ツイート シェア
  1. 富山県議会 2018-06-01
    平成30年6月定例会 代表質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前10時00分開議 ◯議長(高野行雄君)ただいまから本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。  県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑(会派代表) 2 ◯議長(高野行雄君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第99号から議案第107号まで、報告第3号から報告第11号までを議題といたします。  これより会派代表による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  鹿熊正一君。    〔38番鹿熊正一君登壇〕 3 ◯38番(鹿熊正一君)おはようございます。  私は、自由民主党を代表して、今定例会に提出された諸案件並びに当面する諸課題について質問いたします。  質問に先立ち一言申し上げます。  昨日、シンガポールで史上初の米朝首脳会談が行われ、両首脳は、北朝鮮が朝鮮半島の完全な非核化に取り組み、米国は北朝鮮の体制保証を約束することを柱とした共同声明に両首脳が署名しました。これは、プロセスの始まりと言われるように、まさに今後のプロセスを注視するしかありません。我が国としては、拉致、核、ミサイルの3つの問題の解決に向け、断固たる姿勢で高度な外交を展開されることを強く願います。  さて、今、我々は少子高齢化に伴う諸課題や厳しいグローバル競争など、困難な課題に直面しております。しかし、困難のなかった時代はありません。各時代において、各分野のすぐれたリーダーと、勤勉で進取の気性に富む県民が、力を合わせ、明確なビジョンのもと、時にはピンチをチャンスにも変えて、幾多の困難を乗り越え、今日の富山県の発展を築いてきました。  今に生きる私たちは、先人の英知と努力を胸に刻み、蓄積された富山の貴重な財産を生かして、よりよきふるさと富山を次の世代に引き継いでいかねばなりません。  私たち会派は、このような思いで、県民の皆様との対話を基本にし、諸課題の本質は何かを探り、また、将来社会を見通す先見性を養うべく努力を重ねております。そして、知事初め当局としっかりとした議論を行い、また、適切な政策提言や条例提案を行い、県民の負託に応えてまいる所存です。  きょうは、そのような我が会派の日々の研さんと議論の中から4つのテーマで25点の質問をいたしたいと思います。  最初の質問項目は、人づくりについてであります。  まず、高校教育の変革への対応について3点質問します。  1点目は、教育現場の課題と新たな学び創造事業についてであります。
     2020年度から新たに大学入学共通テストが導入され、また、2022年度からは新たな高等学校学習指導要領が実施されるなど、高校教育と大学入学者選抜の抜本的、一体的な改革が進められています。  本県でも、全ての高校において、主体的・対話的で深い学び、いわゆるアクティブ・ラーニングの視点から学習指導方法の充実を図るなど、必要な準備を着実に進めていかねばなりません。  そこで、高校教育と大学入学者選抜の抜本的、一体的な変革に対応していく上で、教育現場が抱える課題をどう認識しているのか、今年度から実施される新たな学び創造事業の目的とあわせて、渋谷教育長に伺います。  2点目は、この新たな学び創造事業の拠点校以外の高校への取り組みについてであります。  新たな学び創造事業では、拠点校に指定された18校において、授業改善の推進や公開授業の開催などが行われますが、高校によって教育の質に差が生じないよう、拠点校以外の25校に対しても速やかに拠点校での取り組みの浸透を図らねばなりません。  本来であれば、43校全てで同時に進めていくべきものと考えます。  そこで、全ての高校が差し迫った高校教育の変革に的確に対応できるよう、新たな学び創造事業の取り組みの成果をどのように浸透する方針か、教育長の所見を伺います。  3点目は、高校教員の授業力、教師力の向上について伺います。  今回の学習指導要領の改訂では、論理国語、公共、理数探究の新設など、55の科目中、27科目が新設、見直しされ、全ての科目において、主体的・対話的で深い学びを実施することとされています。この主体的・対話的で深い学びの実施には、学習指導方法の不断の改善が不可欠であります。  高校教育変革の成否は、教員の力量にかかっていると言っても過言ではありません。高校には、生徒の多くが大学進学を目指す進学校もあれば、就職や専門学校を目指す生徒の多い高校もあり、こうした高校個々の事情への対応も必要となります。  そこで、高校教育の変革に対応し得る体制をしっかり整え、高校教員の授業力、教師力の向上に取り組むべきと考えますが、教育長の所見を伺います。  次に、県立高校再編に関し、知事に質問いたします。  去る2月に県立高校再編の実施方針が決定され、8校を対象校にして4件の再編統合の実施が決まりました。  知事が英断された県立高校再編は、私が今ほど質問いたしました高校教育の変革に対応していくものでなければならないと考えます。  そこで、再編統合を実施していく上で最も重視することは何かをお伺いします。また、再編統合の実施時期である2020年4月までにおいて、地域関係者の意見を反映しつつ、新しい高校の学校規模や学科構成、教育目標、校名、校章、校歌等をいつまで、どのようにして決めていくのかお伺いします。  次に、高校再編統合対象校の生徒に対する学びの保証について伺います。  再編統合の対象となる4校では、来春、最後の入学生を迎えた後、2020年度には2年生、3年生、2021年度には3年生だけが残り、その分、教員数は減少します。教員数の減少により、生徒の選択科目への対応、体育の授業や少人数教育への対応、大学進学への対応等において、生徒一人一人に対し十分な教育を保証できるのか懸念します。  そこで、再編統合対象校で学ぶ生徒一人一人に対し、卒業するまでの間、充実した学びの機会が保証されるよう、教員の追加的配置など実効性ある対策を講じるとともに、来春の受験を控えた生徒とその保護者に対しては、再編統合対象校の教育環境がどう維持されるのか的確に伝えるべきと考えますが、県の対応を知事にお伺いします。  次に、県立高校薬業科の増設について伺います。  県内外の製薬企業が県内に新工場や研究機関を設置する動きが広がっていますが、医薬品生産額1兆円を目指すには、設備投資だけでなく、人材の確保が不可欠であり、大学、大学院のみならず、高校においても、専門知識を持つ人材の育成が必要であります。  現在、薬業関連の学科は県立滑川高校に薬業科1クラス、富山北部高校にくすり・バイオ科1クラスが設置されていますが、ことし3月の一般入試に係る両校の倍率は、全日制課程の一般入試の平均倍率1.14倍よりもかなり高くなっています。  また、進路状況を見ても、6割が県内企業に就職しており、両校の各学科は、人材供給の点で不可欠の存在と言えます。  先月、富山県薬業連合会の中井会長が、県立高校の薬業科増設を知事に要望されました。また、先日、我々自民党政務調査会薬業問題調査会が製薬会社を訪れた際、経営陣からじかに薬業科の増設の要望を受けました。  そこで、県立高校薬業科増設について、知事の所見をお伺いいたします。  次に、学校におけるICT環境の整備について伺います。  文部科学省の調査によれば、県内公立学校の普通教室における無線LANの整備率が、昨年3月時点で全国最低の5.7%でありました。無線LANの整備は、情報教育の基本インフラであることから、少なからず衝撃を受けたところであります。  学校におけるICTの活用は、児童生徒の情報活用能力を育むだけでなく、個々の生徒の習熟度や興味・関心に応じた指導、障害のある児童生徒に対するより効果的な指導など、指導方法の改善にも有効であり、2020年度から小中高と順次実施される新学習指導要領において、このICT環境の整備の必要性が明示されております。  また、文部科学省は今後、デジタル教科書を導入する方向で議論を進め、また、経済産業省は学校教育にITを利用した教育手法、エドテックの導入促進を重点政策にしております。  このように、国は、第4次産業革命を推進するための人材育成に向け、大きな方向性を打ち出しており、学校におけるICT環境の整備は不可欠であります。  そこで、特別支援学校を含む県立学校において、ICT環境を早期に整備するとともに、小中学校においても、次期学習指導要領に対応できるよう、ICT環境の整備を促し、支援すべきと考えますが、教育長の所見を伺います。  次に、インターネット利用に関する青少年保護対策の強化について伺います。  近年の急激なスマートフォンの普及やインターネット利用の低年齢化を背景に、SNS等を通じ、18歳未満の性犯罪被害者数が県内で昨年、過去最多の23名となりました。また、ネットによるいじめやゲーム等の過度な利用による生活、学業への影響が問題となっています。  青少年をインターネット利用に伴う危険や弊害から保護するため、関係機関が連携し、保護者、事業者とともにより踏み込んだ対策を講ずべきと考えます。  特に青少年を育成する条例を他県と比較したとき、石川県や兵庫県などは、青少年に対する健全なインターネット利用環境を整備する観点から、保護者や事業者に対しより適切な規制を課しておりますが、本県の条例はそこまでに至っていません。  そこで、県において、富山県青少年健全育成条例の改正を含むインターネット利用に関する青少年保護対策の強化を図るべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。  次の質問項目は、地方創生の深化に向けた取り組みについてであります。  まず、知事外交の成果等について3点伺います。  知事は、4月中旬から今月上旬にかけて、フランスで開催の世界で最も美しい湾クラブ総会や、札幌市での第3回日中知事省長フォーラム並びに唐一軍遼寧省長との会談、台湾での2018日台観光サミットin台中などに出席され、活発に知事外交を展開されました。この間、本県の魅力や施策などを大いにアピールされ、さまざまな要請活動を行うとともに、有益な意見交換をされたことと思います。  そこで、まず、来年本県で開催される世界で最も美しい湾クラブ総会の開催を契機に、富山湾の環境保全や魅力の発信について、取り組みを充実強化すべきと思いますが、総会の成功に向け、関係市町村と連携し、どのように取り組んでいくのか、フランス訪問の成果とあわせ、知事にお伺いします。  また、来年は本県と遼寧省との友好県省締結35周年となりますが、今後、遼寧省との関係をどのように深めていくのか、日中知事省長フォーラム並びに唐一軍遼寧省長との会談の成果とあわせ、お伺いします。  さらに、来年、本県で開催される日台観光サミットの成功に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、台湾側から求められた台湾への訪問者数の増加策や台湾訪問の成果とあわせ、お伺いします。  次に、観光消費額の増加等について質問します。  県は、平成28年に観光振興戦略プランを改訂し、観光振興に一層の力を入れております。  このプランでは、目標年である来年の平成31年、観光消費額は2,067億円、延べ宿泊者数は520万人、外国人宿泊者数は56万人にそれぞれ目標設定しております。  しかし、平成28年の達成状況を見ると、観光消費額は目標の約70%、延べ宿泊者数は約65%、外国人宿泊者数は約40%であり、目標達成はかなり厳しい状況です。  特に平成29年度の観光庁調査によれば、国内旅行消費額の近年の伸び率は石川県の6分の1程度であり、また、訪日外国人の1人1回当たりの旅行消費単価も石川県の7割程度であります。  また、残念なことに、先月、伏木富山港にクルーズ客船が寄港した際、乗客の受け入れに混乱が生じたとのことであり、観光客の受け入れ体制やおもてなしにもまだまだ不十分な点が見られます。  魅力ある観光業にするためには、生産性を上げ、観光従事者の所得を向上し、必要な設備投資を継続して行うことが必要です。そのためには、観光消費額をアップさせ、利益を生む観光業にしていかなければなりません。  私たちは、入り込み客数は無論ですが、観光消費額にもっと着目すべきでないでしょうか。  そこで、観光消費額の増加を主眼とし、観光振興戦略プランの目標達成に向けどのように取り組むのか、知事の所見をお伺いします。  次に、富山きときと空港について質問します。  平成29年度の利用者数を見ると、国際定期路線は、台北便の運航便数の増加等により、前年度比12.5%増の11万4,000人余りと過去最多でありました。  しかし、国内定期路線は、東京便、札幌便とも利用率が低下し、前年度比3.3%減の44万3,000人余りでありました。チャーター便も合わせた空港の利用者総数は56万3,000人余りで、ほぼ前年度並みとなり、利用者数の減少傾向が下げどまった感があります。  一方、小松空港の利用者総数は、国内線、国際線とも前年度を上回り、のと里山空港も昨年7月からことし5月までの羽田便の搭乗率が開港初年以来の高い水準となるなど、富山きときと空港とは対照的であります。  また、空港の整備及び管理運営に係るキャッシュフローベースの収支を見ると、平成27年度の赤字額3億2,300万円が、平成28年度は4億8,000万円に拡大しており、空港の経済効果や存在意義を考慮しても、赤字を縮小させる経営努力が必要だと思います。  そこで、こうした利用者数の動向についてどう分析し、これまでの利用促進策の効果をどう評価しているのか、また、国内定期路線の新規開拓や国際定期路線の充実強化、国内・国際チャーター便の誘致など、今後の利用促進にどう取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いします。  次に、あいの風とやま鉄道について質問します。  あいの風とやま鉄道は、県内交通ネットワークの結節拠点であり、県民の通勤通学など日常生活を支える公共交通機関として重要な役割を果たしており、経営の安定と利便性の向上の観点から、県も支援を行い、経営はおおむね順調に推移してきていると思います。  開業から3年3カ月が経過した今、今後見込まれるさまざまな情勢変化を展望し、経営主体であるあいの風とやま鉄道株式会社は、一層の利便性の向上や経営基盤の安定、安全輸送を確保する必要があり、また、県も、国や市町村、西日本旅客鉄道株式会社などの協力のもと、強く後押しすることが必要だと思います。  そこで、平成25年に取りまとめられた富山県並行在来線経営計画概要に照らし、経営状況をどう評価しているか、また、今後、バリアフリー化を含む利便性の向上や経営基盤の安定、安全輸送の確保にどう取り組むのか、猪俣観光・交通・地域振興局長に伺います。  次に、自転車社会の構築について質問します。  自転車は、環境負荷の低減や健康増進、また、交通の混雑緩和に資するなど、さまざまなメリットがあることから、国は、昨年5月1日、自転車活用推進法を施行し、自転車の活用を総合的、計画的に推進することとしております。  この法律と前後して、条例を制定し、自転車を公共交通の補完や健康増進、観光振興等に積極的に活用し、まちづくりを推進しようとする都道府県が全国に多く見受けられます。  本県においても、富山市では、IT技術を駆使したレンタサイクルを実施しております。また、県はサイクリングコースを整備し、そして、知事みずからサイクリングに親しまれるなど、自転車ブームを観光に活用するサイクルツーリズムの振興を図っておられます。  私たちの会派にも複数のサイクリストがいますし、先日、自転車を活用したまちづくりに関する勉強会を開催し、自転車の活用を推進するための諸整備の必要性を学んだところであります。  そこで、県や市町村、交通事業者等の関係機関からなる自転車の活用推進に係る協議会を設置し、自転車の活用促進策を総合的に推進するなど、自転車社会の構築に積極的に取り組むべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。  3番目の質問項目は、地域経済の活性化についてであります。  まず、ものづくり産業の振興と人材の確保育成について伺います。  本県は、生産額、就業人口とも第2次産業の割合が高く、日本海側は屈指の工業集積を有するものづくり県であります。  一方、近年、IoT、ビッグデータ、AI、ロボットなど第4次産業革命が進展し、国は政策パッケージとしてソサエティ5.0を示すなど、ものづくり産業を取り巻く環境は大きく変化しています。  こうした中、本県産業が持続的に成長するためには、専門知識、技術を有する人材の確保育成が不可欠であります。  このところ首都圏の大手企業を志向する学生が増えつつありますが、彼らを富山に引きつける魅力と実力ある企業が、より多く富山に立地することが求められます。  県は先月、とやまアルミコンソーシアム推進協議会を立ち上げたほか、近く、新・富山県ものづくり産業未来戦略(仮称)の策定のため、有識者等による会議を設置するとのことです。  本県産業の背骨ともいうべきものづくり産業のさらなる飛躍のため、この新しい戦略において、本県の特色を生かし、どのような方向づけをして取り組んでいこうとするのか、知事の所見をお伺いします。また、今後、専門知識、技術を有する人材の確保にどのように取り組んでいくのか、あわせてお伺いします。  次に、事業承継について伺います。  中小企業の事業承継を円滑に実現するためには、早期に準備に着手し、専門家等の支援機関の協力を得ながら、着実に進めていく必要があります。  経営権や株式などの資産、経営理念や技術、技能などの知的資産等を適切に後継者に承継していくには、5年から10年程度の準備期間が必要とされます。  しかし、県が60歳以上の経営者を対象に昨年実施したアンケートでは、約4割の経営者は後継者を決めておらず、その理由として、自分がまだ元気だからとの回答が一番多く、危機意識が薄い状況が見てとれます。  また、事業承継に必要な準備期間についても、3年から5年が約40%、次いで、2年以内が約25%と、準備期間はそれほど要しないと考えている方が多く、このまま対応がおくれると、廃業が増加し、地域経済に大きな影響を及ぼすのではと危惧します。  折しも、平成30年度の税制改正では、事業承継の際の贈与税、相続税の納税猶予について、現行の税制を緩和し、10年間の特例措置が創設されました。  円滑な世代交代、事業承継を進め、地域経済の活力を維持発展させていくため、県として今後どのように取り組んでいくのか、伍嶋商工労働部長に伺います。  次に、種子法廃止に伴う対応について伺います。  主要農作物種子法、いわゆる種子法が本年3月31日をもって廃止されました。種子法の廃止により、都道府県における種子供給財源確保の根拠が失われるのではないかとか、民間企業による種子開発の独占になるのではないかとの懸念から、当議会においても、これまで種子法廃止の影響についてたびたび質疑がなされました。  そのような中、埼玉、新潟、兵庫の3県は、引き続き県が種子の安定供給に取り組むことなどを定めた種子生産条例を制定しました。  我が党政務調査会農林水産部会は、先般、埼玉県、新潟県へ出向き、条例制定の背景や目的についてヒアリングを実施いたしました。  都道府県間で流通している種もみの約6割は富山県で生産されており、日本一の種もみ産地の地位を守るためにも、県は引き続き種子を安定的に供給し、かつ品質低下を招かないよう、万全の体制で臨まなければなりません。  そこで、本県では、種子法の廃止に伴いどのような影響が考えられるのか、また、今後、本県としても条例制定を含め実効性ある対応をとるべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。  次に、若手農業者の育成について伺います。  去る5月22日に閣議決定された平成29年度食料・農業・農村の動向、いわゆる農業白書によれば、49歳以下の若手農家で規模拡大が進み、労働生産性と所得の向上を実現していると分析し、若手農家の競争力強化の支援を重点課題としています。  県内においても、規模拡大や複合化等に取り組む元気な若手農業者がおられますが、49歳以下の農業就業人口は全体の6.7%に過ぎず、その育成が重要課題となっております。  そこで、平成27年春に開校し、3年経過したとやま農業未来カレッジにおいて、研修を修了し、新規に就農した若手農業者の実績はどうか、今後のカレッジの運営方針とあわせて、芝田農林水産部長に伺います。  また、若手農業者の育成のためには、県内の農業系高校卒業後、とやま農業未来カレッジに入学する、いわゆる学びの移行、深化や高校とカレッジとの連携を推進することが重要と考えますが、どのような方策を講じるのか、農林水産部長に伺います。  次に、建設業の人材確保と公共事業の事業量確保等について質問します。  建設業は社会資本の整備にとどまらず、災害対応、除雪対応など役割は大きく、経営力と技術力を持ってしっかり存続していくことが極めて大事であります。  しかしながら、県内建設企業の現状を見ると、その就業者数は、平成8年からの20年間で約43%も減少しております。  一方で、求人倍率は全業種平均より高い状況にあることから、人材確保、とりわけ将来を担う若手技術者や女性の確保育成が課題となっております。  県としては、この若手技術者や女性が建設業へ希望を持って入職できるよう、働き方改革を含め、労働環境整備を支援していかねばなりません。  また、そもそも県民の安全・安心を確かなものにするため、地すべり危険区域、狭隘な道路、老朽化した橋など、公共事業により整備すべき箇所は県内に幾らでもあり、一定の事業量を毎年確保していくことが極めて大切であります。  そこで、建設業の人材確保にどのように取り組んでいくのか、あわせて安定した事業量確保や発注の平準化に向けた方針について、水口土木部長に伺います。  次に、企業局の経営戦略と地域還元について伺います。
