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  1. 富山県議会 2017-11-01
    平成29年11月定例会 一般質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前10時00分開議 ◯議長(稗苗清吉君)ただいまから本日の会議を開きます。          報           告 2 ◯議長(稗苗清吉君)日程に入るに先立ち、報告事項を申し上げます。  去る12月1日、知事から提案されました議案第171号及び議案第172号について、地方公務員法第5条の規定に基づき、議会から人事委員会の意見を求めておきましたところ、12月4日付をもってお手元にお配りしたとおり意見の申し出がありましたので御報告いたします。 3 ◯議長(稗苗清吉君)これより、本日の日程に入ります。     県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑 4 ◯議長(稗苗清吉君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第111号から議案第166号まで、議案第168号から議案第172号まで、報告第18号及び報告第19号を議題といたします。  これより各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  平木柳太郎君。    〔15番平木柳太郎君登壇〕 5 ◯15番(平木柳太郎君)おはようございます。  自由民主党の平木柳太郎です。  以下、通告に沿って質問いたします。  広報政策について4点伺います。  富山県はマーケティング分野の中で、特に宣伝、PRに関して課題があると指摘を受けます。特に県外在住の富山県出身者が「大好きな富山を、もっと効果的に宣伝してほしい、もったいない。」といった意見をSNS等で発信されています。  餅は餅屋というとおり、例えば、北陸新幹線開業時に首都圏でのPRを専門業者に委託することは、場合によって必要だと考えますが、県内でのPRにおいては、やはり県職員の広報力を発揮していただくことに期待するところです。
     今年度も、さまざまな手法で富山県のPRを進めていますが、県議会議員となって初めて知った取り組みの1つに、県政バス教室があります。これは県政への理解や関心を深めていただくとともに、県民から率直な意見や要望を聞くことを目的として実施しているもので、長年の実績によって周知されており、今年度も一般向けに「薬都とやまの薬草・ハーブめぐり」、「とやまの伝統工芸とデザイン」、子供向けに「富山のどぼく発見!」、「とやまの牧場体験」などの13コースが実施され、800名を超す応募がありました。  しかし、実際の参加者は抽せんで380人余りに絞られており、400名超の希望者は機会を得られず、せっかく県民に県政への理解を深める意欲があるにもかかわらず、受け入れ態勢が整わないのは、これこそもったいないと感じます。  例えば、対象者を限定して、盆正月等に帰省する県外在住者に向けた「Uターン促進コース」、大学等の高等教育機関と連携して「県外出身者のための定住促進コース」、富山県青年議会のメンバーに向けた「未来の県議会議員育成コース」等を設定することで、コース対象者に向けたメッセージが明確になりますし、これまで県政バス教室に参加の少ない若年層、特に学生に向けてのアプローチもできると考えます。  この県政バス教室を増便すれば県政への理解を深められる、と言いたいわけではなく、これだけ応募がある取り組みを生み出せているならば、さらに一押しの工夫を加えるだけで、富山県の魅力についての発信力が大きくなると、広報を担う県職員の皆さんに自信を持って推進してほしいということです。  そこで、県民の県政への理解を深めるため、どのような点に工夫して広報を行っているのか、また、若年層の県政への関心を高めるため、学生向けの広報を強化すべきと考えますが、県の考えを滝経営管理部長に伺います。  また、対象者を限定する以外にも、目的を限定する広報も効果的です。過去5年間の質問では、インターネットによる情報発信手段としてSNSの活用を取り上げました。県でもフェイスブック、ツイッターを活用した積極的な情報発信を継続しています。これはインターネットを通じて情報収集、発信する人から情報が拡散する目的に限定した広報手段といえます。  恐らく後ほどその筱岡議員も触れますが、ここ最近では、「忖度」とともに新語・流行語大賞となった「インスタ映え」という言葉を見聞きします。インスタ映えとは、新種のハエではありません。SNSの1つであるインスタグラムで見ばえがするという状況を指す用語であります。  特にインスタ映えするスポットは若い女性を中心に人気があり、例えば、本県ゆかりのものを題材とした愛着の持てるモニュメントや壁画等を設置すれば、若い女性を中心とした観光客等に、撮影した写真や動画をSNS、インスタグラムに投稿してもらうことができ、本県のPRにつながると期待できます。  ことし5月からアメリカから日本へ上陸した天使の羽を御存じでしょうか。天使の羽を描いた壁画には、そこで撮影することを目的に訪れる観光客が多く、SNSが日課になっているような若年層が自発的に情報を発信しています。この人気は全国各地に広がっており、隣県の金沢市にも天使の羽が登場しています。  そこでSNSの活用による観光誘客を図るため、県外から来県するビジネスパーソンや観光客に愛着を持ってもらえる富山県ならではのモニュメントや壁画等のある撮影スポットを、本県の玄関口である富山駅や富山きときと空港などに設置してはどうか、県の考えを蔵堀観光・交通・地域振興局長に伺います。  さらにPR効果を期待したいのが大使です。県では、芸能人や文化人など著名な富山県ゆかりの人物に「とやま特別大使」を、県外在住の富山県出身者に「とやまふるさと大使」を委嘱しています。やはり大使と呼ばれたらうれしいですし、ふるさとのために一肌脱ごうか、となります。大使の皆さんには、これまで以上に本県のPRを積極的に行ってもらえるような仕掛けづくりが重要と考えます。  そこで、「とやま特別大使」や「とやまふるさと大使」に本県への愛着を深めてもらい、本県のPRを積極的に行ってもらえるよう、どのように取り組んでいるのか石井知事の御所見を伺います。  大使を増やせば希少価値は低くなりますが、例えば富山きときと空港サポーターズクラブのメンバーや県内プロスポーツチームの選手、県出身の人気ユーチューバー等、大使の候補者を発掘することも重要です。もちろん、富山県議会議員40名にも名刺に県政大使などと印字することをお許しいただければ、1人では荷が重い木曽義仲・巴御前のPRも40人総出で取りかかることもできます。  県外出身者に限定している「とやまふるさと大使」の委嘱要件を、県内在住者にも広げ、委嘱数を増やしてはどうか、県の考えを山本総合政策局長に伺い大問1の質問を終わります。 6 ◯議長(稗苗清吉君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 7 ◯知事(石井隆一君)平木議員の御質問にお答えいたします。  まず、「とやま特別大使」と「とやまふるさと大使」についてでございます。  「とやま特別大使」は全国的また国際的に活躍されている本県ゆかりの方に御就任いただくものでありまして、先月25日には、とやま起業未来塾塾頭の一柳良雄氏に対して「とやま活性化大使」という名称で委嘱をさせていただきました。  現在、10名の本県ゆかりの著名な方々に「とやま特別大使」に就任いただいて、それぞれの御専門の分野における日々の活動の中で、機会を捉えて富山の魅力を発信していただいております。  例えば、田中耕一さんには、ノーベル賞も取られた方ですけれども、御講演の中でいつも自分を育んだ富山の自然や風土を御講演の冒頭なり最後におっしゃるというふうに聞いておりますし、また、柴田理恵さんにはテレビのレギュラー番組の中でしばしば富山県民の暮らしや県民性を紹介していただいている、一柳良雄氏は13年近くにわたってとやま起業未来塾の塾頭を引き受けていただいて、結構、東京でも御多忙でテレビなんかにもしょっちゅう出ていらっしゃる方ですけれども、富山県に愛着を持って御指導いただいてきたことで、ぜひ特別大使をお願いしたということでございます。  一方、「とやまふるさと大使」については、県外在住の本県ゆかりの方で本県の魅力を積極的に紹介していただける意欲ある方々を委嘱するものでありまして、できるだけ積極的になっていただこうということで働きかけておりまして、最初は200人ほどでしたが、年々増加して、今、県外、国外在住の方を含めまして452名の方に御活動いただいております。  この2つの大使には富山の魅力を再認識して、愛着を深めていただく、また、旬な情報を発信してもらえますように「とやま日季」や「ねまるちゃ」などを送付しまして、富山の暮らしや観光に関する最新情報をお届けしておりますほか、名刺交換での話題づくりに役立てていただくために「とやま特別大使」、「とやまふるさと大使」それぞれの肩書を記載した名刺をお渡ししております。  また、特別大使については、例えば、田中耕一さんには「とやま科学技術大使」、立川志の輔師匠には「とやま落語大使」という固有の名称も差し上げているわけでございます。  特別大使には、今回の一柳氏の委嘱から、富山をイメージしやすいようにお渡しする名刺を越中和紙でつくったものとしたところでありまして、全国に、あるいは世界に発信していただけることを期待して年2回程度、富山県の誇りとする県産品をお届けしております。  また、ふるさと大使には、昨年度から名刺の裏に県内の美術館などで優待が受けられるクーポンのジョイフルカードを印刷しまして、名刺を受け取った方が富山県を訪れるきっかけづくりとなりますように工夫いたしましたところ、大使の方々からは、なかなか配慮いただいたということで好評でありまして、また御友人に富山に興味を持って旅行される方もいるといったようなことも伺っております。  また、毎年、東京で富山ファン倶楽部会員交流会を開催しまして、多くの大使の方にも御参加いただいております。その機会に改めて本県のつながりや本県の愛着、また、富山県の最近の新しい情報なども提供させていただいております。中には夫がイラン出身で妻は北海道出身の方で東京港区在住なんですが、何度も富山を訪れてお話しのSNSで頻繁に富山の各地の名所などを御紹介いただいていると、また名刺も半年でなくなったからまたくれというような大変熱心な方もおられます。  今後も積極的に委嘱を進めますとともに、一層富山の魅力を発信していただけるように、大使の方々にも本県の最新情報や、また、新たな魅力をお届けしてまいります。 8 ◯議長(稗苗清吉君)滝経営管理部長。    〔経営管理部長滝 陽介君登壇〕 9 ◯経営管理部長(滝 陽介君)若年層への県政広報についてお答えをいたします。  県政の広報に当たりましては、知事の記者会見などを通しまして、報道機関に対してわかりやすい形で積極的に情報提供を行いまして、新聞記事やニュース番組として取り上げてもらえるよう努めますとともに、県広報誌や新聞、テレビなどの県政番組や、県ホームページ、ツイッターなどのSNSも含めて、さまざまな広報媒体を活用し、最大限の効果を上げられるよう日々取り組んでおります。  御指摘いただきました学生など若年層に向けた広報を強化するということは、大変重要な課題だと考えております。特にSNSにつきましては、県でもこれまでも積極的な活用に努めておりまして、例えば広報課のツイッターではイベントの紹介にとどまらず、熊ですとかヒアリの出没ですとか、特殊詐欺が発生したといったような緊急のお知らせなども掲載することで、登録者の方に即時に情報を伝えることができているところでございまして、現在、フォロワー数も順調に増加をしております。  平成29年度の総務省の情報通信白書によりますと、20代の97.7%がいずれかのSNSを利用し、SNSは各個人と一体ともいえる媒体となっているというようにも指摘をされております。  このSNSの世界は日々進んでおりまして、若者世代はそれらの動向に大変敏感でございます。今ほど先生からも御指摘ありました2017年の新語・流行語大賞におきましても「インスタ映え」という言葉が年間大賞を受賞しておりますが、インスタグラムに見ばえのよい写真を投稿することが今の大きなトレンドになっていると思います。  県の広報におきましても、SNSのトレンドを常に意識しながら、例えば広報課による広報におきましても、新たにインスタグラムをPRツールの1つとして取り入れますなど、若い世代の方々の関心を上手に引きつけることができますようにさまざまな手法を用いるなど、引き続き努力を続けてまいりたいと考えております。 10 ◯議長(稗苗清吉君)蔵堀観光・交通・地域振興局長。    〔観光・交通・地域振興局長蔵堀祐一君登壇〕 11 ◯観光・交通・地域振興局長(蔵堀祐一君)SNSの活用による観光誘客に関する御質問にお答えをいたします。  平成28年度の富山県観光客動態調査によりますと、旅行の動機となった情報の入手先として、若い世代、20歳未満の方ではSNSが第3位、20歳代では第4位、30歳代でも第4位ということでございます。  例えば、フェイスブックではいいねですとかコメント機能によりまして利用者目線の情報を共有したり、あるいはシェア機能によりまして口コミで友人に情報を拡散できますSNSは、本県の魅力発信や観光誘客に役立つものと考えております。  県では、これまでも、北陸新幹線3駅及び富山きときと空港に富山湾鮨のオブジェを設置しておりますほか、県内の魚の駅等では高志の紅ガニの顔出しパネルの設置などを行いまして、本県のPRやSNSでの情報発信を促進しているところでございます。  また、県の観光サイトの観光スポット等の紹介ページにもSNSを活用しておりますほか、富山県ロケーションオフィスではフェイスブックによりまして情報発信をしているところでございます。このロケーションオフィスフェイスブックでは映画のロケ地ですとか、撮影したスポットなども紹介しているところでございます。  さらに体験プログラムの「大人の遊び、33の富山旅。」というものをつくっておりますけれども、この中では県内各地にあります富山ならではモニュメントですとかオブジェをフォトスポットとして紹介いたしますとともに、富山湾や富山県美術館を初め県内各地の美しい建築物を題材にしたインスタグラムフォトコンテストを開催しているところでございます。このフォトコンテスト、ことしの春には富山湾を題材として開催をいたしております。秋には建築物を対象として開催したところでもございます。  県内のインスタ映えするスポットといたしましては、富岩運河環水公園が非常に多くの方からインスタグラムに投稿をされているところでございます。全国のSNS映えする観光スポットを見つけるサイトというのがございまして、これはスナップレイスといいますけれども、この中では3万6,568人が投稿されて、その中の順位では全国で第4位ということになっているところでございます。  県内にはそのほかにもさまざまな魅力的なスポットがあります。今後とも、こうしたスポットを有効活用いたしまして、本県の魅力のPRと観光誘客に向けまして、SNSによる観光客側からの情報発信、拡散を促す仕掛けを工夫してまいりたいと考えております。  以上でございます。 12 ◯議長(稗苗清吉君)山本総合政策局長。    〔総合政策局長山本 修君登壇〕 13 ◯総合政策局長(山本 修君)「とやまふるさと大使」の委嘱要件の拡充についての御質問にお答えいたします。  「とやまふるさと大使」は先ほど知事から紹介がありましたように、当初の200名程度の方々から現在は452名までに増え、全国各地で本県の魅力の紹介等に御尽力いただきますとともに、本県の地域イメージの向上に関する提言等もいただいているところございます。  御指摘のとおり、現在「ふるさと大使」の委嘱要件を県外在住に限定しておりますが、これは「ふるさと大使」という名称は、県外在住であるにもかかわらず、本県の魅力紹介などの活動を行っていただける方に敬意を表し、また、富山にゆかりがあり、その応援団であることをあらわすためのものと考えておるところでございます。  御提言にあった委嘱要件の拡大は、そういった名称の意味合いや制度の趣旨を多少曖昧にしてしまう可能性もありますし、また、富山経済同友会におかれまして実施されております「立山大使」という制度がございまして、その制度との調整の必要もございますので、そこについては慎重に検討させていただきたいと思っているところでございます。  もちろん、大使の名称の有無にかかわらず、県内在住の方々が、本県に愛着を持ち、本県のことを理解いただき、本県の魅力の発信やイメージ向上のための御提言を積極的に行っていただくことは重要であり、また、大変ありがたいことだと思っております。  県といたしましては、こうした方々に対して、希望に応じて「ふるさと大使」と同様、最新の情報を提供させていただくことの検討も含め、より多くの方々に富山の魅力を発信していただけるよう、今後とも努めてまいりたいと考えております。 14 ◯議長(稗苗清吉君)平木柳太郎君。    〔15番平木柳太郎君登壇〕 15 ◯15番(平木柳太郎君)次に、産業振興について5点伺います。  富山県内、北陸エリアに限らず、全国的なビジネスプランコンテストやメディアでも、とやま起業未来塾の修了生が登場する場面が増えてきました。  起業家から企業経営者へと階段を上り、イノベーションの創出へ進む姿は、各未来塾の塾生や修了生にとっても誇りであり、また向上するための刺激となるものであります。  未来塾自体も、次の段階に進まなくてはいけません。既に7割を超える開業率を高めるだけではなく、これまで以上に、既存の枠組みにとらわれない起業家精神を持つ人材の育成が重要であり、また、起業を志す段階から事業の安定化、発展まで切れ目のない支援が必要と考えます。  そこで、先ほど石井知事にも御紹介いただきましたが、とやま起業未来塾の一柳塾頭への「とやま活性化大使」の委嘱を機に、来年度以降、とやま起業未来塾の運営や創業支援等の拡充強化にどのように取り組むのか石井知事の所見を伺います。  起業家を含む県内の中小企業に向けて、今年度、新たにとやまIoTビジネスアイデアコンテストを開催し、地域が抱える課題を解決するためのアイデアを募集中とのことですが、今後、県内企業等にどのようにビッグデータの利活用を促すのか、県の考えを伍嶋商工労働部長に伺います。  こうしたコンテストを通じたデータの収集、分析及び活用による新事業の創出は、産業振興に大きく寄与すると考えられますが、まだまだIoTそのものに対して敷居が高いイメージを持つ経営者も多いのが現状です。  我が社こそ一歩リードしたいという会社経営者の思いを尊重しつつも、県内企業が一丸となって第4次産業革命への対応をしていくことが求められます。  県では個別相談の窓口や補助金、融資などの支援制度を設けています。例えば、その窓口での相談内容や支援内容、支援企業における実証実験の様子を、県内企業にリアルタイムで公開、情報共有することで二の足を踏んでいる企業の後押しになると考えます。  そこで、IoT導入のための受け皿づくりを進めるため、県が設置する個別相談窓口、国や県が行う補助金や融資などの支援制度において、県内企業の相談状況と支援制度の活用状況はどうか、また、生産性向上や新たな付加価値の創出につなげるための新規技術の導入に向けて、どのように取り組んでいくのか、県の考えを伍嶋商工労働部長に伺います。  技術面の課題と同時に、人材面の課題はより深刻な状況であります。本県では、女性の働く率は高い一方、管理職への登用については伸び代がありますが、数値的な根拠がないにしても、県外企業で管理職経験を経た女性が富山県内企業へ就職しようとしても適切な受け皿がないことも容易に想像できます。  共働き率が高いといっても、県内在住者に仕事があるというだけで、富山へ戻りたくても仕事が見つからず諦めている潜在的な人材の確保に向けて、特に10代後半から20代の女性が流出超過になっていることについて、原因を分析した上で、取り組みを進める必要があると考えます。  そこで、県内企業の発展のために女性の採用、活用は不可欠と考えますが、今後、県内企業の女性活躍推進に向けてどのように取り組むのか、県の考えを山本総合政策局長に伺います。  10代後半から20代の女性が転出超過になっている事実から、県外大学へ進学する女性に対して適切なアプローチが必要だと考えます。しかし、Uターン就職関連イベントの案内を、県外の大学に進学している県出身者へ届けることは難しい状況にあります。  県内にある高校は進学先を把握しているため、できれば進学先の学校名だけでもわかればアプローチができますが、個人の進学状況を共有することは難しいため、富山県Uターン情報センターは主要大学すべてに対して個別の案内を進めてくれています。  地道な取り組みが必要なUターン政策ですが、富山県出身で県外在住の女性のUターン促進のこれまでの取り組みと成果、今後の取り組みについて石井知事の所見を伺い、大問2を終わります。 16 ◯議長(稗苗清吉君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 17 ◯知事(石井隆一君)まず、とやま起業未来塾についてお答えをいたします。  とやま起業未来塾については、設立からの12年間で13期生まで出たわけですけれども、修了生287名のうち7割を超える206名が創業や新分野進出を果たしておりまして、中には海外への事業展開を図る企業も出ておりますなど、一定の成果を上げておりますし、また、この方式を参考にして各地で、よその県でもこうした取り組みをされているという県もあると聞いております。  平木議員は第6期生でいらっしゃるわけで、県議として活躍されているのは大変頼もしく思っておりますが、当初の目的からいうとちょっと想定外だった面もありますけれども、県としましてはこうした未来塾のこれまでの成果や一柳塾頭への特別大使の委嘱というのも1つ契機にしまして、今後、未来塾の目指す柱の1つとして、例えばイノベーションを興して国内外で活躍するロールモデルの創出、こういったことを一柳塾頭もおっしゃっていますけれども、そういったことも掲げますなど、新分野や成長産業の創出に果敢にチャレンジする人材の育成を図るなど、未来塾のさらなるステップアップを図っていきたいと思っております。  具体的には、グローバルな活躍を目指す人材の育成や、また、女性の起業を後押ししますために、目標とする事業分野に応じたより実践的な指導方法の導入など、カリキュラム編成に工夫をしてまいりたいと考えております。  また、県による創業支援としましては、これまで制度融資や中小企業の新商品を率先して購入するトライアル発注などを行っておりますけれども、さらに今年度中に、富山県事業引継ぎ支援センターに後継者人材バンクを設置しますなど、その際には、起業未来塾の塾生の方のように創業を志す個人が登録して、後継者不在の小規模企業と引き合わせしてマッチングするといったことも考えております。  また、こうしたことのほか、今後、制度融資の創業支援資金の充実ですとか、若者、女性、シニア等を対象とした創業支援、既に数年前からそうした仕組みをつくっていますけれども、これの継続充実などについても検討したいと思います。  さらに事業の安定化や発展までの成長期における支援としましては、これまで富山県ものづくり研究開発センターですとか、総合デザインセンター等を活用した新商品の開発、実用化への支援、中小企業チャレンジファンドによる販路開拓支援などを行っておりまして、今後、制度融資の設備投資促進資金や、また、小口事業資金、その中にさらに零細小口枠といったものも設けております。こうしたものを充実するとか、また、県内企業と未来塾修了生との連携などによる支援も検討してまいりたいと思います。  県としましては、今後も、新分野や成長産業に果敢にチャレンジする人材育成ということを、これは大変大事だと思いますので、創業後も塾を出たからそれで終わりということではなくて、それからが本番だということで、もちろん御本人の努力が基本ですけれども、できるだけ応援していきたいと思っております。  次に、女性のUターン促進についてお答えをいたします。  人口減少、人手不足が深刻化しておりますので、本県の産業を支える人材確保は重要な課題でありまして、特に本県では、進学や就職時にあたる若年の女性が残念ながらまだ流出超過の状態にありますので、県外に進学、就職した本県出身女性のUターンを積極的に促進する必要があると考えております。  そこで県としましては、大学3年生やその父母の方々を対象とした就職セミナーを実施しておりまして、これで10年ぐらいやっていることになると思いますが、その際には、私も出席させていただいて本県の働きやすさや暮らしやすさ、また県内企業の魅力を説明しております。中でも県外に進学した女子学生のUターン就職をより一層支援しますために、平成27年度に初めて女子学生の方と本県企業で働く先輩の女性社員との座談会であります就活女子応援カフェ事業を実施しましたところ、本年4月では参加女子学生の75.9%がUターン就職しておりまして、非常に高い効果が出ております。  さらに本年度は、先月、東京、名古屋、京都の3会場で開催しましたところ、参加学生からは働く女性の生の話が聞けたと、また、富山で働く魅力を聞くことができたなどおおむね好評でありますので、また、その結果、本県のUターン就職率は、これは男女合計ですけれども、ことしの3月の卒業生で58.4%と過去最高になりましたし、また、全国的に見てもトップクラスではないかと思っております。  また、県では女性の働きやすい職場を企業が直接アピールすることも大事だと思っておりまして、ことし9月の合同企業説明会におきましては、女性が働きやすい県内企業のPRに努めるために、仕事と子育て両立支援企業、これ、県として88社認定しておりますし、女性が輝く元気とやま賞受賞企業、これ、30社いらっしゃいますけれども、こうした企業が出店する両立支援・女性活躍推進企業コーナーというのを初めて設置いたしまして、女性の就業促進を図っております。  さらに新たな取り組みとして、県外で就職した社会人女性を対象としまして、具体的にUターンをイメージしてもらえるようなPR動画とか事例集を作成することにしておりまして、今月30日に開催予定の「30歳の同窓会」の会場で帰省中の本県出身者などに向けまして放映しますほか、来年1月の東京都内のUターンイベント会場においても放映しますなど、今後も県内外のイベントにおいて広く活用したいと思っております。この東京都内のUターンイベントについては、経済同友会と共催する形にしております。  県としましては、引き続き女性の視点に立って、富山県の働きやすさ、暮らしよさ、また、子育て支援なんかの体制も含めて、また、もちろん県内企業の魅力を大いにPRして、多くの女性にUターンしていただいて、生き生きと働き暮らせる県となりますようにしっかり取り組んでまいります。 18 ◯議長(稗苗清吉君)伍嶋商工労働部長。    〔商工労働部長伍嶋二美男君登壇〕 19 ◯商工労働部長(伍嶋二美男君)ビッグデータの利活用についての御質問にお答えをいたします。  今年度、新たに開催いたしますとやまIoTビジネスアイデアコンテストは、地域が抱える課題につきまして、IoTを活用して解決するためのアイデアを募集して、ビジネスプランとして事業化を支援するものであり、企業や学生の皆さんがビッグデータの利活用を考える契機にするとともに、IoTを支える人材の育成につながることを狙いとしております。  このコンテストにより提案されたアイデアにつきましては、その活用事例を広く紹介いたしますとともに、ビッグデータとしての活用の仕組みなどを例示することにより、取得した各データの活用にとどまらず新たな付加価値を創出する事業モデルにつなげたいと考えております。  さらに、先月発足いたしましたIoT推進コンソーシアムの青年委員会におきましても、例えば、同じ製品を製造する複数の企業が協力いたしまして、人員や機械の稼働状況をデータ化し、全体の受注量に応じた共同受注体制の構築の検討がなされているほか、在庫管理の共同データ化によります調達部材の融通方策の検討などがなされており、こうした取り組みを各企業に示して活用を促していきたいと考えております。  県としてはIoT推進コンソーシアムの活動などを通じまして、IoTのデータの収集分析から活用までの課題整理や成功事例の創出、さらには人材の育成などの支援に努めまして、ビッグデータの利活用が県内企業の新規事業の創出を促し、本県産業の振興につながるようしっかりと取り組んでまいります。  次に、IoTの導入など新技術の導入についての御質問にお答えをいたします。  IoTの導入のための受け皿といたしましては、富山県IoT推進コンソーシアムの活動の一環といたしまして、本年9月に新世紀産業機構のよろず支援拠点におきまして個別相談窓口を開設したところであります。  県内企業からはIT、IoTに関する相談が54件寄せられておりまして、主な内容といたしましては、IoT機器の導入の可能性や方法を知りたいとか、いわゆる導入に向けた取りかかりを探す、こういった相談が多い状況となっております。
