• "金沢支社管内"(/)
ツイート シェア
  1. 富山県議会 2011-02-01
    平成23年2月定例会 代表質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前10時01分開議 ◯議長(鹿熊正一君)ただいまから本日の会議を開きます。          報           告 2 ◯議長(鹿熊正一君)日程に入るに先立ち、報告事項を申し上げます。  去る2月25日、知事から提案されました議案第24号、議案第26号及び議案第27号について、地方公務員法第5条の規定に基づき、議会から人事委員会の意見を求めておきましたところ、2月28日付をもって、お手元にお配りしたとおり意見の申し出がありましたので、御報告いたします。      ───────────────────                        富人委第 10 号                        平成23年2月28日  富山県議会議長  鹿 熊 正 一 殿                    富山県人事委員会                    委員長  大 坪   健          条例案に係る意見について  平成23年2月25日付け富県議会第1011号で意見を求められた下記条 例案のうち、議案第24号の条例案について、第3条は、これまでの一 般職の職員及び県費負担教職員の給与の減額措置について、一部緩和 するものの、引き続き継続しようとするもので残念に思いますが、厳 しい財政状況が続く中にあって、特例的に実施される措置であり、ま た、当該措置の緩和の取組みもなされており、やむを得ないものと考 え、また、その余の部分は、原案を適当と認めます。
     議案第26号及び議案第27号の条例案については、原案を適当と認め ます。                記 議案番号 第24号 件  名 知事等の給与の特例に関する条例等一部改正の件      (第1条中知事等の給与の特例に関する条例第3条第1項       の改正規定並びに第2条及び第3条の規定に係る部分) 議案番号 第26号 件  名 富山県一般職の職員等の給与に関する条例一部改正の件 議案番号 第27号 件  名 富山県一般職の職員等の特殊勤務手当等に関する条例一部      改正の件 3 ◯議長(鹿熊正一君)これより本日の日程に入ります。  県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑(会派代表) 4 ◯議長(鹿熊正一君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第1号から議案第48号まで、報告第1号及び報告第2号を議題といたします。  これより会派代表による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  上田英俊君。    〔23番上田英俊君登壇〕 5 ◯23番(上田英俊君)おはようございます。  私は、自由民主党を代表し、2月定例会におきまして代表質問を行います。  2月22日、ニュージーランドのクライストチャーチ市で大規模地震が発生いたしました。報道によれば、地震による死者は148人、行方不明者は死者を含め200人以上とのことであります。特に富山県関係では、語学研修のため滞在していた富山外国語専門学校の生徒、教員の一行等がビルの倒壊に巻き込まれ、重軽傷を負い、いまだに13人の富山県関係者の安否が確認されておらず、一刻も早い救出と御無事を切に願うものであります。  ここに、犠牲となられました方々に哀悼の意を表しますとともに、被災されました方々に対し、心からお見舞い申し上げます。  そこで、地震の発生から今日に至るまで、そして万全を期した今後の県の対応について、石井知事に伺います。  次に、政府・与党の政権運営と県の予算編成及び県政運営について伺います。  国の新年度予算案は、一般会計総額が過去最大の92兆4,000億円余りとなり、今年度に続いて国債発行額が税収を上回る異常な編成となりました。財政健全化や社会保障制度改革といった課題を先送りし、恒久的な財源がないにもかかわらず、埋蔵金頼みで財源の帳じりを合わせただけの、理念も未来への展望もない内容であります。  また、地方にとっても、社会資本整備予算がさらに5%削減され、今年度限りとの約束をあっさりほごにして、子ども手当の地方負担を継続するなど、政府予算案の問題点は数多くあります。特に、地方分権の目玉の一つである(仮称)地域自主戦略交付金、いわゆる一括交付金は、いまだに配分方法や金額が明らかでなく、本当にひもつきでなくなるのか、大いに疑問です。  そこで、国の新年度予算案をどのように評価しているのか。また、本県関係事業の推進に必要な予算の確保に向け、政府予算案と関連法案の国会審議が混迷している中での対応も含め、今後どのように取り組むのか、知事に伺います。  次に、富山県経済の見通しと新年度予算編成等について伺います。  我が国の経済は全体として緩やかな回復基調にあるものの、円高の影響などもあって、その足取りが弱まってきております。また、本県経済も、生産や個人消費が弱含みで推移しており、その先行きが懸念されることから、景気・雇用対策に万全を期すとともに、将来の成長への布石となる施策を充実させることが必要であります。  自民党議員会は、現状の厳しい経済情勢に対応した中小企業支援や雇用対策とともに、新産業の育成や社会資本整備など将来を見据えた施策、さらには子育て支援や高齢者福祉など県民のニーズの高い施策に取り組むよう訴えてきました。そして、こうした点に目配りがなされ、2月補正予算案と合わせた一般会計で前年度比2.3%の伸びとなった県の新年度当初予算案を、その内容、規模ともに評価するものであります。  その一方で、今後も100億円前後が見込まれる財源不足や1兆円を超える県債残高など、県の財政状況は依然厳しく、引き続き財政健全化も着実に進めなければなりません。  そこで、当面の本県経済の見通しをどのように考え、新年度予算案をどこに重点を置いて編成したのか、財源確保や県財政の健全化に向けた対策とあわせて知事に伺います。  次に、新規学卒者への就職支援等について伺います。  本年1月末現在の本県の就職内定率は、高校で95.3%と全国的にも高い水準となっていますが、大学等では82.2%にとどまり、特に大学生の内定率の低さは深刻な状況であります。しかし、その一方で、中小の製造業や医療、介護、福祉分野などでは人手不足が続いております。この雇用のミスマッチは、求人求職双方の情報提供や情報共有が不十分であることが背景にあると指摘されています。特に中小企業は、情報発信力やマスコミ等への露出度が小さく、学生の大手企業志向の中で、人材確保に苦慮しているところです。このため、仕事の魅力や求めている人材などを、企業が的確にアピールできる機会を行政としてもつくっていく対策が必要と考えます。  そこで、新規学卒者の就職支援について、現在どのように取り組んでいるのか、戸高商工労働部長及び東野教育長に伺います。また、雇用のミスマッチ解消のため、今後どのように取り組むのか、商工労働部長に伺います。  次に、新たな総合計画の策定について伺います。  現行の総合計画である元気とやま創造計画は、平成19年4月に、おおむね10年後を目標年次として策定されましたが、それからまだ4年しか経過しない今年度、知事から新たな総合計画を策定する意向が示され、総合計画審議会で検討が始まりました。計画見直しの背景に、昨今の社会経済情勢の変化や北陸新幹線の開業などがあることは理解できますが、新たな計画の策定に当たっては、これまでの年度ごとの評価はもちろんのこと、現行計画のもとでの4年間全体の総括からスタートしなければならないと考えます。  そこで、現行の元気とやま創造計画に基づく県政運営をどのように評価し、今後の課題がどこにあると考えているのか。また、現行計画の総括を行い、その結果を新計画の策定に生かしていくべきと考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、知事に伺います。  次に、交流の促進と地域活性化について伺います。  まず、北陸新幹線と並行在来線について2点伺います。  新年度の政府予算案で、民主党政権は、鉄道・運輸機構の利益剰余金の大半を、関係自治体の強い要望や自民党からの法案提出にもかかわらず、鉄道とは無関係な基礎年金の国庫負担財源に充当しました。  また、既存の整備新幹線から生ずる貸付料の取り扱いについても議論が進まず、新規着工の判断を先送りするなど、金沢以西への延伸の見通しは立たないままであります。自民党政権時代に確固としたものとなっていた福井までの延伸の方向が、大臣がかわるたびに後退しており、いよいよ振り出しに戻ってしまう懸念が強くなっております。  さらに、新潟県が新年度予算案に、金沢までの建設費負担金の計上を行わない事態となりました。北陸新幹線の沿線自治体には、それぞれの事情や思いがあると考えられますが、これまで関係県が建設促進に向けて連携協力してきたいきさつからすれば、新潟県だけがみずからの主張を負担金の計上拒否という形で表明することはまことに残念であります。  知事も、ここを正念場ととらえ、さらにリーダーシップを発揮して関係県の足並みを一層強固にそろえ、建設促進を求めていくべきであります。  そこで、北陸新幹線の延伸問題について一向に議論を進めようとしない政府の姿勢にどのような思いを持っているのか。また、今後沿線関係県との結束を図りながら、北陸新幹線の建設促進にどのように取り組んでいくのか、知事に伺います。  さて、北陸本線の並行在来線化がいよいよ現実味を帯びる中、財政支援やJRの運営への関与など、並行在来線支援の具体的な枠組みについても検討を加速させなければなりません。  今後、先般開催された並行在来線対策協議会の幹事会で取りまとめられた基本方針案が検討されることになります。自民党議員会ではこれまで、並行在来線・公共交通等問題調査会を立ち上げ、検討を進めています。県民の日常生活の足を守るには、先行県の並行在来線を上回る輸送密度の現状や国の支援制度の創設などを踏まえ、運営会社の資産保有形態や新駅の設置など、経営のあり方も含め検討の上、地域交通を活性化する施策を総動員し、県民の協力を得ながら利用の促進を図っていかなければなりません。  そこで、国に対し、並行在来線の運営や財源支援の具体的な枠組みづくりを引き続き強く求めていくべきと考えますが、今後どのように対応していくのか。また、新幹線開業後の地域交通のあり方をどのように考え、県民にどう訴えていくのか、知事に伺います。  次に、伏木富山港の問題について伺います。  日本海側拠点港の選定を検討している国土交通省は、ことしの夏にも結論を出し、今後、予算を重点配分して整備を進める方針であり、拠点港に選定されるメリットははかり知れないものがあります。  伏木富山港は、日本海側の中心に位置し、東京、名古屋、大阪からほぼ等距離という地理的な優位性はもとより、自然災害の少なさや交通網の利便性など、環日本海の中核拠点にふさわしい要素を多く持ち合わせております。しかし、拠点港選定に一歩でも近づけるよう、港の背後地に位置するものづくり産業の活性化や、東海地方などとの物流の拡大、港湾施設のさらなる充実に一層強力に取り組むべきと考えます。  そこで、伏木富山港の日本海側の拠点港湾化に向け、今後どのようにアピールしていくのか。また、環日本海物流のゲートウエーとなるべく、ハード、ソフト両面においてどのように施策を展開していくのか、知事に伺います。  さて、このほど、現在週3便が運航されている富山・大連便が今月末から北京まで延長され、毎日の運航となることが発表されました。これまで着実に積み重ねてきた遼寧省との友好交流や、関係者の努力が実を結んだ結果であります。  富山・北京便の開設は、上海便やソウル便、さらには日本海側拠点港化を目指して取り組みが進められている伏木富山港とあわせて、成長を続ける中国を初めとする東アジア地域とのビジネスや観光面での交流拡大が期待されます。今後、富山県内のみならず近隣地域全体を視野に、新路線の積極的な利用を強くアピールするとともに、国外からも誘客を進め、北京便の安定的な搭乗率の確保を図っていかなければなりません。  そこで、富山・北京便の航空路線開設をどのように評価し、今後、中国など東アジア地域との経済交流拡大や、富山空港の機能強化にどのように取り組んでいくのか、知事に伺います。  次に、ブランド戦略について3点伺います。  豊かで美しい自然や多彩な歴史、文化、受け継がれるものづくりの伝統などを背景に生み出されるすぐれた県産品やサービス、水と緑が豊富とか、食べ物がおいしそうなどのイメージは、有形、無形の資産であり、まさに郷土の財産であり、誇りであります。その魅力を全国に発信して、知名度や評価を高め、県全体のイメージアップと活性化につながるよう、ブランド力向上を図ることが大変重要であります。  知事は、就任以来、とやま型地域ブランド戦略、食のとやまブランドや富山プロダクツなど、部局横断的な取り組みを積極的に推進してこられました。本県のブランド力向上のためには、それぞれ取り組みのねらいを明確にするとともに、各事業が全体として相乗的な効果を発揮するよう体系的にブランド戦略を推進していく必要があります。  そこで、本県のブランド力向上について、これまでの取り組みを踏まえ、今後どのように体系的に推進していくのか、知事に伺います。  こうした中、本年度、富山県推奨とやまブランドの認定事業がスタートし、先日、その結果が発表されました。この事業に関しては、これまでの県議会での議論の中で、ブランドはあくまで民間主体の取り組みを通じてその価値が培われていくもので、それを後押しする、ブランドを育てる環境を醸成するのが県の役割ではないかとの意見もあったことから、いま一度、事業の位置づけやねらいとするところを明確に示す必要があると思います。  そこで、富山県推奨とやまブランド認定事業について、本県のブランド戦略全体の中での位置づけをどのようにとらえ、次回以降の認定など、今後どのように進めていくのか。今回の認定に至るまでのいきさつも含め、五十嵐観光・地域振興局長に伺います。  さて、昨年12月、氷見市の仲卸業者が他県産のブリを氷見産と偽装し、築地市場など1都7県で販売していたことが発覚しました。「富山のさかな」のブランド化に向けて関係者挙げて取り組んでいる中、大変残念としか言いようがありません。  氷見の寒ブリは長い歴史を持ち、全国的にも知れ渡った高級ブランドであり、その価値が損なわれれば、漁業者の経営はもちろん、富山県全体の宿泊施設、飲食店など観光業等にも大きな打撃となることが懸念されます。  現在、氷見漁協や氷見市を中心に、氷見寒ブリの地域団体商標登録やタグシールの導入、出荷箱の統一などが検討されていますが、こうした事態が二度と起きないよう、県も積極的な支援を行って実効性ある対策を打ち出し、大きく揺らいだ消費者の信頼を取り戻さなければなりません。また、新たなブランドづくりに取り組んでいる魚津寒ハギなど他の魚種についても、対策を講じておく必要があると考えます。  そこで、今回の氷見ブリの産地偽装問題を踏まえ、「富山のさかな」のブランドを守り育てるため、県が積極的な役割を果たすべきと考えますが、どのように取り組むのか、寺井農林水産部長に伺います。  次に、水をめぐる問題について3点伺います。  このところ、全国の水源や山林などで、外資系企業や外国人による土地取得が相次いで報道されており、さまざまな不安と懸念が出ています。  富山県は、立山連峰を初めとする山々に源を発する大小の急流河川と典型的な扇状地などの自然環境に、治水に励んだ多くの先人たちの努力が加わって、清らかで豊かな水の恵みを受けていることを忘れてはなりません。このかけがえのない財産である水資源を守るため、県内においても引き続き、森林の整備や地下水の適切な利用などの取り組みを積極的に進めるとともに、水源地取得の動向を的確に把握していかなければなりません。  そこで、本県における外国資本等による水源地取得の実態はどうか。また、全国各地でのこうした動きを受けて、今後どのように対応していくのか、新川生活環境文化部長に伺います。  続いて、豊富な水を利用した小水力発電について伺います。  小水力発電は、クリーンエネルギーとして注目を集めており、特に水資源の豊かな本県では、農林水産部や企業局において農業用水路を活用した施設整備が行われるなど、全国的にも先進県となっております。こうした取り組みは、地球温暖化対策の推進やエネルギーの安定供給に向けた新エネルギーの県内供給量の目標達成に寄与しているところです。  小水力発電は、豊富な水資源をフルに生かした新エネルギーであり、今後も引き続き整備していくべきと考えます。  そこで、小水力発電の推進について、事業化が可能な地点の把握などを含め、どのように取り組んでいくのか、商工労働部長に伺います。  次は、海洋深層水についてであります。  本県で海洋深層水の商業利用が始まってから約10年が経過しました。全国的には事業から撤退する動きもある中で、県内では、水産分野はもとより、飲料水、食品や医薬、農業などの非水産分野で商品開発が進み、むしろ活用の幅が順調に広がっております。これも産学官連携等の支援の成果であると評価しますが、今後さらに富山の深層水ビジネスを発展させていくためには、より付加価値の高い商品の開発が必要であると考えます。  そこで、今後、県として深層水ビジネスの商品開発や販路開拓支援にどのように取り組んでいくのか、商工労働部長に伺います。  次に、農業の振興と森づくりの取り組みについて3点伺います。  初めは、農業問題についてであります。  昨年は、米の戸別所得補償制度を導入して米価の記録的な暴落を招き、減反に真摯に取り組んできた本県に全国平均をはるかに上回る生産数量の削減を求め、さらには唐突にTPPへの参加を表明するなど、民主党政権の数々の場当たり的な政策が農家を大混乱に陥れた1年でした。  本県は、担い手の高齢化が確実に進んでおり、農業就業人口は5年前から4割以上減少しました。しかし、農業の将来への展望を持たない現政権は、こうした構造的な変化への対応が全く不十分であり、このままでは農業の継続、農村の維持自体が困難となりかねません。  このようなときこそ、県の責任と独自の発想で、地域に根差した施策を思い切って展開していくべきであります。中でも、担い手の育成や生産性の高い農業の確立、優良農地の維持確保は重要であり、意欲ある農業者が希望を持って経営を展開できる環境を整えていかなければなりません。  そこで、混乱をきわめる現政権の農政をどのように評価しているのか。また、本県農業の強化、とやまブランドの確立に向けてどのような方針で今後施策を展開していくのか、知事に伺います。  次に、農業生産の基盤づくりを担う土地改良事業予算について伺います。  土地改良事業は、安定的な食料供給に必要なばかりではなく、自然災害の防止や発電など、県民の安全で安心な暮らしに直結した多面的な役割を果たしています。  今年度の土地改良事業予算は、民主党政権により約3分の1に激減となりましたが、本県では95.7%が確保され、知事を初め関係者の努力を高く評価するものであります。本県では、戦後整備された農業水利施設の老朽化が急速に進み、その改修、再整備が喫緊の課題となっていることもあり、新規採択の先送りや既存事業の遅延が生じないよう、事業費の確保に最大限の努力をしなければなりません。  そこで、新年度の土地改良事業について、積極的に事業費の確保を図るため、県としてどのように取り組むのか、知事の所見を伺います。  さて、平成19年度にスタートした水と緑の森づくり事業は、森林の再生整備の推進や県民参加による森づくり活動の定着に大きな役割を果たしています。しかし、里山林の再生や荒廃した人工林の整備など、手当てすべき森林はいまだ多く残されています。また、市街地へのクマの出没などを契機に、改めて里山林への県民の関心も高まっており、引き続き地道な取り組みが必要と考えます。  この事業の財源である水と緑の森づくり税は、来年度限りの時限措置とされており、従来の事業を精査した上で、平成24年度以降の実施計画を早期に策定し、事業内容や税の延長についての具体的な議論を始めなければなりません。  そこで、水と緑の森づくり事業について、今後の継続に向けて早期に計画の策定に着手し、水と緑の森づくり税の延長も含めた具体的な議論を開始すべきと考えますが、どのように対応していくのか知事に伺います。  次に、安全・安心な暮らしの実現等について伺います。  初めに、市町村が運営する国民健康保険についてであります。  国民皆保険制度を支える市町村国保は、高齢化の進展、医療費の増大という構造的な問題を抱えています。特に富山県は、加入者に占める65歳から74歳までの高齢者の比率が全国一高く、規模の小さな国保が将来にわたって制度の維持ができるのか懸念せざるを得ません。今後、国保の都道府県一元化について協議が始まる見通しですが、県内でも市町村国保の財政悪化が進む前に、運営の広域化の検討を進める必要があると考えます。  そこで、本県市町村国保の今後の財政状況についてどのような見通しを持っているのか。また、将来にわたって国保制度を安定的に維持していくため、県としてどのように取り組んでいくのか、飯田厚生部長に伺います。  次に、県民の健康増進対策について伺います。  富山県では、三大生活習慣病であるがん、心臓病及び脳卒中の死亡率がいずれも増加傾向にあり、がんと脳卒中の死亡者数は全国平均を大きく上回っております。しかし、昨年度の本県の市町村国保における特定健診や特定保健指導の実施率は、健診で約4割、保健指導終了者は約1割にとどまっており、実施率低迷の要因を検証し、さらなる対策をとるべきであります。また、若い世代に対しても、生活習慣病予防の啓発に力を入れていくことも必要と考えます。  県では現在、平成25年度からの新たな健康増進計画の策定に向けた検討が行われていますが、全国平均より早いペースで高齢化が進む中で、改めて生活習慣病対策をしっかりと位置づけ、市町村や医療保険者との連携を図りながら、着実に取り組みを進めなければなりません。  そこで、特定健診や特定保健指導の充実など、生活習慣病対策について今後どのように取り組んでいくのか。新たな健康増進計画の中での位置づけを含めて、厚生部長に伺います。
