富山県議会 2007-06-01
平成19年6月定例会 代表質問
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前10時01分開議
◯議長(仲 外喜雄君)ただいまから本日の会議を開きます。
報 告
2 ◯議長(仲 外喜雄君)日程に入るに先立ち、報告事項を申し上げます。
北陸電力株式会社志賀原子力発電所の臨界事故に関して、一昨日、
北陸電力株式会社に対し、
再発防止対策の着実な実行と県民への説明責任を果たすことなどについて、私から申し入れたところであります。
3 ◯議長(仲 外喜雄君)これより本日の日程に入ります。
県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑(会派代表)
4 ◯議長(仲 外喜雄君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第75号から議案第87号まで及び報告第5号から報告第12号までを議題といたします。
これより会派代表による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告がありますので、順次発言を許します。
鹿熊正一君。
〔29番鹿熊正一君登壇〕
5 ◯29番(鹿熊正一君)私は、自由民主党を代表いたしまして、今定例会に提出されました諸案件並びに当面する県政の諸問題について質問いたします。
質問に先立ち、一言申し上げます。
去る4月の
県議会議員選挙において、我が党は29議席獲得という大きな勝利を得ました。これは、我が党が掲げる政策や日々の活動が広く県民の皆様の共感を得た結果であり、県民の皆様の御支持、御支援に深く感謝申し上げます。
私たちは、改選後初の定例会に臨むに当たり、地方自治の本旨である住民自治、団体自治の充実の観点から、多様な民意を吸収し、その集約化を図っていく議会の役割はますます重要になっていると認識しております。
我が
自由民主党議員会は、数におごることなく、今後とも責任政党として、県政の諸課題に誠心誠意取り組み、県民の幸せと魅力ある富山県づくりに邁進する決意であることを申し上げ、以下質問に入ります。
初めに、本県における危機管理ついてお尋ねいたします。
今月3日、
極東カムチャツカ半島東方で、入善町を船籍地とするサケ・
マス流し網漁船が
ロシア国境警備局に拿捕される事件が発生しました。我が党は、発生した同日、石井知事とともに、来県中の与党幹部に、乗組員の即時解放と漁船の返還に向けた格別の取り組みを求めました。その後、10日余り経過しているわけでありますが、状況が定かでありません。特に本県出身者を含む乗組員17人の健康状態などが気になります。
そこでまず、この拿捕事件の最新の状況についてどのように把握しているのか、石井知事にお伺いいたします。
次に、3月に、北陸電力の
志賀原子力発電所1号機において平成11年6月に臨界事故が発生し、それに伴う原子炉の緊急停止があったことが判明しました。臨界事故後、8年間にわたり、法に基づく国への報告や関係自治体への報告が行われていなかったことは、言語道断であります。
北陸電力は、先月21日に再発防止策の
具体的行動計画を策定し、国、石川県及び富山県などにその報告がありました。我が
党議員会は去る11日に、北陸電力から「
原子力発電所事故の
再発防止対策と県民への説明方針」について、ヒアリングを行ったところであります。
北陸電力が今なすべきことは、再発防止策を全社挙げて確実に実行し、地元住民や県民の信頼を早急に回復することであります。また、再発防止に向けた取り組み等の説明を、あらゆる機会を尽くして、能動的、継続的に県民に対し行うことであります。
北陸電力が説明を果たす機会を議会がみずから閉ざしたという、見当違いの批判があるようだが、我々は北電に対し、県民のもとにみずから足を運び、県民一人一人に届く説明が必要であると強く主張してきました。この種の重大な事故は、議会での説明だけでは県民の不安は払拭せず、北電の信頼の回復につながらないからであります。説明の機会を閉ざしたのではなく、逆に、県民に向かって積極的な説明をするよう促しているのであります。我が党は今後とも、これらの実施状況の報告を北陸電力から求めてまいります。もちろん、状況いかんによっては議会への参考人招致もあり得ましょう。
北陸電力は、電力供給という重要な公益的役割を担っております。社長みずから先頭に立ち、再発防止策の実行と信頼回復に努め、早く運転再開の道を開いていくべきであります。
また、県は、県民の安全・安心を確保する観点から、従来以上に緊密に北陸電力から情報をとることが必要でしょうし、また現地に出向き、状況を把握することも必要であると考えます。
そこで、県においては、この
再発防止対策の実施状況をどう確認し、またその実効性をどのように検証していくのか、知事にお伺いいたします。
また、今後、富山県地域防災計画の「事故災害編」に、新たに原子力災害の項目を明記し、初動体制や各種対策を迅速にとれるようにすべきではないかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
さて、去る3月25日に発生した能登半島地震は、最大震度6強という規模で、輪島市やその周辺に甚大な住家被害をもたらしました。この震災により犠牲となられた方に深甚なる哀悼の意を表しますとともに、被災されました方々が一刻も早く平穏な生活を取り戻され、被災地が復興されますことを心からお祈り申し上げます。
さて、今回の地震での本県の被害は、石川県に比べ大きなものではなかったものの、政府の
地震調査研究推進本部が4月に発表した「平成19年度
版地震動予測地図」によれば、30年内に震度6弱以上の揺れが起きる確率は富山市で2.6%とされており、今回地震が発生した能登半島は、より発生確率が低いとされていました。したがって、本県においても、これに匹敵するような地震は十分起き得ることから、改めて県民の防災意識を喚起するとともに、地震に対する備えを再点検する必要があります。
先ごろ公表された全国の公立小中学校の耐震化の状況に関する文部科学省の調査結果では、地震による倒壊の危険性が高いとされる、いわゆる構造耐震指標(Is値)が0.3未満の校舎や体育館が、本県においていまだ78棟に上るとされております。学校施設は生徒児童の安全を守るとともに、災害時の避難施設となるものであることから早急に対応すべきであります。
国は教育委員会に対し学校名の公表や補強、改築などを求めていますが、地方団体は財政難という壁に直面しております。国は人ごとのように、公表せよとか改修せよとか言う前に、みずから改修するという姿勢がなぜないのかと思います。国に対し、そのことを強く主張していかなければならないと考えます。
また、本県の災害時のみならず、近隣県の災害時の支援体制を強化する上でも、備蓄資機材の充実や防災拠点施設の整備等を早急に進める必要があります。
そこで、今後、地震災害等に対する県民の防災意識をどのように喚起していくのか。また、公立学校等の耐震化や防災拠点施設の整備にどのように取り組むのか、知事に承ります。
また、
自主防災組織について県内の状況を見ると、町内会単位で組織している市町村のほか、小学校区単位、消防団の分団単位など、市町村により組織化の単位にばらつきがあります。この結果、粗い単位で100%の
自主防災組織を達成した自治体もあれば、より細かい単位での組織化に努力している結果、組織率が上がっていない自治体もあります。実効性のある
自主防災組織とするためには、きめ細かな単位での組織化が必要であります。この点で、能登地域が高齢化の著しく進んだ地域であり、また、その激しい振動や家屋の倒壊にもかかわらず死傷者が非常に少なかった要因を検証することは、大いに参考になると考えます。
元気とやま創造計画では、
自主防災組織の組織率の目標を平成27年度で60%以上としておりますが、組織化の単位についてもきめ細かな対応のできる町内会単位とし、災害発生時に
自主防災組織が十分機能するよう整備を進めるべきと考えますが、どのように取り組むのか、
藤木知事政策室長にお伺いいたします。
さて、4月には長崎市長が選挙期間中に凶弾に倒れるという、とんでもない事件がありました。また、5月には愛知県の発砲立てこもり事件など、卑劣で凶悪な事件は後を絶ちません。本県においても、たびたび殺人事件や強盗事件が発生しており、県民の安全を最前線で支え、守る県警察への期待は大きなものがあります。
しかしながら、昨年、誤認逮捕による冤罪事件や警察官の飲酒運転など、本県発の不名誉なニュースが相次ぎ、本県警察行政に対する県民の信頼が揺らいでいることは残念であります。
そこで、3月に着任された
吉田警察本部長には、本県警察職員2,265人の先頭に立ち、警察力の向上と治安対策の強化に取り組むとともに、ぜひとも県民の不信感を払拭してほしいと考えますが、どのような決意で臨まれているのか、お伺いいたします。
次に、
長崎市長銃撃事件等、暴力団員などによる銃器犯罪が相次ぐ中、本県における違法銃器の状況をどのように認識しているのか。また、銃器対策はとりもなおさず暴力団対策であると考えますが、銃器犯罪と暴力団の撲滅にどのように取り組んでいくのか、あわせて
吉田警察本部長にお伺いいたします。
一方、暴力団等がその暴力的な言動を背景に、行政や公務員個人に対し、脅しや不当な要求をする行政対象暴力が社会問題として大きく取り上げられております。
本県でも平成4年に、男が知事室に不法侵入した事件がありましたが、必ずしも不当な利益を得ようとするばかりでなく、暴力によって主義主張を強要しようとする場合もあり、その犯行の動機いかんを問わず、このような暴力や不当要求行為に対しては、県庁組織全体でこれを許さないという毅然とした姿勢を明確に打ち出すことが大切であります。
そこで、職員の安全と行政の円滑な運営を図っていくため、行政対象暴力にどのように対処する方針か、
荻澤経営管理部長にお伺いいたします。
次は、地方分権改革の推進についてであります。
現在、政府等において、地方自治体間の税収格差の是正などを目的とした地方税等の見直しの議論が活発に行われております。特に、個人住民税の一部を生まれ故郷に納めることができる「ふるさと納税」については、ふるさとに対し財政的に貢献したいという意向を生かす仕組みとして意義あるものであり、現行の寄附金税制を抜本的に拡充する方向を含め、今後の検討が待たれます。
また、地方同士での税源、税収の取り合いではなく、地方が担っている行政サービスに見合った財源が確実に確保されるべきであるとの観点からは、地方消費税の拡充や、国税と地方税との税源交換などにより、国と地方の税源配分を1対1としていくことを優先的に目指すべきとの意見もあります。これも当を得た見解だと思います。さらに、私は何よりも、これまで地方間の財源調整の役割を果たしてきた地方交付税について、その機能の拡充と総額確保が先決であると考えます。
石井知事は、全国知事会の
地方税制小委員会の委員長として議論をリードし、先般、
地方税制改革案をまとめられたところですが、地方団体が果たすべき役割と責任に応じた地方税財源の確保充実や、税源偏在の是正等についてどう考え、また地方の意見が国の方針等にしっかり反映されるよう、どのように取り組んでいくのか、石井知事に承ります。
次に、企業局について質問いたします。
企業局はこれまで、電気、水道、工業用水などの事業を通じて、県民の快適な暮らしを支え、産業の健全な発展に寄与してきました。しかしながら、地方自治体の財政状況が全国的に厳しい中で、近年、公営事業の廃止や民間への売却が進められており、地方公営企業の経営基本原則である企業の経済性と公共の福祉増進の両立がこれまで以上に求められております。加えて企業局は今、電力自由化の進展や水道の需要低迷などの課題に直面しており、先見性を持った対応が求められております。
そこで、現在、企業局が行っている各事業について今後どのような方針で運営していくのか。あわせて、水道用水や工業用水の導水路などの
供給施設設備等が地震災害等に対し備えは万全なのかどうかについて、3月まで経営管理部長として手腕を発揮された
植出公営企業管理者にお伺いいたします。
次は、「元気とやま」の創造についてであります。
今後の県施策の指針となる「元気とやま創造計画」が策定され、10年後の富山県の姿を目指して、各事業がスタートしております。計画の策定に当たっては、我が
自由民主党議員会は3回にわたり、石井知事に対して提言を申し入れてきたところであり、この計画をもとに、活力ある富山県、特に将来世代が夢の持てる富山県の形成に我々も努力してまいります。
さて、この計画における最も基本的な考え方は、県行政だけでなく、市町村、県民、団体、企業など、いわば県民全体が目標を共有し、力を結集して、県づくりを進めていくことであります。そのためには、この計画についての県民の理解が欠かせません。
そこでまず、計画を県民にわかりやすく知っていただくため、どのように取り組んでいくのか、
藤木知事政策室長にお伺いいたします。
さて、今や公の仕事は行政が独占するものでないことは言うまでもありません。だからこそ、民間にももっと公の精神を持ってほしいこともあります。いずれにしても、市町村や民間との適切な役割分担が大事であると考えます。
そこで、県の役割、市町村の役割、民間の役割を改めて見きわめ、今後、市町村への権限移譲や民営化、民間委託をどのように進めていくのか、
荻澤経営管理部長にお伺いいたします。
次に、「元気とやま創造計画」の3つの政策の柱のうち、まず「活力とやま」についてお伺いいたします。
北陸新幹線については、全線整備が一日も早く実現するよう、必要な財源確保により、金沢までの完成時期の前倒しや金沢以西の早期整備の推進を政府・与党に強く働きかけていく必要がありますが、これと同時に取り組むべき重要な課題は、並行在来線問題であります。
並行在来線の運営については、3月に発表された将来需要予測調査では、開業時を平成26年度とした場合の県内区間の利用者数見込みが、平成17年度の83%にまで減少し、開業後31年後の平成57年度では、同じく17年度の45%に減少するなど、まことに厳しい結果が出ております。新駅設置による新たなまちづくりの検討を早め、沿線住民の鉄道離れを防止していくことなど、取り組むべき課題はいろいろありますが、まず何よりも並行在来線の経営が成り立つためには、財政的な
スキームづくりを進めることが今極めて重要であります。
そのためには、JRからの鉄道資産の譲渡に対する財政支援をどうするか。不動産取得税や固定資産税の減免など税制上の優遇措置についてどうか。また、JR貨物の線路使用料の拡充をどうするかなどの初期投資に対する支援制度の創設や地方財政措置の拡充を、沿線各県の連携のもと、国やJRに対し強く求めていく必要があると考えます。
並行在来線は、沿線住民の通勤通学の足だけではなく、日本海側を縦断して多くの貨物列車が走行し、国内の
物流ネットワークの骨格としての機能を有しております。その存続は国内物流戦略に直結するものであります。
そこで、並行在来線の経営が成り立つよう、財政スキームの構築に向け、今後具体的な運動をどのように進めていくのか、石井知事にお伺いいたします。
さて、昨年12月、道路特定財源の見直しに関する具体策が閣議決定され、真に必要な道路整備を計画的に進めるよう、年内に中期計画が策定されることとなり、地域間格差への対応や生活者重視の視点を踏まえつつ、8月までにその素案が示される見込みであります。しかしながら、道路整備の必要性を精査する過程で、重点化、効率化の名のもとに地方が切り捨てられ、地方が必要としている道路整備を断念せざるを得なくなることを危惧します。
本県においては、主要地方道であってもいまだ2車線化されていない箇所、踏切による交通渋滞が著しい箇所、歩道のない危険な通学路など、県民の日常生活に密着した道路の整備や、災害等緊急時のバイパス機能を持つ道路の整備など、数多くの要望があります。また、2月定例会の代表質問でも指摘した、
高速道路インターチェンジから観光や物流拠点への道路を遅滞なく整備することや、新幹線新駅を核とした
アクセス道路網の整備により、産業の振興や地域活性化につなげていくことがぜひとも重要であります。
そこで、この中期計画の策定に当たり、市町村、地域住民や関係機関からの意見を取りまとめ、本県にとって真に必要な道路の整備が計画に盛り込まれ、着実に推進するよう国に対し強力に働きかけていくべきと考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、埴生土木部長にお伺いいたします。
さて、地域の特性や強みを生かした企業立地を促進し、産業集積により地域経済の活性化を図ろうとする、いわゆる「
地域産業活性化法」が今国会で成立しました。県及び市町村が策定する基本計画を国が承認した場合、進出立地企業は、設備投資減税とともに、不動産取得税や固定資産税の減免などの優遇措置が受けられることとなります。このため、投資を呼び込み、本県の産業構造や特性に適合した業種の集積が促進され、さらに高度化につながることから、地域活性化や地域間競争における強力なツールとなることが期待されます。
県は、法案成立に先立って、去る4月に
地域産業活性化協議会を設立し、基本計画策定の準備を進めています。地方圏への工場立地件数の割合が低迷する中、他の地域に先駆けて計画承認を目指すという強い意気込みが感じられ、評価いたします。
そこで、この協議会において重点的に企業立地を促進する業種を検討されたと聞きますが、どのような方針で業種を選定することとしたのか。また、ねらいを絞った関係業種の企業進出が図られるよう、市町村や関係団体との連携とともに、物流戦略との整合が必要と考えますが、今後どのように取り組むのか、
斉藤商工労働部長にお伺いいたします。
さて、我が国の農政は、担い手への支援の重点化、
品目横断的経営安定対策への移行など大きく政策転換が図られてきており、県においても、先般、本県農業・農村の目指すべき姿やその実現のための施策を明らかにするため、県農政の指針となる「富山県農業・農村振興計画」が策定されました。この計画では、新鮮で安全な食の提供、消費者の心をつかむ産品の育成など、消費者の側に力点が置かれているように見えますが、それと同様に重要なのは、持続的な産業としての農業の生産体制をいかに強化するかということであります。
まず、本県の基幹作物である米については、さらなる品質向上対策を進めるとともに、気象変動へのリスク回避や作業の分散、低コスト化のためにも、作付けが集中しているコシヒカリに加えて、新たな晩生の県産品種「てんこもり」や早生品種の「てんたかく」を組み合わせていく必要がありましょう。また、ハウス白ネギ、桃などの園芸作物への取り組みや、ミニとうがんや枝豆などの新規品目の開発による新規市場の開拓等により、経営の複合化を推進し、米作中心の農家の経営基盤の強化を図っていかなければなりません。
今後、地域農業の中核となる農家には、規模の拡大努力とともに、創意工夫を凝らした収益性の高い経営が不可欠であり、行政はこれら農家の意欲を引き出し、その発想を生かすよう支援していくことが重要であります。
現在、県においては、出先機関等の組織再編が議論されていますが、単なる組織統合により農家の意欲をそぐようなことがあってはならないのであり、農家に対する普及指導事業を充実強化する行政改革であるべきであります。
そこで、本県農業を持続可能なものとしていくため、農家の創意工夫に対して支援すると同時に、農家を法人化や複合化に導くかぎとなる普及指導事業の充実強化にどのように取り組むのか、石井知事に承ります。
さて、本県では平成15年3月、全国に先駆けて、我が自民党が中心となって議員提案した、都市との交流による農山漁村地域の活性化に関する条例を制定し、地域資源を生かした農山漁村の活性化に取り組んでおります。
近年、スローライフを志向する若者世代や、ことしから大量退職が始まった団塊世代は、田舎暮らしに対する潜在的ニーズが高いと言われており、国の世論調査では、都市住民の38%が都市と農山漁村の両方に住宅を持ち、行き来する「2地域居住」を望んでいます。
東海北陸自動車道の全線開通や
北陸新幹線開業を見据え、こうした人々をいかにして本県の農山漁村に呼び込むか、今まさにこの条例を生かすべき時期を迎えております。
県内では、昨年、富山市八尾町に長期滞在型の農園が開園したほか、
NPO法人グリーンツーリズムとやまが首都圏から旅行業者らを招いて、新川地域での
モニターツアーを実施するなど、グリーン・ツーリズムの取り組みは着実に広がっていますが、今後さらに地域住民の積極的な参画を呼び起こしていく必要があります。
さて、先進的な本県の取り組みをさらに後押しする法律として、先月「農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律」が成立し、活性化計画を作成した県や市町村に対し、交付金により事業を支援する仕組みができました。
農林漁業体験施設などのハード整備が中心ですが、国のメニューに加えて、地域が提案する新たなビジネス創出というソフトの面もその取り組みの対象とされております。
そこで、本県の特色を生かしたグリーン・ツーリズムやとやま帰農塾など既存事業の充実と、この新しい法律の交付金制度の積極的な活用を組み合わせた総合的な
農山漁村活性化対策を進めていくことが有効であると考えますが、今後どのように推進していくのか、
寺林農林水産部長にお伺いいたします。
次に、「未来とやま」についてお聞きします。
世界文化遺産国内候補地の文化庁への新規提案の期日が、昨年より2カ月も早い9月に決まりました。立山・黒部地域の本年の提案に向けて、県では1月に
庁内プロジェクトチームを設置して準備を進めているところですが、既に山岳信仰などをテーマに、紀伊山地霊場と参詣道が遺産登録されており、また、
暫定登録リストに追加された富士山や継続審議中の白山も、日本固有の山岳信仰を主題の一つとしていることから、提案に当たっては立山・黒部ならではのテーマ、コンセプトが求められます。
このため、立山の山岳信仰に加えて、立山カルデラの砂防施設や黒部川沿いの発電所など、立山・黒部地域の治山治水事業や発電事業の文化的、歴史的価値をどのように意義づけていくかが課題と考えますが、限られた時間の中でどのように地元市町村などとの意見交換や調整を行い、また県民の関心を喚起していくのか、石井知事に承ります。
また、県と高岡市が提案した近世高岡の文化遺産群は、他の19件とともに継続審議となりました。このように競争相手が数多くある中で、12月末の再提出に向け、高岡市では今月市民の会が発足するなど登録に向けての機運が高まっているところでありますが、追加する遺産について、現在どのような検討状況にあるのか、知事にあわせてお伺いいたします。
次は、教育問題であります。
平成27年時のあるべき高校教育の視点に立って、県立高校のあり方を検討する県立学校教育振興計画策定委員会が昨年5月に設置されてから1年余が経過しております。同委員会に置かれた4つの小委員会では、2月末までに2回から5回にわたり各論の検討がありました。県立高校のあり方検討のうち、学科の見直しや統廃合など高校再編が具体的にどのようになるのか、県民は高い関心を持っております。
また、高校普通科と職業科の比率については、本県ものづくり産業の将来の発展に直結するものであります。このため、県立高校のあり方の検討に当たっては、まず「生徒が学び高め合うにはいかなる教育環境がよいのか」が最も大事な視点であります。さらに「地元への人材定着」や「本県産業における中長期的な労働力の質の向上」なども重要なテーマであると考えます。
そこで、生徒数の減少が進む中、議論がおくれぎみの県立高校のあり方検討について、どのような基本方針のもとで進めようとしているのか。最終報告までのスケジュールとあわせ、東野教育長にお伺いいたします。
さて、去る4月24日、全国の小中学校で、学年全員を対象とした調査としては実に43年ぶりとなる全国学力・学習状況調査が実施されました。本県でも、小学6年生と中学3年生の児童生徒合わせて約2万人が国語と算数・数学の2教科のテストに参加し、あわせて生活環境や学習習慣についても調査が実施されました。
文部科学省では9月をめどにテストの結果を県教育委員会に通知する予定ですが、ここで重要なことは、結果の分析に基づく、今後の授業や学習方法への活用ではないかと考えます。今回の調査が全国規模で実施されたことから、学校現場や各教育委員会では、結果を詳細に分析することによって、改善すべき課題を浮き彫りにできる絶好のチャンスであり、調査結果をいかに今後の指導改善に有効活用していくか、それぞれの改善努力が求められております。
県教育委員会では、既に全国学力テストの結果を分析し、授業改善策を検討する学力向上推進チームを発足させておりますが、文部科学省には、優秀な学力改善支援計画を策定した自治体に予算措置をする動きがあるとも聞いております。
そこで、今回実施された全国学力テストの実施意義をどのように認識しているのか。また、本県教育の持つよさを生かしつつ、授業改善などに取り組む市町村教育委員会や学校を支援していくべきですが、どのように取り組むのか、教育長にお伺いいたします。
最後に、「安心とやま」についてであります。
社会保険庁が所管する公的年金について、保険料の納付記録の管理不備により、持ち主がわからない5,000万件を超える年金記録の対策が大きな問題となっております。この納付記録のあまりにずさんな管理は極めて遺憾であり、その責任はしっかりと追及していかなければなりませんが、今大事なことは、受け取るべき年金額を必ずきちんと受け取れるようにすることであります。そのため、年金時効特例法案の速やかな成立や、何が何でも1年以内に記録の統合を図るなど、国は受給権者の立場に立ち、誠意を持って対処し、この混乱を収拾し、国民の不安を解消していかなければなりません。よりよい解決策を示さず、批判に終始する態度は最も無責任であると考えます。
