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  1. 富山県議会 2019-02-01
    平成31年2月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                     午後1時00分開会 五十嵐委員長 ただいまから、2月定例会予算特別委員会を開会いたします。  本委員会の運営に関し、理事会で決定した事項は既にお配りしてありますが、ここで特に質問者に申し上げます。  持ち時間は、答弁を含めて60分ということになっております。  その具体的な取り扱いについては、理事会確認事項として、既に皆様方にお配りしている資料のとおりでありますので、留意の上、質問されますよう、改めてお願いいたします。  また、答弁者においては、簡潔な答弁に留意され、円滑な委員会運営に御協力いただきますよう、お願いいたします。  なお、委員席につきましては、ただいま御着席のとおりにしたいと思いますので、御了承願います。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        薮田栄治委員の質疑及び答弁 2 五十嵐委員長 薮田委員。あなたの持ち時間は60分であります。 3 薮田委員 予算特別委員会、1番バッターを務めさせていただきます薮田でございます。  まず、北陸新幹線についての質問をさせていただきます。  半世紀にわたります富山県民の悲願でありました新幹線、これが金沢までの開業を果たし、間もなく4年が経過いたします。この間、多くの皆さんの御努力によって、富山県を初めとする北陸三県に対する国内外からの認知度は上昇し、そして観光やビジネス、企業立地などにおけるポテンシャルが大きく高まりました。  北陸というものが新幹線を通してブランド化されたと言ってもいいかもしれません。このことは、多くの数値、指標などで実証されているところでありますけれども、私たち、ここに住む者の実感として、果たしてこのことをどれだけ享受できているかなとなると、それは千差万別、人それぞれであることでしょう。  いずれにしても人口減少、少子高齢化の波が地方を容赦なく襲っているこの時代に、ぎりぎり間に合った救世主的な活躍を何としてもこの北陸新幹線に担ってほしい、そういう願いや期待は多くの皆さんにあるのではないかと思います。  しかし、北陸新幹線が本当の意味でその真価を発揮するのは、大阪まで延伸し、首都圏と北陸、そして関西圏、中京圏がループ状に結ばれてこそであります。まさに大ゴールデン回廊として世界的な経済、文化圏が日本列島のど真ん中に出現するという期待がなされるものでありまして、富山県はその一翼を担う重要なポジションにつくわけであります。一刻も早い大阪までの延伸、全線開業が国を挙げての大きな取り組みになることを切に望むものであります。  そこで、まず、最初の質問でありますが、開業から4年が経過しようとする今、経済指標や、あるいは乗車人員などを含めた新幹線の開業効果というものを県としてどう分析、評価しておられるのか、猪俣観光・交通・地域振興局長にお尋ねをいたします。 4 猪俣観光・交通・地域振興局長 北陸新幹線の乗車人員につきましては、昨年8月に開業から約3年5カ月がたちますが、3,000万人に到達するなど順調に推移しており、開業以来、開業前の3倍近くの高い水準が続いております。また、開業4年目に入りまして、けさの新聞でもございましたとおり、乗車人員は前年同期比でプラスで推移しておりますことから、開業効果は一過性なものではなく、継続しているものと受けとめております。
     こうした乗車人員の増加は、県内のビジネス面などにも好影響をもたらし、開業前と比較しますと、企業立地の進展、Uターン率の向上、本県への移住者の増加など、さまざまな効果があらわれているものと思います。  具体的には、企業の本社機能の移転等により、開業後、16社で290人の雇用が創出され、県外からの移住者も、昨年度は過去最大の729人となり、県全体の社会増減は、平成28年に11年ぶりに226人の転入超過に転じ、以来3年連続で転入超過となっております。  このように、北陸新幹線は、東京への所要時間の短縮や観光、ビジネス機会の創出など、さまざまな効果を県民にもたらしたほか、美術館の開館もあり、富岩運河環水公園が日本海側でトップクラス、全国有数の観光スポットとなるなど、富山県の知名度の向上、地域経済の活性化にも大きく貢献しているものと評価しております。 5 薮田委員 ありがとうございます。  けさの新聞で、前年を2%上回ったということで、本当に順調に推移をしていることは喜ばしいことだと思います。  あと4年後、2022年度末には敦賀までの開業、これが予定をされております。もうすぐそこに福井、あるいは敦賀が見えてきたわけでありますけれども、このことは北陸新幹線の利便性、あるいは北陸新幹線の魅力を向上させるだけではなくて、富山、石川、福井、この北陸三県に一体感をもたらす、その絶好の機会であろうかと考えます。  首都圏と福井県の時間距離が縮まることで、東京からの人や物の行き来が盛んになると同時に、北陸の中での相互交流も盛んになるものと予想されます。  本県としてもこのチャンスを生かすための具体的な準備がそろそろ必要かと考えますが、2022年度の敦賀までの開業を見据えて、誘客や企業立地等に富山県として今後どう取り組んでいかれるのか、石井知事にお尋ねをいたします。 6 石井知事 北陸新幹線の開業によりまして、今、担当局長からもお話し申し上げましたように、県内でもさまざまな効果があらわれて持続しておりますが、今、委員のおっしゃるように、約4年後に予定されております新幹線の敦賀延伸により、大阪まで約50分短くなるということもございます。今後、関西圏との交流がさらに拡大する、また、もちろん北陸三県の交流もさらに深まる、こういったことも踏まえまして、観光や移住、定住の促進、企業立地の促進、こういった各分野の取り組みを強化して、本県のさらなる飛躍につなげたいと思っております。  そのためにも、これまでとやま未来創造県民会議というのをつくって、行政や産業、観光、交通事業者、有識者から成る検討会議をつくっておりましたが、このもとで新年度新たにこの敦賀延伸やその先の大阪延伸によりまして、首都圏や中京圏、関西圏と北陸地域との一大交流、経済圏、大ゴールデン回廊が創出される、こういうことが現実のものとどんどんなってきますので、関西方面からのさらなる観光誘客や移住、定住の推進、企業立地の促進と、同時に、気をつけませんと、敦賀まで一気につながりますので、富山県が通過県になってしまってはいけませんので、そういったこともしっかり議論して新たな戦略を構築しなきゃいけない、このように考えておりまして、そのための調査、検討も進めたいと考えております。  また、こうした取り組みとあわせまして、新年度からは移住・転職フェアを、東京はもちろんですけれども、新たに大阪でも開催しますほか、昨年5月に設置しました富山くらし・しごと支援センター大阪オフィス──敦賀開業をにらんで始めたという面もございますが、この大阪オフィスの活動を強化することにしております。  また、さらに、観光面では立山黒部の世界ブランド化、ロープウエーの整備、調査もそうですし、黒部ルートの一般開放・旅行商品化についても、東京方面でも関心がありますが、やっぱり関西電力さんがやっておられたということもあって、思った以上に大阪方面で関心が深いんですね。ですから、そういったことも含めて観光振興も図る。さらには、富岩水上ラインの新艇の導入などもいたしますので、こうしたことも生かして、世界最大級の旅行博であるツーリズムEXPOジャパン2019OSAKA、そこに出展をして、関西圏でのプロモーションを一段と強化します。  また、企業立地についても助成金の要件を緩和しまして、これまで生産部門の従業員の数をベースにしていたのですが、新たに総務や企画部門の従事者の方も雇用の計算に入れることにしまして、事務系の方、また、女性の雇用の拡大にもつながるように工夫をいたしまして、関西方面での企業訪問、企業誘致も強化したいと思っております。  今後も市町村や、もちろん北陸、関西の経済界とも連携しながら、機動的、戦略的に取り組みを進めまして、また、スピード感を持って都市間競争を勝ち抜かなきゃいけない、こういう気持ちでしっかりと取り組んでまいります。 7 薮田委員 ありがとうございます。  通過県にならないためのそういう危機感を持って対処されるということでありますので、ぜひ、またよろしくお願いいたしたいと思います。  先週の土曜日、大阪市内で開かれました自民党の北陸新幹線プロジェクトチーム会合の中で、大阪府が北陸新幹線の早期全線開業に向けた官民一体の新たな協議会、これを今年度立ち上げることを新井副知事が明らかにされました。  新たに設立されるのは、仮称でございますけれども、北陸新幹線早期全線開業実現大阪協議会、そういう組織でありまして、大阪府、大阪市、大阪商工会議所関西経済連合会など、6団体で構成、大阪府知事と大阪商工会議所の会頭が共同代表を務め、そして大阪府の府庁の中にその事務局を構えるということであります。ここを拠点として政府・与党への要望活動、情報発信、啓発活動などを積極的に行っていくということであります。  さらに、松井知事は、関西と北陸の自治体、経済界が一体となって全線開業への前倒しを国に求めていくとされています。京都とは若干の温度差はあるということでありますけれども、いよいよ大阪が本気になってくれたという感がいたします。  現在、敦賀以西は、2031年度着工、2046年度完成という想定でありますけれども、これではあまりに遅く、いかに幅広の前倒しをかけられるかが本県の振興の大きな鍵を握るものと考えております。  2024年度には、先ほど知事がおっしゃいました黒部ルートの一般開放・旅行商品化が始まります。そして、翌2025年には大阪・関西万博の開催が予定されております。  こういう大きな出来事の中で、これを機に北陸新幹線の大阪延伸に向けたさらなる機運の高まりが期待されるところではありますけれども、知事は北陸新幹線建設促進同盟会の会長でもあられるわけですので、そのお立場も踏まえて大阪延伸に向けた新幹線の整備促進に県としてどのように取り組まれるのか、石井知事にお尋ねをいたします。 8 石井知事 まさにお話のように2024年度に黒部ルートの一般開放・旅行商品化もありますし、その翌年が大阪・関西万博ということですから、こうしたことも大きなフォローの風にして、早期の大阪までの全線開業をしたいと思っております。  昨年11月に、今、お話にありましたように、会長も務めさせていただいております北陸新幹線建設促進同盟会を中心に、北陸、関西を代表する5団体合同で政府・与党に要請を行いまして、建設費の増加が見込まれる金沢─敦賀間の2022年度までの確実な開業と、敦賀以西については、環境アセスメントの速やかな推進とともに、敦賀開業前、また、開業後切れ目なくシームレスに早期に大阪まで着工できるように必要な財源を確保して、さらにはぜひ北海道新幹線の札幌の開業ごろ──2030年度末ぐらいまでには、大阪まで一気に整備していただくように強く求めたところでございます。  こうした働きかけもありましたし、もちろん国会の先生方にもお力添えをいただき、また、安倍総理や石井国土交通大臣岸田自民党政調会長、石田総務大臣等々にも早期に財源確保の検討をしていただきたい、これは二階幹事長にもお願いしましたけれども、来年度の政府予算では、新幹線についての国費が、委員御承知のとおり4年振りに増額となりましたほか、金沢─敦賀間の事業費も大幅に増額され、また、近く駅ルートの詳細調査結果が公表されますけれども、新たに敦賀─大阪間の環境アセスメントも実施されることとなりました。  さらに、昨年12月には、この区間の財源確保策を検討する自民党のプロジェクトチームが設置され、また、今月2日には大阪市内で、まさにお話のように、敦賀開業以降を見据えた意見交換が大阪府や大阪市、京都市、関西経済連合会等々で意見交換が行われますなど、早期大阪開業に向けた議論がようやく本格的に始まってきたと思っております。  お話のように、ようやく官民一体の協議会、北陸新幹線早期全線開業実現大阪協議会(仮称)というものが設立されるという見込みになってきました。正直、京都府さんは、古都京都ということとルートで大深度地下になる部分がかなり多い、駅が2つしかないなど、協力はするけど何となくいま一つという面、大阪府さんは、どっちにしても大阪には来るのだからというような面も前はちらりと見えたのですが、相当エンジンがかかってきたなと。  やっぱり大阪万博ということもありますから、ここで一気に北陸新幹線、大阪への延伸の大きな方向がここ二、三年でしっかりと固まるように、全力を挙げてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。 9 薮田委員 ありがとうございます。  今、知事の口から2030年度末ということも出てきまして、本当に2030年ということになると、我々も何とか見られるのではないかなということで希望も出てくるわけでありますけれども、今、お話にあった大阪の話ですが、松井知事が先日、新聞のインタビューに答えまして、こんなことを言っておられました。  北陸新幹線は大阪につながらないと本当の意味での経済効果にならないんだと。そして、今おっしゃったように2031年春の全線開業が理想だと思っていると。それから、大阪府と大阪市、関西経済界が設立した大阪観光局、これはコスト削減と施策のスピードアップにつながったと。北陸の自治体も民間を入れた北陸観光局みたいなものをつくってはどうかと。このように大阪府知事が言っておられるわけでありますけれども、大阪でもしっかりやるから、北陸も今まで以上にみんなでまとまって心を1つにして頑張ろうよと、そういうメッセージかとも思います。  いずれにいたしましても、大阪延伸後の大ゴールデン回廊時代を見据えまして、北陸全体での官民挙げてのさらなる誘客が必要だと考えております。そこで、松井大阪府知事新聞インタビューで示した北陸観光局のような、そういう取り組みについて、私は大変興味深い方法であろうと考えておりますけれども、このことについて猪俣観光・交通・地域振興局長の御所見をお尋ねいたします。 10 猪俣観光・交通・地域振興局長 県では、昨年3月に策定しました新たな総合計画におきまして、将来、北陸新幹線の全線開業によって大ゴールデン回廊が創出され、本県を初めとする北陸地域がその重要な一角を担い、飛躍することを目指しております。  委員御紹介の松井大阪府知事インタビューの北陸観光局に関しましては、これまでも北陸地域として北陸三県、富山県DMO、各県観光連盟、JR西日本、北陸経済連合会で構成されます北陸三県誘客促進連携協議会を設け、各県やJR西日本、北陸経済連合会さんが負担金を出し合って、北陸三県通年誘客キャンペーン事業に取り組み、北陸地域で一体となった観光の魅力発信を行い、誘客促進を図ってきているところでございます。  具体的には、大阪駅における北陸三県共同ブース出展による観光PR、メディア招聘ツアーの開催、旅行会社向けの現地視察研修会を通じた旅行商品造成、誘客強化の働きかけ、北陸地域の季節ごとの魅力をアピールします大型ポスターのJR駅等での張り出しや、観光季刊誌の配架などを実施してきております。  今後も、来月4月1日から11月末まで、昨年に引き続き「日本の美は、北陸にあり。」キャンペーンを開催し、年間を通じた切れ目のない誘客キャンペーンに取り組むこととしております。  県としましては、引き続き、こうしたキャンペーンを通じて北陸新幹線の敦賀延伸を見据え、他県や事業者と連携しながら、本県や北陸地域の観光振興、広域連携の取り組みを進めてまいりたいと考えております。 11 薮田委員 ありがとうございます。引き続き、またよろしくお願いをいたします。  次の質問に移ります。  次は、本県への移住促進についての質問でございます。  昨年の9月の定例会の一般質問でも、私、同様のお尋ねをしたわけですけれども、知事から、本県の強みである就労環境、自然環境、子育て環境、こういうもののよさをPRして、市町村や企業ととも連携した取り組みをさらに進めていきたいという御答弁をいただきました。  昨年、県外からの移住者が過去最高になりました。しかもその7割が20代、30代の若者だという、こういう成果がしっかり出せるのは、やっぱり地道な努力の積み重ねがあったからだと思います。  しかし、県や市町村やいろんな団体が移住、定住施策を進めていくその過程で、実際、移住まで至らなくとも、少なからず本県に興味を持ってもらったり、あるいは結果として何度か訪れてもらったりしただけでも、それはそれなりの効果というものを認めるべきだと私は思います。  働き方の変化、あるいは移動時間の短縮、移動コストの低下、ネット環境も整備されております。それから、帰属意識もどんどんどんどん変化している。こういうことがどんどん進む中で、必ずしも住所移転という観点にこだわらず、二地域居住、あるいは半定住、そんな緩やかな交流人口の増、関係人口の増をまずは目指すことが重要なのかなと思っております。  例えば、2本の足でしっかりと将来ともに富山を支えてくださる人、富山に片足、都会に片足を置いて、人や文化を行き来させる人、この両方が大事なのではないかなという思いでございます。  そこで、これまでの移住促進施策とその効果を県としてどのように評価しておられるのか、蔵堀総合政策局長にまずお尋ねをいたします。 12 蔵堀総合政策局長 県では、平成19年に知事を本部長といたします「くらしたい国、富山」推進本部を設置いたしまして、本格的に移住施策の取り組みを始めたところでございます。その後、平成27年には富山くらし・しごと支援センターを設置して、相談体制を整備いたしましたほか、移住者が移住先を選ぶ際の最大の条件であります就労につきまして、ワンストップで職業紹介を行いますために、平成29年1月から東京の有楽町オフィスに県職員を配置したところであります。また、移住セミナーや移住・転職フェアなどの開催や、移住者受け入れモデル地域への支援など、受け入れ体制の整備にも積極的に取り組んでまいりました。  これらの取り組みの結果、県や市町村の相談窓口を通した移住者の方は、平成20年度では207名でございましたけれども、年々増加傾向にございまして、平成29年度では過去最高の729人となったところでございます。また、先月、NPO法人ふるさと回帰支援センターが発表いたしました2018年の移住希望地ランキングでは、富山県は2017年の10位から8位へと順位を2つ上げまして、20代以下では5位、30代でも7位となるなど、若い世代の支持率が高くなってきております。さらに、平成30年3月卒業の県内出身の大学生のUターン就職率ですけれども、これは58.2%とやはり全国トップクラスの水準となっております。  また、県外に移動した人のうちUターンで生まれた都道府県に戻る人の割合ですが、国の人口移動調査というもので出ておりますけれども、沖縄県に次いで高いということでございます。  こうしたことから、これまでの移住政策はそれなりの成果が上がっているものと認識していますが、今後さらに力を入れて進めていきたいと考えております。 13 薮田委員 ありがとうございます。  10位から8位ということでランキングを上げて、しかも若い人から受けがいいというのは、本当にこれから楽しみだなと思っております。  次、空き家の問題を少しお尋ねしたいと思いますけれども、これは中山間地域ではもちろんのことですけれども、意外と便利のいい町なかにも空き家が増加の一途をたどっているという実態を目にすることがよくあります。  火災予防であったり、まちの治安維持の観点からも、地域や、あるいは市町村においても大きな課題となって久しいわけでありますけれども、いまだに決定打というような解決方法が見つかっていない現状だと思います。  使えないものはまず除却し、使えるものは再利用するというのが望ましいのでありますけれども、利用するにもどの程度の状態であるのかという調査、これも必要でありましょうし、この建物調査、状況調査──インスペクションというそうですが、これに行政の助成を行っている青森などの例もあると聞きますけれども、このような使える空き家を活用した移住促進施策について、本県でやってこられた施策の成果、あるいは今後の取り組みについて、蔵堀局長にお尋ねをいたします。 14 蔵堀総合政策局長 移住を検討されている方にとりまして、移住先を選ぶ条件として、まず就労関係、それから自然環境、それに次いで住居というのは大変重要な要件となっております。そのため、富山県では、これまでも空き家を活用した移住施策として、「くらしたい国、富山」のホームページにおきまして、全市町村の空き家バンクのサイトを掲載しております。これは、去年の9月末現在ですが、244件掲載をいたしております。また、東京で開催しております、とやま移住・転職フェアにおきましても、コーディネーターによりまして空き家情報の提供も行っております。  また、県で移住者受け入れモデル地域を指定しており、氷見市では速川地域などが指定されていますけれども、空き家等を活用した宿泊体験施設を整備される際には、県でも支援をいたしております。