     次に、クマ被害の防止対策について2点伺います。  クマの出没が相次いだ昨年、目撃、痕跡情報は1,000件を超え、10名の人身被害が発生するなど、クマは県民生活に大きな脅威をもたらしました。その際、自民党議員会からの緊急の申し入れに対し、市町村への財政支援の拡充や、猟銃の使用規制を見直すための法改正の国への要望などで、県には迅速な対応をいただきました。また、新年度予算案にも、自民党議員会が要望したクマの経路となるおそれのある河川の立木伐採経費が盛り込まれたところであり、これまでの県の取り組みを評価しますが、引き続き、出没が相次いだ原因の究明や人身被害の防止に向け、努力が必要です。  そこでまず、昨年のクマ出没多発の事態を受けて、新年度、クマ被害の防止対策にどのように取り組むのか、知事に伺います。  さて、クマ対策の課題の一つが、猟友会員の減少や高齢化など、捕獲の担い手不足の問題であります。一部の市町村では、職員に狩猟免許の取得を奨励する取り組みが行われていますが、狩猟経験のないところからスタートして、新たな捕獲の担い手となる段階までには、一定の時間が必要であります。  そこで、日ごろから銃の取り扱いに熟練している警察官や警察官OBの人材を、当面の有害鳥獣捕獲の担い手として活用できないか検討を進めてはどうかと考えます。  有害鳥獣の捕獲は、危険を伴う業務であり、県民生活の安全を守ることが警察本来の使命であるという観点からも、警察官などの人材は捕獲の担い手にふさわしく、警察の新たな役割と考えますが、斉藤警察本部長に見解を伺います。  次に、大雪による交通障害対策について伺います。  去る1月31日に北陸を襲った積雪は、鉄道などの公共交通機関を直撃し、県民の通勤や通学の足に大きな影響を与えました。富山地方鉄道や路面電車が順次運転を再開した一方で、JR西日本の金沢支社管内では、除雪作業が追いつかないことを理由に全線で終日運転を見合わせるという異常な事態となりました。JR線はさらにその後も、除雪車の故障や変圧器のふぐあいなどのトラブルが頻発し、ダイヤの大幅な乱れは数日にわたって続いたのであります。  今回のJRの対応は、こうした積雪時の運行確保の備えが不十分であったばかりでなく、代替交通手段の手当てや運行情報の提供の仕方について、利用者から多くの不満が寄せられたことを考えると、雪国の北陸で地域住民の足を預かる公共交通機関として疑問を持たざるを得ません。  そこで、JRに対しては、除雪体制の強化とともに、適切な情報提供や通勤通学時の区間運行の実施など、利用者の側に立った運行管理の実現を強く求めたいと考えますが、県としてどのように対応していくのか。また、豪雪時の交通障害対策について、各交通事業者と連携してどのように取り組んでいくのか、柳野知事政策局長に伺います。  さて、この冬の大雪により、道路除雪の重要性を改めて認識させられました。自民党議員会ではこれまで、道幅の狭い生活道路など除雪車による対応が困難な箇所について、消雪パイプなどの施設整備を要望しており、順次整備が進んでいることを評価いたします。県との新年度予算の折衝でも、消雪施設の中抜け区間の解消を改めて求めたところでありますが、施設新設の要望はまだまだ多く、既存施設の老朽化による更新が必要な箇所も相当数あることから、今後も着実に整備を行っていく必要があると考えます。  そこで、機械除雪が困難な道路での消雪施設の整備について、現状で新設や更新の必要がある箇所や総延長はどれくらいあると認識しているのか。また、消雪の中抜け区間の解消も含め、今後どのように整備を推進していくのか、牧田土木部長に伺います。  さて、連日の大雪の中、地元建設業者等の方々には、県民生活を守るべく、昼夜をいとわず除雪作業に御尽力いただき、深く感謝申し上げる次第です。しかし、公共事業の減少傾向が続き、建設業界を取り巻く経営環境が非常に厳しい中、除雪機械の維持更新やオペレーターの確保に大変苦慮されています。  県の建設業協会が実施したアンケート調査で、県内建設業者の約6割が3年後には除雪業務ができなくなると回答している結果は衝撃的であり、一たび大雪となったとき大混乱となる事態はもう目前に迫っております。  そこで、本県の除雪体制を今後とも安定的に維持していくため、どのように対処していくのか。除雪業務の中核を担う地元建設業界の経営状態に関する現状認識とあわせて知事に伺います。  また、地元建設業者は、こうした除雪への多大な貢献ばかりでなく、道路や下水道といった社会資本整備や砂防、治水等の災害対応、さらには雇用の創出まで、安全・安心な県民生活になくてはならない存在であり、建設業界を多面的に支援していく必要があると考えます。  まずは、必要な社会資本整備のための公共事業や県単独事業をできる限り確保し、年間を通じて切れ目のない発注を行うとともに、地元業者の受注機会を増やすための措置を強化すべきであります。特に来年度、従来の国庫補助金が一括交付金化されることに伴い、箇所づけや発注におくれが出ないよう留意しなければなりません。  そこで、公共事業や県単独事業の実施による受注機会の確保や、工事発注の早期化、平準化にどのように取り組むのか。地元貢献企業への優先発注の観点を含め、土木部長に所見を伺います。  次に、改正貸金業法について伺います。  多重債務や、いわゆるグレーゾーン金利による貸し付けが社会問題化したことを背景に、貸付上限金利を抑えるとともに、年収の3分の1を超える借り入れを原則禁止することなどを内容とする貸金業法の改正が行われ、昨年6月に完全施行されました。多重債務や資金繰りに苦しむ個人や中小企業者が多い中、不当に高い利息から借り手を保護するという面では一定の効果が得られたと考えます。  一方で、借入額の総量規制のため、借り入れができなくなった多重債務者等が資金繰りに苦しんだあげく、さらに高利のいわゆるヤミ金融に手を出す可能性が懸念されます。  県としては、消費生活センター等の相談機関と警察が連携を密にし、セーフティーネット構築を初めとする支援の強化を図っていくことが必要ではないかと考えます。  そこで、改正貸金業法の完全施行に伴う借り手側に対する相談や保護などについて、これまでの取り組みと今後の対応を生活環境文化部長に伺います。あわせて、金融業者への指導や取り締まりの状況について、警察本部長に伺います。  最後に、教育問題として、少人数教育の推進について伺います。  民主党政権が検討していた小学校における35人学級の実現が、来年度、結局1年生のみとなったことを受けて、必要な教員数の増員は300人にとどまり、これまで地方が少人数教育に活用してきた加配教員1,700人の振りかえが行われることになりました。学校において、特別支援教育やいじめ、不登校対策などの教育課題が山積している中で、こうした対応はまことに残念であります。  県はこれまで、小学校1、2年生の35人学級や中学校1年生の35人学級の選択制、専科教員や学級支援講師の配置など、少人数教育の推進に積極的に取り組んでおりますが、新年度予算では、さらに県単独で小学校3、4年生への専科教員を大幅に拡充することとされ、これを高く評価いたします。  そこで、少人数教育の推進に当たって、国の新年度予算案をどのように評価し、今後どのように取り組んでいくのか、知事に伺います。  以上をもちまして、自由民主党を代表しての私の質問を終わります。ありがとうございました。 6 ◯議長(鹿熊正一君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 7 ◯知事(石井隆一君)自由民主党を代表されましての上田議員の御質問にお答えをいたします。  最初に、ニュージーランド地震における県の対応についてでございます。  先月22日、ニュージーランドで発生した地震によりまして、大変大きな被害が発生しました。被災された方々に対しまして、心からお見舞いを申し上げたいと存じます。  被害に遭われました本県関係者の安否につきましては、日本時間の本日10時現在で、救出された方が11名、安否不明の方が13名となっております。現在も政府の国際緊急援助隊を初め、多くの方々による懸命な救助活動が続けられており、安否が不明である13名の方々が一刻も早く救出されますこと、また負傷された方々が一日も早く回復されることを切に願っているところでございます。  こうした災害時においては、何といっても初動対応が大切だということで、地震発生の22日当日、まず私みずから、ちょうど他の用務で東京に出張中であったこともございますけれども、急遽、総務大臣と消防庁長官に直接お目にかかりまして、被災された方々の早期救出に向けた迅速な国際消防救助隊の派遣を要請しますとともに、本県として協力すべきことがあれば、精いっぱい対応したい旨を申し上げたところであります。  また、同日、直ちに宿直職員を通常時の1名から3名に増員し、外務省や消防庁などからの情報収集体制を強化しました。また、家族の方々のため、渡航に必要なパスポートを即日発給するよう指示したところでございます。  翌23日には私も参加しての部局長連絡会議を緊急に開催しますとともに、24日には、東京の外務省や消防庁等からもなかなか細かなところはわからないものですから、現地の駐ニュージーランド特命全権大使や在オークランド総領事に対して、私から直接電話をしまして、渡航された家族の方々に対する支援を要請しますとともに、現地の被災状況とその対応状況を伺いました。皆さん、本当に不眠不休で、また泊まるところも満足にないので、仮設の場所で寝泊まりしながら頑張っているということでした。  そういう状況もお聞きしましたので、被災された本県関係者、またその家族を支援するために、県立中央病院や厚生センターの医師、保健師、看護師等6名の医療チームを急遽現地に派遣したところでございます。この医療チームが3月3日に帰国する予定でありますので、本日から交代する医療チームを、高岡市の2名を含めまして、8名体制で現地に派遣することにしております。  さらに、被災された本県出身者に対する県職員からの見舞金募集、また地震救済金に係る日赤募金箱の設置など、被災された方々、また家族の方々の支援に全庁を挙げて取り組んでいるところでございます。今後とも努力してまいりたいと思います。  次に、国の新年度予算案等についての御質問にお答えをいたします。  国の平成23年度予算案については、景気の持ち直しにより、税収が40兆円台を回復しましたが、2年連続して国債が税収を上回る異例の歳入構造となっております。また、税外収入が7兆円計上されていますが、これも、例えば鉄道・運輸機構の利益剰余金のうち1.2兆円を年金の財源に充てるなど、甚だ無理な対応をされているわけでありまして、それでも22年度予算に比べると、この税外収入3兆円を上回る減少となっておりますから、いわゆる埋蔵金に依存した予算編成というのは、もはや限界だということが明らかになっております。  こうした中、富山県や地方にとっては、北陸新幹線の金沢以西の延伸に係る新規着工の決定が先送りされたこと、また子ども手当について、22年度限りの暫定措置であった児童手当分の地方負担が継続されたことなどは、まことに残念だと思っております。  他方で、地方交付税総額0.5兆円──一時は1兆円ほど削るような議論もあったわけですが、0.5兆円増の確保ができたとか、また整備新幹線の建設のため、所要財源の確保、あるいは鉄道・運輸機構の利益剰余金も、一部ですけれども、本県を含む地方の要望が一定程度反映された面もございます。  また、米の生産数量目標の配分に関しても、備蓄米の優先入札枠の設定に合わせて産地資金が増額措置された。これも本県の要望がほぼ全面的に認められたものでありまして、評価できるものと思っております。  現在、我が国には、当面の経済・雇用対策と成長戦略の実行を初めとして、外交、社会保障制度改革、地方分権改革、またTPPへの対応など、重要課題がまさに山積しております。  また、国政については、いわゆるねじれ国会の状況となっている中で、国の来年度予算は、本日未明に衆議院で可決、参議院に送付されたというふうに伺っていますが、予算関連法案の成立の見通しが立たないなど、今後の国会運営は極めて不透明ということでございます。  議員の皆様も感じていらっしゃると思いますが、今や世界の政治経済の中での日本のステータスというのは、どんどん低下しているという状況にあるように思います。こうしたことも十分踏まえて、我が国の進むべき進路について、大局的な見地から与野党の枠を超えて、真摯に議論を進めていただきたいと考えております。  また、国民生活に直結する予算関連法案などにつきましては、しっかり議論を重ねていただきますとともに、特に地方交付税法改正法案など、地方の行財政運営に大きな影響があるものについては早期の成立をお願いしたい。これまでも、富山県知事としても、また知事会の税制小委員長ということもありまして、機会あるごとに総理や関係大臣、また与野党の諸先生にもお願いしてきましたが、今後とも、本県や地方の声が中央政治にできるだけ生かされるように努力してまいりたいと思います。  次に、新年度の予算編成についてお答えをします。  本県経済については、生産は弱含んでおりますなど依然厳しい面はありますけれども、雇用情勢について、きょう発表になったんですが、1月の有効求人倍率が0.87倍と、全国平均の0.61倍をかなり上回って、12月に引き続き全国2番目の高さとなっているなど、相当持ち直してきていると考えていいと思います。  一方で、昨年春ごろから、国の財政健全化のために、地方交付税を削減するかのような議論が政府の一部でなされました。このために、昨年の春から夏までは、当時の鳩山総理や原口大臣、昨秋からは菅総理や片山大臣等に対して、かつての三位一体改革の悪夢の再来があってはならない、地方交付税の所要額を削るなんてとんでもないのでしっかり復元してほしいといったことについて、強く申し入れをしてまいりました。こうしたこともありまして、23年度の地方交付税については、別枠加算1.3兆円が確保されまして、地方一般財源総額でも約0.1兆円を上回る額が確保されたわけでございます。  こうした歳入確保の努力と、この6年余りの行財政改革の成果を基礎としまして、新年度の予算編成に取り組みました結果、一般会計予算は平成22年度比で0.4%増──これは前の年がプラス4.8%増ですから、それをさらに上回ったということ、また21年度から3年連続の増額となっております。また、政策経費については0.6%増、平成19年度から5年連続の増額──これも、昨年13.2%伸びていますから、それをさらに伸ばしたということでありまして、この厳しい財政事情、また国の政策のもとでは、精いっぱい積極的な予算を組んだと御理解いただきたいと思います。  23年度の予算編成ですけれども、厳しい経済情勢を踏まえた経済・雇用対策、また、やはりこういうときこそ10年先、20年先を見据えた新しい成長分野への挑戦の支援をすること、また本県の未来を切り開く人づくりを進めること、また4年後に迫った北陸新幹線の開業への対応とか、環日本海、アジアの時代の拠点づくりのための社会資本整備や魅力ある地域づくりなどに重点を置いたわけでございます。  あまり答弁が長くなってもいけませんが、中小企業向けの経営安定資金の取り扱いの延長だとか、新規融資枠の拡大もいたしましたし、また雇用の面では、県内企業人材養成モデル開発事業などの拡充も図ったと。また、新しい成長分野への挑戦ということでは、ものづくり研究開発センターを中心とした新商品、新技術の開発支援、医薬工の連携、航空機産業、次世代自動車への新規参入。また、人づくりにつきましては、小学校の専科教員の拡充ですとか、ものづくり中核校など高校再編に係る実習棟の建設ですとか、これは話せば長くなりますが、御理解いただきたいと思います。  そのほか、いろんな施策を盛り込んでおりますけれども、いずれにしましても、県民の皆さんが、厳しい中でも富山県の将来に明るい光を見ていただけるように、また元気にチャレンジ精神を持って対応してもらえるように、皆さんのさまざまな取り組みを積極的に支援する予算、こういうふうに考えて組んでおるところでございます。  次に、新総合計画についての御質問にお答えをいたします。  現行の総合計画ですけれども、19年4月に策定いたしまして以来、「元気とやま」ということで「活力」「未来」「安心」を政策の柱として、県民や市町村、企業などと力を合わせて取り組んでまいりました。その結果の評価というのは、最後はもちろん県民の皆さんに評価してもらわなければいけませんが、おおむね着実に進展しているんじゃないかと考えております。  例えば、活力分野で一例を挙げれば、企業立地の件数でも、この2年半、3年近くになりますか、国の承認件数や金額が、東京などを除いた地方の中で全国2番目に企業立地が進んだとか、また伏木富山港も大変元気で、コンテナ航路も、今まで3航路、月25便だったのが、5航路、月42便。しかも、たしか昨日ですか、46便に増えることになったとか、北京・大連便の就航とか、いろいろ話せば切りがないと思っております。  また、人づくりとか安心の分野でも、それなりの実績が出ているんじゃないかと思います。  今後も、さっきの予算等の面でも言いましたが、国全体がいわば地盤沈下しつつある中で、せめて富山県だけでもしっかりやらなきゃいかんということで、新たな成長分野への挑戦、また人づくり、間近に迫った北陸新幹線の開業、それから今まで環日本海時代の到来が間近と言っていましたけど、今やそれを超えて、環日本海、アジアの時代の到来ということだと思っておりまして、そうしたことに積極的に対応していきたいと思っております。  こうした時代の大きな変化、国政が大変揺れ動いておりますので困る面もあるんですけれども、そうだからこそ、なおさら富山県としては先見性と戦略性のある中長期のしっかりした計画を総合計画審議会で十分御議論いただきたい。もちろん、県民の代表でいらっしゃる議員の皆様にも、これからも十分御議論いただく。また、タウンミーティング等によって、多くの県民の皆さんのお声をお聞きして、皆さんが夢と希望を持って生き生きと働き暮らせる富山県を目指して努力してまいりたいと思います。  それから次に、北陸新幹線の御質問にお答えをします。  北陸新幹線の延伸につきましては、これまでも北陸新幹線建設促進同盟会の会長という立場でもございますし、そうした同盟会の要請活動を初め、あらゆる機会を通じて、金沢までの平成26年度末までの確実な開業、また金沢以西への建設促進、地方負担の軽減等、幅広く関係方面に働きかけておりまして、去る2月10日にも大畠国土交通大臣にも改めて要請してまいりました。  特に、私は、今の現政権の判断が本当に残念だなと思うのは、この鉄道・運輸機構の特例業務勘定の利益剰余金約1.5兆円の活用の問題であります。これまで歴代、前政権時代もそうですし、新政権になってからも、例えば北陸新幹線の延伸問題、並行在来線の経営問題、地方負担が重いという問題、皆さん、行けば必ず、「あんたたちの言うことはごもっともだ。しかし国には金がない。だから我慢しろ。決断できない」と、そういうことだったんですが、お金はここに出てきたじゃないか。しっかりやってくださいと。実はこのお金があるというのは、一昨年の秋から気がついていたんですけれども、中途半端に出すと、財務省から「はい、いただき」と言われる。どこで言うかと思っていたら、事業仕分けで、どういうお考えなのか、気軽にああいうふうにおっしゃって、「はい、国庫に納入」というようなことになりました。  私は、これは千載一遇のチャンス、財源なんだからということで、当時の前原大臣、また後には馬淵大臣を初め関係方面に、与野党を通じて強くお願いをし、要請してきました。  その結果として、高崎-長野間の債務償還とか、並行在来線の貨物調整金の財源として約2,500億円が活用されることになり、これに伴うJRからの貸付料の振りかえによって、整備新幹線や並行在来線の地方負担がそれなりに軽減されるということについては、かねての懸案の解決に向けて一歩前進したと思っております。  しかし、この議場にいらっしゃる議員の皆さんはほとんどそう思っていただいていると思いますが、1.5兆円のうちの1.2兆円を年金財源に充てるというのは、一体どういう見識でそういう判断がなされるのか、私は本当に残念だなと。金沢以西を含む未着工区間については、着工自体結論が先送りになったわけで、まことに遺憾であると思っております。  また、沿線県にはいろんな意見がございますが、各県が極力足並みをそろえて、新幹線の建設促進や課題解決を図るため、北陸新幹線の建設促進同盟会の会長として、関係県の意見にも配慮して国への要望活動等を行っております。  また、北陸新幹線について、御承知のとおりいろんな御意見の方がいらっしゃいますので、昨年1月に本県の働きかけによりまして設置した新潟、石川、長野各県、また国土交通省、鉄道・運輸機構、JR東日本、西日本のトップから成る8者会議につきましては、その後、実務者による専門部会も2回開催しますとともに、昨年12月には第2回目の8者会議を開催しますなど、できるだけ努力、配慮をしているところでございます。  新潟県さんの御主張についてお尋ねというか、御意見がございましたけれども、昨年12月の8者会議では、新潟県さんの独自の御主張については、別途国土交通省と個別に協議するとされたところでありまして、まずはその動向を見守りたいと考えております。  ただ、いずれにしても、新潟県におかれましては──新潟県知事さんにおかれましてはと言うべきでしょうけれども、これまでの長年の経緯を踏まえて、既定方針であります平成26年度末までの金沢開業に支障が生じないということを大前提としていただいて、大局的な見地から賢明な判断、対処をしていただきたいと、こういうふうに考えております。  今後とも、まずは金沢までの26年度末までの確実な開業、また金沢以西への建設促進、もちろん並行在来線の経営安定等もございますが、県議会や関係県とも連携を図りながら、粘り強く関係方面に働きかけてまいりたいと思います。  次に、並行在来線の質問にお答えをいたします。  並行在来線につきましては、先般の幹事会で、本県独自の三セク会社を設立する方向で検討を進めることなど、経営の基本方針の素案をまとめられたところですが、今後、県議会初め県内市町村、経済界の御意見を踏まえて、関係県とも連絡調整して、協議会において基本方針を決定してまいりたいと思っております。  