〔
賛成者挙手〕
5
瘧師委員長 挙手全員であります。
よって、議案第1号外26件及び報告第1号については原案のとおり可決または承認すべきものと決しました。
2 請願・陳情の審査
6
瘧師委員長 次に、請願・陳情の審査に入りますが、今回はいずれも付託されておりませんので、御了承願います。
3 閉会中
継続審査事件の申し出について
7
瘧師委員長 次に、閉会中
継続審査事件の申し出の件を議題といたします。
本委員会の閉会中
継続審査事件については、お手元にお配りしてある
申し出案のとおり議長に申し出たいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
8
瘧師委員長 御異議なしと認めます。
よって、お手元にお配りしてある
申し出案のとおり、議長に申し出ることに決定いたしました。
4
経済建設行政当面の諸問題について
(1)
報告事項
五十里商業まちづくり課長
・「
ふるさと名物商品購入助成事業」の実施結果につ
いて
神埜港湾課長
・「富山県
港湾施設長寿命化計画」の策定について
(2) 質疑・応答
吉田委員
・
ふるさと名物商品購入助成事業について
矢後委員
・
ふるさと名物商品購入助成事業について
・低入札について
平木委員
・
UIJターンの促進について
・「とやまいきいきmarket」の成果について
横山委員
・
退職職員からの後進への期待、助言等について
9
瘧師委員長 報告事項に関する質疑及び
所管行政一般についての質問に入ります。
質疑・質問はありませんか。
10
吉田委員 ふるさと名物商品購入の
助成事業について、少し質問させていただきます。
この事業は、皆さん御承知のとおり、地元の
中小企業や
小規模事業者を初め、地域が一体となってその地域の強みを
ふるさと名物として掘り起こし、その魅力を発信する
取り組みに対して支援する事業だと私は理解しております。
地方創生の具体化に向けて、地域の底力を引き出す事業として注目を集めていたところでございます。
また、先ほど御説明がありましたとおり、
消費喚起策として実施された「
ふるさと名物商品券」と
通販サイトを合わせて約7,000万円の
販売実績となったわけですが、県として、本事業の成果をどのように評価しているのか、お聞きしたいと思います。
11
五十里商業まちづくり課長 今回のこの「
ふるさと名物商品購入助成事業」につきましては、国の交付金を活用して、主に県外において新たな消費を喚起して、その消費を取り込むこと。それと、この事業を通じて県産品の全国的な
知名度向上や、
販売促進、
販路開拓を図ることを目的に実施したものでございます。
その成果として、先ほど報告したとおりですが、
通販サイトの県外からの
購入割合が7割になり、また、
プレミアムつき商品券につきましても、全て県外の方の利用と考えられますので、事業全体では、
売上金額の約8割が県外の方の消費によるものと考えられるところでございます。
また、
消費者アンケートでは、この事業により新たに
消費喚起され購入いただいた割合が、約9割となっており、こうした結果から、県外からの新たな消費の取り込みといった点については、一定の成果があったものと考えております。
また、県産品の
知名度向上とか、新たな顧客の獲得を図るために、全国的な
有名雑誌への
広告掲載や、
フェイスブックによる
情報発信など、全国に向けて積極的にPRしたところでございまして、この結果、
通販サイトでは全
都道府県から利用いただいたほか、
事業者アンケートでは事業の効果として、売り上げが増加したといったような意見以上に県外へのPRができた、あるいは、新たな顧客の開拓につながったといったお声を多くいただいたところでございます。
通常こうした
通販サイトでの販売については、
新規出店から軌道に乗るまでにある程度の期間が必要であると言われておりまして、今回限られた期間でのこうした事業結果については、一定の成果があったものと考えているところでございます。
12
吉田委員 売上金額の8割が県外、また新たに
消費喚起になったというのは9割近くあったということで、非常に効果があったという御答弁でした。
これも3割引で販売したため、効果があったのだろうというふうに思います。問題は事業がずっと続くわけではなく、ここで終わってしまうので、これからいろいろな
市場展開がなされ、私は最終的には、例えば、年商が30億円であり、村民の約1割が
ユズ加工の仕事に携わっている高知県の馬路村の
ユズコショウ、「ごっくん馬路村」ドリンクなど、あるいは、山梨の甲州市の
甲州ワインのように成功したところまで行けば一番望ましいと思います。新幹線の
開業効果と同じだと思うのですが、今後この事業の成果を一過性に終わらせないためにも、どのように生かしていくのか、お聞かせ願いたいと思います。
13
五十里商業まちづくり課長 今、委員の御指摘がありましたとおり、今回の事業につきましては県産品の一時的な
販売促進だけではなくて、この事業を
きっかけとした全国的な
知名度向上、
販路開拓、新商品の開発、あるいは
ネット通販の実施など、各
事業者の今後の
事業展開につなげていくことが必要だろうと考えております。
このためには、この事業を通じて得ました県産品の販売結果、あるいは
全国各地の顧客の情報などを有効に活用していくことが重要であると考えており、具体的には、
通販サイトの今回の売上結果、あるいは顧客の嗜好、
ニーズ等を地域別や年代別に集計、分析しまして、参加者にフィードバックし、
事業者の
商品開発や
販路開拓等の新たな
取り組みにつなげていただくことを考えているところでございます。
また、
顧客情報につきましては、
個人情報の問題もありまして、各
事業者に直接提供することはできないのですが、本事業の委託先であります、富山県いきいき物産から購入者に対しまして、いきいき物産の
既存サイトを案内するとともに、同意を得られた方につきましては、県産品の
情報提供をしていく予定にしております。
さらに、本事業のために新たに開発された商品も数多くございます。そういった商品も含めて、当サイトで人気のあった商品については、引き続き「いきいき物産」の
通販サイトで販売していくことを予定しております。
また、この事業を
きっかけとしまして、
ネット通販の実施を検討したいといった
事業者も聞いております。必要に応じて、
関係機関のほうで実施されております
eビジネス関係の研修を紹介するなど、その
