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  1. 富山県議会 1998-09-01
    平成10年9月定例会 代表質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前10時07分開議 ◯議長(筱岡與次平君)ただいまから本日の会議を開きます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    報   告(2000年国体推進特別委員会委員長の互選) 2 ◯議長(筱岡與次平君)日程に入るに先立ち、報告事項を申し上げます。  去る9月14日に開催されました2000年国体推進特別委員会において、欠員となっておりました委員長の互選が行われましたところ、西島栄作君が委員長に当選されましたので、御報告いたします。      ───────────────────── 3 ◯議長(筱岡與次平君)これより本日の日程に入ります。  日程第1県政一般に対する質問並びに議案第102号から議案第120号まで、報告第12号から報告第14号まで及び認定第1号から認定第5号までを議題といたします。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑(会派代表) 4 ◯議長(筱岡與次平君)これより会派代表による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  河合常則君。    〔44番河合常則君登壇〕 5 ◯44番(河合常則君)私は、自由民主党を代表いたしまして、本定例会に提出されている諸案件並びに当面する県政の諸問題について質問いたします。  質問に先立ち、一言申し上げます。  長期化する景気の停滞の中で行われた今回の参議院選挙において、厳しい国民の審判が下されました。そのような中において、我が富山選挙区にあっては、自由民主党公認永田良雄候補が、次点の谷林候補に2倍以上の大差をつけ、見事3選を果たされたのであります。しかしながら、そのやさき、住博司先生が去る7月11日、突然にお亡くなりになり、そして、3選されたばかりの永田良雄先生までもが8月22日、まさかの不帰の客となられたのであります。これからの日本を背負って立つことを嘱望された国会議員を続けて2人も失ったことは、まことに無念であり、痛惜の念にたえないのであります。ここに、心から故人の御冥福をお祈り申し上げます。  しかし、続いて行われた衆議院補欠選挙において、我々の同僚として一緒に活躍してこられた宮腰光寛先生が、見事当選されました。  この2つの国政選挙では、県民の我が党への叱責、そして反省を求める声を感じるとともに、我が自由民主党へさらに大きな信頼と期待をお寄せいただいたものと受けとめておるのでございます。このうえは、県民の心を心として、現在の政治経済状況の難関を乗り切らねばならないと思うのであります。
     今、国政、県政においては、最大の課題である景気対策をはじめ、行財政改革日本海国土軸の形成など喫緊の課題が山積しております。我が党は、責任政党として、中沖知事とともにこれらに果敢に取り組むことを県民に固く誓い、以下質問に入ります。  まず初めは、景気対策についてであります。  県においては、異例の6月補正予算を編成し、総合的な経済対策を進めているところであります。しかしながら、ことしの倒産件数の累計が昨年より1カ月近くも早く100件を数え、有効求人倍率が低下傾向にあるなど、依然として景気の低迷状態が続いているのであります。  小渕新内閣は、みずからを「経済再生内閣」と位置づけ、財政構造改革法の凍結と、15カ月予算ともいわれる積極的な第2次補正予算及び来年度予算の編成方針を打ち出し、日本経済の再生に向けて取り組む決意を明らかにしているのであります。  県としても、中小企業対策や社会資本の整備を盛り込んだ過去最大規模の9月補正予算案を提案されているところであり、この積極的な対応を評価するものであります。  このような経済対策の実施に当たっては、道路、下水道などの必要な社会資本の整備を進めるとともに、情報、福祉、教育など21世紀を見据えた社会資本の整備に取り組むことが重要であると考えるのであります。また、国の第2次補正予算に呼応した臨機応変の対策をとることも、まことに大切であります。  そこで、現下の厳しい経済情勢に対応するため、どのような戦略で経済対策に臨み、補正予算案の編成に取り組まれたのか。また、今後予想される国の第2次補正予算に対し、どのような方針で臨まれるのか、知事の所見を承りたいのであります。  さて、かねてから、公共事業等の早期発注の必要性を訴えてきたところであります。県当局からはその都度、早期発注に取り組む旨の答弁がされてきております。しかしながら実際には、その効果があまり見えてこないという声が強いのであります。  公共事業等の発注が遅れる原因としては、春先に会計検査が多く来ることや、国の補助金事務の関係があるなどと聞いております。私は、これらの問題に対しては、国との関係だからやむを得ないとあきらめるのではなく、会計検査の時期や補助金事務の見直しを働きかけるなど、積極的な対応をすべきであると考えるのであります。  また、用地の問題がネックになって機動的に工事に着手できなくなっているとの指摘もあるのであります。必要な公共用地については、従来の方法に加え、土地開発公社などをもっと積極的に活用することも検討して、先を見越して手当てしておくことが必要であります。せっかく公共事業等の予算をつけても、発注が遅れれば効果は半減するのであります。あと3カ月もすれば雪が降り、海は荒れるのであり、今こそ積極的に工事を進めなければなりません。  そこで、公共工事等の発注の促進や用地の確保に向けてどのように取り組もうとするのか、改めて県当局の所見を伺いたいのであります。  さて、今議会においては、県税収入を80億円減額するという9月補正予算としては異例の提案がなされているのであります。ことし6月末現在の県税収入の調定実績は昨年同期を下回り、中でも法人事業税が全国で3番目に大きい減少率となっているのであります。  私は、県税収入の減少が、一時的なもので近いうちに回復が見込まれるものなのか、本県の産業構造に起因するもので回復にかなりの時間と努力を要するものなのかをしっかりと見きわめる必要があると思うのであります。自治体の中には、法人2税の落ち込みにより、自治省により特に認められた財政健全化債なくしては予算が組めないところも出ていると聞くのでありますが、対岸の火事では済まされないと思うのであります。  一方、現下の厳しい経済情勢を考えれば、来年度においても事業量を減少させないことが大切であり、必要な財源を確保しなければならないのであります。  県議会としても、「高金利の政府資金地方債の借換え等を求める意見書」を全国に先駆けて採択したところであります。今後、国に対して、高金利地方債の借り換えや今回の総合経済対策に盛り込まれた交付税措置の継続を強く申し入れるなど、財源確保に向け積極的な対応をしていただきたいのであります。  そこで、県税収入の減少の原因をどのように分析しておられるのか。また、中長期的な財政の見通しを踏まえ、今後どのように財政運営を行っていかれるのか、その基本方針について知事の所見を承りたいのであります。  さて、厳しい経済情勢の中で、雇用情勢は一段と悪化しております。学校基本調査速報によれば、この春の4年制大学の卒業者の就職率は過去最低の65.1%であり、進学も就職もしないいわゆる無業者は過去最高の15.5%となっているのであります。  また、県職業安定課労働市場速報によると、来年春の本県の高校卒業生に対する求人見込みは前年に比べ4割も減少し、求人倍率の見込みでは、この春の約半分の初めて2を割り込む1.84と、過去最低になっているのであります。  このような厳しい状況に対応するためには、学校を中心とする就職対策だけでは足りず、行政による求人開拓や広域的な情報提供などを積極的に進め、高校生の夢と企業の希望とのマッチングを図るなど、学校と行政の連携によるきめ細かな対策が求められているのであります。  そこで、積極的かつきめ細かな新規学卒者の雇用対策にどう取り組むのか、県当局の所見を伺いたいのであります。  次は、行財政改革の推進などについてであります。  近く、地方分権推進委員会の第5次勧告が予想されております。地方への権限移譲等を内容とする法案が次の通常国会に提案されようとしております。これからは、地域の実情やニーズにかなった、個性的で多様な行政を積極的に展開していくことになるのでありますが、このような地方が主体の時代に向けて地方分権を実効あるものとするためには、地方の財政的自立が不可欠であります。  まず、国と地方の事務量に応じた税財源比率の改善が大切でありますが、地方税には税源の偏在という問題があり、その調整機能を持つ地方交付税制度の充実がぜひとも必要であります。現在の地方交付税制度は人口の要素が重視されておりますが、各自治体を尊重し、財政力を均衡させるという観点からは、面積要件を重視することや、各自治体一律に一定額を基準財政需要額に算入すること、わかりやすく言えば均等割制度を導入することなど、斬新な発想も必要と考えるのであります。  そこで、第5次勧告や関係法案の提出を目前にして、地方交付税に均等割制度の精神を盛り込むなど、改めて地方の税財源の充実確保を働きかけるべきであると思うのでありますが、県当局の所見を伺いたいのであります。  さて、厳しい財政状況の中で、少子・高齢化への対応や社会資本の整備など、住民のニーズに即した施策を着実に進めていくには、聖域のない徹底した行財政改革の断行が不可欠であります。  しかしながら、私たちが県民から耳にするのは、今、民間企業においては役員の数や報酬の削減、幹部従業員の給料カットをはじめ希望退職者の募集など、生き残りをかけたリストラを断行しているのに比べ、県の行財政改革は生ぬるいという声が強いのであります。また、審議会や組織・人員の必置規制の緩和に向けた法改正が次の通常国会に提案される運びとなっているなど、今、日本は規制緩和や地方分権に向けて大きく動き出しているのであり、今こそ行政のあり方を徹底的に見直し、県民が納得する行財政改革を進めていかなければなりません。  私はこの際、県の事務事業について、事業の有効性や効率性を客観的に評価する事業評価制度を導入すること、民間でできる事業は民間に任せること、数値目標を示した組織・人員の見直しを行うことなど、思い切った対策を講じることが必要ではないかと考えるのであります。  そこで、今後、県民が納得する行財政改革の実施に向けてどのように取り組まれるのか、知事の所見を伺いたいのであります。  さて、先日来、報道各紙に、社会保険事務所、保険課、国民年金課において、地方事務官にヤミ給与やヤミ休暇、ヤミ出張が支給されている旨の報道がなされております。ここ2、3年前から県庁職員に対して県民からの厳しい風が吹いておりますが、このときにこのような事態が発生したことは、いかに県職員組合互助会の事業として行われていたとしても、実質ヤミ給与ということであれば非常に遺憾なことでありますし、またヤミ休暇、ヤミ出張は論外であると思うのであります。  そこで、地方事務官制度の中のことではありますが、このような事態についてどのように考えておられるのか、知事の所見を承りたいのであります。  さて、地方公営企業は、利用者からの料金収入によって事業運営がなされることを基本とするものでありますが、赤字を当然視することは許されません。不断の経営努力が必要であることは言うまでもありません。また、民間に比べ、必ずしも徹底した効率化努力がなされているとはいえないとの批判も聞かれるのであります。  企業局にあっては工業用水道事業などの見直しが進められているとはいうものの、依然として単年度赤字の部門があり、また、地域開発事業で19億円、工業用水道事業で25億円、水道事業でも14億円と、巨額の累積欠損金を抱えているのであります。  現在、官民の役割分担の見直し、電気料金の引き下げ要請、水需要の減退など社会経済情勢が大きく変化しているのであり、この機会に第三セクター等への移管、集中監視システムの導入等によるコスト削減など、企業局の経営についても総点検を行い、経営基盤の一層の強化を図ることが要請されているのであります。  そこで、累積欠損金の解消の見通しと今後の経営基盤の強化に向けての取り組み方針について、公営企業管理者の所見を伺いたいのであります。  次は、環日本海時代に向けた社会資本の整備についてであります。  本県は、21世紀に向け、環日本海時代のチャンピオンを目指しているのであり、そのためには、新全国総合開発計画に盛り込まれた日本海国土軸の形成に向け、交通・情報の基盤など社会資本の充実が大変重要であります。しかしながら、来年度予算編成に向けて、大都市重視の動きが出てきているのであります。今は亡き永田良雄参議院議員が大変な努力をされた新全国総合開発計画が策定されて半年もたたないうちに、多軸型国土構造の形成の理念を捨て、大都市重視の政策に逆戻りすることは許されないのであります。  我々は、「公共事業が田舎に偏っている」との一部の偏見を打ち破らなければなりません。今必要なのは、日本海側など社会資本の整備が遅れている地域に積極的な予算の投入を行い、多軸型の国土構造を実現することなのであります。  そこで、国の来年度予算編成に向けて、大都市重視の政策に逆戻りしないよう、地方における社会資本の整備のための予算獲得に向けどのように取り組まれるのか、知事の所見を承りたいのであります。  さて、日本海国土軸の形成に向けて、交通基盤の整備が何よりも重要であります。わけても新幹線の整備は、長野、山形、秋田の例に見られるように、地域開発や地域産業への経済波及効果が極めて大きく、また安全で、地球温暖化対策エネルギー対策の面でも効果的であり、21世紀に向け全力を挙げて取り組むことが大切であります。  新幹線の整備については、費用対効果がすぐれており、国の第2次補正予算や来年度当初予算の最重点課題である景気対策には最も有効であることから、財政構造改革法の凍結の方針が出ているこの機会を逃さず、積極的な運動を展開し、景気対策臨時緊急特別枠での新幹線予算の大幅な上乗せを確保することが大変重要であります。特に、新規着工区間については、財政構造改革集中改革期間中は事業費を抑制するとの申し合わせがなされているところではありますが、今こそこれを見直し、予算の大幅な増額を獲得することが大切であります。  さらに、北陸新幹線は、北陸まで開通すれば3線の中でも断然有利な収支改善効果があらわれるということが明らかにされており、既に富山駅、小松駅、福井駅においても整備促進が決定されていること、上越-糸魚川間など長大トンネル区間もあることなどから、できるだけ早い機会に現行スキームが見直され、全線開通に向けた一日も早い着工が望まれるのであります。  そこで、新規着工区間を含め、北陸新幹線予算の大幅な増額に向けてどのように取り組まれるのか。また、現行スキームの見直しと上越以西の未着工区間の一日も早い着工に向けてどのように取り組まれるのか、知事の所見を承りたいのであります。  さて、現在、東海北陸自動車道能越自動車道の工事が着々と進められております。また、去る6月16日には富山外郭環状道路富山高岡連絡道路地域高規格道路の計画路線に指定されたところであります。高速交通体系は産業の立地環境を整える基礎的基盤であります。  通産省の調査によると、新規立地企業のうち、立地場所を選定した理由として「市場への近接性」を挙げたものが本県では12.2%と、全国平均の15.9%を下回っております。企業にとって本県は消費地から遠いという意識がうかがえるのであり、この改善を図らなければなりません。  建設省では来年度予算編成に向けて大幅な予算増を図り、高速道路や地域高規格道路の整備を早める方針と聞いており、この機会に工事の前倒しを働きかけるべきであります。  そこで、高速道路や地域高規格道路の建設促進について、国の来年度予算編成方針を踏まえ、どのように取り組まれるのか、知事の所見を承りたいのであります。  さて、情報通信の高度化は、我が国将来の発展基盤であり、各省庁がこぞって情報化施策の推進に取り組んでいるのであります。しかしながら、全体としての具体的な姿が見えてこないというのが実感であります。  県においては、現在、情報フロンティア構想の検討が進められているところでありますが、私は、各省庁の動きを踏まえながら、来るべき高度情報化社会における各種情報サービスの達成目標について具体的な内容や姿を明確に描き、それに向けて県や市町村がそれぞれ何をなすべきか、民間には何を期待するのか、そのためのスケジュールをどのように考えているのかをわかりやすい形で県民に示し、県民の理解を深めることが何よりも大切なことであると思うのであります。  今日、高齢化社会の進展に伴って最も求められているのは、医療福祉分野の情報化であると考えられます。郵政省の調査でも、自宅で利用したい情報通信サービスとして最も多いのは、健康相談したり診断を受けること。60歳以上では過半数がこれを望んでいるのであります。このためには、家庭までのネットワークの構築と使いやすい情報機器の普及が必要となるのであります。また、本県の情報サービス業については、売り上げが減少し、全国シェアも小さくなっているなど、停滞傾向を示していることも重大な課題であります。  そこで、高度情報化社会における各種情報サービスの達成目標や公と民の役割分担、スケジュールなどをわかりやすい形で県民に示すような情報フロンティア構想を策定すべきであると思うがどうか。また、情報サービス業の停滞傾向も踏まえ、今後どのように高度情報化を進めるのか、県当局の所見を伺いたいのであります。  次に、安心で安全な生活の確立についてであります。  ことしは全国各地で洪水が発生し、尊い人命が失われております。一たび洪水が起これば生活基盤のすべてが失われるのであります。私は、政治の命題の一つは、災害などから人命と財産を守ることにあると思うのであります。  幸い、本県においては、時間雨量64ミリという大雨にもかかわらず、堤防の決壊による大規模な洪水が発生しなかったのであります。これは、積極的に進めてこられた河川・ダム・治山・砂防事業などの成果が発揮されたものであることを忘れてはなりません。  各地の災害復旧を急ぐことは当然でありますが、富山市や婦中町など市街地の中心部で浸水被害が多発するという今までになかった事態が発生しており、この対策を考える必要があります。この原因としては、住宅団地の造成など、急激な都市化に中小河川の流下能力が対応できなくなったことや、都市における保水・排水の機能低下が指摘されております。  建設省河川審議会水循環小委員会でも、都市部での浸水被害への対応や地下水の涵養などを進めるため、建設省、農水省、環境庁など縦割りになっている行政施策の体系化を提言しているなど、これからの河川行政は、周辺の土地利用の変化への対応や、治山事業、まちづくり事業との連携など、体系的な施策が求められているのであります。  そこで、水害防止に向け、今後どのように河川行政を進めていくのか、県当局の所見を伺いたいのであります。  さて、今までの福祉行政は、ともすれば、老人、障害者、児童など対象者ごとに施策が展開されてきた面があります。一方、障害者の高齢化や各種障害の重複化が進んでいること、高齢社会における健康づくりが課題となっていること、物と心のバリアフリーを進める必要があることなどから、これからは総合的な福祉サービスの提供、関連施策との連携が求められているのであります。  現在、福祉基本計画の検討が進められておりますが、私は、この基本計画は市町村や各地域において公と民の役割を明確にしつつ、保健、医療、教育、まちづくりなどとの連携による総合的な福祉サービスの提供が可能となるような指針を示すことが大切であると思うのであります。このような厚みのある福祉社会を築くには、計画の策定段階から、福祉関係者ばかりでなく、多くの県民の参画を得ることが肝要であります。  そこで、地域における総合的な福祉の実現が課題となっていることも踏まえ、どのような方針で福祉基本計画を策定されるのか、知事の所見を承りたいのであります。  さて、介護保険制度は平成12年4月からスタートします。そのうち要介護認定については来年10月から始まるのであり、実質的にはあと1年しかないのであります。今私が心配するのは、十分な介護サービスが提供できるのか、客観的で公平な要介護認定ができるのか、12年の4月までに認定が全部できるのかということであります。  申請の受付開始から半年の間に、全市町村において要介護認定とケアプランの作成を完了しなければならないのであり、事前の周到な準備が必要であります。特に、1次判定を行うための介護認定調査員、2次判定を行う介護認定審査会のスタッフ、ケアプランを作成するケアマネジャーの確保・育成が欠かせないのであります。  そこで、本県の要介護者はおよそ2万6,000人と推定されておりますが、法施行前までに確実に要介護認定とケアプランの作成を行うためのスタッフを確保する見通しが立っているのか。また、これらスタッフの確保に要する市町村の財政負担についてどのように考えているのか、県当局の所見を伺いたいのであります。  さて、環日本海環境協力センターの全国法人化が、今月、この9月1日、現実のものとなりました。事業計画を見ますと、国際環境協力推進会議の開催や環境協力ネットワークの構築、環境影響調査環境情報システムの整備など、初年度から次々と重要な事業に取り組むとのことであります。  私は、「環境協力」という今日的かつ極めて重要なテーマにおいて、国際レベルでの役割と責任を持ち、環日本海の環境協力のメッカといわれるほどの貢献をしようという全国法人が設立されたことは、本県の国際化やイメージアップにも大きく寄与するものであると思うのであります。  今後、それぞれの事業を着実に実施し、成果を積み上げていくとともに、例えば沿岸諸国における環境調査の実施内容や方法を統一するなど、センターがしっかりとしたリーダーシップを発揮するよう支援していくことが大変重要であります。  そこで、環日本海環境協力センターの全国法人化を契機として、今後環日本海の環境協力をどのように進めていくのか。その戦略について知事の所見を承りたいのであります。  さて、特定の非営利活動を行う団体に法人格を与えるための法律ができたことから、その施行条例が今議会に提案されております。この法律の施行については、法人格の取得が簡易にできるように思えることから、幾つかの疑問や心配になる点があるのであります。  1つは、既に公益法人等の設立許可を受けているような団体から10人以上で分派し、法人格取得の申請が出されたような場合にはどうなるのかという心配であります。