     公営企業においては、昭和30年代から40年代に整備した施設の老朽化が進行しており、これらの長寿命化や再整備等に多額の投資が必要となっています。  このことから、企業局は、昨年3月に安定的に事業を継続していくための中長期的な経営計画として、平成29年度から10年間の経営戦略を策定しました。  そもそも公営企業は、企業の経済性を発揮しながら、その本来目的である公共の福祉を増進するように運営されなければなりません。企業局は、従来から剰余金の一部を一般会計に繰り出し、森林整備事業などの地域振興策に貢献してきており、また、今月から独自の子育て支援事業、とやまっ子すくすく電気の申請受け付けを開始したところです。  そこで、経営の健全化を図りつつ、剰余金の継続的な還元などの地域貢献が求められますが、どう取り組むのか、山本公営企業管理者の所見を伺います。  最後の質問は、安全・安心な暮らしの実現についてであります。  黒部川におけるダム連携排砂について2点質問いたします。  初めに、これまでの連携排砂の評価についてお尋ねします。  清流黒部川は、平均勾配が40分の1の日本有数の急流河川であり、大雨等による大量の土砂がダムに流入することから、出し平ダムと宇奈月ダムでは、平成13年から出水期における連携排砂が行われてきました。  国土交通省と関西電力によるこの連携排砂は、黒部川水系全体の土砂の流れをより自然な状態に近づけ、山から海までの一貫した総合的な土砂管理の観点から行われていると認識しております。  そこで、これまでの16年間の連携排砂を、ダム機能の維持、下流河川の河床低下の防止、海岸侵食の進行抑制という連携排砂の目的に照らし、どのように評価しているのか、知事の所見をお伺いします。また、連携排砂が漁業や漁場環境に及ぼす影響について、どのように認識しているのか、知事の所見をお伺いいたします。  次に、連携排砂に係る環境調査等について質問します。  県の関係部長が委員となっている黒部川土砂管理協議会は、去る5月28日、平成30年度のダム連携排砂計画を示し、出し平ダムの目標排砂量は、昨年度の連携排砂が中止されたことから、連携排砂が開始された平成13年以来最多となる165万立方メートルと決定されました。  出し平ダムの平成3年以来の実績排砂量は平均で年約38万立方メートルであり、今回の目標排砂量はその4.3倍となっています。このため漁業者は、漁業や漁場環境へ大きな影響を与えるのではないかと大変不安視しており、連携排砂実施機関である国土交通省黒部河川事務所及び関西電力北陸支社は、漁業関係者と協議の上、排砂後の環境調査などにしっかり取り組み、漁業関係者の不安を払拭する必要があると考えます。  そこで、県として、安全で安心な水産物を確保することは無論のこと、世界で最も美しい富山湾の環境を守るためにも、連携排砂実施機関に対し、水深800メーター以上の深海漁場の環境調査や漁業者の要望に応じた漁業振興策の実施などについて強く働きかける必要があると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。  次に、弥陀ケ原火山対策について質問します。  昨年6月の我が党代表質問に対し、県は、平成29年度は火山ハザードマップの策定、平成30年度からは噴火警戒レベルの設定や警戒レベルに応じた避難計画を策定するなど、計画的に取り組むと答弁されました。  火山ハザードマップについては、関係機関等との調整に時間がかかり、策定時期がことしの夏ごろまでにずれ込むとのことですが、速やかな策定を求めたいと思います。  ところで、今年度、国は、火山災害警戒区域を有する地方公共団体が山小屋等を活用した避難施設、いわゆるシェルター等の整備に対して補助する場合、当該補助額を国の補助対象とするよう制度改正いたしました。  これを受け、立山町は、去る4月の臨時議会で、山小屋経営者が火山の噴石に備えて屋根や壁などを補強し、町がそれを避難施設として指定した場合に改修費用の一部を助成する予算を可決しました。  そこで、県は、火山ハザードマップの策定を急ぐとともに、シェルター等、山小屋の民間施設を活用した避難施設の整備を含む噴火時の避難方法の検討など、着実に火山防災対策を推進していく必要がありますが、弥陀ケ原火山防災対策の現状と課題を踏まえ、関係市町との連携も含め、今後どう取り組んでいくのか、石黒危機管理監に伺います。  次に、医療・介護の連携強化への取り組みについてお伺いします。  本県は急速に高齢化が進み、2010年に14万7,000人だった75歳以上の人口は、2025年には約1.4倍の20万8,000人と推計されています。  このような中、医療や介護を必要とする方々に対して、急性期の治療から在宅療養の支援に至るまで、切れ目のないサービスを提供する体制整備が急務となっております。  ところで、本年は6年に一度の診療報酬と介護報酬の同時改定の時期に当たり、今回の同時改定は、医療、介護の役割の分担と連携をより一層推進することを目的としております。また、本年は、本県の医療、介護に係る大きな方向性を示す新たな医療計画や介護保険事業支援計画がスタートしたところであり、それらの計画の整合性を確保するためには、医療及び介護の連携を強化する取り組みが重要となります。  そこで、今後の超高齢社会に向け、認知症サポート体制の強化や在宅医療への移行の促進を含め、医療と介護の連携強化にどのように取り組むのか、あわせて2025年度には1,700人余り不足するとされる介護分野の人材確保対策にどのように取り組むのか、前田厚生部長に伺います。  次は、富山物質循環フレームワークの実現に向けた取り組みについて伺います。  平成28年5月に開催されたG7環境大臣会合において富山物質循環フレームワークが採択されて、早くも2年余りが経過しました。  本県は、レジ袋無料配布廃止やとやまエコ・ストア制度の創設など、全国に先駆けて県民総参加の取り組みを進めてきましたが、この採択を受け、資源効率性や3Rの推進にさらに積極的に取り組み、循環型社会、低炭素社会づくりの先端県を目指すべきと考えます。  しかしながら、食品ロス・食品廃棄物対策については、県民の食品ロスへの認知度が全国に比べ低い状況であります。また、県内の海岸における漂着物のおよそ8割が県内由来のものとのことです。  本年10月に3R推進全国大会が本県で開催されますが、それを契機として食事会等での食べきりや家庭での食材の使い切り、漂着物の発生を抑制するためごみを捨てないことなどについて、明確に改善するよう、県民の意識啓発を図っていくべきと考えます。  そこで、富山物質循環フレームワークの実現に向け、今後どのように取り組むのか、須河生活環境文化部長の所見を伺います。  最後に、居住外国人との共生への取り組みについて質問します。  深刻な人手不足やグローバル化に対応するため、外国人を採用する企業が増えており、国内で働く外国人の数は、昨年、過去最高の127万人となり、県内では、企業が届け出た外国人労働者数は、昨年10月末現在9,863人で、これまた過去最高となっております。  国では、外国人技能実習生の在留資格の延長を検討しており、また、グローバル化への対応として、外国人留学生の受け入れの拡大や外国人留学生の国内での就労を促進しており、今後、外国人労働者やその家族、外国人留学生など居住外国人の数がさらに増えることが想定させます。国籍もアジア系を中心に一層多様化していくことと思います。  こうした中、生活習慣や文化の違い、言葉の問題から、外国人と地域住民との間でトラブルが発生し、お互いに不安を感じている例もあると聞いております。  そこで、今後も増えることが想定される居住外国人について、教育、医療、福祉、災害緊急時の対応、さらには地域社会での日常生活などさまざまな分野における受け入れ・相談体制の整備充実が必要と考えますが、今後、市町村とも連携し、どう環境整備を進め、居住外国人との共生への取り組みを進めていくのか、蔵堀総合政策局長にお伺いいたします。  以上をもちまして、自由民主党を代表しての私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。 4 ◯議長(高野行雄君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 5 ◯知事(石井隆一君)おはようございます。  自由民主党を代表されましての鹿熊議員の御質問にお答えいたします。  まず、高校再編実施までの取り組みについてであります。  高校再編につきましては、ことし2月に開催した総合教育会議におきまして検討協議を行って、再来年4月に4件の再編統合を行うとの実施方針を定めたところであります。  御質問の新高校の学校規模や学科構成については、実施方針に基づいて策定する再編実施計画で定めるものでありますけれども、この実施計画については、そもそも高校再編は高校教育の充実のために実施するものでありまして、特に再編統合対象の4校については、学習はもとより、学校行事などにおいて充実した高校生活を送ることができるようにするということが大切だという考え方に立ちまして、現在教育委員会においてプロジェクトチームを設置しまして、策定を進めております。  この再編実施計画については、前期の再編のときには、平成20年2月に再編統合対象校が公表されまして、同じ年の8月に示された実施計画の素案をもとに、意見募集や地域説明会を実施しまして、広く県民の御意見もお伺いしながら、同年12月に取りまとめられたことを踏まえまして、今後、総合教育会議におきまして、この夏から年末にかけて決定したいと考えております。  また、御質問の新高校の教育目標、校名、校章、校歌などにつきましては、前期再編の場合、再編実施計画において、実施計画決定後に検討を進めるとされまして、その検討に当たっては、同窓会など関係者の御意見を伺いながら進めておりまして、まず、校名については、教育委員会で決定した上で、新高校開設前年の平成21年の9月議会に県立高等学校等設置条例の改正案を提案いたしております。  こうした例を踏まえるといいますか、これに倣いまして、今般は校名については、来年、総合教育会議で決定いたしました上で、来年の9月議会に条例改正を提案したいというふうに考えております。  また、校名以外の事項につきまして、こうした前期再編の例に倣いまして、基本的に新高校開設までに再編統合対象校間の協議によって決定していきたいと考えているところでございます。  いずれにしても、先ほど申し上げましたように、高校再編は高校教育を充実することを基本に実施するものでございますから、こうしたことを重視しながら、さまざまな角度から丁寧に検討しまして、県民の皆さんの御理解をいただきながらしっかり取り組んでまいります。  次に、再編統合対象校の生徒の学びについての御質問にお答えをいたします。  先ほど申し上げましたけれども、御質問の再編統合対象の4校については、学習はもちろんですけれども、学校行事などにおいても、これまでと同様に充実した高校生活を送ることができるように、優先的、重点的に取り組みたいと考えております。  具体的には、再編統合対象の4校につきまして、今年度、次期学習指導要領などの高校教育の変革に的確に対応できる授業改善に取り組む拠点校に指定しますとともに、タブレット端末を活用した授業を行うICT教育の実施校としたところであります。  また、魅力と活力ある学校づくりを進めますために、4年間継続して学校行事の魅力化などを特別に支援することにしております。  また、生徒用トイレの洋式化を最優先に進め、スクールカウンセラーの配置についても、大幅に拡充することとしております。  御質問の教員の配置につきましては、前期再編では、再編統合対象の高校で学ぶ生徒が卒業するまでの間、充実した学びの機会が保証されますように、追加配置していることを踏まえまして、今回の高校再編についても、しっかり対応していくこととしております。  こうした再編統合対象4校の教育環境につきましては、来春の受験を控えた生徒や保護者の方々に的確に伝わりますように、教育委員会には各中学校や県のPTA連合会を初め、地域説明会などでこうした方針を丁寧に説明してもらいたいと考えております。  また、再編統合対象の高校に在籍する生徒さんが希望を持って学び、充実した高校生活を送ることができるようにしっかりと取り組んでまいります。  次に、県立高校の薬業科増設についてでございます。  先月17日に県の薬業連合会から、本県の医薬品産業のさらなる飛躍のためには、県立高校の薬業に関する専門学科を1学級増設してほしいという御要望をいただいております。  本県では、これまでも県立高校に薬業に関する専門学科を合わせて2学級設置いたしまして、また、昨年4月には県立大学の工学部に医薬品工学科を新たに設置しますなど、医薬品産業を担う人材の育成確保に努めておりますけれども、御要望いただいた県立高校の薬業に関する専門学科につきましては、一般入試の志願倍率が過去9年間の平均で1.68倍で、県平均1.16倍を大きく上回っておりますとか、また、関係業界からの求人倍率も、過去2年の平均で3.6倍ですとか、県内の関係業界への就職率も58.8%ということで、いずれも職業系の専門学科の中では最も高くなっておりますから、こうした御要望については、非常に説得力があると考えております。  そこで、いただいた御要望については、まずは教育委員会で検討していただいて、次回の総合教育会議におきまして、こうした御要望を重く受けとめながら議論して対応したいと考えております。  本県の医薬品産業は、御承知のとおり、医薬品生産額が平成27年に全国第1位となりますなど、本県のものづくり産業の大きな柱でございます。今後とも、医薬品産業のさらなる発展と専門人材の育成にしっかり努めてまいります。  次に、青少年のインターネット利用についてお答えをいたします。  近年、SNS等のコミュニティサイトを通じまして被害に巻き込まれる青少年が年々増加しておりますので、国では、いわゆる青少年インターネット環境整備法を平成29年、昨年改正されまして、青少年が使用するスマートフォン等におけるフィルタリングの利用促進が図られたところであります。  本県におきましては、平成19年に富山県青少年健全育成条例を一部改正いたしまして、インターネットの利用を一般に提供する施設管理者のフィルタリング活用等に関する規定を整備しましたほか、平成28年、一昨年、富山県ネットトラブル防止対策検討委員会を設置いたしまして、実効性のある具体的な方策について検討して、対策を進めております。  29年度には、本県のSNSに起因する被害児童数は、前年から4人増の23人となっておりまして、全国と同様にやはり増加傾向となっているわけであります。  こうした中、今年度は、内閣府における青少年の非行・被害防止施策の最優先の重点課題としまして、インターネット利用に係る犯罪被害等の防止が上げられまして、SNS等の危険性について啓発活動を強化するとされておりまして、本県においても、引き続き中学校や県立学校でのネットルールづくりを継続しますとともに、今年度から新たに小学校でのネットルールづくりに取り組みますほか、携帯電話事業者や関係機関、団体と連携してフィルタリングのさらなる普及促進を図ることにしております。  議員から条例の改正といったようなことも御指摘いただきました。  県としましては、議員御指摘の条例の一部改正も含めまして、青少年のインターネット利用に係る犯罪被害を防ぐための青少年保護対策の強化につきまして、青少年健全育成審議会の御意見を伺いながら、ここにはPTAとか県のインターネットプロバイダー連絡協議会とかいろんな方々が入っておられますから、そこでしっかり議論していただいて、適切に対応してまいりたいと思います。  次に、湾クラブ総会の開催に向けた取り組みについてでございます。  世界で最も美しい湾クラブの2019年総会につきましては、本県開催の正式決定を目指しまして、先般4月にフランスで開催されました総会に出席いたしまして、私から富山県のプレゼンテーションを行わせていただいた結果、幸い、日本初となる湾クラブ総会の2019年富山県開催が全会一致で正式決定されましたけれども、これは、「日本・富山県」の魅力を世界に向けて発信する絶好の機会をいただいたということで、ありがたく思っております。  今後は、近く開催します「世界で最も美しい富山湾」活用・保全推進会議等の場におきまして、沿岸市町を初め、民間団体等の御意見もいただきながら、具体的な開催内容等を検討していくこととしておりまして、お話しのように、沿岸の市町等とも連携いたしまして、また、県議会の御意見もいただきながら、富山県の特色、強みを生かした総会となりますように準備を進めてまいりたいと考えております。  まず、富山湾の環境保全を図る取り組みとしましては、ことし10月に3R推進全国大会がございます。