• JAMP(/)
ツイート シェア
  1. 富山県議会 2017-06-01
    平成29年6月定例会 一般質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前10時02分開議 ◯議長(稗苗清吉君)ただいまから本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。     県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑 2 ◯議長(稗苗清吉君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第65号から議案第80号まで及び報告第3号から報告第11号までを議題といたします。  これより各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  藤井裕久君。    〔19番藤井裕久君登壇〕 3 ◯19番(藤井裕久君)皆さん、おはようございます。  早速、通告に従って質問をさせていただきます。  まず、第1問目でありますが、本県の農林水産業の振興について8問、問わせていただきます。  去る5月28日、天皇皇后両陛下が御臨席いただく中、第68回全国植樹祭が魚津市の桃山運動公園をメイン会場に開催され、大会関係者のみならず多くの県民が参加し、県民の森林保護の大切さへの意識、このことは大いに高まっていると実感しております。  本県には県民の誇りである豊かな森林資源が数多くあり、今後とも県民が森を身近に感じながら森づくりの大切さに理解を深めていくことは、県民参加の森づくりの推進にとって非常に大切なものと考えるわけであります。  そこで、その大切な原資ともなってきた水と緑の森づくり税森林環境税、これは仮称でありますが、これについて質問させていただきたいと思います。  県が平成19年に水と緑の森づくり税を導入してから10年が経過したわけであります。以来、多くの県民とともに取り組む里山整備などに有効に活用され、着実に森林整備の実績を重ねてきましたが、これまでの実績をどう評価しているのか、石井知事に伺うものであります。  昨今、国においては森林環境税導入に向けた動きが本格化しております。平成29年与党税制改正大綱において、本年度末までに制度設計を行う方針が示され、総務省は4月に有識者検討会を設置し、具体的な案づくりに乗り出しております。中山間地では林業従事者の高齢化や人手不足などにより間伐などの手入れが十分行えず森林の荒廃が進む中、森林整備等に要する財源が安定的に確保され、国民全体で負担するという点では望ましい税であり、その税額は現場を抱える地方の財源としてしっかりと確保されるべきものであると考えるわけであります。  しかし、この森林環境税は国が個人住民税に上乗せする形で徴収し市町村に配分する仕組みが想定されており、森林整備等に係る県と市町村の役割分担や連携協力をどう図っていくかが今後の大きな課題になってくるわけであります。  そこで、現在の林業行政における県と市町村の役割はどうなっているのか、また、今後どのように連携協力を図っていくのか、伍嶋農林水産部長に伺います。  今後、水と緑の森づくり税を維持しながら、さらに森林環境税が新たに課税された場合に、県独自に同様の徴収方法で導入して、法人にも負担をお願いしている水と緑の森づくり税との関係をどう調整していくのか、県民の十分な理解が得られるのかどうかなどの課題があります。
     そこで、国において現在検討されている森林環境税について、どのような制度設計が望ましいと考えるのか、全国知事会の地方税財政常任委員会委員長でもある石井知事の所見を伺うものであります。  全国植樹祭を機に本県固有の樹木のさらなる活用を図るべきだと考えております。  全国植樹祭では、天皇皇后両陛下がお手植えされました。天皇陛下が優良無花粉スギ「立山 森の輝き」、コシノヒガン、ヒメコマツを、皇后陛下がコシノフユザクラ、キタコブシ、ホオノキをお手植えされたわけであります。これらの富山県を代表する樹種につきましては、森林整備や観光名所の創出、環境教育などさまざまな面での利活用が期待されているわけであります。  そこで、優良無花粉スギ「立山 森の輝き」についてであります。植樹祭の際には、山本農林水産大臣県立魚津採種園を視察され、開発の経過や今後の増産計画などについて説明を受けられ、花粉症の人や森林の循環利用にとってとても朗報だと評価されました。その上で、苗木の首都圏出荷に向けて石井知事と協議を進めていく考えを示されたわけであります。  そこで、現在までの優良無花粉スギ「立山 森の輝き」の普及に向けた取り組みの状況、そして今後の普及に向けた計画はどうか、伍嶋農林水産部長に伺うものであります。  次に、本県の固有種であるコシノフユザクラについて伺います。平成19年に新品種として発表されたコシノフユザクラは、晩秋と春に二度咲きする本県固有の落葉広葉樹であります。赤と白が混じった花びら、これが散らないことから受験生などにとっても縁起物だと人気が高まっております。  中央植物園などで苗木を育てておられますが、生育状況はどうか、また、知名度はまだまだ低いわけでありますが、例えば富岩運河環水公園など県有施設に植栽し、県内外にPRすることによって観光名所に活用すればどうかと思うわけであります。あわせて、伍嶋農林水産部長に伺います。  次に、集落営農法人を核とした新規就農の促進であります。  本県では全国に先駆けて集落営農を促進してきましたが、農業従事者の高齢化や担い手不足が深刻化し、待ったなしの状態になっています。また、現在の集落営農の規模ではさらなる経営の効率化、多角化を進めるのは非常に困難な状況であります。  広島県では8つの集落営農法人が新会社を設立し、農機作業や事務処理を共同実施するほか、約400ヘクタールを集約して野菜生産に乗り出しております。その上で、新たな雇用を創出する取り組みが進んでいるということであります。  集落営農組織が新規就農を目指す若者の受け皿となり得るよう、それらのさらなる規模拡大を促進してやまないことを考えるわけであります。  そこで、集落営農から地域営農へと集落営農組織の規模拡大と経営体質の強化を図り、大規模化後の組織を地域の農業人材育成の中核として新たな雇用の創出を目指すべきと考えますが、今後の県の対応について伍嶋農林水産部長に伺います。  次に農業用水を利用した小水力発電の整備状況と今後の進め方について伺います。  平成23年10月の土地改良事業における小水力発電施設の取り扱いの見直し、これにより売電収入の充当可能範囲が土地改良区の管理する土地改良施設全体の維持管理費まで拡大されたわけであります。  このことにより本県では、環境・エネルギー先端県の実現に向けた再生可能エネルギービジョンの策定を受け、包蔵水力全国第2位という恵まれた環境を生かして、全国に先駆けて農業用水を利用した小水力発電施設の整備に取り組んできたところであります。  平成24年に適地調査を行って選定した114カ所の候補地、これから採算性や施工性の面を勘案してよい条件の候補地を絞り込んで、平成28年、この年度末までに24カ所が稼働しております。現在、7カ所において整備中であり、また、さきの3月度定例会の我が党宮本県議の質問に対して、本年度に2地区、平成30年度に2地区の基本設計に着手するとの方針が知事から示されたところであります。  これにより平成33年度には、整備目標の33カ所を大きく上回る35カ所の発電所が稼働可能となる見込みであり、環境・エネルギー先端県の実現に向けた取り組みとしては大いに評価できるものと考えるわけであります。  そこで、富山県農業・農村整備計画にのっとって、これまでに設置した小水力発電所の稼働実績や収支状況を踏まえ、新総合計画における環境・エネルギー先端県をさらに深化させる上でも、今後も計画的に整備を進めていく必要があると考えますが、石井知事の所見を伺います。  この項の最後の質問になります。  本県農産品を使用した加工食品の安全・安心への取り組みについて質問させていただきます。  本県では、適正農業規範に基づく農業推進条例の制定により、いち早く県独自に農業生産工程管理、いわゆる富山GAPの取り組みを始めたところであります。来る東京五輪大会をきっかけに、小売業界からGAP認証の取得を求める動きが活発化しており、本県においてはGAP認証への取り組みを加速するとの方針がさきの農林水産委員会において示されたところであります。  一方、東京五輪をきっかけに、本県産の食材の市場開拓を進めることはもちろん、本県産の食材を使用した本県産加工食品の付加価値を高めるためにも、安全で衛生的な製造工程管理のもと生産された加工食品の市場開拓を推し進める必要があると考えるわけであります。  この安全で衛生的な食品製造の管理方法としてHACCPがありますが、本県でも富山県食品安全基本方針に基づき、県内食品加工業者のHACCPの取得を推進してきたところであります。  そこで、本県産の食材を使用した安全で衛生的な加工食品を全国に発信、販売促進するため、県内食品加工業者のHACCPの取得を応援すべきと考えますが、県内の食品加工業者HACCP認証の取得状況、そして今後の取得に対する県の支援策について蔵堀厚生部長に伺い、第1項目の質問を終わります。 4 ◯議長(稗苗清吉君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 5 ◯知事(石井隆一君)藤井議員の御質問にお答えをいたします。  まず、水と緑の森づくり税導入による実績と評価についての御質問であります。  水と緑の森づくり税を活用しました森づくり事業、平成19年度から導入したわけですけれども、これまでの10年で荒廃した里山林の整備を2,628ヘクタール、また、人工林等の杉と広葉樹による混交林化を1,290ヘクタール実施しております。また、後期計画の初年度であります平成24年度から5年間で、杉の伐採跡地に優良無花粉スギ「立山 森の輝き」を苗木9万本生産しまして、42.2ヘクタール植栽しましたほか、カシノナガキクイムシの被害跡地にブナやミズナラなど実のなる木を5万本植栽しますなど、多様な森づくりを推進してきました。  また、県民参加の森づくりにつきましては、とやまの森づくりサポートセンターを通じまして、森林ボランティア団体等森づくり活動に対する支援を行っておりまして、これまで124団体、54企業の登録がなされておりまして、毎年1万人以上の参加を得て、この10年間での参加者は延べ10万人を超えるということでございます。  最初は、この計画をつくったときに、10年後に7,000人ぐらい参加してもらえばなと思っておりましたが、何と本当に28年、3年目ぐらいから1万人を超すようになりまして、本当に県民の皆さんの御熱意にも感激いたしております。  こうした実績も踏まえて、水と緑の森づくり会議とか富山県森林審議会でも森を守る大切さが県民に幅広く理解されているということで高い御評価をいただいております。  森づくり税の延長に際し行ったタウンミーティングでは、大変明るい里山になったなどの意見が出ておりますほか、また、平成27年に実施しましたアンケート調査では、条件つきを含めて森づくり税の延長に賛成という回答が実に95%を超えるということで、新たな対策に、例えば海岸林の保全とか流木対策とか、そういったことをやることについても前向きな御意見が90%を超える。これはいずれも一般の県民、企業経営者も同じことでありまして、大変高い御支持をいただきました。  さらに、先月開催しました全国植樹祭で、森づくりと海づくりが一体となった県民の活発な実践活動、優良無花粉スギ「立山 森の輝き」の普及などの取り組みを全国に発信できまして、森、川、海の連携が伝わってすばらしかったなどのお声もいただき、また、本県の先駆的な森づくり、環境への取り組みが高く評価していただけたと思いますし、この大会を契機に一層努力してまいります。  次に、森林環境税(仮称)についてお答えをいたします。  この森林環境税につきましては、29年度与党の税制改正大綱で市町村が主体となって実施する森林整備に必要な財源を充てるため、森林環境税(仮称)の創設に向けて、地方公共団体の意見も踏まえながら具体的な仕組み等について総合的に検討して、30年度税制改正にて結論を得るとされております。地方の森林吸収源対策に関する財源確保につきましては、長年にわたって地方の懸案でありまして、国に強く要望してきたものでありますから、具体的な方向性が示されたことは大きな前進だと受けとめております。  現在、国においては森林関係法令の見直しについて検討されておりますほか、森林吸収源対策税制に関する検討会においても、この森林環境税(仮称)の具体的な仕組み等について検討が行われております。  全国知事会といたしましては、地方の意見を十分に踏まえて税収は全額地方の税財源となるよう制度設計していただくとともに、都道府県の役割や都道府県を中心として独自に課税してきた従来の森林環境税、独自課税ですね、この観点についてしっかりと調整していただくようにお願いしているところであります。  いずれにしましても、今後、全国知事会の中でも地方税財政常任委員会が開かれましたり、7月下旬に全国知事会議も予定されておりますので、具体的な制度設計のあり方についてよく議論をして、森林関係法令の見直しなり、森林環境税(仮称)が実効性ある制度となりますように、これは県知事としてはもちろんですけれども、全国知事会地方税財政常任委員長という立場もありますので、国にしっかりと働きかけてまいります。  最後に、小水力発電の今後の取り組みについてお答えをいたします。  富山県では、環境・エネルギー先端県の実現に向けた再生可能エネルギービジョンの策定を受けて、包蔵水力が全国2位という環境でありますから、全国に先駆けて小水力発電を進めておりまして、お話のように農業用水を利用した小水力発電、現在24カ所が稼働して7カ所で整備中でございます。  これまで稼働した24カ所の年間発電量ですけれども、一般家庭の2万7,500戸に相当する8,272万キロワットアワーに上りまして、このうち土地改良区が運営管理して、1年以上の稼働実績がある6カ所では、計画発電量に対して99.9%の稼働率となっておりますから、売電収益も計画どおり確保される見込みとなっております。  県としましては、こうした実績もあります。それから、売電収益による土地改良施設の適正な維持管理にも資することになる小水力発電の導入促進をさらに進めたいということで、これまで一定規模以上の施設、出力で100から600キロワットぐらいを整備してきたんですが、今後はもう少し規模の小さいものも含めて新たな整備予定地の検討を進めております。  具体的には、お話にも出ましたけれども、土地改良区や市町村と連携し、また協議、調整を進めております4地区のうち、外輪野地区など2地区につきましては、採算性の面でも一定の見通しが立ちましたので、国による平成29年度の基本設計の採択を受けて何とか30年度に着手するということで今、設計を進めておりますほか、ほかの久婦須川地区ですとか新田用水地区等につきましても、平成30年度の基本設計の採択に向けた調整を行っておりまして、これら4地区を加えますと、議員のお話のとおり平成33年度までに35カ所が稼働可能となる見通しであります。  今後も全国トップレベルの取り組みを持続させるために、引き続き小水力発電の整備候補地の選定に努めますとともに、今年度、ちょうど新総合計画、また富山県農業・農村振興計画を新たにつくったら見直すことになっておりますので、土地改良区の体質強化を図る観点にも留意しながら新たな整備目標について検討を進めまして、全国的に見ても、今でもトップなんですけれども、さらに積極的にこの小水力発電の取り組みを進めていく、この姿勢で頑張ってまいります。 6 ◯議長(稗苗清吉君)五嶋農林水産部長。    〔農林水産部長伍嶋二美男君登壇〕 7 ◯農林水産部長(伍嶋二美男君)まず、林業行政におけます県と市町村の役割分担等についての御質問にお答えをいたします。  本県における林業行政につきましては、県が市町等の意見も踏まえまして、県全体の森林に関する地域森林計画を初めとして、森林・林業振興計画森づくりプランなどを策定するとともに、森林整備など各種計画に基づきます個別の施策の推進につきましても、県が主体的な役割を果たしてきております。  また、市町の役割といたしましては、県が策定した各種計画に基づき、地域の実情に即した森林整備の方針や基準などを定め、森林組合などが策定いたします森林経営計画の認定や伐採後の再造林の指導などを行うこととしております。  しかしながら、県内の市町には一部を除きまして林業の専門技術職員がほとんどいないという状況にありまして、実際には県の林業普及指導員などが市町の職員や森林組合などに対しまして、林業技術や制度の指導などを行ってきております。  現在、国におきまして、森林環境税(仮称)を財源といたしまして、市町が主体となって森林整備等を実施する新たな仕組みの導入が検討されていますけれども、実施主体である市町が新たな仕組みによる森林整備を進めていくためには、森林所有者の特定やあるいはその意向調査、あるいは森林境界の確認が必要であること、また、間伐等の発注を担当する林業技術者の確保など体制整備を図る必要があります。  また、あわせまして、周辺市町との整備計画との調整も必要であるなど課題もありますけれども、県としても新たな仕組みが円滑に進むよう市町の体制強化に向けた支援が必要と考えております。  県としては、今後、県独自に実施しております水と緑の森づくり事業を含め、森林整備のあり方につきまして市町や関係機関と十分に協議を進めるとともに、国に対しましても県や市町の新たな役割分担を整理し、今後も円滑な森林整備の仕組みを検討されるよう働きかけてまいります。  次に優良無花粉スギ「立山 森の輝き」の御質問にお答えをいたします。  本県が全国に先駆けて開発いたしました優良無花粉スギ「立山 森の輝き」につきましては、平成24年に林業用の苗として約5,000本を初めて出荷し、これまでに約9万本を県内の杉人工林の伐採跡地の71カ所において約42ヘクタールに植栽するとともに、とやま森の祭典などによりまして県内での普及に努めてきたところであります。  また、県外におきましても、例えば東京都日比谷公園における記念植樹を初めといたしまして、首都圏の山林等での植樹や各種イベントでの苗木展示を行ったほか、本年3月には皇居の東御苑にあります都道府県の木のコーナーへ植栽することなどによりまして、積極的なPRに努めてきております。  さらに、先月開催されました第68回全国植樹祭では、天皇陛下によるお手植えや参加者による約4,000本の記念植樹などでも活用し、無花粉スギの普及の取り組みを全国に発信できたものと考えております。  今後の普及につきましては、生産量が限定される中ではありますけれども、県内の森林所有者からの植栽の要望が多いことや、再造林の切り札として積極的に推奨してきたこともありますので、引き続き県内での植栽を優先して進めることとしております。  今後、新たな森づくりプランに基づきまして、平成32年度に年間10万本、38年度には挿し木の苗による生産も含め20万本に増産し、39年度には30万本を目指すこととしており、今後10年間では計92万本を460ヘクタールに植栽する計画としております。  また、PR効果が高く、花粉症で多くの人が悩む首都圏などの県外におきましても、生産量が増えるまでの当面の間は記念植樹の要望に応えることなどによりまして「立山 森の輝き」の一層の普及に努めてまいります。  次に、コシノフユザクラについての御質問にお答えをいたします。  コシノフユザクラは、平成18年に県内で発見され、翌年の19年に新たな品種として発表した本県発祥の桜であります。  このような貴重な桜を保存するため、平成26年には県中央植物園中央農業高校、入善高校、上市高校によりサクラのバイオ増殖研究会を設立いたしまして、本県固有の桜を増殖、育成する取り組みを進めてきております。現在、コシノフユザクラの苗木は中央植物園で61本、中央農業高校で85本、入善高校で130本の計276本が育成されております。  また、コシノフユザクラは二季咲きでありまして、これは秋と春の2回咲くという二季咲きの上、花つきがよく散らない桜として非常に縁起がよいということなどもありまして、第68回全国植樹祭における皇后陛下によるお手植えの樹種としても選定をされまして、バイオ増殖研究会が育成いたしました11本が皇后陛下によるお手植えや代表者による記念植樹として植えられたほか、10本は招待者による記念植樹に活用されております。  今後、議員から御提案のありました活用につきましては、このような本県ゆかりの貴重な桜でありますので、富山県美術館におきまして平成31年ごろに天皇陛下お手まきのエドヒガンとともにコシノフユザクラを植栽する予定としておりますけれども、今後、富岩運河環水公園などの県有施設に植栽を進め、観光名所づくりに活用することについて検討を進めるということとしたいと考えております。また、入善高校や中央農業高校では生産、販売実習を通じまして、増殖した苗木を一般向けに販売することも計画をしておりまして、コシノフユザクラが広く県内外に普及していくよう取り組んでまいります。  最後に、集落営農組織についての御質問にお答えをいたします。  本県では、兼業農家率が高いことから、地域農業の担い手を育成するため、全国に先駆けまして集落営農の育成やその法人化を積極的に推進してきており、平成28年度末では586の集落営農組織が組織化をされ、そのうち390組織が法人化をされております。これらの集落営農組織の中では、農地の集積、集約化などによる規模拡大や園芸作物の導入など複合化による経営体質の強化に取り組むとともに、新規就農者を雇用する組織も見られるところであります。  新たな雇用を生み出すためには生産性と収益性の高い農業経営の実現が必要であることから、県におきましては、平成27年度から3カ年計画でとやま型農業成長戦略チャレンジ支援事業を実施しておりまして、集落営農組織などの経営体によります規模拡大や複合化、さらには6次産業化など農業所得の増大を目指す取り組みに対しましてソフトとハードの両面からの支援を行っており、これらの取り組みをとやま型農業経営モデルとして県内の農業経営体に普及啓発していくこととしております。  また、集落営農組織の合併再編によります経営規模の拡大については、経営体の体質強化を図り後継者を確保する上で大変有効な方策の1つであることから、県では、平成28年度からこれらに必要となる高性能機械の導入や施設整備等を支援しているところであります。  今後とも、集落営農組織が地域の農業人材育成の中核として新規就農者の受け皿となりますよう、市町村や関係機関とも連携しながら、その規模拡大と経営体質の強化を積極的に支援してまいります。  以上でございます。 8 ◯議長(稗苗清吉君)蔵堀厚生部長。    〔厚生部長蔵堀祐一君登壇〕 9 ◯厚生部長(蔵堀祐一君)HACCPの取得に関する御質問にお答えをいたします。  HACCPは食品の安全性を担保するために有用な自主衛生管理手法でございますけれども、その認証方法につきましては、国の総合衛生管理製造過程承認制度ですとか食品安全のためのマネジメントシステムでありますISO22000、さらには各業界団体によるHACCP認証などさまざまなものがあり、正確にその取得状況を把握することは現在では困難な状況となっております。  しかしながら、昨年度、県内の食品製造業者を対象といたしまして県が実施をいたしましたHACCP実態調査におきましては、回答があった486施設のうちHACCPを既に導入済みといったところが27施設、導入の途中であると答えたところが8施設ございました。また、5年以内に導入を予定していると答えたところが11施設あったところでございます。ただ一方で、導入する予定はないと答えた施設が全体の50%を占めておりまして、現行制度のままでは中小規模の事業者には導入が困難であるということがわかったところでございます。  このような中で、国におきましては、全ての食品等の事業者を対象といたしまして、HACCPによる衛生管理の義務化を目指しておりまして、中小規模事業者にも導入が可能となりますようにモニタリング頻度を少し下げるとか、記録の簡素化などを図って弾力的な基準の設定が検討されているところでございます。  県といたしましては、安全で衛生的な製造工程のもとで食品が生産されることが大変重要であると考えておりまして、今年度新たに中小規模の事業者を対象といたしまして、HACCPの導入基礎研修会ですとか個別相談会を開催することといたしております。  食品加工業者を初め、すべての食品等の事業者におけるHACCPの導入が円滑に進むように、今後とも支援に努めてまいります。 10 ◯議長(稗苗清吉君)藤井裕久君。    〔19番藤井裕久君登壇〕 11 ◯19番(藤井裕久君)2つ目の項に移ります。  本県の安全・安心について3問、質問をさせていただきます。  まず、最初にサイバー犯罪の現状と対策について伺います。  インターネットは県民の生活や経済活動に不可欠なツールとなっている一方で、インターネットを利用した犯罪が急増しております。  平成28年の全国のサイバー犯罪の検挙件数が過去最高の8,324件となり、本県においてもコミュニティサイトを介しての誘拐事件、総合支援学校でパソコンが遠隔操作され個人情報が流出した可能性のある事件、富山大学では標的型メールによる攻撃を受けた事件などが発生しました。  県警が平成28年に検挙したサイバー犯罪の件数は75件、また相談件数は1,502件と統計をとり始めた2003年以降最多となっております。  このような中、県警はこの4月に北陸では初となるサイバー犯罪対策課を新設し、サイバー犯罪に関する情報を広く収集するとともに、インターネットの不正利用等に対応した防犯活動やサイバーパトロールを行うこととしております。  サイバー犯罪の未然防止には、専門性が高く摘発が難しいサイバー犯罪にも的確に対応できるサイバー犯罪捜査官の採用、また専門人材の育成、社会全体でサイバー犯罪に対応するためにIT企業や大学との連携、また、企業のサイバー犯罪に対する意識を向上させることなどが必要であります。  そこで、新設されたサイバー犯罪対策課において、今後起こり得るサイバー犯罪を未然に防ぐためにどのように取り組んでいかれるのか、白井警察本部長に伺います。  次に、特殊詐欺対策について伺います。  県内では特殊詐欺による被害額が過去5年間連続して3億円を超えております。ちなみに昨年は3億2,300万を超えるという多額の被害が発生しました。被害件数も過去3年間は100件を超えており、昨年は114件と非常に深刻な状況となっております。さらに本年は前年対比で被害件数、被害総額とも増加しているとの報道もあったところであり、歯止めがかからない状況を危惧しているわけであります。  全国的にはスーパーマーケットやショッピングセンターなど、いわゆる店舗外の無人ATM機へ誘導する詐欺や、コンビニ店舗内のATMに誘導し電子マネーをだまし取る、こういった詐欺が急増しております。  そこで質問でありますが、県警察では未然防止策として視覚や聴覚に直接訴えるため、無人ATMの床面に浮かび上がる3Dフロアシートやショッピングセンターなどで高原兄さんを応援団長としたパネル、これらを設置されましたが、これまでの取り組みの効果はどうだったのか、また、今後、被害防止対策についてどのように取り組まれるのか、白井警察本部長に伺います。  この項の最後の質問であります。  金融機関などでは、窓口の職員さんの声かけやATMの利用限度額設定などによりかなり効果を上げていると認識しております。その反面、コンビニエンスストアでは、店員さんが最小限度で運営しており、接客や商品管理に多忙なことで声かけなどの対応は非常に困難であり、結果として防止対策が後手に回っている、こういう印象を受けるわけであります。  若者に対する電子マネーの被害が拡大していることから、コンビニエンスストアにおいても利用者の視覚や聴覚に直接訴えるような効果的な対策が必要であると考えます。  そこで、コンビニエンスストアにおける現状での特殊被害防止対策と今後の対策について、白井警察本部長に伺います。 12 ◯議長(稗苗清吉君)白井警察本部長。