さて、国の医療制度改革が進められる中で、都道府県には医療費適正化計画を初めとした各種の医療計画の作成が求められております。計画作成に当たっては、将来にわたって医療難民、介護難民を生まないよう、そしてまた本県の実情に合ったプランづくりが何よりも大切であると考えます。
そこでまず、医療制度が大きく変わろうとする中、県に対し求められている健康増進計画、医療計画、そして医療費適正化計画の策定に向け、今後どのような体制及び方針で取り組んでいくのか。また、医療や介護、介護予防も含めた本県の地域ケアの将来像をどのように考えていくのか、椎葉厚生部長にお伺いいたします。
一方、医師不足については、地方と都市の間での偏在が大きな問題となっております。平成16年度の医師臨床研修制度導入後、先進医療が学べる都市部の病院を研修先に選ぶ新卒医師が集中しており、本県においても今年度、県内14病院の募集枠112人に対し54人しか集まらず、この充足率は鳥取県、新潟県に次いで低いのであります。
国では、地方における医師確保について法律制定を含めた対策の取りまとめが進められておりますが、本県においても今年度、県立中央病院を核とした後期研修システムの構築や、県内公的病院で勤務を志望する医学生に対する修学資金の貸与制度の拡充、さらには首都圏等での医学生向け就職説明会での県内医療機関のPRなど、県でできるさまざまな対策を講じることとしており、評価いたします。これらの対策が実を結び、医師の県内定着が進むことを期待いたしますが、同時に、県内における地域ごとの医師の偏在もできる限り解消されることが望まれます。
全国的には、本県の医師の偏在性は小さいとされておりますが、二次医療圏別に人口10万人に対する医師の数を見た場合、最も多い富山地域と最も少ない新川地域では1.5倍の格差が生じております。県民が暮らしている地域において安心して医療が受けられるよう、地域医療を守っていかなければなりません。県内の地域間における医師の偏在を解消するため、どのように取り組んでいくのか、石井知事に承ります。
さて、県単独医療費助成制度については、昨年8月に医療費助成制度のあり方懇談会において中間報告が示され、実務上の問題点について市町村や関係機関と調査検討した上、平成20年4月の医療制度改革に合わせて実施するとされたところであります。
我が
自由民主党議員会は、昨年8月に、制度の見直しに当たっては、1、市町村と十分な連携を図ること。2、妊産婦助成制度については継続の方向で検討すること。3、所得制限の導入を基本として検討すること。4、支給方法の実務上の問題について慎重に検討することの4項目を要望いたしました。
先月末に開かれたあり方懇談会において、県、市町村、医療機関等による実務調査、研究報告や県政モニターアンケート結果が報告され、今後市町村の意向把握を行った上で最終報告案について議論することが決定されました。私は、本県財政の状況や高齢社会の到来を考慮し、持続可能な制度としていくためには、全制度に所得制限、すなわち負担能力のある方には負担していただくとの考えを導入することを基本として検討すべきであると考えます。
そこで、今回、あり方懇談会に実務調査、研究報告や県政モニターアンケート結果が報告され、議論が深まったと聞いておりますが、今後県としてどのように対応していくのか、知事に承ります。
また、県民の少子化対策・子育て支援への要請は大きく、こうした施策との整合性を図るため、妊産婦助成制度については継続の方向で検討すべきであると思いますが、知事の所見をお伺いいたします。
さて、訪問介護などの介護サービスを全国展開しているコムスンが、不正行為により、事業所の指定、更新ができなくなるというニュースは、コムスンから介護サービスを受けている利用者の大きな不安を招いております。県内においては約600人の方がコムスンの介護サービスを利用しているとのことですが、今大事なことは、介護サービス利用者が引き続き同様のサービスを受けることができるようにして、利用者の不安を解消することであると考えます。
そこで、介護サービス事業所の指定や指導を行う県として、今後利用者のサービス確保にどのように取り組んでいくのか、厚生部長にお伺いいたします。
また、このような不正行為の背景の一つには、介護現場における人材不足の問題があるとされております。そこで、県内の介護人材の状況はどうか。また、人材養成の取り組みについて、厚生部長にお伺いいたします。
最後の質問であります。
さて、近年の異常気象の多発化など、地球規模での環境問題が顕在化しております。安倍首相は、このたびのハイリゲンダム・サミットにおいて、世界全体の温暖化ガス排出量を2050年に半減する長期目標を提唱し、また、国内では二酸化炭素を1人1日1キログラム削減する国民運動などを提唱されております。
本県はこれまで、とやま温暖化ストップ計画に基づく地球温暖化対策を初め、マイバッグの推進等によるレジ袋の削減や、廃棄物・リサイクルの取り組みなど、環境問題に対して積極的に取り組んできておりますが、県内の温室効果ガスの排出量を見ると、家庭やオフィスなどの民生部門を中心に増加傾向にあり、県民が一丸となった強力で継続した取り組みが、これから求められます。
今月、ごみゼロ推進県民会議、地球温暖化対策推進会議、省資源・省エネルギー運動推進会議の3つの推進会議を整理統合して、新たに知事を会長とする「環境とやま県民会議」が設立されました。これを契機に、一層の県民の参画を進めていくことが必要と考えます。
そこで、今後、県民とともに、どのように地球温暖化対策など環境問題に取り組んでいくのか、石井知事に承ります。
以上をもちまして、自由民主党を代表しての私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
6 ◯議長(仲 外喜雄君)石井知事。
〔知事石井隆一君登壇〕
7 ◯知事(石井隆一君)自由民主党を代表されましての鹿熊議員の御質問にお答えをいたします。
まず、危機管理についての御質問のうち、拿捕事件についての御質問にお答えします。
今月3日、第八十八豊進丸がロシア国境警備隊により拿捕、連行されたことにつきましては、翌日4日に私が急遽上京いたしまして、麻生外務大臣、外務事務次官、農林水産次官、あるいは水産庁長官にお会いしまして、拘束された乗組員の即時解放と漁船の早期返還をロシア政府に働きかけていただくように、直接要請したところでございます。
要請先の方々からは、乗組員の早期解放等に全力を尽くすとの回答がありまして、特に麻生外務大臣、谷内事務次官からは、ウラジオストク総領事館の職員を早速現地に派遣するという回答がございました。翌5日には総領事館職員が現地に派遣されまして、ロシア当局と調整等に当たっておられるところであります。外務大臣を初め政府の御尽力に感謝申し上げておる次第であります。
なお、7日にはドイツで、安倍総理がロシアのプーチン大統領に乗組員の速やかな解放等を要求されました。この点も本当にありがたいと思っております。
また、県議会や入善町におかれましても、早速、農林水産省や外務省に対し、乗組員の早期帰還等を御要望いただいたところでありまして、この点についても感謝申し上げたいと思います。
第八十八豊進丸は、7日にペトロパブロフスク・カムチャツキー港に接岸しまして、同7日から漁獲物の検査が開始されているところでございます。外務省からの情報によりますと、きのう夕方、谷内事務次官に再度私から直接確認もしましたし、けさも実務的に確認させていただきましたが、外務省のほうはロシア側の手続の速やかな完了、乗組員の即時解放及び漁船の早期返還について、ロシア側にたびたび申し入れをいただいておるわけでありますけれども、現時点では、まず漁獲物の陸揚げは終了しているが、操業日誌との照合は終了していない。乗組員に対する事情聴取が始まっているとは聞いていない。乗組員全員の健康状態は良好である。飲料水、食料、燃料は確保されているということでございます。
今後、ロシア当局の取り調べにより事実関係が明らかにされるものと思いますけれども、この取り調べが迅速、公正に実施されることを期待しておりますし、また、もとより、一刻も早く乗組員の解放等が実現しますように、今後とも情報収集に努めますとともに、国の関係省庁に引き続き働きかけをしてまいりたいと考えております。
次に、北陸電力による
再発防止対策についての御質問にお答えをいたします。
去る3月15日北陸電力から、平成11年6月に
志賀原子力発電所1号機の原子炉において臨界事故が発生していた旨の報告がございましたが、事故自体が重大であることはもとより、長年、国や自治体に報告がなかったことは県民の信頼を著しく損なうものでありまして、極めて遺憾なことであると考えております。
私は、県民の安全・安心を守る立場から、直ちに根本的な原因究明と抜本的な再発防止策の策定、徹底を強く求めたところでございます。
3月28日には
志賀原子力発電所に職員を派遣しまして、現地において直接、事故発生当時の状況、対応等の説明を求め、確認をいたしております。さらに、3月30日に事故原因の報告を、また4月6日に
再発防止対策の報告を北陸電力から受けました際にも、私から改めて、県民の安全・安心に最大限配慮して、二度とこのような事態が発生しないよう万全を期するとともに、あわせて県民にわかりやすく説明、情報提供することを求めているところでございます。
去る6月8日には、県及び県議会から経済産業省に、電力会社に対し
再発防止対策の確実な実行と国や地方自治体への報告の徹底を指導するとともに、国の特別検査等により厳格に安全を確認するなど、国民、県民の安全・安心を確保するため万全を期していただくよう要望したところでございます。
北陸電力におきましては、社長をトップとされまして原子力安全信頼回復推進委員会を設置し、また、中立的な立場から
再発防止対策の実効性の検証、評価を行う、社外の有識者による
再発防止対策検証委員会を設置して、
再発防止対策の実効性の検証を行うこととしているところであります。
県としましては、こうした北陸電力の検証状況も見きわめながら、
再発防止対策の実施状況を重大な関心を持って注視し、随時、北陸電力から情報提供、説明を求め、確認していくことにしております。また、必要があれば、今後も現地に職員を派遣し、実施状況をチェックしていく、こういうことにしていきたいと考えております。
次に、富山県地域防災計画の中に原子力災害を明記すべきではないかという御質問にお答えいたします。
国の「原子力施設等の防災対策について」──これは原子力安全委員会ですけれども──では、原子力発電所から8キロから10キロ、いわゆるEPZの区域内は防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲となっておりまして、富山県では氷見市の県境地点においても
志賀原子力発電所から20キロ離れておりまして、EPZの範囲外となっております。EPZの範囲内の地域においては特に重点的な防災対策が必要とされておりますことから、原子力関係法令を踏まえて、該当市町村及び都道府県が原子力防災計画(地域防災計画の原子力災害編)を作成しているところでございます。
一方、本県ではEPZの範囲外にありますので、万が一の事故発生時の情報伝達、避難誘導等の防災上の対策が必要であることから、これまで本県の地域防災計画の風水害編、事故災害編等の規定を準用して、必要な措置を講ずることとしてまいりました。
しかしながら、議員御指摘のように、初動体制及び各種対策を迅速に実施しますためには、危機をあらかじめ想定して、災害の種別ごとに計画を定めて関係者に周知しておくことが、危機管理上の観点からやはり望ましいことでありますので、今後、地域防災計画の事故災害編の中において、独立した章、原子力災害対策といった章を設けまして、原子力災害への対策をより明確に、県民の皆さんにわかりやすい方向で検討し、策定したいと、こういうふうに考えております。
次に、県民の防災意識の喚起と公立学校等の耐震化についての御質問にお答えいたします。
去る3月の能登半島地震は、大きな地震はやはり日本全国どこでも起こり得るということを改めて示したわけであります。77年ぶりに震度5弱という、本県にとっては大きな地震であったにもかかわらず、幸い建物の倒壊等はなかったわけですけれども、これをきっかけに県民の皆さん一人一人が認識を新たにして、自分の命は自分で守る、自分たちの地域は自分たちで守るという自助、共助の意識を持って、災害による被害を最小限度に抑えることが重要だと考えております。
私は就任以来、こうしたこともあろうかと考えまして、
自主防災組織の整備拡大に努めてきておりまして、17年4月にはこの組織率が38.4%でありましたものが、ことし5月には51.2%に向上しております。まだまだ全国よりは低いわけで、さらに拡充していきたいと思っております。
県ではこれまで、防災パンフレットの配布を初め、防災に関する講習会、研修会を実施するなど県民の防災意識の向上に努めてきておりますが、今回の能登半島地震の経験を生かしまして、市町村とともに、防災訓練などを通じて、さらに県民の皆さんの防災意識の向上を図ってまいりたいと考えております。
また、地震対策の上からは当然建物等の耐震化を進めることが極めて重要でございまして、県では、災害時には避難施設となる公立学校の耐震化の推進について国に要望しまして、これまで耐震化事業に対する国庫補助率のかさ上げの5年間の延長、また耐震化事業に係る補助予算枠の大幅な拡大のほか、19年度には新たに、耐震化事業に係る地方債償還費に対する地方交付税の措置──これは新しくつくっていただきました──ということで支援の強化を求め、また実現もしております。
学校の施設の耐震化につきましては、小中学校では耐震化率が56.0%、県立学校では54.7%となっております。小中学校にありましては、市町村が国の補助制度を活用して進めておりまして、今年度では32校で国の補助を受けて、耐震補強や改築を行うことにしております。県立学校にあっては、耐震診断の結果や地域防災計画上の位置づけなどを踏まえまして計画的に耐震化を進めると。今年度は4校の耐震補強を行うこととしております。
県としましては、今後さらに国に対して耐震化についての財政支援の拡充を働きかけますとともに、県立学校の耐震化を計画的に進める。また、国の補助制度等を活用した小中学校の耐震化が着実に進むよう支援してまいりたいと考えております。
また、御指摘の、災害時における備蓄、輸送拠点、受援、支援などの機能を有する防災拠点施設の整備でありますが、老朽化している消防学校の改築と一体的な整備を図ることとしまして、本年度、両施設の具体的な整備内容等を定める基本計画を策定することにしております。この基本計画策定後は逐次、基本設計、実施設計、工事着工と進めてまいりたいと考えております。
いずれにしましても、今回の地震をきっかけに、さらなる県民の防災意識の向上、学校等の公共施設や住宅の耐震化など、防災対策の一層の充実に積極的に取り組んでまいります。
次に、地方税財源の確保充実や税源偏在の是正等の取り組みについてお答えいたします。
いわゆる三位一体改革につきましては、国から地方への3兆円規模の税源移譲が実現しましたが、補助金が4兆円もの削減が行われた。また、地方交付税については5兆円もの──これは臨時財政特例債も合わせてですけれども、大幅な5兆円もの削減が行われたことによりまして、財政力の弱い団体ほど厳しい財政状況となっております。また近年、東京など大都市圏を中心とした法人2税等の増収を背景に、地域間の税収の差が広がり、大都市圏と地方圏との財政力格差が拡大傾向にありまして、深刻化しております。
地方六団体としては、国税と地方税の税源配分を1対1とする地方税源の充実強化を目指すこととしておりますけれども、このような三位一体改革後の現状、課題を踏まえますと、税源の偏在性が少なく、税収の安定性を備えた地方税体系を構築することが、やっぱりおっしゃるとおり急務であります。
具体的には、まず、景気変動による変動が少なくて、偏在性の少ない地方消費税の充実に最優先で取り組むとともに、これにあわせまして、偏在是正のための手法として、例えば国税と地方税の中で、偏在性の大きい法人2税等を国税に移して、偏在性の少ない消費税を地方税へ移しかえるとか、あるいは偏在性の少ない税目を地方税として、偏在性の大きな税目は交付税の原資に入れかえるとか、あるいは地方法人課税における分割基準の見直し、地方消費税の清算基準の見直しなどについて検討することが必要だと思っております。
また、ふるさと納税制度については、現行の寄附金控除制度の抜本的な拡充なども含めて、税源偏在是正のための手法と一体的に検討されるべきだと思っております。
また、どんな税制をとりましても、やはり税源の偏在というのはどうしても残りますから、御指摘のとおり地方交付税が大事でありまして、地方税、交付税を合わせた地方一般財源の充実を図っていくことが大切であると思います。
私が、この4月中旬から全国知事会の
地方税制小委員会の委員長ということにもしていただきましたので、おっしゃるとおり、何とかこの偏在の問題が是正されるように努力していきたいと思います。先般も、知事会でも議論しまして、「骨太の方針2007」に反映されるように働きかけも行いまして、今月12日に公表されました骨太方針の原案では、「法人2税を中心に税源が偏在するなど地方公共団体間で財政力に格差があることを踏まえ、地方税のあり方や国と地方の間の税目、税源配分(地方交付税財源を含む)の見直しなど、地方間の税源の偏在を是正する方策について検討し、その格差の縮小を目指す。」ことが盛り込まれたところであります。
私はやはり一歩前進したなと思っておりまして、税制改正は、年末にかけましてさらに議論が深まると思います。また、率直に言って、大都市圏の都府県とは大分意見が違う面も出てくると思いますが、いろいろと調整もいたしまして、何とかこれは国全体の立場から是正が実現するように、いろんな方面に働きかけましてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
次に、並行在来線についての御質問についてお答えをします。
昨年実施しました将来需要予測調査の結果によりますと、北陸本線県内区間の輸送密度は、17年度は1日8,700人ということでありまして、先行の4つの並行在来線と比較しますと、しなの鉄道とほぼ同様でありまして、他の3路線よりはかなり高いと言えます。しかし、しなの鉄道も実は厳しい経営環境に直面していること、また今回の調査結果のとおり、沿線人口の減少──日本全体の人口が減るという傾向にありますので、またモータリゼーションの進展によりまして、将来需要が減少せざるを得ないと考えられることから、並行在来線の経営はなかなか厳しいんじゃないかと考えております。
並行在来線の安定的な経営のためには、まず第1に、コスト縮減や収入確保等の経営努力が必要となりますが、北陸本線は地域住民の日常生活を支える重要な路線であるということと同時に、現在1日約40本の貨物列車が走行しておりまして、主として北陸と関東、あるいは北海道と関西を結ぶ貨物列車の大動脈になっている。そういう広域的、幹線的な
物流ネットワークを支えているという、こういう役割を考えますと、その経営について、基本的に沿線の地方公共団体の責任でやりなさいということではなくて、国がやはり全国的な観点から、もっと必要な支援措置を講じていただいていいんじゃないかと私は考えております。
そのため、本県の重要要望の一つとしまして、並行在来線の安定的な経営の確保を図りますために、現行では制度がないんですけれども、初期の投資に対する支援及び既存の補助制度──補助率の嵩上げ等──の拡充強化。また、JRから資産譲渡を受ける場合に格別に配慮してもらう。あるいは税制上の優遇措置の延長なり、地方財政措置の充実。また、JR貨物から並行在来線の運営会社に支払われる線路使用料における対象経費の見直し──もう少し使用料を払ってくださいと、こういうことです──などについて必要な支援措置を講じられますように国に対して要望しているところであります。
先月29日に北陸新幹線建設促進同盟会として、今ほど申し上げた内容について政府・与党に要請活動を行いました。また、先月31日にいろいろとお願いをしまして、与党の整備新幹線建設促進プロジェクトチームをつくってもらったわけですけれども、その初会合の場に出席して、関係の国会議員の皆さんに同様の趣旨を御説明したところでございます。
これからもさまざまな形で、何とか県議会の皆様方の御支援、御協力もいただきながら、また関係県と協力して、国やJRに対して強く要請してまいりたいと思っております。
次に、本県農業を持続可能なものとして確立していくべきではないかという御質問にお答えいたします。
本年度から実施されております国の
品目横断的経営安定対策等の農政改革は、我が国の農政を大きく転換するものでありまして、米づくりが主体で兼業農家が圧倒的な多数を占める本県農業・農村が持続的に発展していくためには、1つには、意欲ある担い手が安定して経営を行えるように生業として成り立つようにする。2つには、兼業農家も含めた集落全体で経営基盤となる農地と用排水路などの維持管理に取り組んで、農村社会がしっかりと維持されて、そこに暮らす人々が生き生きと過ごすことができるようにする。この2つを一体的に推進することが重要だと考えております。
そのために、19年度予算におきましては、ソフト、ハード両面の施策を積極的かつ総合的に推進することとしておりまして、具体的には、担い手を緊急育成するために新たな認定農業者の育成やその経営規模の拡大、集落営農の組織化への支援を強力に進めること、それから担い手に対する経営講座の開催、法人化の推進、経営発展に向けた取り組みを支援すること──農業ニューリーダーの育成ですとか、あるいは法人経営育成強化対策ということで予算もつけております。
2つには、農村集落が持つ機能を維持保全するために、中山間地域等の直接支払い制度や農地・水・環境保全向上対策を活用しまして、農地や農業用排水路の保全管理活動を支援するなどに取り組むことにしております。
さらに、認定農業者などが効率的かつ安定的な経営体への発展を図るために、一層の規模拡大、経営の法人化や複合化に取り組むことが必要であります。このために、普及指導のノウハウを生かしまして、法人化に向けた合意形成、経営計画の作成支援、経営の複合化に向けた品目の選定や生産から販売までの仕組みづくりへの支援などにつきまして、効率的、効果的な普及指導事業を一層充実強化してまいりたいと思います。県内にも、意欲を持ってやろうじゃないかという若手の農業者もなかなか頑張っていらっしゃると思いますし、また分野によって高収益・高売り上げを上げていらっしゃる農家もいらっしゃるわけであります。
いずれにしましても、営農面の指導などソフト事業と生産基盤の整備等のハード事業を一体的、総合的に推進しながら、農家の皆さん、農業者の皆さんが誇りと希望を持って意欲的に経営に取り組み、そして本県の農業・農村がさらに健全な形で発展していくということで努力してまいりたいと思います。
次に、立山・黒部地域の世界文化遺産についての御質問にお答えをいたします。
立山・黒部地域の世界文化遺産への登録の可能性について研究しますために、本年1月に設置した立山・黒部の文化資産調査研究プロジェクトチームにおきまして、これまで立山室堂──室堂小屋ですね、これは国指定の重要文化財になっているわけですが、これ以外の文化資産の掘り起こしを進めておりまして、室町時代の神社建築であります岩峅寺雄山神社前立社壇本殿──これは国指定重要文化財であります。また、平安時代中期から鎌倉にかけての大岩日石寺・魔崖仏(国指定史跡)、それから上市黒川遺跡群(国指定史跡)などを構成要素として加えますほかに、立山砂防、電源開発関連施設の文化財指定の可能性について関係者と協議し、調査を進めているところであります。
今後は、この調査を踏まえまして、立山信仰や立山砂防、電源開発事業などの文化的、歴史的な位置づけや世界文化遺産候補としての提案のコンセプトなどにつきまして、文化財、山岳信仰、近代土木施設などの専門家や関係自治体をメンバーとする有識者懇談会を開催しまして、世界文化遺産への登録の可能性について検討し、登録の要件を充足するとの十分な論拠、立論が可能ということになれば、9月末の締め切りまでに提案書を取りまとめたいと考えております。
また、県民の立山・黒部の貴重な文化資産に対する理解や認識を深めていただくために、その価値を内外にアピールしていくこと、そういう運動も大変大事じゃないかと思っておりまして、今月24日に、文化庁の文化審議会世界文化遺産特別委員会の委員でもいらっしゃる西村東京大学教授らを招きまして、世界文化遺産セミナーを開催することにしております。
近年、ユネスコの世界遺産委員会は新しい遺産登録を抑制する傾向にありまして、例えば石見銀山遺跡が──イコモスと言っていますが、国際記念物遺跡会議からことしの登録延期を勧告されておりますとか、なかなか厳しくなっておりますので、本県の立山・黒部地域の世界文化遺産の登録というのはなかなかハードルが高く、容易ではないのではないかと考えられます。
しかしながら、この登録可能性調査は、立山・黒部地域が美しい世界的な山岳景観や豊かな自然環境に恵まれているだけではなくて、701年の開山以来の立山信仰、昨年100周年を迎えた立山カルデラの砂防事業、昭和初期の発電施設等歴史的、文化的な面でも世界的な評価にふさわしい重要な価値を有することを、県民はもとより、内外の幅広い皆様に再発見、再認識していただくよい機会であると考えております。