一方、この並行在来線は、かねて御説明申し上げておりますように、大規模なJR鉄道資産の譲渡等、多額の初期投資や極めて厳しい収支が見込まれております。昨春以来の働きかけもありまして、さっきも申し上げましたが、この鉄道・運輸機構の特例業務勘定の利益剰余金の活用で、貨物調整金を拡充して、並行在来線の支援に充てる方針が示されたことは一歩前進なんですけれども、まだまだ不十分だと思いますので、今後とも、新幹線貸付料の並行在来線支援への活用等につきまして、県議会、また関係県、経済界等ともできるだけ連携を図りながら、政府等関係方面に働きかけていきたいと思っております。  また、並行在来線は、沿線地域の通勤通学等の足でありますと同時に、城端・氷見線等の支線、また富山地方鉄道等が接続して、県内全域の地域交通ネットワークが結節する中心的な存在であります。並行在来線を含めた本県地域交通全体の利用促進が非常に大切でございます。これまでも、例えば本県独自の取り組みとして、並行在来線の新駅設置ガイドラインというものも策定をして、もし意欲のある市町村があれば、もちろん営業収支の問題もありますけれども、新駅設置について提案してくださるようにお願いをしてきました。  また、県として、並行在来線と地鉄本線の結節強化について、富山地鉄や沿線市町と協議、意見交換を進めていきますほか、城端・氷見線についても、地元沿線市の活性化推進協議会の取り組みを積極的に支援しているところでございます。  来年度はさらに、並行在来線の新駅設置──これまで沿線市町からは具体的な提案が出されておりませんけれども、しかしこのままで本当にいいのかということもありますので、並行在来線の経営の観点と広域的なまちづくりの観点から、改めて県としてその可能性等を調査いたしますほか、新幹線の新高岡駅(仮称)、新黒部駅(仮称)と、地鉄本線、城端線を結ぶ接続新駅に係る基本設計に対する支援、また城端・氷見線の新たな活性化計画策定に対する支援等を実施することにしておりまして、新幹線開業後も、県民の日常生活の足である地域公共交通がしっかり維持されますように、その活性化策により一層積極的に取り組んでまいります。  次に、伏木富山港に関する御質問でございます。  伏木富山港は、国際コンテナ貨物取扱量の伸びが全国を上回る。また、これまで5航路、月42便──今度46便になりましたし、またロシア航路は、日本海側で唯一、月2便運航してラストポート化が実現している。また、東海北陸自動車道が全線開通して、中京圏と直結している。さらに、三大都市圏のいずれともほぼ等距離であると。また地球温暖化対策への貢献、それから太平洋側の主要港湾に何かあった際には災害に強い港湾であるといった大変すぐれた点がございます。  この点については、当時の国土交通大臣でいらした前原、馬淵両大臣を初め、この2月には大畠現国土交通大臣にもこうした点を訴えて、日本海側拠点港にぜひ選定していただくように強く要請したところであります。  また、伏木富山港の一層の機能向上のために、ハード整備としては、新湊地区多目的国際ターミナルにおいて、今春、2バース2ガントリー体制が整いますほか、アクセス性を高める富山新港東西線の新湊大橋や、一昨年完成した伏木万葉大橋にアクセスする幹線道路などの整備を進めております。  また、ソフト施策としては、集荷力向上や一層の利用促進ということで、トレーラー中心の輸送から船舶輸送に切りかえるモーダルシフトの実証実験、またJRと連携しましたシーアンドレールのための調査などに取り組んでおります。また新規立地企業について、荷主企業奨励金を拡充する。また新たに岐阜県と連携して、中国やロシアからバイヤーを招聘した商談会を行う。中国東北内陸部との新たな物流ルートの開拓などにも取り組むことにしております。  伏木富山港は、22年のコンテナ取扱量が過去最大で、対前年度でも約20%伸びているということであります。また昨日から、国際定期コンテナ航路は月4便増えたと。5航路、月46便になったということで、着実に発展しております。こうした点をしっかり働きかけて、拠点港に選ばれるように頑張っていきたいと思います。  次に、北京便についての御質問にお答えをします。  今月27日の夏季ダイヤから、現在週3便の富山・大連便が北京まで延伸されて、デイリー運航となりました。これは、我が国の地方の空港としては初めての北京へのデイリー運航路線ということで、これまで岡山空港から北京には週2便あるだけでありますので、画期的なことと言っていいんじゃないでしょうか。ありがたく、うれしく思っております。  この北京便の就航によりまして、環日本海交流、東アジア交流の拠点港としての富山空港の機能と利便性が飛躍的に向上しますので、本県にとっては大変大きなチャンスだと思っております。  このチャンスを活用するために、まず日本国内及び中国国内双方において、富山・北京便の積極的なPRに努めることにしております。この5月には私自身も加わりまして、中国経済観光訪問団──仮称ですけれども、これを派遣する。また、旅行・観光業の方やマスコミ関係者の相互派遣をする。また、県内及び近隣地域におけるエアポートセールスを初めとするPRの拡充などを行うといったことで、積極的に取り組んでいきたい。また、3月27日の初便の際にも、北京便就航記念訪問団──これは仮称ですが──を派遣しまして、航空会社や観光関係者等に富山県の魅力を大いにアピールしたいと思っております。  さらに、中国側へのアウトバウンドの利用促進策として、企業や団体の研修旅行に対する利用者助成の拡充などに取り組みますとともに、中国側からのインバウンドの利用促進策として、北京、大連からの送客に対する助成制度の創設、富山空港からのバス借り上げ経費に対する助成など、日中双方向の利用促進に向けて努力していきたいと思っております。  次に、ブランド力向上の御質問にお答えをいたします。  本県では、19年6月に策定しましたとやま型地域ブランド戦略アクションプランに基づいて、商品等のブランド力強化のために、かねてからふるさと認証食品、富山プロダクツ、富山のおみやげベストセレクション等の各分野の認証制度によりまして、すぐれた品質やデザインを有する商品を認証して、その販路拡大、情報発信を支援してまいりました。  また、富山ならではの食材、魚あるいは料理の魅力をPRするために、「キトキトとやま 丸の内クルージング」ですとか、「富山のさかなキトキトフェア」ですとか、とやま「越中料理」のセミナー、試食会の開催等も行ってまいりました。さらに、今般、越中富山お土産プロジェクトということで、本県のデザイン力を生かして、さまざまなお土産商品に統一感を出してPRすることにしております。  これら各分野における取り組みに加えまして、今年度新たに創設しました県推奨とやまブランドでは、農林水産、ものづくり関係の幅広い県産品を対象にしまして、本県を代表するすぐれた産品を厳選して、認定品のさらなる販路拡大や需要拡大を支援する。また、本県の認知度とか地域イメージの向上も図るということにしております。あわせまして、ブランド化に意欲的に取り組む事業者を明日のとやまブランド育成支援事業で支援するということにしているわけでございます。  ブランド力向上に向けましては、各事業者が取り組む個々の産品の品質管理や高付加価値化への取り組み、情報発信を支援しますとともに、それを当該産品の販路拡大だけではなくて、それをはぐくんだ富山県という地域のイメージアップに結びつけて、それが他の県産品の付加価値向上にもつながるという好循環をつくり出して、県産品と地域の評価を相乗的に高めていくことが大切だと思っております。  体系的なブランド戦略をという御指摘でありますけれども、来年度予算案においては、明日のとやまブランド育成支援事業における支援内容の拡充でありますとか、またせっかく確立されつつあるブランド価値をしっかり守っていくために、「富山のさかな」──とりあえず氷見ブリですけれども──の産地管理体制の強化に対する支援、またとやまブランド認定品目等の情報発信のための首都圏におけるフォーラムの開催、とやまブランド認定事業者が行う本県の地域イメージ向上につながる取り組みに対する支援などを、新たに取り組んでいるところでございます。  次に、現政権の農政への評価と本県の農業施策の展開への御質問にお答えをいたします。  我が国の農業・農村は、農業者の減少、高齢化や、農業産出額の減少、耕作放棄地の増加が続きまして、過疎化や高齢化が進行しております。一方で、世界は人口爆発の時代ですから、食料需給の逼迫ということが見込まれるわけでありまして、食料自給率の向上が重要な課題でございます。  こうした中で、現政権においては、農業政策を大きく転換して、御承知のとおり、すべての農業者を対象とする戸別所得補償を核とする施策を展開されております。ただ、その後は御承知のとおりTPP交渉参加の検討が表明されまして、関税の廃止を原則とする経済連携協定の推進と、マニフェストに掲げられた食料自給率の向上や国内農業・農村の振興との両立を目指すとされているんですけれども、もしTPPに参加すれば国内農業は大変なことになるというのは、どういう立場の人が計算してもそういうことになるんじゃないかと思うんですけれども、その中で、どうやって食料自給率を40%から50%に引き上げるのか。これは具体的にどうするのか。こうした施策の整合性をどう図っていくのかという点、非常に今後の農政の道筋が不透明だなと。担い手農家を中心に、将来展望が描けないなどの不安感が高まっているのも、無理からぬことだと考えております。  さらに、昨年12月に発表されました23年産米の生産数量目標は、本県が全国平均のマイナス2.2%を大きく上回るマイナス5.2%となったことは、これまで生産調整にまじめに取り組んできた本県の農業関係者に大きな衝撃を与えました。こんなとんでもないことがあっていいのかということで、鹿野農林水産大臣や篠原副大臣等に対して、私もみずから折衝させていただきまして、削減率の大きい富山県などの県については、実質的に全国平均と同等となるように、備蓄米の優先入札枠の設定や、産地資金の重点配分などを強く要請しまして、結果としては本県の要望がほぼ全面的に反映された内容となりまして、この点については、私は農水省はそれなりに誠意を持って対応していただいたと評価しておりますが、来年度に向けては予断を許さないと考えております。  今後とも、地域の実情を踏まえた農業政策が実施されるように働きかけていく必要があると思います。
     また、県としましては、こうしたときこそ担い手の育成、高品質で売れる農産物の生産振興が大切だと考えておりまして、新年度予算案においては、1つは、県産米の品質とブランド力向上を進めるための土づくり、高温でも高い品質が確保できる「てんたかく」や「てんこもり」といったような品種の作付の拡大の支援、また大豆の作付拡大を行う担い手に対する大豆コンバインの導入支援、また園芸作物などの1億円産地づくりに必要な機械や集出荷施設の整備に対する支援、また新規就農者の確保育成など、当面する課題に積極的に取り組んでいきたいと思っております。  今後とも、市町村や農業団体と力を合わせまして、持続可能で力強い農業の育成、農村の振興に努めてまいりたいと思います。  次に、土地改良事業についての御質問にお答えをいたします。  本県の土地改良施設は、昭和30年代から40年代にかけて整備された農業水利施設が多くて、今後、更新ニーズのピークを迎えることになります。  こうした中で、1年前に国の土地改良事業予算がおおむね半減という大変厳しいものになりましたことから、県としては、県内各地域の事業実施に大きな支障が生じないように、平成22年度は補正予算も含めまして、これまで対前年度比96%の県予算を確保しますとともに、国に対しては土地改良事業を含め、平成23年度農林水産公共事業予算を十分確保するように強く要請してまいりました。  この結果、国の23年度土地改良事業予算は、関連の非公共事業予算も含めて、対前年比112.6%の増額となりましたけれども、21年度予算と比べると依然6割以下、五十五、六%という水準にございます。  平成23年度の県予算につきましては、前年度比103.7%の75億8,000万を計上しますとともに、国の22年度補正予算などの確保に努めました結果、今回の2月補正で13億6,000万円を追加して、14カ月予算ベースでは89億4,000万円の予算計上をしております。昨年も同様の対応を行って予算を確保しましたが、同じ14カ月予算ベースでは対前年度比101.5%、21年度予算との比較では実質86.2%の予算を計上しまして、厳しい中でありますが、これは継続79地区、新規要望29地区を何とかしてほしいという強い要請もいただいていますので、何とかそれを採択できるように国の予算の配分を、今もそうですが、これからも働きかけていきたいというふうに思います。  なお、国の予算は、22年度創設されました農山漁村地域整備交付金の大部分が地域自主戦略交付金(一括交付金)に移行したところでありまして、都道府県への配分の見通しがまだはっきりしないわけです。そういう中ですけれども、富山県の土地改良事業の必要性を訴えまして、本県への予算配分確保に最大限努めてまいりたいと思います。  各地域から、予算確保について切実な御要望をいただいていますが、精いっぱい努力をしてまいりたいと思います。  次に、森づくりについての御質問にお答えをします。  水と緑の森づくり事業の財源となっております水と緑の森づくり税の延長については、先般、納税者であります県民の皆さん、企業経営者の方々を対象としたアンケート調査を実施しました。この結果によりますと、森づくり税の延長あるいは森づくり事業の継続については、条件つきを含めて「賛成」という回答が約9割を占めました。これは、これまでの森づくりの実績に対する県民の皆さんの評価、また事業の必要性への理解のあらわれでありまして、大変うれしく思っております。  また、森づくりに関するタウンミーティングを県内3カ所で開催しましたところ、森づくり税の延長や事業の充実について、積極的な立場からの多くの御意見や要望をいただいたところであります。  こうした意見を踏まえまして、来年度、森づくりプランの後期5カ年計画を策定し、税の延長について県議会にお諮りしたいと考えております。その際には、昨年はクマが大量に出没しましたことから、里山林整備の要望が強いこと、近年、カシノナガキクイムシの被害や竹林の拡大への対策が課題になっておりますことも含めまして、十分検討の上、後期5カ年計画の素案を作成し、森づくりの目標値の見直し、必要な事業費、また税額等について、水と緑の森づくり会議等でも御議論をいただこうと思っております。あわせてパブリックコメントも実施しますが、いずれにしても、県議会で十分御議論いただいて、もちろん市町村の意見も聞きますけれども、広く県民の意見を反映した計画となるように努力してまいりたいと思います。  次に、クマ被害防止対策についての御質問でございます。  昨年のクマの大量出没と人身被害の発生に対処しますために、県としましては、水と緑の森づくり税を活用した里山林の整備、また県の猟友会が実施する各種講習会への支援などの従来の対策に加えまして、特に昨年は4回にわたる出没警報の発令、また緊急対策会議の開催、県のホームページにおける出没情報地図の掲載など、被害防止対策の周知徹底とパトロールの強化、またクマの移動経路となっております河川敷や堤防付近における草刈り、また伐木の追加実施、それから市町村が行うクマ対策に対する補助対象経費の追加や補助限度額の引き上げなどを行ったところでございます。  さらに、現行の鳥獣保護法では、住民の生命、身体に被害が及ぶような場合でも、夜間や市街地等での銃の使用が禁止されておりまして、刑法に基づく緊急避難として銃を使用した場合には、その責任が捕獲隊員個人に課せられるおそれもあるなどの課題がありますので、現場の状況に応じて適切な有害鳥獣捕獲が実施できるように、国に対して制度改正を要望したところであります。  その結果、環境省からは、次回の鳥獣保護法の改正においては、富山県からの制度改正要望を念頭に置いて検討していくというふうに伺っております。  昨年秋のクマの大量出没の原因としては、主食であるブナやナラの不作、野生生物と人の緩衝地帯として機能していた里山の荒廃、さらにたび重なる出没警報にもかかわらず、柿の実の除去などの予防策が適切に講じられていなかったなどが考えられます。  県としては、今後とも明るい里山づくり、ブナ、ナラ類の実のなりぐあい調査などを行っていきますとともに、クマの移動経路となっております河川敷における草刈り、伐木、柿の実の除去、生ごみの撤去など、市町村を通じた被害防止対策の徹底、また市町村の捕獲隊のための銃器購入費用や安全防護資材の購入費用を新たな補助対象に加えて、猟友会の狩猟入門講座の充実も支援することにしております。今後とも努力してまいります。  次に、除雪体制についての御質問でございます。  この冬は、1月31日に県内の指定観測点5地点のうち4地点で警戒積雪深を超えるなど大雪となりましたけれども、幸い、県管理道路において特に大きな支障が生じることなく、道路交通の確保ができましたのも、昼夜を問わず除雪作業に従事していただいている建設企業の方々のおかげでありまして、感謝申し上げたいと思います。  議員の御指摘のとおり、多くの企業が今後の除雪のオペレーターや機械の確保について懸念を持っていらっしゃることは、県としても承知いたしております。  そこで、県では安定的な除雪体制維持のために、平成19年度から民間保有機械の借り上げ料について、まず運転時間に応じて支払っていた方法を見直して、運転時間が少ない場合でも機械保有の負担を軽減するために、保険料などの必要経費を固定費として支払う契約方法としたところでございます。  さらに、今年度からは除雪要員の待機費用について、除雪機械の出動がなかった場合のみ支払っていたものを、出動があった場合でも情報連絡要員の人件費を支払う契約方法に見直すなど、除雪業務に係る対象経費の拡充を図っております。  また、除雪の中核を担う地元建設企業の経営状態につきましては、企業の収益性を示す経常利益率は減少しておりまして、平成17年度以来赤字となっていることや、また6割の企業が最近5年間社員の採用を控えていることなどから、県内の建設企業は大変厳しい経営状況にあって、雇用の維持や長期的な視野に立った経営計画を立てることが難しい状況にあると考えております。  これは、根本はやはり、国の公共事業がともあれピーク時の4割近くまで削減されているということが一つあるわけですけれども、それにしても何とかしなくちゃいかんということで、県の建設業協会において、富山県建設業改革推進プランを策定していただいたところでございます。  県としましても、この23年度予算におきまして、必要な社会資本整備に、先ほど来申し上げているように積極的に予算計上もしたわけですけれども、と同時に、この建設業協会の改革推進プランに盛り込まれた経営基盤強化や、新たな事業展開に関する提案にこたえますために新分野進出等支援補助金を拡充しましたほか、新たに販路開拓専門アドバイザーの派遣、改革を支援するための庁内プロジェクトチームの設置など、積極的な支援を行っていくことにしております。  また、この改革プランでは、除雪機械のリース制度の導入など、安定的な除雪体制を維持するための提案もなされておりまして、県としては、今後どうしたらいいのか、どのような取り組みが可能か、国や各県の動向なども踏まえて検討してまいりたいと思っております。  最後に、少人数教育についての御質問にお答えをいたします。  これまで、県独自で平成17年度からの小学校1、2年での35人学級の実施に加えて、21年度からは中1・35人学級選択制を実施するなど、少人数学級を実施しております。また、国の加配教員や県単の非常勤講師を活用して少人数指導を行うほか、富山スタンダードということで、20年度から中1学級支援講師や小学校専科教員などを配置しまして、効果的な少人数教育を推進しております。  23年度の政府予算案では、小学校1年生の35人学級が制度化されることになりましたけれども、必要な定数4,000人のうちで1,700人が加配定数の振りかえで対応されまして、純増はわずか300人にとどまったというだけではなくて、外部人材を活用する国の補助金、例えば退職教員を活用するための補助金といったようなものも廃止されたことは、極めて残念であります。  このように、国の予算は、これまで意欲を持って加配定数の配分を受けたり、退職教員の人材活用事業などを活用して教育振興に取り組んできた富山県などにとりまして、非常に厳しいものになりました。しかし、教育現場で実際の授業を拝見し、現場の声も伺ったこと、またPTAやタウンミーティングなどでも非常に熱心な御要望をいただいております。県の財政が極めて厳しい中ではございますが、来年度は3年生、4年生を対象に、県独自で理科を中心とした小学校専科教員を36名増というふうに大幅に拡充する。この中には音楽、図工、体育の専科教員の増員も含まれております。  このように、県としましては少人数指導と少人数学級のそれぞれのよさを考慮しまして、教育指導の工夫を凝らしながら、教育現場で柔軟に対応できる形が大切だと。また教育の効果があるというふうに思っております。  来年度、新しい総合計画、また教育振興基本計画も策定することにしておるわけですが、今後の少人数教育の推進については、まず教育委員会において、有識者に加え、校長や市町村教委、PTAなど関係者も含めて、それらの幅広い意見を聞いて十分検討していただきたいと思います。  私は、かねてから人づくりが極めて重要だと思っておりまして、今後、少人数学級を含めた効果的な少人数教育の推進について、23年度拡充します小学校専科教員の効果を検証しますとともに、国の施策や財政措置などもしっかり見守りまして検討をしてまいりたい、このように考えております。  以上でございます。 8 ◯議長(鹿熊正一君)戸高商工労働部長。    〔商工労働部長戸高秀史君登壇〕 9 ◯商工労働部長(戸高秀史君)まず、新規学卒者の就職支援の取り組み状況についての御質問にお答えをいたします。  この春の大学等卒業予定者の就職状況につきましては、労働局の調査によりますと、1月末現在で内定率は82.2%と、前年同期比では1.9%上回っておりますものの、前々年同期比では3.8%下回っておりまして、厳しい状況にあると認識をしております。  