富山県議会 2006-09-28
平成18年建設企業常任委員会 開催日: 2006-09-28
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佐藤委員長 おはようございます。
ただいまから
建設企業常任委員会を開会いたします。
1 9月
定例会付託案件の審査
(1) 質疑・応答
2
佐藤委員長 初めに本定例会において、本委員会に付託されました案件の審査に入ります。
付託されております案件は、お手元にお配りしてある
議案付託表のとおりであります。
これより付託案件についての質疑に入ります。
質疑はありませんか。
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江西委員 ここのところテレビやラジオで、県庁の入札に関する考え方で、点数制度で物事を決めていくと。安いのはだめだという発想からか、それとも業界から余り安いから、安いものにやらんとおけと言うたのか。適正な工事ができんからという、そういう問題は、基本的には私はないと思います。
一番大事なことは、安くていい物になりゃあ一番いいんじゃないの。その辺は、部長、どう考えていますか。
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埴生土木部長 公共工事につきましては、その価格、経済性の問題ももちろんございます。品質の確保というふうな面もございます。そういうことで、今回、
総合評価制度を試行するということは、従来はもちろん価格だけで決まる形であったわけですけれども、技術的な提案でありますとか、あるいは会社の状況でありますとか、そういうふうなものも総合的に評価して判断する、そういう新しい
総合評価制度、これは国の方で法律もできまして、そういうことが導入されてきておるということなものですから、県の方でもその試行をしていきたいということで申し上げているわけでございます。
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江西委員 私たち県民や税金を納める立場の者は、安くていいものが一番いいんですね。安く入札したからインチキをするとかせんという判断は、私は皆さん方のとり方によっては、自分に都合のいいとり方をするんじゃないかということを懸念しているわけであります。公平だとか、そんなことはしゃばにあり得るわけがないんで、あいつがきついから、半分でやっても落としてやらんまいかということで、あの橋の問題だって半分以下で落としたのは事実でしょう。だから、これから半分だとか3分の1だとか、それはあんた方が基準を決めるというから、僕は不公平な要素がそこにあるということで、大変心配するわけ。
ゼネコンなら、安くても文句言わんと落としたり、知ったもんだったらクレームをつけんという、そういうことが役所側の判断でできるということが、この問題の一番の欠点だと私は思う。
昔は、入札したメンバーで共保証をさせた。昔は業者が落としたら、必ず
入札参加者に保証させたわけや。今じゃ保険会社があるから、そっちで保証してくれるがなら、何もあかんでもそこから出るがだから、やり返させたってどうにでもなるわけよ。そのときはどう言ったかというと、入札者の中で共保証すれば談合が生じると、こういうことで、入札者の中の保証制度をやめたんですよ。わしは何十年もやっとるから、一番よく知っとる、そういうことを。
今、談合をさせない一番の方法は、いとも簡単なんだよ。入札した者全部に保証させろよ。全部して責任を持たんなんから、必ず談合は簡単につぶれるの。また、でたらめな値段は出ないの。そういうことも考えて、これは
国土交通省──
国土交通省から来ているやつおらんだか。
国土交通省は頭悪いからのう、いつも言うけど。そうだろう。
談合させたくない、いいものをつくりたい、安いものをつくりたいという方法は、業者が全部責任持つことをやらせりゃ、インチキはしない。とりたくても、そんないい加減なとり方はできない。そういうことも視野に入れて、皆さん方が入札基準というものを考え、保証を保険会社にかけて保証するというやり方から、できれば入札に参加したメンバーが責任を持って後始末するというような体制をつくらしていくことが、不正をなくする一番大きい問題だろうと思う。
そういう意味では、もっと試行錯誤して、国の言うこと聞いとったら、どっちみち上がみんな悪いことして、最近よく出とるねか。一番悪いことせんと思っとった県知事の弟が、入札に関与する。富山県でも、石井知事のことはそういうことはないけれど、昔は、もっともっと前は、一番いい例がおまえとこだろうが。(企業局を指さす)
工業用水道をつくって、その工事費はだれとだれがぽっぽに入れたか、わしはみんな知っとるんだよ。そのツケが今回ってきて、みんな恐ろしい目に遭って、借金を返さなきゃならん。
だから、
スキー場の話はきょうは余り──いや、
スキー場の話はもうちょっとだけするから、後で。
そういうことで、本気になって、役所の手前勝手な都合のためのルールは、つくるのやめなさい。一番大事なことは、皆さん方が犠牲になっても、インチキがないようにするにはどうすればいいかということを真剣に考える。役所の特権だとか指名権だとか、指導権というくだらんものにこだわり過ぎて、世の中が悪い方向へ行っとるよ。もっと、オープンにして、どうして1割でできるんだ、説明しなさいと言ってみなよ。公開しろと言うて。正しかったら、だれも不正するとは思わん。それすらせずにやぞ、1割だとか──何割でかけるかおれはわからんよ、今なら3割を切ったらそういう制度に引っかかるがか、どれくらいまでだったら制度に引っかかるのか。これをまた言うたら、業者がそれを聞いて、それ以下に安くせんということも言うかもしれんけど。基準はどこにあるの、その委員会に引っかける基準は。
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埴生土木部長 私が先ほど申しました
総合評価方式の導入ということにつきましては、委員がおっしゃいましたように、まだ試行でございまして、我々としてもそれこそ試行錯誤しながら、今徐々にテスト的に始めていきたいというふうなことでございますので、委員がおっしゃいました恣意性が入らないように、客観的に判断ができるというふうなやり方ができるということが非常に大事だと思いますので、そういうことは十分心得て進めてまいりたいというふうに考えております。
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江西委員 わかった。最後に警告しておきますが、こういう問題も、必然的に業者と役所が癒着する要因だから、そういうことがないように、ひとつ頑張ってほしいと思います。
以上です。反対せんよ、きょうは賛成しとくけどね。
8 菅沢委員 私は、議案第98号、企業局の
地域開発事業の補正の関係です。
スキー場の富山市への移管は、当面の対処としてはこれしかないのかなとは思いますが、ただ、引っかかるのは、問題意識を持っているのは、今後の
スキー場関係の債務のいわゆる
最終処理をめぐる問題です。これは議会答弁もいろいろなされておりますが、48億円ですか、この半分は
地域開発事業で何とか企業局の努力で見ていきたいが、あとは県の
一般会計で面倒見ると。その根拠としては、スキーというスポーツでの県民の健康増進なり、立山山麓の開発というか、地域振興に関連した公営企業の事業であったんで、県民の理解も得られるだろうというふうな知事の答弁もあるんですが、果たしてそうなのかなという大変大きな疑問を持っております。
結論を申し上げますと、したがって、そこまで考えると、この議案については賛成できない。ただ、賛成できないと言うて、当面の処理として、じゃあ反対でいいのかなということになってくると、ちょっといろいろ考えるところもあるわけです。会派としても議論をしてきましたけれども、したがって、賛否を保留するということにしたい。
そこで、ちょっとだけ申し上げたいのは、企業局の皆さんにはいつも大変強いことを言って申しわけないんだけれども、
工業用水道の話も江西先生からありましたが、
水道事業にしても
スキー場の事業にしても、大きな事業、メーンの事業が行き詰まっているというか、巨額の債務を抱えて、事業の
先行き見通しについても立たなくなっているものもあると。
そういう中で、
スキー場の債務残高48億については、半分は
一般会計でということで、
一般会計ということは、つまりこれは県民への負担の転嫁という見方ができると思います。そういう形で、県民に責任を持っていく形で債務の
最終処理をしようとしているというその根拠である、皆さんの説明についてはさっき申し上げたとおりです。
じゃあ、これから
県営熊野川水道用水供給事業、これも140億近くの最終的な債務の処理をどうするのかに直面するんでしょう。水道容量の
洪水調節容量への転換が公共事業の採択をされても、大体皆さんの試算でも──これはもう
国土交通省に要望している県の重点事業ですから、80億くらいなんでしょう。あとの60億近くの差額はどうするのか。これ
水道事業ですから、
厚生労働省の補助金がおまけというかカットされるような見通しが立ったにしても、まだ債務残高は残ると。これ、また
一般会計に面倒を見てもらうんですか。まず、そういう問題があります。
東部水道用水供給事業に至っては、これは出資金さえ出してもらえんという形で、県が立てかえしておるんですよ。ここも、でかい額じゃないと言うかもしらんけど、6億から7億あるんでしょう。これは、今県が立てかえでかぶっておるという処理の仕方をしとるわけです。
もう一つ申し上げたいのは、私、前からいろんな機会に皆さんにも申し上げているんですけれども、県の
西部水道用水供給事業、これも巨額の債務を抱えて、特に境川ダムは利用の見通しが立たない中で、建設仮勘定を本勘定に切りかえて、つまり境川を中心にした
西部水道用水供給事業の債務というものを、
西部水道用水供給事業を運営、展開していく過程で処理をしていくということですから、これは
西部水道用水供給事業の受水団体やその傘下の県民、市民に責任を転嫁することになるんですよ。
私は前から、そうでなかったら10円や20円は
水道料金を下げられたんじゃないのと。そういうことをするから、5円下げるのがやっとで、そんなことでは県民に見える形で
水道料金の引き下げにはなりませんと。そのとおりになっているでしょう。この
西部水道用水供給事業がやってきたのは、まさに西部地区の受水団体とその傘下の県民、市民に責任を転嫁しているというやり方なんです。
債務処理の方法が、企業局の事業によって全くばらばら。特定の地域の特定の県民に責任を転嫁したり、県民全体に責任を転嫁する。それも、
東部水道供給事業のように県が丸々それを立てかえ払いしていると、こういう惨たんたる状況があるわけであって、こうした現状を見るときに、私は大変な矛盾、問題点を感じる。それを指摘しておきたいと思います。
こういう、事業の破綻に至った過程、経過はいろいろあるにしても、今度の
スキー場の問題についても、当面の処理はこの補正予算の方法かなとは思うけれども、しかし、その先に来る債務の
最終処理をめぐるあり方については、これは明確な企業局や県当局の責任の所在も、そして責任に及ぶ発言もゼロであります。
知事は、
スキー場の問題については行革と、それから地域振興の二兎を追うというか、そして、それを調整、統一的に解決をした、いい方法だというふうに自画自賛しておったけれども、そんなことでいいのかね。私は、そういう議会論議を見ながら、当局の答弁を聞きながら、この案件については、当面の処理はこういう方法しかないのかなと思いながらも、しかし、賛成するわけにはいかない。そういうことで、賛否については態度を保留させていただきます。
今申し上げましたように、企業局の事業にわたる幾つかの問題点も指摘しました。
最終処理についての問題点を指摘しましたけれども、これは議会の論議としてはこれからも残ると思います。そういうことで、その辺についてはきょうは私の考えを深く述べるようなことはやめておきますけれども、今後の議論に残したいと思います。
以上です。
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棚瀬企業局長 スキー場につきましては、昨年4月に私が参りましてから、知事から行革の動き等を見ながら適切に対処するようにということで、これまで取り組んできたところですけれども、9月に
