・旧
県立流杉老人ホームに係る訴訟における
富山地
方裁判所からの
和解勧告について
河村健康課長
・
(財)富山県
健康スポーツ財団の
抗体検査結果誤
通知に関する
処分等について
・富山県
自殺対策推進協議会からの
自殺対策に関す
る提言について
・富山県
健康増進計画の
検討状況について
・富山県
がん対策推進計画の
検討状況について
谷川生活衛生課長
・中国産
冷凍ギョーザによる
薬物中毒事案における
対応について
(4) 質疑・応答
2
井村委員長 報告事項に関する質疑及び
所管行政一般についての質問に入ります。質疑・質問はありませんか。
3
中川委員 たくさんの説明がありまして、相当頭が痛くなりましたが、
報告事項について、幾つかわからないことがありますので質問したいと思います。
まず、
財団法人富山県
健康スポーツ財団の
抗体検査結果誤通知に関する
処分等についてでございますが、前回の
委員会は1月22日でしたが、その後、正しい検査結果を再通知したということが県に報告されたということで、これはこれでよろしいのかなと思います。
そして最後のほうに、
再発防止に向けた
取り組みということで、
事業執行体制の
見直しや
ソフト開発体制の
見直しについて書いてあります。これも、ああ、そうかなと。こんなことを明確にしていく、あるいは徹底するということも大切だと思います。しかし、この一番上の表の1番から8番までの処分の内容を見ますと、
事業担当者から
管理職までありますが、
管理職のほとんどが60歳以上、そして役員が80歳と、こういう体制になっているわけであります。
執行体制の
見直しの中で、こういうところをしっかり直していかないと。会社でいえば、
高齢者ばかりいるような、そういう会社ですよね。組織として働いている
皆さん方が士気の上がる体制になっているかどうか、このことにもしっかり取り組む必要があると思います。その辺について、御見解があれば、伺っておきたいと思います。
4
河村健康課長 お答えいたします。
今ほど委員御指摘のありました
処分者の
年齢等の関係でございますが、確かに60歳以上の職員もいるわけでございますが、今回の誤通知の発生と役職員の
年齢構成等につきましては、直接の関係はないと考えております。
ただ、先ほど言いましたように、機動的な対応が可能であるチームによる
業務処理により、組織としての関与が薄くなるといった嫌いがあったのかなということで、そういった
管理職の
管理責任を問う形の処分が若干多くなったというふうに認識しているところでございます。
また、組織として士気が上がるようにといったことにつきましては、おっしゃるとおりでございまして、財団のほうにおきましても、例えば、なるべく
経営状況をすべての職員に開示して、財団の置かれた
状況等を広く共通認識していこうと考えていると聞いております。経営に関する情報の共有でありますとか、あるいは
財団内部における
職員研修の徹底、そういったようなものを通じまして、組織として効率的な運営と職員が一体となって業務に取り組める
体制づくりに取り組んでいただけるものと期待しておりますし、私どもといたしましても、助言あるいは
指導等を申し上げていきたいと考えているところでございます。
5
中川委員 いろいろなことを考えたときに、やはり組織の
活性化というのは……。ただ書面でこんなことを徹底すればいいということだけではなく、やはり生身の人間が働いているわけでありますから、ぜひそのことを踏まえて、体制の
見直しをしっかりやっていただきたいと思います。
これについてはいろいろなことがあるわけでございますが、そこら辺は、英断をもって取り組んでいただきたいと思います。これは、部長にもお願いをしておきたいと思います。
それから、
自殺対策推進協議会からの
自殺対策に関する提言についてですが、ちょっと気になりましたのは、提言の特徴ということで、
数値目標で、平成28年までに平成17年の
自殺死亡率──人口10万人
当たり30.7人を、20%以上減少させるということです。
提言の資料の2ページを見ておりましたら、平成17年は338人が亡くなっています。そして、16年は302人、15年が356人、14年が276人、13年が300人と。その前は、平成11年には345人。それで、平成9年
当たりから268人と、ぐっと200人を超えるような状況になってきているわけであります。そして、18年には293人というふうに減っているんですね。
そこで、この目標でございますが、10万人
当たり30.7人というのは、338人が亡くなっている年であります。2割減るということは、338人から大体六十七、八人減らそうという目的でありますし、人口10万人
当たりにしますと、30.7人の2割ですから、6人か7人ぐらいを減らすという程度なんですね。18年度にはもう既に1割弱が減ってきているんですね。
この提言の中身は、まだよく読んでいませんからわかりませんが、この2割という目標は、余りにも低過ぎるんじゃないかと。
本当はゼロであってほしいわけで、なくなってほしいんですよ。それなのに、ここ10年間を見渡して、これからの10年間を考えたときに、果たして2割でいいのかどうか。こういう物の
考え方で本当に
自殺対策を講じることができるのかどうか。余りにも生ぬるいんじゃないかと思います。この
あたりについて、どのような考えをお持ちですか。
6
河村健康課長 お答えいたします。
委員の御指摘は、18年の状況を見ると、
数値目標が必ずしも十分ではないという御意見かと思います。
自殺死亡率の
数値目標につきましては、委員がおっしゃいましたように、ゼロにすべきだといったような意見を
自殺対策協議会で述べられる先生も確かにおられたりしまして、いろいろな御意見があったところでございます。
恐縮でございますが、
提言書本体の21ページに
数値目標についての記載がございますので、それを見ながらお答えさせていただきたいと思いますが、
数値目標の設定に対する
考え方でございますけれども、
共通目標として
数値目標を設定するほうが効果的だということで、21ページの上の方から書いているかと思いますが、ただ、3行目に書いてございますように、統計数理学的な予測はなかなか難しいということで、実は、この目標につきましては、
自殺対策基本法に基づいて、国の方で策定されました国の
自殺総合対策大綱をもとに、それと同じ