これに向けて、県内全域で県民総参加による海岸清掃活動などの展開、また、海岸の上流域の親子等を対象とした海岸清掃体験バスツアーの拡充とか、新たにスマホアプリを活用した、若い世代を中心とする自主的な清掃活動の呼びかけなど、全国のお手本となる施策を積極的に進めていくことにしております。  また、実際の富山県総会では、湾クラブ加盟5周年を記念した「観光振興と海洋環境の保全」をテーマとするシンポジウムを開催しますとともに、富山湾の魅力発信の取り組みとしまして、例えば海王丸パークをメイン会場とした海王丸総帆展帆とか船内の見学、サンセットクルージングなどの各種イベントの実施ですとか、また、海越しの立山連峰を一望できる雨晴海岸等の散策ですとか、また、富岩運河環水公園や富山県美術館等の視察ですとか、あるいはエクスカーションといたしまして、富山湾はもちろんですけれども、立山黒部の雄大で美しい自然景観とか、五箇山合掌造り集落とか、国宝瑞龍寺とか、あるいは文化的な体験、そういうことに非常に関心が深い方が欧米の方は多いわけですので、鋳物体験、和紙すきとか産業観光の魅力体験、あるいは富山ならではの食の魅力の発信、こういうことを考えております。  今後も沿岸市町、また、民間関係団体、国内加盟湾とも十分連携しながら、富山湾はもちろんですけれども、本県の多彩な魅力や環境保全などの取り組みを世界に発信できる総会となりますように準備を進めてまいります。  また、湾クラブ富山県総会の開催を契機として、この豊かで美しい富山湾のブランド価値をさらに高めまして、観光振興や地域活性化にしっかりつながるように取り組んでまいります。  次に、遼寧省との友好交流の今後についての御質問でございます。  本県は、遼寧省との間で34年にわたって幅広い分野でさまざまな交流を積み重ねておりまして、ことしは日中平和友好条約40周年ということでもございますので、この機会に遼寧省へ友好代表団を派遣いたしたいと考えているわけでございます。  代表団の訪問に関しましては、今後の友好交流の重点分野としまして、例えば経済の面の交流、また、伝統工芸品なども含めて文化の交流、また、大連便の利用促進なども含めた観光の振興などを定める覚書等に調印するとか、富山県の伝統工芸品や食品、日本酒などの産品を遼寧省の皆さんに広く知ってもらい、販路拡大を図るとか、あるいは大連市で開催する観光説明会で、富山の立山黒部を初めとして豊かで美しい観光資源の紹介をすると、また、大連便を利用して来県していただくように呼びかけるといったようなことを今検討しているところでございます。  また、先月札幌で日中知事省長フォーラムが開催されまして、それに出席した際には、お話しいただきましたように、遼寧省の唐一軍省長とも初めて個別に会談を行いまして、今後の友好提携の充実ですとか、大連便の増便など幅広い連携協力について協議を行いました。大連便の増便については、大変前向きの反応をいただいたところであります。  さらに、フォーラムでは、私から、中国と富山県との経済・文化交流・観光振興について、発表させていただきまして、今後の日中交流の深化と発展をアピールさせていただきました。  なお、その前の日の歓迎レセプションにおきましては、短い時間でしたけれども、李克強総理ともお話をさせていただき、中国との交流を経済面だけではなく、文化面でもさらに進めてほしいと、また、遼寧省との交流を今後も大事にしてほしいとの言葉をいただいて、光栄なことと思っております。  来年は、本県と遼寧省との友好県省締結35周年となりますので、とりわけ富山県の友好提携先である遼寧省との交流は、李克強総理を初め、中国国内でも高く評価していただいておりますので、今後ともウイン・ウインの関係で、経済、観光、文化などさまざまな面で交流を深めて、できれば来年度は遼寧省のほうから幹部の皆さんが、トップクラスの皆様に本県に訪問していただくなどによりまして、相互の連携強化を図ってまいりたいと思います。  また、その際、鹿熊議員が会長を務めておられます日中友好富山県地方議員連盟の皆様も同時期に訪中されると伺っておりますので、さまざまな面で連携を密にしまして、遼寧省と本県の交流がより深まるように努めてまいります。  次に、日台観光サミットと台湾訪問の成果についてでございます。  先般の台湾訪問では、台中市で開催されました日台観光サミットに参加しまして、来年のサミットの本県開催を正式に決定していただきますとともに、本県の観光を中心とした魅力をパワーポイントを用いてサミット会場で広くアピールする機会をいただきましたほか、レセプションとか昼食会などの場で日台双方の多くの旅行業界の経営者や観光業界のトップと直接お目にかかりまして、意見交換や懇談の機会をいただいて、大変意義深い機会だったなと思っております。  議員の御指摘のとおり、このサミット会議等において、日本から台湾への訪問者が、交流人口は増えているんですけれども、そのうち、日本から台湾への訪問者が相対的に少ないことが課題とされたところでありまして、双方向での交流を深めていくためには、まずは交通基盤の利便性を高めまして、観光分野だけではなくて、経済や文化など幅広い面での連携交流の促進を図って、全体として交流人口を底上げしていくことが重要だと考えております。  そこで、この日台観光サミットへの出席に先立ちまして、チャイナエアラインの本社を訪問して、謝総経理と懇談を行って、昨年の冬ダイヤから通年週4便としていただいた富山・台北便の通年週4便体制の維持などに向けまして、協議の場を設置することで合意したところでございます。  通年週4便にしてもらったんですけれども、決して今の状態で当然継続されると楽観はできないわけで、いろいろと議論もしておりまして、何とか努力していきたいと思っております。  さらに、とやま観光推進機構と台湾観光協会との友好提携の締結ですとか、県の薬業連合会と台湾医薬工業技術発展センターとのMOUの締結に台湾当局の幹部とともに立ち会わせていただきましたほか、2年前に連携協定を結んでいる県総合デザインセンターと台湾デザインセンターとの間で意見交換を行いまして、今後の連携強化の方向につきまして合意しますなど、観光振興はもとより、産業分野を含めた、あるいはスポーツ、教育、文化など幅広い分野で、未来志向で互いにウイン・ウインの取り組みを進めているところであります。  また、来年のサミットは、本県の魅力を全国や台湾を初め世界に向けて発信する絶好の機会ですから、県内の観光地等をめぐるエクスカーションなどでは、県議会や、また、市町村、関係団体の皆さんの御意見もよく伺って、市町村や各地域の特色を生かして、地元と一体となったおもてなしをしたいものだと考えております。  今後も、先ほどの湾クラブの総会とあわせまして、本県の観光振興、地域活性化のさらなる発展、飛躍につながるようにしっかり取り組んでまいります。  次に、観光振興戦略プランについてお答えをいたします。  新・富山県観光振興戦略プランにおきまして、観光振興に向けたさまざまな数値目標を掲げておりまして、お話しのように、観光消費額については2,067億円、平成26年から見ますと1.6倍という、かなり高い目標を掲げております。  目標達成に向けては、さらなる誘客の促進を図りますために、とやま観光推進機構や市町村、関係事業者等と連携した着地型旅行商品の造成・販売、また、JRとタイアップした旅行商品の造成・配架、国際会議や大規模コンベンションの誘致等に取り組んでおります。  大規模コンベンションは、10年前と比べると、開催件数は2.4倍、参加者数1.7倍というふうに、例えば非常に大きく飛躍をしつつあります。  また、せっかくおいでいただいた観光客の満足度を高めますために周遊滞在時間の増加を図ろうということで、とやま観光未来創造塾を通じた質の高い観光ガイドの育成、例えば国の地域通訳案内士資格が得られるコースも今回新設いたしますし、また、このとやま観光未来創造塾を卒業した、例えば女性の方が八尾を拠点に大変ユニークなといいますか、いろんな構想を持って実績を積み重ねておられる例もございます。  また、新幹線駅等と観光地を結ぶ観光路線バスの運行支援等にも取り組んでまいります。  さらに、国内外から選ばれ続ける観光地域づくりということが、お話のように観光消費額の増加につながるということで、昨年度、御承知のとおり、立山黒部ブランド化推進会議を立ち上げまして、立山黒部を世界水準の観光地となるよう、ロープウエー整備も含めた新たなアクセスルートの検討の取り組みを進める、また、富山湾の世界的なブランド化についても、今ほども議論になりましたが、環境保全を前提としながら、富山湾岸サイクリングの実施とかコースの整備、新湊マリーナの大幅拡充、タモリカップの開催支援など、ブランド活用の取り組みを幅広く推進することにしております。
     また、1年間で265万人の人が来る、そういう意味では日本海側トップクラスの観光スポットとなりました富岩運河環水公園についても、年間を通じた多彩なイベント開催や水上ラインの新艇建造など、さらなる魅力向上を図ってまいります。  加えまして、外国人の観光客は日本人観光客と比べて観光消費額が大きい、そこで、訪日外国人の誘客に力を入れてまいりましたけれども、幸い、この1年で見ますと、本県での延べ宿泊者数は前年比6.5%増の363万人と、伸び率では北信越5県で1番となりましたし、特に外国人の延べ宿泊者数は前年比26.2%増で、これはやはり北陸、信越地区で一番の伸びとなっております。  今後も日台観光サミットや世界で最も美しい湾クラブ総会の開催など、本県の観光振興や地域活性化のさらなる飛躍につながる取り組みをしっかり進めてまいります。  次に、富山きときと空港の御質問にお答えをいたします。  富山空港の昨年度の利用者数は、国内定期路線は前年度3.3%の減、国際定期路線は12.5%の増、チャーター便は29.2%の増となりまして、合計では約1,000人余り減の56万3,000人となったところであります。  さまざまな利用促進策に取り組んでいるんですけれども、特に富山・羽田便については、これまで新幹線の開業で約2時間となった地域では、例えば新潟空港も仙台空港も、1年ほどでいずれも羽田便が廃止になったということを考えますと、大変厳しい環境にあるわけですけれども、首都圏エリア、また、近隣県等の旅客需要の掘り起こしなどに取り組んでまいりました結果、記録的な大雪の影響で欠航が相次いだ冬期を除きますと、若干ながら利用者は伸びております。  一方、国際線の台北便については、これまでも何度もチャイナエアラインとも議論しまして、路線拡充を強く要請した結果、通年週4便化が実現しております。そういう点で、国際定期路線は過去最高の利用者数となりました。  ただ、さっきも少し申し上げましたが、航空各社を取り巻く環境は大変厳しい状況が続いておりますので、富山空港の需要拡大に向けては、これまで以上に戦略的な取り組みが重要であると考えております。  そこで、国内線については、羽田線の4往復体制を維持安定させるためにも、全日空と連携しまして、新たに広域周遊旅行モデル事業などの利用促進事業などに取り組みますとともに、今年度から観光目的のチャーター便への支援を新たに設けまして、また、御要望の多い九州、関西方面の定期路線の新規開拓に向けても、航空会社への働きかけを強化してまいります。  それから、国際線については、台北便の通年週4便体制の運航維持に向けまして、先般もお話ししましたが、謝総経理と直接面談いたしまして、今後の安定運航のための協議の場の設置で合意したところであります。  また、チャーター便については、いろいろ課題が多いわけですけれども、新型機材の導入がなされれば、香港やベトナムなどへの運航も可能だという御指摘もいただいており、今後、直行チャーター便の誘致についても検討してまいりたいと思います。  今後も県議会を初め、県民の皆さんの御理解、御協力をいただきながら努力してまいります。  次に、自転車社会の構築についてお答えをいたします。  自転車が環境にもやさしい身近な交通手段で、健康づくりや余暇の充実、また、地域のふれあい、仲間とのつながり、こういう点で大変サイクリングが有用だということは広く知られるようになっております。  そこで、国におきましては、環境、交通、健康増進、観光振興等の課題に対処するためにも、自転車の活用の推進施策が大事だということで、昨年5月に自転車活用推進法が施行されまして、先週末にはこの基本方針に即した自転車活用推進計画が策定されております。  本県では、これまでも富山湾や田園地域の美しい景観を楽しめる湾岸サイクリングコースや田園サイクリングコース等の整備、また、こうしたコースを活用した富山湾岸サイクリングの開催など、自転車を活用した観光、地域振興の取り組みのほか、市町村が行うパークアンドライド推進事業の支援を通じまして、自転車を活用した地域交通活性化の取り組みも進めてまいりました。  この自転車の活用、私自身もかねてから大切なことと思っております。本県としても、総合的かつ計画的な自転車の活用推進施策を検討すべき時期ではないかと考えております。  そこで、国の自転車活用推進計画が作成されたことでもありますので、今後、市町村や関係団体、事業者の御意見も伺いながら、また、本県ならではの取り組みを協議検討する協議会を設置する、さらには、御提案の条例の制定並びに富山版の自転車活用推進計画の策定、こういったことについて積極的に検討してまいりたいと思います。  次に、ものづくり産業の振興と人材の確保についてであります。  お話のように、本県産業の背骨に当たるのがものづくり産業だと思っておりまして、これの生産性向上、新技術開発、新たな付加価値を創出するイノベーション、こういったことを進めていくことが大切でございます。  そこで、今年度、新・富山県ものづくり産業未来戦略(仮称)においても、重点的に取り組む視点としまして、富山県IoT推進コンソーシアムや医薬品、アルミ分野における産学官が連携したコンソーシアムの形成、それから、ものづくり研究開発センター等を活用した新たな技術開発への支援などに加えまして、革新的技術の導入による生産性の向上や、デザインと先端技術の融合などによる高付加価値化の取り組みに対して積極的な支援を行うこと、また、産学官連携による新たな成長産業、例えばヘルスケア産業、クリエイティブ産業の創出など、オープンイノベーションを促進する産業支援機能を強化すること、また、IoTなど先端技術を有する人材の確保育成を図ることなどを基本として検討を進めることにしております。  なお、新たな成長産業の創出と人材確保につなげますために、現在、取り組んでおりますとやまアルミコンソーシアムの研究プロジェクト等へのインターンシップにつきまして、東京大学が実施する地域協働プログラムの一環として実施されますように、今後の連携について、五神、東大の総長さんとも協議しているところでございます。  また、専門知識、技術を有する人材の確保につきましては、プロフェッショナル人材確保事業によりまして、県内中小企業と高度人材のマッチングに取り組みますほか、新たに東京の大手町オフィス、大阪オフィスを開設しまして機能を大幅に強化しました。富山しごと・くらし支援センターとも連携して、県内への移住やUIJターンをさらに促進してまいります。  第4次産業革命ということもありますので、しっかり頑張ってまいります。  次に、種子法廃止に伴う対応についてお答えをいたします。  種子法は、平成29年度限りで廃止されましたけれども、これにより、今後、民間での品種育成が活発化して、国内で生産、流通する品種が多様化することが想定されます。  全国一の種もみ出荷県であります本県におきましては、種子の生産現場に影響が生じませんように、これまでどおり県としての生産物等の審査、原種等の生産などの役割をしっかり果たしてまいりたいと考えております。  そこで、新たな種子の供給ニーズに対応しまして、県内生産者の受託生産量をさらに拡大しますために、国の地方創生拠点整備交付金を積極的に活用しまして、農業研究所において、隔離圃場や検定温室など、原種をクリーンな状態で種子産地に供給されるための拠点施設を整備しておりまして、種子法廃止ということをいわば逆手に取った形で種子の生産性の大幅な向上を図っていこうと、10アール当たりの作業時間、例えば抜き取り作業なんかの負担を今までの3分の1ぐらいにするとか、そういったことで経営規模の拡大、所得の向上につなげていきたいと思っております。  本県における種子法廃止後の業務の推進に当たりましては、ほとんどの都道府県と同様に、種子生産に係る県の業務規定の実施要領などの改正を行って、県としての役割を明確にしておりますし、また、やるべきことはきちんとやっているつもりですけれども、議員の御提案のとおり、既に3つの県では既存条例の見直しとか、新たな条例制定も行われております。  そこで、御提案のありました県条例を制定することにつきましては、日本一の種もみ出荷県である富山県で生産される種子の品質を高めていく富山県の姿勢をアピールする、その評価を一層高めていく効果が期待できますこと、県内の農家に将来にわたって安心して種子を生産していただくことにつながりますことから、県議会を初め、JAや主要農作物種子協会、種子生産者などの御意見も伺った上で、できれば、御賛同される方が多いように感じますので、早期に県議会に条例案を提案できますように準備を進めてまいります。  次に、連携排砂についての御質問にお答えをいたします。  黒部川は全国有数の急流河川ということでございまして、御承知のように、宇奈月ダム、出し平ダム、平成13年度から連携排砂が実施されております。  この排砂の実施機関、国土交通省と関西電力においては、ダムの堆砂の状況とともに、黒部川の河床の変動、下新川海岸の浸食状況を毎年調査しておられます。  それによりますと、これまでの連携排砂により、宇奈月ダムと出し平ダムでは、洪水調整や発電などに必要な貯水容量は確保されており、ダム機能は維持されております。  また、黒部川の愛本堰堤下流付近では河床低下傾向の緩和が認められますほか、黒部川左岸の荒俣海岸では砂浜が回復しますなど、一定の効果があると認識しております。  漁業や漁場環境の影響については、これまでの黒部川ダム排砂評価委員会における影響評価では、連携排砂による一時的な環境の変化はあるものの、水質、底質及び生物相に対して大きな影響を及ぼしたとは考えられないとされております。  県といたしましても、第三者の立場から、水産研究所が毎年、黒部川以東海域の水質や底質の調査を実施しますとともに、連携排砂時には濁水の拡散範囲の調査を行ってきておりますが、これまでの調査では、一時的に過去の調査の最大値を超えたこともあるが、その後の調査では、過去の観測値の範囲内に戻っておりまして、大きな環境の悪化につながっているとは、現時点では考えていないところであります。  そのため、県としましては、今後とも評価委員会の評価結果について注視しますとともに、県水産研究所による調査を継続して、その結果を踏まえまして、黒部川土砂管理協議会との場におきまして、排砂実施機関に対し漁場環境に極力影響を与えないよう働きかけてまいります。  最後に、連携排砂機関への働きかけについてであります。  黒部川における連携排砂、先ほど申し上げたようなことで実施されているわけであります。  ただ、昨年度は、油類等の流出事故により中止されまして、出し平ダムには一昨年6月の排砂以来、大量の土砂が堆積しておりますので、今年度は、出し平ダムからの目標排砂量を過去2番目に多い165万立方メートルとすることが計画されております。  