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03月02日-一般質問-04号

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  1. 新潟県議会 2022-03-02
    03月02日-一般質問-04号


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    令和 4年  2月定例会 本会議令和4年3月2日(水曜日)  議事日程 第4号    午前10時 開議第1 県政に対する一般質問本日の会議に付した案件 日程第1 県政に対する一般質問(中村康司君、小泉勝君、斎京四郎君、中川隆一君、小山大志君、河原井拓也君)   ――――――――☆――――――――出席議員(50名)          河原井 拓 也 君  小 山 大 志 君  中 川 隆 一 君  高 見 美 加 君          保 坂 裕 一 君  与 口 善 之 君  斎 京 四 郎 君  中 村 康 司 君          松 原 良 道 君  笠 原 義 宗 君  高 橋 直 揮 君  宮 崎 悦 男 君          青 柳 正 司 君  皆 川 雄 二 君  小 林 一 大 君  冨 樫 一 成 君          楡 井 辰 雄 君  小 島   隆 君  佐 藤   純 君  桜 井 甚 一 君          岩 村 良 一 君  沢 野   修 君  尾 身 孝 昭 君  柄 沢 正 三 君          小 野 峯 生 君  帆 苅 謙 治 君  渡 辺 惇 夫 君  石 井   修 君          樋 口 秀 敏 君  小 島   晋 君  池 田 千賀子 君  上 杉 知 之 君          大 渕   健 君  長 部   登 君  小 山 芳 元 君  小 泉   勝 君          杉 井   旬 君  重 川 隆 広 君  秋 山 三枝子 君  片 野   猛 君          市 村 浩 二 君  安 沢 峰 子 君  遠 藤 玲 子 君  星 野 伊佐夫 君          青 木 太一郎 君  佐 藤 浩 雄 君  小 島 義 徳 君  佐 藤 久 雄 君          渡 辺 和 光 君  飯 野   晋 君議員以外の出席者  知事           花角 英世 君  副知事          佐久間 豊 君  副知事          橋本憲次郎 君  知事政策局長       小岩 徹郎 君  総務管理部長       森永 正幸 君  県民生活・環境部長    村山 雅彦 君  防災局長         熊倉  健 君  福祉保健部長       松本 晴樹 君  産業労働部長       佐野 哲郎 君  観光局長         妹尾 浩志 君  農林水産部長       小幡 浩之 君  農地部長         登り 俊也 君  土木部長         金子 法泰 君  交通政策局長       佐瀬 浩市 君  会計管理者兼出納局長   綱島 知子 君  病院局長         藤山 育郎 君  企業局長         桑原 勝史 君  教育長          稲荷 善之 君  人事委員会事務局長    川上 克也 君  警察本部長        村田 達哉 君  労働委員会事務局長    須貝 幸子 君  監査委員事務局長     山田富美子 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(佐藤純君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 県政に対する一般質問 ○議長(佐藤純君) 日程第1、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、中村康司君の発言を許します。中村康司君。   〔中村康司君登壇〕(拍手) ◆中村康司君 自由民主党の中村康司でございます。一般質問をいたします。 新型コロナウイルスの県内での感染が確認されてから2年以上が経過いたしました。現在もオミクロン株による流行が収まってはいませんが、今後はアフターコロナの新しい世の中への対応があらゆる場面で求められるのだろうと思います。 また、私たちの身近なところでも脱炭素に向けての動きが加速化してきそうです。県行政や企業としても乗り遅れないようにしていかなければならないと思います。 さて、このような状況で今年に入ってから世界経済に変化が生まれてきております。アメリカの金利上昇の動き、ウクライナ情勢などです。また、原油などの資源の値上がりが顕著になってきました。加えて、新型コロナウイルスの影響で半導体不足、そして海運を中心に物流が滞り、物不足、部品不足が目立っております。これらが本県産業へ悪影響を及ぼすことがないか、見極めておく必要があると思います。 最初に、県内産業の現状についてお伺いをいたします。 原材料や電気料金の値上がりをはじめとした物価上昇が顕著になってきております。私の知り合いの企業にも電気料金の値上げ要請が来ましたが、売上げ2億円以下の零細企業にもかかわらず、年間数百万円という驚くほどの電気料金の値上がり額でした。軽油ももちろん、ディーゼル車の排気ガスを浄化する尿素など多くの資材が値上がりしております。 企業にとって非常に厳しい状況となっており、企業活動において収益を圧迫しているのではないかと危惧されますが、企業物価の動向と県内産業への影響についてどのように認識しているか、知事の所見を伺います。 次に、建設業では、建材費の上昇に加え、人手不足の影響で労務費・外注費の上昇等コストアップが著しい状況です。採算の悪化が懸念されますが、建材費等の県内の状況について伺います。 また、県工事における設計単価の見直しや、見直しの効果が元請企業だけにとどまることなく、下請や関連企業にも波及させるような取組が必要ではないかと考えますが、所見を伺います。 最近の物価上昇の要因として、脱炭素の影響によるグリーンフレーションを指摘する報道もあります。 グリーンフレーションとは、脱炭素に向けた動きを表すグリーンと、継続的に物価が上昇するインフレーションを重ね合わせた造語であり、化石燃料への投資の抑制による供給不足や、二酸化炭素の排出の少ない天然ガスの需要増加でエネルギー価格等が上昇する現象をいいます。 私自身、自分の事業を通じて、脱炭素は大変な痛みを伴う、脱炭素とはこういうものかと改めて痛感をしております。 脱炭素は、国全体で取り組まなければならない課題でありますが、取組を進める上で生じるコストアップ分の価格転嫁ができない企業は危機的な状況に陥ることから、カーボンニュートラルに向けた動きが加速化する前から、県内企業への脱炭素の影響の周知と、影響緩和に向けた対応が必要と考えますが、知事の所見を伺います。 上越市にも工場があります国内大手化学メーカーがEV車用の高機能素材増産に向けて、800億円を投資するとのことであり、産業界も脱炭素による大きな変革期に入ったと認識させられます。 それに対し、先日、日産系の売上高が1兆円を超え、従業員が5万人以上、工場や開発拠点が世界中に170か所という自動車部品大手企業が金融機関などに再建支援を要請したとの報道があり、大変驚きました。 この企業は、ガソリン車向け部品が主力で、EVへの取組で後手を踏んでいたとも言われています。こうした状況において、新型コロナウイルスの影響で自動車メーカーの生産が低迷したところに半導体不足が加わって、経営状態が厳しくなったとのことです。 この企業に限らず、半導体不足による大手自動車メーカーの減産により、自動車関連企業が業績見通しを下方修正する等の影響が出ています。県内には自動車関連の下請企業も存在しますが、減産による県内企業への影響を伺います。 また、減産の影響を受けている企業に対し、どのようなサポートを行っているか伺います。 また、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴い、各国において出入国の制限が講じられ、人流・物流が止まったことを契機に、サプライチェーンの見直しと生産拠点の国内回帰の動きが見られていますが、本県の企業立地にどのような影響があったか、所見を伺います。 あわせて、こうした動きを追い風に、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。 続いて、雇用情勢ですが、本県の有効求人倍率は、全国的に見て高い水準であり、新型コロナウイルスの影響が大きい飲食業や宿泊業から他業種へ人が流れ、サービス水準を落とさざるを得ないとの声も聞かれます。業種間で回復の程度に差が出ていると思われますが、県内の雇用情勢をどのように分析しているのか伺います。 また、新型コロナウイルス収束後は人手不足に拍車がかかり、経営環境が改善した飲食業や宿泊業において人材確保に苦慮するのではないかと考えられますが、所見を伺います。 新型コロナウイルスにより経済にダメージを受けているという割に、昨年末まで倒産件数は少なく、ゼロゼロ融資など公的な支援に支えられている企業も多いと言われておりました。この融資の元金据置期間は資金繰りに余裕があっても、その返済が始まると苦しくなることが予想されます。それまでに新型コロナウイルスが収束し、早期の業績回復が望まれます。 このように、県の資金繰り支援により何とか持ちこたえていて、元金返済が始まると厳しい局面に立たされる企業も多いのではないかと思われますが、最近の企業倒産の状況について伺います。 また、今後も新型コロナウイルスの影響等により厳しい経営環境が続くと予想されますが、返済に苦慮する企業に対する支援にどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。 続いて、メタンハイドレートの状況についてお伺いをいたします。 国の調査で、上越沖にメタンガス換算で約6億立方メートルのメタンハイドレートが存在すると推定され、地元ではメタンハイドレート開発に期待が高まっています。 一方で、政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの目標の下、化石燃料であるメタンハイドレートの開発が鈍化、先細りするのではないかと懸念する声もありますが、今後の開発の見通しについて、所見を伺います。 この項目の最後の質問です。地域での消費拡大についてお伺いをします。 新型コロナウイルスの影響で旅行や飲食などの消費が抑えられたことなどにより、金融機関の預貯金残高が伸びているとのことですが、地域経済を活性化させるには、預貯金が消費に使われるよう、個人消費の拡大、地元購買の促進に、より注力する必要があります。 県では、「消費喚起・需要拡大プロジェクト」応援事業などに取り組んでいますが、こうした取組を契機として、地域の商店街などにおける一過性ではない、日常的な消費につなげていくべきだと考えますが、知事の所見を伺います。 続いて、本県の財政状況についてお伺いをいたします。 まず、先月、中期財政収支見通しが改定されました。一般財源の黒字化が令和7年度末まで延長できそうとのことであり、行財政改革行動計画が順調に進捗しているものと高く評価をいたします。 質問に入りますが、最初に税収についてです。 令和4年度当初予算案の県税収入見込みは、令和3年度当初予算を8%以上上回る見込みとなっており、特に法人事業税、法人県民税が高い伸びとなっています。新型コロナウイルスの影響により経済が打撃を受けている状況からすると意外であり、景況感と税収見込みが乖離しているように思われます。 県税収入見込みの好転の要因や業種別の傾向等について、どのように分析しているか伺います。 次に、令和4年2月に改定された中期財政収支見通しでは、令和5年度に令和4年度当初予算比で10億円程度のさらなる収支改革が必要とされています。 令和3年9月時点で必要とされていた収支改革額である20億円から30億円程度から大幅に改善し、以前の見通しから好転していますが、知事の受け止めを伺います。 また、どのような要因により好転したか伺います。 本県財政は令和4年度に起債許可団体に陥ってしまうと言われ、将来負担比率も併せ、フロー、ストックとも厳しい状況に置かれているわけですが、社会資本の老朽化対策も避けて通れません。先日、アメリカで老朽化している橋梁が落下するという報道に触れ、財政再建とインフラの更新のバランスをどう取っていくかが今後の大きな課題になると再認識をいたしました。 財政再建下での投資は将来負担とのバランスが大切でありますが、同時に安全・安心に暮らせる環境整備も重要となります。今後、高度経済成長期に整備された橋梁等のインフラ施設の老朽化が進行していくことが見込まれますが、厳しい財政状況下でもインフラ施設の老朽化対策に十分対応できるのか、知事の所見を伺います。 ここに来てアメリカFRBは、インフレ対策で金融緩和策から脱却し、量的緩和の縮小を発表、金利上昇が見込まれています。我が国も物価上昇が顕著であり、市場では日銀も金融引締めに転じるとの観測から、日本の長期金利にも上昇の動きが見られました。 そこで、質問ですが、物価や長期金利が継続して上昇した場合、中期財政収支見通し公債費負担適正化計画にどのような影響があるか伺います。 なお、ガソリン、軽油価格の上昇への対策として、トリガー条項の発動が議論されています。消費者目線では税金分が値下がりすることはありがたいですが、県税収入が減少し、本県の財政運営に多大な影響が及ぶおそれがあります。国の動向をしっかりと注視するとともに、実施された場合には県税の減少分について、国に補填を求めるなど県財政への影響緩和に向けた対応をお願いいたします。 続いては、農林水産業の課題についてお伺いをいたします。 園芸導入について、当初は中山間地の兼業農家の方々はかなりの抵抗を示していましたが、私の地元でも枝豆を中心に園芸に意欲的に取り組む農家が増えてまいりました。状況を聞き取ってみますと、やはりそれは簡単なものではなく、苦労しながら奮闘しているのが現状です。彼らのモチベーションを下げないためにも、しっかりとしたサポートが必要だと改めて感じております。 県の取組の効果もあり、園芸導入について農家の理解が進んできていると感じますが、コロナ禍で、安定した需要の獲得や取引価格の変動への対応に苦慮する生産者も見られます。 取引価格を安定させ農家の所得向上を目指すには、生産技術の習熟とともに、市場における評価を向上させていかなければなりませんが、産地のブランド力向上について、今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。 続いて、県で取り組んでいるビレッジプラン2030についてお伺いをいたします。 人口減少、少子高齢化社会において、過疎地域の維持のためにも農山漁村の活性化、活力維持を訴える声は多いものの、なかなか特効薬がないのが現状だと思います。 その中でビレッジプラン2030は、中山間地域の活性化に寄与するものと大いに期待をしていますが、地域の将来像を検討するものであることから、地域政策との関連も強いと思います。 取組を進めていく中で地域の様々な課題に関わると思われることから、庁内の関係部局や市町村、関係機関とも連携して、複合的に活性化の取組を進める必要があると考えますが、取組の現状と課題、今後の方向性について伺います。 続いて、本県の水産業についてお伺いをいたします。 海水温の上昇によるものなのか、魚の不漁、また魚種の変化が目立つと言われております。先日も北海道でブリが大漁だという報道がありました。ブリは佐渡、富山県の氷見などが有名ですが、生息地が変わってしまったのかと心配になります。そして需要も、新型コロナウイルスの影響で宴席が減り、飲食店への売上げが激減しているのが現状です。 このように、漁獲規制や不漁による水揚げの減少に加え、原油高による燃料価格の上昇により、漁業を取り巻く状況は厳しいとの声が聞かれますが、県内の漁業者の経営状況についてどのように認識しているか伺います。 県では、今年度、新潟県水産振興戦略の策定を進めていますが、その内容に大いに期待をしております。戦略の現状分析に、まちの魚屋さんが減って対面販売ができなくなったとありましたが、これについて大いに共感をいたします。 漁業が盛んな私の地元でも、住宅街に魚屋さんがほぼなくなってしまいました。スーパーでパックに入ったものを購入するしかありません。販売者と消費者との会話、やり取りがないわけで、購入意欲が下がっても仕方がないと思います。 一方で、多忙化している主婦が魚料理に手をかけられないのも理解でき、要するに魚の需要が伸びる要素があまりない、漁業者にとっては大変厳しい現状だと思います。 戦略の策定過程において、現状分析を基に明らかになった課題と今後の対応の方向性を伺います。 また、漁業者の経営を安定させていくためには、他県と比較して安いと言われる本県の水産物の価格を引き上げていく必要があるのではないかと考えますが、所見を伺います。 続いての項目は、医療・介護問題についてです。 糸魚川市は、その中心部から上越の県立中央病院まで約1時間、西の端である旧青海町からだと上越に行くよりも富山県朝日町や黒部市の病院のほうが近いという、県内では地理的に閉鎖的な地域という特性があり、二次救急医療の保持が重要です。 地域医療構想では、各医療機関の機能を再編し、持続可能な医療提供体制を構築することを目指していますが、再編後の医療機関の経営も持続的なものでなければなりません。急激な人口減少が続いている糸魚川で二次救急医療を持続的に提供していくには、現行制度下での病院の経営努力にも限界があると考えます。 地域医療の最後のとりでとしての役割を果たす病院に対し、県としても財政支援策のさらなる強化を行うべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、医師確保についてですが、糸魚川総合病院の医師の多くが富山大学医学部出身です。富山県においても、医師の働き方改革への対応や地域医療構想などの取組を進めていると思われますが、隣県における対応・取組が本県の医師確保に与える影響について、どのように認識しているか伺います。 あわせて、他県との連携を含め、どのように対応しているか伺います。 続いて、ICTについてですが、「ヘルスケアICT立県」実現プロジェクトの一環として、糸魚川市において、救急相談アプリの実証実験が行われており、不要不急の救急車の出動要請の抑制が期待されます。 実証実験は今年度末まででありますが、データ蓄積等の実験の狙いと今後の展開を伺います。 この項目の最後は、介護職員の待遇の問題です。 国の経済対策により、特別養護老人ホーム等介護保険の対象施設の職員は、3%程度賃金が引き上げられることになりましたが、介護保険の対象とならない軽費老人ホーム等の職員の賃上げに必要な財政措置を行うかどうかの判断は、自治体任せになっております。 職員の業務内容は類似しており、人材確保の面からも賃金格差の解消が必要と思いますが、どのように対応するのか伺います。 続いては、地域公共交通の課題です。 私の地元、大糸線についてお伺いをいたします。 大糸線は、糸魚川でも有数の過疎地域を通り、また豪雪、強風の山岳地帯の路線であるため、現在は輸送密度が約50人かつ維持のコストもかかるという大変厳しい状況に追い込まれております。 その大糸線について、先月、廃止も視野に検討と報道され、地元では大変なショックを受けております。JR西日本とは、長野県大町市と共に、沿線地域の振興や未来に資する持続可能な路線としての方策について、幅広い議論を行うという内容で検討の場を設定するはずであっただけに余計に驚いた次第です。 このように先月のJR西日本による、大糸線についての発表は、あたかも大糸線の廃止を視野に入れた検討が始まるかのように報じられ、糸魚川市をはじめ沿線自治体に大きな衝撃を与えました。 取材対応を通じてJR西日本の意図が表れたのではないかとの疑念を抱かざるを得ない状況であり、地元は路線の今後への不安を募らせておりますが、県は一連の報道をどのように受け止めたか伺います。 また、県は糸魚川市をバックアップし、沿線自治体と共に路線の維持に向けた取組を進めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 本来、地域公共交通は、住み続けられる地域であるために必要なものであり、交通事業者の経営を理由として路線が廃止されるなど、地域が一方的に切捨てられるようなことがあってはならないと思います。 国は検討会を立ち上げ、地方鉄道の在り方に関する議論を始めましたが、鉄道事業者の意向が優先されるのではなく、地域の実情を十分に反映させた形で議論が進むよう、国に働きかけを行う必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 電気通信、郵便、放送、電力などの公益事業分野では、不採算であっても、社会的に必要なサービスの供給が制度的に担保されています。いわゆるユニバーサルサービスと言われるものです。一方、交通ではこのような状況になく、社会的に必要とされる地方の公共交通が厳しい状況にあります。このユニバーサルサービスの考えを公共交通にもという研究もあるようです。 このように、電気、郵便、通信等の事業は、あまねく公平に、経済的に利用可能でというユニバーサルサービスの考え方に基づき、不採算であっても、社会的に必要なサービスの供給が制度的に担保されています。 こうしたユニバーサルサービスの考え方を地域公共交通に取り入れていくことについて、知事はどのように考えるか、所見を伺います。 最後に、県政の諸課題についてお伺いをいたします。 まず、地域活性化リーディングプロジェクトは、地域の持つ強みや財産を生かし、市町村や民間と連携したプロジェクトを進めてきましたが、これまでの取組の進捗状況と成果、新年度の展開について伺います。 続いて、今年は、降雪量に地域差があり、昨年度と比べ除雪作業が少なく、収入が減少している建設業者も存在します。建設業者の経営を安定化させるためにも、国の経済対策に基づく令和3年度補正予算に係る工事を早期に発注すべきと考えますが、発注の方針について伺います。 昨年3月、糸魚川市来海沢地区で地滑りが発生いたしました。現在も避難している人がいます。あの災害で特筆されることは、地滑り発生が夜間、それに気づいて避難を始めたのが深夜であるにもかかわらず、人的被害は皆無だったということです。 状況としては、夜間に停電が発生し、その確認に行った電力会社の方が地滑りを発見、それから避難が始まったのですが、就寝中だった住民を区長はじめ地区役員が起こし、避難誘導したのです。小さい集落で、各家庭の間取りまで把握し、どこで寝ているかまで分かっていたので、起こすことができ、迅速な避難に至りました。 この地滑りは融雪が原因と言われていますが、気象予報などで予見できる豪雨災害等と異なり、ほとんど予測できない災害で、なおかつ深夜の避難でした。それでも人的被害がなかったのは、役員のリーダーシップとともに、地域の防災力が高いことによると思います。安全・安心で暮らせる地域を築いていくためには、大変重要なことと認識を新たにいたしました。 この糸魚川市来海沢地区の土砂災害のような予測困難な災害に対しては、地域の防災力を向上させ、臨機応変な対応を取ることで被害を防いでいくことが必要でありますが、地域防災において重要な役割を果たす自主防災組織について、活動率が低下傾向にあるとの報道もあります。 本県の自主防災組織の活動状況を伺うとともに、活動率の向上に向けた課題と取組を伺います。 最後の質問です。 昨年、NHKの「ブラタモリ」という番組で2週にわたり糸魚川が放送され、糸魚川-静岡構造線や独特の地質とともに、ひすいも取り上げられました。 かなりのインパクトがあったと地元では言われており、観光客の増加に期待したいところですが、ひすいは糸魚川地域にとどまらず、新潟県全体にとっても大きな価値を有するものと考えます。 本県は世界最古のひすい文化発祥の地であります。ひすいは、古代の交易や文化の伝播の状況を表すものであり、歴史的、文化的に大きな価値があると考えますが、知事の所見を伺います。 あわせて、本県は日本一のひすいの集積地でもあり、また、本県で産出されるひすいの色彩の美しさは、観光資源としての価値も高く、ひすいを活用した国内外からの誘客に一層取り組んでもらいたいと思いますが、知事の所見を伺いまして、私の一般質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 中村議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、企業物価の動向と影響についてでありますが、感染症の拡大による供給制約や、原材料価格の高騰、円安による輸入コストの増加などから、企業物価は、近年にない高い水準にあります。 日本政策金融公庫新潟支店の調査結果においても、県内企業で仕入価格の上昇が続くとともに、原材料高を経営課題とする企業の割合が増加するなど、県内産業に幅広く影響が出ているものと認識をしております。 次に、県内企業への脱炭素の影響の周知と影響緩和に向けた対応についてでありますが、脱炭素化の影響による物価上昇について、懸念があることは承知しております。 県といたしましては、国の動向を注視しつつ、市町村や経済団体と連携をしながら、脱炭素に関わる政策動向や、企業として求められる対策を県内企業等に周知するとともに、県内企業の省エネや再生可能エネルギーの導入などの取組を支援してまいりたいと思います。 次に、企業倒産の状況と、融資の返済に苦慮する企業への支援についてでありますが、実質無利子・保証料ゼロの融資等の効果もあり、倒産件数は、昨年まで低水準で推移しておりましたが、今後、感染症の影響が長期化した場合には、議員御指摘のとおり、借入金の返済ができず、倒産に至るケースが増加することも懸念されます。 このため、県といたしましては、金融機関に対し、事業者の実情に応じた経営支援や、条件変更等の相談への柔軟な対応を求めるとともに、国に対しても、全国知事会を通じて、元金据置期間や償還期間の延長を要望しているところです。 今後とも、事業者の経営状況を把握した上で、商工団体や金融機関と連携をしながら、適時に適切に対応してまいりたいと思います。 次に、個人消費の拡大等の取組についてでありますが、本県経済は持ち直しつつあるものの、感染拡大防止対策の影響を受けている飲食・宿泊等の業種では厳しい状況にあることから、議員の御指摘のとおり、貯蓄を消費へ振り向けてもらえるよう後押しをし、地域経済の活性化を図る必要があると考えております。 このため新年度においても、各種団体が行うイベント等を支援し、個人消費を喚起するとともに、新たな商品開発やサービスの提供へのチャレンジを引き続き支援することにより、地域の商店街等における継続的な消費拡大につなげてまいりたいと考えております。 次に、本県の財政状況についてお答えをいたします。 まず、収支改革必要額が改善したことへの受け止めについてでありますが、これまで、県民や議会の皆様の御理解の下あらゆる分野の事業を見直すとともに、議会の皆様や職員から給与の臨時的削減に協力をいただいたほか、国への働きかけによる歳入の確保など、様々な努力を重ねて改革を進めてまいりました。 また、令和4年度当初予算案においては、内部管理経費などの見直しに取り組んだことのほか、令和3年度の地方交付税の追加配分があったことなどにより、収支改革が着実に進んでいるものと考えております。 しかしながら、令和13年度をピークとする公債費の実負担の大幅な増加に対応するため、令和5年度当初予算において残り10億円程度のさらなる収支改革が必要と見込んでおり、引き続き、行財政改革にしっかりと取り組んでまいります。 ただし、その見通しは一定の仮定に基づく現時点の試算であり、今後もその推移を見極めていく必要があるため、引き続き、年2回最新の経済状況等を踏まえ中期財政収支見通しを再算定しながら、適切な財政運営に努めてまいります。 なお、改革必要額が改善した要因については、総務管理部長からお答えをいたします。 次に、インフラ施設の老朽化対策についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県においては、高度経済成長期に整備されたインフラ施設の老朽化が進行しており、将来にわたって県民が安全・安心に施設を利用できるよう、厳しい財政状況下であっても、老朽化対策を着実に進めていくことが必要と認識しております。 県では、橋梁など各施設の法定点検が一巡したことから、年度内に社会資本維持管理計画を見直し、施設の健全度及び重要度等から優先度を定めまして、計画的な補修更新に取り組む予定としております。 国の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策において、今年度から老朽化対策が新たに対象とされたところであり、県といたしましては、計画の実施に当たり、こうした国の有利な財源を最大限活用する中で、インフラ施設の老朽化対策を着実に推進してまいります。 次に、農林水産業の課題についてお答えをします。 まず、産地のブランド力の向上への取組についてでありますが、園芸導入により、農家の所得向上を進めるためには、まずは品質を確保し、安定供給できる体制を整えることで市場の評価を獲得するとともに、その魅力を効果的に発信し、産地のブランド力を高めることが重要であると考えています。 このため、県では、園芸振興基本戦略に基づき、市町村、JA等の関係団体と構成する推進チームにより、ブランドの基本である食味・品質を重視した生産を進めてまいります。 また、流通事業者等と連携をした商品化や地理的表示保護制度の登録、産地の魅力やこだわり等の物語性を付与した情報発信を支援するなど、市場評価を高める取組を一層強化することで、産地のブランド力向上を進めてまいりたいと考えています。 次に、医療・介護問題についてお答えをいたします。 まず、地域医療の最後のとりでとしての役割を果たす病院への財政支援についてでありますが、県では、これまでも、僻地や救急などの政策医療を担う医療機関に対し、国の財政措置を活用するなどにより、必要な財政支援を行ってきたところです。 また、県が昨年4月に策定した地域医療構想のグランドデザインを基に、経営も含め持続可能な医療提供体制を圏域全体で構築していくための議論を進めており、中核的な機能を持つ病院との役割分担の中で、地域包括ケアを支えることとなる医療機関に対しては、そうした機能を強化した病院への転換も進めているところです。 今後、これらの議論を踏まえ、医療機能の強化や再編等に取り組む医療機関に対して、積極的に地域医療介護総合確保基金等を活用し、必要な財政支援を行ってまいりたいと考えております。 