行革推進会議からの提言をいただいて、その前に議会でいろんな議論をいただきまして、それで廃止するということで実現に取り組んできたところでございます。
その後、やはり地元でございますので、押しつけるという意味でなくて、施設活用の可能性なり、あるいは、もし引き受けてもらえるとした場合にどういう条件が必要かということで、富山市の方に率直にお話を申し上げまして、いろんな協議を進めて、もう数十回の協議を重ねてここまでまいったわけでございます。
その途中過程で、市の方からはやはり地元を十分説得してくれというような話もございまして、3条件ございますけれども、例えば地代を引き下げてくれとか、それから、10年間たったときにはもう一度見直しをさせてくれとか、そういうふうな条件をいただきまして、私どもが延べ100回以上にわたって地元へ参りまして、個別に地権者の皆さん方にお話をして、ようやくここまで来たというところでございます。
それから、48億の債務処理の話でございますけれども、私が言うと何でも言いわけになってなんですけれども、やはり、いわゆる公的な
スポーツ施設を企業会計でやってきたということで、すべて借り入れで賄って、高いときには8.5%という金利のお金を借りてやってきたわけでございまして、例えばもし
一般会計でやっているという──そういうことはないんですけれども、そうであれば収入といろんな経費を計算しますと、むしろプラスになるような事業をやってきたんですけれども、いわゆる減価償却あるいは金利負担というのが非常に重くのしかかりまして、結果として債務が48億に膨らんだという事情でございます。
なお、これにつきましても、企業局にできることは非常に限られておるんですけども、幸い
駐車場事業は、今安定的に経営しておりますので、私どももいろいろ最大限努力しまして、少なくとも半分は私
ども企業局で処理するということで
一般会計側と話をして、今後少し時間はかかりますけども、精いっぱい努力していきたいと思っております。
そういう事情がありまして、ようやくここまでこぎつけました。私だけではなくて職員の皆さんが非常に頑張って、ここまでようやくたどり着きましたんで、そうした事情もまた御理解をいただきたいと思います。
10 菅沢委員 一言だけ。企業局長、あなたの苦渋というか、今度の選択については
大変御苦労さまと申し上げたいと思います。
ただ、企業局というものは本来、やっぱりその事業目的もいろいろあるわけで、県民の福祉の増進というか、電気事業やさまざまな
地域開発事業、
水道事業をやって、役割を果たしていくということが一つあるわけですよね。そういう中で、皆さん本当にいろんな経営努力をなさってですね、個々の事業を見れば本当にいい成績を上げている。しかも、今
企業努力ということを申し上げましたけれども、この間の現場の皆さんの大変な犠牲、時に手当をカットされたり、さまざまな御苦労がある中で今日の事業実績を上げていらっしゃると思いますね。だから、そういう意味では、私は皆さんのそういう営々とした現場の努力の成果、果実が、何というか、こういう形で奪われていくというとなんでありますけれども、責任をとらされていくという、こんなあり方について現役の皆さんは、どんな問題意識を持っておられるのか、本当に問うてみたい気持ちがしますよ。
私は、そういう意味では、今日の、さっき申し上げましたような
スキー場の問題も含めて、経営破綻というか、ここに立ち至った当局の責任というか、企業局の責任は現役のあなた方よりも歴代の
企業管理者、そして局長、さらには知事が、どういうふうな気持ちでこの事態を見ておられるのか。現職じゃないから、公の場で責任の所在について発言することもないとは思うけれども、ここでやめておきますが。
〔発言する者あり〕
この人たちの責任やと言うとるがやないが、私は。
そういうことなんですよ。だから、結局は行政上、政治上の責任が何ら明確に語られることもないままに、事業の行き詰まった責任というものが、一般県民や、そして
水道事業に至っては特定の地域の住民に責任が転嫁されていくと、こういうことだということを強調しておきたいと思います。ですから、私は現役の皆さんについてはそんなに責めるつもりはありません。そういうことで終わります。
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江西委員 先ほどの答弁も聞くと、償却費から借金からおらところがみんな引き受けて返すから、富山市はあとは合うがだという発想だね。そうでしょう。またそうでないと、富山市は受けるわけないんだから。それだけのことをして合うもんなら、どうして富山県がやらないの。その大きな原因は、あんた方が一番もめた地域の用地を借り上げておった問題については、役所は逃げたい。だから、10年後富山市がその解決をしてくれるということを期待して、もうかるがも渡すということに結論はならんかな。もうかるもん何で富山県がやらんがか。やる能力がないのか。これは恥ずかしいこと言うとると思うけど、その辺どうなの。もうけられんがか、もう、局長。
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棚瀬企業局長 もうかることはないと思います。頑張れば若干の黒字が出るかというようなところで議論をしてまいりましたので、何億円ももうかるということはこういう施設の性格からして、結局運営費なり人件費なりを出せば、まさに収入に大体見合うというのが
スキー場の実態でございまして、要するに金利とか
減価償却費とか、ああいうものが足を引っ張っとるんですね。だから……。
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江西委員 でかいともうからんでも、合いそうだという発想ながやの、これを聞いとると。おれは来年からも赤字だと思うよ。何でなら
スキー人口がどれだけ減少しているか。こういうことを踏まえて富山市がこの
スキー場をもらうことによって、もうかるという判断をするのかどうか。これはやっぱりその組織、特に地方自治体の考え方であって、あなたは今そんなにももうからんけど、赤にはならんまいという説明を今しとるがやの。
なら、こんな先の見えとるものを市町村に渡して、本当に県は責任を逃れられると思うかい。私は、そういう意味では県がもっと責任を持ってやっていくのが、112万人の県民を抱えている……。企業局も一緒なんだよ、県も。それで、どう説明したかいうと、知事は、あれは富山市のもんしかスキーに行かんから富山市にやってもらうと。そんなばかな発想でこういう
スキー場を1市町村に渡そうという、その考えが……。(企業局席を指さす)一番悪いがあそこ1人おるぞ、あれが一番悪いがやぞ。
だから、用地の借地権の問題も、あなた方で解決できんから、やめたくてもやめれんだから、10年間の保証だということでお金をやって、あとは富山市さん、あんたとこでやめられようと、10年さえやってくれりゃいいと。そんながだったら10年の借地料を先に払ってやめたらどうだい。それくらいの考え方をしないと、富山市がますます赤字になっていくと、私はそう判断しとる。大した黒字にもならんけど、赤字にならんと言うたことだけは間違いないね。局長、それだけ、説明しよう。
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棚瀬企業局長 富山市との協議の中では……。
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江西委員 協議でないが、あんたが今言うたんだから。
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棚瀬企業局長 ええ、だから、要するに、まあまあの形でいけるというようなことで、双方協議の中での議論の結果でございます。
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江西委員 もう一つ。そこで、なら富山市が、あんたの言うようにまあまあ黒字だと言うて、赤字になったらどうするがよ。そしたら、あんた腹切ってやめるかよ。ここにおる者みんな、前列、2列目の者までみんな腹切ってやめんにゃあかんじゃ、来年1年間やって。来年になればまた人はかわるか。
それくらいの考え方で、特にどこに責任を持たせるかということは……。あんた方は、今逃げたんだから。あすのことがわかるわけないんだから。これで黒字になってくれると富山市は喜ぶわ。赤字だったら、恨まれるぜ。わしはもうここで赤字にならんという話を聞いたから、信じて賛成と手を挙げるけど。赤字になった場合は、だれが一番責任とるがや。そこまで詰めとかんまいか。あんたか。
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棚瀬企業局長 もちろん、
企業努力は当然必要かと思います。一応、将来の
スキー人口のことも含めて議論をして、富山市もたくさん職員が出てこられました協議の中で、相互に
十分意見交換をしながらやったことでございますので、私とこが一方的にやったというわけではない……。
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江西委員 一方的にやないが。責任はだれかがとらんなんがよ、赤字になったら。富山の市長がやめるか。あんにゃとこ信じて、おら失敗したから申しわけないからやめると。これはでっかい問題なんだよ。そうでなけんにゃ、いや、県庁にだまされたから県庁に責任をとってもらわんなんと、こういう事態にだって陥るからの。そういうことを考えた場合、やっぱりそれなりの支援をするというふうな考え方で、赤字出さんようにしてやれや。おれはお願いするちゃ。赤字出たら、あんにゃやめんにゃあかんぜ、の。それだけ言うとくぞ。
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佐藤委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑を終わります。
(2) 採 決
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佐藤委員長 これより付託案件の採決に入ります。
本委員会に付託されました案件のうち、まず、議案第98号平成18年度富山県
地域開発事業会計補正予算(第1号)について、原案のとおり決することに賛成の委員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
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佐藤委員長 挙手全員であります。
よって、議案第98号については原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、議案第93号平成18年度富山県
一般会計補正予算(第1号)のうち本委員会所管分外7件及び報告第10号地方自治法第179条による専決処分の件のうち本委員会所管分について、原案のとおり決することに賛成の委員の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
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佐藤委員長 挙手全員であります。
よって、議案第93号外8件については原案のとおり可決、同意または承認すべきものと決しました。
2 請願・陳情の審査
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佐藤委員長 次に、請願・陳情の審査に入りますが、今回はいずれも付託されておりませんので、御了承願います。
3 閉会中継続審査事件の申し出について
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佐藤委員長 次に、閉会中継続審査事件の申し出の件を議題といたします。
本委員会の閉会中継続審査事件については、お手元にお配りしてある申し出案のとおり、議長に申し出たいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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佐藤委員長 御異議なしと認めます。