取り組みについても支援していきたいと考えております。
14
吉田委員 引き続きこの
ふるさとビジネス応援事業、これは
緊急経済対策として提案されたものだと思っております。非常に
個人消費も落ち込んだ状況の中で、ぜひ
地域資源の
ブランド化、あるいは
中小企業、
小規模事業者の
研究開発、
販路開拓にしっかり支援していただいて、
地方創生の実現に努力をしていただきたいと思っております。
15 矢後委員 「
ふるさと名物商品購入助成事業」に関連して2点ほど確認させてください。
まず、
プレミアムつき商品券の件について、1点教えてください。
5,500セット、2万7,500枚販売され、2,700万円程度販売できたということで、
大変成功だったのではないか、すばらしい成果をおさめられたと思っております。この使用率98.5%というのは、413枚程度未使用になって残っているのだと思うのですが、この413枚はこれで紙切れになっているのか、
使用期限というものは特にないので、これからまだこの数字は伸びていくのかを少し教えていただけますか。
16
五十里商業まちづくり課長 委員おっしゃったとおり、一旦販売しておりますので、未使用分の金額については委託先のほうで収入として上がっており、その分については支払いに回っていないということで、手元に残っているわけなのですが、実はこの分については国に今確認をしている最中でして、国のほうに返していただいても、県で事業費に充てていただいても結構ですよといったような回答はいただいていますが、それも含めて現在
財政当局とも検討している最中でございます。
17 矢後委員 もう1点お願いします。
先ほどの御
説明資料の別紙に
販売実績データ、
都道府県別ランキング、
商品別ランキングが出ております。
都道府県別ランキングで、1位が本県だということは当然かなと思います。2位から順に、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、飛んで10位の茨城県というのは、多分
北陸新幹線開業効果で、大変将来に希望が持てる
ランキングができ上がったのではないかと、結果として喜ばしいことだと思います。
それから、従来から
結びつきの強い大阪府、兵庫県、また中京圏の愛知県ということで大変順当な、また、想定内の
ランキングができているのではないかと思っているのですが、1つわからないのが9位に静岡県がランクインしていて、
静岡県民の皆様方には
大変感謝を申し上げたいと思いますが、何で静岡県の方がこんなにたくさん買っていただいたのか、それを課長にお答えいただきたいと思います。
18
五十里商業まちづくり課長 今回、全国的なPRということで、全国の
有名雑誌でありますとか、特に各県の
東京事務所、
大阪事務所、
名古屋事務所等においても、PRしていただいたというところがございます。そういった中で、東京等でのPRということも結構力を入れてやったものですから、東京での
交流人口が多い静岡県にも、ある一定の効果が出たのかというふうに考えているところでございます。
19 矢後委員 ただ、こういうふうに想定外のところが入られたのは、何らかの事情が多分あるのだと思うので、
追跡調査をされたらいいのではないかと思って実はお聞きしました。
最後に、
吉田委員の質問に対する
関連質問で1点お聞ききします。
全体として大変すばらしい
売上実績を上げておられまして、正直、数字を見てびっくりいたしました。
商業まちづくり課のいわゆる
ヒット企画だと思います。
これだけの件数と
販売金額になるのであれば、例えばですが、それぞれの商品の本店──多分全部
富山県内だと思いますので──に来ていただけたら、次4割引の券がその商品についてくるなどとすると、
北陸新幹線に乗って県内に来てくれる観光客の増客にも、多分つながるのだろうと思うのです。また、販売しておられるところは、いろいろ
まちなか等にもおありでしょうから、
中心市街地の活性化や
まちなか観光にも全部
相乗効果を生むと思います。
そこでお尋ねしますが、せっかくすばらしい結果を残された企画ですので、今後応用されて、自宅にいながらにして買える
ネット通販を利用後、2回目は現地へ来ていただいて買っていただけたら何かお得になるというようなものと絡めて、いわゆる商業をネタにした
インバウンド観光の振興を、
商工労働部としてお考えになったらどうかと思うのですが、
商工労働部長の御所見をお伺いしたいと思います。
20
大坪商工労働部長 今ほど
商業まちづくり課長から御答弁をさせていただきました、今回の「
ふるさと名物商品購入助成事業」については、いろいろな部分で成果を出していると考えておりまして、先ほども御答弁申し上げましたが、この成果を今後にどのように生かしていくのかというのが大きな課題になると考えております。
今ほど委員からお話がありました、今後の展開として
交流人口の増加につなげていくネタにできるのではないかということもございます。今それについて、ぜひそれをとか、そういうことまでは御答弁申し上げることはできませんが、今回の結果を詳細に分析して、先ほど静岡のお話もございましたが、富山県の商品にはどういうところに魅力があるのか、全国の皆さんはどういうことを求めておられるかを仔細に分析をして、今後のいろんな施策につなげてまいりたいというふうに考えております。
21 矢後委員 本当に
商工労働部の
ヒット企画だと思いますので、大変高く評価したいと思います。ぜひ今後につなげていただきたいと思います。
次に、通告してございました土木部に対する質問についてお願いいたします。
県発注の
競争入札における低入札の
発生状況について、何点かお伺いさせていただこうと思っております。
多分ここ1カ月以内だと思いますが、新聞等にも何回か取り上げられておりまして、県発注の
競争入札における
調査基準価格を下回る入札の
発生状況が、少し頻発しているのではないか、ある意味少し目に余るのではないかというような
マスコミ報道等があったと記憶しております。
確認のためにお伺いします。今年度の
県発注工事の
競争入札における低入札の
発生件数と、発注数に対する発生率はどのように推移しているのか、
管理課長にお伺いいたします。
22
中谷管理課長 昨年4月から本年2月までに
県発注工事の入札におきまして、低
入札調査基準価格を下回ったものにつきましては52件、
発注件数に対する発生率ですと4.8%となっております。
