります。これは、やはり児童福祉司と同様に正規職員での採用が基本ではないかと思うわけですけれども、このことについて経営管理部長の答弁を求めたいと思います。 75 滝経営管理部長 現在、児童福祉司28名は全て正規職員ですが、3名の方が今産育休中でございますので、その方の分については、代替職員を配置しているという状況でございます。  また、児童心理司14名につきましては、正規職員が8名、嘱託職員が6名で、正規職員のうち1名は他所属との兼務によりまして、週4日を児童相談所で勤務いただいているという状況でございます。  今後、国の基準で令和2年度以降施行する予定のあるものもございます。そういうことも踏まえますと、児童福祉司については、令和4年度までに11名、児童心理司については、令和6年度までに5名のさらなる増員が必要でありますので、今年度から計画的に採用を進めることとしておりますし、来年4月に向けまして、児童福祉司及び児童心理司の正規職員の増員とともに、児童心理司の嘱託職員の一部の方を正規職員に振りかえるということも検討しているところでございます。  市町村の福祉施設からの、例えばベテラン職員を異動するといった手法も考えられるわけではございますけれども、それぞれの施設、児童相談所ごとにベテランの方と若手、あるいは男女の比率などといったような全体の人員構成や、バランスを考慮する必要がございますし、また職員本人の意向というのも当然のことですけれどもできるだけ尊重して人事異動を行っているということもございますので、そうしたことも踏まえて、慎重に対応する必要があると思っております。  もとより、職員の専門性の強化を図るということは極めて大事なことでございます。これまでも研修の充実等にも努めているところでございまして、県としては、先ほど申し上げました人員体制の強化、それから専門性のさらなる向上に鋭意努めてまいりたいと考えております。 76 井加田委員 やっぱり、人づくりというのは非常に大事でございますので、そうしたことを踏まえて対応いただければと思っております。  それで、この後も11名あるいは5名と、増員でそれぞれ配置がふえるということも、十分想定をされておりますが、少し施設整備の拡充の問題について、問題提起をして見解を伺いたいと思います。  6月定例会で、奥野委員が取り上げておられました築40年の高岡児童相談所、そして築80年の富山児童相談所、どちらも老朽化が著しい状況にございます。  また、建設当初に比べまして、相談件数がふえ、あるいは今ほどあったように、職員の増員も踏まえて、さまざまな問題に対応するには大変狭隘で業務にも支障を来すような現状になっているのではないかと思われます。  6月定例会で奥野委員から、建てかえについて早急に検討に入るようにという質問がありましたけれども、知事は8月に開催される検討委員会において、体制強化や関係機関との連携について検討すると御答弁されております。建てかえということについては、明言をされませんでした。  今定例会前の厚生環境委員会の報告の中にも、児童虐待防止対策・社会的養育推進計画検討委員会の設置についての報告があったわけですけれども、向こうあと2回の開催で計画を出すということであります。  年度末までに2回のスケジュールですけれども、計画づくりについては国方針でもありますので、急ぐ必要があると思いますが、建てかえを含めた児童相談所の体制強化については明言をされておりません。  別途、相談体制検討部会の中で、機能強化についての審議が行われるという方向にあると思っておりますが、ここで改めて児童相談所の施設整備拡充について見解を伺いたいと思っているわけでございます。  ちょっと話はそれますが、午前中のお二人、それからこの後のお二人も、きょうは大きな課題となっております全天候型体育文化施設の質問を取り上げられております。それぞれ質問されると思っておりますけど、私も高岡出身でありますので、一言、少し議論に参加をさせていただきます。  高岡総合体育館が延期になっているのは、いわゆる財政問題もあります。身の丈に合う施設であることが必要ということで、現状の中では一旦延期になったということであります。やっぱり、こうした問題は身の丈に合う十分機能が果たせる施設整備ということを考えるべきということを私は思っております。  一言、議論に参加させていただきましたが、今私が取り上げさせていただいております困難な状況にある方に寄り添う児童相談所の体制強化については、体制強化が利潤を生み出す施設ではありませんけれども、しっかり県民の福祉に資する、そして、県民に寄り添う大事な拠点として、優先的に取り組む課題ではないかなということは申し上げたいと思っております。  若干、きょうは、富山については、6月定例会で奥野委員が詳しく述べられていますので、高岡児童相談所の施設の現状と課題について申し上げたいと思っております。  まず、駐車場でございます。  高岡児童相談所は御承知のように、一方通行の狭い道路から進入する形になっております。狭い道路に加えて、敷地面積が大変狭い状況にございます。  駐車スペースには限界があります。縦列駐車で対応されていますが、職員のみならず来訪者の駐車スペースは全く足りていない。公用車の出入りについても相当不便な対応を迫られているとお伺いしております。  また、職員のデスクが置いてある事務室は富山の相談所以上に狭い状況がございます。  この4月から増員ということで、所長室のパーティションを撤去して対応されていますけれども、それでもデスクを並べるのが目いっぱい、通路の確保もままならないくらい狭い、という現状にあります。2階の会議室スペースも拝見したのですけれども、全員入れるのかと思うくらい狭いです。  また、外部からの方も含めての協議の場としては、非常に限界があると見えました。職員の皆さんには相当のストレスがかかっているのではないかと見受けられます。  また、日常の相談業務を行う相談室、検査室、来訪者に対する面接指導室、相談室、心理判定室、カウンセリング室など、建設当初はそれでよかったのかもしれませんけれども、業務量がふえる中では、やっぱり絶対数が不足していると思います。本当に日常的に職員の皆さんが相当やりくりしていたり、苦慮しておられる様子が見えました。  一時保護所についても、児童相談所に併設は欠かせないものでありますけれども、やっぱり子供の安全や、落ちついて対応できる施設としては狭いし、少し問題があると見えました。  こうした老朽化して狭隘な施設では、相談者に対する配慮についても限界があるということを実感いたします。やっぱり、建てかえを含めて施設整備や拡充については、急ぐべきと考えるわけでありますけれども、知事の御所見をお伺いいたします。 77 石井知事 児童相談所につきましては、増加し複雑化する相談にきめ細かく対応しますために、今ほども議論がありましたが、児童福祉司、児童心理司の増員や、保護者への指導を効果的に行うための介入担当と支援担当の分離など、体制のさらなる強化が6月の児童福祉法の改正等で求められておりますので、県としましては去る8月に早速、関係機関や有識者から成る検討委員会を設置いたしまして、既に第1回の会議を開催いたしました。  また、これに先立って、私も7月の初めに富山と高岡の児童相談所をそれぞれ訪ねまして、施設が建築後相当に年数がたっているという状況、また相談業務の現状についても話を聞きまして、いまだに他の自治体では痛ましい事件が起こっているということもございますから、児童虐待対応の充実や強化への思いを新たにしたところであります。  そういう中で、早急に取り組むべき施策については、9月補正予算案で児童相談所情報管理システム構築、保護者支援プログラム研修会、また検査用具の購入等々について所要額を計上しているところでございます。  児童相談所につきましては、6月の児童福祉法改正等に対応した人員体制の強化、市町村や学校、医療機関、女性相談センターといった関係機関との連携強化、また、一時保護のあり方を含めた施設の課題に加えまして、例えば中核市における児童相談所設置を国が支援するとしている中での富山市における児童相談所設置の動向など、さまざまな課題や論点がありますので、先月末、今ほど申し上げた検討委員会を立ち上げて検討を進めております。  今後、もちろん議会での議論も踏まえまして、また検討委員会でも議論を十分していただいて、本県の実情を踏まえた施設のあり方──一時保護所、相談所あるいは駐車場といったこともあると思いますが、そういったことも含めて、さらなる体制、機能の充実強化について検討してまいります。  その中で、緊急に対応すべきもの、また計画的に順次実施していくもの、いろいろなことがあると思いますが、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。 78 井加田委員 ここまでに建てかえるよというような答えは、初めから期待はしてはおりませんでしたけれども、しかし思いを新たにしていただいて、取り組む姿勢をお聞きしましたので、ぜひやっぱり検討は待ったなしだということを、現状を踏まえて、早く優先的に検討いただきたいという思いでございます。  それで、中核市の問題も出ました。国の方針とは別に、全国の中核市の皆さんの中には、児童相談所の設置ということには、かなり消極的な対応をされているという実態もございます。  ですから、機能強化という点でもっと踏み込んだ連携が必要ではないかと思います。  これは私の勝手な意見でありますけれども、建て替えは喫緊の課題だと思いますし、やっぱり児童相談所の機能強化と、市町村との連携強化の観点は十分に踏まえていただく必要があると思っております。  今後の検討の中で、現在地での建てかえが困難な場合ということも考えられます。  高岡の県有施設の現状については、前にも取り上げておりますけれども、高岡警察署や総合庁舎も老朽化で耐震化の対応もされていますが、やはり同じように施設の整備が課題になっていると思っております。  私のそれこそ勝手な意見でありますけれども、それぞれの機関の役割の違いは十分踏まえる必要がありますが、例えば高岡総合庁舎に隣接をする県の厚生センターや、既存の県有施設との一体的な整備も考えられます。  それから、市町村との連携で言えば、市町村保健センターに隣接して整備拡充するといったようなことも、検討の視野に置いて考えてもいいのではないかと思っております。  児童相談所の機能強化につながる市町村との連携強化ということを踏まえて、施設整備や幅広くそれこそ優先的に検討は進めていただきたいと思うわけですが、知事に答弁をお願いしてよろしいでしょうか。 79 石井知事 先ほど申し上げましたように、この8月末に検討委員会も立ち上げまして、今ほども御答弁申し上げましたように、一時保護所や相談所、駐車場など施設のあり方についても含めて、さらなる体制、機能の充実強化について検討するということですから、やはりそうした検討をきちんとやった上で、ではどうするか。その中で、緊急に整備すべきもの、計画的に逐次やっていくもの、どうも大規模なアリーナとか、そういうことだけ熱心にやっているんじゃないかと誤解されているかもしれませんが、お忘れの方も多いと思いますが、私は知事就任から本当に間もないころ、財政再建、行革の真っ最中でしたけれども、やっぱり諸般の情勢を考えて、これは急ぐべきだということで、女性相談センターを富山西警察署のそばにつくる決断をさせてもらいました。  これは、私がつくった最初の箱物でございます。くれぐれも、福祉とか、そういうことに何か熱心じゃないという誤解がないように、ひとつよろしくお願いしたいと思います。 80 井加田委員 決して誤解をしているわけではございません。しっかり、児童相談所についてもスピード感を持って取り組んでいただきたいということを強調するためにお答えいただきました。  さりとて、知事もおっしゃいましたけれども、少し急に対応しなければならないというところも結構あると思っております。先ほど言いました、例えば駐車場、今後も職員がふえるわけです。それから、専門職の方の出入りもこれまで以上にふえると思いますし、部屋数の少なさや現場の対応に急を要して困っている状況があります。そこで、建てかえという方針が出るまでの間にも対応しなければならないものがあると思っています。  例えば、駐車場を外部に確保する、近隣の施設を借りて会議を行うなど、十分工夫されているとは思うのですけども、厚生部長はどのように対応を考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。 81 市村厚生部長 児童虐待対策を強化するため、職員体制を大きく増強した結果、職員当たりのスペースや駐車場につきましては、以前に比べると狭くなってきていると認識してございます。  今ほど知事からお答えをしましたが、施設の機能強化については、8月に設置をしました検討委員会で検討を進めるということにしております。  特に、一時保護所につきましては、一時保護のあり方や、居室の個室化等も含めて、少し検討が必要だと思いますし、専門的な議論も踏まえる必要があると考えております。  一方、当面の人員等への対応ということが出てまいりますので、事務スペースや相談室については、施設内の弾力的な運用ができないか等も含めて検討して、できる限り何とかスペースを確保したいと思いますし、駐車場につきましては、その確保の方策について検討していきたいと考えております。いずれにしろ、早急に対応してまいります。 82 井加田委員 しっかりできることは早急に取り組んでいただきたいと思います。  それから、この補正予算案で計上されておりますが、情報管理システムの構築、相談ケースのデータベース化について、当然セキュリティーやプライバシーに十分な配慮をすべきと思っておりますけれども、どのように構築をしていかれるのか、お伺いをしたいと思います。 83 永森副委員長 市村厚生部長、お時間が少なくなってきております。簡潔に答弁をお願いします。 84 市村厚生部長 児童相談所の相談情報につきましては、個人情報であるばかりではなく、児童虐待対応業務の性質上、不適切な情報漏えいがあれば、子供やその家庭の支援にも悪影響を与えかねないということで、常日ごろより職員の研修も実施をしまして、その取り扱いには細心の注意を払っているところでございます。  今般、システム改修ということで、9月補正予算案を提案させていただいておりますが、その構築に当たりましても、委員御指摘のとおり、情報セキュリティー対策に十分留意をしますし、プライバシーにも十分配慮するなど、情報の取り扱いには遺漏なきよう対応してまいります。