さらに、移住者を対象といたしました次世代に継承すべき伝統的家屋で空き家になっているものについても、その改修支援に市町村とともに取り組んできております。  その結果、空き家情報バンクを通じました成約件数でございますけれども、移住者の方の成約は、平成27年は11件でしたが、平成29年では27件ということで、年々増加傾向にございます。空き家も移住促進に一定の効果があると考えております。  来年度は、さらにこの空き家を活用した移住促進を強化するために、例えば市町村が実施をされます移住者向けの賃貸住宅への改修などの支援をしたいと考えております。また、富山市内の蓮町にございます旧県職員住宅を活用した、UIJターン者向けの住宅の整備に向けまして準備も進めていくこととしております。 15 薮田委員 ありがとうございました。  いろんな県の支援があるということですが、インスペクションについてもまた少し県の支援を考えていただければなとちょっと思っておる次第でございます。  次の質問に移ります。  先般、氷見市の正保哲也議員とちょっと話をしておりまして、なかなかおもしろいアイデアだなと思ったので、そのことをそのまま質問にするわけでありますけれども、先月の18日、小池東京都知事が経団連に加盟する380社、580人を集めまして、2020東京五輪大会の期間中の東京の混雑緩和のための協力要請を行ったということであります。  東京はただでさえ混雑するわけでありますけれども、そのオリンピックの期間中は世界中からたくさんの人が押し寄せる、もちろん日本中からも押し寄せるわけでありますけれども、円滑な大会運営のためには、都心の交通量を15%減らす必要があるということであります。そのため、東京都は車の使用の自粛、あるいは配送ルートの変更、時差出勤、都心外でのテレワーク、こういうものについて各企業で何とか対応してくれるように検討を要請いたしました。これを受けて、企業でもそれぞれ策を考えていると、こういう話であります。  これを聞いて、これは地方にとって大きなチャンスではと思ったということであります。  大会期間中の受け入れ先として、首都圏から二、三時間の富山県、これが企業疎開的な場所として積極的受け入れの表明をすれば、企業としても今ほど話のあったテレワーク、あるいは関連企業への一時避難場所として富山を選択肢に入れてくれる可能性があるんじゃないかと。そのことが後々定住や半定住、また企業の立地などにももしかしたらつながるのではないかという考えであります。  私も全く同感でありますので、東京オリンピック時の首都圏混雑緩和に向けた企業への協力要請、これを追い風として二地域居住や半定住の本県への積極的な受け入れを考えたらどうか。これについて蔵堀局長にお尋ねをいたします。 16 蔵堀総合政策局長 二地域居住に関する御質問でございますけれども、東京都さんがいろいろ首都圏の混雑緩和の工夫をされております。  まず、ベースとして、東京都周辺、あるいは東京都内の方が二地域居住についてどう考えているかということですが、内閣府が行いました調査では、二地域居住を今後行ってみたいと答えた方が約3割いらっしゃるということです。また、Uターンして移住してみたいというのも約3割ということで、2つ合わせると約6割になるということでもございますので、実際、住んでいらっしゃる方は二地域居住なりUターンの移住に大変関心が高いと思っております。  また、移住と二地域居住というのは、それなりに密接に関係していると思いますので、移住の前段階としても二地域居住というのは大変有効だと考えております。  そのため県では、新幹線開業によりまして東京まで約2時間、委員からも御指摘ございましたけれども、となりましたので、平成30年度では働き方改革の一環として県内へのサテライトオフィスの進出ということも考え、その誘致に取り組む市町村への支援を行っております。また、東京でサテライトオフィス設置に関心のある企業を対象とした誘致セミナーも行ってきたところでございます。  それから、東京圏のUIJターンや起業を考えている方々を対象といたしまして、二地域居住をテーマとした移住セミナー、これは先月2月に開催をいたしました。富山県内で起業して活躍されている先輩の移住者の方をゲストにして、移住、二地域居住を考えていらっしゃる方を対象にセミナーを行ったところでございます。  東京都の混雑緩和の取り組みや、あるいは首都圏の企業の動きというものもしっかり見ながら、県としても二地域居住や将来的な移住につながる、そういった施策にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。 17 薮田委員 ありがとうございます。  いろんなことをきっかけとして富山に関心を持っていただくということだと思いますけれども、東京オリンピック、これも何でも利用して富山県をアピールしていただきたいなと思っております。  次に、移住支援金交付事業についてのお尋ねをいたします。  新年度の予算案におきましては、移住者による創業への支援、あるいは富山くらし・しごと支援センターの体制強化、いろんな移住促進施策が盛り込まれておりますけれども、その中でも国のわくわく地方生活実現政策パッケージ、これは国にしては大変ユニークな、何か思い切ったネーミングだなと思ったんですけれども、その中の移住支援金交付事業、この制度については、これまでにないくらいの本当に画期的な、思い切った制度だなと考えております。  ですけれども、それこそ我がまちへ来てくれ来てくれと、大変地域間競争が激しくなってくるんじゃないかなと思っておりますが、富山県におかれては、いち早くこの受け入れ企業に対する説明会も開催されるなど、本当に素早い対応をされておられます。  この移住支援金交付事業の制度を最大限に活用するなど、県として移住促進、今後どう取り組んでいかれるのか、石井知事にお尋ねをいたします。 18 石井知事 今、委員からお話のありました移住支援金制度は、本県や、また、全国知事会からの要望も踏まえて国が創設されました。お話のように、従来ではちょっと考えにくかった手厚い財政支援策でありまして、東京一極集中の是正と地方創生の進展に大きく寄与するものと評価しております。  県としましては、この制度を最大限に活用しますために、2019年度の移住支援金の受給者を160世帯、移住者数で300人、また、移住支援金の受給者を含めた県や市町村の移住相談窓口を通した移住者全体の目標を1,000人と、相当高い目標にいたしました。平成29年度の729人と比べますと37%増となります。  これは、今まで移住にさほど力を入れていなかった県も、国がこういう制度をつくりましたから、逆にすごく関心を持ってくるわけですね。ですから、私どもはなおさら、全国トップクラスの早いスタートで、4月上旬の事業開始を目指して、法人向け説明会を既に先般実施、2月末にやりましたが、幸い、あちこちお願いして回ったこともありまして、県内企業70社、参加していただいております。  移住支援金の対象となる法人の登録の先行募集を3月1日から行っておりますほか、この制度を周知するための移住希望者を対象としたセミナーなどを上半期に東京において集中的に開催することにしております。  また、首都圏の若者向けに起業家育成プログラムの実施──九州大学の熊野准教授、この方は富山県出身ですが、九州大学で起業部をつくって、いわばサッカー部や野球部と同じような位置づけの起業部ですけれども、非常に実績も上げていらっしゃるということでございますので、この方の情熱や志も生かさせていただいて、こうした起業家育成プログラムを東京でやる。そして、本県への移住と起業を促進したいと思っております。  このほか、富山くらし・しごと支援センターの富山オフィスをとやま自遊館内に移転いたしまして、新たに設置します人材活躍推進センターの各就業支援機関──シニア人材や、もちろん若い人向けのもの、また、女性活躍支援センターなど、いろんなものと一緒にワンストップで多様な就業先の情報を提供する。また、移住、就職の情報を総合的に提供するポータルサイトを構築いたします。また、移住者自身による移住プロモーションですね、なるべく移住してみようかなと思っている、そういう層の方は当然迷われるわけですが、そういった皆さんの心に伝わるような移住プロモーションの企画や、移住PR動画などの作成も行うことにしております。  なお、2019年度に本県への移住者数1,000人を達成するということを、相当高い目標になっておりますが、東京圏だけではなくて、関西圏や中京圏などからの移住者の獲得も重要でございますので、関西圏では、既に昨年5月に富山くらし・しごとセンターの大阪オフィスを設置しておりますし、来年度は移住セミナーの回数も年5回から7回に増やす、また、新たに大阪で移住・転職フェアを開催いたしますなど、活動を強化することにしております。また、中京圏においても、今年度から名古屋で実施しております定期移住相談会を来年度も引き続き開催することにしておりまして、今後ともこの事業を何とか実り多いものにして、さらに地方創生のフロントランナーとして御評価いただけるように、移住者の方にまさに選ばれる県となりますように、全力で努力してまいります。 19 薮田委員 ありがとうございました。  この事業、もちろん県にとっても移住を促進するということで大事ですけれども、企業も本当に今、人手不足で、なかなか仕事があるのに人手がなくて仕事を受けられないというような状況もありますので、両方の利益のためにもぜひぜひぜひ、1,000人といわず、1,300人、1,500人とまた増やしていただければと思っております。  次の質問でございますが、地域おこし協力隊、これにつきましては、制度がもう10年たっておるということでありますけれども、本当に多種多彩な方々が地域に入られまして、いろんなことをやっておられます。富山県にも多数の若者が移り住んで、市町村とともにいろんな地域振興に挑戦してきました。  これまでの受け入れ、あるいは定住の実績と定着率の向上に向けた今後の取り組みについて、蔵堀総合政策局長にお尋ねをいたします。 20 蔵堀総合政策局長 県内の地域おこし協力隊の状況でございますが、ことしの1月末現在で50名が活動をいたしております。  平成22年度の受け入れ開始以来の累計では、12の市と町で91名の方が活動をされました。また、定着率でございますけれども、平成28年度末までに任期を終了された地域おこし協力隊の方で、任期終了後も引き続き県内に住んでいらっしゃる方ですが、これは64.7%となっております。全国平均が62.6%ですので、それよりは若干高いという状況でございます。  県では、地域おこし協力隊の定着率の向上のために、これまで協力隊員を対象とした研修会などを行ってまいりましたが、今年度はさらに今後の地域おこし協力隊のロールモデルとなるようなすぐれた取り組みを、今度3月10日に開催いたしますけれども、移住者交流会において紹介して、表彰もしたいと考えております。  さらに、来年度では、協力隊員を対象といたしました研修の回数を増やしたいと思っています。また、知事と協力隊員の方との座談会の開催、これは直接知事と意見交換、交流していただいて、さらに意欲の向上や、県内定着にもつなげたいと思っております。また、県内の協力隊員の方が一堂に会して意見交換していただいて、退任された後のロールモデルとなるOB、OGの方の事例発表なども行って、意見交換も開催したいと思っております。  こうしたことで一層地域おこし協力隊の受け入れが進みまして、また、退任された後の定着率も向上して地域の活性化が進むように、県としてもしっかり取り組んでまいります。 21 薮田委員 ありがとうございます。  協力隊という名前ですけれども、地域のリーダーとしてまた活躍していただくような期待も非常に大きいなと思っております。  続きまして、富山湾の国際的ブランド化についての質問に入らせていただきます。  昨年秋に我々自民党会派の富山湾未来創造調査会が知事に提言書を提出いたしました。新年度予算の案を拝見しますと、早速提言内容に沿った施策を盛り込まれ、そして予算計上されたようでありまして、本当にありがたいことだなと思っております。  富山湾の魅力が立山黒部と並ぶ世界ブランドとなり、富山県を支える2本柱として育ててもらいたいなという気持ちでいっぱいであります。
     その中でも、ことしの秋に世界で最も美しい湾クラブ世界総会が日本で初めて本県で開催されます。本県の魅力、あるいは環境保全の取り組みなど、世界に向けた積極的なPRが必要かと考えますが、総会の目標や主な事業の内容について、猪俣観光・交通・地域振興局長にお尋ねをいたします。 22 猪俣観光・交通・地域振興局長 本年10月の世界で最も美しい湾クラブ世界総会の開催は、神秘の海、富山湾の自然、歴史、文化、産業などの多彩な魅力や環境保全等の取り組みを世界に発信し、交流できる絶好の機会となります。  このため、県では、去る11月に実行委員会を開催しまして、今後、実施計画の策定など、官民連携を図りながら鋭意準備を進めてまいります。  主な事業としましては、湾クラブ加盟5周年を記念した行事の開催、海王丸パークをメイン会場とした帆船海王丸や新湊曳山、漁船パレードの見学、サンセットクルージングなど各種イベントの実施、複数の県内エクスカーション等を実施しますほか、環境面では、県民総ぐるみによる環境保全活動の取り組みについてのプレゼンテーション、総会会場でのマイクロプラスチックの発生抑制につながるレジ袋削減や上流から下流まで県民総参加の清掃活動に関するパネル展示など、富山湾はもとより本県の多彩な魅力や環境保全の取り組みを世界に積極的にPRしてまいりたいと考えております。  また、世界総会開催に向けた県民の機運醸成を図るため、県民向けのPRイベントの開催、路面電車車両へのラッピング広告等による情報発信、また、「湾クラブ総会へ」海岸一斉清掃と銘打ち、総会直前の海岸一斉清掃の実施などに取り組むこととしております。  県としましては、湾クラブ世界総会の開催を契機として、国際的にも豊かで美しい富山湾のブランド価値を高めますとともに、富山湾の環境保全に対する県民意識が一層高まり、本県へのさらなる誘客はもとより、観光振興、地域活性化につながりますよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 23 薮田委員 ありがとうございます。  次に、富山湾の特徴の1つであります定置網、この定置網漁業というのは本当に待ち受けてとる漁法でありまして、魚をとり過ぎることがない持続可能な漁法であります。  新年度の予算案の中に、新規事業であります魚津水族館との深海魚調査というのがありました。きのう、杉本議員の質問にもありましたけれども、漁業調査と学術研究がコラボし、それぞれ得意分野を生かす。これは本当に画期的なことだと考えます。ここ何日かリュウグウノツカイで大変忙しかった魚津水族館の稲村館長と私、実は友達なんですけれども、電話しましたら、この事業、大変期待しているということでありましたし、私自身も大変おもしろい取り組みだと注目しているところであります。  ただ、予算が150万円ほどということでありまして、深海魚調査という華々しい表題の割にはちょっと少額なのかなと、どうなのかなと思っておりましたら、きのうの知事の杉本議員への答弁の中で、何か水中カメラの調査や、あるいは子供向けの企画展などということをお聞きしましたので、まあ、そんなものなのかと思いました。ちょっとイメージとしては、例えば深海探査船や、すごい本格的な調査を想像しておったものですから、まあ、そんなものかなというのはあります。  あと、先ほど魚津漁協の浜住専務から排砂の影響ということも少し聞いたものですから、今後こういう調査というものをさらに進めていきまして、それこそメタンハイドレートみたいなエネルギー調査にも資するほどの規模の大きな調査に発展させてほしいなという希望は持っております。  そこで、水産資源の持続的な利用が求められる中で、本県の環境にやさしい定置網、あるいは今申し上げましたようにリュウグウノツカイなどの出現等も踏まえまして、新年度に魚津水族館と連携して行うこの深海魚の調査研究を富山湾の魅力の1つとして発信していくべきと考えますけれども、石井知事に御所見をお尋ねいたします。 24 石井知事 委員の御指摘のとおり、富山湾の魅力の1つが「富山のさかな」でありまして、鮮度のよさや、種類の豊富さ、日本海にいるお魚800種類のうち500種類が富山湾だけでいるということ、また、そこに富山ならではの漁法や水深1,000メートルの世界など、幅広い魅力を大いに磨き上げて発信していくことが大切だと思っております。  特に昨年末、漁業法が改正されまして、資源管理型漁業の重要性ということも高まっております。本県としても、富山湾の定置網漁等が環境にやさしくて、適切に資源管理されてサステーナブルであるということを積極的にアピールしていきたい。お話のように、まさに待ちの漁法で、魚をとり過ぎないように、網目の大きさで対象魚を決めて、小さな魚までとらない、また、漁場が近いので漁船の燃料も少なくて済むなどですね。  既に氷見市では、世界定置網サミットin氷見というのを、十五、六年前から初めておられまして、JICAと連携して、氷見定置トレーニングプログラムといったこともやっておられますし、これとは別に平成25年からインドネシア人の研修生の受け入れもやっていらっしゃる、これは、委員もかかわってこられたのかなという気もしております。  そのため、来年度は富山のさかなのブランド化といたしまして、有名料理人等を招いて行います魅力体験ツアーの生産現場体験、ホームページ等での多言語による漁法や漁師の紹介等を通じまして、定置網漁を初め本県漁業者の資源の持続性に配慮した営みを国内外に発信しますとともに、その営みを見える化するために、水産エコラベル認証の取得に向けた検討なども進めることにしております。これは、国連食糧農業機関がガイドラインをつくっておりまして、日本でもマリン・エコラベル・ジャパン協議会がMEL認証といったようなものも運用されているということですから、これは漁業者の皆様とも連携しながら、こうした方面も検討していきたいと思います。  また、つくり育てる漁業のチャレンジを加速化するために、氷見栽培漁業センターにおいては、海水井戸の試掘や水質調査を行いますなど、栽培漁業の推進方策について調査検討を進めることにいたしております。  今、お話のあったリュウグウノツカイですけれども、昨年の秋から改めて異常に出現することになっておりまして、富山湾の深海に関する関心が高まっておりますから、この機会を捉えて、かねてから富山湾の海洋環境については多くの情報を持っています県の水産研究所、また、富山湾の希少な海洋生物について多くの情報を持っていらっしゃる魚津水族館、この2つが連携して、それぞれ持っている貴重なデータも持ち寄りまして、深海生物の生態等について調査研究を進めたいと思っております。  150万円ではちょっと寂しいというお話もありましたが、私もぜひやりたいと思って調べてみましたら、既に水産研究所で水中カメラ──かなり性能のいいものを持っておるものですから、これなども有効活用して、まずは魚津水族館と連携しまして、その成果を見て、また次の段階も必要なら考えたいと思いますけれども、この成果等は、魚津水族館との共催による子供向け企画展や、シンポジウムにおきまして富山湾の深海映像とあわせて紹介しますとともに、ちょうどことし10月、世界で最も美しい湾クラブ世界総会もございますから、世界からいろんな方がいらっしゃるので、そういうときに富山湾の深海の貴重なリュウグウノツカイその他のPR、アピールなどもいたしまして、富山湾というのは本当に奥深いなと、まさに神秘の湾だなということをアピールしたい。また、海王丸パークで、緑のパーゴラでの富山湾等魅力映像鑑賞というものをかねてからやる準備をしておりましたが、ここにも深海生物等の映像を含めてアピールをしたい。  今後、メタンハイドレートというお話もございました。今回の魚津水族館とのコラボで得られた成果をもとにして、さらにどういうことができるか、できるだけいろんな意味で幅広く前向きに考えていきたいと思っております。ひとつよろしくお願いします。 25 薮田委員 ありがとうございます。  ぜひ次の段階へまた進んでいただきたいと思っております。  あまり時間がなくなったんですけど、あと2つあります。  最後、国際化する観光業の振興についてですが、まず、富山・埼玉観光連携推進事業についてであります。  昨年金沢─仙台間の直通新幹線というのが運航されまして、大変好評であったと聞いております。新幹線、東京へ乗り入れるには、ちょっとダイヤが集中して非常に困難であるということから、大宮折り返し、あるいは大宮を結節点とした新幹線、もっともっとこういうのを増便させるべきなんじゃないかなという声も聞かれております。  これからは、交通の便、あるいは文化の違いなどから、北関東との連携というのは非常に大事なものになると考えますけれども、今後、富山・埼玉観光連携推進事業にどのように取り組まれるのか、この事業の狙い、あるいは内容などについて、猪俣局長にお尋ねをいたします。 26 猪俣観光・交通・地域振興局長 埼玉県との連携につきましては、北陸新幹線開業により、富山駅─大宮駅間が1時間40分余りで結ばれ、両県の距離が非常に短くなりましたことから、昨年6月に埼玉県の上田知事にもお越しいただき、石井知事と懇談会を開催いたしました。