よって、お手元にお配りしてある申し出案のとおり、議長に申し出ることに決定いたしました。
4 所管行政当面の諸問題について
(1) 報告事項
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佐藤委員長 次に、所管行政当面の諸問題を議題といたします。
報告事項がありますので、当局から説明願います。
28 林港湾空港課長 土木部資料の1ページをお願いします。
富山空港ターミナルビル増改築工事に係る施設の供用についてでございます。
富山空港ターミナルビル株式会社では、空港ターミナルビルの機能拡充と利用者の利便性、快適性の向上を図るため、昨年の10月からビルの増改築工事を施工してまいりました。
本工事の全体は、来月、10月の末に竣工の予定で進められておりますが、利用者の利便性を図るため、下記のとおり、完成した部分から3段階に分けて順次供用開始することとしております。
次のページの図面とあわせてごらんいただきたいと思います。
下の図面が1階でございます。上の図面が2階でございます。図面の左側が国内線ターミナル、右側が国際線ターミナルでございます。国内線と国際線の間にありました電源局舎を移転し、国内線と国際線の一体化を図ったものでございます。
まず、水色の部分でございますが、きょう、9月28日から供用開始することに予定しております。1階部分の一体化と2階部分の一体化、それから国際線の出国待合室等の拡張がされております。
なお、きょうから供用開始ということで、ビル入居者などによる関係者によりまして、国内線、国際線のビル一体化開通式を本日の午後2時から行うことと予定しております。
それから、黄色の部分でございますが、これが10月3日から供用開始されるということで、1階部分につきましては国内線、国際線の共用の団体の受付あるいは待合エリアとなっております。2階につきましては、免税店を移転して新装、それから国際線、国内線共用の空港カードラウンジあるいは有料会議室等が新設されております。
それから、茶色の部分でございますが、1階部分が国際線の到着ロビーあるいは税関の検査場、あるいは手荷物の受け取り場所の拡張がされております。2階につきましては、入国審査場の拡張がなされているということです。
なお、全体の落成式は11月20日に予定しております。
以上でございます。
29 中村都市計画課長 富山大橋の起工式につきまして御報告をさせていただきます。
土木部資料の3ページをごらんください。
富山大橋のかけかえ事業につきましては、非出水期となります11月から現場の工事に着手することになりました。これに先立ちまして、10月24日の火曜日でございますが、起工式をとり行うこととなりましたので、御報告を申し上げます。
富山大橋かけかえ事業につきましては、今年度から橋梁の本体工事に着手するものでございまして、去る6月にも御報告させていただきましたけれども、かけかえによりまして車道の4車線化、路面電車の複線化などを行い、渋滞の緩和や安全な歩行者、自転車空間の確保、公共交通の活性化などに寄与するものと考えているところでございます。
起工式につきましては、10月24日火曜日に、現橋下流の神通川右岸河川敷におきまして、10時からの安全祈願祭に引き続きまして、10時40分から富山県の主催で行う予定としております。起工式では、式辞、工事報告、また両岸の地元小学生を交えましたくい打ち式などを現在予定しているところでございます。
なお、今後の予定でございますが、下部工、上部工工事を進め、平成23年度には供用する予定でございます。よろしくお願いいたします。
(2) 質疑・応答
30
佐藤委員長 以上で説明が終わりましたので、ただいまの報告事項に関する質疑及び所管行政一般についての質問に入ります。
質疑・質問はありませんか。
31 鹿熊委員 先ほどの採決で、主要県単の部分も委員会としては可決を見たわけでございます。本会議での可決も期するわけでありますけれども、その中で、河川整備についての予算もありました。くどいようでございますが、6月議会でも言いましたけれども、河川敷に繁茂する立木、これがもちろん大量出水時における洪水を引き起こすおそれもありますし、正常な流量あるいは川の流れに対する影響もあると思います。
あわせて、最近よく家の近くの方でもクマが出没しているわけです。これはニュースにはなりません、まだ人身への危害など発生はしておりませんので。ただ、川沿いに川を伝って来ているということは、間違いなく目撃されておるわけです。従来以上に、そのようなことがよく起きております。これは猟友会の方などが言うには、やっぱり川に生える木の実等をえさにして、川を下ってくるんだということで、クマにすれば非常に安全な通行の道になっておるというような現象も起きております。
そこで、この補正予算を可決した上においては、河川敷における立木処理をより一層計画的に行うという答弁が6月にありましたが、その処理をより一層加速するようにお願いをいたしたいと思いますが、その方針をまずお聞きいたしたいと思います。
32
安久河川課長 立木につきましては、委員の御指摘のとおりことしも非常に多く繁茂いたしておりまして、春先からその箇所の把握に努めております。おかげさまで、今年度の補正でも河川の維持に関する予算についてもある程度お認めいただく予定になっておりますので、私どもではその中でも緊急度の高い河川ということで、県内の約30河川をリストアップいたしまして、計画的に取り組んでいきたいと。
まだまだ刈ってもまたすぐ生えてくるわけでございますけれども、河川の中にあります堆積土砂の除去、こういったものも含めて、河道内の立木の処理に努めていきたいというふうに考えております。
33 鹿熊委員 その方針で計画的に、かつ必要なところはなるべく早く処理がされるようにお願いいたしておきます。
次に、黒部川全般につきまして取り上げてみたいと思っております。これは、黒部川は総合土砂管理が必要だと言われるくらいに、上流部から河口部に至るまで、そしてまた、その河口に広がる下新川海岸に至るまで大変注目すべき河川であるというふうに思っております。
特に、国内でも第一級の崩壊河川と言われているくらいでございまして、崩壊が絶え間なくあちこちで起きているということであります。それが、河川における土砂の堆積にもつながっておるわけであり、同時に河口部において、海岸部における海岸侵食に対抗する意味での海岸線の保全ということにも、かつてつながってきたということが言えると思っております。
まず、永久と言ってもいいくらいに今後とも続けなきゃならない砂防は直轄砂防がほとんどかと思うわけでありますが、黒部川上流における砂防工事、これはこれでよしということはないわけでありまして、抑えようがないところだと思いますけれども、しかし、何もしないわけにはいかないということでありますが、そういったことについて、どのようにこの上流部における砂防ということについて県は考えているのか。そしてまた、国に対してどう砂防工事の推進について声を上げていくのかということについて、課長の考えをお聞きしたいと思います。
34 石崎砂防課長 ちょっと手元に詳しい資料がございませんが、今現在、直轄の黒部河川事務所の方で事業を進めておりまして、ことしは祖母谷の方で堰堤の工事をやられる予定になっております。
今後とも事業を促進できるように、また、十分直轄の事業が進めてもらえるように、県として要望してまいりたいと思います。
35 鹿熊委員 引き続き、強力にその要望活動を継続していっていただきたいと、このように思います。
次に質問いたしたいのは下新川海岸ですが、これはまた直轄海岸として継続的に整備が進められている海岸である。そしてまた、今後とも整備を続けなきゃならない海岸であるわけでありますが、このたび下新川海岸整備マスタープランなるものを作成しようという動きがあります。県もその作成の一員に入っているというふうに聞いておるわけですが、その作成のねらい、またスケジュール等についてお聞きいたしたいと思います。
36
安久河川課長 今ほどの下新川海岸マスタープランにつきましては、平成15年に県が策定いたしました県内の海岸の長期的なあり方や防護、環境、利用というような取り組みなどを定めました富山県海岸保全基本計画に基づきまして、国が直轄で工事を施工しております下新川海岸、黒部市から朝日町においてでございますが、具体的な施設の将来形、それから、おおむね30年の間に段階的に施設整備を行う計画、それから海岸にかかわる国・県・地域住民の役割分担のあり方などについて定めようというものでございます。
策定に当たりましては、学識経験者、地域の各界の代表、関係市町の長、それから県の関係課などから構成いたします下新川海岸マスタープラン検討委員会というものを設置いたしまして、この委員会の意見を聞くということにされております。
去る6月18日に現地の視察をした上で、第1回の委員会が開催されておりまして、この中では、施設整備だけでなく維持管理をどう進めるかが重要というような意見、そして、そのためには地域住民の理解と協力を得ることが必要、あるいは海岸を生活と密着した場として利用できるような方策を考えるべきではないかなどの意見が出されたところでございます。
国の方では、今後3回程度委員会を開催いたしまして、19年度までにプランを策定する予定というふうに聞いております。
37 鹿熊委員 その作成の過程において、やはり何といっても侵食が激しく進んでいる箇所が、この下新川の海岸のあちこちにあるわけでありまして、その整備とあわせて維持管理の必要性ということも、今ほどの説明にありました。私はそれも必要かと思いますが、やはり必要なところの整備の促進、これはまだまだ必要でございますし、国費を投入していかなきゃならない部分がありますので、その必要性ということについて、その検討の委員会の場において十分県としての発言をお願いをいたしたいと、このように思っておりますので、これはお願いをいたしておきます。
さて、河川の整備ということについては、河川法で一定の決めがあるわけです。河川整備基本方針が策定されて、また、それに基づいて河川整備計画なるものが策定されて、それに基づいて河川の整備がなされていくと。これは一級河川にしろ二級河川にしろ、そのような大きな枠組みの中で河川整備が進められているというふうに理解をいたしております。
それで、今ほど取り上げております黒部川についてでありますが、従来からこの黒部川の河川整備計画というものがあったわけでありますが、河川法の改正が数年前にありまして、新たに河川整備基本方針をつくるようにということが定められております。どこが違うのかということについて、調べたりしますと、従来の治水・利水という観点に、環境という観点も加えた計画にしなさいということであります。
それで、この黒部川についていつごろそれが作成されるのかということを関心を持って見ておりましたら、この9月1日に黒部川について河川整備基本方針なるものが策定をされたわけでありまして、そこに治水面についての方針、利水面についての方針、また環境という新たな観点についての方針が定められておるわけであります。
では、この中で、いわゆる排砂ということについてどのように方針として記されているのかなということも、私の関心事の1つでございます。それで、ことしも7月に出し平ダム、宇奈月ダムにおける排砂、連携通砂、また、ことしは初めて試験通砂ということも行われたわけであります。今年度、平成18年度におけるこれらの排砂、連携通砂の状況、結果、特に環境への影響等についてどうであったか、現時点で把握しておられることについて質問いたします。
38
安久河川課長 今ほどの御質問でございますけれども、去る8月30日に開かれました黒部川ダム排砂評価委員会におきまして、河川と海域の水質調査ですとか、ダム湖と海域の底質調査、それからアユの生息実態調査につきまして、速報値でございますが、これに基づいて知見をまとめられておるということでございます。
これによりますと、水質及び底質については、測定値全般について過去の調査結果とおおむね同程度というふうにされておるところでございます。また、アユにつきましても、採捕調査を実施いたしましたところ、連携排砂や連携通砂の前後で大きな採捕尾数の変化は見られなかったということも報告をされております。
ただ、評価委員会では全調査資料が出そろった段階で総合的に評価したいというような御見解でありまして、例年でありますと1月ごろに開催されます次回の評価委員会において正式な評価がなされるものというふうに受けとめております。