今後、関係市町村、文化資産の施設管理者、立山黒部を愛する会の皆さん──県議会でもたくさんメンバーがいらっしゃいますけれども、こうした皆様と十分連携をしながら機運の醸成を進めまして、当面だけじゃなくて、中長期的に粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。
次に、近世高岡の文化遺産群の再提出に向けた検討状況についての御質問にお答えします。
県と高岡市が昨年共同提案して継続審査になっているわけですけれども、その際、文化庁から指摘された課題として、他の提案の中に類似するものがあって、城下町としての位置づけについて再検討すること、瑞龍寺や勝興寺以外に町並みや街道などさまざまな資産を掘り起こすことなどが挙げられております。
そこで、今後の対応として、高岡ならではの文化遺産としての特徴を見出す、高岡に残る多くの歴史的な遺産についてその価値を見きわめて、提案の内容を充実させることなどが必要と考えております。
このことから、近く高岡市と共同で建築学や歴史学の有識者から成る近世高岡の文化遺産群調査研究会議を設けまして、年末に予定されている再提案に向けて、専門的立場から、高岡の特徴をあらわすコンセプトとともに、追加する資産について提言いただくことにしております。
具体的に言いますと、勝興寺、瑞龍寺などに追加する資産として、慶長14年開町以来の城下町としての魅力に加えまして、高岡の御車山、また伝統的建築物群の山町筋といった町衆文化の遺産、金屋町や高岡大仏といった商工業にかかわる遺産、大伴家持に代表される越中万葉の歴史の文化などもありますので、先ほどの近世高岡の文化遺産群調査研究会議で十分御検討いただいて、提案の内容を充実させたいと思います。
また、御指摘のとおり、6月1日に世界文化遺産をめざす高岡市民の会が設立されておりますが、県としましては、これが全県的な一層の盛り上がりになりますように、高岡市とともにフォーラムを開催したいと考えております。
今後とも、高岡市や関係団体と連携を密にしまして、高岡の文化遺産群の魅力を訴えて、登録に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
次に、医師不足について、県内の地域間における医師の偏在解消の取り組みについての御質問にお答えをします。
県内の医師ですけれども、16年12月末の医師数は2,386人で、人口10万人当たりで見ますと213.6人と、全国平均が201.0人ですからかなり上回っているわけであります。また、最も医師数が多い富山医療圏と最も少ない新川医療圏とでは、お話にありますように約1.5倍の差を生じておるんですけれども、議員も御承知かと思いますが、本県は地域間の差が全国で最も小さい県となっておりまして、最も医師数が少ない新川医療圏でも人口10万人対比で167.5人でございまして、実は新潟県や岐阜県の平均の医師数を上回っているという状況にございます。
しかし、私は、もちろん県民だれもが身近な地域で必要なときに安心して質の高い医療を受けられるということが大事でありますから、県内の医師の偏在をできるだけ小さくしていきたい。そのためには、まずは県全体として必要な医師を確保する。病院における医師不足の解消を図っていくことが大変重要だと思っております。特に16年度から新しい医師の臨床研修制度が導入されたこと等に伴いまして、若い医師が大都市圏に集中する。結果として大都市圏と地方圏に格差が生じている。そこで、昨年11月に安倍総理にも私から直接お願いをいたしまして、医師臨床研修制度における大都市圏と地方圏の格差是正についての要望を行いました。また、去る6月3日には県選出の国会議員の皆さん、自由民主党の中川秀直幹事長にも要請を、これは関係の皆様と一緒にしたところでございます。
県としても、現在、総合的な医師確保対策に取り組んでおりまして、具体的には、まず医学生に対して医学生修学資金貸与制度──これは小児科、産科等の特定診療科枠に加えまして、新たに県内公的病院での勤務を志望する医学生を対象とする枠を創設しております。
また、4月に大阪と金沢で開催されました医学生向けの就職説明会におきまして、県内医療機関と共同でPRを行いましたが、かなり手ごたえがあったと聞いておりますし、7月には東京会場でも県も参加してやりたいと思っております。
さらに、若手医師や女性医師を対象としまして、医師が不足しております公的病院における後期研修医の確保を支援するために、その病院の後期研修医が県立中央病院で一定期間の研修を行う事業を進めるとともに、新たな研修方式として、県立中央病院と医師不足病院での研修を組み合わせた、いわば富山型の後期研修システムの創設に向けて検討会を設置し、プログラムの内容等について検討していきたいと思っております。
また、女性医師のキャリアの維持向上を支援するモデル事業に取り組む病院を選定いたしまして、支援をするということにしたいと思います。
今後とも、富山大学医学部、公的病院、県医師会等との連絡を密にしまして、何とか医師確保に努めたいと思っております。
次に、県単独医療費助成制度についての御質問にお答えをいたします。
この問題につきましては、御承知のとおり医療費助成制度のあり方懇談会での議論が続いているわけですが、この検討の参考にしていただくために、県と市町村と医療機関等の実務関係者によります「県単独医療費助成制度に関する実務等調査・研究チーム」を設置しまして、去る5月31日の第8回の懇談会に報告しております。
主なポイントとしては、所得制限につきましては、所得制限を導入するとした場合の所得基準について、受給申請者の負担や効率的な所得捕捉システムの活用など、市町村と十分協議が必要だと。また、支給方法については、償還払い振り込み方式を導入するとした場合、具体的な事務処理方法なり、手数料、電算システムの見直しなどについて関係機関の協力体制の構築が必要である。また、制度の存続等の実務的課題としては、65から69歳軽度障害者について、仮に制度を継続する場合には、国の医療制度改革に伴って、20年4月から、70から74歳の一般所得者の本来の自己負担が1割から2割に引き上げられることを踏まえた対応が必要となることなどでございます。
また、あり方懇に報告された、本年3月に県が実施した医療福祉に関する県政モニターアンケートの主なポイントでございますが、妊産婦への助成については、「一定の所得制限を設けた上で継続したほうがよい」と答えた方が46%と最も多かったと。また、65歳から69歳軽度障害者への助成については、「一定の所得制限を設けた上で継続したほうがよい」と答えた人が60%と最も多いと。また、所得制限については、「負担能力のある方には負担していただくべきであり、所得制限を導入したほうがよい」と答えた人が65%と最も多いと。また、支給方法については、「患者が一たん支払うが、市町村に申請することなく、自動的に助成金が振り込まれる償還払い振り込み方式にしたほうがよい」と答えた人が55%と最も多いと。また、制度の存続については、「制度創設の趣旨、その後の推移を踏まえて、制度によっては廃止、縮減など必要な見直しを行うほうがよい」と答えた人が68%と最も多いと、こういう結果になっております。
第8回懇談会におきましては、こうした報告を受けて議論が深められまして、今後、懇談会として、制度の実施主体である市町村の意向把握を行った上で最終報告について議論をされると、こういうことを決められたと聞いております。
いずれにしましても、県としては、今後懇談会において、市町村の意向把握結果をもとにさらに議論を深めていただいて、最終報告を取りまとめていただく。それを受けまして、制度全般のあり方について県議会──従来もいろいろ御議論いただいておりまして、きょうもいろいろ御意見をいただきました。また、市町村、関係方面と十分協議しまして、県民の皆さんの声に耳を澄ませまして、適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、妊産婦医療費助成制度についての御質問にお答えをいたします。
昨年6月の医療費助成制度あり方懇談会の中間整理では、この妊産婦医療費助成制度につきましては、医療技術の進歩なり、母子保健対策の充実などによって妊産婦死亡率、新生児死亡率ともに大幅に低下していること。それから全国的にもこうした妊産婦についての助成制度を持っている実施例が少ないと。本県を含めて4県だといったことから、基本的には制度を廃止してもよいのではないのかとされる一方で、少子化対策・子育て支援の要請が大きく、これを考慮して継続すべきとの意見もあることから、慎重な対応が求められるとの考え方もあわせて示されております。
先ほども申し上げましたが、本年3月に実施した県政モニターの皆さんに対するアンケートでは、この妊産婦医療費助成制度については、「一定の所得制限を設けた上で継続したほうがいい」という答えが46%と最も多いという結果が出ているところであります。
また、厚生労働省が毎年発表します人口動態統計によりますと、年によって変動がありますけれども、ちょっと残念なんですが、昨年の本県の周産期死亡率が全国で最も高い。出産1,000に対して6.8と。その前の年は4.0で42位。死亡率の高いほうからいうと、42位と随分低かったんですが、かなり変動はあるんですけれども、昨年は最も高くなってしまった。また、新生児死亡率についても、率自体は従前に比べて大幅に低下しているんですが、他県と比べて高い状況になっております。
こうした原因は、現時点では必ずしも明らかでないわけですけれども、懇談会においては、こうした指標の状況も参考に議論が進められるんではないかと考えております。
いずれにいたしましても、懇談会での最終報告の取りまとめを待って、先ほど申し上げましたように、県議会を初め市町村、関係方面と十分相談をして、また県民の皆さんの声に耳を澄まして、適切に対処してまいりたいと思います。
最後に、環境問題についての御質問にお答えをします。
先般、ドイツで開催されましたサミットにおきましても地球温暖化対策が主要議題とされますなど、地球規模での環境問題について国内外での関心が急速に高まっております。こうした問題に対して、現在の経済や社会のあり方を見直し、環境への負荷の少ない持続可能な社会を構築していくために、国レベルの取り組みに加えまして、地域における環境保全の取り組みが大変重要だと考えております。
県では、これまでも安心とやまの実現を目指しまして、循環型・脱温暖化社会の構築に向けて積極的に取り組んでおりまして、その結果、例えば環境に配慮した生活様式「エコライフスタイル」の実践に向けて展開しております「とやまエコライフ・アクト10宣言」キャンペーンにおきまして、これまで4万8,000人を超える皆さんに宣言をいただいておりますように、これは全国のレベルでいうと相当高いほうでございます。県民の皆さんの環境への意識、関心が確実に高まっておると思っております。
今後さらに、温暖化対策を初めとする環境問題への対応を一層進めていくためには、あらゆる活動主体が連携協力して、県民総ぐるみで取り組むことが必要だということで、環境とやま県民会議を去る6月10日に設立をしたところであります。
具体的に何をやるかということでありますけれども、環境教育や家庭での実践を促進する取り組みを拡充するとともに、本年度新たに、県民や事業者が取り組むべき効果的な温暖化防止活動の指針の策定、活動の参考となるガイドブックの配布、北東アジアの中学生が富山に集まって環境問題について学び、意見を交換する青少年環境保全リーダー会議の開催、廃棄物の3Rの推進に向けて事業者等の理解を深めるための国連大学と連携したゼロエミッションフォーラムの開催に取り組むこととしておりまして、こうした取り組みを通じて、県民の環境問題への理解と意識の醸成、実践を進めていきたいと思っております。
また、先般、県内の主要スーパーマーケットや消費者団体、行政機関から成りますレジ袋削減推進協議会を設けました。今後、この協議会を中心としまして、県民の皆さんと事業者の理解、協力を得ながら、年間3億枚と言われております県内のレジ袋の削減が推進されますように、県としても啓発広報に努めていきたいと思っております。
また、ことしの冬に日本、中国、韓国の環境大臣、3大臣会合が、首都以外では初めて富山県富山市で開かれる方向になっております。これにあわせて北東アジア地域の自治体や経済団体、大学等の関係者に集まっていただいた北東アジア環境パートナーシップ推進事業等も行って、環境問題についての意識を高めていきたいと思っております。
いずれにしても、環境問題は、議員が御指摘されますように大変大事な問題であります。これから環境とやま県民会議を中心としまして、あらゆる機会を通じて県民参加を促すということで、循環型・脱温暖化社会の構築の実現に向けて、県民の皆さんと手を携えて努力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
8 ◯議長(仲 外喜雄君)
藤木知事政策室長。
〔知事政策室長藤木俊光君登壇〕
9 ◯知事政策室長(藤木俊光君)答弁に先立ちまして、一言ごあいさつ申し上げます。
去る4月1日付をもちまして、知事政策室長を拝命いたしました藤木でございます。
もとより微力でございますが、今後とも県勢発展のため全力を尽くしてまいりたいと思っております。引き続き、議員の皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
それでは、答弁に入らせていただきます。
1点目は、
自主防災組織に関する質問でございます。
災害による被害を最小限に抑えるためには、地域住民の自助、共助による地域防災力の向上が不可欠であり、そのかなめは
自主防災組織であると考えております。
自主防災組織は、地域住民が「自分たちの地域は自分たちで守る」という自覚や連帯感に基づき自主的に結成される組織でありますが、本県の組織率は平成19年5月現在で51.2%、全国平均が66.9%でございますので、これに比べて低いものとなっております。
こうしたことから県では、17年度から5カ年間の計画で重点的に組織整備を推進するため、
自主防災組織への防災資機材等の整備を支援する地域防災力向上支援事業を行っておりますが、まだ十分でない組織化ということでございますので、引き続き努めてまいりたいと思っております。
本県における
自主防災組織の組織単位といたしましては、町内会単位のものが全体の87.5%と最も多くなっております。ほかに小学校区、自治振興協議会単位のものもある状況にございます。議員御指摘のように、基本的には住民にとって最も身近で、災害時にもきめ細かな対応のできる町内会単位というのが望ましいと考えておりますが、市町村では地域における実情、特性に合った形で組織化する必要があるというふうに考えておりまして、こういった考え方があることから、小学校区、自治振興協議会単位としているところもあるというふうに承知しております。
いずれにいたしましても、こうして単位の考え方はあるわけでございますが、
自主防災組織としての組織化を図るということがまずは肝要でありまして、その後その活動を進めていく中で、災害時に十分対応できるような体制になることを期待しているところでございます。
続きまして、「元気とやま創造計画」──新しい総合計画──の県民への周知ということについて御答弁申し上げます。
議員御指摘のように、今回の総合計画に関しましては、県のみならず、県民、関係者が一体となってその実現を図っていく、目標を共有し、目標を実現していくという計画になっております。このため、この計画の内容について広く県民の皆様に周知していただく、よく理解していただくということが必要だと思っております。したがいまして、県といたしましても、今後その計画内容の周知、広報に大いに力を入れていきたいというふうに思っております。
具体的には、1つは、この新しい総合計画を題材にいたしましてタウンミーティングを開催する。それからこの計画の普及版を全戸配布ということをさせていただく。また、概要版に関しまして、これを作成いたしまして必要な機会、会合等で配布させていただく。また、ホームページも充実させ、ホームページにおいても、こうした計画の内容について閲覧可能とするといったような工夫を凝らしてまいりたいというふうに思っております。
今後ともこうした努力を重ねまして、この新しい総合計画が多くの県民の皆さんに理解していただけるよう努めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
10 ◯議長(仲 外喜雄君)
吉田警察本部長。
〔警察本部長吉田光雄君登壇〕
11 ◯警察本部長(吉田光雄君)まず、警察力の向上と治安対策の強化についてお答えします。
平成14年の誤認逮捕事案や昨年の警察官による酒気帯び運転事案はまことに遺憾であり、あってはならないことだと認識しております。これら事案によって、県民の警察に対する信頼感を揺るがしたことについて厳しく反省し、二度とこのようなことがないよう、県警察を挙げて緻密な捜査の推進に努めているほか、職員の身上把握と職務倫理教育の徹底を図るなど、再発防止に全力で取り組んでいるところであります。
本県の治安情勢は、刑法犯認知件数が平成14年以降5年連続して減少するなど、治安回復に向けて成果が認められるものの、昨年の刑法犯認知件数は、依然として10年前の約1.2倍という高い水準にあるほか、本年に入りましても、殺人や強盗事件などの凶悪・悪質犯罪の発生を見るなど、厳しい情勢にあると認識しております。
このような治安情勢等に対応するため、大量退職に伴う若手警察官の早期戦力化、来日外国人犯罪に対応する国際捜査官等の育成、交番機能の充実など警察力の向上に努めるとともに、港湾地区特別捜査隊の新設による不法事案の取り締まりの強化、DNA型鑑定など科学捜査の推進などのほか、523隊約3万8,000人の民間パトロール隊との協働した犯罪抑止活動を強化するなど、治安対策の強化に取り組んでまいる所存であります。
私は、警察本部長として着任以来、全職員に対し、県警の運営の基本である県民の期待と信頼にこたえる力強い警察を実現するため、1つには、警察の使命や責任を念頭に置き、強さと優しさ、思いやりを基本に警察活動を進めること。2つには、常に県民の目線で仕事をするよう心がけること。3つは、総合力が発揮できる体制を構築すること。4つには、やりがいと生きがいを持てる職場をつくることについて指示し、取り組ませているところであります。
いずれにいたしましても、県民の安全を守るため、私が全警察職員の先頭に立ち、一丸となって犯罪の抑止と検挙に取り組み、あらゆる面で目に見える成果を上げ、県民の期待と信頼にこたえてまいる所存であります。
続きまして、違法銃器の状況、暴力団等の撲滅についてお答えします。
まず、4月の暴力団幹部による長崎市長銃撃事件を初め、東京都内や愛知県内において暴力団によるけん銃使用事件が相次ぎ、尊い命が犠牲になっております。まさに、暴力団の凶暴性と社会に深く浸透する銃の恐怖が示された事件であると考えております。
本県においては、平成12年の高岡市内における暴力団組長夫婦銃撃事件以降発生しておりませんが、17団体約570人の暴力団関係者が存在し、違法銃器につきましても、昨年は1丁の押収でしたが、ここ10年間で37丁を押収しているところであります。
ちなみに、全国では昨年458丁、10年間で8,235丁を押収しております。押収丁数は、最近はけん銃の隠匿方法が巧妙化していることなどから、全国的に大幅に減少しているのが現状であります。
次に、銃器犯罪と暴力団の撲滅についてであります。
県警察では、銃器犯罪、暴力団の壊滅に向け、次の3点を重点に取り組んでおります。
第1は、暴力団からのけん銃摘発についてであります。
けん銃使用事件のほとんどは暴力団等によるものであり、暴力団が管理するけん銃を押収することを第一に、暴力団が隠匿するけん銃及び武器庫を摘発すること、暴力団をあらゆる法律を駆使して検挙し、突き上げ捜査を徹底することなど、積極的に取り組んでいるところであります。
第2は、水際対策についてであります。
全国で押収されるけん銃のほとんどは海外から密輸入されたものであります。本県は伏木富山港を有しており、海外からのけん銃を水際で遮断するため、税関、海上保安部、入国管理局等と容疑船の把握や情報交換、密売組織を摘発するための合同訓練など、連携を図っているところであります。
第3は、暴力団排除活動についてであります。
暴力団の資金源を遮断するため、みかじめ料などの要求に応じない歓楽街対策、公共工事及び行政からの暴力団排除活動など、強力に推進しているところであります。
県警察といたしましては、けん銃と暴力団の脅威から県民を守るため、引き続き関係機関・団体と連携を強化し、鋭意、銃器犯罪、暴力団の壊滅に向け取り組んでいく所存であります。
12 ◯議長(仲 外喜雄君)
荻澤経営管理部長。
〔経営管理部長荻澤 滋君登壇〕
13 ◯経営管理部長(荻澤 滋君)答弁に先立ちまして、一言ごあいさつ申し上げます。
去る4月1日付をもちまして、経営管理部長を拝命いたしました荻澤でございます。
もとより微力ではございますけれども、職務に全力を尽くしてまいりたいと思いますので、引き続き御指導、御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
まず、行政対象暴力についてのお尋ねでございますけれども、行政対象暴力につきましては、県の円滑な行政運営を脅かすリスクというふうにとらえておりまして、違法、不当な要求には県として応じないという毅然とした姿勢で対処してきたところでございます。
これまでも、1つには職員個人の対応能力の向上、また2つには組織を挙げての対応に努めてきたところでございます。
具体的には、まず職員個人の対応能力の向上でございますけれども、平成15年度から新任所属長代理研修におきまして、県警職員を招きまして暴力対策の講義を実施しているほか、本庁、出先機関の所属長代理、また県立学校におきましては事務部長など、236名を不当要求防止責任者として選任いたしますとともに、この不当要求防止責任者講習を実施しているところでございます。このような形で、職員が不当要求を受けた場合に的確な対応ができるよう努めてきているところでございます。
次に、組織としての対応でございますけれども、まず1つには、要求を受けた職員は直ちに不当要求行為等対応責任者、所属長に報告をすること。所属では速やかに関連部局とも協議の上対応方針を決定すること。また、警察、暴力追放運動推進センター、顧問弁護士とも連携協力しながら、県の組織として要求を拒絶すること。特に重大な事案につきましては、経緯、結果等を県危機管理連絡会議に報告して、対応実例の蓄積、情報の共有を図るということを職員に周知徹底してきたところでございます。
これらの対応によりましておおむね適切に対応しているというふうに考えておりますけれども、今後さらに、ことしの8月に行われます新任所属長研修におきましては、ロールプレイング方式による模擬訓練等も暴力対策講座に盛り込みまして、より効果的な研修の実施、またその機会を増やすこと、また不当行為に対する組織的な対応を行うためのマニュアルの作成、県警、暴力追放運動推進センターとの定期的な情報交換による連携の強化など、不当要求に対する職員個人の対応能力の向上、組織的な対応能力の強化を図りまして、行政対象暴力の根絶に努めたいというふうに考えております。
次に、元気とやま創造計画の推進に関連いたしまして、市町村への権限移譲、民営化、民間委託についての方針についてのお尋ねでございます。
限られた人員、財源の中で県民福祉の維持向上を図るとともに、元気とやま創造計画を法律的に推進していくためには、行政と民間、あるいは県と市町村とが適切な役割分担のもとで、おのおのが担うべき役割を十分に果たしながら、相互に連携協力していく必要があることは、御指摘のとおりでございます。
まず、県と市町村の役割分担につきましては、福祉、まちづくり、消防、一般廃棄物処理など、より住民に身近な市町村が実施したほうが住民の利便性が向上するもの、市町村の自主性、自立性の向上が図られるものなどにつきましては、市町村が処理することにしまして、県は市町村の区域を超えるより広域的な対応が必要なもの、より高度な専門性が求められるもの、先駆的なもの等を担っていくことが重要であるというふうに考えております。
次に、民間との役割分担につきましても、民間で実施できることは民間にゆだねるということを基本といたしまして、民間活力を生かして、効果的、効率的なサービスを提供できるものについては積極的に外部委託、NPO等との協働を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
元気とやま創造計画におきましても、県、市町村、団体、企業、そして県民が力を結集して、目標とする県づくりを進めていくことを基本にしております。例えば少子化対策・子育て支援につきましては、県は地域全体で子育てを応援する機運の醸成でございますとか相談体制の充実を担う一方、市町村には地域の実情に応じた子育て支援施策の充実、また企業には子育てをしやすい職場環境の整備、NPO、地域住民の皆さんには地域ぐるみで子育てを支え合う交流、活動の実践といった役割を期待しているところでございます。
いずれにいたしましても、厳しい行財政環境の中で、県といたしましては、行政本来の役割をしっかりと果たせる体制を確保するために、引き続き行財政改革を推進いたしますとともに、今後とも市町村、民間からの御意見等も伺い、連携を図りながら適切な役割分担を進めてまいりたいというふうに考えております。