その際、ものづくり分野と観光分野で連携を推進し、ウイン・ウインの関係を構築することで両県が一致しました。  このため、観光分野では、本県には多種多様な鉄軌道があり、鉄軌道王国と呼ばれていること、また、埼玉県から本県への移動は、主に北陸新幹線利用が多いことを踏まえまして、新年度におきまして、11月上旬に埼玉県の鉄道博物館にPRブースを出展する予定であります。  出展内容につきましては、パネルによる県内の鉄軌道、観光列車等の展示PR、沿線の美しい景観、食、伝統工芸品など、多彩な見どころの紹介、ミニ鉄道ジオラマの展示、ゆるキャラとの記念撮影や鉄軌道グッズの販売も検討しているところでございます。なお、埼玉県からは、別途、富山駅におきまして観光PRや物産販売イベントの開催を検討中と伺っております。  県としましては、今後とも北陸新幹線開業により距離が格段に近くなりました埼玉県との連携を強化し、本県の観光振興につなげてまいりたいと考えております。 27 薮田委員 最後の質問でございます。  海外観光客の利便性という点からの質問ですけれども、電子マネーの普及などキャッシュレスの決済、あるいは多言語対応の促進、そういうものはインバウンド消費の拡大を進める上で大変重要なことだと考えますが、これについて今後どのように取り組まれるか、猪俣局長にお尋ねをいたします。 28 猪俣観光・交通・地域振興局長 訪日外国人観光客が増加する中で、その旺盛な消費を取り込み、地域の活性化につなげていくためには、外国人のニーズに応じたサービスの向上を総合的に進める必要がございます。  観光庁が実施しました全国の訪日外国人旅行者へのアンケートによりますと、旅行中に困ったこととして、施設スタッフとのコミュニケーションがとれないや、多言語の表示の少なさ、わかりにくさといったものが挙げられており、コミュニケーションや多言語表示のニーズが最も高いことから、県では、とやま観光未来創造塾での外国語対応ガイドの育成や、おもてなしのステップアップを促進する5つ星制度の充実、強化、その星を取得した観光事業者が行います多言語対応機器の導入や多言語表記への支援などにより、外国人観光客へのより積極的なコミュニケーションや多言語対応を進めることとしております。  また、キャッシュレス決済につきましては、国において2025年までにその決済比率を4割程度まで高めることを目標に、消費税率の引き上げにあわせて、小売店などが決済事業者に支払う手数料や決済端末の導入費用などを支援することが予定されております。  県におきましても、関係団体と連携しながら、その制度の周知や普及啓発に努めるほか、来年度は新たに多言語対応やキャッシュレス化、消費税免税機器の導入など、外国人観光客の消費拡大を総合的に進めるためのインバウンド専門家の派遣などの支援に取り組む予算を提案させていただいております。  今後とも、国、市町村、民間事業者と連携しながら、外国人観光客のさらなる誘客と消費拡大に向け、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 29 五十嵐委員長 薮田委員の質疑は以上で終了しました。        澤谷清委員の質疑及び答弁 30 筱岡副委員長 澤谷委員。あなたの持ち時間は60分であります。 31 澤谷委員 社民党・無所属会派の澤谷清です。  今期最後の質問ということで、静かに終わっていきたいなと思っております。  平成27年6月議会で初質問を行いました。爾来、任期最後の今議会まで、14定例会、68分野208項目について質疑を行ってまいりました。  県民の生命、県土の保全を中心とした防災・減災対策、県立高等学校の洋式トイレ化や空調設備の全額県費負担、県警察の待機宿舎の改善改修、栽培漁業センターや県営ダムなど、県有施設の整備促進を政策提言し、質問を組み立ててまいりました。  しかしながら、特に滑川市が強く求め続けている水資源の保全については、早月川流域における地下水も含めた河川環境の現況を改善すべきものと4年間にわたり質問を積み重ねてまいりましたが、いまだに納得できる答えはいただいておりません。これからも現場に足を運び、滑川市が抱える県政への諸課題を県当局に提言し、質問を続けていきたいと思っております。  それでは、通告してあります諸点についてお伺いをいたします。  初めに、立山黒部の今後の展望について3点質問します。  今議会に立山駅─美女平間のロープウエー構想に初めて調査費が提案されました。立山黒部山岳観光の通年営業に向けて大きな山が動いたと私は感じるものであります。  過去に立山山岳ロープウエー構想については、私は、通年営業なくして立山黒部の世界ブランド化は成り立たず、通年観光の実現には、冬期間の除雪体制や上質な宿泊施設の誘致が必要と考えています。  このことについて立山黒部アルペンルートの通年観光や早期開業に向けた石井知事の御所見をお聞きいたします。 32 石井知事 立山黒部アルペンルートは、国際的にも人気の観光地でありまして、御承知のとおり、昨年度の入り込み客数は26万6,200人、外国人の観光客ですけれども、15年前の約11倍となっております。  室堂や弥陀ヶ原、落差日本一の称名滝など、雄大な自然に加えまして、電源開発などの産業や立山砂防、また、布橋灌頂会やいろいろな歴史、文化など、多種多様な魅力にあふれたポテンシャルが非常に高い地域だと思っております。  そこで、県としましては、通過型ではなくて、できるだけ滞在型、体験型の観光を進めたいということで、一昨年の6月に「立山黒部」世界ブランド化推進会議を立ち上げて、プロジェクトを推進しております。  委員御指摘の通年観光や早期開業ということは、実現しますとさらなる魅力の向上や観光誘客につながるんですけれども、何よりも安全の確保が前提でございますから、多くの観光客が訪れる室堂周辺におきまして、昨年から観測員による雪質や硬度等を把握する積雪断面調査を実施しますとともに、監視カメラや地震計を設置しまして気象や雪崩に関するデータを収集いたしております。  また、立山黒部アルペンルートの開通に当たりましては、除雪対応が重要でございますから、御承知のとおり、従来1社でやっていたんですけれども、昨シーズンから作業員の確保や技術の向上を図るために3社で実施するようにしております。  さらに、世界ブランド化の一環として、ケーブルカーにかわる新たなアクセス方法として、今、お話のありましたロープウエー整備──自然環境の改変も少なく、早期の整備が可能であり、また、ケーブルカーのような軌道除雪が必要のないロープウエー整備を行う。これも2つ案がありましたが、まずは、自然環境の改変が少ない立山─美女平間のロープウエー整備を優先して進めることにしたわけでございます。  このロープウエーの整備によりまして、輸送能力が毎時720人から約1,400人と2倍となりますので、そうなると美女平と室堂間のバス輸送体制はもちろんですけれども、美女平、それから弥陀ヶ原、室堂において、ゆっくりと楽しんで過ごしていただけるような滞在周遊を促進する方策について、調査検討をすることにいたしております。  また、大観台からの称名滝を眺望できる展望台等も、これは環境省にお願いをして、直轄事業として実施していただく方向で今、進めております。そのほか、観光客の多様なニーズに対応できる宿泊、受け入れ環境の整備についても、調査検討を進めることにしております。  お話の通年観光や早期開業は、雪崩対策等の安全確保など、クリアすべき課題も多くて、ハードルが高い面はありますけれども、今申し上げましたように、積雪断面調査や監視カメラ、地震計の気象や雪崩データの収集分析も行いながら、「立山黒部」世界ブランド化推進会議、また、そのもとにワーキンググループもつくってございますので、ここでしっかり検討を進めて、これは地方主催の会議なんですけれども、霞が関の関係省庁がほとんどこれに参加しているというぐらい中央省庁も注目してくれていますので、ぜひしっかりと取り組んでまいります。 33 澤谷委員 知事に答弁は求めませんが、私は議員になって20年間、海外旅行へ一遍も行っておりません。バッジをつけて海外旅行へ行くと、おまえは遊びのためにと言われますので。けれどもその前は、2月になるとタイへ行くんですね、雪の降らない。今はもう2月、豪雪の富山県にぜひ台湾、そしてシンガポール、インドネシア、東南アジアの方々にこの豪雪を楽しんでもらう。こういう基本コンセプトでぜひこの事業を進めていただきたい。  そして、また、今、弥陀ヶ原まで電源が通ります。多分、弥陀ヶ原まで知事は通年観光に向けて考えておられるのではなかろうか、私の生きている間にぜひ実現していただきたいものと思っております。  次に、ロープウエー構想については、新聞でるる報道されておりますが、改めて整備のあり方について、建設費や運営の主体、そして県はどのようにこのことについて関与するのか、猪俣観光・交通・地域振興局長にお聞きいたします。 34 猪俣観光・交通・地域振興局長 県では、立山黒部の世界ブランド化に向け、ケーブルカーの老朽化や待ち時間の解消、バリアフリー化への対応は、喫緊の課題でありますことから、立山ケーブルカーにかわる新たなアクセス方法として、先ほど知事から答弁いたしましたように、まずは立山─美女平間のロープウエーの整備検討を優先的に行うこととしたところでございます。  ロープウエーの設置、運営主体につきましては、立山黒部貫光におきまして整備されるものと考えており、新年度、駅舎、支柱の位置など、詳細な整備ルート等の検討を行うとともに、整備ルートにかかります環境影響調査を実施すると伺っております。  また、整備費用につきましては、こうした調査や検討を踏まえまして改めて算出されるものと考えております。このため、整備費用に対する県の関与につきましては、新年度立山黒部貫光において行われます調査検討を踏まえた整備ルートの選定やロープウエー整備に係る事業計画の策定が前提となるものと考えております。 35 澤谷委員 3点目に立山黒部アルペンルートを利用する入山者の方々に入山料、または入山に伴う協力金を設定してはどうでしょうか。  トイレや遊歩道の整備もまだまだこれから進めなくてはならない案件だと思っております。また、動植物の保護など、選ばれ続ける山岳観光地として末永く自然環境を守っていく必要があります。そのための財源としてぜひ活用すべきと考えますが、須河生活環境文化部長にお聞きいたします。 36 須河生活環境文化部長 お尋ねの自然環境保全等のための入山料などの設定につきましては、「立山黒部」世界ブランド化推進会議におけるプロジェクトの1つといたしまして、環境保全経費の受益者負担のあり方を中期的な課題と位置づけ、ワーキンググループにおいて検討をしているところでございます。  具体的には、既に協力金制度を導入しておられる富士山、屋久島や白神山地の事例の調査、また、観光業等関係者からの意見聴取を行うとともに、観光客、登山者の入山ルートや利用人数を研究し、公平で効率的な徴収方法等について課題の整理を行っているところでございます。  現在把握している課題といたしましては、まず、入山料を求めることによる観光客や登山者の負担増、それから税方式、協力金方式、それぞれの徴収の確実性とコスト、また、交通機関を利用する観光客と複数ルートから入山する登山者からの徴収の公平性の確保、負担を求める範囲や使途など負担と受益の関係の整理、県境をまたぐ長野県との調整などがあり、今後丁寧な議論が必要と考えております。  これらの課題の整理に当たりましては、昨年環境省が妙高戸隠連山国立公園で実施をされました自然環境保全協力金に関する社会実験というのがございますので、ここでの徴収方法、徴収額等のデータや入山者を対象にしたアンケート調査結果等も参考にしたいと考えております。  引き続き、こうした関連する情報の収集に努めますとともに、立山黒部における環境保全経費の受益者負担について慎重に議論を重ね、検討してまいります。 37 澤谷委員 丁寧な答弁、ありがとうございました。  このことについては、いろいろな課題が山積していると私も認識しております。須河部長の馬力で道筋をつけて、次の部長にぜひつないでいっていただければと思っております。期待をしております。  それでは、とやまっ子すくすく電気事業について新年度予算案に6,000万円の事業費が計上されております。この事業については、初めての事業のときには、9,900万円ついていたわけなんですが、今回6,000万円、約6割の方しか利用していないんだろうと思うんですが、この事業を企業局はいつまで続けられるんでしょうか。  私は、昨年の常任委員会において反対をいたしました。いまだにその気持ちは変わっておりません。事業をするのが反対ではなくて、企業局がやるべき仕事はほかにあるのではなかろうかということを重ねて申し添えて質問させていただきます。  それでは、山本公営企業管理者に答弁を求めます。 38 山本公営企業管理者 御質問いただきました子育て支援事業とやまっ子すくすく電気でございますが、これは、新たな課題への挑戦、県民福祉の向上、県民にオープンで親しみやすい事業の推進、という企業局の経営方針に基づきまして、県営電力の使用を通じた新しい地域振興策として、水車ランナーの効率化による料金収入の増など、県営電気事業の効率的な経営により得られる収益の一部を活用いたしまして、本県の人口増につながる3人以上の子育て世帯の電気料金負担を支援しようとする、全国の公営電気事業者としては初めての取り組みでございます。  企業局では、これまでも固定価格買取制度の適用によります上乗せ利益を一般会計に繰り出しまして、元気とやまの創造に資する事業に活用いただいてきたほか、毎年の利益剰余金から建設改良積立金をしっかり確保した上で、残りを一般会計に繰り出し、水源涵養や環境保全など電気事業の推進にも資する事業に活用いただいてきたところでございます。  一方、このすくすく電気事業につきましては、県の重要施策の1つである子育て支援、特に県民ニーズの大きい子育て世帯の経済的負担の軽減に寄与することとなりまして、他の子育て施策を補完するとともに、再生可能エネルギーによる発電事業に積極的に取り組む県営電気事業の存在を県民の皆さんに御理解いただくという点でも大変有意義な事業であると自賛しているところでございます。  この事業につきましては、当面、平成32年の3月までの2カ年として、その後は企業局の経営状況を見ながら判断するということでスタートさせていただいておりますが、今年度の申請状況を踏まえた来年度の所要見込み額、また、申請者から事業の継続を望む声が寄せられておりますこと、さらには電気事業が現在のところおおむね順調に推移していることなどから、今後の事業の継続については、できればできるだけ前向きに検討を進めたいと考えているところでございます。 39 澤谷委員 私は、子育て支援に関して反対はしておりません。知事も一生懸命、子育ての応援券もやっておられますし。  私が初めて入ったときに売電単価が6円ちょっとだったんですが、今、もう8円近く上がっているんです。大体1円上がると、4億円から5億円の売電収入の増加が見込まれるんですね。そして、いつも言っているんですよ。安過ぎるのではないかと。「議会がやかましくてどうにもならん」と、ある1人の議員を悪者にしてでもいいから、売電単価の交渉に入れということを述べてきたんです。言葉は少し悪いですが。私は応援団だと思っております、企業局の。  そして、売電収入を次の再生産のための機械設備の更新、県営ダムも調査しておりますが相当傷んでおります。そういうところにもやっぱり傾斜配分しながら予算を使って、そして最後は石井知事に6億円ですか、7億円ですか、使ってくださいということで一件落着するのではなかろうかと思っております。  そういうことも考えまして私は反対するわけなんですが、もう一度、公営企業管理者から、この事業については将来の見通しを含めて判断するということで答弁していただければと思っております。 40 山本公営企業管理者 委員から売電単価について応援の言葉をいただきまして、大変ありがたいと思っています。  企業局といたしましては、委員から御指摘のとおり、老朽化する施設の更新なり、取り組む事業、多々あるわけでございますが、その点につきましては、計画的に積み立てもしておりますし、事業をしっかり運営していく中で事業費を確保していきたいと思っています。  その中で、今回お示ししましたすくすく電気につきましては、施設の更新に伴って効率化されることによって、同じ発電量、水量でも利益が膨らむ分がございますので、そういうものを県民の皆さん、子育て世帯に還元しようという趣旨で始めたものでございまして、ああ、富山県でも電気事業をやっているんだということをPRするという大きな効果もあると思っていますので、できましたらしっかり前向きに、来年の今ごろ判断しなければならないものですけれども、一生懸命取り組んで、県民の皆さんの意見も伺いながら、できれば続けさせていただきたいと思っているところでございます。 41 澤谷委員 ありがとうございました。  議論は平行線でありますので、また持ち越していきたいなと思っております。  再生可能エネルギーの活用について、知事に質問するわけなんですが、私は平成28年2月定例会総括質問において、このことについて知事の所見を求めました。以来3年が経過したわけなので、現在、立山カルデラ内でも地熱発電に向けた掘削調査が鋭意行われておりますが、調査費は新年度分も合わせて予算ベースで20億円が計上されております。  今後の開発可能な発電出力の見込みや事業効果とあわせた現時点での実現可能性をどの程度知事は把握しておられるのか、所見をお聞きいたします。 42 石井知事 立山温泉地域の地熱発電の開発につきましては、地下深部に中規模以上の発電が可能な230度C以上の熱水の貯留域の存在が推定されておりまして、取り出せる出力規模は2,000キロワットから5,000キロワット程度との解析結果が出ておりますけれども、事業の採算性を大きく左右する発電出力を算定しますためには、実際に掘削しまして、地下深部の蒸気などを確認する調査を行う必要があります。  そこで、新年度には、これまでの調査結果も踏まえまして、深さ1,600メートルの調査井を掘削しまして、取り出せる蒸気や熱水の温度、流量、圧力、成分などから、開発可能な発電出力の推定を行うことにしております。  こうした掘削調査の結果、事業化に必要な蒸気の存在が確認できた場合には、立山温泉地域全体で得られる発電出力を算定しますとともに、発電施設の概要や建設に要する費用などの調査も実施いたしまして、採算性を見きわめた上で、環境アセスメント手続を経て建設工事に着手することにしておりまして、順調にいけば、今後10年程度で運転開始ができないかと考えております。  地熱発電は、多額の費用と長い調査期間をかけて、しかも実際に掘ってみないと採算性の評価ができないという、どうしてもリスクを伴う事業ではございますけれども、成功しますとCO2を排出せず、また、安定した電力を継続的に得られる良質な発電であります上に、まさに本県の地域資源を有効に活用できる。また、取り出した熱水の活用を初めとして、地域振興にも資する夢のある事業でございます。  これまでもお話のように、平成31年度は調査井の掘削で12億円、また、今までの累計で19億9,300万円、約20億円近くお金をかけてきているんですが、幸い国もそれなりにこれは可能性があると見て、そのうちの14億3,000万円ほどは国がお金を出してくれておりますので、何とかこれを成功の方向で実現できますように、今後とも国にも働きかけて、しっかりと国からの御支援もいただきながら、また、事業リスクの低減に努めて、何とか実現するようにしっかりと取り組んでまいります。 43 澤谷委員 ありがとうございました。