県では、新規学卒者の就職支援のために、これまでも合同企業説明会や各種セミナー等のきめ細かな開催や、大学等の新規学卒者向け求人開拓員の配置などを行っております。また、本県独自の取り組みであります新規学卒未内定者等の採用を確保する県内企業人材養成モデル開発事業においては、平成23年度の採用予定人数枠を50人として取り組んでおります。  この事業につきましては、去る1月21日に合同企業面接会を開催いたしまして、現在のところ、今年度の実績を上回る32人の採用が内定をしておりまして、さらなるマッチングに努めております。また、去る2月23日に一般事業主行動計画を策定済みの企業を対象とした合同企業面接会を、新規学卒者を対象に開催したところであります。  さらに、労働局、県、経済団体、学校、行政等から成る富山新卒者就職応援本部で取りまとめた「新卒支援宣言」に沿って、関係者が緊密に連携して新卒者対策に取り組んでいるところでありまして、今後とも、労働局等関係機関と連携を密にして、新規学卒者の就職支援に万全を期してまいりたいと考えております。  次に、雇用のミスマッチ解消のための取り組みについての御質問でございます。  新規学卒者の就職環境については、景気悪化に伴いまして、学生側の大手、安定志向が強まっておりまして、御指摘のように、採用意欲のある中小企業との間で雇用のミスマッチが生じている状況にございます。  県では、新規学卒者の就職支援策として、これまでもヤングジョブとやまの各種合同企業説明会やUターンフェア・イン・とやまの開催、元気とやま!就職セミナーや県内大学の学内セミナーにおける県内企業人事担当者と参加した学生による座談会などによりまして、県内企業が自社の魅力や求める人材について、学生に対して直接伝える機会を設けているところであります。  さらに、新年度におきましては、雇用のミスマッチ解消に向けまして、中小企業の採用担当者向けの人材確保力アップセミナーを開催いたしまして、求める人材を採用するための面接の手法や、効果ある自社PRのPR方法の習得等について、セミナーを開催することにしております。  また、学生の中小企業に対する意識啓発も必要でありますので、学生向けの中小企業ガイドの発行や、中小企業の魅力発見セミナーの開催に取り組むこととしております。  また、離職者に対する職業訓練に当たっても、求人ニーズを踏まえた介護や医療事務など、委託訓練コースの拡充を行うとともに、就職支援指導員を増員するなど、雇用のミスマッチの解消に向けて引き続き努めてまいりたいと、このように考えております。  次に、小水力発電の推進についての御質問にお答えをいたします。  県では、包蔵水力全国2位という豊富な水量と急流河川といった本県の特色を生かしまして、小水力発電の整備に積極的に取り組んでおりまして、これまでも農業用水や中小河川等を利用した小水力発電候補地の可能性調査を実施してきたところであります。  この調査結果をもとに、平成21年度に仁右ヱ門用水発電所を整備したほか、23年度には庄川右岸幹線用水を利用した庄発電所(仮称)や、南砺市で山田新田用水発電所(仮称)の建設工事に着手することにしております。  また、県では、小水力発電技術開発促進モデル事業として、小水力発電に参入する意欲のある企業に対し、事業化に向けた調査や産学官連携による技術開発の支援を行っているところであり、小規模な流量や落差でも発電可能な、いわゆるマイクロ水力発電に係る設備について、既に県内企業でも開発をし、土地改良区や下水処理場等で実用化が進みつつあります。  新エネルギー関連の産業は、今後成長が見込まれる分野でありまして、県としては現在、小水力発電も含む新エネルギーの今後の取り組みの指針となる新エネルギービジョンの改定を進めているところであります。国の地球温暖化対策やエネルギー政策の動向等も踏まえながら、本県の豊富な水資源を大いに活用した小水力発電について、引き続き研究開発や事業化の支援を行い、その整備推進に努めてまいりたいと考えております。  最後に、深層水ビジネスの発展についての御質問でございます。  深層水を活用した商品は、平成12年以降、飲料品、食品、化粧品などの分野において商品化が進みまして、この10年で、企業数で3倍、商品数で4倍と、順調に伸びてきております。  最近では、まず健康関連では、例えば整腸作用を持つ特定保健用食品の飲料水や、深層水成分を生かした清拭用洗浄水、深層水ゲル配合で肌にやさしい薬用石けんなどの商品化が行われております。また農林水産関連では、野菜を栽培する植物工場での深層水利用技術や冷水性昆布類の陸上養殖技術の開発などが進められております。また、低温な深層水をパック御飯の製造工場の冷房に利用した後に、温められた深層水をアワビ養殖で再利用する取り組みなども進められております。  ただ、全国的には、深層水商品というだけで売れる時代ではなくなっておりますので、深層水産業の育成を進めていくためには、いま一度、深層水の特質を生かして差別化された商品を開発し、さらに新たな販路開拓やブランドイメージの向上に取り組む必要があると考えております。  このため、県といたしましては、深層水と県産大麦を使用した焼酎など、地域の資源と結びつけた付加価値の高い商品開発の促進や、県外からバイヤーを招聘して開催する展示商談会などビジネスマッチングの促進、中国大連に加え、航空便がデイリー化する北京にも販路拡大に取り組むなど、国内外への販路開拓を進めたいと考えております。  また、新たに、東京有楽町駅前のビッグマルチビジョンでの映像広告による首都圏への情報発信など、富山湾深層水の関連産業がさらに発展するように、戦略的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 10 ◯議長(鹿熊正一君)東野教育長。    〔教育長東野宗朗君登壇〕 11 ◯教育長(東野宗朗君)高校卒業予定者の就職支援についてお答えしたいと思います。  労働局の調べによりますと、本県高校卒業予定者の就職内定率でございますが、企業など関係者の努力もございまして、本年1月末現在95.3%と、全国的には極めて高い水準であったところであります。しかしながら、労働局調べでは1月末現在、未内定生徒が77名おりまして、今後、これらの生徒に対しましてしっかり支援をしてまいりたいと考えているところでございます。  このため、現在各高校におきましては、面談、職場見学、合同企業面接会などに教員が同行いたしまして、きめ細かい支援を行いますとともに、就職支援アドバイザーをこれら未内定生徒がおります高校に重点的に訪問させまして、進路指導主事等と連携しながら、個別生徒への情報提供、求人の紹介などを一生懸命行っているところであります。  さらに、県独自の施策でございます県内企業人材養成モデル開発事業など、未内定者支援の制度につきまして、積極的にその利用を進めてきているところでございます。  このほか、今年度初めての取り組みでございますが、就職支援アドバイザーなどと、ハローワークの高卒就職ジョブサポーターによります就職支援担当者連絡会議を随時開催してきているところでございまして、実効性ある就職支援が行えるよう、一生懸命取り組んでおります。  今後とも、労働局など関係機関と十分連携をとりながら、しっかり取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 12 ◯議長(鹿熊正一君)五十嵐観光・地域振興局長。    〔観光・地域振興局長五十嵐信夫君登壇〕 13 ◯観光・地域振興局長(五十嵐信夫君)とやまブランドの質問にお答えをいたします。  富山県推奨とやまブランドは、これまでの分野別の取り組みに加えた幅広い視点からのブランド力の強化の取り組みであります。事業者の意欲を最大限に引き出しながら、個々の商品の知名度や評価を高めるとともに、それを生み出した富山県という地域のイメージの向上、さらには観光振興や地域産業の活性化を図ることなどを目指す総合的な目的を持った事業でございます。  今回、第1号の認定に当たりまして、7月に開催しました育成・認定委員会におきまして、第1号の認定ということもあり幅広い産品の中から選考すべきであり、追加申請を募るなども含め検討した上で、再度委員会を開催すべきという意見が大勢を占めたことを踏まえまして、追加募集を行ったところでございます。  追加募集の実施によりまして、結果として認定が当初の予定よりおくれ、申請者の方々に結果が出るまでお待ちいただく期間が長くなったことなど、今後の取り組みの教訓にしなければならないことがあったのではないかと思っております。  次回以降の認定につきましては、まずは今回認定を行った11品目について、全国に向けた情報発信を強力に行い、県外からの反響や事業者の皆さんの関心の高まりの状況などを見きわめた上で、その実施時期などを検討してまいりたいと考えております。 14 ◯議長(鹿熊正一君)寺井農林水産部長。    〔農林水産部長寺井幹男君登壇〕 15 ◯農林水産部長(寺井幹男君)ブリの産地偽装と今後の対策などについての御質問にお答え申し上げます。  昨年12月、氷見産ブリの産地偽装の疑いが報道されまして、県においてJAS法に基づく調査を行った結果、氷見市の仲卸業者が福井県産のブリを氷見産等と偽装して販売した事実が判明し、JAS法によりまして、当該業者に対し改善を指示し、公表を行ったところであります。  これは、当該業者が食品表示の知識やコンプライアンスが欠如しておりましたことによるものでありますが、県としては、昨年、「富山のさかなブランド化推進戦略」を策定し、関係者一丸となってブランド力向上に取り組んでおりますところに、このような事案が発生し、まことに残念であります。  今後、二度とこのようなことが起きないよう、関係者が気を引き締めてコンプライアンス意識を徹底するとともに、産地表示をしっかり管理する体制を確立する必要があると考えております。  氷見産のブリにつきましては、氷見漁協がブランド対策協議会を設置して、来シーズンまでにブリの商標登録やタグの導入等を行うことにしており、県としても必要な経費に助成し、氷見市と連携して指導支援を行うことにしております。  他の漁協においても、今回の事案も踏まえて、産地管理体制の強化やブランドの確立に一層取り組んでいただきたいと考えております。  これまで、例えば魚津寒ハギについて、表示ピンの作成や商標登録に支援を行っておりますが、今後とも、県漁連や関係市町と協力し、各漁協のブランド化や産地管理体制の確立に向けた取り組みを推進してまいりたいと考えております。 16 ◯議長(鹿熊正一君)新川生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長新川 稔君登壇〕 17 ◯生活環境文化部長(新川 稔君)まず、外国資本による水源地取得の御質問にお答えいたします。  近年、北海道を中心に、外国人、外国資本による森林購入というマスコミ報道が見受けられ、このような状況を受け、昨年、平成22年に林野庁は全国調査を行っております。その結果、平成18年1月から平成21年12月までの外国法人または外国人による森林取得は、全国で25件、558ヘクタールとなっております。この25件のうち、北海道が24件であります。  本県の状況でございますけれども、国土利用計画法に基づく届け出で見ますと、これは一定規模以上の土地取引についての届け出でありますけれども、外国法人または外国人による取引は、森林だけはなく、平野部も含めまして見当たらない状況であります。そしてこれは市町村や各森林組合にも確認をしております。  一方、取得した土地を利用する際には、現在、土地利用を規制する法律として、都市計画法、森林法、自然公園法などがあり、特に県内の森林面積28万ヘクタールのうち12万ヘクタールが国立公園、県立自然公園に指定されており、例えばこの区域内の水源地を取得し、取水のための建物を建築する場合は、許可や届け出が必要となっております。  また、地下水の採取そのものに関しましても、富山・高岡地域には指定地域、観察地域を設け、それ以外の地域につきましては、扇状地の扇頂部から海岸部までの地域に適正揚水量を設定し、その実績を調査しております。  これらの規制は、企業や個人の国籍を問わず適用されるものであり、今後とも市町村と連携して的確な把握に努めるとともに、住民の皆さんに不安や懸念があるとの御指摘につきましては、今後国の動向にも注意を払いながら、市町村を対象とした会議や、あるいは出前県庁等で、本県の現状や各種規制の内容等について説明をしていきたいというふうに考えております。  次に、改正貸金業法の完全施行に伴う対応についてお答えをいたします。  平成18年の貸金業法の改正は、御指摘のように上限金利の引き下げと総量規制の導入を主な内容として実施され、昨年6月に完全施行されておりますけれども、改正法は新たな多重債務者の発生を抑制する一方で、借り手側が必要な貸し付けを受けられなくなるおそれがあることなどが指摘されております。  このため、県としましてはこれまで、平成19年に国の法改正を受けて富山県多重債務者対策協議会を設置し、福祉、税金、自殺対策等、相談窓口相互の連携を強化し、債務者の実情に的確に対応できる窓口、あるいは専門家による解決を目指すとともに、県消費生活センターでは、通常の相談員による相談に加え、平成21年から弁護士、司法書士による専門相談を実施するなど、相談体制を強化しております。  また、セーフティーネット貸し付けとなる県社会福祉協議会の社会福祉資金貸付制度についても、平成21年10月から、連帯保証人が確保できない人についても貸し付けができるように改正をされております。  このようなことから、改正前の平成21年4月から9月までの6カ月の貸し付けは126件であるのに対し、改正後の平成21年10月から22年3月までの6カ月の貸し付けは436件というふうになっております。  さらに、改正法の完全施行に当たり、すべての県知事登録貸金業者を対象に、改正内容の取り組み状況についてヒアリングを実施するなど、適時適切な指導監督に努めております。  今後とも、消費者行政活性化基金等を活用し、市町村の相談員の配置やレベルアップ研修による資質向上、また消費者団体の行う相談事業への助成など、県消費生活センターを中心とした相談窓口相互の連携を強化し、消費者の期待にこたえられるよう努めてまいりたいというふうに考えております。
    18 ◯議長(鹿熊正一君)飯田厚生部長。    〔厚生部長飯田久範君登壇〕 19 ◯厚生部長(飯田久範君)まず、国民健康保険制度に関しての御質問にお答えをいたします。  県内の市町村国保の平成21年度の決算を見てみますと、単年度収支が黒字であった保険者が12団体、赤字であった保険者が3団体でございまして、全体の収支差額は約8億円の黒字となっております。これを全国の状況──全国には1,723保険者がございますが、率にして53%の保険者が単年度赤字という状況でございまして、このような状況と比べてみますと、おおむね経営状況は良好なほうではなかったかと考えております。  ただ、平成22年度についてでございますが、景気の低迷に伴う保険料収入の落ち込みでございますとか、診療報酬の改定等に伴う医療給付費の増加などによりまして、前年に比べ、収支が悪化する見通しであるというふうに聞いているところでございます。また、今後も景気の急速な回復が見込まれない中で、保険料率を大幅に引き上げることは難しいことなどから、市町村国保の財政状況は厳しくなっていくものと考えております。  このため県では、昨年12月に市町村国保広域化等支援方針を策定し、保険財政の安定化でございますとか、医療費の適正化など、市町村国保に共通の課題に対し、県と市町村が協力して取り組んでいくこととしたところでございます。  しかしながら、市町村国保につきましては、高齢化でございますとか、低所得者層の増大による保険財政の逼迫という構造的な問題がございまして、こうした問題は運営を広域化することだけで解決できるものではないことでございますことから、まずは、国において持続可能な医療保険制度を構築するための本質的な検討が行われるよう、全国知事会等を通じて要請をいたしているところでございます。  国におかれましては、こうした地方の意見に十分耳を傾けていただきまして、市町村国保を安定的で、将来にわたり持続可能な保険制度としていただきたいと考えているところでございます。  次に、生活習慣病対策についての御質問にお答えをいたします。  望ましい生活習慣を実践することなどによりまして、心身ともに健康な生活を送ることにつきましては、すべての県民の皆さんの願いであるというふうに考えております。  このため、県におきましては、平成20年3月に策定をいたしました富山県健康増進計画に基づきまして、特定健診の促進や特定保健指導の充実、生活習慣の改善、がんや糖尿病等の疾病予防の推進など、さまざまな生活習慣病対策に取り組んできているところでございます。  少し具体的に申し上げますと、円滑な実施のために、市町村と医療機関との調整でございますとか、保健指導者の研修会の開催などにより、特定健診等を促進いたしております。また、生活習慣の改善としましては、関係団体と連携したバランスのとれた食生活の普及でございますとか、県民歩こう運動の開催等によります運動習慣の定着などに取り組んでおります。さらに、疾病予防として、がん検診の普及啓発でございますとか、市町村の検診への助成等にも取り組ませていただいているところでございます。  県におきましては、平成25年度からの新たな健康増進計画の策定に取り組むこととしておりまして、生活習慣病対策をこの計画の柱の一つに掲げたいと考えております。  今後とも、市町村を初め、医療保険者や関係団体等と連携を図りながら、ライフステージに応じて、県民の皆さん一人一人が健康づくりに取り組んでいただけますよう、積極的に努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 20 ◯議長(鹿熊正一君)斉藤警察本部長。    〔警察本部長斉藤良雄君登壇〕 21 ◯警察本部長(斉藤良雄君)有害鳥獣の捕獲に関する御質問にお答えします。  警察官は、その職務のためにけん銃等を所持することが認められていますが、一般の警察官が所持するけん銃は、その威力等からクマの捕獲に用いることができるものではなく、またその他の銃についても、配備はあくまでも犯罪の対処のために厳格に要件を定めて認められているものであって、有害鳥獣を捕獲する目的での配備を認められているものではありません。  したがいまして、警察官が猟銃を持ってクマ等の有害鳥獣の捕獲に当たることは、現在の法体系のもとでは困難であると言わざるを得ず、またけん銃と猟銃ではその取り扱いが大きく異なり、一般の警察官が猟銃の取り扱いに習熟している状況にもありません。  さらに、クマの捕獲にはその生態についての十分な知識や捕獲の経験が必要となりますが、この点に関しては、警察官は現在、何らの知識、経験を有しておらず、厳しい財政状況のもとで増員をいただきながら、手いっぱいの状態で治安の維持に対処している警察の現状を考えますと、現在の業務に加えて新たにこれを担うことには体制面でも困難があります。  したがいまして、有害鳥獣の捕獲については、やはりその生態に精通し、また猟銃の扱いにも熟練された方々に対応していただくことが適切であり、警察としてはこれまで同様、これらの方々と緊密な連携を図りつつ、広報やパトロール、住民避難等の本来警察が果たすべき役割の中で、県民の安全を守るための活動に力を注いでまいりたいと考えております。  なお、警察官OBについてのお話もございましたが、今申し上げたとおり、警察官OBも、有害鳥獣の捕獲や猟銃の扱いについては何らの知識、技術を有しているものではなく、長年治安に係る厳しい業務に精励し、勤め上げ、既に警察組織を離れられた方に対し、年齢的にも60歳を過ぎて、新たに知識、技術を習得した上、未経験の危険を伴う業務に従事することの是非については、私が申し上げる立場にはないものと考えます。  次に、改正貸金業法施行に伴う金融業者の取り締まり等に関する御質問にお答えします。  県警察においては、今回の貸金業法の改正に的確に対応するため、平成19年にヤミ金融集中取締本部を設置し、組織を挙げてヤミ金融事犯の取り締まりの強化に取り組んでいるところであり、平成19年から平成20年にかけて、全国延べ2,600名の顧客に総額約1億2,000万円を貸し付け、約3億3,000万円の暴利を得ていた東京都内のヤミ金融業者10人を検挙するなど、平成19年以降、8件、21人のヤミ金融業者を検挙しています。特に昨年6月の改正貸金業法の完全施行により、正規の貸金業者から借りられなくなる人たちの間でヤミ金融被害が拡大するとの見方もあることから、警察では被害拡大防止のため、さらに取り締まりのほか、ヤミ金融事犯対策を強化して対応しています。  具体的に申し上げますと、取り締まりと並行して、県消費生活センター等の関係機関と緊密に連携しながら、被害拡大防止と被害回復を図るための措置を講じており、警察においてはヤミ金に係る被害相談を受理した段階で、状況に応じ、違法な貸し付け等に対して警察が直接ヤミ金融業者に電話警告を実施する、ヤミ金融業者が使用する預貯金口座の凍結を金融機関に依頼する等の対策を強力に推進しているほか、被害者等からの相談、訴えにはその心情に十分配意し、弁護士会の多重債務整理の相談窓口などの紹介も行うなど適切な対応に努め、被害の拡大防止を図っていくこととしています。  警察としては、今後とも関係機関との間で、ヤミ金融の最近の動向や手口についての情報共有を図るなど、相互の連携を一層強めつつ、ヤミ金融事犯の撲滅に向けた取り締まりを初め、新たな手口等に関する積極的な広報啓発を行うなど、諸対策を強化し、被害の防止回復に全力で取り組んでまいる考えであります。 22 ◯議長(鹿熊正一君)柳野知事政策局長。    〔知事政策局長柳野隆之君登壇〕 23 ◯知事政策局長(柳野隆之君)大雪対策についての御質問にお答えいたします。  県では、毎年降雪シーズンに入る前に、国、県、交通事業者などによる雪害対策連絡会議を開催し、雪害対策に向けた各機関との取り組み状況を確認するとともに、交通事業者に対し、公共交通機関の定時運行の確保と、県民等への適時適切な情報の提供について要請してきているところであります。  