数値目標を設定したところでございます。
ただ、本県と同様に、国の方でも同じような議論がありまして、できるだけ早い時期に目標を達成できるように努めるということと、目標が達成された場合には、
見直し期間にかかわらず、
数値目標を見直すということで、私どもといたしましても、先ほど委員がおっしゃったように、17年から18年にかけてのような
減少傾向がずっと続けば、私どもとしても大変安堵できるような状況なわけでございますが、まだ19年分については予断を許さないというような状況でございますし、20%の
減少目標は、先ほどおっしゃいましたように、
自殺者が急増した平成9年から10年以前の水準にというふうに考えております。
そういったようなことで、国の対策に準じた
数値目標を設定したということ、そしてそれが平成9年から10年の急増期の以前の水準だということ、それから、目標が達成された場合につきましては、
見直し期間にかかわらず、
数値目標を見直すという
考え方、以上の3点の
考え方を持ちまして、
数値目標をとらえております。少しでも早く達成し、達成された暁には、ぜひ
見直しをさせていただきたいということで、
見直しができるように精いっぱい取り組んでまいりたいと考えております。
7
中川委員 ここにもデータがございますように、富山県は全国でも
自殺死亡率が高く、大変なことになっているわけであります。それを、富山県は何でもかんでも、いつも国の基準に合わせて、標準的にやろうとしているわけで、それでは本当に減らすことができないのではないかと思います。
ここの
あたりは、もっとハードルを高くして、みんなで、こういうことになっているから、減らさなければならないという意識をもっと高めていく姿勢が大事ではないかと思います。
全国で最下位ぐらいにいて、そういう
対策大綱に基づいてやるというのならわかりますが、富山県は大変なことになっているということをもっと強く出していくべきだと思います。
今、こういうふうに示されていますが、その辺をいま一度
見直して、県民を挙げてやっていかなければならない。そういう方向を県民が共有していくことが一番大切だと思います。
この程度の目標では、自然に減っていくんじゃないかと、今、課長からもそういう発言がありましたが、それでは何のためにこの対策を講じていくかということがよくわからないと思うのですね。ぜひそのことを踏まえて、もう一度考え直す気はないのか、お尋ねしたいと思います。
8
河村健康課長 お答えいたします。
減少すれば安堵できるというのは、何もしないでということではございません。
自殺対策を講じた結果ということでありますので、それはひとつ御理解をいただければと思っております。
委員がおっしゃいましたように、県民に本県の
自殺率が高いということや、あるいは各県以上の
取り組みが必要だというようなことをアピールすべきだということについては、ごもっともだと思っております。
普及啓発の
実施等に
当たりましても、強い危機感のアピールを交えて、目標の
早期達成に向けて
取り組みたいと考えておりますので、そういったことで御理解をいただければ考えております。
9
中川委員 とにかく積極的な対応をお願いしたいと思います。
それと、中国産の
冷凍ギョーザの事件についてですが、県の対応の中で、安全性の確認を実施、
輸入食品も
検査対象に加えて実施、それから
残留農薬検査を迅速に実施と、こういうことですが、これをやらないで事故や事件につながった場合には何か罰則みたいなものはあるのですか。
10
谷川生活衛生課長 自主回収という趣旨でございますか。
11
中川委員 例えば、これを守らないで
輸入食品を検査しなかったと。検査とはいっても、一つ一つやるわけにはいかないのかもしれませんし、そういう基準があるのかないのかもよく知りませんが、それをちゃんと遵守しなくてそういう変なものが出てきた、全くやらないで事故につながったという場合に、国のこともあるのかもわかりませんが、県の指導がどれほどに効力があるのかということをお尋ねしたいんです。
12
谷川生活衛生課長 残留農薬等につきましては、いわゆる
ポジティブリスト制がありまして、基準が決まっていないものにつきましては0.01ppm以下にしなさい、それから基準が決まっているものにつきましては、それ以下のもので流通させなさいというような基点がございますので、
回収命令とか、そういうふうな措置が講じられるものでございます。
13
中川委員 例えば輸入してくるときに、国の機関で、いろいろとそういう
検査体制があって、それで引っかかる場合はそれでいいです。
それが、引っかからずに入ってきたときに、県はどれほどまで防げるものなのかなというふうに思うんですが、県はいろいろとやりなさいと言っているけれども、やらない場合、やらないでそういう事故が起きた場合に、何か罰則があるのかないのか。
もしなければ、ただ言っているだけで、安全が確保できないのではないかと言いたいわけです。その
あたりはどういうことになっているのでしょうか。
14
谷川生活衛生課長 食品衛生法において、そういう
危険食品は提供できないことになっておりまして、
罰則等もありますし、
回収命令というふうな措置も講じられることになっております。
15
中川委員 県でできることは少ないのかもしれませんが、県内の業者でも、直接原材料を輸入したり、あるいはそれをもとにして加工する企業があるわけです。その辺については、今後も引き続き徹底した対応をお願いしたいと思います。
そして、どこまで補足できるのかわかりませんが、その体制についても、広く県民の皆さんに具体的に示しておく必要があるんじゃないかと思いますが、その
あたりについてお伺いしたいと思います。
16
谷川生活衛生課長 監視指導につきましては、毎年、
監視指導計画を策定いたしまして、広く
ホームページ等で公表しているところでございます。
皆さん方に見えるような形で、今後とも引き続き
監視指導に努めていきたいと思っております。
17
中川委員 それと、最後に1つだけ。
富山県の
地域ケア体制整備構想の
検討状況と富山県の
医療費適正化計画の
検討状況についての御説明がありました。この2つの関連性といいましょうか、その
あたりはどういうふうにリンクしているのか教えていただきたい。
富山県
地域ケア体制整備構想の
検討状況について、資料1の