     この予算ベースでは、不用額が発生しております。私はこの調査が大変厳しいものだと逆に思うわけなんですね。やっぱり調査費を計上してでもそれをクリアできない。それぐらい自然環境に厳しい仕事をしておられるのではなかろうかと思うわけなので、知事の力強いこれからの御支援を期待しております。  次の質問に入ります。  この質問も昨年の11月定例会で質問したわけなんですが、早月川流域にある養豚施設の運営と豚コレラの防疫体制についてということですが、この3カ月間で豚コレラの防疫体制が大変大きく変わってまいりました。  昨日のBS放送において、ベトナムでアフリカ豚コレラの発生が見られ、現在、東南アジアを中心にして20カ国でこのアフリカ豚コレラが猛威を振るっている。いつ何どき、日本国に侵入してもおかしくない状態だということも述べておられます。そのことも含めまして、改めてこの豚コレラの防疫体制と養豚施設の運営についてお聞きをいたします。  この養豚施設の衛生管理区域の中央に県道が通っております。外部との遮断が困難というよりも、できない、そういう施設だと判断しております。県道との明確な遮断を指導すべきではないでしょうか。芝田農林水産部長にお聞きいたします。 44 芝田農林水産部長 養豚施設の衛生管理区域につきましては、委員御指摘のとおり、県道が真ん中にありまして、外部との遮断が困難な面もございます。したがいまして、県道を含まないように県道を挟んで2カ所に分けて区域を設置しております。  それぞれの衛生管理区域に出入り口を2カ所ずつ設けまして、飼養衛生管理基準に基づき一般車両や人の出入りを制限するとともに、出入り口には消石灰を散布し、出入りの際の消毒を徹底しております。  現在、堆肥の運搬や豚の移動のために、農場の重機やトラックが県道をまたいで、それぞれの衛生管理区域を行き来しておりますけれども、その際には、設置した出入り口を通り、消石灰で消毒を徹底いたしますとともに、県道をきれいに保つように指導をしているところでございます。 45 澤谷委員 前回の答弁とほとんど変わりませんが、私はよく見るんですね、ここを。もう滑川市の外縁で、特にここの施設整備については、過去にも大変大きな問題を含んでいたのではなかろうかということを指摘してきたわけなんですね。けれども、今の部長の答弁を聞いておって、助言指導もここまでかなと、ちょっと残念に思っているわけなんです。この県道については、実質的に養豚施設の作業ヤードとして使われているんですよ。これを使わないと、養豚施設が運営できないんですね。  そして、この県道については、県警察にも無免許運転をしているのではないかと。そして、また、実習生も機械を使って俗に言う労働安全衛生法に違反しているのではないかと質問をしたことがあるんですが、今回はあえてそういうことは言いませんが、実質的に養豚施設の作業ヤードとしてなっているわけなんですね。やっぱりそのへんのところの見解を土木部長にぜひお聞きしたいなと思っております。 46 水口土木部長 県管理道路につきましては、安全で円滑な交通を確保いたしますため、定期的に道路パトロールを実施し、道路の損傷などの把握に努めております。  この道路パトロールや住民の皆様から寄せられました情報により、泥や油等の著しい汚れなどを現地で確認した場合には、道路法に基づき、原因者に対し現状を復旧するよう指導を行っております。  御指摘の養豚施設は県道宇奈月大沢野線に隣接しております。本箇所におきましては、これまでも週1回の道路パトロールを行っており、さらに今年度は東部家畜保健衛生所等と合同で6月に巡回を行い、路面の状況等を確認しております。  道路パトロール等におきましては、この施設では、道路の両側に豚舎等がありますことから、飼料等の運搬や施設間の移動に際し、車両が県道を通行していることは確認しております。  道路管理者としましては、道路パトロールにおいて、あるいは通行した周辺住民の方からの情報提供により、施設周辺の道路が土や堆肥等で汚れているという場合や、みだりに道路上に資材を置くことや交通を妨げるような作業が行われることにより交通に支障を及ぼすおそれがある場合には、道路法に基づき、必要に応じ原因者に改善を行うよう指導してまいりたいと考えております。 47 澤谷委員 部長にはありがとうございました。静かに終わっていきたいと思っております。  今現在、汚水がやっぱり県道の路肩、路側帯に流れてくるんですね。汚水なんですよ、そこの。だから雨水処理が全くなっていない施設だということも認識しておいていただければと思っております。  それでは、ここで改めて、養豚施設からの雨水が全量、汚水となって早月川に流れ込んでおります。流入している場所を確認しますと、みお筋がついておりますが、みお筋には汚染状態が大変真っ黒な状態として確認できます。このことについて、常時しっかりと管理、監督させていくべきではなかろうかと思うんですが、須河生活環境部長にお聞きをいたします。 48 須河生活環境文化部長 早月川にある養豚施設からの排水につきましてお答えをいたします。  まず、豚舎からの汚水につきましては、県の指導に基づき、事業者が整備した排水処理施設で浄化されまして、用水路を経由して早月川に流入しており、水質の改善が図られている点については御了解のとおりかと存じます。  一方、御指摘の敷地内や隣接道路に降った雨水につきましては、道路脇に沿って直接用水路に流れ込み、早月川に流入しております。この雨水排水につきましては、目視での確認の結果、敷地内のおがくずや堆肥等もともに流出していると見られていることから、県ではこれまで、生活環境文化部、農林水産部、また、土木部ともに敷地内の清掃や道路清掃の徹底を指導してまいりました。また、堆肥舎前に降った雨水の一時貯留槽の設置や堆肥舎前の水での洗浄、その洗浄水の排水処理施設の処理の検討を指示してきております。  流入しているみお筋について、汚染状況を水質測定等により監視すべきだというお尋ねだと思いますけれども、この用水路には、上流から農業用水も流入をしております。測定ができますのは雨が降ったときということになりますけれども、雨が降りますと上流の農業用水も濁って水質が悪くなることから、仮に測定をしたといたしましても、養豚施設からの雨水の早月川に与える影響を特定するのは難しいのではないかと考えております。  県としましては、引き続き、この敷地内のおがくずや堆肥が流出しないように、清掃の徹底や雨水の一時貯留槽の設置等について粘り強く指導してまいりたいと考えております。 49 澤谷委員 部長、答弁はそれで結構ですが、私が質問をするとき、必ず養豚場を見てくるんですね。川筋も見ます。どれだけそのように答弁されても納得しません。  現認していますので、また確認していただいて、農業技術課の職員には大変御迷惑かもしれませんが、下流域には3万3,000人の市民が生活しているということも常時考えながら管理、監督をしていただきたいと思っております。この件については、事あるごとに質問させていただきたいと思っております。  それでは、昨年10月16日付で滑川市から県に対し、この養豚施設における豚コレラ対策に関する照会があったわけなんですが、どのように回答されたのか、簡潔にお聞きしたいと思っております。  芝田農林水産部長、よろしくお願いいたします。 50 芝田農林水産部長 昨年10月16日に滑川市長が来庁されまして、早月川流域にある養豚施設が家畜伝染病予防法等の規定に基づき県に報告している内容、県が同施設に対して行っている指導及び助言、こういったことについての照会がございました。  県では、この照会に対し、後日、直接市長にお会いをいたしまして、同施設から報告を受けている内容として、当該養豚施設の飼養頭数や畜舎ごとの飼養密度が飼養衛生管理基準の参考値を満たしていること、必要な消毒設備の設置や関係者以外の立ち入り制限がなされていること、伝染病発生時の埋却地が確保されていることなどをお伝えいたしました。  また、県として野生動物などからの病原体侵入防止対策として、豚舎に防鳥ネットを張ること、壁の穴を塞ぐことなどの措置が実施されているといったことを確認しておりますとともに、豚舎等の洗浄、消毒の徹底を指導、助言していることなどを回答させていただきました。 51 澤谷委員 模範解答ですが、納得がいきません。  この施設で豚コレラが発生したと仮定の話をしているわけではなくて、豚コレラはどこで発生するかわからないという現況の中で、いよいよ発生した場合の埋却処理、20キロメートルも離れた場所を設定していると。このことについては、家畜伝染病予防法に違反するのではないでしょうか。いかがでしょうか。 52 芝田農林水産部長 当該養豚施設で万が一豚コレラが発生した場合、埋却につきましては、立山町の自社所有地で実施することとしております。  これは、1つには、早月のほうの当該養豚施設内及び近隣には自社所有地がないということ、2つには、豚コレラが発生した場合に豚の移動や飼養管理者の行き来がある立山町の系列の養豚施設、ここも関連施設となりまして、結果的には飼養する全ての豚が殺処分の対象となるといったことなどの理由によるものでございます。  この立山町の自社所有地は、殺処分した豚や飼料等の汚染物品を埋却するための十分な面積があります。そのほとんどが牧草地として管理されておりますので、田んぼのようにぬかるんでおらず重機が入りやすい、速やかな埋却作業が可能となるということでございます。  委員御指摘のように、この埋却予定地は当該養豚施設から約20キロ離れておりますが、農林水産省の豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針におきまして、埋却のため豚の死体を農場から移動させる場合は、運搬物が漏出しないよう、トラックの床及び側面をシートで覆い、さらに積載した後は上部もシートで覆う等の措置を講じて運搬することとされており、万が一の際は、そのような措置がしっかり講じられるように指導してまいりたいと考えております。 53 澤谷委員 確認ですが、この養豚場は、今4,000頭を飼育していると。平均30キロにすると120トンの肉があるんですね。人間に換算すると失礼ですが、60キロの人間だと2,000人の方が生活しているわけなんですよ。120トンの肉を一気に埋却処理するということになるわけなので、本当に実現可能かどうかということも十分やっぱり考えていただきたい。  次に、埋却については、その際に会社から住民に説明をすると。これはもう3カ月も4カ月も前の話なんですが、現在もそういうスタンスで会社がおられるのかどうか。私は、いざとなったときに果たして同意してくれるのか。私は、もし自分が住民だと嫌だと思うんですが、いかがでしょうか。 54 芝田農林水産部長 豚コレラが発生した場合、病気の蔓延を防ぐために速やかに埋却、または焼却することとされており、埋却の場合は、飼養衛生管理基準において埋却地を確保することが義務づけられております。  埋却については、あらかじめ近隣住民に説明して同意をとることまでは求められておらず、当該農場についても発生時に説明して同意を得ることとしています。  県では、万が一豚コレラが発生した場合は、市町村と連携しながら、近隣住民の理解も得て、埋却作業を進めることになりますけれども、仮に近隣住民の反対等により埋却がどうしても困難となった場合には、補完的な措置といたしまして、国の所有する移動式レンダリング装置というものがございまして、これを利用して処分を行うといったことを考えてございます。  このレンダリング装置といいますのは、家畜の死体をその場で破砕して殺菌処分する装置でございまして、昨年からの岐阜県、愛知県の豚コレラの一連の発生事案の中でもこれが活用されていると聞いております。 55 澤谷委員 もう少しお願いします。  この飼養施設については、衛生管理区域の境界が全くされていないんですね。全くされていない状態の中で、果たして、運営できるのかどうか。こんなことになってくると、もし豚コレラの発生があった場合に、富山県に非常に大きな迷惑がかかるんですよね。最後に行き着くところは知事なんですよ。岐阜県知事は大変叱られているんですね、初期の初動体制が悪かったから。  だから、私はそれに関して物すごく危惧をするんですね。やっぱり担当部長がしっかりといろいろなことに対応していく危機管理が求められるのではなかろうかと思うんですね。いかがでしょうか、芝田農林水産部長。 56 芝田農林水産部長 衛生管理区域は、病原体の侵入を防止するために衛生管理が必要となる区域であります。一般的には、畜舎やその周辺の飼料タンク、飼料倉庫等を含むように設定をされております。  この当該農場におきましても、先ほども答弁いたしましたけれども、適正な衛生管理区域を定め、出入り口の立て看板の設置や消石灰の散布により境界を明確化し、不要不急の出入りを制限しております。  境界の明確化と委員がおっしゃるのが、もし防護柵ということであれば、衛生管理区域の境界における防護柵などの設置については、飼養衛生管理基準による義務づけはなく、当該農場には設置をされておりませんが、今後、当該農場において豚コレラの感染リスクが高まった場合には、必要に応じて電気柵などの設置を指導してまいりたいと考えております。 57 澤谷委員 それでは、この件について最後の質問をいたします。  豚コレラの感染源とされているイノシシの移動距離や行動について、どのような想定により防疫体制を整備されているのか。  今年度に入りまして、農林水産省は、この岐阜県の一連の豚コレラの発生源はイノシシと断定をしておられます。イノシシから豚舎へ豚コレラが侵入したと。そういうことを考えますと、この防疫体制について、県当局の新聞報道、あるいは我が会派の岡崎議員の質問において答弁しておられるんですね。おおむね2平方キロ、1キロから2キロの行動範囲しかないので、富山県に侵入する可能性は少ないのだろうという答弁であったわけなんですが、この家畜衛生情報によりますと、雌はそれでよいんですが、雄は20キロから30キロ移動するケースがあると。山も1,500メートルから2,000メートルの山を越えた事例もあると。当然、富山県にも侵入する可能性があるとはっきり述べておられるんですね。  ですから、県当局の説明と家畜衛生情報による説明には、大きな乖離があるわけなんです。統一的な見解をすべきと思いますが、芝田農林水産部長にこの件についてお聞きいたします。 58 芝田農林水産部長 県が、自然保護課のほうになりますけれども、2年前に県内の中山間地域で行った調査によりますと、野生イノシシの行動範囲は、約3平方キロから5平方キロでございました。また、委員御指摘のありました家畜衛生情報の記事につきましては、県内で行われた野生動物に関する研修会において、その講師がみずからの調査結果を講演したものを載せておりまして、言われたように雄は通常10キロから20キロ移動し、中には30キロメートル移動したという例が確認をされている内容でございました。  この記事につきましては、イノシシは長距離を移動する可能性もあるので、養豚農家の皆さんに緊張感を持ってもらいたいという注意喚起の意味で載せた記事だと受けとめております。  このほかにも野生イノシシの移動距離につきましては、幾つかの報告が行われておりまして、農林水産技術会議のレポートでは、行動範囲は約1キロメートルというものもございますし、関西広域連合の行政担当者向けのマニュアルでは、1平方キロから2平方キロの範囲で、狩猟などで追われた場合には10キロ以上移動するといったような報告もございまして、地理的な状況や生息環境などにより、調査結果も異なっているのではないかと推測をされるところでございます。  いずれにしても、県といたしましては、ほかの県で豚コレラが発生をした場合には、イノシシの移動距離のいかんにかかわらず、関係者に対し速やかに関連情報を伝達いたしますとともに、飼養衛生管理基準の遵守の徹底を指導してまいりたいと考えております。  また、本県での豚コレラの感染リスクが高まった場合には、県境を越えて移動する畜産関係車両を消毒するための消毒ポイントを設定するなど、県内での発生防止に万全を期しますとともに、万が一に備え、関係機関と十分連携しながら迅速に初動防疫体制がとれるように、怠りなく準備に努めたいと考えております。 59 澤谷委員 部長答弁はこれでよろしいです。ただ、見解がいろいろと錯綜するようでは、防疫体制の根幹をなす情報が統一されていないと、これからいろいろな意味で問題が起きるのではなかろうかと思っておりますので、そのへんも精査しながら、再度防疫体制の確立に取り組んでいただければと思っております。  それでは、最後の質問に入ります。  滑川市内の陸砂利採取跡地の雨水の透水調査についてお聞きをします。  この質問は、4年間やってきた質問です。河川課には大変御迷惑をかけました。権限移譲を求めたんですが、これは河川課だけの問題ではございません。生活環境文化部の大きな問題かなと。そして、立地通商課も絡んでおります。県庁横断的な問題だと認識をしておいていただければと思っております。  陸砂利採取跡地で砂利採取業者が行ったボーリング調査の結果から、県は埋め戻し用土の透水性をどのように認識しておられるのか、水口土木部長にお聞きいたします。 60 水口土木部長 県では、不適切な砂利採取事案を受けまして、平成27年度に砂利採取業者に対し、深掘りや埋め戻し土砂の異物混入の確認を目的に、ボーリング調査等の実施を要請いたしました。  このうち、滑川市内におきましては、16カ所でボーリング調査の実施をされ、地層ごとの厚さや土質区分等を記載したボーリング柱状図や採取したサンプルの写真を提出いただいております。  調査結果によりますと、埋め戻し土砂の土質としましては、玉石まじり砂れきや、れきまじりシルト、れきまじり粘土となっております。これらは、地質調査会社の地質調査技士などの資格を持つ鑑定者が土の粒径や色調などから判定したものであります。  埋め戻し土砂につきましては、粒径の小さいシルト分や粘土分が含まれておりますことから、採取前の土質である砂れきに比べますと、透水性が低いのではないかと思われます。 61 澤谷委員 大変結構な答弁をいただきまして喜んでおります。  私も3カ所、ボーリング調査の結果表をいただいております。これは公式ですので、地質試験ということでいただきました。埋め戻し用土については、大変透水性に問題があるのではないかということを確認して、水口土木部長への質問はこれで終わらせていただきたいと思います。  それでは、富山県の人口は、現在105万人と言われております。そして、地下水のみで生活をしている市町は、3市1町。人口にして県内で13万5,000人が地下水のみで生活をしておられます。翻って、滑川市も地下水のみで水道水源を賄っており、地下水が減少した場合には、ダムなどの代替施設の水源が一切ございません。  熊本県では、地下水のみで水道水源を賄っている自治体も多くあり、熊本県の人口176万人のうち、約65%に当たる114万人が地下水のみで生活をしておられます。火の国熊本、水の国熊本、このようなキャッチフレーズで熊本県は活動しておられますが、このような自治体での地下水の保全、涵養施策を調査研究し、その取り組みを富山県の施策にも大いに取り入れる必要があると考えます。  大変大きな命題ですが、このことについて須河生活環境文化部長にお聞きします。 62 須河生活環境文化部長 御紹介のとおり、熊本県が水源の多くを地下水に頼っておられることから、地下水涵養指針を定められ、水田での地下水涵養を広く行っておられます。また、地下水使用合理化指針を定め、地下水利用者に対し、節水型機器の導入や地下水の合理的な利用を働きかけるなど、地下水の保全についても熱心に取り組んでおられます。  こうした地下水利用者に対し節水や合理的な利用を働きかける熊本県の取り組みは参考になるものの、熊本県では長期的な地下水の低下傾向があるのに対し、本県はおおむね横ばいであるという状況の違いがあるということ。また、熊本県と本県では、地形や地質が違うということから、例えば本県の場合、全県的に広く通年で地下水涵養を行うということまでは考えていないところでございます。  ただ、本県でも冬期の消雪設備の稼働による一時的な地下水位の低下は課題となっており、そのため県では県内4地域の地下水利用対策協議会が実施する冬期の水田を活用した地下水涵養に対し、技術的、財政的支援や助言を行い、各地域での普及拡大に取り組んでおります。また、今年度から新たに冬期間に一定の水位を下回った場合、地下水利用者に対し節水を呼びかける体制を構築するなど、地下水の保全にも取り組んでおります。  来年度は新たに、地下水利用者の節水技術を調査し、技術集として取りまとめ、地下水利用者に取り組みの普及を図ることにしており、今後とも熊本県を初めとして他県の先進的な取り組みにつきましては、参考になるものについては取り入れてまいりたいと考えております。 63 澤谷委員 私は、全県的な質問をしておりません。滑川市に限って質問しておるわけなので、私はこの答弁については大変問題があるのではなかろうかと。部長が悪いのではないのですね。答弁を書いた人たちがいるのですよ、全く的外れなことを言っている。環境保全課さんなどね、そうでしょう。  私がこれまで何を言ってきたかというと、滑川市がどれだけのボリュームで、陸砂利採取が1,000町歩から行われているんですね。その結果についてフォーラムがあったんですね。  部長が大好きな県立大学の教授が述べられているんですね、滑川に来て。富山の地下水環境、そして滑川の地下水環境ということで、2015年にやっているんですね。富山県立大学大学院工学研究科。真っ先に、陸砂利採取についてもこういう扇状地の扇頂部から掘り進められるということは、大変大きな問題が生まれているということを言っておられるんですね、地下水涵養について。  そして、また、地下水涵養は、田んぼの湛水からの地下水涵養が一番大事だと。減反政策は減水政策に通じるということも述べられております。  私は、常識の範囲の中で67年間、物心ついてから60年間、滑川の同一のところで生活しているんですね。滑川も水道がなかったんですよ。みんな井戸水だったんですね。そして、1メーター以上から水が吹きこぼれてきていた。ところが、土地改良や用排水路の三方コンクリ、いろいろな面で地下水の低下が行われており、今はポンプでないと上がってこない状態。だから、地下水位の低下が見られないのではなくて、地下水位の低下が起きているのが安定している状態だと。いつ何どき下がるかわからない状態だということを私は確認してもらいたいんですね。  他市町村のことを言っていないんです。滑川に限って今まで述べてきたわけなんですね。でも答弁は全県的なことでいつも取りまとめていただいているものですから、論点整理が全くならないんですね。  だから、そういうことも考えて、これから真剣にこういう我々の生活水でもあり、知事がおっしゃるように富山県はものづくりの県なんですね。その中でも滑川市は全県的に断トツの工業出荷額。そして、また、生産財として地下水を豊富に使っているんですね、滑川市の企業は。今現在、滑川市は3,300億円ほどの工業出荷額です。高岡市は4,000億円なんですね。高岡市が1割減って、滑川市が1割上がると並ぶんですよ。それぐらい滑川市は地下水の依存度が大きいということで、そういう地域性も確認してこういう環境施策に臨んでいただければと思っておりますが、いかがでしょうか。 64 須河生活環境文化部長 滑川市の状況に限ってということで御答弁をお求めでございますので、お答えをいたします。  過去にも御答弁を申し上げたかと思いますけれども、滑川市の観測井におきましても、近年、地下水の著しい低下というのは起きていないという状況がございます。委員御指摘のとおり、昔から見れば低目安定といいますか、落ちたきり、そのまま安定しているということかもしれませんが、現在のところ、観測井の状況を見ますと、地下水位の低下が深刻な状況にあるとは認識をしていないところでございます。  このため、これからも観測を続けまして、地下水の低下が起きましたならば、適切に検討を進めてまいりたいと思います。  それと、先ほど冬期間の水田での地下水涵養のお話を申し上げましたけれども、滑川市を含みます魚津滑川地域におきましても、この協議会で地下水の涵養、水田を利用した地下水涵養が行われております。ただ、残念ながら魚津滑川地域では、魚津市のみで行われているところでございまして、ぜひ委員のお力もいただきまして、滑川でもこの冬期間の水田活用の地下水涵養を行われますように、また働きかけをいただければ大変幸いに存じます。どうぞよろしくお願いいたします。 65 澤谷委員 部長答弁はこれでありがたく拝聴しました。  最後に申し述べますが、水口土木部長には、滑川市ではこの3年間、陸掘り採取が行われていないんですね。大変感謝しております。感謝の言葉を述べて質問を終わりたいと思っております。終わります。 66 筱岡副委員長 澤谷委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午後3時01分休憩                     午後3時15分開議        浅岡弘彦委員の質疑及び答弁 67 筱岡副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  浅岡委員。あなたの持ち時間は60分であります。 68 浅岡委員 自由民主党の浅岡弘彦でございます。質問数が多いので、通告に従い質問に入らせていただきます。