しかし、今回の1月31日の未明から北陸地方を中心に日本海側に降り続いた大雪により、県内の公共交通機関が大きく混乱し、特にJRにおきましては、県内全線が終日運休するなど、多くの県民に影響を与えたところであります。  これらのことから、県では直ちに雪害対策会議を招集し、今後の対策を取りまとめました上、同日中にJR西日本に対して、早期運行再開、区間運行の実施、県民への迅速な情報提供等について申し入れを行ったところであります。  JR西日本では、今回の事態を踏まえ、情報提供システムの整備の検討を含め、除雪体制の強化に努めるとしているところであります。  公共交通機関は、運行の安全確保が第一でありますが、今後とも雪害対策連絡会議等を通じて、交通事業者に降雪時における交通の確保についてしっかり対応するよう強く要請してまいりたいと考えております。また、交通事業者における除雪設備や降雪対策設備の整備更新に対しましても、国や関係市町村と連携して必要な支援を行うなど、雪に強い公共交通機関の実現にしっかり取り組んでまいりたいと考えています。 24 ◯議長(鹿熊正一君)牧田土木部長。    〔土木部長牧田 潔君登壇〕 25 ◯土木部長(牧田 潔君)まず最初に、消雪施設の整備についての御質問にお答えをいたします。  道路除雪につきましては、機械による除排雪を基本としておりますが、道路幅員が狭く、人家が連檐するなど、機械除雪に支障となっている箇所のうち、水源が確保できる箇所につきましては、消雪施設の整備を進めてきたところでございます。また今年度からは、機械除雪を効率的に行うため、一定区間が抜けております、いわゆる消雪施設の中抜け区間の解消にも取り組んでおります。  この結果、平成22年末の整備延長は約700キロとなったところでありまして、今後、中抜け区間も含め約100カ所、約80キロメートルの整備が必要と考えております。  消雪施設の更新につきましては、おおむね20年から30年サイクルで実施する必要があることから、現在、主に昭和50年代後半から60年代にわたって整備しました施設について進めております。しかしながら、予算の制約もあることから、年平均約10キロにとどまっており、昭和60年代までに設置されました消雪施設約310キロのうち、約67%に当たる約210キロメートルがまだ更新されずに残っております。  今後も、消雪施設の更新はもとより、各市町村などからの中抜け区間も含めた消雪施設の新設の要望にこたえるため、必要な予算の確保に努めるとともに、水源確保等の要件が整ったところから積極的に整備を進めてまいりたいというふうに考えております。  次に、地元貢献企業の受注機会の確保や工事発注の早期化、平準化についての御質問にお答えをいたします。  県内建設企業は、本県の発展や地域活性化の基盤となる社会資本の整備、雇用の確保はもとより、除雪や災害対応などの面でも大きな役割を果たしてきております。このため、これまでも地元に貢献する企業の受注機会を確保するため、一般競争入札におきましては原則県内企業を対象とし、価格帯に応じた地域要件を設定すること、指名競争入札では地元貢献企業を優先すること、入札参加資格審査や総合評価方式による入札におきまして、地元貢献企業を評価することなどに努めてきております。  また、工事発注の早期化、平準化につきましては、本年度の当初予算に加え、9月と11月議会に補正予算を計上したほか、2月にはゼロ国債等の債務負担行為を専決処分したところであります。さらに、本定例会におきましても補正予算を提案し、平成23年度当初予算と合わせた14カ月予算として実施することとしており、年度間においても切れ目のない発注が可能となることから、これまでと同様、できる限り速やかに箇所づけを行うこととしております。  今後とも、地元に貢献する企業の受注機会の確保や、早期かつ切れ目のない発注に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 26 ◯議長(鹿熊正一君)以上で上田英俊君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  午後0時18分休憩      ─────────────────────  午後1時16分開議 27 ◯議長(鹿熊正一君)休憩前に引き続き会議を開きます。  湊谷道夫君。    〔30番湊谷道夫君登壇〕 28 ◯30番(湊谷道夫君)私は、社会民主党を代表して質問させていただきたいと思います。  まず、質問に先立ち一言申し上げますが、日本時間の2月22日朝、ニュージーランドで大規模地震が発生し、語学学校で研修中の富山外国語専門学校の学生と教員が大惨事に巻き込まれました。既に1週間、今なお日本人28名を含む皆さんの安否が不明であり、大勢の人々が犠牲となりました。御家族、関係の皆様に心からのお見舞いを申し上げ、以下質問に入らせていただきたいと思います。  まず最初に、政府・与党のマニフェストについて質問いたします。  菅直人首相が昨年6月就任して以来、初めての党首討論が2月9日開催されました。菅首相は衆参両院のねじれ国会のもとで、社会保障と税の一体改革について、4月に社会保障のあるべき姿、6月に税との一体改革案を示すと説明され、さらに9月をめどに衆院選のマニフェストを見直す考えを示されたのであります。自民党の谷垣総裁は、衆議院選挙における民主党マニフェストは、消費税増税をやる前提にないと批判。解散・総選挙を要求されました。  社民党は、一昨年の歴史的な政権交代で連立政権に参加しましたが、普天間基地移設をめぐる見解の相違から、昨年5月、連立政権を離脱しました。しかし、連立政権樹立に当たっての33項目の政策合意は国民に対する政権公約であり、重く受けとめなければなりません。その政策合意では、選挙において負託された政権担当期間中は、消費税率は引き上げないと合意されているのであります。また、子ども手当や雇用対策は民主党のマニフェストに組み込まれている重要政策であり、その財源は無駄を省く財源で賄うという公約でありました。  法人税率5%を引き下げ、増税による子ども手当や雇用対策を進めるとすれば公約違反であり、有権者に対して説明責任が問われるのではないでしょうか。  知事として、選挙公約、政権公約についてどうあるべきと認識されているのか、お聞かせいただきたいと思います。  知事は2度の知事選挙においてマニフェストを示し、県民の審判を仰いでこられました。みずからのマニフェストの進行状況についてどのように評価されているのか。また、平成23年度の富山県予算編成にはどのように反映されているのか伺いたいと思います。  年金、医療、介護など、暮らしの安全・安心にかかわる社会保障制度の充実についても、連立政権の政策合意となっています。具体的には、社会保障費の自然増2,200億円を抑制するという小泉政権下の経済財政運営の基本方針、いわゆる骨太方針は廃止すること、また一元的で公平な年金制度の確立や後期高齢者医療制度の廃止、さらに介護労働者の待遇改善と人材の確保や障害者自立支援法の廃止、応能負担を基本とする総合的な制度づくり等々であります。  国の平成23年度予算案では、社会保障関係費が22年度の当初予算より1兆4,000億円増額し、28兆7,000億円が計上され、一般歳出に占める割合が53%を占め、前年をさらに上回る構成になっています。  国の予算編成方針を受け、県政の社会福祉施策はどのように充実が図られているのか、飯田厚生部長に伺います。  知事は平成23年度政府予算案の閣議決定を受けて、社会保障関係費は国、地方合わせて2兆2,000億円の増加となり、今後も増嵩が見込まれる社会保障財源を安定的に確保し、財政を持続可能なものとするため、新成長戦略を本格的に実施するとともに、国も地方の改革を参考に抜本的な行政改革に取り組んだ上で、税制の抜本改革に向けた真摯な取り組みが行われることを期待するとの見解を示されました。  また、民主党はマニフェストで、16兆8,000億円を財源とする重要政策の実行によって日本経済を内需主導型へ転換し、安定した経済成長を実現するとしています。  問題は財源であり、徹底した行財政改革や不公平税制の是正などについて、国、地方の共通課題として、国と地方の協議の場などで検討されるべき課題と考えます。  国の行政改革の具体的課題とあわせ、知事に所見を伺いたいと思います。  次に、雇用対策について質問いたします。  総務省が2月21日発表した平成22年平均の労働力調査の詳細集計によれば、平均雇用者5,111万人のうち、正規の職員、従業員は3,355万人と1年前に比べ25万人の減少で、非正規の職員、従業員は1,755万人、34.3%は比較可能な平成14年以降で最高となり、34万人の増加となっています。  また、完全失業者334万人のうち、失業期間が1年以上の長期完全失業者は121万人と前年より26万人増加し、全体の36.2%余を占めており、平成20年秋のリーマンショックで職を失った派遣労働者らの多くが、1年以上たってもなお再就職できない厳しい雇用情勢にあります。  平成22年の労働力調査による全国雇用情勢に対して、県内の雇用情勢はどのような状況に置かれているのか、戸高商工労働部長に伺います。  中部県知事会は昨年8月に、今春の高卒、大卒予定者の厳しい就職状況を予想し、雇用基金事業の延長と雇用安定助成金の拡充について提案されました。その内容は、就労と人材育成が一体となった地域人材育成事業や重点分野雇用創造事業について、事業メニュー間の財源の流用を可能にするなどの要件緩和を行い、地方自治体が使いやすい制度にするという提案であります。  この両事業は、国の交付金を原資とした基金による重点分野雇用創造事業であり、県内企業における訓練つき雇用の実施や、施設で働きながらホームヘルパー等の資格取得、介護人材の育成と確保、森林の公益的機能向上のための枝打ちなど、また農業法人等で働きながら必要な知識、技能等を取得する人材など、市町村の実施事業と相まった新たな雇用創出を図るものであります。  平成21年度から23年度を期間とするこの基金事業は、一部24年度へ延長されていますが、国費約1兆円による県の基金造成額は、2月補正を含め約193億円であります。  今後の対応とあわせ、この間の実績と評価等について、商工労働部長に見解を伺います。  平成22年度の新規事業として、雇用創出基金を活用した県内企業への委託で行われている人材養成モデル開発事業は、昨年4月、新規学卒者等の31人が18社で採用され、1年を迎えようとしています。厳しい雇用情勢を踏まえた新たな富山県の雇用政策であり、経済界からも、官民連携による新卒未内定者等の雇用創出に有意義な事業と評価されています。  平成23年度の人材養成モデル開発事業の取り組みは、受託企業42社、60人の採用予定で合同企業面接会が1月に開催され、新年度予算案に1億8,200万円の事業費が計上、新規に県内中小企業人材マッチング促進事業費が計上されました。  1年後に正社員に登用することを前提に、新規学卒未内定者等を対象とする県内企業人材養成モデル開発事業は、中小企業の人材育成、確保とともに、新卒未内定者の雇用を図り、ものづくり富山県産業の発展に寄与するものであります。しかし、国の創出基金事業は、原則として平成21年度から23年度を期間とする事業であり、24年度以降も、富山県として引き続き人材養成モデル開発事業の継続を図るべきでないかと考えます。  本事業の政策的意義は極めて大きいと思いますが、見解を伺います。あわせて、22年度事業の状況と評価等について、石井知事に所見を伺いたいと思います。  次に、北陸新幹線と地域の公共交通について質問いたします。  北陸新幹線長野-金沢間の整備をめぐり、2月16日、新潟県が2011年度当初予算案で北陸新幹線の建設負担金の計上を見送ったことが明らかになりました。沿線各県には困惑とともに新潟県知事に対する不信感が広がり、新潟県知事の姿勢がこのまま変わらなければ金沢開業がおくれるのではないかと懸念が広がっています。  国土交通省は「14年末開業は既定方針。まずは話し合いによる解決に全力を挙げる」と述べ、3月開催予定の新潟県知事との協議で事態の打開を目指す考えと報道されました。  新潟県の反発は、2009年1月、北陸新幹線建設費の総事業費が1兆7,900億円に膨らんだことに伴う負担増に、新潟県は説明不十分と支払いを拒否したことに始まり、政権交代後の一昨年末、当時の国交相と1年程度で問題解決を図るとの合意が、その後に進展なく、平成23年度当初予算案に建設負担金の計上を見送ることにつながったとされています。少なくとも県内1駅での全列車停車など、地元負担に見合うだけの受益を要求する新潟県の主張は理解できるし、当然ではないでしょうか。  2014年度の北陸新幹線開業に懸念もありますが、沿線各県の協調、連携がますます重要になっていると考えますが、石井知事に見解を伺いたいと思います。  報道では、国交省鉄道局は、5月までに支払いがあれば影響はないと、新潟県との協議を急ぐ考えを示されています。しかし、支払いに応じなかった場合の対応については「検討中」とされています。  支障なく14年度末に開業するためには、JRからの線路使用料、貸付料の転用や、沿線各県による一時的な地元負担の肩がわりなど、さまざまな方策が検討されているとも報道されていますが、かえって問題を複雑にするのではないかと懸念もされるのであります。  国交省は、新潟県の問題は、本来は運行主体のJR東日本に相談してもらうことだとしていますが、平成8年12月の政府・与党合意による全国新幹線鉄道整備法施行令に基づき、沿線自治体が建設費の3分の1を負担しているのであって、負担に見合う県内1駅での全列車の停車を訴える新潟県の主張に対して、国交省として一定の方向性を示す見解や指導性があってしかるべきと考えます。知事に見解を伺います。  平成26年度の北陸新幹線開業に合わせ、JRから経営分離される並行在来線の北陸線について、新年度予算で経営計画概要策定の新規事業費が計上されました。石井知事は記者会見において、平成23年度中に並行在来線の運営主体や国の財政支援策を具体化し、平成24年の運営会社設立を目指す考えを示されています。さらに、昨年末の国の予算編成で、鉄道・運輸機構の剰余金の一部が並行在来線の経営支援や新幹線建設費の地元負担軽減に活用できることになり、知事は一定の評価をされています。  鉄道・運輸機構の利益剰余金約1兆5,000億円のうち、1兆2,000億円を年金財源として国庫に返納し、1,500億円で北陸新幹線高崎-長野間建設の借金を完済する。残る200億円は鉄道・運輸機構が保有し、旧国鉄職員の年金支払いなどに充当することを、昨年末の予算編成で財務・国交両省の大臣で合意されました。  しかし一方で、年金財源への充当は、国から鉄道・運輸機構に支出された補助金と同額の5,500億円を主張する意見があり、さらに、利益剰余金の大半を年金財源に活用する政府予算案に反対する見解もあり、予算関連法案の成立が危ぶまれ、今後の展開が懸念されますが、知事に所見を伺いたいと思います。  次に、地域の足となる公共交通に関連して質問いたします。  本年1月の大雪は、特に県西部で記録的な積雪となり、公表では、高岡市が昭和56年、いわゆる56豪雪以来の125センチ、氷見では観測以来最大となる109センチを記録したとされています。県、市の懸命な除雪にもかかわらず、バスや電車といった公共交通機関が麻痺し、通勤通学など県民生活に多大な影響が出たことは私たちの記憶に新しいところであります。  地域生活の基盤である道路の除排雪に関しては、地元建設業者の方々の担うところが大きいわけですが、先ほど自民党の代表質問でも指摘があったとおり、公共事業の減少に伴い、機械や人員の確保が年々難しくなってきていると言われております。  一方で、国、地方ともに社会保障関係費や公債残高が増加し続ける財政状況の中で、公共事業の大幅な増加はもはや不可能であり、建設業者の方々に頼り切った除排雪には限界があるのではないかと考えられるのであります。  そこで、今年の大雪の教訓を踏まえ、今後、県民の生活を守るために地域の道路除排雪をどうしていくのか。例えば地域住民の協力や農業用機械といった地域にある資産の活用など、新たな対策や手法を模索すべきではないかと考えます。牧田土木部長に見解を伺いたいと思います。  また、この大雪では、県内公共交通のかなめでありますJRが終日全面運休するという事態に陥りました。私の記憶する限り、国鉄時代も含めて北陸本線が全く動かないということはあったのだろうかという気がするのであります。一体どうしてこんなことになったのでしょうか。  民営化後の経営合理化が遠因という説もありますが、仮にそうであったとしても、数年後にはそれを並行在来線として地元が引き継ぐわけであります。安全性を確保しつつ公共交通の役割を果たす一方で、民間企業としての健全な経営が求められるという切実な課題を改めて突きつけられたわけですが、今後、並行在来線の経営に当たってはどのような対応が必要と考えておられるのか、柳野知事政策局長に見解を伺います。
     次に、富山県の物流や交流基盤の整備について伺います。  北陸新幹線の開業により、首都圏と鉄路で結ばれるまで、あと4年となりました。それに伴う富山空港の位置づけについては、これまでの本会議でも幾度か質問されてまいりました。その際、県は、基幹路線である羽田便の利便性向上や、近隣地域からの利用拡大といった方策を示しておられたわけであります。  折しも、東北新幹線が昨年12月に新青森駅まで全線開業し、九州新幹線については、来週末に鹿児島ルートの全線開業を控えております。地理的状況や空港までのアクセスなどが富山と異なるため、いささか事情が違うと思いますが、いずれも新幹線と並行する航空路線を持った空港が存在しております。  そこで改めて、これら先行する新幹線の現状を踏まえ、今後、富山空港はどのような位置づけであるべきと考えているのか、知事政策局長に伺います。  富山空港の国際線については、富山・大連便が北京まで延長し、しかも毎日運航されることが発表されました。今や、国内総生産で日本を凌駕するまでになった経済大国中国との間において、大連、上海に引き続き、首都北京と直接空路で結ばれることについては、物流や人の交流など、経済、観光の面において大きな波及効果があるものと期待しているところであります。  一方、この便が今後安定して利活用され、本県の発展基盤の一つとなっていくためには、周辺地域からの利用者の集客や北京からの利用誘致など、さまざまな課題が考えられます。  そこで、この北京・大連便の新規就航について、県内経済にどのような波及効果が期待されているのか。北京・大連便の活用に向けた今後の課題とあわせ、知事に伺いたいと思います。  伏木富山港の日本海側拠点港の選定については、昨年来、石井知事は国に対して積極的な働きかけをしてこられました。今後の集荷力向上や利用促進のための諸施策についても、新年度予算案で計上されています。また、富山新港港口部の東西を結ぶ新湊大橋については、昨年末の不幸な事故を乗り越え、着々と開通に向けた工事が進められております。  日本海側拠点港については、選定に向けた富山新港の一層の機能向上と、さらに新湊大橋については、海王丸パークと一体となった新たな観光地づくりが期待されるものであります。  今、振り返れば、富山新港造成の港口切断によって地鉄射水線と県道魚津氷見線が分断され、地域住民が東西に絶たれたのは昭和42年11月です。翌43年4月に富山新港が開港して以来43年、この間における地域住民の負担と犠牲ははかり知れない思いであります。  伏木富山港の港湾機能向上と周辺地域の環境整備等について、今後どのように取り組んでいかれるのか、石井知事に見解を伺いたいと思います。  次に、スポーツ振興について質問いたします。  昨年設立されたトップアスリート育成・強化プロジェクト会議は、スポーツは爽快感、達成感、連帯感など精神的な充足や、楽しさ、喜びを与えるなど創造的な文化活動であり、活力ある健全な社会の形成にも貢献するものと、スポーツの重要性を強調しています。  少子化が進行していますが、県内の小中学校、高校における運動部活動等の加入状況を踏まえ、スポーツの振興が教育や県民意識の醸成にどのような効果があると考えておられるのか、村井教育委員長に所見を伺いたいと思います。  富山県議会スポーツ振興議員連盟は石井知事に対して、1月6日、平成23年度富山県のスポーツ振興に関する要望を提出しました。体育、スポーツの振興は県民生活に欠くことのできない重要な施策であり、世界に羽ばたく「元気とやま」の創造に大きく寄与するものであります。富山県の選手が全国、世界で活躍できるよう、競技力の維持向上など9項目について要望いたしました。  平成23年度における競技力向上等推進事業においては、未来のアスリート発掘事業や元気とやまスポーツ道場開催事業などに加えて、新たに富山県民スポーツ応援団トップアスリート支援事業費が計上されました。  平成17年度より実施されている未来のアスリート発掘事業の実績、評価とあわせ、県民スポーツ応援団トップアスリート支援事業の意義について、東野教育長に伺いたいと思います。  スポーツ議員連盟が要望した課題の一つは、全国が注目する甲子園大会での本県高校野球の活躍であります。  昨年夏の大会には、富山県を代表した砺波工業高校が初出場し、報徳学園と対戦し、2対3で借敗しました。報徳学園は、甲子園大会で春、夏3度の優勝を果たしている強豪校であり、互角に戦い、1点を追う最終回、2死満塁一打逆転のチャンスは劇的であり、県民に大きな感動を与えてくれたと思っています。  夏の全国高校野球選手権大会において、ベスト4強まで勝ち進んでいない県は、富山を含め全国で2県であります。ちなみに、富山県の実績は、夏の大会に51回出場し、72試合戦って20勝51敗、勝率は2割8分2厘で全国第46位であります。  議員連盟の要望に対して、新年度予算に駅伝・サッカー・野球強化事業として2,000万円が計上され、一貫指導体制に基づいた効果的な強化策の実施がうたわれています。  とりわけ、本県野球の競技力向上を図るためには、小中高校生のジュニア層に対する一貫指導体制が重要と思われますが、強化策の構想等について教育長に伺いたいと思います。  最後に、これからの県づくりの課題について伺います。  まず、環太平洋戦略的経済連携協定についてお尋ねいたします。  