       〔警察本部長白井利明君登壇〕 13 ◯警察本部長(白井利明君)初めに、サイバー犯罪対策についての御質問にお答えします。  県警察では、サイバー犯罪等に的確に対処するため、本年4月にサイバー犯罪対策課を新設し、1つには官民一体となった対策、2つ目にサイバー犯罪捜査能力の強化、3つ目に組織基盤の強化を柱に諸対策を推進しております。  具体的には、中小企業経営者や教育関係者等を対象にウイルス感染被害による体験型研修を実施するなどして、サイバーセキュリティー意識の浸透を図っているほか、IT企業や大学等との連携によるネットワークを構築して、最新の技術動向や脅威情報の共有を進めていくことをしております。  サイバーセキュリティーを確保するための各種対策の中でもとりわけ人材育成は重要であります。この点に関し、本年度はサイバー犯罪捜査能力の向上を図るため、最先端の情報や技術を有する企業に職員を派遣したり、新たに警察本部庁舎内にサイバーセキュリティー研修室を設置して、捜査員等を対象に実践的な演習を行う環境を整備することなどを予定しております。  もはや日進月歩を通り越して、秒進分歩で進展するともいわれる情報通信技術のもと、そしてその技術を悪用した新たな犯罪手法やウイルスが次々と世の中を席巻する中、サイバー犯罪等に的確に対応できる人材を育成するためには、恒常的に最新の装備資機材の整備導入は欠かせません。したがって、この点についての組織的な配慮も確実に行ってまいりたいと考えております。  県警察としては、サイバー空間の脅威に係る実態解明や県民、企業等に対する啓発活動を初め、警察の総合力を発揮した取り組みを強力に推進して、引き続きサイバー空間の安全・安心の確保に取り組んでまいります。  次に、特殊詐欺対策についての御質問にお答えします。  特殊詐欺の被害状況については、依然として高齢者を中心に件数、被害額とも増加傾向にあることから、県民の皆様に対し、視覚、聴覚に訴える広報啓発に努めているところであります。  議員から御指摘があった3Dのフロアシートや高原兄さんを起用した防犯パネルは、視覚、聴覚等から注意を促すためスーパーマーケットやショッピングセンター等のATMコーナーに設置しまして、あらゆる角度から視認できるシートや制服姿の高原さんの音声により、還付金等詐欺の被害に遭わないようにしているものであります。  また、県民の皆様との直接対話により注意を呼びかけるものとして、民間委託をしたコールセンターから年間約4,000世帯へ特殊詐欺対策のポイントを教示する防犯指導を行っております。  このような視覚、聴覚に訴えかける広報啓発により、還付金等詐欺の被害は全国的には増加傾向にある中、ここ富山県では5月末現在、対前年同期比で半減しておりまして、一定の効果が認められると考えております。  県警察では、防犯パネルの設置場所の拡充やコールセンターによる指導対象の拡大を図るとともに、高原兄さんに現在制作依頼中の被害防止啓発曲なども活用しながら、引き続き県民の心に届く広報啓発に取り組み、特殊詐欺の被害防止に努めてまいります。  最後に、コンビニエンスストアにおける特殊詐欺防止対策についての御質問にお答えします。  有料サイト利用料金等の名目で電子マネーを購入させる特殊詐欺被害につきましては、被害者の約9割を50歳代以下の者が占めるなど若い年齢層を中心に拡大しております。  被害者の大半はコンビニエンスストアで電子マネーを購入していることから、こうした年齢層に対する広報啓発はもとより、コンビニエンスストアとの連携がますます重要になっております。  県警察では、電子マネー型被害を防止するためコンビニエンスストア各社が加盟する協会と連携して、各店舗において電子マネーの陳列棚等に被害防止を呼びかけるシートを貼付したり、高額の電子マネーや携帯電話を使用しながら購入しようとする来店客への声かけをお願いしておりまして、被害が疑われる場合、警察に通報していただくよう働きかけを行っております。  この取り組みにより、コンビニエンスストアでは昨年24件、本年も5月末現在9件の被害を未然防止するなど、一定の効果が得られているものと考えております。ただし、その一方で、最近では店員による声かけを警戒して複数の店舗で少額ずつ電子マネーを購入させるなど手口が変化しており、声かけによる未然防止が難しくなってきております。  県警察では、巧妙に手口を変化させる特殊詐欺に対して、引き続きコンビニエンスストアと緊密に連携を図りながら、被害防止研修や声かけ訓練の実施により店員の意識啓発を図るとともに、さきに申し上げましたATMで活用中のフロアシートによる広報啓発などにより、コンビニエンスストアにおける特殊詐欺の被害防止対策を強化してまいります。  以上であります。 14 ◯議長(稗苗清吉君)藤井裕久君。    〔19番藤井裕久君登壇〕 15 ◯19番(藤井裕久君)最後の項になりました。  大きな3項は、人手不足対策について2問質問させていただきます。  人口減少と高齢化が顕著な本県において、製造業を中心にさらなるものづくり県富山の発展を期するには、人手不足対策が喫緊の課題であります。  人口問題研究所が発表した将来推計人口では、我が国の生産年齢人口が平成17年の7,700万人から50年後には4,500万人へ約40%以上も減少するということが推測されております。本県においては現時点での高齢化率や合計特殊出生率から、全国を上回るペースでの総人口や生産年齢人口の減少が予測されております。  新幹線開業後は、飲食サービス業での人手不足感が強かったのですが、今後は製造業などにも拡大する懸念があります。生産年齢人口の減少は、人手不足を一層深刻化し、長期的に経済活動や景気へのマイナス影響は避けられないのであります。  その打開策としてAIやIoTの導入による生産性の向上はもちろん、子育てや介護と仕事との両立を支援する施策の充実、女性や高齢者の就労環境の整備、UIJターンに向けた取り組みなどを総合的に行う必要があります。  そこで、新総合計画の骨子案においても、少子高齢化、人口減少時代の到来を念頭に置いておりますが、計画の策定を見据え、今後人口減少時代における人手不足対策に対してどのように取り組んでいかれるのか、石井知事に伺います。  最後に、外国人技能実習制度について伺います。  外国人技能実習制度は、県内の製造業や建設業、サービス業などにおいて人手不足を補い雇用の確保に大きく貢献してまいりました。企業からは3年という実習期間は少ない、短いということで、強い要望が出され、今般、3年が5年に延長されるということにもなりました。本県においても多くの実習生がこの制度により就労し、本県の産業発展の大きな担い手となっております。  このため本県においては、技能実習生と企業の双方への支援をさらに強化し、実習生の受け入れや実習の実施に適した環境づくりを強力に推進するべきと考えるわけであります。  そこで、外国人技能実習制度の見直しにより、今後、県内企業において本制度のさらなる活用が見込まれますが、技能実習生や受け入れを希望する企業への支援について、今後どのように取り組んでいかれるのか、大坪商工労働部長に伺い、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 16 ◯議長(稗苗清吉君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 17 ◯知事(石井隆一君)企業の人手不足についての御質問にお答えをいたします。  新総合計画は先月骨子案を取りまとめさせていただきましたけれども、そこでもAIの導入などによる生産性の向上ですとか、雇用の確保と人材の育成を図るためにUIJターンの推進や若者の就業支援、女性の能力発揮とキャリア支援、元気な高齢者の就業支援等が盛り込まれております。  今後の人口減少時代を見据えますと、議員のお話のとおり、生産性の向上が不可欠でございますから、県におきましては県内企業の新分野進出や設備投資を促進してまいりましたほか、今年度は新たにIoT支援特別資金を創設して、無利子で貸し付ける、またIoT推進コンソーシアム、仮称ですけれども、これを設置しまして、ワークショップ等を行うこととしておりまして、IoTの導入が幅広く進むように積極的に取り組んでおります。  また、企業の人手不足に対する人材確保につきましては、子育てや介護と仕事の両立支援を図りますために、これまでも一般事業主行動計画の策定の義務づけの対象拡大、国は101人以上ですけれども、富山県は既に51人以上、またこの4月からは30人以上というふうに拡大しておりますし、また、ワーク・ライフ・バランスに関する研修会の開催、すぐれた取り組みを行う企業の顕彰等を行っておりますほか、来月25日にはイクボス企業同盟とやまというのを発足させることにしております。  また、女性や意欲と能力のある高齢者の活躍を推進するためにも、昨日、とやま県民活躍・働き方改革推進会議を設置いたしまして、議論を開始したところでございますが、そのもとに女性の活躍推進委員会を設置しましてキャリアアップなど女性の活躍の推進を図りますとともに、シニア専門人材バンクによる高齢者の就業支援や、高齢者向け合同企業説明会の開催のほか国の生涯現役促進地域連携事業に応募いたしまして、かがやき現役率の向上など、高齢者の就業促進を図ることにいたしております。  さらに、首都圏等からのUIJターンを推進しますために、合同企業説明会の開催を県としていたしますし、また、首都圏等での県内企業と若者とのマッチングを進める、また、今年度は新たに首都圏などの県外のインターンシップイベントに富山県ブースを設けまして、インターンシップ参加の促進をこれまで以上に図っていきたいと思っております。  人口減少下における人材の確保育成についての施策につきましては、中長期的な県政の指針となる現在の新総合計画の審議会でも議論しておりまして、十分議論を尽くして、生産性の向上や女性、高齢者の活躍促進など、議員お話しのようにできるだけ総合的な人手不足対策を積極的に進めてまいります。 18 ◯議長(稗苗清吉君)大坪商工労働部長。    〔商工労働部長大坪昭一君登壇〕 19 ◯商工労働部長(大坪昭一君)外国人技能実習制度についてお答えをいたします。  外国人技能実習制度は、発展途上国の人材育成を目的として創設され、県内でも多くの技能実習生が働きながら技能の習得に努めているところであります。  本年11月の技能実習法の施行によりまして、一定の技能レベルにある優秀な技能実習生は、より高度な技能を習得するため3年間の実習期間をさらに2年間延長できる、また、優良な監理団体等においては受け入れ人数枠が拡大されるなどの拡充が行われ、県内でも本制度のさらなる活用が見込まれるところであります。  こうしたことから、県では受け入れ企業などからの意見も踏まえまして、本制度の普及啓発や技能習得の支援を図るために新たに技能実習生に対する技能検定3級、これに合格すれば3年間の実習期間が5年間に延長できるというものでございますけれども、この受験に向けた技能向上講習を今月から順次実施するとともに、監理団体等が技能実習生のために実施する日本語研修でありますとか、富山の魅力を体感し、地域社会との交流を図っていくための文化、伝統、自然体験行事などへの助成を行うことといたしております。  また、県内技能実習の取り組みや、本県の魅力を実習希望者や送り出し機関に紹介する優良事例集の作成、配布や、県内企業等を対象に優良な受け入れ事例の紹介などを通じて、制度の周知と普及を図るシンポジウムの開催などにも取り組むこととしております。  技能実習生が帰国後に出身国の経済発展を担う人材となることや、富山県との交流のかけ橋となることが期待されることから、県といたしましても国や関係機関とも連携をしながら、優秀な技能実習生の育成や技能実習に取り組む県内企業、団体を支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 20 ◯議長(稗苗清吉君)以上で藤井裕久君の質問は終了しました。  川島国君。    〔7番川島 国君登壇〕 21 ◯7番(川島 国君)私は今定例会の一般質問に当たりまして、若者政策と教育について大きく2項目にわたり質問いたします。  言うまでもなく、若者への投資、そして教育への投資はまさに本県の未来への投資であります。超少子高齢化が加速していく中にあって、未来への投資を効果的に、そして時に大胆に行っていくことが元気とやまの創造に直結していくことであろう認識は、石井知事とも共通認識だろうと思っております。考えてみれば、約半世紀前に構想されたことが先人方の並々ならぬ努力のバトンリレーによって今の世に結果としてあらわれる北陸新幹線のように、我々の仕事は発展ある未来のために今何をなすべきかという暗中模索としたところを突き進んでいくものと改めて感じる次第であります。  そのような観点から、やはり若い世代の方々が20年、30年先の富山の将来をしっかり当事者意識を持って主体的に考えていくことは、何事にもかえがたい非常に大事なことであろうと考えます。  特に県政の羅針盤でもある新総合計画の策定に当たり、本県の未来を担う若者の意見や考え方を積極的に県政に反映していくことが、若者の県政への無関心の解決策にもつながると考えますが、現在、県としてどのような取り組みを行っているのか、総合政策局長からお示し願います。  我々自民党富山県連では、青年局が主催して公募提案型政策コンテストというものを開催しております。本年で6回目となり、全国ではあまり例がなく発祥地である本県と静岡県の2県だけではありますが、若者の意見、提言を政策として汲み取り、時に党の政策として実現可能を目指していく過程を捉えて、若者の政治参加への意識を高め、政治への無関心を解消していく事業として高く評価されております。  本年は、先月の5月27日に「とやまの未来を拓く 元気な明日創造プラン」と題して開催されましたが、私も新高岡駅で天皇陛下をお出迎えしたかったのですが、責任者ということでかないませんでした。その無念な思いも込めながら、同時刻に行われましたこの政策コンテンストで先輩議員の厳しい審査を経て入賞された若者の夢のこもった政策提言を、この本会議場において県当局に対して提案したいと存じます。ぜひとも、本県若者の切なる思いとして真摯に受けとめ、答弁をお願いいたします。時間の関係上細かく説明できませんが、提案者のプレゼン資料は事前に担当部局にお渡ししてありますので、よろしくお願いいたします。  まず1点目ですが、県内大学生で本コンテストの最優秀賞の政策提言であります。政策名は「都道府県及び市町村の審議会等における若者枠の創設」であります。  選挙年齢が二十歳から18歳に引き下げられたものの、近年の富山県における20代前半の投票率は3割を切り、低投票率が問題となっています。その根本原因は、若者の意見や声が政策や事業に反映されていないこと及びそれを背景とした政治不信であると問題仮説を設定し、その問題解決のためには若者を政策立案システムに組み込んでいくべきと考えます。審議会等の要綱に若者枠を設けている北海道や徳島県などの先進事例都市に電話取材をしてその効果などを問うたところ、取材対応も積極的で若い世代の意見を反映させていこうという本気度が伝わってきたそうであります。特に、徳島県は40歳未満の若年者委員の割合を8.6%以上に維持することを明確な目標として持っており、活発な審議会運営となっているそうであります。  そこで質問ですが、県審議会等設置基準条例及び運用指針に準ずるものに、審議会等における若者枠設置の努力義務を明記するとともに、総合計画等に数値目標を設定し、若者の県政への参画を促進すべきと考えますが、石井知事の所見をお願いいたします。  続きまして、本定例会代表質問においても問題提起をされ、非常に危惧されている問題である後継者問題に鋭く提言されました本コンテスト優秀賞の政策提言であり、政策名が「跡継ぎバンク」の創設であります。平成28年の経産省中小企業庁の資料によりますと、60歳以上の経営者のうち50%以上が廃業を予定しており、特に個人事業者においては約7割が自分の代で事業をやめるつもりであると回答しております。  廃業の理由としては、当初から自分の代でやめようと思っていたが38%で最も多く、後継者難を理由とする廃業が合計で28.6%を占めております。本県においても、2009年に4万1,447社あった企業数が、2014年には3万6,776社と減少の一途をたどっております。このような現状を捉えて、起業を目指す人と後継者を探している企業をマッチングして、事業継承の実現を強力に支援していくことが求められます。  全国的にも10カ所以上の都道府県において、後継者バンクの取り組みが進んでおりますが、本県においても「跡継ぎバンク」を創設して企業活動の継承を支援し、UIJターンの促進や企業側のリスク軽減、そして、加えて地域活性化の促進につなげていくべきと考えますが、商工労働部長の答弁をお願いいたします。  本コンテスト最後は、現役高校生18歳の女の子の政策提言であります。政策名は学校、企業連携制度の創設であります。アベノミクス効果により、空前の売り手市場となっておりますが、本県においても有効求人倍率1.76倍と企業側にとっての人材確保は大きな負担となっております。  そこで、県内企業と県内高校や大学、専門学校が定期訪問の連携協定を結び、定期的に企業側から学校訪問や社会授業を行うことで、企業側からは人材の発掘及び早期の人材育成が図られ、学生側にとっては将来目標の明確化や自己実現への意欲につながり、双方にとってメリットがあると考えます。  この学校、企業連携制度に県としても支援していくことで、若者の県外流出を防ぎ、この制度に魅力を感じた県外からの進学希望者の増加も見込めるものと考えます。  そこでお伺いしますが、学生の県内での就職を促すため、学生に対し県内企業の魅力や具体的な知識、技術等を紹介していく学校、企業連携制度の創設を検討してはと提案いたしますが、商工労働部長の所見をお願いいたします。  現役高校生が学生生活を送りながら富山の将来を憂い、身をもって感じていることを提言しておりますので、がっかりさせない答弁を期待いたします。  以上、コンテストに入賞された3点の政策を要約して提案させていただきました。このほかにも甲乙つけがたい若者の提言が15作品ありました。どれも富山県の明るい未来を築くすばらしい提言であったこと、そして来年もどしどし若者の提言が多くなされることをお願いして、次の質問に入ります。  先月、平木県議とともに東京有楽町の富山くらし・しごと支援センターに行ってまいりました。問い合わせの状況や課題、問題点を現場の意見として伺ってまいりましたが、私が一番現場を見て感じたことが、47都道府県全てのブースが列挙しているふるさと回帰センターのフロアにおいて、富山県ブースの魅力が埋もれてしまっているのではないかということであります。  どの県も一様に自分たちの県の魅力を発信し、UIJターンを促すワンフロアにおいて、どれだけの方が富山県を選んでくれるのかという懸念であります。  その懸念を払拭するためには、JR有楽町駅からおりて東京交通会館8階に着いて、他県のブースに目もくれずに一直線で富山県ブースに来ていただくことが重要と考えます。  そこで質問ですが、首都圏の多くの若者の関心を得ていくために、日本橋とやま館のアンテナ発信機能の強化や鉄道の中吊り広告の活用など、全国のセンターに負けない発信を行っていくべきであり、富山くらし・しごと支援センターの首都圏における広告戦略を強化すべきと考えますが、観光・交通・地域振興局長の所見をお願いいたします。  この項、若者政策について最後の質問であります。  とやまJAMP構想についてであります。またか、もしくは何だそれはと思われる県幹部の方も多いと思いますが、石井知事におかれましては、来たかと思っていただいていると捉えております。  とやまジャパン・アニメ・漫画・パーク構想、略してとやまJAMP構想であります。  ポスト新幹線、はたまた県西部中枢都市圏の長期構想にもという思いで紡いできたこの構想でありますが、臨時便である新幹線かがやきの新高岡駅への定期停車化を実現するにはどうするか、富山きときと空港を活性化するにはどうしていくのかの観点から、県内人口減少が進展することが明白な以上、大都市からの誘客、世界からのインバウンドに頼る上では圧倒的なインパクトと突き抜けた長期ビジョンで、富山県に行きたいという魅力をつくり上げていく必要があると断言いたします。  もちろん、本県の魅力は立山黒部の自然から世界遺産やものづくりの伝統文化など多岐にわたり、多くあるわけでありますが、世界に訴えかける圧倒的なインパクトとして、このとやまJAMP構想を提案するものであります。  最近では、長崎のハウステンボスが約1,500億円を投じて中国に進出する発表があり、名古屋市においては大人気のレゴランドが拡張、増設を計画しております。ディズニーランドにUSJ、全て太平洋ベルトに位置し、日本のカジノ計画においても東京か沖縄かと、ますます人口集中を太平洋側に促していく計画がめじろ押しであります。そんな流れに対抗すべく、日本海側初の大型テーマパークを本県にということでありますが、加えて世界に2つとない日本のアニメ、漫画に特化したテーマパーク誘致計画を具現化していく構想であります。  この構想を具現化していく過程の中で本県への注目度も上がり、世界中の子供たちや若者が富山県に期待を寄せることで、インバウンドの増加や大都市からの誘客にもつなげていけるのではないでしょうか。まさに、石井知事の目指すところの本県が裏日本から表日本になる光の道であると考えます。  東京オリパラへ向けて、日本のアニメ、漫画を大きなツールとしてクールジャパンを発信していくために、とやまJAMP構想具現化へ向けて、まずはどのような支障や規制があるかなどを整理した上で、国家戦略特区の活用が可能かなど、研究を具体的に進めてはどうかと提案いたしますが、石井知事の所見を問うものであります。  約20年前の平成8年に、当時の県庁若手職員がドラえもんランド建設構想なるものを提案し、富山イメージアップ大作戦における、200X年県民が燃えるプログラムのアイデアコンテストにて最優秀賞を受賞しております。20年前から県庁内からも切望されている世界の子供たちに夢を与えるテーマパーク建設構想であります。  夢物語かもしれませんが、本県に足りないものはわくわくするその夢そのものだろうと感じます。若者がわくわくして引き寄せられるようなビッグプロジェクトを石井知事のもとで進めていただきたいと重ねて申し入れまして、この項の質問を終わります。 22 ◯議長(稗苗清吉君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 23 ◯知事(石井隆一君)川島議員の御質問にお答えをいたします。  まず若者の県政への参画促進についてでございます。  県政の推進に当たって、県づくりの主役であります県民の皆さん、特にお話しのように将来の県を背負って立つ若い世代に積極的に県政に参加していただくということは大変重要なことだと思っております。  そこで、審議会等の設置及び運営に関する要綱におきまして、審議会等の委員は法令等に別段の定めのある場合を除いて審議会等の機能を十分発揮されるように幅広い年齢層から選任するよう努めるというふうな規定が既にありまして、それぞれの審議会等の所管課において若者を含めた選任も行っております。また、できるだけ若い世代の視点を反映するために、従来から富山県青年議会ですとか、子どもとやま県議会を設置しておりますほか、最近では、例えば、今般の総合計画の見直しに当たって、総合計画審議会の総務部会に新たに青年委員会を設置しておりますほか、富山県経済・文化長期ビジョンの策定に当たってもこの懇話会に青年部会、やはり大体30代の方を中心にして約30名、総合計画の場合は21名ですけれども、そういうふうにいたしまして若者のみで構成する部会等を設けるなどの工夫もしてまいりました。  どうしても高齢社会になっておりますから、各会の代表者、有識者というと60歳代、70歳代の方がどうしても多くなってまいりますので、何とか若い方の意見をもっと反映させようということで、そういった工夫もしておるわけでございます。  若者の県政の参画については、御指摘のありました要綱上の取り扱いとか、あるいは総合計画に数値目標というような御提案もありましたけれども、これは、よその県もいろいろ工夫している、あまりしていないところもあるみたいですが、よく調べまして、できるだけ若い世代も含めて幅広い年齢層の方々から御意見を伺って、県政の上に反映してまいるように努力してまいります。そういう意味では、先ほどお話のあった自由民主党の青年局の取り組みもなかなか努力されているなと思います。  次に、とやまJAMP構想についての御質問にお答えをいたします。  本県では、日本でも人気の高いアニメ、漫画などクールジャパンの基盤ともなるクリエィティブな文化が数多く見出されておりまして、高岡市では藤子・F・不二雄氏、それから氷見市では藤子不二雄A氏の漫画を活用したまちづくりが行われておりますし、また、南砺市においても映像制作やものづくりにかかわるクリエイターの活動拠点であります南砺市クリエイタープラザ桜クリエにおいて、アニメなどのコンテンツの制作が行われております。  県でも、県がクリエイターと県内事業者のビジネスマッチングを支援しますほか、アニメや漫画などのコンテンツを活用した観光誘客や地域活性化に取り組んでおりまして、例えば高志の国文学館の企画展、ごらんいただいたかと思いますが、例えば昨年はおもしろい箱と銘打ちまして、アニメづくりのスタジオの中に一般の県民の方が楽しめる、親しめる、そういうようなこともやりましたし、また、本県が舞台のアニメのクロムクロの登場シーンへのアクセス方法を紹介したマップの発行とか、いろんな努力もしてまいりました。  御提案の日本のアニメ、漫画に特化した一大テーマパーク構想につきましては、全国的に人気の高いアニメキャラクターが数多く生まれている本県をアピールするための大変御熱意のある御提案であると思っております。  ただ、事業として構想する際には、お話に出たように既存のテーマパークにはない強いインパクト、特色を具体的にどう出すかといった点のほか、もちろん事業主体には採算性などさまざまな課題もありますので、この点については県民の皆様や関係の市町村、事業者などとこうした理念や方向性を共有できる、夢のある将来構想でありますから、ぜひいろんな方の御意見も聞いてみたいと思いますが、ぜひそうした幅広い御賛同を得られる形で持っていけるか、しっかり見きわめるためにも、今後、研究、検討していきたいと、そういうテーマではないかと思っております。