     また、今年度、県におきまして創設したIoT支援特別資金につきましては8件の融資が実行されておりますほか、県のIoT導入モデル事業費補助金では7件のモデル的な取り組みを採択したところでございます。  その内容を紹介いたしますと、IoTを活用いたしましてメンテナンス作業の効率化を図るため、金型部品の故障について事前に予知をすることやその保全を図る、そういった実現をする取り組みや、生産性の向上を目的といたしまして設備の稼働状況を見える化し、人員配置の最適化を図るものなどがあります。また、このほか国のものづくり補助金では5件が採択をされている状況でございます。  また、さきの9月補正で予算化されました生産性向上・付加価値創出促進モデル構築事業におきまして、県内企業から寄せられたIoT活用やロボット導入などの企画案につきまして、県内大学などとの協力を得ながらその導入方法や採算面に関する実証実験を行うこととしております。  今後、その結果につきまして、県内企業が活用しやすいよう標準仕様とした上でフィードバックをいたしまして、各企業の実情に応じた新技術の導入や人材育成に役立てたいというふうに考えております。  県といたしましては、今後、個別企業の相談内容や支援内容、また可能性調査などの情報の共有化について、ノウハウや技術の流出などに十分配慮しながら、できる限り県内企業への事例紹介に努めまして、IoTやロボットなど新技術の導入による生産性の向上と付加価値の創出につなげてまいります。  以上でございます。 20 ◯議長(稗苗清吉君)山本総合政策局長。    〔総合政策局長山本 修君登壇〕 21 ◯総合政策局長(山本 修君)県内企業の女性活躍推進に向けた取り組みについての御質問にお答えをいたします。  女性の活躍は、生産年齢人口が減少する中、労働力の確保に資するものと期待されております。また、国民ニーズの多様化やグローバル化に対応するため、企業における人材の多様性を確保する上でも女性の活躍は不可欠となっております。  このため県では、女性活躍の大きな支障となっている仕事と子育ての両立を支援するため、次世代育成支援対策推進法に基づきます一般事業主行動計画の策定義務づけの対象企業を条例で拡大し、本年4月から全国で唯一30人以上の企業を対象としているところでございます。  また、事業所内保育施設の設置に関する助成やすぐれた取り組みを行っている企業の顕彰、イクボス企業同盟とやまのネットワークの拡大等の対策を講じているところでございます。  また、女性が働く場におきまして、その個性と能力を十分に発揮して活躍できるよう、男女共同参画チーフ・オフィサーの設置でありますとか、リーダーを目指す女性社員の自己研さんとネットワークを構築する煌めく女性リーダー塾の開催、女性が輝く元気企業とやま賞、各種セミナーの開催などを通じまして、職場環境の整備に取り組んでいるところございます。  こうしたことに加えまして、優秀な人材を確保するには、女性の職業選択に役立つ情報を公表することも大切でありまして、従業員301人以上の大企業については、昨年4月に全面施行された女性活躍推進法により、女性の活躍推進に向けた数値目標を盛り込んだ一般事業主行動計画の策定、公表が義務づけられており、現在、県では100%と取り組みが進んでいるところございます。  今後は、この行動計画の策定が努力義務となっております中小企業においても計画策定が進むよう、アドバイザーの派遣等を通じて業種や規模に応じたきめ細かな支援を行ってまいりたいと考えております。 22 ◯議長(稗苗清吉君)平木柳太郎君。    〔15番平木柳太郎君登壇〕 23 ◯15番(平木柳太郎君)将来の国際化を見据えた安全・安心の確保について3点伺います。  県警山岳警備隊につきましては、発足以来、半世紀にわたり県内の山岳地帯の安全を守り続け、これまで5,000人以上の遭難者救助に従事しています。  先日の教育警務委員会で山岳警備隊の総合山岳救助訓練を視察したところ、まさに実力日本一の名に恥じないすばらしい訓練でございました。  県内の山岳地帯は全国的に見ても地形が複雑で雨や雪が多く、捜索現場は大変危険で苛酷を極めていると伺っています。  近年、中高年の登山ブームや、去年から8月11日が祝日「山の日」に指定されるなど、年々登山者が増加傾向にあり、加えて海外からの入山者も増加していると伺っており、経験が浅く危険性の認識が乏しい登山者の増加が懸念され、今後、山岳救助現場での負担や、隊員の危険性がますます増加するのではと伺っています。  そこで、近年の外国人を含めた入山者数及び山岳遭難発生件数の推移、特徴や傾向について白井警察本部長に伺います。  また、立山・黒部世界ブランド化により、世界水準の山岳観光地に押し上げる構想が進められています。今後は、必然的に外国人観光客や登山客が増加することが予想されます。  世界水準の山岳観光地を整備するためには、観光客や登山者の安全対策が重要な課題であります。世界水準の山岳観光地には必ず世界水準の山岳救助組織が存在します。例えば、4,000メートル級のアルプスの山岳救助を担うスイスレスキューチーム「Rega」などは、実力世界一の精鋭組織ともいわれ、最先端の救助技術を有すると伺っています。また、隣県の長野県警も北アルプスを管轄していますが、山岳遭難の急増と山岳観光の安全に本格的に対応するため、平成27年3月に全国初の山岳安全対策課を発足させ、救助隊を所属へ昇格させ体制を強化したとも伺っています。  県警山岳警備隊は今後、救助現場での負担増加や危険性の増加が予想され、過去3名の隊員の方が殉職されたことを重く受けとめ、絶対に殉職者を出さないためにも、将来的に体制を強化する必要があると考えます。  また、我が国のトップリーダーとして、国内では学ぶべき対象はないことから、海外へ視点を向けて世界的な山岳観光地にふさわしい山岳救助組織へ飛躍する必要があると考えます。  そこで、将来の立山・黒部世界ブランド化を見据え、引き続き、山岳地帯の安全を確保するため、県警山岳警備隊の体制強化、救助資機材の整備充実、救助先進国との交流による技術の高度化等の諸対策が急務と考えますが、白井警察本部長の所見を伺います。  2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催まで1,000日を切りました。県内でも、高岡市のレスリング競技、また、後ほど筱岡議員が触れると思いますが、小矢部市のホッケー競技などホストタウンや事前合宿誘致が進められています。また、国策として、国を挙げて観光立国を目指しており、2020年までに訪日外国人旅行者を4,000万人まで増やす目標を掲げています。  そこで心配なのは、近年パリやマンチェスター、イスタンブール、ダッカなど世界各国で発生しているソフトターゲットを対象とした無差別テロです。軍事施設や政府施設などのハードターゲットは警戒が厳重ですが、観光地やイベント会場、レストランなどのいわゆるソフトターゲットは不特定多数が出入りし、警戒も手薄なので、どこでも起きる可能性があります。  国内では、東京都内は地方都市と比べて、繁華街などに街頭犯罪防止カメラシステムが整備され、警戒もそれなりに厳重と伺っていますが、富山県内は石川県などと比較しても繁華街などの防犯カメラ数が少ないとも伺っており、犯人に対しハイリスクを強いる防犯カメラが少ない現状は致命傷であると考えますし、結果として、ローリスクはテロを誘発しかねません。  また、組織に属さないローンウルフによるテロ犯罪が散見しており、警察当局による事前の把握が難しいと伺っています。殺傷力の高い手製爆弾の製造方法もインターネット上で氾濫するなど、完全に防止するのは不可能とも伺っています。  しかしながら、この種のテロが発生すると、世界的なビッグニュースとなり、富山県どころか国内全体へ影響し、訪日外国人が激減し、さらに立山・黒部世界ブランド化も含めた国内の観光産業全体が大打撃を受けて失速する可能性もあります。現実にフランスの外国人観光客は激減しており、国内経済全体へ波及したと伺っています。  そこで2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、本県でもいわゆるソフトターゲットを狙ったテロの発生が懸念され、対策が急務と考えますが、白井警察本部長に所見を伺います。  本日の質問は以上であります。  この12月で初当選した2012年12月から丸5年がたちました。28歳だったあのころの若々しさ、初々しさは失われたかもしれませんし、とやま起業未来塾の成果としては想定外ということで大変申しわけありませんが、33歳の最年少議員として若年層を代表した、視点を忘れることなく、残りの任期1年半を全ういたします。ちなみに本日の締めくくりを務める同期当選の浅岡議員は当時49歳でしたが、現在54歳となり、いろんな意味で年々貫禄が増すばかりでうらやましいところであります。  改めて5年間の議員生活を支えていただいた諸先輩方、知事を初めとする県職員、関係者の皆さん、そして家族、友人に感謝して質問を終わります。ありがとうございました。 24 ◯議長(稗苗清吉君)白井警察本部長。    〔警察本部長白井利明君登壇〕 25 ◯警察本部長(白井利明君)入山者数、山岳遭難発生件数等についての御質問にお答えします。  近年、立山を中心とする北アルプスには、国内外から多くの登山者、観光客の方々が立山黒部アルペンルートなどを利用して訪れており、天候の影響等で増減はあるものの、入山者数は、年間おおむね90万人から100万人近くで推移していると承知しています。また、外国人入山者数は平成15年は約2万3,000人であったものが、本年は約26万3,000人と約11倍になっていると承知しています。  山岳遭難発生件数については、平成15年ごろは100件前後でしたが、徐々に増加し、最近では130件前後で推移しています。本年は、11月末現在で、遭難件数が131件と、近年の遭難件数で最も多い一昨年の136件に迫る勢いとなっているほか、外国人の遭難件数も年々増加傾向にあるなど大変憂慮すべき状況にあります。  山岳遭難の特徴や傾向としましては、いわゆる山岳アルピニストによる急峻な岩場などからの転滑落や雪崩による遭難等が依然として発生している一方で、中高年ハイカーや外国人観光客などによる転倒や道迷いといった遭難が増加傾向にあります。  最近は、登山ブームを背景に、山が一般的に親しまれるようになったこともあり、必ずしも経験豊富とはいえない登山者、観光客が基本的な装備品も持たないまま安易な気持ちで入山し、突然の天候の変化や山岳特有の地形に対応できず救助を求めるケースが増えてきています。  続いて山岳警備隊の体制強化などについての御質問にお答えします。  県警山岳警備隊は、これまで4,000件を超える遭難現場に出動し、50年余にわたって救助経験、知識などを積み重ねてきましたが、近年は遭難件数や外国人入山者数の増加、冬山におけるバックカントリースキーヤーの増加による入山形態の変化や、ただいま申し上げたようにそもそもの遭難形態の変化、弥陀ヶ原の常時観測火山への追加など、立山黒部の山々を取り巻く情勢は急速に変化しつつあると認識しています。  今後、立山・黒部世界ブランド化に伴ってさらなる変化が見込まれる山岳情勢に的確に対応していくためには、救助体制の強化や装備資機材の整備充実に加え、新たな経験、知識の吸収による救助技術能力の向上などを図っていく必要があります。  具体的には、救助体制面では山岳警備隊の体制強化や遭難対策協議会など、関係機関との人的ネットワークの強化、装備資機材面では現場臨場の迅速化などにつながるスノーモービルなどの導入、救助技術面では最新の技術を有するヨーロッパアルプスの国々の部隊との人的交流や情報交換などの諸施策を推進していくこととしています。  これまでも県警山岳警備隊は、我が国における山岳警備のトップリーダーとして北アルプスの安全を守ってきましたが、今後、立山・黒部世界ブランド化が進められる中、山の安全を守る第一人者としての地位を不動のものとすべく引き続き努力してまいります。  最後にテロ対策についての御質問にお答えします。  2013年のアメリカ、ボストンマラソンでの爆弾テロや2015年のフランス、パリでの同時多発テロなど、海外において、いわゆるソフトターゲットに対するテロ事件が頻発する中、国内では2019年にはG20やラグビーワールドカップ、2020年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会などが開催予定であり、我が国においてもテロ対策は急務となっています。  ここ富山県においても、オリンピック・パラリンピック競技大会等に関連して事前キャンプ、聖火リレーなどの関連行事が予想されるほか、富山マラソンなどのソフトターゲットとなり得る不特定多数の人が集まる大規模イベント等が開催されていることから、テロ対策は極めて重要な課題と考えています。  このため県警察では県内海空港における水際対策、大規模イベントや大型集客施設などにおける制服警察官などによる見せる警戒、防犯カメラの設置促進を含めた管理者対策など、さまざまな取り組みを強化しているところです。  一方で、ソフトターゲットに対するテロを未然に防止するためには、警察の取り組みのみでは不十分であり、官民が連携した取り組みを推進することが不可欠です。  そのため、新たな枠組みとして昨年12月、テロ対策ネットワークとやまを設立し、講演会や研修会の実施、テロ対策ハンドブックの作成配付などによりテロに対する危機意識の醸成、共有を図るとともに、合同訓練による協働対処体制の構築を図るなど、官民一体となった対策に努めているところです。  県警察では、引き続き官民連携を初めとした各種テロ対策を推進し、テロを許さないまちづくりに努めてまいります。 26 ◯議長(稗苗清吉君)以上で、平木柳太郎君の質問は終了しました。  筱岡貞郎君。    〔24番筱岡貞郎君登壇〕 27 ◯24番(筱岡貞郎君)改めまして、皆さん、おはようございます。  私の子供のような年の平木君から、一私のことをいろいろおっしゃっていただいたこと、本当によき子供を持ったと思ってうれしく思うところでございます。  先ほども触れていただいたように、先週、ことしの流行語大賞が発表されました。上田先輩、宮本先輩は、「このはげ違うだろ」というのを予想されておられましたが、当然、外れておられたわけでございます。ことしの流行語を少し取りまぜながら、質問させていただきます。  まず、農業、水産の振興について8点お伺いします。  第1にTPPや日欧EPA対策について伺います。  農林水産物を含む国際貿易交渉については、去る7月6日にEUとの経済連携協定である日欧EPAが大枠合意となり、また11月10日には米国を除くTPP署名11カ国による、いわゆるTPP11協定が大筋合意となりました。これらの国際貿易交渉は、日本や本県の農林水産業に少なからず影響を与えると思います。国では11月24日に総合的なTPP関連政策大綱が改訂されたところです。また、今回の国の補正予算に反映されると聞いておりますが、県としてどのように対応していくのか石井知事にお伺いします。  次に、平成30年産からの米政策の見直しへの対応について伺います。  いよいよ平成30年産から米政策が大きく見直されます。国による米の生産数量目標の配分はなくなりますが、去る11月30日の国の食糧部会では30年産の全国ベースの需給見通しが決定されました。前年同様、幸い735万トンと発表されました。30年産以降も、県の生産目標を達成した場合にメリットがある仕組みが望まれるところであります。  また、まじめな農家にいい意味で忖度されるべきだと考えますが、本県では米の生産目標の設定などをどのように進めているのか、また、これまで本県では、米の生産数量目標を過剰に達成してきていますが、米の生産目標に沿った米づくりをきちんと行うべきであり、あす6日、県農業再生協議会が開かれるそうですが、どのように調整、指導していくのか、芝田農林水産部長にお伺いします。  次に、県産米の品質向上について伺います。  米の消費量が減少し産地間競争が激化している中、米を基幹とする本県農業において、高品質でおいしい米づくりを進めていくことが極めて重要です。今年の県産米は、作柄は平年並みの100、1等米比率は10月末現在で91%と、27年産、28年産に引き続き3年連続で90%を達成する見通しとなっております。関係の皆さんの御尽力のたまものとみています。  そこで、こうした成果が得られた要因と次年度に向けた一層の品質向上対策について、農林水産部長にお伺いします。  次に、新品種「富富富」を含めた富山米の生産体制について伺います。  「富富富」、数字でいえば二、二、二、これが一、二、三ならひふみんですが、米については、主食用米の需要量は家庭用を中心に年々減少していますが、一方で、中食や外食用の業務用米の需要は増加傾向にあります。また、産地、品種や栽培方法にこだわった高価格なブランド米のニーズや、食味の好みに応じた品種、より安価な米を求めるニーズなど、実需者や消費者のニーズは多様化しています。このような中、30年産には、新品種「富富富」がデビューするわけですが、米政策の見直しや全国で新品種のデビューラッシュがあり、米の産地間競争が激化しています。また、水田フル活用を推進していくには、麦、大豆や園芸作物だけでなく、非主食用米の取り組みを推進していく必要があります。  さきに自民党の農林水産部会において、ブランド米「つや姫」を擁する山形県において意見交換を行ったところ、先々を見通した生産管理体制、販売戦略を立てており、これらを参考にすべきと思うところであります。高級米の国内市場は18万トンで、その中でのシェア争いだそうです。  そこで、米が中心の本県として、一層需要に応じた米づくりを推進することが重要と考えます。新品種「富富富」を含めた今後の富山米の生産戦略、「富富富」をプレミアム米として育成するための今後の販売戦略について、石井知事にお伺いします。  次に、富山米の輸出の取り組みについて伺います。  日本の人口は2010年の1億2,806万人をピークに減少傾向にあり、2050年には9,708万人にまで減少すると予測されています。また、我が国の年間1人当たりの米消費量は昭和38年の118.3キログラムをピークに減少を続け、平成27年では54.6キログラムとなっています。このような人口動態や米の消費量の減少を背景に、我が国の米の年間需要量は毎年約8万トンずつ減少し続け、米の国内マーケットが減少傾向にある中、将来に向けた米の販路を開拓するためには、特に大規模な稲作経営体などでは海外の輸出に目を向けていかざるを得ない時代となっています。  こうした中、去る9月8日に国がコメ海外市場拡大戦略プロジェクト構想を公表し、米、米加工品の輸出目標を600億円の目標年次である平成31年に向けて、米の輸出量を飛躍的に拡大するため、戦略的に輸出に取り組む関係者を特定し、それらが連携した個別具体的な取り組みを強力に後押しするとされました。  農業産出額の65%を米が占める本県においても、このプロジェクトに積極的に参加すべきと考えますが、県内の農協、農業法人等のプロジェクトへの参加状況と、今後、県としてどのように取り組んでいくのか、芝田農林水産部長にお伺いします。  次に、園芸生産の一層の拡大について伺います。  本県農業の発展には、米だけでなく園芸の生産拡大が重要であり、県では平成22年より1億円産地づくりに取り組み、各農協が戦略品目を定め、技術開発や大規模化に取り組んだ結果、平成28年には取り組み当初の約2.6倍になる12億円を超える販売額へと拡大するなどの成果がみられています。中でも、JAとなみ野のタマネギや、JAいなばのハト麦、このハト麦はもともと美肌効果があります。富山県が美肌日本一になった、これに少なからず貢献しているのでないかと思っております。  また、全県下で広域的に取り組んでいる加工キャベツ等で大きな成果がみられていますが、これらの取り組みの成功のポイントをどのように分析し、県内へと波及するのか、農林水産部長にお伺いします。  次に、高病原性鳥インフルエンザ対策について伺います。  ことしも渡り鳥が飛来する季節となり、先般、島根県で野鳥から鳥インフルエンザウイルスが検出されたとの報道がありました。  私の地元、小矢部市は、本県の養鶏の飼養羽数の7割を占めており、養鶏農家では毎年、高病原性インフルエンザの発生を防止するため、防鳥ネットを張るなど、渡り鳥が鶏舎内に入らないように努力しています。昨年は、隣県の新潟県、岐阜県で発生し、多くの鶏が殺処分されたところであり、本県でもいつ発生してもおかしくない状況だと思っており、大変心配しています。  県として、高病原性鳥インフルエンザの発生を未然に防止するための対策や、万が一発生した場合、被害を最小限に抑えるためにどのような体制をとっているのか、農林水産部長にお伺いします。  最後に、魚の生息に配慮した河川整備について伺います。  河川整備により治水能力が向上し、災害等に対する国土強靱化が図られてきたところでありますが、一方でそれらの整備による河川環境の変化により、小矢部川における魚の生息の場が減少してきているという事実もあります。小矢部川漁業協同組合では、サケなどの稚魚の放流を実施しており、変化に富んだ河川環境の保持が重要であると考えております。  災害防止による国土強靱化と変化に富んだ河川環境は相反するものがあるものの、水産資源の増殖や漁業の発展に配慮した河川整備を進めていくべきと考えますが、加藤土木部長の所見を伺います。  次に、地域の活性化について、6点お伺いします。  まず、北陸新幹線の大阪延長に向けた取り組みについて伺います。  北陸新幹線については、3月に大阪までの全線ルートが決定し、今後は2022年度末の敦賀開業や、北海道新幹線札幌開業ごろまでの全線整備に向けて、今まで以上に沿線府県が一致団結して取り組んでいく必要があると考えております。  特に、今後は、整備の中心となる関西での機運の盛り上がりが不可欠であり、知事はかねてより、関西が自分自身の問題として主体的に取り組むよう働きかけたいとも発言されていました。本県としても、大阪延伸に向けて今まで以上に関西と緊密に連携して、より一層取り組みを推進すべきと考えますが、石井知事の所見を伺います。  次に、能越自動車道の利便性向上対策についてお伺いします。  能越自動車道については、ことしの2月に開催された利便性向上対策検討会において、県道路公社が管理する有料区間の小矢部砺波ジャンクションから高岡インターチェンジの間に2カ所ある料金所のうち、福岡本線料金所を撤去し、小矢部東本線料金所に統合する基本方針がまとめられました。ETCも使えず、料金支払いのため一旦停止をする必要があることから、不便さを指摘する声がかねてより上がっていたところであります。  東海北陸自動車道と直結し、能登方面へ整備が進む能越自動車道は、東海北陸自動車道とともに、中京地域から能登地域まで中部圏における国際的、広域的な観光ルートを形成する道路として、今後ますます重要となってくると考えています。  こうしたことから、福岡本線料金所の撤去による能越自動車道の利便性向上対策について、県全体の活性化のため、また、県民の関心も高く、地元の皆さんも期待していることから、一日も早く実行していただきたいと考えますが、2月の検討会から約10カ月近く経過しており、これまでの検討状況と今後の見通しについて、土木部長に伺います。  次に、福岡パーキングエリアのインターチェンジ化について伺います。  北陸自動車道では、上市スマートインターチェンジの整備が進められています。また、東海北陸自動車道においても、今年7月、城端サービスエリアのスマートインターチェンジの設置に向けた調査が開始されたと聞いております。  一方、能越道においても、例えば、平成28年3月に氷見市内で4カ所目のインターチェンジとなる氷見南インターチェンジが完成し、地域住民の日常生活の利便性向上はもとより、災害時の避難路確保、企業誘致促進、観光振興などの地域活性化が期待されております。