療養病床転換計画では、平成19年4月現在は5,643床で、平成23年度末には2,456床とされています。しかし、
医療費適正化計画の中では、平成20年度から24年度末までにその数字になるようにということです。
それで、
地域ケア体制整備構想の中では、この
医療費適正化計画の考えを持って、いろいろな対応をしていこうということですが、この
あたりはどういうふうに……。23年度末と24年度末というふうになっているんですが、これはどんな
考え方でこうなっているのか教えてもらいたいと思います。
18
上田高齢福祉課長 お答えいたします。
療養病床の再編成に
あたり、
地域ケア体制整備構想を策定しなさいということなんですが、本県では、この機会をとらえて、今後どうしていくかということで、もう少し幅広い意味で構想を策定しております。
ただいま御質問がありました
療養病床の
転換計画──
医療費適正化計画は24年度末まで、それから
地域ケア体制整備構想は23年度末までとなっております。正直に申し上げますと、この1年間の
ブランクについては、私どもも国に対していろいろ聞いているところもあるのですが、例えば、
医療費の方は、医療計画なり、この
医療費適正化計画なり、5年の計画を策定しなさいということが法律で明記されております。それから、一方、
介護保険の方は、3年ごとに計画を立てていって、4期目は21年度から23年度ということで、
地域ケア体制整備構想は23年度末までに2,456床を達成するために
転換計画を組んでおりますので、ある意味では、1年間早くといいますか、早い年度でこの
転換計画は達成することになっております。
その1年間の
ブランクには、私どもも若干疑問を持つ部分はあるんですが、とにかく23年度までにこの2,456床を達成していこうと考えております。
19
中川委員 何かよくわかったようで、わからんけれども、要するに
地域ケア体制を早く整備していくという意味では、そうなのかなと思うけれども、実際問題、連携といいましょうか、その
あたりが、数字を見たときにどうなのか、もっとわかりやすく説明してくれればいいなと思いました。いろいろなことがありまして、
療養病床の数についても、まだ検討の余地がありますので、その
あたりも含めて、ひとつまたよろしくお願いしたいと思います。
どうもありがとうございました。
20
梶委員 高波被害への対応についての中で、今の時点では、黒部市、朝日町に
廃棄物の処理に関しての聞き取り調査をしたところ、特に支障がないということでありますが、現在漂っているものが、後から漂着してくるわけであります。そこで、
災害等廃棄物処理事業費補助金について、沿岸全
市町村が対象になっているのかどうかということ。また、そういったところも情報収集する必要があるんではないかと思うわけでありますが、私が見て回ったところ、駐車場が
堆積土砂で80センチメートルほど埋まっているとか、定置網が流れ着いたとか、直径1メートルほどの流木が流れていたりしています。また、せんだって貯木場から1,000本の流木が流れたということでありますから、いずれはまたどこかに漂着すると。岸壁ではなくて、浜辺のほうに漂着してくるわけでありますが、そういったものも、この4のその他に記載されている
災害等廃棄物処理事業費補助金の対象になるのかどうか、まずこの辺をお伺いしたいと思います。
21
浦田廃棄物対策班長 お答えいたします。
今回の
高波被害につきましては、とりあえず3市町が影響を受けたということで、3市町に限って詳細を報告いただいているところでございます。ことしの1月末から、
日本海沿岸において
ポリ容器が漂着しているというようなこともございまして、本県は今まで漂着がありませんが、今回の高波によって、漂着する可能性があるということで、
沿岸市町におきましてそういったような状況がないかを確認して、報告していただくようにお願いしているところでございます。
それからまた、
漂着物につきましては、今年度から、1
市町村におきまして
処理量が150立米以上で、
海岸保全区域外のものにつきまして、
環境省の方で
補助制度が設けられていますので、活用できるかどうかは、
処理量によって各
市町村において判断していただきたいと思っております。
22
梶委員 今回、この
沿岸市町は対象になるんですか。
23
浦田廃棄物対策班長 私どもが今申し上げたのは、
環境省が所管しております
廃棄物処理の
災害等廃棄物処理事業補助金でございまして、こちらは
海岸保全区域外を対象にしている事業でございます。
また、
国交省で
海岸保全区域を対象にした大
規模流木等の
補助制度があると聞いておりますので、実際に漂着したところがどこであるかということによって、
補助金の活用が違ってくるということでございます。
24
梶委員 漁港区域と
港湾区域とがあるんですよね、特に入善町、黒部市もそうだと思うんですけれども。同じ
芦崎地区でも、黒部市にもあるし、入善町にもあると。所管が違う中で、今、例えば
環境省ですと、150立米以上。
国交省ですと、多分基準がこれよりも10倍以上大きいと思うんですよね。そういったことになってくると、大変に
アンフェアではないかというふうに思うんですけれども、その辺の差異について、県はどのように対応されるんですか。
25
浦田廃棄物対策班長 お答えします。
基本的には、流木等の大きなもので、機械力を必要とし、海岸保全上支障のあるようなものにつきましては、県で機械力を導入してやっていくと。そして、それ以外の小規模なものにつきましては、管理者と地元
市町村のほうで、ボランティアの皆さんの協力も得ながら、協議しながらやっていくというような形で進めております。
26
梶委員 そこの辺が大変な部分の1つですね。ボランティアの協力を得て収集や運搬までは処理できても、その後の、例えば焼却とかいうことになりますと、もう本当に
市町村の炉が傷むんですよ。
だから、ここに事業費40万円以上と簡単に書いてありますけれども、何で僕が災害かどうかということを聞いたかといいますと、例えば現地焼却できるかどうかということも考えなければならないと思ったからです。
今は、すべてのごみは、空き地でもどこでも焼却してはいけないと。ただし、除外規定があって、神事や農作業で燃やすもの、それから災害によるものも入っていると思うんですよね。
