富山県議会 2017-11-01
平成29年11月定例会 代表質問
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前10時00分開議
◯議長(稗苗清吉君)ただいまから本日の会議を開きます。
報 告
2 ◯議長(稗苗清吉君)日程に入るに先立ち、報告事項を申し上げます。
去る11月27日、知事から提案されました議案第121号及び議案第122号について、
地方公務員法第5条の規定に基づき、議会から人事委員会の意見を求めておきましたところ、11月27日付をもって、お手元にお配りしたとおり意見の申し出がありましたので、御報告いたします。
3 ◯議長(稗苗清吉君)これより本日の日程に入ります。
県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑(会派代表)
4 ◯議長(稗苗清吉君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第111号から議案第166号まで、報告第18号及び報告第19号を議題といたします。
これより会派代表による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告がありますので、順次発言を許します。
上田英俊君。
〔33番上田英俊君登壇〕
5 ◯33番(上田英俊君)私は自由民主党を代表し、今定例会に提出されました諸案件並びに県政の諸課題について質問いたします。
質問に先立ち、一言申し上げます。
このたびの衆議院議員総選挙は、人口減少、少子高齢化に伴う負の連鎖を克服し、我が国の未来を切り開くとともに、北朝鮮の脅威等、緊張する国際情勢に対して国民の平和と生命を守り抜くため、この障壁を突破すべく国民の信を問う選挙でありました。結果は引き続き自民党、公明党の連立体制での政権を運営することへの御支持があったものと認識いたします。
本県では、3つの小選挙区で3名の当選を果たしました。
しかし、同時に今回の選挙では、全国的にも政府自民党に対し厳しいまなざしが注がれたことも強く意識しなければなりません。ここに改めて関係各位の御尽力と県民の皆さん方の御支援に感謝申し上げますとともに、今まで以上に謙虚な、真摯な姿勢で県民各位の負託に応えるべく、あしたと未来に対し責任感を持ち続け、情熱と判断力を駆使して、全力を傾注してまいる決意であることを申し上げ、以下質問に入ります。
初めに、平成30年度当初予算の編成方針について質問します。
先般、知事は新
年度予算編成について、今年度予算から創設されたとやま
未来創生戦略推進枠を引き続き設定し、
人口減少対策や、将来に向け持続的な
地域活力創出を図る施策に重点配分するとともに、新たに新
総合計画推進枠を創設し、活力、未来、安心及び人づくりを柱とする政策目標を実現し、人が輝く元気とやまの創造のため、高い効果が見込まれる重点施策に優先配分する方針を示されました。
新年度においては、
新幹線開業効果のさらなる浸透を図るとともに、
少子高齢化対策、社会資本の整備、安全・安心な暮らしの実現、将来を担う人づくりなど重要な課題の解決に向け、現在策定中の新総合計画に盛り込まれる施策を着実に推進していく必要があり、新年度予算において、これらの計画に連動した施策の予算化が必須と考えます。
また、予算編成に当たっては、歳入の確保をしっかりと図り、その上で、県独自の戦略的施策の推進にスピード感を持って取り組んでいく姿勢も必要と考えます。
そこで、新年度予算の編成に向け、本県の税収の状況と財源確保の見通しはどうか、また、どのような方針で予算編成に取り組まれるのか、石井知事に伺います。
次に、
電気料金値上げの
本県経済等への影響について質問いたします。
先月30日、北陸電力は2018年3月期の
通期業績予想を発表し、経常損失が2年連続で過去最大の赤字になる見込みであることを明らかにしました。
また、収益悪化に伴い、オール電化の住宅と深夜
電力メニューを契約している一般家庭や、高圧または特別高圧の受電契約を結んでいる工場や店舗など、
一般需要部門の顧客の電気料金を来年4月から値上げする方向で検討に入ったこともあわせて発表されました。
一方、志賀原発については、
安全性向上施策の工事完了時期を1年程度延長したことに加え、新規制基準の
適合性確認検査に時間を要しており、再稼働のめどは立っていません。
北陸電力では、経営努力により値上げ幅の圧縮に努めるとしていますが、既に県内のメーカーからのコスト増を懸念する声や、小売業界からの消費の冷え込みを心配する声が上がっています。また、安定した安価な電気料金を企業誘致の売りにしてきた本県にとって、値上げにより企業立地の優位性が損なわれる可能性も心配されます。
そこで、志賀原発の再稼働のめどが立たない中、今回の電気料金の値上げが本県経済に与える影響をどのように認識しているのか、また、県としてどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。
次に、魅力ある富山湾の活用について、8点質問します。
自民党議員会は、全議員が参加して
富山湾未来創造調査会を立ち上げ、水産、産業、
観光資源等の富山湾の新たな可能性を引き出す施策の提言に向け、調査研究を行っております。
県民の財産である富山湾には、メタンハイドレートなどの新たな海洋資源、
海洋深層水などの多様な水産資源、さらには港湾施設、
湾岸道路等のインフラや広大な海洋空間など多くの魅力ある資源があり、これらを活用した
海洋産業全般の振興を図るため、富山湾を核とした多岐にわたるプロジェクトに積極的に挑戦していくべきと考えます。
まず、世界で最も美しい湾クラブについて質問します。
ことし8月、知事を団長とする海のある
スイス先進地調査団がヨーロッパを訪問された際に、2019年の世界で最も美しい
湾クラブ総会が富山で開催される旨内定したとの報道がありました。また、これを受け、来年総会が開催される台湾の膨湖島へ、県当局から視察に赴かれたと伺っています。
再来年の富山での総会の開催は、2020年の東京五輪・パラリンピックを前に、富山を世界にPRする絶好のチャンスと期待されます。
そこで、世界で最も美しい
湾クラブ総会に向け、どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。
次に、
湾岸道路構想及び
サイクリングを活用した
体験型観光の推進について質問します。
県では、富山湾岸に沿った道路改良やバイパスの新設、既存道路を有機的に連携することにより、人、モノをさらにスピーディーに運ぶことを目的とした
富山湾岸道路構想に基づき道路整備を進めていますが、そこに観光振興の視点を織り込み、整備していく必要があると考えます。
また、
富山湾岸サイクリングを初め、多くの
サイクリングイベントが開催されるようになりましたが、スローな
体験型観光として、
サイクリングを通してすばらしい自然や景観を楽しめる仕掛けを整備していくべきと考えます。これまでも
富山湾岸サイクリングコースの整備などを進めていますが、これに加え、JR、あいの風とやま鉄道、
富山地方鉄道、万葉線という多くの鉄軌道が存する鉄軌道王国とやまの特徴を生かし、休祝日には多くの路線で自転車を畳まずに乗車を可能とする取り組みを行ってはいかがでしょうか。これにより、乗車駅、停留所までは自転車で、目的地までは鉄軌道で、到着後は目的地において
サイクリングを楽しむことも可能となり、全国のサイクリストに富山県をPRできるようになると考えます。
近県では、JR大糸線で、長野県の南小谷駅と新潟県の糸魚川駅間で自転車を畳まずに乗せられる
サイクルトレインを運行しています。
そこで、観光振興の視点からも、湾岸道路や
サイクリングコースの整備とあわせ、県内の各
鉄軌道運営主体に協力を働きかけ、レール&サイクルの推進を図ってはどうかと考えますが、蔵堀観光・交通・
地域振興局長の所見を伺います。
次に、富山湾を活用した教育の推進について質問します。
富山湾の魅力を国内外に発信し、そのブランド力を高めていくためには、県民一人一人が富山湾に誇りを持つことが大切であり、子供のうちから富山湾の魅力を伝えるとともに、環境教育を通して富山湾の環境保全に関する理解を醸成していくことが重要と考えます。
現在、小学校の授業で富山湾の魅力について学習する機会を設けたり、NPECや
NOWPAP本部事務局との連携のもと、海辺の
漂着物調査や
海岸生き物観察会が開催されるなど、富山湾の魅力や環境保全の重要性を学ぶさまざまな取り組みが行われています。
一方、立山登山は県内の多くの小学校で学校の行事として実施されていますが、これは実際に立山に登ることでその魅力を肌で感じられる貴重な体験であり、立山に対する誇りの醸成にも寄与するものです。
そこで、富山湾においても、例えば高岡市の伏木小学校で行われている遠泳大会のような体験を通した教育活動など、富山湾の魅力が感じられる取り組みを学校の行事として推進すべきと考えますが、渋谷教育長の所見を伺います。
また、富山湾の環境保全に関する理解を一層深めるため、環境教育を推進していくべきと考えますが、
磯部生活環境文化部長の所見を伺います。
次に、
海岸漂着物、
マイクロプラスチック等の発生抑制について質問します。
本県の海岸の漂着物の量は、海流の影響が比較的小さいため、約8割が県内から流出したものと言われており、中でも
プラスチックが紫外線や波で細かく砕かれたものが
マイクロプラスチックと呼ばれ、環境中の化学物質を吸着する性質を持ち、プランクトン、鳥、魚の体内からも見つかっています。
こうした中、本県においては、海辺の
漂着物調査を継続して実施するなど、
海岸漂着物の実態を把握し、海洋ごみへの関心を高める事業を実施してきております。また、平成30年は3R
推進全国大会の開催が本県で予定され、さらに平成20年4月より開始された
レジ袋無料配布の廃止から10年が経過するという節目の年でもあります。
そこで、リサイクルのさらなる推進や、富山湾の
海岸環境保全の観点から、より積極的に
海岸漂着物や
マイクロプラスチック等に関する施策を展開すべきと考えますが、
生活環境文化部長の所見を伺います。
次に、
小型クロマグロの
資源管理対策に関して伺います。
小型クロマグロの資源管理に関し、去る10月6日、水産庁は
定置網共同管理グループに対する
操業自粛要請を発出しました。第3管理期間に入ってわずか3カ月の間に、北海道が57トンの枠配分に対して540トン、うち1漁協だけで9月下旬からの5日間で356トンもとったことが主な要因であり、そのあおりを受け操業自粛の対象とされた県内の
定置網漁業者には不満と不安が広がっています。
寒ブリ漁が本格化しようとするこの時期から休漁を余儀なくされれば、本県漁業の根幹をなす
定置網漁業にとって死活的な問題となるばかりでなく、観光を含む地域経済全体に深刻な影響が及ぶことは避けられません。
本県の定置網に割り当てられていた66.96トンの漁獲枠が維持され、県内の
定置網漁業者が安心して漁を続けられるよう、県は早急に対応すべきと考えます。
また、来年からは強制力のある規制、
漁獲可能量制度が
クロマグロにも適用されることとなっていますが、定置網漁で
クロマグロの漁獲をコントロールすることは極めて難しく、突発的な大漁に対応し切れない現制度の欠陥も明らかとなった今、大中型まき網を含めた漁獲枠の配分や、漁獲枠を超過した際の調整方法を抜本的に見直すことが必要と考えます。
そこで、本県の漁業者が今後も安心して漁を続けられるよう
小型クロマグロの
資源管理対策にどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。
次に、深層水の活用による漁業の振興について伺います。
富山湾の未知の可能性を引き出し、海から富を生み出していくためには、今後、水産分野における深層水の活用も成長の大きな柱になると考えます。
県は今、アカムツ、キジハタの種苗生産に取り組んでいますが、研究成果を積み上げ、つくり育てる漁業として成功するまでに長い年月を要します。アカムツ等の技術開発を加速する一方、将来を見据え、常に新たな
ブランド魚を開発していけるよう、深層水を活用した
水産研究所の研究環境の充実を図るべきと考えます。
また、開発された
ブランド魚の速やかな事業化も重要であります。つくり育てる漁業の振興、さらには観光など地域の魅力創出と活性化につなげていかなければなりません。
近畿大学水産研究所富山実験場のサクラマス、トラフグやマアナゴなどが富山湾の深層水を活用して育てられていますが、残念ながら消費が広がるまでには至っておりません。新たな魚種の
ブランド化には、事業規模を拡大して生産量を確保し流通させる必要がありますが、そのためには、必要な深層水の確保、多大な設備投資、販路開拓など多くの課題があり、また、医療、健康、食品等の非水産分野における深層水の活用についても、県を含めた産学官の連携体制を強化し、県が積極的に主導していくことが必要です。
そこで、新たな
深層水取水管の設置を含め、深層水を活用した
水産研究所の研究環境の充実と、開発された魚種の事業化にどう取り組むのか、
芝田農林水産部長に伺います。
次に、物流の振興について質問します。
大阪税関伏木税関支署が発表している貿易概況によれば、伏木富山港と富山空港を合わせた富山県の貿易額は平成20年に6,634億円でしたが、28年は半分以下の3,080億円となっており、特に26年からは3年連続して減少しています。一方、金沢港や小松空港などを合わせた石川県の貿易額は、平成20年の2,247億円から28年は3,167億円へと1.4倍に増加しており、特に27年からは富山県を上回っており、ことしの上半期でも石川県優位の傾向は続いております。
昨年の
コンテナ取扱量を比較しますと、金沢港が前年比4.8%増で2年連続の増加となる一方、伏木富山港は前年比9.5%減で2年連続の減少となり、明暗が分かれました。クルーズ船の寄港実績についても金沢港に大きく水をあけられるなど、日本海側の
総合的拠点港である伏木富山港の存在感が低下している印象は否めず、強力なてこ入れ策を講ずる必要があると考えます。
今年度の9月補正で予算化された
コンテナ物流情報サービスを速やかに導入して、伏木富山港の優位性を荷主や運送業者にアピールするなど積極的な取り組みが必要と考えます。
そこで、日本海側の
総合的拠点港である伏木富山港の物流機能を十分に発揮させ、県内経済の活性化を図るため、
ポートセールスにどのように取り組んでいくのか、
伍嶋商工労働部長に伺います。
次に、富山湾における
沿岸警備対策について質問します。
今後、国内外から多くの観光客が富山湾を訪れることが期待されますが、その一方で、富山湾周辺への来訪者の増加に伴い、転落や船舶事故などの水難事故の危険性が高まることも予想され、また、テロや不法入国を未然に防止する観点から、富山湾の
沿岸警備対策を一層強化していく必要があると考えます。
先月、
伏木海上保安部から講師を迎え、富山湾における海上安全の確保について勉強会を開催し、北朝鮮情勢が深刻さを増す中、沿岸警備に際しては県警察と海上保安庁とが連携して取り組むことが重要であると改めて認識しました。また、平成11年に導入された県警察唯一の警備艇である「ありそ」が浸水、破損し運用できない状態となっており、
沿岸警備対策に不安を残している状況にあります。
こうした中、県民の安全・安心を守るため、海上保安庁との連携なども含め、県警察として今後富山湾の
沿岸警備対策強化にどのように取り組んでいくのか、
白井警察本部長に伺います。
次に、活力とやまについて質問します。
まず、農業、農村の振興について、3点質問いたします。
最初に、
県単独農業農村整備事業におけるゼロ県債の設定について質問します。
本県では、
県単独農業農村整備事業により、農業用の用排水路の改修や農道の舗装、暗渠排水の設置など、
土地改良施設における整備を初め、水辺空間や景観保全といった農村の生活環境の整備に積極的に取り組まれています。
ただ、農地や
農業用排水路を整備する場合、当初予算で措置されても、新年度早々に稲作が始まり農地や水路が使われているため、実際の工事の着手は稲刈り後となります。この場合、作業は冬にかかる時期の悪いころに行われるため、工事の作業環境も悪く、作業員の労働環境もよいとは言えません。この問題を解決するため、11月定例会でゼロ県債を設定すれば、3月から4月の春先の田植え前に工事を仕上げることが可能になると考えます。
そこで、本県においてもこのようなニーズに応えられるよう、来年度は11月定例会でゼロ県債を設定し、条件のよい時期に工事が行えるよう早期に発注することが必要と考えますが、知事の所見を伺います。
次に、
農業水利施設を活用した小水力発電の推進について質問します。
本県では、土地改良区による小
水力発電施設の整備が進み、売電収入の活用等によって、土地改良区が管理する施設の維持管理費の負担が軽減されるなど、
農業水利施設の維持管理に役立てられています。
しかし、その多くは農業用水の水利権の範囲内で発電しているため、農業用水路に通水可能な空き容量があるにもかかわらず、冬には水量が減少してしまい、せっかく整備された小