     また、国家戦略特区の活用の御提案ですけれども、場所や規模、構想の具体的な内容などが固まるということになりますれば、その際に、例えば国の行政規制が障害になるといった場合には、国家戦略特区ということも選択肢の1つとしてあり得るんですけれども、例えば想定されていることが、著作権なんかの知的財産権の利用みたいなことだとしますと、というのは名前は申しませんが、例えばある著名な漫画の主人公を活用しようとするとかなり費用がかかるわけですね。そういうものの例えば特区で例外的に扱ってもらうというようなことだと、これはなかなか民間と民間の権利の調整の話になるので、ちょっと国家戦略特区にはなじまないといったような問題もありますから、こういった点も一つ一つ検討しながら、せっかく夢のある御提案ですから、研究、勉強をさせていただくということで御理解をいただきたいと思います。 24 ◯議長(稗苗清吉君)山本総合政策局長。    〔総合政策局長山本 修君登壇〕 25 ◯総合政策局長(山本 修君)総合計画への若者の意見等の反映についての御質問にお答えいたします。  今回の総合計画の見直しにおきましては、10年先あるいはその先の富山県を担うことになる若い皆さんの御意見を伺うことが重要であると考えております。  このため、若者を対象としたアンケート調査、これは県内外に在住する18歳から29歳の男女3,600名を対象として実施しております。この調査に加えまして、先ほど知事から答弁いただきました中にありましたが、総合計画審議会に今回初めての試みでございますけれども、青年委員会を設置いたしまして、県内のさまざまな分野で活躍されているおおむね30歳代中心の若者世代の委員21名の方に計画策定に参画をいただき、若者ならではの視点から御意見をいただきますとともに、それぞれの委員の各分野での知見を生かした具体的な政策プランを持ち寄り、自由なグループ討議を行っていただいたところでございます。  今後、総合計画審議会の答申に向けまして、青年委員会としての政策提案を取りまとめていただく予定であり、総合計画の策定や今後の政策展開にできる限り生かしてまいりたいと考えておるところでございます。  先月開催された総合計画審議会におきまして取りまとめいただきました新しい総合計画の骨子案につきましては、タウンミーティングやパブリックコメントなどを通じまして県民の皆さんから広く御意見をお聞きしたいと考えております。  若者を含めました幅広い層の県民が、富山県の将来像を共有し、県と協働で県づくりに取り組んでいただくことが何よりも大切であり、県民に関心を持って参画いただける計画の策定に取り組みますとともに、計画策定後におきましても県民にわかりやすい概要版を作成するなど、PRにも取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 26 ◯議長(稗苗清吉君)大坪商工労働部長。    〔商工労働部長大坪昭一君登壇〕 27 ◯商工労働部長(大坪昭一君)まず、「跡継ぎバンク」の創設に関してお答えをいたします。  議員から御質問にもありましたけれども、全国的には60歳以上の経営者のうち50%以上が廃業を予定しており、廃業の理由としては適当な後継者が見つからないなど後継者難を理由とするものが約3割を占めているという状況でございます。  本県におきましても、平均年約3,000事業所が開業する一方、約3,400事業所が廃業をしておりますけれども、廃業の理由として後継者不足によるものが相当数あると考えております。  このため、本県では国の委託事業として、一昨年10月に富山県新世紀産業機構内に事業引継ぎ支援センターを設置し、相談窓口の開設を初め、課題解決に向けた情報提供や支援機関への橋渡し、全国の事業承継データベースを活用した企業同士のマッチング支援等を行うとともに、今年度からは専任の専門家を配置し支援体制を強化するなど、後継者の確保と円滑な事業承継に努めているところであります。  御提案のありました「跡継ぎバンク」でございますが、後継者不在の小規模事業者と創業を志す個人を独自のデータベースを活用してマッチングするものでありまして、他県におきましても事業引継ぎ支援センター内に人材バンクの名称で設置されている事例もございます。こうした取り組みは小規模事業者の後継者対策に加え、創業を志す方の支援策としても効果が期待できるのではないかと考えておりまして、県といたしましては、事業引継ぎ支援センターにおけるマッチング支援等に引き続き努めるとともに、跡継ぎバンクにつきましても県内の需要、他県における運営状況なども十分調査しながら検討してまいりたいというふうに考えております。  次に、学校・企業連携制度の創設についてお答えをいたします。  将来的に県内学生の県内企業への就職につなげるために、学生に対し職業意識を醸成するキャリア教育や富山県で働くことの魅力をしっかり伝えていくことは、大変重要でございます。  このため県ではこれまで中学生による14歳の挑戦や工業高校等での県内企業による技能向上のための講習会などを開催するほか、女性のものづくり分野への就業を促進するため、若手の女性技能者を県内の高校に派遣し、グループ討議や座談会を通じて現場の声を伝えているところであります。  また、県内の高等教育機関におきましては、文部科学省の地方創生事業でありますCOC+の中で、学生の富山県への愛着を高めるため地域志向科目を開講するとともに、県内企業を招いての仕事とキャリアについて学ぶキャリア形成科目や県内企業による特別講義の開講などによりまして、学生の就業意識の早期形成と県内企業への就職意識の醸成に努めているところであります。  さらに、富山県機電工業会による会員企業の学校への講師派遣と、学生の会員企業見学、それから富山経済同友会による経営者の出前講座の開催など業界団体の取り組みも進められているところでございます。  御提案のありました学校・企業連携制度は、学校や企業が連携し学生の県内企業に対する理解、あるいは職業意識の向上を図るという趣旨については大いに理解できるところでございますけれども、提案の内容にあります企業の定期的な、具体的には週1回学校訪問をし、その中で入社後に必要な知識や技術の紹介をするといった御提案でございますが、こういったことについては教育機関である学校の性格や、受け入れ体制の課題、企業の人的負担の観点から難しい面があるのではないかというふうに考えております。  県といたしましては、今後ともキャリア教育やインターンシップの充実を図りながら、県内企業への就職を促進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 28 ◯議長(稗苗清吉君)亀井観光・交通・地域振興局長。    〔観光・交通・地域振興局長亀井明紀君登壇〕 29 ◯観光・交通・地域振興局長(亀井明紀君)富山くらし・しごと支援センターを中心とした広告戦略を強化すべきとの御質問にお答えをいたします。  議員御指摘のとおり自治体間のUIJターンのPR競争が激化している中で、将来の本県産業や地域づくりを担う若者のUIJターンの促進に向けた広告戦略、情報発信が重要であると考えております。  このため県ではこれまでも、富山くらし・しごと支援センターを中心に若者のUIJターン促進のための情報発信に積極的に取り組んできており、例えばホームページをスマートフォンに対応させまして内容も刷新し、フェイスブックでも情報発信をするとか、若者向け移住専門誌TURNSへの記事掲載、首都圏の若者のネットワークであるアコイコの会員向けメールマガジンへのUターン情報の掲載、日本橋とやま館の観光交流サロンに移住に興味のある方が来訪された場合に、リーフレットをお渡しし有楽町オフィスを御案内しているほか、センターの相談登録者を対象に、富山はま作で富山の食の魅力を通して富山暮らしを体感してもらう富山の旬と暮らしを感じる会の開催だとか、こういったものに取り組んでいるところでございます。  さらに昨年度より規模を拡充し、全市町村や先輩移住者、県内企業が参加する大規模な移住・転職フェアを東京で開催するほか、本県への移住者は20代、30代は約7割、WEBやSNSによる情報収集が大半を占めているということもございますので、今年度新たに首都圏在住の20代、30代をターゲットとしたインターネット上の広告掲載によりまして、新規相談者の獲得や移住セミナーの集客強化を図るということをします。このほかにも大学生から社会人まで切れ目のないUターン支援を図るために、県外在住の本県出身30歳以下の社会人約2万4,000人を対象に、県内外で開催する転職や移住に関するイベント情報などを定期的に送付することといたしております。  また、新たに白山オフィスに増員した大学連携コーディネーターが首都圏等の大学を訪問し、学内イベントや説明会への参加を通じまして、学生に直接UIJターン支援事業を紹介するなど若者向けの情報発信機能を大幅に拡充強化したところでございます。  県では今後とも、富山くらし・しごと支援センターを中心に若者のUIJターンの促進に向けまして、全国のセンターに負けない情報発信にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 30 ◯議長(稗苗清吉君)川島国君。    〔7番川島 国君登壇〕 31 ◯7番(川島 国君)大きく2点目に、教育について質問いたします。  教育県とやま、この呼び名は私も小さいころからイメージとして持っており、教育に力を入れてきた富山県を象徴するものであろうと考えます。その歴史は、さかのぼれば先人たちの涙ぐましい努力の上にあるものであり、我々現代を生きる者はその歴史を深く理解することが大事であろうと思います。ここで、ふるさとの偉人であります上埜安太郎先生を御紹介したいと思います。  明治31年の富山県議会通常県議会において、県立第三中学校、今の魚津高校の前身でありますが、その創設案が提案され、魚津設置を主張する呉東側と石動設置を主張する呉西側とが対立し、議会採決も真っ二つに分かれたそうであります。福岡町出身の上埜県議会議長の1票で決まるという究極の場面に追い込まれた中、上埜議長は「我は郡議会議員にあらず、富山県議会議員なり」と言って、魚津側に1票を投じて採択されたそうであります。さまざまな葛藤、悩ましい苦労の上に今の教育県とやまの存在があるのだと思います。そのような歴史の先人の思いをしっかり受けとめた上で、本県の教育のあり方という視点で質問してまいりたいと存じます。  まずは、高校再編についてであります。  私は、基本方針となっている1学年4クラス未満の高校が再編対象であるという理由が、多くの県民に深く伝わっていない現状があろうと考えております。確かに全国的に見ても、基本的には1学年4クラス以上でないと一定の質の高い教育が担保できないという方針がほとんどであります。しかしながら、前提となるその基本方針に深く納得できる理由が見出せないことも一方で指摘され、我々議会の中でもすとんと胸に落ちないところであります。でありますので、先人の思いの詰まった高校をどうしたら存続できるのかという視点から質問したいと存じます。  日進月歩で進化しているICTやIoTの世界において、教育分野においてもその技術の活用が取り組まれているところであります。遠く離れた地球の裏側から授業を受けられる遠隔授業の確立や、先生方の多忙化を解消する教育システムの確立など、教育分野のイノベーションが進められている中において、1学年4クラス未満の高校であっても、教育の質の向上や学校運営費の削減につながると考えますが、教育長の所見を問います。  また、先般の自民党勉強会においても、長野の白馬高校のように国際観光科という新しい学科を設立し、全国から生徒募集を行うことで高校の存続を果たしてきたケースもあるわけでありまして、魅力ある学科を創設し、進化したICT教育も積極的に取り入れることで、超少子化に悩む富山県の未来への投資へとつなげるべきでないかと考えます。  そこで、教育長にお伺いしますが、さまざまな手法が考えられますが、ICTのさらなる活用や少人数教育への踏み込んだ改革で新しい時代の教育県富山を目指し、一人一人の生徒を大事にする質の高い高校教育への転換を図るべきと考えますがいかがでしょうか。  この項、最後に、小学校の放課後における地域共育の推進について質問いたします。  未来とやま政策の大きな位置づけの中に、放課後児童対策が掲げられております。私もライフワークとして力を入れてきた中に、少子化であっても需要が伸び続けているこの小学校放課後における1年生の壁の問題があります。小学校放課後の時間における子供たちの居場所は、現状においては、そのほとんどが放課後児童健全育成事業に頼っております。中身は、地域ごとの放課後児童健全育成クラブが主体的に運営し、当該自治体が所管、監督するものでありますが、私の調査では、例えば利用料については、ある地域では月額1,000円、別の地域では月額5,500円、夏休みなどの長期休みの延長時間利用料も地域によってはばらばらであります。住んでいる地域によってのサービス利用の格差が5倍にも6倍にもなっている現状があります。  他県においては、質の高い一定のサービスを提供するためのガイドラインを持っているところもあり、私も必要であろうと考えますが、本県として放課後児童健全育成事業の現状をどのように捉え、今後どのように質の向上に取り組んでいくのか厚生部長にお伺いいたします。  私は常々、全国金太郎あめ式でない富山県独自の放課後児童育成システムを構築すべきと訴えてきておりますが、今回もしつこく新総合計画策定の期にあって提案したいと存じます。地域教育力を高めていくことが、家庭教育力、そして学校教育力も高めていく近道であろうということは、知事におかれましても共感いただいているところと思いますが、10年にわたり持続可能性を持って地域の多くの大人たちの協働により運営している寺子屋サロンモデルを参考に、富山型地域共育モデルとして県内での横展開や、ガイドラインの作成など研究を進めていくべきと考えます。  ふるさと教育の体制づくりを進めるため、本県独自の教育、子育て政策として、地域の大人たちが子育てにかかわる新たなシステムを構築すべきと提唱いたしますが、石井知事の所見を問いまして私の質問といたします。 32 ◯議長(稗苗清吉君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 33 ◯知事(石井隆一君)富山型地域共育モデルについての御質問にお答えをいたします。  富山県の未来を担う子供たちの健やかな成長のためには、学校や家庭、地域が連携して地域全体で子供を育てていく教育環境が重要でございます。  議員から御紹介のありました寺子屋サロンですがね、活動内容を拝見しますと、茶道とか礼儀とか昔の遊び、お菓子づくり、軽スポーツとか、大変御熱心に取り組んでおられまして、県も多少応援させていただいていますけれども、非常に福岡町の芸文協とか長寿会、婦人会なんかも御参加になって、地元の学校教育を支援するすばらしい立派な活動だと思います。  幸いにして、本県ではこうした寺子屋サロンを初めとして県内各地で多くの地域の方々の御協力をいただきながら、子供たちを育てていただいております。例えば、昨年度は地元の鋳物工場で高岡銅器の歴史や作業工程を学ぶ教室を、これは高岡市の川原小学校区でなさっている。また、地元に伝わる網起し木遣りを教わる教室、これは氷見で行っておられる。また、昔ながらのかんじきを履いての里山歩き、地域の植物を観察する自然体験、あるいは地元のお米でおはぎをつくる郷土料理教室とか、南砺だとか魚津とかいろんなところでそういう取り組みがなされております。  お話しのように、県としてもふるさと教育は大事だということで、例えば小中学校においては、ふるさととやまの人物ものがたりという副読本をつくって配付しましたり、また、高校での郷土史、日本史学習の実施等々、高志の国文学館の運営なんかでも配慮しているつもりですけれども、お話しのような寺子屋サロンを参考に、富山型教育モデルを構築すべきという御提案、大変御熱意はよくわかります。  いろんな地域でいろんな方が取り組んでおられますけれども、こうした寺子屋サロンも、これは一律にこうしなさいとは言えないとは思いますけれども、1つの重要なモデル、参考としてよく検討していただいて、この点については教育委員会でもこうしたふるさと教育の体制整備を勉強してもらって、放課後子供教室ですとか、土曜学習の指導者研修会、いろんな機会に紹介して、これを横展開していく、こういったことに結びつけばいいのではないかと思っております。  今後もふるさと教育は大変大事でありますから、しっかり取り組んでまいります。 34 ◯議長(稗苗清吉君)渋谷教育長。    〔教育長渋谷克人君登壇〕 35 ◯教育長(渋谷克人君)まず、ICT教育についての御質問にお答えいたします。  平成26年度にまとめられた国の報告書によりますと、御質問のICTを活用した遠隔授業について、北海道や長崎県の研究実践事例を検証した結果、小規模校でも幅広い科目を設置することが可能になるなどの効果がある一方で、高等学校教育で大きな役割を果たす集団行動が不十分になる可能性があるなどの課題もあるとされております。  そして、遠隔授業は離島や過疎地などにおける教育機会を確保する手法であるが、導入をすることにより高等学校教育の質の低下を招くことがないように留意する必要があるとされております。  遠隔授業につきましては、今ほど申し上げました離島や過疎地などにおける教育機会の確保だけでなく、他の地域のさまざまな専門性のある教員から学ぶ多様で高度な教育に触れる機会の提供や、療養中の生徒などに対する個別学習ニーズへの対応の面でも意義がありますので、本県としましても研究する必要があると考えております。  ただ、御提案のとおり、遠隔授業の導入により小規模校を存続して現在の県立学校数を維持し、生徒数の減少に対して学級数減のみで対応した場合、今後中学生に多様な選択肢を用意してあげることができなくなることが見込まれますので、先般の総合教育会議において教育委員会としては、高校を再編する必要があるとの意見を申し上げております。  また、御質問の遠隔授業の導入による学校運営費について各県に確認しましたところ、いずれも教員数に変化がないとのことでありました。  ICTの活用による事務の軽減につきましては、教員の多忙化解消の面からも重要と考えておりまして、これまでも各教員にパソコンを配備し、情報の共有化や事務の省略化などに取り組んでおりまして、今後ともICTの活用に努めてまいります。  次に、質の高い高校教育についての御質問にお答えいたします。  本県の県立高校では、学校規模にかかわらずいずれの高校においても、一人一人の生徒を大事にする質の高い教育を確保できるよう努めております。  具体的には、ICTの活用につきましては、すべての高校にコンピュータールームを設置しておりますし、普通教室にも高速インターネットが接続できる環境を整備しまして、生徒の学習環境の向上に努めております。  さらに本年度はICT教育実施校を2校から12校に大幅に拡大いたしますし、配備するタブレット端末につきましても40台から480台にするなど、ICT教育の推進に積極的に取り組んでおります。  きめ細かい教育につきましても、いずれの高校においても数学や英語などを中心に、少人数による習熟度別学習や少人数でのグループ学習などを行っております。ただ、県立学校整備のあり方等に関する報告書では、小規模校では、生徒の科目選択や部活動の選択幅の確保など生徒の多様なニーズに応じた学習活動の充実や生徒間の切磋琢磨、教員の指導力を有効に活用するという面でさまざまな制約があるとされております。  今後とも学校規模にかかわらず、いずれの高校においても一人一人の生徒を大事にする質の高い教育を確保できるようしっかり取り組んでまいります。  以上です。 36 ◯議長(稗苗清吉君)蔵堀厚生部長。    〔厚生部長蔵堀祐一君登壇〕 37 ◯厚生部長(蔵堀祐一君)放課後児童健全育成事業に関する御質問にお答えをいたします。  県では、子供の健全な育成や仕事と子育ての両立支援のため、これまでも放課後児童クラブの拡充に取り組んできておりまして、今年度は国の補助基準額の大幅な引き上げに伴いまして、本県でも助成を拡充したところでございます。  また、国の助成対象とはならない開所時間が短いけれども午後6時を超えて開所するクラブですとか、5人以上10人未満の小規模クラブに対しましては、県独自で助成をしてきているところでございます。  こうした取り組みの結果、放課後児童クラブの数は平成16年度の156カ所から、平成29年度には260カ所に増加をいたしております。また、午後6時を超えて開所するクラブも平成21年度の18カ所から、平成29年度には95カ所へと増加をいたしております。  御指摘のように質の向上のためには、放課後児童クラブの支援員ですとか補助員といった従事者の確保、それから資質の向上を図ることが重要でございますので、従事者向けに子供の育成支援についての知識、技術の習得を目的とした研修を実施いたしますとともに、クラブに配置が必要な放課後児童支援員の認定資格の研修を27年度から実施いたしているところでございます。  また、クラブの開所時間の延長や開所日数の増加のために必要となる従事者の確保を支援いたしますために、平成26年度から保育士養成校の学生に対しまして、クラブでのボランティア参加を呼びかける出前講座を開催しておりますほか、今年度、新たに教員等の退職者を対象とした研修を実施することとしておりまして、クラブの運営を支える人材育成に努めてまいりたいと考えております。  放課後児童クラブは、地域の子供は地域で見守るという自主的な活動として始まったものが、法的に位置づけられ全国に広がったといった経緯がありますので、もともと多様な形態によって運営をされております。料金も運営主体もそれぞれという状況でございます。また、それぞれの地域の個別事情を踏まえて運営されているということもありますが、子育て支援の充実や女性の社会進出促進のためには、放課後の子供の居場所づくりというのは大変重要でありますので、今後とも市町村と連携して、放課後児童クラブの充実にしっかりと努めてまいります。 38 ◯議長(稗苗清吉君)以上で川島国君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  午前11時47分休憩      ─────────────────────  午後1時02分開議 39 ◯副議長(渡辺守人君)休憩前に引き続き会議を開きます。  島村進君。    〔1番島村 進君登壇〕 40 ◯1番(島村 進君)社民党・無所属議員会の島村でございます。  質問に入る前に、一言申し上げなければなりません。  きのうの夜から、けさにかけまして、共謀罪の趣旨を盛り込んだテロ等準備罪を新設する、組織犯罪処罰法改正案が参議院法務委員会の採決を省略するという異例の手続で、参議院本会議で強行的に可決をされました。極めて遺憾であり、強く抗議をするものであります。安倍政権下において、重要法案のたびに繰り返されるこうした国会軽視の暴挙は、心ある国民の皆さんは決して許さないということを重ねて申し上げて、質問に入りたいと思います。  4項目について質問をいたします。  まず、初めに、介護保険事業支援計画について質問をいたします。  2000年に介護保険制度が導入をされましてから、18年が経過いたしました。高齢化社会の進展の中で、介護保険事業は高齢者を支える、なくてはならない事業となっております。介護保険事業計画は3年ごとに改定をされ、現在は第6期計画の3年目でございます。本年はまた、第7期の介護保険事業計画の策定の年でもございまして、現在の6期計画の実態をしっかり総括した上で、第7期計画の策定に臨まなければなりません。  そこで、質問の1点目として、県内の要介護認定者数の推移や、介護サービス別の受給者の現状と課題について、どのように捉えておられるかお伺いをいたします。  特に、第6期における重度者の割合や認定率の、市町村ごとの現状と推移について、計画目標とも比較をして分析し、課題を整理すべきと考えます。  また、先般富山市の65歳以上の要介護認定率が2年連続をして改善されたとの報道がございました。このような市町村の努力や成果などを把握し、その主な要因を分析しながら、成果や課題を県下全体で共有し、要介護者数や重度者の割合を減少させるために役立てるべきと考えます。厚生部長にお伺いをいたします。  2点目に、特別養護老人ホームの入所状況についてお伺いをいたします。
