ツイート シェア
  1. 富山県議会 2018-02-01
    平成30年2月定例会 一般質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前10時04分開議 ◯議長(稗苗清吉君)ただいまから本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。 2 ◯議長(稗苗清吉君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第1号から議案第75号まで、議案第77号から議案第95号まで、報告第1号、報告第2号及び議員提出議案第1号を議題といたします。         議案第77号から議案第95号まで  議題のうち、本日提出されました議案第77号から議案第95号までについて、知事から提案理由の説明を求めます。  石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 3 ◯知事(石井隆一君)おはようございます。  ただいま上程になりました議案について御説明申し上げます。  議案第77号から第91号までは、平成29年度の一般会計及び特別会計の補正予算の追加であります。  一般会計の補正総額は366億2,956万円の減額であり、この結果、予算総額は5,454億7,426万円となります。  主な内容としましては、この冬の豪雪に伴う除雪費や、国民健康保険財政安定化基金の積み立てに要する経費を追加することとしております。あわせて、貸付料充当による新幹線整備事業負担金の減額を初め、公共事業等の事業費の確定などに伴う所要の補正を行うこととしております。  特別会計につきましては、公債管理特別会計など14会計について、所要の補正を行うものであります。  次に、予算以外の議案について申し上げます。  条例としましては、富山県国民健康保険広域化等支援基金条例を廃止する条例を、条例以外の議案としましては、訴訟に係る和解に関するものなど、3件をそれぞれ提案しております。  以上をもちまして、今回提出しました諸案件の説明といたします。何とぞ慎重御審議の上、適正な議決をいただきますようお願い申し上げます。     県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑
    4 ◯議長(稗苗清吉君)これより各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  薮田栄治君。    〔9番薮田栄治君登壇〕 5 ◯9番(薮田栄治君)おはようございます。  自由民主党議員会の1人として一般質問の機会をいただきました、氷見市選出の薮田栄治でございます。  本日は国際観光の推進、中山間地域の振興、安全なまちづくり、そして世界農業遺産の認定、この4点について、通告に従いまして質問をさせていただきます。  まず、国際観光の推進についてお尋ねをいたします。  2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、国はそれまでに訪日観光客を4,000万人、そして、旅行消費額を8兆円にするという目標を持って、観光の国際化を急ピッチで進めております。日本の人口が減少に転じ、内需の伸びがなかなか見通せなくなった中で、この観光産業は、国際化することによってこれから大きく成長する可能性を秘めた将来の基幹産業であります。金沢や長崎を初め全国の地方都市が観光の国際化にしのぎを削っているのが現状でありまして、本県におきましても、特に立山黒部の世界ブランド化に力が注がれ、そのかいがありまして、海外からの観光客が大幅に伸びてきております。  これはまことに結構なことであり、立山黒部が世界ブランドとして本県の主軸をなすものであることは議論の余地のないところであります。  しかし、海外からのさらなる誘客による観光産業の成長を図るには、もう一つの軸をつくる必要があると、私は考えます。  その軸になり得るのが、県民の眼前に広がる豊穣の海、富山湾であります。海越しの立山連峰に代表される美しい景観や、四季折々の豊かな海の幸、釣りやヨット、サーフィンなどのマリンスポーツに加え、深層水やメタンハイドレートといった海底資源などなど、世界ブランドとして光らせることのできる大きな可能性を秘めた宝の海であります。  現在、我が会派の中で富山湾未来創造調査会を組織し、富山湾の利活用等、将来構想について県に提言すべく、さまざまな調査研究を行っているところでありますけれども、立山黒部と双璧をなす世界ブランドとなるポテンシャルは間違いなく持っていると感じるところであります。山と海、2つの軸を持ち、県全体、四季を通じて世界から注目される国際観光県を目指すべきではないかと考えます。  そのためには、ソフト、ハード両面にわたるさらなる整備も必要かと思いますけれども、富山湾の世界ブランド化について、石井知事の御所見をお伺いいたします。  北陸新幹線の開通に伴いまして、東京便の減便を余儀なくされた富山きときと空港でありますけれども、県民にとって大切な空の玄関口であり、空港の存続・発展のためには、国際便の路線開発や増便を積極的に行う必要があると考えます。富山県を訪れる割合の最も大きい台湾便につきましては、知事を初めとする県当局や富山県日台友好議員連盟などの関係機関等の御尽力によって、シーズン中はデイリーに、その他の時期も通年、週4便の確保ができました。  氷見市でも昨年夏に市長を団長とした親善訪問団を派遣し、これには私も同行させていただきましたけれども、現地大学と友好提携するなどの交流の促進や、新たな旅行商品の開発などに向けて成果を上げました。  台湾は本県の国際観光を推進する上で極めて重要なエリアであり、誘客だけでなく、相互交流も重要と認識しています。  本年5月には台中市で、そして、来年はいよいよ富山県で日台観光サミットが開かれる予定であります。また、ことし9月には世界で最も美しい湾クラブの総会が台湾膨湖島で開催される予定でありまして、これも来年、平成31年度には本県の開催が内定しております。  来月、フランスでの湾クラブの総会には、知事みずからがプレゼンテーションのため出席される予定と聞きますが、本年に台湾で開催予定のこれらの2つの機会も十分に活用すべきと考えます。  台湾からのさらなる誘客に向けた県の取り組みについて、石井知事に所見をお伺いします。  県の推計によりますと、平成28年の県内主要施設の外国人宿泊数は約23万人で、そのうち17万人がアジアからの観光客とのことであります。オーストラリアやヨーロッパ、アメリカなどいわゆる欧米客の割合が極めて少ない現状にあります。  しかし、ニセコや飛騨古川の成功例に学ぶまでもなく、欧米客の未開拓の地であるからこそ、伸び代はまだまだ我が県にも大いにあると考えます。本県国際観光の推進のため、今後は欧米へのさらなるアプローチが必要と考えますが、新年度新たに取り組む予定の情報発信事業等を含め、欧米からの誘客強化についてどう取り組まれるか、蔵堀観光・交通・地域振興局長にお尋ねをいたします。  本年1月、呉西圏域中枢都市圏事業の一環として、県西部6市合同での観光プロモーションがシンガポールで行われました。各市の首長が出向いてのトップセールスでありましたが、それぞれに大きな手応えや可能性を感じたと聞いております。  このように、台湾以外の東南アジア諸国からの来訪も今後大いに期待できるところでありますけれども、県として東南アジアからの誘客にどのように取り組まれるか、蔵堀局長にお尋ねをいたします。  現在、県が取りまとめをしておられる新総合計画の重点戦略の1つともなります大ゴールデン回廊の拠点構想は、県民に大きな夢と明るい未来を見せてくれる構想であります。  北陸新幹線がこの先、関西に届けば、東京、近畿、中京、北陸の日本を代表する魅力ある都市が新幹線を介して環状に結ばれるわけで、本県が日本有数の国際観光拠点となるチャンスがめぐってくるわけであります。そのためには、北陸新幹線の1日も早い関西への到達が前提となることは言うまでもありません。  石井知事におかれましては、北陸新幹線建設促進同盟会会長として、本県のみならず北陸全体の期待を一身に背負って頑張っておられることと思いますけれども、敦賀以西への北陸新幹線延伸についてどう取り組まれるのか、石井知事の御所見をお伺いいたします。  次に、中山間地域の活性化についてお尋ねをいたします。  この冬、氷見市の中山間地域では、空き家からの漏水が原因の1つと考えられる断水に苦しみました。高齢化と人口減少に歯止めがかからず、空き家が増加し、また、イノシシによる獣害の深刻さも、おとといの山崎議員の質問にあったとおりでございます。  中山間地域の疲弊はその地域だけの問題ではなく、国土保全や食糧確保などの視点からも、日本社会全体で考えていかなければならない大きな問題であり、その振興策には国も県も市町村も必死に取り組んでいるところであります。  中山間地域の活性化には、集落機能の維持や産業の振興、移住の促進、雇用の創出、医療、介護、交通の確保などなど、解決すべき課題がたくさんあります。  しかし、その中でも地域を支えるリーダーの存在が非常に重要であり、これが活性化の大きな鍵を握るといっても過言ではありません。少子高齢化の進む中山間地域において、地域リーダーの確保とその育成、これも含めて、その活性化にどのように取り組まれるのか、石井知事の所見を伺います。  氷見市の速川活性化協議会が県の支援のもと、先月、速川定住交流センターをオープンさせました。これは、県の定住者受入モデル地区の指定を受けて整備したものでありまして、ゲストハウスやカフェ、農産品の加工場などを備えた施設の整備に住民の期待は非常に大きく、地域の活性化に対する希望が広がりました。オープニングには石井知事も大雪の中駆けつけていただき、地域の頑張りを感じ取っていただけたものと思います。  このようなハード、ソフト両面にわたる県の支援は、市町村にとって非常にありがたく、今後もこのような支援体制をお願いしたいところであります。  新年度は、地域振興対策に係る組織改編も予定されているというところでありますが、市町村が行う移住促進などの地域活性化の支援にどう取り組まれるのか、蔵堀観光・交通・地域振興局長にお尋ねをいたします。  中山間地域には、通院や買い物の足として高齢者が頼りにしていた民間のバス路線が既に廃止された箇所も少なくなく、地域住民がNPOを組織して、みずからのバス運行を補っているところもあります。しかし、これも人材面や資金面で非常に厳しい現状にあるのが実態でございます。  高齢者の生活の足の確保充実について、県としてどのように取り組んでいかれるのか、蔵堀局長にお尋ねをいたします。  次に、安全なまちづくりについてお尋ねをいたします。  本県の交通人身事故発生件数と負傷者数は17年連続で減少しています。しかし、高齢者の占める割合は依然高い状況にある中で、高齢者を加害者としても巻き込まないためには、免許返納の取り組みが大切であろうと思います。  昨年1年間で運転免許証を自主返納した人は4,105人で過去最多、このうち65歳以上の高齢者は、前年より858人増の4,035人でありました。道路交通法改正を契機として、今後もこの高齢者の自主返納数は増加する傾向にあると思います。  しかし一方で、運転免許証を自主返納しようにも、返納後の生活の足の確保が困難なために、返したくてもなかなか返せないという方も多くいらっしゃいます。  そこで、市町村ではバスやタクシーの利用券を発行するなど、さまざまな特典や、生活の不便を少しでも解消する取り組みを進めておりますし、県警察では運転免許センターの体制強化や、あるいは代理人申請制度の導入など、窓口業務の改善も図っています。  このように、少しでも返納のハードルを下げるための工夫が必要であると考えますが、高齢者が運転免許証を自主返納しやすい環境づくりに県警察ではどのように取り組まれるのか、山田警察本部長にお伺いをいたします。  本定例会の提案理由の説明の中で、知事から、地域の防犯対策の強化のために、新たに防犯カメラの町内会への貸し出しを始めるという発言がありました。昨今の犯罪捜査の中で、この防犯カメラの有用性が際立っており、地域の安全確保の観点からも、防犯カメラの設置を要望する町内会等もあると聞きます。  この制度ができれば、県内の各地区でカメラ設置の可能性ができるわけでありまして、町のどこかにカメラがあるのではないかという、こういう心理状態が働けば、そのことが1つの防犯、犯罪抑止効果になるのではないかと期待するところであります。  この防犯カメラの貸し出し事業について、その取り組み概要と期待する効果について、山田警察本部長にお尋ねをいたします。  県警察では、新年度から、警察本部に地域部という新しい部を設置する方針を決めまして、本定例会に条例の一部改正案を上程されております。伺ったところによりますと、現在の5部門の体制から、新たに生活安全部の中から地域部を切り離して、これを加えた6部門の体制へ移行するとのことであります。  県警察で新たに部を設立するのは約38年ぶりという大きな組織改編であります。また、全国的には、警察官の条例定員が3,000人以上の都道府県警察では、そのほとんどがこの地域部を設置しておりますけれども、本県のような2,000人規模の小規模な県で地域部を設置するのは、全国的には初めての事例だそうであります。  今回新たに地域部となる部門は、県民にとって最も身近な交番や駐在所の警察官、あるいは事件、事故の現場に真っ先にパトカーに乗って駆けつける警察官などで構成され、また、警察学校を卒業した若手の警察官が最初に配属されるのも、この地域部門と聞いております。  この地域部を新たに設置するに至った背景や理由、期待する効果などについて、山田警察本部長にお伺いをいたします。  本部長におかれましては、着任早々の組織改編ということでありまして、それなりの意気込みを持っておられると思いますので、富山県警の心意気が感じられるような御答弁をお願いしたいと思います。  最後に、世界農業遺産の認定に向けた取り組みについて質問をいたします。  世界農業遺産とは、将来に受け継がれるべき重要な農林水産業システムを国連の食糧農業機関が認定するもので、ふるさとに対する愛着と誇り、農林水産物のブランド化や観光振興による地域活性化などの効果が期待でき、また、認定地域相互の交流を通して国内外の連携を図ることができるものであります。  現在では、能登の里山里海、トキと共生する佐渡の里山、清流長良川のアユなど、9つの地域がこれに認定されています。  氷見市では、昨年6月からこの世界農業遺産の認定に向けて取り組んでいるところであります。富山県からも、飛世農林水産部参事が検討委員会の委員として参画しておられ、また、市では現在、シンポジウムなどを通じて機運の醸成を図っているところだとお聞きします。  農村と農業の振興のためにも、認定に向けてさらなる県の後押しを望むところでありますけれども、富山県として、この世界農業遺産に対してどのような認識を持っておられるのか、また、今後、県としてこの取り組みにどのように支援をしていかれるのか、芝田農林水産部長にお聞きをします。  本県には、後世に残すべく特徴的な農林水産業を営んでいる場所はまだまだたくさんあると思います。農林水産業の振興のみならず、地域の活性化のためにも、県としてこのような箇所を発掘して、遺産の認定を目指すべきと考えます。  また、氷見市は、遺産の認定のためには、能登半島の基部に位置するために、能登半島の能登の地域との連携等も重要となります。場合によっては、富山県と石川県、あるいは他県との連携協力も必要になると思いますけれども、芝田農林水産部長の御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。  御清聴まことにありがとうございました。 6 ◯議長(稗苗清吉君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 7 ◯知事(石井隆一君)薮田議員の御質問にお答えをいたします。  まず、富山湾の世界ブランド化についてであります。  世界で最も美しい湾クラブへの加盟が承認されました神秘の海富山湾には、美しい景観、また、珍しい自然現象、生態系、また、新鮮なブリなどの海の幸に加えまして、サイクリングやマリンスポーツを満喫できる環境など多彩な魅力がありまして、世界ブランド化を進める立山黒部の魅力とあわせまして、議員のおっしゃるとおり、海外からのさらなる誘客に生かしていくことが重要だと考えております。  このため、県としましてはこれまでも、富山湾岸サイクリング環境ですとか湾岸道路の整備、新湊マリーナの拡張整備、また、富山湾岸サイクリングやタモリカップなどのイベントの開催、また、マリンスポーツの振興やクルーズ客船の誘致、また、食のブランド化、海洋環境保全の取り組みでありますとか、富山湾の魅力の活用・保全に取り組みますとともに、観光の面でも、各地に出向いて説明会を行いましたり、ミシュラン・グリーンガイド富山WEB版への掲載などを通じまして、海外への発信に積極的に取り組んでまいります。韓国とかベトナムとか、最近でもいろんなところに参っております。  新年度におきましても、こうした取り組みに加えまして、富山湾岸サイクリングコースをさらに伸ばす、例えば、氷見の阿尾から石川県境近くに延伸いたしますと、今までのコースが88キロでしたが、約100キロということになります。  また、海王丸パークにおける展望広場の供用開始ですとか、また、沿岸の市町によります観光交流拠点の整備などによりまして、県と湾岸の市町村が一体となって、富山湾の魅力の一層のブラッシュアップに取り組みたいと思っております。  さらに、こうした富山湾の魅力を初めとする本県の多彩な魅力を、この4月にフランスで開催されます世界で最も美しい湾クラブの総会ですとか、また、台湾で開催されます日台観光サミットなどにおきまして大いにアピールさせていただいて、また、さらに旅行商品造成のための台湾旅行会社の招聘ですとか、また、世界最大の旅行サイト、トリップアドバイザー、これは月に4億人以上の方が利用して、累計5億件を超える口コミ情報が寄せられるという、大変巨大な存在ですけれども、こうしたものも大いに活用して情報発信に取り組んでまいります。  今後も議員おっしゃるとおり、立山黒部にあわせて、この世界で最も美しい富山湾の国際的なブランド価値を高めて、国内外からの誘客に努めてまいります。  次に、台湾からの誘客についてお答えをいたします。  台湾から立山黒部アルペンルートを訪れる観光客は昨年約13万7,000人となりまして、ここ4年続けて13万人を達成しておりまして、本県を訪れる外国人観光客の中でいずれも最多となりまして、本当に大事なお客様、重要な台湾マーケットだと思っております。  かねて、富山・台北便の就航に向けて働きかけ努力もいたしまして、6年前の平成24年4月に週2便で運航開始した富山・台北便、ことしで6年目になりますけれども、就航以来初めて冬期のダイヤ全期間が週4便となりまして、今年度、通年週4便以上の運航となっております。  今後も、現地旅行会社やメディアの招聘、観光説明会、商談会の開催、また、現地の広告など、毎年観光プロモーションを実施しまして、また、台湾との観光交流や台北便の増便を図るためにも経済交流が重要と考えて、一昨年8月、台湾デザインセンターと県の総合デザインセンターとの連携の覚書を締結いたしまして、海外向けの商品の開発も行っているところでございます。  さらに昨年、最近氷見市長や薮田議員にも御尽力いただきましたけれども、昨年11月下旬には台湾の台北とか嘉義で初の県内市町村との共同によります、一般の方々を対象とした観光PRイベントを実施いたしましたほか、台湾の著名な方を起用した旅番組も制作しまして、台湾等のテレビ局で放映しますなど、冬季も含めた通年誘客に積極的に取り組んでおります。  新年度は、これに加えまして、日台観光サミットの2019年の富山県での開催が内定いたしましたので、議員の御指摘のとおり、ことし5月末の台中市でサミットが開催されますので、ここに出向きまして、富山県での開催の正式決定に向けまして、本県の多彩な魅力をアピールいたしますほか、ことし10月ごろに台湾の膨湖湾で開催予定の世界で最も美しい湾クラブ総会にも富山県として参加いたしまして、2019年富山総会のPRも、これは、湾クラブのほうの総会ですけれども、このPRも行って、富山への来訪を台湾の皆様にも改めて呼びかけることにいたしております。  今後も、台湾は大変重要でありますから、努力してまいります。  次に、北陸新幹線についてお答えをいたします。  北陸新幹線はもうあと1週間で丸3年に、開業丸3年となりますけれども、御存じのとおり、まさに開業前に比べて3倍近い乗車人員という水準が続いておりまして、ビジネス面、企業立地の面でもいい点が多々ありますけれども、御指摘のように、観光地での外国人旅行者を初めとします入り込み客数の増加が大変顕著になりつつあります。  さらに北陸新幹線が大阪まで開業すれば、首都圏と富山県を含む北陸、また、関西圏を結ぶ新しいゴールデンルートが形成されるということになりますので、従来のゴールデンルートであります東海道新幹線とネットワーク化すれば、まさに世界的な経済文化圏となる大ゴールデン回廊が創出されるということになります。  自然や文化や産業、食など多彩な魅力を有する富山県は、その大回廊の一角として、また、環日本海の拠点県として大きな役割を担うことが期待されますとともに、北陸新幹線の全線整備によりまして、さらに企業誘致や移住、UIJターン、海外観光客の誘客促進等が大きく進みますと、富山県のみでなく北陸全体、また、さらには日本全体の飛躍、発展につながると考えております。  県としましては、京都、大阪までの早期全線整備に向けまして、北信越五県議会協議会、北陸経済連合会に加えまして、昨年5月の北陸新幹線建設促進同盟会の中央要請のときから、新たに加わっていただきました関西広域連合及び関西経済連合会とともに、北陸、関西を挙げた5団体合同による要請を行って、より強力に建設促進運動を進めております。  先月12日には石井国土交通大臣、ちょうど来県されましたし、また、この新幹線については、いわばキーパーソンとなられます岸田自由民主党政調会長も富山においでになりましたので、それぞれ、早急に財源確保の検討をしていただいた上で、大阪までの早期全線整備も働きかけさせていただきましたけれども、これまで以上に石井大臣も、また岸田政調会長さんも、早く京都、大阪につなげなきゃいけないということについては非常に受けとめていただいたと思っております。  ぜひ今、敦賀以西は駅・ルートの詳細調査や、環境アセスメントの速やかな推進とともに、敦賀─新大阪間の整備に必要な財源を確保して早期着工すると、そして、2030年度末の北海道新幹線札幌開業ごろまでの大阪開業の実現をぜひ強く求めていきたい。また、新幹線開業効果をしっかりと持続、深化させていくことが重要ですから、国の地方創生戦略も最大限に生かしまして、議員御指摘の観光振興はもちろん、新たな企業誘致や県内へのUIJターン、さらには移住の促進に一層努めてまいります。  最後に、中山間地域についてでございます。  中山間地域の振興につきましては、県としましては、これまで移住促進に加えまして、次世代の担い手の育成ですとか、複数集落が連携した共同活動などを推進してまいりました。例えば氷見市においては、中山間地域の住民の方々が主体となったNPO法人によるバス運行、これ、八代地区などでなさっていますし、また、移住促進に向けた活動など、これは先般も速川定住交流センターの発足の会議、私も駆けつけさせていただきましたけれども、本当に地元の皆さんの地域を思う御熱意、大変私も感激した次第であります。  また、八尾町の移住者の女性がとりまとめておりますインバウンド向けツアー商品の企画開発などにも県として支援をいたしておりますし、今年度、こうした成果を他の地域にも広げていくためのセミナーを開催いたしますなど、地域のサポートを担う人材の育成、地域おこし協力隊とかNPOの方々とか、いろんな皆さんをしっかりサポートして応援していきたいと思っております。  また、来年度には、中山間地域の全集落、県内には892の集落がございますけれども、このすべてを対象として、その地域の次の時代を担うリーダーがいらっしゃるかどうかなども含めまして、現状やニーズ等を把握する調査を実施しますとともに、地域おこし協力隊など地域を支える人材を対象とした研修、ファシリテーション研修などと言っていますけれども、元気とやまむらづくり塾といったような名前で、まずは4回開催したいなと思っております。  さらに、県としましては来年度、各部局にまたがっております中山間地域の振興に係る企画調整を一元的に行いますために、地域振興課に地域活力・中山間支援班を新設いたしますなど、中山間地域の支援体制の充実強化を図ることにいたしております。  また、私自身も、ふれあいトークということで、先般、八尾に出向きましたし、また、その前に入善にも行ってまいりましたが、できるだけ地域に出向かせていただいて、第一線で御苦心をされている、大変努力されている、そういう皆様のお話も聞かせていただいて、この中山間地域の振興にしっかり取り組んでいきたいと思います。  今後も、中山間地域振興条例(仮称)の制定に向けて、自由民主党議員会で今検討されていると伺っていますけれども、自由民主党議員会を初めとして、県議会の皆様とも連携しながら、農林水産業を含めた産業政策と中山間地域の生活機能、買い物や交通や福祉、また、集落の祭りとか江浚いとか、集落ぐるみでの鳥獣被害防止対策とか、暮らし全般をサポートする地域振興政策を総合的に展開できますように、これは庁内各部局の連携はもちろんですけれども、市町村や関係機関等と連携しまして、しっかりと取り組んでまいります。 8 ◯議長(稗苗清吉君)蔵堀観光・交通・地域振興局長。    〔観光・交通・地域振興局長蔵堀祐一君登壇〕 9 ◯観光・交通・地域振興局長(蔵堀祐一君)まず最初に、国際観光の推進に関する御質問のうち、欧米等への情報発信に関する御質問にお答えをいたします。  本県を訪れます欧米等からの観光客数は近年、増加傾向にありますものの、東アジアや東南アジアからの観光客数に比べますと相対的に少ないため、まずは欧米等における本県の認知度向上が重要だと考えております。県内の外国人観光客の宿泊数でいいますと、平成26年には1万人程度でございましたが、28年にはその倍ほどの1万9,500人となっていますけれども、全体の比率としては8.5%程度にとどまっているところでございます。  このため、県ではこれまでも、主に新幹線を利用することが多い欧米等の個人旅行者向けに、北陸新幹線の沿線自治体とも連携いたしまして、東京・大阪「北陸アーチパス」などの割引切符を使いました周遊ルートのPRですとか、欧米の旅行会社の招聘、欧米の旅行博への出展、それから現地旅行会社の訪問によります旅行商品の造成の働きかけを行ってまいりました。  さらに、世界ナンバーワンの訪日観光客向けポータルサイトと言われますジャパンガイドの活用ですとか、ミシュラン・グリーンガイド、ミシュランガイドのウエブサイトの公開によります富山県の観光資源や食の魅力の国内外への発信に取り組んできたところでございます。  新年度では、こうした取り組みに加えまして、新たに世界最大の旅行サイトでありますトリップアドバイザーですとか、ミシュランのグリーンガイドを活用した情報発信、欧州市場担当のコーディネーターを配置いたしまして、旅行商品の造成や現地でのプロモーション活動を促進していく予定といたしております。  また、東京都と連携いたしまして、欧米からの招聘メディアですとかウエブサイトを活用した東京と富山を結ぶ観光ルートの情報発信、さらには岐阜県と連携をいたしまして、両県が誇ります世界文化遺産等の観光地ですとか、食の魅力を組み入れた新たな観光周遊ルートのPRパンフレットの共同制作を行っていきたいと思っていますし、欧米の現地での旅行博での共同プロモーションも行いたいというふうに考えております。  また、スペインで旅行博が行われるわけですが、これへの出展ですとか、英語圏からの有力旅行会社の招聘によります周遊ルートのPR、旅行商品の造成にも取り組んでまいります。  こうした取り組みを通じまして、さらに欧米等からの観光客の誘致を強化してまいります。