    85 井加田委員 児童相談所の機能強化というのは、施設整備も含めて非常に急を要することだということを改めて申し上げたいと思います。  ぜひ、スピード感を持って取り組んでいただきますようにお願い申し上げて質問を終わります。 86 永森副委員長 井加田委員の質疑は以上で終了いたしました。        武田慎一委員の質疑及び答弁 87 永森副委員長 武田委員。あなたの持ち時間は60分であります。 88 武田委員 お疲れさまでございます。22日にシアター・オリンピックスの最終公演が終わり、きのう、めでたくフィナーレを迎えたわけであります。  知事の22日の挨拶、本当に感動させていただきました。会場の皆様方から大変大きな拍手をいただいたと思っておりますし、担当された須河部長におかれましても、さらなる目の輝きがあったと思うわけであります。  まさしく利賀に国立劇場が来たかのように、23カ国の方々が来場され、そして、22日は針山委員もどしゃ降りの中、観劇をしておられましたけれども、本当にああいったことがこの富山県に誘致できることはすばらしいなと、知事の力って本当にすごいなということを感じたわけであります。その勢いできょうの私の54歳の誕生日にプレゼントをいただければありがたいなということを思います。30年後には84歳ということで、そのころには、日本の首都がこの富山に移り変わっているということがいろんな観点からわかるのではないかと思っております。  去る7月23日、24日両日に、本県で全国知事会議が開催されました。20以上にわたる委員会や特別委員会、プロジェクトチームの中で、24都県のメンバーで構成されます地方税財政常任委員会の委員長を石井知事が務められました。当然、地方税財源の確保充実等が課題となったわけでありまして、その議論の中でも、石井知事はリーダーシップを発揮され、小池東京都知事とのバトルにおいても、私の感覚ですよ、8対2で勝利されたのではないかと思っております。また、1対46にならないように、自主努力も必要だというような趣旨も述べられたということは、多くの県民から賞賛をいただいたものと私も認識しております。  ただ私は、東京一極集中の是正が喫緊の課題でありながら、まだまだ先が見えていないのではないかと思っております。そこで、この東京一極集中の是正に向けてどのような議論が交わされたのか、より具体的にお答えをいただき、またそのことについてどのような成果があったのか、石井知事にお伺いしたいと思います。 89 石井知事 7月に本県で開催されました全国知事会議では、「地方税財源の確保・充実等に関する提言」案の文言の中で、「今回の偏在是正措置の実施にとどまらず、東京一極集中の是正に向けた地方創生の取組みをより強力に加速させることを要請する」という文案があったのですが、小池都知事さんから、地方創生は東京一極集中是正のみを目的としたものと受けとめられかねないという理由で、その文言を含む今後の地方創生の取り組みの強力な加速化についての関係文を全て削除すべき、という御意見をいただきました。  私からは、東京の日本全体の成長の牽引役としての発展ももちろん大事だと思っているが、東京は出生率が全国一低く、災害リスクも世界の大都市の中で最も大きいなど、過密の弊害が明らかで、これを是正して、地方への人の流れをつくっていくのは、日本全体のためのみではなく、東京がより安心な地域となって、世界の大都市として発展していくためにも必要なことではないかと申し上げまして、多くの知事さん方から御賛同いただきました。  これにあわせて、ここ二、三年、特に地方法人課税の偏在是正等をめぐって、東京など大都市部と地方部の対立構造になりがちだった傾向を何とか是正したいと、何とか全国知事会が一致結束しませんと、結局、地方分権あるいは地方税財源確保の力にならないと考えまして、当時の埼玉県知事の上田全国知事会会長とも御相談をして、「都市と地方の自立・連携・共生」を今回の知事会議の重要なテーマとさせていただきました。  小池都知事は、全国知事会議の1日目の午後3時半ごろ、別の公務のために途中退席予定ということでございましたので、全体会議の議論では決着がつかなかったことから、上田会長の御了解もいただいて、全体会議を中座して、別室で議論させていただき、大変厳しいやりとりもありましたけれども、今回の全国知事会議のテーマも御理解いただき、小池都知事もやっぱり東京対地方、1対46という構図はやはりそれはさすがに避けたいと思っておられたと思うんです。  最終的には、「そもそも、人口や大企業などの税源そのものが東京などの大都市に集中する我が国の社会構造を抜本的に是正することが根本として重要」という文言を明記させていただくとともに、地方創生が東京一極集中是正のみを目的としたものと誤解されないように工夫いたしまして、「都市と地方の自立・連携・共生を図る観点から、地方創生の取組みをより強力に加速化させることを強く要請する」という文章にいたしまして、合意をいただくことができました。  今回の提言が富山宣言とあわせまして、いろいろ議論はあり、激しい議論もありましたけれども、最終的に全会一致で採択されたということは、全国知事会の結束力を示すことにもなりますし、さらに今後の地方創生、地方分権を前進させていく上で、相当の意義があったのではないかと考えております。 90 武田委員 知事に御貢献いただいて、税収がふえてくるというようなお話であります。本当にありがとうございます。  まさしく人とお金だと思っております。私の子供たちが一番の参考書でありますが、若者は一度でいいから花の都で学びたい、働きたいというのが夢ではないかと思っております。特に、女子でありますけれども、毎年、20歳から24歳の約400人程度が県外へ流出しているということは御多分に漏れない話であります。若者の定着や回帰意識、藤井大輔議員が一般質問においてサクラマス型人材の話をされていましたが、そういったことの向上が求められると思っております。  その1つとして、県内大学の魅力向上、県外大学等への通学や帰省等に対する助成の創設、またはテレワークの導入促進など、より一層の対策が必要であると感じておりますが、蔵堀総合政策局長にお答え願います。 91 蔵堀総合政策局長 社会増の転換に向けまして、若者の本県への定着を促すことは大変重要と考えておりまして、県では、まず県立大学の学科の新設、拡充を行っていますし、ことしの4月には看護学部も開設したところでございます。  また、私立の専修学校にも施設整備の支援や特色ある教育の振興に助成を行うなど、県内における若者の進学の受け皿の充実に努めております。  また、県内にとどまってもらいますためには、より若いうちからその意識づけが大変重要と考えておりまして、社会に学ぶ14歳の挑戦、高校生のインターンシップ、またふるさと教育の充実に努めておりますし、特に大学生の方には、県内企業にどのような業種でどのような企業があるかといったことの周知も図っております。  委員から、県外大学への通学に対する助成の創設というお話もございました。首都圏の場合はさすがに通学時間が4時間を超えるということで大変厳しいと思っていますし、定期券額がかなり高額になるということも課題と思っています。こうした条件のもとではニーズがどの程度あるのか、なかなか課題が多いと考えてございます。  また、若者の県外転出を抑制するという取り組みだけではなくて、UIJターンで県内企業に就職してもらうということも大事でございますので、県外の大学に通っておられる学生の方を対象に、就職説明会などに参加される際の交通費の助成というのはこれまでも行ってきております。  また、理工系、薬学部生を対象とした奨学金の返還助成制度にも取り組んでおりますし、将来的に、地元雇用の創出にもつながる可能性がありますサテライトオフィスの誘致も大変重要と思っておりまして、市町村等と連携して実施をしております。今後とも、人口減少の克服、社会増対策は大変重要でございますので、転入の促進と転出の抑制の両方の観点からしっかり取り組んでまいります。 92 武田委員 局長、ありがとうございます。  ある一定程度のお金を使わないと若者はふえていきませんし、首都圏から帰っては来ないと思っております。持論ですが、私は、第3子から1,000万円ぐらいの給付をしてはどうかと思っておるわけであります。  そこで、やはりいろいろな方々に協力をしてもらわなければならないということで、平成28年度より創設をされました企業版ふるさと納税でありますが、御理解をいただければ大きな財源、収益となるわけであります。しかし、働きかけが弱いのかどうなのか、参画していただける企業がまだまだ少ない、そして金額がまだまだだと私は考えております。本県におけます取り組み、そして、実績、今後の利用促進等についてどう取り組むのか、総合政策局長にお伺いします。 93 蔵堀総合政策局長 企業版ふるさと納税制度は、地方団体が行います地方創生に資する事業に対して行われる企業の寄附でございまして、まず損金算入によって約3割の軽減がございます。それから、法人事業税等の税額控除を行いまして、トータルでは寄附金額の6割まで負担を軽減するというものであり、実質、企業の負担は寄附金額の約4割になるということでございます。  これは、企業が地方創生に参加することで新たな資金の流れをつくり出して、地方創生を持続可能なものにするということと、企業のイメージを向上させるという2つのメリットがあるものでございます。  県としても、本県のすぐれた取り組みを全国に発信し、本県ゆかりの企業などの協力を得まして、地方創生を推進する機会と捉えて、これまで本県に拠点を置く企業などに対して、直接訪問して寄附を働きかけておりますし、県人会などを活用したPRなども行ってきております。なかなか制度のPRが十分でなかったのか、これまでの実績は5件程度ということでございます。  また、この制度の一層の活用促進が必要と考え、令和元年度の税制改正においても運用改善が図られておりますけれども、全国知事会として、まず地方税と国税が協調して税額控除割合を拡大し、企業のインセンティブ効果を高めること、それから手続を抜本的に簡素化することなどの2つの提言を取りまとめて、政府・与党に対して現在働きかけているところでもございます。  こうした要望の結果、令和2年度の税制改正要望には、特例措置を5年間延長、それから、税額控除の割合を引き上げる、企業の実質負担を1割にするといったようなものが提出をされています。これから年末にかけて、税制改正の議論がされていくということでございます。  今後とも、個別の企業への働きかけなど、この制度を有効に活用して、県外の企業の方々に富山県の応援団になっていただくということを通じて、活力あるとやまの未来創生を推進していきたいと考えております。 94 武田委員 局長、より一層の努力をお願いしたいと思います。  次に、防災・減災について述べたいのでありますが、副委員長、パネルと資料の配付を許可願います。 95 永森副委員長 許可いたします。 96 武田委員 ありがとうございます。  国交省のほうでは、平成27年9月関東・東北豪雨を契機に、氾濫リスクが高いけれども、河川堤防整備が予算面などで計画実施に至らない区間において、堤防の上部を舗装することに取り組んでいるということであります。この取り組みには、決壊までの時間を引き延ばすためのもので、非常に有効であるとお聞きしているわけであります。  朝一で川島委員もこのようなことにも触れられたかもしれませんが、本県では、氷見市の上庄川等で舗装が実施されているということであります。御手元の資料のとおりでございますが、パッと見、本当にこれで決壊までの時間を引き延ばせるのか、少し不安ではありますけれども、この危機管理型ハード対策を県管理河川でどれぐらい実施しておられるのか、進捗状況や今後の取り組みについて、水口土木部長にお伺いします。 97 水口土木部長 危機管理型ハード対策としての河川堤防上の舗装でございますが、平成27年から国が進めている水防災意識社会再構築ビジョンに基づく、洪水氾濫が発生した場合でも被害を軽減する取り組みの1つでありまして、県管理河川においても進めてきております。