災害でも、網とか流木とか、木の根っことか、燃やせないものと燃やせるものとを分けるんですけれども、燃やせるものは、一定の日を決めて、現地で焼却するという手段をとってもいいんじゃないかと思います。一応、災害は例外規定になっていると思うんですけれども、その辺はどうでしょうか。
27
浦田廃棄物対策班長 罹災地において、施設も罹災して燃やせないというような状況になりますと、これは、応急的に処置しなければならないということで、委員御指摘のように現地で燃やすということも考えられますけれども、今の場合は、施設へ持ち込んで、保管場で分別して、そして燃やせるものについては燃やす、燃やせないものは処分場へ持っていくというような処理ルートが確保できるのではないかと思います。そういう処理ルートが確保できる場合には、やはり二次公害といったようなものを引き起こさないためにも、処理施設で適正に処理するというのが第一原則ではないかと思っております。
28
梶委員 これは、言うと長くなりますけれども、とにかく今回を教訓にして、今言ったように、
廃棄物の発生量に差異があることについての不公平な扱い、そしてまた、そういう後々から流れ着いてくるものの中には、塩や泥にまざって、焼却に不向き、どうにもならなないというものもあるということなども踏まえて、その対策についても、十分に検討していただきたいと要望しておきます。
29 火爪委員 それでは、報告案件について2件伺います。
まず、中国産の
冷凍ギョーザ問題です。
御報告にもありましたけれども、食糧自給率が39%しかない。6割以上の食糧を外国に頼っているにもかかわらず、
輸入食品の検査はノーマークと。特に、加工品についてはノーマークの状況であるということが改めて浮き彫りになったと思うんですね。
2007年で見ても、加工食品は2006年から残留農薬基準適用対象になったにもかかわらず、検疫検査は全く行われていないと。輸入農作物と食料品を合わせた厚生労働省の検疫所における
残留農薬検査実績は10%です。だから、輸入加工品も含めて、食糧の90%がノーマークで流通しているという怖さ。しかも、そういう意識の中で、地方自治体は、これを
検査対象にしてなかったわけですね。
報告の中になかったので伺いたいんですけれども、重大なのは、地方自治体がきちんとそれを認識して報告できなかったため、処理が1カ月おくれたという問題があります。
例えば、千葉市の保健所は、1月4日に、被害者女性が持ち込んだ食品の検査を断っています。窓口の認識は一体どうだったのか。
しかも、医療機関は、体調不良を訴えた女性の細菌検査しかやっていなくて、
輸入食品を疑わなかった。
しかも、年末であったので、千葉県からの報告が厚生労働省に行かなかった。兵庫県も東京都も厚生労働省に報告をしなかった。もし年末に千葉市の保健所なり医療機関の対応がきちんとされていれば、1月5日の中毒はありませんでしたね。
私は、県の職員も安全行政にかかわっているという認識が不十分だったんではないかと思っています。
責任は国にあるわけですけれども、これらの千葉県や兵庫県や東京都などの行政や医療機関の対応を見て、県はどんな反省をして、どんな検討をしておられるのでしょうか。
30
谷川生活衛生課長 今回の事例は、千葉県、それから兵庫県の報告が厚生労働省へ行かなかったということでございます。
これにつきましては、厚生労働省への報告は、50人以上の食中毒患者、もしくは重篤な患者が出た場合というふうになっておりまして、報告までは行かなかったんだと思っております。
それから、千葉市の事案におきましても、年末ということで、報告が放置された状況であったかと思うわけですけれども、本県におきましては、厚生センターなり私どもの方で緊急電話を持っておりまして、医療機関等からそういう届け出があれば、年末年始、それこそ24時間、365日の体制で対応しているということを御報告させていただきたいと思います。
31
井村委員長 一言申し上げます。
高波被害対策会議出席のため、廣光生活環境文化部次長、奥田厚生部次長が退席されますので御了承いただきたいと思います。
32 火爪委員 携帯電話を持っているという話は伺っていたんですけれども、やっぱり認識の問題だと思うんですよ。千葉市の保健所も、どう言ったかというと、「いや、年末で電話がつながらなかったので、メールで送った」と。それで、メールを見たのが正月休み明けの1月6日ということで、携帯電話を持っていても、要するにそこにかけなければおしまいですよね。だから、受けた担当の方が、そう認識すれば、携帯にというふうになりますが、県民はそこまで行き着かない場合が多いと思うんですね。
保健所や厚生センターがこういう食品の安全を担わなければいけないという立場で、改めて再検討が必要だと思います。
主な責任は、検疫検査をきちんとやっていない国と企業にあるわけです。しかし、やっぱり被害が起きてからでは遅いですので、ぜひ再検討していただきたいと思います。
それに関連して、厚生センターの機能なんですが、行政改革推進会議で集約化、重点化という方向が出されていて、私たちは大変心配をしておりましたが、もうここに及んで、機能縮小などということは言えなくなってきていると思います。
行政改革推進会議では、集約化、重点化等による厚生センターの機能の充実強化という書き方をしているんですね。やはり支所にきちんと検査課を設置するとか、こういう窓口を復活させるとかいうことも含めて、支所も含めた厚生センターの機能強化について、今回の事例を教訓にして、改めて取り組んでいただきたいと思います。どうでしょうか。
33
石坂厚生企画課長 お答えいたします。
厚生センターにつきましては、保健福祉の連携ということで、平成14年に、当時の保健所と福祉事務所を統合し、厚生センターとしたわけでございますけれども、先般来の行政改革推進会議でも、効率的、機能的なあり方という観点から、さまざまな議論がなされまして、今ほど委員おっしゃいましたように、支所につきましては、感染症対策、危機管理対策、あるいは配慮を要する方々へのサービスというような観点から、引き続き残すと。
しかしながら、今ほども出ておりますけれども、より効率的、機動的な保健衛生体制を構築していくためには、どういう観点から
見直しをやっていけば、こういった危機管理、あるいは配慮を要する方々へのきめ細かな対応がなされていくかということを考えながら総合的に常に