     まず、初めに災害対策についての質問であります。  近年全国的に自然災害が多発し、多くの犠牲者を含む甚大な被害が発生しています。その中、数年前に国土交通省の調査で、神通川堤防に基準に満たない箇所があると、そして護岸浸食の可能性の高い箇所があると公表されました。  富山県においては、毎年神通川の水量が、目測ですが、土の堤防の上から1メートルから50センチの高さまで増水している状況にあると、地元の消防団は確認しています。  そこで神通川流域の中心市街地における想定し得る最大降水時の洪水浸水区域等をどのように想定しているのかを、水口土木部長にお伺いします。 69 水口土木部長 今ほど委員から御紹介ございましたとおり、近年想定を超える降雨による浸水被害、全国で多発しておりますことから、平成27年に水防法が改正されまして、河川管理者は想定し得る最大規模の降雨、これは1,000年に1度程度の規模でございますけれども、この降雨を対象に河川が氾濫した場合に、浸水が想定される区域や深さ、浸水継続時間等を示した洪水浸水想定区域図を作成し、公表することとされました。  平成28年に国が公表いたしました神通川の洪水浸水想定区域図によりますと、富山市の中心市街地の大部分が浸水する想定となっており、また、その浸水深につきましては神通川に近づくほど大きくなり、深いところでは5メートルを超え、一般的な家屋の2階が水没するという想定となっております。 70 浅岡委員 1,000年に1度の洪水と言われますが、今般の豪雨による浸水被害は1,000年に1度というものが毎年起こっておるというような状況であります。それに対する対策も必要であると私は考えています。  また、この洪水浸水想定区域を踏まえ、防災・減災につながるソフト対策に取り組むとともに、神通川の堤防改修等、必要なハード対策の早期実施を国に働きかけ、特に富山市の神明地区、神通川左岸の久郷排水機場のポンプ能力の向上や、五福地区の鵯水門の排水機整備等を早急に行うべきと考えています。  また、県外や他の市町村からの支援の受援体制整備や備蓄についても、浸水被害想定や避難所設定にあわせて備蓄を分散する等の対処をすべきと考えています。  そこで防災・減災のソフト、ハード面の対策、災害時の受援体制等備蓄体制について、今後どのように取り組まれるのかをお伺いします。減災のソフト、ハード対策は水口土木部長に、受援体制は石黒危機管理監に、備蓄体制については前田厚生部長にお願い申し上げます。 71 水口土木部長 減災につながるソフト、ハード対策についてお答えを申し上げます。  神通川流域では平成28年度に国、県、市町村等で構成をいたしております大規模氾濫に関する減災対策協議会を設けまして、ハード、ソフト対策を一体的、計画的に推進しておるところでございます。  まず、ハード対策でございますが、国において神通川などで堤防整備や護岸の新設等の急流河川対策、河道掘削などを実施しており、県においてもいたち川や太田川などで河川改修を進めております。また、国の3カ年緊急対策を踏まえました平成30年度2次補正予算によりまして、国では神通川など、県では熊野川などで河道掘削や樹木の伐採に取り組むこととしております。  一方、ソフト対策といたしましては、洪水浸水想定区域図をもとにした市町村によるハザードマップの作成、公表、河川監視カメラ画像の一般公開や、危機管理型水位計の整備による河川水位情報の充実、それから、出前講座や水防訓練の実施などに取り組んでおるところでございます。  今後とも神通川水系の河川整備につきまして、県管理河川の整備を県としては着実に進めますとともに、国に対しましては、今ほど委員から御指摘のありました堤防補強を含む河川改修のさらなる事業促進を働きかけてまいります。  また、久郷排水機場のポンプ状況等につきましては、まず、農地の受益面積の減少ということもありまして、農地の浸水対策として施設の処理能力の増強は難しいこと、また、家屋への浸水対策として排水機場を新たに整備する場合、事業の採択要件が厳しいといった課題があります。五福の排水門も同様でございます。  即効性のある対策として、神通川と田島川の合流部における両河川の水位を把握いたしますため、国で設置済みの井田川の水位計に加えまして、県が新たに田島川に水位計を設置し、適切な水門操作やポンプ車の配備に活用することとしております。  県といたしましては、引き続き国や市と連携しながら有効な浸水対策を検討してまいりたいと考えております。 72 石黒危機管理監 私のほうからは受援体制の整備についてお答えします。  大規模災害発生時に、被災市町村と連携して国や他の地方公共団体、あるいは防災関係機関等からの人的、物的支援を円滑に受け入れるための体制を整備するため、県におきましては、災害時受援計画、仮称でございますけれども、これを今年度中に策定することといたしております。  昨年度に検討組織を設置いたしまして、これまで合計11回にわたりまして多くの関係者からさまざまな意見をいただきながら、現在策定作業を進めております。  この計画の主なポイントとしては、現在のところ受援・応援体制として、受援に関する総合調整を行う部門の設置、人的支援の受け入れとして自衛隊や消防、警察など広域応援部隊や保健医療活動チーム、他自治体応援職員の受け入れ手順や調整方法、物的支援の受け入れとして国等からの支援物資の受け入れや避難所まで届けるための受け入れ手順、調整方法等について盛り込む方向で策定作業を進めておるところでございます。  また、広域応援部隊等が活動する活動拠点や、支援物資等の荷さばきを行う県や市町村の物資拠点として、県内各地の公的施設や民間物流倉庫等をリストアップしておき、災害が起こったときに浸水や施設の被害状況等に応じまして適切な拠点を迅速に選定することとしているところでございます。  さらに計画策定後につきましても、計画の実効性を高めるため検証のための訓練や、来年度以降、県内各市町村において受援計画を策定されますので、その支援等を行うなど、市町村や防災関係機関などと連携し、さまざまな大規模災害に対して迅速、的確に対応できるよう本県の体制を整備してまいりたいと考えております。 73 前田厚生部長 災害救援物資の備蓄についてお答えをいたします。  県では災害救援のための備蓄物資といたしまして、現在非常食を約21万食分、寝具類を2万3,400人分、防水シートを2,400枚確保しております。  これら備蓄物資は呉羽山断層帯によります地震の被害想定を踏まえたものでありますけれども、備蓄場所を富山市、高岡市のほか、黒部市、南砺市など県内14カ所に分けて配置をし、災害発生時のリスクを分散していることや、主要な備蓄場所であります富山県災害救援物資備蓄倉庫は洪水浸水想定区域外、県の広域消防防災センターは神通川洪水浸水想定の0.5メートルから3メートル未満の区域内にございますけれども、物資は被害想定水深よりも高い場所に保管していることなどから、洪水浸水被害にも対応可能と考えております。 74 浅岡委員 ありがとうございました。次の質問に入ります。  去年の7月の本県での豪雨の際においても、地区防災計画の重要性が再認識されました。県内で策定済みの自主防災組織は3地区のみでありまして、計画策定に係る自主防災組織への適切な支援が必要と考えています。自主防災組織の地区防災計画作成や、自主防災組織が当該計画に基づいて行う避難訓練の実施や避難所開設運営に必要な資機材の整備を、どのように支援するのかを石黒危機管理監にお伺いいたします。 75 石黒危機管理監 万一の災害発生時におきまして被害を最小限に抑えるため、このためにはいわゆる公助、自助はもとよりでございますけれども、地域でお互いに助け合う共助の取り組みが不可欠でございまして、この共助のための共通ルールである地区防災計画を地域で作成し共有していただくことが大変重要でございます。  県ではこれまでも自主防災組織におきまして、地区防災計画の作成が図られますよう市町村と連携しながら自主防災組織に対して避難計画作成や避難訓練等への支援や、自主防災アドバイザーの派遣、あるいは防災リーダーとなります防災士の確保のための研修講座の開催などを行ってきましたが、委員から御紹介のありましたとおり、現在のところ3地区のみが作成しているという状況でございます。  これにつきましては、計画を作成するには広く住民の参加を求めるため地域全体の意識の高まりが必要なこと、あるいは意見をまとめますリーダーが必要になってくること、あるいは防災マップづくりなど作成の手間もかかるということでございまして、全国的にもそれほど現在進んでいないという状況でございます。  こうした現状に対して、市町村からはやはり計画作成のためのインセンティブとなるような支援や防災士の確保等が必要との意見もいただいており、県の新年度当初予算案においてこの市町村からの意見も踏まえまして、新たに地区防災計画を作成した自主防災組織に対して当該計画に基づく資器材整備や、避難訓練等に要する経費への支援制度を創設するとともに、防災士養成研修講座の受講枠をさらに拡充するなどの所要額を計上し、地区防災計画の作成の促進を図ることとしております。  現在、県内市町村におきまして、やはり昨年の豪雨災害などの経験を踏まえまして市町村もかかわりながら複数の地区で現在計画作成に向けた動きがあると聞いておるところでございます。  今後とも市町村と連携しながら地区防災計画作成のための支援を行い、地域防災力の向上につなげてまいりたいと考えております。 76 浅岡委員 ありがとうございました。  次に、災害発生時に大変重要と言われているのは情報伝達であります。防災情報の発信力を強化して、県民に適時適切にわかりやすく注意喚起や避難勧告等の防災情報の提供を行うとともに、被害状況やライフライン等の情報を発信するべきと考えています。また、増加する外国人への対応も強化すべきと考えます。  この情報伝達にどのように取り組むのかを、石黒危機管理監にお伺いします。 77 石黒危機管理監 災害時に住民の命を守るためには、やはり避難勧告等の情報を的確に発信、伝達いたしまして、一人一人が適切な避難行動をとることが、非常に重要でございます。  このため、避難勧告等を発令します各市町村におきましては、防災行政無線に加えて、災害情報共有システム、Lアラートによるテレビやラジオ等のマスメディアへの防災情報の配信、携帯大手3社等によります緊急速報メール、自治体のホームページ、自治会への個別の電話連絡など、いろいろな手段を使いまして情報発信が行われておるところでございます。  また、県においても、防災ポータルサイトであります富山防災WEBにおきまして県内全域の被害状況等を集約して情報を発信しておりますが、現状では市町村が発令する避難情報等を県内全域にリアルタイムで提供することにつきましては、県で改めて入力作業等が必要になることから若干の課題があるところであります。  こうしたことから新年度当初予算案において、防災情報発信力を強化するため富山防災WEBのリニューアルに要する経費を計上しており、まず、市町村から発信されました避難勧告や、あるいは避難所開設等の情報を自動的に連携し、システムとして県内全域に対してリアルタイムで一覧表示できるようにすること、あるいはスマートフォンへの対応、ライフライン情報等を提供するページへのリンクの充実、さらには今お話のありました外国人への情報伝達を強化するために多言語対応機能を追加するなどを行うこととしておるところでございます。  今後とも避難情報を迅速、確実に伝達し、住民の方々が適時適切な行動をとることができますよう市町村と連携して防災情報発信の強化に努めてまいりたいと考えております。 78 浅岡委員 ありがとうございます。次の質問に入ります。  避難行動要支援者と言われています生活弱者を含めた方々への情報提供や支援体制の整備がまた重要と考えています。  特に有事の際、災害発生時の高齢者等への夜間の情報提供とその対応が重要と考えていますが、このことについてどのように取り組むのかを前田厚生部長にお伺いいたします。 79 前田厚生部長 災害発生時におけます避難行動要支援者への情報提供や支援体制の整備を図りますため、市町村において避難支援等の基礎となります名簿の作成や、地域の特性や実情を踏まえまして要支援者お一人お一人について誰がどの経路でどこに避難するかなどを具体的に記載いたします、個別計画を策定することは大変重要でございます。  このため県ではこれまでも市町村職員を対象とした研修会を開催しまして、国の取り組み指針の周知や全国の先進事例の紹介などを行いますとともに、あわせて速やかに個別計画を策定するよう要請してまいりました。  2月現在でありますが、県内全市町村で名簿は作成され、県全体で7万人の方が掲載をされており、平成29年度当初と比較をいたしますと約1万5,000人増となっております。そのうち個別計画の策定に御同意いただいた方は約3万1,000人、さらに既に具体的な計画を策定された方は約1万2,000人となっておりまして、策定数につきましても平成29年度当初から約3,000人増加しているということになっております。  加えて災害発生時に要支援者が迅速かつ適切に避難いただくためには、支援する方々との連携、協力体制づくりが必要でありますので、県総合防災訓練や市町村での防災訓練などにおきまして情報伝達などの訓練を実践的に行っているところでございます。  県としては引き続き市町村におけます要支援者の把握と個別計画の策定を支援いたしますとともに、御指摘いただいたような避難支援が必要な高齢者等への夜間におけます情報提供や対応を個別計画に盛り込むなど、計画内容が充実するよう研修会などの機会を通じて、市町村に対し要請をしてまいります。 80 浅岡委員 ありがとうございました。  ここまでが災害に対する質問となっています。洪水浸水被害に及ぶ水没地域と言われているところの多くの住民の方々が安心して安全に住み続けられますよう、私もさらに働きたいと思いますので、何とぞ御協力のほう、よろしくお願いいたします。  さて、次の質問です。  北陸自動車道や東海北陸自動車道をまたぐ県道や市道等の橋梁についての質問です。  設置から北陸自動車道は約40年、東海北陸自動車道は約30年と年数が経過し、その跨道橋と言われている、またぐ橋も老朽化しています。市町村に所管が移された日本道路公団が補償工事により施工した作業道の跨道橋は道路法上の道路ではないということのため国の補助事業がないということです。1つの跨道橋撤去に約2億円かかると言われている費用を市町村が全額負担することは困難だということを聞いています。国の補助メニューにも道路整備としてはないため、このことについて国に働きかけるなど県においても対応を検討する必要があると考えています。重大事故につながらないよう県としても対応を求めたいと思いますが、水口土木部長の御所見を伺います。 81 水口土木部長 富山県内の高速道路をまたぐ橋梁は、県道橋が5橋、市道橋が16橋、このほか農道橋や水路橋など道路法が適用されない橋梁が21橋の合計42橋ありまして、古いものでは設置から46年が経過しているものもございます。  高速道路をまたぐ橋梁のうち、道路法上の道路であります県道橋や市道橋につきましては道路法の改正を踏まえ、各道路管理者が平成26年度から5年に1回の頻度で近接目視による点検を行い、交付金等を活用しながら必要な修繕を実施しております。  また、道路法が適用されない農道橋や水路橋などの橋梁につきましては、高速道路、国道、県道及び市道の管理者と、農道橋や水路橋などの管理者から成ります富山県道路メンテナンス会議の跨道橋連絡部会におきまして点検や修繕に関する情報共有を行っておりますほか、各施設の管理者に対し点検や維持管理を促すなど、関係者が協力して老朽化対策に取り組む体制をとっております。  高速道路をまたぐ橋梁の維持管理は道路利用者の安全・安心や、災害時の緊急輸送を確保する上で大変重要と考えておりまして、県といたしましては富山県道路メンテナンス会議などを通じて、国や高速道路会社に各市の実情を伝えるなど情報共有を図ってまいりたいと考えております。また、事業費の確保につきましても、国に働きかけてまいります。 82 浅岡委員 また検討されまして、早急な対応をお願いしたいと思います。  次の質問に入ります。  安心して子供を産み育てられる環境についての質問であります。  先般、富山県子育て支援・少子化対策県民会議に出席させていただいた際、その講演におきまして、昨年の既婚者世帯のうち子供がいない世帯が全体の6.2%だということを伺いました。  また、この不妊に関しましては女性側の原因が注目されているということですが、半数は男性側にも原因があると言われているそうです。男性不妊の治療への支援も必要だということです。  今回、来年度当初予算におきまして、男性不妊治療についても初回助成金額が30万円に拡充されたということを評価いたします。気軽に相談できる体制づくりも必要と考えていますが、不妊に悩む夫婦への支援について新年度はどのように取り組まれるのか、前田厚生部長にお伺いいたします。 83 前田厚生部長 本県では国に先駆けて、特定不妊治療費助成制度を創設いたしまして国の助成範囲を上回る、全国トップクラスの不妊治療費助成制度を実施しております。  平成29年度の助成件数は延べ1,385件でありまして、平成28年度に比べて件数で34件、全体で2.5%増加をしているという現状でございます。  また、不妊の原因といたしましては、WHOの調査によりますと女性が41%、男女双方が24%、男性側のみが24%と男性側の要因が50%ほどありますことから、県では国に先駆けて平成27年度に男性の不妊治療費助成を開始いたしました。  男性の不妊治療には女性の不妊治療と同様に1回の治療費で数十万円の費用がかかる、大体20万円から40万円程度と言われておりますけれども、そういった費用がかかるため、子供を望む夫婦の経済的な負担を軽減するため今回御提案申し上げております新年度予算案におきまして、男性不妊の初回治療費の助成額につきましても、女性の不妊治療費助成と同様に15万円から30万円に拡大いたします経費を計上しております。  また、不妊治療につきましては経済的な負担に加え、心身に大きな負担がかかりますことから、精神面なども含めてサポートすることが重要であります。  このため県では富山県不妊専門相談センターを設けて、正しい知識の普及を図りますとともに、適切に相談に応じる体制を整えております。さらに新年度におきましては、SNSを活用しました妊娠、出産に関する相談窓口を設置することとしております。  