以上です。
14 ◯議長(仲 外喜雄君)
植出公営企業管理者。
〔公営企業管理者植出耕一君登壇〕
15 ◯公営企業管理者(植出耕一君)答弁に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。
去る4月1日付をもちまして、公営企業管理者を拝命いたしました植出でございます。
本県の公営企業を取り巻く環境は極めて厳しいものがありますが、事業運営における経済性の発揮に努めますとともに、県民福祉の向上を図ることを基本といたしまして、微力ではございますが、事業の進展のために力いっぱい取り組んでまいる所存でありますので、どうか、議員の皆様方におかれましては、格段の御指導、御鞭撻を賜りたく、よろしくお願いを申し上げます。
それでは、企業局の運営方針等に対する御質問でございます。
企業局では、河川総合開発事業に沿革を有する電気事業、水道用水供給事業者として4市に用水を供給する水道事業、県の産業基盤の一翼を担う工業用水道事業及び地域開発事業の4事業を実施いたしております。県民生活の向上や富山県の発展に大きな役割を果たしてきたものと考えております。
企業局といたしましては、これまで計画的に経営の健全化、効率化に取り組んできておりまして、その結果、各事業の経営は、近年黒字基調で推移をいたしております。
しかしながら、国、地方をめぐる行財政環境は厳しさを増しております。そのため企業局といたしましても、電気事業につきましては、現在進められている電力小売自由化に対応した経営の効率化、水道事業につきましては未稼働資産の取り扱い、工業用水道事業につきましては新規需要の開拓、地域開発事業につきましてはスキー場事業廃止に伴う債務処理など、さまざまな課題に対応していく必要があるというふうに考えております。
今後、これら課題の処理に全力で取り組みますとともに、これまで以上に危機意識を持って一層の経営効率化を進めていきたいと考えております。現在進めております発電管理所統合などの組織のスリム化でございますとか、業務の一層の民間委託の推進というふうなことに努めてまいりたいというふうに考えております。
また、近年の環境問題意識の高まりに対しまして、中小河川、農業用水などの未利用落差を利用した小水力発電の検討にも積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
また、御質問にございます水道、工業用水道の地震災害等に対する備えでございますが、水道、工業用水道が県民生活や産業活動にとっての重要なライフラインであるというふうなところから、これまで耐震補強工事などを計画的に進め、安全の確保に積極的に取り組んできておるところでございます。
特に、浄水施設につきましては17年度から耐震工事を進め、和田川浄水場の浄水池更新工事、子撫川浄水場の沈殿池、ろ過池の耐震補強工事などを実施してきたところでございます。さらに、送配水管路につきましても、老朽化に対応いたしまして、18年度から管路の健全性調査を実施いたしております。今後、計画的に対策工事を進めてまいりたいというふうに思っております。
あわせまして本年度、ダムからの緊急用の代替導水ルート、代替施設設備の確保等につきましても研究を行うことといたしております。
いずれにいたしましても、企業局が質の高い電力、水を安定的に供給しながら県民の期待にこたえていくためには、施設設備の安全性の確保はもとより、経営の健全化、効率化を一層推進し、経営基盤の強化を図るとともに、先見性を持って新しい課題にも積極的にこたえていくことが必要であるというふうに考えております。
今後とも、県民の福祉の増進と地域社会の発展に積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
16 ◯議長(仲 外喜雄君)埴生土木部長。
〔土木部長埴生雅章君登壇〕
17 ◯土木部長(埴生雅章君)元気とやまの創造についてのうち、道路整備の中期計画についての御質問にお答えをいたします。
国土交通省では、昨年12月に閣議決定された「道路特定財源の見直しに関する具体策」に基づき、本年中に今後の具体的な道路整備を示した中期的な計画を策定することとされております。
この計画では、真に必要な道路整備について、中期的な整備目標とその達成に必要な事業量を明示することになると聞いております。
この計画を策定するに当たり、去る5月に国土交通省から全国の知事や市町村長に対して意見聴取がなされたところでありますが、これに対しまして、本県からは、まず広域交通ネットワークの整備を初め、雪や災害に強い安全で安心な暮らしを支える道づくりが大切であること、それから橋梁の長寿命化など計画的、効率的な維持管理が重要であること、また地方の意向を十分に反映した計画策定と道路整備財源の充実強化が必要であることなどを初め、本県が今後必要とする道路政策等について訴えたところであります。
国においては、あわせて国民各層に対してもアンケート調査が実施されているところでありまして、今後、これらをもとに素案が作成され、さらに県や国民各層からの意見聴取を経て、年内には国の長期計画が策定される予定と聞いております。
県といたしましては、今後、国の作業の進捗状況も見ながら、市町村や道路関係団体とも連携いたしまして、本県の実情が十分反映されたものとなるよう、国に対し地方の道路整備の必要性をさらに強く訴えてまいりたいと考えております。
18 ◯議長(仲 外喜雄君)
斉藤商工労働部長。
〔商工労働部長斉藤俊明君登壇〕
19 ◯商工労働部長(斉藤俊明君)答弁に先立ちまして、一言ごあいさつ申し上げます。
去る4月1日付をもちまして、商工労働部長を拝命いたしました斉藤でございます。
産業の活性化、雇用の確保安定に誠心誠意取り組んでまいる所存でございます。議員の皆さんには、格段の御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
それでは、元気とやまの創造のうち、企業立地についての御質問にお答えいたします。
本県など地方の働きかけで制定されました企業立地促進法は、地域が持つ特性、強みを生かした企業の新増設、企業立地を促進し、地域経済活性化の実現を目指すものであります。この法律では、県が市町村とともに協議会を設置し、集積させる区域や業種などを盛り込んだ基本計画を策定することとなっており、県では去る4月16日に、市町村、経済団体等から成る
地域産業活性化協議会を設立し、その基本的方針を協議したところであり、全国に先駆けて基本計画を策定し、国の同意が得られるよう検討を進めているところでございます。
業種につきましては、本県の産業集積や高いものづくり技術などの強みを生かし、さらに高い成長が見込める業種を選定することとし、具体的には、1つには、半導体や電子部品等の先端産業を担う部材メーカーが県内一円に集積しているIT関連製造業、2つには、生産拠点が多く立地し、産学官の連携による医薬バイオ技術の研究が進む医薬品関連製造業、3つには、全国一のアルミの産地を形成していることや、工作機械、輸送機械部品などの優良なメーカーが数多く立地している機械・金属関連製造業を、協議会において選定したところであります。
企業立地を進めるに当たっては、工場用地の確保整備、優秀な人材の確保、周辺企業との取引面などで市町村や関係団体との連携が非常に重要であり、今後とも一層の連携を深めていくことが必要であると考えております。
また、企業の立地に当たっては、原材料や製品の輸送面からそのコストや利便性を重視する企業も多くあり、伏木富山港の航路の充実や利用の拡大、共同輸送の促進など物流戦略の諸施策を進めるとともに、整備が進む伏木富山港や
東海北陸自動車道の全線開通などもメリットとして強調しながら、企業誘致に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
以上でございます。
20 ◯議長(仲 外喜雄君)
寺林農林水産部長。
〔農林水産部長寺林 敏君登壇〕
21 ◯農林水産部長(寺林 敏君)元気とやまの創造についてのうち、グリーン・ツーリズムなど既存事業の充実と、国の新たな交付金制度の活用を組み合わせた総合的な
農山漁村活性化対策を今後どのように進めていくのかとの御質問にお答えいたします。
農山漁村は、生産活動を通じて安全・安心な食料の供給並びに国土や環境の保全など多面的な役割を担っている一方、過疎化、高齢化による担い手不足から、その維持が危惧されているところであります。
このため、4月に策定した元気とやま創造計画では、農山漁村の活性化を政策の一つとして位置づけ、地域資源の保全管理と環境に優しい農業の推進、また中山間地域の活性化、さらに都市と農山漁村の交流の推進を重点施策に掲げたところであります。
具体的には、今年度予算において、これまでの中山間地域等直接支払い制度などの実施に加え、新たに、1つには地域ぐるみで農地や環境を保全する農地・水・環境保全向上対策を実施すること、2つにはグリーン・ツーリズムを推進する重点地域を15地域に拡大すること、3つには定住・半定住を推進するとやま帰農塾を県下5カ所で開催することなど、新規事業や既存事業の充実を図ったところであります。
また、さきに国において制定された、「農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律」に基づく農山漁村活性化プロジェクト支援交付金制度は、国が提示するメニューに加え、地域が提案するメニューにも取り組むことができることから、県や市町村の独自性を発揮した農山漁村の活性化を図る上で有益なものと考えております。
この交付金制度により、例えば定住・半定住を推進するとやま帰農塾の拠点施設として廃校や空き家を整備すること、あるいは県のグリーン・ツーリズムの重点地域の指定とあわせて、都市農山漁村交流の拠点施設となる直売所や
農林漁業体験施設などを整備することなどが可能となり、地域の自主性と創意工夫が生かせる使い勝手のよい制度となっていると思っております。
県としては、今後とも市町村と連携し、既存事業との組み合わせを図りながら、新しい交付金制度を活用して、命と暮らしを支える元気な農業と魅力ある地域の形成が図られるよう、総合的、計画的に農山漁村の活性化を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
22 ◯議長(仲 外喜雄君)東野教育長。
〔教育長東野宗朗君登壇〕
23 ◯教育長(東野宗朗君)現在行っております策定委員会における県立高校のあり方検討についてお答えしたいと思います。
現在、県立学校教育振興計画策定委員会におきまして、基本的方向を踏まえまして、各分野の専門家を委員に加えました4つの小委員会を設置し、専門的かつ総合的な検討を進めているところであります。
この検討の基本方針でございますが、御案内のとおり、生徒減少に伴う学校の小規模化によりまして、教員配置、部活動の開設などに多くの課題が生じている現状を踏まえまして、具体的データ、ニーズ調査に基づきまして、県立高校の教育環境等をよりよくする充実の観点から検討をいただいているところでございます。さらに、地域の市町村長など代表者から成る地域小委員会を設けまして、地域における人材養成のあり方も御議論いただき、全体の議論に反映していただくように努めていただいているところでございます。
この1年間におきまして、これら小委員会でございますが、合計14回、策定委員会は2回開催されたところでございます。この検討過程におきまして、委員から議論の過程におきまして、当初予定していなかった教育現場の教員の意見、そして市町村長の代表の意見などをさらに聴取したい。あるいは、探究科など新しいタイプの学科を、書類だけではなくて、各県に実際に行って調べてきて報告するように。南砺総合高校の現地調査を実際にいろいろ詳しく報告するようにといったような要望が出され、検討を重ねてきたところでございます。
検討内容を具体的に申し上げますと、生徒、保護者のニーズや本県産業構造の変化、卒業生の関連進路率の実態などを十分踏まえまして、普通系学科や職業系専門学科の定員割合、そして一部の理数科のあり方、普通科コースのあり方などを含めた検討がなされているところでございますし、今後高校生に求められるみずから考え学ぶ力の養成のためには、どのような形の学科、高校が望ましいのかといったことについても専門的な検討が加えられているところでございます。こうした専門的小委員会の検討状況につきまして、先ほど申し上げました地域小委員会に市町村長や地域関係者が加わっていただいているところでございますが、地域の立場から、さらにそれを御議論いただいているところでございます。
現在、このように小委員会におきましては専門的検討を進め、小委員会としての検討内容を取りまとめました後に、その報告に基づきまして、全体の策定委員会で総合的な角度から検討が精力的に行われることになろうかと考えているところでございます。
今後、最終報告の取りまとめに当たりましては、まず素案をおまとめいただきまして、それに対するパブリックコメントや説明会の実施などによりまして、県民の意見もお聞きしながら最終報告を取りまとめていただきますこともありますので、取りまとめの時期につきましては、当初よりややおくれまして、ことしの秋ごろになろうかと考えているところでございます。
全国学力テストについてお答えしたいと思います。
今回実施されました全国学力・学習状況調査の意義でございますが、全国的な義務教育の機会均等と水準向上という目的達成に向けまして、各市町村教育委員会、学校が、全国的な状況との関係におきまして、みずから客観的なデータに基づき、生活習慣を含めた地域の子供たちの教育施策の成果と課題を把握し、改善を図ることになろうかと認識しているところでございます。
このため、県教育委員会といたしましては、本年4月に県総合教育センターに学力向上推進チームを設置いたしまして、この調査のデータから県全体の傾向や特徴の把握と改善策を検討いたしますとともに、要請のありました市町村──これは個別の生徒のデータは市町村しか持ちませんので、市町村や学校の課題等を分析いたしまして、具体的な改善策も示してまいりたいと考えているところでございます。
具体的に申し上げますと、例えば本県独自の小学校教育研究会、中学校教育研究会、いわゆる小教研、中教研などの教育研究団体の、長年行われてきました授業研究で培われました生徒同士のグループ学習──学び合い、高め合いなどの蓄積を大切にしながら、学習活動のより工夫を行ってまいりたいと考えておりますとともに、本県が誇ります14歳の挑戦に代表されますように、教育熱心な県民性に支えられた地域での体験活動──これは習得した知識や技能を実際に地域に出て使ってみる、インタビューとかそういうことで使ってみるといったことも通しまして、さらに学習活動を深める工夫を図ってまいりたいと考えているところでございます。
今後、こうした本県の伝統ある教育力を踏まえまして、とやま型学力向上プログラムを策定したいと考えておりまして、近く文部科学省が募集いたします特色ある学力改善支援計画にもチャレンジしたいと考えておりますし、さらに各学校にすぐれた指導方法等の普及啓発も図ってまいりたいと考えているところでございます。
いずれにいたしましても、今回の調査の結果を踏まえまして、それぞれの課題、要因をしっかり把握分析し、小教研、中教研などの研究団体と連携し、すぐれた実践例を提案いたしますとともに、訪問指導による助言にもこれらの結果を生かし、市町村教育委員会や学校とともに効果的な授業改善に努めてまいりたいと考えているところでございます。
24 ◯議長(仲 外喜雄君)椎葉厚生部長。
〔厚生部長椎葉茂樹君登壇〕
25 ◯厚生部長(椎葉茂樹君)答弁に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
去る4月1日付をもちまして、厚生部長を拝命いたしました椎葉でございます。
少子高齢化がますます進行する中、県民の皆さんの健康、医療、福祉を守る厚生行政の推進のため、微力ではございますが、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。議員の皆様方の一層の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
それでは、答弁に入らせていただきます。
まず、医療制度改革に伴う一連の計画の策定方針及び地域ケア体制に関する御質問にお答えさせていただきます。
医療制度改革につきましては、我が国の医療制度を将来にわたり持続可能なものとするため、昨年6月、安心・信頼の医療の確保と予防の重視、また医療費適正化の総合的な推進、超高齢社会を展望した新たな医療保険制度体系の実現の3つを柱といたしました医療制度改革関連法が制定されたところでございます。
これに伴いまして、各都道府県におきましては、法定計画といたしまして、1つには、生活習慣病対策の推進に関しましては健康増進計画の策定を、また2つ目でございますが、患者さんの視点に立った安全・安心で質の高い医療提供体制の構築に関しましては医療計画の策定を、そして3つ目でございますが、中長期的な医療費適正化施策に関しましては医療費適正化計画の策定を、それぞれ国のガイドライン等に即しまして策定することとされたところでございます。
まず、御質問の取り組み体制でございますが、昨年9月、厚生部内に県医療制度改革連絡調整会議を設置いたしました。その下に、各計画策定のためのワーキングチームを設けるなど円滑な実施に向けた体制整備を図ったところでございます。さらに今後、それぞれの計画ごとに市町村、学識経験者や保健、医療、福祉関係者等による外部の検討組織を設けまして取り組んでいきたいと考えてございます。
また、取り組みの方針でありますが、まず本県における高齢化の状況、また健康に係る各指標がございます。それから医療提供の実態など、本県の実情を踏まえた計画としたいと考えてございます。
このため、国、市町村、医療関係者を初め医師会などの関係機関と十分に協議、調整を図るとともに、パブリックコメントを実施いたしまして、本年度内の計画策定に向けて取り組んでいきたいと考えてございます。
次に、本県の地域ケアの将来像でございます。
これは地域ケア体制整備構想の中で検討していきたいと考えております。具体的に申しますと、国の基本方針に基づきまして、1つには、およそ30年後までを展望いたしました予防を含めた介護サービスと在宅医療、また住まいや見守りなど地域ケア体制の望ましい将来像とその実現に向けました方策でございます。
2つ目でございますが、療養病床の再編成が進められる平成23年度までの介護サービス等の必要量の見通しをしたいと思います。
3つ目でありますが、この療養病床の転換の推進方策などを盛り込んでいきたいというふうに考えてございます。
また、この地域ケア体制整備構想の策定に当たりましては、まず保健、医療、福祉関係者や市町村等から成ります外部の検討組織を設置するとともに、療養病床を有する医療機関の意向や患者さんのニーズの十分な把握に努めまして、高齢者の皆様方が御本人の希望やその状態に即した適切な介護や医療サービスが利用できる地域ケア体制となるよう、取り組んでいきたいと考えてございます。
続きまして、コムスンの不正に関する御質問に対してお答えさせていただきます。
今回の訪問介護大手のコムスンと親会社グッドウィル・グループの一連の行為でありますが、まことに遺憾でございまして、介護保険制度への信頼を傷つけた責任は大変重いものと考えております。
県内にもコムスンの事業所からホームヘルプサービスやケアプランの策定等のサービスを受けている方が600人近くいらっしゃることから、これまで県といたしましては、利用者の不安を解消いたしまして、引き続き適切な介護サービスが受けられるよう必要な措置を講じてきているところでございます。
具体的には、国から通知のございました6月6日でございますが、直ちに県庁におきまして、コムスンの富山支店長に対しまして、コムスンの事業所が指定の更新を受けられないのは平成20年4月1日以降でございますが、この更新時期まではコムスンが責任を持って現在の利用者にサービスを提供すること、また更新時期以降につきましては、現在の利用者のサービス利用の移行が円滑に行えるよう、責任を持って受け皿を確保することなどを要請したところでございます。
また、利用者からの相談に応じるため、6月7日でありますが、高齢福祉課内におきまして相談窓口を設置し、各種相談を受けているところでございます。
また、一昨日でございますが、厚生労働省で都道府県等の担当者会議が開催されました。この会議におきましては、市町村と連携しながら、利用者の不安を解消するため的確な情報提供を行うとともに、今月中に保険者であります市町村を通じて、受け皿となります事業所の有無等に関する調査を実施するよう要請がなされたところでございます。
県におきましては、本日午後でございますが、市町村の担当者会議を開催いたしまして、この調査の依頼を行うとともに、利用者のサービス確保に向けて、情報交換や今後の対策について協議を行うこととしてございます。
いずれにいたしましても、県といたしましては、国や市町村、関係団体等と連携いたしながら、利用者の不安解消とサービス確保に万全を期してまいりたいと考えております。
最後でございますが、県内の介護人材の状況などに関する御質問にお答えさせていただきます。
平成17年度の県内の介護保険事業に実際に従事する介護職員数でございますが、約1万200人となってございます。一方、県内の主要な福祉人材の養成状況でございますが、平成17年度で、まず介護福祉士登録者数が5,586人でございます。次にホームヘルパー2級取得者数が1万1,805人でございまして、これを合わせますと1万7,400人でございます。養成数につきましては、実際に従事する職員数をかなり上回っている状況にございます。
しかしながら、介護職場におきましては、これは全国的な状況でございますけれども、他の職種と比べまして、介護職の離職率が大変高くなってございます。それから平均勤続年数が短いという状況がございます。また、18年の介護関連職種の有効求人倍率を見ますと、富山県におきましては全職種が1.24、介護関連職種が1.59でございまして、介護職の職員の確保に苦労している状況にございます。
県における人材養成の取り組みについてでございますが、県におきましては、これまでも介護福祉士等を目指す学生に対する修学資金の貸し付けを行いますとともに、県福祉カレッジにおける福祉関連資格の取得を支援する研修でありますとか、県健康・福祉人材センターにおける無料職業紹介の実施や福祉職場説明会の開催でありますとか、県社会福祉協議会におきます福祉施設経営や職員待遇等に関する相談、指導活動などに対して支援しているところでございます。
また、本年度から新たに、県ホームヘルパー協議会の協力を得まして、資格を有しておりますが実際に就業していない方などを対象に、ホームヘルパー人材発掘研修事業を実施することとしてございます。
今後とも、こうした取り組みによりまして福祉人材の養成確保に努めていくとともに、国に対しても、現場の状況を踏まえまして、介護職場が魅力ある職場となるような対策を講じるよう働きかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
26 ◯議長(仲 外喜雄君)暫時休憩いたします。
午後0時15分休憩
─────────────────────
午後1時11分開議
27 ◯議長(仲 外喜雄君)休憩前に引き続き会議を開きます。
菅沢裕明君。
〔31番菅沢裕明君登壇〕
28 ◯31番(菅沢裕明君)社民党議員会を代表して質問を行います。
4月の県議選後初めての議会であります。県議選を通して県民の皆さんから寄せられた期待や要望を踏まえ、県政のあり方をただし、また提案もしてまいりたいと思います。
さて、質問に入る前に、発言したいことがあります。
最近明らかになった5,000万人を超える国民の「消えた年金問題」であります。政府の責任は重大であります。被害者は国民であり、救済策がしっかりとられなければなりません。また、コムスンの問題も、介護事業を営利にゆだねた政治の責任は重いと考えます。そしてまた、松岡大臣が自殺をしても、「政治とカネ」の問題は解決をしておりません。いずれの問題も、政府・自民党の責任が問われ、現在の政治の行き詰まりを示しております。
6月から多くの世帯で住民税が大幅に増加し、生活悪化に拍車がかかります。多くの国民は生活の困難、格差拡大を実感いたしております。他方で、集団的自衛権を認め、外国で戦争できる国づくりへ、憲法改正を参院選の争点にする動きであります。平和を願う国民、県民に背くものと言わなければなりません。こうした政治への国民、県民の批判が、7月の参院選で必ずや示されるものと確信をするものであります。
それでは、質問に入ります。
その第1は、県民の暮らしの安心・安全に関するものであります。
県民の皆さんの第1の願いは、毎日の生活を安心して安全に暮らせるようにということであります。こうした願いに県政はどこまでこたえることができているのでしょうか、問われております。このことに関連して、平成11年──8年前になるわけでありますが──に起きました北陸電力の臨界事故隠しについて、知事に質問をいたします。
このことについて、北電の永原社長の県議会参考人招致が、自民党議員の反対で実現しなかったことは、県民への絶好の説明の機会を議会みずからが閉ざすことであり、大変残念なことであります。自民党の皆さんは、再発防止策が守られない場合は参考人招致をするとの考えを示しておられますけれども、これでは、参考人招致は、追及してはいけないという皆さんの今までの考えと矛盾しませんか。さらに、北電の参与についても、報酬を返上するということで、それで終わりなんですか。大変不可解な皆さんの言動が続いております。こうしたことでは、自民党には北電に遠慮しなければならない事情が何かあるのかとか、県議会がしっかり役割を果たしていないなどの疑問や厳しい声が広がっているのであります。