年度単位の統計で申し上げますと前年度は35件、発生率では2.4%となっておりまして、件数で17件、発生率では2.4ポイント増加しているところでございます。
23 矢後委員 昨年度の2.4%から発生率に換算しますと、ほぼ倍増のペースになっているかと思います。自分の記憶なので正確かどうかわかりませんが、多分ここ2年ほど2%台が続いていて、ただいまの御答弁で今年度急に大きく増加していると理解しましたが、前年度に比べ、相対的に低入札の発生率がこれだけ大きく上昇している原因について、土木部としてどのような想定をされておられるのか、課長の御意見を伺いたいと思います。
24
中谷管理課長 まず、これまでの各年度の低入札の状況について、少し御報告申し上げたいと思います。
まず、件数の状況でございますが、最も多かったのは平成21年度、これは年間161件発生しておりました。その後、順次
調査基準価格の引き上げですとか、その詳細な調査を実施する、それから、
一定期間に基準点に満たない
工事成績の通知を受けた企業について、再度の低入札を無効とする制度といったものも導入いたしまして、平成24年度は66件、その後
アベノミクスによる
経済対策により、
公共工事等の発注額が大きく増加した平成25、26年度は、おおむね35件ということで推移してきたところでございます。
今年度はその
アベノミクスによる
経済対策の効果があらわれる前の平成24年度に近い水準にあると思っております。
ただいま委員から御質問のありました原因でございますが、こういったことを見てまいりますと、低入札の発生率の上昇につきましては、やはり県内における
公共工事の
発注状況の変化というものが、その要因の1つとなっていると考えております。
東日本建設業保証株式会社が取りまとめられました県内の
公共工事の
前払金保証取り扱い状況によりますと、昨年の4月から本年2月までの今年度の
公共工事の
請負金額は、
富山県内全体で前年同期比31.9%の
マイナスとなっております。
発注者別ですと、県は
マイナス22.4%で、国は
マイナス41.1%、市町村が
マイナス34.9%と、いずれも前年同期を下回っているという状況になっております。
県土木部の今年度4月以降の
公共工事等の発注額につきましては、これまでも何度か御答弁させていただいておりますが、国の
経済対策に伴う
公共事業の
補正予算が、
アベノミクスがスタートいたしました平成24年度末の
大型補正から年々大幅に減少してきていることを受けまして、翌年度以降繰り越して事業をやっていくのですが、今年度は前年度からの
繰越予算が大幅に減少しているということに加えまして、
北陸新幹線駅への
アクセス道路整備等が一段落しているといったことなどに伴いまして、
アベノミクスによる
経済対策が行われる以前の平成24年度の水準に近くなっていると考えております。
国、それから市町村につきましても同様の状況にあるというふうに思いますが、昨年度の国交省の
直轄事業におきましては、
能越自動車道の
県内区間が開通をいたしました。それから、国道8
号入善黒部バイパスが暫定2車線で全線開通しております。
市町村につきましては、新幹線駅周辺の整備等が終了したといったことが大きく影響しているのではないかというふうに考えております。
こういったように今年度は、国、県、
市町村等を含みます県内における
公共工事が、昨年、それから一昨年度に比べまして減少しているということで、
事業者間の
価格競争が激しくなったことが、低
入札発生率の上昇の要因の1つとなっているのではないかと考えております。
25 矢後委員 ただいまの御説明ですと、国や市町村に比べて、実は県が一番
公共工事の急激な縮減を最小限に食いとめようと努力しておられる数字だというふうに受けとめました。国が41.1%、市町村が34.9%縮減しておられる中で、県は20%台前半の縮減で何とかとめようと、最大限の努力をしたということで、大変高く評価したいと思います。それでも20%台ですからやはり高いです。
公共工事の急激な縮減も原因の1つということで、ただいまの答弁は
大変納得がいったのですが、そこで、過度な低入札の発生を防ぐ対策としまして、高岡市でやっている制度について、御紹介したいと思います。
高岡市では低
入札価格で
当該工事を落札した業者に対しては、その
該当工事が完成するまで、同種の他の工事への入札を不可としています。県ではそのような措置は現在とっていないと承知しております。ある意味、県の措置よりも少し厳しい措置かと認識しているのですが、
県発注工事でも、このような類似の措置をとることを考えることは可能なのかどうか、
管理課長の私的な所見でも結構ですから、教えていただきたいと思います。
26
中谷管理課長 まず、県における低入札工事の発注企業の入札制限につきまして、少し御説明したいと思います。
過去の
一定期間に基準点、75点という
工事成績なのですが、基準点に満たない
工事成績の通知を受けた企業が、低
入札価格で落札をした場合、落札決定後6カ月間は再度の低入札を無効とするという措置を平成24年度に導入いたしております。
この導入によりまして、低入札の
発生件数は平成23年度の123件から、平成24年度の66件に減少するということで、一定の効果があったというふうに考えております。
今、委員から御紹介いただきました高岡市の制度についてでございますが、低入札で工事の契約を締結した場合に、その工事の完成検査が終了するまで、まず工事の成績にかかわらず、それから同種工事の他の入札には、低入札であろうが、そうでなかろうが一切参加できないということとされております。低入札工事の受注企業の入札参加制限につきましては、まず工事の品質、成績、安全の確保が図れるか否かということを重要な視点とすることが必要かと考えておりまして、低入札対策につきましては、他の
都道府県の状況なども踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
27 矢後委員 ただいまの
管理課長の答弁の中で、1点確認させていただきたいのですが、現在の県による制度だと、
工事成績75点未満の通知を受けたことがある業者は、低入札による落札決定から6カ月間、他の低入札は無効という御説明だったと思いますが、その6カ月間というのは、どういう根拠で決定された期間なのか、教えていただきたいと思います。
28