     次に、東南アジアからの誘客に関する御質問にお答えをいたします。  東南アジアは1年を通して暖かい地域でございますことから、本県の四季の魅力をアピールすることが誘客面で効果的だと考えております。このため、これまでも雪の大谷など立山黒部アルペンルートの四季折々の景観を初め、五箇山の雪景色ですとか、桜やチューリップの名所などを、知事のトップセールスによる現地観光説明会で説明いたしますほか、旅行博覧会での出展ですとか、大型広告、さらには旅行会社やメディアなどにPRしてまいりました。  こうした結果、東南アジアから本県を訪れます観光客は、近年急激に増加をしているところでございます。県内の延べ宿泊者数で申し上げますと、平成23年には東南アジアからは1,655人宿泊いただいたわけですが、昨年、平成28年では3万3,600人余りということで、5年間で20倍を超える増加となっているところでございます。  県では、新年度ではこうした取り組みに加えまして、新たに東南アジアなどからの富裕層の誘客を促進いたしますために、全日空、ANAグループと連携をいたしまして、7カ国9都市での富裕層向けの現地旅行会社を招聘した説明会、商談会を行いたいと思っております。  また、富裕層人口の多いシンガポールでランチョンセミナーを開催いたしまして、富山・羽田の乗り継ぎ便を利用した富裕層向け旅行商品の造成も促進していきたいと考えております。  さらには、今後ますますインドネシアやマレーシアなどからのイスラム圏からのムスリム旅行者の増加が予想されますことから、県内飲食店の受け入れ環境整備を促進していきますために、引き続き飲食店が行いますベジタリアン、ムスリム向けのメニューの開発に対する支援ですとか、メニューのコンテスト、これを新たに実施したいと考えております。  こうしたことを通じまして、県内飲食店の受け入れ環境整備に向けました機運醸成も図っていきたいというふうに考えております。  経済成長が著しい東南アジアにつきましては、今後さらに観光客の増加が見込まれますことから、御指摘もございましたとやま呉西圏域中枢都市圏を初めといたしまして、市町村と連携しながら東南アジアからの誘客に積極的に取り組んでまいります。  次に、中山間地域の活性化に関する御質問のうち、市町村が行う移住促進などの取り組みにどう支援していくのかという御質問にお答えをいたします。  先月オープンいたしました氷見市の速川定住交流センターは、県内6カ所の移住者受入モデル地域の移住体験、宿泊交流施設として、NPO法人速川活性化協議会が事業主体となりまして、県と市が連携して支援をしてオープンされたものでございます。  県ではこれまでも、今回の速川定住交流センターのほか、朝日町の笹川、それから、南砺市の城端、高岡市の金屋町などで移住者受入モデル地域におけます宿泊・体験施設の整備を支援してまいりました。また、移住者による空き家の改修支援ですとか、市町村職員も参加いたしました首都圏での移住セミナーの開催、移住者の受け入れ・定着を支援する人材育成のための研修会の開催など、こうした取り組みを市町村とも連携して行ってきたところでございます。  来年度は、県の組織につきまして、先ほど知事からも御答弁申し上げましたけれども、中山間地域の振興に係る企画調整を一元的に行いますために、新たに地域振興課に地域活力・中山間支援班を新設して、支援体制を充実強化していくこととしております。  また、地域おこし協力隊員の確保ですとか、県内定着に向けまして、市町村と連携した募集セミナー、研修会を開催することといたしております。  また、移住者受入モデル地域につきましても、新たな地域の選定を市町村と連携して進めたいというふうに考えております。  今後とも市町村、それから地域の住民の方と連携協力しながら受け入れ体制を強化いたしまして、県外からの移住促進、地域の活性化にしっかりと取り組んでまいります。  最後に、中山間地域の高齢者の方などの生活の足の確保充実にどう取り組むのかという御質問にお答えをいたします。  中山間地域も含めまして、高齢者の方などの通院や買い物など、生活の足としての地域公共交通の確保は大変重要だと考えております。そうした地域交通につきましては、まずは市町村において、まちづくりと一体となって路線バスの運行の充実などに取り組んでいただくことが基本でございますけれども、県としても、そうしたバスの運行支援に努めてきているところでございます。  また、民間のバス路線が廃止される場合、その支援策といたしまして、1つは県の生活路線バス協議会ですとか、市町村の地域公共交通会議におきまして、代替路線の確保に向けた協議を行いますとともに、代替路線となりますコミュニティバスやNPOバスの運行にも支援してきているところでございます。  また、この代替路線の運行に当たりまして、市町村等において、路線の見直しですとかデマンド交通の導入を検討される場合には、そのニーズ調査や実証運行にも県で支援をしてまいってきているところでございます。  さらには、市町村が行いますバス停の上屋整備ですとか、高齢者等に配慮した乗り降りしやすい低床バスの購入にも補助をしているところでございます。  来年度はこうした取り組みを継続していきますとともに、新たに過疎地域や振興山村地域、それから、半島振興対策実施地域などのバス路線につきまして、基本的には収支改善がなかなか困難であると考えられますが、高齢者等の生活の足としての確保充実が求められておりますことから、収支率にかかわらずバス利用者が増加するような利用促進の取り組みについて、新たに支援対象としていきたいと考えております。  今後とも、市町村などと連携協力しながら、中山間地域も含めまして、県民の生活の足の確保充実にしっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 10 ◯議長(稗苗清吉君)山田警察本部長。    〔警察本部長山田知裕君登壇〕 11 ◯警察本部長(山田知裕君)安全なまちづくりについての御質問にお答えをいたします。  まず、運転免許証を自主返納しやすい環境づくりについてでございます。  県警察では、高齢運転者の交通事故を防止するため、シルバードライビングスクールなど交通安全教育により、運転の継続を支援しております。  その一方で、身体機能や認知機能の低下により運転に不安を抱えている方などに対しては、運転免許証の自主返納を促しておりまして、これに当たりまして、運転をやめても安心して生活できる環境を整備することが重要であるというふうに考えております。  このため、県警察では県内の企業等に対しまして、運転免許証を自主返納した高齢者に対する生活支援を働きかけたところ、公共交通機関の運賃ですとか、入浴施設の利用料金割引、こういったもののほか、金融機関における定期預金の金利上乗せなど、さまざまなサービスが実施されております。  また、運転免許センターにおきましては、昨年5月に運転に不安を抱える方の相談に対応するため、医療の専門知識を持った保健師を配置するとともに、日曜日における自主返納受付業務を昨年5月から、家族などの代理人による自主返納申請を本年3月から、ともに本格的に開始し、運転免許証の自主返納を決意された方の利便性の向上を図っております。  さらに、運転免許証返納後の不安の軽減や支援の充実を図るため、県や市町村の高齢者福祉担当部署などと連携いたしまして、本人や家族の了承のもと情報共有を図り、認知症による運転免許の取り消しですとか、自主返納した高齢者の支援について検討しているところであります。  県警察といたしましては、今後も自治体や企業等と連携し、本人はもとより家族等を含めたサービスの拡充を図るなど、運転免許証を自主返納しやすい環境の整備に努めてまいります。  次に、防犯カメラの貸し出しに関する事業についてでございます。  この事業につきましては、町内会に対して防犯カメラを貸し出し、エリア内に一定期間試行的に設置いたしまして、犯罪抑止などの効果を実感していただくことにより、防犯カメラが地域の安全・安心の確保に役立つことを理解していただき、町内会による防犯カメラの自主的な設置を後押しすることを目的とするものであります。  事業の概要につきましては、取りつけ、取り外しが容易な可搬式防犯カメラ合計40台を貸し出すこととしておりまして、対象となる町内会と協議した上で、一般住宅ですとか公民館といった建物に附属する支柱などに、カメラを設置している旨を表示したプレートとともに取りつけまして、おおむね6カ月間の期間を基準に効果を検証しながら運用することを考えております。  具体的な手続や運用につきましては、ことし秋からの開始に向けまして制度設計を進めているところでありますが、対象となる町内会につきましては、防犯カメラがいまだ設置されておらず、空き巣や車上狙いといった犯罪の連続発生が見られるところ、また、住宅地域への防犯カメラの設置に関心があるところ、こういったところを想定しておりまして、より多くの町内で運用したいというふうに考えております。  この事業の効果といたしましては、対象となる町内会に対しまして防犯カメラの設置、運用に関するノウハウを伝達することができるということ、それと、設置の助成制度を創設している自治体との連携を強化することができること、防犯カメラ設置の機会にあわせて地域の防犯診断を行うことができ、より効果的な防犯対策を講じることができること、こういったことが考えられます。  県警察では、この事業を契機といたしまして、犯罪抑止に関する住民意識の一層の醸成、高揚を図り、防犯カメラの設置拡大につなげてまいりたいというふうに考えております。  3点目の地域部の設置に関してでございます。  当県では、刑法犯認知件数ですと、交通事故発生件数は減少が続くなど、治安状況には一定の改善が見られる一方で、自転車盗や車上狙いといった県民の身近な街頭犯罪や、不審な声かけ、つきまとい事案というのが増加傾向にあります。これらに適切に対処するほか、110番通報への初動対応、立山黒部世界ブランド化に伴う山岳安全対策、これらに万全を期すことも必要となっております。  こうした情勢に的確に対応し、良好な治安水準の維持向上を図るためには、交番等を拠点としたパトロール活動や、事件、事故への初動対応など、地域警察活動を一層強化する必要があります。  このため、県警察では4月1日付で生活安全部から地域部門を独立し、地域部を新設することにより、全体人員の約3分の1を占める地域警察官の事態対処能力を底上げして、地域部門の即応力、執行力の強化を図ることとしております。  地域部の新設につきましては全国で24番目、2,000人規模の警察では初めてと承知しておりますけれども、これにより、企画管理機能を一層強化して、1つにはパトカーなどの警察機動力の効果的活用や、特に若手警察官に対する計画的、実践的な指導による現場執行力の向上を図りまして、2つには県民のニーズや地域警察運営上の問題点を踏まえた、交番機能の強化と地域に密着した効果的な活動を推進し、3つ目には山岳遭難救助体制の整備充実による山岳安全対策を推進する、こういったことに努めてまいりたいと思います。  県警察におきましては、引き続き県民、関係機関、団体の皆様とともに、日本一安全で安心して暮らせる富山の実現を目指して、機動的で力強い警察活動を目指してまいりたいと思います。  よろしくお願いします。 12 ◯議長(稗苗清吉君)芝田農林水産部長。    〔農林水産部長芝田 聡君登壇〕 13 ◯農林水産部長(芝田 聡君)まず、氷見市の世界農業遺産の認定に向けた取り組みについての御質問にお答えします。  世界農業遺産は、社会や環境に適応しながら何世代にもわたり継承されてきた独自性のある伝統的な農林水産業を営む地域、そして、そこで育まれた文化など将来に受け継がれるべき農林水産業システムを国連食糧農業機関が認定する制度であり、これまで世界では19カ国、47地域、国内では9地域が認定を受けております。  国内で認定を受けた地域においては、国際的な知名度が高まり、農林水産物等のブランド化や観光客の呼び込みなどに成果を上げつつあると聞いており、地域の活性化や交流人口の拡大、地域住民の自信と誇りの創出などの効果が期待できるものと考えております。  氷見市におかれましては、富山湾上に浮かぶようにそびえる海越しの立山連峰や、資源保護の観点から国際的にも評価の高い越中式定置網などの地域資源を構成要素とする世界農業遺産の認定を目指し、ことし1月に検討委員会を立ち上げて取り組みを本格化されたところであります。  この検討会には県も参画いたしまして、地域資源の現状や今後の保全、活用方法等に関して検討が重ねられているところでございまして、今後も国からの情報収集に努めるとともに、先行事例をよく研究し、地元氷見市の皆さんの意向を十分に踏まえながら、認定に向けて連携協力を行っていきたいと考えております。  最後に、氷見市以外の認定に向けた取り組みなどについての御質問にお答えします。  本県には、氷見市以外にも、棚田等の中山間地農業、あるいは焼畑農法など、伝統的で多様な農林水産業が営まれ、美しい農業景観や農林水産業に関連する文化が守り伝えられている地域は、数多くあると考えております。  一方で、世界農業遺産の認定を受けるためには、地域の貴重で伝統的な知識及び慣習や独創的な適応技術などを維持していることが要件とされておりまして、地域によってはなかなか認定のハードルが高いといった場合も想定されるところでございます。  いずれにいたしましても、世界農業遺産の認定に向けましては、農業関係団体、学識経験者、行政機関などで構成いたします地域の協議会等が国へ申請し、その承認を経た上で、国連食糧農業機関に申請することになっておりますので、まずは認定に向けた地元の機運の高まりが大変重要であると考えております。  県ではこれまで、市町村担当部長会議等におきまして、制度の内容や期待できる効果、既に認定を受けた事例等について周知を図ってきておりますが、今後とも情報提供などに努めまして、氷見市以外の地域においても、世界農業遺産への申請を目指して、積極的な取り組みがなされることを期待しております。  また、既に世界農業遺産に認定され、氷見市と隣接している能登地域など他県の地域と連携した取り組みがより効果的と考えられる場合もあると思いますので、そうした場合には、県レベルでの調整に協力をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 14 ◯議長(稗苗清吉君)以上で、薮田栄治君の質問は終了しました。  向栄一朗君。    〔21番向 栄一朗君登壇〕 15 ◯21番(向 栄一朗君)いよいよ平昌パラリンピックがあしたから始まります。選手の皆さんの活躍が新しい感動を生むものと期待をしております。  今次定例会で、私は障害者の芸術活動、アール・ブリュットを取り上げ、応援の気持ちを込めて質問いたします。  アール・ブリュットと呼ばれる障害者の絵画や造形作品は、既存の価値観にとらわれない芸術、その特性が国内外において一定の評価を受けるようになってきました。障害のある人が自発的に自身の内側から湧き上がる感性のままに作成した絵画や造形に光を当て、支援する輪が広がっています。このことは、芸術文化を通じて障害者の社会参加が一層促進されるものと期待しています。  国では平成29年、障害者芸術文化活動普及支援事業を創設し、全国各地において展覧会の開催、相談、支援、人材育成、関係者のネットワーク化を図り、障害者芸術の裾野を拡大することを目指しておられます。  アール・ブリュット、加工されていない生の芸術に取り組む作家と、それを支援するNPO等関係団体の富山県内での活動状況について、厚生部長に伺います。  富山県美術館がグランドオープンし、来館者が早くも100万人を超えて、大好評であります。富山県美術館建設の基本構想の中に、アール・ブリュットを生かした地域発信性の高いアートセンター機能を求める意見が述べられています。  富山県では平成29年9月補正予算に、「みんなでチャレンジ!障害者アートフェス」を計上し、開催に向けて公募型プロポーザルを実施され、アール・ブリュットの魅力の発信と共通理解を図る障害者アートフェスを砺波、新川、富山の県内3カ所で開催することとされました。高岡市主催とあわせて、県内全域で展開されています。  私は1月、高岡市美術館で開かれたアール・ブリュット展を見ましたが、県外からの作品も展示され、これまであまり目にしたことのない配色や表現に、感動というよりは衝撃を覚えました。  2月には砺波セッション、3月には新川セッションが開催され、この後富山セッションが3月21日から25日まで県民会館を会場に開催予定であります。議員の皆さん、知事初め当局、そして報道関係者の皆さんにも、ぜひとも足を運んでいただきたいものであります。  これまで実施された障害者アートフェスの来場者の数と反響、反応、これから開催される富山セッションの開催PRと取り組み内容について、厚生部長に伺います。  厚生労働省、文化庁では、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、障害者の芸術文化の振興を図る文化プログラムを検討されています。  富山県においても、平成29年11月、新世紀とやま文化振興計画改定答申素案で、障害者芸術文化の県民への普及啓発や魅力発信、活動団体の育成に取り組むことが求められています。東京オリンピック・パラリンピックにあわせた障害者芸術への支援と魅力発信、活動団体の育成にどのように取り組み、芸術文化振興につなげるのか、厚生部長に伺います。  障害者の芸術文化的資質を掘り起こし、それを見きわめ、その特性を伸ばすためには、支援に携わる教諭や保護者の皆さんがアール・ブリュットを正しく理解するとともに、その特性に気づくことが必要であります。  特別支援学校において、絵画に興味を示す児童生徒の作品制作場所の確保や画材の提供など、障害者の皆さんが持つ芸術的資質を掘り起こし、その感性を大切に伸ばす指導が必要と考えます。どのように取り組まれているのか、教育長に伺います。  障害者が生きがいとなるような芸術活動を支援するためには、教育と福祉の分野の連携が一層重要であり、学校、芸術文化関係者、障害者団体、障害福祉サービス事業所などがアール・ブリュット等に対する共通理解を深める必要があります。  福祉事業所においても、障害者が作成した刺しゅう作品、これがデザイナーの目にとまり、商品に採用され、フランス、パリのブティックで販売されている例のように、その価値を見出し、商品に反映させ、生かしていくことが大切であります。さらに、そのことが障害者の生きがいにつながるとの意識改革も必要であると考えます。  高岡会場に展示された造形の中には、家庭の和式テーブルの上につくられた作品であることから、テーブルをそのまま運び込み、展示されていました。このように、創作活動の場の提供と作品の保管場所の確保も重要になります。  障害者の生きがいとなるような芸術活動をどのように支援されていくのか、石井知事の所見をお伺いいたします。  次に、農林水産について伺います。  今冬の積雪は、56豪雪以来37年ぶりの積雪とも、あるいは38豪雪以来の降雪量を記録したとも言われ、県西部の海岸沿いにおいて積雪が90センチを超え、氷見市島尾の松田江浜では、海岸林の松に雪で折損するものが目につきます。また、高岡市、雨晴海岸沿いを走る富山湾岸サイクリングコースでも、折損した松の枝が幹からぶら下がったままの箇所や、国定公園雨晴園地でも給水施設に松が倒れかかっている箇所も見受けられます。  県内の海岸林での雪による折損被害の発生状況と対策について、農林水産部長に伺います。  次に、ブリの不漁対策について伺います。  2月3日、今シーズンのひみ寒ブリ漁の終了が宣言され、漁獲されたひみ寒ブリは8,058本と、寒ブリ宣言が出せなかった2015年度を除き、2011年度のブランド制度発足以来最少となりました。寒ブリの不漁は民宿や観光業にも深刻な影響があるのではと懸念するものであります。  寒ブリ宣言できなかった平成28年2月の予算特別委員会の私の質問に、石井知事は、ブリ資源回復調査、富山湾漁場環境総合調査及び漁業資源評価基礎調査をあわせて実施し、ブリの回遊ルートの推測、ブリ資源の解析などを検討し、ブリの幼魚コズクラやフクラギの再放流についても、漁業者の意見もお伺いしながら研究すると答弁されています。  ブリの回遊ルートについては、富山、石川、福井の3県共同で、アーカイバルタグを164匹のブリの体に埋め込み、回遊ルートの詳しい解析がなされ、3歳魚までは大回遊は行わず、3歳の冬に初めて九州付近へ南下し、4歳の春に東シナ海に移動し産卵活動を行った後、東シナ海、北海道周辺を往復する回遊パターンが明らかになってきたと報告されています。  今回実施のブリ資源回復調査は、小型化されたタグを埋め込んだブリ11匹を青森県深浦町沖で再放流し、津軽海峡を通過し太平洋を南下するかどうかを確かめることが目的のようであります。  これまでのブリ資源回復調査で得た成果を活用し、ブリ漁の回復にどのように生かすのか、また、3歳魚まで大回遊は行わないという調査の知見を生かし、富山湾に滞留するブリの幼魚を捕獲しない試みを漁業者の理解を得た上で実施すべきと考えます。知事の所見をお伺いいたします。  次に、磯焼けの状況について質問します。  新湊漁業協同組合伏木実行組合では、テングサの復活に向けて、藻場の再生事業に取り組んでいるところであります。また、高岡市でもテングサを原材料にしたところてんを特産品に指定するよう県に申請されています。  私は平成27年9月の予算特別委員会で、磯焼け対策を取り上げた際、当時、須沼農林水産部長は、藻場面積の減少は海水温の上昇や窒素、リンなどの栄誉分の欠乏、ウニなどによる食害など複雑に関係していると答弁されています。  国土交通省では、最近問題となっている養殖の色落ち被害対策として、きれいなだけでない豊かな水環境を求めるニーズが高まっているとし、下水道放流水に含まれる栄養塩類の能動的管理のための運転方法に係る手順書を示されています。  富山県でも、これまでの磯焼けの原因調査から得た知見をもとに対策を試行すべきと考えます。農林水産部長の所見をお伺いいたします。  この項の最後に、「富富富」の小規模、兼業農家への展開について伺います。  県では、2月22日を選んで、キャッチコピーやロゴデザインを発表され、全国のブランド米競争に打って出る準備を着々と進めているところであります。また、栽培マニュアルも作成され、施肥量や農薬の使用回数まで細かく提示し、高品質で食味のよい安全な品種であることをアピールされています。  2018年産の生産面積は531ヘクタール、481経営体が生産者登録され、次年度以降はJAの乾燥調製施設を共同使用するなど、「富富富」の生産面積の拡大を図るべく、調整が進められています。  一方、高齢化が進み、稲作の継続に不安を抱く小規模、兼業農家では、倒伏しない「富富富」の栽培に期待する自己完結型小規模農家もあります。  そこで、小規模、兼業農家が「富富富」の栽培に取り組めるようになるのはいつごろになるのか、農林水産部長に伺います。
