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  1. 富山県議会 2017-06-01
    平成29年6月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                     午前10時00分開会 宮本委員長 ただいまから本日の予算特別委員会を開会いたします。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        奥野詠子委員の質疑及び答弁 2 宮本委員長 奥野委員。あなたの持ち時間は60分であります。 3 奥野委員 おはようございます。全国の多くの自治体が我が県こそが教育県と標榜しておりますが、私は富山県こそが教育県であると自負をしております。  私が考える教育県富山は、全ての子供たちの学ぶ意欲に寄り添い、それぞれの子供の発達状況や特性に適した学びが得られる環境が整っていることだと認識をしております。  まず、これまでも定期的に取り上げてきた障害のある、または困難を抱える子供たちへの支援について伺っていきます。  さて近年、特別な支援が必要な子供の増加が指摘をされております。特に知的障害を伴わない自閉症スペクトラム。これは、以前はアスペルガー症候群や高機能自閉症と言ったりもしておりますが、それに注意欠陥・多動性障害、学習障害といった発達障害の増加が注目をされております。県内の主な病院において、発達障害の医学的診断を受けている子供の数の推移について、厚生部長に伺います。 4 蔵堀厚生部長 お答えいたします。発達障害の子供につきましては、知的障害や精神障害の手帳を所持している場合もございますけれども、発達障害であることに着目して手帳の対象とはなっておりませんので、その正確な人数を把握するのは困難な状況となっております。ただ県内における専門医療機関の1つであります富山県リハビリテーション病院こども支援センターにおきましては、小児神経科と児童精神科で診察を行っております。  年間約3万件程度の診察を行っておりますが、そのうち発達障害と診断されている子供の数の推移を見ますと、平成24年度では約370人、平成26年度では560人、また平成28年度では約1,170名と年々増加をいたしております。  また同様に、高岡市が専門医療機関として設置しております高岡市きずな子ども発達支援センターでは、平成24年度では約210名、平成26年度では260名、また平成28年度では230名とほぼ横ばい状況で推移をいたしております。  ただ、ほかの専門医療機関で発達障害の診断を受けた患者や過去に診断を受けて数年後に再度受診した患者もここに含まれている可能性もございますので、これらの数字がそのまま新たに発達障害として診断された人数とは言えないわけですが、これまでのところ、診断数自体は増加傾向にあると考えております。  県リハビリテーション病院こども支援センターの診断数が増加しておりますけれども、これは、こども支援センター開設に伴いまして児童精神科医療などの診療体制の充実を図りましたことから、それまで主に乳幼児を診断していたわけですが、小中学生など幅広い年齢層の子供も受診するようになったことなども診断数が増加した一因だと考えております。 5 奥野委員 今ほどの御答弁からも診断を受けた子供の数が増えていることがいえると思いますが、その背景としては社会全体として発達障害への理解が進んだこと。また偏見や差別意識が薄れてきたこと。そして保護者においても早期の診断と適切な対応により、子供の可能性を伸ばすことが可能である。学校においても適切な対応が可能になってきている。こういった複合的な理由から自発的に診断を受けたいという親も増えているのではないかと思っております。  今ほど厚生部長からの答弁の中にもございましたが、昨年1月、新しく富山県リハビリテーション病院こども支援センターが開院をいたしました。これは、高度で専門的なリハビリテーション医療を提供するとともに、重症の心身障害児に対する支援を充実、強化するために高志リハビリテーション病院と高志学園、高志通園センターを統合、再編成し、一体整備したものであります。  繰り返しますけれども、発達障害は早期の発見や早い時期からの適切な支援を行うことが効果的とされております。しかし発達障害の専門医、特に子供、児童などを診察できる医師は全国的にも不足傾向でありまして、県内で拠点となっていた以前の高志リハビリテーション病院でも発達障害児の診察は3カ月待ち、4カ月待ちとも言われておりました。  子供の発達、発育に不安を抱えた保護者の方からは、何とか早く診てもらうことはできないかという相談も何度か受けたことがございますし、定期的な療育訓練についても体制の強化が望まれてきたところであります。
     先ほどの御答弁からも体制がよくなったというさわりがございました。現在のリハビリ病院・こども支援センターの機能、特に発達障害への対応について改善された点、また早期発見と発達段階に合わせた適切な支援に向けた今後の取り組みについて、知事にお伺いをいたします。 6 石井知事 重症児等への対応や特別な医療ニーズを有するお子さんへの支援拠点施設としまして、昨年1月にこども支援センターを開設したわけですけれども、その際、お話の発達障害への対応としまして、開設に伴って小児精神科の充実に努め、民間病院から専門の医師を週1回来ていただくといったこともしました。これに加えて、今年度からは常勤の児童精神科医の採用を行ったり、また臨床心理士も3名から5名に増員するといったことで診療体制の充実を図っております。  これによって、開設前後はお話のとおり、初診まで約3カ月程度待ち時間があったのですけれども、現在は1カ月程度に短縮されておりまして、外来患者数も大幅に伸びております。平成28年ですと月平均118人だったのですが、ことし4月、5月と見ますと月平均147人といったところでございます。  また、生活動作の訓練ですとか、言葉の使い方やコミュニケーションの訓練、また体の動きや傾き、スピード、触覚、視覚といった感覚統合訓練を行う専門訓練士の拡充などによりまして、年齢や特性に応じた多様な訓練を提供しますなど、発達障害と診断された後の訓練環境も改善されておりまして、訓練回数も増加しております。こうしたことから、一定の成果、かなりの成果を上げつつあるのではないかと思います。  さらに、早期発見、早期支援が行われますように、地域支援マネジャーによります市町村や事業所への助言、支援。地域支援マネジャーは、御承知のように臨床心理士や相談支援専門員になっていただいております。また保健師や保育士等への研修に加えて、平成28年度から新たに事業所の職員向けの研修を開催しますなど、身近な市町村や事業所への支援を強化しますとともに、発達の段階や障害の特性に合わせまして、教育機関や企業等と連携して、入学や就労等について適切な支援を行っております。  このほか、今年度新たに支援事業所以外での受け入れ体制強化ということで、これまで実施してきた保育士向け研修に加えて、保育カウンセラーを保育所等へ派遣して、発達相談への対応を行うことにしております。  また、発達障害を診断可能な専門医が、お話のように本県だけではなくて全国的に不足しておりますので、まずはかかりつけの小児科医などの方々に早期発見の役割を担っていただこうということで、ことし3月に県医師会と連携して研修会を開催しますとともに、5月には県医師会やこども支援センターの専門医とともに発達障害の専門医療機関と地域のかかりつけ医との連携のあり方について協議を始めました。  県としては、こうした取り組みを積み重ねまして、発達障害のある方に適切な支援が行われるように精いっぱい努力してまいります。 7 奥野委員 大変心強く感じております。ぜひとも本県の医療体制のさらなる充実を図っていただきたいと思っております。  さて、この富山県リハビリテーション病院こども支援センター内の富山県発達障害者支援センターも、昨年4月にリニューアルが図られました。旧高志通園センター内にあった未就学児への支援機能と社会福祉法人めひの野園内にあった小学校入学以降の支援機能を一元化し、発達障害のある人が年齢にかかわらず、身近な地域で必要な支援が受けられる体制づくりに取り組んでいただいております。このセンターの支援機能の一元化による利点と改善点、また利用状況について、厚生部長にお伺いをいたします。 8 蔵堀厚生部長 県では平成15年に発達障害者支援センターを設置いたしまして、相談支援専門員による相談、それから支援事業所の保育士や訓練士等への研修、また発達障害を発見する手法でありますアセスメントツールに関する講習会の開催などによりまして、身近な支援機関の専門性や対応力の向上に取り組んでまいりました。  御指摘のとおり、昨年4月に支援対象が未就学児と学齢期以降とに分かれておりました発達障害者支援センターを一元化いたしまして、未就学児から成人までを一貫して支援できる体制といたしました。  これによりまして、未就学児が小学校へ入学後も継続して支援できるようになりましたし、またスタッフの連携によりましてこれまでの支援経過等を踏まえた就労支援も行えるようになりました。利用者の方からは、相談をワンストップで受けてもらい、利便性が高まったなどと評価をいただいております。  また、利用状況についてでございますが、平成28年度における発達障害者本人や御家族の方からの相談件数は2,850件でございました。1日当たりでいうと10件以上という状況でございます。また地域支援機能の強化のため、地域支援マネジャーが行います市町村や保育所等に対する助言、支援件数は892件となっておりまして、本人や御家族の方への直接支援とあわせまして、発達障害者に身近な市町村や保育所等における専門性や対応力の向上を図ってきたところです。  県としては、引き続きこの発達障害者支援センターを中心といたしまして、関係機関が連携して発達障害者が乳幼児期から成人期まで、切れ目なく必要な支援を受けられるように、しっかり努めていきたいと考えております。 9 奥野委員 国でも発達障害の子供を持つ保護者に対して、発達障害の子供とどう向き合っていくべきか、家族や本人の周りを支える取り組みの重要性が指摘をされております。  県でも保護者向けの講座等、今さまざまな御答弁をいただいた、取り組みをしていただいているわけでありますけれども、障害や困難を抱える本人へのこういう支援とともに、その周りでサポートに当たる方々への支援もあわせて引き続きお願いをしたいと思っております。  ここまでは、発達障害の診療体制と医学的診断を受けた子供たちの支援について伺ってまいりました。この後は、学校現場の支援について伺っていきます。  本県の新富山県教育振興計画を見ましても、地域の小中学校における特別な支援を必要とする子供の数というのは急激に増加をしております。学校現場での特別な支援の必要性は、医学的な診断による障害の有無だけでなく、教員や保健師等と保護者が相談をして特別支援学級への在籍や、また通級の利用を判断していると伺っております。  文部科学省は、小学校における通常学級に在籍する子供のうち、およそ6.5%が発達障害またはその傾向があると発表しておりまして、特別支援学級や通級の利用、また通常学級問わず、教育ニーズに合ったきめ細かい支援が必要としております。  まずは、本県における特別な支援を必要とする児童生徒数とその推移について確認をしておきたいと思います。教育長に伺います。 10 渋谷教育長 本年5月1日の時点で、小学校の特別支援学級に在籍している児童数は1,085名で、通級による指導を受けている児童数1,666名と合わせますと、小学校全体で2,751名となっておりまして、5年前の1,651名と比べますと1,100名、67%増加しております。  また、中学校の特別支援学級に在籍している生徒数は405名で、通級による指導を受けている生徒数144名と合わせますと、中学校全体で549名となっておりまして、5年前の437名と比べますと112名、26%増加しております。  なお、特別支援学校についても申し上げますと、在籍している児童生徒数は1,279名でありまして、5年前の1,209名と比べますと70名、6%増加しております。 11 奥野委員 ありがとうございます。やはり大変多くの子供たちが支援を必要としているのだなということを実感いたします。  このようなことからも、特別支援学校または小中学校の特別支援学級の担任または通級指導の担当者、このような方々に限らず、特別支援教育のスキル獲得は必要であるなということを感じるわけであります。また文科省が、通常学級にも傾向のある子たちが6.5%在籍しているといっていることを考えますと、今答弁いただいた数だけではない、もっと多くの子供たちに支援が必要だろうということも言えるわけであります。  県教委には、教員の研修時に特別支援教育分野の講習を必修化していただきましたし、教員採用選考検査においても小中学校枠の受験者に対して特別支援学校教諭免許状の保有者には加点を行うという制度も導入いただきました。  文部科学省の中央教育審議会では、特別支援学校の教員は特殊免許状の保有率100%、また小中学校の教員においても特殊の免許状の保有が望ましいということは前々から通達がされているわけであります。  本県で実施をしてきました施策によりまして、特殊免許状の保有率はどのように推移をしているのか。また特殊免許状の保有率向上によって期待される効果について、これも続けて教育長にお伺いをいたします。 12 渋谷教育長 平成28年度における本県教員の特別支援学校教諭免許状の保有率につきましては、特別支援学校では72.5%で5年前の71.4%から若干ではありますが上がっている状況であります。また小中学校では7.9%で、これも5年前の6.7%から若干ではありますが上がっております。  特別支援教育を充実させていくためには、教員の専門性の向上が必要でありまして、免許状保有率を一層高めていくことが重要であります。  このため、委員から御紹介いただきましたけれども、本県では教員採用選考検査におきまして、特別支援学校教諭免許状を有する受検者に対する加点制度や、採用後5年以内に免許状を取得する予定の者を対象とした受検種目も設けるなど、人材確保に取り組んでまいりました。  また、昨年度から1年間で免許状が取得できる集中講義を開催したところ、延べ284名の教員が受講しまして、開講以降の免許取得者は56名で前年同期より22名増加しております。  さらに、放送大学などを利用した単位取得を奨励しておりまして、免許状の取得に必要な単位数を満たす教員の養成に努めております。  今後とも特別支援学校教諭免許状の保有率向上に努め、専門性の高い教員をより多く配置することによりまして、児童生徒一人一人に応じた適切な支援を行うことができますように取り組んでまいります。 13 奥野委員 文部科学省は、昨年11月に教育職員免許法を改正いたしました。この改正によりまして、教員免許を取得する際には、今後特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対する理解、こういう項目で1単位以上修得することが必須となったということであります。たった1単位ではありますけれども、教育現場の現状からしまして、全ての教員に特別支援教育のスキルが必要だと。こういう国の意思表示なのだろうと思っておりますし、最初の一歩としては歓迎すべきものであると感じています。  そして、富山県には今ほども御答弁の中にありましたように、さまざまな取り組みで免許保有者を増やしていただいておりますけれども、今後も採用であるとか資格取得の支援、特別支援教育に関連する研修、研究といった部分でも充実をしていただきまして、国や他府県をリードするような先進的な取り組みを求めたいと思っております。  さて、中学校を卒業後の特別支援教育のあり方にはまだまだ課題が多いと感じております。中学校におきまして、特別支援学級の在籍者のうち4割は高等学校や専門学校に進学をしておりますし、特別支援学級でも自閉症、情緒障害クラスだけ見れば、その6割が高等学校に進学をしている。そして通級の利用者であれば、およそ9割が高等学校に進学をしております。つまり、中学校までは特別な配慮、支援を受けていた子供たちが高校に進学をした場合、特別支援学級はもちろん、通級制度もない環境となるわけであります。  県では全ての県立高校に特別支援教育コーディネーターを配置したり、専門支援員も活用してサポートをしていただいているわけでありますが、それでも人間関係や学校生活または授業、学業の面でつまずく子がいるもの現実であります。  中学校まで特別支援学級に在籍していた生徒及び通級を利用していた生徒の卒業後の支援について、これまでどのような取り組みをしてきたのか、実績について教育長に伺います。 14 渋谷教育長 平成27年度に中学校の特別支援学級通級指導教室に在籍した193名の生徒の進路につきましては、県立高校全日制が18名、定時制が30名、私立高校が60名、特別支援学校高等部が74名、就職など進学以外の進路を選んだ生徒が11名となっております。  御質問の支援状況につきましては、まず全日制の県立高校では、巡回指導員の指導、助言を得ながら、生徒一人一人について個別の指導計画──これは教育的ニーズに応じて学校での指導や配慮に関するものなのですけれども、こうした指導計画や個別の教育支援計画──これは関係機関と連携して、長期的な視点に立って教育的支援を行うものでありますが、こうした支援計画を策定しまして、指導目標や指導内容、方法などについて、学校全体で共通理解を図り、全校体制で支援に当たっております。  定時制の県立高校では、今ほど申し上げました支援に加えまして、専門家による定期的なカウンセリングや状況に応じてティーム・ティーチングを行うなど、より丁寧な支援に努めております。  こうした取り組みによりまして、各学校ではいずれの生徒も落ちついて学習に取り組み、部活動や学校行事にも積極的に参加していると聞いております。  また、特別支援学校高等部では専門的な教員の指導、支援を受けまして、卒業後の社会的な自立を目指し努力しているとのことであります。  なお、進学以外の進路を選択した生徒につきましては、できるだけ中学校から定期的に連絡をとったり、適応指導教室の相談員が対応していると聞いておりますが、今後とも特別な支援を必要とする生徒への支援に努めてまいります。 15 奥野委員 文部科学省の教育再生実行会議の第九次提言の中では、特別な支援を必要とする子供に対して各発達段階を通じて円滑な情報の共有や引き継ぎがなされるべきで、情報の取り扱いには十分に配慮した上で乳幼児期から高等学校段階までの各学校等で個別の支援情報資料が引き継がれる仕組みが必要ということを言っております。  これは、今ほど教育長の答弁にあった個別指導計画個別教育支援計画というものが該当するのだと思いますが、こういうものもちゃんと引き継がれる仕組み。これは、まず一次的には国のほうでつくっていただく必要がありますが、こういうものについても県のほうでもしっかりと考えていただきたいなと思うわけであります。必要な支援が必要なところに届くように、さらなる取り組みを期待いたします。  次に、中学校を卒業するまでの間、特別な支援を必要としなかったものの、その後に発達障害が判明したり、またその傾向が強くなったりすることで日常生活や学校生活または就職活動などのキャリア形成に課題を抱える学生についての支援について伺いたいと思います。  全国の大学のうち、8校が障害学生ネットワーク拠点校となっておりますが、その中の1つが富山大学であります。全国の大学、全てのうちの8つ、そのうちの1つということであります。  富山大学では平成19年から障害のある学生への支援がスタートいたしまして、現在では教育・学生支援機構学生支援センターアクセシビリティ・コミュニケーション支援室、こういう名前で組織化をいたしまして、身体障害や発達障害、精神障害のある学生の支援をしております。  この支援室が支援している学生は、先月末時点で70人、そのうち8割以上が発達障害もしくはその傾向が強い学生ということで、医学的な診断を受けている学生はその70人のうちのおよそ半数であり、残りはこれまで支援学級や通級の利用もしたことがない学生だと伺っております。つまり、富山大学に合格する程度の学力があるがゆえに、小中学校と、特別な支援を受けてこなかった学生が、大学生になってさまざまなつまずきから支援を求めている現状があるということであります。  また、支援室の利用は年度当初は少ないものの、入学後次第に困難に気づいていく生徒が増えるということでありまして、年度末の多い時期には90人を超えるとも聞いております。  この傾向は特定の大学だけではなくて、文部科学省は高等学校進学者のうちの2.2%は発達障害もしくは特別な支援を必要とする学生がいるということを言っておりまして、成長の過程で特別な支援が必要となるケースもこのようにあるというわけですが、その支援の必要性について、厚生部長に所見を伺いたいと存じます。 16 蔵堀厚生部長 発達障害につきましては、生まれつき脳の一部の機能に障害があり、幼児のうちから症状があらわれる場合のほか、御指摘のとおり発達障害と判明する時期が遅く、コミュニケーションが苦手または行動に偏りがあるなどの発達障害の特性があるにもかかわらず、言語や知能において差がない、あるいは場合によってはより高い能力を持つことがあるわけでございます。  こうしたことから、本人や周囲も発達障害の認識がなく、適正な支援を受けないまま、例えば中学校までを過ごすということのために、高校生や大学生さらには社会人になってから対人関係などでさまざまな困難や課題を抱えるケースがあると認識しております。  例えば、自信や意欲が低下して不登校になるとか、協調性がないなどと誤解され孤立するといった課題があると考えております。  本県におきましても、昨年度、発達障害者支援センターに発達障害関連で相談があったのは実人数ベースで578人でございますけれども、このうち、高校生以上の方が184人でございました。3割以上が高校生以上の方の相談でございます。さらに、そのうち35人は高校生またはその御家族の方からの相談でございました。残り149人は19歳以上、大学生あるいは社会人ということでございます。  このセンターでは、高校の先生とも連携しまして発達障害の特性に関する理解や集団生活を送る上で必要なノウハウを身につけるための支援や助言などを行っております。  また、家族の方が高校生や大学生などの子供の発達障害に適切な対応ができますように、保護者向けの講座の開催ですとか、ハンドブックの作成、配布によります普及啓発も行っております。  県としては、発達障害と判明する時期が遅く、コミュニケーション等に困難を抱える子供たちが日常生活を円滑に過ごせるようにするために、発達の段階や障害の特性を踏まえて必要な支援がなされるようにしっかり取り組んでいきたいと考えております。 17 奥野委員 今ほども御答弁いただきましたように、知的障害が伴わない発達障害の場合はテストで点数が取れるわけですから、高校や大学進学まで発達障害に気づかないということは十分にあり得るわけでありまして、本人が気づかないケースであったり、本人に違和感があっても親や周囲が気づかないといったようなケースであったり、いざ親元を離れて新しい人間関係を構築しようとする際や、就職活動などのコミュニケーション能力が必要となるところでつまずいていくケース、これも今御答弁いただきましたが、そういうようなケースがあるようです。  この富山大学の支援室でも、高校時代までに適切な支援を受けていれば東大に進学できる学生も珍しくないと、このような話も伺ってきまして、支援の必要性を強く感じて帰ってきたわけであります。  さて、国は高等学校における発達障害の支援として、来年春から特定の高等学校に通級拠点を設置し、その通級での指導時間を選択教科に加えて卒業単位として認めることも可能とする、こういう制度の導入を決めております。国もようやく対策を講じたというわけでありますが、残念ながら実効性に乏しいと感じております。  実際に支援を必要とする生徒が、制服も違う他校に通級を受けに行くことは心理的なハードルが高いと感じますし、同じクラスの友達が選択教科を受けているときに自分だけ他校に通級を受けに行くというのは、これはさらに高いハードルがあるのではないかと考えるわけであります。  せっかく拠点校をつくっても誰も利用したがらないということになってしまうのが国のフローではないかなと思うわけであります。  そこで、高校生が自分の意思で前向きに意欲を持って学べる場にするためには、この心理的なハードルをどういうふうに下げればいいのだろうかということを考えました。私は大学のキャンパスにこのような通級拠点を設置することを提案したいわけであります。  大学キャンパス内であれば、制服の違いを気にする必要はなくなりますし、さらに課外授業として選択教科の振りかえということよりは、全くの課外授業として県内の高校生誰でも受講することができることで、こういう障害の有無に関係なく、学校生活や日常生活の中で不安や生きにくさを感じている生徒が気軽に受講することができたりという場にしていけば、保護者や高校の教員も受講を進めやすくなるのではないかと感じるわけであります。  いい案を思いついたなと思っていたわけですが、実は、調べれば調べるほど、参考になる事例が出てまいりまして、鳴門教育大学では、発達障害の中高生を対象としたグループワークに取り組んでおりまして、特別支援教育、特に発達障害分野の第一人者として知られる筑波大学の柘植雅義教授、本当に有名な方でいらっしゃいますが、この筑波大の柘植教授もこのような大学が行う中高生を対象としたグループワークの実績というのは、高等学校に通級が取り入れられる際の大きな参考事例になるといって評価をしていらっしゃいます。  例えば、先ほど御紹介をしました富山大学のアクセシビリティ・コミュニケーション支援室では、既に高大接続授業の一環といたしまして、平成24年から大学進学を目指す発達障害のある高校生を対象に、チャレンジカレッジというものを実施しているそうであります。この事業といいますのは、大学の紹介であったり、大学機能を体験してもらったり、または同じような発達障害、困難を克服した先輩の体験談を聞くというようなものでありますけれども、これをグループワークも含め、拡大をすれば、コミュニケーション等に困難を抱える生徒を支援できるのではないかと考えるわけであります。  全国初の富山型高校生向け特別支援教育として、このような既にある取り組みを拡大して利用するといったことを提案したいわけでありますが、知事の所見をお伺いいたします。 18 石井知事 富山県と富山大学は平成17年に連携協定を締結しまして、また平成23年度からは学長さんと年に一度はお会いして、経済、産業、医療、福祉、文化など、さまざまな面で連携を強化しておりまして、その1つとして高大連携ということもあります。  委員からは、この高大連携の一環として来年4月から制度化される高校の通級指導について、大学と連携して対応してはどうかといった御提案、アイデアをいただいたわけであります。  教育委員会に聞きますと、この通級指導については、生徒の発達障害の実情に応じた幅広い学びを提供できるということですけれども、一方で生徒への配慮の面、また結局、おっしゃるように他校に行くよりは大学のほうがいいというのは確かにそうかなと思うのですけれども、専門人材の確保などの点で、高校の中でやるというのはやはりなかなか課題も多いと聞いています。