これを受けて、漁業者の皆様からは、漁業環境への影響ははかり知れず、漁獲量の減少に悩まされている現状から、漁業経営が成り立たない状況に追い込まれるのではないかといったような声が上がっていることは承知をいたしております。  そのため、県としましては、去る3月19日に国土交通省の黒部河川事務所、また、関西電力の北陸支社に対して、漁場環境等に関するデータを提示して漁業者の不安を払拭すること、深海漁場の環境調査、800メートル以深におけるカニかご漁業などもありますので、こういった深海漁場の環境調査も実施すること、漁業者からの漁場環境改善策や漁業振興策等の要望に真摯に対応することについて申し入れを行う、これは農林水産部長から行ってもらいましたけれども、同時に、5月28日開催の土砂管理協議会においても、改めてこの3点について要請したところでございます。  これに対して、関西電力からは、環境調査は排砂中と排砂後にも実施して、関係者に説明する、漁業への影響があれば、内容を確認の上、丁寧に対応したい等の回答がありました。  また、国土交通省からは、県の要望も踏まえて、新たに宇奈月ダム内でのボーリング調査等を実施することとしており、深海漁場の調査も検討を進めたい、漁業関係団体と漁業振興策について協議を進めており、今後も丁寧に対応したい等の回答がありました。  この国土交通省と関西電力におかれましては、漁業者の声をしっかり受けとめていただいて、特に関西電力の出し平ダムの平成30年度目標排砂量が非常に多くなっていることが漁業者等に大きな不安を与えることを重く受けとめていただいて、漁業者の不安が払拭されますように、また、漁業や漁場環境に極力影響を与えないように、具体的かつ真摯な取り組みを進めていただきたいと考えておりまして、今後も強く働きかけてまいります。  以上であります。 6 ◯議長(高野行雄君)渋谷教育長。    〔教育長渋谷克人君登壇〕 7 ◯教育長(渋谷克人君)まず、教育現場の課題と新たな学び創造事業についての御質問にお答えいたします。  グローバル化の進展や人工知能などの技術革新に伴い、社会が大きく変化する中、予測が困難な時代においても、子供たちが自立的に生き、社会形成に参画できる資質、能力の育成を目指し、平成32年度から大学入学共通テストが導入され、34年度からは高校の次期学習指導要領が実施されます。  この大学入学共通テストは、従来の知識を中心とした評価から、思考力、判断力、表現力を中心とした評価に転換するものでありまして、国語と数学では、より思考力を要する問題や記述式問題を新たに導入することとされておりますし、英語では従来の読む、聞くに加え、話す、書くの4技能を評価することとされております。  このため、昨年度実施されました大学入学共通テストの試行に参加した生徒や先生からは、時間配分が難しい、対応が大変など、戸惑いの声が出されておりますので、大学入学共通テストの導入に対応する学習指導方法の充実が喫緊の課題となっております。  また、次期学習指導要領は何を学ぶかだけでなく、どのように学ぶかという視点を加えたものとなっておりますので、いわゆるアクティブ・ラーニングの視点からの学習指導方法の充実が求められております。  このため、こうした変革に対応する学習指導方法の充実に向け、今年度、新たな学び創造事業を実施することとしております。  次に、新たな学び創造事業の拠点校以外の高校への取り組みについての御質問にお答えいたします。  今ほどお答えいたしました新たな学び創造事業は、県教育委員会と普通科高校、職業科高校、普通科と職業科が設置されております総合制高校、総合学科高校、そして、再編統合対象校の合わせて18校の拠点校が連携して進めることとしております。  具体的には、県教育委員会と拠点校が連携しながら大学入学共通テストの試行結果を分析し、次期学習指導要領の内容を精査した上で、大学教授などからも指導助言をいただきながら、学習指導方法の改善点を検討いたしまして、各学校で試行と検証を行うこととしております。  御指摘のとおり、全ての県立高校において、高校教育の変革に対応する学習指導方法の改善が行われることが必要でありますので、拠点校以外の高校、ここには特別支援学校の高等部も含まれておりますが、こうした高校にも取り組みの成果をしっかり浸透させていくことが重要であります。  このため、この事業を進めるに当たりましては、拠点校以外の高校には、拠点校での公開授業や研究協議会に参加してもらいますとともに、全高校が参加いたします教科別協議会におきましても、拠点校での授業実践例を報告することとしております。  また、年度末に開催いたします成果報告会にも全高校に参加してもらうこととしておりまして、拠点校におくれることなく全ての高校に成果が浸透するよう取り組むこととしております。  この事業につきましては、現在、県教育委員会におきまして、大学入学共通テストの試行結果の分析と次期学習指導要領の内容の精査を進めているところでありますが、全ての高校が差し迫った高校教育の変革に的確に対応できるよう、しっかり取り組んでまいります。  次に、高校の教員の授業力、教師力の向上についての御質問にお答えいたします。  高校の次期学習指導要領では、歴史総合、これは日本と世界の近現代史を学ぶもので、高校の日本史必修化について、知事から当時の下村文部科学大臣に要請を重ねていただき新設されたものでありますが、この歴史総合など55科目中27の科目が新設、見直しされ、また、アクティブ・ラーニングの視点からの学習指導方法の充実が求められております。  大学入学共通テストの導入も含め、こうした高校教育の変革に的確に対応していくためには、学習指導方法を充実いたしますとともに、御指摘のとおり、高校の教員の授業力、教師力の向上が大変重要であります。  このため、これまでも研究指定校でのアクティブ・ラーニングを取り入れたモデル授業を、他校の教員にも公開しながら研究を進めているところであります。  さらに、今年度は、文部科学省が7月に開催いたします次期学習指導要領に関する説明会を受け、8月に開催いたします全ての教員が参加する教育課程講習会や、全校の教務主任を対象とする協議会におきまして、学習指導要領改訂の趣旨や新科目の内容を周知いたしまして、理解を深めることとしております。  また、同じく8月に開催いたします教科別協議会では、効果的な授業改善例について研究、協議を行うなど、次期学習指導要領に対応した授業が行えるよう指導することとしております。  さらに、先ほどお答えいたしました新たな学び創造事業の取り組みの成果をもとに、教員の年次研修や学校訪問研修などで継続して指導を行うこととしております。  今後とも、高等学校教育研究会などと連携しながら、高校教育の変革に対応できる教員の授業力、教師力の向上にしっかり取り組んでまいります。  最後に、ICT環境の整備についての御質問にお答えいたします。  国の調査によりますと、本県の公立学校におけるICT環境の整備状況につきましては、平成29年3月の時点で、超高速インターネット接続率が100%で全国第1位、電子黒板のある学校の割合が88.1%で全国第8位となっておりまして、全国上位に位置しております項目もありますが、御指摘のとおり、普通教室の無線LAN整備率につきましては5.7%で、全国で最も低くなっております。  平成28年3月に策定されました富山県教育大綱では、第4次産業革命の進展などを見据え、主要施策の1つとしてICTの活用など情報活用能力の育成が掲げられております。  この大綱を受けまして、県立学校では、平成28年度にICT教育モデル校2校において効果的な活用方策について検証を行いまして、29年度は実施校を特別支援学校も含め12校に拡大いたしました。  その結果、平成29年3月の時点で3.1%でありました県立学校の普通教室の無線LAN整備率は、平成30年3月の時点で21.4%となっております。さらに、本年度は実施校を27校に拡大いたしますので、無線LAN整備率は大幅に上昇するものと考えております。  また、新たに配置いたしますタブレット端末につきましても、平成28年度の40台から、今年度は1,024台に大幅に拡大することとしております。  国では、教育のICT化に向け、今年度から5年間の地財措置が講じられておりますし、また、小中学校のICT環境の整備につきましては補助制度も設けられておりますので、各市町村に対しましては、引き続きこうした情報提供や活用に関する助言に努め、支援していくこととしております。  今後とも、市町村教育委員会と連携しながら、県内公立学校ICT環境の整備にしっかり取り組んでまいります。  以上です。 8 ◯議長(高野行雄君)猪俣観光・交通・地域振興局長。    〔観光・交通・地域振興局長猪俣明彦君登壇〕 9 ◯観光・交通・地域振興局長(猪俣明彦君)答弁に先立ちまして、一言御挨拶申し上げます。  去る4月1日付をもちまして、観光・交通・地域振興局長を拝命しました猪俣でございます。観光・交通・地域振興の面から富山を元気にするため、誠心誠意取り組みたいと考えております。議員皆様の御指導、御鞭撻をどうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、私のほうから、あいの風とやま鉄道の経営状況等に関する御質問にお答えいたします。  平成25年策定の富山県並行在来線経営計画概要では、開業後約10年後には利用者数が約20%減少するものと推計されておりましたが、平成29年度の利用者実績は前年度を上回る結果となり、4期連続の黒字になると伺っております。  したがいまして、開業後3年間のあいの風鉄道の利用及び経営状況は、おおむね順調に推移しているものと考えております。  一方で、今後見込まれる人口減少などの影響を考慮しますと、より一層の利用促進を図るなど、経営安定に取り組んでいく必要があることから、あいの風鉄道では、新旅客案内システムによる利用者への情報提供の充実や交通ICカードのサービスエリアの拡大、JR切符を販売する駅窓口の営業時間の見直しなどの利便性の向上に取り組むほか、高岡やぶなみ駅へのエレベーターの設置や、あいの風鉄道所有トイレの洋式化など、バリアフリー化の取り組みも進めてきたところであります。  今年度以降も富山─東富山間の新駅整備を初め、観光列車の整備や富山駅高架下の開発など、利用促進や収益性の向上に向けた取り組みを進めることとしております。  また、並行在来線の運行に当たっては、安全性の確保が最優先されることから、安全性の向上を図るための対策を進めるとともに、安全運行を図るための人材育成を計画的に進めることとしております。  さらに、ことしの冬の大雪を踏まえ、ハード、ソフト両面での除雪対策の一層の充実を図っていくこととしております。  県としても、あいの風鉄道の経営の安定やさらなる利用促進が図られるよう、引き続き必要な支援をしっかりと行ってまいりたいと考えております。  以上であります。 10 ◯議長(高野行雄君)伍嶋商工労働部長。    〔商工労働部長伍嶋二美男君登壇〕 11 ◯商工労働部長(伍嶋二美男君)今後の事業承継の取り組みに関する御質問についてお答えをいたします。  昨年12月に実施いたしました県のアンケート調査では、経営者の事業承継に対する意識が不足している状況が見られまして、その対応がおくれた場合には、後継者不在によりまして経営資源や技術力が失われかねず、地域経済に深刻な影響を及ぼすことが懸念されるところであります。  このため、県では、経営者に早期の準備を促し、事業承継の機運を高めることを目的といたしますシンポジウムを本年8月に開催するほか、議員からも御紹介のありました平成30年度から事業承継税制が抜本改正されたことに伴いまして、改正内容の周知や特例を受けるために必要となる承継計画の認定などを行うこととしております。  また、後継者を確保していくため、新世紀産業機構内に設置しております事業引継ぎ支援センターの相談員を増員いたしますとともに、同センターにおきまして、本年3月に開設した後継者人材バンクを活用いたしまして、後継者不在の事業主と創業を目指す起業家等とのマッチングを図るほか、富山くらし・しごと支援センターとも連携をいたしまして、県外からの移住希望者で創業に関心のある方への情報提供に取り組むこととしております。  さらに、今月下旬には、経済団体、金融機関、士業団体等を構成員といたします、約70団体からなる事業承継支援ネットワークを構築することとしておりまして、ニーズに応じまして事業承継診断を実施するとともに、その結果に基づき、承継コーディネーターによる個別の支援を行うなど、きめ細かく対応することとしております。  今後とも、中小企業者の経営資源を確実に引き継ぎ、また、事業承継を契機といたしまして、経営革新や事業転換を図り、さらなる発展につながりますよう、円滑な事業承継に向けた支援に積極的に取り組んでまいります。
     以上でございます。 12 ◯議長(高野行雄君)芝田農林水産部長。    〔農林水産部長芝田 聡君登壇〕 13 ◯農林水産部長(芝田 聡君)農業未来カレッジの運営方針等についての御質問にお答えいたします。  とやま農業未来カレッジは、昨年度までの3カ年で合計39名の卒業生を送り出しており、いずれも県内において農業法人等に就農したか、あるいは就農に向けた研修を継続しております。  カレッジの運営に当たりましては、農業の基礎技術とともにより高い実践力が体系的に身につくよう、農作業実践実習や経営ノウハウの習得に重点を置いた研修を行うとともに、最先端技術に関する知識を習得するため、今年度からドローンや圃場管理システムの研修などの魅力あるカリキュラムを取り入れており、今後とも農業現場のニーズにマッチし、より充実した内容となるよう努めてまいります。  また、平成27年から30年までの4カ年で、農業系高校の卒業生のうち8名がカレッジに入学をしております。  県では、カレッジと農業系高校との連携を深めるため、カレッジにおける公開講座など、特定の講義への高校生の参加に加え、本年度新たに、カレッジにおいてオープンキャンパスを開催し、高校生親子などに研修を体験していただくほか、中央農業高校の学校祭にカレッジ研修生も参加をいたしまして、野菜等の直売体験を通じ、ともに学び合う環境を整備することとしております。  さらに、カレッジのICTを活用した環境制御型園芸ハウスを中央農業高校の敷地内に整備し、中央農業高校生の実習などにも活用することとしております。  今後とも、高校と連携した農業教育の充実に努め、互いに切磋琢磨して本県農業を担うすぐれた新規就農者が数多く育成されるよう、しっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 14 ◯議長(高野行雄君)水口土木部長。    〔土木部長水口 功君登壇〕 15 ◯土木部長(水口 功君)答弁に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。  去る4月1日付で土木部長を拝命いたしました水口でございます。もとより微力ではありますが、本県の土木行政の推進に誠心誠意努めてまいります。議員の皆様方には、御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。  それでは、建設業の人材確保、安定した事業量確保、発注の平準化についての御質問にお答えをいたします。  県内建設業につきましては、従業員数の減少や高齢化が進んでおり、若手技術者や女性の確保と育成が課題となっておりますが、地域の安全・安心を守っていただいている建設業が将来にわたりしっかりと存続していくことが必要と考えております。  このため、建設業が多くの人に職業選択していただける魅力的な職場となりますよう、県ではさまざまな取り組みを行っております。  具体的には、建設業の魅力をPRする若者向けのパンフレットの県内高校への配布、SNSによる情報発信、高校への出前講座における講師の派遣、また、建設業への定着を図るため、建設業協会が実施されます資格取得のための講座や技能向上研修に要する費用への支援、さらに、昨年度から試行しております働き方改革を促進するため、週休2日制モデル工事や、建設現場の環境改善を図るため、快適な仮設トイレを設置する工事につきまして、今年度は件数を大幅に増やしたいと考えております。  具体的には、週休2日制モデル工事につきましては、昨年度実績は2件でございましたが、これを50件に、快適な仮設トイレにつきましては、昨年度実績8件でありましたが、これを90件に拡大したいと考えております。  次に、安定的な公共事業量の確保につきましては、このための県の当初予算といたしまして、土木部と農林水産部の一般公共事業と主要県単独事業を合わせ、今年度は昨年度を10億円近く上回る554億8,200万円を計上しております。  また、本県に対する公共事業予算が重点配分され、事業進捗が図られますよう、知事から石井国土交通大臣などに対しまして、機会あるごとに強く要望しているところであります。  さらに、年度間の切れ目のない発注や工事の平準化を図りますため、ゼロ県債の活用などにも努めております。  今後とも、建設業の将来を担う人材確保と育成につきまして、建設企業の皆様の御意見も伺いながら必要な施策を進めますとともに、予算の確保や平準化につきましても、議員各位のお力添えもいただきながらしっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 16 ◯議長(高野行雄君)山本公営企業管理者。    〔公営企業管理者山本 修君登壇〕 17 ◯公営企業管理者(山本 修君)答弁に先立ちまして、一言御挨拶申し上げます。  去る4月1日付をもちまして公営企業管理者を拝命しました山本でございます。もとより微力ではございますが、公営企業の推進を通じて県政発展のために誠心誠意取り組む所存でございますので、議員の皆様方には引き続き御指導、御鞭撻賜りますようよろしくお願い申し上げます。  それでは、企業局が経営の健全化と地域貢献にどのように取り組んでいるかという御質問についてお答えします。  公営企業は、議員の御指摘のとおり、経済性の発揮と公共の福祉の増進を経営の基本原則としており、経営の効率化、健全化を図りながら地域社会に貢献することが大切だと考えております。  昨年3月に策定いたしました富山県企業局経営戦略におきましても、経営方針として、効率的な事業の実施による健全経営の確保や県民福祉の向上、地域産業振興等への貢献を掲げており、少子高齢化の進展や施設老朽化など、公営企業をめぐる経営環境が厳しくなる中、県民生活や産業を支える基盤として、今後も安定的にサービスを提供できるよう、中長期的な視点に基づき計画的に事業を進めていくこととしているところでございます。  御指摘のありました剰余金の還元につきましては、平成18年度決算から電気事業の利益の一部、毎年1億5,000万を一般会計に繰り出し、地域振興基金に積み立てており、水源涵養のための森林整備事業や地域振興に活用されておりますほか、平成24年度決算からは再生可能エネルギーの固定価格買取制度の適用によって得られました上乗せ利益について、その全額、毎年5億円程度でございますが、これを一般会計に繰り出し、元気とやま未来創造基金に積み立てておるところでございます。  さらには、県営電力の使用を通じて県民ニーズの高い子育て支援施策に貢献するため、今年度から子供3人以上の多子世帯を対象として、子育て支援事業、とやまっ子すくすく電気を実施しており、議員から御紹介のあったとおり、去る6月1日から申請受け付けを開始し、昨日までに286件の申請をいただいているところでございます。  