     平成27年度から、入所条件が原則要介護3以上とされましたけれども、27年度、28年度の入所状況や待機者の状況はどうなっているでしょうか。また、要介護度の低い入所希望者のニーズに対して、今後どのように対応していくのか、厚生部長にお伺いをいたします。  3点目に、平成27年度より、年金収入等が280万円を超える介護高齢者のサービス利用料負担が、1割から2割に増額をされました。私は280万円が高所得だとは思えませんけれども、現在、県内における対象者は何人おられるのでしょうか。また、負担増による利用控えなどの影響が出ていないか、厚生部長にお尋ねをいたします。  4点目に、要支援1、2の介護予防給付について、今般、介護保険事業から市町村事業への移行が図られました。これは、流れとしては、介護予防事業を介護保険事業から市町村事業に切り出そうとするものでありまして、介護予防事業の低下につながらないか危惧するところであります。  そこで、このことに関する県内市町村の移行状況はどうなっているのかお聞きをしたいと思います。また、市町村の地域支援事業に移行されることにより、市町村間の格差の発生や、委託費の減などによるサービスの不安定化が進むことが懸念されますが、厚生部長の見解をお伺いいたします。  5点目に、第7期介護保険事業支援計画の策定に当たっての基本的な考え方について、知事にお伺いをいたします。  今国会において、介護保険関連法の改正案が議論をされ成立いたしましたが、そのことも踏まえて、すべての高齢者が人として尊重され、健康で生きがいを持ちながら、住みなれた地域で安心して暮らしていける社会の実現に向けて、第7期介護保険事業支援計画をどう策定されるのか、基本的な考え方とスケジュールについてお伺いをいたします。  6点目に、介護保険関連法の改正案では、高齢者の自立支援と要介護状態の重度化防止、制度の持続可能性の確保のために、自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化などに取り組むということが言われております。市町村に対してどのような支援をしていくのか、厚生部長の見解を求めます。  7点目に、今回の介護保険関連法の改正によりまして、年金収入等が340万円以上の介護高齢者のサービス利用料負担の2割から3割への引き上げや、介護給付金における総報酬割の導入について、本県においてどのような影響が予想されるのか、厚生部長にお伺いをいたします。  続いて、2項目の質問に移ります。  持続可能な農業・農村の実現について伺います。  私は、本年5月末に、この県議会の山村振興議員連盟による県外視察での、島根県の中山間地域研究センターを中心とした中山間地域の活性化の取り組みについて学ぶ機会がございました。島根県における中山間地域の過疎化の進行に危機感を持った総合的な対策事業の展開と努力には、頭の下がる思いがありました。大変勉強になりました。  そこで、本県における中山間地域の振興や、持続可能な農業・農村の実現に向けた課題についてお伺いをいたします。  まず、1点目に、本県では平成28年3月に、富山県中山間地域活性化指針の改定を行い、中山間地域の振興に取り組んでこられましたけれども、これまでの事業の実施状況と具体的な成果などについて、農林水産部長にお伺いをいたします。  2点目に、中山間地域の振興に対する基本的な姿勢や構えという点についてお伺いをいたします。  島根県の取り組みを少し紹介させていただきますと、平成10年に当時の農業試験場赤名分場に、約60億円をかけて島根県中山間地域研究センターが建設をされ、過疎、高齢化の進行に危機感を持って、農林産物の生産、地域住民の生活の場の確保や、国土保全の多面的な機能を担う中山間地域の再生に向け、総合的な対策の実施と持続可能な地域づくりを目指して活動されておりました。  センターの体制は、正職員が42名、嘱託職員17名、臨時職員3名の62名の体制で、中山間地域が持続的に安心して暮らし続けられる地域をつくっていくために、市町村とも協力をし、現地に入り込んで、小さな拠点づくり運動を展開しておられました。島根県は、面積の86.7%、人口の45.3%が中山間地域と指定をされております。大変危機感を持って取り組んでおられました。  一方、富山県を見てみますと、面積の73.2%、人口では18.7%が中山間地域となっております。同じように危機感を持った取り組みが必要なのではないでしょうか。本県においても、島根県のようにはいかないにしても、島根県の構えや取り組みに学び、中山間地域の振興に取り組む考えがないか、農林水産部長の見解を求めます。  3点目に、中山間地域の活性化を図るためには、安心して住み続けられる持続可能な地域づくりを、地域住民の方々と一緒につくっていくという観点が大変重要であります。そのためには、県が一丸となった総合的、計画的な取り組みが必要と考えますが、知事の中山間地域の活性化に向けた決意をお伺いいたします。  続いて、3項目の質問として、種子法の廃止についてお伺いをいたします。  これまで、米や麦、大豆という主要作物の種子は、昭和27年に制定をされた主要農作物種子法によって、100%国産が維持されてまいりました。それは、種子法が国の管理のもとで、各自治体に昔から伝わる原種や原原種の維持と、優良品種の開発、奨励、審査を義務づけてきたからであります。  それが、今国会において、衆参それぞれの院で、わずか5時間程度の議論で、与党を中心に種子法の廃止法案が可決され、2018年4月から施行されることになりました。私は、このことは日本の農業にとって極めて重大な影響を及ぼすとともに、食の安全や食料安保の観点からも、ゆゆしき事態だと考えるものであります。  よく「種を支配するものは世界を支配する」と言われますけれども、今や世界の種苗業界は寡占化が進み、モンサントやデュポンパイオニア、シンジェンタなどのGMO、これは遺伝子組み換え産業でございますが、それがバイオメジャー等によって支配をされ、上位5社で世界のシェアは60%を超えるとも言われております。既に韓国では、種苗大手5社がバイオメジャーに株式を握られ、資本傘下に置かれたと聞いております。  そこでお聞きしますが、種子法が本県農業に果たしてきた役割をどのように評価しているのか、また、今回の種子法廃止に当たって、農業関係者等にどのように説明をし、その反響はどうであったのか、農林水産部長にお伺いをいたします。  2点目に、種子法の廃止を受け、国に対しては農業関係者の声をしっかり伝えていただくとともに、地域の種子、原種の保全や、優良品種の開発、奨励などをこれまでどおり実施し、地域農業を守っていく観点から、仮称でありますけれども、公共品種保全法などの新たな法整備を図るべきだと考えますが、農林水産部長の所見をお伺いいたします。  3点目に、種子法の廃止によりまして、全国一の種もみ出荷県である本県農業に大きな影響が考えられるのではないでしょうか。また、富山米の新品種「富富富」の本格的な普及を目指そうとする我が県農政にとっても、打撃となるのではないでしょうか。ふふふなどと、のんきに笑っていられない状況だと思います。  今後の本県農業を守っていくためには、強い決意で主要農作物の種子の生産、普及に取り組むべきと考えますが、知事の決意を含めた所見をお伺いいたします。  4項目の質問として、県立高校の再編の問題について質問をいたします。  県立高校の再編については大変関心が高まっておりまして、この県議会でも2月に引き続き、本定例会の代表質問でも取り上げられ、午前中の一般質問でも触れられました。  私の地元にある福岡高校も再編の可能性があるとされておりまして、地域の皆さんからも心配の声が多く寄せられております。ぜひ残してほしい、そんな切実な声が届いております。  そこで、私からも、県立高校の再編の問題について、何点かお伺いしたいと存じます。  この間の再編をめぐる議論や、県の総合教育会議の資料等を見ましても、1学年3学級以下の小規模校は廃止、統合という方向ありきで進んでいるように思えてなりません。私は、こういう出口を決めたような検討、議論であってはならないし、どう子供たち一人一人の個性を伸ばし、さまざまな可能性を高め合えるような、よりよい富山県の高校をどうつくっていくのか、そういう姿勢が最も大切ではないかと思うものであります。  そこで、1点目の質問は、高校再編の議論の中に、少人数学級による生徒本位の学級編制ということや、小規模校だからこそできる教育のよさ、そういう点が十分に議論、検討されていないのではないか。欧米では、高校も含めて30人以下の学級が一般的でございます。文部科学省が出している資料でも、イギリス、ドイツ、フランス、アメリカなどは25人以下学級であります。1学級40人という固定的な考え方を変えて、少人数学級による特徴ある教育のあり方も検討するべきだと考えるものですが、教育長の見解を求めます。  2点目に、さきに実施をされた前期高校再編がどうであったのか、十分な総括が必要だと思います。地域バランスに十分配慮することや、当該市町村との協議、当該地域住民や保護者への的確な情報提供により理解を得ながら慎重に進めていく、こんなことが大事なのではないでしょうか。教育長の御答弁をお願いいたします。  3点目に、高校再編に関する今後の検討手順やタイムスケジュールについてお伺いをいたします。  大切なのは、結論をただただ急ぐのではなくて、幅広い議論の中で、県民的な合意をどう図っていくのか、このことだと思います。再編の検討対象に上げられているような高校や地域とも十分話し合い、これまでの学校運営の努力や特徴、成果などについても、しっかり評価をすべきであります。  私の地元の福岡高校は、英語コースを有する県内唯一の普通科単独校で、英国語学留学を初めさまざまな英語の教育活動により、生徒の英語能力を向上させるとともに、国公立大学を中心にすぐれた進学実績を上げております。また、地域との交流事業にも積極的に取り組み、地元の幼稚園や高齢者施設入居者との共同事業にも積極的に取り組まれております。  小規模校の廃止ありきではなくて、大規模校と小規模校をバランスよく配し、子供たちの興味、関心、特質に応じた選択を可能にするという選択肢もあるのではないでしょうか。また、富山県は幸いにもコンパクトな県でございますので、交通の便も大変いいわけでございまして、小規模校の廃止ということだけではなくて、大規模校からの学級移行などによる調整と平準化によって、もっとよりよい高校のあり方を検討すべきではないかと考えるものであります。  いずれにいたしましても、幅広い議論の中で、慎重なる検討が行われ、県民に喜ばれる結果になりますよう、知事の所見を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。 41 ◯副議長(渡辺守人君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 42 ◯知事(石井隆一君)島村議員の御質問にお答えをします。  まず、第7期介護保険事業支援計画の策定についてでございます。  県では、団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据えまして、高齢者の方が住みなれた地域で安心して暮らし続けられる地域包括ケアシステムを構築しますために、第6期の介護保険事業支援計画に基づいて、若い時代からの健康づくりですとか、介護予防、認知症施策の推進、在宅と施設のバランスのとれたサービス基盤の整備などに取り組んでまいりました。  また、先般介護保険法が改正されまして、高齢者の自立支援と要介護状態の重度化防止等を図りますとともに、サービスを必要とする方に必要なサービスが提供されるように、地域包括ケアシステムの強化が図られることとなりました。  そこで、この法改正の趣旨も踏まえまして、県が本年度策定する予定の第7期の介護保険事業支援計画では、これまでの取り組みをさらに進めまして、地域包括ケアシステムの着実な構築を図りますために、市町村が行う自立支援、また、重度化防止に向けた取り組みを促進、また、医療、介護の連携の推進、また、認知症施策の推進、また、介護人材の確保などに取り組んでまいりたいと考えております。  なお、県では既に29年度から自立支援等を検討する市町村の地域ケア会議の取り組みへの支援ですとか、郡市医師会の在宅医療推進に向けた取り組みの支援、また、認知症疾患医療センターへの支援などについて、この計画の策定に先駆けて取り組んでおります。  今後、7月以降に国から提示されます計画上のガイドラインとなる基本指針等を踏まえまして、県の社会福祉審議会高齢者福祉専門分科会等で御審議いただきますとともに、医療計画との整合性を図りながら、介護保険事業計画を策定する市町村や保険者等医療、介護、福祉関係者と十分協議しまして、また、県民からも幅広く御意見を伺おうということで、パブリックコメントなども予定しておりますけれども、新しい計画の策定にしっかりと取り組んでまいります。  次に、持続可能な農業・農村の実現についてでございます。  県では、平成9年に策定した富山県中山間地域活性化指針、その後、御存じかと思いますが、2度改定しておりますけれども、これによりまして、中山間地域総合整備事業などによる用排水や農道などの農業生産基盤、また、下水処理施設や集落道などの生活環境の整備、また、森づくり条例もつくりましたが、水と緑の森づくり税の活用による森林整備を進めますとともに、地域資源を活用した都市との活発な交流や、農山漁村への移住の促進活動、また、市や町、あるいはNPO法人によるバスの運行ですとか、また、福祉コミュニティ活動に支援しますなど、安全で安心な持続可能な中山間地域づくりというのを進めております。こうした中での、御承知のように、ふれあいコミュニティ・ケアネット21というのは、全県下で259、ケアネットチーム数は3,231に達しているわけであります。  しかし、高齢化とか過疎化の進行で、一部の地域では農林業の後継者あるいは地域づくりの担い手の不足から、活動の継続が困難というふうな状況になりますなど、やはり深刻な状況もあると思います。  そのために県では、地域を取りまとめるリーダーとか、将来を担う若手の育成に加えまして、中山間地域の集落と企業や団体等が連携した取り組み、また、農村ボランティア、森林ボランティアの活動など、県民の皆さんが参加する地域活性化に向けたさまざまな取り組みへの支援を行いますとともに、複数の集落が連携して地域資源の維持、活用を図る共同活動の取り組みに対しても支援してまいりました。  中山間地域の活性化は大切なことでありますから、引き続き、県の関係部局と密接に連携いたしまして、また、総合的かつ計画的に取り組むことが重要だと思っておりますので、今後も、市町や関係する団体、JAとか地域活性化協議会、こういった皆さんと十分連携しながら、より実効性のある、効果のある振興施策を展開しまして、中山間地域の振興にしっかり取り組んでまいります。  次に、種子法の廃止についてお答えをいたします。  本県においては、お話しのとおりで、全国一の種もみ出荷県であります。県としては、種子法に基づいて、品質確保のための圃場や生産物の審査、種子生産のもととなる原種等の生産、優良な品種を決定するための試験等を行っており、それが全国一だという実績評価につながっていると思います。  こうした中、昨年11月に国で決定された農業競争力強化プログラムにおいて、戦略物資である種子、種苗については、今後、民間活力を活用して種子の開発への供給体制を構築するとされまして、今通常国会において、種子法の廃止をする法案が可決、成立したところでございます。  国会の審議では、種子法の廃止によって、種子の品質確保や安定供給に対する懸念が示されましたことから、参議院において、廃止法案に対する附帯決議がなされております。国では、この附帯決議を受けまして、今後、種子の品質確保のために、種苗法に基づく告示の規定の中に、主要農作物種子の品質等に関する基準を定めまして運用するということ、また、都道府県が優良種子の生産、普及を図るために、圃場の指定や、圃場、生産物審査の実施などの取り扱いを含むガイドラインを、この夏ごろを目途にして示すと、さらには、都道府県の種子に関する事務経費を対象としている地方交付税措置も引き続き確保するなどの対応を行って、引き続き優良な種子の安定供給を維持するように努めるとされているわけであります。  県としましては、国から示される予定の種苗法に基づく告示や、都道府県の業務の根拠となるガイドラインについて、事前の情報収集に努めまして、本県の種子生産現場の実情に即した内容となりますように、国に働きかけることにいたしております。  また、県の主要農作物種子協会などとも連携いたしまして、引き続き原種等の生産、これは今度の新品種の「富富富」を初め、稲とか麦とか大豆の種子などの生産ですけれども、生産物の審査や、農業者への指導も行いますとともに、今度の種子法の廃止を踏まえまして、改めて現場の意見も伺って、また、一方で民間の優良種子の活用ということもお聞きしますと、そういうものがあれば活用したいという声もないわけではないようですから、そうしたことにも配慮しながら、全国一の種もみ出荷県としての評価の確保、向上に取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。  なお、新品種、「富富富」については、私も気にしておりましたけれども、今のところ種子法の廃止後にあっても、県及び関係機関において、他の種子と同様に引き続き高品質な種子の安定生産に努めていくということにしておりますので、それに非常に大きな影響があるということではないんじゃないかと、こういうふうに思っております。  最後に、高校再編についてでございます。  高校再編については、まず、県立学校整備のあり方等に関する検討委員会、これは富山大学の神川先生に委員長になってもらったんですが、ここで御承知のように、平成26年9月以来、1年8カ月いろいろ議論して報告をまとめていただいております。この報告も踏まえて、昨年6月から総合教育会議で議論しておるわけでございます。  高校再編について、先月開催しました、総合教育会議におきまして、これまで御意見いただいた市町村や経済界等の有識者の方々の論点を整理しまして、検討協議を行いました。もちろん、補足資料も踏まえて、教育委員会からは、多くの有識者が、やっぱり主役は子供たちだとの視点に立って再編を進めるべきという御意見が、これは率直に言って圧倒的だったわけですけれども、そういうことも踏まえて、中学生は過去3年間の卒業生の進路先を見ますと、ここの中学生の方は地元にこだわらずに、広い範囲の中から進みたい高校を選んでおり、これからも各学区において中学生の皆さんに幅広い選択肢を用意してあげることが大切である。それから、しかしながら再編を行いませんと、今後、中学生の皆さんに多様な選択肢を用意してあげることができなくなる。このままですと、平成38年には富山地区以外の地区では、すべての学校が4学級以下になる、平成43年には新川と砺波地区では、すべての学校が3学級以下になると、高岡地区でも、半数以上が3学級以下になるというようなことでありますので、おっしゃるように、大規模な学校、中規模な学校、小規模な学校というのを、小規模校も私は意義があるとはもちろん思っているんですが、それを備えるには何らかの再編が必要で、そこのことについては、その対象は部活動や学習活動にどうしてもやっぱり制約がある小規模校とならざるを得ないという意見が、これは教育委員会から述べられたわけでございました。  私からは、高校再編は大変重要な課題でございますから、例えば地方創生の観点から、一市町村一高校という議論もあるんですけれども、地方創生といってもいろんな観点や議論がありますから、いわゆるダム論なども含めてしっかり整理をしてもらい、また、教育委員会として、再編によってどのような姿や選択肢を中学生諸君に用意してあげたいのかを、これは具体的な高校名を今上げるということではもちろんありませんけれども、それを示すこと、また、近県で存続している小規模校や、その理由などについて整理するよう指示、要請をいたしました。  総合教育会議では、これらの資料も踏まえて、職業科や中高一貫校などに関する論点とあわせて、さらに議論を深めていくことにしておりますけれども、その過程で、教育委員会において、議論の概要を各学区で説明して、御意見、御要望を伺うなど、幅広い県民の御意見を承って、御理解いただきながら検討協議を進めていくことにしております。  その上で、再編の基本方針が定まれば、次の段階として、再編の対象校や実施時期など具体的な再編計画を策定していくことになると考えております。平成30年からの生徒数の減少、32年からさらに急減するということを踏まえますと、いつまでも議論ばかりして方向が出ないというわけにはいかない、こういう面がありますけれども、できるだけ多くの皆さんの理解が得られるように、十分に論議を積み重ねていく必要があると考えております。  例えば本県では既に小規模校に配慮して、かつて10学級あったいわゆる大規模校、その中に進学校も含まれているわけですが、既に7学級にして周辺の地域の学校のクラス数の大幅減とならないように配慮してきました。しかし、例えば石川県、福井県では、依然として高校生の皆さんのニーズに応えるために、9学級や10学級の高校を維持しておられます。これも一つの見識だと、こういう考え方もあるわけです。  したがいまして、総合教育会議での検討協議に当たっては、高校生の皆さんにとってどういう教育を受けることがその後の人生にとってよいのか、そのためには県立高校は将来も見据えて、どのような姿が望ましいのかということ、こうした高等教育の充実の観点を基本としまして、それに加えて、地方創生の観点や地域の特性、住民の声に十分考慮、反映しまして、また、今議会でもいろいろ御議論いただいております県議会での御議論、幅広い県民の御意見を承りながら、今後とも適切かつ丁寧に進めてまいりたいというふうに考えております。 43 ◯副議長(渡辺守人君)蔵堀厚生部長。    〔厚生部長蔵堀祐一君登壇〕 44 ◯厚生部長(蔵堀祐一君)介護保険事業支援計画に関する御質問に順次お答えをいたしたいと思います。  まず、最初に、要介護認定者と介護サービス別受給者の状況等に関する御質問にお答えをいたします。  本県の要介護認定者数は、平成28年3月末現在で約5万9,000人であり、要介護認定率は18.1%と、全国平均の17.9%とほぼ同じ水準となっております。また、介護サービス別受給者数につきましては、居宅サービスが約3万6,000人、地域密着型サービスが約5,000人、特別養護老人ホームなどの施設サービスが約1万2,000人となっております。  要介護認定者の要介護度別の構成比を全国平均と比較いたしますと、要介護3から5のいわゆる重度者の割合が39.6%と、全国平均の34.7%より高くなっております。