• "号入善黒部バイパス"(/)
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  1. 富山県議会 2017-11-01
    平成29年11月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                     午前10時00分開会 山本委員長 ただいまから本日の予算特別委員会を開会いたします。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        瘧師富士夫委員の質疑及び答弁 2 山本委員長 瘧師委員。あなたの持ち時間は60分であります。 3 瘧師委員 皆さんおはようございます。本日最初の質問者となりました自民党の瘧師でございます。どうぞよろしくお願いします。  「富富富」のブランド化戦略についてであります。  今定例会では何回も取り上げられておりまして、ちょっと食傷ぎみの感はありますが、しばらくおつき合いいただきたいと思います。  ことし春に、新品種の名称が9,000を超える公募作の中から「富富富」が選ばれ、発表されました。その第一報を聞いたときに、これはなかなかインパクトのある斬新な名称だなということで、言葉として言うにはちょっと言いづらいのですけれども、非常におもしろいなと思いました。改めて選考された方々のセンスに感服した次第でございます。  食べた後ににっこりほほ笑んで、幸せな気分になる様子を表現したものということでありますけれども、私にとりましては、私の名前の字が3回も続けて使われておりますので、それだけで幸せな気分になった次第でございまして、できれば安売りしてほしくないなということで……。そんなことできょう質問するわけではございません。  それといいますのも、先月、自民党農林水産部会でブランド米の先進地であります山形県に視察したときの印象が強く残っているからであります。山形県農林水産部県産米ブランド推進課を訪ね、そこで平成22年にデビューしました「つや姫」のブランド化戦略について伺ったところ、その取り組みはオール山形での大変計画的な取り組みでありました。デビュー前からデビュー後にかけて、現在は第4期目のブランド化戦略に入っておられるそうでありますが、目標を明確に示し、徹底した品質管理とたゆまぬ販売戦略によりまして、市場での「つや姫」の価格は、現在も安定的な価格を維持しております。「つや姫」が米どころ山形全体を牽引している。そんな印象を強く感じたわけであります。  ことし、県内23カ所で生産された「富富富」は、各種イベントなどでの試食会や限定販売がされまして、その人気はもう上々であります。私も試食会に参加させていただき、確かにおいしいと実感した一人であります。  専門的な分析においても、食味、品質ともにコシヒカリを上回り、栽培においては高温に強く倒れにくい、平均単収もコシヒカリとほぼ同じということでありまして、改めて新品種の開発に尽力されました関係各位に拍手を送りたいと思います。  あとは、生産や販売のマネジメントをどうしていくかであります。本格デビューの平成30年産の作付準備に当たりまして、県内4地区で生産者説明会が行われました。ことし取り組まれた土壌などの生産条件に応じた実証栽培の結果、県内全域が栽培適地と認められたのかどうか、芝田農林水産部長に伺います。 4 芝田農林水産部長 「富富富」につきましては、来年秋の本格デビューに向けまして、今年度は「富富富」の特性を最大限に発揮する栽培技術を確立するため、県内23カ所で実証栽培を行いました。  実証圃の選定に当たりましては、県内に分布する土壌を網羅するよう、砂が多く肥料もちが悪い砂壌土、粘土が多く肥料もちがよい粘質土の地域などを幅広く対象とするとともに、実際に稲の生育や栽培管理の状況をできるだけ多くの生産者や指導者に知っていただくため、全てのJAの管内で栽培が行われるように設置したところでございます。  この実証栽培の結果、品質につきましては、比較対照としたコシヒカリに比べまして、玄米が白く濁る白未熟粒の発生が極めて少なく、平均で10%程度整粒歩合が高くなることとあわせまして、低いほど食味がよいとされます玄米たんぱく含有率も低い結果が得られました。また収量についてはコシヒカリとほぼ同程度となったところでございます。  これらの傾向は、砂壌土や粘質土などいずれの土壌条件でもおおむね同様でして、また平野部でも、中山間地域でもほぼ同様でございましたので、県内全域で高品質、良食味の安定した収量が確保できると考えまして、県内全域を対象として来年度の生産者を募集しているところでございます。
    5 瘧師委員 今ほどの話によりますと、県内全域が適地であるということでありますが、山形県の「つや姫」の場合はどうかといいますと、生産者は登録制ということで、栽培方法も特別栽培、有機栽培に限ると。それで、品質を高く維持するために栽培地を限定しているのです。約4,700ヘクタールであります。恐らくすんなりとそういう形に決まったわけではないと思いますけれども、ブランドの価値を生産者に理解していただいたということでありますので、生産者を説得できる、それだけの理念、ビジョンがあったのかなと思います。  そこで、「富富富」についても生産者を登録制にして今後も作付を進めていかれるということでありますが、農業法人協会の皆さんとの意見交換会の席では、コシヒカリにかわるブランド米として売り出すならば、県民みんなが食べられる分がないと、ブランド米として県内で浸透しないのではないかという農業法人の方からの意見がございました。  県民においしく食べてもらい、新品種を認識してもらうための県内消費の分を含め、ブランド米として全国に売り出すということであれば、ある程度の量は必要だと考えますが、平成30年産の種子を最大1,000ヘクタール分とされた根拠について農林水産部長に伺います。 6 芝田農林水産部長 「富富富」の平成30年産用の種子につきましては、新たな取り組みにチャレンジする生産者の作付意欲にできるだけ応えられるように最大限の増殖を行い、最大1,000ヘクタール分の作付に対応できる種子を準備したものでございます。  具体的には、昨年度、富山米新品種の候補とする3系統から1系統に絞りまして、農業研究所におきましてその原種である3キログラムの種子をもとに、500キログラムの種子を生産いたしました。この500キログラムと申しますのは、10アールの圃場で生産される最大量でございます。  今年度、その500キログラムのうち、23カ所の技術実証圃用として230キログラムを使い、原種の維持と試験研究用に60キログラムを仕向けました。そうしたことから、残りの210キログラムを平成30年産一般栽培用の種子の生産に充てたところでございます。  この210キログラムの種子を種子場におきまして最大限に増殖して生産された30トンの種子が、平成30年産でいっております最大1,000ヘクタール分に相当するものでございまして、簡単に言いますと、もともとあった原種3キログラムから最大限増殖をして、必要なもの、その分を除いて最大の増殖をした結果が1,000ヘクタール分ということでございます。  なお、近年の他県における新品種デビュー時の栽培面積を見ますと、当初から大規模な面積で作付を開始せずに、栽培基準等に基づく高品質な生産の徹底を優先して、評価を得ながら徐々に拡大を図ろうとしている例も多いところでございます。大体100ヘクタールから500ヘクタール程度というのが多くなっていると認識しております。  そういったことを考えますと、「富富富」の平成30年産用の最大1,000ヘクタール分の種子は、デビュー年としては十分な量を確保しているのではないかと考えております。 7 瘧師委員 次に、価格をコシヒカリよりも高く設定して、「富富富」を本県を代表するブランド米として送り出す方針でございますが、市場では既にブランド力を浸透させたライバルが待ち受けています。  ことし全国で生産された銘柄は753点。その中で高価格米として有名な銘柄と言えば、「魚沼産コシヒカリ」、「ゆめぴりか」、そして先ほどから言っております山形の「つや姫」などが思い浮かぶところであり、それらが市場を占めまして飽和状態だという見方もありますが、現在の高価格米の市場の状況をどのように認識されておられるのか。また他県の新品種ラッシュにより産地間競争が激化する中で、「富富富」を国内米市場においてどういう位置づけをされるのか、農林水産部長に伺います。 8 芝田農林水産部長 主食用米の需要量が毎年8万トン全国で減少する中、食の外部化ですとか簡素化の進展などによりまして、中食、外食用の業務用米が供給不足となっております。その一方で、比較的高価格帯の米の仕向け先となります家庭用につきましたは、新品種の相次ぐデビューなどによりまして、産地間競争が大変激しくなっていると認識しております。  本県におきましては、こうした多様なニーズに応えられるよう、県産米の品ぞろえの充実を図っておりまして、業務用需要には本県育成の「てんたかく」や「てんこもり」を中心に対応しております。一方、「富富富」につきましては、高品質でおいしく、安全・安心という特徴を生かしまして、富山米のトップブランドとして位置づけ、全国的にも高い評価を得ている県産コシヒカリをさらに上回る価格帯での流通、販売を目指しております。  全国の主要産地で相次いでデビューしている新品種、例えば新潟県の「新之助」、あるいは福井県の「いちほまれ」といったものなども、その多くが高価格帯を志向しておりまして、「富富富」はこれらとの産地間競争に打ち勝っていく必要があります。  このため、栽培出荷基準の設定と生産者登録制度の導入、栽培技術のブラッシュアップ、特別栽培米の導入などの生産戦略をさらに進めますとともに、現在実施している専門家や一般消費者等に対する食味アンケート調査などをもとに「富富富」の魅力をしっかりとアピールする販売戦略を構築しまして、その上で高価格米市場の勢力図を塗りかえるぐらいの気構えで取り組んでまいりたいと考えております。 9 瘧師委員 今ほどの高価格米や新品種間の競争に勝ち抜くということでありますが、そのためには際立ったブランド化が必要であります。  くどいようですが、山形県は、10年の歳月をかけて開発した「つや姫」のブランド化戦略を──平成22年にデビューしたのですが、平成19年にブランド化戦略会議を設立、平成20年にブランド化戦略実施本部を設立し、知事をトップにオール山形によるブランド化戦略を構築しております。目標を日本一おいしい米として全国の消費者に評価されるブランド米と掲げまして、商品コンセプトも示して、これからも生産戦略、販売戦略、コミュニケーション戦略の3本柱でさらなるブランド化を目指すということでありました。  そして驚いたことは、来年さらに新品種をデビューさせる取り組みでありました。ターゲットユーザーを子育て世代やファミリー層に置いて、しっかりとした粒感と粘りの新触感をアピールポイントとした新品種「雪若丸」をデビューさせ、米どころ山形のさらなる評価獲得を目指すというものであります。その道のりは決して平たんではなかったと思いますが、そこには現状維持をよしとせず、生き残りをかけ攻めよう、挑戦しようという姿勢が見えてまいります。  このように、ブランド力を築いていく活動をブランディングといいますが、本県においても「富富富」という高品質で食味のよい銘柄を特定のユーザーに価値あるものと認識させる、市場でのポジショニングを築いていくブランディングを進めていかなくてはいけないと思います。  現在は、富山米新品種戦略推進会議で意見集約されておられるようですが、今後はより大胆に、挑戦的にブランディングを進める実務的なチームを組織する必要があると考えますが、石井知事の所見を伺います。 10 石井知事 本県では、「富富富」の生産、販売戦略や効果的なデビュー方策を検討しますために、ことし1月に富山米の生産、販売にかかわる団体や、県内外の米の流通、料理、デザインに関する専門家の方から成る富山米新品種戦略推進会議を設置したところであります。メンバーは御承知のとおり、推進会議の会長には中央会の伊藤会長になっていただき、また全農とか県農業会議等々、県の部長を含めて関係者が皆入っておりますし、また専門家の中には日本でもトップクラスの神明の室長さんとか、料理人として著名な中村さんとか、コピーライターでこれも全国トップクラスの岡本さんとか、そうそうたるメンバーに入っていただいておりまして、そして「富富富」を初めとする農産物等の戦略的販路拡大を推進するため、今年度4月、新たに農林水産部に市場戦略推進班を設置して、組織と人員体制の強化を図ったところであります。  本県においても、山形県の「つや姫」のケースなどを参考にして、知事をトップとする実務的なチームを組織して取り組むべきという御提案ですけれども、既に本県では、今申し上げた富山米新品種戦略推進会議をつくり、そのもとに生産、流通、販売にかかわる各種団体や県の実務責任者で構成する幹事会を設置して、推進会議で審議いただいた戦略等について詳細な調査検討を行って、オール富山の体制で推進することにしております。だからといって別に私がただ眺めているわけではなくて、節目節目にこの推進会議にも出席しておりますし、また「富富富」は大変高い御評価をいただきましたけれども、そうかといって皆が皆あれでいいということになったわけではなくて、いろいろな議論がある中で決断もしているわけでございます。  ことし6月の推進会議において、平成29年産米は技術実証圃での生産に限られるので、食味等の評価を冷静に分析して、生産者要件や取引要件等をきちんと定めるべきだという御意見もいただいたことも踏まえまして、幹事会においてはイベント等での試食、販売計画や、生産者登録にかかる栽培基準や出荷基準についても実務的な検討を行う。この委員会でもお話ししましたが、農薬の使用量が通常に比べ3割減、化学肥料の施用量がコシヒカリに比べ2割減、また検査等級は1等米に限定する、玄米水分は14.1から15%にするといったことをきめ細かく定めまして、食味評価の収集分析や生産者の募集といったことに反映いたしております。  推進会議には今後も私自身が極力出席しまして、またその内容について職員ともしっかり議論をする。また中央会の伊藤さんを初め関係の皆さんが並々ならぬ熱意を持って取り組んでいらっしゃいますので、ここは県と農業界、また全国のこの分野のトップレベルの皆さんとしっかりスクラムを組んで、委員の御期待に沿うべくチャレンジ精神を持って頑張ってまいります。 11 瘧師委員 しっかりとお願いしたいと思っております。  次に、企業のほうでは、みずからのブランドを社内で浸透させるインナーブランディングという啓蒙活動を行うことで、社内でブランドの価値観を共有し、従業員の意識や行動をブランドの方向と合わせていこうという試みがあります。ブランド構築を成功させるためには、外向けのブランド構築だけではなく、内向きのブランド構築が不可欠とされることからであります。  インナーブランディングは、農産食品のブランディングを進める自治体においても必要なことだと考えます。生産者はもとより、食材として扱う旅館や飲食店への浸透であります。先月の山形県視察中の宿泊先では、ひなびた旅館ではありましたが、食事が提供された際に、明らかに「つや姫」を意識した従業員のおもてなしを受けまして、改めてオール山形により山形全体に浸透されていると感じました。  本県においても、「富富富」を扱う全ての関係団体に浸透させる取り組みが必要だと考えますが、どのように取り組んでいかれるのか農林水産部長に伺います。 12 芝田農林水産部長 「富富富」を富山米を代表するブランド米として育成していくためには、まずは、やはり県内の生産者や流通関係者、実需者にその魅力を実感していただくことが大切でございます。  このため、生産者に対しましては、高温登熟下でも白未熟粒が発生しにくい、草丈が短く倒伏しにくい、いもち病に強いなど、栽培しやすい特徴を理解していただくことが重要ですので、これまでも品種の特性や栽培、出荷基準について、ブロック別やJAごとの説明会、あるいは農業法人等との意見交換の場などを活用しまして、丁寧に説明を行ってきたところでございます。引き続き、来年2月開催予定の登録生産者に対する栽培研修会など、いろいろな機会を捉えまして、しっかりと説明してまいりたいと考えております。  また、米卸や米穀小売店などの流通関係者に対しましては、計画的な販売に取り組めるように、生産状況や作柄、供給量等につきまして速やかに情報提供するとともに、「富富富」の取り扱い事業者の輪が広がっていきますように、例えばホームページで取り扱い事業者を紹介するなど、工夫してまいりたいと考えております。  さらに、ホテルや旅館などの宿泊施設や飲食店等に対しましては、食材として積極的に使用していただけるよう、食味の特徴や最適な用途、上手な炊き方などを記載しましたパンフレットを作成しますとともに、富山の食材を積極的に使用する協力店、例えば美味しい富山米の店といったものがございますので、そことの連携した取り組みも進めてまいりたいと考えております。  こうした県内の事業者の方々の多くには、既に試食用のサンプルも送付しておりますけれども、今後とも富山米新品種戦略推進会議で御意見もいただきながら、県内事業者に「富富富」のブランド価値が浸透して、お店で取り扱っていただけるように努力をしてまいりたいと考えております。 13 瘧師委員 私の家は農家でありますので、お店でお米を買うことは今まではございませんでした。おなかがすけば、コシヒカリであろうが「てんたかく」であろうが何でもおいしいなというほうでございます。恐らくお店で売っているお米にしても、価格に何倍も差があるわけではございませんし、また同じような高品質で食味のよいものが並んでいると思っております。なかなか今の時代は、商品やサービスそれ自体で差別化しにくい時代になったと言えます。  それでは、消費者は何となく適当にお店や商品を選んでいるかといえばそうでもないわけです。何が最も自分を満足させてくれるのか、そこに焦点を置いてお店や商品を選んでおります。  その満足感とは、お店や商品にまつわる全ての要素が対象になる。商品そのものに関する要素だけではなく、商品につけられたロゴマーク、商品を入れる紙袋、店員さんの接客態度や商品にまつわるストーリー、その商品をひいきにしている有名人、また信頼感や安心感など直接目に見えないものをひっくるめた満足感を求めているわけであります。この満足感こそがブランド力であり、ブランドという付加価値を提供できる商品がライバルと差別化でき、消費者から選ばれると考えます。  他銘柄との差別化を図り、「富富富」のブランディングを進めるに当たり、富山米新品種推進会議でもいろいろと委員から御意見が出ているようでございますが、この際リスクを冒したくないという保守的な発想を捨てて、将来の飛躍に種をまくという大胆な発想で投資を行う販売戦略が必要と考えますが、来年秋の本格デビューに向けたブランディングスケジュールをどのように設定し、取り組んでいかれるのか石井知事に伺います。 14 石井知事 「富富富」が、おっしゃるように産地間競争が激化する中で、富山県を代表するブランド米として他県の新品種との差別化を図って、県内はもちろんですが、全国の消費者等から高い評価を得ていきますためには、高い品質を確保する生産戦略──これは生産者登録制による栽培基準等の遵守や、ブランドの確立に適した生産量の確保といったことがありますけれども、こうしたことに加えて、消費者などにその魅力をしっかりアピールする販売戦略が大切と思います。おっしゃるとおりであります。  来年秋の本格デビューに向けまして、現在、専門家や一般消費者に対する食味アンケート調査を実施しております。技術実証圃で生産された米について、流通関係者や料理人、お米マイスターなど約2,600人の専門家の方に御意見を伺っている。また一般消費者についても、既に11月末現在で2,600名ぐらいの方からこの食味アンケート調査の回答をいただきまして、「富富富」を食べたときの第一印象とか、あなたはお米を選ぶときに何をポイントにしますかとか、また甘み、香り、うまみ、粘り等の食味についての評価をお尋ねしておりまして、今後その結果を分析しまして、セールスポイントの明確化とか、販売ターゲット、エリアの具体化、商品ストーリーの作成など、しっかりとした販売戦略を構築することにしております。  例えば、女性や食の安全性にこだわる子育て世代向けには、何といっても農薬や肥料の使用量が少なくて済む、安全・安心だといったことをしっかりアピールしたいと思います。また、こだわりやおいしければ少々高くても買うといった方の絶対数が多い、首都圏などを考えますと、やはり甘み、うまみ、香り、喉越しがよいといったところをしっかりアピールしなくてはいけない。また商品ストーリーという意味では、瘧師委員もそうでいらっしゃいますけれども、富山の豊かで清らかな水と肥沃な大地、また農業に熱意を持った富山県人がつくったお米であるといったことをしっかりアピールしたいと思います。  その際には、先ほどの富山米新品種戦略推進会議でも議論いただく。また話題性に富んで「富富富」の魅力を印象づけられるような効果的な戦略を工夫してまいります。  来年度に向けては、現在、来年度予算の編成の中で検討を始めつつありますけれども、ロゴ、キャッチコピーの発表は何とか来年の2月ごろをめどにしたいと思っております。また、そうしたことで消費者等に「富富富」をしっかり印象づけました上で、新年度に入りましたら、販売店、商業施設、マスコミ等でのPRキャラバン、多様なメディア媒体を活用した積極的なPRを行ってまいります。  また、来年秋の本格販売開始に当たりましては、富山、東京などで記念イベントの開催を行いまして、日本橋とやま館とも連携しながら、PR効果の高い販売促進活動などさまざまなプロモーションを実施し、「富富富」のブランディングを図ってまいります。  大胆にやれというお話もありました。委員からのそうした激励もしっかり受けとめて頑張ってまいります。 15 瘧師委員 ぜひ、知事のトップセールスも大いにしていただきたいと思っております。  今ほど、「富富富」を首都圏、東京にアピールするということでありますが、そういうときに首都圏の消費者として一番関心を持っていただけるのは、多分本県出身者ではないかと予想するわけであります。「富富富」のネーミング自体が富山県を意識しているところもございますので。  山口県の旭酒造という酒造会社がございます。ここは、世界に発信している日本酒のブランド「獺祭」というものを売り出しているわけですが、有名なお酒でございます。もともと酒どころでなかった山口県内では、地名度も低くてほとんど知られていなかったわけですが、東京で売り出しましたら、東京の山口県出身者の口コミをきっかけに広まり、年間売上100億円を超えるまでに伸びたという話は結構有名な話であります。  このように、県外在住の県出身者に「富富富」への愛着を深めてもらうことで、県外での認知度が向上するきっかけになることを期待するものであります。県外在住の県出身者に対してどのようにPRしていかれるのか、農林水産部長に伺います。 16 芝田農林水産部長 「富富富」の県外での認知度の向上を図る上で、県外在住の県出身者など、富山県に愛着のある方々に「富富富」の魅力を実感いただき、口コミなどで知人、友人等に広めていただくことは大変効果的な取り組みであると考えております。  このため、今年度は「富富富」の新米を本県出身者やゆかりのある著名人等に送付をしますとともに、東京富山県人会連合会や近畿富山県人会の総会、さらにはとやまファン倶楽部におきましても「富富富」を紹介いたしまして試食いただいたところでございます。このほか、県人会の広報誌などにおきましてもPRしたところでございます。  また、今月には富山県出身の首都圏若者ネットワークであるacoicoが開催するイベントで「富富富」の試食を行う予定にしておりまして、SNSでの拡散などが期待できると考えております。このほか、富山県ゆかりの省庁関係者などが集います懇談会も今月開催予定でございますので、そういったさまざまな機会を活用して、県外在住の県出身者等に対するPRに努めることとしております。  来年秋には「富富富」が本格デビューいたしますが、引き続き県人会を初めとする県内外の富山ファンの方を対象に試食会を開催するなど、実際に食べていただく機会の提供に努めるとともに、PRイベントの開催予定や、「富富富」を扱う販売店、料理店に関する情報の提供などを行う予定にしておりまして、県外での認知度をさらに高めるよう努力してまいります。 17 瘧師委員 しっかりとお願いしたいと思います。  このブランド化戦略の最後の質問ですが、稲作中心の本県農業にとりまして、平成30年産米からの米政策の見直しは、生産農家の経営に若干の影響を与えることは否めないところであります。  米の消費が減少する中、本県の米政策については、従来からの主力銘柄であるコシヒカリや「てんたかく」、「てんこもり」といった銘柄、また先ほどからも話があったように、今後需要が見込める業務用米など幅広く取り組んでいくべきでありますが、インパクトを与えるという意味で、ブランド米「富富富」は本県農業の救世主になるのではないか。代表質問でも提案されましたが、目標をしっかり定めて、将来構想を明らかにすることが本県農業全体の士気を高めることにつながると考えます。  今後、生産者と十分に共有化を図りつつ、中長期的なブランド化戦略をしっかり立てていく必要があると考えますが、石井知事の所見を伺います。 18 石井知事 委員お話のように、平成30年産からの米政策の見直しなど、農業は大きな転機を迎えておりますから、そうした中で「富富富」を富山県の食をリードするブランドとしてぜひ育成していきたい。  そのためには、「富富富」が消費者と生産者の双方にメリットのあるプレミアム感を創出して、コシヒカリを上回る価格帯での流通、販売を目指すことが重要でありまして、来年秋の本格デビューに向けて、コシヒカリを超える高い品質、食味を確保しますために、先ほども申し上げました栽培基準や出荷基準などの要件を満たした生産体制とするための生産者登録制による栽培基準等の遵守とか、また出荷団体への一元管理、品質にばらつきのある「富富富」が流通しないように、当面はそうした一元管理が大事かと思います。また食味評価等に基づく販売戦略も構築してまいります。  また、当面3年程度、「富富富」の評価が定着するまで、ブランドの確立を優先しながら生産量を確保しますとともに、品質の高位安定化とか付加価値向上のための栽培技術のブラッシュアップを進めたいと考えております。  また、中長期的には、例えば富山米の主力品種でありますコシヒカリは、温暖化の進行の中で暑さに弱いという課題があり、品質が低下していく懸念もありますため、こうしたコシヒカリから全面的に切りかえていくといったこともあり得ると思いますし、また「富富富」とコシヒカリともに富山米ブランドとして両立させる工夫をするとか──これは成熟期が近いので乾燥調製施設のすみ分けもうまく考えなければいけませんが。  また、土壌条件や気象条件でより良食味が期待できる栽培地での作付ですとか、また特別栽培や有機栽培──化学肥料や化学農薬の使用を通常の栽培方式に比べて50%以上削減する特別栽培、また全く化学肥料や化学農薬を使用しない有機栽培などにも絞り込んで、さらなる高価格帯を狙うといった方向も考えられます。  いずれにしても、こうした方法を検討しますには、来年の本格デビュー以降の「富富富」の評価ですとか、またコシヒカリが全国的な需要動向の中でどういう評価になるか、これを十分見きわめながら検討を進めたいと思います。  