中谷管理課長 まずこの6カ月間を定めますときに、今、高岡市が工事の期間、制限をするという考え方をとっておりますが、当時もやはりそういう期間という議論もあったようであります。ただ、そうしますと、工事によりましてその期間というのが長くなったり短くなったりするというバランス上の課題があるということで、一定の期間をつくったほうがいいのではないかと。
なぜ6カ月にしたかということにつきましては、談合関係の指名停止の期間が、この6カ月という期間をとっておりまして、そこを標準にして考えたというふうに資料には記録がございます。
29 矢後委員 これも今月の話ですが、今、開会中の高岡市議会の3月定例会において、過日建設水道常任委員会が開催され、その際に高岡市当局が議員から受けた質問の答弁の中で、いわゆる低入札が相次いでいることの関連の答弁として、公契約条例制定の検討について言及されたとうかがっております。
時期によって──例えば
北陸新幹線のような大きな特殊なプロジェクトや、天皇皇后両陛下が御臨席になられます全国植樹祭など──、いろいろな事業があり、工事件数や総発注額などに年度による上下が出るのは、今後もやむを得ないことだと思いますし、それを全て公契約条例で縛ってしまうのは、逆にその柔軟性を失う部分があり、少しリスクがあるのではないかと、何となく疑問を持ちながら、その報道を見ていました。このような公契約条例等の条例で、がちっとはめてしまうことも、極端に言うと解決策の1つにはなると思われるかどうか、
管理課長のお立場ではどのような印象を持たれたか、少し教えてください。
30
中谷管理課長 今、委員から御指摘、御説明がありました公契約条例に関する議論といたしまして、1つは、行政が発注する工事などの受注者であるということにのみ着目しまして、それに従事する労働者の賃金等の労働条件を規制すべきという考え方が、この公契約条例を定める目的として考えるという考え方がございます。
ただ、労働者の労働条件の基準は法律で定めることと憲法で規定しております。労働基準法では、労働条件は労働者と使用者が対等の立場において決定すべきものとされており、関係法令の規定にも関連するということでございます。こういった点につきましては、まず国レベルでの法制定の可否を議論されることが必要なのではないかなと考えております。
もう一点、また労働条件について基本理念、県・
事業者の法令遵守、それから適正な労働条件の確保といったことについて、抽象的な責務を定めるという考え方もあるかと思います。
具体的な効果等につきましては、こういう抽象的な規定の場合に、どれくらいの効果があるのかということを十分検討する必要があると考えておりまして、今後必要に応じて他の
都道府県の検討状況などにつきましても、情報収集をしてまいりたいと考えております。
31 矢後委員 最後に、土木部長に1点お伺いしたいと思います。
今ほど何点か質問した中で、
管理課長から過去の実績も含めて御答弁いただきました。
その結果、まず1点は県としても、まず低入札の発生率が異常に上昇していくことを好ましいとは思っておられないということは確認できました。
2点目は、低入札の発生は平成21年の161件をピークとして、その後、平成22年、23年、24年と徐々に減ってきた理由は、県が低
入札価格落札者に対する入札参加制限措置を随時見直してきた結果、平成25年度などは、低入札の発生率が1年間で半分に減るという成果を上げておられます。
その改定の中には、富山
県土木部のある意味決意とか覚悟を示すアナウンス効果も含まれていて、大変立派な成果を上げられ、しかも、結果として大きな効果を実際にもたらした好事例だと思っております。県のとられてきた過去の措置が、いずれもよい結果を今日までもたらしているという成果を鑑みた場合、今回も低入札の発生率が上昇しておりますが、先ほど
管理課長から御説明いただいた、低
入札価格落札者に対する入札参加制限措置について、また再改定し、アナウンスする効果によって、
発生件数、発生率が大きく減少するのではないかという期待が持てると思うのですが、どのように対応していこうとしているのか、部長の御所見をお尋ねしたいと思います。
32
林土木部長 県内建設企業は、社会資本の整備はもとより、除雪や災害対応の面からも大きな役割を果たしていただいておりまして、低入札の増加は県内建設企業の経営基盤を圧迫し、健全な発展を阻害するおそれがあります。また、工事の品質確保が図られるかといったような課題もあろうかと思っております。
先ほど
管理課長から御答弁申し上げましたとおり、国の
経済対策や
北陸新幹線関連工事等の縮小によりまして、県内の
公共工事が減少していることなどから、委員御指摘のとおり、今年度に入り低入札の
発生件数が増加をしておりまして、県では国や他の
都道府県の対応状況も踏まえ、低入札対策の強化につきまして検討を行っているところであります。
3月29日には、外部の有識者から成ります富山県入札契約適正化検討委員会を開催し、御審議をいただく予定としておるところでございます。
こうした中、去る3月14日には、国におきまして、一層の工事品質の確保のため、平成28年4月から建設工事におきましては、
調査基準価格の算定における現場管理費の算入率を引き上げるということで、
調査基準価格を引き上げるというような見直しを行うことが発表されたところでございます。
本県では、平成10年度に低
入札価格調査制度を導入して以来、国に準拠し、
調査基準価格の見直しを行ってきたところであり、検討委員会で御了承が得られれば、国と同様の見直しを速やかに実施したいと考えておるところでございます。
また、その他の低入札対策につきましても、検討委員会で御議論いただきたいと考えており、現行の制度や運用の見直しにつきましても、検討してまいりたいと思っておるところでございます。
33 矢後委員 これまでこのような低入札が大変多いというトラブルがあったときに、その都度県の土木部がとってこられた措置というのは、本当に即効性があって、いずれも課題解決のための好事例に今までずっとなってきていると思うのです。それを大変高く評価したいと思いますので、今回も県の土木部から意思と覚悟を伝えていただくことによる効果等も含めて、ぜひ御尽力をお願いしたいと思います。
34
平木委員 私からは、まず、
UIJターンの促進について西海労働雇用課長に幾つか伺いたいと思います。