39 鹿熊委員 現時点でのものはわかりました。最終的には1月ごろに評価委員会で検討結果が出ると、このようなことと理解いたしております。
それで、今年度初めて、いわゆる試験通砂が実施されたということでございますが、この試験通砂というのは、私の理解するには、できるだけ自然に近い形でダムへの流入土砂を下流に排出するということが最も望ましいということから、それに近い形で通砂をしようという取り組みだと思っておりますが、具体的にことしの試験通砂の内容、そしてまた、その結果等について質問をいたしたいと思います。
40
安久河川課長 試験通砂につきましては、日付で言いますと、第1回目の排砂が7月3日に終わって、その後の2回目、これを7月13日から15日にかけまして連携試験通砂というものが実施されております。前回の委員会でも少し御報告したと思いますが、排砂を行う実施基準のレベルを下げて、300トンと400トンという、それぞれ出し平ダムと宇奈月ダムでの到達流量でございますが、これを1年置いた後に実施する排砂と同じくらいの規模でやってみようというのが今回の試験通砂でございまして、これが実施されました。
日付は、7月13日から15日にかけてでございまして、梅雨前線の豪雨によります雨によって行ったわけでございますが、終わったのがちょうど午前11時でございまして、この試験通砂が終わった後、基本的にはその効果を見きわめるための河道の測量などを予定しておったわけでございますが、その9時間後にさらにまた大きな出水があったということでございまして、また同じ15日の午後8時から、今度は流入量が正式の通砂の基準に達したということで、連携通砂に移行いたしております。
したがいまして、いわゆる試験通砂の効果、河道の状況がどうだったか、土砂の移動は的確に行われたかどうかというようなもののデータは得られていないというのが実態でございます。このため、先ほども御説明いたしました8月30日の評価委員会でも、現在検討中であるというようなコメントをいただいておるところでございます。
私どもといたしましては、これまでもより自然に近い形で出洪水時に土砂を流下させるということを基本にしておりまして、また、それが重要であろうということであります。そういったことで、この評価を見きわめた上で、そしてまた、関係機関の御理解を得た上で、できるだけ適切にこれからも実施していくことが好ましいというふうに考えております。
41 鹿熊委員 試験通砂のデータを調べる矢先にといいましょうか、直後に大きな出水があったので通常の通砂として実行したという説明だったと思います。その結果、試験通砂としてのデータについては検討中ということだと思いますが、データがそろわないのではないかなというふうにも思うわけでありまして、やはり私が先ほど言いましたように、なるべく自然に近い形での下流への排出ということが望ましいわけであります。これは、だれしもが認めるところだと思っておりますので、ぜひとも来年、この試験通砂を、いわゆるレベルを落とした出し平ダムにおいて毎秒300トン、宇奈月ダムにおいては毎秒400トンですね、現行よりもこのレベルの低い段階で実施しようというのが試験通砂でありまして、これを来年もぜひ実施して、このことの効果を見きわめながら、なるべく試験通砂が本格的な通砂となっていくように、そしてまた、できるなら、さらにまたレベルを徐々に落としながら、時期を限らざるを得ないと思うんだけれども、そういうような形でやむなく堆積する土砂の下流への流出に努めていただきたいと、このように思っております。
さて、先ほどの河川整備基本方針ということにいま一度戻るわけでありますが、これに基づいてこれから引き続き黒部川の整備がいろいろなされていくと、このような方針が9月1日に策定されたわけであります。
それで、この中の連携排砂については、読めばある程度わかるんですが、改めて課長から、この9月1日に制定された黒部川の河川整備基本方針に連携排砂がどのように記されているのか、位置づけられているのか、質問をいたします。
42
安久河川課長 委員の御指摘のとおり、9月1日に黒部川の河川整備基本方針というのが策定されておりまして、この中で宇奈月ダムなどの連携排砂、通砂について、総合的な土砂管理の先進事例として、一定の規模の洪水にあわせて、より自然の土砂流下に近い形で下流に土砂を供給し、河川、海岸環境の保全に努めるというような記述があります。
また、もう一方で、円滑な連携排砂、通砂に向けて、排砂などによる環境影響を把握、監視するとともに、地域への情報提供に努めるというようなことが明確に記載されておるということでございます。
これから総合的に黒部川の管理を行うという中にも、きちっと明確に位置づけをされてきておると。この方針に基づいて、連携排砂も行われていくというようなことになろうかと思っております。
43 鹿熊委員 今ほどお聞きするところでは、妥当な位置づけがなされているというふうに理解をするものであります。
もう一つ、この方針の中で、読んでいて気になったことといいますか、これはどういう意味なのかなと考えさせられる部分がございました。それは、いわゆる基本高水のピーク流量及び計画高水流量についてというところで、次のような記述があるわけですね。基本高水のピーク流量は、既定のこれまでの工事実施基本計画と同様に、基準地点の愛本での毎秒7,200トンとするということ。河道と洪水調節施設──ダムですね、への配分については、工事実施基本計画でそれぞれ毎秒6,200トンが河道、それから洪水調節施設では1,000トンとしていたわけですけれども、河床の低下によって、河積が──河積というのはどういう意味か後からまた御説明いただきたいんですが、河積が増大したことを考慮し、河道流量を300トン増加させ、6,200トンから6,500トン、一方で、洪水調節施設は300トン減少して700トンとしたと、こう書いてあるわけであります。これはどういう意味なんでしょうか。
44
安久河川課長 河川整備基本方針の中でも、一番重要な部分でございまして、整備の規模を決める数字のことでございます。今ほど委員が御紹介されたように、基本高水流量につきましては変えないというような記述ですから、これまで工事実施基本計画で表現しておりました7,200トンというオーダー、愛本地点での7,200トンについてはこれは変えませんと。
ただ、河道──これは洪水の流れる道、いわゆる河川でございますが、川の方に流れるものと、それから洪水調節施設──前の工事実施基本計画ではダムということになりますけれども、洪水調節施設に配分するものと2つに分けておりまして、前の計画ではダムにやろうというのが1,000トンだったのが、今回は700トンに切りかえると。そのかわり、その差額分は川の方の整備で賄おうというように切りかわったと。
河積というのは、河の積、いわゆる洪水が流れる断面の大きさでございます。ですから、河積が大きいということは、河の洪水をたくさん流せるようになるということでございます。
それから、詳細はちょっと割愛いたしますけれども、なぜそういうことができるのかということでございますが、この
国土交通省さんなりの資料を見ますと、この前の計画は昭和50年に工事実施基本計画が策定されておりまして、そのころにはまだ川底が非常に高かったと。砂利採取もしておりますけれど、まだ川底が高いということで、その後、60年代をピークに川底がどんどんと下がってきておる面もあるということで、まだまだ高いところも確かに河道にはあるわけですが、6,500トンというオーダーの洪水を流せる河道をつくれるだろうというようなことでやったということであります。
したがいまして、宇奈月ダムが平成13年度に完成いたしまして供用しておるのは700トンの洪水の処理能力を持っておるということでございますので、洪水調節の施設については、一応これで終わったと。今度は河道整備、河川の方の手当てに移っていくというようなことになろうかと思っております。
45 鹿熊委員 おおむね理解をしたわけであります。その結果としてといいましょうか、ダムへの配分は700トン。現在の宇奈月ダムの洪水調節量の700トンと同じ数字として記されているわけでありますので、それでよいと。あとは、河道に基本高水のピーク流量を配分をしようと、こういうことであるというふうに理解をさせていただきます。
そうすると、黒部川としては、新たな洪水調節施設は、私も常識的にはもう要らないというふうに思っておったわけでありますが、この整備基本方針でそれが明らかになったということだというふうに理解をするわけであります。
あとは、そういう黒部川の総合的な土砂管理をいかに適正に今後進めていくかということが極めて重要になっているということであり、それがまた、下新川海岸の保全にも直結をしてくる、そのようなテーマだと思っております。
そういうことで、大事な黒部川の総合的な土砂管理による整備、また安定的な河川の整備が進むように、今後とも、ひとつ努めてまいりたいと思いますし、また、当局においてもその方針を今後とも堅持していただきたいと、こんなことを最後に申し上げて、この質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。終わります。
46 菅沢委員 今の鹿熊さんの質問に関連しながら、私もちょっと問題意識を持っておりますので、河川課長、部長に質問させていただきます。
まず、今の黒部川の河川整備基本方針が18年9月1日策定という段階なんですが、河川法の改正が1997年ですから、おおよそ10年の経過の中でこういう方針が策定されたということになるわけですけれども、河川法の改正の背景は、先ほどの鹿熊さんのお話のように、治水とか利水とかいう観点から、さらに環境への視点というか、要するに河川整備をやって、三方コンクリで河をつくって、洪水を防ぐために上流の水をさっと流すと、さらにはダムで水をためるとかということもありますけれども、そのことによって環境面にいろいろ影響が出たりしてきた。もっと総合的な観点で河川整備を進めるということ、環境面なんかもそういう中から出てくると思いますけれども、そういうことのお話があって、そのとおりだなというふうに思いますけれども。
そういうことで、黒部川の河川整備基本方針ができたんでありますが、今のお話の関連でその中で1点。要するに、愛本地点での基本高水は変更なしという中で、河道でプラス300立方メーターをカットするということは、つまり、もっと明確に言えば、700トンカットの宇奈月ダムができたんでありますが、以前の計画では、これでは不十分であって、上流の支流の黒薙川にもう1つダムをつくるということが巷間伝わってきておったわけですが、つまり、河道が削り取られて水の流れがよくなるというのか、河道──河道というのは多分堤防なんかも含めたいろんな川の構造に関係してくることなんでしょうが、それで対応できるんで、したがって支流の黒薙川のダムは要らないと。
つまり、黒部川の河川整備は今後、河川整備の基本方針の中では、もうダムによらない河川整備を進めるということが明確になったということに理解していいんですか、河川課長。
47
安久河川課長 今ほど鹿熊委員にもお答えしたとおり、菅沢委員さんの御指摘のとおりでございまして、この整備基本方針を見る限りにおいては、宇奈月ダムでもう既に700トンがカバーされておりますので、この後さらに洪水調節施設をつくるという計画ではないというふうに明確になっておるということであります。
48 菅沢委員 具体的に言うと、つまり、支流の黒薙川で予定されていたダムの建設が前提になった従前の計画が大きく見直されたと。ダムの建設というのは、国の財政事情とか環境意識が高まってくる中で、今はあっちこっちで見直しをされているんですね。県の補助ダムについてもその見直しは進みましたけれども、黒部川においても具体的に今後は、そういう観点からだけではなくて、環境面とかさまざまなことも含めて、ダムによらない河川整備を進めるということが明確になったという意味で、非常に大きな歴史的な意味がある河川整備基本方針の発表ではなかったかなと思っております。
そこで、課長、河川整備基本方針を踏まえて、今後河川整備計画というものが1級河川においても2級河川においてもつくられることになるんでありますが、黒部川の場合は、河川整備計画はまだなんでしょう。これからじゃあないんですか、どうですか。
49
安久河川課長 委員御指摘のとおりでございまして、河川の具体の箇所を決めて年次計画を立てるような河川整備計画については、まだでございます。