水力発電施設が有効に活用されていない状況になっています。
このため、発電に必要な水量をさらに確保して売電収入を増やし、採算性の向上を図っていくべきと考えます。
そこで、土地改良区が設置している小
水力発電施設について、河川流況に影響のない範囲で
発電用水利権の新たな取得を推進するなど、年間を通じて十分かつ安定した発電量を確保していくことが必要と考えますが、知事の所見を伺います。
次に、「富富富」の将来構想について伺います。
県内各地で実施された栽培試験で高品質が確認され、来年度の
生産者募集が始まったことで、「富富富」への関心が高まっています。県内には農業法人、
集落営農組織、兼業農家など、経営の形態や規模の異なる米生産者がありますが、それぞれの立場から強い期待を寄せております。
他方、
自民党農業問題調査会と
農業法人経営者との意見交換の場では、「富富富」の5年後、10年後の構想が見えず、今後の経営計画を立てられないとの訴えや、栽培のしやすさを生かし、単収を増やすことに力を入れてはどうかといった意見が聞かれました。現在、30年産の作付は1,000ヘクタールに限られ、また、生産には登録要件を満たす必要があることから、米生産者の多くは翌31年産以降の生産、流通にどうかかわっていけるのか見通せず、困惑していると考えられます。
また、
農林水産部会が、
ブランド米「つや姫」を擁する山形県庁において意見交換を行いましたところ、
国内米市場における「つや姫」の位置づけや
生産管理体制、定期的な販売戦略等、富山県の「富富富」には見られない全体像でありました。
そこで、「富富富」を
国内米市場においてどのように位置づけ、生産者、
生産団体等の関係者と十分な意思疎通を図りつつ、品質確保、流通、マーケティングなど、「富富富」に関して中長期的にどう取り組みを進めるのか、将来構想を明らかにし、米生産者に対してわかりやすく説明する必要があると考えますが、
農林水産部長の所見を伺います。
次に、
東南アジア諸国との経済交流について質問します。
アジア開発銀行の「
アジア経済見通し2017年」によれば、アジア地域が世界の経済成長の60%を占め、最大の牽引力となっており、中でも東南アジアは、域内のほぼすべての国において成長が一層加速しています。
この流れを本県経済の活性化にもつなげ、
海外ビジネスの展開を促進するため、これまで本県からベトナム、タイ、インドネシアなど
東南アジア諸国、さらにはインドへの
経済訪問団を派遣しています。また先月には、経済界からの関心も高いミャンマーへも初めて山崎副知事を団長とする訪問団を派遣し、成果があったと伺っています。
今後、県内企業が、海外での販路開拓や営業拠点、製造拠点の進出をするに当たり、これまでの
経済訪問等で培ったネットワークなどを生かしサポートしていく必要があると考えます。
そこで、今回の
ミャンマー訪問を終え、経済発展の著しい
東南アジア諸国との
経済交流等を一層促進するため、どのような取り組みが重要であると感じ、今後、本県企業の海外展開への支援をどのように充実していくのか、山崎副知事の所見を伺います。
次に、未来とやまに関し、
県立高校再編統合について、4点質問します。
まず、これからの本県の高校教育のあり方について質問します。
県は、平成19年に1学年4学級未満または160人未満の学校を学校再編の対象とする
県立学校教育振興計画基本計画を策定し、県立高校の再編に着手しました。
その結果、平成22年4月に実施された前期再編では、主に
職業科教育の環境整備に重点が置かれ、
大沢野工業高校など10校を再編統合し、新たに5校が開校しました。
しかし、その後も
中学校卒業者数は減少を続け、平成30年には1万人を割り込み、以後急速に減少していくと見込まれることから、現在、県立高校の後期再編に向け、統合の対象校などの検討が進められています。
前期再編では、主に
職業科教育の環境整備という明確な目的がありましたが、現在の後期再編の議論の進め方は、学校規模のみを基準とした議論しか行われていないと危惧する声があります。
県立高校の後期再編を進めるに当たっては、普通科、職業科、総合学科などの学科の比率をどうするかなど、本県の将来を担う人材を育成する高校教育のあり方について、総合的なビジョンを議論し、明確に示すことこそ必要不可欠と考えます。
そこで、これからの富山県の高校教育のあり方についてどのようなビジョンを描いているのか、知事の所見を伺います。
次に、
地区別意見交換会での意見の反映と、今後の
スケジュールについて質問します。
9月議会の代表質問でも申し上げたとおり、我々
自民党議員会においても、県立高校の再編自体はやむなしとする声が多数を占めておりますが、再編に当たっては、さまざまな角度から丁寧に検討を進め、県民の理解を得ながら進める必要があると考えます。
再編対象校を抱える地元自治体や
学校関係者にとって一番大きな不安は、今後を見通せないことであろうと思います。
そこで、
意見交換会で出された県民からの意見をどのように受けとめ、県民に理解を求めていくのか、また、今後の
再編スケジュールをどのように考えているのか、知事の所見を伺います。
次に、
再編対象校の決定について質問します。
現在、知事から委嘱を受けた13名の委員で構成される富山県
県立高校教育振興会議において、県立高校の再編統合の対象校及び再編統合の具体的な実施時期等について検討されています。
第1回
県立高校教育振興会議において、久和会長から、来年2月ぐらいが結論を出す目安になると発言されたとの報道がありました。しかしながら、富山県
県立高校教育振興会議はあくまで高校再編について検討する機関であり、最終的な
再編対象校の決定等については知事の責任において決断を下すべきと考えます。そして、
再編対象校を決定、公表した後は、対象校を抱える地元自治体や
学校関係者に対し、知事は真摯に向き合い、再編の実施に向けた話し合いを行っていく必要があると考えます。
そこで、
再編対象校の決定後、地元自治体や
学校関係者とどのように再編の実施に向けた協議を進めていかれるのか、知事の所見を伺います。
最後に、県立高校再編後の地域振興について質問します。
県立高校の再編が実施された場合、
再編対象校を抱える自治体ではさまざまな影響が生じると考えられます。
県立学校の前期再編では、
再編対象校となった地域において、町のにぎわいが消えた、公共交通機関の利用者が減少したなどの影響があり、後期再編においても当該地域の活力低下が懸念されます。
知事には、再編統合の対象とされた高校の跡地利用について、地域のニーズや住民の声、地方創生の観点等を勘案し、地元自治体の意向を十分に考慮するなど、その地域の振興に結びつく方策を示し、不安の払拭に努める責任があります。
そこで、
再編対象校を抱える地域への再編後の地域振興をどのように図っていくのか、廃校となった校舎の跡地利用も含め、知事の所見を伺います。
最後に、安心とやまについて、2点質問します。
まず、適切な河川管理、河川改修について質問します。
先月発生した台風21号でも大きな問題となったように、河川内に雑木等が繁茂すれば川の流れを妨げ、下流に流れれば橋梁、護岸等に悪影響を及ぼし、さらには海岸等への漂着物となります。
こうした中、9月補正予算において、我が会派がかねてから強く申し入れしてきた河川の土砂しゅんせつ、伐木に県単独河川災害未然防止対策事業として5億円が計上されたところです。災害の未然防止の観点から、河川の流下能力を高める堆積土砂のしゅんせつや伐木、さらには川幅の拡幅などの計画的な河川の整備や改修について、しっかり取り組む必要があります。
そこで、県では平成27年度に策定した5カ年計画に基づき、河川の雑木の伐採や堆積土砂のしゅんせつが行われていますが、その進捗状況はどうか、今後、災害を未然に防止するための適切な河川の整備及び管理にどのように取り組んでいくのか、加藤土木部長に伺います。
最後に、警察署等の整備計画について質問します。
富山市内の4警察署については、平成25年に3署体制とする再編計画が策定され、富山中央警察署は本年3月に完成し、また、富山南警察署(仮称)についても、本年度から土地造成に係る設計に着手しており、平成21年に完成した富山西警察署とあわせ、着実に整備が進められています。
一方、富山市以外の県内11警察署については、5警察署が築40年以上経過しており、平成28年12月末では老朽化率が46.7%と全国平均の31.7%を大きく上回っている状況です。これらの警察署は、耐震化は図られているものの、相談室や検視室などが設置されていない、バリアフリー化が図られていないなど、県民の安全・安心を守る治安拠点としての機能が不十分な状態であり、富山南警察署(仮称)の完成後は、順次、老朽化した県内他地域の警察署の改築等の整備を進めていく必要があると考えます。
また、警察官舎についても約5割が築40年を超えるなど老朽化が著しい状況であり、警察職員の士気の維持の観点からも、警察官舎の建てかえやリノベーション、民間アパートの借り上げによる環境改善は不可欠と考えます。
そこで、老朽化した警察署や警察官舎の整備について、今後どのような計画で進めていく予定なのか、警察本部長に伺います。
以上をもちまして、自由民主党を代表して、私の質問を終わります。ありがとうございました。
6 ◯議長(稗苗清吉君)石井知事。
〔知事石井隆一君登壇〕
7 ◯知事(石井隆一君)自由民主党を代表されましての上田議員の御質問にお答えをいたします。
まず、新年度予算の編成方針についてでございます。
平成29年度の県税収入につきましては、9月末時点での実績が昨年の同時期に比べて29億円減の700億円となっております。当初予算では、昨年度に比べて、やはりちょうど29億円の減で見込んだんですけれども、そのペースになっているということであります。引き続き、当初予算の見込み額が確保できますように努力してまいります。
また、平成30年度の県税収入につきましては、今後の景気動向や税制改正、地方財政対策の状況等を踏まえまして、適切に見積もってまいります。
本県財政につきましては、先般、安倍総理から消費税の使い道を見直し、子育て世帯への投資と社会保障の安定化にバランスよく充当することで、財政健全化にも確実に実現していく旨表明されます一方で、地方財政について、地方の基金残高の増加に着目して、地方財政計画を見直すべきだといった問題提起が経済財政諮問会議等でなされますとともに、平成28年度の国の一般会計税収が7年ぶりに前年度比で減収となりますなど、今後、今までもそうなんですが、地方交付税の削減も含めた厳しい議論が行われております。また、福祉、医療など社会保障関係費の増加ですとか、新幹線建設等に係る公債費がなお高い水準で推移する見込みでありますので、平成17年度当時の約400億円の構造的財源不足は解消しておりますけれども、今後の財政運営については予断を許さない状況であります。平成30年度当初予算においても、今の時点では約30億円の要調整額ということになっております。
そこで、平成30年度の予算編成に当たりましては、引き続き、県税を初めとして歳入確保に最大限努めますとともに、政策経費等についてはマイナスシーリングを設定しまして、事業をゼロベースで見直しますなど、政策の重点化、効率化を図ることとしております。
その上で、とやま
未来創生戦略推進枠を設けまして、とやま未来創生戦略2017に基づいて、
人口減少対策や、将来に向けて持続的な
地域活力創出を図る施策を積極的に推進しますほか、新たな総合計画の策定を見据えまして、人が輝く元気とやまの創造のために、高い効果が見込まれる重点施策に取り組むための新総合計画枠を新たに創設いたしております。
こうした予算編成のために、まち・ひと・しごと創生事業費(1兆円)の拡充、継続を含めた地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額の確保ですとか、また、地方創生推進交付金、概算要求では1,070億円となっていますけれども、こういったものもしっかり確保していただくということで、先般、総理官邸で開催されました全国知事会議におきましても、安倍総理に直接私からお願いをしましたし、また、野田総務大臣等もおられました。その際、安倍総理は、地方の一般財源総額については、2015年度の地方財政計画の水準を下回らないように適切に対応すると明確に言っていただきましたし、また、地方消費税の清算基準の問題なんかもございまして、税源の偏在を小さくして、税収の安定的な地方税体系の構築に取り組むと、これも明確に御回答いただいたので、何とかしっかりとその方針で臨んでいただけるんじゃないかと期待をいたしております。
今後も、最後の詰めの段階にだんだん入っていきますので、しっかり取り組んでまいります。
次に、電気料金の値上げについての御質問であります。
今回、北陸電力が大口の電気利用者など一部電気料金の値上げを検討すると発表されたことについては、県民生活はもちろんですけれども、県内経済、特に経営環境の厳しい中小企業等では、消費への影響とか経常利益の減少など、一定程度の影響があるのではないかと考えております。
そこで、北陸電力さんのほうも、これまで役員や従業員の年収水準の引き下げによる人件費の削減ですとか、低コストな燃料の利用拡大による燃料費の削減など、経営改善、平成28年度ベースでは320億円経費を節減したというふうに発表されていますけれども、経営改善に十分今後も取り組んでいただく、また、電気料金の値上げの理由ですとか、経営状況や今後の効率化の取り組み等について、県民や事業者の方々に丁寧な説明を行って、理解していただくことが重要だと考えております。
県としましては、県内経済への影響に関して、経済団体から事業活動に対する影響の見込みについて聞き取りをいたしますとともに、今後の設備投資や個人消費などの面で、県内経済にどのような影響が出ているかにつきまして十分留意していく必要があると考えております。
また、企業誘致については、これまでも北陸電力が9つの電力会社の中で一番安い料金水準だということをセールスポイントとしまして、私自身も東京や大阪、名古屋等でアピールもして、現に安い電力料金ということを富山県内への立地する際の重要な判断要素とされた企業も相当数あると承知をいたしております。
こうした点については、北陸電力では、可能な限り値上げ幅の抑制を図って、引き続き全国的にも低い水準を維持する方針と伺っております。県としては、北陸電力において、より一層の経営効率化の取り組みを進めて、コスト低減に最大限努力していただきたいと、こういうふうに考えております。
次に、
湾クラブ総会についての御質問にお答えをいたします。
世界で最も美しい湾クラブの総会の誘致につきましては、昨年度末から湾クラブ役員等への働きかけを進めまして、先般、パリ市内で湾クラブのメイラ理事長と懇談した際に、私から直接ぜひ富山県を総会候補地としていただきたいということで、富山湾の魅力等あわせて強く要請しましたところ、さきに開催した委員会で富山県開催を内定したと、こういった御発言もいただいたところであります。
ただ、正式には来年の4月のフランス総会における富山県のプレゼンテーションを経て決定するということで、その際にぜひ私に出席してほしいという御要請もいただきましたので、出席してプレゼンテーションを行う方向で、今、日程調整を行っております。
フランス総会のプレゼンテーションでは、美しい富山湾、神秘の海富山湾、こうした魅力はもちろんですけれども、立山黒部アルペンルートや黒部峡谷などの美しい自然景観、世界遺産五箇山合掌造り集落、国宝瑞龍寺などの歴史文化、また、今年度末までの利用者が約250万人にはいくのではないかと見込まれる富岩運河環水公園あるいは富山県美術館などの魅力、また、日本らしい伝統芸能、文化など、本県の多彩な魅力を美しい映像でアピールしますとともに、富山総会の主な
スケジュール等についても提案したいと思っております。
今後は、沿岸市町、民間団体や県議会での御意見もいただきながら、富山県の魅力をせっかくの機会ですから国内外に、特にヨーロッパ、アメリカ、いろんな国々にしっかりとアピールできるように準備を進めまして、富山県開催の正式決定に結びつけますとともに、国内の加盟湾等とも連携したプレイベントを検討しますなど、富山湾の魅力と湾クラブの国際
ブランド化を最大限進めて、今後の国内外からの観光誘客、地域活性化につなげたいと考えております。
次に、
小型クロマグロの資源管理についてでございます。
お話のように、北海道で10月初旬に356トンの漁獲があるなど、定置網共同管理枠の超過ということが生じました。
そこで、水産庁においては、参加道府県に対して
操業自粛要請を行う一方で、本県のように自分の県の漁獲枠を超過していない府県に対しては、現地点で休漁までは求めないが放流等に取り組むことと、こういうことで求めておられます。
そこで、現時点では今後、盛漁期、漁獲の多い時期を迎えるブリ漁の休漁が必要となる事態にまでは至っていませんけれども、12月末で第3管理期間が満了するまき網に約600トンの残量が見込まれますので、その残量を速やかに共同管理枠の超過に充てて、本県の漁獲枠が確保されるように、これは水産庁に要請して強く求めているところであります。