次に、糸魚川市における救急相談アプリの実証実験についてでありますが、本県では、住民の不安解消や医療機関の負荷軽減のため、夜間・休日に電話による救急相談を実施しておりますが、回線が混み合い、迅速な対応が困難なケースも発生しております。 このような課題に対応するため、「ヘルスケアICT立県」実現プロジェクトにおいて民間事業者が開発した、24時間いつでも相談可能なアプリを活用したいと考えており、現在、このアプリの利用状況や使い勝手などを把握・検証するため、救急対応を行う医療機関が限られ、夜間等の相談が多い糸魚川市の協力を得て、実証実験を行っているところです。 この実証実験の結果を踏まえ、今年度中にアプリの利便性などの向上を図った上で、新年度において、救急相談アプリを県内全体に導入してまいりたいと考えております。 次に、地域公共交通の課題についてお答えをします。 まず、大糸線に関する一連の報道についてでありますが、大糸線の在り方については、長野県とも、両県一丸となって取り組んでいくことで一致しており、これまで同様、糸魚川市をはじめ沿線自治体と共に、沿線の活性化及び持続可能な路線の実現に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。 なお、一連の報道への受け止めですが、今回の在り方検討会は、廃止を議論する場ではないものと認識をしております。 次に、地方鉄道の在り方に関する議論についてでありますが、現行の鉄道事業法の手続では、鉄道事業者の届出のみで事業の廃止が可能となりますが、経営を理由とした事業者の意向だけでなく、地域の実情が反映されるよう、より公の関わりを強める方向に見直すことが必要であると認識しております。 県といたしましては、議員御指摘の国の検討会に対して、必要な意見を述べるなど、働きかけを行ってまいりたいと考えております。 次に、地域公共交通におけるユニバーサルサービスの考え方についてでありますが、議員の御提案には、共感できる部分も多く、仮に実現可能となれば、地域公共交通が置かれている現状の改善に向けて大きな前進になるのではないかと考えております。 この問題は、国レベルでの検討が不可欠なことから、先ほどお答えした国の検討会等を通じて、問題提起を行ってまいりたいと考えております。 次に、県政の諸課題についてお答えをします。 ひすいの歴史的、文化的な価値等についてでありますが、本県で産出されるひすいは、その美しさから、縄文時代から古墳時代に宝飾品等として利用され、北海道から沖縄県まで全国各地に広く分布しているため、これらを通して当時の交易の状況をうかがい知ることができます。加えて、本県の産地は全国で唯一、国の天然記念物に指定されており、議員御指摘のとおり、歴史的にも、文化的にも大きな価値があるものと認識しています。 また、県では、新年度、観光文化スポーツ部において、観光と文化を通じた地域の魅力向上や、交流人口の拡大につながる施策を一体的に推進することとしており、ひすいにまつわる観光地の積極的なPR等に努めてまいりたいと考えております。   〔知事政策局長小岩徹郎君登壇〕 ◎知事政策局長(小岩徹郎君) お答え申し上げます。 地域活性化リーディングプロジェクトについてでありますが、湯沢、佐渡、上越、村上の4つのエリアで、県、市町村の若手職員を中心としたワーキングチームを設置し、民間事業者等の意見も伺いつつ、人と企業を呼び込むための施策を検討する中で、民間コワーキングスペース等の設置支援であるとか、関係人口の拡大等に取り組んでまいりました。 先行して取組を開始した湯沢町では、地域住民と町を訪れる人々の交通利便性向上を目的とした湯沢版MaaSの実証や、首都圏企業等のサテライトオフィス開設支援などを行ってまいりました。令和3年の湯沢町と県外との人口移動の状況は、コロナ前の令和元年と比べて59人増加し、100人の転入超過となっております。 新年度の展開につきましては、湯沢エリアでは湯沢版MaaSの本格的な社会実装、佐渡エリアでは佐渡島の金山の世界遺産登録を見据えた二次交通整備、上越エリアではエリア出身大学生等を対象としたインターンシップ、村上エリアでは森林・林業、食と農業を活用した関係人口拡大などに取り組む予定です。引き続き、地域の持つ強みや財産を生かした、人と企業を呼び込むための施策を展開してまいりたいと考えております。   〔総務管理部長森永正幸君登壇〕 ◎総務管理部長(森永正幸君) 3点お答えいたします。 令和4年度の県税収入見込みについてでありますが、県内経済は、新型コロナウイルス感染症による影響などから、一部で依然として厳しい状況にあるものの、持ち直しつつあり、足元の法人二税の収入実績も堅調に推移しております。また、日銀短観といった県内経済情勢に係る指標も、令和3年度当初予算編成時より改善していることなどを踏まえ、令和4年度の県税収入は、令和3年度決算見込額とほぼ同額を見込んでいるところです。 なお、業種別の見込みといたしましては、飲食などサービス業の一部に弱い動きが見られるものの、輸出関連企業の業績が堅調であることから製造業が、巣籠もり需要の増加等により卸売業、小売業などがそれぞれ増収となるものと考えております。 次に、収支改革必要額の改善要因についてでありますが、歳出面では、令和4年度当初予算案における庁内デジタル化に伴う事務事業の見直しや、行政需要に応じた組織体制や業務の見直しによる内部管理経費の縮減などにより収支改善が図られたところです。 また歳入面でも、本年度の特殊要因として、令和3年度の国税収入が当初予算時の見込みから上振れたことに伴い追加配分された地方交付税など、決算剰余金見込額の一部を県債管理基金へ積み立てることなどにより、令和10年度末までの400億円程度の県債管理基金の確保に向けて必要な収支改革額の改善が図られたと考えております。 引き続き、令和5年度までのさらなる収支改革の達成に向け、行財政改革にしっかりと取り組んでまいります。 次に、物価や金利が上昇した場合の影響についてでありますが、物価上昇に伴い歳出が増加する一方、歳入が増加しない場合、収支均衡を図ることが困難となります。 また、金利上昇に伴い公債費の実負担が増加することとなり、令和20年度に実質公債費比率を18%以下とする目標を達成するためには、投資事業の実負担上限額が減少することになります。 今後も、最新の経済指標等を反映し中期財政収支見通し公債費負担適正化計画を随時更新する中で、物価や金利状況等を注視してまいります。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) お答えいたします。 自主防災組織の活動状況と活性化についてでありますが、御指摘の報道で用いられた活動率を本県に当てはめて試算いたしますと、防災訓練の実施率は市町村の努力もあって緩やかな上昇傾向にあり、全国水準を上回っておりますが、防災知識の啓発などは全国を下回っている状況です。 その要因といたしまして、活動の中核となる人材不足が指摘されており、従来から行ってまいりました自主防災組織の防災訓練などへの支援に加えまして、令和2年度から、地域の防災活動の核となる防災リーダーに指導・助言する人材として、防災シニアリーダーの養成に取り組むなど、地域の防災活動のさらなる充実を図っているところです。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 2点お答え申し上げます。 隣県の医師の働き方改革への対応等による本県の医師確保への影響についてでありますが、糸魚川総合病院が立地する上越構想区域の医師確保については、富山大学など県外大学の医師派遣に依存する割合が高く、医師の働き方改革への対応や地域医療構想の推進等を踏まえた大学の医師派遣の方針によっては、構想区域内の病院の診療機能に影響が生じる可能性もあると認識しております。 そうした中、今後とも継続的に十分な医師を確保していくためには、関係する県外大学を含めた他県との緊密な連携が重要であるとともに、地域の中核病院等へ医師や症例数を集約し、都市部の大病院と比較しても遜色のない、指導体制等が整った、若手医師等にとっても働きやすい環境を整備していく必要があるものと考えております。 こうした取組を円滑に進めていくため、上越構想区域について重点支援区域に申請し、選定されたところであり、今後、国の支援を最大限活用しながら取り組んでまいります。 次に、軽費老人ホームの職員の賃上げについてでありますが、国の経済対策の中で、介護保険対象施設における職員の処遇改善を支援する取組が決定され、先月から賃金改善が実施されているところです。 県といたしましては、軽費老人ホームのような介護保険対象外施設職員の賃金改善についても同様の対応が必要と考えており、また、今般、国の財政措置の制度状況等も明らかになったことから、軽費老人ホームの賃金改善に係る財政支援を行うための予算案を本定例会にお諮りしているところです。 今後とも、高齢者施設等の従事者の処遇改善に取り組んでまいります。   〔産業労働部長佐野哲郎君登壇〕 ◎産業労働部長(佐野哲郎君) 4点についてお答えいたします。 まず、自動車減産による県内企業への影響についてでありますが、自動車メーカーの企業城下町を持たない本県においては、今のところ県内経済全体への影響は限定的であると考えております。 一方、自動車関連部品を製造する県内企業におきましては、議員御指摘のとおり、半導体不足による減産の影響が出ているとの声があり、売上げが感染症拡大前の水準まで回復していない企業も多いというふうに認識しております。 県といたしましては、影響を受けている事業者に対して、経営相談や専門家派遣のほか、資金繰りなどの支援に努めているところでございまして、今後も状況を注視しながら、必要に応じて、さらなる支援についても検討してまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症の流行に伴うサプライチェーンの見直しなどが、本県の企業立地に及ぼした影響と今後の取組についてでありますが、県が令和2年度に創設した、ものづくり国内回帰工場立地支援型の未来創造産業立地促進補助金に採択された案件は、輸入部材の内製化や、海外から国内への生産ラインの切替えなど、これまで18件となっており、292人の新規雇用が計画されております。 県といたしましては、アフターコロナを見据えた社会経済の変化や、企業の設備投資の動向を注視し、この国内回帰向けの補助金もインセンティブとして活用しながら、生産拠点の国内回帰への動きをさらなる県内投資につなげられるよう、誘致活動を強化してまいります。 次に、県内の雇用情勢と景気回復後の人材確保についてでありますが、民間調査会社による全国データによりますと、飲食業では7割、宿泊業では4割でアルバイトやパートなどの人手が不足しているとされており、営業自粛等に伴う雇用の不安定感や、不特定多数との接触機会が多いことなどが、他の業種に比べ働き手が集まりにくい要因になっていると考えられます。県内でも内定辞退や若手の離職といった事例があると聞いておりまして、同様の傾向にあると認識しております。 このため、県といたしましては、こうした働き手の不安感の解消に向け、企業の雇用維持のための雇用調整助成金の活用を促進するとともに、感染防止のための設備導入を引き続き支援してまいります。 あわせて、飲食業や宿泊業は、勤務時間が長時間にわたるなどの労働環境が、働き方の希望と合いにくいといった課題がございます。中期的な人材の確保に向け、職場環境の改善やデジタル技術の活用による業務の効率化に取り組む事業者を支援してまいります。 次に、メタンハイドレートの今後の開発見通しについてでありますが、国の第6次エネルギー基本計画では、水素やアンモニアの原料としての利用も視野に、メタンハイドレートを含む国内資源開発を推進する方針が示されました。 国は、2023年度から2027年度の間に、民間企業が主導する商業化に向けたプロジェクトが開始されることを目指し、可能な限り早期に成果が得られるよう技術開発等を進めております。 県といたしましても、メタンハイドレートの回収技術が確立し、商業化が実現された場合には、地域の活性化や、産業と雇用の創出につながることが期待されることから、着実に開発を進めていただきたいというふうに考えております。   〔農林水産部長小幡浩之君登壇〕 ◎農林水産部長(小幡浩之君) 3点についてお答えします。 ビレッジプラン2030の取組についてでありますが、県では、市町村や関係機関との連携により、中山間地域の営農継続や集落機能の維持に向けて、これまで29の地区で現状分析や将来プランづくりを支援しており、このうち12地区でプランが策定されております。 これらの中には、営農以外でも、空き家の有効活用による定住促進や、高齢者の見回り活動によるコミュニティーの維持、レストランの開設による女性の活躍の場づくりなど、多様な内容が盛り込まれております。 このため、プランの実行段階においては、議員御指摘のとおり、農業だけではなく地域政策や福祉関係等も含めた、幅広い分野からのサポートの仕組みづくりを進める必要があると考えております。 県といたしましては、庁内関係部局や市町村はもとより、幅広な関係機関とプランの内容を共有した上で、多様な取組内容の実現に向けて活用可能な事業等を提案するとともに、他地区の取組事例を紹介するなど、プランの着実な実践をサポートしてまいりたいと考えております。 次に、漁業者の経営状況についてでありますが、国際的な枠組みの中でのクロマグロの漁獲規制や、カレイ類、サケ類の不漁による水揚げの減少、燃料価格の高騰等による経費の増加に加え、新型コロナウイルス感染症の影響による水産物の需要の低迷等により、漁業者の経営状況は厳しいものと認識しております。 県といたしましては、漁業所得の向上を図るため、現在、策定を進めております新潟県水産振興戦略に基づき、鮮度保持技術を活用したブランド化や、消費者ニーズに合わせた加工品の開発など、水産物の付加価値を高める取組を支援してまいります。 また、水揚げの減少や燃料価格の高騰に対して一定の補填が受けられる、様々なセーフティーネットの活用を促進するなど、厳しい環境の中においても、本県漁業が持続的に発展できるよう、積極的に取り組んでまいります。 次に、新潟県水産振興戦略の策定において明らかとなった課題と対応等についてでありますが、水産資源が限られている中、所得を確保していくためには、議員御指摘のとおり、県産水産物の付加価値を高めていくことが必要であると認識しております。 一方で、これまでに実施した関係事業者へのヒアリングや、戦略の検討会議を通じて、生産から流通に携わる事業者間の連携不足により、他県と比べて、県産水産物の価格は、全体的に低い傾向であることが明らかになりました。 このため、関係事業者間の連携を深めることを目的として、県内主要産地を中心にプロジェクトチームを立ち上げ、漁獲情報の早期共有による情報販売や、ブランド力の強化等に取り組み、県産水産物の付加価値を高めてまいります。   〔土木部長金子法泰君登壇〕 ◎土木部長(金子法泰君) 2点についてお答えいたします。 建材費等の県内の状況及び設計単価見直しの下請企業等への波及に向けた取組についてでありますが、建設資材のうち、鋼材と燃料価格は、令和2年12月以降、上昇が続いており、木材については、ウッドショックにより令和3年11月以降、高止まりしている状況であると認識しております。 いずれにいたしましても、県工事の資材の設計単価については、毎月、市場の価格変動に基づいて改定し、最新の設計単価で予定価格を算定しています。 また、設計単価見直しに係る下請企業への波及に向けては、品確法の趣旨にのっとり、低入札対策の徹底や立入検査など元請・下請関係の適正化に取り組むとともに、資材業者等の関連企業についても配慮するよう建設関係団体に要請しているところです。 今後とも、県民の安全・安心を担う地域の建設業者等が持続的に役割を果たしていけるよう適切に対応してまいります。 次に、国の経済対策に基づく令和3年度補正予算に係る工事の発注についてでありますが、国の経済対策に基づく令和3年度補正予算は、新型コロナウイルス感染症の影響により疲弊する地域経済を下支えする側面に加え、防災・減災対策を早期に実施し、激甚化・頻発化する自然災害に備えるという重要な役割があるものと認識しております。 県といたしましては、施工時期の平準化の観点も踏まえ、出水期や降雪期前に必要な工事が完了できるよう、目標を定め工事の早期発注に取り組んでまいります。 ○議長(佐藤純君) 中村康司君の質問は終わりました。 次に、小泉勝君の発言を許します。小泉勝君。   〔小泉勝君登壇〕(拍手) ◆小泉勝君 リベラル新潟の小泉勝です。 初めに、県政の諸課題について質問いたします。 まず初めに、佐渡島の金山が、ユネスコ世界文化遺産の国内候補として、一時は本年度の推薦を見送るとも言われ、非常に心配をしてきましたが、最終的には政府は推薦を決定し、ユネスコへの推薦が行われました。 これまでの間、県と佐渡市が中心になって進めてこられ、5回目のチャレンジでようやく推薦までこぎ着けることができたことは、心からうれしく、私も県民の一人として喜んでおります。 佐渡市民の願いと同時に、観光はもとより、産業、交通、交流人口等の向上に県民から大きな期待が寄せられています。これまで御尽力いただいた関係各位にも、感謝を申し上げたいと思います。 一方で、今後、世界文化遺産登録を実現するまでの過程は困難が予測されます。ゴールはあくまでも登録実現でありますので、これからが本番と言えます。今後の審議の進捗次第では、審議を棚上げにされたり、再度推薦ができなくなったりするということもあり得ると仄聞いたします。 できる限りを尽くし、オール新潟、オールジャパンでの取組が必要であると考えますが、県として今後、どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。 次に、2月11日に行われた北京オリンピックのスノーボード男子ハーフパイプ決勝で大技を連発し、圧巻の滑りで逆転金メダルを獲得した村上市出身の平野歩夢選手の活躍、そしてスノーボード女子ハーフパイプで日本人選手として初めてのメダルとなる、銅メダルを獲得した妙高市出身の冨田せな選手の活躍は、大きな感動を県民に与えてくれました。 そして、スケートボードとの二刀流への挑戦、人類初の大技への挑戦など、これまでに誰もやっていなかったことに対してチャレンジする姿勢は、県民の多くの方が勇気をもらったのではないかと思います。 昨年開催された東京オリンピックでは、スケートボード、自転車BMXフリースタイル、バスケットボールの3x3、スポーツクライミングが新競技として採用され、アーバンスポーツ元年とも言われました。繰り広げられたアスリートたちのパフォーマンスは、私たちに強い印象を残しました。日本人選手の活躍により、子供や若者たちにスケートボードなどアーバンスポーツへの関心が高まり、以前より多くの方々がプレーヤーとして、様々な地域で活動していると感じます。 これらのアーバンスポーツを安全に楽しむことができ、若者たちが集まれる魅力的な居場所づくりとしての環境整備を図るとともに、アーバンスポーツの推進を県としても強く後押しをすべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、障害者差別解消法、改正障害者雇用促進法、障害者活躍推進計画のさらなる周知と理解促進を進め、障害者の就労支援に対し合理的配慮が保障されながら、県内の障害者雇用率が上がるよう配慮していただきたいと考えております。 本県の令和3年における障害者の法定雇用率を達成した企業の割合は、全国平均を上回る56.6%となっておりますが、一方で一人も雇用していない企業が多い状況であるとも伺っています。 様々な事業所などが働き方を工夫し、多様性を認め合いながら安心して働ける社会を目指していくことが重要であると考えますが、障害者雇用の促進に向けた今後の取組方針について伺います。 次に、このたび、本年4月、県立新潟盲学校と県立新潟聾学校が統合して、新たに新潟よつば学園として開校する運びとなり、関係者から喜びの声を伺っています。 また、同じく本年4月から県立村松高等学校の校舎の一部を利用し、五泉特別支援学校の高等部が移転、さらに令和5年4月には県立見附高等学校施設内に月ケ岡特別支援学校高等部の分校を設置すると伺っています。空き教室などの有効利用と同時に、共生型社会を進めるもので、今後のモデルになるものと期待を寄せています。 また、月ケ岡特別支援学校の分校では、軽度発達障害の生徒を対象として、専門学校などへの進学も視野に入れながら学習内容にも工夫がされていくと伺っており、保護者の方々から歓迎する声を聞いております。 一方で、特別支援学校を卒業した後の就業や、自立した生活に向けて、家族も含め大変な苦労をされているとも伺っています。 このため、特別支援学校の教員補助員として卒業生を雇用することにより、雇用の確保と同時に、在校生に対して、障害のある方の視点に立った細やかで行き届いた指導ができ、また児童生徒にとって、よいロールモデルとなっていると評価されていると伺っています。 特別支援学校の卒業生について、現在、教員補助員としての配置事業を行っていますが、本事業による雇用の現状と成果について伺います。 次に、高齢者の自動車運転免許証の返納は、交通事故の防止や歩くことによる健康増進、自動車利用をしないことによる二酸化炭素排出削減などのメリットが考えられ、新潟県が進める健康立県やカーボンニュートラルの施策にも合致します。 新潟県の運転免許証自主返納数は、令和元年の1万323件をピークに減少傾向にあります。新潟県の多くの地域では、日々の移動で自家用車をなかなか手放すことができない現状もあり、公共交通に加え、デマンド交通等を充実させることも大切であります。 市町村独自に運転免許証の返納時、公共交通の利用チケットやパスポートを発行する取組が行われているところもありますが、ほとんどが使用回数や期限が制限されたものとなっています。 このため、自主返納を促進させるために、公共交通を期限の制限なく、無料で利用できるパスポートの発行を市町村と連携して取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、文部科学省の地震調査研究推進本部が今年1月に公表した、長期評価による地震発生確率の更新についてでは、活断層で発生する地震について、今後30年以内の地震発生確率が3%以上のものをSクラスとしています。 県内の主要活断層帯のうち、この地震発生確率の高いSクラスの中に、県内では高田平野断層帯、十日町断層帯などの3断層が含まれていますが、こうした大規模地震に対する県としての対応方針を伺うとともに、併せて関係する各自治体との取組強化の必要性について、知事の所見を伺います。 次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。 まず初めに、オミクロン株による感染拡大の流行の第6波により、本県でも、1月21日から3週間、まん延防止等重点措置の適用がされましたが、陽性者数の高止まりに歯止めがかからず、飲食店への営業時間短縮要請がさらに3週間延長されて3月6日まで続いています。 飲食店からは、協力金をもらうより店を開けたい、なぜ飲食店ばかり取り上げられるのかといった悲痛の声をお聞きしており、飲食店ばかりに極度の要請をしているのではないかと懸念しています。 全国知事会などの議論でも、時短営業の対象が飲食店だけとなっていることから、飲食店が感染原因のような悪いイメージを広めているなどといった意見とともに、制度の見直しを求める声も聞かれました。 飲食店に加えて、飲食関連事業者にも大きな負担があり、経営的に打撃を受けています。このため、協力金の支給より、感染予防対策をしっかりと行いながら営業が続けられるよう、今後の対応方針の見直しが必要と考えますが、知事の所見を伺います。 次に、厚生労働省から昨年11月16日に出された事務連絡では、5歳以上11歳以下の者への新型コロナワクチン接種に向けた接種体制の準備についてとして、都道府県や市町村の関係部局へ宛てて、小児への接種体制の検討を進めるとともに、関係機関への周知と接種体制確保に係る協議を依頼しています。 その中で、医療機関等の要件として、小児用ファイザー社ワクチンの説明書及び予診票を用いて、被接種者及び保護者に対し、有効性と安全性について丁寧に説明した上で、同意確認ができること、さらには、被接種者である小児に副反応が生じた場合に、適切に初期対応ができ、入院等が必要になった場合にも適切な医療機関に引き継ぐなどの対応ができることが明記されています。 2月26日から東京都足立区において、5歳から11歳向け接種が始まり、今月、3月から本県でも本格化していくとのことであります。 報道等では、新潟大学医学部の小児感染症学の専門家でもある齋藤昭彦教授の話として、使用されるワクチンはアメリカファイザー社製で、12歳以上に使用しているものとは別の製剤であり接種量も少なく、既に5歳から11歳への接種が開始されているアメリカのデータから、接種部位の痛みや発熱、倦怠感などの反応はゼロではないが、発生確率は低いと紹介されていました。 そんな中、厚生労働省は専門家でつくる部会で、新型コロナウイルスワクチンの有効性や安全性が確認できたとして1月21日、5歳から11歳までの子供も対象に加えることを正式に承認しました。 地元紙が行ったアンケート調査では、接種を希望する保護者が37.2%、副反応などが心配のため接種を希望しない人が27.4%、まだ決められず分からないとした人が35.2%であったとのことです。 私のところにも多くの保護者の方から副反応や健康リスクに対する情報が欲しいとの声が寄せられており、ワクチンを接種すべきかどうか皆さん悩んでおられます。 このため、ワクチン接種のメリットばかりだけでなく、そのデメリットについても県民へ分かりやすく、丁寧に伝えていただき、保護者が正しい情報を基に自らの意思で選択できる環境の構築が必要と考えますが、知事の所見を伺います。 そしてさらに、5歳から11歳の者への接種において、12歳以上用ワクチンによる間違い接種などが起こらないよう、例えば、ワクチンの管理・保管方法の工夫をしたり、接種会場を大人と別にするなどして十分な対策を講じることが必要です。 小児接種に向けた体制の整備について、市町村と意見交換をしながら、接種ミスのないように進めていくことが重要と考えますが、所見を伺います。 次に、食品の値段が上昇しており、今年に入ってからも小麦粉製品や食用油など、様々な食品が相次ぎ値上げを発表しています。 その背景には、新型コロナウイルス感染症流行で影響を受けた経済が正常化に向かう中で、世界的に需要が拡大し、小麦粉や穀物などといった原材料の争奪が過熱し、さらに原油高、人件費増、コンテナ貨物量の減少などに伴う物流コストの増加などもそれに拍車をかけています。 これらは、日本が食料の多くを輸入に頼っているため、輸入品の価格上昇がそのまま原材料価格や製品価格に影響してしまいます。 一方で、小麦粉製品が値上がりする中、米の価格は上昇していません。毎年約10万トンの米の消費量が減少する中、米生産量日本一の新潟県として、これまでも米の消費量拡大に努めてきているところでありますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、さらに需要の落ち込みが続いています。 小麦製品等、食品の価格上昇を米の消費拡大に向けたチャンスとして捉え、さらなる取組の強化を図るべきと考えますが、知事の所見を伺います。 そして、昨年来、既に食品の値上げが続いてきた上に、今年もさらに値上げが続くとなると家計には大きな負担となりますが、食料は消費を削ることが難しく、そのためやむを得ず他の消費を削ることとなりがちです。 とりわけ、食料品やガソリンなど様々な値上げが続く中、コロナ禍において所得減少の影響を受けるのは、相対的に所得水準の低い世帯と言われており、特に独り親家庭や生活困窮者などは日々の暮らしが厳しくなっています。 我が会派の重川議員も、数年前から子ども食堂の運営に携わり、昨年は年間五十数回子ども食堂の手伝いに行き、実際そうした場で子供たちと触れ合いながら、活動を通じて厳しい現状を見て、我々にもそうした話を時々伝えてくれています。県内でも子ども食堂やフードバンクなど、民間が支援する取組が相当数増えてきておりますが、本県における、このような取組に対する支援について、現状を伺います。 私自身もフードバンクのお手伝いをさせていただいておりますが、フードバンクの現場では、食品支援を受ける家庭の数が毎月増加しており、本来もっと早く支援を申し出てくれればいいのにと思うようなケースもあります。 世間体を気にされたり、自分たちが支援を受ける権利があるのかを気にされたりして、申し出るのをためらっているケースがほとんどで、ぎりぎりまで我慢していることがうかがえます。 こうした現状を踏まえ、また食品価格等の上昇がさらに大きな影響を与えることが予測されることから、県としても、こうした本来フードバンク等の支援が届かなければいけない家庭に手が届くような対策を強化すべきと考えますが、所見を伺います。 次に、環境・エネルギー政策について伺います。 本県でも、2050年カーボンゼロの実現に向けた戦略が取りまとめられ、新年度予算案において、様々な取組を進めていくこととしております。これからの未来を担う子供たちのためにも、県民が一丸となって、この目標を達成し、持続可能な社会を実現しなければなりません。 これらの観点から、環境やエネルギー政策について、何点か質問いたします。 まず初めに、欧米では、近年、気候変動や資源枯渇を懸念して、子供を望まない若者が増えているとの調査結果が公表され、子供をつくらないことが最も効果的に温室効果ガスを減らせる行動であるとの研究成果が発表されたというニュースを目にしました。 また、地元紙によると、総務省の人口移動報告では、2021年度の関東甲信越の転出入超過数は、東京を除くと、新潟県だけが前年より転出超過が進行しており、東京一極集中が鈍化する中、本県だけが人口流出に歯止めがかかっていないという現実を伝えています。 私自身、地元の小学校や高校などのSDGsに係る総合学習などでお話をさせていただく機会がありました。本県の人口減少は大きな課題であり、環境問題からこうした思考につながらないよう、SDGsを推進するため、自然環境について理解を深める学習や取組を推進し、環境教育の充実を図ることが重要と考えますが、所見を伺います。 次に、本県では、再生可能エネルギー導入促進を図るため、新年度に小水力発電の導入に向けた調査検討や、屋根置き太陽光発電設備の導入促進を新たに進めていくこととしており、非常に意義のある取組として評価しています。 