いずれにしても、お話のように「富富富」をうまくブランディングできるかどうかは、富山県農業の今後に大きな影響を与えることと思いますから、生産者の皆さんに丁寧な説明に努めるとともに、そうした皆様の御意見も十分にお聞きし、また専門家の御意見も伺いながら、戦略推進会議でも議論いただき、当面だけではなくて、中長期のしっかりした戦略を持って進めてまいりたいと思います。 19 瘧師委員 よろしくお願いしたいと思います。  よく地区を回っていますと、やはり「富富富」に対する農家の期待は大変高い。ただ、実際自分のところでつくれるのかどうかという不安があって、二の足を踏んでいる状況もございますし、何となく将来が見通せれば、生産者も非常に快く生産に入るのではないか、そんなことを思います。  次に、教員の働き方改革について、何点かを質問します。  先日、富山県PTA連合会の会員大会が開催されました。私がアドバイザーとして出席しておりました第4分科会では、現役教員を交えたパネルディスカッションを企画しており、そこでは部活動指導などによる教員の長時間労働についての議論が集中したところでありまして、改めて今どきの話題なのだなと認識したところであります。  国が本腰を入れて取り組まれている働き方改革の行方が注目される中で、文部科学省が公表した教員勤務実態調査により、教員の多忙化が数字の上でも明らかにされました。過労死ラインを超えた教員は、小学校教諭で33.5%、中学校では57.7%になっています。  このままいけば、教員の多忙感による心身の不調や意欲の減退から、教育の質の低下を招くことは非常に確実ではないか。教員に対する憧れの感情も薄れ、次代を担う学生たちは教職につきたいとは思わなくなって、優秀な人材が確保できなくなるのではないかというおそれもございます。  現に、最近の富山県教員採用試験の受験生は年々減少しており、その要因として、教育長からは募集枠の拡大があったり、民間の求人が増えたというお話もございましたが、一方では教員のそのブラックなイメージが学生を敬遠させている面もあるのではないかと思います。  教員の働き方改革は、まさに待ったなしというところでございます。本県では、これまでも小学校専科教員やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、あるいはスポーツエキスパートなど、外部人材の活用や教員業務の見直しを図って時間の縮減に努めてこられましたが、まだはっきりと目に見える成果としては明らかになっていないという感じもいたします。  教員の多忙化という課題は以前からあったわけでありますが、その実態が何かこうはっきりしない、うやむやであったような感じがします。まず学校長や教育委員会の管理職の方々自体に、教員の勤務時間把握についての意識が低かったのではないかと思います。  そこで、中央教育審議会の緊急提言にありますように、業務改善を進めていく上でまず必要なことは、教員の毎日の勤務時間を把握することであり、自己申告ではなく、タイムカードなどで客観的に把握する必要があると考えますが、渋谷教育長に所見を伺います。 20 渋谷教育長 教員の勤務実態につきましては、これまで各学校において、管理職が日々の観察や面談などにより適切に把握しまして、勤務が長時間に及ぶ教員への助言や業務改善に努めてまいりましたが、本年3月に文部科学省から、教職員の健康管理対策を推進するため、教職員の勤務時間を適正に把握するよう要請がありました。  このため教育委員会では、この9月から県立学校において、パソコンを活用しながら教員の自己申告方式で出退勤時間を継続的に把握しておりまして、教員1人当たりの1カ月間の平均時間外勤務時間数は、9月が69.9時間、10月が53.9時間となっておりますし、また時間外勤務の業務内容としましては授業準備が最も多く、次いで部活動、生徒指導となっております。こうした勤務実態を踏まえまして、各学校では管理職が面談などを通して原因を把握し、勤務が長時間に及ぶ教員への助言や業務改善に努めております。  御指摘のとおり、タイムカードなどで毎日の勤務時間を客観的に把握することは重要なことと考えておりますが、各学校の管理職の指導のもと、教員の業務改善を進めていくためには、勤務時間の適格な把握とあわせ、時間外勤務の業務内容を把握することも必要なことだと考えております。  このため、まずはこの9月から実施しております取り組みの定着に努め、その上で御提案の客観的な勤務時間把握について検討してまいります。 21 瘧師委員 教員の本来の務めは、子供に学力をつけ、よき社会人として成長させることでありまして、授業や生徒指導に専念することが第一義でありますが、教員ならではの仕事とは言いがたい業務を多く抱え込んでいる。また授業そのものに求められることが多くなってきており、総合的な学習の時間の創設を初め、教科としての道徳や英語、またそれに加えてふるさと教育、キャリア教育と、あれもやれこれもやれと議会でもよく提案している私たちは、ちょっと言い過ぎたのかな、それを現場で実践する教員の皆さんは、たまったものではないという感じもあるのではないかと思います。教員の在勤時間が増加した背景や原因を挙げましたら枚挙にいとまがない。  そのような中で、学校サイドの工夫により減らせるものがあると思います。例えば学校に留守番電話を配備する。またお盆休み期間中に教職員は誰も出勤しない日を設けるなどであります。  このように、現場の工夫により今すぐにできる働き方改革の取り組みを進めるべきと考えますが、本県ではどのように取り組んでおられるのか教育長に伺います。 22 渋谷教育長 本県では、平成17年度から県と市町村の教育委員会や小、中、高校の校長、職員団体の代表者から成る、とやま学校多忙化解消推進会議を毎年3回開催しまして、会議での協議結果を踏まえ、多忙化解消に向けた取り組みを進めております。  この取り組みの一環として、平成27年度に県内の全学校に対してアンケートを実施しまして、各学校から報告された多忙化解消の取り組みを項目ごとに分類しまして、とやま学校多忙化解消の知恵袋として取りまとめ、県内の全学校に配付しております。  この知恵袋には、文章、統計処理の合理化やICT化による改善事例として、成績一覧表や通知表、指導要録などの一体的なOA化を市内で統一した取り組みや、会議、研修などの改善事例として、会議資料の事前配付によりまして会議を改善した取り組みなど、学校現場の工夫で直ちに実行できることを示し、多忙化解消の取り組みが広がるよう努めております。  御指摘の留守番電話の配備につきましては、県内では2自治体において検討されておりますし、またお盆休み期間中の学校閉庁日の設定につきましては7自治体で実施済みでありまして、6自治体が実施に向けて検討を進めているとのことであります。  教育委員会としましては、引き続き学校現場の工夫で直ちに実行できる取り組みの収集と周知に努め、教員の働き方改革に取り組んでまいります。 23 瘧師委員 次に、部活動のことについて伺います。心身ともに飛躍的に成長する中学校時代において、部活動は体位、体力の向上を促すことはもとより、指導者、先輩、同僚、後輩の人間関係を築き、ともに喜びを分かち合い、社会に出て必要な礼儀、マナーを身につける場でもあります。  人間形成になくてはならない重要な学校生活の一部ではありますが、一方では勝利至上主義に走り、行き過ぎた練習時間が教員の長時間勤務の一因となっていることも事実であります。限られた時間内で最大限に効果が上がる練習となるように、活動内容を切りかえたり、活動時間を抑え、適度な休養日を確保するなど、ガイドラインを定めるべきと考えますが、教育長の所見を伺います。 24 渋谷教育長 本県では、平成12年度から毎年、市町村教育委員会に部活動に適切な休養日を設けるよう要請しておりまして、平成28年度において休養日を設定しております中学校の割合は86.7%で、全国平均の78.0%を上回っております。  また、平成26年度には最新の科学的な指導方法を取り入れ、効果的な練習となるよう活動内容を見直し、適切な休養日と練習時間の設定を心がけることなどを盛り込んだ、県独自のガイドラインを作成しまして、各学校を指導しております。  こうした中、スポーツ庁では本年7月に実施しました運動部活動に関する実態調査結果も踏まえ、今年度中に適切な練習時間や休養日の設定などを示した、運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン──仮称ですがこうしたガイドラインを取りまとめる予定とのことでありますので、本県におきましても国のガイドラインを踏まえながら、現在のガイドラインを改定することとしております。  ガイドラインの改定に当たりましては、御提案の限られた時間内で最大限に効果的な練習となるような活動内容の見直しや、適度な休養日の確保も含めて検討しまして、今後とも各学校において適切に運動部活動が運営されますよう努めてまいります。 25 瘧師委員 部活動指導にやりがいを持って取り組んでおられる教員も数多くいらっしゃいますが、一方で、経験もなく学んでもいないことを指導することに精神的な負担を抱えているケースもあります。そこで、本県では教員の補助として技術指導ができるスポーツエキスパートの登録を増やして一定の成果を上げられています。  国のほうでは、部活動指導員も学校教育法に基づき学校職員として位置づけ、法令上の立場を明確にしました。これにより指導員が部活動の顧問を務め、大会などに引率できることも可能にするものであります。スポーツエキスパートの皆さん全てが、国の定める部活動指導員に当たるかどうかは疑問の余地はありますが、もしそうなれば、間違いなく教員の負担は軽減されると考えます。  部活動指導員制度導入後の今後のスポーツエキスパートの位置づけについて、教育長に伺います。 26 渋谷教育長 本県では、平成13年度から、地域の専門的な実技指導力を有する方々をスポーツエキスパートとして中学校と高校に派遣しまして、教員の指導をサポートいただいております。このスポーツエキスパートは年々拡大しておりまして、昨年度は希望する全ての中学校と高校119校に610名を派遣しておりまして、1校当たりの派遣人数は中部圏内で最も高い水準となっております。  こうした中、本年春に教員の部活動指導の負担を軽減するため、地域のスポーツ指導員などを学校の職員に位置づけ、実技指導や大会、練習試合の引率などを行う部活動指導員が制度化されています。  この部活動指導員につきましては、これまでも県議会におきまして、議員の先生方から、部活動は教育の一環であり、教員が主となって行うべきであるなど導入に慎重な御意見をいただく一方で、配置を急ぎ、引率の負担解消に取り組むべきなど、さまざまな御意見をいただいております。  このため、教育委員会では、この春から関係課から成るプロジェクトチームを設置しまして、関係者、関係団体の皆さんの御意見を幅広く伺い、現在いただいた御意見の論点を整理しながら検討を進めているところであります。  教育委員会としましては、この制度が教員の多忙化解消を目指したものであることや、関係の方々の御意見が多様であることを踏まえながら、委員御指摘の今後のスポーツエキスパートの位置づけも含めまして検討を進め、いずれの方々にも喜んでいただけるものとなりますように努めてまいります。 27 瘧師委員 先ほどからの教員の勤務時間の実態を把握するということ、それと学校の在勤時間を意識した取り組みが進んでいけば、具体的な数値目標を示すことが可能になるのではないかと思います。
     長野県教育委員会では先月、教員の時間外勤務時間を、年間を通し月45時間以下とするとともに、繁忙期には80時間以下とする指針を発表しました。またより細かい数値目標として、45時間以下の学校数を段階的、計画的に増やしていこうというものであります。  本県においても具体的な数値目標を掲げ、勤務時間の縮減を目指す取り組みが必要と考えますが、教育長の所見を伺います。 28 渋谷教育長 教員の勤務時間の縮減に向け、勤務時間に関する具体的な数値目標を掲げることは大切なことであります。こうした中、国では、中央教育審議会に学校における働き方改革特別部会が設置されまして、学校における働き方改革に関する総合的な方策についての検討が進められておりまして、先般示されました中間まとめ案では、文部科学省は公立学校の教員の長時間勤務の改善に向け、勤務時間に関する数値で示した上限の目安を含むガイドラインを早急に検討して示すべきとされております。  文部科学省からは、今後成案となる中間まとめを受け、ガイドライン策定などの検討が進められる方向と聞いておりますので、教育委員会としましては、国の動向を踏まえ、また委員から御紹介いただきました他県の事例なども調査研究しながら、勤務時間に関する具体的な数値目標の設定につきまして検討してまいります。 29 瘧師委員 働き方改革、特に教員の働き方改革においては、よく出てくるのが教員の増員ということだろうと思いますけれども、ただ教員を増やしても、教員が増えたのだから、またもっとあれもやれ、これもやれということになると、これでは成果は薄いということになりまして、やはりいろいろな意味で意識改革が必要ではないかと思います。  それで、教員の働き方改革を進める上で忘れてはならない視点は、教員を楽にすることではなくて、子供の教育をいかに充実させるかであります。すなわち教員が子供と向き合う時間を取り戻し、以前のように魅力ある職業として受け入れられる環境づくりであります。  そのためには、まず学校現場や教員自身の意識改革も必要であります。長い間PTAにかかわって、学校に通うことが多い私がいつも感じることは、学校や教員は保護者や住民のいろいろな要請に対して、それはできませんとはっきりと断れずに、子供のためということで引き受けて何でも抱え込んでしまう。またこれまで取り組んできたことを変えたり、あるいはスクラップしたりすることにも消極的な印象があります。身を粉にして一生懸命働いておられる姿は大変尊いのですが、そこまでしなくてもいいのではないかという場面も多々あるわけであります。  このような学校の保守的なこれまでの慣例にとらわれず、効率的に物事を実施するよう意識改革が必要だと考えますが、所見を伺います。 30 渋谷教育長 先ほど申し上げました、とやま学校多忙化解消の知恵袋には、保護者や地域の方々とのかかわりや、これまでの取り組みを見直した事例も掲載されております。  具体的には、学校行事の管理の一部を保護者の方々にお願いしたり、PTAや町内会などに要望して、週休日の行事を削減するなどの取り組みが行われておりますので、こうした事例を県内の全学校に紹介しまして、慣習にとらわれず、取り組みを見直すよう教員の意識改革にも努めております。  こうした中、今ほど申し上げました中間取りまとめ案では、教員の意識改革の必要性も示されております。  教育委員会としましては、引き続きこれまでの取り組みを見直した事例の収集とその周知に努めますとともに、中間まとめ案の指摘も踏まえながら、研修の場などを通しまして、管理職を初め教員の意識改革に取り組んでまいります。 31 瘧師委員 もう一方では、教員や学校を取り巻く周囲の意識改革も必要ではないかと思います。結構さまざまな団体が、企画する行事に子供たちを参加させようということで、学校へ依頼に来られます。そうした場合、その行事に参加するとき、結局は先生が引率されるケースがあったりするわけです。  例えば砺波市においては、毎年出初式に少年消防クラブといいまして、小学生に参加してもらって、分列行進の隊列に加わってもらったりしておりますが、来年1月の出初式には、もう教員の方は引率しなくてもいいと、集合から解散まで全て消防団が面倒を見ますと──私が砺波市消防団長でございますが、そんなふうにやっております。  そういったように、保護者や地域住民から、何でも学校や教員に要請しないなど、教員に対する社会のまなざしを変えていくべきと考えますが、石井知事の所見を伺います。 32 石井知事 委員がお話しのように、以前は、学校の先生は夏休みなどを優雅にとれてうらやましいなという時代もあったと思うのです。そういう時代には、例えば学校の先生が夏休みに八尾の下の茗温泉に何人かの子供を連れていってくれて、一緒にキャンプをやったりとか、そういうよさもあったと思います。  ただ、お話を聞きますと、やはり非常に多忙化が進んでいまして、また地域で、住民の皆さんが自ら主体となって対応すべきことでも、つい学校の先生に参加を呼びかけるといったこともあると思います。  もちろん、そういう地域と学校、家庭の連携も大事ですけれども、しかし、あまり極端に多忙化しまして、教育に情熱や志を持って頑張ろうという教員の方の足をむしろ引っ張るような面が出てきてはいけませんので、そうした点にも十分配慮しながら、これを県の教育委員会、また市町村の教育委員会とも十分相談しまして、しっかり対応していきたいと思います。 33 山本委員長 瘧師委員の質疑は以上で終了しました。        山崎宗良委員の質疑及び答弁 34 山本委員長 山崎委員。あなたの持ち時間は60分であります。 35 山崎委員 おはようございます。国の経済は、今年7月から9月期において、生活実感に近い実質GDPで2.1%増、額にして2.5兆円となり順調に推移していますが、物価動向を示すGDPデフレーターは前年比横ばい、前期比は約3ポイントのマイナス傾向にあり、デフレ状態を脱した状態とは言えない状況であります。  知事の提案理由説明では、平成30年度予算編成において、地方交付税削減が見込まれ予断を許さない状態であり、マイナスシーリング設定とされています。人もお金も都市部に集中し、地方においては活力を見出そうにも、構造的な問題のためシャッター街や過疎化が進行しています。  このような構造転換が必要なときこそ、積極的な財政政策が必要です。元来、経済とは経世済民の略語であり、世を治め、民を救うという意味であります。国民や県民を安寧な方向に導くのが経済だと理解をしています。  余談になりますが、12月7日、魚津東部中学校で財務省の出前授業が行われたのがテレビに出ていました。財務省はホームページなどでも家計簿と国の財政を同じ扱いにしており、通貨発行など経済のイロハを生徒に伝えないまま授業を行ったとみられ、生徒たちに、高齢者の年金を削って子育てに充てるなどといった、いかがなものかと思われる内容のコメントを結果的にさせていました。間違った教育は国の根幹を揺るがします。これについても大変危惧しています。  本来であれば、財政目標からプライマリーバランスを外し、より積極的な地方創生戦略が展開されるべきだと考えます。我が県においては、このような厳しい状況の中においてもさらに税収が増えるように、県民が未来に夢を持ち、生き生きと暮らせるように、効果的な経済対策が必要と考えます。  しかし、我が国はこれまでおよそ四半世紀にわたり財政緊縮政策が行われ、いわゆる右肩下がりしか経験していない若者世代が存在し、若者が夢を描きにくい状況にあると言えます。私たちが未来を託す若者たちが夢を描きにくい状態であっては、我が県の未来も危ぶまれます。  私たちの未来を担う若者が夢を描いて生き生きと生きていくためには、まずは日ごろから夢を思い描き、夢を語り合う環境づくりが大切と考えます。今回の質問は、この夢をサブタイトルに展開してまいりたいと思います。  そこで最初に、私の所属する自民党政調会の福祉環境部会では、10月にフィンランドとノルウェーに視察に行ってきました。北欧の高福祉とエネルギー政策を学んできました。驚いたのは、シングルマザーが子供を産み、たとえ家族がいなくても、公共の手助けによって働きながら子育てをすることができ、大学にも進学させることができる。立派に育て上げることができる環境が整っているということであります。  これだけでもびっくりすることでございますけれども、それでも、その状況でも、出生率は1.5とおっしゃいました。これは富山県とほぼ変わりがないという状況であります。この理由を尋ねますと、景気が悪いからですとお答えになりました。この5年間、景気が悪くて、みんなが積極的に子供を産むということにはなっていないという説明を受けてまいりました。  高福祉の北欧で、出生率を上げる最大の要因は経済だということが裏づけられまして、やはり経済対策が一番重要という意を強くして帰ってまいりました。  また、ノルウェーでは、国の発電量の98%を水力発電で賄っていると聞き、実際に発電所を見学してまいりました。これにも大きなショックを受けてまいりました。ノルウェーのフィヨルド、深い谷が数ある地形がこれを可能にしています。  私たちの富山県も、大変山が豊富でございまして、こういう発電に適した環境が整っているのではないかということを即座に想像したわけであります。我が富山県も水力発電は得意でありますが、それでも24%の割合であります。だとすれば、富山県の電力をほぼ水力に頼っていくことも、将来的には可能なのではないかと思い、わくわくとさせていただきました。  特に、積雪を克服する必要のある我が県では、過疎が進む中山間地の産業振興などには、特に水力発電を初めとする再生可能エネルギーが大きな夢を与えてくれると思います。本県における導入割合を高めていく必要があると思いますが、伍嶋商工労働部長に伺います。 36 伍嶋商工労働部長 本県におきましては、平成26年4月に再生可能エネルギービジョンを策定しまして、包蔵水力が全国2位であるなど本県の地域特性を生かした、多様な再生可能エネルギーの導入促進に取り組んできております。この結果、平成28年度の発電電力量に占めます再生可能エネルギー、水力発電を含めますけれども、その割合は富山県が64.7%と、全国の割合である12.1%を大きく上回っている状況にあります。  個別に申し上げますと、例えば農業用水などを活用しました小水力発電については、現在42カ所が運転中でありまして、小水力発電の設備容量は全国1位となっております。また新エネルギー等と分類されます太陽光発電につきましては、本県の恵まれた住環境や県有地などを活用した導入が進んでおりまして、メガソーラーは現在32カ所が稼働中であるほか、風力発電については大規模施設の2カ所が運転中となっております。またバイオマスにつきましては、現在射水市で県内の未利用間伐材を活用しました本格的な木質バイオマス発電所が稼働しております。さらに地熱発電につきましては、地熱資源量が全国2位であるということを生かしまして、県の企業局において多くの地熱兆候が確認されます立山温泉地域において、県内初の導入に向けて地下の熱分布や地質構造などを調査しているところであります。  このほか、今後の新たな取り組みとしましては、昨年度開催した再生可能エネルギー等推進会議におきまして、水素社会の実現に向けた水素インフラの整備や日本海側の表層型メタンハイドレートの開発促進など、新たなエネルギーの導入に向けた取り組みが盛り込まれております。  今後とも、水力発電を初めとします再生可能エネルギーについて、事業者や市町村とも連携しながら本県の強みや特性を生かした導入促進に積極的に取り組んでまいります。 37 山崎委員 ありがとうございます。続きまして、本県においても水力発電所の新設や設備更新により電力量の増加に取り組むべきと考えますが、須沼公営企業管理者に伺います。 38 須沼公営企業管理者 企業局で取り組んでおります県営電気事業につきましては、これまで県内で19カ所、最大出力合計で14万キロワット余りの水力発電所を開発してきております。近年では、平成24年に施行されました固定価格買取制度の発足以前から立山町の仁右ヱ門用水発電所や砺波市の庄発電所を建設するなど、先駆的、モデル的な小水力発電に取り組んできたところでございます。  この後、県内では固定価格買取制度などを活用して、土地改良区等において、農業用水等を利用した小水力発電の導入が加速化してきたものと思っております。現在、企業局では新たな小水力発電所といたしまして、南砺市上百瀬地内で、仮称でございますが上百瀬発電所を平成30年の秋の完成を目指して建設を進めているところでございます。  今後の水力発電所の開発に当たりましては、地理的要因や経済性等を勘案して、日ごろから予備的調査を継続的に取り組んでおりますが、これまで有望地点の開発がかなり進んできたこと。その結果、残された候補地点では、企業局で取り組むには発電規模が小さく、発電所の建設候補地も奥地化しておりまして、現時点では採算性の確保等の課題がある状況となっていると認識しているところでございます。  一方で、既設発電所における電力量の増加につきましては、今議会、さきの浅岡議員の一般質問でもお答えしましたが、平成30年に県営八尾発電所におきまして、老齢化した水車の更新時に、エネルギー変換効率を向上させた水車を導入して電力量の増加に取り組むこととしております。  今後とも、水力発電によります再生可能エネルギー導入を推進するため、発電所の新規開発候補地点の発掘に地道に取り組むとともに、老朽化した水車更新等の設備改良などによる既設発電所の電力増加についても工夫をしながら取り組んでいきたいと思っております。 39 山崎委員 本来であれば、水力発電に関しましては北陸電力さんにお答えいただかなければいけないところだと思いますが、須沼公営企業管理者、お答えありがとうございました。  続きまして、農業用水を利用した小水力発電について、将来的な地域農業を見据え、発電所の整備を通じた地域農業の振興に取り組むことが重要と考えますが、知事の所見を伺います。 40 石井知事 御存じのとおり、本県は利用可能な包蔵水力が豊富であります。特に農村地域に広く、身近に存在する農業用水路を利用して得られる電力は、まさに地域の貴重な資源であります。そこで県としましては、これまで農業用水利用の小水力発電施設の整備について、国の補助金等を活用して積極的に支援したところでありまして、現在26カ所で稼働して、整備中の5カ所を含めますと、平成31年度には31カ所が稼働することになりまして、これは全国で1番ということになると思います。  委員の御提案のように、県としましては、県内の各地域が将来的な地域農業の姿を見据えて、小水力発電を活用した農業振興に取り組むことについて積極的に支援したいと思っておりまして、そうした点で、今申し上げた小水力発電を今後も日本一活用した生産性の高い農業を目指していきたいと思います。  そこで、国の補助事業の積極的活用が必要ですけれども、その際に、あらかじめ流量や落差等の発電適地の調査ですとか、維持管理費、将来の更新費用を含めた採算性の検討が求められます。また施設管理を継続して行うことができるように、財務基盤や人的体制が整っているということや、また発電により得られる収益は公共的な取り組みに活用すべきということが条件になっておりますので、事業主体については市町村や土地改良区、JA等の公的な団体ということになります。  そこで、まずは各地域で市町村や土地改良区、JA等と十分話し合っていただいて、採算性の検討や得られた電気の利用計画、発電収益の活用方策について具体的なプランをつくっていただき、またその場合には事業主体となる者が誰がいいかといったことの選定が必要となります。  県としましては、こうしたプランがなるべく前向きにまとまりますように、これまで蓄積してきましたノウハウをもとに必要な助言を行ったり、また支援制度の活用方法や手続の進め方、例えば水利権の許可をとったり、土地改良施設の他目的使用の許可をとったりといろいろなことが必要になりますので、そういったことを情報提供したりアドバイスしたりしたいと思います。  その結果、実施可能なプランとなる見通しが立ちますれば、国の補助金なども活用して、基本設計などの次のステップについてもしっかり支援しまして、委員のおっしゃるように、地域農業の振興にうまく役立つようにサポートしてまいります。 41 山崎委員 過疎化地域などは、こういった基本的なインフラと申しましょうか、エネルギーがあることでまた活性化していくことがあると思います。地域住民の夢をつなぐ大変すばらしい事業だと思いますので、ぜひ推進していただければと思っております。  