政府は昨年11月、関税撤廃を原則とする環太平洋連携協定、いわゆるTPPについて関係国との協議を始める基本方針を決め、菅首相は1月の施政方針演説で、TPP交渉など包括的な経済連携を推進し、「平成の開国」に取り組むことを強調されました。  国においては、食と農林漁業の再生推進本部などにおいて集中的に議論を行い、6月をめどに国内の競争力強化のための基本方針を策定するとされています。  TPPへの参加に関しては、貿易立国日本において不可避であるとする意見がある一方、農産物輸入の自由化により国内の農業が壊滅し、国民の食料確保のみならず、国土や自然環境の保全などに多大な影響が出る可能性があることも指摘されています。  このような重大な課題であるにもかかわらず、参加への検討表明が唐突であっただけでなく、国民が判断するに足りる十分な情報が提供され、世論が形成されているとは言えない状況にあると感じています。  そこでまず、現在、国においてはどのような検討状況であるのか、寺井農林水産部長に伺います。  TPPでは、農業分野を含むすべての品目について、10年以内に関税を撤廃することを原則としています。日本農業の主要な農産物では、輸入に、米が778%、小麦が252%、小豆が403%、バター360%、粗糖328%、牛肉38.5%など、高い関税によって保護されているのが現実であります。  TPPへの参加は、工業製品等の輸出増大を見込む経済界と、安価な輸入農産物による日本農業への大きな打撃を懸念する農業団体とは利害が対立します。それが富山県においてはどうであるのか。米が農業産出額の7割を占める本県において、水田が自然の貯留池となり、豊かな恵みをもたらし、田が農山漁村の地域の縁となっている本県において、どのような影響を与えるのか。正しい判断材料をもとにした世論の醸成が必要であり、結論は急ぐべきではないと考えます。  そこで、今後、TPPと富山県の農業に関し、県としてどのように取り組んでいくのか、農林水産部長に伺いたいと思います。  文部科学省は昨年の8月、世界最高水準の教育力を目指し、新学習指導要領の円滑な実施や、教員が子供と向き合う時間の確保による質の高い教育の実現が急務であるとして、30年ぶりに小中学校の40人以下学級を見直し、新たな教職員定数改善計画を明らかにしました。  少人数学級推進の年次計画では、平成23年度から30年度までの8年間に、まず小中学校全学年に順次35人以下学級を実施し、次いで小学校1、2年生に30人以下学級を実現するという計画であります。  文科省が示した少人数学級推進計画は、私たち社民党が長年にわたり県当局に求めてきた少人数教育のあり方として評価をするものであり、新たな教職員定数改善の確実な推進を働きかけるべきと考えます。教育長の見解を伺いたいと思います。  文部科学省は、教職員定数改善計画に基づく23年度において、小学校1、2年生で35人以下学級を実現するため、8,300人の教職員定数の改善が必要としていました。しかし、政策コンテストを経て、政府・民主党は、平成23年度は小学校1年生のみに、現行の40人学級を35人学級に引き下げる方針を決めました。  35人学級を実施するために必要な教職員数は4,000人とされ、平成23年度は少子化の影響で教職員は2,000人の減少が予定されていましたが、今回の定数改善で2,300人の上積みとなり、差し引き300人の純増にとどまり、さらに、既に少人数教育で配置されている加配教員1,700人を削減し、1年生の35人学級に必要な4,000人の教職員を確保する計画となっています。純増教員はわずかに300人で、加配教員1,700人の削減は、今日まで富山県が進めてきた少人数教育の後退につながりかねないと懸念されるのであります。  富山県が進めてきた少人数教育の実績と評価について、また国の35人学級の導入を踏まえ、今後の富山県の少人数教育の拡充について教育長に伺いたいと思います。  国の平成23年度予算案では、少人数教育関連予算の補助金制度が廃止されました。富山県が進めてきた中1学級支援講師や小学校への専科教員の配置は高く評価されてきただけに、極めて遺憾であります。文部科学省の教職員定数改善計画には、小学校における理科などの専科教育の充実がうたわれていただけに、補助の廃止は理解できません。  知事は、国の補助事業が廃止される中で、専科教員等を大幅に拡充する見解を示され、事業の継続拡充について予算計上されました。23年度の計画とあわせて、今後の対応について伺いたいと思います。  現在、新たな県政運営の指針となる総合計画の策定が進められていますが、これまでと現在の富山県の状況を踏まえ、これからの富山県づくりを進める上で何を最も重要なことと考えていくべきなのかが問われています。  知事は所信表明で、富山県の経済、産業、教育・文化、医療・福祉などを担う人づくりが極めて重要と述べられ、富山県の新たな未来を切り開くため、人づくりを活力、未来、安心の3つの基本政策を支える重要政策として位置づけることを強調されました。  今日、社会資本の整備が進み、生活も豊かで便利になったものの、県民の価値観も多様化し、地域や家庭の結びつきは希薄になりつつあることは、だれもが肌で感じていることではないでしょうか。急速に進展する少子高齢社会、本格的な人口減少時代を迎えた今、県民一人一人が力を発揮できる人づくりが県政の柱であるべきと考えます。石井知事に見解をお聞かせいただきたいと思います。  以上が私の質問でございますが、言うまでもなく、きょうの質問が私の本会議における最後の質問となります。御清聴いただき、まことにありがとうございました。そして、本日は私の質問に傍聴いただき、心から感謝申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 29 ◯議長(鹿熊正一君)石井知事。    〔知事石井隆一君登壇〕 30 ◯知事(石井隆一君)社会民主党を代表されましての湊谷議員の御質問にお答えをいたします。  まず、選挙公約、政権公約についての御質問にお答えをします。  マニフェストは、国民の皆さんの信を問う際に、政権を担った場合の政策を具体的に約束するものでありまして、各政党のマニフェストに掲げられた政策を比較、評価して、国民の皆さんが政権の枠組みを選択するということ自体は望ましいことであると考えております。したがって、マニフェストを掲げて政権を獲得した以上、国民の皆さんとの約束を誠実に実行することは極めて大切だと思います。  私自身、2度の知事選挙においてマニフェストを提示しておりますが、政治家の言葉というのは極めて重いということを常に肝に銘じながら、県民の皆さんと約束したことの実現に向けて、誠心誠意全力を尽くしてきたところであります。  現政権を担っておられる民主党の一昨年の衆議院議員選挙でのマニフェストにおきましては、主要政策実行のために税金の無駄遣いを排除して16.8兆円の財源を生み出すとされておりました。率直に言って、当時から、私は16.8兆円という巨額のお金が出るとはとても思えないので、そんな約束をして大丈夫だろうかと本当に思っておりました。実際にも、事業仕分けによる歳出の削減は進まず、結局、これは政府や民主党の発表によっても、21年度0.7兆円、22年度約0.3兆円の合わせて約1兆円の削減にとどまっております。  そうしたこともあってか、平成23年度政府予算案においては、子ども手当の満額支給ができず、結局、財源が見つからないということだと思いますし、また22年度限りの暫定措置でありました児童手当分の地方負担も継続して求められるなど、民主党のマニフェストに掲げられている主要政策のかなりの部分が、財源不足から公約どおり実現していないところでございます。  行政の無駄を省くことで16.8兆円といったような巨額な財源捻出というのは、無理だということはもはや明確でありまして、こうした事態に至っては、マニフェストの見直しの議論、検討がなされるのも、それはやむを得ないのではないかと思っております。  菅総理も、今国会でマニフェストについて、子ども手当の議論がなされている小沢代表の当時、2万6,000円と聞いたときに一瞬ちょっとびっくりしたとか、一部過大に見積もっていたところもあり、9月ごろを一つのめどに検証したいなどと、その見直しについて言及されているわけですけれども、もし見直しをされる場合には、国民に対する責任をどうされるのか、しっかり対応していただくこと、また国会においても徹底した議論が必要ではないかと考えております。  次に、マニフェストの進行状況と県予算への反映についての御質問にお答えをいたします。  私は、平成16年と20年の知事選挙でそれぞれマニフェストを掲げまして、一貫して、県民の皆さん一人一人が輝いて生きられる元気な富山県をつくることを目標に、活力、未来、安心の3つの基本政策を柱として、諸施策の推進に全力を尽くしてまいりました。  その結果、例えば活力分野では、中小企業融資制度の充実を初め、医薬品産業の躍進、企業立地の促進、また伏木富山港を中心とした物流の活性化、広域国際観光の推進。また未来の分野では、子育て支援、少子化対策、また学校教育やふるさと教育の推進、若者のU・Iターン、森づくり条例の制定。安心分野では、医師、看護師の確保、富山型デイサービスの普及、安全な暮らしの確保等々、いろんな見方はあるとは思いますけれども、県政はおおむね着実に進展してきているのではないかと考えております。  また、これらの政策を展開するためには、何としても、400億円の構造的な財源不足というものを引き継ぎましたので、財政再建や行革を積極的に進める必要がある。また、東京に集中しがちな税の地方への再配分をする、そういう仕組みを構築する必要がある。  地方法人特別税をつくるときは、石原東京都知事と知事会の場でも大分議論をしました。いまだに大都市の皆さんはちょっと不満な方もいらっしゃるかもしれませんが、こうしたことも財政再建の役に立ったと思っております。  今日、世界における日本のステータスが低下をしまして、中国など新興国が大きく躍進する中にあって、元気な富山県をつくっていきますためには、依然として厳しい経済・雇用情勢の対応はもちろんですけれども、10年先、20年先を見据えた施策を戦略的に推進していく必要がある。そのためにも、今度の23年度予算で、一部緊要度の高いものについては先取りして予算措置いたしましたけれども、やはり中長期ビジョンとしての新総合計画の策定を行って、マニフェストを大切にしながら、各般の施策をしっかり誠実に進めてまいりたい、このように考えております。  次に、国の行政改革の具体的課題についての御質問にお答えをいたします。  23年度の国の予算ですけれども、景気の持ち直しで税収は40兆円台を回復しましたが、2年連続して国債の発行額が税収を上回る異例の予算となっておるわけであります。これは第二次世界大戦の敗戦直後の予算と同じような状況であります。  こうしたことになったのは、さっきも申し上げましたように、マニフェストで行政の無駄をなくせば16.8兆円という議論だったのが、結局、2年間で1兆円にとどまったということが挙げられます。  事業仕分けによる歳出削減に限界があることが明らかになりつつある一方で、国が新しい財源捻出の一つとしていらっしゃる、出先機関の原則廃止を初めとする人件費の2割削減については、現時点では実現の見通しがほとんど立っていないように見受けられます。  国の人件費については、平成12年度からの10年間で3.5%の定数削減などによりまして、3,500億円の削減にとどまっております。一方、地方においては、平成12年度からの10年間で10.9%の定員を削減するなど、約4兆円の人件費を削減しました。本県におきましても、一般行政部門の人件費について、平成16年度の約300億円から22年度の約240億円と、約2割、60億円を削減しているわけであります。こうした地方の現状と比較しますと、率直に言って、国はまだまだ努力する必要があるんじゃないかと、こういうふうに思っております。  また、人件費削減手法に掲げられております出先機関の原則廃止については、事務の組織の相当部分は、必要財源や人材が確保されれば、現在の都道府県が担うことは十分可能だと全国知事会として表明しておりますにもかかわらず、年末に閣議決定されたアクションプランでは、広域的実施体制の枠づくりを優先する方針を示して、結局、先送りとなっております。  出先機関の原則廃止を初め、地方行財政に影響のある事項については、国と地方の協議の場において協議すべきことであります。しかし、国と地方の協議の場に関する法律案など地域主権関連3法案──これは前の鳩山総理が、地域主権は一丁目一番地とおっしゃっていたんですが、地方からの再三にわたる要請にもかかわらず、昨年の通常国会から継続審議となっております。先週末の臨時全国知事会議でも決議いたしましたけれども、これらの3法案については今国会で早急に成立しますように、政府、与野党に強く求めたいと思っております。  既に公共事業はピーク時の4割近くにまで削減され、これ以上の削減というのはなかなか困難ではないかと考えられますこと。また、高齢化等が一層進みますから、社会保障関係経費は増嵩せざるを得ないと考えられますことから、国、地方を通じて財政は危機的状態にあるわけでございます。  政府におかれましては、実効性のある経済成長戦略をしっかり実行していただく。また他方で、徹底した国自身の行政改革を進めていただく。そして、国と地方を通ずる税制の抜本改革を推進していただく必要があると思っております。  行革とか税制抜本改革は、いずれも国民の皆さん、県民の皆さんの痛みもある程度伴うものでございます。私は、平成16年11月に知事に就任させていただいて以来、徹底した行革に取り組まざるを得なかったわけですけれども、行革以外のテーマを主とした場合も含めまして、延べ1万人を超える方々に御参加いただいてタウンミーティング等を開催しまして、県民の皆さんの御意見を、率直なところをお聞きしますとともに、何とか御理解と御協力をいただくよう努めてまいりました。  国においても、国民に対して、財政が危機的な状態にあって、社会保障をしっかりしたものにして、国民の皆さんが安心して暮らせるためにも、行革や税制抜本改革の取り組みが避けられないということを総理みずからが先頭に立って具体的に説明し、幅広い国民の皆さんの理解、協力が得られるよう努力していただきたいと思います。  次に、県内企業人材養成モデル開発事業の実施状況についての御質問にお答えをいたします。  本事業は、新規学卒者の厳しい就職状況に対応しまして、富山県独自の取り組みとして進めたものであります。率直に言って、厚生労働省は最初、非常に難色を示しておられたんですけれども、何とか御理解いただいて、この雇用創出基金を活用し、原則として、将来正社員に登用する前提のもとで、企業に新しく採用した人材の養成モデルの開発を委託することによりまして、新規学卒未内定者の採用をするものでありまして、22年度は18社で31人が雇用されたところでございます。  本事業については、今年度受託された企業から、景気が先行き不透明な中で、新卒者の採用に踏み切るきっかけとなった。また、これまでとても困難であった新卒の人材が確保できた。これまでは十分はでなかった研修等を、これを機会にしっかり実施することができたなどといった声も聞いておりまして、就職環境が厳しい中での新卒者の雇用確保はもとよりですけれども、中小企業における人材の確保養成という点から、御評価をいただけたのではないかと思っております。  こうした評価や平成23年春卒業予定者をめぐる就職環境の厳しさにかんがみまして、平成23年度予算において本事業を拡充し、採用予定人数枠を50人として取り組んでおります。  平成23年4月からの実施に向けて、先般、受託企業を募集しましたところ、県内広く42社から60人の採用希望がありまして、去る1月21日に合同企業面接会を開催しまして、150人の学生などの参加がございました。  現在のところ、今年度実績の31人を上回る32人の採用が内定しておりますが、まだ就職が決まっていない学生が一人でも多く採用されますように、学生の追加募集を行うなど、引き続きマッチングに積極的に取り組んでいるところでございます。  本事業は、ここ数年の厳しい経済情勢を踏まえた本県独自の取り組みで、経済・労働団体等からも御評価いただいているところであります。  平成24年度以降の対応についてのお尋ねですけれども、これは何といってもその時点での雇用情勢や新規学卒者を取り巻く就職環境も見きわめながら、また国の新規学卒者対策や雇用創出基金の取り扱いも踏まえまして、その時点で県としての対応のあり方を十分検討してまいりたいと思っております。  次に、北陸新幹線の御質問でございます。  北陸新幹線の平成26年度末までの金沢開業は、沿線住民の長年の悲願でありまして、各県では、4年余りに迫った開業を前提に、官民挙げて、まちづくり、その他の準備を進めております。  また、これまで沿線県は、地方負担の問題などの現行の整備の枠組みについては、いろいろ意見もあって、改善意見も出してはきておりますけれども、しかし、それはそれとして、それはやむを得ないものとして一たん同意して、これまでずっと連携協力して取り組んできたという長年の経過があるわけですから、今後も国に対して負担軽減等を求めることは当然で、それなりの成果も一部上がっているわけですが、それはあくまで、平成26年度末までの金沢開業に支障を生じさせないという前提で対処すべきものと考えております。  新潟県を初め沿線県にはいろんな御意見があるわけですけれども、各県が足並みをそろえて新幹線の建設促進や課題解決を図るために、私としましては、建設促進同盟会の会長ということでもありますので、関係県の意見にも配慮して、国への要望活動等を行っております。  さらに、去る昨年の1月に本県の働きかけによりまして設置された、新潟、石川、長野各県、また国土交通省、鉄道・運輸機構、JR東日本、西日本のトップから成る、いわゆる8者会議については、その後、実務者による専門部会を2回開催しますとともに、昨年12月には2回目の8者会議も開催しまして、関係県が連携していけるよう、できる限りの努力と配慮をしております。  新潟県の主張については、昨年12月に開催した2回目の8者会議において、大分その点が最後に残りましたので、別途、国土交通省と個別に協議するというふうにされたところでありまして、まずはその動向を注視していきたいと考えております。  ただ、新潟県におかれては、これまでの長年の経緯を十分踏まえて、既定方針となっております26年度末までの金沢開業、これに支障を生じないように、大局的な見地から賢明な判断と対応をされることを強く期待いたしております。今後とも努力してまいりたいと思います。  次に、国土交通省の対応についての御質問にお答えをいたします。  新幹線の列車停車については、本県としても同じ沿線自治体として、できるだけ多くの列車に停車してほしいと求める気持ちは理解できるものであります。  そこで、昨年5月に私と泉田新潟県知事との会談を設定しまして、その結果として、要望書に列車停車に関する文言を盛り込む。これについてはもちろん、石川県や長野県にもお話をして御了解いただいたわけですけれども、各県が足並みをそろえて新幹線の建設促進や課題解決を図るために、北陸新幹線建設促進同盟会の会長としても、新潟県を初め関係県と調整しながら要望活動を行っているわけであります。  新幹線の列車停車については、議員も御存じだと思いますが、鉄道事業法上は、営業主体であるJRが開業までに具体的な利用者の見通し、速達性等の諸事情を踏まえて決定するというふうになっているわけであります。このために、列車停車については、実際の新幹線の運行主体となるJRとの話し合いも重要であります。  また、できるだけ多くの列車に停車してもらうためには、沿線自治体として、できるだけ魅力ある駅周辺整備、誘客対策など、駅利用の需要の創出にしっかり努めていくことも大事でありまして、JRも民営化された以上は、お客さんがあまりいなきゃなかなかとめられないというのも理解できるわけでありまして、そうしたお客を増やす、需要を増やす、そういう取り組みもJRに示して、十分対話していい結果につながるようにしていくべきじゃないかと、こういうふうに思っております。  他方、整備新幹線は国家プロジェクトとして、全国新幹線整備法に基づいて、国が決定した整備計画に基づいて整備されるものであります。また、一昨年の政権交代の後も、国土交通省の整備新幹線問題検討会議におきまして、建設中の区間については、予定どおりの完成開業を目指して着実に整備を進めると決定されているところであります。そこで、国においても、北陸新幹線の平成26年度末までの金沢開業に向けて、国家プロジェクトにふさわしい責任をぜひ果たしていただきたいと思っております。  新潟県の主張については、さっきも申し上げた昨年12月の8者会議で、これは津川国土交通大臣政務官みずからが別途個別に協議しましょうと言って、泉田知事がいろいろおっしゃるのを、そこでお話をされたという経過もあります。したがいまして、この個別協議、いろんな事情でおくれているようでありますけれども、現在、開催に向けて双方で日程調整を進められていると伺っておりまして、本県としては、まずは国交省と新潟県の間で十分お話し合いをしていただいて、26年度末までの金沢開業に支障を及ぼさないことを大前提に、適切な結論を出していただくように求めているところでございます。  次に、鉄道・運輸機構の利益剰余金についての御質問でございます。  この機構の特例業務勘定の利益剰余金、約1.5兆円につきましては、剰余金がそもそも、旧国鉄とか鉄道関係の改革のプロセス、努力などによって生み出されてきたものであるという経過があります。少なくとも大部分はそうだというわけでございますので、昨年の春以降、新幹線の諸課題解決のためにぜひ活用していただくように、当時の前原、馬淵両国土交通大臣を初め関係方面に再三強く求めてまいりました。しかしながら、国の予算案において、剰余金の大部分の約1.2兆円が、本当は恒久財源で充てるべき年金財源に充てるとされたこともございまして、金沢以西を含む未着工区間について着工自体の結論が先送りとなったことは、まことに残念、遺憾であると思っております。  他方、北陸新幹線高崎-長野間の債務償還、あるいは並行在来線の貨物調整金の財源として約2,500億円が活用されることになりまして、これに伴うJRからの貸付料の振りかえによって、新幹線整備や並行在来線における地方負担の軽減が図られますことについては、かねて懸案の解決に向けて一歩前進したものと受けとめております。  この利益剰余金については、国庫納付するにしても、また高崎-長野間の債務償還や貨物調整金の財源として活用するにしても、法律改正が必要でありますので、今国会に政府から2本の関連法案が提出される予定となっておりますが、現在のところ、まず1.2兆円の国庫納付を定めた公債特例法案については衆議院に提出されていますが、まだ衆議院通過の目途が立っていない。また、鉄道関連施策に活用するための改正法案についても、2月8日に閣議決定はされましたけれども、まだ国会に提出されていないという状況であると聞いております。いわゆるねじれ国会ですから、これらの法案の成立については先行きが不透明な状況となっております。  利益剰余金の活用については、さきの臨時国会に自由民主党が提出されて、現在、参議院で継続審議となっている議員立法もございますが、整備新幹線や並行在来線の支援など、鉄道関係にこの財源を充てるべきだということについては与野党の見解が一致しているというふうに伺っているところでありますので、今国会において与野党が真摯に協議していただいて、適切な結論を導いていただきたいと期待をいたしております。県としても、今後とも精いっぱい粘り強く努力をしていきたいと思います。  次に、北京便についての御質問にお答えをいたします。  今月27日の夏季ダイヤから、北京・大連便がデイリー便として運航されるということについては、上海便とあわせて考えますと、富山県と北京、上海という中国の2つの中枢都市と直接結ばれるということですから、航空路線としても利便性が飛躍的に向上することになります。