また、来年7月から始まる第4管理期間では、
TAC法に基づく資源管理制度、
漁獲可能量制度の導入が予定されております。水産庁において、定置網における漁獲枠の共同管理の廃止を含めて、管理体制の見直しが検討されておるわけでございます。
そこで、この見直しに当たっては、定置網の共同管理を単に解消するだけではなくて、まき網から定置網への漁獲枠をさらに移すことや、漁獲枠を超過した場合に、
定置網漁業者が納得するルールのもとで、まき網から定置網への漁獲枠を融通する仕組みを構築することなどにつきまして、これ、昨年来いろいろ働きかけをしていますけれども、引き続き国に働きかけますとともに、県としましても、漁業者の御意見を伺いながら、より適切な管理ができますように第4管理期間の管理計画を見直すということにしております。
さらに、国にいろんな調査は要請しているんですけれども、県としても努力しなきゃいかんということで、今年度から新たに定置網から
クロマグロを効果的に放流する技術の開発に向けた実証実験に着手することとしまして、今議会に補正予算案を提案しているところであります。早期の放流技術の確立に努めますとともに、得られた成果を漁業者に提供してまいりたいと思っております。
今後も、国への働きかけを進め、
小型クロマグロの
資源管理対策に向けて、漁業者に対して支援しまして、漁業者の皆さんが安心して操業できるよう最大限努力してまいります。
次に、農業農村整備事業に係るゼロ県債の設定についてであります。
本県の県単独の農業農村整備事業については、これまでは春先における農地の耕作時期から秋の収穫までの期間を避けて、営農が終了した10月から3月までの年度後半を中心に実施しております。これは、できるだけ農業作業に影響が出ないようにしているわけです。こうした工事を田植え前に終えるためには、年度開始前に着手しましたとしても、雪解け後から4月の上旬までの短期間で完成させる必要があるということで、これまではなかなかゼロ県債の設定による前倒し発注を行ってこなかったということであります。
一方で、近年、水稲の高温対策によりまして、田植え時期をおくらせる傾向にあり、田植え前の工事期間を確保しやすくなったことに加えまして、農地集積等が進んだ地区では、大規模経営体との調整によりまして、農業用水に依存しない大豆を広範に作付して、用水路を水どめして水路工事を行うことができる場合がある、また、大麦やソバ等の7月以降に作付を行う作物を導入しまして、6月までの農地の工事が可能となる場合がある、また、工事のためにまとまった農地を休耕していただける場合もあるということで、工事施工をめぐる状況に変化が見られます。
そこで、議員の御指摘のとおり、
県単独農業農村整備事業におけるゼロ県債につきましては、工事の平準化、作業環境や労働環境の改善などのメリットもあると考えられますので、まずは申請者である土地改良区等から年度前半での施工要望の把握を行いました上で、確かにニーズがあると、ぜひやってほしいということであれば、営農との調整による年度開始前の工事着手が可能となるものにつきまして、ゼロ県債制度の活用を検討しまして、例えば来年の11月補正予算において計上することを検討しまして、円滑な事業実施に努めてまいりたいと考えております。
次に、土地改良区が設置する小水力発電についてであります。
農業用水を利用した小水力発電につきましては、売電収益の充当範囲が
土地改良施設全体の維持管理費に拡大される、これは平成23年にそういうふうになりましたけれども、そうした制度改正を追い風にして整備を促進してきました結果、現在26カ所が稼働しておりまして、さらに5カ所で整備中でございます。
発電に当たりましては、通常農業用水として取得して水利権を活用することになるんですけれども、議員の御指摘のとおり、農業用地の水利権が少ない冬期間において、さらに
発電用水利権を取得することができれば、水路の空き容量を活用して、より多くの発電を行うことが可能となります。
その一方で、冬期の川の水量が少ない中で、
発電用水利権を取得するには、河川に利用可能な水量があること、また、発電後に発電用水を河川に確実に戻すための施設の確認、施設整備の検討が必要となりますこと、また、河川の減水区間について、漁業とか上水道とか河川使用者に協議して、同意を得るといったような条件をすべて満たす必要がございます。
小
水力発電施設を効率的に運用して売電収益を確保することは、土地改良区にとってプラスなことですから、県としても
発電用水利権の取得に積極的に取り組んでおりまして、これまで3カ所の発電所において取得済みであります。これは、全国を調べましたが、ほかの県ではそこまでの実績がないというふうに伺っております。
今後、富山県としては、既に設置された施設について、水利権の許可が不要な近隣の排水路等からも取水して発電用水として利用することはできないかなど、実現には、そうは申しましても相当な困難が予想されるわけですけれども、何とかさらなる検討の余地がないか改めて確認しますとともに、新たに施設整備する際には、
発電用水利権の取得に向けて、あらかじめ必要な条件を満たすかどうか検討して、可能性がある場合には、事業主体である土地改良区と協力して積極的に河川管理者など関係機関との調整に努めまして、できるだけ御提案のように年間通して十分かつ安定した発電量を確保できますように努力してまいります。
次に、高校教育のビジョンについての御質問にお答えをいたします。
昨年12月の国の中央教育審議会の答申におきまして、情報化やグローバル化など教育を取り巻く環境が加速度的に変化する中で、学校教育を通じて育てたい児童生徒の姿が示されておりまして、変化に主体的に向き合うこと、みずから問題を発見、解決していくことなどが掲げられております。
本県におきましても、将来を見据えた高校教育のあり方につきましては、平成27年度に富山県教育大綱、ここではふるさと富山に誇りと愛着を持って、地域社会や全国、世界で活躍し、未来を拓く人材の育成ということを基本理念にしているわけですけれども、この大綱に基づいて、ことし4月に新富山県教育振興基本計画というのを策定しまして、そこで方向を出しております。
もう少し具体的に申しますと、第4次産業革命の進展等を見据えたICT環境の整備とプログラミング教育の推進、グローバル社会で活躍できる人材の育成、知的好奇心や探求心を育んで、課題解決能力を育成するアクティブ・ラーニングの充実などの取り組みを積極的に進めることにしております。もちろん、ふるさとについて学び理解を深める、そういったふるさと教育とか、あるいは早い時期から、富山で生活し富山で働くよさを学ぶ、そういったライフプラン教育、こういったことも取り組むことにしているわけでございます。
この大綱等に基づいて、例えば県立学校のICT教育を推進しておりまして、昨年度はICT教育モデル校2校、これ、魚津高校と砺波高校ですけれども、指定しまして、効果的な活用方策について検証を行って、その結果を踏まえて、今年度は実施校を2校から12校に拡大し、配備するタブレット端末についても40台から480台に大幅拡充しますなど、これまでも高校教育の充実に積極的に取り組んでおります。
御質問の普通科、職業科の比率につきましては、富山県産業教育審議会の建議に基づいて、昭和63年度以降、それぞれ66%程度、34%程度となるように配慮して設定されてきております。また、総合学科の比率については、見直すことが望ましいとされていることを踏まえまして、教育委員会において適切に対応してもらいたいと、こういうふうに思っております。
ことし9月に定めました基本方針では、まずは時代の変化に対応した人材育成に向けて、先ほど申し上げた富山県教育大綱などに基づいて、今後さらに高校教育の充実に努めることとして、その一環として、県立高校の再編統合を進めるとされておりまして、今後もこの基本方針に基づいて、教育委員会と連携して高校教育の充実にしっかり取り組んでまいります。
次に、この高校再編に絡んでの
意見交換会等の御質問にお答えをいたします。
去る9月7日の総合教育会議で定めました県立高校再編の基本方針に基づきまして、今月の6日から16日まで、教育委員会におきまして、県内4学区で第3回目の
意見交換会を開催しまして、県立高校再編の基本方針や、方針決定に至る議論の状況、そして、第1回
県立高校教育振興会議の議論の概要を説明しました上で、幅広い県民の方々から御意見や御要望をお聞きし、できるだけ理解が得られるように努めております。
この
意見交換会には、合わせて443名の方に御参加いただきまして、高校再編に積極的な御意見、できるだけスピード感を持って再編を進めてほしい、個々にはいろいろな思いがあるだろうけれども、県全体を考えて再編すべきだと、こういった御意見や、再編統合の基本方針を撤回すべきであるとか、地元の高校がなくなれば、より遠い高校に行かなければならないといったような慎重な御意見、また、再編統合校を選定する際には、留意すべきこととして、再編対象高校に進学する生徒の受け皿として、統合先の高校でカバーをしてほしい、また、例えば下新川郡に1校は存続させてほしいと、こういったような御意見、また、再編を進める際に、統合先の高校の学級、学科を充実してもらいたい、例えば水橋高校の体育コースは再編後も継続してもらいたい、こういったようなことについて、176名の方々から御発言や、また、書面で御意見をいただきました。いずれも貴重な御意見として受けとめておりまして、御参加いただいた方にお礼を申し上げたいと思います。
いただいた御意見については、次回の
県立高校教育振興会議に報告することとしておりまして、あわせて関係の方々、中学生のお子さんを持つ保護者や、中学生に進路指導を行う中学校の教員の代表の方々などと意見交換をした上で、再編統合の対象校や具体的な実施時期などについて協議いただくことにいたしております。
県立高校教育振興会議では、第1回会議で協議された結果、
再編対象校などの検討項目につきましては、丁寧に議論を進めるが、生徒数の急減などを踏まえて、できるだけ早期に結論を取りまとめる方向で進めるとされておりますけれども、いずれにしても適切かつ丁寧に検討を進めて、結論を取りまとめていただきたいと考えております。
その上で、総合教育会議においても十分、検討協議をして、再編統合の対象校などが決まれば、次の段階として、新高校の学校規模や学科構成など具体的な再編実施計画を策定することになると考えております。
前期再編では、再編統合校が公表されましてから約2年間の周知期間が設けられており、また、再編実施計画の策定に当たりましては、意見募集や地域説明会等を実施しまして、地域や
学校関係者を初め広く県民の皆さんの御意見をお聞きしながら取りまとめておりますので、こうしたことを踏まえて、今後も高校再編については、さまざまな角度から丁寧に検討し、県民の皆さんの理解を得ながら進めてまいります。
次に、地元自治体との協議についての御質問にお答えをいたします。
今ほど申し上げましたとおり、再編統合の対象校等については、現在、
県立高校教育振興会議で検討いただいておりますけれども、その振興会議でまとめていただいた結論を踏まえまして、私が主宰させていただいております総合教育会議で十分、検討協議し、決定をするということにしております。
御質問の、
再編対象校決定後の地元自治体との協議につきましては、総合教育会議で再編の検討対象となる高校があるすべての市町の首長から御意見を伺っておりまして、例えば県立高校は小中学校と違って生徒の土着性がない、結局、市や町の境界を越えて随分あちこち、地元へ残る人は例えば2割とか15%とか、そういうような数字も出ておりますから、そういうことであるから1自治体1高校にこだわる必要はないと、こういう御意見もいただいた一方で、1市町1校を保持してもらいたい、また、小規模校のよさを検証してもらいたいといったような御意見もいただいております。
このため、
再編対象校の決定後には、私から各地元自治体の首長に、再編の必要性や対象校決定に至る議論の状況等を御説明しまして、再編の実施に御理解をいただくように努めてまいりますとともに、
再編対象校の
学校関係者などの御理解も得られますように、首長さんとも相談しながら、教育委員会などにおいて再編の必要性や対象校決定に至る議論の状況等を説明して、再編の実施に御理解いただけるように精いっぱい努力してまいります。
最後に、
再編対象校のある地域の振興についての御質問にお答えいたします。
再編統合の対象とされた高校の跡地利用については、それぞれの学校の歴史や伝統、また、地域の方々が熱い思いを持って支えてきていただいていることなど、これを十分に踏まえることが大切だと思っております。そのために、まずは地元の市町村において、地域の振興や活性化の観点から、活用方法について御検討いただいた上で、県としても地元の市町村とよく御相談をして、再編後の地域振興に向け汗をかく、できるだけ知恵も出す、そういったことが必要ではないかと考えております。
前期高校再編においても、地元市町村で跡地の活用方策を検討いただいた上で、有磯高校跡地については氷見市の市庁舎を、また、井波高校跡地には地域包括ケアセンターを、また、海洋高校跡地には日医工のスポーツアカデミーを設置されておりまして、県としても建物の無償譲渡ですとか、土地の無償譲渡や減免、整備費に対する助成など支援に努めております。
御指摘のとおり、
再編対象校を抱える自治体の地域振興は大変重要だと思っておりまして、去る9月の総合教育会議で定めた県立高校再編の基本方針においても、再編統合の対象とされた高校の跡地利用については、地域のニーズや住民の皆さんの声、また、地方創生の観点等を勘案し、地元の市町村の意向を十分考慮しながら、今後、検討協議することとしております。
私は、県全体がバランスのとれた発展をして、各市町村がそれぞれ特色や強みを持って大いに元気な地域になってもらう、そのことが富山県全体の元気、さらには日本全体の再生再興につながると考えております。そのためには市町村と密接に連携協力して発展を目指していきたいと考えておりまして、再編統合校のある地域の振興についても、市町村とともに、もちろん幅広い県民の皆さんの御意見も伺いながら、しっかりと取り組んでまいります。
8 ◯議長(稗苗清吉君)山崎副知事。
〔副知事山崎康至君登壇〕
9 ◯副知事(山崎康至君)
東南アジア諸国との経済交流についての御質問にお答えをいたします。
去る10月、県内の企業経営者などの皆さん、そして、稗苗議長にも御参加をいただいた
経済訪問団でミャンマーを訪問いたしました。
経済の中心地ヤンゴンでは、日本国大使館やジェトロの事務所を訪問いたしました。現地の経済状況や投資環境に対する理解を深めることができたところであります。また、ものづくりセミナーを実施し、本県の産業をPRいたしましたが、参加した企業の皆さんと現地企業などの参加者との間で活発な商談が行われまして、具体的な成果も出ております。
また、首都ネピドーでは、政府機関を訪問したところであります。保健・スポーツ省では、医薬品生産額が日本一の薬の富山をPRいたしましたところ、ミン・トゥエ大臣、この方はお医者さんでございますが、日本の高品質で安全な医薬品に高い関心を示され、今後、本県の医薬品の導入を検討するとの御発言がありました。
また、計画・財務省や農業・畜産・かんがい省では、県内企業の小水力発電事業の技術をPRしまして、現地での導入支援を要請いたしましたところ、ミャンマーは電力不足であり、国として投資を受け入れたいとの発言がございました。このように、今回の訪問では民間同士の交流はもとより、ミャンマー政府との関係構築の足がかりがつくれたことなどの成果があったところであります。
今回の訪問を通して、こうした新興国におきましては、県内企業が現地進出し、円滑な事業展開を図る上で、実際に自分の目で現地を見ることに加えまして、現地の政府などと良好な関係を築き、その支援を引き出すことが大変重要であると実感をしたところでございます。
東南アジア諸国などにつきましては、これまでも石井知事を団長とした訪問団による交流や、今後の協力に向けた政府機関との覚書の締結などの実績、成果を積み重ねてきておりまして、こうしたことを生かし、現地政府や現地のジェトロ、また、現地の大使館など関係機関と連携したサポート体制をさらに強化いたしますとともに、商談会等を相互に開催するなど、県内企業の海外進出や販路開拓を支援してまいりたいと考えております。
10 ◯議長(稗苗清吉君)蔵堀観光・交通・
地域振興局長。
〔観光・交通・
地域振興局長蔵堀祐一君登壇〕
11 ◯観光・交通・
地域振興局長(蔵堀祐一君)レール&サイクルの推進に関する御質問にお答えをいたします。
県では、これまで沿岸部の観光拠点などを結びます湾岸道路の整備を進めますとともに、世界で最も美しい湾クラブへの加盟効果を最大限に発揮いたしますため、
富山湾岸サイクリングコースや田園
サイクリングコースを整備するなど、
サイクリング環境の充実に取り組んできております。