続きまして、国土強靱化を担う建設業の振興と、公共事業の確保についての質問であります。先ほども若者の夢についてお話ししましたが、建設業においてはかなり深刻な状況だと認識しています。必要な新幹線の二次交通や、近年、降雨量や雨の降り方が大きく変化しておりまして、これまでにない災害が起きていますし、不安な夜を過ごす住民も増えています。  特に県東部においては、工事量はピーク時の3分の1から4分の1に減少しておりまして、県民の安心・安全を守るための公共事業がおざなりになっては、それこそ将来の夢どころではありません。まずは、我が県の公共事業のビジョンをどのように描いておられるのか石井知事に伺います。 42 石井知事 地方創生とか災害に強い強靱な国土づくりの観点からも、やはり必要な社会資本整備は積極的に進めるべきだと思っております。  県東部の公共事業が少ないというお話でしたけれども、御承知のように、例えば県東部地域でも国道8号入善黒部バイパス、あるいは豊田新屋立体、富山高山連絡道路、また上市のスマートインターチェンジなどの道路整備、白岩川や鴨川などの河川改修、立山砂防、金山谷地区の大規模土砂災害対策、また八尾などの橋梁等の老朽化対策などいろいろございまして、県東部、また県全体としても進めるべき事業はまだまだございます。  そこで、県としましては、今年度の当初予算で昨年度を上回る545億円を計上しまして、また9月補正でも、7月に発生した集中豪雨によって被災した公共土木施設等の復旧や、また地方創生、災害未然防止などに向けた整備費として、昨年を上回る76億9,500万円を計上しております。また今度の11月補正予算案でも、10月の台風21号による豪雨ですとか、高波により被災した公共土木施設の復旧を進めるために、12億9,500万円を計上しているわけであります。  来年度の当初予算等の今後の編成についても、十分な予算を確保したいということで、先月14日に石井国土交通大臣に改めてお会いしまして、国全体の予算も大いに伸ばしてもらわなければいけませんが、例えば今年度でいうと、予算はある程度伸びたのですけれども、東京オリ・パラもありますからやむを得ないのですけれども、圧倒的に関東の予算がすごく突出して伸びて、中国、中部、九州などとあわせて北陸はむしろ若干減になっている。もう少し、やはり地方に配慮してもらいたいと強くお願いしたところであります。  また、県内建設業については、若手入職者の確保育成や、建設現場の生産性の向上などが課題になっております。災害時の対応など地域に貢献している建設業が、各地域ごとに将来にわたりしっかり存続していただくことが必要であります。  そこで、建設業の担い手確保や育成のために、建設業に必要となる資格取得等を支援する。またトイレの改修、シャワー室の設置等々の労働環境改善──これは県単独の補助制度も持っております。また建設現場の生産性向上を図るために、年度間の切れ目のない発注や工事の平準化にも努めておりまして、今回の11月補正予算案においても、昨年度を上回る21億円のゼロ県債を計上するなど、さらなる発注の平準化に取り組むことにしております。  委員御指摘のとおり、県全体のバランスのよい発展のため、新川地区、県東部地区も含めて厳しい財政事情ですけれども、必要な社会資本整備がしっかり進むように、安定的、持続的な公共事業の予算の確保に努め、各地域ごとに建設業がしっかり存続するように努めてまいります。 43 山崎委員 ありがとうございます。まだまだすべき事業があるというお言葉に大変、希望を見出すわけであります。こういった事業が実際に行われるように、また私も国に働きかけをしていきたいと思います。  続きまして、地元の建設業を中心とする専門業者の皆さんは、地域の状況を熟知し、住民との関係も日ごろから構築されていますが、先ほど申し上げたとおり、若い担い手が夢を描きにくい状況にございます。  特に、新幹線時代の交通網や未来を見据えたまちづくりの観点からの地域のグランドデザインなど、地域の計画づくりに当たっては、県民の皆様からの意見反映はもちろん、地元をよく理解している地域の専門業者の方々から、夢のある地域構想のコンペを行うなど、夢を描き育てる仕組みが必要と考えますが、加藤土木部長の所見を伺います。 44 加藤土木部長 道路や河川などの公共土木施設につきましては、県民の皆さんの日常生活を支えるとともに、地域の活性化を図る上で極めて重要な施設でございます。  このため、県ではこれまで、公共土木施設の計画づくりに当たりましては、例えばタウンミーティングあるいは各種審議会などにおいて、全県的な観点からの御意見をいただいておりますし、また各地域の資源を生かした魅力的なまちづくりを進める際には、地域住民の代表の方あるいは有識者の方に参画していただいて懇談会というものを設置いたしまして、御意見、御提案をお聞きしながら計画づくりを進めるように努めているところであります。  具体例で申しますと、例えば富山市の南部地域を流れます太田川の河川改修ですが、河川沿いに桜の並木がございますので、この桜並木を生かした計画となるように、地元自治会あるいは樹木や生物に造詣の深い有識者の方に入っていただいた懇談会を設けまして、その御意見を踏まえまして、地域のシンボルの創出につながる計画づくりをやっております。  また、通学路の安全確保を図るということで、全県的な取り組みもやっているのですが、上市町においても道路管理者、交通管理者だけでなく、小学校区ごとに自治会さんですとか学校関係の方などが一堂に会されて、危険箇所の抽出、あるいは地域の状況に即した改善策を協議しながら計画づくりを進めているところであります。  県としましては、こういった生活に密着した身近な公共土木施設の計画づくりに当たりましては、行政だけでなく、やはり県民の皆さんの貴重な御意見をお聞きするということで、官民一体となった取り組みも重要と考えているところであります。  今後とも、地域への愛着が深い地元の方々から、地域の将来像、そしてまた地域資源の活用など身近なテーマについても御意見を頂戴しまして、必要に応じて専門家の方の御助言もいただきながら、公共土木施設の計画づくりを進めていきたいと考えているところでございます。 45 山崎委員 ありがとうございます。土木の皆様は、地域の意見を非常に丁寧に吸い上げてくださっていることは十分承知しているつもりであります。しかし、近年、工事量が疲弊していることで、若者が夢を描きにくくなっているというところが一番の問題点だろうと思っております。またそういったものを育てていけるような仕組みを考えていただけると大変うれしく思います。  次に、国土強靱化の基礎となる建設資材の枯渇について伺います。早月川産の砂利や砂は、密度や硬度が高く、吸水率も低く、アルカリ骨材反応も皆無のため、富山県内でも屈指の良質なコンクリートの材料として知られ、多くのコンクリート製造業者が採用し、早月の砂利砂を使っているなら大丈夫と取引が始まることもあるくらいです。高強度コンクリートへの使用や、東日本大震災の復興にも使用され、材料が原因でトンネルでの剥落などが起きることはあり得ません。  このように、県外においても重宝される良質な材料なのですが、近年陸砂利の生産がとまり、設備に数億円を投じた生産業者が撤退したり、廃業する業者も出たと聞いております。今後も骨材単価上昇による公共事業コストの上昇が予想されるなど、地元経済に対する影響は甚大なものがあります。  その中で唯一の頼みの綱は河川からの採取ですが、それについて、県では掘削基準を定められたため、早月川からの来春必要な材料調達が見込めないと危惧されています。県におかれましては、今後このような基準を設けられる場合は猶予措置を設けるなど、必死で頑張っている地元産業の生活基盤が守られるように配慮をしていただきたいと切に懇願するものであります。  また、今後採取可能な砂利の体積量の把握や骨材の設計単価の変更などの対応が必要と思われますが、加藤土木部長の所見を伺います。 46 加藤土木部長 河川におけます砂利採取につきましては、河川管理者が維持管理業務として行います河床整理を砂利採取によって行わせることでコストの低減が図れること、また砂利採取によりまして骨材等の安定供給に資するということで、河川の管理上支障がない範囲におきまして、採取業者さんからの申請に基づいて認可している状況であります。  委員から御紹介がございました砂利採取につきまして、これを明確で統一的なルールとするということから、立山砂防事務所あるいは他県の事例などの状況を踏まえて基準を策定しまして、その運用を本年8月から開始したところでございます。  御承知のように、早月川については、急流河川で土砂の流出が著しいということでありまして、上流に土砂を堆積させつつ、流出土砂量を調整するための砂防堰堤を設置しておりますけれども、計画以上に堆積した土砂につきましては、洪水時に一気に流下して、下流に被害を及ぼすおそれがあることから、治水上の支障を生じない範囲に限りまして砂利採取を認可している状況でございます。  県としての対応ということでございますけれども、砂利の採取量につきましては、今ほど申しましたように、申請に基づき認可しているという性質を持っておりますので、採取業者のほうで把握していただくということで、これまでもその申請採取量につきまして支障がないかということを判断させていただいているところであります。また採取しました砂利につきましては、骨材としてコンクリート等に活用されておりますが、その価格については、市場の需給状況を反映したものになっている、反映したもので変動しているということで理解しているところでございます。  ちなみに、私ども県の方では、公共工事等の設計に用いる骨材を原材料といたしますコンクリートの単価については、市場取引の実態調査をやっておりおまして、一定程度の変動があればその都度、特に生コンクリートは主要資材でございますので、1カ月に1度、必要があれば改定を行っている状況であります。  今後とも、こういった対応を引き続きとっていきたいと考えているところでございます。 47 山崎委員 ありがとうございます。業者としましても、富山県土木が発展をするように一緒に力を合わせたいと思っているわけであります。やはり日ごろから密なコミュニケーションをとることによってお互いのその夢が共有できますし、実現されていくものと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。  続きまして、中小企業、小規模事業者への施策について伺います。中小企業及び小規模事業者における労働者の雇用割合は全体の7割に上ります。経済を活性化させる施策を大企業から着手する方法もありますが、私は国の経済の基礎を担っている中小企業及び小規模事業者の活性化こそ優先すべきだと思っております。  私の経験からしても、目先の売り上げを追うと、安物買いの銭失いで疲弊し、同じエネルギーを使っても基礎をこつこつと積み上げたほうが企業は筋肉質となります。中小企業及び小規模事業者の活性化を図るために一番必要なことは、中小企業及び小規模事業者が個別にどんなニーズがあるか小まめに把握することだと思います。  これで成功したのが、町工場で有名な東京の墨田区と聞いております。区の職員が小まめに巡回し、本音を汲み取り、信頼関係を築きながら、官民一体となって地域活性化に成功したと聞いております。  このように、富山県においてもこれまで以上に小規模事業者の声を聞く対話の機会を設けるとともに、県の職員が小まめに企業を回り、コミュニケーションを図ってニーズを把握することが、遠回りのようで一番近道だと思いますが、石井知事に所見を伺います。 48 石井知事 おっしゃるとおりだと思います。私も知事に就任させていただいて以来、県民参加によるオープンでわかりやすい県政ということ、スピード重視や現場重視ということを県政運営の基本にしてまいりました。  特に、富山県経済を支えていらっしゃるのは、何といっても99.8%を占める中小、小規模企業者の皆さんですから、こうした方々とのコミュニケーション、連携を密にすることが大事であります。  そこで、これまでも中小企業振興基本条例、これには途中で小規模企業の持続的発展というものも加えましたけれども、この条例に基づいて県民会議やその専門部会をやりました。また中小企業の皆様との対話は平成16年から今年度までで38回、3,100人を上回る方が御参加されています。またタウンミーティングでもこれまで49回、9,000人を上回る方が参加されております。  ただそうはいっても、どうしても参加される方が固定化しやすいものですから、3年ほど前からでしょうか、市町村単位で実施する若手経営者によるとやまの産業の発展を考える会ということで、商工会とか農協関係の方、農業に携わっている方等と直接お話をするといったこともやっているわけであります。  そうした結果として、例えば技術の高度化等については、富山県ものづくり研究開発センターで製品の研究開発だけではなく、できた製品の機能評価までやってあげようということにしましたり、また県総合デザインセンターには、このたびクリエイティブ・デザイン・ハブをつくって、若手工芸人も含めたデザイナーと、全国各地あるいは外国からも意欲ある、また時には著名なデザイナーにも来てもらって交流したり、新商品開発をしたりする。また企業のIoTの導入促進とか、医薬、バイオ、航空機、次世代自動車、ロボットなどの成長産業の育成振興とか、また中小企業の制度融資の拡充ですとか、またチャレンジファンドによる助成制度の創設などもやってまいりました。  また、最近は人手不足でございますから、人材育成と確保、また中小企業の後継者がなかなかうまく事業承継ができないといったことですので、その人手不足分野における雇用型の訓練とあわせて、円滑な事業承継といったことも進めておりますし、UIターンを促進するための県外学生を対象としたセミナーなどもやっているわけであります。  各分野で常に向上心を持って、知恵を出して、厳しい中でもひたむきに頑張っていらっしゃる多くの県民の皆さん、企業の皆さんがいらっしゃることを、私はこの13年ですごく痛感しております。それがまた富山県の強みだと思います。  ぜひ、そうした皆さんとの対話をもっときめ細かくやって、また県議の皆様の御意見もあわせてお聞きする。そういう工夫を今後さらに進めてまいりたいと思っております。 49 山崎委員 ありがとうございます。働き方改革とかで新たな県職員の人的手当をするのは非常に難しい局面かと思いますが、この潜在的なエネルギーというものはあると思いますので、ぜひともそういった意欲を汲み上げていただけるような方向でお願いできればと思います。  続きまして、県では、中小企業及び小規模事業者向けの大変有効な補助金や融資制度を準備されています。  しかし、地元の商工業者さんの話を聞くと、手続が面倒だとか、あってもあたらないのではないかという声も聞きます。商店街のシャッター街化など右肩下がりをもろに経験されている業者さんにも、ぜひとも元気を出していただきたいと切に願います。
     そのためにも、じかに話を聞いて、夢や希望を与える伝道師のような方による積極的な広報や、わかりやすい制度の説明に努めるべきと考えますが、伍嶋商工労働部長の所見を伺います。 50 伍嶋商工労働部長 県におきましては、これまでも中小企業、小規模事業者の方々に補助制度や制度融資を活用してもらうために、パンフレットやホームページ、商工団体などの広報誌や新聞などにおきましてわかりやすく情報提供を行うとともに、適宜、県や関係団体が主催します説明会においても直接PRを行ってきたところであります。  また、事業者みずからが各種の制度に係る情報を得ることがなかなか難しいといった場合もあると考えられますことから、中小企業の振興と人材の育成等に関する県民会議などさまざまな機会を通じまして、事業者へのサポートを行います、先ほど委員からも御紹介のありました商工会議所あるいは商工会の経営指導員といった方々を通じて周知に努めているところであります。  具体的に申し上げますと、例えば国のものづくり補助金につきましては、中小企業向けに県が主催します説明会を通じて積極的な活用を促すとともに、知事の各種講演会などにおきましても、直接事業者の皆さんにこの補助金を活用した成功事例を紹介するなど、制度の活用によります具体的な効果などに関して周知に努めた結果、この補助金の採択件数は制度創設以来、常に全国トップクラスとなっております。  また、制度融資につきましては、毎年県内4カ所で説明会を開催いたしますとともに、今年度に創設しましたIoT支援特別資金につきましては、事業所向けのセミナーなどにおいて積極的にPRするなど、制度の周知徹底に努めております。  今後とも、多くの中小企業、小規模事業者の方々に各種の制度を活用いただきまして、必要な支援が行きわたるよう、関係団体と連携しながらよりわかりやすい制度の周知に努めてまいります。 51 山崎委員 ありがとうございます。ぜひとも地元商工業者の皆さんに元気が出るような施策を今後も進めていっていただきたいと思います。  次に、イノシシについて伺います。現在、自民党政調会の中山間地域振興条例PTで、県内各地の中山間地に出向いてヒアリングを行っていますが、必ずたくさんの声が上がるのが、イノシシの被害です。イノシシの被害は年々拡大し、県においても対策を講じられておりますが、イノシシの生態をしっかり把握し、有効な対策を打つことが肝要と思います。しかし、まだ決定打がないので、生態や各地での取り組み事例など情報を収集し、共有する必要があると思います。  そこで、県のホームページなどに情報を集約して掲載し、情報収集と公開の場をつくるなど、新たな対策が必要と考えます。磯部生活環境文化部長に伺います。 52 磯部生活環境文化部長 イノシシによる被害の防止や軽減に向けまして、本年3月に改定しましたイノシシ管理計画に基づきまして、目撃情報の収集やGPS発信器による行動域の把握などの基礎調査から、侵入防止柵の設置や銃の狩猟期間の延長──今年度から1カ月間延長となりますが、このほか有害捕獲等の被害対策まで、県の関係部局や警察本部、市町村などの機関が連携して取り組んでおります。  県内のイノシシにつきましては、平成28年度の捕獲数が過去最多の4,360頭となり、今年度も9月末現在で前年度同期の約1.3倍が捕獲されております。またイノシシの生息域の拡大に伴いまして、平成28年度におきましては全国各地で47件、59名の人身被害が発生しております。幸いにも、本県には人身被害の報告はございませんが、平野部にも生息域は拡大しており、今後、人身被害の発生も懸念されるところでございます。  こうしたことから、県では、これまで行ってまいりました各種の基礎調査に加えまして、新たに道路でのイノシシの死亡状況等の調査を始めたところでございます。これらの結果は、被害情報や市街地への出没情報などとともに市町村などと共有し、また県のホームページなどで出没対策マニュアルなどとともに県民に周知するなど、被害防止につながる対策を行ってまいります。  なお、被害防止には何より個体数の管理が大切であると考えておりまして、県ではイノシシ等の捕獲の担い手を捕獲現地でOJTにより育成しております。今後、これらの担い手を中核とした捕獲体制の強化などに取り組んでまいりたいと考えております。 53 山崎委員 ありがとうございます。各地で、それぞれ困っておられるのです。それぞれ対応をしておられるのですけれども、情報がばらばらに散らばっていて、その情報が集約されてくれば、また有効な手も浮かんでくるのではなかろうかと思いまして、この質問をさせていただきました。  続きまして、就労継続支援A型事業所の仕事確保について伺います。厚生労働省では障害のある方の就労支援事業を展開していますが、支払われる賃金は、原則として労働で得た売り上げから支払うことになっています。経過措置を打ち切り、取り締まりを強化することになってまいりまして、この影響で収益性の低い作業をしている事業所が売り上げを確保するめどが立たず、大量解雇の問題等がマスコミ等で明るみに出ています。  これは、本来福祉事業と収益事業の両立の難しさをものがたり、富山県においても、解雇される利用者がいつ発生してもおかしくありません。県からの発注を優先的に行うなど、雇用が継続されるための対策が必要と考えますが、前田厚生部長に伺います。 54 前田厚生部長 就労継続支援A型事業所は、利用者と雇用契約を締結しまして、生産活動等の機会を通じて訓練等を行うものでございますが、利用者への賃金は事業所の生産活動を通じて得た収入から支払わなければならないとされております。  しかしながら、全国的に見ますと、利用者への賃金を支払えるだけの収入を得られる十分な生産活動を行わず、給付金や助成金を利用者の賃金に充当する事業所もございまして、本年4月からの国の指定基準の改正を受けまして、他県では経営状況が悪化した事業所の廃業や大量解雇の事例があったと報道されております。なお本県では、同様の事例は現時点で確認はされていないところでございます。  県では、A型事業所を初めとして、障害者就労施設等の受注機会の拡大は、障害者等の雇用の継続のためにも重要であると考えておりまして、平成25年度から調達方針を策定し、県の各部局に対して障害者就労施設等への発注を要請するなど、優先調達の推進に取り組んでいるところでございます。  現在、県内には64カ所のA型事業所がありまして、作業内容は企業からの下請けや飲食店経営、同一法人内の施設の清掃などが多く、県などの発注にはなじみにくい面もございますけれども、今年度を御紹介しますと、県からは衆議院選挙の投票の呼びかけの啓発物品でございますとか、県有施設における給食食材の発注等を行っているところでございます。  今後とも、障害者就労施設等への発注を一層推進するため、これまでの県主催のイベントにおける記念品等への活用などの取り組みを継続しますとともに、県の需要に即した役務や物品等については、県からの提案による障害者就労施設等の新たな役務や商品開発への取り組みを促進するなど、A型事業所を初めとする障害者就労施設等へのさらなる受注機会の拡大に努めてまいります。 55 山崎委員 ありがとうございます。利用者さんが働きたいという意欲がずっと継続するように、またお力とお知恵をおかりできればと思います。よろしくお願いします。  続きまして、先月、日中友好議員連盟の事業で、遼寧省の瀋陽、大連そして北京へ行ってまいりました。2年前にも行ってまいりましたが、見違える発展ぶりに大変驚きました。富山出身の横井中国大使にもお会いでき、中国は既に世界の工場ではなく、世界のマーケットに変貌しているということで、固定観念を覆されてまいりました。  訪中団をサポートしてくれたのは、大連でも有数の旅行会社のフラマインターナショナルの金さんでした。金春日社長は、富山空港はとても便利で、冬には600人から700人のスキー客を富山に連れていくとおっしゃっていました。しかし目的地は新潟、長野が多いらしく、富山への滞在者を増やしたいと思いました。  委員長、資料の配付の許可をお願いします。 56 山本委員長 許可いたします。  〔事務局職員 資料配付〕 57 山崎委員 日本へ来る観光客の多くは富裕層とのことで、単なるレジャーではなく、訪問地の歴史や文化を一緒に楽しみたいというニーズがあるようです。  そこで、富山に宿泊し、富山の文化を存分に体感していただくなどの仕組みづくりが大切だと思いますが、蔵堀観光・交通・地域振興局長に伺います。 58 蔵堀観光・交通・地域振興局長 本県では、他の季節に比べますと、冬季の外国人入込数が少なくなる傾向にございますことから、海外からの冬季の誘客を促進しまして、県内により長く滞在、宿泊していただいて、ゆっくりと富山の冬の魅力を楽しんでいただき、消費額も増えるといった取り組みが重要と考えております。  このため、県では、例えば台湾からのスキーツアーですとか、香港からのグルメツアーなどの外国からの冬季ツアーの誘致、それから五箇山合掌造り集落のライトアップや富岩運河還水公園のイルミネーションなど冬の新たな魅力づくり、さらには遊覧船による庄川峡クルーズと五箇山の雪景色を楽しむバスツアーなど、冬ならではの観光商品の造成促進に取り組んできたところでございます。  さらに、これまでも海外の観光説明会等におきまして冬場の本県の魅力をPRしておりますほか、昨年の秋、冬には直行便がございます大連、ソウル、台北、上海からテレビ局などを招聘いたしまして、制作されました旅番組を現地で放送していただくなど、情報発信に取り組んできたところでございます。  こうした取り組みもございまして、この4年間で冬の外国人宿泊者数は毎年増加をしておりまして、例えば平成25年度ですと1月から3月に1万1,400人でございましたが、昨年平成28年度では2万9,750人と、約2.5倍程度に増加をしているところでございます。  今年度は、さらに台湾でのイベントを先月末行っておりますし、冬の富山の魅力をPRするため、台湾の著名人を起用した旅番組を制作しまして、台湾のテレビ局で放送するなど、庄川遊覧船ですとか宇奈月温泉、五箇山の合掌造り集落など冬の富山の魅力をPRしていきたいと考えております。  スキー客だけではなく、多くの外国人観光客の方が県内に長く滞在、宿泊していただけますように、こうした取り組みを進めていきたいと考えております。 59 山崎委員 ありがとうございます。中国南方航空の皆さんは、赤字を乗り越えて、赤字でも増便するために一生懸命頑張ってくださっていますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。  続きまして、観光立国の施策に応じて立山への観光客も増え、それに伴って事故も発生すると思います。ツアー客がスニーカーで雪の一ノ越へ登り、その後個人行動で宿へ帰り、消息がわからなくなって、それを捜索するという事件が発生しております。  富山県警の山岳警備隊も大変優秀でありますけれども、こんなお粗末な事件が多発してはたまりません。登山者に対しては年間を通じた登山届の提出を義務化するなど、山岳遭難事故を未然に防ぐ対策が必要と考えますが、磯部生活環境文化部長に伺います。 60 磯部生活環境文化部長 本県では、昭和41年に登山届出条例を制定しまして、積雪期に剱岳に登る登山者に事前の届け出を義務づけ、必要に応じて勧告を行うなど、事前の指導を行っております。  さらに、平成26年4月からは、立山室堂地区山岳スキー等安全指導要綱により、4月、5月と11月に立山室堂周辺で山岳スキー等をする方に対し、現地に配置した入山指導員が直接入山届を受理して指導を行うほか、雪崩情報や気象情報など、適時適切な情報を提供しております。また6月から10月も引き続き入山指導員が常駐しまして、任意の登山届の提出を促しているところでございまして、毎年提出数は増加しております。  委員御提案の、年間を通じて登山届の提出を必要とするということでございますけれども、年間100万人近い方が訪れる立山におきまして、その中から登山者と登山をしない観光客を区分し、また外国人を含む登山者全員に登山届の提出を求めることが可能かどうか、また外国人につきましては、多言語での案内や指導をどうするか、さらにはさまざまな登山、入山ルートがございまして、そういったものがある中でどう対応するかなどの課題があると考えております。  登山届は、登山者みずからが事前に登山計画を考え、危険箇所や無理な行動等を把握することで、遭難や事故の未然防止に寄与するものであると考えております。  こうしたことから、県としましては少しでも多くの方に登山届を提出いただくため、引き続き入山指導員などによる呼びかけを徹底しますとともに、例えば繁忙期には山に上がる前に立山駅で登山届け出の周知を行うなど、登山者が登山届を提出しやすい環境を整えることが大切ではないかと考えております。  