見直していくべきであるといった提言がなされておりまして、県としても、常にそういった観点から、組織というものは
見直していくべきであると考えております。
34 火爪委員 ぜひ今回の事件が教訓になるような検討にしていただきたいと思います。
次に移ります。
県の
地域ケア体制整備構想素案について御報告がありました。資料の34ページを見ますと、在宅医療・訪問看護推進の全体イメージという図表の真ん中に、県在宅医療・訪問看護推進会議(仮称)の図が載っているわけですね。新年度に新しく設置されるわけですけれども、既にこの構成メンバーがここで確定しているかのように書いてあるわけです。4つの団体を構成団体と決めているように読めるのですが、関係者の意見を聞いて、今後、構成について検討すべきではないでしょうか。
35
上田高齢福祉課長 お答えいたします。
この推進会議の組織や運営方法については、これは県だけでやっていけるわけではございませんので、今後、関係団体の皆さんの御意見も伺いながら決めたいと考えております。
現在のところ、推進会議自体には、推進本部的な性格を持たせて、その上に作業部会というのがございますが、具体的な推進方策の検討や協議は、推進会議のもとに設置する作業部会が担うということで進めたいと考えております。
この作業部会は、必要なテーマ──例えば在宅主治医の連携、グループ化、あるいは訪問看護師やケアマネジャーとの連携、あるいは医療系ショートステイの確保、そういうテーマに応じて、現場の実態や課題を十分把握しながら、機動的に検討や協議を行える場にしたいと考えております。
こうした目的が達成できるように、関係者の皆さんの意見をよく聞きながら、この作業部会のメンバーや進め方を決めていきたいと考えております。
36 火爪委員 作業部会と推進会議の役割についても、今後各所で説明しながら意見を聞いていくんだろうと思います。
ぜひ、推進会議という親会議の方に、日々現場で悪戦苦闘されている方を入れていただきたいと要望しておきます。
富山県の場合は、在宅介護・在宅医療の体制は、これから探求しながらつくっていかなければいけないと思います。実際に、富山、高岡、南砺、下新川などで開業医のグループや病診連携を手がけている方々がおられますが、この方々が、「自分たちが燃え尽きないように頑張っていかなければいけない。今は意欲がある。しかし、あすはわからないという厳しい環境の中にあるんだ」というふうに訴えておられるわけです。日々の悪戦苦闘、試行錯誤を反映できることが、この構想の中では大変大切ではないかというふうに思っています。
各地でこういうふうにグループ化を手がけている方、それから24時間訪問看護ステーションを運営している方、それから医師との連携で成功したケアマネジャーさん、こういう方々をぜひ加えていただきたいと思います。
その都度呼んで意見を聞くんだというふうに言われるかもしれませんけれども、そうではなくて、やっぱり親会議に医師会や看護協会の各団体を動かせる代表の方が入っていただくことも大事だと思います。団体に動いていただくと。同時に、直接、生の経験をみんなで聞くということがとても大事だと思います。
今回、私は、それこそまるで厚生企画課の一員になったかのように、この検討
委員会や
医療費適正化計画の会議を傍聴させていただきました。大変勉強になりました。皆さんもきっとそうだったのではないかと思うんですけれども、実際に今、現場でこういう仕事をしておられる方が
委員会に来られて、いろいろな現実の話をされた。大変鋭かったと思います。
この素案の中に、事実として、担当課の人がそれを一生懸命に書き込まれたことには敬意を表しております。ぜひそういう経験を生かした推進体制──推進しながら検討し、検討しながら推進する体制にしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
37
上田高齢福祉課長 お答えいたします。
ただいま委員がおっしゃいましたように、開業医のグループや24時間訪問看護ステーションなど、そういった先進的に取り組んでおられる方の協力が不可欠だと思っております。
こうした方々から、これまでの在宅医療や訪問看護等の実践を踏まえまして、現在、県内では先進的な
取り組みをされてきていると、そういった経過の中で、いろいろな課題をどうやって克服してこられたか、それから現在の
取り組み内容などを情報提供なりアドバイスいただきたいと考えております。
そういうことからして、どちらかというと、推進会議に皆さんが集まってというイメージじゃなくて、むしろ県の方でも積極的に現場に出向いていくという中で、テーマに応じて作業部会を設けたいと思っております。
現場の実態をよく知っていらっしゃる方、それから先進グループの方、そういった方にも、ぜひこの作業グループに入っていただいて、県と一緒にいろいろなことを検討していただきたいというふうに思っております。
38 火爪委員 実践をしている方々との対話、聞き取り、協議ではなくて、そういう経験を直接タッチしていない人も含めて全員で聞く、全員で考える、全員で検討するということがとても大切なので、県さえ作業部会で意見を聞けばいいんだということではなくて、やはり全体が共有できるようにという趣旨で推進会議の中でと提案をしているのでよろしくお願いします。
この問題でいえば、先日富山市民病院で行われた公開講座に、県からも来ておられました。それで、今度は県が主催してシンポジウムを開いてはどうかと提案をしておきたいと思います。
新年度予算のさっきの説明の中では、意見交換会や懇談会みたいなものをやると考えておられるようですが、もうちょっと大きく構えて、例えば長崎のドクターネットなどから直接講師を招く、県外から招きながら、県内の実践グループがみんなそろって率直な意見交換をする時間もとれたら……。そしてそれを医療関係者、介護関係者、県民に聞いていただくということは大変有意義だと思いますが、検討していただけないでしょうか。
39
上田高齢福祉課長 お答えいたします。
在宅主治医あるいは訪問看護師、ケアマネジャー、こういった方々の意思の疎通を図るための土壌づくりということで、20年度に意見交換会を予定しております。