50 菅沢委員 これは、河川整備基本方針を踏まえて、その上に立って具体的な河川整備について定めていくのが河川整備計画でありまして、これが今後の課題になってくるということだと思います。
きょう鹿熊さんは、その観点に触れられて河川整備計画に盛り込まれるべきというか、その辺に関連した、いろいろな排砂の問題とか、下流域の海岸侵食の対策とかおっしゃったと思います。その辺について、私はきょうは具体的に触れるつもりはありませんけれども。
もう一つ、この河川整備計画の作成に当たって、改正河川法が期待しておるのは、いわゆる情報公開や住民参加というか、そういう観点ではないかというふうに思います。
したがって、全国の一級河川等でどの程度、環境のほかにもう一つの住民参加というか、そういう観点のことがどういうふうに進んでおるのかということについて関心もありますが、いろいろと物の本なんかに書いてあるんですけれども、例えば流域委員会などの形で学識者委員会の中に設置されているところもかなりあるように聞いております。黒部川の場合は、そういった意味での、いわゆる流域委員会、学識者委員会等の設置なんかというのは、何か議論になっているんですか。
51
安久河川課長 結論から言いますと、私は具体的にそういった計画があるとまでは聞いておりません。ただ、私の知る範囲で、例えば今委員から御紹介がありましたような他県の方で、必要に応じてというのがベースでございまして、地域環境に影響の大きいような例えばダムですとか、河口堰ですとか、そういったものを位置づけるときには、やっぱりいろんな意味での各方面の知見を集めなきゃならんということで、流域委員会なるものなり、住民とのそういう情報公開の場を設けてやっていこうというのはあると思っております。
先ほど少し説明いたしましたが、河道の方──堤防と堤防に挟まれた河の道ですが、ここの整備でこれからは取り組んでいこうというようなことになっておりますので、基本的にはこれまで周知されておるような護岸を根入れするとか、そういうような工法でございますので、特にこれから目新しい工法がどんどん入ってくるというようなものではないんではないかなというふうに、黒部川に関しては思っております。
52 菅沢委員 その河川法の改正の中で、2つ目のことで申し上げたその背景には、全国のダム建設や河川の改修工事をめぐって、流域住民、関係住民からいろんな意見が出る、反対運動なんかが起きる、住民運動なんかが起きるというふうな背景もあって、法改正の中で1つの目的として、地域の意向、流域の意向の反映ということが大きなテーマになって、そのことが法改正の中で、盛り込まれる中で、この条文の引用なんですが、「河川管理者は、河川整備計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは、河川に関し学識経験を有する者の意見を聴かなければならない」とか、さらには、「必要があると認めるときは、公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない」等々の定めも改正河川法の中に盛り込まれたということがあるようであります。
このこととの関連で、私は黒部川の問題は、やっぱり排砂の問題に関連をして、関係住民、漁業関係者も含めていろんな意見が出されておるわけですね。こうした意見がどうくみ上げられるのか、反映されるのかということが、今後、河川整備計画が策定されていく過程の中で、つまり住民参加という形で、まあ学識経験者による流域委員会でもいいんですよ、公聴会でもいいんでありますけれども、そういうものがちゃんと制度化されていく、保証されていくということが、1つ大事なポイントになるのではないかなという感じがいたします。
こういう点では、まだ河川整備計画が具体化されておりませんから、ぜひ、
国土交通省の方では前向きに受けとめるべきだし、実は私がちょっといろんな形で聞いたのでは、全国的には全国109の一級河川のうち、黒部川のような基本方針ができているのは35河川でありまして、そして38と基本方針より数が多いんですが、それは支流なんかがあったり、さまざまな形で数が多いんじゃないかとも思いますが、38の河川でそうした学識経験者による流域委員会等が設置をされているというふうになっております。黒部川においても、そういうものが実を結んでいくように、やっぱり県も
国土交通省にしっかりと、そういうことをちゃんと視野に置いて対処すべきだと思いますよ。これは、別にきょうは答弁はいいです。
そこで、ちょっと時間がありませんから進めますけれど、県内の一級河川はほかにもありますけれども、この河川整備基本方針ができているのは、常願寺川でもできているんじゃないんですか。そのほかの一級河川についてはどういう見通しか、
国土交通省から事情を聞いていますか。
53
安久河川課長 御紹介がありましたように、昨年に常願寺川が終わりまして、ことし9月に黒部川が終わったということで、あとは庄川、小矢部川、神通川ということでございますが、基本的には国の方では今作業中ということで、具体的にいついつまでにどうということではないんですけれども、河川整備基本方針の策定というのは非常に膨大な資料もあるということで、それから、基本高水流量などの検討が必要でありますし、治水・利水、それから新たに河川環境と検討項目も非常に多岐にわたるということで、大変時間がかかることは事実でございます。
ただ、国の方で大きな号令をかけておりまして、一級水系の河川整備基本方針についてはできるだけ早く策定せよということでございます。事務方の意見でございますが、庄川につきましても、できるだけ早くに策定するように現在作業中ですというような回答でございます。
54 菅沢委員 河川法の改正からもう10年経過しておるわけでしてね、県内の一級河川では常願寺川に次いで黒部川が9月1日に策定されたと。あとは、もう法の改正の建前からしても、そのねらいからしても、目的からしても急がにゃならんという行政上の姿勢だと思います。
庄川については、そういう意味では今どの段階なのかなという、具体的に関心が非常にあるわけであります。具体的につかんでいますか、庄川について。
55
安久河川課長 具体的にはつかんでおりません。全般に作業中というような回答を得ておりますので。
56 菅沢委員 私は、庄川についてもいろんな状況があるんで、ぜひ急ぐべきだろうと思います。庄川については、御承知のように、利賀ダムの必要性について、その洪水・治水対策上必要かということについて、利水上も必要かということについて、その問題点をたびたび私も指摘させていただいておる経過があります。これは私だけじゃなくて、専門家の中にもそういう意見があるわけでありまして、県民の中にも広範にそういう問題意識があるわけであります。そういう観点からも、さらにはこの法改正から10年経過しているわけでありますから、庄川についてもぜひ急ぐようにしなきゃならんと思いますね。庄川についてね。
これは、県としても、そういう問題意識を持って、
国土交通省に対してちゃんと要望していくということになっているんでしょうか。課長、どうですか。
57
安久河川課長 黒部川の河川整備基本方針も出されたところでございますが、同じように、委員がおっしゃるように利賀ダムの関係もありますので、庄川流域の安全をきちんと確保していくという観点からも、できるだけ早期に策定をお願いするということは、私どもも折に触れ申し上げております。国もその方針で取り組んでおられるというふうに聞いております。
58 菅沢委員 実は、庄川の利賀ダムについては、平成20年度に全体完成で、試験湛水なんかが始まって、供用されていく段階が計画上は目の前なんですよ。ところが、まだ工事用道路が半分できている程度で、本体工事にかかるどころではない。その過程で、事業費も大幅に伸びそうだということも含めて、大幅な事業費と工期の計画変更が平成19年度の大きなテーマになるはずなんですよ。そういう事態にも直面いたしております。
そういう中で、このダムの必要性も含めて論議があるわけですから、庄川のもっと総合的な洪水・治水対策、つまりダムだけに頼るんではなくて、もっと総合的な、先ほどの黒部川の整備基本方針の中でもありましたように、河道の整備であるとか、堤防の対策であるとか、さまざまなもっと総合的な観点からすれば、緑のダムなんていうような考え方もあって、森林整備も含めた広範な観点が提起されておるわけでありますから、そんなことも含めて、庄川についても総合的な洪水・治水対策が検討されていく過程の中で、利賀ダムの必要性についてはもっといろんな問題点がクローズアップされてくるんではないかと私は思っております。
黒部川では、もうダムによらない河川整備方針が確定しましたから、ある意味では。それは20年、30年後はわからんよ。わからん問題もあるかもしらんけれども、いずれにしても、庄川についても改正河川法の精神にのっとって、河川整備のあり方を根本的に見直していくということが今求められているというふうに私は理解しています。それが河川整備基本方針の策定であり、その具体化である河川整備計画の策定へとつながっていく作業だろうと思っています。
そのように理解していいんですね。
59
安久河川課長 基本的には、今、委員のおっしゃったとおりでございまして、従来の治水・利水だけではなくて、環境も含めた総合的な整備方針ということになろうかと思います。当然、環境面も十分配慮されて、それでなおかつ、庄川流域の安全を着実に進める方策をつくるというのが、この基本方針であろうかと思っております。
60 菅沢委員 この過程でも、さっきのいわゆる流域委員会、学識者の専門家のそういう委員会であるとか、住民の公聴会、広い意味での住民参加が保証されていく必要があろうかと思っています。その中で、庄川の河川整備のあり方をめぐって、住民のいろんな意見を吸い上げる努力と同時に基本高水の問題につきましても、これは現在庄川の場合は、合口の近くで毎秒770トンくらいですか、ちょっと正確な数字が手元にありませんが、設定をされております。
これは150年に1回の最大洪水流量を想定して、それをもとにシミュレーションをした──専門的ですから私どもなかなかそこにアプローチできないんでありますけれども、その数字なんですね。これについては、専門家の間でも高過ぎるとか、いろんな意見が今日闘わされて、先ほどの全国の一級河川の河川整備方針をめぐる論議の中では、住民参加の中でいろんな見直しというか、論議さえあるわけであります。専門家の皆さんにも、ぜひ高い立場でいろいろ検討いただきたいと思っていますけれどもね。
したがって、庄川についても、私は以前議会では、その問題点を深くは追及できませんでしたが、勉強不足はありますけれども、こういったものの見直しということについても論議をしたことがあるわけであります。そんなことも含めて、庄川の、つまり利賀ダムの建設の必要性について、抜本的な検討を行うという段階に来ているなということを先ほどからの論議を通じて痛感いたしております。
ちょっと私だけ話しておってもなんですから……。庄川についてもそういう意味では急ぐ必要があると。こういう観点について、あとで部長、ちょっと今のような議論をどういうふうに受けとめられるかも、あなたも専門家ですから、いろいろ答弁をいただきたいと思います。
課長、もう一つ。では二級河川の河川整備基本方針というか、改正河川法に基づくそういう作業というのはどこまでいっているんですか、県下の河川については。
61
安久河川課長 二級河川につきましては、ただいま私どもが事業、工事を実施しておる河道につきましては、法的には手当てが終わっておりまして、数だけで申し上げますと、整備基本方針につきましては、二級河川は5河川終わっております。水系でつくることになっておりまして、30水系のうちの5河川と。これは、今補助を受けて工事をやっておる河川は必須条件でございますので、そういった手当てのところは終わっておるということでございます。
62 菅沢委員 進捗率はそんなによくないというか、国の一級河川については県内2河川でしかできていない。庄川や小矢部川や神通川はまだだということになる。国のことばかり言っておるので、県の場合も30水系のうち5つしかそういう作業が進んでいないということですね。ある意味では、そんなに進んでいるとは言えないんじゃないですか。
63
安久河川課長 もう一度繰り返しますけれども、河川整備基本方針につきましては、事業、工事を進めるに際して必要になるということでございます。30水系すべてが今事業を進めなきゃならん対象にはなっておりませんので、今やっておる河川、これからやろうとしておる河川を対象にしておるということで御理解をいただきたいと思います。