今後も、再生可能エネルギーの導入に向けた可能性を追求するとともに、蓄電池等の普及に向けた支援にも取り組んでいく必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、日本の食品ロスは、年間612万トン、そのうち事業系は328万トン、家庭系は284万トンと言われており、国民1人当たり年間48キロ、これは毎日国民全員がおにぎりを1日1個捨てている計算になると言われております。 さらに、本来食べることのできる食品を廃棄するための経費が年間1人当たり1,431円かかっているとのことでありますから、食品と同時にそれだけのお金も捨てていることと同じです。 本県では、来年度から9年間を計画期間とした新潟県食品ロス削減推進計画の策定を進め、パブリックコメントを実施したところであります。 食品ロス削減は、SDGsに掲げられた目標の一つである、持続可能な生産と消費における重要な柱であり、温室効果ガス削減にも貢献することから積極的な取組を期待いたしますが、消費者や食品関連事業者など様々な主体からの理解と協力が必要です。今後、どのように取組を進めていくのか伺います。 次に、本県の過去10年間における、1人1日当たりのごみ排出量は、全国平均と比較して常に高い数値で推移しており、令和元年度の実績では1,034グラムで全国第45位と下位となっています。 しかも全国平均が若干右肩下がりの傾向にあるのに比べ、新潟県はほぼ横ばいであり、隣の長野県の1人1日当たりのごみ排出量は816グラムと6年連続全国1位であることは、何か学ぶところがあるのではないでしょうか。 食品ロス削減はもとより、二酸化炭素の排出量の削減の観点からも、ごみ排出量の削減を進めていく必要があると考えますが、所見を伺います。 次に、本年4月から、プラスチックごみの削減と再生利用の拡大を目的としたプラスチック資源循環促進法が施行されます。 市町村は、家庭から排出されるプラスチック使用製品廃棄物の分別収集・リサイクルへの努力義務が課せられますが、国の調査では、施行後3年以内に導入を検討するとした市町村は、回答した1割にも満たず、財政負担や仕組みの周知不足が課題であるとの報道がありました。 気候変動や海洋プラスチックごみなどの問題に対応するためには、同法による取組は重要だと考えますが、県としての取組状況を伺います。 次に、令和3年9月定例会の一般質問で、大幅な省エネルギーを図り、ヒートショック対策にもつながる取組であるZEH、ゼロ・エネルギー・ハウスの建設を強く推進すべきであり、早期の普及拡大に向けて県独自の補助の必要性を訴え質問いたしました。 そのときの知事の答弁では、普及啓発に取り組んでいるところで、カーボンゼロ実現戦略プロジェクトチームにおいて、雪国型ゼロ・エネルギー・ハウスの在り方や、具体的な支援策について検討し、促進していきたいとのことでありましたが、検討の結果、どのように進めていくのか、今後の取組方針について伺います。 次に、部活動の見直しについて伺います。 私は、地域の子供たちのスポーツ活動に自ら指導者として関わっており、スポーツを通じて、未来を担う人材育成とともに、「健幸づくり」と地域コミュニティーづくりを進めていきたいと考えております。 現在、国において、学校の部活動改革の議論が進められていますが、日頃の活動を通じ、子供たちやその保護者の方々から、これからの学校の部活動がどうなっていくのか、心配の声を聞いているところです。 一方で教員の働き方改革も重要であり、これらを両立させながら、いかに進めていくことができるのかが課題と認識しております。 そのため、学校の部活動の見直しに関して、以下、何点か質問いたします。 まず初めに、本年1月、2021年度の文部科学省の実態調査において、全国の公立学校では、年度当初配置を予定していた教員のうち2,558人が配置できずに欠員だったことが明らかになりました。その主な原因としては、教員の多忙化から、将来目指す職業として教員が選択されなくなってきていることが挙げられています。 幸いにして県内では3人の不足であったとの報道でありましたが、不足する分は他の教員へ、そのしわ寄せが行き、さらに多忙化に拍車がかかってしまいます。教育現場を維持し、子供たちへの学習などに影響を及ぼさないためにも、文部科学省が進めている教員の働き方改革を加速させることが必要だと感じます。 特に中学校においては部活動顧問の負担が問題となってきましたが、文部科学省では、部活動の地域移行と題した制度改革で、令和5年度以降の休日の部活動の運営を段階的に地域に任せる構想です。生徒にとって望ましい部活動の環境を構築する観点から、部活動ガイドラインを策定し、部活動の適正化を推進しております。 こうした学校の部活動に係る教師の負担を軽減するために、先行して部活動指導員等の外部人材の活用を進めていますが、本県の中学校における活用状況と教員の働き方改革に対してどのように評価しているか伺います。 次に、スポーツ庁は、持続可能な部活動と教師の負担軽減の両方を実現できる改革として、令和2年9月に学校の働き方改革を踏まえた部活動改革を公表しました。本改革では、令和5年度以降、休日の部活動の段階的な地域移行を図るとともに、休日の部活動の指導を望まない教師が休日の部活動に従事しない環境の構築を図ることとしています。 本県の今後の部活動の在り方について、所見を伺います。 次に、中学校の休日の部活動の段階的な地域移行は、現在、文部科学省や経済産業省が中心となり、準備を進めている状況です。 文部科学省は、全国の中学校の部活動の実態が、多様化する生徒のニーズに合っていない点や指導する教員の働き方改革の視点から地域への移行を検討しています。 一方、経済産業省は、各地域にスポーツクラブを置くことで、スポーツを核にした経済活動の好循環を生み出し、地域を豊かにするという第一次提言を令和3年6月に出しています。 どちらも共通することは、中学生のスポーツ指導を学校が担うのではなく、地域へと移行することを念頭に進めているものです。 休日の部活動の地域への移行により、指導者や団体の有無など地域によってスポーツ環境が異なることから、生徒がスポーツを親しむ機会が大きく減少することも危惧されます。 このため、地域における新たなスポーツ環境の構築が必要と考えますが、今後の取組方針を伺うとともに、部活動の地域への移行に向けたスケジュールを併せて伺います。 次に、現行の中学校等の部活動は、あくまでも学校教育の一環として行われていると理解していますが、休日の部活動の地域移行を進めていく上で、学校教育としての部活動の位置づけについて見直しを行う必要があると考えますが、所見を伺います。 最後に、保護者やスポーツ関係者、そして何より生徒たちの一番の関心事は、総合型地域クラブ等で活動した場合に中学校体育連盟などの大会等に参加できるのか、あるいはそれがどのように変わるのかということであります。 現行においても、野球などの団体競技については複数校の合同練習や、合同チームとしての大会参加が認められていますが、一方で、例えば相撲や柔道などは個人競技ではあるものの個人戦と団体戦があり、その団体戦については複数校の合同チームが認められていないなど、競技によってその扱いが違っているのが現状であります。 総合型地域クラブでの大会参加や競技の違いによる扱いなどが今後どのようになっていくのかなど、部活動改革により今後の大会参加の在り方について、大会を主催する中学校体育連盟などに対して、県としても働きかけを行っていく必要があると考えますが、所見を伺います。 以上で一般質問を終わります。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 小泉議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、佐渡島の金山の世界遺産登録に向けた取組についてでありますが、国においては、ユネスコへの推薦決定と同時に、関係省庁が参加するタスクフォースが設置され、県においても先般、副知事をリーダーとする部局横断的なワーキングチームを立ち上げたところです。 今後は、世界遺産登録の実現に向けて、佐渡島の金山の文化遺産としての価値について国際的な理解が得られるように、国や佐渡市と連携を密にしながら、一体となって取り組んでまいりたいと思います。 次に、アーバンスポーツの環境整備等についてでありますが、東京2020オリンピックでの日本人選手の活躍もあり、スケートボードなどのアーバンスポーツへの関心が高まっている一方で、新型コロナウイルス感染症の影響により、県民がスポーツに親しむ機会が少なくなっております。 このため、新年度に鳥屋野潟公園内に初心者でも安全に楽しめるスケートボードパークを整備することとしており、県立都市公園におけるさらなるにぎわいと魅力の創出につなげてまいりたいと考えております。 また、住民に身近なスポーツ施設については、住民のニーズ等を踏まえ、市町村において整備が行われており、既にアーバンスポーツの施設を有する市町村があるほか、新たにスケートボード場の整備を予定している市町村もあるところです。 さらに、県では、現在、競技スポーツの推進のため、スポーツ人口の拡大や、ジュニア選手、世界で活躍できる選手の育成など競技力の向上に取り組んでいるところであり、アーバンスポーツについても、これらの取組により推進してまいりたいと考えております。 次に、障害者雇用の促進についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県の法定雇用率達成企業の割合は全国平均の47.0%を大きく上回っており、実雇用率は10年連続で過去最高を更新するなど、障害者雇用は着実に進展しております。 一方で、法定雇用率を達成していない企業のうち約6割が、一人も障害者を雇用していない状況にあり、これらの企業は、障害者の雇用経験やノウハウが少なく、受入れに不安を感じている場合も多いことから、安心して雇用に取り組めるよう支援が必要と考えております。 このため、県といたしましては、職場実習への支援や助成金の活用促進などを通じて障害者雇用に取り組みやすい環境を整備し、引き続き促進に努めてまいりたいと思います。 次に、高齢者の運転免許自主返納促進のための支援についてでありますが、公共交通の利用チケットの交付など、免許自主返納時の支援は、免許自主返納を促進する取組の一つではありますが、期限の制限なく、無料で使えるパスポートの交付といった支援は、もともと免許を持たない方との公平性等も考慮する必要があるものと考えております。 県といたしましては、広域自治体として、市町村や関係機関等と連携を密にしながら、運転免許自主返納者を含め、運転免許やマイカー等を持たず、マイカー利用ができない方々の移動手段を各地域の実情に応じて確保する等、高齢者の日常生活を支える環境の整備に取り組んでまいりたいと思います。 次に、大規模地震への県の対応方針と関係自治体との取組強化についてでありますが、本県においては、災害発生時の被害の最小化と迅速な回復、さらに、たとえ被災したとしても人命が失われないことを最重視し、社会経済活動への影響を最小限にとどめることを基本理念として、地震に対する地域防災計画を策定しております。 今般、議員御指摘の地震調査研究推進本部で長期評価を行っている活断層も含め、最新の知見に基づき地震被害想定調査を見直したところであり、本調査により明らかになった具体的な被害規模等の予測を踏まえ、今後の地震防災対策の強化に努めてまいります。 あわせて、関係機関と連携しつつ、市町村の相互応援や、国・他の都道府県からの応援受入れに必要な体制の整備拡充に、引き続き取り組んでまいりたいと思います。 次に、新型コロナウイルス感染症対策についてお答えをいたします。 まず、飲食店への時短要請の見直しについてでありますが、飲食店への時短要請は、感染リスクが高く感染拡大の主な起点となっている飲食の場を避けるとする国の基本的対処方針に基づいて実施しているものであり、感染対策上、一定の合理性があるものと認識しています。 その上で、要請に当たっては、その影響を緩和するため、御協力いただいた飲食店等に対して協力金を支給するほか、売上げが減少した飲食関連事業者に対しても支援金を支給するなど、必要な支援を併せて行っているところであり、感染拡大防止のためのやむを得ない対応として、御理解と御協力をいただきたいと考えています。 次に、5歳から11歳の方へのワクチン接種のための判断材料の提供についてでありますが、新型コロナワクチン接種においては、県民の皆様が安心して接種できるよう、ワクチン接種の有効性や安全性、副反応等を踏まえたメリット、デメリットについて情報提供を行ってきたところであります。 5歳から11歳の方への接種は、12歳から15歳の方への接種と比較すると接種後の副反応の発現割合が低いことや、12歳から17歳の方への接種と比較すると心筋炎の報告頻度が低いことが、米国から報告されており、このような情報も踏まえて、県民の皆様から接種への理解を深めていただきたいと考えております。 国が接種勧奨の方針を示していることから、県といたしましては、国や専門家が作成した資料など様々な媒体を通じて情報提供するなど、子供と保護者が接種について検討し、適切に判断できるよう対応してまいりたいと思います。 次に、米の消費拡大に向けた取組の強化についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響等による需要の落ち込みに対応するため、食品等の価格上昇を含めた、市場環境や消費動向の変化を踏まえ、消費拡大に向けた取組を強化することは重要であると考えています。 このため、県といたしましては、集荷団体や流通事業者等と連携をしまして、主食用米の販売促進活動を強化するとともに、各種メディアを組み合わせ、話題性の高いプロモーションを効果的に展開し、米消費拡大の機運を高めてまいります。 加えて、加工用米や米粉用米の販路開拓を図るため、大口需要の獲得に向けて、食品製造事業者への働きかけを強化するなど、主食用米と非主食用米を合わせた新潟米全体での消費拡大を積極的に推進してまいります。 次に、環境・エネルギー政策についてお答えします。 まず、再生可能エネルギーや蓄電池等の導入支援についてでありますが、議員御指摘のとおり、県としても再生可能エネルギーの導入可能性を最大限追求すべきと考えており、新たに、農業水利施設等における小水力発電設備の導入可能性調査や、事業所や工場などの屋根に太陽光発電設備を設置する事業者を支援するモデル事業を実施いたします。 また、蓄電池の普及拡大に向けては、再生可能エネルギーの自家消費を促進するため、発電設備と併せて蓄電池設備を導入する事業者を引き続き支援してまいります。 次に、食品ロス削減の取組についてでありますが、食品ロスは消費者及び事業者の双方から発生しており、議員御指摘のとおり、その削減には様々な主体が改めて食品ロス削減の必要性を理解し、協力して取り組むことが重要であると考えています。 このため、県といたしましては、新たに策定する食品ロス削減推進計画に基づき、消費者や食品関連事業者など幅広い分野の団体の方々が参画する、新潟県食品ロス削減推進協議会において、多様な主体と連携しながら、県民運動として総合的に推進してまいりたいと思います。 次に、ゼロ・エネルギー・ハウスに関する取組方針についてでありますが、県では、プロジェクトチームでの議論を経まして、家庭部門等のCO2排出の削減を対策の一つとしております。本県の暖房由来の排出量は他県と比較して非常に多くて、雪国という本県の気候を考慮した断熱性の高い住宅として、ZEH基準を超える雪国型ZEHを普及していくこととしております。 新年度には、雪国型ZEHを住宅の供給側から普及するため、県内中小工務店向けの講習会の開催や啓発ツールを作成するとともに、住民に雪国型ZEHを普及するなど先駆的な取組を行う市町村をパッケージで支援してまいりたいと考えております。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) 2点についてお答えいたします。 ごみ排出量の削減についてでありますが、ごみの減量を進めていくことは、限りある天然資源の消費抑制や、処理コストの削減だけでなく、議員御指摘のとおり、焼却等に伴い発生する温室効果ガスの発生抑制にも資することから、重要であると考えております。 このため、県では、環境への負荷ができる限り低減される循環型社会の形成を目指し、3Rの推進を施策の重要な柱に位置づけ、食品ロスやプラスチックごみの削減の啓発等に取り組んでいるところです。 引き続き、環境に優しいライフスタイルへの転換を促進するなど、県民の意識醸成を進め、市町村とも連携しながら、ごみの減量に取り組んでまいります。 次に、プラスチック使用製品廃棄物の分別収集等についてでありますが、プラスチック使用製品廃棄物の分別収集等の取組は、プラスチック資源の収集量拡大につながる一方で、財政負担の増加に対する支援措置の詳細が未定であることや、過度な事務負担が生じるおそれがあることなどから、市町村における検討が進んでいないものと認識しております。 県では、これまで、市町村に対して法令の趣旨等の情報を周知してきたほか、全国知事会等を通じ、国に対して必要な財源措置等を要請してきたところです。 今後も、国の動向を注視し、必要に応じ国に対して改善等を求めてまいります。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 3点お答え申し上げます。 5歳から11歳の方への間違い接種防止等についてでありますが、小児用のワクチンは、12歳以上用のワクチンとは接種量等が異なることから、ワクチンごとに接種日時や接種を行う場所を明確に分けるなどの措置を講じた上で、接種、管理、運用等について十分に注意し、間違い接種がないようにすることが求められています。 県では、定期的に市町村とウェブ上での情報交換を行っており、接種体制の整備に当たっては、小児科医などの専門家にも参加していただき、留意事項や課題などを共有してきたところです。 県といたしましては、御本人や保護者の意思に基づき安心して接種を受けていただけるよう、市町村と連携し、各地域の医療事情も踏まえた上で、適切な接種体制の確保に努めてまいります。 次に、子ども食堂やフードバンク等への支援についてでありますが、新型コロナウイルス感染症が長期化し、その影響が様々な方に及んでいる中、新たな支援の担い手である子ども食堂やフードバンク等の民間団体と行政が、これまで以上に連携を深め、支援の取組を進めていくことは重要であると認識しております。 このため、フードバンクについては、メディア等に、その活動や企業等が協力する方法などを取り上げていただけるよう、フードバンク団体・企業と連携したキャンペーンなどの情報を発信しております。また、県としても家庭や企業等から食品を提供いただく取組への協力を呼びかけるとともに、取扱量の増加に対応するための設備整備への支援などにも取り組んでおります。 また、子ども食堂についても、民間企業等と連携し、継続的に県民や企業からの支援を受けられる仕組みの構築などに取り組むとともに、県としても開設や食品配布の取組を支援しているところです。 さらに、生活が困窮している子育て世帯からの需要が増加している学用品等のリユースを行う民間団体の取組についても、支援を始めたところです。 令和4年度は、これらの取組に加え、新たに子どもの居場所支援コーディネーターを配置し、開設や継続的な運営などに係る相談支援や優良事例の紹介、地域のネットワークの構築など、さらなる支援の強化を図ってまいります。 次に、フードバンク等の支援の手が必要な方に届く対策についてでありますが、議員御指摘のとおり、必要とする方々に適切な支援を届けるための取組は重要であると考えております。 フードバンクなどの支援団体について、地域によっては設立後間もないため、その活動を住民が知らないこと、または、知っていても支援を受けることへの遠慮やプライバシーなどの不安があることが指摘されており、フードバンク団体からは、行政がその活動を理解して連携することは、住民等からの信頼が高まるため有用であるといった意見も伺っております。 このため県では、フードバンク活動の内容や利用方法などを、ホームページやSNSを活用しながらお知らせするとともに、市町村と協力し、独り親家庭の方々へ書類を送付する際にフードバンクの利用案内を同封するなどして、情報をお届けしています。 また、県・フードバンク団体・コンビニエンスストアが連携して、食品のプレゼントキャンペーン形式で支援を行うことにより、お困りの方からも気軽に応募していただき、これをきっかけに、フードバンクとのつながりをつくるといった取組も行っております。 こうした様々な手段を組み合わせながら、団体等と協力し、必要な支援を届けることができるよう努めてまいります。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 7点についてお答えいたします。 特別支援学校卒業生の、補助員としての雇用の現状と成果についてでありますが、令和3年度、県立特別支援学校に業務補助員として20人の特別支援学校卒業生を雇用しております。 これにより、卒業生は就労を実現するとともに、働きながら職業訓練を受けることで、企業就労に必要な技能の向上が図られております。また、在校生は、事務補助や環境美化等、卒業生の働いている姿を見ることや、卒業生の経験に基づいたアドバイスにより、就労への刺激を受けており、一定の成果が上がっているものと認識しております。 次に、環境教育の充実についてでありますが、現在、小学6年生と中学3年生の理科で、地球温暖化問題を扱い、人間と自然環境との関わりについて学習を行うほか、8割以上の小中学校で、省エネやリサイクルなどの環境保全活動に積極的に取り組んでいるところです。 高等学校では、地理歴史、公民、理科などで環境について学習するとともに、農業や工業などの専門科目の中では、各産業界に関連する環境問題の調査や研究に取り組んでいます。また、総合的な探究の時間などにおいて、SDGsをテーマとした探究学習に取り組む学校も増えてきております。 県教育委員会といたしましては、児童生徒が持続可能な社会づくりの担い手になれるよう、引き続き、環境教育の充実を図ってまいります。 次に、本県の部活動における外部人材の活用状況と教員の働き方改革に対する評価についてでありますが、今年度、中学校と高等学校を合わせ、単独での指導、引率が可能な部活動指導員を200人、顧問と協力して主に技術指導を行う外部指導者を79人配置いたしました。部活動指導員の配置により、顧問教員は、部活動の時間に授業準備等の他の業務を行うことが可能となるため、部活動指導員を重点的に配置しております。 昨年度、部活動指導員は1人当たり、月平均19.8時間指導に当たっておりますが、顧問教員も一緒に指導し、負担軽減につながらないケースも見られます。令和4年度の国補助事業では、原則として部活動指導員が単独で指導、引率を行うことを条件としていることから、部活動指導員が単独で指導することを徹底し、この制度による効果の拡大に努めてまいります。 次に、今後の部活動の在り方についてでありますが、今年度、県教育委員会では国事業を活用し、県内4市で、休日の部活動の地域移行に向けたモデル事業を実施してまいりました。その結果を踏まえ、有識者による新潟県部活動改革検討委員会で協議し、運動部活動の地域移行の方針を、生徒の多様なニーズに応じた活動機会の保障と、教員の働き方改革の推進の両立と定めたところです。 次に、休日の部活動の地域移行についての取組方針と、移行に向けたスケジュールについてでありますが、円滑に地域移行を進めるためには、活動を運営する団体の育成や指導者の確保が課題となっており、県教育委員会では、生徒のスポーツ活動への参加機会を確保するためにも、市町村教育委員会に対し、地域の実情に応じて、大学との連携や広域での取組を助言するなど、新しいスポーツ環境の構築に向けて支援してまいります。 また、移行時期については、地域により制度設計の進捗状況が異なっていることから、令和5年度以降、準備が整った地域、種目から、段階的に進んでいくものと認識しております。 次に、部活動の位置づけについてでありますが、地域移行後の休日の活動については、学校の教育活動から切り離されることとなります。一方、平日に行われる学校の部活動は、これまでと同様に教育活動として整理されるものと考えております。 次に、中学校体育連盟等への働きかけについてでありますが、これまでも、種目によっては、学校単位のチームと地域のクラブチームが混在する状況にあることに加え、休日の部活動の地域移行が令和5年度から段階的に開始されることに伴い、この状況がさらに進むことが予測されることから、大会参加ルールの見直しが必要になると認識しております。 このことについては、新潟県部活動改革検討委員会においても課題として指摘されているため、県中学校体育連盟に検討を依頼してきたところであります。 また、スポーツ庁においても、有識者による会議において、今後の大会の在り方等を検討するとしていることから、その動向を注視し、必要に応じて県中学校体育連盟と協議してまいります。
    ○議長(佐藤純君) 小泉勝君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午前11時55分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時 開議 ○副議長(小島隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、斎京四郎君の発言を許します。斎京四郎君。   〔斎京四郎君登壇〕(拍手) ◆斎京四郎君 自由民主党の斎京四郎です。通告に従い一般質問を行います。 まず最初に、デジタル田園都市国家構想について伺います。 田園都市という概念は、19世紀の末にイギリスの都市計画家、あるいは社会事業家のハワードが理論化し提唱したのが始まりとされています。 世界史的に見れば、イギリス経済が産業革命による爆発的な経済成長から停滞期に入り、アメリカ、ドイツなどの新興工業国にトップの座を譲り、大英帝国の栄光に陰りが見える中、ロンドンなどの都市部への人口集中、それに伴う様々な社会問題に悩んでいた時期に田園都市が提唱されたわけです。 そういう視点で見れば、高度経済成長期が終えんし、経済的な停滞が長く続き、国際的地位も低下している中、東京一極集中是正が課題となっている今日の日本で、田園都市という概念がデジタルという冠をかぶって国策の中心に登場したのは実に興味深いと考えています。 また、ハワードは都市と農村の結婚を田園都市のコンセプトにしており、そういう意味では新潟県こそ、都市と農村の結婚にふさわしい地域であり、デジタルという言葉を冠した、新たな国家戦略は本県のような環境の県にこそ、大きな成果が期待できると思います。 さて、岸田文雄首相は総額5.7兆円の巨費を投じ、地方における官民のデジタル投資を増加させ、デジタル田園都市国家構想の実現に向けて施策を展開する方針を示していますが、デジタル化が進む今日だからこそ、本県の地域性、伝統や強みを生かす強い意識が必要だと思います。 IoTやAIの導入を目的化することなく、手段として活用することが大切であり、行政もデジタル化で新しい価値を生み出そうとする地元企業や新たな創業を志す者を支援するような施策が大切になるということは言うまでもありません。 時代のキーワードである個別最適化は、地域の特性を生かした産業育成や地域インフラ整備、医療福祉政策にこそ必要で、そのためのデジタル化であるべきと考えます。 そこで、最初の質問です。 岸田内閣が推進するデジタル田園都市国家構想の実現に向け、今後、全国各県が一斉に取組を進めると考えられますが、本県がこの構想の実現に向けて取り組んでいく上で、他県との差別化を図るにはどのような分野に重点的に取り組むことが必要と考えるのか、知事の所見を伺います。 次に、こうした構想を支えるデジタル人材育成について質問します。 本県は長岡技術科学大学や新潟大学工学部など、地方県としては工学部系の学部が充実している一方、本県の私立大学はいわゆる文系大学が多いわけですが、デジタル化社会では理系、文系を問わずデジタル技術のリテラシーが求められていることから、文系学部においても例えばデータサイエンス教育の充実が実際に図られています。 デジタル田園都市国家構想では地方におけるデジタル人材の育成に力点が置かれていますが、定員割れなど課題を抱えている本県の私立大学は、こうした人材の育成を重視した取組を強化すべきと考えます。 本県が行っている高等教育の支援の一環として、国の人材育成支援策を活用し、県内私立大学がデジタル人材の育成に向けた取組強化を進めるよう支援すべきと考えますが、所見を伺います。 次に、来年度予算におけるデジタル化関連事業について、幾つか伺います。 まず、デジタル田園都市国家構想の課題としては、誰一人取り残さない社会の実現が挙げられていますが、防災や医療福祉などの分野においても、そうした精神に基づいて基盤整備やソフト事業が進んでいくことが重要と考えます。 まず、防災面では、来年度の新規事業として、確実な避難と高度な支援のための研究開発事業が上程されていますが、本事業と既存の新潟県防災ナビをどのように連携させて取組を進めていく予定であるのか伺います。 次に、医療分野について、新年度予算で計画されているAI救急システム運営事業や、へき地等におけるオンライン診療モデル検討事業といったICTを利用した遠隔相談・診療の仕組みづくりは、地域医療の課題を解決する上で大変重要であり、高く評価される取組と考えますが、今回の新規事業への意気込み及び今後の展望についてお伺いします。 さて、デジタル田園都市国家構想では新産業を育成し、地方でも働ける社会を目指すとしていますが、そのためには地元の人間、移住する人間にとっても、当該地域との関わりを創出する機能が一層重要になります。 言わばコンシェルジュ機能と言うべき役割が必要になることが予想されますが、デジタル田園都市国家構想の実現に向けた取組が進むことにより、地方での起業・創業などが一層加速することが想定され、地域におけるコンシェルジュ機能を担う民間の仕組みがより重要になってくると考えられますが、所見を伺います。 また、スタートアップの次の段階として、起業後の立ち上げ期間を支援する、いわゆるアクセラレーターの存在が、ベンチャーの多いIT企業には重要になると思われます。 本県が始めた、にいがた・スタートアップ・アクセラレータープログラムは、まさに時期を捉えたすばらしい取組だと高く評価できますが、上越妙高地域のローカル5G拠点であるJM-DAWNにおいても、既にITベンチャーやIT部門を持つ企業集積の兆候がはっきりと見えていることから、今後は上越妙高地域を拠点とする企業に対しても同様のプログラムが実施できるよう、事業をさらに拡充すべきと考えますが、所見を伺います。 次に、ローカル5G関連施策について何点か伺います。 