特に、施設サービスにおいて重度者の割合が87.2%と、全国平均83.1%より高くなっているところでございます。これは、本県の高齢化が進んでいることが要因の1つとは考えられますが、介護予防や要介護状態の重度化防止が課題であると認識をいたしております。  このため、県内市町村では、高齢者の運動機能向上を目的とした教室や、閉じこもりを予防する地域サロンの開催など、介護予防の取り組みを進めておりまして、市町村の中には、要介護認定率が低い状態を継続して維持している市町村がございます。また、認定率が高いものの、富山市のように近年若干改善傾向がみられるという市町村もあるところでございます。  県といたしましては、こうした取り組みを市町村向け研修会等において積極的に情報提供をしておりますほか、昨年度からは、要介護度の維持改善に積極的に取り組み、顕著な成果を上げている介護事業所などを表彰しているところであります。  今後とも、こうした取り組みを通じて、高齢者の介護予防や要介護状態の重度化防止に努めてまいります。  次に、特別養護老人ホームの入所状況や待機者の現状についての御質問にお答えをいたします。  本県の特別養護老人ホームの入所者数は、平成29年4月現在で5,789名となっており、待機者数につきましては、平成28年4月現在で1,813名となっております。これは前年度が2,073名でしたので、260名の減少ということでございます。  特別養護老人ホームの新規入所につきましては、平成27年4月以降、原則として要介護3以上の方に限定されたところではございますが、要介護1または2の方であっても、認知症などにより居宅において日常生活を営むことが困難なことについて、やむを得ない事由があると認められる方については特例的に入所が認められております。  このため県では、富山県特別養護老人ホーム入所指針におきまして、特例的な入所の要件や入所判定の手続を定めております。これに基づきまして、施設の実地指導の際に、特例的な入所が適切に行われているかを確認しておりますほか、市町村を通じて特例的な入所の要件や手続等についての周知を図っております。要介護1または2の方で、特別養護老人ホームに現在特例的に入所されている方ですが、平成29年4月現在で179名となっているところでございます。  県としては、今後とも要介護1または2の方の特例的な入所が適切になされるように、制度の周知や施設に対する指導助言に努めてまいります。  次に、介護高齢者のサービス利用負担が1割から2割に増となったことに関する御質問にお答えをいたします。  介護保険制度の改正によりまして、平成27年8月から、一定以上の所得のある人の自己負担割合が2割に引き上げられたところです。2割負担が適用されました県内の要介護認定者数につきましては、平成28年3月現在で4,541人となっておりまして、要介護認定者全体に占める割合は約7.7%となっております。これは全国平均が約9.6%でございますので、それよりはかなり低い水準だと思っております。  負担割合の引き上げに関する影響につきましては、先ごろ5月に改正されました介護保険法の附帯決議にも記されておりますけれども、今後、国におきまして引き上げ前後における介護サービスの利用の変化、介護施設からの退所者数の状況、家計への負担、高齢者の地域における生活等に関して、実態調査を十分行った上でその分析及び評価を行うこととされております。ただ、一般的には要介護度が上がりますと高額介護サービス費に該当いたしますので、施設入所者の方などは負担の伸びが抑えられるという傾向が多くなると考えております。  県といたしましては、この国の実態調査の状況を見ながら、県内保険者との連絡会議を通じまして、制度改正の影響についての状況把握に努めてまいります。  次に、要支援1、2の介護予防給付に関する御質問にお答えをいたします。  要支援1、2の認定者に対する訪問介護及び通所介護につきましては、地域の実情に応じた多様なサービスを提供いたしますために、ことしの4月から市町村が実施をいたします新しい介護予防・日常生活支援総合事業に移行したところでございます。現在、県内では、改正前の予防給付に相当いたしますサービスはすべての市町村で実施をされております。また、地域の実情に応じて実施いたしますミニデイサービスなど、緩和した基準によるサービスは14の市町村で、サロンですとか通いの場など、住民主体によるサービスは4つの市と町で実施をされております。  県では、これまで各市町村の新しい総合事業への移行が円滑に進み、また地域によって大きな差が生じないようにするために、市町村職員等のセミナーの開催ですとか、先進事例のノウハウを学んでもらうためのモデル事業の実施、それから、生活支援コーディネーターの養成などに取り組んできたところです。  今年度では、さらに新しい総合事業が着実に展開できますように、住民主体の多様なサービスの提供に向けたアドバイザーの派遣ですとか、生活支援コーディネーターのスキルアップを図る研修などを行いまして、市町村への支援を強化することといたしております。  今後とも、新しい総合事業において、地域の実情に応じた多様なサービスが提供され、また、安定して実施されるよう市町村の支援に努めてまいります。  次に、自立支援や重度化防止に関する御質問にお答えをいたします。  介護保険制度が持続可能性を維持していきますためには、保険者が地域の課題を分析して、高齢者がその有する能力に応じた自立した生活を送っていただくための取り組みを進めるということが重要でございます。  議員からも御指摘がございましたが、大分県では要介護認定率が全国平均をかなり上回っておりましたことから、それぞれの市町村において他職種が参加する地域ケア会議を開催して、要支援者の課題解決に向けた支援内容を専門的な助言を得ながら検討することで、自立支援や介護予防に向けた効果的なサービスを提供することとしたところです。この結果、介護認定率の低下ですとか、介護給付費の上昇が抑制できたという報告がなされております。ただ、大分県はかなり給付費も伸びておりまして、富山県よりもかなり給付費の上昇が大きかったという状況がございます。  国では、この大分県の取り組みなどをもとに、自立支援、介護予防に有効な手法を行いますために、今年度、地域ケア会議を普及するためのガイドラインを策定いたしまして、全国的に展開するための実践モデル市町村を募集いたしまして、実施することとなっております。県内では、3つの市と町がこの地域ケア会議の取り組みを実施することになっております。  県では、このモデル市町の地域ケア会議の立ち上げに向けて支援を行いますとともに、その取り組みの成果をほかの市町村へ普及するための研修会を開催いたしまして、自立支援、重度化防止に向けた取り組みを進めてまいります。  最後に、利用者負担の2割から3割の引き上げ、それから総報酬割の導入に関する御質問にお答えをいたします。  先月、介護保険法が改正をされまして、利用者負担割合につきまして、平成30年8月から、現在の2割負担層のうち特に所得の高い層の負担割合が3割とされましたほか、40歳から64歳の第2号被保険者の保険料につきまして、現在は各医療保険者の加入者数に応じて負担する加入者割になっておりますけれども、これを、被用者保険、協会けんぽですとか、健保組合ですとか、共済組合ですが、この被用者保険の間では、報酬額に比例して負担する総報酬割が導入されたところでございます。  このうち、利用者負担割合の見直しにつきましては、月額4万4,400円の負担の上限がありますために、3割負担となり、負担増となる人は、厚生労働省の試算によれば受給者全体の約3%とされております。受給者全体が496万人いますので、その3%は全国で約12万人ということになります。  なお、先ほども触れましたけれども、特養など施設入所者の一般的な費用額は既に4万4,000円の上限に達しておりますので、仮にこれが3割負担となりましても、負担増となる方はほぼいないと想定をされております。  また、総報酬割の導入につきましては、負担増となる被保険者が約1,300万人、それから、中小企業の従業員の方などを中心に負担減となる被保険者が約1,700万人と推計をされております。
     今回の制度改正は、高齢化の進展に伴いまして、介護費用が増大し介護保険料も上昇していく中で、世代間、世代内の公平性を維持しつつ、介護保険制度の持続可能性を確保する観点から行われたものでありまして、県としては今後とも高齢者の自立支援と要介護状態の重度化防止を図りますとともに、サービスを必要とする方に必要なサービスが提供されるように、しっかりと努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 45 ◯副議長(渡辺守人君)伍嶋農林水産部長。    〔農林水産部長伍嶋二美男君登壇〕 46 ◯農林水産部長(伍嶋二美男君)まず、中山間地域活性化支援の実施状況等についてお答えをいたします。  県では、中山間地域の活性化を図るため、平成9年に富山県中山間地域活性化指針を制定いたしまして、その後、これまで2度にわたって改定をしてきております。  平成28年3月の改定におきましては、1つには中山間地域ならではの資源のフル活用、それと、農村回帰の動きを捉えた魅力づくりに重点を置きまして、その方向性を定め、その実現に向けまして、県と市町や関係団体等が一緒になり、中山間地域の振興に取り組んできております。  そのうち、地域資源の活用につきましては、例えば高岡市の五位地区におけます安納芋、サツマイモを活用した加工品の開発と販売、こういったことや、あるいは伝統野菜である五箇山のボベラ、これはカボチャですけれども、その栽培と大手スーパーとの連携を図るなど、集落と企業が一体となって取り組みます45地域の魅力的な活動に対しまして、中山間地域チャレンジ支援事業により支援をしてきております。  さらに、とやま型中山間地域資源利活用推進事業によりまして、八尾地区におけます豊富な水資源を活用いたしましたマイクロ水力発電施設の整備、そのほか、城端絹のもととなる養蚕技術の継承など、地域の収入拡大を目指した3つのモデル地区での取り組みに対しまして支援をしてきております。  また、農村回帰の動きを捉えた魅力づくりについて申し上げますと、田舎暮らしを体験していただくとやま帰農塾において、これまで延べ1,168名が参加しまして、そのうち35名が本県への移住につながっていることや、あるいは、とやま農山漁村インターンシップにおきましては、首都圏等の大学から2年間で6つの地域におきまして、延べ96名が参加して、訪れた地域で地域おこし協力隊員として活躍している事例もあります。さらに、市町村や各地域におきましても、独自の取り組みが進められるなど、新たな事業への広がりにもつながっておりまして、着実に成果が上がっているものと考えております。  次に、本県の持続可能な地域づくりについての御質問にお答えをいたします。  先ほど、議員からも御紹介がありましたけれども、島根県では、中山間地域における集落機能や公益機能の維持が困難となる状況を踏まえ、中山間地域研究センターを設置いたしまして、専門職員がさまざまな調査研究を実施して、中山間地域の振興を図っていると聞いております。また、いわゆる小さな拠点づくりの取り組みを推進されておりまして、地域の話し合いの場の設営や議事進行、さらには優良な取り組みの事例の紹介や各種補助制度の活用などにつきまして、専任の職員が取りまとめ役として、地域運営の仕組みづくりに参画していると聞いております。  本県におきましても、調査研究につきましては、例えば中山間地域に適しておりますシャクヤクを中心とした薬用作物の栽培技術の研究のために、部局、これは厚生部と農林水産部でありますけれども、両部局が横断的に構成いたしますプロジェクトチームを立ち上げて取り組んでおります。  また、先ほど説明いたしましたとやま帰農塾や、あるいはとやま農山漁村インターンシップにおきましては、県職員が地域に出向きまして、地域住民とともに実施プログラムの検討を行うとともに、プログラムの参加者と地域住民を交えた交流会に参加するなどの運営サポートを行うことによりまして、地域の抱える課題の把握に努め、さまざまな持続可能な活動の取り組みに対して支援をしております。  県としては、今後とも関係部局の連携を強化し、特に研究機関の相互連携を密にいたしまして、地域ニーズの把握や調査研究に努めますとともに、島根県を初め他県の取り組みを参考にしながら、より効果的で実効性のある振興施策を展開することによりまして、持続可能な中山間地域づくりに取り組んでまいります。  次に、種子法が果たしてきた役割等についての御質問にお答えをいたします。  本県におきましては、先ほど知事からお答えをいたしましたとおり、県産種子の品質確保のために、種子法に基づきまして、農林振興センターによる圃場や生産された種子の審査、また、農業研究所によります種子生産のもととなる原種などの生産、また、優良な品種を決定するための試験などを積極的に行ってきております。  こうした取り組みによりまして、コシヒカリを初めとする本県産の水稲種子の品質は、異品種の混入がないこと、また、高い発芽率を有していること、これはおおむね全国基準が90%以上でありますけれども、富山県産はおおむね90%後半ということになっております。さらに、種子伝染性の病害の発生がない、こういったことなどによりまして、他県からも高い評価を受けております。  この結果、現在では、県間流通量、これは県と県の間での流通量でありますけれども、この流通量の約6割を本県産が占め、全国一の種もみ出荷県としての地位確立に重要な役割を果たしてきたと考えております。  今回の種子法の廃止に当たりましては、農林水産省から都道府県や農業団体に対しまして、全国のブロックごとの説明会や個別の説明会などが設けられまして、種子法廃止の経緯や、廃止後の都道府県の業務の根拠となるガイドラインの設定概要などにつきまして、今後の対応方針とあわせて説明が行われてきております。  こうした国の説明を受けまして、県では、種子生産者の代表者などからなります県主要農作物種子協会等との意見交換を行ってきておりまして、国の対応方針や、県の考え方について説明をしてきております。生産者からは、今後の種子の品質確保や安定供給などに関する懸念が示され、県として高品質な種子の生産及び安定供給に向けて、これまでと同様に積極的な役割を果たしてほしいとの旨の要望をお聞きしているところであります。  最後に、種子法の廃止に向けた国への働きかけについての御質問にお答えをいたします。  県では、種子法廃止法案が閣議決定された直後から、現在に至るまで、あらゆる機会を通じまして、国に対して直接に農業関係者の声をお伝えし、種子生産現場の実情に即した対策を行うよう強く働きかけてきたところであります。  国においては、廃止法案に対する参議院の附帯決議を受けまして、種苗法の告示において、品質等に関する基準を定めることや、また、都道府県における審査業務などの業務運営の根拠となるガイドラインを示すこと、さらに都道府県が行う事務に対する財政的な支援の確保など、これまでの種子生産に関する枠組みを基本的には維持する方向で検討が進められております。  県としては、まずは国から今後示されるガイドライン等の内容につきまして、本県の種子生産現場の実情に即した内容となるよう、1つには、種子を生産する圃場の指定や、圃場や生産物の審査、原種などの生産、供給、奨励品種の決定のための試験などの、都道府県の役割を明確にすること、また、都道府県への財政措置を確保することなどについて、強く働きかけてまいりたいと考えております。  なお、議員から御提案がありました、公共品種保全法(仮称)の法整備を求めることにつきましては、今後、国から示されるガイドラインの内容などを踏まえた上で、適切に判断をしてまいりたいと考えております。  県としましては、今後とも全国一の種もみ出荷県として、県育成品種などの種子の品質確保や、安定生産が図られるよう引き続き県としての役割を果たすことによりまして、本県の水田農業のさらなる発展に取り組んでまいります。  以上でございます。 47 ◯副議長(渡辺守人君)渋谷教育長。    〔教育長渋谷克人君登壇〕 48 ◯教育長(渋谷克人君)まず、高校の少人数学級についての御質問にお答えいたします。  高校の学級定員につきましては、法律上、全日制の課程または定時制の課程における1学級の生徒の数は、40人を標準とするとされておりますし、集団生活を営み、また生徒相互で切磋琢磨できる環境などを確保する観点から、本県では1学級40人を基本としております。  小中学校の少人数学級につきましては、小学校1、2年生では基本的な生活習慣や学習態度を身につける大切な時期でありますので35人学級としておりますし、また、発達段階に個人差が大きい面がある小学校3年生と、中1ギャップ対応が必要な中学校1年生では35人学級選択制を導入しておりますが、これらは児童生徒の状況や課題を踏まえた措置であります。  高校におきましては、同様に各学科などの特性を踏まえ、例えば個人レッスンが中心の音楽コースや、福祉施設での介護実習が必要な福祉科、実技実習できめ細かい指導が必要な農業科などで学級定員を30人としておりまして、全国的にも学級定員40人を基本としつつ、本県と同様の措置が行われております。  現在、いずれの県立高校におきましても、生徒の学習ニーズや進路に対応した多様な選択授業や、学習内容の定着を図るための習熟度別学習など少人数指導も実施しておりまして、今後とも1学級40人を基本として、各学校における教育活動の充実にしっかり取り組んでまいります。  次に、市町村との協議などについての御質問にお答えいたします。  前期の高校再編につきましては、平成25年度に設置されました検討委員会によりまして、その評価と今後の課題がまとめられております。  まず、評価につきましては、前期再編による学校規模が確保され、学習活動、学校行事、部活動の面で、生徒相互に切磋琢磨できる教育環境が整備され、教育内容の充実が図られているとされております。また、今後の課題につきましては、生徒の急激な減少に対して毎年の学級編制だけで対応することは困難であり、今後さらなる再編統合について、検討する必要があるとされております。  また、議員御指摘のとおり、高校をバランスよく配置していく視点が必要で、再編を進める際には、市町村と協議を行い、再編に関する情報を地域住民や保護者に的確に伝え、理解を得ながら慎重に進める必要があるとされております。  この地域バランスへの配慮や市町村との協議などにつきましては重要なことでありますので、これまでも議会において、こうした点に留意しながら議論を進めることを繰り返し申し上げてきております。  また、県民の方々への的確な情報提供につきましては、これまでも県立学校整備のあり方等に関する検討委員会や、総合教育会議での議論、御意見などをホームページに公開しておりますし、パブリックコメントも実施しております。  さらに、今ほど知事からお答えしましたように、今後、総合教育会議で議論を深める過程で、教育委員会として議論の概要を各学区で説明しまして、御意見、御要望を伺うなど、幅広い県民の方々の御意見を承り、御理解をいただきながら検討、協議を進めていくこととしておりまして、今後とも御指摘の点に留意して進めてまいります。  以上です。 49 ◯副議長(渡辺守人君)以上で、島村進君の質問は終了しました。  山崎宗良君。    〔8番山崎宗良君登壇〕 50 ◯8番(山崎宗良君)第68回植樹祭が無事終了いたしました。知事を初め県職員の皆さん、魚津市を初めとする各自治体の皆さんが着々と準備を進められ、県民一体となったすばらしい植樹祭になりました。その労をねぎらい、心から敬意を表します。  植樹祭の大成功も、富山県の大自然や勤勉な県民性など、その基礎がしっかりしていたからだと思います。オリンピックの金メダルにしても、基礎的な訓練を積み重ねてこそのメダルであり、何事も基礎が重要だと思っています。  私たちの生活に密着している、あるいは生活そのものとも言える中小企業や小規模事業者、また国土強靱化を推進してくれる建設業者も社会の大切な基礎であり基盤です。しかし、現在は東京オリンピックへの準備や震災の復興に予算が必要だということで、地方への予算配分がままならないのが現状であります。  憲法改正論議の促進について代表質問がありましたが、まさに国と地方の存在意義や役割分担を憲法上で明確にし、人もお金も東京一極に集中し過ぎている現状を、地方に適切に再配分する、バランスのとれた揺るぎない仕組みを確立しなければ、富山県の未来も基盤も危ういと思います。憲法改正といえば9条の議論が目立ちますが、実は私たちの生活に密着した、地方自治の条文が貧弱であるという事実に対して、政治家としても地方自治の主役である富山県としても、県民とともに真剣に議論していかなければならない重要な課題であり、憲法改正議論の大切さを地元の皆さんと広く共有できるように、私自身、頑張ってまいりたいと思いますし、県としても広く県民と議論する場を積極的につくってくださるよう切にお願い申し上げて質問に移ります。  初めに、中小企業、小規模事業者対策について伺います。  現在、高齢者の人口は毎年0.2%と緩やかに減少しているのに対して、労働生産人口は毎年4%のスピードで減少しています。富山県はもう既に人手不足の状態で、深刻な状況になってきています。このまま手を打たなければ、生産したくてもできないという物不足の状態になることが予測されます。  第4次産業革命は、ロボットの活用や事務の効率化など、人手不足を回避するための施策であると、私自身は認識しています。大企業であれば自力でこの局面を乗り越えることができるかもしれませんが、中小企業や小規模事業者は、約7割の労働者を養いながらも、その経営基盤は脆弱です。中小企業や小規模事業者が潤わなければ、社会全体の金回りも悪くなり、経済成長も難しくなります。  そこで、中小企業や小規模事業者の生産性向上や業務効率化への支援を、迅速に、また、さらに強化していく必要があると思いますが、今後どのように支援していかれるのか、事業者への啓発も含め、大坪商工労働部長に伺います。  都市の発展はインフラ整備とともにあります。インフラがあるところへ人が集まるのであって、人口の多いところに社会資本が投下されるわけではありません。人口対策や地域の景気対策としても、社会資本整備はとても大きな意味をなします。しかし、私が経営する会社のお得意様である土木事業者の皆さんは、口をそろえて売り上げがピーク時の3割になった、ひどいところでは25%だとおっしゃいます。普通、一般的に、企業は売り上げがピーク時の半分になると倒産しますが、現在残っていらっしゃる事業者さんは長く地域を支えてこられた方が多いので、辛うじて存在されているのだと思います。このまま放置すれば、災害時に夜を徹して対応してくださる事業者さんがおられなくなり、県民の生活に支障を来すことにもなりかねません。また、地震もなく平たんな穀倉地帯を誇るフランスでさえ、公共投資はGDPの6%を超えますが、災害大国の日本は4%を割り込んでおり、大変バランスが悪くなっています。  このように、人口対策や景気対策はもとより、優秀な土木技術を絶やさず継承していくためにも、土木工事発注量のさらなる確保が必要と考えますが、今後の見通しはどうか、加藤土木部長に伺います。  富山県には、石井知事がつくられた中小企業振興基本条例という立派な条例があります。発案し、またお骨折りをいただいたことに心から敬意を表します。条例制定から5年を経て、県としてどのような施策を展開され、その効果はどのようにあらわれているのか、今後の中小企業振興策の方向性とあわせて、石井知事に伺います。 51 ◯副議長(渡辺守人君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 52 ◯知事(石井隆一君)山崎議員の御質問にお答えをいたします。  中小企業の振興と人材育成、小規模企業の持続的な発展の促進等に関する基本条例、これの成果等についてお尋ねがありました。この条例は、お話のように5年前に制定したわけでございますけれども、技術の高度化とか、販路開拓、人材の育成など、中小企業政策の基本となる事項を定めておりまして、県としましては、これまで技術の高度化等につきましては、例えば県のものづくり研究開発センターや総合デザインセンター、また薬事研究所の整備、あるいはIoTの導入促進、医薬バイオ、航空機、次世代自動車、ロボットなど成長産業の育成、振興に努めております。おかげで医薬品については生産額日本一ということになりました。  また、販路開拓については、例えば日本最大の専門見本市、機械要素技術展への出展の支援ですとか、またトヨタさんやデンソーさんとか大手の自動車メーカーでの展示商談会、ものづくり総合見本市の開催、なかなか単独では大企業の展示会に出られませんので、こういったことを検討してやっております。  また、経営の安定や経営基盤の強化について言いますと、中小企業の制度融資、また商工会や商工会議所、中小企業団体中央会等が行う経営指導への運営支援、また人材の育成等については、起業未来塾や観光未来創造塾の開講、また人手不足分野につきましては、これはものづくりや介護、福祉、建設、観光等ですけれども、雇用型訓練の実施、これについては国からも相当な金額の支援をいただきました。また、首都圏等からもUIJターンを促進するセミナーの開催や、新事業分野への進出に伴う人材確保に対する助成、また小規模企業者への支援について言いますと、例えば中小企業チャレンジファンドの小規模企業に対する助成制度や、県制度融資の中に小口事業資金の、これが低利でお貸ししているわけでございます。