少子化対策を進める上で、子供を望む夫婦に支援を行うことは、大変重要であると考えておりますので、県としては引き続き不妊に悩みます男女に対しまして手厚くサポートをしてまいります。 84 浅岡委員 ありがとうございました。  この課題は、子供が欲しい御夫婦にとっては本当に重要な問題、課題でありますので、周知に努めて利用を促進していただきたいと思います。  次の質問に入ります。  今般、発達障害児の診断を持つ子供さんや、いわゆる気になる子と言われる子の割合が年々増加する傾向にある中、保育現場では専門知識や経験を有する保育カウンセラーによる専門的助言を必要としているということを聞いています。このことについてどう取り組むのか、そして、また、子供への接し方についての保護者からの相談に対してどのように対応するのかを前田厚生部長にお伺いいたします。 85 前田厚生部長 発達障害につきましては、子供の発達の促進や、鬱や不登校といいました2次障害の予防などのために早期発見、早期支援が重要であります。保育所等においても適切な対応が求められているところであります。  県では保育士などを対象に発達障害に関する正しい知識や、いわゆる気になる子というのも含めまして、発達障害児やその保護者への適切な対応方法などを取得いただくための研修会、発達障害を早期に発見できるよう発達障害を発見する手法でありますアセスメントツールに関する講習会を実施してきております。加えて、保育所等からの要請に応じて発達に関して専門的知識及び経験を有しますカウンセラーや地域支援マネジャーを派遣しまして、お一人お一人の発達や家族のニーズに対応した相談対応等に関し助言を行っております。  また、発達障害がある、あるいは疑われている子供の保護者の方々への支援といたしまして、県が設置する発達障害者支援センターにおいて相談を受け付けておりますほか、そういった保護者の方々が子育ての悩みや障害について気軽に相談し合える場所の提供や、話す機会の場の提供によりまして、精神的負担の軽減などを図っているところでございます。  新年度におきましては、保育所等へのカウンセラーの派遣回数を拡充するほか、新たに発達障害の特性や子供の接し方、保健、福祉等に関するライフステージに応じた相談機関等を盛り込みましたハンドブックを作成することとしており、乳幼児期、学童期、成人期の3種類、各1万部ほど作成して、保護者や保育士等に広く活用いただきたいと考えております。  県といたしまして、引き続き保育士等の対応力向上など、発達障害児の保育の充実、保護者の支援の強化に努めてまいります。 86 浅岡委員 ありがとうございます。大変うれしく思っています。どうぞよろしくお願いします。  次の質問に入ります。  先日、富山国際大学の学生が主催する子ども食堂に行ってまいりました。学生たちは、そこに来ていた子供さんと保護者たちに一生懸命に元気に働きかけながら、その食堂の運営をしていました。  県としてはひとり親家庭の児童に対する支援を引き続き行うとともに、子ども食堂等の子供の居場所づくりを推進し、地域コミュニティーの醸成を図り、家庭教育推進はもちろんのことですが、社会全体で子供を見守る必要があると考えています。  そこで、本県における子供の貧困の状況をどのように認識し、今後さまざまな相談への対応や教育的、経済的な支援、子供の居場所づくり等についてどのように取り組んでいくのか、石井知事の御所見をお伺いいたします。 87 石井知事 平成28年の国民生活基礎調査に基づく全国の子供の貧困率は13.9%でございます。この調査では、都道府県別の公表はされておりませんけれども、県内では平成28年度から平成29年度にかけて8市におきまして、これは高岡、砺波、魚津、射水といったような8つの市ですけれども、小学校5年生と中学校2年生を持つ保護者を対象とした子供の貧困に関する実態調査が行われまして、相対的低所得者層の子供の割合は、小学校5年生が7.7%、中学校2年生が7.6%と国に比べると低い水準となっております。  ただ、これはデータが国のほうは可処分所得の中央値からはじいておりますが、8市の場合には、世帯収入からはじいていますので若干ずれがありますけど、傾向としてはこういうことかと思います。  県としましてはこれまでもひとり親家庭の児童に対する学習支援などの教育の支援、ひとり親家庭を対象とした家庭生活支援員の派遣などの生活支援、生活困窮者自立支援窓口等における就労支援──就業のための必要な資格の取得や職業訓練などの促進でございます。また、児童扶養手当の支給などの経済的支援など、子供の貧困対策に総合的に取り組んでまいりました。  平成29年度からは地域の子供の居場所づくりとしまして、お話に出た子ども食堂への立ち上げ経費の補助、また、ひとり親家庭に対する放課後児童クラブ利用料等について補助対象とするといったようなことも市町村と連携して実施しております。  子ども食堂については県内でたしか13カ所あるわけでございます。今後とも子供たちが安全・安心に過ごすことができる居場所づくり、また、生まれ育った環境によって子供の将来が左右されることのない社会、貧困の連鎖といったことも懸念されるわけですが、そういったことがない社会となりますように、国や市町村と連携しましてしっかりと取り組んでまいります。 88 浅岡委員 期待しております。  次の質問に入ります。  住みなれた地域で安心して暮らせる福祉の推進についての質問です。  国の方針により、在宅医療と通所介護が進められています。在宅で十分な介護サービスを受けることができない事例や、老老介護で苦労されている事例、家族が介護のために仕事をやめざるを得なかった事例も見受けられるところです。  世帯の核家族化や団塊世代が75歳を迎えます2025年に向けての対策が必須となってきております。  そこで、在宅と施設のバランスのとれた介護サービスの充実が重要と考えていますが、本県の在宅医療と介護サービスの今後の展望をどのように考えていて、高齢者とその家族が今住んでいらっしゃる地域で安心して暮らし続けられるようにどのように取り組んでいくのか、石井知事の御所見をお伺いいたします。 89 石井知事 お話のように団塊の世代が75歳以上となられます2025年に向けまして、高齢者が住みなれた自宅等で安心して生活を送るためには、在宅医療や介護サービス基盤の整備が重要でございます。  県としましてはこれまでも訪問診療を行う開業医の連携、グループ化や、訪問看護ステーションの設置、機能強化を支援する、あるいは地域密着型介護施設や富山型デイサービスの整備などさまざまな取り組みを行ってまいりました。
     こうした取り組みの結果、5年前に比べますと在宅医療に従事する医師の方は134人増えておりますし、訪問看護ステーションも28カ所増加しました。また、7人以上の大規模ステーションも9カ所増加したといったことで、介護サービス基盤も着実に充実しております。  そうしたことの結果、例えば、特別養護老人ホームの待機者も着実に減少しておりまして、かつては2,000人を超えておりましたけれども、最近では1,798人ぐらいになっております。もちろんそれでも多いんですけれども、平成29年度の年間の入所者が1,777人ですからおおむね1年以内に入所できる状況になってきたと。前よりは大分よくなったということかと思います。  今後は、高齢化の進展に伴って要介護3以上の中重度の要介護者や認知症の高齢者の方が増えてくると考えられ、その在宅サービスなど、ニーズを捉えたサービスの充実が必要だと考えており、認知症の高齢者グループホームなどの地域密着型介護施設に加えまして、小規模多機能型の居宅介護などの複合的なサービスを柔軟に提供できる在宅サービスの充実、また、ICT技術を活用した地域医療、介護連携の情報基盤の整備を図りますとともに、新年度からは新たに小規模な訪問看護ステーションの支援を行う訪問看護サポートステーションの4つの医療圏ごとの設置、これは大規模なステーションから支援したり指導したりするということであります。また、認知症患者の受け入れに必要な設備整備を行う病院への支援もモデル事業として4医療圏ごとに1病院で実施するといったことにも取り組んでおります。  今後も委員のおっしゃるとおり、御高齢の方、特に要介護状態の方が非常に増えますから、今後とも質の高い在宅医療の確保、また、在宅と施設のバランスのとれた介護サービスの充実に努力してまいります。 90 浅岡委員 ありがとうございます。本当に大変重要な問題、課題だと思っておりますので、また、どうぞよろしくお願いいたします。  次の質問に入ります。  次は、地方創生の取り組み等についての質問であります。  まず、初めに今般、毎年の薬価改定により薬剤単価が下落する中、医薬品関連産業の売上高の増加のためには付加価値の高いバイオ医薬品の開発、もしくは海外への販路拡大しかないと考えています。  そこで、本県の医薬品産業のさらなる振興を図るために、バイオ医薬品の開発と海外市場の開拓にこれまで以上に取り組む必要があると考えています。  今後、どのように取り組んでいくのか、石井知事の御所見を伺います。 91 石井知事 御指摘のように富山県の医薬品産業のさらなる振興のためには、付加価値の高い製品、バイオ医薬品などもそうですが、また、海外市場の進出、この2点が大切なことと思います。  そこで、今から10年前に世界の薬都スイス・バーゼル地域の州政府と交流協定を締結して以来、共同シンポジウムを2年に1度開催する、また、大学や企業の若手研究者の派遣や学生の交換留学など交流を進めまして、研究開発力の強化やグローバル人材の育成を図ってきております。また、昨年の共同シンポジウムにあわせてバーゼル・シュタット州からコンラディン・クラマー教育省担当参事、これは知事クラスの人ですけれども、御来県いただいて新たな成長分野でバーゼル地域が強みを持っていますバイオ技術分野の交流等を協定に明記するといったような拡充を行ったところでございます。  また、平成28年、3年前になりますが、医薬品医療機器総合機構、PMDAの北陸支部とアジア医薬品・医療機器トレーニングセンター研修所が県内に設置されまして以来、GMP研修、医薬品の製造管理や品質管理に関する基準等の研修を行って、県内の製薬企業の海外展開を促進してまいりました。この研修にはアジア、あるいはヨーロッパ等々の薬事関係の規制にかかわる幹部の皆さんが研修に来ますことから、そういう人たちと人脈ができることで非常に海外進出がしやすくなるという効果がございます。  こうした取り組みなどが評価されまして、ことしは11月に日本で初めて開催されるPIC/Sの総会、セミナー、これは医薬品査察当局の国際的な団体である医薬品査察協定・医薬品査察協同スキームをここで議論するということでありまして、全部で約150名の方がいらっしゃるということでございます。  医薬品の生産拠点としての富山県の知名度を世界的に向上させる絶好の機会でありますので、来県される各国の薬事行政官に対して富山県の医薬品産業の高い技術力や、富山県の薬事振興に向けた取り組みなどにつきまして大いにPRをしたいと思っております。  さらに「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアムにおきまして、付加価値の高い医薬品の研究開発や専門人材の育成、確保に引き続き取り組んでおります。その中では、例えば鼻から投与する次世代型のインフルエンザワクチン、それから目の難病のときに注射じゃなくて目薬で対応できるようにする、また、トップレベル人材としてはバーゼル大学でリポソームの権威であるイョルグ・フヴィラー教授に来てもらう、京都大学の橋田充教授、この方も国際的に著名な方でございます。こういったそうそうたる人材もお呼びしましてバイオ医薬品の製造法を確立するための研究開発、これは富山県立大学の浅野教授がかねてからリーダーでやっておられます、また、バイオ医薬品の製造方法を学ぶ人材育成プログラムを提供することとしております。  こうしたことに加えて、県内企業でバイオ医薬品等の開発に資する研究にチャレンジしていらっしゃる企業もありますので、こうした企業に対する助成金も拡充をしましてしっかりと応援する。そして、引き続き世界に注目される薬都とやまの実現を目指して頑張ってまいります。 92 浅岡委員 御答弁ありがとうございました。大変期待しておりますので、よろしくお願いいたします。  次の質問です。  先日、蘭まつり大会が開催されておりました中央植物園についてでございます。開園から20年以上が経過しましたが、富山空港からも近いものでありまして、インバウンド対策に活用すべきと考えています。  今後、どのように新たな魅力を創出していくのかを、芝田農林水産部長にお伺いいたします。 93 芝田農林水産部長 中央植物園につきましては、120種類の桜や日本一の中国雲南省の植物コレクションなど国内外の貴重な植物約4,900種を収集、展示し、憩い楽しめる国内トップクラスの植物園として評価されております。  また、昨年6月には英国オックスフォード大学附属植物園との全国初の共同研究等に関する覚書を締結いたしまして、研究交流を進めておりますし、新年度には旧八尾町出身のツバキ研究家、故桐野秋豊氏のコレクションから、冬を代表する花でありますツバキの珍しい品種を譲り受け展示するなど、本園の魅力アップに積極的に取り組むことにしております。  一方、北陸新幹線の開業や台北便の就航等によりまして、本園にも海外から多くの観光客が訪れるようになっておりますが、植物コレクションの充実や富山空港から近い立地条件などを考えれば、今後国内外からの来園者はさらに増加すると見込まれます。  このため、新年度に中央植物園新たな魅力創出検討委員会(仮称)を設置いたしまして、その中でインバウンド対策も含めた観光拠点化に向けた方策や、四季を通じて楽しめる施設のリニューアル方針などを検討したいと考えております。  今後とも本園のさらなる魅力創出と発信にしっかり取り組んでまいります。 94 浅岡委員 ありがとうございました。期待しております。よろしくお願いします。  次の質問に入ります。  最近、多くの方々が町なかをウオーキングする機会が増えていると感じますが、特に私もその1人でございます。  そして、また、そのまちの中には、まだ居住可能な魅力的な空き家も多く目にします。今般の人口減少、少子高齢化、核家族化等により空き家の発生が深刻化する中、空き家の住宅としての利用はもちろんでありますが、今後増加するであろう移住者や外国人向けの賃貸住宅に改修して利用してもらうなど、空き家の有効活用を検討すべきと考えていますが、どのように取り組むのかを石井知事にお伺いいたします。 95 石井知事 全国的に空き家が増加しております。県としましては、市町村や民間団体と連携していろいろなことをやっておりまして、例えば、空き家物件と県内外の入居希望者とのマッチングを行う民間団体の支援、空き家の利活用等に係る地域ぐるみの取り組みへ補助金なども出して応援する、富山くらし・しごと支援センターにおける首都圏等への空き家情報の提供、また、移住者受け入れに空き家を活用する取り組みについても、例えば移住者受入モデル地域トータルサポート事業というようなことで応援しまして、県内各地で有効活用の取り組みが進んでおります。  こうしたことの結果、例えば、空き家のマッチングで言いますと、県内の全市町村の空き家バンクの登録件数は平成30年9月末現在で244件で、これはその前の年の180件から1.4倍と1年間で増えていますし、また、平成29年度の成約件数は153件で、その前の平成28年度の83件からいうと約1.8倍と増加していますので、もちろんまだまだ課題はあるんですけれども一定の成果が上がりつつあると思っております。  新年度からはこうしたことに加えまして、新たに、例えば空き家を移住者向けの賃貸住宅に変えていく、あるいは企業のサテライトオフィスとして活用する、外国人材の受け入れ増加に対応して外国人労働者向けのシェアハウスにする、また、外国人旅行者向けの宿泊施設に活用する──これは南砺市のベッド・アンド・クラフトや八尾の越中八尾ベースOYATSUによる、民間の皆さんによる取り組みを県が支援するといったようなことなどを進めていまして、できるだけ空き家活用のモデルとなる先駆的な取り組みを市町村とも連携して支援することといたしております。  これからも市町村や民間団体と連携して、首都圏等からの移住の受け皿としまして、また、人手不足解消や観光振興等の地域活性化に向けた課題への対応とあわせまして、空き家の一層の有効活用が図られますように、蓮町の職員住宅の改造もまさにそういうことの一環でもございますが、今後も積極的に取り組んでまいります。 96 浅岡委員 大変期待できる施策であると思います。よろしくお願いいたします。  次の質問です。  本年は日台観光サミット、極東杯国際ヨットレース、世界で最も美しい湾クラブ世界総会が本県で開催されます。来年は東京オリンピック、本県では世界こども演劇祭が開催され、来県する訪日外国人が増加すると予想されます。改正入国管理法による居住外国人の増加も予想されまして、外国人の医療機関への受け入れ体制を整備する必要があると考えています。  このことについてどのように取り組むのかを、前田厚生部長にお伺いいたします。 97 前田厚生部長 県内の外国人住民や外国人観光者数が増加傾向にあります中、外国人の方も安心して医療サービスを受けられる体制を整備していくことは重要と考えております。  県内の病院では外国人患者の受け入れ体制の整備が進められており、観光庁が取りまとめている訪日外国人旅行者受け入れ可能な医療機関として、現在、県立中央病院など6病院が登録をされておりまして、3月末までにさらに追加登録される予定となっております。また、1病院、真生会富山病院でありますけれども、外国人患者受け入れ医療機関認証制度の認証を受けておられるという現状にございます。  さらに県では外国人の方が不安なく医療機関を探し受診いただけますよう、英語での病院検索も可能でありますとやま医療情報ガイドのホームページにおきまして、何らかの外国語対応が可能な医療機関といたしまして合計76病院の情報を提供しております。また、医療通訳者につきましては現在高岡市民病院におきましてポルトガル語の通訳者の配置、県立中央病院などではとやま国際センター国際交流人材バンクからの通訳者の派遣などの対応がなされております。  こうした中、現在、国では訪日外国人旅行者等に対する医療の提供に関する検討会が開催されておりまして、医療通訳におけます各通訳手法──通訳者、電話通訳あるいはタブレットを使用、いろいろな手法がございますけれども、そういったものの役割分担や、通訳者の方々の養成などの考え方、あるいは重症患者を受け入れ可能な拠点となります医療機関を選出するとなった場合には、そういったその場合の具体的な要件などについて議論がなされているところでございます。  県としては今後とも国の動向を注視しながら、市町村や医療機関等と連携を図りまして、外国人の方々の受け入れの充実に向けた取り組みを推進してまいります。 98 浅岡委員 確実な施策実行をよろしくお願いいたします。  次に、観光、釣り、港湾についての質問です。  観光は世界の輸出品目のうち石油、鉄鋼に次ぐ第3位の輸出品目であり、富山県も観光は、立山黒部と富山湾の2本立てで国内外からの誘客を推進しているということでございますが、ここでは富山湾の観光レジャーのうち、釣りについての質問をさせていただきます。  国交省では港湾施設の多目的使用に関するガイドラインを策定するなど釣り文化振興を進めていますが、富山県における海釣り可能な港湾施設は全体の何%か、水口土木部長にお伺いいたします。 99 水口土木部長 伏木富山港及び魚津港における水面に面した港湾施設の延長、小矢部川などの河川や運河を除きますが、全体で約31キロメートルございます。そのうち国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律、いわゆるSOLAS条約に基づく法律でございますが、これにより人や車両の出入り管理が義務づけられておりましたり、あるいは外海から直接波浪の影響を受けますため転落防止柵の設置ができないことなどによりまして、関係者以外の立ち入りを禁止している施設が約23キロメートルございます。  このほかの埋め立て地や緑地の護岸等は、背後地の所有者や利用者との調整ができれば釣り場として利用する際に必要となる転落防止柵等の安全対策の検討が可能となると考えておりまして、その延長は約8キロメートルでございます。  このうち県ではこれまで伏木富山港及び魚津港において、港に親しむ釣り人の方にも楽しんでいただけるよう伏木港の万葉埠頭緑地や魚津港北地区の緑地など6カ所において転落防止柵等により安全を確保し、釣りができるよう整備してきたところでありまして、その延長は約2キロメートルとなっております。  御質問の海釣り可能な港湾施設の割合でございますけれども、全体の港湾施設の延長約31キロメートルに対しては約6%、釣り場としての利用の検討が可能な施設の延長約8キロメートルに対しては約25%であります。 100 浅岡委員 今、防波堤等の港湾施設の多目的利用の一環として大阪府や静岡県、新潟県など先進的な取り組みをしております。  県民が釣りを気軽にできる施設利用策を検討すべきと考えていますが、水口土木部長に御所見を伺います。 