スマート工場や屋外での遠隔操作などを安定して行うには、携帯電話などに使われるキャリア5Gの電波ではなく、特定エリアで利用されるローカル5Gが適しているとされ、産業用の5Gとも言われるローカル5Gの普及は、本県における様々な産業の育成、発展に不可欠な条件と言えるでしょう。 デジタル田園都市国家構想では、地方の課題を解決するためのデジタル実装としてローカル5G実装等がうたわれ、157億円もの巨費を投じて開発実証実験の支援等を行うとのことですが、ローカル5Gネットワークの構築に向けて先駆けて取り組んでいる本県は、こうした事業を実施するに当たり最適な環境を有していると考えられます。 本県が持つ優位な環境を一層強化するために、新年度、ネットワークインフラの強化に向けてどのような取組を推進するのか伺います。 次に、今後、各地でローカル5Gネットワークの構築が予想される中、本県の優位性を高めるには、本県の特徴を生かした実証実験の実施や参画企業の集積を図る必要があります。 本県の特色を生かし、ローカル5Gの取組を進めていくためには、どのような分野に重点化することが重要と考えているのか伺います。 次に、これからの企業誘致は大きな工場等の誘致だけでなく、ITエンジニアなどの集積を誘導し、企業間のコラボレーションから新しいビジネスモデルや起業促進を図るような方向性が重要と考えます。 そのため、通信インフラの整備だけではなく、サテライトオフィスの誘致・整備など、県内のローカル5G拠点に法人、個人を問わず事業者が集積するような環境づくりが重要であり、このような環境整備に意欲的な事業者を県としても支援していく必要があると考えますが、所見を伺います。 この項最後の質問です。 ローカル5Gネットワークを生かした事業推進には、県庁内の大多数の部局が関係するものと考えられます。本県が先駆けたこのネットワークを生かすためには、部局横断的なローカル5Gネットワーク活用推進プロジェクトチームを設置し、県内の産学官の連携を牽引する必要があると考えますが、こうした新しい体制づくりの可能性について所見を伺います。 続いて、教育問題について何点かお伺いします。 来年度から高等学校等でも本格実施される新学習指導要領の総合的な探究の時間は、仕組みさえしっかりしていれば、生徒の自律性が高まり、自主的な学習姿勢や進路選択における主体性が高まる可能性があり、先行的な取組をしている学校などではそうした効果が得られ、結果的に教師の負担の軽減につながったとの報告も上がっています。 総合的な探究の時間では、教師には答えを教えることではなく、生徒の関心が対象に近づくことを導くファシリテーターやカリキュラムをマネジメントするコーディネーターのような役割が求められ、ICT教育や地域連携が進む中で、答えを教える教育が意味をなさなくなるこれからの時代に必要となる教師の能力が高められる可能性を秘めています。 つまり、これからの時代を担う教師は、これまでとは違った資質、能力が求められているわけで、そうした教育環境を整えることは、今まで関心を向けなかった層にも教師を志す動機を与えることができるかもしれません。 実際に、こうしたファシリテーターやコーディネーターとして、外部人材を学校に入れる仕組みをつくった地方自治体やNPOなどには、優秀な人材が都会からやってくるなどの事例も散見されています。 さて、新学習指導要領はカリキュラムマネジメントを重視しており、それは結果的に教師像の転換を求めているわけで、そうした観点から外部人材の登用、校務の精選、あるいはICTの導入を考えることこそ重要です。つまり、そうした問題は個別の事象ではなく、カリキュラムマネジメント的見地から考えられるべきです。 こうした視点から、高等学校における新学習指導要領の実施に当たって前提となる条件整備について、幾つか質問します。 まず、総合的な探究の時間の運営については、地域の様々な分野との連携が必要ですが、学校の職員だけではコーディネートすることは困難であり、他県では外部人材を活用するなどの例も見られるところです。 以前にも指摘した点ではありますが、本県も地域おこし協力隊など、積極的に外部人材の活用を検討すべきと思いますが、所見を伺います。 次に、教員志望の減少に伴い、代替教員等の確保もままならず、現場の教職員の業務負担はさらに重くなっているものと考えられます。今後、一層の働き方改革の推進が必要となりますが、校務の削減やICT化による業務改善など、教職員の負担軽減に向けた現在の取組の進捗状況とその成果について伺います。 次に、埼玉県鴻巣市では教育ICT基盤をフルクラウド化し、注目すべき業務改善を行ったとニュースになりました。 本県の県立学校でも1人1台のタブレット端末の配置により、日常の教育活動のあらゆる面で活用されることが期待されています。 一方で教員側は業務に応じて複数のアカウントを持つことになり、煩わしさの増加が懸念されますが、全てのシステムをクラウド上で連携させる環境があれば業務の効率化のみならず、働き方改革の観点からも有効であると考えます。 システムのフルクラウド化の実現に向け、早急に検討すべきと考えますが、所見を伺います。 さて次に、昨年9月定例会での一般質問では医学部医学科地域枠の活用について、小中学校の学習時間確保の観点から質問しましたが、今回はこの制度の一層の活用のための方法論について考えてみたいと思います。 地域枠については、県内、県外を問わず制度を利用する学生を募っていますが、一般論として、将来的には本県出身者のほうが、地元定着率が高いことが予想されるわけで、願わくば、本県の制度を本県出身の生徒が活用することが望まれます。 また、私立大学医学部医学科への進学は、高額な費用が必要であるとの意識が依然強いわけですが、本県の優れた制度を活用すれば、医学部医学科以外の私立大学への進学とさほど費用的に差はないと言えます。しかし、そうした情報量の少ない中では、私立の医学部医学科は費用の面で無理であるとの理由で、最初から検討する余地さえないような状況があるやに思えます。 私立大学医学部医学科の地域枠制度を積極的に活用していただくためには、学校側への周知も重要であると考えます。現在、どのように高等学校への周知をしているのか伺うとともに、学校現場ではその認知度を含めて、どのように受け止められているのか伺います。 次に、私立の医学部医学科の入試は、国公立大学に比して科目数が少なく、基礎学力の高さは必要なものの、オールラウンドの学力を求める国公立大学医学部に比して、理数系に得意な科目があったりすれば、大学の問題傾向に応じた対策等により、国公立大学よりも幾分くみしやすい面もあるかと思います。 こうした能力の高い生徒は、メディカルコースを有しているような学校でなくても、いわゆる地域の進学校と言われるような学校には少数ながら存在しており、そうした生徒を掘り起こすことも志願者を増やす方法の一つだと考えられます。 しかし、そうした学校の生徒は、周囲に医学部医学科を志す同志がいないので、刺激や情報が少なく、また自分の適性や可能性について気づくことなく、志が多少なりともあっても、医学部医学科は難しいし、まして私立は学費も高額だから私には無理だと早期に断念してしまうケースもあるかと思います。 それは指導する側の教員にも言えることで、地方県は国公立への進学志向が強いこともあって、自校にいる優秀で適性のありそうな生徒を前にしても、この制度を活用した私立の医学部医学科への進学を勧めるべきことに気づかないケースもあるのではと思います。 つまり、医学部進学者の増加については全県的な課題ですが、医学部医学科、特に私立大学医学部進学対策については、教員側の理解も十分ではないと思われます。 本県では以前、チャレンジセミナーという難関大学進学志望者のための全県的なセミナーが開催されており、私立高校の生徒を含めて全県から意欲ある生徒を集め切磋琢磨すると同時に、教材開発やノウハウ共有を目的に若い教師の道場のような勉強会としての性質も併せ持っていましたが、どういうわけだかいつの間にか、開催されなくなってしまいました。 そこで、県として私立大学医学部医学科進学希望者に向けたセミナーを実施して、地域枠制度の周知を行うとともに、受験生向けの私立大学医学部入試傾向等について情報提供することにより、教員・高校生双方の理解を深める機会を設けるべきと考えますが、所見を伺います。 この項の最後に、最近、高等学校等への進学に関して気になる傾向が感じられる点について質問します。それは、私立の広域通信制高校への進学者の急増という現象です。 私立の広域通信制高校が全国的に増加傾向にあり、本県でも入学者が急増していると聞いています。本県における私立広域通信制高校の進出状況や県内の入学者の動向について伺うとともに、私立広域通信制高校に対する教育長の認識について伺います。 次に、特に新潟市の私立高校の募集定員数は、公立学校の募集定員に既に大きな影響を与えていますが、この状況で私立の広域通信制高校への進学者が増加すれば、公立学校等への入学者定員数にも多大な影響を与えることが予想され、それはもはや無視できない状況なのではないでしょうか。 つまり、私立の広域通信制高校への進学者数の増加により、本県の高等学校等の中長期再編整備計画等への影響を与える可能性もあるものと考えますが、県教育委員会としてどのように対応していくのか伺います。 また、本県における私立の広域通信制高校への進学者数の増加を踏まえ、今後、県立高校の将来構想の見直しを検討することも必要と考えますが、所見を伺います。 最後に、上越地域の諸課題について、産業や観光事業振興の視点から何点か伺います。 株式会社INPEXは去る2月9日に、直江津港LNG基地において水素・アンモニアプロジェクトを推進する旨のビジョンを長期戦略と中期経営計画の中で発表しました。 上越地域には、重要なLNG受入れ基地がある直江津港が存在するなど、エネルギー拠点として発展する要素があると考えます。また、エネルギー産業や化学産業が集積しており、今後、水素事業の展開など、新たなカーボンニュートラル推進に向けて極めて大きな可能性を有しているものと考えられることから、上越地域の新エネルギー活用拠点化に向けた取組を推進すべきと考えますが、所見を伺います。 次に、直江津港至近のJR東日本の黒井駅は貨物ターミナルであり、隣接する化学工場の業績も極めて好調で、コロナ禍にもかかわらず年間約16万トン前後で貨物取扱量が安定して推移しています。 また、現在建設中の黒井藤野新田線が完成すれば高速道路とのアクセスも一段とよくなり、物流の拠点として高いポテンシャルがあると考えます。 港湾、鉄道、高速道路が集中するこのエリアを物流の拠点として、物流を担う企業の集積を図るべく、企業誘致を進めていくべきと考えますが、所見を伺います。 次に、かねてから主張しているえちごトキめき鉄道と北越急行の統合について、物流の観点から再度、見解を問いたいと思います。 現在、直江津-黒井-犀潟間の線路はJR東日本が保有していますが、結果的に上越エリアでは、えちごトキめき鉄道、北越急行、JR東日本の3社の路線があります。現状では、相互乗り入れには利便性や料金体系などに課題があります。 加えて、このエリアは人口減少も激しく、今後、通学・通勤などの利用者が増加する見込みはないわけで、廃止や縮小などの議論も先立ちがちですが、それでは夢も希望もありません。できない理由を探すより可能性のありそうなことを検討する姿勢で臨んでいくべきです。 そのような観点から幾つか提案をしたいと思います。 まず、物流的なニーズを視野に入れた運用も検討してはどうでしょうか。 例えば、新幹線による生鮮食料品の運搬は話題になりましたし、コロナ禍で乗客が減少したことから、首都圏では旅客列車の貨物利用、あるいは地方鉄道でも宅配業者の列車利用なども始まったとのことです。 ほくほく線は通常の貨物列車の走行は難しいとのことですが、今後強まるモーダルシフトの流れが加速すれば、車両の工夫や新しい技術により、首都圏との鉄路で結ぶ貨物路線としての可能性も模索すべきだと思います。 仮に、えちごトキめき鉄道と北越急行の経営統合が実現すれば、経費の節減による経営合理化が図られるだけでなく、統合のタイミングでJR東日本が所有する直江津-犀潟間を所有することができれば、黒井駅を利用するJR貨物から線路の使用料を得ることができるなどといったメリットも考えられます。 こうした点からも以前から主張しているように、両社の経営統合を視野に入れた検討を進めるべきと考えますが、所見を伺います。 続いて、地方三セク鉄道の観光利用について伺います。 上越地域をはじめ、過疎地域のいわゆる住民の足としての鉄道の機能は、もはや消滅しかかっていると言えるでしょう。一方で、昨年の県民所得アップ対策特別委員会の審議の委員長報告では、広域観光の視点を重視すべきとの意見が出されました。 えちごトキめき鉄道、北越急行、JR西日本が連携すれば、富山の立山、長野の白馬、上越の妙高、南魚沼の越後湯沢、群馬など、スノーリゾート新潟を核にした隣接県との鉄道ネットワークを構築することが可能で、将来的な広域観光にも効果が期待でき、例えば、極端に客単価を上げた高級リゾート列車などを走らせるなどして活路を見いだすというのも一案だと思います。 そこで、先日、JR西日本が大糸線の廃止を検討とのニュースがありましたが、この区間をえちごトキめき鉄道が譲り受け、妙高、白馬の2大スノーリゾートを結ぶ観光ルートを構築すれば、アフターコロナに想定されるインバウンド需要や広域観光にも効果的であると考えますが、所見を伺います。 次に、みちのりホールディングスによる佐渡汽船株式会社の子会社化が発表されましたが、前回の一般質問で述べたとおり、全国的に見て人口1万人以上の離島の航路では、第三セクター方式による航路の運営は極めて珍しく、仮に三セク方式でも自治体の資本比率は数%程度が通常で、本県の1社独占かつ、自治体保有の株式比率が高い状況は、極めて特殊なケースだったと言えるでしょう。 今回の民間資本の参入や県の株式保有比率の低下は、全国的な視点で見れば、むしろ好ましいことと言えます。また、そうした方向で話が進んでいることは歓迎すべきことであり、行政も会社ではなく航路を支援するというスタイルでいくべきであり、マスコミ報道にもあったとおり、今回の子会社化にもおおむね好意的な見方がされているようです。 一方、小木-直江津航路は「あかね」の導入に結果的に失敗、物流を遮断するジェットフォイルの導入と、地元の理解を得られないような愚策とも言える対応を繰り返してきました。 これも前回指摘したことですが、そもそも適切なサイズの船で適切な貨物取扱料金をもって運営すれば、国の離島航路補助金が前提とはなりますが、十分に採算が見込める航路であり、新規参入を検討している業者もビジネス的に成り立つとの見解を持っているからこそ、この航路に着目し、実際、昨年の秋にはおけさ柿を輸送するトライアルを行い、大きく報道されたところです。 したがって、佐渡汽船への第三者出資については、経営再建に向けて好ましい方向性と考えますが、小木-直江津航路の存続に向けては不安要素も指摘されています。 特にジェットフォイルによる運航は物流が途絶えたままとなることから、地元からは一刻も早いカーフェリー就航を望む声が上がっています。 県もカーフェリー就航に向けて検討を始めるべきと考えますが、今後の方針について伺います。 最後の質問です。 国土保全、環境保護の観点から林業振興は大変重要な観点ですが、森林・林業基本戦略として新規に展開する、つなぐプロジェクトは県産材利用促進を図る大変有意義な取組と大いに期待しています。 一方、上越地域は、特に製材工場などの川中の脆弱性が大きな課題と捉えていますが、全県で展開するこのプロジェクトにおいて、上越地域の課題をどのように認識して取り組むのか、今後の方針について伺います。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 斎京議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、デジタル田園都市国家構想の実現に向けた本県の取組についてでありますが、国においては、地方が抱える課題をデジタルの実装を進めることで解決し、個性を生かした地方活性化を実現するため、デジタル田園都市国家構想の実現を目指しているものと承知しております。 こうした中、県といたしましては、先般、デジタル改革の実行方針を改定し、例えば、遠隔地・僻地におけるICTを活用したオンライン診療や遠隔授業等による質の高い教育機会の確保など、地理的環境に左右されない質の高いサービスを受けられる環境づくりなどを進めていくこととしております。 引き続き、国におけるデジタル田園都市国家構想の議論も注視しながら、人口減少や条件不利地域といった地域的課題等を克服し、住み慣れた地域で自立した豊かな生活が続けられるよう、デジタル改革を進めてまいりたいと思います。 次に、地域における起業・創業のコンシェルジュ機能についてでありますが、デジタル化の進展や地方分散の流れの中で、本県の起業・創業を推進していくため、地域の支援者や先輩起業家との人的ネットワークや、コワーキングスペース等の交流の場、支援施策の情報などを起業したい方に提供する、いわゆるコンシェルジュとしての機能が重要であると認識しています。 そのため、県では、これらの機能を備えた民間スタートアップ拠点を県内8地域に設置し、官民連携による支援を進めてまいりました。 今後も引き続き、民間スタートアップ拠点を核とした官民連携の支援体制を充実することにより、起業・創業を積極的に推進してまいりたいと思います。 次に、ローカル5Gネットワーク活用推進のための体制についてでありますが、県では、暮らし、産業及び行政の諸課題について、デジタル技術を活用して解決するため、昨年、デジタル改革実行本部を立ち上げ、その下に、技術的支援を行いつつ機動的に企画立案し、強力に庁内調整と取組の推進を行うタスクフォースを設置して、部局横断的に取り組んでおります。 こうした体制の下で、ローカル5Gの活用推進や、各携帯キャリアの整備する5Gの展開についても、産業や暮らしのデジタル・トランスフォーメーションの観点から、取組を推進してまいりたいと思います。 次に、上越地域の課題についてお答えをします。 まず、上越地域における新エネルギー活用拠点化に向けた取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、上越地区にはエネルギー産業や化学産業が集積するとともに、火力発電所や水力発電所、LNG基地などエネルギー関連施設が立地しており、新エネルギー活用の重要な拠点となり得る可能性を有しているものと考えています。 県といたしましては、国・民間企業・関連自治体等で構成します協議会において、上越地区での企業間連携を促進するとともに、カーボンニュートラルにつながるサプライチェーンの構築など、実証事業の実現に向けた支援を行ってまいります。 次に、直江津港周辺への物流企業の集積についてでありますが、議員御指摘のとおり、この地域は、港湾や鉄道、高速道路等のインフラが集中し、交通の利便性が高いことから、物流の拠点として高いポテンシャルを有しており、上越市においても、近接する主要な交通ネットワーク等を生かした土地利用の維持・向上に取り組むことが必要な地域と位置づけております。 県といたしましては、上越市と連携しながら、引き続き、首都圏等との同時被災のリスクの低さや、交通の結節点としての地理的優位性などをアピールし、物流施設をはじめとした企業誘致に取り組んでまいります。 次に、えちごトキめき鉄道と北越急行の経営統合を視野に入れた検討についてでありますが、こうした検討により、経営合理化等につながる面もあると考えられますので、その導入効果や課題等について、両社や沿線自治体から意見を伺ってまいりたいと考えております。 なお、議員御提案の直江津-犀潟間は、並行在来線区間ではないので、現状では、得られる線路使用料も並行在来線区間と比べて少なく、線路維持のための経費負担のほうが大きくなることから、JR東日本からの移譲については、慎重な検討が必要と考えております。 次に、えちごトキめき鉄道による大糸線の活用についてでありますが、大糸線の在り方については、沿線自治体が県やJR西日本を交え、持続可能な路線の実現を目指し幅広い議論を行うこととしていることから、議員御提案の観光ルートも検討の俎上にのせてまいりたいと考えております。 一方で、大糸線を譲り受けることについては、えちごトキめき鉄道の経営体力や、沿線自治体の意向も踏まえながら、慎重に検討する必要があると考えております。 なお、大糸線の廃止を検討との報道について、県といたしましては、そのようなことを議論する場ではないものと認識しております。 次に、小木-直江津航路の就航船舶についてでありますが、小木-直江津航路の在り方については、今回の第三者出資以前からの経営課題と認識しており、「あかね」からジェットフォイルに変更した昨年の実績を見ても、厳しい経営状況が続いているものと認識しております。 議員御指摘のカーフェリー就航を望む声について理解をしておりますが、今後、佐渡汽船の新たな経営陣と共に、佐渡市や上越市も交え、議論してまいりたいと考えております。   〔知事政策局長小岩徹郎君登壇〕 ◎知事政策局長(小岩徹郎君) 2点お答え申し上げます。 ネットワークインフラの強化に向けた取組についてでありますが、ネットワークインフラの整備は、デジタル化社会に向けて地理的条件に左右されることなくサービスを享受できる環境の実現という観点から、本県において重要な課題であると考えております。 そのうち、光ファイバー等の超高速ブロードバンドについては、昨年来、国の補助事業により粟島における海底光ファイバーの整備が進んでおり、来年度以降のサービス提供に向けて陸上設備の整備等が進められているところです。 粟島でのサービス提供が実施されれば、本県では、ほぼ100%に近い世帯で整備済みになると認識しております。 また、5Gについては、国において基地局の整備を促進し、2023年度までに人口カバー率を9割に引き上げる予定としております。 県といたしましても、5Gが地域間の隔たりなく利活用できるよう、引き続き国に要望するとともに、ワンストップ窓口により、事業者向けの情報提供を積極的に行ってまいります。 次に、本県の特色を生かしたローカル5Gの取組についてでありますが、ローカル5Gは、超高速・低遅延・多数同時接続という5Gの特徴に加え、限られたエリアでネットワークを構築できるなどの利点があり、地域の企業や自治体等が柔軟に構築できることから、国においては、農業や製造業、建設業など様々な分野での活用を想定しております。 一方、国は、これまでの開発実証を通じ、通信品質の安定性の課題や、費用対効果やビジネスモデルなどの面で普及展開に向けた課題が明らかとなったため、一層の工夫が求められるとしております。 こうした中、本県においては、全国に先駆けて、国の開発実証への参加や、県のアフターコロナを見据えたイノベーション創出支援事業等を通じて、ローカル5Gの拠点整備を支援してきており、新たな働き方に対応したオフィス環境や、除雪や農業など多様な分野での活用が期待できる実証環境が生まれております。 県といたしましては、こうした取組を広く周知するなど、企業等の取組を後押しし、ローカル5Gを含めたデジタル技術による企業の変革を後押ししてまいりたいと考えております。   〔総務管理部長森永正幸君登壇〕 ◎総務管理部長(森永正幸君) お答えいたします。 県内私立大学におけるデジタル人材の育成についてでありますが、若者から選ばれる魅力ある大学づくりに向け、議員御指摘のとおり、県内私立大学において、地域や産業界に求められるデジタル人材の育成について取組を強化していくことは重要であると考えております。 そうした中、国では、新年度予算等において、大学におけるデジタル人材の育成に向けて、デジタル設備等の教育環境の整備やカリキュラム開発などを支援することとしております。 県といたしましては、県内大学の国事業採択に向けた調査・研究等を支援するとともに、新たにデジタル化をテーマとした産学官連携のモデル事業を実施することとしており、その中で大学におけるデジタル人材の育成に向けた取組を支援してまいります。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) お答えいたします。 確実な避難と高度な支援のための研究開発事業と新潟県防災ナビとの関係についてでありますが、新潟県防災ナビは、ハザード情報が手軽に閲覧できるほか、避難情報等をプッシュ通知で入手できる機能により、避難行動を広く支援するスマートフォンアプリです。 一方、今回の研究開発事業では、県民の皆様に対し、個人の実情に合った情報を提供するシステムの開発を目指し、平時には、住まいや家族構成などから最適な避難行動を提案する機能、災害時には、個人の被災状況に合わせて情報を提供し、迅速かつ漏れのない支援につなげるための機能などの開発を考えております。 新システムの開発に当たっては、新潟県防災ナビとの連携も含め、これまで以上に効果的な情報提供の在り方について研究してまいります。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) お答え申し上げます。 ICTを利用した遠隔相談・診療の仕組みづくりについてでありますが、時間や距離の制約を乗り越えられるICTの活用は、医師不足が深刻であり、僻地や離島を抱える本県にとって、地域の医療課題を解決する有効な手段になるものと期待しております。 そのため、新年度において、24時間対応可能なAIを活用した救急医療に関する相談サービスの導入や、僻地等におけるオンライン診療のモデル事業実施に向けた検討に取り組むこととしており、市町村と連携して効果的に取組を進め、どこにいても適切に医療が受けられる環境を構築してまいりたいと考えております。   〔産業労働部長佐野哲郎君登壇〕 ◎産業労働部長(佐野哲郎君) 2点についてお答えいたします。 まず、起業後の成長を支援する、にいがた・スタートアップ・アクセラレータープログラムの取組についてでありますが、官民共同で開発し、今年度新たに実施している本プログラムは、主に創業初期のベンチャー企業が必要とする資金調達が可能となるよう、国内最大規模のベンチャーファンドの運営者などが講師を務め、参加企業の事業計画をブラッシュアップするものであり、受講した県内外の12社には、短い期間にもかかわらず、今後の資金調達に向けて大きな成長が見られたと受け止めております。 上越妙高地域におきましても、新年度以降、開催ノウハウを蓄積した民間スタートアップ拠点が主体となって、市町村や企業、関係機関等と連携しながら実施していくことを見込んでおります。 次に、IT企業、ITエンジニアが集積するための環境づくりについてでありますが、IT企業同士やものづくり企業などが業種の垣根を越えて連携し、新たなビジネスや多くの起業家が生まれることは、本県経済の活性化に向けて、重要であると考えております。 県では、企業間の交流や協業を促すため、民間事業者が行うコワーキングスペースなどの拠点整備を支援しており、こうした取組により、本県へ進出したIT企業と市町村、大学等との連携が県内各地に広がりつつあります。 引き続き、IT企業の集積につながる拠点整備への支援などを通じて、事業者の連携促進に向けた環境づくりを進めてまいります。   〔農林水産部長小幡浩之君登壇〕 ◎農林水産部長(小幡浩之君) お答えします。 上越地域の県産材の利用促進を図るための課題と今後の取組方針についてでありますが、上越地域の林業関係者との意見交換や森林・林業基本戦略策定の検討を通じて、当地域では、川上での計画的な素材生産が進んでいないことや、川中の加工・乾燥能力が不足していることから、川下の県産材製品の需要に応えられていないことが課題であると認識しております。 このため、県といたしましては、川上から川下までの関係者が一体となって、県産材の供給と利用拡大に取り組む、つなぐプロジェクトを展開し、施業の集約化等により生産性を高め、素材生産の拡大を図ってまいります。 加えて、製材工場間の連携や必要な施設整備を促進し、加工・乾燥能力を強化するなど、県産材の需要に応じた安定的な供給体制を構築してまいりたいと考えております。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 7点についてお答えいたします。 総合的な探究の時間における外部人材の活用についてでありますが、探究学習のテーマとして地域に関する課題を設定する例が増えております。地域の情報を持つ外部人材の活用は、地元企業や行政との連携が可能となり、学習内容を深めることにつながるものと認識しております。 現在、幾つかの県立学校においては、NPO法人や地域おこし協力隊等が、学校と外部との連携をコーディネートしている事例があり、県教育委員会では、これらの取組を他校に普及するため、来年度から教員、生徒を対象に開催するフォーラムを実施し、活用例や効果等を周知し、各学校における探究学習の充実を図ってまいります。 次に、教職員の負担軽減に向けた取組の進捗状況と成果についてでありますが、各学校において、学校行事や部活動の見直しに加え、ICT活用による教材等の共有化など、業務の削減に取り組んだ結果、新型コロナウイルス感染拡大前の令和元年度との比較では、長時間勤務を行っている教職員の割合が全体として改善の傾向にあり、教職員の負担軽減に一定の成果があったと考えております。 また、県立学校においては、成績処理、出欠管理などの校務全般の処理を行う統合型校務支援システムを今年4月から稼働させることとしており、引き続き、教職員の負担軽減に取り組んでまいります。 次に、学校におけるシステムのクラウド化による業務の効率化についてでありますが、教育委員会といたしましては、児童生徒の学びの充実だけではなく、教職員の業務の効率化やテレワークへの対応など、働き方改革の観点からもICTの活用を進めているところです。 クラウド化については、教材の共有やオンライン授業など、一部のシステムにおいて利用を始めており、今後とも利用拡大に努めてまいります。一方、フルクラウド化については、利便性の検証に加え、セキュリティーや費用の面から、検討を行う必要があると考えております。 次に、私立大学医学部医学科地域枠制度の周知についてでありますが、議員御指摘のとおり、大きく拡充された私立大学地域枠制度の活用拡大には、まずは学校現場での理解が深まることが不可欠であると認識しております。 このため、県教育委員会では、進路指導を担当する教員が、手厚い経済的支援を受けることができる私立大学地域枠制度を十分に理解し、保護者や生徒に丁寧に説明するよう、県立高校の校長に働きかけております。また、高校によっては、教員、生徒、保護者が、福祉保健部から直接制度の説明を受ける機会を設けたところです。 これらの取組により、学校における制度の認知が進み、医学部進学の選択肢が広がったと受け止められておりますが、活用の拡大につなげるためには、中学校段階からの周知も効果が期待できることから、進学希望生徒への個別学習指導に加え、引き続き福祉保健部と連携し制度の周知などに取り組んでまいります。 