(一社)日本経済団体連合会が発表したことしの就職活動の解禁日は、企業説明会、会社説明会等の解禁は3月1日からと昨年と同様ですが、面接を含めた採用活動の解禁は、昨年はその前の年の4月1日から8月1日に変更され、また、ことしは新たに6月1日に2カ月間前倒しされるという変化が起こっております。
これによって、3月1日に説明会が始まり、去年であれば4年生の8月1日に採用面接が開始だったのが、6月開始により2カ月間短くなったことで、一般的には就職活動が短期決戦であるとか、また早期に決着がつくという言い方がされております。
これに関しまして、当然(一社)日本経済団体連合会の発表ですから、全て
中小企業もそこに準拠することにはなっていないという前提はありながらも、やはり県内の
中小企業においては、早期に大手の内定も出てしまうこともあり、県内就職に対して悪い影響が出るのではないかという懸念もされているところでございます。
まず、採用選考の活動の時期が2年連続で変更されたことに伴う県による就職活動のサポートの対応について、西海労働雇用課長にお伺いいたします。
35 西海労働雇用課長 委員から御紹介のありましたとおり、学生の採用選考活動につきましては、昨年度と比べますと採用に係る広報活動の開始時期は、前年と変わらず3年生の3月1日から、面接等の選考活動開始は、大学4年生の8月1日から6月1日に前倒しをされまして、広報活動開始から選考活動開始までの期間が短くなったというところでございます。
こうした状況を受けまして、県におきましては、学生の就職活動の準備を早い時期から支援するために、昨年の秋から県内外で、学生向けの就職セミナーや業界研究セミナーなどを開催いたしますとともに、学生と県内企業のマッチングをいち早く支援するため、広報活動の解禁直後の3月2日に富山で「Uターンフェアインとやま」を開催したところでございます。
そういった就職セミナー等の中で、学生さん向けには、県内の
中小企業には高い技術力と将来性、またしっかりした経営策を持った企業が多数あるということをPRさせていただくとともに、就職支援会社の専門家のほうから採用選考の日程の変更の影響や、それに対応する方法、また心構え等について話してもらうなど、日程変更があっても、慌てたり不安になったりすることなく、自分に合った就職先をしっかり見きわめて取り組むように支援をしております。
また、
中小企業にとりましては、新規学卒者の採用活動が長期化する傾向にございますことから、今後とも東京や、また県内での合同企業説明会等については、年間を通じて、就職採用活動の状況を踏まえた適切な時期に開催するとともに、来年度新たに
中小企業の人事担当者を対象といたしまして、企業PR力向上のための実践的な研修を開催するなど、円滑な就職採用活動を支援してまいりたいと考えております。
36
平木委員 今の答弁に関しまして、例えば大手のマイナビの調査によりますと、学生のうち52.2%の方々が、今回の採用時期の2カ月前倒しに対してはプラスの評価、感想を抱いているという調査もございます。やはり学生にとっては、なるべく早く就職活動を終えて内定をもらって、また、5月末からは、例えば教職課程の方などは教育実習が入ってくることも影響しますので、この状態が来年度の学生にも続くようであれば、なるべく早期に情報収集などに取り組んでいただくような機会を、引き続き提供いただきたいと思います。
皆さんも御存じのとおりですが、今、求人詐欺という問題も起こっています。これは早期に就職をしたい、就職活動の情報を得たいと焦るばかりに、企業側もなるべく学生がわかりやすいような情報を提供するわけですが、その中で実態と異なるような情報も出しているという問題が起こっております。やはり今後は、実際の情報の出どころの保証も、ぜひ県としては取り組んでいただきたいと思いながら、次の質問をさせていただきます。
今、県や市町村と大学が直接的に連携をして、就職活動や
UIJターンに取り組むことの成果を期待する動きがふえてきております。
具体的に言うと、
UIJターンの促進を、大学が自治体に対して直接的に行っていこうというふうな前向きな協定の
取り組みが、近いところで言いますと、例えば、岐阜県は愛知学院大学、静岡県は山梨学院大学、及び短期大学、また金沢工業大学とも提携を結んでおります。少し飛びますと、熊本県は神奈川大学、秋田県は中央大学と、それぞれいろんな事例が出ております。現在こういった形で就職活動のサポートを大学側と直接富山県という形での
取り組みも、さまざまに行っていただいてはおりますが、現在
UIJターンの協定を結ぶ場合の、県の対応についてお伺いします。
37 西海労働雇用課長 学生の
UIJターンを促進するに当たりまして、大学と連携を深めていくということは、重要なことであると考えておりまして、これまで県といたしましては、さまざまな大学と幅広く連携をして、Uターン施策に取り組んでおります。
具体的に申し上げますと、学内におきますUターン就職相談会の開催や、
富山県内で開催されます首都圏等の大学の保護者会や懇談会で、県職員が講演に行ったり、また、そういった場で県の産業や企業の魅力を紹介する資料を提供させていただくといったことを行っており、今年度は、現時点までで13大学とそういった
取り組みを行っているところでございます。
また、さらに首都圏等の大学のキャリアセンターの職員の方々と、さまざまな機会を捉えて意見交換を行うなど、積極的にアプローチをいたしておりまして、大学からは学生の就職活動の動向について
情報提供をいただくとともに、県からは、「元気とやま!就職セミナー」や「Uターンフェアインとやま」などの県の開催する就職関連イベントの情報を提供して学生に周知いただくなど、多くの大学と良好な協力関係を築きながら進めているところでございます。
来年度、新たに首都圏等の大学への定期的な就職イベント情報の発信や、県内企業の魅力や富山の住み働きやすさを伝える出前講座の実施など、首都圏の大学との連携強化を一層図ってまいりたいと考えております。
委員から御指摘ありました大学との就職協定につきましては、他県で締結をされております協定の内容を拝見いたしますと、学生に対する県内企業の情報や就職イベントの情報の周知など、既に本県で大学と連携して実施しております内容とほぼ同様なものとなっておりまして、改めて協定を締結するよりは、実質的な協力関係を築きながら充実を一層図ってまいりたいと考えており、今後とも、できるだけ幅広くさまざまな大学と連携をしながら、本県へのUターン就職の促進に努めてまいりたいと考えております。