また、こうした取り組みによりまして、例えば設備投資の平成28年度の計画値は日本政策投資銀行の調べによりますと、全国で唯一、リーマンショック以前の水準を超えて1.16倍の伸びとなって、これは北陸3県がそうなんですけれども、その中でも富山県の投資額が最も大きくなっている、また、国のいわゆるものづくり補助金につきましても、県内の人口当たり採択数は大体いつも全国1番、2番、悪くても3番といったことになっております。また、平成29年3月の鉱工業生産指数につきましては、全国が99.8でありますけれども、富山県は111.9と、全国を上回っておりまして、倒産についても5年前に比べますと、件数や負債総額ともに減少しております。  また、雇用情勢は、4月の有効求人倍率が1.76倍で、全国でもトップクラスを維持しますとともに、おかげさまでこの春の高校の卒業生の就職率が100%となりまして、3年連続全国1位というふうになっております。これまでの、もちろんこれは県だけではなくて民間の商工会議所や商工会、または経営者の皆さんの御協力のおかげですけれども、効果があらわれていると思います。  今後もこの条例に基づきます県民会議や中小企業の皆さんとの対話とか、いろんな機会に中小企業の皆さんの実態をよく勉強し、また御意見も伺って、国や商工団体とも連携しながら富山県の中小企業、また小規模企業者の生産性を向上して、その競争力を高める、その結果、雇用の安定にもつながる、こんなふうに努力してまいります。 53 ◯副議長(渡辺守人君)大坪商工労働部長。    〔商工労働部長大坪昭一君登壇〕 54 ◯商工労働部長(大坪昭一君)中小企業、小規模事業者の業務効率化と省力化に関してお答えをいたします。  中小企業、小規模事業者の業務効率化などによります生産性の向上につきましては、これまでも中小企業チャレンジファンドや県の制度融資の設備投資促進資金、経営革新計画の認定などによりまして支援をしてまいっております。また、国のいわゆるものづくり補助金につきましても、中小企業向けに県主催の説明会を開催し、積極的な活用を促すとともに、知事の講演会などにおきましても、同補助金を活用した成功事例を紹介するなど、生産性の向上に向けた事業者への啓発にも努めているところでございます。  さらに、今年度は新たにIoT推進コンソーシアム、仮称でございますがこれを設置し、講演会による啓発、ワークショップ等の開催、ビジネスプランコンテストの実施でありますとか、生産性の向上のモデル的な取り組みに対する助成を行うこととしておりますし、県制度融資に実質無利子のIoT支援特別資金を創設するなど、IoTの導入促進などに積極的に取り組んでいるところでございます。  また、県内のものづくり企業に対する実践的な改善活動や課題解決を図るための研修の新設、技術専門学院へ工場の自動化に対応した実習機器を新たに導入することによりまして、生産性の向上を図るための人材育成を行うとともに、ものづくり研究開発センターや総合デザインセンターにおいて施設設備の大幅な拡充を図り、付加価値の高い製品の開発、試作品の作製、評価等の支援充実にも取り組んでいるところであります。  今後とも中小企業、小規模事業者の業務効率化、省力化などによる生産性向上の支援、事業者に対する啓発などにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。  以上であります。 55 ◯副議長(渡辺守人君)加藤土木部長。    〔土木部長加藤昭悦君登壇〕 56 ◯土木部長(加藤昭悦君)土木工事発注量の確保についての御質問にお答えをいたします。  国の公共事業予算につきましては、当初予算ベースではございますけれども、平成13年度の9兆4,000億円をピークに近年では約6兆円と、37%の大幅な減少となっておりますが、公共事業が道路や河川などの社会資本を整備することによりまして、地域の活性化や安全・安心を確保するとともに、雇用の創出などによります地域の景気対策につながりますことから、積極的に進める必要があります。  本県におきましても、例えば県東部におきましては、富山高山連絡道路や、仮称ではございますけれども、上市スマートインターチェンジなどの道路整備、白岩川や鴨川などの河川改修、土砂災害対策、地震津波対策、社会インフラの老朽化対策など、災害に強い強靱な県土づくりや、新幹線開業効果を持続、深化させるために必要な事業はまだまだ多くあります。  このため県では、昨年3月に策定をいたしました富山県国土強靱化地域計画などに基づきまして、必要な事業を計画的に進めることといたしておりまして、今年度の当初予算では、土木部と農林水産部の一般公共事業と主要県単事業を合わせ、昨年度を上回ります545億円を計上したところであります。  また、先日6月11日にも石井国土交通大臣が本県を来県された際には、大臣に対し、知事から本県に対する公共事業予算の重点配分について強く要望を行ったところであります。  県内建設企業が社会資本の整備、維持、更新の担い手でありますとともに、昨年7月の上市町や立山町の豪雨災害、また、ことし1月の南砺市利賀村の土砂災害への応急復旧対応など、地域の安全・安心をしっかり守っていただいております。  県といたしましては、建設企業が各地域ごとに将来にわたりしっかりと存続していくためには、工事発注量を確保することが必要であると認識しておりまして、今後とも公共事業予算のさらなる確保、配分について国に対し要請するなどいたしまして、安定的、持続的な公共事業予算の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 57 ◯副議長(渡辺守人君)山崎宗良君。    〔8番山崎宗良君登壇〕 58 ◯8番(山崎宗良君)次に、農業振興について伺います。  全国的にもそうですが、富山県においても耕作放棄地が増え、担い手不足が深刻な問題となっています。経済的に成り立ちにくい大きな原因の1つに、積雪が挙げられます。この積雪を克服するには、一般的にはハウス栽培ですが、暖房費などのコストがかかるため、付加価値のある農産物や生産方法でないと成り立ちません。  現在は、土地改良区などで小水力発電を推進しており、今後も積極的に取り組む必要があると思いますが、地熱発電やバイオマス発電など、自然エネルギーをうまく活用することが、冬期間の生産性を高めますし、労働者を雇用する場合は、冬期間も作業がないと雇用に結びつかないといったこともあると思います。  また、先日、農林水産委員会で、たてやま営農組合の観光イチゴ園へ視察に行ってきました。ハウスを利用した観光農園でしたが、収入見込みの約2倍の収入があったとのこと。貴重な成功事例であり、了解が得られれば、よいビジネスモデルとして、他の農業者さんや農業で生計を立てたいと考えている若者に紹介し、面的な広がりをつくるように考えてもよいのではないかと思いました。視察させていただいて大きなインパクトと夢を感じました。  このように、冬期間の生産性向上や、農業の収益力アップに向けて、県としてモデルとなる取り組みを進め、横展開を図っていく必要があると考えますが、伍嶋農林水産部長に伺います。  次に、耕作放棄地を有効に活用するために、高い単価が見込める自然栽培や有機栽培を取り入れてはいかがでしょうか。  愛媛県のパーソナルアシスタント青空を経営する佐伯康人さんは、耕作放棄地をたくさん引き受けて自然栽培を展開されています。あちこちから依頼があり、とりあえず引き受けるのだそうで、そこに植えるものが思いつかなかったら、とりあえず米をまいておくそうです。米は、あさひという在来種を栽培し、価格は1俵当たり3万6,000円とおっしゃっていました。その米などで育てた鶏の卵は卸値で1個40円だそうです。私が見学に行ったときは、熊本県庁から視察と講演依頼に来ておられましたし、この栽培方法を全国に普及しておられます。中山間地の耕作放棄地であれば、農薬や化学肥料の影響を受けることもないでしょうし、面積当たりの収量を気にすることもありません。収穫された作物は農薬も化学肥料も使わないので、とても体によいものです。このような作物が地域でたくさんとれるようになれば、県民の健康寿命の延伸にも一役買ってくれるに違いありません。伍嶋農林水産部長に伺います。  富山米の新品種「富富富」が発表され、味もおいしく生産しやすいということで、県民の大きな注目と期待を集めています。生産者の中にも、ぜひ自分でつくってみたいと意気込んでおられる方も多いのではないでしょうか。平成30年秋のデビューに向けて、県民の笑顔を増やすための種もみの生産や生産技術の確立など、今後どのように進めていかれるのか、伍嶋農林水産部長に伺います。  薬で名高い富山県は、薬生産額が全国で1位となり、目標である1兆円産業に向けて勢いづいており、大変すばらしいことだと県民の一人として喜んでいます。しかし、一方で、薬害について国民の関心が高まってきているのも実情です。  もとより、富山の薬は生薬を配合した漢方薬であり、薬の原点はここにあります。健康寿命延伸の取り組みの中にあって、県としては、体にやさしい漢方薬の研究も一方で進めておくことに、とても大きな意味があると考えています。  そこで、県産薬用作物の実用化に向けて、これまでどのような研究、商品化、販路拡大等の取り組みを行ってこられたのか、また、今後どのように取り組んでいかれるのか、蔵堀厚生部長に伺います。  私たちの体はすべて食べ物からできています。どんな食べ物を食べるかで、健康寿命も延伸できると思います。坂本龍馬記念館の資料によれば、龍馬は江戸長崎間の約1,250キロを何度も歩いて往復し、33年の生涯で地球を1周以上しているようです。当時は今と比べて食材も栄養面も豊かではなかったはずで、道中は玄米おにぎりと漬物程度だったようです。いずれにしても、健康寿命を延伸し、心身ともに生き生きと暮らすには、健全な食生活が重要であり、子供から高齢者まで食育を推進していく必要があると考えます。特に、成長過程の児童生徒たちにとって重要な意味を持つと思います。県として現状の課題をどう認識し、今後どのように取り組むのか石井知事に伺います。 59 ◯副議長(渡辺守人君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 60 ◯知事(石井隆一君)食育の取り組みについての御質問にお答えいたします。
     県では、富山県食育推進計画を策定しまして、これに基づいて、ヤングファミリーの保護者や園児を対象とした出前食育講座の開催ですとか、家庭教育かわら版による健全な食習慣、実践の働きかけ、また県の農業や食文化について記載した副読本の作成、配布、また食育リーダーによる高齢者向けの健康講座の開催など、世代ごとの課題や実態を踏まえた取り組みをこの10年余りやってまいりました。  この結果、食育に関心のある県民の皆様は高い水準、関心があるという方は95%なんですけれども、特に若者世代においてカロリーやバランスを考えた食事や、毎日の朝食を実践する割合が低迷している、そういうことが気になるわけでございます。例えば、県民全体ですと、毎日朝食を食べるという方は83%、しかし20歳代、30歳代の方は64%ということになっております。  そこで、昨年度から新たに若者向けのヘルシー丼レシピコンテストの開催ですとか、また、食育を学ぶ大学生などが富山型食生活を学び発表する食育講座への支援、これは年間6回ほど県立大学や富山短期大学などでやっております。  現在、県では、今、新しい総合計画の策定を進めておりますが、これにあわせて第2期の食育推進計画の見直しに向けた作業を進めていまして、特に子供や若者世代を重点対象として、栄養バランスの改善など健康を意識した食生活の推進や、地産地消の推進、食生活、食文化の継承のための取り組みなどを盛り込むことにしております。  さらに、健康寿命日本一推進会議の取り組みを踏まえた食生活の推進や、また、G7富山環境大臣会合における富山物質循環フレームワークの採択ということもありましたので、食品ロス削減などの取り組みも新たに加えまして、より効果的な施策の展開につながるように検討を進めております。  今、坂本龍馬の話がございました。そうしたこともしっかり我々も学びながら、家庭や学校、職場、地域などさまざまな場で、県民運動として生涯を通じた食育の実践がなされますように、しっかり取り組んでまいります。 61 ◯副議長(渡辺守人君)伍嶋農林水産部長。    〔農林水産部長伍嶋二美男君登壇〕 62 ◯農林水産部長(伍嶋二美男君)まず、農業支援への安定化、担い手確保についての御質問にお答えをいたします。  本県の農業経営体の多くは稲作を中心としていることから、今後、農業収入の増大や担い手、通年雇用者の確保を図るためには、議員御指摘のとおり、稲作の農閑期であります冬期間において、施設園芸などの作物生産の取り組みを進めていくことが極めて重要であります。  このため県では、平成27年度から実施しておりますとやま型農業成長戦略チャレンジ支援事業におきまして、米を中心とした本県農業をバランスのとれた生産構造とし、収益性の高い農業経営を育成することを目的といたしまして、水稲などの土地利用型作物に加えまして、園芸作物の導入による複合化経営や、あるいは冬期を含めた農作業の周年化等の取り組みに支援をしてきております。  この具体的な取り組みの事例を申し上げますと、1つは、地中熱を利用しました冷暖房施設ハウスでのミニトマトの契約栽培や、先ほど議員から御紹介のありました立山町のハウスイチゴの観光農園の開設、また、リーフレタスなど施設園芸の拡大をされているところや、あるいは水稲から園芸作物を主体とする経営への移行や、二毛作による1年を通じた作付体系を構築するなど、それぞれの経営体の特色を生かした取り組みが進められておりまして、生産性や収益性の向上が図られることによりまして、農業所得の増大と担い手となる就農者の確保が図られております。  今年度は、これらの経営体の3年間の取り組み結果につきまして、専門家会議において分析と評価をいただきまして、それをもとに本県の営農条件に適したとやま型農業経営モデルを構築することとしております。県としては、今後、市町村や関係機関と連携しながら、このモデルを成功事例として県内の農業経営体に普及、啓発をいたしまして、年間を通じた農業の生産性の向上に向けて支援をしてまいります。  次に、耕作放棄地における有機栽培等の促進についての御質問にお答えをいたします。  有機栽培や自然栽培は環境への負荷が少なく、安全・安心を求める消費者に対して付加価値の高い商品を販売できるメリットがあることから、県では、平成27年3月に、とやま「人」と「環境」にやさしい農業推進プランを策定いたしまして、有機JAS認定の取得に対する支援や、有機農業の技術研修会の開催、さらに、消費者との交流会の開催を行うことによりまして、有機農業を推進してきております。この結果、県内での取り組み面積は平成27年度で約196ヘクタールとなっております。  一方、県内の平成28年度における耕作放棄地は面積割合では全国で3番目に低いものの、324ヘクタールあることから、今後、議員、御提案のとおり、有機栽培などによる再生利用を図っていくことが、耕作放棄地の解消策として有効な方策の1つであるというふうに考えております。  耕作放棄地の再生利用につきましては、長期間にわたり、農薬等の化学資材が投入されていないといった圃場でありますから、有機栽培による再生利用に適合しやすいという面もあると考えられます。しかしながら、一方では、耕作放棄地から農地への復元作業やいわゆる土づくりなどにコストがかさむこと、場合によっては用排水路の改修も必要となること、こういったことや、また栽培時の雑草の防除などに多大な労力を要するとか、こういったことを初めとする課題があります。  県としましては、この耕作放棄地の解消に向けまして、有機農業を希望する地域の農業者に対して、他県の事例の紹介や国の補助制度の活用も示しながらその取り組みを促すとともに、市町村や関係機関などとも連携して、できるだけ耕作放棄地の有効活用が図られますよう支援をしてまいります。  最後に、富山米新品種、「富富富」についての御質問にお答えをいたします。  本県の新たなブランド米である「富富富」が平成30年秋のデビューに向けて高い評価を得ていくためには、何よりも県内全域におきまして高品質でおいしい米を安定的に生産することが何よりも重要であるというふうに考えておりまして、現在、そのための栽培技術の確立や生産体制の構築に向けた取り組みを進めております。  栽培技術の確立につきましては、今年度において県内の23カ所に技術実証圃を設けまして、1つには、土壌などの地域条件に応じた栽培方法の確認や、あるいは農薬や化学肥料の少ない安全・安心な栽培基準によります高付加価値化の研究、また、肥料の配分や調節による省力化などに関する栽培実証を行っております。  今後、生育状況に応じまして、広域普及指導センターなどによる巡回指導を行うほか、定期的に栽培管理情報を発信するなど、必要な生育情報の見える化を図るとともに、本年度の収穫後に、その結果を分析いたしまして栽培マニュアルを作成するということにしております。  また、生産体制について申し上げますと、富山米新品種戦略推進会議におきまして、高品質で付加価値の高い米生産のための栽培方法を初め、生産や出荷要件、生産要件については、例えば生産者登録制の導入など、こういった要件を決めるとともに、さらにその確認方法などについて定めた上で、平成30年産の生産に取り組む生産者を募集いたしたいと考えております。  さらに、30年産からの本格生産におきましては、品質の確保を図るため「富富富」の生産者の相互におきまして、生育情報の共有による連携を促進するとともに、例えば、地域ごとの協議会を設置するとか、こういったことによる連携を促進するとともに、JAや農林振興センターなどによります栽培技術指導の徹底や、生産・出荷要件の確認の定期的な実施などによりまして、生産者と関係機関及び団体が一体となった「富富富」の生産体制の構築を図ってまいります。  以上でございます。 63 ◯副議長(渡辺守人君)蔵堀厚生部長。    〔厚生部長蔵堀祐一君登壇〕 64 ◯厚生部長(蔵堀祐一君)県産薬用作物の実用化に関する御質問にお答えをいたします。  県産薬用作物の実用化につきましては、産学官の専門家などから成ります富山県薬用作物実用化研究会におきまして、栽培コストの低減と付加価値化、担い手の確保、売り先をどう確保するか、また新商品の開発、それから新販路の開拓の5つの戦略について検討し、この検討結果に基づいて取り組みを現在進めております。  その結果、県内でのシャクヤクの栽培面積は、平成20年度の1.1ヘクタールから28年度には約5倍の5.6ヘクタールに拡大をしております。また、収穫をいたしましたシャクヤクの根はこれまですべて県外に出荷され、県外で加工されておりましたけれども、県内での加工、製品化に取り組んでおりまして、昨年度はシャクヤクの加工に新たに取り組む県内の製薬企業において、乾燥などの加工が開始されたところでございます。今年度は、この薬の原料となりますエキス剤のサンプルの製造に取り組むことといたしております。  また、富山シャクヤクのブランド化につきましては、有効成分の含有量、栽培のしやすさなどの観点から、すぐれた品種の選抜を進めておりまして、現在3品種まで絞り込んだところでございます。この候補品種を用いた品質の確保、収益性向上のための栽培方法の研究などを行っているところでございます。  今後もこれらの取り組みを進めますほか、国の内外の市場調査ですとか、全国的な展示会において県産の薬用作物を使用した商品の展示を行うなど、実用化に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 65 ◯副議長(渡辺守人君)山崎宗良君。    〔8番山崎宗良君登壇〕 66 ◯8番(山崎宗良君)続きまして、県民一人一人が輝いて働き暮らせる県づくりについて質問いたします。  先日、山村振興議員連盟の視察で、島根県に行ってまいりました。過疎という言葉は島根県が発祥で、県土の9割が中山間地です。しかし、それを強みに転換できている部分もあり、25年前から積み重ねられている議論や施策には、地に足のついた力強さが感じられました。強い危機感のもと、使える資源は総動員し、島根県の行政組織や地域コミュニティーが同じ方向に向かって力を合わせており、一体感が感じられました。  富山県においても、人口減少が続く中、社会増に向けた課題を県、市町村間でしっかり共有し、移住定住施策において、県と市町村の役割分担のもと、一見弱みと思える特徴を強みに変えながら、一体感を持った緊密な連携を図り進める必要があると考えますが、石井知事の所見を伺います。  島根県でも、高校再編議論が行われていました。富山県と大きく違い、驚いたことがあります。それは、人口減少対策と教育の魅力化対策が不離一体として議論されているところです。  鹿熊先輩議員の質問に対して、島根県当局はこう答えています。教育の魅力化を議論する際に、定住部局とも話し合いながら組み立てている。定住施策に重点を置きながら、教育の魅力化はどうあるべきかをかなり議論している。小さな拠点の中でも住民同士が話し合いながら決めていくので、教育の魅力化についても、住民が高校を残したいのかという思いがあるべきであって、まずそこを議論していただいているとの回答でした。  また、高等教育の質に対する回答はこうでした。地域とかかわる教育ができるのは小規模だからで、その中で子供たちが地域の中に参画して役割を感じる、より意欲の高い子供たちが生まれてくると思う。都心の学力競争の中で取り組むのと差が出始めるので、公営塾を設けて、それをいかにサポートするか。都心に負けない学習環境の質を担保していく。  また、高校再編に対する考え方は、教育委員会としては、教育魅力化の延長線上に県立高校のあり方もあると考えている。今まで、再編成基本計画となると、どの県においても、まず統廃合基準が前面に出て、これをコアに物事を考えていた。また、一律的な県全体の基準があったが、今後は中山間地と都市部の二元論的な考え方があってもいいのではないかという回答でした。  我が県においても、地域の将来を担う人材の育成確保のために、高校教育において、地元の魅力や課題の理解を促す地域づくりを題材とした教育を進める必要があるのではないかと考えますが、渋谷教育長の所見を伺います。  さきの道路交通法改正に伴い、高齢ドライバーの免許証返納の法律が施行され、ニュースでも大きく取り上げられました。私の周りでも、運転に自信がなくなって免許証を自主的に返納したという話を数件耳にしていますが、その後、今まで通っていたサークルや買い物に自由に出かけられなくなり、ノイローゼになったというケースも複数聞き及んでいます。富山県では、元気とやまということで、健康寿命の延伸にも力を入れ、経済的にも大きな意味があると思われます。このことからも、運転寿命の延伸にも、県としてきちんと方針を打ち出して、講習や指導を行うべきだと考えます。一定の年齢になると認知症の検査が行われると聞いていますが、高齢運転者にとって、免許証を取り上げられるための検査に行くのでは、ふだんできることも緊張してできなくなり、逆に運転寿命を延ばす支援を受けに行くのであれば、よい確認の習慣を身につけられます。現状と今後の取り組みについて、白井警察本部長に伺います。  障害者就労施設で就労する障害者等の経済面の自立のため、障害者優先調達推進法に基づいた取り組みを一層進める必要があると考えますが、本県における発注実績はどのように推移し、さらに拡大させるために今後どのように取り組んでいかれるのか、蔵堀厚生部長に伺って、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 67 ◯副議長(渡辺守人君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 68 ◯知事(石井隆一君)移住促進施策に関する御質問にお答えをします。  人口減少社会でございますから、地域経済や地域づくりの担い手となる人材確保、これはお話のように市町村と連携して県外からの移住促進に取り組むことは大変重要だと思っております。  これまで、平成19年に設置した「くらしたい国、富山」推進本部が中心となりまして、市町村と連携して幅広く移住促進に努めております。例えば首都圏で開催する移住セミナーに、希望する市町村が参加しまして、各市町村のPRや移住希望者との個別の相談会を実施しております。また、市町村が実施する移住体験会を支援しますとともに、富山オフィスの2名の移住相談員の相談機会を設けております。さらに、県が指定する移住者受け入れモデル地域における宿泊体験、交流のための施設、備品の整備に対しまして、市町村と連携して支援を行っています。こうしたことの結果、県や市町村の相談窓口を通じて移住された方は、若い世代を中心に年々増加しておりまして、平成20年ごろは207名とか21年のころは189名、このころ、本当にこんなに頑張ってもどうしてこの程度の人数なのかと思っておりましたけれども、おかげで3年前から400人を超して昨年は565人、また約7割の方が20歳代、30歳代の方になったと、また手元に正確な数字はありませんが、外国人を含めますと、いろんな統計がありますが、200人を超す社会増となったわけであります。