     3項目目に、伏木富山港について伺います。  伏木外港緑地の整備について検討会が開かれ、社会情勢の変化、港湾総合交付金の補助要件の変更、港湾計画の変更にあわせ計画を見直し、新たな基本計画作成に向けた検討が進められております。  計画案の整備方針によると、県民、観光客及びクルーズ船の利用客が立ち寄りたくなる集客のかなめとなる施設整備、湾岸サイクリングコース利用者の立ち寄り、休憩することができる広場の整備など、6点の整備項目が挙げられています。  この中、今年度中に3回目の検討会が開かれ、基本計画の詳細案が示されることになっています。平成30年度には、この検討結果を受けて、どのような取り組みをされるのか、今後のスケジュールとあわせて土木部長に伺います。  基本計画案には、富山湾や新湊大橋、立山連峰が一望できるロケーションを生かし、地元住民だけでなく富山県民やクルーズ船利用客が立ち寄りたくなる緑地空間の整備が求められています。クルーズ船利用客が立ち寄るとなれば、接岸岸壁から整備済みの万葉埠頭緑地と一体となった整備が必要であります。課題は何か、土木部長に伺います。  さらに、集客のかなめとなる施設として、富岩運河環水公園にあるような民間が経営する喫茶店やレストランの誘致を望む声もありますが、緑地内でこのような施設設置が可能なのかどうか、土木部長に伺います。  次に、5月に寄港するMSCスプレンディダ13万7,000トンは、12時に入港し、20時には出港する旅程のようであります。寄港時間が短い中で、観光客が満足し、地域が潤う仕組みづくりを考えることが必要であります。どのように取り組まれているのか、観光・交通・地域振興局長に伺います。  質問の最後に、外航クルーズ船誘致について伺います。  全国的には、訪日外国人の増加に伴い、外航クルーズ船の寄港回数も2018年には3,000回を超えるとの予測もあります。伏木富山港では、世界最大の22万トン級のクルーズ船の寄港が可能であります。伏木富山港のスペックの周知に力を入れ、16万トン級のクアンタムや22万トン級のオアシスの寄港実現につなげるべきと考えます。  そこで、平成30年度予算には、伏木富山港クルーズ拠点化推進事業として、発着クルーズ推進補助制度の創設や、クルーズ等コーディネーターの配置、欧米船社、中国旅行会社等を対象とした事業を実施するとされています。どのような戦略で外航クルーズ船誘致に取り組まれるのか、知事に所見をお伺いいたします。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。 16 ◯議長(稗苗清吉君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 17 ◯知事(石井隆一君)向議員の御質問にお答えをいたします。  まず、障害者芸術についての御質問にお答えいたします。  障害のある方々の芸術文化活動への参加は、社会参加の推進や障害者に対する県民の皆さんの理解促進を図る上で重要なことでありますので、これまでも障害者絵画展の開催支援ですとか、また、県内4圏域での書道や写真等の作品展を行ってまいりました。  近年、議員の御指摘のように、障害者が制作されるアール・ブリュットなどが国内外で相当の評価を受けるようになってまいりましたので、国でも29年度に補助事業を創設されまして、全国各地で障害者芸術の普及のための作品展示会の開催とか、また、関係者のネットワーク化などを目指すとされております。  また、地方においても、平成28年度に全国知事会で議論がありまして、障害者の芸術文化活動推進知事連盟というものが発足しておりまして、これには私も参加させていただいておりまして、障害者芸術の機運醸成を図るようにしているところでございます。  こうした中、県では9月補正において、「みんなでチャレンジ!障害者アートフェス開催事業」としまして、2月から砺波及び新川地区で作品展示を行いましたほか、今月下旬には富山地区で作品展示とあわせて特別講演やトークセッション、ワークショップ等を行うことにいたしております。  さらに、30年度に新たに、先ほどの国の補助事業も活用いたしまして、本県における障害者芸術の拠点として、普及啓発や活動の推進等を図るために、北陸3県では初めてになりますけれども、民間団体によります障害者芸術文化活動支援センターの設置を支援することにいたしております。  このセンターでは、アール・ブリュット展示会の開催のほか、障害者に対して活動方法等を指導いたします、そういうリーダーの育成とか、障害者芸術に係る相談の支援、作品や作家の調査発掘、アール・ブリュットなど障害者芸術の現状と課題、また、今後の方向性等について関係団体とともに議論する会の開催を行うことにしておりまして、議員から御指摘のございました創作活動の場の提供ですとか作品の保管につきましても、関係団体や作家等における現状やニーズを把握しながら取り組んでまいりたいと思っております。今後も重要なテーマと考えておりますので、努力してまいります。  次に、ブリの回遊と資源管理についてでございます。  平成13年から16年ごろ本県で実施しました調査によりますと、ブリは3歳魚になりますと北海道から東シナ海に回遊しますけれども、1歳以下の幼魚の移動範囲は数県の海域程度、ほぼ一、二県の範囲にとどまると見られておりまして、幼魚の漁獲を抑制しますことは、本県のブリ漁獲量の増加につながる可能性があると考えております。  これまでも県内で定置網で大量にとれました幼魚の再放流を行った実例もございます。平成22年ごろ、氷見の灘浦定置漁業組合でそういった取り組みもなさっていると聞いていますけれども、魚種を選択できない定置網におきまして、幼魚を分別して再放流するというのは相当の労力を要して、収入減にもつながりますので、現在そうした取り組みを行っている経営体はないと伺っております。  今後、漁業者による幼魚の漁獲抑制を促すためには、幼魚が2歳魚に成長するごろまでは富山湾の周辺海域にとどまることや、3歳魚に成長し北上しても再び日本海に回遊してくることを改めて漁業者の方々に理解していただいて、幼魚の漁獲抑制が将来のより大きな収入となることを御納得いただく必要があると思っております。  また、取り組みに当たりましては、ブリは広域回遊魚でありますから、漁業者の方々が不公平だと感じないように、近県の漁業者についても行うことが前提となります。  ブリの回遊経路については、県が平成28年度に実施しましたブリの資源回復調査におきまして、太平洋側の漁獲量が増えておりますことから、日本海側を北上したブリが海洋環境等の要因によって太平洋側を南下した可能性が指摘されておりますので、県としましては、今年度から3カ年をかけまして、ブリの回遊状況を調査いたしております。また、国の研究機関にもぜひ研究していただきたいとお願いいたしまして、29年度から32年度まで、放流地点と再捕地点を特定できるダートタグと呼ばれる矢印型の外部標識をつけた放流調査が実施されております。  ブリの幼魚の漁獲抑制につきましては、こうした県と国で実施しておりますブリの回遊経路の解明調査で得られます結果や、また、国のブリ資源評価を見きわめまして、県内の漁業者の方々、また近県の研究者の御意見なども伺いながら、適切に対処してまいります。  最後に、クルーズ客船の誘致についてお答えを申します。  クルーズ船の寄港は、本県の観光あるいは地域活性化、産業振興の面で大きな効果が期待できますので、これまでも港湾機能がすぐれているとか、また多彩な観光資源がある、食の魅力、寄港の際のおもてなしのPR、また、船社や旅行会社の幹部の方の招聘や、また、海外見本市の出展などの誘致の取り組みも行ってまいりました。  また、中国発着の大型クルーズ船によるクルーズ需要の拡大ですとか、旅行ニーズの長期化が、今までは例えば4泊5日程度でしたが、いずれは6泊7日とか、少し長くなるんじゃないかと言われておりますので、港湾整備を図りながら、お話しのように伏木地区の万葉岸壁は、既に20万トン超級への対応が昨年12月に完了しております。そういった整備も行いながら、本県の観光資源の魅力をPRして、誘致活動を展開してまいります。  今後のクルーズ船の誘致につきましては、中国発着のクルーズについては、今ほど申し上げた旅行日数の長期化を見据えまして、引き続き船社訪問を重ねて、ぜひ伏木富山港にも寄っていただくように粘り強く働きかけたいと思いますし、また、日本発着のクルーズについては、首都圏からのアクセスのよさなどをアピールいたしまして、伏木富山港での発着クルーズの催行を働きかける、さらにはワールドクルーズを実施しております欧米の船社に対しましては、セールスを強化して、大型船だけではなくて中・小型のラグジュアリー船の寄港も働きかけますなど、それぞれの分野がございますので、カテゴリー別に効果的な取り組みを展開したいと思います。  新年度、新たにクルーズ誘致等コーディネーターを配置いたしました。これは、欧米の船会社等に精通した専門家に委嘱しようと思っておりますけれども、発着クルーズ誘致のための補助制度の創設とか、また、先ほども話に出ました世界最大の旅行サイトでありますトリップアドバイザーやミシュラン・グリーンガイドを活用した誘客促進などによりまして、国内はもちろん欧米の船会社、船社等へのセールスも強化してまいります。  また、フロリダなどで開催されております世界最大級のクルーズ見本市にも担当職員を派遣して、誘致活動を展開しております。  なお、ことし4月には、「世界で最も美しい湾クラブ」フランス総会出席のために、できれば訪欧させていただきたいと思っておりますけれども、その際、欧州の主要な船会社、先方の都合がもしつけば、その際には私みずから訪問してセールスも行いたいと、こういうふうに思っております。  今後も他の港と連携したクルーズルートや、富山県ならではの魅力的な観光モデルルート、おもてなしなど具体的な提案を行って、大型船のみならず中・小型のラグジュアリー船も含めて、寄港の増加に向けてしっかりと積極的に取り組んでまいります。 18 ◯議長(稗苗清吉君)前田厚生部長。    〔厚生部長前田彰久君登壇〕 19 ◯厚生部長(前田彰久君)アール・ブリュットについての御質問に、私から3問お答えをいたします。  第1に、県内における現状についてお答えを申し上げます。  アール・ブリュット、これは、フランス語でございますが、加工されていない生の芸術と直訳されるものでありまして、既存の価値にとらわれず、自身の内側から湧き上がる衝動のままに表現をした芸術性の高い作品のことを指してございます。近年、障害者が制作しますアール・ブリュットなどが、国内外において高い評価を受けるようになってきているという状況にございます。  県内には障害者芸術活動に取り組む団体が複数ありますが、中でもNPO障害者アート支援工房ココペリがアール・ブリュットに熱心に取り組んでおりまして、現在、元県教員である美術作家等や特別支援学校を卒業した12人の作家が所属しまして、高岡市を拠点として創作活動等を行っておられます。  同団体では、県内においてアール・ブリュット展を開催しておりますほか、県外の作品展示会への出品や、障害者芸術団体との交流等を行っております。  また、同団体に所属をいたします作家の中には、越中アートフェスタにおける入賞者でありますとか、昨年フランスのナント市で開催されましたジャパン・アール・ブリュット展「KOMOREBI」に出品された方もおられまして、その芸術性が高く評価をされているという状況にございます。  次に、障害者アートフェスについてのお尋ねについて、お答えをいたします。  本年2月から障害者アートフェスという名題で開催をしておりますものでございますが、県内3カ所で、それぞれ砺波セッション、新川セッション、富山セッションと銘打ちまして、1月に行われました高岡市主催のアール・ブリュット展とあわせまして、県内全域を対象にアール・ブリュットの魅力を発信しております。  これまで、作品展示を中心としました砺波、新川の両セッションが終了いたしましたけれども、来場者数は両会場を合わせまして計200名となっておりまして、来場者からは今後も展示会に足を運びたい、自分の地域でも作品を鑑賞する機会があればよい、作品を購入したい等の感想をいただいております。  また、今月21日から25日まで開催いたします富山セッションでは、富山県民会館の1階美術館におきまして、作品展示とあわせまして、特別講演や映像上映、トークセッション、ワークショップ等を行うこととしております。特に作品展示につきましては、富山県の作品のほか、石川、福井、新潟、愛知、滋賀等、他県の作品も展示する予定としてございます。  多くの県民に来ていただけるようにチラシやポスターを作成いたしまして、市町村、障害者団体、障害福祉施設、特別支援学校、県内外の美術館、博物館等に配布をするとともに、県ホームページへの掲載等により案内をしている状況にございます。  最後、第3として、障害者芸術文化の振興に係る御質問にお答えをいたします。  国では、議員、御指摘いただきましたとおり、東京オリンピック・パラリンピックに向けまして、文化プログラムの推進のため、平成29年度に補助事業を創設されまして、30年度には実施都道府県の拡大に向けまして予算を拡充しており、障害者芸術活動のさらなる推進を目指しております。  県ではこの補助事業を活用しまして、30年度、新たに本県における障害者芸術拠点として、民間団体による障害者芸術文化活動支援センターの設置を支援することとしておりますが、知事から今ほど御答弁申し上げた芸術活動への支援のほか、障害者芸術に係るホームページを開設しまして、アール・ブリュットや作品等についての情報発信を図るとともに、既存の障害者絵画展や作品展への助言、支援や、絵画以外の演劇、音楽等についての普及支援に向けた検討等を行うこととしております。  県としましては、今年度末に策定予定であります新たな富山県総合計画や第5期富山県障害福祉計画、新世紀とやま文化振興計画においても、アール・ブリュットなど障害者芸術の振興について明記することとしておりまして、これらの計画に基づきまして、障害者芸術文化の一層の振興を図りまして、障害者の社会参加の推進に努めてまいります。  以上でございます。 20 ◯議長(稗苗清吉君)渋谷教育長。    〔教育長渋谷克人君登壇〕 21 ◯教育長(渋谷克人君)特別支援学校における芸術的資質の掘り起こしなどについての御質問にお答えいたします。  特別支援学校の図画工作の授業では、児童生徒の豊かな情操の育成に努めておりますが、本県の学校には、例えば絵画に興味を示し、大胆に形を捉えて描く者、個性的な色合いで彩色する者など、多様な資質や感性を有する子供たちが数多く在籍しております。  このため、各学校ではこうした子供たちの芸術的な資質を掘り起こし、その感性を伸ばすため、図画工作の授業だけでなく、自立活動や特別活動の時間、部活動などにおいて作品制作の場所を確保いたしまして、画材も提供しながら、絵画や陶芸などの芸術活動を行う機会を設けております。  また、外部の専門家を招きまして、陶芸の色づけや描画の技法を学んだり、画材や道具、色彩などについて学ぶ機会も設けております。  さらに、こうした活動を通して深い興味を示した子供たちには、保護者の方々と相談いたしまして、地域の絵画教室と連携しながら、卒業してからも学び続けられるよう継続的な支援にも努めております。  こうした取り組みによりまして、全国特別支援学校文化祭において文部科学大臣賞や全国文化連盟会長賞を受賞した生徒や、個展を開いている卒業生もおります。  また、昨年10月にフランスのナント市で開催されました日本のアール・ブリュットを紹介する展覧会には、高岡支援学校の卒業生の作品が展示されておりまして、今後とも子供たちの芸術的な資質の掘り起こしと、感性を伸ばす指導に努めてまいります。  以上です。 22 ◯議長(稗苗清吉君)芝田農林水産部長。    〔農林水産部長芝田 聡君登壇〕 23 ◯農林水産部長(芝田 聡君)まず、海岸林の雪害についての御質問にお答えします。  この冬は昭和38年の豪雪にも匹敵する降雪量となり、海岸林においては湿った雪がクロマツの枝葉に着雪し、その重みにより幹や枝の折れ、倒木が発生しており、3月5日現在で氷見市で125本、高岡市で24本など、県内6市町で計229本の被害木を確認しております。  このうち、道路に傾くなど地域住民の生活への影響がある被害木につきましては、発生直後に伐倒、除去されており、残りの被害木につきましても、今後できるだけ早期に県単独治山事業などにより、伐倒などを行うこととしております。  また、倒木や除去により保安林の機能が失われるおそれがある箇所につきましては、速やかに復元方法を検討し、植栽などの整備を行うこととしております。  議員御指摘の雨晴海岸の湾岸サイクリングコース沿線については、地域住民の御協力もありまして、利用者の通行に支障がないよう、3月5日までに折れて散乱した枝葉が除去されたところでございまして、また、国定公園雨晴園地の給水施設に倒れかかっていたクロマツについても、雨晴園地を管理する高岡市において伐倒、除去され、現在では公園の利用に支障がない状態になっております。  県としては、関係する市や町及び地域住民と連携しながら、被害のあった海岸林の再生と景観の回復に努めるとともに、海岸林周辺施設の利用者の安全確保が図られるよう、しっかりと対応してまいります。  次に、磯焼けについての御質問にお答えします。  磯焼けは魚介類の産卵や育成の場となる海藻の群落が衰退又は消失するもので、県では藻場の状況を把握するため、航空写真による藻場面積の調査分析や、主要藻場の現存量モニタリング調査などを実施しております。  調査結果では、沿岸全体の藻場面積には大きな変化がありませんが、氷見市、滑川市、魚津市など一部地域では、磯焼けまでには至らないものの、海藻のうちテングサ類が減少するなどの現象があらわれております。  その原因につきましては、議員からもお話がございましたけれども、海水温の上昇や窒素、リンなどの栄養分の不足、ウニなどによる食害、そういったものに加えまして、光合成が阻害される原因となる海の透明度の低下ですとか、塩分の変動といった複数の要因が関係していると考えており、県では水産研究所において効果的に藻場を形成する苗づくりの研究を行っております。  また、磯焼け対策といたしまして、国の事業も活用して、漁業者や地域住民によるアマモの移植やウニの除去などの藻場の保全、海藻の繁茂を促すブロックの投入、これは高岡市の国分のほうでも取り組んでいらっしゃいます。それから、海藻が付着しやすくなるための岩盤清掃などの漁場保全に対する支援のほか、アマモ苗を飼育する小学生を募集し、育てた苗を高校や漁協の協力を得て移殖する体験事業なども実施しております。  さらに、平成26年度からは入善沖で自然石を投石するなど、藻場造成を行っているところでございます。  磯焼けは本県漁業の振興における重要な課題の1つと考えており、全国豊かな海づくり大会で高まった「豊かなとやまの海づくり」の機運を継続していくためにも、漁業関係者や地域住民などと連携協力しながら、しっかりと磯焼け対策に取り組んでまいります。  最後に、「富富富」の栽培についての御質問にお答えいたします。  平成30年産の「富富富」の生産者につきましては、必ずしも大規模経営体だけなく、比較的規模の小さい農家や兼業農家も含めて栽培基準の遵守などに同意する481経営体を登録したところでございます。この481経営体のうち、例えば3ヘクタール未満の小規模農家は172戸ございまして、全体の36%を占めております。  ただ、栽培意欲を持ちながらも、化学肥料2割減、あるいは農薬3割減といった栽培・出荷基準が求められる中で、安定した収量、品質が得られるか、異品種混入防止対策の実施ができるかといった不安感や、乾燥機を所有しない農家では、地域の共同施設において他品種と区別して「富富富」を取り扱う必要があることなどから、申請を見合わせた農業者もおられるものと認識しております。  このため、まず、「富富富」栽培の不安感の解消に向けましては、30年産の栽培に当たって、圃場に立て札を設置して生育状況を確認できるようにするなど、栽培、生育状況の見える化による技術の普及に加え、31年産に向けて栽培ポイントなどを研修会などで丁寧に説明することとしております。  また、粘質土地域での全量基肥栽培の実証試験を実施し、県内全域で栽培に取り組みやすくするとともに、乾燥調製につきましては、JA内の共同乾燥調製施設の一部を「富富富」用に振り向けることに加え、JAの枠を超えて広域的な利用調整を図る取り組みを拡大するため、なるべく早い段階からJA等の調整が進むように働きかけを行ってまいりたいと考えております。  今後、これらの取り組みを生産者やJAなどと連携して推進し、31年産の1,000ヘクタールの作付確保を目指して、生産者の経営面積や経営形態にかかわらず、取り組みの輪を広めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 24 ◯議長(稗苗清吉君)加藤土木部長。    〔土木部長加藤昭悦君登壇〕 25 ◯土木部長(加藤昭悦君)まず、伏木外港緑地整備におけます今後のスケジュールと取り組みについての御質問にお答えいたします。  伏木外港緑地につきましては、今年度、基本計画の策定に着手をいたしまして、これまで高岡市や地元関係者で構成されます検討会を2回開催いたしまして、地域の方々はもとより県民の皆さんや観光客の方にも利用されます緑地となりますよう、基本方針や整備方針、施設計画などについて意見交換をしながら検討を進めてきておるところでございます。  これまでに、整備方針といたしましては、親水性を高めるため、緑地と伏木外港海岸の緩傾斜護岸との一体的な利用とともに、クルーズ客船利用客あるいは富山湾岸サイクリングの利用者のための整備など、6項目としたところでございます。  また、施設計画といたしましては、展望広場、サイクルスポットなどを配置した案を第2回の検討会で提示したところでありまして、委員の方々からは、緑地整備を進める上で、富山湾や立山連峰の見晴らしのよい眺望を大切にすべき、街灯を整備するなど夜間にも利用できるようにすべき、あるいは維持管理が容易な施設となるよう配慮すべきなどの御意見をいただいておりまして、今月末に開催を予定しております第3回検討会におきまして、基本計画を取りまとめることといたしております。  来年度は、この基本計画に基づきまして、用地を取得済みでございます第1期区間約1.5ヘクタールの部分につきまして実施設計を行うことといたしております。  引き続き、関係の皆様方の御意見を伺いながら、地域の方々のみならず国内外からの観光客の方々にも親しんでいただけますよう、魅力ある緑地となりますよう、高岡市とともに連携協力し、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。  次に、万葉埠頭緑地と一体となった緑地整備についての御質問にお答えいたします。  伏木外港緑地の整備におきましては、万葉埠頭に寄港したクルーズ船の利用客や県民の皆さん、あるいは観光客の方が整備済みの万葉埠頭緑地あるいは緩傾斜護岸を有します伏木外港海岸を一体的に利用できるよう、回遊性や利便性に配慮した緑地整備が必要というふうに考えておるところでございます。  しかしながら、万葉埠頭緑地と外港緑地との間には、昔の海岸線の名残でございます既設の防潮堤と水たたきがありまして、万葉埠頭緑地と水たたきとの高低差は約3メートル、また、万葉埠頭緑地と外港緑地との高低差も約2メートルとなっている状況にございます。  こうしたことから、現在策定を進めております基本計画では、緑地のシンボルとなります幅の広い階段、あるいは車椅子の方の利用にも配慮したスロープの設置を行いまして、また、一体的な利用ができますよう水たたき部分への盛り土も行う計画といたしております。  県といたしましては、伏木外港緑地が県民の皆さんや観光客の方々などにとって魅力ある緑地となりますよう、引き続きこの検討会におきまして、地元関係者の御意見もお伺いしながら、基本計画の策定に取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。  最後に、緑地内への民間レストラン等の設置についての御質問にお答えいたします。
     現在、伏木地区におきましては、外港のにぎわいを創出するため、魅力ある水辺空間を目指しまして、伏木外港緑地整備検討会におきまして地元の方の御意見を伺いながら、伏木外港緑地の基本計画案を策定しているところでございますが、県民の皆さんやクルーズ船の利用客などがふれあう、そして、また集う場所として整備していくことといたしております。  この外港緑地につきましては、例年7月に開催されます伏木港まつりや、納涼花火大会といった地元の祭りや、あるいはフリーマーケットなどのイベントといったさまざまな形で利用されるということが想定されますことから、その利用につきましては、より自由度が高まるよう、現在、多目的広場を設けるということで計画を進めているところではあります。  飲食等のサービスにつきましては、イベントの規模や内容に応じたニーズに適宜対応可能なように、例えば移動販売車等により効果的に提供を行えばどうかというふうに考えているところではあります。  一方、伏木地区では大型クルーズ客船の寄港時や、伏木曳山祭りには多くの観光客でにぎわうとともに、近傍には勝興寺を初めとした観光拠点もございますことから、回遊性が高まれば交流の拠点になると考えられます。議員御提案の港湾緑地に民間活力を導入して、集客のかなめとなります施設を整備することも十分に考えられるものと思っております。  港湾緑地内に飲食施設を設置することにつきましては、これまでも新湊マリーナや、あるいは環水公園におきまして占用許可を得て立地いただいている事例もございますので、県といたしましては、民間の方から具体的な御提案があれば、柔軟に対応してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 26 ◯議長(稗苗清吉君)蔵堀観光・交通・地域振興局長。    〔観光・交通・地域振興局長蔵堀祐一君登壇〕 27 ◯観光・交通・地域振興局長(蔵堀祐一君)伏木富山港の整備に関する御質問のうち、MSCスプレンディダに関する御質問にお答えをいたします。  ことし5月に伏木富山港に初寄港をいたします予定のMSCクルーズ社のスプレンディダは、乗客定員が3,000名を超える大型船でありまして、クルーズ客の消費による経済効果が期待されているところでもございます。  県では、これまでもMSCクルーズ社に対しまして、本県の多彩な観光地の情報を提供してきております。現在、立山黒部アルペンルート、黒部峡谷、それから宇奈月温泉、また、世界遺産の五箇山合掌造り集落、国宝瑞龍寺、富岩運河環水公園など、本県の代表的な観光地を盛り込みました数種類のオプショナルツアーを検討いただいているところでございます。  また、クルーズ客の中には、比較的短時間の町なか観光のニーズもありますことから、高岡市におきましては、高岡中心市街地行きのシャトルバスですとか、伏木地区の周遊バスの運行によりまして、近隣の散策を促す取り組みも検討をいただいているところでもございます。  また、寄港の際のおもてなしといたしまして、県と高岡市が連携いたしまして、歓迎式典の開催ですとか、埠頭での物産コーナー、観光案内所の設置を行いますほか、出港の際の花火の打ち上げの実施も検討しているところでございます。  この乗客定員3,000名を超える大型船の寄港は3年ぶりとなりますので、今回のこのスプレンディダの寄港を、地元高岡市を初め本県の観光振興に結びつけまして、地域が潤うような工夫にしっかり努めたいと考えております。  また、クルーズ客の満足度、本県観光への評価を高めることによりまして、今後の継続的な寄港にもつなげたいと考えておりまして、民間事業者の方、市町村の方としっかり連携して対応してまいります。 28 ◯議長(稗苗清吉君)以上で向栄一朗君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  午前11時56分休憩      ─────────────────────  午後1時00分開議 29 ◯副議長(渡辺守人君)休憩前に引き続き会議を開きます。  笠井和広君。    〔12番笠井和広君登壇〕 30 ◯12番(笠井和広君)皆様、お疲れさまでございます。県民クラブの笠井でございます。  昨日、GDPの確定値が発表になりまして、年率で1.6%の成長をしたということと、あと、トヨタ自動車さんが賃上げに対して前向きな回答をされるということで報道がなされました。景気は皆さん方が認識のとおり、本当に順調に回復しているという側面もありながら、貧困層や低所得者層、そういった苦しい状況におる方々もたくさんいるという現実を含めまして、質問に織りまぜてみました。  まず、子育て支援などについてお聞かせください。  今定例会に上程された予算案には、さまざまな子育て支援が盛り込まれております。