一方で富山大学では、伺いますと専門スタッフも一定程度いらっしゃるということでございますので、御提案については高校での通級指導を実施する際の対応策の1つになり得るのではないかと思っております。  ただ、具体化に当たっては、大学側で課題も多いと教育委員会から伺っていますので、まずは県教委で研究を進めて、その上で大学と実施できるかどうか、受け入れてもらえるかどうかといった点の協議を進めてもらいたいと考えております。  今後とも、富山大学や他の大学も含めて、さまざまな面で連携を深めていきたい。またその中で人づくりは大変重要なテーマでありますから、しっかり取り組んでまいります。 19 奥野委員 この富山大学のチャレンジカレッジには全国から高校生が応募してくると聞いておりまして、このスキルを県内在住の高校生に提供しないのはもったいないなと思う次第であります。  知事からは、まず県教委で研究をして大学と協議してはどうかということでありますけれども、県とこのような大学には専門の人材の方たちがいらっしゃいますので、そこと相談をしながら、一緒に研究をしていって、ぜひ実現に向けて方法を模索していただきたいと思う次第でございます。  この項の最後に、これまで求めてきた本県教育を支える教員の養成、確保について伺います。ことし3月の教育新聞に、本県の求める教師像が掲載をされておりました。  総合的な人間力を持ち、子供が大好きで、あふれる情熱と慈しみの心を持って目の前の児童生徒とかかわることができ、困難にへこたれない忍耐力や新しい課題に取り組む積極性を持っている人とのことであります。  本県教育に必要な人物像が示されているわけですが、この人物像を示すだけではなくて、その人材を育てて富山で教員になってもらうということが重要ではないかと感じております。  少子化によりまして、国のほうでは教員養成数の削減の議論が始まっていると聞いておりますが、本県の教員採用選考検査の結果を見ますと、例年およそ16%程度の方が県内大学の卒業者であります。  本県の教員の一定数を県内大学が供給しているということでありますし、またこれまでも現職教員のスキルアップとして教職大学院の取り組みですとか、いろいろな研修ですとか、県内の大学と連携をして行っておりますので、本県で教員を養成することの意義、また教員養成機関との連携強化の必要があると思っておりますが、教育長の所見を伺いたいと存じます。 20 渋谷教育長 富山大学は、その出身者が本県教員の多くを占めておりまして、本県における教員養成の中核として、教育界に多くのすぐれた人材を輩出いただいております。  また、先導的な指導方法の研究や初任者研修、教育課程研修における指導助言などを通して教員の資質向上にも御尽力いただいております。  さらに、地方創生の観点から、地元の大学で優秀な教員を数多く養成することの重要性は、今後、ますます高まるものと考えておりまして、大学との連携をより一層強化していく必要があります。  このため、本県ではこれまでも富山大学と連携して教員の養成、確保に取り組んでおりまして、例えば富山大学の学生が授業補助や子供たちの学習相談を行う学びのアシスト、理科の観察、実験アシスタントなどとして小中学校の学校現場で教育活動を体験しております。また本県への教員の採用に当たりましては、採用が内定した者を対象として、教師準備プレ講座を大学と共同して実施しております。  富山大学におかれましては、昨年度、学内に教職支援センターを設置され、人間発達科学部を初め全学におけるこれからの教員養成のあり方、連携体制の構築について検討しておられると聞いております。  教育委員会としましては、センターでの検討内容をよくお聞きしまして、本県に必要な人材の養成と確保に向け、今後さらに連携を強化していきたいと考えております。 21 奥野委員 ぜひお願いしたいと思っております。先ほども述べましたとおり、人材の確保ということは養成とセットだろうと思っておりますし、またこの質問に入る冒頭に述べましたけれども、全ての子供たちの学ぶ意欲に寄り添って、それぞれの子供の発達状況や特性に適した学びが得られる環境が整っていることが教育県富山の姿だと考えておりますので、その環境整備の中には教育にかかわる人材の育成確保も当然含まれていると認識をしております。  人づくりというのは、先ほど知事の御答弁にもあった人づくり、知事の一丁目一番地でありますので、一層の取り組みに期待をしたいと思っております。  次に、改正刑法と犯罪被害者等の支援についてお伺いいたします。今月16日、性犯罪を厳罰化する改正刑法が成立し、1907年の刑法制定以来、初めて性犯罪に関する規定が抜本的に改定をされました。  これによりまして、警察でも対応が大きく変わるものと推察をいたしますが、この改正法の概要と今後の取り組みについて、まずは警察本部長にお伺いをいたします。 22 白井警察本部長 今月16日に参議院本会議において可決、成立した性犯罪を厳罰化する刑法の一部を改正する法律の概要につきましては、第1に、強姦罪の罪名が強制性交等に改められ、構成要件も行為者及び被害者の性別を問わず、暴行または脅迫を用いて性交等を行った場合と見直されました。法定刑の下限についても懲役3年から懲役5年に、被害者を死傷させた場合には懲役5年から懲役6年にそれぞれ引き上げられております。  第2に、監護者わいせつ罪及び監護者性交等罪が新設され、18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為または性交等をした者に対する罰則が新設されました。  第3に、強姦罪等を親告罪としていた規定が削除され、これらの罪が非親告罪化されました。  このほか、同一の機会に強盗の罪と強制性交等の罪を犯した場合について、現行の強盗強姦罪と同様の法定刑で処罰されるなど、所要の規定の整備が行われました。  県警察といたしましては、これら同法の改正を受けまして、引き続き被害者の心情に配意しつつ、捜査の適正の確保と事案の実態に即した適切な対応をしてまいりたいと考えております。 23 奥野委員 今回のこの改正刑法につきましては、これまで関係者から大変問題視をされていた部分、これがしっかりと改正されたと、とても前向きに捉えております。  そして、この改正法は、本日が公布ということでありますし、施行は来月13日ということでありますけれども、今御答弁をいただいた強姦罪であるとか準強姦罪であるとか強制わいせつ罪における親告罪の規定削除につきましては、これは施行前に起きた事件でも原則適用されるという旨が付されているということを申し添えておきたいと思っております。なので、これは施行前からすぐ、今から県警察にはしっかりと取り組んでいただきたいというものであります。
     この改正法につきましては、家庭内での性的虐待を念頭に、親などの監護者が18歳未満の者に性的行為を行った場合、罰することができる監護者わいせつ罪と監護者性交等罪が新設をされました。今ほども御答弁の中に盛り込まれておりましたが、これについても、これまで家庭内での性的虐待につきましては、支援に当たっていただいている団体等からも非常に多くの問題があるとされてまいりました。例えばこういうケースが疑われる場合でも、特に児童相談所なんかでは、親子や家族、家庭の再統合が大きな目的として掲げられているので、結局1回子供を保護しても、また家に帰してしまう。そして結局、再発が疑われていると。こういうケースについても、そもそもの仕組みに問題があるのではないかという声が聞かれてきました。私もそういう御相談を受けたことがございます。  今回のこの法改正、まさに歓迎することでありますけれども、この法改正による対応や考え方、これは従来のものと変化の必要があるのではないかと思っておりますが、警察本部長、厚生部長それぞれにお伺いをしたいと思います。 24 白井警察本部長 警察では、性的虐待を含め、児童虐待の疑いがある事案を認知した場合は、児童の安全確認及び安全確保を最優先とした組織的対応を図り、虐待を受けたと思われる児童については児童相談所への確実な通告を行っているほか、虐待の可能性が低い場合であっても児童相談所、市町村等関係機関に対する照会と情報共有を図っています。  性的虐待を含めた児童通告数は、平成24年の66件から、平成28年には128件と、2倍近くになっており、関係機関とのさらなる連携の強化が必要であると認識しています。  また、性的虐待に係る事案につきましては、これまでも事件化が必要と判断した場合は、監護者であっても法と証拠に基づき各種法令を適用して事件化を図ってきております。  委員御指摘の家庭内での性的虐待に関しては、児童の心身に与える影響がはかり知れない悪質なものであり、警察としては引き続き児童相談所等関係機関との連携を密にするとともに、改正法の趣旨を踏まえて適切に対応してまいります。 25 蔵堀厚生部長 性的虐待につきましては、これまでも児童相談所におきまして、児童の心理的苦痛や恐怖、不安の感情に十分配慮した上で相談や一時保護等の対応を行いますとともに、刑事事件として立件の可能性がある重篤な事案等につきましては、警察と連携して対応をしてまいりました。  今回の刑法改正は、親子などの間で行われたわいせつ行為等について、これまでは暴行や脅迫の事実がないと量刑の軽い児童福祉法違反などでしか処罰できなかったものが、より厳罰化されたものと受けとめております。  今回のこの改正の趣旨を踏まえまして、児童相談所におきましては、性的虐待事案につきまして、子供の最善の利益のために、これまで以上に警察と情報共有、連携を図りますとともに、児童の安全確保も図っていくこととしております。また保護者の虐待行為について告発が必要な場合には躊躇なく警察に告発を相談すべきであるとされておりまして、告発等が必要な場合は十分協議して対応していきたいと思っています。  さらに、県では今年度から新たに児童福祉司を対象とした児童福祉司任用後研修を実施いたしますけれども、このカリキュラムの中には、警察など関係機関との連携や、性的虐待への対応などについてが含まれておりまして、今回の改正内容を踏まえて子供の援助に必要な専門的知識あるいは技術の向上に努めてまいります。 26 奥野委員 非常にデリケートな部分でありますので、しっかりと子供を守る、これが一番でありますが、この点を本当に重視していただきたいと思っております。  特に家庭内で起きていることというのは外にはわかりにくいこともありますし、今ほどは部長から告発が必要な場合には躊躇することなくというお言葉がありましたけれども、これは本当にお願いをしたいわけでありまして、家庭内のことには踏み込みにくい側面もあるかもしれませんけれども、子供の安全第一の姿勢で臨んでいただきたいと強く要望をするところでございます。  さて、性犯罪や性暴力に関する専門支援を行うワンストップ支援センターの設置について、知事には昨年の11月定例会の予算特別委員会にて答弁をいただきまして、遅くとも来年春までに設置したいとおっしゃっていただきました。  あれから半年たつわけでありまして、開設準備も進んでいることと存じますが、この開設準備には多くの関係機関の協力が必要だと感じております。  中でも、犯罪被害者支援には一日の長があるとやま被害者支援センターや、そのセンターを所管する警察にも準備段階から積極的にかかわっていただく必要があると考えておりますが、警察本部長の所見をお伺いいたします。 27 白井警察本部長 ワンストップ支援センター事業に関しては、国においては内閣府において関連の予算措置がなされるなどしており、平成27年12月に閣議決定されました第4次男女共同参画基本計画では、行政が関与するワンストップ支援センター設置数を平成32年までに各都道府県に最低1カ所との目標が掲げられ、地方公共団体等に取り組みを促す形で推進されているものと承知をしております。  富山県における同センターの開設、運営については、現在知事部局を中心に進めていただいているところと承知しておりますけれども、犯罪被害者支援につきましては、委員からもお話ありましたとおり、これまでも警察において重要な施策として取り組んできていることから、被害者対応に関するノウハウ、知見の提供等必要な連携協力を図ってまいりたいと考えております。  なお、同センター開設後のセンターと警察の連携については、国の計画におきましても、警察は捜査関連の支援や警察への届け出の促進、被害の潜在化を防止することとされていることから、これらの取り組みにつきましても必要な連携協力を進めてまいりたいと考えております。 28 奥野委員 これまでにもこのワンストップ支援センターの取り組みには、部局をまたいで広い取り組みと連携が必要ということを強調してまいりましたので、ぜひとも部局連携で準備を進めていただきたいと思っております。  この性犯罪、性暴力被害者のためのワンストップ支援センターは、既に40の都道府県で設置されまして、来年春に富山県が開設をすれば44番目になるのではないかなと、こういう見込みであります。  設置は遅くなりましたけれども、私はその分、機能面では全国一のセンターを目指していただければ、これは県民にとってとても有意義なものであると考えます。  このワンストップ支援センターでは、支援員の専門スキルが不足しますと、扱う案件がデリケートなだけに二次被害を起こしかねないものであります。  先ほど、改正刑法にも触れましたけれども、性犯罪や性暴力の被害者は未成年の女性が圧倒的に多いと言われていますが、内閣府の調査では男性の被害者も存在していることがわかっております。改正法でも男性が被害者として含まれると変わったわけでありますが、ということは、男性被害者への対応スキルも必要になってくるだろうと考えるわけであります。  専門スキルを持った支援員を養成確保するとともに、知事は以前、国に財源がないのだと渋い顔をされておりましたけれども、ただ、この責任に見合った事業費をしっかり確保していただくことが持続的運営には不可欠であると考えます。  また、ワンストップ支援センター開設前からの広報も非常に重要と感じております。多くの方に知っていただかないと、支援の手が届かないということも考えられますし、またこの被害に遭っている方の特性上、未成年の女性に多いということでありますので、未成年の女性に情報が届くように、例えば情報誌であったりテレビCMであったり、また学校等との連携であったり、いろいろ考えられると思いますけれども、どれかに絞ることなく、広く有効な手法をとっていただきたいと考える次第でございます。  人材育成の部分、そしてセンターとしてどのように対応していけるのだろうか、こういう形態についての部分、また今後の広報についての部分、あわせて知事にお伺いしたいと思います。 29 石井知事 性犯罪、性暴力被害者の方々に対する支援は、相談やカウンセリング等の心理的な支援を初めとしまして、産婦人科医療や捜査関連の支援等多岐にわたりますので、関係機関の緊密な連携と実際に相談支援を行う人材の育成確保は委員の御指摘のとおり、大変重要と思っております。  そこで、県では性犯罪、性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの開設に向けまして、この4月に性暴力被害者支援に関する専門的な知識と経験を有する専門職員を担当課に配置しまして、ワンストップ支援センターの支援員の養成と実際に支援に携わる方々のスキルアップを図るための専門研修の実施に向けて準備を進めております。  なお、この専門研修では今般の刑法改正も踏まえまして、お子さんを初め、男性の性暴力被害の実態と対応に関する講義も取り入れますほか、一部講義を公開講座としまして、広く県民の皆さんに受講していただくことも考えております。  現在、ワンストップ支援センターの具体的な運営形態等についてはとやま被害者支援センターを初め、各相談機関や民間支援団体、医療関係者などから幅広く意見を聞いて、検討を進めております。  また、開設に当たっての広報ですけれども、被害者や悩みを持つ方が安心して相談できますように、各種広報媒体や県のホームページを活用しますとともに、未成年者の被害者が多いことや潜在化しやすいなどの特性を工夫しまして、ぜひ体制を整えて、来春なるべく早く開設したいと考えております。  今後も犯罪被害者等に対する支援がきめ細かく提供できるように、つくって確かに内容の充実したものになったなと言っていただけるように必要な準備を進めてまいります。 30 奥野委員 このセンターの人材育成でありますけれども、この育成につきましてはどのようなスケジュール感で考えていらっしゃるのでしょうか。これについて、再度、質問をさせていただきたいと思います。 31 石井知事 人材育成でありますけれども、今実際に支援に携わる方々のスキルアップということで、9月から2月にかけまして、おおむね1回3時間、毎月2回、合計12回ということになりますけれども、おおむね30名の方々を対象に専門研修をやろうと準備をしているわけでございます。  いろいろな関係団体があると思いますが、今後も努力してまいります。 32 奥野委員 ぜひ期待したいと思います。終わります。ありがとうございました。 33 宮本委員長 奥野委員の質疑は以上で終了しました。        亀山彰委員の質疑及び答弁 34 宮本委員長 亀山委員。あなたの持ち時間は60分であります。 35 亀山委員 おはようございます。自由民主党の亀山です。よろしくお願いいたします。初めての予算特別委員会での質問となりますので、よろしくお願いいたします。説得力のある先輩委員の質問の後で恐縮しております。  先日、発生した小型飛行機墜落事故でお亡くなりになられた方に御冥福をお祈りするとともに、一日も早く原因究明なされることを願うばかりです。  それでは、質問に入ります。観光資源としての称名滝についてであります。  立山では4月15日から始まった雪の大谷ウォークも昨日最終日を迎えました。ことしも多くの観光客が訪れ、雪の大谷を満喫いただいたものと思います。  1週間後の7月1日は立山夏山開きです。事故などのないよう、安全祈願祭が行われます。引き続き多くの方に訪れていただき、にぎやかにかつ安全に立山観光を楽しんでいただけるものと思います。  私の地元、立山町にはいろいろな観光資源がありますが、中でも日本一の350メートルの落差のある称名滝は大迫力の光景であり、多くの観光客が訪れる、立山町はもとより富山県の貴重な観光資源の1つであります。  この滝を見るには、駐車場まで車で行き、その後は歩行者専用の遊歩道を約1.5キロメートル歩いていくこととなります。ただ、ことし5月4日に、大きさ約1.5メートルの石が称名道路遊歩道区間上に落下しているのが発見され、その後も落石のおそれがあることから、いまだに通行止めとなっております。  称名滝などを訪れるため、通行する方の安全確保は極めて大事です。ただし落石対策には時間を要し、開通が8月になるとのことです。今は、家の田んぼ近くの案内板は、むなしく称名遊歩道、落石のため通行止めと点滅しているだけです。  昨日の森林組合との意見交換会に参加された方で気づかれた方もいたのではないでしょうか。通行者の安全確保が最優先であることは言うまでもありませんが、観光シーズン真っ盛りの時期でもありますので、できる限り早期通行再開に努めていただきたいと思います。  そこで、通行者の安全確保と早期の通行再開に向けて、どのように対応していくのか、加藤土木部長に伺います。 36 加藤土木部長 称名滝に通じます称名道路のうち、桂台から称名平駐車場までの間、これは延長が約2.9キロメートルございますけれども、こちらの間につきましては4月28日に冬期の通行止めから通行を再開しております。  しかしながら、今ほどありましたように称名平駐車場から飛龍橋までの遊歩道区間、これは延長が約0.9キロメートル、900メートルでございますけれども、道路上方の斜面からの落石がございまして、今後も落石の危険性があることから、通行の再開を延期しているところでございます。  通行者の安全確保のため、6月の初旬でございますけれども、落石の発生の原因となります斜面上の不安定な岩の塊、これを固定するワイヤーロープがけ工事、あるいは落石が直接道路へ落下することを防ぐために落石防護柵のかさ上げ工事、こういうものに着手しているところでございます。  このワイヤーロープがけの工事につきましては、道路より斜面の長さにして約100メートル上方に行くということでございますけれども、その勾配は30度から40度で、急斜面での作業であります。  また、梅雨の時期の天候にも配慮しながら、安全に工事を進めていく必要がございますから、施工期間といたしましては2カ月程度必要であり、通行の再開は8月中旬ごろと考えているところでございます。  現在のところ、工事につきましては、これまで天候に恵まれたこともございまして、予定よりも順調に進捗しているところでございますけれども、引き続き現場の安全にも配慮しながら、一日も早く工事を完成できるように努めたいと考えているところでございます。  なお、工事完了後、斜面におきまして関係機関の皆様と現地の確認、そして再点検を実施することにしておりまして、そこで安全の確保、確認をした上で通行を再開したいと考えているところでございます。 37 亀山委員 ありがとうございます。一日も早く安全を確保され、観光客並びに登山者が安心して通行再開されることを願っております。  次に、称名滝につながる遊歩道の管理体制について質問をいたします。飛龍橋から称名滝までの遊歩道については、現在、県の生活環境文化部が所管し、県から立山町に管理委託を行っています。  一方、称名道路遊歩道区間である称名平駐車場から飛龍橋までは土木部が管理する県管理道路であり、1本でつながっている道の管理が現在は2者で分かれている状況にあります。  例えば、落石対策にしても、県管理の遊歩道区間については先ほどの答弁どおり、安全調査や対策工事などの対応が進んでいるようですが、県が町に管理委託している区間の安全調査なども進んでいるのでしょうか。この区間にも大きな約1メートルの落石が滝見台園地近くで発見されたなどの状況があったようですので、関係部局、関係者間で話し合い、連携した対応が必要と考えます。  遊歩道の管理委託業務には町の費用負担も生じています。県には技術職員も多く、この際遊歩道を一体的に管理するほうが、落石などがあっても速やかに対応できるのではないでしょうか。防災対策にも影響があると思います。  そこで、現在県が町に管理委託している部分を委託ではなく県がみずから管理すれば、称名道路遊歩道区間の県管理との連携も円滑に図られ、効率的に監視や安全対策に対応できるのではないかと考えますが、磯部生活環境文化部長に所見を伺います。 38 磯部生活環境文化部長 お答えいたします。国立、国定公園などの自然公園内の施設につきましては、従来から地元の市町村などからの要望を受けまして、地元市町村に維持管理をしていただくことを前提としまして県が整備を行ってまいっております。  今回の落石につきましては、維持管理を行っていただいております立山町から落石があるとの連絡を受けまして、翌日に県で現地調査を実施いたしまして、10メートルほど上に発生源を特定しまして、ほかの浮き石がないことなどを確認しますとともに、既に落石を除去しておりまして、速やかに対応したところでございます。  今回のような突発的な落石がございましても、今申し上げましたように、地元立山町からの迅速な情報提供によりまして、素早い対応ができたと思っております。  また、日常的な維持管理につきましては、周辺施設、例えば展望台、休憩所、トイレ、駐車場、歩道などございますが、こういったものとあわせて地元市町村に委託することが、地元の状況を踏まえたきめ細かな対応ができまして、利用者の利便性を高める最適な方法ではないかと考えているわけでございます。  なお、この遊歩道につきましては今回の落石に当たりましても、県が管理する称名道路の遊歩道区間としっかり連携をとって対処しておりますし、今後とも必要な連携を図ってまいりたいと思っております。  自然公園内の施設につきましては、県と市町村が連携して整備、維持管理をしてきているという、これまでの経緯も含めて御理解いただきまして、また称名滝、先ほど委員がおっしゃったとおり、立山町の観光資源であり宝であると思っておりますが、町にもぜひかかわっていただきまして、称名滝周辺の環境整備のために引き続き、お互い力を合わせてやってもらいたいと思っております。 39 亀山委員 ありがとうございます。ぜひ連携をとって進めていただきたいと思っております。  次に、日本一落差のある称名滝を貴重な観光資源としてさらにアピールすることについての質問です。  今月1日、県においては立山黒部が日本はもとより、世界中の人々から選ばれる観光地となるよう、「立山黒部」世界ブランド化推進会議を新たに設置され、さまざまなプロジェクトの進捗管理やブラッシュアップを行うとされています。  第1回会議は関西電力の黒部ルートの旅行商品化に向けた議論が話題になることが多かったように思いますが、日本一落差のある称名滝は雪解けの時期に期間限定で称名滝の横にあらわれるハンノキ滝とあわせ十分観光客を訴求する観光資源であり、立山黒部の世界ブランド化に向けたプロジェクトの中でも、ぜひとも生かしていっていただきたいと考えます。  また、昨年3月に策定された新・富山県観光振興戦略プランにおいては、重点事項の1つに富山らしい魅力創出を掲げて、観光の質的転換を促進するという方向性の中で、立山黒部の高付加価値化として称名滝、立山博物館、立山カルデラ砂防博物館とアルペンルートを組み合わせたツアーの開発、磨き上げ、外国人旅行者対応の促進を掲げられています。  私としても、称名滝の観光のさらなる質的向上を期待するものであり、今後さらに多くの方に称名滝の迫力を全身で感じ、感動していただきたいと切に願うものであります。しかし称名滝に行くには急勾配の遊歩道を通らなければならず、それが負担となり迫力ある称名滝の姿を十分観賞できない高齢者もいらっしゃると思います。  このため、例えば近隣の施設などで、ドローンなどを活用した上空からの臨場感ある映像を見ることのできる設備を整備するとか、遠望園地で称名滝の全景を望める施設ができないかなど、いろいろなアイデアが浮かびます。  このようなさまざまな顧客層に応じた観光、観賞方法を用意するなど、受け入れ態勢の整備を行っていく必要があると考えます。  そこで、この立山黒部世界ブランド化推進の中で称名滝をどのようなプロジェクトに生かしていこうと考えているのか、今ほど例に挙げた多様な観光方法を推進会議の場で中長期的に検討することも考えられます。石井知事に所見を伺います。 40 石井知事 称名滝は、お話のように日本一の落差を有する滝でありまして、国の名勝天然記念物に指定されますなど、貴重な観光資源であると考えております。  立山黒部の世界ブランド化ということで取り組んでいるわけですけれども、その一環として魅力を十分に活用したいと考えております。また今お話に出ました映像による立山の魅力発信につきましては、これまで室堂にあります立山自然保護センターで立山の四季折々の自然景観ですとか、ライチョウを初めとする貴重な動植物を紹介する映像を放映しまして、悪天候などの際にも観光客などの方々に立山の多彩な魅力を感じていただくことができるようにしているところですけれども、これまでドローンを活用した映像の放映は行っておりませんので、今のドローンを活用して、称名滝の臨場感ある映像を放映してはどうかという御提案については、急勾配の遊歩道が負担となる高齢者等のためだけではなくて、悪天候の際などにも訪れた方々に称名滝の迫力を楽しんでいただける有効な方策ではないかと考えられますから、今後このセンターでの放映などについても検討してまいりたいと思います。  