次に、私立大学医学部進学への理解を深める取組についてでありますが、私立大学医学部進学者の増加に向けては、地域枠制度を含めた入試情報の周知や私立大学入試に対応した進学指導の改善、合格に必要な学力の向上が重要と考えております。 県教育委員会では、医学部進学希望者を対象に医学科合格のための学力向上スタートダッシュ講座を開催しており、令和4年度は、地域枠制度の紹介や、予備校講師による講義を拡充し、私立大学入試にも対応してまいります。 また、医学部進学希望者が多い県立学校の教員が、入試傾向や効果的な指導方法について分析、研究を行い、その成果を生かして生徒向けのオンラインセミナーを実施することにより、私立大学も含めた医学部進学希望者の学力向上に努めてまいります。 次に、私立広域通信制高校の進出状況等についてでありますが、通信教育を行う区域に本県を含んでいる広域通信制高校は、令和3年12月末時点で63校となっており、そのうち面接指導等を実施するサテライト施設を県内に設置している高校は25校となっております。 また、県内の中学校卒業者のうち、私立広域通信制高校への入学者数は、平成29年春の97人から、令和3年春は249人に増加しております。 広域通信制高校については、オンライン授業を中心とした学習コースの設置や転入学の随時受入れなど、多様な生徒に柔軟に対応する役割を果たしているものと認識しており、今後も、広域通信制高校への入学者の状況について注視していきたいと考えております。 次に、広域通信制高校への進学者数の増加を踏まえた中長期再編整備計画等の対応についてでありますが、議員御指摘のとおり、広域通信制高校への進学者数の増加が、県立高校の募集学級数や再編整備等に与える影響は、年々大きくなっております。 県教育委員会といたしましては、こうした状況を踏まえ、生徒一人一人の個性やニーズに応じた柔軟な学びができる教育環境の整備を行うため、今後のICTのさらなる進展も想定しながら、定時制課程・通信制課程をはじめ県立高校の今後の在り方について、検討してまいります。 また、県立高校の将来構想についても、策定した平成27年度当時と比べ、高校教育を取り巻く環境や、生徒・保護者の教育的ニーズが大きく変化していることから、本構想の評価を行い、見直しに向けた検討を進めてまいります。 ○副議長(小島隆君) 斎京四郎君の質問は終わりました。 次に、中川隆一君の発言を許します。中川隆一君。   〔中川隆一君登壇〕(拍手) ◆中川隆一君 自由民主党の中川隆一でございます。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 新型コロナウイルス感染症もオミクロン株によるさらなる感染拡大で、第6波が日本全土を襲い、本県も1月21日から、まん延防止等重点措置の適用を受け、今月の6日まで期間が延長されました。 現在、感染の急拡大は防げていますが、新規感染者数、陽性率とも高止まりの状況が続いており、今後、高齢者施設等での感染拡大状況によっては、病床使用率が逼迫する可能性があります。 これ以上の感染拡大と社会経済活動の停滞を防ぐためにも、3回目のワクチン接種を加速させ、並行してウィズコロナ・ポストコロナに向けた取組を速やかに行うことが最重要であることは言うまでもありません。 新型コロナウイルス感染症の発生から今日まで、感染拡大防止のための規制や要請等によって、本県を含む国内の地域経済は、コロナ特需の一部の業種を除いて、疲弊の一途をたどっております。 私の地元の佐渡も、飲食店や宿泊業の疲弊はもちろん、農林水産業の低迷、大型ホテルの廃業、佐渡汽船の子会社化、病院閉院による病床の減少等、島民の不安は募る一方であります。 島民の顔から笑顔が消えたそんな中、明るい話題が2つございました。1つは佐渡島の金山の国内推薦の決定で、もう一つは5月に行われる知事選への佐渡出身である花角知事の出馬表明であります。どちらの話題も、佐渡の島民だけでなく、新潟県民の多くの人がほっと安心されたことと思います。 そこで、まず初めに佐渡金山の世界遺産登録についてお伺いします。 昨年12月28日に文化庁の文化審議会から、佐渡島の金山を推薦候補に選定する旨の答申がありましたが、その内容は、世界文化遺産の国内推薦候補の選定は推薦の決定ではなく、これを受け、今後、政府内で総合的な検討を行っていきますとの一文がついた異例のものでありました。 その後、政府が1月20日に推薦見送りで調整に入ったとの報道があり、県内は落胆ムード一色でありました。しかし、そんな中、花角知事をはじめ関係者の皆さんは、決して諦めることなく様々なチャンネルを駆使して要望活動を行ってきた結果、政府の登録申請見送り方針を一転して推薦に方針転換させることができました。 しかし、推薦はゴールではなく、ようやくスタートラインに立つことができた状態であります。これからの正味1年半が本当の意味で勝負であり、登録へ向けて取り組んでいかなければなりません。知事の受け止めをお伺いいたします。 2022年2月1日、政府の閣議において、佐渡島の金山をユネスコ世界遺産に推薦することが決定したことによって、政府は国際社会の理解を得るための戦略を練る、世界遺産登録等に向けたタスクフォースを設置し、登録実現に向けた準備を本格化させることになりました。 これから登録に向けてオール新潟、オールジャパンで取り組まなければなりません。 これを受け、本県においても橋本副知事をトップとする部局横断的なワーキングチームを立ち上げたとのことでありますが、どのような役割を担い、具体の活動を行っていくのか伺うとともに、新潟県としても佐渡市との連携を一層強化して取り組むために、佐渡市と協働のプロジェクトチーム、いわゆる県版タスクフォースを設置してはどうかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 佐渡島の金山の世界遺産登録実現による恩恵は、交流人口の拡大による地域経済への波及効果だけではなく、トキエアの佐渡-東京地区就航への後押しとなり、トキエアの佐渡-東京地区の就航が実現すれば、佐渡-東京地区間の時間的距離が短縮され、そのことにより東京圏からの医師の招聘や、さらなる企業誘致の可能性が見えてくるなど、県の抱える課題解決の糸口となり得ると考えます。 世界遺産登録の実現に向けた知事の決意を改めてお伺いします。 佐渡汽船の第三者出資についてお伺いいたします。 我が党の代表質問の答弁で、なぜこれまで議会や県民に対して説明がなかったのかの理由については、上場企業としてその内容が投資家の判断に影響を与えるとのことであり、一定の理解はしますが、今回の場合は、発表によると今後、既存の少数株主の株については、1株当たり30円で買い取るということで、おおむね200円の株価は約7分の1になってしまいます。 日本証券業協会の見解では、第三者割当て増資において、発行価格が時価を大きく下回って第三者に有利に設定されると、増資後の1株当たりの時価総額が目減りし、いわゆる株式の希薄化となり、既存株主の利益が損なわれることから、直近の株価に対し90%以上の価格設定を目安としています。 また、東京証券取引所では上場企業向けの株式の発行に関するルールで、希薄率が300%を超える場合は、株主を守ることが難しいため原則禁止となっております。それでも300%超の第三者割当て増資を行う場合は、株主及び投資者の利益を侵害するおそれが少ないと認められる場合を除き、株主の権利の不当な制限に抵触するとして、上場廃止ということになります。 希薄化が400%を超える今回の場合、当然のことながら上場廃止となります。もちろん株式取引はリスクを伴うものであり、自己責任でありますが、これまで利益目的ではなく、地元企業支援の意味合いで株を保持されていた既存の少数株主にとっては大変な損害であると考えます。 既存の少数株主に対し、どのような配慮がなされているのか伺います。 またあわせて、株式公開買い付け、いわゆるTOBを行う選択肢もあったと考えますが、佐渡汽船、みちのりホールディングスとの間でTOBの協議はなされたのか、お伺いいたします。 みちのりホールディングスが15億円出資することにより、現在、約32%の県の議決権比率が10%程度にまで低下し、佐渡汽船に対する県の関与が弱まることが危惧されております。 県は、みちのりホールディングスと協定を結ぶことで一定の関与をしていくとのことでありますが、協定内容はどのようになるのか、また、協定が締結される前に、県民に対し協定の方向性や内容について、説明があってもよいのではないかと考えますが、県の所見をお伺いいたします。 県は、みちのりホールディングスと協定を結んで佐渡汽船に関与するということです。今回の場合、第三者出資後のみちのりホールディングスの議決権比率は約66.7%となりますが、株式併合に伴う端数株式の買取り後の議決権比率は約84%となるため、定款変更や取締役の解任、会社の合併や解散など、特別決議と言われていることを、他の株主の意見に左右されず意思決定を行うことができます。 佐渡汽船は佐渡と本土を結ぶ唯一の交通機関で、まさに公共交通機関と言えるため、県の一定以上の関与が必要と考えますが、持ち株比率が低減し、法的根拠もない協定により、県として適切な関与ができると考えているのか、県の所見をお伺いいたします。 今回の佐渡汽船の筆頭株主が営利目的の民間企業に替わるということで、今後の経営方針によっては経営を再建した後、みちのりホールディングスが第三者に株式を譲渡することも考えられ、危惧しております。 仮にそのような事態になった場合、県はどのように対応されるのか、当然想定され、対応策を考えていると思いますが、県の所見をお伺いいたします。 これまで、みちのりホールディングスは多くの交通関連企業を傘下に収め、縦串と横串という経営手法とグループ企業の広域連携によって、それらの経営再建を行ってきたということであり、佐渡汽船の経営再建にも大変期待するところであります。みちのりホールディングスが関わってきた事業再生等の実績についてお伺いするとともに、今回、新たに海上交通に関わることになるわけですが、これまでの実績が生かせると考えているのか、県の所見をお伺いいたします。 みちのりホールディングスが経営の再建を目指す中で、不採算部門を切り捨てるのではないかとの心配の声があります。 特に小木-直江津航路の存続について、同ホールディングスの松本CEOは、できるだけ長く維持できるよう国、県、自治体と連携していきたいとしており、また佐渡汽船のプレスリリースによると、事業の継続については、当面の間、従来どおりの運航を予定しております。なお、各種割引及びダイヤにつきましては、今後見直しを行う場合がありますとなっております。ということは、状況によっては当然、小木-直江津航路の廃止もあり得ると想定できます。 小木-直江津航路の存続については、赤字補填もしくはそれに代わる補助金等の支援があるうちは継続するというような理解もできますが、この理解でよろしいでしょうか。 また、小木-直江津航路を維持していくことは可能とお考えですか、知事の所見をお伺いいたします。 佐渡汽船は、みちのりホールディングスが出資を表明する以前から、経営再建のために運賃割引等の見直しを順次行っており、昨日の新聞報道にもありましたが、4月1日から各種運賃割引の休廃止と復路の割引率の引下げが実施されます。 生活航路として利用している佐渡市民にとって、割引の見直しや運賃値上げによって負担が増えることは、コロナ禍による収入減もあり、大変厳しい状況と懸念をしております。 県として何らかの支援を行うべきと考えますが、県の所見をお伺いいたします。 今回の佐渡汽船の第三者出資については、佐渡汽船の経営状況からみても当然の判断と考えられ、慢性的な行政依存型の経営から脱却し、安定経営に向けての経営改革・経営再建には期待するところでありますが、佐渡市民の反応は一定の理解はするものの、期待よりも不安のほうが大きいように感じます。 その要因は、佐渡汽船が佐渡と本土を結ぶ唯一の交通手段であり、これまでその佐渡汽船の筆頭株主が県であったことが、市民に絶対的な安心感を与えてきたからだと考えます。 また、今後経営に携わる運営会社も、支援している金融機関も民間企業であり、基本的に営利を目的としているため、最後には佐渡市民が置き去りにされてしまうかもしれないという不安を払拭し切れていないところだと思います。 なので、行政機関である県には、引き続き市民目線・島民目線で佐渡航路の維持に取り組んでいただきたいと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。 トキエアの就航についてお伺いします。 トキエアが佐渡線を運航する機体について、既存のATR42-600の座席数を48席から40席に減らす方向で調整しているとの報道がありました。 昨年9月の一般質問でも伺いましたが、佐渡空港の滑走路の延伸には、約3キロメートル範囲内の障害物の撤去やパブリックインボルブメント、PIに時間を要するため、機体の軽量化で対応するとのことと理解しますが、航空法上の問題やその他の課題がないのか、お伺いします。 フジドリームエアラインズ、FDAが3月27日、日曜から新潟-神戸線を新たに就航させ、新潟-小牧線については、1日1往復から2往復に増便することになりました。 県民はじめ利用者にとって、新規路線の開設や既存路線の増便は、新潟空港の利便性が向上され、大変喜ばしいことですが、今後、関西方面や名古屋方面への就航を予定しているトキエアへの影響が懸念されますが、県の所見をお伺いいたします。 トキエアの就航は、新潟空港の活性化や路線ネットワークの拡充、拠点性の向上につながり、選ばれる新潟を目指す上でも非常に重要であり、新年度当初予算にも関連予算が5億4,000万円ほど計上されており、就航に向けての準備が着々と進んでいるところであります。 また、先月の25日には、トキエアが資本金を5億331万円減少させ、1億円に減資し、中小企業となることで、税制上の優遇措置が受けられるようになるとの報道があり、トキエア自身も経営努力を行っているようであります。 今後、円滑な就航に向けて、本県として可能な限りサポートすべきと考えますが、知事の所見をお伺いするとともに、本年中の就航に向けた、現在の状況と今後の県の支援についてお伺いいたします。 県政の諸課題についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症拡大の水際対策として、昨日まで外国人の新規入国は原則停止されており、そのため外国語指導助手、ALTをはじめ、担い手不足の様々な産業を支えている外国人人材の確保が困難な状況と聞いております。 本県への影響と対応策についてお伺いします。 北朝鮮が今年に入ってから既に8回もの中長距離弾道ミサイル等の発射を行い、日本海沿岸地域への木造船の漂着も発生し、県民に不安が広がってきた矢先のロシアによるウクライナへの侵攻。国連安全保障理事会常任理事国のロシアによる武力行使での侵略によって、連日、多くのウクライナ国民の生命、財産がいとも簡単に奪われていく惨状は、見るに堪えません。 このような国際秩序を無視した暴挙は決して許してはなりません。このままウクライナを武力で制圧し、ロシア主導による新政権が樹立され、それを国際社会が認めざるを得ないようなことが現実となれば、国際社会の秩序は崩壊することになります。 また、今回の一連の暴挙に対し理解を示し、注視している中国の台湾に対しての武力侵攻や日本の尖閣諸島への侵攻も現実的になってきます。 ロシア、中国、北朝鮮の隣国である日本に住む我々は、今回の暴挙を対岸の火事と捉えることなく備えることが重要であり、必要と考えます。 武力攻撃や大規模テロ等から県民の生命、身体、財産を保護するとともに、安心・安全を確保する義務、また県民の不安を払拭する意味においても、国民保護について県民の理解を深めることは重要であり、国民保護に関する啓発や訓練の実施と充実を図るべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 本県は佐渡島と粟島の2つの有人離島を有しており、佐渡島は特定有人国境離島に指定され、特定有人国境離島地域社会維持推進交付金によって、航路運賃の低廉化や物資の費用負担の軽減、雇用機会の拡充、滞在型観光の促進、安定的な漁業経営の確保等、地域社会の維持のための事業を行っております。 しかし、現在、粟島は特定有人国境離島に指定されておりません。 国籍不明の木造船の漂着、北朝鮮による度重なるミサイル発射、周辺海域での密漁船と思われる不審船の操業等を考慮すれば、有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法の目的及び法に基づき定められた基本的な方針にも合致します。 また、領海の基線を有し、領海の保全等の活動拠点として機能しており、国家安全保障の観点からの役割の重要性を見ても、粟島についても特定有人国境離島地域に指定し、粟島の地域社会の維持に必要な施策を実施できるようにすべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 昨年12月に都内で北朝鮮による拉致被害者家族会の総会が開催され、代表の飯塚繁雄さんが健康上の理由から代表を退任し、後任の第3代目代表に、横田めぐみさんの弟で、事務局長の横田拓也さんが就任されました。 同日、都内で開催された拉致問題に関する国際シンポジウムに出席した横田拓也さんは、代表が替わっても、拉致被害者の一括帰国を求めることに変わりはない。国際連携の手を緩めず声を発し続けると述べたとの報道がありました。 一方で、北朝鮮は中長距離弾道ミサイルの発射を繰り返すことで緊張を高めており、米国のバイデン政権は、ウクライナ情勢をめぐるロシアとの対応に追われ、北朝鮮問題に十分に対応する余裕がないように見受けられます。 このような事態にどのように対処し、拉致問題の解決に向けた取組を行っていくべきか、知事の所見をお伺いいたします。 朝鮮半島からと見られる木造船の漂着とは別に、朝鮮半島を含む国外からのポリ容器等の漂着物や、海岸利用に伴うごみ、流木などが毎年大量に確認されており、これらの海洋漂着物等に対して、地域住民や民間団体、沿岸市町村、海岸管理者などが、それぞれに清掃などの取組を行ってきましたが、なお処理し切れない量の海岸漂着物が流れ着いており、全国的にも課題となっております。 本県の海岸線の延長は本土330.8キロメートル、離島303.9キロメートルで、総延長634.7キロメートルと長く、その海岸は豊かな自然環境に恵まれ、美しい景観をなしています。県はこの環境と景観を保全し、海岸漂着物等の円滑な処理及び発生の抑制を図ることを目的として、新潟県海岸漂着物対策推進地域計画を策定していますが、漂着物の減少には至っておりません。 海岸漂着物についての現状と課題、そして今後の対策について県の所見をお伺いいたします。 厚生労働省は、近年、情報通信技術等の著しい進歩により、オンライン診療に対する現場の要請が高まってきたことに伴い、平成30年3月にオンライン診療の適切な実施に関する指針を発出しました。 また、ここ最近では、新型コロナウイルス感染症の流行により医療機関を受診することが困難となった患者や、宿泊療養施設の患者への医療提供手段としてオンライン診療が利用されることもあり、今後、さらなる情報通信技術の進展に伴い、情報通信機器を用いた診療の普及が一層進んでいくことと考えられます。 慢性的な医師不足の本県にとって、オンライン診療は地域医療・僻地医療を補完する意味でも重要であり、早期の実施を求めたいと思います。 県は新年度に、県内どこにいても適切な医療を受けられる体制を目指し、僻地等におけるオンライン診療のモデル事業実施に向けた検討を行うこととしていますが、オンライン診療に対して県はどのように考えているのか、所見をお伺いいたします。 遠隔医療のうち、オンライン診療は僻地や離島にとって、大変有効と考えますが、オンライン診療を推進するに当たり最も重要になってくるのが、信頼性の高い通信環境の確保だと考えます。僻地や離島ほどオンライン診療を必要とし、また有効な地域はありませんが、そんな僻地や離島ほど通信環境の整備が遅れているのも事実であります。今後、オンライン診療を推進していくためには、ハード面の整備が必要不可欠と考えますが、民間の通信会社は採算性を考慮するため、なかなか進まない現状であります。 県としても信頼性の高い通信環境の整備を進める支援策等の取組を行うべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、都市部よりも高齢化が進む僻地や離島におけるオンライン診療の場合、患者の年齢層が高齢のため、情報通信機器を上手に使えない可能性があります。ソフト面の整備として、情報通信機器の使用に慣れていない患者のために、オンライン診療を支援する支援員等を一定数確保していくことなど、受診への支援が重要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 岸田総理は2月17日、日本医師会の中川会長らとの会談で、まん延防止等重点措置の適用地域を対象に、オンライン診療等で新型コロナウイルス患者を診察する報酬の加算を、現行の1人2,500円から5,000円に引き上げる考えを示しました。 感染力の強いオミクロン株による感染拡大の中、本県も現在、まん延防止等重点措置が適用されており、施設や自宅での療養や経過観察等が増加すれば、オンライン診療の需要は当然増加すると思われます。 オンライン診療を行う医師は、2020年4月以降、厚生労働省が指定する研修を受けなければなりませんが、県内では研修を修了しオンライン診療が可能な医師は現在、何人程度確保されているのか、また可能な医療施設は何施設あるのか、お伺いいたします。 佐渡医療圏の2025年の医療需要及び病床数は、県の推計値によると558床ですが、佐和田病院の閉院、相川病院の有床診療所化等により、本年4月には388床にまで減り、特に慢性期病床が推計値135床の医療需要病床数に対し、116床も大幅に不足する状況となってしまいます。 佐渡医療圏の医療供給体制の維持について、昨年9月定例会の一般質問の答弁では、地域医療構想の実現に向けた今後の方向性を基に、地域医療構想調整会議等で議論を進め、佐渡医療圏において持続可能な医療供給体制が構築されるよう検討するとのことでしたが、その後開催された地域医療構想調整会議でどのような議論がなされたのか、現在の検討状況をお伺いいたします。 また、佐渡医療圏における持続可能な医療体制を構築するために、県として今後どのような支援が必要と考えているのか、併せてお伺いいたします。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 中川議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、佐渡島の金山の世界遺産登録に向けた取組についてでありますが、ユネスコへの推薦は、世界遺産登録を目指し20年余りにわたり取組を続けてきた本県にとって、大きな前進であり、まさにようやくスタートラインに立つことができたと考えております。 今後は、佐渡島の金山の文化遺産としての価値について国際的な理解が得られるよう、国や佐渡市とより一層緊密な連携を図りながら、できる限りの取組を進めてまいります。 次に、世界遺産登録に向けた県のワーキングチームの取組等についてでありますが、県のワーキングチームは、国際や広報などの部門を含む関係部局が一体となって、佐渡島の金山の文化遺産としての価値の国際的な理解促進のための取組を効果的に推進することとしております。 具体的には、ユネスコ世界遺産委員会の構成国等への情報発信や歴史的経緯に関する情報収集などに、国や佐渡市と連携をしながら、取り組んでまいります。 佐渡市とは、これまでも様々な取組において協働してきたところであり、今回の県のワーキングチームの立ち上げを契機に、より一層、連携を強化して取り組んでまいりたいと考えております。 次に、世界遺産登録の実現に向けた決意についてでありますが、佐渡島の金山の世界遺産登録の波及効果として、議員御指摘のトキエアの新規就航と併せ、さらなる交流人口の拡大が図られ、ひいては地域経済の活性化につながるものと期待をしております。 県といたしましては、県民の悲願である世界遺産登録の実現に向け、文化遺産としての普遍的価値について国際的な理解が得られるよう努めるとともに、佐渡の魅力の発信などにも、国や佐渡市、関係機関と連携しながら、全力で取り組んでまいります。 次に、佐渡汽船の第三者出資についてお答えをいたします。 まず、小木-直江津航路についてでありますが、みちのりホールディングスの松本CEOの発言につきましては、議員御指摘のとおり、国、県、市からの既存の補助金の継続を念頭に置いたものと伺っているところです。 また、同航路の維持については、みちのりホールディングスの経営手腕に期待しつつも、以前から大きな赤字が発生している航路であり、重要な課題であると認識していることから、地元市と共に持続可能性の確保に向けて検討してまいります。 次に、佐渡汽船への今後の関与についてでありますが、今回の出資により、佐渡汽船の事業継続に一定のめどが立つとともに、今後、みちのりホールディングスが培ってきた、様々な誘客促進や利便性向上などのノウハウが、佐渡航路をはじめ、地域全体の活性化につながることが期待されます。 県といたしましては、議員御指摘のとおり、佐渡市民にとって、生活、経済の生命線である佐渡航路の維持確保に向け、これまで同様、行政として責任を持って関与してまいります。 次に、トキエアの就航についてお答えをします。 トキエアの就航についてでありますが、議員御指摘のとおり、新潟空港の活性化や、選ばれる新潟を目指す上でも重要であり、また、先月立ち上げた新潟空港将来ビジョン検討協議会においても、トキエアは、新潟空港の将来の絵姿に大きなインパクトを与えることから、県といたしましては、これまで同様、最大限に対応してまいります。 なお、トキエアの現状と県の支援については、交通政策局長からお答えをいたします。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、国民保護に関する啓発等についてでありますが、議員御指摘のとおり、国民保護に関する啓発や訓練は重要であると認識しております。 県では、これまで弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を実施しているほか、有識者を招き、内外情勢や必要な備えについて、県民へ分かりやすく伝えるセミナーを開催するなど、啓発に取り組んでまいりました。 また、令和4年度には、複数の市町村と連携をし、大規模テロを想定した図上訓練を実施する予定としております。 引き続き、国や関係機関と連携をし、内外情勢等を見ながら、必要な啓発、訓練の充実に努めてまいります。 次に、粟島の特定有人国境離島地域への指定についてでありますが、議員御指摘のとおり、粟島は、領海基線を有しており、領海の保全等の活動拠点として機能しているほか、本土から遠隔の地に位置し、ピーク時から約6割人口が減少するなど、特定有人国境離島地域に指定されてしかるべき地域と認識しております。 県では、有人国境離島法が施行された平成29年度から、粟島の追加指定について、国に要望してきており、また、昨年7月には、同じ課題を有する都道県と連携をして、粟島など3地域を追加指定するよう、国に要望したところです。 引き続き、関係団体とも連携をしながら、粟島の特定有人国境離島地域への指定に向けて、取り組んでまいります。 次に、拉致問題の解決に向けた取組についてでありますが、北朝鮮は相次ぐ弾道ミサイルの発射により国際社会への挑発を繰り返しておりますが、米国のバイデン政権が、ウクライナ情勢への対応に追われる中、北朝鮮政策への影響を懸念する報道があることは承知しております。 拉致問題の解決を引き続き最重要課題と位置づける政府には、変動する国際情勢の中にあっても、状況を的確に把握しつつ国際社会との連携を適切に図り、北朝鮮への直接の働きかけを含め、あらゆる可能性を探りながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国に向け、全力で取り組んでいただきたいと考えております。 県といたしましても、国の外交交渉を後押ししていくため、市町村とも連携しつつ拉致問題への関心・理解が高まる取組を進め、県民世論の一層の喚起に努めてまいります。 次に、オンライン診療に対する考え方についてでありますが、本県は医師不足が深刻であり、人口減少や高齢化が進む僻地や離島において、医療へのアクセスの確保は今後ますます重要になってくるものと認識しております。 議員御指摘のとおり、オンライン診療は、条件不利地域の医療アクセスの補完ともなるものであり、地域医療の課題を解決するための有効な手段になるものと考えています。 次に、信頼性の高い通信環境の整備についてでありますが、国においては、デジタル田園都市国家構想の実現に向けて、今年度末にデジタルインフラの整備計画を策定することとしております。 その計画において、地方活性化や地方と都市の差を縮めることにもつながる光ファイバーは、2030年までに99.9%の世帯をカバーし、5Gは、2023年度までに現在3割程度の人口カバー率を9割に引き上げる予定であると承知しております。 県といたしましては、オンライン診療はもとより、県民に身近な教育、地域交通等の様々な分野においても、光ファイバー網や5G等のデジタル社会を支える情報通信インフラの確保は必要不可欠であり、地域間の偏りなく整備が行われるよう、今後とも国に要望してまいりたいと思います。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) お答えいたします。 海岸漂着物対策についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県の沿岸には、外国由来のポリ容器や木造船を含む漂着物が、毎年大量に漂着しております。 これらの漂着物を回収・処理するために、多額の財政負担が必要となっていることに加え、プラスチックごみによる海洋環境への影響も懸念されているところです。 このため、県といたしましては、引き続き、漂着物の回収・処理を進めるほか、海洋プラスチックごみに対する理解促進や不法投棄防止の意識醸成等の発生抑制対策に取り組んでまいります。 あわせて、国に対して、十分かつ恒久的な財源措置や、外国由来の漂着物への実効性ある発生抑制対策の実施を関係国に要請するよう求めてまいります。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 3点お答え申し上げます。 