具体的な内容については、今後、関係の皆さんの意見を聞きながら決めたいと考えております。御提案のように、県外から先進事例を紹介していただける方を招いて、県内の関係者と意見交換を行うということは、意識啓発という意味も含めて、有意義なことだと考えておりますので、こうしたことも含めて、意見交換の実施について検討していきたいと考えております。
40 火爪委員 期待しております。
次に、後期
高齢者医療制度に関することで、健診問題について伺っておきたいと思います。
今、4月実施予定の後期
高齢者医療制度の対象となる方に案内が届いております。あなたは75歳ですので、もう後期
高齢者ですと。余計なお世話やと、ほっといてくれと、失礼な話だというふうな声が聞かれています。私もそう思います。
富山市が開いている説明会でも、批判や不安が相次いでいますし、富山県議会はいち早く意見書を上げました。全国の
市町村議会からも中止をという意見書がふえているんですね。中止、
見直しを求める意見書を提出した自治体は、500自治体を超えています。私たちはこの制度を中止するよう、凍結するよう運動しておりますけれども、県民の立場で県行政も当たっていただきたいと思います。
厚生労働省は本当にひどい。一生懸命
市町村が計画をしているのに、今月の6日に突然、都道府県の担当者会議で、75歳以上の健診の対象者から高血圧患者などを除外するようにという指示をしました。
去年までは、来てください、来てくださいと一生懸命言っていたのに、国としては、ことしから健診を委託されている医療機関に
高齢者が来ると、問診表を書かせるわけですね。問診表の1番目、「血圧を下げる薬をあなたは飲んでいますか」。丸するとだめ。2番目「インシュリン注射または血糖を下げる薬を飲んでいますか」。飲んでいると書いたら、まただめ。3、「コレステロールを下げる薬を飲んでいますか」。飲んでいる。これもだめ。医療機関に足を運んで、健診を受けようと思って来たのに、問診表にそれを書くと、あなたは帰ってくださいと医療機関は言わなければならない、こんなことを厚生労働省は指示したというふうに聞いています。
さすがにこれにはちょっとひどいじゃないかという声が上がっているわけですけれども、富山県内は広域連合と相談をしておられると思いますが、どう対応するでしょうか。
41
荒見医療保険班長 2月6日の会議におきまして、厚生労働省からは、生活習慣病により医療機関を受診している方については、後期
高齢者の健診の対象とはしないという方針が示されたところでございます。
これは、健診の目的が、糖尿病等の生活習慣病の早期発見や重症化予防であり、既に治療中の方については、病気が発見されて、医学的な管理がされていることから、対象者から除くとされているものであります。
なお、生活習慣病以外の理由で医療機関にかかった方については、健診の対象となるものであります。
本県の後期
高齢者医療広域連合においては、こうした健診の趣旨、目的等につきまして、十分な周知期間が必要であることから、平成20年度については、生活習慣病により医療機関を受診している方についても、健診の対象とする方向で検討されているところであります。
県としましては、この後期
高齢者に対する健診の趣旨、目的に沿って、円滑な健診がスタートするよう、必要な助言を行ってまいりたいと考えております。
42 火爪委員 厚生労働省は外すようにと言ったけれども、県の後期
高齢者医療広域連合は、20年度は頑張ってやるんだというお答えだったと思うので、ぜひそれはそうしていただきたいと思います。
問題は次の年です。宮城県や新潟県では、希望者全員に健診を実施するという独自の判断をしていると聞いています。また、県内
市町村でも、国がそう言ってもやるんだというふうに検討している自治体も出ていると聞いています。
大体、広域連合で健診の手数料を500円と決める段階で大もめにもめて、今まで
市町村が独自に積み上げてきた健診の努力をちゃらにするのかと大もめにもめて、結局、500円を導入したけれども、自治体はその500円分を出しましょうというふうに決めてきたわけです。今になって、74歳まではそういう扱いをしないんですよ。
大体、血圧が高く薬を飲んでいるからといって、どうしてほかの病気がないと言えるんですか。これは、
医療費、検査費用を削減するためだけに導入されようとしているわけで、年齢による明らかな差別だというふうに思います。
医学的根拠によって、74歳までの方も外すんだったらわかりますよ。だけれども、75歳以上になったら、もう老い先短いんだから、検査はほどほどでいいでしょうということでしょう。これはとんでもないと思います。
そこで、調べていただきました。砺波市と高岡市の医療機関で、昨年に健診を受けられた75歳以上の方のうち、この3つに該当する方はそれぞれどれだけですかというふうに聞いたら、富山市の医療機関では、実に46%が該当された。砺波の医療機関では58%だったんです。
4割から6割の人が健診から除外されるということにしようとしているので、ぜひそこら辺は、多くの皆さんの意見を聞いて、来年以降は決まりとしないで、再度、よく検討して決めていただくよう、広域連合と相談をしていただきたいと思います。どうでしょうか。
43
荒見医療保険班長 宮城県、新潟県には、今、申し上げましたような後期
高齢者医療制度の趣旨、目的を踏まえまして、20年度においては、希望者全員に健診を実施することとされたと聞いております。
本県につきましては、今申しましたとおり、健診の対象とする方向で検討されているところでございますが、21年度以降の取り扱いにつきましては、広域連合におきまして、20年度の実施状況、他県の
状況等を勘案しながら検討していくとされております。
県としましては、後期
高齢者医療制度における健診の趣旨を踏まえて、目的に沿った健診制度となるよう、必要な助言を行ってまいりたいと考えております。
44 火爪委員 ありがとうございました。
これは、厚生労働省が3分の1負担を切ると言ってきているのが一番悪いわけで、私たちはこの方針そのものもの撤回を求めていきたいと思っていますが、県も、県民の立場に立って頑張っていただきますよう要望しておきます。
最後の問題に移ります。
新年度、新学期を目前にして、子供たちの状況が大変心配になってきております。放課後児童クラブですが、昨年10月19日、厚生労働省が通知で、放課後児童クラブガイドラインを示してきました。これは大変よいことで、かねてから富山県の学童保育連絡協議会を初め、関係者が県にも策定を働きかけていましたけれども、何よりも国でということで努力をしてきたものです。中身にはさまざまな不十分さはあると思いますけれども、しかし、これが出されたということについて私たちも歓迎しております。