     高岡市ではこれまでも、能越自動車道の福岡パーキングエリアに将来的にインターチェンジを新たに設置することについて検討を進めておられると聞いております。お隣、福岡町の要望については、全く排除するものではありません。  高速道路のインターチェンジの新たな設置は、利便性向上に大変効果があり、福岡パーキングエリアのインターチェンジ化により、能越自動車道のさらなる利便性の向上を図っていくことが重要と考えますが、土木部長の所見を伺います。  なお、実現されれば、ここを福岡インターチェンジ、現在の福岡インターチェンジをアウトレットパーク小矢部インターチェンジと名称を変更するとわかりやすいと思います。検討に値します。  次に、自動運転サービスの実用化、普及について伺います。  先月26日、南砺市の道の駅「たいら」を拠点に、国土交通省による自動運転サービスの実証実験が行われました。開始式に私も参加いたしました。  国土交通省は道の駅等を拠点とした自動運転サービスの2020年までの社会実装を目指し、今年度、全国13カ所で順次、実証実験を行う予定とされております。安全性を十分確認した上、技術的な課題を克服し、サービスが実用化されれば、高齢化が進む中山間地域の移動手段の確保や、新たな観光客の流れの創出など、さまざまな効果が見込まれることから、県内での普及が期待されているところであります。  そこで、自動運転技術の先進的な調査研究、実証実験などに、国や市町村と協力し、積極的に取り組むべきと考えますが、蔵堀観光・交通・地域振興局長に所見をお伺いします。  次に、先ほど平木君も触れていた義仲・巴の大河ドラマ化について伺います。  これまでも義仲・巴の大河ドラマ誘致については、NHKへの要望活動や広域連携推進会議を通じた義仲・巴ゆかりの地との連携など、いろいろと御尽力をいただいているところであります。  今年6月に、倶利伽羅源平の郷、埴生口で4年前に植えられた義仲の松と並んで巴の松が植樹され、夫婦松となりました。これは、まさしくインスタ映えする地でもないかと思っております。  大河ドラマのテーマは近年、幕末、戦国時代の繰り返しが続いており、そろそろ源平合戦が取り上げられる時期が来ているのではないかと考えるところですが、誘致の実現のためには、これまで以上にNHKへのアピールや、全国的な知名度アップのための方策が必要ではないかと考えます。  そこで、10年来の悲願、義仲・巴の大河ドラマ化に向け、本年度実施している具体的な取り組みと今後の展望について、山本総合政策局長にお伺いします。  最後に、東京オリンピックの事前合宿についてお伺いします。  これも先ほど平木君が言ってくれました。小矢部市では昭和33年の富山国体以来、ホッケー競技が地元に根づき、多くの日本代表、オリンピック選手を輩出してきており、東京オリンピックの合宿誘致が検討されております。合宿の誘致が実現されれば、経済効果に加え、地元との交流活動を通じた青少年への教育効果など、地域の活性化につながることが期待されています。  そこで、東京オリンピックのホッケー競技の事前合宿が小矢部市で行われるよう、小矢部市ホッケー場の改修への支援や、市や関係機関との連携協力による誘致活動が必要と考えますが、山本総合政策局長の所見をお伺いします。  終わりに、ことしもいよいよ残りわずかでございます。来年は、いぬ年でございます。富山県にとっても、皆様にとっても、ワンダフルなよい年になることを御祈念申し上げて、私の質問を終わります。 28 ◯議長(稗苗清吉君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 29 ◯知事(石井隆一君)筱岡議員の御質問にお答えをいたします。  まず農業、水産業の振興についてであります。  そのうち日欧EPAなど国際貿易交渉についてお答えをいたします。  TPP協定につきましては、2年前の10月に米国を初めとする12カ国によって大筋合意がなされまして、これを受けて国では、総合的なTPP関連政策大綱を策定して、これに基づく施策の推進のために国の補正予算が計上されました。  富山県としては、この補正予算を最大限活用して、産地パワーアップ事業や畜産クラスター事業などによりまして、本県の農林水産業の体質強化に取り組んでまいりました。相当な成果はあったと思います。  今般、大筋合意に至った日欧EPAやいわゆるTPP11協定が発効しますと、ものづくり産業にはプラスの影響があると考えられます一方で、農業については、本県の基幹作物である米につきましては、輸入関税の削減、撤廃等から除外されましたものの、特に豚肉、牛肉及び乳製品などについて関税引き下げ等の措置が盛り込まれましたことから、これらによる価格低下が県内の畜産農家の経営に与える影響が懸念されるわけでございます。  そこで、国では今般、日欧EPA対策を追加した総合的なTPP等関連政策大綱を決定されまして、安倍総理から農林水産業の強化策等を盛り込んだ29年度補正予算の編成が指示されております。  本県の農林水産業については、これらの協定の発効いかんにかかわらず、生産性や収益性の向上、高付加価値を進めていくことが重要でありますので、もちろん補正予算に盛り込まれた施策の詳細については今、情報収集に努めておりますが、国の補正予算も積極的に活用しまして畜産経営のさらなる体質強化に努めますとともに、農地の集積・集約化、また、農地の大区画化、汎用化などの土地区画整備事業の推進、また、富山米「富富富」などブランド力の向上などによります需要拡大、さらには水田フル活用、また、園芸生産振興、タマネギも頑張っておられますし、ハト麦も美肌効果があるということでありますので、ぜひこうしたものにも努力しまして、農業経営の高度化、複合化などに積極的に取り組んで、富山県の農林水産業の成長産業化に向けて努力してまいります。  次に、「富富富」の販売戦略などについてお答えをいたします。  主食用米の需要量が家庭を中心に減少傾向にあります中で、米政策の見直しということであります。  一方で、他県でも新品種が相次ぐデビューをしていることですから、産地間競争も激化する、その中で本県産米の評価を高めながら需要を確保することが大切だと思います。  そこで富山米の生産については、可能な限り現在の水稲の作付面積を確保することを基本としまして、主食用米ではまず「コシヒカリ」、また、富山の食のブランドをリードする新品種の「富富富」の生産、また、堅調な需要が見込まれます業務用米、中食や外食用については「てんたかく」や「てんこもり」に加えまして、各JAが実需者との契約によって推進している独自品種の生産、また、非主食用米としての用途では飼料用米や輸出用米、また加工用米の生産を進めますなど、富山米の品ぞろえの充実を図って多様なニーズに応えていくことにしております。  こうした中で「富富富」については、富山米のトップブランドとして位置づけまして、生産者と消費者の双方にメリットのあるプレミアム感を創出しまして、県内外で「コシヒカリ」を上回る価格帯での流通販売を目指しております。  そのため、まず来年産から山形の「つや姫」同様、生産者登録制度を導入しまして、栽培基準等の遵守を徹底しますなど、品質にまだばらつきのある「富富富」が流通しないようにいろんな工夫をいたしまして、高い品質の確保に努めてまいります。  これまで限定販売や各種イベントで「富富富」を御賞味いただいた多くの方々からは、甘みやうまみにすぐれているという御評価をいただいておりますが、今後さらに、流通関係者や料理人、お米マイスターなどの専門家からも、食味等の評価を幅広く収集して分析しました上で、セールスポイントの明確化、また、販売のターゲット・エリアの具体化、商品ストーリーの作成などに取り組んで、他県の新品種の販売対策も参考にしながら、しっかりとした販売戦略を構築してまいります。これはぜひ頑張っていきたいと思います。  最後に、北陸新幹線についてお答えをいたします。  北陸新幹線は、他の整備新幹線と比較しても、開業前と開業後を比較しますと、依然として3倍近い方が乗車されているなど大変投資効果が高い、また、東海地震など大規模災害時には東海道新幹線の代替補完機能を有するなど、国土強靱化を進めるためにも重要であります。また、大阪までつながりますと、北陸、信越、関西、中京、首都圏をネットワーク化した、まさに新ゴールデンルート、大ゴールデン回廊が創出されるということで、その全線整備は北陸だけではなくて関西を初め日本全体の発展に大きな意義があると思っております。  そこで、かねてから関西広域連合、関西の経済界に強く協力を要請してまいりました。ちょうど東日本大震災が起こった平成23年の秋に、大阪まで出向いて関西広域連合長の井戸兵庫県知事にお会いして、これは北陸だけの問題じゃなくて、まさに北陸新幹線は関西の問題でもあるんだと、当時はまだルートも決まっていませんでしたから、早くこれを決めようじゃないかといったようなお話も申し上げてきた経過がございます。  今年5月の北陸新幹線建設促進同盟会の中央要請におきまして、北信越5県議会議長会、北陸経済連合会に加えまして、新たな要請主体として、関西広域連合及び関西経済連合会が加わって、まさに当事者として取り組む意識、姿勢をはっきり示していただきましたので、建設促進に当たって非常に強力なパートナーが増えて心強く感じております。  また、この11月にもこの5団体共同による中央要請を行いまして、北陸、関西を挙げて石井国土交通大臣や岸田自民党政調会長など政府、与党に対して、金沢─敦賀間の平成34年度末までの確実な開業はもちろんですけれども、敦賀以西についても駅・ルートの詳細調査、環境アセスメントを速やかに推進していただきますとともに、必要な財源を早く確保して、場合によっては敦賀開業前、または敦賀開業後、シームレスに早期に着工して、北海道新幹線札幌開業ごろまでの大阪開業の実現を強く求めたところであります。  本日ちょうど関西が主体となって初めて、北陸新幹線、敦賀─大阪間の建設促進決起大会を東京で開催されております。本当は私も出たかったんですが、何といっても県議会の審議優先ということでありますので、昨日、改めて関西広域連合長の井戸兵庫県知事とも電話でお話をして、政府、与党にどういう形で働きかけるか、いろんな細かな打ち合わせもしたところでありまして、何としてもこれは地元関西の熱意、また、北陸も含めてこの機会に何としても北陸新幹線の建設促進、敦賀はもちろんですが、敦賀から大阪まで早く整備してもらうように最大限努力していきたいと思います。  今後も、関西はもちろんですが、沿線府県、また、北陸経済連合会、関西経済連合会など経済界とも連携を密にしながら、早期全線整備に向けて頑張ってまいります。 30 ◯議長(稗苗清吉君)芝田農林水産部長。    〔農林水産部長芝田 聡君登壇〕 31 ◯農林水産部長(芝田 聡君)まず米政策の見直しへの対応についての御質問にお答えいたします。  国の米政策の見直しにより、平成30年産米から行政による生産数量目標の配分を廃止し、生産者みずからの判断による需要に応じた生産を促すこととされております。県としても、農業経営の安定を図っていくためには、需要に応じた高付加価値な米づくりに努めていくことが重要であると考えております。  このため、本県では、昨年の県農業再生協議会におきまして、平成30年産以降も需要に応じた米生産と水田フル活用を推進する対応方針を決定いたしまして、全国及び県産米の需給動向を踏まえ、県全体の米の生産目標を定めるとともに、地域農業再生協議会別の米の生産目標を参考情報として提示することとしております。  こうした中、先般、国が平成30年産米の需給見通しを公表し、全国の生産量の目安は、前年の生産数量目標と同じ735万トンとされたところでございます。  あす開催予定の県農業再生協議会におきましては、このような情報も参考にいたしまして、県全体や地域農業再生協議会別の米の生産目標を決定し、地域に提示していくこととしております。これを受けまして各地域では、生産者や集落ごとの生産目標を検討して提示されることになります。  また、本県では、これまで生産数量目標を約400ヘクタール程度近年では超過達成してきておりますが、議員御指摘のとおり、米の生産目標に沿って米づくりがきちんと行われるべきと考えておりまして、地域に対し、従来よりも2週間早く明日12月6日に生産目標を提示いたしまして、農家の作付計画を早期に把握することによりまして、生産目標の農家間調整を円滑に行うこととしております。  また、米の需給と価格の安定が農家のメリットにつながるということでございますので、そのための措置を講じるよう国に対し働きかけるなど、米政策の円滑な推進に努めてまいります。  次に、県産米の品質向上対策についてお答えいたします。  議員から御紹介がありましたように、ことしの県産米は、作柄につきましては、作況指数が100の平年並みとなり、一等比率につきましては10月末現在で91.1%と3年連続で目標とする90%台を確保し、北陸4県で最高となっております。  こうした成果が得られた要因といたしましては、1つには田植え後、気候が高温多照で推移し、初期の生育が確保されたことが挙げられます。2つには生育や気象の状況に応じた適切な栽培管理対策がなされたことが挙げられまして、具体的には「コシヒカリ」の5月15日を中心とした適期田植えと溝掘り、中干しの徹底、早生品種を中心に被害が懸念されたカメムシの防除、穂が出た後の適切な湛水管理、胴割れ米の発生防止のための適期収穫などに、農業者の皆さんはもとより、JAなど関係機関、団体が一体となって取り組まれた結果であるとみております。  ただ、一部の地域におきまして、田植えが早いことなどによる品質低下がみられたことから、次年度に向けては「コシヒカリ」の適期の田植えの確実な実施、中干しによる過剰な籾数の防止等、重点技術対策の一層の徹底を図ることとしております。  また、各地域において、作業指示板の活用や現地研修会の開催等を通じまして、農業者の皆さんへの迅速かつきめ細やかな指導に努め、米の産地間競争が激化する中で、今後とも高品質でおいしい富山米が生産、供給されますよう、しっかりと取り組んでまいります。  次に、米海外市場戦略プロジェクトについてお答えいたします。  少子高齢化や人口減少によりまして国内市場の縮小が見込まれる中、農林水産業の持続的発展を図るためには、海外市場を積極的に開拓し、輸出を拡大していくことが重要であります。  このため、国におきましては、去る9月に、コメ海外市場拡大戦略プロジェクト構想を発表したところでございます。  このプロジェクトでは、輸出用米の安定的な生産に取り組むJAや大規模法人などの戦略的輸出基地と、米輸出の拡大に取り組む卸売業者などの戦略的輸出事業者、このマッチングを図りますとともに、輸出ターゲット国へのプロモーション等を実施いたしまして、輸出の拡大を推進するものであります。  11月22日現在、戦略的輸出基地として全国で216の産地・団体の応募があった中で、本県からは全15JA、全農富山県本部、8農業法人の計24産地・団体が応募されたところであります。  現在、国において輸出基地と輸出事業者とのマッチングが進められていると聞いておりまして、県としてもこれらの動向について情報収集に努めてまいりたいと考えております。  また、輸出の支援といたしまして、生産面では輸出用米の作付拡大を推進いたしますとともに、販売面では海外で開催される食品総合見本市への出展や、アジアのバイヤーを招聘した県内商談会の開催等によりまして、生産者の販路開拓を支援してまいります。  また、海外に向けた富山米の情報発信、海外販路開拓に有利となる第三者認証のGAPの取得への支援などに積極的に取り組み、米の輸出拡大に努めてまいります。  次に、1億円産地づくりについてお答えいたします。  園芸の1億円産地づくりにつきましては、戦略品目全体の販売額が平成21年度の約4億8,000万円から28年度には12億3,000万円に増加をしておりまして、1億円を達成したJAとなみ野のタマネギや美肌効果のあるJAいなばのハト麦に加えまして、広域的に取り組む加工用キャベツなどでも着実に成果が上がっております。  こうした品目が生産拡大につながったポイントといたしましては、JAや農林振興センターなど関係機関が連携をいたしまして、地域の条件に適した栽培技術を確立したことに加えまして、植えつけや収穫等の主要な作業の機械化、出荷調整作業のJA等への集約などによる省力化と品質の高位安定化、マーケティング活動による需要先の確保が図られたことなどによるものと分析をしております。  今後、こうした成果を広く県内に波及し、園芸生産の拡大を推進するため、販売額が伸び悩んでいる産地に対しましては、大規模化に対応いたしました栽培技術の改善や、機械施設等の導入への支援などにより、単収の向上や省力化による収益性の改善を図りますとともに、タマネギ、加工用キャベツ等の産地拡大が期待できる品目につきましては、JAの枠を超えた栽培の実証や栽培研修会の開催を支援するということで、本年も、JAとなみ野の指導のもとでJA福光管内でタマネギを実際に2.5ヘクタール定植もしております。そういったこととともに、業務需要に対応いたしました契約出荷を進めるように助言指導してまいりたいと考えております。  今後とも園芸作物の生産拡大を進め、本県農業の経営安定が図られるようにしっかりと取り組んでまいります。  次に、鳥インフルエンザ対策についてお答えいたします。  高病原性鳥インフルエンザは、家畜伝染病予防法に基づき、発生した養鶏場のすべての鶏の殺処分が義務づけられる非常に重大な家畜伝染病であり、まずは渡り鳥などによる感染を未然に防止することが重要であります。  このため県では、養鶏農家に対しまして、飼養衛生管理基準の遵守の指導、防鳥ネットの設置や消毒機器の整備支援などに取り組むとともに、県内6農場を抽出いたしまして定期的にモニタリング検査を実施することにより、早期発見に努めております。  また、万が一県内の養鶏場において発生した場合には、速やかな鶏の殺処分など、迅速かつ適切な初動防疫処理を実施するということが大変重要でございますから、初動防疫作業を実地訓練する家畜伝染病防疫演習の開催、防疫処理に必要な防護服や消毒器などの資材、機材の備蓄、殺処分しました鶏の埋却場所や消毒ポイントの確保などに取り組んできております。  さらに、発生時における組織対応といたしましては、迅速に知事を本部長とする対策本部等を設置いたしまして、庁内関係部局や関係機関が連携して、蔓延防止に対処することができますよう体制を整備しております。  本年も、渡り鳥が日本に飛来する季節を迎えまして、島根県では11月5日以降、野鳥におけるウイルスの検出が7件発生しており、また、韓国では11月に農場における家禽の殺処分が実施されておりますことから、今後とも、関係機関と十分連携しながら厳重な警戒を続け、発生の未然防止や迅速な初動防疫処理に万全の体制で臨んでまいります。  以上でございます。 32 ◯議長(稗苗清吉君)加藤土木部長。    〔土木部長加藤昭悦君登壇〕 33 ◯土木部長(加藤昭悦君)まず、内水面漁業の発展に配慮した河川整備についての御質問にお答えをいたします。  河川の整備に当たりましては、治水安全度の向上はもとより、自然環境との調和を図るため、河川が本来有しております生物の良好な生育環境などに配慮した、多自然型川づくりを行うことが重要であるというふうに考えております。  多様な魚類の生息環境の改善を図るため、例えば、直轄河川の神通川では、サクラマスなどの遡上時のすみかとなります深みの再生や、産卵魚、稚魚の生育場所となります緩やかな水路の造成等が行われておりますし、県管理河川におきましても、渋江川の小矢部市末友地内では、護岸にコンクリートブロックのかわりにかごマットを用いたりしておりまして、また、水中に浅瀬や深み、穏やかに水が流れる池のようになっている形状の、ワンドと申しますが、こういうものをつくったりするなど、魚の住みやすい環境に配慮した整備にも取り組んでおります。  また、魚が遡上しやすくするために、アユやヤマメが生息し、放流が行われております小矢部川などでは、堰堤や落差工などの河川に段差がある箇所に魚道を整備してきております。  今後とも、内水面漁業の発展にも資する、魚が住みやすく、また遡上しやすい環境に配慮した河川整備に努めてまいりたいというふうに考えております。  次に、能越自動車道の交通量と収入、料金収入の状況、利便性向上対策の検討状況と今後の見通しについての御質問にお答えいたします。  能越自動車道の交通量でございますが、平成28年度の1日当たりの交通量は小矢部東本線料金所で約6,800台、福岡本線料金所で約6,700台であり、料金収入につきましては約10億1,000万円でありました。  平成27年度に比べますと、交通量、料金収入ともほぼ横ばいでありますが、アウトレットパーク開業前の平成26年度に比べますと、1日当たりの交通量では、小矢部東では約700台、11%の増加、福岡本線料金所では約200台、3%増加、料金収入も約6,000万円、約6%増加という状況にあります。  次に、能越自動車道の利便性向上対策でございますが、昨年11月に有識者などからなります検討会を設置いたしまして検討を行っており、ことし2月に開催をいたしました第3回の検討会において、福岡本線料金所は撤去し、料金徴収を小矢部東本線料金所の1カ所でまとめて行う料金所統合案を採用するなどの、利便性向上対策の基本的な考え方が取りまとめられたところであります。  県では、これまでのこの基本的な考え方に沿った形で、有料道路事業の許可内容を変更するため、その許可権者でございます国土交通省と、通行料金やその徴収期間、負担増となります地域住民の方々への緩和策などの協議を進めてきておりまして、また、高速路線バスの通行料金の緩和などの検討についても行ってきておりまして、国土交通省との協議状況を踏まえまして、第4回目の検討会を開催し、御議論いただきたいというふうに考えているところでございます。  また、福岡本線料金所の撤去につきましては、料金所に隣接をいたします福岡パーキングエリア内の本線部の交通を迂回しての工事となりますことから、高速で走行する車両を安全に誘導するため、交通規制について交通管理者と十分な協議を行うとともに、施工時期といたしまして除雪が必要となります降雪期、あるいはゴールデンウイークなどの交通量の多い時期を避けることが必要になるものと考えておるところであります。  能越自動車道の利便性向上につきましては、県西部地域はもとより、県全体の地域活性や観光振興につながる大変重要なことというふうに考えておりまして、県民の皆さんの期待に応えられますよう、早期実現に向けましてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。  最後に、能越自動車道の福岡パーキングエリアのインターチェンジ化についての御質問にお答えいたします。  能越自動車道の福岡パーキングエリアを利用しましたインターチェンジの設置につきましては、旧福岡町の中心市街地から能越自動車道へのアクセスが容易となることから、周辺住民の方々はもとより、旧福岡町中心市街地を目的といたします利用者の利便性の向上につながるものと考えております。  このため、議員から御紹介がありましたように、高岡市では、これまで福岡パーキングエリアのインターチェンジ化について、インターチェンジの構造や利用交通量の予測、費用対効果、パーキングエリアまでのアクセス道路などの検討を進めてきておられるところでありまして、県といたしましても、適宜相談をお受けしているところであります。  こうした中、先ほど御答弁いたしましたように、能越自動車道利便性向上対策検討会では、福岡本線料金所の撤去などの基本的な考え方が取りまとめられたところでありますが、この検討会では、地元の高岡市や住民代表の委員のほか物流関係の委員の方などから、福岡パーキングエリアの新しいインターチェンジの設置など、福岡パーキングエリアの利活用を求める意見がございました。  福岡パーキングエリアにつきましては、隣接をいたします福岡本線料金所が撤去されれば、現在通行止めとしておりますパーキングエリアへの進入路を使ったスムーズな進入ができますこと、また、インターチェンジ化の検討におきましても、インターチェンジで乗り降りする車がパーキング内で交錯しないよう誘導できるようになりますことから、新たなインターチェンジの設置など、福岡パーキングエリアの利活用の検討がしやすくなるものと考えております。  先ほど議員のほうからインターチェンジの名称についての御発言もございましたが、県といたしましては、今後とも、高岡市が行います検討に対しまして、道路公社とともに十分協力してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 34 ◯議長(稗苗清吉君)蔵堀観光・交通・地域振興局長。    〔観光・交通・地域振興局長蔵堀祐一君登壇〕 35 ◯観光・交通・地域振興局長(蔵堀祐一君)自動運転技術に関する御質問にお答えをいたします。  人口減少によりまして、公共交通利用者の減少ですとか、バス運転手の不足が懸念をされております。また、高齢者の免許返納者も増加をいたしまして、日常生活を支える足の確保が求められているところでございます。  こうした中で、効率性等も考慮しながらより利便性の高い交通サービスを提供していきますためには、安全性を十分に確認した上ではございますけれども、自動運転技術等を活用した交通インフラを充実していくことが中長期的に見て重要であると考えております。
     こうした中で、国土交通省では、高齢化が進行する中山間地域における人の流れ、物の流れの確保のため、道の駅などを拠点といたしました自動運転サービスの2020年までの社会実装を目指しまして、今年度、全国13カ所で実証実験を行うこととされました。先週、南砺市におきまして北陸では唯一実施されたところでございます。  この5日間の実証実験では、混乱や事故もなく終了いたしまして、実験車両に試乗された方々からは快適だったとか、未来を感じるとか、観光が便利になるなど、おおむね好評な評価をいただいたところでございます。  先月26日に行われました実証実験開始式には、議員にも出席をいただきましたけれども、私も参加をして自動運転車両に試乗いたしたところでございます。レベル4といわれます、ドライバーが全く関与しない完全自動走行も行われましたけれども、安心して乗車することができたというふうに感じております。  県としては、南砺市に対しまして情報提供や助言等を行いますとともに、選定後も地域実験協議会に参画をいたしまして、実証実験が安全、円滑に実施されますように、道路管理ですとか、交通規制等の面から支援協力をしてきたところでございます。  今後、試乗された方々のアンケート調査結果などを踏まえまして、実験結果の検証が行われることとされておりまして、引き続き協力をしてまいります。  また、今回の実証実験のほかにも、国や大学、企業等におきまして、さまざまな研究が進められておりまして、今後ともこうした自動運転技術の開発等の情報収集に努めながら、国や市町村などと協力し、本県での調査研究にしっかりと支援協力をしてまいります。  以上です。 36 ◯議長(稗苗清吉君)山本総合政策局長。    〔総合政策局長山本 修君登壇〕 37 ◯総合政策局長(山本 修君)まず、義仲・巴の大河ドラマ化についての御質問にお答えいたします。  木曽義仲・巴御前については、2人にゆかりのある本県を初め全国41自治体で構成し平成21年8月に発足した義仲・巴広域連携推進会議におきまして、NHKの大河ドラマ化に向けた活動や広域観光の振興、地域の活性化などに取り組んできているところでございます。  去る11月に木曽義仲終えんの地であります滋賀県大津市で開催された推進会議では、昨年放映された「真田丸」の舞台となりました長野県上田市の関係者に、真田丸の誘致までと放映以後の取り組みについて御講演いただき、大河ドラマに関する課題などを共有したところでございます。  このほか小矢部市におきましては、本年6月に議員にも御出席いただき、埴生護国八幡宮にある義仲の松の隣に南砺市福光にあります巴塚の松の種から育てた松を植樹されたところでございまして、全国唯一の義仲・巴の夫婦松として全国に発信されることにより、大河ドラマ実現にはずみがつくものと考えているところでございます。  また、県としては、本年5月に石井知事がNHKの上田会長と面談し、大河ドラマ化について要望を行いましたほか、義仲・巴に関する歴史的な裏づけが少ないことから、義仲研究の第一人者の方に出典を明記した年表の作成を依頼しているところでございまして、この年表は来年早々にも完成の予定であり、これをNHKに提供し、大河ドラマの企画立案、脚本作成のための参考資料として活用してもらえるようアピールしたいと考えております。  2020年以降の大河ドラマにつきましては、「時代設定が偏らないかに配慮して総合的に判断する」というNHKのコメントもありますことから、議員御指摘のとおり2012年以来8年ぶりに源平時代が舞台となることが期待されるところであり、発信力のあるメディアを活用して、若年層を中心とした全国レベルでの義仲・巴に対する知名度アップを図りながら、県内の皆様はもとより関係自治体と連携して、大河ドラマの誘致に向けて粘り強く努力してまいりたいと考えております。  次に、東京オリンピックホッケー競技の事前合宿誘致についての御質問に答えいたします。  本県のホッケー競技は、昭和33年の富山国体の折、小矢部市で開催されたのを機に根づきまして、盛んに取り組まれるようになり、昨年のリオデジャネイロオリンピックまで4大会連続で本県から選手が出場するとともに、昨年の岩手国体では、少年男子の準優勝を初め、全種別が入賞を果たすなど、ホッケーの強豪県として広く知られるようになっております。  小矢部市には、現在、専用のホッケー場があり、そのフィールドは国際ホッケー連盟の定める基準を満たしているとのことから、小矢部市や県ホッケー協会では合宿誘致を検討されていると伺っております。  合宿誘致が実現すれば、世界のトップアスリートを間近で見た子供たちに夢と希望を与え、ホッケーを初め本県のスポーツ振興や地域活性化につながりますことから、大きな効果が期待できると考えております。  このため県としては、平成27年度から4回にわたり市町村関係団体連絡会議を開催し、組織委員会からも参加いただくなどとともに、先月県が発行した富山スポーツキャンプガイドにも小矢部ホッケー場を掲載し、最新情報の共有化を図るなど誘致活動を支援してきたところでございます。  なお、施設の改修につきましては、具体的に市から御相談があれば、日本スポーツ振興センターなどの施設整備助成による財源確保について、県としてもサポートしたいと考えているところでございます。  今後は、合宿誘致活動の進捗を見ながら、必要に応じて中央競技団体へも協力を要請するなど、小矢部市や県ホッケー協会と連携して、誘致活動に協力してまいります。  以上でございます。 38 ◯議長(稗苗清吉君)以上で筱岡貞郎君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  午前11時58分休憩      ─────────────────────  午後1時01分開議 39 ◯副議長(渡辺守人君)休憩前に引き続き会議を開きます。  菅沢裕明君。    〔32番菅沢裕明君登壇〕 40 ◯32番(菅沢裕明君)質問の第1は、北アルプス横断道路構想についてであります。  11月22日に、県東部の市町村長と国会議員、県議会議員の皆さんが名を連ね、県土木部長も顧問に就任して、推進会議が設立されました。ルートの一本化を図るなど、この道路の実現に向け、県全体の運動に発展させるとされたわけであります。  この構想は、既に県総合計画に位置づけられておりますが、建設に向けた本格始動と見受けられるだけに、この機会に根本的な問題、疑問点を指摘しておかなければなりません。  まず、十数年前の試算ではありますが、1兆円を超える巨額の建設費であります。まさか県事業でできるわけはなく、国家事業の見通しはあるのかないのか、それでも新幹線と同じように大きな地元負担が想定される中で、新幹線の地元負担の山を超え、今後も元利償還の重圧に耐えていかなければならない県財政の中で、こんなことがまかり通るのかであります。  そのほかにも、北アルプス立山連峰を中心とする豊かな自然環境の破壊につながり、日本有数の活断層地帯を横切る難工事など、想像を絶する困難に直面することになります。  