議員御提案のとおり、本県は多種多様な鉄軌道がありますことから、鉄軌道王国とも呼ばれておりまして、自転車の移動に際し、こうした鉄軌道を活用いたしますことは、観光振興や鉄道利用促進の観点からも大変意義があるものと考えております。
県内では、
富山地方鉄道の鉄道線におきまして、土日祝日限定で持ち込み可能とされておりますほか、JR、あいの風とやま鉄道、
富山地方鉄道の軌道線、それから万葉線、富山ライトレールでは、折り畳んでバッグに入れた状態であれば持ち込み可能とされているところでございます。
しかし、いつでもどこでも可能な状態といたしますことには、一般乗客とのすみ分けですとか、車内での自転車の固定といった安全性への配慮、さらには跨線橋設置駅における自転車の駅構内の移動ですとか、車両への積みおろしといった駅舎の体制整備などの問題もあると考えております。
既に他県で運行しておりますいわゆる
サイクルトレインにつきましても、実施期間を利用の少ない日や時間帯に限定をいたしましたり、専用の臨時列車として運行したり、事前の予約が必要としているものなどがあるところでございます。
御質問の中にもございましたJR大糸線、南小谷─糸魚川間につきましても、ことしの場合ですと、6月11日から10月9日までの期間限定で、運行本数は1日に4往復、貸し切りの専用列車を通常の列車に連結した上で、なおかつ予約が必要だということになっているところでございます。
県内鉄道の利用状況を考慮いたしますと、定期列車での利用はなかなか難しい面があると考えておりますけれども、臨時的に運行期間を区切った貸し切り列車としての運行などについて検討していただくように各鉄道運行会社に働きかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
12 ◯議長(稗苗清吉君)渋谷教育長。
〔教育長渋谷克人君登壇〕
13 ◯教育長(渋谷克人君)富山湾での体験活動についての御質問にお答えいたします。
子供たちが、世界で最も美しい湾クラブへの加盟が承認された富山湾について学び、関心や理解を深めていくことは、富山湾への誇り、愛着を持つために重要なことであります。
このため本県では、すべての小学4年生が社会科の授業で、今ほど申し上げました世界で最も美しい湾クラブの加盟を初め、富山湾の特色ある地形や魚の宝庫であること、定置網のふるさとであることなど、その魅力について学んでおりますし、学校の行事として富山湾の魅力を感じられる体験活動に取り組んでいる学校もあります。
例えば氷見市では、子供たちが遊覧船に乗って定置網を見学し、定置網漁の仕組みや富山湾の豊かな魚の種類について理解を深めております。子供たちからは、定置網の大きさや漁師の皆さんの工夫に驚いた、氷見の海は魚がたくさんいてすばらしいなどの声が寄せられております。また、帆船海王丸での宿泊体験学習や地びき網体験、ワカメの種つけ、刈り取り、アマモの育成、移殖など、昨年度は34の小学校で体験活動を行っております。
しかしながら、移動の問題などもありますので、県内の約8割の小学校ではこうした体験活動が行われていない状況であります。このため、教育委員会としましては、積極的に取り組んでいる学校の事例を校長会や指導主事による学校訪問研修会を通じて紹介しまして、各学校の子供たちの富山湾に対する関心や理解が一層深まるよう努めてまいります。
以上です。
14 ◯議長(稗苗清吉君)
磯部生活環境文化部長。
〔
生活環境文化部長磯部 賢君登壇〕
15 ◯
生活環境文化部長(磯部 賢君)まず、環境教育の推進についてお答えを申し上げます。
県では、本県のすぐれた自然環境への意識を高め、具体的な行動に結びつけていく人づくりを進めるため、今年3月に富山県環境教育等行動計画を策定し、富山湾を初めとした本県の特徴を生かした環境教育を推進することとしております。
具体的には、地元小学校等と連携した海辺の
漂着物調査や生き物観察会といった体験活動を通じまして、身近な海岸への関心や愛着を育んでいるほか、
海岸漂着物の現状を学ぶ小学生向けと中学生向けの環境教育教材の作成、また、河川の上流、下流域が連携して海岸清掃などに取り組む親子体験バスツアーの実施などを通じまして、沿岸部のみならず流域全体での環境保全活動の大切さを学ぶ機会を提供しております。
また、富山湾を含む環日本海地域での広い視野を持つ人材を育成するため、4カ国の自治体が連携しまして、環境活動のリーダーとなる青少年の交流事業を進めているほか、来月21日には、富山市でNOWPAP政府間会合の本県開催にあわせまして、環日本海環境協力シンポジウムを開催いたしまして、富山湾の豊かさや環境保全に向けた講演、さらには、今ほど申し上げました青少年交流事業に参加した高岡高校の研究チームによる
海岸漂着物に関する事例発表等を通じまして、富山湾の環境保全に関する理解を深めていただくことをしております。
県民一人一人が美しい富山湾に誇りと愛着を持ち、後世に守り伝えていくためには、幅広い年代、地域の県民の皆さんの理解と参加が不可欠でありまして、今後とも富山湾の環境保全に向けた環境教育に取り組んでまいります。
次に、
海岸漂着物や
マイクロプラスチック等に関する施策の展開についてお答えをいたします。
海洋生態系への影響が懸念される
海岸漂着物や
マイクロプラスチックについては、昨年のG7富山環境大臣会合でも議論されまして、海洋ごみの削減やその原因となる陸域でのごみの発生抑制を進めていくためにも、資源効率性の向上や3Rに取り組んでいくことなどが確認されたところでございます。
富山湾では、
海岸漂着物の8割近くが県内由来であり、内訳としましては
プラスチック類が9割を超えていること、また、
マイクロプラスチックの大きさまでに分解すると砂などとの分離が難しく、回収が困難になりますことから、削減を進める上では、原因となる
プラスチックごみの発生抑制が効果的と考えられます。このため、レジ袋の削減やトレイ、ペットボトルの回収、リサイクルなど、とやまエコ・ストア制度の仕組みを生かした取り組みをさらに進めることとしております。
また、今年度新たに県内全域の10海岸で
マイクロプラスチックを回収し、その素材が何かを分析することで、どのようなごみが
マイクロプラスチックになりやすいかを調査しております。
さらに、先ほど御紹介した高校生が行った調査では、県内での
マイクロプラスチックの認知度が低いという結果も出ておりますので、こうした実態をしっかりと把握いたしまして、今後の効果的な発生抑制対策につなげていきたいと考えております。
議員から御紹介がありましたように、来年10月に本県で3R
推進全国大会が開催される予定であり、こうした機会を生かして、
海岸漂着物の発生抑制と削減の取り組みを一層推進し、美しい富山湾とその美しさを守る活動を全国へ発信できるよう努めてまいります。
16 ◯議長(稗苗清吉君)
芝田農林水産部長。
〔
農林水産部長芝田 聡君登壇〕
17 ◯
農林水産部長(芝田 聡君)まず、深層水についての御質問にお答えいたします。
深層水は低温性、清浄性、富栄養性、水質安定性といったすぐれた特性を持ち、富山湾は深層水取水に適した急峻な海底地形を有していることから、県では
水産研究所に深層水取水施設等を整備しましたほか、入善町と滑川市における深層水取水施設の整備に支援を行ってまいりました。
県
水産研究所では、この深層水を活用いたしまして、サクラマス等の栽培養殖技術の開発や、ベニズワイガニ等の冷水性有用魚介類の生態学的研究を行っております。現在、より付加価値の高い魚類としてアカムツの種苗生産技術の開発に取り組んでおりまして、平成28年度には5万5,000尾の種苗を放流したところでございます。
こうした技術開発を行っていく上で必要な深層水の水量は現時点では足りており、研究環境もおおむね良好であることから、現有施設を十分に活用して、アカムツの早期の事業化に努めてまいりたいと考えております。
また、深層水は入善町のサクラマスとカキの養殖、あるいは射水市のサクラマスの養殖にも活用されております。
今後、これらの市町におきまして、飼育技術の開発や魚種の事業化を推進するに当たり、新たな深層水の取水施設や増養殖施設が必要となる場合には、まずは地元市町で採算性も含め将来の見通しを十分検討していただき、その上で御相談があれば、具体の事業計画につきまして必要な助言などを行ってまいりたいと考えております。
次に、富山米新品種「富富富」についての御質問にお答えいたします。
全国の米の主要産地で新品種が相次いでデビューし、産地間競争が激化する中、「富富富」については、富山米のトップブランドとして位置づけ、生産者と消費者の双方にメリットのあるプレミアム感を創出して、県内外においてコシヒカリを上回る価格帯での流通販売を目指しております。
このためには、まず、生産面では生産者登録制度を導入し、栽培基準等の遵守を徹底することや、品質にばらつきのある「富富富」が流通しないよう集荷団体への一元集荷とすることなど、高い品質の確保に努めることとしております。
また、販売面では、これまで多くの消費者から甘みやうまみにすぐれているとの評価をいただいておりますが、今後さらにお米マイスターや米流通関係者、料理人などの専門家からも食味等の評価を幅広く収集分析し、セールスポイントの明確化、あるいは販売ターゲットエリアの具体化、商品ストーリーの作成など、しっかりとした販売戦略を構築していくこととしております。
今後、「富富富」の評価が定着するまでは、作付面積を一気に増やすのではなく、ブランドの確立に適した生産量を確保することとし、将来的には農業団体、生産者の皆様の御意見も踏まえまして、生産、販売戦略の見直しを行いながら、高い評価が得られる形での生産拡大を進めてまいりたいと考えております。
こうした方針につきましては、これまでもブロック別の説明会あるいはJAごとの説明会、農業法人との
意見交換会などでお伝えしてきておりますけれども、今後とも生産者等への丁寧な説明に努め、関係団体等が一丸となって「富富富」が広く愛される品種として育つよう全力を尽くしてまいります。
以上でございます。
18 ◯議長(稗苗清吉君)
伍嶋商工労働部長。
〔商工労働部長伍嶋二美男君登壇〕
19 ◯商工労働部長(伍嶋二美男君)伏木富山港の
ポートセールスに関する質問についてお答えをいたします。
県では、これまで伏木富山港の利用促進を図るため、港湾機能の充実を初めといたしまして、荷主企業等に対する奨励金などのインセンティブ制度の充実や、また、個別訪問によりまして、県内外の荷主企業に対する利用の働きかけを行うとともに、首都圏や名古屋での利用促進セミナーの開催やコンテナターミナルの現地視察会の開催、さらには東京などで開催されます展示会へのPRブースの出展や、海外
ポートセールス訪問団の派遣など、積極的な
ポートセールス活動に取り組んできております。
現在、荷主等がコンテナの所在を確認するためには、ターミナル管理者に電話やファクスなどで問い合わせる必要がありますけれども、コンテナ貨物の情報をリアルタイムで把握したいと、こういった要望が多数寄せられております。このため、伏木富山港では、議員から御紹介もありましたけれども、国土交通省が運営いたします
コンテナ物流情報サービス、これはいわゆるコリンズと呼んでおりますけれども、この物流情報サービスに接続するため、さきの9月の補正予算によりまして、本年度内での情報システムの整備完了を目指しまして取り組んでいるところであります。
この整備によりまして、各荷主等がパソコン等で関係いたしますコンテナ貨物の状況を手軽に、そして常時把握することが可能となるということでありまして、このことにより、物流の円滑化や事業者の業務量の削減、さらには在庫管理の適正化など、伏木富山港の利便性が大きく向上するということになります。
伏木富山港では現在、コンテナヤードの拡張や岸壁の延伸などに取り組んでおりまして、これらの港湾機能の充実に加え、物流情報サービスであるコリンズとの接続に伴いまして、ソフト面での大幅な利便性の向上が図られることから、今後、県内外の荷主や物流事業者に対しまして、伏木富山港の優位性をより強くアピールいたしまして、貨物集荷量の増加に向けて積極的に取り組んでまいります。
以上でございます。
20 ◯議長(稗苗清吉君)
白井警察本部長。
〔警察本部長白井利明君登壇〕
21 ◯警察本部長(白井利明君)富山湾の
沿岸警備対策強化についての御質問にお答えいたします。
議員から御指摘がありましたとおり、水難事故の危険性の高まりはもとより、朝鮮半島情勢の緊迫化や国際テロなど国際情勢が不透明感を増す中、テロリストなどの潜入を阻止するためにも、
沿岸警備対策が極めて重要と認識しています。
県警察では、本年8月に発生した警察用船舶「ありそ」の浸水を受け、これにより総延長約150キロに及ぶ沿岸地域における治安維持機能が減退することのないよう、パトロール活動の強化とともに、警察用ヘリコプター「つるぎ」による上空からの警戒、機動隊の船外機付き救命ボートの全身配備、救命訓練の実施など、各種補完措置を講じております。また、海上保安部、入国管理局などの関係機関と連携を図りつつ、沿岸警備協力会や漁業関係者などの地域住民の方々の協力も得ながら、関連情報の収集、警戒活動などの各種対策を推進しています。
さらに不測の事態に備え、事態対処能力の向上を図ることが重要であることから、平成17年から伏木富山港において海上保安部、入国管理局などの関係機関と連携して、テロリストの潜入を想定したテロリスト対応合同訓練を実施しています。
本年は、さきの5月の全国植樹祭を前に、魚津港において不審船の侵入を想定した沿岸警備合同訓練、一昨日の11月27日には、テロリスト対応合同訓練を実施して、関係機関との連携や対処要領について確認したところです。
県警察としては、引き続き警戒活動や不法入国に関する情報収集など、情勢に応じたさまざまな事態を想定した
沿岸警備対策を推進し、県民が安全で安心して暮らせる社会の確保に万全を期してまいります。
次に、警察署などの整備についての御質問にお答えいたします。
警察署の整備につきましては、平成21年以降、富山西、射水、富山中央の各警察署を順次整備してきたところであり、(仮称)富山南警察署につきましても、平成32年中の竣工を目指し、着実に整備を進めてまいります。
一方で、最近整備された射水警察署を除く富山市外の10の警察署につきましては、耐震工事により耐震性は確保されているものの、とりわけ黒部、魚津、高岡の3警察署については築50年を超え、老朽化が著しく、機能面での制約もあることから、将来的な建てかえ整備が必要と考えています。
また、警察署以外では、富山市新庄地内に所在する交通機動隊庁舎が築56年と最も古く、かつ耐震工事もなされていないなど、物理的な観点から整備の緊急度が高いところ、広域化、多様化が進む警察事象に迅速かつ的確に対応していくためにも、県央部に所在するといった地理的優位性を有する同庁舎の優先的な整備により、初動、機動力を充実強化し、警察署の機能を補完していくことが喫緊の課題と考えています。
待機宿舎につきましては、昨年度、牛島棟を建てかえ整備したところですが、職員が入居している61棟のうち25棟が築40年を超えているため、今後は、災害などの危機管理対応や突発事故、事件対応の観点から、真に必要な棟数を算出し、効率的な建てかえ整備などを検討してまいります。
県警察としては、老朽化した警察施設の整備について、県財政当局とも協議しながら計画的に進めてまいります。
22 ◯議長(稗苗清吉君)加藤土木部長。
〔土木部長加藤昭悦君登壇〕
23 ◯土木部長(加藤昭悦君)河川の雑木の伐採や堆積土砂のしゅんせつ、今後の河川の整備及び管理についての御質問にお答えをいたします。
県では、日本一の安全・安心県を目指し、河川改修やダムの整備によります治水対策などを進めてきており、河川の整備に当たりましては、緊急度や重要度を考慮し、過去に大きな浸水被害が発生した河川等において、河道の拡幅や放水路建設等を計画的かつ重点的に行っているところであります。
しかしながら、河川の整備には多額の費用と長い年月を要しますことから、河川の流下能力を高め、災害を未然に防止する堆積土砂のしゅんせつや雑木の伐採などが有効と考えており、それぞれ平成27年度に5カ年計画を策定し取り組んでおります。
河川の状況は豪雨等により変化することがありますことから、5カ年計画を基本としつつも、地元の方々から情報提供をいただいた箇所などについても対応を行っておりますが、当初予算に加え補正予算も活用いたしまして、今年度末での進捗状況はしゅんせつ、伐木ともに約6割となる見込みであります。
また、議員御指摘のとおり、先般の台風21号では大量の流木等が発生したところでありますが、その対策といたしまして、流木を下流に流出させないために、土砂と流木を一緒に捕捉する透過型堰堤や、流木捕捉工の整備を進めているところであります。
今後とも、出水期前及び出水期後の点検はもとより、日常のパトロールを通じまして、河川状況を随時把握いたしますとともに、必要な予算の確保に努めまして、県民の皆さんの安全・安心の確保につながります河川整備や、災害の未然防止にしっかりと取り組んでまいります。
以上でございます。