このほか、28のプロジェクトを今推進しようとしているわけですが、その中でも称名滝の魅力を十分に活用していきたいと考えておりまして、例えば登山道の整備プロジェクトでは、登山道の魅力向上に向けまして、称名滝の全容を眺めることができる滝見台近辺の遊歩道の整備ですとか、また途中の展望台や樹間から標高によってさまざまな角度から称名滝を望むことができる八郎坂登山道における多言語表記の案内看板の整備に取り組むことにしております。  また、滞在プログラム充実プロジェクトでは、称名滝の魅力を活用したガイドツアーなどの滞在プログラムの充実に向けまして、ガイドの方が活動、参入しやすいプラットフォームの環境などの取り組み、またガイドの質を高める取り組みを進めることにしております。  また、立山黒部の世界ブランド化は国が主導する観光立国の推進においても重要政策でありますから、引き続き県としまして「立山黒部」世界ブランド化推進会議、またそのもとでワーキンググループも発足させますので、これを活用しながら称名滝を初めとする立山黒部の魅力を最大限活用して世界ブランド化に向けた取り組みをしっかり進めてまいります。 41 亀山委員 ありがとうございました。ちょっとひがみもある質問になりましたが、富山県観光振興戦略プランにあるように、称名滝などがある立山町側にも力を注いでいただけるものと信じております。  次に、高校再編について質問いたします。今議会においても多くの質問がされていますが、少しでも耳を傾けていただければ幸いです。  先日、自由民主党の議員として初めて、教育長から小学1年生が高校に進学するころ、あるいは昨年生まれた赤ちゃんが進学するころ、どのようになっているかの状況説明をいただきました。  しかしながら、先月、山村振興議員連盟で先輩方と島根県立飯南高校を視察させていただき、小規模校ではありますが、非常に熱心に取り組んでいる状況を実際に見てきて、本県でもこのような取り組みができないかと実感しました。この学校は、島根県でも広島県境に近い中国山地を背負う高冷地であります。地元飯南町の2つの中学校、1学年卒業生数でも定員80名に届かない40名前後であり、3学年合わせた生徒数は現在も半数近くは他市町村から入学しています。毎年定員割れをしながらも、生徒数確保により2学級を維持し、保、小、中、高一貫教育の中核として、中高一貫教育、中高が連携していて、中でもTT授業は高校から中学へ、中学から高校へと、教師が参加し教科の連携活動をしていて、部活動、学園祭など相互交流教科外連携も行われています。  目を引くのは、月1回の高校長と2中学校長と会合を開いているなど、小規模校ならではの少人数、習熟度別指導で教育力向上による生徒確保、活力ある2学級づくりに取り組んでいます。地域に密着した高校であり、町の定住化対策にもなり、まちづくりの柱としてバックアップ支援体制がとられていました。高校が地域を元気にし、地域が高校を元気にする。高校の存在にはそういった相乗効果もあります。県立高校を町立高校のような気持ちで地域住民が一体となって支えていくことで、地方創生にもつながっています。  本県では、さきの再編によって通学に30分以上かかる生徒が増えたとのことも聞かれます。生徒第一と考えるのであれば、高校の選択肢を与えるべきと思います。  私立の高校に期待するという考えもあるかもしれませんが、私立高校は魚津市にもありますが、富山市、高岡市に集中しています。私立高校が、例えば朝日町に2クラス、大沢野地区に2クラスなど、分校を設けてくださることはやはり無理だと思えます。そうすると、やはり県立高校において郊外の地域に考慮すべきではないかと思います。  また、山本先輩議員が質問されたICTタブレット端末を使った授業で、例えば遠隔授業として富山中部高校の授業を他の小規模校の希望者が100人でも150人でも受けられるようにし、教育の質の向上をさせるという手もあるのではないかと考えます。  そこで、小規模校ならではの少人数、習熟度別指導で教育力向上による生徒確保、活力ある学級づくりを図ることは可能であり、定員が割れるとおのずと再編の道をたどるような状況は避けるべきと考えますが、現在の高校再編の議論を踏まえ、渋谷教育長の所見を伺います。 42 渋谷教育長 委員から島根県の事例を御紹介いただいたのですけれども、その島根県の高校再編計画によりますと、基本的な考え方として、多くの中山間地域を有するため、高校教育の機会均等を図るとされておりまして、統廃合基準として1学年2学級の学校の入学者数が定員の5分の3を2年連続下回ることが見込まれる場合は、存続か統合を検討する。その際は、1学年1学級の学校として、存続のあり方をあわせて検討する。1学年1学級の学校の生徒数が定員の5分の3に満たず、将来にわたって生徒数が増加する見通しが立たないと見込まれる場合、募集停止か統合を検討するとされております。  また、小規模化が進む中山間地域の高校は今後、存続の可否について検討しなければならない状況にあるため、学校活性化の方策などについて各地域においても具体的な議論が必要であるとされております。  この議論に対応するため、島根県では離島、中山間地域の高校において、高校と町村が連携して実施する高校魅力化、活性化への取り組みを支援しながら教育の機会均等を図っているとのことでありました。  御質問の少人数教育につきましては、本県の県立高校でも学校規模にかかわらず、いずれの高校におきましても習熟度別指導などを行いまして、きめ細かな指導に努めております。また県立学校整備のあり方等に関する報告書では、他県の再編基準に見られるような、いわゆる定員割れを再編基準とされておりません。  今後とも、学校規模にかかわらず、いずれの高校におきましても質の高い教育を確保できるよう、しっかり取り組んでまいります。 43 亀山委員 ありがとうございます。島根県の例を挙げましたが、5分の3に足りない、60人前後でも国公立大学に今春14名が入学をしているというのも事実です。地域を支える大切さを理解していただきたいと思っております。  次も高校再編ですが、平成26年9月から8回にわたり実施してきた県立学校整備のあり方等に関する検討委員会での検討やパブリックコメントを踏まえ、平成28年4月に取りまとめられた県立学校整備のあり方等に関する報告書では、県立高校再編の進め方として規模、配置、距離に関する3つの再編基準が掲げられています。
     そのうち、距離の基準では生徒の通学の利便性など、教育条件に配慮し、再編統合による生徒への影響が極力少なくなるよう、より近い距離にある学校から再編統合を検討するとあります。これに従えば、富山市内の近接校もこれに該当するとして、再編検討の対象になるのでしょうか。  仮に、この基準に当てはめて、再編により富山市内の高校の定員が減れば、生徒が学区を越えて群部の高校に目を向ける可能性もあります。一概に規模の基準を第一として、現在の学区内の中学生数で定員の割り振りを考えるべきではないと考えます。これに関して、渋谷教育長に所見を伺います。 44 渋谷教育長 県立学校整備のあり方等に関する報告書では、再編の進め方として全ての学校を1学年4から8学級とすることを目指すとされております。  このため、高校再編の規模に関する基準につきましては、1学年4学級未満または160人未満の規模の学校については再編統合の検討の対象とするとされております。  さらに、この再編統合を検討する際に、考慮すべき事項として、配置と距離に関する基準が示されておりまして、距離に関する基準として、生徒の通学の利便性など教育条件に配慮し、再編統合による生徒への影響が極力少なくなるよう、より近い距離にある学校から再編統合の検討の対象とするとされております。  このため、規模に関する基準に該当しない学校につきまして、距離に関する基準をもって再編統合の対象とすることはありません。  なお、各学区における学級編制に当たりましては、当該学区の中学校卒業予定者数を踏まえて判断していくことが基本と考えております。 45 亀山委員 答弁いただきましてありがとうございます。県立学校整備のあり方等に関するこの報告書では、規模、配置、距離が同等の基準であると理解しています。優先順位は書いてありません。総合教育会議で4学級未満、160人未満があたかも一番順位であるかのような進め方が前提条件で話が進められているような気がします。  現在、3学級でも問題なく成り立っています。考慮してくださいとお願いをして、次の質問に入ります。  県職員の採用、育成について質問します。  県に派遣された町の技術職員が2年連続で県に採用されました。1年目は町職員もなかなかだなあと喜んでいたのは自分自身、事実であります。  しかしながら、市町村から県への研修派遣は、県における執務を通じて必要な能力を取得することを目的とするもので、市町村研修生については、研修後も引き続き派遣元の行政発展に大いに貢献していただくことが第一だと考えます。  先般開催された市町村長会議では、市町村研修生が研修後、県採用試験を受け、実際に採用されたことについて問題視する声があったとお聞きしています。  この問題は、本人の人生の選択、職業の選択の問題でもあり、難しい問題と思いますが、県においても結果的に即戦力となり得る人材の確保につながったことになりますが、やはり研修の趣旨をしっかり自覚してもらい、派遣元で引き続き活躍してもらうための何らかの対応が必要でないかと考えます。  難しい課題であると思いますが、今後何らかの対応の方向性が見出せるのか、滝経営管理部長に伺います。 46 滝経営管理部長 お答えいたします。市町村職員の方の県におきます研修につきましては、御指摘ございましたとおり、実務経験を通じて県行政について理解を深めていただくとともに、研修後は県で修得した技術や経験を生かしまして、できれば将来の幹部候補、幹部職員として派遣元の市町村の発展に貢献いただくということを目的としております。  したがいまして、この研修期間中につきましては、県としてもこうした趣旨を踏まえて、研修で来ていただいた方がさまざまな経験をできるように努めているところでございます。  こうした中で、今御指摘がございましたとおり、研修で来られた方が、研修が終了いたしました後、研修成果を発揮する前に県職員として採用されたということでございまして、派遣をされた市町村からこれは問題であるということで御意見があったこと、そのお気持ちにつきましては県としても当然しっかりと受けとめなければいけない問題と思っております。  ただ、委員からも本人の人生の選択の問題であり、難しい面があると御指摘いただきましたが、県職員の採用につきましては、公平、公正の観点から、社会人経験の有無ですとか、特定の経歴にとらわれることなく、筆記試験や面接を通じて受験生の能力、適性を総合的に判断するということでございます。就職や職員採用に係ります、例えば地方公務員法を初めとする法令等の趣旨を踏まえますと、市町村研修生及びその経験者であることをもって県職員への採用に関して、一般的な採用ルールに加えて、例えば県と市町村との間に特別なルールあるいは仕組みを設けるということにつきましては、御指摘のあった市町村長会議後も、県の顧問弁護士等とも協議を重ねてまいりましたけれども、やはり関係法令に抵触するおそれがあり、現実的には大変難しいのではないかと考えております。  ただ、こういった問題もございますので、研修に参加する市町村職員の方には、研修の趣旨──研修終了後は派遣元である市町村の発展に貢献していただくといった趣旨を十分に御理解いただくために、例えばですけれども、研修の開始に際しまして、そのような趣旨を確認するような文書を研修される方に提出してもらうなどの方策が考えられないか、県としては検討しているところでございます。  こうしたことも含めまして、県、市町村のよりよい関係が保てるような人事交流のあり方につきまして、市町村とよく相談をしながら検討してまいりたいと考えております。 47 亀山委員 ありがとうございます。なかなか答えにくい質問だったかなと思っております。行政機関同士の信義を裏切らないようにお願いしたいと思います。  次に、そもそも県職員の採用、育成方針について質問します。  今、まさに採用試験シーズンであります。県職員採用試験についても、あさって日曜日に上級試験の筆記試験が行われるなど、順次試験が行われることとなっています。試験内容は筆記による教養、専門試験の第1次試験と、面接を中心とした第2次試験等で構成されており、区分ごとの配点が示されています。  最近の公務員試験は人物重視の傾向が強いということも聞かれますが、一方で教養、専門分野の仕事の基礎となる知識、学力も必要であり、そのバランスをとることはなかなか難しいところもあると考えます。  そこで、本県の場合、この筆記試験と面接などのウエートをどのような採用方針のもと設定しているのか、芝田人事委員会事務局長に伺います。 48 芝田人事委員会事務局長 県職員の採用につきましては、職務遂行能力を有するかどうかを正確に判定するため、競争試験を原則としております。  本県では、受験者の一般的、専門的知識、こうしたことも大事でございますが、やはり職務への意欲や適性、積極性、協調性等の人柄、社会適応性や対人能力などが特に重要であると考えております。このため、人物評価をより重視した試験内容とし、面接等の配点を高く設定しているところでございます。  具体的には、例えば上級試験につきましては、1次試験と2次試験、合わせて700点満点としておりますけれども、そのうち、筆記試験では教養、専門、論文の各試験の配点合計を280点とし、集団討論、個別面接といった人物評価に係る試験の配点合計を420点としておりまして、筆記試験と人物評価の配点割合を4対6に設定してございます。短時間の集団討論や面接で人間性を見きわめることは容易ではない面もございますけれども、人事委員会の面接に加えまして、任命権者の面接もあわせて実施をしておりまして、より多くの目で評価をしております。  県民の奉仕者として職務を遂行できるかどうかという観点から人物を重視した採用に努めているところでございます。 49 亀山委員 ありがとうございます。この質問はさっきの質問にもちょっと兼ねるところがあるものですから質問させていただきました。臨時職員ではありませんので、次の質問にも出てきますが、採用後、県政の牽引者となり得る人材を採用していただきたいものであります。  県職員の採用試験の応募者などの状況について質問します。  現在、県職員の上級の受験資格は、基本的に昭和57年4月2日から平成8年4月1日までに生まれた者となっており、年齢的には35歳まで受験資格があることとなっております。そうすると、民間企業で経験を積んだ即戦力となる社会人経験者の募集もかなり多くなってきているのではないかと推測されます。  県行政の活性化のためには、社会人経験者の採用も必要であると考えますが、一方で大学卒業したての新卒者を採用し、基礎からしっかり育てていくことも重要と考えます。  そこで、県職員採用試験において、社会人経験者と未経験の新卒者などの応募者数、合格者数の割合は、近年どのように推移しており、その傾向をどのように捉えているのか、芝田人事委員会事務局長に伺います。 50 芝田人事委員会事務局長 近年の上級試験につきまして、社会人経験者と新卒等の社会人未経験者の割合を見ますと、これは平成21年度以降の数字になりますけれども、申し込み者では社会人経験者が40%前後、未経験者が60%前後で推移をしておりまして、年度間でその割合に大きな変動はございません。また合格者では社会人経験者が20%から27%の間、それから、未経験者が73%から80%の間で推移をしております。  申し込み者、合格者、いずれにつきましても年度間でばらつきがございまして、トレンドとして社会人経験者、未経験者のいずれかが増加しているといったような顕著な、あるいは特徴的な傾向はあまり見られないところでございます。  本県の職員採用試験につきましては、心理や社会福祉といった特別な資格が必要になるような職種を除き、基本的には年齢要件のみを受験資格としておりまして、学歴や職務経験にかかわらず受験可能となっております。また試験の評価におきましても社会人経験者や新卒者を区別せず、筆記試験の成績や面接等による人物評価により公正かつ厳正に合否を判定しております。  その結果として、社会人経験者と未経験者の割合も年度間でばらつきがあるのではないかと考えております。  委員御指摘のとおり、社会人経験者は民間企業等で培った経験を生かして実践力ある貴重な即戦力となり得ますが、一方で新卒者等の社会人未経験者を若いときから公務のプロフェッショナルとしてしっかり育成していくということも大変重要でございます。  社会人経験者、新卒者のいずれにつきましても、県民のために大いに活躍できるすぐれた人材を確保できるよう努めてまいりたいと考えております。 51 亀山委員 ありがとうございます。次に、技術職員の確保について質問します。  県人事委員会の職員採用案内ホームページには、過去3年の採用試験実施状況が掲載されており、職種ごとの申し込み倍率がわかるようになっていますが、総合行政は約7倍、警察事務は10倍を超えることがあるなど、事務職は比較的高い傾向にあります。  一方、事務職に対して技術職は低い傾向にあり、特に総合土木は2倍台、建築は年により1倍台と低いように見受けられます。県内外から申し込みをできるだけ多く呼び込み、多様な人材の中から本県の将来を担う職員を選抜することも必要でないかと考えます。  市町村、民間でも技術職員の確保には苦労していると聞きます。現状、県の仕事のPRや説明会など、さまざまな取り組みも行われているかと思いますが、その効果はどの程度出ているのかも検証し、技術系大学へのアプローチや広報など、さらに工夫することが必要と考えますが、採用試験応募者の確保のため、どのような取り組みを行っているのか、芝田人事委員会事務局長に伺います。 52 芝田人事委員会事務局長 委員御指摘のとおり、近年、建築、土木技術者の有効求人倍率が5倍から6倍で推移するなど、民間におきましても人材の確保が困難となっておりまして、県職員につきましても、今御紹介のありましたように、総合土木の申し込み倍率が2倍台で推移するなど、土木職等の技術職員の採用が大変厳しくなっております。  このため、本県では土木部や農林水産部におきまして、インターンシップを希望する学生の積極的な受け入れや職員によるみずからの出身大学への訪問などによるリクルート活動の強化、独自のフェイスブックやパンフレットの作成などによる情報発信に取り組んでおります。  また、私ども人事委員会におきましては、県庁の業務や職場の雰囲気を実際に体感してもらう職場体感セミナーの開催、オープンセミナーやジョブカフェといった県内外での説明会の開催、大学の就職説明会や合同企業説明会等への参加、それから昨年度初めて行ったのですが、保護者向けの説明会といったものも開催しておりまして、富山県や県職員の仕事の魅力のPRに努めております。  こうした取り組みにつきましては、ジョブカフェやオープンセミナーの参加者が実際に大変多く受験をしまして、その方々の合格率も高くなっているなど、一定の成果があったのではないかと考えております。  ただ、技術職の確保は今後さらに厳しくなると見込まれますので、今年度はオープンセミナーを事務職と技術職に分けて実施をすることにしておりますし、また近年、理系女子、土木女子の活躍が大変広まっているということもございますので、技術職を含めた女性限定の体感セミナーも開催するなど、技術職を希望する学生がより多く参加できるように工夫することとしております。  今後とも、取り組みの効果も検証しつつ、多くの方々に県職員の仕事に関心を持ってもらえるように努力してまいりたいと思います。 53 亀山委員 ありがとうございます。手広く優秀な人材を募集していただきたいと思います。芝田人事委員会事務局長には、お疲れさまでした。  最後に、県職員の育成方針について伺います。  今ほど質問させていただいたように、県職員は県の採用方針のもと、筆記や面接などの試験を通じて選抜が行われ、一定の基準以上の能力などを持つ人物が採用されています。  しかし、職員として採用されることは県政にかかわる者としては出発点に過ぎず、今後、県内外の情勢が目まぐるしく変化する中、県政の重要課題に対処し、県民の期待、ニーズに応える人材として成長していくことが求められます。  そのためにも、県として若手職員が能力を十分発揮でき、意欲を持って積極的に職務に従事できるような環境づくりを行い、計画的に育成を図っていく必要があると考えます。  そこで、県職員の育成について、若手職員への期待も込めて、特に20代、30代の若手職員をどのような方針で育成していくのか、石井知事にお伺いいたします。 54 石井知事 県を取り巻く環境は大きく変化しておりますので、迅速かつ的確に県民ニーズに対応しますとともに、県政の重要課題に適切に対応するためには、高い志と専門能力を持って、また意欲を持って職務に取り組む若手職員を初めとする多彩な職員を計画的、継続的に育成していくことが重要と思っております。  そこで、まず県職員に求められる基本能力養成ということで、鉄は熱いうちに打てと言われますけれども、職員1年目から職員研修体系に基づきまして、昇任制度と連携した選択型の研修、また新任職員から新任所属長までの役職段階ごとの研修、新任の際、職員3年目、また係長、所属長代理、新任の所属長と、こういう段階ごとに研修を行っているわけであります。  特に、委員お話の若手職員につきましては、体験を通じて県民奉仕の精神や県民ニーズを取り込む姿勢の育成を図りますために、元気とやま体験研修といったことで、例えば主事や技師、主任クラス、希望者など40名が、ことしでいえば民間企業やNPO法人の職場で2日間実地研修などを行ってもらっております。  また、民間における考え方や視点を取り入れるための県内若手社員、職員共同研修も実施しておりますし、また県職員としての使命感を新たにしていただきますために、採用5年目を迎えた県職員を対象に若手職員初心に返る研修といったことも行っております。  また、幅広い視野を養うために、中央省庁ですとか海外、中国とか韓国とか、いろいろなところの海外機関、また民間企業への長期派遣にも取り組んでいるわけでございます。  また、私自身、例えば新任職員等にお話をさせていく際には、例えば最近、岩盤規制にドリルで穴をあけるといったことに関連して、信なくば立たずという論語の言葉が改めて注目されておりますけれども、この言葉は私自身かねて政治や行政の根幹に係ることだと思っておりまして、公正で信頼される行政が大切であるということを職員にしっかり申し上げた上で、同時に先例がないからできないということではなくて、どうすれば、一生懸命努力してそうした規制を乗り越えていい仕事をしようとしている民間の人たちを支援できるかということを考えるように求め、また人の能力は心の持ち方で自分があらかじめ思っている以上に実は伸ばせる可能性も大きいということも伝えまして、職員の皆さんに大いに挑戦、チャレンジ精神を発揮していただくように求めております。  おかげさまで、県の若手職員は、それぞれ担当する職に関してやりがいを持って取り組んでくれているように感じておりまして、例えば、とやま観光未来創造塾における民間の人材の育成、また映画の県内のロケ地誘致とか、それへの支援、また先ほどお話に出た立山黒部のブランド化や外国人観光客増加のためのセールス、若手職員が本当に頑張ってやってくれていまして、昔の概念でいうと、とても公務員とは思えないなというぐらいのセンスで本当にいい努力をしてくれています。また移住・転職フェアやUターン女子応援カフェなど、若者目線の事業を企画立案する。またアカムツの世界初の種苗生産に成功する。こういった方々は皆、非常に若い人が頑張ってくれているわけであります。  いずれにしても、県民ニーズの多様化に対応しまして、事業を効率的に実施し、かつ最大の効果を上げていくために大事なのは、やはり人づくりでございます。  今後も職員研修の充実を図りまして、職員の資質や能力を最大限に伸ばしますとともに、先例にとらわれず、改革マインドに富み、地域をどうやったら元気にできるかと、このことに本当に打ち込んでくれる。またしっかり地域経営の手法も身につける。そういった職員が育ってくれて県民の皆さんの期待に応えてもらうことになりますように努力をしてまいります。 55 亀山委員 ありがとうございます。時間配分が全くわかりませんでした。知事のお言葉には力があります。これからも県政発展に努めていただくようお願いして、質問を終わります。 56 宮本委員長 亀山委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  午後の会議は1時に開会いたします。                     午前11時53分休憩                     午後1時00分開議        澤谷清委員の質疑及び答弁 57 武田副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  澤谷委員。あなたの持ち時間は60分であります。 58 澤谷委員 社民党・無所属会派の澤谷清です。通告してあります諸点について順次質問いたします。  冒頭ですが、先ほど、亀山委員の質問の最後に知事答弁がございました。岩盤規制であっても、小さな針の穴からしっかりと。そしてまた政治も信なくば立たずと。議員と当局がしっかりと論戦を戦わせていければと思っております。  県立滑川高等学校が使用している県所有バス全焼事故について質問します。  6月15日、県所有のバスが福井県内の高速道路を走行中に出火、全焼しました。バスには滑川高校の教員、生徒17名が乗車していましたが、全員無事であったと報道がありました。このバスは1995年に新車登録され、車歴が20年以上経過しており、老朽化も含めた事故の原因究明が求められるものと考えています。  県の管財課では、車両の更新時期については特に定めていないとのことでありましたが、参考ですが滑川市の消防車や各消防分団のポンプ車は車歴20年をめどに順次更新しており、県立学校で使用している車歴20年以上のバスは、生徒の安全を確保するためにも、老朽化の状況も把握しながら、計画的に更新を進めていく必要があります。滑川高校のバス更新計画も含め、知事の所見をお聞きします。 59 石井知事 今月15日に、滑川高校海洋科の生徒、教員17名が乗った県有バスが北陸自動車道の福井インターチェンジ付近で炎上事故を起こしたわけであります。  お話しのように、生徒や保護者を初め関係の皆さんに大変御心配をおかけしましたけれども、幸い煙を吸った生徒6名が病院へ搬送されたものの全員が無事でありまして、同日のうちに全員帰宅したということで、また現在も元気にしているということでありますので、私どもも安堵いたしております。  私は、これまでも本県の将来を担う人材を育成する教育予算は重点的に措置してきておりまして、例えば県立高校の生徒1人当たりの高等学校費で見ますと、前期高校再編前の平成21年度は104万9,000円であるのに対して、平成27年度は110万8,000円と増えております。  バスの更新等の予算につきましても毎年確保しておりまして、この10年間で、県立学校のバス20台のうち12台を新たに購入しまして、また5台については更新をしております。  なお、滑川高校のバスにつきましては、製造後22年が経過しているものの、走行距離が約13万キロメートルで、運行上特にふぐあいもなかったことから学校側から更新の要望はなく、またことし3月の車検時も格別の異常はなかったということであります。  現在、県立学校10校で19台のバスを所有しておりますが、このうち、経過年数が10年以内のバスが17台と、ほとんどでありますが、2台だけが10年を超えておりますけれども、私から教育委員会に対してこの事故を受けて直ちに、各県立学校に対して学校所有の全車両について緊急点検を行うように求めまして、実際に教育委員会で今点検中と聞いております。  現在、その点検結果を取りまとめている最中ということですけれども、教育委員会には生徒が安全に、また安心して学校生活を送ることができますように、引き続きバスの更新等を計画的に行ってもらいたいと考えております。  なお、今回全焼した滑川高校のバスにつきましては、日ごろの実習授業について毎日使用する重要な車両でありますので、教育委員会においてできる限り早く新たなバスを購入して、実習授業に支障が生じないように適切に対処することにいたしておりまして、これはしっかり対応してまいります。 60 澤谷委員 前向きな答弁、ありがとうございます。  知事の答弁について再質問はしませんが、私は滑川で生活しております。当然車両も保有しております。大型トラックを35年使っております。修理は、この全焼したバスの修理屋さんを使っております。だから、古いからといって全部がだめだというわけではございません。そのバスの特徴を把握しながら、老朽化をしっかりと把握して、更新に向けていただければと思っております。よろしくお願いします。  次、行きます。滑川市が求め続けているおか砂利採取の権限移譲について、経営管理部長に質問します。  私は一昨年6月、初めての質問の中で、この砂利採取の問題を提起しました。以来きょうを含めて7回の質問をさせていただきました。6回、この砂利採取の権限移譲を求め続けてまいりましたが、色よい返事がございませんので、再度質問させていただきたいと思っております。  滑川市は、平成27年から上田市長が先頭に立って、滑川市の最重点要望として権限移譲を県に求め続けてまいりましたが、県の回答は時期尚早と考えているなど、市が何度も要求内容を述べていますが、いまだに正確な回答が返ってきておりません。なぜ回答できないのか所見をお聞かせください。 61 滝経営管理部長 お答えいたします。地方自治法の規定に基づきまして制度化をしております県条例による事務処理特例制度におけます県から市町村への事務移譲につきましては、これまでも繰り返し御答弁させていただいていますとおり、毎年度、市町村から要望をお聞きし、市町村の御事情もよく伺った上で、対象となる事務の法令上の趣旨は当然でございますけれども、住民の利便性の向上、事務の効率化、県と市町村との役割分担などといった観点も考慮して、県において総合的に検討して、移譲の可否を決定しているものでございます。  御指摘のございました滑川市から事務移譲の要望があった砂利採取法に基づきます砂利採取計画の認可等に関する事務につきましては、過去に不適切な採取の事例があったことを受けまして、再発防止のため、県において認可手続や立入検査実施要領等を平成27年12月に全面的に見直し、全県下統一のルールによる運用を開始したということでございます。  これまでも御答弁させていただいておりますとおり、この見直し内容が砂利採取業者に浸透し、運用の定着が図られるまでは、県が責任を持って業者への指導監督を実施し、統一的な方法で認可事務を行う必要があるという判断から、当面滑川市への移譲は行わないとする旨を滑川市に対して、ことしの1月に文書で回答したということでございます。  その後、ことしの2月に滑川市から再度御要望をいただいたということで承知しているわけでございますが、県としては、従来の判断を変更するに至ります新しい事情は、現在のところ生じていないと認識しているところでございます。