101 水口土木部長 防波堤、岸壁などの港湾施設は、港湾区域内の水面の静穏を確保し、船舶の係留や貨物の積み下ろしなどを安全に行うため整備しておりまして、その利用や機能維持に支障を来さないよう関係者以外の立ち入りを制限しているところであります。  防波堤等を釣りに利用する場合にはハード対策とソフト対策の組み合わせにより、例えば本県特有の寄り回り波などに対しても利用者の安全を確保するということが必要となりますが、それに加えて、本来の港湾利用に対する課題を整理いたしますため、県では今年度、富山地区の西防波堤を対象に関係する行政機関や港湾関係者と勉強会等を開催いたしました。参加者からは駐車スペースの確保が難しいため利用者の路上駐車が見受けられ、港湾関係者の事業活動や緊急車両の進入の妨げになると懸念される、あるいは西防波堤周辺は石油関連施設が立地し、火気厳禁の場所であるにもかかわらず喫煙をしている釣り人がいるため危険である、などの御意見をいただいたところであります。  防波堤等の港湾施設の多目的利用につきましては、このように課題がありますものの、直江津港ではNPO法人が管理運営体制を構築し有料で運営しているという事例もありますことから、引き続き他港の取り組み事例も参考に、地元の方々や港湾関係者の御意見をよくお聞きし、どのような方策が可能か調査研究してまいりたいと考えております。 102 浅岡委員 ありがとうございました。  先般、釣りの同好会の方々のお誘いで、岩瀬の富山港の清掃活動に参加しました。今では、町なかのごみ拾いを笠井委員と一緒にしたこともあるんですが、この海の清掃活動、私は初めてでありました。ごみはプラごみ、たばこのフィルター、発泡スチロール、空き缶等々いろいろありまして、発泡スチロールはやっぱり崩れて回収しにくいというのがよくわかりました。いずれにしても、まちの中のごみや川のごみも減らさないと多分海のごみも減らないんだなということを実感いたしました。  しかし、ハーネスをつけていても立入禁止区域は立入禁止区域なので入ってはだめということで、入ってもいいところまでで清掃活動をしていましたが、この港湾活動、立入禁止区域の港湾施設についても管理された状態でボランティア等にお願いして清掃活動を行っていくべきではないかと思いますが、水口土木部長の御所見を伺います。 103 水口土木部長 港湾施設の清掃につきましては、一般の方の利用がある緑地は県から専門業者への委託もしくは指定管理者により定期的に実施しておりますほか、埠頭用地等は使用している港湾関連事業者等が行っております。  また、防波堤や岸壁等の水域に面した施設では、漂着物により施設の機能に支障が生じた場合に回収作業を行っており、今年度は魚津港南地区の物揚げ場前面の泊地において出水により大量により漂着した流木等を撤去したところであります。  立入禁止区域となっている港湾施設といたしましては、例えば防波堤がございますが、防波堤は本県特有の寄り回り波など天候の急変等により高波が発生しました場合に緊急避難することができませんこと、また、外海から直接波浪の影響を受けるため防波堤から転落を防止する柵などの設置が困難なことなどから、立ち入った一般の方の安全を確保することができない施設であります。  ボランティアの方々に清掃していただくことにつきましては、これまで立入禁止となっていない区域で御協力をいただき、大変感謝しております。委員も従事いただいたということでありがたく思っております。  立入禁止区域の清掃につきましては、漂着物により施設機能に支障が生じた場合、あるいは美観が著しく損なわれた場合に国の補助金を活用するなど、やはり必要に応じて安全に回収作業を実施できる専門業者へ委託することにより対応してまいりたいと考えております。 104 浅岡委員 御答弁ありがとうございました。  いずれにしても全ての県民と来県者の方々に、海に親しみ釣りをする、できる環境を整備することはすごく大切だと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。 105 筱岡副委員長 浅岡委員の質疑は以上で終了しました。        横山栄委員の質疑及び答弁 106 五十嵐委員長 横山委員。あなたの持ち時間は60分であります。 107 横山委員 それでは、きょうの最後の1人でありますので、よろしくお願いいたします。  私もまた立山黒部世界ブランド化についてということで、どちらかといいますと黒部峡谷側のほうを中心にお伺いしたいと思いますので、ひとつよろしくお願いします。  昨年10月に締結された富山県と関西電力の協定による関西電力黒部ルートの一般開放・旅行商品化は大変ありがたいものであります。立山黒部の世界ブランド化に向けた大きな前進になると思います。また、私もこれまで随分頑張ってきた経緯もあるため、大変うれしく思っております。石井知事、それから関西電力に本当に感謝申し上げることばかりでございまして、非常に観光にも貢献していくのではないかと思っています。  しかし、このルートのトンネル部分では安全を確保するため、これまでも関西電力が大変な努力をしておられます。  今回の協定により行われる安全確保のための工事について、実際の工事はどのようなものなのか。上部専用鉄道における高熱隧道も含めたトンネル部分で行われる工事の内容について、猪俣観光・交通・地域振興局長にお伺いいたします。 108 猪俣観光・交通・地域振興局長 昨年10月に関西電力との間で締結した協定においては、黒部ルートの一般開放・旅行商品化のためおおむね5年を目途として安全対策工事を関西電力において実施することとなっております。  委員お尋ねの上部専用鉄道のトンネル部に係る安全対策工事につきましては、関西電力に確認しましたところ大きく3つに分けて、落盤対策、避難誘導対策、脱線防止対策の3つを行うと伺っております。  まず、落盤対策としましては、いわゆる素掘り箇所におきましてモルタル──セメントに砂をまぜて水で練ったものでございますけれども、モルタルの吹きつけ工事を行います。そして、より補強が必要な箇所につきましてはモルタル吹きつけ工事に加えまして、ロックボルトで固定する工事を実施すると伺っております。また、素掘りではなく既にコンクリート巻き立てで覆われている部分につきましても、コンクリート巻き立ての上部、背面の部分が空洞となっている部分がございますので、その部分にモルタルの充填工事を行うと聞いております。また、高熱隧道区間におきましては、既設のカルバート──コンクリートの土管のようなもの、暗渠というものでございますけれども、そのカルバートの劣化状況などを踏まえまして、必要な箇所についてはカルバートの新規設置工事を行うと伺っております。  次に、避難誘導対策としましては、既存の横坑、いわゆる横穴でございますけれども、横坑を活用して避難場所を整備しますとともに、トンネル区間におきましては照明設備や誘導板の設置工事を行うと伺っております。  さらに列車衝突、運転士操作不能時の脱線防止対策として、自動列車停止装置や車両逸走、これはレールを外れることですけれども、車両逸走防止装置の設置工事を実施すると伺っております。 109 横山委員 今少し言われましたが、このルートはトンネルが非常に狭く、私も乗ったことがございますが、ドアをあけてもすぐそこが壁になって、恐らく子供でも脱出できないようになっておりまして、客車からの脱出など適切な避難のために、どのように安全を確保するのかお伺いいたします。 110 猪俣観光・交通・地域振興局長 現在運行されております上部専用鉄道の客車につきましては、高熱隧道区間を走行しますことから特殊な耐熱車両となっており、また、トンネルの断面が小さいため、車両が小型であり乗降口は1カ所しか設けられておりません。このため、乗客は一般車両のように前後の客車に移動はできない構造となっております。  こうした状況もあり、委員御指摘のとおり、万が一車両火災が発生した場合等の客車からの脱出について懸念されますが、関西電力に問い合わせたところ、関西電力からは車両火災対策として、火災時などに車両間を移動し外部に避難できるよう、ほかの車両と連結する面に非常脱出口のある車両を黒部ルートの一般開放・旅行商品化に合わせまして新たに更新するとの回答がありましたところでございます。  県としましては、旅行者の安全・安心が確保されますよう、関西電力には万全を期していただきたいと考えております。 111 横山委員 前後に逃げられれば、どの車両で火災があってもどちらかに逃げられるということであります。立山黒部を愛する会の皆さんで友好提携している台湾の阿里山森林鉄路へ行ったときに、何かぱたんと倒して、戸をあけて前の車両、あるいは後ろの車両へ逃げられるものを見ましたときに、これはうまい方法だなと思いました。恐らくそういった構造になるのかなと思いまして、お金のかかることではありますが、安全にはかえられないので、非常にいいことでないかと思っています。  次に、上部専用鉄道で使われているバッテリー機関車は客車8両と食料車1両の9両を牽引できると聞いております。黒部川第四発電所前駅のプラットホームをもう少し延長することで客車を1両ふやし、乗車人員の増加を図ることができないか、御所見をお伺いいたします。 112 猪俣観光・交通・地域振興局長 黒部川第四発電所前駅のプラットホームの状況につきまして関西電力に改めて確認いたしましたところ、黒部ルート公募枠の拡大、これは平成8年の1,000人から平成10年に2,000人へ拡大したときでございますけれども、平成9年度にプラットホームを延長し、それまでは客車7両と食料車1両が乗降等可能でございましたけれども、現在ではプラットホーム上では客車8両、そして食料車1両の計9両の乗降等が可能となっております。  しかしながら、客車の増結の可能性につきまして関西電力と協議いたしましたところ、現在実施しております公募見学会におきまして、先ほど申し上げましたように、プラットホーム上では計9両に対応できる長さとなっておりますものの、仙人谷停車場の軌道の勾配が急となっておりますため、黒部ダム方面の上流側に向けての発進時におきまして現行の客車6両であったとしても、定員満車時には一旦バックしてから勢いをつけて登り切るケースもあると説明があったところでございます。このため、現行の6両よりも客車を増結し牽引重量が増すことになれば、仙人谷停車場から上流側には車両そのものが登り切らないリスクが高まることとなると説明を受けておるところでございます。  したがいまして、現時点では客車の増結による乗車人員の増加はなかなか難しいものとなっております。引き続き関西電力とは、一般開放・旅行商品化の準備に向けて意見交換をしてまいりたいと考えております。 113 横山委員 局長、まだ四、五年期間があります。どの程度バッテリートロッコにお金がかかるのか、わからずに言っているんですけれども、いろいろな方法で捻出する。そして1両ふやすということは1回に10人、1日では6往復か8往復走っているはずです。それで60人、80人という大きな数がふえてまいりますとトータルで1万数千人通れるようになるのかなと思います。現在の1万人程度というと、本当にその券を手に入れた人はプレミアム切符みたいなもので、ラッキーだということになります。そして、実際にどの程度の効果があるのかというと、イメージづくりだけで、宇奈月温泉などの宿泊セットにしても数十万人泊まっているところに1万人増えても、そんな大きな効果にはならないのです。しかしながら、たくさんの人が通れるように検討を続けていただきたいと思います。  次に、この議会の冒頭の知事の提案理由説明の中で、知事は前も言っておられたのかどうかは気がつかなかったのですけれども、立山砂防だけを取り上げて世界遺産にと述べておられます。これまで20世紀遺産・立山砂防の世界に向けた魅力発信として、その顕著な普遍的価値を発信するシンポジウムの開催を初め、さまざまな取り組みの展開が計画されているわけであります。立山黒部の世界遺産登録に向け、高い評価を受けている立山砂防を構成資産に絞った考え方など、今後どのように取り組んでいくのか、石井知事の御所見をお伺いいたします。 114 石井知事 立山砂防の世界遺産登録につきましては、もともとは砂防だけではなくて発電や信仰も提案していたんですけれども、平成20年9月の文化庁の調査審議結果で残念ながら国としての候補としての登録にはならず、その際に文化庁からもっと主題を絞るべきだという御指摘をいただきました。その後、松浦元ユネスコ事務局長、また、東京大学の西村名誉教授、こういった方々に御助言をいただいたところ、富山県の提案資産の中でも立山砂防は、これまで砂防なり災害関係のものは例がなくて着眼点がなかなかいいのではないかと、また、立山砂防ということであれば、顕著な普遍的な価値を満たす可能性が非常に高いのではないか、こういった御助言もいただきました。その後国際シンポジウムの開催、また、世界的な比較分析などの調査研究を積み重ねまして、イコモスのコンティ前副会長さんなどからも、立山砂防は世界遺産の登録基準(i)の「人間の創造的才能をあらわす傑作」に該当するといったような高い御評価もいただくようになりましたし、そのほか、一つ一つお名前を挙げませんけれども、相当多くの皆さんから立山砂防について高い御評価をいただけるようになりました。  今年度、海外の世界遺産や砂防の専門家が参加した立山砂防シンポジウムに引き続いて、国際防災学会インタープリベント2018が昨年の10月1日から4日間開催されたわけですけれども、外国からも多数御参加いただいて相当盛大な会議になりました。ここで、立山砂防が人類共通の遺産として共有していくべき顕著な普遍的価値を有しているという富山宣言がまとめられまして、世界に発信することができました。世界の専門家が実際に現地を、80名近い人が見に行った上でのことでございますから、大変大きな効果があると思っております。  新年度は国内外の世界遺産の有識者をパネリストとして、例えば国際イコモスの会員の方など入っていただいて、20世紀遺産をテーマとする立山砂防シンポジウムの開催をする。また、国際イコモス年次総会、新年度はモロッコで行われますので、参加をして、防災遺産である立山砂防の価値や世界遺産登録に向けた取り組み等の発表をする。また、これまでは国の直轄事業になった後のことが中心だったのですが、立山カルデラの厳しい自然環境のもとで明治29年から約20年県営で砂防事業を行っており、これも調査研究したほうがいいという御助言もいただいたので、さらに掘り下げて調査を行う。また、2020年にノルウェーで国際防災学会、先ほどのインタープリベントが開かれますので、そこで1回で終わりではなくて、立山砂防の価値などについて英文の論文を作成してアピールをする。  このようなことを積み重ねまして、何とかここまで来ましたので、早く世界遺産登録となるようにまさに官民挙げて、また、幸い日本国内だけではなくてヨーロッパなどいろいろな国々の専門家、有識者の中で立山砂防が世界遺産ではないのはむしろおかしいのではないか、といったようなことで非常に熱心に応援してくださる人もふえてきていますので、立山黒部を愛する会の皆様方、これには議員も入っておられますし、また、中心で活躍してもいただいております。また、「立山・黒部」ゆめクラブや立山砂防女性サロンの会、こういった皆さんと連携してしっかり取り組んでまいりたいと思います。  なお、今ほど黒部ルートの一般開放・旅行商品化について、安全対策中心に御意見や御提案もいただきました。関西電力さんとは随分とタフな交渉をこの間やってきましたけれども、最終的に5年間の安全対策をやった上で、一般開放・旅行商品化に御同意いただきました。このチャンスを何としても生かして、立山黒部の世界ブランド化、もちろん宇奈月温泉初め新川地区の活性化、また、富山県全体の観光振興にもしっかりと貢献できるように頑張っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 115 横山委員 今ほどお話がありました立山黒部を愛する会はどちらかというと立山黒部を世界遺産にということでやってきたのですが、個人的に言わせていただければ、以前から県の方向はそうじゃない、立山砂防を世界遺産にという方向だなと。そして私どももたくさんの講師の先生方に来ていただきまして、御講演いただきました。文化庁の青柳さんなど皆さん言われるのは、たくさん並べると時間がかかるばかりで、うまくいくとは限らないよと、砂防はすばらしいと、これに絞られたらどうですかと、私どもも随分言われてきました。そして、私も何も立山黒部と、黒部を必ず入れなきゃならんということはとっくに諦めておりまして、どちらかというと何とか立山のこの一帯に世界遺産が欲しいなというのが主眼でありまして、非常にいい選択だろうと思っております。  また、知事には一生懸命頑張っていただいて、以前から私も論戦を随分させていただきましたが、あれだけだめだだめだと言っておられた関西電力さんが、どこでどう変わったかなと、絶対突破が困難だと思っていた関西電力さんを説得されて何とか道筋をつけられたというのはすばらしいことだと感謝申し上げております。
     あとはもう一つ、1万人といえども、イメージとして宇奈月の人たちがちょっと静か過ぎるなという気がしまして、せっかくできたのだから、調印式をセレネぐらいでやってもいいのにと思っていました。まだ、少し時間もありますが、実際に開通となるとその切符は、入手困難なプレミアムな切符になるのだろうと思います。そういうイメージとして描いていただいて、こちらへも通り抜けができるようになったんだということをアピールすることによって、宇奈月温泉や黒部峡谷鉄道なども見直していただけるのではないかなと思っておりますので、またひとつよろしくお願いいたします。  その次に、平成26年8月28日、黒部市を含む富山県東部の9市町村の区域が立山黒部ジオパークとして日本ジオパークに認定されました。立山黒部ジオパーク支援自治体会議は、富山県東部9市町村──富山市から朝日町まででございます──により構成されまして、立山黒部ジオパーク協会の活動を支援し、同時にジオパーク活動に参画しておりました。しかし、最近はその活動についてあまり聞かなくなっております。また、日本ジオパーク認定の定期審査で、条件つき再認定の裁定をいただきました。条件つきとなった理由は、保全に関する計画の不明瞭さなどが指摘されました。  そこで立山黒部ジオパークの現状と世界ジオパークへの可能性について、蔵堀総合政策局長にお伺いいたします。 116 蔵堀総合政策局長 立山黒部ジオパークは、日本ジオパーク委員会が4年ごとに行う認定審査におきまして、民間団体が中心となり地元の自治体や国及び県の機関、大学や博物館施設と連携しながら活動を進めている点などを評価されまして、去る1月18日に日本ジオパークとして再認定を受けました。  ただ、御指摘もございましたように、一方で課題も示されておりまして、その改善状況の審査が2年後に再び行われる条件つき再認定となったところでございます。  示された課題は3つございまして、1つ目はジオパーク活動に対する関係者の認識が深まっていないこと。2つ目にジオパークの保存への取り組みなどが明確でないこと。3つ目には来訪者に対する情報や解説の提供が十分でないことなどが指摘されたと聞いております。  立山黒部ジオパーク協会では、将来の世界ジオパーク認定を目標としながらも、当面はこの2年後の日本ジオパークとしての再認定に向けて魅力を国内外に広めていく活動や、守り生かしていく活動を粘り強く進めていくということとされております。  立山黒部ジオパーク協会の取り組みは、立山黒部のすばらしい魅力を国内外にアピールする格好の機会と考えておりまして、県ではこれまでシンポジウムや出前講座の参加、それからジオツアーといった普及啓発活動に対する財政的な支援などを継続して行ってきております。  引き続き立山黒部ジオパーク協会の相談に応じますとともに、関係市町村で構成されます立山黒部ジオパーク支援自治体会議と緊密に連携を図りまして、歩調を合わせて支援と協力にしっかりと努めて、まずは再認定をいただけるように取り組んでいきたいと考えております。 117 横山委員 ジオパークについて条件つき再認定になるとは全く夢にも思っておらず、しっかりしたものができ上がっていると思っていましたら、2年間しか認定期間がいただけなかったということでありますので、ぜひとも御支援をよろしくお願いします。  次に、HACCP導入についてお伺いしたいと思います。  HACCPについては説明するまでもないと思いますので省略しますが、その導入は2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えた我が国の食品衛生管理の水準を国内外に示す必要があるという現状を踏まえたものであり、速やかな対応が求められると思います。  そこで、これまでオリンピック・パラリンピック競技大会が開催された都市や国──リオデジャネイロやロンドンなどたくさんございますが──では、そういうところでは開催までにHACCPなどが導入されていたのでしょうか、前田厚生部長にお伺いいたします。 