24 ◯議長(稗苗清吉君)以上で、上田英俊君の質問は終了しました。
暫時休憩いたします。
午前11時45分休憩
─────────────────────
午後1時00分開議
25 ◯議長(稗苗清吉君)休憩前に引き続き会議を開きます。
井加田まり君。
〔14番井加田まり君登壇〕
26 ◯14番(井加田まり君)社民党・無所属議員会の井加田であります。
会派を代表しまして質問に入らせていただきます。
まず初めに予算編成をめぐる県財政の課題について意見を申し上げ、平成30
年度予算編成方針の重点となる考え方について知事にお伺いをしたいと思います。
提案理由説明では、これまでの行政改革、財政再建の取り組みにより昨年度からは構造的財源不足は解消しているが、地方交付税削減の懸念や社会保障関係費の増高、新幹線建設などに係る公債費がなお高い水準で推移し予断を許さないことから、30億円の要調整額が見込まれるとされています。
今もなお、新幹線建設に係る巨額の財政支出が県政の各分野、特に福祉などの県民生活、教育、地域の課題などに負担を強いる結果となっているのではないでしょうか。
総務省の平成27年度都道府県決算状況調によれば、県民生活関連の扶助費、すなわち生活困窮者や児童、老人、身障者などを援助するための経費である扶助費でありますけれども、歳出総額に占める割合は全国45位、教育費については全国34位と低い水準にあります。
子供医療費無料化は市町村要望になかなか応えられず、少子化が進む中でも35人以下学級の実施率について富山県は全国でも後進県にあると言えます。
要求基準では一般行政経費を15%のマイナスシーリングで設定し、あわせて今後も県職員の削減を伴う行革をさらに進めることになるのは明らかである中、富山県経済文化長期ビジョンや新たな総合計画枠では要求の上限を設けず、また、引き続き開発型の公共事業への重点化が懸念される方針と言えます。
県の歳出の大半は、法令等で義務づけられた経費や国の補助事業であることから、標準的な行政水準の確保のための地方交付税、福祉、医療など、社会保障関係費への国の支援の充実確保は必要不可欠であります。
予算編成に向けて、県債残高が1兆円を超え、新幹線建設や関連する公共事業への対応がこの間、県財政を圧迫してきたことを踏まえれば、県財政圧迫につながる予算上困難な公共投資などは見送ることなども必要でございます。
公共事業については、県民生活の安心・安全を最優先し、その必要性や生活に及ぼす影響など、さまざまな観点から県民の声を十分踏まえて進めていかなければなりません。
新年度予算方針では県民生活に欠かせない行政サービスを縮小させることなく、人口減少を食いとめ、持続可能な地域の活性化に向けて、県政の役割が問われています。
県政の役割は何といっても住民福祉の増進であり、県民の中にある不安に寄り添いつつ、県民生活に密着した事業を最優先する、暮らしの安心・安全、教育、福祉の拡充に一層重点を置いて、政策効果を見きわめて検討を進めていただきたいものと考えます。
予算編成方針の重点となるポイント、そして県民福祉の向上と健全な運営に向けてどのように取り組んでいくのか、県債残高の縮減に向けた取り組みとあわせて知事に伺います。
2点目は、少子高齢化政策の重点化についてであります。
国においても、教育費の負担軽減に向けた幼児教育、保育の無償化などの制度の検討や介護保険制度の充実など、少子高齢化社会に対応するための議論や対策が検討されています。
教育費の負担軽減は県民の願いでもあり、早期の実現を望むものですが、国の責任において地方負担分も含めた財源の確保が前提であり、必要額はしっかりと確保されなければなりません。予算編成に向けて少子高齢化政策の重点化にどのように取り組んでいくのか、引き続いて知事にお伺いいたします。
次に、国民健康保険の都道府県単位化についてお尋ねをいたします。
国では、社会保障費の自然増をも抑制することが検討されています。そうした中で、新年度からの都道府県化に向けて市町村との協議が進められている国民健康保険制度改革への実施に当たっては、被保険者への負担転嫁とならないよう、自治体間の所得調整機能など、国による財政支援が確実に行われることが不可欠であります。あわせて県内自治体の負担の軽減に向けた取り組みの継続も必要であります。
市町村における保険料算定などの準備が進められていますが、国民健康保険の都道府県化に向けて、適正な保険料や市町村間の保険料格差の縮減などについて、市町村との協議状況はどうなっているのか、また、高所得世帯を対象に保険料の上限額の引き上げが検討されており、これらの課題も含めて今後どのように取り組むのか前田厚生部長に伺います。
国民健康保険制度の安定運営に向け、構造的な問題は、依然として残っております。被用者保険に比べ年齢構成が高い、医療費水準も高い、所得水準は低いことから、保険料収入が少なく被保険者負担が重いという構造的な問題は、今後高齢化で一層深刻となり、厳しい財政運営が引き続き予測をされます。
社会保障として国民健康保険制度を安定的に維持していくためには、国の責任において財政支援が確実に行われることが必要であります。被保険者への負担転嫁にならないよう国の支援のさらなる拡充を引き続き求めていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、県立高校再編の是非についてお伺いをいたします。
午前中の代表質問でも議論がありましたが、会派としても
意見交換会に参加する中で、県民の皆さんの思いに寄り添い9月の代表質問でも指摘してきたところであります。
引き続き丁寧な議論を求める立場から、丁寧に意見反映をしていきたいと考えます。社民党・無所属議員会では、高校再編統合の議論を進める上での三原則は、1つには無理な再編統合は避けるべき、2つには小規模高校の尊重、3つには高校存続の地域的意義であると考えています。
将来にわたって教育の質を確保する観点からどこをどう変えて何を目指していくのか、まずはしっかりと高校教育のあり方についての議論を深め、関係者の理解が得られることが重要であります。県立高校が地域に存在するかしないかは、高校教育のあり方のみならず、人口減少、高齢化が進む中で自治体の将来のあり方をも方向づける重要な課題であります。
少子化が進行する中で、将来にわたって質のよい高校教育をどのように構築していくのか、そのための再編統合議論であり、丁寧な議論と地域の理解を得て方向づけていくことが重要であると考えております。
しかしながら、1学年4学級以上が望ましいとの基本方針をもとに、これまで3回にわたって学区ごとの県教委の
意見交換会が開催されてきましたけれども、この間の教育委員会の説明や議論の進め方には、三原則と考える小規模校の尊重や高校存続の地域的意義、無理な再編統合は避けるべきという観点から大きな問題があると考えます。
これまで3回開催されました
意見交換会において、多くの意見がありました。
まず第1回目と2回目の
意見交換会での県教委がまとめた意見の評価では、再編に積極的な意見が多かった学区は富山と高岡、慎重意見が多かった学区は新川、砺波、朝日町と南砺市においては100%が慎重意見であり、県全体の合計でも積極意見41.8%より慎重意見58.2%が上回っておりました。
県教委が慎重意見として分類された特徴的な意見を少し紹介いたしますと、地元の学校に通える選択肢をなくさないでほしい、40人学級にこだわらず各校3人から5人減らすことも考えてみては、学区ごとに事情が違うので地域の実情に合わせた議論が必要である、再編校を県下一律の基準で特定しないでほしい、定員割れの状態が何年か続けば募集を停止するなどの基準を設けてはどうか、歴史の浅い高校から対象にするべき、大規模校から学級数を減らすなど議論をやり直してほしいなど、再編統合の進め方に対する懸念の声が多く述べられていたと記憶しています。
とりわけ、3回目の
意見交換会で教育長は、教育振興会議において対象校と具体的な再編時期について検討されることになっており、
意見交換会で出された意見は伝えますとのみの答弁でありました。
議会での指摘は全く反映されておらず、県教委として責任を持って再編議論を進めていこうとする主体性や、多くの意見に向き合おうとする姿勢が見られなかったことは大変残念であります。
前期再編の総括が極めて不十分で、県民に受け入れられていないのに、前期統廃合と同じような学校の規模論で賛成反対のような構図になっていること自体に、このような進め方でよいのかと苦言を呈しておきたいと思います。
生徒数減少に対する数合わせの基本方針をもとに、
意見交換会では再編統合はやむなしとの県教委の姿勢を後押しする意見と、小規模校を切り捨てて再編する方針そのものを厳しく指摘する意見とが平行線をたどっていたと認識をしております。
とりわけ、小規模校への学習環境を整備して地元の高校に通う選択肢を残してほしいとの要望が強い中で、1学年3学級160人未満に当てはまる対象校を減らしたいとしながら、生徒の幅広い選択肢を確保するとの説明では到底納得が得られていないと考えるものであります。
県内小規模校9校からの聞き取りの結果が資料にもありましたけれども、学習面、生活面、学校運営の面においても小規模校のメリットが強調されている中で、根拠のない小規模校の軽視は現場で教育に携わっている教員の方々の努力を無視するものではないでしょうか。
将来にわたって高校教育に責任を持つ県教委として、現場の思いや地域にある声にしっかりと真摯に耳を傾けるべきではないでしょうか。
再編統合の基本方針の基準は、前期再編後の県内の高校教育の現状や地域の実情に合っていないと考えます。さらに検討が必要です。
県教委の再編統合ありきの進め方に対し反発の声が大きいことをどのように認識しているのか、教育長にお伺いをいたします。
知事は議会答弁の中で、県全体のことを考え再編を進めていくことが大切、4から8学級規模の高校に通いたいとの希望が多い、新たな検討委員会で対象校、具体的な時期について検討する、対象とされた高校の跡地利用については地方創生の観点などを勘案し、地元市町村の意向を考慮しながら検討協議を進めていくと表明され、議会での議論や市町村の要望などでの意見、多角的で丁寧な議論を重ねて教育振興会議で基本方針を決め、対象校、時期を検討すると答弁されていますけれども、先ほどから述べていますように、当初の
意見交換会の段階から既に基本方針に対して懸念を持つ慎重意見のほうが多かったと認識しております。議会でも懸念の声が出されていました。市町村からの意見や各団体からの意見についても、慎重な検討や教育の内容の充実を求める観点であったと認識しています。
意見交換会のたびに関係者間での意見の隔たりはますます大きくなる中で、知事のもとには地域の切実な声が届いていないのではないかと私は大変危惧をしております。再編統合の基準そのものを見直し、丁寧にもっと掘り下げて議論していくことが求められています。
そうした中で、対象校の跡地利用について検討するということは、対象校を絞り込む前に既に決まっていて、環境づくりをしているとしか考えられません。知事、どうなんでしょうか。
県民の皆さんもそのように受けとめておられるのではないでしょうか。
学級規模の大きさについて、とりわけ、切磋琢磨論や選択科目の開設数、部活動の選択範囲の確保などと大規模校の優位性が強調されていますが、教育効果にどのような影響が考えられるのか根拠は明確ではありません。むしろ、小規模校のほうが行き届いた教育ができるメリットがあることも明確になっている中で、なぜ小規模校から対象にするのか、知事のこれまでの説明を何度聞いても私にはよく理解できません。
再編基準である1学年3学級以下、160人未満の小規模校を切り捨てる方針のまま、再編統合議論をこれ以上進めることに県民の理解が得られているとは思いません。このまま強行に対象校を決めるべきではないと考えます。再編基準を見直し、改めて県全体で高校教育のあり方について県民の納得いく方針を示していただきたいと考えますが、知事の見解を求めます。
次に、働き方改革や労働法などの改正への対応について質問いたします。
働く人の犠牲の上に成り立つ経済社会に未来はありません。過労死や過労自殺が社会問題化している中で、長時間労働の縮減に向けた働き方改革は待ったなしと言えます。行政サービスを担う県職員の尊厳ある働き方改革についても喫緊の課題であります。
決算特別委員会総括質疑において、県職員の働き方について職員数の減少に伴い平均時間外労働が増え続けるという、いわゆる石井カーブを描いている現状について岡崎議員が指摘をいたしました。
平成16年から28年までに県職員1,534人が削減をされ、約1,447億円の人件費削減効果があったと宣伝をされていますが、一方で県債残高が増え続けており、行政改革による職員削減が進行する中で業務量と人員バランスが崩れ、毎年の機構改革によっても時間外労働はむしろ増えている実態は指摘のとおりであります。
県職員の時間外労働が恒常化する中、過労死ラインを超える長時間労働はあってはならないことです。
過労死ラインを超えて働く職員が増え続けるなど、富山県職員の長時間労働はほかの県と比べても多く、実態はより深刻であります。都道府県における平成27年度の管理職を除く時間外勤務の実態調査結果では、本庁、出先機関とも年の平均時間外勤務時間は全国の平均を上回っております。例えば、本庁職場では富山県の年間時間外勤務時間は314.6時間でありまして、全国平均の223.2時間をはるかに上回る数値が出ております。
過労死ラインを超える月80時間から100時間以上も仕事をしている職員が70名もいること自体あってはならないことであり、長時間労働が恒常化していることにもっと危機感を持って対応すべきであります。
職員と家族の気持ちを考えれば、一体何をさせているのかと私は言いたいと思います。
職員の働き方に命の尊厳が問われています。業務執行に必要な県職員の適正配置への見直しにまずは取り組むべきと考えるところでありますが、この職員の尊厳を守る働き方改革を進めるため、今後どのように取り組んでいかれるのか、石井知事に伺います。
また、県職員の働き方に大きな負担が強いられている現状を鑑み、県庁全体の意識改革も重要であることから、長時間労働撲滅宣言を行うなど、知事が先頭に立って改革姿勢を示すなど確実な働き方改革を進めていただきたいと考えますが、ぜひ石井カーブのイメージを変えていただきたいと思うわけですけれども、あわせて知事の見解を求めたいと思います。
長時間労働の縮減とあわせて休暇制度などの確実な活用に向けて、職員への支援制度活用の働きかけなど、各職場において積極的な取り組みが進められるよう環境整備も重要であります。
とりわけ、子育て中の職員に対する支援について、現状と課題をどのように捉え、今後どのように取り組みを強化していくのか、経営管理部長に伺います。
次に、労働契約法改正の課題についての質問であります。
2018年4月より、労働契約法改正による無期転換ルールが導入をされます。
現在、有期雇用で働く労働者の約3割が、通算5年を超えて有期労働契約を反復更新している実態があります。長期間雇用されている有期社員は恒常的に戦力として定着している労働者であり、期間の定めのない労働契約の社員として位置づけ直すことは、より適切な雇用関係への取り組みと言えます。
この対象となる労働者並びに使用者に対し、制度導入に向けて県ではどのように取り組んでいるのか、
伍嶋商工労働部長にお伺いをいたします。
県の外郭団体における無期転換対象者について、違法な契約実態があってはならず、雇い止めなどのトラブルが生じることがないよう県として対応することが求められています。
制度周知の徹底と処遇改善についてどのように取り組むのか、外郭団体における有期労働契約者の実態とあわせて、滝経営管理部長にお伺いをいたします。
自治体で働く臨時・非常勤職員の大多数は、2020年4月より新たな一般職非常勤職員である会計年度任用職員に位置づけられるため、雇用の継続と処遇改善が課題となっております。
地方公務員法等の改正の趣旨を踏まえた処遇改善の制度設計に当たり、恒常的業務は常勤職員へ転換するなどの必要な措置を図るべきと考えるものであります。
県においても、すべての臨時・非常勤職員の雇用継続と処遇改善について、業務内容の現状を把握した上で必要な措置を講じる必要がありますけれども、今後どのように対応していくのか、滝経営管理部長にお伺いをいたします。
次に、医療と介護保険制度改革をめぐる課題について質問をいたします。
厚生労働省では、来年度の介護報酬改定に向けて自立支援・重度化防止の取り組みに対する加算の見直しや、訪問介護において身体介護、生活援助の報酬にめり張りをつけるなどの検討が行われているところであります。介護現場の実態を反映した改善につなげていくことが必要であり、介護の質を確保し維持していくためには事業所に対する支援の強化も不可欠であります。
第7期介護保険事業支援計画策定を見据え、地域医療介護総合確保基金を活用した施設整備や介護従事者確保の現在の取り組み状況はどうなっているのか。また、今後どのように取り組んでいくのかその方針について、知事にお伺いをいたします。