38
平木委員 13大学と
取り組みを既に進めていただいていることはよく理解できましたが、協定に関しては、実はもう1つ重要な視点が抜けていると感じております。
協定そのものに、私は特に意味はないと確かに感じております。協定をしなくても各種の
取り組みでつながっていくことはできますが、ただ、その協定を結んだという形をつくることによって対外的に見たときに、自分の子どもが行っている大学が、富山に対して積極的に就職の支援をしてくれるという見せ方も見えてくると思います。そういった意味も含めまして、協定を残すということは、手間がかかるかもしれませんが、13の大学と書面で交わしておくことで、そういった安心感も醸成できるのではないかと考えますので、ぜひこちらも今後の検討していただければと思います。
「とやまいきいきmarket」の成果について、私からも質問させていただきます。
もともと通告をしていた内容に関しては、先ほどの答弁で内容が重なりましたので、少しその内容等を深掘りして質問を1点させていただきたいと思います。
今後、実際の購入者に対して、県産品の情報をどのように提供をしていくのかという質問をしたかったのですが、先ほどの御答弁では、その販売の結果であるとか、また
顧客情報を活用しての実際の分析などを
事業者に対してはフィードバックをし、また、それぞれ購入いただいた方には、今後も同意をいただいた方に関して、県産品の情報を提供していくというような御答弁をいただいておりました。
今回、質問させていただくのは、各
事業者に対してのフィードバックの方法でございます。
顧客情報そのものは提供できないという話でありましたので、販売結果の
顧客情報の分析を行うのはどなたになるのか。委託先の事業所なのか、富山県で分析を行っていくのか、この質問に関してお答えをお願いいたします。
39
五十里商業まちづくり課長 今回の実施結果につきましては、委託先であります、いきいき物産で集計をして、取りまとめたところでございますが、今後さらなる地域別や男女別につきましては、いきいき物産とあわせまして県も入った形での対応ということで、現在考えているところでございます。
40
平木委員 その形式などはこれからだと思いますけれども、私も予算特別委員会で質問させていただいた関連で申し上げると、オープンデータという考え方がございます。
今回、県が収集された情報は、
個人情報を除けば、富山県の各
事業者もしくは各産業に対して、非常に重要な結果であることは、ほかの委員の質問からもわかるとおりでございますが、例えば今回かかわった
事業者以外の特産品を扱っているような
事業者に対して、今回得られた情報のフィードバックを広く行うことにより、その情報の活用を、県内に幅広く普及させていくことが期待できるのではないかと考えることもできます。
今回かかわらなかった
事業者に対しての情報の開示、共有ということを今お考えかどうか、お伺いいたします。
41
五十里商業まちづくり課長 今回のフィードバックする方法については幾つか考えており、各
事業者に関するものについては、個々の
事業者にそれぞれ個別に
情報提供をしようと考えているわけなのですが、全体としての結果につきましては、個々に提供するよりも、例えば県のホームページ等に掲載して、それを見ていただくといった方法が、より効率的ではないかと考えており、現在そういう方向で検討をしているところでございます。
42
平木委員 ぜひその形で進めていただきたいと思います。
ここに1つ要望を加えるとすれば、分析した結果のレポートを開示していただくというのは、当然見やすくて重要なのですけれども、分析結果というのは1つフィルターが挟んでありますから、重要な情報が抜けている可能性もありますので、分析を各
事業者で行っていただけるよう、なるべく細かな情報、全体の分析をする前の生データ──例えばCSVか、ほかの形式なのかは今後の課題ではございますが──の開示も、今後御検討いただければと思います。
43
横山委員 この3月末をもちまして勇退されますお二人──それ以外にもおいでになるのかもしれませんが──、まず、荒木公営企業管理者は、3月末で勇退されることは新聞やその他報道等で皆さん御承知のことと思っております。県職員として長く奉職され、県政発展のために大きな御尽力をされまして、大きな貢献をいただきました御功績に対しまして、心から感謝と敬意を表したいと思っております。
まだまだお元気でございますから、健康に留意されまして、今後も富山県の発展を支えていただきますよう活躍していただけることをお願い申し上げておきます。
振り返ってみますと、随分たくさんのことがあったかと思っております。ここにおられる委員の中で、私が一番長くおつき合いをしているのかなということでありまして、代表いたしまして、改めて荒木公営企業管理者の御貢献を称賛するとともに、質問の形でお言葉をいただきたいと思っております。
知事政策局長のときに、私は立山黒部を愛する会の事務局みたいなことをやっていたものですから、随分世界遺産登録のことについて申し上げて、いろいろお話を聞いたことがあったなと思い出しております。
また、現在の公営企業管理者になられましてからは、──昨年末に上百瀬発電所起工式に私も議長として参加しており──、小水力発電について一生懸命頑張っておいでになっていました。
また先日、富山新港太陽光発電所の竣工式があり、太陽光の再生可能エネルギーということで、この建設にも随分御尽力をいただいたと思っております。
そして、私自身も、地熱発電を何とかしてできないものかということで質問したり、ほかの議員さんも随分質問されておりましたが、いよいよそれに着手するということで、富山県の将来の持続可能エネルギーの供給に対する方向性を出されたことについては、大きな御貢献ではないかと非常に感謝を申し上げているところであります。
39年間もの県職員としてたくさんの経験をされてきたかと思いますが、今後の県政について後進の県職員への期待や、それから助言などお聞かせいただければ幸いに存じます。よろしくお願いいたします。
44 荒木公営企業管理者 発言の機会をいただきましてまことにありがとうございます。
また、今ほど横山議長さんからは、過分なお言葉を頂戴いたしまして、本当に感謝を申し上げたいというふうに思っております。
昭和52年4月に採用されまして、39年ということなのですけれども、私自身は在籍したのは人事課が一番長いのですが、出だしが