このほか、水道事業、工業用水道事業などについても、良質の水を安定して供給できるよう計画的に施設の老朽化更新を行い、引き続き県民生活や産業を支えていくこととしており、今後とも経営戦略に基づきながら、コスト意識を徹底し、県民の暮らしとともにを念頭に、安全で快適な暮らしの支えとなるよう、公営企業としての役割を果たしてまいります。  以上でございます。 18 ◯議長(高野行雄君)石黒危機管理監。    〔危機管理監石黒雄一君登壇〕 19 ◯危機管理監(石黒雄一君)答弁に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。  去る4月1日付をもちまして危機管理監を拝命しました石黒でございます。もとより微力ではございますけれども、安全・安心な富山県の確立に向けまして誠心誠意取り組んでまいりますので、議員の皆様方には御指導、御鞭撻のほどをよろしくお願いいたします。  それでは、弥陀ヶ原火山の火山防災対策に関する御質問についてお答えをいたします。  弥陀ヶ原の火山防災対策につきましては、平成28年2月に弥陀ヶ原が火山災害警戒地域に指定された後、一月後の3月に火山防災協議会を設置いたしまして、当協議会におきまして、関係者と密接な協議を行いまして、これまで噴火警報の迅速な伝達や暫定的な入山交通規制などの検討に取り組んできましたほか、ことし1月には噴火シナリオの検討や噴石シミュレーションの公表を行ってきたところでございます。  また、議員御指摘の山小屋の民間施設等を活用した避難施設の整備につきましては、県として立山町などと連携しながら、かねてから国に対しまして財政支援を要望してきたところでございますけれども、今年度から制度的に国庫補助の対象として拡充されまして、今年度は既に立山町に交付決定がされているところでございます。  県としても、引き続き立山町や立山山荘協同組合と密接に連携しながら、計画的に噴石対策が進められますよう支援してまいりたいと考えております。  なお、弥陀ヶ原火山では、前兆現象の把握が難しい水蒸気噴火が想定されていることから、今年度も、火山ガスや熱水など火山活動の調査研究を図るとともに、協議会におきまして、立山町を初め、関係機関と連携しながら、まず、議員の御指摘のありました火山ハザードマップにつきまして、本年の夏ごろに作成することとしているほか、噴火活動の段階に応じた対策を定める噴火警戒レベルの設定や、立山町などが策定する避難計画の協議など、火山防災対策を着実に推進したいと考えているところでございます。  立山地域は年間100万人が訪れる観光地であります。また、国立公園内であり、自然公園法の規制を受けることなどにも留意しながら、関係機関とも連携いたしまして、今後とも観光客や登山客の安全確保にしっかり取り組んでまいります。  以上でございます。 20 ◯議長(高野行雄君)前田厚生部長。    〔厚生部長前田彰久君登壇〕 21 ◯厚生部長(前田彰久君)医療・介護連携、介護人材確保に係る御質問にお答えをいたします。  高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせる体制を構築するためには、医療・介護連携の推進や介護人材の確保などが重要と考えており、平成30年度からの新たな県の医療計画や介護保険事業支援計画においても、主要施策として位置づけております。  医療・介護連携の推進については、認知症疾患医療センターの設置、運営支援、県在宅医療支援センターによる開業医の連携・グループ化等の支援、入退院調整ルールの普及など医療・介護関係者の相互理解の促進による連携強化などに取り組んでまいりました。  今年度は、さらに認知症の見守り体制づくりに向けた普及啓発やICTを活用した地域医療・介護連携の情報共有基盤整備への支援、病院と訪問看護ステーションとの人材交流、相互研修など、医療・介護連携の充実強化に取り組むこととしております。  また、介護人材の確保対策につきましては、今年度新たに高校生を対象にしたインターンシップや中高生向けのタブロイド紙への介護の魅力PR記事の掲載、潜在介護福祉士等に対する復職研修、腰痛予防研修の拡充、介護ロボット導入支援の大幅な拡充など、一層充実を検討してございます。  処遇改善につきましても、本年度までに3度加算の充実が行われておりまして、それにあわせて県として独自に事業者を支援しており、これまで県内の約8割の事業所が加算の取得をしているという状況にございます。  県といたしましては、今後とも市町村や医療・介護関係者と連携を図りながら、医療と介護の連携強化などにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 22 ◯議長(高野行雄君)須河生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長須河弘美君登壇〕 23 ◯生活環境文化部長(須河弘美君)答弁に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。  去る4月1日付で生活環境文化部長を拝命いたしました須河弘美でございます。所管の生活、環境、文化の諸課題に全力で取り組んで参りますので、議員の皆様には、昨年度以上の御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願いいたします。  それでは、富山物質循環フレームワークの実現に向けた取り組みについてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、県民の食品ロスへの認知度は、平成29年度において64.8%と、全国の73.4%より低く、今後、食品ロス削減を進める上で県民意識の向上は重要な課題の1つでございます。  また、海岸漂着物の8割は県内由来であり、その削減のためには、県民一人一人が廃棄物の適切な処理について認識を深める必要があると考えております。  県では、これまで環境保全に向けた県民意識の向上のため、1つには、全国初の県単位でのレジ袋の無料配布廃止、また、2つとして、トレイ、ペットボトルなどの資源回収、リサイクルを推進するとやまエコ・ストア制度の創設、また、3つ目に、県民総参加で食べきり、食材の使い切りなど食品ロスの削減を進める3015運動の推進などに積極的に取り組んできております。  議員御紹介のとおり、本年10月には、本県において3R推進全国大会が開催されるところであり、この機会に本県の先進的な取り組みをさらにレベルアップし、全国に発信していくために県民の意識の啓発に一層取り組む必要があると考えております。  このため、本年度は新たに、8月の1週間に家族や職場、学校などのグループ単位で一斉に食品ロス削減を競うロスゼロウイーク県民チャレンジや、食材を無駄なく使うサルベージ・セミナーの開催支援、清掃活動を促進するスマホアプリ活用などに取り組むこととしております。  富山物質循環フレームワークが目指す資源効率性の向上と3Rの推進に向け、県民一人一人が日常生活において環境保全に取り組めるよう、意識啓発の一層強化に努めてまいります。 24 ◯議長(高野行雄君)蔵堀総合政策局長。    〔総合政策局長蔵堀祐一君登壇〕 25 ◯総合政策局長(蔵堀祐一君)答弁に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。  去る4月1日付で総合政策局長を拝命いたしました蔵堀でございます。今後とも、県政発展のため誠心誠意取り組んでまいります。引き続き議員の皆様の御指導、御鞭撻をよろしくお願いいたします。  それでは、居住外国人との共生への取り組みに関する御質問にお答えをいたします。  県内の外国人住民数は、平成9年では8,265人でございましたが、昨年平成29年では1万6,637人と、20年前の約2倍となっている状況でございます。  こうした増加に伴いましてさまざまな課題がある中、多文化共生の地域づくりに当たりましては、市町村が中心となって取り組むことが基本とはなっておりますけれども、県では市町村でも対応が難しい専門的な課題や広域的対応が求められる課題に対応いたしまして、市町村の取り組みを支援していくことといたしております。  市町村では、ごみの出し方ガイドの作成やホームページの多言語化など、多言語での生活情報の提供といった基本的な施策を実施し、県では、専門的な課題への対応といたしまして、1つは、日本語が不得意な外国人住民を対象とした、生活オリエンテーションも兼ねた初期の日本語教室の開催を行っております。また、住民ボランティアが運営いたします日本語教室への支援も行っているところでございます。  3つ目には、外国人技能実習生の仕事ですとか生活の充実を図りますために、実習生を対象とした日本語研修への支援なども実施をいたしております。  さらに、広域的な課題への対応といたしまして、災害にふなれな外国人住民を支援いたしますボランティアの養成ですとか、外国人住民も参加いたします防災研修の開催などを行いまして、市町村の取り組みを支援いたしております。  さらに、加えまして、最近では実際の課題解決に当たります市町村担当者から実態をうかがいますために、多文化共生に関する市町村担当者会議を開催しているところでもございます。  また、昨年からですが、外国人住民の中から外国人と地域社会との橋渡し役になれるキーパーソンを育成するためのセミナーを開催し、外国人の方と地域住民が共生する地域づくりに取り組んできております。  県といたしましては、引き続き外国人住民を含めた全ての県民が安心して暮らせるよう、国や市町村、民間ボランティア団体などと連携して多文化共生の推進にしっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 26 ◯議長(高野行雄君)以上で、鹿熊正一君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  午後0時04分休憩      ─────────────────────  午後1時00分開議 27 ◯議長(高野行雄君)休憩前に引き続き会議を開きます。  菅沢裕明君。    〔32番菅沢裕明君登壇〕 28 ◯32番(菅沢裕明君)社民党・無所属議員会を代表して、最初に当面する県政課題について4点質問いたします。  第1は平成30年度県予算の執行管理について、どのように工夫していくのかについてであります。  県予算は県議会の論議を通じて成立し、県の諸部門が土木・農林の工事や教育、社会福祉などの施策に応じ使われてまいります。予算の目的が的確に実現し、効果が波及するよう、また無駄遣いなどのないよう予算執行の過程をチェックしていく必要があります。  特に公共事業については、一般公共など634億円、県単149億円、さらに480億円近くの繰り越しを加えて、総額1,200億円超の巨額となります。  こうした予算の効果が発揮され、景気の波を調整するためにも、予算の前倒し発注や予算執行の平準化など執行管理が重要となります。  また、この間、土木・農林関係の職員が大幅に削減されてまいっておりますが、現在の県の事務処理能力で対応できるのかも危惧されるところであります。知事の所見をお伺いいたします。  第2は、県外からの県内への移住についてであります。  平成27年5月に公表された「食料・農業・農村白書」の特集は、田園回帰でありました。  この白書は閣議決定を経たものであり、田園回帰という言葉とその認識を政府が正式に認めたことを意味しました。  こうしたことは世論調査の結果でも裏づけられ、特に男性の20歳代が47%も、将来農山漁村に移住したいと答えていることが目立っておりました。  近年になって、全国で都市部からの地方への移住が増えてまいっております。こうした人口の逆流現象は、地方の再生に今や欠かせない要素となってきており、持続的な社会の創造のために、県政においてもさらに積極的な移住に関する取り組みを求めたいと思うものであります。
     そこで県は、平成29年度の移住者数は過去最高の729名、20、30代の若者が多いと公表いたしました。その中で、県、市町村の移住相談窓口を通した移住者483名については、私の求めに応じ市町村別に移住者を明らかにされましたが、他の246名は市町村別の内訳を明らかにしておりません。これはなぜなのか。市町村によって、移住、定住、UIJターンなどの定義が不明確で、実際は正確な実態把握ができていないからではないでしょうか。  市町村によって取り組みに強弱があっても、共通の重点施策になってきており、施策交流し、県の支援を強めるためにも、成果を公表し明らかにしていくほうがよいと私は考えます。総合政策局長に質問いたします。  移住については、情報発信から定住後のフォローまで切れ目のない支援を、市町村との連携の中で展開していくことが緊要とされます。移住の成果を上げるために、情報発信から相談、誘致、そして移住の体験、交流、移住の受け入れ、仕事や住居の問題ですね、さらにフォローアップまでの市町村と連携した取り組みが求められております。  こうした中、市町村への定住支援員配置が全国で進められておるわけでありますが、そうしたことを含めて移住の成果をさらに上げていくためにどのような施策を展開していくのか、知事の見解を伺います。  第3は、当面する県農政のうち、平成30年産米作付の動向と評価についてであります。  農水省は30年産米の作付動向を公表しておりますが、30年産米は米の生産調整見直しの初年であり注目されました。この中で本県の主食用米や戦略作物、備蓄米などの作付状況は現段階でどのように把握されておるのでありましょうか。米の需給と価格の安定策、そして水田フル活用の実績とも関連する重要な案件であり、知事に現状把握と評価について伺います。  そして、米の直接支払交付金10アール当たり7,500円が廃止をされましたが、米生産への意欲の減少傾向が生まれていないか、また、農家経営の影響が危惧されますが、あわせて知事の所見を伺います。  本県農業生産を持続発展させていくために、価格保障や所得補償の充実などは必須の条件であり、将来に向けて農業に意欲の持てる生産基盤を、土台を整えていくために、県の役割は極めて大きいと考えます。  次に、県農政に関連して、イノシシなどによる農作物被害が深刻化している現状と対策について、農林水産部長に伺います。  平成29年度の県下の鳥獣被害はイノシシが大半を占め、総額9,473万円と試算されております。中山間地を中心に農家の心労と負担は大きく、県などの本格的な取り組みを求める声が大きく強くなっております。  イノシシなどの有害鳥獣の捕獲技術の向上と、餌場や隠れ場となる放任果樹や雑草地等の管理を一層徹底することなど、まずジビエとしての利活用の推進も含め、対策のための予算増額や市町村への支援強化などを求めたいと思います。  第4は、本年4月に県東部の市立中学校に勤務する42歳の教員が、地方公務員災害補償基金、支部長は石井知事でいらっしゃいますが、によって過労死と認定された件についてであります。  子供たちのために毎日の授業や運動クラブで熱心な指導を行っていた教員が、クモ膜下出血で亡くなられたわけであります。お亡くなりになる前の数カ月間は、月120時間から130時間の長時間勤務が続き、体調不良を訴えて勤務での配慮を校長に求めておられたとの情報もあります。こうした中で働き過ぎによって命を落とし、過労死と認定されたことは、教育関係者のみならず学校を取り巻く地域や保護者、子供たちにも大きな衝撃を与えております。  現在のところ御遺族の意向もあり、過労死の詳細は公表されておりません。しかし、長時間の苛酷な労働が多くの職場で常態化し、過労死が多発し社会問題化しております。  国会では内容に不十分さはあるにしても、長時間勤務の規制などを中心にした働き方改革の法案が論議をされている中で、今回の問題をどのように取り扱うのか。過労死に至る経過を検証し、再発防止に向けて教訓化し、再発防止策を徹底して講じていくことが求められていると考えます。  知事は本会議の提案理由で、この過労死について一切触れられませんでしたが、氏名の公表などはできないにしても、今回の過労死をめぐる案件の検証や、今後の実効性ある再発防止策について、何らかの意思表示、発言があっていいのではないでしょうか、知事の見解を伺います。  次に、教職員の時間外労働の実態把握を進め、学校の働き方改革を急ぐ必要があるということであります。  厚生労働省の過労死認定ライン、1カ月100時間以上、複数月平均80時間以上の時間外勤務を超えての時間外勤務は、昨年度、本県の学校現場では、県教員出退勤把握調査によると県立高校で34%、県教組勤務実態調査によると中学校では72%、小学校では46%となっております。いつ、誰が倒れてもおかしくない状況であり、学校教育への影響も危惧されるのであります。  しかし、こうした時間外勤務もタイムカード等での時間管理がなされておらず、時間外勤務命令と実際の労働時間とは乖離があるのが現状といわれます。  今回の過労死の件も、当該中学校は教員の出退勤時刻を把握しておらず、まさに奇跡的に、当該教諭の使用していた業務用パソコンに起動と終了の時刻が記録されていたため、それが手がかりに申請ができたのでありました。それがなければ認定は難しかったといわれております。  今後は、県下の全ての学校で客観的な記録が行われるよう、タイムカード、ICカード化を進めるため、県立学校での導入、市町村にも導入を指導するよう予算措置を求めます。教育長の所見を伺います。  また、今年度から部活動指導員が配置されましたが、高校10校の10名、中学校38名にすぎません。学校現場では欠員を臨時任用で穴埋めしたり、慢性的な人不足の状態があり、こうした状態の改善についてもあわせて教育長に伺いたいと思います。  次に、県民生活の安心・安全に関連して2点質問いたします。  その第1は、富山湾岸域の海岸施設に関してであります。  富山湾岸の海岸線は総延長約150キロにわたり県民と海とが接触し、漁業や港湾など生産の場であったり、海の自然を楽しむ憩いの場であったりします。しかし、ときには荒れて高波や津波が予想される危険もあります。  この海岸線では近年はサイクリングコースが整備され、大型クルーズ客船が接岸し、世界で最も美しい湾クラブ加入が大きな話題となっております。  この富山湾岸域150キロにわたる建設海岸、港湾海岸、漁港海岸のそれぞれの海岸施設、護岸や防波堤などの保全施設、漁港や港湾施設などの耐震、老朽化状況の総点検、健全度調査が平成28年、29年度実施をされました。そしてほぼ完了いたしております。  その中で、建設海岸では施設に大きな変状があり、改良の実施に関し検討が必要な要事後保全が全県で10カ所約1.5キロメーター、さらに沈下などで施設機能に影響があり修繕等の実施に関し検討が必要な要予防保全が全県で66カ所、約12キロメーターありますが、66カ所とされております。港湾海岸では要予防保全が10カ所、漁港海岸では要予防保全が9カ所ありました。  このような調査結果をどのように受けとめ、またその結果に基づき今後改良などの事後保全や修繕などの予防保全がどのように行われるかということであります。その総事業費などの見通しはどうなるのか、今後の長寿命化計画の策定とあわせて、知事に質問をいたします。  次に、こうした海岸工事についてでありますが、波浪の状況や海底の地形を踏まえ、景観、養浜などにも、養浜というのは砂浜を養生するという意味であります、十分配慮して実施する必要があります。