     このことによりまして、首都北京への利便性が格段に高まりますので、富山と中国との間の交流が大きく進んで、例えば、規模的にはまだ小さいんですけれども、順調に増加してきている中国人の観光客、これは平成18年ごろは、例えばアルペンルートで言いますと、年間65人だったんですね。しかし、今何だかんだ言いながら、世界同時不況の後、昨年でも1,000人まで来ました。そういう意味では、これから非常に大きな伸びが期待できます。  また昨年、富山県ものづくり見本市が大変大きな成果を上げましたけれども、北京便が直行ということになれば、日中企業の積極的な参加が期待できる。また何といっても、今や経済規模が我が国を上回ることになった中国との経済交流、国際観光の推進に大きく寄与すると。また、国際交流の拡大にもつながると期待しております。  そこで、本県にとってはやはり大きなチャンスでありますから、これを十分に生かすために、県内、また近隣地域の方々にも、また中国の方々にも、この便を積極的に利用していただくように働きかけたいと思っております。  もちろん、南方航空にしっかり頑張っていただくのが基本ですけれども、県としても協力したいということで、3月27日の初便で、北京便就航記念訪問団(仮称)を北京、大連に派遣することはもとよりですけれども、ことし5月には私みずから参加して、中国経済観光訪問団(仮称)の派遣、またエアポートセールスの拡充などを進める考えでおります。また、日中双方における積極的な広報活動、北京、大連からの送客に対する助成制度の創設など、日中双方向の利用促進に取り組んでいきたいと考えておりまして、これらの取り組みを通じて、世界に羽ばたく元気な富山の創造ということで頑張っていきたいと思います。  次に、伏木富山港についての御質問にお答えをします。  現在、国において日本海側の拠点港の選定の検討が進められているわけですけれども、もともと当時の前原国土交通大臣に御提案申し上げた経過もございますので、当時の前原大臣、馬淵大臣にはもちろんお願いしましたし、今年1月には市村国土交通大臣政務官、これは現地を視察いただきました。また2月には大畠現国土交通大臣に、これも直接お目にかかって強く要請をいたしました。  伏木富山港が優位性をさらに高めて、日本海側の拠点港として発展していくためには、1つは富山新港の東西を一体化する新湊大橋の整備、また新湊地区多目的国際ターミナルにおいて、今春、2バース2ガントリー体制を整えるということにしていますし、また今後、コンテナ貨物の動向をにらみながら、岸壁の延伸、ターミナル拡張も進めたいと考えております。また、トレーラー輸送から船舶輸送へのモーダルシフトを図る実証実験、またJRと連携してシーアンドレールのための調査など、ハード、ソフト両面から官民連携して諸施策を進めていきたいと考えております。  また、新湊大橋は、日本海側最大の中央径間を有する斜張橋であります。また、本県を代表するランドマークとなることも期待されます。自転車歩行者道となるあいの風プロムナードには眺望ポイントが設けられることなどから、橋からの景観を楽しむことを目的に、地元を初め県内外から多くの方に訪れていただけるんじゃないかと思っております。  富山新港の東西両地区には、海王丸パークとか元気の森公園、海竜スポーツランド、新湊マリーナなど、いろんな施設が整備されて、人が集うところとなっております。この両地区は、この新湊大橋の完成に伴って一体的な利用が図られて、大いに人と車の東西往来が活発となるポテンシャルが増えると思っております。これからもこの地域がさらに発展しますように、地元射水市、民間などとも連携して取り組んでまいりたいと思います。  次に、専科教員等についての御質問にお答えをいたします。  小学校専科教員なり中1学級支援講師は、20年2月の義務教育在り方協議会の提言を受けて20年度から導入しております。そのうち小学校専科教員については、教科担任制であります中学校との円滑な接続を図る、学習内容の高度化に対応するということで、小学校5、6年生の理科を中心として全市町村に配置しております。今年度はさらに3、4年生にも拡充して、配置時数も週2時間増としたところでございます。  私もここ数年、毎年教育現場に行っておりますけれども、今年度も専科教員の授業を参観いたしましたが、お子さんたちが意欲的に学習している様子を確認できたところでありまして、理科の実験が増えて授業がおもしろい、よくわかるといった子供たちもたくさんおられました。  また、現場の校長や教職員からも、きめ細かな指導によって、専門的な立場から子供の関心、意欲を引き出すことができる。また、3、4年生についても、ことしから拡充したわけですが、より効果的なものになるように拡充してもらえればありがたいといったような声が聞かれるなど、評価の高い事業であると考えております。また、PTAやタウンミーティングの場などでも、この拡充について強い要望が出ておりました。  この小学校専科教員や中1学級支援講師については、国の補助制度を活用して行っていたわけですけれども、残念ながら、来年度の政府予算案では廃止をされました。私は、そういう政府の文教政策については大変残念に思っております。しかし、本県では、教育現場における評価や拡充の要望等も踏まえまして、中1学級支援講師と5、6年生の専科教員を県単独で継続しますとともに、理科教育が始まり、実技系教科の専門性が高まる小学校3、4年生を対象に、来年度さらに理科を中心に、また音楽、図工、体育も含めて、県単独で36名増と大幅に拡充することにしました。  かねてから次代を担う人づくりが極めて重要だと痛感しておりまして、正直、極めて財政事情は厳しいんですけれども、今後とも、小学校専科教員、中1学級支援講師などの少人数教育の推進につきましては、23年度に拡充するこの小学校専科教員の効果を検証しますとともに、また国の政策のあり方、財源措置なども見守りつつ検討してまいりたいと思っております。  最後になりますけれども、県づくりを進める上で何を最も重要と考えるかについての御質問であります。  今日、中国、ロシア、インドなどの環日本海アジア諸国が著しい発展を遂げる一方で、我が国は国際競争力や経済的地位の低下など、大変難しい状況に直面しております。また、経済・雇用対策、少子高齢化、人口減少、環境・エネルギー対策など、重要課題への対応も強く求められているわけであります。  こうした中で、県民の皆さん一人一人が輝いて働き暮らせる元気な富山県をつくるということは、議員も御指摘のとおり、そうした元気とやまのためには、やはり本県の発展を担う人づくりが極めて重要だと思っております。  このことについては、この6年余り、県内各地でものづくりや農業、医療・福祉、教育・文化、さまざまな現場を見まして、予算面の配慮も必要だけれども、やはりそれぞれの分野を担う人材、夢や情熱、志を持って努力する、そういう人材がいるかいないかで、その分野の成果が大きく異なってくるということを痛感しているわけでございます。  そこで、狭い意味の学校教育に限らず、幅広い分野で人づくりにかかる施策を充実していきたいと思っているわけでございます。  活力分野では、起業家の育成、ものづくり産業の高度化、医薬バイオ、ロボット、航空機、次世代自動車、環境・エネルギー、こういった新しい産業を支える人材の育成、若者などのU・Iターンの推進、農林水産業の担い手の育成。また未来の分野では、子育て支援、少子化対策、また探究科学科の設置やとやま科学オリンピック、ふるさと教育、もちろんいじめ、不登校対策。また安心分野では、医療・福祉分野の人材確保育成、自主防災組織のリーダー養成等々、積極的に取り組んでいるところであります。  現在、新総合計画の策定を進めているわけですが、この人づくりについては、活力、未来、安心の3つの基本政策を支える重要政策として位置づけたいと考えておりまして、今後、総合計画審議会においても十分御検討いただきたいと考えております。  今後とも、富山県に生まれ育ったことを誇りに思って、しっかりと富山県の人づくり、元気とやまづくりに努力してまいりたい、こういうふうに考えております。 31 ◯議長(鹿熊正一君)飯田厚生部長。    〔厚生部長飯田久範君登壇〕 32 ◯厚生部長(飯田久範君)県の社会福祉施策等に関しての御質問にお答えをいたします。  国の社会保障関係予算については、御指摘のように、一般会計歳出予算で、平成22年度は前年度比9.8%増、23年度予算案は5.3%増となっております。また、23年度と21年度を比較した予算の伸びは15.6%増というふうになっております。  主な増加要因ですが、1つには、平成22年度予算で子ども手当が創設されたこと。また、生活保護受給者の増加に伴い、生活保護費の国庫負担金が増加したこと。さらに、診療報酬の改定等に伴い医療保険給付費が増加したことなどが挙げられるところでございます。  一方、県の民生費、衛生費等の厚生部の一般会計予算は、平成22年度当初予算は前年度比15.0%増、23年度予算案では1.9%増となっております。そして、23年度と21年度を比較した予算の伸びは17.1%増というふうになっているところでございます。  主な事業としましては、民間保育所等の整備や保育所等への子供用AEDの設置など子育て支援の充実、公的病院の耐震化や医師、看護職員の確保など医療の充実、福祉・介護職員の処遇改善や介護基盤の整備など高齢者、障害者福祉の充実、後期高齢者医療制度や介護保険制度への支援など、社会福祉施策等全般にわたって充実に努めてきているところでございます。  今後、少子高齢化社会が一層進展していく中で、県民の皆さんの保健、医療、福祉のニーズがますます高まることが懸念されますことから、引き続き関係施策の充実に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 33 ◯議長(鹿熊正一君)戸高商工労働部長。    〔商工労働部長戸高秀史君登壇〕 34 ◯商工労働部長(戸高秀史君)まず、県内雇用情勢についての御質問にお答えをいたします。  県内の正規・非正規雇用の割合につきましては、労働力調査では県別の公表がされておりませんので、直近のデータであります総務省の平成19年就業構造基本調査によりますと、非正規雇用は29.3%と平成14年の25.5%に比べて3.8%上昇しておりますものの、全国平均の35.6%を6.3ポイント下回っておりまして、全国で最も低い水準になっていると考えております。  次に、失業者数につきましては、労働力調査の都道府県別の推計値によりますと、本日公表された平成22年平均で2万3,000人、失業率は3.9%となっておりまして、前年に比べ失業者数は同数、失業率で0.1ポイント低下しております。  また、有効求人倍率は、昨年7月から5カ月間は0.7倍台で推移してまいりましたが、12月が0.82倍、本日公表された1月が0.87倍と全国平均の0.61倍をかなり上回り、全国第2位となりまして、リーマンショック前の水準にまで回復しております。また、正社員有効求人倍率も0.57倍と全国平均の0.4倍を上回っております。  こうしたことから、県内の雇用情勢につきましては、厳しさが残るものの改善の状況にあると考えております。  県としては、今後とも、県民の雇用の安定確保にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、雇用創出基金の活用状況と今後の計画についての御質問でございます。  県では、さきの国補正予算に盛り込まれた重点分野雇用創造事業の拡充等を活用いたしまして、2月補正予算案において雇用創出基金を34億円積み増しまして、総額192.9億円の基金として雇用創出を図ることとしております。これにより、県、市町村を合わせた雇用創出目標を、現在の21年度から23年度までの3年間で1万人超から、期間を1年間延長して24年度までの4年間で1万2,300人に目標を引き上げたところであります。  これまでの活用状況につきましては、県、市町村において939事業、うち産業振興で166事業、環境で138事業、その他農林漁業、教育・文化、観光、介護・福祉など、幅広い分野で諸課題の解決に寄与しております。  また、雇用創出につきましても、21年度が3,178人、22年度も12月末現在で4,234人とそれぞれ目標を上回り、有効求人倍率も改善するなど、着実に成果を上げていると考えております。  雇用情勢は、先ほど申し上げたように改善は見られておりますが、なお予断を許さない状況にございますので、23年度の目標を22年度を上回る4,300人とするとともに、重点分野雇用創造事業につきましては、地域独自で分野を設定できるようになりましたので、県の総合計画に基づき、新たな分野の設定を行いまして、産業振興、健康福祉・生活、地域づくり・交流など、幅広い分野で活用することとしております。  今後とも、県庁の各部局、市町村とも連携をいたしまして、財源を最大限活用し、新規事業の掘り起こしにも努めまして、雇用創出目標の達成に向けてしっかりと取り組んでまいりたい、このように考えております。 35 ◯議長(鹿熊正一君)牧田土木部長。    〔土木部長牧田 潔君登壇〕 36 ◯土木部長(牧田 潔君)地域の道路除排雪のあり方についての御質問にお答えをいたします。  ことしの冬は大雪となり、公共交通機関に大きなおくれなどが出たものの、建設企業の方々などに昼夜を問わず除雪作業を実施していただいたおかげで、県管理道路においては幸い特に大きな支障もなく、道路交通の確保ができたものと認識しているところであり、改めて感謝申し上げる次第でございます。  除雪作業の主な委託先であります建設企業を取り巻く経営環境が一層厳しさを増す中ではありますが、今後とも、建設企業を中心とする安定的な除雪体制を維持していくことが極めて重要であると考えております。  一方、地域の道路除排雪につきましては地域住民の協力も不可欠であり、これまでも県におきまして、地元自治会などに歩道用の除雪機械を貸与したり、地域ぐるみ除排雪促進事業により機械の購入等に補助してきたほか、バス停、交差点などにスコップを設置し、地域の皆さんや通行される方々に除雪をしてもらう雪と汗のひとかき運動も実施してきたところでございます。  議員御提案の農業用機械を活用した除雪につきましては、安全性や継続性などの面で課題も考えられますが、地域住民の協力がますます重要となる中、どのような活用を図ることができるか、今後、市町村などの関係機関で構成します除雪体制を協議する連絡調整会議などの場におきまして、検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 37 ◯議長(鹿熊正一君)柳野知事政策局長。    〔知事政策局長柳野隆之君登壇〕 38 ◯知事政策局長(柳野隆之君)初めに、JRの大雪対策等の御質問にお答えいたします。  1月31日の未明から北陸地方を中心とした日本海側に降り続いた大雪により、県内の公共交通機関が大きく混乱し、特にJRにつきましては、北陸本線を初め、高山線、氷見線、城端線の県内全線が終日運休するなど、通勤や通学などを中心に、多くの県民に影響を与えた事態が生じたところであります。  これらの原因といたしましては、JR西日本金沢支社によれば、ラッセル車やロータリー車で除雪したが、追いつかないほどの想定を超える量の降雪があり、福井県の今庄周辺で積雪が2メートルを超え、特急列車7本が立ち往生し、また黒部駅や七尾駅などで、線路が分岐するポイントが雪に覆われて故障が続発したなどの事態に陥ったところであります。このような状況において無理に多くの列車を走らせれば、さらに立ち往生する列車を増やしてしまうおそれも十分に考えられたため、乗客の安全を最優先し、最初から動かさないほうがいいと判断して、すべての列車をとめたということであります。  なお、JRから経営を引き継ぐ並行在来線の経営につきましては、おおむね県内区間の運行が中心になると考えており、そうなった場合には、隣県等での風雪災害や事故等の影響を受けにくくなるため、今回のような大雪に対しても、区間運行などのきめ細かい柔軟な対応ができるのではないかと考えております。  また、並行在来線の運営に際しましては、一層の合理化に努めることは大変重要でありますが、安全運行を第一に、現在以上の県民サービスの向上に努めますとともに、雪に強い除雪体制の構築などにも万全を期して取り組んでいきたいと考えております。  次に、新幹線開業後の富山空港についての御質問にお答えいたします。  先行して新幹線が整備されました他県の空港におきましては、新潟、仙台、花巻空港といった新幹線による東京までの所要時間が比較的短い地域の空港におきまして、羽田便の利用客が大幅に減少し廃止となっているところであり、このことから、富山空港におきましても、北陸新幹線の開業により、相当程度の羽田便の利用客の減少といった影響が生じることは避けられないものと考えております。  このため県におきましては、富山空港が将来にわたって富山の空の玄関口としての機能を十分発揮できますよう、富山空港の利用促進に関する検討会を設置して検討を行ったところであり、検討会では、国内航空ネットワークの充実強化、環日本海や東アジア交流の拠点空港としての機能の充実などの基本的方向性が示されたところであります。  この基本的方向性に沿って、まず国内線につきましては、基幹路線であります羽田便の路線価値を向上させるため、乗り継ぎ割引制度の周知定着に努めてきているところであります。また国際線につきましては、地方管理空港としてはトップクラスの国際定期路線を有しており、経済、観光、文化など、双方向での利用促進や国際チャーター便の一層の拡充を進めることとしております。  このような取り組みを今後一層推し進め、近隣地域からの利用客拡大に努めますとともに、富山空港の立地上のメリットも十分生かしながら、富山空港が環日本海や東アジア交流の拠点としての機能を十分発揮できるよう努力してまいりたいと考えています。 39 ◯議長(鹿熊正一君)村井教育委員長。    〔教育委員長村井 和君登壇〕 40 ◯教育委員長(村井 和君)体育、スポーツの振興についての御質問にお答えをいたします。  県内小学生のスポーツ少年団加入率や、中学校、高校における運動部活動加入率は、いずれも全国平均を大きく上回っておりまして、本県の児童生徒は積極的にスポーツに取り組んでいると思っています。  スポーツは、児童生徒の体力や運動能力の向上はもとより、スポーツに親しみ、互いに協力し合う中で責任感や連帯感をはぐくみ、好ましい人間関係を築くとともに、切磋琢磨し忍耐力を培い、また体を動かすことで脳が活性化され、学習意欲を高めるなど、教育上大きな効果が期待され、児童生徒の人格形成上重要な役割を果たしているものと考えております。  また、スピードスケートの田畑、穂積選手のメダル獲得に代表されますように、本県選手の全国や世界のひのき舞台での活躍は、県民に勇気や感動を、また子供たちには大きな夢や希望を与えるだけでなく、地域はもとより、県民一丸となって応援することによる一体感や活力を醸成し、元気とやま創造の原動力となるものと考えております。  このように、スポーツが果たす教育的役割は大きく、県民に元気を与えますことから、今後とも、運動部活動の充実はもとより、確かな学力や豊かな心をはぐくむなど、知徳体のバランスのとれた児童生徒の育成の大切な領域として、スポーツの振興に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 41 ◯議長(鹿熊正一君)東野教育長。    〔教育長東野宗朗君登壇〕 42 ◯教育長(東野宗朗君)未来のアスリート発掘事業と富山県民スポーツ応援団トップアスリート支援事業についてお答えしたいと思います。  小学5年生を対象として、本県独自の強化策として取り組んでまいりました未来のアスリート発掘事業、平成17年度からでございますが、これまで6期で合計337名の児童を指定し、育成プログラムを実施してきたところでございます。この結果、小学生や中学生の全国大会での活躍、国民体育大会や全国高校総体で活躍する選手を輩出いたしますとともに、日本代表として世界大会に出場する選手も誕生するなど、着実にその成果があらわれ始め、関係者からは高い評価を得ているところでございます。  富山県民スポーツ応援団トップアスリート支援事業、23年度の新規事業でございますが、田畑、穂積選手の銀メダルを契機といたしまして設立されました県民スポーツ応援団に多くの県民の皆様から寄せられました募金を活用いたしまして、日ごろ精進して厳しい練習に取り組み、日本代表に指定されオリンピック出場が期待される本県の選手、指導者の活動を県民総ぐるみで支援していくものでございます。  