また、あわせて安全登山を普及啓発するチラシやパンフレットを配布しますなど、多くの方に安全意識の向上を促し、山岳遭難の未然防止にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 61 山崎委員 ありがとうございます。ルールをあまり守られない観光客の方がたくさん来られますと、県としては全く対応不能ということになる状況は明白だと思いますので、また対策を考えていただければと思います。  それでは、最後に地元の質問を2問させていただきます。  都市計画道路横越荒田線について、仮称上市スマートインターチェンジと同時期に開通させる必要があると考えますが、今後の見込みを加藤土木部長に伺います。 62 加藤土木部長 都市計画道路横越荒田線につきましては、上市町の横越地内を基点としまして、若杉地内を終点といたします、町の中心市街地を縦貫する道路でございます。委員のほうからございましたように、仮称上市スマートインターチェンジに連絡する重要な幹線道路でございます。  上市駅から北側につきましては約1キロメートルございますが、このうち550メートルが整備済みでございまして、現在県では残ります県道上市水橋線までの延長500メートルの区間につきまして、平成24年度から整備を進めているところでございます。この区間については、新しく道路を新設するということでございますので、この整備には多くの用地取得や物件移転が必要となりますが、地元関係者の御理解、御協力をいただきながら進めておりまして、今年度末までに用地取得等については約5割の進捗となる見込みでございます。また工事につきましては、用地取得を終えたところから順次、路側構造物の整備を進めておりまして、今年度はさらに起点側から約150メートルの間について道路改良、そしてまた舗装工事を実施する予定でございます。  県といたしましては、仮称上市スマートインターチェンジの平成32年の供用目標にあわせましてこの区間の整備を終えるよう、引き続き地元上市町さんとも連携しまして、地元関係者の御理解、御協力をいただきながら事業の進捗を進めてまいります。 63 山崎委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。  最後に、上市川に繁茂している樹木について、補正予算でも配慮いただいており、大変ありがたく思っております。スーパー農道の橋の上のほうでは、クルミの木のようなものが2,000本近く生えているということでございますし、スーパー農道の橋の下のほうで先日伐採していただきましたときには、イノシシの親子がそこから出てきたということも聞いております。  鳥獣被害等の観点からも、早急に伐木を進めていただけないかと思っております。今後の見込みについて、加藤土木部長に伺います。 64 加藤土木部長 河川内に雑木が繁茂しますと、出水時には川の流れを妨げる、あるいは下流に流れ出た場合には橋梁、護岸等に悪影響を及ぼすということでございますので、災害の未然防止対策として県では伐木の5カ年計画をつくりまして、繁茂状況あるいは周辺の人家の立地状況などを勘案して、緊急性の高い箇所において取り組んでいるところでございます。  クマあるいはイノシシの出没に関しましては、例えば河川内に繁茂している雑木あるいは草に身を隠しながら移動しているケースもあると言われておりますし、また雑木の伐採が移動ルートの分断、隠れ場所の除去につながるということで、非常に効果もあるとされているところであります。  そういったこともございまして、今年度上市川におきましては、これまでに上市町の竹鼻地内の交観橋あるいは森尻地内の三杉橋の周辺の伐木を終えまして、現在、北島地内の上市川橋の周辺で実施しております。  今後とも、5カ年計画を基本としつつも、河川パトロールなどを通じまして河川現況を随時把握しまして、9月補正あるいは本定例会に設定をお願いしているゼロ県債も活用しまして、来年度以降も上市川橋周辺を初め、継続して実施していくこととしております。引き続き、適切な河川管理に努めてまいります。 65 山崎委員 ありがとうございました。これで質問を終了いたします。 66 山本委員長 山崎委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  午後の会議は1時に開会いたします。                     午後0時00分休憩                     午後1時00分開議        島村進委員の質疑及び答弁 67 武田副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  島村委員。あなたの持ち時間は60分であります。 68 島村委員 社民党・無所属議員会の島村でございます。通告に基づきまして質問をさせていただきます。  県議会に出させていただいてから、はや1年余りが経過をいたしました。この間、おかげさまで3回の本会議での質問の機会をいただき、その時々の課題について質問をさせていただきました。  本年2月定例会の予算特別委員会では、アベノミクスの推進により大企業は空前のもうけを手にし、国家予算の4倍にも上る内部留保を抱えておりますけれども、家庭、庶民の生活は大変厳しさを増し、世帯収入が減少し、特にひとり親家庭は大変厳しい状況だということを申し上げ、その支援の強化について知事にも質問をさせていただいたところでございます。そこで、きょうは改めてひとり親家庭に対する支援の強化を中心に、少し突っ込んで質問をさせていただきたいと存じます。  まず最初に、ひとり親家庭の実態について伺います。県としては、平成28年3月に富山県ひとり親家庭等自立促進計画を策定し、ひとり親家庭の支援強化に取り組んできているところでございますが、本県におけるひとり親家庭の世帯数、就業状況、そして世帯の収入状況、子供の数や保育サービスはどうなっているか、その実態について厚生部長にお伺いをいたします。 69 前田厚生部長 本県のひとり親家庭の世帯数は、市町村が把握している世帯数を集計したものでございますが、平成25年5月末現在、母子家庭が8,082世帯、父子家庭が840世帯の計8,922世帯で、全世帯数に対する割合は2.3%となります。  平成25年度に実施しました富山県ひとり親家庭等実態調査では、就業状況につきましては、仕事を持っている人の割合が母子家庭、父子家庭ともに9割以上でございますが、雇用形態としては母子家庭、父子家庭ともに正社員、正職員の割合が最も高く、それぞれ50.2%、71.4%となっておりますが、母子家庭では臨時、パートの割合が32.7%と高くなってございます。  また、世帯収入につきましては、母子家庭の母の約4割は年間就労収入が200万円未満となっております。一方、父子家庭の父の約4割は年間就労収入が300万円を超えていることになります。  また、子供の数の平均は、母子家庭では1.68人、父子世帯では1.71人となっております。  子供の保育の状況につきましては、未就学児につきましては母子家庭、父子家庭ともに保育所が最も多く、次いで同居の親族が多いという形になります。また小学校低学年の子供については、母子家庭では放課後児童クラブ、同居の親族、父子家庭では同居の親族、別居の親族の順となっております。 70 島村委員 次に、扶養手当の額などについて、お伺いをしたいと思います。児童扶養手当の額について、その算定の根拠は一体何か。またその額の妥当性について、どう考えておられるのかをお伺いするとともに、県内の児童扶養手当の支給状況について、支給なしのひとり親家庭、そして全部支給、一部支給家庭の割合はどうなっているか、現状について厚生部長にお伺いいたします。 71 前田厚生部長 児童扶養手当額は児童扶養手当法に定められておりまして、平成29年度は全部支給の場合で4万2,290円とされております。また第2子に対しては9,990円、第3子以降に対しましては1人当たり5,990円が加算されることになっております。また手当額は受給者の所得に応じた設定となっております。  手当額については、平成元年に自動物価スライド制が導入され、毎年、全国消費者物価指数に応じた見直しが行われているところであります。また昨年度には、子供が2人以上のひとり親家庭の経済的負担を軽減することを目的に、第2子以降の加算額の見直し等、適正な支給額という形で、国で見直しが行われております。  県内では、昨年度末時点で5,824人が児童扶養手当を受給されておられます。このうち約65%が一部支給、約35%が全部支給となっております。近年、受給者数及び受給者のうち全部支給者の割合は減少傾向にございますが、これは雇用環境の改善等によりまして支給基準となる所得を下回る方が減少傾向にあるためと考えております。 72 島村委員 次に、児童扶養手当の額について具体的にお伺いいたします。例えば、高岡市に在住する母子家庭で、30歳の母親と9歳と4歳の子供の3人暮らし。アパート住まいでパート収入が年収150万円。離婚した元夫からは養育費をもらえず、同居する扶養親族もいない場合、その家庭の1カ月の扶養手当額は幾らになるのか部長にお伺いいたします。 73 前田厚生部長 委員御指摘のような家族構成、収入の場合ですと、母が昨年末時点で2人の子供を扶養していた前提でありますが、居住地や親、児童の年齢にかかわらず本体額が4万2,290円、第2子加算額9,990円で、全部支給の5万2,280円となります。 74 島村委員 今、申し上げた前問と同様の家族構成と住まいのひとり親家庭が、仮に生活保護を受けられるとしたら、その生活保護費は生活扶助、住宅扶助、教育扶助などそれぞれ幾らになり、月額の総支給額はどれだけになるか厚生部長にお尋ねいたします。 75 前田厚生部長 生活保護を受けるためには、世帯員全員がその利用し得る資産、能力、その他あらゆるものをその最低限度の生活の維持のために活用することが前提でありまして、また扶養義務者の扶養は生活保護法による保護に優先することとなります。  具体的には、預貯金や生活に利用されていない土地、家屋等があればそれらを売却していただき生活費に充て、働くことが可能な方はその能力に応じて働く、年金や手当などほかの制度で給付を受けることができる場合はそれらを活用いただく、さらに親族等から援助を受けることができる場合は援助を受けなければならないとされておりまして、その上で世帯収入と厚労大臣が定める基準で計算される最低生活費とを比較して、収入が最低生活費に満たない場合にその不足する額を保護費として支給するものであります。  したがって、お示しの状況だけでは支給対象と判断することはできないわけでありますが、仮に要件を満たしているとすれば、高岡市に居住し世帯構成を30歳の母親、9歳、4歳の子の3人とした場合は、食費、被服費、光熱費等の日常生活に必要な費用に対する生活扶助としまして17万3,960円、アパート等の家賃に対する住宅扶助として上限額であります3万8,000円、義務教育を受けるために必要な学用品等に対する教育扶助として4,840円が支給されまして、これらの総額は21万6,800円となります。 76 島村委員 さきの児童扶養手当が支給されている家庭の1カ月の総収入は、パート収入が仮に年収150万円ということでありましたので、月額が12万5,000円、児童扶養手当が今ほどおっしゃった5万2,280円の合計17万7,280円であります。これに児童手当がそれぞれもらえますので、それを足したとしても19万7,280円であります。  一方、同様の世帯の生活保護基準の支給額、すなわち最低限度の生活を営むのに必要な額というのは、先ほどおっしゃったように21万6,800円であります。加えていろいろ医療なども基本的には実質無料でございまして、そんなことを考えますと、この児童扶養手当を受けている家庭の収入額が、生活保護の基準額よりもかなり下回る水準であるという実態について、厚生部長はどのように考えておられるか所見をお伺いいたします。 77 前田厚生部長 生活保護制度は、生活に困窮する方に対しましてその困窮の程度に応じて必要な保護を行うものでございます。こうしたことから、先ほどお答え申し上げたとおり、前提がある中で支給をしているところでございます。  他方、児童扶養手当については、ひとり親家庭の生活の安定と自立の促進を通じて児童の福祉の増進を図ることを目的としたものでありまして、生活保護制度のような前提や扶養義務者による扶養の優先といったものはございませんで、貯蓄や親族からの援助があっても児童扶養手当の支給額には影響しないという制度の違いがございますので、両者を単純に比較して論じることはできないと考えてございます。 78 島村委員 部長、私は制度の違いなどについてお聞きしたわけではないのです。もう少し誠実で素直な御答弁をいただきたいと思うのです。要するに、児童扶養手当を受けて生活しているその家庭が、生活保護基準にも満たない生活水準だということをどう思うかと聞いているわけですよ。それに対して素直に答えてください。 79 前田厚生部長 すみません。答弁が重複するかもしれませんが、生活保護制度自体がもともと生活の困窮を前提にしておりますので、預貯金でありますとか、生活に利用されていない土地は売っていただいた上での費用ということがございます。  他方、児童扶養手当は親族からの扶助があれば、当然それは別に計算ということになります。生活保護の場合はその分減額してという形になりますから、そういう差がある中での差でありますので、これは制度の違い、あるいは今のお暮らしの状況の違いによるものではないかと考えております。 80 島村委員 何回聞いても多分同じ、堂々めぐりだと思います。これ以上聞きませんけれども、素直に判断をしていただきたい。そういう意味では、ひとり親家庭が児童扶養手当を受けて子供を養育しても非常に厳しいということをしっかり押さえた上でお考えいただきたいと思います。  次の質問に移ります。県内における母子家庭は、先ほどおっしゃったように8,082世帯でありまして、年収200万円未満の家庭は約4割、約3,200世帯です。そのうち年収100万円未満は1,000世帯近く存在をするわけであります。  ひとり親家庭の生活をより安定させ、子供の養育と福祉増進を図るためには今の水準では極めて厳しいのではないですか。児童扶養手当の増額を国にしっかり要望していく、働きかけていくべきではないか。このことについて厚生部長の所見をお伺いします。 81 前田厚生部長 県では、これまで国に対しまして、就労支援のほか教育支援、経済支援、生活支援の強化など総合的な少子化対策について要望してまいりました。  その要望を踏まえて、国では平成27年12月に、すべての子どもの安心と希望の実現プロジェクト、愛称はすくすくサポート・プロジェクトですけれども、それが策定されまして、経済的に厳しい状況におかれたひとり親家庭や、多子世帯が増加傾向にある現状を踏まえまして、就業による自立に向けた就業支援を基本としつつ、子育て、生活支援、学習支援などの総合的な支援を充実することとされておりまして、児童扶養手当につきましても第2子加算額や第3子以降加算額が約2倍となる見直しが行われたところであります。
     県としては、就労支援を初めとした各種の自立支援施策を推進していくとともに、国に対しても総合的な少子化対策の推進につきまして引き続き要望してまいりたいと考えております。 82 島村委員 今御答弁がありましたけれども、私は大変厳しいと、児童扶養手当の額も少ないのではないかと思っております。  次に、この児童扶養手当は、ひとり親家庭にとってはそれこそ命綱的存在でもございまして、そのことを考えた場合に4カ月に1回、年3回の支給とされているのはなぜでありましょうか。生活を支える役割を果たしていないといえるのではないでしょうか。  兵庫県明石市では、このような事態を改善すべく、来年度から全ひとり親家庭に対し1カ月分の手当額を無利子で貸し付け、支援員が毎月各家庭を訪問し交付いたします。同時にそのときに見守りと生活相談を行うという一石二鳥ともいえる取り組みを行うとされております。  また、高岡市では市単独で母子家庭等援護資金貸付制度を設けておりまして、無利子で上限10万円以内を貸し付ける。そして6カ月以内に返済を求め、何回でも借りることができるという中身でございます。平成28年度は185件の利用があったとお聞きしております。  ひとり親家庭の生活をしっかり支えるためにも、児童扶養手当は毎月支給にすべきと考えるものでありますが、国に対してしっかり改善するよう求めると同時に、県としても実質的に毎月支給となるような対策がぜひ必要と考えるものでありますが、厚生部長の見解を求めます。 83 前田厚生部長 平成28年度に今ほど御答弁申し上げました児童扶養手当の見直しが行われ、法律が改正されておりますが、その際附帯決議としまして、児童扶養手当を隔月支給にすることなど所要の措置を検討することとされておりまして、現在、厚生労働省におきまして検討が行われているということでございます。  この中で、現在4カ月に1回となっている支給回数について、その回数を増やした場合、手当てを定期的、小まめに受け取られることになりますから、ひとり親家庭の利便性の向上及び家計の安定が図られるとされております。一方で、県や市のシステム改修が必要になることや、手当支給実務の負担などが今後の課題とされております。  県としては、国における議論の動向を注視しつつ、法改正があった場合には適切に対応してまいりたいと考えております。  なお、明石市などの貸付事業の御紹介がございましたが、本県でも生活資金に活用できる母子世帯等援護資金の無利子貸付を、県母子寡婦福祉連合会を通じて行っているところで、利用件数は限られておりますので、この制度につきまして今後も周知に努めてまいりたいと考えております。 84 島村委員 今、県でもそういう融資があるというお話でございましたが、やはりしっかり知られていない側面がございまして、利用者の皆さんにちゃんと届くようにしっかりお願いしたいと思います。  先ほど述べましたように、児童扶養手当の支給額は、ひとり親家庭にとっては大変厳しいものだと私は思っておりまして、何らかの対応措置が必要と感じております。東京都を初め幾つかの県や市で、児童扶養手当に上乗せして、児童育成手当というものも支給されております。東京都では子供1人当たり1カ月1万3,500円が支給をされているところでございます。  ひとり親家庭の困窮に鑑みまして、本県でもぜひこの児童育成手当に当たる手当の支給を検討してはどうか、これは知事にお伺いをしたいと思います。 85 石井知事 委員御指摘の児童扶養手当の上乗せ支給であります児童育成手当については、名称や支給額に多少差がありますけれども、お話のように、東京都や愛知県、名古屋市、相模原市など物価水準が相対的に高い大都市部の自治体の一部で行われているわけであります。なお相模原市は本年度でこの手当を終了しまして、就労支援事業などに重点を置きたいという御方針と伺っております。  児童扶養手当は、今ほど厚生部長からも御答弁申し上げましたけれども、ひとり親家庭の生活の安定と自立促進を図るということで、児童扶養手当法に基づく国の制度であります。ひとり親家庭に求められる手当額は、これは国の制度ですから物価水準や所得の状況等を踏まえて国が決定しているものであります。  本県の物価水準は、上乗せ支給を行っている一部の大都市部とは違いまして、都道府県別で大体26位、全体でほぼ中位となっておりまして、仮に手当額の見直しが必要ということですと、それはまずは国においてちゃんと上乗せするなり適切に検討されるべきものであると考えておりまして、そういう意味では県独自に国の制度に上乗せ支給するという特別の事情があるとはなかなか言いがたいということは御理解いただきたいと思います。  県では、昨年3月に策定しました第3次富山県ひとり親家庭等自立促進計画に基づきまして、ひとり親家庭に対する支援として、まず生活の安定に資するための資格取得、看護師さんとか准看護師さん、保育士、介護福祉士といった資格取得を支援します高等職業訓練促進給付金などの給付事業ですとか、また母子父子寡婦福祉資金の貸し付け、さらには今部長から申し上げた母子世帯等援護資金──こちらの場合は無利子で県母子福祉寡婦福祉連合会でやっておりますけれども、こういったきめ細かな支援を実施しておりまして、今後もそうしたひとり親家庭の実情もよくお伺いしながら、自立支援に向けた支援をしっかり続けていきたい。  来年度は、このひとり親家庭等を対象とした実態調査を実施する予定としておりまして、全国のデータなどももちろん参考にしながら、ひとり親家庭等の自立促進に向けた現状ですとか、また県民の皆さんの御要望も把握して、その結果も踏まえて計画の見直しについてもなるべく早く着手してまいりたいと思っております。 86 島村委員 知事は日本一が大好きでありますので、ひとり親家庭の子育てが一番しやすい富山県ということで、ぜひ今後とも頑張っていただきたいと存じます。  次の質問に移りますが、富山県ひとり親家庭等自立促進計画の進捗状況についてお伺いをいたします。  まず、相談、情報提供機能や広報啓発の充実強化について、平成28年度における相談件数及び相談内容はどうか。また相談体制の充実強化について今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いしたいと思います。  ひとり親の皆さんに聞いてみますと、多くの方がさまざまな支援策について知らなかったとの意見が多く聞かれるわけでありまして、これは看過できないことであろうと私は思っております。その意味で相談体制の充実は喫緊の課題だと思いますので、厚生部長の御見解を求めます。 87 前田厚生部長 富山県ひとり親家庭等自立促進計画の施策の柱の1つであります、相談、情報提供機能や広報啓発の充実強化については、ひとり親家庭への総合的な支援の窓口として各市及び、町村を所管する県の新川厚生センター、中部厚生センターに母子・父子自立相談員を計13名配置しておりまして、ひとり親に対する相談や自立に必要な情報の提供や指導、職業能力の向上や求職活動に関する支援を実施しているところであります。  平成28年度の母子・父子自立支援員の相談件数は3,504件でありまして、そのうち資格取得、職業訓練などの生活一般に関する相談が1,686件、保育所入所や虐待など児童に関する相談が285件、児童扶養手当や母子父子寡婦福祉資金貸付金など経済的支援、生活援護に関する相談が1,487件、その他の相談が46件でございました。  今後とも、市町村と連携しながら、例えばリーフレットや広報誌、ホームページなどの広報媒体を通じまして支援員制度の周知を図るなど、ひとり親家庭への支援策や相談窓口に関する広報活動を強化するとともに、母子・父子自立支援員の研修内容、これは年に3回実施しておりますが、その内容を充実させましてより複雑化、高度化しております相談案件に対応できるよう支援員の資質の向上を図ってまいりたいと考えております。 88 島村委員 今ほど、生活関連や経済的な貸し付けの問題などで1,500件近くのたくさんのいろいろな相談があることもお聞きいたしました。そういう意味では、しっかりと支えていく促進計画の推進に力を入れていく必要があると思っております。  次の質問に移ります。今の若い人たちは、携帯でいろいろ検索をして情報を得ることがよくございます。必要な情報を正確に届けるためにも、インターネットによる検索条件の整備が欠かせないと思っております。  ネットでちょっと検索してみましたけれども、富山県のホームページでひとり親家庭への支援について全部を把握しようとしますとなかなか大変困難でございました。  各市のホームページも見てみましたけれども、割とすっと行けたのは富山市、高岡市、小矢部市。それぞれ市のホームページの最初から、ひとり親家庭の支援ということでずっと進んで行きますと、3クリックぐらいでその内容を見ることができるということで、大変よく整備をされておりました。しかし、全体ではなかなかまだまだでございました。  そういう意味で、このホームページの改善を通じて、情報提供、啓発活動の充実をぜひとも図るべきだと考えますが、厚生部長の所見を伺います。 89 前田厚生部長 ひとり親家庭の支援に関する情報については、今ほど申し上げたとおり、マンツーマン、個々でのお話が重要でありますので、各市なり厚生センターの相談員の力がまずは重要だと考えているのですが、インターネット上の情報としては、県では担当課のホームページ内に掲載しているところであります。  トップページから検索を行った場合でも、可能な限り情報に到達しやすくなるように、項目設定や表示方法を工夫する点もあると考えておりまして、改善を検討させていただきたいと考えております。  今後も、県民の皆さんがひとり親家庭の支援に関する各種制度の情報をスムーズに入手できるよう、ホームページ等を工夫してまいりたいと考えております。 90 島村委員 それでは次に、ひとり親家庭等自立促進計画の基本的な施策の1つであります就業支援の積極的推進についてお伺いをいたします。  これは、ひとり親家庭の不安定な就業実態を克服して、経済面での自立を支援し、生活の安定を図る観点からも大変重要な活動だと思います。これまでの取り組み状況と今後の課題について、厚生部長にお伺いをいたします。 91 前田厚生部長 冒頭お答えしましたとおり、ひとり親家庭の親の就業率は高いものの、就業しても収入は低い傾向にあるため、パートや派遣などの非正規雇用から収入の高い安定した仕事につなげる支援や、資格取得に向けた支援が重要と考えております。  本県の場合、母子家庭でありましても、全国的なデータと比べますと正規就業されている方は多いという形ではありますけれども、父子家庭と比べるとまだ低い状況にございますので、県では母子家庭等就業・自立支援センター事業として、ハローワークと連携しましてきめ細かな就業相談や求人情報の提供を行っております。平成28年度には相談件数は500件ほどいただきまして、就業支援バンクに登録された方が136名、採用決定された方は77名ほどおられるという現状でございます。また就業に結びつく可能性の高い技能や資格を習得するために、介護職員初任者研修講座やパソコン講座といった講習会を開催するなど、一貫した就業支援を実施しているところであります。  また、母子家庭・父子家庭自立支援給付金事業としまして、ひとり親の就業へ向けた能力の開発や雇用機会創出等を支援するために、知事より御答弁いたしましたが、高等職業訓練促進給付金でありますとか、自立支援教育訓練給付金、貸し付け事業としまして就職に有利な資格の取得を目指すひとり親家庭の親に対しまして、入学準備金と就職準備金を貸し付ける、高等職業訓練促進資金貸付事業を実施しているわけであります。  今後とも、より多くのひとり親の家庭に利用していただけるよう、市町村などと連携しながらこれらの制度の周知に努めてまいりたいと考えております。 92 島村委員 次に、小さな子供を抱えるひとり親家庭にとりまして、保育料の負担でありますとか、子供が病気になって迎えに行かなければならないとか、そういうことは大変大きな負担でございまして、保育料の無償化や軽減、病児保育体制の充実等が非常に大切でございます。取り組みの現状と今後の取り組みについて、厚生部長にお伺いをいたします。 93 前田厚生部長 ひとり親家庭は、子育てと生計の担い手という2つの役割を1人で担っていただいているということでございますので、収入や養育等の面でさまざまな課題に直面しておられるものと認識しております。  ひとり親家庭の保育料負担軽減については、国においては平成28年度に年収360万円未満相当の世帯を対象に、同時入所要件を撤廃して第1子を2分の1に軽減しまして、第2子以降を無償化されるということがございました。さらに平成29年度には、軽減措置が拡大されたところであります。