制御棒の予期せぬ引き抜けによる志賀原発の臨界事故は、核分裂連鎖反応の制御という原発安全性の中でも最も基本にかかわる重大な事故でありました。わずか2秒で出力が15%に上昇、国内原子力発電所では唯一の即発臨界に達し、15分間制御不能になりました。決して起こってはならない暴走事故が起こったのであります。
その間、定期検査中のため、原子炉を覆う格納容器や圧力容器の上ぶたはあけられたままでありました。外部環境への影響や作業員への被曝はなかったとされておりますが、本当はどうだったのでしょうか。
北電と安全協定を結んでいる石川県は、直ちに1号機の運転中止を申し入れ、6月4日には石川県議会が北電の松長常務を参考人招致いたしました。その中で、党派を超えた議員が北電の事故隠しを厳しく追及し批判をし、石川県はまた、安全協定に基づく独自の立入調査の実施を表明したのであります。こうした石川県の姿勢に対し、富山県の対応は生ぬるい観があると思うわけであります。そこでまず、今回の臨界事故に関する知事の認識を伺っておきます。
この事故は、記録が残されず、データを改ざんし、隠ぺいをされ、石川県や志賀町、富山県にも報告されませんでした。なぜ隠ぺいされたのかであります。北電は、報告した場合の重大さ、当時進められていた2号機の着工への影響を十分認識していたとみずから述べているのであります。つまり、住民の安全より企業の利益を優先する、こうした企業体質が問題であります。隠ぺいは、発電所長、現場の判断とされておりますが、企業戦略に基づく本社トップも関与したものではなかったかという疑念はぬぐえないのであります。知事、いかがでしょうか。
次に、北電は5月21日に28項目の再発防止策を発表しましたが、その中で盛んに、原発操作の手順の見直し、手順書の整備、手順の遵守など、人為力に頼った再発防止策が強調されております。しかし、これは当然のことで、再発防止の決め手にはならないのではないでしょうか。今回の北電の事故隠しを契機に、同様の事故が、過去、全国の沸騰水型原発で計10件も発生していることが明らかになってまいっております。一連の事故は沸騰水型原発の制御棒駆動機構に共通の構造的欠陥があることを示していると、専門家は言っております。この件についての所見を知事政策室長に伺います。
北電の永原社長は、28項目の再発防止策のかなめとして、地域と一体となった事業運営の推進と原発の安全運転の徹底を図るとうたった原子力本部の志賀町への移転について、「再発防止効果はない」とか、「本社から遠く、デメリットもある」などと発言、県民の中に不信や怒りが広がったのであります。県民の安全を守り、さらには北電の筆頭株主である立場から、北電に対して、再発防止策の実効性を強く県当局はただすべきと考えますが、知事、いかがでしょうか。
志賀原発1号機の運転開始直前の平成4年10月、原子力防災計画の策定を求める富山県民会議の20万人を超える署名が集められ、県議会に提出をされました。この案件に反対したのは、当時の自民党の皆さんでありました。もう15年前のことでありますけれども、先ほどの鹿熊議員の質問では、こうした原子力防災計画の策定を求めるという質問がありまして、過去のそうした行動には一言の反省もなかったわけでございますけれども、隔世の感がいたします。
この間、私どもは再々、県議会において原子力防災計画の策定を求めてまいりましたが、いろいろ議論はありましたが、中沖前知事、そして石井知事は、国の原子力安全委員会の、防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲─いわゆるEPZを8キロから10キロとする定めを理由に、富山県として「防災計画を策定する必要はない」「安全協定を結ぶ立場にない」との主張を繰り返してこられたわけでありますが、先ほどの答弁では、「今回は策定へ」と態度表明をされました。これは大いに評価できるところであります。
しかし、5月16日、北信越市長会は志賀原発の臨界事故に関する特別決議を行いまして、その中でEPZ拡大への見直しを強く要望しております。しかるに、6月に行われた富山県の国への重点要望事項にはEPZの拡大は触れられておりませんでした。石川県や北信越市長会と比べたら、富山県は2周も3周もおくれて、やっと原子力防災にたどり着くということであります。
そこで、富山県として北電に対し、原子力防災計画の策定を考えるのならば、それと密接不可分に連携している安全協定の締結も、私は県当局として推進すべきだろうというふうに思うわけですが、知事に所見を伺いたいと思います。
北電は、4月23日に経営陣を含む30人の社内処分を決めました。しかし、その内容は、本社の幹部は減給などの処分にとどまり、本社は事故に関与していなかった、悪いのは現場だと言わんばかりの、まさにトカゲのしっぽ切りでありました。これでは県民は納得できません。
北電幹部は県の公安委員を初め、県総合計画審議会、県防災拠点施設・消防学校整備のあり方検討会、とやま環境財団、ボランティア活動推進富山県民会議、未来とやま戦略会議等々、数え上げたら切りがないほど数多くの富山県の公職に、しかもトップについているのであります。北電幹部はこうした公職を自粛し、県民に対し襟を正すべきと私たちは考えるものであります。知事はどのようにお考えか、お伺いをしたいと思います。
次に、「健康な暮らしがしたい」─多くの県民の願いであり、だれでも、どこに住んでいても、よい医療サービスを受けられるように施策を充実していくのが県の役割であります。県民の暮らしの安心・安全に関する質問の第2は、医師確保対策についてであります。
富山県の地域医療の現実は、そのよりどころである市民病院など公的医療機関で深刻な医師、看護師不足や、経営危機に直面しているところが増えてきているという問題であります。その結果、必要なときに必要な医療を受けられないという、地域医療の後退、医療格差が広がっているのであります。こうした事態に県としてどのように対処していくのか、緊急の対策が求められております。
最近でも、厚生連高岡病院、氷見市民病院、南砺市立3病院、あさひ総合病院などで、医師、看護師不足が原因で病棟が回らなくなり、病床の削減、診療科の休廃止が続いているのであります。特に小児科、産科、麻酔科などの医師不足が深刻で、さらに泌尿器科、脳外科から内科、外科まで、ほとんどの診療科に及んでいるのであります。脳外科医の不足は、脳卒中など脳疾患の急患に対処できないことになり、氷見のような地域では、救急医療の後退、生命の危険につながっているのであります。
こうした医師不足が、病院経営の面でも収益減につながり、また診療報酬改定による収益マイナス分と合わさって、病院経営を悪化させております。その中で、窮余の一策として、氷見市民病院などのように民営化を探るところも出始めており、救急や僻地医療、高齢化する地域事情に対応する地域医療などが後退することに不安が広がっているのであります。
そこで、厚生部長、知事に質問いたしますが、国も医師不足対策として臨床研修制度の見直し、都市部から地方への誘導策を打ち出すなどしております。県として積極的にこうした動きに対応し、各医療機関の募集定員を確保できるように強力に支援すべきであります。平成19年度は、富山県全体の募集定員は、鹿熊議員の質問にもありましたけれども112名、マッチ数──確保の数は54名で、マッチ率──確保率は48.2%、全国平均71.6%と比較すると大きく下回っております。全国45位となっているのであります。どうしてこういう実態なのか解明をして、有効な対策を立てるべきと考えますが、厚生部長、いかがですか。
深刻な医師不足問題に直面して、ようやく国も動き出しつつありますが、そこで、県としても知事が先頭に立って、当面の県民医療の危機に対処するため、医師確保に全力を挙げていただきたいと考えます。
そこで知事にお尋ねいたしますが、平成19年度は医学生への修学資金貸与の拡充、富山型の後期研修システムなどが実施されておりますが、これらのほかの施策も含めて、当面の医師確保策はどのように展開をされ、具体的に知事、平成19年度はどのような実績を上げているのか。そして、県下の市民病院等の医師不足に悩む医療機関の願いに、具体的にどのように貢献できているのかを明らかにしていただきたいと思うわけであります。
県内の僻地の医療機関などに義務的に勤務する自治医大出身者の配置を、深刻な医師不足に陥っているところを重点にする。また、県立中央病院の医師の派遣や、県下の富山市と離れた周辺地域の医療機関との医師の交流などを通じて、県として可能なすべての手を打っていくべきと考えるものでありますが、厚生部長、いかがですか。
また、厚生部長に要望いたしますが、今年度中に県が策定予定の県医療費適正化計画については、県下の医師不足を十分考慮し内容を検討すべきであり、医師確保対策の足を引っ張るようなことにならないようにすべきであります。
知事、いずれにいたしましても、医師不足は深刻であり、県民医療の危機、格差につながっていると思います。そして、結果として市民病院などの経営赤字を拡大し、存続の瀬戸際に立たされているところも出てまいりました。県民医療を守る県の立場でこうした事態に対処し、県の役割をしっかり果たしていただきたいと思うわけであります。
あわせて、医師確保については、中長期的には、国際的にも先進国で低レベル、人口10万人当たり欧米先進国は平均300人に対し、日本は200人という医師数について、大幅に養成数を増やす必要があります。医大等の定数増を国に強く働きかけるべきであります。いかがでしょうか。
次の質問は、県単独医療費制度についてであります。
県の医療費助成制度のあり方懇談会が再開され、制度のあり方全般について、県内市町村の意向調査の実施が示されました。この制度は、県民の暮らしの安心、それを支えるかなめとして、長年にわたって積み上げられてきた14万9,000人の県民が利用する制度であり、全国に誇っていい内容であります。
ここ数年、県の財政事情からの県単独事業の見直しの中で、医療費助成も検討対象とされてきましたが、県議会や市町村の要望を受けて制度を拡充してきた経緯や、医療福祉関係の団体などが制度維持を強く求めたことから、少子高齢化対策の重要施策として、平成18、19年度と制度は維持されてまいりました。「制度が維持され、ほっとした。医療費助成は本当に助かっています」という乳幼児を抱いた若いお母さんを初め、多くの県民の皆さんの声が上がっているのであります。
しかし今、あり方懇が再開され、制度の見直し論議がまた始まります。その中で、改めて制度の根幹といえる幅広い助成範囲や、制度利用者に配慮した現物給付による支給方法、少子化の中で制度の重みが増す妊産婦への助成などは堅持すべきであります。
以下、知事と厚生部長に質問をいたします。
まず、厚生部長、県単医療費助成に関する平成18年度予算24億5,000万円に対し、決算見込み額は22億2,000万円と示されております。これで平成15年度から4年連続で決算額は22億円台、横ばいとなりました。かつての急増期と異なり、安定期に入っていると認識すべきではありませんか、厚生部長の見解を伺います。
また、県は当初、この制度の県負担額を平成27年度時点で29億円と推計していましたが、これまでに3回修正をして、現在は26億円になっております。これは、当初の県推計では平成20年度に達する額でありました。7年分も誤差が出たわけであります。しかも、この修正には国の医療改革法関連が加味されていないと聞いております。7年分もの見込み違いが出た原因は何か。この点についても厚生部長に質問をいたします。
県はこれまで、国のドラスチックな改革が予定されている中で、その影響を十分考慮すべきとしてきておりましたが、医療改革法の20年4月実施も迫っておるのであります。そこで、平成27年までの県単制度への影響額をどのように推定しておられるのでしょうか。県負担への増加要因はほとんどないのではありませんか。むしろ減少するのではありませんか。この点についても厚生部長に伺います。
今年度策定される県医療費適正化計画にも、5年後、平成24年度の医療費推計額を明記しなければならないわけでありますが、この点についてもどういう具体的な内容になるのか、科学的に答弁していただきたいと思うわけであります。厚生部長、いかがでありましょうか。
あり方懇を設置して、この制度の検討を要請している知事は、この制度の持続可能性として、財政上の負担レベルをどのくらいが適当と考えておられるのでありましょうか。平成27年度の時点で、何とかここ数年の決算額である22億円前後ならよいと考えておられるのでしょうか。それとも知事は、この機会に県負担を2割でも3割でも削減したいとお考えなのでしょうか、伺っておきたいと思うわけであります。
現物給付方式を償還払い振り込み方式に変えることが検討課題とされております。償還払い方式では、かかった医療費の自己負担分を、一たん窓口で全額を払い込まなければなりません。これでは、とりわけ低所得者や若い母親世代には集中的に大きな負担となり、当座のお金に困る人たちを中心に、約20億円以上の受診抑制が予想されているのであります。このような方々にとって福祉後退になるとは、厚生部は思われませんか。
全国的にはむしろ、乳幼児助成を現物方式に切りかえる流れにあり、過半数の都道府県となっているのであります。県下の市町村も現物給付方式を基本に制度の拡充への努力を続けているのであります。全国とも市町村とも逆行する提案ではありませんか。また、県の変更後、現物給付を継続する市町村に対しペナルティーを科すというようなことはないでしょうね。明確に答えていただきたいと思います。
一方で、システムの変更はすべての医療機関に手書きでの膨大な事務負担をかけることになりますが、そんなことを強制できるのでしょうか。このシステム運営の当事者の一人であるすべての医療機関を対象にした意向調査を、市町村調査と同時期に県の責任で実施すべきと考えますが、厚生部長、いかがですか。
富山県の出生率は全国32位、合計特殊出生率は前年より下がって1.34、全国32位となっております。また、新生児死亡率は全国4位、周産期死亡数は前年より25人増加して、死亡率は全国1位となっているのであります。こうした事情の中で、妊産婦への助成を廃止することや、乳幼児に関する助成の後退はすべきではありません。知事に、この件について質問をいたします。
次に、当面する県政課題について幾つか取り上げ、質問をいたします。
昨年12月強行された改正教育基本法のさらなる具体化が、教育再生の名で進められております。その中で、教育再生会議は第2次報告で、保護者や児童が就学先を選ぶ学校選択制の導入の促進を掲げているのであります。
富山県においては、富山市が平成18年2月に学校選択制の導入を決め、20年度からの実施に向け、実施要綱を発表しております。高岡市も、20年2月をめどに方向性を出すことを確認しているのであります。この制度について富山市教育委員会は、「通学する学校を市内全中学校から自由に希望することができるもの」で、目的を「選択する機会があることで、保護者や子供たちは学校への関心が高まり、学校は創意と工夫のある学校づくりを推進することにより、教育の向上が図られる」としているのであります。
そして、具体的な実施に当たっては、保護者や子供たちが学校を選択する上での判断材料として、積極的な学校情報の提供を行うとしております。この情報として、18年度から実施をされたとやま型学校評価システム、そして今年4月に実施された全国一斉学力テストが入っていることは明らかであります。
とやま型学校評価システムは、その目的の一つである「創意と工夫のある学校づくり」を各校に強力に推進させる施策であります。これが学校選択制と重なれば、「特色」が学校の「売り」の宣伝材料となり、生徒が集中する学校と流出する学校の学校間格差を生み出すことになりませんか。学校の地位が、人気校、不人気校という形で固定化することにつながりかねません。そうなると、小学校の段階から学校選択をめぐる動きが活発化することが予想されるのであります。
そして、一斉学力テストと学校選択制の関係も大変大きな問題をはらんでいるのであります。文部科学省は、一斉学力テストの結果をいつでも公表し、学校別などのランクづけをする方針を示しております。この学校のランクづけは、学校選択の材料を生徒、保護者、地域に提供することになり、激しい競争と学校間格差を生み出すことは必至であります。
富山市教育委員会は、さきに実施された学力テストについて、既に結果の公表の方向で検討に入っているのであります。富山市は文部科学省や教育再生会議の政策を、まさに先取りする勢いであり、県下の他の市もこれに続こうといたしております。
そこで、八木教育委員長に質問いたします。
富山市で進められている学校選択制は、全国一斉学力テストの結果の公表や、富山市で取り組まれている、目標をより数値化した学校評価システムの徹底と相まって、富山市内の小学校、父母や子供の間に激しい競争を生み出し、学校間格差をつくり出していくことが明白であります。このままでは、今、日本の教育が抱えている子供のストレス、いじめ自殺、校内暴力、学級崩壊など教育困難な状況が、富山市、富山県内でも強まるのではないかと危惧されるのであります。今、学校選択制が県内の他の市にも広がることが予想されるだけに、富山市のこうした取り組みを再考するよう県教委として指導できないか、八木教育委員長にお伺いをいたします。
次に、知事に質問いたしますが、懸案の少人数学級の拡大についてであります。
今こそ、教育現場で起きている深刻な事態を教訓にして、少人数学級、教育予算の増額と教職員の増員など、行政本来の責務である教育条件整備こそ推進すべきであります。特に、当面小学校3年生以上への少人数学級の拡大──当面は35人以下学級ということになりますけれども。そして、中学校1年生での実施は急務であります。平成19年度は全国的にも少人数学級は前進し、福井県では中学校全学年で実施──知事、よく聞いていただきたいと思います。石川県でも小学校1、2年生に加えて、中学校1年生で実施されているのであります。
富山県では、小学校3年生以上、中学生への拡大をどうして現時点でもできなかったのか。財政的に見ても3億か4億で実施できるわけであります。そろそろ、知事、あなたの決断のときではないでしょうか、いかがでしょうか。
当面する県政課題の2点目は、北陸新幹線についてであります。
北陸新幹線の早期完成への大合唱が続いております。先日の北陸新幹線建設促進県民協議会などの合同決起大会で、石井知事は「金沢まで1年でも2年でも早く完成を」と、声を大きくしておられました。その際の課題は、建設財源が確保できるかであり、5月末には財源問題を協議する自民党などによるプロジェクトチームの初会合が開かれ、平成16年12月の政府・与党申し合わせの見直しに向けた動きが活発化してまいっております。
そこで、何らの形で財源問題が決着をしても、富山県政にとっての大きな問題は、新幹線の早期完成が単年度の県負担の増加、前倒し支出を強いられるということであります。
北陸新幹線建設の歩みには、いつも財源問題が立ちはだかってまいりました。富山県政においても、新幹線誘致が県政の最重要課題とされる中で、建設促進のためには県負担をしてでもとなって、今日の巨額の地方負担を受け入れることになったのであります。公共事業方式による建設にしても、地方負担にしても、政治決着によるものでありました。この県負担が、平成19年度では100億円を超えて132億円となり、厳しい財政事情の中で県財政の大きな圧迫要因となっているのであります。こうした負担は、数年後に200億円、300億円の負担となります。
今、厳しい県の財政事情を背景に、県政のあらゆる分野、例えば県単独医療費助成制度なども含めて、聖域のない見直しが進められようとしているのでありますが、これ以上の負担増は、さらに県の施策へ大きな影響となることは必至であります。知事、新幹線が好きとか嫌いとかの問題じゃなくて、しっかりとあなたの所見を、この点について伺っておきます。
新幹線は国家的プロジェクトであり、特定の地域に過度の負担が生ずる現状は改めなければなりません。これは、さきの合同決起大会の決議の中の文言であります。このことについて、今回の財源問題を協議するプロジェクトチームの議論にも、こうしたことはしっかりと反映をさせる必要があろうかと思います。石井知事には、早期完成を主張したり働きかけたりする以上は、地元負担の軽減策についてももっと具体的な提案、強力な取り組みをしていただきたいのであります。
次に、JRから経営分離される並行在来線について、知事政策室長に質問をいたします。
3月に公表された並行在来線県内区間の需要予測調査結果は、開業30年後の平成57年度の輸送密度が最大64%減となるという大変ショッキングなものでありました。石川県は、このほど、開業後10年間で金沢─富山県境間の累積赤字が約25億円になるとの試算結果を発表いたしております。富山、石川両県とも、これでは経営がおぼつかないという危機感が広がっているのであります。この件について知事政策室長はどのように受けとめておられますか。
根本問題の経営形態は今後どうなるのでありましょうか。各県域ごとか、各県にまたがる一体経営か。新幹線開業が早まろうとしている中で、関係の隣県やJRとの論議を早めるべきときであります。県内的にも、県東部から新潟県境まではどうなるのか。滑川で打ち切りなんていう説もささやかれているのでありまして、鹿熊さんの泊は駅もなくなり、学校もなくなり、病院も危機ということでは、お互いに大変ですね。その際は県民の大切な足をどう守っていくのか。利便性の確保を中心に据えるべきであります。また、在来線の経営が成り立つように、初期投資に対する国の支援やJRからの資産譲渡に際しての負担軽減などは譲れない条件であります。見通しはどうなのか。
いずれにいたしましても、並行在来線問題は重大な岐路に差しかかっているのであります。県民の利益を中心に据えて、課題の解決、前進に全力を挙げるときであります。知事政策室長、いかがですか、答弁をお願いしたいと思います。
当面する県政課題の第3番目は、富山湾の環境保全についてであります。
NHKスペシャル「神秘の海 富山湾 海の中までアルプスがつづく」は、本当にいい番組でありました。第48回科学技術映像祭内閣総理大臣賞受賞作品でありまして、6月11日の夜遅くNHKでアンコール放送され、昨年3月に初回放送されておりますが、私は2回ともテレビの前にくぎづけになりました。この日はちょうど北電の社長の参考人招致の否決された日でありましたけれども、議場の皆さんが、そして多くの県民の皆さんがごらんになったのではないでしょうか。
「暗闇の海で光るイカや幻想的な蜃気楼など、数々の不思議な現象を生み出す富山湾。それらは、標高3,000メートル級の北アルプスから水深1,000メートル以下の海底までつながる独特の急峻な地形から生み出されている。深海では世界的にまれな生物も発見された。いにしえから人々が享受してきた海の恵みから見えてくる、神秘の海・富山湾の魅力を伝える」。これが番組の趣旨でありました。
この番組から、私たち県民のすぐ目の前に広がる神秘的で豊かな自然、最高の漁場でもあり、里海で暮らす人々の姿に感動し、県民の毎日の暮らしと深くつながっている富山湾、そのすばらしさを私も学び、海を親しく感じ、大切にしていくことを改めて考えさせられたわけであります。このすぐれた映像作品を、特に県下の小中高生に見てもらったらいいなというふうに思います。環境や郷土を学ぶ教材として取り上げられてはどうか、東野教育長にお伺いをいたします。
こうした富山湾の自然環境を守り、豊かな漁場を育てていくことは、県政の重点課題でもあります。最近、氷見市の灘浦海岸域で赤潮が発生しましたが、富山湾海域の窒素、燐の水質環境目標は達成されてはおりません。陸域からの生活排水、産業系排水などの汚濁負荷削減の着実な推進が必要であります。長期的な視点に立った環境モニタリングの継続も欠かせません。こうした事業の関連で、環境省と富山県にある環日本海環境協力センターによって実施されている広域観測モニタリング「環日本海海洋環境ウオッチ」事業が継続をされ、活用が進むことが重要であります。
次に、いわゆる海ごみが富山湾、日本海を脅かすもう一つの汚染であります。物騒なハングル文字入りの化学薬品のポリタンクや医療廃棄物から、圧倒的に多いのは空き缶、ペットボトル、プラスチック容器、発泡スチロールなどの日常生活に起源のあるプラスチック類であります。また、深刻な流木被害もあります。
そこで、平成19年度内に県の水質環境計画の改定が行われることになっておるわけでありますが、その中で富山湾の水質保全対策がどのように位置づけられているのかを関係部長にお尋ねをいたします。
また、富山湾の漁場環境保全のために、既にさまざまな事業が展開されておりますが、生物、水質、底質などの漁場環境調査を徹底し、特に藻場の調査、造成事業を推進すべきと考えますが、農林水産部長に質問いたします。
さて、質問の最後に、県の行財政改革に関連をして、県人事をめぐる問題を取り上げます。人事に関する質問はなかなか難しいのでありますが、県政のかなめの問題であります。最近の知事部局の人事について、特徴的な傾向があるように思われます。何点か指摘し、知事の所見を伺いたいと思います。