オンライン診療の受診支援についてでありますが、高齢化が進む僻地等において、オンライン診療を効果的に進めるに当たっては、議員御指摘の情報通信機器の操作に不慣れな患者への受診支援をはじめ、対面診療に比べて診療行為が限られることや、疾患の見落としのリスクがあることなど様々な課題が想定されます。 県では、新年度において、へき地等におけるオンライン診療モデル検討事業により、オンライン診療の実施に向けた検討を進めたいと考えており、こうしたソフト面の課題も踏まえながら、僻地等におけるオンライン診療の取組を進めてまいりたいと考えております。 次に、オンライン診療を実施する医療機関等についてでありますが、医療機関がオンライン診療を開始する場合は、県への報告を求めており、これまで累計418施設、延べ2,238人の医師がオンライン診療等を担当するとの報告を受けております。 県といたしましては、今後、県内のオンライン診療の状況をより詳細に把握するとともに、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、オンライン診療に積極的に取り組んでもらえるよう、周知にも努めてまいりたいと考えております。 次に、佐渡医療圏の持続可能な医療提供体制についてでありますが、議員御指摘のとおり、本年4月以降の佐渡医療圏における慢性期病床数は、平成27年3月に策定した地域医療構想の医療需要推計を下回っておりますが、実際の慢性期病床の入院患者数についても当初の予測を大幅に下回っており、程なく需給は均衡すると見込んでいるところです。 こうした状況を踏まえ、持続可能な医療提供体制に向けた医療機能再編や慢性期患者の受入れ促進に向けた医療と介護の連携促進に取り組むことを前提として、再編後の病床数などについても、昨年12月に開催された佐渡地域医療構想調整会議で合意がなされたところです。 今後は、医療と介護の連携促進をさらに進めるほか、佐渡医療圏の現状に係る周知啓発やICTを活用した医療サービスの向上などに取り組むこととしており、県としても持続可能な医療提供体制の早期実現に向けた支援を行ってまいりたいと考えております。 なお、今回の再編のきっかけとなった佐和田病院の医科閉院に伴う入院患者の転院はおおむねめどが立ったと伺っており、現在は外来患者の円滑な移行に向けた調整を支援しております。   〔産業労働部長佐野哲郎君登壇〕 ◎産業労働部長(佐野哲郎君) お答えいたします。 新型コロナウイルス感染症の拡大による外国人労働者の入国への影響等についてでありますが、新潟労働局の調査によりますと、令和3年10月末現在の県内の外国人労働者数は、前年比マイナス1.6%と、若干の減少にとどまっております。 特例措置により帰国できなくなった技能実習生が引き続き国内で働く例も少なくないことから、総数としてはおおむね感染症拡大前の規模となっておりますが、企業によっては、新規に受入れを予定していた実習生が入国できないなどの支障が生じている可能性もあるものと認識をしております。 一方、政府は、3月から、ビジネス関係者や留学生に加えまして、技能実習生の新規入国を段階的に認めるとともに、1日当たりの入国者の上限引上げと、入国後の待機期間短縮など、水際対策を緩和したところであります。県といたしましても、引き続き状況を注視してまいります。   〔交通政策局長佐瀬浩市君登壇〕 ◎交通政策局長(佐瀬浩市君) 9点についてお答え申し上げます。 佐渡汽船の少数株主に対する配慮についてでありますが、1株30円の買取り額については、佐渡汽船が依頼した第三者機関も株式価値を算定しており、その結果がゼロ円から21円の範囲であったことから、最終的には受入れに至ったと伺っております。 一方で、買取り額と同額での再出資も可能なことから、引き続き、佐渡汽船を応援いただくこともできる仕組みにもなっております。 なお、議員御指摘の株式公開買い付けについては、株主間の金銭授受にとどまり、佐渡汽船の資本増強にはつながらないことから、選択し得なかったものと伺っております。 次に、みちのりホールディングスとの協定内容についてでありますが、佐渡と本土を結ぶ唯一の佐渡航路の維持確保をはじめ、誘客促進や利便性向上における連携・協力や、協定の履行を担保する定期的な協議の場の設置などを盛り込む予定です。 なお、協議が調った段階で、速やかに公表したいと考えております。 次に、協定を通じた佐渡汽船への県の関与についてでありますが、本県に初めて拠点を置くみちのりホールディングス側も協定を重視しており、去る2月7日の出資表明の際も、同社から締結への意欲が示されていたところです。 県といたしましても、本協定の他の当事者である佐渡市や上越市とも連携しながら、確実に協定が履行されるよう、積極的に関与してまいりたいと考えております。 次に、みちのりホールディングスが第三者に株式を譲渡する場合についてでありますが、みちのりホールディングスは、既に株式は中長期的に保有すると表明しておりますが、仮に議員御指摘の事態となった場合には、まずは、現在協議中の協定に基づき、当事者間で十分な事前協議を行うことになると考えております。 次に、みちのりホールディングスの事業再生等の実績についてでありますが、これまで11社に対する実績がある中、グループ会社において、予約・決済などのデジタル化をはじめ、誘客や利便性向上などに関するノウハウの横展開など、単独ではなし得ない効果を生み出し、事業再生につなげてきたと伺っております。 このため、佐渡汽船においても、グループの一員として、これまでの実績を生かしていけるものと考えております。 次に、佐渡汽船の運賃見直しに伴う負担増についてでありますが、議員御指摘の負担増への懸念につきましては、国、県、佐渡市の協調支援として、佐渡市民の負担を増やさないための予算案をお諮りしているところです。 次に、トキエアの佐渡線における重量制限の課題についてでありますが、まず、航空法上においては、佐渡線の事業計画がトキエアから国へ提出された後、国は同法に従い、航空運送事業の許可に関する審査を行うこととなっております。 そのほか、重量制限による採算性への影響が考えられますが、トキエアからは、ビジネスクラスの導入により収益の改善を図ると伺っております。 次に、フジドリームエアラインズの神戸線就航等がトキエアに与える影響についてでありますが、LCCが既存路線に参入する場合、一般論として、低価格な運賃や運航便数の増加により、これまで航空機を利用しなかった層の獲得が期待されます。 新潟空港初のLCCとして就航したピーチ・アビエーションの新潟-関空線においても、コロナ前の平成30年度において、1日10往復ある伊丹線の利用が減少することなく、大阪路線全体として増加したことから、トキエアの就航においても、同様の効果が期待できるのではないかと考えております。 次に、トキエアの現状と県の支援についてでありますが、トキエアは、現在、資金調達をはじめ、航空機材の導入、就航先との調整、人材確保や航空運送事業許可申請の準備等に取り組んでおります。 また、県の支援といたしましては、利用促進や運航経費支援に加え、機材導入のためのふるさと融資や佐渡空港の整備のための関連予算を計上しております。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) お答えいたします。 新型コロナウイルス感染症拡大によるALTの入国への影響等についてでありますが、県立学校においては、令和2年度から3年度にかけて、予定していた期日に入国できなかったALTが7人いましたが、現在、そのうちの6人は既に入国し、勤務しております。 ALTが不在となった期間は、他校に配置したALTを派遣したり、近隣地域に居住する外国人を臨時の講師として招聘したりするなどにより対応しました。 なお、現在入国できていない1人については、本年8月に来日する予定になっております。 ○副議長(小島隆君) 中川隆一君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後2時45分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時 開議 ○議長(佐藤純君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、小山大志君の発言を許します。小山大志君。   〔小山大志君登壇〕(拍手) ◆小山大志君 自由民主党の十日町市中魚沼郡選出の小山大志です。 新型コロナウイルスの影響で、新潟県においても、様々な計画が変更を余儀なくされたことは言うまでもありませんが、新型コロナ後の経済や産業、地域社会の在り方を自らつくるという気概で、新潟県も柔軟に変革を進めていくことが必要です。コロナ禍においては、理念は変わらなくても、手段はそれぞれの立場から知恵を出し合いながら道を示すべきと考えます。そのような視点から、通告に従いまして順次質問いたします。 初めに、観光振興について伺います。 今年度から新潟県観光立県推進行動計画が策定されスタートしていますが、目指す将来像として「黄金(こがね)」と「白銀(しろがね)」で酔わせる新潟、全国から、そして世界から人々が訪れる地域へ、オール新潟で挑みますとのことであります。 新潟県のあらゆる地域資源を活用していく上で、30市町村とも連携して、オール新潟で新潟県のピンチをチャンスに変えていかなければいけません。 新潟県観光立県推進行動計画は、令和6年度までの計画となっています。残り3年となりますが、数値目標として、延べ宿泊者数1,200万人、外国人延べ宿泊者数80万人、1人当たりの観光消費単価においては、海外6万円、国内2.7万円を目標に掲げております。 現段階での数値達成については、まだ確認できないとのことですが、目標の達成に向けて、新型コロナウイルス収束後の本県への観光流動をいち早く回復させるために、市町村と連携し、魅力ある観光地づくりや発信の強化を推進する施策を着実に展開していくべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、コロナ収束後のインバウンド再開を見据え、本県としても国内在住の外国人へのアプローチを含め、効果的なプロモーションを行うことが重要と考えますが、海外誘客地域のターゲティングをはじめとした、今後の本県のインバウンド戦略についてお伺いいたします。 次に、新型コロナウイルスが収束してからの動き出しでは遅く、世界的に認知されている観光地、東京・大阪・京都・北海道・沖縄などには勝てないと感じます。 提案ですが、佐渡島の金山は世界遺産登録へ向けて国内推薦がなされました。早ければ2023年に世界遺産登録の実現となります。 また、燕三条地域は、世界的なコンベンションにも使われた食器をはじめ、世界に誇る日本のものづくりの聖地として認知されております。 あわせて、私の地元で開催されている大地の芸術祭は、アートにより地域の魅力を引き出し、交流人口の拡大等を図る事業として2000年にスタートいたしました。継続的に3年に1度開催されてきましたが、前回開催された2018年は、来訪者数約54万人、そのうち13.3%が外国人来訪者となります。新潟県内への経済波及効果は約65億円と、海外からも人が訪れ、アートによる地域づくりの先駆けとして認知されるまでに成長しました。 昨年は残念ながら1年延期となった大地の芸術祭ですが、いよいよ来月4月から開催されます。これまでは夏の50日間の開催でしたが、今回より4月29日から11月13日まで、145日間のロングランとなり、名称も越後妻有アートトリエンナーレから越後妻有大地の芸術祭に変更して、今後はコロナ禍に対応しながら、毎年、四季折々の通年誘客化を目指して取り組むとのことです。 今ほど、3か所を挙げさせていただきましたが、世界にも通ずる魅力的な地域が新潟県にはあまたあります。そのような観光地について、県が主導して複数のエリアを周遊する滞在型観光コンテンツの造成や、インバウンドを意識したダイナミックなモデルルートを、二次交通も含めて早期に検討していくべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、令和4年度から環境局と観光文化スポーツ部を設置する組織改正に伴い、観光局も再編されます。現時点では、観光局観光企画課内に大地の芸術祭支援担当が置かれておりますが、コロナ禍でも世界を視野に置いて、新たにチャレンジする越後妻有大地の芸術祭に対して専属の支援体制を継続して講じていただきたいと考えます。 それだけではなく、越後妻有地域の大地の芸術祭や燕三条のものづくりなど、県内の複数エリアにおける地域の魅力を広域的に結びつけて国内外に発信し、本県の交流人口の拡大に結びつけていくためには、東京事務所や大阪事務所をはじめ、縦割りにならないように部局を超えた体制で取り組むべきとも考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、冬季の観光需要の喚起・回復につながるように取り組んできた、使っ得!にいがた県民割キャンペーンですが、全国的に新型コロナウイルスによる感染急拡大が起きており、県内でも新規感染者が急速に増加しているため、令和4年1月19日から当面の間、使っ得!にいがた県民割キャンペーンの新規予約を停止しております。 観光事業者もかなり期待を持って事業体制を整えてきた矢先のことと思いますが、このたびの停止に伴い、宿泊業をはじめとする観光事業者の経済的な影響を伺うとともに、それに合わせた支援策を講じる検討はしているのか、お伺いいたします。 また、昨年のスキーシーズンには、にいがたスキーONI割キャンペーンのリフト券等の販売において、期間中の感染再拡大により一時販売を中止したものの、最終的には予算のほぼ全額を消化したことも踏まえ、今シーズンは予算規模を拡大して実施していますが、現状は令和4年1月19日から当面の間、リフト券等の販売を停止しています。 停止日以前に購入されたリフト券等の利用状況を伺うとともに、感染拡大が当面続いた場合、スキー場やその周辺の宿泊施設等への支援策を講じる検討はしているのか、お伺いいたします。 続いて、交通政策について伺います。 新型コロナウイルスの影響で経営悪化が深刻化している、えちごトキめき鉄道と北越急行に対して、いずれも筆頭株主である県が、合計約10億円を2月補正予算で支援します。財源は国の臨時交付金を活用するとのことで、えちごトキめき鉄道には7億5,000万円程度、北越急行には2億5,000万円程度であります。県は、えちごトキめき鉄道の93%、北越急行の55%の株式を有しており、いずれも筆頭株主であることから、さらなる支援を決めたとのことであります。 こうした厳しい経営状況を受け、えちごトキめき鉄道は昨年4月に再生協議会、北越急行は昨年9月に経営改善・活性化協議会をそれぞれ設置して、県や沿線自治体も参加し、経費削減や増収策などを議論しております。 県としても両社との意見交換から経営改善に向けた対応を始めるとのことでありますが、財政支援を継続して行うほど新潟県の財政状況には余裕がありません。スピード感を持って両社との改善に向けた協議を進めるべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、新潟空港においては、長引く新型コロナウイルスの影響により、空港利用者数が大幅に減少するなど、大変厳しい状況が続いております。 一方で、昨年11月には、国土交通省からコンセッションに向けた資産調査の結果が報告されるとともに、新潟県においても令和4年度予算案に、新年度に就航を目指す地域航空会社トキエアに関係した就航支援として約5.4億円を計上するなど、本気で力を入れて取り組む姿勢がうかがえることから、新潟空港を取り巻く新たな動きが具体化しつつあります。 こうした動きに対して、選ばれる新潟を目指した新たなビジョンを策定することと、その実現に向けた道筋について議論するため、官民が連携した、新潟空港将来ビジョン検討協議会を設置し、2月3日に第1回目の会合が開催されたと認識しておりますが、どのような議論がなされたのかお伺いするとともに、同協議会に対する知事の期待と展望をお伺いいたします。 そして、経営再建中の佐渡汽船においては、地方のバス会社等の事業再生を手がける、みちのりホールディングスのノウハウなど、佐渡航路の利便性の向上を視野に入れた動きがありました。 住んでよし、訪れてよしの新潟県を目指し、新潟県の公共交通網を考えたときに、陸路・海路・空路の交通網においては、それぞれ単独ではなく、ネットワークとしてつながるように、新潟県の拠点性を考えるべきです。 それぞれを点で捉えて議論するのではなく、官民が連携した会議体の中で、佐渡島の金山の世界文化遺産登録やアフターコロナのインバウンド増加を見据えて議論をするべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 続いて、除雪対策についてお伺いいたします。 今年に入り、大雪が続いたことを受け、新潟県災害救助条例が5市町で適用されました。津南町においては、16年ぶりに観測記録を更新し、積雪が419センチに達しました。 新潟県内における、このたびの大雪に関係してお亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げるとともに、建物等が被災されました方へ心よりお見舞いを申し上げます。 昨年11月時点の気象予報において、2シーズン連続で冬にラニーニャ現象が発生するため、昨冬と同様、西日本の日本海側を中心に降雪量が多くなる可能性があるとの予報が出されておりましたが、現状では予報どおりになっています。 これまでの傾向では、エルニーニョ現象が起こった後にラニーニャ現象が起こる可能性が高いとのことでしたが、最近はエルニーニョ現象の発生に付随する形ではなく、1年置きや2年置きなど、短い周期で起こることも増えているため予測は難しいとのことです。 だからこそ、1年後はもちろん、未来を見据えた上で質問に移ります。 まずは、このたびの豪雪とコロナ禍で逼迫した環境の中、除雪に携わっているエッセンシャルワーカーを雇用する事業者から、土日・休日の除雪作業に当たっての休日割増しの導入について、要望の声が多く出ています。 県管理道路の除雪に関わる事業者は352社とのことですが、事業者ごとの雇用形態の実態も含めて、全体像を把握した上で早期に検討するべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、今冬は、県内において山間部を中心に昨冬を上回る降雪量となるなど、昨年度に引き続き道路除排雪費の増加が懸念されます。 先月、国に対して大雪に対する緊急要望を行ったところでありますが、今後も県内各地の積雪状況を踏まえて、道路除排雪費に係る財源確保に向け、時期を捉えた要望を実施していくべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 続いて、マイナンバーカードについてお伺いいたします。 県内各市町村が昨年12月に改定した交付円滑化計画で設定した、令和3年度末までのマイナンバーカードの取得率目標を積み上げると、県全体で47.9%となりますが、現状としては令和4年2月1日時点で34.9%と、あと2か月を残して、目標のマイナス13%となっています。 県民の取得率向上を図るべく、令和3年11月1日から令和4年1月31日までの間、新潟県マイナンバーカード新規取得キャンペーンを実施しましたが、その成果を伺うとともに、令和3年度末の目標達成に向けた取組をお伺いいたします。 次に、新潟県は全国的にもワーストスリーの取得率となっております。県民に取得を促すことも必要ですが、促す側の取得率が高くなければ、説得力もありません。それを促す側の知事部局等、県職員の取得率は、令和3年11月末時点では49%とのことですが、令和3年度末までの県民取得目標である47.9%を上回っているとのことです。このことは、県民が早期取得に向かう気概への一助になっていると感じます。 そこで、最新の取得率を伺うとともに、県民に対して、より一層の後押しをするためにも、今後のさらなる県職員の取得率向上に向けた取組についてお伺いいたします。 また、コロナ禍で、ワクチン接種の専門部署を立ち上げた市町村においては、マイナンバーカードの交付に携わる職員の人手が足りないという声をお聞きします。 人手不足の点に関しましては、国の事業であるマイナンバーカードの交付事業費補助金により、補助率10分の10で経費が補助されます。昨年6月時点で、新潟市9名、長岡市5名、上越市6名について、当該補助金を活用して新たに人員を増やしたということです。 現状の市町村の人手不足の実態をお伺いするとともに、県として市町村への支援体制の強化について、これまでの取組と成果及び今後の取組についてお伺いいたします。 続いて、福祉・介護についてお伺いします。 初めに、認知症や知的障害、精神障害などの理由で意思能力が低下した方の権利行使を、本人に代わって不動産や預貯金などを管理したり、遺産分割の協議や介護施設への入所に関する契約を結んだりする成年後見制度ですが、市町村が主体的に取り組み、権利擁護支援の地域連携ネットワークや中核機関の構築を求められています。 しかし、市町村はそのノウハウを持っていなかったり、人材不足などから取組が十分に進んでいません。 また、新潟家庭裁判所の成年後見人等の報酬額の目安を見ると、基本報酬として月額2万円。ただし、管理財産額が1,000万円を超え5,000万円以下の場合には月額3万円から4万円、5,000万円を超える場合は5万円から6万円と見解を示していますが、管理財産額が1,000万円に満たない方が多いことや、県がマニュアルに挙げている法人後見年間収支モデル試算とも乖離しており、対象期間中の後見等の報酬と事務内容が合わないのが実態と聞いています。 県は市町村の体制整備の取組を支援していく必要があり、これからますますニーズが増える中、運営に係る専門的な人的支援や報酬等の財政的な支援を検討するべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、放課後等デイサービスについてですが、新潟県では令和3年4月1日現在、県内の放課後等デイサービス事業所数は177か所、定員合計は1,784人、5年前と比較して、事業所数、定員ともに約2.5倍になっているのが現状とのことです。 放課後等デイサービスは、学齢期の障害児を対象とする事業であり、教員から保護者に対して事業の情報提供をする場合もあることから、これまで県は、教育委員会が実施する教員向けの研修の中で、支援を必要とする障害児の保護者へ確実に情報が届くように、事業の周知を図ってきたと受け止めております。 令和3年12月に開催された厚生労働省が設置する審議会では、学齢期の障害児が通う放課後等デイサービスについて、現行の運営指針にある創作活動など4つの活動を全て行う総合支援型と、理学療法など専門性の高い支援を提供する特定プログラム特化型の2つに整理し、それぞれ機能を明確にすることで、支援内容のばらつきを是正する2類型に分ける方針を固め、報告しております。 今後、こうした方針を踏まえ、厚生労働省において検討することとしていますが、このたびの報告について所見をお伺いいたします。 次に、令和3年11月19日の閣議決定において、保育士等・幼稚園教諭、介護・障害福祉職員を対象に、収入を3%程度、月額9,000円引き上げるための措置を、新しい資本主義の経済対策の一環として打ち出しました。 令和3年度の補正予算では1,655億円が投じられ、介護職の賃上げには、このうちおよそ1,000億円が充てられるとされています。 政策の内容は、介護職のみならず保育士や看護師らの月収を令和4年2月から引き上げ、介護職員や保育士で月3%程度の賃上げを図る予定とのことです。支給については、介護職員処遇改善加算を算定する事業所が補助の対象となり、基本給か固定手当で実施することで調整されています。 月9,000円の賃上げということは、年額にすると10万8,000円もの賃上げが期待されますが、介護現場では、それでも不安の声が広がっているのが現状とのことです。 あわせて、この給与の公的価格の改善対象となる職員は、介護報酬上のサービスを行う介護職員のみとなっており、養護老人ホームの職員は対象に含まれておりません。 一方で、令和3年12月24日付で厚生労働省から各自治体に発出された、老人保護措置等に係る支弁額等の改定についての中で、養護老人ホームの職員の処遇改善を図るために、措置費等の基準について改定依頼がなされるとともに、令和4年度から地方交付税措置を講じることとされました。 このたびの国の決定を受けて、県として、高齢者福祉サービスの水準を維持発展させるために、養護老人ホームを所管する市町村に対しても働きかけを行うべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 また、政府の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針として、医療機関や高齢者施設等の従事者等に軽度であっても症状が現れた場合、早期に陽性者を発見することによって感染拡大を防止する観点から、政府は毎日の健康状態を把握するための健康観察アプリを活用しつつ、迅速に検査を実施できるよう、都道府県と連携し抗原簡易キットを可能な限り早く無料配布することとされました。しかし、養護老人ホームはまん延防止等重点措置の適用以前には配布対象に含まれておらず、自前で用意しなければいけない環境となっており、財政的に逼迫しているとの声を伺いました。 今後、感染拡大が懸念される状況においては、養護老人ホームを含め、万全の対策を講じていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 続いて、県政の諸課題についてお伺いします。 初めに、有害鳥獣駆除についてですが、新潟県内は、イノシシやニホンジカ等の大型獣の生息数及び生息域拡大に伴い、農林業被害及び人身被害が深刻な状況にあります。 令和2年度の野生鳥獣による農作物被害額は約3.2億円であり、前年比133%となりました。また、イノシシの被害も前年度から2.4倍と急増しております。 そして、2月4日にも南魚沼市において、児童が1人で下校中、体長1メートルほどのイノシシに襲われました。また、令和3年度の現時点における県内のツキノワグマ目撃・痕跡・人身被害の件数は690件、うち人身被害者数1名と有害鳥獣被害は年々増加傾向にあります。 有害鳥獣による農作物被害や人身被害は、年々深刻さを増しており、捕獲だけでなく、やぶ刈り払いなどの寄せつけない対策も含めて総合的に対策を実施していく必要があると考えます。 これらの対策を効果的に実施していくためには、地元市町村や猟友会、関係団体等との相互連携が重要と考えますが、こうしたことに対する認識を伺うとともに、今後どのように対策を講じていくのか、知事の所見をお伺いいたします。 次に、起業・創業についてお伺いいたします。 新潟県は、2018年の都道府県別新設法人率が最下位であったことを受けて、令和元年度より起業家を育成するための民間スタートアップ拠点の運営を、県内4つの運営事業者の選出から始め、スタートアップ推進事業における当初の方針として、若者が交流し、そこから刺激し合い連携する中で、新しいビジネスアイデアが生まれるよう、成長を促すことも視野に入れていたと受け止めております。 今では県内8か所となり、スタートアップ拠点からの起業者数は、新潟県の開業率向上に貢献していただけていると受け止めております。 そこで、県の総合計画における開業率の数値目標として、2024年度においては全国平均並み、全体で5.6%という開業率を目標としておりますが、これまでの成果を伺うとともに、令和4年度には支援対象期間が終了し補助金はなくなりますが、期待を込めて、各拠点の今後の取組に対する展望について知事の所見をお伺いいたします。 次に、新潟県森林・林業振興基本戦略についてお伺いいたします。 本県では、森林環境譲与税の使途にも関係する素材生産量について、令和2年度に20万立方メートルの生産目標とする中、1年前倒しで目標を達成し、現在は令和6年度の25万立方メートルを目標として取り組んでいると受け止めております。 あわせて、新潟県森林・林業基本戦略の策定に向けた検討を行っており、当該基本戦略の推進期間は令和4年度から令和10年度までの7年間、目標としては、循環型林業の中心となる木材の生産拡大や、川上から川下までの連携した取組を検討しているとのことであります。 戦略に合わせて、長期的な目標を打ち出したからこそ、川上、川中、川下が連携し、県産材の需要と供給のバランスを図りながら、利用拡大を進めていく必要があります。 また、他県に負けない競争力を育むため、市町村と共に森林環境譲与税や新たな財源等を戦略的に運用し、これまでも提案はしてきましたが、従来からの事業を切り替え、新たな事業に特化して投資をしたほうがよいとも感じます。 この基本戦略に合わせた令和4年度の主要事業について伺うとともに、その期待する成果について知事の所見をお伺いいたします。 次に、地震被害想定とインフラ整備についてお伺いいたします。 新潟県では、平成9年度以来24年ぶりに2回目となる地震被害想定調査を実施し、改定するとのことです。 最新の科学的知見を踏まえた結果、最も深刻なケースで、死者数はこれまでの想定の6.6倍に相当する7,920人、建物全壊17万1,244棟、避難者最大47万1,386人であり、県が近くまとめる最終報告書は、各市町村による防災計画の策定や避難訓練など減災に向けた取組に生かされるとのことであります。 この被害想定調査結果を受け、相応の対策が求められると思いますが、ソフト面での対応について所見をお伺いいたします。 あわせて、地震被害想定調査の結果を踏まえた対策については、ソフト面での対応に加え、防災拠点を結ぶ緊急輸送道路の被害を最小限にする必要があることから、橋梁等の耐震化や老朽化対策を一層促進する必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、教職員の確保についてお伺いします。 令和3年5月1日時点で、全国の公立小中学校の学級担任を務めている教員のうち、都道府県や政令市などの教育委員会が実施している採用試験に合格して登用された正規教員は約9割にとどまり、約1割は立場が不安定な臨時教員であったと、文部科学省は令和4年1月31日に初の調査結果を発表しました。 臨時教員の方の待遇改善も必要と考えます。今回の結果を踏まえ、全国的に義務教育の現場において、立場が不安定な臨時教員の方々に頼っている実態が分かったわけでありますが、本県の現状とその背景、今後の対応策についてお伺いいたします。 最後になりますが、北京冬季オリンピックでは、私の地元からクロスカントリースキー競技において、宮沢大志選手と児玉美希選手が出場しました。昨年夏の東京オリンピックに引き続き、本県出身の選手が大舞台で活躍する姿は、県民に大きな感動とともに前向きな力を与えていただきました。 