いま1つは、税制上の優遇措置について論議されておりますが、このような簡易に設立できる法人に対する地方税の優遇措置について、今後どのように考えるのかということであります。  そこで、この制度の適正かつ円滑な運用により、特定の非営利活動を推進または支援していかねばならないのでありますが、既存団体と新たな法人との関係、税制上の優遇措置といった点についてどのように考えているのか、県当局の所見を伺いたいのであります。  さて、この8月に、富山新港で6人、富山港で2人の集団密航者が相次いで逮捕され、また、その手引きをしたとして船員4名が逮捕されるという事件が発生いたしました。集団密航者の逮捕は県内では初めてであり、また全国的にも密航者が急増していると報ぜられております。密航の陰には手引きをする犯罪組織があり、また密航者は入国後犯罪を犯す可能性が高いといわれております。特に、沿岸周辺の住民の中には不安を感じる方も少なくないと思われます。  そこで、北陸の海岸線における水際での取り締まりが重要であるということを踏まえ、今後の密入国の防止対策をどのように進めるのか、警察本部長の所見を伺いたいのであります。  次は、産業の振興についてであります。  現在、景気の低迷や経済のグローバル化による企業の海外進出などから、企業誘致における地域間競争が厳しくなっております。本県における立地状況を見ても、平成3年度には122社の立地があったものが平成9年度には37社に落ち込むなど、全国同様に厳しくなっております。  本県産業の発展のためには、県内産業のハイテク・ハイタッチ化が重要でありますが、あわせて、これから伸びる分野の企業誘致が即効性のある手段であります。企業誘致には港湾や道路などインフラの整備とともに、多様な分野、特に高度技術産業、情報産業、デザイン産業など、21世紀型産業の誘致に向けた重点的な対策が大切であります。  一方、本県の企業誘致の補助制度が用地取得中心となっているなど、21世紀型産業の誘致に十分対応していないのでないかとの指摘もあるのであります。  そこで、厳しい状況の中で、新たな誘致の枠組みを考えるなど、企業誘致にどのように取り組まれるのか、知事の所見を承りたいのであります。  さて、昨年の観光客の入り込み数は前年より5.9%減少しております。特に宿泊客が9%減少しております。また、ことしも、長梅雨によって立山黒部アルペンルートなどへの観光客の減少が報じられております。本県は観光客の4割が夏に集中していることから、回復が難しいのではないかと危惧されるのであります。一方、世界遺産や瑞龍寺など名所旧跡への昨年の入り込み客数は17.8%と大きく増加しているのであります。  運輸省、通産省も共同で、東北3大祭りをモデルに伝統芸能や祭りを周遊する旅行パックを検討し、地方区だった祭りを全国区にする方策の調査を行うとのことであります。幸い、北陸や飛騨地域は、地方区から全国区まで伝統文化の宝庫であります。  私は、地方区の伝統文化を掘り起こし、またそれを全国区に引き上げ、さらにそれらを広域的に組み合わせることにより魅力を増進し、滞在型・通年型観光につなげることが大切であると考えるのであります。  そこで、滞在型・通年型観光の実現に向けて、伝統文化を組み合わせた広域的な取り組みをどのように進めていくのか、県当局の所見を伺いたいのであります。  さて、本県農業の基幹である稲作については、昨年からの自主流通米価格の暴落に加え、本年は史上最大の減反が課されたうえに、長梅雨による不作が懸念されるなど、稲作農家の収入については見通しが大変暗くなっているのであります。  私は、本県の農業・農村施策は、本県農業の基幹的担い手である中核農家及び集落営農組織を育成・支援する施策と、その他の農家を含めた本県農業・農村全体の振興を視野に置いた施策を区分して実施する時期に来ていると考えるのであります。  中核農家や集落営農組織については、それぞれ全県的な組織化を進め、その組織を受け皿として、情報提供や経営の指導・支援などの施策を重点的、集中的に行い、意欲のある本県農業の基幹的担い手のあすが見えるような戦略を確立しなければなりません。  また一方では、農協などとともに農業・農村全体の振興施策を推進することも重要であり、地域農業の振興、農村環境の保全、農村文化の保存など、農業・農村の持つ社会的、文化的機能の保持に努めなければなりません。  そこで、現下の厳しい稲作状況や新農業基本法の検討方向も踏まえ、これからの本県農業・農村施策をどのように推進しようとされるのか、その基本戦略について知事の所見を承りたいのであります。  さて、山村地域における産業の振興、生活の向上には林道が大変重要な役割を担っており、中でもいわゆる大規模林道は、その中核道路として一日も早い完成が待たれているのであります。  ところで、林野庁では、建設中の大規模林道について、いわゆる時のアセスメントに当たる大規模林道事業再評価調査を本年度から開始したところであり、ことしは全国で7路線8区間、うち本県では、朝日大山線の朝日-魚津間と大山福光線の上平-福光間の2路線2区間について再評価が始められております。  本県の2路線については、その必要性や地元の要望は現在も何ら変わっていないのであり、また、上平村においてはイヌワシ保護のためにルート変更が行われているなど、社会経済情勢の変化への対応についても十分配慮されていると思うのであります。私は、林野庁の再評価調査が開始されたこの機に、改めて本県における大規模林道の必要性や整備方針などを県民に対してはっきりさせておくことが必要と考えるのであります。  そこで、この再評価調査の対象となった2路線の計画どおりの建設への取り組み、並びに今後の県内における大規模林道整備の方針について、県当局の所見を伺いたいのであります。  最後は、教育・スポーツ問題についてであります。  先ごろ発表された学校基本調査の速報によれば、年間30日以上学校を休んだ小中学生のうち、学校嫌いを理由とする者が初めて全国で10万人を突破したのであります。県内では、小学生は調査開始以来初めて減少に転じましたが、中学生は7年連続の増加と、依然不登校に歯どめがかかっていない状況であります。教育委員会は昨年から、いじめ・不登校に関する調査研究会を設置し、この問題に真剣に取り組んでおられることを承知いたしております。  いじめ・不登校は、いろいろ複雑な要素を持った社会問題であり、学校のみならず社会総ぐるみで取り組まねばならない問題であります。しかし私は、実際に一人一人の生徒が学校に戻るためには、裁判所の調定委員のように、地域の多彩な有識者の中から委嘱されたケースワーク能力のある人が、一つ一つの事例に即し、良心に従い、あくまでも水面下で個別に対処することが大切であると考えるのであります。このいじめ・不登校に関するケースワーカーのような人には、臨床心理学や教育心理学の勉強などしっかりとした研修もしてもらい、その人数は、当該生徒数ほど各教育事務所に配置されることが望ましいのであります。  そこで、ケースワーク能力のある人の配置も含め、いじめ・不登校対策について今後どのように取り組んでいくのか、教育長の所見を伺いたいのであります。  さて、本県には伝統と歴史のある祭り・行事が数多くあるのでありますが、必ずしもその重要性の認識は深まっておらず、近年では、農村部における人口の減少、核家族化などにより、地域の祭り・行事がすたれるおそれが出てきております。これらの保存・継承を図るためには、しっかりとした調査を行い、各種保存施策を講ずるとともに、地域の祭り・行事の重要性の認識を深めることが大切であります。本県では、過去に民謡調査や獅子舞調査などを実施し、保存・継承に生かしてきたのであります。  私は、祭り・行事はお年寄りと子供の世代間の交流を通じた子供の健全育成に大切なものであり、また、参加することによってコミュニケーションも生まれることから、ふるさとに対する人々の心をつなぎとめるなど、教育効果も高いと思うのであります。私が小学生のころ、城端の春の曳山祭は学校が休みでした。小さいころに培われた楽しい思い出が大人になっても記憶に残り、祭りのときにはふるさとへ帰る、そういうことも大切なことだと思うのであります。  そこで、少なくとも小学校は、地域に根ざした祭りのときには、地教委と相談のうえ、普通の授業を学校ぐるみで祭りに参加する授業に切りかえることとするなど、積極的な対応をすべきであると思うのでありますが、このことをどう考えるのか。また、ふるさとの祭り・行事の保存・継承、振興にどのように取り組むのか、教育長の所見を伺いたいのであります。  さて、2000年国体開催まであと500日余りとなりました。私は、国体やきらりんぴっくは県民すべてが何らかの形で参加し、喜びや感動を分かち合うことが大切であり、各競技の開催地市町村と各競技団体とが創意と工夫を凝らし、来県する選手・役員とのふれあいの方策を実行すべきであると思うのであります。  例えば、大会期間中、来県した選手や監督に県民一人一人が「御苦労さん、頑張られ」と一声かける運動などはとても印象がよく、心に残るのではないでしょうか。特にきらりんぴっくにおいては、心のバリアフリーで参加選手を激励する気持ちが大切であります。このような中で本県選手が活躍するとともに、各県の選手・役員と県民とのふれあいの感動がきらりと光る、富山らしい大会とすることが望まれるのであります。  そこで、2000年とやま国体及び全国身体障害者スポーツ大会が、県民や選手・役員の心に残る感動あふれる大会、新世紀を開く記念すべき大会となるように、成功へ向けてどのように取り組むのか、県当局の所見を伺いたいのであります。  さて、富山商業高校の11年ぶりの甲子園初戦突破。県民の心にさわやかな感動を残しました。勝負のドラマや高度なプレーは我々に感動を与え、スポーツに対する関心を深めるものであります。
     現在、2000年国体に向かって、施設の整備や指導者の確保・育成、選手強化など、競技力の向上に努めておられるところであります。私は、国体終了後においても国体で発揮された競技力が持続され、さらに向上していくことが大切であり、それが県民の大きな財産にもなると思うのであります。  これまで、競技力の向上はとかく学校に負うところが大きかったのでありますが、学校週5日制の導入など環境の変化も考えられることから、これからは、スポーツクラブや地域中心の強化体系に切りかえていく必要があると考えるのであります。これは容易にできることではなく、2年、3年、じっくりかけて取り組む必要があります。  そこで、国体に向けて整備された施設や指導者、強化選手を生かし、国体終了後における競技力向上施策の方向をどのようにされるのか。富山県体育協会長でもある知事の所見を承りたいのであります。  以上をもちまして、自由民主党を代表しての私の質問を終わります。 6 ◯議長(筱岡與次平君)中沖知事。    〔知事中沖 豊君登壇〕 7 ◯知事(中沖 豊君)自由民主党を代表されました河合議員の御質問にお答えいたします。基本的な事項は私から、その他の事項につきましては関係部長等から答弁を申し上げます。  最初の御質問は、景気対策についてであります。  まず、現下の厳しい経済情勢に対応するため、どのような戦略で経済対策に臨み、補正予算案の編成に取り組んだのか。また、今後予想される国の第2次補正予算に対し、どのような方針で臨むのかという御質問からお答えいたします。  本県の経済につきましては、提案理由でも申し上げましたように、景気はさらに厳しさを増している状況であります。このため県としましては、去る6月に決定しました総合的経済対策に基づきまして、緊急かつ特別の措置として6月補正予算を編成し、これを着実に実行しているところであります。今回さらに、県税の大幅な減収など大変厳しい財政状況でありますが、国の経済対策として措置されました財源を最大限に活用いたしまして、各般の分野にわたる経済対策に積極的に取り組むことといたしまして、9月補正では過去最大規模の補正予算案を提案申し上げたところであります。  具体的に申し上げますと、第1に、公共事業費を大幅に増額し、道路、公園、下水道などの社会資本の整備を進めるとともに、県単独建設事業についても増額を図ったところであります。第2に、情報、福祉、教育の諸事業に積極的に取り組むこととし、情報通信施設や特別養護老人ホームなどの整備に対する助成、高等学校の大規模改修などを行うことにしております。第3に、中小企業対策につきましては、地域産業対策資金の融資枠を大幅に拡大するとともに、工業技術センターに高度な試作開発機器を設置し、研究開発等の支援を行うことにしております。また、雇用対策につきましても一層の充実を図ったところであります。このほか、このたびの記録的な長梅雨などにより被害を受けました公共施設の早期復旧を図りますために、災害復旧費を大幅に増額するとともに、商工・観光業の資金繰りに支障のないように地域産業対策資金に特別枠を設けるなど、災害対策にも取り組んでいくこととしております。  次に、国の第2次補正予算への対応についてでありますが、国におきましては、一刻も早い景気対策を図りますために、11年度予算の概算要求基準におきまして景気対策臨時緊急特別枠を設けまして、このうちの相当部分を10年度第2次補正予算として編成すると聞いております。  県としましては、国の景気対策に呼応して取り組んでいく必要があると考えておりますが、今後、国の予算編成や地方の財源対策の動向に留意しながら、県議会とも十分相談を申し上げ、対処してまいりたいと思っております。  次は、現在の県税収入の減少原因をどのように分析しているのか。また、中長期的な財政見通しを踏まえた今後の財政運営の基本方針はどうかという御質問にお答えいたします。  平成10年度の県税の調定額につきましては、6月末で対前年度を5%下回っておりますが、特に県税収入の大宗を占める法人事業税につきましては、対前年度を約25%下回るという大幅な落ち込みとなっております。この要因につきましては、まず、景気低迷の影響により、建設業、製造業、商業の落ち込みが大きいこと。特に、本県においてウエートが高い製造業の中でも、とりわけ金属製品製造業が際立って大きく落ち込んでいることなどによるものと考えております。  なお、本県の過去の税収動向は、全国とほぼ同じ基調で推移してきているのでありますが、やはり今後、産業の高付加価値化や産業構造の高度化などを進めることが必要であると考えております。  次に、今後の財政運営についてでありますが、本県の財政につきましては、長引く景気の低迷により、県税などの一般財源の早期回復が期待できないことに加え、相次ぐ景気対策により県債の残高が累増するなど、大変厳しい状況が続くものと認識しております。一方、21世紀に向けた県づくりを進めますために、新県民総合計画に盛られました諸施策などを着実に推進し、県民の期待にこたえていかなければならないと考えております。  このため、今後の財政運営に当たりましては、第1に、事務事業や組織機構の見直し、人員の抑制など、行財政改革を積極的に進めること。第2に、予算配分にめり張りをつけ、事業の重点的、効果的な実施に努めるとともに、有利な財源の確保と活用を図ること。第3に、県債残高の増嵩に留意し、高利なものの借り換えや基金の積み立てなど適切な県債管理に努めるとともに、新たな県債を発行する場合は財源措置のある有利な県債の活用を図り、将来の償還金の負担を軽減することなど、財政の健全化を推進し、行財政改革に全力を尽くしてまいる考えであります。  2番目の御質問は、行財政改革の推進等についてであります。  そのうちの、今後、県民が納得する行財政改革の実施に向けてどのように取り組んでいくのかという御質問からお答えいたします。  本県における行財政改革につきましては、第1に新行政改革大綱に基づき積極的に取り組むこと、第2に中長期的課題にも取り組むこと、第3に県民参画の拡大を図ることを基本としながら、昨年4月に設置しました行財政改革推進本部において積極的に取り組んでいるところであります。  昨年度におきましては、早月ダムの建設中止や神通川工業用水道の休止といった大型事業の見直しを行いましたほか、組織・人員の面では、タイプ業務の廃止や出先機関の職員配備の見直しなどにより、知事部局では国体の増員など約60名を差し引いても約40名の純減、それから各行政委員会や教員を含めると190人の純減を行ったところであります。また、事務事業の見直しにより約250件の3億7,000万円を節減したほか、旅費の制度改正により約4億6,000万円の節減を行うなど、成果を上げているところであります。  本年度におきましては、保健所の再編、交通事故相談の相談時間の延長、近代美術館の運営委託など、着実に取り組みを進めてきておりまして、現在は、平成11年度に向けて、事務事業の見直しや外郭団体の再編、文化行政の一元化などの中長期的課題につきまして、各部局において鋭意取り組んでいるところであります。  御提案の事業の評価につきましては、公共事業以外の事業につきましては事業評価法研究会でモデル評価を試行しているところでありまして、公共事業につきましては国の指導により再評価システムを検討しているところであります。  また、公用車の運転業務等の民間委託への拡大につきましては、民間にゆだねることができるものはできる限り民間に任せてまいりたいと考えております。  さらに、組織・人員につきましては、所管区域も含め、出先機関の見直しなど簡素で効率的な組織づくりを進めますとともに、本庁と出先機関の職員配置の見直しやOA化による事務処理方法の改善等による人員の抑制などに努めてまいりたいと考えております。  そして、このような行財政改革を進めますためには、何よりも県民の理解を得ることが重要であると考えております。これまでも、県政モニターに対するアンケート調査や県政世論調査などを行ってきたところでありまして、特に中長期的課題につきましては、県議会や21世紀を展望した行政改革懇談会などに提示いたしまして、議論をいただいているところであります。  いずれにいたしましても、今後とも、新行政改革大綱に基づきまして行政の簡素効率化を図りますとともに、県民サービスの確保・向上のための施策を積極的に推進していくことが必要であると考えておりまして、その際には県民の視点に立った行財政改革を推進してまいりたいと考えております。  次は、先日来報道各紙に、地方事務官にヤミ給与やヤミ休暇、ヤミ出張が支給されている旨の報道がなされており、このような事態の発生はまことに遺憾である。地方事務官制度の中のことではあるが、この事態についてどのように考えているかという御質問であります。  先般、地方事務官の休暇、旅費、時間外手当の不適正な取り扱いについて報道されたところでありますが、全職員が一丸となって県政の推進に当たっている中で、地方事務官によるこのような事態が発生しましたことはまことに遺憾であります。ただ、この件につきましては、人事権や予算執行権は社会保険庁にありまして、知事にはこれらの権限はないことを御理解いただきたいと存じます。  今後、早急に県民の信頼回復に努めることが必要であると考えておりますが、社会保険庁において徹底した調査が行われ、改善すべきところは早急に改善し、この問題に適正に、また早急に対処してもらいたいと考えております。  なお、県におきましては、職員の福利増進を図りますために、職員互助会が実施する事業につきまして助成を行ってきておりますが、この助成に当たりましては補助目的にふさわしい事業を対象にして限定しておるのでありまして、報道されたような事業につきましては補助対象とはしておらないことを申し上げておきます。  私はこれまでも、県職員と一丸となって県政に邁進してきたところでありまして、今後とも、綱紀の粛正と服務規律の確保につきまして、さらに全力を尽くしてまいりたいと考えております。  3番目の御質問は、環日本海時代に向けた社会資本の整備についてであります。  まず、国の来年度予算編成に向けて、大都市重視の政策に逆戻りしないように、地方における社会資本の整備のための予算獲得に向けどのように取り組んでいくのかという御質問からお答えいたします。  政府におきましては、当面の景気回復に向けて全力を尽くすという観点から、総額4兆円に及ぶ景気対策臨時緊急特別枠を設定することとされておりますが、大都市重視の動きが一部にうかがわれるところであります。しかしながら、大都市重視の社会資本の整備は、大都市と地方における社会資本整備の格差を一層拡大させることが懸念されるばかりでなく、用地費の占めるウエートが高いことなどから、即効性が求められる景気対策としては問題があるというように考えております。  一方、新しい全国総合開発計画におきまして重要な位置を占めておる日本海国土軸を現実のものとし、絵にかいたもちにしないためには、太平洋側に比べ遅れている日本海側での基幹的な社会資本を重点的に整備することが不可欠であります。具体的に申し上げますと、北陸新幹線や東海北陸自動車道などの高速交通基盤、それから富山空港や伏木富山港などの環日本海の交流基盤、高度情報化時代に対応した情報通信基盤、下水道等の生活基盤などの整備に重点的な投資を行うことが必要であると考えます。  このため、先般、北陸地方社会資本整備推進会議におきまして、こうしたことを緊急に要望したところでありまして、また、先ごろ小渕総理大臣が本県においでになりました折にも、日本海側における社会資本整備につきまして思い切った投資が必要であることを強く要望したところであります。  いずれにいたしましても、今後とも、日本海沿岸の関係府県等とも連携を図りながら、政府等に対する重要要望事項の要望活動等を通じまして、日本海側の社会資本が優先的に整備されますように、積極的に働きかけてまいりたいと考えております。  次は、新規着工区間を含め、北陸新幹線予算の大幅な増額に向けてどのように取り組んでいくのか。また、現行スキームの見直しと上越以西の未着工区間の一日も早い着工に向けてどのように取り組むのかという質問であります。  北陸新幹線は、福井まで延伸された場合の需要予測や収支改善効果につきましては特にすぐれていることが、平成9年度の政府・与党の整備新幹線検討委員会の検討の中で明らかにされたところであります。さらに、北陸新幹線は、御案内のように、東海道新幹線の代替補完機能を有し、日本海国土軸を形成するために必要不可欠な社会資本整備でありまして、国家プロジェクトとして積極的に推進されるべきものであります。  政府はこのたび、景気対策に資するために、平成11年度予算概算要求の基本方針で景気対策臨時緊急特別枠を設けておりますが、景気回復の即効性が大いに期待できる整備新幹線につきまして、この特別枠において予算措置されることを期待いたしております。これによりまして、北陸新幹線における既着工区間はもとより、新規着工区間であります長野-上越間につきましても整備促進を図りたいと考えております。  このためには、昨年12月における政府・与党整備新幹線検討委員会の新規着工区間の抑制方針について見直される必要があると考えております。