    62 澤谷委員 副知事になられました山崎経営管理部長さんからの答弁と全く同じです。私はここに、議事録を今持っています。  私が言っているのは、統一したルールで県が責任を持って業者に周知徹底させる。県はもう能力がないのです。何で違法行為が行われたか。県が長年にわたって認めてきたのです。滑川市民もみんな見ているのです。これなんかは管理する必要がないのですよ。道路を歩いていけば、深掘りしているとか、異物が入っているとかわかるのです。  これを県が、過去に不適切な行為があったと。そうではないのです。県も不適切な行為をさせてきたのです。ここが問題なのです。だから市長は、県には私たちの滑川市の砂利採取の認可権限は認められない、滑川市におろしてほしいと。  富山市や黒部市や魚津市は、何にも言っていないのです。滑川市だけが、お願いしますと。それを県下統一したルールで、何で必要なのですか。これが第1点。  第2点は、昨年4月8日に県から回答が来ているのです。県としまして、これらの手続等が砂利採取業者に浸透し、早期に云々かんぬんで、このため現状においては採取計画の認可権限を市町村に移譲することは時期尚早と。それで今回、平成29年1月25日付の県からの回答は、事務移譲は実施しない。そして、同じ理屈なのです。まず県が責任を持って指導監督する。当分の間どころではないのです。移譲しないと言っているのです。  昨年は、時期を見て考えますよと。1年たったら、移譲しないのですね。普通は改善していかなくてはならないのです。この時期尚早のその時期は、いつをもって時期と考えておられるのか述べてください。2度言いましたからね。 63 滝経営管理部長 お答えいたします。県下統一したルールでなければいけないのかという御指摘が、まず1点目だったと思います。  この条例による事務処理の特例というのは、県に属する事務の一部を県条例に定めるところによって市町村長が処理することとすることができるというものでございます。  立法趣旨からいたしますと、法令による事務配分の制度とあわせて、地域の主体的な判断に基づき、市町村の規模、能力等に応じ、地域により事務配分を定めることを可能とするという地方自治法の立法趣旨に基づくものでございます。  事務移譲する事務の性格や市町村の事情、事務の効率化、県と市町村の役割分担などといった観点を総合的に検討した結果として、県の権限に属します事務を全ての市町村に統一的に移譲することもあれば、一部の市町村に限定をして移譲することも当然ケースとしてあるわけでございます。いずれの場合としましても、自治法において県条例の定めるところによりとの規定になっておりますので、条例改正を県議会でお認めいただくという前提があるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、全県統一的に行うのか、一部の市町村だけに行うのかということも含めて、県と市町村の役割分担等を総合的に検討した上で、県が責任を持って判断する事項であると考えております。これがまず1点目のお答えでございます。  それから、2点目でございます。時期尚早ということでございますけれども、少なくとも文書で滑川市に回答させていただいておりますのは、法の趣旨にのっとりまして、県として全県下統一のルールによる運用を開始したところであり、この見直し内容が、先ほど申し上げましたけれども、砂利採取業者に浸透し、運用の定着が図られるまでは県が責任を持って業者への指導監督を実施し、統一的な方向で認可事務を行ってまいりたいということで回答させていただいているところでございます。この状況を見てということで考えているところでございます。 64 澤谷委員 1点目のことに関して、回答事例が出てまいりました。県条例でありますから、県の議会で諮って条例改正すると。ぜひ前向きに議案を提出していただきたい。これは滑川市に限ったもので結構でございます。  2点目につきまして、ことしの3月13日、予算特別委員会で、今副知事になっておられます山崎経営管理部長がこんなことをおっしゃっている。1月25日付で県から権限移譲はしないと。滑川市は、2月1日にすぐ反論の要望を出しているのです。いや、弱ると、滑川市はこうこうこうで、こういう事情だからと、しっかりと要望が出ているのです。それを私が問いただしたのですよ。そうすると、答えが出てきたのです。滑川市の御意見について検討しておりますが、なかなか新たな事情は見出せないように思っております。いずれにいたしても、方針が決まり次第滑川市に御連絡をいたしたいと思っておりますと。3カ月がたちました。この案件について所見を求めます。 65 滝経営管理部長 先ほど御答弁申し上げましたとおり、県といたしましては、統一的なルールを定めて、その運用、浸透を図っていくという状況と思っておりますので、まだその状況の途中にあるということで考えているところでございます。 66 澤谷委員 時間がなさ過ぎますので、これでこの案件はやめますが、まだ9月定例会もございますし、任期がまだ2年ありますので、毎回しっかりとした答えを求めていきたいと思っております。  立地条件がおのおの異なる基礎自治体にあって、その自治体から要望が出ている。さきの2月議会においても、おか砂利採取の認可については、県下統一したルールで県が責任を持って運営していくという答弁だったのです。今おっしゃったようにです。そして滑川市の要望には、権限は移譲しないとの一言の文書で終わっているのです。一くくりなのですよ。だから、基礎自治体が中身を言いながら、お願いしますと言ったら、答えは県の統一したルールで進めていくと。  こんな乱暴な答弁はないです。これは失礼です。しっかりと答えてくださいよ。統一したルールが何で必要なの。あんなものは、深掘りしているのは、見ればわかるのです。もう一度答えてください。 67 滝経営管理部長 繰り返しになりますけれども、現行の砂利採取法におきましては、これは法令上の位置づけということで、採取の許可事務については、県の仕事となっているわけでございます。もちろん、条例による事務処理特例制度におきまして、一部市町村にそれを移譲することも可能であるわけでございますけれども、現行は、法令上の県の責任に基づきまして、県として統一的なルールで行う必要があると認識しているところでございます。 68 澤谷委員 水かけ論ですのでやめます。市長は、新聞紙上ではっきりと、マスコミの前で、このままいけば県に滑川市が迫害されると。私も同等な思いでおりますので、この件につきましても、これから深掘りしていきたいと思っております。  3番目に、権限移譲について県と要望する滑川市で意見が合わなければ、県と市が一体となって協議会を開催し、問題の解決に向けて協議を進めていくと。県と市が一体となって物事を解決していく。大変大きな命題だと思っております。所見をお聞きします。 69 滝経営管理部長 地方自治法上の規定では、必ずしも市町村の了解を得ずとも、県の判断で市町村に事務移譲することを可能とすると、こういう制度になってございます。ただ県としましては、県から市町村への事務移譲に際しては、事前に移譲先の市町村と十分協議し、移譲後においても、対象となる事務の法令上の趣旨等を果たすことができると判断した上で、市町村との合意に基づいて行う必要があるということで、丁寧な手順を踏んでいるということでございます。そのため、県としては、毎年度市町村から要望をお聞きして、協議を行っているということでございます。  お話しのありました滑川市からの要望につきましては、これまでもさまざまな機会を捉えて協議してきておりまして、県としては新たな事情が出てくれば、これは客観的な事情ということもありましょうし、先ほど申し上げましたけれども、県のほうで浸透を図っているということでございますので、その状況の進展も見きわめていかなければいけませんけれども、そういったことも含めて新たな事情が出てくれば、改めて協議を行うことも考えてございますが、現時点におきましては、協議会という形で開催することまでは考えていない状況でございます。 70 澤谷委員 あなたは新任だから、私は強く言いませんが、立場的にどうしても発言しなくてはならないのです。うその答弁をしてもらったら弱るのですよ。私は、どういう要望が出ているかと。最後に、滑川市長から再三にわたり将来にわたる災害のおそれを訴えるにもかかわらず、県においては現段階での状況説明に終始し、本市存続に関する課題解決に向けての相談体制もなく、また何らの支援策も示されず、将来における責任を放棄していると。はっきり要望に入っているのです。3カ月たってもそれに答えないのですよ、山崎経営管理、元の部長さん。市は3日間か4日間で返すのです。いや弱るって、県にもう少し考えてほしいと切実なる願いをしているのです。県は3カ月たっても知らん顔なのです。  私はこれに関しては答弁を求めませんが、この要望をしっかりと議事録を見ていただいて、真剣に捉えていただきたいと申し添えて、次の質問に入ります。  県の認可で行われる河川砂利採取、これは骨材なのです。河川砂利でも、土石ではないのです。あくまで骨材です。これについて土木部長に質問します。  河川砂利の採取数量の単位は、県は立方メートルではかっているのです。ところが現在、県内骨材業界はみんなトン単位で流通しているです。もうそこに、完全に数量のそごがあるのです。  これは、何でかというと、県が売っているのです。だから売っている以上は、きちっとした数量で業者さんに渡していくということが本筋ではなかろうかと思っております。ましてやこの土石採取に関しては、大変瑕疵がある行政ではないかと、私は思っているのです。40年かかっても全く変わっていない。このことに関して、ひとつ土木部長の見解を求めます。 71 加藤土木部長 お答えをいたします。河川におけます砂利採取につきましては、その掘削によりまして治水上、利水上の問題が生じることのないよう、護岸などの河川管理施設や橋梁などの許可工作物等に影響しない範囲において、採取業者からの申請に基づきまして、河川管理者が認可をしているということでございます。  県におきましては、この認可申請の河川管理上の支障の有無を採取の範囲を示しました平面図、縦断図、横断図等により審査をしているところでございまして、お話のございました採取の数量でございますけれども、採取予定数量につきましては、各測点ごとの横断面での計画掘削断面積に測点間の延長を掛け合わせ、体積を算出しているということでございます。  砂利採取量を重量で確認することも1つの方法ではございますけれども、こうした河川管理上の支障の有無の確認、あるいは着手前、作業時、完了時の検査に活用するという点からも、単位として体積を用いることがより即した方法ではないかと考えているところでございます。 72 澤谷委員 パネルの掲示の許可を求めます。 73 武田副委員長 許可いたします。 74 澤谷委員 部長、こういう採取現場で体積計算ができますか。何万平方メートルもある場所で、砂利採取は行われているのです。それの測点をとって集計して、平均値を出して、10万立米、5万立米ですよとできるはずがないのです。できないのですよ。できません。これをきっかりと刻んで、重量ベースで改善していただければと思っております。  次、行きます。1つ飛ばしましたので、後から戻します。  県は砂利採取業者への売り渡し数量を正確にするため、骨材の重量計算書を伝票として県に提出させる。これが一丁目一番地の何もかからない手間なのです。そして砂利採取業者さんは、必ず車両重量計を設置しておられます。伝票さえ提出していただければ、何も計算しなくてもいいのです。測点も要らないのです。いかがでしょうか。 75 加藤土木部長 先ほど御答弁をさせていただきましたけれども、河川砂利採取が申請どおり適正に実施されているかを確認する際には、着手前と完了した段階等においての現地検査、その検査におきましては申請の土量計算に用いられました測点の幅、あるいは高さの実測ということであります。委員からお話がありました砂利採取業者から車両重量計によります重量計算書の提出を求めることでございますが、採取箇所ごとによりまして、砂利のそれぞれの大きさ、粒径でございますが、それとすき間、空隙でございますがこういったものも異なります。  そういうことから、体積状況が一様ではないことから、重量による管理ではなかなか砂利採取が申請どおりに適正に実施されているかという判断は難しいと考えておりまして、体積によりましての検査を行う必要があると考えているところでございます。  このため、繰り返しになりますけれども、県といたしましては今後とも着手前、作業時、完了時の現地検査でしっかりと土量の確認を徹底いたしまして、適正な砂利採取が行われるよう指導していきたいと思っております。 76 澤谷委員 部長、だめでしょうそんな答弁では。誰がこんな答弁書を書いているのですか。すき間があるとか、何があるとか。何もないのです。業者は40年前からみんなトンで計算しているのですよ。私、40年前は25歳だったのですが、そのときは1台幾らの販売だったのです。今はすぐ車両重量計が設置されて、みんなトン幾らですよね。立米で計算しているのは生コンです。水を入れて。砂利とかセメントとか、そういうものはみんな基本的にトンベースなのです。そして水を入れて初めて、立米計算の数量が生コンとして計上される。  だから、この仕組みというものを、担当の河川課長はもう少し真剣に部長に説明していただかないと、部長さんがこんな答弁をしていると恥ずかしいですよ。何の根拠もないのです。あなたたちの言っている空間がどうの、何がどうの。まだ砂の場合は、業者は雨が降った後は、水を含んでいるから10トンのものを9トン500キログラムぐらいにして減らすのです。それぐらい重量計算でみんないっているのです。だから答えは今もう出さなくてもいい。もう無理だからいいです。けれども、これもまた深掘りしていきたいと思っております。  委員長、パネルの提示をお願いします。 77 武田副委員長 許可いたします。 78 澤谷委員 部長、端的に。本当に時間がないのです。  河川砂利は今、一物三価になっているのです。早月川の単価と上市川の単価の2つ。砂利という、色がついていないのです。砂利なのです。赤い砂利とか青い砂利とか黒い砂利ならわかるのですが、みんな砂利なのです。  早月川の砂利はトン80円。そして県が土砂採取を出している上市川の砂利はトン700円。そして企業局が出させている砂利はおそろしいような値段なのです。一物三価の単価がついているのですよ。だから、こんなことは、県の河川行政としては、やはりただしていかなくてはならない大事な問題と思っております。  これについては、答弁は入れておりません。ただ私は2月の定例会のときも言ったのです。今は砂利の単価は、おか掘りした単価で計算しているのです。おか掘りした単価がトン1,400円なのです。埋め戻して、プラントへ持っていく手間とか田んぼを直す手間、これが基準なのです。そしてプラントで選別して、生コン業者にトン2,800円で売り渡されているのです。  県はトン80円で業者に流しているのです。それが出口になると、2,800円になるのです。今10万トン単位で砂利が動いているのですよ。80円、10万トンだったら800万円になるのです。500円だったら4,000万円になるのです。それでも業者はあるのです。  だから、これは県条例を改正して、少しでも実勢価格に近づけるように、そして業者にも利益があるような、そういう方策をとってください。これは県民の財産です。年間何十万トンを動かしておりますか。大きいですよ。20万トンを動かしていれば、500円なら1億円の金がこぼれてくるのです。  自然に天から恵みが降ってくるのですよ。砂利は毎年。だから、しっかりとした価格設定で、業者にも利益があるように、そしてまた、県も県民のための施策として税収を上げるような研究してもらいたいと思っております。答えは要りませんがどうですか。 79 加藤土木部長 今、委員からお話があったのは、河川砂利の掘削の条例の161円のお尋ねかと。 80 澤谷委員 はい、そうです。 81 加藤土木部長 私どもといたしましては、富山県河川法施行条例に基づきまして、土石採取料徴収ということであります。この採取料につきましては、国有地であります河川から砂利を産出するための手数料といった性質を持ったものでございまして、河川管理者が例えば維持管理業務として行う河床の整理につきまして、砂利採取ということで行っていただくことでコストの低減が図られる。あるいは砂利採取により骨材等の安定供給に資するということから、手数料としまして徴収をさせていただいているところであります。  なお、この採取料につきましては、他県の状況につきましても、私どもと同じように手数料的な考え方でやっているということで、ちなみに私どもの161円についても、全国中位の価格ということであります。  今ほどもお答えをいたしましたけれども、この制定の経緯といたしまして、国有地から砂利を産出するための手数料という性質を持ったものでございまして、委員からお話がありました骨材の市場価格と比較することは難しいものと考えているところでございます。 82 澤谷委員 県民の財産であるこの骨材というものの見方、もう少し真剣に考えてください。砂利採取業界のそんたくではないのです。  それと161円は全国的に中間だと。私も確認しております。ところが、多分鳥取県か島根県ですが、採取料金はその都度と書いてあるのです。だから県条例で恣意的にできるのです。10円にしようと、500円にしようと、県ができるのです。これは県の専決事項なのです。別に全国に合わせる必要はないのですよ。ましてやこれだけおか掘りが厳しくなってきている中で、河川砂利というものが大変大きなウエートをこれから占めていくと思っております。それに関して、市場価格に準じたような。おか掘りをしている業者と、河川砂利を扱っている業者と、どれだけの差別が行われているかということなのです。業界内部の差別ですよ。砂利採取法の1番は、業界の健全な発展を促す。それで4番目には暴力団が入り込むようなことはさせない。これがこの砂利採取法の眼目です。だから、その眼目に関して業界が健全な発展をするためには、河川砂利を扱っている業者がいい思いをして、おか掘り採取をしている業者がぎりぎりの業種をやっているという二重行政を行わせるようなことをしてはだめなのです。これは調べておいてくださいよ。時間がないですから、これでこの質問はやめます。  早月川の下流域と上流域、先般もちゃんと答弁をもらいました。けれども、その答弁の中で一番抜けているのは、上流域は堰堤が入って砂利採取をしているのです。下流域は堰堤がないから本流はほじれないのです。それは当たり前です。だから下流域で今までやってきた業者も、取れなくなったら上のほうに、ぜひ県の主導で上げてやってほしいという質問です。いかがですか。 83 加藤土木部長 お答えをいたします。早月川におけます河川砂利の採取でございますけれども、上流側につきましては、砂防堰堤の堆砂地等にたまった土砂の堆積ということでありますので、これが想定以上に堆積した土砂に限り、採取を認めているということです。  これに対しまして、下流側でございますが、全体的に砂利堆積が少なく、河床低下が進みますと護岸や橋梁等への影響も懸念されますことから、原則砂利採取を禁止しているという状況にあります。  また、河川砂利の採取につきましては、国の対策要綱の運用通知は、原則といたしまして、建設事業の基礎資材としての河川砂利を安定的に供給する観点から、協同組合等を通じて行わせるとされておりまして、早月川におけます河川砂利の採取につきましても、協同組合等からの申請に基づき、審査の上、認可しているということであります。  この採取につきましては、先ほども申しましたけれども、河川管理上、採取の箇所等に制約がございますけれども、採取業者の登録を受けられた申請者であれば、特段の制約もございません。ただ認可の条件ということで、登録業者であること、協同で実施していただくということがあれば、認可され得るものと考えております。  引き続き、私どもとしては、砂利採取に係る認可事務の適正な実施に努めていきたいと考えているところでございます。 84 澤谷委員 業者間で不公平のないように、そして今までの慣例で、下流域で取っていた者、業者を上のほうに上げないという、そういう仄聞も聞こえてくるのです。そのへんも調査して、ぜひ均等に業者がそこでなりわいが成るようにきちんとしてもらいたい。これはこれで終わります。  戻してもよろしいですか。それでは、質問の3番目になります。  質問の3番目は、滑川市の砂利採取跡地における環境と企業立地への影響ということで質問させてもらいます。  1番目は、生活環境文化部長に求めます。滑川市では、長年にわたり広範囲に掘り進められてきたおか砂利採取の現況を踏まえ、このままおか砂利採取が進められていけば、地下水の安定供給などの生活環境に将来悪影響を及ぼすと、上田市長は断言しておられるのです。これはマスコミにですよ。だから上田市長は政治信条をかけて断言しているのです。地下水のみに頼った滑川の水道水源として、また市内企業の生産活動を支える工業用水源として、将来にわたり安定的に地下水を供給する責務が滑川市に課せられているのです。市長も課せられていると言っているのです。  おか砂利採取によるいろいろな影響、今までは棒で鼻をかんだような言葉ばかりだったのです。影響がないから何たらかんたらやけどと。私たちは影響があると言っているのです。  そしてまた今、現在滑川市は水道水源で、地下水だけで540万トンを上げているのです。工業用水で430万トン。これはおたくさんの平成22年度の資料です。だから年間1,000万トンを上げているのです。これは地下水だけです。これがおかしくなると、飲料用の上水道もつくらないといけないし、工業用水もつくらないといけないし、やはり滑川の死活問題なのですよ。これも踏まえて、ひとつ所見をお聞かせください。お願いします。 85 磯部生活環境文化部長 お答えいたします。おか砂利採取による地下水への影響についてでございますが、これまでの議会でも答弁させてはいただいておりますけれども、採取跡地の埋め戻しに使います土砂の土質によりまして、地下水の浸透の仕方が違うということでございますので、地表から涵養にどの程度の影響になるかということを明確にお答えするのは難しいということでございます。  一方で、県がこれまで滑川市内で行っております地下水位の調査におきましては、近年はほぼ横ばいで推移しておりまして、沿岸部井戸の地下水の塩水化の拡大といったことも見られません。また滑川市の水道水源の井戸ですとか、あと立地企業の井戸につきましても、井戸がれ、あるいは塩水化の被害があるということは聞いてございませんので、現時点で地下水環境に顕著な影響が出ているということは考えにくい状況でございます。  今、委員御指摘のおか砂利採取による生活環境に将来的に悪影響を及ぼすのではとの御懸念でございますけれども、これは、おか砂利採取だけではなくて、用地の転用でございますとか、道路整備、企業立地、住宅の開発などによりましても、地表からの浸透の仕方が変わりますので、おか砂利採取のみを捉えまして地下水にどの程度影響を及ぼすかということを判断することは大変難しいと思ってございます。  地下水の安定供給は大切なことでございますので、県としましては、地下水指針に定めます地下水の節水や合理的な利用、開発行為への適切な指導、水田を活用した地下水涵養、森林の保全などに取り組んでおりますが、今後とも将来にわたって地下水の安定的な供給が図られるように取り組んでまいります。 86 澤谷委員 地下水の安定的な供給を図る一丁目一番地は、おか砂利採取をやめさせることでないかと思っております。  先ほど御答弁がございましたが、私は海岸に住んでおります。海岸の横には厚生連の滑川病院があります。100メートルの深井戸で井戸水を吸い上げております。