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1. 富山県議会 2016-06-20
   平成28年厚生環境委員会 開催日: 2016-06-20

   
   取得元: 富山県議会公式サイト
   最終取得日: 2023-05-14
   ↓ 最初のヒットへ（全 0 ヒット） 1 　１　６月定例会付託案件の審査 　　(1)　質疑・応答 浅岡委員長　本定例会において本委員会に付託されました諸案件の審査に入ります。 　付託されております諸案件はお手元にお配りしてある議案付託表のとおりであります。 　これより付託案件についての質疑に入ります。 　質疑はありませんか。──ないようでありますので、質疑なしと認めます。 　　(2)　討　論 2 浅岡委員長　これより討論に入ります。 　討論はありませんか。 3 火爪委員　私は本委員会に付託されました議案第85号から第88号の全議案に反対をいたします。 　以下、理由を述べたいと思っています。 　議案85、86、87号は、いずれも安倍内閣、国の保育所確保緊急対策に応じて保育所、幼稚園、認定こども園のそれぞれにおいて保育士ないしは職員の専門士の配置基準を緩和しようとするものであります。 　資格要件を緩和する。１人は資格がなくてもいいとか、さまざまな緩和でありまして、到底許すことはできないと私は考えています。今、保育所確保のために緊急に必要なのは、１つは公立認可保育園の増設、もう１つは11万円と言われる一般職との賃金格差や正規雇用化を進めるなどの保育士の処遇改善の２つであると私は考えます。 　ところが安倍内閣は、保育所に落ちたのは私だという、ああいうブログなども契機にしまして、３月に慌てて児童福祉法施設基準緩和を行いました。今回発表された一億総活躍プランの対策も含めて、安倍内閣の保育所対策は、本筋の施設増設、処遇改善をあいまいにしています。そして、保育所の配置基準、例えば１歳児は６人に１人の保育士ですが、これではとても間に合いませんので、自治体独自に５人に１人を配置したり、さまざまな施策を講じているわけですが、そういう自治体に対して詰め込みを強要する。増設をしないで、質が低下しても、応急的に子どもを詰め込むということであります。 　私は子供を預かる保育の仕事というのは、プロでなければできないと思っています。例えば昨年の国の調査で、昨年１年間の保育施設における死亡事故は14件と報告をされていますが、うち10件は、保育士配置基準を緩和した認可外施設で起きた事故だと報告されております。 　やはりきちんと保育士を確保する。現状を保育の質の低下で過ごすことは許されないと思っています。しかも、県は国のこういう措置を例外なく、コメントもなくそのまま具体化をしようとしています。しかし、富山県の場合は、地元の保育所には入れないという実情があります。それが本当の意味での待機児童ゼロかと言われれば私は首をかしげるわけでありますけれども、しかし、大都市に比べればまだ条件はいいわけです。そういう状況の富山県でも保育の質の低下に道を開くような、こうした配置基準の緩和はやるべきではないと思います。 　次に、議案第88号病院事業の設置等に関する問題です。これも国が４月に行いました診療報酬の改定で義務づけられたものの具体化であります。2016年の診療報酬の改定で全体で実質マイナス1.03％引き下げということで、前回は消費税値上げ分を含めたためプラスでしたが、それを差し引けば前回も、今回もマイナスで、しかも１％台ということで、大変ひどい改定だったと思います。 　今年度これにかかわる予算削減は全体で1,495億円と言われております。その中で、紹介状なしで大病院を受診する患者に定額負担を負わせることを、自治体に強要することを決めたわけであります。機能分化という問題はよくわかります。しかし、国の今回のやり方は、一律に一定のベッド数以上の病院に定額負担を負わせるということです。要するに予算削減のためと言わなければならないと思います。 　富山県の県立中央病院の場合は、既に役割分担、機能分化という観点から、今で言えば外来の紹介状なしの場合に2,160円の負担を導入してきました。機能分化というのは十分できているのではないかと思います。既に紹介状なしの外来患者さんは、平成26年は全体の患者さんの36万人近くのうち2,700件で、１％にも満たないということで、十分これまでの努力で機能分化されている。その上に5,000円に値上げをする。歯科の場合は3,000円に一律負担を値上げすることは、やるべきではないと思っています。 　以上、４議案に対する反対討論といたします。
   4 浅岡委員長　ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって討論を終わります。 　　(3)　採　決 5 浅岡委員長　これより付託案件の採決に入ります。 　本委員会に付託されました議案第85号富山県児童福祉法に基づく児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例一部改正外３件について、原案のとおり決定することに賛成の委員の挙手を求めます。 　〔賛成者挙手〕 6 浅岡委員長　挙手多数であります。 　よって、議案第85号外３件については原案のとおり可決するべきものと決しました。 　２　請願・陳情の審査 7 浅岡委員長　次に請願・陳情の審査に入りますが、今回はいずれも付託されておりませんので、御了承願います。 　３　閉会中継続審査事件の申し出について 8 浅岡委員長　次に、閉会中継続審査事件の申し出の件を議題といたします。 　本委員会の閉会中継続審査事件については、お手元にお配りしてある申し出案のとおり、議長に申し出たいと思います。これに御異議ありませんか。 　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 9 浅岡委員長　御異議なしと認めます。 　よって、お手元にお配りしてある申し出案のとおり、議長に申し出ることに決定いたしました。 　４　厚生環境行政当面の諸問題について 　　(1)　報告事項 　　　荒川医務課長 　　　・平成27年度病院事業会計（県立中央病院）決算につ 　　　　いて 　　　齊木障害福祉課長 　　　・平成27年度病院事業会計（富山県リハビリテーショ 　　　　ン病院・こども支援センター）決算について 　　(2)　質疑・応答 　　　稗苗委員 　　　・富山県イノシシ管理計画について 　　　杉本委員 　　　・男性の働き方改革プロジェクト事業について 　　　・第４子以上お祝い事業について 　　　山辺委員 　　　・白山ユネスコエコパークについて 　　　火爪委員 　　　・乳幼児医療費助成制度の「ペナルティ問題」につい 　　　　て 　　　・食品ロス対策と県廃棄物処理計画について 　　　澤谷委員 　　　・第４子以上お祝い事業について 10 浅岡委員長　報告事項に関する質疑及び所管行政一般についての質問に入ります。 　質疑・質問はありませんか。 11 稗苗委員　きょうはイノシシの管理計画に絞って質問を行いたいと思うのであります。 　県においては、昨年５月にイノシシの管理計画をつくられまして、被害の防除や個体数の管理に取り組んでいただいておりますが、県内での個体数は本当にふえております。農林水産部では農作物の被害の実態も取りまとめておるわけでございますが、この１年間の取り組み等についてお尋ねをしたいわけですが、委員長、資料配付お願いしてよろしいですか。 12 浅岡委員長　認めます。 　〔資料配付〕 13 稗苗委員　有害鳥獣の管理計画などは、県民の受益者や被害団体とかからそれぞれたくさんの要望が出て、特別ブランドをつくっておられる県産のナシやリンゴなどに影響が出るときには、団体、あるいはＪＡなどのグループを通して極めて大きな声が届くわけであります。イノシシの状況について、私は自民党でありますが、山辺委員や杉本委員、山本委員、薮田委員と一緒に、県内のそれぞれの友好団体や市町村から状況を聞きますと、イノシシがふえて困ったという非常に悲鳴に近いことをお聞きするわけでございますが、県のイノシシの管理計画を策定し昨年１年間取り組んでこられた、その成果と課題についてまずお尋ねしたいと思います。 14 船平自然保護課長　県では、平成27年５月、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の改正に伴いまして、富山県のイノシシ管理計画を見直し、イノシシの管理につきましては農林水産部、市町村と連携し、被害防止対策を積極的に進めてまいりました。 　昨年度の取り組み状況につきましては、被害防除として、市町村が行います電気柵の設置が昨年約323キロメートルで、これまでの延べで延長が1,763キロメートルの整備がなされたところであります。また、生息環境管理として行う里山林の整備でございますが、昨年270ヘクタール、延べで2,381ヘクタールに達しております。個体数管理としての捕獲でございますけれども、狩猟期間を43日間延長しますとともに、休猟区においてもイノシシの狩猟を可能とする特例休猟区の指定など、狩猟の推進に取り組んだところでございます。 　さらに、昨年11月、補正予算により指定管理鳥獣捕獲等事業に取り組み、捕獲効率の向上、見回り労力の低減を図る移動式の大型囲いわな４基、くくりわな120基などの機材を整備し、イノシシなどの目撃等頻度が高い地域において、これらの機材を使用して捕獲を開始したところでございます。 　