具体的には年収360万円未満のひとり親世帯の保育料が、3歳未満が9,150円から1万5,000円だったものが9,000円となり、3歳以上は6,000円という形で見直しが行われたところでございます。また今般示されました国の新たな政策パッケージにおきまして、幼児教育、保育の無償化の方針が示され、これが実施されますれば、ひとり親家庭においても経済的負担の軽減につながるものと考えております。  また、病児・病後児保育の充実につきましては、仕事と子育てを両立する上で重要なものでありまして、県ではこれまで国の補助制度を活用しまして、運営費や施設整備に支援し、実施箇所の増加について推進してきたところであります。  こうした取り組みによりまして、病児・病後児保育の実施箇所数は、平成16年度は7カ所でございましたが、平成29年度には130カ所に増加しております。加えて、昨年度から国の補助対象にお迎え型の病児保育事業が追加されまして、今年度は地域のニーズや実情に応じ3市町、富山市、魚津市、入善町で実施をされているところでございます。  県としては、今後とも国に対し、ひとり親家庭に対する支援策を要望するとともに、病児・病後児保育を初めとした特別保育等の推進を図りまして、仕事を持ちながら安心して子育てできる環境づくりに取り組んでまいります。 94 島村委員 次に、基本的な施策の1つであります子育て、生活支援策の充実強化についてお伺いいたします。  ひとり親家庭の子供の保育所の優先的利用や放課後児童クラブ、地域での子供の居場所づくりや学習支援などの現状と今後の取り組みについて厚生部長にお伺いをいたします。 95 前田厚生部長 ひとり親家庭の親につきましては、約9割が就業している状況でございますので、保育サービスや放課後等の子供の居場所づくりの充実が重要であります。  このため、県では保育所の整備を促進して、放課後児童クラブの設置、地域の力を生かしたとやまっ子さんさん広場やファミリーサポートセンター事業等の推進に取り組んでおりまして、実施箇所数が増加するなど──例えば放課後児童クラブであれば平成19年は156カ所でございましたが、平成29年度は261カ所となっておりますので、そういった一定の成果が表れてきているところであります。  また、今年度から新たに、ひとり親家庭の放課後児童クラブ等の利用料負担の軽減のために、市町村と連携しまして助成を行っているところでございます。今年度は3市町、砺波市、小矢部市、入善町で実施を予定しているところでございます。  さらに教員OB等の学習支援ボランティアが、ひとり親家庭の小学校高学年や中学生を対象として、無料で学習支援や生活相談を行いますひとり親家庭学習支援ボランティア事業を平成25年度から実施しておりまして、実施箇所は平成25年度の2市町2カ所から、平成28年度には5市6カ所に拡大しておりまして、延べ1,298人に受講いただいているところでございます。  なお、ひとり親家庭の保育所入所や放課後児童クラブ等の利用については、母子及び父子並びに寡婦福祉法上、ひとり親家庭に対する特別な配慮義務の規定として、ひとり親家庭を優先的に取り扱うこととされておりまして、市町村においてはこの規定等に基づき保育等の必要性を適切に判断しておられるものと考えております。 96 島村委員 それでは次に、ひとり親家庭の85%が離婚によるものとお聞きいたしております。離婚する前に子供の養育について親としてしっかり議論すべきでありまして、仮に離婚するにしても離婚後の養育費の確保や面会交流等についてきちっと話し合い、確認される必要があろうかと思います。本県におけるこのような取り組みの状況と今後の課題について、厚生部長にお伺いをいたします。 97 前田厚生部長 ひとり親家庭の生活をより安定したものとし、その児童の健やかな成長を支えるために、離婚後の養育費用を確保することや面会交流についてあらかじめ取り決めておくことは大切なことと考えております。  県では母子家庭等就業・自立支援センターの相談員や母子・父子自立支援員による相談対応を行っておりまして、養育費についても相談を行っております。また養育費の取り決めやその履行担保など法的な問題につきましては、専門家である弁護士による法律相談を母子家庭等就業・自立支援センター内に置きまして月1度実施しております。  また、母子・父子自立支援員が相談に適切に対応できるよう国の養育費相談支援センターの研修に参加しまして、養育費や面会交流の相談対応に関する講座を受講し、研修で得た知識を日ごろの相談業務に生かしております。  今後とも、母子家庭等就業・自立支援センターの相談員や、母子・父子自立支援員の資質向上に努めますとともに、これらの相談窓口を通じて養育費確保や面会交流に関する相談対応や情報提供の充実に努めてまいります。 98 島村委員 この項、最後の質問になりますが、知事にお伺いいたします。ひとり親家庭の人たちと交流をして感じますのは、生活の困難さであります。県として、ひとり親家庭の生活上の悩みや行政への要望等を丁寧に把握し、国や市町村、関係機関や関係団体等とどう連携し、支援体制を強化していくのか、今後の取り組みについて総括的な立場で知事にお伺いをいたします。 99 石井知事 県では、平成25年に母子家庭2,700世帯、父子家庭560世帯を対象にしまして、世帯の状況、生活実態、行政への要望等について調査を行っております。  この調査結果では、生活上の不安や悩みとして母子家庭、父子家庭ともに生活費を挙げる方が最も多く、次いで子育て、教育となっております。また行政に対する要望としては、母子家庭、父子家庭ともに公的年金、児童扶養手当などの充実が最も多く、次いで母子家庭では、仕事のための技能、資格、免許を取得するための講習会の充実、また夜間、休日保育や放課後児童クラブの充実となっております。また父子家庭では、公的な貸付金制度の充実、困ったときに子育てや家事を援助してくれる人の派遣制度となっております。  このうち、公的年金や児童扶養手当などの充実につきましては、これは相対的に所得の高い父子家庭のほうが、母子家庭よりも希望される方の割合が多いといったこともありますし、基本は国の制度でありますので、この御要望に直ちに応えるというのはなかなか難しいと思いますけれども、先ほども述べましたが、これまで第3次ひとり親家庭等自立促進計画に基づいて、手当以外の経済的支援として就業や児童の就学等に係る貸し付けですとか、医療費助成などを実施しております。  また、仕事のための資格等の取得のための講習会の充実を目的としまして、例えば介護職員初任者研修講座やパソコン講座などの就業支援講習会を実施しておりますほか、母子・父子自立支援員による相談、情報提供や、保育所入所に当たっての優先的取り扱いといったさまざまな事業に取り組んでおります。  今般、安倍内閣から新しい経済政策パッケージが発表されまして、その中で幼児教育・保育の無償化の方針が打ち出されておりますから、その結果としてひとり親家庭への支援についても少なくとも今よりは充実されると見込まれます。  そこで、来年度に県で実施する予定のひとり親家庭を対象とした実態調査におきまして、改めて生活実態を把握するとともに、生活上の悩みや行政への要望などを調査して、現行計画が改定の時期を迎えますから、国、市町村、関係機関、また民間団体等から幅広く御意見をいただきながら、調査結果も踏まえて──今度国のほうでもかなりの制度改正があると思いますから、それも十分勘案して計画を見直しますなど、ひとり親家庭の自立促進に向けた支援の充実に努めていきたいと考えております。 100 島村委員 それでは、2項目目の質問に移ります。  子供の貧困対策の推進についてお伺いいたします。国では、平成26年度に子供の貧困対策に関する大綱が閣議決定され、本県でも子供の貧困の実態調査と計画の策定を昨年度から各市町村単位で進められております。  平成28年度には高岡市、砺波市、南砺市、黒部市が調査し、平成29年度には射水市、小矢部市、魚津市、氷見市が実態調査に取り組んでおります。今後、県としてどのように子供の貧困対策の推進を図っていくのか厚生部長にお伺いをいたします。 101 前田厚生部長 子供の貧困の実態調査といたしましては、昨年度の高岡市、砺波市、南砺市、黒部市の4市に続きまして、今年度も4市におきまして実態調査、分析、支援体制整備計画の策定に取り組まれているところでございます。  県では、基本的な調査項目の統一などに、立教大学の先生でありますとか、法政大学の先生に御協力いただきながら、各市と調整を行っておりまして、今年度は特に、5月に市町村子どもの貧困対策担当課長会議を初めて開催させていただきまして、昨年度実施した4市から報告をいただいた上で、今年度調査を実施される4市からの質疑応答や意見交換を行うなど、円滑な事業実施に努めているところでありまして、今後も必要に応じて開催していくこととしております。また調査をまだ予定していない市町村さんに対しましても、6月に担当者打ち合わせを開催するなど、より多くの市町村で実態を把握するよう支援しているところでございます。  県としては、今年度実施の4市からも関係資料をいただきまして、8市分について各種施策の認知状況や相対的に所得が低いとされる世帯におきまして希望されるサービス等の分析を行いまして、今後の効果的な施策の検討に生かしてまいりたいと考えております。  このほか、今年度新たにひとり親家庭に対する支援としまして、放課後児童クラブやファミリーサポートセンター利用料の軽減のための助成であります、ひとり親家庭子育てサポート事業でありますとか、子供の貧困対策として、5月には今ほど申し上げました担当課長会議、7月には公益財団法人あすのば等と共催して、子供の貧困対策全国キャラバンin富山を開催して、一般県民の方々を対象に子供の貧困について改めて考えていただく機会を設けまして、パネルディスカッションのパネラーとしても県の担当者である青少年係長が参加して、県の取り組みでありますとか広く御意見をいただいたりしております。  また、貧困に限らず生活環境が十分でない子供を地域で支えますこども食堂の取り組みの支援としまして、立ち上げ経費を助成します子どもホットサロン事業も開催しておりまして、さらに10月にはこども食堂に係る研修会を開催し、開設希望者、支援希望者のほか一般県民への普及啓発に努めているところでございます。  今後とも、国や市町村、民間団体と連携しまして、子供の貧困対策にしっかりと取り組んでまいります。 102 島村委員 子供の貧困の問題については、全国的にも大変今関心が高まっておりまして、それぞれ各市町村でも調査したり、努力されておりますので、県としてしっかり主導性を持って全体的に貧困対策の推進ができるようにお願いしたいと思っております。  3項目目に、がんばる子育て家庭支援融資について、お伺いをしたいと思います。  まず、今議会にがんばる子育て家庭支援融資枠の拡充の補正予算案が提案されておりますけれども、本制度のそもそもの導入の経過とこれまでの実績並びに今回の補正の目的について、厚生部長にお伺いをいたします。 103 前田厚生部長 がんばる子育て家庭支援融資は、多子世帯──本県においては3子以上を指しますが、多子世帯におけます教育費等の負担の軽減を図るために、平成18年度に全国で初めて大学等に就学する子供を持つ保護者が利用できる低利の融資制度として創設いたしました。  融資対象家庭は、大学生等を含め3人以上を有する世帯というのが当初の考え方でございましたが、平成27年度には高校生以下までに拡大いたしまして、あわせて借り入れに係る利子を実質無利子化──金利分を県が利子補給をするという形で行っておりまして、大幅な拡充を図ったところでございます。  こうした拡充に伴いまして、利用が増加していることから今年度当初予算におきましても融資枠を昨年度の14億円から16億円に増額したところでございます。  平成29年度のこれまでの利用状況は、前年度からの継続を含めまして9月末現在で654件、14億8,600万円となっておりまして、多子世帯の皆さまに大いに御活用いただいているものと考えております。  今後、新入学準備などで最も資金需要の高いのが年度末でございますので、それに向けまして融資枠が不足する可能性もありますことから、融資枠ベースで2億円を追加して16億円から18億円とするため今回県予算で1億円の増額の補正予算案を計上させていただいたところであります。 104 島村委員 この融資制度は大変いいものでございます。銀行に対し一定の預託をして、銀行との協調融資で預託額の倍の額を貸し付け、県は利子補給分を支出するものでございまして、実に三方一両得的な制度でございます。大変喜ばれておりますし、大変大事な取り組みと思っております。  この間、少子化の大きな要因の1つとして、子供にかかる大学までの教育費の多額な負担が挙げられておりまして、この融資制度の対象、いわゆるこれまでの多子は3人以上ということでございますが、3人以上の子育て家庭から2人以上の家庭とすることで、多くの子育ての家庭の支援につなげ、もって少子化対策の一助とすべきではないかと考えますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。 105 石井知事 厚生労働省のまち・ひと・しごと創生サポートプランによりますと、初婚年齢が高いために第1子の出産年齢が高くなる第1子の壁については、結婚を希望する者への出会いの場の提供ですとか、また未婚化、晩婚化対策として企業における働き方の見直しが求められる。また2人目以降の出産をためらう第2子の壁については、男性が積極的に育児を行うこととか、子育て支援サービスの充実が必須と。また第3子以降の壁、この第3子を持たない理由は経済的理由が約7割ということですので、育児に要する経済的負担を軽減することが必要と。こういうふうに指摘されているわけであります。  本県では、第3子以降の子供の出生率が他県に比べて相対的に低い状況にありますことや、県民の皆さんが理想とするお子さんの数は3人以上というのが6割近い一方で、現実に欲しい子供は2人かなというのが半分強となっておりますので、その理由として子育てに係る経済的負担が課題であるという方が非常に多いものですから、平成27年度から第3子以降の保育料の原則無料化という大幅拡充に踏み切るとともに、今お話のがんばる子育て家庭支援融資の対象の拡大と実質無利子化、また多子世帯向け住宅取得に対する支援などに取り組んだということであります。  委員から御評価賜りましたけれども、今年度実施した調査では、子供を増やすに当たっての課題として、子育てや教育に係る経済的負担を挙げる回答の割合が74.8%から70.2%に低下しまして、一定の成果が出ております。  ただ、やはり順位は依然1位でありますことや、子育てで不安、負担に思うこととして、将来予想される子供にかかる経済的負担を挙げる回答の割合が、やはり多子世帯のほうで多い傾向が続いておりますから、引き続き多子世帯に対する経済的負担軽減が重要だと思っておりますし、また実際にそのようなニーズを反映して、がんばる子育て家庭支援融資の実績も当初より大幅に伸びている。そこで11月補正で拡充をお願いしていると。  第2子の家庭にも拡充してはどうかという御提案ですけれども、今般示された、先ほど申し上げた国の新しい経済政策パッケージで幼児教育・保育の無償化や高等教育の無償化の方針が示されまして、いずれにしても、第2子に対する公的な財政支援についても国の制度として拡充することが相当程度期待されますので、国の制度拡充の実施内容などもよく踏まえまして、今後子育て支援・少子化対策県民会議等においても議論していただきたい。  このほか、子供の数にかかわらず県民の子弟の大学生に対する県単独の無利子奨学金制度とか、また子育て応援券とか、いろいろな仕組みがございます。最終的にいろいろなものをしっかり組み合わせて、どうすべきかよく議論してまいりたいと思います。 106 島村委員 ありがとうございました。知事からも御答弁がございましたように7割以上の方が、やはりこういう教育費の支出に大変不安を持っているということでございます。そんなにたくさんのお金を投入しなくてもできる大変いい事業だと思いますので、ぜひ御決断いただければ、県民から喝采が起こるだろうと思っておりますので、知事には引き続き御検討いただきたいと思います。  4項目目の質問に移ります。生活保護施策及び生活困窮者自立支援制度の推進について伺ってまいります。  まず、生活保護の保護率及び生活困窮者自立支援に関する相談、支援等の市町村ごとの実績についてお示し願いたいと思います。そして市町村ごとにかなり数値にばらつきがあるように思いますが、その要因について厚生部長はどのように考えておられるのかお伺いをいたします。 107 前田厚生部長 まず、生活保護でございますが、平成28年度の保護率は、各年10月1日現在の総務省の推計人口を分母として被保護実人数を分子とするものでございますが、県全体で3,073世帯、3,550人で0.334%となっております。  本県は、平成7年度から全国データが入手可能な直近の平成27年度まで、保護率が全国で最も低くなっておりますけれども、その要因といたしましては持ち家率が高く、勤労世帯の実収入も高いこと、離婚率が低いこと、三世代同居率が高いことなどが考えられます。また市町村別の保護率をみますと、高岡市の0.458%から舟橋村の0.056%と差がございます。  生活保護制度の運用自体は、国が規定します保護の実施要領に基づきまして統一的に行われているものでございますので、市町村の事務手続きで保護率に直接差が生じるということよりも、保護率の差はそれぞれの持ち家率でありますとか、勤労世帯の実収入、離婚率等々によって生じるものと考えております。  また、生活困窮者自立支援制度は、平成27年4月に施行されました生活困窮者自立支援法に基づきまして、生活保護に至っていない生活困窮者に対する第2のセーフティーネットとして全国に拡充しまして、包括的な支援体系を創設するものでありまして、この制度では各自治体が相談窓口を設置し、生活困窮者からの相談を受け付け、そのニーズを分析、把握いたしまして自立支援プランを策定し、各種支援を行うものでございます。平成28年度の県全体の支援状況は、新規相談件数は776件、事業利用のためのプラン作成件数は175件でありまして、人口10万人当たりの相談件数を全国と比較いたしますと、全国は14.5件、本県は6件でございますので、相対的に低い状況になってございます。  各自治体別に見ますと、対象地区人口10万人当たり月平均で、氷見市が新規相談受け付け件数が29.6件、プラン作成件数は11.9件でいずれも最も高くなっております。氷見市はもともとの地域の実情──生活保護率の推移みたいなもの──もございますけれども、制度施行前のモデル事業を県内の他の自治体に先駆けまして平成26年1月から実施をしておりまして、市庁舎内に福祉の総合相談支援窓口であります、ふくし相談サポートセンターを設置してワンストップ型で相談業務を実施していることなどによるものと考えております。 108 島村委員 生活困窮者自立支援につきましては、今ほどお話があったように、市町村でかなりのばらつきがあると思っております。今ほど紹介がございました氷見市などはかなり高い水準でございますが、そんなことを考えますと、これをしっかり要因分析し、全市町村に水平展開をしていく、そして県全体のレベルを引き上げていくことが最も肝要ではないかと考えますが、今後の取り組みについて厚生部長の所見をお伺いいたします。 109 前田厚生部長 今ほど御答弁申し上げたとおり、県内の各自治体、福祉事務所の設置自治体の生活困窮者自立支援制度の実施状況には差がございます。高いほうで氷見市と申し上げましたが、低いほうはもともと全国よりも大きく数字が少なくなりますけれども、射水や富山、高岡では低い状況にございます。  生活困窮者自立支援制度の実施に当たりましては、経済的困窮か否かにかかわらず、全ての相談を断らないという相談対応が重要であると考えております。県としては、相談支援員や就労支援員等の育成や資質向上のための国の養成研修の受講促進でありますとか、生活保護や福祉などの関係機関との連携強化、認定就労訓練事業所などの生活困窮者に対する支援を行う団体等との連携強化などに市町村とともに取り組むこととしております。平成26年から28年まで29名に研修を受講いただいていまして、全ての自立相談支援機関に修了者を配置できたところでございます。
     先月1日には厚生労働省、県西部6市、県、県社会福祉協議会と、厚生労働省と自治体との生活困窮者自立支援制度に関する意見交換会を開催しまして、支援現場の現状、取り組み、課題等に関して意見交換を行ったところでありますけれども、今後とも担当者会議や情報交換会等を通じて先進的な取り組みを紹介して、県内で生活困窮者自立支援が一層進みますよう各自治体をしっかり支援してまいります。 110 武田副委員長 島村委員の質疑は以上で終了しました。        酒井立志委員の質疑及び答弁 111 武田副委員長 酒井委員。あなたの持ち時間は60分であります。 112 酒井委員 自由民主党の酒井立志でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  先日、大変うれしいニュースが入りました。イコモスの国内委員会は日本の20世紀遺産の20選に立山砂防施設群、そして黒部川水系の発電施設群を上位に示してくれたことでございます。新たな気持ちを持って次なるステージへと、世界遺産登録に向けてしっかり取り組んでいきましょう。この件について、石井知事にぜひ質問をしたかったのですが、通告してございませんので残念に思います。近世高岡の文化遺産群も頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。  それでは、通告に従いまして質問します。  まず初めに、福祉医療行政について質問いたします。東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けてスポーツの関心が高まる中、来年11月3日から6日までの4日間、本県で開催される予定のねんりんピック富山2018の開催1年前イベントが先日実施されました。当日は、ねんりんピック大会旗のお披露目や、また富山大会テーマソングと、それにあわせてその体操が初披露されたということで、約1,300人の皆さんが大いに盛り上がったということでございます。  ねんりんピックは高齢者を中心とする国民の健康の保持増進、社会参加、生きがいの高揚等を図り、ふれあいと活力のある長寿社会の形成に寄与することを目的として開催されると伺っております。  これはまさに、健康寿命日本一を目指す富山県にとっては時宜を得たイベントであります。本番でのスポーツや文化交流大会には、県内外から約1万人の選手、監督、役員が参加する予定で、観客等の人数も含めると相当多くの方々が御来県くださるということになるかと思っております。平成30年度の富山県最大のイベントになろうかと思います。  そこで、第31回全国健康福祉祭ねんりんピック富山2018の開催に当たり、本県としては県内15市町村の個性と魅力を生かし、各種団体や企業と連携を図り、県外からの参加者を県挙げて温かく歓迎し、おもてなし機運を醸成すべきと考えるのでありますが、このことについて前田厚生部長の所見をお伺いいたします。 113 前田厚生部長 お答えいたします。来年11月3日から6日までの4日間開催を予定しておりますねんりんピック富山2018は、全国から約1万人の選手、役員が来県されることから、県民全体でおもてなしの心で対応し、富山にまた来たいと思われるような温かみのある大会となるよう開催機運の醸成や、県民参加の取り組みを推進しているところでございます。  具体的には、県民がさまざまな形で参加し、地域や世代を超えて交流を深めるという大会の趣旨を広く県民に周知し、大会への参加意欲を高めるために、これまで公式ウエブサイトやポスター、リーフレット、広報キャラバン隊によるPR、あるいは先月8日でございますけれども開催1年前イベントを──知事も参加いたしましたし、県議会からは渡辺副議長にも御参加をいただきましたが、そのイベントの中で大会テーマソングでありますとか、体操の初披露をさせていただいたところでございます。  さらに、多くの県民の方々がさまざまな形で大会に参加し、交流を深めることができるよう、来年2月から学校や各種団体、企業にも呼びかけまして、新幹線駅や空港での歓迎や式典、イベント補助等を行います大会ボランティアを募集するほか、全国選手団を歓迎するため県民が積極的に声かけを行うおもてなし声かけ運動の啓発、総合開会式会場等を県民が栽培した季節の花で彩ります花いっぱい運動、小学校の児童等による選手団の応援活動等について取り組みを今後進めることとしております。  また、全国の選手団が富山のおいしい食、伝統芸能等を満喫できるよう市町村等と連携しまして、会場等での歓迎、エクスカーションなどの準備を進めているところでございます。  この大会が、多くの県民や来県者の心にいつまでも残るすばらしいものとなるよう市町村、関係団体、企業等と一体となりまして、開催に向けた準備を進めるとともに、機運の醸成に努めてまいります。 114 酒井委員 ありがとうございました。それこそ本当に多くの方々が参加されるということで、大いに盛り上げていきたいと思っているところであります。  ねんりんピック開催に当たり重要なことの1つとして、富山県民にこの大会の目的を理解していただき、県民一人一人が健康で長生きしていただくことでなかろうかと思っておりまして、ねんりんピック大会を迎えるに当たり、これまで以上に健康及び福祉に関する積極的かつ総合的な普及啓発活動を展開していただきたいと要望して、次の質問に入ります。  次は、認知症疾患医療センターについて質問いたします。日本は、現在超高齢社会と呼ばれる状況であり、世界でも類を見ない速さで高齢化が進んでおります。超高齢社会がもたらす課題の1つとして、認知症になる高齢者が増加してくることが挙げられます。  内閣府の日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究によりますと、日本の65歳以上の高齢者の認知症患者数、有病率の将来推計については、平成24年は認知症患者数は462万人で、65歳以上の高齢者の7人に1人、有病率は15%というような状況になっております。その年の13年後、平成37年になりますと約700万人で、5人に1人になる見込みでございます。  これは富山県においても同様の傾向にあると思われ、認知症対策は今後ますます重要になろうかと考えております。先日、吉田委員も質問で触れられましたが、認知症になっても住みなれた地域で安心して暮らせる仕組みが重要かと考えております。  そうした中で、10月に高岡市民病院に認知症疾患医療センターが開設され、そのことにより県内4医療圏全てにおいて認知症に関する専門的な医療相談の体制が整ったところであります。今後一層、認知症疾患医療センターがその機能を十分に発揮するには、医療関係者だけではなく地域包括支援センター、行政等が一体となってその仕組みを進めていかなければならないと考えております。  そこで、今後県として認知症疾患医療センターについて、県内4カ所のセンターとの連携や支援により、認知症疾患対策をどのように進めていくのか、前田厚生部長にお伺いをいたします。 115 前田厚生部長 委員から御紹介をいただいたとおり、去る10月に高岡市民病院に認知症疾患医療センターが開設されまして、県内の4医療圏全てにおきまして認知症疾患に関する専門医療の体制が整ったところでございます。これによりまして、高岡医療圏の患者の利便性が高まるとともに、地域の認知症初期集中支援チームや認知症サポート医、かかりつけ医等との連携、さらには地域包括支援センターとのより緊密な連携が可能となっております。  