介護職員の処遇改善のために、平成24年から順次処遇改善加算が見直され、キャリアパス要件を満たせば最大で3万7,000円相当の加算を取得できることになっております。
しかし、介護職員以外の職員は対象とならないことから、職種によって差が生ずるなどの実態なども指摘されているところであり、介護職員以外の職員についても処遇改善を実感できていない職員が少なからず存在するものと考えられます。
そこで、県内事業所における介護職員などの低賃金の改善に向けた処遇改善加算については、事業者の100%が取得するよう県の支援を強化すべきと考えるものでありますが、前田厚生部長にお伺いをいたします。
地域医療構想で示された急性期と慢性期などの機能別の必要病床数については、必ずしも医療圏の病床数の必要性や実態を反映しているものではないと考えられます。
また、慢性期病床の基準や介護療養病床の介護医療院への移行方針なども不透明な中、4月に予定をされております新しい医療計画見直しにどのように反映されるのか、医療圏ごとに検討されている調整会議での現状の課題とあわせて前田厚生部長にお伺いをいたします。
地域医療介護総合確保基金による医療機関の機能分化・連携について、現在の取り組み状況はどうなっているのでしょうか。また、今後の整備方針について、診療報酬改定の影響などもありますけれども、今後の方針について知事にお伺いをいたします。
次に、地域の現状を踏まえた公共交通網の維持確保についてお伺いをいたします。
運賃収入だけでは採算がとれず運行を維持していくことが難しい、過疎化が進む地域や市街地の赤字のバス路線が廃止される中で、生活基盤である公共交通を安定的にどのように確保していくのかが待ったなしの課題となっています。自家用車に頼れない買い物難民、交通弱者が増えていく中で、地域密着型の公共交通網の形成、確立は県民の切実な願いでもあります。
地域住民の足として欠くことができないバス路線の維持確保のため、国と連携をした当該路線の欠損額に対する補助制度の維持拡充が必要と考えますが、生活路線の維持拡充を図る観点からどのように支援を強化していくのか石井知事にお伺いをいたします。
現状では民営バス路線が廃止された地域などの交通空白地においては、市町村が運行する公営バスを対象に運行費、車両購入費などについて県単補助として平成28年度は104系統が対象となっております。
この県内自治体の交通空白地の実態を把握し、その対策として市町村が運営主体となり運行しているコミュニティバスやデマンドバス、デマンドタクシーに対する支援をさらに拡充すべきと考えますが、蔵堀観光・交通・
地域振興局長にお伺いをいたします。
城端線、氷見線について、鉄道・バスとの乗り継ぎ、運行の本数、駅施設の快適さ、これらに対する満足度が低い、特に氷見線利用者の鉄道・バス等との乗り継ぎ、城端線新高岡駅での北陸新幹線との乗り継ぎに関する満足度が低いとの調査結果があります。また、車両、レールの老朽化対策も課題となっております。
城端線、氷見線間のアクセスの改善や老朽化対策について、関係市と連携し、JR西日本に働きかけていくべきと考えますが、観光・交通・
地域振興局長にお伺いをいたします。
最後の質問であります。
新幹線のかがやき臨時便の減便についての質問であります。
新幹線新高岡駅におけるかがやきの停車による利便性の確保に向け、沿線都市で17万、西部6市では44万人の人口を抱える新幹線の玄関口であります新高岡駅に対しては、依然として観光客の集客の上でも、停車継続や定期便化への期待は大きいものがあります。
すべてのかがやきを停車させること自体はハードルが高いとしても、平日の臨時便が減便された後の1日10往復となったかがやき定期便、朝夕の1往復について、富山駅ではなく新高岡駅に停車させるようJR西日本に働きかけてはどうかと考えるものであります。
石井知事の御所見をお伺いいたします。
富山県全体の活性化に向けて、石井知事の手腕を発揮していただくことを期待申し上げて、私の質問を終わります。
27 ◯議長(稗苗清吉君)石井知事。
〔知事石井隆一君登壇〕
28 ◯知事(石井隆一君)社民党・無所属議員会を代表されましての井加田議員の御質問にお答えをします。
まず、来年度の予算編成等についてであります。
地方財政につきましては午前中もお答えしましたけれども、地方の基金残高の増加に着目しまして地方財政計画を見直すと、そういう問題提起が経済財政諮問会議等からなされますなど、地方交付税の削減も含めた厳しい議論が行われております。
また、社会保障関係費の増加や、また、新幹線建設等に係る公債費などがなお高い水準で推移する見込みでありますので、約400億円の構造的財源不足は解消をもちろん既にしておりますけれども、今後の本県の財政運営については予断を許さない状況で、現時点で約30億円の要調整額が見込まれております。
このために平成30
年度予算編成に当たりましては、引き続き県税を初めとする歳入確保に最大限努めますとともに、政策経費等についてはマイナスシーリングを設定して、事業をゼロベースで見直しますなど政策の重点化、効率化を図るということにしております。
一方で、扶助費などの社会保障関係費については、シーリング対象から除外しておりまして、必要額を適切に見積もって要求することにしておりますので、議員が御懸念のように福祉や生活関連サービスの後退につながるということはないと考えております。
また、新たな総合計画の策定を見据えて新総合計画枠を創設しましたけれども、当然、この中には新たな総合計画に基づく福祉や医療、教育などの分野についてもこの枠を用いて要求することが可能となっております。
どうも議員は福祉・医療関係に富山県が冷たいかのような印象を持っていらっしゃるようですけれども、全くそういうことはありませんで、例えば、福祉・医療が大層を占める民生費・衛生費の当初予算総額に占める割合というのは平成17年度以降むしろ増加しておりますし、教育費についても生徒数が随分と少なくなっている中で約2割の割合を維持していると、また、扶助費なんかでよく扶助費の比率が低いとおっしゃるんですが、それは富山県が所得水準が高くて可処分所得も全国で1番、場合によっては3番ということが続いて生活保護率が全国で一番少ないと、ですから、むしろ県民の皆さんがしっかり働き口があって活躍されている方が多いから結果としてそうなっているわけで、ぜひ誤解のないようにお願いしたいと思います。
県債残高につきましては、新幹線貸付料の活用による新幹線建設負担金に係る県債発行額の減少とか、また、国の交付金の活用などによりまして新規発行額の抑制に努めてきましたことから、平成28年度決算において2年連続の減少となっていますけれども、今後も県税を初め、歳入の確保や国の交付金などの有利な財源の活用などに努めながら、県債の新規発行の抑制にも十分配慮してまいりたい。
こうした予算編成のためには、地方交付税も含めた地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額の確保が何よりも重要でありますから、先ほど申し上げましたけれども、政府主催全国知事会議でも安倍総理に対して、また野田総務大臣に対しても、私から強く要請をさせていただいて、安倍総理からは地方の一般財源総額について、2015年度の地方財政計画の水準を下回らないように適切に対応したいなどとの回答をいただきました。
平成30年度当初予算編成に向けて、県民の皆さんが未来に向けて夢や希望を持って、生き生きと働き暮らせる元気な富山県づくりに貢献できるように、しっかりと予算編成に取り組んでまいります。
次に、子育て支援、高齢者福祉施策などについての御質問にお答えをいたします。
まず、子育て支援についてですけれども、これまでも病児・病後児保育事業などの特別保育事業とか放課後児童クラブの充実、また子育て応援券の配布、第3子以降の保育料の原則無料化、これは一昨年踏み切ったときには全国で最初だったと思います、県レベルではですね、また、がんばる子育て家庭支援融資の実質無利子化など、さまざまな施策を実施しております。
さらに、県民の皆さんのニーズにマッチした今後の子育て支援施策を検討するために、本年度子育て家庭を対象にした意識調査を実施しておりまして、その結果も踏まえて子育て支援・少子化対策県民会議で議論をしていただいているところであります。
現在、国においても教育無償化などを柱とする人づくり革命の2兆円規模の新たな政策パッケージを打ち出されておりまして、具体的な内容は来月上旬に方向性が示されるということですけれども、ここで幼児教育・保育の無償化とか、保育の受け皿整備といったような方向が示されると伺っているわけで、こうした内容をもう少し具体的にしっかりと把握しつつ、この県民会議で報告書をまとめていただいて、何とか来年度の予算編成で子育て支援政策の充実について検討していきたいと思っております。
また、高齢者福祉につきましては、何といっても高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせる地域包括ケアシステムを構築するということが大切でありますから、第6期の介護保険事業支援計画に基づきまして、若いときからの健康づくりですとか、介護予防の強化、あるいは介護サービス基盤の充実、介護人材の育成確保などに取り組んでおります。
また、国では介護保険法を改正しまして、高齢者の自立支援と要介護状態の重度化防止等を推進しますなど、地域包括ケアシステムの強化を図るとされております。現在、市町村などの保険者機能の強化ですとか、介護報酬改定に向けた議論が進められております。
こうしたことを踏まえまして、第7期の介護保険事業支援計画の策定に向けて、市町村などの保険者が行う自立支援、重度化防止に向けた取り組みの促進等を重点項目としまして、県の社会福祉審議会で御議論いただいておりまして、これもぜひ来年度の予算編成に反映したいと思っているわけでございます。
現在、策定中の新たな総合計画でもこうした子育て支援、高齢者福祉政策につきましては、重点戦略に位置づけてしっかりと取り組んでまいります。
次に、国保の都道府県単位化についてお答えをいたします。
平成30年度からの国保の制度改正、よく御存じのことと思います。この制度改正に当たっては国に対し十分な財政支援を行うように、これは富山県としても、また全国知事会とも連携しまして働きかけてきたわけですけれども、平成27年度から新たに1,700億円が投入をされる、そして、低所得者対策の強化のための保険者支援制度というのが拡充されました。
さらに、これでは不十分だということで、全国知事会としても富山県としてもお願いをしまして、平成30年度からは制度改革による支援の拡充分として、さらに1,700億円が投入されることになりました。これは医療費適正化への支援とか財政調整機能の強化といったようなことが内容であります。
この10月下旬に国から示された仮係数に基づいて、平成30年度に市町村から県に納めていただく納付金について、国からの新たな財政支援も勘案して試算していきますと、平成30年度の推計値と平成28年度決算額で1人当たり納付金の変化を見ますと、激変緩和措置を十分講じた上で県全体として2年分の自然増を下回る水準となったところでありまして、制度変更に伴う影響、大きくあらわれていないというか、少なくともマイナスの方向であらわれていることはないと思っております。
なお、具体的に申しますと、県全体の医療費の伸びというのは大体毎年3%ぐらい伸びておりますので、本来、制度改正がなければ2年間で約6%増ということになりますけれども、納付金もしたがって6%程度伸びることになるわけですが、先ほど申し上げた、特に平成30年度からの1,700億円の公費の投入といったことを、それが拡充されたことなどによりまして、結果として1.5%増に抑えられているわけであります。
今後、12月末に国から診療報酬改定の影響などを反映した確定係数が示されまして、平成30年度の納付金が確定することになりますけれども、引き続き市町村とも連携して制度移行が円滑に進むように取り組んでまいります。
一方で、国民健康保険は議員の御指摘のとおり、年齢構成が高くて医療費水準が高い、また、所得水準が低くて保険料負担が重いなど構造的な課題が当面続くと考えられますので、40歳以上74歳以下を対象にした、例えば、糖尿病等の生活習慣病に対する健康診査ですとか、特定保健指導の実施率の向上、また、後発医薬品の使用促進など、医療費の適正化にしっかり取り組みますとともに、国保運営に必要な国による財政支援が着実になされますように、引き続き富山県としても、また全国知事会としても国に働きかけてまいります。
次に、高校再編についてお答えをいたします。
高校再編については、午前中も御質問いただいたわけですけれども、総合教育会議で議論を進めるに当たっては、これまでいただいた市町村や経済界等の有識者の方々の論点を整理しまして、また、2度にわたる各学区での
意見交換会でいただいた御意見、各団体からの御要望に加えて、議会での御議論や市町村要望などもいただいておりますので、そうした御意見、御提言も踏まえて多角的で丁寧な議論をしてきたつもりでございます。
基本は、やはり高校生の皆さんにとってどういう教育を受けることがその後の人生にとってよいのか、そのために県立高校は将来も見据えてどのような姿が望ましいのかということが基本、高等教育の充実の観点が基本で、また、あわせて地方創生の観点とか地域の特性を十分考慮、勘案するという姿勢でやってきたわけでございます。
具体的にはお話ししますと長くなりますけれども、前期再編の評価、再編についてどうもマイナスのイメージがお強いようですけれども、実際に例えば滑川高校の例でいいますと、有識者の方で御自身も滑川高校卒で息子さんも通っていらっしゃる、それについて、学校のイメージが格段によくなったと、また、生徒同士が学科の枠を超えて切磋琢磨する機会が増えているといったような、大変具体的な高い御評価を例えばいただいております。
他県での小規模校の存続状況とその理由とか、小規模校のメリットとか、県立高校の地域活性化などへの取り組み状況などについて調査を行って、その結果を踏まえて検討協議を行っております。
会議では、地理的な問題から小規模校を存続したり、全国公募を行っている県もあるけれども、本県とは地理的事情が異なるからそぐわない、他県の場合は、その高校を廃止しますと1時間以上近くの高校に通うといってもかかると。本県の場合はほとんど別の高校に二、三十分で通勤、通学が可能だといったようなこともございます。
また、小規模校にもメリットはありますけれども、学習環境を整える面でさまざまな制約もあることも事実でありまして、他方で望ましいとされる8学級から4学級の規模の学校に通いたいという希望が現に非常に多いわけで、各学区が小規模校だけになるのはやはり問題ではないかと、また、再編の議論を白紙に戻すということについては、むしろ
意見交換会等でも子供さんの数がどんどん減っているので早く再編の結論を出すべきだという御意見も少なからずいただいているわけでありまして、そうしたことも議論の対象と、考慮の重要な要素となったわけであります。
こうしたことから、9月に開催しました会議において、中学生の皆さんに、卒業予定者が大幅に減少することが見込まれる中ですから、幅広い選択肢を確保して本県の高校教育を充実するためには、県立高校の再編を進めるという基本方針を定めさせていただきました。
この基本方針に基づいて、現在、
県立高校教育振興会議で再編統合の対象校や具体的な実施時期などについて、検討を進めていただいております。
この会議では、丁寧に議論を進めるけれども、生徒数の急減などを踏まえ、できるだけ早期に結論を取りまとめる方向で進めるというふうに第1回会議でなされておりますけれども、今後も適切かつ丁寧に検討を進めていただきたいと思っております。
私は、やはり小規模校で再編対象として、検討の俎上に上がっているところを有していらっしゃる首長さんとか地域の皆さんのお気持ちは大変痛いほどわかるんですけれども、しかし、考えてみますと、お子さんの数がこれだけどんどん減っている。したがって、各市町村長さんも、例えばやむを得ず、例えば小中学校も平成8年から平成29年までの20年ほどで、県内で全部で51校減っております。それから公表されているものだけでも平成30年以降さらに10校減らすということになっています。
ですから私は、市町村長さん方、また、地域の皆さんも本当はよくわかっておられると思うんです。私もその気持ちは痛いほどわかります。しかし、何とか基本は時代を担う高校生にいかにいい教育を施してあげるかということでありますから、現に5学級、少なくとも6学級、7学級、そういうところへ行きたいと思っている子がたくさんいるのに、そのある学区では全部3学級しかないと、そういう選択肢がなかなかとれない、これは、ぜひ私は理解していただきたい、こういうふうに思っている次第でありまして、今後も誠意を持って、まずは、県民会議で議論していただき、最後は知事として、これはやっぱり当然責任を持って対応すべきことと思っております。
次に、県職員の働き方改革についてお答えをいたします。