これらの取り組みにより、県内におけるイノシシの捕獲頭数は、大幅に増加し、暫定値ではありますが、平成27年度の有害捕獲数は2,087頭と平成26年度の捕獲数1,158頭の約２倍、平成25年度の517頭の約４倍とふやしてきたところでございます。 15 稗苗委員　庁内横断的に農林水産部などの意見も聞かれ、また県内のＪＡや市町村からの声もしっかり受けとめていただいて、今ほど説明されたように、電気柵の延長、里山の管理、くくりわなの整備、狩猟の免許を持っている人の不足や高齢化のため、免許証の付与の機会をふやす、あるいは狩猟の期間の暫定的な延長とか、あらゆることをやっていただいているという説明でもありますし、全くそのとおりだと理解をしておるわけであります。 　しかし、1,763キロメートルの電気柵を延長して、富山県中を電気柵で囲ってもイノシシは隣へ行こうとするだけで減りません。この電気柵の設置はけものたちが一番集まる場所、魚の定置網でいうと、最後の宿泊場所にきちんと個体数を補殺する誘導的な電気柵を設置しないと、Ａさんの農作物の近辺、Ｂさんの農作物の近辺だけを箱型に電気柵を敷設しても、全く個体数の減少にはつながっていかないわけです。 　今おっしゃったように、昨年度平成25年度の４倍近く2,000頭を超える補殺をいただいたということですがさきほどの資料にきのうの新聞の記事を載せておきましたが、黒部市の町なかにイノシシが、偵察に来るのです。ニホンザルなんかは特に団体で食事に行くために、いつごろ食べに行けばいいかというのを偵察隊が調べに来るのです。きょうはサルの話は余りしませんが、イノシシも一緒なのです。きちんと食べごろ、それから周りに自分たちの命にかかわるような仕掛けがないか、非常に学習しているのです。 　一例を言うと、箱わなをセットして、10メートルぐらいのところからその箱に誘導する餌をまくのですが、箱の直近までしっかりと食べていって、箱にはなかなか入らないということなのです。10年ぐらい前からこういうイタチごっこを繰り返しながら工夫をし、何とかくくりわなや箱わなに入ってもらうための努力をずっと続けてきました。 　現場では、成果が上がっている市町村、なかなか成果が上がっていない市町村などもあって、農林水産部も生活環境文化部ももちろん頑張っていただいているのですが、農家の悲鳴に近い農作物の被害があり、年配の耕作者が頑張ってやらないと、耕作放棄地につながったり、あるいは定住の山から人がいなくなるみたいなことで、農林水産部は頑張っているわけです。 　そこで、管理計画の資料にも添付してありますが、捕獲数が伸びているのだけれども、実はそれ以上に個体数がふえているのです。電気柵をふやしたり、森づくりだとか、いろいろなことで里山との境界線を明るくしたりとかを行っているのだけれども、問題は管理計画であり、富山県のイノシシの個体数をどれぐらいまで減らしていこうということになっているのか、管理計画からは目標数はちょっと読み取れないのですが、どんなことになっていますか。 16 船平自然保護課長　イノシシをどこまで減らすかということでございますけれども、もともと県内にイノシシはほぼいなかったような状況ですので、今管理計画には目標数は書いておりませんが、できるだけとるというような計画になっておるわけです。 　今御指摘ありましたとおり、依然として農業被害が高どまりしておりまして、昨年度被害額が4,600万円でございます。おっしゃるとおり、個体数が減少しないと解決にならないということで、県として、これからどう取り組むかですが、まず一番重要なのは、減少と高齢化が続いております捕獲の担い手の育成確保だと考えております。今年度、指定管理鳥獣捕獲等事業の中で、捕獲現場においてベテランのハンターから実際の狩猟経験が５年未満の若手20名に技能を伝えていく、ＯＪＴの取り組みを始めたところで、昨日講習会をやっております。具体的には、参加者をイノシシ等の猟の経験年数が１年から２年の者を初級、３年から５年程度の者を中級として、技術レベルごとに分けまして、捕獲を囲いわなやくくりわな、巻狩りなど、季節や地域に応じた効果的な猟法で行うこととしております。 　さらに、生息環境とか生息の実態を調べる必要があり、センサーつきの監視カメラ、ＧＰＳつき首輪による生息状況の調査結果も見まして、効率的な捕獲方法の研究を進め、県内の市町村等への情報提供もしていきたいと考えております。 　この県の事業は新しい事業でございまして、新たに山間部を中心にイノシシ等の個体数管理を実施するものであります。これまでの市町村による農村部周辺の有害鳥獣対策と連携して取り組むことで、被害防止に相乗効果を上げていきたいと考えております。これまでの被害対策についても電気柵の切れ目のところに箱わなを仕掛けるなどで、かなりの成果を上げている市町村もあります。こうした知見・技術も大分重なってきていますので、そうしたものを市町村、農林水産部と共有して成果を上げてまいりたいと考えております。 　今後ともこの対策につきましては、市町村と協力し、県内の農林業被害、環境被害がこれ以上広がらないよう鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 17 稗苗委員　行政は一生懸命県民からの要望を聞いて、プランをつくって、予算をつけて頑張っているのだけれども、ＰＲというかアピールが余り上手でないと僕は思っています。 　議員控室に10種ほど新聞があるのですが、例えば昨日の研修会のことを書いてくれた新聞社は１社なのです。そうすると、しびれを切らしている住民から見ると、やっていると言われても、見えない、聞こえないわけなのです。事前に記者クラブあたりにこんなことをやろうと思っているとか、ぜひ取材をしてほしいというアピールは、大きな予算を計上しなければできないことと違って、課長みずからが記者クラブの幹事会社に会われて、魂を入れて管理計画をつくったり、本格的に取り組むということをおっしゃればすむことであります。きょうも記者の方がいっぱい来ておられますけれども、広告宣伝費不要で、県の思いが浸透すると思うのです。ただ、ポスティングしておけばよいというものじゃないのです。秋田で熊により死亡者が出たのも他県のことではないわけで、本県にもたくさん熊の目撃情報とか人的な被害も出ています。人がけがをしてから大変だというのではなくて、やはり未然防止をし、安全にイノシシにおりに入ってもらう、わなにかかってもらうということなのです。今からでも遅くありませんので、担当課が一生懸命になると、イノシシの記事ぐらい書いてやろうかということになる。 　言わないものはなかなか成果が出ないのです。みんなで頑張って取り組もうとしないと──根っこのところでは生活環境文化部の所管ではないのだろうけれども──５年間で２回繰り返した森づくり税の延長なども、こういう対策と無縁ではないのです。そちらの予算がイノシシのところには来ていないということではなく、どこかの市町村でモデル的にこれを徹底的にやってみようじゃないかと、こういうために３期目に入る森づくり税の部分的な集中的な投資なども考えていただけるチャンスなのです。 　平成29年度から３期目に入る森づくり税で、イノシシ対策のために、部分的に、例えば南砺市で一気に箱わなを10基集中的に敷設してみる、あるいは狩猟の組合とか団体の方々の協力を集中的に入れてみるなどやらないとだめなのです。 　僕の地元は、余り上手にイノシシが箱わなに入らなかったのです。が、入善町とか朝日町へ行くと上手にたくさん入っているのです。なぜかと思って聞いてみると、イノシシが本当に出てくる田植えが終わって、コシヒカリの穂ばらみの終わったころに設置してもだめなのです。草花の匂いのところに塗装をした穴おりのものを持っていく。しかも重いから四、五人でけもの道のところに設置する。そうすると、人間の体臭がそこに残ってしまい、入らないのです。朝日町、入善町では通年設置みたいなもので、春の田植え時期で草花が芽生えない先から置いてあるので、自然と一体の匂いになってしまっているのです。なおかつ管理、見回りの人は特定の人が１人でしかも毎日同じ長靴を履いて、同じジャンパーを着て見に行く。えさやりもその人が１人でやるのです。そうすることによって、何かくずの匂いと同化してしまって、イノシシもわからなくなって、入ってくる。本当にそうなのです。 　そういうことを僕は事前にちょっと課長と話していたのですが、農林水産部は管区内に大規模の出先が４カ所あるのです。生活環境文化部は本庁１カ所ですので、出先の細かい悲鳴に似たようなことは、アンテナはちゃんと入っているから聞いているとおっしゃるだろうけれども、生産者とかＪＡとか駆除隊とか生々しいそういう声がなかなか入ってきにくくなっているのではないかなと思います。 　もしそうであれば、大変申しわけないのだけれども、部長がそういう現場に足を運んで、どうなっているんだというようなことで聞いてもらうことなども含めて、この管理計画が成果の出る管理計画であってもらいたいと思う。要は、この指とまれの惣万さんの福祉計画が富山から全国に広がったと、知事がよくおっしゃっている。 　先ほどの課長の答弁ではイノシシは十四、五年前は富山にいなかったとのことですが、資料をいただくと、新潟や石川や長野から来ていることが、捕獲したイノシシのＤＮＡを分析してわかっているのです。もともと富山にいなかったのだけれども、今富山でどんどんふえている。これは自然が豊かだということ、安全・安心で地震も津波もないということと、食べ物がおいしいということだと思います。 　長々申し上げましたが、ぜひモニタリングを徹底して、個体数の管理をきちんと取り組んでもらいたいと思いますが、課長の所見を伺っておきます。 