64 菅沢委員 その30の河川水系の中に、氷見の上庄川も入っていると思うんですね、二級河川ですから。これについては、聞き及びをしておるのでは、河川整備基本方針の策定作業に入っているというふうに聞いているんでありますが、その位置づけとか作業の進捗状況はいかがなんですか。
65
安久河川課長 上庄川の河川整備基本方針ということでございますけれども、これまで私どもではいずれ補助事業の採択を受けて事業展開をしていきたいということで、その策定に向けまして、現況の流下能力の把握ですとか、それから今どのような流出形態があるかという流出解析ですとか、さらにまた、先ほどもありましたような環境関係のものも必須条件でございますので、そういった調査を進めてきておりまして、一番の問題の整備手法につきましても検討をしてきたところでございます。
この中で、上庄川につきましては河道の拡幅、いわゆる河川だけで手当てをするというようなことにつきましては、下流に非常に市街化が進んでおって、どうしても多くの道路とか、それから住宅が密集しておるところも通らなきゃならんということで、膨大な事業費がかかる、それからまた住民の理解も大変得にくい場所であろうということの課題がございます。
一方で、洪水を一時的に貯留する方策がどうかということで、これもある時期相当真剣に検討しておったわけでございますが、例えばダム方式が可能かどうかということでやっておったわけでございますけれども、上庄川の流域につきましては大規模な地すべりの地形があるというようなことで、ダムを築造することそのものにちょっと厳しい条件が多いということであります。
それから、もう1点は、非常に勾配の緩やかな地形でございますので、ダムをつくるには非常に割高な経費もかかる。その割には効果も少ないような、貯留の能力を確保できないというような大きな課題もありました。
そういったことで、上庄川の流域にふさわしい整備手法というのはどこの辺にあるかというのは、正直申しまして苦慮しております。
そういった中で、現段階でございますけれども、先ほど委員もおっしゃいましたように、河川だけではなく、もしくは貯留施設だけではなくて、それらを組み合わせた方法で何か方向性が見出せんかということで、市の当局などとも相談しながら、これからも意見を聞いて取り組んでいきたいというふうに考えております。
66 菅沢委員 では、その上庄川の河川整備基本方針の策定は、いつごろがめどになるんですか。というのは、豪雨のたびに堤防の決壊するところが出てきたり、水があふれたり、災害が多発しておりますんで、急ぐ必要があると思うんですが、いかがですか。
67
安久河川課長 おっしゃるとおり、上庄川についてはかねてから国の補助事業を受けて取り組みたいということで検討してまいっておりまして、この後も地元の市当局と相談をしながら取り組んでいきたいと。何分にも、いずれの手法をとっても、地域の中に大きな影響が出るもんでございますから、その実現性というものもしっかり見きわめていかなきゃならんだろうというふうに考えております。
68 菅沢委員 ちょっと最後に、部長、今ずっと鹿熊さんも議論なさったんですが、要するに河川法の改正を踏まえて、もう10年経過しましたけれども、河川整備の基本的な考え方の中に環境への配慮とか、住民参加と言われるような──これは私の表現ですよ、そういう観点や視点が持ち込まれる中で、従来型ではない総合的な治水・洪水対策が今非常に重視される、そういう現状にあろうかと思います。黒部川についても、最近真新しい整備方針が打ち出されて、整備計画はこれからのようでございますけれども、先ほどのように、私の表現ですが、ダムによらない河川整備計画というものが追求されるという、富山県内では新しい一つの形が具体化してきつつあるわけでありますから、これをしっかりと踏まえた黒部川の整備計画が期待されます。
同時に、県内の一級河川についてもっと
国土交通省が計画の策定を急ぐ、広げると。当面は庄川なんかも必要じゃないかと。あなたはその辺どういうふうに認識なさるのか。黒部川の今度の方針をどういうふうに評価されて、庄川なんかについてはどういうふうに認識されるのか、まずお伺いをしたいと思います。
69
埴生土木部長 河川整備基本方針のお話でございますけれども、御承知のとおり平成9年に河川法が改正されまして、従来の治水・利水ということに加えて、環境ということが非常に大きな概念として取り入れられて、それが非常に大切にされた上でこの方針が定められているということで、現在、全国の各河川におきまして、国交省の方で順次基本方針が定められておるところでございます。
実は私も、昨年常願寺川の河川整備基本方針が策定されるときに、何回か国の方の会議にも出させていただきました。大変たくさんの専門家も参加されまして、非常に多面的に議論が積み重ねられて、そして基本方針というのが定められたというふうな状況がございまして、常願寺川でも環境の面で非常に重要な要素も盛り込まれたというふうに考えております。
今回、黒部川について公表されたということでございまして、今後、庄川につきましても、やはり国の方で現在作業をしておられるというふうなことを聞いておりますが、庄川の治水は大変重要でございますので、県といたしましてはできるだけ早くこの作業が進んで、基本方針が策定されますように、国の方に引き続きお願いをしていきたいというふうに考えておるところでございます。
70 菅沢委員 部長、そこで庄川については、従来の河川整備計画が見直されて、もっと総合的な観点で、洪水・治水対策が進む。その中で、利賀ダムの見直しとかいうことに発展することを私は期待しておるわけです。利水についてはきょうは議論いたしませんけれども、こういう私の期待について、部長はどのように受けとめられますか。
71
埴生土木部長 国交省では、この基本方針を定めるに当たって、大変膨大な資料、データを解析した上で、先ほど申しましたように専門家の御意見も聞きながら作業を進めて決定されているというふうな状況でございます。
庄川につきましては、今後そういうことで進められていくというふうに思いますけれど、基本的には川それぞれの特色を生かしてやっていくということが基本であろうかというふうに思いますので、今後、国交省において十分その辺を精査の上、作業が進められるものだというふうに考えております。
72 菅沢委員 具体的なことはなかなか議論にはならんわけですが、私もそういうことで、作業が進むことを期待いたしております。同時に、二級河川についても、河川法改正の精神を踏まえて、しっかりと基本方針の策定、整備計画の策定作業を急ぐと。当面はたくさんある二級河川の中で、具体的に作業が進みつつあるのは氷見の上庄川ということでございますので、これは先ほどの課長の答弁で了解をいたしておきたいと思います。
ありがとうございました。以上です。
73
江西委員 林課長、最初にあんたに当てて申しわけないけれど、どうしてアシアナ便が3便に切るのか。これはみんな知っておって聞いておるんだけど、そこをうまく答えろよ。なぜ、アシアナ便が3便に減らすの。
74
佐藤委員長 江西委員に申し上げます。所管外の問題ですので、簡単に。
75 林港湾空港課長 港湾空港課は、空港あるいはターミナルビルの整備に関することの担当をしておりますので、増便、それから利用増のことにつきましては所管外でございます。
76
江西委員 飛行機の便がどうのとか、今で知事政策室へ行ったが、おら知らないと思ってもろうちゃ困るよ。今現実に上海便の問題でもなぜ乗客がふえないか。いろいろ飛行機を飛ばす欠点があるわけだ。ちなみに言えば、今上海便が飛んで来ても、富山へおりられなかったらどこへおりてると思う。
77
佐藤委員長 施設の機能の面で答えることがありましたら……。
78 林港湾空港課長 ただいまの件については、私は存じておりません。
79
江西委員 本当に知らんがかよ。そんなことを言うて、どうして富山県の空港を預っている土木部が、健全な空港にしていけるの。なぜ富山県の上海便がはやってないかというのは簡単なんだよ。富山へ飛んで来ても雨が降ったり、レーダーもきかんからおりられん言うて、あいつらは引き返して、最初は大阪へ飛んだ。大阪でおろして、あいつらすぐ上海へ帰って、おりた乗客に5,000円やって、これで帰れ言うた。それで大阪でおりたやつらはみんな怒った。そうしたら、今度はどうなったかというたら、余りに評判悪いし、金の負担もせんなんもんだから、上海航空は上海まで帰ってしまう。2日間泊まらせて、その次の便に乗せてそれで終わりだぜ。
富山県が空港を整備して、少なくても気象条件やレーダーの問題、そういう情報を集めていかなきゃだめなの。どうしたら一番いいか。上海便が、富山が雨が降ってだめだったらどこへおろすかというのは、一番いいのは小松なんだよ。全日空は今、非常の場合は東京へ帰るのと小松と両方おりるんだよね。昔は、小松は外国の飛行機をおろさなかった。だけど、JALがソウル行きをやめたろう。今どこが来ているか知っているかい。今、小松空港へKALが入ってるんだよ、大韓航空が。軍事機密で飛ばされんもんだったら、KALが入るわけないだろう。KAL、大韓航空の飛行機おりられるんだよ。富山へ飛んできた全日空の飛行機がおりれば、韓国の飛行機がおりる。そうすりゃ、富山県の知事政策室かどこかおら知らんけど、なぜ、石川県と話をして、上海航空が小松におりられるように交渉できないということに問題があるわけや。そうすりゃあもっともっと利用客がふえるんだよ。どこやらへまかせたからおらっちゃ知らん言うとったらあかんぜ、部長。どう思うよ、この問題に。
80
埴生土木部長 富山空港の施設面をあずかる土木部ではありますけれども、ただ施設をよくしていくためには、委員がおっしゃるようにどういう戦略でやっていくのかと、そういうソフト的なところと、それはもう密接不可分なわけでございまして、そこは担当が分かれたことになっているのですけれども、これは知事政策室と土木部とが常に連携を密にしてやっていかなきゃいけないと、それは委員がおっしゃるとおりだというふうに思います。そういったことが課題であるというふうに認識しております。
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江西委員 もともと先からやっとるもんが、空港がでかなって、今度は人間集めるがを県が一生懸命やらんなん言うても、それはおらっちゃの仕事でないから、施設のことだけ土木でやって、飛行機の問題は知らん言うたらどうなるがや、おまえ。トリプルセブンは搭乗率が半分ほどのときは海岸からおりてきて、80%、90%になったらあっちからおりんがはどうしてか。そういうことも知っとるがだろうが。聞いたことないかい、林君。みんなあっちからおりるがやぜ。何でかその理由知っとるがか。
82 成瀬空港班長 空港班長の成瀬でございます。今ほどの話でありますが、風の向きとかそういったようなことで、陸側といいますか、南の方からおりるケースがあるというふうに……。
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江西委員 だけど、富山空港は構造上国際線、特にトリプルセブン以上の飛行機が飛ばないということは、滑走路が短いだけじゃないんだよ。今、外国のパイロットはどう言ってるかいうたら、高速道路の後ろにある北電の鉄塔を下げてくれと言うとる。聞いておろうが、そういうことを。林君、聞いとらんと言わせんぞ、おまえ。これ話題になっとるがやぞ。
84 林港湾空港課長 就航率の向上のために、北電の鉄塔ですとか、進入灯をよくしてくれとか、そういう幾つかの要望が航空会社からあるのは聞いて、知っております。
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江西委員 すばらしい空港をつくらんなんがだったら、特に航空上の安全について、パイロットの人たちの意見が、実際来とるがだからの。そうしたらどう言うとるか。あいつを直したら90億やらかかるから、嫌言うとるというておらのところへ入ってくるがやぜ。やっぱり空港の安全を確保してやることがすばらしい空港の実態だと思うね。それで何やおまえ、ビルを直すがだけうまいこと言うて、飛行機が余計飛んできたっちゃ、空で待っとらんなんような富山空港なんだよ。