人口減少社会の到来の中で、この北アルプス横断道路は、どこから見ても無駄の代表のような事業であります。新幹線が開通し、北陸道など高速道路網が発達している中で、その上に首都圏や長野地方と結ぶ、このような新たな道路が本当に必要なのか、ほかに夢を語れないのか、新川の方々、首長さんなんかが中心でありますが、議員の皆さん中心でありますが、そんなに急いでどこへ行きたいのか。  また、北アルプス立山連峰は、県民にとっては遠くから仰ぎ見て祈る対象ではありませんか、登山、観光で楽しむところであります。それをまたぐことは不可能でありますが、または、山をくぐり抜けるようなことを考える、そんなところではありません。知事にはどのような認識でこの動きを見ておられるか、慎重、冷静にお考えをいただきたいと思うわけであります。  第2は、北陸電力の料金値上げに関連してであります。  北電は、11月29日に来春4月からの電気料金値上げを発表しました。県民生活や企業活動へ悪影響が懸念されます。北電の経営が逼迫している主な要因として、志賀原発1号、2号機の全面停止が、約7年間と長期化していることがあります。  このことが経営基盤を揺るがしている事実は、数字上でも明らかであります。北電の平成29年6月株主総会の損益計算書でも、原発の営業費用は約455億円計上され、1円の利益も上げられず、減益影響が巨額であります。こうした事態が約7年間も続いているわけであります。  その上に、東電福島第一原発事故を受け、地震、津波に備える原発の安全対策、安全性向上工事の費用が今日まで約2,000億円近く支出され、さらに膨らむ可能性があります。  このように、志賀原発が事実上、不良債権、不良資産化していることであります。原発が再稼働できなければ、この収益を生まない不良な資産は、莫大な額の維持コストだけを生み出し、どんどん赤字が膨らんでいく構造になっております。  知事は、北電の値上げの要因をどのように受けとめておられるか伺います。また、志賀原発直下の活断層問題については、原子力規制委員会の有識者調査団によって限りなく黒とされ、北電も活断層でないことを立証することが困難で、事実上、廃炉以外にないのが現状であります。  今こそ、北電はきっぱりと志賀原発の再稼働を断念し、県民に安心・安全、安定的な電力供給ができる企業体質に転換し、赤字体質からの脱却を図るべきではないかと思います。知事は県民の利益のためにも、強くそのことを主張すべきではないかと考えますが、いかがでありましょうか。  第3の質問は、去る11月26日に氷見市などで実施された原子力防災訓練についてであります。  この訓練が、住民避難などで実効性のあるものになっているのかどうか、検証が必要と考えます。知事、いかがでしょうか。  訓練の前提となる事故想定は、石川県志賀町で震度6強の地震が発生、志賀原発2号機が外部電源喪失、非常用炉心冷却装置による注水が不能となり、全面緊急事態に至り、放射性物質が放出され、氷見市に及ぶとされました。炉心融解に至りかねない苛酷事故、シビアアクシデントを想定したものであります。  こうした重大事故を想定した訓練にもかかわらず、実際の訓練は手抜きが目立ちます。そこで、訓練最大の問題点は、地域住民の参加者が少な過ぎることであります。今回の訓練では、放射能汚染地域の発生に基づく一時移転参加者は、わずか260人で、緊急時防護措置を準備する区域、UPZ30キロ圏内の氷見市の市民1万5,604人の1.7%にすぎません。  これでは、県、氷見市の避難計画要綱などで言う住民の安全・安心の確保も、避難を迅速かつ安全に実施することもできません。参加住民が増えると、避難指示の不徹底、避難用バス確保の問題、自家用車による移動に伴う混乱、渋滞、安定ヨウ素剤配布時の混乱などが予想されます。  しかし、こうした困難、問題をどう克服するかが訓練であります。障害者などの避難行動要支援者の参加は、これまたわずか6名であります。福島原発事故でも避難行動の中心となった自家用車は、今回の訓練では40台と、極めて少ないものでした。  ことしで6回目、毎年、地域を変えるだけで、手順をなぞる、確認するだけの、小手先の訓練にはなっていないでしょうか。実際の事故にこれでは対応できません。  避難訓練の想定では、1時間20マイクロシーベルトの放射線、これは、平常時の400倍であります。屋内退避、一時移転と、放射線に地域住民を長時間さらすことは許されません。事故発生からできるだけ早く、遠くへの避難が原則であります。知事に抜本的な避難訓練の見直しを提案したいと思います。  今回の訓練、過去5回もそうでありますが、避難行動要支援者、障害者、高齢者、乳幼児、その他の特に配慮を要する者の訓練参加、実施状況は、極めて形式的なものになっております。今回は、要支援者の参加はわずか6名、プラス介添え者6名の体制でありました。昨年は、参加者4名でしたが、毎年の実態は、元気な模擬要支援者によるスムーズな避難訓練で、絵に描いた餅を何枚重ねようと、実効性はありません。  このままでは、事故時に真っ先に要支援者が見捨てられていくことは必至であります。災害対策基本法で、要支援者の把握、安否確認、避難支援の実施が求められ、名簿の作成が市町村に義務づけられております。氷見市における30キロ圏内の在宅者は2,576人であり、県、市の避難計画で求められている具体的な計画は策定されておりません。要支援者の正確な把握、誰がどのような手段、車両の用意などが含まれますが、手段でいざという場合の移動を支援するのか事前に決めておくことが前提となります。  また、氷見市内の30キロ圏内には、特別養護老人ホームなど、介護福祉施設が7カ所、入所定員は合計378人でありますが、今回までの訓練は、形式的で、本格的なものではありません。保育園児、小中学校の児童生徒を含め、弱者を放置し切り捨てることのないような避難訓練の改善を関係部長に求めます。  実際の事故の際には、避難手段は自家用車が主とならざるを得ませんが、自家用車を利用できない住民、特に要支援者は、バス等を利用したグループ避難の必要があります。今回の訓練では、自家用車約40台、バス6台での避難でしたが、これでは実際の事故時にはほど遠い規模であります。  福島原発事故の際の浪江町の例では、バスについて実際に手を尽くしても、数台しか集まらなかったとされております。事前に対象人口や必要台数、バス事業者との協議、運転要員の確保が決められていなければなりません。県や氷見市のこうした計画は、避難計画で事前の策定が求められておりますが、手つかずであります。  避難手段の中核となる自家用車については、大量の車が一斉に移動し、大渋滞が予想されます。車両スクリーニングポイントを先頭にした渋滞にどう対応するのか、大量の車両の除染が適切に実施されるのかなど、検証が必要であります。総合政策局長に質問をいたします。  福島原発事故では、避難区域は、二、三十キロ圏から、飯館村など50キロ圏へと拡大しました。UPZ30キロ圏内に限った避難訓練では、実際の事故に対応できないことは明らかであります。風向きやプルーム、放射能雲の動向を想定しながら、避難訓練のUPZ30キロ圏外への拡大を次回から図るべきと考えます。総合政策局長に質問いたします。  第4の質問は、豪雨災害に関連してです。  近年、日本列島の各地で想定を超える豪雨が降り、甚大な被害をもたらしております。富山県内でも、この10月22日、23日の台風21号による大雨で大きな被害が発生しました。7月には、氷見市で観測史上最大の24時間雨量202.5ミリを記録、住宅計17棟が床上、床下浸水いたしましたが、ほか、土砂崩れや道路の冠水が相次いだわけであります。  その中で、平成27年7月に改正水防法が施行されておりますが、洪水に係る浸水想定区域について、前提となる降雨量を、従来の河川整備において基本となる規模から、想定し得る最大規模に見直し、新たに洪水浸水想定区域圏を作成し、公表することとされました。  そこで、県管理河川では、作成対象となる41河川のうち、緊急度、重要度の高い17河川、氷見市の上庄川なども入っておりますけれども、既に作成が進められております。さらに、これも氷見市の余川川など、県下14河川で今年度着手され、残りは10河川となっております。  ここで、県土木部の取り組み状況と、県内の大規模氾濫に関する地区減災対策協議会の開催状況について、土木部長に質問します。  また、こうした浸水想定区域図を、今後の防災対策にどのように活用していくのか明らかにしていただきたいのであります。  そして、こうした洪水想定区域図の作成、公表を受けて、関係市町村でハザードマップの作成が進められることになりますが、地区住民への徹底を図り、地域の自主防災組織などによる避難訓練等を実施していくべきと考えますが、総合政策局長に質問いたします。  第5の質問は、イタイイタイ病についてであります。  来年、平成30年、2018年は、イタイイタイ病が公害病として認定、昭和43年、1968年5月8日のことでありますが、認定されてから50年目を迎えます。しかし、イタイイタイ病は終わったわけではなく、解決済みの過去の問題でもありません。現在進行して存在している公害病、環境問題であるとの認識に立ち、以下3点について知事並びに関係部長に質問します。  第1は、住民健康調査と要観察者に対する健康管理の問題です。  神通川流域カドミウム汚染地域住民の健康管理等を目的に、毎年実施されている健康調査の1次検診の対象者は、平成29年度で約1,300人でありますが、受診率が約40%、年によっては30%台と高くありません。  健康調査のうち、精密検査受診者の検査データについては、富山県公害健康被害認定審査会において、将来、イタイイタイ病に発展する可能性を否定できない者である、要観察者と該当するかどうか審議されております。この健康調査を受診していない方の中でも、要観察者に該当する方が相当数いるのではないかと考えられます。  近年、患者認定数や要観察判定数が少ないわけでありますが、もっと受診率を向上させ、要観察者を早期に発見するとともに、要観察者に対しては、イタイイタイ病への進行を防ぐための適切な健康管理を行う必要があります。  そこで、県では、住民健康調査の受診率が低い理由をどのように把握し、受診率向上のためにどのように取り組んでいるのか、要観察者に対する健康管理対策とあわせて質問いたします。  第2の質問は、神岡鉱山のイタイイタイ病発生源対策についてであります。  神通川上流神岡鉱山の排水は、平常時には問題はないとされておりますが、近年、多発する集中豪雨や事故、地震時など、異常時に備える不断の対策が必要であり、その中で、3カ所の鉱滓堆積場の構造安全性や、工場施設の耐震対策の不十分などが指摘されております。神岡鉱山の発生源対策をしっかり継続し、カドミウムによる再汚染を防止するため、県としても企業の対策を監視し、的確な提言をしていく必要があります。いかがでしょうか。  第3に、イタイイタイ病資料館についてであります。  平成25年に、被害者団体と原因企業が神通川流域カドミウム問題の全面解決に関する合意書が調印されましたが、患者救済や健康調査、発生源対策は今も課題として残されており、イタイイタイ病はまだ終わっておりません。こうした中で、イタイイタイ病の恐ろしさを知り、貴重な資料や教訓を後世に伝えていくことは大きな意義があり、イタイイタイ病資料館が果たす役割は大変大きいと考えます。  そこで、富山の子供たちはもとより、全世界の人々に向け、イタイイタイ病の貴重な体験を伝えるため、イタイイタイ病資料館ではこれまで、具体的にどのような情報発信を行ってきたのか、公害病と認定されて50年の節目である来年を見据えた、今後の情報発信にどのように取り組んでいくのか、また、資料館には専門性の高い学芸員の配置が必要と考えますがいかがでしょうか。あわせて知事に質問をいたします。  最後の質問は、米政策の見直しへの対応についてであります。  水田率が全国一で、米の品質、価格の評価が高く、新品種「富富富」の本格生産が始まろうとしている中で、国は、生産数量目標の各都道府県への配分をやめ、産地主導への転換による新たな生産調整が本格的に動き出しました。  その中で農水省は、平成30年産米について、生産量を735万トンとし、需給の安定を目指して、29年産米規模に据え置いております。こうした中で、本県での展開はどうなるのか、今後、県段階の米の生産目標や面積の目安を富山県農業再生協議会で協議されますが、市町村段階など、地区別の目安設定はどうなるのかであります。いずれにしても、県の力強い支援が不可欠であり、県の役割、責任をどう果たしていくのかが問われます。  平成30年産から、米の生産調整参加者への直接支払交付金がなくなります。政府は、水田フル活用による飼料用米などへの転作助成や、米の需給動向の情報提供などの支援を続けていくとしております。  しかし、収入減が予想される農家の不安が広がっております。廃止による農家への影響額はどれくらいになるのか、また、こうした大きな政策転換を乗り越えるには、これまで以上の強力な支援が欠かせません。そのために、この交付金の廃止に伴う代替策が求められております。  その中で、戸別所得補償の復活を求める声が多くあります。平成30年度における国の経営所得安定対策の拡充などが強く求められるところでありますが、いかがでしょうか。  水田フル活用には県段階の計画、目標の策定と実績がかなめとなりますが、県下各JAが主力となって推進する、特産物を中核とした地域農業成長産業化戦略の見直し等のフォローアップの実施が求められるところであります。  以上について知事に質問し、私の一般質問を終わります。 41 ◯副議長(渡辺守人君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 42 ◯知事(石井隆一君)菅沢議員の御質問にお答えをいたします。  まず、北アルプス横断道路構想についてであります。  この構想につきましては、北アルプスの下を、トンネル、橋梁等で富山県と長野県を結ぶものでありまして、現在の県の総合計画の新・元気とやま創造計画においても、長期構想でありますとやま夢構想の取り組みの1つとして位置づけられております。また、現在策定作業を進めております新たな総合計画においても、この構想を位置づける予定で進めております。  これまで、関係の市町村等から本構想の実現に向けまして、県などへ御要望いただいておりまして、ルートとしては、北から順に新川・大北ルート、上市ルート、立山ルートの3ルートが提案されてきたところであります。  この構想については、いずれのルートにおいても、超長大トンネルが必要となりまして、その建設に当たっては、火山地帯特有の脆弱な地質や断層の存在など、トンネル掘削に当たっての技術的な課題や費用対効果の問題に加えて、お話に出ましたが、国立公園内を通りますことから、貴重な動植物への配慮等の環境対策が必要となりますなど、いろいろと克服すべき課題が多いと、もちろん認識しております。  また、事業規模が、これ、大分以前の計算、平成8年度、21年前ですけれども、事業規模が2車線ですと4,000億台、4車線ですと1兆円を超すといったような計算も当時なされておりますし、その後、労務費等、いろんな資材費なんかも上がっておりますから、いろいろと、これから国家プロジェクトとして位置づけをしていただかないと、もちろんなかなか進む問題ではありませんが、まず、その国家プロジェクトとして位置づけていただくためにも、ハードルはなかなか高い面があると思います。  しかし、この構想については、関係市町村や、また、県議会の関係各位から、その実現に向けて、かねてから私ども県に対して御熱意のある御要望をいただいております。また、先月22日には、3つのルートを一本化しようということで構想を推進していくために、お話に出ましたが、北アルプス横断道路構想推進会議が設立されたところでございます。  この構想については、実現した場合、将来の富山県の飛躍につながる夢のある構想でもありますので、克服すべき課題は多くて、もちろん壁も厚いと思いますけれども、中長期の視点に立ちまして課題整理を行って、本推進会議と連携協力しながら、息長く取り組んでまいりたいと思っております。  次に、電気料金の値上げについてでございます。  議員御指摘のとおり、北陸電力においては、志賀原子力発電所が停止しておりまして、可能な限り早期の再稼働を目指して、原子力発電所の施設を維持するための修繕等のほか、再稼働に向けた安全性向上工事等に取り組んでおります。  これらは、北電の経営判断によるものですけれども、再稼働については現在、法律上の権限と責任のある原子力規制委員会において、新規制基準の適合性審査が行われているところでありますので、その結論は出ていないものと承知をしております。
     そうした中、北陸電力においては、これまで役員や従業員などの年収水準の引き下げなどによる人件費の削減や、燃料費の削減などの、経営改善をされてきましたけれども、志賀原発の再稼働の見通しが立たず、発電料収入の確保ができない中で、大型石炭火力の修繕費や燃料費の増加等による収支悪化によって、電気料金の一部値上げに踏み切らざるを得なくなったと伺っているわけでございます。  今回の値上げは、北陸電力において、値上げ幅を可能な限り抑制するために、平成28年度の320億円の効率化額を上回る430億円、平成30年度に430億円のコスト削減を前提として検討されたものでありまして、オール電化住宅を除く一般家庭や小規模な工場、商店等のいわゆる特定需要部門については、現行の電気料金を維持することとされました。  しかしながら、オール電化住宅や50キロワット以上の高圧以上の契約企業、事業者等が対象となります一般事業部門については、値上げをされるということとなり、県民生活はもちろんですけれども、県内経済、特に厳しい経営環境にある中小企業など、地域経済に影響を及ぼすことを懸念いたしております。  北陸電力におかれては、県民や事業者に対して、電気料金の値上げの理由ですとか、経営状況や今後の効率化の取り組みについても、丁寧な御説明をいただいて、今後、再値上げがされないように、将来の電力需要や経営環境を見据えた上で、より一層の経営合理化、効率化の取り組みを進めていただいて、コスト低減に最大限努力するとともに、ぜひ全国的にも低い電気料金水準というものを維持していただきたいと考えております。  次に、原子力防災訓練についてでございます。  この原子力防災訓練につきましては、県や氷見市等が策定しました地域防災計画や避難計画等に基づいて、石川県と合同で、実際に状況判断や避難行動を行いながら、緊急時対応を確認することを目的に、平成24年度から実施しておりまして、今回で6回目と、毎回、訓練結果をしっかりと検証しまして、改善すべき内容については、次回の訓練に反映してまいりました。  今回の訓練、11月26日に行いましたが、昨年度の課題を踏まえまして、参加する自家用車台数を拡大する、また、新たに地震との複合災害を想定した屋内退避や避難路の交通誘導を図る、また、自主防災会による在宅要配慮者の一時集合場所までの移動を、これは4地区で実施する移動の支援を行うなど、訓練内容も改善をいたしております。在宅要配慮者も、12名参加のうち、要配慮者が6名、いずれも自家用車利用ということであります。  今回の訓練内容についても、参加機関と意見交換会を開催する予定にいたしておりまして、12月中旬ごろにやることになっておりますけれども、しっかり検証して、今後とも、災害発生時に迅速かつ的確に対策を講じるべく、より実践的な訓練になるように努めてまいります。  なお、住民避難訓練については毎年、地区を変えて実施しておりますけれども、今年度は新たに、氷見市の全世帯を対象とする訓練案内チラシを配布して、改めて訓練の周知を図っております。  最初のころは、平成26年、4地区160人ですが、だんだん増えておりまして、昨年は300人7地区、ことしは260人5地区ということですけれども、全世帯を対象に、新たにチラシも配ったりしているわけでございます。  また、原子力防災訓練を実施しない地区におきましても、原子力災害時の避難等の対応につきまして体験し、確認いただく参集訓練を実施しますほか、今年度新たに、UPZ圏内の小中学校等においても、原子力防災訓練とは別に、保護者の参加も得て、児童生徒の引き渡し訓練の実施もいたしております。  菅沢議員は訓練規模が小さいという御意見なんですけれども、原子力防災訓練を実施している他県の状況を見ますと、避難者数は原子力発電施設が立地している県で700人程度、周辺の県では150人から300人程度と伺っておりまして、例えばこれをUPZの人口で避難に参加した人の比率を出しますと、富山県は1.7%、それで、例えば、ほかの滋賀県とか鳥取県とかこういった類似の県を見ても、皆さんせいぜい0.4%とか0.5%で、富山県のほうが率が高い、それから、お隣も一生懸命やっていらっしゃると思いますけれども、石川県さん、これ、立地県ですけれども740人で、PAZ、UPZの人口で割ると0.5%ですから、もちろんもっともっとやれという議論はあるとは思いますけれども、よその県と比べますと相当熱心にやっているのではないかと思います。  もちろん、細かな点でさらに工夫すべき点はあろうかと思いますけれども、先ほど申しましたように、12月中旬にこうした原子力防災訓練の意見交換会を開催しまして、昨年もこれをやりまして、その中で、例えば自家用車の参加をもっと増やしたほうがいいということで増やしたり、順次拡充してきておりますから、今後とも、万々が一原子力災害が発生した際に、迅速かつ適切に住民の皆さんが避難することができるように、引き続き氷見市等の関係機関と連携しまして、できるだけ充実したものとなるように努力してまいります。  次に、イタイイタイ病についての御質問にお答えをいたします。  イタイイタイ病資料館は、これは平成21年6月ですからもう8年前になりますけれども、当時の清流会館を私は県知事としては初めて訪問したことになるようですけれども、参りましたら、イタイイタイ病対策協議会の名誉会長を務めておられた故 小松義久さん、また、今の会長の高木勲寛さんなどに御案内いただいたわけですけれども、イタイイタイ病の悲惨さとか、その後の公害防止努力等の貴重な資料を後世にぜひ伝えたいと、そういう御努力をされていることに大変感銘を受けまして、これはぜひ県としてもしっかりした資料館をつくって引き継いでやらなきゃいかんというふうにしたわけで、県議会でも御理解いただいてつくったわけでございます。  この資料館は、開館以来、述べ17万人を超える方々においでいただいておりますし、一昨年には天皇皇后両陛下に御視察をいただいた、昨年はG7環境大臣会合に参加された5カ国の大臣等にも見学いただきました。それぞれ大変高い御評価というか、この資料館の意義について非常に皆さん感銘を受けたと言っていただいております。  この資料館は、悲惨な公害が二度と繰り返されることのないように、貴重な資料や教訓をしっかりと後世に継承しますとともに、困難を克服した先人の英知や経験を未来に語り継ぐことを目的として、情報発信に努めております。  具体的には、患者の御家族等から、病気の恐ろしさや看病に当たっての御苦労など、貴重な体験談をお話しいただく語り部講話の実施、また、県内の小学校5年生や中学校2年生への副読本の配付、また、資料館への小中学校や高等学校等の課外授業等の積極的な受け入れなどに取り組んでおりますほか、日本語、英語、中国語、韓国語、ロシア語の5カ国語対応のホームページで国内外に広く情報発信しますとともに、5カ国語対応の展示室音声ガイドですとか、さらに、御訪問いただいた際の皇后陛下のお言葉もありまして、5カ国語のほかに、さらにフランス語やポルトガル語、スペイン語を追加した8カ国語の資料館紹介リーフレットを用意しておりまして、外国からの団体客などにも対応いたしております。  また、来年はお話のように、イタイイタイ病が日本初の公害と認められてから50年の節目の年に当たりますので、資料館において企画展等を開催することも検討したいと考えております。  なお、この資料館は、情報発信や一般向けの資料を収集整理し、保存活用することを目的としておりまして、一般の方が希望されれば検索システムを活用して、その場で裁判資料など、貴重な資料も含めて閲覧することも可能でありますなど、現在の職員で対応できると考えております。  なお、この資料館は、イタイイタイ病対策協議会からの、先ほど申し上げたいきさつですけれども、イタイイタイ病に関する貴重な資料を保存、収集、情報発信してほしいといった御要望を踏まえて設立したものでありまして、当時、このあり方について検討会もつくったんですけれども、専門性の高いそうした研究とかいったようなことは引き続き国とか大学でやってもらったほうがいいというふうなことで、この検討会での検討結果を踏まえて実施しているものでございます。  今後とも、イタイイタイ病資料館などにおいては、悲惨な公害が二度と繰り返されることのないように、国内外に向けた情報発信に取り組みますなど、教訓を後世にしっかり伝えてまいります。  次に、米の生産調整についての御質問にお答えをいたします。  国の米政策の見直しによりまして、平成30年産米から、生産者みずからの判断によって需要に応じた生産を促すとされているわけでございまして、県としても、このことにJAの皆さん、いろんな皆さんと連携しながら取り組んでいきたいと思います。  そこで、本県としては、昨年12月開催の富山県農業再生協議会におきまして、平成30年産以降も、需要に応じた米生産と、また、米と転作作物を組み合わせた水田フル活用を推進する対応方針を決定いたしまして、全国及び県産米の需給動向を踏まえまして、県全体の米の生産目標を定めますとともに、12の地域農業再生協議会別の米の生産目標を参考情報として提示するということにいたしております。  こうした県の農業再生協議会で決定された方針は、既に、集落座談会での説明やチラシの作成、配付等により、生産者の方々に周知してあります。  こうした中、この11月30日に、国が平成30年産米の需給見通しを公表されまして、全国の生産量の目安は、3年連続で米の超過作付が解消されたことや、米の在庫量が縮小傾向であることなどから、前年の生産数量目標と同数の735万トンとされたところであります。  あす開催予定の県の農業再生協議会、例年より2週間ほど早く開くんですけれども、こうした全国の状況も参考にしまして、県全体や地域農業再生協議会別の米の生産目標を決定いたしました上で、地域に提示するということにしております。  今後、各地域においてこの情報を参考にしていただいて、生産者や集落ごとの生産目標が検討、提示されることになりますけれども、県としては、需要に応じた米づくりが円滑に進むように、指導助言、支援に努めてまいります。  全国的に米の消費量が減少する傾向にあります中で、今後も本県産米の高い評価を得ていくために、やはり高品質でおいしい米づくりの一層の推進、一等比率も3年連続で90%台が確保できましたし、また、新品種「富富富」の戦略的導入によって、富山米のブランド力の向上を図る、また、県産米の需要確保に努めるなど、本県の農業の皆さんの経営安定に向けた支援をしっかり講じてまいりますとともに、やはり、これは主食である米ですから、国の責任、役割も大きいわけで、国に対しては引き続き、米の需給と価格の安定に必要な措置を講じていただくこと等を強く働きかけてまいりたいと思っております。  最後に、米の直接支払交付金についてでございます。  国の米政策の見直しによって、先ほどのようなことで、生産数量目標の配分が廃止されることにあわせまして、生産数量目標の達成を交付要件とします、米の直接支払交付金も廃止されるわけであります。  この交付金の本年度の国の予算額が714億円でありますので、これは、本県には主食用米の作付面積に応じて約23億円が交付される見込みとなっているわけであります。  県としましては、本県の農業者の収益が確保されますように、これまでも国に対して、米の直接支払交付金の財源を活用して、大豆や麦、飼料用米など、戦略作物への助成、また、タマネギなど地域振興作物の生産拡大に向けた産地交付金等の経営所得安定対策の予算の確保充実、水田の大区画化、汎用化のための土地改良事業の予算の拡充などを要望しております。  その結果、本県など地方からの要望も踏まえて、来年度の国の概算要求では、産地交付金などの水田活用の直接支払交付金の増額ですとか、土地改良事業の増額、また、新たな収入保険制度の実施のための予算などが計上されております。  