商工労働部の
中小企業課、今の経営支援課でございます。ここに新規採用で5年間おりまして、また経営支援課長とか、
商工労働部長もさせていただきましたので、私の実家は
商工労働部だということをいつも思っており、今回こういう形で、経済建設常任委員会で、最後の御挨拶をさせていただけますことを、本当にうれしく思っております。
この間いろいろなことがございましたけれども、私自身としましては、失敗したことのほうが非常に印象深く思っております。成功したことは、多分いろいろな先輩、上司の方々、そして同僚、部下の方々のおかげというふうに思っておりまして、失敗は完全に自分が原因だと思っておりますので、失敗したことのほうが非常に印象深く思っております。新規採用のころ5年間、
中小企業課におりまして学んだことは、あらゆる失敗をして、それにどう対応したらいいかということだったと思っております。
商工労働部長になりましたとき、当時、新規採用のほうで一緒におりました先輩方から、おまえ、よく部長になれたなということで、非常に励ましの言葉をいただいたと思いまして、多分多大な御迷惑をおかけしていたのだろうというふうに思っております。
本田宗一郎さんが、「人間には失敗する権利がある、そして、反省する義務がある」ということをおっしゃっておられまして、思い起こしますと、もう失敗と反省の繰り返しの日々であったというふうに思っております。
それともう一つ、いつも心に刻んでおりましたのは、初心忘るべからずという言葉でございます。一般的には、新人のころの初々しい気持ちを忘れるなということになっておりますが、世阿弥がその花鏡の中で言った「初心忘るべからず」というのは、もうちょっと辛辣な言葉で、それぞれの段階ごとに未熟な自分がいると、それが初心であるということで、係長、そして課長、部局長、管理者と、いろいろな職務を務めさせていただきましたけれども、その時々に自分の未熟さを思い知らされまして、体形と一緒でスマートにはできませんので、じたばたしながら対応してきたと思っております。
そんな私ですので、後輩の方々への助言などという大それたことはできませんが、お願いということで申し上げますと、やはり失敗を恐れずにいろいろチャレンジしていただきたいと思っております。行政ですので原資は税金ですから、失敗は許されないと非常に強く意識されるわけですが、
地方創生の時代、地方の知恵比べの時代でございますので、失敗を恐れて何もしないというのは、ちょっと埋没をしてしまうのではないかと思っております。多少のリスクを負ってでも新しいことにチャレンジしていっていただきたいというのが、私のお願いでございます。
今回、退職するに当たりまして、大変お世話になりました皆様方、そして、叱咤激励をいただきました県議会の先生方に深く感謝を申し上げますとともに、皆様方の御健勝、御多幸をお祈りし、私自身といたしましては、元気とやまの創造に少しでも社会の片隅で一隅を照らすような働きをしていきたいということをお誓い申し上げまして、御挨拶にかえさせていただきます。本当にありがとうございました。
45
横山委員 どうもありがとうございました。今後も県政発展のために、御尽力いただければと思いますので、よろしくお願いします。
もうお一方、
林土木部長さんにおかれましても、今月末をもって勇退されるということが報じられています。
林部長さんは昭和54年に入庁とお聞きしており、砂防課、都市計画課、道路課の各課長を歴任されまして、土木部次長、そして現在土木部長ということで、本当に長きにわたりまして、本県の土木行政の進展に多大なる御尽力をいただいたと感謝申し上げます。本当に長い間ありがとうございました。心からの感謝と敬意を表したいと思っております。
今現在見ておりますと、将来世代にわたる豊かな暮らしを実現していく、あるいは個性ある地方を創生することが大切だという時期になっておりまして、これに必要な社会インフラの整備は、今後とも強力に、推し進めなければならないと私も思っております。いろいろと最近は予算の制限なども出てきておりますし、きょうも議論がありましたが、業者のほうの苦労もあり、トータルの予算が少なくなっていることもございますが、災害に強い国土づくりを初めといたしまして、観光、物流、地域経済の循環を通じた地域の活性化、あるいは時代に沿った構造的な地域づくりとしてコンパクト・アンド・ネットワークというところなどが求められていくのかなと思っております。
私の地元のほうも、国道8号の入善黒部バイパスが暫定2車線でありますが、開通していただき、そして、
北陸新幹線も開業いたしました。非常に大きなポイントではないかと思っています。先日、国道8号の坂東立体化事業も竣工いたしました。多くの事業に対して御尽力をいただき、本当にありがとうございました。
近年は
公共事業が本当に横ばいの中にありますが、これからの土木行政の進め方をどう考えていけばいいのか。また、特に技術屋さんとして心構えがあると思いますが、何が必要と考えておられるのか。部長からお聞かせいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
46
林土木部長 ただいまは横山議長から過分なお言葉をいただきまして、まことにありがとうございます。
御指摘のとおり私は昭和54年入庁以来37年間でございます。これまでやってこられましたのも県議会議員の皆様方の御指導、御支援、そして、また知事初め上司の皆様の御指導、また同僚、部下の協力ということのたまものと思っております。本当にありがとうございました。
私が土木を志した
きっかけでございますけれども、私は氷見の山奥に生まれまして、大雨が降れば前の川があふれる。後ろの裏山は崩れるといったような中で、必要は発明の母と申しますけれども、土木を志したのは自明の理だったのかなというふうに思っております。また、氷見は地すべりの多いところでございまして、昭和39年には胡桃地区で70ヘクタールの大きな地すべりがありまして、集落87戸が壊滅というようなこともございました。昭和39年は、東京オリンピックの年でございまして、テレビの映像でオリンピックを見ながら、またニュースでは近所の知り合いのおじさんがブルドーザーに乗って復興しているというのを見ながら、子ども心に知り合いがテレビに映っているということで、ヒーローのように誇らしげでもあり、また、こんな人に喜ばれるかっこいい仕事もあるのかというふうに思ったのが、土木を意識した最初のことだったろうと思っております。