そこで、今度はもう一つ横へ飛ぶけど、あの空港ビルというのは、別会社でやらしておるわけやの。そうでしょう。あれはもうかってるの、損してるの。それとも、ここの担当でないがか。
86 成瀬空港班長 手元に詳細な資料がございませんけれども、必ずしももうかっていないというふうに認識しております。
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江西委員 それこそ合わんだらよ、また富山市へ渡すか、あの空港も。そういうことを考えても、この議会で承認して施設をつくっておるんだから、それを委託するときには、半年に一遍ぐらい空港ビルの内容ぐらい説明せんにゃだめだよ。なら、あそこの社長ちゃ、だれがしとるの。
88 成瀬空港班長 中沖豊でございます。
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江西委員 中沖豊ちゃ、県知事のときからしとるがやなかったかい、どうなの。
90 成瀬空港班長 確かにしておられました。
91
江西委員 あれは、実質上県庁の持ちものだから、かつては全部知事が社長になってきたわけ。今度社長はだれにせんなんと思う。どうして、中沖がこう続くの、これ答えてごらん。
92
埴生土木部長 現在は中沖前知事がやっておられますが、今後につきましてはちょっと私の方からは何とも申し上げられる状況ではございません。
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江西委員 わしらは中沖が知事になる以前から議員しておるの。もうそういう者はあんまりおらんの、ここに。中田県知事が死んだから、中沖はしゅうとはん一人もおらんから好きなことをやっていかれた。今彼がやめたら、立つ鳥は後を濁さず、すべては県の執行部に渡すべきだと、あんた、それ主張しないの。都合悪かろうがい、中沖のところに決裁もらいに行くが、どう思うよ、それについて。
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埴生土木部長 何と申しますか、ちょっとなかなか申し上げにくい状況でございますので、よろしく……。
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江西委員 僕は、こういうところに富山県の古い体質がまだ残っていると思う。やはり、今の、安倍君はどうしておる。古いやつはみんな切ってしもうて、自分の応援したもんしか取り立てん。それもひどいけどの。だけど、少なくとも実権が石井知事に行ったら、当然、こういう意見が
建設企業常任委員会であったから、知事さん、あんたを親方にしてもらわんにゃ、おらっちゃ都合悪いがだと、庁議でこういうふうに私は言うべきだと思うが、部長、言えるかい。
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埴生土木部長 大変貴重な御提案だと思いますので、十分考えまして、また対応したいと。
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江西委員 もう一つ、これでこそやめるぞ。上海交易というのは知っていますね。これは、上海航空のチケットを売る会社だ。テレビでついこの間、この会社は6,000万の負債をしょっているということが出ました。だけど新聞にはそういうことが一切出ませんでした。うちもちょっと関係があるから聞くと、実際6,000万の赤字が出とる言うとるがや、本当のこと言うけど。そうして、なぜそういうものをつくったかというと、そういう会社をつくってチケットを売ってあげますと。だから、1便について400万を保証してる。知ってるか。事実なんだよ、400万。1席5万円で80席を保証しているわけ。あんにゃとこは昔、そういうが専門でやっとったんだよの、チャーターのときは。今は余りそういうことは表に出んけど、吉野の父ちゃんも大分もうろくしたがか、今は松田君がそこの社長をしとる。それが上海航空の実態で、そのかわり、80席以上乗ったら、全部……。
だから、あの会社がもうからんようになったからいうて、今度は頼む、頼む言うたら、皆さん方が二、三日休みもらって、補助金1万円か2万円もらって、無理に上海へ行ってもらっていることは、私は議員として大変申しわけないと。農業団体でも、ざっと350人、この間からおどかされて上海へ出しているんだよ。
だから、そういうことを含めて、やはり本当に上海便の存在が富山県民にとってプラスなのかどうかよく考えて。何も無理に飛ばすことはない。まして、富山空港の設備を林君がいいがにせんもんだから、おりられんと。上海へ行って2日泊められる。それが今の上海便の実態なんだよね。だから、林君、これを施設の面で何かせいということも1つ問題だ。向こうはどういうことを言っとるかというたら、最近直ったけど、出入国の対応が悪いと昔から言うとる。これ昔言うたことあろうがい。佐々木君知っとろうがい、その話。出入国の対応が悪いって。こういうことを言われながらも少しずつ努力してきたけど、この後は、富山県は1企業にもうけさせるという考え方の中から補償制度を確立していくより、最終的には県民の負担を軽くしてやったらもっともっと乗るだろうと思う。だから、そういう会社が存在して、かつ、5万円で買い取って、チャーターと一緒だ。本当の定期便で上海航空がいい値段で決めて売買すれば、上海航空も力を入れると思うし、わしらも、今どれだけだい、5万円かい。もっと取っとろうがよ。6万か7万取っとろう。あんたたち行ったとき、8万ぐらい取られたろう。
そういうことを含めて、もっと真剣に掘り下げて、最後富山県民がアシアナの面倒見る、上海の面倒見る、ロシアの面倒見る。それから、大連便のことはよく乗ってくれて、ちょっと黒字だっちゃの。そういうことを含めて、もっと真剣に議論して、価格の問題でも、富山が一時2万円高かったというのは、そういう別会社があって、そこが設定する金なんだよ。そういうことを真剣に取り上げてやれま。
私もまだあの飛行機に乗って上海へ行っとらんが悪いかもしれん。けど、おらでかいと行かせたがやぞ。おらとこの農協のものは300人全部行く。もう農協会館のもん何遍行ったと思うがや。それでも赤字だいうから。あんた方も上海へ一通り行ってきたがやないがか、まだか。部長、行ったかい。
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埴生土木部長 私は、一度行ってまいりました。
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江西委員 本当にかわいそうな皆さん。これ以上おれが口説いたってしようがないけど、もっと合理的に金が安くなる方法で──わしは安くしてもらいたいけど、上海便ができた以上なくならないための手段を講じてやってほしい。何も上海まで帰ったり、関西空港でおりたら、おろしっぱなしで5,000円くれるがよ。それで帰れと言うがやぞ。そんながだったら、小松にぐらいおろしてやれま。そういう交渉をしてほしくてこれだけ意見言うたがで、ひとつそういうことで頑張ろうや、富山県民のためにね。以上であります。答えは要らんぞ。
100 五十嵐副委員長 それでは、しばらくお時間をいただいて質問させていただきますが、さきの通常国会で住生活基本法が成立しております。この法律は、我が国の少子・高齢化や人口減少などの社会情勢の著しい変化を受けまして、量から質への住宅政策の転換を目指すもので、国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策について、その基本理念、行政等の責務、そのほか基本となる事項について定めているわけであります。
この中で政府は、この法律に掲げられた基本理念等を具体化する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために、国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する基本的な計画を定めることとされておりまして、都道府県では国の計画に則して、それぞれの都道府県の区域内における住民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する基本計画を定めることになっております。
そこで、本県の住生活基本計画の策定はいつごろになるのか、現在どのような段階にあるのか、建築住宅課長にお尋ねいたします。
101 白山建築住宅課長 県では、新総合計画のアクションプランといたしまして、富山県住まいまちづくり計画を平成17年度、昨年度から策定中であります。住生活基本法に基づきます富山県住生活基本計画につきましても、現在この検討内容を踏まえながら、並行して策定作業を進めているところでございます。
ことし11月ごろに開催を予定しております住まいまちづくり計画の策定懇談会におきまして、計画の素案をお示しして、県民のパブリックコメントあるいは国との協議などの手続を経て、今年度末までに策定をいたしたいというふうに考えているところでございます。
102 五十嵐副委員長 国の計画については今月19日に閣議決定されておりまして、その中で、基本的な安全性の確保ということで、新耐震基準が求める耐震性を有する住宅の比率を、平成15年の75%から平成27年に90%に高めることとされていると聞いているわけであります。
本県の計画では、この目標率を何%に設定するのか、また、これをどのようにして達成しようと考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。また、ことしで2年目になるかと思いますが、耐震改修の助成制度、この利用状況についてもお尋ねいたします。
103 白山建築住宅課長 住生活基本計画におきましては、計画に基づきます施策を推進いたしますとともに、その効果を的確に分析、評価するため、目標の達成度を定量的に示すということとされております。耐震性を有します住宅の比率につきましては、新しい総合計画の中間報告案の目標といたしまして、平成27年に85%としております。したがいまして、本県の住生活基本計画におきましても同じ目標設定となる見込みでございます。
県といたしましては、この目標値を達成するために、耐震診断や耐震改修の支援制度の一層のPRに努めてまいりたいというふうに考えております。現在、策定中の耐震改修促進計画におきまして、建築物の耐震化の取り組み方針を位置づけまして、各市町村にも耐震改修促進計画の策定について呼びかけているところでございます。
また、耐震改修支援制度の利用状況でございますけれども、昨年度実績は8件でございました。今年度は、現時点で19件となっております。今後とも一層の普及に努めてまいりたいというふうに考えております。
104 五十嵐副委員長 耐震支援制度の利用実績は、去年8件でことし19件とふえてはきておりますけれども、まだまだ利用が少ないのかなというような印象であります。
目標値が85%というお話でございましたが、大変高い目標でもあるのかなという気がしております。そこで、これを達成するために、今お話もありました県や市町村の助成制度も不可欠であろうと思いますけれども、その助成制度がなかなか利用されないということですが、やはりこの助成制度が活用されて、本県の住宅の耐震性を高めていくようにしていかなければいけないというふうに思うわけであります。
さらに、国の計画では、住宅市場を整備する目的から、住宅の耐用年数を、現行の約30年から平成27年には約40年に引き上げることとされておりまして、このためにもこれまで以上に頑丈な家を建てるということが必要になってくるんではないかというふうに思うわけであります。そうなりますと、建築費用も割高になりますが、頑丈な家はですね、地震にも強く、雪にも強い。そういった意味では、県の目標とする安心・安全な社会づくりの実現にもつながるのではないかというふうに思っております。
県としては割高であることで敬遠されることのないように、支援制度を設けてしっかりと普及させていかなければいけないんではないかというふうに思っております。
ただ、この県の住宅の融資制度が、前提として住宅金融公庫の融資を受けることにされておりまして、これがこれまでの利用しにくい実情となっているのではないかというふうに思っております。そこで、県民が積極的に頑丈な家を建てられるように、県民が利用しやすい融資制度に改良すべきではないかというふうに思うわけですが、その辺をどのように考えておられますでしょうか。