今後、この抑制方針の解除と新規着工区間等の事業費の増額につきまして、関係府県などとも連携し、政府などに対し強く働きかけまして、10月末の景気対策臨時緊急特別枠に具体的な内容が盛り込まれるように努力してまいりたいと考えております。  また、北陸新幹線の全線整備を図りますためには、現行スキームが早期に見直され、上越以西の未着工区間が一日も早く着工されることが必要でありまして、シンポジウムやフォーラムなどの広域活動を通じて、北陸新幹線の必要性、重要性を強く訴えてまいりたいと考えております。  次は、高速道路や地域高規格道路の建設促進について、国の来年度予算編成方針を踏まえ、どのように取り組んでいくのかという質問であります。  高速道路や地域高規格道路は、日本海国土軸や日本中央横断軸の形成を図り、広域的な連携を深めますとともに、県土の均衡ある発展に不可欠なものであると認識しておりまして、このため、従来からその整備促進に精力的に取り組んできたところであります。この結果、提案理由で御説明申し上げましたが、北陸自動車道や東海北陸自動車道などの高速道路の整備が順調に進められているところであります。建設省の来年度概算要求の資料によりますと、道路関係予算は、景気対策の特別枠も含め、平成10年度予算に比べ大幅な伸びとなっているのでありまして、高規格幹線道路や地域高規格道路につきましては重点的な整備が図られることとなっております。  県としましては、高速道路やこれらと連携する地域高規格道路の整備が促進され、開通予定時期などが確実となるように、さらにはその時期が少しでも早まりますように、関係県や県内沿線自治体、経済界などとも十分連携しながら、今後とも強く国に働きかけてまいりたいと考えております。  4番目の御質問は、安心で安全な生活の確立についてであります。  まず、現在、福祉基本計画の検討が進められているが、地域における総合的な福祉の実現が課題となっていることも踏まえ、どのような方針で福祉基本計画を策定するのかという御質問にお答えいたします。  県民福祉条例は、ソフト、ハードにわたる総合的な福祉の推進を定める条例でありまして、本年4月に全面的に施行されたところであります。この条例に基づく、仮称でありますが福祉基本計画につきましては、第1に福祉に関する基本的かつ総合的な施策の大綱を示すこと、第2に福祉に関する中長期のビジョンを示すこと、第3に少子・高齢社会に対応する総合的な計画として位置づけるものであること、第4に老人、障害者等の対象者ごとに作成されている計画を統合した地域福祉計画として位置づけるものであることなどの観点から、総合的な福祉の推進に当たってのビジョンと指針を示すものにしたいと考えております。現在、県社会福祉審議会の福祉基本計画専門分科会におきまして、鋭意検討を進めていただいているところであります。  また、地域における総合的な福祉の推進に当たりましては、まず、保健、医療、教育やまちづくりなど多くの分野の連携と協力が必要であること、また、県や市町村だけでなく、県民の参加と協力のもとに、地域を挙げて取り組む必要があることなどが重要であると考えております。  県としましては、福祉基本計画の策定の過程におきまして、県民の参画をいただきながら、十分に意見を反映させてまいりたいと考えております。  次は、環日本海環境協力センターの全国法人化を契機として、今後環日本海の環境協力をどのように進めていくのか。その戦略についての所見はどうかという御質問にお答えいたします。  日本海は、これを囲む諸国や地域の貴重な共通財産でありまして、その環境保全に取り組んでいくことは極めて重要であります。このため本県におきましては、昨年4月に任意団体として環日本海環境協力センターを設立し、各種事業に積極的に取り組んでまいりましたが、去る9月1日に、環境庁が所管する公益法人として、内閣総理大臣から許可を受けたところであります。今回の公益法人化に伴いまして、財団法人環日本海環境協力センターにおきましては、今後、日本海沿岸の諸国や地域との連携、協力のもとに、環日本海地域の海洋環境の保全に寄与する各種の事業を推進することとしております。  具体的に申し上げますと、対岸諸国及びこれらの自治体が主体的に環境保全に取り組む環境づくりを醸成していく環境交流推進事業や、国内及び対岸諸国の研究機関等との協力体制の構築を図る調査研究事業を推進していくこととしております。また、海洋環境に関する情報の収集・提供やノウハウの共有化を図りますために、人材育成と人的ネットワークの構築を進める環境保全施策支援事業を展開することとしております。さらに、この協力センターにおきましては、国と連携を図りながら、海洋の環境モニタリング手法の確立に向けて、サンプリングや分析方法の統一を進めることとしております。  いずれにいたしましても、県としましては、この協力センターが環日本海地域の環境協力において中核的な役割を担うことができますように、その活動を積極的に支援してまいりたいと考えております。  5番目の質問は、産業の振興についてであります。  そのうちの、景気の低迷や企業の海外進出などにより、企業誘致について地域間の競争も激化しているが、新たな誘致の枠組みを考えるなど、企業誘致にどのように取り組んでいくのかという質問からお答えいたします。  最近の景気の低迷や企業の海外進出が進行する中で、本県産業の活力を維持し、雇用の創出を図っていきますためには、情報通信関連分野、医療福祉関連分野、デザイン分野など、今後成長が見込まれる新規成長分野の産業、それからベンチャー企業の誘致が必要であると考えております。このため、県としましてはこれまでも、富山八尾中核工業団地や富山イノベーションパーク、それから10月から分譲を開始する高岡オフィスパークなど、これらの業種に適した企業団地を整備するとともに、企業立地助成制度や民間研究所立地奨励金制度を活用して企業誘致を積極的に図ってきたところであります。  御指摘のように、企業誘致における地域間の競争は激化してきておりまして、今後、これらの新規成長産業等を誘致するためには、単に企業用地を提供するだけではなく、用地取得から稼働まで、よりきめ細かく個別の企業の状況や要望に応じた支援を行っていくことが重要であると考えております。具体的に申し上げますと、第1に、魅力ある企業用地の提供や企業立地助成制度等の活用、充実を図ること。第2に、高等教育機関やUターン情報センター等と連携し、企業が求める優秀な人材の確保に積極的に協力すること。第3に、企業の技術の高度化や新分野展開のために、県内の大学や工業技術センター等の研究機関を紹介するとともに、これらの機関との共同研究開発について支援を行うこと。第4に、道路等の交通基盤や住宅、教育などの基盤整備に努めることなどであります。  いずれにいたしましても、今後とも総合的な企業誘致対策を積極的に展開してまいりたいと考えております。  次は、現下の厳しい稲作状況や新農業基本法の検討方向も踏まえ、これからの本県農業・農村対策をどのように推進しようとするのか。その基本戦略についての所見はどうかという御質問であります。  本県におきましてはこれまでも、アグロピア21に基づきまして諸施策を推進してきておるところであります。まず、農業振興の施策としましては、第1においしい富山米の低コスト生産体制を確立すること、第2に稲作と園芸や畜産のバランスのとれた生産構造を実現すること、第3に地域や集落に適した営農体制と力強い農業経営を確立すること、第4に流通・消費動向に即したマーケティングの展開を促進することなどについて、積極的に推進してきたところであります。  また、農村振興の施策につきましては、第1に上水道や高速通信体系の整備など質の高い生活環境を整えること、第2に地場産業の振興や地域資源の活用による就労の場の確保を図ること、第3に地域の自然的、社会的条件を生かした新しい文化の創造などを図ることなどにつきまして、積極的に取り組んできたところであります。  しかしながら、農業・農村は担い手の減少、就農者の高齢化、米価の大幅な下落など、現在大変厳しい状況に直面しております。このため、今後の農業の振興に当たりましては、産地間競争に打ち勝つ力強い農業経営の確立を図ることが必要でありまして、基幹的な担い手となる中核農家や地域に応じた集落営農組織等によって本県の農業生産が担われるようにしなければならないと考えております。  現在、国におきましては、新たな農業基本法の制定を目指して検討がなされておりまして、本県におきましても、アグロピア21の点検や基礎資料の収集なども行っているところであります。県としましては、21世紀に向けた本県農業・農村の持続的な発展を図りますために、今後、国において策定される新たな農業基本法の内容を十分踏まえまして、新たな時代に対応する富山県農業・農村のあり方の基本方向を取りまとめていきたいと考えております。  最後は、教育・スポーツ問題についての御質問でありますが、そのうちの、国体に向けて整備された施設や指導者、強化選手を生かし、国体終了後における競技力向上施策の方向をどのようにするのか。県体育協会長でもある知事の所見はどうかという御質問であります。  2000年とやま国体につきましては、魅力ある感動あふれる祭典として開催できるように全力で取り組んでいるところでありますが、国体に向けて充実した施設や指導者等を活用し、国体後も競技力の維持向上やスポーツの振興などを図ることが極めて重要でありまして、施設の活発な利用でありますとか、あるいは指導者等の配置などにつきまして十分に配慮し、努力をしていかなければならないと考えております。  また、これまで、競技力の向上につきましては、とかく学校の部活動に期待が寄せられてきたところでありますけれども、学校週5日制の実施に伴う部活動時間の減少などの問題もあるところであります。したがいまして、今後は、地域の拠点となるスポーツ施設におきまして、優秀な指導者のもとに県体育協会や各競技団体と連携して、小・中・高校生の一貫した指導体制づくりを確立していくこと、また、国体を契機に市町村における我がまちのスポーツ意識が高まる中で、住民主体で組織されたスポーツクラブをさらに育成していくことなどが重要であると考えております。  いずれにいたしましても、国体終了後におきましては、学校の部活動も大切にしながら、一方では国体に向けて充実してきた施設や指導者等を活用いたしまして、国体で発揮された競技力が維持され、さらに向上していくことを目指してまいりたいと考えております。また、新たなスポーツプランを平成12年度末までの策定を目指して検討を進めていきたいと考えておりますが、このスポーツプランの中にもこうしたことを位置づけていきたいと考えております。  以上であります。 8 ◯議長(筱岡與次平君)白井土木部長。    〔土木部長白井芳樹君登壇〕 9 ◯土木部長(白井芳樹君)景気対策についての御質問のうち、公共工事の発注の促進や用地の確保に関する御質問にお答えいたします。  県におきましては、国の総合経済対策に呼応して、経済対策に積極的に取り組むこととし、6月議会において公共事業の補正を行ったところでございます。さらに、今議会においても公共事業及び県単独建設事業予算の追加を提案しているところでございます。  御指摘のとおり、こうした公共事業などが経済対策として効果を上げるためには、早期にかつ計画的に執行することが必要であります。このため、年度当初におきまして、今年度上半期における発注目標率を83%程度と設定したところでございます。また、6月補正分についても、経済対策という趣旨を踏まえ、その執行に取り組んでいるところでございます。  具体的には、経済対策としての効果を早期に発現させるため、詳細な図面と概数の数量で発注し、出来高で精算する方式、いわゆる概数発注方式を活用して設計期間の短縮に努めることや、公共工事等の計画的執行を進めるため、公共工事の発注予定に関する情報提供を行うこととしたところでございます。また、用地取得の促進を図るため、都市計画街路事業にかかわる用地交渉事務を市町村に委託するほか、国に対し、補助金等にかかわる事務手続の簡素合理化などにつきまして全国知事会等を通じて要望するなど、公共工事等の早期発注に努めているところでございます。御提言の趣旨も含めまして、さらによい方法があれば、今後検討してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、公共事業等の執行が経済対策として確実にかつ早期に効果を上げるよう、今後さらに発注の促進に努めてまいります。  次に、安心で安全な生活の確立についての御質問のうち、水害防止に向け、今後どのように河川行政を進めていくのかという御質問にお答えいたします。  これまで、我が国の広い意味での治水に関する行政は、洪水の脅威を防ぐ河川整備と都市下水道や農地の用排水路などの整備が、それぞれの制度に基づき連携しながら対応してきたところでございます。しかしながら、近年、急激な都市化により、都市部やその周辺部において保水や排水機能が低下し、浸水被害が頻発したことから、治水にかかわる行政について総合的、体系的な視点が希薄であるという指摘や、また河川や下水道、用排水路など水に関係する各施設の管理者相互の連携が必ずしも十分でないのではないかなどの指摘がなされております。  このため国では、去る7月に、河川審議会の水循環小委員会において、水の連続性をトータルにとらえ、総合的に整備、保全、管理を行う枠組みが必要であるといった内容の中間報告がなされたところでございます。  富山県におきましても、こうした国の動向などを見きわめながら、市町村をはじめとする関係行政機関や地域住民とのより一層の連携、協力のもと、まちづくりや地域づくりと一体となった計画的な河川行政の推進に努めてまいります。  以上でございます。 10 ◯議長(筱岡與次平君)高原商工労働部長。    〔商工労働部長高原一郎君登壇〕 11 ◯商工労働部長(高原一郎君)まず、景気対策についての御質問のうち、新規の学卒者の雇用対策にどのように取り組んでいくかという御質問にお答えを申し上げます。  平成11年の3月に新規に学校を卒業予定されている方々の7月31日時点における公共職業安定での求人受理状況でございますけれども、大学・短大等の予定者につきましては求人数が2,288人となっておりまして、これは昨年の同期と比較いたしますと23.3%の減ということになっております。また、高等学校の卒業予定者でございますけれども、求人数で3,384人、これは昨年度の同期と比較いたしますと41.7%の減少ということで、いずれも厳しい状況になってございます。  このことから、平成11年3月新規学校卒業予定者の就職環境の悪化が大きく懸念をされているところでございまして、県といたしましては、7月17日に、県内主要経済団体に対しまして、知事名の文書によりまして求人確保の要請を行ったところでございます。さらに、9月末から10月の初めにかけまして、県内の個別企業に対しまして同様の要請文を送付していくこととしてございます。  また、8月に開催をいたしましたUターンフェア・イン・とやまに続きまして、この9月の補正予算案で開催費をお願いしております平成11年3月大学等卒業就職未内定者を対象といたしました合同就職面接会を11月に開催するほか、高等学校、大学等卒業予定者の就職相談窓口といたしまして、昨年よりも2カ月早く、10月1日より、県内の8つの公共職業安定所内におきまして新規学卒者就職相談コーナーを設置いたしまして、富山学生職業相談室あるいは富山・高岡学生職業情報センターとの連携の強化を図ることといたしております。  また、県内の従業員30人以上の企業を対象といたしまして求人需要動向調査を実施し、把握した求人を求人情報誌として作成をいたしまして、就職未内定者に対しまして情報提供を行うなど、各般の学卒就職支援対策を実施することといたしております。  いずれにいたしましても、これらの対策を推進するに当たりましては、行政として学校、企業との連携を深めまして、新規学校卒業予定者に対します一層の就職支援に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。  次に、産業の振興について、滞在型・通年型の観光の実現に向けて、伝統文化を組み合わせた広域的な取り組みをするべきではないかという御質問がございました。  本県の主要観光地でございます立山黒部アルペンルートあるいは黒部峡谷などは、いわゆる自然系の観光資源でございまして、冬季の利用が困難となっておりますことや、また、本県の地形が比較的コンパクトなことから通り抜け観光の傾向が見られまして、夏季集中型あるいは通過型の観光となっていることは御指摘のとおりでございます。このような夏季集中型・通過型の観光の課題を解消いたしまして、滞在型・通年型の観光につなげていくためには、議員御指摘のとおり、本県の観光の強みである富山県の恵まれた自然を舞台に、世界遺産の五箇山合掌造り集落、あるいは国宝瑞龍寺などの神社仏閣、さらには五箇山、城端、八尾などのこきりこ、むぎや、おわらなど数々の民謡、さらには県内各地に伝わる伝統文化の粋を凝らしました曳山やあるいは各種の祭りなど、豊富な歴史的、文化的資源を広域的に組み合わせるということ、あるいは既存の観光地と有機的にこれを結びつけていくということが重要であると考えております。  近年、観光客のニーズは非常に多様化をしてきておりまして、地域文化とのふれあいがますます求められてきております。こうしたことから、平成14年ごろに、本県におきまして、運輸省及び通産省が提唱しております地域伝統芸能全国フェスティバルを開催いたしまして、本県のすぐれた伝統芸能を全国に向けて紹介をするため、この開催を関係機関に鋭意働きかけているところでございます。  先人が営々とはぐくんでまいりました本県の伝統的、文化的資源は、本県のすぐれた観光資源でございまして、これらを広域的に結んだ観光モデルコースを設定いたしまして、積極的な宣伝活動の実施、あるいは旅行代理店に対しましての商品化の働きかけなどによりまして、滞在型・通年型の観光の実現に向けて鋭意取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 12 ◯議長(筱岡與次平君)江畑総務部長。    〔総務部長江畑賢治君登壇〕 13 ◯総務部長(江畑賢治君)答弁に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。  7月1日付をもちまして総務部長を拝命いたしました江畑でございます。県政発展のため全力を尽くす所存でございますので、御指導、御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
     それではまず、行財政改革の推進についての中で、地方交付税制度の見直しなど地方分権の推進に伴う地方財政、地方税財源の充実確保についての質問にお答えいたしたいと思います。  地方分権を実りあるものにするには、地方公共団体の財政的自立が不可欠でございます。このためには、本来、地方公共団体固有の財源であります地方税の充実確保が望まれるところではありますけれども、税源の偏在による地方公共団体間の財政力格差を是正し、各地方公共団体の一定水準の行政の計画的な運営を保障するという地方交付税の役割は、依然重要であると考えているところでございます。  地方分権の推進に伴います地方交付税のあり方に関しまして、面積要件の重視や均等割制度について御提案があったところでございます。  現在国におきましては、地方交付税のあり方につきまして、地方分権推進計画に基づきまして、地域の実情に即した地方公共団体の自主的、主体的な財政運営に資する方向で、地方分権に対応した算定方法の簡素化やより一層の簡明化など、その見直しについて検討がされているところでございます。  御指摘のように、地方分権の推進に伴いまして、権限移譲の推進、それから現在法令等によって義務づけられている事務の廃止や緩和、そういったことに伴いまして、各地方公共団体が地域のニーズに的確にこたえ、主体的に個性的で魅力ある地域づくりを行っていくと、そういった役割といったものがますます大きくなっていくわけでございまして、またそういった役割といったものを果たすことが期待されているところでございます。そのためには、十分な財源を確保するということは言うまでもないことでございますが、御指摘のございました地方交付税につきましても、こうした地方公共団体が適切にその役割を果たしていくにふさわしい、あるいはそのためにその財政需要を的確に反映できるような仕組みとなるべきものというふうに考えているところでございます。  いずれにいたしましても、地方の財政基盤の安定的確立のためには、地方交付税の総額の確保をはじめ、地方税財源の充実確保が図られるとともに、地方交付税につきましても、各地方公共団体の財政需要を的確に反映いたしましたものとなるように、引き続き国に対して働きかけてまいりたいというふうに考えておるところでございます。  それから続きまして、安心で安全な生活の確立についてという御質問の中で、特定非営利活動法人に対します地方税の優遇措置につきましての御質問にお答え申し上げます。  まず、特定非営利法人につきまして、税法上の取り扱いでは、そのうち収益事業を行わない法人につきましては法人県民税の均等割が課税されるということになっておるわけでございますが、今後、これらの法人に対しまして、この法人県民税の均等割の減免等の優遇措置を講ずるという場合には、県税条例の改正が必要になってくるわけでございます。この場合におきましては、現在、現行の条例で減免対象としております民法34条法人等との均衡を十分考慮する必要があるというふうに考えておりますので、こういった民法34条法人等との均衡を十分考慮のうえ、県税条例を改正するかどうかということを検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 14 ◯議長(筱岡與次平君)澤合公営企業管理者。    〔公営企業管理者澤合敏博君登壇〕 15 ◯公営企業管理者(澤合敏博君)答弁に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。  去る7月1日付をもちまして公営企業管理者を拝命いたしました。もとより微力でございますが、本県公営企業の発展のために全力を尽くしてまいりますので、議員各位の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。  それでは、行財政改革の推進等についての御質問のうち、企業局の累積欠損金の解消の見通しと今後の経営基盤の強化に向けた取り組み方針についてのお尋ねにお答えいたします。  今日、社会経済情勢が大きく変動している中にありまして、地方公営企業をめぐる環境は、電気料金の引き下げ要請、景気の低迷等によります水需要や利用客の伸び悩みなど、非常に厳しいものがございます。