この背景には、少子高齢化が急速に進む地方都市の現状を鑑み、人口減少対策、移住、定住を促して持続可能な自治体、つまり本県が厳しい都市間競争に打ち勝ち、より強固なものにするという知事の強い決意のあらわれだと高く評価するものであります。  多子世帯へのさまざまな行政サービスや、病後、病児保育の充実、低所得世帯への配慮も以前から見るとかなり前進していると考えます。  そこで、まず取り上げる課題として、子育てと仕事の両立について伺います。  今国会でも最重点の議論となっております働き方改革でありますが、少し観点をずらして見てみますと、事業規模の大小によっては、企業の従業員への対応に差が出ていると見てとれます。この事実をどうとらえているのか、障害者雇用すら未達成の企業がいまだ多い中、働く女性に対しての理解の有無が子育てと仕事の両立ができるか否かの分水嶺だと考えます。小規模な企業、家族経営に準ずる事業所などでは、恒常的な人手不足に戸惑いながらも、労働環境の整備という高いハードルを乗り越え、有給休暇の取得の完全履行や産休、産後の休暇、育児休暇の延長なども重い負担となっております。  企業経営者はもちろん、職場の同僚など、環境の整備が今後一層求められています。知事のお考えをお伺いいたします。  次に、放課後児童クラブについて、お伺いをいたします。  この問題については、市町村とともに共同して取り組むべき重点政策の一端として捉えております。いまだ設置していない学校区も散見され、地域間格差が歴然とある事実に愕然としているところであります。  この事業にも国の予算が盛り込まれ、県としても増額を図るなど、改善の兆しは見られるものの、全県的に開設時間の延長やサービスの内容などにばらつきがあると考えますが、現状の認識と、今後さらなる拡充を目指すため、基礎自治体である市町村とどのように連携を図っていくのか、前田厚生部長にお伺いいたします。  子育て応援券については、当初予算案で拡充が提示されており、実効性が高い施策であると認識し、評価をしております。  利用できる施設やサービスの枠をもっと増やし、利用率を高めてこそこの事業の成果を評価できるものです。さらなる拡充や利用率を高めるため、周知の仕方も工夫すべきでありましょう。発行額、配布世帯と現状の利用率について、前田厚生部長にお伺いいたします。  経済の好転を生み、景気が回復していると先ほども申し上げましたが、子供の貧困率は下がる一方であります。  ですが、本県の指標は全国平均より随分と少ない傾向が続いております。これは勤勉で進取な県民性のあらわれであります。  しかし、歴然として生活保護世帯や低所得世帯が子供たちの高等教育の進学を阻んでいる事実があります。さまざまな対策が示され、また、支援が拡充されても、保護者が子供たちの夢や希望を奪ってはしまいか、貧困の連鎖による学力の低下が心配されます。  経済的な理由から進学を諦めるという不幸な事態を避けるため、学校現場において、生徒のみならず保護者に対してもきめの細かい相談や支援制度の活用の助言が必要と感じます。現況における対応と取り組みについて、渋谷教育長の見解をお聞かせいただきたい。  さらには、地域において経済的に生活が困窮している子育て家庭に対して、きめ細かな相談や生活支援制度の活用の助言をより一層充実させるべきと考えます。現在の対応とこれからの取り組みについて、前田厚生部長にお伺いいたします。  私事ですが、私自身、ひとり親の父子家庭環境で育ちました。病弱な父は病院への入退院を繰り返し、生活の身の回りのことはすべて自分で行わなければなりませんでした。しかし、その生活の実態は、金銭面を含め不足なく賄うことができてきました。生活の資金面のみならず、学費の免除、眼鏡や生活必需品の購入、さらには給食費の手当、クラブ活動に必要となる楽器の購入には、当時、物品税の免除など、枚挙にいとまがありません。そのときに、ああ、この国って温かい国なんだなと感慨に思いを馳せておりました。その手厚い支援により卒業することができましたので、このような経験があればこそ今の私があると、当時の福祉政策に大変感謝をしております。  さらには、我が事のように接してくれて大変お世話になった民生児童委員の地元の名士の方、学校の恩師や生徒指導の先生、近所の方々、友人のお父さん、お母さんなど、家族などにまさに地域力で社会に出させていただいたのであります。  しかしながら、現在は教育現場での環境の変化や、御近所づき合いの希薄化、特に民生児童委員のなり手不足や、定員に満たない地域もあると伺い、大変憂慮しております。  そのような状況下であっても、民生児童委員などとも連携して地域力の低下が子供たちの生活に不利にならないよう、きめの細かい対策をお願いいたします。前田厚生部長の見解をお伺いいたします。  次に、産業振興についてお伺いをいたします。  先ほども申し上げましたが、景気判断は堅調に回復しているとうたわれ随分たちましたが、本県経済の復調はものづくり産業の好調さを認めつつ、長引くデフレ状態から脱せずに、厳しい経営を迫られている事業者も多数存在します。  何度も提案した緊急経済対策の借り換え融資の要件の緩和もなかなか前進が見られず、しいては本年度も昨年の140億円に引き続き、減額補正を190億円もなされます。好景気のあらわれで利用実績が低下したとの説明でしたが、幾つかの金融機関に直に聞き取りをいたしましたところ、企業の業績が悪くてもじっと耐えて我慢する、体力がある企業などは借り入れを求めずに企業内努力でおさめようとする嫌いがある、その結果、設備投資や研究開発に思い切って資金投入できないのが現実である、空前の低金利が続いてはいるものの、ネックになるのは保証料の存在であるとお聞きしました。  なるほど、富山市の制度融資には利子の減免や補給があり、かなり手当はされているものの、県の制度には明文化されたものがないそうであります。  ただ、今年度予算で新たに取り組むIoTに関する事業展開について、実質無利子で貸し付ける制度など、評価できる制度もありますが、先ほど言いました史上空前の低金利の現状では、1,000万円を10年調達しても、月々の返済利息は数千円程度であります。  本県には、幾度の倒産の危機を乗り越えて世界に飛躍した組子細工の老舗、タニハタなど、支援の仕方によっては再生のチャンスが多分にある業種や事業所があるはずです。中小企業の中でも規模がより小さな企業、事業所は新規事業着手が難しいケースも多いと思われます。商工会議所や労働行政機関に配置される経営指導員とも連携するほか、研究開発や新規事業への資金的援助、制度融資の信用保証の保証料の減免、利子補給の創設も含め、さまざまな形で支援をするべきと考えます。  たんころという融資制度がありますが、この仕組みは、当初借り入れした5年間は利息利払いだけを済ませ、期限が来たら証書貸し付けに切りかえるという、劇薬ともやゆできる利益の先食いの制度であると感じます。この制度の利用が必要な事態も想定されますけれども、緊急経営安定資金の借り換え回数の制限撤廃のほうが健全経営につながると考えます。石井知事の御所見をお伺いいたします。  公設地方卸売市場の現状についてお伺いいたします。もともとは中央卸売市場だったんですが、公設地方市場に格下げになったといいますか、扱いが変わりました。  事業主体は富山市等基礎自治体の運営でありますが、物流や産業振興の観点より質問をいたします。  長く市場の隆盛を自分の目と肌感覚で見てまいりました。その経験は30有余年にわたります。物流の変化や市場の機能低下は著しく、今も変革が続いております。近年の取扱高の激減など、市場としての機能が低下していると思われてなりません。  今後、市場機能を継続させるには、抜本的な改革と手厚い支援が必要であります。冷凍冷蔵施設などハード面での支援は当然ながら、施設全体の運営についても協議を始めるべきであると感じます。特に取り扱い商品が賄えないという現状がございます。水産物については、漁獲量の減少や市場機能が十分でないため、富山に持ってきても売れないということですね、輸入品目が目減りをし、ロシア産の本ズワイガニなどは入荷がゼロの状態が既に何年にも及んでおります。  青果にしても、台風などの影響や天候不良により入荷困難な状況がもう数カ月にも及びます。大根1本800円の卸値がついたこともあります。報道でも皆さんお耳にしたとは思いますが、白菜1玉800円、キャベツも高値で品薄、しかも鮮度が悪い、家計にも負担増加が進む中、市場経済活動にも影響が出てきております。  もはや経済問題と捉え、卸売市場に対し、県としてどのように機能維持、活性化に取り組んでいくのか、芝田農林水産部長の見解をお伺いいたします。  次に、小型クロマグロの漁獲制限についてお伺いいたします。  国の指導もあり、県としても取り組むべき重大な課題でもあります。定置網にかかった小型クロマグロを放流するといった実証実験の予算が計上されていますが、その成果については疑問が募ります。私自身、昨年、約3週間にわたって定置網漁業に漁業体験をさせていただいた経験からいえば、大変厳しい現実があり、困難をきわめると考えます。その点をどのように認識しているのか、また、漁業の現場は恒常的な人手不足、なり手がいない、高齢者に頼らざるを得ない現状、それに輪をかけて漁獲高が激減など、問題山積であります。  このような状況下において、どのような画期的な方法で小型クロマグロだけを放流するというのでしょうか。たとえ放流したとしても死んでしまうのが落ちであり、たとえ水揚げされたとしても、3キログラム以下は競りにかけてはいけない、最悪の場合は、休漁を迫るという漁業者の生存権すら奪うような政策は絶対にすべきではないと断言いたします。  待ちの漁業であり環境にやさしい伝統ある全国の定着網業者を救済するべく対策が望まれます。  大手資本の利権を求めるまき網漁は乱獲の最たる漁法であり、水産資源の枯渇を招きます。このたび、漁獲割合を決めるTAC制度の導入に当たり、国などに対し働きかけている取り組みにあわせ、窮状を説き定置網漁獲量の割合調整で救済すべきと考えますが、あわせて芝田農林水産部長の見解をお伺いいたします。  けさの日経新聞にもクロマグロのことが書いてありましたが、1日1トンを水揚げすれば報告するということを義務づけされたということでありますが、これ、根本的な解決に全くならないということであります。まき網でごそっととれる漁業から、地元にやさしい、そして小さな定置網漁業者を救うのが先決であります。  次に、再生可能エネルギーの推進についてお伺いいたします。  我が県は冠たる再生可能エネルギーの最先端県であります。豊富な水量を誇る水力発電の開発振興によって強固な産業基盤を構築し、ものづくり立県として発展をしてまいりました。  しかしながら、新たなる再生可能エネルギー、風力、太陽光発電など売電価格が下がり続けている一方で、電気料金にあわせて再エネ賦課金が約8%も徴収されております。一般家庭はもとより企業に対しても過大な負担となっており、バランスを欠く政策と言えます。  技術革新や進歩にあわせ、発電効率も上がり、より多くの買い取りを求められる状況が進めば、より一層課金が生じはしないか不安が募ります。  国に対して抑制を求めていくなど必要と考えますが、伍嶋商工労働部長の見解をお聞かせください。  今議会で予算計上されております県企業局の事業として開発を進めている地熱発電についてお伺いいたします。  この開発については、難工事が予想され、その開発予算もかなりの金額になるだろうと思いを馳せ、国などの交付金を含め、事業の概要や導入コスト、つまりイニシャルコストはどれぐらいと捉え、発電開始後の収益をどのように見込んでいるのか、今後の展開を含め、須沼公営企業管理者にお伺いをいたします。  次に、冬季スポーツ振興についてお伺いをいたします。  オリンピックの感動も冷めやらぬ間に、本日からパラリンピックが開幕をされます。本県も冬季スポーツとしてスキー競技ができる環境にありながら、なかなか選手を輩出できない現実があります。ジャンプ競技もその1つであります。  ところで、立山山麓スキー場には、国体で使用されたジャンプ台がありますが、長年利用実績もないまま、指定管理者制度にて管理のみを委ねてまいりました。  競技の振興の観点から、施設の利用活性化、管理運営の効率化などの見直しを含め、導入効果をどのように認識しているのか、山本総合政策局長にお伺いいたします。  本県による冬季スキー国体開催に向け、競技力向上を図るとともに、県内スキー場をより一層活用し、スキー競技全体の振興を図るべきと考えます。  しかしながら、例えば、さまざまな問題が立山山麓スキー場に起こっています。企業局の経営から富山市に移管されたとはいえ、スキー場の活性化の観点からも、相応の支援が必要ではないでしょうか。運営に対しても国体まで誘致しているのですから、ゴンドラが老朽化のため営業運転の見直しも立たず、いたずらに時間だけが過ぎ去っているように見てとれ、大変残念に思います。  冬季国体に向け、スキージャンプ場等の整備も行われますが、その他県内の関連施設も含め、これを機会にスキーの振興を図るなど、さまざまな状況で県内外の皆様に利用してもらえるよう工夫する必要があると考えますが、山本総合政策局長の見解をお伺いします。  行政サービスの向上についてお伺いします。  現在はネットでのショッピング等キャッシュレスの波が押し寄せております。一昔前よりクレジットカードが普及してから隔世の感がありますが、デビットカード、電子マネー、スマートフォンによる決済など、ポイント付与が混在し、その利用も可能であると複雑さが際立ってきました。そのような状況下でも、電子決済や電子マネーなどの利用率は格段に上がっており、社会生活により一層なじんだものになることは間違いありません。県税の一端である自動車税の納付がクレジット決済できるようになりますが、そのほかの支払いもカードや電子決済ができないか、時代の潮流という観点からも、納税者、利用者の利便性を図るべきと考えます。  県内施設の使用料、団体料金の一括支払いなど、さまざまなシーンに対応すべきと思います。会計管理者の見解をお聞かせください。  最後に、防災・危機管理体制についてお伺いをいたします。  今般、富山県防災・危機管理センターの整備が発表となりましたが、この施設については、大変意義のある事業であると思います。災害の少ないと言われてきた我が県にとっても、もう少し早く整備すべきではなかったかなという思いもあります。  今後、基本計画の策定、設計、現南別館の取り壊しに向けた費用など計上されておりますが、本格設計が進み、整備費を含み建設スケジュールについてお聞かせください。あわせて、現時点での平常時、非常時の施設の運営方法などについてもお聞かせください。知事にお伺いいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 31 ◯副議長(渡辺守人君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 32 ◯知事(石井隆一君)笠井議員の御質問にお答えいたします。  まず、仕事と子育ての両立についてでございます。  県で平成28年度から取り組んでおります企業子宝率調査によりますと、規模が小さいほど、必ずしも両立支援制度が整備されていなくても、経営者との距離が近く、コミュニケーションが取りやすいという、大企業にはない利点を生かしまして、子供の病気や学校行事などでも気兼ねなく休暇を取得することができますなど、仕事と子育ての両立に柔軟に対応している企業は多いという傾向が明らかになってきたところであります。  県としましては、これまでも次世代法に基づく一般事業主行動計画の策定を条例で、法律よりも小規模な従業員30人以上の企業に義務づけますほか、これは全国で富山県だけがやっているわけですけれども、また、モデル企業として小規模企業の取り組みも顕彰しますなど、小規模企業における取り組みへの支援を進めてまいりました。  さらに、新年度におきましても働き方改革推進運動を展開しますとともに、イクボス企業同盟とやまの実効性ある取り組みを推進しまして、休暇等の取得しやすい職場の雰囲気づくりを進めますほか、やっぱり経営者の意識が大事でありますので、これはしっかりやりたいと思います。また、企業子宝率調査を活用した優良事例の発掘や普及啓発に努めます。  さらには、仕事と子育ての両立支援ハンドブックの作成などにも取り組むことにしております。  特に小規模企業につきましては、仕事と子育て両立支援推進員が企業を訪問いたしまして、行動計画の策定を支援しますとともに、業種ごとの研修会等にアドバイザーを派遣しまして必要な支援を行いますほか、国の両立支援等助成金の利用促進を図ることにしております。国の制度も最近随分と充実してきておりまして、例えば出生時両立支援コースですと、男性の従業員がこの子供の出生後8週間以内に育児休業を開始し、連続5日間以上、大企業の場合は連続14日以上ですけれども、その場合は事業主に育休1人目57万円、大企業の場合は28万5,000円、それから2人目以降は14万2,500円、こうしたものが支給されるといったような制度があります。  ほかにもございますけれども、こういった制度も精いっぱいPRもして進めてまいりたいと思います。  また、生産年齢人口の減少によりまして、人材不足がこれから当分の間続くと思いますので、特に中小企業において人材不足が大変だと思いますから、有為な人材の確保、定着を進めるためにも、仕事と子育てが両立しやすく、さらには女性やシニア層が活躍しやすい職場環境づくりを進めることが人材確保の点でも大事でして、経営者の方々、中小企業の方も含めて、意識啓発を含め、業種や規模に応じたきめ細かな支援を引き続き行ってまいります。  次に、小規模企業者支援についての御質問にお答えをいたします。  富山県では御承知のとおり、中小企業振興基本条例を制定して、技術の高度化や販路開拓、また、経営の安定や経営基盤の強化などに取り組んでおります。ものづくりのいろんな見本市への出展とか、また、新たな起業支援とか、さまざまにやっているわけでございます。  また、本県からいろいろと働きかけもいたしまして、国のほうで中小・小規模企業の生産性向上のための設備投資補助金であります、いわゆるものづくり補助金をつくっていただいた。これは毎回補正ごとに約1,000億円、年によって多少違いますけれども、計上していただいております。また、今回はIT導入補助金も創設されまして、県内中小企業に大いに活用いただいているわけであります。  お話しのように、最近は低利な金利でも、あるいは極端に言えば無利子でもなかなかお金を借りてくださらないんです。だから、私、今も活躍されていますけれども、六、七年前に当時の経済産業大臣、経済再生担当大臣、とにかく今の経営者の方はどうしても、どういったらいいですか、リスクをとりたくないという、リーマンショック以降、そういう傾向が強いので、ぜひ呼び水となる補助金をキャッシュで渡してほしいと、そうしないと進まないと、地方の活性化が、そうしたら、これ、つくってくれたんですが、当時の私の思いとしては、そうすれば、それを頭金か、あるいは事業費の3分の1なりにして、残りは低利の資金をお借りいただけるのかと思ったら、それ、ほとんどないんですね。キャッシュで貰って、それの中でやるか、自己資金を少し継ぎ足してやるか、そういう、非常にある意味では健全経営になっておりました。  こうした取り組みなどによりまして、県内の企業倒産件数は、長期にわたり議員からも御指摘のあった景気の拡大基調も受けまして、平成29年度では63件と、平成3年以降27年間で倒産というのは最小となりました。
     また、経営指導員のアドバイスによりまして経営革新に取り組んで経営が改善した企業、また、地域資源ファンドによります新商品開発や販路開拓への支援により売り上げを伸ばした企業なども、これは決して中堅、大企業だけじゃなくて小規模企業でも見られるわけでございます。  議員御指摘の小規模企業の方々については、条例制定当初から、全国に先駆けて配慮規定を設けて支援しておりまして、県では来年度も引き続き、例えば商工会等が行う相談体制の整備、また、セミナーの開催や若手後継者の育成、また、地域の資源等を活用して開発した特産品の物産展出展への助成事業などを支援しますほか、商工会等の経営指導員とも定期的に情報交換を行いまして、連携して経営指導を行ってまいりたいと思います。  また、中小企業チャレンジファンドによりまして、新商品、新技術開発や販路開拓を支援することにしており、これは御承知かと思います。さらに、制度融資につきましては、小口事業資金零細小口枠の限度額を引き上げますほか、これは今まで1,250万円だったのを2,000万円に引き上げる、また、IoT支援特別資金によって、生産性の向上に取り組む企業を支援する、これは中小企業の負担される保証料を軽減しますとともに、県の利子補給で実質無利子としているわけでございます。  また、関連して申し上げますと、中小企業の皆さん、事業承継が大きな課題になっておりますけれども、富山県としても国に働きかけもいたしまして、30年度の税制改正で、事業承継税制は抜本的な見直しがなされて、よくここまでやったなという状態になっております。  県では、こうした国の動き等も踏まえて、事業承継を契機として経営革新や事業転換を図って、企業の価値がさらに高まるように支援することにいたしております。  今後も、議員おっしゃるとおり、中小企業、小規模企業、こういった方々が元気で活躍していただくというのが富山県経済に大切でありますから、商工団体や金融機関と連携しながら努力してまいります。  それから、最後に、防災・危機管理センターについてお答えをいたします。  先日の代表質問でもお答えしましたけれども、大規模災害や危機管理事案が発生した場合に、県民の皆さんの生命、身体、財産などの被害を最小限におさめるためには、やはり迅速に初動体制を構築する、速やかで的確な緊急対応をする、復旧、復興を急ぐ、こういったことが望ましいわけであります。  ただ、現在は庁舎スペースの制約がありまして、災害対策本部室を臨時に設置せざるを得ない状況になっておりますし、また、いざそういう際には、国や他県、防災関係機関など、全国からの応援を円滑に受け入れるために必要なスペースの確保も、これ、必須ですけれども、必ずしも十分でないわけでございます。  そこで、全国的には44の都道府県が県の本庁舎、または隣接の施設に専用の災害対策本部室を確保していることに加えまして、自衛隊や警察、消防など防災関係機関が活動する部屋やプレスセンターを備える施設も整備している県もあります。  そこで、富山県は防災の拠点としては6年前に県の広域消防防災センターを整備しておりまして、それなりの機能は果たしているんですけれども、やはり庁舎、本庁舎のそばに災害対策本部等の充実強化を図りたいと考えまして、平常時には、地域防災力向上のための自主防災組織等の研修を行う機能、また、非常の際には常設の災害対策本部室及び政府の現地災害対策本部室のほか、全国から応援に来ていただいた自衛隊や警察、消防などの防災関係機関、また、知事会や他県等が活動する受援のための部屋等を備えた施設としまして、新たに富山県防災・危機管理センター(仮称)の整備に来年度から着手したいと考えております。  整備スケジュールにつきましては、予算を伴いますので、県議会の御理解をいただきながら、来年度には基本計画の策定と基本設計の実施、また、31年度には実施設計、32年度から33年度にかけて工事を行いまして、34年度から供用を開始したいと考えております。  また、規模や機能など具体的な整備内容につきましては、新年度、基本計画等を策定する中で議論していくことになりますけれども、したがって、現時点で事業費を示すことは難しいんですけれども、交付税措置のある緊急防災・減災事業債などの有利な財源を最大限活用することも検討してまいりたい、かように考えております。 33 ◯副議長(渡辺守人君)前田厚生部長。    〔厚生部長前田彰久君登壇〕 34 ◯厚生部長(前田彰久君)子育て支援についての御質問に、私から3問お答えをいたします。  まず第1に、放課後児童クラブについて、お答えをいたします。  県ではこれまでも、放課後児童クラブの拡充に取り組んできておりまして、施設整備への補助といたしまして、施設の新増築や小学校の余裕教室等の活用に必要な修繕等について、国とともに支援をしているほか、開設時間の延長への取り組みとして、国の補助を受けるためには6時間以上の開所が必要なところを、4時間以上であれば県単独で補助する制度を平成21年度に創設するなど、長時間開所をするクラブを支援しております。  こうした取り組みの結果、クラブ数は県単独制度を創設いたしました平成21年度の187カ所から平成30年度には274カ所となる見込みでありまして、このうち18時を超えて開所をするクラブは、平成21年度の18カ所から平成30年度は111カ所へ増加する見込みとなっております。  18時を超えて開所するクラブ数でございますが、平成29年度では、県全体では約4割という形になりますけれども、市町村別で見ますと、域内のすべてのクラブが18時を超えて開所している市町村もあれば、すべてのクラブが18時までに閉所する市町村もあるなど、さまざまでございます。  その理由といたしまして、放課後児童クラブがそれぞれの地域の実情やニーズに応じ判断されている側面もあると考えてはおりますが、子育て世帯からは、放課後の預り時間の改善を望む声はまだ多く、また、クラブからも長時間開設のための課題としまして、指導員の不足を挙げておられるところも多いということから、県といたしましては、クラブの運営に必要な指導員の確保を支援するため、従来から実施をしております保育士養成校の学生に対してクラブでのボランティア参加を呼びかける出前講座を開催した上で、希望される方には、市町村を通じましてクラブとのマッチングを図るなど、今後とも市町村と連携しまして、放課後児童クラブの拡充が図られるよう努めてまいります。  第2に、子育て応援券事業についてのお尋ねにお答えをいたします。  子育て応援券事業は、子育て家庭の精神的、身体的、経済的負担の軽減や、地域における各種子育てサービス等の利用促進を図るため、保育サービスや予防接種等に利用できる子育て応援券を県独自の事業といたしまして、平成20年10月から配布をしているものでありまして、県レベルの事業といたしましては、本県と本県に類似する事業を平成27年度に開始いたしました大分県のみということになります。  発行額につきましては、ピーク時の平成22年度は交付者数8,710名、予算で1億1,246万円となっておりますけれども、出生数の減少に伴いまして、27年度は8,287人の1億773万円、平成28年度は7,783人の1億175万円となっておりますが、利用率につきましては、有効期間が終了いたしました応援券で見ますと、80%以上を維持しているという状況にございます。  