また、2年ぶりに開催された第77回国民体育大会冬季大会スキー競技会においても、新潟県勢の活躍が光りました。近い将来、オリンピックでの挑戦を期待するとともに希望を見せてくれました。 花角知事におかれましても新たな挑戦をされるとのことでありますが、県民がさらに前へ進めるように、次世代においても希望が持てる力強いメッセージを期待して、私の一般質問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 小山大志議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、本県の観光流動の回復に向けた取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、新潟県観光立県推進行動計画に掲げる美食旅、ガストロノミーやスノーリゾート新潟の発信強化、本県産業・文化を生かした観光の推進などの取組を、市町村をはじめとする関係者と共に、オール新潟で実施していくことが重要であると認識しております。 県では、新年度に設置いたします観光文化スポーツ部の下で、感染収束後の観光流動の回復につながるよう、観光・文化・スポーツを通じた地域の魅力向上など、交流人口の拡大につながる施策を市町村等と連携しながら進め、全国や世界から多くの方々が訪れる魅力ある地域の実現に取り組んでまいりたいと思います。 次に、インバウンド再開を見据えた戦略についてでありますが、感染症が収束しない状況においても、外国人の訪日旅行に対する意欲は高いとされており、再開後の早期回復につなげるためには、インバウンドの受入れが停止している状況下でも、継続したプロモーションが重要であると認識しております。 県といたしましては、台湾、中国、オーストラリアなど、感染症拡大以前に訪日外国人が多く来県していた国・地域を中心に、旅行者の嗜好・ニーズを踏まえながら、スノーリゾート新潟をはじめとする、本県が強みを持つ観光テーマを重点的に発信してまいりたいと考えております。 また、議員御指摘の在留外国人へのアプローチに関して、在留外国人の方から本県の観光の魅力をSNS等を通じて発信してもらうことは、海外現地でのプロモーションが難しい中、効果的であると考えており、来年度も取組を強化してまいります。 あわせて、訴求力の高い観光コンテンツの造成や域内周遊を促進する取組への支援を行うなど、受入れ環境整備にも注力し、インバウンド再開後の誘客拡大につなげてまいりたいと考えております。 次に、インバウンド誘客に向けた、周遊モデルルートの検討等についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県には、佐渡島の金山や燕三条のものづくり、越後妻有地域の大地の芸術祭など、スノーリゾートのほかにも、外国人にとって魅力的なコンテンツが多数存在しており、これらを周遊ルートとして組み合わせ、発信していくことは、インバウンドの誘客拡大にとって効果的であると考えております。 県といたしましては、滞在型観光コンテンツの造成や二次交通の整備に取り組む地域を支援するとともに、広域観光推進の観点からリーダーシップを発揮し、訪日外国人の方から選ばれる魅力的な周遊ルートづくりに努めてまいります。 次に、交流人口拡大に取り組む体制についてでありますが、県内各地の魅力を発信し、交流人口の拡大に結びつけていくため、これまでも観光局を中心に、庁内各課や地域振興局、県外事務所等と連携をして事業を進めてきたところであります。 新年度の体制については、観光局に文化、スポーツの関係部署を統合した観光文化スポーツ部が、交流人口拡大に係る施策の中心的役割を担うことになりますが、美食旅、ガストロノミーや産業観光などの推進、また、首都圏等における情報発信や商品造成支援の展開に当たっては、議員御指摘のとおり、部局横断的な取組は今後も重要であると考えており、引き続き、部局を超えた協力体制の下、一層の交流人口拡大に取り組んでまいります。 次に、交通政策についてお答えをいたします。 まず、えちごトキめき鉄道と北越急行の経営改善についてでありますが、両社とも、沿線の人口減少や長引く新型コロナウイルスの影響により、厳しい経営状況が続いていることから、昨年来、県、沿線自治体、会社から成る協議会において議論を重ね、その結果として、議員御指摘の2月補正予算を計上したところであります。 引き続き、これらの協議会において、さらなる経費削減やポストコロナを見据えた増収策など、速やかな検討に努めてまいりたいと考えております。 次に、新潟空港将来ビジョン検討協議会への期待と展望についてでありますが、有識者や地元経済界などから幅広く御参加いただけたことにより、議員御指摘の選ばれる新潟を目指した、将来ビジョンの策定にふさわしい場になったものと受け止めております。 県といたしましては、この場を通じて、地元にとって望ましい新潟空港の絵姿や、その実現に向けた道筋を示してまいりたいと考えております。 なお、第1回協議会における議論については、交通政策局長からお答えをいたします。 次に、公共交通のネットワークとしての議論についてでありますが、県では、これまでも、各交通モード単独ではなく、関係交通事業者も交えながら、議員御指摘のネットワークとしての議論に努めてまいりました。 例えば、新潟空港のアクセス改善においても、鉄道、航路、バス・タクシーの事業者と共に、新潟駅や佐渡汽船ターミナルとの接続や、乗合タクシーによる観光地等への二次交通などを議論し、その結果として、支援パッケージを打ち出してきたところです。 今後も、官民連携の下、佐渡島の金山の世界文化遺産登録なども見据えながら、ネットワークとしての最適化とともに、本県の拠点性向上を図ってまいりたいと考えております。 次に、除雪対策についてお答えをいたします。 まず、道路除雪に関する休日割増しの導入の検討についてでありますが、県では例年、除雪シーズン後に全ての事業者へ除雪業務に関する実態調査を実施しております。 今冬の調査では、除雪オペレーターの雇用条件や休日割増しの支給などに関する項目を追加して、先月、調査の依頼を行ったところです。 今後、調査結果を基に勤務実態等を把握するとともに、国や他県の取組状況などを踏まえながら、休日割増しの必要性について検討してまいります。 次に、道路除排雪費に係る財源確保に向けた国への要望についてでありますが、議員御指摘のとおり、今冬は特に山間部を中心とした大雪となっており、各地で平年を上回る降雪量となっていることから、先般、国土交通省など関係省庁及び政府与党に対し、道路除排雪費に係る国庫補助等のさらなる支援について要望を行ったところです。 要望により、今冬も昨冬と同様な短期間集中降雪のため、例年より多くの除排雪費を要していることについて理解が得られたものと認識しております。 今後も、県内各地の積雪状況を踏まえ、道路除排雪費に係る財源確保に向けて、時期を捉えて要望を実施してまいります。 次に、福祉・介護についてお答えをいたします。 まず、成年後見制度の利用促進についてでありますが、国が策定した成年後見制度利用促進計画によれば、市町村には地域連携ネットワークや中核機関の整備等が求められておりますが、十分には進んでいないことは議員御指摘のとおりです。 県といたしましては、令和4年度に改定される次期成年後見制度利用促進計画において、市町村の体制整備に向けた都道府県の役割が強化されることを踏まえ、専門職の派遣や研修の充実などにより、全ての市町村において中核機関の設置・運営がなされるよう体制整備の支援をしてまいります。 なお、成年後見人等の報酬については裁判所において決定されるものでありますが、国においても財産少額事案における報酬の確保等については課題であると認識し、現在検討が進んでいることからその状況を注視してまいりたいと思います。 次に、養護老人ホームに対する抗原定性検査キットの配布についてでありますが、まん延防止等重点措置の適用以前には、施設ごとのリスクを考慮し、入所者の要介護度が比較的高い特別養護老人ホームなどの高齢者施設に対し、優先的に行っていたところです。 しかし、1月以降の新型コロナウイルス感染症の急激な拡大を踏まえ、まん延防止等重点措置適用後は、養護老人ホームに対しても抗原定性検査キットを無料で配布し、必要に応じて検査を実施していただいているところです。 今後とも、感染の状況を注視しながら、検査体制の充実に努めてまいりたいと考えております。 次に、県政の諸課題についてお答えをいたします。 まず、鳥獣被害対策に当たっての関係者の相互連携についてでありますが、近年、野生鳥獣による被害は増加傾向にあり、鳥獣被害対策を効果的に実施するためには、議員御指摘のとおり、地域の実情に詳しい市町村や猟友会、関係団体、地域住民等と連携をし、地域ぐるみで総合的に取り組んでいくことが極めて重要であると認識しております。 県といたしましては、鳥獣被害対策の関係者が現状認識や取組の方向性を共有し、有害鳥獣の侵入防止や捕獲等に一体となって取り組めるよう、基本方針の検討を進めているところです。 また、鳥獣被害対策を機動的に実施できる体制づくりに向け、捕獲技術の向上や合同現地訓練の開催等に必要な予算を本定例会にお諮りしているところです。 有害鳥獣による被害が深刻さを増す中で、関係者が総力を挙げて被害防止対策に取り組み、人と野生鳥獣が共生できる環境づくりを進めてまいりたいと考えております。 次に、民間スタートアップ拠点の成果と今後の取組についてでありますが、県が、官民連携により県内8地域に設置しました民間スタートアップ拠点では、起業を目指す方やその支援者とのネットワークが生まれ、伴走支援の体制が少しずつ機能し始めております。 その結果、この2年間で90を超える新たな起業家が誕生しており、こうした機運の高まりが国からも評価され、J-Startupプログラムの地域版であるJ-Startup NIIGATAの立ち上げにつながったと認識しております。 今後も、民間スタートアップ拠点を核とした起業関連イベントの開催や情報発信の強化に加え、エンゼル投資家などとのネットワーク形成やIT企業の集積なども併せて推進することで、人が人を呼ぶ好循環により起業・創業の活性化を図ってまいります。 次に、森林・林業基本戦略に期待する成果についてでありますが、現在、策定を進めています戦略では、森林資源の利用拡大と併せて、2050年カーボンニュートラルの実現を念頭に、二酸化炭素の吸収能力の向上など、森林の公益的機能のさらなる発揮を目指しております。 このため、従来の利用間伐主体の林業から、主伐・再造林主体の林業へと大きくかじを切り、伐って、使って、植えるという循環型林業を推進していくこととしております。 この循環型林業の取組を関係者が一体となって実行することで、森林資源の利用拡大による林業の成長産業化や、中山間地域の維持・発展につなげるとともに、脱炭素社会の実現に貢献していくことなどを期待しております。 なお、令和4年度の主要事業については、農林水産部長からお答えをいたします。   〔総務管理部長森永正幸君登壇〕 ◎総務管理部長(森永正幸君) 3点についてお答えいたします。 まず、マイナンバーカード新規取得キャンペーンの成果と今後の取組についてでありますが、キャンペーン実施期間中の県内市町村における月平均申請件数は、実施前の8,242件から2万432件と約2.5倍に増加し、カードの新規取得を促す効果があったものと考えています。 このうち出張申請による月平均申請件数は、実施前の720件から2,546件と約3.5倍に増加し、市町村のプッシュ型の取組を促進する効果もあったと考えています。 県といたしましては、国が実施しているマイナポイント第2弾を活用しながら、キャンペーン実施期間において取組が進んだ出張申請のさらなる拡大や、カードのメリット・安全性の周知を図ることにより、市町村の目標達成に向けて支援してまいります。 次に、県職員のマイナンバーカードの最新の取得率と今後の取組についてでありますが、本年2月末現在における知事部局等職員の取得率は52.4%となり、前回11月末時点から3.4ポイント増加しております。 引き続きマイナンバーカードの意義やメリットを職員に周知啓発するとともに、市町村による出張申請などを活用しながら、県職員の取得率向上に取り組んでまいります。 次に、マイナンバーカード交付事務に係る市町村職員の人手不足の実態と県の取組についてでありますが、昨年3月に、県内市町村と共に立ち上げた研究会での検討を踏まえ、必要な人員確保を進める観点から、議員御指摘の国補助事業を活用し、今年度は1月末までに14団体で計17人の職員が増員されたほか、新潟市、上越市において出張申請受付の取組に外部委託を導入したところです。 しかしながら、依然として人員体制が不足している状況もあると聞いており、市町村においては、令和4年度にも10団体で50人程度をさらに増員するとともに、新たに2団体で外部委託を導入することとしております。 県といたしましては、引き続き、カードの普及促進に向けた市町村の取組が円滑に進められるよう、国補助事業の活用に係る情報提供や、研究会を通じた好事例の横展開などにより、取組を支援してまいります。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) お答えいたします。 地震被害想定調査の結果を受けたソフト面での対応についてでありますが、本調査により明らかになった具体的な被害規模等の予測を踏まえ、県として、県内外からの人的・物的支援を有効に活用し、被災者を迅速に救済できるよう、広域的な応援・受援体制の整備や、被災地外での被災者の受入れ調整などの対策強化に一層努めてまいります。 あわせて、県民一人一人が大規模地震発生時のリスクを自分事として捉え、住宅の耐震化や自主防災組織の活動活性化など、被害の防止・軽減に資する基本的な事前対策に取り組んでいただくことの重要性を、改めて周知してまいります。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 2点お答え申し上げます。 放課後等デイサービスの審議会報告についてでありますが、社会保障審議会障害者部会で昨年12月に取りまとめられた中間報告においては、放課後等デイサービス事業所が増加している中、一部の事業所では専門性に課題が生じているとの認識の下、施設の特性に応じて類型を分け、求める専門性を明確にするとの方向性が示されており、県といたしましては、障害児に対する専門的で質の高い支援体制を構築しようとするものであると受け止めております。 県ではこれまで、障害特性に応じた専門性の高い支援が提供されるよう、放課後等デイサービス事業所に対して必要な指導助言等を行うとともに、支援の要となる児童発達支援管理責任者の研修を実施してきたところでありますが、今後国から新たな基準等が示された際には適切に対応し、引き続き質の高い発達支援を提供する環境整備に努めてまいりたいと考えております。 次に、養護老人ホームの職員の賃上げについてでありますが、介護保険対象施設における賃金改善が行われる中で、介護保険対象外施設である養護老人ホームの職員賃金改善に係る財政措置は、所管する市町村の判断に委ねられております。このため県としましては、市町村において賃金改善につながるための財政支援が図られるよう、市町村の状況を把握しながら、国からの情報提供に基づく助言等を適切に行ってまいりたいと考えております。   〔観光局長妹尾浩志君登壇〕 ◎観光局長(妹尾浩志君) 2点についてお答えいたします。 宿泊割引キャンペーンの新規予約停止による影響等についてでありますが、最新の集計によると、令和4年1月の利用実績は延べ約5万8,000人で、令和3年12月実績の延べ約14万9,000人の約4割にとどまっております。また、まん延防止等重点措置の適用以降は、宿泊等のキャンセルが相次ぎ、一時的に休業する施設もあると伺っております。 県といたしましては、1月19日から新規予約を停止している宿泊割引キャンペーン等を追加実施するため、必要な予算を本定例会で計上したところであり、宿泊事業者等の早期の業績の回復と安定につなげられるよう、感染状況等を注視しながら、機動的に開始できるよう準備を進めてまいります。 次に、リフト券等の利用実績と今後の支援策についてでありますが、スキーONI割キャンペーンのリフト券等の販売枚数は約13万枚、最新の集計で販売枚数の7割超となる約9万7,000枚が利用され、昨シーズンの約2万9,000枚を大きく上回る利用状況となっており、足元の需要喚起に一定の効果をもたらしたものと認識しております。 引き続き、利用状況を注視しながら、必要に応じて、現在3月末までとしている利用期間の延長を検討するとともに、先ほどお答えしました宿泊割引キャンペーンの追加実施に向けた準備を進めてまいります。   〔農林水産部長小幡浩之君登壇〕 ◎農林水産部長(小幡浩之君) お答えします。 森林・林業基本戦略を推進するための令和4年度の主要事業についてでありますが、戦略が目指す循環型林業を推進するため、低密度植栽など低コスト造林を支援し、その手法を普及するとともに、新たにコーディネーターを配置し、川上から川下までの関係者が一体となって、県産材の供給・利用拡大に取り組むつなぐプロジェクトを全県で展開してまいります。 また、県民の森林・林業に対する理解促進を図るため、県産材の利用は、森林整備の促進に加え、炭素の貯蔵にも貢献することなどを情報発信するとともに、住宅等での県産材利用を支援してまいります。 これらの取組を通じて、林業の成長産業化や中山間地域の維持・発展を推進するとともに、脱炭素社会の実現にも貢献してまいります。   〔土木部長金子法泰君登壇〕 ◎土木部長(金子法泰君) お答えいたします。 橋梁等の耐震化や老朽化対策についてでありますが、議員御指摘のとおり、災害発生時に緊急輸送道路の被害を最小限にする必要があることから、橋梁の耐震化については、第1段階として落橋や倒壊を防止する補強を実施しており、平成29年度に完了しております。 現在は、次の段階として、橋梁の被害を軽微な損傷にとどめ、被災後速やかに緊急車両の通行を確保できるよう、橋脚などのさらなる耐震補強を進めているところです。 あわせて、老朽化対策については、法定点検結果を踏まえ、施設の健全度等により優先度を定め、計画的に取り組んでおります。 今後も防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策などの有利な財源を最大限活用し、より多くの事業量を確保する中で、耐震対策や老朽化対策を着実に推進してまいりたいと考えております。   〔交通政策局長佐瀬浩市君登壇〕 ◎交通政策局長(佐瀬浩市君) お答えします。 第1回新潟空港将来ビジョン検討協議会における議論についてでありますが、総じて、根幹は新潟そのものの魅力を高めていくことであり、その中で新潟空港と県内産業や観光を結びつけた在り方を議論していく必要があるとの御意見を伺った次第です。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) お答えいたします。 正規教員と臨時教員の配置の現状と今後の対応策等についてでありますが、令和3年5月1日現在、本県の公立小中学校等においては、正規教員の割合は96%と、全国平均よりも高くなっておりますが、今後も多くの退職者が見込まれることから、再任用や新採用による必要数の確保に努め、正規教員の割合を維持してまいりたいと考えております。 一方、臨時教員については、今後の少子化に伴う学級減の影響を見据えた適切な定員管理や、小規模中学校の技術や美術等、授業時数が少ない教科での配置等のため、一定数は必要と考えております。県教育委員会といたしましては、臨時教員確保のため、退職者や教員免許保有者等に個別に働きかけるなど、引き続き人材の掘り起こしに努めてまいります。 ○議長(佐藤純君) 小山大志君の質問は終わりました。 次に、河原井拓也君の発言を許します。河原井拓也君。   〔河原井拓也君登壇〕(拍手) ◆河原井拓也君 自由民主党の河原井です。通告に従いまして、順次質問をいたします。 まず初めに、地域医療についてお伺いをいたします。 令和5年度の開院を目指す県央基幹病院に関して、先日市民、県民に対し行われた県央地域の医療再編に関するオンライン説明会や、臨床研修PR動画、また看護職員募集のライブ配信、医工連携の取組等、様々な施策を講じ着々と準備を進めておられるところでございます。こういった先駆的な取組には、一住民としても感謝と敬意を表する次第でございます。 県央基幹病院の再編対象病院である三条総合病院についてでありますが、そもそも県央基幹病院整備基本計画では、三条総合病院と燕労災病院を再編統合し、県央基幹病院を整備することとなっておりましたが、新潟県厚生連は当初、三条市の意向も踏まえて、県央基幹病院開院後も、県央医療圏の再編の激変緩和のため、医療提供体制が安定するまでの一定期間、統合される三条総合病院の跡地に回復期の患者に対応する有床診療所19床を残すとしておりました。 この方針は、令和2年3月3日に行われた県央地域医療調整会議に示され、了承後、同年3月25日の県医療審議会でも承認され、4月に厚生労働省の再編特例承認を得たものでございます。 しかし、急遽今年の1月28日に新潟県厚生連の代表理事長が三条市長と面会し、県央基幹病院の開院と同時期に三条総合病院を完全に閉院するとの旨をお伝えになりました。 三条市側は以前からの約束が180度変わる話として再考を求め、その後2月3日に改めて新潟県厚生連の代表理事長が三条市長と面会し、三条総合病院を有床診療所で存続させた場合、改修に数億円かかり、年間維持費も約1.8億円の赤字を見込んでいること、そして新型コロナウイルスの影響による医療需要の減少や業績悪化の懸念などを理由として撤退する意向を改めて示しました。 その後、三条市側も撤退について、やむなく致し方なしと了承しているところでございますけれども、このたびの三条総合病院の撤退に対し、県には事前にどのような説明があったのかお伺いをするとともに、一定期間でも存続させるため、県と地元市で支援も含めて検討することはできなかったのか、併せてお伺いをいたします。 また、三条総合病院にはこれまで地域の医療を担っていただきました。地域住民にとってなくてはならない病院であることからも、今回の三条総合病院の撤退について、今後の地域医療に不安を持つ地域住民、患者の方は多いものと考えます。 繰り返しになりますが、三条総合病院は県央基幹病院開院後も県央医療圏の再編の激変緩和のため、医療提供体制が安定するまでの一定期間、回復期の患者に対応する有床診療所を残し、県央基幹病院の後方支援を担うとなっておりましたが、その計画がなくなることで、今後県央医療圏の再編に対して影響はないのか、このたびの撤退に対する県の受け止めをお伺いいたします。 また、三条総合病院の閉院に伴い、人工透析等の地域住民への医療をほかの医療機関に引き継いでいかなくてはなりませんが、今後どのように調整をしていく方針か、お伺いをいたします。 このたびの三条総合病院の完全閉院は、医療再編の中で県央基幹病院の後方支援を担う病院と位置づけられた県立加茂病院、吉田病院の果たす機能に影響があるのか、また、県立加茂病院及び県立吉田病院の指定管理者募集が先月から始まったところでございますが、指定管理者の選定に向けどのようなスケジュールで取組を進めているのか、調整状況を含めてお伺いをいたします。 また、これまで医療再編に関する理解促進のための地域住民への説明会の開催等については、この一般質問の場でも何度か取り上げられてきましたけれども、県は県央地域の医療再編について、ユーチューブライブ配信による説明会、県央地域の医療再編に関するオンライン説明会を先月の2月18日に開催したところでございます。 この説明会では地域住民からどのような質問があったのか、また、この質問への受け止めを含めて概要をお伺いいたします。 また、今後、県央基幹病院の開院が近づくにつれて、具体的な診療内容や受診方法などが決まってくるものと考えますが、今後の地域住民への説明会の開催等をどのように行っていくのか、方針をお伺いいたします。 昨年からマイナンバーカードの健康保険証利用が始まりました。 マイナンバーカードを用いることで、医療情報の共有、また難解な手続や申請などが簡略化されるなど、利便性の向上が図られたわけでありますけれども、新潟県内の県立病院においてもマイナンバーカードの利用が可能となっている中で、これまでの患者の利用状況をお伺いいたします。 またあわせて、県内全域では2月13日現在、389機関で利用可能となっているとのことでありますが、導入の状況についてどのように評価をしているのか、お伺いをいたします。 国においては、薬剤情報や特定健診情報などのPHR、パーソナル・ヘルス・レコードを盛り込んだ医療情報ネットワークの構築が目指されております。 本県においては、にいがた新世代ヘルスケア情報基盤プロジェクトにおいて、将来的に集約した健康データをPHRとして県民に還元することも計画しているとの答弁が以前ございました。 国がPHRを進めようとする中、県はどのようなPHRを考えているのか、お伺いをいたします。 次に、雪対策について何点かお伺いをいたします。 自由民主党が年度内の成立を目指す豪雪地帯対策特別措置法改正案に、幹線道路の立ち往生対策を規定し、短期間の集中的な降雪時でも交通が確保できるよう、除排雪体制の構築などで国や地方自治体の役割を位置づける方向で現在検討が行われているとのことであります。 幹線道路の立ち往生対策も含めて、豪雪法の改正に対する期待をお伺いいたします。 豪雪地帯への対策を定める特別措置法の改正案の中で、高齢化を背景に、積雪地域で雪害による死傷者が増える中、新たに除雪作業時の事故防止が規定され、安全確保に取り組む自治体への交付金支給が明記されたとのことで、県の要望活動が実ったものと受け止めております。 新潟県では、全国初の住宅の屋根雪対策条例を策定するなど、雪に強い克雪住宅の普及と併せて、屋根の雪下ろし作業中の安全対策を推進しております。 昨シーズンの雪による死傷者は県内で364人、屋根の雪下ろし等の除雪による死傷者は県内で240人とのことでございました。 県では、屋根の雪下ろしの安全対策として、命綱の固定アンカーの普及を図るため、市町村と共に補助金による支援を行っておりますが、高齢者が住まう住宅では現状、命綱をつける設備がある家屋はほとんどなく、屋根の雪下ろしの安全対策としてのアンカーづけが現状と合っていないとの話もお伺いいたします。 業者に依頼すると、アンカー設置が約10万円から20万円程度、そして工事によっては足場の設置も含めると50万円前後かかる例もあるなど、高額のためちゅうちょする方もいらっしゃると聞きます。 さらに、周辺に頼める人がいない場合は、自力で雪下ろしをしなければならないのが実情であり、高齢者の独り暮らしも増えた中、1人で雪下ろしをする方も増えている状況でございます。 そこで、お伺いをいたしますが、県では、屋根の雪下ろしの安全対策として、命綱固定アンカーの普及を図るため、市町村と共に補助金による支援を行っておりますが、工事費に対して十分な補助額とならない場合もあると聞きます。また、1人で雪下ろしをする高齢者もいることから、高齢者世帯の雪下ろしについて、市町村と共に支援を強化していく必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。 空き家はその所有者・管理者の責任において適切に管理を行うべきものでありますが、屋根の雪が放置されて、倒壊等により近隣に危害を及ぼすおそれのある事例が毎年発生しております。 空家等対策の推進に関する特別措置法が施行され、倒壊のおそれ等のある空き家については、市町村が代執行できるようになっておりますが、空き家の除雪の課題をどのように捉えているかお伺いをするとともに、今後も空き家が増えてくると予想される中で、県としては空き家の屋根の雪下ろしに対してどのように対応していくのか、併せてお伺いをいたします。 次に、県政の諸課題について何点かお伺いをいたします。 国道403号線の整備の促進についてでありますが、加茂市長を会長とした国道403号線整備促進期成同盟会でも、整備の促進について長年要望が出されているわけであります。 一般国道403号道路改築事業において、国道403号線は新潟県の中央部を縦断して、磐越自動車道、北陸自動車道、上越新幹線等の高速交通網にアクセスするために、極めて重要な道路であります。 現在、県をはじめとした多くの御関係者の御尽力で、秋葉区から田上町、そして加茂市から三条市区間は着実に進められてきましたが、現在、三条北道路の工事が進められている中で、その先の道路についてはまだ事業化されておりません。 また、令和5年度の開院を目標とする県央基幹病院が救命救急センターとしての機能を十分に発揮するためにも、この道路は重要なアクセス道路であり、また、県央地区の長年の課題となっている慢性的な交通渋滞の解消を図るためにも、三条北道路の先線、これを早期に整備する必要があると考えますけれども、県としてはどのように考えているのか、御所見をお伺いいたします。 国道289号八十里越が今後5か年程度で開通する見通しとなり、昨年、知事も八十里越の工事現場を視察され、広域観光周遊ルートの形成による経済的交流に期待を述べられました。 地元市町村では八十里越体感バスツアーやマラソンイベントなど、八十里越をPRする取組が現在行われておりますが、県においても市町村と連携して、開通に向けて八十里越を活用した観光ルートのPRに力を入れていただきたいと考えますが、今後の県の具体的な取組をお伺いいたします。 2月の補正予算案に、新型コロナウイルス感染症により売上げが減少した飲食関連事業者に対する事業継続に向けた支援金が計上されておりましたが、この内容としては、新型コロナウイルス対応のまん延防止等重点措置等に伴う飲食店への営業時間短縮要請で売上げが減ったお酒や食材の卸、またタクシーや運転代行など、関連事業者に対して事業継続支援金を再支給するものです。支給は今回で3回目となり、新潟県内で経営する店が単独であれば20万円、また複数なら40万円を支給するということで、予算案を可決後、2月28日から申請の受付を開始しております。昨年に引き続いての予算計上となりますけれども、現下の飲食関連事業者の置かれている状況について知事の認識をお伺いいたします。 新型コロナウイルスの影響で苦境に立たされる業界、業者は多くございますが、飲食店関連事業者、特に交通・運送業等の苦境が最近報道で取り沙汰されることもよく目にします。 度々にわたるまん延防止重点措置の適用の影響、加えて昨年後半からの燃料価格の急激な高騰、営業収入が大幅に落ち込む中でタクシー会社等は稼働台数の削減や、乗務員の雇用調整、そして営業時間の短縮など経営努力を続けてきておりますが、やはり新型コロナウイルスの収束が見通せない中、厳しい状況が続いているわけであります。 