また、農業の生産性、収益性の向上のために、非主食用米、加工用米や新規需要米、あるいは大豆、大麦、園芸作物等の振興による水田フル活用を推進することが重要でありますので、これまでも、県農業再生協議会から、県段階の作物別の生産方針を提示しますとともに、各JAで昨年度策定された地域農業成長産業化戦略の実践への支援、それと、そのフォローアップを実施しております。  その結果、本年の作付面積は、例えば加工用米では前の年が1,090ヘクタールでしたが、1,510ヘクタールにことしは増えたと、飼料用米も810ヘクタールから1,090ヘクタールに、輸出用米も90ヘクタールから130ヘクタールに、また、園芸のほうも3,630から3,740ヘクタールに増加しているということでございます。  今後も、国の戦略作物助成ですとか産地交付金などの確保をしっかりと国に対して働きかけますとともに、県単独の支援策についてもできるだけ積極的に講じまして、意欲のある農業の皆様が希望を持って安心して営農に取り組めるように、市町村や関係団体とも十分協力しまして、県としても支援してまいります。 43 ◯副議長(渡辺守人君)前田厚生部長。    〔厚生部長前田彰久君登壇〕 44 ◯厚生部長(前田彰久君)避難行動要支援者に係る御質問にお答えをいたします。  避難行動要支援者については、災害対策基本法におきまして、市町村長がその把握に努めることとされておりまして、県内全市町村で名簿は作成済みでございます。また、氷見市でも平成28年6月に作成をいただいております。県全体では、現在約5万5,000人の方が名簿に掲載をされております。  また、国の指針上、市町村は避難行動要支援者に係る個別計画を策定することが望ましいとされておりますが、個別計画の策定に同意いただいた方が約2万5,800人であり、そのうち既に具体的な計画を策定された方が約9,000人となっております。  県では、これまで、市町村における避難行動要支援者の名簿や個別計画の策定、あるいは更新の取り組みを支援するため、市町村向けの説明会を開催しまして、国の取り組み指針の周知や全国の先進事例の紹介などを行い、個別計画がすべて策定されていない市町村に対しましては、あわせて早急に個別計画の策定を行うよう要請をしてきたところであります。  今回の原子力防災訓練では、氷見市内4地区、参加者は12名、うち要支援者が6名で要配慮者避難訓練を実施いたしましたが、一時集合場所まで移動することが困難な在宅要支援者の避難を支援するため、地区自主防災会が在宅要支援者の自宅から一時集合場所までの移動を支援し、さらに、一時集合場所から氷見市の福祉車両に乗りかえていただき、避難場所までの移動の支援を行うなど、要支援者、あるいは支援を行う方々双方にとって実践的な訓練を行ったところであります。  県としては、引き続き市町村の要支援者の把握と個別計画の策定を支援しますとともに、原子力防災訓練につきましては、今後予定されております意見交換会の意見等を踏まえて、発災時に要支援者が迅速かつ適切に避難することができるよう、引き続き氷見市等の関係機関と連携し取り組んでまいります。  次に、住民健康調査についてお答えをいたします。  イタイイタイ病に係る神通川流域住民健康調査については、カドミウムにかつて汚染されていた地域の住民に対する健康管理の推進及び近位尿細管機能異常等の調査研究を目的に、環境省と協力し、毎年実施をしております。  尿検査による1次検査を広く住民に行った上で、その結果に基づきまして、必要な方には精密検査を行い、さらに、精密検査結果につきましては、富山県公害健康被害認定審査会において審査をいたしまして、仮に要観察者と判定された場合には、年2回から4回の家庭訪問等による保健指導とともに、年1回の要観察者管理検診を行っております。  健康調査の受診率については、近年、1次検診は30%台で推移しておりまして、今年度は39.8%となっております。県では、調査対象者に郵送で受診案内を行っておりまして、受診を希望されない場合にはその理由を確認しております。それによりますと、既に医療機関を受診している、あるいは別の健康診断を受けている等が主な理由となっております。  一方で、カドミウム暴露に特徴的な近位尿細管機能異常を調べるためには、一般的に行われております診療や健診では実施をされておりません、1次検診で実施をしております尿中のβ2ミクログロブリンの検査が必須であります。  このため県では、検診受診案内を送付する際、検診の重要性をわかりやすく説明したリーフレットを同封するとともに、返信がない対象者には再度の案内を行っております。また、富山市や患者団体等とも連携して、市広報での周知など、幅広く受診を呼びかけております。  今後とも、住民の健康管理のため、一人でも多くの方が健康調査を受診いただけるよう、富山市や患者団体等と連携し、受診の勧奨に努めますとともに、要観察者と判定された方々に対しては、必要な健康管理をきめ細やかに実施してまいります。 45 ◯副議長(渡辺守人君)山本総合政策局長。    〔総合政策局長山本 修君登壇〕 46 ◯総合政策局長(山本 修君)まず、原子力防災訓練における自家用車による避難等の御質問にお答えいたします。  原子力災害が発生した場合、大勢の方が自家用車で避難すると考えられますため、住民の皆さんの御理解、御協力をいただき、平成27年度から、これまでのバスによる避難に加えて、自家用車による避難訓練を実施しており、参加車両台数も平成27年では10台であったものが、昨年は約20台、今年度は約40台と、毎年増加させてきているところでございます。  また、渋滞対策として、避難車両の放射性物質による汚染を測定するゲート型モニタの追加による避難退域時検査の時間短縮や、県警による交通誘導等の訓練も行ったところでございます。  県が平成26年に実施した避難時間推計シミュレーションにおいて、95%の住民が自家用車を利用すると想定したケースでは、県道160号の脇方交差点と阿尾交差点の2カ所が混雑するという結果を得たところであり、今後は、最新の道路状況等を勘案した渋滞対策の検討を行ってまいりたいと考えております。  なお、今後は、バス事業者との協定締結を含めた避難用バスの確保を図るとともに、ゲート型モニタの追加などによる効率的な車両の汚染測定や有効な除染方法などについて、訓練を通じて検証し、よりよいものとなるよう対応してまいります。  次に、避難訓練の区域のUPZ圏外への拡大についての御質問にお答えいたします。  UPZ圏外の防護対策につきましては、国の原子力災害対策指針が平成27年に改正されまして、原子力規制委員会が、原子力施設の状況や放射性物質の放出状況を踏まえて、必要に応じて屋内退避の実施を判断し、国が指示するほか、緊急時のモニタリングについては国が実施することとされました。また、屋内退避後に、一時移転等の追加の防護措置を実施する場合には、国の原子力災害対策本部や関係機関等が協力して、必要な応急対策を用意することとされております。  県では、UPZ圏外へ屋内退避等の範囲を拡張する際に必要となる防護措置等について、具体的な内容が明らかになっていないことから、全国知事会と連携し、国に対して万全の措置を講じるよう、例えば、全国知事会では原子力発電所の安全対策及び防災対策に関する提言でありますとか、本県の平成30年度重要要望等で働きかけを行っているところでございます。  なお、UPZ圏外においても、屋内退避の指示が確実に伝わるよう、情報伝達体制をしっかり確認しておくことが重要でありますことから、平成27年度以降は、北陸電力からの通報や国の指示などを、氷見市以外の県内全市町村にも伝達する訓練を原子力防災訓練の訓練項目に加えて実施をしているところでございます。  県としては、UPZ外へ屋内退避等の範囲を拡張する際に必要となる防護措置等を具体的に示すよう、引き続き全国知事会と連携し国に対して働きかけますとともに、国から内容が示されれば、訓練において緊急時対応の確認を行ってまいりたいと考えております。  最後に、治水対策のうち、自主防災組織による避難訓練についての御質問にお答えします。  近年、相次いで発生しております風水害に対する減災対策として、現在、氷見地区など、県内4つの地区に分けて設立した大規模氾濫に関する減災対策協議会での検討を踏まえ、県では、国や市町村などと連携して、住民が主体的、安全かつ早期に避難できる体制を構築できるよう、ハード、ソフト対策を一体的、計画的に推進しているところでございます。  このうちソフト対策につきましては、まず、迅速かつ確実な避難行動がとれるようにするため、過去の浸水被害の実績をもとに、洪水浸水想定区域図を県が、洪水ハザードマップを市町村が作成するなど、役割分担をして進めているところでございます。  また、雨量や河川水位などの情報を、インターネットを通じてリアルタイムで情報提供することや、避難行動につながるリスク情報、例えば、市町村長が避難勧告の発令を判断する目安となる氾濫危険水位等の水位情報などの周知を行うこととしております。  お尋ねの、市町村が作成するハザードマップにつきましては、地域住民に周知いたしますとともに、災害に備えて、避難訓練等で活用いただくことが重要でございます。このため、県において順次作成予定の洪水浸水想定区域図の早期完成に努めますとともに、市町村に対して、ハザードマップの住民への配布やホームページへの掲載など、広く周知されるよう助言いたしますほか、出前県庁での周知など、県としても必要な協力をしていくこととしております。  また、自主防災組織による避難訓練等につきましては、これまでも県総合防災訓練におきまして、豪雨災害を想定した住民による避難訓練を実施しておりますほか、災害が夜間に発生する状況を想定した実践的な避難訓練の実施について、市町村とともに助成をしているところであり、新たな浸水想定を踏まえた避難訓練等についても取り組んでいただけるよう、支援していきたいと考えております。  県といたしましては、住民の迅速かつ確実な避難行動に資するよう、今後とも適時適切な情報提供に努めますとともに、避難対策にしっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 47 ◯副議長(渡辺守人君)加藤土木部長。    〔土木部長加藤昭悦君登壇〕 48 ◯土木部長(加藤昭悦君)新たな洪水浸水想定区域図の作成、公表の取り組み状況、減災対策協議会の開催状況、そして、区域図を今後の防災対策にどう活用していくのかについてのお尋ねにお答えをいたします。  洪水浸水想定区域図につきましては、神通川などの県内の直轄河川では、ことしの4月までに公表され、県管理河川では、作成対象となります41河川のうち、緊急度や重要度を考慮し、17河川については昨年度から、14河川については今年度から作成をしておりまして、残る10河川については来年度作成をしたいというふうに考えておるところであります。  氷見市内の5河川につきましては、上庄川や余川川など、4河川において現在作成を進めているところであり、残る仏生寺川についても今年度着手することといたしております。  この洪水浸水想定区域図は、市町村が作成をいたしますハザードマップの基礎情報となりますこと、また、住民の方々などがみずから主体的に、安全かつ早期の避難を行うためのリスク情報としても利用されますことから、市町村や地域住民に周知をいたしまして、防災対策に活用していくことといたしております。  また、減災対策協議会につきましては、国、県、市などで構成する関係機関が、減災目標と取り組み方針の共有を図るため、ことしの6月に氷見地区など県内4つの地区に分けまして開催したところであります。  今後、この協議会での検討を踏まえまして、越水等から堤防の上を保護するアスファルト舗装などの危機管理型のハード対策や、河川監視カメラ映像などの情報提供などのソフト対策を一体的、計画的に推進することといたしております。  今後とも、地域の安全・安心の確保のため、河川改修を進めることはもとより、国や市町村などと連携を図りまして、洪水浸水想定区域図の作成や河川監視カメラ映像などの情報提供に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 49 ◯副議長(渡辺守人君)磯部生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長磯部 賢君登壇〕 50 ◯生活環境文化部長(磯部 賢君)神岡鉱山の排水についての御質問にお答えをいたします。  神岡鉱業の堆積場につきましては、鉱山保安法の技術基準省令や技術指針に基づいて設計され、同法を所管する経済産業省中部近畿産業保安監督部が、届け出の審査や施設の立入調査を行っております。  議員御指摘の集中豪雨や、また、事故、地震時における堆積場の構造安全性につきまして、事業者によれば、100年に1度の最大降雨水量をもとに場内の水の排水能力を計算しますとともに、阪神・淡路大震災クラスを想定した地震でも耐えられる構造で設計されるとのことであります。  また、工場施設の耐震性につきましては、危険物を貯蔵するタンクなど、優先性の高い施設から耐震診断を行い、その結果を踏まえて耐震補強を実施していく予定とのことでございます。  県と事業者が昭和47年に締結した環境保全等に関する基本協定書に基づきまして、県では毎月、下流で水質調査を行っております。これまで異常はありませんが、協定では異常が認められた場合には、事業所の調査を行うことができることとなっております。  また、事業者は、暴風雨や施設の故障などにより、排水処理や堆積場の管理に異常が生じ、公害の発生のおそれがあるとき、公害が発生したときは、応急の措置を講ずるとともに、その状況を県に直ちに通報すること、県は、事業者の公害防止のための施設の設置、管理等について、必要に応じ、適時要望等を行うことができることが定められております。  これまでも県では、年に1回職員を神岡鉱業に派遣し、現地で施設の状況の確認を行っておりますが、万一事故や災害が発生したときには、鉱山保安法に基づき国が対応することが基本となりますが、県においては、協定に基づき通報を受けた場合、直ちに神通川の水質モニタリングを強化するとともに、事業者からの報告聴取や立入調査を行うほか、必要に応じて公害防止対策を要請するなど、適切に対応してまいります。 51 ◯副議長(渡辺守人君)菅沢裕明君。    〔32番菅沢裕明君登壇〕 52 ◯32番(菅沢裕明君)2点、再質問いたします。  原子力防災訓練でありますけれども、多数の避難者、氷見の30キロ圏内は1万5,604名ですけれども、多数の避難者が一斉に移動することにより生ずる問題、このことをしっかり訓練において検証するということがかなめの問題であります。  私は決して、訓練では基本的な手順の確認が、そんなものは無意味だとか申し上げておりませんし、単なる参加者が少ないことをもって訓練の意義を否定するという立場には立っておりません。そういう訓練が、これで6回続けられたわけでありまして、そういう訓練の教訓を踏まえながら、来年度の第7回からは、かなめの問題である、多数の避難者が一斉に移動することによって生ずる問題に対して、しっかり検証するような訓練にすべきであると思います。  避難の要支援者は、市内に2,576名ですけれども、先ほどのお話のように6名、去年は4名ですね。模擬要支援者を、避難の、ある意味じゃルールというか、そういうものでスムーズに避難を実施すると、絵に描いた餅だというふうに申し上げましたけれども、このことについては、これから見直していくという方向性は、総合政策局長から話があったように思いますけれども、自動車による避難の場合も、40台でいいのか、つまり、多数の運転者が一斉に移動する、この30キロ圏内には2万台の車両が存在すると言われております。  事故の発生の時間とかが影響すると思いますが、関係者との協議の中でも、事故の際には8,000台から1万台、石川県のほうからの避難者も殺到するでしょう。そうした中での一斉の移動によって生ずる問題に、どう対処していくのかが問われているというのが訓練ではないでしょうか。  知事のお考えでは、12月に今度の訓練の総括を行うというお話でありますけれども、かなめの問題についてどうお考えか、知事の所見を伺っておきたいと、このように思うわけであります。
     今度の事故も、外部電源の喪失、注水機能の喪失から放射能漏れが氷見市に至り、1時間で20マイクロシーベルト、これは平常の400倍の数字なんですね。大変な放射能漏れの中で、どう地域住民の被曝を阻止して、少なくして、早く遠くへ逃げるかが、そのことが訓練のかなめでもあるわけです。事故の設定からしてもね。  以上が第1点であります。  第2点は、知事、北電の電力料金の値上げの主要な背景として、私は、志賀原発1号機、2号機の全面停止が約7年間続いておる中で、この営業費用だけで年400億円を超える支出が計上され、さらには原発の安全対策等で約2,000億円が支出されているという、つまり、原発を前提にした北電の経営の中で起きている構造的な問題であるというふうに申し上げたわけであります。  そうした不良資産、債権をどう知事は見ておられるのか、したがって、私はそういう中で、活断層の問題もありますので、北陸電力は、できるだけ早く再稼働など断念をして、県民に安心・安全、安定的に電力が供給できる企業体質へ転換をする、赤字体質からの脱却ですね、原発から脱却をした、そういう中での企業経営、そういう点での北電は極めて優秀な能力と実績をお持ちなわけで、そのことを踏まえて、もう知事は思い切ってそういう発言も県民の立場ですべきではないかと、こういう提案を申し上げているわけです。  知事、私の質問をそらさないで、率直なお考えを述べていただきたい、このように思います。  以上で私の再質問を終わります。 53 ◯副議長(渡辺守人君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 54 ◯知事(石井隆一君)最初に、原子力防災訓練について、もっと多数の避難者が一斉に避難する、それに対応するような大規模なものにすべきじゃないかと、また、自家用車も石川から来る分も含めて8,000台とか1万台というお話もございました。  できるだけ原子力防災訓練、まず、原子力の発電所の事故がもちろんあってほしくない、そのために万全の体制をとっていただくということが基本ですけれども、そうはいっても、万々が一ということがありますから、できるだけ実践的な避難訓練にすべきだというのは、私もそれはそのとおりだと思います。  そういう面で、できるだけ、まずは、これで6回になりますが、最初に比べても徐々に地区数を増やしたり、また、避難訓練に参加する方々も、多少、年によって出入りがありますけれども、拡大する方向でやってきているわけでございます。  先ほど申し上げましたように、UPZの中の住民の方々に占める避難訓練に実際参加した方の比率からいうと、実務的に調べた範囲では、富山県は立地県も含めて最も熱心に、規模も大きくやっているほうだと思いますけれども、また、自家用車も、40台というのはおっしゃるような8,000台、1万台と比べると随分差がありますけれども、よその県でも、類似の周辺県ですと、そもそも自家用車の避難というのを実際やっていないとか、やっていても7台、4台とか、立地県でも20台、24台とかそういうような数字でございますから、富山県が熱意を持ってやっているということは御理解いただきたいなと思います。  また、石川県からの避難については、これはやはり、石川県側の御意見、御要望も伺わなきゃいけないので、今のところ、私も気にはなっているんですけれども、石川県さんは、まずは石川県内での避難ということを原則としていろいろ訓練をされていると、こういうことでございます。  それから、避難の規模を拡大ということになりますと、何といっても参加していただく住民の皆さんの理解が前提になりますので、この点については、今後、氷見市とも十分協議検討していきたい。  ただ、住民の皆さんも、あってはならないことでありますけれども、万々が一ということは皆さん理解されていても、そうはいっても、おっしゃるような規模の参加となりますと、住民の皆さんの日常生活とか、氷見市の行政機構の機能の問題とか、住民サービスの一般の郵便サービスの提供の問題とかいろんなことに支障が生ずるおそれもありますので、いろいろと充実については努力するとしても、おのずと訓練の参加人数には限りがあるのではないかと、こういうふうに思っております。  次に、志賀原子力発電所ですね。議員の御主張ですと限りなく黒で、志賀原発が不良債権化しているからそろそろ諦めろというようなことのようですけれども、しかし、これは今、原子力規制委員会の有識者会合においても、そこの評価書ですと、今後の課題として、今回の評価は限られた資料等に基づくもので、より正確、確実な評価をするためにはデータ等の拡充が必要だと、これは御存じだとは思いますけれども、そう言っているわけですね。  そこで、この新規制基準の適合性審査については、原子力規制委員会がこの有識者会合の評価も参考にして審査を行った上で、法に基づく許認可の可否を決定するとされております。  去る6月には第5回目の審査会合が開催されまして、北陸電力からは、国から指示された断層に係る詳細なデータを提出するために、追加のボーリング調査等を実施しているということが説明されました。  国の新規制基準では、原子炉建屋等の重要施設は活断層の露頭がない地盤に設置するとされておりますから、活断層の有無は、原子力発電所の立地そのものにかかわる重要な問題であります。そこで、志賀原発敷地内の破砕帯が活断層であるかどうかの判断や、原発の安全確保、再稼働、これが非常にポイントになるわけですけれども、この点は、やはり法律上の権限と責任を有する国において、専門家によるさまざまな科学的な調査分析、十分な検証を行った上で、総合的に判断いただくことが大事だと思います。  また、その国の専門家の判断に供する調査を、現に北電さんはまだ努力されていることであります。そうしたプロセスを経て総合的に国が判断をされる、また、国がその結果に基づいて、原発の立地県はもとより、氷見市や富山県など、周辺自治体や県民にも、理解して十分納得できるような説明、稼働できるということになればそうですし、稼働できない、そもそも活断層があるという結論になるならなるで、そこはしっかりと北電さんなり私どもにも説明していただくということが大切ではないかと、かように思っております。 55 ◯副議長(渡辺守人君)菅沢裕明君。    〔32番菅沢裕明君登壇〕 56 ◯32番(菅沢裕明君)知事、志賀原発の活断層をめぐる問題の論点もいろいろありまして、あなたとも今までも論戦をしてきた経過がありますが、きょう私が重点を置いておるのは、再稼働の問題にも関連しますけれども、まずは何よりも電力料金値上げの主要な要因の問題によってであります。  御承知のように、志賀原発1号機、2号機は、もう足かけ7年にわたって停止状態であります。しかし、この1円の利益も上げられず、減益影響が巨額な、つまり、先ほど申し上げましたように、平成29年6月株主総会の損益計算書でも、原発の営業費用は約450億円計上されております。この間、毎年、多いときは600億円にも達しております。1円の利益も上げないのに、原発の維持管理のためにこれだけの費用が毎年かかっているわけです。  その上に、東電の福島第一原発事故以降、地震や津波に備える原発の安全対策、安全性向上工事の費用が、北電の場合でも、今日までに約2,000億円支出をされております。これはさらに膨らむ可能性があるわけであります。  このように、収益を生まない不良な資産、私は先ほど、志賀原発は不良債権、不良資産だというふうに申し上げましたけれども、こうした不良な資産は、莫大な額の維持コストだけを生み出し、どんどん赤字が膨らんでいく構造になっているわけであります。  再稼働を前提にして、いろいろ活断層問題があるわけでありますが、そのこと以前にも、こうした北電の赤字体質、構造的な問題が今日の電力料金の背景、主要な要因にあるのではないのかと。  確かに、原発が稼働しない中でと言うとなんでありますが、北電の場合は、原発が稼働していなくても、私たち県内の家庭生活や企業の活動で電力不足は生じておりませんけれども、この間、石炭、火力、石油等をエネルギーにしたエネルギーのそういう重点の置き方があって、コストがかかるということはあるかもしれません。施設の老朽化対策もあるようでありますから。  しかし、もっと主要な要因として、不良債権化した、不良資産化した志賀原発1号機、2号機の存在があるのではないかと、しかも、その全面停止が7年にも及んで、今後もそれが継続をしていく、再稼働の見通しは全く立たない、原発直下の活断層が限りなく黒に近いという、規制委員会の専門家調査団の答申もあるわけでありまして、北電がそれに対して有効な反論もできていない状況の中で、限りなく廃炉に近い、そういう状況ではないかと私は見ておりますけれども、いずれにしても、知事、電力値上げの要因、背景の中に、志賀原発の長期活動停止による不良債権化、不良資産化の問題がありますよということを申し上げているわけで、このことに対するあなたの認識、見解を再々質問の中でお伺いをします。  以上です。 57 ◯副議長(渡辺守人君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 58 ◯知事(石井隆一君)今回の北陸電力さんの電力料金の引き上げに、志賀原発が7年間稼働していないということが、影響が、それはそれなりにあるのではないかと思いますけれども、それはそれとして、だからといって、今、限りなく黒に近い、不良資産と切り捨てられましたけれども、先ほども御説明したように、この原子力規制委員会が判断の参考としている有識者会合では、評価書で今後の課題として、今回の評価は限られた資料等に基づくものであり、より正確、確実な評価にするためにはデータ等の拡充が必要だとされて、それを受けて、北電におかれては、何とか証明しようということで、追加のボーリング調査なども実施されているということですから、この段階で何か、もう志賀原発は諦めたらどうだといったようなことは、議員のお考えとしておっしゃるのはそれは言論の自由ですけれども、私、知事としては、北陸電力さん、電力の専門家がもちろんそろっていらっしゃる1つの大きな経営判断のもとにやっておられるんでしょうから、しっかり取り組んでいただいて、そして、できるだけ再稼働を目指されるのであればもちろん、この原発敷地内の破砕帯が活断層でないということをしっかり御証明いただいて、そして、規制委員会の理解が得られる、そのことが私ども県民も含めて、富山県も地元氷見市も理解ができるということになれば、それで皆さん納得していただけるのではと思いますし、また、それがなかなか困難だということになると、それは北陸電力さんにおいてまたそういう判断もあり得るのではないかと思いますが、これは仮定の議論になりますから、私としては当面、北陸電力さんの御努力を見守りたい、かように思っております。 59 ◯副議長(渡辺守人君)以上で、菅沢裕明君の質問は終了しました。  川島国君。    〔7番川島 国君登壇〕 60 ◯7番(川島 国君)自民党議員会、川島国でございます。  まずもって、本日午前中、尊敬する筱岡貞郎議員より、能越道福岡パーキングのインター化推進の質問がなされました。誠に示唆に富んだ、大局から見た、ありがたい質問でありまして、感謝御礼を申し上げます。あわせて、加藤土木部長には事業進捗に御注力いただきますよう、重ねて私からもお願いを申し上げます。  本年の締めくくりの今次定例会一般質問に当たりまして、質問に入る前に一言申し上げます。  初当選来、約2年半を少し振り返らせていただきまして、私の身の総括をさせていただきたいと存じます。  思えば、平成27年4月に県議会初当選をさせていただいて来、私は県政の現状を捉えて極力、具体的な提案型の質問をしていくべく努めてまいりました。とっぴな質問もあったかと存じますが、その間、石井知事初め県幹部の皆様には、真摯に私の質問に向き合っていただきましたこと、感謝を申し上げます。  国のクールジャパン構想に即して、日本のアニメ漫画コンテンツと伝統文化を最大限活用した、世界で唯一の一大テーマパーク建設誘致構想である「とやまJAMP」構想や、江戸時代の寺子屋を参考にして運営している、公費を極力抑えた放課後児童育成事業である「富山型地域教育モデル事業~寺子屋サロン」の推進など、施策の有意性に御理解いただき、応援や推進をいただいております。  後で質問いたしますが、越中福岡の菅笠づくりの国の伝統的工芸品指定へ向けての取り組みには、先般、うれしいニュースが入ったばかりでございます。  