氷見のマリノベーション地区の階段式護岸、約14億円の投資でありますが、高岡市雨晴地区のCCZの約51億円の投資などの工事では、階段式護岸が全く機能せず、雨晴のCCZでは砂浜が消失するなど巨額の投資が無駄になっております。  こうした海岸工事の施工に当たっては、県庁各関係部局横断の海岸工事研究会などで調査研究し、技術力を高めて、慎重な事業推進が必要となっております。土木部長の見解を伺いたいと思います。  第2は、梅雨に入りましたが、この時期の土砂災害への備えについてであります。  毎年、全国各地、県内でも集中豪雨などにより土砂災害による大きな被害が発生をいたしております。梅雨の時期を迎えるに当たり、県民が住まいの地域の土砂災害警戒区域、避難所などを確認したり、気象情報や避難勧告などの防災情報に注意し、危険を感じたら早目に避難するなど土砂災害への備えが必要であります。  そこで土木部長に次の2点を質問します。  1つは県内の土砂災害対策に関して、土砂災害危険箇所や施設整備の状況はどうなっているかであります。市町村ごとの箇所数と整備率はどうなっているのかであります。また、今後は整備の進捗をどのように図っていくのかについても土木部長に伺います。  2つ目は土砂災害に備え、人的被害を防止していくための早目の避難に向けた県の取り組みについてであります。土木部長、いかがでしょうか。  次の質問は、県民福祉の向上についてであります。まず、県の認知症対策について、知事に質問いたします。  認知症の有病率は上昇を続け、富山県の認知症高齢者の将来予測では、平成26年の約5万人、有病率は15.7%でありますが、7年後には約6.7万人、有病率は20.1%と予測されております。  こうした中で、平成30年度の県の認知症対策の重点は何か。また、介護を受けられる入所施設の充実への要望が依然、高齢者施策の上位を占めておるのでありますが、この4月から始まった第7期介護保険事業支援計画での対応はどうなっているかであります。知事に質問いたします。  次に、認知症予防についてでありますが、日常からの生活管理が予防につながるといわれております。バランスのよい食生活、適度な運動、日常生活を活発にする、生活習慣病を放置しない、毎年健康診断を受けるなどが大事とされております。  私はなかなかこれらは守れませんが、議員の皆さんはいかがですか、知事はいかがですか、健康に気をつけていただきたいと思っております。  認知症発症予防のための日常生活の取り組みや、早期発見、早期対応が大切といわれますが、どんな対策を取り組んでいくのか、医師でもある厚生部長に説得力のある答弁をお願いしたいと思います。  第2は精神障害者への医療費助成についてであります。  県の重度心身障害者等医療費助成制度では、65歳未満の精神障害者保健福祉手帳1級は対象ではありません。また、65歳から69歳までについても精神障害者保健福祉手帳3級は対象になっておらず、以前から指摘をされているわけでありますが、身体、知的障害と格差があります。平成23年の障害者基本法改正で、精神障害者も身体、知的と同じ障害者の中に加えられてまいりました。こうした中で、対象要件に精神障害者を新たに広げる動きが全国に広がっております。岩手県、静岡県、島根県、長崎県、そして東京都で開始され、今後の実施予定を決めている新潟県、大阪府を合わせて、全国28都道府県が医療費に何らかの独自の支援を行うことになります。  県精神保健福祉家族連合会のアンケートでは、精神障害者本人の平均収入は約97万円、家族の世帯収入も30.7%は年収300万円以下と大変厳しい状況でありました。4月24日開催の平成30年度第1回市町村長会議では、出席首長から拡充を求める発言がなされております。特に、富山市の森市長はこのことを強調されました。その中で知事は、国の制度としてどう考えるかが先決だが、もう一度中身を精査すると述べておられますが、その後、知事はどのようにこの制度の改善について精査をされたのでありますか。答弁も既にいろいろあるわけでありますが、改めて知事の所見をきょうは伺っておきたいと思います。  第3に、県社会福祉協議会の活動について質問いたします。  県社会福祉協議会は昭和25年の設立以来68年、県民福祉の向上のために大きな役割を果たしてまいりましたことは私も評価いたします。しかし、長年の経過の中で、組織上、活動上に改善すべき問題もあり、知事の見解を伺いたいと思います。  まず、問題点として指摘したいのは、平成28年度収支決算に見られる大きな残高についてであります。収入34億5,903万円に対し、支出は17億6,339万円で、差し引き16億9,564万円の大きな残高があります。その背景には各種の貸付事業、資金事業の低迷があります。介護福祉士等修学資金貸付事業を見ますと、資金の毎年の積み増しがある中ではありますが、3億7,326万円の資金に対し支出はわずか4,694万円、残高は3億2,631万円で、予算の執行率は13%にすぎません。この中で事業実績は平成28年度新規20名、実務者研修4名、介護業務に再就職する者18名とほとんど実績が上がっていないのであります。平成28年度の介護職員の県下の就業者数は1万7,116名、第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数は平成37年、9年後には2万1,726人で、不足は4,610人となります。毎年相当数の人材確保が必要となるわけであります。  こうした人材確保のために、ほかにも施策の検討がいろいろあるわけでありますが、この貸付資金などが総動員されて成果につながることが求められていると私は考えます。知事、どのように見られますか。  次に、保育支援貸付事業でも、28年度3億5,204万円の資金総額に対し、支出は390万円で、執行率は1%ちょっとであります。保育補助者雇上費貸与は1法人にすぎません。潜在保育士就職準備金貸与も8名の実績では、制度存続の意味そのものが問われている事態であります。資金総額4,474万円の児童養護施設退所者等貸付事業については、貸し付け実績はありませんでした。  また、生活福祉資金、要保護世帯向け不動産担保型生活資金にしても、利用が低迷し、巨額の資金が未利用のまま残っているのであります。  こうした低迷する実績をどのように見るのか、制度上、運用面などで改善の必要があると私は考えますが、知事の見解を伺いたいと思います。  2点目は、生活福祉資金貸付事業では、9億4,798万円の大きな資金を保持しながら、貸与実績は4,824万円、貸し付け率は5%にすぎず、しかも市町村ごとの貸し付け実績に大きな格差、砺波市1件から富山市149件までですが、格差があり、制度本来の役割を果たしていないのではないか。子供たちへの就学援助が増え、県下の生活保護率も上昇傾向にあり、県民の中に生活困難、貧困化、格差が広がっております。この制度の運用、活用を根本的に見直す必要があると考えます。厚生部長に質問をいたします。  3点目は、県社協が県東部3市から生活困窮者自立支援事業を受託していることについてであります。  平成27年4月から始まったこの事業は、福祉事務所設置自治体、県下各市と一部県でありますが、事業を実施し、生活保護に至っていない生活困窮者に対する自立相談、プラン作成、就労支援などの事業が取り組まれております。しかし、この事業は本来、当該自治体が独自か、委託の場合でも市社会福祉協議会にすべきであって、その中で地域密着型で展開することが、制度の趣旨を生かし、成果、実績につながると私は考えております。  県社協はこの事業に関連して、生活困窮者自立支援対策推進事業として県民及び福祉関係者への制度周知などの取り組みを行っておりますが、こうした取り組みこそ県社協の本来の役割ではないか、厚生部長に質問をいたします。  私は東部3市へのこの事業の県社協への委託については、当該自治体がまず見直さなければならない、県社協も安易にこういうものを受託すべきではないというのが私の見解であります。  この質問の最後に改めて知事に伺います。  県社協の業務は県からの委託業務が多く、全体業務の25%を超えております。今年度も認知症に関する新規事業の新規委託などで県社協の業務がますます拡大し、県第2厚生部の感があるとの、私だけじゃないですよ、批判があるのであります。かなりありますよ。  その上に、これは国、県の補助事業でもある各種の資金貸付事業の、先ほどから申し上げてまいりましたような低迷の中で、県社協の本来の役割、使命が私は問われている、そういう事態となっていると考えます。さらに私は、県社協の幹部人事についても、県の退職者や出向者が占めることは改めていくべきだろうと考えております。もう十分に立派な職員が、プロパー職員として育っていることに注目すべきであります。  県社協の主要な役割は、社会福祉にかかわる人材確保や育成、市町村社協等と福祉関連の組織の育成、活動支援にあるのであり、そうした活動を通じて、県民福祉の向上に貢献していただくことではないかと考えます。  県社協の現状認識やあり方について、知事の率直な御意見を賜りたいと思っております。  最後の質問は、北陸新幹線建設促進同盟会の石井知事の会長職の問題であります。  北陸新幹線は今後、関西方面に重点が移り、関係各府県の意見集約、調整が重要となる段階であります。自治体負担のルール、財源スキームの見直しを求める関係府県からの意見もありますし、JR湖西線の経営分離問題、これについては滋賀県は極めて厳しい意見を持っております。京都─新大阪間の大深度地下の難工事などの問題は未解決のままであります。2兆円もの巨額建設費の見通しもいまだに立っていない状況であります。  こうした中で、北陸、関西7商工会議所が今後の着工路線の多くが関西にあるため、京都、大阪府がリーダーシップを発揮して早期の全線開業への活動を強化することを促すという共同アピールを出しているのであります。  北陸新幹線の本題が敦賀以西に移った今日、富山県の立ち位置はどうあるべきか。北陸新幹線の関係県として全力で、早期全線開通に取り組むとは私も理解いたしますが、沿線府県の論議に耳を傾け、脇役に徹することが私は筋ではないかと考えるわけであります。  提案理由で知事は、北陸新幹線開業3年間の開業効果に触れられましたが、開業効果の全県への波及にもっともっと全力を挙げ、そうしたモデルを全国に発信することが、富山県知事の責務ではないかと考えるわけであります。  何も知事、会長やめろと声高に迫るわけじゃないので、賢明なあなたでありますから、心中期するところがあるのではないかと先ほどから拝察いたしておりますが、知事の所見をこの機会にお伺いし、社民党・無所属議員会を代表しての質問を終わりにいたします。  議場の光線の関係でこれで原稿を支えさせていただきました。こうすることが、議運にかけねばならんというのが事務局の見解でありましたが、私は極めて遺憾でありました。したがって、議長、勝手でありましたけれども、自分で排除させていただきました。つけ加えて質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 29 ◯議長(高野行雄君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 30 ◯知事(石井隆一君)社民党・無所属議員会を代表されましての菅沢議員の御質問にお答えをします。  まず予算の執行管理についてであります。  予算の執行に当たりましては、担当部局において計画的な執行管理に努めるとともに、財政担当部局によるさまざまな確認をあわせて行いますことで、効率的かつ効果的な執行を行って、事業効果の早期発現にも努めております。  議員から御指摘がございました公共・主要県単独事業の執行に当たりましては、ゼロ県債とかゼロ国債、あるいは繰越明許費の活用によりまして、年度間の切れ目のない工事発注に努めますとともに、年間を通じた発注の平準化を図って、安定的な予算執行に取り組んでおります。  また、予算執行の効果を早期に発揮させるために、土木部や農林部を中心とする担当部局におきまして、設計図書の電子配付や一般競争入札のスケジュールの短縮による入札契約手続の迅速化、また、概算数量発注など入札手続の柔軟化などによりまして、迅速かつ効率的な発注にも努めております。  繰り越しを含む平成30年度の公共等の事業費は、例年に比べて大きくなっておりますけれども、これは防災・減災対策を初めとした社会資本整備や地方創生に向けた拠点整備などに取り組みますために、平成29年度の国補正予算に積極的に対応した2月補正予算を編成いたしましたために、繰越額が約480億円と、平年に比べて大きくなったことによるものであります。  この地方創生の予算なんかについては、全国比較しますと富山県が断トツに予算獲得しているわけでありまして、むしろ予算獲得の成果であると理解していただきたいと思います。  ただし、過去、同様に繰越額が多額となった平成24年度や25年度の翌年度執行率を見ますと、それぞれ95.5%、94.8%と平年度並み、またそれ以上に執行ができております。  繰越額が多くて職員の能力で対応できるか不安だという御懸念がありましたけれども、私は職員を信頼しておりまして、今年度についても同様にしっかりと対応できると、こういうふうに考えております。今後も努力してまいります。  次に、県外からの移住についての御質問であります。  県や市町村の移住相談窓口を通した移住者数、平成29年度は729人と過去最高となりました。八、九年前まではせいぜい200人ぐらいだったことを考えますと本当にうれしいことであります。  移住施策の促進には、まずは富山の魅力を知り、富山を移住先として選んでもらうこと、その上で長く富山で生活していただくこと、また、議員御指摘のとおり、情報発信からフォローアップまで県と市町村が連携して、切れ目のない支援を展開していくことが重要であると考えております。  そこで県としましては、情報発信あるいは相談、誘致については、子育て環境の魅力を強くアピールしますほか、移住希望者の相談窓口であります富山くらし・しごと支援センターに、東京では大手町オフィス、また、関西では大阪オフィスをそれぞれ新設しまして、相談体制を大幅に拡充いたしました。  また、体験交流については、新たに首都圏などの子育て世帯を対象としたとやま暮らし体験会の開催に加えまして、転勤で富山県にいらした家族の皆さんとの意見交換会も行うことにいたしております。  さらに仕事や住居など受け入れにつきましては、富山くらし・しごと支援センターの仕事相談員による職業紹介ですとか、移住相談員による市町村が設置する空き家バンクの物件情報や住まいに関する市町村の支援制度などの情報提供などを行っております。  また、フォローアップという話がありましたけれども、私も参加させていただいて移住者交流会というのもやっておりますし、移住者同士の親交を深める小規模な交流会も開催しておりますほか、移住者の定着状況の把握に努めていくことにしております。また、定住定着支援については、移住コーディネーターを県で2名、1市1町でそれぞれ1名配置しているところであります。  県としては、引き続き市町村と連携協力しながら、担当局長に別途市町村別の移住者数も調べたらどうかという話もありました。私も本当は前からそう思っていたのですが、働き方改革の時代ですからあまり仕事を増やしてもなという遠慮があったんですけれども、必要なことだと思いますので、後で局長が答弁すると思いますが前向きにやっていきたいと思います。  次に、米の作付動向についてお答えをいたします。  平成30年産米から行政による生産数量目標の配分廃止など、国の米政策が大きく見直されました中で、先般、国が公表した4月末現在の主食用米の作付動向では、本県を含む34の道府県が前年並みとなっておりまして、29年産と比べて大きく変化する状況にないと見込まれております。  また、今年度から米の直接支払交付金が廃止されましたけれども、全国一水田率の高い富山県でございます。その財源を農業者の収益が確保される施策に振り向けていただくように、国に対して相当しつこいぐらいお願いしてまいりました。  その結果として、国の平成30年度の当初予算において、戦略作物助成や産地交付金、土地改良事業などの増額とともに、収入保険制度に要する経費が計上されたところであります。  県としましては、これらの施策を有効に活用しまして、大豆、大麦、飼料用米等の新規需要米、また、加工用米などの戦略作物、また、産地交付金を活用した園芸作物などの生産振興による、さらなる水田フル活用を推進することにしております。  こうした取り組みによりまして、飼料用米、加工用米、輸出用米の非主食用米の作付面積は平成29年の2,726ヘクタールから、本年は2,955ヘクタールに増加する、229ヘクタール増えているわけですが、そういうふうに需要に応じた米づくりが進められますとともに、園芸の1億円産地づくりによるタマネギなどの生産拡大などが図られております。  さらに今年度は新たに、「富富富」の戦略的導入など富山米の品ぞろえの充実によるブランド力の向上、タマネギ生産の県内他地域への展開に対する支援ですとか、県独自の施策に取り組むこととあわせまして、引き続き国に対して経営所得安定対策の充実等を要望しまして、農業者の所得確保や経営の安定化を図るということにいたしております。  今後も意欲ある農業者が希望を持って取り組めるように、県、市町村や関係団体と連携して支援してまいります。  次に、教職員のいわゆる過労死問題の御質問にお答えをいたします。  報道でもございましたけれども、地方公務員災害補償基金富山県支部といたしまして、この基金本部と十分協議いたしました上で、今年度に県内の義務教育学校教員の脳・心臓疾患による死亡事案を公務災害として認定したところであります。  教育現場で高い志や情熱を持って頑張ってこられた教員が、いわゆる過労死ということになりましたのは、まことに残念で、まさに痛恨のきわみであり、二度とあってはならないことと思っております。  詳細な経過や内容については、御遺族の希望や基金本部の個人情報保護の方針もありますので、公開は適当でないと考えておりまして御理解いただきたいと思います。