具体的には、河川改修を予定している区間のうち、洪水により越水するおそれがある重要水防箇所において、決壊までの時間を少しでも引き延ばすために、堤防の上をアスファルト舗装で保護するものでありまして、県管理河川におきましても、これまでに富山市の山田川で全長0.35キロメートルを完成させ、また、氷見市の上庄川で延長4キロメートルのうちの1.65キロメートルの整備を終えております。  今年度からは、国の3か年緊急対策の予算も活用できることとなりましたため、この予算を活用し、引き続き、上庄川の整備を進めますほか、新たに、氷見市の仏生寺川でも取り組むこととしており、合わせて約7キロメートルの整備を来年度中に完成させたいと考えております。  今後とも地域の安全・安心の確保のため、河川改修を計画的に進めますとともに、氾濫被害を軽減する堤防上の舗装につきましても、現地の状況を勘案の上、取り組んでまいりたいと考えております。 98 武田委員 河川の堤防が決壊をして、大被害、大災害に至っているわけでありまして、さらなる取り組みをお願いしたいと思います。  次に、県管理道路、橋梁において、現在、幅員が非常に狭くて安全性が保てないというような橋梁、また、その橋梁の前後は整備済みだが、橋梁のみが老朽化しているにもかかわらず、かけかえがなされていない橋梁が幾つ県内にあるか、土木部長にお答え願えればと思います。 99 水口土木部長 県が管理しております長さが15メートル以上の橋梁のうち、前後が2車線で拡幅済みであるにもかかわらず、車道の幅員が6.5メートル未満で大型車のすれ違いが困難な橋梁は38橋ございます。 100 武田委員 ありがとうございます。38橋が多いか少ないか、私は多いと思っておりますので、さらなる取り組みをお願いしたいと思います。  それで、皆様の資料の中には、とりわけ南砺市の北信橋という県道の長楽寺福光線にかかっているものであります。南砺市には、恐らく水口土木部長がおっしゃった38橋の中に含まれていると思いますが、平橋や小原橋、新屋橋と、前後が拡幅されて改良されているが、橋梁だけ狭い箇所があります。  特にこの北信橋は、平成20年の豪雨災害でピアやアバットが倒れかけて、現状復旧しました。築55年経過していますが、交通量は1日600台程度と、あまり多くありません。しかしながら、位置を考えますと、福光インターから3キロと非常に近い。2年後に開校の義務教育学校からも2キロの地点です。そして、南砺消防署からも2キロの地点、来年の7月の統合予定の南砺市の福光庁舎まで約4キロということで、長楽寺福光線の交通需要の増加も想定されるということであり、このような便益を含む橋梁の整備にどう取り組むのか、水口土木部長にお伺いいたします。 101 水口土木部長 先ほど、前後が改良済みであるにもかかわらず、車道の幅員が6.5メートル未満という橋梁が38橋あると申し上げました。そのうち橋梁点検の結果、早期に措置を講ずべき判定区分IIIの橋梁が28橋ございます。  県ではこれまでこうした橋梁に対しまして、老朽化の度合いや交通量などを勘案の上、適切に補修を実施する、あるいは老朽化による橋梁のかけかえの際に拡幅するなど対応してきております。  北信橋、委員から南砺市の福光庁舎の統合というようなお話もいろいろございましたけれども、現時点でもその周辺に南砺中央病院や南砺消防署が立地しておりまして、井口、井波地域からの主たるアクセス道路になっております。しかしながら、幅員が狭いということであります。また、昭和39年の架橋から55年が経過をし、昨年度の橋梁点検の結果、床版や橋桁にひび割れや漏水、鉄筋の露出が確認されるなど劣化が進行しておりまして、判定区分は、早期に措置を講ずべきIIIでありました。このため、橋梁のかけかえに向け、調査を実施する必要があると考えております。  一般的に、橋梁のかけかえには多額の費用がかかるということから、引き続き、県としては、交通量や今後の地域の開発動向、橋梁の老朽化の度合いなどを総合的に勘案しまして、かけかえや補修など、橋梁の整備に適切に取り組み、安全で円滑な交通の確保に努めてまいります。 102 武田委員 ぜひ、調査、設計に取りかかっていただければと思いますので、よろしくお願いします。  次に、金沢福光連絡道路の整備促進であります。  金沢福光連絡道路整備促進期成同盟会の総会が先月開催されました。新たに会長として衆議院議員の橘議員、会長代行に馳議員がそれぞれ就任されました。また、呉西6市の自民党県議会議員全員が理事、役員としてつかれているわけであります。今まさに、呉西6市と石川、金沢にとって必要な整備区間となっていることが実証されてきたわけであります。  知事はよく、東と西のバランスがなと、おっしゃるわけでありますが、もはや緊急時の搬送であったり、観光利用等に加え、ことしの3月には、南砺市と石川県金沢市は、石川県金沢市・富山県南砺市消防相互応援協定を締結しました。多分、瘧師委員もうなずいておられると思いますけれども、県境での火災であったり、捜索の援助、また災害が発生した場合の支援ルートとなることも想定されるわけでありまして、交通量だけでははかれない重要な路線になっていくと私は思っております。そのことから、まず交通量はふえていくということを確信させていただいて、もし、財政面が厳しい、また、不安だとおっしゃるのであれば、有料化の検討も含めて整備を進めるべきと思いますが、石井知事にお尋ねをいたします。 103 石井知事 県道金沢湯涌福光線につきましては、現在、南砺市太美地区におきまして、未改良区間の拡幅工事、それから防災対策事業を3カ所で実施中でございます。残る県境部の未改良区間については、その抜本的な改良に、膨大な事業費を要すると見込まれる一方で、元来、交通量があまり大きくなかったことに加えまして、議員ももう十分御承知だと思いますが、福光市街地と金沢市街地を最短距離で結ぶ県道金沢井波線、国道304号の整備が完了したこともございまして、現況の交通量、整備後の将来交通量ともに、大変申しわけないんですけれども、大変少なく──数字で申し上げるのはちょっとつらいので申し上げませんけれども。また仮に、有料道路事業で行う場合には、一般的に料金徴収への抵抗感ということがありますから、利用交通量のさらなる減少を見込まざるを得ません。そうしますと、料金所の設置、維持を初め、維持管理費用も含め、利用者負担で費用を回収するというのはなかなか──これは土木部にもちょっと検討してもらったんですけれども──なかなかこれは難しいということでございます。こうしたこともございますので、現状ではトンネル整備などの抜本的な対策は、やはりその大前提となる国の補助事業の採択も難しいので、県民の皆様の御理解、さっき地域バランスというお話もありましたが、費用対効果や事業の優先順位をいろいろ考えると、課題が多いと思っております。  そこで、まずは待避所整備や、例えば1.5車線に整備、突角になっているところを少しきれいにするなど現道対策を行いまして、道路交通の円滑化の確保に努めてまいりたいと思います。  いろいろ課題があるのですけれども、しかし、議員も御関心の深い東海北陸自動車道が優先的に4車線化すべき区域に選定されたこと、また城端サービスエリアのスマートインターチェンジ化など、今、南砺市は、武田委員の御活躍もあって、結構いい話が続いていると思うんですね。ぜひ、この路線については、かねての懸案でございますけれども、引き続き、南砺市や石川県などとも連携しまして、まずは南砺市と金沢市の交流拡大、観光振興などに向けた取り組みを、それこそしっかりと進めてまいりたい。よろしくお願いしたいと思います。 104 武田委員 知事、ありがとうございます。何度聞いても同じような答弁で、ちょっとプレゼントにはならないと思っております。  鶏が先か卵が先かということで、先ほどから2人ほどおっしゃいましたけれども、とにかく便益は必ず、私は上がっていくと。これだけ災害が発生している時代において、やはり相互協定を結んでいくということは大変重要であります。現道の金沢湯涌福光線を整備するということでありますが、では、一体いつごろまで、幾らの予算がかかって、いつまで刀利ダムの堤体に車を走らせ──すれ違いもできないところですよ──をやっていくのかということがやっぱり課題になって、答弁は多分できないと思いますので、そういったこともやっぱり考えていただきたいということと、県内でも、観光目的なのか行きどまりの県道もあるようでありますから、そんなこともいろいろなことを考えながらやってほしいということ。  ある新聞社の月刊誌には、どうも石川県との距離が遠いと、縮まっていないというようなことも書いてありました。ぜひ、石川県知事との懇談の再開──何か石井知事にボールがあるようでありますので、お願いしたいということを思っております。  次に、障害者施策についてであります。  友人が、一緒にすしを食べに行こうと誘ってくれました。ただ、大型の車椅子で入れる店がなかなかないというようなことで、ちょっといろいろなすし屋を回って見てきたのですが、なかなか入れるようなお店がありませんでした。  国会では、すぐに大型車椅子が設置できるように取り組みがなされたわけでありますが、県としての民間に対する指導やどうすればいいかという考え方、これを厚生部長にお尋ねしたいと思います。 105 市村厚生部長 県では、これまで、富山県民福祉基本計画を策定して、福祉のまちづくりを総合的に推進しておりまして、物理的な障壁だけではなく、社会的、心理的、全ての障壁を除去するバリアフリーをハード、ソフト両面から進めております。  このうちハードのバリアフリーでは、平成9年度に策定しました富山県民福祉基本計画施設整備マニュアルに基づきまして、車椅子の使用者に対する配慮も含めたバリアフリー化に関する整備基準を示し、ホテルや飲食店、病院、公共交通機関等、多数の方の利用に供する施設で、基準を満たすものについて、施設の設置者等からの請求に基づき適合証を交付するとともに、適合証の交付を受けた建物の取得につきましては、不動産取得税を減免しているほか、バリアフリー等のすぐれた建築物整備に対する表彰も実施してきております。適合証はこれまでに1,353の施設に対して交付しておりまして、このうちホテル、旅館を含む飲食店等への交付件数は47件となっており、施設の増加に向けてさらなる普及啓発が必要と考えております。  県では、飲食店も含めて、多数の方の利用に供します施設のバリアフリーの推進に取り組むことが重要であると考えておりますので、2020東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けたバリアフリー化推進機運の高まりを追い風に、市町村や関係団体等と連携しながら普及啓発に努め、県民誰もが年齢や障害の有無にかかわらず快適な生活を営むことができる地域共生社会の実現に向けて取り組んでまいります。 106 武田委員 さらなる取り組みをお願いします。  平成28年4月に、障害者差別解消法が施行されました。本県でもあわせて施行された障害のある人の人権を尊重し県民皆が共にいきいきと輝く富山県づくり条例で、障害のある人から社会の中にあるバリアを、今おっしゃったように、取り除くための対応が必要な意思を伝えられた場合に、合理的配慮を提供することとされているわけであります。その後、法律や県の条例の施行から3年経過したわけでありますけども、県の行政機関や事業者において、合理的配慮の提供にどのように取り組んでおられるのか、市村厚生部長にお伺いします。 107 市村厚生部長 県条例では、何人にも、正当な理由なく障害を理由とする不利益な取り扱いを禁止をし、合理的な配慮をすることを義務づけております。  この合理的配慮とは、今ほど説明がございましたが、障害のある人からの意思表示があった場合に、実施の負担が過重とならない範囲で、障害のある人が社会生活等を送る上で支障となります社会的障壁を取り除くために行うものでございます。  県や市町村では、広報誌等や障害者差別解消ガイドラインの作成、各種研修会への講師派遣等を通じまして、差別解消法や条例における合理的配慮について周知を図りますとともに、県では、県専任手話通訳者の配置や、文化施設で大型車椅子利用者にバックヤードの大型エレベーターを案内する対応をとったほか、市町村では、職員の声を増幅する機器やタブレット端末の配置など、合理的配慮に努めているところでございます。  さらに県では、外見ではなかなか障害を持っていることがわかりづらい方が着用するヘルプマークの配布もしておりまして、周囲から配慮を受けやすい環境づくりにも取り組んでおります。  また、民間事業者におきましても、例えば金融機関では、職員研修の実施や補助犬マークの掲示、車椅子に配慮したATM等の設置、また映画館では、音声ガイドつきバリアフリー上映の実施、タクシー協会ではユニバーサルドライバー研修が実施されるなど、合理的配慮の取り組みが着実に広がっているものと考えております。引き続き、条例の基本理念にのっとりまして、市町村や関係団体、事業者と連携をし、環境整備や合理的配慮の普及啓発に努力してまいります。 108 武田委員 よろしくお願いします。ありがとうございます。  次に、武道館機能を有する多目的施設の立地場所ということであります。  柔道初段のこの武田慎一、きょうの副将として務めさせていただいておるわけであります。  先ほどから先鋒、次鋒と戦ってまいりましたが、いい方向性が見えていないということを感じております。  まず、この議論が始まったのは、富山県武道協議会からの多くの署名が集まったということ。