18 船平自然保護課長　いろいろお聞きしたとおりでございまして、わなの設置の仕方とか管理の仕方とか本当にそのとおりでございまして、うまくいっておる市町村もう少しというところがありますので、今教えていただいたような知識をきちんと共有しまして、これから頑張ってまいりたいと思います。 19 杉本委員　子育て支援・少子化対策について少し質問したいと思います。 　富山県では、子育て支援・少子化対策を最重点施策ということでいろいろやっておられますが、その中で男性の働き方改革プロジェクト事業について、どういうような事業なのか、その内容について詳しく説明をお願いしたいと思います。 20 朝倉男女参画・県民協働課長　男女が社会のあらゆる分野で個性と能力を十分発揮できる男女共同参画社会を実現するためには、長時間労働を前提とした男性中心型労働慣行を見直し、男性の家事・育児参画を促進することが必要であると考えているところでございます。 　このため、県では今年度、男性の働き方改革プロジェクト事業におきまして、１つ目として、企業や大学へ出向き、企業の管理職向けに部下の仕事と家庭の両立を応援する上司であります、イクボスの理解を促進するセミナーや大学生向けにイクメン、カジダンなどに関するセミナーを開催しまして、男性中心型労働慣行の見直しや男性の家事・育児参画の意義などの意識啓発に取り組むこととしております。 　また、昨年11月には、ファザーリング全国フォーラムにおいて知事みずから「イクボスのすすめ」と宣言し、ことし２月には県内民間企業トップによるイクボス宣言がなされたところでございますが、こうした企業などのトップによるイクボス宣言をウェブサイトにより発信しまして、イクボス宣言企業の輪を県内に広げまして、働き方を見直す機運の醸成などに取り組むこととしているところでございます。 21 杉本委員　先日、近くの保育所へ行っていろいろ保育所の先生とお話していたら、言ってほしいと言われたことがあります。 　子供が生まれて産休で休んだ後、赤ちゃんが保育所へ入るといろいろな人と接触するので、保育所へ入りがけはやはり熱を出しやすいから──しばらくたってくると強くなってくるのですが──そのときにお母さんが３日ぐらい連続して会社を休むことになると、やはり会社に対して何となく言いづらいので、ぜひお父さんにも助けてほしいということになる。 　今の若いお父さん方は家事だとか、子育てに対して非常に理解があって、家事や育児をしてもいいのだけれども、上司の今の部長さんたちの年代のときには、余りそういうことはなかったと思うのです。私達のときもそうなのです。ですので、そんなことぐらいで会社を休むのかと思われて、時間をとってお母さんのかわりに医者へ連れて行くことがやりにくいと説明されました。 　イクボスである上司がそういう子育てに理解を示すことはいいことだと思うのですが、世の中、何でも役所が先頭になってやるとわかりやすいのです。クールビズにしてもそうです。この前に座っている人たちはもう子供を育てるとかは、余り関係がないと思うのですが、向うに座っている人はまだこれから子供が病になったりしたときに休みやすいように、まず県のトップの人がそういうことに対して理解を示すことが大切だと思います。 　山本部長、率先して決意表明をひとつお願いします。 22 山本生活環境文化部長　今、御指摘のことにつきましては、昔の自分を振り返ると、ちょっと痛いものがありまして、母親とか妻にかなり負担をかけたなという思いはあります。ただ、おっしゃるように、子育てしやすい環境にしていくという思いは、これからみんなで共有していかなければならないと思っていまして、県として働き方改革でありますとか、男性の家事・育児を進める中で、県庁が率先して男女とも仕事・子育ての両立しやすい環境づくりを進めることは本当に大事なことだと思います。 　先ほど、朝倉課長の答弁にありましたように、知事みずからイクボス宣言をやっておりまして、同時に男性職員の育児参加を進めるために、育児参加休暇をふやすとか、各所属に配置されている子育て支援推進員によって、子供が生まれた職員の事務分担の見直しを行うという取り組みについてはこれまでも取り組んでいるところであり、職員のそれぞれの事情に応じた柔軟な働き方が選択できるよう、在宅型テレワークや早出遅出勤務制度のような取り組みを進めていこうというようなことをしております。 　県庁が率先してというお尋ねございましたが、まさにそういうことを意図して県庁の働き方を見直して、仕事と子育ての両立しやすい環境づくりを進めて、県内企業にもそういう取り組みをこれから進めていただきたいと思っているところでございます。 23 杉本委員　次に、第４子以降の誕生のお祝い事業についてなのですが、前の委員会で澤谷委員からも発言がありましたし、私もその前にも言っておりますし、この間の説明を聞きますと、子供が４人以上いた場合、両親と兄弟を含めた全ての子供が美術館などの文化施設８カ所、太閤山ランドのプールなどのスポーツ健康づくり施設14カ所が無料となり、で非常にいいことだと思うのですが、ただ、有効期限がお生まれになったお子さんが６歳になる誕生日の前日までとなっているのです。６歳の前日までになっている理由をお聞かせください。 24 川口子育て支援班長　第４子以上誕生お祝い事業でお渡しするとやまっ子お祝いパスポートにつきましては、経済的負担の大きい多子世帯の皆さんに、家族一緒の外出をなるべく気軽にしていただきたいとの趣旨から発行しているものでございます。 　お子さんが小さい間は、できるだけ家族の触れ合いをつくっていただきたいとの思いから、パスポートの有効期限は一番下のお子さんがおおむね小学校に入学されるまでお使いいただけるようにしたところでございます。 25 杉本委員　言われることはわかるのですが、これは僕が思うに、子供がやはり生まれればその子供がまた将来県税も払うわけですから、子供をふやすということが一番大事なので、少子化対策というのは、インパクトがあるか、わかりやすいやり方がいいと思うのです。こういうものは４番目ができたから、家族みんなでそういうところへ行けると、みんながうらやましがるような政策でないと効果は少ないと思うのです。できれば、４番目の子が生涯亡くなるまでにしてほしい。そうすれば、自分を４番目に産んでくれたお父さん、お母さん、ありがとうと思うし、周りの人も、子供が４人いていいなと思うのではないかと思います。 　利用することによって、多少各施設の収入は少なくなるかもしれませんが、その人たちがまた大きくなったら税金を払うわけですから、とにかく子供をふやすということが一番大切なのではないかと思います。どうすれば子供がふえるかということで今、県の人もいろいろな施策をやっておられますが、その中でもわかりやすく、みんなが、あそこのうちは子供が生まれていいなとか、うらやましいなとか、私も産んでみたいなという気持ちを持つことが私は大切だと思うのです。 　昔、ローマ帝国も少子化で弱っていった。それでどうすればよいかということで考えたのは、能力が同じような人の中で、課長にしたり部長にするときに誰を選ぶかと言ったらそれは子供の多い人を選んだのです。能力に差があれば仕方がないけれども、ローマでそういうようなことをして成功をしたということも聞いているわけです。 　ですから、この前も言いましたが、第４子からではなく第３子からでもすればいいと思いますが、それは検討ということで、とりあえず６歳の誕生日でやめてしまうというのは、どう思われますか。 26 川口子育て支援班長　第４子以上誕生お祝い事業については、第４子以上のお子さんが生まれられた御家庭をお祝いするために今お話しいただいているパスポートの配布のほか、知事のお祝いメッセージを送付したり、対象の御家庭を広報紙で紹介するといった事業をセットで行うことで、社会全体で子育てを応援する機運を醸成することを目的としているものでございます。 　その中の広報紙の紹介については、６月５日発行の県公報とやまの中に、とやまにぎやかファミリーというコーナーを設けまして、２家族の写真を紹介させていただいたところでございます。読者から寄せられた感想の中にはこのコーナーについて、「ほほえましく心が温かくなる、幸せな気持ちになる」といったものや、あと「笑顔の絶えない明るい家庭が想像できる」といったもの、それから「子だくさんの家庭は大変だろうけれども、にぎやかで楽しいだろうと、頼もしい感じがする、また応援したくなる」といった好意的な御意見が多数寄せられておりまして、早速一定の効果があったのではないかなと考えております。 　パスポートの運用については、何しろこの６月に始まったばかりでございますので、当面このままやらせていただいて、またこうした雰囲気を醸成することなどに努めてまいりたいと考えております。 27 杉本委員　県内に４子以上の家族は何家族おられるのでしょうか。 28 川口子育て支援班長　今申請いただいたのは23件ございました。 29 杉本委員　今２家族ということを聞いたのですが、23件のうち、広報紙では何回で、全部載せるつもりなのか。 30 川口子育て支援班長　御希望のありました御家族についてはなるべく全部載せたいと思っているところでございます。 31 杉本委員　それはそれでよいと思うのですが、ただ、私が言いましたように、とにかく人口がふえないことには、富山県の発展は望めないわけです。 　知事はたくさん子供のいる家庭には今度税金の面で配慮することを国に要望するということで、これも一つのいい方法だと思います。 　今の件について私は悪いとかではなく、非常によいことだと思うのですが、ただ６歳でやめてしまうのは中途半端でしょう。逆に県は何を中途半端なことをやっていると言われると私は思います。ほかの県議会議員にも聞いてもそうだと言う人が多いのです、全部の人が言っているわけではありませんが。 　今後第３子以降も含めて今の６歳でやめることについて検討をお願いしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