これまでも子育て家庭が使いやすい制度となるよう改善を重ねてきたところでありますが、本年度、県で実施をいたしました意識調査では、子供を増やすに当たっての課題としまして、経済的理由を挙げる方が一番多く、また、子育て支援・少子化対策県民会議でも、委員から第2子対策のさらなる充実を求める御意見をいただいたことから、来年度におきましては、第2子への配布額を2万円に増額するとともに、意識調査で希望の多かった利用サービスの拡充、読み聞かせ絵本の図書の拡大でありますとか、親子連れでの公共施設の利用、産後ケアサービスの追加などといった拡充を図ることとしたものであります。  県としては、子育て応援券を活用し、保育サービス等を幅広く御利用いただきたいと考えておりまして、利用できるサービスや利用方法等を記載したチラシの配布による周知に加えまして、期限内の利用を年度末に新聞等で呼びかけておりまして、今後とも利用できるサービスの充実とあわせまして、利用率の向上に努めてまいります。  第3に、経済的に生活が困難な子育て家庭への相談支援に係る御質問にお答えをいたします。  経済的に生活が困難な子育て家庭に対しましては、県はもとより、県民に身近な市町村や各種支援機関、団体、民生委員、児童委員等が連携をいたしまして、総合的な支援を行うということは、児童の健全育成や世代を超えた貧困の連鎖を防ぐために重要と考えております。  県では、かがやけとやまっ子みらいプランに基づきまして、就労支援、経済的支援としまして、生活困窮者自立支援窓口等における就業相談や就労訓練、修学や就職のための資金の貸し付けや、児童扶養手当の支給等を行っておりまして、新年度の予算案では、新たに一定の低所得世帯の第1子、第2子に対しまして、保育料の無償化や軽減を実施することとしております。  さらに今年度から、いわゆる貧困家庭には限りませんけれども、食事その他の生活環境が十分ではない子供を地域で支えておられる、こども食堂を支援しております。  また、相談支援、生活支援といたしましては、ひとり親家庭の総合的な支援の窓口となります母子・父子自立支援員を各市及び県の町村部を所管いたします県の新川、中部厚生センターに計13名配置をしているほか、児童福祉法等に基づきまして、地域の子育てについて相談支援を行う役割を担っていただいております民生委員、児童委員、主任児童委員につきましては、毎年度実施をしておりますが、児童委員研修等におきまして、各種支援制度について周知を図るとともに、今年度、協議会活動費の増額を行いまして、支援体制の強化を行ったところであります。  今後とも、民生委員、児童委員等と連携しまして、経済的に生活が困難な子育て家庭に対する相談体制の充実等に取り組んでまいります。 35 ◯副議長(渡辺守人君)渋谷教育長。    〔教育長渋谷克人君登壇〕 36 ◯教育長(渋谷克人君)生徒や保護者に対する相談支援体制についての御質問にお答えいたします。  家庭の経済的な理由により、高校や大学など上級学校に進学することに悩みを抱えている生徒につきましては、中学校、高校ともに本人や保護者の方からの個別相談を受けまして、進学の希望が叶うよう、必要な情報を提供し、助言するなど、親身になって支援を行っております。  具体的には、中学校におきましては、2年生には、中学校長会が作成した進路のしおりを全員に配布いたしまして、奨学制度や経済的負担が小さい定時制高校などの情報提供を行っておりますし、3年生には、県が作成した「県立高等学校をめざすみなさんへ」という冊子を配布いたしまして、奨学金や高等学校等就学支援金などの情報提供を行っております。  高校では、奨学生募集などの説明会や、担任による個別面談を通して、日本学生支援機構や富山県、各種団体の奨学金制度を知らせておりますし、働きながら学ぶことができるコースがある大学、学部を紹介しておりまして、中学校、高校ともに可能な限り進学希望が実現できるよう、生徒や保護者の方の相談に乗り、助言し、励ましております。  来年度から、低所得世帯の高校生への給付金を充実することとしておりますし、また、本年の夏までに、国において大学生に対する給付型奨学金などの拡充強化策が取りまとめられるとのことでありますので、今後とも、こうした新たな動きに関する情報も各学校に周知いたしまして、進学を希望する生徒が経済的な理由で断念することがないよう、適切な情報提供や助言に努めてまいります。  以上です。 37 ◯副議長(渡辺守人君)芝田農林水産部長。    〔農林水産部長芝田 聡君登壇〕 38 ◯農林水産部長(芝田 聡君)まず、卸売市場についての御質問にお答えいたします。  近年、少子高齢化、人口減少等による食料消費の減少に加え、産直取引やネット通販といった市場外流通の拡大など、流通経路の多様化により、全国的に卸売市場の取扱量は減少しております。  本県におきましても、青果物は平成17年度の12万トンから、平成27年度の8万トンと約3割の減、水産物は6.5万トンから5万トンと、約2割の減となっております。  しかしながら、卸売市場は野菜、果物、魚など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品を消費者に安定的に供給するための基幹インフラであり、また、生産者にとっては安定した出荷先として、今後も重要な機能を有すると認識しております。  このため、県ではこれまでも富山市公設地方卸売市場の施設整備や、水産物産地市場の製氷・冷凍冷蔵施設等の整備への支援、栽培漁業の推進などによる取扱高の増加、青果、花卉の契約取引のマッチング支援などにより、安定的な取引の確保と市場の活性化を図ってまいりました。  こうした中、国では、食品流通の合理化と公正な取引環境の確保を促進するため、卸売市場法等の一部を改正する法律案を今国会に提出することとしており、法律案では、国が基本方針を定めた上で、共通の取引ルールの遵守により、市場の適正かつ健全な運営を確保するとされております。  県といたしましては、こうした国の動向や、市場開設者や卸売業者等、関係者みずからの議論も十分に踏まえまして、今後とも県民の台所であります卸売市場が食品流通の核としての役割を果たし、円滑な運営が行われるよう、指導助言などに努めてまいります。  次に、小型クロマグロの放流についての御質問にお答えします。  定置網は入網したさまざまな魚種をまとめてとる漁法であり、網の中でクロマグロを他の魚種と分離して効果的に放流するには、議員御指摘のとおり、難しい技術的な課題があると考えております。  一方、国の先行研究では、定置網内のクロマグロは、海面の表層を網から離れて広範囲に泳ぎ回る行動特性が明らかにされておりまして、長崎県の漁業者は、この特性を利用してクロマグロを他の魚種と分離し、放流する取り組みを行っております。  こうした例も参考にいたしまして、本県では県内の実情に即した放流技術を開発するため、ことし1月から定置網の漁場において、カメラによる魚群行動の観察や、定置網での漁獲過程の把握などの調査を実施しております。  これまでの調査の結果、網起こしの過程における効果的な放流のタイミングや、マグロを放流するための開口部として漁具ファスナーを設置する場合に、網の強度を損なわずに効果的に放流する手法の確立などが課題であると考えておりまして、その解決に向けて、3月には放流試験の一部を試行するとともに、来年度にはさまざまなサイズのクロマグロが来遊する時期にあわせまして、複数回の実証試験を行うこととしております。  また、ことし7月からは、TAC法に基づく資源管理制度が導入されることから、定置網の安定した操業の継続は本県漁業の重要な課題となっており、先月7日には、知事から齋藤農林水産大臣に対しまして、まき網から沿岸漁業への漁獲枠配分の見直しのほか、小型魚の放流技術開発の加速化と、県の取り組みへの支援などについて要望したところでございます。  今後とも、放流技術を早期に確立し、また、国への働きかけも継続いたしまして、漁業者が安心して操業できるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 39 ◯副議長(渡辺守人君)伍嶋商工労働部長。    〔商工労働部長伍嶋二美男君登壇〕 40 ◯商工労働部長(伍嶋二美男君)再生可能エネルギーの発電賦課金についての御質問にお答えをいたします。  固定価格買取制度におけます発電賦課金につきましては、再生可能エネルギーの導入を拡大していくため、電気使用量に応じて、全国一律の単価を一般家庭や企業などすべての電気使用者に対して賦課をしまして、電気料金と合わせて電力会社に支払う制度となっております。  各電力会社が集めた賦課金は、調整機関である低炭素投資促進機構が一旦回収した上で、各電力会社に再生可能エネルギーの買い取り費用に応じた交付金を交付すると、こういった仕組みになっております。  この賦課金につきましては、固定価格買取制度開始時の平成24年度には標準家庭で月額66円、国全体の総額では約1,300億円であったものの、平成29年度においては、標準家庭で月額792円、総額では約2兆1,400億円と見込まれるなど、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、年々増加してきております。  このため、国では昨年の4月から事業者による再生可能エネルギーの発電コストを下げつつ、同エネルギーへの設備投資を促すため、各電源ごとの中長期的な価格目標や数年先の買い取り価格の設定を行うなど、固定価格買取制度の見直しが行われたところであります。  現行の枠組みでは、再生可能エネルギーの導入の拡大は、エネルギー自給率の向上や地球温暖化対策、また、新たな産業育成などの面からも重要と考えられますけれども、議員御指摘のとおり、現行の枠組みでは、再生可能エネルギーの導入が進めば進むほど賦課金が高額となる仕組みとなっているところであります。  県では、これまでも国に対しまして、エネルギーの規模などに応じた適切な買い取り価格の設定を要望してきたところであり、引き続き国に対しまして、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立がバランスのとれた形で行われるよう働きかけてまいります。  以上でございます。 41 ◯副議長(渡辺守人君)須沼公営企業管理者。    〔公営企業管理者須沼英俊君登壇〕 42 ◯公営企業管理者(須沼英俊君)地熱発電のイニシャルコストや整備スケジュール等についての御質問にお答えいたします。  地熱発電開発につきましては、事業化までに10年程度以上と大変長い期間と多大な費用を要しますが、開発後は年間を通じて安定的な発電が長期間にわたり可能でありますので、県企業局では、立山温泉地域におきまして、平成28年度より調査リスクも考慮して国補助事業の採択を受け、調査を実施してきたところでございます。  これまでの調査結果を踏まえ、引き続いて平成30年度から2カ年で調査井の掘削調査を実施いたしまして、発電可能な規模を見きわめ、建設費などのイニシャルコストや運営経費等を積み上げて、事業化について検討することとしておりますので、現時点におきましてはまだ調査中でありまして、具体的な建設費用や収益を提示できる段階には至っておりませんことを御理解いただきたいというふうに思っております。  なお、これまでの調査結果からは、発電規模は約5,000キロワット程度が見込まれるというふうに考えておりますので、採算が確保でき、事業化につながるものと考えております。  また、地熱発電は、運転開始に向けましては、まず、整備スケジュールとしては、事業計画を策定し、環境アセスメント等の諸手続が必要であります。これまでの例では、この環境アセスメントに4年程度要していたことから、この手続期間の短縮を県の重要要望として国に要望してきましたところ、その短縮が図られる見込みであり、さらに、これまで行ってきました事前の動植物調査等を生かすなどの工夫をして、この期間を約2年程度に短縮できるものと考えております。  その後、仮に5,000キロワット程度の規模の発電であれば、発電所本体の建設に少なくとも3年は要すると考えております。  そうしたことから、発電所の運転開始には、順調に計画が進捗しましても、調査井掘削調査の完了後に最短で7年程度の期間が要するものと考えております。  県といたしましては、今後も採算性を見きわめた上で、早期に地熱発電の事業化ができるよう、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 43 ◯副議長(渡辺守人君)山本総合政策局長。    〔総合政策局長山本 修君登壇〕 44 ◯総合政策局長(山本 修君)まず、スキージャンプ場の指定管理についての御質問にお答えいたします。  議員、御紹介いただいたジャンプ台、正式には富山県スキージャンプ場と申しておりますが、平成18年度の指定管理者制度導入時から、隣接いたします富山市の立山山麓スキー場の管理運営も行っていらっしゃいます大山観光開発株式会社が指定管理者となっておるところでございます。  お尋ねの指定管理者制度の導入効果についてでございますが、立山山麓のスキー場等などとの一体的な管理運営によりまして、管理経費の節減はもちろんでございますが、県民サービスの向上の面では、立山山麓で行われる利用者や観光客向けのトレッキングイベントや森林セラピーの実施などのほか、競技団体や地元観光旅館組合などとの団体と連携しての大会誘致等の呼びかけや、周辺宿泊施設の周知など、立山山麓地域の活性化対策にも取り組んでいただいているところでございます。  ジャンプ場の利用者数でございますが、大規模大会開催年を除きまして、これまでおおよそ毎年200人台から300人台の間で推移したところでございますが、このスキージャンプ、御存じのように競技の専門性が高く、競技人口は限られておりますことや、冬季においても一定以上の積雪がないと利用できないということなどを考えますと、この数字もやむを得ないのではないかなというふうに考えておるところでございます。  次に、冬季スキー国体に向けた会場整備などと、スキー振興についての御質問にお答えいたします。  冬季スキー国体につきましては、2020年2月に本県の富山市及び南砺市で20年ぶり3回目の開催となることが決定したところであり、地元開催を契機に、本県の魅力ばかりでなく、良好なスキー環境を全国に発信する絶好の機会であると考えております。  国体開催に向けての準備としましては、まず、会場整備につきましては、県において、先ほど申し上げました富山県スキージャンプ場、また、南砺市ではたいらスキー場及びたいらクロスカントリーコースをそれぞれ改修する予定でございまして、さらに、競技面では、強化指定選手に対しては、TOYAMAアスリートマルチサポート事業や、スーパートレーナー設置事業によります動作分析、持久力アップ、コンディショニング等のスポーツ医・科学的サポートを活用するなど、スキー競技力の向上にも取り組んでおるところでございます。  お尋ねのスキーの振興についてでございますが、まず、これは全国的な傾向でございますが、1990年代前半をピークとしてスキー人口が大幅に減少しており、それは富山県においても同様の傾向にあるものと考えております。  このような中、今回の20年ぶりの地元での国体の開催は、選手の励みとなるばかりでなく、応援でありますとかボランティアなどへの県民の参加や、地元選手の活躍によって県内の子供たちに競技としてのスキーだけではなくて、身近なスポーツとしてのスキーへの関心を高め、家族と連れ立ってスキー場へ足を運んでいただくなど、スキー人口の拡大のきっかけづくりや促進に寄与してくれるものと期待をしているところでございます。  また、スキーの振興のためにはスキー場も大切な要素でございますが、現在、県内のスキー場、現在ではもう6つ、7つ、8つぐらいしかないと思いますが、その多くは自治体が設置や運営、支援を行っており、厳しい財政状況の中で、地域振興の観点などから、存続や運営に苦労されていると伺っておりますが、食事、宿泊、アクセスあるいはイベント開催を含めました魅力的なサービスの提供でありますとか、適切な施設の維持管理によりまして、多くの県民、さらには県外からのスキーツアー客などが手軽に安心してスキーを楽しめるような環境の整備に、引き続き尽力をいただければというふうに考えておるところであります。  以上でございます。 45 ◯副議長(渡辺守人君)大坪会計管理者。    〔会計管理者大坪昭一君登壇〕 46 ◯会計管理者(大坪昭一君)収納方法の多様化に関する御質問にお答えをいたします。  公金の収納方法の多様化を進めていくことは、県民の利便性を高め、収納率の向上や公金収納事務の効率化、省力化を図る上で重要であると考えており、これまで自動車税のコンビニ収納や、ふるさと納税のクレジットカード収納などに取り組んできております。  また、来年度は自動車税のクレジットカード収納を開始することといたしております。  さらに、インターネットバンキング等が普及していく中で、電子収納の導入を進めることも重要であると考えております。  県では、ことし10月に自動車の保有に必要となる各種の行政手続をオンラインで一括申請するワンストップサービスも導入を予定しておりますけれども、この手続の一環として、自動車税や保管場所証明手数料等につきましては、県、金融機関、利用者間の決済データを電送する基盤でありますマルチペイメントネットワークを利用した電子収納を新たに実施することとしております。  今年度は、共同利用サーバへの接続や、財務会計及び税システムの改修等を進めておりまして、来年度は、金融機関とのデータ連携等を行った上で、10月の稼働を予定しております。  県の公金は種類も多く、それぞれ取り扱いも異なりますけれども、行政関係の事務は今後電子化が進んでいくことなどから、導入の費用対効果や他県の動向等も踏まえながら、電子収納、コンビニ収納やクレジット収納など、さらなる収納方法の多様化に取り組んでまいりたいと考えております。
     以上であります。 47 ◯副議長(渡辺守人君)以上で笠井和広君の質問は終了しました。  永森直人君。    〔17番永森直人君登壇〕 48 ◯17番(永森直人君)一昨年の本日3月8日に、高平先生が急逝をされました。先生の温かいまなざしを思い浮かべるだけで、永森ちゃん頑張れやと言っていただいているようで、本当に勇気が湧いてまいります。先生の御冥福を改めてお祈りし、そしてまた、改めて感謝と敬意を申し上げ、以下質問に入らせていただきます。  本日は、分割質問により3項目の質問をさせていただきます。  第1の項目は、未来を担う人材の育成についてであります。  先月、自民党政務調査会経済建設部会の視察でドイツを訪問し、職業教育について視察しました。  ドイツの職業教育制度は学校教育制度の中にしっかりと組み込まれ、また、その中心的な役割を産業界が担っているという特徴があり、まさに産学官の連携体制がしっかりと構築されております。そして、この人材育成の仕組みこそがドイツの底がたい経済を支える源泉となっているということでありました。本県としても、ドイツの職業教育制度に見習うべきものは多いと感じた次第であります。  そこで、職業教育について、幾つか質問をいたします。  ドイツの職業教育制度は、古くから培われた歴史に基づいたものであり、一朝一夕にできたものではありません。したがって、日本で導入をしようとしても、そう簡単にはいかないと考えます。そこでまず、モデル的にやってみてはどうかという御提案であります。  富山県では、本県の基幹産業である医薬品産業について、産学官のコンソーシアムを構築し、人材育成の取り組みを行っていくこととしております。せっかく本県には医薬品産業が集積し、また、県立大学の医薬品工学科もでき、このたび薬事総合研究開発センターもできます。こうした環境をフルに活用し、医薬品産業についての人材育成の仕組みづくりを長い目でやっていく必要があると思います。  そこで、医薬品産業について、中学生や高校生のキャリア教育、富大や県立大学における専門的な教育、製薬会社や県の薬事研究機関におけるインターンシップなどを組み合わせた教育を段階的に行うことで、医薬品業界を担うプロフェッショナル人材を育成すべきと考えますが、石井知事の所見を伺います。  ドイツにおける職業訓練のかなめは、学校教育と職場における現場訓練を組み合わせたデュアルシステムにあります。そして、現場訓練においては、産業界がみずからの設備を使い、みずからの負担のもとで行っています。なぜ産業界がみずからの負担で行うのか、それはすぐれた人材を採用するためにメリットがあると感じているからであります。  他方、日本における職業訓練というと、本県の技術専門学院で行われているように、極めて限定的な分野について行われ、また、訓練は学校施設内でほぼ完結しており、産業界の求める人材の育成の仕組みとしては、一層の努力が必要と思われます。  本県の技術専門学院は開校して30年が経過しておりますが、単に専門学校的な役割ではなく、企業が求める即戦力を育成、あっせんするなど、ドイツで行われているデュアルシステムのコーディネーター的な役割を果たすことが期待されていると考えますが、産業界からの職業訓練のニーズの把握にどのように取り組んでいるのか、また、学院は今後どのような役割を果たしていくことが期待されているのか、石井知事の所見を伺います。  ドイツにおいては、初等教育が日本でいうところの小学校4年生で終わり、その卒業時に総合的な大学を目指すのか、手に職をつけるのか、あるいは専門的な分野に進むのかを選択し、それに沿った学校へ進む仕組みになっています。もちろん途中で変更することも可能とはなっているようですが、子供が将来どのような仕事に進むのかという現実的な職業観を身につける時期が日本に比べ極めて早いと言えます。  また、マイスター制度というものがあり、あらゆる職種にキャリアアップの制度が設けられています。例えば手工業マイスターではパン屋であるとかビールの醸造など、工業マイスターでは金属加工やシステムエンジニアなど、その職種は合わせて400種類近くにも及ぶということです。マイスターは大学の学士卒業と同等に見なされ、また、多くの職業においては、マイスターの資格を持たないとみずから開業できないことになっており、その分、マイスターには高い社会的地位と収入が保証されているわけであります。子供や若者には、手に職をつけたり、専門分野に特化して勉強を進め、マイスターになろうという考えも根強く、初等教育修了後、大学進学を目指すのは3割強しかいないということでありました。  とりあえず大学へ進み、就職をし、それから仕事を覚えていくのが当然という日本の価値観の変革が必要と感じました。  キャリア教育については、日本においても、夢として職業を語るだけではなく、収入などを含めた現実的な選択肢として職業を学び、その職業につくためにどのようなキャリアを積んでいく必要があるのかを具体的に考えさせる教育が必要と考えますが、渋谷教育長に伺います。  また、とりあえず大学へという価値観を払拭するためにも、キャリアを持った職業人の高い社会的地位や報酬が確立される必要があります。  そこで、職業人としてのキャリアアップの仕組みの構築や、すぐれた技能を有する職業人の地位の向上にどのように取り組んでいくのか、伍嶋商工労働部長の所見を伺います。  続いて、県立高校再編について伺います。  県立高校再編の今後については、もちろん跡地活用のことも大事だと思いますが、何よりも、再編により高校教育の充実が図られることが重要と考えます。  そこで、再編後においては、極力、望ましくないとされている1学年3学級以下の学校をつくらないように学校編成を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、やむを得ず3学級以下となる場合には、小規模校であるからこそ可能な学習環境の整備など、子供たちが小規模校のメリットを実感できる教育を進める必要があり、そのためにも県立学校再編実施計画と同時にしっかりと議論すべきと考えますが、渋谷教育長の所見を伺います。  県立学校の再編の議論でも見られたように、少子化は、今後さらに進み、県のシミュレーションでは、4校を統合しても、平成38年には9校が3学級以下、20校が4学級以下となり、さらにその5年後の平成43年には、中学卒業者数はそこからさらに765人、これは学級数では19学級相当に当たりますが、大きく減少することは確実な状況とされています。  一方で、今後の地域の実情や、子供たちの通学圏や学校の選択肢の幅を考えたとき、これ以上、学校を再編統合して学校規模を維持していくという、今回のような手法には限界があると考えますが、石井知事の所見を伺います。  小規模な学校であっても充実した教育を行うための1つの切り札が、ICTの活用ではないかと思います。当初予算案に、県立学校へのタブレット端末などICT機器の配備を大幅に充実させる予算が計上されました。これは一昨日の県議会とPTAの意見交換でも話題になりましたが、せっかくICT機器が配備されても、それを学校の現場で本当に使いこなせているのか、むしろ先生方もどう使ってよいかわからず戸惑っているのではないかという声が聞かれました。ICT機器を使った教育効果向上の研究や、教職員に対する指導などのソフト対策、さらには、小規模校での活用法の確立などにしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  ICT機器を活用し、教育の効果をどのように向上させるのか、今後の取り組みについて、渋谷教育長に伺います。  次に、不登校児童等の学び直しの機会の確保について伺います。  現在、安倍政権では、一億総活躍社会の実現に向け、各種施策を進めております。そのポイントは多様性の許容であると思います。いろんな学び方があってよい、いろんな働き方があってよい、いろんな人生があってよい、誰にでも、いつでも、いつからでも活躍の機会とチャンスは与えられるということだと思います。  そうした理念のもと、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律が施行され、1年が経過しました。  この法律は不登校となった子供たちの個々の状況に応じた支援を求めるとともに、支援に際しては、登校という結果のみを目標にしないことが明記されました。これまでの学校復帰への支援を前提としてきた考え方の大きな転換といえます。  しかしながら、フリースクールなどを含めた多様な学びの場の整備、不登校や就学に課題を抱える外国人などに対する学び直し機会の提供についての環境整備は、とりわけ地方において進んでいないのが現状です。  こうしたことを踏まえ、文部科学省は、例えば、夜間中学校が少なくとも各都道府県に1校は設置されるよう促すなど、施策の推進を地方自治体に求めているわけであります。  