年の瀬に当たり、大所高所より御支援、御協力いただきました先輩、同僚議員、そして石井知事初め県当局の皆様に重ねて感謝を申し上げて、大きく3項目、安心、活力、未来とやまづくりについて順次、質問してまいります。  まずは1点目、安心とやまづくりについてであります。  近年、我々県民の安心を脅かす事柄として、交通問題が挙げられると思います。悪質なあおり運転や、高齢者による不幸な交通事故、さらには外国人観光客によるレンタカーでの事故など、車の運転を取り巻く環境は、年々複雑さと多様化が増しており、巻き込まれ事故への不安を感じる方も増えてきているのではないでしょうか。  それに加え、県内では依然として、いわゆる散発的な飛ばし屋や走り屋などの危険運転が、県内各所で見られます。例えば、私の地元福岡では、通学路や生活道路などで、速度を落とさず乱暴な運転をする方を見かけますし、夜間には、ふくおか家族旅行村などを目がけて、いわゆる飛ばし屋が暴走運転を行い、実際にタイヤ痕が残っております。  何とか取り締まってほしいという声が、特に高齢者や子を持つ親御さんから多く聞かれます。県警察が、ことしの春から導入した可搬式オービスの設置は、持ち運びが可能なので、郊外での無謀な運転の取り締まりに有効で、運転手に対する心理的抑止力にもなるとのことから、引き合いが殺到していると聞いております。  しかし、残念ながら1台しかないということであります。事故が多発する富山市内を中心に運用しているそうであり、県内各地から要請しても1台では対応できず、お断りしているとのことであります。  都市部に限らず、郊外の交通弱者に対しても要望に対応でき得るように台数を増やしてほしいと考えますが、都市郊外や中山間地などで散発的に発生する悪質、無謀な危険運転者に対する交通指導取締りについて、白井県警本部長にお伺いいたします。  10年前の平成19年で598件、ことし平成29年には3,344件、10年間で6倍近くの伸びであります。何の数字かと申しますと、県内65歳以上の運転免許の自主返納数の伸びであります。本県における70歳以上の運転免許人口は、約12万3,000人、加速度的に自主返納者も増加していくと予想されます。  富山市から始まった運転免許自主返納支援制度は、その必要性から、現在では、県内15市町村すべての自治体で制度化されており、その支援内容はさまざまであります。私は、このような市町村単独の支援制度でありますが、これだけニーズを捉え成長している施策については、県として拡充、統一化を図り、進化させていくことが、まさに市町村と県との連携と言えるのではと考えておりまして、市町村としても、ありがたいと歓迎いただけるものと思います。  高齢運転者の事故防止だけではなく、公共交通機関の利用促進にもつながるものであり、その観点から、県としても積極的に支援していくべきと考えますが、蔵堀観光・交通・地域振興局長にお伺いいたします。  公共交通機関への移行を促す機会となるものでありまして、制度のPRのほか、県内市町村、交通事業者等の連携を積極的に行っていく必要があると考えますので、前向きな答弁をよろしくお願いいたします。  次に、交通問題から離れまして、県民の安心、今、一番不安に感じるところであります。半島危機、北朝鮮の問題であります。  半島有事が、年末か年明けかと国会でも議論される中で、日本海側、北海道、青森、秋田、石川など、次々に北朝鮮からの難破船が打ち上げられ、緊張度が日増しに高まっております。  そんな中、先般、救う会西岡会長を講師にお迎えして、県議会、市町村議会議員が一同に会して、四方会長を先頭に、拉致被害者奪回に向けての活動にさらなる結束を図るために、新しい拉致議連が発足されました。  時間がないので、多くは語れませんが、人生の大半、40年間を台なしにされ続けている県民が存在すること、安心とやまを掲げる石井県政にとって、決して国だけの問題ではなく、県として何ができるのか、しっかり取り組まねばなりません。  年がかわろうとしております。県内の拉致被害家族や親戚、友人に対して、安心と勇気を与えるような、県としての力強いメッセージと、弾道ミサイルの発射、核の脅威など、まさに国難と言える現状に対して、県として何ができるのか、主体的に国にコミットしていただきたいと強くお願いいたします。石井知事の決意をお願い申し上げます。  次に、中山間地域の安心づくりについてであります。  我が国全体が、少子高齢、人口減少の真っただ中にありますが、本県中山間地域においては、どのような現状で、展望はどうなんだろうということで、国勢調査をもとに、2005年から2015年までの10年間における人口動態、総農家数、耕作放棄地面積などを調べてみました。  本県中山間地域における人口推移は、21万6,737人から19万333人の、約2万6,000人の減少、総農家数は1万5,029軒から9,299軒の、5,730軒の減少、耕作放棄地面積は1,431ヘクタールから1,550ヘクタールで119ヘクタールの増大で、県内耕作放棄地の63%が中山間地域に集中している状況であります。  目を見張るデータとして、中山間地域における100世帯以下集落の人口年代分布の推移でありますが、平成22年から27年の5年間で、7万2,570人から6万7,139人の、5,431人の減、64歳以下の生産年代ではマイナス6,151人であり、減少の割合が64歳以下の生産年代に集中的に偏っているのが特徴であります。調査結果から2年が経過し、さらにその深刻度は増しているのを実感しております。  このような現状を受けて、まずは、本県総合計画の中間年に当たり、さまざまな中山間地域活性化施策を講じてきたわけでありますが、目標の達成など、これまでの取り組みをどう評価しているのか、また、新しい総合計画の策定に当たり、どのような課題があると認識し、取り組みの方向づけをしていくのか、石井知事にお伺いいたします。  やはり、中山間地域政策においては、抜本的に見直しをかけて、総合的かつ複合的な施策の展開を図っていくことが強く求められると思います。  私の地元、石川県境の五位山地区では、日本で3番目に大きいとされるメガソーラー事業が来年春から試運転、11月から本格開業を予定しております。地元住民の理解と努力によって、今後20年間、毎年1億円近くの税収をもたらすことに、人口は減っても公に稼ぐ、地域資源である山の活用を実践していると言えるのではないでしょうか。ぜひともそういうところにも目を向けていただきたいと思います。  このように、山の活用、稼げる中山間地域といった観点からも、また、福祉や観光など、さまざまな切り口から、総合的かつ複合的に中山間地域政策を講じていく必要があります。  そこで、やはり県として部局横断的に取り組み、体制を強化していく必要があると考えますが、芝田農林水産部長にお伺いいたします。  非常に参考になる先進的な取り組みとして、島根県が県営で行う中山間地域研究センターがあります。本県の3分の2を有する山林における総合的な問題解決へ向けて、ぜひとも研究いただき、積極的なてこ入れを図ってほしいと要望いたします。  この項最後に、提案でございます。  現在、我が会派において、(仮称)中山間地域振興条例プロジェクトチームが立ち上げられ、鋭意、来年の11月施行に向けて取り組んでいるところであります。その条例においてもぜひとも入れ込んでいただきたい考え方でありますが、スマート・テロワール構想であります。ポテトチップスのカルビーの元社長松尾雅彦氏が提唱し、山形県や静岡県などが実践している政策であります。  端的に言えば、地域内のできる限りの自給を目指す地域ユニットのことであります。美しく強靱な農村自給圏とも称されております。畑作、畜産、食品加工の分野が連携し、地域内販売、消費を行う食糧自給圏を形成するいわゆるスマート・テロワール構想を研究し、本県においてもモデル地区を指定するなどして、普及に力を入れていくべきと考えるがいかがでしょうか。  この構想は、新しい農村の姿を目指すものであり、本県の中山間地域対策としても有効であると考えますが、農林水産部長の見解をお願いいたします。 61 ◯副議長(渡辺守人君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 62 ◯知事(石井隆一君)川島議員の御質問にお答えいたします。  まず、北朝鮮問題についであります。  北朝鮮は、9月3日、6回目となる核実験の強行に続きまして、11月29日の未明に、ことしに入って15回目の弾道ミサイルを発射しましたけれども、国際社会が危険な挑発をやめるべきだと強く警告している中で行われました暴挙でありまして、断じて容認できないわけであります。  また、拉致問題についても、40年という長い年月が経過したにもかかわらず、また、本県でも拉致の可能性を排除できない行方不明者が22名いらっしゃるということでもあります。多くの被害者の帰国が実現していない、極めて遺憾でありますし、富山県としても決してこれは他人事ではないわけでございます。  安倍総理は今国会で、国際社会で一致団結して北朝鮮に対する圧力を最大限に高めて、北朝鮮から対話を求めてくる状況をつくっていくと発言されていまして、国連を初め、米国や韓国、中国、ロシアなどの関係諸国や国際社会との連携協力をさらに強化して、積極的な外交政策に取り組んでいらっしゃると伺っております。  トランプ大統領が9月19日に、国連総会で拉致被害者のこと、横田めぐみさんなどに言及されたことや、11月6日にトランプ大統領が、安倍総理の同席のもとに拉致被害者家族17名に面会されたこと等々、そうした形で、日本だけではなくてアメリカ、いろんな国を巻き込んで進めておられると思います。  これらの北朝鮮問題への県の対応ですけれども、私ども自治体は外交する立場にありませんけれども、全国知事会の中でも議論をかねてしておりまして、11月29日の弾道ミサイルの発射に際しては、金正恩委員長宛てに、全国知事会、市長会、市町村会の各会長連名での抗議文も出しておりまして、強く抗議の意思を示したところであります。  県としましては、まずは県民の安全・安心を確保するために、北朝鮮の核実験や弾道ミサイルの発射を想定して、去る7月14日に国と高岡市と共同で、北陸三県で初めて避難訓練を実施しましたし、また、9月の県の総合防災訓練や先月の原子力防災訓練等の中でも啓発訓練を行いますなど、県民の皆さんに、緊急時に自分の身を守る意識を高めていただく取り組みを進めております。  また、拉致問題の解決を進めるために、12月10日からの北朝鮮人権侵害問題啓発週間に合わせまして、拉致議連の皆さん、先般、県議会議員の方と市議会議員の方々が御一緒に新たに設立された拉致議連ですけれども、また、救う会富山との共催で講演会、ビデオ上映会を開催しまして、多くの県民の皆さんに関心と認識を深めていただく取り組みを行っております。  政府におかれましては、北朝鮮問題解決のために、引き続き粘り強く、外交交渉に全力を尽くしていただいて、我が国や周辺地域の平和と安全、国民の安心・安全の確保に万全を期していただきたいと思っております。  県としても、引き続きこうした政府の取り組みを応援して、東アジアの平和と拉致問題解決に向けて、県民の強い意志と協力によって、政府の取り組みを後押しして、努力してまいりたいと思います。  次に、中山間地域の活性化についてであります。  お話のように、中山間地域の活性化は大切であります。現在の総合計画の基本政策の1つにも農山漁村の活性化を位置づけまして、地域資源の活用などによって、また、都市住民の交流なども進めて、個性豊かな魅力ある農山漁村が形成されますように、これを政策目標として各種施策を積極的に展開してまいりました。  中山間地域等直接支払、これは国へも働きかけてきましたし、また、もちろんイノシシなどの獣害対策、都市農村の交流、また、過疎バス路線の支援とかいろんなことがございます。  こうした施策を通じた政策目標の達成状況ですけれども、現在の計画の中間年であります昨年度末において、県民参考指標であります農村環境の保全を目指す集落数と農林漁業等体験者数は目標値を既に達成できておりますことや、また、6次産業化、それから、農村女性起業の取り組みを初め、中山間地域ならではの地域資源をフル活用した活動が県内各地で実践されておりますこと、また、条例に基づいて、12の市町で47の重点地域がございますけれども、南砺市の利賀ですとか魚津市の松倉とか、都市との活発な交流や農山漁村への移住促進などの施策も行われておりますなど、おおむね相当に順調に進んでいる面もあると思います。  一方で、お話のように、高齢化や過疎化の進行で、農林業の後継者や地域づくりの担い手の不足から、活動の継続が困難な地域が見られますことや、イノシシなどの野生鳥獣による農作物被害が依然深刻な状況にありますことなどから、より一層の施策の充実が必要だと考えております。  そこで、現在策定中の新たな総合計画の5つの重点戦略の中で、本格的な人口減少社会に立ち向かう人と地域の活性化を重要テーマの1つといたしまして、中山間地域の活性化を位置づけますとともに、基本政策においても、人口減少や集落規模の縮小に対応した持続可能な地域運営の仕組みづくりですとか、これはいわゆる小さな拠点みたいなものも進めておるわけであります。  また、地域資源を活用した農林漁業者の所得向上、これは6次産業化とか農村女性の起業を進めるとかいったようなことですけれども、こうした取り組みへの支援、さらにはイノシシによる農作物被害への総合的、広域的な取り組みの推進などによりまして、地域活力の維持活性化を図っていきたいと思います。  福岡町でメガソーラーに取り組んでいらっしゃるお話もありました。大変いいことだと思いますし、今、県内各地で、全国トップで小水力発電の推進にも取り組んでおりますけれども、また、立山山麓の地熱発電とか、いろんな形で各中山間地域の皆様、また、市町村と力を合わせて取り組んでまいりたいと思います。  中山間地域振興条例(仮称)の制定に向けて、今、自民党議員会で御検討を進められていると伺っていますけれども、中山間地域の現状等をしっかりと踏まえながら、農林水産業も含めた産業政策、あるいは生活福祉の観点からの、例えば地域包括ケアシステム、また、中山間地域の買い物や交通や福祉といったような生活機能や集落機能、こうした暮らし全般をサポートできるような地域政策をできるだけ総合的に展開しまして、本県における中山間地域の振興にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。 63 ◯副議長(渡辺守人君)白井警察本部長。    〔警察本部長白井利明君登壇〕 64 ◯警察本部長(白井利明君)危険運転者に対する取り締まり方針についての御質問にお答えします。  県警察では、郊外や山間地などにおける悪質、無謀な危険運転者対策として、パトロール活動による予防、警告を行うとともに、速度違反やはみ出し禁止などの違反取り締まりを行っています。  これら危険運転者の取り締まりには、取り締まり場所や警察官の確保など、時間的、場所的、体制的な制約が多く、機動的に実施することが困難である中、本年4月に導入した可搬式オービスは、このような制約が少ないことから、従来の取り締まり方法に加えて、同オービスを活用した取り締まりを行うことが可能です。実際、本年4月以降、集団暴走行為やローリング走行、ドリフト走行などの危険運転の取り締まりに活用し、一定の成果を上げているところです。
     他方で、可搬式オービスは、通学路やゾーン30などの生活道路における取り締まりにも有効であり、こちらにも活用しています。地域住民の方々からも、車の速度が落ちて安心して通行できるとか、速い車が多い朝の出勤時間帯の取り締まりをお願いしたいなどの、感謝や要望の声が寄せられていることもあり、今後とも継続してまいります。  このように、取り締まりに伴う制約が少ない可搬式オービスの有用性は高いものの、現状は同装置を1台しか保有していないため、交通事故が多発する富山市内での運用が多くなっており、県民の方々からの多様な要望に十分に応え切れないところがあります。  県警察としては、悪質、無謀な危険運転の現状や県民の要望をも踏まえた取り締まりを行って道路交通の安全を確保するため、財政当局とも協議しながら可搬式オービスの計画的な増設を図ってまいります。 65 ◯副議長(渡辺守人君)蔵堀観光・交通・地域振興局長。    〔観光・交通・地域振興局長蔵堀祐一君登壇〕 66 ◯観光・交通・地域振興局長(蔵堀祐一君)高齢者の運転免許自主返納と公共交通機関の利用促進に関する御質問にお答えをいたします。  近年、高齢者の交通事故が増え、免許返納者の方も増加しているところでございます。こうした高齢者の方の生活の足として、公共交通の維持確保を図りながら、高齢者等の公共交通の利用を促進していくことが重要だと考えております。  免許返納者の方への支援につきましては、県内すべての市町村においてバスやタクシーの利用券等が配付され、各市町村のホームページや広報誌等により周知をされているところでございます。また、一部の交通事業者において運賃割引が行われますとともに、旅行会社ですとか宿泊、入浴施設等でも料金割引等が行われております。こうした支援につきましては、県警察本部の高齢者運転免許証自主返納サポート活動として、ホームページ等によりPRもされているところでございます。  県といたしましては、免許返納者に公共交通を利用していただけますように、まずは高齢者等の生活の足を維持確保するため、民営バスやコミュニティバスの運行経費に支援をいたしますとともに、高齢者の利用に配慮いたしまして、低床バスやLRT車両の導入ですとか、駅やホームのバリアフリー化などを支援してきているところでございます。  また、免許返納前から公共交通を利用していただき、その利便性なども知っていただきますために、ノーマイカー運動も毎年実施をしてきているところであります。さらに、市町村等が行いますバス利用促進の取り組みへの支援につきましても現在、検討を進めているところでございます。  今後とも、県警察本部を初め、市町村や交通事業者等と連携をいたしまして、公共交通の一層の利用促進と高齢者等の生活の足の確保充実にしっかりと取り組んでまいります。 67 ◯副議長(渡辺守人君)芝田農林水産部長。    〔農林水産部長芝田 聡君登壇〕 68 ◯農林水産部長(芝田 聡君)まず、中山間地域の振興対策についての御質問にお答えいたします。  県では、中山間地域の活性化を図るため、富山県中山間地域活性化指針に基づき、農林水産分野に限らず、道路、上下水道、地域公共交通の整備や、医療、保健、福祉環境の向上など、各分野にまたがる施策を総合的に推進してきております。  具体的には、中山間地域総合整備事業などによる農業生産基盤や生活環境の整備、水と緑の森づくり税による森林の整備、都市との活発な交流や農山漁村への移住促進活動、市や町、NPO法人によるバスの運行、地域で支え合う福祉コミュニティ活動に支援するなど、元気で安心な中山間地域づくりを進めてきております。  また、これまでも、関係部局が連携いたしまして取り組みを進めておりまして、例えば、鳥獣被害防止対策では、関係機関から成る連絡協議会を設置いたしまして、生活環境文化部と農林水産部の関係課等が連携した推進体制を構築して、被害低減に向けた協議を行っておりますとともに、移住促進では、観光・交通・地域振興局が所管する定住コンシェルジュが農林水産部主催のとやま帰農塾に毎回参加をして、きめ細かく相談に対応することにより、移住増加に結びついております。  県としましては、今後とも、関係部局の連携を強化し、産業政策と暮らし全般をサポートする地域政策を総合的に推進いたしますとともに、議員から御紹介のありました島根県中山間地域研究センター、ここでは専門職員を置いてさまざまな調査研究、あるいは、いわゆる小さな拠点づくりを推進しておられますけれども、そうした取り組みも参考にしながら、より効果的で実効性のある振興施策を展開してまいりたいと考えております。  次に、スマート・テロワール構想についての御質問にお答えいたします。  議員から御紹介のあったように、スマート・テロワール構想は、畑作や畜産といった農業生産から、食品加工及び販売、消費までの地域内循環を目指した自給圏の形成を目指すものであり、耕畜連携と6次産業化と地産地消、こういったものがキーワードになるのではないかというふうに思っております。  県においては、これまで地域資源を活用する取り組みとして、中山間地域の集落と企業等の連携による加工品の開発と販売、6次産業化や農商工連携による商品開発やそのための施設整備、特色ある資源のフル活用による地域の活性化を目指す、モデル的な取り組みなどを支援してきております。  また、県内でも、飼料用米の生産農家と養鶏農家、あるいは飼料用稲の栽培農家と肉用牛の生産農家とのいわゆる耕畜連携の取り組みが実践されており、また、地域と連携協力して取り組む地産地消活動も活発に行われておりまして、そうした取り組みに対しまして積極的に助言、あるいは支援をしてきております。  スマート・テロワール構想につきましては、こうした取り組みを地域内で一体的に行うものでございますけれども、課題といたしまして、自給圏を形成するためには一定の人口規模が必要であること、提唱者によれば人口10万から70万人程度と想定されておりますけれども、そういった一定の規模が必要であるということ、それから、構想実現に不可欠な人材、あるいは畑地化したり食品加工場の建設、運営、こういったものの資金を確保しなければならないこと、先ほど太陽光発電の話もございましたけれども、そういった課題などが指摘をされているところでございます。  いずれにしても、地域資源の利活用や地産地消などの地域内循環により農村を活性化するという考え方は、これからの中山間地域のあり方を描いていく上で大変重要な視点であり、今後ともこうした構想が本県中山間地域の活性化にどう生かしていけるのか研究してまいりたいと考えております。  以上でございます。 69 ◯副議長(渡辺守人君)川島 国君。    〔7番川島 国君登壇〕 70 ◯7番(川島 国君)活力とやまづくりについて、3点質問いたします。  ものづくり富山、伝統工芸品をデザイン力によって付加価値をつけ、世界に売り込むことで、富山の活力と元気をつくり出していくこと、東京オリパラへ向けて、クールジャパンの一翼を担う理にかなった政策を実践していると高く評価するものであります。  効果のほども目に見えて出てきておりまして、外国人観光客の増加や、伝統産業への県外からの若手担い手の増加、そして何よりも住民の地域に対する誇りの醸成につながっているものと思います。  今後、さらに、ものづくりと歴史文化、デザインとの融合をてこに、本県の魅力に磨きをかけていただきたいとお願いいたします。  そこで、1点目として、現在、国際北陸工芸サミットが行われておりますが、先日開催されたシンポジウム等の成果を踏まえ、本県の工芸の魅力をどのように国内外に向けて力強く発信していくのか、石井知事にお伺いいたします。  2点目として、お待たせいたしました、菅笠でございます。  先日、44回目の私の誕生日でありましたが、経済産業省よりうれしい発表がなされました。越中福岡の菅笠づくりが、県内で6番目、約30年ぶりとなる国の伝統的工芸品の指定を受けた発表でありました。  本日、渡辺副議長の協力も賜り、祝、国の伝統的工芸品指定ということで、菅笠ブローチのコントラストを楽しめる質問の場とさせていただきました。誠に喜ばしく、長きにわたり御苦労、尽力してこられた地元、菅笠振興会の皆様、石井知事初め県当局、県議会先輩各位に対しまして、改めて感謝と御礼を申し上げます。  しかしながら、これからがスタートでありまして、本県の魅力を増大させる新たな武器として成長していくために、引き続きの御支援、御協力をお願い申し上げます。  そこで質問ですが、この国の指定を受けて、県として菅笠のさらなる振興発展にどのように取り組んでいかれるのか、石井知事にお伺いいたします。  3点目に、先月オープンいたしましたクリエイティブ・デザイン・ハブについてであります。  オープニングセレモニー、内見会と私も参加させていただきましたが、一言で言うと、デザイン力の可能性は無限大だと感銘を受けた次第であります。言葉ではなかなか伝え切れませんので、ぜひ、県民の皆様には足を運んで体感してほしいと思います。  オープンから半月と間がないですが、企業などからの評判や反応、デザインオフィスの入居希望の状況はどうなのか、また、新商品の創造、開発拠点を目指し、当面、具体的にどのような活動を行うのか、伍嶋商工労働部長にお答え願います。聡明な伍嶋部長でありますから、この質問の流れから、私が何を期待しているのかぴんときているものと思いますが、忖度度マックスの答弁をよろしくお願いいたします。  ちなみに、先日、菅笠展覧会が地元福岡町で開催され、富山大学芸術文化学部の学生4名が、菅笠新商品企画コンテストで、斬新でユニークな商品企画を提案されております。雨の中走った富山マラソンの経験から、撥水性の富んだ菅帽子を開発して、富山らしさをさらに発信してはどうかなど、ぜひともこのクリエイティブ・デザイン・ハブで形にしてほしいと願うものであります。伍嶋部長、よろしくお願いいたします。 71 ◯副議長(渡辺守人君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 72 ◯知事(石井隆一君)まず、国際北陸工芸サミットについてお答えをいたします。  国際北陸工芸サミットにつきましては、「ワールド工芸100選」展を富山県美術館において開催しますとともに、先般、各国から招聘しました専門家らによるシンポジウムを富山、高岡両市内において開催しましたほか、関連催事として、北陸三県が連携して、北陸伝統工芸品展ですとか、また、富山県水墨美術館での「日本のわざと美」展なども実施しております。  また、50歳以下の工芸人を対象としましたアワードでは、34カ国1地域から403の作品の応募がありました。一月余りの短い募集期間で、本当に随分、世界各地から集まったとうれしく思っておりますが、その後、厳正な審査の結果として、全部で7人入賞したわけですけれども、そのうち県内からは若手作家2人が入賞して、1人は最優秀賞、これは立山町の川原さん、また、もう1人は高岡市の般若泰樹さんということだったわけであります。  富山県や北陸の工芸の魅力を大いに発信できたのではないか、また、ファイナリストの6人の方は、それぞれ協同創造プロジェクトということで、地元の富山県や北陸各地の工房と連携して新しい作品をつくられるとか、国際的に見ても非常に斬新な取り組みになったんじゃないかと思います。  このアワードの授賞式は国宝瑞龍寺で開催させていただきましたが、世界各地からいらしたこうした分野の専門家の皆さんから、大変すばらしい場所であったといった御好評もいただいておりますし、国内外の皆様に、富山県の歴史的、文化的な魅力をお伝えできたのではないかと思います。  さらに、富山県美術館で開催されましたシンポジウムでは、海外の専門家、例えばイギリスのヴィクトリア・&・アルバートミュージアムの上席学芸員のルパート・フォクナーさんなどによる基調講演ですとか、県内、国内の有識者や作家も交えて、工芸の課題や未来への展望について、世界レベルで活発に議論できたのではないかと、また、高岡で開催されたシンポジウムでも、アワード作品の講評や、工芸を取り巻く現状認識についての意見が交わされまして、前文化庁長官の青柳選考委員長、また、サッカー選手としても著名でいらした中田英寿選考委員、こういった皆さんが参加をして、そして、工芸の国際的な動向や多様性などについても非常に、ある意味では有意義、エキサイティングな議論が展開されたと思います。  今回の成果としては、パネリストの皆さんからのシンポジウムやアワードを高く評価する声や、もっと情報を発信することが大切だと、そういったいろんな御提案もいただきました。こうしたことを踏まえて、アワードもぜひやったらどうかという声が圧倒的でありましたが、そうしたアワードの継続なども含めまして、今後、本県の芸術文化や工芸の振興、その魅力の国内外に向けた発信に積極的に取り組んでまいります。  その一環として、来年4月にフランスで開催される世界で最も美しい湾クラブ総会への参加にあわせまして、本県の伝統工芸品をPRする機会を設けたいと考えておりまして、その準備経費を11月補正予算に計上いたしまして、御審議をお願いしているところであります。できればここに先ほどのアワードで活躍した若手作家なども同行してもらってアピールできたらなと思っております。  