県では、これまで認知症疾患医療センターが行います鑑別診断や専門医療相談への運営支援のほか、地域の関係者が一体となって認知症施策を進めるため、群市医師会などの地域の保健医療関係者や地域包括支援センターなどの介護関係者、県厚生センター、行政等で組織いたします認知症疾患医療連携協議会による地域の認知症に関する支援体制づくりに関する活動──これは高岡では来年の2月に開催を予定したいと考えておりますけれども、その活動でありますとか、関係機関や地域住民等に向けた研修会の開催など、地域との連携強化を図る取り組みへの支援を行っております。  今後とも、各認知症疾患医療センターを中心として関係機関が地域との連携を深め、認知症の人が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができる社会が構築されるよう、認知症施策にしっかり取り組んでまいります。 116 酒井委員 地域におけるさまざまな機関と連携が不可欠と考えております。前田部長には、ねんりんピックと認知症疾患対策について答弁いただきましてありがとうございます。  2013年の時点で日本の健康寿命は、男性が71.19年、女性が74.21年となっており、2001年、13年前と比べて男性は1.79年、女性は1.56年とそれぞれ延びてはおりますが、同期間における平均寿命の延びに比べて小さいとのことであります。  先日、宮本委員も歯の健康について8020を主張されました。そのことも大変重要な施策であると思いますし、また定期健康診断などによるがん対策等を初め、認知症疾患対策等においてもしっかり対応し、それこそ健康寿命日本一を県民総ぐるみで目指していきたいものだと考えております。  本日、前田部長には、先ほどお話しいただきましたねんりんピックの大会ソングとそれにあわせた体操をちょっと御披露いただこうかなと思ったのですが、時間もございませんので次の質問に入らせていただきます。  次は、道の駅ネットワーク化とその利用促進について質問いたします。  まず1点目、一般国道415号雨晴東部地内第2期区間の早期事業化の件でございます。現在、高岡市で整備が進められている道の駅雨晴は、先月17日、県内では15カ所目の道の駅として正式に登録されたところでございます。  当該道の駅は、国名勝のおくのほそ道の風景地、有磯海に指定された雨晴海岸から3,000メートル級の立山連峰を望むことができる国内有数の景勝地に位置してございます。  また、雨晴海岸を含む富山湾は、ユネスコが支援する世界で最も美しい湾クラブにも加盟しておりまして、現在でも多くの観光客が訪れる県内有数の観光地であります。  さらに、前面道路の国道415号は、富山湾岸サイクリングロードにも指定されてございまして、当該道の駅にはサイクリングステーションも併設されることから、これまで以上に眺望を目的とする観光客だけではなくて、自転車愛好家の立ち寄りの増加も大いに期待されるというところでございます。  現在、氷見市、射水市、滑川市にそれぞれ特色のある道の駅が運営されており、黒部市でも新たな道の駅が計画されるなど、富山湾に沿って点在していた道の駅がそれこそ線となって見えてきているところでございます。  道の駅雨晴は、来春のオープンを目標に整備が進められております。県では、これと並行して前面の国道415号の約250メートル区間を第1期区間として拡幅整備中であります。道の駅雨晴のオープンに伴う交通量増が想定されるとともに、富山湾沿いに立地する道の駅相互のネットワーク、連携強化を図る上でも拡幅整備が有効かと考えております。  ついては、県として第1期区間の整備完了に続き、東側の未整備区間を第2期区間として早期事業化を図るべきと考えておりますが、このことについて加藤土木部長に見解をお伺いいたします。 117 加藤土木部長 国道415号につきましては、沿岸部にございます観光拠点あるいは物流拠点の連携を図ります、いわゆる湾岸道路を形成する重要な道路でございまして、特に高岡市太田地内では富山湾越しの雄大な立山連峰を望む雨晴海岸に隣接する絶景のルートとなっております。  このうち雨晴交差点から東側の延長250メートルの間でございますけれども、交通量が多く通学路にもかかわらず歩道がないことから、安全で円滑な交通を確保するとともに、雨晴海岸の眺望空間を確保するということから、現在歩道新設と無電柱化の工事を進めているところであります。  また、御紹介いただきましたように、隣接しました道の駅雨晴を整備しておりまして、道路管理者でございます県では駐車場やトイレ、高岡市では道路や観光情報の提供あるいは物販、飲食など観光拠点となります地域振興施設を、平成30年春の供用を目指して県市一体となって整備を進めているところでございます。  お尋ねをいただきましたこの区間に続きます東側の延長200メートルでございますけれども、こちらの区間についても幅員が狭く、歩道が中抜けとなっておりますので、道の駅オープンに伴いまして交通量の増加も十分想定されるということでありまして、整備の必要性については十分認識しているところでございます。  しかしながら、道路確保には用地買収や物件補償などが必要であることもございますので、こうしたことも踏まえまして今後第2期区間としての整備について検討していきたいと思っているところでございます。 118 酒井委員 どうもありがとうございます。私もせんだって行ってまいりましたが、富山県にとって本当に代表的な景勝地かと思っております。たくさんの方がおいででありました。外国人の方もいらっしゃいましたし、一生懸命カメラで撮っていらっしゃる方に声をかけ、どこからかということを聞きましたら、新潟からとか岐阜からとかたくさんおいででありますので、全国の多くの皆さんに海越しの3,000メートル級の立山連峰を目の当たりにしていただいて感動を与えていきたいと思っております。ぜひ積極的に今後とも事業の推進についてお願いを申し上げる次第であります。よろしくお願いいたします。  この項、2点目でありますが、道の駅を観光資源として捉えた施策の推進についてであります。昨今、道の駅は道路利用者の利便施設としてだけではなく、観光振興、地域振興の観点から各都市それぞれが創意工夫を凝らし、施設整備や管理運営を行うことにより多様な機能が付加、充実された観光拠点となっておりまして、道の駅そのものを目的として訪れる方々も非常に多くなっていることと思っております。  道の駅雨晴を含む県内15カ所の道の駅は、国道、県道といった主要幹線道路沿いを基本に立地し、各都市がそれぞれ独自に道の駅の立地特性、まちの特徴を生かした特色あるサービスを提供してございます。  このように、個性的で魅力ある観光拠点として運営されている道の駅について、本県における新たな観光の目玉として利用することも想定されることかと思います。例えば山形県では県が主体となり、東京オリンピックが開催される2020年初頭をめどとして道の駅の利用促進による地域の観光振興を図る取り組みも行われております。  また、能越自動車道沿線の魅力発信と富山、石川両県の交流促進を目的として、ことしで3回目となる能越道交流会は、沿線各都市の道の駅がブースを出展し個々のPR活動を実施するも、道の駅を本県の魅力として対外的に強く発信するためのツールとしての活用にはいまだ至っておりません。  現在策定中の新総合計画では、活力とやまの柱の1つとして観光振興と魅力あるまちづくりを掲げており、県が主体となり各都市が個々に管理運営に取り組む道の駅を1つのまとまりとして捉えて、道の駅そのものを新たな観光資源として活用するための方向性を示し、具体の取り組みを支援することは意義のあることと考えております。  つきましては、本県においても道の駅を観光資源として捉え、県外観光客等へのPRによる本県への誘客促進を図るべきと考えますが蔵堀観光・交通・地域振興局長にその見解をお伺いいたします。 119 蔵堀観光・交通・地域振興局長 道の駅は、道路利用者に対しまして道路情報の提供ですとか休憩場所を確保することが本来の目的でございますけれども、観光案内所ですとか物産館、レストランなどを併設した施設が多くなっておりまして、観光客の方が訪れる重要な観光資源と思っております。  富山県には、現在14カ所の道の駅がございますけれども、例えば和紙すき体験ができる道の駅たいらですとか、足湯のある道の駅メルヘンおやべ、あるいは毎月の感謝祭ですとか朝市などさまざまなイベントを実施しております道の駅万葉の里高岡など、個性的な魅力ある道の駅があるところでございます。また、ひみ番屋街など既に県内外から多くの観光客が訪れて観光スポットとしても認知をされている施設も多くなってきているところでございます。県としては、こうした道の駅を活用いたしまして県外から観光客の皆さんを呼んでくる、誘客を促進するといったことは大変重要なことだと考えております。  このため、先ほど委員から道の駅をまとめてPRしたらどうかというお話がございましたけれども、県の観光サイトとやま観光ナビの観光スポットを紹介するページに道の駅というカテゴリーを設けまして、各施設をまとめて紹介するページもつくっております。また観光の季刊誌ねまるちゃを初め各種パンフレットにも道の駅の情報を掲載いたしております。  さらには、とやま観光推進機構が運営します着地型旅行商品を販売するウエブサイトにおきましても、道の駅を組み込んだツアーを販売するなど、積極的にPRも行っているところでございます。  ことしの6月には、道の駅庄川がリニューアルオープンしましたほか、先ほどから御説明もございましたが、来年の春には道の駅雨晴、さらには平成33年度には、仮称ですが道の駅くろべのオープンも予定されているところでございます。  今後も、ますます魅力あふれる道の駅が増えてきますので、本県にある道の駅の魅力を県内外の多くの方々にしっかりPRいたしまして、本県への誘客の促進に努力をしていきたいと考えております。 120 酒井委員 どうもありがとうございます。来年開催されるねんりんピックは、選手層の若い国民体育大会とは違って年齢層の高い祭典でありますので、経済効果はそれなりにあるのではないかと思います。特に、移動手段として北陸新幹線を初め、団体のバス移動も多いのかなとも考えておりまして、そういったことで道の駅の一元的な情報発信はさまざまな点で有効と考えられることから、今回この質問をさせていただきました。より一層力を入れていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  次に、安全なまちづくりについて質問いたします。  富山県では、刑法犯認知件数が平成14年以降、15年連続で減少し、県警察のホームページを確認しますと、ことし10月末現在で刑法犯認知件数は4,380件、前年比で約200件減少し、このまま推移しますと16年連続で減少する状況であります。  しかしながら、全体が減少する中で自転車盗、車上狙いや、女性や子供を対象とする不審な声かけ、つきまとい事案が増加しているとも伺っております。このことは、今後、治安が悪化する予兆ではないかと懸念するところであります。  そこで、ことしの自転車盗、車上狙い、不審な声かけ、つきまとい事案の認知件数や場所、被害者等の特徴をどのように捉えているのか、白井警察本部長にお伺いいたします。 121 白井警察本部長 県内の刑法犯認知件数は、戦後最少であった昨年をさらに下回るペースで推移しており、本年11月末現在では4,852件と、昨年同期と比べまして151件減少しています。  その一方で、委員から御指摘のありましたとおり、自転車盗や車上狙いといった県民の身近で発生する犯罪は全国的に減少している中、本県では増加しており、不審な声かけ、つきまとい事案も高い水準で発生するなど、依然犯罪情勢は厳しいものと認識しています。  これら犯罪の認知件数や特徴につきましては、自転車盗は認知件数が818件と昨年同期に比べまして32件増加しており、発生場所は駅やその周辺の駐輪場が330件と最も多く、次いで住宅、商業施設の順であり、これらの場所で全体の約8割を占めています。また被害者は高校生が323人と最も多く、児童生徒が全体の約6割を占めています。  車上狙いについては、認知件数が329件とこれも昨年同期と比べまして45件増加しており、発生場所は住宅が141件と最も多く、次いで商業施設、道路の順で発生しています。  不審な声かけ、つきまとい事案については、認知件数が815件と昨年同期と比べまして272件増加しており、発生場所は道路が442件と全体の約5割を占めています。声かけの対象者は小学生が167人と最も多く、児童生徒等が全体の約6割を占めています。 122 酒井委員 どうもありがとうございます。いずれも32件、45件、特に不審な声かけ、つきまとい事案が272件と多くなっている状況であります。大変な状況かと思います。  まず、自転車盗については、県警察では盗難防止にツーロックを推奨しておられますが、ことしの春以降、私の地元、万葉線の電停近くなのですが、自転車をツーロックしても盗まれる被害が発生しております。ツーロックした自転車を犯人は恐らく車に積んで持ち去るのではないかと思っておりまして、地元では被害に遭わないためには自転車を動かないポールや支柱に固定して鍵をかける必要があるのではないかということを言っています。一部住民には、防犯カメラが必要なのではとの声もあります。  また、県内では車上狙いが夏場以降、前年比2倍以上のペースで激増し、全体の約4割が駐車場でということで、今ほどもお話がありました。ちなみに近県の発生状況を確認したところ、石川県や福井県では減少しておりますが、北陸3県で富山県だけが増加している状況ということで聞いております。また愛知県や岐阜県では増加しておりまして、愛知県では9月末で約3,700件、岐阜県では約1,000件と本県と比較すると桁違いで多発している状況であります。  東海北陸自動車道などでちょっと足を延ばせば富山県でありますので、私は中京圏の犯罪者が富山県へ入ってくると大変なことになってしまうのかなとも考えております。  以前に、現場の警察官からお話を伺ったのですが、都会ではプロの犯罪者が一瞬で車のガラスを割り、ほんの数秒で犯行を終了することができると。つまり十数分もあれば一気に十数台の車が被害に遭ってしまうということであります。車をロックしても被害に遭いますし、車の中に貴重品を置くなと住民に啓発していても、短時間なら大丈夫と考えてしまう住民が多いことから被害に遭う件数は減らないということでありました。  しかし、プロの犯罪者が恐れるのは防犯カメラだということです。事前に下見をしますが、下見の際に防犯カメラを確認すると、まずそれ以降犯行を断念してしまうということであります。悪質な犯罪に対抗するには、防犯カメラの設置以外にないのかなと自分なりに思った次第であります。  また、先ほど272件と急増しております声かけ、つきまとい事案は、誘拐や性犯罪など凶悪事件の予兆ともなるということで、これが増加してくることは放置できない問題と捉えておりまして、住民の不安感を解消するためにも防犯カメラの普及が急務と改めて認識いたしました。  そこで、犯罪の抑止対策として、県警察としては防犯カメラの設置効果をどのように捉えて、今後設置普及等にどのように取り組もうとしているのか、改めて白井警察本部長にその所見をお伺いいたしたいと思います。 123 白井警察本部長 防犯カメラの設置については、これは地域の安全・安心の確保につながり、犯罪の抑止や事件、事故の早期解決に役立つものと考えています。  具体的には、例えば防犯カメラの設置が進められた富山駅や高岡駅周辺地域では、自転車盗が減少傾向で推移しているほか、近年防犯カメラが設置された住宅地域では設置前後で見た場合、約8割近くの地域において住宅進入犯罪や車上狙いなどの街頭犯罪の減少などが見られるところです。また犯罪検挙の面では、本年11月末現在で県警察が検挙した刑法犯2,239件のうち139件において防犯カメラ画像が事件解決に寄与しています。  防犯カメラは、自治体や事業者、また町内会等により駅周辺の駐輪場や公園、道路などの公共空間への設置が進められてきたところであり、これまでに約850台の防犯カメラが整備されたと承知しております。  さきに申し上げたように、自転車盗、車上狙いなどが高い水準で発生しておりますので、県警察では、引き続き自治体等に対しまして防犯カメラの設置や町内会が防犯カメラを設置するのに必要となる助成制度の創設、拡充を働きかけてまいります。あわせまして、防犯カメラに関心を示している町内会に対しては、エリア内に一定期間防犯カメラを試行的に設置するなどして、その犯罪抑止効果を実感、体感していただきまして、住民意識の醸成、高揚を図るなどの新たな取り組みにより、県当局とも連携しながら防犯カメラの普及につなげてまいります。 124 酒井委員 どうもありがとうございました。防犯カメラの設置効果が極めて高く、県警察では最重要課題と位置づけていることがわかりました。  私の地元でも、ことし初めて防犯カメラを1カ所設置させていただきました。市の補助が10万円しかないので、地元では20万円を手出ししたということです。結構大きな数字で負担をするわけで、あと2カ所ぐらいつけたかったのですが、なかなか続かない、ほかはとりあえず我慢しようと、またお金をためたら、市のほうにお願いしようかなという話でありました。なかなかやはり経費もかかるので、そこを何とか助けていただきたいという住民の声でありますので、また受けとめていただければと考えています。よろしくお願いします。  次に、県民総ぐるみによる安全なまちづくりについてお伺いいたします。安全なまちづくりに向けては、県民の自主防犯活動を推進していくことと、犯罪の起こりにくい環境づくりを行うことが大きな柱になると思いますが、自主防犯活動の促進においては、まず県民一人一人の防犯意識の一層の向上を図る必要があろうかと思っております。さらには、自主防犯組織や自主防犯団体を支援し、拠点となる安全なまちづくり推進センターの設置等を一層進める必要があると考えております。  加えて、今回私が特に重点を置いて検討いただきたいと考えているのは、犯罪の起こりにくい環境づくりであります。今ほども質問しましたように、防犯カメラの設置促進がそのための有効な手段と考えております。過去、県では北陸新幹線開業後の交流人口増加に対応するため、平成25年度から3年間、防犯カメラの整備の補助制度を進められて、トータル232台の設置補助を行ったと伺っております。  しかしながら、補助制度の終了後も、県民の防犯カメラ設置要望は高く、例えば高岡市内ではことし3月に横田地区で発生した住宅密集地での放火事件を受けて地元自治会が防犯カメラの設置要望を高岡市に提出しております。また殺人事件が未解決の野村地区では、平成27年2月に防犯カメラを設置いたしました。  結果論ですが、住民からは、発生当時に防犯カメラが設置されていたら犯人は捕まったとか、あるいは殺人事件も発生しなかったのではないかという声、意見もあります。  一部市町村では補助事業を継続していますが、財政基盤が脆弱な市町村では防犯カメラの整備がほとんど進捗していないのが実情と思っております。  また、例えば先日の一般質問の中で井上議員がお話ししておられましたが、県政世論調査によると、今後さらに犯罪を減らすための取り組みについてということに対して、平成25年度以降3回連続で防犯カメラ設置が圧倒的に1位であることから、この結果をしっかり県政へ反映させ、過去行っていた補助制度を復活させるべきと私は考えております。  そこで、知事にお伺いしたいのですが、富山県安全なまちづくり条例に基づき、地区安全なまちづくり推進センター設置等のほか、特に犯罪の起こりにくい環境づくり等、現在の取り組み状況をどう評価し、今後どのような活動に重点を置いて取り組む方針なのか、石井知事にお伺いいたします。 125 石井知事 富山県では、平成17年4月に安全なまちづくり条例を施行しまして、県安全なまちづくり推進本部会議というものを設けたり、また市町村にお願いして、市町村安全なまちづくり推進センターを指定する──今、富山市を除いて14市町村で既にできております。  また、防犯上の指針の策定とか、安全なまちづくりの日の設定等を通じまして市町村や事業者の方、また幅広い県民の皆さんと連携して県民総ぐるみによる防犯活動に積極的に取り組んでまいりました。  現在は、自主防犯団体等の活動拠点となります地区安全なまちづくり推進センター──これは市町村に設置していただいているわけですけれども、以前、平成18年ごろは10カ所ぐらいでしたが今では206カ所に設置されている。また民間パトロール隊も、以前は参加する方が6,700人ほどだったのですけれども、現在では3万8,000人ぐらいの方、全部で613隊ございます。また青色回転灯装備車両、いわゆる青パトも、条例制定のころ、私が知事に就任させていただいたころは13台しかなかったのですが、今は534台となりますなど、地域の安全を守る輪が大きく広がっていると思います。  その結果として、県内の犯罪発生件数は、もちろん経済動向がよくなっていることもありますが、15年連続で減少しまして、ピーク時の平成13年の約3割に減少し、1万7,660件が5,394件になったということでありまして、ことしについても昨年に比べてさらに減少しているということですので、全国でもトップクラスの犯罪の少ない県になってきたと思います。  一方で、本県では、今まで比較的安全だったということで無施錠による盗難被害の割合がまだ依然として高い。また民間パトロール隊の隊員の皆さんに大変熱心に取り組んでいただいているのですけれども、メンバーがやや固定化して、また高齢化される傾向がある。そこで中学、高校生を対象としたカギかけ防犯コンテストなど、カギかけ防犯キャンペーンの実施ですとか、また地区安全なまちづくり推進センターをもっと活性化する、活性化補助金的なことも若干ですが、ささやかながら出したり、また民間パトロール隊活動への支援、また学生防犯ボランティア講座の開催といったことに取り組んでおりますし、いろいろな機会に、例えば、ついせんだっても白井本部長などと御一緒に、年末警戒で民間パトロール隊を激励させていただいたりしております。  防犯カメラの設置については、本当は市町村行政かなと思ったのですけれども、北陸新幹線開業で交流人口が相当に増えるだろう。やはりここは県も応援しなくてはいかんということで、最初は2年間、さらに御要望が多いので1年延長してお話のように232台の防犯カメラを設置しまして、相当効果があったと思うのですけれども、依然として県民の皆さんの関心も高いことも確かにそうだなと思っております。  こうしたことも含めて犯罪のない──日本一が好きだとおっしゃいましたが、日本一の安全・安心の県を実現したいと私は本当に真面目に思っておりますから、今後の治安情勢の変化などにも対応できますように、一方で民間のコンビニなどではこちらがお願いしなくても自分でどんどんやっておられますので、そういったものの普及状況も見ながら、また有識者の御意見も伺って総合的に検討してまいりたいと思っております。 126 酒井委員 知事、ありがとうございました。それこそ民間力も使いながら連携して、安全なまちづくりを推進していければいいなと思っております。  ちょっと防犯カメラに特化してしまいましたが、調べたところによりますと、ある市では33カ所の要望に対して9カ所しかつけることができないということですので、ぜひその辺は、何とか力を差し伸べていただければと思います。富山県安全なまちづくり推進本部においては、石井知事が本部長で、白井警察本部長が副本部長でありますので、ぜひお二人に期待したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは次に、空き家対策について質問いたします。  人口は減り続ける一方、少子高齢化、人口減少社会の中、核家族化の進展から世帯数は増え続けております。国勢調査が実施された2年前の10月時点では、県内で最も多いのは、夫婦と子供の世帯が26.6%で、次に単独世帯が26.3%となっており、その単独世帯の約4割は65歳以上の高齢者とのことであります。0.3%の差で拮抗しておりますから、次回の確定値では単独世帯が最多となって、その単独世帯の約5割近くが高齢者となることが想定されるのではないかと思っております。