   32 山辺委員　白山ユネスコエコパークについてお聞きをしたいと思います。 　つきましては、資料を用意しておりますが、委員長、御許可をお願いいたします。 33 浅岡委員長　許可いたします。 　〔資料配付〕 34 山辺委員　配りました資料は、３月15日に富山県自然保護課よりプレスに対してニュースリリースとして配布されました１枚の文書、並びにその後ろについておりますカラーの３枚のものでありますが、これは国連大学の資料であります。これらに基づいて船平課長に御質問をさせていただきたいと思います。 　まず、冒頭のほうにつけてあります資料ですが、３月15日の日付で、これからリマにおいて開催されているユネスコの会議で、白山ユネスコエコパークについてエリアが拡張されることが決議されるという予告でございます。実際に３月19日に決議をされまして、その後予定どおり３月20日に記者会見も開かれたということであります。我々富山県民にとりましては、白山というと何か隣の県のことだから関係ないと思いがちでありますけれども、このユネスコエコパークは、日本では７カ所指定されており、世界ではたくさんの地域が指定をされておりますけれども、世界遺産よりも数で言えば貴重であるということであります。 　同じユネスコの指定でありますけれども、日本で７カ所指定されている、この白山ユネスコエコパークが拡張登録されるということを、わざわざ富山県がプレスリリースで流していただいたわけであります。 　後でまた触れさせていただきたいと思いますが、県としては今回の拡張によって、南砺市の旧上平村、旧平村の全エリアがこのユネスコエコパークの地域内に入ることもあって、プレスリリースをしていただいているものであります。まず、３月に白山ユネスコエコパークについてエリアが拡張されたことは、どういう意味があるのかをお聞きしたいと思います。 35 船平自然保護課長　ユネスコエコパークでございますけれども、生態系の保全と持続可能な利活用の調和、自然と人間社会の共生を目的としまして、昭和51年にユネスコが開始したものでございます。昭和55年に白山を含む、国立公園の４地域が登録されております。 　その後、平成７年にユネスコにおきまして審査基準が改定され、エコパークとして登録を継続するためには、人が生活し、自然と調和した持続可能な発展を実現する移行地域の設定が必要となるなど、地域主導の持続可能な開発と、自然保護の両立という条件が厳格化されたところであります。 　このため、白山市を中心としまして、関係４県７市村で構成をします協議会におきまして、移行地域の設定や管理運営方針の策定など、地域主導で拡張登録申請に向けた取り組みを行い、本年３月20日、現地時間は３月19日でございましたけれども、拡張登録が認められたところでございます。 　今回、旧上平村、旧平村地域全域が含まれ、そのうち約76％が移行地域として拡張登録されました。これはこれまで培われてきた同地域の人々の自然と共生した暮らしが国際的にも評価されたものであります。 　今後、そうした地域の取り組みをユネスコの世界ネットワークを通じて、発信することにより、世界的知名度の向上、ひいては地域の活性化につながるものとして、大変期待をしているところでございます。 36 山辺委員　御丁寧に経過も含めてお話をいただきまして、ありがとうございます。 　実は、このユネスコエコパークなのですが、日本独自の呼称としてエコパークを使っていいということでユネスコから了解をいただいております。国際的にはバイオスフィア・リザーブという我々にとっては非常になじみのない名称が使われております。もともと生物学を中心としたヨーロッパの学者の方々がいわゆるバイオスフィア──地球生物圏域とでも訳すのでしょうか。──ヘミスフィアという言葉は北半球とか南半球というときのへミスフィアですけれども、同じようにバイオスフィアということで、地球規模のいわゆる生物の生存圏域を保護するということ、直訳すれば地球生物圏域保護区、そんな難しい名前になってしまうのです。それを日本では７カ所指定を受けております。これをぜひ生物学的にも、あるいは地域としてその生物多様性を守りながら、人間の暮らしと共存する地域として愛される地域にしようということで、日本独自にエコパークという名前をつけたわけであります。そこにユネスコが登録指定しているので、ユネスコも冠をつけてユネスコエコパークと呼ぼうということであります。 　さて、白山ユネスコエコパークですが、お手元に配付した資料の２枚目に中部地域の地図が載っております。左上のほうの表題は白山を源とする４つの水系と書いてありまして、白山ユネスコエコパークの指定地域、これはコアエリアとしての白山国立自然公園プラスバッファーゾーンとしての各県の自然公園、そして移行地域、トランジッションエリアとしての人間の生活との共存地域も含めた白山ユネスコエコパークの全域が黄色で囲んであります。 　そして、それの外側にウグイス色でエリアが拡張されておりますが、これがいわゆる水源地域であります。この白山の山塊、ユネスコエコパークの地域というものは４大河川の水源であります。本県で言うと庄川であり、石川県の手取川であり、福井県の九頭竜川であり、そして名古屋に流れる長良川であります。豊かな水源地域を形成している白山ユネスコエコパークであり、水源の地域を全部含めれば相当なエリアをカバーしているということが分かっていただけると思います。 　関係する県は、富山、石川、福井、岐阜という４県であり、そしてこの４県のうち、エコパークそのものにかぶっている市とか村というのが最後のページにありますけれども、人口と面積が書いてございますが、４県にまたがる富山県の南砺市、石川県白山市、福井県の大野市、勝山市、岐阜県の高山市、郡上市、そして白川村ということでありまして、このユネスコエコパークエリア内に居住している人口が１万7,000人です。該当する市村のトータルの人口は36万人ということであります。 　また、その下に面積も書いてあります。核心地域、コアエリアというのは、いわゆる国立自然公園のエリアであります。単位はヘクタールですから、２万2,000ヘクタールがコアエリア。バッファーゾーンというのが、コアエリアに次いで保護を重点とするけれども、学習や科学的な観察行為、あるいはそれを目的としたツアーを行ってもいい地域が４万5,000ヘクタール。そして、今回拡張されたトランジッションエリア──移行地域──が、13万ヘクタールでいわゆる集落を含む地域です。 　初めの、富山県のプレスリリースの１枚目の紙に戻っていただきますと、先ほど船平課長からありました、関係する４県と７市村で2014年の１月に白山ユネスコエコパーク協議会をつくって、何を目指そうとしたかというと、2007年だったでしょうか、人が居住して、エコパークのコアエリア等と共存する地域をいわゆるトランジッションエリアとして、設立登録をし直さなくてはならないことになったので、関係する自治体でしかるべく体制を整えて、ユネスコに申請しようということで、2014年の１月に設立をされて、そして下のほうに申請スケジュールが書いてありますけれども、国内での手続を進め、そしてユネスコの本部に申請書を出して、ことしの３月にリマで行われた会議で承認されたということです。 　そういう意味では、2014年の１月の設立以来、富山県は協議会のメンバーとして活動をしてきていただいております。その協議会の資料等々いろいろ読みますと、いわゆる環白山圏と呼ぶような地域、ここに先ほど地図で示しました、４県７市村にまたがる白山を取り巻く環白山圏としての保護活動と同時に、この保護エリアを活用した地域が持続的に多様な文化や居住形態を持ちつつ、ずっと存続し続けるためのいろいろな計画をつくっていこうじゃないかということも言われております。 　協議会にこれで足かけ３年、県は参加してきたわけでありますけれども、これからどういうことが起きるのだろうかということであります。 　実は５月10日に白山市で登録を記念したシンポジウムが開かれたそうであります。私は残念ながら行けなかったのですが、そこで出されました国連大学の非常におもしろいよくできた冊子の資料がございます。この中でもいろいろな行動のサジェスチョンが出てきておりますけれども、白山ユネスコエコパークについて、関係する４県７市村が今後どのような行動計画をつくろうとしているのか、県は承知しておられるか、お聞きしたいと思います。 37 船平自然保護課長　白山ユネスコエコパークの拡張登録申請に対しては、地域主導で行うことが重視されてきておりました。このため、委員から今御紹介がありましたとおり、関係４県７市村で平成25年２月から意見交換を行いつつ、平成26年１月に協議会を設立し、拡張登録申請のための協議を重ねてまいりました。 　協議会には、県は委員として参画をし、関係７市村において開催されました18回に及ぶワーキンググループや幹事会に参加をし、環白山地域の自然や文化、地域活動などに理解を深め、また住民への普及啓蒙のためのリレーシンポジウムの開催など、環白山地域が一体となって拡張登録申請を行ったところでございます。 　