本県においても、不登校や外国籍で日本語ができないなどの理由により、義務教育課程において学校で学ぶことが困難であった子供たちの学び直しのニーズを把握した上で、その機会の確保に向けた取り組みを進めるべきと考えますが、今後、どのように取り組んでいくのか、渋谷教育長にお尋ねし、最初の項目の質問といたします。 49 ◯副議長(渡辺守人君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 50 ◯知事(石井隆一君)永森議員の御質問にお答えをします。  まず、医薬品産業を担う人材育成についてでございます。  富山県の医薬品産業のさらなる発展のためには、製薬企業で医薬品の製造や研究開発にかかわる専門知識を持ったすぐれた人材の育成が大切だと思っております。このために、中学校、高校では、製薬業務に対する理解を深めますために、社会に学ぶ14歳の挑戦でありますとか、中学校5校で製薬企業の職場体験をしていただいておりますし、また、製薬企業の見学、これは高校段階で実施していただいています。また、薬事研究所における製薬体験学習、また、薬業科で学ぶ高校生の製剤実習も実施しているところであります。  また、大学生等については、より高度な知識を習得しますために、県立大学では医薬品工学科を新設いたしまして、医薬品の研究開発、製造の基礎を身につけた医薬品産業等の新技術創出や製品開発を行う人材の育成に取り組んでおりまして、今後、医薬品工学科の3年生を対象に、薬事総合研究開発センターにおいて機器を活用して実習を実施することにいたしております。  また、富山大学及び同大学院では、薬学部や工学部等の学生を対象とした薬事研究所、今後は薬事総合研究開発センターとなりますが、その製剤実習ですとか、また、免疫バイオ、創薬探索研究講座といった寄附講座の設置や、また、薬事総合研究開発センターとの共同研究を実施していきますほか、薬学系の高度専門職業人育成コースの設置、また、ファーマ・メディカルエンジニア養成プログラムの開講にも取り組んでおりまして、こうした、例えばプログラムを受講された116名の中から、地元の製薬企業に多数の方が就職されております。さらにインターンシップ事業については、優秀な人材の本県への定着を図りますために、全国の薬学部生を対象に、平成25年度から医薬品業界において取り組まれておるところでございます。  今回、一昨年以来、富山県を初め全国知事会として国に働きかけまして、地方大学・地域産業創生事業が国の30年度予算に盛り込まれましたけれども、これは東京一極集中を是正して、地方大学の振興、地域産業の創生、これらを担う専門人材の育成確保を目的とするものでございます。  まず、今年度は、医薬品分野において産学官連携で、お話しのように、「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアム(仮称)というものもつくりまして、サマースクールの開講などを行いますとともに、今後は世界的に注目されております医薬バイオ分野などでの研究開発ですとか、製剤技術力の向上、それらを担う専門人材の育成確保等に取り組みたいと考えております。  そうしたことの結果、東京圏の学生が富山で学んで、将来、富山で働いてもらう、そして地元の医薬品産業の発展を支える人材として御活躍いただく、そういったことにつながるように、しっかり取り組んでいきたいと思っております。  本県には、医薬品の研究開発や人材育成に強みのある2つの大学と、県の薬事総合研究開発センター、これは全国で唯一の都道府県立の研究開発センターですし、また、多くの意欲的な製薬企業があります。また、これらの機関等と国の医薬品関係機関、それぞれの分野で国内トップクラスの医薬品関係機関との連携協定も結んでおります。  今後も関係機関の連携を進めまして、全国トップレベルの医薬品の研究開発や製剤技術力の向上、それらを担う人材育成に努めまして、全国のモデルとなりますように、鋭意努力してまいります。  次に、技術専門学院についてお答をいたします。  技術専門学院が行う職業訓練につきましては、かつてはともかく、近年ではメニューの設定等についても、職業能力開発審議会や学院が主催します職業訓練推進協議会におきまして、学識経験者や事業主の代表、また、労働側の代表という方もおられますし、さまざまな、中小企業の代表の方もおられます、そういった御意見も伺い、また、職業訓練指導員が各企業や団体を訪問する際にいただく御要望の内容、年に200社ほど訪問しております、また、職業能力開発計画を策定する際に県が実施いたします職業能力開発ニーズ調査というのもやっておりまして、こうしたことの結果も踏まえまして、さまざまな産業界のニーズ把握に努めたものにいたしております。  技術専門学院では、こうしたニーズを踏まえまして、これまで例えば電子情報科に3Dプリンタを導入したり、また、メカトロニクス科にFAの制御システムを導入したり、さまざまに訓練内容の充実を図ってまいりましたけれども、今回、新年度も金属加工業界のニーズを踏まえまして、金属部品、製造分野で進む製品の軽量、小型化に対応しまして、金属板の高精度な加工に不可欠とされるレーザー加工機を導入しまして、設計から加工、組み立てまでの技術を一貫して習得できる訓練を予定しております。  今後、働き方改革や第4次産業革命の到来など社会経済情勢が急速に変化します中で、技術専門学院は、時代のニーズに対応して、現場での即戦力として活躍する人材の養成機関として、役割、ますます重要になってくると思います。  議員の御指摘のとおり、ドイツではデュアルシステムというのを導入なさっている、大分以前からやっておられるわけですけれども、そうしたことも参考にして、富山県では平成17年度から企業での現場ニーズに対応した実習と職業訓練を組み合わせてキャリア形成を図ることを目的とします日本版デュアルシステム、平たく言いますと企業の実習つき訓練というのを実施しておりまして、今後、訓練生がより実践的な職業スキルが習得できますように、技術専門学院がコーディネーターとしての役割を強めていくことにしております。  せっかくのいろんな御提言でございますから、またよく勉強したいと思いますけれども、現場の企業側のニーズ、また、ほかの大学などの関係機関、さまざまに役割分担しながら、富山県の将来を担う人材をしっかりと、技術専門学院、県立大学、あるいは富山大学、いろんな皆さんと連携しまして、しっかりと取り組んでまいります。  最後に、高校再編についてでございます。  高校再編については、これまでも議員からもいろいろな御提言もいただきました。そうしたことの結果、先般、再来年の4月に4件の再編統合を行うという実施方針を定めたところでございます。  私自身もタウンミーティングなどの場で、直接県民の皆さんの声をお伺いしましたけれども、地元の小規模な学校、3学級であっても大事だという方もいらっしゃる一方で、やっぱり7学級とか5学級とか、多少通学時間がかかっても、そこにぜひ通わせたいという保護者や生徒さんが非常に多いということも実感しておりまして、こうした幅広い選択肢を望む保護者や生徒さんの思いというのは、時代が変わってもあまり変わらず、普遍的なものじゃないかと思っております。  また、本県では、御指摘のように平成39年度以降も中学校卒業予定者数が減少するという推計はあるんですけれども、一方で、とやま未来創生戦略に基づいて、人口減少を何とか克服するために、結婚から子育てまで切れ目のない支援によりまして、例えば県民の皆さんの希望出生率をできるだけ早く達成する、そういった子育て・少子化対策、また、県内への移住促進についても、市町村と連携しながら積極的に取り組んでおります。  こうした取り組みの結果、本県の合計特殊出生率は、平成23年、ひところは、平成18年ごろはたしか1.34まで落ちたんですけれども、最近では4年連続上昇しまして、1.50台をキープしているわけでございます。社会動態につきましても、これまで流出の多かった若い世代でも改善してきておりまして、特に富山県への移住が、かつては年間せいぜい200人前後だったものが、3年前から400人を超すようになって、昨年、平成28年度は565人となった、かつ、その7割の方が20歳代、30歳代の方でありまして、中にはお子さんを連れていらっしゃる方も多いわけでございます。  こうしたことの結果、世代全体では、平成28年度にはプラス、外国人も含めてですけれども226人、さらに29年度では358人と、転入超過ともなっております。  そこで、来年度、本県への移住やUIJターンがさらに増加しますように、相談体制を思い切って強化するとともに、全国トップクラスの子育て支援策をさらに拡充しまして、出生率の向上に努めて、できるだけ県立高校のさらなる再編の必要性が一層高まるということがないように努めたいと思っております。  いずれにしても、県立高校再編の今後のあり方につきましては、実施方針で、39年度以降の対応については中学校卒業予定者数の推移等を踏まえ、別途協議することとしております。平成30年代後期の中学校卒業予定者数の推移なども踏まえながら、その時点でしっかりと協議検討することとなるものでありまして、御理解を賜りたいと思います。 51 ◯副議長(渡辺守人君)渋谷教育長。    〔教育長渋谷克人君登壇〕 52 ◯教育長(渋谷克人君)続きまして、キャリア教育についての御質問にお答えいたします。  本県ではこれまでも、小、中、高校の各段階におきまして、職業観や勤労観、倫理観などを身につけさせるキャリア教育を積極的に行っております。例えば、小学校では職業調べや職場見学、中学校では全国のモデルとなる「社会に学ぶ14歳の挑戦」、高校では地元企業などの御協力によりますインターンシップなどを実施しております。  こうした取り組みもありまして、平成28年度の高校卒業生の就職率は100%で、3年連続して全国第1位となっております。  また、これらのことが評価されまして、政府関係機関の移転として、昨年度から教職員支援機構のキャリア教育指導者養成研修が本県で開催されておりまして、本県の特色ある取り組みを全国に発信しております。  御質問の職業選択について、子供のころから具体的に考えさせることは大切なことと考えております。  このため本県では、職業を初め自分の人生設計について考えさせるライフプラン教育を、高校では昨年度から、中学校では今年度から実施しております。授業では、県が作成した副教材を活用いたしまして、世界、全国のシェアがトップクラスの多くのオンリーワン企業や、世界を舞台に活動している県内企業などについて学び、自分の目指す職業、そして、仕事に求めるものなどについて考えをまとめさせております。  今後とも、議員の御提案を踏まえながら、キャリア教育の一層の充実にしっかり取り組んでまいります。  次に、県立高校の募集定員についての御質問にお答えいたします。  県立高校の募集定員につきましては、毎年、地域別の中学校卒業予定者数の動向や各学校の入学志願者の推移、地域バランスなどを踏まえまして、総合的に判断して設定しております。  今回の高校再編後においては、極力1学年3学級以下の学校をつくらないようにとの御質問でありますが、県立高校の募集定員につきましては、今後とも、今ほど申し上げました事項を踏まえ、総合的に判断しまして、適切に設定することとしております。  また、やむを得ず3学級以下の学校となる場合の対応についての御質問でありますが、事柄の性格上、仮定の御質問にお答えすることは差し控えたく、御理解をお願いいたします。  いずれにしましても、本県の県立高校では、学校規模にかかわらず、いずれの高校におきましても少人数による習熟度別学習を行うなど、同等の教育の質を確保できるよう努めております。  さらに来年度、新たに魅力と活力ある学校づくりの推進や、高校教育の変革に的確に対応できる授業改善に取り組むなど、学習活動、施設設備、生徒の指導支援のいずれの面におきましても、高校教育の一層の充実に努めることとしております。  今後とも、学校規模にかかわらず、いずれの高校におきましても高い教育の質を維持向上できますように、しっかり取り組んでまいります。  次に、ICT教育についての御質問にお答えいたします。  本県では、子供たちの課題の発見、解決にICTを活用する力を育成するため、昨年度、県立学校2校をICT教育モデル校に指定いたしまして、授業での効果的、実践的な活用方策などについて検証を行い、その検証結果を踏まえ、今年度は実施校を2校から12校に拡大しております。  実施校では、例えば台車の衝突実験結果を解析いたしまして、グラフ化する際にタブレット端末を活用する物理の授業や、グループごとにタブレット端末を活用して作成した実験結果のグラフをプロジェクターに映し、比較させる化学の授業などを行っております。こうした授業に対しましては、7割を超える生徒から、ふだんの授業よりわかりやすいとの声が寄せられておりますし、作表や計算の時間を短縮でき、考察に時間をかけられるとの意見も聞いております。  御質問の教育効果を向上する取り組みにつきましては、今年度から新たに効果的なタブレットの活用事例やデジタル教材を用いた授業実践など、教員のICTを活用した指導力向上に向けた研修を実施しております。  また、生徒のアンケートに基づく各学校での改善策の検討や、実施校の公開授業に基づく事例研究会など、教育効果向上の研究も進めております。  来年度は、実施校を12校から27校に大幅に拡大して、タブレット端末につきましても、480台から1,024台に拡充することとしておりまして、今後とも学校規模にかかわらず、いずれの学校におきましても質の高い教育を確保できるよう、ICT教育の推進にしっかり取り組んでまいります。  次に、不登校児童生徒などの学び直しについての御質問にお答えいたします。  御質問の教育機会確保法では、学校における就学の機会が提供されないまま学齢期を経過した者のうち、学び直しを希望する者に対し、地方公共団体は夜間中学などの就学の機会を提供することとされております。  この夜間中学につきましては、現在、8都府県の教育機会確保法が施行される前から設置されております31校において、学齢期に学べなかった高齢者の方や、不登校で十分な教育を受けられないまま学校を卒業された方、外国籍の方などが学んでおられます。  県内の学び直しのニーズにつきましては、国の調査などによりますと、県内のいずれの市町村におきましても、平成26年度から現在まで、住民の方から夜間中学に関する問い合わせはなく、また、夜間中学の設置促進に関する市町村への要望や議会への請願もないとのことであります。  学び直しのニーズを調査すべきとの御提案でありますが、夜間中学は一般的に、中学校において昼間と夜間の2部授業を行うものでありますので、まずは市町村で検討されるべきものと考えておりますが、議員から御提案もいただきましたので、市町村教育委員会と協議してまいります。  いずれにしましても、学び直しは上田議員からお話がありましたように、失われた時間と与えられなかった教育機会を取り戻すため、真剣に学ぶ方々の姿勢のあらわれでありますので、教育機会の提供につきましては、市町村教育委員会と連携いたしまして、適切に対応していきたいと考えております。  以上です。 53 ◯副議長(渡辺守人君)伍嶋商工労働部長。    〔商工労働部長伍嶋二美男君登壇〕 54 ◯商工労働部長(伍嶋二美男君)職業人のキャリアアップの仕組みについての御質問にお答えをいたします。  職業人のキャリアアップの仕組みを構築し、すぐれた技能を適切に評価することは、働く人の意欲の向上につながるほか、企業の生産性向上にも有意義であると考えております。  県内の事業所では、技能向上に関する教育研修制度や、各種資格に対する手当を設けるなど、従業員のキャリアアップの仕組みを有している企業が数多くあるほか、建設業界では官民一体で、技能と経験に応じた適正な評価や処遇を受けられる仕組みがつくられております。  県では、労働者のキャリア形成につきまして、第10次の県職業能力開発計画の中に位置づけまして、技能者の階層に応じてスキルアップを支援いたしますスマートものづくり人材育成事業や、熟練技能者を活用して在職者の技能向上を図る高度技能者人材育成研修など、多様な在職者研修の実施を通じて、技能者のキャリアアップへの支援を行っております。  また、技能検定の普及や各種競技大会への参加を促進することによりまして、技能を評価する機運を醸成するとともに、高度な熟練技能を持つ方に対するとやまの名匠の認定や、現代の名工表彰を行うことなどによりまして、すぐれた技能者の地位向上にも努めております。  このほか、企業が社内検定制度を導入する際に活用できる国の人材開発支援助成金や、あるいはキャリア形成のツールとして活用可能なジョブカードの周知も行っております。
     今後とも、労働局など関係機関と連携しながら、県内企業や職業人のキャリア形成に向けた取り組みをしっかりと支援してまいります。  以上でございます。 55 ◯副議長(渡辺守人君)永森直人君。    〔17番永森直人君登壇〕 56 ◯17番(永森直人君)第2の項目は農林水産業の振興についてであります。  本県の水産研究所の調査船はやつきについては、建造から30年が経過していることから、新たに調査船を建造することとされております。  自民党では現在、富山湾未来創造調査会内にプロジェクトチームを設置し、富山湾の未来、富山湾の可能性についてさまざまな角度から検討を進めておりますが、新たな調査船の建造により、神秘の海富山湾の調査の一層の推進や水産業の振興に寄与するものと大いに期待をしております。  調査船はやつきを整備する必要性と求められる機能について、どのように認識しているのか、また、栽培漁業を初めとした本県の水産業の振興にどのように活用するのか、芝田農林水産部長に伺います。  他方、地球温暖化などの影響により、ブリなどの回遊状況が不安定になってきていることなど、本県の水産業をめぐる環境に変化の兆しが認められていることもあり、漁業経営の安定化を図るためにも、キジハタやアカムツに次ぐ栽培対象魚種も検討するなど、栽培漁業を一層推進する必要があると考えます。  本県の栽培漁業のこれまでの成果をどのように評価しているのか、また、未来に向けてどのような可能性を期待しているのか、芝田農林水産部長に伺います。  先般、米の食味ランキングが発表され、「コシヒカリ」、「てんたかく」、「てんこもり」の県産米3銘柄がいずれも最高評価の特Aを逃すという残念なニュースがありました。富山米新品種「富富富」の本格投入に期待したいということを強く思います。そのブランド化もとても大事だと思います。  しかし、改めて考えてみると、「富富富」の平成30年産の作付予定面積は531ヘクタールで、生産量は約2,500トンを見込んでいるとのことであり、これは本県の米生産量約18万トンの1.4%に過ぎません。「富富富」については、当面、毎年1,000ヘクタールの作付を目指すとしていますが、仮に1,000ヘクタールでも県の生産量の3%に満たない量であります。他方、富山米の主力品種「コシヒカリ」の生産量は県全体の生産量の70%を超えており、本県の米生産の主力の座は当面揺るがないように思います。  つまり、「富富富」も大事ですが、「コシヒカリ」についても食味向上に引き続きしっかりと取り組み、既に確立しているトップブランドとしての地位をしっかりと維持していくことが求められていると考えますが、「コシヒカリ」の今後の戦略をどのように考えているのか、芝田農林水産部長にお尋ねし、第2の項目の質問を終わります。 57 ◯副議長(渡辺守人君)芝田農林水産部長。    〔農林水産部長芝田 聡君登壇〕 58 ◯農林水産部長(芝田 聡君)まず、調査船はやつきについての御質問にお答えします。  水産研究所では、総トン数160トンの立山丸と、19トンのはやつきの2隻の漁業調査船を有しており、このうち、はやつきは建造以来30年が経過し、プロペラ駆動軸などの安全な航行に必要な設備が老朽化し、部品調達が難しくなってきていることから、新年度予算案に代船建造のための基本設計を盛り込んでおります。  本県の沿岸には定置網が数多く敷設されており、大型船が入り込んで調査することが困難な場所も多いことから、小回りのきくはやつきは、富山湾の浅い海域での水質、底質の漁場環境調査や、藻場の潜水調査など、本県の海洋環境や水産資源の調査研究に重要な役割を担っております。  新たに建造する代船につきましては、現船と同じ19トンですが、より細かな操船を可能にする設備や、エンジン出力の増大など、機動性にすぐれた仕様となるよう検討することとしております。  また、はやつきを活用いたしまして、アカムツの種苗放流調査など、栽培漁業の振興に寄与する調査を引き続き実施いたしますとともに、例えば、新たな代船に海底の地形を立体的に把握できるサイドスキャンソナーや、海流の向きと強さを測定する流向流速計を装備し、シロエビが生息している富山湾の海底谷における、より精度の高い漁場調査を行うことなどを検討しております。  また、県立大学や環境科学センターからも調査研究の要望があり、今後、漁業団体からも要望をお聞きしまして、新たな代船の建造が本県漁業のさらなる振興や富山湾の環境保全に寄与するよう努めてまいります。  次に、栽培漁業の成果と可能性についての御質問にお答えします。  平成29年の沿岸漁獲量が過去10年平均の55%にとどまるなど、近年の本県の漁獲量が不安定となっている中、本県では、栽培漁業としてヒラメなど4魚種が事業化されており、氷見と滑川の栽培漁業センターで生産された種苗を各漁協が購入して、各地先で放流をしております。  本県で放流している魚種は沿岸定着性が強く、放流魚が成育して卵を産む再生産効果も期待できることから、定置網漁が盛んな本県の漁業において、栽培漁業は天然資源の漁獲変動を緩和し、漁業経営の安定を図るための重要な事業となっております。  また、栽培漁業は漁業の6次産業化や観光振興にも寄与しており、例えば今年度、くろべ漁協では製氷・冷凍冷蔵施設を整備し、栽培漁業で資源が増えたヒラメを、1年を通して安定的に宇奈月温泉を初め観光施設や飲食店に供給することとしております。  今後の本県の栽培漁業につきましては、まずは水産研究所で種苗生産技術を開発中のキジハタやアカムツを早期に事業化することとし、その後に続く新たな栽培魚種については、漁業者や消費者のニーズを十分把握して検討してまいります。  また、来年度から射水市沖においてサクラマスの海面養殖試験が始められますが、養殖業にチャレンジする漁業者からの要望に対しても、栽培漁業で培った知見や技術により適切に助言や指導を行うなど、つくり育てる漁業の一層の振興につながるよう努力してまいります。  この項の最後に、コシヒカリについての御質問にお答えします。  コシヒカリは、本県の水稲作付面積の約74%を占める主力品種であり、一等米比率が3年連続で90%を超えるなど、その高い品質やおいしさにつきましては、消費者や実需者から根強い人気があり、高い評価を得てきております。  米については、国の米政策の見直しなどにより、産地間競争が一層激化しており、その中で富山米の評価を維持向上していくためには、多様なニーズに応じた生産を行っていく必要がございます。  このため、平成30年産水稲の生産振興基本方針におきましては、「富富富」を富山米のトップブランドとして位置づけ、プレミアム米として育成することや、需要が堅調な業務用として、「てんたかく」や「てんこもり」の作付を拡大するなど、富山米の品ぞろえの充実を図るとともに、お尋ねのコシヒカリにつきましては、引き続き主力品種として安定した高品質、良食味を確保し、ブランド力の向上を図ることとしております。  コシヒカリは高温等の気象変動により食味や品質への影響を受けやすい面がございまして、御指摘のありました食味ランキングでは、登熟期間の日照不足などから、平成29年産につきましては、残念ながらAの格付でございましたけれども、こうしたことから、5月15日を中心とした適期の田植えや溝掘り、中干しの徹底、稲の活力維持のための穂が出る前の追肥や、穂が出た後の水管理など、高温等の気象変動にもしっかり対応できる栽培管理技術の徹底を進めてまいりたいと考えております。  また、県内はもちろん、富山米の主な出荷先である関西圏や中京圏に加え、首都圏でも「富富富」と連動した効果的な販売促進活動を展開し、県産コシヒカリの認知度とブランド力の向上を一層図ってまいります。  以上でございます。 59 ◯副議長(渡辺守人君)永森直人君。    〔17番永森直人君登壇〕 60 ◯17番(永森直人君)第3の項目は、あいの風とやま鉄道の充実についてであります。  ことしの冬に猛威を振るった大雪は、あいの風とやま鉄道の運行にも大きな影響を与えました。開業後初めて経験する大雪であり、御苦労も多かったと思いますが、一方で、通勤通学で鉄道を使う方から、JR時代よりも運休が多くないか、富山地鉄は運転しているのに、なぜあいの風は運休なのかという声も含め、運休が多かったという声が各方面から聞かれたことも事実であります。  今冬のあいの風とやま鉄道の運行を振り返り、ラッセル車などの装備や運用方法などにどのような課題があったと受けとめ、今後どのように取り組んでいく必要があるのか、蔵堀観光・交通・地域振興局長に伺います。  また、踏切の前後の道路は、機械除雪や融雪装置により雪がないにもかかわらず、踏切内のみ除雪がなされていない箇所が見られました。  1月の大雪では、富山地鉄ではありますが、踏切内で立ち往生した車に電車が衝突する大事故がありましたが、あいの風とやま鉄道の踏切においても同様な事故が起きても全くおかしくない状況であったと思います。  踏切内の立ち往生は重大事故につながる可能性が高いことを踏まえ、あいの風とやま鉄道の踏切内の融雪装置の整備が必要と考えます。また、少なくとも体制を強化し、踏切内の除雪の徹底を行うことは不可欠と考えますが、今後の取り組み方針についてどのように考えるのか、蔵堀観光・交通・地域振興局長にお尋ねします。  あいの風とやま鉄道の平成29年度の決算見込みは、29年10月までの収支をもとに試算すると、経常損益で約3億5,000万円の赤字であったということでありました。先般の上田議員の質問で、北陸新幹線の販売手数料収入の議論もありましたが、いずれにしても、何もしなければ少子化等の影響で利用客の減少、運賃収入の減少ということは避けられず、そういう意味では、利用促進の取り組みと同時に収入構造の多角化ということも重要であると考えます。決算見込みの資料によれば、関連事業として約2億円の収入があり、これはコインロッカーなどの収入ということでした。こうした関連事業の部分を伸ばしていくことを検討すべきと思います。  まず思いつくのが不動産収入であります。