     高齢者だけの世帯は、その方々が亡くなれば空き家になる可能性が高く、社会構造的に空き家が増え続けることは明らかであります。このことにより、富山県は長らく持ち家率日本一を誇ってきましたが、そのことが一転して負の遺産になりかねません。  総務省は5年に一度、5年ごとに空き家の調査を実施しております。2014年10月1日における全国の総住宅数6,063万戸のうち、空き家の数は820万戸、これは5年前に比べて63万戸、8.3%の増加です。空き家率は平成10年、1998年に初めて1割を超えて11.5%です。平成26年、2014年には13.5%と空き家数と空き家率ともに最高となっております。増加した空き家数63万戸のうち一戸建てが約8割を占め、そのうちの99.6%、それこそ100%近くでありますが、賃貸や売却の予定がないまま放置されている状況です。  今後の見通しとしては、2015年、野村総合研究所の発表、また米山秀隆氏の著書、空き家対策の実務によれば、日本全体の人口は2008年をピークに減少していますが、間もなく世帯数も減少するということ。世帯数のピークは全国では2019年、それこそ来年になるということでございます。新築数と除却数が現状の水準のままと仮定すると、全国の空き家率は2033年には28.5%になると推計されております。  本県、直近の2013年の調査結果では、これは皆さん御存じですが、県内の空き家数は5万6,200戸であり、空き家率は12.8%で8戸に1戸を空き家が占めているということです。なおこの数字は別荘やセカンドハウス、賃貸、売却用の物件、アパートの空き室も含めてのことです。  しかしながら、本県では、これまで対象とする空き家の定義や調査方法は各基礎自治体で異なり、県全体の空き家の厳密な把握が難しいことが問題視されております。  そこで、県内全体の正確な空き家実態を厳密に把握するために、県がリーダーシップを発揮して県内自治体や民間と連携し、統一したガイドラインを打ち出すことでまとめ上げていくべきと考えておりますが、この件について加藤土木部長に見解をお伺いいたします。 127 加藤土木部長 空き家対策の主体でございます市町村におきましては、管内の空き家の分布状況あるいは課題などもそれぞれ異なっておりまして、その地域特性に応じた空家対策計画を策定して、流通促進あるいは利活用、老朽空き家の除却促進など、さまざまな施策に取り組んでいるところであります。  こういったことから、市町村におきまして空き家の定義あるいは実態調査の方法などが若干異なる状況となっておりまして、ある面ではある程度やむを得ない面もあるのではないかと考えているところであります。  委員御指摘のとおり、県内全体でできるだけ統一した定義あるいはその調査方法のもとに空き家の実態を把握することが望ましいという御意見もございますことから、県と市町村や民間の関係団体などで構成して定期的に開催いたしております富山県空き家対策官民連絡協議会におきまして、まずは各市町村の空き家の定義あるいはその実態調査の方法、また民間の関係団体と市町村が協力して行う空き家調査の取り組みなどについて情報共有に取り組んできているところでございます。  県としましては、本協議会におきまして今後、市町村や民間の関係団体の御意見なども十分お聞きしまして、県内全体の空き家の実態把握の方法についても検討していきたいと思っているところでございます。 128 酒井委員 ありがとうございます。空き家数で怖いのは人口減少なのです。人口が急激に下がっていくことに伴って空き家の数も増えていくということであります。急激に来るということでありますから、対応がおくれないようにしっかりとした準備を毎年しておく必要があろうかと考えたことからこの質問をさせていただきました。  次に、倒壊のおそれがある危険な空き家が全国で問題になっていることを受けて、市町村に、立ち入り調査や所有者に対して助言、指導、勧告など撤去や修繕などを命じることができるようにした空家等対策特措法が全面施行されてから2年半が経過しました。  この空家等対策の推進に関する特別措置法の第6条第4項、これは空家等対策計画でありますが、ここにおいて市町村は都道府県知事に対し、空家等対策計画の作成及び変更並びに実施、情報の提供、技術的な助言その他必要な援助を求めることができるとなっております。  一方、第8条では、これは都道府県による援助ということについてでありますが、都道府県知事は空家等対策計画の作成及び変更並びに実施その他空家等に関し、この法律に基づき市町村が講ずる措置について、当該市町村に対する情報の提供及び技術的な助言、市町村相互間の連絡調整その他必要な援助を行うよう努めなければならないとなっております。  各市町村において、空家等対策計画等で計画の作成はしたものの、その実施体制はどのような状況でありましょうか。私の印象では、ある市などは建設住宅課の1セクションの少ないスタッフで、現存する多くのさまざまな空き家物件の現地調査であったり、また多くの自治会の要望等に対応している状況であります。今後、急激な人口減少と世帯減少が予測される中、各市町村で現在の人員体制では不十分な面もあり、県の援助が必要と考えます。  そこで、空家等対策特措法に基づき、県は市町村に対して技術的な助言や市町村相互間の連絡調整等、必要な援助を行うことになっておりますが、どのように取り組んでいるのか土木部長にお伺いいたします。 129 加藤土木部長 先ほど御答弁申し上げましたけれども、空き家対策官民連絡協議会を定期的に開催しておりまして、その中で幅広く空き家対策について情報共有あるいは意見交換といった連絡調整を行っているわけでございます。その中で、各市町村におけます空き家対策条例の制定の必要性、あるいは空き家対策の先進事例、また略式代執行の事例を紹介するなどといった市町村への技術的な助言についても行っているところであります。また技術的な助言として、これまでも平成26年2月に県独自で空き家の除却等に係るガイドラインというものをつくりまして、これを各市町村にお示ししておりますし、また国の交付金事業であります空き家再生等推進事業、あるいは空き家対策総合支援事業などといった事業を活用する際の採択に向けた要望段階からの助言、協力も行っております。  このほか、財政的な支援といたしましては、所有者等が不明なためやむを得ず行政代執行により市町村が特定空家等を除却する場合の県の単独事業による支援、また空き家の管理、利活用に係る検討あるいは合意形成を図ります地域ぐるみの取り組みへの支援にも努めているところであります。  県といたしましては、引き続き市町村に対する空き家対策への助言あるいは連絡調整など必要な支援について積極的に取り組んでまいります。 130 酒井委員 どうもありがとうございます。それでは、各市町村とも連携を図っていただきたいと要望しておきます。  次に、空き家活用等は、地方創生の観点からも各市町村の枠を超えた全県的な問題であり、県の積極的な役割が期待されると考えております。特にテレビなどでのさまざまな広報活動やセミナー等、広域的な取り組みも推進すべきかと考えております。  また、空き家対策では分野横断的な課題があるため、県としても土木部を中心に部局横断的、専門、集中的に取り組む必要があるかと考えておりますが、この点について土木部長に見解をお伺いいたします。 131 加藤土木部長 今ほど御答弁申し上げました市町村への技術的助言、あるいは財政的支援といった取り組みのほかにも、空き家対策につきましては、流通の促進あるいは利活用などの対策に総合的に取り組んできているところであります。  具体的に申しますと、流通促進としましては、空き家コーディネーターによります住宅購入あるいは賃貸希望者と空き家物件のマッチング、空き家セミナーあるいは個別相談会等の開催への支援もやっておりますし、移住希望者やUIJターン希望者などに向けまして、富山くらし・しごと支援センターにおけます首都圏等への空き家情報の提供、発信、また「くらしたい国、富山」のホームページで各市町村の空き家バンクあるいは各市町村が取り組んでおります各種支援制度など県内外への情報発信もやっております。  また、利活用対策としましては、移住者受け入れモデル地域におけます空き家を活用した宿泊体験施設等の整備への支援、県外からの移住者を対象としました伝統的家屋の空き家改修への支援といったものもやっておりますし、市町村を超えた県内全体、そして県域を超えた首都圏などに向けた広域的な取り組みについて、私ども土木部だけではなく関係部局が連携して全庁的に取り組んでいるところでございます。  空き家については、放置すれば景観、環境、防犯面での問題が懸念されるということでありますので、先ほどから何度も申し上げて大変恐縮ですが、官民連絡協議会というものを土木部だけではなく観光・交通・地域振興局と一緒になって、共同で設置、運営しておりますし、日ごろから空き家対策に係ります庁内全体の情報共有にも努めているところでございます。  今後とも、市町村、民間団体と連携しまして、関係部局が一体となった総合的な推進に取り組んでまいりたいと思っております。 132 酒井委員 加藤部長、ありがとうございました。  次に、県内多くの商店街で空き店舗、テナントが目立つ中、商業機能を集約し、まちなかの交流人口を増やし、にぎわいのある暮らし、まちづくりを進めることは重要なことでございます。  各市においても、独自の開業支援制度を設け、にぎわいのある商店街の形成に向け取り組んでいるところでありますが、一方で後継者不足などの要因で空き店舗になるなど、なかなか効果があらわれていない現状であろうかと考えます。  このような中、2016年度に県において商店街空き店舗出店支援モデル事業を創設されたことは大変時宜を得たものであったと考えておりますが、創設以来、活用した実績がないと聞いております。住民生活に必要な業種に限定していたことが要因なのかもしれませんが、そこで実績のない要因をどのように分析し、その結果を踏まえて今後の空き店舗対策をどのように進めていくのか、伍嶋商工労働部長にお伺いをいたします。 133 伍嶋商工労働部長 平成28年度に商店街の空き店舗を活用して、住民生活に必要な業種の店舗出店に対してモデル的に支援いたします商店街空き店舗出店支援モデル事業を創設しましたけれども、委員御指摘のとおり現段階で申請がない状況となっております。  その要因としましては、県内の13の市町におきましても空き店舗への出店に係る補助制度が設けられておりまして、またその内容を見ましても対象業種を指定しないなど間口の広い制度となっているわけであります。こうした中、県の補助制度は対象業種を生鮮食料品や日用雑貨など住民生活に必要な業種に限定しているなど事業者にとっては厳しい要件としているためではないかと考えておりまして、次年度に向けて今後の支援のあり方を検討していきたいと考えております。  一方、県では昨年度から空き店舗など、まちなかの遊休資産を活用しましてその地域全体の価値を上げるといった取り組みをしておりまして、その1つとして新しいまちづくりを学ぶセミナーを開催したわけでありますけれども、関心のある若い世代が多数参加されたところであります。また12月上旬には、県内初のリノベーションスクール@高岡が開催されまして、これは高岡市の中心市街地におきまして実際の空き店舗を活用して遊休資産の活用方法を実地で学ぶスクールでありますけれども、こういった新たな動きが出てきております。さらに本年4月には、魚津市の商店街においてもシェアオフィスが開催され、異業種交流の拠点となっている事例もあります。  こうした状況を踏まえまして、今後の空き店舗対策の取り組みといたしましては、暮らしやすいまちづくりを目指して若者や女性など新たなまちづくりの担い手の育成を図るとともに、商店街を含むまちなかに商業、サービス機能に加えて文化や福祉、業務機能など多様な機能の集約を図ることにより、まちの魅力やにぎわいの創出に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 134 酒井委員 部長、どうもありがとうございました。  どの市においても抱える空き店舗対策を応援できるような支援メニューを再構築してください。よろしくお願いいたします。  それでは最後になります。これまで空き家、空き店舗対策について質問してまいりましたが、最後の締めくくりとして空き家対策を県外からの移住対策にうまく取り組み、一石二鳥の対策をさらに推進できないかという観点も踏まえ、県の移住施策のこれまでの総括と今後の対策について伺いたいと思います。  県外からの移住受け入れ促進のため、県では空き家改修支援モデル事業のほか、移住者受け入れモデル地域でのトータルサポート事業などさまざまな施策を講じられてきましたが、引き続き市町村、民間企業、団体との連携を図り、強力に進めていくべきであると考えております。  県外からの移住の促進について、これまでの成果をどのように捉え、今後どのような方針で臨んでいくのか、石井知事にお伺いをいたします。 135 石井知事 これまで、2年半ほど前に東京有楽町に富山くらし・しごと支援センターを設置しましたり、その後もとやま移住応援団による応援、富山くらし・しごと体験ツアーとか、また受け入れ側の問題として、移住者受け入れモデル地域──これは高岡の金屋町とか城端とか利賀などでもやっておりますけれども、こうした取り組みの結果、県や市町村の相談窓口等を通じて移住された方々は、平成28年度が565人と過去最高となり、9年間で3,100人を超えたということであります。  ことし1月からは、新たに今申し上げた有楽町の富山くらし・しごと支援センターに仕事相談員を設置しまして、移住希望者が本県での就職、転職について相談できる体制を拡充しました。  今後の取り組みについては、本県への移住者の中には、実は20代、30歳代の方が非常に多いものですから、こうした方々への対応ということで、とやま移住・転職フェア──これは首都圏で毎年開催しておりますけれども、こうした場で先輩移住者、県内企業、空き家コーディネーターにも御参加いただいて、富山暮らしや就業環境の魅力のPRに力を入れる。また新たに県外在住の本県出身の社会人を対象にしまして、転職や移住に関する県内外でのイベント情報などの定期的な送付、インターネットやSNSを活用した情報発信。さらには首都圏以外からの移住促進も大切ですので、大阪での定期的な移住相談会の充実、名古屋でのPRなども強化いたします。  さらに、移住者受け入れモデル地域についても、市町村と連携してさらに拡充する。  民間でも、例えば南砺市の井波では、民間の方が一級建築士の資格もおありで、自分で改修して移住希望者向けの滞在型施設を整備するといったこともなさっています。こういったことについても、市町村や関係団体と連携して支援してまいりたい。  移住は、大切、重要な政策だと思いますので、しっかりと進めてまいります。 136 武田副委員長 酒井委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午後3時02分休憩                     午後3時15分開議 137 山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  山崎委員に申し上げます。午前中の山崎委員の発言のうち、一部不適切な部分があったように思われますので、記録を調査の上、措置することにいたします。  なお、発言の取り消し、訂正については、委員長に一任していただきたいと思いますので御了承願います。        大野久芳委員の質疑及び答弁 138 山本委員長 大野委員。あなたの持ち時間は60分であります。 139 大野委員 いよいよことしも残すところ20日余りとなりました。五七五の俳句で表現するとしたら、わかりやすく、「あれこれと 思い出すこと 師走かな」というところでありましょうか。  本年も、国の内外で悲喜こもごもの出来事が発生いたしました。富山県内的には、米の新品種「富富富」の名称発表でありますとか、あるいは全国植樹祭の開催、さらには県リハビリテーション病院・こども支援センターと県美術館の全面オープンのほか、朝乃山関の新入幕と敢闘賞受賞など、明るい話題として挙げることができると思います。  そして、先日、日本の20世紀遺産20選に立山、黒部地域の2つの施設群が選ばれたという大変うれしいニュースが飛び込んでまいりました。  また、県議会では、議会基本条例の制定作業が大詰めに入っており、大変喜ばしく存じています。  ところで、ことしの干支はとりであります。とり年にふさわしく、国の特別天然記念物ライチョウの人工繁殖によるヒナ誕生は、うれしくもあり、記念すべきニュースでありました。  その反面、黒部市からその愛称をトキメキとして住民票を交付されていたトキが、環境省佐渡自然保護官事務所によると既に死亡扱いになっているということを過日知り、大変残念に思っているところであります。他界したとされているトキに思いを致し、本年最後の定例会質問者の大トリとして質問いたしますので、心にときめきを感じる答弁をよろしくお願いいたします。  教育長、大変な1年でありましたね。しばらくおつき合いをお願いします。  さて、県立高校再編問題が大議論になった1年でもありました。県は、毎年のことでありますが、新年度の県立高校募集定員に伴う学校ごとの学級数の増減を決定し、発表いたしましたが、その基本的な考え方についてお伺いいたします。 140 渋谷教育長 御質問の各県立高校の学級数の増減は、募集定員によって定まりますが、この募集定員につきましては1学級の生徒数は40人を標準とすること、公私比率を尊重すること、普職比率がそれぞれ66%程度、34%程度となるように配慮することを前提として、地域別の中学校卒業予定者数の動向、各学校の入学志願者の推移や生徒の出身中学校とその中学校の卒業予定者数の動向、地域バランスなどを踏まえまして、総合的に判断して決定しております。 141 大野委員 そこで、来年春、平成30年度の新規学生のことに関してですが、県内における県立学校全体では9学級減ということが示されました。その中で募集の予定を見ますと、新川学区、私も新川ですが、3つの学校においてそれぞれ1学級減という方針が打ち出されたわけであります。どのような理由で決定したのか、お伺いいたします。 142 渋谷教育長 新川学校における来年度の県立高校の募集定員につきましては、来年春の中学校卒業予定者数が新川学区全体で163人減少することを踏まえまして、桜井、魚津、滑川の3校において、それぞれ普通科1学級を減らすこととしております。  学級減としました高校につきましては、生徒の出身中学校とその中学校の卒業予定者数の動向などをもとに判断しております。  具体的には、桜井高校において生徒の出身中学校の多くを占める黒部市と魚津市で中学校卒業予定者数が37名減員となること。魚津高校において、生徒の出身中学校の多くを占める魚津市など4市町で中学校卒業予定者数が74名減となること。滑川高校において、生徒の出身中学校の多くを占める滑川市など4市町で中学校卒業予定者数が94名減となることなどを踏まえまして、総合的に判断し学級減といたしました。 143 大野委員 教育長、ここで1つ県立高校の再編問題と絡んでくるのですが、今、県が言う方針では、1学年3学級以下、または1学年160名未満を高校再編の対象にするということで、平成30年度の学級編成によって、場合によっては、新たに規模に関する基準に該当することとなる学校も再編統合の対象とすると、答弁として言われてきました。  そこで、今言われております東のほうのA町、高校3クラス。これが来年、町全体で対前年比32名、中学生が減ると。それから、私の黒部市も32名減る。魚津市は細かい数字ですが5名、滑川市は29名減る。山のほうで、それぞれ県立高校を1校ずつお持ちの、ある町では28名、ある町では41名減る。  こういう中において、東のほうにある町の学校は3クラスですから、今の数からいうと、学級減の対象校となってもおかしくないのです。しかし、それを減らすと2クラスになってしまう。  もう一度申し上げますけれども、山のほうの2つの町、それぞれ1校ずつお持ちなのですが、1つの町は28名減、もう1つの町は41名減、我が黒部市は32名減。こんな数字だけを見た場合、何で私の住んでいる黒部市の桜井高校が学級減の対象になるのですか、答えてください。 144 渋谷教育長 まず、現在3学級の高校について、2学級としなかったのはなぜかというお話ですけれども、総合教育会議で高校再編について議論する中で、委員からは1学年2学級となると教員配置数や開設科目数、部活動数の面で3学級の学校よりもさらに厳しい制約を受けることになる。このため2学級の学校をつくっていくことは選択すべきではないとの御意見が述べられました。こうした御意見も踏まえまして、2学級の学校とすることについては選択肢になかったということであります。  いずれにしましても、これまでお答えしておりますように、来年度の県立高校の募集定員につきましては、地域別の中学校卒業予定者数の動向、各学校の入学志願者の推移や、生徒の出身中学校とその中学校の卒業予定者数の動向、地域バランスなどを勘案しまして、総合的に判断して決定しております。 145 大野委員 今ほど、山手の2つの町は県立高校を1校ずつお持ちと、私、言ったでしょう。それというのは、みんな4クラスずつあるのです。片方は28名減る、片方は41名減る、桜井は32名減る。私から言わせると、山手の町2つが、それぞれ1校ずつ県立高校を持っておられて、そこが4クラスなのを3クラスにしてしまうと再編の対象校になるから、避けたのではないですか。 146 渋谷教育長 繰り返しの答弁になって申しわけございませんけれども、いずれにしても、総合的に判断して削減数を決めているところでございます。 147 大野委員 2万何千人の卒業生を有して、もうそろそろ110周年の歴史を数える桜井高校は大騒ぎです。なぜかというと、今申し上げた新川学区の中で、そういう状況ならば何で桜井なのかと。私はその町のことを直接言う気はありませんが、ずばり申し上げて、県教委の考え方は、今4クラスの学校を減らすと3クラスになる。高校再編対象になるから、水橋みたいになったらまた騒ぐという思いがあったからでしょう。もう一度答弁ください。 148 渋谷教育長 来年度の高校の募集定員につきましては、総合的に判断して決定しております。 149 大野委員 私も、新川学区を総合的に判断して申し上げております。  このことについて、私も100%受け入れずに来年の春を迎えなければならないと思いますが、この後続けても、後ろにおられる委員方に迷惑ですから、私はこれ以上言いませんが……。  そこで、なぜこういうことが起きるのか。県教委もよく研究しなさいよ。秋の10月ぐらいになってから、まるで結果ありきの報告をして歩くのではだめだよ。初夏のころには、もう既に新しい学年が入ってきて、来年の春は卒業生がどれぐらい出るかはわかるわけでしょう。1年の間に、ゲルマン民族大移動ではあるまいし、そんなに大きな違いはないでしょう。  だから、来年はぜひ、学校も保護者も生徒も困らないように、初夏のころには一定のものを示すべきです、どうですか。 150 渋谷教育長 本県では、毎年9月から10月にかけて教育委員会の審議を経て各県立高校の募集定員や学級数の増減を決定しまして、公表しております。  この公表時期につきましては、募集定員などを決定する際に踏まえる必要のある中学校卒業予定者数が、例年8月上旬に公表される国の学校基本調査に基づいておりますし、また教育委員会が5月に実施しております中学3年生の進路希望調査結果がまとまるのが例年7月末でありまして、これらも踏まえて総合的に検討する期間も含めまして、今ほど申し上げました時期となっております。  他県におきましても同様の手順を踏んでおりまして、平成29年度入試におきまして9月以降に公表しておりますのは33都道府県で、全体の7割を超えております。  こうした中、来年度の募集定員は、中学校卒業予定者数の大幅な減少によりまして、例えば新川学区では3校で、富山学区では4校で1学級ずつ減少することとしておりますが、生徒数の急減を踏まえますと、来年度以降も同様に、1つの学区で複数校が学級減となる可能性もあるのではないかと考えております。  そうした場合には、御指摘のとおり、中学生や保護者の方々、中学校関係者が早目に対応できるようにすることが望ましいと考えておりますので、今後、募集定員などの公表時期を早めることができないか検討してまいります。 151 大野委員 教育長の最後の言葉で救われましたね。  教育委員会の事務局的なレベルで物を考えずに、もう少し現場はどういうふうに思っているか。私のところにも、学校も含めて焦っていると、やはり今ごろ言われるとつらいと。  しかし、学校現場は、あなた方に物を言いたくても言えない。そういう学校長と学校の先生方のお気持ちも十分考えてあげないと。ましてや、親御さんは、どうしていいのかわからない中で、そのような状況に追い込まれる。  夏前、初夏のころであると夏休みがあるのです。その間にじっくり考えることもできるわけです。くどいようですけれども、今までの歴史の中で、春に卒業するときにそんなに人数が変わったことはないでしょう。その辺を踏まえて、今の最後のお言葉で私は何とか救われたと思います。  そこでですが、入学試験のことを申し上げます。これも実は、私立の高校はずっと前から困っている。古くて新しい問題だと思ってください。  受験の時期について、私は2通りの方法がないかなと。1つは、県立高校の一般入試そのものをもう少し早める。しかし卒業式は成績発表前にやるということは、理屈は合っていると思う。もう数日間でも前に倒すことができないのかということ。  それが無理ならば、欠員が生じた時の合格者の二次発表。これを、土日を挟んででも、逆の意味での働き方改革で職員に頑張ってもらって早く発表を出す。そうすると私立高校も慌てなくてもいい。今のスケジュールですと、私立高校は大変慌てなければならない。そのあたりを検討できませんか。 152 渋谷教育長 全日制県立高校の一般入学者選抜で不合格となりました生徒を対象とした第二次選抜の日程につきましては、現在、勤務日ベースで一般入学者選抜の合格発表の翌日から2日間の志願期間を設けて合否判定を行った上で、志願受付開始から3日後に合格発表を行っております。  このように短期間で合格発表を行っておりますのは、生徒たちの高校への入学準備に要する期間を考慮したものでありますが、本年春に第二次選抜を実施しました40都道府県のうち最も短い日程となっておりまして、本県と同様の日程で対応しておりますのは7府県のみとなっております。
     この第二次選抜の日程を短縮すべきとの御提案でありますが、1つには、文部科学省から、インフルエンザなどによりまして一般入学者選抜を受検できなかった生徒に対する受検機会の確保について対応を求められていること。2つには、志願期間2日間は不合格となりました生徒に配慮したものでありまして、さらに短縮することにつきましては慎重に考える必要があること。3つには、学校が土日祝日に対応することは、教員の働き方改革が求められている中で慎重に考える必要があることから、御提案につきましては慎重に検討する必要があると考えております。 153 大野委員 働き方改革というと、ついつい先生のお仕事の時間が短くとか、事務職の方の時間を短くするとかに行きがちなのです。  受検の合否について、二次試験を受けた人は必死なのです。どうなのだろうと。その心情を考えたら、もう少し研究する余地があると思います。そこでその子の人生を決めるわけですから。あしたからどの高校へ行くんだ、行かないんだ、私立へ行くんだと。私立高校の関係者の方々とももう少し深く話をして、詰めるところ詰めないとだめですよ。  今、申し上げた私の質問の全体にはお答えがなかった。つまり卒業式をもう少し早くできないかとか、このあたりも研究の余地がないわけではない。スケジュール全体を見ましたら、私はあると思います。2月の私立の試験からの2カ月間、2月、3月をずっと見ますと、ここではこれ以上細かい話はしませんけれども、研究の余地は十分ありますので、このあたりを私立と構えて、膝を交えてしっかりやってあげてほしいと思います。  次に、部活動のことですが、部活動指導の先生には、確かにこれは申しわけないけれども、特別な経験がなかったり、あるいは実績のない先生が、いや応なしに部活の顧問についているという例が多々ある。私の手元にある最近のデータでは、全国の中学校では、その経験がない教員の割合45.9%、半分以下ではあります。しかし富山県の場合、もらっている資料では、中学校で競技経験がないけれども顧問についているが6割、60.0%。高校でも半分を超えて53.8%、54%ぐらいが競技経験なしといったデータが出ています。そういう中で、やはり先生方も、ある意味では苦しんでいるのです。  これでは、多感な青春期に部活動を通して人間性を養う、あるいは友人をつくるとか、さらには団体活動を学ぶほか、競技力向上を目指すには、先生と生徒の相互にとって決してよい環境ではないと思うわけであります。この実態について教育長はどう思われるのかお伺いします。 154 渋谷教育長 平成25年度に実施されました日本体育協会の調査結果によりますと、平成26年1月の時点で運動部活動の顧問のうち、その競技経験がない教員が全国では中学校で46%、高校で41%いるとのことでありました。  県内の状況を調査しましたところ、本年5月の時点で、運動部活動顧問のうち──ちなみに、これは保健体育科の教員を除いておりますが、その場合ですと、その競技経験がない教員は中学校で54%、高校で49%となっておりまして、平成25年度の全国平均に比べても上回っている状況にあります。競技経験がない教員が運動部活動の顧問に就任した場合、指導を受ける部員が専門的な指導を受けることが難しく、また負担に思う教員も多くいるのではないかと考えております。  このため本県では、平成13年度から地域の専門的な実技指導力を有する方々をスポーツエキスパートとして中学校と高校に派遣しておりまして、教員の指導をサポートいただいております。  このスポーツエキスパートは、年々拡大しておりまして、昨年度は希望する全ての中学校と高校の119校に610名派遣しておりまして、1校当たりの派遣人数は中部圏で最も高い水準となっております。  学校現場からは、生徒の多様なスポーツニーズに対応できる、教員の負担軽減につながっているなど高い評価をいただいておりますので、部活動の活性化と顧問の負担軽減に寄与しているのではないかと考えております。 155 大野委員 そこで教育長、国が言っている部活動指導員の中に、スポーツエキスパート派遣事業の指導者をどう生かせるかということが一番大事だと思うのです。  ところが残念ながら、私の手元にある資料では、来年度、文科省は初めて部活動指導員配置促進事業ということで予算要求していますけれども、これは全国で15億円。1校当たりわずか3人程度の部活動指導員です。手当てが完全に薄いですね。  こういう状況の中で、国にこれ以上何も言えないのであったら、県がとりあえず、このエキスパート派遣事業の指導者を使ってスタートさせていくしかないのではないかと思うのですが、もう一度お答えください。 