     また、何より重要なことは、今回のようなことが二度と起きないように、教職員の働き方改革、多忙化解消を確実に推進していくことと考えております。  教職員の働き方改革については、国においても中央教育審議会に特別部会が設置されまして、学校における働き方改革に関する総合的な方策についての検討が進められますとともに、文部科学省が実施する内容を昨年末に緊急対策として取りまとめられたところであります。  国のこうした動きを踏まえまして、県の教育委員会ではこれまでも教員の勤務時間に関する意識改革への取り組みを進めてきたところでありますけれども、今年度は新たにスクール・サポート・スタッフや部活動指導員の配置、また、国の目標を1年前倒しして全ての小中学校へのスクールカウンセラーの配置や、全ての中学校区へのスクールソーシャルワーカーの派遣に取り組むこととしております。今回、公務災害認定をした教員の方の学校にも配置することにいたしております。  今後も教職員の時間外勤務の縮減や多忙化解消、また、働きやすい職場環境づくりに取り組みますなど、今回のようなことが二度と起きないように再発防止にしっかり生かしてまいります。  次に、富山湾岸域の海岸施設についての御質問にお答えをいたします。  富山湾は全国でも有数の侵食海岸でありまして、県ではかねてから高波などから背後地を防護する堤防ですとか離岸堤など海岸保全施設の整備を進めてまいりました。これらの施設については、おおむね月1回程度の頻度でパトロールをいたしましたり、状況把握に努めて、必要に応じ補修を行っておりますけれども、整備から50年を経過した施設がおおむね3割となっているなど、老朽化が進んでいるわけでございます。  県ではライフサイクルコストの縮減、また修繕費用の平準化を目的に、今年度中に海岸保全施設の長寿命化計画を策定することにしておりまして、既に昨年度末までに大半の施設の点検と健全度評価を終えております。健全度評価は同様の構造物ごとに区間を区切りまして、4段階で評価しております。評価が完了している237区間、これらには同じ国交省でも水管理・国土保全局の分とか、港湾局の分とか、あるいは別途水産庁の所管とかございますけれども、全部で237区間のうち問題のない区間は35区間、当面対策の検討は必要ないが監視が必要な区間は107区間、沈下やひび割れが生じているなど修繕等の検討が必要な要予防保全区間は85区間、それから、大きな変状が発生するなど改良等の検討が必要な要事後保全区間は10区間ということでありました。優先度が高い要事後保全区間のうち9区間では既に事業に取り組んでおりまして、今後の事業費、平成31年度以降約5億円と見込んでおります。残りの1区間についても国に新規事業化を要望中であります。  また、要予防保全区間については、緊急性に応じて一部で対策、例えばクラック補修等を講じておりますけれども、今後の事業費につきましては、今年度中に策定いたします長寿命化計画において検討することにいたしております。  今後も必要な海岸保全施設の整備、着実に進めてまいりまして、また、そのことが富山湾の美しい海岸の保全と、また、沿岸域の県民の皆さんの安全・安心の確保につながるようにしっかり取り組んでまいります。  次に、認知症対策についての御質問にお答えをいたします。  県ではこれまで、認知症対策のさまざまな取り組みを行ってまいりました。その結果、最近3カ年で認知症サポート医は約60人、認知症サポーターは約5万2,000人増加するとともに、認知症高齢者グループホームが26カ所増加しましたほか、認知症疾患医療センターが昨年10月から県内4医療圏全てに設置されますなど、認知症支援体制の充実が着実に図られております。  平成30年度からは、認知症高齢者等にやさしい地域づくりや、また、認知症の方とその家族の視点を重視いたしまして、これまでの取り組みに加えまして、認知症の見守り体制づくりに向けた普及啓発や市町村と連携した広域見守り体制の整備、若年性認知症の仕事の場づくり等にも取り組んでおります。  また、認知症に対応した介護サービス基盤の整備につきましては、多くの県民の皆さんが介護を必要とすることになっても住みなれた地域で暮らしたいと、こういうふうに考えていらっしゃる、これはアンケート調査でも毎回そういうことになるんですけれども、そうしたことも踏まえて、第7期介護保険事業支援計画では、これまで進めてきた認知症高齢者グループホームなどの地域密着型介護施設に加えまして、通いや訪問や宿泊を柔軟に組み合わせる小規模多機能型居宅介護などの複合的なサービスを柔軟に提供できる在宅サービス基盤を充実させることにしております。  今後も、認知症の方の意思が尊重されて、住みなれた地域で自分らしく暮らし続けることができますように、総合的な認知症施策を一層充実してまいります。  次に、精神障害者の県単医療費助成制度についてお答えをいたします。  障害者の方への支援制度は、身体、知的、精神それぞれの障害の特性に応じて創設され現在に至っております。  精神障害者に対する医療費助成については、重症化の前に早期治療につなげるために、症状が軽い段階から積極的に通院を促すことが重要であるといった考え方のもとに、障害の程度や年齢にかかわらず、精神障害医療の通院に係る医療費について、自己負担の3分の2を公費で助成し、医療費の利用者負担を3割から1割に軽減する制度が適用されております。  また、精神保健福祉法では、入院医療中心から地域生活中心の精神医療の実現を目指すとされておりまして、県では精神科救急医療体制を運用しますとともに、厚生センターにおきまして保健師等が継続的に本人や家族を訪問し、相談援助等を行っておりますほか、心の健康センターにおいて複数職種、医師、保健師、心理判定員、こういったチームによる訪問支援を行いますなど、身体や知的の障害に比べまして相当充実した人的な支援を行っているわけであります。  さらに今年度からは、国のアドバイザーを活用して、精神障害者支援のための地域課題の抽出と対応策の検討を行うほか、精神障害者を支援する人材の育成研修を実施しますなど、精神障害者の地域移行をさらに進めることにしておりまして、精神障害者に対する医療福祉サービスは他の障害と比較しても、全体としては一定のバランスがとれているものと考えております。  そのために、現時点では新たな県単独医療費助成制度は考えておりませんけれども、一方で国の医療保険制度において障害者の負担のあり方を検討いただく必要があるとも考えておりまして、一般診療の自己負担額について、後期高齢者医療制度では65歳以上75歳未満の高齢者について、一定の障害を有する方は75歳以上と同様に原則1割負担に軽減していますけれども、これに準ずるような考え方も、例えば精神障害の症状が固定化して回復が見込めないとか、いろんな事情がある際に負担能力に応じた制度で対応するといったことができないかということを国に要望しているところでございます。  なお、4月に市町村長会議においても、私から今申し上げたようなことを御説明した上で、まずは国に対して要望すべき事柄である旨をお話しして、市町村長の皆さんからもおおむね御理解というか御賛同いただいたと考えております。  今後とも精神障害者の地域生活を支援するための施策の充実に、市町村や医療関係者、関係団体の御意見も伺いながら努力してまいります。  次に、社会福祉協議会の貸付事業についての御質問にお答えをいたします。  県の社会福祉協議会の平成29年度収支決算は、収入総額約33億5,700万円に対しまして、支出総額約17億2,300万円となっておりまして、翌年度への繰り越し額が約16億3,400万円となっているということであります。  その主な内訳はお話にも出ましたけれども、介護福祉士等修学資金貸し付けが約2億7,000万円、保育支援貸し付けが約3億4,000万円、生活福祉資金貸し付けが約9億6,000万円となっていると聞いております。  このうち介護と保育の貸し付けにつきましては、介護、保育の人材不足が大きな課題となっております中、国から貸し付け原資を数年分一括して受ける仕組みとなっております。また、生活福祉資金についても、経済情勢の悪化や大規模災害時など急な資金需要に対応できるように資金を保有しておく必要があるとされておりますので、こうした考え方から会計上繰越金の発生はやむを得ないものと考えておりますけれども、県内においても人手不足感が高まって、特に介護や保育の人材確保が厳しくなる中で、貸し付けの利用が低迷しておりますから、こうした制度があるということについて一層の周知を図っていく必要があると考えております。  そこで、県としましては介護については、平成29年度から高校3年生を対象にした貸付内定制度を導入いたしまして、通常は養成校入学後、つまり4月以降に貸し付け申請をして決定を行うんですけれども、高校在学中に内定を行うとか、さらに今年度からは高校生を対象にしたインターンシップや中高生向けのタブロイド紙への介護の魅力PR記事の掲載、潜在介護福祉士等に対する復職研修等を実施することにしておりまして、その中でこの制度の周知に努めることにしております。  また、保育についてはこれまでもポスター、チラシの作成とかいろんなことをやってまいりましたけれども、今年度新たに保育士登録者に貸付事業等をPRするリーフレットを送付しまして、事業の利用促進を図ることにしております。また、生活福祉資金についても県の社協や市町村社協の窓口でのパンフレットの配置や広報誌やホームページ等への掲載のほか、民生委員の方への啓発等によりまして一層の周知に努めることにしております。  今後も県社協と十分連携したり、また貸付事業の利用促進に努めまして、介護、保育人材の確保、低所得者、障害者、高齢者の経済的自立の支援、社会参加の促進などにしっかり取り組んでまいります。  次に、県の社会福祉協議会の業務についてお答えをいたします。  都道府県社会福祉協議会は、社会福祉事業であって広域的な見地から行うことが適切な事業や社会福祉事業に従事する者の養成及び研修、社会福祉事業の経営にかかわる指導や助言、市町村社会福祉協議会の相互の連絡や事業調整を行うことを目的に設置されております。  この県の社会福祉協議会は、こうした目的に沿いまして、ケアネット活動の充実とか、民生委員、児童委員との連携、協働による地域における包括的支援体制の整備、また、地域でのボランティア活動や福祉教育の推進による住民が地域福祉活動に主体的に参加するための土壌づくり、また、福祉施設等における質の高いサービスの提供に向けた経営支援、福祉カレッジや健康、福祉人材センターの運営等によります福祉人材の確保、定着、養成など、各種の事業を市町村社協や関係団体と連携しながら展開しますとともに、お話にも出ましたが、市町村社協職員に対する研修など市町村社協の資質向上にも取り組んでおります。  一方で近年、高齢化等の進展に伴う介護、医療ニーズの増加や介護、福祉人材の不足、家族機能の低下やコミュニティー機能の弱体化による社会的孤立の問題など、福祉を取り巻く状況が多様化、複雑化しております。  そこで県としましては、こうした状況に的確に対応するために、各種の福祉施策を充実しておるんですけれども、その実施に当たっては、専門性を有し、また、柔軟かつ迅速な対応が可能である県社協に事業を委託しておりまして、近年、委託事業が増えていますけれども、事業内容そのものについては県社協の目的や役割に沿ったものではないかと考えております。  実際にカウンセリングなんかの事務に大変精通した方、また、大変経験が豊かで、また、社会福祉士とか児童福祉士、精神保健福祉士とかいろんな専門的な知識、ノウハウを持った方が多数いらっしゃいますので、そうした皆さんに力を大いに発揮していただきたいということであります。  今後も県社協と関係団体と密接な役割分担のもとに、相互に連携協力しながら、県民に最適なサービスが効果的、効率的に適用できるように県社協にはしっかり取り組んでいただきたいと思っていますけれども、県としてもしっかり支援してまいります。  最後に北陸新幹線についての御質問にお答えをいたします。  新幹線については、早期の敦賀─大阪間のルート決定を要請いたしまして、昨年3月にはルートが全区間決定されました。  このルート決定は、大阪までの全線開業に向けての1つの大きな区切りでありまして、私としてはこの時期に適切な方に北陸新幹線建設促進同盟会の会長職を引き受けていただくほうがいいのではと考えておりましたが、沿線の府県からは、今後は早期延伸のために必要な財源の確保が大変重要な課題となっている、これまでの建設費の地方負担の大幅な軽減などで実績を上げている富山県に引き続きお願いしたいと強い要請をいただきましたので、当面会長を務めさせていただいているのでございます。  去る5月22日には、自由民主党の本部で今後の新幹線整備のあり方を検討する自由民主党の会合が開かれた際に、お求めがありましたので北陸新幹線建設促進同盟会会長として出席しまして、新幹線によるさまざまな開業効果を説明いたしましたところ、各委員からも北陸新幹線の投資効果が高いことについて、また、そういう効果が高いものを早く京都、大阪につなげなきゃいかん、こういうことについてずいぶんと理解が深まったのではないかと思っております。  北陸新幹線が大阪まで開業いたしますと、北陸・信越、関西、中京、首都圏をネットワーク化した世界的な経済文化圏となる大ゴールデン回廊が創出されまして、我が国全体の経済成長に大きく寄与しますとともに、自然や文化や産業、食など多彩な魅力を有する富山県は環日本海の拠点県として大きな役割を担うことになりますので、本県にとっても早期開業は依然として県政上の重要課題だと思っております。  なお、大阪までの全線整備については、議員のお話のとおり整備の中心が順次関西方面に移っておりまして、昨年5月からは北陸新幹線建設促進同盟会の中央要請に、関西広域連合の連合長である兵庫県の井戸知事、また、関西経済連合会の会長でいらっしゃる松本会長、住友電気工業の会長さんですけれども、こういった方々が新たに加わられまして、5月22日に東京で開催した建設促進大会でも、両団体のトップが出席して関西も一丸となって進めていくという姿勢が示されまして、大変関西でも熱意が高まってきたなと、ここまで来るのにいろんなことがありましたけれども、ようやく関西も本気になってきたなと思っております。  これまでは新幹線が整備されるとよく言われるのは、例えば、盛岡までできる、青森までできる、次々に、九州の場合もそうかもしれませんが、できたら次々こう、できたところは、はいさよならと、残りのところだけでやっていくという傾向が割に強いということは言われました。ところが北陸新幹線については引き続きみんなが北陸、信越地区だけではなくて、新たに関西も含めて大同団結してやっていると、この熱意はすごいなとこういうふうにも言われているわけであります。  私もさっき申し上げたような経過で、いずれはそうしてほしいと本当は思っているんですけれども、同時にやっぱり北陸新幹線の大阪まで早く延伸するということは富山県にとっても、北陸にとっても、日本にとっても大事だと思っていますので、どうしてもやれと言われれば仕方ない、やろうと、全力を挙げて取り組もうと思っていますので、御理解をお願いします。終わります。 31 ◯議長(高野行雄君)蔵堀総合政策局長。    〔総合政策局長蔵堀祐一君登壇〕 32 ◯総合政策局長(蔵堀祐一君)県外からの移住者数、それから、移住定住、UIJターンなどの点に関する御質問にお答えをいたします。  平成29年度の移住者数は、今ほど知事からも御答弁申し上げましたとおり、729人と過去最高になったところでございます。このうち県及び市町村の移住相談窓口を通しました移住者数、これが483人でございます。これにつきましては、県が設置をいたしております富山くらし・しごと支援センターですとか、市町村の移住相談窓口において明確に確認できている人数ということでございます。  また、このほか県の就職支援機関を通して移住した方、これが231名、それから県外から農林漁業への新規就労者として移住された方、これが15名ということになっております。これらの人数は、各機関の集計によりまして確実に把握できた人数ということでございます。  県といたしましては、これまで県全体の移住施策の促進に取り組んできましたことですとか、市町村はそれぞれ人口規模、自然環境、産業構造が異なりますことから、単純に市町村別人数を公表することが適当ではないのではないかとも考えまして、移住者数については県全体の数字を公表いたしてまいりました。市町村別移住者数の公表につきましては、市町村のお考えもお聞きしながら今後検討し、対応してまいりたいというふうに考えております。  また、移住、定住、あるいはUIJターンの定義についてでございますけれども、移住は地方での暮らしを希望することを念頭に一定の場所に居住する、定住を目的に移り住むことというふうに考えてございます。したがいまして、例えば転勤などで一時的に居住する人はこの移住の中に含まないということでございます。  また、UIJターンでございますけれども、これは恐らく御存じのこととは思いますけれども、Uターンは富山から東京へ行ってまた富山へ戻る、Iターンは東京から富山へ来る、Jターンは例えば石川県から東京に行って富山へ住むといったような状況でございますが、県が把握しておりますのは主として就業の側面から把握しているものでございまして、移住の中に含まれるものというふうに考えてございます。UIJターンといいますのは移住に至るまでの経過をパターン化して示しているというものでございます。  県としては、これまでも移住者との交流会などを通じまして移住者が暮らしていく上での課題の把握に努めているところでございまして、先ほど知事からもお答えをいたしましたとおり、今年度は移住者の県内定着状況を把握するということも行ってまいりたいと思っております。今後ともしっかり取り組んでまいります。  以上でございます。 33 ◯議長(高野行雄君)芝田農林水産部長。    〔農林水産部長芝田 聡君登壇〕 34 ◯農林水産部長(芝田 聡君)有害鳥獣被害対策についての御質問にお答えいたします。  野生鳥獣による農作物への県全体への被害額は、近年おおむね1億円前後で高どまりしている中、特にイノシシによる被害が大きく増加しており、平成29年度は前年度の1.9倍の約7,300万円で、全体被害額の約8割を占めております。  イノシシなどによる被害は、農家の営農意欲を減退させるとともに、県民生活の安全・安心にかかわることから、県ではこれまで、各市町の協議会が行う侵入防止柵の設置や鳥獣被害対策実施隊が行う捕獲活動のほか、獣肉処理施設の整備などに対する支援を行ってきたところでございます。  今年度は、さらなる対策強化に向けて、国の交付金もしっかり確保しつつ、本年2月に策定した富山県イノシシ被害防止対策方針に基づき、これまでの取り組みに加え、1つには餌場や隠れ場の除去などイノシシを引き寄せない環境づくりを行う集落環境管理も含めた総合的な取り組みを地域ぐるみで進めるため、被害ゼロを目指すモデル集落での取り組みの実証等を行うこととしております。  また、2つには、捕獲対策については担い手の育成とあわせ、ICTを活用した効果的な捕獲技術を学んだ研修修了者を中心とした富山県捕獲専門チームを設置し、対策の強化を図ることとしております。  さらに3つには、ジビエの利活用について、市町や関係団体等から成る富山県ジビエ研究会仮称でございますが、これを設置して捕獲者と処理施設とのマッチングによる安定供給体制の構築など、関係者が連携して獣肉利用拡大に向けた取り組みを推進していくこととしております。  今後とも市、町、JAや猟友会など関係者が一丸となって、被害防止対策の推進に積極的に取り組んでまいります。 35 ◯議長(高野行雄君)渋谷教育長。    〔教育長渋谷克人君登壇〕 36 ◯教育長(渋谷克人君)教員の働き方改革についての御質問にお答えいたします。  先ほど知事がお答えされましたように、義務教育学校の教員がいわゆる過労死されたことは、まことに残念で痛恨のきわみであります。任命権者として御遺族の皆様に深くおわびを申し上げます。  今後このようなことが二度と起こらないようにしてまいります。  御質問の教員の時間外勤務の実態把握につきましては、県立学校では、昨年9月からパソコンを活用して教員の自己申告方式で出退勤時間と業務内容を継続して把握しておりまして、勤務が長時間に及ぶ教員については、各学校において管理職が面談などを通して原因を把握し、助言や業務改善に努めております。  御指摘のとおり、タイムカードなどで毎日の勤務時間を客観的に把握することは重要なことと考えておりますが、各学校の管理職の指導のもと、教員の業務改善を進めていくためには、勤務時間の的確な把握にあわせ、時間外勤務の業務内容を把握することも必要なことと考えておりますので、まずは現在実施しております取り組みの定着に努めてまいりたいと考えております。  