それから、その近辺でも100メートル以下のところから。だから今、地下水の低下だとかそういうことを私は問題にしているのではないのです。将来にわたって、きちっと担保していかなくてはならない。これは、行政としての大きな責務です。これは県であろうと、市であろうと、町であろうと。  そしてまた、熊本県に行政視察へ行ってまいりました。県を挙げて地下水の涵養に取り組んでいると。地下水は公共水で、公共水を守るのは県民の責務だという地下水保全条例も制定しておられます。それぐらい厳しい感覚の中で未来永劫にわたって地下水の恩恵を受けていくということが、熊本県民の考え方だと思っております。  県が今、地下水の量をはかっているとか、塩水化がどうとか、そんなものは、もうわかっているのです。地震の後は塩水化が始まっているのですね、低いから。どうしようもないのですよ。ところが、こうやって良好な状態を保っている、そういうものをこれからもしっかり守っていくということが、私は大切だと思って質問しております。次の質問に入ります。  インフラ整備の整っている地域であっても、埋め戻されたおか砂利採取跡地は軟弱地盤なのです。これは軟弱地盤なのです。山泥で戻しているのです。土砂ではないのですね。サンプリングすればわかるのですよ。そういうところに企業が工場立地すると思っていますか。前の答弁では、おのおのが考えて、企業立地するものと。  以前、太閤山団地について質問をしたのです。団地造成を県がやったのです。それで切り土、盛り土です。盛り土したところが地盤沈下を起こして、県がその当時で2億何千万円か、3,000万円の補償費を出す。県民の税金です。そういう事例もしっかりとあるのですよ。だから、掘って埋め戻したところに10メートル、15メートルのくいを打って、企業立地しますか。そういうことも考えて、商工労働部長、企業立地についていかがですか。 87 大坪商工労働部長 企業誘致の際には、砂利採取跡地につきましては建設する建築物に制約が生じる場合、あるいは地盤改良や施設配置の工夫などの対策が必要となるということで、企業によってはそれを理由に敬遠することもありまして、企業誘致に支障となっている場合はあります。  県内では、砂利採取跡地に立地した事例といたしましては、知り得る範囲で、それほど多いわけではありませんけれども、例えば金属製品製造業者の工場でありますとか、医薬品製造業者の研究所、デザイン事業者の事務所、こういったものが立地した事例でありますとか、生産用機械製造業者が自社工場の近くに砂利採取跡地を購入して駐車場として活用している事例などがございます。  これらの事例におきましては、安価に購入できるケースもある一方で、建物を建設する際、先ほども申し上げましたが、くい基礎工事など地盤改良を行ったり、施設配置を検討するなどの工夫を行っているということでございます。 88 澤谷委員 企業立地は無理なのです。長年にわたってそこで生産活動をしていく。足元のぐらついているところで生産活動はできないのですよ。  今滑川市で4区画、大きな工場立地のための区画整理をしております。そのうちの1区画がおか掘り採取跡地なのです。だから、そこは公有地として駐車場にするのか、あるいは緑地とするのか、あるいは雨水の一時ため場にするのか。要は、まともな使い方ができないのです。そういう事例がもう滑川市でも起こっておる。  だから、インフラ整備が何のかんのという前の答弁だったのですが、そんな答弁ではなくて、やはり商工労働部も立地通商課を持っておられます。生活環境部も富山県民の生活環境をしっかり守っていく。そういう立場の方たちが、このおか砂利採取に関して一致団結して、考えていっていただきたいと思っております。  それでは、骨材の安定供給について、土木部長にお願いしたいと思います。県と砂利採取業界が一体となって、山砕石による安定的な骨材供給を確立するということがこれから大事なことだと私は思っております。新たな取り組みとして進めていくべきと思っております。  今現在、資料におきましては、富山県では平成26年度ですか、200万立方メートルのおか砂利採取が行われているのです。河川砂利はほとんどないのです。だから、そういう状態の中で、富山県が全国でも異質な県なのです。山を持っていても、山を崩していない県なのです。そういうことも考えて、これからこのおか砂利採取の案件だとか環境の問題だとか、一気に解決するためにも、山砕石のほうにぜひ取り組んでいただきたい。  これは、業者だけではできません。県が一体となって、県の主導のもとで、資金面、あるいはいろいろな知見を総合して進めていく案件だと思っております。いかがでしょうか。 89 加藤土木部長 本県では、山砕石を道路の路盤などで使用している実績はございますけれども、例えば、生コンクリートの骨材とか、そういうものには供給されていない状況でございます。  今後、おか砂利あるいは河川砂利に加えまして、他県でも使われております生コンクリートの骨材として利用するということについてやっていけば、骨材の安定供給は十分図っていけるのではないかと思っているところでございます。  そのため、県といたしましては、こういった取り組みを進めていくということでございまして……。 90 澤谷委員 わからないでいいちゃ。時間ないもん。 91 加藤土木部長 はい。こういった取り組みを進めたいと思います。  ただ、需要と供給とか、そういうものにつきましては、あくまでもやはり市場の原理ということでございます。全国的にも市場原理の中で、例えば主要資材の鉄筋、あるいはそういったものについてもそういうような中で動いているわけでございますので、県がそこまで入るのかどうか、これは他県の例を見ましても、なかなか行政がそういったところに入っているという例はあまりないということでございますので、本県におきましても他県と同様な対応、全国と同様な対応をしていくべきではないかなと思っているところでございます。 92 澤谷委員 もう少し勉強して、答弁していただきたいと思っております。県内は3カ所、山砕石を行っております。お名前を出してもいいと思っております。黒部の籠瀬運輸さん、これは境川の上流域で山砕石をやっておられます。古栃建設さん、角川の上流で山砕石をやっております。そしてまた伊東土石さん、上市川の上流部で山砕石をやっておられる。まだまだできないのです、山砕石は。何でかというと、おか掘りの供給があるから、業者はなかなか山砕石まで入れないのです。けれども、もうそうやっている業者さんもおられるので、やはりハンドルを大きく切り返してもらいたいと思っております。  他県は、もう業者が先発して、山砕石に入っているのです。だから、行政が入り込む必要がないのですが、富山県はほとんど今、山砕石に関する環境は、赤ちゃんよりも悪いのです。誰かが手を差し伸べてやらないとできないのです。当然資力、資力というのはお金ですね、要るのです。  だから、河川砂利を少しでも単価を上げて、利益を上げて、山砕石のほうの財政的な支援をしてやる。これが、私は県の施策として、循環型社会の大きな命題かなと思っております。  次、行きます。最後9分になりましたので、早く答弁をお願いします。私も早く行きますので、よろしくお願いします。  森林政策について、農林水産部長に質問します。  林業は、農業や漁業と違い、苗木を植林してから成木となるのに40年以上の年月がかかり、その間、下草刈りや不要になった枝打ち、間伐、積雪による幼木の引き起こし作業など、親、子、孫3代にわたって手入れが必要とされております。大変林業経営は厳しいものと思っております。  しかしながら、知事はいつもおっしゃっておりますように、県土の7割を占める森林は、県民生活に大きな恵みを与えてくれている。そういう意味も含めまして、森林税を課税しておられるものと思っております。
     県は、これからの林業の将来像をどのように示し、森林の価値をどのように高めていかれるのか、非常に重たい課題も山積していると思っております。国においても、森林・林業再生プランが推し進められている最中であります。さらに来年、森林環境税の導入も検討されており、今後の森林政策や林業経営を取り巻く環境も大きく変わろうとしております。  5月には、魚津市で天皇、皇后両陛下の御臨席のもと、全国植樹祭が開催されました。本県森林政策を進める新たな取り組みの年と捉え、循環型の林業がしっかりと確立されることが重要と考えます。  林業関係者からは、今一番の問題になっているのは、森林の所有者がわからない、またわかっていても森林の境界がわからない、森林行政の主伐、間伐、枝打ちなどの基本的な作業が進められないというふうに、これは北日本新聞にも連載で入っているのです。境界がはっきりしない限り林業生産が進められない。そういう意味で、質問に入らせてもらいたいと思っております。  森林境界の明確化と地籍調査については一体のものと、私は考えるべきと思っております。県が先頭に立って、責任を持って、この施策を進めるべきと思っております。所見をお聞きします。 93 伍嶋農林水産部長 お答えをいたします。近年、森林所有者の世代交代、あるいは不在地主が増加をしておりまして、委員御指摘のとおり、森林境界が不明確になってきている状況にあります。  これまで市町村におきましては、地籍調査事業などを実施しまして明確化を行ってきたものの、県内の林地面積に占めます境界明確化の割合は7.1%にとどまっている状況にあります。  県としては、早期に森林境界の明確化を図ることが必要と、これは地籍調査と一体となって取り組むことが必要であると思っておりまして、これまでも間伐などの森林整備の計画のあるスギ人工林等を対象といたしまして、国の基金事業や県単事業などを活用して、境界の明確化を進めてきたところでございます。  また、地籍調査につきましては、市町に対して事業の促進を働きかけるとともに、特に事業を休止している市町に対しては国の事業で主要な境界点の調査を行い、境界状況を保存する山村境界基本調査、こういった調査の事業の活用も働きかけるなど、進捗率の向上に努めてきております。  県としては、今後とも、市町村が実施いたします地籍調査とあわせまして、森林境界明確化支援事業などを活用して、早期の森林境界の明確化に取り組んでまいります。 94 澤谷委員 今せっかく2番目も一緒におっしゃっていただきましたので、2番目の質問は要りませんが、1番目の質問の中で再質問したいと思っております。  地籍調査7%、全国は大体45%なのです。そして地籍調査は、境界明確化がないと地籍調査が行われないのですが、終わっておる市町村は30%。そして今45%が進められていると。富山県の7%という数値は非常に低いですよね。  それで、知事にも聞いてほしいのは、この水と緑の森づくり税ですか。10年間、35億円、そして今度は5年間、15億円。50億円の県税を投入するわけですね。そして7%なのですね。森林面積の7%しか事業ができないのです。民有地ですよ。  だから、これを早く解決して林業生産に臨むべき一丁目一番地の政策なのです。だから、この完了に向けての年月日だけは聞かせてもらいたいと思う。県民の税金を50億円を突っ込むのです。大変ですよ。お願いします。 95 伍嶋農林水産部長 お答えをいたします。まず県では、間伐などの森林整備の計画がある約7,100ヘクタールのスギ人工林等を対象といたしまして、先ほども申し上げましたが、平成13年からは県単事業、そして、平成21年からは基金事業を活用した事業にも取り組んできております。  この結果、これらの事業と地籍調査によります約800ヘクタール分を合わせますと、平成28年度末には、先ほど申し上げた約7,100ヘクタールの67%の進捗率となります4,800ヘクタールが、森林において境界の明確化を図られてきたところでございます。  今後ですけれども、今年度につきましては、さらに県単事業の活用によりまして、約200ヘクタール分の森林境界の明確化を予定しているということでありまして、さらに外周のみの境界確定分を合わせますと、全体計画の約80%となる予定となっております。  したがいまして、見込みといたしましては、平成32年ごろまでには対象森林についておおむね完了できるのではないかと見込んでおります。 96 澤谷委員 しっかりと取り組んでください。これがないと林業が進みません。森林組合からも聞こえてくるのです。やはり早くやってほしい。でも森林組合が、どこの仕事をとっているのか、僕はわからないけれども、やはり予算配分の中の境界明確化というものに関して事業配分をしっかりと出していただくということで。  2分間しかありませんので、4番目で終わりたいと思います。  国は、4月施行の改正森林法において、林地台帳の作成を市町村に義務づけられました。市町村は森林行政の体制が整っていないのではないかと言われております。県内14市町です。  林業の専門職員を配置しているのは富山市だけと聞いており、林地台帳や森林地図の情報整備は、県が所有する森林情報及び森林計画図の活用が不可欠であり、また市町においては林業に関する専門知識、技術を持った職員は配置されておらず、人的支援、技術支援、財政的支援も含め、県が責任を持って林地台帳の作成を進めるものと考えます。  森林のある14市町が県の支援を受けて、改正森林法により平成30年度末まで、林地台帳の完成を求めるとありますが、所見をお聞きして、質問を終わらせたいと思っております。 97 伍嶋農林水産部長 林地とその所有者に関する情報につきましては、これまで法務局の登記簿、都道府県の森林簿、市町村の地籍情報や課税情報など、それぞれの機関で管理されてきております。  このため、森林組合などが森林整備、例えば施業の集約化といった事業を行う場合に必要な情報を得るためには、一定の手続と時間が必要ということであります。  こうした背景を踏まえまして、昨年5月の森林法の改正により、これらの情報を一元管理する林地台帳の作成が、先ほど委員御指摘のとおり、市町村に義務づけられまして、森林の所有者に関する情報をワンストップで入手できる取り組みが進められております。  県では昨年度、森林簿と登記簿情報をもとにしまして林地台帳の原案を作成いたしまして、市町の担当者説明会を開催して、林地台帳の整備方法や今後のスケジュールを示してきております。  さらに今年度は、市町が林地台帳を整備するため、国の補助事業を活用して市町の保有する森林の所有者情報等を入力し、県と市町による情報共有が可能となります情報システムの改修を行うこととしておりますので、県ではそのシステム改修に必要な統一な仕様を定めて市町に示すなど、林地台帳の円滑な導入に向けましてさまざまな支援を行ってきております。  県としては、今後林地の売買や、あるいは相続といった所有者からの申し出内容や地籍調査の結果などの情報が林地台帳に適切に反映されまして、さらに有効に活用されますよう、引き続き市町や森林組合と連携しながら、その整備や運用について支援をしてまいります。 98 武田副委員長 澤谷委員の質疑は以上で終了しました。        藤田良久委員の質疑及び答弁 99 武田副委員長 藤田委員。あなたの持ち時間は60分であります。 100 藤田委員 自由民主党議員会の藤田良久でございます。  今ほどの澤谷委員さんの大変迫力のある質問がございまして、私は初めての、こういう一問一答方式の質問でございますので、ふなれでございますがひとつよろしくお願いいたします。  早速、質問に入らせていただきます。  第1問は、第68回全国植樹祭で天皇陛下がお手植えをなさいました優良無花粉スギ「立山 森の輝き」についてであります。  昨年の9月議会で制定、施行されました富山県県産材利用促進条例に基づきまして、公共施設などでの県産スギを戦略的に活用し、伐採後の再造林に「立山 森の輝き」の植樹を機動的に推進することが望まれるところでございますが、その実施によって県内のスギ花粉の飛散量の減少とスギ花粉症患者数の大幅な減少が期待できると考えているところでございます。  そこで、まず県内における現在の県産スギの造林地面積と今後の伐採計画並びに伐採後の再造林計画をどのように進めていかれるのか、伍嶋農林水産部長にお伺いをいたします。 101 伍嶋農林水産部長 お答えをいたします。県内のスギ造林地面積は、民有林の人工林5万1,000ヘクタールのうち、その約93%となります約4万7,000ヘクタールを占めておりまして、このうち約3万5,000ヘクタールが、木の年齢でありますけれども、林齢が40年生以上と成熟していまして、本格的な利用が可能な状況となっております。  これまでの森林・林業振興計画におきましては、主伐時期に達していない人工林が多かったことから、主伐や再造林の計画量は示さずに、木材価格の低迷によりまして林業生産活動が停滞している。そういったことも踏まえまして、森林吸収源対策の推進に向けまして、間伐の計画量を示すことにとどめていたところであります。  今後の伐採計画や伐採後の再造林計画につきましては、現在富山県県産材利用促進条例に基づきまして、県産材の需要を拡大して、伐期を迎えた県産スギの有効活用により林業、木材産業の発展を目指すための基本計画を策定しているところでありますが、今年度はこれに加えまして、新たな県の総合計画の策定に合わせて、森林・林業振興計画も見直すこととしております。この中で、伐採や再造林の採算性の確保などの観点を踏まえながら、今後の具体的な伐採や再造林の計画を示して、森林整備の推進と林業の振興に努めることとしております。  なお、伐採後の再造林には、本県が全国に先駆けて開発いたしました優良無花粉スギ「立山 森の輝き」を活用することとしておりまして、これまでも平成28年度までの5年間で、約42ヘクタールの植樹を行ってきております。  今後さらに10年間で、スギ伐採跡地の460ヘクタール分におきまして、「立山 森の輝き」による再造林を行うこととしております。 102 藤田委員 ありがとうございました。この「立山 森の輝き」につきましては、本県の再造林に用いることはもちろんのことといたしまして、今後、花粉症で多くの人が悩む首都圏など、全国への普及が望まれるところでございますが、今後どのようなPRに努めていくのか、伍嶋農林水産部長にお伺いをいたします。 103 伍嶋農林水産部長 本県が開発いたしました「立山 森の輝き」の首都圏など全国に向けたPRについては、これまで東京都日比谷公園におけます記念植樹を初めといたしまして、首都圏の山林等、宇都宮市とか、東京都の青梅市といったところでの植樹や各種イベントで苗木の展示を行うとともに、本年3月には皇居東御苑の都道府県の木コーナーがありますので、そこへ植栽することなどによりまして、積極的に推進してきております。  さらに、先月開催されました第68回全国植樹祭では、天皇陛下によるお手植えや参加者によります約4,000本の記念植樹などでも活用させていただいたところでありまして、無花粉スギの普及の取り組みを全国に発信できたものと考えております。  今後につきましては、苗木の生産量には一定の制約がありますけれども、花粉症で多くの人が悩む首都圏などの県外におきまして、PR効果が高い各種イベントでの積極的な苗木展示やパネルによる解説、さらには見本林の造成や記念植樹などの要望に応えることなどによりまして、「立山 森の輝き」の普及に向けまして、積極的に取り組んでまいります。 104 藤田委員 今ほどの御答弁のように、全国で広くPRをしていただきますと、次に必要となってまいりますのが、いわゆる種苗でございます。  県は、新たな森づくりプランに基づきまして、年次計画により種苗の増産を目指すこととしておられますが、さきに報道されました種苗の休耕田など水田での量産体制の確立が何よりも必要と考えられるところでありますが、今後どのように取り組みを進められるのか、部長にお聞かせをいただきたいと思います。 105 伍嶋農林水産部長 「立山 森の輝き」の苗木につきましては、これまで種子による苗木の生産を行ってきておりまして、県の魚津採種園において苗畑を増設して、種子生産用ハウスや苗木育成用ハウス等を整備して、年間4万本の生産を行っております。また今年度、苗木の育成用のハウスの増設を予定しておりまして、平成32年度には、年間10万本の生産体制を整えることとしております。  さらに、現在成長が早くて低コストで大量生産が可能となります挿し木苗による生産に取り組んでおりまして、種子による生産と合わせますと、平成38年度に20万本、平成39年度には30万本の量産体制を整える計画としております。  また、今ほど委員から御紹介があり、先日も報道のあった休耕田を有効活用した苗木生産技術につきましては、水やりを行わないことによります省力化、あるいは成長が早いことに伴う栽培期間の短縮による効率化を図ることを目的として研究に取り組んでおりまして、今回の研究では富山市と立山町の2カ所に試験圃場を設けまして水量や水温、また施肥、肥料のやり方の量ですけれども、そういったものについて、苗の生育に最も適した栽培条件の実証研究を行っております。  この先行した試験におきましては、1つには根腐れする苗が多く見られたこと、あるいは伸び過ぎてやわらかい苗が多く見られたことから、雪の場合、雪害や病害虫への抵抗性などの検証を行うことが必要であると考えておりまして、林業用苗木の量産技術として確立するためには課題も多く、相当の期間を要するのではないかと考えておりまして、いずれにしましても、今後とも量産体制の強化に向けまして研究を進めてまいります。 106 藤田委員 この話をもっとして、この件についてお聞きしたかったのですが、いろいろと教えていただきまして、県の職員の皆さん方の長年の御努力とかそういうものを聞いております。本当に大変なことだなと思っているわけでございまして、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  昨日、自由民主党の富山県議会議員会の政務調査会、県産材利用促進条例検討プロジェクトチームの宮本座長を中心として、婦負森林組合、立山山麓森林組合を訪問しまして、役員の皆さん方と意見交換をしてまいりまして、いろいろなお話を聞いてまいりました。今ほどの地籍の話もございましたが、やはり木を育て、活用することの難しさとか、その大変さというものをよく学んでまいったところでございます。  ぜひ、この「立山 森の輝き」が伐採後の再造林に活用されますことで、近い将来、4人に1人と言われますスギ花粉症の患者の救世主となるのみならず、森林資源を持続的に活用する再造林の切り札として、また富山に住めば花粉症から解放されるということで、本県への移住、定住にも結びつくのではないかと期待しております。どうかぜひ頑張っていただきますようお願いいたします。  次に、人口減少社会への対応についてでございます。全国各地でさまざまな施策が展開されておりまして、殊にこの富山県におきましては、マリッジサポートセンターでの取り組み、あるいは官民で開催される出会い創出イベントへの助成制度など、結婚適齢期の男女への出会いに対しまして、大変多くの事業を実施してもらっております。  また、子育てと就労両立支援策では、とやま未来創生戦略あるいは、「かがやけ とやまっ子 みらいプラン」に基づきまして、第3子以降の保育料の原則無料化、あるいは多子世帯向けのがんばる子育て家庭支援融資、この実質無利子化など、出産や子育てなどに伴う各種経済的負担の軽減策に取り組まれているところであります。  しかし、先般発表されました厚生労働省の人口動態統計では、2016年の出生数は全国で97万6,979人、これは前年比では2万8,698人の減少となっており、統計をとり始めてから初めて100万人を割り込んだことが明らかになってまいりました。また人口の自然減も33万789人と過去最大でありまして、いわゆる地方の中都市が消滅したのと同じほどの減少数となっております。  本県では、出生数7,301人で、前年比266人の減でありまして、これも過去最少、人口減少も5,561人となっているところでございます。  関連施策を積極的に実施したからといいまして、直ちに成果があらわれるものではないということは、もちろん十分に承知しているところでございますが、県がこれだけ多くの施策を実施しておられるので、少子化に歯止めがかかるのではと、私は昨年、単純に考えていたところでございます。  そこで質問でございますが、人口が減少していく中で、結婚や出産、子育て支援のこれまでの取り組みを踏まえまして、今後どのような施策を展開していこうとお考えになっておられるのか、石井知事の御見解をお伺いいたします。 107 石井知事 本県では、今委員おっしゃったように、マリッジサポートセンターを通じた結婚支援ですとか、また特別保育、病児・病後児保育、あるいは放課後児童クラブの実施箇所数の大幅な増加とか、保育料の負担軽減など、安心して子供を産み育てられる環境の充実に努めてまいりました。  こうしたこともあって、本県の合計特殊出生率は、お話しのように以前は1.34まで低下して、これは私が知事に就任させていただいた翌年だったと思うのですけれども、ちょっとショックを受けたのですけれども、平成23年から4年連続上昇しまして、平成27年には21年ぶりに1.5を超えて1.51となる。平成28年はさらに上げたいところだったのですが、逆に0.01ポイント下がって1.50となりましたが、それでも平成23年との比較ですと、25歳から39歳の幅広い層で出生率が上昇しますなど、明るい兆しも出ております。  しかし、県民の希望出生率の1.9に至りますにはまだまだかなり差がありますので、結婚から子育てまで切れ目のない総合的な支援を積極的に推進したいと思っております。  そこで、今年度は結婚への支援として、新たにマリッジサポートセンターや男女の出会いをサポートする企業やボランティア等の合同研修会の開催、マリッジサポートセンターも2年半でカップルは386組成立したのですが、結婚に至っておられるのは25組ということでまだまだですが、しかしカップルが成立して、そこで化学反応が起きて結婚されるには、少し時間がかかるということもありますから、何とかそれを支援したい。また出産、子育て支援として、不育症治療費助成制度の創設とか、多子世帯に対する教育費等の実質無利子融資の融資枠の拡大ですとか、仕事と家庭の両立支援として、とやま県民活躍・働き方改革推進会議、これは先般6月14日に設置しましたし、来月イクボス企業同盟とやまということで、企業の経営者の方でイクボス宣言された方と、私も宣言をさせていただきましたので、みんなで連携してやろうとか。それから子育て支援・少子化対策条例に基づく一般事業主行動計画の策定の義務づけ対象企業の拡大──これは国は101人以上ですけれども、富山県は6年前から51人以上、それからことしからは30人以上と全国で唯一広げております。  さらに、若者や子育て家庭を対象とした結婚、子育てに関する意識やニーズの調査を行いまして、これを踏まえて子育て支援・少子化対策県民会議において、さらに効果的な関係施策のあり方について検討することにしております。  委員おっしゃるように、少子化への対応というのは、富山県だけではなくて国全体にとって重要課題でありますので、国でも骨太の方針や子育て安心プランで方針を示されておりますけれども、県としてもこういった国の動向等も踏まえながら、引き続き市町村や企業、関係団体、ボランティアの方々が相互に連携をとって、粘り強く頑張っていきたいと思います。 108 藤田委員 どうもありがとうございます。少子化が進みまして、大変危機的な状況にあるわけでございますが、子供を持つ世帯に対する直接的な経済優遇措置を大胆に拡充し、できるだけ人口減少のスピードを抑えまして、近い将来には人口増加を目指すことが大変重要である。