1つは、石井知事になって、知事政策室として企画部門が強化され、平成19年度当初で129人を擁する大きな組織となっております。5年前の前知事時代は105人でありましたから、大変増えたものだというふうに思います。県職員の減員、知事部局の総数が大きく減少している中で、この分野の職員数の伸びには目覚ましいものがあるわけであります。計画的な県政の推進や新しい政策課題への対応が迫られる中で、企画部門の重要性が増していることは認めますが、あまりにも肥大化している印象があるのであります。県民サービスのため、県政の最前線で職務に従事している県職員の数こそ、今は大幅な減少の中にありますが、しかし、業務量は変わっていないのが現状でありまして、そういった意味では人事のアンバランスを強く感じるのであります。もっと県政の現場に厚く人事配置をすべきではありませんか。
2つ目は、石井県政になって国からの出向者の部長が増えたことであります。これは、悪いですけど、はっきり申し上げますけどね。現在7名中4名、過半数を超えているのであります。前知事の任期の最終年のころは2名まで減少しておりましたから、これまた大きな伸びであります。こうした人事の必要性を、知事はどのようにお考えなのでしょうか。県職員の中に人材が数多く私は存在していると思います。部長などの幹部職員の人事について、内部登用を積極的に行って、人材を活用すべきではありませんか。知事、いかがですか。
3つ目は、これもはっきり申し上げて恐縮ですが、今春の公営企業管理者などの人事の問題であります。今、公営企業管理者の人事配置がなぜ必要なのか、よく理解できません。県企業局は、確かに山積する重要課題を抱え、県公営企業も岐路に立っていることは認めますけれども、しかし、この難局に対処するに十分な人材が企業局には存在いたしております。本局3課、出先部門5カ所で総人員140名の体制であります。企業局長や次長を先頭に十分やっていけるはずであります。
また今回、会計管理者というポストが設置されましたが、法改正で出納長制度がなくなったかわりの、法で定められた職とのことであります。法は確かにそうかもしれませんが、出納局72名の体制の中で、部長級の事務局長がおられます。そういう状況の中であります。
公営企業管理者にいたしましても、会計管理者にいたしましても、私は御両人の人格、識見、県職員としての実績については評価をするものでありますが、そのことは衆目の一致するところでございましょう。しかし、こうした幹部職員の人事が、何か処遇で行われているのではないかという懸念を持つわけであります。県職員の人事は県政のかなめのことでもありますので、あえて知事に質問をいたします。
それでは、これで私の代表質問を終わりたいと思います。知事、関係部長の明快な答弁をお願い申し上げまして、終わります。ありがとうございました。
29 ◯議長(仲 外喜雄君)石井知事。
〔知事石井隆一君登壇〕
30 ◯知事(石井隆一君)社会民主党県議団を代表されましての菅沢議員の御質問にお答えをいたします。
まず、北陸電力志賀原発1号機の臨界事故隠しをどのように認識しているかという点でございますが、平成11年の
志賀原子力発電所臨界事故は、事故自体が重大であることはもとより、国及び自治体に長年報告がなかったことにつきましては、県民の信頼を著しく損なうものであり、まことに遺憾なことと考えているわけであります。
北陸電力から報告のありました3月15日は、私は上京中でございましたが、担当から、事故の概要及び経済産業省が原子炉停止を命ずるとともに、早急な事故原因の究明、
再発防止対策の策定を命じた旨の報告を受けまして、その日の夕方には、県民の安全・安心を守る立場から、根本的な原因調査と
再発防止対策の徹底を強く求める旨の知事としてのコメント、声明を発表いたしました。
翌16日に北陸電力から私が直接報告を受けた際にも、事故の根本的な原因調査と
再発防止対策、法令遵守の徹底により、再発防止に万全を期すよう厳しく注意をするとともに、3月28日には
志賀原子力発電所へ職員を派遣し、現地において直接、事故発生当時の状況、対応等の説明を求め、確認をしております。
また、3月30日に事故原因の報告を、また4月6日に
再発防止対策の報告をそれぞれ受けました際にも、私から北陸電力幹部に対しまして、直接注意したところであります。
さらに、逐次、職員が再三にわたって北陸電力から説明を求め、対策の徹底や県民の皆さんへのわかりやすい説明を申し入れているところでございます。
いずれにしましても、国と石川県、地元の志賀町とは富山県の場合の法令上などの位置づけ等は異なりますけれども、本県としては事故の重大性について認識しまして、知事として、また富山県として、県民の安全・安心を守る、これは一番大切なことですから、言うべきことは言い、筋もしっかり通していると考えております。
次に、住民の安全よりも企業の利益を優先し、事故隠しを北陸電力がされたことについての御質問にお答えをいたします。
今申し上げたとおり、今回の事故、またその隠ぺいということについては、大変遺憾なことと思っているわけであります。
北陸電力が3月30日に提出した事故原因報告書では、事故隠しの根本原因として、「経営層の発言等を通じて、原子力発電所は工程遵守を必達と考え、何より優先させるとの意識を形成させた」、そういう工程優先意識と、「臨界事故隠しを防げず、その後8年間見つけ出すことができなかった」経営層の責任があると、みずから分析されているところであります。
事故隠しが現場限りの判断であったかどうかについては、北陸電力の報告書では、「当時の経営層については……本事実についての認識はなく、また他の証言からも関与は認められなかった。」とされておりますのと、また、4月20日に出された原子力安全・保安院の報告書では、「発電所の意思決定に対する本店の積極的な関与の有無については確認できなかった。」とされております。
いずれにせよ、こうした現場と経営層双方の原因が相まちまして、結果的に住民の安全と信頼を損ねたこととなりましたのは、極めて遺憾なことであります。したがいまして、「隠さない企業風土づくり」、「安全文化の構築」を柱とする
再発防止対策について、実効ある形で確実に実施されること、及び県民の信頼回復のための十分な説明を行うことを求めているところであります。
次に、県は北陸電力に対し、再発防止策の実効性をただすべきではないかとの御質問にお答えをいたします。
再発防止対策の具体的な行動計画は、5月21日に北陸電力から説明がありましたが、原子力部門の石川県への移転につきましては、同計画の28項目の一つであり、「安全文化の構築」のための「地域と一体となって事業運営を目指した原子力本部、地域共生本部の設置」であるとの説明を受けているところであります。
なお、21日の永原社長の記者会見での発言の真意については、北陸電力から県の所管室に対しまして、「社長の発言の真意は、原子力部門の石川県への移転は
再発防止対策の一つであり、効果に疑問符をつけたことは一切ありません」との説明を受けたとの報告を受けております。
6月5日の県の経営企画委員会の現地視察におきましても、北陸電力からは、原子力本部を志賀町に移し、原子力本部長である副社長が現場に常駐し、
再発防止対策の実行を確認するとともに、経営のトップと現場職員が一体となって取り組むことが
再発防止対策につながるとの説明があったところであります。
県としましては、北陸電力の
再発防止対策は、スケジュール等に基づいて単にそれを実行していくということではなくて、それを経営層が率先垂範して、全社一丸となって
再発防止対策を確実に実行し、「隠さない風土」と「安全文化の構築」を経営の原点として、国民、県民に信頼される新しい北陸電力をつくり上げていくことで、初めて実効性があったと評価できるものと考えております。
今後、県としましては、北陸電力の
再発防止対策の実施状況に重大な関心を持って注視しまして、随時、北陸電力から情報提供、説明を求め、確認することにしております。
次に、北陸電力に対し安全協定の締結を求め、また原子力防災計画を策定する考えはないかとの御質問にお答えをいたします。
安全協定については立地協定とも称されるものでありまして、実態としては、原発立地の県、市町村と電力会社との建設時における協議の結果等に基づいて締結されているものであります。全国的にも立地県、地元の県なり市町村とのみ締結されていると伺っております。
本県においては、原子力発電所の事故は富山県民の安全・安心に大きく影響するものであるという観点に立ちまして、
志賀原子力発電所の事故等の情報については、北陸電力との文書による合意に基づきまして、本県にも連絡されることとなっておりまして、今回の臨界事故に係る情報についても、石川県と同様に報告を受けているところであります。
また、法令、協定などに基づくものでありませんけれども、先ほど申し上げましたが、
志賀原子力発電所に3月28日に職員を派遣しまして、発電所長等から事故現地において直接、事故発生当時の状況、対応等の説明を求め、確認をいたしております。こうしたことから、富山県としては、必要な情報については、実質的に協定と同様の情報提供を受けられていると考えております。
本県は、防災対策を重点的に充実すべき地域である、いわゆるEPZの範囲外にございまして、原子力防災計画は策定しておりませんけれども、これまでは、地域防災計画において風水害編、事故災害編等の規定を準用して、必要な措置を講ずることとしております。
しかしながら、先ほど鹿熊議員の御質問にもお答えいたしましたが、初動体制及び各種対策を迅速に実施するために、危機をあらかじめ想定し、災害の種別ごとに計画を定めて、関係者に周知しておくということは、危機管理上の観点から必要でありますので、今後、地域防災計画の事故災害編の中において独立の章を設けまして、原子力災害対策というようなことで設けまして、より明確でわかりやすいものとする方向で検討し、策定したいと考えております。
次に、北陸電力の幹部は県関係の公職を自粛し、襟を正すべきとの質問にお答えをいたします。
県の審議会等の委員につきましては、いろいろこの審議事項について専門的な知識、経験を有する学識経験者の方々、あるいは各分野の県民の代表の方々などにお願いしているわけですけれども、北陸電力の関係者については、現在私が任命、委嘱しておりますものとしては、富山県総合計画審議会、富山県公安委員会、富山県防災会議、富山県国民保護協議会などの委員がございます。
これらの審議会のうちで、まず総合計画審議会につきましては、4月下旬ですが、当時の山田北陸電力相談役から辞任したいというお話がありましたが、この審議会につきましては、御承知のとおり3月30日に答申を終えて、実質的にはもう任務は終了しておるものですから、任期切れは形式的には8月末なんですけれども、開催の予定もございませんので、特に辞任の手続はとらないことにしたわけでございます。
次に、公安委員については、去る4月23日に新木公安委員長が委員長職を辞されましたが、これはあくまで公安委員の互選によるものでありまして、趣旨としては、北陸電力会長として県民の信頼回復に向けた業務にできるだけ専心していきたいという姿勢が反映されたものじゃないかと受けとめております。
また、防災会議及び国民保護協議会につきましては、北陸電力は、災害対策基本法あるいは国民保護法にそれぞれ規定されております指定公共機関でありまして、これは法令上の要請として、北陸電力の役職員が担わなくちゃいけない職となっております。
このほか、未来とやま戦略会議とか富山県防災拠点施設・消防学校整備のあり方検討会について触れられたようにお聞きしましたが、この未来とやま戦略会議は、ことしの3月31日で任期終了しておりますし、また、富山県防災拠点施設・消防学校整備のあり方検討会、これはもう報告をたしか1月末にいただいて、任務が終了しております。そういう状況であります。
いずれにしても、今回の事態は極めて遺憾なことでありますので、今後とも、北陸電力に対しては
再発防止対策の確実な実行、また県民の信頼回復のための十分な説明、これをしっかり行うように求めまして、またその実施状況を確認してまいりたいと考えております。
次に、当面の医師不足対策の取り組みと、富山型の後期研修システムについての御質問にお答えをいたします。
医師不足の問題は、平成16年度から新しい医師の臨床研修制度が導入されたことによって、大都市圏と、富山県も含めまして地方圏に格差が生じているということが大きな要因であると考えております。こうした大都市圏と地方圏の格差の解消ということが大切であります。
そこで、昨年11月に私から直接、安倍総理に対しましても、この医師臨床研修制度による大都市圏と地方圏の格差是正について、いわば富山型の後期研修システムの創設と、それを国で支援していただきたいという要望、提案を行いますとともに、去る6月3日にも、ちょうど自民党の中川幹事長が見えましたので、県選出の国会議員の皆さんとともに要請をしたところでございます。
また、この4月に厚生部の医務課に新しく医師・看護職員確保対策班を設置いたしまして、医学生の修学資金貸与制度につきましては、従来からあります小児科、産科等の特定診療科枠に加えまして、県内公的病院での勤務を志望する医学生を対象とする枠を新設するとか、また医学生向けの就職説明会における県内医療機関との共同でのPR──大阪、金沢は終わりましたし、近く東京でもやりたいと思っております。また、富山型の後期医療システムの、さっき申し上げたようなシステムの創設、それから女性医師のキャリア維持向上を支援するモデル事業の実施など、総合的な医師確保対策に取り組んでいるところであります。
御質問の、この富山型の後期研修システムについてでありますけれども、医師不足の公的病院における後期研修医の確保を支援しますために、その病院の後期研修医が県立中央病院で一定期間の研修を行う事業を19年度から行う。また、後期研修の一環として、例えば県立中央病院で2、3年まず研修すると。そして医師不足病院で1、2年研修するといったようなシステムを20年度に創設することにしておりまして、現在検討会を設置しまして、プログラムの内容等について検討いただいているところであります。やはり魅力のある研修システムにしませんと、なかなか若い次の時代を担うお医者さんに来ていただけないので、そういう努力をしているわけであります。
なお、検討会の委員からは、医師不足病院においても、魅力ある病院となるようにみずから取り組む必要があるという意見もいただいておりまして、私としても、今後、県立中央病院と医師不足病院とがスクラムを組んで実効性のあるシステムにしてまいりたいと考えております。
今後とも、富山大学医学部、公的病院、県医師会等との連携も密にしまして、医師確保対策に市町村とともに積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
次に、医師の養成数を増やす必要があるから、医大等の定数増を国に働きかけるべきじゃないかという御質問にお答えをいたします。
OECDが18年に公表した医師数の国際比較によりますと、確かに日本はOECD加盟30カ国中では27位の水準となっております。医師の需給の問題については、国が18年7月に公表した検討会の報告書によりますと、医師が毎年約7,700人程度誕生すると。退職などを差し引いて、年間3,500から4,000人程度が増加する。したがって、平成34年に需要と供給が均衡して、平成47年には32万4,000人、人口1,000人対比で2.9人の医師がいらっしゃるということになるというような推計が出ておりまして、長期的には必要な医師数は供給されるという、こういう国の見解になっているわけであります。しかし、短期的、中期的、あるいは地域や診療科において需要が満たされるわけではないわけであります。
本県は、全国的に見ますと、さっきも鹿熊議員さんの御質問にお答えしましたが、医師数は人口10万人当たり213.6人でございまして、全国平均を上回っていると。全国平均が201人でありますから。それから、最も医師数が多い富山医療圏と最も少ない新川医療圏の差は約1.5倍で、地域間の差が全国で最も小さい県となっている。また、その新川医療圏の医師数の比率も、岐阜県や新潟県の県平均より上にあるというようなことでございます。しかし、私としては、若い医師が集中している大都市圏と富山県など地方圏の格差是正はやはり大切だと思っております。
このため、これまでも富山大学に対しては医学部の入学定員の中に地域枠を設けていただくよう要請しまして、本年度から実現の運びとなっているのは御承知かと思います。また、自治医科大学に対しては、本県出身の入学者について、できればこれまでの2人から3人への増員をしてほしいということで、これまでも毎年働きかけを行っている。これは試験の問題もございますけれども。さらに、新しい医師の臨床研修制度の導入に伴います大都市圏と地方圏の格差是正については、先ほど申し上げたように総理にもお願いしましたし、また厚労省にももちろんお願いをしているわけであります。
また、去る5月31日に政府・与党の緊急医師確保対策が策定されましたが、その中では医師養成数の緊急、臨時的な増加を図ることが明記されております。今後、国において具体的な施策が検討されることとなりますけれども、県としましても、国における検討状況を踏まえながら、必要に応じて、もっと医師の確保ができるように、御指摘の医科大学の定員確保増の問題なんかも含めて検討し、国に働きかけをしてまいりたいと思っております。
それから次に、県単医療費助成制度について、制度の持続可能性として財政上の負担レベルはどのくらいが適当かという御質問にお答えをしたいと思います。
御承知のとおり、本県を取り巻く財政環境が大きく変わっているわけでありまして、特に歳入につきましては、平成12年度から17年度にかけまして、地方税や地方交付税を中心に約1,000億減少していると。6,200億台の歳入が5,200億台に減ったわけであります。したがいまして、限られた財源をいかに有効に活用していくかということが非常に大切でございます。
ですから、そういうことからいいますと、県単医療費助成制度の財政負担がどの程度あればいいかという議論ではなくて、何とかまず県民の皆さんの幸せ、県勢の発展ということを基本にして、一番優先すべき行政サービス、行政施策というのは一体何だと。次に実施すべきものは何かと。また、言ったように優先順位をつけると。また、お金がたくさんあればあるにこしたことはないんだけれども、こういう状況ではできるだけ我慢しようじゃないかといったような施策もあるんじゃないかと思います。またそれも、そのときそのときで不断の見直しを行っていくことが大切であると思っております。
県単医療費助成制度については、昭和47年に高齢の心身障害者の方への助成を開始して以来、いろいろな経過がございます。しかし、制度創設以来30年以上経過したものもある中で、例えば本県の65歳以上の高齢人口の割合を見ますと、昭和45年に8.1%であったものが17年には23.2%になる。国の中位推計に従いますと──これはまだ楽観的じゃないかという説もあるわけですけど、平成32年には約31%の方が65歳以上になるといったようなことが推計されるわけであります。したがって、この制度については、その制度をつくったときと大きく環境が変わっていますから、今後どうあるべきかということをみんなでしっかり議論をして、持続可能な制度にしていく必要があると、こういうことであります。
そのために、一昨年12月に学識経験者や市町村長等で構成します医療費助成制度あり方懇談会を設置して、これまで8回議論をしていただいて、その間、県民や各界からの意見聴取も行っていただく。また、少子高齢化の進展など社会情勢の変化とか、制度創設のもともとの趣旨、しかしその後の情勢の変化。また、県の現在の状況と他県がどうかといったようなこと。また、所得制限については経済的公平性の観点からどうかとか。あるいは支給方法のあり方についても、受給者のコスト意識とか利便性とか。議員、財政負担の問題もおっしゃいましたが、そうしたことに限らず、さまざまな観点から議論が行われております。
私としては、医療費助成制度は県民生活に密着した大切な制度であると考えておりまして、厳しい財政状況の中にあっても、その根幹の部分はこれからも残していきたいと考えております。
したがいまして、財政上の負担レベルがどのくらいというような御質問もありましたが、ほかにも重要な政策が多くある中で、限られた財源でこの制度を極力維持するためにどんな工夫がいるかといったような点、また県民の皆さんのニーズを踏まえた幅広い観点から検討することが大事だと思っておるわけであります。
ちなみに、この3月に県政モニターへのアンケートをやってみましたけれども、県単医療費助成制度の存廃については、「制度の趣旨、その後の推移等を踏まえ、制度によっては廃止、縮減など必要な見直しを行うほうがよい」と答えた方が68%と最も多いという結果になっております。
いずれにしましても、県としては、今後懇談会において市町村の意向調査もやるとおっしゃっているわけでありますから、そうしたことをもとに、さらに議論を深めていただいて、最終報告を取りまとめていただく。また、それを受けて、制度全般のあり方について、これまでも県議会でも随分議論していただきましたが、市町村、関係方面と十分協議しまして、県民の皆さんの声に耳を澄ませて、適切に対応していきたいと思います。
次に、この県単医療費助成制度のうちで、妊産婦や乳幼児の医療費助成制度についての御質問にお答えをいたします。
昨年6月のいわゆるあり方懇談会の中間整理ですと、妊産婦については、医療技術の進歩とか母子保健対策の充実などによりまして、妊産婦死亡率、新生児の死亡率ともに大幅に低下していると。また、全国的にもこういう助成をやっている県は4県しかないとかいったことから、基本的には制度を廃止してもよいのではないかという考え方。それから一方で、少子化対策・子育て支援の要請が大きいと。これを考慮して継続すべきだという考え方もありますので、慎重な対応が求められるということで、あわせてそういう見解が示されたところであります。
また、乳幼児については、特に病気にかかりやすく、経済的負担も大きい乳幼児の医療費助成でありますので、現下の少子化対策の重要性、全都道府県で実施されていることなどを考慮しますと、制度を継続すべきであるとされたところであります。
また、昨年8月のこの懇談会の中間報告では、制度全般のあり方については県、市町村、医療機関の関係者による実務的な調査研究を踏まえ、議論を深めた上で最終報告を取りまとめるとされております。そこで、実務関係者による調査・研究チームを設置していろいろ検討して、去る5月の懇談会に報告がなされている。また、3月に県が実施しました医療福祉についての県政モニターアンケート結果も御報告を申し上げているということでございます。
今後、懇談会では、先ほども申し上げましたように、市町村の意向調査結果などももとにして、さらに議論を深めていただくということでありますけれども、その際には、今言ったような実務等の調査・研究チームの報告、県政モニターのアンケート結果、また今、新生児死亡率とか周産期死亡率が全国的に見て高いじゃないかという御指摘もありました。さっき申し上げましたように、この水準は年によって随分変動する傾向もありますけれども、いずれにしましても、そうしたことも含めて、今度懇談会で最終報告をまとめていただくわけですけれども、県としましては、その結果を踏まえて、県議会、また市町村、関係方面と十分相談して、また県民の皆さんの声に耳を傾けて、適切に対処したいということでございます。
次に、少人数学級の拡大についての御質問にお答えをいたします。
県の教育委員会では、これまでも、児童生徒一人一人にきめ細かな教育を行いたいということで、国へ標準配置を上回る教員の加配を強く働きかけてきたところであります。
第8次の教員定数改善計画が策定されなかった関係もございまして、大変厳しい状況でありますけれども、今年度は少人数指導の加配教員342名を初めとして、不登校やいじめ対応など生徒指導の加配など、多くの加配教員を確保できたところでございます。
本県では、これらの加配教員を活用して、少人数教育推進のために、平成17年度から、御承知のとおり、小学校1年生に加えて小学校2年生まで少人数学級を拡大しますとともに、小学校3年生から6年生については、国の加配教員や県単の非常勤講師を置きまして、これを十分活用した少人数指導の充実を図っております。
また、中学校では生徒一人一人にきめ細やかに指導するために、加配教員による少人数指導を行っております。特に加配された中学校では、少人数指導を1年生に重点的に実施するなど、1年生に配慮した手厚い少人数指導に努めているところであります。
少人数学級については、国の報告によりますと、学級編制の標準を全国一律に引き下げるという画一的な取り組みではなく、地域や学校の実情に合わせた柔軟な取り組みを可能にし、これまで進めてきた少人数教育を一層充実させることが教育上効果的である。それから、児童生徒が切磋琢磨して互いに人間性、社会性をはぐくむために、一定の学級規模が必要ではないかという意見も出ておるわけでございます。
また、本県でも、学力向上フロンティアスクールの実践研究におきまして、授業の内容や学習の進みぐあいに応じて、クラス全体による一斉指導や習熟度別少人数指導などのさまざまな指導の形態を組み合わせて工夫することが教育上効果的であると、こういった報告もございます。
御指摘もありました福井県では、確かに中学1年からと小学校6年生に少人数学級をされているわけですが、一方、小学校1年生、2年生についてはそういう少人数学級になっていないとか、それぞれの県、地域によってやっぱりいろんな考え方があるんだと思いますね。