こうしたことから、企業局におきましては厳しい経営を余儀なくされている事業もありまして、このような事業にありましては多額の累積欠損金を抱えている状況にございます。  このため、これまでも、発電の運転監視業務の集中制御化、スキー場事業の経営改善、神通川工業用水道事業の見直しによる運転休止などに鋭意取り組み、経営の効率化、健全化を推進してきたところでございます。  このような取り組みの結果、現時点におきましては、累積欠損金の解消について、まず水道事業につきましては平成10年代半ばに、次に工業用水道事業につきましては平成20年代終わりごろに、さらにスキー場事業を含む地域開発事業につきましては平成20年代にそれぞれ達成できるよう努力してまいりたいと考えております。  また、電気事業につきましては黒字で推移しておるところでございますが、発電部門への新規参入の規制緩和など競争原理の導入により経営環境が一層厳しくなることが予想されることから、ダム管理の近代化など経営の効率化を積極的に推進していく必要があると考えております。  今後とも、経営基盤の強化を図るため、企業としての経済性の発揮と公共の福祉の増進を基本として中長期的観点に立って、第1には、民間企業との役割分担を考慮しながら住民サービスの向上を図る観点から、常に経営内容を見直し、時代の変化に対応した経営を展開すること、第2に事務事業や組織機構の見直し等の行政改革を推進すること、第3に人材の育成や組織の活性化に努めることなどに積極的に取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。 16 ◯議長(筱岡與次平君)橋本企画部長。    〔企画部長橋本 清君登壇〕 17 ◯企画部長(橋本 清君)日本海時代に向けた社会資本整備についての御質問のうち、情報フロンティア構想の検討状況についてのお尋ねにお答え申し上げます。  とやま情報フロンティア構想の策定につきましては、副知事を本部長といたしまして富山県庁情報化推進本部を設けまして、情報通信の高度化を通じて便利で豊かな暮らしと活力ある産業経済を実現するため、県として取り組むべき具体的内容を全庁的に取り組み検討しているところでございます。検討に当たりましては、各部の若手職員を中心に、高齢化社会の到来や情報サービス産業の振興などを念頭に、保健・医療・福祉の情報化、産業の情報化など9つのワーキンググループを設けて取り組んでおるところでございます。それぞれのグループにおきましては、1つには高度情報化社会における具体的な目標の設定、2つ目には目標達成のための手順、3つ目には展開するアプリケーションの形態という観点から、可能な限りわかりやすい形で県民の皆さんにお示しできるよう検討を重ねているところでございます。  この構想では、情報化を担う人づくり、情報化による豊かな生活の支援、情報産業の振興、情報通信基盤の整備といったことなどを中心にまとめたいと考えております。こうした中で、県や市町村や民間の役割について検討するとともに、国の各省庁から提案されておりますさまざまな情報施策につきましても、この構想との整合性を図りながら積極的に取り入れるようにしていきたいというふうに考えております。  また、本県の情報サービス業の振興を図る観点も重要と考えておりますので、とやまアプリケーション推進事業などを実施しまして、民間の情報化を推進する意欲的な活動に対しまして積極的に支援をしてまいりたいというふうに考えております。  とやま情報フロンティア構想につきましては、ただいま御提言のございました趣旨も含めまして、便利で豊かな暮らしと活力ある産業経済を実現するための情報化施策の展開方向を示すことができる構想となりますよう、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。  以上でございます。 18 ◯議長(筱岡與次平君)原厚生部長。    〔厚生部長原 徳壽君登壇〕 19 ◯厚生部長(原 徳壽君)安心で安全な生活の確立についてのうち、介護保険制度におきまして要介護認定やケアプランの作成を行うためのスタッフを確保する見通しが立っているのか。また、これらスタッフの確保に要する市町村の財政負担についてどのように考えているのか問うという御質問にお答え申し上げます。  まず、要介護認定やケアプラン作成に係る人的要員としましては、訪問調査に必要な訪問調査員、介護認定審査会の委員、要介護者等のためにケアプランを作成する介護支援専門員(ケアマネジャー)がございます。このうち、訪問調査員と介護認定審査会委員につきましては、保険者となる市町村等が確保することとされております。  まず、訪問調査員につきましては、市町村等におきまして、要介護者等の推計数に基づきまして必要な数を算定して、市町村職員を基本として確保することとされております。また、介護認定審査会の委員につきましては、保健・福祉・医療の学識経験を有する者で構成することとされております。平成10年度の要介護認定モデル事業に際しましても、関係団体の協力によりまして、この介護認定審査会の委員につきまして必要な人員を確保したところでありまして、本格実施に際しましても確保が困難な職種につきましては、県としましても関係団体との調整を行うなど、引き続き市町村を支援してまいりたいと考えております。また、介護支援専門員(ケアマネジャー)につきましては、県が養成することとされております。これにつきましては、9月20日に予定しております実務研修受講試験に2,000名を超える応募がありますことから、必要な数は十分確保できると考えております。  なお、法律施行前の平成11年10月から、あらかじめ市町村において要介護認定事務を開始することになりますけれども、調査員をはじめとする人件費につきましては地方交付税措置が行われることとされているほか、審査会の運営等に要する事務費につきましても2分の1が国から補助され、残り2分の1についても交付税措置が講じられる予定となっております。  いずれにしましても、県としましては、市町村等の保険者が介護保険制度を安定的に運営できるよう、必要十分な財政支援措置がとられるよう、機会あるごとに国に対して働きかけてまいりたいと考えております。 20 ◯議長(筱岡與次平君)角谷生活環境部長。    〔生活環境部長角谷庄司君登壇〕 21 ◯生活環境部長(角谷庄司君)安心で安全な生活の確立についての御質問のうち、特定の非営利活動を行う団体に法人格を付与する制度に関して、既存団体と新たな法人との関係についてどのように考えているのかとのお尋ねにお答え申し上げます。  特定非営利活動法人の設立について、その所轄庁である都道府県の知事は、設立認証の申請があった場合に、営利を目的としないこと、保健・医療または福祉の増進を図る活動や社会教育の推進を図る活動など12の分野に該当する活動であること、10人以上の会員を有することなどの法定要件に適合していると認めるときは、設立の認証をしなければならないこととなっているところであります。  なお、所轄庁につきましては、2以上の都道府県の区域内に事務所を設置するものにあっては経済企画庁長官とされているところであります。  県といたしましては、特定非営利活動を行う団体に法人格を付与することによってその健全な発展が促進され、ボランティア活動をはじめとする県民が行う自由な社会貢献活動が一層活発に展開されることを期待しているものであります。  以上でございます。 22 ◯議長(筱岡與次平君)金高警察本部長。     〔警察本部長金高雅仁君登壇〕 23 ◯警察本部長(金高雅仁君)御質問にお答えします前に、議長のお許しをいただきまして、一言ごあいさつを申し上げます。  去る9月3日付で警察本部長に就任いたしました金高でございます。微力ではありますが、112万県民の安全と治安維持のために全力を傾注する所存でございます。議員の皆様方の温かい御支援を賜りたいと思います。  それでは、安心で安全な生活の確立についての御質問のうちの、密入国の防止対策についての御質問にお答え申し上げます。  平成9年中に全国の警察及び海上保安庁が検挙した集団密航事件は73件1,360人と、前年の29件679人を大幅に上回り、過去最高となっております。本年も9月3日現在、48件880人を検挙し、依然として集団密航事件が多発しております。  御指摘のように、本県においても本年8月5日に富山新港で集団密航事件が発生し、密航したミャンマー人6人と手引きの船員1人の計7人を逮捕しており、今後も発生することが懸念されるところであります。  本県警察としては、以上の情勢を踏まえ、水際での取り締まりを重点に、次のような集団密航の防止対策を講じているところであります。  第1には、多数の外国船が寄港する伏木富山港を重点として、情報収集及びパトロール等による沿岸警戒活動を強化すること。第2には、集団密航を検挙するためには県民からの通報等の御協力が何よりも重要であることから、各種会合、チラシ、ポスター及び立て看板等を通じて、漁業協同組合関係者や沿岸周辺地区の住民をはじめ、広く県民に対し、不審な船舶や外国人等の発見時の対応などについて広報活動を強化すること。第3には、海上保安庁、入国管理局等関係機関との連携を密にして、密航者を水際で検挙することに努めているところであります。  また、最近の中国人による集団密航事犯は、いわゆる「蛇頭」と呼ばれる密航請負組織が絡んでおり、これが日本の暴力団員等と連携し、密航ビジネス化している状況があることから、全国警察と連携しながら、密航の背後で暗躍するブローカーなどの摘発に全力を挙げて取り組んでいるところであります。  今後とも、県民の不安を解消して治安の万全を期するため、このような諸対策を強力に推進していく所存でございます。  以上であります。 24 ◯議長(筱岡與次平君)上江農林水産部長。    〔農林水産部長上江崇春君登壇〕 25 ◯農林水産部長(上江崇春君)御答弁を申し上げます前に、お許しをいただきまして、一言ごあいさつを申し上げます。  去る7月1日付をもちまして農林水産部長を拝命いたしました上江でございます。もとより微力ではございますが、富山県の農林水産業の振興のため、全力を挙げて職務を遂行してまいりたいと思います。どうか、議員各位の御指導、御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。  それでは、産業の振興についての御質問のうち、大規模林道事業再評価調査の対象となっている本県の2路線の計画どおりの建設への取り組みと、今後の県内における大規模林道整備の方針についての御質問にお答えをいたします。  本県における大規模林道事業は、岐阜県と一体となった飛越山地大規模林業圏開発林道事業として計画されたものであり、現在、高山大山線の有峰区間、大山福光線の上平-福光区間及び朝日大山線の朝日-魚津区間の3路線3区間が森林開発公団により実施されております。この大規模林道事業について、林野庁では今年度から大規模林道事業再評価調査を実施し、事業の透明性の確保と一層の効果的、効率的な実施を図ることとしております。  調査は、着工区間を単位として、事業着手後5年ごとに定期的に実施することとされており、今年度は、全国32路線53区間のうち、7路線8区間が予定されております。その内訳は、工事着手後5年を経過した4区間、25年を経過した1区間、自然保護上問題となっている3区間となっております。本県の上平-福光区間及び朝日-魚津区間は平成5年度に着手され、5年が経過したことから対象となったものでございます。  これらの2区間については、まず本県の山麓地帯を縦貫する基幹ルートの一部を構成するものであること、第2に地域における林道網計画の中心的位置づけとなっていること、第3に地元の要望や自然環境の保全対策について十分調整がなされていることなどから、本県の森林・林業施策を進めるうえでいずれも重要な区間であると考えております。このため、今後、早期に完成されるよう、関係市町村と一体となって、国や森林開発公団に働きかけてまいりたいと考えております。  次に、今後の整備方針でございますが、本県の大規模林道事業は、これまで利賀-平区間や岐阜県境の飛越トンネルの完成など一定の成果を上げてきており、現在は、先ほど申し上げました3路線3区間で事業が実施されているところでございます。特に有峰区間については、2000年とやま国体までに大型バスの通行が可能となるよう、ふるさと林道事業も導入するなど県と公団が協力して集中的に整備を進めているところでございます。  今後とも、本県における大規模林道事業の事業効果が早期に発現されるよう、事業をより一層計画的かつ重点的に進めること、予算枠の拡大と未着工区間の新規着工を図ることなどにつきまして、強く関係の機関へ働きかけてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 26 ◯議長(筱岡與次平君)飯田教育長。    〔教育長飯田宗映君登壇〕 27 ◯教育長(飯田宗映君)教育とスポーツ問題に関する2つの御質問にお答えいたします。  まず最初は、いじめ・不登校対策への今後の取り組みについてであります。  いじめや不登校の問題につきましては、議員御指摘のとおり、さまざまな要因が複雑に絡み合っていることから、それぞれの問題ごとにケースワーク的な対応が大切になります。また、子供たちの心の内面に迫るため、カウンセリングを生かしていくこともまた学校教職員の側に求められるところであります。  このため本県では、教員のカウンセリング研修の充実に努めるとともに、きめ細かな対応のために、精神科医や臨床心理士などの専門家をスクールカウンセラーとして16の小・中・高校に配置し、また、カウンセリングに関する豊かな経験とすぐれた技術を有する教員をカウンセリング指導員として18の中学校に配置しております。また、生徒指導等にすぐれた能力を有する退職教員及び学識経験者等を生徒指導教育相談協力推進員として、合わせて18名教育事務所に配置し、主として家庭訪問を通じ個別の相談に応ずるなど、教育相談体制の充実に努力してきているところであります。  このたび9月補正予算で、小規模校やカウンセラー配置校を除くすべての中学校に心の教室相談員の配置をお願いしております。これは、保健室登校の増加や子供たちの学校における心の居場所の問題などに対応し、保母をしておられた方や社会福祉施設で働いておられた方など、地域の多彩な人材を学校に導入し、生徒の悩み事の相談相手や気軽な話し相手として活動してもらうものであります。生徒が心の安らぎを持てるような環境を学校と地域が一緒になってつくっていこうとする新しい事業であります。  御提案の調定委員的な性格とはやや異なりますけれども、先ほど申し上げました生徒指導教育相談協力推進員は、教育事務所に配置され、家庭に直接働きかけるという点でかなり似通った性格のものであり、また、今般の心の教室相談員も、地域の人材あるいは教育力の活用という点ではやはり同様な要素を持っております。これらの方々についてケースワーク的な研修等も行ってまいりたいというふうに思っております。  第2は、祭りや行事等に対し、小学校における積極的な対応をすべきではないかという御提案、及びこれらの保存・継承、振興への取り組みについて、それぞれお答えを申し上げます。  議員御指摘のように、地域で行われる祭りや行事は、子供たちにとって、世代間交流の中で社会性をはぐくんだり、ふるさとに対する愛着の念を培ったりするなど、学校教育には期待しがたい、また別の教育効果が期待できるところがございます。  本県の小学校では、いわゆる町内や在所など小さな地区ごとの祭りに学校ぐるみで子供たちを参加させるということは現状では難しいところがございますが、伝統を持った大きな祭りがかなり広範囲にわたって行われるような場合には、午前中は授業をし、午後は放課として子供たちに積極的な参加を勧めていくといったような配慮がなされている例がかなりございます。  例えば八尾小学校では、2学期の始業式の日を早めることで、おわら風の盆の期間は休日扱いとして、全校生徒がその祭礼に参加しておりますし、高岡の平米小学校では、御車山祭の山車の出発式に全校児童が参加しております。さらには、よく御承知とは思いますけれども、城端小学校では午後は放課とし、上級生は全員むぎやパレードに参加しているといったような例があるわけでございます。授業時数確保の問題は確かにありますが、学校が地域社会と適切な連携を図りながら子供たちを地域の祭礼や行事に参加させるということは、子供たちの生活に心理的なゆとりを持たせるうえからも、さらには地域社会の活性化のためにも、十分意義のあることと考えております。  ふるさとの祭りや行事の保存・継承、振興につきましては、これまでも、例えば獅子舞や民俗芸能の調査などによる実態把握、記録保存に加え、これらに基づく保護に努めてまいりました。また、平成10年度からは新たに、伝統芸能等を子供たちが伝承し、その成果を発表する事業に助成しておりますし、さらに11年度においては、本県の祭りや行事を一層保存・継承、振興していくため、その基礎資料となる祭り・行事の総合調査の実施について、文化庁の補助事業採択を要望しているところであります。  いずれにいたしましても、祭りや行事が今後とも地域社会の中で末永く生き生きと伝承されていくように支援してまいりたいというふうに考えております。 28 ◯議長(筱岡與次平君)米田2000年国体局長。    〔2000年国体局長米田喜實雄君登壇〕 29 ◯2000年国体局長(米田喜實雄君)答弁に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。  去る7月1日付で2000年国体局長を命ぜられ就任いたしました米田でございます。もとより微力ではございますが、2000年国体の成功に向けて全力で取り組む所存であります。どうぞよろしく御指導、御鞭撻、そして御支援いただきますように、よろしくお願い申し上げます。  教育・スポーツ問題のうち、2000年とやま国体及び全国身体障害者スポーツ大会が県民や選手・役員の心に残る感動あふれる大会などとなるように、成功に向けてどのように取り組むのかという御質問にお答えをいたします。  2000年とやま国体及びきらりんぴっく富山は、20世紀の有終の美を飾り、新世紀の幕を開く記念すべき西暦2000年に開催されますことから、21世紀のモデルとなる大会、また、両大会に参加するすべての方々が感動を分かち合える大会にしたいと考えております。  このため、本県選手が大活躍することや、富山の魅力を発揮した感動あふれる式典の開催をはじめ、御指摘のように、県民すべてがいろいろな形で参加し、選手・監督をはじめ全国から来県される方方とのふれあいを深め、心に残る魅力あふれる感動の祭典として開催できるよう、全力を尽くして取り組んでいるところであります。  特に、来県される方々とのふれあいを深めるため、具体的には、1つは、選手・監督をはじめ来県される方々に「ようこそ」の気持ちで接するあいさつ運動を行うこと。2つは、開・閉会式会場や各競技会会場周辺を中心とし、県下全域を花と緑で飾る花いっぱい運動や美化運動を行うこと。3つは、開・閉会式会場や各競技会場のスタンドをいっぱいにし、すべての選手を応援するスタンドいっぱい運動を行うこと。4つは、数多くのボランティアにより、案内や会場美化、競技運営の補助などの活動を行うこと。5つは、民泊を実施し、地域ぐるみで心温まる歓迎を行うことなどを積極的に展開していきたいと考えております。  きらりんぴっく富山でも、今申し上げました取り組みの中で、県民とのふれあいの感動がきらりと光る大会になるよう努めてまいりたいと考えております。  以上申し上げましたが、2000年とやま国体及びきらりんぴっく富山の両大会において、県民のすべての方々が、来県される選手・監督や観客を心から温かく迎える気持ちで接することや、いろいろな形で大会に参加することが何よりも重要であると考えております。今後とも、あらゆる機会を通じて、このような機運の盛り上げを図っていくとともに、県、市町村、関係機関・団体等が連携を図りながら、県民の皆さんとともに心に残る魅力あふれる感動の祭典として開催できるよう、全力を尽くしてまいりたいと存じます。  以上であります。 30 ◯議長(筱岡與次平君)暫時休憩いたします。  午後0時23分休憩      ─────────────────────  午後1時21分開議 31 ◯議長(筱岡與次平君)休憩前に引き続き会議を開きます。  菅沢裕明君。    〔13番菅沢裕明君登壇〕 32 ◯13番(菅沢裕明君)社民党議員会を代表して、知事並びに関係部長に質問をします。