県では定員の適正化に当たっては、単に部局一律に削減するのではなくて、県民への行政サービスの充実にも留意して、必要な分野にはむしろ増員しながら全体として定員の削減に取り組んでおりまして、めり張りのある定員管理により相当スリムで筋肉質な組織になったと思っております。
減らしたところだけを見ますと、一般行政では22.7%、この13年間で減ったんですけれども、一方で、例えば学校の教員の方は208人、警察官は118人、医師は36人、看護師は138人増やしているわけで、やはりどうしても必要だというところは増やして進めておりまして、全部門では8.7%の削減となっております。
一方で、ますます多様化、高度化する県民ニーズに適切に対応していきますためには、職員が資質や能力を最大限に発揮できる環境を整えて、行政サービスの質を高めていくことが不可欠でありまして、職員の心身の健康を保持するとともに、時間外勤務の縮減や多様で柔軟な働き方の支援などを含めた働き方改革を進めることが大切であります。
そこで県ではこれまで公務の能率的な執行を前提としつつ、定時退庁日の拡大、管理職員による組織マネジメントの徹底などに取り組みますとともに、今年度は県庁働き方改革推進チームを設置して、これは各部局次長で構成しておりますけれども、事務のスクラップ・アンド・ビルドの徹底、事務事業の見直しやICTの活用による事務執行の効率化、各所属で職員間で業務に隔たり、偏りがある場合の事務分担の見直しなどの適切な事務処理体制づくり、また、管理職を初めとした職員の意識改革等の徹底を確認しまして推進しておりますほか、30年度当初予算の要求基準を例年より1カ月早く発表しまして、予算編成業務を平準化するなどの取り組みを行っております。
なお、休日に行事等が多いために時間外勤務の増加が見込まれる所属につきましては、ことしの4月から増員しました。例えば、観光振興室と文化振興課はどうしても土日の事業が多いものですから、各1名ずつ増員しておりますし、また、今年度上半期の時間外勤務が多い所属、私も毎月人事課に行って各所属別の時間外の数字をいつも確認しておるわけで、これはやっぱり大変だなということでこの10月にも幾つかの所属についてはそれぞれ職員を増員する、例えば来年4月に採用予定者の中で対応可能な人を前倒しで採用するとか、そういった工夫をさせていただいております。
職員の皆さんが持てる能力を最大限に発揮して、県民の皆さんの期待に応える成果をお届けするには、何よりも職員がやはり健康であることが重要であります。
今後も時間外勤務の縮減、仕事と子育てや介護を両立しやすい環境づくり、こういったことに努めてまいります。
次に、介護施設整備や介護従事員確保について御質問にお答えいたします。
介護施設整備については、第6期介護保険事業支援計画に基づいて、定員29人以下の小規模な地域密着型特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホームなどの地域密着型介護サービス基盤の整備を支援してまいりました。その結果、特別養護老人ホームでは442床、認知症高齢者グループホームでは495床が計画期間中に整備される見込みとなっております。
今後の施設整備目標ですけれども、現在、策定中の第7期介護保険事業支援計画におきまして定めることとなります。その際、多くの県民の皆さんが介護を必要とすることになっても住みなれた地域で暮らしたいと考えていらっしゃること、また、計画のガイドラインであります国の基本指針でも、住みなれた地域において継続して日常生活を営むことができるように、支援体制の整備を図ることとされておりますので、通いとか訪問、宿泊を柔軟に組み合わせております小規模多機能型居宅介護ですとか、もちろんこれまで進めてきた地域密着型特別養護老人ホームや、認知症高齢者グループホームの整備なんかもありますけれども、在宅介護、医療の充実のために今言ったようなことを進めるなど、複合的なサービスを柔軟に提供できるサービス基盤を一層充実させていきたいと思っております。
また、介護保険法の改正が先般ありまして、来年4月から介護医療院という新しい制度が創設されますけれども、現在、国において療養病床棟からそちらのほうに転換する場合の支援策が検討されておりますので、この国からの支援策が示されれば一層お話がしやすくなりますので、転換が円滑に進むように適切に対処してまいります。
次に基金を活用した介護従事者の確保ですけれども、これまで若者などへの介護の魅力のPRとしまして、中高生への出前講座とか高校生等に対する福祉職場の体験などに取り組みますとともに、就労支援として健康・福祉人財センターにおけるマッチングですとか、潜在介護福祉士の再就業促進など、職場定着や職場環境の改善として、新任職員の合同入職式や、また、頑張っていらっしゃる中堅職員、雇用環境を改善する事業所の表彰などを実施しております。
その結果、最近5年で県内の介護職員は約3,500人増加しております。ただ、介護職員の方については今後10年間で試算しますとさらに約5,000人確保する必要がありますので、若者を初め多くの方が就業されて長く働いていただけるように、介護への理解促進や就業支援、処遇改善を初めとする職員の離職防止などにしっかり取り組んでいきたいと思っております。
今後も国へ、基金等の財源確保ですとか、地域の事情を踏まえた弾力的な運用について働きかけますとともに、介護の仕事が、必ずしもやっぱり報われないといったようなイメージがあるんですけれども、やはり重要で魅力があり、やりがいがあると、こういったことを御理解いただいて、介護が必要な方に対して必要なサービスが提供されるように介護基盤整備や従事者確保にしっかり取り組んでまいります。
次に、医療機関の機能分化・連携についてであります。
県としましては基金等を活用して医療機関の機能分化・連携、また在宅医療の推進、医療従事者の確保の3つの事業区分のもとに、地域医療の維持充実に向けた取り組みを進めております。
そのうち医療機関の機能分化・連携ですけれども、回復期病床が今後2,000床弱程度不足することが見込まれるために、急性期病床などから回復期病床への転換を促しており、急性期病床は平成26年の6,121床が28年には5,010床と減少します一方、回復期病床は平成26年の769床が28年には1,334床に増加しますなど、おおむね順調に転換をいたしております。
また、慢性期病床の一部から介護施設や高齢者住宅を含めた在宅医療等への移行につきましては、国に対して慢性期病床の転換先となります介護保険施設の新たな施設類型の創設などについて要望してまいりましたところ、ことし5月の介護保険法の改正で、さきに申し上げました新たな介護保険施設として介護医療院という制度がつくられました。現在、国で介護報酬や施設基準、転換支援策について検討されております。
本県においては、こうしたふうに医療機関の機能分化や連携が着実に進んでおります。どうも全国的には必ずしもそうでもないようですけれども、このことについてはこの間、加藤厚生労働大臣にも御報告したところでありますが、基金については御指摘のとおり、地域医療介護総合確保基金、3つの事業区分で柔軟な調整ができない。それで、医療機関の機能分化・連携のほうはまだ余裕があって、在宅医療、医療技術者の確保のほうは、ほとんど財源の余裕がないといったような状況になっております。そこでこうした点については、全国知事会の意見として、富山県の意見も反映させていただいて、国に対して基金の弾力的な運用と十分な財源確保について提言しました。さらに、先ほど申し上げたように加藤厚生労働大臣に直接、今月お目にかかりまして、富山県ではこの医療機関の機能分化・連携、回復期病床の確保、むしろ非常に順調にいってきているので、ぜひ、むしろ在宅医療の推進とか医療従事者の確保のほうに弾力的に財源を活用できるようにしてほしいということも直接お願いしたところでございます。
今後も地域医療の医療需要や各医療機関の状況をしっかり把握しながら、基金を活用した医療機関の機能分化・連携などを推進しまして、将来にわたって持続可能で効率的で質の高い医療体系の構築に努めてまいります。
次に、公共交通についてお答えをいたします。
県では、バス交通が持続可能なものとなりますように補助制度の見直しを進めておりまして、今年度は国との協調補助を拡充して、市町村とともにバス路線の維持確保に取り組みやすい仕組みといたしました。この補助の活用に当たっては、利便性を高める方向でバス路線を見直すことが必要でありますので、市町村が行うバス路線見直しのための調査等へ県単独の補助金も出して強化しているわけでございます。
さらに、富山県として地域交通活性化推進会議というのを設けておりますが、そこに小委員会を設置して、持続可能なバス路線ということで補助制度の見直しを検討しておりまして、来年度バス事業者や市町村の利用促進の取り組みを推進する補助制度を創設すること、また、取り組みの結果、収支率の目標を上回れば、バス事業者が行う事業に補助を若干上乗せするといったような、市町村の取り組みを評価する仕組みの導入、こういったことについて検討したいと考えております。
また、利用促進のためには利便性の向上を図ることも重要であります。これまでもバス停の上屋整備や、パーク・アンド・ライドの駐車場整備、低床バスの購入等を支援してまいりました。さらに今年度、交通機関相互の乗り継ぎ利便性の向上に向けまして、交通事業者の連携による乗り継ぎ時間の短縮、また、インターネット検索サイトを活用した県内の全公共交通機関の乗り継ぎ情報の提供、また、バスを安心して待てますように公営バスと民営バスをあわせたバスの位置情報システム等についても、議論を検討しているところであります。
今後もバス事業者や市町と連携しまして、持続可能なバス路線となりますように努力してまいります。
最後に、北陸新幹線についてお答えをいたします。
冬の臨時ダイヤにおいて、新高岡駅に臨時停車しておりました毎日1往復のかがやきの運行が見直されたことについては、大変残念に思っております。
他方で、これまで高岡市を初め、県西部6市で新高岡駅の利用促進に取り組んで、また、県としてもこうした取り組みを支援をしてきましたことや、また、県や高岡市を初め県西部6市や関係者、国会の先生方も含めて、JRや国に強く働きかけていただいたこともあって、新高岡駅の利用実績が残念ながら大幅に増加しない状況下で、土曜日の朝の上り、日曜日の夜の下り、年末年始や3連休期間も運行しますということになったことは、地元の熱意を踏まえて一定の配慮がなされたものと受けとめております。
また、先般、JR西日本からの提案によりまして、新高岡商品開発プロジェクト、新高岡駅を起点とした新たな旅行商品の開発、これを進めるプロジェクトが発足しましたので、JR西日本を初め、県や高岡市、多くの旅行会社が連携して一体となって、県西部の観光資源の掘り起こしや一層の魅力向上が図られまして、例えば、飛騨高山あるいは能登への広域観光拠点としての新高岡駅のポテンシャルを高める、こういったことが可能になると考えております。
JR西日本においては、かがやきの停車駅について、かがやきの持つ速達性が発揮されますように、利用者数や駅の置かれている状況など、利用者の利便性を考慮して設定しているということであります。
こうしたことを踏まえますと、定期便「かがやき」のうち朝夕1往復を富山駅ではなく新高岡駅に停車してはどうかという御提案については、お気持ちはわからないでもないんですけれども、やはり富山駅の利用者の利便性を損なって、金沢駅や長野駅と並ぶ北陸新幹線の基幹駅としての富山駅の拠点性を弱めることにつながる懸念がありますので、県全体としては必ずしも得策ではないと、むしろやはりそれはそれで富山駅はしっかりと毎回とまるようにしてもらいながら、いかに新高岡駅に停車してもらうようにするかということに全力を傾けるべきものと思っております。
今後も観光振興や誘客対策等の取り組みを一層進めて、乗降客の確保拡充に努める、そして、何とか新高岡駅での臨時列車の増便、停車が実現するように、さらにJRや国に対して高岡市やまた県議の皆さん、国会の先生方もお力添えいただいて、努力してまいりたいと思います。
以上であります。
29 ◯議長(稗苗清吉君)前田厚生部長。
〔厚生部長前田彰久君登壇〕
30 ◯厚生部長(前田彰久君)初めに、国民健康保険制度改正に伴います市町村との協議状況についてお答えをいたします。
平成30年度からの国民健康保険制度改正の円滑な実施に向けまして、これまで市町村の担当課長、担当者と、課長さん方に対しては7回、担当者の皆様とは11回ほど協議を重ねるとともに、学識経験者や医療関係者等が参画いたします国民健康保険運営協議会におきまして、市町村が県へ納付いただく納付金の算定に当たっての基本的な考え方や、保険料水準など国保運営に関する重要事項等について議論しておりまして、去る11月20日には市町村との協議を十分踏まえました国民健康保険運営方針の答申案が取りまとめられたところでございます。
この運営方針案におきまして、市町村からの納付金は市町村ごとの年齢調整後の医療費水準を反映することや、市町村の所得水準に応じた負担とすること、また、現時点では県内統一の保険料水準とはいたしませんが、今後、保険料水準の統一を目指して検討することとしております。
市町村の保険料については、納付金から市町村ごとに異なります保健事業費や保険者努力支援制度等の公費を加減算することや、さらに市町村ごとの所得でございますとか、被保険者数の変動等の将来推計を見きわめた上で各市町村で決定されることとなりますが、県としても適正な保険料水準となるよう助言をしてまいりたいと考えております。
保険料水準の統一につきましては、現在、市町村の医療費水準や保険料水準等に差異がございまして、保険料水準の統一に伴う保険料の負担の変動に御理解をいただく必要があることや、医療費の増加の抑制に熱心に取り組んでおられる市町村のインセンティブをどう確保していくかなど、解決すべき課題も多いということはございますが、仮に統一をいたしますと同じ所得、同じ世帯構成であれば県内のどこにお住まいであっても同じ保険料となりますことから、公平な負担となりまして、県民にとってもよりわかりやすい制度となるものと考えておりまして、今後、市町村とも十分協議をしてまいりたいと考えております。
次に、介護職員等の処遇改善に係る御質問についてお答えをいたします。
介護報酬の処遇改善加算につきましては、昨年度までに2度加算の充実が行われました。その結果、県内の約8割の事業所がこれらの加算を取得しまして、実績として1人当たり月額平均約3万円の改善が図られております。
さらに、本年4月には臨時に介護報酬改定が行われまして、新たに1人当たり月額平均1万円相当の加算が創設されております。
県では、事業所に対する説明会の開催等、加算の周知に努めますとともに、加算の要件となります賃金体系等のキャリアパスが未整備で加算を取得しておられない小規模な事業所等に対しまして、社会保険労務士を派遣しまして、キャリアパスの整備支援を強化しているところでございます。
今後ともより多くの事業所が処遇改善加算を取得できるよう、キャリアパスの整備を支援するとともに、介護職員の賃金水準は他職種の賃金水準と比較をいたしますと依然として低い状況にあることから、介護現場の実態を踏まえました加算の充実がさらに図られますよう国に働きかけてまいりたいと考えております。
なお、介護職員以外の職員は処遇改善加算の対象外となっておりますけれども、国の介護従事者処遇状況等調査によりますと、ケアマネジャーや事務職員等の平均給与額は平成28年度でいずれも介護職員を上回っているということもございますし、かつ、前年より増額となっているということもございますので、一定の処遇改善はなされているものと承知をしております。
終わりに地域医療構想の医療計画への反映についてお答えをいたします。
今年度、策定作業を進めております新たな医療計画では、がんなどの5疾病、救急医療などの5事業や、居宅等における医療の確保の目標、また、医療連携体制や医療従事者の確保に関する事項などを定めることとなりますが、本年3月に策定いたしました地域医療構想は医療法上、医療計画の一部として位置づけられていることから、構想で示しました2025年を見据えた持続可能な効率的で質の高い医療提供体制を実現するための要素について、医療計画の改定に当たりまして、各医療圏の地域医療推進対策協議会と地域医療構想調整会議を合同で開催することによって、議論を重ねているところでございます。
具体的な検討事項といたしましては、病院の医療機能分化・連携の観点からは、新川、富山、高岡医療圏の課題としまして、急性期等から回復期機能病床への転換の促進でありますとか、全圏域の課題といたしまして、脳卒中の回復期診療データを収集分析いたしました効果的なリハビリ医療の提供でありますとか、急性期と回復期医療等との連携の促進、また、病院と診療所の連携の観点でまいりますと、新川、高岡、砺波医療圏の課題としては、かかりつけ医を支援いたします地域医療支援病院の整備促進というものもございます。