次に、越中福岡の菅笠についてであります。  国指定の伝統的工芸品に11月30日付、大変記念すべきだと伺いましたけれども、越中福岡の菅笠が、富山県では越中和紙以来29年ぶり、6つ目に指定されたということは、大変喜ばしいことでありまして、申請団体である越中福岡の菅笠振興会初め、長年にわたり技術の継承や生産、販売に従事してこられた関係の皆さん、もちろん議員も含めて心からお祝いを申し上げます。  越中福岡の菅笠は、平成21年に国の重要無形民俗文化財に指定されますなど、文化財としての価値は既に高く評価されておりますけれども、このたび、国の伝統的工芸品の指定を受けたことによりまして、今後、振興会が行う需要開拓や人材育成について国の補助を受けることができますとともに、商品に伝統証紙を張りつけることができるようになりますなど、知名度がさらに向上しますとともに、他の工芸品との差別化も図られて、売上の拡大や地域の活性化等の効果が期待できると考えております。  県としましては、これまでも、今回の伝統的工芸品の指定について、国に要望を行いますとともに、これにあわせて、越中福岡の菅笠の県外への販路開拓、また、伝統工芸の匠による笠骨技術の継承、明日のとやまブランドへの選定などにより支援してまいりました。  また、先般、タイのバンコク伊勢丹において富山県伝統工芸品展が開催されましたが、また、国際北陸工芸サミットにあわせて開催したイオンモールでの北陸伝統工芸品展などにおいても、それぞれこの菅笠の展示やPRを行って、好評だったと伺っております。  県としましては、今年度に開催される各種イベントにおいても、国指定の伝統的工芸品に指定された菅笠の魅力を積極的にアピールしますほか、今後、例えば、菅笠のPRやその生産、販売にかかわる方の後継者対策、また、県の総合デザインセンターなどと連携した新商品の開発、後ほど部長が元気にお答えすると思いますけれども、そういったことについての支援とか、また、首都圏等や海外で行う伝統工芸品展のPRを検討しますなど、高岡市や振興会と連携協力しまして、越中福岡の菅笠のより一層の振興発展に取り組んでまいります。 73 ◯副議長(渡辺守人君)伍嶋商工労働部長。    〔商工労働部長伍嶋二美男君登壇〕 74 ◯商工労働部長(伍嶋二美男君)クリエイティブ・デザイン・ハブについての御質問にお答えをいたします。  先月15日、県内ものづくり企業の先端技術をデザイン面から支援し、新商品開発や新事業の創出につなげるため、国内外のデザイナーなど、多くの異業種の人材が集う交流拠点として、クリエイティブ・デザイン・ハブを開設したところでございます。  また、川島議員から今ほど、デザインの持つ可能性は無限大であるというふうにおっしゃっていただきましたが、開設に同席させていただいた私も全く同感でありまして、深い感動を覚えたところでございます。  企業の皆様からは、自社のみでは困難なデザイン開発につきまして、新たな連携先とのマッチングが期待できるという声や、あるいはオフィスパーク内の他の企業を含め、周囲に多様な試作環境が整っているオフィス環境は魅力的であるということ、また、宿泊設備があればさらに機能的なものとなるのではないかなど、施設の活用について高い関心を寄せていただいております。  また、デザインオフィスへの入居につきましては、現在、県内ものづくり企業との商品の試作開発に興味を持つ複数の県外企業と協議を進めていますほか、自社の生産技術にデザインを取り入れたいと、こういった希望をする県内のメーカーや、あるいはデザイン分野のシンクタンクなど、さまざまな業種の企業から入居希望の問い合わせをいただいております。  今後の当面の取り組みといたしましては、デザインやマーケティングに詳しいデザイナーに外部アドバイザーを依頼いたしまして、施設の機能や実績などを広く情報発信するとともに、来月から国際的に活躍されておりますデザイナーなどを招きまして、県内企業のニーズに沿った、新たな商品開発をテーマとしたセミナーを定期的に開催することとしております。  このハブの開設を契機といたしまして、日本を代表するデザインゾーンとして発展するよう、さらなる活用に向けて、企業への働きかけを強化してまいりたいと考えております。  なお、このたび国の伝統的工芸品に指定されました越中福岡の菅笠につきましては、議員からも撥水性に富んだ菅の帽子の紹介がありましたけれども、現在、県の生活工学研究所におきまして、菅の染色技術の研究も進められておられるということでありまして、今後、その撥水性という特徴を生かして、機能性やデザイン性を高めた、さまざまな用途の帽子の商品開発も大切ではないかというふうに考えておりまして、ぜひ議員のよいセンスも踏まえて、総合デザインセンターと連携して、魅力と競争力のある商品化を目指していただきたいと思います。  以上でございます。 75 ◯副議長(渡辺守人君)川島 国君。    〔7番川島 国君登壇〕 76 ◯7番(川島 国君)非常に前向きな答弁ありがとうございます。  最後の項、未来とやまづくりであります。  今次定例会、我が会派代表質問において、本県教育のビジョンは何なのかという根幹的な質問がなされました。最も大事なことであろうと思います。  知事からは、教育大綱に基づき、ICT・プログラミング教育やグローバル教育、ふるさと教育も行っていく旨の答弁でありました。誠に手法はそのとおりでありますが、私が聞きたかったのは、もっと根幹的で県民にわかりやすい答えでありました。  期待したのは、「本県教育は、さまざまな分野で、グローバル社会の中活躍できる人材教育、加えて富山県人として将来、本県発展に貢献できる人材育成」という答弁でありました。まさに、本県教育の目的はここにあるんだろうと確信しております。  そのような観点から、本県が抱える高校再編問題について質問いたします。  県民から高校再編についての意見や声を聞く意見交換会において、感想としては、なかなか理解が深まったとは言えないのではと感じた次第であります。その要因として、教育委員会から提示された資料に、今後の学級編成の見込みの表があり、あたかも1学区1校廃止、または1学区2校廃止の二択のような印象を受けた参加者が多数いたように見受けられ、私もそのように捉えた次第であります。  高校再編の対象校選定の基準について、より明確にしていく必要があるかと考えますが、改めて、どのような条件の場合に再編対象となり、何校を想定しているのか、渋谷教育長にお尋ねいたします。  高等学校においては、地域との土着性はあまりないというのが再編を進める大きな根拠の1つとなっております。土着性とは何なのか辞書で引くと、その土地に根づくことになっておりますが、よくよくわからない言葉であります。  私は、土着にも多様性があるものと考えます。先月、花の甲子園全国大会で、福岡高等学校華道部の皆さんが優秀校に選ばれました。もちろん、部員の皆さんのセンスと努力がその栄冠の大部分の要素でありますが、福岡高校華道部は、約20年以上にわたって、JRからあいの風鉄道に移管された今現在も、福岡駅に美しい生け花を展示されております。時代を超えた伝統のバトンリレーが華道の研さんにつながっているとも言えます。そして、それが富山県の土着性を育み、郷土愛につながっているものと考えます。  あまり我々の目に見えませんが、その地域の伝統文化や歴史を、それぞれの地域で継承し、その集合体として富山県を形成していると考えたときに、高校の集約化は、土着性の集約化であり、多様な郷土愛形成の育みを少なからず減退させていくことでもあると理解しないと、今まで高校を支援し、さまざまな形で地域とともにある高校にかかわってきた県民にとっては、土着性がないの一言で断じられ、ないがしろにされているように感じられるのではないでしょうか。そのことをぜひ、置き留めとめていただきながら、最後に提案の形で質問させていただきます。  再編を進めながらも、地域住民の意欲や声に応えていくために、車のギアで例えると、1学区1校廃止が3速発進、1学区2校廃止が4速発進とすれば、2学区1校廃止の2速発進で後期高校再編をスムーズにスタートさせていく提案です。  前回議会でも提案させていただいたとやま未来づくり教育特区による県外募集モデル校を、県内1校の1学級だけでも創設し、再編と併用していくべきと考えます。  果敢に挑戦していく教育委員会であってほしいと願って質問を終わります。 77 ◯副議長(渡辺守人君)渋谷教育長。    〔教育長渋谷克人君登壇〕 78 ◯教育長(渋谷克人君)まず、高校再編の対象校選定基準などについての御質問にお答えいたします。  去る9月7日の総合教育会議で定められました県立高校再編の基本方針では、再編統合の対象校については、高校教育を充実する観点を基本としつつ、県立学校整備のあり方等に関する報告書に記載されている規模、配置、距離に関する再編基準を尊重し、生徒や保護者、地域のニーズなどを考慮しながら、検討を進めるとされております。  今ほど申し上げました再編基準のうち、規模に関する基準につきましては、報告書では1学年4学級未満、または160人未満の規模の学校については再編統合の検討の対象とするとされております。  また、配置に関する基準につきましては、例えば普通科については、地区ごとの普職比率、生徒、保護者のニーズなどを踏まえて配置することが望ましい、農業科の単独校については、当面、農業教育の中核的機能を保持することが望ましいなどとされていることを踏まえて、再編統合の検討の対象とするとされております。  距離に関する基準につきましては、生徒の通学の利便性など、教育条件に配慮し、再編統合による生徒への影響が極力少なくなるよう、より近い距離にある学校から再編統合の検討の対象とするとされておりますが、これは、統合先の学校を選定する際の基準であります。  現在、基本方針に基づきまして、県立高校教育振興会議において、再編統合の対象校などについて検討を進めていただいておりますが、御質問の対象校数も含め、適切かつ丁寧に検討を進めていただきたいと考えております。  次に、高校生の全国募集についての御質問にお答えいたします。  御提案の全国募集につきましては、市町村の要望でも取り上げられておりますので、総合教育会議では、本年春に、全国募集を行った公立高校の状況を調査しております。その概要は、北海道、島根県、鹿児島県を中心に、21の道県164校で実施、そのうち合格者数を公表している36校の県外からの平均合格者数は6.1人、36校のうち県外からの合格者のいない学校が9校、36校中35校で欠員が生じているという状況でありました。  会議ではこうした調査結果を踏まえまして、19校で実施している島根県では、中山間地域での高校教育の機会確保を図るため、生徒数確保による学校存続に向け、全国募集を行い、県外の生徒募集の説明会や地元高校の見学バスツアーなどを行っており、学校の欠員状況を見ると、各県も島根県と同様の理由から全国募集を行っていると思われる、恒常的な定員割れが基本的になく、コンパクトでまとまりのよい本県では、他県と同様の観点から全国募集することはそぐわないのではないかとの結論となったところであります。  こうした議論を踏まえますと、さきの9月議会で知事からお答えしましたように、御提案につきましては、慎重に考える必要があると考えております。  以上です。 79 ◯副議長(渡辺守人君)以上で、川島国君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午後3時22分休憩
         ─────────────────────  午後3時32分開議 80 ◯議長(稗苗清吉君)休憩前に引き続き会議を開きます。  浅岡弘彦君。    〔16番浅岡弘彦君登壇〕 81 ◯16番(浅岡弘彦君)私は、自由民主党の浅岡弘彦でございます。  11月定例会最後の一般質問を受けさせていただきます。一括して質問させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  まず初めに、本県におけるエネルギー政策についての質問であります。  地球環境の温暖化が提言されて久しく、本年11月にドイツのボンで開催されましたCOP23には、中川環境大臣ほか、環境省、外務省、経済産業省、ほか関係者が多数出席しました。  その中で政府は、グローバルな気候行動推進指針である日本の気候変動対策支援イニシアティブ2017を初め、これまでの我が国の世界への貢献や国内外における取り組み、非政府主体の取り組み支援、2019年のIPCC総会の日本開催誘致の意向等について表明しました。  また、カナダ、英国主導により、効率の悪い石炭火力発電所を廃止する連合が期間中に発足しまして、日本は参加を保留しました。この中、ノンステートアクターであるNGOが、世界各地の石炭火力発電の新設や輸出の中止を主張しました。  報道によりますと、日本批判が目立ったのは、石炭火力の増設、輸出を進める日本は環境後進国とのレッテルを張られたと、海外では、石炭火力全廃、ガソリン車販売禁止など、脱炭素への動きが具体化してきていて、日本のノンステートアクターは、COP会場では日本の地位低下を実感したということであります。  ある日本企業の執行役員は、欧米の巨大企業が、CO2削減に取り組まないサプライヤーとの取引を中止する可能性が出てきているということを受けて、日本がこのままの状況ではサプライチェーンから外される可能性が高いことから、日本全体で考えるべき課題であると述べております。ゆえに、環境先進県として、富山県は日本をリードすべき施策を実行すべきと考えます。  さて、富山県の水力を含めた再生可能エネルギーによる発電電力量は約89億キロワットアワーと全国1位でありまして、本県の総発電電力量の約3分の2を占めております。再生可能エネルギーの導入状況は全国一律ではなく、地理的特性、条件を踏まえ、コストがかからない形で導入していくべきと考えております。  そこで、昨年、県内外の有識者から成る再生可能エネルギー等推進会議を設置しまして、これは、資源エネルギー庁のFIT調達価格の見直しを見据えて、本県の特性や強みを生かして、再生可能エネルギーの活用を今後どのように推進していくのかを、伍嶋商工労働部長にお伺いいたします。  また、先月開催されましたとやま水素エネルギービジョン策定委員会におきまして、委員からどのような意見が出され、本県での水素ステーション等の普及を進めていく上での課題の整理を含めて、どのようなビジョンの方向性を打ち出していくのか、石井知事に御所見を伺います。  また、再生可能エネルギー活用推進のため、企業局の既設発電所においても、老朽化した水力発電所の設備の更新にあわせて、発電効率の向上や出力増加などに取り組むことができないかを、須沼公営企業管理者に伺います。  次に、人づくりと産業振興についての質問です。  まず初めに、県内の高等教育機関を知的財産として活用する地域振興策としての、県内7つの高等教育機関の連携組織である大学コンソーシアム富山についてであります。  この大学コンソーシアム富山は、地方大学の振興の観点からも、コンソーシアムの役割はますます重要となると考えます。現在の活動状況と、CiCビルに移転後の新たな取り組みも含め、どのように活用していくのかを、山本総合政策局長にお伺いいたします。  次に、富山県理工系・薬学部生対象奨学金返還助成制度についての質問です。  この奨学金返還助成制度では、理工系の学部生も対象とするなど、制度の拡充が図られました。県民からは、石井県政における大ヒット施策であるとの声も聞こえております。本県における人材確保のための重要なツールとして、早い時期からの学生や保護者への周知活動に取り組み、広く県民に認知してもらうべきと考えます。  将来の富山県を担う優秀な人材の確保を図るため、文化系学部生への範囲拡大など、制度のさらなる拡充やPRの強化を図るべきと考えますが、石井知事の御所見を伺います。  さて、先般、クリオネという海の生物の新種が発見されました。神秘の海富山湾や、世界ブランド化を目指しております立山黒部等の資源を生かして学術的な研究を深めていくことや、呉羽丘陵等にある越の国のいにしえの古墳群の研究等で、富山県内の大学の魅力アップを図っていくことも可能であると考えています。  そこで、県内大学における独創的、魅力的な学科の設置に向け、県が中心となり、県立大学や富山大学などと連携した検討組織を創設してはどうかと考えておりますが、山本総合政策局長に御所見をいただきます。  次に、ASEAN及びインドへ進出している、または今後展開を検討している企業向けの事業である外国人留学生受入・定着促進事業は、県内人口の少子化や経済のグローバル化が進む中で、県内企業において、将来性豊かな外国人人材を県内に受け入れ、育成することにおいて、大変重要な施策であると考えています。  そこで、このASEAN及びインドからの外国人留学生受入・定着促進事業について、平成27年度から事業を開始してことしで3年目になりますが、年次別の受け入れ状況とこれまでの成果について、山本総合政策局長にお伺いいたします。  次に、先日修了式が行われました海外技術研修員等受入事業は、受け入れ先企業等からもすこぶる好評でありまして、研修員は富山県のファンとなって帰っていったと聞いております。また、その修了式後の研修修了記念パーティーには、山本県議会議員が日中団連事務局長として出席されたということも聞いております。  そこで、この海外技術研修員等受入事業について、受け入れ先企業における現状評価と、県内においてどのような効果をもたらしているのかを山本総合政策局長にお伺いいたします。  次の質問です。富山県内の10月の有効求人倍率は1.83倍と高い値を示しておりまして、正社員の有効求人倍率は1.47倍となり、前年度比を0.29ポイント上回る中、県内企業からは人手不足という声が大きくなってきております。  そこで、先月1日の外国人技能実習制度の見直しに伴い、技能検定取得により、この技能実習生の在留期間の延長が可能となるほか、対象職種に介護職が追加されましたが、これらの見直しは県内企業等にどのような影響があると考えているのか、そしてまた、県は実習生の技能検定の資格取得に向けてどのように取り組むのかを、伍嶋商工労働部長にお伺いいたします。  次に、富山県の基幹産業である医薬品産業に係る質問であります。  報道によりますと、国の薬価制度の抜本改革案が示され、新薬創出等加算を、要件を満たす革新性のある新薬に厳格化するとともに、長期収載品をさらに引き下げ、6年かけて後発品の薬価にそろえるというもので、新薬メーカーは長期収載品から撤退の検討を迫るなど、まさに長期収載品に依存した事業モデルから脱却して、創薬力の高い産業へと転換を図る抜本的な改革を計画しております。  当然、業界側は猛反発しておりまして、欧米団体からは日本市場への優先的な投資を見直すという発言もあります。国内企業ばかりか外資系も含め、医薬品企業は危機感を表明している状況とのことであります。  そこで、この薬価制度の改革について、国では2年に1度の薬価調査と毎年の値段の改定を実施することを検討しておりますが、改革後、県民や県内企業、そして医療機関等にもたらす影響について、前田厚生部長にお伺いいたします。  この中、県内の医薬品産業のさらなる振興を図るために、薬事研究所において、最新鋭の質量分析計など機器整備を進めておりますが、富山県において今後どのように、バイオ医薬品等の付加価値の高い製品の研究を開発していくのかと、また、県内企業、大学の研究者等の人材育成に活用していくのかを、前田厚生部長にお伺いいたします。  次に、観光振興と魅力あるまちづくりについてであります。  日本橋とやま館の開設から1年半経過いたしました。さらに、富山県の魅力を広くアピールするためには、情報があふれる首都圏において、日本橋とやま館への注目を集め続ける必要が重要であると考えます。どのように取り組んでいくのかを、石井知事にお伺いいたします。  また、各県が首都圏での情報発信にしのぎを削っている中、日本橋には複数の県のアンテナショップが設置されています。そこで、各県と連携して情報発信を行うことが、発信力の強化につながると考えますが、今後、どのように取り組んでいくのか、蔵堀観光・交通・地域振興局長にお伺いいたします。  次に、富山県営武道館の建てかえについての質問です。  富山駅北にあるこの施設の柔道場は、国際ルールに基づくと狭小で、選手がけがをする危険性がとても高く、議会でも何度も取り上げていただいているところであります。  本年、中川忠昭先輩が武道協議会を設立されまして、本格的に総合武道場の建設に関して、各武道団体から6万名もの署名とともに要望をされ、また、継続して署名活動を続けているところであります。オリンピック選手を輩出している富山県柔道連盟としても、あくまでも武道協議会の要望どおり、環境負荷のない総合武道場の建設を要望しているところであります。  選手の育成環境充実の観点からも、武道を初めとする屋内スポーツの拠点施設の整備が必要であり、本年度、予算化されておりますニーズ調査等の進捗状況はどうかということを、山本総合政策局長にお伺いいたします。  次に、県民の安全・安心についての質問です。  初めに、子供医療費、ひとり親医療費、妊産婦医療費、障害者医療費等の各種県単医療費助成における、福祉医療費請求書の電子データ化についての質問をいたします。  さきの議会におきましても、永森議員から質問がございました。この施策は、県民の利便性の向上や市町村の事務分担の軽減につながることから、市町村の意向も踏まえ、スピード感を持って、医師会や関係団体との調整をとりながら取り組むべきと考えております。  このことに関しまして、県の支援策も含めた現状の検討状況と、今後のスケジュールにつきまして、石井知事にお伺いいたしたいと思います。  最後になりますが、大分時間も余っておりますが、近年、台風や集中豪雨により、浸水被害が各所に発生しております。県内の浸水被害エリアにおける浸水対策にどのように取り組んでいるのか、そしてまた、先日の台風21号により住宅浸水被害のあった地域、特に富山市の神明地区西本郷、ここでは平成16年の豪雨に続き2回目の住宅浸水被害があったということは、住民の方から切に要望されております。  この地域におきまして、今後、どのような対策に取り組むのか、加藤土木部長にお伺いいたします。  この課題が解決できなければ、私は、この県議会議員をやめることができません。早急な事業実行を切にお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 82 ◯議長(稗苗清吉君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 83 ◯知事(石井隆一君)浅岡議員の御質問にお答えいたします。  まず、水素ビジョンの方向性についてであります。  国におきましては、平成26年に水素燃料電池戦略ロードマップを策定しまして、今年中に、水素基本戦略が策定されますなど、水素社会の実現に向けた取り組みが加速されております。  そこで、本県の特性としては、富山県側でも屈指の副生水素を由来とする大規模な水素製造拠点を有する、そういった企業もおられます。また、首都圏、中京圏、関西圏の日本海側の結節点にちょうどこの富山県が当たりますし、日本海側への水素ベルト延伸に当たっての拠点性を発揮することができる、また、日本海側屈指のものづくり県として、アルミなど、素材に関する生産基盤や、自動車産業などで培われた、すぐれた加工・組み立て技術を有する企業、これは枚挙にいとまはありませんが、集積しまして、そして、水素関連産業への新規参入や技術開発などの取り組みが期待されると、今年度新たに、とやま水素インフラ研究会というのもつくっておるわけであります。  また、環境意識が高い県民の皆さんに、この水素エネルギー利活用の拡大ということについての期待が見られますことから、今後は本県の特徴を生かした水素社会の実現を図るためのビジョンを策定することとしまして、先般も水素ステーション整備のため、県内企業が主体となる協議会が設立もされております。  今回、東京大学名誉教授でもいらっしゃる橘川武郎先生に委員会の座長をお願いして、先月、第1回の策定委員会を開催いたしました。  その際、委員の皆さんからは、水素供給の拠点性を生かしたインフラ整備を進めてほしいと、また、ものづくりが盛んであり、水素関連の幅広い産業振興が図られること、FCV普及を見据えた取り組みも考えられるわけですし、また、水素の利活用について県民意識の醸成を図るべきだといったような御意見、さらには、こうした観点を盛り込んだ富山ならではのビジョンを策定することが重要で、かつ、単に理念で終わるのではなく、具体的な施策も盛り込んでほしいと、こういったような御意見があったところでございます。  県としましては、今後、本県における水素エネルギーの利活用につきまして、いろいろと整理すべき課題もございますけれども、国等の動向や、また、本県の地域資源や立地条件、インフラ等の産業基盤などの地域特性を十分に踏まえまして、日本海側有数の水素普及拠点、先ほど申し上げたように、副生水素、天然ガスパイプラインなどの水素製造と、また、交通インフラも整備されているということもあります。そうした役割や機能の向上をさらに図る、また、環境負荷の少ない地域社会の形成、これは、水素エネルギーの利用拡大をしますと当然CO2の排出抑制にもつながります。また、次世代自動車や高機能アルミの生産などによる水素関連産業の活性化、アルミはスチールに比べて水素にも強いと、そういう特色もあります。  そういった論点もしっかりと踏まえて、策定委員会において具体的な検討を進めまして、水素エネルギーの普及が、県民生活の向上や、また、富山県の産業振興につながる、そういうしっかりしたビジョンとなりますように、取りまとめに努力してまいります。  次に、奨学金返還助成制度についてお答えをいたします。  富山県理工系・薬学部生対象奨学金返還助成制度は、地域産業の中核となる人材のUIJターン就職の促進のため、登録企業と県が奨学金の2分の1相当額をそれぞれ出捐しまして、UIJターンにより就職した学生の奨学金返還を助成しているというものであります。  本制度の支援対象は、日本海側有数のものづくり県であり、また、歴史的な薬都を形成してきた本県の産業振興を支えるという観点から、高度な能力を有して即戦力となる理工系大学院生と薬学部の学生を対象としております。  また、薬学部生については、今年度から、対象期間を6年間分まで拡大しまして、全国トップクラスの支給水準としたところでありまして、この結果、今年度は15名の学生から応募がございました。  来年度からの奨学金返還助成制度ですけれども、県内での人手不足、むしろ従来以上に一層深刻な面もございますから、県外の優秀な理工系人材を確保したいという県内企業の意見も踏まえまして、その支給対象を、これまでの理工系の大学院生と薬学部生に加えて、県外からUIJターンされます理工系の学部生にも拡充したところでございます。  議員に御評価をいただきましたけれども、大変ありがたいんですが、ただ、対象学生を文系の学部生まで拡充するということについては、これ、やはり返還金は県と企業と折半としておりますから、企業側のニーズを十分に踏まえることが必要でありまして、実は、今回の対象範囲の見直しに当たって、企業側のニーズを改めて伺ったところ、皆さん多くの企業は、まずは優秀な理工系学部生の確保を優先したいということでありましたので、当面は、まずはこの枠組みで進めたいと思っております。  来年度に向けて現在55社の企業が参加されているんですけれども、より多くの企業に登録いただきますために、昨年よりも早い、去年は11月末から声をかけたんですけれども、ことしは10月から企業を職員がそれぞれ訪問して、できるだけ丁寧な御説明も行って、また、学生募集については、11月から職員による大学訪問を開始しておりまして、既に75ぐらいの大学を訪問しております。  今後、理工系の学会、例えば日本物理学会とか建築学会とかそういった学会や、また、大学の学生寮、学生団体における広報ですとか、また、保護者宛てのダイレクトメールを送付する、また、さきの議論にもありましたけれども、フリーペーパーとかSNSで全国の大学に情報発信を行う、理系女子学生コミュニティ凛というのもあるんだそうでありまして、こういったところとも連携して、なるべく早い時期から制度のPRを行っております。  県としましては、今後とも、今般の理工系学部生への対象拡大を含めまして、奨学金返還助成制度の内容について、企業や学生双方に従来以上に強力なPRを行いまして、できるだけ将来の富山県を担う優秀な人材の確保に努めてまいります。  