去る５月10日に開催されましたシンポジウムでは、関係７市村の首長さんとユネスコ本部から、エコパーク担当のノエリンさんという方が来られまして、パネルディスカッションが開催され、今後の取り組みにつきましてさらなる連携協力が確認されたところであります。 　今後の活動計画につきましては、協議会が中心となりまして、拡張登録についてのＰＲ、例えば平成28年度はシンボルマーク、それからホームページの立ち上げといった話も出ており、そういったものに取り組んでいくことになります。申請に基づいたユネスコへの10年ごとの定期報告──これは再審査でございますけれども──そういうものがあることや、管理運営計画の策定が必要なことなど、この拡張登録につきましては、ゴールではなくスタートだということでございます。 　富山県としましても、今後とも引き続き協議会に参画をし、環白山地域が一体となった地域づくりに協力をしてまいりたいと考えております。 38 山辺委員　会合に熱心に出ていただきまして、フォローをしていただいているということであります。 　そこで、お配りした資料の３枚目になりますけれども、このエリアについて、７市村と言いましたけれども、そのエリアが細かく出ている図面がございます。中心に白山、標高2,700メートルですから、本県の立山よりも300メートル低い山であり、そして単体の山なのです。白山という山だけです。連峰になっていないわけであります。そして、取り巻くように先ほど言いました４県にわたるエリアがございます。富山県南砺市ですけれども、五箇山エリアと書いてあります。それから岐阜県のほうは白川郷エリア、荘川エリア、高鷲エリア、白鳥エリア、福井県の下からいきますと和泉エリア、大野エリア、勝山エリア、そして白山市は２つエリアがありまして、白峰のエリアと尾口・中宮エリアというふうに書いてあります。 　白山ユネスコパークを構成する市村というタイトルでこのようにつけてあるわけです。おのおののエリアが、エコパークとしての活動を目標を持って取り組むということでありますが、本県の五箇山エリアはではどう取り組むのかということで、実は先ほどちょっと冊子を見せましたけれども、国連大学がこのワンストップ化のシンポジウムに向けてつくった冊子の中に、南砺市五箇山エリアが何を目指しているかということも書いてございます。 　１つは、南砺市五箇山世界遺産、世界遺産合掌集落があるわけでありますが、この世界遺産合掌集落も2010年にマスタープランをつくっております。かつそのマスタープランの中には指定されている五箇山集落を取り巻く緩衝地域、バッファーゾーンについてもどのように進めていくかという計画を立てています。それに基づいて、本年2016年には五箇山だけに限った市の南砺市五箇山景観条例を定めて、保全を図るということにも取り組んできました。 　また、先駆けて、エコパークに該当する事業もやっておりまして、上平地域ではかんじきを履いてツアーをするかんじきツアーの取り組みなどなど、いわゆるエコパークの基準に合ったエコツアーを実施していこうという世界遺産と合わせた計画、あるいはそういったかんじきエコツアーなどの取り組み等々を計画しているわけであります。 　そして、そのための先端施設については、合掌集落につきましてはいろいろな展示施設等々を、今建設整備しているところでありますけれども、そういった中でエコパーク全体についても取り上げていこうというような計画であります。 　この環白山圏域の全ての地域でこういった取り組みをし、そして何よりも、大変こういったことに関心の高い外国からの来訪者が、多く訪れてくるということもあると考えております。 　そういうわけで、本県にとりましても自然の保護、そして非常に貴重な中山間地の暮らしとの共存、そしてまた世界遺産等を活用したいろいろな事業の展開等々、本県にとりましても大事な地域になってきたと思っております。 　また、昨年の11月には実は立山黒部日本ジオパークに選定をされましたけれども、世界のジオパークネットワークがユネスコの事業になりました。ジオパークもユネスコジオパークというふうにかわってきて、本県の立山黒部につきましても、世界登録へ向けた動きが今非常に活発化しているところであります。 　これが成功いたしますと、実は、世界文化遺産である五箇山合掌集落、ユネスコエコパークの白山、そしてユネスコジオパークの立山黒部ということで、１つの県に３つのユネスコの指定する世界的な貴重な地域指定をいただくことになるということで、こういうところは国内にはないのであります。日本で唯一の地域になるということで、ナンバーワンじゃなくてもオンリーワンという言葉がありますが、オンリーワンの県になるということであります。 　これはやはり県庁として、取り組まなくてはならないのではないかと思います。ユネスコの世界的な指定を３つとっていくことは、大変なエポックメーキングであり、自然に恵まれた歴史と風土、文化に恵まれている富山県の象徴になっていくと思うわけですが、これで、世界遺産とエコパークという２つの大きな指定をとったわけですが、ジオパークも含めた県の取り組み体制というのはどう考えているか、船平課長に伺いたいと思います。 39 船平自然保護課長　お話しのとおり、世界ジオパークネットワーク、これはフランスのＮＧＯなのですけれども、この活動はこれまでユネスコの支援事業として行われてきましたが、昨年11月のユネスコ総会におきまして、国際地質科学ジオパーク計画として、ユネスコの正式な事業となったところであります。 　お話しのとおり、本県は一つにはユネスコ世界文化遺産の五箇山の合掌づくり集落、それから白山のユネスコエコパーク、それからさらにユネスコが寄託者となっておりますラムサール条約登録湿地、立山弥陀ヶ原・大日岳など、世界に認められた地域に加えまして、新たにユネスコ事業となりました世界ジオパークネットワークへの登録を目指す立山黒部ジオパーク、さらに自然と共生した防災遺産として、世界文化遺産登録を目指しております立山砂防、それから日本初の氷河など、ユネスコの事業に未登録でありますけれども、世界レベルのすぐれた自然環境や文化、それから風致景観を多数有している類いまれな県でございます。 　県としましては、担当部局がそれぞれの専門性を生かしながら、国、市町村とも連携しつつ、本県のすぐれた地域資源の保全、活用、もちろんユネスコ事業への新規登録に引き続き努めますともに、既にユネスコ事業に登録されている地域の世界的ネットワークを活用しまして、本県の数多い魅力を国内外に広く発信してまいりたいと考えております。 40 山辺委員　船平課長には私が失念しておりましたラムサール条約についてもお話いただきましたが、これも条約に基づく指定でありますが、寄託事務局がユネスコになっておりますし、また日本唯一の氷河でありますとか、それから今薮田委員が熱心に取り組んでいる海越しの立山連峰の氷見、雨晴両方を類いまれなる景観として登録を目指していらっしゃいますけれども、本当に富山県というのはすごい県なのだなと改めて思います。 　それで、先ほどから何回もこの本をこうやって掲げてやっているのですが、これは、東京の青山に本部があります国連大学のもので、学生のいない大学、研究所としての大学であります。この国連大学の中にサステナビリティー高等研究所という組織があります。ことしはリオデジャネイロオリンピックでありますけれども、リオで締結されました生物多様性条約、これが今日の地球環境問題の端緒になりましたけれども、それが英語で一言でいうと、サステナビリティー、持続可能性ということであります。 　この国連大学は、人権とかたくさんの分野の研究をしておりますけれども、コアとなる研究分野の一つはサステナビリティーであります。サステナビリティー高等研究所というのがあって、そこがもう１つ石川県にユニットを持っています。石川金沢ユニットと呼ばれており、里山里海を研究するユニットです。つまり里山、里海という自然と人間社会との共存エリアを、持続可能性の一つのシンボルとして研究しているのが、この国連大学サステナビリティー高等研究所石川金沢ユニットというものであります。なぜ石川金沢ユニットというのかと言ったら、石川県と金沢市が金を出したということで、2008年に誘致しました。 　そこで働いていた研究員がアン・マクドナルドでありまして、彼女は能登の里山、里海に入り浸って、そして能登半島を世界農業遺産にしてしまいました。非常に力のある研究所であり、今、ここの研究所が力を入れているのが白山エコパークであります。 　石川、金沢にスポンサーにはなってもらいました。旧県庁である、しいのき迎賓館に事務所がありまして、彼らはこの４県にまたがる環白山ゾーンを研究素材にして、自然と人間の生活を追求していこうということであります。私ども金は出しておりませんが、仲間になったらどうかなと、思っております。 　国連大学の石川金沢ユニットについては、非常に役に立つというふうに思っております。そのことを一言最後に申し述べておきたいと思いますけれども、先ほど、県庁も参加しております白山ユネスコエコパーク協議会にも、2014年の８月から国連大学は正式参加をしております。ぜひともこの自然保護課を窓口に、このユニットと交流をしていただいて、我々富山県にとってメリットのあることはどんどん使っていったらいいのではないかと思います。 　金をくれと言われれば、石川、金沢だけではなくて、石川、富山、金沢ユニットということで、富山からも金を出せばいいのではないかと、思いますけれども、そのことを申し上げておきたいと思います。 　特に、課長の答弁は求めませんが、また仲よくしていただきたいと思いますので、何か一言ありましたからお答えいただいて、これで終わりにしたいと思います。 