そして、老朽化している2施設をどうするかという議論。では、行財政改革だから、2つを1つにしようというのは、妥当の線かもしれない。だけど、2つを1つにするということは、高校再編と一緒で、やっぱり位置が気になったり、自分のところにあったものがなくなるということは、非常に悔しい。ここら辺の言葉で言うと、はがやしいわけですよ。そこで、このはがやしさをどうするかということで、この私たちの議論を健康・スポーツ環境充実検討会にぜひ伝えてほしいんですよ。伝わっているのかどうなのかわかりません。会長は西村幸夫先生、本当にわかっていらっしゃるのかどうかわかりませんよ、西村幸夫先生が。そういったことを私たち議会の声をぜひ吸い上げていただいて、声にして上げてほしいわけですよ。まだまだ富山県民の議論というのは、ごくわずかな方だけが関心があって、ほとんどの方が関心を多分持っていらっしゃらないと思う。だけど、私たちが議員として、西や東という議論になると、やっぱり西は西がかわいい。富山は富山、東は東がかわいいわけなんですよ。そういったところをもう少し感じていただかないと、この議論は大変なことになると思っておるわけであります。  先ほどから永森副委員長もおっしゃったように、富山市にあらゆるものが集まって、そしてその結果として、失礼ですけれども、投票率も一番低いわけなんです。選挙に行かなくても、知事や市長や議員がすばらしいから、順序よく要望がかなっていっているわけなんです。けれども、幸福度が高いか低いかはよくわからないわけであります。  災害リスクでいうと、富山市が県内で一番大きく、特に富山駅周辺に集約化するという過密の弊害を是正して、もっと県内地方に人の流れをつくっていくという──これは、富山市中心市街地において、過密の弊害を少なくして、富山市がより安心して、日本の都市として大いに発展していくためにも決してマイナスになる話ではないと思います。  高岡市の再生であったり、県西部地域の振興のためであったり、こういった議論をぜひ御理解をいただきたい。知事も少し御理解いただいているのでないかなと思いますけれども、新高岡駅周辺に、私は整備すべきだと思いますが、蔵堀総合政策局長にお伺いします。 109 蔵堀総合政策局長 武道館機能を有する多目的施設整備につきましては、今ほど委員からもお話ございました。まずは武道競技の施設として整備をするということでございます。2つ目には、その武道競技で主道場が整備され、その面積が2,000平米程度あるので、それを使って室内スポーツ、バスケットボールやバレーボール、バスケットボールであれば2面程度とれますので、そういったものに活用していく、さらには、そのスペースでさまざまなイベントを誘致できるように努力していくということで、スポーツ振興や健康増進、さらには地域活性化に寄与していきたいと考えております。  今後、基本計画策定委員会を設置して、立地場所、それから機能、規模などの整備計画、管理運営計画を具体的に検討してまいります。基本計画策定委員会では、県議会でのこれまでの御議論は当然でございますけれども、幅広い県民の皆様の御意見も丁寧にお聞きをして、またお知らせもして、検討を進めて、今年度末までに基本計画を取りまとめるということで考えてございます。  立地場所につきましては、御指摘もございましたけれども、検討会の議論の中では、富山駅から徒歩圏内または富山駅周辺など、県内各地から参加しやすい場所が望ましいという意見が多かったわけですけれども、今後、こうした検討会の意見も踏まえ、県内各地からの利便性が高く、県外の方からも参加もしやすい、そうした立地場所の選定を進めたいと考えております。 110 武田委員 局長、ありがとうございます。  その条件、新高岡駅周辺にぴったり合っていると私は思っております。  最後に知事が、私の責任においてというふうにおっしゃることだけはやめてほしいなということを思っておりますし、この大事なところを最後の大将の山本徹委員にお任せをしたいと思います。  1つちょっと飛ばさせてください。豚コレラ対策についてであります。  先週20日に、ついに農林水産省が養豚場の豚へのワクチン接種を実施する方針を表明されました。これまで、石井知事に、農林水産省にかけ合っていただいて、ワクチン接種の必要性を繰り返し要請いただいたわけでありまして、これが結実したのではないかと思います。この豚コレラ対策が大きく前進したものでありまして、尽力された方々に感謝したいと思っております。  今後、国において、有識者会議での議論や国民からの意見、公募、そして、都道府県との協議などの対応を経て、養豚場での接種が行われる見通しでありますが、県内では、養豚場への、豚への感染の懸念が強まっておりまして、養豚農家の方々から強い声もある中で、ワクチン接種をする前に、感染してしまうおそれがあるのではないかということで、皆さん本当に心配をされているわけであります。一刻も早いワクチン接種が望まれます。養豚農家の豚に対する早期接種に向け、どのように取り組んでいくのか、石井知事にお伺いします。 111 石井知事 飼養豚へのワクチン接種につきましては、これまでも国が主導的に責任を持って、真剣かつ速やかに検討していただくように強く要請してまいりました。  先週末20日に、岐阜県の古田知事さん初め、皆さんと相談しまして、みんなでとにかく行こうということで、8県の知事あるいは一部副知事さんもおられましたけれども、江藤──新しい農林水産大臣──にお目にかかりまして、飼養豚への緊急ワクチン接種とアフリカ豚コレラを踏まえた水際対策の強化について緊急要望を行いました。  私からは特に、早期にワクチン接種をしてほしいという、県内養豚農家の切実な声をお伝えしました。当日も朝、富山県養豚組合連合会の新村会長さんにもお電話でお話ししたのですけれども、本当に豚に感染しないかと心配で、夜も寝られないということでありました。そういうことも大臣に率直にお話をさせていただきまして、とにかく今まではワクチン接種がどういうものか──予防的接種が自治事務か法定受託事務か、そういう事務的なことばかり議論していまして、あまりにも時間がかかり過ぎだったので、とにかく早く飼養豚へのワクチン接種ができるようにしてほしいとお願いしたところでございます。  ちょうど9年前に、口蹄疫対策がありましたが、その際には、江藤大臣は宮崎の選出で、当時大変危機感を持って取り組まれた、そういう経験がおありですから、現場の危機感も非常によく理解していただいて、とにかく早くやろうということで、予防的なワクチン接種が可能となるように、防疫指針の改定作業に着手するという方針を明確に示していただきましたので、大変ありがたく、心強く感じました。  接種までには、防疫指針改定に向けて、有識者会議での検討、パブリックコメントなどの手続が必要でありますほか、ワクチンの供給の問題、あるいは接種エリア、生体、肉製品の流通制限手法、風評被害対策など、まだ検討されるべき課題も多いのですが、県としては、できるだけ早期に接種していただけるように、国の検討状況を注視しつつ、他県とも連携の上で必要な働きかけを行ってまいりたいと思います。あわせて、国の接種体制の枠組みが整い次第、速やかに対応できるように、関係者との協議、調整を行ってまいりたいと思います。
     大臣には、いろいろなこと、方向を決断はしてもらったんですよ。ただ、またいろいろなことを地道にやっていると、どんどん時間がたつので、ようやく豚にワクチンを打てるという状態になったときに、富山県の豚はもう豚コレラにかかって殺処分せざるを得なくなっていたということにはならないようにしてほしいと言いましたら、そのとおりだと、なるべく早くやると明言していただいております。  さらに、先月9月12日に、一旦飼養豚を早期出荷して、豚舎を空にして感染拡大の防止を図るという、国の豚コレラ早期出荷促進対策事業の対象に本県を追加していただきました。このことも県内の養豚農家に事業の詳細を説明して、こういう手法も活用しようと思えばできますと申し上げたところ、希望する農家もございました。ついては、農家が希望されるのであれば、そういう方法もとって、国と連携して進めたい。そうすると、少し予算措置が要りますので、場合によっては、今議会に追加提案させていただくことも含めて、速やかに対応したい。いずれにしても、これは時間との勝負ですから、しっかり対応してまいります。よろしくお願いします。 112 武田委員 知事の答弁を聞かせていただきまして、少し前に進んだと、ちょっとほっとしております。  さて、豚コレラのワクチン接種に当たっては、養豚場に公務員獣医師が派遣され、重要な役割を担うことになると考えられます。また、ワクチン接種だけではなく、今後の豚コレラ対策全般でも、獣医師の役割や負担は非常にふえたと思っております。こうしたことから、今回の豚コレラ対応も含めて、家畜伝染病発生時、また未然防止のため、家畜診療体制を強化することも重要であると思います。産業動物獣医師の人材確保対策や公務員獣医師の処遇改善などを早急に図っていただければと思います。これら獣医師の確保のため、どのような計画で、どのように取り組まれるのか、河村農林水産部長にお伺いします。 113 河村農林水産部長 産業動物獣医師や公務員獣医師を確保し、家畜伝染病の予防など、獣医療の提供体制を強化していくことは極めて重要な課題であります。  一方で、獣医科大学の卒業生の多くが、小動物病院や医薬品系の民間企業等に就職する傾向にあり、産業動物や公務員の獣医師の確保は全国的に困難な状況になっております。  こうしたことから、県ではこれまで、獣医師会や農業共済組合などと連携し、獣医師の確保に向けた対策を進めてきております。具体的には、獣医科大学での勧誘活動や大学生のインターンシップの受け入れを行いますとともに、公務員獣医師確保のため、県独自の修学資金制度の設定や初任給調整手当の支給など収入面での改善を図りますほか、産業動物獣医師が適切な治療、診療を行えるよう、家畜保健衛生所による血液検査や細菌検査への協力などに取り組んできているところでございます。  ただ、現在の状況が続きますと、将来的に獣医療の提供が円滑にできない地域が発生するおそれもありますことから、獣医療を提供する体制の整備を図るための計画を前倒しして見直すことといたしまして、ことし3月に検討委員会を立ち上げ、これまで2回の検討会を開催し、2030年を目標とする新たな計画について、前倒しで検討を進めているところでございます。  その中では、研修等を通じた人的交流などによります支援体制の構築、畜産農家が点在している中で、例えば、遠隔診療など、情報通信機器を活用した効率的な獣医療の提供、あるいは、獣医の仕事ややりがい、魅力のアピールについて、子供の成長は早いので、早い段階から親と子供に並行してやるべきだといったような御意見等が出されているところでございます。  獣医師会や農業共済組合等と連携いたしまして、家畜診療体制の整備、充実が図られますよう、検討をさらに進めてまいりたいと考えております。 114 武田委員 部長、引き続きお願いしたいと思っております。  次に、県立高校の再編についてお伺いします。  9月補正予算案では、南砺福野高校において、ビームライフル場を備えた実習棟整備費が盛り込まれているわけであります。  これまで、私も何度か質問させていただきましたが、特色のある部活動の継続や活動強化に対応していただいていることに非常に感謝をしていますが、特に特色のある部活動というのは、非常に難しい部分があるわけであります。  国体に向けて、泊高校には例えばアーチェリー部を創設したということであったり、水橋高校にはカヌー部やフェンシング部が特色ある部活動として存在をするということであります。統合後も引き継がれていけば、一層の充実、また切磋琢磨につながっていくと思っておるわけであります。ぜひ新年度、令和2年度から創設を統合する高校に引き継いでいただけないかということで、スケジュールを含めてどのように取り組んでいかれるのか、伍嶋教育長にお伺いします。 115 伍嶋教育長 高校再編は、高校教育の一層の充実を図る観点から行うものでありまして、新高校及び再編対象校において、学習活動はもとより部活動においても充実、強化に向けて取り組むこととしております。  令和2、3年度の移行期の部活動については、生徒や保護者の意向を尊重しながら、再編対象校が新高校あるいは近隣校と合同で練習を行い、合同で大会に参加するなど、活力ある活動となるよう配慮することとしております。  また、運動部の全国大会等への出場につきましては、新高校と再編対象校での合同チームまたは単独チームで出場できることとなっておりますけれども、どのようなチームで出場するかは生徒や保護者の意向などを尊重したいと考えております。  なお、新高校と再編対象校間の移動用のバスの購入など、合同練習の部員の移動手段の確保にも努めることとしております。  また、部活動の施設設備につきましては、委員からも御紹介がありましたが、今年度、南砺福光高校と南砺福野高校による新高校には、ビームライフル場を備えた実習棟の設計を行いますほか、再編対象校では、用具などの更新等を行うこととしておりまして、今後、新しい高校の新入生が3年生になる令和4年度の前年度までに、順次必要な施設整備を進めることとしております。  今後とも、特色ある部活動などの部活動が円滑に引き継がれ、生徒が一層充実した環境で取り組めるよう取り組んでまいります。 116 武田委員 今夏の甲子園大会では、高岡商業高校がベスト16まで進出しました。