さらに医療従事者の確保養成の観点からは、全医療圏の課題といたしまして、不足します小児科や産婦人科、救急科などの診療科の医師を確保するために、富山大学附属病院での寄附講座によります医療需要の調査分析でございますとか、特定診療科医師の派遣調整、あるいは県立大学看護学部の設置などによります医療の高度化や在宅医療等に対応できます質の高い看護職員の確保養成などが挙げられると考えております。
なお、構想に示しました2025年の必要病床数でございますが、これは医療介護関係者や住民の方など医療需要の変化の状況を共有いたしまして、目指すべき医療提供体制の実現に向けて検討を行う基礎となるものと考えておりまして、機械的に当てはまるものではないと考えております。
今後、来月開催いたします医療圏ごとの会議でありますとか、県全体の医療審議会などにおきまして、さらに幅広く御意見もいただきながら、地域医療構想を十分踏まえました患者本位の良質かつ適切な医療提供体制の確保の実現に向けて、新たな医療計画を策定してまいります。
31 ◯議長(稗苗清吉君)渋谷教育長。
〔教育長渋谷克人君登壇〕
32 ◯教育長(渋谷克人君)高校再編に関する
意見交換会についての御質問にお答えいたします。
去る9月7日の総合教育会議で定められました県立高校再編の基本方針に基づき、今月6日から16日まで、県内4学区で第3回の
意見交換会を開催いたしました。
意見交換会では、県立高校再編の基本方針や方針決定に至る議論の概要、そして、第1回
県立高校教育振興会議の議論の概要を御説明した上で、幅広い県民の方々から御意見や御要望をお聞きしまして、できるだけ御理解が得られますように努めてまいりました。
この
意見交換会には、合わせて443名の方々に御参加いただき、高校再編に積極的な御意見や慎重な御意見を初め、再編統合校を選定する際に留意すべきこと、再編を進める際に配慮すべきことなどについて、176名の方々から御発言や書面で御意見をいただきました。第1回と第2回の
意見交換会でいただきました554名の方々の御意見を含め、いずれも貴重な御意見として受けとめさせていただいておりまして、改めて御参加いただきました方々にお礼を申し上げます。
いただいた御意見につきましては、次回の
県立高校教育振興会議に報告することとしておりまして、あわせて関係の方々と意見を交換した上で、再編統合の対象校や具体的な実施時期などについて協議していただくこととしております。
以上です。
33 ◯議長(稗苗清吉君)滝経営管理部長。
〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕
34 ◯経営管理部長(滝 陽介君)私からは3問お答えいたします。
まず子育て世代の職員に対する支援についてお答えをいたします。
県ではこれまでも職員の子育てを支援するため、男性職員の育児参加休暇や育児短時間勤務などの制度の創設等を進めてきたところでございますが、近年、採用職員数が増加をしていることに伴いまして、今後、子育て世代の職員が増加していくと見込まれていることを踏まえますと、子育てと仕事を両立できる環境の充実を通して、議員御指摘のように職員が能力を最大限に発揮し、多様化、高度化する県民ニーズに適切に対応していくことは大変重要であると考えております。
このため、平成27年度から育児等を行う職員を対象とした早出遅出勤務制度の導入や、在宅型テレワーク制度の試行を開始いたしましたほか、平成28年1月から男性の育児参加休暇を従来の5日から8日に拡大するなど、柔軟な働き方を支援しております。
また、これらの制度を利用しやすい職場環境をつくる上で、管理職のマネジメントも大変重要であるとの観点から、平成28年度からは所属長代理の必修研修として、働きやすい職場づくり促進研修を実施しております。
また、今年度新たに県庁働き方改革推進チームを設置して、時間外勤務の縮減を初めとする働き方改革の取り組みを推進、検討しておるところでございます。
引き続き、職員が仕事と子育てを両立できる環境づくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、労働契約法改正に伴います県の外郭団体の対応についてお答えをいたします。
平成24年8月に労働契約法が改正をされまして、同一の使用者との間で有期労働契約が通算で5年を超えて反復更新された場合には、労働者側の申し込みによりまして無期労働契約に転換できるように制度が改められたところでございます。
このため、いわゆる県の外郭団体におきましても対応が求められますことから、県では富山労働局から講師を招きまして、外郭団体等を対象といたしました無期転換ルールに関する説明会を開催いたしまして、この無期雇用への転換の手法を初め就業規則に新たに規定すべき内容など使用者側が留意すべき事項等につきまして、富山労働局の側から説明をいただきました。このほか各部局の連絡課を通じまして、県の外郭団体に対しましては、改めてこの無期転換ルールの導入につきまして改正法の趣旨を踏まえ適切な対応に努めるように注意喚起を行うなど、制度の周知を図っているところでございます。
なお、外郭団体におきます有期労働契約者の実態についてでございますが、県が25%以上出資をする団体であります36団体を対象にことしの10月現在で調査いたしましたところ、有期労働契約者は約750名でありまして、うち来年4月以降も雇用を継続することにより、いわゆるこの無期転換申込権が発生する人数は約160名となっております。
外郭団体におきましては、今後、具体的な検討を行っていただくことになりますが、県としては必要に応じて法の趣旨を踏まえた助言等を行い、また、各団体における検討状況の把握等に努めてまいりたいと考えております。
次に、県の臨時非常勤職員への対応についてお答えをいたします。
財政状況が非常に厳しい中、増大する行政需要に対応するため、本県を含めまして全国の各地方公共団体において臨時・非常勤職員数が増加をしてございます。
こうした中、本年5月に
地方公務員法及び地方自治法が改正をされまして、特別職の任用や臨時的任用につきましてより限定的に位置づけますとともに、新たに会計年度任用職員の制度を設けまして、その採用方法や服務規律との明確化、期末手当の支給を可能とする規定の整備等が行われ、これらにつきましては平成32年4月から施行されることとなっております。
本県では現在、特殊性のある業務や民間において担うことが可能な業務等におきましては、正規職員を補助するため必要な場合に臨時・非常勤職員を雇用しておりますけれども、この臨時・非常勤職員制度の運用につきましては改正法の趣旨に沿って見直しを図る必要があると考えております。
このため、県では今年度、各所属の所属長代理を対象といたしまして、会計年度任用職員制度の移行に係る説明会を開催いたしましたほか、御指摘がありましたように、現在、県で雇用している臨時・非常勤職員の業務内容でありますとか、勤務条件等の把握を目的とした実態調査を現在行っているところでございます。
来年度以降は実態調査の結果や他の地方公共団体の動向等を踏まえまして、改正法の趣旨に沿って会計年度任用職員として任用することとなる職員の規模等とあわせ、任用、勤務条件等の確定及び条例、規則等の検討等を行いまして、平成31年度には平成32年度から雇用することになります会計年度任用職員の募集を開始したいと考えております。
以上でございます。
35 ◯議長(稗苗清吉君)
伍嶋商工労働部長。
〔商工労働部長伍嶋二美男君登壇〕
36 ◯商工労働部長(伍嶋二美男君)無期転換ルールに関する質問についてお答えをいたします。
無期転換ルールは労働者の雇い止どめの不安の解消などを図ることを目的といたしまして、来年4月から制度が適用されるということになったところでありまして、この導入に当たりましては、まず使用者側といたしましては、中長期的な人事戦略やあるいは人材活用を念頭に置いた、いわゆる人事制度の構築を図ることが求められております。また、就業規則などの関係諸規程の整備、こういったことにも時間を要するということになりますので早急な対応を行う必要があります。
このため、厚生労働省ではホームページに専門のポータルサイトを立ち上げまして、制度の概要や事例の紹介、また、支援策などの情報を掲載しておりますほか、別にパンフレットを作成配布いたしまして周知徹底が図られているところであります。
また、富山労働局では企業と団体を対象といたしました制度の説明会を開催いたしますとともに、労働者及び使用者を対象とした無期転換ルール特別相談窓口を設置しまして、広く相談対応がなされております。
県におきましても、無期転換ルールの周知や導入を促進するため、富山労働局と連携いたしまして、業界団体等に対して共同要請を行うとともに、県が発行いたします広報誌である労働とやまに制度の概要を掲載したほか、県の労働雇用課内に設置しております労働相談ダイヤルにおきまして、労働者からのさまざまな相談に応じているところであります。
県としましては、来年4月からの無期転換ルールが円滑に導入され、労働者が安心して働き続けることができるよう、今後とも労働局など関係機関と連携しながら、労働者並びに使用者に対して積極的な周知や啓発活動に取り組んでまいります。
以上でございます。
37 ◯議長(稗苗清吉君)蔵堀観光・交通・
地域振興局長。
〔観光・交通・
地域振興局長蔵堀祐一君登壇〕
38 ◯観光・交通・
地域振興局長(蔵堀祐一君)まず、最初に、交通空白地の対策、それとコミュニティバスやデマンドバスに対する支援に関する御質問にお答えをいたします。
交通空白地とは、一般的には駅やバス停から一定の距離を超えた地域を指しておりますけれども、地域によりましてこの一定の距離の捉え方に幅がございますことから、全国共通の基準はなく、市町村が地域の実情に応じて定義をしておりまして、富山県内では6つの市と町がそれぞれ定義をいたしているところでございます。
こうした交通空白地域の解消に向けまして、舟橋村を除きます14の市と町におきまして地域公共交通会議が設置をされております。
この地域公共交通会議におきましては、ニーズ調査などを実施いたしまして、バス運行ルートについて関係者で協議の上、地域の実情に応じまして路線バスやデマンドバス・タクシーの運行、それから、ニーズ調査や運行ルートの見直しなどに取り組まれているところでございます。
県といたしましても、こうした市町の地域公共交通会議に参画いたしまして、必要な助言などを行いますとともに、必要な生活路線バスの維持を図りますため、民営路線バスや市町村やNPOが運行いたしますコミュニティバスの運行に伴います欠損補助を行っておりますが、これに加え、さらに交通空白地へのコミュニティバスなどの導入に向けた現況調査、それから利用者の利便性の向上のためのデマンド交通の実証運行などに対して支援を行ってきているところでございます。
特に今年度からはデマンド交通につきましては、初期費用への補助率を引き上げましたほか、コミュニティバスから転換した場合には5年間の運行費についても支援をすることとしたところでございます。
また、先ほど知事からも答弁いたしましたとおり、市町村が行いますバス路線見直しのための調査などについても支援を強化したところでございます。
今後とも、市町村やバス事業者と連携いたしまして、公共交通の空白地域の解消に向けて取り組んでまいります。
次に、城端氷見線間のアクセスの改善や老朽化対策に関する御質問にお答えをいたします。
城端線、氷見線は、県西部を南北に連絡をいたしておりまして、合計で1日平均約1万人の方が利用されている重要な路線であると認識をいたしております。
城端線、氷見線の活性化につきましては、これまでも沿線4市、JR西日本などで構成されます城端・氷見線活性化推進協議会に県も参画をいたしまして、助言や必要な支援を行ってまいりました。
城端・氷見線活性化推進協議会が平成28年度に策定をいたしました城端線・氷見線沿線地域公共交通網形成計画では、城端線、氷見線の課題といたしまして、城端線、氷見線間のアクセスの改善、北陸新幹線との乗り継ぎの改善、車両やレールの老朽化などを挙げておられまして、そうした課題に対応するため、新幹線開業後の運行本数増便の検討ですとか、城端・氷見線の直通化に向けた検討などに取り組むこととされたところでございます。
このため、城端・氷見線活性化推進協議会では今年度も引き続きまして、新幹線新高岡駅からの利便性向上や沿線住民の利便性向上のため、城端線の増便試行に取り組まれますとともに、城端・氷見線の直通化について、ことし6月に開催されました同協議会で概算事業費、それから運行ダイヤの検討結果を公表されたところでございます。今後、これらを踏まえた費用対効果、BバイCの検証などを行っていくこととされております。
また、車両やレールの更新につきましては安全性確保を最優先に、これまでもJR西日本に対して計画的、優先的に更新されるよう要望してきているところでございます。
一方で城端・氷見線につきましては、あいの風とやま鉄道などとの利便性向上にも配慮する必要がありますことから、29年度では春のダイヤ改正におきまして高岡着18時台のあいの風とやま鉄道線の泊発高岡行きから氷見線の高岡発氷見行きに円滑に乗り換えができるよう調整するといった改善が行われたところでもございます。
県といたしましては、今後とも沿線4市と連携いたしまして、城端線、氷見線の利便性が確保され、車両やレールの老朽化対策についても適切に実施されるようJR西日本に対して働きかけてまいります。
以上でございます。
39 ◯議長(稗苗清吉君)井加田まり君。
〔14番井加田まり君登壇〕
40 ◯14番(井加田まり君)高校再編と県職員の働き方改革の2点について、知事に再答弁を求めます。
まず1点目の高校再編に関して、丁寧な説明の中には現在の対象校への絞り方、数合わせの再編方針そのものに理解が得られていないのではないかということを、とりわけ、その中でも小規模校切り捨てに地域の反発の声が強いということを私なりに丁寧に申し上げたつもりでございます。
将来に禍根を残さないよう現在の対象校に固執をせず、県全体で地域合意を踏まえて丁寧に進めていただきたいと考えるものでありますけど、知事の再答弁を求めます。
次に、働き方改革についてであります。
人員の適正化の努力については承知をいたしております。しかし、結果として昨年より増えている時間外労働の多さが問題であると申し上げているわけであります。
実効ある働き方改革に向けて長時間労働撲滅宣言、知事みずから宣言されてはどうかということを申し上げさせていただきました。知事みずからの改革姿勢を内外に明らかにしてはどうかということについて、再答弁を求めるものであります。
41 ◯議長(稗苗清吉君)石井知事。
〔知事石井隆一君登壇〕
42 ◯知事(石井隆一君)お答えをいたします。
まず、高校再編についてですけれども、これまでも3年以上かけて随分と丁寧に議論してきたと思います。小規模校の切り捨てというお話がありましたけれども、私は小規模校を切り捨てるという考えではなくて、やっぱり小規模校が、今議論していただいているわけですけれども、いずれにしても再編が避けられないとして、新たな
再編対象校と、またその統合されるところで新しい、また高校生の皆さんにとって望ましい教育機会を提供できる新たな高校に生まれ変わるんだというふうに考えておりまして、切り捨てという考えは毛頭ございません。むしろ生徒たちのために、ぜひこれは必要なことだということで努力してまいりたい。また、そのことについては地元の首長さん初め、教育関係者の皆さん、多くの皆さんに御理解いただけるように教育委員会とともに努力をしてまいります。
それから、働き方改革、時間外をできるだけ減らしたいと私も思っているわけで、今、女性活躍とかいろんなことでイクボス宣言などもしております。
私自身がまた職員とともに、できるだけ時間外が少なくなって、仕事の繁閑というのがある程度ありますから、全くゼロにするとかというのは必要ないと思いますけれども、適正なものになるように今後とも職員とともに努力してまいります。
43 ◯議長(稗苗清吉君)以上で井加田まり君の質問は終了いたしました。
以上をもって会派代表による質問、質疑を終了いたします。
報 告
44 ◯議長(稗苗清吉君)次に、予算特別委員会の構成について御報告いたします。
委員長山本徹君、副委員長武田慎一君、理事澤谷清君、藤井裕久君、火爪弘子君、中川忠昭君、委員島村進君、酒井立志君、川島国君、山崎宗良君、薮田栄治君、笠井和広君、吉田勉君、平木柳太郎君、永森直人君、瘧師富士夫君、宮本光明君、高野行雄君、大野久芳君、鹿熊正一君、以上のとおりであります。
45 ◯議長(稗苗清吉君)次に、お諮りいたします。
議案調査のため、明11月30日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
46 ◯議長(稗苗清吉君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
以上で本日の日程は終了いたしました。
次回の本会議は12月1日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後2時35分散会
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