156 渋谷教育長 部活動指導員は、教員の部活動指導の負担を軽減するため本年春に制度化されたものでありまして、地域のスポーツ指導者などを学校の職員に位置づけ、実技指導や大会、練習試合の引率などを行うものであります。  この部活動指導員につきましては、これまでも県議会において議員の方々から、部活動は教育の一環であり教員が主となって行うべきであるなど導入に慎重な御意見をいただく一方で、配置を急ぎ、引率の負担解消に取り組むべきなど、さまざまな御意見をいただいております。このため教育委員会では、この春から関係課からなるプロジェクトチームを設置しまして、関係者、関係団体の皆さんの御意見を幅広く伺い、現在いただいた御意見の論点を整理しながら検討を進めております。  教育委員会といたしましては、この制度が教員の多忙化解消を目指したものであることや、関係の方々の御意見が多様であることを踏まえながら、委員御提案のスポーツエキスパートの活用も含めて検討を進め、いずれの方々にも喜んでいただけるものとなるように努めてまいります。 157 大野委員 だんだんと、かみ合ってきましたね。  これからは、教員が部活動を直接指導しないという状況ができてくる可能性が多分高いです。そうであっても、指導員と先生の連携を保つことが私は肝要であると思う、学校の生徒ですから。  したがって、必要に応じて部活動がどうやられているかという実態を把握するためにも、各教員が部活動の顧問に就任するという形態については続けるべきであると思うのですが、いかがでしょうか。 158 渋谷教育長 国の通知によりますと、校長は部活動指導員に顧問を命じることができるとされておりますが、教員の顧問を置かず、部活動指導員のみを顧問とする場合は、当該部活動を担当する教諭等を指定しまして、年間、月間の指導計画の作成、生徒指導、事故が発生した場合などの必要な職務に当たらせることとされております。  部活動指導員を活用する場合でも、各教員が顧問を続けるべきとの御提案でありますが、先ほどお答えしましたように、関係者、関係団体からも、部活動は学校教育の一環として位置づけられており、生徒のふだんの様子を把握している教諭のほうが顧問としてふさわしいとの御意見をいただいております。一方でこの制度は、教員の多忙化解消が導入の目的となっており、こうした点も十分に踏まえる必要があるとの御意見もいただいております。  繰り返しになりますが、現在関係課からなるプロジェクトチームで検討を進めているところでありまして、委員の御提案も含め、いずれの方々にも喜んでいただけるような制度となるよう、しっかり検討を進めてまいります。 159 大野委員 次に、教員の中には、正規の教員のほか臨時的教員として働く常勤講師あるいは非常勤講師が存在しておるわけであります。特に問題視されているのは、常勤講師の勤務実態とそれに伴う給料面が、正規教員との間において格差が大きいことであります。  そこで、正規と非正規教員の格差是正も狙い、本年5月に地方公務員法などが改正されましたが、2020年の施行に向けて、本県においてどのような対応策を構築するのか、お伺いします。 160 渋谷教育長 厳しい地方財政の状況が継続する中、増大する行政需要に対応するため、本県を含め全国の各地方公共団体におきまして臨時職員や非常勤職員数が増加しております。  こうした中、本年5月に地方公務員法と地方自治法が改正されまして、特別職の任用や臨時的任用をより限定的にするとともに、新たに会計年度任用職員を設け、その採用方法や服務規律などの明確化、期末手当の支給を可能とする規定の整備等が行われ、平成32年4月から施行されることとなっております。  本県では、教育の充実のため多様な非常勤職員を雇用しておりますが、その制度運用につきましては改正法の趣旨に沿って見直す必要があると考えておりまして、現在、教育委員会では、知事部局と連携しながら対象職員の業務内容や勤務条件などの把握を目的とした実態調査を行っております。  教育委員会としましては、引き続き知事部局と連携し、また他県の動向などを踏まえながら、会計年度任用職員制度の検討を進めまして、平成32年度からの運用に向け、しっかりと取り組んでまいります。 161 大野委員 次に、富山県の公立小中学校管理職候補者の選考検査についてであります。選考検査は、教育長ももちろん御存じのとおり、隔年実施で38歳以上、経験年数15年以上の教員が受検の対象である。つまり校長とか教頭の話ですね。平成25年からは、その対象を40歳以上から38歳以上に引き下げたということであります。  ところが、過去10年間程度において、その受検対象者数に対して受検者の比率は、大分前になりますけれども、平成21年の33.9%から右肩下がりとなりまして、本年もちょうどその受検の年ですけれども25%となっている。私が思うには、ひょっとすると先生方の中には残念ながら、私はそんなに偉くならなくてもいいやと、子供たちと勉強さえ一緒にしていればいいやと。あるいは女性の方も、私はそんなに偉くならなくてもいいと。いろいろ女性の活躍社会とか言っておりますけれども、そういう空気が漂っているのかなと、勝手に推測しているのですが、この状況を教育長はどう見ているのかお伺いします。 162 渋谷教育長 委員御指摘のとおり、本県の公立小中学校管理職候補者選考検査、いわゆる教頭試験でありますけれども、その受検状況は平成21年度で受検率が33.9%でありましたが、その後逓減しておりまして、今年度は25.0%となっており、この9年間で約9ポイント減少しております。  受検率が低下している要因でありますが、平成21年度と平成29年度の受検対象者の年齢構成を見ますと、受検率の低い55歳以上の割合──55歳以上の方々は受検率が6.3%でありますが、そういう方々の割合が、平成21年度の10.9%から、平成29年度には30.4%と約3倍になっておりまして、これが全体の受検率を引き下げている大きな要因ではないかと考えております。  ちなみに、54歳以下の受検率は、平成29年度においては33.2%となっておりまして、平成21年における数字、平均とほぼ同じ形で維持しているということですので、54歳以下の方々については、委員から御指摘いただいたようなことはなく、意欲を持った先生方がたくさんいらっしゃるということが言えるのではないかと思っております。  また、現場の校長先生などからは、現在の教員の年齢構成上の状況から、50歳以下の教員の多くは学校の運営に深くかかわる経験がまだ浅く、もう少し経験を積んでからの受検を考えている教員もいるのではないかという意見もいただいております。  教育委員会としましては、学校運営を担う優秀な管理職を養成確保していくことは重要であると考えておりますので、市町村教育委員会や現場の校長先生を通じて教員の意識をさらに高めるとともに、今後とも学校のリーダーとしての資質を備え、教育活動や所属職員、児童生徒を適切に指導監督できる人材を登用するよう心がけてまいります。 163 大野委員 私は、これを調べたとき本当にびっくりしました。低いなと。もうちょっと意欲を持って、俺は頑張るんだという姿勢を男女問わずお持ちになってほしいなというのが感想であります。教育長、ありがとうございました。  次に、障害者雇用について1点お伺いします。法定雇用率については、身体障害者のみが対象であった時代、1976年の1.5%から、現在は従業員50人以上の企業を対象として2.0%となっておりまして、いよいよ来年4月にはさらに引き上げられまして、新たな雇用率達成に向けた対応策が重要になってきております。  障害者の中には、逆に就労によって生活のリズムに変化を来した結果、仕事にうまく対応できずにいる方もいるというのも事実でありまして、その支援が肝要であります。  そこで、全国的に障害者雇用の拡大とともに離職防止にも力を入れておりますが、本県の傾向と、職場定着支援策についてお伺いします。 164 伍嶋商工労働部長 企業の法定雇用率は、委員がおっしゃいましたとおり2.0%とされておりまして、平成28年6月1日現在で達成している常用労働者数50人以上の富山県内の企業の割合は57.5%と、全国平均の48.8%を上回っているものの、未達成企業は4割を超えている状況となっております。また来年4月から法定雇用率が0.2%引き上げられるとともに、精神障害者の方も対象となることになりまして、制度の周知を図るとともに、雇用の促進を図るために労働局との共催によります障害者合同面接会、あるいは一定数を超えて障害者の方を雇用している事業主に対する奨励金の支給などに取り組んでいくこととしております。  障害者の職場定着につきましては、厚生労働省の調査によりますと、障害者の平均勤続年数は、これは全国ベースでありますけれども、身体障害者は10年、知的障害者は7年9カ月、精神障害者は4年3カ月となっておりまして、一般労働者の12年7カ月に比べまして短い状況にあります。本県のみのデータはないですけれども、実際に障害者の就職後の定着支援を行っています障害者就業・生活支援センターからの聞き取りでは、委員御紹介のとおり、体調不良や仕事が合わないといった理由によりまして離職する傾向が見受けられると聞いております。  今後、障害者の職場定着を図るため、就業前の時期におきましては障害者就業・生活支援センターにおいて窓口相談を行っているほか、県においてはこのセンターによる短期の職場実習を支援してきております。また就業した後におきましては、このセンターが職場や家庭訪問等を通じた職場定着支援を行っているほか、富山障害者職業センター等が配置しておりますジョブコーチが、職場に実際に出向いた上で必要な助言や職場環境の改善を提案するなど、障害者の職場適応を専門的に支援しております。  今後とも、働く意欲のある障害者の方が職場で定着して働き続けられるよう、ハローワーク等の関係機関と連携しながら支援をしてまいります。 165 大野委員 それでは、ここから知事の御答弁が多くなります。後ろには富山JCのメンバーも来ておりますのでよろしく。  まず、看護師の養成機関のことについて質問いたします。これも最近、事あるごとに話題になるのですが、県内の保健師あるいは助産師、看護師、准看護師の養成をされる機関としては、私が調べたところでは13あります。そのうち何もないのが、私の住む新川医療圏でありまして、ゼロです。  過去、魚津市に新川女子高校がありました。この中には、その時代に生まれていない方はいないよね。新川女子高校に衛生看護科という看護師養成科がありました。  その時代、新川の拠点病院になっております黒部市民病院の看護師に応募された状況を見ると──もちろん、新川女子高校の衛生看護科を出て、そのまま受験できるわけはないので、皆さん、上級のほうへ行かれて国家試験を受けて、そして要はふるさと回帰ですね。それで市民病院を応募された方のうちの半数以上が新川女子高校の卒業者という時代があったのです。  それが、いろいろとあって、高校再編とかで新川女子高校がなくなった後、新川エリアに看護師の養成科がない、学校がない。中学生にとっては、富山というのはまだまだ遠いのです。地元にあれば、病院もあるし、そこで看護師を目指そうという意識が間違いなく高まる。今、申し上げたような結果が出ていますからね。  そこで、何としてでも、何もない新川医療圏にぜひ看護師を養成するための機関が必要だろうと考えます。富山いずみ高校みたいに、5年一貫の看護師養成学科を置いてもいいです。ぜひ、これから最終的に決める高校再編の中で、しっかりと話し合いをしてほしいと思うのですが、知事いかがでしょうか。 166 石井知事 看護職員の養成につきましては、これまでも高校生の一日看護見学とか、看護学生修学資金の貸与とか、また看護師等養成所への運営費の助成などに加えまして、富山県高岡看護専門学校の開設支援などに積極的に取り組んでおりまして、県内の看護師養成機関からの卒業者数は、平成18年度が398人──これは実員ですけれども、平成28年度には613人まで増加しているわけであります。  さらに、平成31年4月には、県立大学の看護学部の開設を予定しておりまして、これは現在の総合衛生学院を、100名を20名増やして120名とし、抜本改組して4年制にする。その4割は県内高校生の推薦入試枠とすると──もちろん一般入試でもたくさんの方がお入りになると思います。さらに県内の多くの公的病院等で実習することによりまして、県内医療機関への学生の関心を高めますなど、県内の看護人材の確保に大きく貢献したいと思っております。  新川にないではないかということですけれども、県立大学の看護学部も、射水キャンパスにするか、中央病院の隣接にするか大分迷ったのですけれども、新川地域もすごく意識して今の場所を考えているという面もあるということを御理解いただきたいと思います。  県立高校の看護学科については、お話のように、以前は新川女子にも、高岡西にもあったのですが、それぞれ平成12年あるいは平成13年から募集停止になって、現在は富山いずみ高校に設置しておりまして、定員40名で本科3年間と専攻科2年間、5年一貫教育となっております。  県立高校における新たな看護科の設置については、もちろん議論していただいたわけですが、県立学校整備のあり方等に関する報告書──これは8回、熱心に議論していただいたわけですが、富山いずみ高校の定員募集を維持することが望ましく、県立大学の看護教育課程整備等を踏まえ、慎重な検討が必要ということでありまして、この背後には、生徒減少期の中、仮に新しい看護科を設置するとなると、全体の生徒さんが減っているわけですから、今あるほかの学科を振りかえるといった手当てが必要になるといったことも念頭に置いて、こういう慎重に対応すべきという表現になっているのかなと思っております。  それと、これも委員には釈迦に説法なのですが、滑川にも養成学校があります。ここもいろいろな事情で、ここのところ定員割れされているということもございます。  なお、医療機関においても、必要な看護師確保のために、独自の修学資金貸与、また夏休み期間中の職場体験等の受け入れのほかに、看護師の勤務環境改善、定着支援として休暇取得の促進に取り組んだりされておりまして、相当御努力をなさっていると思います。  いずれにしても、新川地区の看護師さんの確保が難しいとか、足りないとかということにならないように、県としましては看護学生や看護職員応援サイトを県のホームページに設けましたり、また県内の医療機関への再就業に関する情報──看護師資格を持っているけれども事情によって離職されている方も再就業してもらうとか、また各公的病院で高度、救急、災害、僻地医療などを担うために安定的に看護師さんが確保できますように、これからも県全体としての看護師の養成や職場の定着、再就職支援に努めるのはもちろんですけれども、県東部地域、新川地区のことも常に念頭に置いて対応してまいりたいと思います。 167 大野委員 常に念頭に置いてということですから、私も常に念頭に置いておきたいと思います。  次に、予想どおり今定例会は、米の新品種「富富富」が大変話題になりました。気になっておりますのは、何でも顔が大事です。例えば富山県の顔は何だ。立山だ、あるいは美しい富山湾だとおっしゃる方。いや、私は何と言っても、富山県の顔は石井隆一知事だと思うのですよ。  そこで、この米の「富富富」の書体がきちっと決まっていない中でデビューするというのはあり得えないだろうと。デビューを目の前にして、この「富富富」の書体をしっかり確定して、広報によりその浸透に入っていかなければならないと思いますが、知事いかがですか。 168 石井知事 「富富富」という名称、これは富山の豊かで清らかな水、肥沃な農地、また熱心な生産者により育まれた富山尽くしのお米という思いが込められております。また富山の富は、豊かさやめでたさにつながる、食べてうれしい、もらってうれしいネーミングだということ。もう1つ、将来輸出といったことも考えられますので、中国などの漢字圏の国では富という文字は縁起がいいとされているといったことも念頭に置いているわけであります。  現在、「富富富」のパンフレットや限定販売の米袋等に使用している書体は、この3月に富山米新品種名称発表会の場で富山県出身の書道家である森大衛氏に揮毫をお願いして──御存じだと思いますが、この方は毎日書道展の毎日賞とか、いろいろな賞も取っておられたり、テレビのバラエティー番組などにも出演されて知名度もある方だということでお願いしまして、この「富富富」の書体を当面のPR用として使っているわけでございます。  今のところ、この森大衛さんの書体もよい御評価をいただいているように伺っていますけれども、書体やロゴについては、お話のように、商品のイメージや特徴を消費者に強く印象づけるものでありますから、セールスポイントや販売ターゲット等、今後策定する「富富富」の販売戦略を踏まえたものとする必要があると思います。  そこで、「富富富」の販売戦略については、先ほども議論がありましたけれども、現在実施しているアンケート調査、また専門家の御意見なども聞いて、富山米新品種戦略推進会議において審議していただくこととなりますけれども、来年秋の本格デビューに向けて消費者の皆さんに「富富富」をしっかり印象づけるロゴマーク、キャッチフレーズを何とか今年度内に作成、決定したいと考えております。  その際には、「富富富」という名称は相当インパクトがあって斬新だと言っていただいている方が多いのですけれども、富山米新品種戦略推進会議の委員や専門家の御意見を十分承って、ロゴとかキャッチフレーズもできるだけインパクトのあるものになりますように最大限努力しまして、またパンフレットやポスター、さまざまなメディア媒体等で積極的に活用していただいて、全国、場合によっては海外にも強力に発信してまいります。 169 大野委員 非常に勢いのある答弁で、質問としっかりかみ合っておりました。  次に、日本遺産となった北前船寄港地・船主集落のことであります。きょうこの場で北前船のことを言うのも、富山県の方には釈迦に説法ですので歴史的なことは一切触れずにいきますが、6月に1回、私が一般質問でこれをやっておりまして、そのときに富山県がなぜ抜けているんだ、おかしいじゃないかという質問をしました。  これは、富山県内の幾つかの市の問題というよりも、県が先導して指導的に、日本遺産の北前船寄港地・船主集落への追加登録の取り組みを意欲的にやるべきだと。あれから、もう数カ月たちました。これまでの取り組みと現状はどうなのか、お伺いします。 170 蔵堀観光・交通・地域振興局長 北前船寄港地・船主集落につきましては、ことし4月にゆかりの歴史的な町並みや、建造物等の文化財が残っております日本海側沿岸の北前船寄港地の11の市と町が日本遺産の認定を受けたところです。  北前船の歴史、文化は、本県の観光振興や地域活性化のみならず、寄港地相互の観光交流を促進する観点からも、魅力的な資源だと思っております。また本県が世界で最も美しい湾クラブの総会の誘致を現在目指している中で、県内寄港地が日本遺産に追加認定されれば、歴史、文化の面からも富山湾の魅力をさらに発信する上で大きな意味があると考えております。  こうしたことから、県では去る5月に日本遺産の認定を受けました市町で構成をいたします北前船寄港地フォーラムに職員を派遣して、取り組み状況の調査も行っております。また本県の北前船寄港地で歴史的な町並みですとか、建造物等の文化財が残っております沿岸の市町に対しても取り組みを働きかけているところでございます。  その後、実は富山県以外のところでも追加認定の動きが出てきておりまして、県としては今後、沿岸の市町のゆかりの文化遺産の整理ですとか、観光振興、地域活性化につながるストーリーの検討状況も踏まえつつ、しっかり連携しながら日本遺産の追加認定に結びつくように支援、協力して対応していきたいと考えております。 171 大野委員 少し前進しているので、安心しました。  次に、日露間に懸案の北方領土問題のことは、皆さんも御承知のとおりであります。これがなかなか前へ進まないことについては、県内で北方領土問題の責任ある立場にある私も非常に残念に思っております。そういう中で、来年は日本におけるロシア年、ロシアにおける日本年ということで、簡単に言うと日本年、ロシア年と位置づけられております。  来年は明治150年ということで、それとは直接関係ないとは思うのですけれども、そういう中で決まっていることがありまして、日露首脳間において、来年の5月の下旬と思いますが、ロシア、サンクトペテルブルクで国際経済フォーラムに日本がゲスト国として参加します。さらには両国共催の相互交流年の開会行事をモスクワのボリショイ劇場で行う。この両方ともに、今のところ両国の首脳が出るという前提になっているようであります。それくらいの大きなレベルであります。  ならば、地方自治体ではどうかということで、富山県と御縁が深いロシア沿海地方との地方自治体の間において、記念行事や記念事業を実施すべきと考えるわけでありますが、知事いかがでしょうか。 172 石井知事 委員のお話のように、ロシアにおける日本年、日本におけるロシア年の開催は、昨年東京で開催された日露首脳会談で合意されたものでありまして、来年5月の開会行事のほかに、さまざまな行事もあると伺っております。  県とロシア沿海地方との交流につきましては、御承知のとおり、毎年ウラジオストクで開催している日本語スピーチコンテストとか、青少年の環境教育プログラムなどの環境協力、国際交流員の採用とか実績を積み重ねてまいりまして、7月の沿海地方友好提携25周年を記念した訪露をきっかけに──このときは私も訪問団の団長を務めさせていただきましたし、また大野委員にも県議会の訪問団の団長を務めていただいたわけですけれども、これをきっかけに沿海地方とやま友の会が結成されまして、改めてこれまでの交流の軌跡を振り返って、やはり国際交流の基本となるのは人と人との交流の積み重ねであると実感いたしました。  また、7月の訪問時に開催したとやま文化DAYSは、ロシアにおける日本年の認定事業──これはロシア全土で第1号という認定事業にしていただきまして、政府の主導する人的交流の一翼を担わせていただきました。またことし7月には、国の日露青年交流事業に協力して、ロシアで日本語を学ぶ青年20名を受け入れて青少年交流を実施しますなど、ロシアとの相互交流の拡大に向けて富山県も積極的に取り組んでいる。これは総理官邸でも、あるいは外務省でも御評価いただいていると思います。  交流をさらに活発化させるために、相当発展も遂げており、プーチンさんも力を入れておられますロシア沿海地方をもっと多くの県民の方に知っていただく必要もあります。そこで、来月、来年の1月下旬から沿海地方の魅力や本県との交流の歴史などを紹介しますテレビ番組を放映することなどを通じまして、富山県とロシア沿海地方との人的交流、また経済交流、観光交流を後押ししていきたいと思っております。  また、来年春からは、県職員1名を1年間沿海地方に研修派遣する予定にしておりまして、その際には沿海地方とやま友の会も発足したばかりでございますから、こういった皆さんとも連携して、節目の年でありますから、何らかの催しができないか、よく検討してまいりたいと思います。 173 大野委員 日ロ関係でありますので、大変期待をいたしております。  先週、現在の天皇陛下の御退位、そして今の皇太子殿下の天皇への御即位、その日程が正式に発表になりました。期間があるようでもうないと思います。官民挙げていろいろな準備に入られるわけでありますが、特に我が富山県の石井知事におかれては、現在の天皇陛下とは、全国豊かな海づくり大会あるいは全国植樹祭等々を通じて非常に深いおつき合いがおありだったと。お食事もされていますし、大変だったと思う。緊張感もおありだったと思います。我々がわからない緊張があったと思います。  私の思い出としては、全国植樹祭が富山県であり、その前の年に長野県でありまして、私は議長として知事と一緒に天皇陛下の御前に失礼ながら立たせていただいて一言述べさせていただいたことを今記憶しております。  全国の知事の中でもとりわけ、大変この間おつき合いが多かった知事としては特別な思いがあるのではないかと思いますので、この御退位について所感をお伺いしたいと思います。 174 石井知事 天皇皇后両陛下には、これまで8回にわたって御来県いただいております。また私が知事に就任させていただいた以降では一昨年10月に、お話に出たように第35回全国豊かな海づくり大会に御臨席を賜って、海王丸パークで海上歓迎、放流行事でヒラメやキジハタの稚魚を放流いただきましたし、またその際には、稚児舞の子供たちの歓迎演舞なども本当に熱心にごらんになったり、また若い漁業者の方を激励されたり、さらにはイタイイタイ病資料館にお立ち寄りいただいて、天皇陛下から外国も含めてこうした事業を皆に知らせる意義は大きいですねといった温かい激励の言葉をいただきました。  こうしたお言葉を受けて、この同館のいろいろなパンフレットの多言語化をさらに積極的に進めたといったいきさつもございます。  ことし5月には、まさにお話のように、第68回全国植樹祭に御臨席をいただいて、魚津の桃山公園で優良無花粉スギ「立山 森の輝き」の苗の御手植えをしていただいたり、また会場を御退席の際には、小学生の音楽隊による、ふるさとの空の合唱に気づかれて足をとめられまして、子供たちに近寄って曲が終わるまでお聞きになって、みずから拍手をなさったと。その姿を見て大変感動をしたところであります。  申し上げていいのかどうかわかりませんが、宮内庁側から言うと、本当は陛下の御健康も考えて、会場が魚津で宿泊所が全日空ホテルですから、なるべくそれより遠くには行かないということが基本だったようですけれども、お若いころ、皇太子殿下、妃殿下が御結婚された翌年でしたかに、今のYKK、吉田工業にいらしたいきさつもあるので、ぜひということでお願いして快く来ていただいて、黒部の皆さんにも喜んでいただいたという経過もございます。  そういう点で、魚津や黒部、もちろん富山市や各地で大変県民の皆さんが、両陛下がいらしたことに感激して、本当に心温まるふれあいがいろいろなところであって、私も本当にありがたく思っているわけであります。  新幹線開業で新時代を迎えた富山県の県勢概要などについても御説明する機会をいただいたことは、本当にこの上ない光栄だったと思いますし、まさに県民の皆さんを代表していろいろとお話しさせていただいて、感謝申し上げております。  両陛下には、本当にお優しいお姿、大変気配りをなさる温かいお人柄でありまして、尊敬と親愛の情を一層深めさせていただきました。ぜひこれからも、御退位なられてもますます御健勝で御多幸であっていただいて、皇室が限りなく繁栄されることをお祈り申し上げたい。  また、新たに即位される皇太子殿下は、これまで6回御来県いただいておりまして、最近では6年前に、第22回全国みどりの愛護のつどいにいらして、会場となった富岩運河環水公園に樹齢1,000年を超えるエドヒガンザクラをお手植えいただいて、これが今県民の皆さんの憩いの場にもなっております。  こうした御縁も大事にしながら、皇室がさらに限りなく御繁栄いただきますように、またこうしたことを心の励みとして富山県がさらに限りなく発展する。県民の皆さんも、もっともっと幸せな人生を送っていただくといったことに県議会の各位を初め、各界の皆さんとともに一種懸命努力してまいりたいと思います。  ありがとうございます。 175 山本委員長 大野委員の質疑は以上で終了しました。  以上をもって本委員会の質疑は、全部終了いたしました。  委員各位におかれましては、長時間御苦労さまでした。  終わりに、本委員会の運営に終始御協力を賜りました議員各位、県当局並びに報道関係の各位に対し、深く敬意を表します。
     これをもって、平成29年11月定例会の予算特別委員会を閉会いたします。                     午後4時16分閉会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...