そういったこともありまして、大学は土木、そして地盤災害を専攻したところでございます。そして、富山県庁に入りまして、何とか富山県の地すべりをとめたいというふうに思った次第でございまして、若いころひそかに心に決めた技術屋としての、それが私の人生の約束だったのかなというふうに思っております。
委員御指摘の今後の土木行政でございますが、これまで携わってきた経験から、私なりの考えを3点ほど述べたいと思っております。
まずは、何をおいても安心・安全な県づくりが大事でございます。江戸時代の儒学者、室鳩巣が富山を旅いたしまして「越中百里、山河壮なり」、壮というのは壮年の壮ですが、そうした険しい山と川があるということを表現しております。
また、治水分県でもありますとおり、富山県は、やはり治水、水に災害の歴史があったわけであります。明治時代の河川費が県予算に占める割合は、平均をいたしますと37%ということでございます。最も多かったのは、明治24年には82%といったようなこともございました。最近では2%ということで、いかに先人が水と戦ってきたのかということのあらわれではないかと思っております。
近年では、おかげさまで安心な県になったとは言いますけれども、県の河川整備率でございますけれども、いまだ56%、土砂災害危険箇所の整備率は約34%、また歩道の整備率は約44%と、いずれも全国平均は上回ってはおりますけれども、まだまだ整備箇所が多く残っている状況でございます。
2点目は、県の発展基盤となる社会資本整備が必要でございます。新幹線開業後の富山新時代を築くものといたしまして、東海北陸自動車道、そして県の東西の骨格をなす国道8号の4車線化、これはぜひ必要なものでございます。また、伏木富山港の機能の拡充といったことも必要でございます。
次に、3点目でございますが、既存社会資本の活用、いわゆるストックマネジメントでございます。必要な社会資本は多くございますけれども、予算の制約がございます。既存施設を賢く有効に使う、長く使う。そのための長寿命化計画を策定し、適切な維持管理をしていくことが必要だろうと思っております。
次に、技術屋の心構えでございますけれども、自分なりに振り返って考えてみますと、3点あろうかと思います。
まず、1点目は、技術者の良心でございます。過去に設計の偽装とか、あるいは最近では、くいの根入れ不足とかといったような、あってはならないような事態があります。土木屋の対象といたしますのは、県民の皆さんが利用する施設でございます。安全には最大限の配慮が必要でございます。
2点目は、道を極める。つまり技術屋でございますので、それぞれの専門分野で第一人者になるという気概が必要であろうと思っております。私は砂防課と都市計画課が長かったので、得意分野と言われると、地すべりと区画整理かなと思っております。
砂防課長時代、砺波市で地すべりがおきました。12月の半ばで、もう申請まで2週間しかないということでしたが、最近、若い人たちは、コンサルに設計を依頼して、それを審査し実施に移すということが多いわけですが、コンサルに委託している時間もありませんので、若い方はなれていないので私みずから設計図面──平面図と横断図──に、すべり面と対策工法を書いたスケッチで国交省へ要望し、5,500万円の緊急災害関連事業をいただいた経験がございます。
また、区画整理では、みずから志願をいたしまして、平成4年から2年間、JICA国際協力機構の専門家としてインドネシアへ区画整理の技術指導に行っておりました。区画整理は都市計画の母とも言われており、総合的な面的整備手法として、発展途上国では都市近郊の宅地開発のための日本の技術が求められておりました。土地庁では日本人は私だけでございまして、上司も部下もおらず、いわば私がルールブックでインドネシアのデレーケたらんとしたことを覚えております。
3点目は、県民奉仕の観点が必要だろうと思っております。技術屋と申しましても、あくまでも県民の税金で物をつくる仕事が対象であります。常に県民にとって何が必要か、優先順位をつけて整備を考えることが必要だろうと思っております。
土木の仕事は、ただ座っていてはなかなか進まないと思っております。現地調査をし、測量、設計をし、用地交渉や占有物等、
関係機関と協議をし、工事を発注する。各段階で問題が生じることも多いのでございます。用地に問題があって、振り出しに戻るといったようなことも少なくありません。ゴルフに例えますと、フェアウエーだけを通ってホールインできることは、どちらかというと少なく、ラフやOB、バンカーを通るということが多いように思います。
後進の皆さんには強い意思をもって知恵を出し、周囲の皆さんとよく相談しながら目的達成に向けて果敢に進んでいっていただきたいと思います。
委員の皆様におかれましては、今後とも土木行政に対し、より一層御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げますとともに、今後ますます御健勝で御活躍されますことを心より御祈念申し上げます。
このような機会を設けていただきまして、まことにありがとうございました。
47
横山委員 どうもありがとうございました。
ほかにもおいでになるのか存じ上げないのですが、今お二人の方から思いをお聞かせ願いました。この思いを引き継ぎまして、県政発展のために、ともに皆さん頑張ろうではありませんか。どうもありがとうございました。
48
瘧師委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑・質問を終わります。
5 行政視察について
49
瘧師委員長 次に、閉会中の
継続審査事件の調査のための行政視察について議題といたします。
県内行政視察については、必要に応じて機動的に実施していきたいと考えており、その実施に当たっての日程調整等については、委員長に御一任願いたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
50
瘧師委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で、付議事項についての審査を終わります。
この際、ほかに何か御意見等はありませんか。──ないようでありますので、これをもって委員会を閉会いたします。
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