こうした取り組みにつきましては市町村教育委員会と情報を共有しておりますので、小中学校におきましても教員の勤務時間などの把握に努めております。  また、御質問の部活動指導員、スクール・サポート・スタッフにつきましては、今年度新たに配置したものでありますが、その配置効果を検証いたしまして、国の動向も注視しながら、配置について適切に対応していきたいと考えております。  運動部活動につきましても、本年3月に公表された国のガイドラインで適切な休養日の設定や活動時間などについて示されたことを受け、現在、県のガイドライン見直しに向け関係団体などと議論を進めておりまして、できるだけ早く県立高校や市町村教育委員会に示すこととしております。  教職員定数の改善につきましては、まずは国において教職員定数の純増を図っていただくことが重要でありますので、先週、平木教育警務委員長と薮田副委員長から県の重要要望として国に強く働きかけていただいたところでありまして、今後とも市町村教育委員会と連携して、教員の働き方改革にしっかり取り組んでまいります。  以上です。 37 ◯議長(高野行雄君)水口土木部長。    〔土木部長水口 功君登壇〕 38 ◯土木部長(水口 功君)まず、海岸の工事についての御質問にお答えをいたします。  富山県内の海岸は、海底勾配が急峻な地形であることに加え、富山湾特有の寄り回り波や冬期風浪など自然条件が厳しいことから、離岸堤などの沖合施設や海岸堤防及びその前面の消波ブロックなど、複数の施設を組み合わせた面的防護方式による海岸整備を進めてきております。  また、海越しに見える立山連峰の景観など全国にも誇れる海岸でありますことから、整備に当たりましては豊かな自然環境や海辺景観との調和などに努めることが肝要であると考えております。  こうしたことから、例えば国が整備しております下新川海岸におきましては、海岸侵食対策とあわせ黒部川からの流下した土砂を沿岸流により砂浜に漂着させる機能もあわせ持ちます透過型の突堤が整備され、また、県で整備しております富山海岸などでは、景観などにも配慮した人工リーフなどを整備しているところであります。  砂浜の安定を含む海岸の整備につきましては、これも富山湾特有の厳しい自然条件のもと、雨晴海岸の一部で台風の影響で砂浜が消失したなど難しい事例もありますことから、必要に応じ専門家の意見も参考にし進めているところであります。  議員から県庁関係部局横断の海岸工事研究会という御提案もいただきましたが、県ではこれまでも海岸関係課が合同で担当者会議を開催いたしまして、海岸工事の実施状況などの情報交換や情報の共有を図ってきておりますが、引き続きこの会議の場でいろいろな事例の研究をしてまいりたいと考えております。  今後とも美しい富山湾の海岸を守るため、必要な海岸保全施設の整備にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に土砂災害危険箇所や施設整備についての御質問にお答えをいたします。  昨年の九州北部を初め、近年記録的な集中豪雨などにより、全国各地で多くの土砂災害が発生しており、その被害を軽減し、県民の安全・安心を確保するため、砂防堰堤等の整備の必要性がますます高まってきております。  県内には人家、集落等に被害を及ぼす可能性のある渓流や急傾斜地、地すべり地形であります土砂災害危険箇所が4,947カ所ございます。そのうち人家5戸以上や要配慮者利用施設などがある重要整備箇所が1,804カ所ありまして、その整備率は平成29年度末で34%となっております。  土砂災害危険箇所は、地形や地質、保全対象の有無をもとに設定いたしますため、市町村ごとにその数には差がございます。例えば、氷見市には土砂災害危険箇所が1,241カ所ございまして、そのうち重要整備箇所が県下の市町村で最も多い450カ所あり、整備率は34.2%となっております。  県では、近年土砂災害が発生した箇所、保全対象人家が多い箇所、要配慮者利用施設がある箇所などを優先して整備を進めております。その整備率は全国平均よりも高いものの、まだまだ未整備の箇所が多く、整備の一層の進捗を図りますためには事業費の継続的な確保が必要と考えております。  今後とも県民の生命や財産を守り、災害に強い県土の形成を図りますため、引き続き国に予算の確保を働きかけ、施設整備のさらなる推進に努めてまいります。  最後に、土砂災害に備えた早目の避難に向けた取り組みについての御質問にお答えをいたします。  土砂災害の被害を軽減し住民の安全・安心を確保するためには、ソフト対策による事前の備えが極めて重要であります。県では、土砂災害に対して警戒避難が必要となる土砂災害警戒区域等を指定するとともに、市町では警戒区域の範囲や避難場所に関する情報を記載いたしましたハザードマップを作成、配布し、住民に周知を図っております。  また、県では大雨により土砂災害の危険度が高まった場合には、市町村や住民に避難を促すよう気象台と共同で土砂災害警戒情報を発表し、テレビやラジオ、インターネットを通じて情報提供しているところであります。  さらに本県の取り組みといたしまして、市町村長が避難勧告等の発令を速やかにできるよう、特に土砂災害の危険度が高い地区名などを自動的にファクスで市町村に提供するとともに、県民にはホームページにおいて1キロメートルメッシュごとの危険度情報の提供や、事前登録された携帯電話に土砂災害警戒情報の発表などのメール発信を行い、県民の早目の避難に向けた支援に取り組んできております。  今後ともこれらのソフト対策について県民への一層の周知を図り、情報の速やかな提供に努めますとともに、施設整備も着実に進め、ハード、ソフトの両面から総合的に土砂災害対策に取り組んでまいります。  以上でございます。 39 ◯議長(高野行雄君)前田厚生部長。    〔厚生部長前田彰久君登壇〕 40 ◯厚生部長(前田彰久君)私からは3問お答えをいたします。  第1に、認知症施策についてお答えをいたします。
     認知症施策につきましては、疫学上、認知症のリスクが上がるとされております生活習慣病の予防でありますとか、文章を書く、読むなど脳を使う習慣であります知的行動習慣、社会的なつながりを維持するといった認知症予防と、症状に早く気づき相談や受診、そして正確な診断をするといった早期診断、早期治療が重要と考えております。  認知症の予防といたしましては、生活習慣病を予防する食生活の改善や運動習慣の定着への支援、高齢者の社会参加を促進する老人クラブ活動への支援やエージレス社会に向けた啓発等を行っております。  今年度はさらに、新たにウオークビズの県民運動を展開する事業でありますとか、運動習慣の定着などの健康づくりや生きがいづくりの機運を高めることなどを目標に、ねんりんピック富山2018の開催等に取り組んでおります。  また、認知症の早期診断、治療といたしましては、認知症の専門相談、鑑別診断等を行います認知症疾患医療センターを各医療圏に設置するとともに、身近なかかりつけ医等が認知症に気づき適切な対応が行えるよう、認知症対応力向上のための研修や、認知症サポート医の養成、市町村の認知症初期集中支援チーム等への支援に取り組んでおります。  今年度は新たに、認知症に関する街頭キャンペーンの実施や、認知症ガイドブックの作成、配布などを通じまして、広く県民に認知症予防の早期発見、治療のための知識の普及啓発に努めてまいります。  次に、生活福祉資金貸与事業についての御質問にお答えをいたします。  生活福祉資金貸付事業は、国の要綱に基づきまして県の社会福祉協議会が実施主体となりまして、低所得等の方々に対し必要な資金の貸し付けと相談支援を行うことにより、経済的自立や社会参加の促進を図り、安定した生活を送ることができるようにすることを目的に実施されておりまして、受付窓口など一部事務は市町村社会福祉協議会へ委託されております。  これまでの貸し付け実績でございますが、5年平均で見ますと件数は約250件、金額といたしましては4,500万円程度となりますが、年度間や市町村間でばらつきがございます。これは、金額につきましては大学進学等の際利用される教育支援資金などの大口利用の有無によりまして、また、件数につきましては生活保護と密接にかかわります緊急小口資金の利用が多いということがありまして、その申請件数でありますとか、支給決定までの資金需要の有無などの要素もございまして、制度の性質上やむを得ない側面もあると考えております。  なお、県社協では、窓口対応や住民への周知等により、地域間で差が生じることのないよう市町村社協と連携し、窓口業務の研修や制度のPRに努めているところでございます。  また、県社協と市町村社協の事務内容でございますが、市町村社協では相談、受付などの一次的な対応を行う一方で、県社協では審査から貸し付け決定、貸付金の交付、償還までの管理を行いますとともに滞納や不良債権の整理等が発生した場合も県社協で対応しておりまして、専任職員も1名配置をしているということでございますから、事務費の配分につきましても双方の事務内容を踏まえまして決定していると承知をしてございます。  県におきましても、必要とする方が本制度を適切に利用できるよう、県社協と連携しながら制度の普及に努めてまいります。  最後に、生活困窮者自立支援等に係る御質問にお答えをいたします。  生活困窮者自立支援事業は、生活困窮者の自立に向けた包括的な支援を行うため、平成27年4月から福祉事務所設置の自治体が事業主体となって実施をされております。  本県では、町村部は県が実施主体でございまして、県社会福祉協議会に委託して実施をしております。  市につきましては、直営あるいは市社会福祉協議会に委託をしているケースもございますが、議員から御紹介がございましたとおり県東部の3市につきましては、県と同様に県社協に委託をしております。  これは県が法施行前の平成26年度に、町村に加えまして隣接する3市を含めましたエリアで国のモデル事業を実施しておりまして、その際の専門性でありますとか、効率性を踏まえまして平成27年度以降も3市と共同で県社協に委託をして実施しているものでございます。  こういった形で広域的に自立支援事業を、専門性の高い、知事からも御報告ございましたが、社会福祉士や精神保健福祉士といった専門職もおります県社会福祉協議会で実施をすることによりまして、必要な相談員の確保でございますとか、支援件数の蓄積による支援内容の充実が図られておりまして、自治体間での支援差の低減も期待できると考えております。  なお、議員からも御指摘もございました相談窓口の設置でありますとか、相談者の現状把握といったような身近な対応につきましては、管内の市町村社協に再委託をしておりますほか、相談支援員による巡回相談を実施するなど市町村社協と緊密に連携をいたしまして、各地域できめ細かな相談支援を行っております。  生活困窮者自立支援制度におきましては、支援が必要な生活困窮者の方々が確実に支援につながることが重要であり、今後とも共同実施しております3市と十分協議をいたしながら適切な事業の実施に努めてまいります。  以上でございます。 41 ◯議長(高野行雄君)菅沢裕明君。 42 ◯32番(菅沢裕明君)知事や各部長の答弁を聞いておりまして、まず、感じるのは私の指摘について、かなり現実を踏まえて申し上げているんですよね、実態を踏まえてね。そういう意見もかなりあるんですよ。ところが、その現実や実態というものにしっかり知事や部長さんたち目を向けていらっしゃるのかどうか。軽く見ていらっしゃるような、私の印象です。したがって、そこからはこういうふうに改善をしていこうとか、前向きな姿勢がうかがえない。  例えば、社会福祉協議会の各資金の貸付資金のことを申し上げたんですけれども、三、四年にわたって資金を積み増ししていきますからかなり大きなものになっているんですが、しかし、単年度のそれぞれ計画を持っておるんです。例えば、潜在保育士の発掘については、3年間で300人、1年間で100人ですよね。ところが、平成29年度の実績は9名にしかすぎません。そして、3億4,000万近くの財源を737万円しか使っていなくて、3億4,000万も残っているんですね。潜在保育士の発掘なんていうのは、今、保育現場では人手が足りなくて非常に期待される。介護福祉士についても同じなんですよ。  私は、先ほど予算の執行率を申し上げました。平成29年度の実態を見ても福祉士の確保のためのさまざまな事業についても、たった13%の執行率、今の保育に至っては執行率は2%、それから、生活福祉士の貸し付けも執行率5%なんですね。こういう深刻な実態を見て、実績を見て、現実には先ほど介護福祉士の今後7期の保健事業計画でも6,000人近くの9年後の不足に対して、7期の中でも相当な人材確保をしないと現場は悲鳴を上げている現実があるわけです。  そういう皆さんの期待感にしっかりと社会福祉協議会のこの事業が応えていないという現実ですね。数字で示しているのに資金を積み立てている経過なんかを述べられるだけでは、本当に実態に触れることになっていない。全くなっていない。真実の姿や声に耳を傾けない県政では、石井知事はそんな方じゃないと思っていますよ、非常に誠実でいつも優しく県民の声に耳を傾けていらっしゃるので、菅沢の質問に対しても県民の声だと思ってちゃんと聞いてくださいよ。  私は社会福祉協議会がその歴史的にも実績や役割をしっかり果たしてきているし、それなりに期待をしていますが、このような現実を放置したままでは、私は本当の役割を果たせないと思っています。  再質問ですから多くを述べられません。このことは海岸工事についてもいえるわけで、水口部長のような誠実で有能な方があの程度の答弁なのかね。氷見のマリノベーションの階段護岸工事1,000メーターにわたって、実は私は、氷見のことだから申し上げたくないけど13億円の投資をしていて、海岸護岸、完全に失敗で、危険だから入っちゃいかんという鉄の柵をつくってあるんです。これは私が言うたら、危ないから何か対策をしてと言ったら、進入禁止の鉄柵をつくって。13億円の投資がどうなんですか。階段護岸の水際におりていって下が危ないから。それから、雨晴のCCZ、コースタル・コミュニティー・ゾーン、詳しくは申し上げません、これも51億円の投資を今から相当前ですけどやって、白砂青松の浜辺を復活するということだったんだけれども、けさも私こういう質問するから見てまいりましたが、砂浜は5メーターから10メーターなんです。私ども小学校のとき雨晴の海水浴に行ったけれども、こんなふうじゃなかったですね、酒井さん。詳しいかと思って名前を申し上げましたが。もう完全な失敗。こんな事業について検証するということなしに海岸工事。 43 ◯議長(高野行雄君)時間ですよ。 44 ◯32番(菅沢裕明君)海岸工事は成り立たない。ある意味ではしっかりと海岸工事の現状を検証して、そして先ほどの150キロにわたる富山県湾岸域の海岸の保全工事にしっかりと臨んでいただきたいというのが私の質問の趣旨でした。したがって、これは再度知事と水口部長に答弁をお願いしたいと思っています。時間をオーバーしているから再々質問はやめます。 45 ◯議長(高野行雄君)石井知事。 46 ◯知事(石井隆一君)社会福祉協議会についてはいろいろ問題提起をいただきました。その中で、いろいろ論点ありますけれども、例えば介護福祉士に対する貸付金制度、非常に繰り越しが多くなっている。これは数年分一括して受け取る仕組みになっているということもお話ししましたが、もちろんそれだけではなくて、やっぱり今、介護福祉士になって介護の現場に行こうという人が非常に不足しているという現実があるわけです。そのことについては社会福祉協議会がどうこうというよりは、やはりいろんな研修制度とか潜在的に今いらっしゃる方の掘り起こしとかやっていますけれども、同時に介護報酬が、例えばほかの職種に比べてやはり相対的に低いと、これを何とかしなきゃいかん、そういうことが根本の原因の1つにあって、そのことはもう何年も何年も富山県として、あるいは全国知事会を動かして国に要請して、御承知のように数次にわたって介護報酬の改定もありました。もちろんまだまだ不十分です。かといって、国にもお金がない、じゃ、消費税また上げますかと、いろんな問題があるわけです。そういうことをもちろん菅沢議員はよくおわかりの上であえておっしゃったんだと思います。私ももちろんいろんな諸条件がありますけれども、今後も介護福祉士の確保の問題も含めて、また、社会福祉協議会がより一層県民のために有益な存在として活躍するように、せっかくの御指摘ですからよく勉強してまいりたい、こういうふうに思っております。 47 ◯議長(高野行雄君)水口土木部長。 48 ◯土木部長(水口 功君)先ほども申し上げましたが、富山湾は大変自然条件が厳しいということで海岸工事、なかなか難しい案件もございます。  雨晴海岸につきましては、古くは昭和56年度から海岸の整備を進めてきております。平成4年度には国のコースタル・コミュニティー・ゾーン整備事業の認定を受けまして、突堤ですとか人工リーフ、養浜、遊歩道などの整備を進めたところでありますが、御指摘のとおり、平成16年に台風が21号、22号、23号と続けてまいりまして、その台風ですとか、あるいは平成18年の高波などで砂浜が一部消失をしております。このため人工リーフと人工リーフの間、開口部を埋める工事を実施したり、養浜補助工として突堤を整備したり、砂浜の安定確保にこれまで努めてきておるところでございます。  現在は局所的には5メーター程度のところもありますけれども、10メートルから20メートル程度の砂浜がありまして、毎年測量のほうをさせていただいておりますが、安定している状態にあると認識をしておるところでございます。  繰り返しになりますが、私ども海岸関係の県庁内の担当者で海岸関係課合同担当者会議を毎年開催しておりまして、その中で現在実施中の海岸保全施設の整備状況の情報の共有ですとか、あるいは設計のための基準改定等に関する情報交換などもさせていただいております。  今後はこの会議の中で、議員御指摘のとおり、技術の蓄積というのは大変大事だというところは私もそう思います。砂浜が消失した事例など、苦労しましたさまざまな事例を収集いたしまして、情報共有しながら研究していきたいというふうに考えておるところでございます。 49 ◯議長(高野行雄君)以上で菅沢裕明君の質問は終了しました。  以上をもって会派代表による質問、質疑を終了いたします。  次に、予算特別委員会の構成について御報告いたします。  委員長五十嵐務君、副委員長武田慎一君、理事岡崎信也君、吉田勉君、藤井裕久君、上田英俊君、委員澤谷清君、酒井立志君、藤田良久君、山崎宗良君、薮田栄治君、井上学君、笠井和広君、平木柳太郎君、永森直人君、奥野詠子君、火爪弘子君、横山栄君、山辺美嗣君、四方正治君、以上のとおりであります。 50 ◯議長(高野行雄君)次に、お諮りいたします。  議案調査のため、明6月14日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 51 ◯議長(高野行雄君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次回の本会議は6月15日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  本日はこれをもって散会いたします。  午後2時41分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...