本県の財政が極めて厳しい中でございますけれども、私は、教育はあすを担う人づくりの根幹をなすもので、大変重要なものであると思っております。そのために、今年度新たに、スクールカウンセラーの全中学校への配置を初めとするいじめ総合対策事業、また、確かな学力を育成するためのとやま型学び育成支援事業など、富山県教育の充実に取り組んでおります。
議員御指摘の少人数学級につきましては、教育現場にはいろんな意見があるようでして、先ほど申し上げたように、一律に35人以下学級を拡大するよりも、加配定数や県単の非常勤講師を活用して、教育指導の工夫を凝らしながら少人数教育の充実を図っていくことが教育上効果的じゃないかと、こういう意見もあるように聞いております。
いずれにしましても、富山県にとってまさに教育は百年の大計で、富山の未来のために非常に大事であると、こう思っておりますので、今後とも教育の充実に積極的に取り組んでまいりたいと思います。
次に、新幹線の地元負担の見直しと国における建設財源の確保についての御質問にお答えをいたします。
新幹線の建設についての費用負担、平成9年に全国新幹線鉄道整備法が改正されまして、御承知のとおり、JRが支払う貸付料を除いて、国が3分の2、地方が3分の1を負担する。あわせまして、地方負担の9割に地方債を充当して、その元利償還費の2分の1に交付税措置を講ずると。したがって、地方の実質負担は18.3%になっている。地方負担の軽減についてはそれ相応の配慮がなされていると考えております。
正直言いまして、近年地方交付税算定を簡素化しろという議論がありまして、ひところ大変発言力が強かった民間議員、経済財政諮問会議の中には、地方債の元利償還についての交付税措置なんかは一切やめろという議論まであったんですね。そういう中で、この新幹線建設負担についての交付税措置、これは何としても守らなきゃいかんということで維持してきているわけでございます。
一方、県内全域で建設工事が進められている本県におきましては、今後の工事進捗に伴って県負担額が増加し、ピーク時には二百数十億から300億円程度に膨らむ可能性があることも事実であります。そのため、先月末に開催されました与党の整備新幹線建設促進プロジェクトチームの初会合で、新たな建設財源の確保による一日も早い金沢までの開業等に加えまして、新幹線の地方負担に対し、さらに適切な財政資金措置を講じるよう強く訴えてきたところでございます。
これからも、新幹線そのものが非常に大事な国家的なプロジェクトであります。特定の地域に過度な負担が生じないように、引き続き国に対して働きかけをしっかりしていきたいと思っております。また、鉄道・運輸機構に対しましては、新工法の開発などによって、できるだけコストを下げていただくようにお願いもしているところでございます。
いずれにしても、新幹線は県土の骨格づくり、あるいは日本列島における富山県の拠点性を高めるのに大変重要でありますので、苦しい財政事情でありますけれども、しっかり進めてまいりたいと思います。
次に、県の人事についての御質問にお答えをいたします。
県政の運営に当たっては、限られた人員、財源の中で、県民のニーズを踏まえた現場重視、スピード重視の県政を進めていくことが重要でありまして、もとより組織、人事においては、簡素効率化の観点からの組織機構の見直し、的確な定数管理などの行革に積極的に取り組む、また適切な人事配置とすぐれた人材の登用ということに努めていかなきゃならないのは、当然でございます。
こうした観点に立って、県全体の企画部門であります知事政策室につきましては、少子化対策、子育て支援、広域連携、定住促進、交流人口の拡大、総合交通体系の整備、防災・危機管理など、新たな課題あるいは各部局にまたがる横断的な課題に対応するために、組織の見直しに努めてきました。その結果、総合調整機能─私は、いろんな御意見があると思いますが、この知事政策室をつくってやはりよかったと思っておりまして、相当な効果が出ているんじゃないかと。また、各部局単独では対応が難しい課題に対して迅速に対応できる組織づくりが進んでいると思っております。
また、おっしゃるように、企画部門が肥大化してはいけませんから、知事政策室においても、基本的な政策や戦略の取りまとめを行ったものは各部局に業務を移管することにしております。例えば物流戦略、昨年随分力を入れて知事政策室を初め各部局に頑張ってもらいましたが、方向が出まして、予算等もつけましたので、本年4月、商工労働部立地通商課に物流通商班を設置しまして、必要なスタッフを配置の上、業務を知事政策室から商工労働部に移すというふうにしております。
なお、後方支援部隊であります経営管理部につきましては、本庁の職員数を271名から236名に縮減するなどの効率化に努めておりまして、現場重視、県民重視、これはもう当然のことであります。これからも努力してまいりたいと思います。
また、各省庁との人事交流も、国の政策と県政の課題は密接に関連しておりますから、今後も必要じゃないかと思いますけれども、一方で、これからの分権型社会、ぜひそういうふうな社会にしていかなきゃいかんと私は思っていますけれども、そのためには地元職員の登用も重要でありまして、特に女性の職員のポスト職への登用ですとか、若手職員の幹部職への登用、こういったものを積極的に行っております。
過去10年で見ますと、中央省庁職員の本庁部局長級職への就任は、ピーク時5人という時期もございましたが、毎年適材適所を旨としているため多少変動もありますけれども、最近では3人から4人で推移しております。また、課長級以上の職では、中央省庁からの職員は平成10年には21人でしたが、それをピークに減少しておりまして、現時点では11名と、最近10年では最少となっております。
なお、公営企業管理者についていろいろお話がございましたが、私は、電力自由化への対応を初め、今後企業局のあり方もいろんな面で見直しもしなければいかん。企業局が一体となって迅速的確に取り組んでいただく必要がある。そのための整備として、この4月から企業管理者を置くと。
また、会計管理者につきましても、これは自治法の改正で出納長制度の見直しがありましたので、出納長にかわる一般職の職として本年4月から配置したものでありまして、いずれにしても、人事上の処遇という性格のものではないというのは御理解いただきたい。
また、いろんな面で簡素効率化も大切ですから、これからもしっかりとそういう考え方に立って取り組んでまいりたいと思っております。
以上でございます。
31 ◯議長(仲 外喜雄君)
藤木知事政策室長。
〔知事政策室長藤木俊光君登壇〕
32 ◯知事政策室長(藤木俊光君)まず、北陸電力の臨界事故に関しまして、構造上の欠陥ではないかというような御質問にお答え申し上げます。
原子炉の技術的、構造的基準に関しましては国の所管でございますが、このことに関しまして、経済産業大臣が本年4月の国会におきまして、原子力発電所での制御棒抜け落ちについて、沸騰水型の原発での構造的な問題ではないかという質問に対しまして、「構造上の問題ではない」という答弁をされているところでございます。
また、4月20日の原子力安全・保安院の調査報告書では、「
再発防止対策としては適切に手順書を整備し管理を徹底することが基本である」としているところであります。
これを受けて北陸電力では、
再発防止対策において、予期せぬ臨界とならない隔離手順の策定、作業管理システムを活用した継続的作業管理の改善といったマニュアル類の整備、管理といったことに加えまして、設備面での対応として、冷却水ヘッダ管差圧の警報を分離する工事などを実施することとしていると承知しております。
次に、並行在来線に関する御質問にお答えいたします。
並行在来線の安定的な経営を確保するためには、しっかりとした見通しに基づく適正な経営計画を策定しなければならないと考えております。
昨年度実施いたしました将来需要予測調査の結果によりますと、北陸本線の県内区間の輸送密度は、先行の4つの並行在来線と比較しまして、しなの鉄道とほぼ同等、他の3路線よりはかなり高いという状況にございます。しかしながら、しなの鉄道も厳しい経営環境に直面しており、また、今後沿線人口の減少、あるいはモータリゼーションということで、将来需要が減少せざるを得ないと考えられることから、並行在来線の経営は厳しいものと予想されております。
この経営を成り立たせるためには、コストの縮減や収入確保、適切な運賃設定による収益力の向上、さらには駅の活性化や鉄道の利便性向上、自動車利用の見直しなどの利用促進方策の実施が必要と考えております。今年度実施する収支予測調査の中で、こうした課題についても調査分析してまいりたいと考えております。
また、北陸本線は地域住民の日常生活を支える重要な路線であると同時に、現在1日約40本の貨物列車が走行する貨物列車の大動脈ということでございまして、広域的かつ幹線的な
物流ネットワークを支えている実態を勘案しますと、その経営についても、基本的に沿線の地方公共団体の責務とするのではなく、国において全国的な観点から必要な支援措置を講じられる必要があるのではないかと考えております。
そのため、本県の重要要望の一つとして、並行在来線の安定的な経営の確保を図るため、初期投資に対する支援やJRからの資産譲渡に対する格別な配慮などについて必要な支援措置を講じられるよう、国や関係者に対してさまざまな機会を通じて要望しているところであります。
また、隣県との関係につきましては、現在、北陸新幹線に関する連絡協議会というものを持ちまして、各県で実施している調査内容の相互提供を行っているところでございますが、各県の調査がある程度出そろった段階で、隣県間で調整すべき事項について協議してまいりたいと考えております。
また、JR西日本に関しましては、並行在来線の開業に向けまして、鉄道資産の譲渡や事業の引き継ぎ、またその後の運営体制の協力といったようなことについて協議していく必要があると考えておりますが、当面は、今年度実施いたします収支予測調査におきまして、鉄道資産や要員、組織運営体制の現状といったようなものについて情報提供をいただくということになっております。
いずれにいたしましても、並行在来線の安定的な経営を確保していくためには、国においても必要な支援措置を講じられるよう引き続き働きかけていくとともに、隣県やJRなど関係機関と適切な時期に十分な協議を行いまして、しっかりとした経営計画を策定し、運営会社の設立につなげてまいりたいと考えております。
以上でございます。
33 ◯議長(仲 外喜雄君)椎葉厚生部長。
〔厚生部長椎葉茂樹君登壇〕
34 ◯厚生部長(椎葉茂樹君)菅沢議員から、5問の御質問がございました。
まず、医師臨床研修に関する御質問にお答えいたします。
本県の臨床研修病院でございますが、富山大学附属病院、県立中央病院など全部で14病院ございます。19年度のマッチング結果でございますが、議員御指摘のとおり、マッチ者数は54名でございます。マッチ率48.2%で、全国順位45位でございました。
19年度におきます本県のマッチ者数などの実態でございますが、近隣の石川県、福井県と比較いたしますと、まず大学附属病院でございますが、富山大学が24人でございます。石川県の金沢大学が38人、福井県の福井大学が35人ということで、比較しますと少ない状況にございました。
富山大学附属病院におきましては、今回の少ない結果を踏まえまして、医学生や研修医等の意見を反映させた新たな研修プログラムを作成されたと聞いております。また、富山大学に関しましては、本年1月24日に知事が直接出向きまして、当時の医学部5年生──今6年生でございますが、ぜひ富山で頑張ってほしいと直接語りかけたところでございます。富山大学におきましては、臨床研修医の確保に一層頑張っていただきたいというふうに考えております。
一方、大学附属病院以外の臨床研修病院でございますが、本県はマッチ者数が30人でございます。石川県は19人、福井県20人でございまして、北陸3県の中で最も多くなっております。その内訳を見ますと、マッチ率の高い病院もございましたが、一方で、6病院におきましてはマッチ者数ゼロという状況でございました。
このように、臨床研修医が集まる病院と集まらない病院とがありますが、全国的な状況を見ますと、国のアンケート調査によりますと、研修先を選んだ理由といたしましては、「病院の実績」、それから「研修の指導体制のよいこと」が第1位でございました。また「研修プログラムの内容がいいこと」が第2位でございました。
こういった状況を踏まえて県内の状況を見ますと、県内の臨床研修医が集まっている病院でございますが、県立中央病院、それから黒部市民病院、市立砺波総合病院でありますが、これは患者数も多うございまして研修医の指導体制も充実してございます。また、黒部市民病院、そして民間の八尾総合病院─これはベッド数200ほどの病院でございますが、これらの病院におきましてはプログラムで海外研修等を組み込んでございます。
こういったことなどがありまして、研修医の集まる病院というのは、研修病院の充実した指導体制や魅力ある研修プログラム等ではないかというふうに考えてございます。
県といたしましては、県全体として臨床研修医を多数確保していく必要があると考えておりまして、去る4月に大阪と金沢で開催されました医学生向けの就職説明会におきまして、県内の臨床研修病院と共同でPRを行ったところでありまして、また7月には東京会場にも参加することとしております。
県内の各臨床研修病院においても、大学や県医師会等と密接に連携いたしまして、若い研修医を引きつける魅力ある臨床研修体制を構築していただきたいと考えておりまして、県としても必要な助言等に努めてまいりたいと考えております。
次に、自治医科大学出身の医師の配置などに関する御質問にお答えいたします。
自治医科大学は栃木県にございますが、この大学を卒業いたしまして医師免許を取得した場合は、原則として卒後9年間は、出身県に戻りまして県内の地域医療等に従事することが義務づけられております。
本県における義務年限内の標準的な勤務形態でありますが、まず最初の2年間は、県立中央病院での初期臨床研修をやっていただきます。そして次の2年間でありますが、僻地医療拠点病院等に派遣をいたします。そして続く1年間でありますが、利賀と上平の2カ所にある僻地診療所で1人で治療を担っていただくことになっております。そしてその後1年間は、県立中央病院等に戻りまして専門技術研修を受けていただきます。そして最後の、残りの3年間でありますが、再び僻地医療拠点病院等へ派遣いたします。あるいは、最近では不足している小児科、産科、麻酔科等の特定の診療科で勤務していただくこともできるようにしてございます。このようなローテーションで9年間の義務年限を終了するものでございます。
現在、県内の義務年限内の医師でございますが、19名でございます。このうち、県立中央病院で行っております初期臨床研修中の4名、それから専門技術研修中の3名、そして麻酔科研修中の1名を加えた8名を除きます11名が、現在派遣できる医師となってございます。この11名の医師の内訳でございますが、現在、僻地医療拠点病院5カ所で7名、僻地診療所2カ所で2名、これ以外の医師不足病院に1カ所で1名、新川厚生センターへ1名配置しております。これに加えまして、さらに特定の医師不足病院に優先的に配置することは難しいものと、現在考えてございます。
このため、先ほど知事の答弁にもありましたが、これまでも自治医科大学に対しまして、本県出身者をこれまでの2名から3名へ増員するよう働きかけているところでございます。
次に、9年間の義務年限を終えました自治医科大学出身の医師の状況でありますが、現在42名おります。このうち県内におきまして公立病院等に勤務するか、または開業している医師は合わせて33名、全体の割合からすると8割の方が残っております。また、県外の医療機関へ勤務している医師は7名、また県外で開業している医師は2名でございまして、多くの自治医科大卒業生は県内において地域医療等に従事している状況でございます。
次に、議員御質問の県立中央病院の活用でございます。
先ほど知事のほうから御答弁申し上げましたように、後期研修の一環として、例えば県立中央病院で2年から3年、医師不足病院で1年から2年研修するシステムを20年度に創設することとしており、現在検討会を設置いたしまして、後期研修プログラムの内容等について検討いただいているところでございます。この新たな研修プログラムは、県立中央病院と医師不足病院の相互交流にもなるものと考えております。
いずれにいたしましても、県といたしましては、今後とも富山大学医学部や公的病院、県医師会等との連携を密にいたしまして、医師確保対策に市町村とともに積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
次に、医療費適正化計画に関する御質問にお答えさせていただきます。
今年度策定いたします県医療費適正化計画でありますが、平成20年度から24年度までの5年間を計画期間としております。そして、まず生活習慣病有病者・予備群の減少や、平均在院日数の短縮や、療養病床の病床数などに関する数値目標を策定することとしております。また、このような目標達成のための具体的な取り組みや、こうした取り組みを行うことによる医療費の見通しなどにつきまして、国の基本方針に基づきまして、医療計画等との調和を図りながら策定することとされております。
一方、並行して作成いたします県医療計画におきましては、がん、脳卒中、急性心筋梗塞や糖尿病の4つの疾病、そして救急医療、災害時医療、僻地医療、周産期医療、小児医療及び在宅医療の各医療事業ごとに医療連携体制の構築について盛り込むこととしております。御質問の医師確保を含めた医療提供体制につきましても、この医療計画の中で検討していくこととしております。
議員御指摘の医療費適正化計画は、この医療計画との調和を保ちながら策定していきたいと考えておりまして、医師確保対策についても十分配慮されたものとなると考えております。
次に、医療費助成制度の助成額の将来推計等に関する御質問にお答えいたします。
県単独医療費助成制度の近年の決算額でございますが、平成12年度が約17.2億円、14年度が20.5億円、15年度及び16年度が21.8億円、17年度が22億円、18年度─これは決算見込みでございますが、約22.2億円となっております。
県単独医療費助成制度の対象となる医療費につきましては、今後の高齢化の進展でありますとか、医学の進歩に伴う医療の高度化、多様化でありますとか、予期せぬ感染症の流行の動向でありますとか、さまざまな変動要素があります。そういったことから、ここ数年の実績額をもちまして、御指摘のように、医療費の伸びにつきまして、急増期から安定期に入ったと判断するのは難しいのではないかというふうに考えております。
また、平成20年4月からの医療制度改革を踏まえた平成27年度までの医療費の将来予測でございますが、多様な変動要因が想定されておりまして難しい面があると考えております。特に、今後実施されます国の医療制度改革が本県の医療費助成額に与える影響につきましては、この医療制度改革に対して、県、市町村としてどのように対応するかによって影響が異なることなどから、大変難しい面があると考えております。
昨年6月の第6回あり方懇談会等におきましてお示しした平成27年度の将来推計約27億円前後につきましては、これは仮に、国の医療制度改革を考慮しないで、県単独の医療費助成制度が現行のまま推移したと仮定いたしまして、対象者数や受診延べ件数等の過去の実績と将来の人口予測などをもとに、平成17年度決算額を踏まえて推計したものでございます。これを18年度の決算見込み額をもとに、これまでと同様の考え方で試算した場合に、平成27年度将来予測は約26億円前後になるのではないかと見込んでおります。
平成20年4月からの国の医療制度改革の影響を考慮した推計でございますが、推計可能なものがある反面、推計困難なものも多く含まれております。まず、確実なものといたしましては、20年4月から乳幼児の負担割合の未就学児までの拡大がございます。これは現行ゼロ歳から2歳までが2割、3歳から6歳までが3割となっておりますが、これは平成20年4月からはゼロ歳から6歳を通じて2割となるわけでございます。これに伴うものが約5,000万円の減が見込まれるというふうに考えております。
しかしながら、推計困難なものでございますが、高齢者の療養病床に入院している患者さんの居住費の自己負担化に伴う影響でありますとか、平成23年度までに行うこととされております療養病床の再編に伴う影響でございますとか、2年に一度国において行われます診療報酬、薬価の動向についての影響でございますとか、今年度末までに策定する予定であり、平成24年度を最終年度としております医療費適正化計画に関する影響などでございます。
加えまして、医療制度改革による影響ではございませんが、例えば7対1看護体制の整備など手厚い看護となるような動きがございます。それから、次々に新しい検査機器が開発されると保険に導入されてまいりますが、こういった医療の高度化に伴うものがございます。また、新薬の開発についても同様でございます。また、予期せぬ感染症の流行など、助成額の増加要因となるもので推計が困難なものもございます。新たな医療を受けたいというのは患者さんの望みでもありまして、また医療を提供する側の望みでもございます。
こういった助成額の増加要因となるものにつきましては、最終的には、国の医療制度改革を考慮しない場合の平成27年度の将来予測26億円前後と大差はないものになるのではないかと見込んでいるところでございます。
いずれにいたしましても、現在、あり方懇におきまして実務調査報告が取りまとめられたところでありまして、県といたしましては、今後、懇談会におきまして市町村の意向把握結果をもとに議論を深めまして、最終報告をまとめていただき、制度全体のあり方について、県議会を初め市町村、関係方面と十分協議いたしまして、適切に対応してまいりたいと考えております。
最後に、医療費助成制度の支給方法についての御質問にお答えいたします。
県単独医療費助成制度における支給方法のあり方につきましては、昨年6月のあり方懇談会の中間報告におきまして、現物給付方式は、医療費の波及増の発生や国民健康保険における国庫負担金の減額措置など、コスト面からデメリットはあるが、受給者の利便性は高いこと。一方、償還払い方式は、波及増がない、国民健康保険における国庫負担金の減額措置がないなど、コスト面や受給者にコスト意識が出るなどメリットはあるが、受給者の利便性に難点があることなどにつきまして比較検討を行い、整理されているものでございます。
こうしたことを踏まえて、支給方法につきましては、「現物給付方式と償還払い方式のそれぞれの長所をあわせ持つ償還払い振り込み方式が、受給者のコスト意識を保ちつつ、利便性が高く、すべての制度についてこの方式を導入することが適当である。」とされたところでございます。このように、さまざまな観点から比較検討を行いまして整理されたものでありまして、決して受診を抑制するというものではございません。
お尋ねの、医療機関への意向調査を県で実施すべきとの点でございますが、まずは実施主体であります市町村の意向を把握することが大事であると考えております。
また、先ほど仮に償還払い振り込み方式となった場合、現物給付方式を採用する市町村に減額調整を課すのかという御質問がございましたが、支給方法のあり方につきましては、今後市町村等と十分協議して検討していく必要があると考えておりまして、御質問の点につきましては、現段階ではお答えすることが難しいものと考えてございます。
県といたしましては、今後懇談会におきまして市町村の意向把握結果をもとに議論を深めまして、最終報告をまとめていただき、制度全般のあり方につきまして、県議会を初め市町村、それから医師会等の関係方面と十分協議して、適切に対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
35 ◯議長(仲 外喜雄君)八木教育委員長。
〔教育委員長八木近直君登壇〕
36 ◯教育委員長(八木近直君)学校選択制の導入に係る御質問にお答えをいたします。
学校選択制は、公立の小中学校において保護者の希望によって通学校を選択することができる、そういうものであります。このことは、平成15年の学校教育法施行規則の改正に基づいて、市町村教育委員会がみずから判断して実施できることとなったわけであります。
この制度については、保護者が学校により深い関心を持つ、あるいはまた保護者の意向、選択、評価などを通じて、特色ある学校づくりを推進できるなどというような長所が指摘されております。しかし、その一方で、学校の序列化であるとか、あるいはまた学校間格差が発生するおそれがある。あるいはまた学校と地域とのつながりが希薄になるおそれがある。そういう短所もまた指摘されているところであります。
また、学校評価でありますけれども、これについては、このことを契機といたしまして、それで学校運営を見直す。そして地域や保護者に開かれた信頼される学校づくりを進めるということが目的となっているのであります。
また、全国の学力調査でありますけれども、これは各学校の学力などについてその実態を把握して改善を行うということが大事にされております。以上は、いずれも大切なことだとは思います。
さりながら、11世紀ぐらいでありましょうか、中国の程伊川という人がおられましたが、この人は、「学校は礼儀相先んずるの地にして、月々にこれをして争わしむるは、殊に教養の道にあらず」と言いました。つまりは、つまらん競争ばかりに明け暮れていてはだめだということだろうと思います。今日においても忘れてはならぬ言葉だと思うのであります。