41 船平自然保護課長　御紹介のとおり白山のエコパークにつきましては、これからスタートということでございますので、石川や岐阜や長野と連携しまして、ＰＲ等に努めてまいりたいと、こちらも協力してまいりたいと考えております。 42 火爪委員　４人目を出産した家庭に御褒美をあげるのもいいですけれども、やっぱり１人目、２人目からきちんと支援をしてこそ伸び伸びと子供を産み、子育てができる安心の地域、社会をつくれるのではないかと私は思っております。 　そこで、子育て支援の中で、経済的負担の軽減といいますと、保育料の無料化、学費の無償化、そして子供の医療費の無料化というのが一番要望としては高いわけです。そこで、今回は本会議で石井県政の評価にかかわって子供の医療費無料制度が取り上げられましたので、私も少し触れてみたいと思います。 　本会議の代表質問、そして予算特別委員会では、澤谷委員も力説をしておられたかと思っております。県の子供の医療費無料制度が、通院で３歳までしか対象になっていないとことは、極めて不十分だと私も思っております。10年前のあり方懇談会、これは当時石井知事が就任直後に県単医療費助成制度の大幅な見直しの計画をした。それを基本的には食い止めたという意味では積極的な意味があったと思います。 　しかしもう10年たって、そろそろ見直してもよいのではないか。本会議で子供の医療費無料制度に消極的な理由として、当時、ある市長がそれに反対をしたと、意見はいろいろあったから、県は違うことをやることにしたんだという答弁が毎回繰り返されているわけです。しかし、否定的な見解であった富山市の森市長も、その後世論に押されて中学校３年生までの通院子供の医療費無料化に踏み出しているわけで、県もそういう10年前の事情というのは、理由にすべきではないのではないかと私も思っておりますので、ここは積極的な検討を改めて要望をしておきたいと思っています。 　そこで、きょうは、支給方法について取り上げてみたいと思います。 　今国会で、子供の医療費無料化を窓口で無料にしている場合の市町村に対して、国保会計の助成を減額調整する。──いわゆるペナルティです。──これを見直せという議論が行われています。全国知事会も見直すべきだということです。 　そこで、県の仕組みがどうなっているのかということをまず確認をしたいと思っています。県は窓口無料制度というのはゼロ歳児、乳児しかやっていません。幼児の支援については償還払いです。ところが償還払いと合わせて県は一部負担金徴収というのをやっているわけです。ところが、市町村でその県の方式に従っているところは、全くと言っていいほどありません。どうしてこんなふうに市町村との制度に感覚のずれがそのままになっているのか、改めて感じるところであります。 　そこでまず確認です。県内の市町村の乳幼児医療費助成制度において、支給方法、一部負担金の徴収、所得制限がどうなっているのか確認をしておきます。 43 太田健康課長　平成28年４月現在の県内市町村における、子供医療費助成制度について申し上げますと、支給方法につきましては、窓口で医療費を支払う必要のない現物給付を、対象年齢全てで実施しているのは10市町、乳幼児では現物給付で実施しているが、小中学生では窓口で一旦医療費を支払い、後日医療費が振り込まれる償還払い方式で実施している団体が４市町村、通院では現物給付、入院では償還払いで実施している団体が１市ございます。 　次に、一部負担金の徴収についてでございますが，13市町村は一部負担金を徴収しておらず、２市町は対象年齢や入通院によっては一部負担金を徴収しているというところです。所得制限についてですが、９市町が所得制限を実施しておらず、６市町村が所得制限を実施しております。 44 火爪委員　今の課長の答弁では、ほとんどわかりません。 　そこで資料の配付をさせていただきたいと思いますが、許可願います。 45 浅岡委員長　認めます。 　〔資料配付〕 46 火爪委員　きょう、私が配付をいたします資料はほとんど県の答弁にかかわる資料でありまして、答弁の内容がよくわかるように、皆さんからいただいた資料をそのまま印刷をしましたので、答弁の際にそれを使っていただいても結構です。 　まず、１枚目ですが、今太田課長から答弁をいただきました。県の制度については、県単医療費助成制度、県要綱という、その支払い方法というところを見ていただきたいと思います。 　県は乳児、ゼロ歳児で現物給付をしているけれども、幼児は償還払いで、一旦窓口で払わせ、手続をした人にだけ返してもらえるという大変評判の悪い制度です。入院と通院についても１歳になると全部償還払いという制度を県は採用しています。しかも県はその上自己負担を取っているのです。入院で１回当たり1,200円、通院で530円、自己負担しなさいということなのだと思います。 　そして、所得制限も導入をしているということなのです。 　しかし、今答弁でありましたように、県の指示どおりに一部負担金を導入している市町村があるのかといったら、全くないということです。 　参考というところに書いてありますが、入院でも全15市町村が撤廃、通院でも全市町村が撤廃、市町村独自でやっている部分については２つの市町村で入れているところがある。支払方法についても、氷見市を除く全市町村が入院では現物給付を行い、一番右の欄の支払い方法というところにあると思うのですが、既に10市町村が窓口無料制度を採用している。これはあり方懇談会の報告があったときに、県は市町村に、所得制限や窓口無料制度の実施を事実上求めることをやったわけです。計算システムも県からその費用を出すというようなことまでやったけれども、当時、２つの市町村が窓口無料制度を実施し、それがどんどん県の意向に反してふえ、実際にはもう５市町以外は窓口無料制度をやっている。県の制度と市町村が必要だと思って実施をしている制度とは、実際にどんどん乖離が生じているということが言えるのではないかと思っております。 　改めて、こういう現実を見ていただいて、もうそろそろこんなやり方は変えていったらよいのではないか、いくべきではないかと思っています。 　そこで、支払い方法、現物給付の問題について触れたいと思うのです。 　現物給付にすると、国からペナルティがかかるという制度を、冒頭に申し上げました。これをもうやめましょうよということを、県も初めて新年度の重点要望事項に上げました。私はこの説明を聞いたときに、今ごろ新規なのかと思いました。子供の新たな医療費助成制度の創設及び国民健康保険制度の国庫負担減額措置の廃止を要望したのは初めてなのです。なぜ、今までやってなかったのか。 　県議会は、御承知のように、もう11年前の2005年の２月定例会で全会一致でこのペナルティの廃止を国に要望をしています。県議会が何やろうが当局はまあこんなものなのかと思うわけでありますが、そこで、この制度によって市町村が減額されている国庫負担金の総額が幾らになるのか。医療費助成制度全体と乳幼児対象部分とそれぞれ確認をしておきたいと思います。 　そして、安倍内閣は知事会を含める要望を今回見送りました。残念ながら一億総活躍云々の中で、この制度の廃止が焦点の一つであったのに、先送りをいたしました。今後どう働きかけていくのかも、あわせて御答弁をお願いしたいと思います。 47 平野医療保険班長　まず、委員からも御紹介ございましたけれども、医療機関での窓口負担がない、いわゆる現物給付方式によって、地方単独医療費助成を実施した場合、医療機関での患者の自己負担が軽減されることにより、受診率が高まり、結果として医療費の増嵩、いわゆる波及増を招くという理由から、国においては国民健康保険法の規定によりまして、現物給付による医療費の波及増分について国庫負担金を減額しているところでございます。 　それで、委員御質問の福祉医療費全体で減額された国庫負担金の額でございますが、平成26年度において、全市町村分で２億3,000万円余りであり、このうち子供医療費──乳児・幼児・小中学生までを含むものでありますけれども──つきましては、2,790万円程度でございます。 　減額調整措置の廃止の要望でございますけれども、これまで昨年11月、今年３月に全国知事会、全国市長会、全国町村会の地方３団体から国に要望書が提出されており、本県におきましては、この５月におくればせながら国に対して要望を行ったものでございます。 　このたび、６月２日に政府が閣議決定しましたニッポン一億総活躍プランにおいては、地方単独事業で子どもの医療費助成を実施している市町村に対する国保の国庫負担金減額調整措置について、見直しを含め検討し、年末までに結論を得るとされたところであります。 　県といたしましては、国における議論を注視していきますともに、引き続き全国知事会と連携して、子ども医療費に係る国庫負担金の減額調整措置の廃止を、国に働きかけてまいりたいと考えております。 48 火爪委員　資料の２ページに、平野班長からいただいた資料があり、市町村別に全部出ています。答弁でペナルティの県内の全額は約２億3,000万円余り、うち子供の分が2,793万円とおっしゃられましたが、この表でいきますと、国費減額調整分の乳児、幼児、小中学生の合計のところにマイナス2,793万円と書いてあります。 　これだけ市町村で削られているわけです、子供の部分だけでです。 　県は、乳児だけ窓口無料にしているので、それは県も責任あるということで、右に県強化助成費分、乳児というところで、市町村に対して県が責任を負うべき239万円だけを補てんしてあげているということです。