このためには相当、それと大胆なポジティブ・アクションが必要ではないかなと考えております。  私も年をとっておりますが、ちょうど33歳の子供──43歳もおりますが──33歳の子供が今2つ、3つの子供がいるばかりで、息子の友達といろいろ話をしておりますと、やはり直接的な経済的な支援は非常に望まれているところでございます。  そこで、この前の議会でも聞かせていただきましたが、第3子以降の出産に際しまして、それ相当額の出産祝い金の支給制度を創設してはどうかと考えているわけでありますが、蔵堀厚生部長にもう一度お聞かせいただきたいと思っております。 109 蔵堀厚生部長 県ではこれまで県民一人一人の出産や子育ての希望が実現いたしますように、出産や子育てに伴う経済的負担の軽減に取り組んできております。  ただ、富山県では第3子以降の子供の出生率が相対的に低い状況であるとか、理想の子供の数は3人以上とするアンケートの回答が約6割なのに対しまして、実際に欲しい子供の数は2人とする回答が多いことから、平成27年度から、1つは第3子以降の保育料の原則無料化。それから2つ目にはがんばる子育て家庭支援融資の対象拡大と実質無利子化。3つ目には多子世帯や3世代同居の住宅に係る融資の実質無利子化。4つ目には第4子以上の誕生祝い事業などに取り組んでいるところです。  また、特に出産祝い金という名称を使っているわけでございませんけれども、平成20年の10月からは保育サービスや予防接種等に利用できます子育て応援券の配布を行っておりまして、これまで有効期限の延長や対象サービスの拡充など制度の改善も行いまして、多くの子育て家庭の皆様に御利用をいただいております。  この子育て応援券ですけれども、第1子、2子には1万円、それから、第3子以降の子供には3倍の3万円を交付しているところでございまして、経済的負担の軽減に一定の効果があるものと考えております。  今後ですが、子育て家庭のニーズによりマッチした支援を検討いたしますために、子育て家庭に対する意識調査を実施することとしております。また子育て支援・少子化対策県民会議におきまして御意見を伺うことにしておりまして、子育て家庭や県民の皆様の御意見をお聞きして、多子世帯への支援に何が効果的なのか検討を進めまして、子育て支援にしっかり取り組んでいきたいと考えております。 110 藤田委員 どうもありがとうございます。今ほどちょっと内輪の話もさせていただきましたが、結局、やはり現金といいますか、2人いる家は、そういうものがあるのだったら、もう1人産んでもいいなという人が結構おられるので、ぜひ部長、本当にざっくばらんな話で恐縮でございますが、ぜひよろしくお願いいたしたいと。  これからの子育てに係る経済的負担の基本的な考え方といたしましては、私は原則、やはり無料化とすべきであると考えております。子供が生まれ育った家庭の経済状況や諸環境によって教育を受けることができないとか、こういったことの不公平や不平等などがないように、全ての子供が同じ条件で切磋琢磨し、成長できる条件を整えることが私たち現役世代の責務ではないかと私は考えております。  そこで、質問でございますが、国において教育費の無償化について議論されておりますが、その実現に向けて、ぜひ本県として教育費の無償化を国に要望すべきではないかと考えているわけでありますが、知事の御所見をお伺いいたしたいと思っております。お願いします。 111 石井知事 国では、先般閣議決定された骨太の方針の中で、教育が果たすべき役割は極めて大きい。また多様な教育について、全ての国民に真に開かれたものとしなければならないとされて、その第一歩として、幼児教育・保育の早期無償化、待機児童の解消に向けて安定的な財源の確保、これには財政の効率化とか税とか新たな社会保険方式、例のこども保険ですが、こういったことも含めて検討して、年内に結論を得るとされております。  少子化対策は、今ほど申し上げたように、本当に日本全体の大きな課題ですから、まず国に対しては積極的な対応を期待したいわけですけれども、そのためにも地方負担分も含めて安定的な財源の確保が重要と考えておりまして、県としては、全国知事会等と連携しながら今後の国の動向等を注視しますとともに、引き続き少子化対策の充実を働きかけてまいりたいと思います。  県としましては、これまでも全ての子供がまさに生まれ育った環境に左右されずに健やかに育ってもらいたいということで、第3子以降の保育料の無料化とか、今ほどもありましたが、ひとり親家庭を対象としたひとり親家庭学習支援ボランティア事業とか、高校生については就学支援金の支給による授業料負担の軽減とか、奨学のための給付金の支給による、教材費など授業料以外の教育費負担の軽減とか、無利子奨学金の貸与とか、さらには実質無利子のがんばる子育て家庭支援融資などを行ってきております。  今ほど、出産祝い金などのお話もありました。なかなか難しい課題ですけれども、従来からひとり親家庭への支援策の拡充とか、保育料の軽減措置の拡充とか、奨学金のさらなる充実などを国に対して、これは県の重点要望としても要望しているところであります。今後も引き続き、国に働きかけると同時に、県としても大変厳しい財政事情ですけれども、どういう形で子育て支援策を拡充すべきか、これを今のアンケート、子育て家庭等に対する調査も生かしまして、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。 112 藤田委員 ありがとうございます。このことは憲法改正論議の中ででも、当然論点となるものと考えておりますが、この教育費の無償化はやはり国是として、憲法の中にしっかりと明文化すべきだと。政権がかわるたびに変わっているものではないような気がしますので、ぜひそれをまた本県が中心となって要望していただくことをお願いするものであります。  次に、地方創生の取り組みの一環としまして、観光分野における交流人口の拡大などについてお伺いをいたします。  国家戦略特区の規制改革メニューの観光分野に、いわゆる滞在施設の旅館業法の適用除外などの規制改革事項がありますが、交流人口の拡大のために本県において特区提案を検討してはどうかと考えるわけでありますが、亀井観光・交通・地域振興局長の御所見をお伺いいたします。 113 亀井観光・交通・地域振興局長 国家戦略特区につきましては、産業の国際競争力の強化等を図るため、自治体や民間からの制度改革に関する提案も踏まえまして、国みずからが主導して地域指定を行い、事業を実施するものでございますけれども、こうした仕組みが地方創生を推進する上でも有効な手法の1つであると考えております。  例えば、今委員からの御紹介のありました旅館業法の適用除外というものは、旅行者の増加による宿泊施設の不足解消のため、旅館業法の適用を除外することによりまして、いわゆる特区民泊を可能とするものでございます。一方で国におきましては、こういった国家戦略特区を活用する以外にも、昨年4月の旅館業法改正による簡易宿所の要件緩和や今月成立しました住宅宿泊事業法によりまして、さまざまな形の宿泊サービスを行う環境づくりが進められているところでございます。  このほか、観光分野におけます国家戦略特区の規制改革メニューには、農家民宿等の宿泊事業者が旅行商品を企画、提供する場合の国内旅行業務取扱管理者試験科目の一部免除や、古民家等の歴史的建築物を宿泊施設とする場合のフロント設置義務の緩和などが措置されてございます。このように特区を活用した規制緩和にもさまざまなメニューがございますし、また特区以外にも、さまざまな制度整備が進められているところでございます。  委員からは国家戦略特区制度の活用を検討してはどうかとの御提案がございましたが、まずは本県の観光振興や交流人口の拡大に向けまして、どのような規制が課題となっており、それに対してどのような対応をとるべきか、市町村や関係団体の意見もよくお聞きしながら、その上で国家戦略特区の活用も選択の1つとして検討してまいりたいと考えております。 114 藤田委員 どうもありがとうございます。この国家戦略特区の指定は、今ほどおっしゃられましたとおり、観光分野には限っていないわけでありまして、都市再生あるいは教育、医療とか、いろいろな分野に多岐にわたっておりますが、国家戦略特区の指定を受けることで各種の規制をクリアして、当該事業計画の速やかな実現を図ることによって、いわゆる富山県が選ばれる魅力的なまちづくりを推進することが可能であると、私は素人ながらに考えているわけでございます。ちょっと時間がなくてあまりしゃべられないのですが、昔、私たちの若いとき、昭和35年に富山県が新産業指定の建設促進法に基づいて、富山、高岡市の新産業都市指定を受けました。そして、富山新港を中心に拠点開発によって、今現在のすばらしい富山県ができ上がったと私は理解をしております。そういったことで、やはり何かしていかないと、新幹線が通って、これで富山はよかったよかったと言っているうちに、だんだん人口も減っていってというようなことになるわけでございまして、そこで例えば、先週の一般質問で、我が自由民主党議員会の川島議員が提案しましたとやまJAMP構想について、知事はいろいろな法規制の問題もあると考えられるが、研究、勉強をさせていただくという御答弁をいただいたと私は理解しておりますが、富山県、あるいは富山県を中心とした地域において、この川島構想をベースにして──川島構想については全く私的な見解でございますが、こういったことをベースにいたしまして、いろいろなことも考えていく。そして国家戦略、国の機関にいろいろと提案をしていく中で、いろいろなことが見えてくるのではないかなと考えているわけであります。今後の各県、各地域のこういった取り組みが、重要になってくるのではないかと認識しております。新潟市は既に特区指定を受けておられます。石川、福井も多分いろいろ考えておられると推察しております。ぜひ前向きな御検討を要望するものであります。  次に、時間も大分なくなってまいりましたが、いじめの防止対策についてお伺いをいたします。  平成25年にいじめ防止対策推進法が成立、施行されましたが、一昨年の7月に岩手県で発生しましたいじめを原因とする自殺事件を受けまして、文部科学省が全国の都道府県教育委員会に対しまして、2014年度の問題行動調査のいじめ項目の再調査を指示されたところであります。もう一回調査を見直せということで指示されたところ、いじめ認知件数が当初の報告件数よりも3万件増えたということで、このほか、児童生徒数1,000人当たりのいじめ件数が最も多いところでは京都府、最も少なかったところは佐賀県と、この一番上と下が30.5倍の違いがあったということでございまして、いじめの定義の理解の仕方によって調査結果に大きな違いが出たことも、改めて問題となったところでございます。  そこで質問に入りますが、同法律の施行から3年が経過しましたが、本県におけるいじめの現状について、渋谷教育長にお伺いをいたします。 115 渋谷教育長 県内公立学校のいじめの認知件数につきましては、平成25年度までは減少傾向でありましたが、平成26年度からは増加しておりまして、いずれの校種におきましても、1,000人当たりのいじめの認知件数は全国平均を下回っているものの、平成26年度は前年度から209件増の868件、平成27年度は112件増の980件となっております。  平成26年度から増加した理由としましては、文部科学省の要請によりまして、これまでは対人関係のトラブルと捉えていた事例、例えば嫌なことを言われて1日休んだが、仲直りして翌日から登校しているものや、体がぶつかったが故意なのか不明なものなどでありますけれども、こうした事例も含めまして、いじめとして計上したことによるものと考えております。  各学校におきましては、いじめの可能性のあるものも含め、児童生徒の状況を把握しまして、いじめの早期発見、早期対応を行うことが重要であります。このため、県教育委員会では平成27年度にいじめの発見と学校の組織的な対応に係る留意点を取りまとめまして、例えば1つだけ申し上げますと、ささいなことであっても気がかりなことを放置しない。いじめの被害をはっきり発信しない生徒がいることを念頭に置くなど、7項目について市町村教育委員会や県立学校に周知しておりまして、各学校ではこれらの留意点を踏まえながら早期発見、早期対応に努めております。 116 藤田委員 どうもありがとうございます。この言葉の定義は別といたしまして、いじめと言われる行為は昔から存在することは、私どもは承知しているわけであります。他人の諸行為等により心身の苦痛を感ずるということは、長い人生の中で多々あるわけであります。  私の言っていることは法律の規定するいじめとはちょっと違うかもしれませんけれども、いつの時代であっても、みずからの本意としない事象に対して、状況に応じて柔軟に対応することが求められるところでありまして、その諸状況を自分の力でクリアして前進していかなければならないわけであります。
     そのためにやはりどうしても、必要な知識とか、いわゆる鍛え抜いた体とか、そして毅然とした精神力などを身につけることが必要だと痛感しているところでございます。  そこで、提案でございますが、これは昔から言われていることだと思いますが、もう一度、小学校の高学年ぐらいから中学生、あるいは高校生ぐらいまでを対象に、いわゆる弁護士など法律の専門家による法教育というべきものを、ぜひ継続的にやる勉強の機会を学校教育に取り入れるべきではないかと私は考えるものでございます。  知らないことによって、知らないうちに他人に迷惑をかけているとか違法行為をしていることもあるわけでありますし、逆に迷惑をこうむっているとか、あるいは迷惑行為を受けているということもあるわけでございまして、このことは法律を知っていれば抑制できた、あるいは制御できたと思うわけでありまして、ぜひこういったことを理解すること、いわゆるいじめは犯罪であるということを各自がしっかりと自覚していくことが、大変大事ではないかと思っております。  また一方、いじめないとか、いじめられないためには、心身を鍛え、自信あふれる自己の形成が重要と考えておりまして、そのためにはやはり柔道とか剣道とか空手道の、いわゆる武道をしっかりと学校教育に取り入れる。あるいは、学校では授業時間の関係で難しいということであれば奨励すべきでありまして、私どもは高校時代、富山県警察の2階のところでずっと3年間、空手を習いましたが、やはり必要に応じて、この取り組みは公費負担でお金を、面倒を見るべきではないかと考えております。  ここで質問でございますが、先ほど御答弁いただきました本県のいじめにおける現況を踏まえまして、今後どのように取り組んでいかれるのか。今ほどの提案の可能性も含めまして、教育長の御所見をお伺いしたいと思います。 117 渋谷教育長 いじめの発生を防止するためには、子供たちの好ましい人間関係を築こうとする心と態度を育むことが大切であると考えております。  このため、各学校ではこれまでも道徳の時間などで人権を尊重する心と態度の育成、人権集会やいじめゼロ運動を通していじめを許さない心の育成、いのちの教育などで自他の命を大切にする心や思いやりの心の育成などに取り組んでおります。  御提案の弁護士などによる法教育につきましては、既に実施しております中学校もありますけれども、全ての小中学校で行われている状況ではありません。現在も授業などで、いじめは重大な人権侵害に当たり、刑事罰の対象となり得ることは学んでおりますが、御指摘のとおり、法律の専門家から学ぶことは大切でありますので、法務省などが実施しております出前講座を積極的に活用するよう、各学校に働きかけてまいります。  また、武道につきましては現在も中学校1、2年生が全員履修しておりまして、おっしゃられたとおり、心身の調和や礼儀、相手を尊重する心などを養う大切なものでありますが、現行の学習指導要領上の制約、そしてまた子供たちの安全の確保、そして意向の尊重という観点から、一律に武道教育を小中学校で導入、拡大することはなかなか難しい面があるのではないかと考えているところであります。  来年度からは小中学校の道徳が教科化され、小学校低学年から指導項目に社会正義などが加わりますが、この機会を活用しまして、委員の御提案も踏まえながら、今後ともいじめの未然防止に市町村教育委員会と連携しながら取り組んでまいります。 118 藤田委員 どうもありがとうございます。結論といたしましては、やはりいじめられない、いじめない、苦難とか困難というものをはね返す人間力の創造を目指すことが大事でありまして、教育にはそんな人間を創造する偉大な力があるわけでありますので、ぜひ学校におけるいじめ問題の解消を実現していただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。  次に、社会資本整備についてお伺いをいたします。まず1点目は、富山駅付近連続立体交差事業等関連事業などにつきましては、さきの議会でも質問させていただきまして、土木部長の大変力強いお言葉をいただいております。現実的にJR西日本初め県、市あるいはあいの風とやま鉄道の強力な連携によりまして、当初計画を上回るスピードで、あいの風とやま鉄道下り線の高架化工事が進んでいることと推察しております。確認はしておりませんが、多分そういうことだろうと思っております。  そこで、気になってまいりますのは、今度は電鉄富山駅から東方面の富山地方鉄道本線の高架化と、東側を南北に横断しております都市計画道路堀川線の平面化整備事業についてであります。  富山駅東側堀川線付近の地鉄本線高架化の進捗状況と今後の事業化見通しにつきまして、加藤土木部長の御所見をお伺いいたします。 119 加藤土木部長 富山地方鉄道本線の高架化につきましては、今現在進めておりますけれども、あいの風とやま鉄道線の高架化と同様に、富山駅周辺の南北の一体化を進める上で重要な事業であると認識しておりまして、これまで富山地方鉄道と事業化に向けまして、富山市とともに協議を行っているところでございます。  高架化を進めるに当たりましては、高架化に伴いまして踏み切りが除却されること、あるいは高架下の活用などによりまして、鉄道事業者の受益が見込まれることから、国が定めております要綱に従いまして、事業費の一定割合を鉄道事業者が負担するとされているところであります。  しかしながら、高架区間では除却する踏み切りがないこと、あるいは、高架下が駅前広場などに面しておらず、高架下の貸付利益があまり見込めないことなどから、鉄道事業者の受益は小さいといたしまして、富山地方鉄道からは負担の軽減を求められている状況にあります。  地鉄本線の高架化につきましては、まずは富山地方鉄道の理解と協力を得ることが必要でありまして、早期の事業化が図られますよう、今後とも富山市と連携いたしまして、努力してまいりたいと考えております。 120 藤田委員 ありがとうございます。さきの議会でも大体同じような答弁だったかと思うわけでございますが、当然、私が言うほどのものでもありませんけれども、中央警察署が駅北のほうに行きまして、大変いい場所のはずなのですが、現況ではどうしてもアンダーパスを通っているところに例えば急に雨が降ってきて、緊急出動をしようかと思ったら、こっちの中心市街地に来られなかったということが仮にあったら大変なことになるわけであります。あそこの場所は本当にいい場所なのですが、現況のままではどうも中央警察署の場所にはふさわしくないのではないかなという思いもあるわけでございまして、ぜひ一日も早くそれを取り除いてもらうということ、つまりこの連続立体交差事業を完成させてもらわなければならないということでありますので、よろしくお願いを申し上げます。  次に、神通川左岸の護岸整備などについてお聞かせください。  6月に入りますと、いよいよ梅雨とか台風の気にかかる季節でございまして、特に大河川に隣接する沿岸地域では、大雨による水害不安がつきまとってくるところでございます。  こういったことから、特に神通川の整備につきましては、私、車で何回も行ったり来たりしながらはかってきましたら、大体富山空港の対岸側、婦中町轡田地内やら井田川と神通川の合流地点まで約4から5キロメートル、4.5キロメートルぐらいあるわけでございますが、これもしっかりと国において護岸工事をし、上流から順番にやってきて、有沢橋の300メートルぐらいまだ上流でございますが、整備が進んでおります。  それと並行しまして緑地も進んでおり、特に散策路が整備されておりまして、ロンドンオリンピックに出場した藤原新さんがあそこを練習所にしていたという時期もありまして、マラソンで走っている方が大変多く、今はもうまちの中に来られましたが、当時あちらに住んでおられまして、練習しておられましたこともありまして、大変地元では多くの皆さんが利用しておられます。  また、婦中大橋の上流にはパークゴルフの試合もできるようなすばらしい緑地にもなっているわけでありますが、結論的に申し上げますと、有沢橋下流から井田川合流地点の約1キロメートル区間、道はできているのですが、カヤなどが生い茂っておりまして、国土交通省では2メートルのアスファルトと、両側に2メートルずつ草を刈って広くして、6メーターほどの幅をとって整備しておられるのですが、やはり草が伸びますものですから、中へ入ってしまったら全然堤防の上から見えないということで、大変危険だということで地元からも指摘を受けておるわけでございまして、ぜひこういったことが解消される必要があろうかと思っているわけであります。  そこで、改めまして、轡田地内から井田川との合流地点まで約4.5キロメートル区間の護岸工事及び緑化整備の進捗状況と、今後の、特に有沢橋から下流1キロメートルがどうなっていくか、土木部長にお聞かせをいただきたいと思います。 121 加藤土木部長 神通川左岸の轡田地内から井田川との合流地点までの約5キロメートルでございますけど、国の直轄事業によりまして、流水によります洗掘を防止するため、緊急度の高い箇所から順次護岸工事が進められてきたところでありまして、現在は婦中大橋下流の添島地区、延長で約160メートルでございますけれども、この間で工事が進められているところでございます。  国におきましては、現在、今後30年の整備の実施に関する事項などを定めます神通川水系河川整備計画の策定を進めているところでありますけれども、その中で今後の整備箇所などについても明らかになってくるものと考えているところでございます。またこの区間につきましては、これまで富山市が河川敷内に占用許可を受けまして、緑地化を進めてきておりまして、富山空港のちょうど向かい側になりますけれども、婦中町塚原から上轡田地内においては、多目的広場やパークゴルフ場、そして国道359号の有沢橋あたりの有沢地内ではゲートボール広場やバーベキューコーナーなどを設置されてきている状況にあります。  井田川の合流地点から上流の約1キロメートルの区間についてでございますけれども、例えば上流と同じように緑地化を行うとすれば、これまでと同様の取り組みが想定されるところでございますけれども、国からは、高水敷の良好な河川空間の形成のための緑地整備等の取り組みについては協力していきたいと聞いているところであります。  まずは、地元であります富山市さんと十分相談していただくことが大切かなと思っております。また、このようなお話があったということについても、私どもから富山市さんにお伝えをさせていただきたいと思っております。 122 藤田委員 部長、ありがとうございます。このような話があったということをしっかりと市のほうに、私も言うことも可能でございますが、やはり部長が言われるのと大分違いますので、ぜひまたひとつよろしくお願いいたしたいと。私もよく言っているのですけれども、なかなか聞いてもらえないということもありまして、よろしくお願いいたします。  次に、久郷の排水機場の施設整備については、事前通告とちょっと順番を逆にさせてもらってもいいでしょうか。よろしくお願いします。あいの風とやま鉄道は、大変営業成績も優秀ということで、新聞にも出ているわけでございまして、大変喜ばしいところでございます。  この鉄道に関連しまして、平成24年3月の在来線の新駅設置可能性調査をもとに、高岡やぶなみ駅、あるいは富山駅と東富山駅間の鍋田地内における新駅の設置をすることとなっておりますが、さらに小杉駅と呉羽駅間の願海寺付近での新駅設置を検討してはどうかと考えるわけでありますが、亀井観光・交通・地域振興局長にお伺いをいたします。 123 亀井観光・交通・地域振興局長 委員御提案のように、新駅の設置は、あいの風とやま鉄道の新たな利用者増につながることから、県では平成24年3月に、今御紹介ございましたけれども、並行在来線新駅設置可能性調査を実施し、既存駅間の距離が4キロメートル以上あることや、新規エリアでの駅勢圏人口──駅を中心とした半径2キロメートル圏の人口がおおむね5,000人以上と、1日当たり乗車人員500人以上の要件を満たす7つの候補地におきまして、教育機関の有無などといった乗車習慣とか、開発見込みといった誘発需要を加味した乗車人員によりまして、新駅設置の波及効果を試算いたしました。その結果を踏まえまして、富山県並行在来線対策協議会、これは富山県知事以外にも全市町村長、経済団体代表により組織される協議会でございますが、この協議会が現在整備中の高岡やぶなみ駅と富山駅─東富山駅間の駅の設置を富山県並行在来線計画概要に、平成25年3月に位置づけたという経緯がございます。  今御指摘のありました小杉─呉羽駅間での新駅につきましては、この7つの候補地の1つとして検討されておりましたけれども、当該地域は市街化調整区域であり、農振除外等の手続が必要であるなど開発規制が非常に厳しいということ。当該駅はほかの区間に比べバスとの競合が大きいこと。またこの駅での需要が特に多く見込まれる富山国際学園の学生等は通学定期券の利用であって、通勤に比べまして割引額が高いことから運賃収入の上昇が小さいことなどの課題があり、この富山県並行在来線対策協議会におきまして、設置すべきとはされなかったということでございます。  新駅の設置は、沿線地域のまちづくりとも大きくかかわることから、地元市──富山市ですけれども──における検討や調査も重要でありまして、鉄道会社と地元市の判断が大切と考えておりますけれども、その後も地元市からあいの風とやま鉄道に要望が寄せられているとは聞いていない状況でございます。  県としましては、まずは設置が位置づけられた2駅の整備に取り組むこととしまして、新駅の設置につきましては、あいの風とやま鉄道や地元の富山市と十分連携しまして、検討を進めていく必要があると考えております。 124 藤田委員 ありがとうございます。今ほど局長がおっしゃられたこともいろいろ勉強させていただきまして、聞かせていだいています。  私、今やっておられることを後回しして、ここをやれというわけではないわけで、順番というのは物事にあります。今、やぶなみは来年の春に仕上がるということで聞いております。それからこの東富山につきましても、地元では協議会をつくって、県と市が一緒になっていろいろやっておられるということもよく聞いておりますので、ぜひその後あたりに。市街化調整区域、またさっきの特区の話をしなければならないことになってくるものですから、そういう岩盤規制を破っていくことがこれからのまちづくりには必要であるということは先ほど申し上げているわけであります。別に特区にせいと言っているわけでありませんけれども、そういうことをしっかりとやっていただくことが大事でございます。  