富山県を見ますと、そんなもんかなと思いますけれども、この間、ある県の知事さんとお話ししてびっくりしたんですけれども、東北ですとか山陰もそうかもしれませんが、県によっては社会減が毎年3,000人、4,000人、5,000人を超すところもあるわけで、そういう中で、外国人を含めてとは言え、プラスになったと、11年ぶりにプラスになったというのは本当によかったと思いますし、また、今後も全部の市町村とできるだけ連携協力しまして、ことしも大規模な移住転職フェアを、昨年より規模を拡充して来月東京で開催しますほか、新たに今年度から富山くらし・しごと支援センターの本県ブースを市町村の担当者等が活用して、移住希望者の相談に個別、具体的に応じる市町村出張相談会を開催することにしております。  また、地域での移住者の受け入れや定着を支援する人材を育成しますために、移住者・地域おこし協力隊受入体制強化研修会を開催しまして、NPOふるさと回帰支援センターの総括マネジャー等によります講演、グループワークを通じまして、市町村職員や移住者受け入れモデル地域などの住民、地域おこし協力隊などの受け入れ人材の養成に取り組んでまいります。これからもしっかり取り組んでまいります。 69 ◯副議長(渡辺守人君)渋谷教育長。    〔教育長渋谷克人君登壇〕 70 ◯教育長(渋谷克人君)地域づくりを題材とした教育についての御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、地域の将来を担う人材を育成確保するため、高校において、地域の魅力や課題の理解を促す地域づくりを題材とした教育を進めていくことは大切であります。  このため、県内の各高校では、地元の皆さんの御協力をいただきながら地域づくり教育を進めております。具体的には、氷見高校では、若者移住、商店街など多様なテーマで氷見のPR映像を制作しまして、市のホームページで公開いただいておりますし、泊高校では、地域のさまざまな方々を取材しまして、発表活動や広報誌で紹介しております。また、富山北部高校では、中心市街地活性化の案を作成しまして、学生まちづくりコンペディションにおいてプレゼンテーションも行っております。滑川高校におきましても、東京の先進的な商店街の取り組みについて調査を行い、その結果を地元の商店街で発表しております。  しかしながら、すべての高校でこうした地域づくり教育を実施しているわけではありませんので、今後、学校と地域とのつながりを守り生かしていくという観点から、地域づくり教育を行う高校がさらに増えますように取り組んでまいります。  以上です。 71 ◯副議長(渡辺守人君)白井警察本部長。    〔警察本部長白井利明君登壇〕 72 ◯警察本部長(白井利明君)高齢運転者についての御質問にお答えします。  本年3月12日施行の改正道路交通法により、高齢運転者対策が強化されたことを受け、県警察では、加齢に伴う身体機能や認知機能の低下等を認識された高齢運転者に対して、運転免許証の自主返納を促す一方で、高齢運転者が安全運転を継続するための各種安全対策に取り組んでおります。  議員も御案内のとおり、県警察では、平成17年から65歳以上の高齢者を対象に個人指導を行うシルバードライビングスクールを推進し、高齢運転者自身がその身体機能の変化を自覚することができる安全教育の場を提供するとともに、本年からは、運転に不安を感じる高齢運転者や家族からの相談に応じるため、専門知識を持った保健師による相談受理を実施しているところです。  また、今回の改正後の高齢者講習では、認知機能の低下が認められた75歳以上の方を対象に、ドライブレコーダー映像を活用した個人指導が新たに導入され、受講した高齢者が、自身の運転中の問題点をより具体的に認識した上で、安全運転の維持に努めることができるなど、実効性のある内容となっています。  このように、ドライブレコーダー映像の活用により、高齢者やその家族が運転技術等を客観的に点検することが可能となることから、県警察では、従来のシルバードライビングスクールにおいてもドライブレコーダーを導入して、その内容の充実を図ることとしております。あわせて、シルバードライビングスクールへの参加者そのものを増やし、より多くの高齢運転者が継続的に運転技術等を点検できるようにするなど、引き続き実効の上がる交通安全教育を受けることができる環境の整備に努めてまいります。 73 ◯副議長(渡辺守人君)蔵堀厚生部長。    〔厚生部長蔵堀祐一君登壇〕 74 ◯厚生部長(蔵堀祐一君)障害者優先調達推進法に基づいた取り組みについての御質問にお答えいたします。  県では、障害者就労施設等の受注機会拡大は障害者等の経済的自立のためにも重要であると考えておりまして、障害者優先調達推進法に基づきまして、平成25年度から調達方針を策定いたしまして、県の各部局に対し、障害者就労施設等への発注を要請いたしますとともに、発注可能な物品等の情報提供を行うなど、優先調達の推進に取り組んでおります。  こうした取り組みによりまして、発注額は平成26年度では536万円、平成27年度では578万円、28年度では757万円と年々増加をしておりまして、特に28年度におきましては、冊子やリーフレット等の各種印刷物の発注や啓発物品の購入、清掃、施設管理等の役務の新たな発注促進などに取り組んだ結果、発注額は前年度対比で179万円の増加、約30%増となったところでございます。  今年度はさらに発注実績を伸ばしていく必要があると考えておりまして、これまでの取り組みに加えまして、県主催イベントにおける記念品等への活用ですとか、県からの提案による障害者就労施設等の新たな商品開発の促進など、発注機会の拡大のための取り組みを強化していくこととしております。  県としては、こうした取り組みを通じまして障害者の就労の場や賃金の確保を図り、障害者の自立を促進するため、引き続き全庁を上げて可能な限り幅広い分野からの調達に努めますとともに、障害者就労施設の物品等の品質向上や新商品開発などの取り組みへの支援により、さらなる優先調達の推進に努めてまいります。  以上です。 75 ◯副議長(渡辺守人君)以上で、山崎宗良君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午後2時59分休憩      ─────────────────────  午後3時10分開議 76 ◯議長(稗苗清吉君)休憩前に引き続き会議を開きます。  山本徹君。    〔25番山本 徹君登壇〕 77 ◯25番(山本 徹君)それでは、通告に従いまして、全ての項目を一括して質問いたします。  まず、最初に、新総合計画の策定について質問いたします。  現行の新・元気とやま創造計画は、平成24年を起点として平成33年の10年を目標としてつくられました。平成22年12月に第1回の審議会が開催され、本格的な議論がスタートしたわけでございます。翌23年の3月11日には東日本の大震災が発災をいたしました。続いて、平成24年12月の総選挙では、自民党が3年ぶりに政権に復帰をし、第2次安倍政権が誕生したわけでございます。そうしたことを思いますと、時代の大きな転換期、混乱期といってもいい時期の総合計画の策定だったのではないかと思います。  また、ブータン王国のGNHといった指標が取り沙汰されまして、国内外において幸福度への関心が高まった、そんな背景もございました。そのため、幸福度に関する県独自の150指標を設定されたり、政策に反映させる動きが活発化をしました。  この幸福度に関する県独自指標の第1番に記載されたのは、主観的幸福感でありましたけれども、今後調査とされておりましたが、この結果はどうだったのか、ぜひ知りたいところであります。  新総合計画の策定を進めるに当たっては、時代の潮流を見きわめつつ、本県を取り巻く社会経済情勢を踏まえ、とやま新時代にふさわしい新たな視点が必要というふうに考えますが、石井知事の所見を問います。  新総合計画の策定に当たっては、時代の潮流を見きわめるとともに県民のニーズをしっかりと把握していかなくてはなりません。平成22年、7年前の策定当時の県政世論調査では、10年後のイメージとして、女性、高齢者などが自分に合った働き方を選択できる環境が整っているとの設問には、「そう思う」が8.9%、「そう思わない」が67.9%でありました。  また、仕事と子育てが両立しやすいなど、安心して子供を産み育てられるような社会になり、少子化に歯止めがかかっているとの設問には、「そう思う」が8.2%、「そう思わない」が66.9%となるなど、今日もなお大きな課題となっている政策についても、当時から悲観的な意見が大勢を占めていたことが伺えます。  幾つかの指標で現状を紹介いたしますと、例えば育児休業取得率、男性は1.1%であったものが3.2%まで伸びています。1日のくつろぎ、休養時間は125分であったものが245分、人口10万人当たり自殺死亡率は23人から20.5人へと減っています。医師数や看護職員数は伸びていますけれども、5年次の目標には達成していません。  大方成果が出ているように見えますけれども、中には、県内に自信を持って誇れるものがたくさんあると思う人の割合では28.2%から21%へと7ポイントも減少しているものもあります。この後質問するひきこもりについては、安心とやまの心の健康づくりのところにわずかに記述が見えますが、具体的な指標などは設定されていません。個人的には、子供の健全育成であるとか、若者の自立支援のところへ移されていくべきだというふうに思います。  また、地域社会で活動する高齢者の人数という指標がありますが、私の地元ではほとんどの方が65歳以上だと思うので、これも見方を変えたほうがいいのではないかと思います。  現計画が目標としてきた指標が達成されてきたかどうか検証を加え、未達成のものについてはその原因を見きわめる、成果が上がったものについては、何が奏功したのか整理をして、次なる計画に生かしていただきたいと思います。  県民参考指標については、現計画策定から5年が経過していることから、政策の成果や事業の進捗などについて、県民と共有できる指標への見直しが必要であると考えますが、山本総合政策局長の所見を伺います。  本県の現総合計画では、「地方消滅」増田寛也氏の初版が平成26年8月ですので、このときもう既に人口減少問題にしっかりと向き合っておられたのはさすがだなというふうに思います。合計特殊出生率は辛うじて上昇しているところでありますが、今回は社会増について質問をしたいと思います。  先ほど、山崎議員も質問されていましたけれども、県外からの転入者の指標というのがあるんですが、これは平成28年の目標を1万2,500人としていますけれども、現状は1万2,208人というふうになっています。これは総務省のデータをもとに書いているのですが、現状で言いますと、転入者というよりも定住者数としていくほうがより的確ではないかというふうに思っています。  20歳から34歳の男性が平成28年では439人の増加となって、かなり改善をしています。特に、20歳から24歳まで320人増と大きく伸びている現状があります。しかし、若い女性については、依然大きく転出超過となっています。15歳から34歳で、昨年は672人の方が富山から出て行ってしまいました。男性は転入超過、そして女性は転出超過している、それぞれ一体どういうわけでそうなのか、緻密な調査をお願いしたいところでございます。女心のわからない県となっては、今後の展開がまことに苦しいと思います。総合計画の策定に際し、この問題を特に重点にしていただいて、10年の長期戦略を立てて取り組んでいただきたいと思いますが、山本総合政策局長の所見をお聞きいたします。  本県への定住、半定住に関する相談件数については、県民参考指標の数値を大きく上回って好調に伸びています。Uターン情報センターを富山くらし・しごと支援センターとして改編、平成27年度から、白山オフィス、富山オフィスに加え、有楽町オフィスも開設し、機能を拡充して、望まれた成果が上がっているんだと思います。せっかく多くの相談があるわけですから、転入、定住にぜひ結びつけていただきたい。特に女性向きについては、もう一工夫必要なのではないかと思います。  さまざまな工夫や新たな取り組みが必要と考えますが、観光・交通・地域振興局長の所見をお聞きいたします。  続いて、デザインの振興と地域活性化について質問いたします。
     富山県総合デザインセンターは平成11年に全国唯一のデザイン専門の県立試験研究機関として設置され、富山県のものづくり産業をデザイン面から支援するため、これまでデザイン性にすぐれた商品開発、販路開拓などに取り組み、生活に潤いを与えるデザイン性の高い商品を発信してこられました。  昨年4月には、3Dプリンターやデジタル撮影システムなど最先端設備を導入するとともに、高岡銅器などの伝統工芸品の分野でも、デザインを活用した新たな商品開発により成果をおさめておられます。  また、越中富山お土産プロジェクトによる幸のこわけは、駅やデパートなどお土産物コーナーですっかり定番となりました。昨年度末には、幸のこわけに続く工芸品ブランドとして、技のこわけが加わったことで、こちらも多くの方にお求めいただける人気商品となることを期待しています。  さらに、本県には高岡工芸高校や富山北部高校にデザイン関係の学科があり、富山大学の芸術文化学部、高岡市デザイン・工芸センター、そして富山県総合デザインセンターに至るまで、デザイン人材の育成に必要な環境、土壌、設備が整っております。こうした環境の中で、デザインセンターの歴代所長も、初代所長であった元ソニー取締役の黒木氏から、代々全国で活躍する有能な人材をお迎えし、それぞれ思いのこもった取り組みをなされてきました。  そこで、これまで全国唯一のデザイン専門の県立試験研究機関として、県内企業に対してどのような特徴的な支援を行い、どのような成果を出してきたのか、また、他県のデザイン施策と比べて、差別化できる点としてどういった点が評価されているのか、商工労働部長にお尋ねいたします。  次に、デザイン交流創造拠点について質問いたします。  総合デザインセンターでは、これまでの支援をさらに強化していくため、デザイン性にすぐれた商品開発に取り組むデザイン交流創造拠点の整備を行うとしています。特に今回のデザイン交流創造拠点には、新たに企業が入居するオフィスを整備するとともに、企業や国内外の若手デザイナーが集う交流スペースを設けると聞いています。クリエーターは、お互いに刺激し合うことでより独創的な作品を生み出すものであり、個性的で意欲あふれるデザイナーやエンジニアが集うことにより、デザインと先端技術はもちろん、作家の個性などもお互いに影響し合い、融合して、魅力的な新商品や新事業が創出されることに期待を寄せています。  また、県内外のデザイン系大学との連携や、ことし11月に開催予定の国際北陸工芸サミットに参加しているデザイナーとの交流、さらには先月、高岡のオフィスパークに能作さんが新しい新社屋をオープンされました。多くの見学者の方が来ておられます。この産業観光も含めて、他の機関などとも連携をしていくことが重要だと考えます。  このデザイン交流創造拠点の整備により、どのような効果を期待されているのか、石井知事の所見をお聞きします。  次に、ひきこもり対策について質問いたします。  ひきこもり、すなわち学校や仕事に行かず、半年以上自宅に閉じこもっている状況の人の今日的課題は、その長期化と高年齢化が進んでいることであります。本県の引きこもっておられる方々も約4,000人と試算されていますが、40歳以上の実態は調査されておらず、この部分を加味すると7,000人とする見方もあります。こうした状態にある方々が、家族や地域の支援により社会復帰を遂げる、そんなモデルができ上がれば、4,000人とそれにかかわる方々の励みや希望になるのではないでしょうか。  県では、昨年8月、社会生活を円滑に営む上で困難を有する子供、若者に対する支援を目的に、富山県子ども・若者支援地域協議会を設置されました。1つの機関だけでは支援を行うのは難しく、医療、福祉、教育、就労などの関係機関が連携して対応することが必要とされているからであります。  しかし、取り組みの司令塔となる代表者会議や実務者会議はいまだ設置されておらず、協議会の機能が十分発揮されるよう体制を整える必要があると思います。  また、県に続き、各市町村の協議会設置を働きかけていくことも大切であると考えますが、石井知事の所見をお聞きします。  国のひきこもりの評価・支援に関するガイドラインでは、ひきこもりの人の心身の状態が悪化したり、家族が健康問題を抱えたりしている場合には訪問支援が有効としていますが、全国のひきこもり地域センターが平成27年度に相談を受けた家庭のうち、訪問支援を実施できたのは9%にとどまったとの報道がありました。県ひきこもり地域支援センターにおいても、電話相談や来所相談に追われ、訪問支援の実績がないなど、センターの体制強化は喫緊の課題であります。  加えて、ひきこもりは不登校をきっかけに始まることが多いことから、ひきこもり地域支援センターと学校が連携して、切れ目のない支援を行うことが重要であるとも思います。  また、ひきこもりには、その段階に応じた対応をすることで改善に効果が見られた例もあると聞いています。最新の研究成果や全国の事例などにもアンテナを張っていただきたい。  こうした観点から、富山県ひきこもり地域支援センターの体制を強化すべきと考えますが、蔵堀厚生部長の所見をお聞きいたします。  続いて、教育と学力向上について質問いたします。  先日の代表質問で、地域の実情を十分考慮するということで、地域の4学区でそれぞれ意見交換を実施されるとの答弁がありましたことは大変ありがたく受けとめております。これまでの県立高校の再編の議論につきましては、生徒数の減少に伴う学校数や学校規模の議論が先行しているように思われてなりません。4地域での意見交換会では、現場の生の声をしっかり受けとめていただきたいと、こんなふうに思います。  学校教育法が平成19年に改正されましたとき、学力の重要な要素として、知識・技能、思考力・判断力・表現力、そして学習意欲の3つが定められました。学校ではこうして定義づけられた学力を生徒に修得させるというのが何より第一だというふうに思います。  生徒数が減っても、例えば1クラスの生徒数を30人にするとか、先ほど島村さんもお聞きになられました、すれば、学校規模も維持できますし、質の高い教育環境も両方整って、それはそれで大変いいんだと思うんですが、これだと教育費のほうが大きく膨らんでしまうのではないかと思います。  ことしの教育委員会関係予算は924億余りです。そのうちの9割が先生方の給与費であります。事業費は89億7,600万余り、最も大きい事業は高等学校の就学支援金で、これがおよそ29億円であります。県立学校の58校、毎年定期的に配分される小口の修繕費も合わせたこの運営費は12億5,000万円、規模の大小はありますが、58校で割ってみますと、給与費を除いた1校の年間運営費は2,155万円ということになります。こうした予算の状況があるわけでございます。たとえ学校規模が小さくとも、可能な限り予算を割いてこれを維持するということになれば、やっぱり到達するべき学力をどう担保するのかという点が議論の一番に置かれるべきではないかというふうに思います。  そして、あわせて富山県全体の学力の向上も考えなくちゃいけないんだと思います。進学校のさらなる学力向上、富山県全体の学力の底上げ、それもこの予算の中でやらなくちゃいけない。教育県として全国に知られた富山県の知名度は、もう既にブランドであります。地方創生の観点から、県立学校の存続がなされるのであれば、地方創生推進の予算が配分されるべきでないかとも思います。  小規模校と進学校、限られた予算と資源の中でそれぞれの果たすべき役割とは何か。本県の将来を担う人材を育成するためには、教育の質の向上や生徒の学力向上という視点が欠かせないと考えますが、石井知事の所見をお聞きします。  ICTの活用について、川島議員からも質問がありました。近畿大学附属高校では、新入生と教職員全員にiPadを配付して、教員の学校業務や授業や行事などの多くをICT化させることに成功しています。  例えば、定期テスト前にはひっきりなしに生徒が質問に訪れる上、異なる生徒から同じ質問が何度も続く。その分作業が滞ることも多く、先生方は常に時間が足りない状態とのことですが、質問や解説事例をあらかじめiPadでクラウド上に上げていくことでこの問題は解決されたということです。学業指導だけではなく、一般のお知らせやスケジュール変更などの情報も一瞬で共有が完了いたします。  こうした一連の業務スマート化によって、生徒個々への対応もさらに手厚くできるようになったと喜んでおられます。ICT技術の発展によって、通信機能を駆使することによって、小規模校であっても進学校と遜色のない授業を受けることができるようになるかもしれません。  しかし、一方ではこんな指摘もあります。かつて文科省の教育の情報化ビジョンに基づいて進められた、1校につき1台の電子黒板を配備プロジェクト、配備こそされたものの、どう使っていいかわからず持て余し、眠らせている学校のいかに多いことかと。目的意識もなく道具だけ渡されても、教育のICT導入は決して成功しないということでございます。確かな意識と推進する覚悟というのが必要なんだと思います。  ICTの活用はこれから主流になっていくと思います。どんな授業ができるのか、先生方のスキルアップも欠かせません。しかし、使い方次第では大きな可能性を秘めていると思います。  今後どのように取り組むのか、教員のICTを活用した指導力の向上とあわせて、渋谷教育長の見解をお聞きいたします。  最後は、本県の危機管理について質問いたします。  国際社会の警告を無視した北朝鮮のたび重なるミサイル実験には、大変憤慨をしております。アジアのみならず、世界の平和を脅かす許しがたい行為であります。話し合いによる平和的解決はまだまだ先のことになるのではないでしょうか。地道な外交によって解決の糸口を見出す努力は続けなくてはなりませんが、県民の安心・安全を確保するため、万が一に備えていく必要があります。  北朝鮮は200発を超える弾道ミサイルを日本に向けているとする専門家もいます。もし発射された場合、日本への到達時間は8分とも10分とも15分とも言われます。迎撃の確率に至っては、ほぼ不可能とする説から80%以上迎撃可能とする説まで、条件次第、さまざまでありまして、要するにわかっていないということだと思います。  また、航空評論家によれば、固体燃料のミサイルは発射準備時間が非常に短い、地下発射施設、移動式発射台の動きをつかむのは困難、スパイやステルス機などによる常時監視がなければ、発射の予兆を捉えるのは難しいとしています。  こうした状況を踏まえると、もしミサイルが発射されても私たちが対処のために使える時間はほんのわずかであります。この短時間にどんな対応をするのか、北陸で、あるいは富山で、攻撃の対象となり得るところがあるとすればどこなのか、こうしたことを踏まえながら備えていかなくちゃいけないと思います。  来月は北陸3県では初めてとなる弾道ミサイルを想定した避難訓練が高岡市で実施されますが、その目的と訓練の特徴について、総合政策局長の見解をお聞きしたいと思います。  先日、自分の県政報告会を行いました。その後の意見交換会で、ミサイルが発射されたとき、県では何か対応策があるのですかという質問をいただきました。心配をしている県民の方も決して少なくないというふうに感じました。  本県では地域防災計画として、地震編、津波編、原子力編と想定できる災害に対しては避難計画などを定めてこられました。  また、国民保護法の施行に伴いまして、富山県国民保護計画を定めて武力攻撃事態、緊急対処事態に備えることというふうにしていますけれども、これらの計画で、他国からの弾道ミサイル攻撃という特殊事態にどこまで対処できるのか、大変不安であります。  万が一の事態に備え、今後、県民の避難計画をつくるとともに、国、市町村、警察、自衛隊などの関係機関を初め、県民への情報伝達や初動対応など、県の危機管理体制を整備していく必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、山本総合政策局長にお聞きいたします。 78 ◯議長(稗苗清吉君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 79 ◯知事(石井隆一君)山本議員の御質問にお答えをいたします。  まず、総合計画についてでございます。  現在の総合計画の策定から5年余りたちましたけれども、この間に、安倍政権においては地方創生を国政の重要テーマとしていただけた、いろんな経過がありますけれども、さらには北陸新幹線が開業をしまして、明らかに富山県は新たな時代に入ったと思っております。  そういうことで、今、総合計画の見直しを進めておりまして、先月開催された総合計画審議会におきまして骨子案を取りまとめていただいたところであります。  この骨子案の中では、今後10年を見据えて、本県の一層の発展に向けて諸政策を展開するに当たり不可欠な県づくりの視点を掲げております。具体的には、現行計画を踏まえてグローバル新時代、それから、ふるさと、人づくり、この3つに加えて、近年の県を取り巻く社会情勢の変化を踏まえて、新たな価値創出を新しい視点として加えたところでございます。  