補てんは43％で、半分じゃないのです。予算の範囲内で配分をしているだけで、非常に県の立場があいまいというところです。 　こういう制度になっており、結論が先送りになったわけです。国は年内に結論を出すと言っていますけれども、強力な働きかけが必要なのではないかと思っています。 　私は、子供だけではなくて、高齢者、障害者も含めて２億3,163万円、全額のペナルティを廃止させるべきだと思います。地方自治体の自主権に対する侵害だという立場です。それで波及増とかと言っていますが、母親はこの忙しいのに子供が風邪を引いたといって、窓口無料だからといって病院に行く必要がないのに連れていきますか。高齢者、足元がふらつくじいちゃん、ばあちゃんを、お父さん、お母さんを用もないのに、窓口無料だからと病院に連れていきますか。医師会は受診抑制になったらかえって医療費はかかるのだと真っ向から批判をしています。 　県がちゃんと廃止を要望したということは、おくればせながらと言われましたが、それはそれでよいことなので、そういう理由も含めて論破していくことが大事なのではないかと思っています。 　そこで、国に対してこの制度の廃止、ペナルティの廃止の要望をしているのに、県が市町村にペナルティをかけているということを御存じでしょうか。 　県がやっていない部分を市町村が子供の医療費無料にして、窓口で無料の制度を導入していると、県が出すべき補助金を減額しています。資料の３ページにその要綱があり４ページにその一覧が載っています。自分は国に対してその廃止を主張しながら、市町村に対して減額調整をしているという現状は即刻廃止すべきだと思います。課長の答弁をお願いいたします。 49 太田健康課長　国は平成27年度に実施しました子どもの医療制度のあり方等に関する検討会におきまして、地方単独事業により、患者の一部負担が軽減される場合には、一般的に医療費が増嵩すると説明しているところです。また、こうした患者の自己負担軽減措置の実施の判断は、各地方自治体において独自に行われていることから、その波及増分については、限られた公費の公平な配分という観点から、当該自治体が負担すべきとしておられるところであります。 　本県の県単乳幼児医療費助成制度のうち、幼児部分につきましては、国と同様の考え方によりまして、先ほど委員が御説明された資料のとおり、市町村ごとに２％から８％の減額措置を講じております。その額も資料のとおり、平成27年度市町村全体では1,800万円となっております。 　県としましては、まずは国における国保の減額調整措置の見直しの動向を見ながら、県単独乳幼児医療費助成制度の減額措置の見直しについて検討してまいりたいと考えております。 50 火爪委員　検討していくという答弁でしたけれども、国に対しておかしいのではないかというのですから、まずみずからやめるべきだということを強調しておきたいと思います。 　それでは、次の質問に移ります。 　Ｇ７の富山環境大臣会合を踏まえまして、今定例会で食品ロス、食品廃棄物対策について幾つか取り上げられております。県もにわかにプロジェクトチームを設置し、前回、報告がありました。そのときにも言いましたが、国は2000年の新たな計画の中で、遅まきながら大量生産、大量廃棄、大量焼却、埋め立てというシステムからの脱却をうたったわけです。そして、それから10年程度は廃棄物も減った。リサイクル率も急速に上がった。５年間で例えば横浜市が30％以上廃棄量を削減し、名古屋市も30％近く徹底的に分別をして廃棄物を減らし、リサイクル率を抜本的に引き上げた。そういう動きが全国に広がったわけであります。 　改めて、その立場に立ち返って、2000年のときに国はもう３Ｒということを打ち出していたわけですけれども、十分進んでいない。理由はまた今後の議論に譲りたいと思いますが、そういう状況の中で、力を合わせて県民と国と行政と県と一体になって、この問題の推進に取り組むべきと考えています。 　そこで、食品ロスですが、資料をいただきました。これは全国的な数量だと思いますが、一般質問の中でも紹介があった数字であります。全国ですが、家庭系廃棄物870万トンのうち、全国ですが、食品ロスはおおよそ302万トン、ところが事業系廃棄物806万トンのうち、生活環境文化部所管の廃棄物処理法に基づく食品廃棄物に対応する食品ロスの数字が見当たらないわけであります。 　また、県の廃棄物処理計画を見ますと、改定前の現計画といっていいのか、過去の計画といっていいのか、平成27年度までの計画の中には平成22年の県の調査結果が紹介されていますけれども、家庭系ごみのうち手つかず食品が17％という数字で、実態は必ずしも明らかではないということなのではないかと思います。私は、県民感覚にきちんと沿えるような、県内の実態を徹底的に調査し、現状を明らかにすることが仕事ではないかと思います。もう一つ、その中から１日も早く現実的な目標提示することが第一歩なのではないかと思っています。 　プロジェクトチームは農林水産部次長と生活環境文化部の次長が対等で両方リーダーだと伺いました。熊谷次長にまず伺います。 51 熊谷生活環境文化部次長　委員からお話があったように、Ｇ７の富山環境大臣会合の中で、国際的に連携して資源や廃棄物の有効利用、いわゆる３Ｒといわれているような廃棄物の減量化、再利用、リサイクルといったものを進めていこうということで、開催地の名前を冠しまして、富山物質循環フレームワークとして発表されております。
   　既にお話しいただいたとおり、食品ロスの関係が、非常にわからないことが多いというのは、生産段階、流通段階、小売りの段階、それから家庭の中に入った後の段階ということで、生活環境文化部で所管しています廃棄物の部分に入ってくる以前の部分をきちんと理解することは非常に大切だと思いますし、よい御指摘をいただけたのではないかと思います。 　国の中でも食品リサイクルを所管するということで、農林水産省、環境省でやっていますが、ここでも推計値が出ているだけです。私どもも幾つか研究所で推計などをやってみておりますが、まだまだ数値的な確度の高いものを持ち合わせていない状況かと思います。 　おっしゃられたように、農業の現場みたいなところから流通、小売り、最終的な家庭、事業所といったところまできちんと数字を把握した上で、実現的に削減できる可能量みたいなものをきちんと把握した上で、具体的な施策と合わせて今後検討してまいりたいと思っております。 　関係者が非常に広い問題ですし、私どもも廃棄物だけではなく、エコストアのようないろいろな小売店に対する施策も行っておりますので、そういうものを総動員しながら関係者と議論して、どのような目標設定の仕方がよいのかも含めて検討していきたいと思っております。 52 火爪委員　熊谷次長が富山県にいるうちに全国に誇れるよい計画をつくっていっていただきたいと思います。 　それで、全体像はこれからなのですが、かねてから食品ロスというと、とても胸が痛む現象があるわけです。それはコンビニです。コンビニエンスストアのフランチャイズ契約というのは、食品を大量に仕入れて大量に廃棄しなさいという方針なのです。そういう方針で運営されているということについて、本当にどうしたらいいのかなというふうに思ってまいりました。 　一昨年２月の衆議院予算委員会の分科会で、我が党の穀田恵二議員がこの問題を取り上げており、その答弁でどのぐらい捨てられているかという報告がありました。ある大手コンビニエンスストアチェーンの環境報告書によると１店舗平均の食品廃棄物が１日平均12.3キロです。12.3キロはどんな数字かというと、その計算でいくと、365日かけますと、4,428キロ、仮に県内のコンビニ300店舗が同じスタイルだとすれば、実際には、それぞれ違うのですけれども、1,328トンということになるわけです。 　量もさることながら、コンビニのこの廃棄物は分別していません。トレーから何からみんなそのまま捨てる。だからリサイクルとか分別とかとおよそ無縁な世界になるわけです。これはアルバイトに行っている学生、若者たちに物すごく悪影響なのです。あるチェーンは賞味期限が切れる２時間前になると、一斉に捨てるわけです。それを若い人たちが見ているのです。営業効率を上げるためにはそれがよい方法なんだというふうに説明をされているわけで、こういうことを目の当たりにしている若者たちが家へ来てきちんと分別するかということを考えたら、大変嘆かわしいわけです。 　これは、国の指導も必要なのですけれども、私はこの分野でも県内の実態把握をきちんとして、問題提起をするというところから啓蒙していく必要があるのではないかと思います。本部のフランチャイズ契約による食品の大量仕入れ大量廃棄を行っている今のコンビニのあり方の実態について、どう認識をしているのか、課長に伺います。 53 杉田環境政策課長　今ほどの熊谷次長からの答弁にもありましたけれども、食品ロス等の実態はまだまだ明らかでないところが多く、またコンビニエンスストアなど、個々の業種でどれだけの食品ロスが発生し、どのように廃棄されているのかというのは、現時点では把握していない状況にあります。また、廃棄の量につきましても、今委員から御紹介もありました一部のコンビニエンスストアでの報告書ではデータはあるのですけれども、都道府県別になっていないとか、データとしてもまだ不十分なところがあると考えております。 　大手のコンビニエンスストアでは、店舗数や来店者数も多いことから、その規模にある程度比例して、その仕入れ量や廃棄の量も大きくなるものと考えられます。 　