そこで、私、ちょっと個人的なことを言わせていただきますと、地元からも来ておられますが、いわゆる昭和の末期からこの運動をしておりまして、私の知っている範囲では平成2年に、当時の富山短期大学の理事長だった金岡幸二さん、今はお亡くなりになったインテックの創始者と思っております。その方が正式に要望しておられたのです。そこからずっと毎年、地元では県と市へ要望しておられます。そこで、私も田畑のところにいた関係もありまして、随行もさせてもらっております。  そういうことで、よく本当にこんなに長いこと、私が小さいとき、平成2年はまだ若かったですから、そのころからやっておられるのに、まだこんなことを言っているという話なのです。正直、私から見たらですね。要望もこれだけあるのだから、しっかり応えてあげる。ざっくばらんで、あまり過激なことも言えないわけでございますが、言ってこられたら、やはり応えてあげねばならない。これは市がはしかいといいますか、あいの風とやま鉄道さんが言われればどれだけでも協力しますよというルールを地元に対して出しておられるのです。  県は大変優しいものだから、口頭で言っておられるのです。そうしたら、十何人来ておられたということなので──毎年来ておられるのですが、聞く人によって、県は、えらい前向きになったとか、いや、あれは前向きじゃないとか言って、後から話しておられることが、毎年続いているということでございます。  そのうちに役員がかわっていかれるものですから、地元では、やはり県を信頼して、毎年やっていたら、こうやって何か聞いてくださるだろうという気持ちが大変強いわけでありまして、ぜひそういったことで地元の気持ちをよく酌んでいただきまして、お願いしたいというのが私の願いでございます。  これ以上言っても、まだいろいろなこと、ここにもメモもしてきているのですが、また私もあまり上手にしゃべられない、しゃべることがどちらかと言うと長いものですから、またどうかよろしくお願いいたします。ありがとうございます。  次に、ちょっと戻らせてください。井田川の久郷排水機場の管理及びポンプ設置などの更新整備に関する事項ということです。これも1週間前、先週に浅岡議員も取り上げておられましたが、当該地域住民とりわけ地元の自治振興組織の方々にとっては大変大きな問題となっておりまして、例年、これも問題にしておられるわけでございます。  これは、平成16年の10月に発生した台風23号による富山市五福地区、神明地区の周辺での浸水被害発生以降、住民の皆さん、特に床上浸水などを経験された地域の皆様方を中心に、毎年不安な気持ちでいっぱい。たまたま平成16年から今まで、今は平成29年ですから13年間はたまたま雨が降らなかったので──平成25年にちょっと何かあったようでございますが、こういった水害は発生しておりませんけれども、地元では大変な問題になっております。  ここで質問でございますが、このポンプ場の管理及びポンプの設置更新をどういうふうに考えておられるのか、伍嶋農林水産部長にお聞かせをいただきたいと思っております。 125 伍嶋農林水産部長 久郷排水機場は、洪水時に田島川及び祖母川の流域におけます農地等からの排水を井田川に排除することを目的としまして、昭和58年に県営かんがい排水事業により造成をされたものでありまして、婦中土地改良区が操作管理を行ってきております。  この間、今も委員から御紹介がありましたけれども、田島川流域等では、平成16年10月の台風豪雨によりまして、井田川の水位上昇によります浸水被害が発生をしております。  このため、県では河道の拡幅やしゅんせつ等の浸水被害対策を行ってきておりますけれども、さらなる被害防止策を検討するための勉強会におきまして、井田川合流点の田島川の水門をこれまでより早く閉鎖することが田島川の水位上昇を抑えて、浸水被害の軽減につながるのではないかという提案を受けたところであります。  このため、土地改良区との間で、現段階におきましては国交省による水門閉鎖等の見直しと連携して、河川の内水位が操作規定で定めた一定水準に達した時点でポンプを稼働することが被害防止に効果的であるといったことを改めて確認させていただきまして、今後関係機関と連携しながら、水門の運用方法や関連情報の共有のあり方などを含め、効果の検証に協力をしていくこととしております。  また、久郷排水機場は、土地改良区におきまして施設の稼働点検、これは年に1回やっていますし、あと電気系統の点検に加えまして、これまでもポンプの更新でありますとか、あるいは建屋の補修を行いながら、適切に管理をしております。  しかしながら、造成後30年以上経過していることもありますので、県としては今後、機能診断を行った上で、設備の更新を含め適切な維持管理のあり方について、土地改良区と協議を進めてまいります。 126 藤田委員 ありがとうございます。ぜひ早く点検をやっていただく。そして結論的に申し上げますと、能力不足と判断されればすぐにポンプを取りかえるような更新計画を作成されたい。それと能力はしっかりある。あなたたち、心配しられんなということであれば、しっかりと地元にそのことを伝えてほしい。  この問題は、いろいろ私なりに調べさせてもらったら、やはりコミュニケーション不足といいますか、平成16年から今もはや13年たってしまっているのです。この問題が、今まだ続いているということは、その当時、一生懸命市は調整池をつくったり、有沢地内に排水ポンプ場をつくったりして、見た感じ大変いいものになっているのです。ところが実際、平成25年にちょっと水がついたということですので、やはり十分機能していないのかなという気もします。要は地元とコミュニケーションをして、そういう誤解のないようにすれば丸くおさまる話が、十何年も続くことは、本当に不思議な話でしようがありません。どうかよろしくお願いしたいと思います。  時間もなくなりました。私も初めてでございますので、どういった形で質問すればいいかということで、時間もよくわかっておりませんが、次に富山県のイメージアップについて、触れさせていただきたいと思っております。質問は長くしません。短くさせてください。  結論的に申し上げますと、今までも各議員が取り上げておられますが、富山県の駅伝はいつも後ろあたりを走っていて、やっと最後にゴールする。私は富山を愛する、大好きな富山の男でございますから、2時間しっかりと見ているわけですね。そうしたら、ひょっとしたら出てくるのではないか。10人ぐらい追い越しているのではないかということを常に見ながら、ゴールまで行って、最後、ああこれは弱ったなあという感じで見ているわけです。  そこで、チームの現状を今後どのようにしていけばいいか。先般、知事が大体20位台ぐらいを目指せと言われたのですが、それはそれでいいのですが、口だけではなかなかやはり20位にはなれませんので、今後、どういう方向で取り組んでいかれるのか、山本総合政策局長にお聞かせいただきます。 127 山本総合政策局長 県では、平成13年度からテレビで全国放映され、県民の注目度や関心が高い駅伝につきましては、高校野球や高校サッカーとともに重点強化種目に選定しまして、スポーツ医科学に基づく一貫した体力トレーニング体制の構築でありますとか、全国レベルの指導者を招聘しての指導者、選手育成講習会の開催、強化合宿や遠征など、強化活動を支援してまいったところでございます。  しかし、委員御指摘のとおり、中学、高校、大学、一般の各年代層が走られます都道府県対抗駅伝につきましては、残念ながら、ここ数年結果が出ておりません。特にここ最近5年間を見ますと、男子も女子いずれも5年のうち4年間は40位台という残念な結果になっております。低迷の要因としましては、社会人が活動する実業団が県内にないことでありますとか、指導者の高齢化によりまして、指導者がやはり少ないとか、あと選手層が薄い等々のことが考えられるということでございます。  駅伝の競技力向上につきましては、長期的スパンでの強化と、一般、大学生の選手層を厚くすることが必要でございまして、将来を見据えまして長期計画で中学生、高校生の一貫指導体制を推進することでジュニアの選手層を厚くしまして、いずれは高校卒業後も実業団や大学で活躍できる選手を輩出できるよう、今後も継続して強化活動を支援していきたいと考えております。  さらに、医科学的サポートの充実でありますとか、スーパートレーナーを現場へ派遣、選手の特性に応じた指導助言、大学駅伝競合チームを招聘しての合同練習等々によりまして、新たな強化策を推進したいと思っているところでございます。  また、競技団体におきましては、委員御承知だと思いますけれども、ふるさと選手を活用できる所属チームや大学への協力を依頼するとともに、県内で社会人の選手が活動できる就職先の確保など、環境の整備に取り組んでいるところでございまして、今後とも関係団体と連携協力して、選手の育成強化に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 128 藤田委員 これで質問を終わります。ありがとうございました。 129 武田副委員長 藤田委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午後3時02分休憩                     午後3時11分開議        五十嵐務委員の質疑及び答弁 130 宮本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  五十嵐委員。あなたの持ち時間は60分であります。 131 五十嵐委員 予算特別委員会も最終バッターになりました。  この予算特別委員会、随分久しぶりであります。平成27年の改選後、副議長に就任して、予算特別委員会、一般質問はありませんでした。昨年の3月で副議長をやめた後に6月議会では一般質問を行いましたが、御存じの事情のとおり、再び質問を封じられまして、振り返ってみると、予算特別委員会での質問は、平成26年の12月以来、2年半ぶりの質問であります。大変緊張をしておりますので、知事を初め当局の皆さんには、温かい前向きな御答弁をお願いしたいと思っております。  きょうの質問は、先ほどの藤田委員の質問とも重複するところがありますが、子育て支援から小中学校、高校、大学と子供を取り巻く当面する課題について、質問をしていきたいと思っております。  最初の質問は、子育て支援施策についてであります。  子育て支援策について、いろいろ県では施策を行ってきております。昭和48年から母子保健対策として、乳児の医療費助成が始まり、平成7年には幼児の入院、平成12年からは通院の助成が少子化対策の一環として始まりました。県単医療費の助成制度については、知事が就任後、財源不足があり、この医療費の見直しを議論されたのが、結構私としては思い出深い議論でありました。そういった中で、知事の最終決断もあり、県単医療費が現状のまま維持されたわけであります。そして、今日まで至ってまいりました。  また、保育料については、平成6年度に保育所に入所する第3子以降のゼロから2歳児を対象に事業が始まり、その後拡大を行い、平成27年度から、所得制限はあるものの5歳児まで拡大し、無料化いたしました。現在の利用状況を厚生部長にお尋ねいたします。 132 蔵堀厚生部長 本県の乳幼児医療費助成制度でございますけれども、入院は未就学児まで、通院は3歳児までを対象といたしております。これは、この年齢のところが一番病気にかかりやすく、また医療費も高額になるということで、こういった対象としているところでございます。  平成28年度の実績では、受給資格を有している人数については、乳児が7,671人、幼児は通院の対象となります1歳から3歳までが2万1,880人、入院の対象となります1歳から小学校就学に達するまでの幼児が4万4,134人でございました。  また、実際に利用されて、県から市町村に補助した額でございますけれども、乳児の分が約1億6,000万円、幼児の分については通院が約1億5,300万円、入院については約4,700万円でございます。乳児分と幼児分全部を合わせますと、約3億6,100万円でございます。これを前年度と比較いたしますと、約440万円の減少ということになっております。  また、第3子以降の保育料の原則無料化でございますけれども、子育て支援・少子化対策県民会議のもとに設置した検討部会で御議論いただいた上で、子育て支援・少子化対策ミーティングのほうでも御意見をいただき、平成27年度から実施をいたしております。保育所等における軽減制度の対象児童数でございますが、導入前の平成26年度では1,533人、これが導入後の平成27年度では2,909人でございます。平成28年度は2,270人となっておりますけれども、減少しておりますのは、国において年収約360万円未満世帯の第3子以降を無料化したということでございます。その対象者が約600人程度いらっしゃるので2,270人と、県の補助制度の対象児童数は減少いたしております。  補助金額でございますが、平成26年度は9,100万円程度、平成27年度が2億8,100万円、平成28年度では2億5,700万円となっているところでございます。 133 五十嵐委員 今ほど厚生部長から説明がありましたように、医療費もそして保育料も、それ相当の金額を助成して、この少子化対策に取り組んでいると理解いたします。  そういった中で、県単医療費の維持をする中で、所得制限を設けた分の財源を利用して、子育て応援券事業が始まったと思っております。平成20年の10月から始まりましたが、9月議会の前に関係団体の皆さんとともに知事のところへお伺いして、この子育て応援事業を始めようじゃないかということを要請させていただいた1人であります。対象も、その後予防接種に拡大するとか、いろいろな拡充を図ってきております。これまでの利用状況をどう評価しているのか、厚生部長にお尋ねいたします。 134 蔵堀厚生部長 子育て応援券事業、今ほど委員からも御指摘ございましたが、乳幼児医療費助成制度に導入いたしました所得制限により生じた財源を活用して行っているものでございます。昨年度末までに市町村を通じて配布された応援券でございますが、約7万5,300人分ございます。金額にしますと約9億7,400万円となっておりまして、そのうち有効期間が満了した応援券につきましては、80%を超える高い利用率で推移しております。  昨年度利用されたサービスのうち、予防接種の割合が最も高くなっておりまして、利用人数ベースでいきますと、約50%が予防接種に使われております。次いで読み聞かせ絵本の購入ですとか、母乳相談の順となっておりまして、保健分野、保育、育児支援分野、いずれの分野においても幅広く利用をされております。  応援券の配布対象者数に対しまして、平成27年度に行ったアンケート調査では、利用された86.3%の方から満足しているとの回答がございました。その理由としては、任意の予防接種が高額なので経済的に助かった。あるいは兄弟姉妹にも使えてよかったなどの声が多く、高い評価をいただいているところでございます。  県としては、これまでもアンケート調査や県民の皆さんの御意見などを踏まえまして、有効期間の延長、対象サービスの拡大などを行ってきたところでございますが、今後もサービス内容の充実や利用促進に努めてまいりたいと考えております。 135 五十嵐委員 今ほどの答弁にもございましたが、利用内容は常に予防接種が一番でありまして、また乳児健診、母乳相談等も使われておりますが、最近は、読み聞かせ絵本に使われているようになっているということですね。この子育て応援券が子育てするお母さん方にとって使いやすいツールなのかなと思うわけであります。  それで、これまでの厚生部長の答弁でも述べられましたが、県では、特に病気にかかりやすく、経済的な負担も大きい乳児医療費に対する助成や、適切な受診を促し、健康についての自覚や予防意識を高めてもらう必要のある幼児の医療費に対して助成してきたところであります。  この乳幼児医療費助成については、県が基礎的な部分について支援し、市町村はそれぞれの地域の実情に応じて幼児医療費の助成を拡充してきた結果、現在では全市町村で入院、通院とも中学3年生まで助成対象となっており、充実したものとなってきていると理解しております。  また、本県では第3子以降の子供の出生率が相対的に低い状況であることから、また県民が理想とする子供の数と実際に欲しい数に差があることから、平成27年度から市町村と連携して第3子以降の保育料を原則無料化という大幅な拡充を行ったところであります。さらに、先ほど質問もありましたが、子育て応援券も多くの子育て家庭の皆さんに利用され、喜ばれております。  これらの政策は、県と市町村が連携して取り組んだ結果、相応の成果を上げてきたと理解しているところであります。ただ今後は、特にひとり親世帯や所得の少ない世帯など、より経済的支援が必要な世帯に支援を拡充していくことで、希望する人が安心して子供を持ち、そして育てることができるようになることが重要と考えます。  希望出生率1.9の達成に向けた取り組みは、長期的な展望に立って行う必要があることから、これまでの子育て支援策を継続することに加えて、さらなる拡充が必要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、石井知事にお伺いいたします。 136 石井知事 県としましては、子育て支援、少子化対策につきまして、これまでも仕事と子育ての両立支援ですとか、子育て支援の機運の醸成など、幅広く関連施策を進めてまいりました。  特に、経済的負担の軽減につきましては、お話しに出ましたけれども、乳幼児医療費助成に加えまして、第3子以降保育料の原則無料化や子育て応援券の配布等に取り組んでまいりましたが、こうしたことの結果、合計特殊出生率はちょうど10年ほど前、私が知事に就任させていただいて2年目ぐらいだったと思うのですが、1.34と低い時期もございまして、少々ショックを受けたのですけれども、先日公表された平成28年の調査結果となりますと1.50となりまして、その前の年は1.51で、これが21年ぶりに1.5台になったのですけれども、何とか1.5台を維持しておりまして、全国順位も昨年の28位から26位まで上がってきているということであります。  また、委員御指摘のとおり、特にひとり親家庭や所得の少ない世帯など、より経済的な支援が必要な世帯に重点的に支援を拡充していくことで、希望する人が安心して子供を持ち、そして育てることができるようになることも重要であると考えております。そこで、これまでもひとり親家庭医療費助成制度や、また低所得世帯の第2子保育料に対する支援なども取り組んではおるわけでございます。
     さらに、本年度、子育て家庭について改めて意識調査を行いまして、その結果を踏まえて、子育て支援・少子化対策県民会議などで幅広い県民の皆さんの御意見も伺いまして、子育て支援施策の充実を検討することとしておりまして、まだまだ頭の体操みたいな面もありますが、例えば委員御提案のひとり親や低所得世帯に対する保育料助成の拡充を図るとか、病児・病後児保育の利用に対する支援の拡充について検討するとか、あるいは産後ケア対策の充実、あるいは女性活躍、働き方改革の推進とか、イクボス企業の普及、あるいは企業子宝率の普及とあわせて、仕事と子育ての両立の支援方策、そのことによって出生率も上がっていくことにならないか、検討の対象課題として進めたいと思います。  これは、何とか地方創生、とやま未来創生のためにも、希望の出生率、県民の皆さんの御希望の出生率が1.9ですから、まずはこの実現に向けて今後どのような政策を充実していったらいいのか、これは県議会を初め多くの県民の皆さん、もちろん市町村とも相談しながらしっかりと検討してまいります。 137 五十嵐委員 本年度、ニーズの調査を行って、具体的検討に入りたいということでありますから、検討に時間をかけるのではなくて、やはり平成30年度、来年度予算編成に間に合うように、前向きな検討をお願いしたいと思っております。  そこで、こども保険が今、中央で大変議論されております。子育ての責任を負うのは家庭か社会か。少子高齢化社会への対応策として、こども保険の構想が注目されております。提唱したのが人気の小泉進次郎氏が中心メンバーの委員会だったかもしれませんが、労使が支払う厚生年金保険料の率をそれぞれ0.1%引き上げ、国民年金の加入者から月160円を追加徴収すれば、年間3,400億円の財源が生まれ、児童手当を子供1人当たり月5,000円加算できるとしているわけであります。将来的には、保険料をさらに引き上げて、月2万5,000円の児童手当加算となり、保育、幼児教育の実質無償化が可能としているわけであります。  幼児教育や子育ては子供のいない世帯に関係なく、保険にふさわしくないと指摘する人もいるわけであります。こども保険構想をどのように評価しているのか、知事の所見をお伺いいたします。 138 石井知事 日本の未来を担う子供の成長を支援するために、質の高い幼児教育や保育を地域のニーズに応じて総合的に提供する。そういう意味で、子育て支援策は大変重要と思っておりますし、そのための財源確保も喫緊の課題であります。  そうした中で、今ほど御紹介がありました社会保険料を財源に幼児教育や保育を実質無償化するこども保険が、自由民主党の2020年以降の経済財政構想小委員会により提唱されたところでございます。  子供さんが必要な保育、教育を受けられないリスクを社会全体で支えるというこども保険の趣旨はもちろん理解できますし、意欲的な御提案だと受けとめております。  一方で、今後具体的な制度設計に際しましては、現役世代や企業に負担を求める一方で、受益者は未就学児を持つ世帯となりますので、税なり保険の関係でいう受益と負担の関係が必ずしも明確になっていないのではないかという御意見などもございますので、こういった点をどう整理するか、またこども保険の導入に合わせて実施されます医療や介護の給付改革について、御高齢の方々の理解や協力をどのようにして得ていくのかなど、課題もあるのではないかと思います。  政府においては、去る6月9日に閣議決定された骨太の方針のもとで、幼児教育、保育の早期無償化や待機児童の解消に向けて、財政の効率化、税、新たな社会保険方式の活用を含め、安定的な財源確保の進め方を検討し、年内に結論を得るとされております。この新しい社会保険方式によって財源を確保して、こども保険を進めるといったことが念頭におありなのだろうと考えております。  今後、政府において議論がなされていくと考えていますけれども、地方負担分も含めて、子育て支援策について安定的な財源を確保することは大切な問題でございますから、県としては、全国知事会等と連携しながら、今後の国の動向等を注視してまいると同時に、引き続き、少子化対策は大切でございますから、国にもしっかり働きかけてまいりたいと思います。 139 五十嵐委員 今ほどの知事の答弁にもありましたが、財源の議論は別として、いわゆることしの骨太の方針で幼児教育や保育の無償化が盛り込まれたことで、幼児保育・教育については、今後、国の責任で無償化の方向が示されたと言えるのであろうと思います。  そうなれば、国は保育料無償化、未就学児、そして県は医療費を中心として子育てを支援するとか、また市町村の基礎自治体は、その県の施策に対する上積み、または地域の実情にあった施策を実施することによってその地域の特色を出していく。そんなことが人口増につながるのかなと思うわけであります。  今後、子育て支援について、国、県、市町村がきちんと役割分担して施策を展開することが必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 140 石井知事 全くおっしゃるとおりだと思います。平成27年度にスタートしました国の子ども・子育て支援新制度を規定しています法令等では、新制度の実施主体とされた市町村は、子ども・子育て支援事業計画の策定や放課後児童クラブ等の運営基準の条例化、保育施設等への給付や利用調整、延長保育や病児保育などを行うことと位置づけられておりまして、その役割は従来より大きくなっております。  また、これらの法令等において、国の役割は、制度全体の設計や新制度が適正かつ円滑に行われますように、財源の確保や基本指針の策定など、制度の根幹に関する必要な措置を講じなければならないとされております。  さらに、都道府県の役割としては、教育あるいは認定こども園、幼稚園、保育所などの認可等のほかに、市町村の業務が適正かつ円滑に行われますように、市町村に必要な助言や適切な援助を行う。特に、専門性の高い施策や各市町村の区域を越える広域的な対応が必要な施策を講じるとされております。  こんなふうに子ども・子育て支援新制度は、実施主体である市町村を国と県が重層的に支える制度になっております。こうした役割分担のもとで、県では専門性が高く広域的な対応が必要な児童虐待対応など要保護児童対策ですとか、保育士等の人材確保や資質向上の研修の実施などに加えまして、県全域を対象に基盤的な支援として、先ほど御答弁申し上げた乳幼児医療費や病児・病後児保育や放課後児童クラブの利用に対する支援、また本県独自の子育て応援券事業の実施、また既に全国トップクラスになっております不妊治療費助成や不育症の治療費助成、さらには働きやすい職場環境の整備について定めます一般事業主行動計画の義務づけ対象の拡大などの仕事と子育てを両立しやすい環境づくりを進めまして、県民の皆さんの子育て環境を支援する。これまでもやってきましたが、これからもしっかり取り組まなければいかんと思います。  今後も、希望出生率1.9実現に向けまして、子育て環境のさらなる充実に向けて、1つには何といっても制度の根幹は国ですので、国に対してより効果的な制度の創設や改善、また財源確保などについて全国知事会とも引き続き連携して要望するとともに、市町村と連携を図りまして、また県議会の御意見も十分承って、県内の子育て支援が進みますようにしっかりと取り組んでまいります。 141 五十嵐委員 我々も、やはり子育てがしやすい富山県ということを全国に知らしめるために頑張っていきたいなと思っております。  次に、小中学校における問題について、何点かを質問いたします。  先日の代表質問や一般質問でも質疑がありましたが、教員の勤務状況が年々厳しくなってきております。子供と向き合える時間、授業のための準備などに専念できるような環境整備が必要であります。  そういった中で、教員の負担が増えるのではないかと心配されるのが、小学校の英語の教科化であります。2020年度に実施される次期学習指導要領で小学校の英語が教科になります。文部科学省では、来年度から2カ年間を移行期間と定め、授業時間確保のため、総合的な学習の時間の一部を英語に振りかえる措置を容認することを決めたと報道がありました。教員の多忙化もあり、授業時間を増やせないと判断したものだろうと思います。  まず、この総合的な学習の時間の評価について、教育長にお伺いいたします。 142 渋谷教育長 総合的な学習の時間は、子供たちが変化の激しい社会の中で対応していけますように、みずから課題を見つけ、学び、考え、解決する力を育むことを目的としたものであります。  総合的な学習の時間では、ふるさと学習や環境などの横断的、総合的な課題を中心に学習を行っておりまして、例えば地域の宝物という視点から富岩運河、ライトレール、中島の獅子舞などについて調べたり、地域のお年寄りの方々からお話を伺いながら、それらの歴史について学んでおります。また地域の方々の指導を受けながらイタセンパラを飼育する中で、より適切な飼育方法などについて考え、実行することで、環境と自分の生活とのかかわりを学んでおります。  子供たちからは、今まで気づかなかった地域のよさを知ることができた。