駅舎の空きスペースや不要となった線路を更地にして駐車場にするなど遊休土地の活用、さらに現在、富山駅高架下を活用する計画を進めていますが、鉄道利用客の増加につなげるとともに、不動産的な収益もしっかりと確保するということ、また、ドイツでの視察においては、公共交通についても視察しましたが、鉄道事業者がレンタルサイクルやレンタルバイク事業を手がけていました。レンタル事業による収入と、鉄道利用者増を生む一石二鳥の事業であります。  このように、さまざまな収益事業の展開を検討すべきと考えますが、蔵堀観光・交通・地域振興局長に伺います。  全国的に観光列車が大変に注目を集めています。JRなど鉄道各社は、この観光列車をクルーズトレインと呼び、次々と投入していますが、このクルーズトレインは、運行そのものの収益もさることながら、人を呼ぶための広告塔的な役割を期待し、半ば赤字覚悟で事業を展開しているということです。  あいの風とやま鉄道においても、来年2019年春から観光列車を運行することとしていますが、どのような層をターゲットとしているのか、また、列車のしつらえや展開するサービスについても、全国に誇れるものを期待したいと思いますが、どのように検討を進めるのか、スケジュールとあわせ、石井知事にお尋ねし、私の一般質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。 61 ◯副議長(渡辺守人君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 62 ◯知事(石井隆一君)あいの風とやま鉄道の観光列車についてお答えをいたします。  あいの風とやま鉄道では、県内を東西に走る車両から美しい富山湾や立山連峰、また、豊かな田園地帯など多彩な眺めを楽しみながら、富山湾鮨など富山ならではの食事や伝統的な祭り、文化を楽しむことのできる観光列車の導入について、これまで検討を重ねてきております。  あいの風鉄道によりますと、この観光列車は高低差4,000メートルの富山県の地形をコンセプトにする、海越しの立山連峰と世界で最も美しい湾クラブに加入した美しい富山湾、これをコンセプトにしまして、主として想定する利用者層として、50ないし60歳代の中高年の御夫婦などのシニア層、また、20歳代、30歳代の若い女性のグループを考えているということであります。3両編成の列車では、1号車、3号車を客室車両、また、2号車を厨房車両として改造することにしておりまして、内装に氷見の里山杉を使用しますほか、雄大な立山連峰がよく見えますように、客室車両の山側の窓を大型化することとしております。そのほか、無料Wi-Fiサービスの提供とか、ウォシュレットタイプのトイレの設置などもいたします。  また、本県ならではのおもてなしを実施しますために、県産食材を活用した料理を提供しますほか、ガイドによる本県の観光PRや県産品の展示販売、また、富山のお土産品の配布などを行うことにしております。  この観光列車を運行するために、旧型の413系1編成を改造することにいたしております。これは、28年度から前倒しして整備していた新型の521系車両1編成がこのたび完成したことに伴って、これまで運行していた旧型の413系を改造するということでございます。  富山駅下りの高架化が完了します平成31年春の運行開始に向けて、現在、その名称や車両デザイン、運行ダイヤ、また、料理内容などの検討を進めておりまして、運行ダイヤとしては、土日祝日を中心に年間125日間程度を考えております。  観光列車の運行は、車窓からの景観や食、文化といった富山ならではのすぐれた魅力を発信しますなど、観光振興や沿線地域の活性化のほか、あいの風鉄道そのものの利用促進にもつながる取り組みでありますので、大いに期待しているところであり、また、沿線地域の特徴、富山県の特色、強みを生かしながら、全国に誇れる観光列車となりますように、県としても必要な支援、助言をしっかりと行ってまいります。 63 ◯副議長(渡辺守人君)蔵堀観光・交通・地域振興局長。    〔観光・交通・地域振興局長蔵堀祐一君登壇〕 64 ◯観光・交通・地域振興局長(蔵堀祐一君)あいの風とやま鉄道に関する御質問にお答えいたします。  まず最初に、ことしの冬の大雪に関する御質問にお答えをいたします。  ことしの冬の北陸地方の大雪では、県内におきましても各公共交通機関で運休や遅延が生じるなど、県民の皆様の通勤、通学など日常生活に大きな影響を与えたところでございます。  あいの風とやま鉄道につきましても、最も影響の大きかった2月6日には、未明から全区間で運休し、夕方には一部区間で復旧いたしましたものの、泊から東側、高岡駅から西側につきましては終日運休となったところでございます。  あいの風鉄道では、この降雪に当たりまして、事前に除雪対策を決定の上、全社を挙げて対応されたということでございますけれども、県の東西の県境付近を中心に、一晩で50センチを上回るような降雪でありましたことから、ラッセル車での除雪が厳しい状況となり、また、ラッセル車で進みましても、雪の吹きだまりがあるような場所では、線路の両側に雪が残ってしまいますことから、その除雪に時間を要するロータリー車での除雪が必要となったところでございます。  このロータリー車では、通常時速2キロから4キロで除雪をしていくわけですが、その間は列車の運行を停止する必要があるということでございます。こうしたことから、列車を運行できる状況となるまで時間を要したということでございます。  また、隣県の並行在来線会社と列車を相互に乗り入れをしておりますために、隣県会社での除雪対応や列車の運行状況なども大きく影響しているところでございます。  なお、県内の各公共交通機関における運行の対応の違いにつきましては、地域による積雪状況の違い、それから各社の踏切の数ですとか、線路の延長などによりまして違いが生じているものと考えております。  あいの風鉄道では、降雪時におきましては利用者の皆様の安全が最優先されますことから、列車の脱線や駅間での立ち往生を生じさせることのないよう、やむを得ず運休等の決定をする場合もございますけれども、今回の大雪を踏まえまして、隣県会社とより一層の除雪体制の連携を進めますほか、今後、一部区間の優先運行ですとか、また、ラッセル車の更新の検討ですとか、ハード、ソフト両面での除雪対策の充実を図っていきたいというふうに聞いているところでございます。  今後とも、県民の日常生活の足として安全運行を基本としつつ、できるだけ県民の皆様の生活に影響を与えないような運行に努めていただきたいと考えておりまして、県としても必要な協力をしてまいります。  次に、踏切内の融雪等に関する御質問にお答えをいたします。  あいの風とやま鉄道の踏切内の除雪につきましては、全部で128カ所の踏切があるわけですが、74カ所につきましては人の力で除雪をいたしております。  それから、55カ所においては散水設備による消雪を行いますとともに、社員が点検、除雪も行っているということでございます。  踏切内の積雪につきましては、列車の安全運行はもちろん、踏切を横断する車両ですとか歩行者の方の安全確保の面からも早期に除雪することが必要でありまして、今回の大雪に際しましても、可能な限り早期の除雪に努めたというところでございます。  ただ、道路の除雪とのタイミングの違い、時間のずれですとか、そういったことなどもありまして、道路は除雪されているのに踏切内のみ雪が残っていると、そういった時間帯もあったと聞いているところでございます。  あいの風鉄道では、これまでも雪対策として、踏切を初め駅構内ですとかポイントの融雪工事を実施してきたところでございますけれども、今回の大雪を踏まえまして、さらに道路管理者とも協議をいたしまして、道路の消雪が実施されている箇所につきましては、水源確保という課題はありますけれども、踏切内についても融雪装置をつけて消雪化を進めることといたしているところでございます。  また、人の力、人力によりまして除雪対応をしている踏切につきましては、除雪の連絡会議等を通じて、できるだけ除雪のタイミングが合いますように調整を働きかけてまいりたいと考えております。  最後に、あいの風とやま鉄道の経営に関しまして、不動産的な収益と利用者増といったことに関する御質問にお答えをいたします。  あいの風とやま鉄道の利用は順調に推移してきているものと考えておりますけれども、議員から御指摘もありましたように、今後の人口減少などの影響を踏まえますと、より一層の利用促進を図るということとともに、収入の多様化を図りまして、経営安定に努めていく必要があります。  あいの風鉄道では、今年度も、新旅客案内システムによります利用者への情報提供の充実ですとか、交通ICカードのサービスエリアの拡大、利用状況を踏まえましたダイヤ改正など、利便性の向上に取り組んできたところでございますが、鉄道事業と相乗効果を生む事業展開を進めることも、収益向上のためには大変重要であると考えております。  このため、あいの風とやま鉄道では、県が取りまとめました開発の方向性に基づいて、固定賃料による収益の安定化が期待できます富山駅高架下の開発に着手することといたしておりますほか、同社の所有地を活用した駐車場の整備など、不動産的な収益と鉄道利用者増につながる取り組みを進めているところでございます。  なお、レンタルサイクルにつきましては、駅周辺の観光振興やまちづくりに関連いたしますことから、これまで富山駅、魚津駅、黒部駅などで実施をされておりますけれども、いずれも市町村が主体となって実施をされているところでございます。ほかの駅につきましても、まずは市町村が主体となって検討していただきたいというふうに考えております。  また、このほか新年度以降も富山─東富山間の新駅整備を初め、JR切符の販売促進、イベント列車の運行に取り組みますなど利用促進に努めますとともに、自動販売機ですとかコインロッカーの設置など、運賃収入以外での収益向上に向けた取り組みも進めることとしておりまして、県としても、あいの風鉄道の経営安定やさらなる利用促進が図られますように、必要な支援をしっかりと行っていきたいと考えております。  以上でございます。 65 ◯副議長(渡辺守人君)以上で永森直人君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。  午後3時05分休憩      ─────────────────────  午後3時15分開議 66 ◯議長(稗苗清吉君)休憩前に引き続き会議を開きます。  米原蕃君。    〔40番米原 蕃君登壇〕 67 ◯40番(米原 蕃君)一般質問といったら、何年前にこの場に立ったのか記憶にないぐらい久しぶりでありまして、先ほど永森議員からも高平議員のお話が出ましたけれども、きょうも命日でありますが、偶然でありまして、何やこれも1つの何か彼との御縁なのかなと思ったりしているわけです。したがいまして、高平をしのびながら質問したいと思いますが、おかげさまで元気で頑張っておりますので、きょうは喜んで、進んで質問させていただきたいと思います。  さて、昨年の9月でありますけれども、この県議会の議事堂の耐震工事、おかげさまで無事工事が完了いたしました。明るく、そして、県産材をふんだんに使っていただき、新しくリニューアルをいたされました。約1年半近くかけて、この県議会議事堂は完成をしたわけでございますが、その間ずっと、定例会はお隣の大ホールを使ったり、委員会は、2回、3回、4回と、工事をしながら、やりくりしながら委員会をやりましたり、あるいは県民会館を使ったり、大変な御苦労があったと思います。工事の皆さんも、議事堂だけに、大変気を使っていただいたのではないかと思いますが、何よりも事務局の皆さんが大変だったと思います。指示をしたり、移動したり、大変な御苦労があったと思いますので、改めて議会事務局の皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。  完成した議事堂でございますが、県民の安全・安心、幸せのために、議会運営を通じまして議論を行い、県民の安全・安心のために、私たちは県民に、皆様にこの元気な富山県をしっかりとお伝えするという役割もございますので、しっかりと取り組んでいかねばならんということを改めて実感いたしております。最近、議事堂にはたくさんの方が傍聴におみえになりますし、若い学生もたくさんおみえになっているようであります。きょうも地元の皆さんにもお越しをいただきまして、ありがとうございます。  こうした方々が、もっともっとたくさん皆さんに議場に訪れていただいて、富山県がどんなふうな努力をしているとかということを、もっともっと皆さんに御理解をいただければなというふうに思っている次第であります。  それでは、早速質問に入りたいと思います。  北陸新幹線と地域活性化についてお尋ねをしたいと思います。  北陸新幹線が開業いたしまして3月14日で3年目を迎えようとしておりますが、20年近く前でありますけれども、フル規格からスーパー特急方式への転換を検討したことがございました。御存じの方もいらっしゃると思います。  私ども、山形新幹線、秋田新幹線を視察に参りました。このスーパー特急方式も、これはやむを得ないのかなというふうに判断に至ったときもございました。  しかし、当時、北陸新幹線の促進期成同盟会の森会長、元総理の森会長から大変なお叱りを受けまして、先生の猛烈な抗議によりまして、この北陸新幹線、元のフル規格に戻されたということを思い出すのであります。小矢部にトンネルを掘ったあの事件です。今はどんなふうに使われておるのかわかりませんが、何かふたがしてあるのかもしれませんけれども、あれはもう無用の長物だったと思いますが、そこまで決めていたものを変えるというのは、並大抵のことではなかったわけですが、変えました。
     ことしは記録的な大雪で、公共交通機関、先ほどもいろんなお話がありましたように、運休や大幅なおくれがあった中で、新幹線だけはこの大雪をもろともせず、ほとんどおくれることなく運行されましたことは大変喜ばしいことでありました。  もしスーパー特急方式になっていれば、富山で停車をしていたか、あるいは富山へ新幹線は来ないのかということも、私はあったのではないかと想像いたしますと、今、福井、あるいは敦賀までの延伸、さらにこれから京都、大阪までの状況というのに、私は、工事が果たしてそのようにうまくいったかどうかということを大変、実は心配するわけでありました。富山県は笑い物になっていたのではないか、こんなふうにも実は思うのであります。  したがいまして、未来を描き、正しい判断をし、粘り強く実現に向かっていく大切さを思わずにはいられないのであります。  改めて、北陸新幹線の建設が、本県のすぐれた子育て環境や暮らしやすさはもとより、企業にとりましても、首都圏と新幹線で直結していることの安心感など、県民や県内外の企業に対しまして、改めて安心できる生活基盤に支えられているとの大きなインパクトを知らされた次第であります。  2月12日だったと思いますが、公明党の躍進の集いに石井国土交通大臣がおみえになりました。雪に強い新幹線を一日も早く、関西まで早くつけねばならんということをおっしゃっていかれました。その場で知事も、私が元気なうちにつけてもらいたいと、こういったことも陳情されたわけでありますけれども、改めて、先般から見ると、新幹線の大阪延伸に向けての質問が皆さんからも同僚からもありましたけれども、改めて知事の所見を伺っておきたいと思います。  次に、北陸新幹線の開業から間もなく3年目を迎えるわけでありますけれども、県内3駅の利用者や県内宿泊者はどのように推移をしているのか、また、地域間競争を勝ち抜くためには、これからが正念場だと考えます。利用者の増加に向けて今後どのように取り組むのか。  また、乗車人員は大幅に維持しているようであります。先般もいろいろと報道されておりました。830万人近くの方が利用されているということを報道されておりましたが、今後も富山が選ばれ続けるためには、ブランド力を高めるとともに、発信力を強化していかなければならないと思いますが、蔵堀観光・交通・振興局長に伺っておきたいと思います。  次に、北陸新幹線開業によりまして、首都圏から本県への本社でありますとか研究所、工場の移転はどのように進んでいるのか。また、地方創生の実現に向けて、本社機能などの移転をどのように進めて取り組んでいくのか。  今国会で、衆議院議員の代表質問において、自民党の二階俊博幹事長が、北陸新幹線の開業を機に、YKKグループの本社機能の一部を移転された御紹介を初めとして、コマツの移転事例もお話をされました。働く人が、子育てがよりしやすくなったと、安心して働ける、こうした事例を取り上げられました。  こうしたことが全国的に注目される中にあって、地方創生と今後の展開、どのように取り組んでいくべきなのか、伍嶋商工労働部長にお伺いをしたいのであります。  次に、経済成長のもとでの人手不足と求人状況及び人口減少対策についてお伺いをしたいと思います。  近年の経済は安定的に推移をしておりますけれども、県内企業では人手不足が大きな経営問題となっている中にあって、有効求人倍率、これ、今も報道されておりますが、25年ぶりに1.98倍、これはちょっと考えもつかないようなデータ、数値であります。  富山県は従来よりUターン、Iターン、Jターンにつきまして、さまざまな対策に取り組んでおりますけれども、近年の人手不足にどのように対策をとっているのか、お伺いしたいのであります。  ことしの1月17日でございましたけれども、富山経済同友会の話で恐縮でありますが、東京で「おかえりなさいプロジェクト」という事業を開催いたしました。首都圏にいらっしゃる富山県の人たちをできる限りこの富山に帰ってもらおうということで、どうすれば帰っていただけるかということをいろいろ検討したわけであります。その結果、東京で声かけをいたしましたところ、50人に声かけしたんですが、何と49人参加をされました。富山県から経営者29人、参加をいたしました。各テーブルの皆さん、いろんな議論をいたしました。何とか帰ってくれと、こう言いましたところ、帰りたいと、どうすればいいのかということを率直に皆さんがおっしゃっておられました。こうしたことをもっともっとこれから皆様に呼びかけて取り組んでいかねばならんということを感じました。  大変好評でありましたので、当日、伍嶋商工労働部長にも御参加をいただき、担当課長の舟根課長にも出席いただきましたので、当時のことをよく御理解いただいたと思いますが、これから、県だけではなくて、産学官金労、すべての皆さんと一緒になって、首都圏からこの地方に戻っていただけるような努力を、UIJターンを推進すべきと考えますが、改めて伍嶋商工労働部長の所見を伺っておきたいと思います。  次に、高岡市を中心とした県西部の地域の活性化について、お尋ねしたいと思います。  28年に呉西6市によるとやま呉西圏域都市圏が形成され、各種事業が取り組まれることになっているのであります。連携中枢都市が近隣の市との連携に基づいて、圏域全体の将来像を描き、圏域全体の経済を牽引することなどが求められておりまして、呉西圏域都市圏では、高岡市がその役割を担うことになっているわけであります。  しかし、高岡市は現在、財政状況が急激に悪化したことを受けまして、財政健全化緊急プログラムを策定し、投資的経費の抑制でありますとか、公共施設管理コストの削減などに取り組むとしているところというふうに伺っております。  連携中枢都市の制度は、連携中枢都市の役割が非常に大きいものがあることから、呉西圏域における取り組みが着実に進められるように、県としてもしっかりと支援をしていくべきだと思いますが、滝経営管理部長にしっかりとお答えをいただきたいと思います。  次に、北陸新幹線新高岡駅には、大型展示交流施設であります産業創造センター、テクノホールがございますが、この施設は建設から約30年近く経過をいたしております。私は当時、議員になって間もないころでありましたけれども、富山のテクノホールが完成をいたしまして、西部にもこうした施設が必要ではないかと、委員会でこのことを随分議論いたしました。そして、高岡の現場所にテクノホールが建設されたわけでありますけれども、その後、イオンモールの建設でありますとか、周辺環境も大きく変化していることから、高岡テクノホールをより魅力的な施設として充実できないかというふうに考えるわけであります。  富山のテクノホールも新しくリニューアルされましたし、この際、例えばバーチャルリアリティーのような設備を導入して、魅力的な施設として整備できないか、こんなふうに実は思うのでありますが、伍嶋商工労働部長の所見を伺っておきたいと思います。  また、次に、今回30年度予算におきまして、健康・スポーツ環境充実検討事業として1,200万円の予算を盛り込まれまして、全天候型の多目的施設、アリーナの整備について検討するというふうにおっしゃっておられます。交通の利便性の高い新高岡駅周辺において、天候にかかわらず大規模なイベントが開催できる施設を、集客効果の高い大規模アリーナの整備を行うことによって、県西部はもとより、ひいては富山県全体の発展、さらには飛越能全体の発展にも必ず私はつながるのではないかと、こんなふうに思うのであります。  自民党の代表質問におきまして、武田議員からもこのことについて触れられましたけれども、改めて知事の所見を伺っておきたいと思います。  次に、農業の担い手育成について、確保についてお伺いをいたします。  人手不足が強まる中にありまして、他産業と競合する中にあって、農業従事者はかつて全国に400万人おられたそうであります。現在は170万人まで減少した。その平均年齢は70歳を超えている、こんな現状だそうであります。  農業の後継者の確保も厳しいけれども、これまで農業高校の多くの卒業生が農業関連に就業していないという現実を、何といいますか、この現実を受けとめねばならんと思います。  平成28年の農業高等学校の卒業生のうち、実際に農業に就業する生徒は1割にも満たないと、こういった現状を踏まえまして、就農促進のために、教育内容でありますとか進路指導の充実をどのように取り組んでいくのか、渋谷教育長に伺っておきたいと思います。  次に、農業高等学校の卒業生などの若者が農業を進路として選択するように、ICTやロボットの技術、農業機械の普及を推進するとともに、生産だけではなくて、加工や販売を含めた農業所得の増大や農業の魅力発信に積極的に取り組むべきだと考えますが、芝田農林水産部長に所見を伺っておきたいと思います。  次に、農業高等学校の生徒の就農意欲を高め、農業教育の充実を図るべきだと考えます。  私は9月の予算特別委員会におきまして、このことを知事にもお尋ねをいたしました。私は早速、富山中央農業高等学校へも視察に行きまして、校長、副校長の皆さんとも議論いたしました。あるいはまた、とやま農業未来カレッジも訪問いたしました。いろいろな皆さんに聞いてみますと、何かこう、ばらばらになっていらっしゃるような気がしてなりません。できればコラボレーションといいますか、やっぱり同じような目的を持って、社会人と子供たちと一緒になって農業の未来、どうあるべきかということを考えることも、私は重要ではないかというふうに申し上げましたところ、知事はすぐ現地のほうに飛んでいただいたそうでありました。帰ってきて、なるほどと、これは何とかせないかん、何回も私にそうおっしゃいましたね。もう2回も3回も、やります、やります、こうおっしゃっておられますので、どんなふうにこれからこの件を取り組んでいかれるのか、ひとつ、しっかりと知事の考え方を聞かせていただければと思っております。  次に、日中平和友好条約締結40周年を記念した遼寧省との交流についてお伺いをしたいと思います。  ことしは日中平和友好条約締結40周年の節目であります。今国会の施政方針演説において、安倍総理も、経済、文化、観光、スポーツ、あらゆるレベルで日中両国民の交流を飛躍的に強化するとし、李克強首相を早期に日本にお迎えしたいと発言をされました。  富山県は御承知のとおり、松村謙三先生の出身地でありまして、日中友好に大変な御苦労、政治生命をかけられた方であります。  また、李克強首相は遼寧省の党委員会の書記の経験者であるわけでございますが、こうした御縁もありますし、また、折しも中国大使は富山県の出身の横井裕さんであります。今、特命大使をされておられます。横井大使が、このお正月と2月に富山県へ訪問いただきまして、いろいろと多くのことを語っていかれました。また皆さんにも講演を聞いていただきました。  こうしたことを考えたときに、この機に富山県として日中友好を一層進めるために、よい機会ではないかというふうに考えますので、今後の取り組み等について、石井知事の所見を伺っておきたいと思います。  最後に、地域産業を支える基盤企業についてお伺いをいたします。  北陸電力は近年、経営悪化が続いております。申すまでもなく、北陸電力は富山県に本社を置き、本県を代表する企業として、北陸3県に低廉で安定的な電力を供給し続けてきた会社であります。  また、本県の水資源を利用して、長年にわたり本県産業の根幹を支えてきた企業でもあり、本県への貢献ははかり知れないものがあると思います。  一日も早く、北陸電力が安定した経営体制に戻り、今後も本県産業や地域経済を支える大きな柱としての役割を担っていけるように、県としてもこれまで以上の連携協力を図るべきだと考えますが、知事の所見をお伺いしたいのであります。  以上をもって、私の質問を終わります。ありがとうございました。 68 ◯議長(稗苗清吉君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 69 ◯知事(石井隆一君)米原議員の御質問にお答えをいたします。  まず、北陸新幹線についてでございます。  今回の北陸地方の降雪では、関西、中京方面の在来線特急が5日間も全面運休しまして、ビジネスや観光の面で大きな影響が生じました一方で、北陸新幹線は、かがやきやはくたかの運休はなく、ほぼ通常どおりの安定運行が図られました。フル規格で雪への対策が施された北陸新幹線の信頼性、県民はもとより県外の方々にも一層認識していただけたものと考えております。  お話に出ましたけれども、あまりよそのことを言ってはいけませんけれども、例えばミニ新幹線と言われる山形新幹線では、1月26日に大雪により2本全区間運休、6本区間運休、27日は3本運休等々となっておりますので、確かにフル規格にしたのは本当によかったんじゃないかと思いますし、こうしたことで新たな企業誘致、UIJターンや移住の促進など、地方創生の推進にも弾みがつくと考えております。  議員の御指摘のように、北陸新幹線の整備に当たりましては、昭和63年にスーパー特急方式に決定されますなど、大変厳しい状況でありましたけれども、中沖前知事を初め、また、今、森元総理のお話が出ましたけれども、国会の先生方や県議会、経済界の皆様など多くの先人の皆様の御尽力によって、フル規格での長野─金沢間の開業に至ったところであります。  