ただコンビニエンスストアでの廃棄の割合がどの程度の割合なのかというのは、今の段階ではデータがないので、一概には言えない状況にあります。今後、このプロジェクトチームにおいて、例えば国とか、業界団体等の統計としてどのような情報を持っておられるのか、また不足している情報については、別途調査が可能なものなのかどうかというようなことを、検討していきたいと思っております。 　なお、こうした事業者を対象とした調査は、企業等の情報を収集することになるものですから、事業者の協力が大前提となります。その業界団体や企業等の意見を聞きながら、調査への協力が得られるよう丁寧に説明もした上で、調査の内容とか実施方法について、慎重に検討した上で実施していきたいと考えております。 54 火爪委員　いただいた富山県の廃棄物、平成27年11月というものにも、コンビニエンスストアはスーパーとともに要チェックだというふうな記述もありました。学生たちに聞きますと、２時間前に、捨てるものは全部データを打ちこむのです。データはちゃんと持っているのです。だから調べようと思えば調べられる。そして賞味期限の２時間前に廃棄するとすれば、それの有効活用も考えられるわけです。捨てなくてもよいのに、品ぞろえで選択肢を狭めるよりも、大量に捨ててもいいから仕入れなさいという指導を加盟店はされているわけで、ぜひ問題提起をしていっていただきたいと思って、今回は取り上げてみました。 　最後ですけれども、そうすると、本当はことしの４月にはできていなければならなかった、富山県の廃棄物処理計画の発表が難しくなっていることは、よくわかります。今までつくった案を再検討、補強することが必要で、それをしてから公表をするということは、私はとがめられることではないと思っております。 　それで、前回の質問でも、通告しないで少し申し上げたのですけれども、食品ロスの問題を入れなければいけないと思います。それから、掲げる目標ですが、私はＧ７富山環境大臣会合を踏まえて、せっかく富山の名前がフレームワークについたわけですから、積極的な目標にしなければいけないと思います。 　それで、一部できてもいない処理計画の目標が新聞記事で公表されておりまして、例えば一般廃棄物の家庭からのごみ、一般家庭系のごみのリサイクル率を、27％にするという計画だという報道がありました。これは国が27％にすることに合わせたのかなと思うのですけれども、到達が違います。県はいろいろ数字があるのですが、一般廃棄物、家庭系ごみのリサイクル率は今24％か25％だと思います。直近で25％だとすると27％に引き上げることになると、２％引き上げるという目標だと思うのです。 　国は今リサイクル率というのは22％と聞いています。これを27％に引き上げることは５％上げるということなのです。だから、県が５％上げるとすれば、目標は30％になるわけで、今まで前向きの到達をつくってきたのに、ここで一気に全国並みに水準を下げる必要は、私は到底ないと思うのです。到達が全国よりも積極的な到達になるように、そういう目標を掲げていただきたい。 　例えば、家庭系ごみのリサイクル率について取り上げましたけれども、ぜひ積極的見直しを要望し、一日も早く公表をしていただきたいと思いますが、課長の答弁を求めます。 55 杉田環境政策課長　県の廃棄物処理計画につきましては、廃棄物処理法に基づきまして、国の方針に則して定めることとされておりまして、策定平成23年度から目標の平成27年度までの５カ年間の計画としまして、国の目標値や本県の廃棄物の現状や将来予測等を考慮して目標値を設定したところでございます。 　それで、目標値の達成状況につきましては、目標値としては一般廃棄物と産業廃棄物とがありまして、それぞれ排出量、再生利用率、最終処分量ということにそれぞれ分かれます。達成状況につきましては、平成25年度現在、排出量と最終処分量は一般廃棄物、産業廃棄物ともに目標達成する見込みなのですけれども、再生利用率は一般廃棄物、産業廃棄物とも目標達成は困難な状況にあります。 　このうち、まず一般廃棄物の再生利用率が平成27年度で25％の目標に対して18％、平成25年度現在ですけれども、達成困難な理由としましては、南砺市のごみ固形燃料化施設が平成24年に休止して焼却処理されるようになったということと、近年、民間リサイクル業者による再生利用量が増加しているのですけれども、これまで算入の対象外としてきたということもございまして、目標達成が困難という状態になっています。 　このため、新たな計画では、市町村施設に加えまして民間施設による再生利用量も含めて評価したいと考えております。今後、処理施設を持つ市町村と連携しまして、民間事業者の再生利用を推進したいと考えております。 　今、委員からも御指摘のありました国を超えた目標ということなのですけれども、これまで、民間を含めて本県の場合、基準年度の平成24年度で25％という全国に比べても高い水準、これは一重に市町村さんもそうですし、民間事業者さんのこれまでの取り組みへの評価が高かったということもございます。今後、さらに上積みするというのはなかなか困難なことなのでございますけれども、今後市町村と相談しながら、あるいは民間事業者の方とも情報交換しながら、一部実証実験しておられるような、リサイクルの手法も考えておられるということも聞いておりますし、少なくとも国の目標値以上は設定したいという気持ちで思っておりますので、そのように今策定作業を進めているというところでございます。 56 火爪委員　全国並みに甘んじることのないように、重ねて要望して質問を終わります。 57 澤谷委員　蔵堀厚生部長に１点だけお尋ねします。 　予算特別委員会の席上でも発言したのですが、子育て支援に係る所得制限について、県の基本的な考えを聞いたわけですが、県は各市町村おのおのの子育て支援について、所得制限をつけるつけない、各市町村の政策的なものであるという御答弁だったわけです。 　それで１点、先ほどの第４子からの子育ての応援、６歳までのとやまっ子お祝いパスポートについて、私は子育てという政策は個々のものじゃないと思っているのです。医療費、保育料の無料化、病後児の応援、学校の放課後児童対策など、包括的なものなのですが、県は今第４子からパスポートをやりますよと言っていますが、どうして所得制限をつけないのですか。政策的なもので、結局所得のある人にはそれだけの応分の負担をしてもらいますよと、はっきりと部長は述べておられるのです。 　私はそのときには所得がある人はそれだけの納税をして、それでみんなフラットなものだというふうな形で質問したのですが、今の案件についての基本的な考えは、要は小さい事案であれば所得制限はなし、そして大きな事案であれば、所得制限をして、県民の皆さんに応分の負担をしてもらうというふうな考えでよろしいのですか。 58 蔵堀厚生部長　本会議でも御答弁申し上げましたけれども、所得制限の基本的な考えはその制度がどうであるか、あるいは財政的な負担がどうであるか。それからそもそもその負担は誰にどれだけ負担してもらうのがよいかということによって、変わると思っております。 　今回の、第４子以降のパスポートについては、おっしゃるように、県にそれほど大きな財政的な負担を伴うものではございませんけれども、幅広くたくさんのお子さんを産んでいただくことと、社会全体で子育ての機運を盛り上げていきたいということで、この件に関しては所得制限をつけてはおりません。 59 澤谷委員　これまで市町村がそれこそ自分たちの財政能力以上の負担をしているかもしれませんが、地元の子供たちは地元の市町村でしっかり育てていきたいという風潮になっているのです。その辺をきちんと加味しながら、これから子育て支援の政策を高めていっていただきたいと思っております。 　今までのやり方では私は不十分だと思っておりますが、その１点をお聞きします。 60 蔵堀厚生部長　子育て支援にかかわらず、県ではできるだけ基盤的な部分の制度を維持して、市町村の御事情等により、市町村においてさらにその上にプラスして施策を実施していただくというのが、基本だと思っています。 　おっしゃるように、市町村の事情も変わっておりますし、少子化の状況も変化してきておりますので、今後どういった少子化対策がよいのかにつきましては、もちろん厚生部だけではなくて、県庁全体で考えていく必要があると思っていますので、そうした中で、またそれぞれの制度をどういう水準が適当なのかということについても、検討していくことになると思っております。 61 澤谷委員　子育て支援に対する政策には力いっぱい応援させていただきたいと思っております。 62 浅岡委員長　ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑、質問を終わります。 　５　行政視察について 63 浅岡委員長　次に閉会中の継続審査事件の調査のための行政視察について議題といたします。 　県内行政視察については、必要に応じて機動的に実施していきたいと考えており、その実施に当たっての日程調整等については委員長に御一任願いたいと思います。これに御異議ありませんか。 　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 64 浅岡委員長　御異議なしと認め、そのように決定いたしました。 　以上で、付議事項についての審査を終わります。 　この際、ほかに何か御意見等はありませんか。──ないようでありますので、これをもって委員会を閉会いたします。 　御苦労様でした。 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...