     まず、具体的な質問に入る前に、今回の富山県内の社会保険事務所の問題について発言をさせていただきます。  16日から、県の担当課が県内外の出張について、社会保険関係の全職員を対象に聞き取り調査に入ったとのことであります。こうした調査が迅速、厳正に行われて、問題点が県民の前に明らかにされることを期待したいと思います。  いわゆるカラ出張については、昨年、県の全部局で問題になり、その実態が明らかにされ、知事を含めてその責任が問われたところであります。今回の問題についても、業務上の指揮監督権を持つ県の責任は重大であります。  出張以外の休暇、手当等についても問題にされておりますが、現在調査が始まったところであり、今後の推移を我々も重大な関心を持って見守り、問題をただしていく所存であります。すべての職員が県民の前に襟を正し、その期待にこたえていく姿勢の重要さを強調し、この問題への見解表明とさせていただきます。  さて、最初の質問は、知事から提案されている補正予算に関連をして、景気対策としての効果と県債残高の増加など、県財政への影響についてであります。  今回の9月補正は、深刻化する不況への経済対策が柱となっており、その中で公共事業の追加が218億円と大きな枠を占めております。道路、橋梁、砂防、土地改良、土木の直轄事業負担金などですが、ほかに土木・農林水産関係の主要県単独事業116億円が計上されております。今までも国や県は景気対策のために公共事業を増やしてまいりました。これらの投資が地域経済や県民の雇用面でどのような効果を与えてきたのかが問われております。確かに社会資本の整備との関連で公共事業の役割は認めます。しかし、個々の公共事業の中身については吟味してみる必要があります。  今回の補正に当たっても、当面の経済対策というよりも、関連工事の早期完成とか、当初予算が窮屈で対応できなかったものを取り上げるとかになっておらないでしょうか。貴重な財源を使って景気対策に取り組むのですから、その投資効果をしっかり見きわめたお金の使い方が今問われておるわけであります。  その中で、県などの自治体の施策としては、公共事業よりも医療とか社会保障、福祉を重視するほうが、景気対策、雇用対策から見ても、むしろプラスになるのだということが研究機関の専門家や幾つかの都道府県で提起されております。茨城県などの調査もしてまいりましたが、分析調査によると、例えば建設部門への投資と同額を福祉部門へ投資した場合、雇用誘発では建設部門と比較して1.42倍となり、全産業部門中最も高い効果となっております。生産誘発額でも、同じ比較で1.8倍と試算され、福祉部門への投資の波及効果が大きいことがはっきりしています。中沖知事もこうしたことを認め、福祉分野への投資が地域雇用の創出や地域経済の活性化に効果があることを十分認識しており、県庁内に設置した研究会で幅広く検討し、今後の施策に生かしたいと述べておられます。  また、公共事業の財源は、今大体4割が借金・県債でありますから、公共事業の中身を吟味して不要不急なものを減らすことは、同時に、累積し、既に7,500億円近くになっている県債残高・借金を減らすことにもつながるわけであります。公共事業を見直して、医療・福祉・社会保障を拡充していくことが、景気対策、県財政の改善、県民福祉の向上にもつながっていくわけであります。  ここで知事に、1つは、今回の補正予算が相変わらずの公共事業中心の景気対策になっておりますが、どのように具体的に地域経済や県民の雇用改善につながると見ているのか。今までの公共事業による景気対策の効果も含めてお伺いをしたいと思います。  また、福祉への公共投資の経済・雇用面での波及効果については、知事も認めておられるところであり、研究会の報告を待つまでもなく、このような不況期にこそ具体的な投資拡大を図るべきであります。  今回の補正予算では、老人福祉関係など福祉施設の整備費が10億2,600万円、教育施設の整備等に1億7,800万円計上されているだけであります。2000年から介護保険の実施もあり、今こそ思い切って予算化を図るべきと考えます。そして、今回の公共事業中心の補正によりまして県債残高が288億円増加し、7,956億円となりました。今年度当初には公債費負担率が19.8%と危機的な水準となっております。県財政の厳しさは一段と強まっていると言わなければなりません。  以上、幾つかの点を申し上げて、知事の所見を伺います。  第2の質問は、不況が深刻化する中で、地域経済、雇用をどう守っていくかという問題であります。  県下の中小企業への支援策をまず取り上げたいと思います。  政府の発表でも、最近の地域経済動向は、全国の10ブロックのすべてで後退しており、地域経済総崩れの事態は今日ますます深刻化いたしております。こうした景気後退の中で、地域経済の大きな部分を占める中小企業の状態はとりわけ深刻であります。中小企業に働く人は日本の全従業員の8割、生産高も過半数を占めております。日本経済の主役、地域経済を支える中小企業の低迷が、消費や雇用に大きく響いております。  こうした中で、県政の中でも中小企業への景気対策を最重点にすべきだと考えます。その中の1つは、中小企業経営に深刻な被害をもたらしている金融機関の貸し渋り問題であります。会社の倒産や、経営者が自殺に追い込まれるなど、痛ましい事件が後を絶ちません。橋本前内閣は、貸し渋り解消を理由に、今年3月、大手都銀18行と一部地銀に対し、体力・自己資本増強に向け公的資金を投入しました。しかし、貸し渋りはなくなるどころか、銀行の企業向け貸し出し残高は逆に減っております。しかもそれが中小企業を直撃している実態が、日銀の調査で裏づけられております。そのため、貸し渋り倒産は、この6カ月連続60件を超える深刻な事態となっております。県内でも、貸し渋りが原因と見られる倒産は発生しておるわけであります。国民の税金を投入してまで銀行の体力を増強しているのですから、まず国は徹底した金融機関へのチェックを行い、貸し渋りの改善指導をやるべきであります。  県としても、県下の中小企業に対する銀行の貸し渋りや横暴の姿勢について実態調査を行い、国への報告や、県みずからも関係銀行に対し改善要請を行うべきであります。この点について商工労働部長に見解を伺います。  次に、政府は、中小企業の資金調達は一層厳しいとして、中小企業を対象に、今後、特別の保証制度を設け、保証枠の拡大を図る方針のようであります。公的機関による信用補完は確かに大切であります。現に、富山県信用保証協会の最近の保証状況を見ますと、平成10年4月から7月期の保証承諾額は388億6,000万円で、対前年比で121.6%、保証債務残高は2,353億円となり、最近の中小企業をめぐる景気の情勢を反映して、過去最高となっております。ちなみに、この期の代位弁済額は16億円で、対前年比289.6%で、これも過去最高となっております。いずれにしても、信用保証協会による信用補完はますます期待され、役割が大きいわけであります。  ただ、富山県信用保証協会の場合、定款上保証倍率が基本財産の50倍とされながら、平成10年7月末の保証債務残高は2,353億円で、保証倍率は23倍程度となっており、十分な保証が行われていないのではないかということであります。保証倍率50倍は名目にすぎない実態であります。  そこで商工労働部長に伺いますが、国が新たな保証制度を打ち出し、保証枠の拡大を示す動きの中で、県段階としてもどのように保証協会の基本財産の拡大などを図る計画なのか。保証協会の窓口での「保証渋り」を脱し、どのように中小企業者の要望にこたえていくのか伺います。  次に、当面する中小企業支援策として関係部長に質問いたします。  まず制度融資についてでありますが、不況の中で打撃を受けている中小企業にとって、各種制度融資への期待が大きく、活用が広がっておりますが、その中で特に中小企業の運転資金として地域産業対策資金枠の拡大が求められていました。これについては、既に6月議会で70億円の増額が図られてまいりましたが、9月議会でも大幅な増額が図られることになりますが、枠の拡大や融資条件の面でどのように中小企業の期待にこたえ、役割を果たしていこうとしているのか、商工労働部長に伺います。  また、中小企業の景気が過去最悪の水準に落ち込んでいる中で、中小企業に対する公共工事の発注割合を引き上げるべきと考えますが、土木部長の所見を伺います。  近年の工事の大型化の中で、中小企業への発注割合が減少の傾向にあると思われますが、中小企業への発注割合を大幅に引き上げることができれば、有効な景気対策となるのではないでしょうか。  中小企業への支援策の最後に知事に伺いますが、さきにも述べてまいりましたように、県下の中小企業に働く人は全就業者数の約8割、生産高も過半数を占め、地域経済の主役となっております。その中小企業が長引く不況の中で低迷し、県民の消費や雇用に大きく響いているわけであります。こうした地域の各分野の中小企業の振興こそ、富山県の産業政策の柱でなければなりません。  そこで、現在策定中の21世紀富山県産業ビジョンの中に中小企業をどう位置づけ、どのような具体的な支援策を盛り込んでいくのか、知事の所見を伺います。  地域経済に関する質問の第2に、地域商店街と大型店問題を取り上げます。  今、県下の各地で大型店の郊外出店が加速する中で、地域商店街の衰退が深刻な問題になっております。県下における大型店の新規出店は、90年以降進められた大店法の規制緩和を背景に進み、この10年近くの間に200店が出店しております。今後も高水準の出店が予定されております。こうした中で、県下の小売業における大型店の占有率は既に50%を超えております。その結果、県下の小売業全体の商店数が、平成3年の2万2,855店から平成9年の1万9,593店となり、この6年間で3,062店、13%も縮小いたしております。とりわけ中小零細商店の減少が顕著となっております。  こうした中で、県下商店街の平均で11店に1店強が空き店舗となり、空き店舗となった時期は7、8年の間が6割近くを占めております。商店街の景況としては、「衰退している」が29.4%、「やや衰退」が42.3%となっており、合わせると71.7%が「衰退傾向」となり、商店街や中小小売店がいかに深刻な事態に追い込まれているかを示しております。  ここで商工労働部長に、県下の大型店の進出状況とその中小小売業者・商店街への影響、特に地域経済の影響について伺います。  現在、新たに出店を予定している北陸ジャスコに対し、氷見市では、商店街連盟や市商工会議が市街地の商店街への影響から反対の意思表示をし、運動が始まっております。既に氷見市内には、この7、8年の間に6店の大型店が進出し、大きな影響を受け、中心商店街をはじめ中小小売業者は大打撃を受けております。これ以上の大型店の進出は、既存の商店街にとって死活にかかわるということでの反対運動であります。こうした動きは県内で幾つも起きております。  大店法を廃止し、大規模小売店舗立地法及び改正都市計画法、中心市街地活性化法のいわゆる大店法廃止関連3法が、去る第142回通常国会で成立をいたしました。このように大店立地法が成立したことにより、すぐにも現行大店法が廃止されるかのように受けとめられておりますが、しかし実際に、大店立地法が施行され、大店法が廃止されるのは6月3日の法律公布から2年以内であります。それまでは現行大店法による出店規制が依然として続けられます。現行大店法は大きく規制緩和されたとはいえ、店舗面積を大幅に削減させて大型店に出店を断念させたり、閉店時刻や休業日数を制限するなど、一定の役割を果たしてまいりました。今後も、この法を根拠にして大型店の出店をどう規制していくのかが重要であります。同時に、大店法が廃止され、2年以内に関連新法が施行されますが、今後どのような実効性ある出店規制を行っていくのかが問われております。しかし一方で、消費者が大型店に吸い寄せられていく現実があるわけで、そうした意味では、消費者の需要とかなりかけ離れてしまっている既存の中小商店・商店街の力量をつけさせ、どのようにして消費者の求めるレベルにまで高めていくかも大きな課題であります。  そこで商工労働部長に質問しますが、既存の中小小売業者や商店街からは、これ以上の大型店の出店を規制してほしいという要望が強いわけでありますが、どうこたえていくのかであります。また、大型店の出店による影響から商店街を守り、大型店に対応できる力量をどうつけさせていくのか、県としての支援策を伺います。  次に、農業問題について質問いたします。  この夏は、大雨、日照不足が続き、集中豪雨が被害を拡大しております。県内の作況指数は96で「やや不良」となっております。天災だけではなく、「政治災害」と言ってもいいような問題が農家を襲っております。県内でも、昨年は自主流通米の価格が暴落し、その影響で農家の収入は激減しました。農水省が発表した97年の農家1戸当たりの平均農業所得は、前年に比べ13.3%、約19万円減少して120万円に落ちております。  富山県は、政府の路線に沿って、良質米の生産と低コスト生産のための大規模経営や営農組合など、生産組織づくりを進めてきております。その県版の農業基本指針が例の改訂「アグロピア21」であります。米の輸入自由化に道を開いたガット・ウルグァイ・ラウンド合意や新食糧法といった新たな農政の展開に向けて、鳴り物入りで打ち出され、21世紀に向け富山県農業の展望を切り開くものとされましたこの計画の現況はどうか。この計画は平成7年から12年に至る6年間を目途にした計画ですが、平成9年度、つまり計画の中間年の現況・実績を見る限り、農業構造等の見通し、農業生産の見通し、双方とも計画達成は困難ではないのか。むしろ計画を大きく下回りそうな項目が多いのであります。  そこで知事にお尋ねしますが、本県農業の基本計画であるアグロピア21の現況、目標達成の見通しについてであります。  私は、この計画は、現実には破綻状態と考えていますが、知事はどのように評価しておられますか。農家数や農業就業人口は激減し、中核農家も育たず、減少いたしております。生産目標の達成も多くの品目でできそうにもないのに、土地基盤の整備だけは目標どおりであります。これでは、圃場整備された田んぼや農道、用排水路等が残っても農業生産には生かされず、富山県農業の展望はありません。  政府は、今日まで新農業基本法の制定作業を急いでまいりましたが、食料・農業・農村基本問題調査会はいよいよ最終答申を取りまとめ、本日17日、小渕首相に提出されます。同調査会は昨年末に中間取りまとめを発表しましたが、ここでは意見が対立したとして、4つの論点について両論併記になりました。その中に、食糧自給率の数値目標、株式会社に対する農地規制、中山間地に対する直接補償の問題などがあります。これらの問題にどのような方向が出されるのか。富山県農業の将来にとっても重大問題であります。  現在、我が国の食糧自給率は、エネルギーベースでわずか42%しかありません。実に6割近くの国民の分を輸入に依存するという深刻な事態であります。これを解決することは、21世紀の日本にとって緊急課題であります。  ところが、最終取りまとめに向けた作業中の農水省の調査会の動きでは、自給率向上の数値目標を決める問題では、その困難さを強調していました。しかも自給率向上は、農家が生産性を高め、消費者が食生活を変えるかどうかにかかっているとし、国の責任を回避する態度でした。最終答申では、生産・消費の指針となる目標設定を提起するところまできたようですが、数値目標としては不十分なものになっております。  また現在、株式会社に対し農地取得を規制している問題では、投機的な土地利用に対する批判が強いことなどから無条件撤廃は避けましたが、農業生産法人の条件緩和というやり方で財界の要求にこたえようとしております。  EUなどが既に実施している条件不利益地域・中山間地に対する直接補償については、対象を絞って実施することが有効との結論になったようであります。どこに絞るかなど問題は残っておりますが、いずれにしても真正面からこたえたものではありません。  知事は、こうした最終答申をどのように評価しておられるのか、見解を伺います。  県内の農家、農業関係者から出される切実な要求は、後継者の育成、生産者価格の安定や農業資材価格の引き下げ、農業経営を破壊する輸入の規制です。消費者・県民からは、農産物の安定供給と安全性の確保、農林業の県土・環境に対する役割の発揮などであります。アグロピア21の破綻や本日の最終答申を踏まえ、今後の新農業基本法制定への動きなどを考えるとき、知事はどのように本県農業のかじ取りをされるつもりか。農業・農村政策を抜本的に転換すべき時期と思いますが、知事の見解を伺います。  農業問題の最後に、県内の中山間地域の活性化策として計画され、推進されている中山間地域総合整備事業、いわゆる広域連携型事業の現在までの状況と今後の計画について農林水産部長にお尋ねいたします。  この事業は、過疎化が一段と進み、耕作放棄地などが多い地域が対象となっており、これら地域の農業振興はもとより、生活基盤、環境保全まで視野に入れた事業展開が予定されるわけで期待が大きいわけであります。部長の見解を求めます。  この項目の質問の最後に、失業や就職難など悪化する県民雇用の問題を取り上げます。  さて、県民雇用をめぐる情勢ですが、6月の完全失業率が4.3%と過去最悪を更新し、県内でも職安が把握している離職者数は、今年の1月から7月の7カ月間で2,250名に達し、前年同期比の2倍を超えております。そして、これまでの高齢者、若い層に加え、家計を中心となって支える40代の男性の失業が過去最悪となっております。また、離職者の再就職も次第に難しくなっております。県下職安の有効求人倍率も過去最低水準の0.53倍で、職を求める2人に対し働き口が1人分しかありません。こうした雇用悪化の要因は、中小企業の倒産や企業のリストラ、合理化による首切りにあります。以下、商工労働部長に質問いたします。  県として、企業の動向や情報を把握し、離職者を出さない働きかけや支援策をもっと具体的に強力にとってもらいたいということであります。  次に、県としての雇用を守り、増やす独自の手だてについてであります。県内企業に対し、知事文書による求人確保に向けた協力要請が行われましたが、どれだけ成果があったのか。さらに、知事が先頭に立った具体的な行動を求めたいと思います。  そして、もっと積極的な県の雇用創出策についてでありますが、例えば、国の政策にも関連しますが、労働時間の短縮による雇用の創出、さらにはまた30人学級が実現できれば、県教育委員会の試算でも1,013名の教職員の増員が必要となりますし、また、先ほども述べてきた2000年の介護保険法実施などに向けた介護・福祉・医療などの関連分野では、県独自でも雇用創出ができるわけであります。知事の見解を伺います。  来春の大学等の新規学卒者の就職については、職安受理分の求人状況を見ても、7月末で大学・短大等で前年比23.3%減など極めて厳しいものになっております。このような状況では、来春になっても就職できない人が大量に出るのではないか。私は危機感を持って見ております。学校を出ても就職もできないような事態は大きな社会問題であります。県としての手厚い対策を求め、商工労働部長の所見を伺います。  次に、県民医療をめぐる問題について質問いたします。  第1点は、昨年9月の医療費改定以来、県民の受診抑制などが進んでいるのではないかという問題であります。  厚生省が先月発表した97年度の保険医療費の伸び率は1.5%で、前年度の4分の1、86年の調査開始以来の低さを記録しました。負担増のもとで受診抑制が進行していることを如実にあらわしているのではないでしょうか。とりわけ定率負担が1割から2割になった健保本人については、改定以降の半年で保険医療費が前年より5.6%も減少、受診抑制は深刻になっております。県保険課の資料でも、医療費改定後の平成9年9月から10年1月にかけて、健康保険本人の場合、医科の診療報酬件数は対前年比で6.5%減少、家族の場合は5.2%減少となっており、県内でも受診抑制が進んでいることが明らかであります。医療関係者の話では、受診の手控えや治療中断は、高血圧、糖尿病など自覚症状の軽い慢性疾患や歯科疾患で顕著になっているとのことであります。医療の基本は、何といっても早期発見、早期治療であります。受診を手控えた結果、重症化してしまったのでは、結局医療費も高くなってしまうわけであります。こうした事態に日本医師会などは、この8月、政府に対して、国民医療を守る立場から健保本人2割負担を即時廃止し、1割負担に戻すことを求めました。当然の歓迎していい動きだと思います。  そこで厚生部長、あなた方は、こうした受診抑制の実態や県民の命や健康への影響について、現状をどのように把握しておられるのか。また、このような事態をどのように考え、どのように県民の命と健康を守っていこうとしておられるのか、お伺いをいたします。  医療問題の第2点目は、この10月1日から実施される長期入院患者等にかかわる診療報酬改定の県民医療への影響についてであります。  厚生省は、医療保険から病院に支払われる診療報酬のうち、一般病院に6カ月を超えて入院している高齢者などの看護料を、一部を除いて10月から大幅に引き下げようとしております。これが実施されると、病院の経営上の理由から長期入院患者が病院から追い出される事態が心配をされます。厚生省は今までも、病棟ごとの患者の入院日数の平均が決められた基準を上回ると、病院に支払われる看護料が減額される仕組みを拡大・強化してまいりました。この中でどれだけ多くの患者、特にお年寄りが病院から退院を強制され、行き場がない中で家族も苦しんできたことでしょうか。今回の10月からの改定を前に、医療関係者は、「重症になればなるほど入院が長くなるのに、厚生省が一方的に決めた日数を過ぎたら病院を追い出されるということでは、今に医療事故が心配される。今病院に残っている入院患者は医療が不可欠な人ばかりで、特に難病患者の高齢化が進み、長期入院になりがちである」と話をしております。  厚生部長、10月からの診療報酬改定はさらに患者の病院追い出しを過酷なものとするのではないでしょうか。厚生省の資料では、治療が必要なために一般病床に長期入院している高齢者は全国で6万6,000人となっておりますが、本県の実態はどうなっておるんでありましょうか。  ここで部長に、今回の改定による病院など医療機関の経営への影響についてお尋ねし、特に県下の高齢・長期入院患者や家族の不安を解消して、よい医療が安心して受けられるように万全の対策を講じていただくよう要請し、見解を伺っておきます。  次に、2000年4月からの介護保険の実施に向けた準備作業が進められていますが、これに関連して数点にわたり質問を行います。  まず第1は、事業の広域化についてですが、9月に入って砺波圏12市町村が共同実施を決めました。これは介護保険の実施体制にかかわる重要な問題であり、広域化の方向を出すにしても慎重な姿勢を求めたいと思います。  まず、広域化やその枠組みは市町村の判断だというのが県の姿勢のようでありますが、それは表面のことであって、実のところは、県が広域化推進の方針をもって市町村の意向調査や助役会議などで根回しをやってきていたということであります。その際には、広域化が進む地区には、県として優先的に財源措置をしていくとまで伝えているようであります。  広域化論の中での最大の論点は、人件費や事務費の削減効果が大きいということであります。窓口業務だけを市町村に残して、訪問調査から介護認定、保険料徴収・給付に関する事務まで広域化してしまえば、確かに経費は安上がりになります。しかし問題は、広域化の中で要介護者への具体的なサービスがどうなっていくのかということであります。この点についての不安や疑問が大きいわけであります。広域化への県としての基本的な考え方、現在までの県下各地区の状況とあわせて、この点について厚生部長にお尋ねをいたします。  要介護者へのサービスの点では、例えば高齢化の度合いや地域の実情、サービス水準に違いがある中で、広域化で介護保険事業計画を作成したり、保険料を一本化する際にどんな問題が起きてくるのか。既存の福祉との関連や、市町村間のサービスのばらつきをどのように調整するのか。サービス水準の低いところに合わせる結果にならないかということであります。さらに、保健婦やヘルパー等の身分はどうなるのか。こうしたかなめの問題が議論され、方向が出されないまま、財政削減効果論が強調されて、広域化の形だけが先行しているのではないでしょうか。私は大きな危惧を抱いております。部長のお考えを伺っておきたいと思います。  そもそも介護保険については、広域化論の前にもっと論議を深め、明らかにしておかなければならない問題がたくさんあります。その第1点は、私も何度も申し上げてきたことでありますが、2000年4月からの介護保険実施を前にして介護基盤が不十分であり、これでは、保険料を払ってもサービスの利用ができないという状態が続かないか危惧されます。  ホームヘルパーは県全体で、平成9年度常勤換算でようやく502名、平成11年度の目標に対して66.8%でしかありません。しかも、ヘルパーのパート化が進み、県全体で50%がパートヘルパーになっております。