過去には、富山第一高校がベスト8までいったということで、近年では少し躍進が見えるなと思います。ただ、全国的に見ますと、隣の星稜高校の奥川君のように150キロをばんばん投げるピッチャー、山瀬君のようにすごい球を2塁へ投げるキャッチャーや、高校通算本塁打数30本以上打った選手というのは、なかなか富山県には出て来ないということで、まだまだ取り組みが必要ではないかと思っております。教育長には、スポーツ医学や科学トレーニングをもっと導入を進めていけるのではないかと思いますけれども、どのように考えておられるのか、導入状況や今後の取り組みについてお伺いします。 117 伍嶋教育長 選手を育成強化していくためには、スポーツ医科学トレーニングの導入などによりまして、選手の心身の状態や技術、メンタルなどを多角的に分析して、最も効果的なトレーニングを実践していくことが大変重要であると考えております。  特に、高校野球の育成強化につきましては、県において、最先端の情報を取り入れ、適切なトレーニング方法や指導助言を行うためのTOYAMAアスリートマルチサポート事業や、トレーニングエキスパート派遣事業を実施するとともに、県野球協議会が小学校、中学校、高等学校の指導者を対象に実施しておりますトレーニング方法やスポーツ栄養学の講習会、またシンポジウムの開催を支援しております。さらには、県の高野連においては、高校野球部員と指導者を対象にした理学療法士による研修会を実施するなど、関係団体が連携して、高校野球の活動にスポーツ医科学トレーニングの積極的な導入を推進しております。  このように、本格強化に取り組んだ結果、平成23年度以降の9年間では、夏の甲子園大会で10勝を上げておりまして、着実にレベルアップが図られているものと考えております。  今後とも、中体連、高野連、野球協議会などの関係団体と連携しながら、スポーツ医科学トレーニングを推進し、競技力のさらなる向上に取り組んでまいります。 118 武田委員 伍嶋教育長、ありがとうございます。  これだけ高校再編がスピード化して、子供たちも少なくなると、そういったところにもお金が──私は言いたくないけれども──かけていけるのかなと思いますし、ぜひそういった期待をして、いつか、いつの日か日本一を目指せるような選手、また高校づくりもお願いしたいと思います。  そこで、中学校の卒業予定者というのが、日増しに減ってまいりました。前期の再編時で1万人いましたが、後期再編時には9,500人、何と15年後には7,000人ぐらいしかいなくなってしまう中学校の卒業予定者数であります。  現に、募集の状況を見ていますと、石動高校が一次募集で約2クラスに近いほどの定員割れをしているということで、非常に危機が迫っております。しかし、特にホッケーが強いということで、特色のある学校ではないかと思っておりますので、ぜひ残していただければと思います。  知事は、今回の後期再編においても、議論は拙速ではなかったとよくおっしゃいました。各会場での意見交換会を見させていただきましたが、一方的な部分もあったように感じられましたし、意見交換会では、多くの方が拙速ではないのかとおっしゃったわけであります。この対策として、今後の高校再編計画について、私は、より丁寧にゆっくりと皆さんにわかるように検討を進めていただければと思うわけであります。石井知事に所見をお伺いして、最後の質問とさせていただきます。よろしくお願いします。 119 石井知事 今回の県立高校再編につきましては、前期再編の評価も踏まえ、平成26年に設置した検討委員会による御報告を受け、平成28年から総合教育会議において丁寧に議論を進めまして、その際には、市町村や経済界の有識者の方々など18名の方の御意見を伺い、また、各学区等での2回にわたる意見交換会──11カ所で開催、各学区と朝日町で2回、南砺市で1回など、いろいろなことをやってまいりました。まだ拙速だという御意見もあるかもしれませんが、相当丁寧にやったんじゃないかなと思っております。  さらに、平成29年9月に、再編統合を進めるとの基本方針を出し、また昨年2月に、再編統合の対象校を示した実施方針を定めまして、そして、昨年末に実施計画を策定し、現在、新高校の開設に向けた準備を進めるということでございます。来年4月に何とか円滑に運ぶようにしたいと。  県立高校再編の今後のあり方についてですけれども、昨年策定しました実施方針においては、令和9年度以降の対応については、中学校卒業予定者数の推移を踏まえて、別途協議することとしておりまして、中学校卒業予定者数の推移については、お話にありましたけれども、ことし3月の中学校卒業者数は9,552人、令和9年の卒業予定者数は約8,000人、さらに令和15年3月に約7,200人と急速に減少する見通しとなっております。  こうした状況ですが、少し希望があるのは、今県内に若い人、子供連れの方の移住者が結構ふえてきておりますから、そういったところにしっかり取り組みまして、生徒さんや保護者、地域のニーズも十分考慮して、中長期的な視点に立って、あくまで高校教育充実の観点を大切にしながら、さまざまな角度から丁寧に検討を進めたいと思います。  令和9年度以降の対応については、そういうわけで一定の期間を要しますので、まずは来年4月の新高校開設の準備にしっかり取り組んで、そして令和2、3年度の移行期における再編対象校の教育の充実を図り、その上で、今回の高校再編の状況の成果、課題も把握してから、しっかり取り組むと、こういう段取りで進めたいと思います。 120 武田委員 知事、いいことをおっしゃいました。ぜひ、全国から募集をするという考え方も含めて、また考えていただければと思います。  終わります。ありがとうございました。 121 永森副委員長 武田委員の質疑は以上で終了いたしました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。                     午後3時01分休憩                     午後3時15分開議        山本徹委員の質疑及び答弁 122 宮本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  山本委員。あなたの持ち時間は60分であります。 123 山本委員 それでは、本日の予算特別委員会の最後を務めさせていただきます。通告は3つしてございますので、順次質問をしてまいりたいと思います。  まずは、富山県子ども・若者支援地域協議会についてでございます。  ニート、ひきこもり、不登校の状態にある子供、若者への効果的な支援を図るという目的で、本県では子ども・若者育成支援推進法に基づきまして、平成28年8月、富山県子ども・若者支援地域協議会が設置をされ、丸3年が経過をしたところでございます。  当初、武田慎一委員を初め、県内の地方議員など熱心な方々のワークショップから始まった活動でございました。大変熱心な方が多い中で、当時の関係各課にまとまっていただきまして、地域協議会の設置に至ったところでございます。  この協議会は、教育、保育・医療・福祉、矯正・更生保護、雇用、相談機関、民間団体の6分野39団体で構成をされているところでございます。  平成29年度に入り、少し形を変えていこうということで、相談対応部会でNPO法人や児童相談所が実際に行いました支援事例について検討を加えて、支援内容について協議をしているところでございます。  今議会の質問にもありましたとおり、ひきこもりは長期化、高齢化する傾向にあるわけでございます。内閣府が昨年末調査した結果から、中高年のひきこもりは全国で61万人、15歳から39歳までのひきこもり54万人よりも多いことが明らかになったわけでございます。  本県のひきこもりについては1,414名との答弁もあったところでございますけれども、ぜひ、中高年の現状についても把握をしていただきたいと思います。  また、不登校をきっかけにひきこもりになってしまうケースが大半であるということで、不登校はひきこもりの前段階と言えると思います。  上田議員の質問では、本県の不登校は小中高校合わせて1,272名、前年より124名ふえまして、近年増加傾向にあることが示されたわけでございます。  既に、そうなっているかもしれませんけれども、これだけの児童生徒が不登校からひきこもりに進展してしまう可能性があるということで、これは大変な問題であることを認識する必要があると思います。  上田議員の質問への答弁で、不登校状態から復帰できるのが53.4%ということで、全国よりもまだいいという答弁でございました。多少、救われたわけでございますけれども、しかし、全体の問題について、早急な対応策が必要であることは間違いないわけでございます。  そういう意味で、協議会に大変大きな期待をしているところでございますが、お聞きしておりますと、研修会の参加人数も回を経るごとに減ってきているということでございます。当初、想定をしていた役割を果たしているのかどうか、甚だ不安になるわけでございます。  協議会は39団体から成る大きな組織で、これを運用するのは相当なコストがかかるということでございます。今は、子ども支援課で一手に調整の役割を果たしておられるということでございますけれども、協議会の支援の主導的な役割を果たす指定支援機関の指定──これは民間がやるほうがいいということ、協議会の円滑な運営、活性化に向けまして、代表者会議あるいは実務者会議といった、より効率的な運用ができる組織に強化をしていくべきでないかと思うわけでございますが、厚生部長にお聞きしたいと思います。 124 市村厚生部長 県では、子ども・若者支援地域協議会を、先ほど御紹介がございましたが、平成28年8月に設置をいたしまして、支援機関相互の連携強化に努めているところでございます。  委員御指摘の代表者会議と実務者会議の設置や、指定支援機関の指定につきましては、各自治体の実情に応じて協議会を運営することとされており、本県では、地域協議会の代表者会議の位置づけで全体会を置いておりまして、その下に、先ほども御紹介がございましたが、具体的な支援を行う実務者による相談対応部会を設けまして、個別事例の検討や活動状況についての情報交換などを行っているところでございます。名称の違い、あるいは機能の若干の違いはございますが、代表者会議あるいは実務者会議とほぼ同等な機能になっているものと考えております。  また、指定支援機関の設置に関しましては、協議会の構成機関の中から、民間の1団体に限り指定ができることになってございます。民間団体にお聞きをいたしますと、みずからの活動に加え、機関業務を単独で担うのは難しいというようなこともおっしゃっておられますので、設置を見合わせているところでございます。全国での設置も6県にとどまっておりますので、他県の状況など、よく研究したいと考えております。  県としましては、地域協議会がその力を十分に発揮できますよう、今後とも、協議会の皆さん方の御意見も踏まえまして、組織の活性化を図り、悩みを持つ子供、若者やその家族などへの支援が進みますよう、しっかり取り組んでまいります。 125 山本委員 ありがとうございます。代表者会議の役割を全体会で果たしているという答弁でございましたが、代表者会議は代表者でぜひやっていただきたいと思います。繰り返しになりますが、39団体もあると小回りがきかないということだと思います。  また、支援機関の指定まで行かなくても、民間団体の方にもう少し調整や協力を依頼するという段階的なやり方もあるのではないかと思いますので、検討をいただければと思います。  NPO法人高卒支援会というものを東京で立ち上げておられます杉浦孝宣氏によりますと、不登校、ひきこもりの9割は直すことができるということでございます。  それぞれの市町村で子ども・若者支援地域協議会を立ち上げていただき、それぞれのケースにおいて、実質的で効果的な対応策が講じられるように、取り組みのスピードを上げていただきたいと思います。  その第一歩として、ひきこもりなど困難を有する子供や若者、家族が直接相談を行うことができる総合的な窓口を設置してはどうかと思いますが、厚生部長にお聞きします。 126 市村厚生部長 本県では、相談のきっかけになりました事由に対応した専門相談機関を設置しておりまして、ひきこもり地域支援センター、若者サポートステーション、あるいは心の健康センターなどで支援を行っています。  こうした各機関では、どのような相談がありましても、地域内あるいは地域をまたいで互いに連携し合い、いわゆる相談のたらい回しとならないように、親身になって事情をお聞きしまして、対応可能な相談機関につなぐということに努めております。  また、こうした連携がより迅速、適切に行われますように、県では、相談者が必要とします情報や適切な窓口などを案内しますリーフレットを平成28年度に作成をいたしまして、関係機関を含め、小中高の学校、民生委員などに配付し、関係機関からは便利でよく参考にしているなどの声も寄せられておりまして、一定の評価をいただいていると考えております。  委員御提案の子ども・若者総合相談センターの関係につきましては、法的にはその機能を担う体制の確保に努めるものとなっております。まずは、関係機関の連携をさらに密にしますとともに、地域協議会の場でも御意見を伺いながら、将来的に既存の支援機関に総合相談センターの機能を担ってもらうことも含めまして、相談体制のさらなる充実に努めてまいりたいと考えております。 