次に、日本橋とやま館についてでございます。  議員の御指摘のとおり、何といっても情報があふれる首都圏でありますから、そこで富山県の魅力をしっかりアピールする、また、記憶にとどめていただくというためには、コンセプトを明確にして、魅力ある店舗づくりや、また、来館した方、1度来たからまあいいやということではなくて、やっぱり2度3度と来ていただける、飽きさせない仕掛けづくりというものが重要だと思います。  まず、魅力ある店舗づくりとしましては、県産材をふんだんに使用した上質感のあるしつらえ、これは昨年のウッドデザイン賞の優秀賞を、これは林野庁長官賞ですけれども、これをいただきましたし、このたび日本空間デザイン賞も受賞いたしております。  また、アンテナショップで全国で初めてとなります、外国人観光案内所にも認定されまして、英語対応可能なコンシェルジュによる丁寧な接客を行う、また、大きな木のカウンターを備えた地酒の飲み比べができるバーラウンジなど、他の県の店舗にはない特徴を生かして、館全体で富山の日常の良質なライフスタイルの発信に努めております。  また、来館者を飽きさせない仕掛けづくりとしましては、正面入り口から入ってすぐ目に入る場所での富山の旬の食材や祭り、例えば、おわらとか高岡御車山祭などの館内ディスプレイとか、物販や和食レストラン、バーラウンジでの季節に応じた新商品、例えば、「富富富」とか、富山の地酒が入ったキットカットとか、あるいは新しいメニューで白エビ天むすとか高志の紅ガニですとか、いろんな新メニューの提供も行う、また、幸い通りからもよく見えるようなショーウインドウも活用いたしまして、切れ目なく魅力発信のためのイベントを、これは市町村とも連携して進めておりまして、先週1週間は、富山湾の新鮮な魚の販売とPRを行う、おさかなマルシェというのを初めて開催したところであります。  また、これらを毎月発行するフリーペーパーや、またホームページ、またフェイスブックなどのSNSを活用した情報発信を行っております。さらに、日本橋地域のイベントへの参加や、三越日本橋本店での富山の伝統工芸品の展示販売イベントの実施など、日本橋地域との連携強化にも積極的に取り組んでおります。  こうした中、大変うれしいんですけれども、日本橋とやま館を訪れて、富山の魅力に触れる機会が多くなった三越側のほうから、富山の魅力発信につながる提案が寄せられるような関係が構築されたり、協力依頼がございまして、今後、三越側の提案で12月下旬から、全国の三越の上得意のお客さん向けの通信販売に富山県産の3品が採用されることになりました。ブリ尽くしセットとか、氷見牛のロースステーキ、ロースすき焼き用、富山干し柿、こういったようなものであります。  また、年明けの1月10日からの1週間、三越日本橋本店で、氷見ブリや高志の紅ガニ、ますずし、かぶらずしなどの富山県産品の販売ですとか、また、富山湾鮨、高志の紅ガニと白エビの紅白の丼ぶりの飲食コーナーを設ける、また、同じく1月17日から1週間、伊勢丹の新宿本店でも、この富山県産、例えば氷見ブリとかゲンゲとか、大門素麺、こういったものを販売しようと、これは、やっぱり三越さん、何といっても日本を代表する老舗の百貨店ですから、2店舗連続での富山フェアを実施していただくというのは大変うれしいことで、これからも連携を深めてまいりたいと思います。  今後も日本橋とやま館の魅力向上とネットワークの拡大に努めまして、多様な手段で富山の魅力発信に積極的に取り組んでまいります。  最後に、福祉医療費請求書の電子データ化についてでございます。  福祉医療費請求書の電子データ化につきましては、子育て家庭への円滑な医療提供と負担軽減につながりますので、現在、県が主導しまして、市町村や関係機関と事務レベルで協議を進めております。  市町村との協議の過程では、乳幼児医療費助成だけではなくて、妊産婦やひとり親家庭等の医療費助成など、すべての現物給付方式の医療費助成について、同時に電子データ化を進めてはどうかという御意見もありましたので、改めて全市町村に意向を確認しましたところ、現物給付方式のすべての医療費助成を対象にすることについて、おおむね意見集約がなされました。  これを踏まえまして、現在、県では、電子データ化の実現に向けて、市町村とスケジュール感を共有しながら、県医師会など、関係機関、例えば歯科医師会とか薬剤師会とか、社会保険診療報酬支払基金とか、そういった関係機関と調整を進めております。  利用者の利便性を考慮しますと、できるだけ早く電子データ化を進めるべきなんですけれども、一方で市町村からは、必要なシステム改修がすべての市町村で完了するには1年程度かかるというふうに伺っております。  そこで、県医師会など関係機関との調整を円滑に進めるとともに、さらに平成30年度に15市町村が足並みをそろえてシステム改修等を完了していただくということで進めておりまして、これがうまくいきますれば、平成31年度から全県統一的に実施したいと思っております。  また、県の支援策ですけれども、市町村からはシステム改修に係る財政支援を求める意見もあるわけですけれども、電子データ化は住民の利便性の向上はもちろんですけれども、市町村にとっても事務負担の軽減など、大きなメリットがございます。そうしたことから、県の財政支援の有無にかかわらず、市町村にとっては、一定の財政的、事務的なメリットがあるとは思いますけれども、各市町村のシステム改修経費の実情なども伺いながら、平成30年度当初予算編成において、県としての支援のあり方を、せっかく議員の御質問でもございますから検討してまいります。  以上であります。 84 ◯議長(稗苗清吉君)伍嶋商工労働部長。    〔商工労働部長伍嶋二美男君登壇〕 85 ◯商工労働部長(伍嶋二美男君)まず、再生可能エネルギーの活用についての御質問にお答えをいたします。  本県は、包蔵水力や地熱資源量がともに全国2位でありまして、こうした資源を再生可能エネルギーとして開発し、その導入促進に積極的に取り組むことが重要であると考えております。  このため県では、平成26年4月に策定いたしました、再生可能エネルギービジョンに基づきまして、農業用水などを活用した小水力発電の整備を推進してきておりまして、現在、42カ所が運転中であり、小水力発電の設備容量は全国1位となっております。  また、地熱発電につきましては、県の企業局におきまして、多くの地熱兆候が確認されました立山温泉地域におきまして、県内初の導入に向けて、地下の熱分布や地質構造などを調査しているところであります。  これらの小水力や地熱の取り組みに加えまして、今後の新たな取り組みとしては、議員のおっしゃったとおり、昨年度開催した再生可能エネルギー等推進会議におきまして協議をしておりまして、具体的には富山物質循環フレームワークなどを踏まえたバイオマスなどの導入促進や、水素社会の実現に向けた水素インフラの整備、さらには日本海側の表層型メタンハイドレートの開発促進など、本県の地理的特性や強みを生かした新たなエネルギーの導入に向けた取り組みが盛り込まれたところであります。  県としては、今後とも、本県の地理的条件などを十分に生かして、水力などを中心とする生産効率の高い再生可能エネルギーのさらなる活用に向けまして、事業者や市町村とも連携しながら積極的に取り組んでまいります。  次に、外国人技能実習制度の見直しについての御質問にお答えをいたします。  新たな技能実習法は、技能実習制度の適正な実施や実習生の保護を図るとともに、その利用実績が優良な企業や監理団体に限定して制度の拡充を図るものとされております。  今般の見直しによりまして、技能実習生の受け入れ企業等では、これまで以上に適正な実施が求められることから、県内の企業からは、経費や手続の面などでの負担が増えるといった声がございます。  一方、優良と認められる企業等においては、優秀な技能実習生が増加をいたしまして、高度な技能を最長5年間で習得することにより、実習先でのさらなる活躍が期待できるものと考えております。  また、今回、新たに追加された介護分野につきましては、技能実習制度で初めての対人サービス職種となるため、個別の要件がいろいろ課せられておりまして、現在、各介護施設等で制度内容の確認や実習生の受け入れ対応についての検討がなされているという段階であると聞いております。
     また、新たな制度では、4年目以降も技能実習を継続するためには、技能検定3級の合格が必須とされていますことから、県では、その合格を目指す技能実習生を支援するための技能向上講習を実施いたしますほか、実習生の技能検定受験者の増加に対応するため、検定を実施いたします職業能力開発協会に、ことし4月から担当者2名を増員したところであります。  県としては、今後とも、外国人技能実習生を受け入れる企業や監理団体等への支援を通じまして、本制度の適正かつ円滑な利用が図られるよう努めてまいります。  以上でございます。 86 ◯議長(稗苗清吉君)須沼公営企業管理者。    〔公営企業管理者須沼英俊君登壇〕 87 ◯公営企業管理者(須沼英俊君)既設水力発電所の発電量の増加についての御質問にお答えいたします。  県では、本県の再生可能エネルギーの導入促進の一環といたしまして、豊かな水資源や急流な河川を活用して、小水力発電など、水力発電を積極的に進めてきております。  この水力発電所の発電量の決定要素は3つありまして、まず、取水口と発電所との高低差、これと、発電に使用する単位時間当たりの水量、また、水車や発電機のエネルギー変換効率となっておりますので、これらのいずれかを増加または向上させることによりまして発電量が増加することとなります。  具体的には、発電所の主要設備の全面更新、いわゆるリプレースと呼んでおりますが、これによる取水位置変更等によりまして発電量が増加できますが、これには計画策定から建設まで長期間を要し、また、多額の費用が必要となりますので、短期的かつ効果的な方策として、議員よりお話のありました、既存の発電所において、経年劣化した水車や発電機を更新する際に、最新技術により水車発電機の効率を向上させ、出力を増加させることが有効な方策の1つと考えております。  このため、県では、企業局所管の県営八尾発電所におきまして、来年度予定しておりますオーバーホールにおきまして、企業局としては初めての取り組みとなりますが、老朽化した水車、これは昭和38年以来53年間使用しておりましたが、この水車を最新の流れ解析技術によって最も効果的に水が流れる水車形状に変更することで、エネルギー変換効率の向上を図り、発電量を増加させることとしております。  現在、この水車製作の発注に向けて取り組みを進めているところでありますが、新しい水車が稼働すれば、出力80キロワットの小水力発電所1基分に匹敵する、年間約40万キロワットアワーの発電量の増加が見込まれると期待しているところでございます。  今後とも、再生可能エネルギー導入促進といった観点からも、老朽化した水車更新等の機会を捉えるなど、水車や発電機のエネルギー変換効率の向上を検討するとともに、リプレースなどによる既設発電所の出力増加につきましても、計画的に取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上でございます。 88 ◯議長(稗苗清吉君)山本総合政策局長。    〔総合政策局長山本 修君登壇〕 89 ◯総合政策局長(山本 修君)質問を5ついただいておりますので、順次、お答えいたします。  まず、大学コンソーシアム富山の活動状況等の御質問についてでございます。  大学コンソーシアム富山は、平成25年4月の設立以来、県内の7つの高等教育機関が連携して教育研究や地域貢献活動の充実に取り組まれており、現在、各高等教育機関が履修単位の相互承認を行う単位互換の実施、高校と大学の関係者が意見交換し、高等学校教育と大学等の教育との教育接続について相互理解を深め、連携を図る高大連携、また、研究者や学生が研究を通じ富山の魅力を発見する、地域と協働して地域課題の解決策を提案する取り組み、また、さらに、研究成果を広く還元する公開講座、学生に県内企業の魅力を伝える合同企業訪問などの活動に取り組んでおります。  こうした大学コンソーシアム富山の取り組みをさらに推進するため、県が現在整備を進めております富山駅前CiCビルの研修室を活用し、単位互換授業をさらに充実させますとともに、その立地のよさを生かして、県内高等教育機関合同の進学説明会や県内企業就職説明会などの若者の県内定着に係る事業でありますとか、各大学教員による公開講座や、教員、学生による地域課題解決事業などの地域貢献事業、また、海外展開する企業の経営者等による特別講義や、高校と大学の連携のためのセミナーなどの教育支援事業に、積極的に活用いただきたいと考えております。  県といたしましては、今後、県内高等教育機関の振興と魅力向上による若者の県外流出の抑制や県内定着促進の観点から、大学コンソーシアムの取り組みは一層重要となっていくと考えておりまして、引き続き、大学コンソーシアム富山に対し取り組みの充実を促しますとともに、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。  次に、県内大学での独創的、魅力的な学科の設置に向けた検討についての御質問でございます。  近年、県内の大学では、県民のニーズや県内産業界の要望などに応えると同時に、みずからの魅力向上を図るため、積極的に学部、学科の新設等を行っておられます。  例えば、県立大学では、本年4月に医薬品工学科を新設したほか、30年度には知能ロボット工学科、31年度には看護学部の設置を予定しております。また、富山国際大学では、平成21年度に子ども育成学部を新設され、富山大学においても、30年度に都市デザイン学部の新設を予定しているところでございます。  議員御提案の新しい学部、学科の設置につきましては、卒業生の県内定着でありますとか産学連携などを考えますと、地元企業などのニーズ、教員の確保見通しなどについて十分検討する必要があり、なかなか難しい問題でございますが、個々の大学を見ますと、例えば富山大学では御紹介いただいた富山湾における新種のクリオネの発見でありますとか、富山湾の微生物、海洋生物や立山の氷河など、富山湾や立山をフィールドとした研究、また、スーパーカミオカンデとの連携などを行っておるところでございます。  さらに、県立大学におきましても、立山の大気汚染や黄砂などの環境の研究や、日本海のメタンハイドレートの探索が行われるなど、各大学において、地域に根づいた独創的、魅力的な研究に取り組まれており、県としても、当面は、こうした富山湾あるいは立山連峰など、本県やその周辺の地域資源にかかわる研究が大学の魅力向上につながるよう、各大学と連携をしてまいりたいと考えております。  さらに、こうした各大学の独自の取り組みに加え、今ほどお答えした大学コンソーシアム富山の機能強化など、県内大学が連携した教育研究の充実や魅力向上の取り組みを進められております。  県としては、こうした取り組みを引き続き支援いたしますとともに、各大学がそれぞれの強み、あるいは特色を生かしながら、さらに連携協力していくことが重要であると考えておりまして、今後、例えば本県の中核的な産業である医薬品やアルミ分野で、富山大学や県立大学と連携して、産学官によるコンソーシアムを設置することを検討しており、こうした取り組みを通じ、各大学の教育研究の充実や知名度の向上、ひいては県内大学全体の魅力向上に努めてまいります。  3つ目は、ASEAN地域等からの外国人留学生受入・定着促進事業についてです。  この事業は、県内企業と合同で、ASEAN地域等からの留学生を大学院への就学から就職まで一体的に支援、例えば学費、生活費などを県と企業で折半するものでございますが、経済成長著しいASEAN地域などに対する県内企業の人材ニーズの高まりに応えますとともに、少子高齢化や人口減少が進む中、県内企業のグローバル化の推進でありますとか人材確保を支援することにより、本県経済の活性化を図ることなどを狙いとしておるところでございます。  本事業では、平成27年度から3期にわたり留学生の募集を行っております。1期生につきましては、3カ国から5名の方が来ておりまして、現在、大学院修士2年生であり、来年度の受け入れ企業への就職を目指し、専門分野の研究に励んでおられます。2期生は3カ国から4名の方が来ておられまして、ことし秋に研究生として来日したばかりでございまして、大学院入試に向けて、日本語や専門分野の学習を開始したところでございます。また、3期生につきましては、このほど学生募集を開始したところとなっております。  現地のエージェントや大学関係者、大使館などから、この事業に対する現地の評判は非常に高いと伺っておりまして、これまで極めて高い応募倍率となっております。例えば1期生におきましては、82.4倍、2期生については151.4倍の高倍率でございます。  また、県内大学からも、優秀な留学生の確保及び県内定着の両面から高く評価をいただいておりまして、加えて、県内企業からは、事業開始3年目となることしも募集枠いっぱいの5社から応募があり、業種も広がっておりますことから、県内経済界への期待も高まっているものと考えております。  今後とも、留学生が順調に修了、就職し、受け入れ企業で活躍できるよう、県内大学や企業と連携し、しっかりと支援に取り組んでまいります。  4つ目は、海外技術研修員等受入事業についてです。  海外技術研修員等の受け入れにつきましては、近年は友好提携先や海外県人会等からの推薦に基づき研修員を受け入れ、技術の習得及び県民とのふれあいを通じ、母国の発展に貢献し得る人材の育成を図りますとともに、国際親善の増進に寄与しており、過去10年で50名の研修員を受け入れておるところでございます。  また、平成21年度からは、多文化共生推進研修員として、友好提携先のブラジル・サンパウロ州から教育経験のある人材を受け入れ、ブラジル人の多い高岡市内の小学校で、教育制度の研修を兼ね、外国籍児童への学習支援に従事してもらっており、9年間で9名の研修を受け入れてきたところでございます。  先日、今年度の研修員6名について、研修機関の企業、団体や学校の皆様の御出席のもと、研修修了式を実施し、研修成果の発表がございました。具体的には、研修期間での奮闘ぶりや、研修の一環として行きました立山登山の思い出などが報告され、大変充実した研修であったことが窺えたところでございます。  研修機関からも、「熱心に研修に取り組み、社員に刺激になった」でありますとか、「外国人の視点が新鮮だった」、「業務上も大変助かった」など、この事業を高く評価する声をいただいたところでございまして、さらに、県日中友好団体連合会など、国際交流団体にも研修員の受け入れを支援いただいており、多くの県民とのふれあいを通じ、国際親善の増進にも大きく寄与したものと考えております。  この事業は、技術移転を通じた友好提携先との人的交流の柱の1つとして、また、県内の外国人住民が増加している中で、職場内に外国人を受け入れることによる多文化共生推進の観点からも、大変意義深い事業と考えており、引き続きしっかり取り組んでまいります。  最後に、新たなスポーツ文化等多目的施設のニーズ調査等の御質問にお答えいたします。  新たなスポーツ文化等多目的施設に関する調査については、今年度、他県における類似の施設の規模や利用状況、管理費などの調査を行いますとともに、県民の健康状態や運動、スポーツに関して、健康と運動・スポーツに関する県民意識調査として今月から実施しており、その中で、スポーツやコンサートなどの文化イベントなど、多目的に利用できる全天候型アリーナや屋内グラウンドの整備に対する県民のニーズを把握することとしております。  この調査は、無作為に抽出した県民1,200名に対し調査票を送付し回答いただくものであり、今年度末には調査結果を取りまとめる予定でございます。  この新しい全天候型施設整備については、2020東京オリンピック・パラリンピックとやま戦略会議で話題となったほか、昨年9月の富山県経済・文化長期ビジョンに盛り込まれた夢のある計画でございますが、実施に当たっては国、地方を通じた厳しい財政事情も考慮する必要がございます。  議員からは、新たな武道館整備のお話もありましたが、今後、現在実施しております県民意識調査の結果などを踏まえ、新たな多目的スポーツ施設の整備の必要性や機能を含め、本県の目指すスポーツ振興施策について、さまざまな観点から研究してまいりたいと考えております。  以上でございます。 90 ◯議長(稗苗清吉君)前田厚生部長。    〔厚生部長前田彰久君登壇〕 91 ◯厚生部長(前田彰久君)国の薬価制度改正に係る御質問にお答えをいたします。  薬価制度の改革については、先月22日に開催されました国の中央社会保険医療協議会、中医協の薬価専門部会におきまして、2年に1度の薬価改定の間の年度に、すべての医薬品卸から、全品目の薬価調査を実施すること、薬価改定の対象品目の範囲については、できる限り広くすることが適当であると示されたところであります。  ただし、平成31年度は消費税率の引き上げが予定されておりまして、全品目の薬価改定が行われます。したがって、平成30年度から平成32年度までの3年間は継続して全品目の薬価改定が行われますことから、今ほどの薬価改定の対象品目の範囲については、市場実勢価格の推移、薬価差の状況等を把握した上で、平成32年中に設定されることとされております。  仮に毎年、薬価調査と薬価改定が行われた場合には、まず、県民に対しては、市場実勢価格が適時に薬価に反映されることから、県民の負担を抑制することにつながると考えております。  次に、医療機関や薬局、医薬品販売業者等については、薬価改定前後の在庫管理や、薬価調査の毎年の実施は新たな負担となります。また、県内製薬企業については、市場実勢価格を踏まえ、毎年薬価が引き下げられるリスクが生じることから、収益の低下による経営への影響が懸念されると考えております。  続きまして、薬事研究所を活用した研究開発、人材育成についてお答えをいたします。  本県の医薬品産業が今後とも発展していくためには、バイオ医薬品や高薬理活性医薬品などの付加価値の高い製品の開発、製造などを促進していくことが、今ほどの薬価改定等もございますので重要であると考えております。  県では、県薬事研究所に、高度な分析機器等を25機器整備した未来創薬開発支援分析センター、仮称でございますが、これを開設しまして、県内企業等における医薬品の研究開発の促進と、医薬品産業を支える人材の育成を図ることとしております。  具体的には、新たに整備する質量分析計は、高感度に物質の化学組成の推定が可能でありまして、バイオ医薬品の構造推定や薬理活性物質の組成推定に活用が可能であります。また、高速液体クロマトグラフは、さまざまな成分を迅速に分析することが可能でありまして、バイオ医薬品にかかわるたんぱく質やアミノ酸等の分析に活用が可能であります。  さらに、相談室も3室整備し、研究開発や品質管理等の相談に対応することとしております。  また、人材育成につきましては、薬事研究所では県内製薬企業、県内大学と共同研究を行うとともに、富山大学と連携して、製剤実習を行ってきたところでありますが、今後はセンターに整備する機器等を活用しまして、県立大学の医薬品工学科とも連携して、人材育成や共同研究を実施する予定としております。  県としては、今後とも、産学官の連携を積極的に進め、世界に注目される薬都とやまの実現を目指し、一層努力をしてまいります。 92 ◯議長(稗苗清吉君)蔵堀観光・交通・地域振興局長。    〔観光・交通・地域振興局長蔵堀祐一君登壇〕 93 ◯観光・交通・地域振興局長(蔵堀祐一君)日本橋のアンテナショップについて、各県と連携して情報発信してはどうかとの御質問にお答えをいたします。  首都圏には多数の自治体のアンテナショップが開設されておりますけれども、アンテナショップめぐりを楽しむ方々も多いことから、他県のアンテナショップと連携をいたしまして、相互に集客を図っていくことが大切だと考えております。  これまでも複数の県の連携によりますスタンプラリーの実施ですとか、2県の連携による相互の魅力発信イベントの実施などを行ってきたところでございます。  具体的には、日本橋地域には、本県のほかに島根県、奈良県、三重県、福島県、長崎県のアンテナショップが設置をされておりまして、10月末には滋賀県のアンテナショップも新たに開設をされたところでございます。これで7県のアンテナショップが日本橋エリアにあるわけですが、これらのアンテナショップ同士が連携をいたしまして、各店舗をめぐるスタンプラリーを夏と春に実施いたしておりますほか、東京都などが実施をしております都内全域のアンテナショップをめぐるスタンプラリーにも参加をしているところでございます。  また、他県とアンテナショップを活用した連携事業も行っておりまして、例えば長野県との連携事業では、銀座にあります長野県のアンテナショップで富山湾の魚を用いた料理実演を開催いたしまして、日本橋とやま館では信州ワインの販売とPRを行うなど、相互にそれぞれの県の魅力発信を実施しているところでございます。  また、来年1月から3月には三重県のアンテナショップと連携をいたしまして、氷見牛と松阪牛ですとか、富山湾の魚と伊勢湾の魚といったように、両県の特産食材に関するトークショーあるいは試食会を開催する予定といたしております。  今後とも、本県から他県への連携を働きかけることなどによりまして、各県と協力しながら効果的な情報発信に努めてまいります。 94 ◯議長(稗苗清吉君)加藤土木部長。    〔土木部長加藤昭悦君登壇〕 95 ◯土木部長(加藤昭悦君)県内の浸水被害エリアにおける浸水対策の取り組み及び台風21号による住宅浸水被害のあった地区における、今後の対策についての御質問にお答えをいたします。  県では、浸水対策として、緊急度や重要度を考慮いたしまして、過去に大きな浸水被害が発生いたしました河川や、近年局地的な集中豪雨等により住宅地等への被害があった河川におきまして、計画的かつ重点的に河川整備等を進めているところであります。  今回の台風21号では、小矢部川で氾濫危険水位に達したほか、井田川で観測史上4位の水位を観測するなど、記録的な大雨があり、井田川右岸の地区などで住宅の浸水被害が発生したところであります。  井田川右岸のうち、議員御指摘の神明地区を流れます田島川におきましては、これまでに国や市と連携し実施いたしました河道掘削やしゅんせつなどの河川の流下能力向上対策、あるいは2カ所の調整池整備などの河川への流出抑制策、そして、久郷排水機場のポンプなどが今回機能いたしましたことから、平成16年10月の台風23号では約100戸の床上・床下浸水があったところ、効果が発現したものと考えておりますが、今回の台風21号では床下浸水が2戸発生といった状況にありまして、引き続き国、県、市といった関係機関によります勉強会を継続いたしまして、河川の流下能力を高めるためのしゅんせつ、伐木、ポンプ車の配備に関する連絡体制の充実強化などの対策に取り組んでまいります。  以上でございます。 96 ◯議長(稗苗清吉君)以上で、浅岡弘彦君の質問は終了しました。  以上をもって本日の一般質問、質疑を終了いたします。  これをもって県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終了いたします。           常任委員会への審査付託 97 ◯議長(稗苗清吉君)次に、ただいま議題となっております議案第111号から議案第166号まで、議案第168号から議案第172号まで及び報告第18号については、お手元にお配りした議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 98 ◯議長(稗苗清吉君)次に、お諮りいたします。  議案調査のため、明12月6日及び8日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 99 ◯議長(稗苗清吉君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次に、議会の日程を申し上げます。  12月7日及び11日は予算特別委員会を、12日は常任委員会及び議会運営委員会を開催いたします。  次回の本会議は12月13日に再開し、諸案件の審議を行います。  本日はこれをもって散会いたします。  午後4時43分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...