国の補助単価や補助率の引き上げ、自治体の超過負担の解消が必要ではありますが、最低限、県全体の目標値の752名は常勤ヘルパーで確保することが介護保険施行の前提条件であります。ヘルパーの待遇を改善し、増員を進めたほうが雇用創出にもなるわけであります。  特養ホームについては、富山県高齢者保健福祉計画の目標値を引き上げ、増設を図るべきであります。1,500名を超える待機・受付者が現に存在することを知事はどのように受けとめておられるのか。  以上については、再々になりますけれども、特に知事の所見を伺っておきます。  第2の問題は、介護保険の実施で利用者負担が増大し、サービスの利用を控えたり、施設から退せざるを得ない人が続出するのではないかということであります。要介護認定で認定されず、サービスが利用できなくなったりするなど、現行の福祉水準が後退するケースが頻発するのではないかということであります。  現在、県下の自治体ではホームヘルプサービスの利用者の多くが利用料は無料となっておりますが、今度は、それらの人も、保険料を支払ったうえに1割の利用料を支払うことになるわけであります。特養ホームの場合も、入所者の自己負担は月額4万7,000円程度になると見込まれておりますけれども、現在は措置費で賄われている、例えば日常生活費も自己負担となるので、総額で月6万円は超えるんではないかと言われております。高齢者の大半が月額4万円程度の国民年金受給者である現状では、一体これはどうなるのかということであります。保険料や自己負担分については、私は、低所得を理由とした減免措置が必要であり、サービスの水準を後退させず、これまでどおり利用が可能になるようにするためには、公費負担による救済措置がどうしても必要になっていると思います。  第3の問題は、介護保険法施行時の保険料額は1人当たり月2,500円とされていますが、将来的には、保険料の引き上げは確実といわれます。さらに、市町村が行う特別給付などの費用は第1号被保険者の保険料だけで賄う仕組みとなっており、それなりの給付水準を確保するためには保険料負担が過重になることが予想されます。したがって、保険料の減免については法律事項として定め、減免分の補てんは国、県などが公費で行うことや、また、市町村の特別給付などのサービスについては国や県が一般財源による補助を行うべきであると考えますが、どうでしょうか。  第4の問題は、要介護認定手続についてですが、簡素化、迅速化を図り、公平な認定が行われるようにしなければなりません。また、介護認定の基準も、身体状況だけでなく家族の状況なども踏まえ、生活実態を総合的に判断ができるものでなければならないと思います。特に痴呆症状のある人については、介護の必要度を短時間の訪問調査や画一的な1次判定、書面審査となる2次判定で適切に判定ができるのかどうか。痴呆性の人については独自の基準を設ける必要があると考えます。  以上3点について厚生部長の所見を伺っておきます。  次に、県内私立高校の現状と県政の課題について質問いたします。  県内私立高校の生徒数は8,001名、県内の高校生の5人に1人が私立で学んでおります。県内の私立高校が高校教育の重要な一翼を担っていることを、ここで再確認したいと思うわけであります。  しかし、県内の私立高校は、財政面でもそれぞれ厳しい状況に置かれ、生徒の教育環境・条件を県立高校と比較してみた場合、格差が大きく、学校関係者や我々の要望にもかかわらず、今日まであまり改善されてきておりません。例えば教諭1人当たりの生徒数は県立13.8人に対して私立21人と多く、1学級当たりの生徒数も、県立が40人学級を実現しているのに、私立ではまだ全県で35クラスが40人以上の学級として残っているわけであります。また、私立では教諭の中で非常勤の割合が高く、平成8年度の資料ですが、私立全体で常勤437名に対し非常勤237名で、非常勤が35%も占めております。非常勤の多くは60歳以上で、県立高校の退職者が占めておるわけであります。  私立高校の経営は、生徒が納める入学年次納付金や毎月の授業料、施設費、学校費などに頼る面が大きいわけでありますが、入学年次納付金は平成10年には平均55万円で、県立の額と比較しますと大きな差があるわけであります。授業料についても、私立が平均年額22万3,332円であるのに対し県立は10万8,000円で、2.1倍の開きがあります。子弟が私立に学ぶ父母の負担感には強く重いものがあるわけであります。  私立高校の経営の財源としては、以上のほか国、県からの経常費補助金、また借入金や寄附金等がありますが、近年多くの高校で借入金の割合が増えるなど、各校の経営状態は悪化をいたしております。最近の各校の経営実態を平成9年度の決算で見ますと、3法人4高校で消費収支計算書に見る経営成績が単年度で赤字となり、その総額は1億3,502万5,000円となっております。累積損失で見ますと4法人5高校が赤字で、中には29億円の損失を持つ法人、6億円を超える損失を抱える法人が3校もあり、資産総額から見て学校経営を圧迫いたしております。これらの学校の負債率、平成9年度の借入金などの負債と学校の資産の割合を見ますと、A学園の場合58.7%、B法人の場合88.4%と異常に高く、C学園では20.6%となっています。これは、学校経営の資金繰りが非常に厳しくなっていることを示すものであります。A学園は9年度に7億2,000万円の借入金を行い、6億8,500万円の返済、B法人は2億9,000万円の借入金を行い、2億8,000万円の返済、C学園では2億3,000万円の借入金を行い、2億6,000万円の返済をいたしております。私立9校全体では、9年度の借入金が約13億7,000万円となり、こうした資金繰りに苦労し、借入金に依存した体質が年々強まる中で、問題は、各校が教育関係の投資にますます予算の余裕がなくなり、削減が進み、私立の教育条件・環境が悪くなっていることを危惧するものであります。  そこで、知事に質問いたしますが、私立高校への経常経費を大幅に増額できないかということであります。本県の場合、平成10年度で生徒1人当たり28万8,979円であります。県の要綱では、「経常費の2分の1以内を助成する」となっておりますが、この額では補助比率は平均で37%にとどまっております。私立の生徒数に対する経常費補助金等の予算額は全国35番目の低さであります。この機会に、声を大きくして知事に強く、私立に対する経常費補助などを大幅増額することを求めます。  また、さきに述べた各校の経営実態に即して、私立高等学校経営改善のための特別助成についても積極的に実施すべきと考えます。例えば県として、各種貸付金の貸し付け条件の緩和や、法人が有する債務に対する財産譲渡や補助金の支出、利子負担への補てん等、もっと積極的な支援策を講じるべきではないかと思います。総務部長に質問いたします。  さて、最後の質問は文化財の保護、特に去る6月に発見された氷見市柳田地内の日本海側最大といわれる前方後方墳についてであります。  昨年の小矢部市の桜町遺跡に続いて、この古墳の発見は、県内外の専門家はもとより、一般の市民、県民にも大きな驚きと尽きない興味・関心を呼び起こしたわけであります。知事も提案理由の中で、「この地域──氷見のことでありますけれども──が古代において日本海側の文化の中心の一つであったことを示すもの」と大きな評価を加えられたわけであります。専門家も、発見の意義について、「古墳時代につくられた前方後方墳としては日本海側最大規模のものである。古墳の形状が明瞭に残されており、当時の古墳造成技術を研究するうえで大変貴重なものである。古代において、日本海側の文化の中心の一つが氷見地方にあったことを証明する古代史上貴重な発見であり、富山県の考古学研究史上、超一級の発見として位置づけられる」としております。  そこで、今後のことでありますが、県としても測量調査等を支援していくとしておりますが、さらに今後の保存や史跡としての活用などについてどのような考えをお持ちか、教育長にお尋ねをし、質問を終わります。 33 ◯議長(筱岡與次平君)中沖知事。    〔知事中沖 豊君登壇〕 34 ◯知事(中沖 豊君)社会民主党を代表されました菅沢議員の御質問にお答えいたします。基本的な事項は私から、その他の事項につきましては関係部長等から答弁を申し上げます。  最初の御質問は、景気対策と補正予算、県財政についてであります。  まず、今回の補正予算は公共事業中心の景気対策になっているが、地域経済や県民の雇用に対し具体的にどのような効果があると見ているのか。これまでの公共事業による景気対策の効果を含めて所見を聞きたいという御質問からお答えいたします。  県におきましては、これまでの数次にわたる国の経済対策に呼応いたしまして、公共事業の追加をはじめとした公共投資や、中小企業金融対策などの景気対策を積極的に推進してまいりました。こうした景気対策は、公共事業等の追加による地域経済の内需の拡大や、中小企業金融対策による中小企業の経営基盤の安定強化など、景気の下支えに寄与してきたと考えております。  今回の9月補正に係る経済対策関連予算案におきましては、公共事業につきましては、厳しい状況にある建設業や関連業界に対して需要創出の効果があると考えておりますし、また、当然、将来にわたる社会資本の整備が促進されるものと考えております。もちろん、雇用面でも大きな雇用創出が図られるものと考えております。  なお、現在、県内の経済情勢は、御案内のように鉱工業生産が減少しているほか、有効求人倍率が低下を続けているなど、大変厳しい状況にあるわけであります。したがいまして、県としましては、県税の大幅な減収など厳しい財政状況ではありますが、国庫補助金や交付税措置のある県債などを最大限に活用しながら、一生懸命に経済対策に取り組んだところであります。企業等におかれましても、県の予算なども十分活用してもらいたいと思っておりますが、さらにみずからの経営改善などに努力をしていただきまして、大いに頑張っていただきたいということを申し上げておきます。  次は、2000年から介護保険が実施されることもあり、このようなときこそ思い切って福祉への公共投資の拡大を図るべきであると考えるがどうかという御質問であります。  高齢化や核家族化の進行する高齢社会を迎えておりますが、県におきましては、県民福祉条例に基づきまして、福祉のまちづくりへの取り組みや地域福祉の推進など、総合的、体系的な福祉の施策を推進しているところであります。また、2000年からの公的介護保険制度の導入に向けまして、介護サービス基盤の整備や要介護認定の試行など、着実な準備を進めているところであります。  さらに、福祉の経済効果につきましては、雇用の創出や地域経済の活性化などの効果があることを十分に認識しているところであります。こうしたことから、今回の補正予算案におきましても、特別養護老人ホームや保育所の整備への助成、地域の中核となる病院の施設設備への助成、さらには救急医療体制の充実など、福祉への投資を積極的に進めることとしているところであります。  なお、福祉の経済効果につきましては、さらに庁内の研究会におきまして幅広く検討を進めまして、そのうえで、現在策定中の仮称の福祉基本計画や次期総合計画などに十分生かしてまいりたいと考えております。  次は、公共事業を見直し、県民福祉などを拡充していくことが、景気対策、県財政の改善、雇用拡大や県民生活の向上を統一的に進めていくポイントであり、土木・農林などの公共事業が中心の県財政の歳出構造を転換していくことが必要であると考えるがどうかという御質問であります。  今回の9月補正予算案におきましては、現下の大変厳しい経済情勢を踏まえまして、経済対策に積極的に取り組むこととしまして、公共事業や県単独建設事業の追加、中小企業金融対策や雇用対策とともに、情報、福祉、教育などの施策についても積極的に取り組んでいるところであります。
     このうち公共事業につきましては、道路、公園、下水道などの生活関連基盤の整備、土地改良、林道などの産業基盤の整備、砂防、治山などの防災対策など、本県の発展のための基盤をつくり、県民生活の向上や県民の安全確保に寄与する重要な事業として追加したところであります。また、これは先ほども申し上げましたように、地域経済の活性化や雇用対策に効果をもたらすものと考えております。  さらに、御指摘のありました福祉につきましても、今ほど申し上げましたが、特別養護老人ホームや保育所の整備への助成、公的病院の施設整備への助成など、福祉施策を積極的に進めていくことにしております。  そして、これらの事業の財源につきましては国の補助金や県債を活用しておりますが、特に県債は、元利償還金に地方交付税措置のある経済対策として措置された有利なものでありまして、将来の公債費負担の軽減を図っているものであります。  しかし、やはり県債残高は増加することになっていきますので、引き続き適切な県債管理などに努めていく必要があると考えております。このために、まず県債残高の増嵩に留意し、高利なものの借り換えや繰り上げ償還に努めること、また、県債管理基金の計画的な活用を図ることなどが重要であると考えております。  なお、国に対しましては高金利の政府資金の繰り上げ償還を働きかけておりますし、また、今回の9月補正におきまして決算剰余金の全額を県債管理基金に積み立てるなど、県債対策に積極的に取り組んでおることを申し添えておきます。  いずれにいたしましても、税収が減少するという大変厳しい財政環境の中で、有利な財源を活用しながら景気対策に取り組み、雇用の確保を目指すためにいろいろと苦心をしているということを御理解をいただきたいと思うわけであります。  また、当然、引き続き行財政改革に全力を挙げて取り組んでいかなければなりません。今後とも、事務事業の見直し、経費の節減合理化、公共事業等の配分の重点化などに努めて、財政の健全化を推進いたしますとともに、福祉をはじめ県民ニーズの高い施策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  2番目の御質問は、地域経済、雇用をどのように守るかについてということでありまして、まず、中小企業への支援策についての御質問のうち、現在策定中の21世紀富山県産業ビジョンの中に中小企業をどう位置づけ、どのような具体的な支援策を盛り込んでいくのかという御質問にお答えいたします。  本県の中小企業は、御指摘にもありましたが、本県産業の中核として、これまで地域経済の活性化や雇用の確保に大きな役割を果たしてきておりまして、県といたしましても中小企業に重点を置いた施策を展開してきたところであります。さらに、今後とも国際競争の激化や基幹産業の成熟化が進む中で、本県中小企業は新規産業の創出や地域の経済活動の担い手として重要な役割を果たすものと期待されております。  このため、さきに取りまとめられました産業ビジョンの分科会報告書におきましては、中小企業対策としまして、ベンチャービジネスや新規事業展開に対する支援、研究開発機能の強化に対する支援、情報化に対する支援などの施策が必要であるという提言をいただいております。  今後、21世紀富山県産業ビジョンにつきましては、この分科会の報告書をもとに、策定委員会において取りまとめられることになりますが、中小企業が重要な役割を果たしていることを踏まえまして、十分検討いただき、中小企業の振興策、また支援策についても盛り込んでまいりたいと思っております。  なお、中小企業者がみずから研究開発や新規事業展開などに努力することが極めて重要であると考えているのでありまして、県としてはこうした事業者の経営努力への取り組みに対しまして十分支援していきたいと考えております。  次は農業振興についてでありまして、県の農業指針である改訂「アグロピア21」の進捗状況はどうか。また、農業構造の見通し、農業生産の見通しとも、多くの項目で平成12年度での目標達成が困難か、あるいは後退している項目があるが、どのように評価しているかという御質問であります。  改訂「アグロピア21」につきましては、平成12年度を目標として平成7年度に策定したものであります。この計画の中間年であります9年度末までの主な進捗状況につきましては、代表的なものを申し上げておきますと、例えば集落営農等生産の組織化では52.4%の達成率であり、中核農家につきましては農家数が計画当初より減少しております。また農業生産の見通しでは、米については順調に推移しておりますが、野菜、果樹などの園芸作物や畜産については伸び悩んでいる状況にあります。  このように、生産の組織化や農業生産基盤の整備等については順調に達成してきているものと評価をしておりますが、中核農家の育成などの目標達成に一層の努力が必要な項目も出てきているというふうに思っております。  なお、農業施策の実施に当たりましては、例えばカントリーエレベーターなど地域基幹施設や圃場・農場などの農業基盤の整備をはじめ、集落営農育成のための機械装備でありますとか、園芸、畜産の生産安定のための価格安定対策等に対して計画的な予算措置を講ずるなど、総合的に施策の推進を図ってきておるということも申し上げておきます。  今後とも、アグロピア21で示している計画目標が達成されるように、さらに市町村、農業団体等とも力を合わせながら努力をしてまいりたいと考えております。  農業振興につきまして、もう1問お答え申し上げます。新たな農業基本法の制定に向けた食料・農業・農村基本問題調査会の最終答申が行われるのだが、問題となっていた自給率向上の数値目標、株式会社に対する農地規制、中山間地に対する直接補償などの方向づけはどうなる見通しか。予想される答申を踏まえ、今後の富山県農業の影響及び展望についての所見はどうかという御質問であります。  昨年4月以来、国の食料・農業・農村基本問題調査会におきまして、新たな農業基本法の制定に向けた検討がなされておりまして、本日、答申が出されると聞いております。特に、中間取りまとめにおいて両論併記となっておりました3点につきましては、今回の答申で取りまとめられると聞いております。  そこでまず、答申の資料によって、ちょっとかたい表現でありますが、そのまま申し上げておきますと、食糧自給率の数値目標の設定については、「国民全体の理解を得た上で、国民参加型の生産・消費の指針としての目標が掲げられるならば、食料政策の方向や内容を明示するものとして意義がある」とされております。  また、土地利用型農業の経営形態としての株式会社につきましては、「株式会社一般に参入を認めることの合意は得がたいが、農業生産法人の一形態としてであって、かつ投機的な土地の取得や地域社会のつながりを乱す懸念を払拭するに足る実効性のある措置を講じることができるのであれば、株式会社が土地利用型農業の経営形態の一つとなる途を開くこととすることが考えられる」とされております。  さらに、「中山間地域等で多様な食料生産と国土や環境保全など多面的機能の低減の防止に資するよう、継続的で適切な農業生産活動に対して直接支払いを行う政策は、新たな公的支援の一つとして有効な手法である」とされているところであります。  国におきましては、この答申を受けまして、関係各方面の意見も十分聞きながら、新たな基本法の制定作業が行われることとなっております。  そこで県としましては、これまで農林水産省及び基本問題調査会等に、食糧自給率の向上に向けた政策を確立することなどにつきまして要望してきたところでありますが、今後、答申内容や法律改正などを踏まえまして、新たな富山県農業・農村のあり方の基本方向を取りまとめていきたいと考えております。  次は雇用対策についての御質問でありまして、県として雇用を創出・拡大していく施策を積極的にとれないかという御質問であります。  最近の雇用情勢は、有効求人倍率が低下を続けているなど、依然として厳しいものとなっております。まさに雇用対策は県政の極めて重要な課題であると考えているところであります。このため県としましては、総合的経済対策におきまして特別求人開拓の実施など雇用対策を盛り込みまして、全力を挙げて取り組んでいるところであります。  具体的に申し上げますと、知事名文書による経済4団体に対する求人の要請、公共職業安定ごとに特別班を編成しての求人開拓の実施、離職者の早期再就職あっせんのための合同再就職面接会の開催、県、市町村、経済団体、主要民間企業等で構成する産業雇用協議会の設置、定員を上回る入所を受け入れる公共職業訓練の弾力的な実施などであります。  また、新たな雇用の創出を図りますために、情報通信関連分野、医療福祉関連分野など新規成長産業やベンチャー企業の育成などに努めているところでありますが、民間介護サービスの振興などサービス業等の分野での雇用拡大につきましても十分検討していきたいと考えております。  なお、30人学級の実現につきましては、相当の財政負担を要することもありまして、困難な問題であると考えておりますが、国に対しまして教職員定数の拡充等について働きかけを行っているところであります。  3番目の御質問は、県民生活をめぐる問題についてであります。  まず、そのうちの介護保険についての御質問のうち、2000年4月からの介護保険制度のもとでも、介護サービスが不足し、保険料を払ってもサービスが利用できない状態が続くのではないかという御質問にお答えいたします。  介護保険制度の円滑な導入を図り、県民ニーズに的確に対応するためには、在宅、施設両面にわたる介護サービス基盤の整備が大変重要であります。このため県におきましては、これまでも、第1に、特別養護老人ホームや老人保健施設等の施設を整備拡充すること、第2に、24時間対応のホームヘルプサービスやショートステイの利用期間の延長、民間デイサービス支援事業の実施など、新たなニーズに的確に対応できる在宅サービスを拡充すること、第3に、ホームヘルパーや介護福祉士、介護支援専門員等の必要な人材の養成・確保を図ることなど、各種の施策の推進に積極的に取り組んできたところであります。  現行の高齢者保健福祉計画につきましては、現在、市町村が取りまとめております高齢者の実態調査や厚生省の基本指針を受けまして、平成11年度中に見直しを行うこととなっておりますが、介護保険の導入に伴いまして、介護サービスに対する県民ニーズはこれまで以上に高まると考えられるのでありまして、現在の計画による目標量ですべてのサービスが十分であるとは考えておりません。  このため県としましては、介護サービス基盤の充実を図るためには、現行計画の目標数値にこだわらず、可能なものについては積極的に整備を進めることとしております。既に、特別養護老人ホームや訪問看護ステーションにつきましては計画を上回る整備を進めているのでありまして、今後も積極的に取り組んでいきたいと考えております。また、ホームヘルプサービスにつきましても、今年度から常勤ホームヘルパーの増員に対しまして新たな助成措置を実施するなど、充実に努めているところであります。  