127 山本委員 協議会は設置から丸3年と申し上げましたが、研修会をして人材を育成する、そして、先ほど紹介申し上げましたが、実際に支援が行われたケースについて、支援の内容ややり方についてさらに検討するということだと思います。  しかし、最初、この協議会をつくろうということで盛り上がった経緯は、やはり申し上げましたとおり、既に1,414名の若年のひきこもりの皆さんがおられて、その人たちに何とか社会に出てきてもらって、特に昨今の人手不足の状態やいろいろなことを鑑みると、こういう人たちにぜひ帰ってきてほしいと、直接そういう人たちにアプローチをしてほしい、一日でも早くそういうことになるようにという思いが、そこに込められているわけでございます。  ですから、それぞれの現場、特に学校の現場で不登校やひきこもりについては対応されておられるのだと思いますが、学校の現場から離れてしまうと、例えば高校生だと、退学してしまうと不登校にさえカウントされなくなってしまうのです。そういうところにきちんと手が行き届いて、富山県、我が国のいろいろなことに貢献していただけるように、もう一度社会に復帰してもらうというのは大事なことだと思いますので、引き続き協議会の強化をお願いしたいと思います。  続きまして、児童虐待対策について質問したいと思います。  この定例会でも大変たくさんの質問がありました。前回もそうですけれども、事件がありましたので、世間の関心が高まっているということだと思っております。僕の知り合いで、後援会の事務局をしていただている方のお友達のお子さんですけれども、小学校2年生だったと思いますが、大変元気のいいお子さんなんです。大変元気がよ過ぎて、親の言うことを聞かないわけです。きかん子です、要するに。それで、お母さんも手を焼いていると。  あるとき、休みの日で、家の中で大きい声を出して「いい加減にしとかれ」と怒ったら、逆に怒って、お母さんの携帯を奪って、110番通報したそうです。当然、110番通報するわけですから、パトカーが来ます。パトカーが来て、ずかずかと家の中に入ってきます。そうなってくると、お母さんと子供をそれぞれ別室で事情聴取するということになる。近所の人たちもこれは何事かといって出てきて見ると。1時間半余りの大変な大騒動だったということで、笑い話で済んだようでございますが、そのようなてんまつでございました。  児童虐待の痛ましい事件が断続的に報道されておりまして、先ほど申し上げたように、世間みんな敏感になっているわけでございます。この児童虐待の問題について、議論をさらに深めていくとすれば、虐待を生む要因、井加田委員の質問にもありましたけれども、妊娠から出産、あるいは出産後間もない段階での育児不安、あるいは就労できない、ひとり親であるといった家庭の環境から経済的な困窮を招いている、そこから来る不安など、こうした要因があるわけでございます。  これまで、いろいろな形で答弁をいただいてきております。出産から育児までの切れ目のない支援や、ひとり親家庭への支援、教育の支援、生活支援、就労支援、経済的支援といった多方面にわたる支援の仕組み、これについては一定程度仕上がってきていると思っていまして、そういう意味で言うと、虐待予防ということについては、今考えられる取り組み、それのみでやっているわけではありませんけれども、いろいろな観点からそれなりの仕組みができていると感じているわけでございます。  今回質問したいと思ったのは、虐待には至らないけれども、その手前にある、とても危うい段階の保護者や家庭へのアプローチをすることができないか、これはとても大切なことではないかと思います。  一般質問で、藤井大輔議員から「助けての声が上げられず、情報も満足に受け取れない、困り事のある家庭の子供への育成支援の取り組みについて」という質問がありました。大変いい質問だったと思っております。要保護児童対策地域協議会は、要支援児童として保護者の養育を支援することが特に必要であると認められる児童については、支援対象とするような体制になっているわけでございます。言ってみれば、虐待に至る一歩手前での支援ということが言えるように思うわけでございます。  これのもう少し早い段階、助けてと言えずにどこに相談していいかわからず、どんな支援が受けられるのかといった情報もなく、悶々と苦しんでいる、そういう家庭や保護者に救いの手を差し伸べられないものか。  学校の教員やPTAの関係者、保護者、御近所の方々は、困っているサインの出ている家庭や注意を要する家庭について把握をしておられると思います。情報通でございます。こうした要注意の情報を集められないものでしょうか。学校やスクールカウンセラー、民生委員、PTAなどと情報を共有して、虐待が起こる可能性のある家庭へ、虐待に至らない段階でアプローチすることが大切と考えますが、厚生部長の見解をお聞きいたします。 128 市村厚生部長 要保護児童に当たらないものの、保護者の養育を支援することが特に必要な児童やその保護者は、今ほど御紹介ございましたが、要支援児童等とされておりまして、こうした要支援児童等に対する適切な支援は、虐待防止の観点からも極めて重要であるということでございます。  この関係で申し上げれば、市町村で要支援児童等への支援が行われておりまして、例えば、子育て家庭の孤立や不安を解消するための乳幼児家庭全戸訪問事業、あるいは妊娠初期から子育て期にわたる一貫した子育て世代包括支援センターが県内12市町で設置をされております。また、児童虐待防止対策体制総合強化プランでは、市町村子ども家庭総合支援拠点を2022年までに全市町村で設置をするということが目標とされておりまして、現在2市で設置をされているというところでございます。さらに、学校や民生委員などが要支援児童等を把握した際には、市町村への情報提供に努めることとされているほか、要保護児童対策地域支援協議会でも、要支援児童等についても情報共有して、チーム一丸となって支援に当たっているところでございます。  委員の御質問は、もう少し前のというお話でございますので、若干、要支援児童等と少しかぶるところがあろうかと思いますけれども、関係の団体がとにかく情報交換をしていくことが大事と思っておりますので、連携をして、さらに児童虐待防止の取り組みが進みますように支援してまいりたいと考えております。 129 山本委員 私も今、地元の小学校のPTAの役員をしておりますが、PTAにいるだけでもやっぱり幾つも情報があって、例えば、4年生の教室が荒れている、6年生のある生徒がまたいなくなったなどはたまに聞く話で、お母さん方は大変よく事情を御存じで、例えば、お父さんがこのような方でこのようになって、お母さんはこのような状況で、家族構成はこのようになっている、でもいつも独りでグラウンドで遊んでいる、そういう生きた情報です。それが虐待につながると初めて出てくるのですが、それまではなかなか出にくい。  それが、例えば、学校が終わってから遊びに行って、夜遅くまで帰らない。本人は家へ帰りたくないものだから、周りの子供を巻き込んで夜遅くまで遊んでいる。そうすると、親が心配して探し出すといったようなこと。これは、やっぱり潜在的なニーズだと思います。もちろんこれらが全て虐待につながるわけではありませんけれども、これがサインだと思います。  これは、学校の側で言うと、例えば先生の言うことを聞かない、あるいは先生が手を焼く、違う教室に混ざる子供であるなど、根っこが同じでいろいろな問題が発生しているようなケースが往々にして見受けられるといいますか、大体そんなものだと思って見ているわけです。  ですから、こういうような情報を、ある程度何とか集めて、特に危険な状況については早く吸い上げるような仕組みが何とかできないかという意味の質問であります。今、やっておられる枠組みの中で、なかなかもどかしい話ですが、どうにかして情報をキャッチできる仕組みができないものかと思うわけでございます。  そこで、虐待の初期対応について質問を進めていきたいと思いますが、保育園や学校、医療機関、警察などで虐待が発見をされると、通告がなされるわけでございます。一時保護の必要があると判断すれば、児童相談所へ通告する。さらに事件性があるということになれば、警察へ通告する。それ以外のケースだと、緊急性が乏しいと見ているということで、市町村の児童支援所管課へ通告するというルールになっているところでございます。  最初に御紹介した、私の知り合いのお子さんのケースですけども、今回は子供のいたずらと判断されて、以後気をつけてください、110番はしないようにしてくださいぐらいの注意で、多分警察の方はパトカーに乗って帰っていったと思いますが、駆けつけた警察官がこれは緊急を要すると、子供を一時保護しないと大変なことになると判断したら、児童相談所に通告をしていくことになると思います。そうすると、当然その段階で、はい、虐待ですということになるわけでございます。  現場の判断がとても大切になってくると思っています。今、つくろうとしておられる児童虐待防止ハンドブック案を見せていただきましたが、こういうケースには緊急性について会議をするとあるわけですが、今お話ししたように、そういうペースで大丈夫なのだろうかと思うわけでございます。  また、一時であれ、保護ということになれば、最長で2カ月、全国平均では29日程度とお聞きしておりますが、保護者と引き離すことになります。子供を虐待から守るという観点で言うと、必要な措置であることは間違いないと思いますけれども、保護者から引き離された子供にとって、また、一時保護という行政処分を受けた保護者やその家族にとっては、その後の人生に大きな影響を及ぼすことになるわけでございます。  資料によりますと、アセスメントシートというものでもって、保護するか否かの判断をするとされているわけでございますが、一時保護をする、あるいは保護をしないで支援をしながら経過を見守る、あるいは一時保護から子供を家庭に戻す、あるいは里親のところへ預ける、それぞれの段階で家庭や保護者、子供の状態、あるいは周囲の環境や得られる支援など、冷静かつ慎重に、しかも迅速に判断をすることが求められているわけですけれども、この重大な決定をするのは一体誰なのでしょうか。そして、要保護児童対策地域協議会の多くの構成員のうち、誰が主導権と責任を持って、当該家族とその子供の将来を方向づけていくのでしょうか。このあたりのところがしっかりされないと、非常に心配なわけでございます。  要保護児童への支援は要保護児童対策地域協議会の機能を活用し、関係機関それぞれの役割を発揮して連携して支援を実施するということですけれども、個々の事案に対する状況判断や決定の中核を担う機関はどこなのか、厚生部長にお聞きしたいと思います。
    130 市村厚生部長 関係機関の情報共有や適切な連携のもと、要保護児童の早期発見や適切な保護を図るため、各市町村に要保護児童対策地域協議会が設置されております。  いわゆる要対協と申しておりますが、この要対協は個別の虐待事例の危険度や緊急度の判断、それから支援方針や役割分担の決定、個別ケースの主担当機関の決定などを担っておりますが、多数の関係機関が円滑に連携協力できますように、運営の中核となります調整機関を置くこととされておりまして、県内では市町村の児童虐待所管課がこの役割を担っております。  この調整機関は、地域協議会の事務を総括いたしまして、支援の実施状況を把握するほか、支援対象児童等の状況を定期的に確認をし、必要に応じて支援の見直しが行われますように、関係機関等との連絡調整を行う必要がございます。また、調整機関には保健師など、専門的知識を有します調整担当者を置くこととされておりまして、責任を持って個々のケースに応じて調整を行っているところでございます。  今後も、要保護児童への支援が、関係機関との連携のもと、適時適切に行われますように、県としても必要な支援をしてまいりたいと考えております。 131 山本委員 すいませんが、今の質問に率直に答えがあるとすると、個々の事案に対する状況判断や決定の中核を担うのは市町村の所管課、という認識でよろしいのでしょうか。ちょっと確認させていただけますか。 132 市村厚生部長 要保護児童対策地域協議会にかかっている段階においては、今申し上げましたとおり、市町村の児童虐待所管課が役割を担うということになりますし、それが児童相談所まで上がってくるという段階になりますと、児童相談所が一時保護をする、しないという判断をするということになろうかと思います。 133 山本委員 ありがとうございます。よくわかりました。  そうすると、やっぱり児童相談所の役割というのは大変重要になりますし、市町村の所管課と連携を深めていかなければならない、この2つが当面の核となる機関だろうと思うわけでございます。  そこで、特に今回、児童相談所につきましてたくさん質問が出ました。前回の議会からもそうでございます。知事の答弁には、専門家の意見を聞かなければならないと答弁をいただいているわけでございますけれども、6月の奥野委員、先ほど井加田委員からも質問がありました。私も富山、高岡の児童相談所については、やっぱり建てかえの必要があると思っております。専門家の意見を聞くのは十分わかりますが、県議会の中でこれだけ意見が出て、ほかの方が質問されないのは、再三再四、我々が質問をして余りにも直球的な質問だから、繰り返し質問をする愚を避けているだけであって、気持ちは変わらないと思っています。