タクシー業界でも様々な新しいサービスの取組をしているところでございますが、料理や食品のタクシーデリバリー、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた新たな観光需要の掘り起こしと体制づくり等、現況では経営に対する売上げ増加の効果は限定的であり、ほかの業種に参入する事業者も出てきているとお聞きいたします。 県内各地でデマンドや乗合タクシーなど、公共交通の一つとして、今後さらに地域の足として必要となるタクシー業界の苦境にも目を向けていかなければならないと考えます。 また、同じく支援の対象となる運転代行業でも、運転代行は運転代行業法では酔客のみに限定されることから、飲食店と同様に直接時短要請等の影響を大きく受け、新型コロナウイルスの影響で廃業や休業が相次いでいると聞きます。 今後、運転代行業者の減少により飲酒運転が増えるのではないかという心配の声を事業者の方からもお伺いをいたしました。 タクシーや運転代行等を例に挙げさせてもらいましたが、ほかにも多くの事業者、飲食関連事業者からは厳しい経営状況にあるという声を多く聞きます。 こういった飲食関連事業者の状況を踏まえ、事業継続支援金は十分な支援となっているのか、知事の認識をお伺いいたします。 現在、全国的にドローンの利活用の検討が進んでおります。輸送物流や防災、鳥獣対策、整備点検等々ドローンの利活用は多岐にわたります。 政府は、ドローンの利活用のレベルを4段階に分けておりますが、レベル1の目視内での操縦飛行、レベル2の目視内での自動・自律飛行は既に実用化されております。レベル3の無人地帯での目視外飛行についても、離島や山間部など人の少ない地域でサービスが現在開始されております。 そして、最後の段階のレベル4の有人地帯における目視外飛行については、2022年6月に改正される航空法により、機体の安全性を認証する機体認証制度と、操縦者の技能を証明する技能証明制度が創設される予定で、国としては2022年度をめどに、現行では飛行を認めていないレベル4を実現する方針ということであります。 レベル4の有人地帯における目視外飛行が公式に認められることで、様々なサービスの展開が可能となり、物流インフラとしてのドローン活用がさらに進んでいくものと考えます。 県内においては新潟市で、以前から民間企業とドローン実証プロジェクトに関する連携協定を結び、水稲の栽培管理、また海岸保安林の維持管理などに以前から取り組んでおります。 直近では民間企業と連携し、鳥屋野潟周辺においてドローンを使用したコーヒー配送サービスを今年の1月8日に限定で実施しました。国外では普及が広まりつつある一般顧客へのドローン配送を、国内で初めて実施した先行事例となったということであります。 昨年6月の新潟駅南口エリア、そして10月の信濃川やすらぎ堤での実証実験に続く第3弾となる今回は、ドローン飛行の安全設計の検証に加え、コーヒーチェーンによる実際のオペレーションと連動し配送することで、ドローン配送の消費者ニーズや実店舗導入における検証を行ったということであります。 このように、新潟市においても実証実験が進んでいるところであります。 人口減少や少子高齢化に伴い、交通手段や物流に関して支障が出ている集落が増加していると言われる中、課題解決への方策として、他県でも中山間地に住む住民の買物支援等、ドローンを用いた支援が増えてきております。 県内でもドローンを用いた物流については、中山間地や過疎地への商品配送、高齢者への薬の配送など、住民生活の向上のためにもドローンの有効活用が期待されます。 ドローン物流の実証実験については、昨年9月の定例会で、関連する業界団体の意向を把握しながら、ドローンの活用を研究するとの御答弁がありましたが、その後の状況をお伺いいたします。 政府は、賃上げを行う企業から優先的に調達を行うため、令和4年度から総合評価落札方式の評価項目に賃上げに関する項目を設け、賃上げ実施企業に対して評価点または技術点の加点を行うこととしております。 落札業者を決める際に、価格だけでなく、技術力や実績なども点数化する総合評価落札方式の入札が対象とされ、大企業は全従業員の平均給与を3%以上、中小企業は給与総額の1.5%以上、前年度か前年に比べて増やすことが条件となり、政府が掲げる成長と分配の好循環に向けての取組の一つと認識しております。 一方で、この制度について全国の建設業協会からは、建設業は年によって収益に増減があるため、毎年一定の率で賃上げを行うことは難しく、賃上げによる受注コストの増加によって適正利潤の確保が難しくなること、また賃上げ余力のない企業の受注機会の喪失など、中小企業と大企業の賃金格差の拡大も懸念されることから、意見書を国土交通省等へ提出しております。 この制度の導入は、本県の建設業界にとっても影響は小さくないものと考えますが、御所見をお伺いいたします。 第8期新潟県高齢者保健福祉計画において、今後必要となる介護職員数について、2019年時点で約3万4,100人のところ、2025年で約3万8,000人、2030年で約3万9,000人、2040年には約4万2,000人と見込まれており、今後ますます高齢化が進む中にあって、介護人材の確保は喫緊の課題であります。 現在、人材確保の取組として、介護業界での外国人の雇用を進めるため、政府はEPA・技能実習制度・特定技能などの制度を次々と導入している中で、協定を結ぶ国も増え、インドネシア・フィリピン・ベトナム・ミャンマーなど、介護業界を希望する多様な国・文化の人材が今後さらに増えていくことが推測されます。 さらには、もともと人手不足が深刻な介護現場では、新型コロナウイルスの感染対策とサービス継続の両立に苦慮している事業所も多くあり、新型コロナウイルスの影響で離職する方も増えてきており、人材不足でサービスの継続ができないという状況もあると聞きます。 人材不足が著しい新潟県において、介護人材の確保策の一つとして、外国人材の活用も必要であると考えますが、新型コロナウイルスの影響で技能実習生などが減少している中、今後どのように取り組んでいく方針なのか、お伺いをいたします。 国土交通省によれば、全国的にも建設業界は全産業の平均よりも高齢化が進んでいるだけでなく、建設業就業者の数も2002年の618万人から減少し続け、2010年には504万人まで減少し、近年は大きく減少はしていないものの、2019年では499万人となっております。 また、高齢化が進めば、引退によって就業者の数は減りますし、若年層の就業が活発にならなければ、やがて深刻な人手不足になることは目に見えているわけでありますが、本県でも令和3年12月の県内建設分野の有効求人倍率は9.45倍となっており、やはり依然として県内建設業の人材不足は顕著であります。建設業の人材不足は、災害復旧や除雪体制の維持にも支障を来すわけでございます。 県では建設産業マンパワーアップ総合支援事業において、建設産業の人材確保・育成の促進を図るため、建設業関係団体が行う取組に対して支援をしておりますが、この事業に対する評価を伺うとともに、今後の本県建設業の人材確保に向けた方針についてお伺いをいたします。 国の公表資料を基にした民間会社のリサーチによれば、建設業で働く、技術的・専門的分野の在留資格を有する海外人材は、5年連続で年率30%以上増加し、2020年には1万868人となりました。 建設技術者の人手不足が続く中、建設業各社が海外人材の建設技術者確保に積極的に動いていることが推察され、また、同じく厳しい人手不足が続く建設技能工については、2019年4月に新たに創設された特定技能の在留資格での海外人材数が伸び悩んでおり、今後は、人手不足の解消のためにも、この特定技能の海外人材をさらに積極的に受け入れて活用することが必要であるということでございました。 ただ、一方で建設業関連での外国人人材の雇用には多くの課題もあるとお聞きしますが、建設業においても今後の人材確保の一つとして、外国人材を活用することも必要と考えますが、本県の建設業における外国人材の活用状況と、外国人材活用に対する所見をお伺いいたします。 国土交通省はi-Constructionの一環として、現場での負担軽減と生産性の向上を図るため、コンクリートのプレキャスト化を推進しております。 また、採用に当たっては、プレキャスト工法はコンクリートの現場打ちに比べコストが高くなるため、工期の短縮や省人化なども評価するVFMの考え方が導入されていると聞きます。 本県建設業の生産性向上と担い手確保の観点からも、プレキャスト工法を積極的に発注工事に採用していくべきと考えますが、本県発注の建設工事における採用状況を含めて、所見をお伺いいたします。 旅客列車を活用して農産物を運ぶ貨客混載が徐々に、現在、全国的にも拡大しております。 本県においても、上越新幹線で本県産フルーツを東京に運んで、一流ホテルのパティシエが限定スイーツに仕上げ、首都圏及び地元で催事販売するという様々なトライアルの取組が行われているところでございます。 富山県や石川県においても北陸新幹線を活用した水産物の輸送が行われております。 新潟駅のほか、県内の主要な駅から各地域の新鮮な食材を首都圏に届けることで、流通の拡大につなげることができると考えますが、御所見をお伺いいたします。 人口減少や高齢化の進展に伴い、中山間地域等においては、空き家や里山の管理、高齢者の見守りや雪かきなどの生活支援等の需要が増加しております。 そうした中、地域住民自らが主体となって、地域住民や地元事業体との話合いの下、それぞれの役割分担を明確にしながら、生活サービスの提供など、地域課題の解決に向けた取組を持続的に行う地域運営組織の役割が注目されております。 県では、住民主体の地域づくり活動を促進するため、市町村と連携し、地域運営組織の設立・活動を支援しておりますが、一方で、市町村においては、厳しい財政状況や職員の削減、市町村合併による面積の拡大などを背景に、従来の行政サービスの水準を維持することが困難となってきている状況もあります。 こうした中、地域運営組織が生活支援サービス需要の増加と、民や公のサービス提供機能の低下によって生じた隙間を埋め、地域で暮らし続けたいという希望を実現するため、サービスを提供する役割を果たしていくことが今後必要になると考えますが、県内の地域運営組織の現状と併せて、県の支援策についてお伺いをいたします。 最後に、高齢者人口の増加や高齢化率の上昇に伴い、社会における高齢者の存在や役割は一層大きくなってきております。 一方で、高齢者のライフスタイルの多様化などにより、高齢者に占める老人クラブ加入者は減少傾向にありますが、現在も老人クラブは地域活動を支える重要な担い手として一定の役割を果たしております。 県は高齢者福祉政策を推進する上で、県内の老人クラブ組織を束ねる新潟県老人クラブ連合会や市町村老人クラブ連合会との連携を図り、老人クラブの活動を支援していくべきと考えますが、御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 河原井議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、三条総合病院の方針変更についてでありますが、三条総合病院の有床診療所への転換は、県央地域の医療再編に伴う急激な医療提供体制の変化を懸念する地元市の意向を踏まえ、厚生連が暫定的な対応として行うものであったと認識をしています。 県といたしましては、将来的には再編統合される方針であることや、圏域内における回復期の医療需要を受け止められる医療提供体制が確保されていることから、当時からその運営に対し、支援は考えておりませんでした。 また、有床診療所への転換が決定された後の状況として、患者が想定よりも減少しております。 厚生連からは、県に対して、新型コロナウイルス感染症の収束後においても、医療ニーズは戻らないものと想定される中、ニーズの減少と業績悪化への懸念などから、方針変更の判断をしたとの報告を、三条市への申入れの直前に伺っているところであります。 次に、県央基幹病院開院後の医療提供体制についてでありますが、県が県央地域全体の医療需要を基に行った推計によりますと、三条総合病院から転換する有床診療所が想定していた医療需要は、医療再編後の加茂、吉田、済生会三条病院の回復期を中心とした地域包括ケア病棟において受け止めることができるものと認識しております。 この推計は、新型コロナウイルス感染症の流行前のものであり、感染症の影響を踏まえた直近の医療需要につきましては、今後、厚生連が県央地域医療構想調整会議において、患者の引継ぎなどと併せて説明していくことが望ましいと考えております。 県といたしましては、県央基幹病院の開院をはじめとする県央地域の医療再編を着実に進め、周辺の病院や診療所とも連携することにより、住民が安心して医療を受けられる医療提供体制の構築に努めてまいります。 次に、雪対策についてお答えをいたします。 まず、豪雪地帯対策特別措置法の改正に対する期待についてでありますが、豪雪法の改正に向けては、これまで、全国積雪寒冷地帯振興協議会の会長として、特例措置の延長のほか、今般国において創設された交付金など国の予算措置の義務づけや、安全装備の普及、克雪技術の開発等を要望してきたところです。 現在、これらの要望事項に加え、議員御指摘の幹線道路の除排雪体制の構築や、中長期的な視点に立った理念規定等について、与野党間で議論されていると聞いております。 県といたしましては、人口減少や高齢化の進展、短期集中豪雪といった雪の降り方の変化の中で、毎年多くの方が除雪作業中の事故によりお亡くなりになっているといった実態を、国政において御理解いただき、豪雪地帯に暮らす方々への力強いメッセージともなるような法改正を期待しております。 次に、高齢者世帯の屋根雪下ろし等に対する支援の強化についてでありますが、県では、集落など地域コミュニティーによる除排雪体制を確保するため、特別豪雪地帯の市町村が実施する屋根雪下ろしなど集落除雪に対する支援を行ってきたほか、今年度からは、屋根雪下ろしの安全対策として、アンカー設置に係る市町村への補助制度を創設するなど、市町村と連携をしながら取組強化に努めてきたところです。 アンカーの設置をはじめとした安全装備の普及については、本年3月に特例措置の期限を迎える豪雪地帯対策特別措置法の改正に向け、全国積雪寒冷地帯振興協議会の会長として、国に要望してきたところであり、今後の法改正等の状況も踏まえ、引き続き、市町村と連携しながら、高齢者世帯等の屋根雪下ろしの安全対策の強化に努めてまいります。 次に、空き家除雪の課題と対応についてでありますが、議員御指摘のとおり、倒壊のおそれ等のある特定空家等については、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、市町村において除却等ができることとされておりますが、除却を行うためには、所有者等に対する助言・指導、勧告、命令といった一定の手続を経る必要があることから、切迫した状況の下で迅速な危険回避ができないといった課題があると認識しております。 また、一部の市町村では、独自の空き家条例に基づき緊急的に除雪を行っている例もありますが、市町村が除雪をすることで所有者が除雪しなくなる、所有者不明等で除雪費用を回収できないなどの問題点が指摘されております。 県といたしましては、引き続き、所有者等が自ら空き家除雪を行うよう、注意喚起に努めるとともに、市町村における空き家除雪の課題等を踏まえ、国に対し、制度上の措置や財政上の支援について要望してまいります。 次に、県政の諸課題についてお答えをします。 まず、飲食関連事業者の状況についてでありますが、商工団体からは、県内の卸・小売業などでは、年末年始にかけては業況が回復基調にあったものの、まん延防止等重点措置の適用に伴い、来店客の減少に加え、新年会やイベントなどのキャンセルも相次ぎ、売上げが減少しているとお聞きしております。 また、飲食店を主な取引先としている酒類小売店や運転代行業においては、売上げの減少幅が大きいとのことであり、さらに厳しい状況にあると認識をしております。 次に、事業継続支援金についてでありますが、飲食関連事業者については、その業種・業態の裾野が広いことに加え、営業活動への特段の制限はないことから、定額の支援としているところであります。 県といたしましては、影響の大きい事業者には、国の事業復活支援金の活用や市町村が同様の支援制度を設けている場合はその利用も促すとともに、感染状況が一定程度落ち着いた段階において、需要喚起に向けたイベント支援等により経済活動の活性化を図ってまいります。 また、経済情勢等を踏まえ、市町村との連携も図りながら、さらなる支援の必要性についても検討してまいります。 次に、国の総合評価落札方式における賃上げ加算措置に伴う本県の建設業への影響についてでありますが、国では、成長と分配の好循環の実現に向けて、令和4年4月から、総合評価落札方式において賃上げを実施する企業に対する加点措置を行うものと聞いております。 この制度は、賃上げの効果が期待される一方で、議員御指摘のとおり、賃上げ余力のない企業の受注機会の喪失等が考えられ、中小企業の多い本県にとっては、その影響が懸念されることから、引き続き国や建設関係団体の動向を注視してまいります。 次に、外国人介護人材活用の取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、介護人材の確保は喫緊の課題であり、これに対応するため、国では、外国人材の活用に向け、様々な在留資格の創設を行っているところです。 本県においても、現在は、新型コロナウイルス感染症の流行による水際対策のための入国制限の影響を受けてはいるものの、全体として、外国人介護人材は着実に増えてきております。 県といたしましては、介護福祉士養成施設に入学する留学生への支援を充実させるため、介護現場からの要望が大きい介護福祉士等修学資金の貸与枠の拡充に係る令和4年度当初予算案を本定例会にお諮りしているところであり、養成施設や介護事業所、関係団体などと連携を図りながら、必要となる介護人材が確保されるよう取り組んでまいります。 次に、県内建設業の人材確保の取組方針についてでありますが、県民の安全・安心の確保を担う建設産業が、将来にわたりその役割を果たしていくためには、人材確保が喫緊の課題であると認識しております。 県といたしましては、第四次・新潟県建設産業活性化プランに基づき、建設産業の労働環境の改善やICT活用などによる生産性の向上を促進するとともに、建設企業のSDGs達成に向けた取組を官民一体となって発信することにより産業イメージを変革し、人材確保につなげてまいりたいと考えております。 なお、建設産業マンパワーアップ総合支援事業に対する評価につきましては、土木部長からお答えをいたします。 次に、貨客混載による県産農林水産物の流通拡大についてでありますが、近年、速達性や定時性等の利点を有する新幹線輸送は、新鮮さなど付加価値を高める輸送手段として、鉄道事業者により提供サービスの拡充が進められております。 また、他県では、既に水産物などで定着している事例も出てきていることから、本県においても検討の余地があるものと考えております。 県といたしましては、産地から駅までの輸送方法や輸送時の温度管理、採算性など品目によって課題も異なることから、関係する事業者の意向等も伺いながら、トライアル輸送を継続するなど、県産農林水産物の流通拡大に向けた取組を推進してまいります。   〔知事政策局長小岩徹郎君登壇〕 ◎知事政策局長(小岩徹郎君) お答え申し上げます。 県内の地域運営組織の現状等についてでありますが、昨年度、市町村に対して行った調査によると、県内には219の地域運営組織が存在しておりますが、一部の市町村には全く組織がないなど市町村によってばらつきがあるものと受け止めております。 議員御指摘のとおり、中山間地域等においては、人口減少や高齢化の進展に伴い、集落機能の低下や民間サービス等の減少といった課題が顕在化しており、地域課題の解決に向けた取組を持続的に実践する地域運営組織の役割が、今後ますます重要になってくるものと考えております。 県といたしましては、市町村と協働し、中山間地域などの地域の実情に応じた組織の在り方等を検討するとともに、住民主体による話合いや、高齢者等の移動支援などの実践活動を伴走支援することで、地域運営組織の形成を促してまいります。   〔総務管理部長森永正幸君登壇〕 ◎総務管理部長(森永正幸君) お答えいたします。 マイナンバーカードを健康保険証として利用できる医療機関の状況についてでありますが、カードの健康保険証利用を推進している国の公表によれば、県内における利用可能な医療機関数は、2月13日現在、389機関で、全3,743機関に対する導入割合は10.4%で、全国平均の11.9%と同程度ではありますが、さらに導入を進めていく必要があると考えております。 なお、健康保険証利用の導入に必要なカードリーダーの申込機関数は、2,087機関と全体の55.8%となっておりますが、世界的な半導体不足の影響もあり、必要な機材の調達が遅れている状況にあるものと承知しております。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 4点お答え申し上げます。 三条総合病院の閉院に伴う透析医療提供体制の在り方についてでありますが、もとより、三条総合病院が有床診療所に転換するとしても、その存続は、数年程度の暫定的なものであったことなどもあり、三条総合病院の透析患者は、県央基幹病院において、引き続き透析医療を受けられるよう、必要な人工透析台数を整備することとしておりました。 今後、三条総合病院の透析患者は、基本的には県央基幹病院に引き継ぐことになりますが、患者の希望に応じて、厚生連がより身近な地域の透析医療機関を紹介するなど、患者が透析医療に困らないよう着実に引継ぎを行うこととしております。 また、三条総合病院のそのほかの患者の引継ぎにつきましても、厚生連からは、患者の病状や希望を踏まえ、周辺の医療機関に紹介するなど、適切な医療を受けられるよう対応すると伺っております。 県といたしましては、厚生連に対し、入院・外来患者に対するケアはもとより、住民等に対して丁寧な説明や情報を発信するなど、責任を持った対応を求めるとともに、県央基幹病院の開院をはじめとする県央地域の医療再編を着実に進め、周辺の病院や診療所とも連携することにより、住民が安心して医療を受けられる医療提供体制の構築に努めてまいります。 次に、県央地域の医療再編に関する住民説明会についてでありますが、2月18日開催の説明会では、県央医療圏の医療再編の内容、県央基幹病院のER救急体制や受診方法、加茂、吉田病院の今後の姿など、再編への期待と不安の両面から数多くの質問が寄せられました。 改めて、医療再編を進めるに当たり、住民の気持ちに寄り添いながら、丁寧かつ様々な機会を捉えて繰り返し説明していくことが重要であると認識したところであります。 引き続き、県央基幹病院が提供する医療、他病院との役割分担の内容など、医療再編後の医療提供体制のほか、原則、紹介制となる受診方法などについても、住民の皆様に、丁寧に説明していく必要があると考えております。 今後も、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえながら、直接住民に対して説明を行うなど、情報発信や分かりやすい説明の機会を設けてまいります。 次に、にいがた新世代ヘルスケア情報基盤プロジェクトの県民への還元についてでありますが、国のパーソナル・ヘルス・レコード、PHRの取組では、薬剤情報や特定健診情報などの閲覧・共有が主な目的であるのに対し、本県の取組は、薬剤を含むレセプト情報や特定健診情報のみならず、患者の症状も把握可能な電子カルテ情報の集約も検討していることに加え、集約した情報を分析し、個人に助言する形でフィードバックするものであり、一人一人の行動を変えていく効果が期待できるものと考えております。 県といたしましては、国の取組や有識者で構成する推進委員会の議論を踏まえ、丁寧に進めてまいりたいと考えております。 次に、老人クラブ等への支援についてでありますが、高齢化の進展に伴い、要介護認定者の増加や単身世帯高齢者等の地域社会からの孤立化の懸念などの課題への対応として、住み慣れた地域で自立した日常生活を継続できる地域包括ケアシステムの構築が求められております。こうした中、老人クラブが行う見守りや支え合い、ボランティアや健康づくり等の活動が地域の支え手として一定の役割を果たしていると認識しております。 県といたしましては、引き続き、老人クラブがそれぞれの地域において主体的に活動できるよう、新潟県老人クラブ連合会や市町村老人クラブ連合会と意見交換等を通じて課題を把握するとともに、好事例の紹介などの活動の活性化に向けた支援を行ってまいります。   〔観光局長妹尾浩志君登壇〕 ◎観光局長(妹尾浩志君) お答えいたします。 八十里越を活用した観光ルートのPRについてでありますが、八十里越の沿線地域では、議員御指摘のバスツアーやマラソンイベントのほか、県央・会津両地域の米を使った焼酎の製造・販売が行われるなど、様々な取組が実施・検討されていると承知しております。 また、八十里越が開通すれば、これらの地域が短時間で結ばれるほか、魚沼、長岡、阿賀地域などを巡る大きな周遊ルートによる、県内広域への誘客が期待されます。 県といたしましては、八十里越を活用した観光ルートの形成に向けて、沿線地域で進められている観光連携の取組や、周遊が期待される地域を含む観光資源の磨き上げの取組等を後押しするなど、関係者と共に準備に努めてまいりたいと考えております。   〔土木部長金子法泰君登壇〕 ◎土木部長(金子法泰君) 4点についてお答えいたします。 三条北道路の先線の整備についてでありますが、議員御指摘のとおり、国道403号は県央基幹病院への重要なアクセス道路であると認識しており、現在、三条北道路につきましては開院を見据えた供用に向けて取り組んでいるところです。 また、新潟圏域と県央圏域とを接続する国道403号は広域道路ネットワークとしても重要な路線であり、広域連携強化の観点からも三条北道路の先線の延伸は重要であると認識していることから、整備の優先度や国道289号の市街地部における渋滞対策など課題への対応について、三条市など関係機関と検討を始めているところです。 次に、建設産業マンパワーアップ総合支援事業の評価についてでありますが、本事業は、建設産業の人材確保・育成の促進を目的として、建設関係団体が行う入職促進や人材の定着に向けた取組を支援しております。 平成28年度の創設時と比較し、現在は、申請団体や取組の件数が増加するとともに、若手・女性技術者が参加者目線で企画するなどの工夫も見られ、本事業を通して、業界全体の担い手確保に真剣に取り組む機運が高まったものと考えております。 新年度では、アドバイザー活用による取組内容のさらなる充実や、参加団体の拡大に取り組み、将来の担い手確保につなげてまいります。 次に、本県建設業における外国人材の活用状況と今後の活用についてでありますが、県内建設業では、令和3年10月末現在、267事業所で793人の外国人が雇用されており、常用労働者に対する外国人の割合は、近年おおむね1%前後で推移しております。 令和2年度に県が実施した県内建設企業に対する意識調査によれば、85%の企業が今後も外国人材を雇用する予定はないと回答しており、課題として、言葉の壁やコミュニケーションの不安などを挙げる企業が多い状況となっております。 新型コロナウイルスの影響もあり、今後の見通しは不透明でありますが、県といたしましては、グローバル化が進む中、将来的に外国人雇用は、県内建設業の人材確保の一つの方法となり得ることから、引き続き、国や関係団体の動向を注視してまいりたいと考えております。 次に、本県発注の建設工事におけるプレキャスト工法の採用についてでありますが、汎用性の高いプレキャスト工法については、工期短縮や省人化などに効果があることから、これまでもボックスカルバートや消雪パイプなどで採用しております。 一方で、大型や特殊な製品など、汎用性の低いプレキャスト工法の採用については、経済性に加え、現場状況や工期等を総合的に判断し、現場打ちとの比較検討を行い決定しております。 プレキャスト工法につきましては、今後も、経済性を踏まえつつ、生産性の向上や担い手確保に向け、適宜、採用してまいります。   〔交通政策局長佐瀬浩市君登壇〕 ◎交通政策局長(佐瀬浩市君) お答えします。 ドローンを活用した物流の実証実験についてでありますが、県内では、新潟市内でのフードデリバリーの事例をはじめ、阿賀町でも高齢者の買物支援への活用を年度内に予定しております。 一方で、県内の関係業界からは、一部の事業者が活用を研究している段階と伺っておりますが、議員御指摘のとおり、県外では様々な実証事業も行われていることから、県といたしましては、引き続き、先進事例の収集とともに、関係業界とも意見交換してまいりたいと考えております。   〔病院局長藤山育郎君登壇〕 ◎病院局長(藤山育郎君) 2点についてお答えいたします。 まず、三条総合病院の閉院に伴う加茂、吉田病院への影響と、指定管理者選定に向けたスケジュールについてでありますが、加茂、吉田病院とも県央基幹病院の後方支援病院としての役割を担うこととされており、同じ役割の三条総合病院が閉院したとしても、加茂、吉田病院の機能への影響はないものと考えています。 また、現在、両病院とも指定管理者を募集中であり、今後、指定管理者審査委員会で審査を行った上で、指定管理者候補を決定し、県議会の議決を経て指定管理者を指定することとなります。 このままスケジュールに滞りがなければ、6月定例会で指定管理者を指定するための議案を提出できるものと考えております。 次に、魚沼基幹病院等を含む県立病院における、マイナンバーカードの健康保険証としての利用状況についてでありますが、昨年10月からの国の本格運用に合わせ利用を開始しており、1月末までの利用者数は383人で、外来患者総数に占める割合は0.1%程度となっております。 ○議長(佐藤純君) 河原井拓也君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(佐藤純君) これにて本日の一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(佐藤純君) お諮りいたします。 次会は、明3月3日午前10時から開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(佐藤純君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(佐藤純君) 本日の議事日程は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 △午後4時56分散会...