近く、丸3年が経過するわけですけれども、時間短縮、大量輸送、定時運行などのフル規格の特性が十分発揮されまして、乗車人員は開業前の3倍近い水準が続いて、観光客の増加や企業立地の進展など、さまざまな効果があらわれております。粘り強くフル規格の整備をまとめていただいた関係の皆様、米原県議も含めて、県議会の皆様のお力添え、経済界の皆様のお力添えに改めて敬意を表する次第であります。  また、北陸新幹線は、そう申してはなんですけれども、開業前に比べて3倍のお客さんということですから、他の整備新幹線と比べても投資効果が大変高いということになりますし、また、南海トラフ地震などの大規模災害時には東海道新幹線の代替補完機能の役割を担いますなど、国土強靱化を進める上でも重要であります。  さらに、先ほども議論ありましたが、東海道新幹線との連携によりまして、北陸、信越、関西、中京、首都圏をネットワーク化する大ゴールデン回廊が形成される、そういったことにつながりますので、早く北陸新幹線を京都、大阪までつなげることが、北陸のみならず関西、さらには日本全体の発展に大きな意義があると考えております。  先月12日に石井国土交通大臣、今月4日に岸田自由民主党の政調会長、お出ましいただきましたので、それぞれ、北陸新幹線は信頼度の高い社会インフラであることをしっかりとアピールさせていただきますとともに、北陸、関西の沿線府県、経済界などと連携しまして、敦賀以西について駅・ルートの詳細調査、環境アセスメントの速やかな推進、さらに、必要な財源確保の上で、敦賀─新大阪間、早期着工して、何とか北海道新幹線札幌開業ごろまでに大阪開業が実現しますように、私だけではなくて、米原議員やこの議場にいらっしゃる皆様がお元気なうちに、ぜひ大阪につながるように、ぜひ頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。  次に、多目的な全天候型施設の整備についてお答えをいたします。  議員御質問の大規模アリーナにつきましては、昨年12月に実施した健康とスポーツに関する県民意識調査におきまして、「前向きに検討」、「施設の統廃合、行財政を考慮した上で検討」を合わせまして、「必要である」とする回答が約7割に上っております。  この調査結果を踏まえまして、県としましては、行政、スポーツ関係者、経済界、まちづくり等の各分野から成る検討委員会を設置しまして、今後の健康やスポーツ環境充実のためのソフト、ハード両面の基本的な方向を多角的に検討いただくことにしております。  多目的な全天候型施設につきましては、全国の類似施設における稼働率や運用状況、建設費、維持費、運営上の課題等を調査いたしました上で、既存施設の統廃合の観点なども含めて、その必要性や立地条件、機能、規模、採算性、運用のあり方など、さまざまな観点からどのような施設が必要なのかを御検討いただくことにしております。  検討委員会において施設の整備が必要とされた場合には、その検討結果を踏まえ、県財政に与える影響も十分考慮いたしまして、県議会はもちろんですけれども、幅広い県民の皆様の御意見を伺いながら、建設場所なども含めて総合的に十分検討してまいります。  議員からは、県西部や富山県全体、ひいては飛越能の発展のために、新高岡駅周辺での整備といったような御提言もありましたけれども、県西部地域は数多くの歴史的、文化的資産があり、多彩な観光資源に恵まれておりますし、広域的な交通基盤の整備充実に伴って、飛越能の玄関口としての発展が期待されております。  県としても、近く策定する新総合計画の重点戦略におきまして、飛越能地域を初めとした広域観光の推進に取り組むことにいたしております。  また、2月補正予算において、ものづくり研究開発センターにオープンイノベーションハブ(仮称)、また、ヘルスケア製品開発拠点、これは小矢部ですね、また、VR/AR検証施設(仮称)、これは総合デザインセンターに、まさに試作品をつくらなくても新製品開発がしやすいように、まさにバーチャルリアリティーの施設、こういったものをつくるといったふうに、大変アルミや繊維などのものづくり産業、デザイン振興を図るということで力を入れておりますし、また、県立大学の新棟整備など、県西部地域の活性化を図って、ひいてはそれが県全体の発展につながるような取り組みを推進しているところであります。  今後、多目的な全天候型施設の整備が必要とされた場合の建設場所ですけれども、こうした施設の機能、規模、立地条件などに関する検討結果を踏まえて、いろんな観点から、採算性とか用地の取得の可能性とかいろいろございますが、さらには県議会初め多くの県民の皆さんの声に耳を傾けながら、十分熟慮して検討してまいります。  次に、農業高校生の就農意欲の向上についてお答えをいたします。  農業高校生の就農意欲を高めますためには、研修生全員が県内での就農を目指して実践的な研修を行っております、とやま農業未来カレッジとの連携強化が大変有効だと思います。議員の御提言、御指摘のとおりであります。  このため、農業高校生に対しては、カレッジの特定の講義や公開講座等への参加を呼びかけますとともに、新年度、新たに夏にはカレッジでオープンキャンパスを開催しまして、農業高校生にカレッジでの研修生活を体験していただくほか、秋には中央農業高校の中農祭に初めてカレッジ研修生も参加をいたしまして、各自が栽培、収穫した野菜等の直売体験を通じて互いに交流を深めますなど、農業高校生とカレッジ研修生とがともに学び合う環境を整備してまいりたいと考えております。  また、カレッジにおいては、国の地方創生拠点整備交付金を活用しまして、中央農業高校の敷地内に、ICT活用による環境制御型園芸ハウスを整備することにしております。この施設では、例えばトマトの養液栽培などにおきまして、気温や湿度、二酸化炭素濃度などのハウス内環境を、スマートフォンなど、また、パソコンやタブレット端末などによってモニタリングや遠隔操作を行うことが可能になりますなど、もちろん作業の省力化も図られる、品質の向上、収量の拡大、いい点がいろいろあると思いますが、1年を通じた次世代型の施設園芸研修の充実ができることになります。  この園芸ハウスをカレッジの研修生だけではなくて、農業高校生の実習などにも活用していただいて、農業教育の充実や農業高校とカレッジとの連携強化に役立てていきたいと考えております。  今後、中央農業高校生がこの園芸ハウスを活用いたしまして、園芸作物の高度な栽培実習の実施にとどまらず、企業や先進農家のニーズに応じた栽培技術の研究につなげていくことができないかといったことも検討してまいります。  こうしたことで、農業高校生とカレッジ研修生の交流や学び合いを通じて互いに切磋琢磨する、そして、農業を担う人材が大いに結集して、ネットワーク化ができる、研さんをつないで富山県の農業を担う、こういうことにつなげてまいります。  次に、日中友好と遼寧省との交流についての御質問にお答えをいたします。  ことしはまさにお話のように、日中平和友好条約締結40周年の節目の年に当たりまして、政府においても、日中両国民の交流の強化を図る方針と聞いております。中国も随分、日本に対する姿勢が変わってきたなと思います。  富山県はまさに御承知のとおり、日中友好に生涯をささげられた故松村謙三先生のふるさとでありまして、遼寧省を初め上海市や雲南省など中国の各地域と幅広い分野でさまざまな交流を積み重ねてきた実績もあり、今後、日中関係の発展に向けた取り組みがさらに加速化することを期待しております。  特に富山県と友好提携先の遼寧省との交流は、現在の李克強総理、9年前にはまだ副総理でいらっしゃいましたが、北京でお訪ねしたときにわざわざお会いいただいて、李副総理から両県省の交流は両国の自治体交流の模範であると、大変高く評価する御発言、人民大会堂でいただいたわけでございます。  また、中国で幅広く、そうした点、評価いただいて、その後、平成26年11月に中国国際友好都市大会で、モデル友好都市として富山県は表彰されたところでございます。  ことしは、これからの富山県と遼寧省との友好関係をさらに発展させるために、ことし8月ごろに友好代表団を派遣したいと考えておりまして、その際には、幸いにして私がもし出向くことができますれば、ことし1月に省長に就任されました唐一軍省長に表敬訪問を行いたいと考えております。  あわせまして、ことしは富山─大連便就航20周年の節目にも当たります。大連において、これを祝う記念式典とあわせまして、現地旅行会社や現地メディア向けの観光説明会も開催いたしまして、大連からの誘客促進と、大連便の一層の利用促進に取り組みますほか、ポートセールス訪問団を派遣することにしております。  また、瀋陽においては、伝統工芸品の展示や富山ファン倶楽部の総会の開催なども検討しておりまして、幅広い分野での交流が行われますよう、今後調整してまいります。  隣国である中国との関係、東アジアの安定と世界経済の発展にとって極めて重要であります。今後も、日中友好の、都道府県の中ではフロントランナーといっていい富山県だと思います。ぜひ日中友好、また、経済交流の発展に努力してまいりたいと思いますし、県議会を初め日中友好富山県地方議員連盟、米原先生を初め皆様方の御理解と御協力をお願い申し上げます。  最後に、地域産業を支える基盤企業についての御質問にお答えをいたします。  北陸電力の前身であります富山電燈株式会社が明治32年に北陸初、全国で3番目となる水力発電所を富山市塩地内に、旧大沢野町ですね、設置されて以来、良質で豊富な水、低廉な電力、北前船の交易、売薬などによる資本の蓄積、また、勤勉な労働力などを生かして、県内で急速に工業化が進んで、富山県は日本海側屈指の工業県となりました。  この間、北陸電力では、社会経済情勢や電力需要の変化に機敏に対応した経営努力をされまして、低廉かつ安定的な電力供給に努められて、県民生活の向上や産業の発展等に御貢献いただいております。  東京、大阪、名古屋などで企業誘致のための立地セミナーを毎年行っておりますけれども、おかげさまで私は、その際にはいろんな富山県の魅力、強みの1つとして、何しろその電力料金が9つの電力会社で最も安いんですよといったこともいつも強調させていただいて、また、現に安い電力が決め手の1つとなって、県内に新規立地したり、また、工場や研究開発施設の新増設を行った企業も相当数あると考えております。  このほか、あいの風とやま鉄道への出資ですとか、あるいはスポーツの振興などの地域活性化、環境美化活動や森づくり活動への取り組みなど、これまで県政全般にわたって、まさに会社を挙げて御協力いただいているところであります。引き続き、こうした地域振興に資する分野において、北陸電力さんとの一層の連携協力を図っていくことが大切だと思います。  現在、北陸電力は議員御指摘のように大変厳しい経営環境にあると承っておりますが、経営改善に努められまして、引き続き安定した電力供給に努めていただく、また、これまでも経営の合理化、効率化に取り組まれているんだと思いますが、さらに御尽力いただいて、全国的にも低い電力料金水準を引き続き維持していただくとありがたいなと思っております。  北陸電力の存在、やっぱり本社も置いていただいているわけでありまして、富山県、また、国にとって大変大きな存在、また、北陸全体にとっても大事な企業でありますから、今後も大いに御発展いただきたいと考えておりまして、県としても、地域振興を初めとして各分野で必要な連携協力を行ってまいりたい、かように思っております。  以上です。 70 ◯議長(稗苗清吉君)蔵堀観光・交通・地域振興局長。    〔観光・交通・地域振興局長蔵堀祐一君登壇〕 71 ◯観光・交通・地域振興局長(蔵堀祐一君)北陸新幹線の利用者増の取り組みについてお答えをいたします。  北陸新幹線の県内3駅の1日当たりの乗車人員につきましては、JRによりますと、在来線を含めまして、開業2年目となります平成28年度は富山駅で1日当たりですけれども7,843人、新高岡駅で1,988人、黒部宇奈月温泉駅で898人となっておりまして、開業1年目の平成27年と比べますとほぼ同水準ということでございます。  また、県内の延べ宿泊者数でございますが、平成26年から開業後の平成27年にかけまして14.4%増加をいたしております。平成28年度は少し減少いたしておりますけれども、平成29年は対前年比で6.5%増加、開業前と比べても4%の増加というところでございます。  中でも外国人宿泊者数の増加が顕著でございまして、平成29年の外国人の延べ宿泊者数は約28万人と過去最高を記録しておりまして、開業前の平成26年と比べますと約2倍の伸びという状況でございます。  県内3駅のさらなる利用促進のため、富山県のブランド力の向上とともに、情報発信の強化を図ることが必要だと考えております。  まず、ブランド力の強化につきましては、立山黒部の世界ブランド化、それから、世界で最も美しい富山湾の魅力のブラッシュアップに加えまして、世界遺産五箇山ですとか国宝瑞龍寺など、歴史的、文化的な魅力の磨き上げなどにも引き続き取り組むことといたしております。  また、本県の多彩な魅力を発信いたしますために、県では観光季刊誌「ねまるちゃ」ですとか、本県への旅行商品を組み合わせました「富山とりっぷ」というものを発行しておりますけれども、こうしたものの首都圏のJR駅への配架ですとか、大都市圏での観光物産展の開催、さらにはJRと連携いたしまして年間を通じた誘客のキャンペーンなどに取り組んでおります。また、海外への積極的なプロモーションも実施しているところでございます。  現在、3月5日から18日までの期間ですが、日本橋とやま館におきまして、県内の新幹線3駅のエリアごとの観光の見どころを紹介いたしますイベントを実施いたしております。この中では3駅の観光情報の発信ですとか物産の販売、さらにはワークショップなども行っております。ワークショップでは、例えば地ビールの試飲ですとか、漆器の絵つけ、かまぼこの絵つけとかバタバタ茶の実演とか、そういったようなことをやって誘客の促進に努めております。  来年度は、新たに県内の新幹線駅の利用促進を図りますために、首都圏や東北、仙台ですけど、におきまして新幹線3駅の周辺地域における文化、伝統、歴史をテーマとした講座、それとツアーの実施にも取り組むことといたしております。  県としては、今後ともJR各社、それから旅行会社との関係を密にいたしまして、観光振興や誘客対策などの取り組みを一層進めまして、また、企業や市町村とも連携して新幹線利用者の確保、増加に努めてまいります。 72 ◯議長(稗苗清吉君)伍嶋商工労働部長。    〔商工労働部長伍嶋二美男君登壇〕 73 ◯商工労働部長(伍嶋二美男君)初めに、首都圏からの本社機能等の移転についての御質問にお答えをいたします。  首都圏から本県への本社機能等の移転、拡充につきましては、富山県が先頭に立ちまして、全国知事会を通じて、創設を国に働きかけた結果、平成27年度に創設された制度である地方拠点強化税制の活用や、企業立地助成制度など、県独自の支援措置を拡充いたしまして、積極的に取り組んできております。
     この結果、平成27年度からこれまでに、首都圏から移転または拡充を決定した企業は、本社及び研究所については7件、工場については9件となっておりまして、その雇用創出人数については合計で364名となっております。  特に、東京の本社機能を複数部門にわたって移転した、先ほど議員から御紹介のありました、衆議院の代表質問でも取り上げられた企業でありますYKK APや、小矢部市の研究開発拠点の強化にあわせまして東京の本社機能の一部を移転したゴールドウイン、また、工場の移転では、神奈川県のユースキン製薬が富山市に製造拠点を全面移転したほか、放射性医薬品トップメーカーの日本メジフィジックスが県西部に新規工場の建設を決定したほか、首都圏の企業が本県で増設する案件が相次いでおります。  地域経済の成長に大きな効果をもたらす本社機能等の移転を促進するため、平成30年度の税制改正を受けまして、県といたしましても、県の現行計画を改定し、2年間延長することとしたほか、工場及び本社機能移転に係る企業立地助成金の雇用者数の要件を緩和することとしたところであります。  今後とも市町村と緊密に連携しまして、東京などでの企業立地セミナーや企業訪問により、本県のすぐれた立地環境や充実した企業立地助成制度のPRに努めまして、本社機能の移転等に積極的に取り組んでまいります。  次に、UIJターンについての御質問にお答えをいたします。  本県産業を支える多様な人材を確保するためには、産学官金労が連携しながら、効果的なUIJターン施策を推進していくことが重要と考えております。  県では、これまで就活女子応援カフェを開催し、女子学生のUIJターン促進を図ってきたところでありますけれども、議員からも御紹介がありましたが、本年1月に経済界と連携して、社会人女性のUターンを促進するため、富山経済同友会と共催で、首都圏で富山おかえりプロジェクト、社長と話せるワークショップを開催したところであります。この中では、参加女性のUターンへの熱い思いや、あるいは米原議員も参加されました経営者の熱心なPRがなされるなど、有意な示唆を得たところでありまして、今後とも連携して取り組みの強化を図ってまいりたいと考えております。  また、県内大学との連携につきましては、新年度から本県の中核産業でありますくすりとアルミについてコンソーシアムを形成いたしまして、研究開発プロジェクトの実施とあわせて、首都圏等の学生が直に研究開発に参加することにより、専門人材を育成いたしますインターンシップに取り組むこととしております。  さらに、金融機関との連携では、そのネットワークを活用しながら、首都圏等からの高度人材の還流に取り組むほか、市町村と連携いたしまして、県外企業のサテライトオフィスの県内誘致にも取り組むこととしております。  このほか、就職決定に当たって大きな判断材料とされます働きやすい職場づくりのため、労働界を含む産学官金労で構成されます県民会議等での御意見も伺いながら、働き方改革を進め、県内企業の魅力の発信に努めることとしており、今後とも産学官金労が連携を深めながら、UIJターンの推進に積極的に取り組んでまいります。  最後に、高岡テクノドームについての御質問にお答えをいたします。  高岡テクノドームは、民活法に基づく研究開発・企業化基盤施設といたしまして、県、高岡市、地元経済界が連携協力して平成3年に設置されて以来、展示会などの開催や、研究開発型企業の育成によります産業の創出を通じて、県西部地域の経済活性化に寄与してきていると考えております。  これまで、北陸新幹線の開業を見据えまして、機能向上を図るため、例えば平成26年度から27年度にかけまして、使い勝手のよい可動式の動きの良い本格的なスピーカーや大型スクリーンを導入するなど、機能の充実を図るとともに、新高岡駅からの案内看板などを設置いたしまして、利便性の向上に努めてきたところであります。  また、このテクノドーム周辺は新高岡駅に近接していることに加えまして、イオンモール高岡が増床する予定であるなど、周辺の立地環境の魅力が増加することとなっております。  議員から御提案のありましたバーチャルリアリティー設備の導入につきましては、対象施設の魅力や機能性の向上といったところにつながるものと考えておりますけれども、新年度、県の総合デザインセンターにおきまして同様の施設のバーチャルリアリティー施設を整備するということとしておりまして、まずはその事業効果などを見きわめてまいりたいと考えております。  また、導入の検討に当たりましては、利用者や来館者の具体的なニーズや、あるいは建設当時の費用負担なども踏まえまして、関係機関とも十分協議しながら議論を進める必要があると考えておりまして、現在も施設の老朽化等に対する修繕も必要に応じて計画的に実施しているところであり、今後、こうした修繕計画とあわせまして、御提案の取り扱いにつきましても、関係者と議論をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 74 ◯議長(稗苗清吉君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 75 ◯経営管理部長(滝 陽介君)呉西圏域連携中枢都市圏についてお答えいたします。  とやま呉西圏域連携中枢都市圏におきましては、高岡市と射水市を圏域の中枢都市として、平成28年度に策定いたしました都市圏ビジョンに掲げられた32の事業を現在着実に進めているところでございます。  議員から御指摘がありましたとおり、現在、中枢都市の1つであります高岡市におきましては、財政健全化緊急プログラムを策定して、財政の改善に着手をしております。  先月に開催されました連携中枢都市圏の幹事会、これは西部6市の担当課長が出席をし、県からも市町村支援課がオブザーバーとして参加をしておりますけれども、その席上で、高岡市からは、財政健全化に向けて取り組んでおりますこのような状況下におきましても、連携中枢都市圏の事業はしっかりと取り組んでいくという発言があったと承知をしてございます。高岡市の財政健全化の取り組みにつきましては、県といたしましても、例えば高岡市が取り組もうとしております公債費負担の平準化を進めるための借り換え債等の発行について、高岡市からの求めに応じて、国と詳細な協議を行うなどの支援を既に行ってございます。  県といたしましては、高岡市からよくお話を伺いまして、引き続き高岡市が行う財政健全化へ向けた取り組みに対して、適切な助言、支援に努めてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、県西部域におきます地域経済の活性化に向けまして、都市圏ビジョンに掲げられたそれぞれの事業が円滑に推進されますように、また、とやま呉西圏域連携中枢都市圏に参加をしております西部6市がより一層連携を強化されますように、引き続き支援をしてまいりたいと考えております。 76 ◯議長(稗苗清吉君)渋谷教育長。    〔教育長渋谷克人君登壇〕 77 ◯教育長(渋谷克人君)農業高校生の就農促進についての御質問にお答えいたします。  現在、県立高校の農業系学科は、中央農業高校を初め入善高校、氷見高校、南砺福野高校、小矢部園芸高校に設置されておりまして、募集定員は5校合わせて210名となっております。  このうち、農業法人など県内農業関連分野への就職者数は、この3年間で20名で、求人数53名に対する就職率は38%、学科定員に対しては3%で、いずれも低い状況にあります。  生徒の進路につきましては、本人の意思を尊重することが基本でありますが、県立高校は地元産業の担い手を育成する役割を担っておりますので、県内農業への就職率を高める取り組みが必要であります。  このため、各学校では、県内農業の実情を理解し、魅力を感じてもらえるように、農業関連産業でのインターンシップや、先進農家での実践的な農業研修、青年農業者との交流会を積極的に進めておりますが、先ほど知事から答えられましたとやま農業未来カレッジとの連携を初め、関係団体との連携を強化いたしまして、今後、さらに進路指導の充実に努めてまいります。  また、教育内容につきましても、即戦力となる技術の習得に努めておりまして、例えば中央農業高校では、GPSによる高精度の自動走行システムを搭載した直まき用の田植え機を用いた農業実践学習を進めております。  先月定められました県立高校再編の実施方針では、県立高校教育振興会議からいただきました、県立高校の学科やカリキュラム、学び方などを必要に応じて随時見直すことが望ましいとの附帯意見を尊重することとされておりますので、今後とも教育内容を随時見直し、生徒が農業に魅力を感じ、県内農業分野への就職率が高まるよう努めてまいります。  以上です。 78 ◯議長(稗苗清吉君)芝田農林水産部長。    〔農林水産部長芝田 聡君登壇〕 79 ◯農林水産部長(芝田 聡君)最後に、農業所得の増大や農業の魅力発信の取り組みについてお答えいたします。  農業従事者の高齢化や後継者不足が本県農業の重要な課題となる中、農業高校生などの若者に就農してもらうためには、議員御指摘のとおり、生産だけでなく加工販売を含めた6次産業化などに取り組むことで、生産性、収益性の向上によるもうかる農業を実現するとともに、魅力ある農業の姿を広く発信することが重要であります。  県では平成27年度から3カ年計画で、新たに規模拡大や複合化、6次産業化などに取り組む4つのモデル経営体を選定いたしまして、ソフト、ハード両面から重点支援したところ、いずれの経営体においても農業所得が大幅に増加いたしまして、4経営体平均で、主たる専従者1人当たり農業所得は、取り組み前の約2倍となりました。  こうしたことから、新年度予算においては、この経営発展の取り組みをとやま型農業経営モデルとして県内への横展開を図るため、このモデルを実践して農業所得の増大に取り組む経営体に対して、必要な機械、施設の整備を支援することとしております。  また、若者の農業に対する、いわゆる3Kのイメージを払拭するため、スマート農業を推進しようということで、関係団体、企業等から成るコンソーシアムを立ち上げ、体制を整備するとともに、大規模経営や中山間地域の特性に応じたモデル農場を設置することとしております。  さらに、本県農業の魅力とともに、産地や法人経営体の求人情報などを一元的に提供するとやま就農ナビの開設や、産地によりますUIJターン就農者への技術研修に対する支援などを実施することとしております。  県といたしましては、こうした施策を総合的に推進し、農業高校生を初め若者が農業を魅力ある職業として選択し、本県農業を支える担い手として大きく育っていただけるよう、積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。 80 ◯議長(稗苗清吉君)以上で米原蕃君の質問は終了しました。  以上をもって本日の一般質問、質疑を終了いたします。 81 ◯議長(稗苗清吉君)次に、お諮りいたします。  議案調査のため、3月9日、13日、15日及び19日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 82 ◯議長(稗苗清吉君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で、本日の日程は終了いたしました。  次に、議会の日程を申し上げます。  3月12日、14日及び16日は予算特別委員会を開催いたします。次回の本会議は3月20日に再開し、県政一般に対する総括質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  本日はこれをもって散会いたします。  午後4時14分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...