やっぱり必要な施設なんだと思いますし、建てかえる時期に来ているのではないかと感じるわけでございます。  いろいろお考えがあってのことなんだと思いますが、それを強く、ひとつ要望しておきたいと思います。  その上で、児童虐待の発生時には、児童相談所の果たす役割は大変大きいと思うので、その部分について厚生部長にお聞きしたいと思います。 134 市村厚生部長 児童相談所は、市町村の要保護児童対策地域協議会の構成員として、実務者会議や個別ケース検討会議等に参加をしまして、虐待事例の緊急度の判断や各機関の役割分担、具体的な支援の内容等を検討する際に、専門的な助言を行っております。  そのほか、県では、要対協に配置されます調整担当者への研修も主催をしてございますし、児童相談所職員が講師を務め、子供虐待対応や関係機関の役割と連携などについて指導しているほか、要対協構成員の専門性向上のための研修も実施をしております。  児童福祉法におきましては、児童相談所は、児童相談に関します一義的な窓口であります市町村の業務の実施に関して、情報提供、研修など、必要な助言、適切な助言を行うこととされておりますので、今後も要保護児童への支援が関係機関との連携のもと、適切に行われますように、市町村要保護児童対策地域協議会を支援してまいりたいと思っております。 135 山本委員 よろしくお願いしたいと思います。  我が党の代表質問で藤井裕久議員が述べたとおり、児童虐待は世代を超えて連鎖するおそれがあるということであります。崩壊した家庭では、一般的な家庭における普通がなかなか普通と捉えられない、本来、親から子へ教えられるべきものが教えられていない、伝えられるべきものが伝えられていないという状況であるわけでございます。  崩壊した家庭で育った、あるいは虐待を受けた、そうした人たちの中には、自分にきちんとした子育てができるのだろうか、家庭を築くことができるのだろうかといった不安を持つ方がおられる。そうした気持ちであるにもかかわらず、虐待に及んでしまった。だけれども、できることなら自分の子供は自分でしっかり育てたい、自分と同じ思いを自分の子供にさせたくない、自分の人生を何とかしていきたいんだということで、苦しみながらももがいている人たちがいる。そういう人たちが家庭を修復し、立ち直るための支援が求められているんだと思います。  虐待防止ハンドブック案の巻末のコラムに、精神科医師の明橋大二先生がこのように書いておられます。  虐待の加害者というとどんな極悪非道の親か、と世間では思われがちだが、しかしそういう親も、最初から極悪非道の親であったわけではない。むしろ、さまざまなストレスが重なって、虐待をせざるを得ない状況に追い込まれていくのである。だとすれば、支援者の仕事ははっきりしている。親を責め、罰することではなく、親を支えていくことである。親を取り巻く困難を、絡んだ糸を解きほぐすように少しずつ解決し、親のストレスを軽減していくことである。   そのとおりだと思います。  子供の家庭復帰と虐待の再発防止には、個々の実情に応じて、家庭の修復に向けた取り組み、例えば、虐待を行った親へのカウンセリングの実施や教育プログラムの作成、実践、こうしたことが必要と思うわけですが、厚生部長にお聞きしたいと思います。 136 市村厚生部長 児童虐待通告を受けた場合、児童相談所では子供の安全確保を最優先に、必要な場合は一時保護等保護者と引き離す措置をとっておりますが、保護者が虐待の事実に真摯に向き合って、家族再統合が可能となるようであれば、子供の福祉にとっても望ましいものであると考えております。  このため、児童相談所では、子供と家族の状況の正確な把握のもと、地域福祉サービスの活用、関係機関によります援助、医療やカウンセリング等、多様な手法を組み合わせて、保護者の理解を得ながら、家族再統合に向けた計画的、継続的な支援を行うことが求められております。  県ではこれまでも、児童福祉司によります保護者指導のほか、虐待を行う保護者自身の心理面のケアのための精神科医のカウンセリング、育児不安や虐待をする不安を訴える保護者等を対象としたグループカウンセリングなどによりまして、家族再統合に向けた計画的な支援を行っております。家庭復帰後も、要保護児童対策地域協議会で関係機関の連携によりまして支援を継続するなど、きめ細かく対応しているところでございます。  引き続き、子供の最善の利益の実現のために、個々の実情に応じた保護者への支援に計画的に取り組んでまいりたいと考えております。 137 山本委員 先ほど申し上げましたとおり、ひきこもりやいろいろな状況の根っこにあるのはやっぱり家庭であって、家庭を主体的につかさどるという言い方がいいのかわからないけど、責任を持ってその家庭を家庭たらしめているのはお父さんでありお母さんであるんだと思っております。  そこで育てられる子供たちは、自分の小さいころの記憶で、父親は絶対的な存在である、母親は優しくも厳しい存在である、などいろいろなことがあって、その中で兄弟の関係や近所の関係があって、自分というものが形づくられていくのだと思うのですけれども、やっぱり親や家庭にしっかりと必要な支援が届くような形が大事だと思うので、そういうところに配慮した施策の運用がなされるようにお願いをしたいと思います。  なかなか、小さいころから積み重なってきたいろいろなものが、一朝一夕にカウンセリングやプログラムによって、劇的にどうにかなるとは思いません。やっぱりある程度の期間、しっかりと経過を見ながらやらなくてはいけないと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  生まれたころには母親は失踪状態、父親はパチンコ依存症、極度の貧困家庭で、おばあちゃんに育てられたという経験を持っておられて、現在は児童虐待防止支援アドバイザーになっておられる富井真紀さん。その富井真紀さんの著書の中では、児童相談所の職員や市役所の職員がじっくりと話を聞いてくれたり、このような支援があります、このような制度があります、そのためにはここへ行ってください、書類の書き方はこうです、あるいはここへ行くと近所にはこういうNPOがあって食事の応援をしていますなど、そういうことを親切に教えてくれたり、対応してくれたりすることがどんなに心強くて、そしてありがたかったかということを記しています。  片一方で、どうしても自分の子供に虐待をしてしまいそうでどうしていいかわからない、心配でならないということで、児童相談所へ電話をされたそうです。そうすると、子供さんと一緒に来てくださいということで、行った。行ったら、ちょっとあざがありますねということで、子供さんはすぐ小児科へ行ってくださいということで行って、帰ってくると、これは虐待ですねとされて、そのまま引き離されて一時保護がなされたと。  富井さんは、その後、恐ろしくて児童相談所に電話できなくなったそうですけれども、やっぱり最初にどのような方がどのようにアプローチするかということが、ものすごく大きなウエートを占めていると思っております。そういう心配がないように、もちろんきめ細かな対応をしなくてはいけないと思うのですが、あらゆる段階でできるかというと、なかなかそれは難しいと思っております。  そこで、ピアサポーターを設置できないかという提案でございます。富井真紀さんのように、今はしっかりとした家庭を築いているけれども、かつては虐待や貧困の連鎖の輪の中にいて苦しんできた。だからこそ、その苦しみや適切なサポートについて、誰よりもよくわかっている。そういう方こそ、個々の実情に応じて相談に乗ったり、あるいは話し相手になる、必要な情報や支援に対する橋渡しを行うなど寄り添った支援ができるのではないかと思うわけでございます。きめ細かで寄り添ったサポートを行うために、ピアサポーターを設置してはどうかと思いますが、厚生部長の見解をお聞きします。 138 市村厚生部長 児童虐待につきましては、保護者自身も心身の問題を抱えている場合が多いため、児童相談所では、保護者支援に当たる児童福祉司の資質の向上のため、これまでも定期的な研修を実施しているほか、5年の経験を有する児童福祉司を、指導教育を行うための職員として配置しております。さらに、9月補正予算案に盛り込みました、保護者支援に係る実践的なスキルに関する研修により、さらなる専門性の向上を図ることとしてございます。  委員御提案のピアサポーターは育児、がん患者、あるいは認知症などに広がりつつあろうかと思っております。課題解決のための有効な手法の一つだろうかとは思っております。  ただ、一般的に虐待をする保護者が援助を受けたいという動機が乏しく、支援を拒否する者も多いというお話もお聞きしてございまして、援助のニーズがどの程度あるのか、あるいは、ピアサポーターの確保ができるか等の課題もあると思われますので、少し他県の実施状況も研究してまいりたいと思っております。  ただ、ピアサポーターの趣旨は、対等な立場で親身に対応することで、お互いの信頼関係を築く、そして、相手の気持ちに寄り添ったサポートを行うことと思いますので、そうした姿勢で、これからも相談支援に取り組んでまいりたいと考えております。  今後、ことし6月の児童福祉法等改正に対応しまして、児童相談所において、児童の一時保護を行った児童福祉司以外の者に保護者指導を行わせることや、市町村における家庭への養育支援の構築など、保護者に寄り添った支援を適切に実施する体制の整備にこれからも努めてまいります。 139 山本委員 先ほどご紹介した富井真紀さんですけれども、自分で子供たちのよりどころとなる図書館カフェのようなものをつくったり、親御さんに対する支援、ひとり親に対する支援をされておられます。それなりにニーズはあると思いますし、効果もあると思います。ただ、言われたとおり、中には拒否される方も当然おられます。それは、言いたくないし、知られたくないと思われる方もおられると思います。だけれども、何とか自分は立ち直りたいと思っている人たちに、しっかりとした支援ができる環境があるといいという意味でございます。  後は、ピアサポーターの人材の確保が一番難しいと思いますけれども、また考えていただけるといいと思います。  9月補正予算案では、児童相談所の情報管理システムの構築費が盛り込まれております。先ほども答弁があったところでございます。市町村や関係機関との情報共有や必要な情報提供のため、移転しても切れ目なく支援を行うため、また、迅速、的確な相談対応のため、もう一つには、代表質問の答弁では、進行管理のためという答弁もあったかと思っております。児童相談所に寄せられるいろいろな情報をデータベース化するということは、多くの利点が見出せることだと思っておりますので、積極的に取り組んでいただきたいと思います。  しかし、それだけではなくて、これからの富山県のために、日本のために、せっかく収集するデータあるいは蓄積するデータを活用していただきたいと思います。AIの時代、こうしたデータの蓄積は、将来必ず有用になるのではないかと思います。虐待、貧困、ひきこもり、不登校、今日的な社会問題のキーとなるのは、繰り返しになりますが、やっぱり家庭や家族だと思います。幸せな故郷を築いていく基礎となるのも家族や家庭であります。このような家庭でこのような問題が起こった、このような支援をした結果、このようなことになった。そのようなデータをしっかりとためていって、虐待の再発防止や根本にあると思われる家庭の問題について、将来、より有効な対応策が講じられるように、今後の虐待事案やその家庭環境や経緯、対応、結果などについて、必要な情報を蓄積し、活用していくべきではないかと思うわけですが、石井知事の考えをお聞きいたします。 140 石井知事 今回、審議をお願いしています9月補正予算案には、児童相談所情報管理システム構築費などを盛り込んでおりまして、委員がおっしゃったような趣旨で提案しております。  一方、国では、児童相談所、市町村間における情報共有や、転居ケース等における対応を効果的、効率的に行うために、都道府県間におけるネットワークの構築を含めた、情報共有システムの整備を検討しているということでありますし、この3月の児童虐待対策に関する関係閣僚会議の決定では、虐待事案に関するデータを収集し、その結果をAIで分析して、緊急性の判断に資するツールの開発を加速化するということであります。  委員御提案の学術研究等への利用については、実際問題として考えてみますと、個人情報の保護や情報漏えい防止の観点から、民間機関への情報提供が難しいという課題もございますけれども、先ほど申し上げた、全国ネットワーク化やツール開発等によりまして、全国的により効果の高い対応事例が集積されて、経験の浅い職員もケースに応じたノウハウを比較的手軽に身につけることができて、虐待相談の現場での対応力向上につながるのではないかと期待をしております。  学術研究への利用ということについては少し勉強してみますけれども、いずれにしても県としては、今後、情報システムによって事例をしっかりと蓄積して、これは国の動きとも連携して、相談対応の充実に活用してまいります。 141 山本委員 問1、問2にわたりまして質問してまいりました。  富山県が47都道府県の中で、最も苦しんでいる家庭や子供たちに温かい支援ができる、できているんだという県になっていただきたいと思いますし、実現できるとこんなにすばらしいことはないのでないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  それでは問3でございますが、県西部地域の活性化について質問したいと思います。  