特に、富山県は
市町村によって学童保育の中身に極端な違いがあるわけで、そういう場合は、このガイドラインを
市町村に普及する意義は大きいのではないかと考えています。
例えば対象は1年生から3年生であるけれども、障害児と4年生以上も加えることができることを明確に書いています。
それから、規模はおおむね40人程度までとすることとし、最大でも70人までであること。それから、新1年生は4月1日から受け入れ、長期休業日などは8時間以上開設すること。また、保護者会を設置し、支援、連携すること。県内の学童保育の状況を見たら、そういう認識を
市町村が持っていないから、こういう実態になっているなということが多々あるわけです。このガイドラインは10月に出されていますが、
市町村はどういうふうに受けとめているでしょうか。ぜひ富山県がこのガイドラインの中身を
市町村がよく理解できるよう支援をしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
45 上田児童青年家庭課長 お答えいたします。
国の放課後児童クラブガイドラインにつきましては、放課後児童クラブを生活の場としております児童の健全育成を図る観点から、クラブの質の向上に資することを目的として策定されたものでございます。
このガイドラインは、各クラブの運営の多様性から、クラブを運営するに当たって必要な基本的事項を示し、望ましい方向を目指すものであるとされております。
県におきましても、放課後児童クラブが安全で安心して子供を預けられる場であるよう、事業の一層の充実が必要と考えております。
このため、これまで
市町村に対しまして、このガイドラインを周知いたしますとともに、ガイドラインに基づき、さらなる質の向上に取り組まれるよう、去る10月23日に通知したところでございます。
また、御指摘のとおり、まず関係者がガイドラインを十分に理解することが大変重要であると考えておりまして、昨年秋に開催いたしました
市町村の担当者会議におきまして、大規模クラブの分割でありますとか、学校との連携など、ガイドラインに示されております事項について説明いたしまして、現場の実情や課題について話し合ったところでございます。
県といたしましては、今後とも、こうした担当者会議や指導員の研修会もございますので、さまざまな機会をとらえまして、ガイドラインに沿った放課後児童クラブの設置、運営が推進されるよう、
市町村に対しまして、引き続き指導していきたいと思っております。
46 火爪委員 お話にありました大規模児童クラブの分割ですが、これは5月に、努力のお願いをする質問をしておきました。2月17日に県内の学童保育関係者の交流会、年に1回の全県交流会が開かれ、私も参加してきました。しかし、この場で、大規模児童クラブの分割がほとんど進んでいないという状況が各地から悩みとして出されておりました。前回伺いましたが、昨年度分割した立山、今年度分割した上市、来年度の分割を予定している砺波東部、そういう話はあるんですが、その後、なかなかめどが立たないというふうに聞いています。
児童が100人も120人もいるのに、決断できないという悩みをいろいろ聞きました。よく話を聞いてみると、今ほどありましたガイドラインの中身をよくつかんでいない。
市町村の担当者が分割の必要性を理解できていない。それから、運営協議会の責任者が理解できていない。それから、具体的に進むと、場所がない、指導員がいない。場所や指導員の確保で、
市町村の支援というのが必要なことを改めて思いました。
前回の御報告では、71人以上の学童保育は、36カ所、22.8%、全国は11.8%だという御報告がありましたけれども、ぜひ対象箇所を県も具体的に手のひらに乗せていただいて、
市町村と協力して支援していただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
47 上田児童青年家庭課長 この大規模クラブにつきまして、本年2月に調査したわけでございますが、中核市であります富山市を除きます県が所管する放課後児童クラブが104カ所ございます。そのうち、児童71人以上の大規模クラブが10カ所となっております。
このうち、今ほどお話がございました砺波市の1クラブ、それから射水市の1クラブの2クラブが平成20年度に、また高岡市と射水市の計4クラブが平成21年度に、学校の中の余裕教室または別の場所を新たに確保するという方法によりまして、分割を目指しているところでございます。
県といたしましては、子供の情緒面への配慮や、安全性の確保の観点から、大規模クラブを早急に解消することが大変重要であると考えております。
また、国におきましては、平成22年度から大規模クラブに対する補助が廃止されることとされております。
こうしたことから、大規模クラブの分割が円滑に進むよう、
市町村の相談に応じますとともに、必要に応じて
市町村に対してヒアリングを実施するなど、具体的な
取り組みを促進するよう指導してまいりたいと思っております。
なお、国の施設整備の
補助制度がございます。これまで、
市町村が設置主体の場合のみが対象でございましたが、平成20年度からは、社会福祉法人等も対象とされておりますので、こういった
補助制度の活用などについても、助言していきたいと思っております。
48 火爪委員 最後ですけれども、分割すると、より多くの指導員が必要になります。こちらの人材不足も大変深刻なわけですね。平成18年3月に県が調べていただいた調査では、全県で785人の指導員の方がおられるわけですけれども、資格がある人は273人、34.8%しかおられないという状況でありました。
新年度、分割を決めている砺波東部の学童保育が、指導員がいないので、ハローワークに行って指導員の募集を依頼したと。そうしたら、けんもほろろに、労災にも加入していないような職場に仕事をあっせんできないというふうに断られたと。まあ、それはそうだと思うんですね。やはり、指導員の待遇についても、本腰を入れて研究をしていく時期に入っているんではないかと思います。