今後、県づくりを進めるに当たりましては、本県産業の背骨ともいうべき製造業の発展、飛躍を図る上でも、デザインなどと結びついた付加価値の高い製品とか、経済力と文化力の相乗効果による新たな価値の創出を初めとしまして、IoT、AI、ビッグデータ、ロボットなど、第4次産業革命による急激な技術革新への対応に向けた労働生産性の向上と付加価値の創造、それから、御承知のように民間調査機関なんかによりますと、AIやロボットが普及していきますと、今後10年から20年以内に日本の労働力人口の約49%がロボットなどで置きかえることが可能だと、こういったことも言われておるわけでありますから、AIやロボット等でも置きかえることができない新たな付加価値の高い仕事をいかにつくり出していくか、また、その担い手をいかに養成するか、また、北陸新幹線全線開業が視野に入ってきましたけれども、そうなると、世界的な経済・文化圏となる可能性のある大ゴールデン回廊の創出と、その中で北陸富山県が重要な一角を担うための拠点づくりなど、地方から新たな価値を生み出すという姿勢で各種政策に取り組むことが大切だと思っております。  ちなみに、議員のお話にもありました、現計画策定時には幸福度についていろいろ議論がありまして、確かに県政の最終的な目標は県民の皆さんの幸せの充実でございますから、そうしたことも取り入れてとやま幸福度関連指標150指標、また、全国比較そのうち可能なものが75指標を上げましたけれども、お話しのように、幸福の感じ方というのは主観的な面が多々ありますので、こういった点もございますから、今後新しい計画でこうした幸福度指標をどんなふうに取り扱うかにつきましては、審議会やタウンミーティング、パブリックコメントなどで広く県民の御意見を伺う、もちろん県議会を初めとしてですけれども、そういう中で、いずれにしても県民誰もが本当の意味での幸せを実感できる実効性のある計画となりますように、年度内の策定に向けて鋭意取り組んでまいります。  次に、総合デザインセンターについてでございます。  この総合デザインセンターに、今度着手してつくるとしておりますデザイン交流創造拠点ですけれども、国内外のデザイナーや県外のメーカ、マーケティング会社など多くの異業種の人材が集って、新しい商品を創造開発するクリエイティブな拠点として、1つには連携交流スペース、また、2つには企業入居スペース6室を整備することにしておりまして、ちょうど国際北陸工芸サミットが11月に開催されますので、これにあわせて、ことし11月にオープンしたいということで今進めておるわけでございます。  この施設では、デザインと先端技術の融合による企業力強化を目的としまして、伝統工芸品分野はもちろんですけれども、先端的なものづくり企業に対して、デザイン面から新事業の創出や新たな商品開発支援を充実強化することにいたしております。首都圏で活躍する富山ゆかりの著名なデザイナーを初めとして、全国や世界で活躍されているデザイナーとの人的ネットワークを強化しまして、デザイン開発に向けたセミナーの開催、また、企業ニーズに応じたデザイナーとのマッチングによる新商品開発の企画提案、また、昨年4月に3Dプリンターとかデザインセンター設備を整備しておりますので、これを活用して新たな試作品の開発、また、マーケティング会社と連携した販路開拓などに取り組むことにしておりまして、今年度、デザインやマーケティングに詳しい専門スタッフ2名を新たに配置したところであります。  さらに、このたびの拠点整備は産業支援にとどまらず、デザイン交流の拠点機能を高めたいということで、富山大学の芸術文化学部や、あるいは武蔵野美大など、県内外のデザイン系大学の学生による試作品開発を通じた産学官連携による人材育成とか、また、11月の国際北陸工芸サミットと富山デザインウエーブを同時期に開催しまして、来県する、諸外国からもたくさんいらっしゃいますので、こういった著名なデザイナーとの交流も促進するセミナーを開催しますととともに、台湾デザインセンターとは既に昨年8月に連携協定を結んでおりますから、ここと連携した海外向け商品開発に取り組むことにいたしております。  また、1階展示室における展示の充実とか、デザインセンターの活動を紹介する動画なども作成しまして、産業観光施設としての機能も充実強化する。高岡の1つ新しい拠点にしたいなと思っておるんですが、ちょうど4月に竣工した能作さんの新社屋、また、高岡市のデザイン・工芸センターとも連携したい。御承知のように、能作さんのところは、新社屋オープン後の見学者数が1月半ほどで約1万6,000人に達していらっしゃるということですから、年間5万人を見込むとおっしゃっていましたが、それを上回る可能性もあるわけで、この能作さんの産業観光施設、新社屋と、この総合デザインセンター、また、高岡市のデザイン・工芸センター、隣接地にウイン・ディーとか、若い人たちがちょっとのぞいてみたいなという施設がたくさんありますから、そうした交流の拠点として打ち出していきたいなと思っております。  こういうことで、新たな商品開発、人材育成の面で県内企業をしっかりサポートしますとともに、地方創生のモデルケースにならないかということでしっかり取り組んでまいります。  次に、ひきこもり対策等についてお答えを申し上げます。  近年、ひきこもりやニートや不登校など、子供、若者が抱える悩みが複雑化、深刻化しておりまして、単一機関だけでは対応が難しいケースが増えております。  そこで法律において、地方団体で設置してほしいと、そういう努力義務とされております子ども・若者支援地域協議会をNPO等の民間を含めた支援機関等構成機関、教育や保健や医療、福祉、矯正、更生保護、雇用、こういった39の機関ですけれども、こうした方々をメンバーに、昨年の8月にこうしたものを設置しまして、支援機関相互の連携強化に努めております。  この協議会の運営方法につきましては、国の指針では、いわゆる代表者会議と実務者会議を分けるかどうかも含めて各自治体の実情に応じて設置してほしいということになっておりまして、本県では、各分野の構成機関の代表者、あるいは実務者で現場の実態を把握しておられる方が一堂に会して参画する仕組みとしておりまして、さまざまな情報共有や事例検討等を行っていただいておりますけれども、参加者の方々からは、これまであまりおつき合いのなかった分野の機関と顔の見える関係が構築できて何かと相談しやすくなる、今後の連携につながる会議となったといったような御感想をいただいております。  今後の協議会の進め方については、構成機関の皆さんと十分協議して、より効果的な運営に努めてまいります。  また、県内の各市町村では、今のところまだ協議会が設置されておりませんが、できれば国の指針でも明記されていまして、住民に対する個別具体的な支援はやはり基礎的自治体である市町村が行うのが基本だという観点もございますので、昨年度は市町村との連絡会議を2回開催して、できればこうした協議会の設置をしてもらってはどうかと、また、他県の市の設置事例を紹介するなどしまして、市町村に協議会の設置を働きかけますとともに、市町村の相談支援担当職員を対象としたスキル向上を図る研修会を6回実施しております。  今年度も、市町村等との連絡会議を2回、研修会を5回開催しまして、できれば市町村にこうした協議会の設置をしてほしいという働きかけをしてまいりたい。  なお、研修会のうち3回は、新たに一般の方にも受講いただける公開講座として開催しまして、来場者に支援機関の紹介とか、相談受付を行うことにしております。子供あるいは若者の健やかな成長、大変重要なことでありますので、しっかりと取り組んでまいります。  最後に、高等教育についての御質問にお答えをいたします。  県の将来を担う人材育成のためには、県立高校の教育の質を向上しまして、生徒の学力の向上を図り、生徒が目指す進路の実現を支援していくということが大変大事だと思います。これまでも、県立学校教育振興計画に基づきまして、ものづくりの中核となる総合的な工業科高校ですとか、また、総合選択制高校、これは氷見、滑川、南砺福野を設置したり、また、探究科学科も3校に設けております。  また、教育を取り巻く環境が大変大きく変化しておりますから、時代のニーズに的確に対応できますように、教育の充実を図ることはもちろん大事でありますから、昨年3月に策定した富山県教育大綱におきまして、社会の変化と多様なニーズに対応した高校教育環境の充実を主要施策の1つに掲げて積極的に取り組んでおります。  具体的には、昨年度は、海外の有名大学等で短期研修を実施する高校への支援制度を設けましたり、また、高校生ものづくりマイスター育成事業ということで、ものづくりコンテスト等での全国上位入賞者などをマイスターとして認定する制度を創設しております。また、第4次産業革命の進展を見据えまして、ICT教育モデル校を2校指定する、その検証結果を踏まえて、今年度は実施校を12校に大幅に拡充しまして、また、配備しますタブレット端末についても、40台から480台に大幅に拡張したところであります。  キャリア教育についても、普通科高校において県内企業に関する理解を進めていただくために、モデル校2校で企業見学なども行っております。  総合教育会議で意見をいただいた有識者からは、教育の充実についても、国のほうでも教育改革にいろいろ取り組んでおられますから、アンテナを高くして、ハード面、ソフト面でも両方対応してほしいといった御指摘、御要望もございます。こうしたことも含めて、総合教育会議での検討を進める。  ですから、今お話しのように、もちろん高校再編につきましても、基本は高校生にとってどういう教育を受けていただくことがその後の人生にとってよいのか、その中には、もちろん重要な論点として、議員のおっしゃるとおりで生徒の学力向上をどう図るかと、こういったことも当然入るわけでございまして、そうしたことを基本としながら、しかし、いろんな御意見がございます。地方創生の視点とか、地域の特性とか、住民の皆さんの声にも十分考慮、勘案しまして、また、県議会でも大変たくさんの御意見をいただいております。幅広い県民の皆さんの御意見も承りながら、県立高校の教育の質の向上に努める、高校再編についてもその一環として捉えていく、こういうことでしっかりやってまいります。 80 ◯議長(稗苗清吉君)山本総合政策局長。    〔総合政策局長山本 修君登壇〕 81 ◯総合政策局長(山本 修君)総合計画のうち、県民参考指標についての御質問にお答えいたします。  県では、総合計画の実効性を確保するため、マネジメントシステムとして、毎年度、政策評価を実施しております。その中で、県民参考指標など、客観的なデータを初め、県民世論調査の結果、県民の声、企業、団体の取り組み状況など、定性的な要素も勘案して、政策目標の達成状況や課題、次年度の改善点等について総合的に整理をしております。  議員御指摘の県民参考指標につきましては、政策目標を具体的にイメージするための参考となる指標でございまして、県民生活にどのような成果をもたらされたかを客観的なデータでわかりやすく示す成果指標として計画に記載しておるものでございます。  現行計画の策定から5年が経過し、県が実施してきたさまざまな施策や事業が進捗しますとともに、新たな政策課題にも対応する必要がございますので、県民参考指標の項目や数値につきましては、見直しをしたいと思っております。特に今回、新たに15政策を設定いたしました人づくり分野につきましては、子供、若者、女性、働き盛り、高齢者というライフステージに着目した政策体系としておりますことから、より県民に身近でわかりやすい指標の設定が求められるものと考えております。  今後の県民参考指標の見直しに当たりましては、よりわかりやすい指標となるよう、とやま未来創生戦略のKPIですとか、他の個別計画、他県の計画の指標なども参考にしながら幅広く検討してまいりたいと考えております。  次に、社会動態についての御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、富山県人口移動調査によりますと、2016年の実績では、15歳から34歳の若者世代は、男性がこれまでの転出超過から345人の転入超過となる一方で、女性は前年に比べ改善してはいるものの672人の転出超過でございまして、全体としては327名の転出超過となっております。  内訳を見ますと、大学進学時期に当たる15歳から19歳には、男性が94人、女性は137人とともに転出超過、また、就職時期に当たる二十歳から24歳には、男性が320名の転入超過に対しまして、女性は381名の転出超過でございます。進学時の転出に加えまして、特に女性については就職時に県外へ転出し、そのまま本県に戻ってこない傾向がうかがえるところでございます。  県では、とやま未来創生戦略におきまして、社会増の転換に向けて平成31年までに15歳から34歳の移動均衡を図るという数値目標を持っておりまして、若者、女性の就業支援や、県内定着の促進などに取り組むこととしており、例えば県立大学におきましては、工学部における医薬品工学科の設置や、看護学部の創設等による入学定員の増加、また、女子学生を対象にした県内就職促進のためのカフェの開催等による積極的な若者、女性のUIJターン就職の促進、それから、本県企業の魅力や全国トップクラスの暮らしやすさを動画等でアピールすることによる県外出身学生の県内就職、定着の促進等に取り組んでいるところでございます。  社会動態の改善は、生産年齢人口が減少する中で地域経済の活力を維持する観点からも大変重要であると考えておりまして、産官学などの多様な主体と連携しながら、女性の転出超過の改善も含め、戦略目標の達成に向け取り組みますとともに、総合計画におきましても、人づくり分野で若者、女性等に着目した政策体系を設けることとしておりますので、具体の施策についてしっかり検討してまいりたいと考えておるところでございます。  次は、危機管理のうち、弾道ミサイルを想定した避難訓練についての御質問にお答えいたします。  さきの鹿熊議員の代表質問にお答えいたしましたが、特に4月以降、北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返し、緊迫する状況が続く中、国からの依頼もあり、弾道ミサイルが落下する可能性がある場合に県民の皆さんが取るべき行動につきまして、県、市町村のホームページへの掲載や、新聞、テレビなどによる報道により周知を行ってきたところでございます。  さらに、万が一の事態における情報伝達の手順等を実際に確認するとともに、報道を通して県民の皆さんに適切な対応方法を周知するため、御紹介いただきましたように北陸3県で初の避難訓練を国、高岡市と共同で来月7月14日に高岡駅バス停周辺と、高岡市立伏木小学校及びその周辺において実施することとしております。  高岡駅バス停周辺で行います市街地訓練におきましては、国からのエムネットを使いました、県、高岡市、警察本部、あいの風とやま鉄道、加越能バス等の情報伝達の実施、また、既に実施しております他県では行っておりませんが、防災行政無線の屋外スピーカーが設置されていない市街地において、住民への情報伝達と地下街等への誘導の実施、また、伏木地区の訓練におきましては、防災行政無線から流れる警報等を聞いた住民が頑丈な建物、例えば小学校体育館などへの屋内避難を実施することに加えまして、小学校校舎内にいる児童、教員による避難行動、窓から離れるとか、窓がない部屋に移るとか、そういう訓練をすることにしておるところでございます。  県といたしましては、今回の訓練にしっかり取り組みまして、対処能力のより一層の向上と、報道を通した緊急事態への対処についての県民の理解の増進につなげてまいりたいと考えておるところでございます。  最後に、万が一の事態への準備についての質問にお答えいたします。  国民保護法におきましては、弾道ミサイルによる攻撃などの武力攻撃事態などが生じた場合、県や市町村は法に定める国の基本指針に基づき作成されました国民保護計画により、当該区域における国民の保護のための措置等を実施することとされておるところでございます。  具体的な県の役割についてでございますが、まず、避難につきましては避難経路や交通手段等を明示した上で、市町村長を通じて住民に避難の指示等を行います。また、救援につきましては、避難住民や被災者に対する収容施設の供与、食品の給与、医療の提供等を行うこととなっております。さらに、武力攻撃災害等への対処につきましては、国などと連携した汚染の除去やそのための要請等を行うこととされておるところでございます。  県では、これまでもこうしたことに対処できるよう、平成17年度から、毎年、被害情報の収集、関係機関への応援要請、避難指示の手続の確認など、対処能力の向上や、警察、消防、医療機関、自衛隊などとの関係機関との連携強化を図るための実動訓練や図上訓練を実施してまいりました。また、平成24年度からは、国民保護事案への対処に当たって、主体的な役割を担う国と共同で毎年訓練を実施してきたところでございます。さらに、先ほど答弁申し上げましたが、短時間で飛来する可能性がある弾道ミサイルにも対応できるよう、今回弾道ミサイルを想定した避難訓練も国と共同で実施することとしたところでございます。  県といたしましては、今後も実践的な訓練を通しまして、その手順や関係機関との連携方法を確認するなど、万が一の事態に備えしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 82 ◯議長(稗苗清吉君)亀井観光・交通・地域振興局長。    〔観光・交通・地域振興局長亀井明紀君登壇〕 83 ◯観光・交通・地域振興局長(亀井明紀君)移住政策に関する御質問についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、地方移住に興味がある方々に本県への移住を具体的に検討してもらい移住につなげていくためには、移住希望者の検討段階に応じた取り組みが重要であると考えております。  このため県では、まず地方移住に関心のある方、特に富山ということを限らず、とにかく地方に住みたいという関心のある段階の方々については、富山くらし・しごと支援センターでの相談会、移住セミナーだとか分野別移住相談会だとか、市町村出張相談会だとか、こういった相談会に加えまして、県内全市町村や先輩移住者、県内企業が参加し、富山暮らしや就業環境の魅力をPRするとやま移住・転職フェアや、日本橋とやま館の富山はま作で、富山の食の魅力を通して富山の暮らしの魅力を体感してもらう富山の旬と暮らしを感じる会の開催など、東京で本県の魅力を知ることで移住先に選ばれるように取り組んでおります。  次に、富山への移住を具体的に検討されている方々については、実際に来県していただくために、移住候補地の下見に必要なレンタカー代やホテル宿泊費の割引など、県内事業者が移住希望者に各種割引や特典を提供するとやま移住応援団に加えまして、個別のニーズに応じた旅行プランを御提案、宿泊費を助成し、定住コンシェルジュが御案内するとやま暮らし体感プランといったものや、県内の各地域や企業等を訪問し、富山のくらしに加えて、魅力ある就業環境への理解も深めてもらうとやま暮らし・仕事体感ツアーを実施しております。
     さらには、本県への移住の思いが強い方々に対しましては、県が市町村と連携して支援する移住者受け入れモデル地域の宿泊・交流体験施設や市町村等の生活体験施設を御紹介しまして、実際の生活環境の体験や、地域住民の方々と交流いただけるよう取り組んでおります。  県では、今後とも、移住希望者の検討段階に応じまして、きめ細やかに対応することによって、より多くの方々の本県への移住につながるよう取り組んでまいりたいと考えております。 84 ◯議長(稗苗清吉君)大坪商工労働部長。    〔商工労働部長大坪昭一君登壇〕 85 ◯商工労働部長(大坪昭一君)総合デザインセンターの支援と成果に関する御質問にお答えをいたします。  総合デザインセンターでは、県内企業のデザインに関する相談に対応するとともに、商品開発に必要な設備の導入や、幅広い人的ネットワークを活用したデザイナーやバイヤーとのマッチング促進等によりまして、県内企業のデザインを活用した商品開発、販路開拓を支援しております。  このうち特徴的な取り組みといたしまして、設備の整備につきましては、昨年新たに試作品の制作に活用する2種類の3Dプリンターや、カタログ用の商品写真を撮影するデジタル撮影システム等の最先端設備を導入いたしまして、県内の企業の商品開発を支援しております。  また、県内企業とのデザイナーとのマッチング促進につきましては、全国に先駆けて平成2年から富山デザインウエーブを開催し、商品化のアイデアを募集する富山デザインコンペにおきましては、若手デザイナーの全国的な登竜門としての評価をいただいており、国際的に活躍するデザイナーも輩出しているところでありますけれども、これまで提案作品の中から企業とのマッチングを経て、現在50点が商品化をされているところであります。  さらに、食のお土産ブランド幸のこわけの開発やPRに取り組んでおりまして、売り上げ累計が7億円を超えたほか、ことし3月に、工芸品の新ブランドとして技のこわけを発表し、今後県内や首都圏でのPR等に取り組むこととしております。  加えて、県内企業の品質及びデザイン性にすぐれた商品を富山プロダクツとして選定し、その販路開拓を支援しておりますけれども、平成27年度の売り上げは約24億円となっております。  総合デザインセンターの特徴は、デザインを活用する企業に対し商品開発から販路開拓まで総合的に支援する点と考えておりまして、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 86 ◯議長(稗苗清吉君)蔵堀厚生部長。    〔厚生部長蔵堀祐一君登壇〕 87 ◯厚生部長(蔵堀祐一君)ひきこもり地域支援センターに関する御質問にお答えをいたします。  県のひきこもり地域支援センターは、ひきこもりに特化したまず最初に相談できる第1次相談窓口として、本人や家族からの電話相談や来所相談に対応いたしております。  また、ひきこもりは、原因や本人、家族の状況がさまざまであり、1つの機関だけでは支援を行うことは難しいことから、関係機関とのネットワークの構築に取り組み、連携して総合的に支援に取り組む体制の確保に努めてきております。  ひきこもり地域支援センターや厚生センターなどにいらっしゃった相談者の方で、ひきこもりの状態となったきっかけを尋ねましたところ、不登校が最も多く、学校など教育関係機関との連携は大変重要だと考えております。  こうしたことから、富山県ひきこもり対策支援協議会に総合教育センターなど、教育関係機関にも参加をいただきますとともに、教育関係者を対象とした専門的な研修会の開催ですとか、小学校、中学校、高等学校にひきこもり支援にかかわる相談機関の周知を図っているところでございます。  なお、家庭への訪問支援につきましては、現在ひきこもり地域支援センターでの実績はございませんけれども、各厚生センターで家庭への訪問に取り組んでいるところでございます。平成28年度では、延べ180件の訪問支援を行ったところでございます。  また、今年度からは専門的な見立てや支援が必要な場合には、ひきこもり地域支援センター職員が厚生センターの訪問に同行するなど、連携を強化して取り組むことといたしております。  今後とも、ひきこもり地域支援センターと関係機関が連携を密にして、不登校などさまざまな悩みを抱えたひきこもりの御本人の方や御家族の方に適切に支援できるようしっかりと取り組んでまいります。 88 ◯議長(稗苗清吉君)渋谷教育長。    〔教育長渋谷克人君登壇〕 89 ◯教育長(渋谷克人君)ICT教育についての御質問にお答えいたします。  第4次産業革命の進展などを見据え、次代を担う人材を育成するため、富山県教育大綱では主要施策の1つとして、ICTの活用など情報活用能力の育成が掲げられております。  この大綱を受けまして、生徒の課題発見、解決にICTを活用できる力を育成するため、昨年度、県立学校2校をICT教育モデル校に指定しまして、授業での効果的、実践的な活用方策などについて検証を行いました。  モデル校では、例えば台車の衝突実験結果を解析しまして、グラフ化する際にタブレット端末を活用する物理の授業や、3D画像を活用して空間図形の回転について理解を深める数学の授業などを行っておりますが、7割を超える生徒から、ふだんの授業よりわかりやすいとの声が寄せられております。  こうした検証結果を踏まえまして、今年度は実施校2校から12校に大幅に拡大して、配備するタブレット端末につきましても40台から480台にすることとしております。  また、今年度から効果的なタブレットの活用事例や、デジタル教科書を用いた授業実践など、教員のICTを活用した指導力向上に向けた研修を拡充することとしておりますし、実施校におきましても、先進校の視察を行い、その成果を公開授業、研究協議を通して他校に普及するよう努めております。  今後とも、効果的、実践的な授業ができますように、また、御指摘の教員の多忙化の解消にも留意しながら、ICT教育の推進に積極的に取り組んでまいります。  以上です。 90 ◯議長(稗苗清吉君)以上で、山本徹君の質問は終了しました。  以上をもって本日の一般質問、質疑を終了いたします。  次に、お諮りいたします。  議案調査のため、明6月16日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 91 ◯議長(稗苗清吉君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次回の本会議は6月19日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行いますとともに、議会運営委員会を開催いたします。  本日はこれをもって散会いたします。  午後4時06分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...