いずれにいたしましても、市町村と密接に連携しながら、現在の高齢者保健福祉計画をなるべく早期に達成するとともに、介護保険制度導入の際、「保険あって介護なし」とならないように、今後ともサービス基盤の整備などを積極的に推進してまいりたいと考えております。  次は私学振興についての御質問でありまして、県の要綱では、私立高等学校については経常経費の2分の1以内を助成することになっているが、実際の補助比率は低くなっており、私学への経常費助成を増額すべきではないかという御質問であります。  県におきましては、私立高等学校の教育条件の向上、父母負担の軽減、学校経営の安定を図りますために、経常費補助金をはじめとする各種助成策の充実に努力をしてきているところであります。特に経常費助成につきましては、国庫補助金や地方交付税により国から財源が措置されているものをベースにいたしまして、さらに県単独で上乗せ補助を実施しているのであります。  その1つは特色教育振興事業費補助金でありまして、教育カリキュラムの充実や生徒指導の充実、あるいは少人数教育などのゆとり教育の実施など、私学の特色教育に着目した助成策をとっております。もう1つは、生徒減少期における私学経営の厳しい状況を考慮した生徒急減期特別対策補助金でありまして、平成6年度から毎年、生徒数に対する上乗せ率を拡充する形で特別に補助をしてきておるところであります。  こうした結果、平成10年度の生徒1人当たり経常費補助単価は28万8,979円となりまして、平成10年度当初予算時点では全国16位となっておりまして、全国中位の水準であると思っております。また補助率も、平成9年度、9校の平均補助率は45.6%でありまして、おおむね2分の1に近いものになっているわけであります。  私学振興につきましては、余りに大幅な公費助成は私学の自主性を損なうという見方もあるところでありますけれども、一方では、私学の自主的な収入である授業料、すなわち父母負担等の増額には限界があるわけであります。したがいまして、こうした点を十分考慮に入れながら、私学教育を積極的に支援してまいりたいと考えております。  以上でありますが、なお、冒頭に地方事務官問題についての御意見がございました。午前中の河合議員の御質問にもお答え申し上げましたが、今後、早急に県民の信頼回復に努めることが必要であると考えておりまして、社会保険庁において徹底した調査が行われ、改善すべきところは早急に改善し、この問題に適正かつ早急に対処してもらいたいと考えております。私としましては、今後とも県職員と一体となりまして、綱紀の粛正、服務規律の確保等についてさらに全力を尽くす決意であります。  以上であります。 35 ◯議長(筱岡與次平君)高原商工労働部長。    〔商工労働部長高原一郎君登壇〕 36 ◯商工労働部長(高原一郎君)まず、地域経済あるいは雇用に対する御質問のうち、県内の中小企業に対する金融機関の貸し渋りについて、早急に実態調査をし、あるいは国への報告、さらには金融機関へ貸し渋りのないよう要請を行うべきだと考えるがどうかという御質問にお答えを申し上げます。  金融機関の貸し出し状況につきましては、国においては定期的に地方の通産局などを通じまして調査を実施し、数次にわたる貸し渋り対策が講じられているところでございます。  県におきましても、本年の4月そして8月の下旬に、県の中小企業団体中央会を通じて調査を実施いたしました。その調査結果などを踏まえまして、6月の総合的経済対策に引き続きまして、9月の補正予算案でお願いを申し上げておりますけれども、地域産業対策資金の新規融資枠の増額などを内容とする経済対策を講じることとしているところでございます。  また、県内中小企業の資金調達状況につきましては、中部通産局主催の中小企業対策連絡会議などの場におきまして報告をいたしておるところでございます。  また、金融機関に対しましては、その公共性にかんがみまして、経済懇談会などさまざまな機会あるいは場を通じまして、中小企業への金融の円滑化ということを要請をいたしているところでございます。  今後とも、大変厳しい環境にございます中小企業を支援するため、政府系金融機関などと連携をとりながら、中小企業の金融の円滑化に全力を挙げるとともに、国の中小企業などの貸し渋り対策に呼応いたしまして機動的に対処をしていく所存でございます。  次に、中小企業の経営安定のため、県として富山県信用保証協会の保証基盤の強化、あるいは保証条件の緩和などをどのように図っていくのかという御質問にお答えを申し上げます。  経営基盤の弱い中小企業にとっては、信用補完制度というものは大変重要なものとなってございます。このため、現下の厳しい経済情勢を踏まえまして、県としては、県の信用保証協会への出捐金につきましては、9年度当初の6,000万円に対しまして、10年度当初及び6月補正におきまして大幅に増額をいたしまして2億7,500万円として、信用保証協会の保証基盤の強化に努めてまいってきたところでございます。  また、県の制度融資でございますけれども、第1に、地域産業対策資金の中に経営安定特別枠の設定、第2に地域産業対策資金の信用保証料の引き下げ、第3に、これは本県の働きかけなどにより追加指定されたわけでございますけれども、アルミニウムでありますとかあるいは銅器産業などの信用保証枠の倍増業種の拡大など、保証条件の緩和によりまして、担保不足や資金繰りの悪化により経営に支障を生じております中小企業者に対し、金融の円滑化に努めてきているところでございます。  議員、御指摘にもございましたけれども、県の信用保証協会の保証債務残高は7月末現在で対前年比107.5%、2,353億円ということで、これは過去最高となっておりますけれども、これは中小企業の保証ニーズに対応している証左というふうに考えるところでございます。  いずれにいたしましても、中小企業の金融対策を推進するに当たっては、信用保証協会の役割は非常に重要でございます。国におきましても、現在、臨時・異例の処置ということで、各信用保証協会に経理を区分いたしました特別の会計を設けまして、基本財産として新たに必要となる所要資金につきまして国からの全額補助と、その実施が閣議決定をされております。今後予算化が進められる方針というふうに聞いておりますけれども、今後とも、県といたしましては中小企業の資金調達に支障を生じないよう、国の対策に呼応いたしまして、信用補完機能の充実と保証基盤の強化に全力を挙げていきたいというふうに考えておるところでございます。  第3に、地域産業対策資金の融資枠160億円の追加が補正予算案に計上されているけれども、中小企業支援のため、この制度融資の中でどのような拡充を図っていくのかという御質問にお答えを申し上げます。  運転資金の資金繰りに支障を生じている中小企業を対象とする地域産業対策資金の融資実績でございますけれども、本年4月から7月までで1,011件、125億9,000万円と大幅に増加をしております。これは対前年の同期と比べますと大体20倍の増加であります。このため、先ほど申し上げましたけれども、9月の補正予算案で、資金需要の多い地域産業対策資金の新規の融資枠を160億円拡大する旨をお願いをいたしておりまして、これをお認めいただければ、過去最高の新規融資枠であります340億円が確保されることになるわけでございます。  また、このたびの記録的な長梅雨などによりまして県内の商工・観光業にも影響が出ておりますことから、売り上げ減少などによりまして運転資金の確保に困難を生じている中小企業を支援するため、地域産業対策資金の中に融資対象要件を特別に緩和をいたしました長梅雨対策特別枠を新たに設けまして、県制度融資の充実に努めているところでございます。  今後とも、県といたしましては、大変厳しい状況にある中小企業を支援するために、県内の経済の状況でございますとか、あるいは国の動向などに留意いたしまして、政府系金融機関などと連携をとりながら、中小企業の金融対策に万全を期していきたいというふうに考えております。  次に、地域の商店街の問題について御質問がございました。  まず、大型店の郊外進出が加速する中で、地域商店街の衰退が深刻な問題になっているけれども、県下の大型店の進出状況、あるいは中小小売業者や商店街、地域経済への影響についての御質問がございました。  大型店の出店でございますけれども、これまで3回に及びまして大規模小売店舗法いわゆる大店法が規制緩和をされてまいりまして、本県でも増加をしております。最近の3カ年の本県における大規模小売店舗の届け出件数でございますけれども、店舗面積が3,000平米以上、これ第1種といっておりますけれども、これと、店舗面積が500平米超いわゆる第2種でございますが、合わせて7年度が25件、8年度が29件、9年度が28件というふうになっております。  また、平成9年の調査によります商業統計でございますけれども、店舗面積が500平米超のいわゆる大型店舗でございますけれども、県内では287店となっておりまして、平成6年の調査が203店でございましたので、この平成6年から9年までの調査の間に84店、割合として41.4%の増加を見ておるところでございます。  さらに、本県の小売業の全売り場面積に占める大規模小売店舗の売り場面積の割合でございますけれども、これは40.4%でございまして、平成6年調査に比べて7.8ポイント増加を見ておるところでございます。  一方、県内の中小小売業者あるいは商店街の状況でございますが、商業統計によりますと、従業員4人以下の商店数は平成9年の調査では1万2,472店となっておりまして、6年の調査の時点ではこれが1万3,740店でございましたので、9.2%の減少となっております。  また、商店街の実態調査によれば、商店街の景況につきまして「衰退」あるいは「やや衰退」と回答した商店街の割合は、平成6年調査では66.5%でございましたけれども、平成9年調査では71.7%というぐあいに、「衰退」あるいは「やや衰退」と回答をしておられる商店街の割合が増加をいたしております。  このようなことから、大型店の進出あるいはモータリゼーションの進展、消費者ニーズの個性化、多様化、さらには消費の低迷などによりまして、中小小売店やあるいは既存の商店街は、販売額の減少や廃業の増加など非常に厳しい状況にございます。  大型店の進出による影響でございますけれども、近年の大型店の出店形態を見ますと、県外の大手の業者が核の店舗となりまして県内の中小の小売業者がテナントとして出店をする場合、あるいは地元の中小小売業者による共同店舗としての出店が行われる場合などがございまして、地域によってさまざまな形態があり、また規模もさまざまでございますけれども、いずれにせよ、特に旧来の商店街などでは空き店舗の発生でございますとか、あるいは町に来られる方々の減少などが生じておりまして、地域のまちづくりにも大きな影響が生じているという状況にございます。  同じく地域商店街の問題につきまして、既存の中小の小売業者の方々からは、これ以上の大型店の出店を規制をしてほしいという要望が強いけれども、どう規制していくのか。あるいは、大型店の出店による影響から商店街を守り、大型店に対応できる力量をつけさせることが重要であると考えるけれども、県としての支援策を問うという御質問がございました。  御案内のように、大型店の出店調整は、現行の大店法にかわるものといたしまして、大規模小売店舗立地法の制定と都市計画法の一部改正が行われたところでございます。今回制定をされました大規模小売店舗立地法でございますけれども、平成12年の春ごろから施行をされる予定でございまして、それまでは現行の大店法のもとで調整が行われることとなっております。  現行の大店法では、店舗面積で3,000平米以上は通産大臣、3,000平米未満は知事が所管することとなっておりますけれども、それぞれ大規模小売店舗審議会というのを設けまして、中小小売業者の事業機会の確保の観点から審議が行われることになっております。  一方、平成12年の春ごろから施行が予定されております立地法でございますけれども、周辺地域の生活環境の保持、つまり環境問題などまちづくりの観点から、大型店──これは店舗面積が1,000平米超の予定でございますけれども──について、すべて都道府県などが調整を行うということになっております。  また、改正されました都市計画法のほうでございますけれども、これは今年中に施行されることとなっておりまして、各市町村においては特別用途地区の指定を活用することによりまして、大型店の出店規制なども行うことができることになっております。  県といたしましては、地域の商業全体がバランスよく発展すること、あるいは消費者利益の向上が図られることが根本であると考えております。このようなことから、大型店の出店に当たりましては、各市町村における土地利用のあり方を十分勘案するとともに、地元の商工会議でありますとか商工会、それから地元住民、そして市町村などの意見を十分反映し、調整を図っていくことが必要であると考えております。  次に商店街の活性化でございますけれども、中心市街地には歴史や文化あるいは伝統などが蓄積をされておりまして、中でも商店街というのは地域のにぎわいでございますとか、あるいは人の交流の核でございまして、「まちの顔」という言葉がございますけれども、これを多くの人々にとって魅力のあるものとするということが非常に重要であるというふうに考えております。  このため、県としてはこれまでも、御案内かと思いますけれども、ハードあるいはソフトの各種の支援策に積極的に努めてまいりました。先ほど申し上げました大型店の立地関連法制の転換でございますとか、それから中心市街地の活性化法の制定などの動きを踏まえまして、今後、市町村におきましては望ましい土地利用のあり方を検討するなど、地域の視点に立った独自のまちづくりということを計画的に行うことが一層重要になっていくというふうに考えております。  中小小売店や商店街におきましては、自由な発想と工夫をもとにいたしまして、いわば企業家精神というのを最大限に発揮しまして、消費者ニーズに対応した品ぞろえなど差別化を図ることでございますとか、あるいはタウンマネジメント手法の導入などによりまして、空き店舗対策を行うというようなことが非常に必要になってくると思いますし、特にこの点を強く申し上げておきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、今後、中心市街地や商店街の活性化を進めるに当たりましては、市町村や商業者などがまちづくりの観点に立ちまして、地域の実情に応じて創意工夫を凝らしながら、企業家精神と申し上げましたけれども、自主的あるいは総合的に取り組んでいくということが極めて大切であるというふうに考えております。このような考え方を基本にしながら、県としても、中小の小売店でございますとか、あるいは商店街、さらには市町村の取り組みに対しては、積極的な支援なり協力を行っていく所存でございます。  雇用対策についての御質問で、県内の離職者の激増に対してどのような対策をとっていくのかという御質問がございました。  企業倒産あるいはリストラなどによりまして失業を余儀なくされている方々に対しましては、速やかに雇用保険の失業給付金制度を活用し、失業中の生活の安定を図ったうえで、県といたしましては、求人確保要請でございますとか、あるいは合同再就職面接会の開催、さらには定員を上回る入所の受け入れなど公共職業訓練の機動的あるいは弾力的な実施など、失業者の再就職の支援に積極的に取り組んでいるところでございます。  これらの支援策はもとより、県民の雇用の確保・維持を図るためには、第一義的に失業を予防することが重要であると認識しておりまして、企業における事業の拡大、新製品の開発、新分野への展開による雇用の創出に対しまして、技術面あるいは立地面から積極的な支援を行う、あるいはまた景気対策を行う。さらには、失業の予防を目的とした雇用調整助成金、あるいは労働移動雇用安定助成金、この制度の一層の周知と活用を図っているところでございます。  今後とも、企業の動向やあるいは情報を適切に把握しながら、企業の雇用維持に対する支援に努めていきたいというふうに考えております。  それから、雇用対策のうち、新規学卒者の就職につきまして、厳しい雇用情勢のもとで特に手厚い対策が必要ではないかという御指摘がございました。  平成11年の3月の新規学校卒業予定者の就職環境の悪化については、先ほど申し上げましたけれども、大変な懸念がされておるところでございます。県といたしましては、知事名文書による求人確保要請でございますとか、あるいは8月に開催をしたUターンフェア・イン・とやまに続く、平成11年3月の大学等を卒業される方の中で就職未内定者を対象といたしました合同就職面接会の開催、あるいは昨年より2カ月早い10月1日からの県内8つの公共職業安定所内におきます新規学卒者就職相談コーナーの設置、あるいはまた求人需要動向調査に基づく求人情報誌の作成等情報提供など、さまざまな学卒就職支援対策を実施することといたしております。  いずれにいたしましても、これらの対策を推進していくに当たりましては、行政として学校、企業などとの連携を深めながら、新規の学校卒業予定者に対します一層の就職支援に努めていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 37 ◯議長(筱岡與次平君)白井土木部長。    〔土木部長白井芳樹君登壇〕 38 ◯土木部長(白井芳樹君)地域経済、雇用をどのように守るかについての御質問のうち、中小企業に対する公共工事の発注に関する御質問にお答えいたします。  県におきましては、中小の建設業者を育成する観点からも分離分割発注を行うなど、中小企業の受注機会の確保に努めているところでございます。また、建設工事の指名に当たりましては、地域性や手持ち工事の状況、また過去の指名回数などに配慮して行っております。さらに最近では、中小建設業者同士が連携し一体となって工事を請け負う経常建設共同企業体の結成の指導にも努めております。また、一般競争入札や公募型指名競争入札の対象となる工事についても、工事規模の大きいものや特殊技術などを必要とする難度の高いものを除き、努めて県内業者が参加できるよう配慮しているところであります。  なお、最近では、公共工事のコスト縮減に向けての取り組みの中で、適切な発注ロットの設定に努めることとしておりますが、この問題の検討に当たりましても、中小企業の受注機会の確保を念頭に置かなくてはならないと考えております。  いずれにしましても、今後とも中小建設業者の受注機会の確保について十分留意してまいります。 39 ◯議長(筱岡與次平君)上江農林水産部長。    〔農林水産部長上江崇春君登壇〕 40 ◯農林水産部長(上江崇春君)地域経済、雇用をどのように守るかについての御質問のうち、農業振興の質問にお答えいたします。  まず、今夏の長雨や集中豪雨、自主流通米の価格低迷などが、農家所得、農業経営にどのような影響を与えているかの質問にお答えいたします。  本県農業の大宗を占める水稲の作柄は、6月以降の日照不足や8月の記録的な豪雨などの影響により、8月15日現在の作況指数は96の「やや不良」となっております。また、自主流通米価格については、全国の作柄の状況や緊急生産調整の実施により、最近やや持ち直しているものの、依然として低い水準となっております。これらの状況からして、農家所得、農業経営への影響が懸念されるところでございます。  このため県といたしましては、水稲の適期刈り取りの励行、過乾燥にならないよう適正な乾燥調製作業等の技術指導はもとより、被害の程度に応じた農業共済の適用などにより、経営への影響が最小限にとどまるよう努めているところでございます。  また、農家の経営の安定化を図るために、農業者の自主的な取り組みにより経営の改善を図ることを基本としつつ、県といたしましても、昨年普及センターに設置いたしました稲作経営支援チームによる大規模稲作農家への経営指導、運転資金を確保するために創設いたしました低利融資制度の活用などにより支援を行っているところでございます。  今後とも、この厳しい状況の中、本県農業がたくましく発展するよう、市町村や農業団体と一体となって農家の経営の安定化に努めてまいりたいというふうに考えております。  次に、中山間地域総合整備事業の現在までの進捗状況と、今後計画策定が予定される地区の状況についての質問にお答えいたします。