この事業を通しまして、本県の選手がオリンピックなど世界のひのき舞台で活躍いたしますことは、県民に勇気と感動、子供たちには夢と希望を与えますことから、人が輝く「元気とやま」の創造に大きく寄与するものと考えております。  今後とも、本県独自の施策でございます未来のアスリート発掘事業や元気とやまスポーツ道場などによりまして、本県で見つけ育てた選手の中から、田畑、穂積両選手に続くトップアスリートを数多く輩出できるよう、一生懸命取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。  次に、野球の強化策についてお答えしたいと思います。  県ではこれまでも、高校野球につきまして、駅伝、サッカーと同様、重点強化種目に位置づけまして、強化費を助成してきたところでございますし、高校野球につきましては、医・科学的トレーニング、指導者養成事業などによりまして選手、指導者のレベルアップに取り組み、徐々にではございますけども、成果を上げてきてはいますものの、議員から御指摘ございましたように、残念ながら、甲子園大会上位進出という目標はまだ果たせていないのが現状でございます。  その理由としてはいろいろあるわけでございますが、さまざまな野球関係団体がそれぞれ個別に各種事業を展開してきておりまして、関係団体間や指導者間の交流の機会が大変少ない。このために、小中高の選手育成の一貫した教育といいますか連携が求められてきたところでございますし、高校野球におきましては、各学校がそれぞれ独自に工夫もいたしまして強化に取り組んでいるなど、さまざまな事情があるわけでございます。  このことから、今回、専門家のアドバイスも得まして、これまでの強化策を見直し、全国レベルの講師招聘による研修会、県外研修への派遣による優秀な指導者の育成を図りますとともに、他の競技でのスポーツ道場、大変効果を上げているわけでございますが、これを参考といたしまして、地域や学校枠の壁を超えた合同練習会や、経験豊富な指導者の巡回指導によりまして選手の育成を図ること、また中学軟式野球から高校硬式野球へのつなぎといいますか、円滑な移行につきまして一貫指導体制を強化することが大変重要だと考えているところでございまして、そのためにはまず、県内の野球関係団体が連携協力して強化に取り組むという機運を醸成していただきますこと、その機運の醸成の上に立ちまして体制づくりを検討していくことが必要と考えております。  今後とも、野球の競技力向上に向けまして、関係団体によります体制づくり、強化策につきまして、県としても支援してまいりたいと考えているところでございます。  次に、教職員定数改善計画につきましてお答えしたいと思います。  文部科学省では、平成23年度から公立小中学校におきます学級編制の標準を35人等へ引き下げ、8年間で段階的な少人数学級の実施を柱といたします約2万人の定数改善を行う計画案を発表いたしまして、23年度の概算要求におきましては、小学校1、2年生で35人学級実現のため、8,300人の定数増を行うこととしたところでございます。  この計画は、新学習指導要領の本格実施や、いじめ等の学校教育上の課題に適切に対応するものとされまして、10年ぶりの教職員定数改善計画の策定となったものでございます。  このことにつきましては、これまでも教育長協議会などにおきまして、少人数指導が後退しないように、加配定数を維持していただいた上で実施していただきたいと要望してきたところでございますし、この計画が教職員定数の純増を図り、国庫負担はもとより、地方負担を確保した上で実現されますれば、本県がこれまで行ってきた独自の少人数教育も一層推進されることになりまして、評価できるものと考えているところでございます。  しかしながら、残念ながら23年度の政府予算案におきましては小1のみでの制度化となりまして、しかも、必要な定数4,000人のうち1,700人が加配定数からの振りかえで対応されまして、純増が300人にとどまったところでございます。  国におきまして、今国会で関係法律の改正が提案されておりますが、今後、必要な定数や財源の確保を初め、しっかりとした制度設計のもとに、このような計画が推進されるようにぜひしていただきたいと考えておりまして、教育長協議会などの場におきまして、さらに働きかけかけてまいりたいと考えているところでございます。  次に、本県が進めてきた少人数教育につきましてお答えしたいと思います。  本県では、これまで、小学校1、2年生の35人学級に加えまして、中1・35人学級選択制など、少人数学級を実施してきているところでございます。また、国の加配教員や県単の非常勤講師を活用して少人数指導を行うほか、小学校専科教員や中1学級支援講師などを配置してきておりまして、23年度予算におきましては国の補助事業が廃止されるのを受けまして、私どもが得ております情報では、事業を取りやめる県も出てきておりますが、本県ではむしろ県単独で小学校専科を倍増するなど、大幅に拡充をしたところでございます。  このように、本県が進めてきた少人数教育、これは少人数学級と少人数指導の効果的な組み合わせでございますけども、学級の実態に応じまして、個々に応じたきめ細かな指導を進めることによりまして、落ちついた学習に取り組むことができる学級づくりといいますか環境づくりをすることができる。また、学校からは、一人一人の活躍の場が確保され、意欲や関心が高まったなど、大変高い評価がされているところでございます。  しかしながら、先ほど答弁いたしましたように、来年度の政府予算案におきましては、小1制度化につきまして、加配定数の振りかえなどでの対応とされたところでございまして、本県では、このことによりまして少人数教育の取り組みが後退し、教育効果上の問題が生じないよう、財政状況大変厳しい中ではございますが、県単独で必要な非常勤講師を措置せざるを得なくなったところでございまして、大変残念に受けとめているところでございます。  県としては、富山スタンダードといたしまして、少人数指導と少人数学級のそれぞれのよさを考慮し、学校現場で工夫し、柔軟に対応できるよう、施策面でも県単独でいろいろ取り組んできているところでございます。  今後の少人数教育の推進についてでございますが、来年度に新総合計画や教育振興基本計画を策定することとしておりまして、23年度に拡充する小学校専科教員の効果を検証いたしますとともに、国の施策、財源措置などを十分注視しながら検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 43 ◯議長(鹿熊正一君)寺井農林水産部長
       〔農林水産部長寺井幹男君登壇〕 44 ◯農林水産部長(寺井幹男君)TPPにつきまして、国においてどのような検討が行われているのかという御質問にお答えします。  昨年11月に閣議決定されました包括的経済連携に関する基本方針では、高いレベルの経済連携を進めると同時に、持続可能な力強い農業を育てるための対策を講じることとされまして、総理大臣をトップに、食と農林漁業の再生推進本部及び有識者を含めた食と農林漁業の再生実現会議を設けられまして、本年6月をめどに、農業の競争力強化のための基本方針を策定することとしております。さらに、抜本的な国内対策と、それに要する財源措置及び財源を検討し、10月をめどに行動計画を策定するとしております。  これまでに、再生実現会議は2回、副大臣級の幹事会は7回開催されておりますが、その中では、農業者の減少や高齢化などの課題を踏まえ、意欲ある担い手の育成や農地の集約など、持続可能な経営実現のための方策、戸別所得補償制度のあり方、6次産業化の推進方策などについて、農林漁業者や食品加工業者、有識者などからのヒアリングが行われております。また、先週2月26日からは、全国9カ所で地方説明会として開国フォーラムが開催されております。  このように、ヒアリングなどが行われておりますが、現段階では、政府としての基本方針をどのようなものにするかという具体案は示されておりませんで、具体的な議論は行われていない状況であります。  TPPの問題は、我が国の将来を左右する重要な問題でありますが、国民的な議論を行うためには、そのたたき台となる我が国農業の体質強化のための具体策とその財源が早急に示される必要があると考えております。  次に、TPPと富山県の農業に関してどのように取り組むのかという御質問にお答えいたします。  TPPの影響につきましては、農林水産省では、国内の農業産出額が半分になって、農業は壊滅的な影響を受けると試算しておりますが、この計算方法を米中心の本県農業にそのまま当てはめますと、農業産出額のおよそ7割が減少すると試算され、大きな影響が懸念されております。  このため昨年来、知事から農林水産大臣等に対し、TPP交渉への参加、不参加の検討に当たっては慎重な対応が必要であり、その際には、米などの重要品目を関税撤廃の例外品目にすること、農業経営が持続できるよう農業者の所得を十分確保すること、担い手に対する支援策を強化することなどについて要請しております。しかし、2月中旬、チリで行われました関係9カ国によるTPP交渉では、関税の原則全廃で一致しており、後から参加して米等の農産物を例外扱いにすることは困難な情勢になったという報道もございます。  県としましては、国において、こうした厳しい交渉の状況を踏まえ、農林水産業を初め各種産業への影響や雇用など、国民生活への影響について十分議論し、慎重に検討を進めていただきたいと考えております。  今後とも、TPP交渉に関する動向を注視しつつ、国の農業政策が本県など地方の実情を踏まえて実施されるよう、強く働きかけていきたいと考えております。あわせて、県独自の施策として、担い手の育成、規模拡大への支援、新規就農者の確保など、引き続き取り組んでいくことにいたしております。  以上でございます。 45 ◯議長(鹿熊正一君)以上で湊谷道夫君の質問は終了しました。  以上をもって会派代表による質問、質疑を終了いたします。           常任委員会への審査付託 46 ◯議長(鹿熊正一君)次にお諮りいたします。  ただいま議題となっております諸案件のうち、議案第45号から第48号までについては急を要するので、質疑を終了し、直ちにお手元にお配りした議案付託表のとおり、各常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 47 ◯議長(鹿熊正一君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 48 ◯議長(鹿熊正一君)各常任委員会における審査のため、暫時休憩いたします。  午後3時04分休憩      ─────────────────────  午後3時35分開議 49 ◯議長(鹿熊正一君)休憩前に引き続き会議を開きます。          議案第45号から第48号まで 50 ◯議長(鹿熊正一君)お諮りいたします。  議案第45号から議案第48号までを日程に追加し、議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 51 ◯議長(鹿熊正一君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。           常任委員会の審査報告 52 ◯議長(鹿熊正一君)これより議案第45号から議案第48号までを議題といたします。  以上の案件に関し、常任委員長の審査結果の報告を求めます。  教育警務委員長神田真邦君。    〔教育警務委員長神田真邦君登壇〕 53 ◯教育警務委員長(神田真邦君)本定例会において、教育警務委員会に付託されました案件の審査結果を御報告いたします。  付託案件は、議案第45号平成22年度富山県一般会計補正予算(第6号)のうち、第1条歳入歳出予算の補正中本委員会所管に係る歳出予算総額11億7,125万2,000円、第2条繰越明許費の補正中本委員会所管分であります。  本委員会におきまして、この案件について慎重に審査いたしました結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上をもちまして、教育警務委員長報告といたします。 54 ◯議長(鹿熊正一君)厚生環境委員長山本徹君。    〔厚生環境委員長山本 徹君登壇〕 55 ◯厚生環境委員長(山本 徹君)本定例会において、厚生環境委員会に付託されました諸案件の審査結果を御報告いたします。  付託案件は、議案第45号平成22年度富山県一般会計補正予算(第6号)のうち、第1条歳入歳出予算の補正中本委員会所管に係る歳出予算総額41億7,430万1,000円、第2条繰越明許費の補正中本委員会所管分。議案第47号富山県社会貢献活動促進基金条例制定の件及び議案第48号富山県ワクチン接種緊急促進臨時特例基金条例制定の件であります。  本委員会におきまして、これらの諸案件について慎重に審査いたしました結果、全会一致をもってそれぞれ原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上をもちまして、厚生環境委員長報告といたします。 56 ◯議長(鹿熊正一君)経済建設委員長渡辺守人君。    〔経済建設委員長渡辺守人君登壇〕 57 ◯経済建設委員長(渡辺守人君)本定例会において、経済建設委員会に付託されました諸案件の審査結果を御報告いたします。  付託案件は、議案第45号平成22年度富山県一般会計補正予算(第6号)のうち、第1条歳入歳出予算の補正中本委員会所管に係る歳出予算総額107億850万円、第2条繰越明許費の補正中本委員会所管分。議案第46号平成22年度富山県流域下水道事業特別会計補正予算(第3号)であります。  本委員会におきまして、これらの諸案件について慎重に審査いたしました結果、議案第45号平成22年度富山県一般会計補正予算(第6号)のうち本委員会所管分に対し、一部の委員から反対の意見表明がありましたが、採決の結果賛成多数をもって、また残余の案件につきましては全会一致をもって、それぞれ原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上をもちまして、経済建設委員長報告といたします。 58 ◯議長(鹿熊正一君)農林水産委員長矢後肇君。    〔農林水産委員長矢後 肇君登壇〕 59 ◯農林水産委員長(矢後 肇君)本定例会において、農林水産委員会に付託されました案件の審査結果を御報告いたします。  付託案件は、議案第45号平成22年度富山県一般会計補正予算(第6号)のうち、第1条歳入歳出予算の補正中本委員会所管に係る歳出予算総額27億403万7,000円、第2条繰越明許費の補正中本委員会所管分であります。  本委員会におきまして、この案件について慎重に審査いたしました結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上をもちまして、農林水産委員長報告といたします。 60 ◯議長(鹿熊正一君)経営企画委員長稗苗清吉君。    〔経営企画委員長稗苗清吉君登壇〕 61 ◯経営企画委員長(稗苗清吉君)本定例会において、経営企画委員会に付託されました案件の審査結果を御報告いたします。  付託案件は、議案第45号平成22年度富山県一般会計補正予算(第6号)のうち、第1条歳入歳出予算の補正中歳入全部、歳出中本委員会所管に係る歳出予算総額6億4,956万3,000円、第2条繰越明許費の補正中本委員会所管分、第3条地方債の補正全部であります。  本委員会におきまして、この案件について慎重に審査いたしました結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上をもちまして、経営企画委員長報告といたします。 62 ◯議長(鹿熊正一君)以上をもって常任委員長の審査結果の報告を終わります。 63 ◯議長(鹿熊正一君)これより委員長報告に対する質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告がありませんので、質疑なしと認めます。          討           論 64 ◯議長(鹿熊正一君)これより討論に入ります。  通告がありますので、発言を許します。  火爪弘子君。    〔10番火爪弘子君登壇〕 65 ◯10番(火爪弘子君)ただいま上程された議案45号、平成22年度2月一般会計補正予算案(第6号)に対する日本共産党の反対討論を行います。  この補正予算案には、子宮頸がん予防ワクチンなどの公費助成や県立学校の改築、耐震化、図書館図書の購入費など、我が党が県民の皆さんと要望し、国と県に働きかけてきたものが少なからず含まれています。その点では歓迎し、評価するものであります。  しかし、この予算案には、残念ながら、北陸新幹線建設費の地元負担金2億9,300万円と新湊大橋の建設費負担金4,000万円が含まれています。我が党は当初から、新幹線建設費の地元負担には反対を貫いてきました。  私が指摘したいのは、富山県がこの地元負担に進んで賛成してきたということです。1981年6月3日、今から30年前の日経新聞によれば、当時国会で審議中だった、北陸新幹線に地元負担の道を開く全国新幹線整備法一部改正案に対する北陸3県関係者へのアンケート結果が報道されております。しかし、この記事には、この時点で既に、自民党交通部会小委員会に対し、富山も含む3県行政当局が地元負担の積極的受け入れを表明していたことが書かれています。アンケートは3県の行政、経済、各界関係者30人に対するものでありますが、この時点では地元負担反対が4割を超え、「やむを得ない」6人、「条件つき」は6人、地元建設費負担「賛成」はただ1人だけだったと書かれているのです。  日本共産党は、中沖前知事と県政与党がこうした積極的受け入れの姿勢をとってきたことを批判してきました。北陸新幹線建設に積極的でなかった隣県自治体に知事が直接出かけ、推進の旗を振ったのも有名な話です。我が党は、県のこの点での総括がないまま計上される地元負担金には賛成できません。  我が党は、いずれ地元負担が県財政と県民の福祉予算を圧迫すると警告し続けてきました。提案された補正予算案を合わせると、最終的に、今年度の公共事業費1,067億円のうち、新幹線建設費地元負担分319億円、直轄事業全体を合わせると486億円となり、県内事業者の仕事ともなる身近な公共事業を大きく圧迫しています。  総務省の「統計でみる都道府県のすがた」によれば、2007年度決算で見ると、一般会計に占める土木費の割合は全国4位。一方、民生費は42位です。もちろん我が党は、新潟県知事のように、みずからの主張を通す手段として、突然、地元負担金計上を見送るなどという立場にくみするものではありません。関係県に連携を呼びかけ、正々堂々と地元負担撤回を新政権に求めることを主張するものであります。  新湊大橋の建設についても、我が党は、新産都市計画と企業誘致、物流の促進のために、地元住民の足と生活基盤を犠牲にするものであり、不要不急の大型開発であると指摘し、当初から反対をしてきました。地元住民の足のためだったら600メートルの長さの橋でよかったのに、物流優先の立場から海面47メートルもの高さの橋をつくることになったから、3.6キロもの過大な長さの橋が必要になったのです。総事業費480億円ものうち、現時点で地元発注は事業費ベースでわずか15%にしかなりません。  地元堀岡地域の方々がこの橋を渡るためには、車で1キロも後ずさりしなければなりません。歩いて渡るためには、エレベーターのところまで行って47メートル上がって、そして480メートルとことこと歩いて、また47メートルおりなければなりません。事実上、密室ともなり、怖くて渡れないとの要望書が地元連合自治会から上がっています。  一方、乗り場に行けば、渡船に乗って5分で越の潟に着き、万葉線が3分後にすぐそこから発車する。自転車も乗せられるし、無料で日に48往復も渡っています。ところが、新湊大橋ができたら、この渡船はなくそうというのが行革委員会の提言です。新湊大橋が地元住民の便利な生活の足を奪うことになるのではないでしょうか。  最後に改めてこの橋の重大な問題点を指摘し、本予算に対する反対討論といたします。 66 ◯議長(鹿熊正一君)これをもって討論を終了いたします。          採           決 67 ◯議長(鹿熊正一君)これより採決いたします。  まず、議案第45号を採決いたします。  本案に対する各委員長の報告は可決であります。  本案は各委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 68 ◯議長(鹿熊正一君)起立多数であります。よって、本案は各委員長の報告のとおり可決されました。  次に、議案第46号から第48号までを採決いたします。  以上の案件に対する各委員長の報告は可決であります。  以上の案件は各委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 69 ◯議長(鹿熊正一君)起立全員であります。よって、以上の案件は各委員長の報告のとおり可決されました。
             報           告 70 ◯議長(鹿熊正一君)次に、予算特別委員会の構成について御報告申し上げます。  委員長上田英俊君、副委員長五十嵐務君、理事武田慎一君、柴田陽子君、高野行雄君、大野久芳君、委員筱岡貞郎君、吉田豊史君、山本徹君、井村昭彦君、田尻繁君、矢後肇君、宮本光明君、稗苗清吉君、横山栄君、山辺美嗣君、酒井眞次君、梶敬信君、仲外喜雄君、江西甚昇君、以上のとおりであります。 71 ◯議長(鹿熊正一君)次にお諮りいたします。  議案調査のため、明3月2日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 72 ◯議長(鹿熊正一君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次回の本会議は3月3日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  本日はこれをもって散会いたします。  午後3時51分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...