105 白山建築住宅課長 県の住みよい家づくり資金融資制度というのがございますが、これには耐震住宅や耐雪住宅などのメニューがございます。現在、超低金利時代が長く続いているというようなこと、あるいは、先ほど委員がおっしゃいましたけれども、住宅金融公庫の融資を受けることを前提条件としていたことなどがございまして、ここ二、三年はほとんど利用がないという実態でございます。
その住宅金融公庫におきましても今年度末で廃止されると。新たに来年4月から独立行政法人住宅金融支援機構が設置されることとなっておりますが、住宅資金の直接融資は原則として廃止をされるところでございます。公庫融資が前提となっている県の融資制度は、見直しをせざるを得ないと考えております。
住宅につきましては、先ほど委員がおっしゃいましたように、量から質への転換を図るという住生活基本計画の目標を達成する、実現をするためには行政として支援することが必要であります。そのために、現行の住宅の融資制度を生かすべきであるというふうに考えております。そのためには、先ほど御指摘のように県民が利用しやすい融資制度に改良する必要がありますので、来年度の予算編成の中で、この融資条件等について検討してまいりたいというふうに考えております。
106 五十嵐副委員長 今、課長がおっしゃったように、やはり利用しやすい融資制度をつくっていかなければいけないというふうに思うわけであります。ただ、財政当局等から漏れ伝わってくる話によりますと、国の制度が変わることによって、あるいは利用されていない実態などを踏まえて、そういったものを抜本的に見直したらどうかという声もあるというふうに聞いております。
最近の県政を見てみますと、やはり補助金の削減、あるいは今回の議会でも問題になっている医療費の助成の見直し、あるいは青少年の家の廃止等、そういった多くの制度の見直しを行革のもとに行ってきているんですが、経費を削る、あるいは効率を上げるという視点も必要なんですが、その一方で、やはり県民が今何を求めているのか、どういった制度があれば利用できるのか、どういう施設があれば県民にもっともっと利用してもらえるかという、やはりそういう2つの視点からきちんと議論する中で、新しい方向性というものを出していかなければいけないんではないかというふうに思っているわけです。
これまで低金利、あるいは住宅金融公庫の利用が前提条件だったということもありますが、これからの住宅制度をどのような形で県の新しい施策として展開していくかということを考えたときに、やはり新しい支援制度、助成制度というもの、あるいは融資制度というのが、例えば多子世帯に対する大幅な助成制度なり、あるいは融資枠の増額、あるいは今までは二世帯住宅というのが多かったかもしれませんが、今社会で言われている三世帯住宅のような多世帯住宅というものが、これからやはり家族をつくっていく、地域をつくっていく基本になるというふうにも言われております。そういった意味で、多子世帯だけではなく、多世帯住宅に対する大幅な融資制度の増額とか、そういった優遇策というものも、これからの制度の中でつくっていかなければいけないというふうに思っております。
今回の見直しを機会に、抜本的な見直しをしていただきながら、県民が住みやすい住宅をつくる、あるいは今の目的、目標である頑丈な家、あるいは耐震性にすぐれた家をつくっていくために、すばらしい融資制度、助成制度を、これから検討していただきたいということをお願い申し上げておきます。
それでは、次に、住友運河について数点お尋ねいたします。今議会の一般質問あるいはきのうの予算特別委員会でも質問がありましたので、重複しない範囲で質問させていただきたいと思います。
今回の補正予算で、貯木場の護岸の土質調査や設計、それから護岸全体の概略設計を行うこととされております。そこで、周辺に立地する木材業者などの、いわゆる営業の支障が出ない範囲の中で、その貯木場や荷揚げ場の整備を早く行うべきであろうかというふうに思っております。そういった意味で、補正予算でその調査、設計が行われて、具体的にどれぐらいの期間の中でその辺の整備が行われるのかをまずお尋ねしたいというふうに思います。
107 林港湾空港課長 住友運河の矢板護岸が著しく腐食していることから、早急な対策が必要だというふうに考えております。このため、現在港湾の環境整備事業など補助事業を活用しながら、住友運河の老朽化した護岸の整備が行えるよう、現在国に要望しております。そのための準備として、今現在県単で調査なり設計をするということにしております。
工事の実施に当たっては、もちろん住民の方々の安全と安心を確保するため、まず腐食しているところが先というふうに考えておりまして、事業につきましても港湾の改修の補助事業ですとか、環境整備事業ですとか、あるいはまた貯木場等の施設もあるものですから、起債事業等も取り入れられるかと思っておりますので、いろんな事業を組み合わせてやりたいと思います。
いつまでということは、今のところまだはっきりできませんが、なるべく早く着工し、完成させたいというふうに考えております。
108 五十嵐副委員長 住民の不安を解消するためには、延長約2キロになるでしょうか、両岸の矢板の腐食部分を改修するというのが、やはり最優先であろうかというふうに思います。また、それに伴って、きのうの質問にも出ておりましたが、当初から計画のある緑地整備も進めなければいけないというふうにも思うわけでありますが、緑地整備を進めていくとなると、なかなか限られた予算の中では一気に全面的に進まないということであろうかというふうに思いますので、やはり最優先として矢板の補修というものに第一に取り組んでいただいて、それが終わったところから順次、緑地整備も含めながら整備をしていただきたいというふうにお願いをしておきます。
次に、ダイオキシン対策についてお尋ねいたします。
今年度、汚染土壌を砂で覆う覆砂工法や、現在の位置で固める固化工法について室内実験が行われているところでございます。
そこで、この2つの実験が、具体的にどのようなことを研究しておられるのか。また、この実験はいつごろまでに結果が出るというふうに考えていらっしゃるのか、お尋ねいたします。
109 林港湾空港課長 ダイオキシン類の対策工法として、しゅんせつ工法ですとか、現地で砂で覆う覆砂工法、それから現地で固める固化工法の3つの工法が、富岩運河等ダイオキシン類対策検討委員会で提案、検討されているところでございます。
このうち、しゅんせつ工法ですが、ことしの1月に検討委員会の委員の立ち会いのもと、下新橋の上流で試験的に170立米しゅんせつしております。このしゅんせつをするときは、高濃度薄層しゅんせつ船といいまして、普通のしゅんせつですと、泥と水の比が水10に対して泥が1という、大変たくさん水を吸い込むようなしゅんせつがされるわけなんですが、高濃度といいますのは、水10に対して泥が7ということで、泥を多くとるようなしゅんせつ船、また薄層しゅんせつといいまして、普通しゅんせつするときは余計な泥も一緒にとっていくわけなんですが、そういう余分な泥をなるべくとらないような、薄層でしゅんせつするようなしゅんせつ船、そういう高濃度薄層しゅんせつ船を準備しまして、しゅんせつしているところでございます。
今現在、しゅんせつ後の深浅測量ですとか、土砂の含水比などのデータをもとに、適応性について結果をまとめているところであります。
それから、今、質問のありました覆砂工法と固化工法でございますが、施工事例が少ないことから、室内実験や現地での施工試験を行い、それらの抑制効果を検証するよう、検討委員会からも指導あるいは助言を受けているところでもございます。このため、今年度は室内試験を実施しておりまして、具体的には採取した土砂の覆砂や固化した場合の水へのダイオキシンの溶出状況を把握し、現地での試験施工の基礎データとしたいというふうに考えております。
110 五十嵐副委員長 そういうことでありますと、今年度は室内実験ということで、その結果を見て、現地施工をこの後行うということであるかというふうに思います。そういった意味では、最終的なダイオキシン対策の工法が確定するにはまだまだ時間がかかるのかなというふうに思うわけでありますけれども、ただ、対策検討委員会が13年8月に設置されて、これまで6回開かれておりますけれども、一番最近開かれたのが17年2月ということで、もう既に1年半も開かれていない現状にあるわけであります。
今ほどお話がありましたように、ことし1月のしゅんせつの現地施工後、そろそろ調査結果もまとまるころであろうかというふうに思いますが、その結果が検討委員会の方で公表されるんでありましょうけれども、次回の検討委員会の開催についてどのように考えておられるのか、また、先ほど来の話にある、ことし実験した2つの工法の現地施工等を考えた場合に、確立にはまだまだ時間がかかるかもしれませんが、その辺の今後のスケジュール等をどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。
111 林港湾空港課長 検討委員会の開催見込みでございますが、ことしの1月に実施しましたしゅんせつ工法の現地での試験施工の結果を今現在取りまとめているところでございます。その結果がまとまり次第、また、覆砂工法、固化工法につきましても室内試験をしておりますので、それらの中間報告も含め、年内に開催したいと考えております。
それから、工法の確定など今後のスケジュールということでございますが、覆砂工法や固化工法の現地への適応性やしゅんせつした汚染土砂の無害化処理の確立など、大変多くの困難な課題を解決していく必要があるというふうに考えておりまして、きのうの予算特別委員会で知事の答弁にもありましたように、対策工法の検討につきましては、室内試験及び現地での試験施工の結果などについて検討委員会で審議していただき、安全な処理方法をしっかり見きわめてまいりたいというふうに考えております。
112 五十嵐副委員長 大変期間もかかる、お金もかかる、そして、きのうの答弁にもありましたように、原因企業等のきちんとしたことも判断していかなければいけないということで、時間がかかるということはわかりますけれども、やはり1つずつそのハードルを越えていって、早期の着工ということを期待しております。
富岩運河に関して言えば、来月の8日に運河祭りも開催されます。そして、初めて松川にある遊覧船を持って行って、前日の7日から希望する方に乗っていただくということで、富岩運河に新しい魅力もふえるのかなというふうに思っておりますし、今回の予算にも計上されております駅北の環水公園を中心としたにぎわいづくりのための検討会議も設置されることになります。
そういった意味で、これからさらに3月ですか、中の島も完成するということで、ことしが一つの区切りの年になろうかというふうに思っているわけでありますが、そういった中で、環境は整っていく、人もこれから出てきてもらう、そういった地域になっていくのでありましょうけれども、やはり地域住民の根本的な願いというのは、そのダイオキシン対策に何としてでも手をつけていただきたい、そして本当にきれいな水辺空間として活用していきたいというふうに願っているわけでありまして、その辺も含めて、これからも積極的に、ダイオキシン対策に取り組んでいただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
113
佐藤委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、質疑、質問を終わります。
5 行政視察について
114
佐藤委員長 次に、閉会中の継続審査事件の調査のための行政視察について議題といたします。
県内行政施設については、必要に応じて機動的に実施していきたいと考えており、その実施に当たっての日程調整等については、委員長に御一任願いたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
115
佐藤委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で付議事項についての審査を終わります。
○ 閉 会
116
佐藤委員長 この際ほかに何か御意見等ありませんか。──ないようでありますので、これをもって常任委員会を閉会いたします。
御苦労さまでした。
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