     本県では、中山間地域総合整備事業の対象となる23市町村を8つに取りまとめた地区設定を行い、平成8年度から順次事業化を図っているところでございます。これまでとなみ山麓地区、五箇山地区など5地区が国の採択を受け、現在鋭意事業の推進に努めているところでありますが、今年度末における事業の進捗状況については、およそ35%程度の進捗率となるものと見込んでおり、おおむね順調に推移しているものと考えております。  今後、残る3地区のうち、平成11年度ではたてやま山麓及び南砺地区の事業採択を要望しているところであります。しかし、本事業については全国的にも急速に新規要望が増加していると聞いており、さらに新規採択枠が限られていることなどから、事業の促進については非常に厳しいものがあると考えております。  また、計画の策定に当たりましては、市町村長をはじめ地元住民などで構成する中山間活性化検討委員会を地区ごとに設置し、自然や歴史、文化などそれぞれの地域が有する資源や特性を生かしながら、広域的な連携にも配慮したものとなるよう、この検討委員会の場で鋭意検討をいただいているところでございます。  県といたしましては、検討委員会での検討結果を踏まえ、地域の特性を生かしますとともに、中長期的な展望に立った地域活性計画として取りまとめ、早期に事業化ができるよう努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 41 ◯議長(筱岡與次平君)原厚生部長。    〔厚生部長原 徳壽君登壇〕 42 ◯厚生部長(原 徳壽君)まず、県民生活をめぐる問題のうち、医療保険に関する御質問にお答え申し上げます。  昨年9月の制度改正後の受診状況についての御質問にまずお答えいたします。  21世紀の本格的な少子・高齢社会を迎えまして、今後とも良質かつ適切な医療を提供し、これを支える医療保険制度を安定的に運営するため、これまで国において医療保険制度についてのさまざまな改定が行われてきたところでございます。  昨年9月には、大幅な赤字基調にあります医療保険の当面の安定化を図るため、健康保険の被保険者本人の一部負担金の改定、また薬剤にかかる一部負担金の導入等の制度改正が行われたところでございますが、この改正に当たりまして、例えば老人の一部負担金におきまして、従来外来の負担が月1,020円であったものを、1日500円、月4回までの負担とするなど、大幅な引き上げにならないよう配慮されているところでございます。  制度改正後の当県での受診状況でございますが、平成9年の9月から平成10年1月までの受診件数を前年同期と比較いたしますと、健康保険等の被保険者本人の外来分につきましては5.6%の減少となっておりまして、制度改正の影響であると考えられますが、入院につきましては0.6%の増加となっておりますし、また、70歳以上の老人が対象となります老人保健につきましても4.9%の増加となっておりますことから、必ずしも県民にとって必要な受診が妨げられているとは考えておりません。  県としましては、患者負担の今後のあり方について、給付と負担の公平等の観点から、医療保険制度の抜本改革の中で検討される課題と考えておりますが、高齢者や低所得者等に十分配慮して、適正な医療が確保される必要があると考えております。  次に、この10月1日から実施されます診療報酬改定において、高齢・長期入院患者についてどのような影響が考えられるかという御質問にお答え申し上げます。  高齢者の入院につきましては、従来より、病状が慢性期にある入院患者につきましては、介護力を強化した定額制の老人病棟入院医療管理料に対応する病床、具体的に申し上げますと、介護力強化型病院でありますとか療養型病床群でございますが、これらの病床を整備してきたところでございます。また、同じ高齢者の入院でも、急性期医療が必要な患者さんにつきましては、出来高払い制の一般病床で対応してきたところでございます。  本年10月からは、この一般病棟における高齢の長期入院患者につきまして、介護を主な理由とする長期入院を是正する観点から、老人長期入院医療管理料が設定されまして、一般病棟に6月を超える期間入院している患者さんに対しまして、介護力の充実を図った包括点数が導入される予定でございます。  また、高齢の長期入院患者の心身の特性を踏まえまして、がんの治療中でありますとか医学上やむを得ない場合は、6月を超えた場合であっても従来どおり出来高払い制とされているところでございます。  なお、この新しい包括点数を算定する病床につきましては、介護力を充実させる反面、看護職員の配置基準の緩和を行っておりまして、医療機関が経営上の理由から退院を強要する誘因は少ないものと考えております。  続きまして、介護保険に関連いたします御質問のうち、まず広域化の関連の御質問にお答えを申し上げます。  まず、広域化の実態についてでございます。  介護保険制度の円滑な導入と安定的な運営のためには、市町村における広域的な取り組みが極めて重要であり、かつ、できるだけ早くその体制を整える必要があると考えております。そのため、これまで市町村に対し、広域的取り組みのメリット等必要な情報提供を積極的に行ってきたところでございます。  現段階におきます県内市町村の広域的取り組みに対する状況は、まず、砺波高齢者保健福祉圏域12市町村が保険者となりまして、保険料の賦課をはじめとする事務を広域で処理することで合意しておられます。次に、射水郡3町1村と新湊市が同様の合意に至っております。ほかにも、複数のブロックにおいて広域処理に向けた議論が続いているところでございます。  いずれにいたしましても、県としては、合意に至った市町村に対して準備事務が円滑に進むよう、また協議中の市町村に対しても速やかに合意に至るよう、必要な助言に引き続き努めてまいりたいと考えております。  次に、広域化をした場合の市町村間のサービスのばらつきの調整をどうするか、あるいは介護関係職員の身分がどうなるかという御質問についてお答えを申し上げます。  保険者の認定を受けました要介護者は、ひとしくサービス給付を受ける権利がありますことから、保険者は保険事業に係る保険給付の円滑な実施に係る介護保険事業計画を策定することとされておりまして、構成市町村間でサービス給付水準に開きがあるような場合は、事業者間の調整を行い、また民間事業者の参入促進を図るなどの努力を行う必要があるものと考えられます。  また、この場合の、一部事務組合等が保険者となる場合の介護保険事業計画の策定についてでございますが、現在、国のほうからは具体的な方法が示されておりませんで、この策定方法を早く示すように国に働きかけておりますが、基本的には市町村の行う準備作業と同様と考えております。  また、広域化をした場合の要介護認定の基礎となる訪問調査についてでございますが、その保険者において訪問調査を行うこととなりますが、その方法については、構成市町村が保健婦等の介護関係職員を一部事務組合等へ派遣する方法、あるいは保険者が訪問調査を構成市町村に委託する方法がございまして、それぞれの地域において最も適切な方法が選択されるものと考えております。したがって、介護職員の身分移管の必要は生じないものと考えております。  なお、介護保険制度の運営体制をどのようにするかについては、市町村がみずから決定すべきことは当然のことでございまして、県としては市町村が適切な判断をされるように情報提供を適時適切に行っているものでございますので、御理解をお願いしたいと思います。  続きまして、介護保険についてのうち、まず利用者負担に関連する御質問にお答え申し上げます。  介護保険制度におきましては、利用者負担は介護サービスに要した費用の1割となっておりまして、サービスの利用に応じた負担が原則となっております。また施設入所の場合については、食事にかかる定額負担が必要となるところでございます。この利用者負担は、サービスを利用する人と利用しない人との間の公平な負担の確保、サービス利用についての費用に対する意識の涵養、要介護状態の重度化の予防への自覚促進などを図るため設けられたものでございます。  現行のホームヘルプサービス事業では、利用者負担は利用者世帯の所得階層に応じたものとなっておりますが、県内市町村の約3分の2において減免措置が行われているところでございます。また、特別養護老人ホームにおきます本人負担も、本人の所得に応じたものとなっておりまして、県内の平均月額負担は約4万2,000円となっております。これは厚生省が示しております、介護保険導入後の特別養護老人ホームにおける利用者負担の平均月額負担約4万7,000円を下回っている状況でございまして、介護保険制度における低所得者対策が必要と考えられております。  このため介護保険制度におきましては、まず第1に、生活保護の被保護者の利用料については、法に基づいて介護扶助が支給されます。第2には、1割の定率負担が高額となった場合の高額介護サービス費の支給基準において、低所得者に配慮するほか、施設入所の場合の食事の定額負担においても同様に配慮することになっております。第3番目に、制度施行時点で特別養護老人ホームに入所している方につきましては、経過的に、施行後5年間、利用者負担について負担能力に応じた減免措置が講じられることになっております。これなど、利用者負担につきましては低所得者へ十分配慮することになっておりまして、円滑な制度導入が可能であると考えております。  なお、要支援にも該当しない方々につきましても、介護サービスの対象とはなりません配食サービスなど、生活支援などの福祉サービスにつきましては、今後とも公費負担制度として継続されることになっております。  次に、介護保険の御質問のうち、保険料減免と市町村の特別給付についての御質問にお答え申し上げます。  まず、介護保険の1号保険料につきましては、所得段階に応じて5段階に設定されておりまして、低所得者への配慮がなされたものとなっております。なお、この保険料の減免制度につきましては、介護保険法第142条によりまして、市町村等が条例で定める特別の理由がある場合にのみ行われることとされております。なお、この特別な理由についての具体的な運用方針につきましては国から示されることになっておりますが、現在のところ、災害により一時的に負担能力が低下した場合が想定されているところでございます。  この災害による減免によりまして財政収支に不足が生ずる場合につきましては、後年度の保険料率に反映させる必要がありまして、いわば第1号被保険者の保険料全体で賄うことになります。また、減免額が多額に上る場合につきましては、調整交付金による財政支援が行われることになっております。  次に、市町村等の特別給付につきましては、この1号保険料により賄うこととされておりますことから、各市町村等におきまして、この第1号被保険者への負担と給付水準とのバランスの観点から十分検討していただきたいと考えております。  先ほども申し上げましたが、配食サービスや移送サービスなど介護保険給付の対象とならないサービスにつきましては、従来からの国庫補助事業も引き続き継続される方向であると聞いております。  最後に、介護保険関連で、要介護認定の関連についての御質問にお答え申し上げます。  要介護認定は、保険給付の対象者や保険給付額の決定に直接結びつく重要な事務でございまして、公平に、かつできるだけ効率的に行われることが必要であります。また、要介護認定につきましては、本人の身体状況などの訪問調査結果のコンピューターによる1次判定、保健・医療・福祉の学識経験者による介護認定審査会での2次判定により行うこととされております。国におきまして全国一律の客観的な認定基準を設定するため、平成8年度から要介護認定モデル事業を試行的に実施しているところでございます。  今般、9年度のモデル事業の結果等を踏まえまして、国の医療保険福祉審議会での検討を経まして、平成10年度の要介護認定基準が決定されたところでございます。今回のこの要介護認定基準の主な変更点といたしましては、第1に、コンピューターによる1次判定を見直しまして、痴呆が低く出るという問題の解決が図られたこと、第2に、介護認定審査会が1次判定を変更する際には一定のルールが盛り込まれたこと、第3に、訪問調査事項に特別な医療について12項目を追加しまして、介護における医療の必要度を踏まえた要介護認定が行われる仕組みとなったことなど、所要の改善が図られたところでありまして、議員御指摘のとおり、痴呆のケースを含め、より適正な判定が可能になるものと期待しているところでございます。  また、痴呆の高齢者に対する訪問調査については、1回の調査ではなかなか状態像の把握は難しいことから、複数回の実施を市町村に指導しているところでございます。  県としましては、今月下旬から始まります全市町村におきますモデル事業を通して、要介護認定の事務が公平に、かつできるだけ効率的に行われるよう市町村を指導してまいりたいと考えております。  なお、家族状況等の生活実態につきましては、要介護認定の判断基準ではなく、その後作成されます介護サービス計画、ケアプランにおいて考慮されることとなっております。また、今回の認定基準につきまして、今年度のモデル事業の結果を踏まえて、国において必要な見直しが行われることとなっておりますので、今年度のモデル事業の課題につきましても、最終的な要介護認定基準に適正に反映されるよう、必要に応じて国に対して働きかけてまいりたいと考えております。  以上でございます。 43 ◯議長(筱岡與次平君)江畑総務部長。    〔総務部長江畑賢治君登壇〕 44 ◯総務部長(江畑賢治君)県民生活をめぐる問題についてのうちの私学振興の関連の中で、私立高等学校の経営実態に即して、私立高等学校の経営改善のため、特別助成を実施すべきではないかという御質問に対してお答え申し上げます。  県内の私立高校においては、在籍生徒の減少が10年近くも継続していることから、最も基本的な収入源である授業料等の生徒納付金が必然的に減収となってあらわれ、経営環境は非常に厳しい状況になってきておるところでございます。  県といたしましては、こうした私立高校の厳しい経営状況を考慮いたしまして、私学経営の安定化を図るため、経常費補助金を充実するとともに、経常費補助金に上乗せする形で、県単独の生徒急減期特別対策補助金を毎年拡充しているところでございます。  さらに、私立高校の経営収支を下支えする観点から、県の制度融資の中でも最も優遇された低利融資制度を設けているほか、私立高校が生徒急増期に行った施設整備──昭和59年から昭和60年でございますが──のための借入金を低金利のものへ借り換えるための体質強化資金貸付金制度など、経営改善に着目した施策の充実に努めているところでございます。  県といたしましては、今後とも支援の充実に努めてまいりますが、経営の改善を図るためには私立高校の自助努力も大切なことでございます。各校におきましてはこれまでも経営改善のためにさまざまな努力をされてきているところでございますが、引き続き経営改善のために最大限の努力をしていただきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 45 ◯議長(筱岡與次平君)飯田教育長。    〔教育長飯田宗映君登壇〕 46 ◯教育長(飯田宗映君)文化振興に関する御質問にお答えいたします。  小矢部市の桜町遺跡に引き続き、氷見市において柳田布尾山古墳が発見されましたが、本県における考古学上第一級の発見が相次ぎ、大変うれしく思っております。  まず、桜町遺跡の今後の調査、保存等については、去る3月に開催された調査等検討委員会におきまして、まだ遺跡の一部しか調査されておらず、まずは遺跡の全体像の把握が不可欠であるという指摘がなされております。そういうことから今年度は、昨年度調査した区域をより掘り下げ、かつ広げて、遺跡の全体像を把握するための調査が行われているところであります。県としては、今後とも、調査等検討委員会への参加、協力等を通じ、引き続き小矢部市に対する支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、柳田布尾山古墳につきましては、日本海側最大、全国でも十指に入る大規模な前方後方墳であること、古墳の形状が明確に残されていること、さらには古代において日本海側の文化の大きな中心の一つが氷見地方にあったことを示唆するものであることなど、その意義は極めて高いものがあると考えております。  今後の対応につきましては、まず、県と市が合同で有識者や行政関係者から成る保存等検討委員会を設置し、今後の調査、保存・活用策等について検討を進めるとともに、築造構造や範囲等を確認する詳細測量調査と試掘調査を急ぐこととしております。こうした調査結果を踏まえたうえで、国の史跡指定に向け、積極的に働きかけていきたいというふうに考えております。  なお、地元氷見市は同古墳を史跡公園として整備していく考えでありまして、県としても積極的に協力、支援していきたいというふうに考えております。  以上でございます。 47 ◯議長(筱岡與次平君)菅沢裕明君。    〔13番菅沢裕明君登壇〕 48 ◯13番(菅沢裕明君)本会議の代表質問で私学問題を取り上げましたのは、この問題の持つ極めて重要な意味合い、先ほど質問の中で触れたわけですけれども、あるからであります。本会議の議題として私はふさわしいと思っておりますが。  今、知事と総務部長からそれぞれ答弁がありましたけれども、大変失礼ですけども、私学の経営の危機的な現状についての認識がどうなのかなと。私は少し足りないんではないかと。正確な認識をまずしていただきたいというふうに思います。  私は、このことについては先ほど相当触れましたから、細かくは触れませんけれども、単年度で赤字の法人が、申し上げましたような数がありますし、累積欠損金が28億と。6億を超えるところが3法人3学校あるということにつきまして、もう少し細かいことを申し上げれば、負債率──単年度で借入金など返さなければならないものと学校の全財産、総資産の割合ですけれども、これを見ましても、50%台から80%台のところもありまして、これはもう危機的な状況と言わざるを得ません。流動化比率なんかも相当問題がありますので、ぜひ、既に平成9年度の決算が出ておりますからね、分析を急いでいただきたい。  その上に立って、知事にまず申し上げたいのは、先ほどいわゆる補助率が45.6%というお話がありましたけれども、私はこの数字はちょっと正確でないのではないかと。私の認識に誤りがあればちょっとなんでありますけれども、そもそもこの補助率なるものは、学校の収入の中──消費収入といいます。これは会計規則が私立学校は独特でありますけれども、その収入の中の補助金ですね。先ほどから補助金、問題になっています。地方公共団体、県の補助金や奨学補助金等があるわけであります。これと、学校経営の中での収入の全体、帰属収入といいますけれども、この割合で出しているわけですね、補助率というのは。この補助率は、決算で見る限り、9校平均で37%であります。個々の学校について申し上げてもよろしゅうございますけれどもね。決して45.6%というような高い数字にはなっておりません。このへんの認識が随分違います。私は平成9年度の決算の分析に基づいて申し上げているわけであります。そういう意味では、補助金の要綱で21%、さらには私立学校振興助成法等でもそういう国の基本方針があるわけでありますけれども、そのレベルから見れば極めて低いレベルと言わなければなりません。  それからもう1つ、参考までに、確かに平成10年度は1万1,000円上がりましたけれども、生徒数が減っておるとかいろいろなものがあるんでしょうね、県の支出では2,675万円減っていますよ。生徒数が減ってるから、学校への交付金は相対的には減っているわけですね。こういうこともぜひ頭の中に入れていただいて、ぜひ私立に対する助成、経常費の増額、当面はこれは絶対にやっていただかないと、抜本的な見直しをやっていただかないと困ります。  先ほど知事は、私学の独立の観点から、補助については限界というふうな私は受けとめ方をいたしましたけれども、いいじゃないですか、県民の大事な子弟が5人に1人も学んでいるわけですよ。しかも経営危機の中で、このしわ寄せは私学の教育条件、環境に寄せられていくわけですね。先ほど私は、教職員の数や学校の教育条件、父母の支出、例えば入学時の納付金の多さ、申し上げたとおりであります。私学の独立を侵すから補助金についてはいろいろ配慮というんじゃなくて、金を出しても口を出さにゃいいんですよ、知事。それはあなたの男らしい姿勢ですよ。そういう点で私学の独立を守っていけばいいわけであって、ぜひひとつ私学助成については、これは抜本的な見直しと。  総務部長からもいろいろ答弁があったんだけれども、総務部長の緊急時の助成措置についての──いろいろ今後さらに勉強していただきたい。私学振興助成法の10条では、補助金の支出や通常の条件よりも有利な条件で貸付金を行うとかいろいろあるわけでありますが、一体、あなたがおっしゃった、いわゆる私立高等学校体質強化資金、現在2億円用意されておりますけれども、これはどれだけの貸し付け実績があるんですか。あまり恐らく実績がないんじゃないか。そういう意味合いも含めて、抜本的なこれは再検討が必要というふうに思います。  以上、これは知事に対して質問いたしますから、そういうことでよろしくお願いいたします。 49 ◯議長(筱岡與次平君)中沖知事。    〔知事中沖 豊君登壇〕 50 ◯知事(中沖 豊君)菅沢議員の再質問にお答えいたします。  本県の私学につきましては、教育水準の向上でありますとか、いろいろな面で大変御尽力いただいておりますし、これまで県といたしまして積極的に私学助成の充実を図ってきたところであります。先ほども申し上げましたが、県単独で上乗せ補助も実施いたしまして、特に特色教育の振興事業あるいは生徒急減期の特別対策など、県として非常に知恵を出しまして、あまり全国にも例がないような補助制度なども設けて、積極的に支援をしてきているのであります。その結果、平成10年度の当初におきましては、これは当初比較でありますから、その後あるいは変わってきておるかもしれませんが、全国第16位ということになっておりまして、全国中位の水準は確保しておるのではないかというように思っております。補助率につきましては、先ほど45.6%であるということを申し上げましたが、これは補助対象経費に対する補助金額の割合でありまして、その点はひとつ御理解をいただきたいというように思います。  しかし、いずれにいたしましても、私学の経営は今、少子化の状況などで本当に厳しいと。本県経済全体が大変厳しいことはわかっておりますが、私学の経営についても非常に厳しいということを私なりに実感をしております。でありますから、これからも私学の援助については、県としてできる限りの努力をしなければならないというように思っているわけであります。授業料を上げるということにつきましては、つまり父兄負担の限界があるわけでありますから、やはり限度があるというふうに思いますので、今後とも私学助成につきましてはさらに積極的に取り組んでまいりたいというように思っております。  なお、私学の皆さん方におかれましても、大変厳しいとは思いますけれども、ぜひ私学の独自性を生かしていただきまして、特色ある教育も進めていただきたい。そして、本県の人づくりの一翼を担うわけでありますから、大いに特色教育も推進していただきまして、例えばスポーツであるとか、あるいは情緒であるとか、その他いろんな面ですぐれた教育を進めていただきたいというように思っているわけであります。また、そうした特色あるすぐれた教育の内容につきましては、私どもはまた積極的に支援もしやすいわけでありますから、ぜひ私学の皆さん方の一層の知恵と汗と申しますか、それを期待をいたしております。大変厳しいということを私なりにもやはり実感しておりますが、私学の皆さん方と力を合わせて頑張りたいと思うわけであります。 51 ◯議長(筱岡與次平君)以上で会派代表による質問、質疑を終わります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━        報   告(予算特別委員会の構成) 52 ◯議長(筱岡與次平君)次に、予算特別委員会の構成について御報告申し上げます。  委員長大上紀美雄君、副委員長鹿熊正一君、理事横田安弘君、高木広重君、中尾 正君、委員山辺美嗣君、高平公嗣君、吉田良三君、古栃一夫君、横山真人君、小川 晃君、酒井眞次君、夏野元秀君、山本 修君、仲 外喜雄君、林  幹君、上田信雅君、犬島 肇君、沼田仁義君、千田 稔君。以上のとおりであります。 53 ◯議長(筱岡與次平君)次にお諮りいたします。  議案調査のため、明9月18日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 54 ◯議長(筱岡與次平君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次回の本会議は9月21日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  本日はこれをもって散会いたします。  午後3時35分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...