118 前田厚生部長 HACCPは食品衛生管理の国際標準といたしまして先進国を中心に諸外国で義務化が進められており、我が国におきましても日本の食品衛生管理の水準を国内外に示し、食品流通のさらなる国際化を進めることが必要とされましたことから、御紹介のとおり東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えて、食品等事業者に対するHACCPの導入の検討が進められてきたと承知をしてございます。  一方で、オリンピック開催時期とHACCP導入の関連性につきましては、2012年にロンドンオリンピックが開催されました英国が加盟するEU諸国では、2006年に米や小麦など加工されていない一次産品を除き全ての食品について、HACCPの概念を取り入れた衛生管理が義務づけられておりまして、2016年にリオオリンピックが開催をされましたブラジルでは1998年以降動物由来食品、肉や魚や卵といった食品にはHACCPが導入をされております。  一方、1996年にアトランタオリンピックが開催されました米国におきましては、2011年に米国内で消費されます食品全てについてHACCP導入が義務づけられ、ロシアに関しては、今検討中ということでありますので、国によりまして導入時期や、対象となる食品の範囲はさまざまとなってございます。 119 横山委員 しっかりとHACCPの導入をしていくことによって、かなり衛生管理が行き届いていくのではないかなと思っております。  改正食品衛生法が2018年6月13日に公布されまして、この法律によりHACCPが義務化されることとなっております。改正食品衛生法が定めるHACCPに沿った衛生管理の制度化では、対象事業者の違いにより2種類の管理レベルがあることを説明しています。  1つ目はコーデックスのHACCP7原則を要件とするHACCPに基づく衛生管理であります。この対象は、大規模事業者、屠畜場、食鳥処理場などです。2つ目はHACCPの考え方に基づく衛生管理です。この対象は小規模事業者、お弁当などの多種類の食品を扱う事業者、小売販売業者等となっております。  公布の日から2年以内に施行されるということ、ただし、HACCPを義務化する項目に関しては、さらに1年間の猶予期間が設けられることになっております。したがって、遅くとも2021年6月までにHACCPの義務化が行われることになります。これら2つの基準について、それぞれ適用される規模等具体的な範囲はどうなるのかお伺いいたします。  どれくらいの規模でやるのかで、事業者の方々は非常に迷っておられまして、30人とも、あるいは50人から100人とも、いろいろなうわさが飛び交っていて、自分のところはどこなんだということがわからない、ということを私たちに聞かれるものですから、ぜひはっきりとお答え願いたいと思います。 120 前田厚生部長 今ほどHACCPに沿いました衛生管理の制度化に向けたお話の御紹介ございましたが、今ほど申し上げました状況に加えて、近年我が国の食中毒発生件数が下げどまり傾向にあること、さらに金属などの異物混入による食品の回収件数が増加傾向にあること、そういった現状も踏まえまして、食品衛生法等の一部改正する法律が平成30年6月に成立したという経緯がございます。  HACCPに基づきます衛生管理は御紹介いただきましたとおり、本来、原材料入荷から製品出荷に至る全工程の危害要因を分析して、重要な工程を管理する国際規格に基づいた厳格な手法でありますけれども、食品等事業者団体から実現可能な制度を策定するよう要望があったこと、あるいは全ての食品にHACCPが義務づけとされているEUにおきましても小規模事業者等が適用可能となるよう柔軟な対応がとられていることなどを踏まえて、今回のHACCPの制度化におきましては、大規模事業者には厳格なHACCPに基づく衛生管理を求めます一方、小規模事業者等には取り扱う食品ごとの特性等に応じて簡略化されたHACCPの考え方を取り入れた衛生管理が適用されることとなっております。  言葉がややこしいんですが、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理が適用される事業者の規模につきましては、食品の製造及び加工に従事する者の総数が50人未満の者という案の検討が進められております。ことしの夏前までに公布を予定されております政省令で、最終的に明らかにされるものと承知をしてございます。 121 横山委員 一番困るのは、早く決めてあげないと、HACCPに基づく衛生管理のほうは間に合わないですよね。今から言われたのでは体制が間に合わない。HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のほうに回る分には恐らく間に合うのではないかなと思いますよ。国にはっきりそう言っておいてください。もうスタートのときからもたもたもたもたして、非常に遅いんだよね。恐らく県側の担当者もどうなっているんだと思っておられるのではないかと思います。もうちょっとスピーディーにならないものかなと、ちょっと事業者側からこれでは間に合わない、できませんよと言われたら、すぐ変更して、それではちょっと延ばそうかというのはいかがなものかと。最初からそんなことは想像がついたのではないか。  県や保健所において指導することになったとしても、どこかで遊んでいる人間がいるならできますが、みなさん一生懸命頑張っておられる中で、県下の事業所を回れと言われても、そう簡単に回れるものじゃないですからね。素人ではとても指導できるはずもありませんし、当初から導入に向けての作業は非常に難しかったんじゃないかなと思っています。  それから、私はいつも言っていますが、各業種、アイスクリーム屋や昆布屋が同じ基準になるはずがありません。HACCPに沿った衛生管理の内容が違ってくると思います。事業者が十分な準備期間を確保できるように配慮すべきだと思いますが、その内容はいつごろ、どのようにして決められるのか、お伺いいたします。 122 前田厚生部長 多くの飲食店や食品製造業者が対象となるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理は、取り扱う食品、業種等によりまして衛生管理方法が多少異なりますが、いずれの場合も大規模事業者などに求められるHACCPに基づく衛生管理と比較をいたしますと、比較的容易に取り組める内容となっております。  具体的には、飲食店においては冷蔵庫の温度管理や手洗いなどの一般的衛生管理に加えて、メニューに応じて焼き時間や火加減、冷却などの確認方法を定めることとされておりまして、パンなどの食品製造業ではアレルギー物質や金属異物、病原微生物の混入防止のために器具類の洗浄や機械類の異常音、破損の確認などにつきまして製造工程ごとに管理項目を定めるといったような内容となっております。  HACCPの考え方を取り入れた衛生管理が適用される事業者は、ほとんどが小規模事業者であることが想定されることから、その負担軽減を図るため各事業者団体がまず作成した上で、国が開催する食品衛生管理に関する技術検討会におきまして、内容を確認した業種別手引書に基づいて衛生管理計画を作成するということになっており、現在、国のホームページ上で公表されているのが20種類ということになっております。今ほど例として申し上げたもののほか、例えば、食用の氷の製造などマニュアルなどもホームページで掲載をされているということでありまして、今後さらに約20業種の手引書が作成される予定と伺っております。 123 横山委員 事業者さんにしっかりと対応できるようにしていただきたいと思います。情報が少なく、随分心配しておられますのでよろしくお願いいたします。  では、3つ目の課題として、交通基盤等の強化についてということでお願いいたします。  まずは、北陸新幹線についてお伺いいたします。  北陸新幹線の乗車人員は高水準を、先ほどもありましたが、維持し、去年からことしにかけては逆にふえてきているという新聞発表などがありまして、非常にいいことでないかなと思っています。  観光、企業立地、Uターンや移住の増加など、さまざまな面で効果があらわれておりまして、この北陸新幹線、金沢までの開業効果をこの先も持続深化させなければならないと思います。今後、どのように取り組んで持続深化していくつもりなのか、石井知事の御所見をお伺いいたします。 124 石井知事 北陸新幹線の乗車人員は開業前の3倍近くの高い水準が続きまして、4年目に入っても、今委員御指摘のとおり、前年の同期比でプラス102%となっておりますほか、観光客の増加、企業立地の進展、若い人を中心にUターン率の向上、また、本県への移住の増加など、大変大きな効果が出ていると思います。  こうした開業効果を持続深化させますために、新年度には、まず観光の面については先ほど来、議論いただいております立山黒部の世界ブランド化に向けロープウエー整備調査を実施する。また2024年度からの黒部ルートの一般開放・旅行商品化に向けた販売戦略の構築に取り組みますとともに、富岩運河環水公園も年間265万人来る場所にもなりましたが、富岩水上ラインの新艇の導入で4隻体制の運用にする、また、冬の期間も見据えた新ターミナルの整備をする。また、ことしは日台観光サミットが5月にあり、10月には世界で最も美しい湾クラブの世界総会がこの富山県であるといったようなことで、そういった機会にせっかく海外、世界からたくさんの方が見えますから、本県の多彩な魅力のPRをぜひとも進めていきたい。また、それには民間の皆様のお力添えもいただきたいということで、観光おもてなし5つ星制度も普及を図っていきたいと思っております。  また、企業立地については、企業立地助成金の雇用要件を緩和しまして、これまで生産部門が中心だったんですけれども、新たに総務企画部門の従事者を対象とするということで、事務系の職種や特に女性の雇用の拡大につながる改正を行う。また、もちろん東京、大阪などでの企業立地セミナーや、個々の可能性のある企業の訪問の強化もしてまいります。  さらには、移住やUIJターンでは、東京23区在住者等を対象とした国の新たな移住支援金制度、本当に今まではちょっと考えにくいような思い切った制度ですから、これを最大限活用させていただいて、また、移住検討をされる方の交通費の助成なども一部いたしまして、年間1,000名の移住をぜひ実現したいと思っております。  さらに2022年度末に敦賀開業が予定されており、大阪方面が非常に便利になるということもありますし、また、北陸3県の一体化も進むと。それから、気をつけませんと東京からすっと福井、また敦賀まで行けるわけですから、富山県が通過県になってはいけない、この敦賀開業の効果を最大限に引き出す戦略の策定が必要だということで、とやま未来創造県民会議のもとに新たな検討会議を設置いたしまして、関西方面からのさらなる観光誘客や定住移住の推進、また、企業立地促進、いろいろなテーマで議論を深めて実行していきたいと思います。  また、北陸新幹線は本県を初め北陸地域の活性化に大きく資するわけでございますので、今後とも大阪までの早期全線整備に向けて、先ほども議論がありましたけれども、関西方面でもいよいよ大阪万博ということもございまして盛り上がりが出てきたと思います。  関西、北陸一体となって政府等関係方面に強く働きかけますほか、観光振興や新たに企業立地、UIJターン、移住、またそれに新幹線開業効果とうまく国の地方創生戦略を大いに生かさせていただいて、何とか地方創生のフロントランナーと言っていただけるような先駆的な取り組みを積み重ねて、富山県の新たな飛躍につなげていきたいと思っております。 125 横山委員 ひとり言を言いますが、敦賀─大阪間は今は2046年ですよね。実際にはもうちょっと早く、環境アセスメントや、それから札幌開業が5年ほど前倒しになっているなどいろいろありますので、もう少し早く開業するんじゃないかと。実質早くなるだろうということの想像はつくわけですが、公式には2046年ということになると、私たちは生きているかなという思いです。私が議長のときに国交省で、北陸3県の知事、議長が額を寄せ合って、原案を見て、小浜ルートで2046年まで、きょう皆さんの賛同が得られればこの案のゴーが出るということについて、皆さん、どうしますかと一生懸命検討していました。  私はその中で2046年はいかにも遅いじゃないかということを申し上げたら、福井県の西川一誠知事が、横山さん、そう言うけれども今までだってそうだったんだよと。とにかくやるということをかち取らないと、きょうかち取らないとまた何年か延ばされて、そうすると何年か延ばされた分また開業が遅くなるんだよと。だから何とかしてかち取って、そしてその先1年でも2年でもまたちびちびちびちびと期間を短縮していこうじゃないかということで、皆さん納得されて、ではこの案でいきましょうというのをその場にいまして、いよいよ大阪までの日程が決まったなというイメージが、非常に残っております。  知事、そういうこと得意じゃないですか。少しずつどこかから予算をとってきて、北陸金沢開業ももっと本当は予定が先だったのに、努力して短くしてこられました。最近は関西側も随分その気になってきておりますので、一緒になってやっていけば必ずや札幌開業ぐらいまでには何とかなるんじゃないかなと私はもう思うようになりました。ひとつよろしくお願いします。  次に国道8号入善黒部バイパスのバイパス区間の魚津市江口から入善町上野までの14キロが平成27年3月に開通いたしました。しかしながら、暫定2車線での開通のため、黒部市犬山交差点や岡交差点などでは朝夕のラッシュの時間帯に渋滞が発生しております。平成27年の交通量調査によりますと、1日約1万9,900台、ほぼ2万台通っております。今後、道の駅(仮称)くろべの整備も予定されておりまして、出入りの車等が随分ふえるのではないか、混雑するのではないかと思ったりしております。4車線化を最大限急がなければならないと思いますが、この4車線化の見通しについて、水口土木部長にお伺いいたします。 126 水口土木部長 今ほど御紹介いただきましたとおり、国道8号の入善黒部バイパス、入善町椚山から魚津市江口間の16.1キロメートルにつきましては、平成27年3月にバイパス区間14キロメートルが暫定2車線で開通をしております。国におきましては、現在入善町内の現道拡幅区間2.1キロメートルについても4車線化が鋭意進められておるところございます。  バイパス区間の1日当たりの交通量でございますけれども、これも御紹介いただいたとおりで、最新のデータが平成27年10月時点でございまして、魚津市の仏田地内、片貝川左岸の仏田地内で観測した値で約1万9,900台となっておりまして、黒部市内の犬山、岡(南)、堀切などの交差点において朝夕の通勤時間帯を中心に渋滞が発生しております。  国におきましてはこうした主要な交差点における渋滞の状況や、堀切交差点付近で整備が進められ2021年度の供用が予定をされております道の駅(仮称)くろべなど沿道の開発状況等を踏まえ、今後暫定2車線区間の4車線化について検討されるものと考えております。  国道8号は本県の産業、経済、社会活動を支える大動脈でありますとともに、新川地域を初めとした沿線住民の生活を支える極めて重要な幹線道路でありますことから、県といたしましては今後とも沿線の市町や同盟会とも連携し、また、県議会のお力添えもいただき、この入善黒部バイパスの早期全線4車線化につきまして、引き続き国に強く働きかけてまいりたいと考えております。 127 横山委員 いついつまでできるとはなかなか言いづらいと思いますが、一日も早く開通するように、御努力をお願いしたいと思います。  それから、片貝川最下流に計画している橋梁については、世界で最も美しい湾クラブに加盟している富山湾を眺望できる湾岸道路のネットワーク強化に資するものであり、魚津、黒部両市の特徴ある自然環境、観光資源を結ぶ重要な道路であることから、早期整備が必要と多くの要望も受け、また、私もそのように思っております。  昨年8月に開催された片貝川長大橋建設促進協議会総会において、概略ルートが示されたところですが、現在の検討状況や今後の整備見通しについて、水口土木部長にお伺いいたします。 128 水口土木部長 湾岸道路のうち片貝川を挟む魚津市寿町と黒部市石田地区の間につきましては、片貝川最下流に新たな橋梁を設けるバイパス案を検討しております。  これまでに将来交通量の推計などの基礎的な調査を行い、これを踏まえ、魚津市、黒部市とも協議をしながら魚津市の経田漁港から黒部市のおおしまパークゴルフ場を通り、黒部川の磯橋につながる延長約900メールの概略ルート案を作成し、御紹介いただきましたとおり昨年8月に開催をされました片貝川長大橋建設促進協議会総会でお示ししたところであります。  現在、この概略ルート案に沿って、道路予備設計を実施しております。平面線形や縦断線形、また橋梁の位置、橋梁取りつけ部の基本的な構造などについて検討を進めておりまして、この中でおおしまパークゴルフ場への影響を軽減する方策、例えば、利用者のコース間移動の配慮として道路横断ボックスを設置してはどうかといった方策についても検討しております。  新年度は橋梁の予備設計を実施し、橋梁の形式や河川条件の整理などの検討を行う予定としておりまして、河川管理者等と協議を進めたいと考えております。  本バイパスの整備は湾岸部の道路ネットワークを強化し、新川地域の発展に寄与する重要な事業であると考えておりますことから、今後とも魚津市や黒部市と十分調整を図り、早期に整備に着手できるよう検討を進めてまいりたいと考えております。 129 横山委員 これも早期にと、なかなか具体的な日程が出てこないわけでありますが、水口部長を信じて早期にひとつよろしくお願いしたいと思います。  それでは最後に北方領土の早期返還に向けてということでお伺いしたいと思います。  北方領土の元島民は北海道に次いで富山県が2番目に多く、1,425人もおられたことは皆さん御承知のとおりであります。これまでもさまざまな返還要求運動を展開してきておりまして、平和条約締結を後押しする積極的な取り組みが求められます。  北方領土問題については、国政の重要課題として返還交渉が進められており、北方領土と関係の深い本県としても早期返還に向け積極的に取り組むべきだと考えますが、石井知事の御所見をお伺いいたします。 130 石井知事 北方領土は委員も常日ごろおっしゃっていますように、私たちの祖先が大変な御苦労を重ねて切り開かれた我が国固有の領土でありますので、日露両国の本当の意味での友好関係樹立のためにも早期に解決すべき大変重要な課題だと思っております。  北方領土問題については戦後73年たっているわけですが、最近の外交交渉でも何らかの進展があるのかなと期待はしておりましたが、議論は平行線をたどり、残念ながら具体的な進展はまだ見られていないわけでございます。  今後も北方領土をめぐる両国の立場の違いなどを埋める厳しい交渉となって、長期化することも予想されますけれども、富山県としてはまずできることとして、昨年10月に就任間もない宮腰大臣に北方領土の早期返還に向けた要望を行いました。  また、政府においては一日も早い解決に向けて、私どもの御縁の野上官房副長官も毎回日露首脳会談に同行されて御尽力されていますが、粘り強く外交交渉に取り組んでいただきたいと思っております。  これまでも繰り返し申し上げてきましたが、領土問題の解決には外交交渉を支える国民世論の結集や国民同士の対話と交流の積み重ねが何より重要だと思っております。北方領土からの引揚者が北海道に次いで多い本県ですから、これまでも北方領土返還要求運動富山県民会議等と連携して、返還要求運動の実施による県民世論の形成や、青少年に対する北方領土教育、昨年10月に北方4島在住ロシア人を59名受け入れるビザなし交流事業の参加など、いろいろなことをやってまいりました。  しかし、引揚者の方もかなり御高齢となっておられます。元島民の方々のふるさとを思う気持ちにもしっかりと寄り添いながら、積極的に県内世論の形成と機運醸成を図りまして、外交交渉の後押しをしてまいりたいと思います。  これは、本当に横山委員もよくよく御承知のことであります。先ほど新幹線の大阪までの延伸の時期等についてお話がございました、また、黒部ルートの問題、東京との税財源の偏在是正の問題などもそうであります、外交交渉と一緒にはできませんけれども、一定の戦略を持ちながらも、やっぱりいろいろなハードルがあっても諦めずに粘り強く主張し続けると、これをいつまでも、このままでは相手が根を上げるというぐらいいつまでも粘り強く主張する。ただ、こちらの主張に何も理屈がないと困りますよね。ただ、北方領土問題はちゃんとした論拠があるわけですから、ぜひ政府には頑張っていただきたい。また、しっかり後押しをしていきたい、こういうように思っております。 131 横山委員 私も黒部ルートの開放にはしつこく、粘り強く申し上げてきたつもりでありまして、どうもありがとうございました。  終わります。 132 五十嵐委員長 横山委員の質疑は以上で終了しました。  以上をもって本日の日程は終了いたしました。  なお、3月7日の予算特別委員会は午前10時から開会いたしますので、定刻までに御参集願います。  本日はこれをもって散会いたします。                     午後5時11分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...