石川県の様子を聞いてみたら、指導員の平均給与は月額14万円、ワーキングプアですが、年収はかろうじて、200万円を超えたところだと。隔世の感があるわけですね。社会保険は、金沢市では市が掛けているということでした。
それで、砺波東部にありましては、社会保険、労災というのはどういう状況にあるのか、もしつかんでいたら、教えていただきたいと思います。
労災、失業保険、社会保険、こういうことも検討していく必要があるというふうに思うんですね。そうすると、今後は、県単も含めた運営費補助の抜本的引き上げと、父母負担のあり方についても、一定の検討が避けられないのではないかと思っていますが、この人材確保の問題についてどう取り組むのか、お願いします。
49 上田児童青年家庭課長 お尋ねの放課後児童クラブに配置されている指導員の社会保険等への加入状況でございますが、一人一人の指導員ごとに異なっておりますから、現時点では、把握しておりません。
しかしながら、指導員の雇用形態につきましては、実は昨年の10月時点の調査でございますが、指導員総数879名のうち、正規職員が299名で34%、それから任用期間があらかじめ定められてる非正規職員が211名で24%、また臨時職員や有償ボランティアなどが369名で42%になっておりまして、社会保険の加入対象とならない指導員がほぼ半数を占めているのではないかと考えております。
こういったクラブの指導員の雇用形態でございますが、まず指導員の勤務時間が異なると、職員体制、それから各クラブの子供の年齢構成などによって異なるのではないかと考えておりますこと、放課後児童クラブの運営費につきましては、国において、おおむね2分の1を保護者負担で賄うこととされておりますことから、放課後児童クラブの保護者負担のあり方も含めて、その地域の実情に応じて、
市町村やクラブの運営主体などで判断されているものと考えておりますが、御指摘のとおり、指導員を確保する上で、待遇面などで、なかなか難しい面があるというふうに聞いております。
こうしたことから、県におきましては、放課後児童クラブの運営費補助単価の引き上げにつきまして、これまでも国に対して要望してきたところでございます。
今後とも、引き続き国に働きかけますとともに、保護者負担のあり方なども含めまして、各県内の放課後児童クラブが適切に運営されますよう、
市町村を通じて指導していきたいと考えております。
50 火爪委員 負担は少ないわけで、最低でも労災ぐらいは掛けられるように努力をしていただきたいと思います。
終わります。
51 湊谷委員 私は、きょう御報告いただいた事項について伺いたいと思います。
医療費適正化計画の
検討状況について御報告がありました。そして、現時点における素案の概要が説明されたわけでございますが、この中で、特に気になることを申し上げれば、回復期リハビリテーションの
療養病床が、現在は65歳以上人口10万人
当たり30.3床であり、全国レベルから見れば極めて低いという実態があります。
新たな
医療費適正化計画の中では、現在の80床を280床にするということが考えられておりますけれども、これも、280床で現在の全国平均レベルであると、こんな御説明があったと思っております。改めて、富山県の水準が低かったということを思い知らされているわけです。これは、平成20年度から24年度までの5カ年をかけて推進していく計画ですが、その目標数値は平成18年10月現在の全国平均レベルの280床であります。私は、これはいかがなものかと思います。これはあくまで素案でありますけれども。
御承知のように、富山県は少子高齢化のテンポが速いわけでございますから、今後を考えると、私は計画の
見直しについて検討されるべきではないかと思います。その点について、まず伺います。
52
荒見医療保険班長 回復期リハビリテーションの
療養病床につきましては、280床ということで算定しております。先ほどの資料の方をごらんいただきたいわけなんですけれども、まず全国平均並みとするために必要な病床を算定しまして、さらに今後の後期
高齢者人口の伸び率を掛けまして、280床としたわけでございます。
これは、目標数とは別枠の部分でございまして、経営者の方々に、これぐらいは何とかしていただきたいなという思いを込めてやっております。
それと、これをつくるに
当たりまして、昨年、リハビリ
療養病床を有する医療機関に対しましてアンケート調査や個別的意見交換などをしておりますが、その中でも、こういったものを考えていきたいという方々もいらっしゃるということから、全国下位から、せめて全国平均並みにしたいということで、この数値を出したわけでございます。
53 湊谷委員 わかりました。
きょうの資料にもありますように、富山県の
療養病床の平均在院日数が全国1位であるということで、こうした実態を改善していこうという
医療費適正計画でありますけれども、
医療費削減ということに重きがあってこの計画の推進に無理があってはならないという思いもいたしております。したがって、これからの在宅医療を支えていく上でも、こうした回復期のリハビリテーションの
療養病床が必要だろうという思いがあります。
それから、先ほど
中川委員からも御質問がありましたけれども、
地域ケア体制整備構想とこの
医療費適正化計画との差異について、なぜだろうと私も思っておりました。しかし、次の計画年次が21年から23年であるということはわかるにしても、医療機関のアンケート調査でも、まだまだ
療養病床の転換を図るということについては、十分な理解といいましょうか、医療機関の
考え方も整っていないわけですから、少し強引であるのではないかなと、こんな気がいたしております。もう一度伺っておきたいと思います。
54
荒見医療保険班長 計画としましては、ぜひとも今年度内に策定する必要があるということでございまして、目標数値として、一応国の
考え方に準拠しつつ、検討
委員会、それから県議会や関係団体等の意見、個々の医療機関等の御意見も踏まえながら策定したわけでございます。
その際には、富山県の実情なりが反映されるよう、いろいろと苦労したと思っております。
医療機関の方々の判断につきましては、これは診療報酬とか介護報酬とかの推移も見なければいけませんので、変更はあり得ると思いますが、先ほど高齢福祉課長からありましたとおり、20年度におきましても医療機関のアンケート調査を行って、場合によっては
見直しというものも必要であろうとされたわけでございます。