先鋒が川島国委員で、次鋒が永森直人委員で、中堅の井加田さんからも一言ありました。副将武田慎一委員からは、ハードルを随分上げていただいて、大将の私に最後来たわけでございます。  みんな心配というか、大きなプロジェクトで非常に関心が高いことなんだと思っています。特に、永森直人委員には、資料を綿密につくられて、近年まれに見る掘り下げた議論を展開した質問だったと思います。すばらしかったと思います。  私も、今回質問するに当たって、武道館機能を有する多目的施設について、武道館機能を有する多目的施設とは一体何かと。多目的機能を有する武道館ではいけないのかというようなことなど、いろいろなことを考えました。  特に、武道館の利用率で言いますと、富山、高岡合わせて8万人程度ということでございますが、平成29年度の施設利用で言うと、富山武道館の開館日数が309日のうち、利用者数が4万9,184人、高岡武道館は299日の利用日数のうち、3万5,508人ということでございます。大体例年このような感じです。そうすると、少ないほうの高岡武道館をとりましても、1日110人強の利用ということになりますでしょうか。また、大会も週に二、三回程度やっております。  今回の議論の中で、多目的にして、例えば音楽イベントで使ってみればどうか。富山、高岡を1つに統合をして、より効率的にしたいという議論。別の議員からは、障害者スポーツに使うことはできないのか。あるいは武道だけではなく、ほかの室内スポーツにも使うことができないか。いろいろな意見がありましたが、今ほど申し上げたような富山、高岡武道館を合わせた利用者数、あるいは実際に活用しているスケジュールを見ると、とてもほかのイベントやそういうものが入り込むことはできないのではないかと思います。  先ほどの議論で、蔵堀局長や知事の答弁にもありましたけれども、主道場となるところで、せっかくあるのだから、使わないときにイベントなどをやるような感じのお話をされました。富山市総合体育館をグラウジーズが使っていて、なかなか一般の方が使えないという意見もあるので、その場合に今度整備する施設を使用するというお話もありました。しかし、グラウジーズの大会の日程を見ても、4月3回、5月1回、9月1回、10月2回、11月2回、12月4回、1月3回、2月2回、3月2回とあります。この間を受け入れるとなると、とてもじゃないが、武道館を利用する本来──どっちが本来なのかわかりませんけれども、武道競技の方々が使えなくなってしまうケースが出るのではないかと大変心配しています。  武道協議会の中川会長を中心に、武道館建設に向けて、柔道、剣道、空手道、少林寺拳法、なぎなた、銃剣道、あるいは相撲、弓道などそれぞれの団体の人たちが、子供たちのために、自分たちのために武道館建設しよう、署名集めよう、10万人集めよう、ということで集めました。私も高岡市空手道連盟の会長として、富山県空手道連盟の副会長として協力をいたしました。  そこにあったのは、やっぱり聖地としての武道館をつくってほしいという純粋な思いから出たものであります。今、申し上げましたとおり、富山、高岡を1つにした場合、高岡の1日110人強の利用者はどこでやるのか、という問題が残る上に、音楽イベントや他の室内スポーツと共存するということになると、かなりの施設でないと、せっかく武道の署名を集めた人たちが、署名を集めたけれども、大会ができなくなった、というようなことでは、本末転倒になってしまうのではなかろうかと、心配をするわけでございます。  そのあたりのところをどのようにお考えなのか、蔵堀総合政策局長にお聞きしたいと思います。 142 蔵堀総合政策局長 武道館機能を有する多目的施設の整備については、今後基本計画を策定していくということはこれまでお答えをしております。その中で、立地場所、それから施設の整備計画、管理運営計画の具体的な検討をしていくことになります。  これまでの富山武道館、高岡武道館、日ごろどのように使われているかは、当然、私どもも承知をいたしておりますし、平日の利用状況や週末の利用状況も把握をしているところでございます。当然武道の競技ができるのがまず第一でありますので、そのように施設を整備していくということになると考えています。  検討会が取りまとめたイメージをごらんいただいても、施設の規模については、柔道場、剣道場がそれぞれ1,000平米程度ずつにプラスして主道場が2,000平米程度ということでありますので、今の富山、高岡がそれぞれ柔道場、剣道場合わせて1,000平米程度ずつということからすると、面積的にはその倍程度が確保できることになります。  具体的な利用について考えますと、例えば武道の競技大会の申し込みの場合、県の総合体育センターでは、前年度から競技団体に利用計画書を出していただいて、具体的な日程調整をした上で利用承認をしていくということで、当然、ほかのスポーツもありますけれども、イベントが武道に影響を与えないようにやっていくといった運営の方法もしっかり検討して、武道での利用が円滑にできるように調整していきたいと考えております。 143 山本委員 永森委員も言っていましたが、やっぱり多目的というところがものすごくひっかかって、もちろん、可能な限り武道のために供して、あいたところを有効活用するという、先ほどの知事のお話もあって、大筋はそれで了解しているつもりですけれども、やっぱり不安が残ってくるわけでございます。あとは、建設場所についてもどうなのだろうという気がしています。  今回、県西部の先鋒の川島委員から私まで、この問題についてみんなでテーマを1つ設けて、統一テーマでリレー方式で質問しようと言ったのは、県西部の我々の中では、このアリーナ構想が上ったときから大変大きな期待をして、注目をしていたからです。  それはなぜかというと、この全天候型アリーナ構想の有力な提唱者の1人が米原議員だったからであります。私どもは、とやま呉西圏域連携中枢都市圏の構想が成ったときに、県議会としても、これをしっかりと後押しをして、県西部の連携がうまくいくように、何か大きなシンボルとなるような施設を県西部に誘致しようということで、心を1つにしてみんなで頑張ってきた、そんな経緯もありました。  今回、高岡市議会の質問の中では、この問題は社会民主党さんから出た以外、自民党議員会からはあまり出ませんでした。これは、あんまり高岡、高岡と言うと、他の県西部の5市に強く当たってしまうのではないかということで、発言を控えておられた部分もあります。また、県西部だけでなく、高岡商工会議所も含め、今大変苦しい状況の高岡に、大きな起爆剤となるということで、大変関心も期待も高い問題です。  こういうことで期待して見ていたのに、アリーナと武道館がなぜかどこかで1つにドッキングをして、出口がどうも富山になりそうだ、これは心配だというのが私たちの心配なわけでございます。  先ほど永森委員も言いました、新幹線が日本列島の中央部におきまして、大阪までつながって環状化する。そして、東海北陸自動車道が4車線化をして、名古屋と太い動脈でつながることになる。これからこの富山県を中心とした北陸3県は、大きな可能性に満ちていると思います。  こういうときに、例えば、県東部は、世界的なインパクトを持つ立山黒部アルペンルート、そして、県庁所在地として富山市は、先ほど川島委員が明らかにしたように施設が集中をして、その存在価値を高めています。こうした中、県西部はこれで大丈夫なのかという焦りがあるわけです。それで、みんな真剣になって、このアリーナ構想を見てきたし、何とかしてほしいということできたわけです。  ですから、武道館機能を有する多目的施設ではなくて、もうこれは令和新時代の県民武道館にする。そして、多目的機能を有するとかではなくて、5G時代を見据えた多目的施設ということで武道館と切り離して、西部へ整備するというような考え方にもう一度戻してはどうか。  有識者会議の皆さんでいろいろ議論をされたと思います。しかし、先ほどの富山、高岡の児童相談所の話でもありましたが、我々議員として、真剣に県民や地元の皆さんの意見を吸い上げて、ここで質問という形で申し上げているわけでございますので、ここのところをしっかり受け止めていただけると、大変ありがたいわけでございます。知事の答弁をお聞きしたいと思います。 144 石井知事 私は、知事就任以来、富山県の発展のためには、やっぱり県内富山、高岡、砺波、新川、そうした地域バランスも念頭に置いて、できるだけ県土の均衡ある発展に努めるということが大事だと思っておりまして、県の総合計画においても、県政の基本姿勢の1つとして掲げているわけでございます。  また、これからの富山県の発展ということを考えますと、お話のとおり、北陸新幹線の敦賀開業もありますし、その後の大阪延伸も考えますと、まさに東海道新幹線とあわせて、日本列島のど真ん中に大ゴールデン回廊ができる大きなチャンス、これを逃がさず──それが少し懸念されておりますが、富山市だけではなくて、県西部地域を含めて、せっかく新高岡駅があるわけですから、しっかりと考えなくてはいけない。そう思って、去る8月に新幹線延伸戦略検討委員会を設置して、そのためにどうすべきかということに着手しているわけでございます。  JR新高岡駅を初めとして、県西部地域は能登半島、飛騨高山への玄関口でもありますし、また、敦賀、大阪に新幹線が延伸されますと、西日本から富山県への玄関口としての役割を担う。そういう意味で、大変私は重要だと思っております。  大規模アリーナか武道館かということですが、一昨年の県民意識調査のときから、県民の皆さんから非常に幅広い意見があり、かつ慎重に議論をすべきだということでやってまいりました。大規模アリーナについては、もちろんぜひ熱心にやりたいと思っている方も一部おられるんですけれども、1万人、8,000人の規模でも、必要な投資額やその後の運営費等と得られる地域活性化の効果などを考えると、なかなかバランスがとれず、多くの県民の理解が得られないということになったわけであります。  そこで、やはりかねてから武道館をつくってほしいという署名運動もございましたし、高岡、富山の2つの武道館が老朽化して、空調もないというようなことでございましたから、この際、統合するような形でつくる必要があるだろうと。  その際に、それぞれが1,000平米程度なんですね。それを統合して、きちんとそれぞれ1,000平米ずつあるほかに、主道場を2,000平米つくるということですから、これまでのいろいろな活動には支障が生じないようにしながら、せっかくある主道場の2,000平米のスペースを活用する。検討委員会でも、大規模アリーナは残念ながら少し難しいけれども、やはり、せっかくそういうスペースがあるのなら、バスケットボールやバレーボールなどいろいろな室内競技もできる、年に数回ぐらいは、例えば音楽コンサートなど何かできるような工夫をすべきではないかという御意見があったので、それももっともだと。実際、一昨年の暮れに県民の皆さんにアンケート調査をしたときに痛感しましたが、武道館の建設という声があることは承知していますが、武道だけできる施設の建設とは必ずしも県民の皆さんは言っていない、バスケットボールやバレーボールなどいろいろな幅広い室内競技と同時に武道館も建設ということでした。もちろん人によって武道というのは極めて神聖なもので、武道に特化したものをつくってほしいという声も一部にあることは私は承知していますけれども、大方の県民のお気持ちを察すると、今申し上げたような感じでした。せっかく武道館的なものをつくり、また既存の施設を統合する以上は、今までの役割を果たせなくなるとまずいですから、武道は武道でしっかりできて、しかし、主道場はきちんと生かして、さまざまな県民のニーズにも応えたいということであります。  なお、場所については、富山駅から徒歩圏内や、富山駅周辺など県内各地から参加しやすい場所が望ましいという意見が多かったのですが、どうも誤解があると思いますが、富山駅のすぐそばに建設という意見が多かったと言っているわけではなく、少し幅広く考えてはどうかと思います。  今後、既存の施設の統廃合の問題もありますから、地元市を初め、関係方面と十分協議して、適切に対処していきたいと思います。その際には、統廃合後の各地域における県有施設のバランスといった視点もあるでしょうし、また、例えば、高岡には民間の投資活動の動きもあると伺っておりますし、そういった動向も見守りながら、かねて申し上げておりますように、新幹線の敦賀、大阪延伸を見据えた、県西部地域の振興発展に向けた新たな戦略という視点を念頭に置いて、具体的な検討を進めまして、また、その過程では、地元市初め関係方面ともよく御相談をして、最終的には大方の県民の皆さんが、ああ、なるほどそうかと言ってもらえるような形にいたしたい、かように思っておりますので、御理解を賜りたいと思います。 145 宮本委員長 山本委員の質疑は以上で終了いたしました。  以上をもって本日の日程は終了いたしました。  なお、9月26日の予算特別委員会は午前10時から開会いたしますので、定刻までに御参集ください。  本日はこれをもって散会いたします。  御苦労さまでした。                     午後4時18分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...