地域の方々と一緒にイタセンパラを守るために活動することができたなどの声が寄せられておりますし、各学校からは、総合的な学習の時間の活動を通して、子供たちに主体的に学ぼうとする意欲が高まっていると聞いております。  こうしたことから、子供たちの課題を発見し、解決する力の育成が着実に進んでいるのではないかと考えておりますし、また次期学習指導要領におきましても、アクティブ・ラーニングが大きく取り上げられておりますので、総合的な学習の時間は大切な授業であると考えております。 143 五十嵐委員 教育長には、私の地元の奥田北小学校の総合的な学習の時間を利用した研究成果を御紹介もいただきまして、ありがとうございます。あのときつくったチラシは、新幹線開業前に東京の有楽町のアンテナショップで配布させていただきました。子供たちが大変思い出に残る結果になりましたことも本当に感謝しております。  そこで、文部科学省が年70こまある総合的な学習の時間を充てられるように、学校教育法施行規則を改正することにしておりますが、時間割の運用は各学校に任されております。総合的な学習の時間を変更せずに、夏休みや土曜日、朝の学習を英語に充てることも、実質的には可能なのだろうと思います。  県の教育委員会として、この英語の教科化に対してどのように取り組んでいくのか、お尋ねしたいと思います。 144 渋谷教育長 平成32年度から小学校5、6年生で英語が教科化されますが、これに伴いまして授業時数が年間で35こま、1こま45分になりますけれども、この35こま増加いたします。この授業時数への対応につきましては、文部科学省から長期休業期間、これは夏休みなどでありますけれども、この長期休業期間の調整や土曜授業の実施、1回15分程度の短時間授業を、朝の学習の時間などを活用して週3回実施するなどの方策が示されております。  なお、総合的な学習の時間を外国語の活動に振りかえることを可能とすることにつきましては移行期間の措置でありまして、英語の教科化に対して措置されるかは現在示されてはおりません。  時間割につきましては、これらの方策を参考にして、各学校が児童や学校、地域の実態に応じて対応することとされております。このため現在、市町村教育委員会におきましては、校長会と連携しながら検討委員会を立ち上げ、時間割を初め小学校における効果的な英語教育のあり方について検討が進められております。  県教育委員会としましては、今後とも授業時数の確保について効果的な実践例を収集しまして情報を提供いたしますとともに、市町村教育委員会や県小学校長会からの相談に丁寧に対応しながら、英語の教科化が各学校で円滑に、そして効果的に実施されますよう支援に努めてまいります。 145 五十嵐委員 英語の教科化がしっかりと定着することも必要でもありますし、また総合的な学習の時間も子供たちの成長にとって大変意義ある時間であったと思っております。その兼ね合いは大変難しいのでありましょうが、現場の先生方と相談しながら、何かいい方法を見出していただければと思います。  次に、栄養教諭についてお尋ねいたします。栄養教諭は、児童生徒への食に関する指導、家庭、地域と連携した食育、地産地消活動の推進、学校給食の管理などの活動を通じて、児童生徒の健やかな成長のために重要な役割を果たしております。制度創設の翌年、平成18年度に1名、県内でも配置。その後、昨年度まで年々採用があり、今32人になっております。  しかし、給食管理や衛生管理など、給食運営に関する事柄を行う学校栄養職員と合計した人数に対する栄養教諭配置の割合は、これは県栄養教諭・栄養職員研究会の調べではありますけれども、普通小中学校以外に特別支援学校の配置部、あるいは市町村が採用している栄養職員も含めてのものでありますが、昨年度は富山県が30.8%、下から7番目と残念な結果であります。トップの鹿児島県は97.8%、隣県では石川県の58.4%、福井県の46.7%と大変開きがあります。また現在、各市町村に配置はされておりますが、富山市では5人、高岡市が3人と、学校数に対して栄養教諭の配置が少なく、食育を受けられる学校とそうでない学校に差が出ているのが現状であります。  ことしは採用がゼロでありましたが、今後計画的に増員すべきと考えますが、教育長の所見をお伺いいたします。 146 渋谷教育長 本県の栄養教諭につきましては、平成25年度から4年連続で増員しまして、現在県内全市町村に32名配置しております。  御指摘のとおり、石川の68名、福井の47名と比較しましたら少ない状況にございますけれども、栄養教諭と連携して食の指導を行う学校栄養職員と合わせますと81名で、石川の96名、福井の70名と比較しますと同程度の人数となっております。  各学校では、栄養教諭と学校栄養職員が連携協力しまして、学校給食の管理や食に関する指導計画の作成、望ましい食事のあり方についての指導、地場産食材の活用などに関する親子料理教室の開催など、積極的に食育を推進しております。また教職員が市町村に配置された栄養教諭と連携協力しながら、食に関する指導教材の開発や地場産物の積極的な活用、家庭への望ましい食習慣の啓発など、教育活動全体を通して食育に取り組んでおりまして、朝食欠食率の低下など、その成果があらわれてきております。  県教育委員会としましては、標準法の配置基準にのっとりまして、栄養教諭と学校栄養職員を配置しているところでありますが、市町村の意向も伺いながら、学校教育全体を通じた食に関する指導の充実の方策について、学校へ栄養教諭の配置の必要性も含めて検討してまいります。 147 五十嵐委員 数字はそれぞれの捉え方によって若干違うわけでありますが、教育長のおっしゃる県教委の見解でいえば、石川、福井と相違ないということでありますが、しかし全国レベルと比べるとまだまだ低位であります。また平成28年度の任用試験のときに、栄養職員から栄養教諭への任用試験があります。そのときに4人が合格しておりながら、去年は2人だけの採用であって、残りの2人は今年度採用されると思っていたわけであります。そのへんのことも含めて、今後計画的に増員していただきたいと思います。  次に、高校再編についてお伺いしたいと思います。代表質問を初め、一般質問、予算特別委員会、大変多くの議員が質問されました。今議会で一番議論を呼んでいるところかなと思います。  これまでの議論は、どちらかというと慎重派の方の質問が多かったのかなと思います。我々、地域で企業の方とか、また学校関係者と話していると、県議会は皆さん反対なのかということもお聞きしている現状であります。  そういった中で、私は、高校再編は子供たちの将来を考えれば、やはり決断すべきときには決断して、子供がしっかりと学べる環境をつくっていく。そんなことに取り組んでいかなければいけないと思っている1人であります。議会の中ではまだまだ少数派かもしれないと思っております。  ただ、これまでの総合教育会議等で述べられた慎重派の皆さんの意見は、高校は地域のアイデンティティーの1つであって、町から高校がなくなれば、地域の子供たち、住民にとって大変不幸なことである。地域の活性化が図られるような配慮が必要であり、1市町1高校を保持してもらいたい。地域に進学の選択肢がない状況は、子供を産み育てる気持ちに歯止めをかけ、少子化に拍車をかける可能性があるという意見が述べられているのも事実だと理解しております。  しかし、地域の活性化というのは、高校とはまた別の話であると私は思っております。あくまで教育ということを考えて進めていただきたい。高校は地域の文化、歴史をつくる場所ではありますが、それ以上に、高校生の未来をつくるための場所であることが存在の意義であろうと思っております。高校再編は子供ファーストで考えていくべきであり、高校生の教育環境をどのように整備、充実させていくかが大事であろうと思っております。  教育委員会の作成した資料によれば、中学校卒業生の進学先割合を見ると、朝日町では地元高校へ20%、入善町は28%、黒部市26%などと地元高校進学は四、五人に1人であるのが現状であります。それを新川地域という面的に見ると、私立学校なども含めると約8割が新川学区の高校に進学している実態であります。  総合教育会議での発言を見ても、地理的に見た場合、富山県は小規模校を残さなければ高校教育の機会を提供できない地域が相対的に少ない。この地理的条件を生かして、高校教育の質を向上させる施策を打つべきであると、お茶の水女子大学の耳塚教授が述べておられます。  また、新川地区、学区と位置づけられております立山町は6割、上市町は4割強が富山地区の学校へ。西部地区でも小矢部、砺波市では3割以上が高岡市の学校へ進学するなど、学区単位でさまざまなタイプの高校を整備するだけでは対応できないことも考えられるのではないかと。現在の学区制でいいのかということも感じております。  私の周りで経験したことであれば、例えば中学校から野球をやっていって、甲子園へ行きたいという子供たちが県の東部のほうから星稜、遊学館等へ行って、甲子園出場を果たした子供たちもおりました。また県内の進学でも、私の近くの北部地区の中学生がリトルリーグ時代の仲間と一緒に高商へ行って野球をやりたい。そして甲子園へ行きたいということで、実現をした生徒もおります。また私の友達の娘さんは、バスケットボールをやるために富山から高岡地区の高校へ通っております。また私はソフトボール協会の副会長をしておりますが、ソフトボールを中学校からやっていて、そしてまだまだ続けたいということで滑川高校へ、滑川高校は強いですから、進学したという例もあります。また普通科に限って言っても、普通科でどこを選ぶかはやはり偏差値と、そういうことによって自分が選ぶところを家族とともに相談して決めているのが現状かと思います。  私が富山高校に入ったとき、私の隣の席が入善から進学してきた友達でありました。富山高校のすぐ近くに下宿を借りて生活しておりました。あまりにも学校に近くて、仲間のたまり場となって、本人にとってあまり勉強にならなかったのかなと思いますが、友達がたくさんできたというのも事実であります。また家庭環境でいえば、私の親が旧制富山中学だった関係で、私たち子供は小さいころから富山高校へ行けと言われて、兄弟3人が富山高校へ進学しました。私の中学校は駅北でありますから、みんな中部高校へ行くのが多くて、富山高校へ行くのはその半分ぐらいであります。そういった中で、やはり本人の意思、家族の思い、そんなことで普通科であっても、進学先の学校を決めるのであろうなと思います。  そんな中で、やはり高校というのは、単に地域にこだわるよりも、子供たちの将来をしっかりと思い描いてあげて、そして選択肢を広げてあげる。そんなことが大事かと思っております。ただ立山町、上市町あるいは西の小矢部とか砺波は、やはり公共交通の便も影響しているのかなと思います。そういった意味で、これから高校を再編するときには、単に学区にこだわるのではなく、もう少し広い面的な考えの中で特色ある学校をつくって、選択肢をつくっていく。そのことが大事かなと思います。  これまでの議論を踏まえ、石井知事にこれからの高校再編にどのように取り組むのか、お尋ねしたいと思います。 148 石井知事 高校再編につきましては、これまで最初の県立学校整備のあり方に関する検討委員会で、スタート時から考えると3年ほど議論していることになるのですけれども、先月開催した総合教育会議におきまして、総合教育会議の議論としては1年ちょっとでありますけれどもいろいろ御議論をいただいたので、これまでいただいた御意見、市町村や経済界の有識者の方々の論点を整理して、検討協議、補足資料を踏まえながら行いました。  教育委員会からは、過去3年の中学校卒業生の進路先なども見ながら、中学生の方は、今ほどの委員からもまさにそのとおりという御指摘はありましたけれども、地元にこだわらずに広い範囲の中から進みたい高校を選んでいらっしゃる。これからも各学区、今の話も各学区にこだわらないでもいいのではないかというお話もありましたけれども、中学生に幅広い選択肢を用意してあげることが大切と思います。現状でも、地元の高校に進学していらっしゃる割合は、新川地区ではいずれの市町でも3割以下でありますし、またある町では2割ほどになっております。また高岡、砺波地区でも、いずれの市でも地元の高校に行っていらっしゃる方は半分以下になっております。  再編を行わないままにいきますと、今後中学校卒業予定者数がどんどん減っていくということもありますので、中学生の皆さんに多様な選択肢を用意してあげることができなくなる。そこで再編を進める必要があって、その対象は部活動や学習活動に制約のある小規模校とならざるを得ないということであります。  今のままですと、現在の小学校1年生が高校に入学する平成38年度には、富山地区以外の地区では全ての学校が4学級以下となります。また平成43年度になると、今1歳の子が高校に入る年ですけれども、砺波と新川では全ての学校が3学級以下になる。高岡では半数以上が3学級の学校になるということでございます。  そうした教育委員会からの報告もありまして、私からは高校再編は大変重要なテーマですから、例えば地方創生の観点からの議論もありますけれども、地方創生といっても本当にそれは単に市町村単位で考えるのか、もう少し大きなエリアで考えるのか、いろいろな議論があるわけで、しっかり整理してほしいと。また教育委員会として、再編によってどのような姿、選択肢を中学生諸君に用意してあげたいのかを示すこと。これは必ずしも具体的な高校名を挙げるという趣旨でありませんがそういったこと。また確かによその県に参りますと、小規模校で頑張っていらっしゃる、それを存続させているケースもあるのですけれども、その理由はどういうところにあるのか。今、交通事情というお話がありましたが、県によっては、その高校がなくなると、最も近くの高校へ行くのでも1時間以上かかってしまう。我が富山県でそういう状況は全くないわけですから、そういったこともよく考えてみなければいけない。  総合教育会議では、これらの資料も踏まえまして、さらに議論を深めていくことにしておりますが、その過程で教育委員会において議論の概要を各学区で説明して御意見、御要望を伺うなど、幅広い県民の御意見を承って御理解いただきながら、検討協議を進めていくことにしております。  その上で、再編の基本方針が定まれば、次の段階として再編の対象校や実施時期など具体的な再編計画を策定していくことになるものと考えております。その際には、委員御指摘の公共交通機関の利便性などについても十分留意する必要があると思っております。  平成30年からの生徒数の減少、平成32年からはさらに急減するということを踏まえますと、丁寧に議論しなければいけないことは事実です。実際、そうしているつもりですが、かといっていつまでも議論ばかりして、方向が出ないというわけにはまいらないのでありまして、できるだけ多くの皆さんの御理解がいただけるように、十分論議を積み重ねていく必要があると思っております。  総合教育会議の検討協議に当たっては、何度も申しておりますが、高校生にとってどういう教育を受けることがその後の人生にとってよいのか。そのために県立高校は将来を見据えてどのような姿が望ましいのかという高等教育の充実の観点を基本としまして、それに加えて、地方創生の観点や地域の特性、住民の声にも十分考慮、勘案して、県議会の御議論や幅広い県民の意見を承りながら、今後も適切かつ丁寧に進めてまいります。  今ほど委員から、本当に身にしみる大変いいお話をいただきました。私も高校時代を振り返りますと、私の場合は中部高校でしたけれども、入善や朝日からも来ていただいている生徒さんもいらっしゃいましたし、それから先ほど部活の例が出ましたが、そういう有力なスポーツ校に行きたいために、お隣の県へ行ってもらう方もいらっしゃったり。それから進学校という意味で、当時ちょっと首をひねったのですが、やはり隣の国立系の附属高校に行くという人もいたのですね。そこまでするのかなと不思議でしたが、今だんだんそういう人が少なくなってきまして、それは富山県にはやはりそういう進学したければ進学にふさわしい高校、また部活をやりたければ部活でしっかり頑張れる高校、いろいろな高校を用意しているからそういうことになるので気をつけないと、みんな3学級になると、それではそういう子たちはみんな県外へ行ってしまうことになる。  私は何とか、富山県内で子供たちが健やかに、また自分の人生設計に沿って一生懸命力を発揮できる。そういう機会を提供してあげたいと思っているわけでありまして、ぜひそういう思いで、これからも御理解いただけるように努力してまいります。 149 五十嵐委員 それでは、次に、大学の問題についてお尋ねしたいと思います。この4月に、県立大学看護学部のキャンパスの工事が始まりました。現在、看護を学べる大学は富山大学しかなく、毎年約70人が県外の看護系大学に進学しております。県立大学看護学部は定員120名で、現在の高校2年生が受験することになりますが、志望校の選定などの参考にするための入試情報を一日も早く公表することを望んでいるものであります。  そこで、富山県の進学希望者が、どの程度県立大の看護学部に進めるのか、大変気になるところであります。県内出身者の比率が減らないように、しっかりと県内推薦枠を設けていただきたいと思います。地元出身者の取り込みを図るべきと考えますが、厚生部長の所見をお伺いいたします。 150 蔵堀厚生部長 県立大学看護学部の県内の推薦枠の件でございますけれども、文部科学省の大学入学者選抜実施要項によりますと、推薦入試の募集人員は、入学定員の5割を超えない範囲において各大学で定めるとされております。  県立大学に新たに設置いたします看護学部における県内高校生の推薦枠の設定に当たりましては、一昨年の8月に富山県看護系高等教育機関整備検討委員会において、学生の県外流出の防止や質の保証も勘案して、現在の総合衛生学院の県内生枠である3割を基本に、他県の状況等も踏まえ設定するよう、報告書が取りまとめられているところでございます。  近県の看護系大学の県内生の推薦枠でございますけれども、大体35%から40%の間に設定をされております。また昨年の4月に立ち上げました富山県立大学看護学部設立準備委員会においては、入学定員の30%から50%の範囲内で、高校側の現状やほかの大学の状況も見ながら設定してはどうかという御意見をいただいております。過去5年間で毎年70名程度、県内の高校生が県外の看護大学に進学していることなども踏まえまして、看護職を志す学生ができるだけ県内に進学していただけるよう、設立準備委員会においてさらに御協議いただきたいと考えております。  県としては、新たに設置する県立大学の看護学部が県民の医療現場からの期待に応え、質の高い看護職員の養成、若者や女性の県内定着などを通じて、地方創生の一翼を担う魅力ある大学となるようしっかり準備を進めてまいります。 151 五十嵐委員 上限の50%を願っている方もあるかもしれませんが、最近はそこまで入れると、入学生の質の問題を指摘される声も聞いております。そういった意味で、ただ70人が県外に行くことも考えると、その7割、8割が富山に残ってくれる。そうすれば、入学定員の約4割が1つの目安かと思います。そのことも参考にお決めいただければと思います。  次に、最近の人口動態を見ると、東京圏の転入超過数が主に東京都を中心に拡大しております。しかも将来にわたって地域の経済を支える15歳から29歳までの若者が転入者の大半を占めており、昨年度の大学進学時の東京都への流入は約7万4,000人と突出しているのが現状です。このような状況のもと、これ以上の大学への進学をきっかけとして若者の東京一極集中に歯止めをかけるため、去年の日本海国土軸・環日本海交流推進大会において、東京23区における大学・学部の新増設の制限を大会決議に盛り込み、その後私も知事と一緒に陳情をしてまいりました。  その後の知事あるいは知事会の働きかけもあり、先月開かれた地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議で、東京23区内で大学の定員増を認めないとする中間報告が示されたところであります。都内の私立大学からは一斉に反対の声も上がるなどしており、現実的に大学本体の地方移転は時間もかかるし難しいのではないかと理解しております。  しかし、地方の大学と東京圏の大学の単位互換制度などの連携強化により国内留学を促進する制度や、3年間は首都圏で学び、4年目は地方に戻って地元就職を促すプログラムの創設など、富山県が提唱していることがこの中間報告に盛り込まれております。  今後、東京の大学の学生を地方に還流させることを狙いとして、本県が提案した内容の実現を目指してどのように取り組むのか、石井知事にお聞きいたします。 152 石井知事 昨年でしたか、日沿連として地方大学の振興等について政府や関係方面に働きかけをしたときには、委員にも大変御尽力いただいたこと、御礼申し上げたいと思います。  今ほどお話に出ました政府の有識者会議に、有識者というと面映ゆいのですけれども、私も自治体代表の委員として参画させていただきまして、せっかくそういう機会をいただきましたので、富山県の医薬品とかアルミとかデザインといった面での産学官連携の取り組みの実例を挙げながら、積極的な説明をさせていただきました。  具体的には、東京一極集中の是正に向けて東京23区への大学の学部、学科の新増設の抑制、また産学官連携によるモデル的なプロジェクトに対する新たな財政支援制度の創設の検討のほか、委員から御指摘ありましたように、東京の学生に地方での就業を意識づける観点から、地方の大学と東京圏の大学が単位互換制度等の連携強化によって、学生が相互に対流、還流する仕組みの構築ですとか、3年間は東京で学修して、4年次になると地方に戻って学修するプログラムの取り組みの推進、また東京圏の大学で構成する協議会をつくって地方の企業のニーズに応じてインターンシップを促進する全国的な仕組みの創設などについて提案させていただきました。  中間報告が出ましたけれども、こうした中間報告の内容は、去る6月9日に閣議決定されました、まち・ひと・しごと創生基本方針2017とか、また骨太の方針にも反映されておりまして、実効性のある国の施策として実現するように、いわゆる有識者会議をことしの12月まで継続する予定と伺っていますので、こうした場で引き続き議論を深めますとともに、全国知事会とも連携して、国に対して、政府・与党に対しても中間報告に盛り込まれた内容の実現を働きかけてまいります。  また、県としても、本県の中核的な産業である医薬品とかアルミ、デザイン関係分野における産業振興と専門人材の育成のための産学官連携の取り組みの一環としまして、東京圏の学生を対象とした東京圏では学修できない富山ならではの教育プログラムの提供や、また産学官のコンソーシアム、アルミやデザイン分野ではそういう芽が出てきておりますので、そうした面でのインターンシップの受け入れなども検討しております。  国では、全国各地の取り組みの中で産学官の連携で、お題目ではなくて本気で人材の育成や中核的産業の振興に取り組むプロジェクトについて、有識者の評価を経て認定して、そういうプロジェクトを重点的に支援するとされておりますので、この国の支援の対象となるように、大学、また経済界とともに努力してまいります。  実は、この国による制度化に対しては、やはり東京圏に既に立地している大学等を中心に、正直言うと、東京一極集中是正といっても行き過ぎではないかというような議論もありました。しかし、この15年ほどを見ますと、高校を卒業する学生さんは2割減っている。しかるに東京23区に集まっている学生さんは2割増えている。こんな構造でずんずんいくと、どんどん地方の大学がだめになる。地方の経済もだめになる。しかも東京に集まった人たちの出生率は全国で一番低い1.24と。こういうモデルを続けていくと、日本は滅びてしまう。何としても東京一極集中を是正して、そして地方の活性化を図る。その波に何としても富山県も乗せてもらおうという思いで頑張ってまいります。 153 五十嵐委員 富山県を初め全国の知事会では、地域の人材流出を防ぐために23区内の大学、学部の新増設抑制と地方移転促進を求め、政府側もこれに呼応としたと言えるのだろうと思います。ただ、その有識者会議でも、就職先が地元にあれば学生は戻る。学生に地方に来てもらっても、魅力的な就職先がなければ都会にまた出てしまうなど、定員規制にも懐疑的な意見も出ていたのも事実であります。  県内では、富山大学が来年4月に都市デザイン学部の新設。県立大学では、この春工学部としては全国初となる医薬品工学科の新設、来年には知能ロボット工学科を増設、また看護学部の開設など、富山大学、富山県立大学がいろいろと魅力を高める努力もしてきております。  地域の産業を育て、雇用をつくる。また地方の大学も行政や経済界と連携して、地場産業や地域資源を生かした研究や人材育成ということもあり、重要な課題でもあります。  県として、今後県内のこういった公立大学だけではなくて、私立大学も含めた連携を図り、県内大学全体としての魅力向上、情報発信に努め、県内大学への進学、県外からの学生誘致にどのように取り組むのか、知事にお尋ねいたします。 154 石井知事 県内大学では、委員から御紹介がありましたとおり、県立大学の医薬品工学科、知能ロボット工学科とかございますし、看護学部の開設、また富山大学でも都市デザイン学部の新設、それから国際大も子ども育成学部の設置など、それぞれ努力されております。  また、県立大学や富山大学の医学部における県内高校生を対象とした推薦入学枠の拡充や県立大、富山大あるいは国際大における県外における試験会場の設置など、県内学生の県内進学率の向上や県外学生の誘致にも努めております。  県内大学全体としても、大学コンソーシアム富山において単位互換科目の開講や、また県内の大学で学ぶ魅力を伝えるパンフレットの配布など、県内各大学の魅力向上や情報発信に連携して取り組んでおります。また学生の県内就職率を10ポイント上げようということで、COCプラス事業、これは富山大学を中心に採択されたわけですが、地域志向科目の開講や合同企業訪問によって各大学が連携して取り組んでおりまして、県としてもこの取り組みを大いに支援しております。  また、先ほど申し上げた医薬品、アルミ、デザイン関係分野での産学官連携の取り組みは、富山県の産業の振興と専門人材の育成だけではなくて、大学の魅力向上や情報発信力の強化に加えて、若い人たちの富山への移住、定住にもつながると思っております。現にこの数年、Uターン率が随分上がっておりますし、移住もかつて200人ぐらいだったのが565人と若い人の移住が増えております。  県としては、こうした取り組みを通じまして、地域産業を支える人材育成の拠点として、また国内外に発信する学術研究の拠点として、県内大学の魅力をさらに高めて、県内大学への進学、県外学生の誘致、それが富山県の少子化対策にもなるし、また社会増、昨年は11年ぶりに社会増になって、226人プラスになりました。さらにこれを加速していく。しっかり頑張ってまいります。 155 宮本委員長 五十嵐委員の質疑は以上で終了しました。  以上をもって本委員会の質疑は全部終了いたしました。  委員各位におかれましては、長時間御苦労さまでした。  終わりに本委員会の運営に終始御協力を賜りました議員各位、県当局、並びに報道関係の各位に対し深く敬意を表します。  これをもって平成29年6月定例会の予算特別委員会を閉会いたします。どうも御苦労さまでございました。                     午後4時13分閉会
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