先ほどちょっと触れたように、学校選択制の導入ということは、各市町村教育委員会が判断すべきことであります。各市町村の独自性というものは尊重されなければなりません。そうであればこそ、そしてまた、これは文部科学省も言っていることでありますが、なおさらその際には、地域の実情を踏まえ、そして児童生徒や保護者、地域住民の意向に耳を傾けて十分に検討した上で判断していく、そういうことが大切だと思うのであります。そしてまた、その運用に当たっては、これはいかなる制度にも当てはまることだと思いますけれども、その本来の趣旨、あるいはまた留意点というものを踏まえて対処していかなければならないと、そのように思います。
その際、忘れてならないのは、何が子供にとって大切であるか。そういうことだろうと思うのであります。今後とも、そのことは忘れることのないように対処してまいりたいと、そのように思っております。
37 ◯議長(仲 外喜雄君)東野教育長。
〔教育長東野宗朗君登壇〕
38 ◯教育長(東野宗朗君)NHKスペシャルの番組につきまして、小中高生の環境ふるさと教育の材料として取り上げてはどうかという御質問にお答えしたいと思います。
議員から御紹介ございましたように、御指摘の作品につきましては、富山湾のすばらしさ、そして富山湾とともに生活し、生き続けてきた人々の知恵と姿を紹介したものでございまして、私も2回見させていただきまして、大変感動したところでございます。
小中学生がみずからのふるさとにつきまして、誇りを持ち、またその魅力を知るということは、学校教育の上からも大変大切なことだと考えております。この作品は、環境教育といたしましてもふるさと教育の材料といたしましても、大変有用なものと考えているところでございます。
しかしながら、著作権法というものがございまして、放送を録画したビデオの使用につきましては一定の制限が課されているところでございます。具体的に記載してあるところでございますけども、学校における使用につきましては、教師が個人で記録したものを自分の授業に使用する場合に限定されている定めがあるわけでございます。
こうしたこともございますので、2回再放送されておりますので、録画撮りした教員にありましては著作権に配慮しながら教室で活用していただきますとともに、現在まだDVDとかそういうものは市販されていない状況がございますので、録画ビデオのない学校からの要請がございました場合に、児童生徒に見せる方策につきまして、NHKとも十分相談して努力してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
39 ◯議長(仲 外喜雄君)岩元生活環境文化部長。
〔生活環境文化部長岩元達弘君登壇〕
40 ◯生活環境文化部長(岩元達弘君)富山湾の水質保全対策の御質問にお答えいたします。
県では、河川、湖沼、海域及び地下水の水質環境の保全を総合的かつ計画的に推進するため、昭和62年に水質環境計画を策定し、これまで3回にわたって改定を行ってきております。計画では、公共用水域等の水質の監視調査、生活系、産業系等の排水対策、水域の保全、水辺の美化等の環境保全活動などの施策を盛り込み、総合的に推進してきておるところでございます。
このうち、議員御質問がございました富山湾の水質保全対策につきましては、平成14年に改定いたしました現行計画において課題の一つとされ、代表的な水質の指標であるCODが高くなる原因の一つとして、窒素、燐を栄養とする植物プランクトンの増殖による内部生産があることから、国が設定した閉鎖性海域の環境基準と比較しても、十分に低い窒素、燐の水質環境目標を本県独自に設定し、工場、事業場の産業排水対策、下水道などの生活排水対策等を推進してきているところでございます。
現在、富山湾において有害な赤潮の発生などの被害は見られませんが、一般的には内部生産が多くなり過ぎると水域の富栄養化を招くおそれがあると言われていることから、今後も窒素、燐の削減を進めるとともに、富山湾の水質に影響を及ぼす要因などについて調査を行っていく必要があると考えております。
このようなことから、富山湾の水質保全対策については、工場、事業場など陸域からの汚濁負荷を削減すること、水質のモニタリングを長期的に継続すること、富山湾の環境の調査研究を総合的に推進すること等に取り組んでいくこととしており、水質環境計画の改定においても、以上の点も含めて、環境審議会の水環境専門部会において十分に御審議いただき、年度内を目途に計画を改定し、引き続き富山湾の水質保全対策を推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
41 ◯議長(仲 外喜雄君)
寺林農林水産部長。
〔農林水産部長寺林 敏君登壇〕
42 ◯農林水産部長(寺林 敏君)富山湾の環境保全についてのうち、漁場環境調査を徹底し、特に藻場の調査、造成事業を推進すべきと考えるがどうかとの御質問にお答えいたします。
富山湾の漁場環境を保全していくことは、水産資源の維持増大を図り、良質で豊かな水産物を県民へ供給するために大変重要であると思っております。
このため県では、漁業者の協力のもと、定置網漁場における水質調査、並びに沿岸漁場での水質や海底の状態、及びその中にすむ貝類、甲殻類などの生物などの調査を毎年実施しております。昨年度は、これらの調査に加え、5年ごとに行う富山湾漁場環境総合調査として、定点数や項目数を増やし、富山湾全域のより詳細な調査を実施したところであります。
一方、藻場は魚介類の産卵や稚魚の育成の場として、また燐や窒素を吸収し浄化するなど、漁場環境の保全の面からも重要な役割を果たしております。
このため県では、毎年藻場の調査を実施してきており、本年度は海藻の種類や量、テングサの環境、生態などに関する調査を行うこととしております。さらに、昭和54年から沿岸の市や町と連携して、自然石の投入や魚礁の設置による藻場の造成に取り組んできており、昨年度までに約18万500平方メートルの藻場を造成したところであります。
県としては、今後とも漁場環境保全のための調査を継続的に実施していくとともに、沿岸の市町と協力し、藻場の造成に積極的に取り組むことにより、魚介類の生息の場である富山湾の環境を守り、豊かな恵みを末永く享受できるように努力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
43 ◯議長(仲 外喜雄君)菅沢裕明君。
〔31番菅沢裕明君登壇〕
44 ◯31番(菅沢裕明君)知事に再質問いたします。
地域防災計画の中に原子力関係を盛り込むという、これは15年ぶりの実現であります。中沖前知事も石井知事も、このことについては、うちの田尻議員の質問に対してはなかなか前向きな回答をもらえなかったんじゃないかと思いますけれども。
そこで、県の地域防災計画に盛り込まれる原子力災害に対する対応について、私はなかなかイメージがわいてこないわけであります。原子力災害の特殊性といいますか、これは放射能汚染が一番問題でありまして、これは本当に音も色もなく広がる。風向き次第では、氷見なんかは風下と言われておりますけれども、20キロ圏どころか、チェルノブイリのごときは何百キロと広がる災害であります。しかも影響が長期間に残る災害ということになります放射能汚染でございます。
したがって、初動対策が極めて重要になるわけでありまして、こうした放射能汚染災害に地域防災計画の中で具体的にどういうことを盛り込むのか、非常にイメージがわかないのであります。例えばとっさに浮かびますのは、志賀町や羽咋市等では、小中学校、保育園に沃素剤が設置されております。これは甲状腺の放射能がん等を防ぐということのようでございますけれども、当面はそんなことがあるのかなと。しかし、放射能汚染に対する災害でありますから、具体的なイメージがなかなかわいてこない。知事、ぜひきょうはいろいろお聞かせ願えればと思っております。
2つ目は、あなたは、安全協定と同じくらいの効力でもって、内容でもって、北電との間のいわゆる通報ですね、既にそういうものがあるという御認識を示されましたけれども、間違いじゃないでしょうね。これは私は全くの誤解ではないかと思っております。現在の北電からの富山県への申し入れは、これは部長クラス同士の単なる申し合わせ程度でありまして、これは報告の事項が何回か改定をされまして列挙されておりますけれども、これはしかし、その程度ではもうだめですね。原子力災害に対応するような北電との連携、報告のルートではね。これは知事が社長との間にちゃんとそういうものを結ぶ必要があります。したがってこれは、本来は安全協定の締結が求められるわけであります。
安全協定についても、先ほどのお話しのように8キロから10キロ圏という規制があるわけでございますが、原子力防災計画でそれを乗り越えられたんでありますから、安全協定でもぜひ乗り越えて、北電との間で協定を結ぶように努力をいただきたいと、このように思います。安全協定が結ばれれば、まさに立入調査もできますし、それから災害時だけではなくて、平常時における報告等も義務づけられてまいります。核燃料等の輸送計画に関する事前連絡も入ります。高速道路──北陸道、能越道に、核を積んだ、ウラン燃料を積んだ自動車が走行する。場合によっては交通事故等で、こういうものも災害につながるわけでございますから、富山県の地域防災計画にそういったことも盛り込まなければならんわけでありまして、これはそういう意味では、安全協定を頭から否定するようではだめですね。
医師の確保問題、これは医師不足で地域医療の危機。私は格差も申し上げました。生まれてきている。病院の経営危機にも発展いたしております。県が、医師不足に対して、平成19年度具体的なそういうものを訴えておられるところへ何名か派遣できたんですか。お世話をできたんですか。例を挙げてください。
県が当面の医師確保対策について、県民の医療を守る立場でしっかりと役割を果たすということが求められております。例えば自治医大の卒業の先生、年限内の方が県立中央病院には4名いらっしゃいますけれども、もっと思い切って、周辺の医師不足に悩む自治体に派遣されたらどうですか。中央病院には百四十数名のお医者さん、まさに巨大な集団です。立派な実績を上げていらっしゃいますけれども。中央病院の医師と、周辺の公的自治体医療機関の医師との交流なんかをやったらどうなんですか。そういうことも検討してくださいよ。
それから、富山大学との協定、協力関係ももっともっと強める必要があります。富山大学は、実は済生会病院に脳卒中等のSCUを導入いたしまして、これに外科医を7人派遣いたしております。ところが、氷見のほうにおられた2人の大事な脳外科のうちのお1人を済生会に移しておるんですね、富山大学の考え方で。これはどういうことなんですか。御存じでしたか。県は富山大学に対してどういう影響力を行使できているんですか。これは問題ですよ。このことによって、氷見の地域では、脳卒中等の急患対応、第二次の救急医療機関としての役割を果たせなくなっておりますので、このことについても厚生部長の見解を求めて、私の再質問を終わります。
再々質問も場合によってはやらせていただきますから。
45 ◯議長(仲 外喜雄君)石井知事。
〔知事石井隆一君登壇〕
46 ◯知事(石井隆一君)菅沢議員の再質問にお答えしたいと思います。
まず、地域防災計画の中に、先ほども鹿熊議員さんの御質問にお答えしましたが、原子力防災対策といったような独立の章を設けたいと思っておりまして、もちろんこれから詰めをするんですけれども、今の段階では、やはり当然ながら、そういう原子力災害が起こった場合の応急活動体制、職員の非常配備ですとか、災害対策本部の設置の問題とか、あるいは情報の収集伝達の方法、また自衛隊の災害派遣であるとか、広域消防─緊急消防援助隊の要請とか、こういった広域応援の要請の問題、また救助・救急の活動の問題、それから当然医療救護体制の整備の問題─そういう場合にはこういう連絡網でもって医療救急班を派遣するとかいったようなことですね。それから交通規制とか緊急交通路の確保といった問題も当然起こります。それから、もちろんその原子力災害の状況にもよるわけですが、避難勧告とか指示とか、あるいは避難場所、避難道路の運用、避難所の設置、あるいは災害時要援護者への援助といったようなことが考えられる。ただ、これから実務的にきちんと詰めてまいりますので、今の時点での私のイメージを申し上げているわけでございます。
それから、北陸電力との合意というけれども、部長クラスの文書で、知事と社長で結ぶべきだということでありましたが、部長とはいえ、県を代表してちゃんと結んでおるわけでありまして、合意をしているわけで、実際にも今回もそうでございましたが、石川県の場合は、この原子力災害対策特別措置法の権限はもともと法律上ありますし、またおっしゃるように北電との安全協定ということで、法令、協定による一定の権限を背景にして、立入検査とか調査をされている。
富山県の場合には、そういう法令上の根拠はないわけですけれども、先ほど申し上げたようなことで、文書でちゃんと同じような情報提供をいたしますということを北電さんが約束をされて、今回もそのとおりきちんとやっていただいておりますし、また現地への調査も、私、たしかこの問題が起こった翌日3月16日でしたか、向こうの副社長さんが見えたときに、現地に調査に入らせてもらいたいと言ったら、わかりましたということで、3月28日に職員が現場に行って、きちんとした説明も受けておるわけであります。
ですから私は、今の段階では、今度の事故が起こったとか、ああいう事故が非常に重大であるとか、それを長年隠しておられたということについては大変遺憾に思って、まことに遺憾だと思いますけれども、しかし、その後の情報提供とか、あるいは現場での説明とか、こういったことはきちんと対応していただいていると思っておりまして、そういう意味では、何か今非常に不都合があって、我々がこういう情報を出してくれと言っているのに出してくれないとか、そういうことになれば、またおっしゃるように協定を結ぶとかいろんな議論があろうと思いますけれども、現状ではそれなりに対応していただいていますので、これからも実効ある形で─要は、もう二度とこういうことを起こしてもらわない。そのためにしっかりした体制をとってもらう。それをしっかり確認してもらう。また同時に、北電さんには、いろんな県民の皆さんは不安を持っていらっしゃるわけですから、信頼回復のために十分説明してもらう。こういうことが大事でありますので、そうした方向でしっかりと対応していきたいと思います。
なお、医師確保の問題については、これから厚生部長に答えてもらいますが、もちろん中央病院から医師を派遣したりとか、いろいろ議論としてはあると思いますが、一方で、御承知のとおり、一次医療、二次医療、三次医療と、富山県はコンパクトな県ですから、その中でいろんな仕組みをつくってうまくやっているわけで、そうしたことも十分御理解を賜りたいと思っている次第でございます。
47 ◯議長(仲 外喜雄君)椎葉厚生部長。
〔厚生部長椎葉茂樹君登壇〕
48 ◯厚生部長(椎葉茂樹君)それでは、再質問に答弁させていただきたいと思います。
まず県立中央病院の医師の問題でございますが、県立中央病院には、現在、自治医科大学出身の医師が13名勤務してございます。このうち義務年限を終えた医師は5名でございます。また、義務年限内の医師は8名でございます。この義務年限を終えた医師5名でございますが、現在県立中央病院で救急でありますとか産科など、政策医療の第一線で従事しているところでございまして、現在のところ、他病院に医師を派遣することは大変難しいものだというふうに考えております。
ただ一方、義務年限内の医師が今8名ございますが、このうち4名は初期臨床研修医でございます。残る4名のうち3名でございますが、僻地診療拠点病院の勤務後、現在県立中央病院で救急、これは2名でございます。また産科は1名でございますが、政策医療の専門研修を行っているところでございます。
もう1人、3年目の医師でございますが、これは医師不足が大変厳しい麻酔科を志しておりまして、現在、日本麻酔科学会の認定病院でありまして、麻酔科研修の実施が可能な県立中央病院で勤務している者でございます。
これらの医師につきましては、現在研修中でございまして、直ちに派遣することは困難でございますが、所定の研修を終えた後には、順次僻地医療拠点病院等へ派遣することになることを御理解いただきたいと思います。
それから、2つ目の脳卒中ケアユニットの件でございます。これは、済生会富山病院に脳卒中ケアユニットが整備されまして、脳外科医が集められました。そして氷見市民病院の脳外科医の2人の体制が1人に減ったということでございます。
この脳卒中ケアユニット──これはストロークケアユニット(SCU)というものでございますが、脳卒中の急性期医療を、医療、看護、リハビリテーションなどで形成されます脳卒中チームが24時間365日体制で集中的に行う病棟のことでございます。
本県におきましては、これまで脳卒中ケアユニットはございませんでした。二次救急の病院群輪番病院や救急救命センターにおきまして、脳外科医等が中心となって脳卒中患者を受け入れてきたわけでございますが、本年4月、済生会富山病院に脳卒中ケアユニットが県内で初めて整備されたわけでございます。これによりまして、新しい薬でありますtPAという薬がございます。これは脳梗塞発生後3時間以内に血管内に投与すればその血栓が溶けまして、もとに戻るという薬でございまして、これによる治療や脳血管内治療、脳外科的治療など高度な先進医療を、まさに一元的に県民に提供する体制ができるようになったわけでございます。
この取り組みでございますが、近年の医師不足の状況の中で、脳外科医も減少しております。このような中で、少ない人材を最大限活用いたしまして最新の高度専門医療を提供すること、また若手の脳外科の医師にとりましても魅力のある職場をつくることによりまして、1人でも多くのすぐれた脳外科の専門医を養成するというようなことを目的として、富山大学の脳外科が中心となって取り組まれたものでございます。
医療の高度専門化あるいは細分化、患者様のニーズの多様化などに加えて、医師や看護師不足もありまして、すべての病院がすべての診療科をそろえまして、日常的な医療から高度専門的な医療のすべてを提供することにつきましては、現在なかなか難しい状況になってきていると思います。
また、脳外科常勤医2名で24時間365日、救急患者への対応を求めることも、これもなかなか、脳外科医の負担があまりにも大きいのではないかということで、かえって勤務医の病院離れが進むことも懸念されるわけでございます。このため、例えばがんは県立中央病院を初めとするがん診療連携拠点病院、脳卒中は済生会富山病院というふうに、選択と集中の考え方をもちまして専門医の集約化を図るとともに、県内の公的病院ごとにさまざまな機能を分担し合いまして、病院間の連携を強化することによりまして、お互いに補完し合う診療体制づくりを検討することも必要ではないかと考えておりまして、県としては、今後医療計画の中で、こういったことにつきましていろいろと検討を深めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
49 ◯議長(仲 外喜雄君)菅沢裕明君。
〔31番菅沢裕明君登壇〕
50 ◯31番(菅沢裕明君)知事に再々質問いたします。
知事は御存じのように、北電と富山県が約束をしている中身というのは、原発の事故の際の異常時における通報の項目を明記しているという中身であります。あなた、しっかりごらんください。異常時、つまりせんだってのような原子炉施設の事故、故障等により原子炉が停止したとき、または停止することが必要となったときとかいうふうな具体例で、北電が富山県に報告をすることになっております。異常時の場合であります。
先ほどの原子力防災計画ということになりますと、異常時だけではなくて、災害は常に備えなければなりませんから、平常時における報告であるとか、先ほど申し上げましたように輸送計画に関する事前連絡であるとか、さまざまなことの報告をしっかりとやってもらう必要が出てまいります。それから立入調査なんかも必要だろうかと思うわけであります。こんなことも含めて原子力防災計画の中で考えていかないと、これは中身のないものになっちゃいます。知事、少なくともあなたと北電の社長でしっかりと約束を取り結ぶようなことを考えてくださいよ。
原子力災害というのは、これは想定できないくらいに経験もないわけでありますし、またあっちゃいけないわけであります。先ほど申し上げましたような放射能汚染というものの特殊性があるわけでありまして、この災害に備えるということ、準備をするということは大変なことだということを肝に銘じて、簡単に県の地域防災計画に原子力災害を盛り込めばいいなんていうことを言っておるとしたら、これは大変なことなんです。認識を新たにしてしっかりやってください。
それから、医師の問題で厚生部長に再々質問いたしますけれども、病院の拠点化ということについては全く否定はいたしませんけれども、一点豪華主義で、脳疾患だったら富山の済生会、そこへ行ったら最高の医療を受けられるなんていう考え方、県立中央病院も145名近くの常勤医を抱える立派な、全国で有数の病院でありますけれども、県の医療政策の中で中央病院を立派にしていく、一点豪華主義、こんなことでいいんでしょうか。
地域の医療のニーズというのは、二次救急体制を氷見市のようなところにも確立する必要がある。これは地理的な条件からいっても、人口の広がり、いろんなことからいっても当然のニーズなんであります。現実に、それが今壊れてしまっている現状があるわけであります。そのことが済生会に脳外科の医者が集中されたと。しかも、富山大学の考え方でそうなっているということになりますと、一体富山大学はこの地域の、つまり二次救急なんかという、いわゆる政策医療の点でどういう役割を担おうとしておるのか明確でありません。したがって、厚生部、県は、こんなことも含めてしっかりと富山大学と連携していく必要があるんじゃないでしょうか。
県立中央病院も、県民の医療を守るという政策医療の分野で県が何をできるかということを考えたときに、県立中央病院の自治医大出身のお医者さんあたりは、周辺の医療機関──鹿熊さん、あさひ総合病院だってそうだよ。山辺さん、南砺のほうもそうですよ。ちゃんとそういうことを県に対して一緒に提案していこうじゃありませんか。
厚生部長は、一点豪華主義はだめ、これ。地域の住民の医療ニーズにこたえるときは、もっときめ細かな対策をしていただかないと。私は19年度当初、あなた方は、氷見にお医者さんを1名ですか、18年度当初は2名ぐらい派遣する何か約束をしておったと聞いておりますが、全然実現しませんでしたね。来年の春は3人ぐらいどうだという話をしているというのは本当ですか。軽々しくやったらだめですよ。きょうは県議会の本会議ですから。
県は、そういった意味で県民の医療ニーズにしっかりどう具体的にこたえていくのか。政策医療の面でも一点豪華主義じゃだめなんです。やっぱりそういう意味では、地域の医療体制をどう構築していくのか、そのために県の役割は大きいわけでありまして、特に救急の問題で申し上げましたので、明確に答えていただきたい。お医者さんの問題というのは、短期と中長期を考える必要があります。
もう時間ですか。それじゃ、これで終わります。
51 ◯議長(仲 外喜雄君)石井知事。
〔知事石井隆一君登壇〕
52 ◯知事(石井隆一君)北電と県との文書による合意というのは、もちろん異常時のことについてであるのはおっしゃるとおりであります。
私は、この地域防災計画の事故災害編の中に原子力災害対策という独立した章を設けたいと思っておるわけですが、あくまで事故災害に対処するために考えているわけで、今のところ、災害異常時に報告を受けられるきちっとした体制になっていれば、あまり支障がないんじゃないかと思いますが、平常時についてはよく勉強してまいりたいと思います。
また、北電の社長と知事である私との協定に非常に力を入れておられますが、私は、いずれにしても形式の問題じゃなくて、県を代表して部長と北電さんのしかるべき人間がそういう約束をしているんですから、それで今のところ支障ありませんので、しっかり対応していきたいと思います。
〔「支障なかったじゃないだろうが」と呼ぶ者あり〕
53 ◯議長(仲 外喜雄君)椎葉厚生部長。
〔厚生部長椎葉茂樹君登壇〕
54 ◯厚生部長(椎葉茂樹君)県内の医師の確保につきましては、しっかりやっていきたいと思います。
以上でございます。
〔「答弁じゃないぞ」「答弁じゃない」と呼ぶ者あり〕
55 ◯議長(仲 外喜雄君)以上で会派代表による質問、質疑を終わります。
報 告
56 ◯議長(仲 外喜雄君)次に、予算特別委員会の構成について御報告申し上げます。
〔「議長、議長、だめだよ」「答弁じゃない」と呼ぶ者あり〕
57 ◯議長(仲 外喜雄君)委員長杉本正君、副委員長五十嵐務君、理事神田真邦君、島田一君、横山栄君、湊谷道夫君、委員場家茂夫君、吉田豊史君、夏野元志君、矢後肇君、田尻繁君、渡辺守人君、稗苗清吉君、柴田巧君、中川忠昭君、大野久芳君、高平公嗣君、坂田光文君、上田信雅君、江西甚昇君、以上のとおりであります。
58 ◯議長(仲 外喜雄君)次にお諮りいたします。
議案調査のため、明6月15日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
59 ◯議長(仲 外喜雄君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
以上で本日の日程は終了いたしました。
次回の本会議は6月18日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後3時27分散会
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